予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 253 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/03/03
会議録
○中川主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。何とぞよろしくお願いを申し上げます。 本分科会は、法務省、外務省及び大蔵省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算中大蔵省所管について、政府から説明を聴取いたします。三塚大蔵大臣。
○三塚国務大臣 平成九年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、七十七兆三千九百億四百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十七兆八千二十億円、雑収入は二兆五千二百一億四千三百万円、公債金は十六兆七千七十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十八兆七千四百八十八億八千八百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れば一千七百十五億四千百万円、国債費は十六兆八千二十三億二千九百万円、政府出資は四千六十億円、予備費は三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百六十九億九千七百万円となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入四千十五億九千四百万円、支出四千二百十億一千八百万円、差し引き百九十四億二千四百万円の支出超過となっております。 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○中川主査 この際、お諮りいたします。 ただいま三塚大蔵大臣から申し出がありましたとおり、大蔵省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 平成九年度一般会計歳入予算並びに大蔵省 所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入 歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算 に関する説明 平成九年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、七十七兆三千九百億四百万円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、二兆二千八百五十億八千万円の増加となっております。 以下、歳入予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、租税及印紙収入は、五十七兆八千二十億円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、六兆四千五百七十億円の増加となっております。 この予算額は、現行法による租税及び印紙収入見込額五十七兆九千百三十億円から、平成九年度の税制改正による減収見込額一千百十億円を差し引いたものであります。 次に、各税目別に主なものを御説明申し上げます。 まず、所得税につきましては、住宅取得促進税制の見直しによる減収額を見込んだ上で、二十兆八千八百二十億円を計上いたしました。 法人税につきましては、租税特別措置の整理合理化等による増収額を見込んだ上で、十四兆四千三百二十億円を計上いたしました。 消費税につきましては、税率の改正に伴う影響等を勘案した上で、九兆八千百三十億円を計上いたしました。 以上申し述べました税目のほか、相続税二兆四千六百十億円、酒税二兆六百三十億円、たばこ税一兆六百二十億円、揮発油税一兆九千五百六十億円、関税一兆九百三十億円、印紙収入二兆百九十億円及びその他の各税目を加え、租税及印紙収入の合計額は、五十七兆八千二十億円となっております。 第二に、雑収入は、二兆五千二百一億四千三百万円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、一千七百十九億四千三百万円の増加となっております。 この収入のうち主なものは、日本銀行納付金三千八百八十九億円、日本中央競馬会納付金四千五百四十三億二千四百万円、特別会計受入金一兆一千八百六十五億六千五百万円等であります。 第三に、公債金は、十六兆七千七十億円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、四兆三千二百二十億円の減少となっております。 この公債金のうち、九兆二千三百七十億円は、建設公債の発行によることとし、残余の七兆四千七百億円は、特別公債の発行によることといたしております。 なお、特例公債の発行につきましては、別途、「平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案」を提出し、御審議をお願いいたしております。 最後に、前年度剰余金受入は、百七十八億七千四百万円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十八兆七千四百八十八億八千八百万円でありまして、これを前年度当初予算額に比較いたしますと、二千六百十二億九千百万円の減少となっております。 これは、緊急金融安定化資金が六千八百五十億円減少しましたが、他方、国債費が四千二百七十一億三千百万円増加したこと等によるものであります。 以下、歳出予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、第一に、産業投資特別会計へ繰入につきましては、一千七百十五億四千百万円を計上いたしておりますが、この経費は、無利子貸付け等の財源に充てるための「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法」に基づく産業投資特別会計への繰入れに必要なものであります。 第二に、国債費につきましては、十六兆八千二十三億二千九百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債及び借入金の償還及び利子等の支払並びにこれらの事務の取扱いに必要な経費の財源を、国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 第三に、政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等二機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として、四千六十億円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫百九十五億円、海外経済協力基金三千八百六十五億円であります。 第四に、経済協力費につきましては、五百五億四千六百万円を計上いたしておりますが、この経費は、国際開発金融機関を通じて供与する発展途上国に対する経済協力等に必要なものであります。 最後に、予備費につきましては、予見し難い予算の不足に充てるため、三千五百億円を計上いたしております。 次に、当省所管の特別会計のうち主な会計につきまして、その歳入歳出予算の概要を御説明申し上げます。 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百六十九億九千七百万円となっております。 次に、印刷局特別会計におきましては、歳入一千百十七億五千六百万円、歳出一千五十三億八千百万円、差引き六十三億七千六百万円の歳入超過となっております。 以上申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、外国為替資金、産業投資、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、国民金融公庫におきましては、収入四千十五億九千四百万円、支出四千二百十億一千八百万円、差引き百九十四億二千四百万円の支出超過となっております。 このほか、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、環境衛生金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○中川主査 以上をもちまして大蔵省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○中川主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。城島正光君。
○城島分科員 新進党、城島でございます。きょうは、時間が限られておりますので、主に二点について質疑をさせていただきたいというふうに思います。 中心的には、この四月一日から予定をされております消費税アップに関しての問題であります。特にその中で、私の方からは、たばこと酒に関しての問題提起をさせていただきたいと思います。 現在、たばこ、さらにはお酒、お酒の中でも特にビールでありますけれども、これに課せられた税が、極めて高い税率が既にかかっております。例えば、たばこは既に約六〇%がたばこ税でありますし、酒類においてはすべてが大体二けた以上、その中でもなかんずくビールに関しては、大瓶で四五・五%、缶ビールにおいても三七%強程度の異常に高い税率が既にかかっているということであります。 昭和六十三年の税制改革法をひもといてみますと、この中では、今後の間接税のあり方として、特定の物品・サービスに突出した税負担を課すべきではなく、すべての消費に広く薄く負担を求めることを基本精神というふうにうたっているわけでありまして、そういう精神の中で消費税が導入されたというふうに理解をしているわけでありますが、今申し上げました特にたばこと酒に関しては、実態としてこの税制改革法の基本精神から大きく逸脱しているのではないかというふうに思うわけでありますが、この点についてまず確認をさせていただきたいというふうに思います。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 酒、たばこについての税負担が重いのではないかというお話でございました。酒、たばこ、御承知のように特殊な嗜好品でございます。これに着目しまして、どこの国でも製造者段階で酒税、たばこ税が課されているというふうに承知しているところでございます。この特殊な嗜好品である、財政物資であるというところに着目して課税されておりますのが酒、たばこ税でございまして、これと別途に消費税が存在する。 現在この税負担が高いのではないかというお話がございましたが、このような性質、あるいは最近における消費の状況等を考えますと、現在の税負担水準は適正なものではないかというふうに考えているところでございます。
○城島分科員 諸外国においても大体そういう税が課せられているという実態は理解をしているわけであります。しかしながら、現実的に、先ほど申し上げたような税制改革法の精神というのはそういうことではないのじゃないかというふうに思いますし、それから、海外といっても、よく欧米の例を挙げられますけれども、特に酒税あたりについてはそれでも日本の方がかなり高いということではないかというふうに思いますね。 しかも、最近は、EUというヨーロッパ全体においては、酒税を下げる方向での検討がかなり進んでおりますし、現状は、国別に若干違いはありますけれども、それにしてもビールにおいては諸外国に比べてもかなり高い水準にあるというふうに理解をしております。そういう点からいっても、諸外国の例と比べてみても水準が高い。ましてや我が国の昭和六十三年の基本精神からいっても、本来はなくすのが当然だと思いますけれども、そういう点からしても高過ぎるということにおいては間違いないのじゃないかというふうに思っております。 そういう点もぜひ考慮していただきたいなというふうに思うのでありますが、今御答弁の中にありましたけれども、そういう酒税、たばこ税の上に消費税がかかるというのは一般的である。これもそういう体系としてはそのとおりだというふうに思いますが、今申し上げたように、一般的である海外においても、どちらかというと酒税あたりについて実質的には日本よりかなり低い現実にある。消費税、あるいはヨーロッパでいけば付加価値税の方の率が高いという、構造はそういうことになっているのではないかというふうに思います。そういう中で消費税が二%上がっていく、今申し上げたような非常に高い、私に言わせれば非常に高い税率がある上にさらに二%上がっていくということでありますから、少なくとも、今の税率の高さから考えると、消費税を導入したときと同様に、総合的な税負担は増加しないように、そういう面でいうと酒税、たばこ税の調整減税をすべきではないかと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○尾原政府委員 今回、消費税が二%上がるのであるから、酒、たばこ税についても何らかの税負担の調整をすべきではないかというお話でございました。 先生御承知のように、この消費税、いわゆる付加価値税というものでございますが、これはまさに取引価格を課税標準とするものでございまして、その中にはどうしても製造者の段階での酒、たばこ税が当然のことながら取引価格の中に入ってくる、それを課税標準とするということになるわけでございまして、これは国際的に確立したルールでございまして、ECの第六次指令でも、このようなことについては調整をせずに、まさに消費税の課税標準に含めるべきであるというふうになっているわけでございます。 したがいまして、これもまた諸外国の例を言わせていただきまして恐縮でございますが、付加価値税を諸外国で引き上げまするときに個別間接税の税率を引き下げるというような例は、今まで私ども承知しておりません。したがいまして、この酒税等につきまして税負担が重いのではないかというような御主張があることは承知しておりますけれども、消費税の税率引き上げが直ちに個別の間接税の税率調整につながるものではないというふうに実は考えているところでございます。 いずれにいたしましても、この厳しい財政状況のもと、特殊な嗜好品という性質を持っているのが酒税、たばこ税でございます。したがいまして、今回、調整的に酒税、たばこ税の減税を行うということは適当でないのではないかというふうに考えた次第でございます。
○城島分科員 今、酒、たばこは特殊なというふうにおっしゃいましたけれども、特殊であるかどうかということについては、そういう状況ではないのではないか、既にかなり一般的であり、嗜好品といっても、どこでそれを区切るかというのは大変難しいわけであります。そういう点からしても、諸外国の税体系というのは私も理解しております、そういうことだと思いますが、何度も繰り返しますけれども、それにしても、税率そのものの高さというのは、やはり日本の方が極めて高過ぎる、高いということではないかというふうに思います。 今後、こういった状況の中で、さらに全体的な部分でいうと不安感があるのは、消費税についても、政府・与党の中において見ると、今世紀中にさらに七だとか一〇だとかという可能性があるというようなことの中で、このままの体系で同じようなことが今後も進んでいくとすれば、これは消費者のみならず、それを生産するというかメーカーサイドからしても大変大きな問題であるというふうに思います。 なぜそうかということについて少し詳しく申し上げたいわけでありますけれども、後でちょっと時間があれば触れたいわけでありますが、今回のWTOのパネルでも蒸留酒の問題が論議になりまして、ほぼ今度の一部改正案に出ておりますけれども、それも基本的には国際ルールですよね、大蔵省が説明しているのも、国際ルールにのっとった体制をと。国際ルールであり、同時に、まさしくそれはよく言われるような経済のグローバル化時代においてということであります。 すなわち、経済のグローバル化というのは、物が国境を越えてどんどん行き来する。もちろん、これは物だけではなくて、人、物、金、資本、すべてそうでありますけれども、一番大事なことは、この中で製品というのが国境を自由に往来するようになる、そうしますと、すべての製品について、国境を越えて行き来するような製品について見ると、同じ価値であれば安いものが強くなるのは当たり前ですし、消費者もそれを好む、できるだけ安い製品でいいものをということにどうしてもなっていくわけであります。そうしますと、今、トータルの値段をできるだけ安くするということが、生産者側からしても最大のテーマであります。まさしく、一言で言えば、国際競争力を持った商品を開発していこうということになるわけであります。 そうしますと、今の税体系、一般的なことは承知しておりますけれども、それでも一応、例えばいわゆる製造原価というのでしょうか、小売価格になる生産者からの価格、その上にたばこ税なりあるいは酒税がかかり、その上に今度は五%がかかっていくということになりますね。酒税とかたばこ税は、海外の製品でも同じ率がかかるのはわかります。しかし、もともと安いコストのものが入ってくるわけですね。また、現実にこの数年は、ビール等も海外からの安いものを入れるということであります。 そうすると、そのもともとの、国内での生産段階においてもできるだけそれはコストを安くしようということで、生産現場ではもう本当に一円一円のコストダウンを日夜やっているわけです。ただその中で同時に、御承知のように、割高な国内の原料を一定割合で購入することが義務づけられているわけですね。これは、例えばビールにおいて見ますと、ビール業界全体としては年間約二百億円の負担が、海外の安い原料を買えばというような比較でいけば、二百億円の差が出てくる。それが現実ですから、できるだけそういうことも含めて解消してほしいというのはあるわけでありますけれども、それは一気に解消するのは難しいかもしれません。 ただ、現実的には物が、一方では自由な、国境はなくなっていく、酒においても、二〇〇二年、二〇〇四年には関税がゼロになっていくということになりますと、ますますそういう流れが強くなる。そういうベースとなるところにおいてもハンディキャップがあり、その中で一円一円のコストダウンをやりながらもハンディキャップがある。そこに酒税があり、そしてトータルに対して今三%であり、五%に今度なっていくとすれば、酒税のところはいいわけでありますけれども、国内の生産者のコストのところに同じ率でそれはかかっていくわけですよね。 現状、そういう状況の中で、さっきから繰り返しますが、なおかつ酒税も高いということになると、トータルの値段において影響してくるのはかなり大きくなるわけであります。三から五になれば、それだけでも、率的には変わらないにしても額的には大きくなっていく。これがまして将来どうなるかわからない、さらに上がっていくということになると、このままの形で消費税率が上がっていくということについては、これはちょっと看過できないということであるわけであります。そういう点も含めてみると、このままの税体系とこのままの形でこれが推移していくことについては、現実の環境、グローバル化経済の中における生産者はもとより、消費者にとってもそうでありますけれども、それはなかなか理解できないというふうに思いますが、いかがでしょう。
○尾原政府委員 今、特にビールなどの例を挙げて御質問がございました。ビールが特に税負担が高いのではないかという話、これもよく承知しております。 ただ、ビールの場合、申し上げますると、酒税は大体二兆円の税収がございますけれども、このうちの七六・一%がビールからの酒税でございます。その消費も、ほかの酒類の消費が低迷する中でも好調に推移しているところでございます。また、国の財政は大幅な赤字公債に依存している状況にございまして、一刻も早い財政の立て直しが要請されております。したがいまして、税負担の軽減を行うような状況にはないということは繰り返し述べさせていただいたわけでございます。 いずれにいたしましても、この酒税等の税率水準につきましては、これまでの税制調査会の答申におきまして、随時負担の見直しを行い、適正な税負担水準の確保に努めるべきであるとされておりまして、今後とも、こうした基本的考え方を踏まえ、検討を行っていくべきものではないかと考えているところでございます。
○城島分科員 特にビールが酒税全体の税収においてかなり高い比率を占めているというのは実態であると思いますね。であるがゆえに、逆に強く問題意識を持っているわけでありまして、そこは、税を取る側とそれを生産するあるいは消費する側からの違いだと思います。いろいろなアンケート調査を見ても、消費者の認識は、酒類全体でありますけれども、既に税率というか税が高いという認識があるのですね、圧倒的に。消費者自身の認識がそこに来つつあるということについては、ぜひ理解をしていただきたいというふうに思います。 それから、この件について、昨年、平成八年の税制大綱によって酒税の区分の見直しが図られたわけでありまして、特に、私は、その中でこれは大変大問題だと思うのは、発泡酒の税率区分が十月一日から変更になったのですね。これは、内容は申し上げません。御承知のとおりであると思います。 これは、今申し上げたような、海外との競争力はもとより、もう既に税金がかなり高いんだということも含めて、そういう製品を開発して一円でも安く国内の消費者へ提供しようという、これは本当に企業においても懸命な努力をやっているわけですね。これについて、かなり研究投資も含めて、味もできるだけ変わらないように、今の税体系の中で安くできる中心というのはこの税率なんだというところへ目をつけるのは当たり前のことであって、そのかわり品質も落とさないようにということでかなりの投資をしているわけですよ。これは、人件費の投資というのは莫大なものがあるわけですね。それを一気に、あっという間に発泡酒の税率区分を変えてしまう。そういう製品が開発されたことに伴って税率区分を変更するというのは、よく例えに言われますけれども、百メートル競走をやってスタートした直後、おまえは速いからゴール先は二百メートルよというのに匹敵しますよね。 まさしく、まじめに、今の置かれている環境の中で最善を尽くして、国際競争力も越えながら、なおかつ消費者にいいものを提供しようという努力を、率直に言わせていただければあざ笑うかのような税制改正でしたね。こんなことは絶対、二度とやってほしくない。今おっしゃったような税収をふやすためにも、そういう製品をどんどん開発していくことを逆に奨励することはあっても、同じ国内で足を引っ張るようなことだけは断じてやってほしくないというふうに思うわけですね。 これについて、何か御見解があれば承りたい。
○尾原政府委員 発泡酒の先般の改正についてお尋ねがございました。 実は、酒税は、種類の区分に応じてそれぞれの税率があるわけでございますけれども、発泡酒の場合は、ほんのわずか、ビールと実質ほとんど変わらないにもかかわらず、違った税率が適用されるように改正前の酒税法はなっていたわけでございます。間接税の世界で申し上げますると、同じような品物、同じような物資には同じような税負担というのが一つの原則になっていたわけでございます。したがいまして、ビールと全く同様のものがちょっと外れただけで、あるいはその宣伝の仕方も、ビールと全く同じであるというような宣伝をなさっていたというようなこともございます。 他方、そのような企業努力をなされていたというような状況にも十分配慮いたしまして、経過措置を置きながら、そのような発泡酒についての改正をさせていただいたわけでございますが、やはり間接税の考え方といたしましては、同じようなものには同じような税負担をという思想があること、その点は御理解いただければというふうに思っているわけでございます。
○城島分科員 同じようなものをつくるところがまさしく技術開発であり、違うようなものであったらそれはすっきりするわけでありますが、そうじゃなくて、今のルールの中で、やはりそこがまさしく創造性であり、今の時代に日本自身が求められているところじゃないですか。逆に、それは先鞭をつけたものだと私は思いますよ。 そういう、何というか、職場を含めた現場の努力ということについてはもう少し理解をしていただかないと、税制というのは国の基本的な政策ですから、水を差すようなことは絶対にしてほしくないなというふうに思います。 いずれにしても、そういった幾つかの要因が現実にはある。たばこにしても、お酒の業界にしても、また、それを嗜好する人たちについてもあるということでありますから、先ほどからの繰り返しになりますが、本当はたばこ税あるいは酒税というのは実情に応じて下げていくということが必要だろうというふうに思っておりますし、ましてや今みたいな国際競争の環境下にあるわけであります。たばこにおいても、既に関税はゼロになりましたから、そのことによって外国産のたばこというのはシェアが二〇%を超えるというところまで来ているわけでありまして、そういうことの中で懸命な努力がたばこにおいてもされているということであります。 したがって、そういうトータルの我が国が置かれている状況を含めて見ると、この二つの税率については少なくとも上げることはないように、今後について、ぜひその点については強く要請をしておきたいというふうに思います。 本当は引き下げてほしいわけでありますし、また調整減税も今回していただきたいわけでありますが、かなり難しいということでありますので、少なくとも今後については強くその点を要請をしておきたいと思います。 それから、時間があと五分になりましたので、最後にもう一点。 先ほどちょっと触れさせていただきました、今回の蒸留酒についてのパネルでの結論というか、これはアメリカとの二国間交渉が残っているようでありますけれども、これも、税収をちょっと除きますと、解決策としてみれば、しょうちゅう以外の税率を一気に引き下げるということだって一つの案としてはもちろんあるわけですよね。そういう中で、今回の最終的な案になった理由というか背景について、まずちょっと簡単に御説明いただければありがたいと思います。
○尾原政府委員 今回の酒税法改正は、十一月一日のWTOのパネルにおきまして、しょうちゅうとウオツカは同種の産品である、しょうちゅうとウオツカを除いた蒸留酒は直接競合・代替産品であるとされたわけでございます。さらに、しょうちゅうとウイスキー類との税率の格差はデ・ミニミスのものとする。WTOのこれまでの協定の例から見ても、このデ・ミニミスは数%の範囲のものと考えられたわけでございます。 それで、具体的な改正案の作成につきましては、特にこの問題が英国を初めEU等から指摘されてきたという経緯もございます。EU等の関係当事国の感触も探りながら検討を行ったところでございまして、その結果、しょうちゅう及びリキュール類の税率を現行のスピリッツ類の水準まで引き上げる。アルコール分一度当たりの税率を同じものとする。また、これらの酒とウイスキーとの税率格差をデ・ミニミスの範囲、これを一・〇三倍といたしましたが、に縮小するため、ウイスキーの税率を引き下げるというふうになっているわけでございます。 恐らく、先生の今の御質問は、しょうちゅうを上げずに全部下げてみたらどうかというようなお話かと思います。何分にも、酒の税収といいますのは二兆円をなすものでございます。さらに、酒の税金といいますのは、いろいろな種類のお酒が含まれておりまして、その体系のバランスをとることも重要でございます。等々、いろいろ勘案した結果、今提案している案を御提示申し上げているところでございます。
○城島分科員 今回のそういう背景で改正の法案が出ているわけでありますけれども、理由というか背景はそういうことでありましょうけれども、現実的に、今までにないほど大幅な、特に乙類の、地場のしょうちゅうメーカーあたりにとってみると大変なことですよね。場合によっては壊滅的になるかもしれないという不安感があるわけでありまして、そういう点について、きちっとやはりこれからの展開が図れるような、あるいは、特にそこで働いている人たちの雇用問題ということもかなり大きくなってくるというふうに思いますので、そういったことも含めて、将来展望がぜひ見えるような形の政府の支援ということも強く要請をしておきたいというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。
○舩橋政府委員 お答え申し上げます。 今回のWTOの勧告を受けた酒税法改正案では、その製造者のほとんどが今御指摘のございましたように中小の零細企業であるしょうちゅう乙類の税率が、かつてないほど大幅な引き上げとなっているわけでございます。このような経営環境の激変に対しまして、しょうちゅう乙類製造業者の自助努力のみでその影響を克服することには私どもも限界があるというふうに考えております。 したがいまして、このような状況にかんがみ、業界の構造改善、経営の近代化等を一層促進していく観点から、現在、酒造組合中央会がしょうちゅう乙類業対策基金というものを設けまして、この運用益によりいろいろな事業を行っておりますが、これを大幅に拡充するということにしているわけでございます。具体的には、近代化、合理化など経営基盤の強化を図る者に対する支援事業、転廃業を余儀なくされる者に対する転廃給付金の支給等の対策をできるだけ早期に講ずることとしているわけでございます。 このため、平成八年度補正予算において、既にこのしょうちゅう乙類業対策基金の積み増しを二百億円お認めいただいたわけでございます。また、現在御審議いただいております平成九年度予算案におきましても、一般会計の補助金として三億三千三百万円の補助金の計上をさせていただいているところでございます。 この基金の運用益と補助金により、経営の近代化支援として、しょうちゅうの蒸留廃液処理施設の整備、あるいは新商品の開発研究、経営改善、あるいは経営者、従業員の研修等の近代化支援策を講ずるとともに、また、転廃業者に対する支援として、転廃給付金事業を拡充いたしまして転廃業者に対する給付金の支給を行うとともに、合併の場合の被合併者に対しての合併給付金を支給するというような措置を講じさせていただきたいと考えております。 また、財政措置以外におきましても、中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業の実施を予定しているところでございます。 以上でございます。
○中川主査 これにて城島正光君の質疑は終了いたしました。 次に、田中慶秋君。
○田中(慶)分科員 最初に大蔵大臣に質問申し上げます。 ことしの予算、特に歳入面を見ますと、消費税の引き上げ、あるいは特別減税の廃止、あるいは医療等の改悪等々を含めて、約九兆円の負担を国民に強いるものであります。そういう中で、国民の多くの人たちの声は、この税のあり方に大変不満や、あるいはまた反対の声も聞かれます。特に自民党の若手議員の人たち、私もたくさん友人がおるものですから、そういう人たちと話をすると、選挙公約を含めて、現実問題としてこの税への取り組みに戸惑い、あるいは基本的には自分として反対である、よくそういう声が聞かれております。 今やるべきものは、むしろ、増税路線ではなく、あらゆる改革をしていかなければいけないだろう。総理が先般来増税なき財政再建を言われている。来年度、こんな形でありますが、それであるならば、今年度から実施をすべきではないか。景気がよくなればそれだけ税収が入るわけでありますから、そんなことを含めて、最初に大臣のこれらに対する見解をお伺いしたいと思います。
○三塚国務大臣 基本的な政治の課題の御指摘であります。 税制はその国の国家経営の根幹でございまして、その根幹を踏まえながらどうあるべきかは、国民議論の中で、最終的には国会の決定で、こういうことであります。 世はまさに行政改革、財政構造改革であります。こういう中にありまして、景気政策という一点に絞って減税その他のサービスをということにいたしましては、危機的な財政危機を解消しなければならない政府とすれば一どちらを選ぶかという選択、それはまさに、ようやく日本経済も恒久減税等によって腰が定まってきたものでございますから、この機に当たりまして、国民各位の理解を求めながら、まずもって財政再建をすることによりまして、後世に借財を残さない、現世代と後世代の分担の理解、こういうことで取り組む時期に来た。 重々のことはよくわかるのでありますが、そうすることがこの五年間日本がよみがえることに通ずるということで、お願いを申し上げておるところであります。
○田中(慶)分科員 その辺に対する主張や考え方は若干違うわけでありますけれども、いずれにしても、今、地域の末端は大変厳しい環境にある。 極端なことを申し上げて、この消費税の導入という形の中で、例えば前倒しで建築関係がそれぞれ行われているわけであります。ところが、税制の関係を含めて前倒しになっているものでありますから、今、材料費は値上げをするわ、あらゆるものが値上げをされて大変戸惑っている、現実に工期もおくれている、こういう声を私どもは現場で見たり聞いたりしているわけであります。 景気対策という一点に絞って考えるならば、この辺を含めて大臣はどういうふうにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
○三塚国務大臣 御案内のとおり、経企庁だけではなくそれぞれの経済調査機関は、四—六は厳しい状況には相なりますが、その後は緩やかな成長を見とることができる、こういうことでございます。 よって、ただいまの視点の前倒しその他の仕事面における配慮というものは、それぞれの官庁が全力を尽くしてやらなければなりませんし、地方自治体においてもそのことに配慮をしていただく、こういうことの中で、こういうときでありますから、一体となって地域の需要を喚起し、また事業の進捗に支障のないように取り進めていくように、連携を密にしながら取り組んでまいります。
○田中(慶)分科員 これは大蔵大臣に申し上げても大変なことだと思いますが、やはりこれは全体の閣僚全部が、こういう現象にあるわけでありますから、神経を使って連絡を密にして取り組んでいただきたい、このように要望しておきたいと思います。 さて、ことしを一つとっても、ペルーの人質事件やあるいは日本海の重油事件等々を含めて危機管理を問われているわけでありますし、災害というものはいつやってくるかわからない。そのときに、どちらかというと行政は敏感に対応して、それなりに財政的な取り組みも具体的に必要であろう、こんなふうに考えているわけでありますが、今の財政の考え方からすると、こういう問題についての取り組みの、極端なことを言えば、災害対策に対する特別の予備費的なものをある程度プールをして、常時、この種のものが起きればすぐに対応できるようなことが必要ではないか、私はこのように考えております。 トータル的な予算の中で大変厳しいかもわかりませんけれども、そういう考え方をお持ちなのでしょうか。
○三塚国務大臣 予備費を計上いたして万全を期してまいる、こういうことであります。
○田中(慶)分科員 特に私が申し上げたいのは、関東大震災以来、七十年周期説と言われて、もう既にその振幅に入っておりますし、南関東直下型、東海沖地震というのは、我々が、この国会を含めてその地域に入っているわけでありますから、そういうことを絶えず考慮の中に入れておくべきではないかな、こんなふうに思って申し上げてまいりました。 特に予算編成についてお聞きしたいと思いますけれども、先般来若い人たちと懇談をし、そういう中でこんな話が出ております。 現実問題として、最終的に大蔵省が予算の内定をし、詰めをし、最後の折衝をするときに、もう既にそれはセレモニーにすぎない、こんな話を聞いてがっかりしているわけであります。このデータが全部出ておりまして、平均してみますと、各省庁が、短いところでは五分、長いところで十五分程度、こんな形で最終折衝をされておられるという、こんなデータが現実に市民の中にまかれているわけであります。それは、自民党の若手議員の人たちが、やはり今の予算のあり方やそういう折衝の問題、そして、むしろこれらに対して大臣を初めとする国会議員はもっとリーダーシップを発揮すべきではないか、こんな注文をつけて、自分たちの意見として、若い人たちの声をそういう形で反映をさせるためにまかれているわけでありまして、こういうことを含めて、やはり官主導の政治からむしろ民主導あるいは国会議員主導の政治にこの辺でぼつぼつ変えていくべきではないか、若い人たちの声としてこういうふうに出ているわけであります。 これらに対して、御苦労されている割合にそんなことを聞かれる、あるいはそういうメモを配られているということについて、大臣はどう思いますか。
○三塚国務大臣 予算編成は、まさに政党の真剣勝負であります。また、内閣にとりましても、金融財政を横ににらみながら、特に税収との関係で歳出の規模をどう決めるかという視点の中で、精査に精査をしていくわけであります。 年末の内示はまさにそういう集大成でありまして、七月から概算の整理に入りまして、シーリングが八月、そこの中で一挙に、一点それに集中して全員が当たるわけでありまして、大臣折衝の十分ないし五分間のものは、五分間は、ほぼ各省の大蔵との折衝が完成をし、なおかつ政治的な決断を要するポイントについて閣僚間の、限られた時間でありますが、あるときは延びる、二回目というのも何回もあるわけでありますが、そういうことで取り組んでおりますので、まさに一年の計をすべてに集中するという意味で、国民の声を体した与党の各位、与党だけではございませんで野党の各位の真剣な陳情を受けて査定をしていっておるということでありますから、慶秋議員もよく知っておりますので、若い議員の御協力をいただきたいと思います。
○田中(慶)分科員 最近よく閣内不統一の発言があったりいろいろなことをしているわけでありますけれども、やはり自民党の、政府・与党の中でそういうメモとか発言が出るようであってはいけないのではないか。私たちは真剣に、大臣を初めとしてそういう考え方でおやりになっていることを見ていたり聞いたりしているわけです。しかし、そういう問題が現実に町の真ん中でまかれていくわけですから、やはりそれは政治不信を増大することになるわけで、そういうことのないように気をつけていただきたい、これは要望しておきたい、こんなふうに思っております。 さて、建設省にお伺いをしたいと思いますが、実は建設省はいろいろな、道路そのものに対するネットワーク、そして交通渋滞の解消のために取り組んでおられる、こんなふうに思っております。 私は横浜の戸塚というところに住んで、国会まで電車で来たり車で来ますけれども、しかし、そこは絶えず交通渋滞のメッカみたいな状態で、横浜の国道一号線の原宿あるいは不動坂、こういうところはもう何十年来そういうことが報道されているわけであります。私は生まれが福島ですから、東北へ行ったりしても、その交通渋滞の問題が流れてくるわけでありますけれども、一向にこれらについて改善されていない。 こういうことを含めて、やはり今の車社会における立体化、それから環境あるいは今のCO、を初めとするこういう問題が問われているわけでありますから、こういう立体化によってその改善が必要であろう、こんなふうに述べられておりますし、何十年来そのことについて地元の声が高いわけでありますけれども、建設省の取り組みはいかがでございましょう。
○城処説明員 ただいま御指摘をいただきました例として、横浜市の戸塚区内に、国道一号でございますが、不動坂交差点と原宿交差点がございます。この交通量が大変多いということと、当然渋滞もしているということでございますので、現在いずれも立体交差にする計画を進めておるところでございます。 不動坂交差点につきましては、ただいま立体交差にする改良計画を作成しているところでございますので、まとまり次第、できるだけ早く事業実施の段階に進めていきたいというふうに考えております。 それから、原宿交差点でございますが、これは現地において既に事業実施の段階ということではございますが、御承知のとおり、地元の関係者の皆様方とお話し合いをさせていただきまして、御了解を得られたところから用地測量をしているということでございます。引き続き、我々としても全力を挙げてお話をさせていただきまして、用地測量を進めて、さらには用地買収に進めていきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、立体交差が早くできますように努力をしてまいりたいと考えております。
○田中(慶)分科員 横浜新道が、有料道路でありますけれども、有料駐車場だという悪名を述べられるようなことのないように、積極的に取り組んでいただきたい。そのためには横浜市の方も、先般来お伺いしましたところ、積極的な取り組みに対する応援や、あるいはまたお互いにそのことに精力を尽くしたい、こんな考え方を持っておられましたので、この解決をぜひやっていただきたい、こんなふうに思っております。 次に、建設省関係の河川法の問題であります。 河川法は建設行政の中でも一番古い法律でありまして、確かに治山治水ということを考えてまいりますと、ある面では非常に変えにくい部分もあろうかと思います。しかし、もう既に時代が変わり、技術が変わり、このようにしている中で、河川法が割かし見直しをされていないのが現状であります。 例えば、一級河川の駅前における空間利用等々は、当然積極的な取り組みをして駐輪場や駅前広場として使えるような形をとるべきではないか。このような土地がない駅前の地区においては、そのことをかつて十年ほど前に私は申し上げておきましたけれども、いまだにその取り組みはされていない。これは河川法は国なものですから、県議会においてもそのことを地域要望として国にまとめて出しているわけでありますけれども、なかなかみこしが上がらない、これが現状でありまして、こういうことを含めて、あるいは河川法を見直しをするか、河川法に縛られない運用等の問題について、何か御検討をいただいているかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○渡部説明員 お答え申し上げます。 河川は、洪水から生命財産を守るため、洪水を安全に流下させるために必要な空間でございます。このため、洪水流の流下に支障となる構造物の設置は、河川を横断する橋梁等の必要やむを得ないものに限って認めているところでありますが、現行の河川法におきましても、河川の上空利用を完全に否定するものではなく、個々具体の河川の管理に当たりましては、河川管理者がそれぞれの河川の重要性、河川の特性、河川の整備状況等を十分に勘案し、適正な管理を行うこととしており、現行の河川法の体系の中でそれぞれの河川にふさわしい管理を行うことは十分可能であると考えております。 ただ、ふたをかけて利用するとかいうようなことにつきましては、都市域では市街化による流出増があり、将来を見て手戻りが生じないようにすることが必要。並びに、ふたをかけると河道を維持、しゅんせつすることが難しく、洪水時にボトルネックとなるおそれがある。水のあるオープンスペースは都市にとって大切であり、ふたをかけると貴重な空間を失うことになる。これらのことから、原則的に河川にふたをかけるべきではないと考えておるところでございます。 ただ、先生がおっしゃいますように、オープン空間と駅前広場といいますか、そういうような形でうまく合うようなものがあれば、例えば鳥取県、鳥取の駅の周辺で、河川をそのまま駅前のオープンスペースとして利用しておる例がございますが、そういうような利用は可能かというふうに思っております。 今後とも、河川の空間は、水と緑のオープンスペースとしての都市づくり、町づくりの面からますますその価値が高まっており、河川空間はその面からも都市にとって大切なものとなっているところです。これらのことから、貴重な潤いのある河川空間の価値を高めるための河川整備を進めているところであり、今後とも治水安全度を高めるとともに、都市づくり、町づくりに資するよう努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中(慶)分科員 いつも大体答弁というのはそういう形ね。もう十年来同じ答弁をされているわけであります。しかし、今、技術が変わり、時代が変わって、水と親しむこともよくわかっている。しかし、それより毎日の駅前の交通渋滞を、あるいは自転車を、そういうものを含めてケース・バイ・ケースで改善をされる必要があるだろう、こういうふうに地方自治体も望んでいるわけであります。 ですから、この五十ミリ、七十ミリ対応というものがもう既にクリアをされて整備をされている河川について、やはりそういうことを含めて、見直しなりあるいは対応をもっと弾力化するなり、そんなことをしていくことが——全部のことを、河川の全部を言っているわけじゃありませんで、限られた駅前であるとかそういうところに限っては、地価も高い。土地があればまだいいですけれども、ない状態のところの空間利用というものは、当然技術がこれだけ発達しているわけですから、やれないことはない。やっているところもあるわけでありますから、そんなことを含めて、ぜひ前向きに検討してほしい、こういうことを要望しておきます。 続いて、これは運輸省だと思いますが、よく私鉄の中で、昔と違って、特に横浜のような、市街化における立体交差がされていない、平面交差されているものですから、交通渋滞の原因が、ある面ではそこにあると言われているわけであります。そういう点では、連続の立体化とか、特に駅のそばについての立体化というのがある面で非常に望まれているわけでありまして、地方自治体にそのことをやらせようとしても財源難で難しい。そういうときにはやはり運輸省なり建設省なり、そして地方自治体合同でこの立体化の促進というものをやるべきではないか、こんなふうに考えているわけでありまして、そのことを含めて、これは運輸省に質問をしておきましたので、その辺の考え方をお願いしたいと思います。
○白取説明員 鉄道の連続立体交差事業につきましては、もちろん交通の渋滞に資するというもの以外に、踏切が解消されますので、踏切事故の防止といった点、あるいは都市の一体的な発展といった意味でも大変有用なものでございまして、我々といたしましても、建設省と連携をとりまして、あるいは鉄道事業者を指導いたしまして一整備促進に努めておるところでございます。
○田中(慶)分科員 特に横浜の中で相鉄線、この相鉄線には歴史があるわけでありますけれども、しかし、今やっとこれも複線化になり、そういう点では、この踏切の立体化が急務であろうか、こんなふうに思っているわけでありますが、その辺についても、ぜひ運輸省がリード役をとってやっていただきたい。この辺について、少し運輸省の考え方をお願いしたいと思います。
○白取説明員 具体的な例といたしまして、相模鉄道の立体化でございますけれども、一部既にもう地下化がなされているところがございまして、また現在、一部は検討がもう十数年前からされておりまして、高架化あるいは地下化の調査等も行っております。我々としても、先ほど申しましたとおり、連続立体交差化については積極的に進めていくという観点で、これからも鉄道事業者を指導していきたいというふうに思っております。
○田中(慶)分科員 ぜひお願い申し上げたいと思います。 次に、これは大蔵大臣というか、各省にまたがることなんですけれども、あの士法が最近また非常にふえている。こういうことで、私は、ある面での規制緩和や見直しをしなければいけない時期に、非常にこのことに積極的に取り組んでおられる状態が随所に見られております。 結果としてそれはどういうことかというと、そこはそれぞれの省庁のOBの最終受け皿みたいになっている、こういうことでございまして、私はこれをずっと追いかけて今調べているわけであります。例えば一例を申し上げるならば、これは厚生省の管轄でありますが、調理師の免許なんというのは何の役にも立たないのですね。しかし試験も難しい、講習会もある。そしてそこが多くの収入源になっている。ここにはまた厚生省のOBが活躍をされている。これが現実であります。 あるいは建設省の、特に財団法人建設振興基金というところが実施しているものがあるわけですけれども、建設業務経理事務士なんという、こんなことを設けているわけですね。しかし、普通の会社は税理士を雇ったり、小さいところは自分の中で一生懸命やっているわけであります。ところが、これがないと指名参加のランクに、極端なことを言えば、指名参加のときの、そこにそういうことを位置づけているものですから、現実問題として、むだなことであっても雇わなきゃいけないとか、資格を取らなきゃいけない、こういうことが随所に、全般的にあるわけでありまして、大体私が調べておりました中で、この関係だけでも大変多い。 一つの今の問題で、指名参加に影響するものですから、受験者が十六万人。そこで受講料三万円ですよね。掛けただけで幾らになるかわかりますでしょう。そしてその前に講習会があるわけでありますから、大変な収入源になっております。そこには職員が、建設省、大蔵省を初めとするOBが大体十六人ほど行かれている、こういう状態であります。 しかし、これは本当に必要かなと思ったら、必要じゃない、こんなふうに私は思っているわけですけれども、いろいろなところでそういう形で、今規制緩和をしなきゃいけないときにそういうものをぼんぼんやっている。ちょっと逆行しているのじゃないかな、こんなふうに考えられるわけでありまして、今大体建設省だけでも、そういう関係のところの全体の職員、いろいろな財団法人としての職員が、そういう士関係に携わっているところに一万八千七百人ぐらいおられるわけでありまして、こういうことを含めて、大変多いことだな、こんなふうに思っております。 行政改革あるいは規制緩和を行うのであれば、やはりそういうところまで、単なる表の見えるところだけじゃなくして、そこまでやっていかないと真の行政改革はできないのであろう、私はこんなふうに思っておりますし、このそれぞれの省庁の天下り先がそういうところで、そして最後は、いつも問題になります、そこには何とか政治連盟というものがあって、そしてそこからまた政治家なりそれぞれの団体に寄附をされていく。こういう構図は今の時代に合っていないのじゃないかな、こんなふうに私は思っております。 こういうことを含めて、きょうは大蔵大臣しかおりませんから、全体の閣僚会議で、こういうことを含めて質問があったということをぜひ言っていただきたいと思うし、大蔵省は比較的このとの関係は少ないわけでありますけれども、少ないからはっきり物を言えるかもわかりませんので、大蔵大臣、ひとつその辺の大蔵省の見解を述べていただきたいと思います。
○三塚国務大臣 世を挙げて規制緩和、行政改革、財政構造改革の時期であります。御意見は機会を見て申し上げます。
○田中(慶)分科員 時間も参りますけれども、私はずっとこの特殊法人、外郭団体を今調べておるわけでありますけれども、大体ここに、特殊法人の関係で、国、地方を合わせますと二千六百団体があるわけです。五十二万、そこに働いております。そして、もう既に役割が終わったようなものもたくさんあるわけであります。そして、この財政が厳しいというときに、大蔵省が、ここでも大体二兆三千億程度の国からの補助金が出ている、こういうことでありますから、やはり歳出を見直すときに徹底してこういうところにも、どうしても必要だというのはやむを得ないことだと思いますが、本当に役割を終わった部分、特に問題なのは二次、三次のところで、経理報告もしていない、貸借対照表もない、役員のすべての人たちの名前も明確になっていない、名前は明確になっても前歴が明確になっていない、こういうところが多いわけでありますから、その辺を含めて、特に補助金を出す側としてその辺についてよく調べておいてほしいし、最後に大蔵大臣の考え方を聞かせていただきたい。
○三塚国務大臣 御指摘の点は当然でありまして、役目の終わったものが続いているとは思いませんが、そこは点検をしていかなければなりません。制度は絶えず見直しながら前進をして、国家国民のためにプラスにならなければなりません。
○田中(慶)分科員 時間が参りましたので、終わります。
○中川主査 これにて田中慶秋君の質疑は終了いたしました。 次に、西野陽君。
○西野分科員 新進党の西野陽でございます。 三塚大蔵大臣とこういう形で相対峙させていただくこと、まことに感慨ひとしおでございます。十年ほど前に、大阪でいろいろと御高説を拝聴したこともありました。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 まず、独禁法の改正が考えられておりまして、それに伴って金融機関が不動産の産業に参入するのではないかという懸念がございますので、それを大臣初め政府委員あるいは建設省の関係の方にお尋ねをしたいと思います。 独禁法は、過去五十年来にわたりまして我が国の経済発展に一定の成果を果たしてきたというふうに評価をいたしておるわけでありますが、今日のこういう、経済あるいは金融改革を求められておるところでございまして、不動産業の経営の多角化とか多様化、そういうものをなしつつ国際化にまた対応していく、必要なことであろうと思います。したがいまして、ここに持ち株会社の解禁という問題も必要かなというふうに私は思っておるところであります。 そこで、建設省の方にまずお尋ねをしたいのでございますが、現在不動産業を行っておられる方は全国でどれぐらいの数がおられますか。あわせて、その中で、中小の業者の方はどれぐらいおられますか。その数をお示しいただきたいと思います。
○小神説明員 お答え申し上げます。 不動産業者の中には、業態いろいろございまして、いわゆるディベロッパーという方々から不動産の流通を行う方、いろいろございますけれども、この中で、宅地建物取引業法の免許を得ている業者でございますけれども、平成八年の三月末現在で約十四万二千業者おります。また、その中で、資本金一億円未満のいわゆる中小の業者でございますけれども、全体で十三万八千ぐらいの数に上っておりまして、全体の約九七%。したがいまして、大半が中小業者という状態でございます。
○西野分科員 この不動産業界の環境というのは、御案内だと思いますが、地価は下落いたしましたし、金融は実質引き締めがなされておりますし、今お示しのあったとおり九七%、そのほとんどが零細業者であります。過ぐる百三十二国会で宅地建物取引業法一部改正がなされまして、流通機構の近代化、公正化という点に取り組まれたところでありますが、まさに今、新しい時代に対応してこの業界も変わりつつあるわけであります。 そこで、お尋ねをしたいのですが、去る一月十日の日経新聞でございますが、大蔵省が銀行等金融機関に金融持ち株会社を通じて不動産業への参入を解禁する、そういう方向が報道されたわけであります。これは恐らく、今の金融機関の不良債権、多く抱えておりますので、これらの処理に対応するための目的だろうとは推察をいたすわけでございますが、不動産業に参入するということについては事実なんでしょうか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 持ち株会社の解禁につきましては、公正取引委員会におきまして独占禁止法改正のための検討が進められておると承知しておりますが、こうした動きを踏まえまして、現在、金融制度調査会などにおきまして、銀行等が持ち株会社の傘下に入った場合に必要とされる預金者の保護等の金融上の観点からの検討も行われておるところでございます。 しかしながら、御指摘の報道にあるような、銀行などの金融機関に対して持ち株会社方式による不動産業への参入を認める方向での具体的な検討に入ったという事実はございません。
○西野分科員 事実がなければよろしいのでございますが、やはりこういう報道が流れるということは、恐らく大蔵省の方で、まだ表面には、決定はしていないけれども検討されておるということはもう十分考えられるわけでございまして、その懸念を抱きながら確認をしておきたいというふうに思っております。 仮定のことには答えられないとおっしゃるのかもしれませんが、新聞の報道もありますので、仮にこの持ち株会社による不動産業への参入を認めるということになりますれば、いろいろな手続が必要でございましょうけれども、現行法規の中でいろいろ法律改正をしなければならないものがあるというふうに思っておるのです。例えば銀行法等々あると思いますが、おわかりでございましたら、まずどの法律からさわらなければならないか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○山口政府委員 ただいま申し上げましたように、持ち株会社方式による金融機関の不動産業への参入を認める方向での具体的な検討に入ったという事実はございません。したがいまして、どのような法改正がそのために必要かということについても、お答えする準備もないわけでございます。 これから私どもが検討してまいらなければいけない持ち株会社に関する銀行法等の法制上の問題といいますと、持ち株会社方式をとった場合に、今ありますような例えば預金者の保護とか投資家の保護とか保険契約者の保護とかいう規定がどのように持ち株会社制度によって変わっていくのか、あるいはそれをどういうふうに適用しなければならないのかという観点からの検討でございます。
○西野分科員 預金者保護はよくわかるのでございますが、御答弁されている方は恐らくこの道で相当の経験があると思いますからね。仮にこういうことが検討されたとすればどの法律をまずさわらなければならないか、こうお尋ねをしておるのでございますが、預金者保護とおっしゃっておるわけでございますが、少なくとも銀行法第十二条に、銀行は、営む業務及び云々がありまして、「その他の法律により営む業務のほか、他の業務を営むことができない。」と、こうなっているのですね。ですから、銀行法に定められておる業務以外のいわゆる不動産業はできないとなっておるわけですね。これは、ですから、まず銀行法をさわらなければならぬのじゃないですか。どうですか。
○山口政府委員 おっしゃいますように、銀行法におきましては他業禁止という規定がございます。それは、繰り返しますが、預金者の保護の観点からの規制でございます。持ち株会社制度を導入した場合に、その持ち株会社に並べられる会社、どういう類型のものがあり得るかということについて、その他業禁止のような規定が適用されるべきかどうかということについては、これから御審議をいただくわけでございます。 今の規定は、銀行そのものが他業を禁止されているという規定でございまして、今後そういった観点がどのように持ち株会社制度を導入したときに適用されるべきかという問題は、当然議論にはなると思っております。ただ、どういう法改正をどういうふうにするということについてはこれからの議論でございます。
○西野分科員 ひとまず、私は、そういう意味では今は安心をしておるのでございますが。 ところで、思うのですが、これまた先般発表されておるのですが、金融機関が政党に寄附をしているわけなのですけれども、例えば、過去三年間というよりは、平成五年から平成七年の三カ年におきましては、自民党に対しまして、都銀、長銀、信託銀行を含めまして、二十三億七千万円の寄附が国民政治協会等を通じてされておるのでございます。これだけの寄附がありますと、銀行はしっかり自民党さんに献金をしておる。この際、銀行も厳しい中でございますから、他業種といいますか、不動産業の方にも介入をして、あわせて不良債権等の処置を初め、町々の不動産の媒介までやることに私はこれはプレッシャーがかかっているのじゃないかなというふうに思うのですが、これは何とかの勘ぐりになるのでしょうか。
○三塚国務大臣 銀行局長の答弁の範囲外でありまして、私から申し上げますと、党は政治資金規正法に基づいてそれぞれの団体から献金を受けておりますが、国民協会を通ずること御案内のとおりであります。受けたからといって、その業界に対して特別のことはしないという、特に新しい政治を目指す以上、明確にそこのところは、献金としてありがたくちょうだいいたしますけれども、そのことによってその業界の利益に関与はしない、こういうことでありますので、御理解をいただければと思います。
○西野分科員 精神として当然そうであろうと思いますし、ただ国民側からとれば、その業界から多額の寄附があるということ、それに伴う、自民党政府が銀行法を改正していく、あるいは他の業種まで参入を認めていくということは、そこに何かがあるのかなという気持ちを国民が持つのではないかということで、どうぞ、今大臣からお答えがあったとおり、その精神でお願いをしていきたいというふうに思っております。 とりわけ、もう大臣も御案内だと思いますけれども、先ほどありましたとおり、不動産業というのはほとんどが零細というよりは主人がオーナーでありまして、事務所は奥さんがあるいは子供さんが事務員で留守番をする、ほとんどこういう業態なのでございますね。そこへ銀行という大きな信用の組織があるいは資金力をバックにして参りますと、たちどころにこれらの業界は大変危機に陥るということはもう見越されるわけでございます。どうぞひとつ、不動産業の参入につきましては、今後とも慎重に対応されますことを期待いたしながら、大臣のこれに対する、不動産業に参入することについて申し上げたことについての考え方をお示しいただきたいと思います。
○三塚国務大臣 政治の基本は、万般に目配りをしながら、特に、全力を尽くして生業に頑張っておられる各位が、法律改正、制度変更により事志と違うということのないようにしてまいりますことが大事であります。変革の時代でありますからいろいろなことが起きようかと思いますが、その場合におきましても、議論の限りを尽くしてこのことに対応をしていかなければならぬ、こういうことであります。頑張っておる者を切り捨てるなどということは、民主主義の原則にはございません。
○西野分科員 よろしくお願いしたいと思います。 それでは、問題をちょっと変えてお尋ねしたいというふうに思います。 御案内のとおり、国、地方を合わせまして今大変な、一言で申し上げたら借金であります。この財政難でございますから、財政構造改革会議等を通じて公共事業の見直し論というものも今言われておるところでありますけれども、その問題はきょうはちょっと横へ置きまして、ここで私がお話を申し上げたいのは、いわゆる国の事業、公共事業を例えば例にとりますと、租税だとかその他の収入によって展開をされておるわけでございますが、こういった旧来の歳入面での発想というものを、考え方を一部転換してはどうか、こういう点に立ってお尋ねをしたいというふうに思います。 公共事業の十カ年計画というのがあると思いますが、九五年から二〇〇四年あたりまで、この総額は幾らでございますか。
○溝口政府委員 平成六年度に策定されました公共投資の基本計画の総額でございますが、六百三十兆でございます。
○西野分科員 この六百三十兆の原資というのですか、もとはどういうものでございますか。
○溝口政府委員 六百三十兆の財源につきましては、結論から申し上げますと、例えば租税幾ら、公債幾ら、あるいは財政投融資幾らということが決まっているわけではございません。 なぜかと申しますと、この計画は十年間という長い期間に及ぶ計画でございますということが一つ。それから、この事業を実施する主体は、国、地方、それから公企業、いろいろございます。それから、社会資本も性格はいろいろございます。道路につきましても、普通の一般道もございますし、有料道路みたいなものもございます。いろいろございますから、したがいまして、社会資本の性格に応じまして、租税、公債、財政投融資等を適切に組み合わせていくということが考えられているわけでございます。
○西野分科員 そこで、六百三十兆とおっしゃったのですが、それらのいろいろな原資に基づいて実行していこう、こういうことでございますが、これも本当に一般的な、従来の経験からでも結構でございますが、公共事業には必ず用地というものが必要な場合が多いのですが、この用地代というのですか、用地費というのですか、公共事業を行うについての用地取得、六百三十兆でおおむねどれぐらいに、何%ぐらいに、約でございますが、なると思われますか。
○小笠原説明員 建設省所管の公共事業費に占めます。地費の比率でございますけれども、平成八年度当初予算ベースで事業費が十六兆九千八百六十億円でございます。このうち用地費が二兆六千六百九十三億円。したがいまして一五・七%となっております。この比率はここ二、三年一六%前後で推移しているところでございます。
○西野分科員 これは、ちょっと私の目安とは違うんですが、所によっても違いますし、これは一概に言えないことはわかっているんですが、地方においては今おっしゃったようなパーセンテージかなと。東京とか大阪という大都会になりますと、むしろ公共事業の半分以上は土地代なんですよ、用地代なんです。ですから、所によって一概には言えませんが、仮に公共事業の約半分近いものが用地その他の関連に必要だというふうに考えれば、そこで私の言いたいのは、国民の貯金を活用してはどうか、預貯金を活用して何か方法がないか、こういうことでございます。 そこで、今の国民全体の預貯金の総額は幾らでございましょうか。
○山口政府委員 平成八年六月末におきます個人金融資産の総額は約千百九十六兆円でございます。 ちなみに内訳を申し上げますと、現金通貨が三十八兆、要求払いが八十八兆、定期性預金が五百四十兆、信託八十兆、保険二百九十六兆、有価証券百五十四兆で、合計しますと今申し上げた千百九十六兆でございます。
○西野分科員 ところで、この利回りといいますか利息といいますか、私が感じておりますので例えば定期預金の一つの例をとりますと、多いときで九%ぐらいですね。今日ではそれが、いろいろありますけれども、〇・五、六%ぐらいかな、こう思うんでございますが、その辺はそう考えてよろしいですね、過去、今日までの。まあ物によって違いますけれども、利回り、金利。
○山口政府委員 かなり変遷がございますが、おおむねそんな感じでございます。
○西野分科員 そうしますと、今国民の預貯金が一千二百兆弱、千百四十六兆、こうおっしゃったわけでございますが、千二百兆、千兆ぐらいと、本当の大づかみですけれども、一千兆と考えますと、その利息が、貯金している方は、例を挙げますと、おじいちゃん、おばあちゃんが年金その他で年間百万の収入があったといたしますと、新年になりましたら孫が遊びに来ますから、貯金をしているところから利息で上げますと、多いときで九万ぐらいあった、あるいは七万、五万あった、百万円でですね。今は百万円でこれ五、六千円ぐらいだ、こういうことですね。多いときはその中から一万円を出して孫に年玉をやれば、孫が大変喜んでくれたわけですね。今はその利息で出そうといっても、お正月が来たからといって五、六千円の利息の中から千円年玉やったって、孫は喜ばないんです。もうそれだけ下がっているわけです。 そこで、それだけの低金利でありますから、例えば国民の預貯金の一千兆円強につきまして、土地が恐らく、公共投資が六百三十兆として、そのうちの半分の約三百兆ぐらいが用地代だとすれば、この三百兆を生み出す別の方法は考えられないかと。 ついては、国民の預貯金の金利が大変低いわけでございますから、ここに、一言で申し上げましたら、例えば公共用地先行取得割引債券という新商品を発行いたしまして、国民の全部を十年間も割債に協力しろと言うわけにいきませんから、一千兆円の三〇%となればこれは三百兆ということになりますね。 ですから、国民の今貯金しているうちの三〇%を新しい商品を発行することによって、三〇%ぐらいの割債になりますと、これまた複利で単年度で計算しますと四%ぐらいということになります。年四%ぐらいの利回りをもらえるものは、自分の貯金をしているうちの三〇%ぐらいだったら協力をしてくれるんじゃないだろうか、〇・五%でなくて年間四%であれば協力をしてくれるんではないか、私はそう思いまして、公共用地先行取得割引債券という、国民の預貯金を、民間の資金をお借りして活用をしていくという、税収ではなくて、財投ではなくて、国民のそういう預貯金の活用、低金利のものをもう少し国民が要望するようなものに発想を転換していってはどうだ、そういうものに取り組んでみたらどうかな、こういう気持ちがいたしますので御提案を申し上げたようなことでございます。 これにつきまして考え方をちょっとお示しいただきたい、ありましたら。
○山口政府委員 今、先生の御提言、大変興味深く聞かせていただいておりますけれども、現在、十年物の長期の定期預金、数は多くありませんが、これは一番高いもので、一千万以上のものに限ってますが、これで一・七五でございまして、スーパー定期三〇〇という三百万から一千万までのミドルクラスが一・七〇、それ以下になりますと一・六五でございまして、おおむね一・六から一・八ぐらいの感じでございます。 今先生御指摘の、三〇%ぐらい十年間で割り引けば、買う人、協力してくれる人がいるだろう。それは私もそう思いますし、当然そういった魅力のある商品だと思いますが、それを複利で逆算しますと、三・五から三・六ぐらいの金利をつけなければいけないというようになるわけでですね。そうすると、今実勢が一・六、七で、それが今度逆に、今先生のおっしゃった先行取得のための特別なものとなると三・五とか六になる。逆ざやになるわけですね。そうしますと、例えば、ワリサイなどは長期信用銀行などが出しているわけですけれども、もし民間がそういうことをやるとすると、完全に逆ざやを強いなければいけないということになるわけでございます。 したがいまして、そういった魅力的な商品をつくろうとすれば、今度は民間ベースには乗りにくい。民間金融機関もそれを運用して稼がなければいけませんので、今でも一・六とか一・七しか張れない、設定できないような金利情勢でございますので、現時点におきますとなかなかそれは難しい面があるんではないかなという感じがいたしました。
○西野分科員 これは物の考え方を提示しておるわけでありまして、先ほど公共事業の原資ということをお尋ねいたしましたけれども、財投あり、租税あり、いろいろ公債もあるでしょう。そういう考え方よりも、今財政が緊迫しておる、しかしながら公共事業は避けて通れないものもあると。ですから、それをやるためには別の財源といいますか原資というものを考える必要があるのではないか。 そういう中で、国民が今低金利でうまみがないわけですね。しかも、金利でもって潤いを持っておられる弱者の方もおいでになるわけでしょう。そういう多くの国民の皆さんの一千兆円にも上るお金が、まあ一言で言ったら寝ているわけでございます。それを喜んで活用できる手だてをすることは、大蔵大臣とじてこの財政が厳しい中で取り組む一つの発想としていかがなことか。実質、それをやるためにはお示しのような逆ざやをどうするんだ、もろもろの問題があろうかと思いますけれども、そういう発想の一つの転換ということについても、今後御検討される余地は全くないのか、あるいは考え方として検討の余地があるのかどうか、三塚大臣に最後にお尋ねをしたいと思います。
○三塚国務大臣 国の財政金融では無理でありまして、民間金融の中でPRをしながら地域の皆様方、団体その他御協力をいただくということであります。新しい財源方式だろうと私も関心を持って見ていきますし、西野議員、ひとつ国民、地域民、議論を盛んにしまして、頑張ってください。
○西野分科員 どうもありがとうございました。
○中川主査 これにて西野陽君の質疑は終了いたしました。 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)分科員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 まず、三塚大蔵大臣に、生命保険問題について基本認識をお聞きをしたいと思います。 簡単な事例でお聞きをしたいわけですが、例えば私がある人にないしょで生命保険を掛けまして、その人が死亡した場合に、遺族に知らせずに保険金をこっそり私の懐に入れる、このようなことはよくないことだと思いますけれども、大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。
○三塚国務大臣 生命保険は相互契約で行われるわけですから、法律社会で契約社会でありますから、そのとおり行われるものと思っております。
○佐々木(憲)分科員 よくないか、いいかということなのですが、いかがでしょうか。
○三塚国務大臣 具体的にどうだということでありませんと、一般論からいいますと、やはりそれは法律を守っていないのじゃないの、どうしてそういうことになるのということになるわけですね。一般の方は、生保にしろ金融関係にしろ政府認可の機関は誠実に約款に基づき行われておる、こう見ておりますから、約款に違うことはいけません、こういうことであります。 〔主査退席、谷津主査代理着席〕
○佐々木(憲)分科員 原理的に申しますと、なぜ悪いかという点でいいますと、被保険者本人の同意がない、同意をしていないのに保険を掛けたという点ですね。それから二つ目に、遺族に渡るべき保険金を第三者である私が懐に入れた。この二点で生命保険の本来の趣旨に根本的に反しているという点であります。 ところが、よくないということが実際に多発しておりまして、大変問題になっておるのです。それが団体定期保険というものでございます。 団体定期保険には二つ大きくありますが、一つは、企業が全従業員を被保険者に生命保険会社と一括契約をするAグループ保険というのがあります。それからもう一つは、保険料を従業員が自己負担する任意加入のBグループ保険というのがあります。 今問題になっておりますのはAグループ保険で、企業が従業員の知らない間に保険会社と契約を結んで、従業員が亡くなったときに多額の保険金を企業の懐に入れる、そしてその事実について遺族にもひた隠しにしているという事例が結構あるわけなのです。これはテレビでも新聞でも大分問題になりまして、従業員が死ねば会社がもうかるというのはおかしいじゃないかという世論もかなり高まっております。しかし、保険のもともとの趣旨というのは、従業員の福利厚生と遺族補償、ここにあるわけですね。 そこで、歴史的な経過についてちょっとお聞きしたいのですけれども、北海学園大学の本間照光教授の「団体定期保険の研究」というものがありますが、これによりますと、最初に歴史的に団体生命保険が生まれましたのはアメリカでありまして、一九一一年のことであります。 大蔵省は当然御承知のことと思いますけれども、アメリカでは、従業員の死亡によって支払われた保険金は、会社のものになるのか、それとも遺族のものになるのか、この点についてお答えを願いたいと思います。
○福田(誠)政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、米国では、保険金受取人は事業主以外の者で被保険者が指定する者ということになっております。これは、弔慰金等の給付を受ける際に、連邦所得税法上、被保険者が保険会社から直接支払いを受ける場合は非課税となるが、企業からの給付による場合は一定額以上は課税されるというような背景があるようでございます。このため、米国では、企業は生保会社の団体定期保険を通じまして福利厚生制度を実施し、実務的にも給付金は生保会社から遺族へ支払われるものとなっております。 今米国の例はございましたが、やはりこの種の保険商品につきましては、それぞれの国の社会事情あるいは福祉制度、税制、死亡退職金制度等のもとでそれぞれ独自に発展してきているものではないかと考えております。
○佐々木(憲)分科員 今アメリカの事例について、団体定期保険の保険金が遺族に渡る、そのようになっているというお答えがありました。 これは、アメリカでは最初から現在まで一貫してそのような仕組みになっておりまして、一九一七年に、全米保険監督官会議というのがありますが、そのモデル法案というのが作成されまして、各州の指針になっております。そこでは、事業主以外の者のために付保されるべきものとされておりまして、企業が保険金の受取人となることを禁止しております。 では、日本ではどうかということでありますが、少し歴史的にさかのぼりまして、団体生命保険が創設されましたのは昭和九年、一九三四年のことであります。日経連、経団連の前身であります全国産業団体連合会を母体として日本団体生命保険株式会社が設立されております。 そこでお聞きしたいのですが、創立当初、この団体生命保険の保険金の帰属はだれになっていたか、お答え願いたいと思います。
○福田(誠)政府委員 創設当時といいますか、今お尋ねの点について、当時は遺族に支給されていたと存じます。
○佐々木(憲)分科員 ここに日本団体生命保険株式会社「五〇年 そのあゆみ」というものの写しがありますが、この中でこういう事例が紹介されております。 ある会社で若い従業員が急病で亡くなった。年老いた父親が、呼ばれて郷里から上京した。その会社が契約した団体保険金三〇〇円を、弔慰金として手渡された父親は、こんな大金は見たこともない、息子の死んだことは悲しいが、息子はこれで親孝行をしてくれた、といって泣いて喜ばれたという。 そのような話が、契約先の会社から次々に寄 せられてくる。ときにはわが社の社員が、そういう感動的な場面に立ち会うこともしばしばあった。社員たちは、日ごろの労苦がいっぺんに飛んでしまう思いであった。 このように社史で述べられております。 これが団体生命保険の本来のあり方だと思うのですけれども、三塚大蔵大臣はこの社史の記述についてどのような感想をお持ちでしょうか。
○三塚国務大臣 望ましい姿であり、やはりそうあらなければならないと思います。
○佐々木(憲)分科員 ところが、現在、日本の現状はどうかということでございますが、今配付をさせていただきました資料を見ますと、現状は、そこにありますように、保有契約件数が約十八万三千件、被保険者数四千四百九十万人、保有金額三百兆円、大変規模が大きくなっております。支払い件数年約七万件で、支払い金額約三千四百億円、これは大蔵省からいただいた資料でありますが、問題は、その行き先なんです。 行き先で大変重大なのは、これは労務行政研究所の調べでありますが、「会社経由で遺族に全額支給」する、これが本来ですけれども、これは一九・七%、二割にすぎない。あとは、「一定額・一定割合を遺族に支給」二六・九%ですね。「全く支給しない」四九・七%という驚くべき状況でありまして、しかも、下の表を見ますと、三千人以上の大企業になると、五六・一%が支給しないと書いているわけであります。これは非常に問題があると私は思うのですね。 幾つか具体的な事例について申しますと、大手シャッター会社の従業員の方で、一九八八年六月に亡くなった村松文雄さん、当時四十一歳の例であります。妻の季代子さんがこのように言っております。 夫が亡くなって一週間ぐらいたったころだったでしょうか。会社の方から「日本生命の保険を受け取るので、死亡診断書を一通頂きました」と電話がきました。私は、どういう保険ですかと聞いたのですが、会社の方は「家族には関係のない保険です」と言うのです。 こういうふうに言っているのですね。その後発覚したのは、知らないうちに八通もの死亡診断書が発行されているということがわかりました。この奥さんは、 私が食ってかかると、病院は「家族の許可を得ています」という文書を出しました。会社は、病院にウソの証書を出していたんです。このとき、これは保険金殺人だ、夫は会社に殺された、と思いました。 こういう例があるのですね。ですから、先ほどの社史とは全く対照的でございます。 会社は、この村松文雄さんの命に、生命保険会社八社、合計約四千八百九十二万円の保険金を掛けていた。しかし、文雄さんの死亡退職金はわずか六百四十五万円、会社の香典は十万円だけであった、こういうことなんですね。 それから、もう一つ紹介しますと、名古屋の大手電設会社の社員の鈴木龍雄さんの例ですけれども、一九八九年に四十二歳で過労死いたしました。会社は、四社から一億円の保険金を受け取ったけれども、遺族には退職金三百五十万円、香典十万円を渡しただけであった。 こういう事例が多発しておりまして、弁護士に相談が持ち込まれております。過労死弁護団全国連絡会議が、昨年十一月とことし三月一日に団体生命保険一一〇番というのを実施いたしまして、そこには次々と相談が寄せられております。こういう声があります。「会社に問い合わせたが「会社がお金を出して会社が受取人であるので、とやかくいわれる筋合いではない」といわれた」「「それは会社がかけている保険なのであなたには支払えない。うちでとりにいく」といわれた。」 そこでお聞きしたいわけですけれども、このように、保険金を会社が独占し、遺族に知らせないというのは、遺族補償という団体定期保険の本旨に反していると私は思います。少なくとも、従業員の遺族の問い合わせに対して、会社はその保険の内容について誠実に答えるべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○福田(誠)政府委員 申しわけございませんが、先ほどの統計についてちょっと補足をさせていただきたいわけでございますが、この労務行政研究所の数字がよく引用されていることは承知しておりますが、この「保険金名目では遺族には全く支給しない」という回答項目につきましては、当該調査機関の解説書によりますと、会社が退職金、弔慰金などに充当するもので、いわば企業保険的なものを記載するという実は注がついておったわけでございます。ですから、ここの部分につきましては、この中から遺族に対して死亡退職金なり弔慰金という名目で支払われているものも含まれていると思いますので、遺族には全く支給しないということではないのではないか、研究所自体がそうおっしゃっているわけでございます。 それから、お尋ねでございますが、企業が契約者となって従業員を被保険者とする団体定期保険の目的につきましては、御案内のとおり、企業の従業員、遺族に対する福利厚生措置の財源確保等にあるということでございまして、弔慰金や退職金のほか、従業員が亡くなったことによる企業の経済的損失等の財源にも充てられてきたわけでございます。 ただ、御指摘のように、この保険につきまして、被保険者の同意のあり方とか、あるいは保険金の受け取り方につきまして、種々トラブルが発生しているということは事実でございます。私どもとしましては、個々のケースについて見解を申し上げるわけにはまいりませんけれども、また、契約者である企業に対して直接指導できる立場にはございませんが、生保業界に対しましては、従来から、この商品の募集に当たりまして弔慰金規定を確認するように、あるいは、本保険の本来の趣旨に沿って適切な運用が行われるように指導してきたところでございまして、この商品自体は長年企業の福利厚生に多大の役割を果たしてきたと存じておりまして、今後ともこの商品はその趣旨に沿ってさらに利用されることを期待しているわけでございます。
○佐々木(憲)分科員 この統計の問題ですけれども、問題なのは、会社経由で遺族に全額支給しているというのが二割しかないという点なんですね。保険金名目では遺族に全く支給しないというのが約五割ありまして、もちろん、退職金その他は若干支払われているというものも含まれているかもしれませんが、それはごくわずかでありまして、ほとんどの部分が企業の懐に入っているというところが問題になっているわけであります。 それで、遺族に対してその内容を伝えるというのが本来の会社あるいは保険会社のあり方だと思いますが、問い合わせに答えるというのは当然だと思いますが、それはもう一度確認してよろしいですね。
○福田(誠)政府委員 失礼しました。答弁漏れでございました。 おっしゃるように、実際にどう対応するかにつきましては、それぞれの事情もございますので、関係者間でよく話し合われた上で解決されるべき事柄だと存じます。ただ、かた苦しく法律論というか、一般論だけ申し上げますと、保険会社は、保険契約者ないし被保険者でない方に対しまして保険契約の内容につき回答しなければならないという法律上の義務は必ずしもないのではないかと存じます。
○佐々木(憲)分科員 法律上の規定がないから何をやってもいいということにはならないわけであります。本来、この生命保険というのは遺族が受け取るべきものであって、それが基本原理であって、会社が介在すればそれはそうでなくてもよいということにはならないはずであります。ですから、遺族の問い合わせに対して当然答える、これは当たり前の話じゃありませんか。
○福田(誠)政府委員 したがいまして、法律論は別として、当然当事者間では十分な話し合いが行われてしかるべきだと存じます。ただ、また法律論で申し上げれば、企業がこの場合保険受取人でございますので、先ほどアメリカの例がございましたが、日本のこの商品は企業が保険受取人になっておりますので、被保険者あるいは遺族の方には、保険金請求権そのものはないのではないかというふうに思います。・
○佐々木(憲)分科員 保険金の請求権がないという答えは私は納得できません。それは、従業員の命を保険の対象にして、そしてその保険金を会社が手に入れるということを合理化するものであります。従業員の問い合わせに対して、どういう保険会社に幾ら保険金を掛けて、保険料は幾ら払い、そして目的は何かという、この点についての従業員の問い合わせに対しては当然答えるべきだと思いますが、この点はどうでしょうか。
○福田(誠)政府委員 御指摘のとおりで、もともと他人の生命に掛ける保険につきましては、商法上、その当人の同意が必要、そもそも保険契約時に同意が必要でございます。したがいまして、生命保険会社は、企業に対しましてその当該企業が被保険者の同意を得ているということを確認の上、契約を行っているはずでございます。
○佐々木(憲)分科員 先ほど法律がないと言いました。確かに、団体定期保険についての法律はないのです。私はおかしいと思うのですね。基準となっているのは、団体定期保険の運営基準という、これは大蔵省の通達でありますけれども、唯一この基準となっているのはこれであります。 ところが、この中には、団体の定義だとか保険料率などが書いてありますけれども、肝心の被保険者本人の同意、それから遺族補償、こういう点については何も書かれていないのですね。ですから、ここに今いろいろな紛争が起きている最大の問題があると私は思います。ですから、今から二十五年以上も前からいろいろな紛争が発生していたにもかかわらず、この点についての明確なルール、これを制定するということを大蔵省自身なおざりにしてきたと言わざるを得ない。 少なくとも、団体定期保険の運営基準の中に、被保険者本人の同意、それから遺族の補償、そういう規定を書き込むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○福田(誠)政府委員 後ほどの点について今御説明いたしますが、御指摘の運営基準そのものの性格について申し上げますと、これはおっしゃるように、被保険団体の要件とか保険金額の制限などについて規定しているわけでございます。これは戦後の混乱期におきまして、団体保険が導入された当時、団体になりますと保険料が割引になるというようなこともございまして、団体性を有しない不適切な契約者が混入するということがございましたので、その悪影響を配慮しまして昭和二十六年に発出したものでございます。したがいまして、これは団体性の定義等が中心の運営基準でございます。そういう性格のものであったということでございます。 それから、お尋ねの商品そのものの不備の点でございますが、先ほど来御指摘のように、今起きているトラブルは、本保険を利用しております企業が、従業員、遺族との間でどれだけ支払っているか、きちっと支払っているかという問題でございます。 確かに、今までの商品につきましてこのようなトラブルが起きていることは遺憾でございますが、そのようなこともございまして、今回、業界におきましては、これまでの指摘を踏まえまして、新たな団体定期保険を開発いたしまして取り扱いを開始したところでございます。この新しい商品につきましては、今までの不明朗な点は改めるべく、新しいAグループの保険につきましては、主契約と従契約とはっきり分けまして、主契約については、被保険者の同意を得て、従業員の弔慰金等に充てる部分のみに掛けるということにいたしておりまして、企業がそれを越えて受け取る部分については、ヒューマンバリュー特約という形で、あくまで別建てにしているわけでございます。
○佐々木(憲)分科員 これまでのいわゆるAグループ保険の問題点がいろいろ出てきたので、それを改善するというお話でありました。そうしますと、今までのAグループ保険の欠陥を認めたわけであります。 したがって、これは現状でいいますと、新型保険よりもAグループ保険に現実に入っている人はまだ圧倒的多数であります、切りかわっていないですから。したがって、Aグループ保険の中身を、すべて情報を開示するというのは当然だと思いますが、大蔵省としてその指導を行う決意はありますか。 〔谷津主査代理退席、主査着席〕
○福田(誠)政府委員 先ほど申し上げたとおり、開示の問題につきましては、関係当事者間で誠意を持ってお話し合いいただくのが第一番だと思います。 ただ、今までの商品そのものが違法であったとか、あるいはそのものに欠陥があったということではなくて、主としてこれは利用されてこられた企業とその従業員との関係ではないかというふうに考えております。
○佐々木(憲)分科員 それはおかしいのです。今まで問題があったから変えるわけであって、問題そのものが明確になったわけですから、それを、具体的に中身を明確にする、遺族あるいは従業員に、現実のAグループ保険はこうなっております、中身についてすべて周知徹底するということを必ずやっていただきたいと思います。 それからもう一つは、主契約とヒューマンバリュー特約、二つを設けたと言いますが、ヒューマンバリュー特約を設けること自体、私は重大だと思うのですよ。つまり、今まで会社の取り分というのがいわばやみのままであった、それを制度化してしまうわけであります。しかも最高金額は二千万までは可能だ、こうなっているのですね。こういうことになりますと、従業員の命を利得の対象にするということになるわけで、そういうことを制度的に認めること自体重大だ、これはやめるべきだというふうに私は思うのです。 二月二十五日、山口地裁宇部支部で、団体定期保険で判決がありました。会社の利得は認められない、遺族に全額支払うべきだ、こういう判決であります。したがって、この特約そのものをやめるということを私はぜひ強く要求したいと思います。 それからもう一つ、明確な運営基準がない。法律もない。そこに今の紛争が起きているわけでありますから、団体保険についての明確な法律をつくるべきだ。それからもう一つは、運営基準そのものに、遺族補償、それから本人の同意、このことを書き込んで改正すべきだという点を私は要求したいと思うのです。ぜひ検討していただきたいと思います。 最後に、時間がありませんので、こういう問題が発生してきても、二十五年間、大蔵省は対応が鈍かったと思うのですね。その原因として、やはり大蔵省と生保業界の親密な関係といいますか、癒着関係があったのではないか。昨年も、大蔵省保険第一課の元課長補佐が、第一生命の大蔵省担当者から携帯電話のただ借りがあって、数十万円の基本料金、通話料金を第一生命に払わせていたという事件が発覚して訓告処分となっております。大蔵省の生保担当者と生保会社の癒着問題、これは大問題であります。住専のときにも銀行と大蔵省の癒着が問題になりましたが、大蔵省と生保業界の癒着問題、これは大変大きな問題であります。 資料の二枚目に天下りリストを書きました。これは、現状の中ではごく一部でありまして、二十四人挙げておりますけれども、まだまだこれは根が深いと私は思っております。したがって、最後に大蔵大臣に、やはりこのような天下りを禁止するということをぜひ決断していただきたい。このことを質問をいたしまして、御答弁をお願いして質問を終わりたいと思います。
○三塚国務大臣 ただいまの一連の質疑応答を聞いておりました。いずれ保険部において、適正に誤解のないようにこのことが処理されるものと思いますし、そのようにしてまいります。本件が、法律がないということで天下りでかように相なったというのは、ちょっとストレート過ぎるのじゃないでしょうか。人物の識見であり、また人柄等で退職後の契約が行われるというのが基本でございまして、直ちに委員御指摘のとおりにはならないのではないか。 世を挙げて天下りの大論争が行われております。しかし、やはりこのことは予算委員会で御論議のように、公務員の定年制の延長等々を踏まえながら取り組んでいかなければならない重要な問題でありますので、本件は綱紀粛正との関係とまたリンクして議論されるところに、当事者以外の全く多くの国家公務員が血みどろの努力をしていることにこのことがリンクしていくというのは、主管大臣としても、また政治家としてもいかがなものか、こう思っております。
○中川主査 これにて佐々木憲昭君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○中川主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 大蔵省所管について質疑を続行いたします。今村雅弘君。
○今村分科員 今村でございます。 初めての質問でございますので、非常に失礼なこともあるかと思いますが、よろしくお願いします。 まず第一点でございます。 本日は三月三日、桃の節句ということで、「あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花」と、本当にこれは日本の女の子の健やかな成長、そしてかわいいお嫁さんになって、子供さんをたくさん産んでと、そういった願いを込めてのならわしたと思っておりますけれども、どうも最近はその辺も少しおかしくなってきている。 資料で申しますが、十年前に比べますと、いわゆる節句人形、ひな人形、こういったものの出荷額でございますが、四百三十四億から三百四十一億と約二割減、あるいは製作所といいますかそういったところも、二百六十五カ所から百九十カ所と二五%減。こういったことに限らず、最近、非常に将来に対する不安感といったものが強いものがございます。 そういったことがいろいろ消費その他にも影響があると思いますが、この不安感と逼塞感、そういったものを打破して、ぜひ日本人に安心感を与えて、そして日本再生を願ってのまさにこれは自信と確信を持ってつくられた今年度の予算であると思いますが、その辺のことにつきまして、簡潔にまた端的に大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○三塚国務大臣 循環型不況ではございませんで、高コストと言われる企業の体質、経済システムの大改革が前提になる、そして政府予算、財政構造改革、このことを達成することによって初めて本格的な持続的成長に到達をする、こういうことでありますので、格別の理解の中で御鞭撻ください。
○今村分科員 ただいま安心ということを私は申しましたけれども、やはり人々に安心感を与えるということは政治の大きな役割でないかというふうに思うわけでございます。 そういう意味で、いろいろございますけれども、安心の大きな要素として、やはり食糧の確保ということがあるのじゃないか。人間はだれでも、こういった食べるものといいますか、そういったものがないときには非常に不安でありまして、私も腹が減ると冷蔵庫の中に何かあるかなとすぐ見てみるわけでございますが、それほどにやはりこの食糧の問題は大きな問題であると思います。 とかく農業予算に対していろいろの批判があるようでもございますけれども、農業は単に目先の食糧の事情だけでなくて、やはり世界の人口問題でありますとか地球環境問題、それから長期にわたっての需給、そういったものを見直しながら、見通しながら、そして国土の保全、環境保全あるいは生態系の維持、そういった役割も高く評価しなければならないと思っているわけでございます。一民間機関の調査では、そういった効果が六兆六千五百億ほどある、そういった試算もあるようでございますけれども、今年度の農業関連予算、当然のことながらそういった多面的機能の評価の上に立ったものでつくられたというふうに考えておりますが、その点はいかがでしょうか。
○三塚国務大臣 全くそのとおりであります。 特に農政は全国一律ではだめなのです。その地域に合った農政を、生産性向上、それで収益の確保、後継者が居つく、こういうことでありますので、その辺を、来年度予算編成においてもめり張りのきいた形をつくり上げていかなければならない、こう思っております。
○今村分科員 どうもありがとうございました。 本当にお力強いお言葉をいただきまして、私も本当に安心をいたしました。これで、農業県佐賀が私のふるさとでございますが、本当に安心して帰れるようでございます。 ところで、ちょっと話題を変えますが、きょうの日経新聞でございますが、一面に、NTT株の売却益で公共事業云々ということを見直すということは、ここにございますが、これを個別に言うということではございませんが、この問題もございますし、それから先般には、中期防を九八年度予算で少し下方修正しようかといったような記事も、これはこの間の二十七日の毎日新聞夕刊でございますが、それから次の日の朝刊に出ておりますけれども、こういったことが出ております。そしてまた、聞くところによりますと、新しい予算の公共事業の執行方についても繰り延べをするとか、そういった話が出ておりますが、こういったことは非常に硬直的でないということですね。 これは、いろいろ時代の要請に沿って、そういったことは評価できるとは思いますけれども、反面、そういうことだったら今からでも見直したらどうだということになりはしないかということで、やはり今年度の予算に対する考え方としてちょっと問題があるのじゃないか、政府として。やはりこれについては、大臣が先ほど述べられましたように、非常に自信と確信に満ちてやっておられるわけでありますから、断固としてこの辺はきちんとしてもらいたい。この点、どういうことなのか。ことしの予算案も、本当に非常に皆さん熱心な議論をされておりますけれども、そういったことにつきまして粗相のないように、油断大敵ということがないように、こういったことにつきまして、どういうことなのか、多少御説明を願います。
○三塚国務大臣 予算は心魂を傾けてつくり上げるものであります。現在考えられるベストな予算、展望をしっかりとにらみながら、確実に、これでいけば安心した地域、生活、国の展望がまた明るくなる、こういうことでつくり上げておりますものですから、さらに若手の議員各位と連携をとりながら、御激励くださいますようによろしくお願いします。
○今村分科員 私は、決して、そういうふらふらするのがよくないと言っているわけでもございませんが、やはりある意味では、そういった弾力性を持った取り組みで今後行かれることが国民の理解も得られるのではないかということを申し上げているわけでございます。その点、よろしゅうございますか。
○三塚国務大臣 途中で直すわけにはまいらないのです。そういうことで、その御意見は来年度予算編成に生かす、こういうことになります。
○今村分科員 それから、次に参りますが、先ほどちょっとおひな様のお話も申しましたけれども、ここ数年、何回かいわゆる景気刺激ということで公共事業を中心にやってきたわけでございますけれども、やっと上向いてきたということでございますが、なかなかこの問うまくいかなかった。これの原因につきましては、いろいろ公共工事の乗数効果といいますか、そういったものが昔に比べると大分低くなってきたといったようなことも言われておるようでございますけれども、それでも、やはり一番基本はといいますか、この間景気の下支えをしてきたといったことについては十分評価できるのではないかと思いますが、そういった点はいかがでしょうか。
○武藤政府委員 御指摘のように、バブル崩壊後、数次にわたりまして経済対策を講じてまいりました。その効果がなかなか顕在化しなかったのではないかという御指摘でございますけれども、確かに、バブル期に過剰に積み上がりました民間の資本ストックがその後長い間調整過程にあったということでありますとか、産業構造がサービス業のウエートが高くなるなど、我が国の産業構造に変化がありますとか、あるいは輸入がふえておりますとかというようなもろもろの事情がございまして効果の顕在化しなかったという面もあろうかと思いますが、ただ、累次の経済対策が民間需要の落ち込みを相殺する形で景気を下支えしたものというふうに我々は考えているわけでございます。
○今村分科員 わかりました。 ただし、本格的に景気を上向ける、あるいは力強く成長するということになりますと、やはりどうしても民間の投資意欲なりあるいはそれに連れて消費が拡大するといったことが絶対これは必要なことではないかと思うわけではございますけれども、その点、そういった受け皿といいますか、これからいろいろな新規事業あるいはベンチャー企業とか、そういったところにもお金を回していかなきゃいけないじゃないか、そういった展開が必要じゃないかと思うわけでございますが、その点はいかがでしょうか。
○武藤政府委員 これからの経済運営に当たりましては、確かに民需中心の経済運営ということが非常に重要であろうというふうに考えております。そのためにも、経済構造改革でありますとか金融改革でありますとか、規制緩和を中心とする民間活力を促進するような政策というものを講じていくということが必要であろうと思います。 御指摘のベンチャーキャピタル等に対する資金の供給という点から考えましても、ただいま申し上げましたようなことがまず基本的に重要なことであるというふうに考えております。
○今村分科員 わかりました。 その点につきましてでございますが、そうなってきますと、やはり新規事業なりなんなりをやるときに、新しく資本を調達しなきゃいけない、そういう問題があるわけでございます。 しかしながら、皆さん方も御存じかどうかわかりませんが、なかなか正直言って銀行は金を貸してくれない、そういった声が非常に強い。特に、いろいろバブルの後の教訓も身にしみたのかもしれませんけれども、何かというとすぐ担保はということを言われる。担保は何ですかと言うと、土地はありますかと、あるいは有価証券はありますかと、どこかにへそくりはありませんかと、そういった話でありまして、もうそういった事業主は、例えば土地なんかは基本的には根抵当で大体入れてあることが多いわけですね。そしてまた、かてて加えて、土地が非常に下がっているという中で、いつまでも土地の神話にすがりついてそういった担保ということが本当にいいのかどうか、そういったことについてちょっとお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○武藤政府委員 企業の資金調達が比較的容易であるのかそれとも厳しいのかという点につきましては、いろいろな指標がございますけれども、いわゆる資金繰り判断のDIという指標がございますけれども、主要企業を中心に最近では楽になってきている。まあ中小企業にはなお引き続き厳しいところもございますけれども、主要企業では楽になってきている。それから、金融機関の貸し出し態度がどうかということを考えますと、一時大変厳しい状況があったのは事実でございますけれども、最近では、この二、三年はむしろ緩くなってきておるといったような判断がございます。これはそういうDIの指標でございますけれども。 確かに金利が非常に低下してきたにもかかわらず、信用供与の残高の伸びがなかなか伸びないという面もございますけれども、これは、設備投資は御承知のように順調でございますので、企業としては、今までの借り入れ依存の体質から、手元の流動性、内部留保等を取りますことによりまして設備投資に対応することによって、むしろ借入金残高を減らして利払い負担を軽減させるといういわゆる財務リストラを企業が努力しているのではないかというふうに見られるわけでございます。
○今村分科員 そういう中で、これから例えば一つの例として、個人の金融資産が一千二百兆ということもあるわけでございます。あるいは、これからこういった財投の関係に民間資金を入れたらどうだとか、そういった話もいろいろあるわけでございますが、先ほど申しました中で、肝心かなめの銀行、金融機関がそういったいろいろな新規事業に対する出資をする際に、その新規事業の評価といいますか、そういった能力が非常に欠けているんじゃないか、そういったことでただ土地なり有価証券といったことに安易に頼るんじゃないかということを私は心配しているわけでございます。 そういうことになりますと、結局事業をやろうとしてもそういった評価のノウハウがなかなかないとかいうことになりますと、結局金は貸さない、変なところに貸して、リスクを冒して銀行の偉い人からしかられるということではいかぬわけでございまして、これから先融資をする上でのいろいろな指導とかそういったものを新しい時代に向けて何か考えられるようなことはあるのでしょうか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 金融機関の貸し出し態度でございますけれども、確かに、不良債権問題がございまして、非常に慎重になってきているということは事実だと思うのでございます。 しかし、全体的に言いますと、かなり金融緩和時期が長く続いておりますので、ある意味では貸出先を探さなければいけないという問題があるわけでございます。したがって、先生がおっしゃいましたように、いつまでも安全確実、償還だけを考えてやるとなりますと、なかなか新しいビジネスに貸すことはできないということで、最近に至りますと、銀行は特別なセクションを設けまして、そういったベンチャー等に対する貸し出しというものを真剣に考えている、そういうことを積み重ねますことによって、その評価なり審査基準がだんだんでき上がるのだろうと思うのでございます。そういったことは大変いいことで、我々としても支援していきたいというふうに思っております。
○今村分科員 銀行はとにかくお金を貸して初めてもうかるわけでございますから、そういったところを身をすくめて何にもしないで、収益が上がらない、そしてまた助けてくれ、そういったことのないように今後とも指導をお願いしたいというように思う次第でございます。 それから、ちょっと関連してでございますが、このたびいわゆる外為法の改正ということがあるわけでございます。これはまさにビッグバンの一環として垣根を取るということでございますけれども、先ほど申しましたように、国内でそういったお金の投資先といいますかそういった受け皿がしっかりない、あるいは金融商品にしてもなかなか魅力がないといったことになりますと、こういった国内での資本蓄積といいますか、個人貯蓄でも結構でございますけれども、そういったものが海外に大幅に流出するんじゃないか。ひいては、日本は金貸し国家ということになってしまつて、総理が言われるような足腰の強い物づくり国家、そういったものにはならなくなるのじゃないか。こういった観点から、この外為法のことにつきまして、そういった危惧はないのかどうか。
○榊原政府委員 外為法の改正につきましては、一月十六日に審議会の答申を受けまして、今、国会で御審議いただくべく鋭意努力をしているところでございます。 御承知のように、外為法改正の目的は、国境を超えた金融取引、通貨を超えた金融取引を抜本的に自由化することによりまして、東京市場あるいは日本における金融・証券取引を活性化させるというところにあるわけでございます。 ただ、委員御指摘のように、千二百兆ある日本の金融資産が今後かなり外国で運用されるというような事態が起こる可能性はもちろんあるわけでございます。グローバルマネージメントというふうに言っておりますけれども、このこと自体は決して望ましくないということではないと思いますけれども、逆に言いまして、外国の資金の中で今日本の株式の組み入れ率とか日本の証券の組み入れ率というのはかなり低うございますから、今度、逆に外国から日本で資金を運用するということが起こらなければいけない。このためには、東京市場の証券、銀行関連の規制の緩和が外為法の規制の緩和に続いてなされなければいけないということではないかと思っております。 ちなみに、現在空洞化ということを言われておりますけれども、私どもが知っているだけでもかなりの外国系の証券会社が、東京での取引基盤を拡大するというようなことで、かなりスタッフを増加させてきている傾向がございます。また、数社でございますけれども、東京で新たに支店なり駐在員事務所を開設したいというような要望がございますから、外為法改正あるいはそれに続く金融関連法案の改正によって、東京市場が活性化される方向に現在動いているというふうに理解しております。
○今村分科員 東京市場が活性化するのはもちろん結構でございますが、私が危惧しておるのは、むしろそういった非常にフリーなお金の流れを通して外国に資本が流れてしまうのではないか、東京市場で米国の国債をどんどん買うというようなことになりはしないか、そういった危惧をしているわけでございますが、その点、いかがでしょうか。
○榊原政府委員 先ほども申し上げましたように、グローバルに金融資産を運用するというのは必要なことでございまして、その意味で、日本の金融資産が世界的に運用される、グローバルに運用されるということが若干起こるとは思いますけれども、今後、委員御指摘のように、日本の金融機関が積極的にいい資産運用ということに努力を傾けていけば、日本の金融機関、日本での運用ということは決して空洞化することはないというふうに思っております。このためには、日本の銀行なり証券会社が、国際的な環境のもとでさらに努力を重ねることが必要だというふうに考えております。
○今村分科員 もういつも申しますけれども、私がちょっと質問の仕方が悪いのかもしれませんが、そういったことはもちろん評価いたします。ただ、私が申したいのは、もっともっと国内のいろいろな新しい事業とか公共資本整備とかいったものにもお金が向かうような、そういった仕組みもしっかりつくらないといけないのではないかといったことを言っているわけでございますが、その点、いかがでしょう。
○榊原政府委員 おっしゃるとおりだと思います。日本の国内の資金需要を新たに開拓するという努力があれば、日本での金融業が空洞化するということはないというふうに考えます。
○今村分科員 では、次に移ります。 これは大蔵大臣というよりもむしろ政治家三塚博さんということでの御質問になるかもしれませんが、いわゆる行政改革あるいは日本の構造改革ということをめぐって今やっておりますけれども、そういった中で、三塚さんは道州制あるいは連邦制といったようなことに興味がある、あるいは推進派だといったぐあいに聞き及んでおりますけれども、こういったことにつきましては、特に運輸大臣の当時にJRに立派に再生させられた、そういった経験もあってのことかと思いますが、よければ簡単に所見を述べていただけますでしょうか。
○三塚国務大臣 小さい政府か大きい政府か、国民負担はどの程度にすべきか。膨大になれば、行政機構がすべてを賄うということであれば、タックスですから上昇する。それに区切りをつけまして、地方自治体としてあるべき姿ということで今日の状態を見れば、さらに広域行政、協議体としての機能を発揮しなければならないのではないだろうか。 その点から一つのポイントとして申し上げておりますのは、八ブロックが県境を越えて協議会をつくり、最終的には道州制になり、最終的には連邦国家になることの方が、我が国の活力維持からいいまして、また特色ある地域振興、政治ということからいいましても目指す方向ではないだろうか。 一つ隗より始めよでやるのは、政府の各地方機関が、これは九州なら九州ブロックにたくさんあります、これがまず集まって、そこで地方政府の基本の形をつくるということもいいのではないか。地方から、国から、地方機関としての位置づけがプロセスとして大事ではないのか、こう申し上げておるわけです。
○今村分科員 我が国はOECD加盟国の中でGDP比の割合が一八・一%。ちなみに米国は二六・一。大変大きな国なわけでございまして、こういったところの行政改革を進めていくというのは大変なことだと思っております。 そういった意味で、ただいま申されましたこの道州制というものは、本当に一つの手法ではないかということで私も考えておりますので、また後日御指導を願いたいと思います。 続きまして、ただいま道州制ということでちょっと出ましたけれども、仮に地方分権、そういったものを大きくしていく上で絶対必要なものは、地方のインフラ整備であり、そしてまた通信、交通の整備ということになるかと思います。 そういう中で、特に交通問題でございますが、今般のこの予算の関係で整備新幹線のことが大変いろいろ話題になったわけでございます。ちなみに、非常にいろいろな、ばらまきであるとかむだ遣いであるとかいうあれもある反面、評価をいただく方もまた多いわけでございます。この点で、JR七社、JRが発足しましてからもう十年たつわけでございますが、旅客六社、貨物一社、合計七社でもってこの十年間に、八年度は事業計画でございますが、調べましたら約一兆一千八百億という法人税等を実はもう払っているわけでございまして、これは今般上げられました一兆二千億の御負担といったことにほぼ見合うわけでございます。こういったことについてぜひ強く認識しておいていただきたいということでございます。なぜならば、やはり国費の投入への理解を求める部分、これはぜひ理解してほしい。 もう一つは、これまでこれだけ税金もしっかり納めているので、これ以上JRに財源負担をさせないといったこの二点から、こういったことについて評価をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
○溝口政府委員 最初に一般論から申し上げますが、一つは、九年度の予算編成におきましては、財政構造改革元年で、それを最優先の課題として政府として取り組まなければならなかったということがございます。第二点は、整備新幹線につきましては、我が国の高速輸送体系の形成を通じまして、国土の均衡ある発展と地域の活性化に資するものであるということもございます。 こういう中で、整備新幹線につきましては、九年度の予算編成の最終段階でぎりぎりの判断が求められたわけでございまして、我が国の財政需要が極めて厳しい状況にあることを十分に踏まえまして、ぎりぎりの決定が行われたわけでございます。この間の事情を、御承知でございますけれども、御理解賜りたいと思います。 それから、法人税をJRが納めているという点についての言及につきましては、一つは、国鉄改革によりまして、JRの経営がおおむね順調に推移しているということはございますけれども、他方で、国鉄全体ということで見ますと、国鉄清算事業団が承継しました旧国鉄債務の処理は極めて重要な問題として残されておるわけでございまして、昨年末の閣議決定におきまして、十年度より本格的処理を実施するため、その具体的処理方策の検討を進め、平成九年中にその成案を得ることとされているわけでございまして、こうしたもろもろの要素を考えながら総合的に考えていくべき問題ではないかと思います。
○今村分科員 清算事業団の問題も出ましたけれども、時間がございませんので、少なくとも、先ほど私が申しました、しっかりJRも税金も納めてきているといったことについては、しっかり認識をいただきたいと思います。 それから、この整備新幹線に関連してでございますが、今後検討委員会をつくって進めるということでございます。その場合に、この検討委員会の進め方、これはまだ先の話ではあるでしょうが、着工区間なりなんなり一応案に出ているわけでございますが、そういったもののスキームといったものについて、いろいろやった中で、これはいい、あれは悪いとかいう中で、少し変えるとかそういったことは考えられるのでしょうか。政府当局としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○平田説明員 お答え申し上げます。 政府・与党から成る検討委員会のお尋ねでございますが、新規着工区間に取り組むためには、新しい財源スキームが成立するということが前提となっておりまして、このためには、九年度予算が成立し関連の法律改正がなされることが必要でございます。したがいまして、今般の政府・与党合意において設立されるということになりました検討委員会につきましては、メンバー構成も含めまして、国会におきます関連の法律案の審議状況等を踏まえつつ、政府部内及び与党で調整を行ってまいりたいと考えております。 それから、着工区間についてでございますが、与党三党の申し入れにつきまして、与党において、JR、地元の公共団体の意見を踏まえつつ取りまとめられたものであると私ども承知してございます。したがいまして、着工区間が変更されることがあるかどうかというお尋ねでございますが、政府・与党の合意によりますれば、今後の整備に当たっては、与党三党の申し入れに基づき決定するということとされておりまして、検討対象となるのは与党三党の申し入れに係るものと理解しております。
○今村分科員 時間がないので急ぎますが……
○中川主査 いや、もう時間が過ぎました。
○今村分科員 一言だけお願いします。 ただいま、与党の方から申し入れがあったからこれでいくというふうに言われたわけでございますが、政府として、運輸省として、そこのところは本当に責任を持ってきちんと物を言ったのか。その辺はどうなのか。端的に申しますと、私は九州でございますから……
○中川主査 今村君、もう時間が過ぎました。
○今村分科員 済みません。それでは、終わります。
○中川主査 最後に一言だけにしてください。
○今村分科員 具体例として、非常に九州の例について、一般の人が不公正かなという疑問を持っているということを提起しておきます。 終わります。
○中川主査 これにて今村雅弘君の質疑は終了いたしました。 次に、桜田義孝君。
○桜田分科員 桜田でございます。 私は、今回の質問に当たりまして、選挙に立候補したときの取り組み状況、公約等に絡めながら、ひとつ、余り高度な難しい質問ではなくて、初歩的、基礎的、一般国民が納得と理解を得られるような質問をさせていただきたいな、そんなふうに思っております。 特に、私は、財政再建ということと少子・高齢化ということを選挙に出馬するに当たりまして非常に唱えてきましたので、そのことを中心に質問させていただきたいのです。 あと三年で二十一世紀だということで、二十一世紀の足音というのがだんだん聞こえてくるわけでございます。本来ですと、明るい、二十一世紀は新しい時代だという、本当は輝かしいと言いたいところでございますが、昨今の経済状況を見ますと、必ずしもそういうことは望み薄であるということで、我が国の経済、財政状況を見ると、非常に厳しい状況の中にあるのではないだろうかという認識を持っております。 そして、特に少子・高齢化社会というものを迎えるような段階でこのままの財政状況を放置しておきますと、近い将来には社会保障費などの負担増が重なりまして財政赤字は一層拡大し、国民経済というものは破綻するのは必至ではないだろうか、そんなふうに考えておるところでございます。 特に、我が国の財政収支を見てみますと、国及び地方の財政赤字はGDP比で九六年度で七%だ。そして、徐々に改善はなされるような傾向は見られますけれども、先進諸国と比較して日本は極めて不健全な財政状況であることが報告されております。そこで、OECDへの加盟条件でありますGDP比三%以下でありますが、これが我が国の公的債務残高の状況ということで、これを達成するにはかなりな努力をしなければならないのではないだろうかというふうに考えております。 そこで、まずお伺いしたいのは、我が国の財政事情が極めて不健全であるということ。他国との比較などを通じて、おおよそいつごろからこのような状況を予見し、認識されていくようになったのか、まずお伺いしたい。そして、その財政健全化に向けて今までどのような実効的な対策が練られてきたのか。そして、その対策が今このような状況だと成功したとは言えないんではないだろうか。もし成功していないという認識を持っているならば、その要因はどのようにお考えになっているのかをお伺いしたいなと思っております。 私は昔から、日本の官僚というものは世界一優秀であるといって、特に財政、大蔵省に入庁する方は日本でも最高の学力を持った人が集まって就職しているわけですけれども、そんなに頭のいい人が集まっているのに、なぜこんな、外国と比べて一番悪化するような状況になってしまったのか、これが私には全然理解できないのです。私、わからない。日本で一番有能なスタッフがいる大蔵省の人をもってしてこういう状況になっていることを、まず一番の疑問としてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○三塚国務大臣 大事なポイントを桜田議員から御指摘をいただきました。端的に言いますと、民主主義の悩みです。景気が悪ければ早く景気をよくしろ、基本的な問題が出るとその解決のためにどうしてくれるんだ、いろいろ、議員の経験もあられるわけですから、おわかりのとおりであります。そういう中で、財政を預かる者、タックスに、税金に見合う歳出を、これは健全財政なわけであります。 しかし、やはり急激な変化があるという昨今、御指摘のように、少子・高齢化社会、成長率がほぼ低成長を覚悟しなければならぬ。バブルの再来はあり得ない。また、そんなことを手綱を緩めて再来になれば、再び立ち上がれないような状態にもなりかねない、こういう一般的な認識があります。社会保障国家、福祉国家ということで、医療、介護の問題、年金の問題が国家予算の中においても三分の一を占めるようになってまいりました。こういうことにどう対応するのか、自立、自己努力というのはどうすれば達成されるのかと、種々の問題がありました。 困難な問題は、財政当局というよりも、財政当局から種々その的確なデータが出るわけですけれども、政党の側に責任があったということを認めざるを得ません。やはり議会制民主主義である限り、政党が、特に与党を構成してやる政党が、その期間に健全化を目指して努力をしていくということでなければならぬ、こう思っております。
○桜田分科員 今大蔵大臣から、政党に問題があるという、全く私も同感でございます。そういう自分の認識と同じ御答弁をいただいて非常に満足しているわけですけれども、やはり、今マスコミ等を見ますと、非常に政治が低くて官僚優位の時代だ、政治を官僚から政治家に引き戻さなくちゃならぬという声が非常に出ている中で、やはり政治そのものに問題があるということが非常に大事な要件ではないだろうかと思っております。 そこで、一般会計の財政健全化目標についてお伺いしたいのですが、財政健全化の目標として、現世代の受益が負担を上回る状況を早急に解消すべく、国債費を除く歳出を租税の範囲内とする必要があるということでございます。 大蔵省のパンフレット等を拝見させていただきますと、先進諸国と比較をしまして、一例でございますが、年収七百万円の平均的なサラリーマン家庭に対する税率が我が国は極端に低い印象を受けます。税収入が極端に少ない割には、財政はかなりバブル崩壊前まではうまくいっていたんではないだろうかという気がするんですね。政府の出しているこのパンフレットを見ても、諸外国に比べて半分程度しか税金を取っていないんではないだろうかというように見受けられるんです。そこで、いろいろなことを見ると、収入と支払いを比べて税収がやはり少な過ぎるのではないだろうかというような考え、公共サービスと税金の支払いということについては税収が少なくなるんではないだろうか。 そういう観点に立ちまして、我が自由民主党の政務調査会におきまして、過日、大手の証券会社の方をお招きして勉強会をしたところであります。 その中の一つに、いわゆる有取税、有価証券取引税を廃止しろというような要望がありました。その辺の考え方なんですが、じゃその有価証券取引税が幾ら現在あるかというと、三千五百億はあるというようなお話は伺っているんです。要は、民間からの要求の中でいろいろなことを、税収減に響くようなものは、あれをやめろ、これをやめろという話がよく出てくるんですけれども、納税の面から見て、例えば、有取税を廃止した場合、三千五百億円の税収減になるわけでございます。証券会社の方々がいろいろな面でそういう要求をなさるときに、じゃその減収をした分をどこで担保するかということになると、やはり業界から、その税収三千五百億円なら三千五百億円減収した分、取り引きが活発化して、我々が証券業界として今まで納税した額に三千五百億円を上乗せして納税できるような、経済活動が活発になりますよ、そういうような自発的な申し入ればないのかどうか、あるいはないとするならば、そういうことを行政主導で担保するわけにはいかないのかということが私の考えであります。税負担に対する国民意識ということについてお尋ねしたいなと思っております。 そして、財政赤字というものを生む最高の原因は何だったのかという問題と、やはり公共サービスと租税との関係において、財政当局は、後者に対する国民意識がまだ十分育っていないんだと、日本人はやはり納税意識が薄いんだという観点を持っているのかどうか、ちょっと大蔵当局にお伺いしたいなと思っております。
○尾原政府委員 今、税負担と国民の意識についてのお尋ねがございました。 言うまでもなく、税なくては政府活動は機能いたしません。したがいまして、行財政改革を前提とした上で、政府活動に必要な税収額をいつも、だれが、どの程度、どのように負担していくかということが税制の一番の問題であろうかと思っております。その中で、公平、中立、簡素の原則も満たしていく。私ども機会あるごとにいろいろな説明会、その他、あるいは文部省に対しましては租税教育の分野で、このような税負担と政府のサービスの関係についてさらに御理解をいただくように今も努力しているところでございますが、さらに努力してまいりたいと考えております。
○桜田分科員 それじゃ、先ほど言った民間の証券会社の自主的申し込みがないということに対する問題と、もしなかったならば、行政当局から行政主導のような形で担保をとるようなことが可能かどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○尾原政府委員 先ほど有取税についてのお尋ねがございました。平成八年度税制改正におきまして、実は有価証券取引税を三割軽減いたしているわけでございますが、株価あるいは株式の数量と明確な関係はないのではないかというふうに我々は認識しているわけでございます。仮に、有価証券取引税を軽減し、それを上回る税収が入るとするのであるならば、実は手数料を引き下げても同じ効果が出るはずでございますが、そのように考えられるわけはないわけでございます。 なお、先ほど先生の方から減税の要望をするときには、じゃかわりの財源をどうするのかということがあわせて必要であるというふうにお話がございました。私どもも、これからの減税要望に際しては、そのような具体的な提案があればなお建設的な問題解決ができるのではないかというふうに思っているところでございます。
○桜田分科員 今の御答弁、大変私も満足しております。私自身がいつも、昨年議員に初当選してから陳情団とかいろいろ来て、いろいろな会合に参加させていただいたわけなんですけれども、あの税金は下げてくれ、これは控除額を上げてくれとか、この税金は廃止しろだとか、いろいろな陳情が来ますけれども、あれを一つ一つ聞いていると、税金は取るところは何もないんじゃないか、私は正直なところ議員になってびっくりしたんですよ。こんなにわがまま放題で、一体納税というのはどうなっているのかということで、こんなに取るところなくて国家が成り立つわけがないじゃないか、こんな難しい頭を使わなくたって、簡単な、小学生でもわかるようなことを、陳情がどんどん来ているということについて改めてびっくりしたわけなんです。いろいろな業界の方から陳情を受けたときは、税を廃止する場合でも、税収の減収した分をどう担保するか、そういう担保する場合は、その主張する業界等に強く求めることが今後必要なんではないだろうか、そんなふうに考えているところでございます。どうもありがとうございます。 そこで、先ほども言いましたけれども、深刻な少子・高齢化というものを今日本では迎えているわけなんですが、そこで、二〇二五年あたりには約四人に一人が六十五歳以上の高齢者だということが予測されているわけですけれども、特に人口のバランスが大きく崩れていくんではないだろうかというふうに考えておるわけです。 財政確保のために、大幅な歳出削減をするか大幅な増税をするかしかないんではないだろうか、収入をはかるか支払いを少なくするかしかないんではないだろうかと思うんです。特に景気回復に伴う自然増収というものが多く望めないような現況では、安定した財源の確保を目指すためには、景気に左右されず、税負担の世代間の不公平を解消する意味でも間接税が中心になるべきだというふうに私自身は考えておるんですけれども、やはり、直間比率の見直しということでこの前消費税の導入というものを図ったと思うわけですが、今後も直間比率の見直しというものを進めていくというお考えなのかどうか。そして、間接税へのシフトを政策的に進行させる必要があるんではないだろうかと思っているんですが、大蔵当局の御認識についてお伺いしたいと思っております。
○尾原政府委員 ただいま、本年の四月一日より消費税が三から五に引き上げられることになっております。これは当然のことながら、個人所得税の累進緩和との裏腹をなすものでございます。これらの税制改正は、平成六年秋に決まったものでございますが、今先生、お話がございましたように、まさに少子・高齢化が進んでいる中で、活力ある福祉社会をどう築いていくかというために、それに対応するため税制面から対応していくことが必要であるということで、平成六年秋に法案が成立し、この四月から税制改革全体が動き出すということになっているわけでございます。 これからの税制をどうするかというお尋ねでございました。消費税がまさに三から五に上がる中で、今最も要請されるものは行財政面での改革、むだはないか、あるいは官民の役割分担はどうか、あらゆる面での点検が必要とされているのだろうと思います。 これからの税制でございますが、勤労者世代が減少する一方、高齢者世代が増加してまいります。今後とも、そのときそのときの税制がまさに公平、中立、簡素にやっているか、あるいは所得、消費、資産のバランスのとれた税体系になっているかという中で、国民の意見を広く聞きながら判断していくべき問題だと考えております。
○桜田分科員 今、直間比率の問題と、その中に行政改革のお話がありましたが、私も昨年度の選挙に出るとき、よく消費税アップはどうするのですかというような御質問を選挙期間中にマスコミ等いろいろなところで受けたわけですけれども、その中で、消費税アップはやむを得ない、今後導入していくべきであるというふうに話はしていたのですが、その中で、やはり歳出削減、行政改革と連動する形で上げていくべきであろう、行政改革というものに全然手をつけないままに国民に負担をかける消費税アップは極めて難しいということで、いろいろな有権者にそういう説明をしてきました。 そこで、第二次橋本内閣におきましては、国会初頭の所信表明におきましても、財政再建元年と位置づけるということで、聖域なき歳出削減をするということを申しておりますので、私もこの点については高く評価するところでございまして、消費税を五%に上げるのももちろん結構でしょう、所得減税が打ち切りになる、それも結構でしようということで、それについてはおおむね理解できるのです。 そこで、平成九年度は財政再建元年と位置づけられておりますが、平成九年度予算においては、一体、その目玉としてはどのような歳出削減策がとられていらっしゃるのか、その辺でお伺いしたいと思っております。そしてまた、その削減策はどの程度の有効性があるのか、あわせてお伺いしたいと思っております。
○溝口政府委員 九年度予算におきます歳出削減努力の内容でございます。 全体としては、一般歳出を八年度に対しまして一・五%の伸びに抑制したわけでございます。この増加額は前年に対して大体六千六百六十億の増でございます。八年度は一般歳出の増が約一兆円でございまして、この額に比較しますと、増加額は非常に抑制しておるということでございます。この六千六百億円の中には消費税の増加に伴います政府の支出の増分が約四千億含まれておるわけでございますから、これを除いて考えますと、二千数百億の増ということで、非常に抑制されたものになっているわけでございます。 一つは、昨年九月の初めに各省から概算要求が出ました。このときの一般歳出の伸びが約一兆五千億でございます。それから六千六百億になったわけでございますから、予算編成の過程で八千億強の歳出の削減が全体として行われたということでございます。 その内容の特徴的なことを申し上げますと、一般歳出のうち、大体三割が社会保障でございます。社会保障のうち、最も大きいのが医療でございます。医療が大体六兆五千億ぐらいございます。それに続きまして、年金がございます。それから福祉関係でございますけれども、年金は、十一年度に五年ごとの年金改定が参りますから、九年度は行っておりません。したがいまして、医療につきましていろいろ問題がございまして、医療費改革ということを行って、国会に関係法律の改正法案を提出しているところでございます。 それから、その次に主要経費で大きいのは公共事業でございます。公共事業、約十兆でございますけれども、公共事業はシーリングの段階で実質横ばいというのを閣議で決めまして、予算編成の過程でも景気対策とかいろいろなこともございましたけれども、それを政府予算案の中で実現したということがございます。 それから、その次に大きいのは、主要経費の中では文教でございます。文教関係につきましては、これは細かい見直しもございますけれども、例えば育英奨学金の見直しでありますとか、あるいは地方の自主性をふやすために公民館とか図書館の補助金を廃止するとか、いろいろな補助金の見直しも行っておりますし、国立学校への繰り入れなども非常に抑制をしております。 それから、その次に主要経費で大きいのは防衛費でございますが、防衛費は御承知のとおりでございます。 いろいろございますけれども、そういう個々の積み上げをいたしまして、要求の段階から八千億強の歳出の削減が政府案に中に反映されたということでございます。
○桜田分科員 努力した部分は見受けられるのですが、特に医療、年金について、健全財政に持っていくよう非常に努力しているというような話でございますが、私自身もそれについては、先ほどの財政赤字の増大と比べて、やはり医療、年金の方も社会保障の分も、いろいろ政治的にも困難な部分はあると思いますが、できるだけ早目に、悪化しないように、優秀な能力を持っているわけですから、早目に手を打たれることを希望しているところでございます。 それで私も、先ほど言いましたように、行政改革というものをやるときに、選挙で努力目標として並べたものに、市町村の地方自治体の合併というものを非常に話してきたのですが、現在三千二百三十二ある地方自治体を千程度に削減すべきである、そして地方分権という一つの受け皿になれば地方自治というものはもっともっと確立するのではないだろうかということで唱えてきました。そして、最近は自治大臣も、ちょうど偶然かどうかわかりませんが、千程度に合併した方が望ましいような内容の発言が予算委員会でも述べられております。 やはり財政当局としては、このように千に少なくした方がいいという、私自身は思っているのですけれども、ただ、自主的にお任せすると、いろいろ議員定数の枠がこぼれてしまうとか職員定数がオーバーしてしまうとかいうことで、自主性に任せるとなかなか困難ではないだろうかと思いますので、できればこれは自主的に任せない、やはり国家の責任において、国家の指導力を発揮して自治体を合併するような措置を考えるべき時期に来ているのではないだろうかというふうな認識を私自身は持っております。 そしてまた、スムーズに合併できたところについて、事業の営業マンのやり方ではありませんけれども、成功報酬的な、こういうふうに努力したことについてはこのような利点が国家から与えられます、地方分権の裁量権はこれだけ地方に任せます、財政措置はこういうことをします、そういうことをどんどん進めていって、地方分権並びに行政改革というものを連動させながら図っていったらいかがかと思うのですが、いかがでしょうか。
○三塚国務大臣 これは事務方、答弁できませんから、小生から申し上げます。 目標はベストだと思います。最終的に、さらに機能別、地域別、伝統文化等総合的にということがあり得ようと思いますが、大変いいことなんですけれども、これは自治省、提案を待つにしては、審議会いろいろありまして、長い時間がかかりますね。こういうものこそ各党派寄って議員立法なんですね。御検討をひとつ御祈念します。
○桜田分科員 続きまして、国債についてちょっとお伺いしたいのですけれども、私自身は建設国債というのは余り否定的ではなくて、自分の孫子の代まで続くような社会資本の充実においては建設国債はそれなりにあってもいいのじゃないだろうかと思うのですが、特例公債、いわゆる赤字国債というものに絶対反対の立場を私とりますので、今の日本人だと、日本人だけじゃなくても、我が子のために幾ばくかの財産や金を残そうという親はどこに行ってもいるわけですが、やはり今、国家財政という名のもとに、我が子や孫に借金の、赤字国債のツケを回すようなことがなされているというのが現在の状況でありますので、これをできるだけ、とにかく完全にやめるようにひとつ努力をお願いしたいなと思っております。 そこで、景気後退期にはよく景気刺激策ということで公共事業をふやせというような要望が時として聞かれることが非常に多いのですけれども、欧米諸国におきましては景気後退期には景気刺激策は一切やらない、政策的な活動、活動といいますか、やらないということを聞いているのですけれども、今後、景気対策としての財政出動については、大蔵省の今後の方針としてはどのように考えているか、ちょっとお伺いしたいなと思っています。
○溝口政府委員 昨年と一昨年、財政制度審議会のメンバーの方々が、諸外国のそういう景気対策がどういうふうに行われているかということ等につきまして調査に参りました。その報告が昨年出されているわけでございますけれども、それによりますと、例えば、欧米では過去の一時期にそういうケインズ的な、拡張的な財政政策をとってきたことがあったけれども、その後、一時的な拡張的財政政策は「当初は一定の効果はあるとしても、中長期的な経済成長をもたらすものではなく、むしろ、財政赤字の累積を通じ、民間の資金を吸収してしまうことにより、経済成長のためにマイナスでしかないと認識されるに至った」ということであったという報告をしているわけでございます。 確かに、アメリカなどは、景気の調整というのはむしろ金融政策が大体行っておりまして、財政は、連邦財政ということもございまして、そう小刻みな調整は余り行っていないようでございますけれども……
○中川主査 簡潔に御答弁を。
○溝口政府委員 財政にはいろいろな機能がございます。景気調整機能、それから中長期的な資源配分を調整する機能、あるいは所得分配を調整する機能、いろいろあるわけでございまして、大きく分けてこの三つの機能があるわけでございますけれども、経済情勢等を見ながら適切にやっていくことが、これを適切に組み合わせていくことが政府の役割ではないかと思います。
○桜田分科員 では、これで終わりにしますので、財政再建にかけて、三塚蔵相を初めとして、財政当局の大いなる英断を期待しまして、頑張っていただきたいと思います。 終わります。
○中川主査 これにて桜田義孝君の質疑は終了いたしました。 次に、冬柴鐵三君。
○冬柴分科員 あの忌まわしい阪神大震災の日から満二年が経過し、三年目に入りました。被災地は、その表面から見ると、鉄道も港も回復し、高速道路も全面開通をいたしました。瓦れきは片づけられ、壊れた建物も見えなくなりつつあり、かわって真新しいビルや個人住宅がふえつつあります。また、観光施設の整備とともに観光客も回復しつつあります。 このように、一見順調にすべてが復旧、復興しているように見えますが、しかし、被災地のど真ん中である兵庫第八区から選出されている私の目から見ますと、そこには復興とはまだ名のみとも言える厳しい実態が横たわっていると言わざるを得ないのでございます。住居再築のめどの立たない人、仕事のない人、年金が底をついた人、健康を害した人、心の病にかかっている人、そして六十五歳以上の独居の人々が、数え上げれば切りがないほどであり、窮状まさに目を覆うばかりでございます。 過日、私もことしに入ってからだけでも二度、被災地の議会の議長や副議長や、あるいは被災されて仮設住宅に住んでいらっしゃる市民の方々とともに、総理官邸や大蔵省、建設省や厚生省初め関係各省への陳情に同行をさせていただきました。その折の正直な感想を申し上げますと、政府としては総じて現行の法的枠組みの中で一生懸命努力を尽くされている、これは伝わってまいりますが、反面、被災者は国が考えている以上に苦しい状態にある、そういうような思いも深くしているところでございます。 そこで私は、本日は、そのうち住宅の二重ローンの問題に絞って、短時間でありますが、質疑を行ってまいりたい、このように思います。 言うまでもなく、生活再建の第一歩は、その拠点となる住宅の確保であります。昨年暮れに行ったある新聞社の被災者に対する調査によりますと、自宅を再建し、マンションの再購入を果たした方々のうち、実にその四分の一の人が二重ローンの重圧にあえいでいるという事実でございます。 この二重ローンの問題につきまして、私はこれまでも、震災直後の平成七年二月の予算委員会のみにおきましても二回、この問題を取り上げて質疑をさせていただいております。その折、私は、みずからの責任ではなくしかも不可抗力の未曾有の大震災という観点から、これは個人に責めを負わせるには余りにも酷なことではないか、大胆な表現ではありますが、被災者についてはローン債務の免除の道、そのようなものを考えてはどうかと提案をいたしました。無論といいますか、予定どおりと申しますか、予想どおりと申しますか、当時の大蔵大臣は、個人補償システムは持っていないという答弁でございました。しかし、一方では、一定期間の返済猶予、モラトリアムですね、あるいは低利融資に工夫をするとかして、個別条件に応じてできるだけ債務者の事情に応じたような相談に応じていくとの温かい御答弁もいただいたのでございます。 そこでお尋ねをいたしますが、全半壊家屋のうち、ローン債務の残っていた個人住宅の数及びその総額について、調査されていますか。もしあれば、その数と残高について説明をいただきたいと思います。
○八木説明員 住宅の被災を受けられた方でローン債務の残っている方についてのお尋ねでございますが、住宅金融公庫の融資に関しますデータで御説明をさせていただきます。 住宅ローン、住宅金融公庫の融資を受けていらっしゃった方で、被災地域十市十町の区域の中で融資を受けておられました方は、約二十万人でございます。そのうち、家屋の被害状況調査などの被害率に基づきまして推定いたしましたところ、四千件の方が全壊もしくは半壊の被害を受けておられると推定いたしております。 これらの四千件の方についての負債残高総額でございますが、公庫の個人向け融資の平均的な残高は約九百万円でございますので、単純に掛け合わせますと、約三百六十億円でございます。
○冬柴分科員 重ねて、融資総額のうちに占める住宅金融公庫の融資、比率はどれぐらいになりましょうか、もしわかれば。
○八木説明員 住宅金融公庫の融資限度額を目いっぱい借りられていたとすれば、住宅建設費の約七ないし八〇%に相当するのではないかと思います。これは、戸建て住宅あるいはマンションによりまして、あるいは住宅価格によってかなりばらつきはあろうかと思いますが、戸建て住宅を前提に考えた場合、住宅金融公庫で大体七、八割ぐらいの融資がなされているものと思います。
○冬柴分科員 そのようなことをちょっと前提にしまして、現在までの個人住宅の再築状態、これは公営住宅もありましょうし、私的なもの、その中でも戸建ちやマンションの区分所有という形もとられていると思いますけれども、大体どれぐらいに上っているのか、御説明をいただきたいと思います。
○八木説明員 被災地域における個人住宅の再建状況でございますが、先ほどの被災地域十市十町におきます震災発生後の二年間での住宅の着工戸数は、約十九万戸でございます。地震発生前の数値に比べまして約二倍の建設戸数を記録しておりますので、このうちの約十万戸が震災の復興に伴うものではないかと推計いたしております。 なお、このほかに、いわゆる住宅を購入する形で再建を果たされている方もいらっしゃるかと思います。住宅金融公庫に購入の申し込みをされております件数は、約二万九千件でございます。
○冬柴分科員 そこで、住宅ローンについてでございますが、ローン債務が残っているにかかわらずとらの子である家が壊れてしまったという方、家が壊れても債務は残りますからローンを払い続けなければいけないわけですが、それについては支払い猶予、すなわちモラトリアムが発動されているように聞くのですが、大体把握していられるところで結構でございます、どのようなことになっておりますでしょうか。
○八木説明員 住宅金融公庫の融資につきましては、新しく災害復興融資をいたしました場合に、五年を限度といたしまして据置期間を設けております。この間につきましては、公庫に対する返済は必要がございません。かつ、当該期間中、兵庫県などに設けられております基金によりまして、その間の利子負担の軽減措置が講じられております。
○冬柴分科員 公庫融資は五年ですが、大体民間は三年程度というふうにも聞いているんですが、その点については何か御存じでございますか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 民間につきましては、個々の借り手の皆様と銀行との間でケース・バイ・ケースで対応してございまして、私どもがある銀行のある支店の例だけで、ちょっと調べてみましたら、大体九割ぐらいの方が、少なくとも一年間は元本を据え置いてくれという話があったそうです。その中のまた一部の方は、さらにもう一年元金を据え置いてくれ、一部の方は、元利金そのもの全部を一年間据え置いてくれというようなことで大体話し合いがついて、そういう措置をとっているようでございます。
○冬柴分科員 実態はそういうことですが、家がないのに毎月給料から元利金を支払わなければならない、また、ボーナス月には数十万円というローンを払わなければならないという借金を負っている人がたくさんいるわけですね。家があれば、本当にそれを自分はつめに火をともしてでも子供たちのために残してやろう、あるいは老後のために、この家を建てるために、元気なときにローンを払い、ボーナス月にも払い、そしてマイホームを持とう、こういうチャレンジをされたわけですが、これが、私の知り合い、本当に近しい人ですけれども、わずか建築後一年で全壊してしまった人がおります。 こういう人たち、もう半狂乱になりましたけれども、考えてみると、その人たちはどういう手段を選択するんだろうか、この債務から免れるために、ということで、政策的にこれをもう免除してもらえないということになれば、私は前の予算委員会でもお尋ねしたんですけれども、個人破産の申し立てをするという方法があります。個人破産の申し立てをして、その宣告の日までの債務について免責を得るという方法がございます。したがいまして、こういう方法をとっている人はどれだけいるんだろうかということでちょっと調べてみました。 最高裁判所で調べていただいた数値ですが、罹災都市借地借家臨時処理法適用地域で、兵庫県下ですが、十市十町ございます。この中の自己破産の新受件数ですが、平成七年度で九百六十五件、そして平成八年度で千二百二十二件の破産の申し立てがあります。大変な数字でございます。これが先ほどの建設省やあるいは銀行局長の御答弁をいただいたような債務支払い猶予が経過後、その人たちに、現実に家がない方に、ローンの債務を、元利金を払ってほしい、こういう請求が始まると思うんですね。そうなりますと、やはりそれに窮した人たちは、自己破産の申し立てに及ぶだろうと思います。 私は、こういうことを考えてまいりますと、阪神重工業地帯の中心地でもあり日本の牽引的な役割を果たしたこの阪神地域が本当に生命力を失い、そしてマイホームの夢を放てきをし、そしてこれから長い人生を債務とともに生きていかなければならない人がたくさん生じているということは、無視することができないわけでございます。 したがいまして、何らかの形でこれを政策的に、包括的に解決をしていかないと、本当に自己破産の申し立てというのは究極の選択であります。私は、三十年を超える弁護士生活を経験をいたしておりますけれども、このような非常に大きな債務、返すことのできない債務を負った人たちは、自殺をまず考えます。そして、一家離散を考えます。しかる後、専門家に相談をして、自己破産という方法でこれを解決をしていくという道があるということで、こういう究極の選択をされる方があるわけでございまして、こういう悲惨な状況を放置することができないのではないか、こんなふうに考えるわけでございます。 そこで、私は、この過去の二回の予算委員会でも提案して、それは取り入れられるところではなかったわけですが、再度、こういうローンの残っている人、住宅ローンの残っている人であって、震災によってそのローンの担保とされた、あるいはローンによって建築をされた家が全半壊してもう住むことができないという人が、新たにローンを組んでもう一度やってみよう、こういうふうに決意した場合には、同じ銀行に申し入れすることが条件になりましょうし、また額も一定限度というふうにしなきゃならないとは思いますけれども、一定限度でその前のローンを免除をしてあげるという方法は考えられないものだろうか。 これは、民民、いわゆる銀行とローンを組んだ方との関係のことですから、国が銀行にまけてやれとかいうことはできないと思います。しかしながら、この人たちに生きる望みを与え、そしていまだ空地となっているところに住宅を再築をして町に活力を取り戻させる、そういうものについてのインセンティブを与えるという観点から、そういう債務免除をした銀行が、銀行がもしその免除した分について償却をするという場合に、無税で償却をする、そういう制度を大蔵の方で考えていただけないだろうかというふうに思うわけでございます。これは住宅金融専門会社に対する金融機関の不良債権を一括して処理したときに、広い意味ではありますが、このような方法が採用されていると思うわけでございます。 まず技術的な面で大蔵省から聞き、それから政治家として三塚大蔵大臣の、これは現在のお気持ちで結構でございますが、御披瀝をいただきたいと思います。
○山口政府委員 先生の御指摘の、民間の住宅ローンを借りていた人が震災にお遭いになってまた新しくローンを借りて出直そうというケースでございますが、この民間金融機関の住宅ローンにつきましては、先生御指摘のように、民間の方々の間の債権債務関係でございます。したがって、民間金融機関がその前のローンについて放棄をすべきであるというようなことを私どもから申し上げるのはやや問題が多過ぎるのではないかというふうに申し上げざるを得ないと思うのでございます。 それで、問題は、ではその新しく出直そうという方に対してどういった手だてがあるのかということになりますと、これはやはり、被災者に対して民間が一様に、そういう道義的な立場もありまして、特別な条件でさらに貸してあげましようということで対応するしかないのではないかという感じはいたしております。 民間銀行でどういうことをやっているかといいますと、通常は住宅ローンは三十五年までですが、それを四十年まで広げるとか、あるいは金利でございますが、一番安いので通常は短プラ・プラス一・〇なのですね。今は短プラが一・六五ですから、今借りますと、これは変動ですが、二・六になるのですが、短プラ・プラス〇・三。そうしますと、これは〇・三足すと一・九五になりますから、二%そこそこの金利でお貸しする。しかも、据置期間は原則ないのでございます、それを三年間は元利据え置きをしましょうということで、そういった気の毒な方々に民間としても最大限御協力できるところは極力したいということでみんな足並みをそろえてやっております。 一律に制度として、例えば新規に貸し出すということは相手にそういう返済能力があるという前提に立っておりますから、それを前の債権は切るということになりますと、理屈からいいますと、次のローンがしてあげられないということになるわけでございます。不幸にして前の返済が滞ってしまえばそれは損金として落とさざるを得ませんけれども、前の措置をそういうふうに切ってしまいますと次のローンが、取れないところにまたいい条件でさらに貸すのかということになりますので、理屈からいうと非常にとりにくい措置だなと。したがいまして、大変お気の毒な面が多々あります。 それで、何とかもっとやってあげたいという気持ちは非常にあるにしても、その辺が民間の話としては限界ではないだろうかというように考えておる次第でございます。
○冬柴分科員 大蔵大臣の答弁をいただく前にもう一つちょっと聞かせてください。 今の局長の御回答は、現行制度というか法の枠組みからいけばそうだろうと思うのです。 ただ、例えば前のローンが二千万円残っている。これを月々十数万円ずつ払っていかなければならない。それについては、返済能力は、今勤めている会社からいただく給料で払っていける。しかし、もう家がないわけですから、もう一度家を建てるためにはもう二千万なり三千万を借り増さなければ二千万の家が建たないのですよ。 そうしますと、前に残っている二千万のものは払えたとしても、次にその上に二千万なり三千万を上乗せすると、四千万なり五千万の借金は到底、今いただいているお給料の中から、幾ら前のやつを、利息を低くし、そして二年なり三年なり猶予をしていただいたとしても、結局それは払っていかなければならない債務になります。それが怖いから、前のやつだけ払うのであれば払う資力はありますけれども、それを払っても住む家がないわけですね、壊れてしまって。そういうことをあわせ考えますと、今局長が言われたことは、理屈ではありますけれども、現地では、それでは私はどうしたらいいのと、五千万なり四千万の借金をして、それを給料の中から払っていくという力がない人はもう家は再び建てることはできないのですかということになるわけでございます。 私は、銀行がいろいろ御苦労しておられることはわかります。それで、私はそれに対するそういうことについて、先ほど申しましたように、インセンチィブを与える意味で、銀行が決断をして、そして利息を安くするというのも非常に決断だと思います。それから、返済期間を長くするのも決断ですけれども、一たんそこで打ち切って、そして新たなものを貸し出すという決断も一つの方法であろうと思うわけでございまして、その際には、そういうふうに決断した銀行に対しては、それを無税で償却をしてあげようという国の政策というのは、あながちむちゃくちゃではない、こんなふうに私は思うものですから質問を申し上げているわけで、その点について三塚大蔵大臣から政治家としてのお考えを御披瀝いただきたいと思います。
○三塚国務大臣 地震保険の問題を研究したことがございます。普及はいたしておりませんし、限界があるということであります。そういう中で、冬柴議員が弁護士として法曹人として真剣な研究をされまして、また、国会論議を深化させながら御活躍のことはよく存じ上げております。 まさに、御指摘のように、天災地変によりまして、一瞬のうちに持ち家をなくし、深刻なハンディを背負いながら苦労されていること、何人か友人が地方議員におりますものですから、個人補償の問題について陳情も要請も受けておるところであります。何とかいい道があるならばと私も悩みながら考えておるわけでありまして、ただいま御指摘をいただきましたそれぞれの具体的なケースに対する見解、また道筋についてのお考えを御披瀝をいただきました。 私自身も、さらに勉強をしまして、その辺の道が開け、幾分でも被災者の皆さんが、気が楽になりまして、全身が、また再建に向けて、生活に向けて、元気が出るようにと研究を進めてみたいと思っております。
○冬柴分科員 まだ質問はたくさん残っているのですが、きょうは分科会ですから協力をしたいと思います。 大蔵省にぜひお考えいただきたいのは、大変いろいろな被災者のための融資制度を、もちろん国のレベルあるいは県、市のレベルでたくさんつくっていただいておりますが、これが利用できないという人がまたたくさんいられるわけです。その理由は何かと申しますと、保証人を要求されても、被災して家がなくなった人の債務を保証する、そういう人は見当たらないわけでございます。それからもう一つは、高齢者は融資を受けられないわけです。もう私ぐらいの年になるとほとんどだめでございます。 こういう問題について、やはり金融ベースでいけば当たり前のことですけれども、こういう未曾有の天変地変でございまして、まじめに生きてきた人が、本当に数十万人の人がそのような被災をいたしまして、生きる望みを失ってしまっているわけでございます。その人たちが再び力強く生きる望みを持って、そして美しかったあの阪神地帯が再び活力あふれる町となるように、そういう従来の考えの中では、枠組みでは取り入れられないようなことを、この際、政治が考えていただきたい。それは、高齢者に対しても、まだそういう被災者が苦労して融資の申し入れをしたときにも、そういう担保がないということだけで融資が受けられないということがないように、これは特段の配慮をしていただけるように要請をいたしまして、答弁は要りませんから、私の質疑を終わります。
○中川主査 これにて冬柴鐵三君の質疑は終了いたしました。 次に、中川正春君。
○中川(正)分科員 どうも御苦労さまでございます。 私はもともと大蔵委員会にも所属をしておるのですが、前回、質問をさせていただいたときにちょっと時間が足りなくなってしまいました。いずれにしても、与えられた機会を精いっぱい活用させていただきたい、こういうことできようも質問に立たせていただいたようなことでございます。 きょうのテーマは、どちらかというと非常に大きなものになりますので、もっと大きな場で本来は議論をしていきたいところなのでありますが、その前に、一度私自身も勉強させていただきたい、それこそ大臣初め皆さん方の取り組みというのをしっかり押さえた上で、これからの議論の発展をさせていきたい、そんな気持ちできようは御質問をさせていただきたいと思います。 今、国会の中でも、本当に中心的に大きな議論になってまいります日銀法の改正、あるいは大蔵省自体の組織改革の問題、検査監督庁、これを独立させていくという問題等々、非常に根幹的な法案なりあるいは施策が出てきておるわけであります。よく考えてみますと、こうしたことはさかのぼって考えれば、もとはバブルの反省、ここで何が起こったかということと、この起こったことに対して私たちはどういう整理をしていきながら、特に国際化という新しい波に向かっても対応をしていかなければならないかとか、そういう基本的な問題意識の上に立っての議論がなされていかなければならないのだろうというふうに思うのです。 そこで私も、それぞれの見解、バブルは何だったのだろうかというのをあちこちでひもといて、にわか勉強なんですけれども一生懸命やってみたのですが、最終的に大蔵省が正式見解としてバブルの包括をしたものというのが見当たらないのですよ、ないです。それぞれ研究会とか審議会とかあるいは民間のシンクタンクがいろいろなことを言っておりますが、しかし、大蔵大臣そのものが、あるいはまた具体的な担当者がどなたになるのか、これは広範囲のことですから限定できないのでしょうけれども、それぞれの立場でそれぞれの反省なり思いというのがあるのでしょうけれども、そこのところをまず正式見解として聞かせていただきたい、こういうふうに思います。
○武藤政府委員 バブルについて大蔵省の見解いかんという、大変広範なかつ難しい問題でございますけれども、まずバブルがなぜ起こったのかということについては、第一に、我が国経済に対する強気の期待があったということ、それから第二番目には、金融機関によるリスク管理体制が十分でないまま金融機関が活発な融資活動を行ったということ、第三番目に、これが基本的な背景だと思いますけれども、長期にわたる金融緩和が行われまして、その結果、大量の資金が、株式市場それから土地の市場に流れ込んだために発生したものというふうに考えられるわけでございます。 バブルはなぜ崩壊したかということでございますけれども、その間、基本的にはバブルはいわば市場の失敗ということでもあるわけでございまして、経済の先行きに対します期待というものが一掃されますと、次から次へと市場への資金流入が細まっていきまして一挙に崩壊する、こういうことでございます。 結局、その当時、バブルの起こり始めないしは起こる最盛期まで、これがバブルであるということを見越したということはなかなかなかったわけでございまして、後から振り返ってみますと、確かに合理性を欠いた、経済合理性を欠いたレベルまで地価あるいは株価が高騰したということでありまして、その後、価格低下が急激に起こったということは、いわば必然的な市場の動きであったように思われるわけでございます。 それで、そういう過程で、政府として何をしたかということでございますけれども、これは関係当局は、中央銀行なり財政当局なり、あるいは経済関係諸官庁すべてがいろいろな形で関与するわけでございますけれども、その時点その時点におきましては、その置かれた状況を踏まえまして、これが適切という人知の限りを尽くした対策を講じてきたということだと思います。 ただ、今、現時点で当時の状況を顧みた場合に、資産価格が急激かつ大幅に変動したということが国民経済に大きな影響を及ぼすということについて的確な認識が不十分であったということは、そう思われるわけでございます。 したがいまして、このバブルの教訓といたしまして、バブルによる経済コストの大きさの再認識、あるいは市場規律の必要性を再認識するといったようなことが非常に重要なことかというふうに考えております。
○中川(正)分科員 先ほどの御説明ですと、なかなか今出ておる議論に対しての基本的な反省点というのが出てこないですね。一言で言ったら、管理不足でもっともっと我々監督をしなきゃいけないんだというようなニュアンスにも聞こえるような話しか、いわゆる監督官庁として出てこなかったわけであります。その間、いろいろな不祥事も出てまいりまして、特に金融界のモラル、あるいは大蔵省自身の官僚のモラル等々も問われながら、どうも議論がそちらの方に向いてしまって、大蔵省憎し、その大蔵省の管理体制というものを崩していくという流れが逆に今できてきておるようなことだと思うのです。 ですから、それに対して、もう少し私たちは冷静に、客観的に、このバブルのときに起こったことが本当に何であったのか、もし私たちが前提としておるものがこれまでの五五年体制の中でのいろいろな金融体制であるとすれば、それが本当に正しかったのかどうかということをしっかり議論をしていかないと、結局、それぞれ機構改革はした、あるいは日銀に独立性を持たせたということは何のためだったのだろうか、一体何をするためにそれをしていくんだろうかというふうなことに戻ってくるのだろうと思うのです。 そこのところを踏まえて、もう少し具体的に、大蔵省としての見方、これを一遍整理してはっきりさせていただきたい、このように思います。
○三塚国務大臣 大事な指摘だと思います。 それぞれに各局が分析をしておるわけですが、いずれそのことのオーソライズといいますか、公開といいますか、そういう時期も来ようかと思っております。 私は、バブルは景気循環という原理を、ピークのときに、循環ではなく一気に突っ走った結果が今日いろいろな問題を起こしておると思うんです。やはり不遜であってはなりませんし、おごりがあってはならぬと思うんです。あんな状態がいつまでも続くはずがないんです。続くと信じ、そして世界の大都市が全部買えるGNP、また預貯金、こういうことが平然と語られるようになり、そら恐ろしい感じをみんなが、心ある人は持ったことは間違いありません。少子・高齢化、まさに深刻な財政需要を抱えてどうするかということは、あの当時でもわかっておることなんです。しかしながら、踊りに踊りまくったということなんじゃないでしょうか。阿波踊りは三日ですかね。リオはたしか一週間踊るんですが、三百六十五日踊る人はおらぬのですね。私はあの当時、そう感じたことがございました。 そういう意味で、その反省の中に経営者の倫理というものが問われることでありましょうし、またそれ以上に政治のリーダーシップ、あり方、ある意味の危機なんですから、これに対する対応が立ちおくれたということも反省しなければなりませんし、そういうことの中で、激励を込めて反省を求められた大蔵省の公務員の皆さんも、金融、財政をつかさどっておるという意味で、その反省の中で今それぞれが対応しておる、こういうことであります。 〔主査退席、谷津主査代理着席〕
○中川(正)分科員 それじゃ、もう少し具体的に進めていきたいというふうに思います。 今、大蔵改革の中で、特に主眼として議論されてくるのは財政政策、これが主計局中心に予算ということを通じながら、景気動向を見て影響をしていこうじゃないかというその流れと、それから金融部門、これを切り離していくべきではないかという議論。それからもう一つは、この同じ金融部門も検査・監督というものと企画立案というものを切り離してそれぞれ考えていってはいかがか、そういう前提のもとに検査監督庁、これを総理府のもとに、ということは総理大臣のもとに持っていくと、こういうことですね。 しかし、これは私、大蔵省としてのいろいろな意見もあるだろうと思うんです。それが政治的な決着の中でこういうふうな形になったわけなものですから、一度大蔵省としてのこういう動きに対する意見を聞いておきたいな、これが一つですね。 それからもう一つは、この一連の動きの中に、そしてまた日銀の独立というものを持っていく前に、バブルのときの大前提がありまして、それは何かといいますと、いわゆるバブルが頂点に達していくのが八九年の暮れ、これがバブル崩壊したわけですね。その二年前の八七年の十月に、アメリカでブラックマンデーが起こりまして株が暴落をいたしました。その時点、その前後にある日本の政策というものと、それからアメリカの市場あるいはロンドンの市場でこのブラックマンデー、日本ではブルーチューズデーですか、それを経ていった後の景気回復と経済動向の動きというのが非常にかけ離れたものになってきているということ、これが一つの教訓になるのではなかろうかというふうに思うんです。その時点で、大蔵当局あるいは日本の政府当局がどういう心理状況であったかというのは、先ほどのみんなが踊っていたということだけじゃなくて、もっと、基本的な外圧という大きな圧力がここにあったということが私は指摘をされなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんです。 プラザ合意以降、金利をしっかり下げていくというふうな一つの方針を、日本の国内の中でプラザ合意を原点にして決めてまいりましたし、それに対して、アメリカからの圧力で内需拡大を進めなさいよと。これによって財政当局がやったのがこの八六年の総合経済対策の三兆六千億、それから八七年の緊急経済対策六兆円、これが八七年です。もう直前ですね。この辺で財政出動させております。 結局、この辺の皆さん方の中に働いていった心理というのは、日銀自体が、これは過剰流動性が起こってきていますよ、ここで引き締める必要がありますよという議論に対して、その当時の中の議論というのは、いやそれどころじゃないんだ、これは内需拡大して、日本が世界のアンカーとして景気を引っ張らないとどうしようもない、そのような事実というものをつくり出さぬことには、G7に行っても政治家として大きな顔ができないじゃないか、そういう流れの中で、それぞれ影響し合いながら施策が重なっていったんですよ。財政にも過剰流動性を増すような形、金利でもまたそれに追い打ちをかける、そしてもろもろいわゆる規制緩和という形でそれぞれのいわゆる証券市場というものが自由化をされてくるというプロセス、これが相互、相乗的にぐっと重なっていきながら、日本のバブルがここから本格的になってぐっと上がっていくプロセスというのがこれでよく見えるんです。 このときには日本は、それじゃその施策をどういうふうに評価していったかといいますと、日本だけじゃない、世界じゅうがこの政策を礼賛したんですよ、日本は大したもんだと。アメリカあたりでは、これは実はいろいろその当時の論評を集めてきて私は見てみたんですよ。それは、アメリカがブラックマンデーでやられた後の反省をしているブレイディ・レポートというのがありますけれども、これは大まかに言ったら、アメリカはそれをばらばらにやっていったからブラックマンデーを起こしたんだ、日本を見てみろ、大蔵省は大したもんだ、あれは総合的にやっているからうまくいったんだ、こう言っているんですよね。それから、ウルリケ・シェーデだとか、「YEN!」というのを書いたダニエル・バースタインだとか、こぞってみんな日本の大蔵省を褒めたたえているのです、この当時は。 そういう時代背景の中にあったこの金融政策のあり方、これが大蔵省として本当によかったのかどうかという基本的な認識というのがここではっきりしていないと、これから先の議論というのはできないと思うんですね。あのとき間違っていたと言うのだったら、どこが間違っていたのか、あれで正しかったと言うのであれば、今のやり方は間違いだと思うんですよ。そこのところを、どなたになりますか。
○武藤政府委員 長い、昭和六十年、一九八五年のプラザ合意以降、バブルの崩壊までの流れの中でどのような政策論が行われたのかということでございますけれども、御指摘のとおり、プラザ合意は一九八五年の九月に、むしろ円高誘導、日本の経常収支黒字が過大であるということで円高誘導という、これが国際協調政策としてとられました。その結果、二百円以上あった円は百五十円ぐらいまで、一、二年のうちに円高に振れてまいります。それと同時に、いわゆる急速な円高の進展に伴う円高不況ということが起こったのは、御承知のとおりでございます。そういう中で、金利の引き下げと財政出動ということが強く主張されました。いわば経常収支黒字の縮減と内需拡大、この政策を遂行するためには低金利政策というものが要請されたということで、一九八七年の初めに二・五%に公定歩合が下がるわけでございますけれども、それまでどんどん公定歩合は引き下げられてまいりました。 その間、財政政策と金融政策のポリシー、ミックスはどうだったのかということでございますけれども、世上、財政政策が金融政策に負担をかけたのではないかというようなお話がございますけれども、実際には、公定歩合が二・五%になる前の年の九月に、御指摘の三・六兆円に及ぶ八六年の総合経済対策が行われました。さらには、ブラックマンデーの前に、八七年五月には六兆円の財政出動が行われたということでございます。その中には一兆円の減税も入っておりました。そういうことがいわば国是といいますか、内外から求められた政策であったということだと思います。あのときにほかの政策をとることができたのかどうかということになれば、恐らくできなかったのではないかと言ってもやむを得ない状況があったように思います。その後、八七年十月にブラックマンデーで株価が一時下落いたしましてから、むしろ株価対策として低金利政策の持続を内外から要請されたわけでございます。 そういうことで、バブルといいますのは、一口に一九八七年から九〇年まで、昭和六十二年から平成二年までがバブル期と言われるわけでございますけれども、株価のピークは元年の十二月、土地のピークは平成二年の秋でございます。そういう状況の中でとられましたさまざまな財政金融政策といいますのは、私は、その時点で政策担当者が認識し得るさまざまな情報をもとに、内外の要請を踏まえてとられたものというふうに思うわけでございます。 しかし、常に政策が客観的に正しいかどうかということになれば、今の時点で振り返れば、必ずしも適切でなかったことはあったと言わざるを得ない。例えば、マネーサプライが一〇%を超えるような状況であったにもかかわらず、低金利政策が続いたのはなぜかと言えば、消費者物価、卸売物価は当時非常に安定しておりましたので、むしろマネーサプライの上昇は経済の実需を反映するものだというような議論さえありました。その当時のエコノミストの評論あるいは新聞論調を見てみますと、いわゆるジャパン・アズ・ナンバーワンの議論でございまして、日本はフロー経済からストック経済に転換したのだというバラ色の将来像の議論がかなり流布されておったわけでございます。 現時点でそれを振り返ったときにどうかというのは、また御指摘のとおりきちっと反省する必要があるかと思いますけれども、私どもはこういう議論につきまして、昨年の通常国会で住専問題がいろいろ議論されたときに何度も御質問を受けまして、私も何度もこのような分析を繰り返しお答えしたことがございますけれども、そういういわば当時の立場に立てば、その場その場で適切な金融、財政の運営を行ってきたということが言えるのではないかというふうに思うわけでございます。 その後もまたいろいろな反省といいますか、問題認識をきちっとしろというのは御指摘のとおりでございまして、先ほど私から申し上げたとおりでございます。
○榊原政府委員 その当時からの経緯は今総務審議官から御説明したとおりでございますけれども、そのプロセスでの反省はないのかという御質問でございます。 G7のプロセスというのは、ピアーズプレッシャーという言葉を使いますけれども、お互いに友情のある説得と申しますか、お互いに圧力はかけるけれども、協調的に圧力をかけるんだ、こういうプロセスでございまして、お互いにこうやるべきだ、ああやるべきだというような議論を盛んにするわけでございますけれども、その当時のG7共通の認識は、持続ある、均衡ある成長というものを重視する、むしろ短期的にケインズ的な成長というものをかなり重視しよう、こういう感じが、これはアメリカでもヨーロッパでも日本でもあったわけでございます。今、振り返ってみますと、そういう短期的なケインズ政策をG7のプロセスの中でとってきたということ、我々もそうした外圧に対して毅然として物を言わなかったというところが、日本のバブルをむしろ促進させた一つの要因になったということは、また事実だろうと思うのです。 ただ、最近は、G7でもそういう反省に立ちまして、いわゆる構造政策、ヨーロッパの場合には通貨統合というようなことで、財政再建が極めて重要である、そういう中長期的な目標というものを短期的な目標にも増して重視すべきであるというような議論に相当傾いてきておりますし、御承知のように我が国も、橋本総理のもとで六つの改革ということで、財政再建というのは非常に重要な政策であるということで、むしろ構造政策というものに重きを置いて、必ずしも短期の株価とか短期の為替レートとか、そういうことだけに左右されるような政策をとるべきでないということでG7の中で議論をしてきておるところでございます。 そういう意味で、我が国だけではなくて、G7諸国全体に、八〇年代後半から九〇年代前半のバブルの反省というものに立って今後の政策を議論しようというような姿勢が出てきておるということをつけ加えさせていただきたいと思います。 なお、G7におきましては、財政、マクロ政策あるいは金融の企画立案、そういうものを総合的に大蔵大臣が議論をしているところでございます。
○中川(正)分科員 時間がもう来てしまいまして、こんなこと三十分では結論が出ないということなんですが、これから大いにやらせていただきたいと思うのです。 私は、今の改革論議、いわゆる組織の改革論議で一番欠落されておるところの一つが、海外での日本の立場というもの、これが大きくなってくればくるほど自分なりの主張をしていかなければいけないわけですが、そのものと、国内でのいわゆる金融政策あるいは財政政策を含めた経済の運営というもの、これをどういうふうに健全に整合性をとっていくか、そのためには組織を、あるいはそれぞれの権限をどうしたらいいか、この部分の議論というのが、今の日銀の話にしたってあるいは大蔵省の組織改革にしたって、全く欠落をされておるところではなかろうか、こういうふうに思うのです。そこのところを本当はもっと具体的に指摘もし、議論もしたがったのですが、またそれは次に送らせていただきたいというふうに思っております。 それから、もう一つだけお答えをいただきたいのですが、今、それからずっと、次のビッグバンの話に本当は行きたかったのですが、その中で一つだけ確認をしていきたかったのですが、ビッグバンの中での公的金融、これの位置づけを早くはっきりさせないとビッグバン自体が非常に中途半端に終わっていくだろうという指摘が方々で出てきております。これは大蔵省としては今審議中というか、それぞれ審議会の中での協議待ちだろうと思うのですが、いつまでにどういう形ではっきりさせていくのか、それだけちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○三塚国務大臣 金融三法で金融システムの安定を図るということで全力を尽くしているところ、同時に、公的資金という点については、基本がただいま前段申し上げたことでここは乗り切らなければならぬものでございますから、原則として、ただいまのところどうするかということについては、まず金融システムが機能して安定するように取り進めることに全力を尽くす、こういうことであります。
○中川(正)分科員 時間が来ましたので。
○谷津主査代理 以上で中川正春君の質疑は終了いたしました。 次に、濱田健一君。
○濱田(健)分科員 きょうは、三十分間酒税について質問をいたします。 去年の十一月一日にWTOパネルの酒税についての敗訴裁定以来四カ月、大臣も、しょうちゅうの業界を含めて国民のこの裁定に対する危機感といいますか、その思いにさまざまな措置を講じてきていただきましたことを感謝申し上げたいと思うのですが、二月十三日には、いわゆる五年間で最高約二・四倍にしようちゅうの税率が上がっていくという部分について、十五カ月でやりなさいというアメリカの圧力がWTOの方に認められたということで、本当に五年間のある意味で漸進的な税の引き上げというものがどうなるのかということで、南九州を中心として心配をしているところでございます。 私は、今回の酒税紛争におけるWTOの勧告は、ウイスキーとしょうちゅうの税率格差の是正を求めていたのであって、しょうちゅうの税率アップということに向いていたのではないのだというふうに理解をしているわけです。WTOでの論議はどうだったのか詳しくはわかっていないのですけれども、私たちは、しょうちゅうだけを非常に大きく上げていくということについて、地元の皆さんの声を代弁すると、強い憤りを感じているというふうに言わなくてはならないのですけれども、このことについて大蔵の考え方をちょっと聞かせていただきたいと思います。
○尾原政府委員 我が国といたしましては、かねてEU等三カ国の申し立てについて反論をしてまいりましたが、残念ながら、昨年の十一月一日のWTOの報告では、第一点目は、しょうちゅうとウオツカは同種の産品である、それから、しょうちゅうとウオツカを除いた蒸留酒は直接競合・代替可能産品とされまして、しょうちゅうとウイスキー類との税率格差をデ・ミニミスなものとするよう勧告されるに至ったわけでございます。 それで、具体案を策定するに当たりましては、当然のことながら、EU等当事国との感触も探ってまいりました。例えば、デ・ミニミスの範囲というのはどのような考え方なのであるか。それからさらに、我が国といたしましても、最近の我が国における酒類消費の動向がどうか、さらには財政事情等がどうかというようなこと等を勘案いたしまして、今回の御提案に至っているものでございます。 確かに、しょうちゅうにつきましては、五年の経過期間を設けておるところではございますが、五年間で酒税で二・四倍、甲類につきましては一・六倍、一方、ウイスキーにつきましては約六割の減税を行うこととしているわけでございます。 もう少し申し上げますると、しょうちゅうにつきましては、かつては下級酒といいましょうか大衆酒としてのイメージが非常に強く、昭和五十年代以前は非常にしようちゅうは不振でございました。したがいまして税負担も極めて低位にとどめられておりましたが、昭和五十年代の後半からは非常にさま変わりの状況もございます。今や高級料飲店でも清酒やウイスキーと同様に飲まれ、その量も非常に飛躍的に消費が上昇しているという状況もございます。 しかし、かといって、ウイスキーとの税率格差が、そういたしますと乙については六倍引き上げなければならぬということになってくるわけでございますが、それも極めて非現実的でございます。そこで、しょうちゅうにつきましてはそれなりの御負担増をお願いすることといたします一方、ウイスキーにつきましては六割の減税をするということにおいて今回の案をお示ししているわけでございまして、全体の酒類のバランスを総合的に勘案して考えた案というふうに考えているわけでございます。ぜひともよろしく御了承いただきたいと思っております。
○濱田(健)分科員 地方だけではなくていろいろなところで、また高級店でも飲まれるようになったという説明ですけれども、やはり地方においては自分たちの酒なのですね。いつでもどこでも格好つけなくて飲めるというものについては今までどおりの思いというものが強いわけですので、また後ほど、その辺のことについては、別の角度から質問したいと思うのです。 外務省にお聞きしたいのですけれども、一九九五年四月五日の新聞に、この酒税の問題がWTO発足以来の第一号のパネルという、不名誉な部分と言っていいのかどうかわかりませんけれども、そういう提訴の問題となったわけです。その中で、対米偏重の外交をやりながらEUを軽視しているからこういうしっぺ返しがなされるのじゃないかというような鋭い指摘も書いてあるわけですが、このことについてどう思われますか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 まず第一点は、事実関係でございますが、先生御指摘の一九九五年四月の新聞でございますが、これはWTOが一九九五年一月に発足して間もない時期に書かれた記事でございまして、その時点では酒税がパネル第一号になるのではないかという推測で書いておりますが、実は第一号ではございませんで、アメリカのガソリン規制という、アメリカが訴えられている件が第一号になっております。次には、EUのホタテガイということで、EUが訴えられている件が第二号になっておりまして、日本の酒税は、パネルということでいえば三番目でございます。 WTOの場合には紛争解決手続というのがございまして、WTO加盟国当事国間で、二国間で協議をして問題が解決しない場合には、第三者で構成される紛争処理小委員会、通称パネルと呼んでおりますが、パネルに付託されるという形で紛争解決の手続がとられることになっております。WTOの場合には、二国間で協議をして解決しない問題については、全加盟国に情報が公開される形で紛争解決手続がとられる、むしろその方が客観的でかつ透明性が高いという原則にのっとってやっております。 EUにつきましては、日本の輸入蒸留酒のうち八割がEUから来ております。EUは本件について最大の商業的利益を持っておりまして、言ってみれば訴えの利益を持っているということでパネルにまで行ったということでございまして、この新聞記事にありますように対米偏重の結果であるというふうには思っておりません。
○濱田(健)分科員 今の問題については、このしょうちゅうの部分だけではなくて、いろいろなところでの日本の態度といいますか取り組みに、品物というか、貿易の状況の中で言われていることですので、これはやはり注意しておかなければ、世界で生きていくという日本の今後の進み方にある程度警告を示しているというふうに私は言わざるを得ないと思います。 このWTOの裁定を受けて、スコッチウイスキー協会や欧州蒸留酒製造者連盟は、いわゆるアルコールの度数に基づく単一酒税制度を日本は導入すべきだというふうに言っているようですが、単一税制というのを蒸留酒だけにヨーロッパが限定をしていこうとするのはどういう背景なのかということ。ワインとかビールという醸造酒はなぜ除外されるのか。これらは交渉の場ではどういう論議がなされたんですか。
○尾原政府委員 一般的に、EUを含めまして、酒税全体に単一酒税制度をとっている国はほとんどないのではないかというふうに思っております。 今回、なぜ醸造酒が除外になったかということでございますが、WTOの争い方そのものが事実具体例に即して訴えが提起されるということから、今回の件は、まさに蒸留酒としょうちゅうについて日本の酒税制度がガットの条約に違反している可能性があるという個別事例で訴えられたことからきたものだというふうに考えております。
○濱田(健)分科員 EUにおける蒸留酒の酒税が醸造酒よりも極めて高いということが言われておりますが、これは何か、やはり歴史的な背景とか文化的な背景というのがあるんですか。
○尾原政府委員 税制はそれぞれの国の社会、歴史とも関連いたしますので、詳細に理解しているとは申し上げかねますが、例えばEU諸国におきましては、欧州委員会の指令がございます。そこを見てみますと、ワインについては、ゼロでもいいし、取らなくてもいいし、取ってもいいという取り扱い。蒸留酒につきましては、純アルコール一ヘクトリットル当たり日本円でいいますと六万七千円以上というふうに規定しております。この結果、恐らく蒸留酒の税率の方が醸造酒よりも高い国が多い、こういうことになっているのではないかと思いますけれども、それでは、個々の国でその蒸留酒の税率がどうなっているか、あるいはワイン等の醸造酒についてどうなっているのかというのは区々でございます。 例えば、ワインについては、ドイツ、イタリアでは課税が行われておりませんが、イギリス等の国では課税している。蒸留酒の税率につきましても、イタリア、スペインは低いわけですが、北欧諸国は相対的に高くなっている。国によって税率が大きく異なっていると承知しております。
○濱田(健)分科員 ウイスキーなどと同じ蒸留酒であるしょうちゅう、同じような税率にしろという意味合いからきたこの問題なんですが、ヨーロッパでのワインやビールと同じように、先ほども申し上げましたけれども、大衆の酒であるという格付はいまだに絶対に変わらないというふうに思うのです。 これは昨年の税制特別委員会の中でも触れたのですけれども、文化の違いからくるものを、同じ酒のつくり方という範疇で税を近い形にさせられていくという背景、これはある意味で負けちゃったということになるわけですけれども、僕らとしては、ヨーロッパのウイスキーなどと同じような範疇にこれからも入れるべきではないというふうに思っているのですが、その辺はどうですか。
○尾原政府委員 我々も、ただいま先生から御指摘がございましたように、しょうちゅうというのは、製法からしても飲まれ方からしても、例えばウイスキーでございまするならば食後酒でございますけれども、しょうちゅうは食中に飲むお酒である等々、いろいろな例を引きながら違うということを申してまいりました。しかし、残念ながら我々の主張が退けられ、結果は、御案内のような勧告が出たわけでございます。これだけ貿易の量の多い、世界の中でも大国としての我が国のとり得べき道としては、このWTOの勧告を受け入れざるを得ないわけでございます。WTOの勧告がまさにこのしょうちゅうとウイスキーというのは直接競合・代替可能産品であるという認定なものでございますから、今回、そのような御提案をさせてもらっているわけでございます。何とぞ御理解いただければと思います。
○濱田(健)分科員 一九九二年に欧州経済共同体の閣僚理事会が特定国の特定地域のアルコール飲料に軽減税率を適用できるという特例をまとめているようでございます。そういう特例をやっている国がギリシャとかフランスとかイタリアとかポルトガルなどにあるようですが、実態はいかになっているのか。
○尾原政府委員 今先生が御指摘のような一九九二年の欧州の指令があるわけでございまして、これに基づきまして、フランスがラム酒に対しまして、ギリシャがウゾに対しまして軽減税率を適用することが認められているものでございます。このうち、フランスのラム酒につきましては、フランス領土において生産されているものでありまして、ヨーロッパにおいて生産されているものではないというふうに聞いております。 なお、このような二つの例がございますが、それぞれの国につきましてはそれぞれ固有の蒸留酒がございます。例えば、イタリアにはグラッパというような蒸留酒もあったわけでございましたが、これもEUの中での提訴その他交渉が行われまして、今では軽減税率のないほかの蒸留酒と同じ税率になっていると聞いているわけでございます。 したがいまして、私ども、現在そのような軽減税率のある酒類といたしましては、ただいまの二つの品目について承知しているところでございます。
○濱田(健)分科員 いわゆるその土地の気候や風土やそこに住む人たちの心といいますか気持ちといいますか、それらによってつくられている、南九州の芋じょうちゅう、奄美の黒糖酒、沖縄の泡盛含めて、これらの欧州の例の枠内といいますか、そういう形をとりながらこれからも特例の軽減を図っていくべきだというふうに思いますし、国内的なそういう取り組みが仮に、今もやっていらっしゃるんですけれども、持続的にできないのであれば、逆に、この特例という、EU域内の条件を生かしながらWTOに逆提訴というような話といいますか、試みもできるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
○尾原政府委員 今回のWTOの勧告は、まさにしようちゅうに対する日本の酒税制度自体がガット上許されない制度であるというふうに認定されたわけでして、いわばこれまで特例的過ぎたという認定を受けたわけでございます。 一方、フランスのラム酒とかの話でございますが、この指令をもう少し読んでみますと、こういう軽減税率で域内市場に競争のゆがみを生じさせないことが必要であるという要件が課されているようでございます。今回、残念なことに、このしょうちゅうにつきましては、まさに市場にゆがみを与えているという認定が、しょうちゅう、ウイスキーについてはあったわけでございまして、この点、やや事例を異にするのだろうと思います。 なお、逆提訴してはどうかというお話がございました。確かにそういうことが考えられないわけではございませんが、そのためには、フランスなりギリシャにしようちゅうを輸出いたしまして、あるいはしょうちゅうとラムの関係、しょうちゆうとウゾの関係がどうであるかということを具体的事例に即して立証する必要があるというような問題があるのではないかと思っているところでございます。
○濱田(健)分科員 しょうちゅう乙類、甲類は上がっていくわけですが、逆にウイスキーの税率を下げていくということになったときに、下げ方はいろいろあると思うのですけれども、一千億とか一千二、三百億の減収になるのではないかということがよく言われております。約二兆円の酒税の中で一千億から一千二、三百億、約五%。この部分を、しょうちゅうの大幅増税という形ではなくて、酒税全体でのカバーというものはできなかったのか。この辺はどうでしょう。
○尾原政府委員 先生の今のお尋ねは、ウイスキーとしょうちゅうだけではなしにもつとほかの酒税の種類を、増税とは今申し上げませんでしたが、やってカバーする道もあったのではないかということかと思います。 ただ、今回の案件の経緯を考えてみますると、まさにウイスキーとしょうちゅうの関係から問題が提起されてきているということが一つあるわけでございます。それで、またそこでの認定が、どちらかと申しますならば現在のしょうちゅうが低過ぎるのではないかというようなことからこの問題が始まっていることを考えますと、ほかの酒類でこれをカバーするというわけにはなかなかいかず、まさにウイスキーとしょうちゅうの、主としてその税率を調整させていただくことによって解決を図らざるを得なかったということを御理解いただきたいと思っております。
○濱田(健)分科員 苦労していらっしゃることはよくわかります。これから五年間で乙類約三百円、今のアメリカの強硬な態度でいうと、来年の二月までにはこれをやっていかなくてはならないというふうに新聞だけ見ている国民は思うところでございますが、政府としては、今改正案を出しておられまして、五年間でやっていくという方向は崩していらっしゃらないわけです。 バーボンウイスキーの関税の前倒しとかいろいろな譲歩案を示しながらも、アメリカの方は強硬に十五カ月でやれというふうに言ってきているようですが、これはしっかりと、その五年間ということは守っていけるのですね。
○尾原政府委員 今回の酒税改正法案でございますが、本件はそもそも英国を中心とするEUとの間に問題が発生したわけでございますが、EUとは正式合意しているわけでございます。それを誠実に履行するためには、本年十月一日から実施する必要がございます。それから、デ・ミニミスの一・〇三倍につきましても、まさにWTOの勧告に沿った内容になっております。また、酒税法を改正しない場合には、WTOの一員としての我が国の国際的立場は一層厳しくなるということが考えられます。ぜひ今国会においてまずこの法案の成立を図る必要があることを御理解いただきたいわけでございます。 さて、アメリカとの関係でございます。 二月十四日、平成十年の二月一日が履行期限であるという仲裁は出されましたが、バシェフスキーUSTR代表は、その結果を、WTOのルール及び勧告に沿ったものとして一応歓迎いたしまして、日本は仲裁の結果に従い、十五カ月以内に完全実施する義務を果たすべきだというコメントが出されました。一方、USTR当局者の記者会見におきましては、日本が仲裁決定に従えない場合には、代償交渉が行われ、同交渉がうまくいかなかったときには、米国は対抗措置をとることができるという旨の見解が示されたわけでございます。 今、そういうことで、私ども、履行期限に向けて、まさに今回の改正の趣旨、つまり大きな税負担の変化を要するものでございますから、円滑に実施するためには、まさに消費者、製造者の方への影響を緩和するという見地から、経過期間が改正案のように必要であるということを十分理解するよう求めていきたいと思っております。また、要請があれば、先ほど御指摘がございましたように、代償交渉について検討を行い、交渉していくことになるのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、米国の理解が得られるよう最大限の努力を重ねてまいりたいと思っております。
○濱田(健)分科員 その御努力はわかるのですが、今の譲歩案、バーボンについて二〇〇四年に関税の撤廃ということで、これはもう決まり切っていることを四年ぐらい早くされてもどうしようもないというふうに思ったような態度なのです。交渉の中身でもっと詰めたというか、別な考え方とかというものも、大蔵としては考えていらっしゃるのですか。
○尾原政府委員 WTO協定上、代償といいますのは、勧告が履行期限内に実施できない場合に任意に与えられるものとされているところでございます。その具体的内容につきましては、当事国間で満足すべきものであればよいわけでございまして、まさに関係当事国との交渉で決まるものであるというふうに認識しております。 したがって、現段階で具体的な代償措置について申し上げるというわけにはいかないということも御理解いただければというふうに思います。
○濱田(健)分科員 アメリカのこの態度が変わらなければ、来年二月というのが最終的な期限ではないとは思うのですけれども、短い間に三回の値上げをやっていかなくてはならないということと、EUと合意している中身をまた変えていかなくてはならない。予算を通して、ある意味では補正を組まなくてはならないのです。改正案を出さなくてはならないとか予測がされるわけなのですが、そういうことは絶対にないとは言い切れないかもしれませんが、そういうことが起きないような取り扱いをするということでよろしいのでしょうか。
○尾原政府委員 当然そのような方針で臨んでいくつもりでございます。
○濱田(健)分科員 しょうちゅう業界また芋の生産者を含めて、まだまだ心配の種は尽きないというのが九州を中心としたこの業界の思いでございます。私は、業界の代表ではないのですけれども、一緒にそこに住んでいる者としても、財政措置を含め、租税特別措置の問題を考えていらっしゃると思うのですが、これから後も、進展の仕方によっては急激な、しょうちゅうをつくっていらっしゃる皆さんや農家への厳しい状況が迫ってくる可能性もあるというふうに認識をしているところでございます。その辺は、大蔵省として、今後の展開によっては、またより強力なバックアップをする姿勢といいますか、決意といいますか、その辺を聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○舩橋政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のとおりの、WTOの勧告を受けた酒税法改正が行われた場合において、その製造者のほとんどが中小の零細企業であるしょうちゅう乙類製造業者につきましては、業界の構造改善、経営の近代化等を一層促進していく観点から、各般の施策を従来講じてきております。また、この今回のあれに伴う財政措置といたしまして、平成八年度の補正予算において二百億円の基金の積み増しを措置させていただきましたし、また、現在御審議いただいております九年度予算案におきましても、一般会計補助金三億三千三百万を計上させていただいておりまして、これを通じてバックアップ体制をとってまいりたいというふうに考えているわけでございます。また、今後、この仲裁で定められた期限までに具体的な対応について十分な検討をしていきたいというふうに考えております。
○濱田(健)分科員 ありがとうございました。終わります。
○谷津主査代理 これにて濱田健一君の質疑は終了いたしました。 次に、石井紘基君。
○石井(紘)分科員 石井紘基でございます。 私は、昨年の予算委員会の分科会で、大蔵省に対して申し上げたことがございます。それは、公益法人が株式会社に対して出資をするということは、公金ないし税金の使い方として不正の感が強いので、大蔵省の所管する財団法人たばこ産業弘済会が出資をし、つくっている六つの株式会社について、これを整理をすることを要請いたしまして、それに対して、整理をする、そういう答弁をいただきました。その後、昨年の九月の閣議等におきましても、公益法人の出資を原則として禁止をすべきである、そういう内容の決定がなされまして、まさに、そういう意味におきましては、公益法人の出資について、大蔵省が最も率先垂範して、一番最初にこの廃止を明言された、表明されたという意味で、この答弁は非常に画期的な答弁であったというふうに思うわけでございますが、その後、その整理の推移についてどのようになっておりますか、お答えをいただきたいと思います。
○伏屋政府委員 お答えを申し上げます。 確かに、委員から昨年のこの分科会で御指摘がございました。財団法人たばこ産業弘済会が株式を保有する株式会社は、昨年の二月、委員から御指摘をいただきました時点では六社あったわけでございます。この弘済会におきましては、昨年の三月に、この六社のうち三社の株式を売却しております。その後、今委員からもお話がありましたように、昨年の九月に閣議決定されました「公益法人の設立許可及び指導監督基準」におきましては、所管官庁は、営利企業の株式を保有している公益法人につきまして、原則として三年以内、したがいまして平成十一年九月でございますが、までに株式の保有を行わないよう指導することとされたわけでございます。そういう結果、先ほど申し上げました六社のうちの残り三社でございますが、のうち二社につきましても、本年三月末、本年度末までに株式を売却する予定でございますし、さらに、残る一社の株式も、平成九年度には売却する予定でございます。
○石井(紘)分科員 大変結構だと思いますが、そういうふうに整理をする過程でもって、その出資比率に伴う資産については、当然それもその出資にまつわるものでございますので、同様に上部の公益法人に対して吸い上げられてくるものだというふうに理解しますが、その点はいかがですか。
○伏屋政府委員 今言われましたように、このたばこ産業弘済会が株式を売却した場合に収入が得られるわけでございます。これは、現に昨年三月に今申し上げました三社の株式を売却したことによります売却益は、約五千三百万円でございました。弘済会におきましては、いろいろなことが考えられるわけでございますが、この売却益を活用いたしまして、喫煙マナー向上のキャンペーンとか、その他の環境美化運動を今後とも積極的に実施したいということで考えておりまして、そちらの方にこの売却益は活用させていただきたいと考えておるわけでございます。
○石井(紘)分科員 そういう場合に、会社から単に株式を売却するという形で引き揚げるのと、会社そのものを、例えば主な出資者である場合には整理をするという場合と、ここら辺はどういう違いがあるのでしょうか。
○伏屋政府委員 いろいろな方法が考えられるわけでございますが、少なくとも、昨年九月の閣議決定は、これは、先ほど委員も御指摘がありましたように、いわゆる営利企業の株式を保有している公益法人が株式の保有を行わないということでございますので、したがって、これは基本的には、やはり株式を売却し、その売却収入はしかるべく有益な方向に活用することだというぐあいに私どもは理解しております。
○石井(紘)分科員 その孫会社には相当の資産があるはずでありますから、最大限の資金及び資産の回収ができるように、そういう立場からその整理を進めるべきだというふうに私は考えます。 また、もう一点お願いをしておきたいのですが、そのそれぞれの会社についての資産あるいは出資、あるいは決算ないしは財務の状況についての資料を後ほど御提出いただきたいと思いますが、いかがですか。
○伏屋政府委員 今申し上げましたように、売却した場合の売却益の額にも、先ほど先生が言われましたように、よるわけだろうと思いますが、いずれにいたしましても、今先生の言われました資料につきましては、後ほど先生の方にお届けさせていただきたいと思います。
○石井(紘)分科員 よろしくお願いします。 ちょっとテーマを変えますが、公的金融機関といいますか、政府系の金融機関というのは相当膨大な事業量を抱えているわけでありまして、中でも、九公庫二銀行だけをまとめてみても、これは一般の、例えば都市銀行全体の三倍以上の、三倍から四倍の事業規模を持っている。例えば、それは貸出額等のさまざまなそうしたデータを参考にしてみてもそれぐらいの規模を持っているわけでありまして、一般論で結構でございますが、大蔵大臣に御見解を伺いたいのです。 こうした政府系の金融事業というものを大方民間に放出した場合には、民間の金融事業ないし経済全体の活性化という点に大いに貢献をするのではないかというふうに考えますけれども、政府系の金融機関がそれだけ膨大に規模を広げているという点、そしてまたそれらの事業を民間に放出していくという点について、私はそのようにぜひ積極的に取り組むべきであるというふうに考えますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○山口政府委員 大臣がお答え申し上げます前に若干御説明申し上げたいと思います。 今先生御指摘のように、貸出金の残高でいいますと政府系金融機関は百三十三兆円でございまして、全体が民間を含めますと八百八十六兆円でございますので、一五%ぐらいのウエートになっているわけでございます。 では、なぜ政府系金融機関というものが存在しているかといいますと、例えば住宅政策だとかあるいは産業の政策あるいは中小企業政策等の国の政策がございまして、それを金融という形で実現していこうというものでございまして、そういったものの手段として政策金融というのがあるわけでございます。したがいまして、政策的に意義が高く、政府による公的関与が求められる分野について政策金融をそういった規模で行っているというものでございます。
○三塚国務大臣 政府金融機関、昨今いろいろと御指摘、御批判をいただいております。今銀行局長から言われましたように、政策金融機関として事業目的を遂行しなければならないという分野は、御案内のとおりやらなければなりません。いわゆる民間、民業の補完というのが政府金融機関の基本的なポジションでございますから、そういう点から申し上げますと、民間金融機関のやり得ない分野を政府金融機関が担当していく、このことが依然として重要ではないのかな。 金融機関は、御承知のとおり短期融資でございますから、長くて三年あるいは五年になるのでしょうか。政府金融機関は十年を超えて長期の問題もあります。特に財政構造改革の厳しい時期に到来をして進めていくということになりますと、全体の展望の中で経済の底上げをしてまいるということになりますと、金融政策をもって行う以外ないのではないか。こういう国家的な要請、経済的な要請もあるのかなと思っております。 しかし、制度は役目を果たしたか果たさないか、果たしたということであれば、これはやはり民業に移転をしていくことは当然のことだと思います。
○石井(紘)分科員 民業の補完あるいは民間がやり得ない分野をとおっしゃるわけでありますが、今日民間のさまざまな金融機関の御意見等を伺ってみても、これは大方は十分役割を果たし終わっており、民間のやり得ない分野というよりは民間が大いに、十分できる、そういう分野を多くやっているように見受けるわけでありまして、そういう意味で、ぜひひとつ積極的に民間への事業の放出という点について御認識をいただいてお取り組みをいただきたい、このように思います。 今度は公務員の住宅の問題について触れさせていただきたいと思うのですが、今日公務員の住宅、私は国家公務員の皆さんというのはいろいろ異動も多いし、それからまた大変厳しい仕事に取り組んでいただいているわけでありますので、極力近いところにそれなりの配慮を得たそうした住宅を持ってそこにお住まいいただくというのは当然のことだろうと思います。 同時に、今から数十年前ごろですと、東京都内、特に二十三区内においても一般との格差といいますか一般の住宅との違いというものがそう目立たなかったわけでありますが、最近になりますと、大変一般の住宅というものが立て込んでまいりまして、どうも公務員宿舎というものが地域のその他の住宅事情との関係においてバランス上どうなのかなというふうに思わせられるところもあるわけであります。 そういう中で、幾つか申し上げたいのですが、大蔵省が管理している合同宿舎と各省庁が直接管理をしている、持っている宿舎というものが大変混在をしていて、全体の状況が把握できないという状態になっているのではないのか。それから、そういうふうになっていますと、管理の上からも非常に非効率であろうかというふうに思うわけですね。 この場合、国有財産として管理するならばそれは大蔵省がやればいいのかもしれないし、また行政的な側面からこれを統括しようというのであれば総務庁なりなんなりということになるのかもしれないし、こうしたものの管理を一元化するということはお考えにならないのかどうか。 特に、今日二十三区内に散在している公務員住宅の数というのは、どなたもお答えになれないだろうから私が数えたところを申し上げますと、七百四十九カ所に上っているわけですね。これを管理するあり方、どのようにあったらいいのか。今日のままでいいのか、それとも何かお考えがあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○戸恒政府委員 御指摘のように、国家公務員住宅につきましては、例えば二十三区の場合ですと約三万三千戸程度の戸数があるわけでございますけれども、そういう住宅の管理につきましては、合同宿舎それから省庁別宿舎それぞれにつきまして適正に管理を行っているところでございます。 現在のところ、御指摘のように混在しているというようなこともございますけれども、管理の方は適正に行っているのではないか、そのように考えております。毎年毎年の宿舎行政につきましては改善をしているところでございます。
○石井(紘)分科員 七百四十九カ所に、面積からいいますと、各省それぞれがお持ちのものと大蔵省が管理をしているものと合わせると約二百十万八千平米、それから居住者数でいいますと、総計で約七万七千人ぐらいがお住まいでございます。これは一人当たりの面積にいたしますと、二十七・五平方メートルぐらいになろうかと思います。ちなみに、総務庁で平成七年の十月に調査をされた統計によりますと、東京二十三区における一般住宅での一人当たりの居住面積というのは二十三・八平方メートルということになっております。そういうのが実態でございます。 これは、私は減らせというわけじゃないのですが、もっと集約して、高層化できるところは高層化をして、そして有効利用を図るべきであるというふうに考えるわけであります。家賃等の面においても一般の住宅とは違うわけでありますので、地域との交流とか融合なども、その他の事情もあって少ない。ですから、もっと地域との交流、地域の中に溶け込んでいくというようなことを進めていけば、そうすれば、中央官庁の皆さんの仕事が大変多忙であり、いろいろと御尽力いただいているのだということも理解をしてもらえるだろうし、またあるいは、一般市民の感覚で、よりそういう感覚で仕事に当たるという点においても有意義ではないかというふうに考えるのです。 したがって、これだけのスペースがあるわけですので、高度利用等をもっと有効に行って、そして地域のために防災公園などのスペースを提供するとか、そういう政策をやはり展開していくべきであろうと考えますが、いかがですか。
○戸恒政府委員 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、私たちがこれから公務員住宅の整備を図っていく上で何が重要かということでございます。先ほどお示しいただいた数字は多分土地も入っているのかもしれません。そういう意味では、敷地はそういうことだろうと思います。 そういうことで申し上げますと、かつて都心部で、かなり広い面積で低層の公務員住宅をたくさん持っておった、それが、戦後間もなくつくられたものがいよいよ建てかえ時期になる、こういうことでございますので、私たちは、できるだけ集約する、それから立体化する、こういうことで整備を進めていくわけでございますけれども、一番重要なのは、地域の住民の方々にやはり調和感のある、一体感のあるような、そういう公務員住宅をつくっていきたい、また、そういうことで考えております。 また、防災面あるいは、例えば公務員の中でも福祉的なそういう施設が必要な入居者もございますので、そういう面についても鋭意取り組んでまいる次第でございます。
○石井(紘)分科員 世田谷区池尻四丁目に公務員住宅の建てかえの計画が進んでいるようであります。この池尻四丁目には、面積が十七万百平米ぐらいあるのですが、そこに建設計画があるということで、先日、一月二十八日に近隣の住民への説明会があったのです。これはこの全体の敷地を使っての計画だと思うのですが、そのうちの一部の説明があったそうですが、この計画はどのようになっているのか、簡単に言ってください。
○戸恒政府委員 現在、池尻四丁目のところには、昭和二十五年から三十六年にかけて建設されました合同宿舎がございまして、現在その整備計画を行っているところでございます。先ほど御指摘いただきましたように、公務員住宅を建設する場合には、従来から近隣住民の方々に対しまして、日照、騒音などの影響に配慮していくという方針でやっておるわけでございますので、その他尻住宅の建てかえにつきましても、現在地元住民の方に対して説明会を行っているところであります。 そこで一月二十八日に御説明をしたわけでございまして、今後の計画といたしましては、全体で二百八十戸程度、それから鉄筋コンクリートづくりで、南と北側に棟をつくるのですが、南側が地上七階建て、北側が地上六階建て、高さは南側が二十五メーター程度、北側が十八メーター程度ということでございます。
○石井(紘)分科員 そうすると、二百八十戸というのは、これは今の池尻住宅全体の計画ですね。それで、この前お示しになられたのは、そのうちの三千九百五十平方メートルについて、地上七階建て、六階建てを含む鉄筋コンクリートづくりの棟をつくる、建物面積は一千一平方メートルというようなことでございますね。そうかどうかということだけで結構です。(戸恒政府委員「そのようでございます」と呼ぶ) そうすると、この説明会を受けてから、この近隣というのは、つまり、この住宅はちょっと高台にありまして、すぐがくっとこう下がっている、そういうところに近隣の住民が、車も通らないような道がずっと張りめぐらしている中で大変密集して建っているわけなんです。今こういう状況の中で、いきなり一番住民に近いところに高い建物を建てるという計画があって、国がつくる場合には、通常の、要するに建築確認等の審査等もやり方が全然違う、非常に簡略に進んでしまうんだというようなことがあったりして、近所の皆さんは、例えばあるお宅では、七十歳のお年寄りが三人もいて、それから九十三歳の方も一緒に住んでおられる。その家のそうしたお年寄りは、もうショックでもって寝込んでしまった。日陰になってしまうと、今まで部屋を貸して生計を立てているわけだけれども、貸すこともできなくなるのじゃないのか、よしんば貸せても、家賃も大幅に下げなくちゃ借り手もいないだろうというふうなことだとか、近所の皆さんは一気に大きな不安に陥れられまして、大変悩んでいるわけであります。 ここのところにはそういった広大な敷地があるのですから、もっと近隣の住宅と離れたところを中心に建築計画を立てるべきだ。普通はそういうふうにするだろうというふうに思われるのですけれども、一体どうして、一番住民の近いところにこうした七階建てというものをでんと建てるのか。そうすると近隣は、一階、二階分ぐらい下がった低い土地にずっと家が立て込んでいるわけですから、もっともっと日照の被害というものは甚大になってくるわけですね。こういった計画というものはぜひ変更をして、近所には防災公園というのはないのですよ。相当遠くの方までいざとなったときには逃げていかなくちゃならぬ。とてもそれは不可能なことでありまして、ぜひ、こうした広々としたところの一画を防災公園のようなものに提供するなり、計画を住民本位に変えていくなりということを行っていただきたいと思いますが、ここは明確な御答弁をお願いします。
○戸恒政府委員 先ほど全体の計画を申し上げまして、八年度の計画は五十三戸ということで、また数字はそのとおりでございます。 そこで、私たちは、先ほども申し上げましたけれども、公務員住宅の建設というのは、やはり老朽化した公務員住宅であり、なおかつ都心に残っている貴重な国有財産をできるだけ有効に活用する、そういうことで集約、立体化を図っているわけでございまして、その方針でやっているわけでございます。 ただ、地域住民の方々に対して我々は十分に説明をするべきであるし、あるいは地域住民の方々の意向に沿った方向で改善がなされるのであればそのようにしていきたい、こういうことは考えているわけでございます。 そこで、先ほど先生お話ありましたように、一月二十八日に関東財務局の方と地域住民の方のお話し合いがございまして、そこでのお話し合いのことを我々集約しておりまして、その点を踏まえて、これからどういう案ができるかという代替案は考えているところでございます。 できる限り住民の皆様に納得していただける形で建てかえを進めていきたいと思いますけれども、私たちは、やはり公務員が、池尻というような非常に官庁街から近くて、なおかつ深夜便利なところとか、あるいは公務員としてどこに住んでいたらいいか、そういう点もやはり重要であろうかと思います。 それから、今回の住宅の建てかえにつきましては、建物については耐震性の強いもの、地震に強いもの、それから災害時に備えて敷地内に防火水槽を配置する、そういうことをやっておりますので、引き続き住民の方々と相談をしてまいりたいと考えております。
○谷津主査代理 時間が来ておりますので、端的にお願いします。
○石井(紘)分科員 それでは、今のそうした御答弁ですが、それを要約して、つまり、近隣の住民の皆さんの十分な理解が得られない限りこれを強行すべきものではないというふうにお考えだと受け取っていいですか。
○戸恒政府委員 私たちは、公務員住宅を整備するという観点からの立場もございますが、やはり地域の方々の御意見を集約して、納得をしていただきたいと思っております。そういう意味ではできるだけ円滑にお話し合いが進むことを考えておりますが、やはり公務員宿舎行政をする立場というものについても十分な御理解をお願いしたいと思います。
○谷津主査代理 これにて石井紘基君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして大蔵省所管についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○谷津主査代理 次に、平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算中法務省所管について、政府から説明を聴取いたします。松浦法務大臣。
○松浦国務大臣 平成九年度法務省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 法務省は、法秩序の確保及び国民の権利保全等、国の基盤的業務を遂行し、適正円滑な法務行政を推進するため、現下の厳しい財政事情のもとではありますが、所要の予算の確保に努めております。 法務省所管の一般会計予算額は五千七百七十五億四千百万円、登記特別会計予算額は一千八百十四億六百万円、うち一般会計からの繰入額七百三十三億一千四百万円でありまして、その純計額は六千八百五十六億三千三百万円となっており、前年度当初予算額と比較いたしますと、二百三十一億六千三百万円の増額となります。 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、時間の関係もありますので、お手元に配付してあります印刷物を、主査におかれまして、会議録に掲載せられますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○谷津主査代理 この際、お諮りいたします。 ただいま松浦法務大臣から申し出がありましたとおり、法務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷津主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 平成九年度法務省所管予定経費要求説明書 平成九年度法務省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、法務省所管の一般会計予算額は、五千七百七十五億四千百万円であり、登記特別会計予算額は、一千八百十四億六百万円でありまして、そのうち一般会計からの繰入れ額が、七百三十三億一千四百万円でありますので、その純計額は、六千八百五十六億三千三百万円となっております。 この純計額を前年度当初予算額六千六百二十四億七千万円と比較しますと、二百三十一億六千三百万円の増額となっております。 次に、重点事項別に予算の内容について、御説明申し上げます。 まず、定員の関係でありますが、前年度定員に比較いたしますと純増六十九人となっております。 平成九年度の増員は、新規四百二十五人と部門間配置転換による振替増員二十五人とを合わせ、合計四百五十人となっております。 その内容を申し上げますと、 一 登記事務、訟務事務、人権擁護事務及び国籍事務の処理体制を強化するため、登記特別会計の百二十五人を含め、百三十八人 二 検察庁において特捜事犯、財政経済事犯及び治安根幹侵害型犯罪等に対処するため、検事三十四人を含め、百十三人 三 刑務所における保安体制、処遇体制及び医療体制の充実を図るため、百十五人 四 少年院及び少年鑑別所における教育、観護体制の充実を図るため、三十一人 五 保護観察活動の充実を図るため、十四人 六 出入国及び在留資格審査並びに退去強制手続の業務の充実強化を図るため、四十八人 となっております。なお、公安調査庁につきましては九人の減員となっております。 他方、平成八年七月三十日の閣議決定に基づく平成九年度定員削減分として三百八十一人を削減することとなっております。 次に、主な事項の経費につきまして、概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計では、 一 刑事事件の処理等検察活動に要する経費として、六十億一千三百万円 二 刑務所等矯正施設における被収容者の衣食、医療、教育及び作業等に要する経費として、三百二十三億九千百万円 三 保護観察に付された少年等を更生させるための補導援護等に要する経費として、六十五億七千八百万円 四 出入国の管理、難民の認定及び在留外国人の登録等に要する経費として、百三十五億三千七百万円 五 破壊活動防止のための公安調査活動に要する経費として、二十九億九千七百万円 六 施設費としましては、老朽・狭あい化が著しい基幹の大行刑施設及び大拘置所の継続整備を含め、法務省の庁舎及び施設の整備に要する経費として、二百二十七億八千六百万円 をそれぞれ計上しております。 次に、登記特別会計について御説明申し上げます。 登記特別会計の歳入予算は、一千八百三十五億五千五百万円、歳出予算は、一千八百十四億六百万円でありまして、歳出の主な内容といたしましては、登記事務のコンピュータ化計画を推進するとともに登記事務を適正、迅速に処理するための事務取扱費として、一千七百一億五千二百万円を計上し、ほかに、登記所等の施設の整備に要する経費として、百一億二千万円を計上しております。 以上、法務省関係の平成九年度予定経費要求の内容について、その概要を御説明申し上げました。
○谷津主査代理 以上をもちまして法務省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○谷津主査代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。福岡宗也君。
○福岡分科員 新進党の福岡宗也でございます。 私は、昨年六月十八日に成立をいたしました民事訴訟法改正法案の附則第二十七条と衆参両院における附帯決議によって求められております、公文書に対する提出命令制度に関する審議の問題について御質問を申し上げたいと存じます。 この民事訴訟法の改正は、民事裁判の適正と迅速を図るために、平成二年七月から法制審議会民事訴訟法部会において審議が開始をされ、五年半にわたる審議を経て、平成八年二月に改正要綱が法務大臣に答申をされまして、同年三月に改正法案が国会に上程されたものであります。 この法案についての民事訴訟法部会の審議におきましては、その終盤の平成七年十一月一日になりましてから突然に、公務員の職務上の秘密で、当該官庁が承認をしない文書の提出は除外をする、そして、裁判所は当該文書を提出させて検討することができない、こういう規定が提示をされたのでございます。これに対しまして一部の委員から、不合理な官民格差である、差別である、また行政情報公開制度制定の流れにも逆行するものであるという強い反対があったわけであります。しかしながら、結局、賛成多数で押し切られまして、そのままこの法案が国会に上程をされてしまった、こういう経緯がございます。 そのために、国会の審議に入りましてから、国民各層から、不当な官民格差を是認するものだ、また情報隠しを容認するものである、また情報公開制度の内容にも悪影響が与えられるというような意見が多数寄せられました。そのために、与野党から相次いで修正案が提出をされました。そして審議の結果、与党三党から提出をされました公務員の職務上の秘密の公文書に関する改正部分は、結局削除をして、棚上げとして従前どおりとするという趣旨の修正案が、附則の二十七条と衆参両院の附帯決議を付した上で、結局、賛成多数で可決をされたのであります。 そこで、附則を若干ここで申し上げておきますと、 第二十七条 新法第二百二十条第四号に規定する公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度については、行政機関の保有する情報を公開するための制度に関して行われている検討と並行して、総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 第一項であります。第二項に、 前項の措置は、新法の公布後二年を目途として、講ずるものとする。 こういう附則がなされたわけであります。 そして、これに対しまして、衆議院におきましては附帯決議がなされております。「政府は、次の諸点につき格段の努力をすべきである。」第一項ですけれども、「附則第二十七条の検討は、速やかに開始する」、第二項が、「附則第二十七条の検討に当たっては」「公務員の職務上の秘密に関する文書に関し、秘密の要件の在り方、提出義務の存否についての判断権の在り方及びインカメラ手続を含む審理方式について司法権を尊重する立場から再検討を加える」、「私文書に関する文書提出が一般義務化された事実を踏まえ、不合理な官民格差を生じない方向で再検討を加える」、こういうような衆議院の附帯決議がなされました。 そして、さらに参議院においても、「不合理な官民格差を生じない方向で、早期に成案を得る」というのが第一項。それで第二項は、判断権の審理方式で、司法権を尊重するということ。さらには、「二十七条の検討に当たっては、公務員の証人尋問についても、あわせて検討を加える」ということ。さらには審議経過についても、広く国民の意見が反映できるように格段の配慮をする、公開をする。こういうことを定められたわけでございます。したがいまして、政府は、この附則並びに附帯決議によって、公文書の提出命令の制度については、二年をめどに討議を十分尽くして結論を出して国会に再上程をするという責任がある。 さらには、その審議に関しては、行政改革委員会において審議されております情報公開制度というものとの整合性というものを考えて総合的に検討もしていかなければならないということ、そして、司法権尊重という立場でこの審議権を十分に尽くすような形にするということ、官民格差をなくするということ、経過を国民に広く公開する、そういうような配慮を十分になして審議をなすべき責任があるということになったというふうに考えるわけであります。 そこで、まずお伺いいたしますけれども、法務当局としましては、この附帯決議等の趣旨を踏まえて一文書公開の提出命令制度に関して、現在法制審議会においてどのような審議がなされておるか、その経過、内容についてまず御説明をいただきたいというふうに思うわけであります。
○濱崎政府委員 ただいま委員から御指摘ございましたように、昨年の通常国会におきまして新しい民事訴訟法の制定をいただきましたが、いわゆる文書提出命令制度の改正に関する政府原案につきましては、公務員等が保有する文書、いわゆる行政の文書の取り扱いについて国会で修正がされまして、この部分につきましては、ただいま御指摘のような附則の規定によって、改めて総合的な検討を加えて成案を得るということにされたところでございます。 そういう指摘を踏まえまして、法制審議会の民事訴訟法部会におきましては、新しい民事訴訟法の成立後に開催された会議におきまして、この附則の規定に基づく検討をどう進めるかということにつきましても検討いたしまして、この問題の重要性にかんがみまして、この問題の検討を行うための特別の小委員会として文書提出命令制度小委員会を設けることを決定いたしました。これを受けまして同小委員会が発足しまして、昨年十月二十四日にその第一回会合が開催され、御指摘のような趣旨を踏まえて検討をするということにされているところでございます。 なお、この関係におきましては、ただいまお読みいただきました附帯決議における、法律の専門家だけではなくてそれ以外の、国民一般の意識ができるだけ反映されるような審議という御指摘を踏まえて、法制審議会の委員の検討というだけではなくて、それ以外の学識経験者らの参加も得て研究会、これは法務当局における研究会を設けて基礎的な調査研究を行うということとしておるところでございまして、その調査研究と、それから、先ほど申しました小委員会の審議を並行して進めておるところでございます。当面はその研究会における調査審議ということで、現段階においては関係各方面からのヒアリングということを中心に検討を進めているところであります。
○福岡分科員 ただいまの御説明によりますと、この文書提出命令の制度については、まず小委員会を設置してそこで審議していくという方式をとられるということと、さらに文書提出命令の研究会を発足させてそこでも研究を続けていくということのようですけれども、この研究会と文書提出命令小委員会との関係ですけれども、研究会の目的、任務、メンバー、まずどういう目的、任務、メンバーか、ちょっと簡単に御説明をいただきたいのです。結論だけでいいです、簡単でいいです。
○濱崎政府委員 法制審議会の部会の委員は、主としてその分野、この場面では民事訴訟法の分野に特別の学識経験を有する学者、実務家の方々、それから関係各庁の職員、こういう方々をもって構成しているところでございますが、ただいまちょっと申し上げましたように、それ以外の例えば行政情報公開制度に関する審議に関与した行政法の学者、それから実務界からは経済団体、労働団体からの推薦者、こういった方々にもメンバーとして参加してもらって、研究会という方式でそういう方々の意見も反映させる検討をいたしたいということでこの研究会を設けて、そしてそこの議論を小委員会における議論に参考として反映させる、こういう考え方で進めているところでございます。 具体的な研究会のメンバーについての御指摘でございますが、法制審議会の民事訴訟法部会の部会長であられる竹下教授を座長といたしまして、民事訴訟法の学者三名、それから行政法の学者二名、日弁連の推薦の弁護士三名、今申しました代表的な経済団体である経団連、代表的な労働団体である日本労働組合総連合会、そういった方からの推薦の方々、それに最高裁事務総局、法務省の担当者を含めまして合計十六名で構成しております。
○福岡分科員 ありがとうございました。 そうしますと、法律実務家、それから専門学者といいますか、そういうだけでなくて、もうちょっと幅広く、いろいろな学識経験のある広い層を取り入れて研究をしていくという必要があるという考え方から発足したということですけれども、そうなりますと、結局これは今のお答えにもありましたように、この研究会でまずそういった総合的なところで研究をいたしまして、それを小委員会の方に報告をするということになると思うのですけれども、この関係は小委員会のいわゆる補助機関といいますか、下請機関といいますか、結局そういうような性質の機関ということになるわけでしょうか。
○濱崎政府委員 私どもは、研究会というものは小委員会の下請機関、その下部にあるものであるというふうには考えておりません。これは別個の会議体であるというふうに考えております。 しかしながら、今申しましたような幅広いメンバーで、例えば行政情報公開に関する議論の動向、あるいはそういった問題についての外国の法制度、そして民事訴訟法の場面における文書提出命令制度に関する諸外国の実情、それからこの問題についての民事訴訟を利用する方々の御意見、そういったものを調査研究して、それを小委員会における議論の素材にさせていただく。こういう関係におきましては、要するに小委員会における議論の基礎となる事実関係、基礎となる実情について調査研究をいただく、こういう関係であるというふうに考えております。
○福岡分科員 結局、今の御説明によりますと、独立した会議体ではあるということですけれども、幅広い調査審議、それから資料の収集なんかもするということで、それを小委員会の方に上げて、小委員会の方ではそれをもとにしてまたさらに審議を進めるということですと、結果的には、やはり独立した合議体ですけれども、一緒に審議をしていく協力体といいますか、そういう形にはなるわけですね。結論だけでいいです。
○濱崎政府委員 実質においてはそういうことであろうと考えております。
○福岡分科員 それから、ちょっと観点を変えまして、いわゆる研究員の旅費や日当という関係の支出はどこで支払われることになるのでしょうか。
○濱崎政府委員 その関係につきましては、予定されております。その予算の範囲内で執行をしていただいているところであります。
○福岡分科員 ということは、結局やはり法制審議会の予算内で支出されるということになるのでしょうか。
○濱崎政府委員 法制審議会の下部機関ではございませんので、法制審議会の予算ということではなくて、民事局のそういった研究のための予算を相当程度いただいている、その中で実施するということでございます。
○福岡分科員 どうもありがとうございました。 それから、ちょっと観点を変えまして、現在の研究会の審議の経過と、それから今後のスケジュールを簡単に、結論的に短くおっしゃっていただきたいと思います。
○濱崎政府委員 まず研究会でございますが、先ほども申しましたように、現在までに三回研究会を開いております。これまで、最初はフリートーキングでございますが、二回目、三回目におきましては、いわゆる情報公開一般の制度について、行政改革委員会における意見、考え方といったようなこと、それから外国のそういった一般の情報公開制度がどのようになっているか、そういうことにつきまして関係の方あるいは専門の方からヒアリングを行っております。 今後、関係団体からのヒアリング、あるいは諸外国の民事訴訟法におけるそういった問題についての法制、そういったものについて専門の方々に調査いただいて、その報告をいただくということを予定しております。そういう報告を逐次小委員会の方にも報告しながら、小委員会におきましてもそういった問題を踏まえて、どういう方向で物を考えていくかということについて議論をしていただくということを予定いたしております。
○福岡分科員 そうしますと、そういった研究を深めていって、その結果を報告して小委員会の方とまたさらに討議を重ねていく、結局はそういう格好になるわけでしょうか。
○濱崎政府委員 これはあくまでも並行的に検討を進めていくというふうに考えておりますが、実質的には、実質の審議の密度におきましては、まず研究会の方で当面は密度の濃い調査研究をしていただく、それを逐次報告をいただきながら小委員会としての方向を考えていく、こういうことになろうと存じます。
○福岡分科員 ちょっと質問の観点を変えますけれども、平成七年の九月二十九日、閣議において、審議会等の透明化、見直しについて閣議決定がなされて、その中で審議会等の公開についても決定をされておるようであります。その決定内容については、これは一口で言いますと、原則として会議、議事録を公開する、非公開とする場合は明白な理由を明示する、その場合においても議事録要旨は公開をするということになっているようで、結局、議事録要旨の公開だけでは公開じゃないという前提でこういった規定が出ているように思いますけれども、大体こういうようなことでよろしいかどうか、ちょっと御答弁、一言だけでお願いします。
○濱崎政府委員 御指摘の閣議決定におきましては、原則として会議の公開、議事録の公開ということが指摘されておりますが、これを一定の事由によって非公開とする場合はその理由を明示することとし、議事要旨を原則公開とするというふうに定められているところでございます。 法制審議会全体の取り扱いについては、私ども民事局の所管ではないわけでございますが、法制審議会一般につきましては、会議そのものを公開する、だれがどういう発言をされたかということを全面的に公開するということについては、やはり自由闊達な議論ということから支障があるということで、法制審議会の総会及び部会につきましては議事要旨を公開するという取り扱いとすることとしておると承知しております。
○福岡分科員 この閣議決定の趣旨は、この理由にも書いてありますように、審議会の内容、過程というものを全面的に国民に公開をすることによって審議の透明化を図るということのようであります。 そうなりますと、審議会の、全体会議はもちろんでありますけれども、小委員会、それからその補助的といいますか、そういう立場で行動しておる研究会というものも含めて、これは全面的に公開をしなければこの趣旨というものは到達できないというふうに思うのですね。 もちろん、今局長さんがおっしゃったように都合の悪い部分というものもあるかもしれません。だから、そういった場合には、明確な理由を付して、やはりこの部分はやめておきましようということが例外としてあるかもしれませんけれども、原則はそうでなければならないというふうに思っているわけです。 特に、今回の場合には、先ほどの附帯決議で申し上げましたように、参議院においては特に、政府は前二項の検討に当たっては、その経過を広く開示をして、国民の意見が十分に反映されるような格段の配慮をなすべきである、こういう附帯決議がなされておる。 これは、私が事情をちょっと申し上げましたけれども、さきの民事訴訟法改正の法案の審議に当たりまして、五年間やっていて、本当に前の年の秋になってから急に、一番重要な問題であるいわゆる情報隠しとも言われる公文書の秘密情報について、裁判所のチェック手続といいますか判断も除外をした上で、しかもそれについては官庁の同意が必要だ、こういうような規定を突如盛り込んできて、十分な審議のされないままに決議がなされて、そのまま国会に上程されてしまった。したがって国会の審議において与野党ともにこの修正がなされるというような、不手際というか何というか、そういうことの反省があってこういう規定が置かれているということでございます。 どうしても例外の場合は仕方がありません、正当な事由がある場合は。しかしながら、やはり姿勢としては、原則公開ということを貫くという姿勢でないと、また同じようなことで国民の不信を買うということになる、かえって国会の審議自体も混乱をすることになるのではないだろうか、こういうふうに考えるわけであります。 したがって、ぜひともこの辺のところは、研究会の第一回の議事録を読みますと、原則これは非公開にして、議事要旨だけをやるというのが原則のようになっているので、これは原則と例外を改めてもらう必要があると私は強く要求をいたしたいと思いますが、この点についての局長並びに大臣の御答弁を求めます。
○濱崎政府委員 議事録の公開につきまして、小委員会、研究会、それぞれについて御指摘ございましたので、それぞれについて御答弁を申し上げますが、先ほど申し上げましたように、法制審議会全体のお取り扱いとしては、平成八年の二月で法制審議会において議論をいただきまして、その結果、総会及び部会につきまして議事要旨を作成して公開することとしておるところでございます。 ところで、各部会に設けられる小委員会、この小委員会につきましては、これは部会の審議のための準備作業を行うというものでございますところから、その審議内容の公表については一般的には考えておらないというところでございます。 しかしながら、今御指摘いただいております文書提出命令制度に関する審議につきましては、国会における附帯決議、審議の経過等を踏まえまして、法務当局といたしましては、この関係の小委員会については議事要旨を公表するという方向で考えてまいりたいと思っておりまして、しかしながら、この点については、小委員会の委員の方々の御了解をまだいただいておりませんので、次回の小委員会において御了承が得られれば、そういう取り扱いをいたしたい。 それから研究会、これは閣議にも同様の指摘があるわけですが、これにつきましても、この関係の研究会につきましては今のような御指摘を踏まえて、議事要旨を作成してこれを公開するという取り扱いをこちらの方は既にいたしております。なお、この研究会につきましては、法務省がインターネット上に開設しておりますホームページにもこれを掲載して、公開がより一層徹底するように努めているところでございます。 しかしながら、いずれにいたしましても、会議、それにどなたが具体的にどういう発言をしたか、そのことを全面的に開示するということにつきましては、先ほど申しましたように、やはりこれは自由闊達な御審議をいただくという観点から問題があるであろう。しかしながら、議事要旨につきましては、実質的に、どういう意見があり、どういう議論がされたかということを国民の皆様に広く了知していただけるような議事要旨をつくるということで努力をいたしたいと思っております。
○福岡分科員 御答弁をいただきましたけれども、私としましては、この閣議決定の中身、それからさらには参議院の附帯決議の精神からいたしますと、やはり法制審議会の中で部会があり、さらに小委員会があり、そういう細分化してやっていくということは必要だと思うのですけれども、そうすることによって部会とか研究会というものが公表されないということになると、実際には公表されたことにならないということで、どんどん細分化していくことによって公表を妨げてしまうということになると、国民がその議論を正しくつかんで適切な意見を言うということの機会をまた奪って、かえって混乱を招くというふうに考えております。 したがいまして、やはり基本的には原則公開、やはり局長の言われたことはもっともな点が多々あります、だから、当然全部公開なんということは申し上げませんけれども、そういう適正な理由を付して、こういう議論についてはもうちょっと公開は差し控えさせてもらうという形のことをぜひとも御検討をいただきたいということが一つと、それからさらに議事の要旨についても、局長さんは詳細に、どういう論点があったということは必ずきちっとわかるように説明されるとおっしゃったので、私も安心しましたけれども、やはりここのところは詳細に、どういうようなものが今真剣に論議されて、どういうような意見、だれが言ったということはよろしいのですけれども、どういうようなことが問題になっているかということが国民にわかるという、そういう議事要旨をぜひとも公開をしてもらうような御努力をしていただきますように心からお願いを申し上げまして、私の質問は終わらさせていただきます。 よろしくお願いします。
○谷津主査代理 これにて福岡宗也君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして法務省所管についての質疑は終了いたしました。 次回は、明四日火曜日午前十時より開会し、外務省所管について審査を行うことといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十五分散会