運輸委員会 第7号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1997/03/27
会議録
○委員長(直嶋正行君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 昨二十六日、予算委員会から、本日午後の半日間、平成九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 運輸省関係予算の説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野沢太三君 自由民主党の野沢でございますが、運輸大臣におかれましては、本日、羽田の新しい滑走路の竣工にお出ましになった上駆けつけて審議に参画していただきましたこと、まず御礼を申し上げます。 今回の財政構造改革会議の中におきまして、橋本総理の方から財政構造改革五原則が提示をされております。この内容は、今年度予算はもちろんですが、私どもが来年度以降の予算を構成していく中で憲法として考えていかなければならないような大事な考え方だと理解をしておりまして、私ども党の側でもこれを全員しっかりと受けとめましてお支えをしなきゃいかぬ、こう思っておるところでございます。 我が国の財政の現状というのは、九年度末で国債残高が二百五十四兆になるだろう、あるいは国、地方の合計長期債務で四百七十六兆に達する、こういうことが予測をされておりまして、これは主要先進国中最悪の水準ではないかとも言われておるわけでございます。このまま推移をいたしますと、経済審議会の試算等によりますれば二〇二五年には国民負担率が七〇%を超えるのではないか、こういう状況でございます。 これは焦眉の魚として財政構造改革に何としても取り組む必要があるわけでございますけれども、今度示されました橋本総理のこの五原則といいますのは、まず財政構造改革の目標をこれまでの閣議決定では二〇〇五年と言っておりましたものを二年前倒しにして二〇〇三年に何としても達成したい。さらには、今世紀中の三年間、まだございますが、これを集中改革期間として取り組んでいく必要がある、これが二つ目の原則。三つ目が平成十年度の一般歳出予算につきまして九年度に対してマイナスの予算を組む、これもまた具体的でかつ大変難しい課題であろうかと思います。これを具体化するためには、公共投資の長期計画を初め各般の長期計画がございますけれども、これを延長するとか縮減するとかいうことで裏づけていかなければならない。 そして、もう一つ違った視点から出ております五番目の国民負担率が五〇%を超えない財政運営をしていきましょうと。これは一見矛盾をするようではありますけれども、この項目は、今後の財政を健全に維持するためには、国民の活力を維持するためには極めて重要な原則と心得るわけでございます。 このような五原則が示されました段階で、運輸省としてこれにどう取り組むのか最初に大臣からその決意表明をお伺いいたしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(古賀誠君) 先生に最初にお触れいただきましたけれども、委員長初め委員の先生方の御理解をいただきまして、午前中羽田沖合に展開いたしておりました新しいC滑走路の供用開始の式典に出席をさせていただくことができました。 改めて先生方の御配慮にお礼を申し上げますと同時に、このC滑走路がこれから供用されるわけでございますが、さらに首都と地方とがより利用していただく利便の意味でも利用者の方々に大変喜んでいただけるものだというふうに思います。同時にまた、地域の方々に大変御心配をかけておりました騒音問題の解消にも実はつながるわけでございまして、まだ三期分事業が残っているわけでございますが、今後ともこの羽田沖の沖合展開を着実に進めさせていただいて、よりよい空港として建設が早期に完成するように努力をしてまいりたいと思っております。お礼を兼ねまして御報告を申し上げる次第でございます。 先生からお話があっております財政構造改革五原則、今先生もお触れいただきましたけれども、中身はまことに厳しいものがございます。しかし、今日の財政状況を考えてみますと、一方では橋本総理の並々ならぬ決意と申しますか決断と申しますか、そういったものが伝わってくるわけでございまして、私も閣僚の一員といたしまして、後世にこれ以上ツケ回しかないような健全財政の再建に全力を尽くしていくということは当然のことだと思っておりますので、真剣に取り組んでまいりたい、こういう決意でいることをまず答弁させていただきたいと思っております。 具体的な財政構造改革会議の持ち方でございますけれども、先生方既に御承知かと思いますけれども、与党三党から成ります企画委員会を実は設置させていただきまして、週三回という大変速いペースで精力的に真剣に一つ一つの歳出の改革等を含めまして具体的なあり方についてこれから論議を深めていこうというスケジュールになっているようでございます。 運輸省といたしましても、今御指摘いただいておりますように、さまざまな社会や経済構造の改革の中で大切なものは、必要でまた緊急性のあるものは、厳しい財政状況での経済構造改革ではございますけれども、やはり理解を深めるべくしっかりした論議をしていかなきゃいけないというふうに思っております。 しかしながら、五原則に示されているようないろんな公共事業のコスト縮減の問題だとか、我々としてもまた努力すべきことは当然努力をしていくということで真剣な取り組みに今後とも省を挙げて努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。ぜひひとつ先生方の適切な御指導なり、また御指摘を賜れば大変幸いだと思います。
○野沢太三君 一般歳出を対前年度比でマイナスにするということは、ただ切ればいいというわけではなくて、やはりその中で重点をどこに置くか、あるいはめり張りをどうきかせるか、こういったことが極めて大事になってくるだろうと思います。これはもう六月あたりの概算要求の時点までにその方針を出さないと来年度に間に合わないというのが実態ではないかと思いますが、その辺につきましてどういう考え方で対応するのか、また取り組むのか、これはひとつできるだけ具体的にお話をいただければと思います。
○政府委員(土井勝二君) ただいまの先生の御指摘につきまして、運輸省といたしましては、厳しい財政事情の中で必要性の高い分野に重点的な予算配分を行うということで従来からもめり張りのついた予算の計上に努めているところでございます。 例えば、現在国会に提出中の九年度の予算案、この中で運輸省の場合は行政費が四千三百七十五億、それから公共事業費が五千百六十一億、合計で九千五百三十五億、これは対前年比で〇・五%という予算でございます。この中でも具体的に、例えば公共事業で申しますと港湾、空港、鉄道等につきまして必要な分野、国民あるいは経済社会から求められている分野について重点を置いた配分をしているところでございます。 それで、さらに来年度の概算要求にこれから向けていくわけでございますが、先ほど先生あるいは大臣の方からお触れになりました歳出の一層の削減、マイナスということを図るということでございますので、もともと〇・五%という大変低い伸び率であるわけでございますので、率直に申しまして非常に困難な作業が要求されるというふうに考えてございます。 しかしながら、この財政構造改革五原則というのが大変大事な課題でございますので、私ども運輸省といたしまして、概算要求に向けましてこれから企画委員会等で行われる財政構造改革会議での結論を十分踏まえまして、今後ともめり張りのついた適切な予算の計上に努めてまいりたいというふうに思っております。
○野沢太三君 これをやはり具体化していくためにも、今ベースになっております長期計画自身の見直しが必要ではないかと思うわけでございます。既に運輸省では、第九次の港湾あるいは第六次の海岸、さらには七次の空港、こういった各種の五カ年計画を定めて、それに沿って毎年の予算要求をやっているということでございますが、長期計画の策定時の状況を見ますると必ず前回の長計よりも相当量的にもふえる形でしかつくっていない、前より減った長期計画というのは私今まで見たことがないんですが、今回はそれをやらざるを得ないんじゃないかと思うわけであります。 ただ、それの期間を延ばせばいいのか、それとも中身を相当入れかえていくのか、この辺の取り組みについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(相原力君) 先生御指摘のように、運輸省関係では、海岸、港湾、空港につきまして平成八年度からのそれぞれの五カ年計画があるわけでございますが、この五カ年計画という長期計画自体の性格でございますけれども、いわば計画的な整備のための目安といった性格を有するものでございます。したがいまして、その実施に当たりましては、今後の社会経済の動向とかあるいは財政事情などを勘案しつつ弾力的にその実施を図る、また必要に応じて見直しについて検討することとされているところでございます。 また、先ほど来御議論ございます財政構造改革会議におきます財政構造改革の五原則の中でも「あらゆる長期計画について、その大幅な縮減を行う。」ということとされているところでございます。今後、具体的な方策について検討が進められることとなっているところでございます。 運輸省といたしましては、これらの状況も踏まえつつ、国際化の進展とかあるいは経済構造改革などに対応するために極めて必要性の高い分野、あるいは緊急性の高い分野に効率的かつ効果的に予算配分を行いまして、運輸関係社会資本の整備に全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 方針としてはそういうことになると思うんですが、具体的に見てまいりますと、ことしの予算の中では、例えば沖縄の航空運賃の値下げの問題とか、あるいは昨年通りました海洋法条約を施行するに当たりまして巡視艇をこしらえるとか、こういったものの必要経費が必ずこれは出てくる、この辺は切るに切れない経費ではないかと思うわけでございます。 そういった大事なものは残しながらかつ全体としては下げていく、こういう作業が必要になると思いますが、こういった必然的増加経費といったものについての配慮はいかがでしょうか。
○政府委員(土井勝二君) ただいま先生お触れになりました沖縄対策の予算あるいは海洋法条約施行に伴う海上保安庁関連予算、これは平成九年度予算案の中でも、沖縄の航空運賃引き下げ特別措置として七十七億円であるとか、あるいは海洋法条約施行関係で巡視船、航空機の増強で三十八億円であるとか、重点的に緊急に必要な予算配分につきまして厳しい財政事情の中でめり張りのついた予算計上に努めておるところでございます。 これは、さらに平成十年度の予算要求に当たりまして、やはり沖縄の予算なり海洋法条約施行の予算の継続なり、こういった重点事項も出てくる可能性がありますし、その他の新しい必要経費も出てくることがあるかと思いますが、これらの経費の必要性あるいは必要額等につきまして従来以上に厳しい検討をしながら、しかしながら国民、国家にとって必要なものについては予算の計上を図っていくということでやってまいりたいと思います。
○野沢太三君 ぜひひとつ、費用と効果あるいはその評価をきっちりとやりながら大事なものから残していくということをやっていただきたいと思うわけでございます。 ひとつ考え方というのか見方を変えまして、全体のコストを下げるという意味では仕事のやり方、特に建設コストの縮減というものがどうしてもこれはついて回ることであろうかと思います。最近そんなような形で運輸省としても取り組んでいただいておるようですが、この要点をひとつ御披露いただきたいと思います。
○政府委員(相原力君) 御指摘のように、建設コストを縮減するというのは非常に重要な課題であるというふうに考えております。かねてから検討をいたしておるわけでございますが、運輸省といたしましては昨年四月に運輸関係公共工事の建設費縮減等に関する懇談会という懇談会を設置いたしまして、縮減策について検討をしてまいりました。ことし三月十一日にその懇談会による提言をいただいております。また、政府全体といたしましても、ことしの一月に公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議というのが発足いたしまして、政府全体の行動指針を策定するということで今検討が行われているところでございます。 そういう関係閣僚会議も受けまして、運輸省におきましても一月二十九日に事務次官を座長といたします建設コスト縮減等に関するプロジェクトチームというのを発足させまして、先ほどの懇談会からいただきました提言とか、あるいは閣僚会議で決定される予定であります政府の行動指針にのっとりまして、運輸省の建設コスト縮減行動計画というのを策定することといたしております。
○野沢太三君 そういった努力と、またそれを現場に徹底するということが極めて大事であろうかと思います。 それから、私もこのレポートを拝見いたしまして感じましたことは、確かにこれはこれでよろしいんですが、もう一つ大事な視点といたしまして計画の段階からの節約というのが非常に実は大事でありまして、そのプロジェクトをやるかやらぬか、あるいはやるとしたらどのようなプランを練るか、その段階からの工夫がもう一つ要るんじゃないかという感想を持ったわけでございます。 それから、これは運輸省としての取り組みということになっていますが、先ほどの閣僚会議もあるようでありますが、省と省の間、例えば建設省と運輸省の関係、さらには郵政との関係等あろうかと思いますけれども、この省間の協議、これが物すごく大事だと思います。道路でいえば一つ仕事が終わった途端に次の仕事で掘り返しているというのを皆さんもごらんいただいていると思いますが、あのようなむだがいっぱいその辺にあるのではないかと思うわけでございます。その意味での、設計協議を含め横の連携も大いに図っていただきたいと思うわけでございます。 これはもう申し上げるだけにしておきますが、そういったことを含めまして、今後の公共事業というものをさらに合理的に進めるという意味で、現在特別会計が何本もあってそれぞれ群雄割拠しておりますけれども、せめて交通関係だけでも一本化して、道路あるいは港さらには航空機、海岸、鉄道と、いろんなものを一つにしてこれを弾力的に運用することによってコストの削減が相当図られるだろうという気がいたします。 先般、運輸大臣におかれましては、国鉄債務の処理と絡めまして道路財源の問題について御遠慮深げな記者会見があったかと思いますが、私は、今回のこの原則にございますように、聖域なし、あらゆる手法をすべてまないたにのせてやるべきだという気もいたしますが、この特別会計の一本化、一元化についてどのようにお考えか、これは大臣にひとつ答えていただけますでしょうか。
○国務大臣(古賀誠君) 今、先生御指摘いただいている問題は大変大事な分野だというふうに思います。今度の財政構造改革五原則、聖域なし、恐らくいろんな角度から検討が始まるだろうと思いますが、その中でもさまざまな御論議をいただく分野の一つではないかなと、私自身そんな気がいたしております。 現在、御承知のとおり、運輸省の関係いたします社会資本整備の分野、陸海空、よくそう呼ばせていただいているわけでございますけれども、非常に重要な分野だというふうに思うんです。それは、既に先生方も御承知のとおり、これからますます二十一世紀に向かって国際化は進んでまいります。一方では、経済構造改革をやっていかなきゃいかぬという大変緊急な課題がございます。こういったことを考えてみますと、交通機関の特性を生かしながら総合的に交通体系を形成していくという意味で、今言った運輸省所管の関係いたします社会資本の整備というのは極めて必要性が高く、また緊急性が高いというのは論をまたないところだろうというふうに思っております。 そういう中で、今先生がおっしゃった交通関係の特別会計のあり方、例えば道路財源の問題等について今後どう議論をしていくのか。私といたしましては、今申し上げましたような観点を踏まえまして、頭の中には当然入れていかなければいけない問題だとは思っておりますけれども、御承知のとおりこの特別会計というのは、その施設を利用する方々の受益と負担という一つの構造的なものを持っているわけでございます。そうして考えてみますと、その施設を別の施設を整備するというのに利用する場合に、そうした方々のまず御理解をいただかなきゃいかぬということは当然のことでありましょうし、また、国民全体としての合意、理解というものがどう得られるかというところを十分配慮していくことが一方では私は大事な問題ではないかなというふうに思っております。 いずれにいたしましても、今後企画委員会の中でさまざまな論議をいただくわけでございますけれども、私といたしましては、現在運輸省の社会資本の整備、公共事業の六千七百二十億というこの枠をどう国民の皆さん方によりよく理解されるようなめり張りのきいた配分を行って、今申し上げましたような国際化、そして経済構造改革、こういった分野に寄与していくかということを中心に当面考えていくということが私に課せられた使命だと、そういう認識でいることを御理解いただきたいというふうに思います。
○野沢太三君 期待をいたしておりますので、ひとつ蛮勇を振るっていただきたい。同じ建物の中には建設省も同居をしていらっしゃるわけですから、上下ちょっと声をかければすぐできそうな感じがするわけですけれども、なかなか壁が厚いというふうに思います。これは何としても政治の力で、トップダウンでやらない限り進まないだろうと思います。 そこで、財政再建という見地から見ますると、中央省庁なりあるいはお役所の前面の皆様だけ見ていてはいけないんでございまして、やはりそれを取り巻いております特殊法人等の見直しもこの際やるべきであるということで、既に我が党の方も特別委員会をつくってやっておるわけでございます。 現在、特殊法人、認可法人と称するものが全体で百七十六あるというふうに言われております。このうち、廃止、統合、民営化ができるものはどれか。また政府関係の金融機関がたくさんありますが、これを何とかひとつまとめられないだろうか。その他、合理化なり簡素化をいたしまして財政支出を削減する、そういった取り組みが必要になろうかと思います。 運輸省所管の特殊法人の数というものはどんな形になっておりますでしょうか。分野別にちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府委員(土井勝二君) 運輸省所管の特殊法人でございますが、運輸省が専管しておりますものが十六法人でございます。うち特殊会社が、JR関係が七社、関西空港株式会社が一社ということで八法人ございます。それから、ほかの省庁と共管のものが五法人ということでございます。 それで、分野といたしましては、船舶海運関係で船舶整備公団がございます。それから鉄道関係では、日本鉄道建設公団それから帝都高速度交通営団、それからさらには日本国有鉄道清算事業団というものがございまして、それから先ほど申し上げました特殊会社としてJR関係が七社。それからもう一つ、鉄道関係で鉄道整備基金一社ということでございます。それから航空関係では、新東京国際空港公団、それから先ほど触れました関西国際空港株式会社というものでございます。そのほか、観光で国際観光振興会、それから船舶関係になりますが日本船舶振興会といったところが、ただいま申し上げました十六の特殊法人の中身でございます。
○野沢太三君 いずれもそれなりの必要があり、その時代の背景を受けて設立されたと思いますが、時間がたち年月がたちますとそもそもの使命はもう果たしたとか、あるいはもう時代とともに実態がずれてきた、そういうことで廃止、統合、民営化ができるのではないかと今見直しをやっておるわけです。 この中で、民営化あるいは廃止、あるいは統合というのもございますが、これについて方向が決まっているものはどういうものがございましょうか。
○政府委員(土井勝二君) ただいまのお尋ねの運輸省所管の特殊法人の廃止、統合、民営化等でございますが、方向が決まっているものといたしましては、平成七年の閣議決定、特殊法人の整理合理化に基づきまして、今般、今国会に提出をさせていただいております鉄道整備基金と船舶整備公団を統合するもの、運輸関係施設の整備事業団でございますが、それが一つ。それからまた、帝都高速度交通営団の民営化、あるいは北海道旅客鉄道株式会社等JR七社の純民間会社化等についても、ただいまの閣議決定のラインに基づきまして着実に推進していくということでございます。 なお、国鉄清算事業団につきましては、平成十年度より国鉄長期債務等の本格的処理を実施した上で、速やかに事業団を整理する方向で事業団の組織、定員の合理化を進めていくということでございます。
○野沢太三君 JRグループにつきましては後ほどまた時間があれば触れたいと思いますが、清算事業団債務の処理もあわせまして、できるだけ早く株式の売却を図り完全民営化を進めるということも言われておるわけでございますので、そのための環境整備についてできるだけひとつ整えてやる必要があるのではないかと思うわけでございます。 また、帝都高速度交通営団については、株式を政府が一部保有しておるということでございますが、これなども、あれだけの立派な運営をしているならば民営化を進めれば相当な株式売却収入も国にもたらされる、またサービスもそこで改善されるのではないか。将来の地下鉄の延伸等の仕事もございますけれども、これらについても可及的速やかに環境整備を進めるべきと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(古賀誠君) 先生、運輸行政、もう大変長い間御指導いただいております。特殊法人の今日までの設立の背景、また果たしてきた役割等、十分御承知だと思っております。 今、具体的に二、三の固有名詞を挙げてお尋ねいただいております。例えば国鉄清算事業団、この問題等につきましても、今お触れいただきましたように、長期債務の本格処理を平成九年じゅうに成案を得て十年から本格的に処理に入っていくわけでございます。そういった中にありまして、人員の問題、組織のあり方等を含めて、可能な限り早期に期待にこたえていただけるようなスケジュールで手順を踏んでいかなきゃいかぬと思っております。 また同時に、帝都高速度交通営団につきましても、今建設中であります七号線、十一号線、こういった完成をめどといたしまして廃止の方向を実は出させていただいているところでございまして、いずれにいたしましても、その時代時代に必要であったこれらの特殊法人が、新しく変わっていく中で統合しそしてまた民間に移行していった方がいい、こういう分野というものは数多くまだまだこれからいろいろな社会や経済構造の変化の中で出てくるだろうと思っております。そういう中で、私たちは適切にそうした状況を踏まえながら対処していくということが極めて必要なことではないかなと、こんなふうに思っているわけでございます。
○野沢太三君 この特殊法人の整理は、何といいましても仕事がどうなっているかということをまず整理することが第一でありますが、あわせまして、そこで働く皆さんの雇用をどう保障するかということが成否を分ける大きな課題だろうと思うわけでございます。その意味で、ぜひひとつ省の立場から、そういった安心しながらやれるんだという見通しをつけていただきたい、かように考える次第でありまして御要望を申し上げておきます。 続きまして、規制緩和の問題に移りたいと思います。 公的規制を緩和するというのは、もう古くして新しい課題ではございますが、今回、特にこれが地方分権、行革と並びまして大変大事な事柄になってきておるわけでございます。規制緩和によりまして国民生活の質が向上する、これが期待できるわけでありますね。サービスがよくなったりあるいは内外価格差がそれで解消したり、またさらには市場原理によりまして産業構造自身が転換されていくという、いわば官主導型から民の自立型の経済構造へという期待ができるわけであります。また、国際的な商取引の中での摩擦をこれによって解消していくこともできる。さらには、国民負担をこれで軽減いたしまして、行政の簡素化とか透明化が図られるとすれば大変結構な話でございますけれども、一面ではまた生活路線に問題が出てくる、あるいは弱者が切り捨てられる、こういったマイナスといいましょうか懸念もあるわけでございます。 しかしながら、この運輸行政という点で絞ってみた場合には、これまでどうも大変規制が多い、一番多いというような時期もあったやに伺っておりますけれども、もうおととしになりましたが、平成七年三月三十一日の閣議決定で、これだけはやるぞということでたくさん決めておりますけれども、今日までどのくらいこれが解消、実現されたか、これについてちょっとお述べいただきたいと思います。
○政府委員(西村泰彦君) ただいまお尋ねの平成七年三月に閣議決定されました規制緩和推進計画の関係でございますが、この計画におきまして私ども運輸省の規制緩和事項は、政府全体が千九十一ございまして、運輸省といたしましてはその中で二百十九を盛り込んだわけでございます。七年度中にこの二百十九のうち、国内航空の福運賃制の導入でございますとかあるいは乗り合いタクシーの推進、こういったような事項につきましてはぼ百五十五事項を措置した、こういうことになっております。 それから、この計画が平成八年三月に改定されたわけでございます。その改定の際には八十六事項を追加いたしまして運輸省関係の規制緩和事項が三百五事項、こういうことになったわけでございます。このうち、一部措置済みのものを含めまして平成八年度末までに措置いたしましたもの、これはトラックの営業区域の拡大でございますとかあるいは貨物鉄道運賃の上限価格制の導入、こういったようなものを含みまして二百六十四事項措置してまいった、こういうことになっております。計画全体で八七%達成できた、こういうことでございます。
○野沢太三君 大変努力をしておられるんですね。そういう努力が国民の皆様にどれだけわかっているか、この辺がやはり私十分ではないだろうと思います。 さらにさかのぼって、たしか昭和六十年くらいから取り組んだと覚えておりますが、今日まで全体でどのくらいの件数が減ったのか、これをもう一度重ねてひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(西村泰彦君) お尋ねの許認可件数の総数でございますが、昭和六十年十二月末現在という数字で二千十七件ございます。これが平成四年三月末で千九百六十六件ということでございまして、この時点では実は御指摘のとおり全省庁で一番多い許認可件数があったわけでございます。 運輸省といたしまして、国民負担の軽減でございますとかあるいは市場原理の活用というような観点もございまして積極的に規制緩和を進めたい、そのため許認可件数も減らしていきたいというようなことで取り組んでまいりまして、平成五年四月に、運輸省内に事務次官を本部長といたしまして各局長が構成員となっております許認可事務等改革推進本部、こういうものを設けまして取り組んでまいりました。 その結果、平成八年三月末の時点で許認可件数が千五百七十三件ということで、先ほどお話し申し上げました平成四年三月末の千九百六十六件、これに比べまして千五百七十三件でございますのでおおむね二〇%削減してきた、こういうことでございます。この間、政府全体も削減に取り組んでまいったわけでございますが、政府全体はほぼ微減、横ばい、こういったような状況でございますので、運輸省につきましては政府全体の平均を大きく上回る削減を果たした、こういうことでございます。
○野沢太三君 そういう実績を一つのやはり力にいたしまして、これからも引き続き努力をしていただきたいと思います。 経済規制は原則自由例外規制のいわゆる社会的規制、安全関係についてはこれはしっかりやるんだということではございますけれども、今回運輸省で決断をされましたさまざまな項目を見ますと、この社会的規制あるいは安全規制まで踏み込んで努力をしていただいておりますが、この辺についていかがでしょうか。例えば鉄道関係につきましては、随分今回合理化しておいででございますが、この点についての見直しはいかがでございましょうか。
○政府委員(梅崎壽君) 鉄道の技術関係の規制緩和でございますけれども、鉄道事業者等関係者の方々も入っていただきまして、平成四年から規制緩和のための研究会みたいなものを設置いたしております。そこで出てまいりました事業者の方々からの要望につきまして、これは数百件ございますけれども、これを一件一件つぶしてまいりまして、そのうち結論が出ましたものにつきまして、平成八年度に講ずべき措置といたしまして、先般省令につきまして決裁をとり、あるいは関係の通達を出すということで相当数の改善を図ることにいたしております。 さらに、今後ともこの研究会の場を活用いたしまして関係者の調整を図りながら、また、安全問題にかかわりますので例えばいろんな試みをして安全性を確認しながら、安全上問題がないという確認がとれたものにつきましては規制緩和を進めていくということで、引き続きこの問題に対処していきたいと考えております。
○野沢太三君 安全関係については、これまた一律に考えると問題があるわけでありまして、大手私鉄とかあるいはJRのように任せておいても大丈夫ということはあっても、第三セクター等になりますととてもこれは危なくて見ていられない。この辺をどう歯どめをかけるかという課題があろうかと思いますが、いずれにしても、規制関係あるいは許認可問題については、ある程度時限立法的に五年とか十年たったらすべて見直すんだ、こういうことでやりませんとどうしてもこれは古くなりあかがたまってむだが出る。正直なところ、よくここまで細かく決めたものだなというのを今になってみれば思うわけでございまして、さらなるひとつ御努力をお願いする次第でございます。 次に移りますが、もう一つの課題である地方分権の問題がございます。規制緩和と並びましてこれは大事な課題でございますけれども、運輸省の仕事を拝見いたしますと、そのまま地方に任せればいいというわけになかなかいかないものも多いかと思いますが、バス、タクシーあるいは内航海運その他含めて地方でも十分事務処理ができるものもあろうかと思いますが、運輸省におきます地方分権関係の取り組みはいかがなものになっておりますでしょうか。
○政府委員(相原力君) 地方分権の問題も御指摘のように行財政改革の中の大きな課題でございます。地方分権につきましては、御案内のように地方分権推進法ができまして、これに基づきまして地方分権推進委員会において現在議論が進められているところでございます。昨年末に第一次の勧告が出されまして、ことしの前半には第二次の勧告が出される予定になっているところでございます。 運輸省といたしましては、従来から地方公共団体と連携いたしまして、地域の実情に対応した運輸行政を行うように努力してきているところでございますけれども、地方分権推進委員会の勧告などを踏まえまして引き続き適切に対処してまいる所存でございます。 なお、運輸省関係で昨年十二月の第一次勧告で触れておりますのは、港湾と地域交通、バスの関係でございます。港湾につきましては、臨港地区の設定手続などにつきましてより地域の自主性にゆだねるなどの改善について触れているところでございます。また、地域交通につきましては、地方公共団体が過疎地などにおきましてバス輸送を行う場合が多いわけでございますが、これまで以上に自主的に取り組むことができるような規制緩和を行うということでございまして、いずれも適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 大事な課題でございます。これは先ほどの規制緩和と裏腹になっている問題が大分ございますから、それとあわせまして取り組みを強化していただきたいと思うわけであります。 そこで、これからの運輸省のあり方という点で考えましたときに、外国では随分思い切ったことをもうやっているわけですね。例えば、ニュージーランドあたりでは、小さなお国ですけれども、財政が行き詰まった中で何としても小さな政府をつくり上げてそれを脱却しようということで努力をしておるわけでございますが、この辺の行革の実態、運輸関係行革の実態についてお調べになっていると思いますが、聞くところによれば六千人が五十人以下と、こういうような極端な数字も出ておるわけでございますが、これについてひとつわかっている範囲でお願いしたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 御答弁申し上げます前に、先ほど先生の特殊法人に関しての御質問の中で、私の方で帝都高遠度交通営団の問題について、今建設中であります七号線、十一号線の完成をめどに廃止というような言葉を使ったかと思いますが、これは間違いでございまして、特殊会社化という閣議決定の線に沿って行わせていただきたい、こう思っておりますので訂正をさせていただきたいと思っております。 それから、ニュージーランドの問題でございますけれども、先生今触れられましたけれども、御承知のとおり非常に人口だとか経済規模が日本とは違い過ぎております。また、それぞれの行政の組織というのも大きな違いがございまして、一概に私はニュージーランドの例が日本のこうした構造的な規制緩和等に、また行政改革に当てはまるというふうには思っておりません。私なりにニュージーランドの行政改革のあり方というものを見てみましたけれども、正直言って余り参考にはならないのではないかなと、率直に言ってそんな感じを受けました。しかしながら、これだけ大胆に、そしてまた短期間に実行できたという点については学ぶものがあるのかなと、率直に言ってそんな感じを受けているところでございます。
○野沢太三君 確かに大変トラスチックでありますし、特別な場所と思いますけれども、与党、野党の違いを乗り越えて、それによって政権を失ってまでもやる、出てきた反対党がまた同じことをやる、これはもう我々議会人にとっても極めて心すべきことと思っておるわけです。 その中でもう一つさかのぼってみれば、イギリスが一九七〇年前後から取り組んでまいりましたいわゆる外庁化政策、エージェンシー化というものは、これは日本でも相当これを参考にできるのではないか。一九七九年にサッチャーが首相になったときに、私ならやれると、こう言ってのけたそうでありますが、その結果着々と今エージェンシー化が進みまして、イギリスの行政というものは大変スリムになってきた。外に出て民営に近い仕事をやる、そのためにサービスそのものも責任を持ってやるという形で大変よくなったというふうに言われておるわけでございますが、この点についての御感想なり考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(土井勝二君) 御指摘の英国型のエージェンシーでございますが、これにつきましては、現在政府の中の行政改革会議におきましても調査をしているというふうに聞いております。 具体的なその調査結果について、私どもまだ正確に知らされてはおりません。恐らくエージェンシーの中に、日本の例で申しますと、いわゆる外局的な、海上保安庁であるとか気象庁であるとか、そういう外局的な機関もある可能性がありますし、それから日本で言うと先ほど来の特殊法人に似たものもあるのではないかと。分野ごとに機能あるいは業務、職務に合わせてある程度バリエーションのある政府本体の外の機関というものが工夫されていると思います。 当然、先ほど申し上げましたように、行政改革会議におきましても、調査結果を参考にしながら、今後日本における行政改革あるいは省庁の再編等に参考にしていかれるというふうに考えられます。 運輸省といたしましても、行政改革会議におけるそういう調査、検討を踏まえた政府全体のこれから出てくる行政改革の方針に従いまして、運輸省自身も真剣に中で議論をし、あるいはこういう関係の会議とも議論をして適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
○野沢太三君 今後の行革推進のために大変これは参考になる事例と思いますので、引き続きの調査、研究をよろしくお願い申し上げたいと思います。 なお、たくさん質問等は準備いたしましたが、いずれ法案審議の過程の中で再度お願いするといたしまして、私の質問はここで一応終了させていただきます。
○戸田邦司君 平成会の戸田でございます。平成会を代表して、幾つかの問題について質問させていただきたいと思います。 まず最初に、本日羽田沖合展開C滑走路の供用開始の祝典があったということで、運輸大臣御出席になられたそうですが、大変おめでとうございます。 先ほど自民党の野沢委員から予算関係についてのいろいろ御議論が出ておりました。私は、来年度の予算ではなくて、再来年度の予算についての御議論だったと理解しております。 そもそも予算というのは、憲法にも書いてありますように、内閣が予算案を作成して国会に提出するというようなことに相なると思いますが、実態は政府と与党が一体になって作成するというようなことであろうかと思います。 本日、この委員会に御出席の与党の先生方、それに運輸大臣、運輸省、皆さん大変力のある方々でありますから、先はどのような問題についてはまたいろいろ御検討いただいて案をつくられるかと思いますが、私はかねがね、個人的な考え方でありますが、次年度の予算については、各省の予算要求を大蔵省に提出するその前に与野党それから政府も入って議論があってしかるべきではないかと思います。 といいますのは、やはり大蔵省に予算要求を提出する八月末、九月の最初ですか、そういうような予算案ができ上がるということになりますと、これまでの慣習を考えれば、これを大幅に変えるなどということは到底不可能でありますし、また若干の修正もできない。そういうようなことでありますから、予算要求の原則についてやはり国会で議論があって、そういうような議論に基づいて政府・与党が予算要求を提出していく、そういうことがあってしかるべきではないかと思っております。私は、機会あるごとにそういうことを皆さんにも訴え、また委員長にもお話しし、そういうことで法案審議が終わったところで一度ぜひそういう機会をつくっていただきたいと思っております。 本日私がまた登板しましたのは、先日来ナホトカ号関係の問題について多々議論がありまして、この議論について最終的結論めいたものを出して、この辺でこの議論は一応決着といいますか終わっておきたい、そういうようなことでまずナホトカ関係の問題について議論させていただきたいと思います。 最初の問題ですが、ちょっと外務省に確認しておきたい点がございます。ナホトカ号は皆さんも御存じのとおりロシア船籍の船でありますが、先日お伺いしたところによりますと、ロシアは現在海洋法条約上は非締約国であるというようなことでありました。これがもし締約国の船舶であったとしたら、これが公海上でそういうような事故を起こした場合に、この船舶について我が国はどういうような措置をとる権限を有するか。 それからもう一つ。油による汚染を伴う事故の場合の公海上の措置に関する国際条約、これは措置条約と言われているのか公法条約と呼ばれているのか、そういう略称で呼ばれていると思いますが、そういうことに照らして考えますと、そういう船舶について我が国がどのような権限を有するかという点について、外務省から御説明いただきたいと思います。
○説明員(古屋昭彦君) ただいまの御指摘の点についてお答えさせていただきます。 まず、海洋法条約の関係でございますが、海洋法条約におきましては、沿岸国が自国の排他的経済水域において海洋環境の保護及び保全といったものに関しまして同条約の関連する規定に基づく管轄権を有するということを第五十六条で規定しております。この条約には、沿岸国が同水域において事故などにより船舶から流出した油の防除に関し管轄権を有するとする根拠となる規定は特に見出しがたい、かようになっております。 それから次に、先生の御指摘の公海条約、公法条約でございますが、これは正式には油汚染事故の場合の公海上の措置条約というものでございますが、この条約におきましては、船舶の海難等がもたらす油濁により生じる沿岸国の利益に対する重大かつ急迫した危険というものがあった場合ですが、そういう危険を防止または除去するために沿岸国は公海上において必要な措置をとることができる、かように定めております。
○戸田邦司君 そこで、一九七〇年代の前半だったと思いますが、LPGとナフサを積んだ船舶の第十雄洋丸、これが東京湾内で衝突事故を起こし火災が発生して手がつかない状態になったということがあります。この事故の概要についてひとつ海上保安庁次長の方から御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(大森寿明君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘の事故でございますけれども、昭和四十九年の十一月九日午後一時半ごろ、御指摘のように東京湾の浦賀水道中の瀬航路というところで発生いたしました事故でございます。一方がLPGタンカーの第十雄洋丸、もう一方が貨物船パシフィック・アリス号でございます。それで、この第十雄洋丸の方がナフサを積んでおりまして、ナフサはガソリンよりも揮発性の高い油でございますが、この積み荷が発火いたしまして両船とも炎上ということになったわけでございます。 それで、海上保安庁では、事故発生後直ちに消防船などによりまして消火活動を実施をいたしましたけれども、残念ながら、第十雄洋丸乗組員三十八名でございますけれども、このうち五名が死亡、もう一方のパシフィック・アリス号、これは二十九名の乗組員でございますが、二十八名が死亡という大変残念な事故になったわけでございます。 それで、その後面船は炎上を続けながら陸岸に接近をしてきたということでございますので、非常に危険な作業であったわけでございますけれども、これを安全な海域に曳航しようということでトライしまして、パシフィック・アリス号につきましては、事故の起きた九日の夜でございますけれども川崎沖に投錨させることができ、十日にはほぼ火が消えたということでございます。 残念ながら、一方の第十雄洋丸につきましては、小さな爆発を繰り返しながら炎上を続けていたわけでございまして、事故発生後二十日たった十一月二十八日でございますけれども、房総半島沖まで持っていきまして、自衛隊の艦船、航空機により沈没処分をしたということでございます。 以上が概要でございます。
○戸田邦司君 どうしてこういう古い事例を持ち出して御説明いただいたかと申し上げますと、第十雄洋丸の場合には日本船であり、しかも領海内であったというようなことで、その船舶に対する措置というのは全く我が国の主権に基づいて行うことができたというようなことだろうと思いますが、外国船が例えば公海上で事故を起こして、外国のLPG船あるいはLNG船そういったものが事故を起こして、今回のナホトカも公海上だったわけですが、そういうような地域で事故を起こして風によって我が国に流されてくる、こういうものに対しては、国際的な条約上我が国は一体どのような権限を行使できるかという点について外務省から御説明いただきたいと思います。
○説明員(古屋昭彦君) 御指摘の質問が、仮にLPGのタンカーとかLNGのタンカーということでございますと、先ほど私が御説明しましたのはあくまでも油による汚染事故の公海上の措置条約でございますから対象外だということであって、したがって、こういうタンカーのケースを取り決めるというか規制する条約というものは今のところございません。
○戸田邦司君 なぜこの事例を私が持ち出したかと申し上げますと、私は昨年の海洋法条約のときにも外務省にお伝えしておりますが、油以外の物質による汚染を伴う事故の場合の公海上の措置に関する国際議定書というのがありまして、これが我が国において長いことたなざらしになっているといいますか批准されていない。前にもこの委員会でも申し上げたかと思います。大変しつこい話で申しわけありませんが、今我が国にLNGを運んできているタンカーのかなりの部分は外国船ということになっております。そういう船舶が事故を起こして、風に寄せられて我が沿岸に近づいてくる、公海上で何の手当てもできないというようなことは非常に憂うべき事態ではないか。 先日、外務省の方にもお話し申し上げましたところ、そのときは放射性物質の関係の話をしておられまして、放射性物質については今のところそういう心配はないと思われるので緊急性はないと考えておりますというお答えをいただいておりますが、現在こういうようなガスタンカーあるいは危険物のキャリア、そういったものが非常に多く我が国にも物を輸送してきている。この議定書をほったらかしにしておいていいのかなということが私の心配事であります。 法制上の整理で、放射性物質に関してこれは昔から非常に難しいところがあるようですね。難しさは私も重々承知しているつもりであります。海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律では放射性物質はカバーしていない。放射性物質に関する限りは科技庁が主管している炉規制法によるしかない。しかし、炉規制法の規制の仕方というものがこういうような規制になじまないというような議論が長いこと続けられてきたということは承知しております。しかし、一たん事が起こると大変重要な問題でありますので、これはひとつその辺の行きがかりというようなものを捨てて取り組んでいただきたい、切にお願いする次第であります。 こういうような条約の批准につきましては必ず国内的な措置が必要ですから、この調整を外務省だけでやるというのもなかなか難しいことであろうかと思いますが、運輸省、科技庁にまたがる問題としてひとつ御認識いただきたいと思います。 さて油濁損害の問題ですが、油濁損害につきましては、一般的には原因者が船主であるか運航者であるか、あるいは場合によっては荷主まで引っ張り出せば大体その原因者はきちっととらえられるし、それに補償システムもしっかりしているというようなことで、油濁の防除については今までの考え方は大体その原因者が費用負担する、あるいは保険からのそういうような補償を当てにして防除対応をする、その体制が非常に民間ベースに偏り過ぎていはしないかという心配があります。 ただ、今回の事故でもわかりましたように、相当の油濁災害が起きますとこれは被害が甚大なものになるというようなこともあります。そういうことで、やはり最終的には国が相当の対応をできるような仕組みをつくらないといけないということになると思いますが、この点についてはどのようにお考えになっておられるか、お願いします。
○政府委員(相原力君) 御指摘のとおり、今回のナホトカ号事件のように、一たび大規模な油流出事故が発生した場合には沿岸住民などに甚大な被害が発生するおそれが非常に高いわけでございます。これに国としても迅速そして適切に対応することが必要であるわけでございまして、これは従来から海上保安庁を中心にしてこういうことで国としても対応をするということで、そういう体制ができているわけでございますが、今回の事態を教訓といたしましてより迅速かつ適切な対応をする必要性から、関係閣僚会議のもとに現在関係省庁で構成いたしますプロジェクトチームを設置いたしまして、このような問題について検討しているところでございます。 具体的に申し上げますと、まずは情報収集あるいは通報連絡体制を充実強化する必要があるだろう、それから関係機関における即応体制の充実強化が必要であろう、また迅速かつ総合的な油防除実施体制の充実強化が必要であろう、こういうような観点につきまして、現在関係省庁から成るプロジェクトチームで具体的な検討を進めているところでございます。なるべく早急に結論を得るよう努力してまいりたいというふうに思っております。
○戸田邦司君 大々的に検討を始めておられるということで、先日も大臣からもそういうようなお話をいただいておりますが、関連で二、三確認しておきたいことがあります。 OPRC条約は、実は我が国が批准しましたのは国際的に発効してから五カ月を経過していたというようなことになります。この条約に基づいて、我が国についてこの条約が発効する前に国家的な緊急時計画というのを閣議決定しておりますが、この条約の批准がおくれたのはどういう理由だったんでしょうか。
○説明員(古屋昭彦君) OPRC条約の締結がおくれたのはなぜかという御指摘でございますが、私どもとしては、日本というのが文字どおり世界有数のタンカーの保有国でありまして、かつ石油の輸入国であるという観点から、こういった油汚染事件に対応するための国際協力を推進することは極めて重要であると常々考えておりまして、このような立場から一九九五年十月にOPRC条約を締結した次第でございます。 おくれていたがという御質問ですが、本条約の実施を確実に担保するための国内措置の整備、その一つに御指摘の汚染事件への準備対応のための国家的な緊急戦略というようなものの策定も含まれるわけでございますが、そういった国内措置の整備に時間を要したということでございます。
○戸田邦司君 大変重要な条約でありながら国内対応がおくれたということで、やはりこれも事が起こると相当大きな影響があるというようなことではなかったかと思いますが、こういったことについてはやはり優先順位を考えて、外務省は優先順位を考えてやっている、こう言っておられますが、重要なもののとじ落ちのないような体制をひとつつくっていただけないかと思います。 条約を批准するための国会承認を得るための作業というのは実に膨大で、あそこにいるとみんな一年間タコ部屋になっている、そういうような状況だというのもよく知っているつもりですが、人員を増員するなり、もう少しその辺の負担も考えて外務省の対応を何とかしてほしいと私は思っております。 そこで、OPRC条約が我が国について発効してから、海上保安庁あるいは海上災害防止センターでどのように体制が変わったかという点についてお伺いしたいと思います。 外務省の方、もう結構です。
○政府委員(大森寿明君) お答え申し上げます。 ただいまお話しのように、OPRC条約の締結、我が国は七年の十月にやったわけでございますが、その二カ月後に国家的な緊急時計画というものを閣議決定されたわけでございます。それを踏まえて、まず海上保安庁がどんなことをやったかということでございますが、平成八年の二月でございますが、油処理剤を空中からまく装置、空中散布装置と言っておりますけれども、これの整備拡充をまずいたしました。三月には海上保安庁の情報通信連絡網のバックアップ体制、一つの回線が切れた場合に次の回線で支える、そういうバックアップ体制の充実を図ったところでございます。 以上が七年度のうちでございますが、八年度としましては、八年の八月に排出油の防除計画、これ従来東京湾等六海域だけだったわけでございますけれども、全国をカバーするということで十六海域にしたわけでございますが、従来からやっていた六海域についても改定し、充実を図り、新しく加わった十海域についても新しく排出油防除計画をつくるということをやったわけでございます。さらに、全国で百回以上の官と民合わせての、いわゆる合同での流出油防除訓練を実施したということでございます。 一方、海上災害防止センターでございますけれども、七年度末の八年三月でございますけれども、ここは実際に油を使用して回収装置の操作などを可能とする訓練水槽、あるいは漂着油の回収、清掃実施用のための模擬の海岸プールなどを有する流出油の防除訓練施設というのをつくっていたわけでありますが、これを完成させまして実際の訓練に供用させたということでございます。 八年度に至りましては、高粘度の油、ねばねばしている油ですね、この高粘度油に対応する油処理剤の開発を行ったということでございます。それから、一般的な資機材でございますけれども、オイルフェンス、油回収装置、油の貯蔵タンクといったようなものの整備を順次行ってきているところでございます。 以上でございます。
○戸田邦司君 この条約発効前と発効後でかなり大きな違いがあるというようなことは十分理解できるところでありますが、そもそもOPRC条約というのはエクソン・バルディーズが事故を起こした、あれがきっかけになったと思います。 余談になりますが、私はあの事故が起こったときにロンドンのIMOの海上安全委員会に出席していまして、アメリカ代表の同僚が血相を変えて飛んできまして、昼飯を一緒にした後だったと思いますが、これからもうちょっと帰らないとならないと言っているから、どうしたんだと言ったら、アラスカで油流出事故が起こって現地の司令官に命ぜられた。それから彼は数カ月自分のうちに帰れなかったというようなことでありますが、それをきっかけにアメリカでも油防除体制というのを相当真剣に考えてきたようです。 その辺については、海上保安庁はどういうふうに評価しておられますか。
○政府委員(大森寿明君) お答え申し上げます。 ただいまの御指摘のエクソン・バルディーズ号事故でございますが、これは平成元年の三月、アメリカのアラスカ州にありますアラスカ湾というところで起きた事故でございます。この事故を契機としまして、アメリカでは国際条約を上回る厳しい規制を内容とする油濁防止法を制定するということをやっております。あわせて、国あるいは地域さらには民間レベルにおいて、それぞれ油防除に関する緊急防災計画を策定し、防除体制を強化するということが義務づけられたというふうに承知しております。 それで、米国における海上保安庁のカウンターパートであります沿岸警備隊、コーストガードと言っておりますけれどもこの沿岸警備隊におきましては、今申し上げた国、地域、民間レベルのうちの国レベルの対応の一つとしまして、詳細な油汚染防止計画の策定、それから十分な資機材の配備、さらには訓練を受けた専門職員の配置といったようなことを行っているということでございます。こういったものが海上保安庁の防除体制の今後の検討に大いに参考になるというふうに考えております。 それで、先ほど相原局長の方からもお話がございましたけれども、いろんな検討をしていく中で、このアメリカの対策というものを参考にしながら取り入れることができるものについては取り入れていきたいというふうに考えているところでございます。
○戸田邦司君 客観的に考えますと、アメリカはあれだけの事故があったということで相当真剣に取り組んだ結果だろうと思いますが、やはり相当すぐれた組織をつくっている。USコーストガード自体が軍隊の一つでありますから、そういうような機動力という点でも若干違うかと思いますが、いずれにしましても海上保安庁としても相当真剣に考えていただかないとならない。 それから、それに関しては、海上保安庁の今までの予算の枠というようなことを考えると非常に難しいかと思います。その辺はひとつ大臣に考えていただかないとならないか、あるいは与党の皆さんに、相当腕力のある先生方もおられますからひとつバックアップしていただくのかもしれません。 また、海上災害防止センターですね、これはもうせっかくの組織で、それで機動力を持たせると相当のことができる、そういう仕組みになっているはずなんですが、現状を考えますとやはり人的な面あるいは機材などの面で、これは民間との提携とかそういったことも考えておられるということですが、その辺も含めて考えますとまだまだなのかなという感じを持っております。その辺についてはどういうふうにお考えになっているか。
○政府委員(大森寿明君) お答え申し上げます。 海上災害防止センターでございますが、先ほどお話し申し上げました昭和四十九年に起きた第十雄洋丸事件、それから五十一年に起きました水島の三菱石油の事故、そういったものを踏まえまして昭和五十一年に設立された組織でございます。それ以来、海上防災措置の実施に関するいわゆる民間の中核機関として排出油の防除等の防災措置に当たってきたわけでございます。 今回のナホトカ号の油流出事故におきましても、船舶所有者からの委託を受けまして、国あるいは自治体、それから関係業界と連携、協力しながら、その所有する資機材を活用しながら全力を挙げて取り組んできたところでございますが、残念ながら、結果として流出油が沿岸に漂着をしてしまいまして被害が拡大してきたということは事実でございます。これを見ますと、やはり海上災害防止センターとして十分に機能できたのかということについては冷静に反省をせざるを得ないのかなというところでございます。 したがいまして、本件事故を教訓といたしまして、今後、海上災害防止センターが連携して防除措置をとることとなります国とか自治体あるいは関係業界とそれぞれの役割分担をにらみながら、海上災害防止センターとしてどういうふうな形で充実していけばいいのかというようなことについて検討を加えていく必要があるのかなというふうに考えているところでございます。
○戸田邦司君 弱い者いじめで質問しているみたいでだんだん申しわけないんですが、先日の事故の経緯その他を見ていますと、例えば太平洋側であったらもっと対応がよかったんじゃないか、これは一般的にはそう言えると私も思います。ただ、例えば湾内とかそういうようなところではなくて外洋で何万キロリッターというような流出事故が起こったとしたら、これはもう対応が非常に難しいんじゃないかと思っております。 そういったことを考えると、今の体制というのはもっともっと拡充していかなければならないというようなことだろうと思います。財政的にも非常に苦しいときですから、国だけがどうこうするというわけにはいかないかと思いますが、先ほど相原局長からも御説明ありましたように、いろいろな点について御検討をいただいている。 例えば機材の技術開発とか、あるいは調達、整備、現場への輸送、人員の動員、指揮命令系統、そういった全体をシステム的に、これは一種のシステムエンジニアリングの分野だと思います。こういう話をすると共産党の筆坂先生に怒られるかもしれませんが、これは戦争をやる場合の作戦を立てるのと全く同じ手法ではないかと思うんです。我が国は余り得意な分野ではないかと思いますが、ひとつそういう点まで含めて御検討をいただきたいと思います。結論が出ましたら、ぜひ来年度予算にそういう点も盛り込んでいただくというようなことを大臣も十分考えてやっていただきたいと思いますが、大臣のひとつ御決意をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) ナホトカ号の重油流出事故によって多くの問題点、また反省させられる点、教訓として生かしていかなければいけない点、いろんな問題点の検証、そして改善について今先生からも大変専門的な御指摘をいただいたところでございます、 総括的に先生の方でこのナホトカの事故をきょう御審議していただくというようなことで、改めて私なりに何をどう改善していかなければいけないのか、整理をしていかなければいけない時期に来ているなというふうに思っております。これにつきましては、ただいまもお話し申し上げておりますように、運輸技術審議会の方で総合的な検討委員会をつくらせていただきまして、今油の防除体制のあり方、それに伴う整備、こういった点についでできるだけ早く結論を出していただきたい。それも六月をめどに結論を出していただいて、そして、十年度の概算要求には間に合わせたいという実は考えがあるからできるだけ早く出させていただきたいということをお願いしておるわけでございます。 先生御指摘のように大変厳しい財政状況の中でありますけれども、今回の事故で、本当に私も自分の非力を省みると同時に、体制のあり方、またそれに伴う整備の不備、そして関係省庁との連携、もう本当に反省させられることが多かったと思っております。ただ、そういう整備に金をかけてやっていくというだけが私は今回の反省点だとは決して思っておりません。今もおっしゃっていただいているように、それぞれの省庁でどういう連携ができ、そしてまたどういう即応態勢を行っていかなければいけないかということも大事な分野でありますけれども、それはそれとしても、可能な整備というものの必要性というのも私は教訓として得たと思っております。 そうしたものを十分御審議いただく審議会の結論を踏まえながら、十年度の予算にどう反映していくのか。与党の先生はもちろんですけれども、与野党を通じて先生方の御支援を賜って一歩でも二歩でも大きく前進をさせたい、そういう気持ちでおります。
○戸田邦司君 古賀大臣の熱意あふれる御答弁で、私も心から感謝申し上げたいと思います。油関係はこれで私もひとつけりをつけたいと思います。 次に、せっかく鉄道局長においでいただいています。私の同僚の横尾委員が鉄道関係に非常に興味を持っています。前々から鉄道関係の事故について非常に心配しておられる。私などはぐうたらだから余り気づいていないのかもしれませんが、横尾先生は大変熱心でありまして、ちょっとこういうことについて知りておきたいというようなお話もありましたので、鉄道関係について二、三お伺いしておきたいと思います。 「のぞみ」の故障がサービスを始めてからずっと続いておりまして、私もあのころは運輸省におりましたので、当時の鉄道局長がしょっちゅう委員会に呼び出されて、「のぞみ」の故障について質問されておりました。そういうことを言うのは大変不遜でありますが、鉄道の質問があると我々のところに来る質問が少なくなる、これは厳然たる事実でありまして、当時の鉄道局長に「のぞみ」が長もちしていいですねなんて不遜なことというか、そういうことを言って怒られておりました。 「のぞみ」のような新型車を投入しますと必ずそういう初期故障というのが出てまいります。「のぞみ」に限らないわけでありますが、新型車を開発し投入してくるとそういったことがずっと続いてくるわけですが、現状はどのような状況になっておりますでしょうか。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま御指摘ございました、いわゆる三〇〇系と言っております「のぞみ」型の車両でございますが、平成四年の三月に東海道・山陽新幹線の最速列車として投入されたものでございます。 御指摘のとおり、営業開始当初の一時期、各部の調整不良などを原因といたしまして運転阻害が頻発したという状況でございました。これらの故障は、ただいま先生も御指摘ございましたとおり、新規開発車両にありがちな基本的には初期故障であろうと考えて、その後発生のたびにあるいは定期的な検査の際にこういったものの原因を究明し、解消に努めてきたわけでございます。 ただ、鉄道事故というのは一たん発生いたしますと被害が大変大きくなりますので、私ども運輸省は、当時直ちに事業者からその状況を聴取いたしますとともに、平成四年の五月以降、文書によりまして原因究明と対策を指示いたしました。状況は、先ほども述べましたとおり、発生の都度あるいは検査の都度この原因を究明いたしまして防止対策に努めてまいりまして、現在までに大きな故障は発生していないという状況でございます。私どもは、今後とも安全確保に努めるように事業者に十分指導してまいりたいと思います。
○戸田邦司君 ああいう新しい車両を、航空機の場合も同じようなことが言えるかと思いますが、もしこういう故障が発生したらそれをバックアップする体制があるか、あるいはある部分では起こっても大事に至らないとか、そういうようなことを設計者が考えるわけです。先日、「のぞみ」の床下の防音板のリベットがちぎれてカバーが落ちていたということがあったわけですが、基本的に考えると私はそういうような範疇のものであってほしい、こう思っておりますが、この事故の実態をどうとらえておられてどういうような対応をしておられるか、お願いしたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 「のぞみ」型の車両の床下の防音板、これのリベットの折損でございますが、二月の二十日にJR西日本におきまして「のぞみ」の定期検査中に発見されました。そこで、臨時の一斉点検を実施いたしましたところ他の車両でもリベットの折損が見受けられまして、同型の車両を持っておりますJR東海でも臨時の一斉点検を行いましたところやはり同様の折損が見られたという状況でございます。 そこで、このふぐあいそのものでございますが、直ちに列車の安全確保に直接影響を及ぼすようなものではないということでございますけれども、利用者の不安を解消いたしまして安全に対する信頼を確保するということから、私どももJRから事情を聴取いたしまして、JRに対しまして早急に原因を究明しまして対策を実施するように指導したところでございます。 現在、原因究明中でございますが、改良の設計対策ができるまでの間は、二週間ごとに行います定期検査で十分点検いたしまして、ふぐあい箇所は修理するということにしているところでございます。なお、もう少し時間かかりますけれども、近々この原因の究明を行いまして、対策内容が確定できれば順次この改良を実施していくということにしたいと考えております。
○戸田邦司君 ああいうような細かい故障というのか、ふぐあいというのか、そういうようなことがありますとやはり乗客は全体に欠陥がありはしないかという不安感があるかと思います。ですから、そういった点も考えてそういう心配のないようにしていかなければならないかと思います。 幸いにして新幹線は大事故というのはありませんですが、何年か前に信楽事故というのがありましたですね。人身事故になりました。あれで運輸省側は相当の勉強もし、それ相応の対応もしたというふうに私は理解しておりますが、そういった事故はもう起きないんだというようなことで理解してよろしいかどうか。どのような鉄道でも、もはやあの種の事故はない、再発防止はもう万全ですということになっているものと思いますが、その実施状況などについてちょっとお話しいただければと思います。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま先生御指摘のとおり、安全の確保というのは公共輸送機関の最大の使命といいますか原点でございますので、私ども、あの事故を教訓といたしまして、さらに安全が確保できるよう鉄道事業者に対する指導に全力を挙げていきたいという考えで、その後鋭意取り組んでいるところでございます。 あの事故との関係で直接申し上げますと、信楽鉄道の事故の主たる原因は、信号を無視するといったような安全確認に関する基本ルールを守っていなかったということがございます。こういうことに対しまして私ども、事業者に対しまして安全確認のための基本ルールの遵守につきまして改めて徹底いたしますとともに、特に中小民鉄におきましてはこのような問題がやはり重要な問題でございますので、事業者サイドに鉄道の技術の専門家を派遣いたしまして教育指導を行うための補助制度を平成四年度から創設いたしまして以降、この制度に基づきまして中小民鉄に対する教育指導を行っているところでございます。 今後とも、このような措置を講ずることによりまして、中小民鉄の安全確保のために力を尽くしてまいりたいと考えております。
○戸田邦司君 鉄道の場合も、やはり大企業と中小企業でその辺がなり格差があるかと思います。航空関係でも大会社と非常に小さいところと、いろんな経営形態がこれから出てくるかと思いますが、そういったものに合致した安全の規制の仕方というようなことについてはそれぞれのモードに適合したようなシステムを考えていただければと、こう思っております。 規制緩和についていろいろお伺いしようかと思っておりましたが、時間も参りましたので、一つだけタクシーについて。 タクシーは、最近ゾーン制の導入とか、いろいろ新聞紙上に報道されている。利用者の利便が相当上がるんじゃないか、こう言っておりますが、一方で中小企業などはなかなか苦しい、新規に入ってくると大変だなという話もあります。その辺について、ちょっと自動車交通局長からお話しいただきたいと思います。
○政府委員(荒谷俊昭君) タクシー運賃につきましては、この四月から幅一〇%の中であれば自由に運賃の設定ができるといういわばゾーン運賃制を私ども導入することにいたしております。さらに今後の問題として、運賃設定の自由度をより高めるといった観点から、上限価格制につきましても需給調整規制の廃止の検討とあわせて検討して遅くとも平成十三年度までに措置をするということにいたしております。 このように運賃設定の自由度を高めてまいりますと、経営の自由度が高まるというプラスの面と、一方で激しい運賃競争が起きてその結果として安全運転が行われなくなるとか、あるいは近距離客を運転手が嫌がるとか、そういった懸念もないわけではございません。そういったことで私ども、上限価格制の検討に当たりましては、利用者保護に支障が出ないような形でいろんな措置をあわせ講じていく必要があるというふうに考えてございまして、このあたり、今後運輸政策審議会で十分御審議をいただいた上で遺漏のない形で実施をしてまいりたいというふうに考えてございます。 それから、このような上限価格制の導入が経営にどういう影響が出てくるかということでございますけれども、基本的に今でも運賃の多重化が相当程度進んでおりまして、高い運賃を取っているところが経営的にいい成績を出しているかというと必ずしもそうではない、低い運賃でも立派に経営をしているところもございます。要は、限られた枠組み、条件のもとでどのような運賃を設定したら経営的にプラスになるかということは経営者のまさに経営判断ということで、一概にこれが経営にとって非常に厳しくなるのかということはなかなか申し上げにくいというところでございます。
○戸田邦司君 終わります。ありがとうございました。
○瀬谷英行君 限られた時間でございますのでなるべく端的に御質問したいと思っておりますが、まず基本的な問題として交通安全という立場から若干の質問をしたいと思います。 〔委員長退席、理事戸田邦司君着席〕 たまたま今、戸田議員から「のぞみ」の話が出ましたから私もちょっと振り返ってみたいと思っているんですが、「のぞみ」と「ひかり」でもって幾らも時間は違わない。違わないけれどもスピードは違う。ひとつ乗り比べてみようと、下りでは「のぞみ」に乗って、帰りには「ひかり」に乗ってみようということをやったことがあるんですよ。そのために乗ったわけじゃないんで、事のついでだったけれども。そして感じたことは、発車早々から揺れが違うんです、「のぞみ」の場合は。これはおかしいなと思った。ぼんやりして乗っているとわからないから、動き出してから弁当食べながら乗り心地を実験してみると、やっぱりちょっと違うんです。何が理由でどう違うのかということは技術屋じゃないからわからないけれども、違うなということだけはわかったんです。 これは、少しばかりのスピードアップのためにある程度の危険を冒すということは必要のないことだと思うんです。「のぞみ」と「ひかり」でもってどれだけ違うかというと、幾らも違いやしないんですね。だから、技術屋さんは時速何キロになった、三百キロでもって運転をすると、今山陽線でやっていますが、そういうことによって自己満足をするんだろうと思うんです。だけれども乗ってる方にしてみりゃ、この狭い日本ですからそんなに早く行ったって大して違いやしない、こう思っている。それより安全の方が必要だろう、こう思うんです。技術屋さんの功名心のために危険を冒すというようなことはやっちゃいけないことだと私は思います。だから、安全第一に考えてもらわなきゃいけない、一度ひっくり返ったりなんかしたらとんでもないことになるんですから、そういうことはやっちゃいけないと思います。 そこで、信楽鉄道の問題も出ましたが、私もあのときには現地調査に行ったんです。およそあり得べからざることだと思っています、ああいうことは。現地に行ってみると単線でもって正面衝突している。正面衝突なんというのは普通じゃ考えられないです。だけれども、現実に起こって多数の人が犠牲になっているんですよ。ああいう信号機に対するちょっとした思い違い、そんなことは当事者にしてみれば、ちょっとおくれたんじゃないか、回復しなきゃならないとか、そんな程度の考え方でもって、詳細はあの原因もう忘れましたけれども、そういう事故を起こしたことだけは事実なんです。多数の犠牲者を出したことも事実なんです。だから、やはりああいう事故は起こしちゃならないことだ、こういうふうに思わざるを得ません。 だから今後の問題として、三百キロで走れるからといって喜ぶ必要ないと思うんです。急ぐ人は飛行機に乗りゃいいんだから。昔の飛行機はせいぜい時速三百キロだったですね。地面を走るものが空を飛ぶものと競争しようなんて、こういうおこがましいことを考えない方がいいと思う。だから、やはり安全ということを考えるならば、時速何百キロ出したからといって喜ぶ必要はないんです。まず乗り心地をよくして、安全に走ってもらうということが私は大事だと思います。 〔理事戸田邦司君退席、委員長着席〕 そういう意味で交通安全ということをいろいろと考えたいと思いますが、軌道やあるいは空を飛ぶ、こういう飛行機やらあるいは新幹線の安全はもちろん大事なんですが、日常的な安全の問題で言うならば自動車の事故があるんです。その中で、一体どういうことが特に自動車なんかの交通事故の原因になっているのかということを最近、例えば地方自治体なんかでも調べておるんですけれども、そういう原因の中にどういうことが挙げられるか、お調べになった範囲でお答え願いたいと思います。
○説明員(中川雅量君) まず、平成八年中の交通事故の発生状況についてお答えをしたいと思いますが、発生件数が七十七万一千八十四件、これは前年比で九千二百九十五件ということで一・二%増加しておるわけであります。死者数につきましては九千九百四十二人、これは前年比で七百三十七人、六・九%減少している。負傷者数につきましては九十四万二千二百三人ということで、前年比で一万九千五百二十六人、これは二二%増加しているということであります。死者数につきましては昭和六十二年以来九年ぶりに一万人を下回ったということでありますが、発生件数は四年連続して過去最悪の記録を更新し、また負傷者数も二年連続して九十万人を超えている、こういう状況であります。 なお、平成八年中における死亡事故の原因というものを法令違反別に見ますと、やっぱり一番多いのが最高速度違反ということで、構成率が約二割、二〇%となっております。このほかにわき見運転とか漫然運転等の違反を原因とするものが多くなっておる、こういう状況でございます。
○瀬谷英行君 そこで、わき見運転という話が今出ましたけれども、この間こういう話を聞いたんです。女の人が赤ん坊を抱えてそして自分で運転をしているんだけれども、携帯電話を使って話をしながら運転しているというんです。これは極めて危ない仕事だと思うんですけれども、事故を起こさない限りにおいては御本人は特に考えないかもしれない。しかし、携帯電話を使いながら運転をするという姿はちょくちょく見かけるんです。どうも携帯電話というのは、電車の中でもあれを使われるというと何となく気が散っちゃって、人のことだけれどもおもしろくないんだ。 それはそれとしても、車の運転に携帯電話を使うということはわき見運転につながるわけですから、これは事故が起きてもおかしくないんです。だから、これはやはり私は禁止した方がいいんじゃないかと思うんです。携帯電話を使いながら運転する者は違反である、免許証を取り上げる、あるいはそれ以上の制裁措置を講ずるといったことをやらないと、漫然と続くと非常にやはり危険だと思います。だから、警察庁の関係でも運輸省の関係でも、どっちにしても交通安全というのは大事な問題ですから、それらの携帯電話使用についての制約ということは必要だろうと私は思うんですが、それについての大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 先生がおっしゃっていることは、私も基本的には同感でございます。ただ、これからどういう法整備がそのことによって必要なのかということは関係省庁とも詰めていかなければいけないと思っておりますが、確かにわき見運転が今事故原因の中での一つの大きな要因であるということでございます。そのわき見運転につながる携帯電話の使用ということを考えてみますと、これらについて今それぞれの機関で適切な指導、啓蒙はやっているようでございますけれども、果たしてそれだけでいいのかどうか検討していく課題だというふうに考えております。
○瀬谷英行君 地方自治体でもいろんなことをやっているんですよ。だけれども、そういう危ないことをやる連中は、わき見運転して事故がなけりゃまた続けるということになる可能性が強いと思います。だから、わき見運転の中でやっぱり大きな比重を占めている携帯電話は使用させない、これはもう罰則として禁止するというところまで徹底しないと私は実効が上がらないと思うんです。自粛を促すとかなんとか生ぬるいこと言っていたんじゃ、生ぬるい呼びかけでもって効果が上がるくらいなら初めから事故は起きやしないんだよ。だから、そういう点やはり厳しく罰則を決めて、そして徹底した取り締まりをやるということの方が私は必要だろうと思う。一般の人たちに対して被害を与えることじゃないんですから、これは。 これはやはり具体的な取り締まり方法として、いろいろ相談をするよりも何よりも適切な効果ある方法を考えて実行に移すという方がいいんじゃないかと思うんですが、警察関係のお考え方もございましたらこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(中川雅量君) 今、携帯電話のお話でありましたが、せっかくの機会ですからちょっとその内容についてもう少し詳しく私述べさせていただきたいと思うんです。 実は、昨年後半の半年間にわたってこれに関連する調査を行いました。そうすると、死亡事故九件を含めまして一千百四十件発生しておるということで、これは同時期の全事故の約〇・二八%に当たります。これらの事故を分析した結果、どういう状態のときに事故が起きるのかということを見ますと、実は受信操作時、つまり電話がかかってきたときが約四割、それから架電操作時、電話をこれからかけようとするときの事故が約三割、合わせて七割以上になるということがわかっております。 また、月別の発生件数を見ますと、かなり携帯電話が普及してきていますけれども、最近では大体月に二百件前後の発生ということで、これがおおむね大体横ばい状態になっているということであります。 そこで、警察は今何をやっているのかということ、あるいは関係省庁は何をやっているのかということを少し申し上げておきますと、これは今先生おっしゃったとおり、はた目から見ていても大変気持ちが悪い、危険だ、また事故も現実に発生している、こういうことでありますので、私どもとしては、交通の方法に関する教則をまず改正いたしまして、運転中は携帯電話を使用しないということ、それから運転する前に電源を切るなどして呼び出し音が鳴らないようにするという、この二点について規定をいたしまして、そして自動車教習所等における運転者教育を通じて運転者に周知徹底を図っているところであります。 また、運転中に携帯電話を使用することの危険性について政府広報を通じて呼びかけているということのほかに、各都道府県警察と関係業界あるいは関係機関とが連携して携帯電話の使用に係る交通事故を防止するための広報・啓発活動、これを徹底して行っているところであります。また、四月に行われる春の全国交通安全運動等あらゆる機会を通じてこれについての広報を積極的に進めてまいりたい、こういうふうに考えております。 ところで、今先生、これはそういう広報、啓発だけではなくて、きちんとした罰則をつけて法律に規定すべきじゃないかというふうなお話でございました。これにつきましては、私ども、携帯電話の使用による交通事故の発生を防止するためには、当面、広報・啓発活動を展開することによりまして自動車運転者の一人一人のマナーの向上を図る、これが最も重要ではないかというふうに考えておるわけであります。 ただ、携帯電話の今後の一層の普及を踏まえますと、これに関連する交通事故の増加も十分に懸念されるというところから、今後も携帯電話の使用による交通事故の実態を継続的に把握しまして、運転中の携帯電話の使用に関するマナーの一層の周知を図るとともに、まだ科学的な検証というか調査研究も進んでおりませんので、そういうものを行いながら適宜適切に対応してまいりたい、こういうふうな考え方で現在進めております。
○瀬谷英行君 余りお上品なことを言っているというと効き目がないんですよ。厳しく指導する、それから罰則も設けるということをやったって、普通の人には関係のないことだから。だから私は急ぐべきだと思います。結論として、そのことをこれからも要望したいと思います。 それから時間の関係もございますから、もう一つ大臣の方にお伺いしたいと思いますが、最近、海上保安庁の船の中で災害対策ということを考慮に入れた船が竣工した、こういうのを見まして、これはなるほどいいことだなと思いました。今までも地震によるいろいろな災害対策ということは必要だろうというふうに思っておりましたが、九州で地震があった、震度五の強である、こういうことなんですが、震度五か六ぐらいまではなんとかなるかもしれませんが、それ以上になると阪神大震災の二の舞になってしまう。そうなった場合に、例えばこれが関東だったらどういうことになるだろうということを思うと慄然とせざるを得ないんです。 そこで、災害対策に役に立つような機能を備えた保安庁の巡視船を建造するということがこれからも必要じゃないか、それから多目的のそういったような施設を船の中にもつくるということが必要じゃないかなというふうに私は思うんです。幸いにして、「いず」といったかな、そういう船ができたということが雑誌でもって出たものだから、このことについて、今後の考え方としてこういう船の中に多目的の災害に対処できるといったようなことをもっと積極的に行うべきではないかな、こういう気がいたしますので、その点について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 先生御指摘いただきましたように、災害に備えて海上保安庁におきます大型巡視船の整備というのは大変大事な分野だというふうに思っております。平成九年九月には横浜海上保安部に大型巡視船が一隻、また平成十年の十月を目途にいたしておりますが舞鶴の海上保安部の方に一隻、また消防専用の船でございますけれども、これも平成九年の十一月に横浜海上保安部に配置するというふうに、逐次、今先生御指摘いただいたような災害に備えて多目的な大型船を計画的に整備していきたいということで実行に移させていただいているところでございます。 今後も引き続きまして、あってはならないことでございますけれども、これから災害に備えた海上保安庁におきます巡視船等の大型船舶についての整備は進めさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○瀬谷英行君 海上保安庁の新型巡視船「いず」が進水したというこれを見たんです。それと同時に、潜水艦なんかの新しいのがたくさんできたというのがこの本には載っていましたが、潜水艦なんというのは戦争が始まってからでなければ用はないんですから、平事にこんなもの幾らたくさんつくったからといって、鯨みたいに潜っていたやつが浮いてきて潮を噴くなんという芸当はできないんだから。 そうすると、やはり災害に対して十分に対応できるような医療設備を整えて、あるいは難民の収容もできるような船をつくるということがこれから必要になってくると思います。関東にまた大震災なんというのが襲ってこないとは限らないし、もしああいう大規模な地震が起きたならば、それは阪神大震災の比じゃないと思うんです。だから、今から十分にそれに対応できるような体制を、例えば油の問題を処理する船にしても十分じゃない。災害対策についても、これは十分とは言えない。これらを十分念頭に置いた今後の船を考えるということはあってしかるべきだというふうに思いますので、それについての大臣の所見を伺いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(古賀誠君) 大変激励をいただきましてありがとうございます。 今度のナホトカ号の流出油の事故等にかんがみまして、油の回収船の必要性もこの委員会の中で再三御論議をいただいたところでございます。効果的な今後のそうした油回収船等を含めての多目的な船舶と申しますか、大型船のあり方について真剣に取り組んで検討してまいりたいと思いますので、さらに御指導と御支援をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○瀬谷英行君 終わります。
○中尾則幸君 民主党・新緑風会の中尾でございます。 この通常国会で、整備新幹線に関する法案そして旧国鉄債務に関する法案が間もなく審議にかかる予定になっております。詳しくはその場で質疑をさせていただきたいと思いますけれども、きょうはせっかくの機会でございますので、整備新幹線並びに旧国鉄債務について運輸省の基本的な考え方をまず伺っておきたいと思います。 先ほど、瀬谷先生の三百キロ「のぞみ」の話をじっと聞いておりました。なるほど、持てる人も大変な悩みを抱えるものだなと。私は北海道でございますから、三百キロなどというそんな速い高速交通機関は要らない、せめて二百キロ並みのものが北海道に敷設されないかなと思って聞いておりました。 整備新幹線については、もう言うまでもなくエネルギー効率あるいは地域経済の活性化、あるいは安全性、大量輸送機関と、いろいろございます。波及効果が大変大きいと私は思っております。しかし昨年から特に新幹線にまつわる、つまりどういうことかといいますと、新聞の論調でもそうでございますけれども、整備新幹線を推進すると口をきけば行財政改革に反対している、新幹線の建設が悪者扱いになっていると、私は大変残念でなりません。 これには確かに理由がございます。表にあらわれただけでも二百四十兆円を超える国の借金をどうするんだ。加えて二十八兆円にも上る旧国鉄債務を棚上げにするのか。それからもう一つの論調、地方に新幹線を整備してもまた第二の国鉄になるのではないか、これは若干違うと思います。そしてまた採算性をどうするんだ、財源をどうするんだ、こうした諸点に要約されると思います。私はこういう問題を避けて通るつもりはございません。 北海道選出の議員だからといって採算性を度外視して新幹線を何でもかんでもつくれという考え方には立ちませんが、新幹線整備そのものが、昭和四十八年に作成されましたこのねらいというものが私は二十一世紀を前にして変わったのだろうかと思うわけです。例えば北海道あるいは九州、長崎には必要ないんだということであれば、その論議がされてしかるべきだと思いますけれども、そういった点がいま一つ見えてこない。ここぞというときに運輸省の顔が見えてこない。 一体どんなふうな基本的な考え方を持っているのか。二十一世紀の社会資本としてこの新幹線をどう位置づけるのかということをしっかりと大臣の口からお答えいただきたい。国民の前に、この社会資本整備という観点から、地域経済への波及効果という観点から、さまざまな観点から大臣の考え方をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 昨年の暮れの予算編成から整備新幹線の問題についてさまざまな国民の声、またこの国会の中でも御論議をいただいてまいりました。行財政改革また国鉄の長期債務の問題等の大きな課題を抱えている中で、今先生もお触れいただきましたけれども、整備新幹線がいかにもそういった改革に逆行するのではないか、こういう御論議があるということを私自身は大変残念に思っております。 間もなく、整備新幹線それから国鉄の長期債務、これらの問題については法案を提出させていただいておりますので、しっかりとこの場で御論議をいただくということになろうかと思いますので、その中で私もぜひひとつ論議を深めてまいりたいと思っております。とりわけ、あたかも公共事業のばらまきだというような風評というものに対して私は大変憤りさえ実は覚えているわけでございます。 今先生がお話しいただきましたように、まず我が国の国土の均衡ある発展それから整備新幹線の地域経済に果たす大きな波及効果、これは現在新幹線が走っている地域を考えていただければ何よりもいい証拠なんです。そういったことを解消していく、国土の均衡ある発展を果たしていくというのも私は大きな政治の役割でなければいけないと思っております。北海道に住んでいるから九州に住んでいるから、本州の人たちに経済的にもまたあらゆる面でおくれをとるのが当たり前ではないか、そういう政治であってはいけない、私はそこに基本がなければいけないというふうに思っております。 そういう意味で、総合的に高速交通体系ネットワークというものを形成する中で、今も先生におっしゃっていただいた正確性やそれから安全性、そしてエネルギーの低消費の問題、何よりも大量輸送がきくというそういう新幹線の特性と申しますか、こういったものは二十一世紀の高速交通体系にとってなくてはならない交通機関であるという位置づけを、もっと私たちも真剣に論議してそして国民に知ってもらうという努力をしていかなければいけないのではないか。こういう気持ちで、これからの整備新幹線の問題等について御論議をいただく中で、国民の多くの皆様方にも一人でも多く理解と共鳴をいただくように訴えていきたい、今そういう決意でおります。
○中尾則幸君 力強いお話を伺いました。 公共事業の見直し、これは当然だろうと思うんです。余り言いたくないんですけれども、新聞報道で、港湾でもなかなか利用されていない港湾、あるいは中海の干拓、これは農水省でございますが、あるいは農道の隣に建設省の道路が走る、集落排水が隣に二つできる、こういったむだは排除していく、そしてむだな公共事業をやめていくというのは私は当然の国民に対する責務だろうと思っております。 もう一点でございます。 整備新幹線の政府・与党合意が昨年の十二月二十五日に出されました。採算性の問題やもちろん事業主体となるJRの同意あるいは並行在来線の問題一さまざまあります。それを検討するのは大いに結構でございますが、この中で一つ私は申し上げたいのですが検討委員会についてでございます。政府・与党の検討委員会では今後それぞれ四条件、収支採算性、今申し上げましたいろいろな角度から優先順位をつけるというようなことでございます。これは大いに私は結構だと思いますが、しかし検討委員会だけの議論じゃなくて、国民に開かれた国会の場でやはり国民が納得のいけるような議論を展開すべきだと思っております。 今度の法案もそういうことだろうと思いますが、それにしては例えば収支採算性を論議するにもデータというものが必要でございます。私も、地方公共団体の長やあるいはJRの関係者、経営者、それから評論家にもいろいろお話を伺うんですが、しかし、収支採算性が持てるかどうかというと私自身勉強不足でございますからなかなか判断できない。恐らく検討委員会では運輸省側からそういったたたき台になる資料が出されると思いますけれども、この整備新幹線の例えば議論の場、来月になろうと思いますけれども、一部改正法案がございますからその際にたたき台になる資料を、せひこの国会の場へ提出していただきたい、お約束願えますか。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま御指摘の収支採算性の問題でございますが、具体的な線区で具体的にどの程度の収支採算性が見込めるか、あるいは受益を見込めるか、これは昨年十二月の政府・与党の合意で検討委員会の場でやっていくということになっておりますので、その点につきましては御理解賜りたいと思っておりますけれども、どのようなやり方で収支採算性なり受益というものを考えていくのか、あるいはモデル的に見たらどうなのかといったようなことに関しましては一できる限り法案の審議の際に資料を私どもが提出いたしまして御理解をいただきながら速やかな御審議をいただきたいと考えております。
○中尾則幸君 ありがとうございました。 本当に論議の骨子になるようなものを今局長から提出していただけると。せっかく検討委員会でやって、下手なことをしますと密室の合意ということで、これまたたたかれるんです。それをしなければやっぱり悪者扱いされる。国会でも検討する。その意見を踏まえて検討委員会でも国会の論議もやっぱり大事にしていただきながら決定していただく、これが国民にわかりやすい私は決着ではないかと思っております。 長期債務について一問だけ伺います。 御存じのように六十二年四月の国鉄改革から十年たちました。当時、最終的には三十七兆一千億の長期債務が残った。二十五兆五千億が国鉄清算事業団に債務が継承されたわけです。あとはJRの本州三社が引き受けたりいろいろな形で債務返還を行ってまいったわけでございますけれども、残念ながら現在九年度当初二十八兆三千億円の債務が残るだろうと言われております。減るどころか逆に債務がふえてきてしまっている。これは土地の売却の問題だとか、バブル期でございましたからいろいろ理由はあるにせよ、やはりここまでいわゆる赤字を膨らませてきた責任は運輸当局にもあろうかと思います。 この点について、なぜ有効な手だてを打てなかったのか、まず大臣にどのような認識をしているのか伺いたい。 その前に、私も政治の世界に入ってまだ駆け出しの五年目でございますが、私自身も責任があると思います。実はこうした借金の問題、国民に負担を求める問題については確かに選挙の際にはなかなか言ってこなかった。私個人の話でございますけれども、先送りしてきたのじゃないか。しかしもうその時代ではない、火がついているというような認識を私は今持っております。 ですからこの際、いろいろな債務の返還計画もございますけれども、その点も含めて大臣の考え方、この十年間の債務の問題についてどうとらえているのか認識しているのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 細かい債務状況の数字については先生も今お触れになりましたので、あえて私の方から申し上げません。 確かに長期債務というものが、国鉄改革が行われた当時よりも土地それから株式の売却等を引きましても逆にふえてきている、これは大変なことでございます。いずれにいたしましても、今先生がお話しいただいたように、バブルが崩壊した、またバブル時期に一般競争入札によって大規模な土地を売ることを凍結したというような、そういうそのときそのときの状況によって国の政策として行われてきたということが今このような大きな国鉄の長期債務の問題として積み残ってきているわけでございます。 私の率直な感じということで、時間を気にしていただいているようでございますので申し上げますと、私も政治家としてそのときそのときの状況は確かにやむを得なかったのかと思います。今になって、いやあのときやっぱり売っておいた方がいいのじゃないか、だから言ったでしょうと、やはり国鉄の長期債務を解決するためには国民の負担を早く軽減した方がいいんですと、だからそんな土地の売却を凍結するようなこんなことよりもそっちを先に済ませましょうと、そういう論議があったことも事実であります。しかし結果として、国の政策の中で行われたことがこうして大きな国鉄の長期債務の膨大な債務として今議論していかなければいけないということを残してきたということは、やはり私たち一人一人が責任を感じていかなければいけない問題だということは全く先生と同じでございます。
○中尾則幸君 この問題については法案の審査のときにも改めていろいろ論議をしてみたいと思います。 最後になりますけれども、新幹線の問題、長期債務の問題じゃございません、重度の障害を持つ方の話でございます。重度障害を持つ方が航空機を利用する際の支援策について一言だけ御質問申し上げたいと思います。 まず、具体的な事例を御紹介申し上げますと、この方は札幌に住む三十四歳の女性でございますけれども、十二歳のときに脊髄性筋萎縮症のため人工呼吸器をつけたままホームヘルパーさんやボランティアの方々に支えられて生活をしている方でございます。町へ出るときは寝台用のストレッチャー、車いすつき寝台で町へ出かけると。 さて、この女性に私も先月お会いしたのですけれども、ことし五月にアメリカ、セントルイスで開かれる第七回国際自立生活会議に出席する予定だと。しかし、問題はその渡航費でございまして、ストレッチャー、特別なベッド、これは大体倒していきますから八席分から十席分ぐらい座席をとるようなんです。それで、セントルイス往復ですけれども、介護一人をつけて三百三十万円かかるというんですね。いろいろ調べましたら、今の国際線の規定ではファーストクラスの三席分だと。この方は何をやったかといいますと、あの雪祭りの最中に寒い中にカンパで、毛布をかけて五回も街頭に立って募金を呼びかけたそうです。 この方は二年前には、国内でもかなり高くていろいろ要望されたところ、ちょうど新千歳−関空で、やはりこういう会議のために出たいということで運輸省等と航空会社に要望しましたところ、当時三十一万円のところを二十二万円に料金改定していただいた。これは亀井静香運輸大臣のときじゃないかなと思っているんです。しかし国際線の場合はいまだに料金改定もなされていない。これは航空会社の御協力が必要でございます。 しかし、こうして障害を持ちながら自立をしていく方々のこうした声をぜひともお届けいただきたい。五月に出るわけですから何とか早く、こうした人たちに支援をしていただきたいと思って、きょう最後の御質問になりました。ちなみに、国内国際線ではこういう方が年間百三十件程度、海外に行かれるのはこれまででわずか五十件しかないそうです。 この件について、時間もなくなりましたが、ひとつ関係局長とそれから人情あふれる古賀大臣にも最後にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 実はこういう問題が前からあることを承知しておりまして、今私ども一生懸命どうしたらいいかということを検討している段階でございます。
○国務大臣(古賀誠君) 今、航空局長の方から検討中という答弁を申し上げましたけれども、先生のお話を聞いておりまして本当にもっともな話だというふうに思います。大変局長は奥ゆかしいものですから控え目な答弁だったかもわかりませんが、私としてはぜひ前向きで実現するように指示したいと思っておりますので、期待していただきたいと思います。
○中尾則幸君 ありがとうございました。
○筆坂秀世君 私は、まず最初に、阪神大震災で壊滅的打撃を受けた神戸港の復旧工事をめぐる談合問題について伺いたいと思います。この事案というのは、談合で西松建設が受注する予定だったものを佐伯建設工業が談合破りで受注をした、こういう問題であります。 若干経過を言いますと、九五年三月二十三日入札の摩耶岸壁、水深十二メートルの復旧工事では、これは佐伯建設工業が十九億五千万円で落札をしています。その後、隣接工区である摩耶岸壁復旧工事については、十二月二十二日に入札が実施されています。これは、本来西松建設が談合ではとる予定だったと言われています。ところが、佐伯建設工業が五十五億円で落札をした。とるはずだった西松は二位になって、入札額は六十億三千万円だった。そこで、西松の方が談合破りだということで問題にしたということです。 この情報について、運輸省も関係者から事情聴取をされて、今月十七日には公正取引委員会にその調査結果を御報告されています。聞きましたところ、調査の結論というのは、これに加わったゼネコンの関係者から事情聴取をした、しかし談合の事実を発見することはできなかったと、要約すればそういう報告だったということでこれはよろしいでしょうか。詳しい経過はいいです。
○政府委員(木本英明君) おおむねそのようなとおりでございます。
○筆坂秀世君 私聞いてみましたけれども、そういう報告になるのは当たり前で、だれに聞いたかというと、この入札に参加した担当取締役であるとか支店長であるとか、言ってみたら談合の疑いが持たれている人にあなた談合しましたかと、そうしたら当然のことながら談合はしておりませんと。したがって、談合の事実はなかったと公取に報告されている。これじゃ談合の事実なんか幾らやったって発見することができないのは当たり前で、聞きましたらこれまで一度もこの関係者の事情聴取で談合の事実を発見したことはないと、これはむべなるかなだと思うんです。 しかし、関係者はそれは当然否定するでしょうけれども、私運輸省から、二十五件の神戸港の岸壁復旧工事についてどういう入札があったかという資料をいただきました。このうち十一件については、第一回目の入札で決まらずに二回目の入札まで行っているんです。それでも決まらない場合には一番低い人が随意契約を結ぶと。 問題は何かといいますと、一回目の入札で一番低い価格、第一位の業者が、必ず一〇〇%この業者が二回目も第一位の入札業者になっている、そして落札をしているということなんです。これは一位不動の原則と言うんですよ。だから、客観資料から見れば談合が行われておった、どの業者に落札するかは全部決まっていたと、だから一回やったって二回やったって、全部一位は一つも変わらない、これは客観資料では明らかだと思う。 そこで、公正取引委員会に伺います。運輸省の報告は談合の事実は発見できなかったということだけれども、客観資料では談合の疑い十分ありということなんですから当然調査すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○説明員(梶山省照君) 御質問の関係を初め、いろんなことが新聞等で報道されていることはよく承知しておるところでございます。 一般論といたしまして、私どもが独占禁止法違反事案についての情報の収集に努めており、それが独占禁止法違反行為として審査の端緒となり得ると判断された場合におきましては、厳正な立場で調査に当たり処理することとしております。御指摘の件もそういった流れの中で対処していくこととなろうと思います。
○筆坂秀世君 大臣、この問題というのは、大震災からの復旧工事をもしかすればこれは食い物にしてきたということになるわけです。しかも、今言いましたように、佐伯建設工業は五十五億円で落札、本来落札する予定だった西松は六十億三千万、つまり五億円以上高い値をつけていたわけですよ。もちろん私、予定価格があるということは知っています。だから、これで実際に落札だったかどうかはわかりませんが、もしこれがその範囲内であれば、五億円以上の血税が浪費されたということにつながってくるわけです。だから、談合というのはやっちゃいけないし、禁止もされているわけです。 ですから、もう質問はいたしませんけれども、ぜひこういう談合の疑いのあるもの、こういうことは絶対許さないんだということで、今後の港湾建設であるとかあるいは復旧工事であるとか、こういうものについては十分な監視をしていただきたいと思います。 公正取引委員会、もう結構です。 次に、港湾整備計画、先ほども野沢委員から、財政構造改革会議で公共投資基本計画六百三十兆円そして十六の長期計画、これは聖域なしで縮減を図っていくということが確認されたという御質問がございました。 港湾整備計画、例えば百億円の釣り堀というので有名になった福井港、私は現場に行って写真を撮ってきてやったんですけれども、各所で随分見てきましたよ。小樽港、石狩湾新港、苫小牧東部、新潟港、福井港等々見てまいりましたけれども、やはり随分浪費的投資がある、随分遊休化しているバースがある、これはもう疑いのないところであります。そこで、港湾整備五カ年計画についても大胆な見直し、縮減に向けてのメスを入れていくことがどうしても必要だというふうに思います。 例えば今度の五カ年計画では、国際競争力の強化ということで、大水深のバースを整備していくということが一番のいわばセールスポイントといいますか中心になっております。しかし、果たしてそれでいいのか。 例えば東京都の元港湾局部長で東京港埠頭公社理事も務めて現在ワールド流通センターの専務をされている高橋恵三さん、どこかで聞いたような名前ですけれども、この方が「日本のコンテナターミナル−その再生の途は」という論文をある雑誌に書かれています。こう述べておられるんです。 「ターミナルでいかに大量のコンテナ荷役を行うかがターミナルの国際競争力を回復するカギなのである。」と、いかに大量のものをそこで扱うか、そのバースで。「香港やシンガポールに日本の港湾が敗北しつつあるのはまさにここに起因している」、「日本全体のコンテナターミナルの数の不足ではない」、「日本の港湾は国際間の競争に立ち遅れれば遅れるほど、国内港間の過当競争に陥り、隣接港湾と船や貨物を奪いあうという無意味な競争に精力を浪費している」、これは実際そうで、私、小樽港と石狩湾新港を見てきましたよ。石狩湾新港の扱いがふえると小樽港はどうなっているかというと、扱い量が急激に減っているんですよ。要するに国内で奪い合っているだけなんです。そしてこっちでどんどん港湾整備やっていると、こっちではどんどん荷物が減っている、こういう事態が現に生まれています。 ところが、第九次港湾整備計画もやはり同じような傾向がある。この計画では、外貿コンテナ貨物が一億五千六百万トンから二億二千八百万トン、約七千二百万トン今後ふえるということが想定されています。四六・二%ふえるという予測です。そのために、水深十五メートルの大水深コンテナバースを新たに五十バース整備するという目標であります。私は別に、十五メートル水深のバースをつくるななんということを言うつもりはないんです。 ただ、果たしてこれが妥当かどうか。例えば七千二百万トンといいますと、一バース当たりの取扱量というのはどうなるかというと、目安が大体百五十万トンということになるんですね。七千二百万割る百五十万、したがって五十ということに計算上なるわけです。大体そういう目安で想定されているわけでしょう。
○政府委員(木本英明君) コンテナ貨物につきましては、いわゆる空きコンテナだとか実入りコンテナだとかいろんな流動パターンがございまして、そういったものを平均的に換算しますと、先生おっしゃられた大体十五から十八ぐらいのトン数になるのかなと、そんな感じでございます。
○筆坂秀世君 これが随分過小見積もりなんですよ。 例えば神戸、横浜、名古屋、東京、大阪の五大港、コンテナ一個当たりのトン数というのは、私ずっとそれぞれの港湾管理者に全部聞きましたが、平均すると二十フィートのコンテナで十五・四トン、局長がおっしゃったようなことですね。七千二百万トンですから、これはどれだけのコンテナの数になるかというと約四百六十七万です。一バース当たり百五十万トンですから、これはコンテナの数にすると約九万七千個、TEUと言うそうですがこういうことになるわけですね。 ところが、運輸省が競争相手とみなしている、例えばシンガポールであるとか釜山であるとかあるいは香港であるとか高雄であるとか、これはどうなっているかといいますと、これは釜山港ですけれども、神仙台というコンテナ埠頭には水深十四メートルバースが三つあります。そこでの外貿コンテナ取り扱い個数は、年間百十二万四千TEU、つまり百十二万四千個、一バース当たり三十七万五千TEUなんです。ところが、我が国の第九次計画では一バース当たり約九万七千です旧釜山の場合は三十七万五千ですよ。つまり、釜山よりも四分の一しか扱わないという想定なんですよ。 これ、一バース当たりの取扱量をもし釜山並みに九万七千個の想定じゃなくて三十七万五千個使うんだということで想定すれば五十バースなんか必要ない、四分の一で済むんですからせいぜい十二、三バースで済むということになるんじゃないですか。
○政府委員(木本英明君) 私は釜山港を実は見ていなくて、いろいろ見てきた方のお話を聞きますと、今先生おっしゃられたように非常に効率的に使われているということでございますが、やはりそれにはある程度前提条件みたいなものがございまして、例えば三百六十五日、二十四時間フルタイムで稼働しているとか、あるいはコンテナヤードにコンテナがおさまり切らずに、背後の道路だとかいろんなところにコンテナがあふれ返って非常に交通が渋滞しているとか、いろんな条件の上にそういった数字が出てきているというふうに聞いております。 やはり周辺に迷惑をかけないとか、いろんなそういう前提を置いて我が国の港湾のコンテナターミナルというのは計画いたしておりますので、そういったことで若干差が出てきておるということは御理解いただきたいと思いますし、ちなみに欧米と比べますと我が国のコンテナの扱い量というのは大体欧米並みで扱われておりますから、そういったことでひとつ御理解いただきたいと思います。
○筆坂秀世君 若干かけ離れているなんというものじゃない、四分の一なんだから。大きくかけ離れているというんだ、こういうのは。 これは外国との比較でそうでしょう。国内との比較でも、この第九次港湾整備計画というのは余り妥当性がないですよ。さっきも言いましたように、一バース当たりの年間取扱量は約百五十万トンと想定しているんです。 ところが、例えば東京港大井コンテナ埠頭、これは一バース当たり二百四十二万トンです。約百万トン多い。横浜の本牧大黒埠頭、この場合は一バース当たり二百九十万トン、想定よりも約二倍です。博多港の香椎四号バース、九六年には四百八十万トン扱っているんです、大臣のよく御存じの場所ですけれども。これは想定百五十万トンです。そして五十バース必要だというんです。しかし、もし博多港並みに扱えば十九バースでよいということになる。横浜港並みにやれば、半分の二十五バースでよいということにもなるんですよ。 だから、国際比較で見たって国内比較で見たって、この第九次港湾整備計画が非常に過大なものになっているということは私明らかだと思うんです。ですから大臣、私は、こういう角度からもこの第九次港湾整備計画、長計の縮減を図ると言われているわけですから、やはり率直にそこに目を向けていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(古賀誠君) 再三先生の方からは港湾のことで御質問をいただいております。実は、福井港の問題で御質問いただいたのが私の初登場でございまして、大変思い出深い件でございますが、先生にしては楽しい思い出でしょうけれども、私にとっては大変つらい思い出がこれは一生続いていくなと思っております。 そういう中で、きょうもまた港湾の問題についてそれぞれの観点から御指摘をいただいております。また、それぞれの点について政府委員からも答弁をいたしておりますけれども、いずれにいたしましても、今度の財政構造改革五原則というのは聖域なしにいろんな分野で徹底的に議論を重ねていくということでございますので、当然港湾のみならず公共事業全般におきまして五カ年計画等々についても議論を重ねていくことになろうと思っております。 ただ、言えますことは、やはり私たちが今後二十一世紀に向かってどういう社会資本だけはきちっと整備していかなければいけないのかということだけは忘れてはいけないというふうに思っております。そこに当然今より以上に、同じ港湾の分野についても効率化それから重点的な投資というものが出てくるだろうと思っております。だから、こういう第九次五カ年計画の中ででもそういった点は十分私どもは審議をし、そして議論を重ねて、そして二十一世紀に向かって、また今やらなきゃいけない経済構造改革を進めるについて、港湾を含めて運輸関係の社会資本の整備というものを十分念頭に置きながら、私なりに必要なところは必要だということを一歩も退かないつもりで、また整備について推進していくという点も当然必要になってこようと思っております。 今後十分検討しながら、極めて短期間の中でのいろいろな分野でも議論になろうかと思っておりますが、企画委員会等の分野で積極的な取り組みに努めてまいっていきたいと思っております。
○筆坂秀世君 いま一つ重大な問題がコンソーシアムの動向なんです。今、複数の船会社による共同運航あるいは埠頭の共同使用が大きく広がりつつあります。これがまた、港湾整備計画に大きな影響を与えずにはおかないんです。 神戸港では、アメリカのシーランド社が世界最大船舶保有のマースク社と提携をして、今シーランド社が専用バースとして使っている六甲アイランドのRC−1バースから撤退をする、そしてマースク社の専用バースであるRC−4、RC−5、ここを共同使用するという動きが出ています。その上、さっき言いましたような十五メートル水深バースが神戸港の場合は既に二つ完成をしているということもあって、次々と遊休化するバースが生まれている。 これは神戸の市議会でも大きな問題になっています。例えばポートアイランドのPC−3、4、10、11、12、ここはこの五バースが遊休となっている。保さらにPC−7、8、9、この三バースが、これは十五メートル水深の方に移ったためにこれまた遊休化する。つまり八バースが遊休という事態になっています。その上、今の動きを見ますと、中国の船会社であるコスコが新たに整備される十五メートル水深バースのPC−6、17に移転をする。この結果、今復旧工事をやっている摩耶埠頭もこれまたあいてくる、こういう事態なんですね。次々と遊休化するバースが生まれてくる、その一方では新しいバースがどんどんつくられるということであります。 これは国民のだれから見たって、やはりむだはむだなんですよ。ですから、先ほどの第九次港湾整備計画の見通しについてもあるいはこうした動向についても、やはり大いに縮減を進めていく上での考慮に入れるべきだというふうに思いますけれども、最後に御見解を伺って私の質問を終わります。
○政府委員(木本英明君) 船型が大型化することによって従来のコンテナターミナルが陳腐化していく、したがって国際競争力のある海上輸送を担っていく船社としてはやはり大型の岸壁にシフトしていかざるを得ない、これは市場原理からいっても当然のことであろうと思います。そういったことで、今まで使っていたものはどういうふうに今後使っていくのかという問題があります。 東南アジア等を行き来するコンテナ物流というのは非常に最近ふえてきておりますから、そういったところはそういう大型の船でなくても中型以下のコンテナ船で対応していくことができるわけですから、欧米等の大型航路については大型岸壁にシフトしていく、そして残りの中小のコンテナターミナルについてはそういう近隣アジア諸国あるいは大型でなくていいコンテナ船に対応するコンテナ輸送に使っていく、そういう大きな流れが出てきておりまして、そういったことになっていくのかなというふうに考えております。 —————————————
○委員長(直嶋正行君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、戸田邦司君が委員を辞任され、その補欠として猪熊重二君が選任されました。 —————————————
○末広真樹子君 自由の会の末広真樹子です。どうぞよろしくお願いします。 きょうのお昼のNHKニュースで拝見したんですが、東京都内千代田区でこの四月から地域福祉乗り合いタクシーが走ると放送しておりました。車いすのリフトつきタクシーで、身障者や高齢者など福祉施設利用者は無料、一般の方はだれでも百円という乗客九人の乗り合いタクシーです。各自治体の工夫が見られて大変うれしいニュースだなと思いました。 そこで、きょうは公共交通機関における障害者並びに高齢者用施設の整備についてお伺いしてまいりたいと思います。 平成三年六月に鉄道駅におけるエスカレーターの整備指針、そして平成五年八月に同改定とエレベーターの整備指針が示されて以来、どのような成果を上げてきているんでしょうか。今年度の助成金額とともにお答えください。
○政府委員(相原力君) 二点の御質問ございましたが、まず助成につきましては、特に鉄道駅につきまして障害者対応型のエレベーター、エスカレーターの整備が急がれているということで、交通アメニティ推進機構という財団法人がございますが、そこから事業費の二〇%を限度に助成をいたしております。そのうちの、二〇%のうちの半分につきましては国からの補助が出ておりまして、国費の補助額は助成額の二分の一、一億一千二百万円でございます。したがいまして、助成金額を合わせますと二億二千四百万円というのが助成金額でございます。 それから、指針によりましてどの程度整備が進んだかということでございますが、今御指摘ございました平成五年に鉄道駅におけるエレベーターの整備指針というのができたわけでございます。これらによりまして、それから先ほどの助成措置等にもよりまして、JRあるいは大手民鉄、地下鉄におきます平成七年度末時点でエスカレーターの設置駅数が九百九十六駅でございます。それから、エレベーターの設置駅数は四百六十駅でございます。また、平成八年度におきましては、JR等におきましてエスカレーターが新たに九十五駅、エレベーターが九十一駅で整備される予定となっているところでございます。
○末広真樹子君 ガイドラインとか仕組みというのはできてきているように思うんですけれども、ただ実際に事業者の側に立ちますと、一億円かかるという設備費用に二〇%の補助であとは事業者負担ですよということになると、これはまた利用者コストにはね返ってくるのじゃないかなという心配が生じておりますね。事業者の方も実際に実行に移しにくい。何か抜本的な対策が要ると思いますが、いかがですか。
○政府委員(相原力君) 先ほど申し上げました助成金額、国費合わせまして年間二億二千四百万円、確かにこれで十分な額だというふうには考えていないわけでございますが、政府全体の財政状況は大変厳しい状況でもございます。我々としては一生懸命努力はしていきたいというふうに思っております。
○末広真樹子君 私も年をとっていきますので、高齢化社会に向けてやっぱり体制が着々と進むように、でないと安心して年とれません。 さて先日、我が名古屋にもおかげさまで待望の多目的ドームが誕生いたしました。ドーム自体は高齢者や障害者の利用しやすい施設になっております。ところが、最寄り駅のJR大曽根駅でちょっと困ったことが起きております。それはドームができる以前の一日の通勤客、通勤の駅でございましたので平均四万人、ドームができたことによって、例えばプロ野球のオープン戦はもちろん芸能イベントで一日一万人の利用者が急増しております。イタリアのオペラ界の巨匠パバロッティの公演なんというと、もう日本国じゅうお年を召した方も生涯のこれ聞くのが夢だったということでライブに来られるわけで、大変結構なことなんです。 オープン戦のあった対オリックス戦の日には、三人の身体障害者がこの駅を利用なさいました。ところが、この駅は北口で階段が三十一段、南口で三十五段、スロープもエスカレーターもエレベーターも、手すりさえないんです。満員の人なんですよ。危ないし、不便だし。健康な人でも感想として、催しの内容はよかったけど階段と歩行で疲れたというふうにおっしゃっていますね。 さらに、このJR大曽根駅は通常駅員さん四名の駅です。ドーム開催日は十五人体制しくんですが、手動の車いすを介助するのには駅員さん二名つくんです。電動になりますと、もうそれ自体六十キロから八十キロあって、人が乗ると百二十キロ平均になりますので四人がかりでお世話している。運ばれる方も何か気を使うとおっしゃるし、運ぶ方も汗だくで大変なんですね。 運輸省ではどんな対策を事前に指示しておられたのか、また今後どのような対応を要請していかれるのかお聞かせください。
○政府委員(梅崎壽君) 一般論で申し上げますと、先ほど運輸政策局長から答えましたとおり、私どもの方で財団法人交通アメニティ推進機構を通じた助成措置を講じておりますが、まず事業者の方々が地域の協力もいただきながら交通弱者対策を進めているというのが現状でございます。 それで、今御指摘ございましたJRの大曽根駅でございますけれども、鉄道駅と周辺地域におきます交通弱者対策も含めました歩行空間の改善であるとか、あるいは快適性、利便性の向上のための取り組みにつきまして鉄道事業者や関係自治体などが連携して進められるよう、ことしから運輸省と建設省で駅内外の歩行者快適化作戦というのを開始いたしましたが、この大曽根駅につきましてはこの作戦のモデル駅の一つといたしまして選定したところでございます。現在、事業者とか名古屋市などの関係者が、エレベーターの整備であるとかそういったことを含めました交通弱者対策の対応も含めまして協議を行っているという状況でございます。 運輸省といたしましては、この協議の推移を見ながら今後適切に対応していきたいと考えております。
○末広真樹子君 それはどうもありがとうございます。大曽根駅がモデル駅ですか。ありがとうございます。 各地で今後ドームが誕生していきますが、ドームまで高齢者も障害者も疲れさせることなくスムーズに運べるよう、利用者の利便性また交通弱者への御配慮をお願いしていきたいと思います。 続いて、JR名古屋駅を車いすの方がどのくらい利用されたのかというのを調べてまいりました。平成八年八月の調査では、一カ月合計が八百三十七人、一日平均で二十八人、これは対前年度比率で見ますと一二・五%の増加でございます。著しい増加ですね。 すべてのホームにエレベーターかエスカレーターがあるわけでなく、名古屋では平成八年の三月一日にチェアメートというのを購入いたしました。車いすを運ぶキャタピラつきの台車という感じです。台車に車いすごと乗っかるんです。私は実際に試乗させていただきました。名古屋駅の在来線の階段を車いすに乗った後ろ向きの私を、チェアメートがゆっくりと上り始めまして、介助する駅員さんは一人なんですね。上り終わるまで二分でございます。振動はその都度ちょっと強いものがございまして改良の余地があります。下りはちょっと怖いんですよ。このまますかっと前向いてつんのめりますので、落ちるのではないかという恐怖心がございますが、これ体験積めば相互に信頼が生まれてまいりますと思います。お値段が一台二百万円なんです。 このチェアメートの存在はまだ余り知られておりませんが、運輸省の評価並びに今年度以降の導入計画についてどのように考えていらっしゃいますか、お聞かせください。
○政府委員(梅崎壽君) 鉄道の駅におきます交通弱者の皆様方の対策といたしまして、基本的にはやっぱりエレベーターであるとかエスカレーターの設置、これができれば望ましいと思います。しかしながら、これが場所的な制約であるとかそういったことからなかなかできないケースも多うございますので、そのようなケースにおきましては、暫定的な対応として御指摘のチェアメートというのは一つの有効な手段であると私ども考えております。 私ども、今JR東海におきましては名古屋駅、豊橋駅、笠寺駅、それから高蔵寺駅の四駅に導入されているというぐあいに聞いておりますけれども、平成九年度におきましても十数駅程度導入したい考えであるということを伺っております。
○末広真樹子君 今おっしゃいましたように、本来はエレベーターやエスカレーターの設備が望ましいんですが、とりあえずはチェアメートを各駅に配備するぐらいの応急措置はしなきゃいかぬなと。それと、最低限階段の手すりですよ。それから歩くフラットなところでも手すり要りますわ。それはぜひお願いしたいと思います。 次に、身体障害者が利用する公共交通料金割引制度についてお伺いいたします。 運賃については本人、介護者ともに五〇%割引、ところが特急料金や急行料金への割引が全くありません。また、本人が一人で乗車する場合は片道百一キロ以上に限って五〇%割引という利用制限がついているんですね。国民が望んでいるのは、障害者も自立してともに生き生きと暮らす世の中をつくることだと思うんです。それを近いところは割引がきかない、一人だとだめ、介添えをつけなさいなどという利用制限はつけちゃいけない。撤廃の必要性を思います。それから割引率を統一する必要もあると思いますが、大臣、ここは大事なところなんでちょっとお考えを。
○国務大臣(古賀誠君) 期待にこたえる御答弁ができるかどうかですが、先生も御承知のとおり、身体障害者の方々に対する公共交通機関の運賃割引というのは、それぞれの交通機関によって利用実態を踏まえながら実は設定をされているわけでございます。今お触れになりました例えばJR、鉄道につきましては、常時介護者の同行がなければ移動が困難だという重度な障害者について、二人分の運賃をそれぞれ今先生がおっしゃっていただいたように半額ということになっているわけですね。ということは、お二人で一人前という基本的な考え方を実は導入させていただいているわけでございます。 私が申すまでもないことでございますけれども、この運賃割引というのは、その減収をほかの利用していただく方々が実は負担をしていただくことによって賄っているわけでございますので、そういう意味ではやはりどうしても割引には一定の限界があるのかなというような気はいたしております。 いずれにいたしましても、事業者の経営判断によって決定していただくわけでございます。それぞれの機関の理解、そういったことが不可欠な問題だと思っておりますが、今も御指摘いただいたような点も踏まえながら、今後さらにそれぞれ事業者等に指導してまいりたいというふうに思います。
○末広真樹子君 こういうのはどうですか。営業政策として障害者運賃割引の検討をしてみてはいかがでしょうか。これまではいささか受け身の形で事業者というのは運賃割引に取り組んでこられたと思うんですよ。これを、身障者や高齢者など車いすがあれば出かけることができるいわば交通弱者の潜在的ニーズを掘り起こす。つまりどういうことかというと、オフタイム時の割引メニューですとか、もっと具体的に言うと新幹線、昼間のこだま号がらがらですが、あれを例えばこのダイヤとこのダイヤに関しては列車指定で福祉車両ありますよということにすれば、事業者が積極的なメニュー開発に取り組む姿勢を出してくださればかなりそこのところは差が縮まると思うんです。これはどうですか、大臣。
○国務大臣(古賀誠君) これからの福祉の問題、総合的にいろんな角度から検討していく中で、この交通機関について今先生御指摘いただいた問題点、一面では大変一つのアイデアなのかなということで拝聴させていただきました。機会あるごとにいろいろな検討の一つの指針にさせていただければありがたいと思って拝聴させていただきました。
○末広真樹子君 事業者が総収入をダウンさせない範囲で需要喚起につながる別メニュー、かつてフルムーンやナイスミディパスというのが大当たりをとったような斬新なアイデアを今後期待してまいりたいと思います。 さて、私は、去年の十二月に忘れがたい体験をいたしました。かねてより、愛知県瀬戸市にあります身体障害者のためのリハビリ自動車教習所が総務庁勧告によってリストラ対象となって廃止が決まっていることに怒りを覚えて反対してまいりました。そして、その最後の卒業生たちが巣立っていく日に教習所に参りまして一人の若い女性に出会いました。 彼女は滋賀県に住んでおりまして、この自動車教習所が廃止になることを知るや、どうしても免許を取りたいということで白内障の手術を立て続けに二度受けました。自分のためにお父さんが全部の時間を彼女を介助することにつき込んでいるんですね、それがつらいと。取って、お父さんを自由にしてあげたいんだと。そのためには自分で運転して病院へ通うんだと。こういう強い意思のもとに七十五日間の泊まり込みで見事に免許をお取りになったんです。その喜びとともに言われたのは、これからも後に続く人たちのためにこの公共の自動車教習所を残すべきだと涙流して言われたんですね。 身体障害者にとって車は必需品なんです。自分で運転して自分でどこかへ出かけるという意思を持つことが自立と共生への第一歩であると私は思うのです。幸いこの教習所は、本年一月の決算委員会で私総理に質問いたしまして、総理がその新しい受け皿を探すと御答弁なさいまして、愛知県下の愛障協という団体が引き継いでいくことになりました。 そこで思うんですが、こうやってまで運転免許を取リたい、残したいという御熱意がある。そうなってくると、車だけではなくてレール・アンド・ライドの面でも御支援申し上げる必要があるんじゃないか。主要駅には障害者用の改造レンタカーの配置など、交通弱者への総合的な支援について今後取り組んでいく方向をお示しいただきたいと思います。 またもう一点、障害者や高齢者の車いすに対応できる駅はどことどこか、列車はどれとどれか、ホームはどれか、ホテルはどこにあるのか、施設はどれかという情報、インターネットにぱっとわかるような情報のホームページを開いていくべきだと思うのでございますが、これは大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(荒谷俊昭君) 身体障害者の方がお乗りいただけるようなレンタカーをできるだけたくさん配置できないかというお尋ねにつきまして、私の方からお答えをさせていただきます。 現在、身体障害者の方の例えば車いすを乗せられるような、そういったレンタカーは一部の事業者が持っておりまして貸し出しが行われております。ただ、決して多くはないという現状であろうと思います。これを主要な駅に、あるいは駅の近くに配置をするということにつきましては、基本的にはレンタカー事業者の経営の判断に属することだというふうに思ってございまして、いろいろと車両の価格も高いとか、あるいは貸し出し料金も、現在貸し出しているケースをちょっと見ますと、一般向けよりも五割引きですとかあるいは三五%引きですとか、改造費用がかかるにもかかわらずむしろ安いお値段で貸し出しをしている、こんな実態でございまして、これをどこまで拡大できるか。 この問題につきましては、やはり福祉政策の観点からの助成といったことも問題になろうかと思っておりまして、事業者の方でその辺のところをいろいろと総合勘案してどこまでのことができるのか、私どもとしてもこれから事業者の方にいろいろと検討をお願いしてまいりたいというふうに考えてございます。
○政府委員(相原力君) 第二点目の御質問に私の方からお答えさせていただきます。 情報提供についてインターネットを活用してやったらどうかという御指摘でございますが、身障者の方々のための施設の整備状況について情報提供をすることは非常に重要なことだと思っております。特に最近は情報化の時代でございますので、インターネットを活用して常に最新の情報を提供するのが非常に効果的であるというふうに考えておりまして、そういう意味で平成九年度、来年度運輸省といたしましてもインターネットによる情報提供につきまして調査研究をしていくことといたしております。その研究結果を踏まえまして、各鉄道事業者に対してインターネットによるホームページで車いす利用者の方々等に対する情報提供を促していきたいというふうに考えております。
○末広真樹子君 インターネットのホームページにそういう情報をきちっと載せていくということ、これは整備を早く、聞くところによると来年度末ということらしいですけれども、急いでいただきたいと思います。 それから、障害者というのは、昨今薬の害によって障害を持たれる方も非常にふえてきておりますので、大臣、それは厚生省それは運輸省ということではなくて、この前もおっしゃいましたけれども、ひとつやはり政府が前向きに責任を持っていくんだという一体的なところでお取り組みをお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○栗原君子君 新社会党・平和連合の粟原君子でございます。 実は一昨日でございましたけれども、運輸省の方から、日米海運協議の開催についてということで岩田海上交通局長がアメリカにいらっしゃるといったことを伺ったわけでございます。私は、きょうはそういった問題、とりわけ港湾の労使の協定でございます事前協議制度につきましてお伺いをしたいと思います。 まず、この事前協議制度は、船会社、荷主、港湾管理者によって進められ、港湾合理化に対して港湾の労働者の雇用と職域、労働条件を守るために、港湾労使で主体的に結ばれました産別の労使協定でございます。船会社と日本港運協会、さらに日本港運協会と労働組合、いわゆる二者二者協議体制によって行われているわけでございます。船会社も協定完全履行の義務と責任をここでは負っている、このように言えると思います。 さて、運輸省は、これまで民間の労使協定には行政として介入はできないと突っぱねてきておりました。しかし今回、日本港運協会、日本船主協会港湾協議会、外国船舶協会、運輸省、四者協での、とりわけこの中では司会進行役を運輸省が仕切るなど中心的に仕切ってきたわけでございますが、こうした中で中間合意案の中におきまして、運輸省は誠実に履行されるよう関係者を指導する、このようにされております。労働組合の意見を聞かないで労働者の雇用と就労にかかわる問題がどうか、この区分けができるものなのでしょうか。お伺いいたします。
○政府委員(岩田貞男君) この事前協議制は、まさに今先生がおっしゃいましたように、配船変更に伴う労使協議がベースにあるわけでございます。 その中で、今お話がございましたように、二者二者協議ということで、船会社と日本港運協会、それから港運協会と労働組合の方で交渉が行われるわけなんですが、その前二者の方でもう少し簡明化、簡明化と簡単に言いますが簡素化それから透明化をしろということで簡明化と略させていただきますが、しろという、御案内のような米国あるいはEU、内外のそういう意見がございましていろいろやってきたんですが、やはりぜひ司会進行役として役所にもその役割を果たせというお話がございまして、私がそういうことで司会進行をしておるわけでございます。 先般開かれました事前協議制度の改善協議会においては、短期的な課題は今あるフレームの中で最大限の簡素化をしようということでございますが、中長期的な課題として事前協議の対象となる案件の区分について、重要案件あるいは軽微案件について見直そうということになってございます。中間的な取りまとめにつきまして、私どもとしましては、今、前二者の手続の簡素化、透明化を図ろうということでやっておりますので、今後は中期的な課題としてはそういった区分の見直しなどもやろうと思っております。 今後やろうということで了解を得たところでございますが、まず前二者の当事者である船会社と日本港運協会との間における考え方をこれから中期的な課題として取りまとめようということでございまして、その後、現行制度の実質的な変更となれば、当然のことながら労働組合との間における調整が行われるべきであるし、行おうと思っております。
○栗原君子君 先般、局長がお出かけになるということの中で、私も、カードをお持ちでいらっしゃるんでしょうかと、こんなことをお尋ねしたわけでございます。 新聞でも報道されておりますけれども、中間合意案なるものを見せていただいているわけですが、この中でも、「昭和六十一年の確認書の主旨に則り二者二者協議を基本とする事前協議制度を継続することを確認している昨年十月の合意を、確実に履行すること。」、こういったことを冒頭にお示しでいらっしゃるわけでございます。 そのような中で、運輸省は、この事前協議問題に責任を持つとおっしゃるなら、労働者の雇用と就労にどのように関与しようとなさるおつもりでいらっしゃいますか。
○政府委員(岩田貞男君) 今、御答弁申し上げましたように、非常に専門用語で申しわけないんですが、前二者の方の簡明化をやっているところでございます。もちろん、今後中期的な課題として、さらに一歩進んでそういう話をしようとはしております。 ただ、私どもがしようとしているのは、事前協議そのものではなくて、事前協議をより時代に即してといいますが皆さんの要望に即して簡明化、改善できるものはしょうということでございまして、労使協議そのものを私どもやる立場にはないと思っております。ただ、今答弁申し上げましたように、この事前協議制度の仕組み自体で、もし現行の仕組みと少し労組側にとって異なる点があるならば、それはその時点で調整が行われるべきものと考えております。
○栗原君子君 実は、七月末をめどにいたしまして抜本的な見直しを図ることで大筋合意をした、こういったことがマスコミでも報じられているわけでございますが、見直すべき課題というものは例えばどんなものがあるんですか、お聞かせいただきたいです。
○政府委員(岩田貞男君) これは具体的にはこれから議論をすべきであると思いますが、今申し上げましたように、一つは重要事項と軽微事項の再編成といいますか新しい角度からの見直しということがまず中心になろうと思います。
○栗原君子君 もう少し具体的におっしゃっていただけませんか、さっぱりわかりません。
○政府委員(岩田貞男君) 実は、重要事項と軽微事案というのがありまして、コンテナ船が新たに着くとか、あるいは横浜から川崎に変わるとか、いろいろな配船変更があるわけです。そのときに、そこで働いている人に大きな影響があるかどうかということが一つのメルクマールになるわけですが、そういうものについてどのような配船変更が重要になり、ただ船名が変わるとかスケジュールが少しだけ変わるというようなものは軽徴として考えられるわけですが、どのようなものが軽徴になるかということをもう一度現時点で改めて見直して再編成をして、重要なものについてはしっかりとよく聞いて、あるいはその後日本港運協会の方から労組側と十分な労使協議が行われると、軽徴については軽微の程度によっていろんな手続、通知ですとかあるいは若干の協議ですとか、そういうことが行われると思います。 そういうことの振り分けが主に議論をされ、その次に、例えば一カ月に一回やるのがいいかとか、二回やるのがいいかとか、重要なものはだれがどこでやればいいのかとか、軽微なものは地区に落としてもいいのかとか、そういう議論が、これは例示でございまして、そうなると言っているわけじゃないんですが、わかりやすく説明をしろと言われたものですから、私が思いついた限りで、そういう議論をしていきたいと思っております。
○栗原君子君 先ほど、よく聞いてという御答弁がございましたけれども、このよく聞いての中には現場の労働者の声もよく聞いての中に入りますね。
○政府委員(岩田貞男君) 先ほど申し上げましたように、雇用に大きな影響を与えるようなものについては、前二者の協議が調った後に、調ったというか一応の成案を得た後に日本港運協会から今度は労組側に御協議を申し上げて、御意見をいただいて、合意を得たものが成案として成立するものと承知をしております。
○栗原君子君 労働組合の方はなかなか意見を聞いていただく場がないと、このように申しておるわけでございます。 とりわけ、島国日本におきましては港湾というのは重要な基幹産業である、このようにお互いが認識できるわけでございます。運輸省は、昨年の十二月六日に港湾についても規制緩和の導入をすることを発表されましたが、港湾について規制緩和が先にありきではなくして、まず港湾の安定運営方策をどう確立していくか、私はこれが先決ではなかろうかと思います。港湾にかかわる関係者によってどのように港湾の安定運営と機能を確立するかをまず考えていただきたい、それらに基づいて行政の法制度を検討すべきである、このように考えるわけでございます。 行政当局の裁量だけで進めるべきではありませんで、まず関係者にテーブルに着いてもらう、これから始めるべきではなかろうかと思いますが、これについてどうでございましょうか。
○国務大臣(古賀誠君) 先生が御指摘いただいたように、運輸省といたしましては、今回、人流、物流の全事業分野におきまして需給調整規制を見直すということにいたしているところでございます。当然、港湾運送につきましてもこれから議論を行わせていただくわけでございますけれども、先生も御承知かと思いますけれども、港湾運送の規制緩和についてはまだ一度も実はどの場所ででも論議をされておりません。そういうことを踏まえますと、まず第一に、行政改革委員会の場で、労働組合の皆さん方を含めましてさまざまな角度から関係者の意見を十分伺っていただくというところが出発点なのかなと、当然そうあるべきだというふうに思っております。その場で十分な御意見を述べていただきたいというふうに思います。 申すまでもなく、今先生がおっしゃいましたように、基本は港湾の安定運営確保をどうやって確立していくのか、そういう中で円滑で安定的な荷役の確保に万全を期す、そういう措置を行っていくということは当然のことだというふうに思います。
○栗原君子君 港湾の労働組合の方では大変努力をしていらっしゃると思うんです。EUの方ともお会いをし、あるいはアメリカの大使館の関係者ともお会いをし、随分そうした汗をかいていらっしゃるわけなんです。もっと私は政治の場で、とりわけ運輸大臣を中心にしてそういう努力をしていただきたいと思います。 先般、アメリカのゴア副大統領がおいでになりまして、橋本総理もあるいはまた池田外務大臣もこうしたことも議論をしていただいているわけでございますけれども、日本の港湾労働者にとっては大変な死活問題にもなっているわけでございます。ぜひそうした面で、まず関係者にテーブルに着いてもらう、そこから始めていただきたいと思うんです。 そこで、私は運輸大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、三月十二日の日に全国四十三カ所でストライキが行われました。こうしたことに対しまして、運輸大臣は港湾の労働組合と話し合うと、そうしたことをインタビューで答えていらっしゃるわけでございます。 ここに業界紙がございますけれども、 古賀大臣は十二日に計画されている港湾労組の二十四時間ストについて「ストになれば、日本経済だけでなく、国際的にも影響が出る」と憂慮を表明。スト回避の方策に対しては「基本的に労使間の問題なので、注意深く見守るほかない」と話した。 と、こうしたことが書かれております。 ただし、労組側がストの理由の一つに挙げている運輸省による港湾荷役業の規制緩和問題に関しては「労組の意見を丁寧に聞く場を設けたい」 このように運輸大臣はおっしゃったということを業界紙で報道しているわけでございますけれども、ぜひ労組の声を丁寧に聞く場を設けたいというところでお約束をしていただくことはできませんでしょうか。
○国務大臣(古賀誠君) ただいま御答弁申し上げましたように、この港湾運送についての規制緩和について、正直申し上げましてどの場でもまだ御論議がされていないというのが実情でございます。しかし、そういった中で聖域はないということで、港湾運送についてもこれから規制緩和をぜひ行っていきたいと、私自身もそういう強い決意を持っております。 そういう中で、今申し上げましたように、まず行政改革委員会の場がそのスタートになるのかなというような気がいたしております。当然、私も機会があればお話を伺わせていただくということはやぶさかでございません。
○栗原君子君 まだ具体的に議論の場としてできていないわけでございますけれども、でも議論がなされないうちに着々と外堀は埋められているわけでございまして、物事は進んでいるわけでございます。このことをぜひ十分に認識をしていただきたい、このように思います。 そこで、これは港湾労働組合の方から出されておりますストライキの通告でございますけれども、三月三十一日以降荷役作業(午前六時より翌朝八時まで)を拒否すると、こうした強い態度に出なければ物が進まないといったような状況になってきております。かつての三十年前の状況と今日ではそうした港湾にかかわる業務というのは随分と変わってきているわけでございます。三十年間ほったらかしにしてきたことが、私は、今そのツケが出ているんではなかろうかと思います。 それから、規制緩和につきましても、頭から反対ということは言っておらないわけでございます。協力できるところは大いに協力をするということも言っているんです。そして、合意したことについては自分たちはきちんと約束は守るんだと、こういったことも言っているわけでございます。 ぜひ最後に、運輸大臣の決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 大変申しわけないんですけれども、答弁の繰り返しになろうかと思います。先生も、今労働組合のお立場で規制緩和についても合意がとれた点については協力をするということでございます。当然、再三申し上げておりますように、まず行政改革委員会の方で労働組合の方々の率直な意見ということを十分聞かせていただく機会というのがこれからは出てくるわけでございます。ぜひそういうところで、労働組合の皆様方の意見というものを十分出していただきたい。 そうした中で、今申し上げましたように、港湾の安定運営の確保ということが大事でございます。そういうことを確立させていただいた上で、円滑で安定的な荷役の確保ということに運輸省としては万全を期していくという責任があるわけでございますから、そういう方向に向かって努力をしてまいりたいと思います。どうぞひとつ、組合の方々にもそういう場は幾らでも、これからテーブルに着いていただくわけでございます、存分に御意見を述べていただきたいというふうに思います。
○栗原君子君 よろしくお願いします。終わります。
○芦尾長司君 芦尾長司でございます。お時間をいただいておりますので、若干の御質問をさせていただきたいと思います。 私は、観光対策につきまして、二、三質問させていただきたいと思います。 所得水準の向上に伴いまして国民生活にゆとりが生じてまいりまして、余暇時間が増大してきております。特に、長寿社会を迎える今日、熟年層の余暇活動というものが非常に大きくなってきております。一方、交通道路網の発達また情報通信網の高度化、こういったようなことで人間のモビリティーといいますか、そういうものが飛躍的に大きくなってきております。こういったことはもう申すまでもございません。そこで、観光といいますものはこれからの国民生活に重要な地位を占めてまいろう、国民生活の豊かさを実現する上で大きな役割を果たすことになってまいろうというふうに存じます。 そういうことからいたしまして、ちょっと国内の観光状況を見てみますと、平成三年度で二億一千五百万人、これが国内の観光客の数でございますが、それが平成六年には二億二百万人、平成七年は一億八千七百万人、これは阪神大震災の関係とかサリン事件がありました。そういったようなことで全般的に低下しておると思いますが、いずれにいたしましてもどうも低迷状況にあるような気がする。一方、日本人の海外旅行者を見てみますと、平成七年千五百三十万人ということで、これは対前年比十二・七%増と史上最高、こういうことになっております。 こういうことから考えますと、我が国の観光の需要というものは根強いものがあると思うんですが、一方観光に対する供給というんですか、これが不足しておるといいますか場合によってはミスマッチもしておると思うんです。もちろん、観光地におきます自助努力というものは大切でございます。そうしたことも踏まえまして、運輸省におかれてはこれまでも諸対策を講じてきておられますけれども、平成九年度に講じようといたしておられます観光の重点施策といったようなことを具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(相原力君) 観光につきましていろいろと先生から今御指摘いただきましたように、観光をめぐる環境の変化あるいは観光に対する期待が非常に高まっているわけでございます。そういう中で、平成七年の六月に観光政策審議会におきまして、「今後の観光政策の基本的な方向について」ということで答申をいただいております。これを受けまして、観光振興のための取り組みを行っているところでございます。 先生からも御指摘いただきましたように、観光というのは国民生活に不可欠なものでもありますし、また経済構造を安定的なものとして新しい雇用を創出できるような観光産業というのが非常に重要なものになるというような位置づけもございます。また、地域の活性化の問題、あるいは国際観光では国際相互理解等にも貢献できる、そういういろいろな意味で大きな重要な意味を持っております。二十一世紀の我が国経済社会の発展の核となり得るような重要性があるんではないかというふうに考えているところでございます。 具体的な施策でございますが、国際観光それから国内観光、両面ございます。 国際観光につきましては、先ほどの観光政策審議会の答申も踏まえまして、日本に来る観光客の倍増を目指しましたウェルカムプラン21というのを昨年四月に取りまとめたところでございます。現在、外国から日本に来るお客さん約三百三十万、昨年ですと三百八十万ぐらいでございますが、これを二〇〇五年には倍の七百万まで持っていきたいということでございます。また現在、東京、大阪に外国人のお客さんが集中しておりますので、それを多様な地域へ外国人のお客さんに行っていただこうということで、そういう意味での外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律、こういう法律案を今国会に提出させていただいているところでございます。平成九年度はこれらの具体化を図っていくことといたしております。 それから、国内観光につきまして、これも先生御指摘ございましたように、ここ何年か国内観光について空洞化現象ということも言われておりますが、むしろ人数も減っているというような状況もございます。こういう状況を踏まえまして、観光産業あるいは地域が連携いたしまして、国内観光促進のための具体的な施策を推進していこうということで取り組んでおります。 具体的に申し上げますと、国内観光を促進するための国内観光促進協議会というのをつくっております。これは、旅行業者あるいは交通関係事業者あるいは地域等も含め、ての協議会でございます。それから、デスティネーション開発協議会ということで、具体的な目的地別のデスティネーションというそういう開発協議会というのもつくっておりまして、国内旅行の振興を図ろうということでございます。また、国内旅行の魅力をアピールする意味で、総合見本市的な旅フェアというのをここ何年か実施しておりますが、本年は五月中旬に大阪で開催する予定でございます。こういうことによりまして旅行需要の喚起を図っていくことといたしております。
○芦尾長司君 ぜひ国内的にも国際的にもそういう観光施策というものを積極的にお取り組みいただきたいと思います。 そこで、これに関連いたしまして、阪神地域の観光開発につきまして、阪神・淡路大震災からの経済復興という観点にも立ちましてお願いをいたしたいわけでございます。 なお、震災復興につきまして、これ別でございますが、さきに神戸港の復旧につきまして大臣から力強い御答弁をいただいておりましたが、来月、神戸港の震災復旧の記念式が行われるという運びとなりまして、大臣も御出席いただけるかというようなことも聞いておりますけれども、心から御礼を申し上げる次第でございます。 そこで、神戸の観光入り込み客の数でございますが、平成六年に二千四百四十万人でございましたが、平成七年は震災のおかげで四四%、千七十四万に落ち込んでおります。そこで、運輸省を初め国におかれましては、全国会議の開催の支援でございますとか、それからモーターボートの特別競走によります資金活用によります観光関連の施設を応援していただきました。さらには今局長お話しございましたが、神戸でも阪神・淡路観光復興促進デスティネーション協議会、こういうものを発足していただいて訪客支援をいただいた、こういったようなことで平成八年は二千六十二万人、八五%まで回復をしてきております。 そこで、これからなのでございますが、実は特に神戸において、阪神地域も含めましてですが、観光資源を創造しようということで神戸ルミナリエというのを始めております。これはイタリア南部に伝わりました幻想的な光の空間芸術ということにもなろうかと思いまして、また本日御出席の皆さん方にもごらんいただいたかとも思うわけでございますが、二十二万個の電飾アーチのトンネルというものをつくりまして、旧外入居留地かいわいを中心といたしまして輝きを取り戻して、そして犠牲者の鎮魂とまた被災地への希望の光ということで、今大きな反響を呼んでおります。平成七年度と平成八年度、二回開催しただけでも大きな反響を呼んでおります。 現実問題といたしまして、平成七年には二百五十四万人を集め、平成八年には三百八十五万人を集めた、こういうことで、その効果も二百六十億円、三百億円といったような効果を呼んでおるといったデータも出ておるわけです。これをこれから年末の神戸の冬の風物として定着をいたしまして、震災復興のシンボルイベントとして定着をしていきたいと思っておりますのでぜひ支援をお願いいたしたいと思いますが、御所見をお願いしたいと思います。
○政府委員(相原力君) 神戸の震災復興に関連いたしまして、観光というのが非常に重要な位置を占めているということも、私ども十分認識しているところでございます。神戸は、港湾に並んで観光も非常に大きなウエートを占めているということでございます。先生の御指摘にありましたように、神戸への観光入れ込み客数も昨年ではほぼ八五%くらいまで復帰しているということで、私どもも何とか一〇〇%まで早期に復帰させたいというふうに考えているところでございます。 神戸のルミナリエにつきましてでございますけれども、先生からお話しございましたように、一昨年、昨年ともに大変大勢の来場者がおり、また経済的にも大変な効果があったというふうに私どもも聞いておりまして喜んでいるところでございます。 先生のお話にもございましたように、運輸省といたしましても、観光復興促進を図るための重要事業であるというふうに位置づけております。これもお話しございましたが、モーターボート特別競走の収益金から拠出されました震災復興支援資金による助成を平成七年度から行っているところでございますが、また地元と観光送客関係者の官民連携によるデスティネーション協議会等の場を通じてPR、集客等を積極的に支援してきているところでございます。またことしも十二月に開催予定というふうに聞いております。引き続き積極的な支援を行う等、できる限り協力していきたいというふうに思っております。
○芦尾長司君 どうぞよろしくお願いいたします。 それからもう一点、観光問題。観光の事業を活発にやるためには観光資源を開発していくことがもちろん重要でございますが、それを生かす人材を育成するということがより重要になってまいろうと思います。 今、観光の宿泊旅行業といいますか、そういうものに従事する人の養成機関というのはあるようでございます。それも重要なのでございますが、さらに観光サービスや観光施設の経営等に、ホテル経営等も含めてでございますけれども、すぐれた感性とか能力を有する人材の確保育成というものがこれまた大切だろう、そしてまた、そうした人材育成とあわせまして総合的な観光振興方策こういったものを総合的に研究する、そういう高等教育機関というものが必要だろうということが言われておりまして、欧米では既に活発に行われているというふうに聞いております。いわば観光大学といいますか、そういうことにつきまして運輸省でも既にお取り組みを始めていただいておると聞いておるわけでございますが、その欧米の状況も踏まえまして現在の検討状況をお伺いいたしたいと思います。 なお、この観光大学が設置されるということになりますと、国際港都神戸というのは非常に最適地であろうと考えておりまして、また地元でもそういうお話を聞きまして熱心な誘致活動も始めておるということでございますけれども、現在の状況なりこれからの見通しについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(相原力君) 観光産業の人材育成の重要性につきましては先ほども触れましたが、平成七年六月に出されました観光政策審議会の答申でも指摘がなされているところでございます。運輸省といたしましてもこの答申を受けまして、平成八年度から観光産業における人材育成等に関する懇談会、それから並行いたしまして観光産業における人材育成等に関する研究会、この二つを設置いたしまして検討しているところでございます。 具体的には、観光関係教育機関に対して、現在お話しございましたように大学等で一部観光関係の教育を行っているところもございますので、そういうところに対するアンケートとかあるいは観光の関係業界あるいは地方自治体に対するヒアリングも実施いたしております。観光産業における人材育成における課題の抽出等の基礎的調査を行ったところでございます。これを受けまして、平成九年度にはこの基礎的な調査の結果を踏まえて、観光産業における総合的な人材育成のシステムのあり方についてさらに検討を深める予定でございます。 先ほどもお話しございましたように、観光関係業界が求めている人材とそれから現在観光関係の教育機関で養成されている人材との間に乖離があるということが明らかになっておりまして、これへの対応が大きな課題というふうに認識しているところでございます。
○芦尾長司君 ありがとうございました。 観光関係、法案も出ておりますのでまだこれから御質問の機会があろうかと思いますので、最後に大臣にちょっと御決意をお願いいたしたいのでございますけれども、観光事業の動向は、先ほども局長の方からもお話しございましたが、雇用創出にも非常に有効である、また地域振興にも国際宣伝にも大きな影響を及ぼす、幅広い効果を持つということになります。二十一世紀の我が国発展に重要な役割を果たすものであろうと思われますが、これらの取り組みにつきましての御決意をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 最初にお礼を申し上げたいと思いますが、神戸の港湾の復興につきましては大変先生方にも御支援をいただきまして、おかげさまで明日の閣議におきまして神戸の港湾の復興状況について御報告を申し上げる段階になりました。私自身も大変喜んでいる次第でございます。厚くお礼を申し上げたいと思っております。 おかげさまで、貨物の取扱量につきましても、大体震災前にほぼ近づいてきつつあります。また、今先生がきょうの御質問のテーマになさっております観光の点につきましても、御指摘いただきましたように、まだ震災前の一〇〇%までは行っておりませんがおおむね八五%まで来ているということで、さらに神戸におきます観光産業の占める分野というものが非常に大きな役割を果たしているわけでございますから、これからも今御議論いただいているような点を踏まえながら積極的に推進していかなければいけないというふうに思っております。 特に、今お話があっておりますように、観光という分野は雇用の面でも非常に重要な課題でございます。特に、その中でもどういう人材を育てていくのかということも、今政府委員の方から御答弁申し上げましたように、大切なことだというふうに思っております。 何よりも、観光というものは直接人と人と触れ合うことができます。そしてまた、その地域の特性を実際に肌で感じることができ、目で見ることができる、大変すばらしいことだと思っております。そういったことを一つの産業として大いに振興していくということは、さらに私は大切なことではないかというふうに思っております。 そういう観点からも、今後の神戸における観光の産業としての振興のみならず、全国至るところにたくさんいいところがあるわけでございます。文化があり、歴史のあるところがたくさんあります。そういうところを踏まえながら観光についてさらに一つの産業としてどう育成していくのか、その中に雇用の場を含める人材というものがどうあるべきなのか、総合的に検討していく必要は大変重要なことだと、私も全く先生と同じ認識をいたしております。
○芦尾長司君 どうもありがとうございました。
○委員長(直嶋正行君) 以上をもちまして、平成九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(直嶋正行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十三分散会