決算委員会 第2号
- 発言数
- 327 件
- 登壇者
- 53 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1997/05/01
会議録
○委員長(野沢太三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二月二十八日、筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として緒方靖夫君が選任されました。 また、昨三十日、岩井國臣君及び須藤良太郎君が委員を辞任され、その補欠として上杉光弘君及び村上正邦君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に緒方靖夫君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) この際、会計検査院長疋田周朗君及び検査官杉浦力君からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。会計検査院長疋田周朗君。
○会計検査院長(疋田周朗君) このたび会計検査院長を拝命いたしました疋田でございます。 もとより微力でございますが、最善を尽くしまして職務を全うしたいと考えております。何とぞよろしく御指導御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(野沢太三君) 次に、検査官杉浦力君。
○検査官(杉浦力君) このたび会計検査官を拝命いたしました杉浦でございます。 微力ではございますが、国民の皆様方が会計検査院に対しましてお持ちの気持ちを含めまして、誠心誠意職務に専念させていただきます。皆様方の御指導御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 次に、平成七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書及び平成七年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、以上三件を一括して議題とし、説明を聴取いたします。三塚大蔵大臣。
○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました平成七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成七年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、平成七年九月五日から平成八年三月二十七日までの間において使用を決定しました金額は五百七十八億二百五万円余であり、その内訳は、災害対策費として、住宅施設災害復旧事業に必要な経費等の二件、その他の経費として、老人医療給付費負担金の不足を補うために必要な経費等の十一件であります。 また、平成七年度各特別会計予備費予算総額二兆五千八百五十九億一千九百九万円余のうち、平成八年三月二十九日において使用を決定しました金額は七百四十億円であり、これは外国為替資金特別会計における外国為替等売買差損の補てんに必要な経費であります。 なお、平成七年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成七年九月五日から同年十二月十二日までの間において経費の増額を決定しました金額は百七十六億一千四百五十一万円であり、その内訳は、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業の調整に必要な経費の増額等三特別会計の六件であります。 以上が予備費使用総調書等についての概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(野沢太三君) 以上をもちまして説明の聴取は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 次に、平成七年度決算外二件及び平成六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成六年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)並びにただいま説明を聴取いたしました平成七年度予備費関係三件を一括して議題といたします。 それでは、これより平成七年度決算外二件の全般的質疑第一回及び予備費関係六件の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川芳男君 皆さん、おはようございます。 本日より平成七年度決算に対する全般的質疑が始まるわけでございますが、質疑の前に、今ほど疋田院長、杉浦検査官よりごあいさつをいただきましたが、御就任をお祝いいたしますとともに、御活躍を祈念いたします。 まず、平成七年度一般会計決算は六千億円余の剰余金を生じまして、四年度、五年度と連続して赤字決算から、六年度に続いて剰余金が発生しております。しかし、これは一兆九千五百五十八億円の特例公債を追加発行した上でのことであり、財政状況が好転したとは決して言われず、七年度末の公債残高二百二十八兆円に示されるように、我が国財政は極めて深刻な事態に陥っていると思います。ますます事態を悪化させているように思いますが、七年度決算及びその後の我が国財政の現状につきまして財政当局はどのような認識であるのか、最初に伺っておきたいと思います。
○政府委員(細川興一君) ただいま先生から御指摘がありましたように、七年度決算ではいわゆる財政法第六条の純剰余金が六千百七十四億円であります。この剰余金は、法人税の増収等による税収の増が一兆二千四百九十八億円、ぞれから歳出の不用が五千百四十八億円、公債金の減額が七千八百五十億円等によって生じたものでございます。 しかしながら、今先生御指摘がありましたように、七年度決算におきましては依然として特例公債四兆八千六十九億円を含む二十一兆二千四百七十億円の公債発行を余儀なくされており、普通国債の残高でとりますと、七年度末で二百二十五兆円に増加しております。そういう意味では、財政状況は非常に厳しいものになっていると認識いたしております。
○吉川芳男君 次に、平成七年十一月に当時の武村大蔵大臣は財政危機宣言を出されましたが、その後の予算編成及び予算執行に生かされたと言えるでしょうか。バブル崩壊後の日本経済の深刻さを余り認識されず、特例公債の発行回避のみに執着されているような一方で、隠れ借金を増大させるとか、住専問題に象徴されるように問題先送りを繰り返す中で事態をますます悪化させた後の財政危機宣言ではなかったかと思えるのですが、三塚大蔵大臣の認識はいかがでございますか。
○国務大臣(三塚博君) 七年度、当時の武村大蔵大臣の措置は、当時の状況等を勘案しながら、結果的に歳入が思うように伸びなかった等がございまして運営されたものと考えるわけでございます。八年度編成に当たりましては、財政事情が極めて容易ならざる状況であるという経済、財政状況に相なりましたこと、御案内のとおりであります。 八年度の後半、大蔵大臣を拝命いたし、九年度歳出予算、これが財政危機突破の元年としていかなければならないとの橋本首相の強い意思を受けまして編成に当たりましたこと、御案内のとおりであります。与党各位の大変なサポートをいただきながら四・三兆円の公債減額をなし遂げたところでありまして、赤字公債発行に歯どめはかかったと思っておりますし、今後財政事情厳しい折ではございますが、引き続き本件についてはその流れを大事にしながら、平成十年度予算編成に向けての作業が三党を中心に、政府も中に入りまして、ただいま分析をいたしておるところでございます。 前段申し上げました、九年度予算編成をいたし、元年という位置づけをさせていただきましたが、九年度末の公債残高は約二百五十四兆円ということになりまして、七年度末の約二百二十五兆円より約二十九兆円も増加すると見込まれておるところでございます。このような我が国財政を見ますと、先進七カ国、諸外国の例を見ましても、最大の、最悪の危機的状況にあるという位置づけだけは間違いがないということでございます。 政治は後世に正しい、よき文化と伝統というものを継承するところにあります。そしてよりょい国民生活の安定した位置づけを、その中でこの国の安全というものをしっかりと保つということが議会に与えられた、政党に与えられた大きな使命でございます。そういう点から考えますと、さらに後世にツケ回しをして、当時の大人たちは自分たちは楽なことのみを追い求めたのではないだろうかと言われませんように、やはり後世とのギャップがないということが国家運営、国民運営の基本であろうと思っております。 感想ということでありますと、いささか私感を交えて申し上げましたが、御理解をいただきたいと思います。
○吉川芳男君 次に、疋田会計検査院長にお伺いいたします。 会計検査院は、ちょっと私いただいておきながらきょうここへ持ってこなかったんですけれども、「会計検査でわかったこと」というタイトルで決算報告と会計検査院の活動をわかりやすく解説した冊子を発行されておりますが、国民向けのPRとして有効に生かしていただきたいと思います。 そこで、院長への質問の第一は、この年平成七年度の検査報告の特色を簡潔に御説明いただきたいということと、またこの「会計検査でわかったこと」という冊子の三ページに検査の観点が四つ示されているわけでございまして、一に正確性、二に合規性、規範に合っているかどうか、三に経済性と効率性とあって、四番目に有効性という言葉がございますが、ちょうどこの年は、港湾の公共投資が活用されていないとか、いろいろ公共事業に対しての批判の声がありましたけれども、検査院側の見解はこれらの問題についてどうであったかということをあわせて答弁いただきたいのでございます。
○会計検査院長(疋田周朗君) お答え申し上げます。 近年、国の厳しい財政事情の中で、また相次ぐ社会的関心事の発生を背景といたしまして、会計検査院に対する期待が高まってきておりまして、本院といたしましてもそういった期待にこたえるべく多角的な検査を実施しているところでございます。その結果、先ほど委員から御質問ございました平成七年度検査報告について、主な特徴を簡単に申し上げたいと存じます。 四点ばかりございますが、まず第一に、現状のまま推移すると財政的にさらに事態の悪化につながるおそれがある事項といたしまして、国有林野事業において収支の改善が見込めず、経営改善計画の達成が困難となっている事態、それから国鉄清算事業団における土地の処分が十分進展せず、旧国鉄の長期債務等の償還財源不足額がさらに多額になると見込まれる事態について問題を提起したことでございます。 それから第二に、国民の関心が高い問題の検査に積極的に取り組み、政府開発援助あるいは国庫補助事業に係る食糧費や旅費などの事務費の執行、それから高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故、さらには東京共同銀行に対する日本銀行の出資の各事項につきまして検査の状況を報告したことでございます。 それから三番目に、有効性の観点からの検査を重視して取り組みまして、公共事業により整備された漁港施設用地や公共マリーナあるいは小中学校のクラブハウスが十分利活用されていないような事態、それからさらには継続雇用を推進し高年齢者の雇用を確保するための奨励金の支給が継続雇用の実現に十分結びついていない事態について改善を求めたことでございます。 それから第四に、適正公平な負担と受益が求められております社会保障の分野につきまして、多額の保険料の徴収不足、医療費や老齢年金の不適正な支払い、特別養護老人ホームに関する補助金の過大交付など、多数の指摘を行ったことでございます。 今後とも、社会経済情勢の変化に適切に対応して、国民の期待にこたえる検査に努めてまいる所存でございます。 それから次に、御質問の第二点でございますが、有効性の観点からの検査と申しますのは、事業が所期の目的を達成し効果を上げているかという側面に着目して行う検査でございまして、会計検査院では従来主として事業が遅延し投資効果が未発現となっていないかどうか、整備した施設の稼働あるいは利用が低調となっていないか、こういった点から検査してきたところでございます。 この有効性の観点からの検査は、評価手法が必ずしも確立されていないなど困難な面もございますが、先進諸国の会計検査院におきましても重要な課題の一つと位置づけまして鋭意取り組んでいるところでございますので、相互に情報交換するなどいたしまして、より充実した検査を行うよう努めていきたいと考えております。
○吉川芳男君 会計検査院長への最後の質問といたしまして、国営の木曽岬干拓事業についてお聞かせ願います。 平成元年度報告で既に院よりの処置状況が記載されておりまするけれども、いまだ完結されたとは思えません。いささか苦言を申し上げるようでございますが、指摘をされた検査院のフォローアップが足りなかったのではないかと、ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、思われる節もあるわけでございますが、この問題についてどのような御所見をお持ちでございますか。
○会計検査院長(疋田周朗君) お答え申し上げます。 会計検査院といたしましては、指摘事項につきましては、その実効性の確保を図るという観点から、すべて是正処理の状況や再発防止のための処置などのフォローアップを行っているところでございます。 木曽岬干拓事業により造成されました干拓地の利用につきましては、平成二年十二月に改善の意見を表示いたしまして、平成元年度決算検査報告に掲記したところでございます。その後の状況につきましては毎年調査をいたしまして、決算検査報告へ掲記して事態の進展を促しているところでございますが、昨年十二月に作成いたしました平成七年度決算検査報告におきましては、昨年の九月に県境が確定いたしましたこと、土地利用計画の策定には至っていないことをそのときの状況として記述しているところでございます。 なお、今後も引き続き事態の進展を注意深く見守っていきながら、事態の進展の促進に寄与してまいりたいと考えているところでございます。
○吉川芳男君 院長に対しましては、早期解決に向けて御努力いただきますように要請申し上げます。 次に、質問の順序をちょっと変えまして、一般会計の予備費の計上問題について所見を申し上げ、またお伺いいたします。 平成七年度一般会計予備費は例年同様に当初予算で三千五百億円計上されておりまして、補正予算で一千五百億円減額され二千億円となっております。そして、使用額の合計は五百七十八億円にすぎず、一千四百二十二億円の不用額を生じております。主な使用事例は先ほど大蔵大臣から御説明がありましたので私からは割愛いたします。そこで、過去十年間の使用実績を見ますると、湾岸戦争のあった平成二年度を除いて一般会計予備費の使用実績は多くても二千億どまり、平均は千五百億円程度で済んでいるわけでございます。 そこで、私の提案でございますが、当初予算で毎年三千五百億円計上され、補正予算で千五百ないし二千億減額されている一般会計予備費については、財政構造改革の目標年次である二〇〇三年までは当初予算での計上額を二千億程度にしたらどうかということでございますが、ひとつお尋ねいたします。赤字国債を発行しながら、当初の予備費三千五百億円にこれはこだわっているんじゃないか。毎年こうやってきたんだからということではいかがかと思いますので、大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
○政府委員(細川興一君) 先生御承知のように、予備費の額は、財政法二十四条に基づきまして、予備費として相当と認める金額を歳出予算に計上できるとされております。予備費として相当と認める金額をどの程度にするかにつきましては、予見しがたい予算の不足に充てるという予備費の性格上、なかなか明確な基準を求めることは極めて難しいところもございます。 実際の計上に当たりましては、一般会計の予算規模に対する計上割合あるいは流動的な諸般の情勢等を総合的に勘案して相当と認める金額を計上しているところでございます。 このような考え方に基づきまして、九年度予算につきましても三千五百億円を計上しているところでございますが、過去の実績につきましては、先生の御指摘にありましたように、三千二百三十九億円を使用した場合もございますので、計上割合等を勘案しながら今後とも計上してまいりたいと思っております。
○国務大臣(三塚博君) 吉川議員の御指摘は傾聴に値します。しかしながら、政治は不時に備えるということであり、俊敏に事態に対応するということでありますと、災害国家日本と言われる昨今、ようやくそれがいい感じになりながら、自然災害という不可抗力のものにのみ対応するということになっておりますことは御承知のとおりであります。 全体を展望しながら、赤字公債の発行を最低限に抑え、最終的には二〇〇三年にはゼロにしようというさなかでございます。集中三カ年、後の三カ年、六カ年で赤字公債発行をゼロにすることにより健全財政と。これとの勘案からいいますと、御指摘のこともうなずけるところでございますが、御意見を御意見として体しながら、今後またどうあるべきか、過去の慣例の分析をしっかりしながら対応してまいりたいと思います。
○吉川芳男君 次に、横田めぐみさんに象徴される日本人拉致事件についてお尋ねいたします。 まず、この事件について、その内容を簡潔に紹介しておきたいと思います。また、皆さんのところに見取り図等も配っておいたと思うのでございますので、御参照願いたいと思います。 今から二十年前の昭和五十二年、一九七七年十一月十五日の放課後、新潟市立寄居中学校の一年生でありました横田めぐみさんがクラブ活動のバドミントンの練習の後、クラブの同級生女子二人と六時三十五分ごろ学校の正門を出て、一人は正門を出てすぐ別れ、いま一人と学校から約二百メートル海岸寄りの新潟大学教育学部附属小・中学校の十字路で別れたまま消息を絶ったという事件であります。 その日の午後十時ごろ、母親の早紀江さんから新潟中央署に通報がありまして、中央署では警察犬も投入して大がかりな捜索を行い、また県警本部の機動隊、近隣の警察署も応援して広範囲にわたる海岸線の捜索を行い、新潟海上保安部による海からの捜索も行われたわけでございますが、めぐみさんの行方は杳としてわからないままでありました。 ところが、最近になってわかったことは、韓国に亡命した元北の工作員安明進氏の証言によりますと、安氏が金正日政治軍事大学の二年生であった一九八八年十月十日、朝鮮労働党創立記念行事の準備会議の際、教員、職員の席の一角に、一見して日本人とわかる六、七人のグループがいたので、不審に思って丁という担当教官に尋ねると、あのうちの一人の女性は七〇年代半ばにおれが新潟から拉致してきた、日本へ三人で特殊任務に行き、帰りに新潟の海岸で迎えを待っているときに、顔を見られたので通報されるかもしれないと思って誘拐したと打ち明けられたとのことです。この女性は、年齢二十歳半ばで身長約百六十センチ、紺色のスーツ、白のブラウス姿、おかっぱ髪にふっくらとした顔つきだったということであります。 めぐみさんの両親である横田御夫妻は、本年三月、この亡命工作員に会うためにソウルに行き、直接、安氏から証言を得ておられます。この模様は、五月号の文芸春秋に手記として掲載されておるわけでございます。 安氏の証言によると、教官は、めぐみさんと思われる少女のほかにも、八〇年代初めに北海道から三十歳代の男性を拉致してきたこともあると自慢していたということであります。 そのほかにも新潟県柏崎市では、昭和五十三年七月に柏崎図書館に自転車を置いたまま大学生と美容師の青年男女が消息を絶っております。 そこで、まず警察庁にお伺いいたしますのは、先般、衆議院の西村眞悟議員の質問主意書に対する内閣答弁書によると、北朝鮮に拉致された疑いのある日本人の数は、これまでに六件九人であると明らかにされておりますが、この中には横田めぐみさんの事件は入っているのかどうか、お答え願いたいと思います。とお聞きする理由は、この事件が明らかになって以来、さまざまなマスコミが報道しておりますけれども、中でも毎日新聞は、拉致された人物と一つ一つの事件の概要を報道しております。これによると、八件十人になっておりまして、この横田めぐみさんの事件は答弁書の六件九人の中には入っていないという話もあるのでございますが、これほど公々然となっておる事件に対してなぜ当局は、件数、人数の発表だけで詳細は発表されないのか。 しかも、ただ捜査のためあるいは本人の安全及びプライバシーの保護の観点から答弁できないと答弁書は述べておりまするけれども、横田めぐみさんの両親初め拉致者の関係者の大部分は、もう二十年もひっそりと沈黙を守ってきたが何ら事は前進していない、今後は政府や国会に積極的にお願いし、事件を解明したいと言っておるわけでございます。 そういうことを思うとき、これはどうも政府の発表は全く国民の期待感をそぐような発表でございますが、もう少し具体的な調査報告がなされないものでしょうか。
○政府委員(伊達興治君) 北朝鮮による拉致の疑いのある事件は、従来、六件九人と判断していたところでございますが、これまでの捜査を総合的に検討した結果、御指摘の新潟県における少女行方不明事案も拉致の疑いがあると判断し、全体で七件十人と判断するに至ったところでございます。また、拉致が未遂であったと思われるものは一件二人であると判断しております。 新潟における少女行方不明事案以外、これらの事例の内訳は、昭和五十二年に石川県警察が外国人登録法違反等で検挙した宇出津事件、昭和五十三年七月から八月にかけて福井、新潟、鹿児島の海岸で連続発生した三件のアベック行方不明事件、同年八月に富山県の海岸で発生したアベック監禁致傷事件、拉致未遂であります。それから、昭和六十年に韓国で検挙された辛光沫事件、それに李恩恵と呼ばれる日本人女性の事件であります。 なお、これらの者の氏名及び失綜前の住所等につきましては、本人の安全あるいはプライバシーの保護等々の観点から答弁を差し控えさせていただきます。
○吉川芳男君 それから、このめぐみさんの問題は北朝鮮から韓国への亡命者の証言が端緒になっているわけでございますが、我が国と韓国との間には情報交換や捜査の協力が重要であろうと思うんですが、どうなっているのか承らせていただきます。
○政府委員(伊達興治君) 北朝鮮による拉致の疑いのある事件に関しましては、警察当局におきまして、韓国当局との情報交換も含めて関係各機関と連携しつつ所要の捜査を継続して実施しているところでありまして、今後ともかかる努力を継続してまいる所存であります。
○政府委員(加藤良三君) 外務省といたしましても、捜査当局における所要の捜査と並行いたしまして、韓国側を含む外交ルートを通じた情報交換を含め、各関係機関と連携しながら関連情報の収集に最大限努力をしておるところでございます。
○吉川芳男君 今のお二人の答弁は甚だどうも物足りないと思いますが、それじゃこの問題についてはどういうふうな見解を持っていますか。 横田めぐみさんが消息を絶った翌年の昭和五十三年夏には青年男女のカップルが連続して行方不明になるという事件が相次いでいるのでございます。七月七日には福井県小浜市で、三十一日には新潟県の柏崎市で、八月十二日には鹿児島県で起こっております。そして、八月十五日には富山県高岡市の海岸でやはり若いカップルが四人組の男に襲われて、猿ぐつわや手錠などで縛り上げられた上に布袋をかぶせられて数十メートル離れた松林の中に運び込まれたけれども、犬の鳴き声に驚いた男たちはそのまま逃走したという事件が起きているわけでございます。 これらの未遂を含めて四件の事件は、すべて青年男女のカップルであることと行方不明になった時刻は夏の夕刻であることから、同一のグループあるいは同一の訓練を受けた者のしわざとしか思えないのであります。また、富山県で起きた未遂事件の遺留品は日本で製造されたものではないということも明らかになっておりますが、そういうことについて警察庁はどういうふうに調べておられるのか。 また、つい最近、五月一日号の週刊文春で日本海側で起きた事件について、これはヤマとかという暗号めいた言葉で言っているようでございますが、こういう事件はこれだけの資料があるじゃないか、政府は認めるはずだというふうに週刊文春は言っていまするけれども、一体この事件というのはどういうものであったのか、これらも含めてひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(伊達興治君) 先ほど申し上げましたように、御指摘のそれぞれの事件、石川県の宇出津事件、それから福井、新潟、鹿児島の海岸での連続発生したアベック行方不明事件、富山の拉致未遂事件、それから韓国で検挙された辛光沫事件、李恩恵の事件等々、これらにつきましては、先ほども申し上げましたように、韓国当局との情報交換も含めて関係各機関と連携しつつ新たな関連情報の収集に当たり、また各事件相互の関連性の調査など所要の捜査を真剣に継続しているところであります。 それから、通称ヤマと言われていると御指摘の内容でありますが、警察は公共の安全と秩序の維持という法令の定める警察の責務を果たすため、法令の定める所掌事務の範囲内で諜報通信に係る情報の収集、整理等は行っておりますが、その具体的内容につきましては、体制等も含め捜査上の秘密の保持という観点から答弁は差し控えさせていただきます。
○吉川芳男君 捜査上と言えばすべて発表しなくても済むという仕組みになっているのかどうかわかりませんけれども、やっぱり国会での知る権利とでもいいますか、そういうことも重要に考えてもらわなきゃならぬと思いますし、それでは、具体的な問題についてそれぞれそれが真であるか偽であるかということについて今答弁ができないなら、それら全体を含めて国家公安委員長である、日本の治安の責任者であります白川自治大臣に所見をひとつ承ります。
○国務大臣(白川勝彦君) ちょっと質問の趣旨がわかりませんが、この横田めぐみさんの件でしょうか、それとも全体に関する件でしょうか。
○吉川芳男君 全体です。
○国務大臣(白川勝彦君) 全体の件に関していろいろ情報を収集しておりまして、今、特にお尋ねの横田めぐみさんの件に関しても、所要の捜査の結果、今まではその辺については必ずしも北朝鮮による拉致の疑いがあるという断定はできなかったわけでございますが、そういう疑いが濃厚であるということで、先ほど答弁したとおり七件、十人でございますか、というふうにいたしたということであり、それらについては全体を含めて捜査をしているということであります。
○吉川芳男君 それでは、外務大臣にひとつお伺いいたします。三月に我が党の山崎政調会長を初め、与党三党の政策責任者が訪韓した際に、韓国の柳外相は、横田めぐみさんの事件については韓国としても調べてみると調査を明言されたと報道されておりますが、政府としては横田めぐみさん事件の真相解明について韓国側に協力を申し入れているのかどうか。また、真相解明についての日韓間の協力が確立されるならば、両国の捜査機関の情報交換活動がさらに有効に機能すると思いますが、この解明に向けた外務大臣の所見及び決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 横田めぐみさんの件につきましては、最近になりましていろいろな新しい情報であるとか、あるいは証言なども出てまいりました。そんなことにもかんがみまして、捜査当局とされても当然捜査を進められたわけでございますけれども、外務省といたしましても外交ルートを通じましていろいろ情報の収集に努めてまいりました。 そういった中で、韓国の当局とも連携をとりまして、私どもいろいろな情報の収集等々に当たってきたわけでございます。そういったことを踏まえまして、先ほど警察庁の方から御答弁もございましたけれども、従来必ずしも北朝鮮による誘拐というふうには考えていなかった本件につきましても、その疑惑が非常に濃厚であるということが現在までの時点で出てまいりましたので、政府としてもこれを従来の六件に加え疑惑案件に入れたと、このように承知しております。 今後におきましても、いろいろそういった関係の方面と連絡をとりまして、でき得る限り事件の解明というか、一番大切なのは行方不明になっておられる方の安全を確認し、そして御無事でおられることを、そして帰ってこられるということが実現するのが一番でございますから、難しい事情がございますけれども、外交ルートを通ずるいろんな協力等も含めまして今後とも最善の努力をしてまいりたいと考える次第でございます。
○吉川芳男君 外務大臣、事件解明については、二国間だけでなくて国連等国際機関に持ち出すとか、もう少し国際世論に訴えるとか、政府としてのあらゆる手段、方策を講じる必要があると思うのでございます。現に、この横田めぐみさん両親をアメリカにお連れして世論に訴えさせろという動きもあるんですね。そうなった場合には、これは日本の政府としてはいささかいかがなものかなと私は思いますし、そういうきちっとした態度が必要だろうと思うのでございます。 こういうことは私も言いたくないんですけれども、北朝鮮への緊急食糧援助も大切でございまするけれども、数々の拉致疑惑に対する北朝鮮側の、今、全部帰してくれと言ったってこれはなかなか容易じゃないでしょうから、誠実な態度というものが見られない限り、国際機関等からの食糧援助の要請があっても、これは応ずるべきものでないと思いますけれども、外務大臣はいかがお考えですか。
○国務大臣(池田行彦君) この誘拐疑惑事件の解明、その際一番大切なのは、行方不明になっておられる方が帰ってこられるということだと私は思うのでございます。だから、ともかく事件の解明の努力をしながら、一方におきまして、その行方不明になっておられる方のまず安全というものが損なわれないように配慮し、その上でいろいろ努力をしてまいりたいと思います。 そういう具体的な方法につきましてはいろんな手法が考えられましょう。例えば二国間の外交ルート、韓国につきましてはとりわけ新しい情報をお持ちになっているということで、我々もある程度表へ出ることも承知しながら進めてきたわけでございますが、それ以外にも委員御指摘のようにいろんな手法はあり得ると思います。そういったところを我々も考えながら今後とも最大限の努力をしてまいりたいと思います。 ただ、安全を一番大切にしなくちゃいかぬというところがございますので、世論に訴えることはもちろんもとより大切でございますけれども、それだけに焦点を当てるわけにはいかぬと、どういう方法が最も効果的であるか、そういったところを捜査当局の方の御意見もお伺いしながら、よく考えてこれからも取り組んでまいりたい、こう思っております。 それから、米の支援の問題でございますね。これはいろんな要素を考えなくちゃいけないと思っております。現在、WFP等の国連機関が人道的な観点から緊急アピールということで訴えておりまして、米国、韓国等々の国々はそれに応じておるわけでございますけれども、私ども、北朝鮮が大変深刻な食糧不足の状況にあるということはわかっております。それからまた、去年までそういった国連機関の人道アピールに応じて我が国も協力してきたわけでございますけれども、さあことしのアピールにつきましてどうするかはいろんなことを考えなくちゃいけないと思うんです。 この北朝鮮の食糧不足というのは、去年、おととしあたりは異常天候に基づくものだと、こう言われたわけでございますけれども、どうもそれだけじゃないだろうと。食糧政策をも含めた経済運営の基本的なところに問題があるんじゃないか、構造的な問題じゃないか。そうなると、そういった毎年毎年、人道的観点で、緊急で、今回限りでということでいいのかということも、これも国際社会としても考えてもらわなくちゃいかぬだろうということもありますし、あるいはこれまでの経験にかんがみまして、支援したのはいいけれども、それが本当に人道的な観点から渡るべきところ、今回でも例えば子供さんだとか、こう言われておるわけですけれども、そこへ本当に行っているんだろうか、むしろそうじゃなくて軍事部門なんかに優先的に行っているんじゃないか。そういった透明性の問題なんということもいろいろ考えなくちゃいかぬということがあります。 また、一方におきまして、やはり食糧の危機、それを含めた経済的にずっと逼迫していくという状況のもとで今の体制がどういうふうな道をたどるのか。場合によって、これが非常に暴発的なことになると安全の面でも問題がありはしないかというようなこと。あるいは中長期的に考えまして、朝鮮半島の安定というものは我が国を含めた近隣諸国、そして国際社会全体にとっても大切なことである。いろんな要素がありますので、我々も今慎重に検討しているところでございます。 そういった中で、今回の拉致疑惑事件なんというのは、直接的にそれとリンクさせるというのはなかなか難しいところもございますけれども、しかし国民の感情として、気持ちとして、一方においてこういうことをあれこれ言われておる。それに対して北朝鮮としての、今委員もおっしゃいましたようなある程度の解明に向けて協力しようというような柔軟な姿勢、そういったものも見られないままに、一方、人道的考慮でございますから米を出せと言われても、これはちょっとなかなかという気持ちが国民世論の中にあるということは我々も考えざるを得ませんし、そういった意味で、北朝鮮も今そういったことに自分たちは関与しないんだと、こう言っているわけでございますけれども、それならそれで自分たちの方に何か行方不明者についての情報はないのか、そういったどころについていろいろ姿勢の変化が出てくるかこないか、そんなことも考えながら、今慎重に検討中である、こういうことでございます。
○吉川芳男君 いささか隔靴掻痒の感もありますけれども、今押し問答しても時間がありませんので、次に進ませてもらいます。 次に、法務大臣にお伺いいたしますけれども、北朝鮮の貨客船万景峰九二号は新潟港に頻繁に出入りをしておりまして、平成八年の入港回数は三十一回に及んでおります。また、我が国への北朝鮮の貨物船の入港回数は、平成七年では四十五回、八年では三十一回であります。北朝鮮からの年間一万五千人以上の入国者の九八%以上が再入国者であって、北朝鮮と日本との間を在日朝鮮人は自由に往来を繰り返しております。 そして、この自由な往来をいいことに、日本を舞台にあるいは日本を経由して韓国に潜入したり、北朝鮮の工作活動が繰り返されておりますことは、これまた文芸春秋新年号に「日本人拉致組織「洛東江」の二十年」でも明らかにされておるとおりでございます。 一方、北朝鮮に渡った日本人妻と言われる我が同胞の問題は放置されたままで、日本への親族訪問は認められないこ乏になっているわけでございまして、これは大変な人道問題であり、また不公平きわまりない扱いだと思っているわけでございます。 法務省は、法秩序と人権の擁護を最大の任務とされておると思いますが、法務大臣はどのような今御所見をお持ちでございますかということを尋ねますとともに、最近また、宮崎県の細島港に寄港の北朝鮮船籍の貨物船から大量の覚せい剤が発見されたことに関してどのように受けとめられているのか、入国審査は万全な体制で行われているのかどうか、この点についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(松浦功君) お答え申し上げます。 委員御指摘の件につきましては、御家族や御親族、関係者等の気持ちも十分に思いをいたして、できるだけ速やかに一時帰国等その希望がかなえられますように努力をしていくのが当たり前ではないか、このように考えております。 また、麻薬の事件については大変残念なことで、そういうことに対しては厳正に取り扱ってまいりたいという気持ちでおります。
○吉川芳男君 それじゃ、この問題の最後に、内閣を代表して梶山官房長官にお伺いしたいのでございますが、梶山官房長官は国家公安委員長に就任されていた昭和六十三年三月参議院予算委員会で、「五十三年以来の一連のアベック行方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚」として、「事態の重大性にかんがみ、今後とも真相究明のために全力を尽くしていかなければならない」と決意を述べておられたわけでございますが、今回明らかになった横田めぐみさんの事件を含めて一連の拉致事件に対する官房長官の所見と政府の対応について御答弁いただきたいと思うんです。特に、もう外務大臣からも御答弁の中にありましたが、北朝鮮の食糧事情に対しアメリカを初めWFP等国際機関よりの要請が高まる昨今でありまするが、いかなる方針で臨まれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) 事件の推移については今、国家公安委員会委員長から、そして当面の外交手段については外務大臣からそれぞれ話があったとおりであります。 私が昭和六十三年、ちょうど事件が起きてから既に十年をたった時代でありますが、今でもこの北朝鮮による拉致の疑いが極めて濃厚であるという判断に間違いはございません。ただ、国交のない国で事実を確定することができる手段、方法を持っておりません。 ですから、今、委員御指摘のように、韓国の極めて北朝鮮に対する情報網を豊富に持っているところからいろんな情報を提供願い、そしてあとう限り、これからの今の食糧援助その他もひっくるめて何が有効であるか、この問題解決のための手段、方法をこれから検討しながら進めていかなければならないと思っております。 恐らく、総理が今回訪米をされたことでも、あるいは非公式か公式かは別として、いわゆる食糧援助についての話し合いが出たと思いますけれども、我々国民は極めてこの拉致事件等、人道に大きな影響を持つその疑いを北朝鮮に持っているという事実、それから今覚せい剤の話が出ましたけれども、これまた麻薬や薬物に対する極めて高い関心をお互いに国際社会で持っている、その北朝鮮からストレートに来たという事実、こういうものを見ればにわかに、国際世論の中で人道的な意味でということが言われるかもしれませんが、片や人道的なことをしているのかどうなのか、あるいは麻薬や薬物等をとにもかくにも資金源に調達をする手段としている北朝鮮に果たしてそういうものが有効なのかどうなのか、あるいはしなければならないのかどうなのかというのは国民の間にはたくさんの疑問があるわけであります。 こういうものを整理しながらこれからの対応に努めてまいりたい、このように考えます。
○吉川芳男君 次に、国鉄長期債務問題について二、三点お尋ねいたします。 今から十年前に、昭和六十二年四月一日に、当時破綻していた日本国有鉄道を再生させるため、自由民主党は政府と一体となって国鉄改革を断行して分割・民営化を実施したわけでございます。その際の最大の推進者が現在の三塚大蔵大臣であることは万人の認めるところであります。その後、民営化されたJRの方は経営状態が好転し、利用者にとってもサービスの改善が図られるなど、おおむね成功裏に推移していると思いますが、これに対して、国鉄改革のもう一つの大問題である国鉄長期債務処理の問題は悪化していると言わざるを得ない状況にあります。 まず、国鉄改革において、総額三十七兆一千億についてはどのような考え方で幾らずつJRと国鉄清算事業団とに振り分けられたのか。また、事業団においてはこの十年間でいかほどの資産を処分し、九年度当初には債務はいかほどになっているのか、お示しいただきたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 国鉄改革時に、当時、将来的に負担すべき費用も含めまして総額三十七・一兆円という長期債務があると、このようなことで改革時は債務を見ておりました。これにつきましては、JR各社には十一・六兆円の債務が承継されまして、残る二十五・五兆円につきまして国鉄清算事業団が処理をするということでございます。 その際の考え方といたしましては、JRが民間の鉄道事業として、ある程度の最小限の利益を出しながら事業体として新たに出発していくことができる限度の債務を負担するという考え方のもとでございました。このような考え方で、長期債務をJR各社と、それから清算事業団でそれぞれ負担してまいりました。 その後の経緯でございますが、六十二年度以降、国鉄清算事業団におきましては、利子あるいは年金等の負担が昭和六十二年度から平成八年度まで、八年度はまだ実績の見込みでございますが、この十年間で新たに十四・六兆円の負担が発生し、これに対しまして、土地であるとか株式であるとか、清算事業団が持っております自主財源の収入が十二・九兆円ということでございまして、一・七兆円の収入不足であるということでございます。したがいまして、六十二年度首、二十五・五兆円ということで出発いたしました清算事業団の債務残高は、八年度末には二十七・三兆円というぐあいになっております。 なお、平成九年度首には、鉄道共済を厚生年金に統合することに伴います移換金の債務、これが八千億円ございまして、これを入れました九年度首の国鉄長期債務の残高の見込みは二十八・一兆円、このように見込んでおります。
○吉川芳男君 次に、運輸大臣にお聞きいたします。 今ほどの鉄道局長の説明によりますと、事業団は土地の処分は七・七兆円もやっていると。債務の総枠は減るどころか、今お話しのように二十八・一兆円にもふえてしまった。この理由を事務当局にただしますと、いろいろ言われておりますが、私から言わせれば、大きく言って三つあると思います。 つまり、売るべきときに売れなかった。昭和六十二年には、当時は土地高騰に対処するために閣議決定で売却の凍結がなされたこと。さらに、年々の補助金が減少していってしまった。また、借入金には財投の原資が充てられて、その金利負担がずしりとこたえている等々と思われますが、大臣はいかなる見解と、これに対する対策をお持ちでありますか、お尋ねいたします。
○国務大臣(古賀誠君) お答えいたします。 先生御質問の国鉄の長期債務の累増した原因につきましては、先生が三点原因をお述べいただきましたけれども、おおむね私自身も先生の認識と同じでございます。 ただ一点だけ、バブルが崩壊した結果といたしまして、思うような土地の売却、株式の売却等十分なことができなかったというのももう一点考えられる要因ではないかと思っております。 いずれにいたしましても、国鉄の長期債務の本格的な処理というのは、国鉄改革十年、極めて重要な問題だというふうに認識をいたしております。今さまざまな御論議がなされているところでございますけれども、十分国民的なコンセンサスを得る、国民に理解のできる長期債務の処理策でなければいけない。そういう意味で、新たな財源措置等につきましては、その必要な論議というものを十分尽くしていくことが不可欠であろうと思っております。平成九年じゅうに具体的な処理策を策定するといたしておるところでございます。あらゆる選択肢を検討することによって、最善の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○吉川芳男君 この問題の最後に三塚大蔵大臣にお伺いいたします。 冒頭にも述べましたとおり、この国鉄改革を実施された政治家の第一人者として、今日のこの長期債務の処理状況は、私は心中不満といいますか、不本意のものをお持ちだと思うわけでございます。 この長期債務問題に対する特別委員会、これは有識者とか学者先生方の発言要旨を私も見せていただきました。これを見ますと、まさに百家争鳴、甲論乙駁というふうに議論が分かれているのでございますが、しかし私は、登山で道に迷ったら出発点に戻って再出発した方が、ちょっと道は遠いようでございまするけれども、間違いないという話を聞いたことがあります。この債務問題について昭和六十三年と平成元年の閣議決定にあるとおり、早期に土地、株式の売却を行った上で残った債務は国民負担とすると。私は国民負担という言葉は、すなわち一般財源化をするというふうに置きかえたっていいと思うのでございます。そういう方針で進まれるのが至当だと思いますが、大臣の御所見を承りたいと思います。 特に、この世紀の大事業にここへ来て陰りが生ずるようでは困るわけでございまして、ひとつ画竜点睛を打って問題解決していただきたいという要望を込めてお尋ね申し上げます。
○国務大臣(三塚博君) 国鉄改革につきましては、当時、自民党、血みどろの苦悩の中で分割・民営、そして当時の民社党、公明党、最終の取りまとめの段階で多大の御協力をいただきました。全体的に国会もその方向で取り決めさせていただき、さしもの垂れ流し、論評の外でありました国鉄労使関係というものが民間企業の本分に立ち戻って、成果ある、期待される鉄道会社という今日の状態にあります。 長年、利子の振りかえ、借りかえ、延期、軽減等で、当時の国鉄でありますが、止血をしながら前進し続けたのでありますが、収入が暦年、減に立つものでありますから、累積の中で破産状態と。それを本来の姿に戻すということで成功を見たところであります。運賃値上げもここ十年、鉄道各社、一部を除いて本州三社は全くなしておりません。そういう中で、よみがえった鉄道の世界のモデルになってきたわけであります。 しかし、今の御答弁にありましたとおり、また御指摘にありましたとおり、二十八・一兆の累積赤字をどう処理するのか、こういうことであります。原点に戻って考えてみるということになれば、現在考えられる手法は、先ほど国民負担は政府の責任でと、こういう指摘をいただきました。そのときの心はまさに経過はうまくいく、そういうことで国民負担は恐らく限られたものでいくであろうと。今日ですら税金、国税、地方税で三社二千五百億円納入をいたすところまでまいりました。さらにふえていくだろうと私は見ております。赤字垂れ流しの国有鉄道に毎年平均七千億円の一般歳出を投入しておったことを考えれば隔世の感であります。 そこで、しからば数多い選択肢の中からどういう方式でこれの解消の道筋をつけていくかということがこれから論議をされて、年内に決着を図らなければなりません。時あたかも財政構造改革を断行して、危機からの脱出、そして経済の復活、国民生活の安定、こういうものを期していかなければならないときに、土地及び株式、三兆円とも言われます。経済活性化していきますとそれがあるいは四兆円で売却できるだろうか。しかし、残りはその場合でありましても二十四兆ということになるわけで、土地を売る時間が多ければそれだけ、その一年で解決できませんければ若干のずれも出てくるであろうと思います。 そこで、党において、三党においても協議をされており、それを聞いておるのでありますが、あらゆるアイデアが出されております。そのアイデアのどれをとっていくのか、それを二つあわせていくのか。いずれにいたしましても、気の遠くなる額でありますから、二十五兆と。安全な道でいきましょうか、二十五兆ということであれば、それはそれだけが債務でありますから、利子の支払い、平均金利で言いますと四・二九、四・四%と言われておるわけでございますから、それだけでも大変なことになり、運輸省発表のとおり一・一兆ないし一・二兆の利払いが毎年続くであろう、こういうことであります。 ですから、まず私は止血をやらなければいけないのではないか、利払いをまずストップできるような手法を断行していくのも選択肢の一つだと。その手法はいろいろと、無税国債でありますとか等々出されておるわけでございますが、税法との絡み合いでありますから、これを党及び三党で真剣に御論議をいただき、私どもも、本件についての問題が財政構造改革のスタート台に立つ大事なポイントでありますから、決して逃げ回ることはいたしません。 そうでありませんと、国保及び医療そして年金、受益と負担という深刻な問題もこちらにあるわけでございますから、こういう点で選択肢の中においてベストな道は何なのかということであり、借入元金の支払いについては、今後どういう手法で取り組むかということも、止血策としての利払い費の獲得、確保ということをまず本年の視点に置きながら、そして自後の借入元金の支払いについて国民負担とするわけでありますから、全体でこれを考えなければなりません。 考えるのは、政府自体が党の要請、また国会の提言を受けて真剣にこれに当たるということで取り組まなければならぬ、逃げられない、待ったなしの実は解決策でございます。格段の御理解と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
○吉川芳男君 時間になりましたので、やめます。
○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。 参議院が決算を重視するという、そういう一つの流れの中で会期内の中でこのように決算委員会が開会されていく、審議されていくということにつきましては、委員長の御努力、また各党会派の御努力のたまものだと敬意を表したいと思います。 そこで、実は一月の十六日に野沢決算委員長が、締めくくりの中で、参議院の決算に臨む姿勢を御質問いたしました。そういう中で、衆議院の優越規定にかかわる問題も質問いたしました。「公正取引委員会委員長及び同委員、国家公安委員会委員については、いずれも昭和二十年代に既に全面削除されており、国会の任命同意について衆議院の優越規定が残っているのは検査官のみで」あると、そういう参議院と決算、こういう問題を含めて御質問をいたしたわけでありますけれども、橋本総理は、その時点におきまして、決算委員長の質問を大変重く受けとめるという御発言をいただきました。 そこで、総理がお見えになりませんけれども、官房長官から、そういう問題に対してどんなふうに認識が進んでおるのか、まずお尋ね申し上げたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) 御指摘の点については、立法政策にかかわる問題であるが、会計検査院が決算の検査という職責を全うするためには検査官会議の構成員である検査官の欠員が生じないようにすることが必要であると考えられ、院法第四条第二項において憲法第六十七条第二項の例によると規定されたものではないかと認識をいたしております。去る一月十六日、決算委員長の質問に対しまして、総理からは重く受けとめるという答弁をしており、私も同様に考えております。 その後、三月十九日に下稲葉議運委員長から私に対して、政府に協力を要請する事項が三点示されまして、その中に検査官の任命同意に関する会計検査院法の改正という要請がございます。もちろん参議院の先議案件の増加とかその他の問題がありますから、当然これは政府とそれから衆議院にも同様の要請がなされたものと私は理解をいたしております。 いずれにしても、衆参で打ち合わせをしながら、この問題に対処をしたいと思いますし、総理が重く受けとめる、こう申し上げているわけでありますから、私がそれを変えてさらに今日ただいま行うというわけにはまいりません。 いずれにしても、総理が重く受けとめるという、それがどういうことにつながるのか、せっかくこれから皆さん方から、その後議運委員長としての御提案もこれあり、衆議院とも早急にこの問題を詰めてまいりたい、このように思います。
○中島眞人君 官房長官の前向きな御答弁を高く評価いたしたいと思います。 こういう時代になりまして、衆議院、参議院それぞれの負託を受けながら行くわけでありますけれども、ともかく決算委員会が、決算委員長の御努力によりまして会期内にこのような形で取り組まれている意欲は、少なくとも決算の参議院と言われるような役割を果たしていくことだと。委員長の発言、同時に総理の答弁、また官房長官の御答弁を体してこれからも大きく期待を申し上げたいと思いますので、よろしく御配慮をいただきたいと思います。 さて、大蔵大臣にお尋ねを申し上げます。 平成七年度の決算の特徴を見させていただきました。まず、五年ぶりに税収増に転じたということであります。公債金収入額が過去最高の二十一兆二千四百七十億円に達したということもこれまた第二の特徴でございます。第三番目は、平成五年度以降連続で繰越額が高水準に至っているという点、特に公共事業関係が繰り越し全体の約八割を占め、繰越率も一八・八%に増加をしている、こういう特徴がございます。第四番目、不用額も五千百四十七億円、不用率〇・六四%、増加現象が見られます。特徴的な幾つかの点があるわけでありますが、中でも予備費の不用が千四百二十一億円と大変な額となっております。 以上の大きな特徴が平成七年度決算に見られるわけでありますけれども、時間がございません、個別な審査につきましてはそれぞれの段階でさせていただくとして、大まかにこの背景と原因について、大蔵大臣から御所見をいただきたいと思います。
○政府委員(細川興一君) ただいま先生おっしゃいました特徴一つ一つについて簡単に申し上げます。 税収につきましては、二年度以来五年ぶりに前年度の決算額を上回ったところでございますが、これは金利低下により利子に係る源泉所得税が減少した一方で、企業収益の回復等により法人税が増加したこと等による要因でございます。 それから、公債金収入は景気の下支え等のための累次の対策等を実施するため、補正予算の財源として公債の増発に頼らざるを得なかったものでございます。 それから、翌年度繰越額につきましては、先生御指摘のように八割が公共事業でございますが、この公共事業の性質上、事業の実施過程において用地買収とか補償交渉の難航あるいは工事中の騒音、振動等に関する住民への配慮等各種の制約を受ける面が多く、繰り越しのやむなきに至ったものでございます。 不用額につきましては、先生御指摘の予備費の使用が少なかったこともございますが、そのほか主な要因としましては、各省庁の退職者が少なかったこと等により退職手当等の人件費を要することが少なかったこと、あるいは各省庁の公共土木災害復旧事業において被害額が予想より少なかったこと等から不用が生じたものでございます。 それぞれの要因につきましては、簡単に今申し上げたとおりでございます。
○中島眞人君 そういう特徴に対しての答弁があったわけでございますが、個別審査の段階でまた御質問をしていきたいと思います。 そこで、第二点の問題ですけれども、私が昨年も指摘をしました特別会計の不用額でございます。 昨年私が質問をした際には、それについて検討をしてまいる、そういう答弁が見られたわけでありますけれども、平成七年度決算を見ると過去最大、特別会計合わせて十二兆二千三百九十七億円の不用額が見られます。昨年よりも二兆円以上ふえているわけであります。連続性を付記したのが六年前からでありますけれども、連続性が付記されないという形になりますと、十年以上こういう状況が続いているいわゆる特会があるのではないか、こういうことも推定できるわけであります。 私は昨年も指摘をいたしました。いろいろ特会の中には特殊事情がございます。電源開発とか食管会計とかございますけれども、しかし行財政改革というものが問われている中、十二兆二千三百九十七億円余の不用額が出てきて、毎年十兆円ぐらいの不用額があるというのは、予算主義をとっている一つのあり方としては大変問題があるのではないか、改めていかなければならないのではないか、こんなふうに思うのでありますけれども、この辺について再度御質問を申し上げます。
○政府委員(細川興一君) 国の予算は、国民の負担に基づく貴重な財源を使用していろんな諸施策の推進を図っていくものでありまして、先生御指摘のように、適正かつ効率的な配分、その厳正な執行、それに常に最善を尽くす努力をしなければならないと思っております。 御指摘のように、特別会計の不用額は七年度決算で十二兆二千三百九十七億円となっております。先生よく御存じのように、各特会におきましてそれぞれいろんな要因があると思います。これまでも可能な限りのデータの収集、分析に努めて編成しておりますが、どうしても社会経済情勢の変化が生じること、あるいはいろいろ厳正な執行に努めた結果不用が発生する、要因は多種多様でございます。 昨年七月、先生から御指摘もございました。不用の発生は、それぞれの特会の中で発生が避けられないものがあると考えられますが、財政当局としては、昨年の御指摘もいただいたところでもありまして、不用額を極力圧縮すべきものと考えております。不用発生原因を一つ一つ念査し分析し、その結果を予算編成に反映させるよう今後とも引き続き全力を挙げて努力してまいりたいと思います。
○中島眞人君 昨年御指摘を申し上げまして、平成九年度の予算編成の中にはその思いが若干出ていることも認めます。しかし、六年、十年続く特会の不用額があるというのは、私は少なくともこのことこそ行財政改革が踏み込んでいく一つのあり方だろうというふうに思うんです。重ねて強く要望をし、八年度決算については今年度ですからこれはなかなかいいデータが出ないだろうけれども、昨年も指摘して、九年度予算に伴う九年度決算については画期的に変わっているような形の取り組みをいただきたい。強く要望しておきます。 さて、平成七年度決算に関してはさまざまな特徴が見られます。特に会計検査院が国民的に強い関心のある問題等々を突っ込んで検査をしたり、あるいは背景金額というふうな問題も出したり、いろいろな工夫を凝らしている点について会計検査院の検査に対して敬意を表するわけでありますけれども、その中で、背景金額の指摘という問題、昨年度から出されました。大変参考になりました。国有林野の経営の問題に対して指摘をしているんですね。これは現状のまま推移すると悪化すると考えられるものという形で、国有林特会と日本国有鉄道清算事業団の所有する土地処分について二点を挙げております。 さて、国有林特会の問題でございますけれども、平成七年度末累積欠損金一兆五千七十五億円、それと債務高が三兆円を超す膨大ないわゆる不安定状況になっている、こういう指摘がなされているわけであります。 林野庁にお尋ねをいたしますけれども、この経営改善といったところで日本の現在の国有林特会を見てみますと、経営改善の延長線で国有林改革というものを論じる時代ではもうないのじゃないのか。さりとて、日本の国土の六七%は山林であります。そのうち三〇%は国有林であります。国土面積の二〇%は国有林であります。日本の環境という問題、水資源の問題等々から考えていくと、この際、この特会事業を抜本的に変えていかなきゃならぬ。もっと端的に言えば、そういう事業会計は民間に移して、そして森林保護に重点を置く、日本の国土を守っていく、そういう形に変えていく抜本的改善が必要ではないのかというふうに私は思うんです。 そういう点で、これらはまさに行財政改革の中で焦点になっていく問題だろうと私は思うのであります。この累積欠損金あるいは三兆円を超す債務残高、これの改善計画なんということを考えずに抜本的に変えていくべきではなかろうか、こう思うのでありますけれども、林野庁の御見解はいかがですか。
○政府委員(高橋勲君) 御指摘のように、国有林は国土の二割を占めておりまして、木材生産のほかに国土保全、水資源の涵養、自然環境保全、そういう公益的な機能の発揮あるいは農山村振興ということで重要な役割を果たしております。 現在、特別会計で実行しておるわけでありますが、これまで、組織、機構の簡素化でありますとか要員規模の縮減、できるだけの自主的改善努力を行ってまいりましたけれども、あるいは一般会計からの繰り入れという処置を講じてまいりましたが、なかなか十分に効果を出せずに、木材価格の低迷あるいは伐採量の減少、そういうふうなことから累積債務が三兆三千億円を超える状況になっておるわけであります。 そういうことで、昨年末に閣議決定いたしました行政改革プログラムに沿いまして、現在、林政審議会にお願いをして抜本的な改善方策を検討していただいているわけでありますが、本年じゅうには政府一体となってその改善策を策定し、全力を挙げて国有林野事業の経営の改善に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○中島眞人君 ぜひそうしていただきたいと思うんです。 少なくとも、累積欠損金、債務残高三兆三千億というのがあるわけでありますけれども、これを追っかけるようなことじゃなくて、事業の問題については民間に下げていく、そして日本の森林を守っていく、国土を守っていく、環境を守る、水資源を守る、そういう立場で林野庁は大方針の転換をしていくべきだと私は強く要望を申し上げておきたいと思います。 次に、背景金額の中で国鉄の土地の処分についての問題、先ほど御質問がございましてるる大蔵大臣からお話をいただきましたけれども、運輸大臣、実は四月十八日に、「旧国鉄債務三分割し処理」、一般財源、資産売却、利用者負担というふうな形で運輸省検討という新聞を私は見まして、いよいよ運輸省も乗り出したなということで、口を開けば国鉄の土地の問題がこんなに国民に負担になっていますなっていますと言い続けて久しかったのに、少なくともこの再建計画という一つの検討が出されてきた。これはある面では一つの前進だろうというふうに思います。 ただ、私は運輸省が出してくるときにコンクリートで案を出してきてもらっちゃ困る、少なくとも幾つかのメニューを出していただいて、そして国民の皆さんあるいは国会の中で十分な論議をしていく中で納得をしていく一つの検討をしていかなければならない、こう思うのであります。この四月十八日の運輸省検討の新聞記事、あわせてことし九年度中にこの計画を発表する、案をつくってみるということでありますけれども、それに対する心構えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) お答えいたします。 最初に、事実関係でございますが、四月十八日の新聞報道についてでございますけれども、現在のところ、国鉄の長期債務の具体的な処理方策につきまして運輸省が一定の案に絞って検討を開始したという事実はございません。 この問題につきまして、先生も御承知のとおり、与党を初め関係方面におきましてそれぞれの検討の場が実は設けられているところでございまして、大変膨大な債務でございますだけに、これらの債務の抜本的な、また具体的な処理策というものにつきましては、ただいまも御答弁いたしましたように、国民のコンセンサスを得るために国民の幅広い論議を十分尽くしていくということが不可欠だろうというふうに思います。 それだけに、それぞれ各方面で有識者また専門家等のヒアリング等も盛んに実施されているところでございまして、こういう経過をできるだけ国民の皆様方にお知らせすると同時に、論議の問題点等の公開に努めながら幅広い御意見を聞いた上で、御承知のとおり平成九年じゅうには具体的な処理策の成案を得るといたしているところでございます。全力を尽くして努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○中島眞人君 新聞に出たことは、これはまだ発表段階のものではなかったんだと。しかし、念に入り微に入り書かれております。私は、この問題は新聞に出されたとか出されないとかという問題じゃなくて、一般財源、資産売却、利用者負担という三者がそれぞれの形の中で負担をしていかなければ解決できない問題だというふうに思っています。九年度中にはその案が出されるということでございますが、その案については、ともかく運輸省としては審議会でコンクリートされたものを国会なんかに出すんじゃなくて、一つの問題提起として論議ができるような形をとっていただきたいと強く御要望申し上げます。 さて、同じく会計検査院はことしさまざまな問題の指摘をしておりますけれども、文部大臣、日本育英会というのがございます。いわゆる向学心のある学生にこの育英会が果たした役割というのは大変大きかったと思うんです。ところが、会計検査院の指摘を見ますと、滞納額が大変膨大だということ。この滞納額が膨大だというのは、私は大変けしからぬことだと思うんです。自分が苦しいときに育英会の奨学金を借りて勉学にいそしんだ、しかし卒業してしまったらこれは返さない、こういう風土が戦後日本の一つの風土なのかな、そんな感じもするんです。 それともう一つ、大臣、当初は奨学金をお借りしますと、例えば教師になったり研究職になると免除された。しかし、それは依然続いていますね。私の調べでは千二百十七億円が免除金額だという。優秀な教師になり手がない時代という発想ですね。しかし、今は人確法等で教師の給与もアップされている。これが今なお続いておるんです。これは、もし免除するのなら、国家公務員の大変貴重な仕事に携わっている方もいるでしょう、あるいは民間だって優秀な、有能な日本のために働いている方がいるでしようということになると切りがないので、免除規定を私は排除すべきだ。それは、今の時宜に合い、国民の同意も得られるのではないか。 この二点について文部大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(小杉隆君) お話のとおり、この滞納という問題は、モラルの観点からも、あるいは社会的公正という観点からも許しがたいことだと考えます。 現状を申しますと、この育英会の制度は昭和十八年からもう五十年以上にわたって行われてきておりまして、累計九千四百七十三億円、もうすぐ一兆円になるという膨大な金額を貸し付けてまいりまして、これが相当大きな役割を果たしたことは先生御指摘のとおりでございます。 平成七年度現在では、返還率は九八%ということでかなりの回収率になっております。しかし、金額の点では、年々奨学金の金額がふえておりますことと借りる人もふやしておりますので、金額的には二百億円という非常に無視できない金額になっておりますので、私どもは従来から滞納者に対する督促ということを真剣にやってまいりました。 まず、卒業すると直ちに個人に通知を出す。そして、滞納している人には督促状あるいはまた自宅に電話をしたり、あるいは自宅訪問、こういうようなことで努めてきたところでございます。そして、八年以上たってもまだ滞納しているという場合には法的措置をとる、こういうことでやってきたわけでありまして、したがって十年以上たちますと大体九九・九%回収ができている現状でございます。 しかし、会計検査院の指摘にもありますように、やっぱり返還意識というものを徹底させるということ、あるいは口座振替による返還、これは平成八年度、昨年からもう既に実施しております。それから、早期督促体制の整備とか、あるいはその他必要な事項を日本育英会に指導しているところでございます。 そこで、回収率を少し経過を見ますと、昭和四十年のときには八三%の返還率であったものが、昭和五十年には九五%、それから平成七年度には九八%と逐次上がってきているわけですが、規模が大きくなるに従って滞納額もふえたということで、今のこういう財政状況ですから、私は特にことしは徹底して滞納というものをなくす。特に卒業して一年目が滞納者の約四割を占めておりますので、最初のスタートでそういうようなことでは困るということで、新卒者に対する督促というものに徹底して力を入れたいと思っております。 それから、返還免除制度ですけれども、従来から優秀な教育職、研究職の人材を確保する、こういう趣旨で始まったんですが、最近は大学進学率も相当上昇しておりますし、また卒業した後の給与水準も上がっております。今、先生御指摘のように終戦直後の状況とは大分社会情勢も変わっておりますので、大学学部に関しては平成十年度から返還免除制度を廃止する、こういうことに決めました。 ただし、大学院の進学率が非常に上がってきておりますし、それから学術研究をさらに高度化させなきゃいけないということで、その分を、その分と言っては変ですが、大学院の修士課程、博士課程の分を少し上積みして充実を図ろう、こういうことで臨んでいるところであります。
○中島眞人君 大臣、思い切って、大学院もですけれども、苦しいときに奨学金を受ける、しかし社会に出たら、免除なんという規定はまさに特権的ですから、全員がこの御恩に報いて返していく、いかなる職種でも返していくというのが本当に私は日本人的な考え方だろうと思いますよ。 ですから、その辺については再度ひとつ、十年からかなりの返還免除をなくすようでありますけれども、ぜひ御検討を賜りたいと思います。 次に、自治大臣にお伺いいたします。 大臣、国庫補助事業に係る事務費の執行をめぐるいわゆる官官接待あるいは空出張の問題に関して、食糧費の使用に関する各省庁の対応や経費の架空経理に対する道県等の内部調査の取り組みについて会計検査院も検査をしたようでありますけれども、自治省ではこれをみずからのこととしてどういうふうに受けとめて、報告を受け、そして対応なさっているのか、自治大臣にお伺いをいたします。
○政府委員(松本英昭君) お答え申し上げます。 いわゆる地方公共団体の不正経理の問題でございますが、まずこの実態把握の面につきましては、自治省として報告を受けまして、これはそれぞれ地方団体が調査をいたしました期間が二年とか四年とかでございますので、現在のところ合計いたしますと百七十三億円程度となっているところでございます。 私ども、この問題が生じました当初から、これは平成七年の八月であったと思うのでございますが、即日に大臣談話を発表いたしまして、このような問題が生じましたことは国民の間に地方公共団体に対する不信感を惹起させ、ひいては行政に対する信頼を損ないかねないものとしてまことに残念であるということで強く注意を促したところでございます。 その後につきましても、この問題につきましては、一つは経費支出の適正化という観点といま一つは公務員倫理の確立という観点、この両面からたびたび地方公共団体に対しまして事務次官通達を発するとか、あるいは各会議等で地方団体に対して注意を促して是正を求めてきたところでございます。 また、制度的な面での見直しということも必要であろうかということで、地方制度調査会におきまして審議をしていただき、監査制度の改革に関する答申等をいただきまして、現在、外部監査制度の導入と現行監査制度の充実を主な内容といたします地方自治法の一部改正案を衆議院に御提案申し上げて審議をいただいているところでございます。 今後とも、こういう問題に対しましては厳しく対処してまいりたいと考えております。
○中島眞人君 百七十億に相当する不適正支出があったという報告を受けているということでありますけれども、私は自治省の指導もなければいけないということを一つ痛感するんです、私も地方の出身ですから。例えば地方自治法施行規則にある歳入歳出予算の款項目の設定の中に食糧費というのがあるんですね。戦後間もなくならともかく、食糧費というのは一これは解釈が大まかでどこからどこまで食糧費かわからない。これは自治省がやっぱり責任を持って、はっきり言って食事だって必要なんですから、会食費だとか、あるいは情報収集費だとかというふうな予算科目の見方を、戦後五十年たってまだ食糧費ですよ、食糧費なんというのははっきり言って僕は今どき時代錯誤も甚だしい項目だろうと思うんですよ、そういう点の検討もやっていかないと、地方は迷っていますよ。だから、そういう点についてもこれを改正するように強く要望しておきます。 時間がありませんから、これは各省の個別の審査のときにまた御質問をし、強く要望を申し上げます。 さて、幾つか通告をしておいたのでありますけれども、差し当たって私は、山梨県の問題でありますけれども、世紀の高速交通機関の一つとして山梨リニア実験線が四月三日に走行を始めました。さてそこで、平成元年に建設地が決定をし、平成二年、運輸大臣が山梨リニア実験線の建設計画、技術開発計画を承認され、当初計画三千三十五億円でスタートをしたんですね。そのうち地元は百六十億円、関連三十七億円、実際には五十億円かかっていますから二百十億円かかっているわけであります。当初は四十二・八キロメートルを走行試験区域とした。 ところが、平成四年七月十四日、奥田運輸大臣が突然に、用地買収がおくれております、先行区間十八・四キロメートルで実験は可能でありますという形で、運輸大臣の発言でがらりと変わって、そういう方向になってしまった。しかし当初、地元山梨県と話し合いをしたのは四十二・八キロメートルです。私は、これは信義の問題で、国の独断専行で走っていったことだというふうに思っておるんですけれども、この点については、過般、衆議院で運輸大臣から、四十二・八キロは必要なんだ、これには着手をするんだと、こういう御発言がありましたから若干怒りをおさめます。 じゃ三千三十五億の予算の中で今までどのぐらい建設費がかかっておったのか、まずこの点について私はお聞きしたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 山梨のリニアの実験線でございますが、平成二年の六月に策定されました建設計画におきましては、ただいま御指摘のとおり、工事に要する費用は三千三十五億、こう見込んでおりました。これに対しまして、平成八年度までに実験線の建設に要した費用でございますが、現在細部は精査中でございますけれども、概算では先行区間の建設費それから実験車両の製作費等々を合わせまして約二千三百億円、このような見込みでございます。
○中島眞人君 そうすると、あと七百五十億残っておるわけですね。しかし、これをあと二十四・四キロやっていくという形になりますと、当然これは総事業費の見直しをしなければならないと思います。 運輸大臣、過般の衆議院の運輸委員会で堀内光雄委員から御質問がございました。三年間の走行実験を終えて後からやるのは、また向こうへ行ってしまうと。いわゆる残額が残っているわけですから、その残っている見直しをすると同時に、残っていると百五十億円の中で、既に用地買収は八五%完了しておるわけでありますから、ここについての文化財調査とか、既に大きな境川の埋め土の問題もございますから、御坂山系の約七キロのトンネルに先行着手したらいかがかという声が県内の中にはあるんです。 大臣、その辺についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(古賀誠君) まず最初に、おかげさまで、先生もお話しいただきましたように、山梨のリニア実験線の建設について、先行区間において本格的な走行試験が開始されました。これまでこの実験線の建設につきましては、先生を初めといたしまして地元関係者の皆様方に大変な御支援と御協力、また御指導をいただいてまいりました。お礼を申し上げたいと思っております。 ただ、先生が今お話しいただいておりますように、いろいろな課題が残されていることも事実でございます。今後の走行試験を何とか円滑に行うためにも関係者間の連携がさらに必要であろうというふうに思っておりまして、実は私の方から、財団法人の鉄道総研、JR東海、それから日本鉄道建設公団、この事業三者と山梨県と運輸省から成ります連絡会議を設置するように実は指示をいたしております。ちょうどだまたまきょうのこの質問のあっている十時三十分から第一回の会合が実は開催をされているということでございまして、何か御縁があったのかなというような気がいたしております。 この連絡会議を十分活用することによりまして、先生が今御指摘いただきましたようなさまざまな問題、こういったことについても十分地元の状況を踏まえながら、リニアモーターカーの技術の開発がさらに推進することができるように努力をしてまいりたいと考えているところでございますので、先生のさらにひとつ御指導と御支援を心からお願い申し上げておきたいと思います。
○中島眞人君 運輸大臣、きょうこの五者会議が開かれているということもまた何かの因縁かと思うんです。三千三十五億では足りませんので、当然見直しをしなければなりません。今年度中くらいにはその見直しの方向性というものが、財政が非常に厳しい折からではございますけれども、見通しくらいはっきましょうか。
○国務大臣(古賀誠君) 先生の御期待どおりことしのうちにということまでは現段階では約束できませんが、この連絡会議がきょう第一回が始まったばかりでございますので、その推移を十分見定めていきたいというふうに御理解いただきたいと思います。
○中島眞人君 あわせて、用地買収をした土地の管理の問題等もぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。 さて、厚生大臣、幾つか質問の通告をしておいたのでありますけれども、今国会で健康保険の問題、介護保険の問題等々論議が非常に沸き上がってきております。国民負担が大きくなるんではないかということでありますが、実は国民の負担増だけではいけない、医療の不正請求についての問題もやはり大きく取り上げていかなければいけない。昨年、六年度は国庫負担額が五億六千万、ことしは三億七千万円に減額をしたと喜んでおったのもっかの間、厚生省が指導監査をしたいわゆる返還の金額は何と四十六億一千三百七十六万八千円にふえているんですね。 この医療の不正請求というものについて、大変な問題点として、国民の負担に上がっていただく問題もさることながら、医療費の不正請求という問題についてもチェックしていかなきゃいかぬ。そして同時に、返還を受けた金額は国民の皆さん方に、いわゆる不正な形でいただいて返還をしているわけですから、これを国民の皆さん方にもそれなりに応分に返還がなされているんでしょうねということを昨年私は質問いたしました。そうしたら、そのように指示しておりますということですけれども、その辺はどのようになっておるのか、まずお尋ねをいたします。
○政府委員(高木俊明君) 医療保険における不正請求の問題、これはまさに医療保険の信頼を損なうものでありますから厳正に対処していかなきゃいけないというふうに考えております。 これには、審査をやっておりますのでその審査の適正化ということをさらに推進する、それからまた保険医療機関サイドが保険請求に当たっての適正化の知識といいますか、そういった問題についてもっと徹底して身につけてもらわなきゃいけないという問題がございます。 そこで、昨年御質問のございました不正請求返還後、これを保険で給付しておりますので保険で負担した分については返還していただきますが、それと同時に患者さんも負担している、その患者さんの分についてはこれは当然患者さんに返還されるべきである、こういうことでありまして、まさに先生からその点の御指摘を受けたわけであります。昨年の状況について調べてみましたけれども、残念ながら患者さんのところに返還がされているところまでの状況というのは非常に乏しい状況ということがわかりました。 私ども、この辺の実務的な面もございますが、社会保険事務所とかあるいは各保険者、そういったところを通じてこの辺についてはきちっとしたシステムを工夫し、患者さんの方に返還がされるような仕組みというものをきちんとつくっていきたい、このように考えております。
○星野朋市君 平成会の星野朋市でございます。 私がきょう御質問をする背景は、日本の経済成長率と、それが政府のいろいろな政策にどう整今されているかという問題と、エネルギーの過大な消費の問題であるということであります。 まず、経済企画庁にお伺いをいたしますけれども、現在政府の指針になっております構造改革のための経済社会計画、これはまさしく平成七年の十二月に閣議決定されて、平成七年度中に決定されたものでございます。この構造改革のための経済社会計画について経済企画庁長官はどう特徴づけられているか、お答え願いたい。どういうふうな特徴があるか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回のこの経済計画の大前提というのは、例の経済構造改革というのができるという前提でこれはでき上がっておりまして、経済構造改革、一連に出ております六つの改革等々がもしできなかった場合においてはこの達成は難しいというところが一番問題でありまして、日本の経済構造改革が大前提というのが一番の特徴だと思っております。
○星野朋市君 企画庁長官は今そうおっしゃいましたけれども、これ一つの前提があるんですね。平成八年から平成十二年までの五年間の平均的な計画であると。そして、政府の計画の中に二通りの案ができたというのはこれが初めてなんです。もし構造改革がなされれば、この五年間の平均成長率は実質三%、名目三・五%である、そうでない場合は半減してしまいますよということなんです。そして、数字的に出ているのは成長率と、あと失業率の問題とそれから物価の問題であります。 そうなると、平成八年度というのはもう過ぎてしまった。今平成九年度に入っている。今年度の経済成長率は一・九%と言われている。そうすると、平均実質三%、名目三・五%の成長率というのが既に今年度は、よく言われる消費税の問題だとか特別減税の廃止であるとか医療保険費の引き上げであるとか、そういうので無理であろうということで、ダウンしているとすれば、次の年度、来年度は平均するとかなり高い成長率に戻さないとこの計画は達成できないということになります。しかも、構造改革というのは企画庁長官の目から見て今どのぐらい進んでおると思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおり、三%達成するためには、初年度分から高くないんで、後半には三・五もいかないと実質五年間で足らなくなるという御指摘は正しいと思っております。それの前提の経済構造改革がどれくらい進んでおるかという御指摘ですけれども、新聞で言われているように進んでおるのじゃないかと思っております。 昨年の十一月、第二次橋本内閣がスタートいたしまして、これをやるようになりましたときには、本日御出席じゃないんで申し上げるのは、人のいないときに言うのはちょっといかがかと思いますが、閣僚の方々で言われた方は、太郎ちゃん、私の名前を言って、できないからこんな話は勘弁してくれというお話を、十一月、十二月ごろはほとんどの、六つの大臣はいずれも極めて否定的な、まあ早い話が、できっこない話をおまえ一人だけ突っ走るんじゃないぞというお話だったんですが、十二月後半から一月、特に国会が始まります直前ぐらいからは、民間用語で言います団体交渉で言えばほとんど条件闘争にみんな変わられて、一年は勘弁してよ、三年で何とかしろとかいうお話に変わられておりますのが特徴です。 いずれも、絶対できないと言われておりました調整問題が少なくとも条件交渉になり、具体的な案になって、私どもの役所の方からお願いに上がっても木で鼻をくくったような御返事だったところが、いずれもテーブルに着かれて、一応書類を広げられてというお話までが今実態でございます。 どれくらい進んでおるかというのは、ちょっと数字で申し上げるのはなかなか難しいところだと思いますけれども、新聞でできっこないと言われているお話よりはかなり進んでおると私どもは理解をいたしております。
○星野朋市君 きょうの主題は実はそれではないので、これ以上この問題を論議することはないと思うんですけれども、一言だけ申し上げておきます。 この構造改革のための経済社会計画、これはこういう経験がありまして、宮澤内閣のときに、宮澤内閣は生活大国五カ年計画というので三・五%成長というのを旗印にしておった。 それで、これから大蔵省に尋ねますけれども、大蔵省はそのときに名目成長率五%ですね。今も大蔵省は税収の見積もりにそういうのを使っています。名目成長率五%掛ける弾性率一・一というので税収見積もりを立てるから、とんでもない、毎年相当な欠陥、要調整額と大蔵省は言いますけれども、不足額というのが出るのは当たり前なんです。 それで、私は宮澤さんに言った。今までのように政府が一本の柱を決めて、これで国民みんなついてこいというやり方はもう古いんじゃないかと。こういう計画とこういう計画、もしくは三本柱ぐらい、そうするとかなり高い成長を誇りますどいろいろな問題が出てくる。後で問題にしますけれども、エネルギーの問題はまさにその一つなんです。それからもう一つ、三・五%実質成長を遂げていったら、日本の産業労働人口はまさしく生産性を三〇%も上げないとこれに対処できないというふうな問題が起こる。そういうことでいいんですかと。そうじゃなくて、もう少し成長を緩めながら財政の問題をこういうふうに片づけていく。そのどちらを選択するんですかというような方向にすべきではないかと私は質問したことがあります。 それが引き金になったかどうかは別ですけれども、初めてこういう二つの線というもので、今これがオーソライズされた計画になっていると私は思っております。 ただし、この経済計画、麻生長官がおつくりになったときではないので残念なんですが、日本の高コスト構造という分析が珍しくこの中に入っているんです。ただ一つ、住専の問題を控えて、日本の土地の絶対的な高さの問題があえてこれから除外されている。一言も触れられていないんです。これは大きな問題なんですよ。今、日本の投資が海外へ相当出ている。いつもこれが産業空洞化のことで問題になっています。 しかし、日本には一億二千五百万という非常に所得の高い層がこれだけいながら、海外からの投資がほとんどないということはなぜかという問題。これを考えると、日本の高コスト構造、高コストの問題というのはすぐ賃金と規制だと、こういうことでありますけれども、問題は、土地の高さの問題についてあえて触れなかったと私は言うほかないんです、住専問題を控えていたから。この問題がこれには欠如しています。だから長官は今新聞報道で報道されているよりも進んでいるとおっしゃったけれども、根っこにこの問題がある限りはそう簡単には進まないと私は警告をいたしておきます。 さて、大蔵大臣、大蔵省は中期財政展望について、今、経済企画庁長官がお答えになったように、財政の収入面について特に名目成長率三・五%と一・七五%の二通りの計画をお立てになっておりますが、間違いございませんか。
○政府委員(細川興一君) 本年一月に提出いたしました財政の中期展望では、名目成長率につきまして三・五%を前提とした試算と一・七五%を前提とした試算とをお示ししております。これは先生今申されましたように、構造改革のための経済社会計画における名目成長率の見込み、構造改革が進展した場合の三・五、進展しない場合の一・七五を用いているものでございます。
○星野朋市君 これはただし書きがありまして、試算によれば、十年度においては名目三・五%の経済成長に伴って税収が増加するとしても、国債費、地方交付税、既存の制度、施策における一般歳出の増加は賄い切れず、要調整額――要調整額というのは、先ほども言っているようにこれは不足額ですね。かつては要調整額という言葉でもつてかなり調整ができたんです。もう調整ができるような仕組みというか、それはもうできないんで、不足額は完全に不足になって出てきちゃうんですよ。要調整額は四兆円、一・七五%成長の場合は四・五兆円に及ぶこととなると、こういうふうなただし書きがありますけれども、これも間違いございませんか。
○政府委員(細川興一君) 財政の中期展望をいろいろ御説明するときに、今先生申されたようなことを記述いたしております。
○星野朋市君 ここまでは経済企画庁の示された数字と大蔵省とは整合しているんですね。まさしく経済企画庁が示した数字に基づいて中期的な財政の展望、特に収入面においてはそういう計算がなされておるけれども、さて問題は、そうなると、三・五%と一・七五%の試算はできているんだけれども、実際はどういうふうになるのか。 毎年毎年経済成長率というのが示されたときに、それでもって税収の見積もりをして要調整額、これも絶対しばらくの間は不足することは明らかなんですから、それは幾らかということを示すのか。さっき経済企画庁長官との間で議論しましたように、今年度はもう一・九%成長だと、そうすると来年度はどうなるかというと、最初示された一つの中期展望と実質的にはかなりでこぼこがあるという形になりますが、その点はいかがでございますか。
○政府委員(細川興一君) 中期展望でお示ししているものにつきましては、一定の仮定のもとでの姿、十二年度までの姿をお示しして論議の用に供するというそういう側面を持っておりますので、先生御指摘のように、毎年毎年につきましてはその都度経済見通し等を踏まえまして、毎年毎年の努力としてどういうことになるかということかと思います。
○星野朋市君 それでは、きょうの最大のテーマでありますエネルギーの問題について御質問をしたいと思うんですけれども、せっかく経済企画庁と大蔵省との間にそういう経済成長率の整合性がありながら、これは通産の関係ですか、資源エネルギー庁の関係ですか、現行の長期エネルギー需給見通し、一九九四年六月につくられたこの見通しはいかなる根拠によってつくられたのか、それをお聞かせ願いたい。
○政府委員(江崎格君) 今、先生御指摘の平成六年六月に策定されました長期エネルギー需給見通し、これは通産大臣の諮問機関であります総合エネルギー調査会で策定されたものでございますけれども、この見通しにおきましては、今御議論のございました成長率の問題ですが、これ当時発表されておりました政府の経済見通しですとか、あるいは生活大国五カ年計画、こういった公表されておりました計画を踏まえまして、二〇〇〇年度までの期間、年平均を実質で三%の成長率ということで想定をいたしまして全体の需要想定をしております。それからさらに二〇〇〇年から二〇一〇年までの期間は、これは産業構造審議会などの議論がございまして、それを踏まえまして二%台半ばという実質の成長率というものを想定して需要見通しを策定したものでございます。
○星野朋市君 この長期エネルギー需給見通しについては経緯があります。一つは、この見通しができる二年ほど前、二年半ぐらいになりますか、第一次の長期エネルギー見通しができた。そのときは実質経済成長率三・五%、GDPに対するエネルギー弾性値は〇・三八という数値を用いてこの計画がつくられていたはずなんです。そして、この弾性値〇・三八という根拠は一九八〇年代の日本のGDPのエネルギー弾性値なんです。エネルギー庁の説明は、この間、石油ショックがあったりして企業の省エネがかなり進んだ結果〇・三八であると。そして、これを延長した計画が第一次需給見通したという説明であったはずなんです。そのときに日本のGDPに対する弾性率は幾らだったかというと、もう一を超えていたんです。 それで、私はエネルギー庁にこういう質問をしたんです。確かに企業の省エネは進んだけれども、一九八〇年代は日本の産業が重厚長大から軽薄短小、半導体とかそういうものにかなり構造改革、変換を遂げた。これは、それほどエネルギーを使わなくて済んだ産業、そういうのがかなり台頭してきたからであって、省エネだけでは難しいですよと。エネルギー庁では軽薄短小の部分はなかなか認めなかった。そのとき日本の経済成長はどうだったかというと、バブルの崩壊によってほとんど成長がなされておらないから破綻が出なかったんです。ところが、明らかに弾性値の問題で誤りがあったから、たった二年半ぐらいでもって、森通産大臣のときにこれが変わったんです。そして出てきたのがこの数字であります。そして、もう弾性値という言葉は使わないと、今度は正確に毎年一%ずつの積み上げ方式で二〇〇〇年と二〇一〇年までの計画をつくった、こういう御説明でありましたけれども、間違いありませんか。
○政府委員(江崎格君) このエネルギー需給見通しの策定の手順、やり方でございますが、平成六年にできた現行の見通し、それから今御議論のございました前回のものも、いずれも実は、GNP成長率とエネルギーの需要の成長率の弾性値というものを最初に想定しまして、それでエネルギーの需要を予測するという方法ではございませんでして、経済の成長率ですとか、あるいは人口の伸び率とか、世帯数の動向とか、あるいは労働時間の推移といったいろんな経済のマクロの指標につきまして想定をいたしまして、それに基づいて分野別の、産業部門あるいは民生部門あるいは運輸部門、分野別のエネルギーの需要の伸びを想定して需要見通しをつくるという方式をとっておりまして、この点は前回も今回におきましても手法としては同じでございます。 ただ、結果としてどのような弾性値になっているかといいますと、前回のものはGDPの弾性値が〇・四二程度でございましたが、今回のものは、仮にこの見通しどおりに需給がいったというふうにしますと、弾性値は〇・三程度という弾性値としてなっておりますが、ただ、さっきも申し上げましたように、弾性値を先に想定して予測をするものではないということでございます。 それから消費の伸び率は、今先生御指摘のように二〇〇〇年までが毎年一%、それから二〇〇〇年から二〇一〇年までは毎年〇・九%という伸び率を想定しております。
○星野朋市君 今のお答えには全く納得できません。第一次のときは明らかに〇・三八なんですよ。それじゃ、一九八〇年代の日本の成長率に対するエネルギー弾性値が〇・三八、これの延長線上であるという答えは、あなたが長官じゃないから別の方が答えられたんだけれども、それと矛盾しているじゃありませんか。 それから、極端に言うと、今の一%ずつ上げて分野別に正確に計算しましたという答えが、きょうの最大の問題であるけれども、平成七年度の日本のエネルギーの消費は、石油換算でまさしく精緻に積み上げたという二〇〇〇年の数値と全く一緒なんですよ。正確に積み上げていったというあれが、二〇〇〇年の数値と平成七年度の日本のエネルギー消費が全く同じであるというこの根拠は何ですか。
○政府委員(江崎格君) 今御指摘の問題、私ども大変深刻に受けとめております。 現行の需給見通しにおきましては、先ほども申し上げましたように二〇〇〇年まで毎年一%ずつという伸びを想定しているわけでございますが、実は最近のエネルギー消費の伸びが大変高うございまして、例えば一九九四年度ですと三・七%、それから九五年度ですと三・二%という、想定した伸び率よりも三倍を上回るような伸びになってしまっているということでございまして、その結果として、今先生御指摘のように、平成七年度のエネルギーの消費量、これは原油換算で三億八千八百万キロリットルという水準に達しております。これは、まさに先生御指摘のように二〇〇〇年度の長期エネルギー需給見通しの消費水準に達してしまっているという状況でございます。したがいまして、この見通しを何とか達成すべく、今後省エネルギー対策というものが非常に重要である、こういうように私ども考えているところでございます。
○星野朋市君 今の答えも納得できません。というのは、今二年を申されましたけれども、その前の二年は幾らだったんですか。
○政府委員(江崎格君) その前年の九三年度は〇・七%の伸びでございます。それから、さらに一年前の九二年度、これは〇・四%の伸びでございます。
○星野朋市君 それは日本の経済成長率がゼロに等しかったからなんですよ。だから、やはり弾性値というのは生きているんです。無理に、今のエネルギー庁は政策目標という名にすりかえてこの計画を進めている。 だから、どういうことになっているかというと、新エネルギーは最初の計画では五%だったんですね、二〇一〇年には。そんなのはとても無理じゃないかといって、今は三%になっています。だけれども実際には、現状では一・一%でしかない。 それから原子力は、七千万キロワットを二〇一〇年に達成するために、かつての計画ではこういう緩やかなカーブだったものを、二〇〇〇年までは無理だということでほぼ平らにしておいて、二〇〇〇年から二〇一〇年の間に急カーブで無理に七千万キロワットに位置づけている。今の原子力政策でそんなことができますか。 そして、二〇一〇年の一つの目標は、日本のエネルギーの石油依存率を五〇%以下にするという大前提があったはずなんです。ところが、これで新エネルギーは三%を達成ができたとして、原子力は無理だとすれば、何に依存しなくちゃならないかといったら、今過度の消費でもって五年も前に使われている、さらにこれから、弾性値流に言うと、もっと高い経済成長率三%と言っているんですからね。そうしたら、もっとエネルギーの伸び率は高くなる。それは何で埋めるかといったら石油以外にないじゃないですか。石炭は一億四千万トンどまりというあれがある。不足する部分はLNGと石油でしかない。しかもLNGのあれは限られている。とすれば、さらに石油に依存しなくちゃならない。そういうことになりませんか。
○政府委員(江崎格君) 御指摘のエネルギーの供給源の問題でございます。 原子力につきましては、計画では二〇〇〇年時点で、石油換算で三千百億キロワットアワーということで全体のエネルギー供給の一二・三%、これは九二年度に比べまして約八百億キロワットアワーぐらいの増加ということでございます。それからさらに、二〇一〇年では四千八百億キロワットということで、その時点におけるエネルギー供給の一七%弱を賄うという計画になっております。 先生御指摘のように、原子力の立地というものは現在非常に時間がかかる、また住民の理解を得るのに大変労力を要するという状況になっておりまして、この計画を計画どおり、あるいは見通しどおり実現していくというのは大変難しい状況でございますが、原子力発電というのは大変環境への負荷が少ないとか、それからエネルギーの安定供給の面ではすぐれた面もございますので、極力この見通しにあるような線で実現するようにということで、私どもはいろいろな努力をしているところでございます。 それから、その他のエネルギーということで今御指摘の石油でございますが、これも見通しては二〇〇〇年で日本のエネルギーの五三%程度、それから二〇一〇年では五〇%を切りまして四七・七%程度という目標を立てておりますが、現時点の最新時点では五五、六%程度ということでございますけれども、確かに今石油依存度というのはそのぐらいで低下程度が停滞しておりまして、なかなか下がらないという状況でございます。 今後も石油に余り多く依存していますと、エネルギーの供給構造が非常にもろいということもございますし、それから環境面でも化石燃料ということでございまして、石油への依存度をなるべく減らすべきであるという方向で努力をしておりますけれども、これも相当努力を要するということでございます。 それから、その他のエネルギーとして石炭、これは今後とも一五、六%で日本のエネルギーのかなり重要な部分を担うということになろうかと思います。主として海外炭でございます。 それから天然ガスも、化石燃料の中では比較的クリーンなエネルギーということで今後とも少しずつふえてまいりまして、現在一〇%程度ですが、二〇〇〇年では一二、三%、二〇一〇年でもほぼ同じ程度のシェアを持つようにということで開発を進めておるところでございます。
○星野朋市君 途中で方向転換して急に大蔵大臣にお尋ねする失礼をお許し願いたいんですが、ちょうどG7でお帰りになったばかりで御苦労さんでございますが、今のこの論争を聞いていまして、ちょうど平成七年度は平成七年四月十九日に円が八十円を一回割ったときがあるんですね。この前の決算委員会の締めくくり総括でも大蔵大臣との間に御議論をいたしましたけれども、その翌日、二十日からわずかにいわゆる投機筋のターニングポイントが来て円安に振れた、そして平成七年度の平成七年十一月に念願の百円に戻ったわけです。それからさらに一年半、今、非常に御苦労なさっておられる円安に振れ過ぎまして百二十七円ということになってしまいました。 私は、前の締めくくり総括でも申し上げましたけれども、円は緩やかに高い方が望ましいんだという論者でありますから、今の円安の行き過ぎと、これから相当な資源エネルギーを輸入しなくちゃならない日本の立場からいって、円安の行き過ぎを大蔵大臣はG7でも訴えられてきたけれども、この件についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) G7の七カ国蔵相・中央銀行総裁会議、その前に日米蔵相会議、もちろん総裁も同席です。日独蔵相、連銀総裁、日銀総裁、こうなるわけでございまして、私からは、安定した為替相場は今後のインフレなき持続的成長にプラスになります、大事なポイントです、我が国はただいま構造改革六改革に全力を尽くして取り組んでおるところ、特に金融システム、健全財政を目指す財政構造改革は至上命題として取り進めております、経済状況は民需を中心とした内需振興が図られ、足取りも緩やかから確かなものになりつつある、格段の協調、理解の中で取り組んでまいりましようと、こう申し上げました。 為替レートの件につきましては、御承知のとおり、ベルリン七カ国会議におきまして適切な協力によって安定を期していこう、こういうことでございましたが、今回の七カ国の会議におきましては改めて共同声明という強いメッセージを発する合意に達したのであります。 二点、ベルリン会議と違いますトーンの強まったところは、相当程度のファンダメンタルズからの乖離が望ましくないことという経済学的な、実学的なポイント、星野先生ならおわかりいただけるところであります。そして、大幅な対外不均衡の再来に結びつくような為替レートを避けることが重要である、こういう二つの文言が最終的に取りまとめとして成立をいたしたところであります。そのため為替市場における緊密な協調を保とう、こういうことであります。 為替相場の安定に向けたベルリンG7をさらに強化するものと私はこれを評価いたしておるところでございまして、日米はともに本件に最大の注意力を持って取り組んでまいることがすべての面において重要である、このように取り決めさせていただいたところであります。
○星野朋市君 海野さんの時間をもう一、二分いただきまして、再度エネルギー庁と、それから環境庁に質問をいたします。 先ほどからずっと続けておった論議からすると、我が国の国際公約であるCO2の発生を一九九〇年時点に抑えるという国際公約はとても守れそうにはないと思いますけれども、環境庁はそれに対してどういうふうな答えを用意しているか、お聞きいたします。
○政府委員(浜中裕徳君) お答えを申し上げます。 我が国の二酸化炭素の排出量は、一九九四年度の値で見てまいりますと、九〇年の値に比べまして一人当たり排出量で五・八%、排出総量で七・二%増加している現状にございます。 これまで政府といたしましては、地球温暖化防止行動計画に基づきまして各種の対策が実施をされ、また企業の自主的な取り組みも行われておるところでございますが、このままでは計画の二〇〇〇年目標の達成は非常に厳しい状況にあると考えております。しかしながら、私ども環境庁が昨年取りまとめました見積もりによりますと、二酸化炭素の排出の抑制や削減対策に利用できる技術は数多くございまして、目標の達成はもちろん容易ではございませんが、技術的には相当程度、削減の余地があるという結果も得ているところでございます。 また、本年十二月には、二〇〇〇年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みを定める地球温暖化防止京都会議が開催されるわけでございます。我が国は世界第四位の二酸化炭素排出国でございまして、地球環境の保全に大きな責任を有しているとともに、京都会議の議長国として国際合意に貢献することが期待をされているわけでございます。 このため政府といたしましては、地球温暖化防止の観点から、省エネルギー、新エネルギー対策の推進でございますとか、低公害車の導入などの施策を、これまでも進めてまいりましたが、今後これらを一層推進、強化いたしますとともに、環境庁といたしましても、近年の排出量の増加が主として民生部門あるいは運輸部門で見られ、国民生活における取り組みの強化が必要であると認識しておりまして、日常生活の中での国民の自主的取り組みが推進されるよう国民的規模で啓発を進め、あるいは国民総ぐるみの取り組みを進めるということをいたしまして、二〇〇〇年までに残された短い期間ではございますが、最大限の努力を進めてまいりたいと考えております。 こうした国内での取り組みを踏まえまして、京都会議におきましては実効性の高い国際合意がなされるようぜひリーダーシップの発揮に努めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○星野朋市君 終わります。
○海野義孝君 平成会の海野義孝でございます。与えられた時間の範囲で関係の各大臣皆様に御質問させていただきたいと思います。 最初に、いわゆる金融制度改革、日本版ビッグバンの問題につきまして大蔵大臣に御質問させていただきたいと思います。 昨年の十一月十一日に橋本総理から金融制度の改革につきまして御発表がありました。それから約半年経過するわけでございますけれども、どうもこの間、我が国の経済情勢等あるいは金融、為替の状況等を見ておりますのに、いわゆるビッグバンが実施された以降における我が国の金融システム、こういったものの姿、そういったことよりも、どうもいろいろな問題がむしろこのところ噴出してきているんではないかというように感じるわけであります。つまり、三月から四月にかけまして日本債券信用銀行の経営再建の問題であるとか、あるいはつい最近、まさかと思いましたけれども、生保業界におきまして日産生命のいわゆる経営破綻、こういった問題が相次いで出てきたわけであります。 そこで、私はまず大蔵大臣にお聞きしたいのは、いわゆるこのビッグバンのスケジュールの中で、当面の諸問題について、大変私は憂慮すべき点が多々今出てきていると思いますけれども、その辺についての、ビッグバンを推進していかれる中でのここ半年間での諸問題、こういったことにつきまして大蔵大臣はどのような御認識でおられるか、あるいはまたはどのように対応されているかということにつきまして、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 大変難しい財政経済運営のときであろうと思います。もちろん、産業の血液であります金融制度、このシステムをどう構築するかというのが実は日本版ビッグバンの発想であり、国際的な基準、そして自由であり公正であるという、どこの国にも通用する、同時に一千二百兆を超すと言われる個人預貯金がこの市場を通じて安定した資産形成に結びつく、こういうことであったことは間違いございません。 そういう中で、ただいま御指摘の二十の基幹銀行のうち二つの問題、日債銀、拓銀等であったわけでございますが、全力を尽くした再建策、これならばいける、こういう理解を得られる再建策をつくり上げたことによりまして、大蔵も日銀も、そこまでやり抜いたのであれば内外の金融システム安定のために、維持のためにこのことは大事だと、こういうことで取り組まさせていただきました。 その結果として、一部にまだとかくの懸念がありますことは承知をいたしておりますが、全体の流れといたしまして、日本の金融政策は自助努力、血のにじむリストラをやり抜く金融機関である限りサポートされる、これは金融三制度の中と、こういうことでございます。同時に、マーケットもその限りにおいてはサポートが行われる、こういうことであると思います。 日産生命でございますが、本件については最終的に生保協会を管理人として、契約者に対する最大の努力、これは同時に生保というこの制度の信頼を引き続き保つという意味において三十三社、一除くですから三十二社になりますか、これが全力を尽くすことが高齢化社会を迎えまして、民間年全体制、預貯金、老後対策、こういうことで多様な経営が期待されるわけでございますから、その点で本件も思い切ったリストラ再建策を発表することによりまして今後安定した方向に行くであろう。 ちなみに、G7、七カ国会議におきまして、保険制度、保険の問題については言及がございませんでした。もちろん、私から簡明に金融機関、生保の今日の我が国の現況について触れさせていただいたことが了承を得たものと、こう受け取らさせていただき、前段申し上げましたようなことで、今後、協調そして綿密な連携の中で金融システムの安定維持のために取り組もう、こういう共同声明になったのがそういうことであります。
○海野義孝君 今の大蔵大臣の御答弁ですけれども、私は、ビッグバンを進めていく上におきまして、まだ何となく対応の仕方といいますか、踏み込みがやや甘いんではないかというように率直なところ思うわけでございます。 実は、バブルが崩壊しまして既に五年有余を経過しているわけでありますけれども、そうした中で今回の日債銀問題あるいは日産生命の問題等が出てまいりましたけれども、これはここへ来まして急にいろいろな問題が噴き出したわけではございませんで、例えば日産生命の場合は既に九四年三月期に債務超過という状態に陥っているというようなこと、あるいはまた日本債券信用銀行の場合は既に一年有余前からいわゆる世界的な格付機関であるムーディーズ、こういったところが日本の長信三行の中でも大変厳しい評価を与えてきた。具体的にもう既にマーケットにおきましても、その利付債の利回り等におきまして三社における格差が歴然としてついてきていたと、こういうことがございます。 こういったことを考えますと、昨年の今ごろ、いわゆる住専問題を審議し、さらにその中で大蔵省の改革あるいは日銀法の改正、さらには金融三法における早期金融是正措置、こういった問題について昨年相次いで審議なされ具体化を見たわけでありますけれども、現在の金融機関の破綻の問題というのは、一昨年いわゆる二つの信用組合に始まって、それ以後一昨年から昨年にかけましても次々とこういった問題が出てきていたわけであります。 そうした中で、私どもは、こういった現在の金融業界におけるいわゆる経営健全化のための例えば不良債権の処理の問題等につきましても再三にわたって金融当局に対してもただしたわけでありますけれども、これについては明快な正確なそういう情報開示はしていただけなかったということであります。 このところで相次いでいるそういった金融機関の経営破綻あるいは再建問題等におきまして、あからさまになってきている不良債権の問題等あるいは債務超過等の問題について見ると、いずれも大変な言われていた金額以上のものになってきているという問題がありまして、こういったことを考えますと、いわゆる預金者にしましても、もつと大きな立場で言うと国際的な金融業界におきましても、我が国のこの金融業界に対して、ひいては金融行政に対して、本当に大丈夫かと。 今、大蔵大臣が御答弁になり、あるいはまた先般の二十四日ですか、日米首脳会談において橋本総理がクリントン大統領に対して経済問題等で御答弁もあったわけでありますけれども、国際的な場におけるそういった御答弁と現実に我が国の現在抱えている問題との間に、私はかなりの懸隔があるんではないかということを懸念するわけであります。 昨年十一月にビッグバンの問題を総理が御発表になった。これはビッグバンだけの問題ではなくて、六つの改革の中でもまさに先頭を切っていく大変重要な改革でありますけれども、すべてが絡み合っているという問題があるわけであります。 そういった改革を打ち出していく背後において次々と問題が出てきている。私は、むしろビッグバンが進展する過程においていろいろな問題が出てくるかと思っておりましたけれども、実際にはその前から相次いで問題が起きているということについて大変この点を心配するわけであります。その点、今後の金融行政について、大蔵大臣に重ねてひとつ積極果敢な、またその状況判断を誤らない、そういった行政をしていただきたいということをお願いするわけですけれども、大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 海野議員の全体を見通しての御見解、特にしっかりしろという御激励を含めた御指摘であろうかと実は受けとめさせていただきます。 要すれば、自由主義というのは自己責任なんです。同時に情報開示であり、信用事業を行うもの、生産事業を行うものについても企業の情報開示があって、そして大衆の資本参加を求めて一体として行われて、利益が還元され、地域が発展していく、国の富がふえる、こういうことだと思うのであります。 そういう中で、高度成長を経て安定になり、そしてバブルになり、バブル不況、そういう意味では政府の責任なしといたしません。しかし、この国の経済が全治十カ年でありますとか二十年でありますとかというような深手を負わせるということは、政府にとりやってはならぬところであり、これに取り組む基本的な姿勢は、改めてグローバルスタンスでなければならぬ、こう思うんです。そういう中で今日取り組まれておるわけでございます。 前段でも申し上げましたとおり、経営はさまざま区々であります。しかし、金融機関が、そういう意味では生保も入りますし、大きな日本の金融制度のそれぞれの企業群でありますけれども、この事態に対処いたしまして、自己責任に徹しながら情報開示、この理念を明確に堅持しながら思い切ったリストラを、血の出るリストラを断行して信任を得る。それがやはり納得のいく再建計画策であれば、実効性があるというのも極めて重要なところでありますが、その限りにおいてはやはり政府はその行動をサポートしていく。また、そういう悲壮な改革案を提示して株主に対する理解を求めるという、その気迫が株主各位の理解を得て再生に結びつくものだというふうに思います。 あなた頼りの、また機関頼りの、政府頼りのという過去のしがらみはなくなってほしいし、ビッグバンのスタートを切りましたことが、そういう意識革命、改革をもたらす一つの突破口であったことは間違いありませんし、私どもその点について冷静に、客観的に判断をしながら取り組んでいかなければならないと思っております。金融各機関、世界第二位の経済大国であります。その自覚と使命感、こういうことで最大のやはり努力を今後も続けていってほしい、こう思っております。金融システムが機能いたしませんければ、政治が逆立ちしても前に進みません。こういうことで、自覚と今後の努力を重ねて要請しなければなりませんし、当局も私と考え方は全く同じでありまして、全力を尽くしておるところであります。
○海野義孝君 おっしゃることは全くそのとおりでありますが、言うなれば、今のような御発言を昨年の今ごろおっしゃっていただければ大変私としても納得できたわけでありますけれども、ビッグバンに対する御決意であるのか、あるいは現状における金融機関の破綻に対する金融行政の対応の仕方であるとか、そういった点がどうも大蔵大臣の今の御答弁の中にはまじり合って御発言になっていらっしゃるように私にはとれて仕方がありません。 それはそれとしまして、昨年の六月に金融三法ができまして、いよいよ早期是正措置も稼働する段階に入りましたけれども、どうもそういったいろいろな諸措置が具体的に動き出すのよりも現実のいろいろな問題、それは私に言わせれば過去における金融行政のいろいろな問題点によって今日いろいろ起こってきている問題が、同時にというかむしろ早く起きてきているというところに、私はビッグバンをこれから進めていく上で大変国民も心配するでありましょう。また、金融機関等についても大変踏み込んだ今後のそういった金融制度改革に対応していくという面でのやはり戸惑いがあろうかと思うんです。 具体的にいいますと、例えば生保業界がいわゆる銀行関係のような預金保険機構、これも実は昨年住専問題が出ましてから大変なことで、七倍に預金保険料率を上げるとか右往左往しましたけれども、実はこの生保業界については銀行に比べてやや判断が甘かったんじゃないかと思うんです。昨年になって新しい保険業法をつくって、そしていわゆる預金保険機構的な、言うなれば支払い保証制度、こういったことについては今まだその検討の段階だと。 恐らくここへ来まして、慌ただしくそれの具体化に向かって今当局ではお進めになっているかと思います。このこと一つをとって見ましても、数日前の報道におきましては、こういう支払い保証制度創設へ向けて検討を開始したけれども、導入の時期についてはまだめどは立っていないというようなことを新聞は報道しているわけで、これに対してそうではないというようなことを、もしあれでしたら、銀行局の保険部長さんでも結構ですけれども、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(福田誠君) お答えいたします。 昨年施行いたしました新保険業法におきましては、契約者の保護を図るために契約者保護基金の制度が導入されております。保険契約の場合には、契約者の保護で最も重要なことは契約を継続するということでございます。銀行のようにペイオフというよりは契約を継続していくことが最も保護になるわけでございますので、既に新保険業法におきましては、契約を継続する場合の引受会社に対して契約者保護基金を発動するというスキームができておりまして、今回もこれによりまして最大限契約者の保護を図ることとしております。 なお、お尋ねの支払い保証制度につきましては、これは支払い保証制度の導入になりますと倒産法制との関係整理等複雑な検討を要するものでございまして、今後の検討事項とされてございまして、平成八年四月の新保険業法では、とりあえず保護基金で対応するということになっているわけでございます。この保証制度につきましては、昨年十月に支払保証制度に係る研究会を発足させております。現在、鋭意検討を進めておりますが、ただいま申し上げましたような法制的な複雑な問題が多々ございますので、今後結論が得られ次第、所要の法改正を行いまして、保護基金に加えてさらに契約者保護を万全なものとするように体制整備に努力をしてまいりたいと考えております。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。 今回の日産生命につきましても、その債務超過額が既に今おっしゃった基金の最高額を上回るような状況になるということで、現在は何か調査あるいは検査中であるということなんで、月内にはその結果が出ると思いますけれども、ひとつ万全のそういった対応をお願いしたいと思います。 このことは、実は先ほど大蔵大臣、金融制度改革、つまり日本版のビッグバンにつきまして、既にこれは始まっているというようにおっしゃっているわけですけれども、この辺がちょっとわかりにくいんです。ということは、来年の四月からいわゆる外国為替及び外国貿易管理法の改正ということが行われまして、これでいよいよ動き出すということだろうと思うんです。 ところが、そういった中で、今大変大蔵大臣御心痛のところの金融業界のいろいろな破綻問題等、これは私に言わせると、ビッグバンが、来年の四月から外為法がいわゆる自由化になったという段階からさらに一段と進んでいくということになろうかと思うんです。そうしたときに、さっきおっしゃったような、それについてはいわゆる経営の責任ということだけでは私は金融行政としては問題があろうと思うんです。 そういう意味で、金融ビッグバンを進めていく中で、そういった問題については万全の対応ということをやはり当局としてはお進めになりながら金融バンを進めていく。まさに我が国が十数年、いわゆる円ドル委員会というのが一九八五年の秋に設立されて、そのときから本来であれば金融為替の自由化に対応した金融行政に取り組むべきであったのが、今日までおくれてきたという問題は、私はビッグバンを行っても容易に欧米の先進国にやはり追いつけないという危険というか危惧を持っているわけであります。そういった中におきまして、残念ながらそういったいわゆる不良債権の問題等、現在の金融機関が抱えている問題の対応と、さらにはビッグバンに対応した対応と、まさに二つの作戦というか、二大正面作戦で取り組まなくてはならないというのが我が国の不幸であると私は言わざるを得ないと思います。 これは十年前のシティーの場合も、二十年前のニューヨークのウォール街の場合も、これは証券問題だけでありましたし、それに対応した助走期間というものがあったわけです。ところが、我が国の場合はそういったものがない中で、昨年の十一月に六つの改革の中でビッグバンがぽんと打ち上げられ、そして、そうした中で一方でいろいろな金融破綻の問題等に対応していかなくちゃならぬという御苦労がおありなわけなんですが、やはりこの辺の対応を今後誤っていくと我が国は取り返しのつかないようなことになる。 さっき大蔵大臣がおっしゃった中で私大変気になるのは、個人の金融資産千二百兆円を守るというお話でありましたけれども、これは現実には守られないわけで、我が国の超低金利の中で現在大体月間、年ベースで十五兆円の金が海外へ出ていっているわけです。資本がどんどん逃避しているわけです。 これをもってしても、我が国の現在置かれている超緊縮財政あるいは超低金利政策、こういったものもやむにやまれず今やっているわけであります。しかしその面で、一方ではそういったいろいろな問題が起こっているということについても、大蔵大臣、重々ひとつ胸におさめながら差配をしていっていただかないと、先ほどの御発言は昨年のお会いしたときの御発言からはかなり変わってきまして、もう既にビッグバンが始まっている中での、金融機関はこういうふうに取り組めとか、そういう大変厳しいようなお話でありますけれども、現実はバブルが破裂した以後の今日においても何ら問題が解決しないということが現在金融機関の破綻とか経営再建という中で吹き出しているわけですから、その辺の御認識を厳しく持っていただきたいということをお願いして、次の質問に入ります。 大蔵大臣、つい数日前にワシントンからお帰りになったということで、大変ハードなスケジュールを日常こなしていらっしゃることに対しては、御苦労に対して敬意を表する次第でありますけれども、私は、今回の日米の首脳会談そしていわゆるG7、この中におきましては大変気になる話がお互いの間であったということを懸念しているわけでございます。 〔委員長退席、理事吉川芳男君着席〕 それは、現在我が国が進めている財政再建の問題等に対して、アメリカのルービンさんとかサマーズさんを初めクリントンさんもおっしゃっているわけですけれども、そういった向こうの首脳の方々が、我が国の財政再建に取り組む具体的な今の進め方、いわゆる経済構造改革あるいは財政構造改革、こういった問題に対して。一方では、このところの円安、これは最近のG7におきましても、私に言わせますと為替を安定化させていくということについては確たる具体的なものはないわけでありまして、もう既に大蔵大臣が帰りの飛行機の中あたりから、我が国の為替は円安になっていると。 こういうことを見ましても、大変為替の問題というのは協調だけではどうにもならない。これはやはり先進各国におけるその国の経済情勢あるいは金融情勢、為替の情勢等々の中で結論を出すべき問題であろうかと思います。我が国の御都合だけで今の我が国の百二十六、七円の円安というものがこの辺で維持できると、あるいは少し、先ほど星野議員からも御質問がありましたけれども、確かに緩やかな円高ということが私も望ましいと思いますけれども、現状は、いわゆる円とドルとの交換という面におきますと、私に言わせれば、残念ながらドル需要が多いということから考えますれば、円を売ってドルを買っていくということはやはり円安という方向かなということを心配するわけであります。 そうした中で、今回アメリカの首脳陣から、我が国の大蔵大臣また総理がいただいてきたお話を新聞等で拝見する限りでは、これはまたこれから例えば半年ぐらい、秋ごろにかけて、我が国の為替の動向あるいは我が国のこのところの国民に負担をお願いしたいわゆる消費に影響するような最近の税制、こういったことに伴って景気が不幸にしてこれから秋ごろにかけて後退していくというようなことになりますれば、為替の問題についてもやはり心配があるわけでございます。 さらには昨年、私は大蔵大臣に御質問したことがございますけれども、この平成九年度の予算の中で、不幸にして秋ごろに景気が後退したために、これを補てんするために、景気を支えるためにとられる政策としていわゆる補正予算の心配はないかと言ったら、今の段階からそういったことを考えもしないし、そういうことはあってはならないし、そういう面で努力をするんだとおっしゃったわけでありますけれども、これは私は、一アメリカと日本との間で、今回のトップ会談において言われたことは一笑に付すようなそんな問題ではない。 なぜかというと、私は、この十年間の我が国の証券、金融等における状況を見てきた場合に、やはり日本の諸政策というものが漸進主義であると。銀行関係の護送船団方式もそうでありましたけれども、そういう漸進主義というものに対して海外から要求してきているものというのは、ことごとく具体的なものを迫ってきているという面があろうかと思います。 私は、あの証券界がいわゆるバブルをピークにして九〇年から崩壊状態に入ったときには、まさにアメリカがデリバティブをもって我が国の経済界をじゅうりんしてきたという問題があったと思うんです。そしてまた、先ほど星野議員からも触れられた一昨年四月の七十九円七十五銭までの急激な円高という問題も、やはり我が国のいわゆる黒字減らしの対策に対して、アメリカからというか国際的に大変厳しいそういった円高という形を突きつけてきた、そのように私は個人的に自分の経験から受け取っているわけであります。 そういうことから考えましても、今回の問題も、これから先半年の間に我が国のいわゆる行財政改革を初めとした大きな取り組んでいる改革、これに対していろいろな問題が起こってくるようなことになれば、これはまさに我が国の政権だけでなくて我が国の政治、業界が国際的な競争力を失ったことを示すことになるのではないかということを私は心配するわけであります。 そういった意味で、今回の日米首脳会談あるいはG7等を通じての為替の問題、あるいは財政再建と日本の景気の回復の問題、こういったことについて、その一部始終は当然御発表はできないでしょうけれども、我が国の金融を預かっている大蔵大臣として、今回の二つのビッグな会議を通じての御所見、あるいは今後のお取り組みについてひとつまとめて大蔵大臣に御意見をお聞きしたい、このように思います。
○国務大臣(三塚博君) 議員からただいま、今後の重要な財政経済・金融運営の基本的な二つの問題をどうするのか、こういうことであります。 明らかな形で表明されませんでしたが、財政出動の強い要求がトップ会談において、あるいは日米蔵相会談において出たのではないか、それと裏腹でどう対応するのか、こういうことであろうと思いますが、前段、簡単に首脳会談、蔵相会談のエッセンスのところを申し上げますと、トップ会談というのは、個別、シリアスな問題というのは余り激突をすることがないものであります。両国のさらなる提携ということ、特にアジアの安定のために安保条約のさらなる連携強化と再確認ということが大事と、こういうことであり、マクロ経済についてはお話があったことは当然であります。 これに対しまして首相からは、従前の経常収支黒字という問題の中身ではあるがということでデータを示し、所得収支、それと貿易・サービス収支、この二つが経常収支を構成する二大要素であります。その数字が発表されるわけでございますが、最近の数字でありますが、一・四という数字があります。それに対して全体では、貿易収支その他について言いますと、その構成比は〇・五が寄与をいたしておる。それで所得収支、いわゆる日本の資金による投資その他外債の購入、有利な商品への投資等々の利子及び配当の総額が一・四のうちの〇・九でありますと。ですから、それはまさに諸外国に貢献をしておる我が国の資本移転、投資であるわけですから当然の配当利子でありますということを申し上げながら、貿易収支の一・四に対する寄与度はそういう点からいいますと〇・五でありますと。このデータをきちっとしたものを提示されたわけであります。 そんなことで、それ以上の論争はなかったと聞いております。詳しくは日米蔵相会談の中でそのことを詰めていただこう、詳しく話し合ってもらおう、こういうことでありましたから、私からトップ会談の意を受けていささか詳細に本問題を申し上げ、理解を得たいということで申し上げたわけであります。 特に、構造改革六改革が着実に進んでおる我が国の経済状況、第一・四半期消費税導入により緩やかな足取りになっておることは事実でありますが、昨今の経済状況、民需を中心とした内需が確実にしっかりとした足取りで取り組まれておるという昨今のそれぞれの数値を紹介申し上げながら、私どもは円安を頼りに、またそれの結果として出る外需を中心にやるつもりはありません、こう申し上げました。 そういう点で、中期的な視点で見ていただきますようにと、こういうことであり、財政出動をただいま考える時期にはございませんし、基本的な点で理解を得たいと。 為替については、先ほども申し上げましたとおり、G7のメッセージよりも強めて行ったわけでございますし、日米の関係は事務方、責任者が協調、連携を密にしながら安定のために進まなければなりませんし、これ以上の円安の措置ということについて努力をしていくことは当然のことと、こういうことであります。
○海野義孝君 大変長々と御説明いただきまして、ありがとうございました。 大蔵大臣の熱意のほどはよくわかりますけれども、やはりこれからの具体的な施策において、日米間のそういった会談において出てきたような問題が、我が国においていろいろな今後のいわゆる経済財政政策のかじ取りにおいてそういったものが少なくとも足かせにならないように、ただいまからひとつその点万々気を使っていただいて、御説明いただきたいということをお願いします。 〔理事吉川芳男君退席、委員長着席〕 時間が大分とられちゃいましたので、あとは関係大臣の方々にも簡潔に御答弁をいただきたいと思います。 次に、ビッグバンの問題との兼ね合いで、私は財政投融資の問題についてお聞きしたいと思うんです。つまり、今いわゆる財政改革会議であるとか本部であるとか、いろいろなところでいろいろなことがされておりますけれども、そのことは新聞等で十分にわかっておりますので、そのことについてはお触れにならなくて結構であります。 私は、大臣としまして、これから平成十年度予算の概算要求の前段としまして、財政再建法ないしは財政構造改革基本法的なものの骨子をことしの六月ぐらい、常会のぎりぎりのところまでにおつくりになり、そして、そういった線に沿って概算要求等を行っていくということになっていこうかと思うんです。ですから、言うなれば、平成九年度の予算に比べるとがらりと変わった形のものが考えられるわけでありますけれども、大変この点についてはいろいろ難しい問題があるということはわかります。 そこで、この財政投融資の問題というのは、そこにはいわゆる郵政三事業といいますか、郵貯と簡保の問題等が財政投融資関係の中の入り口の部分にあるわけです。中間は理財局の資金運用部関係の問題ですけれども、出口の方におきましては政府系の金融機関とか特殊法人の問題とか、こういうことがあります。 まず、入り口の問題で、財政投融資のいわゆる原資を供給される立場の郵政大臣からお聞きしたいんです。 私は、お答えとしましては、いわゆるビッグバン、ビッグバンについてはさっき重々大蔵大臣からお話がありましたとおりであります。まさに従来的なそういう公的な政策金融、こういったものをこれからのビッグバンの中で、いわゆる市場競争が行われる中においてどのように位置づけしていくかというような御認識のもとで、郵政大臣、今後の郵政三法につきまして、二法でも結構ですけれども、二事業についてどう取り組まれるか、簡潔にひとつ御答弁をお願いします。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま先生のお尋ねは恐らく郵便貯金と簡保資金の問題であろうと存じますが、もう先生も御案内のとおり、国民からお預かりいたしました郵便貯金は法律に基づきまして資金運用部に全額預託するということが義務づけられておるわけでございます。そして、社会資本等の整備等に役立てられておりますが、しかもその一部を資金運用部から金融自由化対策資金として借り入れるという形で、郵政省独自で運用をなしておるところであります。 この金融自由化対策資金は平成八年度で約四十兆円になっておりますし、恐らく平成九年度は約四十五兆円になるかと存じます。現在、国債や地方債あるいは社債、外債等を主な運用対象として自主的に運用いたしておりますが、毎年立派な成績を上げておるところであります。 現在、財投資金の問題につきましていろいろ議論、検討がなされておると聞いておりますが、今後、郵便貯金の運用に当たりましては、貯金者の利益の確保、そして郵便事業の健全経営の確保、あるいは二十一世紀にふさわしい社会資本の形成等に貢献するという観点に立ちまして運用してまいらなきゃならぬと思います。今日まで長い自主運用の経験と実績を持っておりますので、適切に対応してまいりたいと思っております。 さらに、簡保資金は、もうこれは御案内のとおりでありまして、全額郵政大臣が運用できることになっておるわけでありますが、現実には財投と市場運用を行っておるわけでありまして、この運用に当たりましても、確実、有利、そして公共の利益という三原則に基づきまして適切に配分をいたしておるわけでございます。 例えば、平成八年度はこの運用の約六〇%が財投の方でありましたが、平成九年度は逆に自主運用を六〇%、そして財投を三十数%に減らしてきておるわけでございます。これはまた相当な自主運用のノウハウを持っておりますし、これは最初から自主的に運用することになっておりますので、将来財投の諸問題がいろいろな方向で解決されましてもそのような形で十分自主運用にたえられる、こういうように思っております。
○海野義孝君 今、郵政大臣の御答弁は、私がお願い申し上げた点とはいささか違うわけでありまして、その点は結構でございます。 お立場上、とにかく今いろいろと言われておりますような郵政三事業の民営化の問題等についてはあえてお触れにならなかったわけであります。私は、ビッグバン、行財政改革、市場競争原理に基づく金融自由化時代を迎える中で、現在の我が国の公的金融あるいは政策金融的なものというのは当然改革をしていかなくちゃならぬ、そういった視点から郵政大臣の御見解をお聞きしたがったということです。 時間がありませんので、その点はまた省庁別のときにでもお尋ねするということで、次に武藤長官にお聞きしたいと思います。 特殊法人あるいは政府系金融機関等を含めまして、こういったいわゆる財政投融資の出口部分のもの、我が国の戦後五十年間の中におきましては大変それなりに意味があったわけですけれども、そういう政策金融というものの役割ということと今後の行革ということとを兼ね合わせてどのようにとらえて、具体的に五月とか六月までにはやはり大体のデッサンというものをはっきりさせなくちゃいかぬというお立場かと思うんです。行財政についての、いわゆる財政再建の中におけるそういった面でですね。 そういうものを踏まえてひとつ簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) やはり、とりあえず財政再建の中で平成十年度の概算要求に間に合うようにということで私どもはまとめなきゃいけないと思っております。長期的なものが六月末にまとまるのはなかなか難しいんじゃないかと私は思っております。 そういう前提に立って、今の財政投融資との関連で、いわゆる出口で特殊法人というものをどう考えていくかということでございますが、私ども当面は、特殊法人については、この国会にもお願いをいたしておりますが、とにかくディスクローズをはっきりさせる、今余りにも明確になっていない特殊法人の運営について、その子、孫を含めてできるだけはっきりさせていくということが第一でございます。 それから第二は、いろいろ与党の方でも御議論いただいておりますから、それを踏まえまして、私どもは行政監察という立場で、それぞれの特殊法人が一体必要かどうか、あるいは民営にしていってもいいんじゃないかということを検討していきたいと思っております。 第三番目は、今のお話で、これは将来の問題になってくるわけでございますけれども、私から見ると、特殊法人の皆さんはいわゆる財投というものを何か第二予算みたいに考えて、実際はお借りしているわけですから返さなきゃいけない、投資の分は別でございますが、融資は返さなきゃいけない。それに対して、どうも本当に返すという観点で運営が今なされているかどうかということを私は疑問に思っておるわけでございます。もう少し返すという観点に立って、財投のお金をお借りして運営をしていく場合には、経営を合理化する、あるいは競争原理を入れてやっていくというきちんとした考え方に立って特殊法人はやっていただかなきゃいけないんじゃないかというふうに財投との関係において私は考えております。
○海野義孝君 大変ありがとうございました。 私は、最近の行革問題等につきましては、いわゆる組織単位の統廃合問題とかそれから民営化議論、こういうものがどうも先行するという形が強いんじゃないかというふうな懸念を持つんです。私は、国際的なそういうグローバルスタンダードというような視点に立って考えるならば、もちろん政策金融的なそういう金融機関もあるわけですけれども、そういう視点に立って政策金融の役割、あるいは具体的にどうするかという問題の機能議論といいますか、そういうものがどうも余りなくて、ただ統廃合だとかあるいは民営化だというようなことが出ているけれども、この議論から入っていくとこれはもう当然反対論が多いですから、影響するわけです。例えばそこに働いている労組の方々だって当然自分の生活がかかってくる問題ですから。 話は前後しますけれども、かつてドイツで郵便局、郵政の民営化をしたときには、あの中で当時の国家公務員をどうするかという扱いの問題、組合から相当な議論があったというふうに私は聞いております。これは郵政大臣もお聞きだと思いますが、現在、民営化された中で働いている方々の七五%が国家公務員扱いの恩給をもらえると、そういう形になっているということを私は聞いているわけです。 ですから、そういう意味でも、ただ民営化、ただ統廃合というのは大変聞こえはいいですけれども、これは国民すべてに血の降るようなことになるわけですし、もっとここで行政としてあるいは政治としてやることは、そういった政策金融についての機能の問題、あるいはこれらがグローバルスタンダードの中で、現在の民間の資金等の中でどのように整合性とか組み込まれていくかというような視点から物事を考えていかないと、いろいろなことはやったがグローバルスタンダードの中ではどうも通用しないなというようなことになるということを私は懸念するわけで、本当はお聞きしたいのはその辺だったわけですけれども、時間もあれですから、大変恐縮ですが最後の質問に移らせていただきます。 今回は平成六年度、七年度の決算の問題について審議中でありまして、先ほどもあれは吉川先生か中島先生からお話が出ておりましたけれども、いわゆる予備費の問題について、これは政府委員の方にお聞きすることかと思いますけれども、あえて小泉大臣にお聞きしたいと思うので、ひとつ御答弁いただきたいと思うんです。 実はこういうことなのでございます。さっきも話がありましたが、いわゆる一般会計の中の予備費というものは、憲法だとかあるいは財政法の中にもうたわれているわけでありますけれども、予見しがたい予算の不足に充てる、これがやはり予備費というものの本来の項目としての意味合いだろう、こういうふうに思うわけなんです。 ところが、私がいろいろ調べたところでは、平成四年度、五年度、六年度、七年度にかけまして、いわゆる予備費の中で厚生省関係の分が多いということがちょっと目についたものですから、あえてこれは具体的にどうしてかということについてお聞きしたいと思うんです。 私は予備費としてそういったものを使用するということが悪いということを言うわけではなくして、ちょっと具体的に言いますと、平成六年度の一般会計での(その2)においては、厚生省所管で、老人医療給付費負担金の不足を補うために三百七十八億円、それから療養給付費等負担金の不足を補うために二百七十一億円、それから生活保護費の不足を補うために二百二億円、言うなれば八百五十二億円もの義務的な経費が予見しがたい予算の不足という形で年度末に予備費として使用されている。これは六年度の予備費使用額全体の五七%を占めている。 また、七年度につきましても、厚生省所管では、老人医療給付費負担金二百八十四億円の予備費が年度末に使用されている。これまた七年度の予備費使用額全体の四九%を占めているというようなことであります。 こういうような傾向というのは、今申し上げた六年度、七年度の予備費使用だけでなくて、過去におきましても、四年度におきましては、老人医療給付費負担金に三百四十三億円、療養給付費等負担金に百五十九億円を使っている。また、五年度におきましては、老人医療給付費負担金に四百七億円、療養給付費等負担金に二百三十三億円の予備費を使っている。 こういうことで、言うなれば厚生省所管の義務的な経費と思われるものが予備費の使用という形で、まさに予見せざる、一過性というか一時的なものではなくて、このように四、五、六、七と恒常的に使われているということであります。 国民生活に密接な関係がある社会保障関係の義務的な経費につきましては、可能な限りやはり正確な見積もりを行った上で当初予算に計上するというのが私は本筋ではないかというように思うわけでございます。その点について、本来憲法及び財政法で認められている予備費使用のあり方に対して、今の厚生省所管のこういった恒常的なことについては問題がある、このように思うわけであります。 例えば、平成七年の一月には我が国史上未曾有の災害となった阪神・淡路大震災が発生したわけですけれども、ああいうときにこそ予備費制度を大いに私は活用すべきじゃないか、このように思うわけであります。そういう意味では、そう言ってはあれですけれども、安易な予備費の使用ということに私は警鐘を乱打したい、このように思うわけであります。 厚生大臣は、私の申し上げたことについて肯定されるか、あるいは何か否定されることがあるならばひとつここで小泉大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 御説のとおりだと思います。
○海野義孝君 ある程度私は予想しておりましたけれども、小泉大臣の御発言はまさに竹を割ったような一そういうことでひとつ大蔵大臣、予備費の問題については、これは今たまたま私が目についた厚生省の問題でありますけれども、この予見せざる、突発的とか、そういったことによって起こったものに対する予備費の使用については今後の予算編成におきましても、あるいは今後のそういったものの、これは会計検査院の方もチェックされるわけですけれども、厳格にひとつやっていただく。 と同時に、小泉大臣もこの点については今後できるだけ、大体過去四年間で傾向はわかるわけですから、それと老人医療費が今いろいろ改革問題が起こっていますけれども、そういう過程にあるわけですから、その辺は十分にひとつ省内において御指示いただいて、今後はこういった予備費の面での恒常的な使用の内容にひとつしていただくということをお約束いただけますか、お願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 見積もりに当たっては、適正になるよう努力していきたいと思います。
○海野義孝君 同様に、大蔵大臣にただいまの問題についての今後の予備費の計上の問題等についてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 決算は参議院という御見識と御決意で進行されておりますことにかねがね敬意を表しております。 ただいまの御提言は受けとめまして、予備費は予備費の支出の条項に基づいて厳正に行っていかなければなりません。
○海野義孝君 これは憲法にもうたわれていることでありまして大変重要な問題でありますので、決して軽視なさらないように、むしろこれは今後の予算編成におきましても、大変こういう厳しい環境下でもございますし、財政再建の中での予備費のあり方あるいは今後の予備費の使い方、こういったことにつきましてもきちんとひとつ監視をしていただきたい、このようにお願い申し上げます。 最後に、限られた時間ではありますけれども、小泉厚生大臣にお聞きしたいと思います。 これは先般も大臣が御発言になっておりましたけれども、小泉大臣がいろいろ今の行財政改革につきまして大変、言えば、私はまさにグローバルスタンダードの基準に立ったそういう御発言をされているというように感じまして、私の考えと全く一致する面が多いものですから、なかなか小泉大臣にお話を聞く機会がありませんので、きょう申し上げようと思っておりました。 かねての郵政三事業の問題の民営化論議については、文芸春秋のたしか五月号でももう十分に何回も何回も読みましたから、あれ以上のお話はないと思いますからお聞きしません。現在の御所管の中での年金福祉事業団の問題についてもたしかお触れになっていることがあったように思うので、この問題についてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。 具体的に御答弁願いたい点は、この年金福祉事業団という言葉から見ると、年金という面があるし福祉という問題があるから、広くそういった国民年金あるいは厚生年金等の資金について、これをやはり広く国民の福祉のために事業をもってお使いになるということかと思って私も調べてみましたら、二つありまして、一つは、本来であればこれは住宅金融公庫あたりがやることかなと思うような、そういった保険に対する見返りとしていわゆる住宅融資をされているということ、何百万件とこれまであったというのが一つ。それからもう一つは、いわゆるリゾート開発的な、言うなれば国民の保養的なそういったものもおやりになってきているということなんです。 さらにもう一つ、実は年金の運用という問題をおやりになっていて、これは言うなれば特殊法人などとか政府系金融機関などもそうなんですけれども、これからだんだんディスクロージャーされていくと明らかになるわけですが、大変な経営状態にあるというか、赤字を抱えているという問題です。 そういう意味で、この点につきまして、年金福祉事業団の今後についてどのように改革にお取り組みになるかというようなことについてのひとつ御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 年金を担当する大臣として年金を積み立てている方々の望むところは何かと考えれば、老後に備えてその給付は多ければ多いほどいい、年金を掛けている人から見ればその保険料は低ければ低いほどいいということを考えますと、年金福祉事業団のやっている事業、大規模保養地とか住宅融資、これ本当に有利なのか、常識で考えて有利に運用されるわけないんです。住宅融資一つとっても、民間の金融機関がやっていないところを低利で運用する。どうやって有利に運用すればいいんですか。常識で考えたって有利に運用できるわけない。民間企業が手を出さない大規模保養地、これだって利益が上がるわけないんです、普通考えてみて。なぜそんなことをやっているのか。 年金を掛けている人が利用するのは事実であります。一部の人しか利用していない。住宅融資を受ける人にしても、保養地へ行って保養地で静養する方にしても、年金を掛けている人全体から見てごく一部の方です。大多数の年金を掛けている人は住宅融資も受けていない、大規模保養地にも行っていないということから考えれば、年金積立金が有利に運用されていないということは明らかなんです。なぜそんなことをやるのか。まさに政府関係機関がやらなくていい事業をやっている典型だということから、私は大臣就任以来、廃止を含めて検討すべきだと。 そして、今の財政投融資制度、旧国鉄事業団の債務も莫大です。二十兆円を超えるでしょう。国民負担ということは既に決まっています。二十兆円を国民負担ということはどういうことですか。 今、一般会計につけかえろという要求が議員の中に出ています。二十兆円をどうやって一般会計で負担するんですか。本来、この財政投融資制度は、郵貯の資金、簡保の資金、年金の資金を運用してこれだけ債務ができちゃったんです。年金を掛けている人、郵貯に入っている人、簡保に入っている人が負担しろと。できないから国民負担しろと言っているわけでしょう。これを政府は真剣に考えなきゃならない。今年度中に二十兆円を超える債務をどうやって処理するか、政府は決定を迫られております。 私は、増税でこれをすべきではない、増税以外のあらゆる措置を考えるべきだということからいろいろ発言しております。年金積立金についても有利かつ確実に今財政投融資制度は運用していない、ここにもつとメスを入れるべきだという観点からいろいろ発言していることを御理解いただきたいと思います。
○海野義孝君 時間がないのが大変残念です。小泉大臣、また機会をつくってよろしくお願いします。 どうも大変ありがとうございました。
○委員長(野沢太三君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(野沢太三君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成七年度決算外二件及び予備費関係六件を一括して議題といたします。 本日は、内閣総理大臣に御出席をいただいておりますので、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松谷蒼一郎君 自民党の松谷でございます。 本日は、橋本総理におかれましては訪米、さらにオーストラリア、ニュージーランド、けさ早朝羽田にお着きになり、この決算委員会に直行され、しかも進んで決算委員会の質疑を受けようということでおいでになりましたことに心から敬意を表します。ありがとうございます。 まずは訪米についてお伺いをいたしたいのでございますが、ちょっと順序を逆にいたしまして、先ほどちょっとお伺いしたところによりますと、青木大使が総理にお会いになって種々御報告があったということを伺っておりますが、それについて総理の御感想、御認識をいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど十二時半に官邸に青木大使に来ていただきまして、事件発生から救出までのさまざまな流れの中で、責任者としてどのような思いで過ごし、人質の中のチームワークを固めながら救出の日を待っていたかという報告を受けました。 そして、この場をかりて私からも参議院にお礼を申し上げたいと存じます。補正予算審議の日に賛否を別にして参議院を構成される全党がその時間を短縮され、結果としてトロントにおいて、深夜になりましたけれども、フジモリ大統領と直接の話し合いをするだけの時間を与えていただきましたこと、これがやはり大きな一つの転機であったように思います。 そしてその時点で、ところどころそれは激しい部分もありましたけれども、お互いが議論をぶつけ合い、それなりの共通の認識をつくり得たことが結果として保証人委員会の予備的対話の発足に、そしてその後の努力に結びついていったと、彼の報告を聞きながら改めて痛感をいたしました。それだけに改めて参議院を構成される全会派が御協力をいただきましたこと、心からお礼を申し上げます。この話は大使もまだ聞いておらなかった話として、彼自身が大変感激をいたしておりました。 結果として、人質になっておられたペルー人の方の中に一人、そして救出に当たられた中から二人の殉職者を出す、三名の命が失われたわけでありますけれども、幸いに七十一名の方々が救出をされた。日本人の全員が無事であった。陰に陽に御協力をいただきました衆参両院、改めてお礼を申し上げたい気持ちで私もいっぱいであります。 本当にありがとうございました。
○松谷蒼一郎君 今、総理よりトロントの会議が一つの転機であったというお話を伺いました。それ以上私は伺いませんが、いずれにいたしましても突撃隊によりまして、人質一人は亡くなられましたが、ほかの全員が無事救出をされました。これに対し、我が国としてもやはりペルー国政府に対して深甚なる敬意を表する必要があろうかと思います。特に、人質の亡くなられた人はペルーの方でありますし、救助隊の二人もペルーの兵士であります。そういう意味で、橋本総理におかれましてもできるだけ早くペルーに赴かれて、今回のことについてフジモリ大統領に直接敬意を表される必要があるんじゃないだろうかと私は思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身その気持ちを持っております。ただ、例えば今回も、アメリカまで行った、そして豪州、ニュージーランドに回る、その足を伸ばしてペルーにというお話もいただきました。しかし、私はそれは非礼だと思いまして、今回の予定につけ加えてということは避けました。そして、この謝意を表するためには、まさに他の目的を持たず、フジモリ大統領初めペルー政府、軍の関係者、そして一般市民を含めたペルー国民に対しお礼を言うだけの目的で私はリマに参りたいと思います。 向こうの都合もいろいろおありでありましょうから、私の方から早くとか遅くとかという注文をつけるのではなくて、ペルー側がいつならいいと言っていただく日に、それが国会の会期中でありましたならば、国会のお許しがいただけるならそのペルー政府の方が都合がいいと言われた日に私はお礼に参りたい、そのように思っております。
○松谷蒼一郎君 総理の今のお話、ペルー政府におかれましても非常に感謝をされるのではないかと私は思います。できるだけ迅速に行動されることを願っている次第であります。 ペルー関係につきましては以上で終わりまして、次に、今回訪米をされました。極めて重要な会議であったと私は思います。まず冒頭、総理より訪米の目的について伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回訪米をいたしました最大の目的、それは第二期クリントン政権が発足をいたしましてからクリントン政権の要人が次々日本を訪問される、そしてその中で随分幅の広い議論をいたしてまいりましただけに、安保あるいは経済関係、あるいはアジア太平洋地域におけるパートナーシップ、そしてコモン・アジェンダに代表される日米の広範な協力体制、こうした幅広い分野について率直な議論を交わしたい、そしてよりょい日米関係を築いていきたい、そのような思いで参った旅でありました。 そして、大統領だけではなく、副大統領あるいは国防長官、財務長官との議論はほとんど三塚さんに譲りましたけれども、また議会の上下両院の関係者、その意味では非常に幅広くお目にかかることができ、率直な議論を交わすことができたと考えております。 そして、その中で、今私どもが取り組んでおりますさまざまな改革についても、あるいは日米安保体制のこれから先もいかにこれが大事な関係であるかというようなことをお互いに確認し合えたという意味でも、非常に私なりに意味のある訪米であった、そのように受けとめております。
○松谷蒼一郎君 私なりに考えますと、今回の訪米の大きな柱は日米防衛問題であり、もう一つの柱が日米経済問題であろうというように思っております。 昨年四月、橋本総理はクリントン大統領の訪日に際し、安保共同宣言をお出しになり、その中で日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの見直しについて触れられたはずであります。 この問題について、やはりクリントン大統領と総理は重要な会議のテーマとしてお話しになったと思いますが、それについていかがでございましょうか。また、中身についてお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回、大統領との間に、またコーエン国防長官との間に中身についての具体的な議論はいたしておりません。 その上で、コーエン長官が先般来日されました折、この秋にはこの作業の結論を出したい、そのためにも精力的な作業を日米双方が行っていくこと、また同時に日米双方において十分に議論をするというためにも、五月の中旬以降のしかるべきタイミングをとらえてその進捗状況と検討内容を公表する、そのような話をいたしてまいりました。 これを受けて、二十五日の首脳会談におきまして、指針の見直しに対して、私の方から、その見直し作業を秋までにという結論の時期に備え、五月中旬以降適当なタイミングをとらえてその内容を公表したい、そして広く議論を起こし、よりよい結論に導きたいということ、また同時にこうした公表を行うことによって、いろいろ疑心暗鬼を呼びがちな周辺地域の誤解を解くためにもこれは必要なことだということを申しました。大統領もこれと同じ考え方であるということで、公表についての合意が得られたというのが一つのポイントでございます。 いずれにいたしましても、私どもとしては、正確な状況認識を踏まえて議論をしていただくためにもこの中間作業の公表ということは非常に大事なことだと考えておりまして、そうした手続をとってまいりたい。完全に、日米の間でこの点に合意を得ております。
○松谷蒼一郎君 このガイドラインについては、ことしの秋に結論を出すというように伺っていたわけですが、今、総理の話では五月中旬以降のしかるべき時期に中間とりまとめ、これはなぜこういう時期に中間的な報告をしなければならないのか。それはいかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本的に、このガイドラインの問題というのは、私は国民的な関心を持っていただき、御議論をいただき、それを反映することによってよりよい日米の協力体制というものが築いていける、こうした思いを持っておりますことと、同時にこのガイドラインの見直し作業についてさまざまな誤解、憶測といったものが飛び交っているということを今回ワシントンで記者会見をいたしましたときにも実は痛感をいたしました。 それだけに、その内容を公表することによりましてあらぬ誤解を避けたい、そして透明性を保つた議論をすることによってより正確な状況を周辺の各国にも知っていただきたい。そのようなことを考えますと、防衛庁を中心にして、また外務省を中心にして今議論をしております検討状況、その協議の内容を一応まとめて報告ができるというのが大体五月の中旬以降ではなかろうか。タイミングをとらえてその作業の中間報告を公表することでより幅の広いものをつくり上げていく、その一つの大事なステップにできる、そのように考えております。
○松谷蒼一郎君 訪米の目的の一つの柱は沖縄米軍基地の削減であり、そしてまた米軍十万人体制の削減、こういうような問題もあろうかとは思いました。これについて首脳会談でどういうような取り扱いになったのか。 さらに、米国は、報道によりますと、橋本総理の特措法改正についての指導力に対して非常に大きな評価を与えた。かつまた、現在、沖縄の一〇四号越え実弾射撃訓練の本土への分散実施の努力等もあっます。そういう意味で、米国側の総理に対する評価は非常に高まったというように聞いております。 その評価の上に立って、直ちに十万人体制の削減というのは難しかろうとは思いますが、少なくとも沖縄における米軍基地の削減等について何らかの話し合いがあったのか、それについて幾らかでも努力をされたのか、それについて伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般の特措法の御審議を本院でいただきましたときにも、私は、現時点において米軍の兵力構成に変更を求める意思がない、またSACOの最終合意を着実に実施していくことがまず沖縄の県民に与えている負担というものを軽減する最初の措置であるという思いを述べてまいりました。 そして、クリントン大統領との、着きました夜、急にホワイトハウスに来ないかと呼ばれまして、二人で議論をいたしましたときを含め、この問題には何回かお互いに言及する部分がございましたが、その中で特措法の改正について謝意を表されました。 また、幸いにそれぞれの地域において関係する自治体からの御理解をいただいた結果、一〇四号線越えの実弾射撃訓練の本土移転というものがようやく軌道に乗りつつあるという状況、そうした状況も私の方から説明をしながら、今後ともにこの沖縄の問題というものにはアメリカ側も敏感さを持って対応してもらいたい。そして、我々にとりましては県民の負担を軽減していくためにSACOの最終報告を着実に実施する、そして国際情勢の変化に対応しながら兵力構成を含む軍事体制というものがいつでも話し合えるという状況にあることを昨年の共同宣言を確認するという形で私の方から発言をし、クリントン大統領自身からも、沖縄問題については個人的に自分もコミットメントしている、できるだけのことをしたいということを発言された、そのような局面もございました。 これから先、いろいろ私は政府として努力をしていく部分があろうと思いますが、そうした努力を続ける中で少しでも負担を減少させていくための努力をしてまいりたい、そのような思いでおります。
○松谷蒼一郎君 クリントン大統領と橋本総理の関係は何か非常にいい関係である、ビル、リュウですか、そういうように呼び合うような仲であり、しかも今回の会合でも大統領は、自分としては沖縄問題に個人的にコミットしておると、今、総理もお話しになりましたが、そういうような発言もありました。総理も、訪米直前の政府・与党首脳会議で、沖縄の米軍基地問題では将来への縮小の足場をつくりたい、こう述べられたというように報道されております。 そういう意味で、そういういい関係の中で何とか沖縄の県民の方の理解を得るためにも、将来へ向けて沖縄の米軍基地の縮小に向けて努力をしていただきたいと思いますが、再度決意をお願い申し上げます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは、本当にアジア太平洋地域における、また世界全体もそうでありますけれども、平和がそれぞれのところで生まれていく、そして防衛努力といったようなものを必要としない時代が来ることを心から願います。しかし、現実に今、アジア太平洋地域は、不透明な、また不確実な要素が残念ながら存在しております。 そうした中におきましても、我々は沖縄県民の負担の軽減のためには当然ながら努力をしてまいらなければなりません。そして、そのためには、例えばKC130の岩国への移転、また今申し上げました一〇四号線越えの実弾射撃訓練の本土における射撃訓練場での受け入れ、さらにはそれぞれの方向に従ってSACOの最終合意の内容を実行に移していき、少しでも負担を軽減するための努力を一生懸命やっていきたい、改めて申し上げます。
○松谷蒼一郎君 今、総理からお話がありましたように、沖縄県の米軍基地の縮小ということは非常に重要なことであると思います。しかし、この問題は基本的には日米安保条約に係る問題なんです。日米安保条約の位置づけというものは、これはやはり国相互間の問題であるわけであります。 しかしながら、報道によりますと、沖縄県の大田知事が訪米をされまして、キャンベル国防次官補代理に那覇軍港のホワイトビーチヘの移転の提案を行ったというように聞いております。 本来的には国と国の間で協議するべきものでありますし、日米沖縄特別行動委員会もあるわけでありますが、そういった沖縄県の知事がこういうような提案をすること、しかしながらこれはやはり沖縄県の知事が提案するということはかなりの重みがあるわけであります。これについて総理はいかようにお考えになり、またどういうような扱いをされるんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大田知事が訪米をされましてキャンベル国防次官補代理と会談をされたとき、今議員から御指摘のありましたようなやりとりがあった、そういう事実は私も承知をいたしております。 しかし、実は沖縄県側から政府に対してこうしたお話はこれまでにございませんでした。そして、帰国をいたしました後、つまりけさ帰ってまいりましてから、留守中こうしたお話が県の方からあったかどうかを事務方に問い合わせましたが、現時点になりましてもそういうお話は参っておりません。それだけに、ちょっと政府としてこの取り扱いを云々ということは避けるべきではないだろうかと思っております。 いずれにいたしましても、那覇軍港施設、那覇の港湾施設につきましては、SACOの最終報告におきまして、浦添の埠頭地区への移設と関連し、その返還を加速するために最大限の努力を日米共同で継続する、こういう形で盛り込まれている案件であります。 そして、私どもとしては、できる限り早期に返還を実現したい、そうした思いの中で努力を一生懸命しているところでありまして、沖縄県からも関係自治体からも、また関係される多くの方々からもぜひ御理解と御協力をいただきたい、そのように考えておる案件でありまして、今県の方からこれについて何ら御説明を受けておりません。
○松谷蒼一郎君 知事といえば公的な立場にあり、しかも米国に行っての発言でありますから、その発言については重みがあると思います。これ以上は質問はいたしませんが、やはり沖縄県と国との間で十分な協議をやっていただきたいというように思います。 そこで、若干視点が変わりますが、日米協議におきまして大統領より北朝鮮への食糧援助の要請があったというように報道で伺っております。それに対して総理は、我が国にとって人道上大問題である日本人拉致疑惑あるいは日本人妻、こういったことについての厳しい世論の動向を伝えると報道をされているわけです。 それで、きょう午前中も私どもの同僚の議員からこの問題については厳しい質疑がありました。こういうような日本人拉致問題があるようなときに北朝鮮に対する食糧支援というものが国民世論に背を向けてできるのかどうか、なかなか難しい問題、そうかといって、やはり北朝鮮の食糧問題というのは非常に厳しい状況にあることも恐らく事実だと思います。政府として非常に厳しい対応を迫られることであると思うんですが、どういうような環境が整えば食糧援助を行うことになるのか、それについて総理のお答えをいただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実はクリントン大統領との会談の中でこの問題が出ましたとき、クリントン大統領としては北朝鮮に対しては食糧支援が必要なんだが、実はそれを困難にするそうした事情がある、これは恐らく四者会談に向けての予備的ないろいろな話し合いがなされているうちの中の状況を踏まえてのお話だと思いますが、アメリカにとっても実は食糧援助をすることを困難にする事情があるという言い方をされました。 そして私は、その関係で言うならば、複数の拉致事件というものに対して今大変国民の関心が集まっていること、そしてそれ以前から日本人配偶者の一時帰国の問題といったものがあり、大変困難な状況がある。しかも、それに加えて、最近北朝鮮からの覚せい剤の大量の密輸事件というもので逮捕したわけでありますけれども、こうしたものが発覚する、非常に厳しいものがあるんだと。せめて例えば日本人配偶者の問題についてあるいはその拉致疑惑と言われるものに対して、関与していないと言われるのであればそうした点をきちんと対応してほしい、我々も人道をもって対応する、今までも行ってきたと、しかし我々も人道的な対応を北側に求めたい、そのようなことを申し上げ、記者会見でも同じような質問が出て同じような話をいたしました。 今、国連人道問題局から統一アピールが出されている、そういう状況でありますし、北朝鮮において食糧が不足している状況というものは我々も存じておるわけでありますが、こうした要素を考慮しながら対応していくということになる、私はそう思っております。
○松谷蒼一郎君 もう時間がございませんので、これ以上質疑を続けませんが、ただ最後に、大統領は日本の財政赤字削減、すなわち日本の財政構造改革行動について余り積極的にやらないでくれ、貿易収支の黒字がさらに拡大する懸念があるというようなことで、これはたしか総理がお出かけになる前に親書として日本国政府に来たんだと思うんです。この点について、こういうことであるならば今後の財政構造改革の取り組み方のテンポに影響するのかどうか、それをお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今回、今御主張をいただきましたような形ではなく、一般的に、大統領はまさに経常収支黒字が拡大することに対する懸念というものを表明され、それを加速する可能性のある財政構造改革というものに対し、もしそれが大幅な黒字の拡大につながるようなことであれば再考してほしい、そのような言い方をされたと記憶をしております。 そして私は、その経常収支の黒字というよりも、あなたが問題にされる話というのは貿易・サービス収支の幅でしようと。これは一時的な変動はあり得るものですけれども、中期的に見て私は大幅に増加するという状況ではないと考えている。そして、我が国が積極的に取り組んでいる各種の構造改革というものは我々自身がどうしてもやらなきゃならないことですし、我が国の経済構造を変化させていくことは内需主導型の成長に基づく世界経済と調和した発展を遂げていくための必要条件なんだということを申し上げました。 そして、その席上でむしろ、ちょうどG7、七カ国中央銀行・大蔵大臣会議がすぐにあるわけですから、本当にその席であるいは個別の会談でルービン財務長官と三塚大蔵大臣の間で詳細に数字をもってその点は議論してもらいたい、我々の考え方はこうだと。その場はそれで一応の納得を得て終わった形でありました。
○益田洋介君 大変お疲れのところ、総理ありがとうございます。 これは予定していなかった、通告もしておりません質問でございますが、ただいまの松谷議員に対する答弁の中で非常に興味深い言葉をお述べになっておられましたので、その点について質問させていただきます。 総理がおっしゃいましたのは、フジモリ大統領とのトロントでの会談が今回の事件の問題解決への糸口になった、転機となったというお言葉をお使いになったと思います。これは一体どういう意味でこうした発言を行われたのか。 私は、実力行使あるいは武力突入等について合意がなされて、そのタイミングも含めた上でフジモリ大統領に総理はフリーハンドをお与えになった、したがってこの問題解決のための転機であった、こういうふうにおっしゃっているのかと思いますが、総理の御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) もし、そのような受け取られ方をしたのだとすれば、私は言葉を選び間違えたのだと思います。そして、松谷議員にもおわびをしながら、その言葉は取り消さなければならないのかもしれません。 しかし、本日、フジモリ大統領との会談の関係を改めて一つの転機として私は受けとめましたのは、青木大使の報告を聞きながら、予備的対話という形でありましても保証人委員会というものが動き始めて、それがどれほど人質の方々にとってほっとされるものであったかという点が一点でありました。 同時に、そのとき、詳細なことを申し上げるわけにはいきませんけれども、フジモリさんと非常に厳しいやりとりがあったこともその点事実でありますが、白紙委任状を渡したと言われるような言われ方は、私は大変心外であります。 そして、どう申し上げたらおわかりをいただけるのかわかりませんが、我々は……
○益田洋介君 転機というのはどういう意味なんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 転機というのは、MRTAとペルー政府が、パレルモ教育相とセルパ代表との間の話では全くらちの明かない状態になっていたところに保証人委員会というものが生まれ、それなりの対話の場が醸成されたということであると、その点を指しております。 そして、それが転機でなかったとするならば、どういうふうに私は言葉を使ったらいいのかわかりませんけれども、潮の変わり目とでも申しましょうか、少なくとも白紙委任状を渡したと言われるような覚えはございません。
○益田洋介君 先ほど、同じく松谷議員の質問に答える形で、総理はペルーにあいさつに出向きたいと思っている、ただ、アメリカを訪問したついでに寄るということではちょっと信義にもとるので、新たにタイミングを模索したいということをおっしゃいましたが、いつごろ、どういうタイミングでお出かけになられる御予定か、伺います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、私としては、この委員会が終わりました後、事務当局にペルー大統領の外遊日程等を、一部公表されておるものもありますけれども、向こうの都合を尋ねることがまず先決だと思います。そして、向こうの都合をお尋ねした上で、この時期なら結構と言われる時期に私は参りたいと思っております。
○益田洋介君 それはフジモリ大統領の方にもいろいろ御都合があることだと思いますので、調整をなさるというふうに理解いたしました。 しかし、相当これは日本の国民の方も感謝をしていらっしゃる、フジモリ大統領の快挙であったと。事前の通告がなかったというのは非常に残念ですが、時間が余りないのでもうこれ以上踏み込みませんが、私は答礼の意味で総理が国賓としてフジモリ大統領を日本にお招きする意向があるのかどうか、それぐらいの日本国民の感謝の意を表する意向があるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) どういう感謝の意の表明の仕方をするか、それは十分考えた上でさせていただきたいと存じますし、いろいろな感謝の示し方というものはあろうと思います。
○益田洋介君 それでは、総理がお読みになっているかどうかわかりませんが、一応通告はさせていただきましたが、四月二十七日の沖縄のある有力紙の社説に総理の今回の訪米、日米首脳会談の結果についてのコメントが載っておりますので引用させていただきます。 「橋本龍太郎首相は、県民の負担軽減のため一層の努力をクリントン大統領に要請するための訪米だったはずだ。ところがふたを開けてみると何一つ負担軽減の具体的なものはなく、これまでの方針を確認するだけに終始した。」「県民は今回の日米首脳会談に期待するどころか、沖縄を日米安保条約の質にした「切り捨て」になるとしかみていなかった。」と。この社説について、総理のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういう受けとめをされた、また、そうして社説に掲げられたということは、その社の御意見として私は真剣に承ります。 ただ、その上で、私は繰り返し本院の御論議の中でもお答えをさせていただきましたけれども、当面、残念ではありますけれども、在沖の米軍を初めアジア太平洋地域における米軍の兵力構成を議論する、削減を求めるといった時期ではないという国際情勢の判断を私は繰り返し申し上げてまいりました。 しかし、将来、その安全保障の環境というものが変化したとき、その変化に対応して兵力構成を含む軍事態勢についての協議ができる、それは確認をしておきたいということも申し上げてまいりました。そしてその点はきちんと確認をしてきたつもりであります。それを受けとめていただけるかどうか、これからの我々の努力だと思いますけれども、少なくとも、繰り返し私が本院で御答弁を申し上げてきた立場を変えてアメリカに行ったわけではございません。
○益田洋介君 それでは次に、総理の訪豪、オーストラリアをお訪ねになったときの件について質問をさせていただきます。 旧来、ウィリアム・ペリー前国防長官が繰り返し口にしていたことでありますが、日米安保が西太平洋での北のいかりであるとするならば、米豪安保は南のいかりに当たるとして、非常に重要な米豪安保協定であり、もともとこれは一九五一年、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランードの間に結ばれた軍事同盟でありまして、その後、一九八〇年代の半ばにニユージーランドが非核政策に転じたために、アメリカからこの軍事同盟については凍結状態に置かれていた。しかし、実質的にその後もアメリカとオーストラリアの間においては非常に緊密な連絡がとられ、また去年の七月には首脳会談も持たれ、そしてことしの三月には沖縄から米軍の海兵隊が四千人も参加したという大規模な軍事訓練が行われて、その米豪軍事同盟のきずなというのは一層深まってきている。非常にこの東アジア太平洋地帯におけるオーストラリアの安全保障ということは、同盟というのは重要視されてきている。 私は、日米安全保障条約はもちろんでございますが、加えてこの日豪安保、さらに将来的には韓国も緩やかな協調関係が生まれてくるのではないか。日本、アメリカ、韓国、オーストラリアと、こういった同盟関係が生まれても不思議じゃないというふうな将来の兆しであるという見方をしております。 であるならば、日本には今四万七千人の米軍が常駐しておりますし、韓国には三万七千人、洋上に一万三千人、締めて東アジア太平洋地帯に十万人近い兵力があるわけでございますが、一方でオーストラリアの米軍の駐留は三百十五人にすぎない。だから、四カ国が本当に同盟関係をこれから築き上げて、実際その東アジアと太平洋地域の安全保障にしっかりと取り組んでいこうという意向であるならば、オーストラリアにもう少し負担をお願いしても不思議ではないんじゃないか。ですから、国道一〇四号線越えの実弾射撃訓練ですとか、あるいは私は普天間基地が移転するというそのヘリポートの建設もオーストラリアにお願いしても不思議はないんじゃないか。 今回、どういうお話をされてきたかわかりませんけれども、余りどうも面首脳も積極的でなかったような気がします。沖縄の負担を軽減するということを口を開けば二言目には総理はおっしゃるわけですから、大きな可能性として受け入れ態勢がある、例えばオーストラリアの場合は日本との面積比率が二十倍であります。それから、その反面人口の比率というのは日本の七分の一。大変大きな国土と国力を持っている。そういうふうに真剣な沖縄の基地の移転の相談をされていない。御意見を拝聴したい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますけれども、私は今、議員が御提案になりましたような言い方を豪州に対していたしてはおりません。 そして、それはなぜかといいますと、確かに今ここに、手元にあります米豪安保共同宣言というものを見てまいりまして、要するに、「豪州が米国に追加的な訓練の機会を提供する。但し、右はアジア太平洋地域における他の場所での米軍のプレゼンスをなんら減少させるものではない」、これが米豪安保共同宣言の中の一節であります。そして、まさに豪州は豪州としての立場でこうした考え方をアメリカとの間の共同宣言という形でまとめたと思っております。 そして私は、議員が言われますように、日米関係だけではなく、あるいは米豪、米韓、そしてあるいは日豪、日韓、さまざまな二国関係、これはどれも大事なことでありますけれども、やはりASEAN地域フォーラムのような、あるいはこれを初めとした一連の安全保障対話、地域協力の推進を図っていきます中で、私は当然ながら豪州や韓国とも協力をすることは重要だと思っていますけれども、それによってむしろアジア太平洋地域の平和、安定した状況をつくり出すことによって兵力構成の論議に入るということの方が正しいやり方ではないかと思います。 同時に、少なくとも日米両国政府は真剣にSACOという場におきまして一つの最終報告をまとめました。我々はこれを実行することによって沖縄の負担を減らしていきたい、これも繰り返しお答えを申し上げてきたところでありまして、一つ一つ我々はこうした問題を処理していかなければならない状況にあると私は考えております。
○益田洋介君 次に、尖閣列島についてでありますが、尖閣列島につきましては私は疑いなく我が国固有の領土であり、かつまた一体不可分の施政権を我が国が有しているものだという理解をしておりますが、総理はいかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、我が国の固有の領土であると考えておりますし、その旨を昨年の日中首脳会談においても尖閣列島の問題について発言をしております。
○益田洋介君 二十九日に中国外務省の崔天凱副報道局長が定例記者会見をして、その席上で、沖縄県石垣市の市議会議員と産経新聞社の記者が四月二十七日尖閣列島に上陸したことについて、中国の主権の侵害と日中関係を損なう事件であった、このように述べている。それに対して、我が国の古川貞二郎官房副長官が事件について遺憾の意を表明した。 これは一体どういうことですか。中国は自分のところの領土だと言っている。それに遺憾の意を表明したということは、認めたことになるじゃないですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この点は少しきちんと私も報告を求めましたので申し上げておきたいと思います。 まず、尖閣列島が日本国有の領土であるということにつきましては、昨年十一月のAPECの会合の際、日中首脳会談においても私から明確に述べてまいりましたばかりではなく、適切な機会に中国側に日本はそのことを何回も表明してきていると承知しております。 そして、今御指摘のありました、石垣市議会議員の方たちが尖閣列島に上陸したことに対して中国から申し入れがあったのに対し、日本側から、今回の上陸行動が中国の主権を損なうという発言は日本政府として受け入れられないということは明確に述べております。他方、尖閣列島の土地所有者、その方がこの諸島への上陸などを認めておられません。そして今回、石垣市の議員の方に対しましても、海上保安庁から事前にこの状況を説明し、関係法令の遵守について指導を行っておりまして、現場でも巡視船から同様の説明をいたしましたのにこれを無視して尖閣諸島に上陸した、そう事実関係を聞いておりまして、これは遺憾なことだと確かに申したと思います。土地所有者が了解しない、上陸してほしくないと言っておられるところにその同意を得ないままに上陸をする、これはやはり遺憾なことではないでしょうか。 古川副長官の発言はそのような趣旨のものであったと私は承知をいたしております。
○委員長(野沢太三君) 時間です。
○益田洋介君 終わります。
○大脇雅子君 長旅御苦労さまでございました。 新聞報道によりますと、アジア太平洋地域における米軍のプレゼンスの重要性ということが繰り返し報道されておりますが、アジアにおきましては、国際社会が成立しつつありまして、急速な経済成長を続ける中で民主主義が育ちつつあるという傾向にあると思います。抑止の理論だけではなくて相互理解による平和外交について、クリントン大統領とアジア地域、とりわけ中国問題について話し合いをなさいましたでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 中国問題につきましてはいろいろな角度から議論がなされました。殊に、香港がことし七月に返還をされる、これを中国がどのようにその後の香港というものを維持するのか、一国二制度と言われるものが果たしてそのとおりうまくいくだろうか、そうした方向に進むことは、私たちは、中国が今後国際社会におけるより建設的なパートナーとして我々が迎えたいと考えているWTOの加盟問題等についても一つの弾みをつけるのではないだろうか、こうした思いも語り合いました。 そうしてまた、日本が中国との間に議論をしております問題と、アメリカが議論をしております問題、このWTOの二国間協議の中でも問題点は違います、当然違う部分がございます。それはそれぞれの立場でやはり問題を中国側と詰めていかなければなりません。そうした努力も加速しながら、我々は国際社会におけるより建設的なパートナーとしての中国を受け入れられるように、迎えることができるようにお互いが努力をしていこうということは、合意という言い方が適切かどうかわかりません、二人の認識のそろっていたことだと思っております。
○大脇雅子君 アジアにおける我が国の戦後補償問題について、二つの大きな問題が着手されたばかりでこれからの処理を迫っているものがございます。一つは中国に遺棄された化学兵器の処理でありますし、さらに一つはフィリピンに残留する日本人問題であります。 ちょうど訪米をされておられたときに中国もアメリカも化学兵器禁止条約に批准書を寄託するということがありまして、新たなそうした状況が生まれました。我が国としては、その遺棄された化学兵器の処理のためにきっちりとした新しい機構を設立する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この問題は随分長い間日中両国の問題としてお互いの間に横たわってまいりました。そうして我々は、この遺棄化学兵器というものを処理していかなければならない、そのために今までも調査等を行ってきたところであります。今回、今議員も御指摘になりました化学兵器禁止条約、これが発効いたしましたし、それがあろうとなかろうとと言っては言い過ぎかもしれません、しかし日中共同声明あるいは日中平和友好条約の精神というものに基づいて誠実に取り組んでいかなければならない課題であります。そして、さまざまな分野における専門家あるいは技術者の方々の知見を得なければならない問題でありますので、政府全体でこれは取り組んでいかなければなりません。 そして、このような見地から、これまでも関係省庁会合といった形で本件の処理についての課題の検討を行ってまいりました。これから先も中国側とこの処理の枠組みについての協議は当然ながら続けてまいりますし、その協議の状況を踏まえて、関係省庁による政府全体としての適切な取り組みというものを一層確保しながら処理を進めていきたい、そのように考えている案件であります。
○大脇雅子君 各省庁の連合体制よりも、むしろ新しい立法による新しい機構を設けることがこの処理を早めることではないかというふうに考えますので、御検討をいただきたいと思います。 なお、フィリピンに戦前大きな移民社会がございました。太平洋戦争の開戦に伴いましてフィリピン全土が戦場になり、邦人社会全体が一丸となって日本軍とともに戦いに参加いたしました。戦争が終わりまして、米軍の攻撃を受けてその社会は崩壊し、邦人の多くは収容所に収容されました。子供たちやその家族は、ある人はジャングルに取り残され、そのまま今日までフィリピン人の迫害の中で非常に貧困な生活をしてきました。ようやく一九八〇年代に至りましてこの問題が浮上いたしました。子供たちは約三千名に達し、既に老いが来ております。 この問題についてはさまざまに外務省、法務省が努力を重ねておりますが、政府として一丸となってこのフィリピン残留日本人問題を処理していただきたいと思うわけですが、首相の御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 過去の経緯を長々申し述べる時間はございませんけれども、今までに何回かの調査も現実に行ってまいり、その中で既に確定をした方々もあるように、この問題が非常に重要な問題だという認識は我々も持ちながら対応に努めてまいりました。 これまでのフィリピンにおきます調査などによってこれに対応しているわけでありますけれども、今後も、これらの結果も踏まえながら、フィリピン残留日本人問題について政府としてどう取り組むべきか、十分検討してまいりたいと思います。
○大脇雅子君 終わります。
○小川勝也君 総理、大変お疲れさまでございました。一日本国民として、私どもの総理がアメリカ合衆国大統領にあれほどまでに歓待を受けたということ、正直にまことに喜ばしいことと思います。しかしながら、これは特措法改正という大きな仕事をなし終えたいわば御褒美みたいなものであると考えるわけでございます。 私どもの民主党も自由民主党との五項目にわたる合意を得てこの特措法に賛成をしたわけでございますが、私どもは、特措法が改正された後、いよいよ沖縄における我々の仕事や課題が始まったなというふうに思っております。そんな意味で、沖縄における海兵隊を中心とした在沖米軍の削減の問題に関して質問させていただきたいと思っております。 総理の訪米前に、アメリカ合衆国からはオルブライト、ゴア、コーエンというそうそうたるメンバーが訪日されております。まさか総理におかれてはそのネゴシエーションのとおりに交渉を進めたとは考えておりません。今回、私どもの仲間やあるいは大田知事、沖縄県民の中の一部の方は、例えば総理が沖縄の米軍基地の削減あるいは海兵隊の削減を持ち出してくれるのではないかなという期待を持っておる人もいたかと思います。しかしながら、日本政府として、内閣総理大臣として橋本総理大臣が、今はその時期ではないということで今回議題になされなかったと私は思っております。 しからば、アメリカ側が今月ちょうどQDRが四年に一度のときを迎えるわけでございますけれども、アメリカ側がそのときではないという判断をしていない折に、日本側から在沖米軍の削減を申し入れる可能性はあるのかないのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、その事実を確認しておりませんけれども、最近の報道で報じられておりますところの、例えば北朝鮮が開発したノドンミサイルが実戦配備されたという報道があります。仮にこのミサイルが本当に存在し実戦配備をされたとすれば、千三百キロから千五百キロと言われる射程は日本全土をほとんどカバーするだけの射程を持つわけでありますけれども、アメリカには届きません。 我々の安全保障というものを議論します場合に、当然ながら私は、アメリカ側が考える部分と日本側の考える部分に、体制における、状況における判断の差というものは生じるであろうと思います。その場合に、今は逆に日本側が危険度がふえる、.しかしアメリカにまでは届かないというケースをちょっと例示に使いましたけれども、当然その逆さの議論というものも成立し得るものであります。そして、日米安全保障共同宣言の中で、国際的な安全保障情勢において起こり得る変化に対応し、両国の必要性を最もよく満たすような防衛政策並びに日本における米軍の兵力構成を含む軍事態勢につき米国政府と緊密かつ積極的に協議を継続していくということを確認したわけでありますし、今回もこれを確認いたしました。 私は、これはアメリカ側からのみ議論が提起できるという文章ではない、我々は、我々の判断においてそれを議論し、また問題提起をする、そうしたものは含まれている、そのように思います。
○小川勝也君 北朝鮮における危機の存在というものは私も深く認識をしておりますが、ここに四月三十日の読売新聞がございます。米国防報告、コーエン国防長官から大統領と議会にあてられたものでございますが、東アジアに米軍十万人体制の維持、この理由が述べられております。一番が地域の経済発展、そして米国の雇用創出、二番が北朝鮮の脅威、こうなっております。この順番が一番か二番かというのがどういう問題かという問題は抜きにして、安全保障の問題にさまざまな問題が絡んでおるということも認識をしなければいけない問題ではないかなというふうに思います。そしてまた、この東アジアにおける米軍の十万人が日本あるいは朝鮮半島だけに備えられているものではないということも当然の理解をされるべき問題だと考えています。 そんな中で、総理が、今はその時期ではないということを繰り返し答弁もされておりますし、クリントン大統領にもそのように伝えておるように報道されておりますが、日本政府として、橋本内閣総理大臣として、在沖米軍の削減が可能だと判断される時期あるいはその条件は一体どういうものでありましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今議員が読み上げられました国防長官報告の中でもございましたように、米軍の兵力構成との関連で考えるべき安全保障環境、これはさまざまな要因によって左右されるものでありますから、どういう状況になればという仮定は非常に問題を含むことになりはしないかと思います。 そして、少なくとも、我々は日米安全保障条約というものを我が国の安全保障の重要な柱として今まで受けとめ、そしてそれを中心に日本の安全というものを考えてまいりました。日本の安全という視点からだけを考えるなら、いろいろな想定はできると思います。 しかし同時に、日米安全保障条約は我が国の方にも義務を課しております。そして、これが五条、六条、よく議論をされる部分になるわけでありますけれども、こうしたことをあわせて考えますとき、私はどういう状況であればという議論というものは、むしろなるべくそうした想定をしないでおきたい。そして、例えばどこかを例示に議論をするということは必ずしも好ましいことではない。 その意味では、私ちょっと先ほどノドンの報道を取り上げましたこと、これは先ほど申し上げましたように確認、私がしたことではありませんけれどもということで申し上げたんですが、ああいう言い方も本当は控えるべきだったのかもしれません。 一概にこれを論じることは非常に難しい、その点はどうぞ御理解をいただきたいと思います。
○小川勝也君 先ほどノドンの例を出されましたけれども、私は極東あるいは日本を取り巻く環境というものが、総理が先ほど希望を込めておっしゃっていたと思うんですが、そんな楽観を許されるような状況には非常になりにくいというふうに考えている者の一人であります。詳しくは述べませんけれども、北朝鮮という国がもしなくなったとしても、半島に国家が存在するわけでございますし、大陸にも国家が存在する。そんなようなことを考え合わせますと、日本を取り巻く周辺の状況が必ずしもバラ色の環境にならないというふうに考えております。それでもなお私は、今回の訪米に際して削減への道筋をつくってほしいと考えました。 それはどういうことかと申し上げますと、私は総理を政治家として非常に尊敬を申し上げているわけですが、吉田ドクトリンというのが昔ありました。そして中曽根康弘という大政治家がおりました。これはいわゆる保守政治家でございまして、日米安全保障を基軸として日本の国を的確な方向性に持っていこうというすばらしい指導者であったと思います。私は橋本龍太郎という政治家がその域に達しているのかと今のところ考えておりますけれども、実は私はもっと大きな期待をしたいと思っております。 あと一分、済みません。それは加藤幹事長の国家と国民という議論でございます。安全保障と同じように国家が大切なことはよく承知しておりますが、国民があっての国家でございます。そして沖縄にもその国民が暮らしておりますし、その沖縄の痛みを一番よく理解しておられるのは私は橋本総理じゃないかなと思っております。 いろんな条件をかんがみて、それでもなお沖縄のために行動をしなければならない、これが二十一世紀に向けての政治家であり、日本国のリーダーの資質だと思います。総理の御健闘をこれからも御期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○緒方靖夫君 日米首脳会談で総理は、在日米軍の兵力構成について、削減や変更を論じることは適切でないときっぱり否定されたと思います。そして、昨年四月の日米安保共同宣言にある「引き続き緊密に協議する。」、このことを再確認されました。すると、協議しても兵員を削減しないと言う以上、現状維持かふやすしかないということになると思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) どうしてそういう妙な読み方をされるのかと、ちょっと失礼ですが、率直にそう思うんです。 というのは、今私は論ずるつもりがない、またそのタイミングではない、状況ではない、繰り返し私は本院でもその意思を明らかにしてきました。そして賛否は別として、私が申し上げたことはそれなりに受けとめていただけたと思います。その上で、そういう状況の変化に応じて話をしていくという場合に、私は、本当に平和な世の中が来れば、削減どころか軍備というものをなくしてもいい時代が来るのかもしれない。夢は追えます。 現状固定かあるいは増強しかないというよりも、お互いに少しでも世の中が平和になり、各国が近代兵器を集める競争をしないような、そういう時代をつくることに協力をしたいと本当に思います。
○緒方靖夫君 差し当たっての交渉で、結局論理の帰結として、減らさないといえば現状維持かあるいはふやすしかない、それしかないということを申し上げたまでです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いやいや、差し当たって議論しないと言っているんだから。
○緒方靖夫君 しかし、議論がなければ減らすことだって始まらないんですよ、日本側から提起しなければ。そのことを述べているんです。 総理は、沖縄からの米軍の施設・区域の整理、統合、縮小の推進、このことをこれまで繰り返し言われてきましたけれども、これは一体何だったのかと思うんです。 これには米軍の削減は含まれますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 困りましたな。というのは、今論じないと申し上げているわけですから、論じない中に増強という話が出てくるはずはないんです。論議をした中での帰結としては、仮定の議論をすればいろいろなケースがあるでしょう。私は今、在日米軍の、また在日米軍を含むアジア全体の米軍のプレゼンスについて云々すべき時期ではない、本当にそう思っております。 その上で、しかし私たちは、日米両国がSACOの最終合意に到達するまで関係者が非常な努力をしてまとめてきた報告を実行することによって、確かに県内移設ですからいろいろな御批判はある部分が私は大きいと思います。 しかし、沖縄問題の議論のときに何遍も私は申し上げましたように、それじゃ例えば普天間の海上移設はいかぬと言われて、これを今のままの状況で残しておくことが本当にいいんだろうかと考えれば、現状より私は一歩でも二歩でも状況を改善したいんです。町の中に危険がある、心配だということは知事も繰り返し言われる。それならその危険を少しでも減らしたい、そういう努力をしたいと私は本気で思います。
○緒方靖夫君 兵員はいかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 兵員、兵力構成について議論をしないと繰り返し私は申し上げているので、どう、何遍申し上げればいいのかよくわからないんですが、現時点において私は兵力構成を議論するつもりはない。しかし、基地の整理、統合、縮小というもので少しでも危険を減らす、それだけの値打ちがあるんだったら、本当に私はそういう努力はしたいと繰り返し申し上げています。
○緒方靖夫君 削減を提起しなければあるいは論じなければ、アメリカの側から削減してほしいということは出てこないわけですよ。これまでのアメリカ側の要人の言動を見ればはっきりしています。ですから、そういう点ではやはり総理が削減を議論しない、そういうことはイコール現状維持あるいは場合によってはふえることもある、そういうことを見なければならないなということを私は改めて痛感する次第です。 時間になりましたので、終わります。
○椎名素夫君 総理、長い御旅行、大変御苦労さまでした。五分ということで、皆さん一分三十秒、三分、四分と時間超過のような話で、もうお疲れのところを余り聞くことはありませんので、一問だけお答えをいただいて終わりにします。 今度、アメリカにいらして、それから豪州、ニュージーランドへ行かれた。さっきそれに関連した御質問がありました。ある部分に絞った御質問だったわけですが、大変に意味のある両国での首脳会談だったと私なりに思っております。 そこで、総理から、今度の御旅行の、豪州、ニュージーランド、とりわけ豪州の、ねらいというか意味というか、及びその中での成果というようなものについてどうお考えになっているのか、少し広い立場からお聞かせを願います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回、ハワード首相との間で合意をいたしましたポイント、一つは、具体的に原則として年一回は両国首脳同士の会談を持ちたい。そして、ちょっとここ途絶えておりました日豪閣僚委員会、これを今回、八月一日に東京で開催をしたい。そして、経済だけではなく、今まで往々にして豪州との関係は経済のみで議論されてきた部分があります、そのまさに政治あるいは安全保障分野における対話や協力を強化したい。これは日豪PM協議、既にもう動いているものがございます、こうしたものを積極的に進めていきたい。そして、今後の豪州、日本の協力というものを十八の分野で明示した日豪パートナーシップの課題というものをこの八月の閣僚委員会で決定をしたい、その分野を十八のテーマに絞るという基本方針を合意したこと、こうしたことが挙げられるかと存じます。 しかし、それともう一つ申し上げておかなければならないのは、アジア欧州首脳会合というものが昨年スタートをいたしました。そして、アジア側として現在その中に入っております国、入っておらない国を見ましたときに、APECとちょっと突き合わせてみますと、豪州、ニュージーランドがこのASEMの仕組みの中ではメンバーとして入っていないわけです。私は当初から、アジア側の代表の中にアジア太平洋というとらえ方をし、豪州、ニュージーランドを加えるべきだということを言い続けてまいりました。賛成していただく方々もある程度ありますけれども、これに対して非常に慎重な姿勢をとっておられる国もあります。しかし、先ほど日豪防衛協力といった視点からの御議論がありましたように、私は豪州というものをアジア太平洋地域の一カ国として、ニュージーランドもそうですけれども、アジア側の代表に加えてアジア欧州首脳会合を持ちたい、こういう夢を今も追い続けております。 この点について豪州ともニュージーランドとも非常に率直に話をしながら、どういう点に障害があるか、反発があるかといったことまで含めて非常に率直な話し合いができましたこと、そしてその中において、豪州及びニュージーランドに対して、日本が積極的にアジア太平洋の一員と認めた上でより広い舞台に参加させようとしている努力を両国に理解してもらえたこと、これは私はこれから先につながる一つの成果といいますか、結果ではないかと思っております。
○椎名素夫君 ちょうど終わりましたので、これで終わりにいたしたいと思います。
○水野誠一君 総理、外遊大変お忙しい日程でお疲れさまでございました。 各委員から外遊中のいろいろな問題、とりわけ北東アジアの安全保障問題、沖縄問題、ペルー問題を初め非常にインターナショナルな御質問がございました。私は、少し頭を休めていただく意味でもローカルな問題について御質問をさせていただきたいと思います。 ちょうど総理が訪米される前、先月の十四日に諌早湾の干拓堤防が締め切られたということで、これは総理も大変心配をされて記者につぶやかれたということで二、三行の記事になっておりました。レッドデータブックにおいて危急種、つまり絶滅の危機が増大していると言われていますムツゴロウが死滅する状況になっているという問題がございました。ちょうど総理がお留守中に、いろいろボランティアがムツゴロウの救出作業をするというようなことも新聞に載っておりました。 実は私調べてみましたら、一月三十日の参議院予算委員会において、有働議員の質問に対して、総理はわざわざ、 自然環境に与える影響など、今まで実は議員から多分御議論が出ると思っておりましたら出ませんでした。とお断りになった上で、干拓事業を実施していくというのでありますなら、やはり自然環境の保全あるいは営農の見込み、効率的な事業の実施といった点に十分に配慮しながら進めていくということでなければならない、私はそう思います。 というふうにお答えになっております。 しかし、このお答えというのは干拓事業を実施していくという前提のもとでお答えになっているのかなと思うわけでありますが、本当に干拓事業を今後とも継続していくべきかの判断というものも一つあるのではないかと私は考えております。 とりわけ採算性、まさに「効率的な事業の実施」あるいは「営農の見込み」というところでありますが、これは御案内のように、当初計画で事業費が千三百五十億円の予算だったものが現在では二千三百七十億円、もう一千億円もふえている。しかも、今後、そのうち八百二十八億円を平成九年以降さらに投資をしていかなければいけないという問題がございました。これは、受益者負担が建設費の一八%としても、入植するのに一億円近い金が必要になるということで、幾ら大規模農業をそこで促進していくんだといってもかなり無理があるのではないだろうかということであります。 そういう中で、中止あるいは計画変更というようなことを含めた見直しというものが果たしてできないものなのか、する必要がないのかということをお尋ねしたいと思います。 ちなみに、今国会でも話題になりました中海の干拓事業では、特に農水省の方にもお願いをして、干拓の推進と水産振興の両面から改めて調査をするというようなことをお認めいただいているというようなこともございます。そういう視点からもぜひ総理のお考えを例えればと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに有働議員の御質問の際、私は環境というのが本当に抜けていると思ったんです。そしてそういうお答えを申し上げました。 ただ、この諌早湾の干拓事業というものに限定いたしました場合に、私自身が存じませんでした一つの課題がそのほかにございます。それは、防災効果、災害防止でして、過去大洪水を受けた経験をお持ちの地域であること、あるいは被害を予防する上でこの防潮堤というものがどういう働きをするのか、潮受け堤防というんですか、こういうものがどのような役割をするのかという点は、実はこの諌早湾と限定をいたしました場合に論拠にもう一つつけなければならないテーマだと思います。そして長崎県及び地元の市あるいは町の御要望に沿ってこれを進めてまいりました中には防災という面が非常に大きかったと受けとめております。 農水省としての立場では、当然ながら食糧の安定供給とか地域農業の振興を図るという視点が前面に出ますでしょうし、その反対側にはまさにムツゴロウを初めとした干潟の生物の問題があるわけですけれども、今、干潟の再生といった努力も片方では払われているようでありまして、この環境保全というものは私は十分留意していきたいと思いますけれども、この防災という効果につきましては、実は私自身が御質問を受けるということで調べるまで考えておりませんでした。そして諌早湾の沿岸市町、市や町が過去に受けた大洪水の経験に対しこれをもって防止策としたい、その気持ちも理解できるものだと思います。
○水野誠一君 もう時間ですので追っかけての議論はいたしませんが、今、総理がお答えになりました防災の問題というのも、今の計画されている堤防ではちょっと十分ではない、さらに防災まで考えたときにはさらなる投資が必要になっていくだろう、こういう視点もあるようでございます。ひとつ総理のリーダーシップの中で、ぜひこういった大規模な公共事業の見直しということも財政再建の一環としてやっていただければというふうに思います。 それを期待いたしまして、終わらせていただきます。
○山口哲夫君 総理、どうも御苦労さまでした。 先ほど来のお答えを聞いておりましたけれども、在日米軍の削減を求める時期ではない、そう考えてクリントン大統領に沖縄駐留の兵力構成について削減や変更を求めなかった、こういうふうにおっしゃっておりました。これは沖縄県民の気持ち、とにかく早く縮小、撤去してほしいという気持ちはもう痛いほどわかるということを総理がよくおっしゃっておりました。それから沖縄の方々からは、一日も早く縮小、撤去を求めたい、そういう要請も出ておりました。そういうことと随分私は矛盾するなというふうに聞いておりましたけれども、しかしそれは総理のお考えでしょうから、私は、大変矛盾をしているし、やはり沖縄県民の意向というものを何としても今回は伝えてほしかったということだけは指摘をしておきたいと思います。 さてそこで、中長期的な観点から、国際情勢の変化に応じて在日米軍を含む軍事態勢について日米間で緊密に協議をすることを確認し合った、こういうふうに伝えております。 そこで、具体的にお答えいただきたいと思うんですけれども、韓国と朝鮮民主主義人民共和国が統一したときはもちろんのこと、本格的な和解へ向かって前進が見られた場合、朝鮮半島の緊張が解けたという場合に、当然在日米軍の縮小、撤去を日本側から求める時期ではないか、私はそう考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、正直を申し上げまして余りそういう想定で議論をすることを好みません。 日米安全保障条約は、朝鮮半島だけを対象にし、朝鮮半島だけのために存在するものではないと思います。我が国の安全保障のために存在するものであり、その我が国の安全保障のために存在する安全保障条約というものは、米軍が日本に駐留し、日本の危急時において行動するとともに、一定の行動のための基地としての役割も果たすという条約構成になっておることを議員はよく御承知のとおりであります。 そして、私は本当に、一つだけちょっと気になるという言い方は失礼でありますけれども、朝鮮半島についていろいろなお話があるわけでありますけれども、現実問題として、例えば先日の覚せい剤の密輸のようなことを考えましても、あるいは現実に起きた事件として申し上げますならば韓国への潜水艦侵入事件にいたしましても、現実にさまざまな問題が起きている状況でございます。 我々は少し厳しく見過ぎるのかもしれませんけれども、そうした状況の中で、全く自然に仮定された状況の議論をするということは必ずしも望ましいことではないように思います。
○山口哲夫君 少なくとも在日米軍というのは日米安全保障の日本の安全のためにある、そういうお考えを今述べられておりました。 これまではソ連脅威論の中で、ソ連が攻めてきた場合にどうするか、そういう立場で米軍の駐留ということに意味を持ってお答えになっていたと思うんです。そのソ連の脅威論がなくなった。そうすると、今一番問題になっているのは朝鮮半島の緊張問題、これがこの東アジア全体、日本を取り巻く情勢の中では一番大きな軍事的な脅威になっているんじゃないか。その一番大きな問題が解決されたという場合においては、当然、日本側からアメリカ側に対して米軍の削減を求めていくというのは当然のことではないかと思います。その点についてもう一度お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私、今度アメリカに行きまして記者会見でちょっとびっくりいたしましたのは、例示を挙げての議論というものが誤解を生むものだということを大変痛感させられたんです。それだけに、私は例示を挙げることを本当に控えなきゃいけないなということを痛いほど感じて帰国をいたしました。そして本当にアジア太平洋地域に不安定、不確実な要因がなくなれば、状況は当然変化しているわけですから、双方が話し合い、その状況に応じた体制をつくるということは当然だと私は思います。 しかし、現実にヨーロッパ正面はNATOというものが存在し、その中でしっかりとした地域防衛の仕組みができ上がっております。残念ながらアジア太平洋地域にはそうしたものが存在をいたしておりません。そうした中で、例えばこれが解決すれば減らせる、この問題がなくなればゼロにできる、まあ余り私はそうした議論をすることが望ましいものだと率直に申し上げて考えておりません。
○山口哲夫君 終わります。
○委員長(野沢太三君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大脇雅子君 私は、二十一世紀の社会保障のあり方に関連して質問をさせていただきます。 戦後、日本における伝統的な家制度は法的にも解体し、工業化社会の中で近代家族への組みかえが起きました。働く夫と家庭を守る妻、子供二人と犬一匹という核家族のイメージが定着しまし一た。 しかし、一九八〇年代には共働きの女性が専業主婦の数を超え、家族は伝統的な核家族のほかに、夫婦二人、母子家庭、父子家庭、祖父母と孫、ひとり暮らし、兄弟同士、同棲のカップル、友人同士等の家族の形が多様化してまいりました。一九九〇年には一世帯の平均人数は二・九九人と三人を割り込んで小規模化し、三世代世帯の割合は一二・一%、一九九三年現在六十五歳以上の高齢者を含む世帯は二九・一%、そのうち夫婦のみが二三%、単身も二八・三%となって、単身世帯の八〇・四%は女性が占めています。 重要なことは、平均余命が長くなって、現代社会においてはだれもがそれぞれの人生のステージごとに好むと好まざるとにかかわらず多様な家族の形を体験して生きなければならない時代に遭遇しているということであります。例を見ない高齢化社会への進展と合計特殊出生率一・四を切るという日本の状況の中で、二十一世紀に向けての社会保障のあり方はその基本的な理念が新たに問われなければならない時代に来ていると思われます。 厚生大臣にお尋ねいたします。二十一世紀の社会保障のあり方についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 社会保障は、まず、みずからの力によって立つ基盤をそれぞれの国民がつくる、そしてさらに、お互い足らざるところを補い合って、支え合ってよりよき制度をつくっていくという原則に立って、今後、戦後築いてきた年金とか医療とか、あるいはこれから導入する介護等、いろいろな重要問題を抱えておりますけれども、単なる貧しさを救う、貧乏をなくすという救貧状況から、それぞれがこの社会保障制度のもとで恩恵を受けつつ、またその制度を支えているという共通認識に立って今後のいろいろな諸制度を発展させていかなきゃならないと思っています。 特に、今後は急速に高齢化の時代を迎えます。あわせて少子化の傾向を考えますと、高齢者が給付を受ける立場、それ以外の方が給付を支える立場というだけでは立ち行かなくなってくる。若い世代も高齢者も、ともに制度の恩恵を受けると同時に、支え合うんだという認識に立って今後のもろもろの制度を改革していかなきゃならないと思います。 特に、給付と負担の問題は、どのような制度を発展させるためにも、だれでもがよりよい給付を要求する、その陰にはだれかがどこかでその給付を負担しているんだという、給付と負担の公平化を図っていく必要があると思います。 特に、戦後一貫して経済成長の成果を福祉の充実に回すことができた日本社会でありますけれども、今後はそれほどの高度成長は望めない。この経済の成長を支える若い世代、企業、その若い世代にも意欲を持って働いてもらわなきゃならない。金の卵を産む企業にも、活発に企業活動を展開してより多くの成果をもたらしてもらわなきゃならない。 となりますと、今後、高齢者がふえる段階でも国民負担率は五割を超えないような形でお互い現在の諸制度を改革していこうとなりますと、ますます給付と負担の均衡を図っていく、これが私は今後国民の理解を得て社会保障制度の充実を期す場合に一番大事な視点ではないかなと。自分が食べる人、ほかの人はつくる人というのではなくて、食べることもつくる人も一緒に考えようという、社会保障制度もそういう視点からあらゆる点において見直さなきゃならないのではないかなというふうに考えております。
○大脇雅子君 確かに、防貧ないしは救貧の社会保障から、妊娠、出産、育児、介護など、家族的責任などのリスクを大勢で負い合うという、そして多様で自由な生き方を可能にする制度としての社会保障というのが二十一世紀に向けての大枠だと思われます。 その際、私は三つの偏見から解放される必要が一我々はあると思います。 第一は、高齢者は介護を受ける者という偏見であります。確かに、寝たきりと痴呆の発生率は六十五歳以上で一一・八%となっておりますけれども、高齢者の多くは貯蓄や資産を持ち、自由な生活を送っている人も多いわけであります。ベティ・フリーダンは、「老いの泉」という著書の中で、高齢期を希望に満ちた冒険の季節と呼びまして、弱々しく貧しい病気の老人という高齢者のイメージを払拭すべきだと唱えております。我々もまた、社会保障を組みかえるときに、こうした古いイメージのとりこにならないことが大事だと思います。 第二は、介護者は女性という偏見であります。 家族の介護力ということが言われますが、家族的責任は男女で負い合うものであります。育児も介護も男女労働者がひとしく負うということがあってこそ新しい平等の社会が構成されると思うものであります。介護者像としての女性というものは現実には多いわけですけれども、男性もまたそうした介護者として出現をしつつあるということです。 第三は、妊娠、出産は女性の個人的な出来事とする偏見であります。 子供を産む産まないというのは基本的には女性の自己決定権でありますけれども、これは私的な問題としてとらえるのではなく、介護と同様に社会的な責任の中で負い合うものという考え方がない限り少子社会の克服はないと思います。 先ほど予備費について、老人医療費の支出が五〇%を超えるという異常な状態についての質問がありましたが、家族によって行われている介護労働というもの、これは将来的には外部サービスの利用に変わっていくと思われるわけですが、介護保険が医療保険改革の中で位置づけられて問題とされておりますけれども、厚生省の方は介護費用というものをどのように費用として推計されておられるのでしょうか。
○政府委員(江利川毅君) 介護費用についてのお尋ねでございますが、私どもが推計しております介護保険制度の費用推計では、実は介護保険制度から給付されるサービスの費用を推計しているわけでございます。したがいまして、家族がどういう労働をしているか、それがどういう費用になるかというところまではその推計の中には入ってきておりません。 ただ、介護保険制度が定着をしてきますと、だんだん例えば在宅サービスの利用率が高まる、従来家族でやっていたのが、介護保険のサービスの事業者からサービスを受けるようになる、そういう率が高まるというふうには考えております。 私どもの推計では、介護保険制度がスタートします二〇〇〇年におきましては、介護保険で想定するサービスのフル給付水準でいきますと、在宅サービスを大体四割の人が受けるようになる、それが十年後には八割程度の水準になるというふうに見込んでいるわけでございまして、そういう形で費用がふえるというふうに思っているところでございます。その結果、平成七年度価格でございますけれども、スタート時点におきましては施設サービスを含めましたトータルで介護費用が四兆二千億円程度と見込んでおるものが、十年後におきましては六兆九千億円程度になるというふうに考えております。
○大脇雅子君 十年後に六兆円余ということですが、日本の一番高齢化社会のピークというのは、団塊の世代がいわゆる介護をする方から介護される方へ回っていく二〇二五年という時期であります。制度を仕組む場合にやはりそのことを目指して、そこのところを留意しながら仕組む必要があると思いますが、厚生省は二〇二五年の推計というものは出しておられますか。
○政府委員(江利川毅君) 同じく平成七年度価格でございますが、九・六兆円程度というふうに推計しております。
○大脇雅子君 経済企画庁の経済研究所による「介護保険の経済分析」という資料があります。この試算では、施設重視のケースで在宅介護者の費用をホームヘルパーの賃金に基づいて試算いたしますと、生活費を含めて二〇〇〇年で十兆七千二百六十九億、二〇二五年で三十九兆二千二百九億円というふうに試算をされています。 厚生省の試算には、先ほど言われましたように在宅介護者の費用は織り込まれておりませんし、サービスの整備率も一〇〇%ではなく、また痴呆老人のためのグループホームや地域のリハビリテーション関連費用も落ちていると思うわけです。 したがって、この十年で六兆余、そして二〇二五年で十兆を超えるという試算はちょっと甘過ぎると思うわけでありますが、その点については、何かコメントありますか。
○政府委員(江利川毅君) 推計の考え方が違いますので、私どもの方では介護保険制度でサービスのモデルをつくり、要介護度の程度においてそれを効率的に提供するという前提でやっておりまして、かつまた、別途家族が行う分があったり、あるいは民間事業者から別途買う分があったりしてもそれは私どもの推計に入っておりませんので、いわゆるこの制度によってということでございます。 それからまた、価額につきましては平成七年度の価額で推計をしております。この点も前提がちょっと違うのではないかと思います。
○大脇雅子君 二〇二五年には、二〇〇〇年の時点と比べて重度の要介護者は八七%増加する。それに引きかえて、介護の担い手は一七%減るとされています。 経済企画庁のその報告書によりますと、家族労働の社会的費用を無視した形で介護保険が設立されれば、施設介護との間で公平性を欠くだけではなく、ますます貴重となる人的資源を有効に活用できないという意味で重大な国家の損失であるというふうに警鐘を発しております。私は、家族保険を構想するときに、そうした費用の推計というものは、男も女も働く社会という形の、そして家族的責任も男女で負うということを前提として、もう少し厳格な推計が必要であろうというふうに思うわけであります。 次に、そうした観点に立ちました場合に、子育て支援の費用というものは非常に日本では貧困であります。児童手当の見直しとか児童扶養手当制度の見直しが財政の改革の中で行われていくのではないかという不安が現場で多く起きております。 児童扶養手当制度の見直しについての検討状況がありましたらお答えいただきたいと思います。
○政府委員(横田吉男君) 児童扶養手当制度につきましては、昨年十二月に、中央児童福祉審議会の基本問題部会の方から中間報告が出されておりまして、支給された手当に係る費用について社会的公正の確保を図るという観点から、離婚した父親の方からも徴収できる仕組みの導入につきまして、理論的、実務面、双方から検討すべきであるという御提言をいただいているところでございます。 私どもといたしましては、今国会に提出しております児童福祉法の改正とあわせて、この児童扶養手当の徴収制度につきましても改正する方向で検討を進めてきたところでございますけれども、法案作成の過程におきまして民法上の扶養義務との関連等さまざまな御議論がございまして、引き続き検討するということにいたしているところでございます。 今後、さまざまな御議論を踏まえまして、幅広い観点からそのあり方につきまして検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○大脇雅子君 平成七年度決算に関しまして、会計検査院から指摘されておりますのが保険料の巨額な未収金問題であります。 現在、各保険につきましてどのような未収金があり、それはなぜそのようなことが起きているのかということについてお尋ねをいたします。
○政府委員(真野章君) 平成七年度の決算におきまして、会計検査院から指摘を受けました健康保険及び厚生年金の保険料の収入不足でございますが、二つございまして、一つは医療法人の事業所、それから特別支給と申しまして六十歳から厚生年金が支給されておりますが、特別支給の老齢厚生年金等の受給者につきまして、健康保険なり厚生年金の被保険者になるべき者であるにもかかわりませず被保険者の資格取得の届け出がなされていなかったということに伴うものでございます。 このうち、医療法人の事業所につきましてこういう事態が生じましたのは、これらの事業所が医療保険の分野におきましては国民健康保険の適用ということで、医療保険が国保であれば年金の方は国民年金というのが、事業主の間においてそういう意識が非常に強かったのではないか。それから、社会保険事務所におきましてこの適用を担当いたしておりますが、医療保険の方が国保ということで健康保険の適用事業所でなかったということからその調査が十分行われなかったということではないかというふうに考えております。 また、特別支給の厚生老齢年金等の受給者につきましては、これは事業主それから受給者とも制度に対する理解が十分ではなかった、または不誠実な対応ではなかったかというふうに考えております。 保険庁といたしましては、この届け出漏れが多く見られました医療法人の事業所等につきまして、医師会初め関係団体からの周知、医療機関台帳等の情報によりまして未適用事業所の把握や指導の強化並びに事業所調査の際に資格取得の届けに関して重点的に取り組みをしたいというふうに考えております。また、特別支給の老齢厚生年金の受給者につきましては、毎年一回現況届というものを出していただいておりますが、その現況届の記載事項に、就労している方につきまして就労先の事業所の名称、所在地、これを記入していただくという省令改正をいたしました。これによりまして就労情報を把握いたしまして、資格取得の届け出の勧奨を行うということによりまして適用の適正化を図ってまいりたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 会計検査院の指摘されている保険料については今の御説明のとおりでありますが、保険料一般の問題を考えますと、これは社会的な連帯、すなわち世代間ないしは世代内の支え合いをどのように理論化し制度化するかという根底のところでその意味が付与されるものであろうかと思います。 このごろ若い人たちに社会保険に入らないというような傾向も出ているということもあり、社会保険料の未収について基本的な認識と対策について社会保険庁はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(真野章君) 委員御指摘のとおりでございまして、国民皆保険、国民皆年金という私どもの社会保険の仕組みを円滑に維持していくためには保険料の拠出、収納、これを的確にやっていくということが最も基本であるというふうに考えております。 まず、被用者保険でございます健康保険並びに厚生年金につきましては、これは事業主から保険料を納めていただくということになっておりますので、事業主にその制度の周知並びに口座振替等の推進によります保険料の納めやすい環境の整備ということを行いたいと思っておりますし、万一滞納というような事態が生じました場合には、納入の特例並びに滞納処分の早期着手というようなことによりましてその保険料の収納を確保してまいりたいと思っております。 また、委員御指摘のございました若い世代ということになりますと、国民年金につきましてはこれは個々の方に納めていただくということで、国民年金の収納の問題というのは私どもも一番強く認識をいたしております。個人の方々に納めていただきますのは大変難しい点がございますが、ことしの一月から基礎年金番号を導入いたしまして、いわば年金におきまして加入者の実態の把握ということが非常にしやすい状態になりました。こういうような積極的な活用によりまして、未加入者の解消並びに未納者に対する積極的なアプローチをしたいというふうに思っております。 根っこはやはり国民皆保険、国民皆年金に対する理解と信頼を高めていただくということでございますので、私ども中高生を対象にした年金教育の推進等、また十一月六日から年金週間というようなことを実施いたしまして、とにかくそういう理解と信頼を深めるための対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 国民の理解と信頼というものの基礎は、国民の参加意識と情報の公開にあるというふうに考えます。とりわけ、不公平感のない制度の仕組みというものを常に心がけて見直しをしていただきたいと思うものであります。 さて、飛びますが、今般消費税が五%に上がりまして、なおかつその不公平感というところではそれを解消する措置が、激変緩和措置等が行われたということでありますが、益税の解消等の課題がまだ残っていると思います。厳格なインボイス方式の導入を前提とした軽減税率等、大蔵省におかれましてはこの点、何か御検討を始めておられるでしょうか。
○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。 消費税制度に対します国民の信頼を確保するためにも、益税問題の解消に努めることは大切な課題だと思っております。本年四月から消費税率の引き上げが行われましたが、その際、あわせて限界控除制度の廃止あるいは簡易課税制度の適用上限の引き下げ、みなし仕入れ率の改正、さらには新設法人に対する免税点制度を適用しないなど、中小特例措置の大幅な縮減措置が既に実施に移されているところでございます。 また、よく問題になりますのが免税事業者の方の問題でございます。つまり、仕入れの分だけ価格が引き上げられればいいわけでございまするけれども、そのような消費税と価格の関係についての正しい認識が浸透し、適正な転嫁が図られるよう関係省庁の連携を図りつつ、現在、広報、指導等を実施しているところでございます。こうした措置によりまして、いわゆる益税の解消は相当に前進するのではないかというふうに考えてございます。 これからのお尋ねでございましたが、こうした改正の効果を見守っていく必要はあるわけでございますが、昨年の十二月の三党合意におきまして、ちょうどこの消費税率の引き上げを契機に、小規模な事業者の方に対するこの制度改正に伴う転嫁の実態、あるいは何よりも中小事業者の事務の実態等がどうなっているかということを現在調査を進めているところでございます。こうした調査結果を踏まえながらこの益税問題の解消についての検討を深めてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○大脇雅子君 税制の不公平感というものは、弱者に対する保護というものの配慮が欠けたところに生まれてもくるかと思います。 財政改革については聖域なき見直しということを言っておられますが、大蔵大臣、その弱者の保護と財政改革について何か御見解がございましたらお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 税金は公正公平でなければならないという観点に立ちまして、先般、導入に際しましても弱者対策をそれぞれに講じさせていただいたところでございます。 これからどうするかということは、しばらくこの基本方針を、基本スキームを堅持しながら取り進めさせていただくと、こういうことになります。
○大脇雅子君 それでは次に、フィリピンに残留しております日本人の問題についてお尋ねをいたします。 肉親の調査、国籍の取得、それからパスポートやビザの発給等さまざまな問題がありますが、この問題は実態調査も含めて各省庁が連携を持って行わなければならないというふうに思っております。 この点について、法務大臣、厚生大臣、外務大臣はどのような協力体制をしかれて、この問題をどのように取り扱われようとしているのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(松浦功君) お答えを申し上げます。 なかなか難しい問題がいろいろとあるようでございますが、フィリピンの在留邦人の置かれている歴史的な立場とか境遇あるいは現在における状況等を十分に配慮して、肉親捜しのための入国申請があった場合には九十日間の短期在留を認めるなどの措置を講じているところでありますけれども、今後とも関係省庁と協力をして適切に対応をしていく必要があると考えております。
○国務大臣(池田行彦君) この問題につきましては、委員御指摘のとおり、私どもといたしましても法務省あるいは厚生省ともよく連絡をとりながら進めてまいりたいと思います。 これまでにおきましても、例えば実態調査の面で昭和六十三年以来、累次にわたりまして厚生省と共同で調査をしてきたところでございます。また、例えば外務省の附属機関でございます外交史料館にございます戦前の渡航者名簿等も、いろいろそういった実態の調査をこれから進めていく上で有効な資料になるんじゃないかというふうに考えておりますし、そういったところでも協力してまいりたいと思います。 それから一方、事業の方で申しますと、そういった実態調査も踏まえまして、例えばフィリピンの現地で日系人団体を通じまして職業訓練センターであるとか多目的の学習センターといったようなものをつくるための小規模な無償援助なんというものも進めさせていただいている次第でございます。また、例えばフィリピンに残留してこれからも生活をしようと、そういった方々にフィリピン側の永住権を取得したいというような御希望があるということがございます。そういったときにも関係省庁とも連絡をとりながら、フィリピン政府に働きかけるなんということもしておるわけでございます。 また、当然日本国籍の確認であるとかあるいは日本人としての日本旅券の発給なんということにつきましても、それも関係省庁と協力いたしますし、法務大臣からお答えのございました査証の審査の手続なんかも円滑に進むように進めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) フィリピンにおいては戦後引き揚げは順調に進み、昭和二十二年ごろまでに集団引き揚げは終了したが、その後昭和三十年代の初めまで個別引き揚げは続いておりました。また、戦後早い時期から文通が可能であり、人の交流も自由であったと聞いております。 そこで、フィリピン在留邦人の身元がまだわかっていない肉親調査については、一般在外邦人の身元調査として、これまで厚生省として旧陸海軍の人事資料の活用等により外務省への協力を行ってきましたので、今後とも関係省庁と連携をとりながら協力をしていきたいと思います。
○大脇雅子君 法務大臣にお尋ねしたいのですが、先ほど外務大臣は戦前の資料、パスポートなどの発給資料などを身元捜しのために協力したいということでありまして、これは大変当事者にとってはありがたいことだと思うんですが、法務省の方は渡航記録など戦前にあるのではないかと思いますが、外国に対する渡航記録、そういう記録などもぜひそういう身元捜しのために提供し、またその捜査に協力していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松浦功君) 対象に考えておられる人々、非常にフィリピンでいろいろ苦しい思いにあった人たちだと思います。我々としては、できるだけ戸籍法の精神に反しない限度で適切な措置を講じてまいりたいということを日ごろ考えております。
○大脇雅子君 先日訪れたフィリピンの残留孤児の一人は、集団自決をした死体の中から一歳のときに発見された人がありましたが、その方が日本に来られてホストファミリーのところに宿泊されたんですが、夜中にいなくなってしまったので一体どこへ行ったかと思って家族が大変捜しましたら土間に寝ていた。ということは、ハウスボーイで、それまでいつも大と一緒に生活して、暖かい布団で寝たことがないので眠れないということであったということで、その話を聞いて非常に胸を突かれたことがございます。 事ほどさように、やはり貧困の中で五十年過ごしてきた邦人のために、さまざまな関係省庁の御努力をお願いしたいと心から思うものであります。 最後に、法務大臣に一点お尋ねをいたしたいのですが、先般、入管法が改定されまして、蛇頭などの不法入国者に対する人身売買などを取り締まる法の強化が行われたわけであります。それに対しまして、不法入国者蔵匿・隠避罪あるいは予備罪の適用に関しまして、外国人を支援している人道援助のスタッフとか難民の支援団体のスタッフが非常に大きな危惧を持っているわけですが、捜査権の乱用ということが起こらないようにその運用にとりわけ御留意いただきたいと思うんですが、その点について御決意をお願いしたいと思います。
○国務大臣(松浦功君) 御指摘の問題でございますが、今回の入管法の改正はあくまで難民の方をどうこうするという法律とは全く関係がないと私どもは理解をしております。 例えば、当該外国人が集団密航者であることの認識がない場合、あるいは退去強制を免れる目的を持ってしたことではないというような場合は当然罰則の対象にはならないと考えております。切り離して考えておることについて御了解を願いたいと思います。
○大脇雅子君 どうもありがとうございました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、村上正邦君が委員を辞任され、その補欠として須藤良太郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。お互いに大分疲れぎみでありますが、頑張って質問をさせていただきたいと思います。 きょうは、下水道及び下水道類似施設の調整問題に絞って建設省、農林水産省、厚生省の皆さんにお尋ねをしたいと思います。 初めに、私の問題意識を簡単に述べておきたいと思います。御承知のとおり、我が国の財政状況は主要先進国中でも最悪と言われるような危機的な状態に至っております。我が国が少子・高齢社会に的確に対応しつつ、しかも二十一世紀に向けてなお活力ある経済社会の実現を目指すためには、財政の構造改革に真剣に取り組むことが喫緊の課題となっております。 去る三月十八日、橋本総理は、財政構造改革会議において、いわゆる財政構造改革五原則を提示されました。その中では、財政健全化目標を二年前倒しするとともに、今世紀中のこれからの三年間を集中改革期間と位置づけ、主要経費の量的縮減目標を設定すること等が示されております。このような方針は、財政構造改革に向けた決意のあらわれとしてそれなりに評価できると思いますが、問題はこれからの手法と手順であろうと思います。 例えば、一切の聖域を設けずに検討を加えるということが、それぞれの政策的な中身の吟味を抜きにして一律にマイナスシーリングをかけるとか、あるいは各種の長期計画を一律に二年間延長するとか、こういうやり方では余りにも無策ではないかとのそしりを免れません。とりわけ、私は従来からばらまき予算の象徴として批判が強い公共投資のあり方について、特に公共事業のあり方を見直し、関連する経費の実質的な減額を具体的に煮詰めていく作業が極めて重要であるというふうに思います。 改めて指摘する必要ないかもしれませんが、とりわけ平成四年度以降、累次の経済対策等により公共事業関係費については本予算への計上分に加えてむしろ補正予算によって巨額の追加が行われてきました。今回、審査の対象とされております平成七年度決算を見ましても、二度にわたって大型補正が行われ、その結果、約五兆円余の補正予算が計上されております。このための財源の大宗は、主として建設国債の発行によって賄われておりますが、こうした巨額の国債発行の累積が財政の硬直化、財政の悪化を招いていることは言うまでもありません。 このような問題意識から、きょうは私は、先ほども申し上げましたように、下水道及び下水道類似施設の整備にかかわって関係各省庁間の調整、連携のあり方がどうなっているのか、建設、農水、厚生の三省にお尋ねしたいと思います。 まず冒頭に、しばしばマスコミに縦割り行政の典型例として引用されております鳥取県の日吉津村における汚水処理施設のいわゆる二重投資問題あるいは重複投資とも言われていますが、この問題についてどのように受けとめておられるのか、建設省及び農水省の両省に伺います。 もう一々御紹介をするまでもないと思いますが、つい最近にもある新聞に紹介をされておりました。写真で見ますと、全く同じような施設が並んででき上がっている。上から見ると、まさしく「建設・農水双子の下水施設」と、こういう見出しがぴったりなわけであります。この問題はさまざまな形でマスコミにも取り上げられておりますので、できれば大臣みずからの御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) お答えいたします。 今、先生から御指摘のありました鳥取県の日吉津村のことでございますけれども、御承知のようにこの事業は、集落排水の方は農水省からお答えがあると思いますけれども、昭和五十七年、それから下水道の方は五十九年にそれぞれ事業着手いたしまして、昭和六十一年あるいは六十二年に完成したということでございます。 振り返りますと、この当時の下水道の整備率は全国平均でおおむね三一、二%、三〇%前半でございまして、現在はもう既に五四%までおかげさまでなっておりますけれども、まだまだの感の時代でございます。一方では、集落排水事業もようやく制度的にこの事業がスタートしたところでございますので、今から考えますとその後の調整がいささかまだ十分でなかったという感を否めないわけでございます。 ただ、そのときには地域的には下水道事業の担当いたします市街化区域と集落排水の主として担当いたします農業振興地域というのが隣接しておりましたのでこのような事業になりましたが、現在の状況におきましては、できるだけその維持管理を一体的に行うという考え方で集落排水あるいは処理場の処理施設が隣接しておりますし、二つの処理施設から出てまいります汚泥の処理についてはできるだけ共同でということで、建設省の方で巡回用の移動式の脱水車、これを手配いたしまして、MICSと呼んでおりますけれども、汚水処理施設共同整備事業ということで効率的に実施させていただいているのが現状でございます。 いずれにせよ、今回の例は、お話ございましたようにいろいろ新聞、マスコミで取り上げられていることも我々十分承知しておりますので、その後各関係省庁で調整をさせていただいているのが現状でございます。
○国務大臣(藤本孝雄君) お尋ねの日吉津村の汚水処理施設の問題でございますが、農水省の関係では農業集落排水事業、これは日吉津村からの申請によりまして農村地域を対象として昭和五十七年に事業着手をいたしております。 今、建設省からお答えございましたように、下水道事業は市街地を対象に昭和五十九年に事業着手、そういう事業でございますが、私もいろいろ調べてみました。率直に申し上げまして土地カンもございませんものですから地図も見まして、同じ日吉津村の中で、北三分の二が農村、農振・農用地域、それから南三分の一が市街化区域と、こういう区分けになっております。 この事業の計画時の様子を聞いてみますと、いろいろと計画に変更があったようでございます。地元の日吉津村としてはできるだけ早くこの汚水処理施設をつくりたい、こういう考え方からこの農業集落排水事業からまず着手をしたいと、こういうことであったようでございます。 それで、市街化地域につきましては農業集落排水事業は対象外でございまして、市街化地域については下水道事業になるわけでございます。したがって、この地域の区分け、区分からいたしますと、それぞれ公共下水道、また農業集落排水事業と、こういう区分けに事業としてはなる。ただ、処理場が、この二つの事業、隣り合わせで処理場ができたと、ここに実は問題があったのであって、事業そのものはこの地域の区分けからいたしますと、これはこの事業の今の内容からするとそういうことになるというふうに思っておるわけでございます。
○朝日俊弘君 今のお答えで、たまたま隣り合わせが悪かったというお答えはちょっと納得しかねます。 ただ、率直に申し上げると、自治体の方も両方から予算がいただければという気持ちも一方でないわけではないし、現実にかなり難しい面があると思うんですが、ただ、少なくとも同じ目的で、省は違うけれどもほぼ同時期に施設をつくっていくとなれば、もっと事前に調整があってよかったのではないかというふうに思います。この点は、あえてお答えに対する指摘としてとどめておきたいと思います。 そこで、改めて三省に、おおむね三種類の各種汚水処理施設整備事業があると思いますので、それぞれどういう目的でどんな地域を対象とされているのか、その違いについてできるだけ簡潔に御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) まず、建設省の方からお答えさせていただきたいと思いますが、先生お話ございました三つの汚水処理の施設の比較でございますが、下水道は御案内のとおり下水道法という法律に根拠を置いた事業でございまして、設置者は地方公共団体が原則といいますか、地方公共団体が行うことになっております。 その生活基盤施設としての役割でございますが、家庭の生活排水の処理のみならず、学校とか市役所、村役場あるいは病院、こういう公共施設などから出てまいります排水とか、あるいは生産に伴いまして企業、工場等から出てまいります。そうした事業者の排水なども受け入れるという性格の施設になっておりますし、昨今のように大変環境問題が厳しくなってまいりますと、必要に応じて高度処理も飲み込んで事業としてやらせていただいております。 対象地域につきましては、先ほど農水大臣からもお答えがちょっとございましたけれども、私どもの担当しておりますのは市街化の進んでおります都市部がまず第一の主眼でございますが、農村漁村地域におきましても中心集落とか一定規模の集積のある場合は一部そちらにもやらせていただいておりますし、昭和五十年からは、事業を早くやってほしいという御要望がある中で、市街化区域外におきましても特定環境保全公共下水道、いわゆる特環事業というのも公共事業の中でやっておるのが現状でございます。
○政府委員(山本徹君) 農水省で実施しております農業集落排水事業でございますけれども、この目的は、農業用水の水質保全や、また都市と比較して立ちおくれております農村地域の排水処理施設の整備の推進、具体的には、町村部で排水処理施設の整備率一七%、大都市で九五%、中都市五九%程度でございまして、農村部の立ちおくれが著しいわけでございます。このために、農業振興地域におきまして一集落あるいは数集落、これは大体一集落三十世帯程度を含んでおりますけれども、これを対象といたしまして生活排水の処理を行うものでございます。 また、本事業の特色としまして、専ら生活排水の処理を内容としておりますので、処理水の農業用水への再利用が可能でございます。また、発生汚泥の農地への還元といった地域内における資源リサイクルを推進し、農村地域に適した比較的小規模な分散処理システムとして実施しているところでございまして、農村における生活環境整備、また生産基盤の整備に貢献しているところでございます。
○政府委員(小野昭雄君) 合併処理浄化槽の関係でございますが、これにつきましては、各家庭のし尿及び雑排水を衛生処理することによりまして生活環境の保全並びに公衆衛生の向上に寄与することを目的といたしているわけでございます。 合併処理浄化槽の特性でございますが、各家庭に戸別に設置をされていること、あるいは管渠が不要であること、あるいは地形に影響されないこと、それから適正な保守点検等の維持管理によりまして衛生確保が重要であるといったような特性を有しておりまして、原則といたしまして下水道事業計画区域外の比較的人口の散在した地域において整備を行っているところでございます。
○朝日俊弘君 今お聞きしたように、主要な事業だけでも三種類、それぞれ目的あるいは対象地域はかなり違うけれども目指すところは同じだという施設整備事業があるわけですが、さてそこで、じゃこれらの幾つかの事業について、各省庁間の調整、連携がどこまでとれているのかというのが大きな問題だと思います。 この問題については、既に平成元年に総務庁の行政監察局も下水道に関する行政監察を実施しております。その中では、例えば下水道事業計画区域に近接して整備された下水道類似施設の中には、整備後間もなく下水道事業区域に組み込まれたものがあるなどの例を挙げながら、関係省庁間での十分な調整の必要性があるということを勧告しておりますし、当然これを受けてのことだと思いますが、平成七年度の予算編成時では、下水道と農業集落排水施設及び合併処理浄化槽について担当部局間の連絡調整を図るほか、予算上も調整費を計上して適切な対応を図ると、こういうふうに予算編成のときに示されております。 具体的に各省庁間の調整、連携がどのように取り組まれているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。それぞれに御意見があるんでしょうが、とりあえず関係省庁を代表して建設省にお尋ねをしたいと思いますが、特に建設省の方のお答えに追加、補強することがあれば、農水省、それから厚生省にもあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 我が国の下水汚水処理というのは、先生のお話がございましたようにまだまだ私ども十分でないといいますか、道半ばという感触を持っております。お話がございましたように、各機会を通じましていろいろ指摘をいただいていることは我々もしかと受けとめております。 御質問のございましたように、三省の状況でございますが、先ほど来申し上げておりますように、それぞれ複数の汚水処理施設の特色がございますので、その特色に応じて一番効率的、効果的な施設配置をすることを三省ともいささかもたがえておらないと思っております。 多少旧聞に属する話の繰り返しになろうかと思いますけれども、平成六年の予算編成時に三省の間で汚水処理施設の整備に係る関係省庁連絡会議というのをまずつくらせていただきまして、今までも双方に連絡はやってまいりましたけれども、なお一層連絡を密にするという場をつくらせていただきました。 現在もその場を最大限に活用いたしまして、協力、協議をさせていただいておりますが、その後、先ほどお話がございましたように、やはり同じ地域におきまして複数の施設がどうしても競合しがちであるというようなことも間々ございますので、都道府県におかれまして、市町村段階に起こった各種の計画、構想を広域的観点から調整を行っていただこうということで、都道府県の全域を対象とした合理的な構想をつくるようにということを三省共同で通知を出させていただいておりまして、これは平成七年の暮れに出しておりまして、通称都道府県構想と呼んでおります。現在までに、八年度末で全国の三十一の県で一応その構想ができておりますので、ここの県におきましては私どもこれをベースにしてそれなりに調整が行われると思いますし、残りの県につきましても今年度中にはそれぞれ策定されると見込んでおります。 それから、先ほどお話のございました処理施設等のことにつきましても、農水省と平成七年の十二月に、双方の施設間で、ニキロという一つのめどを持っておりますが、非常に近いところでそれぞれの施設ができるときには、これについては双方で十分協議させていただこう。それ以上に距離が離れますと、これは施設の性格から双方設置する場合もございますが、一応いわゆるニキロルールというのを平成七年の暮れにつくらせていただきました。 それから、重ねてでございますが、本年度からは、公共用水域におきます水質保全をより一層促進しなければいけない市町村につきまして重点的に汚水処理施設連携整備事業ということを三省で組ませていただきまして、それぞれの省庁の予算の中でむだのない予算の箇所づけをさせていただく、今までそんな実績を上げさせていただいております。
○政府委員(山本徹君) 今、建設省の方からお答えがあったとおり、私ども三省、現在連携、協力しながら効率的な事業実施に努めているところでございますけれども、一点補足させていただきますと、県段階、市町村段階におきましても、平成元年の総務庁の勧告を受けまして、農業の集落排水担当部局と下水道あるいは合併処理担当部局と相互に十分連絡調整をとりながら、計画の策定、事業の実施を現場の段階で事前に十分調整を行うように指導しているところでございます。
○朝日俊弘君 それなりに連携をとってやっておられるという御報告ですが、国レベルの三省の連絡会議もそれはそれで十分必要だと思いますが、私は、やはり都道府県のレベルでここは主としてこういう考え方でやろうというふうに一定の区分けをした、今おっしゃったのは都道府県構想ですか、これを早急につくっていただくのが極めて現実的でかつ必要度の高いことだろうと思います。逆に、これができないと、国レベルでいろいろ考えたとしてもまたストレートに市町村の側からあれを欲しい、これを欲しいと、こういうことになりかねませんので、現段階では三十一県ということですが、早急に全県でこの都道府県構想をつくっていただくようにぜひ取り組みを強めていただきたいと思います。 なお、そのことと関連して、先ほどもありましたが、ニキロルールということで近くにつくらなければいいということではちょっと納得しがたいんですね。むしろ、全体の地域の中でどこにどの施設を配置することが最も必要かつ効率的かということを判断するようにならなければいけないわけで、二キロ離れているからいいというのはちょっと説明にならないというふうに思います。 それでは次に、平成八年度を初年度とする第八次下水道整備五カ年計画に関連してお尋ねしたいと思います。 率直に申し上げて、つい昨年策定された五カ年計画なわけですが、やはり今お聞きしたように、それぞれの目的に合わせた特色ある施設整備事業があるにもかかわらず、専らこの五カ年計画は下水道の整備に重きを置き過ぎているのではないかというふうに感じられてなりません。汚水処理機能を有する幾つかの社会資本整備の全体を考慮すれば、余りにも偏った計画になっているのではないか、あるいは必ずしも効率的な計画にはなっていないのではないかというふうに思われます。 そこで、まず三つに絞りましょう。今まで御報告のあった三つの事業について、各種の汚水処理施設整備にかかわる財源について国庫補助率がどの程度なのか、そして当該自治体の負担分がどの程度なのか、できるだけ簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 下水道について建設省からお答えさせていただきたいと思います。 公共下水道につきまして、建設と管理とに財源についても分かれると思いますが、建設の方につきましては国費及び地方債で九割以上が賄われておりまして、その他の余は一般の市のお金あるいは受益者負担金、さらには一部都市計画税などを財源として手当てをさせていただいております。それからかなりの都道府県におきましては、市町村に対して県費補助をしているのが実態でございます。なお、補助率は、管渠につきましては二分の一、それから終末処理につきましては二種類ございまして二分の一または十分の五・五というケースがございます。それ以外は当然自治体の負担になると思います。 一方、管理の部分につきましての財源でございますが、これも二つに分かれます。汚水に係る管理については基本的にお使いいただく方々の使用料、あるいは一般財源で補わせていただいておりますし、雨水関係、先ほどちょっと私、申し忘れましたが、下水道の場合は合流式が全国的に大変多うございますが、その場合には当然雨水の部分を相当官としては負担しますが、その部分については一般財源でやっておる、こういう状況でございます。
○政府委員(山本徹君) 農業集落排水事業の国庫補助率は五〇%でございまして、沖縄七五%、奄美六〇%の特例がございますけれども、一般的には五〇%でございます。この補助残の大部分は下水道事業債が適用されておりまして、その元利償還金について交付税措置がとられる仕組みとなっております。この結果、都道府県、市町村によって違いはございますが、平均的な地方自治体の実質的な負担率で申し上げますと、都道府県、市町村とも事業費の一〇%程度、また受益者の負担がございますが、末端の世帯の受益者の負担率が五%程度でございます。 なお、管理については市町村が実施いたしております。
○政府委員(小野昭雄君) 合併処理浄化槽の設置に対します国庫補助につきましては、市町村のうち合併処理浄化槽の設置者に対します補助を行っている市町村に対しまして、合併処理浄化槽と単独処理浄化槽の設置費の差額の三分の一を補助するものでございます。残りの三分の二につきましては都道府県と市がおのおの三分の一ずつ負担しておりまして、原則といたしましてその八割につきましては地方交付税措置が講じられているところでございます。
○朝日俊弘君 では、財源の問題に続いて、各種の汚水処理施設の整備費に絞りましょう、管理費もいろいろあると思いますが。 整備費について、それぞれの数字が出しにくいのかもしれませんが、処理人口一人当たりのコストを計算するとどれぐらいになるのか。あわせて、それぞれの施設をつくる平均的な建設期間がどれぐらいかかっているのか、主要な事業だけに絞ってでいいですから、お答えください。
○政府委員(木下博夫君) 先生お話しございましたように、大変いろいろ施設ごとに状況が違いまして、一概に比較するのはいささか誤解をしてはいけないところもあると思いますが、耐用年数の問題なども一つ私は大変大きな問題であろうと思いますし、それから、言いわけ的になりますが、全く白地のところに新たに下水道をつくる場合と、かなり幹線の管路がもうでき上がっておりましてそこへっなぐ場合、処理場などもかなりできている場合とか、いろいろ例がございます。 それから、下水道について申し上げますと、先ほど申し上げましたように、学校とか病院とかあるいは事業所とか、そういう公共施設を含めまして大変多くの施設から出てまいります排水も請け負っておりまして、なかなか一概に比較できません。 第七次の五カ年計画がございまして、これは平成七年までやってまいりました。この間に費やされました総事業費を、新たにこの間で処理する人口として追加されました全部で千二百八十六万人おるわけですが、それを五カ年計画の累計の総投資額で割り戻しますと一人当たり約百三十万となっておりますが、先ほど申し上げましたようにいわば本来の汚水対策として使われておりますシェアを我々おおむね六割と見込んでおりますので、これに掛け合わせますと一人当たり約八十万円ぐらいというのが我々の見込んでおります数字でございます。 それから、建設期間につきましては、これも地域や規模によって異なろうかと思いますが、公共下水道の場合にはおおむね四年から六年ぐらい、それから地域的に限定されます比較的規模の小さい特定環境保全公共下水道につきましては三年から五年ぐらいという見当を持っております。
○政府委員(山本徹君) 農業集落排水施設の建設費用でございますが、平成三年度から六年度の間に終了した地区から一人当たりの建設コストを試算してみますと、末端処理施設を含めまして約八十万円程度でございます。 また、建設期間でございますけれども、平成八年度完了地区の実績では、平均工期は四・二年という実績になっております。
○政府委員(小野昭雄君) 合併処理浄化槽の整備に要する費用でございますが、いわゆる代表的な浄化槽でございます五人槽を例にとりますと、一基当たりが約八十万円でございますので、処理人口一人当たりにいたしますと約十六万円となります。 また、平均的な整備期間は一週間から十日間程度でございます。
○朝日俊弘君 何かくしくも八十万、八十万という数字が出てきたんですが、あえてさらに細かい点についてはお尋ねするのはやめますが、ぜひ積算した根拠について後で資料をいただければというふうに思います。 私がなぜそれぞれの事業について、かなり難しいだろうけれどもあえて処理人口一人当たりのコストを計算してほしいというふうにお願いしたかといいますと、やはりこれからの下水道あるいは下水道類似施設の整備について、それぞれの集落あるいは家の分散の仕方によってどの地域がどの方法をとったらどの程度の費用対効果が出るのか、あるいは費用便益分析をしたらどういうふうになるのかという、そういう手法をぜひ取り入れてほしい。なかなか難しい点があるかもしれませんが、その辺が明確にならないままに、例えば幾つかの施設が重複をしたり、こういうことがあってはならないし、むしろそういう面についてはより効率的に、一気に下水道の施設整備を進めるためにも予算を振り向けていかなければいけない、こういう思いであります。 これからさまざまな事業を進めていくに当たって、まずは都道府県構想をしっかり打ち立てていただきながら、それに基づいてきっちりと費用便益分析を行って、具体的にどの地域にどの方法で事業を展開するか、こういうことをぜひ三省庁の間でも、より詰めた、より具体的な議論、検討をお願いしたいというふうに思います。 それでは、多少時間が余っておりますが、最後にしたいと思います。 この点はできれば大臣にお伺いしたいわけですが、今後恐らく下水道及び下水道類似施設の整備の重点は、これまで大都市部中心に行われてきたわけですが、どうしても中小の市町村の普及がおくれております。中小の市町村の整備を重点にしていかなければいけないというふうに判断をしますと、それぞれの施設整備にかかわる先ほど申し上げたコスト比較から考えても、やはり合併処理浄化槽の整備がかなり必要になってくるのではないか、これをより重点的に進めていくことがより効果的になるのではないかというふうに思います。 しかし、それぞれお考えがおありだと思います。今後の下水道及び下水道類似施設の施設整備の重点をどのように置くべきかという点について、それぞれ各三省のお考えをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 先ほど御報告させていただきました都道府県構想につきましては、先生の方にもいろいろ御理解いただいております。くどくなりますが、平成七年三省で出させていただいた通達の中に、ちょっと引用して御紹介させていただきますが、各公共団体は、各種汚水処理施設の有する特性あるいは水質保全効果、経済性、汚泥の処理等将来の維持管理の問題、さらには汚水処理施設整備の緊急性、これらを総合的に勘案して、地域の実情に応じた効率的かつ適正な整備手法の選定を行うべしと、こうなっておりまして、この辺については、まさに三省の気持ちを私はここに酌み取っていただきたいと思いますし、この趣旨はこれからも各都道府県にお伝えしていきたいと思っております。 それで、質問のことになりますが、おかげさまで今第八次の下水道五カ年計画をやらせていただいております。大変大きな予算を抱えておりますので、その金につきましての執行については心せねばならないと思います。何といいましても、先ほど御質問の中にもございましたが、現在下水道の全国平均の普及率が五四%と私ども申し上げておりますけれども、その五四%のうちの、人口五万人未満の市町村は普及率が一七%ということで大変格差がございます。 これらのところをどういうふうにこれから緊急にやっていくかということにつきましては、お話しございましたように、各施設の特性というものを活用させていただかなきゃならない、こう思っておりますので、できるだけそういう普及のおくれた零細な、小さな市町村の執行率を上げていきたいと思っております。私どもは、決してすべて下水道でこなしていくというつもりはなく、それぞれの地域の特性に合った施設というようなことを三省で連携していくことが重要であろうと思います。 また一方、都市部におきましては相当新しい汚染問題も出てまいっておりますし、それが流れる湖沼あるいは河川、海、これらに対しての影響も大きいわけでございますから、当然、河川関係とも連携するような形でこれからの下水道事業の整備を心してやらなければならない、そういうつもりでおります。
○政府委員(山本徹君) 先生、先ほど来御指摘のように、都道府県の構想というものを中心に置きながら、国、県、市町村の段階でそれぞれの事業担当部局と十分協議、調整して効率的な事業実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。 そういった中にあって、農村地域の排水処理施設の整備の立ちおくれというのは、先ほど申し上げましたように大変著しいものがございますので、こういった地域については集落排水事業の推進というのが一般的には適していると思われますので、私どもは関係部局の連携の中で集落排水事業の一層効率的な実施、推進を地方の要望に沿って進めてまいりたいと考えております。
○政府委員(小野昭雄君) 合併処理浄化槽に関しましては、先ほど来御説明を申し上げておりますように、下水道と同等の処理性能を有しておりまして、また設置費用が比較的安く、また非常に短期間のうちに設置できるというようなこと、そういう特性を生かしますと、人口が散在している地域におきます各家庭のし尿処理あるいは雑排水対策として有効であると私どもとしては考えております。 先ほど来、建設省及び農林水産省の方から御答弁申し上げておりますように、地域の実情に合わせてどのような施設整備を進めるかということにつきましては、十分連携をとりながらその特性を生かした施設整備を進めてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 ちょっと一点だけ。 これで終わりますが、どうもやっぱり最後の答弁を聞いていると、これは我が省だ我が省だという雰囲気がにじみ出てしまうわけですね。 それぞれ特色があることはよくわかりました。それをそれぞれの都道府県の構想に基づいて適切に対応していくということが今求められているわけですので、そういう問題意識でぜひ今後とも調整と連携の作業を強めていただくことを最後に要望しまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○緒方靖夫君 東京での臨海副都心計画は、日本最大の民活プロジェクト、そして総事業費八兆円というとてつもない大きなもので、東京の年間予算の六兆五千億円を上回る、そういうものなんですが、今これが大破綻を来しております。現時点で三兆五千億円、一人当たり三十万円の負担が都民の肩にかかる、そういうものになっているわけですが、今後その負担額はさらにふえようとしております。事業自治体として東京都の責任は非常に重い。また、それを推進した都議会の諸勢力の責任も同様に大きいことは自明のことなんですけれども、私は、この開発問題で国の関与についてお尋ねしたいと思います。 東京都は、昨年、財政緊急事態宣言を発して、数年後には起債制限団体に転落するんじゃないか、そんなことさえも言われているほどです。巨大プロジェクトの重みで東京都を初め各地の地方自治体が陥っている財政危機、この問題について、まず最初に自治大臣に対してどれだけ深刻に受けとめられているかお尋ねします。
○政府委員(二橋正弘君) お答えいたします。 東京都の財政状況は大変厳しい状況にございまして、都税収入がピーク時の平成三年度に比べまして約九千億落ち込むという状況にございます。また、地方債の残高も平成三年度に比べて平成七年度には二・三五倍になるというような状況でございまして、こういう状況に対応して、東京都におきましては、平成八年十一月に、平成八年度から十年度を対象期間とする東京都財政健全化計画を策定して、職員定数の削減を初めこの計画の着実な実施に取り組んでおられるということでございます。
○緒方靖夫君 大臣には後でまとめてお尋ねいたします。 国の財政としてもこの破綻というのは重大な問題になっていると思います。特にこの計画の中核で東京テレポートセンターというのがあるんですけれども、私はよくわかりやすいようにこういうのをちょっと持ってまいりました。(写真を示す)ちょうど凱旋門のようなこういう建物が衛星通信高度化特別施設としてつくられているわけですけれども、この施設、どういうことになっているかというと大変なわけです。 そこでお尋ねしますが、総事業費は幾らで、国の補助金、それから開銀の出資、無利子の融資はそれぞれ幾らか、お尋ねいたします。
○政府委員(木村強君) テレコムセンターの総事業費でございますが、千四百二億円でございます。このうち、東京テレポートセンターに対しまして国から、郵政省のほか、通産省、運輸省、建設省がおのおのの所管におきまして民活施設として認定をいたしました結果、各省から合計約八億円の民活補助金を交付いたしております。 また、融資の関係でありますが、日本開発銀行からは約百八十五億円の無利子融資、約四百四十億円の財投制度によります低利融資などを行っておるところでございます。
○緒方靖夫君 直接、間接の多額の国費がこの事業に投じられている、このことがはっきりしていると思うんです。 出融資銀行として開銀総裁にお尋ねしたいんですけれども、この第三セクターの企業の損益は今どうなっているのか、数字を示していただきたいと思います。それからまた、経営状態をどのように判断されているのか。
○参考人(吉野良彦君) 東京テレポートセンターの経営状況でございます。数字を挙げてということでございますが、先生御承知のとおり、開業いたしましたのが昨年の二月でございます。現在まだ、開業後最初になります決算をいたしておりません。でございますので、数値を挙げての御説明は事実上できませんことをお許しいただきたいと存じますが、定性的に申しますと、確かにいわゆる平成不況が長引きましたこと、それからまたあの地域全体の開発がおくれておりますこと等いろいろ事情がございまして、現在の経営の状況といたしましてはかなり厳しいものがあるというふうに私ども認識をいたしております。
○緒方靖夫君 今の開銀総裁の説明は私は非常にのんき過ぎるんじゃないかと思うんですね。 一つは、東京都は都議会に対してちゃんと数字を出しているんですよ。平成八年度予定損益計算書、これはみんな手に入れているんですね。これを見ますと、どういうことが書いてあるかというと、予想賃貸収入は四十六億円、借金の利子返済は四十五億円、ビル管理維持費百十八億円、当期損失は百八十九億円、これは年々ふえると書いている。ですから、開銀総裁は今厳しいと言われましたけれども、厳しいどころか倒産状態なんですね。ですから、都はほかの三セクと合併を検討中とすら言われているんですけれども、そういうことを御存じですか。
○参考人(吉野良彦君) 私ども、まだ東京都の方から公式にそのような御連絡はちょうだいいたしておりません。
○緒方靖夫君 郵政省はこういう事態をよく知っていると思うんです。何しろ授権資本が百六十億円なんですけれども、いまだにそれが満たされていない。NTT、KDD、東京ガスなどは当初の計画どおりの増資を拒否しているんですね。それは郵政省の指導があったから拒否しますということを証言しているんです、都の幹部は。 郵政大臣にお尋ねしたいんですけれども、私はこのすごいハイテク情報ビルを視察して改めて驚きました。すごい施設なんだけれども、せっかくのその施設が入居者が見つからないので職員研修センターとか青少年センターなど都の施設に使われている。年間賃料が十二億円ですよ。引っ越し料五十一億円。無料の都の施設からわざわざ移って入ったんです、こういうところに。そして、これがあのハイテクビルの二割の床面積を占めているんです。ハイテクに関係ないこういう施設が入って占めているわけですからね。民活法の適用を受けた事業がこういう結果になっている。この問題について私は郵政大臣に、その責任、この事業の破綻、それをお認めになるかどうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいままで開銀総裁あるいは局長の方からも答弁いたしましたが、東京テレポートセンターは、国際化、情報化に対応した臨海副都心の二十四時間型のビジネスセンターを目指して、先端的情報通信サービスを提供することを目的とした民活法対象施設として平成四年三月に認定をいたしました。八年の、昨年の二月に開業したところであります。 したがって、当センターは、最先端のサービスを備えたオフィススペースの提供を行うテレコムセンタービル事業、いわゆるビル事業と、第一種電気通信事業や衛星通信地球局設備を賃貸する通信基盤事業及びケーブルテレビ事業を主たる業務としており、同地域の中核的情報通信拠点としての機能を果たしていると私どもは評価しております。 先ほどからお話ありますように、この臨海副都心の開発が非常におくれたということ、そしてまだこれからの開発が期待されるという観点から、ビルの中には大体九七%の事業体が入居されておるわけでありますが、今日のような不況の中でビルの賃貸料が半値に下がっておる、こういうことからテレコムセンターとしても経営が非常に厳しいことは承知をいたしております。ただいま委員の御指摘のような内容の詳しい点まではまだ報告を受けておりません。今後十分指導してまいりたいと思います。
○緒方靖夫君 東京都は、郵政大臣が今説明されたように、すごいセンターをつくるという予定だったのを、国際化、情報化のセンターと言うのは恥ずかしいからレインボータウンという名前に変えたほどなんですね。ですから、よく事態を把握していただいて、きちっとこういう問題についてフォローしていただきたいと思うんです。 この臨海部開発なんですけれども、そもそも出発点は、四十ヘクタール、総事業費千三百億円の通信基地をつくる、これが出発点ですよ。しかし、それが四百四十八ヘクタール、八兆円の事業費にばっと膨らんだ。それが中曽根民活政策にあるんです、出発点が。八六年の四月に自民党が出した緊急提言でこれが始まった。何しろ千二百ヘクタールのオフィス床をつくる、これをばっと打ち上げた。始まりは自民党ですよ。 そして、その後、当時の民活担当の金丸副総裁が臨海部開発に目をつけて推進したわけです。彼はその地域を視察した後何と言っているかというと、この巨大事業化をするに当たって、自分の目の黒いうちにやってくれ、三十年かける事業を十年でやってくれ、必要なら国会で特別法をつくってもいい、臨海部をやるために万難を排す、こう言って東京都にハッパをかけたんです。 そして、その視察から五日後、八六年九月三十日に民間活力推進懇談会、金丸懇ができた。そして、もちろん鈴木都知事、当時の都知事が参加している。そして東京都はそのニカ月後、八六年十一月に国と連携のもとで八兆円の事業計画をつくった。その同じ時期に東京臨海部開発推進協議会がつくられたんです。 この構成は、どういう構成になっていますか。
○政府委員(五十嵐健之君) 先生御質問の協議会の構成でございますが、昭和六十一年十一月にできたものでありまして、内閣官房、それから国土庁、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、東京都というメンバーで構成されております。このうち、内閣官房につきましては昭和六十二年十月までということでございます。
○緒方靖夫君 東京都とはいえ、一地方自治体の事業に六つの省庁がこういう形で、同じ資格で協議のテーブルに着くということはありますか、前例。
○政府委員(五十嵐健之君) おっしゃるように、地方公共団体の事業におきましてこのような協議会が、少なくも国土庁関連でつくられたことはございません。
○緒方靖夫君 そういう限定つけなくても、例はないんですよ。だから、物すごく異例なことがこの臨海部開発で行われたんです。そして、協議会は、都と国が一体になって臨海部開発を進めるための機関、そう位置づけられたわけですよ。そして今日もこの協議会は続いているでしょう。 こうした国の指導のもとで、都は大急ぎで急がされてあらゆることを始めたわけです。ですから、その当時この問題を担当した都の幹部は、政府から大号令がかかった、とにかく急がされた、土木と建築が一緒くたになった異常な工事がまさに国家的な事業として行われた、そう証言しているわけですよ。 国土庁長官、この国の関与は明白でしょう。
○国務大臣(伊藤公介君) 東京は言うまでもなく日本の首都であります。したがって、日本のこの代表的な東京をどういう都市づくりをしていくかということは、国家にとっても極めて重要な課題であります。 御案内のとおり、極めて一極集中をしております東京の都市構造というものを、委員が住んでいられます多摩地区は五つの心、そして東京の都心は、新宿、渋谷を初めとして六つのいわゆる副都心に加えて、そしてこの臨海部の開発は七つ目の副都心として位置づけられたものであります。これに対して、新しいこの東京の副都心に対して国が連携をしていくということは大変大事なことだというふうに認識をしております。
○緒方靖夫君 年間予算を超えるようなこんな無謀な計画が何でできたのか。それは、東京都は新土地方式、これを具体化したからなんですよ。都有地を大企業に無期限で貸す。しかも、二十五年間で資金を回収するつもりでいた。だから、当時、都知事は、都民には一円も負担をかけない、そう豪語したんです。その仕掛けは、企業に貸す土地の地代が二十五年間毎年八%上がる、そういう計算をしたわけです。だから、何が起こっているかというと、今の状況で企業立地も進まない、権利金、地代も入らない。だから、六兆九千六百億円収入の見込みが、九七年二月の試算では一兆四千二百億円と、当初の計画の五分の一になっているわけですよ。 この損失が今結局、都民の肩に、そして孫子の代まで負わされる、そういうことになっているわけです。だから、東京都の新土地方式は問題だけれども、これが破綻したんだけれども、大もとは、国が入った協議会、この基本方針から始まっているわけですよ。経済情勢がどうなるか、保証のない開発利益を当てにして事業を巨大化した、この反省はいかがですか。
○国務大臣(伊藤公介君) 委員も御承知のとおり、社会経済の状況が極めて大きく変化したことは御存じのとおりであります。そうした中で、東京都はこの計画の中で、少し長期的に緩やかにしてきた部分もございます。 例えば、私も最近この臨海部開発を現地で見させていただきました。当初、居住人口が六万三千人と計画されましたが、現在は四万二千人、また就業人口も十万六千人から今日は七万人プラスアルファというふうに修正をされながら緩やかにこの計画を進めていこうと。実は私はちょっと委員と必ずしも、数字だけであらわし得ない、いわゆるテレポートタウンから始まりましてレインボータウンに町づくりが進んできている印象ですけれども、若い人たちが非常にこの町に今集まっているんですね。そして、その隣接をした住宅の募集には何十倍も皆さんが応募される。「ゆりかもめ」は想像以上に皆さんが利用されている。まさにそれは、いわゆるオフィスと住宅と言われた計画に加えて、若者たちが未来都市として大変な魅力を感じている都市になりつつあるという一面も私は受けとめていく必要があると思います。 そういう意味で、結果としてこの副都心がむしろ二十一世紀の新しい都市になるように協議会を通じて私たちもできるだけの連携を今後していきたいというふうに思っています。
○緒方靖夫君 経済情勢の変化云々ということを言われましたけれども、やっぱりこの問題でもそういうことに責任を転嫁できない重大な問題があるんですよ。 国土庁は、八五年の七月、首都改造計画の中で、東京の区部、ここで五千ヘクタールのオフィス床がこれから必要になるという試算を発表して、これであおったわけでしょう。そして八七年にそれを訂正したんですよ、六割、七割下げる訂正を。こういう延長線に乗っかってこの開発が進められた、そういうことをきちっと国土庁として反省してもらわなきゃ困る、このことを指摘しておきたいと思うんです。 こういう中でやはり経済情勢の変化、それを専ら自治体に責任を負わせる、そのツケを回す、このやり方が問題ですよ。そして、じゃこの事業でだれがもうけたのか、それが問われるんだけれども、もうけたのはゼネコンですね。それから銀行、都と共同で第三セクターに出資している銀行は千六百億円の利息支払いの予定のうち三百八十億円ちゃんと今もらっているんですよ、この大変な事態の中で。それから殺到した民間企業も撤退するに当たって権利金五百二十三億円をちゃんともらって撤退している。じゃだれが一体損をしたのか、そしてそのツケをだれが払うのか、これが今問われていると思うんです。みんな手のひらを返したようにさっと撤退したんですよ。政府もそうだという印象を私は持っています。 そこで、問題なのは、さっと撤退したときに政府がどういう対応をとったのか、そこが問われると私は思うんですね。自治体にこういう公共事業を引き続きやれ、そういう形で、いろいろな形で圧力をかけた、あるいは通達を出した。自治省から通達をもらいましたけれども、公共事業を促す通達のリストがこんなになっちゃうんですよ。十幾つもある、平成二年から今日まで、主なものだけで。 ですから、私はその点で、地方の単独事業としてぜひ進めてくれという形で、いろんな形で通達を出してきた、その責任が問われると思います。そういう構図があると思われませんか、自治大臣。
○国務大臣(白川勝彦君) 御案内のとおり、現在、地方財政はいろんな面で危機的な状況にあります。東京都だけではなくていろんなところがそうなんですが、何でこのように地方の財政が厳しくなったかということの一つは、バブル崩壊に伴う景気対策ということを国会、政府また財界すべてが言うだけ言って、その結果できてきたのが現実でございます。平成四年末には七十兆しかないのが、平成九年度末には百四十七兆円になろうというのですから。 しかも、大変だと言ったのはこの国会からですよ。去年までは、まだこれでも景気対策が足らないんじゃないか、まだ減税やる必要があるんじゃないかと、これは国も地方も含めて。笛や太鼓で景気対策をしろ、住民税の減税しろ、こういうことを言われて地方はこういう結果になったわけでございます。
○緒方靖夫君 そういう通達で公共事業をどんどん進めるという結果、東京都では大変な事態になっていまして、これを見てください。(資料を示す)これは東京都が出したパンフレットです。「都財政は火の車」、こういうのを出しているんですよ、東京都が。そして実際、土木、建築の単独事業がこの十年間で五倍以上になった、税収がどんどん減る中で。こういう事態になっているわけです。 ですから、地方の単独事業、地方に対してこういう事業を押しつけるべきじゃない。対米公約の六百三十兆円がある。それについて、この計画では地方単独計画を明記して特別に位置づけているわけでしょう。こういうことをやめる必要がある。私はそのことを要求しておきたいと思いますが、自治大臣、いかがですか、端的にその部分だけ。
○国務大臣(白川勝彦君) 地方単独事業というのは決して評判の悪いものじゃありません。皆様方、機会あるごとに補助金漬けの公共事業というのはいかがなものか、こういうことをみんな言っておられるわけでございます。単独事業は少なくともそういうところはございません。 ですから、公共事業を見直すに当たって、ある面では国が補助金をつけてまでやるというような、例えば市町村道の補助というようなものは国が一々関与する必要があるんだろうか、そういうのは地方単独事業でやる時代だと、こう思っております。ただ、全体の財政再建のための御三家と言われている公共事業、社会保障、教育、この三つをそれぞれ健全化の方向に向けていかなきゃならぬわけでございますから、単独事業を含めて公共事業全体を見直していくことは地方の財政再建のためにも必要なことであります。
○緒方靖夫君 それともう一つ、地方に対して自治省が公共事業を促す、その一方で住民サービスを切り捨てる、そういう通達もいっぱい出ているんですよ。それは行政改革大綱を地方でつくるという話とか、そういう形でそれを促す。例えば、平成六年十月七日の事務次官通達は、民間企業がやっているリストラ、合理化、これを自治体でやって経費を切り詰めろ、非常に細かく指導しているでしょう。 その結果、何が起こるかというと、東京では私学助成のカット、都立高校の四十校廃校、お年寄りの足、都営の公共交通機関の無料パスの廃止、中小企業融資の大幅縮小、こういう住民サービスのカットが進められている。ですから、一方で公共事業を促す、他方で住民サービスを切り捨てる、これが大変な事態を生んでいるんですよ。 私はそういう点で、地方自治法の本旨、住民の安全、健康、福祉の保持、これを掲げてしかるべき形で進む必要があって、こういう通達行政は改めるべきだ、このことを要求したいと思うんですが、大臣、いかがですか、その点について。
○国務大臣(白川勝彦君) 自治省は通達という形のものは出さないで、普通、通知という形で処理しているはずでございまして……
○緒方靖夫君 言葉の問題ですね。
○国務大臣(白川勝彦君) いえいえ、それは違うのでございまして、通達というのは、一つの国家組織が、上部組織が下の方に命令するみたいなものでございますが、我々自治省は、三千三百のそれぞれの地方公共団体は独立の人格と意思を持つておる、こういうふうに承知しております。 さて、本題に入りますけれども、福祉を切り捨てて単独事業を伸ばしたと、こういう言い方でございますが、一つは、何も自治省というよりも国全体が景気浮揚せよということなんですよ。一方では減税しろと、こう言われているわけです。そして一方では税収はないんですから、やはりもともと地方行革は今に始まったことではありませんが、少なくとも社会保障というのは景気を刺激するというふうにとられておりませんので、一般の行政改革の中でリストラが進められたものだと思うわけでございます。 どうかひとつ、共産党はどう言っていたかわかりませんが、この景気浮揚策ということを、あるいは大幅減税というのを本当にすべての党派が声を大にして言っていた。そして、まだ足らないんじゃないか足らないんじゃないかというふうに国でも言われ、そのツケを一緒につき合わざるを得なかったのが地方公共団体だと、そして自治省だったということは御理解いただきたいと思います。
○緒方靖夫君 この臨海部の問題、やはり非常に重大な問題で、今の国と地方自治体との関係の象徴的な問題だと思います。ですから、私はこの辺で抜本的な見直しが必要だ、このことを述べて、次の問題に移りたいと思うんです。 次の問題というのは、大規模ごみの最終処分場の問題についてです。 これは今、各地にある処分場がこれから満杯になっていく、閉鎖された後の安全管理、これがどうなるのかということが非常に大きな問題になってきております。最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の第一条の二項の十六では、一般廃棄物の飛散、流出、火災発生の防止とともに、埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染と防止について必要な措置をとる、このことは一般的に義務づけているわけですけれども、しかし具体的な基準がないんです、肝心な具体的な基準が。現在、廃棄物処理法の改正が進められておりますけれども、この基準をつくる準備、それを受けて入るというふうに聞いておりますが、どういう基準をいつまでにつくるのか、それをもう時間がありませんので簡潔にお示しいただきたい、それが一つです。 それから、厚生大臣にこれはお尋ねしたいんですけれども、東京日の出町の谷戸沢廃棄物広域処分場の問題、そこで汚水漏れの問題が非常にこの間大きな問題になってまいりました。昨年三月に菅厚生大臣は都に対して、汚水漏れの原因究明の必要性、原因と周辺地下水への影響を十分調査して、調査の実施や結果の分析について地域住民や専門家の参加を求める、そういう要望を出していますね。ここにその写しがあります。先月二十四日に東京都は汚水漏れの調査方法についてやっと一定の結論を出しましたけれども、これは結局、調査の方法についての検討結果だけで、肝心のことがそこにはないわけです。 ですから、私はその点で、この処分場はことしじゅうに埋め立てを終えて閉鎖させることになっているわけです。そういう点からいって、地域の方、それからこれから満杯になっていく処分場の問題、日本全体の環境衛生の問題、その問題からいって、これまでの経過を踏まえて、調査の実施、地域住民のまた専門家の参加による検討を急ぐよう指導が望まれていると思うんです。 安全基準や閉鎖後のチェックの体制、その基準を急いでつくってほしい、このことを要望したいんですけれども、これは特に大臣の通達があって都が動いたという関連がありますので、大臣に答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) 最終処分場の閉鎖に関してのお尋ねでございますが、今委員が具体的な要件を御指摘になられましたように、そういった必要な措置等が講じられていることを処分場の設置者みずからが確認をして閉鎖するというふうになっているわけでございます。しかしながら、最終処分場の廃止自体は届け出のみで可能ということになっておりまして、必要な措置を本当に講じたかどうかということを行政府が確認する仕組みにはなっていないというのが実情でございます。 そこで、このために今回の廃棄物処理法の改正案におきましては、最終処分場の廃止に当たりましては、その最終処分場が閉鎖の基準に適合しているかどうかについて都道府県知事の確認を受けなければ廃止できないというふうな仕組みといたしておりまして、現在、関係審議会におきまして具体的な基準について御検討いただいております。改正法の施行後一年以内を目途に、できるだけ早い時期にこういったものを定めてまいりたいということで作業を進めているところでございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 最終処分揚については、これは今後、地域の環境保全等大事な問題ですので、安全性、信頼性を向上させるように必要な措置をとるよう強く指示していきたいと思います。
○緒方靖夫君 終わります。
○椎名素夫君 おととしの十一月に、前の武村大蔵大臣が財政危機宣言というのをやりましたね。それから今また危機だと、こういう話になっております。最近は非常にあちこちで書き立てるわけですから、何かこれはひどいことになっているらしいというのを一般の国民も相当気づき出して、気にし始めたというのが今の現状じゃないかと思います。 そこで最近、何というか、若手というか民間の経営をやっているような人たちと、一体これはどうなっているんだというような、話を聞かせろという話で話をする機会が何遍かあります、本気になって国は一体どうなるのかということを考え始めたということでは非常にいいことだと思うんですがいろいろと説明をするように努力をいたしましたけれども、甚だ不覚でありますが、私はこれで国会議員になってから、途中ちょっと休みましたけれども十七年ぐらいになります。どうもおまえの言うことじゃわからぬ、こういう話が随分ありまして、そこで、少し普通の人にもわかるような話ということで、聞くはいつときの恥、少し基本に戻っていろいろと質問をさせていただきたいと思うわけです。 振り返りますと、私が最初に国会議員になったのは昭和五十四年でありますが、いただきましたパンフレット、これで見ると「公債残高の累増」というのがあって、五十四年あたりは今のてっぺんに比べると半分よりはるかに下であった。昭和五十五年の特例公債、建設公債残高を合わせて七十兆五千億というようなときです。そのときも、これはもう財政危機だと言っておったんです。 私は当時大蔵委員会におりまして、特例公債の審議がありました。特例公債というのは元来出してはいけない、自動的に公債発行をやってはいけないというものであるから、毎年、特例公債ことしはこれだけという審議をやって国会が承認しなければ国公債発行はできないということなんですが、そこでも、こんなに特例特例と言っているけれども、去年もやったしおととしもやったし、その前もやったし来年もやるだろうというようなことで、こんなの一体特例と言えるんだろうか、こういうことをやっていて国の財政は破綻するんじゃないかというような話を盛んにしておったわけであります。 あれあれと言っている間にどんどんふえまして、幸いというか、いいことだったか悪いことだったかわかりませんが、バブルがあって特例公債だけは一瞬とまった。しかし、その後のリセッションでまた出さざるを得ないということで、それから急上昇して、今両方合わせて二百五十四兆ということになっておるわけです。 さあ、どうしようかというので、皆さん苦労していらっしゃる。先ほどの自治大臣の答弁にもありましたが、そんなことを言ったってみんな使え使えと、こういう話なので、要望を聞いていたらこうなっちゃったというような話もあります。 これをどうするかという話は、ここに目標を書いてありますが、とりあえず何年かのうちに特例公債はなくそうという話です。しかし、これだけのものを一体どういうふうにやっていこうかという、財政構造改革元年、平成九年度予算から始まって、これは余り大したことはなかったと思うけれども、十年からは本格的にやりますから見ていてくださいと総理大臣も言われるし大蔵大臣もそう言っておられる。しかし、余りどこでどうするというお見込みをはっきり聞かせていただいたことはないと思うんです。また、そんなことを言ったって無理だろうという気はするんです。 しかし、一つの問題は、もうよく言われていることですが、このままずるずるといきますと、今とめたところで累積しているものが後に残っていくと。そうすると、我々の次の世代の人たちに借金が残りますね。どうするのか。インフレにしてしまうのか、あるいは増税をやるのか。どうも毎年少しぐらいずつ節約するなんということをやっても、そうはかばかしいことにはならないような気がするんです。 こういう「財政構造改革への取組み」という立派なものをおつくりになりましたね。これは一体どこに配付しておられるのか、ちょっと聞かせていただけませんか。
○政府委員(細川興一君) 国会関係の方面はもちろんのこと、全国におきましても財務局等を通じて、あるいは有識者の方々等に配付いたしているものでございます。
○椎名素夫君 それで、今、様子を見ていると、これは何とかしなきゃいかぬというのでさまざまな審議会とか、今もおっしゃったけれども、有識者という方々を集めてどうしようかという相談をしておられるわけですね。 しかし考えてみると、この当事者というのは、これから育ってくる、まかり間違うとこれを全部背負わなければいけない人たちというのはたくさんこれから出てくるわけで、政治の責任が非常にありますけれども、政治不信というのに陥っちゃっていて、当面のところはだれが政治をやっても同じだろうというようなことで棄権も多いというような状態になっている。 〔委員長退席、理事吉川芳男君着席〕 しかし、現実にはこれを背負わなきゃいかぬという人たち、この人たちと相談しないというのは非常にフェアじゃないと思うんですね。審議会その他を見ていると、そう言っては悪いけれども、この高齢化社会になっても、墓場に行くまで余り距離がない人たちが大体やっているわけでありまして、そういうことに気がついていないとしたら非常に気の毒なので、これは気がつかせてあげなきゃいけない。そして彼らにも知恵を出してもらわなきゃいかぬ、若い人たちに、と思うんですね。 そういうことはお考えになっているか、何か手をつけておられるか。私の会っている若い連中というのは、こんなものを見たこともないし知らなかったと、こう言っておりますが、そこらあたりどうでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) 椎名議員、大変ポイントをついたところの御指摘であります。 昨今、日本の国の財政が極めて危機的な状況にある。危機的とは、実は五百二十兆累積したから危機的じゃないんです。この借入総額は元利合計で払わなければならぬ。 私が党において国鉄改革のスタートを切りましたとき、一年の旅客収入を上回る利払いをしなければならなかったというときです。本来であれば破産なんです。国有鉄道、国家でございますから、財投から借りる。毎年それをやることによって辛うじて汽車を動かした。そのときに私が痛感した最大のポイントは、これでは士気が上がるはずはないと、倒産なわけですから。 甲府に現地調査に急速行きました。つぶれたらやめるんだよ、やっている間は勤めるんだよと、過激的な労組の諸君でございました。実はまじめにやり抜いておる国鉄職員もおったわけですけれども、そういうことが蔓延した労働組合、悪慣行が続いておりまして、国家がつぶれればそのときつぶれる、国家がある限り国鉄はつぶれないんだと。まじめに働く人が出ていきます、入ってきません。規模が大きいと小さいとに分ければそうだと思うんです。 そういう点で、地方、国合わせ、またわかりよく言えばいわゆる隠れ借金、国鉄の二十八兆もそうです。清算事業団も二十八兆、典型的なものです。こういうものが吹きだまって五百二十兆。そうしますと、五分でというのは高い方ですから、しかしながらロングで払うわけですから、平均五分としますと、これだけで五、五の二十五ですから、二十六兆円利払いをしなければならぬと、こういうことなんです。 低レート、超低利と言いますけれども、これはプライムレートでございまして、平均三%ということで、このまま行くというはずはありません、数年はそれで行くんだろうと思うんですけれども。仮に三%としてみたところで五百兆ですから、三、五、十五と、こうなるわけです。利子はまさに十五兆円と。こういう五百兆という大金の中で考えられるわけでありますっ 椎名議員御指摘のように、年とった、間もなくあの世に行くのではないかと、第一線から引くのではないかという人が一生懸命勉強しても、やろうとしても、若い諸君がこれについてこなけりゃどうにもならぬのではないか、一面、そうだと思います。しかし、一面、この国は大丈夫だと思っているのがまたヤングの層なんです。戦後教育という中の問題点を指摘するつもりはございません。 一点言いたいことは、よき伝統と文化を守り続け、育て上げてきた長い歴史の中に今の瞬間生きておる国民各位がそのことにやはり気づいていく、気づかせることが大事ではないのでしょうか。 そういう意味で、有識者にだけ配っているという主計局次長のお話でありますが、これはもっと大きく配らなければなりません。ところが、この種のものは配られてもさらっと見る程度でなかなか認識を深めるということにならぬという悩みがございます。 ですから、マスコミ、メディアに御理解をいただいて、今日かくあるということをしていかなければなりませんし、政府をつくる与党はこの困難な時代に遭遇しておるわけでありますから、辛抱しながら、やはり健全な体につくりかえるために三年間頑張りましようと、国会、各党に対しましても頑張ってひとついい知恵があったら教えていただきますが、基本はやはり赤字国債発行だけは踏みとどまらなければなりません。ここがポイントだと思っております。
○椎名素夫君 そこで、思うんですが、今昭和五十五年からの話をしましたが、毎年予算を積み上げてきたわけですね。しかし、それと同時に、衆参両院で毎年決算委員会もやっているんですね。民間ですとこういう決算を五年続けたらもう全部首の総入れかえという話になるはずなんだけれども、これが延々と続いてこれだけの、おっしゃるように、ただ利息なしで借りておるわけでもないようなお金を積み上げてしまった。 この連休の最中にこれだけの時間を使って決算委員会やっておるわけですが、一体政府の方から見て国の決算というのはどういうふうに考えていらっしゃるのか。民間ですと決算が勝負ですよ。だから、たまに不心得な人が総会屋かなんかに話をつけてうまく運んで首がつながるようにしようというようなことで必死になってやるわけです。私はずっと見ておりまして、どうも国は予算は大騒ぎしますけれども、決算というのは非常に簡単であって、マスコミもそうですけれども、決算が是認されたとか否認されたとかいう記事というのは本当に一段の半分あれば長い方ということになって、これを十何年間積み重ねてきたら結局こうなっちゃったということなんですね、起こったことは。私も責任があると思うんですけれどもね。 政府の方から見て、国では決算というものがこれだけ軽んじられている、民間では真剣勝負の場所だと、この大変な逆の感じを大臣は一体どういうふうにとらえていらっしゃるか、伺わせていただきたい。
○国務大臣(三塚博君) お答えします。 大変重要なポイントだと思うんです。公経済、私経済ということがありますが、公的投資、私的投資、この場合は私の場合は企業と想定しましょうか、投資の責任を負わなければなりません。効果が出て、雇用がふえて収入がふえて還元ができますと、これが正常な企業のあり方。そして決算は勝負だと言われましたが、上場しない会社でありましても、一族だけでできている会社であっても、時に社長である兄貴に向かって弟がもう兄貴限界だよ、交代してよその血を入れろとか、そういうことを私の知っているところでもやっております。ましてや、上場しておる会社は情報公開の中で、まさに全体に責任を負うということでありますから、全くそのとおりであろうと思います。 政府という立場、両院に決算委員会がありますが、参議院はやはり決算委員会を重視し、予算も大事であるが、その締めくくりの評価、マイナスとプラスの評価が出てくるわけでありますから、それに向けて審議をし、その政策目的にかなわない支出の仕方については強い訂正、反省の提言をするというのは当たり前でありましょうし、時にこの政策は既に任務が終わったのであるから考えろ、こういうことで出てきておるのかなと思っております。会計検査院がそのことを文章に書くときは、いろいろときちっと指摘をいたすという程度であとは政策判断は政府がやれ、こういうことであろうと思いますし、委員会として附帯決議の中で問題提起をされます。この決議をしっかりと体してこれに対応していくというのが歴代政府の使命でなければならぬと思っております。 決算重視という国会、そして政府の姿勢というものは私はまるっきりないなどと言うつもりはございません。一生懸命やられておることを、私も衆議院の決算委員をやったことはありますからよく存じておるわけでございます。予算も重要でありますが、特に成果をそこで問うということになるわけでございますから、決算委員会の審議というのはそういう形の中で出されてきておるというこの重みを私どもはしっかりと体していかなければなりません。 今まで、椎名議員が言われました十七年の間なかなかそういうのは見とれませんでしたねという感懐、私にも責任があると椎名議員が言われました。 〔理事吉川芳男君退席、委員長着席〕 全く私どももそういう意味では責任の重大性をこの大危機に遭遇して痛切に感ずる次第です。やはりこういうことが積み重ねの中で言い続けられていっておれば、また言い続けておればよかったなと。与党だから予算を通し、決算を通していく、こういうことであったのではないかなという自省を込めて考えております。 そういう点で、今後とも椎名議員の静かな思考の中で、そして反省の中で今問われておりますこの言葉の重みを体して、改めて決算をどう予算編成に生かすか。今度の平成十年度においては、予算編成にこの決算の基本を生かしていかなければならぬ、こう思っております。
○椎名素夫君 今、大変に立派なお答えであって、そのとおりだといいんですけれども、参議院ではいわゆる自民党時代に、自民党の立場からいって逆転があった。その結果、決算に関して言いますと、今七年度の決算をやっているというのは随分進歩したと。そうでない場合には三年ぐらい前の決算を審議したわけですが、その点は進歩したわけですけれども、当時はいわゆる逆転によってこの決算を是認するか否認するか。否認という年が続きましたね、四年ぐらい続いたのでしょうか。 そうすると、あれ否認すると一体どういうことになるのか。悪いけれども大蔵省の方に聞くと、いや何ともないと。それで、否認をした、これでだめだというと、だめなものについて何のかのと文句をつけるわけにはいかないというので、警告決議もなしと、ただ否認。そうすると、楽でいいという人がいたんです。そこらあたりは考えてみれば困らないですね、全然お困りにならない。 今、大臣がおっしゃったように、決算の結果というのは将来の予算に向けて十分にそれをそしゃくして織り込んでいきたいと。これは財政再建元年、十年からはもっとしっかりやろうとおっしゃるからには、ぜひ今のお言葉のとおり考えるように、大臣は今おっしゃったような心がけでいらっしゃるからよろしいんですが、大蔵省の諸君も決算というものの重みをもう少し考えていただきたい、私はぜひぜひこれはお願いをしておきます。 それで、これをもっと若い人たちにまけという話ですが、それだけじゃないんで、これを見せたわけです。民間の企業の人はこれを見て何だかよくわからぬと、外国語を読むような感じだと言うんですね。ただおしまいに困った困ったと書いてある。彼らが見なれているのは、自分たちの決算は大事ですから、いわゆる複式簿記の企業会計をやっているわけです。国の会計というのはいわば極端に言うとお小遣い帳みたいなもので、ことしは次郎君は幾ら使えますというのがあって、それで一年終わってみたら使い過ぎたとか残っちゃったというのが決算だということじゃなくて、ずっと仕事が継続しているときにはもっと有機的に見ていかなきゃいけない。それをきちっとやるために複式簿記というのが生まれて、それに従っているんです。 私も十分説明できなかったんですけれども、なぜ国の会計というのはいわば単式簿記でやることになるのか、これを教えていただけませんか。お役人の方がおっしゃると何か非常に難しい言葉を使われるんで、それをそのまま伝えてもまたわからないと言われますので、できれば大臣。
○国務大臣(三塚博君) これは明治新政府、近代政府ができてからの伝統でございまして、歳入、そして歳出を明快にすることの方が国会審議上よろしかろうと、複式よりも単式の方がわかりいいということであったと聞いております。 しかし、やはり複式簿記の方が全体を明確にあらわすものでございますから、その点は今後の重要な工夫であろうと思いますし、もう一つは、単年度でやりますから明許繰り越しがどうだということで、これまた収支が不明確になります。 単年度予算を変えるべきであるというのを党内においてもたびたび議論をいたしたところでありますが、やはり依然として前段申し上げましたよき伝統が今大変困った形になっておりますから、いい知恵をそれに加算いたしまして、若い人にもわかるようにしていかなければならぬと思います。
○椎名素夫君 ぜひこれ、企業会計をそのままやるわけにはいかないということはよくわかっておりますけれども、そこに翻訳できるような表現というものを何か工夫していただきたいと思うんです。 例えば、政府総支出のうち「一般政府総固定資本形成」なんて書いてある。これだけことしは固定資本ができたという話で、来年は来年でまた別の話、それが一体どういうふうになって、今どうなっているのか。物はだんだん壊れていったりしますので、そこあたりが全然これはわからぬねというようなことが一般の国民にわからないとなかなか真剣にならない。 お答えは要りませんから、ぜひお願いをいたします。ありがとうございました。
○水野誠一君 私は、まず郵政大臣に伺いたいと思います。 ことしの一月と二月に、NTTアメリカ及びKDDアメリカの二社がそれぞれ米国と第三国との間の国際通信サービスの提供についてFCCに認証申請をしたところ、三月に認証を保留するという旨の通知がなされました。留保の理由というのは、商務省、国務省及びUSTRが通商政策上の懸念を理由にFCCに措置の凍結を要請したためだということであります。認証の条件は、NTT、KDDの外資規制の撤廃と、本年九月末に期限切れになりますNTT調達取り決めの延長の二点であるというふうに言われています。 しかし、そもそも今回の認証というものは簡易手続によるものでありまして、公示から三十五日で自動的に認証されるはずのものであるということからも、それから例えば外資規制についても、アメリカはアメリカで二〇%の外資規制というのをやっているわけでありますから、今回の措置というのは非常に不当なものだというふうに思われます。 そこでまず大臣に、我が国のこの問題についていかが御見解をお持ちなのかということと、今後、日米二国間交渉による解決が図れない可能性というのもあるわけでありまして、その場合にWTOも含めてどんなことをお考えになっているのか、御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) FCCの認証問題につきましては、ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、米国政府による認証付与の条件は今回の申請とは全く関係のない事柄でございます。 したがって、郵政省といたしましては、こうした問題と切り離しまして直ちに米国政府が認証を付与するべきである、こういうように考えております。したがって、先般、私から米国政府に対しまして早期認証を求める書簡を送付いたしたところであります。そのほか、在京米大使館との交渉につきましても、郵政省に呼びまして書簡に対する早急な回答を改めて要請するなど対応をいたしてきておるところであります。 郵政省としては、まず米国政府が我が国の意向を踏まえて早急に認証を付与することを期待しておるところでありますが、今後の対応につきましては米国政府の動向を見きわめながら適切に対応してまいりたい、こういうように考えておる次第でございます。
○水野誠一君 通信事業の国際化の時代、そしてメガコンペティションの時代ということで、まずこれはその第一歩として非常に重要な問題であると思います。 特に、アメリカに対しての折衝では、大臣のリーダーシップをしっかりと発揮して頑張っていただきたいというふうに思っております。 次に、薬価制度について伺いたいと思います。 薬価については、医療制度改革の中でも非常に重要な主題の一つであるということは論をまたないわけでありますし、先日の財政構造改革会議でも、薬価問題というのが議論をされました。先ほどいらっしゃいました麻生大臣からは、薬価制度自体はもうやめたらいいんじゃないだろうかというような非常にドラスチックな御意見も出たということもございました。 それはともかくといたしまして、現行の薬価制度で一番の問題になっておりますのがいわゆる薬価差というところでありますが、その内容は近年大分改善されてきたというふうに言われております。ここ十年でその差額の比率というものが約半分になったということでありますが、依然金額的に見ますと大変大きな金額であることは間違いないということが言えます。しかし、それにもかかわらず我が国の医療費全体における薬剤費の割合はほとんど変化をしていない、そしてその割合が世界的に見ても高い水準にある、これが問題だと思います。これまでは全体の医療費を抑えてきたので機能してきた医療制度というのも、この薬剤費の比率を減らさないことにはこれからの高齢化時代には対応できない、これももう御案内のとおりであります。 そこで、薬剤費が高いということは何なのかというと、よく言われますのが新薬シフトであり、そのときに本当の新規性に乏しいいわゆるゾロ新というものがかなり含まれているというような問題、本来減っていくはずの薬剤費が一向に減っていかない、こういうことが言われるわけであります。 また、三月四日の東京新聞で薬剤費に絡んで一兆六千億円の不正請求があるのではないかという報道がなされるというようなことで、非常に薬価の不透明さということについてはいろいろな問題指摘があるわけでありまして、私はこの報道自体が、別に信憑性があるものだとは思いませんし、かなり計算上無理があるのではないかなとも思うんです。ただ、不透明であるがゆえにこういう疑念が起きてくることも事実であるということは決して無視はできないということでありまして、まさに薬価制度自体を撤廃することも含めて大幅な見直しが必要になるのではないかなと思うわけでありますが、特にこういう制度改革に対して積極的なお考えをお持ちの大臣にこの点について御見解を例えればと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今国会においても、予算委員会においてもあるいは厚生委員会においてもかなり多く取り上げられたのがこの薬価の問題であります。現行の薬価基準また価格を決める際に不透明ではないかという御指摘がかなりの議員からございました。 これからの医療制度改革におきまして私も似たような認識を持っておりますので、今後今の薬価基準、これを抜本的に見直して、市場取引の自主性にゆだねるという原則に立って思い切った薬価基準の見直しをしてみたいと思います。
○水野誠一君 そういう問題も抱えた製薬業界であるわけでありますが、従来からその製薬業界の国際競争力の弱さというのが指摘されております。 日本の製薬会社は世界のベストテンにも入ってこない。また、総売上高に占める海外の売上高、つまり輸出の比率というのも、世界の大手十社が大体三二%から九七%の間にいるということが言われていますが、我が国の大手六社は一〇%程度が最高である、中には一%台というような企業もあるということであります。それから研究開発費もアメリカの大手の約三分の一だということで、新規、海外展開、研究開発すべてにおいて世界に大きくおくれをとっているのが我が国の製薬業界の姿だというふうに言われます。 この原因は、薬価が公定価格で守られていることが大きいのではないかという指摘もあります。価格が安定しているということ自体が業界全体の安定をもたらしているわけでありますが、同時に競争力を弱める、この状態を維持したいがために薬剤費の引き下げができないと、こういう悪循環に入っているのではないかなという感じがいたします。 この保護政策というのは、今、金融業界の再編成、いわゆる金融ビッグバン問題と似た構造でありまして、まさに護送船団方式ということがもたらす功罪の罪の部分というふうにも考えられるわけでありまして、この薬価という問題について大胆なメスを大臣の手で入れていただくということをぜひお願いし、日本の製薬業界が国際的な競争力を持ち得るような形に導いていただきたいというふうに思うわけであります。 同時に、薬価の問題だけではなく、医療報酬の問題も含めた医療制度の抜本的な改正ということが今回の医療保険の改正という問題の背後にある非常に重要な条件として私はあると思います。 そこで、大臣に、この医療制度改革という問題、大変大きな問題でありますが、これについて取り組む覚悟を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 薬価の問題につきましても、また製薬産業の問題につきましても、これは改革する際には大事な点でありまして、薬価基準を根本的に見直すということになりますと製薬業界の環境もがらりと変わってくると思います。この製薬産業ももう国際化を免れ得ないと思いますし、薬というのはいい薬も最近はたくさん出ております。国内の産業政策という観点からも、知識集約産業ですから私は重要な産業の一つと思っております。 そういう面においては、いい医薬品をどうやつて開発するか、企業の努力ももちろんでありますけれども、科学技術立国を目指す我が国としても、研究開発支援体制というのはそれなりの支援策はとっていく必要があるというふうに認識しております。 そして、医療制度の改革につきましても、今回提出しました法案、この取りまとめに大変な御努力をいただきました水野議員を含めて与党関係者、その間それぞれの議論が交錯し、あちら立てればこちらが立たずという、もう大変苦心惨たんの結果まとめたこの法案が多くの方から批判を浴びております。まとめた経緯、今までの答申、それぞれの議員が指摘された総合的、抜本的な改革、薬価基準だけでありません、診療報酬、出来高払い制を見直せ、あるいは医療提供体制を見直せと。 この三十年来なかなかでき得なかった改革でありますが、今国会での各委員会での議論を踏まえて、私としては、厚生省案を責任を持って国民の批判に供し得るような抜本的な案をまず厚生省でまとめて、審議会なり国会議員の皆さんの批判に供したいと、その意欲を今固めております。
○水野誠一君 ありがとうございました。 次に、地方公共事業について伺いたいと思います。 現在、我が国の公共事業費というのは総額で四十兆というふうに記憶しておりますが、国と地方の割合が一対三ということで、地方の公共事業は約三十兆ということであります。現在、政府・与党の財政構造改革会議では聖域なき歳出削減を掲げているということで厳しい見直しを行っていくわけでありますが、その中でまさにこの公共事業も聖域ではないということであります。 自治大臣は地方公共事業の見直しについて大変積極的なお考えをお持ちだと私は理解をしておりますが、まずその中で事業コストの削減についてお考えを伺いたいと思います。 国の公共事業では、十兆の公共事業のうち、いわゆる工事にかかわる六兆から七兆の間の金額、これの一〇%の削減を三年間のうちに達成する、こういう考え方でありますが、これはやはり地方の公共事業においても同様の考え方が必要なのではないか。しかし逆に言いますと、これは地方に行けば行くほど、その発注あるいは地元の業者に対する配慮というようなことから、コスト削減というのは難易度が高くなるのではないか。そういう中で、発注方式の見直しというような抜本的な考え方を含めて相当痛みを伴う改革も思い切ってやっていかないといけないのかなと、そんなふうにも思うわけでありますが、この点についてまず大臣のお考えをひとつ伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(白川勝彦君) 公共工事万能、礼賛というような風潮がこの数年間続いたことは現実であります。 私は、商工委員長をやったときに、対米黒字が大変大きいときに、通産省の幹部諸君から短期的に間に合うのは公共事業しかありませんと言われて、日本の通産省も知恵がなくなったなと、こう思っていたわけでありますし、多分それは日本の財界もそう思っていたのかわかりません。そんな中で、大変伸びたことは伸びたわけでございますから、景気もある程度一時期に比べれば平常に戻りつつあるわけですから、景気浮揚のためにということでやった公共事業は本来の適正な水準に戻すというのは当然のことじゃないかなと思うわけでございます。そういうときでございますから、公共投資のコスト縮減というようなことは余り議論にならなかったんだと思うのでございますが、ただ私はこの点は前から少なくても問題だと思っておりました。 先ほど委員は国十に対して地方三十とおっしゃいましたが、平成七年度ベースで見ますと、普通会計では三十兆でございますが、地方自治体がほとんど経営している公営企業を含めますとこれが九兆円ございまして三十九兆、大ざっぱに四十兆あるわけでございます。この公共工事あるいは公共投資と言われているもののコスト縮減につきましては真剣にやっていかなければならない、特に財政再建のときですから真剣にやっていかなきゃいけない。同じ仕事を一〇%節約すれば四兆円浮くんですから、私は絶対やっていかなきゃならぬと思っています。 委員が御指摘のように、地方だから首長が有力な後援者などを通じて下げられないのじゃないかという、私もそういうのはあるのかわかりませんが、私どもが現場に聞いてお話しするのは、例えば補助事業等を含めて、労賃費は幾らとして計算しなさい、資材は幾らで買いなさいとかときめ細かにいろんなものが、補助金を下さる、ここに農水大臣がおりますので農水省とか、亀井建設大臣はいませんが建設省から実際上は示されるんだそうであります。それにかわるべき基準が地方にないものだからそれに従ってやるということでありまして、こういうのは全国一律のコストをはじくわけでございますから、地方という面から見ますと割高というところもあるでしょう、割安というところもあるかわかりませんが、こういう面でも地方の自主性を認めていただきたい、私はむしろそう思っております。 いずれにしましても、国は国でやるようでありますけれども、私は地方公共団体の長などを通じてあらゆる形で公共工事のコストの削減をしてほしいと既に呼びかけているところでございまして、平成九年度におきましても確かなる実績を上げたい、こう考えております。
○水野誠一君 ありがとうございました。 今の公共事業の話と関連いたしまして、国営干拓事業について伺いたいと思います。 公共事業についてはそのコストの高さやあるいは費用対効果の点など疑問が多いわけでありますが、財政構造改革の主要テーマに上がっている部分を考えても、国営干拓事業もその一部でありまして、事業のあり方の見直しが必要になることはもう間違いないわけであります。 干拓事業は、非常に長い年月と多額のコストを要するという特徴が一点。それからもう一つの点というのが、国営といいながらそのすべてを国の一般会計で行っているのではなくて、都道府県負担分というのはいわゆる財投資金からの借り入れによって行っている、こういう問題があるわけであります。 私も調べてみましたところが、干拓事業というのも以前はダム工事なんかと同じようにすべて一般会計で事業を行っていた時代があったわけでありますが、昭和六十一年から土地改良法の改正によって現在のような形に改められたということであります。 なぜこのような措置が必要だったかというと、今申し上げましたように、国営干拓事業に投入できる事業費を確保することが大変難しくなってきたということだそうです。どういうことかというと、干拓事業は長い年月と多大な費用を要する、したがって事業の開始から時間がたつにつれて多くの社会経済情勢に変化が生じる、その結果、影響をこうむって事業自体が非常にその行き方を見失ってしまう、こういうことがあるということでありました。その典型としてよく言われるわけでありますが、当初計画を大きく経費がオーバーしてしまう、事業費が膨らんでしまう、こういう問題があるわけです。 ちなみに、きょう総理に御質問させていただいたのでありますが、諌早の干拓事業なんかで見ますと、当初計画が千三百五十億円だったものが、現在では二千三百七十億円ということで、当初計画から比べて一千億円もふえている、こういう事業もあるわけでありまして、そういう事業費を捻出するために財投資金を導入するということになったというふうに聞いております。 私は、ここに国営干拓事業の問題点が凝縮しているように思えます。なぜなら、社会経済情勢の変化は、コストの上昇という問題もあるわけですが、さらに言うと減反という農業政策の大転換、これが引き起こされた。それで、この減反が干拓事業から米をつくるという非常に重要な事業目的を奪ってしまったという問題があるわけであります。 事業目的が失われたのであればその事業を見直すべきであるんですが、ここで出てくる問題というのは、地方の借入金負担が事業の見直しを拒んでいるということが言えるのではないかと思います。地方としては、途中で事業をやめては借入金の返済の当てがなくなってしまう。また、事業目的がなくなっていてもその事業をやめるわけにいかない、やめるにやめられない、がんじがらめ構造がそこに出てくる。さらにその上に、事業を途中で中止した場合、国庫負担部分についても地方が負担しなければならないという懸念もある。これでは事業の見直しが進む余地というものがなくなってしまう。 この点について、農林水産大臣の御見解を例えればと思います。
○国務大臣(藤本孝雄君) 幾つかの点について委員御質問をされたわけですが、まず、諌早の干拓事業につきまして世上一部流れております誤解は、この干拓事業が減反の米余りの時代にさらに農地をつくって米をつくる、これはおかしいじゃないか、こういう誤解がございます。それは全くの誤解でございまして、この諌早の干拓事業でできました農地は、野菜それから畜産、酪農、こういう事業に使われるわけでございまして、米をつくる、そういう農地ではございません。 今、この干拓事業、私ども農水省といたしましては、一番農水省の使命でございます国民に食糧を供給する、こういうことからいたしますと、農用地がこの二、三十年の間に二〇%も減少してきた、それから自給率は先進国最低の四二%、こういうことから平たんで大規模な農用地を確保するということは極めて重要なことだと私ども思っております。 この長崎県につきましては、知事からもしばしば陳情がございますが、平たんな農地が少ない、それから委員きょう総理に防災の問題も御質問されましたのでその点は十分御理解いただいておると思うわけでございますが、そういう干拓事業を我々は諌早で行おうとしておるということについて、どうぞ御理解いただきたいということが一つ。 それからもう一つは、この国営干拓事業につきましては、約七割を国が負担いたしまして残りの全部もしくは一部については財投資金を使っておる、こういう仕組みでございます。仮に事業を中止するというような場合に、この返済が地元にしわ寄せしてくる、こういうようなことから見直しということが難しいのではないか、こういう御質問でございます。 事業を中止し全く受益がない場合の都道府県の負担割合は国と都道府県が協議の上決定することになっておりまして、今までも例がないことはございません。一方的に全部地元がかぶるということはございません。これらの点から考えますと、事業見直しの阻害要因にこれらのことがなっているというふうには考えておりません。
○水野誠一君 今の見直しの場合のスキームという問題これは大変重要な問題だというふうに思います。 特に、地方自治体の負担というものを何らかの形で肩がわりしていくスキーム、あるいはいわば不良化した公共事業を見直していく、あるいは時代変化に伴って性格が変わったスキームの見直し、こういうことは財政当局の責任としてもやはり考えていく必要があるのではないかと思いますが、この点について大蔵省の御見解を例えればと思います。
○政府委員(細川興一君) 社会資本の整備に係る費用につきまして国と地方公共団体がどのように負担するかということにつきましては、国、地方の役割分担、財政状況、地方の受益の程度等を考慮して決定すべきものと思います。 国の直轄事業につきましては、全国的な効用を有するものでありますけれども、特に当該施設の所在する地方公共団体にとっての便益が大きいことから、その費用の一部について相応の負担を地元に求めることとしているものでありまして、これは国営の土地改良事業についても同様でございます。 ただいま農水大臣から、現在のような仕組みが事業の見直しの阻害要因とはなっていないという御答弁がありましたが、国営土地改良事業の中止につきましては、全く受益がない場合には当該事業に要した負担金について国と都道府県とが協議の上決定すべきものであると考えております。 当初、事業の実施に当たって国と都道府県との間で合意を見ていること、事業に係る負担割合についてあらかじめ定めていること等にかんがみれば、これをあらかじめ国が肩がわりするような仕組みを設けることは問題があると考えております。
○水野誠一君 今、農水大臣から諌早の干拓の問題ですが、理解をしていただきたいということでいわゆる防災上のお話があったわけであります。 これも実はさっきちょっと総理にも申し上げたんですが、今の堤防の高さで本当に防災効果があるのかというようなところ、さらに積み増しをするには、今八百数十億というふうに今後の事業費が考えられておりますが、さらにもっと大きな投資が必要になるのではないかというようなところも実は伺いたいんですが、時間がなくなりましたので、最後に一つ農水大臣にぜひ伺いたいと思います。 農林水産事務次官が十四日に、二月に行いました行政監察結果に対して、干拓をやめろとかいうことではなくて、しっかりした土地計画をつくって工事を進めなければいけないということだと思っている、我々としてもしっかりした干拓地の利用計画や営農計画ができ上がることを期待したいと述べているわけです。 しかし、これは実質的に事業の見直しを求めた勧告に反する非常に問題のあるコメントではないかなと私は思うわけです。営農計画に問題があるからこそ勧告の対象となって指摘を受けたわけでありますが、それを受けてから営農計画に期待するというのでは、何か行政側の謙虚な姿勢というものが全く感じられないと言われても仕方がないのではないかと思います。 このコメントについて、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤本孝雄君) 記事に出ます内容は非常に短く出るわけでございまして、その点からいいますと、十分に御理解いただけない点が幾分あろうかと思うわけでございます。 事務次官の発言につきましては、要は、この勧告を十分に尊重して、勧告の中に「土地利用、営農等の確実性について確認しつつ、所要の検討を行い、必要に応じ事業計画の変更」云々、こういうことがあるわけでございまして、事務次官の発言は、この勧告を尊重して、造成された農地の作目ごとの区割りであるとか、また売り渡し相手方の選定方法などについて長崎県とか関係市町、農業団体などと一体となって検討を進めてまいる、このことを事務次官としては申した、そういうつもりだったと思います。
○水野誠一君 終わります。
○山口哲夫君 まず、予備費の取り扱いについて質問をいたします。 現在、予備費の承諾案件は四月から翌年一月までの分は三月に提出をしております。そして、二月、三月の分は翌年一月に提出をいたしております。それをこれからは四月から翌年三月までの分を一括して五月に提出しょう、こういう変更をする動きがあるt聞いております。 これでは四月から翌年一月までの分は現在よりもニカ月遅くなるということになります。ということは、現在は翌年度の予算審議中に審査ができるわけでございますけれども、改革と称する一括案によりますと、翌年度の予算審議が終わった後に審査をしなければならない、こういうことになります。 予備費の性格というのは、臨時国会を開いて補正予算の審議をしているいとまがないときに政府の責任で予備費から支出をいたしまして、そして次期国会で承諾を得ようとするものでございますから、できるだけ早い時期の国会で承諾を得ようと考えるのが私は筋ではないかなと思います。 そこで、通常国会の冒頭に出せるものはやはりきちんと提出するようにしていただきたい、こう思います。そのためには、例えば四月から十一月までの分を通常国会開会の冒頭の一月に提出するようにしてはいかがなものだろうか。そして、十二月から三月までの分はその年の五月に提出をしてほしい、こういうふうに考えますけれども、この件についての見解を承りたいと思います。
○政府委員(細川興一君) 予備費の使用総調書等の(その一)(その2)の区分あるいはその提出の時期につきましては、長年の国会における御議論等の積み重ねによるものと考えております。現在、その提出のあり方等につきまして両院において御協議中であると承知いたしております。 ですから、御質問に関しましては、この御協議に関係するお尋ねでもありますので答弁は差し控えたいと思いますが、政府としては、今後ともできる限り早い機会の御審議に資するよう努力してまいりたいと思います。
○山口哲夫君 重ねてお尋ねします。事務的に聞きますけれども、今までですと一月までの分は三月に提出しているわけです。ニカ月あれば出せるということですから、そうすると、一月冒頭に出そうと思えば、十一月までの分はニカ月あれば一月には出せるということになると思うわけです。それで、十二月、二月、三月の分はニカ月あれば出せるわけですから五月に出せる、だから事務的には可能であるというふうに判断しますけれども、どうですか。
○政府委員(細川興一君) まず、二月、三月分についての五月末提出でございますが、これはこれまでも国会で御議論がございまして我々としましても努力してまいったところでございまして、現在事務的には可能であると考えております。 前段のものにつきましては、いろんな予算の編成期等ともかかわりますので、ぎりぎりの努力はしてみたいと思っております。
○山口哲夫君 予算編成との関係もあるかもしれないけれども、そんな膨大なものではないと思いますので事務的にやろうと思えばできないことはない、私はそういうふうに考えております。 そこで、委員長にお願いをしておきたいと思います。私どもの党の栗原議員から既に質問主意書を提出いたしておりますけれども、予備費の取り扱いについては、政府から正式に話があればいずれ議運の理事会において協議が行われることと思います。その際、当決算委員会の意見が反映されるように委員長においてぜひ御配慮をしていただきたい、このことをお願いしたいわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○委員長(野沢太三君) この問題につきましては衆参の議院運営委員会で決定する問題でございますけれども、現場を預かる当委員会におきましても、御要望に基づきまして理事会で協議をいたしたいと思います。
○山口哲夫君 ぜひお願いいたします。 それでは、次に移ります。 今、公共事業の見直しが非常に求められております。そこで、きょうは余り時間がありませんがら、問題を農水省所管の干拓事業に絞って取り上げてみたいと思います。 今もお話がありましたけれども、ことしの二月二十八日に出された行政監察の勧告によりますと、大規模農業基盤整備事業について見直しを求める勧告が出されております。同じような勧告というのは実は十五年前にも出されております。八二年にも干拓事業などの問題点を指摘した監察結果が出されております。ところが、十五年たってまた同じようなことが行政監察として出されたということは、農水省は十五年間一体何をやっていたんだろうか、これは実に反省がなかったんではないかなというふうに思われてなりません。これは行政監察だけではありません。会計検査においても、干拓事業について、最近では一九八〇年、八九年、九三年と、たびたび指摘されておりまして、抜本的な見直しが当然図られるべきものなのに、これまた何にも図られてこなかった。これは非常に私は問題があろうと思います。 今いろいろと農水大臣お話しされておりましたけれども、この際、来年度以降の大規模農業基盤整備事業を中止してはどうだろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤本孝雄君) ことしの二月の干拓事業につきましての勧告内容でございますが、二つございまして、実施中の事業につきましては、これは諌早が該当するわけでございますが、環境に配慮をし、土地利用、営農などの確実性を確認しつつ適切に対処すること。それから、これは中海が該当するわけでございますが、休止中の事業につきましては、環境に配慮しつつ、農地利用の見込み、営農の確実性などについて慎重に検討し、取り扱いを決めること。こういうことになっております。 干拓事業の実施に当たりましてはいろいろとこれまで御指摘がございましたが、これまでも農業情勢などに応じまして計画の見直し、つまり環境に配慮をした施設であるとか工法への変更であるとか営農計画の見直し、造成面積の変更を行うなど、措置を講じてきております。今回の勧告につきましては、その趣旨を十分尊重して所要の検討、実施中の事業、また休止中の事業につきまして各地区とも適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 なお、先ほど水野委員の御質問にも答弁させていただきましたけれども、干拓事業の有用性につきましては、私どもは今の自給率の低下、四二%という自給率、また農業用地が約二〇%、毎年三万ヘクから五万ヘクタール減少しておる、こういう現状からいたしますと、農水省として国民の皆様に食糧を安定的に供給する、こういう責務からいたしますと、今の現実は非常に危機感を持っておるわけでございます。この農業用地干拓につきましては平たんで大規模の農業用地が確保できるわけでございまして、この農業用地につきましては米をつくるというような計画は毛頭ございませんので、その点につきましても御理解いただけておるものと思っております。
○山口哲夫君 武藤総務庁長官がいわゆる勧告を出した担当大臣だと思いますけれども、よく読めば工事を休止しているものについては中止もあり得る内容であるということまで言っております。したがいまして、この勧告を出した側の意見というものを十分尊重して、私はぜひ中止について検討してほしい、このことを強く要望しておきたいと思います。 さて、そこで私は、先ほども水野議員が取り上げました干拓事業のうちの諌早湾の問題についてもう少し具体的に申し上げたいと思います。 今減反とは直接関係ないというお話がありました。それはそのとおり受けとめておきたいと思います。少なくともこの諌早湾の干拓事業については農地の確保という面で盛んに大臣も今強調されていらっしゃいましたけれども、中核農家と言われる周辺の市町村の方々が、大体十年間で農家数は半減するだろう、こういうふうに言われているわけです。 もう一つ、同じように周辺市町村の中核農家のうちの六〇%の方が規模の拡大を望まない農家だと。ですから、農地を広げて規模を大きくしてみたところで、それを望んでいる人はまことに少ないとさえ言われております。たとえ農地ができたとしても非常に高過ぎてとても買えないだろう、こういうふうにも言われておりまして、果たして諌早湾の干拓事業がその地域の農業面から本当に必要なんだろうかということになれば、これはその面から見ても余り役に立たないんじゃないか、そう思われてなりません。そのことをいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(藤本孝雄君) 中海の件について、武藤さんから読めば中止という意味がわかるというようなことから、私と武藤長官との間に考え方が違うじゃないか、こういう御指摘もございました。私はそうではないと思っておるんです。 といいますのは、中海につきましては、この事業の評価につきまして二年間中立的な調査をして、その結果この事業を進めていくか、また中止をするか、それを決める、こういうことでございますので、現時点で私と武藤長官と考え方には違いはないというふうに私は思っております。 それから、諌早湾のことにつきまして、具体的ないろいろな御指摘、御質問がございました。 土地代の問題も、十アールが百十万ぐらいの予定でございまして、今の農地の相場からいたしますと決して高い数字ではございません。 それから、中核農家の点につきましても、いろいろとこちらも点検をいたしておりまして、現段階におきまして入植、増反希望者が相当存在する、また規模拡大農家が増加しているということも点検をいたしておりまして、その点も私どもといたしましては、そういう営農指導をしながら農家の方々がこの諌早の干拓地に入植されまして、大いに野菜でありますとか酪農関係、力を入れてやっていただくことを期待いたしておる次第でございます。
○山口哲夫君 農家の関係については、これは全く見解の相違でありまして、私どもはそういうふうには受けとめておりません。 それで、先ほどもお話があったように、この勧告の中で営農面にも十分配慮せよということが言われておりますけれども、残念ながらこの営農計画もまだ全然つくられていない、そういう実態です。本来であれば、営農計画がきちっとつくられた上で干拓事業が始められなければいけないのに、干拓事業だけが先に進んで、営農関係は全然計画さえつくられていないということになれば、農業政策を持たないでこういう工事を進めるということは根本的に私は間違いだと、このことは指摘だけしておきたいと思います。 それからもう一つ、勧告の中で、環境面についても十分配慮をするようにと言われております。 環境面の問題につきましては、随分新聞等でも書かれておりますけれども、あそこには二百八十種類の底生生物がおります。世界自然保護基金日本委員会によりますと、国内の干潟の六%に当たる最大級のものだというふうに言われております。 今アメリカでは、干潟の底生生物の水質浄化機能に着目をして、堤防を壊して干潟の回復に取り組んでいる、そういうことが行われているわけであります。 オランダは、もう御案内のどおり、これは国土の四分の一が海面より低いわけでして、いわば干拓で陸地をつくってきたという、干拓の面では先進国だと思うわけですけれども、それでも四万一千ヘクタールのマーカと言われる干拓については、必要がなくなったということで中断をしているという問題があります。それから、ピースボスという国立公園、これは干拓地を囲っている堤防を切り開いて川に水を引いて、一年後には湿地に戻そう、そういう状況になっております。 こういうことを考えてみますと、もう今は国際的にも干拓の見直しを求めている時期ではないだろうか。特にこの諌早湾というのは、そういう環境面から見ると非常にやはり世界的にも注目されているところだというふうに言われておりまして、世界の自然保護関係者から言わせますと、諌早湾の干拓というのは、これはひどい、愚行だとさえ言われております。国際的な環境面から見ても、私どもはもう少しこれをやはりしっかり見詰めていくべきではないだろうか。 過去の経過に随分こだわっているようですけれども、これ以上金をつぎ込むということは私は国民の税金をむだにすることであるというふうに考えておりますので、直ちにこの工事を中止いたしまして、今つくられた堤防をどういうふうにしていくのか関係者で真剣に御論議をいただきたい、このことを強く要求するものです。
○政府委員(山本徹君) ただいま先生から干拓によって自然環境が破壊されるんではないかという御指摘がございましたけれども、有明海全体で干潟が約二万七百ヘクタールございまして、今回の諌早湾の干拓事業によって消滅する干潟はその約七%、千五百五十ヘクタールでございます。また、有明海の干潟というのは毎年発達いたしております。面積が増加いたしておりまして、干潟の成長が著しい地点では年間厚さ五センチの堆積が見られ、何十センチ、何メートルの干潟の発達が見られるわけでございます。 ここに多様な生物が生息しているのは事実でございますけれども、例えばムツゴロウにつきましては佐賀県を中心とする有明海の干潟に広く生息いたしまして、これも漁獲対象魚種でございます。特に佐賀県では平成三年に六トンの漁獲が平成七年では十三トンに増加いたしております。これはムツゴロウでございます。その他のカニ、貝類等の生物についても、この事業によって絶滅するような事態にはならないと考えております。
○山口哲夫君 長崎県のある幹部はこの干拓事業について、実はむだなことはわかっているんだと。ところが、国からも今まで金を出してもらっているし、そう簡単にはやめられない、時間も随分長くかけてきたので、県一存では決めるわけにいかないんだということさえ長崎県のある幹部は言っているというんです。ですから、もう少し自然保護団体の声、そういう関係の声をもっと素直に聞いて、徹底して議論をするべきときだと私は思いますよ。何年かたって、やっぱりこれはやめざるを得なかったなんということが起きかねない問題だというふうに思いますので、真剣にひとつ論議していただくように強く要求をしておきたいと思います。 そこで、大蔵大臣にもお聞きしますけれども、こういう勧告が何回も出され、会計検査院からも指摘を受けながら、今日まで依然としてその予算をつけてきた大蔵省の主計官の立場にもやっぱり問題があるんじゃないかなというふうに私は思います。 よくこういうふうに言われているそうです。担当省庁から予算を減らすとどうもあいつは力がないんだと、そういうことをよく担当省庁や主計局の内部からでさえそういう声がささやかれているというふうに聞いております。したがって、担当省庁の代弁者にどうもなっているんではないだろうか。そういう声が実際にささやかれているということを注視する必要が私はあると思うんです。 立派な主計官というのは、そういう与えられた省庁の予算だけを守っていくとかどうこうするという査定ではなくして、国家全体の立場から大局的な面でとらえて、そして今財政再建をやるためにはこうしなければならないと思ったら、思い切って切るべきものは切る。そして、今まで続いた事業であっても、これが国民のためにならないものであれば思い切って切っていく、そういう勇断を持ってやっていただくのが主計官の役割ではないのかなというふうに私は思うわけでございます。 ぜひひとつそういう立場でこれからの予算編成をやられるように、大臣の御指導をいただきたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 主計官の諸君はなかなかしっかりやっていると思います。昨年の十一月七日、大臣になりましてからニカ月の間において、構造改革元年にふさわしい予算編成をという基本原則を示して対応したわけでございます。そういうお話が出ますことは極めて残念でありますので、よく私も基本的にもう一度訓示をいたします。 特に、財政構造改革二年目、まさに元年であります。こういうことで、旧来の陋習を破りませんければ、聖域を設けず、政策目的にかなうもの、やらなければならぬもの、目的は達したもの、やらないことの方が正しいもの、こういうことが聖域なく見直す、こういうことでありますから、御注意は御注意として受けております。信頼をして今激励をしてやらせておる諸君でありますから、そうではないと、こういうことを申し上げておきます。
○山口哲夫君 ぜひひとつ訓示をしっかりやっていただきたいと思います。 次に、防衛庁の予算の削減問題について、九八年度予算案の防衛費の伸び率を九七年度予算対比でマイナスに抑えようということが、中期防の減額修正を年内に行う方針でそういうふうに固めたというふうに言われております。 そこで、はしょって質問いたしますけれども、防衛庁が、防衛費の四割を占めているのが人件費であり糧食費なんだと、したがってその防衛費の削減というのは非常に困難だということをよく言われております。 私は、人員を減らさないで防衛費の削減をやるということ自体が無理があると思っております。防衛費全体を削減するということになれば、どうしても自衛官の実人員を減らす必要がある、そう考えます。 新しい大綱のもとで陸上自衛官の定数を十八万人から十六万人に削減をする、そして一万五千人をこの間決定したように即応自衛官で充てる、こういう計画が実行されようとしております。一見これは定数減のように見えるんですけれども、実は十八万人の定数の時代の実人員は十五万人ですから、定数十六万人に減らしても一人も減らないということになるわけです。人員の削減は全くしていないと言ってもいいと思います。 ソ連脅威論を主張していた時代でも十五万人でやっていたんですから、冷戦構造が崩壊した現在では十万人体制でも十分やっていけるというふうに私は判断をいたしております。 そこで、やっぱり防衛費の削減というものは、先ほど申し上げたように、基本となる自衛官を削減して、それに関連する諸経費を削減をしなければ効果が上がらない、こう考えます。この際、自衛官の実人員の大幅な削減を求めるものであります。いかがでしょうか。
○政府委員(秋山昌廣君) 今、御質問いただきました中にありましたように、自衛隊員、特に陸上自衛隊員の定員につきましては、編成定員でございますけれども、防衛大綱で十八万から十六万、そしてさらに十六万のうち一万五千は即応予備自衛官ということでございますので、いわゆる常備自衛官は計算でいきますと十四万五千ということになるわけでございます。 防衛大綱に従いまして、現在、中期防においてこの編成定数の削減、それから即応予備自衛官は導入になるわけでございますけれども、今御質問にございましたいわゆる常備自衛官につきましても数千名の削減という計画でやっているところでございます。
○山口哲夫君 海上自衛隊、航空自衛隊、これについても新しい大綱では自衛艦の数、戦闘機の飛行隊の数など装備の削減が行われるわけでございますから、装備が削減されれば当然それに乗り込んでいく自衛官の定数は削減するべきだと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(秋山昌廣君) 確かに、海上自衛隊それから航空自衛隊も四万から五万ぐらいの自衛官を置きましてその業務をやっておるわけでございますけれども、防衛力整備ということを考えます場合には、陸上自衛隊について、この陸上自衛隊の自衛官の数というのが一つの大きな防衛力整備の目標になっておりまして、したがいまして陸上自衛隊につきましては今申し上げましたような削減計画を立てたところでございます。 海空につきましては、御指摘がございましたように、船ですとかそれから飛行機ですとか、そういった削減ないしは部隊の縮小といったようなものを考えておりますけれども、近年の装備品の近代化それから整備、そういった面で大変人が不足しておりまして、海上自衛隊、航空自衛隊につきましては防衛力整備のいわゆる合理化、効率化、コンパクト化の中で装備品ないし部隊の縮小ないし削減ということを考えておりますが、人員の削減は現在考えておりません。
○山口哲夫君 いずれ各省庁の質問がまた出ると思いますので、防衛庁の段階でもう一度取り上げてやりたいと思います。 最後に、弾道ミサイルの防衛構想について質問をいたします。 八月をめどに弾道ミサイル防衛構想、BMD構想への参加について態度を決定するというふうに聞いております。これは武器輸出三原則にも抵触するおそれがありますし、中国でも大変これに警戒感を示しておりまして、独自で同じような研究をしなければならない、そして核の増強でこれに対処しようという動きさえある、アジア太平洋地域に大変な緊張をもたらすことに私はなろうと思います。アメリカでもミサイルの試射に再三失敗しておりまして、技術的にも信頼性が極めて低い、こう言われております。しかも、お金は数千億から下手をすれば一兆円の規模が必要になると言われております。 これは防衛予算の見直しに逆行するものでありまして、ぜひ以上の観点からこれには参加すべきでない、こういうふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(秋山昌廣君) 今日の国際社会におきまして、大量破壊兵器あるいはその運搬手段となり得る弾道ミサイルの拡散が進んでおりまして、そういう現実を考えてみますと、弾道ミサイル防衛、これはあくまでも防衛システムでございますけれども、この防衛システムにつきましてどう考えるかというのは我が国の防衛政策上も大変大きな課題と我々認識しております。 そして、今米国の協力も得ながら研究をしておるところでございますけれども、現在ございます一昨年閣議決定されました中期防におきまして、「弾道ミサイル防衛については、その有用性、費用対効果等に関し、総合的見地から十分に検討の上、結論を得るものとする。」というふうに閣議決定されております。したがいまして、現在行っております、これは最終段階に来ております研究を終えて、ことしじゅうに終えるわけでございますが、その終えた後、この中期防の決定に従いまして我が国としてどうするのかということを議論し、結論を得たいと考えているところでございます。 なお、米国におきますTMDのテストについて言及がございました。我々、米国におけるいろいろな考え方、あるいは現在やっております研究、あるいはそのテストといったようなものについてもちろん大変注目しているところでございますが、開発状況の個々の段階におきましていろいろな結果が出ていることについて、今この時点でコメントをするというのは差し控えたいと思いますけれども、米国におけるこういった研究状況というものについては、もちろん米国からもいろんな情報を得て、我々としてもこれを参考にしていきたいと考えているところでございます。
○山口哲夫君 終わります。
○委員長(野沢太三君) 他に御発言もないようですから、平成七年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。 予備費関係六件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより予備費関係六件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下栄一君 私は、平成会を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費関係六件のうち、平成六年度一般会計(その2)及び平成七年度一般会計予備費の使用については承諾を与えることに反対、残余の四件については賛成することを表明し、以下、討論を行います。 一般会計予備費は、日本国憲法第八十七条及び財政法の各規定に基づき、予見しがたい予算の不足に充てるため、特に災害関連経費を中心に使用されることには異論ありません。 しかるに、最近における一般会計の予備費使用の実態を見ますと、果たして憲法、財政法に定められた予見しがたい予算の不足に充てるための使用と言えるのかどうか、極めて疑わしい使用が続いているのであります。 例えば、平成六年度一般会計(その2)においては、厚生省所管で、老人医療給付費負担金の不足を補うため三百七十八億円、療養給付費等負担金の不足を補うため二百七十一億円、生活保護費の不足を補うため二百二億円と、八百五十二億円もの義務的経費について、予見しがたい予算の不足として年度末に予備費使用されており、六年度の予備費使用額全体の五七%を占めております。 しかるに、平成七年一月に発生し、我が国史上未曾有の災害となった阪神・淡路大震災に対する災害救助費負担金には、それを大幅に下回る百四十八億円の予備費しか使用されていないのであります。 また、平成七年度一般会計予備費については、厚生省所管で、老人医療給付費負担金に二百八十四億円の予備費が年度末に使用されており、七年度の予備費使用額全体の四九%を占めております。 このような傾向は、平成六年度、七年度の予備費使用だけではなく、過去にさかのぼって調べてみますと、四年度には、老人医療給付費負担金に三百四十三億円、療養給付費等負担金に百五十九億円の予備費使用を行っており、五年度には、老人医療給付費負担金に四百七億円、療養給付費等負担金に二百三十三億円の予備費使用を行っており、しかも各年度の予備費使用総額の五割前後を占めるに至っており、厚生省所管の義務的経費に対する予備費使用が恒常化しております。 これら国民生活に密接な関係を持つ社会保障関係の義務的経費については、可能な限り正確な見積もりを行った上で当初予算に計上すべきであり、毎年度同じ予備費使用が続くということは、予見しがたい予算の不足に充てる使用であったのか大いに疑問であり、本来の予備費使用のあり方を定めた憲法第八十七条及び財政法の規定に違反するものであります。 以上申し上げた点を勘案し、最近における安易な予備費使用に大いに警鐘を鳴らし、政府の反省を促す意味において、今回の一般会計予備費二件の承諾には反対をいたします。 他の予備費関係四件については賛成いたします。 政府においては、今後、当初予算に計上すべきはした上で、予備費制度本来の厳正な使用がなされるよう強く要請して、私の討論を終わります。
○吉川芳男君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外五件について、いずれも承諾を与えるべきものと議決することに賛成の意を表明し、以下、討論を行います。 申し上げるまでもなく、予備費は憲法第八十七条及び財政法の規定に基づいて、予見しがたい予算の不足に充てるために、国会の議決に基づいて設けることを認められた予算であり、内閣の責任において支出された後、国会の事後承諾を求めるものであります。 一般会計の予備費使用の内容を見ますと、まず、老人医療給付費や療養給付費等の国庫負担金の不足を補うために必要な経費、平成六年の干ばつ対策や阪神・淡路大震災による被害の復旧に伴う経費等が挙げられますが、これらは義務的経費、災害関連経費であります。また、水俣・芦北地域の再生・振興を図るため、県の財団に対する出資の一部を補助する経費への支出は水俣病対策に必要なものであります。 さらに、対外的には、シリア・アラブ共和国のゴラン高原における国際連合平和維持活動のための国際平和協力業務の実施に必要な経費への使用など、我が国の置かれた国際的責務を果たし、国際貢献を緊急に行うために必要な経費であります。 これらの予備費使用は、憲法及び財政法の規定に照らして、いずれも適正かつ妥当なものであり、国民各位の納得を十分いただけるものと確信しております。 次に、特別会計の予備費及び特別会計の予算総則の規定に基づく経費の増額について見ますると、外国為替等の売買に伴って生じた損失の補てんに要する経費、道路事業及び街路事業の調整に必要な経費の増額などであり、これまた適正かつ妥当なものであります。 ところで、予備費関係六件のうち、平成六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件は、当初平成八年一月二十二日に国会に提出されたものであります。その後、衆議院解散による審査未了、再提出という事態もあり、本日、ようやく議了することができましたが、平成六年度決算は既に議了しております。 国会の事後承諾を求めるという予備費の性格上、国会提出後速やかにその審査を行うべきものであり、今後はできるだけ早期に予備費審査を行うことができますよう、関係各位の御努力をお願いして、私の賛成討論を終わります。
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、予備費等承認案件のうち、平成七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書の二件について不承諾、他の四件については承諾いたします。 平成七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書には、ゴラン高原における兵力引き離し監視軍に自衛隊員を要員として派遣する経費等が含まれております。我が党は、この派遣について、イスラエルとシリア両軍の兵力引き離しと停戦監視・巡回という明白な軍事行動を主任務とするUNDOF、国連兵力引き離し軍に自衛隊が参加することは、憲法の平和原則に背くことはもとより、PKFへの参加を凍結したPKO法にも明白に違反しているとして、自衛隊派遣決定の撤回を強く要求しました。憲法にもPKO法にも違反するこの予備費費用は承諾できません。また、アジア開発銀行出資に必要な経費は、発展途上国の自主的・民主的経済発展に貢献するものに必ずしもなっていない同銀行の実態に照らし、承諾できません。なお、水俣病対策などその他の内容は、国民の生活、権利に関する経費であり承諾するものですが、ゴラン高原への自衛隊員派遣の経費があるため、全体としては承諾できません。 平成七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書は、一九九五年の異常円高の是正の過程で、円安局面で一層の円安を誘導するための円売り・ドル買いの市場介入を行った結果生じた損失を補てんするための外国為替資金特別会計の予備費使用の承諾を求めるものです。円安誘導という点では必ずしもすべて否定するものではありませんが、外国為替資金特別会計の円売り・ドル買い介入については、外国為替資金証券を日銀引き受けにして調達した巨額の円資金でドル買いを行って国内に円をだぶつかせる一方、アメリカの財政赤字を事実上ファイナンスする仕組みになっているなど問題があります。外国為替資金特別会計は、その仕組みと運用方法、介入の方法と規模及び実際の効果、日本経済及び国際経済に及ぼす影響、情報公開など、さまざまな問題を抱えています。したがって、この予備費使用には承諾できません。 残余の四件の内容は、医療、社会保障、災害復旧等々、国民生活に関連した必要な経費であり、いずれも承諾いたします。 以上、各案件に対する態度と理由を述べ、討論を終わります。
○委員長(野沢太三君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、平成六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(野沢太三君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成六年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成七年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、以上三件を一括して採決を行います。 これら三件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(野沢太三君) 全会一致と認めます。よって、これら三件は全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(野沢太三君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(野沢太三君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回の委員会は明二日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十九分散会 ―――――・―――――