運輸委員会 第1号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1997/01/23
会議録
○委員長(直嶋正行君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(直嶋正行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(直嶋正行君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。 ナホトカ号海難・流出油災害について、運輸大臣から報告を聴取いたします。古賀運輸大臣。
○国務大臣(古賀誠君) ナホトカ号海難・流出油災害について御報告を申し上げます。 本年一月二日に発生したロシア船籍タンカーナホトカ号の折損沈没事故により、推定五千キロリットルの重油が日本海に流出するとともに、その船首部が推定二千八百キロリットルの重油を残存したまま漂流後、福井県安島岬沿岸に着底し、流出油の一部が沿岸に漂着する事態が生じております。 二日の事故発生後、海上保安庁は、まず、冬の日本海の荒天下にもかかわらず、巡視船、航空機によりタンカーの乗組員の人命救助及び行方不明者の捜索に全力を尽くしました。その後、漂流している船首部の沖合曳航等の作業に取り組むとともに、流出油の監視、防除にも取り組みました。荒天のため残念ながら船首部は福井県の沿岸部に着底し、また、流出油の一部も沿岸に漂着いたしましたが、私といたしましては、このような状況下で最大限の努力を尽くしてきたつもりです。 さて、流出油の現状等につきましては、その浮流範囲が十七日から能登半島を東側に越えて拡大するとともに、その一部が二十日、新潟県に漂着しており、沿岸への油の漂着も一府六県に広がっております。また、沈没した船尾部周辺海域でも油の湧出が続くなど、依然として予断を許さない状況にあります。 これに対し、昨日二十二日現在で、海上保安庁の巡視船等政府関係船舶九十七隻、延べ千百五十二隻、航空機三十五機、延べ五百六十八機を動員するとともに、海上災害防止センターの契約漁船について千隻以上の動員体制をとるなど、連日にわたって関係機関がその対策に力を尽くしております。 今後の油の防除作業につきましては、冬の日本海の天候等は予想を上回る厳しいものであることから、現時点で回収の見通しについて申し上げられる段階にありませんが、関係各方面の御協力を得ながら、引き続き全力を挙げて応急対策に取り組んでまいる所存であります。 ナホトカ号の海難・流出油災害につきましては、海上保安庁は、四日に第八管区海上保安本部、六日に第九管区海上保安本部にそれぞれ現地対策本部を設置するとともに、七日には本庁に対策本部を設置し、さらに、警備救難監を本部長とする現地対策本部を福井県三国町に設けて対応してまいりました。また、十日の閣議において私を本部長とするナホトカ号海難・流出油災害対策本部の設置について御了解いただき、これを受けて、私は直ちに現地に赴き状況を視察するとともに、同日の第一回会合において関係省庁間で相互の密接な連携と協力のもとにその応急対策に全力を尽くすことを確認いたしました。 その後、特に緊急かつ重大な問題となっておりました、福井県三国町沿岸に着底しているタンカーの船首部に残存する油の回収・処理対策につき、地元関係者間で具体的な方策がまとまりましたので、早速、十四日に第二回会合を開催し、本部としてその防除方策を了承し、これを受けて、直ちに海上保安庁長官から海上災害防止センターに緊急に措置を講ずるよう指示をいたしました。 同センターでは同月、準備作業に着手し、十六日から船首部の油抜き取りのための作業を実施し、十七日までに約七百九キロリットルの油を回収しましたが、その後は御案内のとおりの荒天のため作業を中断しております。十八日には再度私自身現地に赴き、作業に全力を挙げるよう指示したところでありますが、海上での作業は天候に左右されるため、天候の回復次第、早急に油を抜き取るべく全力を尽くしてまいります。 陸上からの施工が可能な仮設道路の整備につきましては、既に長さ百メートルの陸上部分の道路等の整備を終え、海上部分の道路についても海岸線から八十メートルまで整備したところであります。これについても、二十日から荒天のため作業の中断を余儀なくされ、また、整備中の海上部分の道路の一部が波浪のため一部損壊しておりますが、天候の回復次第、早急に作業を再開することとしております。 浮流油については、海上保安庁が中心となり、関係機関の協力を得て防除作業に全力を挙げております。 特に、能登半島を東側に越えて浮流する油については、これ以上の大幅な被害を未然に防ぐという観点から海上保安庁の巡視船艇を重点的に集結させるとともに、港湾建設局の油回収船清龍丸を派遣し、また、海上自衛隊や海上災害防止センター等にも依頼し、さらに、関係漁民の方々とも一体となって油の防除に取り組み、沿岸部への影響を最小限に食いとめることに全力を尽くしております。また、若狭湾岸に立地する原子力発電所の沖合について重点的に油の防除を実施するとともに、沈没した船尾部から湧出している油についてもその防除に努めております。 なお、沈没した船尾部に残存する油の処理につきましては、一月二十五日から、科学技術庁の深海観測装置による船尾部の現状調査を実施することとしております。 漂着油については、関係自治体が中心となり、関係機関や民間ボランティアの方々等とも協力して、懸命にその回収に努めております。不幸にしてお亡くなりになった方々に対し、心からなる弔意を表すると同時に、ボランティアの方々等の健康管理等については、特段に万全の対策をとっていただけるよう私から関係省庁に対して指示をいたしたところでございます。 また、以上の応急対策に加え、事態の重大さにかんがみ、被害状況の把握、被害により生じた賠償問題等の流出油による被害対策、事故原因の究明や老朽タンカー対策等の再発防止等についても、政府が一体となって進めることが必要となっております。 このため、二十日、内閣官房長官が主宰する関係閣僚会議が設置され、同日第一回会合が開かれたところです。第一回会合では、応急対策等については引き続き対策本部を中心に取り組むことや、被害状況の把握や賠償問題等の対策についても、関係省庁の連携により適切な対応をすることが確認され、政府としてこれらの課題に総合的に取り組んでいくこととなりました。 この中で、外務省から、まず五日に在京ロシア大使館に対し、船主が適切な対応を行うよう申し入れたのを初めとして、モスクワ及び東京において、ロシア側に対し、油汚染の防除、原因の究明、補償の確保、再発防止の措置等に関し逐次申し入れを行い、ロシア側からは、遺憾の意の表明のほか防除作業に参加するための特殊船舶の派遣等の表明があったことが報告され、現在現場海域に派遣されております。 また、事故原因の究明については、甚大な被害と再発防止対策の緊急性にかんがみ、運輸省は、ロシア政府に対し、外務省を通じて、これらに係る国民感情を伝えるとともに、共同で事故原因調査に当たることを強く申し入れたところであります。 また、今回のような事故の再発防止の観点から、我が国は、十二日からロンドンで開催された国際海事機関の小委員会において、国際条約の一層の徹底した実施と寄港国による監督の強化などを内容とした提案を行い、今後検討されることとなりました。 事故による損害に対する補償については、油濁関係条約及びこれらの条約の国内法に基づき、船舶所有者からの賠償及び国際油濁補償基金からの補償がなされ得ることになります。既に同基金より補償に関する問い合わせ窓口等が表明されたところであり、今後個々の被害者との間で具体的な補償についての話し合いがなされることとなりますが、これが適切に実施されるよう政府としても的確に対応していく必要があると考えます。 また、これらの課題のほか、外洋型油回収船、関係機関の防除資機材、防除対策の科学的、技術的研究等回収体制及び危機管理体制の強化にも強力に取り組んでまいりたいと考えております。このため、運輸省としても、これらの課題にどのように取り組んでいくかについての検討を進めるため、省内に事務次官を議長とする連絡会議を設置いたしました。 最後になりますが、私は、政府の対策本部長として、関係機関と一体となり、地方公共団体や民間ボランティア等とも連携をとりつつ、緊急かつ重大な課題である流出油の防除等の応急対策に今後とも全力を尽くしてまいる所存であります。また、被害状況の把握や賠償問題等の被害対策、事故の再発防止等についても、関係省庁とも十分議論をし、運輸省として取り組むべき事項についてその解決のための方策を検討してまいります。運輸委員会の委員の皆様におかれましても、引き続いての御指導と御支援、御協力を重ねてお願いを申し上げる次第でございます。
○委員長(直嶋正行君) 以上で報告の聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会