予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 322 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1997/03/03
会議録
○越智主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 私が、本分科会の主査を務めることになりました。何とぞよろしくお願い申し上げます。 本分科会は、厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算中厚生省所管について、政府から説明を聴取いたします。小泉厚生大臣。
○小泉国務大臣 平成九年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要について御説明申し上げます。 平成九年度厚生省所管一般会計予算の総額は十四兆七千百六十七億円であり、平成八年度当初予算額と比較いたしますと、三千三百九十億円、二・四%の増加となっております。これは国の一般歳出の約三分の一を占めております。 厚生省予算につきましては、極めて厳しい財政状況のもとにおいても、年金、医療、福祉といった国民生活の基盤の確保を図るとともに、当面する種々の課題に的確に対処するため、必要な予算の確保を図っております。 以下、その主要施策について御説明申し上げます。 第一に、医療保険制度及び老人保健制度の改正についてであります。 二十一世紀に向けて医療提供体制及び医療保険制度の両面にわたる構造改革を実施する必要があり、このため、老人医療制度のあり方や診療報酬体系の見直し、薬剤使用の適正化、医療提供体制の見直しなどについて早急に着手するなど、抜本的な改革に取り組んでまいります。 こうした改革を進めていくためにも、現行の医療保険制度の財政の安定を確保していくことが緊急の課題であることから、平成九年度に給付と負担の見直し等の制度改正に取り組みます。 第二に、少子・高齢社会に対応した保健福祉基盤の整備であります。 まず、高齢者の保健福祉対策でありますが、本格的な高齢社会の到来を目前に控え、国民が安心して老後を送ることができるよう、新ゴールドプランの三年次目を着実に推進することとし、ホ——ムヘルプサービス事業などの在宅サービスの充実、特別養護老人ホームなどの施設サービスの充実をあわせて推進してまいります。 また、介護保険制度の導入を展望した保健福祉基盤の整備を進める観点から、医療施設近代化整備事業を拡充し、要介護者の生活の質に配慮した療養環境を備えた療養型病床群への転換整備を重点的に推進してまいります。 次に、児童家庭福祉対策についてであります。 少子化の進行、共働き世帯の増加など子供を取り巻く環境の変化に対応するため、多様な保育サービスの整備を図る緊急保育対策等五か年事業の三年次目を着実に推進してまいります。 また、虐待、いじめ等の社会的な問題に的確に対応し、子供の健全な発達を支援する子供の心の健康づくり対策事業、少子化社会を考える国民会議の開催等少子化社会に対応した新たな取り組みを推進してまいります。 障害者の保健福祉対策については、総合的な施策を推進するため、平成八年度に新たに策定された障害者プランを着実に推進することとし、このプランに基づき、住まいや働く場、活動の場の確保、地域における自立の支援、ホームヘルプサービス事業や重度障害者の施設の整備等の介護サービスを拡充してまいります。 第三に、疾病対策についてであります。 感染症対策につきましては、病原性大腸菌O157や新型インフルエンザ等の新興・再興感染症に対処するための危機管理体制の整備、緊急時感染症対策の強化等を図ります。 エイズ対策につきましては、エイズ治療・研究開発センターの設置、エイズ拠点病院などの医療体制の整備、相談・指導体制の充実等エイズ治療・研究推進体制等の整備を進めてまいります。 第四に、医薬品等の安全性確保対策についてであります。 業務局を医薬安全局に改組するとともに、医薬品医療機器審査センターを設置する等により医薬品等に関する審査体制の強化を図るほか、医薬品等の安全性に関する情報の収集、公開の推進等安全性の確保を推進してまいります。 第五に、厚生科学の振興と情報化の推進についてであります。 脳科学研究、遺伝子治療研究等先端的厚生科学研究を推進するとともに、情報通信技術を活用した高度専門医療の推進、保健、医療、福祉にわたる地域総合情報ネットワークの整備等を図ってまいります。 第六に、水道、廃棄物処理対策についてであります。 水道施設につきましては、地震や渇水に強く、安全で良質な水道水を安定して供給できる施設の整備と生活水準の向上に対応した簡易水道の整備を進めてまいります。 また、廃棄物処理対策につきましては、リサイクル型社会への転換を図るため、第八次廃棄物処理施設整備計画を着実に推進し、ごみの減量化とリサイクルの推進を図るとともに、合併処理浄化槽の整備などを計画的に推進してまいります。 以上のほか、社会保障分野における途上国への支援の強化を図るとともに、先進国間の社会保障政策に関する経験知識の共有を進め、世界福祉構想を推進してまいります。 また、大規模食中毒対策、救急・僻地医療対策、戦傷病者戦没者遺族及び中国残留邦人等の援護対策、原爆被爆者対策など諸施策を推進してまいります。 なお、委員各位のお手元に資料が配付されておりますが、厚生省所管一般会計及び特別会計予算の主要経費別概要につきましては、お許しを得て、説明を省略させていただきたいと存じます。 今後とも、国民の健康と福祉の向上を図るために厚生行政の進展に一層の努力をしてまいりたいと考えておりますので、何とぞ、格別の御理解を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
○越智主査 この際、お諮りいたします。 厚生省所管関係予算の重点項目につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔小泉国務大臣の説明を省略した部分〕 次に、平成九年度厚生省所管一般会計予算の概要を主要経費別に御説明申し上げます。 第一は、社会保障関係費のうち、生活保護費につきましては、総額一兆七百五十七億円を計上しております。 生活保護費につきましては、国民生活の動向等を勘案して生活扶助基準、教育扶助基準等の改善を行います。 なお、引き続き制度の趣旨に沿って適正な運用を図ってまいります。 第二は、社会福祉費でありますが、総額四兆二十一億円を計上しております。 まず、高齢者の保健福祉対策につきましては、新ゴールドプランの着実な推進を図るとともに、痴呆性老人向けのグループホーム事業、在宅保健福祉サービス総合化モデル事業及び過疎地域等在宅保健福祉サービス推進モデル事業の創設など、介護保険制度の導入を展望した保健福祉基盤の整備を推進してまいります。 次に、児童家庭福祉対策についてでありますが、共働き家庭等を支援するため、保育所における低年齢児の受入れ枠の拡大、延長型保育サービス事業等の拡充など「緊急保育対策等五か年事業」を着実に推進するとともに、児童健全育成対策、母子保健医療対策及び母子寡婦福祉対策の充実などを図ってまいります。 障害者の保健福祉対策につきましては、二年次目を迎える障害者プランに基づき、市町村障害者社会参加促進事業の拡充や総合的な相談・生活支援事業の充実、ホームヘルパーの増員などを行います。 社会福祉施設整備につきましては、新ゴールドプラン、緊急保育対策、障害者プランに基づき、各種施設の整備の促進を図るとともに、老朽社会福祉施設の改築整備を進めてまいります。 また、社会福祉施設の運営費の改善につきましては、職員の勤務時間の短縮を進めるとともに、生活費の引上げ等入所者の処遇改善等を図ります。 以上のほか、ボランティア活動の基盤整備や社会福祉協議会による、ふれあいのまちづくり事業等の民間社会福祉活動の促進を図るとともに、婦人保護事業及び地方改善事業の実施等につきましても所要の措置を講じてまいります。 第三は、社会保険費でありますが、総額八兆四千四百八十八億円を計上しております。 まず、政管健保等に対する社会保険国庫負担金につきましては、総額一兆五百四十億円を計上しております。 次に、厚生年金保険国庫負担金につきましては、総額二兆七千百十五億円を計上しております。 なお、厳しい財政事情にかんがみ昨年度に引き続き厚生年金保険法の規定により算定した額のうち、一部を繰り延べる特例措置を講じておりますが、その額は、昨年度より八百億円減額して七千二百億円としております。 次に、国民年金国庫負担金でありますが、総額一兆六千三十九億円を計上しております。 国民健康保険助成費につきましては、総額三兆三百五十九億円を計上しております。 以上のほか、健康保険組合につきましては、引き続き運営の安定化対策を講じてまいります。 第四は、保健衛生対策費でありますが、総額五千九百六十五億円を計上しております。 まず、医療・地域保健対策につきましては、医療施設の近代化整備や災害対策の充実、救急医療体制の整備、へき地保健医療対策等の充実を図るとともに、健康づくりや成人病の発生予防対策を推進してまいります。 老人保健事業につきましては、引き続き機能訓練、健康診査等の充実を図ります。 疾病対策につきましては、主要施策で申し上げた感染症対策、エイズ対策のほか、がん対策、臓器移植対策、難病患者に対する施策等の推進を図ります。 さらに、保健医療分野における医薬品等に関する基礎研究を推進するための出資制度を充実するとともに、対象とする患者数が少ないため、開発が進んでいない希少疾病用医薬品等の研究開発を推進してまいります。 原爆被爆者対策につきましては、被爆者の高齢化等に伴う保健・医療・福祉にわたる需要に対応して各種施策を推進してまいります。 以上のほか、医薬品等の安全性確保対策、食品等の安全対策、血液対策、麻薬・覚せい剤対策などの経費を計上しております。 第五は、恩給関係費のうち、遺族及び留守家族等援護費でありますが、総額千九十六億円を計上しております。 まず、援護年金につきまして、恩給の引上げに準じて額の引上げを行うこととしております。 また、戦没者の遺骨収集、慰霊巡拝等の慰霊事業等を充実するとともに、中国残留邦人等に対する援護施策等の着実な実施に努めてまいります。 第六は、公共事業関係費のうち、環境衛生施設整備費でありますが、総額二千九百四十一億円を計上しております。 まず、水道施設整備費でありますが、簡易水道及び水道水源開発等の整備を推進してまいります。 また、廃棄物処理施設整備費につきましては、「第八次廃棄物処理施設整備計画」に基づき、ごみ焼却施設、リサイクル関連施設、合併処理浄化槽等を積極的に整備をしてまいります。 以上が、平成九年度厚生省一般会計予算の概要であります。 次に、平成九年度厚生省所管特別会計予算について申し上げます。 第一に、厚生保険特別会計につきましては、一般会計から三兆七千八百六十七億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。 第二に、船員保険特別会計につきましては、一般会計から六十七億円の繰入れを行い、歳入、歳出予算を計上しております。 第三に、国立病院特別会計につきましては、一般会計から一千八百二億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。 第四に、国民年金特別会計につきましては、一般会計から一兆六千三十九億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。 以上が、平成九年度厚生省所管特別会計予算の概要であります。 何とぞ、格別の御理解を賜りますようお願い申し上げます。 —————————————
○越智主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○越智主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江渡聡徳君。
○江渡分科員 自由民主党の江渡でございます。 先ほど大臣から関連予算のことにつきましていろいろ説明いただいたわけでございますけれども、私は、介護保険法案のことに関連して御質問させていただきたいと思っております。 現在、我が国は、諸外国に例を見ない速さで人口の高齢化が進行しておりまして、平成十二年には国民の約六人に一人が六十五歳以上の高齢者となろうとしております。また、要介護老人並びに虚弱老人が二百八十万人になると見込まれております。 さらに、我が国の社会は、近年、少子化あるいは就業構造の変化、都市への人口集中と地方の過疎化などを背景として、家庭の姿が変容してきておりまして、核家族世帯や高齢者世帯が増加していく中で、二十一世紀を高齢者や子供を含むすべての国民が、その生涯を健康で生きがいを持ち、そして安心して暮らせる社会を創造していかなければならないものだと私は思っておるところでございます。特に高齢者介護対策の整備を中核とした社会保障体制の再構築を推進することが重要な課題となってきておるところでございます。 私自身、福祉施設の現場にいた者でありまして、今回の介護保険制度というものに関しては早目に導入していただきたいというふうに思っておるものでございまして、そのような観点から御質問をさせていただきたいと思います。 この介護保険制度というものが導入されますと、今までのような措置制度という行政処分として行われる福祉ではなくて、保険制度によって介護サービスを受ける権利を保障できる体制ができ上がるということになります。そういう体制ができ上がることは、国民にとっても日本におきましての五番目の社会保障制度となりまして、喜ばしいことだと私は思っております。 そこで、大臣にお聞きしたいわけでございますけれども、介護保険制度における社会保険方式のメリット並びに導入の最大の目的についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○小泉国務大臣 今までの予算委員会あるいは厚生委員会等での議論を伺っておりますと、介護問題について何らかの対策が必要だと、もう家族だけ、個人だけの問題としてとらえるには限界が来ているということで、公費を導入すべきではないかという点については、私は与野党大して違いないと思います。 そういう中にあって、今回社会保険方式を導入したのは、今、国民から、いずれは自分あるいは自分の家族が介護を要するような状態になる、現在二百万人を超え、将来大体二人に一人は寝たきりの状態になるのではないかと。毎年十万人ぐらい介護を要する人が増加しているという状況を考えると、この介護問題に対してしかるべき社会的支援体制をとろうということで、厚生省としても今回社会保険方式を導入したわけであります。 この保険方式でないとした場合に、そうすると全部税で見るのかというふうになりますと、総論はいいです、公費を導入する。現実にどこに増税の対象を持っていくかという場合に、じゃ法人税。これはもう世界的にも高いから、今下げろという声が一般的だと思う。所得税、これも同じくそうです。所得税を減税してまでも消費税を上げようという理解者の方が多かったということで、今回所得税も減税しなきゃならないという声がいまだに強い。消費税、これについて五%に四月から上げようということに対してこれほどの批判が強い状況で、これ以上本当に上げられるかということを考えると、私は、口では公費がいい、税で見ろと言ったってなかなか容易ではない。 ということを見ると、むしろ、年金も医療も社会保険方式を導入している。保険については、お互い支え合おうということで公費も入れる、それから保険も導入して、むしろ自分たちのこの保険というのは介護に使われるんだなと、一種目的税的な意味も持っていると思いますけれども、はっきりしている。と同時に、公費だけではなくて、一定の水準を満たせば民間も参入できるという形から、私はこの保険方式を導入した方が国民の理解を得やすいのではないか。 また、時々の財政状況についても、公費だけよりも激変が緩和できる。ふやすにしても減らすにしても、お互い保険料を払っているという観点から、むしろ給付と負担のあり方としてより選択の基準もできるし、負担と給付のあり方についても関心を持っていただくようになるし、そういう面において私は、現在の日本の状況が年金・医療保険方式になじんでいるものですから、むしろ公費と保険の組み合わせの方が理解を得られる。このことによって、実際実施された段階でより具体的に介護保険制度がどういうものかわかってきますから、その実施状況を見ながら、また、よりよき改善点を踏んでいくことによって、早く導入して早く準備をするという意味においても、今回の保険制度導入に御理解をいただければありがたいと思います。
○江渡分科員 ありがとうございます。 今の大臣のお答えというのは、端的に言いますと、高齢者によるサービスの選択に役立つということ、そしてまたサービス受給の権利的性格がかなり強まるということ、そして、ニーズに応じてサービス供給を拡大させる機能ができてくる、そして最後に、これが一番大事なことだと思うわけですけれども、負担と受益の対応関係が明確になって国民の理解につながりやすいというふうに、そういう形の御答弁だと理解してよろしいでしょうか。——ありがとうございます。 では、続きまして、同じ介護保険制度のことに関してお聞きしたいわけでございます。 今回の法案が審議されまして介護保険制度が導入された後になるわけでございますけれども、特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型医療施設というものが介護保険施設というものに一元化されていくわけですけれども、そうなりますと、医療法人と社会福祉法人、あるいは財団法人等の類型の法人が介護保険サービスの提供を行うための経営をしていくという形になっていくわけですが、その場合、社会福祉法人が措置制度のもとに施設運営を行ってきた法人でありますので、社会福祉法人の制度のあり方というものも検討していかなければならないのではないか、私はこのように考えております。 特に、社会福祉法人の制度自体が、新しいニーズにダイナミックに対応していくためにはかなり縛りがあり過ぎるのではないのかなと私は思っているところでございます。ですからこそ社会福祉法人制度も見直す必要があると思っておりますけれども、この点に関しまして厚生省の御見解というものをお聞かせいただきたいと思います。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。 先生今お話しのございましたように、現在の特別養護老人ホームというものを取り上げてみますと、施設整備の関係につきましては、四分の一が設置者の負担という形になっております。そして、今後の介護保険の中で、特別養護老人ホームあるいは老人保健施設あるいは療養型病床群というようなものを今後施設サービスの供給主体として取り入れるという実態を踏まえまして、現在、ゴールドプランという形でその特別養護老人ホーム等の整備を促進をしていくという中で、現在のいわば設置者負担という形で寄附等を前提にしなければ施設整備の自己負担を賄えないという社会福祉法人の仕組みのままで、必要な整備を確保でき、また介護保険への移行ができていくのかという御疑念なり意見は関係者からもいろいろ伺っているところでございます。 一方、この問題につきましては、先般の特別養護老人ホームをめぐります不祥事件を契機にいたしまして、そもそも単価のあり方が適正なのかどうかというようなことも含めまして、いろいろ御意見をいただきました。 そこで厚生省も、先般、この施設整備業務の再点検のための委員会をつくりまして、その第一次報告を出さしていただいたところでありますが、その中におきましても、今後の介護保険の導入といった状況を踏まえまして、先生も御指摘のございましたような観点を含めて、引き続き中長期的に検討をしていかなければならないというふうに考えております。 今回の介護保険への移行に当たりましても、施設関係につきましては、現在の社会福祉法人あるいは医療法人というものを前提にしながら、これは審議会の答申もいただいたところでございますけれども、移行して、いわば漸進的な、段階的な形で一元化に向かって措置をしていくという段取りになっておりますので、その中において先生の御指摘のような点も今後の検討という形で対応を考えていかなければならない課題であるというふうに思っておりますし、また、そういったことに向けての実態の解明ということについてさらに努力をしてまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
○江渡分科員 前回の岡光さんあるいは小山さんの方の不祥事の問題というのは、これは本当に特別なことだと私は思っております。多くの社会福祉を営んでいる方々、特に社会福祉法人の運営というものはかなり厳しいものがございます。外部からの資金調達というのはなかなか思うようにいっていない。ですからこそ、借入金の返済に対してもかなり苦労しながら支払っているというのが私は現状だと思っています。ですからこそ、特に外部からの資金調達の面などでの縛りを緩やかにして、もっともっと経営マインドというものを要求できる法人にすることができるならば、フットワークというものも軽くなりまして、よりよいサービス提供ができるような形の法人運営ができるのではないか、私はかように思っておりますので、どうぞ御一考していただきたいと思います。 続きまして、同じように関連してお聞きしたいと思いますけれども、今回導入が図られることになりますと、特別養護老人ホームというものは、この介護保険法案の中におきます第七条二十一項の介護老人福祉施設というふうになるわけでございます。保険適用施設となるわけでございますけれども、養護老人ホームというものは保険の対象外というふうになっております。しかし、現実の点というものを考えていくならば、随分介護を必要とする方々が多く入所している、そういう実態がございます。ですからこそ、そういう点にかんがみますと、保険適用についても検討を要するというような形になるのではないのかなと私は思っておるところでございます。 特に軽質老人ホームということについて検討した場合ですけれども、軽質老人ホームにおきましては、ホームヘルパーの活用というものができるようになっております。ですからこそ、養護老人ホームの運営というものを考えた場合に、特別養護老人ホームへの全部あるいは一部の転換というものを図られる必要があると思っておりますし、あるいは特別養護老人ホームへの併設をしていくということを促進すべきではないかというふうに私は考えているものでございます。特に、平成十二年に導入するという形になっておりますので、それまでの間にどのように具体的な対応をとられていく予定なのかということをお聞かせいただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○羽毛田政府委員 介護保険制度におきましていわゆる施設サービスという形で導入をいたしますもの、当然のことでございますけれども、適切な介護サービスが提供できる体制、そういう施設を導入していくというのが本来の姿でございます。 そういった点で見ますと、養護老人ホームにつきましては、本来、これは身体上、精神上また環境上の理由とそれから経済的な理由でその居宅での生活がなかなか難しいという高齢者の方々にお入りをいただくという施設でございまして、そういう意味からいきますと、要介護者に介護サービスを提供することを目的とした施設ということではないということになりますので、ストレートに介護保険の対象ということにするについては意味なしということで、従来の体系でということにしたわけであります。 ただ、先生お話しのように、養護老人ホームといいながら、実態的には入所対象者の中に介護を要する方々が相当入っておられる、あるいは大半がそうなっているというような実態等がございますので、この実態は実態としてやはり踏まえていかなければならないというふうに考えております。 そこで、先生もお話のございましたように、これから介護体制というものを当然充実はしていただかなければならない。そういった介護体制の充実を図る中で、特別養護老人ホームを養護老人ホームに併設をするという形での対応、あるいはもう実態として入っておられる方々が要介護の方々だということになれば、介護体制を充実してむしろ特別養護老人ホームに転換をしていただくというようなことにつきましては、私どもも介護保険導入に向けまして積極的にこれを支援して、そういう体制づくりを進めていくという方向で考えていきたいというふうに考えております。
○江渡分科員 ありがとうございます。できるだけ実態に即したような形でお願いしたいと思います。 続きまして、この介護保険制度の導入によりまして、利用者の方々は応能負担というものから応益負担になるわけでありますけれども、この場合、低所得者の方々に対しまして配慮をしていくということは言うまでもないことだと私は思っております。しかし、現実におきまして、生活費というものが乏しくても家とか土地などの財産を持つ高齢者は少なくない現状であります。こういうものを考えた場合、ある意味での公平の観点ということを考えていきますと、利用者負担当額分について、こういう方々に何らかの支払いを求めるということになるのかどうなのかということもお答えいただきたいと思っております。
○江利川政府委員 介護保険制度におきましては、先生御指摘のように定率の利用者負担をとりますが、その定率の利用者負担に一般的な上限を設ける、あるいは低所得者についてはさらにそれを配慮するというようなことで、低所得者への配慮があるわけでございます。 こういう配慮がありますので、通常の方は支払われるものというふうに考えておるわけでありますが、全く現金所得がないというようなケースになりますと、これは最終的には例えば生活保護の関係になってまいります。生活保護では、今回の制度改正に基づきまして保険料であるとかあるいは一部負担を納めてもらうようになっております。ただ、生活保護の適用には、その制度の運用でございますが、当然資産活用というのが前提になります。そういう制度の運用の中でこの問題を考えていくことになろうかというふうに思います。
○江渡分科員 よくわかるわけでございますけれども、特にこういうような方々に対してできるだけ手厚い介護サービスが提供できるという形のものをとっていった場合に、この生活保護と同じような観点から物事を考えていくというのはいかがかなというような問題も多少出てくると思いますけれども、その辺のところは運用の中におきましてできるだけスムーズな形でいけるようなものとしてやっていただきたいと思っております。 続きまして、基盤整備事業等に関してお尋ねしたいと思っております。 特に大都市などにおきましては、施設を建てようと思いましても所定の規模の土地の確保がかなり困難であるという状況になっておりますし、あるいは過疎の自治体におきましては、適正規模の点ということを考えていきますとできるだけ小さ目の規模の建物を建てていきたいというような、いろいろな考え方の状況が出てくると思います。ですからこそ、そういうような総合的な観点から考えていった場合に、小規模老人ホームの積極的な導入あるいは小規模の老人保健施設の導入というようなことを進めるべきではないのかなと私は思っておりますけれども、その辺のところについてもお聞かせいただきたいと思っております。
○羽毛田政府委員 先生お話しのように、過疎地域あるいは大都市地域におきましては、大都市においては土地の問題、過疎地域におきましてはいわばニーズのロットといいますか、ニーズの規模そのものが小さいという問題がございまして、整備が大変難しいということで、私どもも苦慮をいたしておるわけであります。 その際、一般論として言えば、やはり施設の運営という面から考えますと、一定規模ございませんと、どれだけの規模であっても最低限度、人でいえば人を確保しておかなければいかぬということがございますから、そういう意味ではある程度の規模が必要だというのは運営上の要請としてはあるのでございます。しかし、一方において、今のようにそこをかたくなにあれしていたのでは整備が進まないというジレンマがございます。そこで、私どもも、大都市地域でありますとか過疎地域におきましては一定規模以下のものについても、例えば三十人規模でもいいですよというような形を工夫いたしております。 しかし、それでもなおかつさらに問題が残るということで先生の御指摘もございますようなこと、それらにつきましては、今の運営上の要請、それから地域のニーズの要請をいろいろ考えまして、例えば特別養護老人ホームでございますれば、過疎地域等におきまして一方においてデイサービスでございますとかいった在宅サービスを進めるための拠点という意味での施設というものの役割が一つございますから、そういったデイサービスを展開する、そういった在宅サービスを展開する拠点としての施設、かたがたそれが施設としての役割も果たすという形の総合経営、複合運営の中でやっていくということを前提に、小規模の特別養護老人ホームというものをこの際認めていくというような工夫をしていくべきではなかろうかというようなことでの検討をしています。 あるいは老人保健施設につきましても同様のことがございましてなにですけれども、例えば分館方式と申しますか、言ってみれば支店みたいな形でやるというようなところを、その分だけいわば本店の部分からのちゃんとしたバックアップができるという条件はもちろんございますので、そういったことにして、その運営上の問題がない、あるいはそこの処遇において非常に問題が出るというようなことにならないということを一方においてにらみながら、そういった工夫の中で先生おっしゃるような小規模化というようなことも一方において進めていかなければならないということで取り組みをいたしたいというふうに考えておりますし、現にそういう方向での工夫もいたしてきております。
○江渡分科員 できるだけそういう、特に過疎地域の方々に対しての配慮というのをお願いしたいと思っていますし、特に過疎の地域なんかですとデイサービスセンターをできるだけ活用しようということになっていますけれども、そのデイサービスセンターの中にありますショートステイの運用あるいはミドルステイの運用というもの、この辺のところを余り厳密にさせないで、特にミドルステイなんかでも三カ月というふうに限定しないでもう少し期間を延ばしていくような形で、できるだけ弾力的な運用ができるような形のものに変えていっていただければありがたいなと思っております。 時間もありませんので、最後の質問をさせていただきたいと思います。 先ほど大臣から今度の介護保険制度導入のメリット等というようなことを種々お聞かせいただいたわけでございますけれども、そこにおいて、痴呆性の高齢者の方々あるいは知的障害者の方々の財産管理あるいは相続、財産分与などということに関連してですけれども、こういう方々の権利を守るためにも成年後見法の一日も早い制定というものを私は望んでいる者の一人でございます。そこに関連して、厚生省の御意見を最後に聞かせていただきたいと思います。
○羽毛田政府委員 意思能力が十分でない、そういうことのためにみずからの権利を行使することが非常に困難な、一番典型的な例で申し上げれば、先生おっしゃった痴呆性老人というような場合だろうと思いますが、これにつきましても、地域で安心して社会生活が送れるということは非常に大事なことだというふうに思っております。 そうしたときに、現在ございます民法上の諸制度だけでいいのかということになりますと、そこはそれだけでは不十分だ、あるいは大げさな制度であるがゆえに、逆にそのことに対して非常に抵抗も多いし、それを受けることによる、いわば周りへの、あるいは家族への心理的な負担もあるというようなことを考えますと、やはりそういった成年後見制度については大事だというふうに私どもも考えております。 この点については、法制度の問題としては法務省において御検討いただくことでございますけれども、私どもも、法務省の方も、ちょうど今審議会にそのことにつきまして検討を開始していただいているということでございますので、法務省とも十分連絡をとりながら、法制度の実現に向けまして、私どもも私どもの立場から必要な検討を行い、法務省とも十分に連携をとってまいりたいと思いますし、また、そういう法制度をまつ前の段階といたしましても、やはりこういうことについての相談体制というものが非常に重要でございますから、私どもとしても、都道府県に高齢者総合相談センターというものを整備いたしておりますので、そういったところでのいわば相談の充実ということもあわせてよく考えて検討もし、さらに充実を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○江渡分科員 どうもありがとうございます。 これで質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○越智主査 これにて江渡聡徳君の質疑は終了いたしました。 次に、山本孝史君。
○山本(孝)分科員 おはようございます。新進党の山本孝史でございます。 早速お伺いをさせていただきます。まず、たばこによる健康被害についてお伺いをさせていただきます。 喫煙による社会的損失や禁煙による医療費の削減効果について、厚生省はどのように認識をしておられますか。
○小林(秀)政府委員 たばこを吸うことによります医療費上の経済的損失についての研究というものがあることは承知をいたしております。特に、禁煙が医療費の低減に資するという御意見があることはよく承知いたしております。たばこは種々の疾患の原因であるために、厚生省では、国民の健康の確保の観点からたばこ対策に取り組んでおるところでございまして、御指摘のように、禁煙の支援により医療費が低減されることは十分想定されると思っております。
○山本(孝)分科員 禁煙によって医療費が削減されることはあるという認識であるというふうに承ります。 厚生大臣の、これまでの、前に大臣をお務めのときの発言をいろいろ読み返させていただきますと、大臣は、健康が大切であると何度も力説をされておられます。病気になってからじゃなくて、できるだけ病気にならないような注意をお互いに心がけようという啓蒙活動を、今後とも積極的に展開していきたいと思っておりますというふうに述べておられることもありました。 今、事務当局の御答弁どおりに、たばこによるところの医療費のいわば増大といいましょうか、あるいは、禁煙することによることの削減効果はあるという言葉でございまして、たばこによる健康被害というのは大変に大きなものがあると思っております。まず、大臣も同様の認識をお持ちかという点が一点。 そして、今後どのような施策を厚生省としてとるべきというふうにお考えなのか。その中で、単なる吸い過ぎに注意しましょうという啓蒙活動にとどまるのか、あるいは、禁煙ガムであるとか病院における禁煙外来というようなものをもっと普及していくということに力を入れていくようなお考えはないでしょうか。大臣にお伺いします。
○小泉国務大臣 たばこの害についてはいろいろ指摘されておりますが、禁煙することによって確かに予防的効果もあることは、具体的な数字ではわかりませんけれども、私もそうだと思います。一方においては、喫煙愛好者もいるわけです。そういう中で、最近ではかなり禁煙運動とか嫌煙運動が普及して、たばこの健康に対する問題が非常に関心を持って論議されているということはいいことだと思います。 私自身も、昭和六十一年でしたか、の選挙以来たばこはやめているのですが、それはどういうことかといいますと、私は、いつも選挙中だけたばこをやめていたのです、解散から投票日まで。というのは、たばこをかなり吸っていたのですけれども、選挙中はのどがやられる。たばこはよくないなというのがわかっていたものですから、選挙期間中だけやめているうちに、昭和六十一年の選挙でやめた後も、このままいけるんじゃないかなと思って続けているうちに、自然に禁煙することができた。確かに、選挙中だけでも、吸わないほうがのどにいいなということは、これは同時に、吸わない方が健康にいいなということだと思うのであります。 そういうことから、できれば、国民により一層、たばこというものが健康に及ぼす影響についても関心を持っていただき、たばこを吸わないような理解を深めていくということが、今後もいろいろな活動を通じて厚生省としてもできればなと。ただ、強制できない点、この点が難しいところだと思います。嗜好というものがあります。その辺をどう考えるか。いずれにしても、この問題についていろいろ関心を持っていただいて、お互い健康のために吸い過ぎに注意しようというところから一歩進んで、吸わないにこしたことはないという形に国民の理解が進んでいければな、そう思っております。
○山本(孝)分科員 実は、毎回厚生大臣がおかわりになるたびに同じ質問をさせていただいておりまして、きょうの大臣の答弁が一番前向きといいましょうか、積極的なお取り組みであったと思います。 大蔵省とのかかわりもあったりして、なかなか難しい。たばこ農家があったり、あるいは税収入があったりで難しいのですけれども、やはり強制はできないと思いますけれども、やめたいと思っている人を助ける意味合いで、禁煙ガムであるとか禁煙外来とかというところをぜひ普及をしていただきたいというふうに思います。 次の質問に参ります。 ミドリ十字と吉富製薬の合併が発表になりました。このことによるエイズ被害者の救済問題へのかかわりの問題でございますけれども、いまだ和解の成立していない患者さんがたくさんおられると思います。どのぐらいおられると認識をしておられるのか。そして、今回の合併が、まだ和解に至っていない人たちへの和解に影響はないのか。被告企業と連帯して責任を負う立場におられる政府として、はっきりとした見解を述べていただきたいと思います。
○丸山政府委員 数字の点がございますので、冒頭私の方から。 未和解者のお尋ねでございますけれども、平成八年十一月現在の、発症予防・治療研究班によりますと、血液製剤によるエイズ感染者は約千八百名でございます。平成九年二月末現在の和解患者数は千二十八名でありますので、単純に差し引き計算をいたしますと、約七百名の方々が未和解者と推定をされておるところでございます。 会社の合併に際しまして、ミドリ十字、吉富製薬の合併についての両社長の発表内容を見ますと、HIVの問題につきましては新会社が引き継ぎ、患者さんや御遺族の皆様に対する和解条件には責任を持って誠実に対処してまいります、また、この問題を厳粛に受けとめ、再びこのような事態を繰り返さぬよう、大きな教訓として今後の会社運営に生かしていく決意でありますということを合併の発表に際して両社長が申しております。また、私どもにもそのような報告がございますので、未和解者の問題につきましても問題なかろうとい うふうに考えている次第でございます。
○山本(孝)分科員 重ねて明確に御答弁をいただいておきたいのですけれども、企業としては、新会社としては、ミドリ十字の義務は引き継ぐということを記者会見で言っている。政府としても、和解書の中で、連帯してこの責任は負うんだという立場をとっているわけですから、企業がそう言っていることを信用しているというだけではなくて、政府としてもしっかりやるんだ、ちゃんとやっていきますよという御確認の御答弁をいただきたいと思います。
○丸山政府委員 直接、両社長からそのような報告も聴取しておりますし、厚生省としても責任を持って対応するように指導してまいりたいと思っております。
○山本(孝)分科員 もう一点、関連してお伺いをしておきたいと思います。今、お話の中で御答弁はいただいていますけれども、ミドリ十字は、金銭賠償以外にも、恒久対策について、例えば遺族弔慰事業あるいは患者救済活動等についても取り組む義務があるということを誓約しているわけです。 この恒久対策に関する義務についても、先ほどの御答弁どおり、新会社に引き継がれるという認識であろうと思いますけれども、この恒久対策については、いまだその具体策が明らかになっておりません。いわゆる第四ルートによる被害者の救済策を含めて、新会社がどのように対処するかということは、社会的に大きな関心事であるというふうに思います。 恒久対策や第四ルート被害者の救済策について、新会社はどのように対応するというふうに今の時点で政府はお受けとめになっているのか、あるいは政府自身としてもこの問題についてどのように今後対処していこうとしておられるのか、この点についてお伺いいたします。
○丸山政府委員 恒久対策につきましては、まず治療体制の整備ということで、これは国としてでございますけれども、エイズ治療・研究センターの設置あるいは地方ブロック拠点病院の整備、また遺族弔慰事業につきましての遺族等相談事業に関して所要経費を計上しております。 また、第四ルートの問題につきましては、被害者の早期救済という見地に立ちまして、血友病患者の場合と同様に、和解できるかどうか、個別に具体的な事例に即して検討協議を進めておるところでございます。 また、製薬企業の関係につきましては、昨年三月の和解確認書におきまして、製薬企業の恒久対策に関する義務といたしまして、製薬企業においても、治療薬の開発、情報の提供など、原告らHIV感染者の治療の向上に努めるものとするというふうにされておるところでございます。 このような製薬企業としての再発防止あるいは恒久対策の役割がございますので、また第四ルートの問題につきましても製薬企業としても誠実に対応したいというふうに申しておりまして、現在、国、企業ともども、原告の皆さんとの協議を進めているところでございます。これらにつきましては、誠実に対応してまいりたいと考えております。
○山本(孝)分科員 今や悪名高きとなりましたミドリ十字という名前が社会の中から消えていくということで問題は決して解決していくわけではありませんし、救済合併の形をとっています。厚生省として特に働きかけをしたわけではないというふうにも聞いておりますけれども、吉富製薬、後ろに武田製薬という大きな会社を控えて、しっかりとした救済策がむしろ講じられていくのだろうという期待もしているわけですね。 ただ、あくまでも民間企業のことですし、法的には間違いなく前会社の責務として新しい会社に引き継がれることは理解していますけれども、ここのところ、政府としても、民間企業の活動というだけではなくて、しっかりとしたウォッチをしていくというか、指導をしていくという点について、大臣、一言だけいただいて、これに関する質問を終わります。
○小泉国務大臣 ミドリ十字の名前が形式的になくなるといっても、このミドリ十字の責任はしっかりと継承していくということで新会社が設けられるということを聞いております。製薬会社という社会的責任を自覚していると思っておりますので、その辺はきちんと新会社もやっていくと私は理解しておりますし、政府としても、そのような約束を信じ、またどのように施行されていくか、大きな関心を持って見守っていきたい、そう思っております。
○山本(孝)分科員 どうぞよろしくお願いをいたします。 関連しての質問でございますけれども、この薬害エイズ事件を踏まえて、今、血液行政の見直しに厚生省としても取り組んでおられるわけです。この点について、何点か御質問をさせていただきたいと思います。 現在、国内における採血というものは、日赤が一元的に行っております。これまでの反省から、民間事業者が採血業にかかわることは好ましくないと私は思います。現状の、日赤による一元的な採血を継続すべきだと思っているのですね。 政府として、今後もし民間の事業者が採血業に参入をしたいという申し出があったときに、どのように対処するお考えでしょうか。
○丸山政府委員 先生のお話のように、現在は毎年六百万人以上の献血者のとうとい善意によりましく日本赤十字社が献血事業を実施しているところでございます。かつて、平成二年までは、血漿分画製剤の原料を得ることを目的といたしまして、有償の、民間事業者による採血が行われておりました。それは平成二年をもって終了し、現在は、いわば採血業あるいは供血あっせん業の新たな許可申請は行われておらないわけでございます。 こういう現状を考えますと、当然のことといたしまして、日赤、日本赤十字社以外の民間事業者の新たな参入は想定をしておりませんし、また、仮に採血業の許可申請を求められるような場合がありましても、採血業の許可を行うことは適当でないだろうと考えております。
○山本(孝)分科員 現状としてはそういう状況にないからいいのではないかという御答弁なのですけれども、今おっしゃっている採血及び供血あっせん業取締法でいけば、別にそれを禁止する規定はないわけですね。日赤にこのまま引き続きこの法律のもとでやらせていくという根拠を、今の御答弁の中ではちょっと合理的なものを感じられないもので、もう一度そこをはっきりとしていただきたいと思います。
○丸山政府委員 現在の採血及び供血あっせん業取締法の規定の中で、供血あっせん業につきましては、当然ながら現在ございませんけれども、採血あっせん業の関係につきましては、現在この取締法の規定に基づきまして、日赤が行う、採血に際しての健康面での相談、その他必要なチェックあるいはその採血行為が医行為であるといったような扱い、その他につきまして、現在採血あっせん業取締法の規定が活用されておるわけでございます。 お尋ねの、別な者からの採血業の許可の申請があった場合に、それを拒める規定がないのではないかというお尋ねだろうと思いますけれども、この点につきましては、現在の規定、取締法の四条の二項の二号ないし三号、この規定を使うことによりまして、恐らくこの規定に抵触することによりまして許可を与えないことができるというふうな運用は可能だろうと考えております。 四条二項二号といいますのは、いわば採血業を計画する方がその地域で血液の供給が確保できないということでございます。これは当然ながら、現在日本赤十字社が各都道府県と協議して全国の献血計画を詳細に決めておりまして、いわばその白地地域がないわけでございます。そこに新たな業者が参入したとしても、採血を受ける可能性はまずないだろうと考えております。 また、四条二項三号の規定は、営利目的で採血する場合に、「被採血者の保護に支障をきたすおそれがある」という場合には許可を与えないことができるという規定でございます。特に有償の採血、売血に戻った場合に、これは被採血者がリピーターで、大変その人たちの健康に影響を与えるような採血が繰り返されるだろうというふうなことを考えますと、「被採血者の保護に支障をきたすおそれがあると認めるとき。」にも該当することも十分考えられるだろうということでございます。 現在の法律の規定を運用することによって今のようなことの可能性を消すこともできるだろうというふうにも考えておる次第でございます。
○山本(孝)分科員 よくわかりました。今の法律に基づいて、行政指導で新しい業者の参入は認めていかないというお考えだと思います。 この一月に、血液行政の見直しに関する質問主意書というものを出させていただきまして、その回答をいただきました。その中で、血漿分画製剤にも薬価差が存在するということを認めておられます。すなわち、平成八年九月の薬価調査によれば、アルブミン製剤の平均値引き率が一三%、最大で一六%、免疫グロブリン製剤は平均一四%、最大二八%の薬価の値引きが行われております。 他の医薬品と違いまして、国民の善意に基づく献血によって得られる血液、しかも臓器の一種であるところの血液からつくられる血漿分画製剤にこのような大きな薬価差が生じているということについて、厚生省として、こういうことはいいことではないというふうに当然おっしゃるでしょうけれども、きっちりとした認識を示していただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 平成八年九月の薬価調査のデータに基づきますと、今先生御指摘のような形の薬価差が生じておるということでございます。 これは、現在の薬価基準のあり方そのものにも関連するわけでございまして、やはり非常に大幅な薬価差が生ずることによって医薬品が不適正に使われる、そういった誘因になるのじゃないかということは言われておるわけであります。私どもとしましては、現行の薬価基準制度そのものにつきましてあり方を見直さなきゃいけないというふうに考えておりまして、御指摘の点も踏まえまして、今後検討させていただきたいというふうに思っております。
○山本(孝)分科員 現行の薬価制度に問題があることは事実で、これは医療保険改革の中でも見直しの項目の一つに上がっているわけです。 特に申し上げているのは、繰り返しになりますけれども、国民の善意に基づく献血によって得られた血液、しかも、WHOが言っているとおりに、血液は臓器の一種である。他の医薬品と違って、化学的につくられるものではなくて、人間の体の中からつくられているものである、臓器です。しかも、それが善意に基づく提供によるところのものを原材料としてつくられている血漿分画製剤から薬価差が生じているということは、単に普通の医薬品における薬価差が生じているという問題と、これは認識が違ってしかるべきだというふうに思うのですけれども、もう一度御答弁いただきたい。
○高木(俊)政府委員 血液製剤そのものの販売の仕方に関係してくると思います。 現行の薬事法上の仕組みからしますと、この血液製剤につきましても、やはり医薬品という形として価格が設定され、そして流通がなされておるわけでございます。そういった医薬品についての価格の決め方として現在の薬価基準制度というのを医療保険上採用しているわけでございますけれども、そういった中でこの血液製剤というものの値段を決めていくのがいいのか、あるいは別の観点から決めていくのがいいのか、そこら辺の基本的な問題があろうと思いますが、薬価基準制度のあり方そのものを考える上においても、今先生の御指摘の点も考慮しながら考えていかなきゃならないというふうに思っております。
○山本(孝)分科員 今おっしゃったように、この血液由来製剤で薬価差益が発生する、これをできるだけ排除したい。あるいは、血液製剤の不適正な使用を是正していくという問題もある。国内の自給体制の確立が何遍も言われてきて、実現していない。こういったところを含めて、私は、公益的な団体が一元的にこの血液製剤を供給するという形をとった方が、今申し上げたような問題は解決するのじゃないだろうかというふうに思っているのですね。こういう一元的な血液製剤の供給体制をつくるということについての大臣のお考えをお聞かせをいただきたいということが一つ。 血液事業対策課というのが今回新設されます。これを機会に、新たに血液事業法というものを制定して、しっかりとした血液事業というものをやっていくのがいいのではないだろうかというふうに思っているのですが、この点についての大臣の御認識をお伺いいたします。
○小泉国務大臣 血液事業については、今御指摘の点等いろいろ議論する必要があると思っています。既に血液行政の在り方に関する懇談会というのが現在設置されておりますので、その懇談会においてもいろいろ御検討いただきまして、今の山本議員御指摘の点も含めて、今後の血液行政のあり方について、どういうあり方が望ましいかという点を検討いただいた上で、厚生省としてもしかるべき措置を考えていきたい、そう思っております。
○山本(孝)分科員 審議会方式の問題点はいろいろ言われているとおりで、今回も同じ轍を踏まないようにぜひしていただきたいというふうに思っています。 最後の質問です。 年金福祉事業団の自主運用の問題について、先般、二月二十一日の厚生委員会で質問させていただいて、この問題に触れますと大臣の答弁がぐっと長くなるので、いつも一番最後に質問が来てしまうのですけれども、年金局長は、ことし、平成八年度のこの自主運用に対する赤字額が幾らであるかということについてはお答えできませんと、これは、その後の説明として、市場に対する影響が余りにも大きいのでというお答えでございました。その点は一歩譲ったとしても、大きな赤字額がことしも出ることは間違いがない。 そもそもの問題として、財投から資金を借りてそれよりも高利回りで運用していくという形で自主運用が始まるということ自体が無理があったのではないだろうか。ハイリターンを期待するということであれば、当然ハイリスクなものに手を出さざるを得ない。そこで、こういう赤字が生まれることは当然承知の上で厚生省は乗り出していったのではないだろうかというふうにしか思えないのですね。その点についての責任が全く問われないでこのままいってしまうのは、国民の側としては納得ができない。こういうふうな制度に手を出したということの責任問題、そして現実に赤字が、ことしも恐らく一兆円に近いのでしょう、そういうふうな赤字が出ているということについての責任問題は、当然明白にすべきだというふうに思います。 あわせて、今後どういうふうな形で取り戻していくのだ。いや、先生御心配なさるな、何年もやっているうちに当然ここは取り戻しができますよという説明をされても、これはなかなか納得しないと思うのです。きっちりとした再建計画をやはり提示をされるべきだというふうに思うのですけれども、この点について、大臣、どのようにお考えでございますか。
○小泉国務大臣 これは大変大きな問題で、単に年金の自主運用、年福事業団の事業にとどまらないと思うのです。財政投融資全体でこの責任をどうするのかと言われれば、それはもう大蔵省のみならず政治の責任にもかかわってくる。そういう大きな問題でありますので、そういう問題があるからこそ、年金の資金を資金運用部に全部預ける、郵便貯金の資金を全部預ける、簡易保険の資金を全部運用部に預けるという財政投融資制度の根幹を見直さないとこの問題の解決にはならぬということから、私は、今回、年金福祉事業団の廃止を含めての見直しと、同時に今、年金資金の自主運用を大蔵省に働きかけております。 この点、今までの行政の責任を問うとどういうことになるのか。長年にわたる、かかわってきたほとんどすべての人の責任を問えといったって、現実には無理がある。結局、政治ですね。政治が考えなきゃいかぬ。これだけ大きな財政赤字を抱えて、なおかつ財政投融資制度というのが多額の不良債権を抱えている状況だ。だからこそ今、行政改革、財政改革等構造改革が必要だと言われているのでありまして、その点をもっと認識を深くし、国民の関心も高めながら、根本的な改革に手をつけるべきいい機会だなと私は思って、今、年金の自主運用を大蔵省に働きかけているわけでありまして、一朝一夕にはこの問題は解決ならないのじゃないか。 確かに、責任はどうするんだというのは大変大きな問題で、私はその認識はしておりますけれども、では、どういう形で責任をとるか今言えと言われてもなかなか難しいのではないか。こういう質問が出てきたこと自体、本格的にこの問題について取り組まなきゃいかぬなと私は思っております。
○山本(孝)分科員 引き続きその自主運用の中でやっていくんだというお考え、おっしゃっている意味はよくわかるのですけれども、二十三兆円というような金額、あるいはさらにそれを超えるような金額の自主運用をやっていくという中で、本当に責任を持った運用ができるのだろうか。より赤字が広がっていくだけじゃありませんか。ここは、無責任な形で、自主運用すればそれで赤字が解消するのだというか、責任も何とか問われずに済むのだという形にはならぬのじゃないか。 だから、そういう意味で、再建計画というのは、事業団の廃止も含めてとおっしゃっているけれども、もっときっちりとしたものを出すべきだ。済んでしまったことの責任はなかなか問いにくいけれども、でも、きっちりとした再建計画を出すということが実は責任のとり方の一つでもあって、しかもそれは、単に自主運用というだけでは国民は納得しないというか、そんな素人さんに運用をやらせて、また赤字をふやすというだけでは困るという声が出てきませんか。そのことについてはどういうふうにお答えになりますか。
○小泉国務大臣 もちろん、自主運用ですぐ解決するわけではありません。自主運用で、むしろ資金運用部に預けたよりも利回りが低くなる可能性もあるわけであります。その点どうするかというものを含めて考えなきゃいかぬし、そもそも年金資金と郵貯資金、簡保資金を一緒に統合運用すること自体が私はおかしいんじゃないかと思っております。 そういう点をもっと認識してもらいたいという観点から今自主運用を働きかけているわけでありまして、この問題は、単に自主運用したからといって解決する問題じゃない。もっと大きな、財政構造そして財政投融資制度全体のあり方にもかかわってくるものでありますから、いろいろな切り口から議論をされると思いますけれども、まずは、厚生大臣として、年金を扱う所管の大臣としても、この問題に大きな関心を持たざるを得ないという点を御理解いただきたいと思います。
○山本(孝)分科員 保険料を払っている側からすれば、その保険料が目的外と言ってもいいようなものに使われて、結局そこで赤字を発生してしまっている。それはやはり我々の意図しているところではないわけですね。大臣おっしゃっているように、厚生省として、この年金というものを、.我々の所管している中であるからしっかりとその中で運用を見ていきますという立場で、責任を持って、我々が払い続けている年金の保険料、年金も医療保険もそうですけれども、保険料というものをしっかりと管理していくんだというお立場での御答弁だというふうには承っておりますけれども、巨額な赤字が発生していることは事実。この点について厚生省としてのきっちりとした対応を示していただきたいということをお願いをして、質問を終わりにします。 ありがとうございました。
○越智主査 これにて山本孝史君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君。
○木島分科員 日本共産党の木島日出夫でございます。 私は、国立療養所東長野病院心臓血管外科の廃止の問題に絞ってお尋ねしたいと思います。 昨年十二月二十五日、関東信越地方医務局長が長野県衛生部及び長野県医師会を訪れまして、本年六月三十日をもって国立療養所東長野病院の心臓血管外科を廃止する、そして、その業務は本年七月一日から長野県上田市に新設される国立新病院で行う方針である旨説明を行いました。続いて、ことしの一月八日、同局長は、長野市及び長野市医師会を訪れて同様の説明を行ったわけであります。私の調べによりますと、地方医務局長が当該東長野病院長を初め長野県下の国立病院長など管理者を集めて同様の方針を国の決定だといって伝えたのも、昨年十二月二十五日が最初だったようであります。 私は、余りにも唐突かつ一方的、患者不在、当事者職員不在、そして何よりも地元不在の高飛車な事の進め方に本当に驚きと怒りを禁じ得ないわけでありますが、事実経過はそのとおりでありますか。そのような方針は、だれが、いつ、なぜ決めたのか、御答弁願いたいと思うのです。
○小林(秀)政府委員 平成九年七月一日に上田市に開設予定の国立長野病院、仮称でございますが、これは、従来ありました国立東信病院と長野病院、両方を統合いたしまして新しく拡充した病院でございますが、この病院は県域全体を対象とした心疾患の高度救急医療などを行う施設として整備をしているところでありますし、このことは関係者の方はもう既に御存じのことでございます。ということは、この七月一日に開設するのですけれども、つくり始めるところから、国立長野病院、場所が長野市よりもちょっと南になります上田市にございますけれども、そこに心疾患の高度救急医療を行う施設として整備するということをお話しして、整備を今やっているところでございます。 そして、心臓血管外科につきましては、高度専門的な医療であるということから、心疾患の医療に関連する他科の支援、例えば麻酔科が要るとか——現に、今のやっているところでは麻酔科の医師が張りつけられない。ところが、今度の場合は、国立療養所から国立病院に移りますので麻酔科の医師もちゃんといる。そういうような他科の支援、それから、治療体制が確立されることが、ほかの内科だとか消化器科とか、そういうところと一緒になることが大変重要でございます。さらに、国立が持つ限られた医療資源、人的資源を有効に活用する観点から、近隣の医療機関の配置状況等を考えまして、新病院にその機能を集中させるようにもう既に決めてあるところでございます。このため、東長野病院における心臓血管外科による開心手術の機能を停止することは、我々としてはやむを得ない措置と考えておるところでございます。 これは何も今回急にしたということではなくて、既にもう計画の中に書いて、そのとおり整備を進めている、ただ、どうも東長野病院関係者の方にはっきりとしたことが言ってなかったために十二月二十五日に国立病院の院長さんにお伝えをした、その方が驚かれたのか何かで長野県当局に対しても御連絡が大変おくれてしまうというようなことが出てきてしまった、このように考えておるところでございます。
○木島分科員 上田市に新国立病院が建設されるという話はだれでも知っていることであります。しかし、そのことと、長野市にある東長野病院とは関係ないはずであります。二次医療圏も別ですよ、三次医療圏も別ですよ。 東長野病院の心臓外科が廃止されるという厚生省の方針が患者を初め地域住民に初めて知らされたのはいつかといいますと、昨年十二月三十一日、大みそかの信濃毎日新聞の朝刊によってであります。私は、年が明けたことしの一月七日に、早速、国会の議員会館の私の部屋に厚生省の担当の方に来ていただいて、事実経過を聞いて大変びっくりしたわけであります。 関東信越地方医務局長の厚生省本省への報告によりますと、長野県衛生部長も長野県医師会も、前年の十二月二十五日、厚生省のこの方針に対して基本的に了解したと報告されているということがわかったわけであります。私は、幾ら何でも、こんな重大な問題について、初めて聞かされた長野県衛生部長や長野県医師会が、関係者の協議も経ないで了解、同意を与えるはずがないと思ったわけでありますが、その場で資料も見せていただきました。地方医務局から厚生省本省に上がった報告書、はっきりと、長野県衛生部長からも長野県医師会からも基本的な了解が得られたと書いてあったわけであります。 私は本当に信じられない思いで、一月九日に長野県衛生部長に会い、事実を確かめました。長野県医師会にも電話を入れて経過を聞きました。その結果はっきりしたことは、地方医務局長の本省への報告書は全くうそだったという事実でございます。県衛生部長も県医師会も了解など全くしていない、厚生省からの今お話しのような方針を伝えられただけだったということがわかりました。事実経過はこのとおりでしょう。
○小林(秀)政府委員 今先生がおただしのように、関東信越地方医務局長からは、県及び県医師会につきましては、お話をしたところ特に御異論がなかった、このようにお伺いをいたしたところでございます。 ただ、その後、今先生が御指摘になられましたように、県医師会からは、私どもの方に対しまして、今回のこの方針については、「円滑な地域医療の推進に重大な影響があるものと思料いたしますので、慎重に対応されますよう要望致します。」という一月十七日付の文書はいただいていることも先生御指摘のとおりでございます。
○木島分科員 異論がなかったなんというのは全くおかしな話です。初めて伝えられたことですよ。その場で意見を言えるはずがないでしょう。その後、今、県医師会も市医師会も長野県も長野市も、これは反対ですよ。明確にその態度を明らかにしています。私は、こういう重大な事柄について、真実と違う報告書を厚生省本省に上げて関係者の名誉を傷つける、厚生行政を曲げようとした関東信越地方医務局長の行為は許されるものじゃないと思うわけであります。 東長野病院の心臓血管外科というのは、昭和四十六年、一九七一年四月に、長野県北信地方の最初の循環器専門医療機関として開設されて、循環器科の併設と相まって、今日まで二十五年にわたって、長野市周辺はもとより、北信、北長野地方全体をいうのですが、広く北信地域全体の心臓血管外科の中核的役割を果たし続けてきた病院であります。廃止など絶対に認められるものではないわけであります。 数字を述べますが、循環器科、心臓血管外科の患者数及び手術件数でありますが、平成七年度で、患者延べ数一万八百九十七人、一日平均二十九・七人、そして年間手術件数は二百三十二件、その内訳は、弁置換手術二十七件、バイパス手術三十件、中隔欠損閉鎖手術十九件、ペースメーカー手術三十三件、その他の手術百二十三件であります。 地域の状況を見ますと、例えば平成八年十一月二十七日の一日調査でありますが、その日の循環器科の入院患者三十九名中九二・三%に当たる三十六名は二次医療圏である長野保健医療圏からであります。上田市のある東信地区からはわずか一人だけ。また、外来患者百九十七名についても、その九一%は長野保健医療圏からであり、上田のある東信地区からはわずかに三人、一・六%にすぎません。 また、地域別の救急患者数を見ましても、昨年一年間、平成八年一月一日から十二月三十一日まで、循環器科の急患二百六十五名のうち九四・三%、二百五十名はやはり長野保健医療圏からであって、東信からはゼロなんですよ。その急患の患者の中には、心臓血管外科にかかわる患者もいるわけであります。要するに、東長野病院のある長野保健医療圏と上田市のある上小地域の保健医療圏は、心疾患患者の入通院動向において全く重なり合っていないわけですね。これはもう事実として明確であります。 長野保健医療圏の中で、心臓血管外科のあるのは二つしかないのです。この東長野病院と長野赤十字病院だけであります。長野保健医療圏とともにもう一つ大きな三次医療圏を構成しております北信保健医療圏というのがその北にあるのですが、ここでは一つしかないのです。中野市というところにある厚生連北信総合病院のみであります。心臓手術ができる病院は、三次医療圏で三カ所しかないのですよ。長野市にあるもう一つの、さっき言った長野赤十字病院の心臓血管外科部長は、北信地方全体では、現状でも心疾患患者のニーズにこたえ切れていないという状況を認めているわけであります、もう手いっぱいだと。 こんな状況のときに、年間二百症例以上も心臓血管の手術をしている東長野病院の心臓血管外科部門が廃止されたら、この地域の心疾患患者の頼るべき、行くべきところがなくなってしまうと言っているわけであります。長野市内から一時間もかかる上田まで、これらの心疾患患者が通うことは不可能です。まさに、東長野病院の心臓血管外科というのは、この二十五年間営々と努力をして、長野・北信保健医療圏の六十万郡市民の本当に命を守る灯台の役割を果たしてきた、とりでそのものであるわけであります。だからこそ、東長野病院は、長野地域保健医療計画においても心疾患の基幹病院として位置づけられているわけです。これは厚生省本省も御存じのとおりです。厚生省は一体どういうようにしてこの北信地域、長野地域の心疾患患者、地域住民の命を守る責任を果たそうというのでしょうか、御答弁願いたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今先生、心臓の患者さんが東長野病院にたくさん行っていらっしゃると。国立療養所東長野病院が長野県の方々また長野市の方に大変御評価いただいておる話はうれしく思うわけであります。 ただ、心臓疾患は、心臓外科の手術とそれからその後のリハビリテーションのところが結構時間がかかりまして、それに付随する心臓内科というのと連携をしてやっていく必要があるわけでございます。そういうことで、心臓だけでも心臓外科と心臓内科の連携があるし、それから、先ほど申し上げましたように、手術のときには麻酔の医者も要るとか、それから、術後のケアのときにはほかの全身的な内科疾患を面倒を見る人が要る、こういう多くのスタッフを必要とするわけであります。 現に、東長野病院の方の心臓手術をやっている担当者の方から、私どものところに書類でもって、もう手いっぱいです、助けてください、もうこれ以上はできません、こう言って悲鳴が上がっているものが私どものところへ届けられております。現に、国立療養所というのは、もともと長期療養をするような形として整備がされているわけですから、そもそも心臓外科、心臓内科でフォローしていくということに対しては向く施設ではないわけであります。 そういう意味で、今回、東長野と関係のない東信病院と長野療養所の統廃合にあわせて今度新しく国立長野病院を整備する、そこに心臓外科——今先生は北信地域の心臓外科の話をされましたが、移る先の上田市には、心臓外科の手術はどこもできるところはないという地域なのであります。そういう意味で、国立の立場としては、確かに長野市民の問題も、心臓外科の部門が若干弱くなる、しかし、現にほかには長野赤十字病院というところが、これは国立療養所と同じように、心臓外科の先生は同じ数の三人の方がいらっしゃる。そこも急にばたんとすれば確かに問題かもしれませんが、我々としては、今の段階からお話を申し上げて、そちらの方も受け入れをお願いしますと申し上げているし、上田の方の人は今まで全然なかったところへ今度は新しく心臓外科ができてくるということで、国の立場では、一地域というよりもう少し広く長野県域ということを考えて、我々としては、長野県から心臓の患者さんが困るほど手を引くということではなく、全体のバランスを考えて国立医療機関の整備をやっているということで、この点については、私は理解を得てやっていかなくてはいけないと思っておるところでございます。
○木島分科員 私は、上田市また上小地域に心臓血管外科が必要だ、欲しいということは本当にわかります。それは必要だと思うのです。だからといって、県と長野市から、現に立派な基幹的役割を果たしている心臓血管外科をなくしていいという理屈は全く成り立たぬと思うわけであります。 おっしゃるように、心臓血管外科と循環器科というのは密接不可分だということだと思うのです。また、心臓血管外科の患者さんと医師との関係も、非常にきずなが強いということであります。私は、こういう話も聞きました。東京で心臓の手術を受けたある患者が、そのお医者さんが大阪へ転勤してしまったので大阪に引っ越してしまったという話もあるくらいに、きずなは強いものであります。手術は上田でやって、後のケアは長野でなんというのは、本当に、心疾患患者の気持ちを無視したり、あるいは心臓血管外科の実情を無視する暴言だと私は思うのです。 ここに、全国心臓病の子どもを守る会長野県支部長の北村まさ子さんという方の新聞に載っていた記事がありますので、ちょっと御披露したいと思うのです。 私は二度の手術を受け、十五年たちます。人工弁の寿命が十年くらいといわれていますから、もうじき再度の手術かもしれません。合併症も出てきて、ほとんど寝たきりで、家事も含めて全面的に夫に頼っている生活です。こう言っているのです。 「長野から上田まで、三十五キロくらいだから通える」といわれても、私たちは少しの階段にもエスカレーターが欲しいのに、駅の階段の昇り降りはとてもできません。寒い駅で電車を待つこともできません。 そういう人たちが、人の世話になりながら、不安をかかえて上田まで通院するとなると、本当に大変なことです。 手術を東京で受けたらどうかとすすめられても、地域に全国的にも評価される東長野病院があることを心強く思い、アフターケアのことも考えて、長野で手術する患者さんもいます。 これが現状なんです。厚生省が国の立場で、上田と長野は近いじゃないか、一つで十分だなんという理屈は、現地に行ったら全く成り立たぬわけですよ。そこをしっかり認識していただきたい。 また、私は、術後の問題を言いましたが、手術前の患者さんと心臓外科手術も密接不可分だということで、信濃毎日新聞に本年の一月三十日に出た投書を一つ御披露したいと思うのです。長野市の方であります。 小学二年生の娘は現在、長野市の国立療養所東長野病院へ二カ月に一度、心臓の検査のために通院しています。 五歳の時にカテーテル検査を受け、その結果、翌年の春に手術を受けるように言われました。しかしその後、症状も進まず落ち着いているため、手術はなるべく先へ延ばし、できれば出産した後にすれば最善だと言われています。小学校二年生ですよ。 学校では、かけっこ、長距離、水泳を制限されていて、「見学するのはいやだ。思い切って走りたい」と、泣いて話したこともありました。とはいえ、自分の病気や手術をしなければならないことは分かっていて、最近では「今の病院で手術するまでは、転校したくない」と言っています。 その矢先に、突然、同病院の「心臓血管外科」が廃止されると知り、子供に何と話してよいのか途方にくれています。 親としても、子供が希望する病院で手術を受けるのが、一番安心して任せられると思っていただけに、どうか廃止しないでいただきたいと切に願います。こういう患者がたくさんいるわけですよ。 こういう心疾患患者の親子の願いに厚生省はどうこたえるのか。私は、この廃止の中止以外にないと思うのです。厚生大臣、どうでしょうか。
○小泉国務大臣 国立病院・療養所の再編の問題、これは、大変難航しているというのは長野の問題だけじゃなくて、むしろ国立病院等はもっと全国つくってくれという声の方が強いのですよね。いかに難しいかという問題です。 しかしながら、限られた医療資源というのをどういうふうに効率的に配分するかという問題を考えますと、地元の方々の理解を得ながら、できたら自治体に、あるいは医師会に、あるいは大学等に、経営移譲等を今進めておりますけれども、これもなかなか思うようにいっていない。それだけ、病院というのはできるだけ多くあった方がいいという偽らざる地域住民の気持ちだと思うのであります。 それだけに、関係者等の理解というのをどうやって得るか、そして、国立病院としてやらなきゃならないこと、国立療養所として本来のやるべき機能というものをどういうふうに考えるかという全体的の中で今、国立病院・療養所の再編を進めているわけでありまして、その地域の方々との理解を今後とも十分に得るような努力をしていかなきゃならぬな、そう思っております。
○木島分科員 この東長野病院の心臓血管外科は、非常な努力をして、地域の信望が物すごく高いわけであります。そしてまた、国立病院に経営のことを余り言うのはよくないのですが、非常に経営的にも努力してきておりまして、平成七年度の収支率、九五・六ですよ。退職手当金を除外すると九九・六です。それを入れれば九五・六なんですね。患者が重なり合わないということをさっき私がるる述べたとおりでございます。 そこで、今から十年前、一九八七年に、政府が国立病院・療養所の再編成を求めるために国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律、これを出したときの国会審議において、時の斎藤十朗厚生大臣も、厚生省の川崎幸雄審議官も、再三再四、国立病院・療養所の再編、あのときは移譲、統合でありますが、に当たっては、地元関係者の皆様方と十分話し合いをしていく、見切り発車はしない、関係の皆様方と十分話し合いをしていく、その中には当然医療の施設長を初め関係の皆様方とも御相談をし合っていく、こう答弁しているわけであります。 この前、一九八六年四月十八日、衆議院本会議で時の中曽根総理も、国立病院・療養所の再編については、「計画の実施に当たりましては、地域の医療の確保等について都道府県、市町村等地元関係者と十分協議をして、理解と協力を得ながら円滑に実施したい」こう答弁しています。 さらに、昨年四月、同法改正の国会審議においても時の菅厚生大臣から、「具体的な計画を進めるに当たっては、自治体を初め地元の関係者と各種の機会をとらえて十分に話し合いをして、理解を得ながら進めていきたい」と答弁を繰り返しているわけであります。 この立場は小泉厚生大臣におかれましても当然継承していくべきものと思いますが、念のため、確認しておきたいと思います。
○小泉国務大臣 歴代厚生大臣の方針、立場を継承していきたいと思っております。
○木島分科員 そこで、もう時間も追ってきておりますから私から触れますが、長野県医師会は、一月二十一日までに、既に反対をはっきりさせて、関東信越地方医務局あてに反対の趣旨の意見書を送っています。市医師会も明確な反対の意思表明をしております。長野市も反対、そして、むしろ存続、充実の要望を提出をしております。長野県も同じでありまして、長野県議会は近々、何としてもこれを存続してほしいという決議が全会一致でなされるような状況になっているわけであります。こういう状況であり、今大臣から、地元の了解が基本だと御答弁もされました。 こういう状況をあわせ考えますと、七月一日から東長野病院の心臓血管外科を廃止するということはできるものではないと考えますが、厚生大臣、こんな状況を踏まえて御所見をお願いしたいと思います。
○小泉国務大臣 今までの方針等、できるだけ地元の皆さんの理解を求めながら進めていかなきゃいかぬ、そう思っております。
○木島分科員 今述べた四団体も明確に反対です。もちろん患者団体、そして何よりも、職員の皆さんで構成している全医労長野支部の皆さん、もう絶対反対であります。このような状況が続いている限りは心臓血管外科を廃止しない、手術は続けていくというふうにお伺いしてよろしいですか、厚生大臣。
○小林(秀)政府委員 私どもとしては、地元の県並びに長野市それから県医師会、市医師会の御理解が得られるよう、最善の努力をしていこうと思っております。 そのためには、国は国として国立病院・療養所をどうやって再編成していくのか、それから、一部の医療機関については移譲していくのかという、そういう全体の国としての国立医療機関のあり方の中を御理解いただければ組合関係者の皆さんに御理解がいただけるものと思って、私も誠意努力をしよう、このように思っております。
○木島分科員 どだい、今回の計画は私は無理な計画だと思わざるを得ないのです、客観的に。しかも、半年でしょう。そんなこと不可能ですよ。これまで十年かかって、こんな大事な心臓血管外科手術じゃない、ほかが大事でないという意味ではさらさらありません。それぞれの療養所、病院、非常に大事です。その地域にとって決定的な大事な療養所ですが、こういう心臓血管外科手術をしている基幹病院じゃないところでも、それは廃止できないでいるというのが現状でしょう。 今、地元の患者さんたちの間に大変な不安が広がっているのです。このまま、反対しているにもかかわらず、手術がなくなってしまう、そしてお医者さんが上田へ行ってしまう、そうしたら自分の将来はどうなるのか。本当に、それ自体が心臓疾患患者の皆さんにとってはよくないことです。心配することが一番いけないことです、心臓患者の皆さんにとって。だから、関係団体の理解、了解が得られない間は廃止はできない、そう伺っていいですね、厚生大臣。先ほどの答弁からいくと、当然論理的にそうなるでしょう。
○小泉国務大臣 いろいろ理解を得るための話し合いが必要だと思っております。また、関係者等、それぞれ意見をお持ちですから、ともかくは国の方針そして地元の意向等いろいろ違う点もあるでしょうが、話し合いによって理解を得られる点もあるのではないか、そういう理解を得られる努力が厚生省としても重要ではないかな、そう思っております。
○木島分科員 話し合いをするのは結構です。しかし、理解が得られない、本件はその可能性が客観的に高い。それを踏まえて、廃止しない、そういう場合は廃止できないと一言答えていただきたいと思うのですが、なかなかその大事な部分については局長が遮って答えさせようとしないように見受けられて仕方ありません。 一つだけ、私、先ほどの北村まさ子さんが要請書で述べていたことを御披露いたしまして、時間ですから、ぜひ地元の切なる要望を受けていただきたい、終わりにしたいと思うのですが、こう言っています。 私も昭和五十五年と五十七年の二回の手術を東長野病院でしていただきました。 私たち患者にとって同病院は命を助けていただいた大切な、大切な病院です。 ご存知のように、人工弁の置換手術を受けたものは血液が固まらない「抗凝固薬」を一生飲みつづけなければならず、血液の定期的検査が欠かせません。 少量の出血でも出血が止まらない状態になり常に危険ととなりあわせです。 そのため交通事故には特別に配慮と注意が必要です。 病院の先生方もいつもそのことを心配されて、治療のたびにお話しされています。 いかに高速道路が開通したとはいえ「もしも」のときは、「新設」されるという上田の「新病院」への転送となれば命に関係する危険な状態に常におかれることとなります。 心臓病の患者にとってはいつでも対応出来る専門的な病院が身近に有ることが絶対不可欠なのです。 こう言っているのです。 この気持ちにぜひ厚生省は立っていただきたい。現場のお医者さんたちは頑張っているのですから、こういう気持ちに本省の皆さん、そして、ましてや厚生大臣にも立っていただきますことを、そして廃止は絶対やめてもらいたいことを重ねてお願い申し上げまして、時間ですから質問を終わらせていただきます。
○越智主査 これにて木島日出夫君の質疑は終了いたしました。 次に、岩田順介君。
○岩田分科員 民主党の岩田です。おはようございます。 きょうは、ごみの問題を少々またお尋ねしたいと思って参りました。国土庁と林野庁にもおいでをいただいております。短い時間ですが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 私は今、四枚のパネルを持ってまいりました。これはそれぞれ厚生省、林野庁、国土庁にはお見せをしておりますが、ちょっと見ていただきたいと思います。 一番上の写真ですけれども、上の方に廃車が山積みをされております。それから、下の方には解体をした部品が山のように下積みになっておりますね。これは裏から見た写真です。 これは表から見た写真であります。同じように、廃車の下に二万本とも三万本とも言われているタイヤが下積みになっていますね。 その次の写真は、下の方の埋立地が見えますが、少し黒ずんだところがありますね。これは明確に、シュレッダーを運んできてそこに埋めておりますね。それから、下方の方に立木がありますが、だんだん枯れかかっております。枯れたのもあります。 それから、今大臣が手にお持ちになっているのは、投棄されたというか、そこに野積みされた車のガソリンタンクから、かなりのガソリンが堆積している、まだ残っているのですね、残油が検出をされるというか検証しております。この写真に載っている男性の左の親指の先がこのタンクの中に残っておったガソリンを検証していますね。そこまであったということをこれはやっているわけであります。 この土地は、原野、山林を入れまして二・一ヘクタール強であります。それから、そこの山積みをしている、埋立地にしておりますけれども、これが二千五百平米ぐらいの土地であります。こういう状況でありますが、私は、これは我が選挙区の小さい問題でありますけれども、こういう現状が全国には山ほどあるのではないかと思いますね。そして、規模は小さいのでありますけれども、香川県の豊島の、大変問題になっていますが、いわゆるミニ版であろうというふうに思っているわけです。 それで、地元の御苦労もありますし、住民運動も起こっておりますから、何とか和解できないか、解決できないか、厚生省や林野庁や国土庁をお呼びして何とか知恵はないのかというふうに聞きますけれども、いや、それは厚生省さんです、これは林野庁さんではないでしょうか、これは国土庁が許可したものですということなんですね。これは、現在の役人の方々が悪いということよりも、むしろ、それらの法律が決められた当時の歴史背景と現実がマッチしているかどうかという問題も、後ほど指摘をしますけれども、今のところ手の打ちようがないという状況であります。 これは千五百台ぐらいの車であろうということは消防署の調査、それから、ガソリンが入っているということで危ないというので警告も消防署はしているようでありますが、山林に与える影響は極めて甚大だということは、どの方もそういうふ うに認めているのであります。 さて、こういう状況について一体厚生省さんはどういうふうに思われるか。たくさんあるのでしょうけれども、まずそこからお尋ねをしたいと思います。
○小野(昭)政府委員 御指摘のございました福岡県の事例についてでございますが、私ども、県の方から聞いております話では、廃自動車本体につきましては有償で流通をしているというふうに聞いておりまして、自動車そのものの中には不要部分はあるものの、すべてを廃棄物とみなして廃棄物処理法を適用することは難しいというふうに考えております。 しかしながら、今先生がパネルでお示しになられました、長期間放置をされまして客観的に有用性がないと判断をされるような部分、すなわち、例えば廃タイヤにつきましては廃棄物と判断されるということから、福岡県は業者に対しまして撤去等の指導を強化しておりまして、廃タイヤの保管量についてはかなり減少したものというふうに私どもとしては認識をしておりますが、今御指摘のように、住民の皆様の御不安等々があるようでございますので、今後とも、県と連絡を密にいたしまして、適正な処理がなされるよう指導してまいりたいと考えているところでございます。
○岩田分科員 今おっしゃったように、撤去しなさいと。町長も心配をするし、議会も心配をして、いろいろ業者と接触をしているようですね。直接折衝するのが困難な場面もあるわけですから、これは当然、地元の保健所や県の担当課に折衝を求めているようでありますが。 おっしゃったように、自動車は有価物である、それからタイヤについては、これは廃棄物であろうという認識を示されておりますが、しかし、そういうふうな認識のもとに対応がなされていないというのが一つ問題だったのですね。これは県庁の皆さんを私は批判するわけでは決してありません。つまり、移動するのだ、処理をするまでの一定期間の保管場所であるというふうに言ってしまえば、これは有価物なんですね。タイヤも燃料にするといえばこれは有価物なんですが、ただ、その信用性の問題がありますね。そこに明確に捨ててはならないシュレッダーが捨ててあったり、長期間、明確に廃棄物である解体物が相当量ありますよ。こんなものが客観的に長期化すれば、一部有価物であろうこの廃自動車についても、一般的な常識では問題ではないでしょうか。 それから、例えば私が使い古した自動車を廃棄するときには、二万円か三万円か、場所によれば五万円ぐらい要りますね。買い取った業者は、私に五千円なり三千円なり、これは有価物として処理をしますから買い取りました、しかし、自動車は廃棄物だから廃棄分として処分費用を何万円かいただきましょうというようなことが今常識ではないでしょうか。今、二千円や三千円で古自動車を持っていってくれる業者は一人もいませんよ。 こういう常識から考えて、あなたの今の御答弁は、法律上はそうでしょうけれども、なかなか現実に合ってないという点ではどうですか。
○小野(昭)政府委員 先生の御指摘は、いわゆる廃棄物というものの基本的な認識に関する、あるいは解釈に関する御指摘であろうというふうに思います。 いわゆる廃棄物処理法で言います廃棄物と申しますのは、汚物または不要物と定義をされておりまして、この不要物に当たるか否かの判断といいますものは、占有者がみずから利用する、あるいは他人に有償で売却することができるかどうかということによって行うこととしてきたところでございます。すなわち、物のフローとお金のフローが同一方向であるのか逆方向であるのかということによりまして、御指摘のように、いわゆる有価物になる場合と廃棄物になる場合というのがあろうかというふうに思います。ただ、それは個々の事例によって判断をせざるを得ないというふうに考えております。 なお、御指摘の事例の中の、例えばシュレッダーダストにつきましては、これは有価物か否かということになりますと、通常は不要物ということになりますから、廃棄物としての適正な処理が必要になるというふうに考えます。今御指摘ございましたような点につきましては、さらに県に十分調査をするように依頼をいたしまして、適正な処理に資するようにしたいというふうに考えております。
○岩田分科員 時間がありませんからこの問題はこれで終わりますが、私としては、これは納得いかないというよりも、現地の自治体の責任を持っている方々にはとてもそういう説明では通用しませんよ。ですから、申し上げているように、つまり——今のお答えに私はもう一つ疑問があるのは、それじゃ、そういう状況であっても、あなたの答弁を私は是としたとしても、環境に与えている影響が大だった場合は、やはり同じでしょう。与えていようと与えていまいと、今の答弁は変わらぬわけですね。 ここも、これから先の問題ですが、それはまた他日に譲るとして、今回改正中の法案がありますね。この廃掃法の改正でもって、今私が幾つか基本的な問題提起をしましたが、これの解消はできますか。
○小野(昭)政府委員 近年、産業廃棄物の処理につきましては、不法投棄といった不適正な処理、あるいは最終処分場の設置をめぐります地域のトラブルといったようなことが各地で多発をしておりまして、全国的にも問題になっているところでございます。これらの問題を解決いたしますために、廃棄物処理法の改正等総合的な対策が必要と考えておりまして、廃棄物の減量化・リサイクルの推進、あるいは施設の信頼性、安全性の向上、あるいは不法投棄対策の強化を図るための総合的な対策を基本といたします廃棄物処理法の改正案の取りまとめを急いでいるところでございます。 今先生御指摘のございました本件事例等に関しまして申し上げますと、今回の改正の中で、いわゆるマニフェスト、廃棄物の管理票といっておりますが、マニフェストの適用を拡大するといったような規制強化とともに、各種基準の強化あるいは明確化も検討しておりまして、今御指摘の、廃棄物の保管についての厳格な保管基準等を設けまして、保管を口実とする問題が生じることがないように適正化を図ってまいりたいということで検討いたしているところでございます。
○岩田分科員 今の、いわゆる廃油なんかが流れないように、コンクリート壁を打てだとかプールをつくれだとかということでしょう。この当該問題につきましても、コンクリート壁をつけるなんといういわゆる管理体制は、県もややしているのではないでしょうか。 それから、いわゆる一部有価物である、有償物であるという認識をされてはおりますが、しかし、昨今、エンジンの中からアルミニウムを摘出するという作業みたいなのですが、私は、とてもそれはペイするものとは思えません。それは別において、本人がそういうふうに言っておられるらしいのですけれども、果たしてそういう事実があるのかどうなのか。しかも、局長自身がおっしゃっていますように、放置期間が相当長期化しているという認識もおありのようでありますね。そうしますと、県も、いわゆる現下の市場の形態からいってこれは有価物としては判断できぬだろうという判断を示しているのですよ。 ですから、もう一度さかのぼってお尋ねしますが、県とタイアップして緊密な連携をとってどういうことを強力に、強力というか、どういう体制を、対応をとっていただけるのか、もう一度ちょっとお伺いしておきたいと思います。状況はそういうことですから。
○小野(昭)政府委員 御指摘の点につきましては、平成七年一月から土地利用は開始をされたわけでございます。その後、県へ匿名の苦情等が寄せられる等々がございまして、平成七年六月に保健所、警察署長が業者に対して指導したわけでございますが、このころは廃自動車約三百五十台、廃タイヤ約三万本を確認したところでございまして、平成七年八月に保健所長名によりまして指導書を交付し、さらに、平成八年一月に保健所長名によりまして厳重注意書を交付したところでございます。さらに、平成八年二月に業者が保管場所へのタイヤ等の搬入中止を了解したところでございまして、こういったことで、先ほど申し上げました、いわゆる有価物以外の廃棄物と認知をされるものにつきましては、徹底してそれを撤去するというふうな指導等を強化するように、県とよく調整をしながら進めてまいりたいと考えております。
○岩田分科員 お願いします。 それから、国土庁にお伺いをしたいと思います。 当該の土地は、平成六年、山林と原野を合わせまして二・一ヘクタールくらいですか、二・一ヘクタール強の土地が動いていますね。その際に、これは冒頭申し上げましたが、売買の際には当該市町村長を経て県知事の許可を要する、こうなっています。この件につきましては、売買の際の要件といいましょうか、この山林雑種地の将来の開発目的は山林育成というふうになって、県知事は勧告をするというシステムもあるのだそうですが、勧告もせずにすんなり許可がされているわけです。そうすると、山林育成というのは、容易に想像できるでしょう、こんなものができるとは思っていないのですから、山林育成という目的はどこかに行ってしまって、しかも、こういう先ほどお見せした写真の状況になっているわけですよ。しかも、直後から野積みが始まっています。しかも、周囲を高く塀をして中が見られないようにやっているのを私も見ておりますけれども、どうもここにもやはり問題がありそうな気がするのです。 山林育成ということで買っておけば、後はどんな使用目的であっても何らチェックや行政の監視がきかないというのもいかがなものでしょうか、この点どうですか。
○高濱説明員 福岡県からの報告によりますと、本件の届け出につきましては、平成六年に山林または植林用地を利用目的とする届け出が行われておりますけれども、現在、その一部が廃車置き場として利用されているということでございます。届け出の時点におきまして、届出書の記載とは異なる目的に利用する意図を有していた場合には、虚偽の届け出に該当することも考えられるということでございますので、この届け出につきましては、現在、福岡県におきまして調査を行っているところでございます。 今後、国土庁といたしましても、福岡県と緊密な連携をとりながら、国土利用計画法違反の事実が確認された場合には適切に対処するように福岡県を指導してまいりたいと考えております。
○岩田分科員 それは当然だろうと思いますね。だれが見ても、山林育成で譲渡された土地が、立派な杉の木を切り倒してしまって、埋め立てて、こういうものを持ってきて、一時保管する場所に置いておったのだ、有償だということがまかり通るならば、厚生大臣、これは大変ですよね。だれが山林を守るのか、だれが国土を守るのか。これは小さな面積ですよ。だけれども、全国にそういうものが展開しているということを私も聞いております、大変なんですけれども。 虚偽の申請をしたというのは、どういう場合にそれは虚偽の申請というふうにあなた方は特定しますか。
○高濱説明員 お尋ねの件でございますけれども、これは申請者が申請の時点でどのような意図を持っていたかということを具体的な事例に即しまして判断をいたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○岩田分科員 私は全然わからぬですね。全然わからぬ。先ほどの、有価物であると、一年か三カ月か知らぬけれども、そのうちに自動車を工場に持っていって解体してアルミニウムを摘出するのだから、二、三年だろうが四、五年だろうが、おまえら黙っておけというような理屈と同じですよ、それは。私にはよく理解できませんね。 例えば、目的は山林育成ですから、少なくとも三年とか五年間、一定の期限を切って、そこで別の目的に使用された場合には、明確に国土庁は、いわゆる使用者、所有者には一定の注意をするとか、間違っているという勧告をするとか、いわゆる原状回復を指示するとかというのが本来でしょう。あなたの言うことは、それじゃこの場合は虚偽の目的にはならぬのですね。
○高濱説明員 本件につきましては、現在、福岡県におきまして具体的な調査を進めておるところでございますので、それを、具体的な報告を受けませんと、現在のところ判断できかねるという状況でございます。 なお、国土利用計画法に基づきます土地売買等の契約の届け出におきましては、その時点におきます譲り受け人の土地の利用の意図について届け出を求めるということでございまして、届け出後、契約締結後の土地の利用につきましては、それぞれの個別の法律におきまして規制をする、こういう仕組みになっているところでございます。
○岩田分科員 時間がありませんからこれ以上言いませんが、個別の法律で規制をするから間違っていくのですね。総合性がなくなっていく。国土を保全するとか緑を保全するとかというのは、個別の法律で守られていないからこういう問題が出てくるのですよ。 時間がありませんからもう一つだけ言っておきますけれども、県知事に対して、現在の所有者は、譲り受ける場合に念書を出しているわけですよ、念書を。これこれの皆さんから譲り受けた、この土地は使用目的については申請のとおりの利用目的といたしますと。あえて念書を入れたというのも、これは何か、おもしろいというか、うかがえるもの、うかがわしいというか、いかがわしいじゃありませんよ、何か情景が思い出されますよね、あえて念書を入れているわけですから。ですから、ちゃんと福岡県と協力、福岡県を指導して、今あなたがおっしゃった私の質問に対しての答弁も、早急に結論を出していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 ちょっと時間がなくなってしまいましたけれども、もう一つ、林野庁にお伺いをいたします。 林野庁の場合は、これも国土庁と同じで、森林の機能の向上のために森林や林地の保全と利用をどうするかという建前で法律ができていることはよく知っています。林野庁から現地にお見えいただいておりますけれども、手も足も出ないと言ったら失礼になるのですけれども、今の林野庁の立場からは、これを撤去したり原状回復したりするという命令すら出せないという状況にあるのですが、これはどうなんですか、林野庁。
○松本説明員 林地開発許可制度についてでございますが、森林法に基づく林地開発許可制度と申しますのは、森林の有する国土保全、水源、水資源の涵養等の機能を阻害しないように、林地開発の適正化を図るとの観点に立ちまして、特に公益的機能に与える影響の大きい一定規模以上の開発を規制することを目的として設けられているものであります。 具体的に申しますと、土石または樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為で、その規模が一ヘクタールを超えるものにつきまして、土砂流出や水害等を発生するおそれがないか、水源の涵養等の面で著しい支障を及ぼすことがないかといった観点から事前に審査を行うものであります。 本件につきましては、〇・二五ヘクタールの資材置き場を設置して廃車等を置いているというものでございまして、したがいまして、本件は森林法に基づく林地開発許可の対象とはならないものであります。
○岩田分科員 対象とはならないと。国土庁も、今からやりますと。厚生省も、有価物については問題だけれども、マニフェストで完全にできるとはおっしゃらなかったですね、できるのじゃないかと。 ところが、林野庁が今おっしゃったように、一ヘクタール以上、これもわかりますよ。百平米だとか千平米だとか大小さまざま、一々あなた方がチェックするということにはならぬと思うが、そ れはわかるのですよ。しかし、状況は、冒頭申し上げましたが、こういう現象が全国の山林の至るところにごまんとできつつあるわけですよ。法の網をくぐってそういうものが乱発されているというふうに見てもいいと思います。 この地域も、山林はどこもそうですよ。ごみを捨てたいな、土地の安いところに持っていって産廃を捨てたいと。ですから、逆に言えば、すばらしい自然の環境がねらわれているわけですよ。ほんの近くにも、これはまたブルドーザーが入っていますよ。四、五年前には大変大きな問題が同町でもありましたよ。もう連続ですよ。銀座ですよ。 ですから、今おっしゃっていることも、私は、法が建前としているところから考えるとわかりますが、水資源は一体どうするのですか、水の汚染はどうするのですか。大小にかかわらず、同じ谷間、同じ水系に七つも八つもこの一ヘクタール以下ができるという現状を私は心配するからこの問題を、小さいのだけれども、これから先重要な問題だというふうに指摘しているのですよ。ぜひともそれは肝に銘じておってほしいと思いますね。 ですから、もう一つお聞きしたいのですが、大臣、国土庁、林野庁等は、かかる問題については、昭和四十年代にできた法律、法律改正された背景がありますね。つまり、日本列島改造という大きなうねりの中で、開発を前提にされた法律改正なんです。ですから、今日ほど、これは国際的にも国内的にもそうですが、環境がキーワードという時代ではないのです。いかにして高度経済を土地を利用して活性化して押し上げていくかという背景の中でできた法律ではないかというふうに思います。ですから、御答弁いただいた若い方々は矛盾を持っておられるということを、私は、何回か部屋に来て議論するときにつくづく感じました。 そこで、林野庁は、これから先、共同研究などをされて、山をどう守るかという点について御苦労なさっている点があると思いますが、これはやはり地域の住民や自治体や土地の所有者まで含めてどうするかという体制を組んでいく、そういう体制の中で自治体も、おれのところだけはごみをやらないという体制ではなくて、おれのところのごみはおれのところでちゃんと処理をしようという建前が必要になってくるわけであります。そうでないと、局長、厚生省の分野でごみの問題は絶対に解決しません、厚生省だけでは。もう既に限界を超えていると私は思いますが、それぞれ聞きたかったのですが、林野庁にその点お聞きしたいと思います。いかがですか。
○松本説明員 私どもの林野庁におきまして、森林の持つ機能が十分に保全され、あるいは利用が高度化されるためにはどのようにしたらいいかという問題意識に立ちまして、平成六年七月に幅広い分野の有識者から成ります林地問題研究会というものを設置いたしまして、検討を行いました。その結果、平成七年九月に、「都市近郊等における林地の保全・利用に関する提言」として取りまとめられたところでございます。 この中で、林地における廃棄物の投棄の問題につきましては、引用させていただきますが、「廃棄物の不法投棄は、都市近郊の林地等を中心に多発しているが、投棄者の把握・確認が困難であるため、関係法令上の取り締まりも効果を発揮し難い。」という認識が示されております。また、「土地所有者、住民等の合意の上で地域全体の土地利用計画が作成されるような場合には、住民意識も高まり、その監視機能も強まっていると考えられる」としております。また、地方公共団体における関係部局間の連携の強化が望まれる、こうしております。 こうした点で、先進的な事例でございます静岡県掛川市の事例、これはどういう事例かと申し上げますと、条例に基づきまして、住民の合意による下からの計画づくりと諸制度を適切に組み合わせまして、自主的な土地利用計画の実効性を高めている事例でございますが、このような静岡県掛川市などの先進的な事例をこの提言は高く評価しております。 以上でございます。
○岩田分科員 今、駆け足で幾つか質問をさせていただき、また問題提起もさせていただきましたが、全く不十分です。 いわゆる土地を守る、森林を守る、環境を守るということについて、今、守るべきはずの法律と現状がやや乖離がある、時代背景が違っている。それともう一つは、お尋ねをしましたように、必ずしも行政が縦横一体化していない、政府は一本であるという実感が薄れてきているのではないか。縦割り行政の弊害と言う人もいますが、私もそういうふうに、この小さな問題をとってみても思いますが、最後に、厚生大臣の御感想、御所見をいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 廃棄物行政は一省庁だけではとても無理だという、今、御質問を伺っておりまして、感じております。同時に、生活環境保全というのは今大きな国民の声だとも思いますし、大量消費、大量廃棄でいいのかというごみの減量化の問題、各省庁が連携をとって生活環境保全という点から考え直していかなければならぬなと思っております。
○岩田分科員 ありがとうございました。
○越智主査 これにて岩田順介君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○桜井(新)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。 厚生省所管について質疑を続行いたします。奥山茂彦君。
○奥山分科員 私は、自由民主党の京都三区から初めて出させていただきました。ひとつよろしくお願いします。 実は、私もトップバッターの江渡議員と一緒で、特別養護老人ホームの経営をしておるわけであります。そんなことで、言おうか言うまいかと思っておりましたけれども、どうしても、これは厚生大臣は耳がたこになるほど聞かされておられるわけなんですけれども、やはり岡光問題につきましては、我々設置者の仲間というのは本当に腹が立っておりまして、このことはぜひとも厚生大臣のお耳に入れておくようにということで、特に介護保険問題も含めまして、高齢者福祉対策について質問をさせてもらいたいと思います。 実は、この間もある方が私のところに見えまして、特別養護老人ホームをやりたい、このようなことで、私は京都市ではありませんが、早速京都市の方の高齢者対策室へ申し上げました。そして、その条件はどのようなものかということを説明してあげてほしいという話をいたしました。 もちろん、その用地は自分が提供をしなければならぬ、これは社会福祉法人の財産となるわけでありますし、そして、五十人規模の施設になりますと、最近では大体八億から九億くらい建設費がかかる、こういうことでありました。そして、建設費と開業に伴う諸経費等を入れて、ざっと五千万くらいは自己資金として用意をしてもらわなければならぬ、こういうふうなことを言われたわけであります。最近でも、特別養護老人ホーム等の施設をつくりたいということになりますと、このくらいの自分の負担をしながら我々はその事業に入っていく、こういうのが通常の姿ではないかと思います。 ところが、この間から、こういった事件を契機にいたしまして、特養がもうかるとかもうけているのと違うかとか、こんな話が世間で出てきたり、そしてまた入所者にまで、あんた、もうけているのだったら、もっと私らにサービスしてくれんかいな、こんなことを言う入所者もあるわけであります。だから、設置者にとっては踏んだりけったりのこの間からのこの一年余りのことでありました。 そこで、そういった問題も含めまして、社会福祉法人は理事会制になっておるわけでありますが、理事会のあり方も、今はその中に当然設置者あるいは関係者が入るわけでありますけれども、この間からは、例えばボランティアの代表が入るとか地域の代表が入るとか、いろいろな方を理事会のメンバーに入れろという話が厚生委員会であって、理事者の皆さんもそれは考えねばいかぬなというような議論になっていたように思うわけであります。 ところが、この理事さんというのは、何らかの形で全部、資金的な負担をしたり、いろいろな形でその施設に、自分たちの財産を出したりいろいろなことをしておるわけであります。そういうことからいうと、口は出されて、しかもその経営上におけるリスクも背負わない人が理事会に入ってくるということが、果たして設置者側にとっては了解できることであろうかというような話までいろいろあります。 そんなことやらいろいろ含めまして、今日の高齢者福祉対策というものは、三年から、地域によっては五年ぐらい入所を申請しながらずっと待っておられる方々も非常に多い、高齢者問題の非常に深刻な一端がここにもあるわけであります。こういった問題も含めまして、冒頭に厚生大臣の御見解をひとつお尋ねしておきたいと思うのです。
○小泉国務大臣 昨年来の厚生省不祥事によって、特別養護老人ホーム、日ごろから現場で苦労されている方々に大変な迷惑をかけたということについては、本当に申しわけないと思っております。 特に、今委員御指摘のように、特別養護老人ホームを経営している方々が、みんなあのような小山容疑者みたいな形になっているのかというあらぬ疑いをかけられた。本来は使命感に燃えて特別養護老人ホーム経営に携わり、そしていろいろ現場で苦労されている、その苦労が台なしになったという批判、御意見を多数いただきました。それだけに、あの問題は大変大きな後遺症を残したわけでございますが、厚生省としても、あのような一部の、今の補助金制度を悪用することによってこういう不祥事をしてかしたということを深く反省しまして、いろいろ業務の再点検を進めて、二度とあのような事件が起こらないような、それぞれの業務の再点検を行ってきたわけであります。 そういう中で、逆に、選定手続やらあるいは運営のあり方、余り規制を強めてしまったら本来の善意が生かされないのではないかという、また逆の心配も出てきているのは事実であります。本来は善意の篤志家によって、この特別養護老人ホームを経営しようという方が当初はかなりおられて、そういう方のいわゆる自主性に期待していた面もあったわけでありますが、そればかりでもいかぬということで規制の点も考えなければならぬということでありますけれども、今後は、経営のあり方に対する透明性そして手続等の適正化、そういうことに配慮を払うと同時に、もちろん、意欲を持ってそのような仕事に従事される方の自主性、積極性をどう生かしていくかという点にも十分配慮していかなければならぬなというふうに感じております。
○奥山分科員 そこで、ただ、自由民主党の方の見直しの議論がなされたときに、施設の経理面へは、外部監視制度というのですか、そういうものを導入しなければならない、そんな議論がありまして、この間の報告書にもそういうことが出されておった。これは私も、大いにやらなければならないと思うのです。どうしても、あの施設の経営というのは身内ばかりで固めてしまいがちになるわけでありまして、そういう意味では、経理面はやはり外部からの監査というのをきちっと受けていかなければならないし、みずから姿勢を正していかなければならないかと思います。 いずれにいたしましても、特養は幾らつくってもなかなか待機者が減らない。本当に地域によっていろいろですけれども、大きな都市になりますと三年以上は待たせるのが当たり前だというふうな深刻な状態になっておりますので、新ゴールドプランの中でもこれは重点的にやってもらっておるわけでありますが、これはやはりもっともっと民間のボランティアが参入しやすい状況をつくってもらう必要があるかと思います。 そこで、今回介護保険が出されておるわけでありますけれども、これもいろいろ議論が出ておりますけれども、できるだけこれまでの議論とは重複は避けたいと思います。 平成十二年には六十五歳以上の方が二千百八十七万人、それから七十歳以上は千四百七十八万人、七十五歳以上が八百八十八万人の方々がおられるわけでありますけれども、この中でこの保険の受給を希望される人がどのくらいあるかということでこの間からいろいろ聞いておりました。その中で、要介護者の四〇%ぐらいが受給をしたいというふうに希望をされる、大体八十万人ぐらいがその対象になるのではないかという推定の数字があるわけでありますが、これは我々も一般的に考えまして、四十歳以上になって、大体六十五歳以上ぐらいが対象になるわけなんですけれども、やはり保険に加入すれば、だれしもが積極的にこの介護を受けたいというふうな気持ちは一応持たれるのではないかと思います。 そうすると、現在でも八十万人、これはもっともっと実際には、その介護の受給者になりたい、してほしいということがふえるのではないかというふうに思うわけでありますが、もしそういうことになってくると、今でも非常に難しい、いわゆる保険制度があって介護なし、こういう状況がますます深刻になるのではないかというふうに思うのですが、この点についてはいかがですか。
○羽毛田政府委員 介護を要する人たちの中でどれだけが介護サービスを希望してくるかということにつきましての、今先生お挙げになった数字は在宅サービスについての数字でございます。在宅サービスのうちで、先生お挙げになった数字は、あれは言ってみればサービスの総量でございます。必ずしも八十万人がフルにということではなくて、いろいろな要介護状態がございますから、それに応じて介護サービスの量というものがそれぞれ違いますので、そういう意味でいけば八十万人分と申し上げた方がいいかもしれませんが、延べの数字と考えていただければと。 いずれにしましても、しかしこれは介護サービス、特に介護保険ができました後におきましては、だんだんに給付水準も上がってまいりますし、それから、それに応じていわゆる介護の需要というものも掘り起こされてくるということでふえてまいります。したがって、これに応じて新ゴールドプランをまず達成すべく、その推進に全力を挙げてまいりたいと思っておりますけれども、その後においても、つまり介護保険ができました後におきましてもその需要が増加をするということを踏まえまして、この法案の成立をいただきましたら、早速に各自治体に考え方をお示ししてそれぞれ地域での介護需要というものの予測をつけていただいて、介護保険制度施行と同時の十二年度からまた新しい事業計画をつくって、引き続きそれぞれに見合った整備を進めていくという考え方で進めてまいりたいというふうに考えております。
○奥山分科員 それと、もう一つ懸念をしますのは、ホームヘルパーさんが平成十二年度で十七万人体制というふうになっておるわけでありますが、我々も福祉の現場で見ておりますと、もちろんそのホームヘルパーは数の上ではかなりふえておるわけであります。ところが、この十七万人の内容を見ますと、フルタイムで働ける方がたしか三割でパートが七割、こういうふうなケースになっておるということを聞きました。このパートさんも、登録はしておるけれども実質的には業務についておらないという方の数も大分含まれておるのではなかろうかと思うのです。これは実際、地方自治体のパートの人数はそういうものも皆入っておりますから、そういう場合に実質的な活動、実働の人員というのはこれからかなり減るのではないか。 それで、在宅介護を受けるケース、パート一人五名ぐらいのケアを対象にしているということなんですが、最近の需要として、夜間あるいは休日、これらのケアもひとつお願いをしたいというふうなケースもかなり需要が多いわけであります。そういうことになってくると、保険を実施することによってパートによるケアがきめの粗いものに逆に今度はなるおそれがあるのではなかろうかと我々は心配をするわけでありますが、その点はいかがですか。
○羽毛田政府委員 ホームヘルパーの稼働の形態でございますけれども、先生今御指摘のありましたように、これは極めて正確にということではありませんけれども、おおむねの形態でいえば、現在三割が常勤、七割が非常勤という状態であること、そのように私どもの方も把握をいたしております。これは必ずしも私ども常勤ですべてやるというよりも、むしろ在宅で介護を要しておられる方々の需要と申しますか、それはさまざまでございますから、先生お挙げになった早朝だとかあるいは夜間だとか、こういったことへの対応というようなことを考えますと、いわゆるホームヘルパーさんの勤務形態はむしろ弾力的にした方がいいのではないかなというふうに思います。 ただ、そういいましても、現実に稼働を全くしていない、登録だけという、今先生のお話もございましたけれども、効率的にヘルパーさんが稼働していないという事態は、これはやはりぐあいが悪うございます。したがって、いかに効率的な稼働をしていただけるかという工夫というものはこれからもしていかなければなりませんし、現在も、例えばで申し上げますと、いわゆる非常勤のヘルパーさんと、それから基幹になりますヘルパーさん、主任ヘルパーさんと言っていますけれども、それを組み合わせたチームによりましてチーム型のホームヘルプを実施するとか、それからホームヘルプとそのほかの業務を組み合わせてやるとか、そういった工夫も今やっております。 さらに今後、介護保険ができますれば、むしろそういう勤務形態を個別であれするのではなくて、あくまでも今度は事業者としてのホームヘルプ業をする事業者を指定すれば、その事業者が提供するサービスに対してお金を払うという仕掛けに保険がなるわけです。そうすると、それぞれの事業者がみずからの経営と申しますか、その中でいかに効率的にできるかというようなことは、保険をすることによりまして、むしろそういう誘因が働いてくるということになると思います。 そういった事業量に応じた保険の払いということをにらみまして、現段階から少しそういう事業費補助的な方向に持っていくというような工夫をする中で、ヘルパーさんが働いて、しかも今度のあれの中でいけばモデルの中にもそういう考え方を言っていますけれども、余り回数を行かないから、滞在型でずっといなければならないということを、逆に巡回をされるような形で、ある種の状態の方々は朝と夜と行くというような形で二回行く、そのかわり一回当たりの時間は短時間であるという機動性、弾力性を持たせた形でヘルパーさんに働いていただくというようなことも含めまして工夫をしていくというようなことを、現在もそれから特に介護保険後をにらみましてやっていかなければならないということでやりたいと思っております。
○奥山分科員 いずれにいたしましても、せっかく介護保険が実施されて、かえって介護の密度が落ちるということのないように、ひとつ十分な御配慮を願いたいと思います。 そこで、介護の一端としていわゆるデイサービスがあるわけでありますけれども、これを経営者側から少し見てみますと、早い話が、まじめにやると赤字になるわけです、一生懸命にやると。 それはなぜかというと、これは措置費が定額払いになっておりますから、頑張ってたくさんの方にデイサービスを受けてもらうと、逆に今度は赤字が出てくる。だから、少な目に、大体平均すると、今一日一回十五名が基準になっておるわけなんですけれども、実質的には十二、三名ぐらいのケースが非常に多いわけであります。これがさらにどんどん地域によっては需要がふえてきて、もうちょっとたくさんとってあげたい、してもらいたいというふうにいいましても、来てもろうたら来てもろうた分だけ結局その施設が赤字になっていく、こういうケースがあるわけであります。 それと、厚生大臣、もう一つ、これは聞いてもらいたいのですけれども、特養の場合も、最初、開業してスタートした時点では、十年ぐらいまでは比較的財政状態がいいわけです。それからその先になりますと、今度はどんどん施設の負担が、自己負担がふえてくるわけです。 それはなぜかというと、人件費にお金を投入していかなければならない。開業して何年もたちますと、古い職員が当然これは多くなってくるわけですけれども、職員というのはやはりそれなりのベースアップをずっとしていかなければならないわけでありますが、それに対応する人件費が出てこないわけです。だから、そうなってくると古い職員を入れかえなければいかぬ。 ところが、最近のように痴呆性の方々をどんどんとらなければいかぬということになってくると、なおさらベテランの職員が要る。ところが、ベテランの職員をたくさん抱えれば抱えるほど、その施設は自己負担が大きくなって赤字になっていく、こういうふうなシステムに実は今なっておるわけであります。 その辺の定額的な措置の仕方ということじゃなくて、やはりそれなりの応能的な出来高払いというのですか、そういうふうな体制に何とかしていただかなければ、施設は、一生懸命に頑張った、それが報われないということにもなってくるわけでありますので、ひとつその辺は十分心して、これからの対応というのを考えていただきたいと思います。 それから、私は余り時間がありませんので、もう一つは、保育事業についてちょっと触れてみたいと思うのです。 厚生省は、緊急保育五か年事業というのが現在進行中でありまして、これも新ゴールドプランと同じように、平成十一年度までの一定の目標が示されておるわけでありますが、これは、新ゴールドプランに比べてかなりその到達度が低いわけであります。 ちなみに申し上げますと、多機能保育の場合は、平成九年度で約三百カ所、これが目標は一千五百であります。地域子育てセンターは、九年度で六百、これが三千に目標数字はなっておるわけで、あと二年しかもうないわけですね。到底この緊急保育五か年事業の達成は十一年度には無理だというふうな状態になっておるわけであります。 これに基づいてそれぞれの自治体の地域の保育ネットワークづくりも今ずっと進められてきたにもかかわらず、なかなかそこまでできないというふうな状況もあるわけでありますので、その辺についてはどのようにこれからされていかれるのか、お尋ねしたいのです。
○横田政府委員 緊急保育対策等五か年事業につきましては、エンゼルプランの一環として平成七年度から十一年度までの五カ年計画としてできているものでございます。 ことしてちょうど発足以降二年目を終わるということでありますが、現時点での実績を見ますと、項目によりまして、予算で計画したとおり進んでいるところもございますし、また御指摘いただきましたように、地域子育て支援センター等につきまして、目標を若干下回っているものもございます。計画そのものにつきましては、後年度、量的に多く整備するような計画になっておりますが、二年目までの時点といたしましては、地域における浸透度等もありまして、こういった状況になっているのではないかというふうに考えております。 私どもといたしましては、九年度予算におきまして二千四百三十一億円、対前年度比一一・二%というような予算を確保いたしまして、国としての積極的な姿勢を示すことによりまして、何よりも自治体あるいは保育所等が積極的に取り組んでいただくような環境条件を整備してまいりたいというふうに考えております。 さらに、今後保育所制度の改善、見直し等も行うことによりまして、この目標達成に向けて着実に努力してまいりたいというふうに考えております。
○奥山分科員 そこで、今回保育制度が改革されるということで、今その準備を進めてもらっておるわけでありますけれども、この保育改革で、いわゆる今度は利用しやすい保育、利用者側にとっては選択できる保育制度ということになるわけであります。 これまでは、いわゆる地方自治体による公的措置をし、そしてすべて入所もそれぞれの福祉事務所を通して措置をする、こういうことになってくるわけでありますが、ここにいわゆる、かつていろいろ言われた自由契約的な要素がかなり取り入れられるわけであります。そういうふうな中で、いわゆる利用者、保育所それから地方自治体のその関係がちょっとあいまいになってくるのと違うか、こういうふうな心配をそれぞれの地方の自治体でしておるわけであります。 それが一つと、それから、地方自治体の保育事業というのは、相当それぞれの自治体が超過負担分、いわゆる超過負担を負いながら保育事業が実際には営まれておるのが実態であるわけであります。特に、保育料というものがかなり、地域によっては地方自治体が足して安くして今一般の市民に利用されておる、こういうふうな現実が一つあるわけであります。だから、今回のこの新たな改革によって、地方自治体がその責任を、負担を少しでも引いてしまう、そういうことがあってはならないわけでありますので、その辺についても十分心してやっていただきたい。 それから、今回は、いわゆる選択制ということになってくると、保育園同士の競争に当然なってくるわけであります。今、保育所同士でどんな競争をしているかといいますと、例えばマーチングバンドですね、こういうのを各保育園につくって、それで競争しておるようなところが非常に多いわけであります。だから、そんなことがあったり、あるいは建物をちょっとでもよく見せたり、プールをつくってみたり、中には、もしこういう状態になったら、保育園でひょっとして英語を教えるような保育園が出てこないとも限らないわけであります。 そんな、本来の保育事業をそっちのけにして、保育園同士が父母に対して目を向けていくということになってくると、競争の内容が、我々が期待したところへ行かずに、変なところへ行ってしまうおそれが少しばかり感じられるわけでありますが、こういった点も含めて、最後にお聞きをしたいのです。
○横田政府委員 現在、保育所制度の改革等を内容といたします児童福祉法等の改正について検討いたしておりますけれども、この中におきましては、入所の方法につきましては、先生お話がございましたように、従来の行政処分による入所措置という形から申し込みによる利用契約、選択型の方式に変えることを検討いたしております。これによりまして、公的負担等が後退しないように私ども努めてまいりたいというふうに考えております。 それからまた、選択制によりまして今度は保育所が選択されるということで、それぞれ特色を出す努力をする、あるいは創意工夫が促されるということでいろいろな点が出てこようかと思います。 先生御指摘のありましたような、保育所指針を基本として保育は行われているわけでありますけれども、これから大いに逸脱するというようなことがあるかもしれないという御心配でございますが、私どもといたしましては、基本的には親御さんの良識といいますか、判断というものをどのようにしていただくのか。また、保育所に関するいろいろな情報を公開いたしまして、それによって判断をしやすくする。あるいは、学校のPTAではございませんが、保育所に父母会等の設置を普及していくことによりまして、親御さんの意見が保育所の内容に反映されやすいような形を考えていくことによりまして、本来の保育指針の理念に沿った保育が行われるようなものにしてまいりたいというふうに考えております。
○奥山分科員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○桜井(新)主査代理 これにて奥山茂彦君の質疑は終了いたしました。 次に、並木正芳君。
○並木分科員 埼玉八区選出、新進党の並木正芳でございます。 小泉大臣、先日の本会議におかれましては、郵政三事業に対しまして大変信念にあふれた御答弁をなされました。感心させられたわけでございます。きょうは郵政三事業の方ではなくて、所管の問題についてお聞きしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 大臣は、ダイオキシンについてはよく御存じのことかと思います。あのベトナム戦争でジャングルを枯らそうということで、いわゆるオレンジ剤、余りいい名前じゃないですけれども、オレンジ剤という名称でまかれた枯葉剤。その後ベトナムで奇形児等が大変多量に出産されるということで問題になった、史上最強の猛毒物質と言われている薬でございまして、青酸カリの一万倍ぐらいの毒性、あるいはサリン、あの大量殺人で使われたサリンですけれども、その二倍ぐらいの毒性があるのじゃないかと言われております用意図的につくるものではなくて、いわゆる除草剤等の化学製品の不純物であったり、あるいは有機塩素系のごみを燃やすことによって合成されるという、大変厄介なものなわけでございます。 このダイオキシン、今ベトナムの問題ではなくて先進工業国の問題となってきたわけでございますけれども、まずこのダイオキシンについてどのような認識を持たれているか、その薬そのものへの認識についてお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 ダイオキシンについては私は専門家ではありませんが、強い毒性を有する化学物質である。現に日本でも既にこういうダイオキシン対策を講じなければならないということで現実の問題となっているという点は承知しております。 毒性を持っておりますから、いかにこれをなくしていくかが重要なことでありまして、厚生省としてもこの問題、広く先進国に共通する問題であり、なおかつごみを処理するというときに予期しない形で出てくるという点もありまして、この問題につきましては強い関心を持っております。 今後とも、都道府県を通じまして市町村に対して排出削減を強力に指導していかなければならないと思っておりまして、ことしの一月にごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドラインを取りまとめたところであります。今後とも、この排出削減に対しましてしかるべき指導を強めていきたい、そう思っております。
○並木分科員 このダイオキシンの汚染問題は、今全国いろいろな場所で起きているわけでございますが、ここからわずか三十キロ以内のところ、私の選挙区を中心とする所沢、狭山市あるいは川越市、入間郡の三芳町、大井町、関越自動車道ですと練馬からわずか十分ぐらいで所沢インターというところに到着するわけですけれども、それを出たところに今ダイオキシン汚染問題が起きております。 大臣に、百聞は一見にしかずで現場に行っていただければよろしいわけですけれども、なかなかそうもいかないと思いますので、パネルをちょっとお借りしてきたわけなので、ごらんいただければと思います。 こうした武蔵野の雑木林といいますか、昔、国木田独歩の「武蔵野」という名作がございました。そうした雑木林の中に、わずか五百メートルぐらいのところでございますけれども、産業廃棄物の焼却炉が十五カ所ぐらい集中して建っております。くぬぎ山という大変いい名前で呼ばれているところなんですけれども、現状はこの写真をごらんになってもわかるように、大変森がかすんでおります。また、こうした赤茶けた状態で、大変塩素系のガスが出ている。そのために、単純に冬枯れでないような、木が大変たくさん枯れておりますけれども、そのような状態になっております。 もっと大きく写しますと、こういうふうな森の中に、焼却炉の周りじゆうにごみが大変積まれておりますけれども、先ほどのを大きくした写真がこういう状態であります。そして、さらに大きくしますと、こういった炉から煙がもくもくと出続けているわけですけれども、こうしたような状態です。現場に近づきますと、このような形で山が大変枯れている様子もわかるわけですけれども、こうした建築廃材を中心に燃やされているということであります。 ダイオキシンというのは、有機塩素系の化合物を燃やすことによって発生する。この建築廃材につきましては、今新建材というのも大変多いわけです。したがいまして、この建材を腐らせないようにする防腐剤だとかカビを防ぐ防カビ剤、あるいはシロアリを駆除する薬、こういうものがやはりこういう建材の中にしみ込んでいるわけですけれども、いずれも有機塩素系の薬でございます。 そういうものが燃されている。しかも、いろいろ塩ビの管だとか、ここにちょっと見えにくいかもしれませんけれどもまじっておりまして、こういう状態で、塩ビ管とかビニール系のラップだとかさまざまなものをすべて分離して燃やすのはほとんど不可能に近い状態だと思います。 そういうことで小型焼却炉が一いろいろ野焼きもやっていたわけです。こういう燃えかすを出したものですけれども、野焼きをやっていたということで、野焼きは好ましくないということから今度は小型焼却炉を設置する、そういうふうになっているわけです。 この小型焼却炉、大変高温で燃やすということが難しい。しかも安定的な燃焼が難しいということでありますから、そうした状況を考えると、ダイオキシンがかなり発生していることが考えられる状況であるということでございます。 案の定といいますか、摂南大学の宮田教授という方に調べていただいたのですけれども、この焼却炉の残りの灰から四千ピコグラム、一兆分の一グラムというのがピコグラムというそうですけれども、大変高濃度のダイオキシンが検出されました。また、周辺からも五百ピコグラムというような、これまた高い濃度のダイオキシンが検出されております。さらには、北風が今ごろよく吹くわけですけれども、その北風が、ちょうど風向きがここから向かっていく四キロメートルぐらい先のところに所沢航空公園というのがございます。これは日本で最初に飛行機が飛んだという最初の飛行場でございますけれども、今子供たちがこういったところで遊んでいるわけです。そこから九十三ピコグラムものダイオキシンがやはり検出された。 ドイツの基準を持ち出すのは恐縮ですけれども、ドイツでは百ピコグラムになりますと、もう直ちに子供たちの接触を禁じる、立入禁止にしまして、そして覆土をする。このぐらいの濃度のものが、日常市民が、国民が憩いの場としている場所から発見されたというようなことでもありますし、また、六キロぐらいのところにこの煙の大きな影響があるとも言われております。そこの中に、百ぐらいの幼稚園とか保育園とか、そういう学校等の保育、教育施設がございます。また、その六キロ圏をやや出たところを合わせますと、三百ぐらいのそうした教育、保育施設がある。このような今住宅化が大変著しい場所でもありますし、そういった点で、この住民の方はもう日夜不安にさいなまれている、今の危険を感じている、こういう状態であるということを大臣にぜひ知っていただきたいわけであります。 そこで、厚生省の方は今まで、これは正直申し上げまして、ダイオキシンに関しましては対応がおくれていたというのは事実じゃないかと思います。先ほど大臣のお言葉にもありましたけれども、ごみの問題は自治体が中心になってやることである、あるいはこの毒性についても、まだまだ世界的に確定されていないのだというような態度があったかと思います。しかし、厚生省の歴史の中でもさまざまな薬害と戦ってこられたわけです。その都度、残念ながらと申しますか、もうちょっと厳しく考えていけばよかったというような問題も、それは技術的な問題等もあったわけですけれども、多かったと思います。そうしたことをやはり反省して、薬物の問題というのは、危険の潜在性というのを予見して周到な対策を講じなければならないのじゃないか、私はこのように思うわけであります。 私は、実は選挙中に薬害エイズの問題がありました。そういうことで、薬害エイズ、薬業界に気を使って、一人一人の命を結果的には失わせしめてしまった。そういうようなことで私は、お一人お一人の命を守ってくれる、暮らしを守ってくれるというのが厚生省じゃないか、しかもお年寄りの問題も厚生省が預かっている、これから高齢化時代も来る、そうした中で一人一人のお年寄りの暮らしと命を本当に厚生省は大切にしてくれるのだろうか、大切にする行政でなければならない、このような訴えをさせていただいたわけなのですけれども、選挙が終わってすぐに、お聞きになりたくない問題かもしれませんけれども、岡光次官の問題とか茶谷氏の問題が御存じのとおり発生しました。案の定と言っては残念なのですけれども、非常にそうした面で、そうした危惧が当たってしまったということでも、私としても残念に思っております。 そのような意味で、国民がとにかく助けてくれ、何とかしてほしい、そしてやはり相当危険なのじゃないかと。ベトナム等の症例でも既に明らかになっているわけです。そのような状態にあるわけでありまして、ぜひその辺について、今後の薬害等に取り組む厚生省の姿勢、それを大臣から抱負も含めてお聞きできればと思います。
○小泉国務大臣 薬害という観点から今のダイオキシンというのは若干違うと思いますが、人体に害を与えるという点においては同じ面が強いわけであります。 今、いろいろ写真を使って拝見させていただきましたけれども、これを放置できる問題ではないと思っております。深刻な毒性、影響を考えますと、何とかこのダイオキシン排出をとめ得るような方策がないものか、いろいろ関係者等から御意見を聞きながら、早急にどういう方法がいいのか考えるときに来ているのではないか、そう思っております。
○並木分科員 先ほどダイオキシンの対応はおくれているというようなお話は申し上げましたけれども、厚生省でもごみ処理に係るダイオキシン削減対策検討会、こういうものを設置していただきました。昨年の六月にはその中間報告がございまして、当面のダイオキシンの耐容一日摂取量、TDIと呼ぶそうですけれども、これを十ピコグラムというふうにするというふうな基準にされているようです。当面ということで、今後さまざまなデータ等を勘案しながらさらに検討をされるのかとは思いますけれども、この十ピコグラムということについても、既に世界的には疑問が上がっております。 アメリカのウィスコンシン大学ですか、その中で、アカゲザルを使って実験をした。五十ピコグラムと二十五ピコグラムと五ピコグラムのえさをまぜて三つの群れに、アカゲザルの群れにえさを与えて、そしてその変化を見ていった。そうしましたら、五ピコグラムの猿の群れでも子宮内膜症という、ダイオキシンはホルモンに似たような働きをするということで、子宮内膜症ということに非常に影響があると言われているわけですけれども、それが、四二%ぐらい正常なえさの猿よりは多く発症したというような例もあります。また最近、WHOでも、発がん性が今まで疑いありというようなことが、今度は発がん性が明確にあるというような発表を、二月のまだ最近の新聞でしょうか、これを明確に発がん性はあるというようなお話もありました。 したがいまして、先ほど申し上げたわけですけれども、やはり危険の潜在性、それを予知して周到な対策を講じるべきであるということでは、十ピコグラムの耐容一日摂取量というのは大変高い値ではないか。ドイツ、オランダ等ではさらにこれよりは十分の一ぐらいの基準を置いているということで、その辺についての検討会、中間報告ではありますけれども、御見解をお伺いします。
○小野(昭)政府委員 先生先ほど御指摘になりましたように、研究班におきまして、耐容一日摂取量、今TDIと俗称言っているものでございますが、定めたわけでございます。このTDIにつきましては、健康影響という観点から、一生涯にわたりまして一日当たり摂取しても許容される量ということでございます。そういった量につきまして、いわゆる我が国あるいは海外のいろいろな諸文献等々を参考にいたしまして、確実に判定できるデータをもとに算定するということとされているわけでございます。厚生省の検討班におきましては、これまで公表されておりますさまざまなデータ等を踏まえまして、TDIを十ピコグラムというふうに算定をしたものでございます。 ただ、今も先生御指摘ございましたように、いわゆるアカゲザルの実験データをどう評価するか。これは、厚生省の検討班におきましては、その実験方法等々につきまして、いろいろ疑義があるといいますか、問題もあるのではないかということで採用しなかったわけでございますが、今日の状況では、そのデータをどう評価するかということで大変いろいろな議論があることは承知をいたしております。 さらに、今御指摘ございましたように、WHOの下部機関でございますIARCが、発がん性ありというふうな方向で報告を取りまとめられたというふうに聞いておりますので、現在、アカゲザルのデータをどう評価するか、それからIARC等で議論されている内容につきまして、十分その詳細を取り寄せまして、研究班で引き続き御検討いただきたいというふうに考えているところでございますが、とりあえずは十ピコグラムというTDIをもとにしましてごみ処理施設等々の改善の方針を立てておりますので、それはそれとして推進をさせていただきたい。 さらに、もっとこれは濃度が低ければ低いほどいいわけでございますから、その点につきましても、いろいろな関係者の方々の御意見を伺いながら、値を検討してまいりたいと考えております。
○並木分科員 対応を考えていただけるということなので、これは、こういう危険な物質については慎重な上にも慎重であっていいのではないか、私もそのように思います。 そこで、さらにこの十ピコグラムという基準から、緊急対策として、御案内のとおり、ごみ処理施設からのダイオキシン排出実態等総合点検検査で、八十ナノグラムを超えた場合は今年度中に焼却炉の改造等の改善策を実施する、こういう方針を打ち立てていただいておるわけですけれども、この根拠の中に、煙から拡散していく拡散係数、いわゆる希釈倍数というのですか、それが二十万倍だというふうな、そういうことから計算してこの八十ナノグラムという基準が出ているということであります。 これまた実例が少ないということかもしれませんけれども、山本武さんという方が大阪環境科学研究所時代に発表されましたその拡散係数というのは、五千五百倍ぐらいではないか、はるかに低い、四十分の一の数字であります。宝塚市等で実際の調査をしたり土壌調査をしたりして、これがほぼそのとおりだったということなのですけれども、そういうことにしますと、二ナノグラムというのがこの基準になってくるということであります。 そういった点で、先ほどお話ししたドイツでも、〇・一ナノグラムを超えた施設はもう閉鎖するのだというような考えもあるということでありますけれども、ドイツが一番進んでいるということです。日本の場合は、逆に言うと、おくれているからこそ既に浴びてしまったダイオキシンも多いというわけですから、そういった点を考えますと、やはりこの辺、もう少し厳しい値で取り組むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小野(昭)政府委員 ダイオキシンにつきましては、先生御指摘のように、その主たる発生源がごみ処理、ごみの焼却に伴って発生するということで、大部分がごみ焼却によって発生する。さらに、詳細はまだ十分わかっていないわけでありますが、通常の家庭ごみを燃やして発生するというふうなことがございますし、また、しかしながら一方におきまして、一定以上の温度で連続してごみを燃やすと発生量が少ない、あるいは煙を、灰を冷やすときに、ある温度帯を急激に、そこの部分だけ温度を下げると非常に発生が少ないというふうなこともわかっているわけでございます。 ただ、諸外国と比較して、いろいろな御議論があることは承知をいたしておりますが、我が国の特色と申しますか、一基当たりの処理量が非常に少ない、小型が多いというふうなこと、そうしますと、なかなか連続燃焼ができないというふうなこと等がございまして、そういう、ある意味で一般ごみを市町村固有の事務にしているというところに根幹を発している問題もあろうかと思います。 ただ、私ども、先ほども申し上げましたように、これでいいんだというつもりではございませんで、とりあえずの緊急対策として、既設の焼却炉については八十ナノグラムを出したわけでございまして、新設につきましては〇・一ナノグラムの炉の方向へ全面的に方向転換をしていただきたいということで、市町村にも御指導申し上げておるところでございますが、連続燃焼、それから処理量が多いということになりますと、例えば幾つかの市町村が集まってやっていただくというふうなこと等の、ごみ処理の体制そのものも問題でございますので、よくそのあたりは市町村の御意見も伺いながら対応策を考えてまいりたいと考えております。
○並木分科員 幾つか対応策を出していただいたのですけれども、確かに、新設炉だと〇・一ナノグラムという基準を設けているということは、既設炉では八十ナノグラムと八百倍違うわけです。八百倍基準が違うということは、いかに現在がその基準をクリアできない既設炉が多いかということで、それだけまた問題も多いということになってくると思いますけれども、この辺早急に、今の時点ではなかなか出しにくいのかもしれませんけれども、やはりこういう危険な問題ですから、基準の年限を設けて既設炉の見直しもやっていくべきじゃないかという点を一つお聞きしたいと思います。 また、小型炉の話も出ました。小型炉、学校とかいろいろな事業所、また病院等にもあるわけでございまして、こういう実態もよく調査していただきたいと思いますけれども、その二点についてお伺いします。
○小野(昭)政府委員 期限を切ってということの御指摘でございますけれども、御案内のように、ごみ処理は、日々家庭から出てまいりますごみを適正に処理しなければいけない、そのまま放置はできないという、ある意味で非常に生活に密着した分野でもございます。したがいまして、いついつまでというのは、今先生から御指摘がございましたということで、私どもはそういう御指摘もあったということを含めて考えてまいりたいと思います。 それからさらに、小型炉の問題、それから具体的な運転管理の問題、それからどういったものを規制にかけていくのか、先ほど御指摘になりました所沢周辺の産廃処理施設もそうでございますが、どういった技術上の対応策をとっていくのかという点につきましては、現在、廃棄物処理に関します技術的な検討を専門委員会でやっていただいておりますので、そこで十分御議論をいただいた上で、それを施策に生かしたいというふうに考えております。
○並木分科員 今、ようやくにしてそうした対応を始めていただいた、その点は評価するわけですけれども、今一般ごみがほとんどであります。これは最も排出される量が多いからということでは当然考えられるわけですけれども、先ほどお見せしたパネル等にございましたのはいわゆる産業廃棄物の焼却炉でありまして、先ほどからもお話しさせていただいたように、よりダイオキシンを発生するものが燃やされているということが考えられるわけであります。 この辺、一般ごみだけでなく、産業廃棄物の焼却炉対策、これは自治体間で共同にやって、一般ごみの場合、大きな施設にかえていくというようなこともありますけれども、これまた零細業者が多い産業廃棄物の処理業者、これについてやはりある程度手を差し伸べないと、一緒に大規模な処理をするというのは不可能かと思います。財政難の折ではありますけれども、その辺も含めまして、この産業廃棄物焼却炉対策についてお聞きしたいと思います。
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物対策につきましては、いわゆる多方面からのいろいろな問題点の御指摘がございまして、現在、私どもといたしましては、産業廃棄物対策を中心にいたしまして、廃棄物処理法の改正法案を今国会に御提案をし、御審議を賜ろうと考えているところでございます。それと関連いたしまして、今先生御指摘のございましたような種々の基準の見直しもあわせて、並行いたしまして、今までいろいろ御指摘のございました点等、検討を進めているところでございますが、先生の御指摘の点も十分今後の検討に反映をさせてまいりたいというふうに考えております。
○並木分科員 持ち時間が少ないようですけれども、今いろいろ御説明させていただいたように、密集して焼却炉があるということで、大変そういった点で合わさっての複合的な汚染になっていくということでありまして、そういった点では、これは大変難しい問題だとは思いますけれども、総量的な規制もかけていかないと、一つ一つはそれなりの基準値でクリアできたとしても、それがたくさん合わさっていくことによって当然大きな問題になっていくわけです。 車なんかでもそうです。一台の排気量では自然の中に吸収されていくけれども、たくさんの車が出てきたときにいろいろな問題が起きているわけですね。ですから、総量的規制も必要じゃないかと思うのですけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○小野(昭)政府委員 廃棄物処理法の改正案の中におきまして、これもぜひ御審議を賜りたいと考えておりますが、施設の設置手続に当たりまして、あらかじめ施設を設置しようとする事業者に環境影響調査を義務づけたいというふうに私どもとしては考えているところでございまして、そういった点で、生活環境に対するどのような影響が及ぶかということにつきまして、施設の設置を申請する際に申請書に添付をしていただく方向で考えているところでございます。
○並木分科員 時間がないようですけれども、既に、今、炉の問題等いろいろお聞きしたわけですけれども、まず大変、日本人の母乳には世界一ダイオキシンが含まれている、脂肪の中にですね。そういうデータもありますし、最近所沢、三芳、大井、この辺の密集地域で乳児死亡率が埼玉県の平均より非常に高くなっている。こういった懸念もいろいろ、確定はしておりませんけれども、懸念されております。そういった点で、ぜひその辺は、健康診断とか、あるいは母乳の調査とか、こういうものも進めていただきたいと思います。 そしてまた、根本では、大量廃棄の社会的なシステムから、リサイクルシステムといいますか、人間が生き延びられるシステムに変えていかなければならないということだと思いますけれども、この辺については厚生大臣にお考えがあればお聞きしたいということで、質問を終わらせていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 ダイオキシンの問題、大変重要な問題だと私も認識しております。どういう方法があるか、いろいろ検討させていただきたいというふうに思います。
○並木分科員 どうもありがとうございました。
○桜井(新)主査代理 これにて並木正芳君の質疑は終了いたしました。 次に、旭道山和泰君。
○旭道山分科員 新進党の旭道山と申します。 この予算委員会が国会の初質問となります。横綱に胸を借りるつもりで頑張りますので、小泉大臣、主査、よろしくお願いします。 それと、野沢、加藤、藤村、尾上、日高、ありがとうございました。 さて、私は、力士をやっておりまして、幕内平均体重百五十五キロ、身長百八十六センチ、小兵と言われておりましたが、それでも一生懸命やっておりまして、大型化する今の相撲界で十六年間にわたって現役をやってまいりました。また、そのときにいろいろと、首、肩、腰、ひざ、ひじ、全部手術をやってまいりました。そういう体験に基づき、医療に関係する疑問について、私なりに感じた、また調査をした点で質問をさせていただきます。 まず最初に質問いたします。よろしくお願いします。 最初、私はホスピスという意味を知りませんでした。ある日、友人に見舞いに行かないかと言われて誘われました。すると、病院の先生が、私がその年現役の幕内力士だったので激励してほしいと言われて、ホスピス病棟に行きました。元気な人もいれば寝たきりの人もいました。後で聞いたら、その友人が、来年来たらあの人たちはいないんだよねと私に言いました。そのとき、私、やっとホスピスの意味がわかりました。 私の父も直腸がんで五十という若さで亡くなりました。ホスピスは全部のがんの専門医院にあると思っていたら、限られたところにしかなく、終末期医療のあり方について、その問題の難しさと、日本のホスピスの整備のおくれを強く感じました。最近では、ホスピスへの関心も高まり、病院もふえていると聞いていますが、がん治療の専門病院には必ずホスピスがあるという感じにすればいい、私はそう思っています。日本のホスピスの現状と、今後の終末期医療に対する取り組みを教えてください。よろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 いわゆるホスピスでありますが、医療保険のサイドでは緩和ケア病棟という言い方をしておりますが、これは、まさに先生御指摘のとおり非常に重要な施設だというふうに私ども考えておりまして、その普及をできるだけ図っていく必要があるというふうに考えております。ただ、そういった中で、まだ我が国には十九の保険医療機関しかこの緩和ケア病棟というのを持っておりません。まだまだそういった意味では今後普及をさせていく必要があるというふうに思っております。 そういった中で、やはり一つには医師とか看護婦に対する研修、そういったものの充実を図ることによってホスピスに対する関心を高めていくというのは一つあると思います。それからもう一つは、いわゆる医療保険における診療報酬上の評価をきちっとやっていくということが大事だというふうに思っております。平成二年に緩和ケア病棟の入院料というのを新たに設定いたしまして、そして今日まで改定の都度引き上げを図ってきております。 そういった意味で、診療報酬上の手当て等も行いながら、今後さらに末期医療に対する対応というものを充実していきたい、このように考えております。
○旭道山分科員 次に、医療費の問題について質問いたします。 日本の予算の中で、年々医療費の占める割合は増加し、高齢化社会の中で医療費に占める老人医療費の割合がふえています。医療費の増加はもはや避けられない状態であると同時に、医療の構造的改革の必要性も強く言われています。 まず、この二十八兆円の医療費の中に、一説では六兆円ほどのむだがあると言われています。何カ所も診療を受けるはしご診療のむだや、大病院の二時間待ち三分診療、薬剤の多大な投与、一時期大きな問題となった社会的入院など、厚生省としてはこれらの実態をどう認識し、対策をとっているか、お聞きしたいのです。 また、二十一世紀に向かって医療のあり方が問われていると思うとともに、医療の構造的改革が必要と思いますが、大臣の御意見をお聞かせください。お願いします。
○小泉国務大臣 医療の問題については全国民が大きな関心を持っていることだと思います。だれでもいつかは病気にかかるということで、日本も、戦後一貫してよりよき医療制度を確立していこうということで、今日まで努力してきたと思います。 いわば、当初はイギリスのゆりかごから墓場までという社会保障制度を充実させていこうということで、年金にしても、医療にしても着々と整備を続けてきたわけであります。ある意味においては、イギリスにない、日本のよい医療制度もあると思います。というのは、日本ではだれでもがお医者さんを選ぶことができます。大阪の人も東京の病院を選ぶことができる、東京の人もあるいは大阪の病院に入ることができる。 そういうことを考えますと、現在の医療制度というのは、基本的には私はいい制度であると思っていますが、やはりどんないい制度でも弊害は出てきます。今旭道山委員指摘されたように、重複診療とかはしご受診とかむだな医療費があるのではないかという御指摘等勘案しまして、これからは、今の医療保険制度、構造的な改革に取り組まなきゃならないということで、現在、三時間待って三分診療、あるいは国民所得の伸びよりも医療費の伸びの方が多いということで、今の制度をそのままにしていくと大変な負担を国民に押しつけることになるということから、今回総合的な改革の一環として段階的に整備していこうということで、高齢者に対しては、ここまで来れば負担の増加をお願いしようということで新たに法案を提出し、今御審議をいただこうと思っているわけでございます。 この医療の提供体制あるいはむだをどのように整理していくか、診療報酬の問題、薬価基準の問題、出来高払い制度の問題、あるいは総予算制の問題、いろいろあると思いますが、これらの問題についても、今後、各界の御意見を聞きながらできるだけ早く構造的な改革案をまとめて、さらに御審議をいただきたいと思っております。 要は、だれでもが健康に関心を持って、いかに健康で長生きするか、ただ長生きするということではなくて、できるだけ健康で長生きするためにはどういう医療制度がいいか、また国民がどういう意識を持つのがいいかということについて真剣に国民的な議論を高めていきたい、そう思っております。
○旭道山分科員 わかりやすい答弁をどうもありがとうございました。 ちょっと専門的になりますが、次に、医療機器の流通とその価格に関する問題についてお聞きします。 日本の医療機器は欧米に比べて高額で、中でも特定保険医療材料の価格は欧米と比べて大きい差があります。特定保険医療材料は、そのほとんどが輸入されておると聞きます。ジェトロの調査した日本と欧米諸国における医療機器の販売価格比較の報告を見ても、例えばペースメーカーは、同一機種でもアメリカでは六十万から七十万円、イギリスでは三十万から三十五万円、それで日本では百六十万から百七十万円になっています。医療機器の中でも特定保険医療材料と言われる分野の医療機器に関する内外の価格差が余りにも大き過ぎると思います。同じ器具が日本にある代理店を通じて各医療機関へと販売される段階で、なぜ同じような器具がこのように高額になるのか理解できません。 価格の設定に単に代理店や取り次ぎが入っているからといって、定価より異常に高いのはおかしいと思います。人工関節やペースメーカーなどはほとんど輸入に頼っており、また、ペースメーカーの数も必ずしも多いとは言えません。特定保険医療材料の分野に関して、正常な形で競争原理が働いているとは思えません。 そこで、私がいろいろと調査した結果、時間の関係上幾つかまとめて質問させていただきます。 厚生省では、このような特定保険医療材料の価格はどこでだれがどのように決めているか、内外価格差が大きいという中で日米の価格の調査をしているはずだと思いますが、実態はどのように把握しているか。また、特定保険医療材料の市場価格の内容調査や対策をどのように講じているか。内外価格差の実態やその原因を含めて見解をお聞きするとともに、こうした価格の実態を公正取引委員会はどのように受けとめているか、現在調査されている状況と今後の方針についてお願いします。 それと、そもそも三十万円のものが百万円になるというのは、それだけ自己負担、保険負担となるわけで、言いかえれば、それだけ税金を多く使うことになります。むだな税金を払わされていることになりますので、これについてもよろしくお願いします。それと、本来こうした税金の使われ方について、会計検査院もしっかりとした調査をすべき問題だと思います。とにかく、しっかりした調査をしていただき、問題があれば的確な措置を講ずるように強く要望いたします。 なお、日米の価格の実態について資料を要求したいのですけれども、委員長、よろしくお願いします。
○丸山政府委員 今先生お尋ねの特定保険材料の中で、特にペースメーカーなどの医療機器につきまして内外価格差の存在が指摘されている問題でございますけれども、今お尋ねの日本貿易振興会の対日アクセス実態調査で御指摘のような金額の違いが報告をされているのは事実でございます。ペースメーカーは、日本では百六十万から百七十万で売られているのに対して、アメリカでは六十万から七十万、イギリスでは三十万から三十五万というお話のとおりでございます。 このジェトロの実態調査につきましては、実は比較の対象といたしまして、欧米諸国におきましては医療機関が購入する値段、医療機関の購入価格を調べておりますが、我が国の場合には医療機関の購入価格ではなくて保険の償還価格、保険者が払う価格でございますが、それを使っておりまして若干高目に出ております。したがって、本来厳密な意味での比較が適当でない価格同士が比較されておりまして、その点は若干不適当な面がございますけれども、一般的な傾向といたしましては、御指摘のとおり、ペースメーカーなどのほとんど輸入に頼っております医療機器につきまして、一定の内外価格差が存在することは事実であろうと考えております。 また、内外価格差の原因となる流通慣行上の問題ということで、欧米諸国の場合には、卸売業者、ディーラーを介さずに製造輸入業者と医療機関が直接取引をするケースが一般的であるのに対しまして、我が国の場合には、卸売業者を介して取引するケースが一般的であって、流通経路が大変複雑である。それからまた、我が国の場合には在庫管理、あるいは手術中の立ち会い、手術後のメンテナンス、ペースメーカーを手術後半年ごとに定期点検等をいたしておりますが、こういったメンテナンスなどの附帯サービスを輸入販売業者あるいは卸売業者が提供しております。また、機種の選定に当たって、価格よりも技術の新規性でございますとか高度さを重視する専門医の意見が反映される傾向が強い。これは日本貿易振興会も、流通慣行上なぜ日本の価格は高いかという問題点として指摘をされているところでございます。 厚生省といたしましては、こういう価格の問題につきまして、現在医療機器の流通慣行に関する実態調査を実施いたしております。今お話しのペースメーカー、あるいはバルーンカテーテルのほかに人工心肺ですとか静脈留置針ですとか、眼内レンズ、特殊縫合糸といったものにつきまして、我が国の医療機器の流通慣行の実態について、主として輸入品の割合の高い医療機器あるいは国内製品も一定割合で流通する医療機器を含めまして実態調査をし、また参考として欧米諸国における医療機器の流通慣行についてもあわせて調査をいたしております。 この調査結果につきましては、できるだけ早く、六月いっぱいを念頭に置いてまとめてまいりたい、かように考えている次第でございますけれども、こういった流通慣行の実態を把握することによりまして、価格の決定過程を明確にし、その内容の改善に役立つようにしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○戸田説明員 ペースメーカー等医療機器の内外価格差につきましては、御指摘のとおり日本貿易振興会の報告書等で指摘がされていることは承知をしているところでございます。公正取引委員会といたしましても、このペースメーカーを含め医療機器数品目にわたりまして、取引に関します実態調査を行っているところでございます。 公正取引委員会といたしましては、競争政策の観点から、御指摘のございました内外価格差の視点を踏まえながら、流通取引の慣行でございますとかあるいは規制制度の問題というものを中心に調査を行ってまいりたいと考えております。
○桜井(新)主査代理 旭道山さん、最後に要求された資料要求については、後ほどでいいですね。
○旭道山分科員 はい、お願いします。
○桜井(新)主査代理 ただいまの資料要求については、厚生省の方でしかるべき措置をお願いいたします。
○旭道山分科員 さっき何やかやと価格差がどうのこうの言っていましたけれども、厚生省は、アメリカから日本の代理店に入ったときの価格が同じであるということを大蔵省財務局で確認しているはずだと思います。それは周知の事実だと思うのですけれども、その方はどういうふうに思っていますか。
○丸山政府委員 現在、先ほど御説明いたしました流通慣行の実態調査を実施しておりまして、今お尋ねの財務局に確認したということは私ども承知をいたしておりません。いずれにしましても、実態調査によりまして、それぞれのところでの価格の形成過程を把握してまいりたいと考えております。
○旭道山分科員 あるところに聞きますと、アメリカ大使館の商務局の中にあるACCJ機関、日本医療器械協会の中にあるインプラント部会で価格が決められているというのですけれども、厚生省は、それを知っておられるというか、それを把握しているのですか。
○丸山政府委員 存じておりません。
○旭道山分科員 そこで決められたという情報というか、私のそういう入っている情報なんですけれども、間違っていましたらあれですけれども、それを調べてもらいたいのです。 私の調査したところでは、この価格差の実態は、実際のところ、小さな業界として、自動車や電機などと同じように貿易摩擦の標的にされているのではないでしょうか。結論はわかりませんが、厚生省は知っていると思いますけれども、その意見を聞きたいのです。よろしくお願いします。
○丸山政府委員 輸入する医療機器につきましての価格につきましては、いわば市場で形成されておりまして、私ども、その形成過程につきまして調査はいたしますけれども、それがどのように決まっているかということについて承知をしておらない状態でございます。
○旭道山分科員 日本の医療保険の整備充実に向けて、厚生省の努力は認めますが、最近、医療法の改正などに見られるように、患者の自己負担増が求められる流れが強いと思います。国民の側に立って負担を考えると、日本の医療費のむだをなくし、良質で効率的な医療をみんなに提供していただけるよう、一層の努力をお願いしたいのです。 それと、小泉大臣、本会議でいろいろと、私からしてみれば、あのぐらいの根性であのぐらいの任侠道でやってもらって本当にうれしかったです。小泉大臣は自分の信念を貫いて一生懸命やると思いますので、その強い信念でまたこの改革をよろしくお願いします。 私の質問を終わります。
○小泉国務大臣 私もよく大相撲はテレビで観戦する方で、旭道山関の現役時代、小さな体でもあの闘志あふれる相撲ぶりは本当に楽しく、おもしろく観戦させていただきました。 今こうして実際御質問を受けまして、細かいことを勉強されて、医療に関心を持たれているということに対しまして、敬意を表したいと思います。 また同時に、御指摘の点、医療機器に関する問題、これは今後の医療制度を改革する上においても重要な問題ですし、流通実態をよく把握して、適切な方法を考えていきたい、そう思っております。
○旭道山分科員 自分事ですが、小泉大臣は本当にやってくれると思います。私も、あの本会議の姿勢を見て、本当に私も相撲をやっていた中で共感できるものがありました。はっきり言って、自民党という立場でありながらあれだけのことを言える人間というのはそんなにいません。それで先頭を切ってやったら少し税金が安くなると思います。本当によろしくお願いします。個人的にもお願いします。 質問を終わります。
○桜井(新)主査代理 御苦労さまでした。 私も、新潟県の相撲連盟の会長ですので、旭道山さんの大ファンだったのですが、処女質問、なかなかすばらしいものでしたから頑張ってください。 これにて旭道山和泰君の質疑は終了いたしました。 次に、根本匠君。
○根本分科員 自由民主党の根本匠です。 私は、きょうは言語療法士の問題、言語療法士の資格化問題についてお伺いしたいと思います。 最近、言語聴覚障害者の子供を持つ親から私も相談を受けまして、いろいろとこの言語療法の問題を勉強、研究いたしました。 関心を持って今取り組んでいるのですが、現在、言語や聴覚の機能に何らかの障害を持つ人の数、これは軽度から重度合わせますと六百万人と言われております。このうち、訓練、検査などが必要な言語聴覚障害者数、これは全国に約二百万人いる、こう言われております。 これにこたえるために、いろいろな資格の名称があるわけですが、医療の分野で言語療法に携わっている方を中心に、言語療法士が一万三千人必要だ、こう言われております。現任者の数が三千人、こう言われておりますから、一万人が不足している、こんな現状にあります。その意味では、百六十万人の方々が満足な治療が受けられない、こういう状況になっております。 しかも、言語療法士の存在そのものを知らない、あるいは大都市には多いわけでありますが、中小都市には言語療法士の方が少ないものですから、こういう意味で、近くにいない、あるいは地域格差がある。そして、いても非常にニーズが多いものですから、十分に治療が受けられない、こういう問題があります。 アメリカの方は、こういう専門職は非常に一般的に普及しておりますから、アメリカではこれをSTと言っておりますが、約五万人のSTが活躍されております。 その意味で、厚生省においては、言語聴覚障害者の現状、あるいは社会的ニーズ、これをどう把握して、言語療法士の必要性をどう認識しているのか、これをまずお伺いいたします。
○谷(修)政府委員 今お話がございましたように、言語や聴覚に障害を持つ方の機能を回復、向上させる、あるいはまたそのための検査や訓練を行う、また患者さんの家族に対する指導助言、そういうことについて、既にいわゆるSTという方たちの専門性ということは認められてきております。 一方、この資格制度については、既に資格化されております作業療法士あるいは理学療法士に比べて、率直に申し上げて大幅に立ちおくれている状況だと思います。 こういったような言語や聴覚に障害を持つ方の機能を回復、向上させるための指導、援助というものの必要性というのは、今後ますます重要になってくるというふうに考えております。 そういう意味で、こういった方たちの声にこたえるためにも、資格化ということが必要になってきているというふうに認識をしております。
○根本分科員 日本で、言語療法士、いわゆるSTでありますが、これが少ない理由、これは国家資格がありませんから、医療の分野で言語療法という医療行為はありますが、身分が確定しておりません。病院の一職員にすぎないというのが診療報酬上の課題になっております。 ただ、実際には、言語療法士の八割以上が保険診療となっておりますが、保険点数が低い。こういう状況の中で、例えば病院では、言語療法士を置きたくても経営効率からSTを置くことに難色を示す病院も多い、こういう状況が一方であるのだろうと思います。非常に熱心な病院では言語療法士も置いてやっておりますが、残念ながらこういう問題があるので、なかなか十分なSTが供給されません。 それで一方で、養成施設は、昭和五十九年以降徐々に充実してきておりまして、こういう養成施設に対しての希望もだんだん多くなってきております。今の社会的実態、あるいは今後のニーズを考えますと、私はこれは国家資格化が必要だろう、こう思っております。 国家資格化の歴史を振り返ると、約三十年前から法制化の議論がなされておりまして、昭和四十年に日本耳鼻咽喉科学会を中心に聴・平衡機能訓練士の身分制度に関する意見書、これが最初の意見書だと思いますが、昭和五十年代に入って日本リハビリテーション医学会が強い関心を持ちまして、昭和五十六年には厚生省において言語療法士身分制度検討会、こういうものも設立されております。とりわけ昭和六十二年に新たな医療関係の資格制度のあり方に関する検討会、ここではいろいろな新しい医療関係の資格制度が検討されたわけでありますが、この段階で、「言語聴覚障害については、適切な訓練により機能を回復させ、或いはコミュニケーション能力を向上させることができるが、このため行われる検査又は訓練、或いは患者又は家族に対する適切な指導助言については高い専門性が認められる。言語療法士は医学的リハビリテーションの分野で重要な役割を果たしており、速やかに法制化すべきである。」という報告もなされております。 ただ、この報告はありましたが、いろいろなこういう分野で出てくる現象でありますが、言語聴覚療法士については速やかに法制化すべきであるが、職務内容が医療か教育かにつき異論があるため、いま少し検討、調整が必要ということで、昭和六十三年六月に法制化が見送られました。 こういう経緯を経て、今言語療法に対するニーズも高まっているということを背景に、昨年から厚生省は検討会を設置して検討しているというふうにお伺いしておりますが、この検討状況がどうなっているのかお伺いいたします。
○谷(修)政府委員 今先生お触れになりましたように、昭和六十二年に幾つかの医療関係職種あるいは福祉関係職種の資格制度についてまとめて検討した際に、いわゆるSTもその中に入っておりました。ただ、その報告につきましては、先ほどちょっとお触れになりましたように、職務領域について、教育を中心に考えるのか医療を中心に考えるのかということについて、関係者の中での意見の一致が見られなかったということでございます。 その後、関係者の中でいろいろな形で話し合いが持たれてまいりましたけれども、現在に至るもその間の調整がうまくいっていないということでございます。 ただ一方、先ほど申し上げましたように、こういったような言語に障害を持つ方、あるいは聴覚に障害を持つ方のための機能訓練、あるいは家族に対する指導の必要性ということがますます強くなってきたということ、また患者さんからのそういう要望も改めてまとめられてきたということ、また国会での御議論もあったというようなことから、先ほど先生お触れになりましたような国家資格化に向けての問題を検討するために、昨年の十月に懇談会を設けまして、現在検討をしております。 具体的に今まで七回の議論をいたしました。また、その間にこのいわゆるSTの業務にかかわっておられます二つの団体からの意見を聞く場、ヒアリングをそれぞれ一回ずつ行いました。来週さらに第八回目をやることにいたしておりますけれども、何とか議論の集約といいますか、そういうものをしていきたいということで、この懇談会の検討会の方に精力的な議論の詰めをしていただいている状況でございます。
○根本分科員 確かに、国家資格化が成立しなかった要因は、職務内容が医療か教育か、こういう大きな分野で合意するに至らなかったということだと思います。 今検討会を開いて個別の具体的な項目、あるいは関係団体からのヒアリングも行いながら検討内容を詰めている最中だと思いますが、現状の論点、大きく言えば資格化が対象とする領域はどういう領域か、これは教育も医療もそれぞれあると思います。 それからもう一つは、実際の医療業務分野の中でST業務と医師や歯科医師の指示との関係がどうか。あるいは具体的な資格を想定すれば、それに見合った教育カリキュラム、これをどう構成するか。こういうところが主な論点だろうと思いますが、今の段階でそれだけ検討会をやっているわけですから、具体的にどのような項目についてどのような論点整理をされているのか、その点お伺いいたします。
○谷(修)政府委員 今先生お触れになりました幾つかの論点に沿って現状を御説明させていただきます。 まず一つは、資格化に関して主としていわゆるSTの方たちのやっておられる業務をどういうふうに整理をするのか、どういうふうに考えるのかということが一つの基本的なこととしてございます。 主として医療関係に従事しておられる方たちの集まりとして言語療法士協会というのがございますが、これが会員が約千五百人、一方、教育関係を中心にした聴能言語士協会の方が約千八百人というような二つの団体がございます。これらの方々の主張あるいはこの懇談会を構成しておりますメンバーの方の主張も大きく言うと二つに分かれるわけですが、まず一つは、医療関係職種としてこの資格化というものを整理するのか、あるいはもっと教育という分野まで含めた幅広い職種としていくのかということが一つございます。それは、先ほどちょっと申し上げましたように、いわゆるSTという方たちのやる業務というものをどういうふうに考えていくかということとも関係をするのではないかと思います。 それからもう一つは、いわゆるSTの方がやられる業務と、医師の指示あるいは他の医療関係職種との関係をどういうふうに整理するのかということがございます。 これは具体的には、STの方々の行われる業務というものの中にどの程度診療の補助的な部分といいますか、そういうものがあるのかということ、あるいは実際に検査なり訓練を行うに当たってどの程度医師の管理下といいますか、これはいろいろな言い方がありますが、指示を必要とする、患者さんに対して危険と考えられる業務がどの程度あるのかということにも関係をいたしまして、そのことについての認識といいますか、そういうことをどういうふうに整理するかということでございます。 幾つかの具体的な検査なり指導の項目がございますが、それらはすべて医師の指示といいますか、そういうものが必要であるという意見と、そうじゃないのじゃないか、かなり限定的なのではないかという二つの意見があるということでございます。 それからもう一つは、カリキュラムの問題といいますか、養成の問題でありますが、いわゆる高卒後三年以上の専門的な養成施設で十分だというふうに考えるか、あるいはそうじゃなくて四年制大学での教育が必要なんだというふうに考えるかということの二つの意見がございます。 これは結局突き詰めて言うと、カリキュラムの構成というものをどういうふうにするのか、それからカリキュラムの時間数というものをどの程度と考えるのかということによっても、そこのところがどっちかというと出発点になるわけであります。大体三千時間ぐらいが必要だというふうな点では意見は一致しているのじゃないかと思いますが、その三千時間の中身でどの程度幅広いものをやる必要があるのか。 いわゆる基礎分野と専門分野、それから医療関係の職種として考えた場合には、当然ある程度の実習というようなものも必要になってくるかと思いますが、そういうようなことを、カリキュラムをどういうふうな配分をして、三年制にするのか、四年がやはり必要なのだというふうに考えるのかといったようなところ、そのあたりがこれから調整をしていく必要がある部分だというふうに思います。 それからもう一つは、先ほど来私はいわゆるSTという言い方をしております。先生は言語療法士という言い方をされています。そもそもその名称をどういうふうに考えるのかということが、入口だか出口だかよくわかりませんが、その名称によってやはりその方たちの資格なり業務というものがある程度規定をされてくるというような意味において、この名称をどういうふうにするのかというようなことが具体的な論点でございます。 かいつまんで申し上げましたけれども、今申し上げました三点ないし四点に集約をされるのじゃないかというふうに考えております。
○根本分科員 PSW、MSWの議論、あるいは臨床心理士の資格化の議論、似たような職種の議論があるわけですが、こういう面での職種の議論は、今局長のお話にあったようなところが論点になるのだろうと思うのですね。 ここで私も文部省にお聞きしたいのですが、この分野は医療の分野、教育分野にまたがるということで、しかもこれが大きな枠組み上の問題になっているわけであります。これが名称の問題にもかかわっている、こういうことがあるわけですが、六十三年に法制化が見送られた。これは教育の分野とのかかわり、調整、あるいは仕組みをどうするかということで見送られたわけでありますから、こういう現状あるいは経緯を踏まえて、まず文部省の方で教育の現場での取り組み、実態、これをどう把握しておられるのか。 今教育の現場では、六千人以上の教員が言語聴覚障害を持つ児童生徒を担当しているというふうに聞いておりますし、局長のお話にもありましたように、日本聴能言語士協会、これは聴能言語士ということで、言語、聴覚、音声の障害によってもたらされるコミュニケーションの障害に対して援助をすること、これを目的とした聴能言語士という制度も講じているわけであります。この辺の実態、教育の現場での状況、まず文部省から、この実態をどのように把握されているのか、お伺いいたします。
○辰野説明員 お答え申し上げます。 教育の分野におきまして、聴覚や言語に障害のある子供に対しましては、聾学校や難聴特殊学級、言語障害特殊学級などで、学校教育の一環としてそれぞれの障害の状態の改善、克服を図るための教育が行われているということでございます。この場合、担当教員は特殊教育免許というものを持っておりまして、この取得のための養成段階、さらには各種の研修等を通じまして、聴覚障害や言語障害のある子供に対する教育についての専門的な知識、技能というものを身につけているわけであります。 この教員免許状につきましては、聾学校教諭の場合を例にとっていいますと、小中高等学校の通常の基礎免許と言っておりますが、これを取るほかに、さらに聾学校における専門性というものを求めるために、特殊教育免許状の聾学校対応のものをさらに取る。ですから、小中高の、小中でいいますと基礎免許は五十九単位、それに加えて、二十三単位の聾の専門的な資質育成という観点からの単位取得が求められているわけであります。この中におきまして、教育一般での話は当然でございますけれども、音声とか生理、病理、それから言語指導の理論と実際等につきましても学んでいる、そういう教員が基本的に配置をされているわけであります。 また、教育条件的に見ましても、特殊教育というのは個々の障害に対する非常にきめ細かな対応というものが必要とされますので、例えば教員一人当たりの生徒数を見てみますと、小学校でいくと一人当たり大体十九人ちょっとあります。これに対して聾学校を取り上げれば一・五人。ですから十分の一ということは、教育条件としては十倍以上の条件でもってきめ細かな対応を図っているということでございます。 それから、聾学校のカリキュラムは非常に大きな特色がございまして、通常の小中高に準じた教育をやるのに加えて、障害の改善、克服を一人一人に応じて図っていく養護訓練という特別の時間がございます。この中で、週三時間程度設けているわけですけれども、こういう専門性を持った教師が発言、発語指導はもとより、補聴器の調整、装着の問題、それから構音指導でありますとかさまざまな活動をやっている。その中におきましていろいろなノウハウは今蓄積されておりますし、例えば発言、発語につきましても、コンピューターを活用して視覚化してその指導をする。それとか音の誤りを、教育の中で遊び等を通じて学習させる、いろいろな工夫があるわけでございます。 なお、この場合、障害の状態によっては医療的な対応が必要となる場合もございます。例えば、人工内耳の手術を受けた子供については、術後の健康管理、それから人工内耳の管理、聞き取りの訓練が必要でありますので、こうした子供に対しましては、医師やいわゆるSTとの連絡を密にして、医療機関での訓練と相互に連携した指導を行うということになるわけでございます。ですから、これは盲撃養護学校の学習指導要領上も、必要に応じて医療関係機関それから学校医との連携を深めて適切な指導をするようにというようなことが明示されているわけでございます。 とりあえず以上でございます。
○根本分科員 実態はよくわかりました。この実態を踏まえて、今厚生省の方でもこの国家資格化の問題を議論、検討されているわけですが、具体的な言語療法、あるいは聴能言語ということでもいいですが、この問題に着目して、現在の実態を踏まえて、これらの資格化が俎上に上った場合、文部省はこれにどのように対応していくのか。 これは、例えば厚生省の方で仮に法案化作業を進める、当然法案協議があるわけですから、文部省のその際のスタンス、あるいはこれへの対応の姿勢、これを答えてください。
○辰野説明員 ただいま申し上げましたように、特殊教育という関係で眺めますれば、必要に応じ、医療的な対応との連携というものを必要とする場合があるわけでございます。ですから仮にこのSTが国家資格化された場合にも、広く教育と医療との連携を図るという中で、子供の障害の実態や対応の必要性に応じて、学校、教育委員会が適切に判断して活用するという立場に立とうかと思います。 これは、現在既に国家資格とされています視能訓練士、それから作業療法士、理学療法士等もこういう立場で、学校の教育を基本としながら、必要な部分について連携を図っていただくということで進めているわけでございます。ですから、今後ともこのSTの資格化に向けた、今厚生省において行われている検討につきましては、文部省としても関心を持って見守ってまいりたいというふうに思っております。
○根本分科員 アメリカでは、聴覚障害者に対するスピーチセラピーがまず確立して、日本の場合は失語症患者がふえて医療側からST資格が提案されている、こういう違いも多分、アメリカと日本であるのだろうと思うのですね。私も実は、こういう資格化を考える場合に、ほかの分野もそうでありますが、医療、教育の横断的な資格が必要ということであれば、例えば主務大臣は厚生大臣と文部大臣、そうなると、カリキュラムもそれなりの厚みが出てくるわけですが、そういうあり方と今の厚生省、あるいは文部省の話を聞いていますと、どうも主務大臣が厚生大臣ということで、要は教育系、心理系をどう加味していくか、こんなことが基本になるのかな、こんな感じがしております。 実は、法制化する場合に、法律を必要とする法律事項は何か、これが一番問題になるわけですが、一番はっきりしているのは、医師や歯科医師の指示のもとになければ患者に危害を及ぼすおそれのある医療特有の分野、要は医師の指示のもとにある業務分野、これは保助看法の一部解除の部分ですから、これは一番はっきりした法律事項になるわけであります。教育分野との調整は、今までもいろいろな議論がありましたが、要は、ここは、包括的に医師、歯科医師の指示のもとに業を行う、こういう形でいくのか、業務の具体的な中身で、先ほど局長の方からも両論それぞれあるのだというお話がありましたが、医師の指示のもとにある業務とそうでない業務を仕分けするのかという点。それから、養成課程をどの程度幅を持たせるか、あるいは教育分野をどの程度重視するのか、この辺が論点なのだと思うのです。 私は、今のお話を聞いていますと、医療を中心に主務大臣は厚生大臣という構成で、福祉、教育、言語系を加味しながら、業務的には少し幅広の構成が必要なのではないか、こう思います。いずれにしても、これから制度の詰めが必要ですから、ぜひこれは、この点は制度の詰めを急いでいただきたいと思います。 言語聴覚障害の問題、これは親あるいは子供、突然自分自身にも訪れる可能性もあるわけでありますから、実はこれは本人だけでなくて家族全体にも深刻な影響を及ぼすわけであります。特に、これからの高齢化社会、介護の時代を考えますと、要は本格的なリハビリというのは、OT、PT、ST、言語障害、認知障害あるいは運動障害を含めたリハビリテーションも必要ですから、私は、この言語療法士に対するニーズ、特に言語や聴覚の訓練あるいは検査を職業とする、名称はこれからでしょうけれども、言語療法士の業務、これは高度の専門性がありますから、ぜひ言語聴覚障害を持つ多くの患者の立場に立ってこの国家資格化を急ぐべきだろう。 それで、あってはならないのは、教育あるいは医療という分野にまたがるものですから、これがどうも団体間の調整がつかないとか両省庁間の調整がつかないということで資格化ができないということではなくて、あくまでも国民、患者の立場に立った国家資格化を急ぐべきである、こう思いますが、最後に、この点についてお伺いしたいと思います。
○谷(修)政府委員 いずれにしても、いわゆるSTの業務というものの中に、医療の分野におきます。ある程度専門性の高い部分があるということ、そのことについては、ほぼ関係者の中で異論はないことだと思います。 ただ、その範囲がどの程度で、どの業務がそういうことに該当するのか、そこのところはひとつ議論としてまだ整理をされていないということでございます。したがって、仮に、先生お触れになりましたように、その専門性の高い分野については、現在の法体系の中ではいわゆる看護婦の独占業務とされております診療の補助行為というものを解除していくということが必要なのだろうというふうに思っています。 ただ、いずれにいたしましても、先ほど来御説明しているような現在の問題点、一方また、先ほど先生から御指摘のあった幾つかの点、そういうものを踏まえて、この懇談会でできるだけ早く調整をしていきたいというふうに考えております。
○根本分科員 ぜひ精力的に取り組んでいただきたいと思います。私も、ちょっとこの問題に取り組んでいきたいと思いますので。 終わります。ありがとうございました。
○桜井(新)主査代理 これにて根本匠君の質疑は終了いたしました。 次に、田端正広君。
○田端分科員 新進党の田端でございます。 大臣には大変御苦労さまでございます。 私は、まず地元の問題からちょっとお尋ね申し上げたいと思いますが、これは病院の新設の件でございます。 私は大阪でございますが、大阪市に、南港ポートタウンという新しい埋立地の人工の島をつくりまして、大変すばらしい近代都市ができております。これは本当に緑と水と太陽とに囲まれた高層住宅街がずらりと並んだすばらしい新しい都市一だ、こう思います。平成七年の国勢調査でいきますと、人口が三万五千六百九十七人というのですから、昔で言えば一つの市に当たる人口だと思いますし、それから、昼間人口は約十万人おります。 ここには、国際見本市会場になっているインデックス大阪とか国際貿易の中心になっているワールドトレードセンター、これは今、西日本で一番高いビルと言われておりますけれども、そういうビル群とか、あるいは企業の本社も続々、例えばミズノが本社をこちらへ持ってきたとか、あるいはその他の港湾施設、ホテルとか、いろいろなものが入りまして、住宅街とそういう新しい近代都市、こういう形で今着々と進んでいるわけであります。ことしの末には、大阪市の旧市街地、港区と海底トンネルでつながりまして、地下鉄と道路がつながる、こういうことにもなります。 そういう咲洲という埋立地でございますけれども、こういうところにこれだけの施設、人口、人がいながら病院がないというのが、地元にとればもう大変な苦痛でありまして、ぜひ公的な病院をつくっていただきたいということを、この二十年間、請願、陳情、署名等々いろいろやってこられたようでありますけれども、実現していない。 これは、一九八五年、昭和六十年ですか、医療法の一部改正によりまして、つまり、現状でのベッド数に基づいて地域を設定して、その地域の中でやりくりしろ、こういうことだと思いますが、大阪市という一つの地域という設定が、それを受けて大阪府の方で保健医療計画というものがなされて、昭和六十三年、一九八八年にこの医療計画が策定されて、その結果、大阪市では一万二千床オーバーしているから新設は無理である、こういう結論、そこからずっと今日に至っているようであります。そういう意味で、非常に地元の要望が強いにもかかわらず、診療所といいますか、開業医による十幾つかの診療所によって行われているという今現状に至っているわけであります。 そこで、私、この問題に対して、三つの点からちょっと厚生省にぜひ御検討をお願いしたいと思うわけであります。 第一点は、医療法の一部改正というものがもう既に行われて十年になっているわけですから、一回、それでよかったのかどうかという検討をする必要があるのではないか。 あの医療法の中には、各都道府県において五年ごとに見直しをする、こうなっているようでありますけれども、それでは、こういう新しくできたニュータウンといいますか、こういうところの地域においては解決にはならないと思いますね。だから、そういう必要ベッド数を上回っていても新たに建てられるような、新設できるような、そういう医療法の改正というものを一回検討する必要があるのではないかというのが、私の第一点の指摘でございます。 それから第二点目は、こういう南港ポートタウンという地域は、一つの島、人工島になっているわけですから、地理的には独立しているわけです。したがって、救急患者の場合、非常に大変な思いをしている。それはどういうことかといいますと、大体年間千五百件ぐらいの救急車の出動があるようでございますけれども、電話をかけて病院にたどり着くまで二十九・八分、つまり三十分かかっているわけです。ところが、これが、全国平均を見ますと二十四・二分と、五分違いますね。全国は過疎地域、山間部であっても全国平均二十四・二分ですから、大阪の町の中の、しかもこんな近代的な町が、それ以上、五分時間がかかるような救急体制であるというところに大変な問題がある、こう思うわけです。したがって、こういう地域に対して、特例地域としてのそういうことは考えられないのかどうかということが二つ目でございます。 三つ目は、医療法の改正のあったころと今とは社会状況も相当変わってきていると思いますし、こういう大規模開発といいますか、大きな都市計画事業、こういったものにはしかるべき配慮があっていいのではないかな。 特に、大阪市は二〇〇八年大阪オリンピックということを今掲げておりますが、この大阪オリンピックというのは、今の咲洲から舞洲、夢洲、こういうふうにつなげていって、つまりそういう人工島をつくった海上でのオリンピックをやろう、こういう海上都市オリンピック構想を持っているわけでありまして、大阪湾ベイエリア開発に対して一貫して取り組んできた、その先駆的なモデルケースがこの南港ポートタウンである、こう私は思います。そういう新しい事業をやっていく、そういうものを可能にするためにも、新しい視点で、ここに病院の新設というものの可能性を特別に御配慮願えるようにしていただかないといけないのではないかな。 以上、三点申し上げましたけれども、厚生省のお考えをお尋ねしたいと思います。
○谷(修)政府委員 三つの点についてお答えをさせていただきます。 まず、医療計画についての、十年たって見直しをしたらどうかというようなお話でございます。 医療計画そのものは、昭和六十年の医療法の改正によって、医療資源の地域的な偏在を解消する、あるいは地域の医療供給体制を計画的かつ体系的に整備するということでスタートをいたしました。 その具体的な医療計画による病床規制ということでございますが、これは、特に現状のような厳しい保険財政の中で、医療の効率化ということが従来以上に求められております。特に病床数と医療費との間には非常に強い相関関係があるということが経験的に実証されているということでございますので、そういう意味では、現在の医療計画制度あるいは病床規制というものは基本的には維持していく、あるいは、お言葉に反して恐縮ですが、むしろ強化をしていく。今、むしろ過剰地域における病床をどういうふうに減少させたらいいのかということが非常に大きな課題になっているという意味では、先生がおっしゃったような意味での見直しというのはなかなか難しいというふうに認識をしております。 それから、それに関連いたしまして、具体的な事例として、地域での救急医療というような問題も取り上げられたわけでございます。 この点につきましては、最初の御質問とも関連いたしますが、医療計画そのものは、お触れになりましたように五年に一度見直しをする。それは、それぞれの地域において、具体的には都道府県において、地理的な条件あるいは交通事情を勘案してその圏域を見直すとか、流入人口あるいは流出人口、それから病床利用率、あるいは老年人口、そういったようなことを勘案して必要な検討をするということになっておりますので、全体としては医療計画の制度の中で五年ごとに、今の例ですと大阪府が中心になって見直しをしていくということはあるわけでございます。 一方、三番目の御質問とも関連いたしますが、現在の医療計画では、先生御承知のように、がんですとか、あるいはリハビリ、それから、お触れになった救急医療も入っておりますが、病床過剰地域においても特定の病床として整備するということは特例として認めるという余地はあるわけでございます。これも、いずれにしてもそれぞれの地域の中で関係者が議論をして決めていくということでございますので、今お触れになりました具体的な地域でそういうことが今後なされていくのかどうかということによろうかと思います。 ただ、最初のことの繰り返しになりますが、現在の医療供給体制の現状あるいは医療保険制度の現状ということから、現在の医療計画というものは維持していくというのが私どもの基本的な考え方でございます。 〔桜井(新)主査代理退席、主査着席〕
○田端分科員 もう一度確認だけさせていただきますが、医療法施行規則の中に特定の病床等に係る特例というものが認められている、そういう意味で地元でも検討したらどうか、こういうことでございますか。
○谷(修)政府委員 ただ、一つの病院をつくる際に、救急医療だけをやる、あるいはがんだけをやるというようなことで今おっしゃったことが想定されているのかどうかよくわかりませんが、特例的な病床として、今申し上げましたようながんですとかリハビリ、救急あるいは緩和ケア病棟とか、そういうようなものについて過剰地域においても部分的に認めることができるという形にはなっております。
○田端分科員 ありがとうございました。 次に、日雇い労働者の健康保険の問題についてお尋ねしたいと思います。 健康保険法の改正、つまり医療費の負担増というものは大変な問題だと思いますが、その中で、老人医療の負担増等ももちろん問題ではあるわけですけれども、別の視点から少し問題を提起させていただきたい、こう思います。 それは、健康保険法六十九条の七にある被保険者、つまり日雇特例被保険者、日雇い労働者とか季節労働者、あるいは臨時の、港湾とか山林等における現場の労働者、こういう人たちが対象になる保険でありますけれども、つまり、これも一緒に負担が強化されるという点について非常に矛盾を感じるわけであります。 私の地元、大阪市の西成区というところは、非常に庶民的で人情豊かな町でありまして、今NHKの朝のドラマの人気番組である「ふたりっ子」というのは私の地元が舞台になっている。天下茶屋というところでございますけれども、この西成に愛隣地区というのがございまして、ここに労務者が約二万数千人います。このうちの約半分、九千人が、今申し上げた六十九条の七の被保険者に入っているわけであります。こういう特例を受けているということになるのですが、これは間違いございませんね。ちょっと確認させていただきます。
○高木(俊)政府委員 今先生がお尋ねの健康保険法六十九条の七の被保険者、いわゆる日雇特例被保険者と呼んでおりますが、これは、かつては日雇労働者健康保険法という独立した制度がございましたけれども、現在は健康保険法の一般の被保険者と同様の形で健康保険に適用されているわけでございます。 今、西成区の愛隣地区の方が何名入っているかというのはちょっと手元に数字がございませんが、まさに日々雇用される方あるいは季節的業務に就労される方等がこの日雇特例被保険者ということでございまして、今、大体五万人ぐらいが全国で適用されております。
○田端分科員 今回の被保険者の負担増というのは、私としては素直にどうかなと思います。中でも、こういう日雇い労働者たちのことを考えますと、この人たちが、現行の一割負担が二割になる、あるいは外来としての薬剤についても一種類一日十五円ということで負担がふえる。同一保険医療機関に一カ月二・一回通院して一回三種類の薬を七日分もらった場合、現行でいけば千四百七十円であるにもかかわらず改正に伴って三千六百円になる、こういう数字の資料を厚生省からいただいております。つまり、二千百三十円の負担増になる。これはこういう日雇い労働者にとっては、例えば西成で二千円あれば一日生活できるわけですから、そういう意味では大変な負担になる、こう思います。こういう今日のような不況の中で仕事も毎日あるわけではありませんし、そういう意味では、こういう人たちに同じ率で負担が強化されるということについては非常に矛盾を感じるわけであります。この人たちも、そういうことから病院に行く回数を減らしたり、あるいは健康管理に対して少し無理をしたり、こういうことにもなりかねないと思うわけでございます。 そこで、私が言いたいことは、つまり今回の改正案の中からこの六十九条の七に該当する対象者、こういう人たちを思い切って除けないか、こういうことです。先ほどお話がありましたように全国で約五万人ということで、政管健保の対象になっている被保険者は全国で二千万人、そして被扶養者が二千万人と聞いております。この政管健保の、現状のままでいった場合に平成九年度で予想される赤字が八千三百億円ということになれば、それを解消するために今回の改正があるのだろうと思いますけれども、そういう全体的な数字から見ればこの六十九条の七に該当する対象者というのはごく一部であるわけですから、そういうことを思うわけです。 この六十九条の七に該当する人たちの負担分というのは今回の改正でどのぐらいふえるのか、わかりますでしょうか。
○高木(俊)政府委員 平成九年度について試算をしてみますと、いわゆる一部負担の増に伴うものが約九億円ほどふえる格好になります。
○田端分科員 今お話しございましたようにわずか九億円でございますから、八千三百億円という数字から見れば正直言って何とかならないのか、こういう思いがいたします。 そこで、厚生大臣にお尋ねしたいわけですけれども、大臣は一昨々日ですか、郵政三事業の民営化に熱い情熱をお持ちの政治家として、わずか九億円ぐらいの負担がこの人たちにかかってくるこういう問題に対して、一緒くたにするということじゃなくて、何か温かい配慮なり、そういうことは政治家としてできないのだろうか、こういう思いがするわけでございますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○小泉国務大臣 保険の仕組みとしてこうなっているわけで、これだけ除外するとなると、私は、またほかにもいろいろな影響が出てくるのではないか。国保は三割、健保は二割、そして高齢者に対しては定額ということになっておりますけれども、確かにお気持ちはわかりますけれども、制度としてこれを除外するというのは私は無理があるのではないか。当然、低所得者に対しては特別の配慮もありますし、高額療養費についてはまた特別な配慮がなされているわけでありますので、そういう点で御理解をいただければなと思っております。
○田端分科員 もちろん制度として、仕組みとしてそうでございますけれども、しかし、そこは政治の力でやはり弱い立場の人々に対して手を差し伸べるというのが本筋ではないか、こう思います。今直ちにということは無理であったとしても、ぜひひとつ、そういう現実、矛盾もあるのだということもお酌み取りいただいて、またこれからもそういうことも頭の片隅に入れていただいて御検討願いたい、こう思います。 次に、准看護婦の問題についてお尋ねしたいと思います。 先日、テレビのドキュメント番組を見ていましたら、この問題が大変詳しく報道されておりまして、私も驚きを持ってつい見てしまったという番組がありました。それは准看護婦の実態についてレポートした報道番組でございましたけれども、一つは、准看護婦と正看護婦というのは相当差があるのだなということを、現場の違いというものを改めて思い知ったわけでございます。特に、准看護婦の生徒さんたちはまことにけなげに一生懸命働き、仕事し、学んでいる、こう思いました。例えば、午前中、診療所で働いて、もうお昼の食事も時間がないぎりぎりまで働いて、そして、病院の先生に、行ってきますとごあいさつして、学校に走っていって飛び込む。それで夕方まで勉強して、そして夕方、診療所に戻ってきてまた働く。八時、九時まで働いて、夜は寮に帰ってまた勉強する。こういう生活の実態がその番組で浮き彫りにされておりました。我々の知らないところで非常に努力されているのだなということを感じたわけであります。 厚生省の方から准看護婦問題調査検討会報告書というのをちょうだいしまして拝見いたしました。平成八年十二月二十日付でまとめられた報告書でございますが、これを読んでも、そういう中身が明確に指摘されています。 一つは、例えば准看護婦養成所に入学するに際して、特定の医療機関で働くということを義務づけられているといいますか、そういうことがやはり問題のようでございます。つまり、労働基準法とのかかわりになると思いますが、それが入学に際しての契約事項になっているとすれば問題であろう。 それから、それと表裏の関係になるのですが、奨学資金の貸与を受けるから、三年間なり二年間なり、お礼奉公といいますか、その病院で働く、こういうことが、つまり、雇用と奨学金の貸与とがごちゃまぜになったような実態が全国でいろいろあるようでございます。 それから、長時間労働といいますか、あるいはお給料も大変安いようでありますし、そういう労働条件が非常に厳しいということもこの報告書の中にいろいろ指摘されている現実だ、こう思うわけです。 例えば、一人の生徒が特定の医療機関から百万なり二百万なりという奨学金を受けることによって准看護婦の学校に通う、そして一生懸命勉強して資格を取って、その後今度は、借りたためにその借りた医療機関で二年とか三年、お礼奉公といいますか、そういうふうな口約束なり契約なりというものが今までの慣習でどうもあったということがこの報告書の中でも言われているわけであります。奨学金を、借りたものは返すのはこれはもう当たり前のことですが、しかし、それと働くこととをセットにしたそういうことというのは非常に問題があろうか、こう思います。 そこで、厚生省の方でもいろいろ御検討されて、そういったいろいろな矛盾のあるこの准看護婦の養成所の問題について、四月一日から思い切って指定基準を改正するというふうなことをお決めになったという報道を先般見ましたけれども、これはどういうふうに改正するのか、本当にそういう矛盾が解決されるのだろうか、いつからそういうことになるのだろうか、こういうことを感じますけれども、いかがでございましょうか。
○谷(修)政府委員 今お触れになりました准看護婦の養成制度に関連いたします幾つかの問題につきましては、今お触れになられたとおりでございますが、そのうち、特に奨学金の問題あるいは入学に際しての雇用契約の問題、そういうようなことにつきましては、保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則の改正を行うということで、現在、関係省庁との調整を進めているところでございまして、新年度から施行、適用するようにしてまいりたいというふうに考えております。 また、今具体的にお触れになりました奨学金の問題でございますが、特に奨学金の問題につきましては、入学者と学校との契約にかかわる部分が多いわけでございますので、先般、二月ですか、担当課長会議を開催いたしまして、将来の勤務の拘束につながるような問題のある契約とならないように学校関係者を指導するように、各県の担当者にお願いをいたしたところでございます。
○田端分科員 そういういろいろな問題があろうかと思いますけれども、ぜひ体制が実際に現実に運用面でうまくいくようにひとつ注意しながらお願いしたい、こう思います。 最後に、この准看護婦と正看護婦の統合問題について、大臣、何かお考えをお持ちでございましょうか。今、准看四十万、正看五十万ですか、そのぐらいいるようでございますけれども、これはやはりいろいろな矛盾もあるようですし、なかなか難しい問題もあろうかと思いますけれども、将来どういうお考えか、その辺の方針を聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○小泉国務大臣 准看護婦さんが正看護婦の資格を取りたいというのは、非常に希望者が多いということは、医療の質を向上させるという観点からも、私はいい傾向だと思っております。そして、准看が働きながら正看の資格を取得できるような方策というものをできるだけ早く整えていきたいと思っております。
○田端分科員 ありがとうございました。終わります。
○越智主査 これにて田端正広君の質疑は終了いたしました。 次に、松本純君。
○松本(純)分科員 小泉厚生大臣におかれましては、少子・高齢化の進む中、二十一世紀を見据えたさまざまな社会保障制度の抜本的改革に精力的に取り組んでおられます。心から敬意を表するところでございます。 さて、山積する課題の中でも、特に医療保険法あるいは公的介護保険、これらの取りまとめについては大変重要な時期を迎えておるところでございます。 これに関連して、医療保険で言う薬剤に着目した患者負担、つまり、医療機関、患者、保険者がそれぞれにコスト意識を持つことによって医療費を抑えることのできる方法をとった場合でありますが、私は、現在までも推進に御努力をいただいております医薬分業がさらに必要な状況を迎えることになろうと考えております。その受け入れ体制を早急に整備していかなければならない。 こんな時期を迎えて、まず大臣に、この分業の役割あるいは面分業の推進についての御所見をお尋ねしたいと存じます。
○小泉国務大臣 医薬分業の重要性を認識しつつ、今、その体制整備を進めているところであります。欧米に比べて日本はおくれてはおりますけれども、着実にその成果は上がっていると考えております。これからも、特に日本人は薬が好きだというか、薬に依存する面が多過ぎるという指摘もございます。薬の飲み合わせの副作用、重複等を防止するという観点からも、この医薬分業を推進するということは大変重要だと思っております。
○松本(純)分科員 大変重要であると御認識をいただいているところでございますが、この適正な面分業が進められなければならない大切な時期に、まことに残念な事件が起きてしまいました。 一昨年から昨年にかけて、大手門前薬局チェーン二社の、医師へのリベートの供与等の事例が発覚し、保険法違反として保険薬局の取り消し処分等が行われたと聞いておりますが、この違反の内容など、どのようなものであったのか、お尋ねをさせていただきます。
○高木(俊)政府委員 先生御指摘のケースは、クラフトと日本調剤の事件のことだろうと思います。 まず、クラフトについてでございますけれども、これは、一つには、特定の医療機関の職員等に対します患者一部負担金を減免していたということがございます。それからまた、特定の医療機関の職員に給与を支払っていたということ、それから三つ目には、監査を受けるに当たりまして、薬剤の服用歴に不実記載を行っていた、それから四点目が、保険薬局の指定申請に当たりまして、薬局の開設場所の賃借りをしておったわけでありますが、これに対する虚偽の報告がなされていたということが違反の事実として確認をされております。 それからまた、日本調剤につきましては、特定の医療機関の職員等に対しまして患者一部負担金を減免していた。また、特定の医療機関に対しまして多額のリベートが支払われていた。それから三点目が、同一の建物内に保険薬局と診療所を同時に経営していた。こういったことが違反事実として確認をされております。 保険薬局につきましては、健康保険法上、虚偽報告については、これは当然のことでありますが、禁じられておりますし、また、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則というのがございますけれども、この中で、健康保険法に定められた一部負担金を受け取らなければならないという規定、それからまた、保険医療機関との一体的な運営を禁じておりまして、クラフト及び日本調剤、両社ともこれらの規定に違反をしていた、こういうことでございます。
○松本(純)分科員 日本調剤の神奈川県横須賀店も今回の処分対象となったとお伺いしておりますが、同薬局の指定取り消し後、その薬局の建物、設備、従業員がそっくり別の開設者に引き継がれて、営業が続けられていると聞いております。 横須賀市の薬剤師会では、当初、その薬局を引き継ぐことも検討したようでありますが、違反薬局を引き継ぐということに対して、社会的、道義的、また厚生省の面分業推進の観点から、地域の薬局が面分業で受けとめていくということで受け入れ体制を整えていたところでございました。保険法の処分を無意味にしないためにも、開設者の名義が変わったただけで違反薬局が営業を継続できるのは大変おかしいことであると横須賀市薬剤師会が県当局に指摘をしたところでございますが、当該薬局の許可は認められてしまったというのが現実でございます。 同様の事例が千葉、茨城、北海道等でもあったと聞いておるところでありますが、厚生省はこれらの事実を承知していらっしゃるのかどうか、お尋ねをいたします。
○高木(俊)政府委員 ただいま申し上げました違反薬局について、その後の状況でございますけれども、北海道と千葉と、今先生がお話ございました神奈川県におきまして、取り消しされた薬局と同じ場所、建物で新たな保険薬局の指定がなされたというのは、私ども承知をいたしております。 ただ、茨城県におきましては、これは当該違反薬局の元従業員が開設者となりまして、場所としましては、指定取り消しをされた薬局の近くで開設されたということで聞いておりますので、この茨城の場合には同じ場所ではないということで聞いております。これにつきましては、やはり新たな薬局として指定をされておるというふうに聞いております。
○松本(純)分科員 今回のケースを見ておりますと、日本調剤の薬局が保険の指定取り消し処分を受けるのと同時、または遅くとも一週間程度で別の薬局が開局をしている、こんな状況になっているわけであります。通常、県の薬局開設許可をとり、また、保険の指定を受けるのには少なくとも二週間以上の期間を必要としているところでございます。 このように、通常より早く薬局の開設許可及び指定がおりているということは、県がこのような違反薬局の引き継ぎについては特に問題があるとは考えていない、それどころか逆に奨励をしているようにも見えるところでありますが、開設者が別であれば、健康保険法違反で処分中の薬局の建物や設備、従業員を利用して薬局の許可をとり、または保険の指定を受けて継続して営業することは特に問題がない、これについては厚生省としてはどのように受けとめ、考えていらっしゃるか、お尋ねをいたします。
○高木(俊)政府委員 まず最初の、新たな薬局としての指定までの期間でありますけれども、これは、それぞれの県の方に尋ねましたところ、必ずしも異常な早さということではないようでありまして、それぞれ新たに保険薬局として指定される場合には地方社会保険医療協議会にお諮りしてその指定をしておりまして、県によっては大体月に二回程度開かれているようでありますし、そういった中で今回の指定が行われておるということでございます。 それから、こういった違反薬局の同じ建物等でまた新たに薬局が開設されることについてでございますけれども、これはもう当然のことでありますけれども、それがいわゆる法が禁止しておる趣旨に照らしまして形骸化したような格好でなされているとすれば、それはやはり問題であるというふうに思っております。 ただ、本件の場合につきまして、それぞれ確認をいたしましたところ、それぞれの県の地方社会保険医療協議会の議決も経ておりますし、そういった中で今回のケースを見てみますと、具体的に、指定を取り消された保険医療機関の開設者とは全く別の方がこれについて指定申請をしてきておりますし、そういった意味で、それぞれの経営主体も全く異にしております。そういった中で、今回の新たな薬局の開設についての医療保険上の指定を拒否するという合理的な理由がございませんので、そういった意味で今回は新規に保険医療機関としての指定が行われておる、こういうことでございます。
○松本(純)分科員 この辺に矛盾を強く感ずるところなのであります。保険薬局の指定取り消し期間は二年間だということでありますが、これは、その間はその薬局を他の者が使用して薬局を開設することを含めて保険薬局の指定をしないということではないのだろうか、こんなように疑問に思うところであります。 もしこれが認められるとするのであれば、何らかの健保法違反を犯して保険薬局の指定取り消し処分を受けても、処分の期間だけ関係者に薬局の開設権を譲り薬局経営を継続するとすれば、経済的損害も少なくすることが可能となってしまうわけであります。現に、今回処分された一部には、当該違反薬局の元従業員が開設者となっておりまして、違反者のダミーであるとも言われているところであります。 このように聞いている中で、厚生省はこうした事実を調査されたのかどうか。もし事実であるとすれば、健保法の処分は社会的制裁とは全くならない、保険指定の取り消し処分は全く無意味ではないかと思うところでありますが、どうお考えになるか、お尋ねをいたします。
○高木(俊)政府委員 私どもとしましても、ダミー的な状況が行われておるとか、そういったいわゆる現行の法の趣旨に照らしまして処分の趣旨を阻害するような形で行われているということであれば、これは適切ではないというふうに考えておりますが、今回のケースにつきまして県当局の方から事情を聞きましたところ、取り消しをされた保険薬局と新たに指定された保険薬局との間には直接的な経営上の関係もない、それから、今回の新たな保険薬局の開設者も全く別でありますし、そういった意味で、いわゆる経済的なつながりもないということが確認をされ、そして、その上で承認がなされております。 また、先ほど申し上げましたように、この承認に当たりましては、各県の地方社会保険医療協議会の議も経ておりますし、そういった中にはそれぞれ薬剤師会、薬剤師の代表の方も入っていらっしゃいますし、そういった意味で適正な手続のもとに承認が行われた、このように私ども報告を受けております。
○松本(純)分科員 薬事法第七十五条によれば、薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったときは、薬局の許可を取り消し、また、一定の期間の業務の停止を命ずることができるとされております。 また、昨年五月三十一日の衆議院厚生委員会におきまして、今回の事例に関して、業務局長は次のような答弁を行っております。 「健康保険法では、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第二条の三におきまして「保険薬局は、保険医療機関と一体とみられるような運営を行ってはならない」というふうにされておりまして、この規定は、保険薬局が担当する療養の給付が保健衛生上の観点から適正に行われることを求める趣旨であることから、薬事に関する法令の中にも健康保険法が含まれるというふうに理解をいたしております。 と答弁をいただいたところであります。 そこで、お尋ねをいたしますが、この見解について現在も変更がないのであるか、また、今回の違反薬局に対し、薬事法サイドからも監視を強化すべきと私は思いますが、どのようにお考えになるか、お尋ねをいたします。
○丸山政府委員 昨年五月三十一日の業務局長答弁にございますように、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の「保険薬局は、保険医療機関と一体的とみられるような運営を行ってはならない」旨の規定は、許可取り消してございますとか、業務停止処分の事由となります今先生お話しの薬事法七十五条に規定する「薬事に関する法令」に含まれるものと理解をいたしております。 お尋ねの、大規模チェーン薬局がリベートの供与等不適正な運営を行っているということでございますが、これが医薬分業の適正な推進を妨げるおそれがあるという先生の御懸念につきましては、厚生省としても同様の考え方を持っているところでございまして、今後、薬事監視の手法などを用いまして、大型チェーン薬局の業務が適正に行われているかどうか、薬事法に照らして厳正に監視を行ってまいりたいと考えております。
○松本(純)分科員 最近、医薬分業が全国的に進み始めておりますが、適正な医薬分業を進めるためにも、今回の事例は看過することはできません。これを機会に、厚生省の基本方針である面分業を推進し、不適切な医薬分業を排除するため、薬事法上の見直しも必要ではないかと考えます。 昨年、第百三十六通常国会で薬事法が改正をされました。薬局開設者及び管理薬剤師の義務規定が強化されたところでありますが、この改正は、管理薬剤師の責任と権限の強化を行うことによって、適正な医薬分業の推進を図ることが目的であったと思います。 改正薬事法の第九条では、管理薬剤師が開設者に対し、薬局業務について保健衛生上の支障を生ずることのないよう必要な意見を述べなければならないと記載されており、また、第九条の二では、薬局開設者は管理薬剤師の意見を尊重しなければならないとされ、同条で、厚生大臣は開設者が遵守すべき事項を定めることができる、このようになっております。 これらの法規定に基づいて、医薬分業に対する基本理念や処方せん発行医療機関との関係のあり方、また処方せん発行に対する見返りとしてのリベートの禁止など、詳細な基準を薬事法で設けることができるのではないか、そして、それらの疑いのある薬局の許可の拒否、規定に違反した薬局に対する薬事法上の処分を可能とするよう検討をすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○丸山政府委員 先生御指摘のとおり、医薬品の適正使用につながります適正な医薬分業の推進などに資するために、昨年、薬局の管理者たる薬剤師の権限と責任を強化する薬事法の改正並びに患者に必要な情報を提供することを薬剤師に義務づける薬剤師法の改正が行われたところでございます。 この改正によりまして、薬局の開設者が経営上の観点から、処方せんの中の疑義照会あるいは患者への情報提供など、薬剤師の適正な業務の遂行を阻害した場合に、薬局の管理者である薬剤師は開設者に対して意見を述べ、開設者がその意見を尊重しなければならないこととなり、違反した場合には薬事法違反として処分の対象となり得ることから、薬局業務の適正化が図られるものと期待をしている次第でございます。 一方、処方せんの発行に対しますリベートの禁止などの医療機関との経済的な結びつきなどに関する規制につきましては、保健衛生の向上を目的とする薬事法では困難でございまして、健康保険法に基づく諸規定により行っているところであります。 したがいまして、医薬分業の適正化のためには、薬事法のみならず、健康保険法の諸規定、さらには薬局業務運営ガイドライン等も定められております。これらによる指導もあわせて対応していくことが必要でありまして、今後とも、適正な医薬分業が進展できるように努力してまいりたいと考えております。
○松本(純)分科員 厚生省は、面分業の推進を指導しておられますが、各地で地域の薬剤師会が面での受け入れ体制を整備しているところにいわゆる大型門前薬局チェーンが進出をし、地域の薬局の意欲をそいでしまっているという事例があります。 今回の違反薬局チェーンも、健康保険法違反として処分されたにもかかわらず、反省の色もなく、各地で薬局開設許可を取得し、保険薬局に指定されている事例があり、都道府県の業務課も保険課もなすすべもなくそれを認めてしまっているとお伺いをしているところでありますが、厚生省はこのような実態、事実を確認していらっしゃるかどうか、お尋ねします。
○丸山政府委員 健康保険法違反で処分が行われました薬局チェーンが、処分後に、他の場所におきまして、幾つかの薬局につきまして新たに薬局開設の許可を取得いたしまして、保険薬局として指定をされたというふうに聞いております。 この薬局の開設の許可と保険薬局の指定は連動して行っておりまして、都道府県の薬事担当課におきましては、薬局としての構造設備、薬剤師の員数、申請者の人的要件などの法令に定める許可要件を確認した上で許可を行ったものと承知をいたしております。
○松本(純)分科員 新聞報道によれば、今回の日本調剤のケースでは、医療機関の医師らに供与した日本調剤のリベートは総額で四億円を超えるとお伺いをしております。 医療保険が財政的に逼迫し、厚生省は保険料の引き上げや患者負担を引き上げるために健康保険法の改正を行おうとしておるところでありますが、健康保険法違反をして保険の取り消し処分を受けた薬局が開設者を別の者の名義にするだけで事実上薬局経営を持続できるようなことを認めていたのでは、患者負担の大幅引き上げなど、国民の納得は得られないのではないかと思うところであります。 医薬品の適正使用や安全確保が重要な課題となっております昨今、この医薬分業によりまして、不必要な薬剤使用を改め、また、薬剤費の適正化を進めようと努力をしておるところであります。このような巨額の金品の供与によって処方せんを引き出そうとするようなところに、そのような期待ができるはずもありません。 このような営利一辺倒の大型門前薬局チェーンは、厚生省が推進しております面分業を阻害し、また、どうしても今回のように医療機関と結びついて不適正な分業に走りやすいということが明らかにされたところでもあります。今回のような不適正な医薬分業に対し、事実上有効な制裁措置がとれないということであるのであれば、医薬分業そのものに対する国民の不信はさらに大きくなるものと思います。 適正な医薬分業を推進するために、薬事法、健保法を駆使して早急に有効な対策を進めていくということが大変重要なことになってくると思います。厚生大臣にこの点を強くお願いを申し上げ、この改善をもさらに図っていっていただきたいと心から願うところでありますが、今までの議論をお伺いいただいた中で、厚生大臣がどのように考えられるか、また、これからどのようにお取り組みをいただけるか、その決意のほどもお聞かせをいただければ幸いでございます。
○小泉国務大臣 今のお話を伺っていまして、健康保険法違反で処分されて、実際にはその処分が何らの社会的制裁になっていない、これではまじめにやっていた薬局がばかを見るのではないかというような御指摘だと思います。ごもっともだと思います。 これに対して有効な措置がないか。厚生省は、今の御意見を参考にしながら医薬分業を進めていく、同時に、今後そのような疑いを持たれないように薬局等の質的な向上を目指すべきだと思っております。今の御意見をよく参考にしていきたいと思います。
○松本(純)分科員 ありがとうございました。質問を終わります。
○越智主査 これにて松本純君の質疑は終了いたしました。 次に、肥田美代子さん。
○肥田分科員 民主党の肥田美代子でございます。どうぞよろしくお願いします。 私は、奈良県立医大の精神科の医師が兵庫県千種町の特養老人ホーム「ちくさの郷」でアルツハイマー治療物質の臨床試験を実施していた問題について質問します。 まず、この一連の事柄に関しまして、簡潔に御説明いただけますでしょうか。
○丸山政府委員 御指摘の件でございますけれども、奈良県立医科大学が製薬企業からの依頼を受けましてアルツハイマー型痴呆症患者を対象として実施した治験でございます。 このアルツハイマー型痴呆疾患につきましては、いまだ有効な治療法が確立をされていないことから、同種の医薬品の開発につきましては、大きな期待が寄せられているところでございます。 この治験は、治験計画届け書によりますれば、平成七年四月十九日から平成八年三月三十一日までの期間で実施をされ、奈良県立医科大学では、同大学附属病院精神科医師を治験担当医師として、平成七年五月十九日に依頼者と六症例を契約、平成七年五月十九日から平成八年三月三十一日までの期間で実施をされております。 この治験担当医師は、契約した六症例のうち、二つの症例につきましては奈良県立医大附属病院の外来患者を被験者として行っておりますけれども、残る四症例につきましては兵庫県の特別養護老人ホーム入所者を被験者として行ったというのが治験の概要でございます。
○肥田分科員 この奈良県立医大の臨床試験に関して、製薬企業から薬事法に基づいて厚生省に治験の計画は出されておりますね。
○丸山政府委員 御指摘の、治験の届けにつきましては、平成七年三月九日に企業から出されております。
○肥田分科員 その製薬会社は、どこの会社ですか。名前を教えてください。
○丸山政府委員 治験届につきましては、いわば開発段階における計画でございまして、その開発情報が企業の知的所有権にかかわる情報を持っているということで、企業名を含めて現在お示しすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○肥田分科員 今回、中間報告についても生の報告をいただきたいというふうに申し上げたのですけれども、出てこないのですね。 それで、今名前を公表できないとおっしゃったのは、要するに製薬企業の企業秘密であるということでございましょうけれども、それ以上に何かありますか、名前が出せないということは。
○丸山政府委員 開発情報につきましては、競争関係にある関係企業に知れることによりましてその申請企業が不当な不利益を受けるおそれがあるということで、知的所有権にかかわる情報ということで、企業秘密ということで私どもは公表を差し控えているところでございます。
○肥田分科員 企業秘密はわかるのですけれども、これは、今回、事件があったのです。何もなかったら私は伺いませんよ。 私は、厚生省の姿勢はおかしいと思います。薬の中身とか内容について詳しく教えてくださいと申し上げているのじゃないのです。 どこのメーカーですか。それがどうしても企業秘密なら、その理由をもう一度おっしゃってください。
○丸山政府委員 医薬品の開発情報につきましては、治験をどの企業が行っているかということも含めまして、開発情報として、いわば将来の知的所有権にかかわる問題でございまして、御趣旨はわかりますけれども、コメントすることは差し控えさせていただきたいと存じております。
○肥田分科員 では、この名前に関しては後回しにします。 それでは、今回、治験の計画書というのは出されておりますね。その治験契約施設として特養老人ホームの「ちくさの郷」は明記されておりましたか。
○丸山政府委員 明記されておりません。
○肥田分科員 それでは、今回の治験は契約外施設であるというふうに理解していいですか。
○丸山政府委員 治験実施施設外でございます。
○肥田分科員 治験の担当医師は、臨床試験は外来の往診でも可能であるというふうにおっしゃっているそうですけれども、この点についてはどうですか。今回、外来患者に対する往診は可能だったのですか。
○丸山政府委員 往診という形での治験でございますけれども、一般には外来治験という形で、入院している患者さんの治験を行うか、あるいは外来の患者の方の治験を行うかということで分かれておりまして、その外来治験の中で、往診による治験という例もございます。でございますが、本件につきましては、外来治験ということではございましたけれども、往診外来で治験を行うという旨の把握といいますか確認というのはされておらなかった状態でございます。
○肥田分科員 それで、厚生省としては、このやり方についてはどういうふうに考えておられますか。よかったのですか、悪かったのですか。
○丸山政府委員 冒頭から往診外来ということが計画に入っておりますれば、それなりの医学的管理が可能でございますけれども、本件については、治験担当医師が緊急時にみずから適切な対応ができるかどうかといったような点、また治験薬の管理といったようなことで、果たして、いわば特養入所中の本件の患者に対しまして治験を行うに足りる医学的管理が行われたかどうかという点は、甚だ疑問でございます。
○肥田分科員 病院からこの特養老人ホームまで、どのぐらいの時間で行けるのですか。
○丸山政府委員 列車を使いまして三時間半と聞いております。
○肥田分科員 外来は無理ですね。 この医師の態度の中に、今回の臨床試験のずさんさ、それから医師のモラルの低下がはっきりとあらわれていると思うのです。厚生省は、治験依頼者と奈良医大に調査を指示されるだけでなくて、この重大さから考えますと、厚生省みずからがきちんとした調査に入るべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。大臣にお答えいただきます。
○小泉国務大臣 調査する必要はあると思います。
○肥田分科員 必要があるのですけれども、調査されますか、されないのでしょうか。
○丸山政府委員 現在、奈良県立医大並びに治験依頼者からの報告を徴しておりまして、今後、三月中に実態調査をしたいと考えております。厚生省としても調査をいたしたいと考えております。
○肥田分科員 武田製薬は、契約外施設で治験がなされたということを知っておりましたか。——つい製薬企業名を言ってしまいました。 私、さっきも申し上げましたけれども、こうやってもう明らかになっていることを、企業のプライバシーを守るとか企業の利益を守るとか、そういうことをおっしゃらないでほしいのです。厚生省がどうしても資料を渋って出してくださらない。今回のこのことについて、私、本当にうんざりしているのです。ですから、わかっていることぐらいははっきりおっしゃってください、お願いします。いかがですか。
○丸山政府委員 開発情報並びに当該患者さんのプライバシー以外につきましては、事前に先生にも資料としてお示ししたというふうに考えております。
○肥田分科員 大臣、お聞きになっていて、例えばこういうメーカーの名前ぐらい、厚生省が、秘密を守るという立場もございましょうし企業の利益を守るということもございましょうけれども、既にもうだれもが知っているこういうことをあえて一生懸命隠される、そういうことを大臣、どう考えますか。
○小泉国務大臣 最近は、秘密を隠そうと思っても隠せませんから、この点は、隠さなくてもいいことは隠さない方がいいのではないかな、よく検討する必要はあると思います。
○肥田分科員 それでは、今回のこの依頼者は武田製薬であるというふうに私は理解しておりますが、それが正しいかどうかだけおっしゃってください。お願いします。
○丸山政府委員 そのとおりでございます。
○肥田分科員 以後、依頼者と言わずに、私は武田製薬というふうに話させていただきます。 武田製薬は知っていたのですね。モニターが医者に、このことについて注意をしたのですか、しなかったのですか。
○丸山政府委員 注意をしたという報告を受けております。
○肥田分科員 武田製薬は、今回治験を依頼した他の医療施設についても、早急に調査する義務があると思います。武田製薬は、いつごろまでにこの調査結果を厚生省に提出すると言っておりますか。
○丸山政府委員 三月末を目途に報告をしたいというふうに承知をしております。
○肥田分科員 インフォームド・コンセントについても重大な過失があります。治験担当医師は、直接家族に説明して同意をとっておりませんね。それで、だれが説明してこのインフォームド・コンセントをとったのか、また、ケースカードには記載の矛盾がなかったかどうか、その辺についてお答えください。
○丸山政府委員 治験実施計画書には、当然のことながら、被験者の同意につきましては、被験者本人のほかに、代理人として、配偶者あるいは保護者、後見人またはそれに相当する者の同意を、十分説明して同意を得るということになっておりまして、この特養の入所者につきましては、治験担当医師が被験者本人に対して説明をし、同意書には、被験者本人と、代理人の署名欄に老人ホーム施設長の署名がなされていると承知しております。 一方、症例調査票によりますれば、治験担当医師は、被験者本人とそれから家族の両方の同意を得た旨記載をされていると報告を受けております。 かように、同意の取得状況、特に、いわば家族の同意の取得状況につきましては、なお詳細な調査を必要としております。事実関係を明らかにしてまいりたいと考えております。
○肥田分科員 要するに、同意書の内容とケースカードの内容が矛盾していたということですね。
○丸山政府委員 そのとおりでございます。
○肥田分科員 それは、GCP違反になるのですか。
○丸山政府委員 それが事実とすれば、違反でございます。
○肥田分科員 事実であったか事実でないか、どっちですか。
○丸山政府委員 現在、調査中でございます。
○肥田分科員 厚生省は、同意書もケースカードもごらんになったのですね。
○丸山政府委員 報告を徴しております。
○肥田分科員 それで、事実か事実でないかわからないのですか。
○丸山政府委員 現在、それも含めまして、事実関係を調査中でございます。
○肥田分科員 それも含めましてでなくて、私がお聞きしているのは、同意書とそれからケースカードの矛盾があると、これはGCP違反でございますかという質問です。
○丸山政府委員 事実と確認されれば、違反でございます。
○肥田分科員 事実の確認は、その二つの書類を見ただけでは確認できないわけですか。
○丸山政府委員 具体的にだれがだれにどのような説明をし、また、だれがだれにどのようにその説明に基づいて同意をしたかということにつきまして、詳細に確認をする必要があると考えております。
○肥田分科員 ちょっと、今のお答え、よくわからないのですけれども。同意書とケースカードに矛盾があるということは、既に事実ですよね。そうしたら、その事実について厚生省はGCP違反であると考えられるのかどうかということをお尋ねしているのですが。
○丸山政府委員 それは事実とすれば違反でございますので、さらに詳しく確認をしたいと思っております。
○肥田分科員 治験施設には治験審査委員会を設置することが義務づけられております。奈良医大の場合、結果的には、医師の独走を病院全体が追認しており、治験審査委員会の機能が事実上働かなかったというふうに考えておりますが、その理解でよろしゅうございますか。
○丸山政府委員 奈良県立医大の附属病院の治験審査委員会につきましては、治験実施の適否の審査を行った上で治験実施を承認いたしておりまして、また、治験担当医師からの治験終了後の報告では、GCP、治験実施基準を遵守し、全症例を、文書による同意を得たという報告を同審査委員会で受けているところでございます。 このような治験審査委員会の活動から見ますと、著しく不適切な運営がなされていたとは言いがたいと考えておる次第でございますけれども、治験担当医師が、いわば独断で施設外の特養入所中の老人を治験の対象とし、さらに家族の同意を得ていたかどうかについて、さらに事実の把握が必要であるという点から見まして、治験審査委員会につきましては、今後機能の充実強化を図るべき課題が残されているというふうに考えている次第でございます。
○肥田分科員 四月一日から新しく実施されます新薬事法で治験審査委員会の権限が強化されると思いますし、新しいGCPの素案では欧米のレベルに合わせるということで、かなり改善されようとしております。医療機関外の人の参加義務を課したということは私は大変いいことだと思うのですけれども、あとの一人についてどういう人を今想定されていらっしゃいますか。
○丸山政府委員 一般的に、法律関係に詳しい、例えば弁護士の方ですとか、その他学識経験者の方を検討しているというふうに聞いております。
○肥田分科員 欧米のレベルに合わせてというふうに厚生省が考えていらっしゃいますけれども、例えばアメリカでは、あとの一人はどういう人が当たりますか。
○丸山政府委員 米国の場合は、治験審査委員会に地域の住民の方が参加しているという例もあるというふうに聞いております。
○肥田分科員 地域の住民が参加するという意味合いは、例えば患者の代表でありますとか、それからその地域にいる本当に弱い立場の人たちということも考えられるのです。要するに、弱者を代表する見方をしていってほしいと思うのです。まだ素案の段階ですから、私はこれから幾らでも意味合いは加えられると思うので、その辺いかがでしょうか。
○丸山政府委員 よく検討させていただきたいと存じます。
○肥田分科員 奈良医大の臨床試験が報道されたときに、海外からは、やはり日本は高齢者の人権なんか考えていないのではないか、ビジネスの対象としか思っていないのではないかという批判が参ったのを私はある医師から聞きました。日本では治験という行為が本当の科学的な試験ではなくて人体実験風に行われている、これはもうみんなが指摘するところでございます。そこで忘れられてしまっているのが最も大切な患者の人権、特に今回は高齢の方の人権でございました。やはり人間の尊厳を守るというところで大変これは微妙な問題だと思うのですけれども、医療と人権について、大臣のお考えがございましたらお話しください。
○小泉国務大臣 人権というのは医療だけでなくすべてに大事なものでありまして、特に、これからは医師と患者の説明と合意というものの重要性が再三言われております。まして、こういう治験に関しては同意を得るというのは当然のことでありまして、人権に対する配慮というのは最大限なされなければいけないと思っております。
○肥田分科員 医師がモラルを持って薬の適正使用をすれば、今回のように医療保険制度の改革で患者たちに過重な負担をかけないで済んだのではないかと私は思うのですけれども、医師のモラルの欠如というのは大変な問題だと思うのです。新しいGCPができても、罰則規定がございませんので、結局こういうことがまた再び起こる可能性があると思います。 それで、患者の人権を守るためにも、臨床試験で不祥事を起こした医師に対してこれからどのような処置をしていかれるつもりか、大臣、お答えください。
○丸山政府委員 重大なGCP違反のケース等につきまして、治験担当医師につきましては、被験者の安全性の保持とかデータの信頼性の確保という点で疑問が生じてまいりますので、治験担当医師の氏名公表といったようなことにつきましても含めて検討してまいりたいと考えております。
○肥田分科員 大臣にお尋ねしますけれども、医師の氏名公表ということで、今後こういう不祥事は少なくなるとお考えになりますか。
○小泉国務大臣 氏名を公表することによって少なくなるかどうか、悪いことをしていると思うとやはり良心の呵責を感じますからね、また社会的制裁も受けるということで、それがこういう事故を起こさない抑制策になると思えば、私は公表した方がいいと思っています。
○肥田分科員 私も、その第一歩から進めていただきたいと思っております。 それで、公表されますと、治験の依頼者の方もその先生に頼まなくなりますし、自然に治験医師としての権利が失われていくわけですけれども、アメリカの場合には多分、治験医の権利が奪われるというふうに聞いておりますけれども、そうですが。
○丸山政府委員 やはり氏名公表のような扱いと聞いておりますけれども、それで、法的な拘束力まで伴わないものではないかというふうに聞いております。治験が実施できなくなる、このように聞いております。
○肥田分科員 やはり、氏名をきちんと公開していただくことも大事ですし、そのほかの情報もまたきちんと出していただければと思っておりますが、いかがですか。
○丸山政府委員 医薬品の臨床治験は、新薬の開発にとって大変大事でありますとともに、お尋ねのように、被験者の人権保護の面でも極めて重要でございますので、今回も含めまして、GCP調査を実施いたしまして、重大な違反の事例等につきましてはその概要、内容を公表するということで、治験が適正に行われるように努めてまいりたいと考えております。
○肥田分科員 現在、GCPをきちんと知っている医師はそんなに多くないように伺っております。それで、新GCPを本当に実効力のあるものにするために、医師に対してもっともっと啓蒙とか教育とかが必要だと思うのです。今後、医師の教育を具体的にどんな方法でなされるおつもりなのか。大臣お答えください、お願いします。
○谷(修)政府委員 治験あるいはGCPの内容についての教育ということでございます。 これは、昨年秋にまとめられました医薬品安全性確保対策検討会の最終報告でも提言をされております。医師の教育ということに関しましては、この点に関しては、機会あるごとに、また今後とも文部省の方にもお願いをいたしております。また、厚生省におきましても、医師国家試験の出題基準の中にこういったような薬の問題を盛り込むということをいたしております。また、卒後臨床研修におきましても治験の問題の習得をするということを目標にいたしておりますが、特に、平成九年度におきましては、臨床研修を行う研修医に対しまして臨床薬理学あるいは治験等の指導を行うということで、研修指導医を対象にした講習会を開催いたしたいというふうに考えております。
○肥田分科員 医師に対してはどうですか。
○丸山政府委員 GCPの理解を求めるという点でございますけれども、平成二年から既にGCPは実施されておりますけれども、それ以後も含めまして、現在治験に携わる医療関係者などを対象にいたしましてのGCPの説明会を実施しております。今後は、この説明会のほかに、モデル事業を通じまして、医療機関内の治験体制のモデルの提示、あるいは治験に携わる者に対する研修資料の作成などの普及定着に一層努めてまいりたいと考えております。
○肥田分科員 ちょっとまだ教育のところで不完全だと私思うのです。年に二回、現行ではなされていますけれども、これから、今までと同じように、医者とメーカーと同じように講習して、メーカーばかりの参加で医師はなかなか出てこない、そういうことになってもいいのですか。
○丸山政府委員 回数の増、並びにメーカーとそれから治験実施医師は区分して研修を行うようにいたしたいと考えております。
○肥田分科員 学会なんかでそれを利用してなさるという予定はありますか。例えば、春と秋と学会がありますね、そういうときにたくさんの医師が集まるのですけれども、それを利用されるというような方法はとれないのですか。
○丸山政府委員 春、秋の学会でも実施したいと考えております。
○肥田分科員 これで最後の質問にしたいと思います。 小泉大臣、お聞きになっていて、この日本の国で、薬の使用、それから医師と薬の関係、医師の薬への認識、そういうものが大変おくれているように思うのですね。本当に粗雑だと思います。すべて国民の命にかかわることでございます。医師の薬の適正使用をどうやって進めていくかというのは、これからの私たちの大きな大きな課題だと思うのです。 それで、医薬分業率が、やはり今まだ二十何%というところです。先ほども質問者が医薬分業についてお聞きになっていて、大臣も前向きにお答えになっていらっしゃいましたけれども、医薬分業、それから医師と薬の関係について、これからの教育をどういうふうに進めていきたいとお考えか、最後に前向きな御答弁をお願いします。
○小泉国務大臣 一般患者にとっては、お医者さんの言われたとおり従うしかないと思うのですね。それだけに、この薬の適正使用、さらに、いい薬を開発する努力というのは大変だと思うのですが、要は、医は算術ではなくて仁術だ、こういう原点に立ち返った認識をそれぞれお医者さんも持っていただいて、いい薬を開発する際の客観性といいますか透明性、これに向かって行政としても制度を整備していく必要があると思っております。
○肥田分科員 終わります。ありがとうございました。
○越智主査 これにて肥田美代子さんの質疑は終了いたしました。 次に、桜田義孝君。
○桜田分科員 桜田でございます。 昨年十月、選挙に初めて当選してきたわけですが、その出馬のときに一番選挙民に訴えてきたものは、財政再建と少子・高齢化ということで訴えさせていただきました。その中で、先ほどちょうど財政再建について委員会で発言させていただいたものですから、今回はこの厚生省分野で、少子・高齢化ということについていろいろお話をさせていただきたいなと思っております。 私、財政再建と少子・高齢化という問題は表裏一体の関係にあるのではないだろうかというふうに考えておるところでございます。余り難しいことをするよりも、やはり少子・高齢化というものは人口の構成のバランスをいうのであって、老人世代よりも若者の世代が大きければ高齢化社会なんということは言う必要はないわけでありまして、私は、特に国家的規模で少子化対策に力を入れるべきではないだろうか、そんなふうな考えで質問させていただきます。 現在、地球的規模で、第三世界において人口急増に伴う食糧確保の問題が非常に深刻化しているところでございます。我が国においても、少子・高齢化の急速な進展によりまして、人口バランスが非常に大きく崩れている、労働生産人口も減少していくなど、我が国の経済を支える世代が相対的に減少し、国力の衰退を同時に伴うものであるという認識を持っているところでございます。 少子化問題は、女性の晩婚化と社会進出ということで、男女の共同参加型の社会システムが叫ばれて、結婚後も家事に専念せず働き続ける女性がふえているところからでございます。また、合計特殊出生率は女性で一・四三と非常に低いところに来ているところでございます。この人口減少の流れが進んでいるところでございますが、データを見ただけでも、少子化の進展は、一人が多くの高齢者の介護や養護に当たらなければならなくなるという個人の負担はおろか、社会保障費も並行して増大するような危機的状況が言われております。現在、この難局を乗り切らなければならないだろうと思うのです。 そこで、少子化対策として、厚生省ではエンゼルプランの策定などを進めておられます。しかし、これ以上社会保障費の増大を回避するためには、むしろ、出生率を引き上げていくための政策立案を実行していく必要があると考えておりますが、厚生省の基本的な考え方をまずお伺いしたいなと思っております。
○中西政府委員 少子化につきましては、先生御指摘のとおり、従来から、経済活力の低下をもたらす、あるいは社会保障負担が非常にふえていくのじゃないか、労働力供給の面から見ても制約要因となる、子供の社会性も低下するのじゃないか、いろいろな各般の社会的、経済的影響が指摘されているところでございます。 厚生省といたしましては、御指摘のエンゼルプランに基づきまして、子育ての支援のための環境づくり、これに取り組んできておるところでございます。 少子化問題そのものにつきましては、結婚や出産そのものについては個人的な問題であって、国がなかなかかかわりづらいのじゃないかとか、あるいは少子化そのものをむしろ前提として社会ビジョンというものを考えるべきではないかとか、プラス・マイナスいろいろな御議論がございます。また、出生率を上昇させるための有効な政策、手だてというものにつきましても、欧米諸国の例を見れば、果たしてそれが有効であるのかないのか、これはなかなか議論のあるところでもございます。 いずれにせよ、厚生省といたしましては、少子化問題は非常に社会的、経済的影響が大きいという認識に立ちまして、人口問題審議会での審議を初めといたしまして、国民の皆様方に広く議論をしていただくという見地から、真剣に取り組んでいきたい、かように考えております。
○桜田分科員 女性の結婚や出産については、いろいろな答弁の中でありましたが、個人の自己決定権という範囲に属するので国家の介入についてはある程度限度があるかなとは思うのです。やはり少子化対策というものは、余り自発的な考えに任せていられないというような状況に来ているのではないだろうかと思うのですね。やはり基本的には、もうちょっと強力に国家主導型でこの問題は対応せざるを得ないのではないだろうかというふうに考えております。 例えば、いろいろなことで、たくさんの子供を欲しいと考えている方もいらっしゃると思うのですけれども、やはり今財政的に教育費が家計を圧迫する率が多いとかいろいろなことが考えられておるのです。特に、統計上、アンケートなんかをとっても一番多いのは、公費負担といいますか、財政援助を御夫婦で願っているようなところが非常に多いのです。やはり総合的にもうちょっと財政的措置を考えるべきではないだろうかと思うのですが、その点いかがお考えでしょうか。
○中西政府委員 厚生省といたしましては、先ほど申し上げましたエンゼルプラン、またその一環としての緊急保育対策等五か年事業を実施し、今その推進に努めているところでありますほか、この国会に利用者の立場に立った保育所制度に改めていくこと等を内容とする児童福祉法等の改正法案を提出することを予定いたしております。 それから、出生率低下の問題、少子化問題につきましては、これはひとり社会保障だけの問題ではなく、先生御指摘のとおり、教育の問題でありますとか雇用の問題、雇用環境、制度のみならず現実の社会慣行もこれあろうかと思います。国だけではなく、経済界、労働界広く取り組んでいかなければならない問題だと考えております。 政府といたしましても、これは厚生省のみならず関係省庁と連携をとりながら、人口問題審議会での議論も踏まえて幅広く取り組んでまいりたい、かように考えております。
○桜田分科員 ちょっと子育てというか、合計特殊出生率の今後の見通しというものは、今余り明るい見通しがないのですけれども、厚生省としてどの程度の見通しを持っているか、ちょっとお伺いしたいのです。
○中西政府委員 合計特殊出生率につきましては、今現在一・四二でございます。これがしばらくの間下がりまして、現在の出生率低下の最も大きい原因は未婚率の上昇でございます。ちょうど未婚率の上昇、すなわち晩婚化が進みつつあるプロセスでございまして、過程でございまして、したがって合計特殊出生率自体は、晩婚化が進んでいる過程でございますので結婚による取り戻しが参りまして、合計特殊出生率は反転する。ただ、反転の度合いが、前回の人口推計では一・八〇まで反転するだろう、このような推計を立てておったわけでございますが、今回の人口推計では二〇五〇年に向かって一・六一、一・六少しにまでしか反転しない、かように推計がなされております。
○桜田分科員 それでは、少子化対策について、幼児の保育、教育の面についてちょっと質問させていただきたいのです。 一般に言う就学前児童を養育するのは、保育所と幼稚園の二種類があるわけですが、厚生省が管轄するのは保育所であり、地元市町村が経営主体になっておりますが、平成八年四月では二万二千四百五十二カ所、百六十一万六十四人の児童数に上っているということ、入所率が八三・九%ということで、非常に高水準を保って、かなりそういう面では成功しているのではないだろうかと思うのです。 しかしながら、保育時間の延長問題に挙げられるように、一般のニーズに応じた幼児保育の必要性がいま一つ要求されているのではないだろうかというような観点から、行政改革の議論が活発化しておりますが、現在は公営となっている保育所にいわゆる民間活力を導入して需要に応じた保育サービスの提供ということについては厚生省はどのように考えているか、ちょっとお伺いしたいなと思っております。 それとまた、現実に民営化した場合、どのような効果があらわれるか、ひとつあわせてお答えを聞きたいなと思っております。
○中西政府委員 保育所の問題でございますが、現在、多様な保育サービスの充実を目指しましてエンゼルプランを策定し、その施策の具体化の一環として、先ほど触れました緊急保育対策等五か年事業を実施しておるところでございます。 その中で、低年齢児保育でございますとか、あるいは保育時間の延長、一時的な保育需要への対応など、いろいろなニーズに対応できる保育サービスの充実を図らんとしておるところでございますが、公と私別の取り組み状況を見ますと、おおむね民間保育所の方がこういった保育サービスに対する取り組みがより進んでいるというふうに認識しております。 しかしながら、要するに地域の保育の供給体制そのものをどのように仕組んでいくかということにつきましては、保育サービスの提供に第一義的な責任を有しております市町村の御判断によるものでありまして、国といたしましては、公立、私立を問わず、保育所が利用者の多様な保育ニーズに合致した質の高いサービスを提供することを期待しているところでございます。この国会に提出する予定の児童福祉法等の一部を改正する法律案においても、そうした事業が積極的に展開されるように、市町村の措置により保育所に入所する仕組みを改めて、保護者が保育所を選択する仕組みに切りかえていくというような内容を盛り込んだ上で提案いたしたい、かように考えております。
○桜田分科員 先ほど申しましたように、少子化対策の実効的対応として就学前の児童に家庭にかわって十分な保育をすることが極めて重要であるとの考え方から、昔も大分盛んに議論されていたことですけれども、幼保一体化、一元化問題というものが特に最近大都市で議論されているように思っております。また、私自身も選挙のときは、幼保一体化は強力に進める、行政改革に見習ったような形でなるべく間接経費というものを節約して、その分少子化対策に金をつぎ込むように努力しますというようなことを言ってきたものですから、特にこの問題には興味があるわけなんです。 厚生省としては、共用化とか弾力化とかといろいろあるのですが、幼保一体化問題に取り組む経過といろいろな今後の課題というものを見ながら、見通しについてお答え願えればありがたいと思います。
○中西政府委員 幼稚園と保育所のあり方につきましては、それぞれがその設置目的や保育時間あるいは費用負担などが異なっておりまして、臨教審の最終報告におきましても、それぞれの制度の中で整備充実を進める旨報告されておりまして、これまでそういった考え方に沿って施策が進められてきているところでございます。 昨年の十二月の地方分権推進委員会の勧告におきましては、「少子化時代の到来の中で、子どもや家庭の多様なニーズに的確に応えるため、地域の実情に応じ、幼稚園・保育所の連携強化及びこれらに係る施設の総合化を図る方向で、幼稚園・保育所の施設の共用化等、弾力的な運用を確立する。」こういう勧告が出されておりまして、私どもといたしましては、この地方分権推進委員会の勧告で指摘いただいた施設の共用化につきましては、文部省と共同いたしまして、平成九年度中に結論を得て実施に移したい、かように考えております。 それから、その両施設のあり方については、先般の教育改革プログラムにおきまして、国民のニーズに的確にこたえるための幼稚園と保育所のあり方について、地方分権推進委員会の勧告等も踏まえて厚生省と文部省が共同で検討に着手する、こういうことになってございまして、今後、文部省と共同して課題の整理をしながら、二十一世紀に向けて望ましい運営や施設のあり方を幅広い観点から検討していきたい、かように考えております。 ただ、その際、あらかじめ幼保一元化という一定の方向があるのだという前提に立つことなく、幅広い観点から議論していきたい、かように考えております。
○桜田分科員 今、選挙に立候補するときなんかは、幼稚園協会とかいろいろなことで御推薦を受けてやるわけです。それで幼稚園教育の中で、いろいろな協会の中で、非常に県や国の補助金をもらうことが協会の大事な仕事の一つにもなっているところであります。 それで、少子化ということで子供が年々減っているものですから、私の住んでいる千葉県の柏あたりでも非常に子供さんが減って、幼稚園の経営そのものが極めて悪化しているということで、やっとやっているというのが現実なところが多いものですから、どんどん子供が減ってきて存在が危ぶまれる幼稚園と、そしてきめ細かな保育の需要ということであわせながら、ひとつ今後とも鋭意幼稚園と保育所の関係を研究しながら対応していただければありがたいなと思っておりますので、その辺を要望させていただきたいと思っております。 それから、少子・高齢化ということで、高齢化問題についてちょっと質問させていただきたいのです。 よく平均的に六十歳定年後ということで、退職後の高齢者の方々に支給する年金総額というものを把握しておくことは、社会保障制度のあり方を考える上で大切なことだと認識しておるのですが、そこでひとつお伺いしたいのです。 現在の年金受給者が受給する年金総額、そのうち、まず本人が拠出した保険料額の占める割合はどのようになっているのか。そして、本人以外で拠出した保険料額、すなわち現役世代の保険料負担額はどの程度の金額になるか、ちょっとお願いしたいと思います。
○矢野政府委員 御承知のとおり、厚生年金の年金額といいますものは、年金の加入期間ですとかあるいは現役中の給料によって決まってくるということでございますので、本人の保険料負担額が年金総額の中でどのくらいの割合を占めるかということは、一概に申し上げにくいわけでございます。 ただ、平成六年に年金を受け始めました年金受給者につきましてモデル的な試算を行いますと、給付総額に占めます本人負担額それからその運用利息、この割合は一三%程度となっております。それから、本人と同じ負担で事業主が負担する、保険料は折半でございますので、事業主負担とその運用利息、これも一三%程度ということでございます。残りの七四%程度は、世代間扶養といいますか、現役の被保険者が負担しておる、それから、基礎年金の三分の一の国庫負担がある、こういうことでございます。
○桜田分科員 ただいま御答弁いただきましたように、本人の保険料負担は必ずしも金額が一定しないということで、世代間扶養、国庫負担の割合が七四%に達するということで、かなりの負担割合に上っているようなところでございます。 二〇二五年には四人に一人は六十五歳以上の高齢者ということが大分前から言われているのですけれども、高齢化が進展することを想定した場合、やはり抜本的な税制改革や歳出削減がなされない限り、年金財政というものはパンクするのは目に見えているのではないだろうかというふうに考える次第でございます。 そこで、高齢化社会への移行に伴い、将来の負担が加重したまま年金行政というものが破綻するのを未然に防ぐためには、やはりこの際思い切って給付水準を引き下げる必要があるのではないだろうかというふうに考えるわけなんですけれども、この件については、厚生省としてはどういう考えと見通しを持っているか、お伺いしたいなと思います。
○矢野政府委員 公的年金の財政方式というのは、御存じのとおり、積立方式ということよりも世代間扶養の仕組みに徐々に移行しておるわけでございます。 そして、先般新しい人口推計が示されたわけでございますけれども、出生率の低下がさらに一層進む、こういうことでございまして、これは年金財政にとりまして、非常に将来の現役の被保険者が減っていく、受給者がふえるのですけれども、被保険者は減っていく、こういうことで非常に大きな影響を与えるものでございます。したがいまして、こういった少子・高齢化が進むということは、年金財政にとりまして非常に厳しいものが予想されるわけでございます。 さらに、高齢化の進展以外の要素といたしましても、経済基調が変化した、高度成長が望めないのじゃないか、こういうことが言われております。あるいは、今御指摘のあったような財政状況も悪化しておる、こういうことでございまして、次期年金制度改正というのは平成十一年でございますけれども、平成十一年の次期財政再計算におきまして、給付と負担の均衡を確保していく必要がある、将来の負担を過重なものとしないようにしていく必要があるということでございまして、御指摘のございました給付水準の問題を含めまして、制度全体の見直しの検討を進めることといたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、ことしの夏ごろからは年金審議会での御議論もお願いしたいと思っておるわけでございまして、次期財政再計算に向けまして国民的な議論をお願いして、そういう中で改正の中身を幅広く検討していきたいと思っております。
○桜田分科員 高齢者問題ということは、介護との問題も絡めまして、医療技術の高度な発展とともに平均寿命は延びているわけですけれども、要介護高齢者を増加させる一因にもなっているのが医療の進展でございます。介護を実現させるためには、ホスピスの充実が必要でありますが、我が国における病院においても、全国で設備の拡充が図られてきているところでございます。 そこで、介護を必要として長期にわたって入院されているいわゆる社会的入院患者、適切かどうかわかりませんが、その総数はどのくらいいらっしゃるのか、ちょっとお示し願いたいなと思うのです。 よく私の知っている方で、仕事に携わっているような方ですと、今六十歳で定年になると年金が二十万近くもらえる。ちょっと病気になると入院していた方が、失礼な言い方ですと、七百円に、三、七、二十一、二万円ぐらいで、五、六万円の経費があると一カ月入院できるということで、余り重病じゃない人が長期間入院しているような場合が多いのだというようなことで、それが大きく財政を悪化させているというようなことがよく言われるのですけれども、その辺について、ちょっとお伺いしたいなと思います。
○羽毛田政府委員 社会的入院につきましての入院患者の数についてのお尋ねでございますが、先生もう今お触れになりましたように、社会的入院という概念が法制度の上であるわけではございませんので、ある種の前提を置いたお答えを申し上げることになります。 長期入院の高齢者の方々の中には、既に病状が安定をしまして、入院治療、いわゆる積極的な治療に重点を置いたサービスをやるよりも、むしろ介護に重点を置いた方が適切である、そういう方々がおられます。それが、受け皿になります施設、例えば特別養護老人ホーム、あるいは在宅で受け入れられるには在宅サービスの体制というようなものが必ずしも十分整っていない、あるいは制度的な医療保険、あるいは福祉措置の制度、そこらの間において制度的な仕組みが必ずしも十分でない、適切でないというようなことの事情の中から、もうそういうことは必要ないけれども、積極的に入っていようということではなくて、やむを得ず入院をされているというようなケースが多いのではないかというふうに考えております。これを社会的入院と私ども称しておりますけれども、これにつきましては、患者さん御本人にとりましても、また医療資源の効率的な使用ということにつきましても、やはり問題がございますので、これについては、施策よろしきを得て解消するという努力をしていかなければならないというふうに考えております。 そういった人をいわゆる社会的入院というということに立ちますと、介護を理由としまして入院をしておられるかどうか、これは個々に当たるのはなかなか難しいわけであります。仮に、いわゆる一般病棟と言われるところに六カ月以上入院しておられる、その方の中にも積極的な治療の要る方も当然あるわけでありますけれども、こういった高齢者の方々の三分の二程度が社会的入院という形のものだというふうに観念をいたしますと、その数大体十万ぐらいということでございます。 したがって、この数字自体については、今のように仮定の数字でございますけれども、いずれにしても、数字そのものというよりも、そういう現象自体については問題意識を持って対応していかなければならないというふうに考えております。
○桜田分科員 これまでの老人保健制度の本人負担額が低過ぎるのではないだろうかというようなことが医療保険財政悪化の大きな原因になっているのではないだろうかと思うのです。やはり今後、高齢者の患者負担の適正を図るという観点から、医療保険改革というものをより強く推進していくべきではないだろうかというふうに考えているのですが、その点、厚生省の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○羽毛田政府委員 老人医療につきましては、老人の一部負担金という形で患者の方々にも御負担を願っているわけであります。これにつきましては、やはり一面、高齢者の方々に健康に対する自覚を持っていただく、あるいは増大をいたします老人医療費を国民全体で公平に支えていく、こういった観点から設けているわけであります。しかし一面、老人の方々につきましては、若い人に比べましてどうしても病気がちになってくる、それがいわゆる慢性的な経過をたどりやすいというような心身の特性もございますから、そういったこともろもろを考えて、現在の一部負担金ができ上がっておると思います。 そして、その後、老人医療費が増大をしてまいりまして、そのことに応じまして、一部負担金についても逐次改定をいたして今日に及んでおります。今回も、医療保険制度の改革の中におきまして、その第一弾ということで、今後増大をします、現在も増大をしております老人医療費につきまして、世代間の負担の公平を図るということも踏まえまして、医療保険制度を何とか運営を安定化させていかないと、支払いに支障を生ずるような事態を招いてはいかぬということから、そういった世代間の負担の公平ということも考えまして、現役世代の方々にも保険料の面あるいは一部負担の面で負担を願っているわけですから、高齢者の方々についても応分の負担を願うという観点から、今回、患者一部負担の引き上げをさせていただきました。 率について言えば、実際の負担率、実効負担率などと申しておりますけれども、これで従来は五・五%、医療費の五・五%程度をお持ちいただいたのでございますけれども、今回八・八%、満年度でそのぐらいの御負担を願うということで、これは負担を伴うことではございますけれども、今申し上げたような観点から、これは必要なことだということでお願いをしている次第でございます。
○桜田分科員 簡単にお伺いしますけれども、最後に、高齢者の生きがいを尊重するという立場から、私、選挙に出馬するとき、高齢者の生きがい対策として、老人は、社会に参加して社会のために働いていく、死ぬまで人のためにお役に立っているということが幸せ感の大事な一つだろうということで、生涯現役推進基本法の制定をやりますなんて格好いいことを言ってきたものですから、時間がないのですけれども、職業安定所みたいなところが結構あるのですけれども、老人というか定年後の人たちの職業訓練所、いわゆる能力開発をしてから再就労ができるような施策に対して、今後とも努力していただくことを要望しまして、終わりにしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○越智主査 これにて桜田義孝君の質疑は終了いたしました。 次に、吉田幸弘君。
○吉田(幸)分科員 私は、新進党の吉田幸弘でございます。 先日、二月十九日、厚生委員会にて医療制度改革について大臣にお伺いをいたしました。その一つに、我が国の景気は非常に低迷し、しかも消費税が引き上げられるまさしく今、医療制度改革を実施しなければならないのか、こういう質問をさせていただいたわけであります。そのときに、今の医療制度の安定的な運営を考えた場合、財政問題、そしてまた消費税に関しては先行して所得税、住民税の減税を実施している、このような御答弁をいただきました。 しかし、医療保険制度の改革を行うためには、広く国民に周知が重要だ、一体今の時点で国民一人一人が十分このことを理解しているのかどうか、このことに疑問が残ります。五月実施という極めて性急な内容では、国民の混乱を一層引き起こしかねない、このように考えるわけでありますが、来るべき高齢者社会に向けて、医療保険制度の改革は絶対でありまた急務であることは、私自身医療人の一人として十分理解した上であえて申し上げます。国民の理解を十分に広く求めるためにも、実施時期の延長もしくは見直し、これを考える余地はあるのか、また考えるべき準備はあるのか、このことについて、大臣もしくは厚生省にお伺いします。
○小泉国務大臣 消費税にしても、あるいは医療保険の患者負担増にしても、負担がふえるというのは、国民、嫌がるのはいつの時代でも同じだと思うのであります。しかし、その負担をどうやって理解を得ながらいただくかということについて、こうして国会で議論をいただき、問題点をそれぞれ議論しながら御理解を願うということでありまして、厚生省として、またこの法案の責任者としての大臣としては、法案に明記されておりますように、五月一日実施に向けて努力するしかないと。 日本人というのは大変賢明な国民でありますから、消費税導入のときも、混乱するんじゃないかなと思っておりましたけれども、ちょうど平成元年四月一日、初めての三%消費税導入のとき、私は厚生大臣でありまして、心配しましたけれども、思った以上に順調に国民はこの消費税三%を受け入れてくれた、大した混乱もなく済んだということを考えても、私は、四月一日の五%引き上げ、そして五月一日のこの医療保険の問題も、時間をかければ御理解をいただけるのではないかと期待しております。
○吉田(幸)分科員 今の質問に関連してではありますが、患者さん側、国民側というのは順応性があるというかなれるというか、納得をしていただける。では医療関係者、病院であったり歯科医院であったり、またその中のスタッフ一人一人、このことに対して彼らへの負担というものが起こり得ると思います。 特に、薬剤にかかわる患者負担に際して、医療費の請求業務、レセプト、また場合によっては、窓口の患者さんからお金をいただいて、領収書を発行して、そして薬剤を用意してと、これらの業務が非常に煩雑になることが予想されます。 私も歯科医師をしておったときは、点数が変わるたびにコンピューターのソフト屋が来て入れかえて、この間二時間ぐらい診療を中断して、そして、休みの日にやればいいのでしょうけれども、その数というのは膨大なものでして、スタッフがいるときにまた教育をし直さなければいけない。その点数改正のとき以上の、以上というか、それと比べることができない煩雑化が想定されると思います。また、俗に言う三時間待って三分しか診療ができない、このことも、直接とは言いませんが、病院が混雑する原因になるのではないか。 このような改革は、非効率的というか、診療所内の改革にはつながらないと思うのです。このことについて、厚生省、御意見をお伺いいたしたいと思います。
○高木(俊)政府委員 まず、今回の改正の中で、薬剤について新たに一部負担をお願いしているわけでありますが、これにつきまして先生は既に御承知でございますけれども、この趣旨について、まず述べさせていただきたいと思います。 我が国は非常に薬剤の使用が多いというふうになっております。やはりこれの適正化というものが急務であるということでございます。もちろん、この適正化に当たりまして、患者の一部負担だけでその適正化が行われるというわけではございませんから、薬価基準制度のあり方そのものについても根本的な見直しをしなければならないということで、これも検討を進めておりますが、一方、現在の非常に窮迫した財政状況の中で、医療保険制度を何とか運営面で安定化させるということも急務でございまして、そういった中で患者の一部負担の増ということをお願いしているわけであります。 そういった薬剤の多用という実態にかんがみまして、まず、患者あるいは医療機関サイドにおきましても、薬剤に対しますコスト意識の涵養ということが一つ必要であるというふうに考えておるわけであります。そういったような観点から、今回、薬剤に対する一部負担を新たにお願いをしたいということであります。 その際、事務的な問題、確かにこれは非常に重要な問題でございます。この薬剤の一部負担の仕方としては、定率的な負担もあるでしょうし、あるいは定額負担、その中でもいろいろな方式があろうかと思いますけれども、今回、冒頭申し上げたような趣旨にかんがみますと、一種類について一日十五円というような形が望ましいのではないか、薬剤の適正化を図る上において適当ではないかということで御提案を申し上げております。 もちろん、これは新たな事務を付加することになりますので、そういった意味では、これまでの状況に比べますと、医療機関の事務負担というものはふえることになるわけでありまして、これは避けられないわけであります。ただ、これを実施するに当たりましては、できる限りこういった事務負担というものは軽減をしていくことが望ましいわけでありまして、私どもとしましても、そういった意味での軽減のためのいろいろな工夫、レセプトの書き方を初めとしまして、あらゆる工夫というものを行っていく必要がある。そういった努力を現在しておるわけでございまして、いろいろな角度から検討を進めておるわけでございますので、どうかそういった意味で御理解を賜ればありがたいと思います。
○吉田(幸)分科員 また引き続いて医療保険制度についてなんですが、今回の改革では、短期的、三年程度の財政上の効果しか生じないとも聞き及んでおります。 先日の本会議で、大臣が郵政三事業の民営化についてのお考えを述べられました。これは郵政三事業のみならず行政改革全般について当てはまるのだと非常に感銘を受けて、私も医療人であった者の一人として、では厚生行政、医療全般についてはどうなのか。 私が知る範囲では、年金福祉事業団の廃止等を御提案されているようなんですが、国立病院の民営化推進とか、そのほかに厚生行政に関して、また医療制度全般に関しての抜本的な医療改革案をお持ちであれば、お示しいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 現在、国立病院・療養所の統廃合を進めております。当然、民間経営の病院だから医療水準が低いという時代でもないと思います。逆に、民間ではできないけれども、国として費用がかかっても研究しなければならない、お金を投じなければならない点もあると思います。 限られた医療資源をどうやって効率的に使用していくかを考えた場合、国立病院が民間病院と同じことをやる必要はだんだん薄れていくと思います。この国立病院・療養所の統廃合もそういう観点から、国として本来やるべきことがほかにあるのではないかということで、今統廃合を進めています。 しかし、地域住民の病院に対する必要性、要望は高いですね。なかなか理解を得るのに難航している、難しい。しかし、今後、自治体で引き受けてくれる、あるいは大学病院で引き受けてくれる、あるいは民間でもやってくれるというような国立病院・療養所があったらどんどん移譲できるような環境整備に努めるべきだ。そして、むしろこれからは何でも国というのじゃなくて、本当に大事な福祉の分野でも民間の活力を導入するような環境を整えていくべきではないか。官がやれば全部公共的だという時代じゃなくて、民間だって公共的な分野に進出できるのだという時代であります。 民間の病院のお医者さんが国立病院のお医者さんよりも倫理観が低いとは私は思いません。そういう面において、民間でも引き受けるというのだったならば、私はどんどんそういう体制を整えていく。国は、本当に民間ではできない必要な医療に集中的に財源なり研究を投入して医療水準の向上に努めるべきじゃないか、私はそういうふうに考えております。
○吉田(幸)分科員 どうもありがとうございます。 今度は歯科保健の対策についてですが、現在厚生省は、寝たきりの高齢者に対して、歯科保健の対策として要介護歯科保健推進事業、老人保健法の訪問口腔衛生指導等で対応を図っておられるようです。 そこでお伺いをいたしますが、まず、そもそも今回の介護保険制度の創設の意義は何だったのか。そして、介護保険法における法的な歯科医師及び歯科衛生士の位置づけについて、厚生省に明確なお答えをいただきたいと思います。
○江利川政府委員 まず、介護保険制度の創設の意義でございます。 介護保険制度は、老後の最大の不安要因であります介護問題にこたえるために、高齢者が介護を要するような状態になりましても尊厳を持って自立した生活ができる、そういうように高齢者の介護を社会的に支える仕組みを創設しようというものでございます。 御案内のように、現在介護問題は医療と福祉との両分野で行われておりますが、介護保険制度の創設によりまして、これを再編成する。そうしまして、必要な介護、それを保健分野も医療分野も福祉分野も総合的、一体的に利用者の方に提供できるように、いわゆる利用者の視点から見て使い勝手のいいというのですか、そういう仕組みにしていきたいということでございますし、また、給付と負担との関係が明らかな、そして今後の増加する費用を社会全体で賄えるような、そういう形で社会保険方式ということで提案しているものでございます。 後段の御指摘の、介護保険制度における歯科医師あるいは歯科衛生士等の位置づけのお話でございます。 介護保険法案の中には、「居宅療養管理指導」ということで、法律の条文の中に、医師、歯科医師、薬剤師その他厚生省で定める者によって行われる療養上の管理及び指導云々という規定がございまして、歯科医師の位置づけといいますのは、法律上はっきりと明記しているわけでございます。いわゆる居宅療養管理指導として、かかりつけの歯科医師による口腔管理指導のうち一定のものが給付の対象となる、法律上そうなっているわけでございます。歯科衛生士につきましては、介護保険制度の中ではどのような位置づけがあり得るのか、これは厚生省令を定める中で検討していくということになります。 それからまた、介護保険制度の中には介護支援専門員という制度がございまして、いわゆるケアマネジャーでございますが、こういう専門員につきましては、幅広くいろいろな角度から専門家になっていただきたいというふうに考えているわけでございまして、そういう意味で、要介護者からの相談に適切に応じられるようにという意味で、こういう分野につきましても、歯科医師とか歯科衛生士を含めまして、その養成の対象になるものだというふうに考えているところでございます。
○吉田(幸)分科員 先回厚生委員会でお話しさせていただいて、高齢者社会のケアについて、極めて口腔ケアの重要性というものは高い、その認識も大臣及び厚生省は持っていただいているということがありました。この衛生士に関しては、やはり口腔ケアの専門ということでもう少し明確にやっていただきたい、このように思っております。 次に、じゃ、今現在どのように行われているのか。要介護者に対する今現在の歯科の対応について、具体的に平成九年度予算案ではどのように取り扱っていただいているのか、このことについて厚生省に詳しくお伺いいたします。
○谷(修)政府委員 現在、在宅の要介護高齢者につきまして、昭和六十三年度から歯科医師、歯科衛生士によります歯科検診、それから歯科保健指導を主な内容といたします歯科保健モデル事業を市あるいは特別区を対象に実施をいたしております。 また、平成九年度におきましても、歯科保健事業を継続的に行うということで、また地域できめ細かく実施できるように、実施主体を町村に拡大をして充実をするということで予算案に盛り込んでおります。 また、老人保健事業では、寝たきりの方などに対します口腔衛生対策として、平成四年度から歯科衛生士によります訪問口腔衛生指導というものを実施をいたしております。
○吉田(幸)分科員 では次に、歯科医療というか、そういうふうに限局してお話しさせていただきますと、歯が痛くなったり、入れ歯が割れたり、また急に歯槽膿漏ではれたりということで、すべての医療そうなんでしょうけれども、時を選ばず病気というものはやってくるというか、襲いかかってきます。 そこで、休日や夜間等、緊急体制について歯科の場合どのように現在対応しているのか、このことについて厚生省にお伺いしたいと思います。
○谷(修)政府委員 いわゆる歯科の救急医療でございますが、これは従来は、先生御承知のように、休日等歯科診療所運営費ということで補助金を出しておりますけれども、具体的には、休日あるいは休日の夜間の歯科診療について、口腔保健センターなどのいわゆる施設に対する運営費補助というのを昭和五十年度から行ってまいりました。 ただ、最近になって、歯科についても救急医療対策というものをもっと充実する必要があるんじゃないか、それから、先ほど申し上げましたような、口腔保健センターがまだ未整備あるいは歯科救急医療体制が未整備の地区について、地区の歯科医師会の会員の先生方によります輪番制あるいは在宅当番医制ということをやるべきではないかというような御意見が多くなりまして、平成九年度の予算案に新たに歯科の在宅当番医制というものを盛り込むことにいたしまた、具体的には平成九年度からこの事業は行っていくわけでございますけれども、地域の歯科医師会を中心にして、こういったような事業の調整なり地域住民に対する啓発普及、そういうことをやっていただきたいというふうに考えております。
○吉田(幸)分科員 以上、医療の多様化というか、疾病構造が変わっていったり、社会の要求というか、いろいろな変化が起こってきております。また、業務拡大、先ほどのレセプト云々という話にあるように、今までの歯科医師以上に、歯科医師の、また医師の能力というか研さんというか、トレーニングが必要になってきます。歯科医師の活動分野が広がるというか、もっともっと研修しなければいけないんじゃないか。技術の研さんを積むことがとにかく重要じゃないか。どんな医療にでも対応できるように勉強しなければいかぬ。 その歯科医師の研修の充実の中で、法的にというか、具体的な研さんを積んでいくシステムが、ことしからということであるようですが、今後もっと強化していただきたい、このことについてどのようにお考えになっているのか。 それと、このことは大臣なんですが、二度私とこういう機会で歯科の話をさせていただきました。恐らく初めて耳にすることもあったと思います。なかなかこういう場で歯科医師の立場で物を言うという人間もいないということで、ただ一業界の意見を言うわけではなくて、国民すべてがこのことを待ち望んでいるんだということで、若い歯科医師に対して、また現在の学生に対して、厚生大臣としての意見というか、期待の思いを述べていただきたい、そう思います。
○谷(修)政府委員 まず、研修の問題についてお話をさせていただきます。 今お話ございますように、歯科医療についても非常に患者ニーズが多様化をしてきているということで、歯科医師の資質の向上あるいは研修というものの意義が重要になってきているというふうに認識をしております。 研修ということにつきましては、一つは、歯科医師のいわゆる生涯研修ということと、もう一つは、先ほどちょっとお触れになりました臨床研修と二つの面があろうかと思います。 生涯研修につきましては、これは歯科に限らず、それぞれの医療専門職種がそれぞれ独自の立場でやっておられるということが多いわけでございまして、歯科の場合にも、専門学会あるいは日本歯科医師会が推進をしている生涯研修事業というものを中心にしてやっていくものだろうと思っております。もちろん、これらの生涯研修事業につきまして、国から委託をして講習会をお願いするというようなことはやってきておりますし、今後ともやっていきたいというふうに思っております。 また一方、先ほどお触れになりましたこの臨床研修につきましては、御承知のように、昨年の六月に歯科医師法の一部が改正をされまして、卒後の臨床研修というものが努力義務として盛り込まれております。これは、実施は平成九年度、ことしの四月からということでございまして、現在臨床研修施設の指定ということを進めておりまして、できるだけ新しい年度からのスタートに間に合うように努力をしてまいりたいというふうに考えております。 そういうことも含めまして、今後ともこの歯科医師の養成あるいは資質の向上ということに努めてまいりたいというふうに考えております。
○小泉国務大臣 私も、自分の選挙区にも歯科医師の友人が多いわけであります。また、自分もお医者さんにかかってみまして、歯が痛いとき、物を食べるのが当たり前だと思ったのが食べられない、痛いとこうも不自由なものかということを何度か経験しております。健康にとって歯科医師の役割というのは実に大きなものがある。また、地元にも神奈川歯科大学というのがあります。学生さんも多いわけです。その学生さんの皆さんともお話しする機会もあります。 これから医療を考える場合、お医者さんのみならず、歯科医師の役割というのは大変大きい。国民の健康に大きな役割を果たしていると同時に、食べる喜び、グルメの時代であります。歯科医師の皆さんの役割というのはふえることはあっても減ることはない。大きな使命感と情熱を持って歯科医師としてのみずからの役割向上に努めていただきたい。期待しております。
○吉田(幸)分科員 どうもありがとうございました。 先回に重ねて十分御理解を示していただいたということで、私も今議員をやらせていただいておりますが、とにかく健康の啓蒙ということに努めてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
○越智主査 これにて吉田幸弘君の質疑は終了いたしました。 次に、戸井田徹君。
○戸井田分科員 どうも、きょうは朝からで、私はちょうど最後であります。あと三十分ですので、ひとつよろしくお願いします。 先週の金曜日の本会議の後、私、地元の方に帰っておりまして、地元で、考えれば考えるほど一遍大臣にお尋ねしたいなというふうに思い込んできょうまで来たわけであります。 一つは、厚生とは今関係ないのですけれども、郵政三事業の先日の本会議での答弁のあれなんですけれども、どちらかというと私は、大臣が大変長いこと一つの信念で言い続けられてきたことだ、また、それを言い続けてくるというのは大変なものだなということを思いながら、実は今までも尊敬してきたわけであります。 先日の答弁はあくまでも私見で言われたのじゃないかなというふうに考えて、地元でもいろいろ聞かれるとどう返答していいのかわからない部分もあるのですけれども、一言、イエスかノーかで結構ですので、先日のは大臣の私見ということで言われたことなんですか。
○小泉国務大臣 金曜日の本会議における私の郵政三事業民営化についての主張ですが、これは質問者に私は誠実に答えたと思っております。
○戸井田分科員 誠実にということは、新進党と考え方が一緒ということではないわけですね。
○小泉国務大臣 新進党はどういう考えか、まだわかりません。 私は、郵政三事業民営化について今までいろいろ考えを述べてきましたし、これから将来どう思うかと言うから、これはぜひとも行政改革等考えるなら必要だ、そういうことを述べたわけでありまして、まだどこの政党もこの法案は出したことないのですよ。だから、私と同じ主張の法案を出してくれば、それなりの判断をするということであります。
○戸井田分科員 どうもありがとうございます。 厚生の問題をこれから質問させていただくのですけれども、平成二年から十年間ということで、ゴールドプラン、高齢者保健福祉推進十か年戦略という題で、六兆円を十年間かけて高齢者対策を整備していくということが行われたわけですけれども、そのときに、たしか私は文書で見たのですけれども、寝たきり老人ゼロ作戦という一つの副題がついていたと思うわけであります。そして、その後、それでは対策が間に合わないということで、途中から新ゴールドプランということでもう一つ上乗せした形の計画が出てまいりました。 そのときに、このゴールドプランを最初に策定したときの厚生大臣をしていましたのが私の父でありましたから、その周辺でずっと聞いていて、寝たきり老人ゼロ作戦ということに対する私の父の思いみたいなものがあったわけです。 それは、スウェーデンかどこかの厚生大臣と対談をしたときに、スウェーデンには寝たきり老人はどのくらいおられるのですかということを聞いたということを本人が言っておりました。そうしたら、寝たきり老人はおりませんという返事が来て、そのことがいたく本人の心の中に残っておりまして、寝たきり老人ゼロ作戦というものに対して、地元においてもそのことにかなり力を入れて言っていたわけであります。 当然、年寄り、寝たきりの状況になる立場になって考えてみたときに、いろいろな人から手を差し伸べていただいて、そして寝たきりにならずに、床ずれもできずに、車いすに乗ろうとも、人の好意、また力添えによって、寝たきりでなく一生を終えていけるということにこのゴールドプランの一番大きな目的があったのじゃないかなというふうに思うわけです。 その流れから考えていくと、例えば施設がたくさんできるのはいいことなのですけれども、その中で、施設がふえればふえるほど、変な言い方ですけれども、寝たきり老人がふえてくるという方向に行くのじゃないだろうか。そこらのところに対する対策というものはこれからどうしていくのかということを考えると、やはりマンパワー不足ということが当時から言われておりました。 そういうことも含めて、この新ゴールドプランの説明を私の父が聞いておりましたときに、最後に、何かこのまま行ったら寝たきり老人製造作戦になってしまうのではないかな、そういうふうにならないように気をつけてほしいなというようなことを言ったのが、言葉としてはっきり記憶に残っているわけであります。 その辺の流れの中で、寝たきり老人製造作戦にならないのかどうか、今どういう方向でそういう新ゴールドプランが行われているのか、ちょっと御説明いただけたらと思います。
○羽毛田政府委員 今先生の方からお話のございましたように、ゴールドプランそして新ゴールドプランと続きます高齢化社会に向けてのお年寄りの方々に対する介護、あるいはそういったことにならないための対策ということは、脈々と同じ思想のもとに今日まで来ておると私どもは考えております。 やはりこの高齢者の問題を考えましたときに、介護を要する状態になったときというところがどうしても大きく取り上げられがちでございますけれども、それ以上にと申しますか、ある意味からいうと非常に地道な話にもなりますし、いわば政策的な効果がなかなか浸透していかない、それぞれの国民の意識の問題まで来るところもございますから。そういう側面はございますけれども、やはり予防というものが非常に大事であるということで、ゴールドプランのときに打ち出していただきました寝たきりは予防できるという意識を、国民そして行政に携わる者の間にもこれを普及していくということが考え方としては非常に大事であるということで、寝たきり老人ゼロ作戦ということでお進めをいただいて、私どもも努力をしてまいったわけであります。 さらにそれをもう少し力入れをしていこうというつもりで、新ゴールドプランをつくりましたときに、一方においてそういう要介護対策について量的な整備あるいは質的な充実を図るということと同時に、従来の寝たきり老人ゼロ作戦についても、これも新寝たきり老人ゼロ作戦という銘を打ちまして、さらに推進をしていきたいということで今日まで参っております。 具体的には、先ほどスウェーデンの例もお挙げをいただきましたように、国民の、あるいは行政に携わる者のいわば啓発、そういった意識が大事でございます。それから実際の話として言えば、地域でリハビリテーションをできるだけ早くからやって、そのことによって寝たきりを防ぐというようなことが大事ですし、そもそもその原因になります脳卒中でございますとか骨折等の予防というような面で、健康教育あるいは健康診断等、あるいは栄養指導というようなことも含めまして、そういった点への力入れをしていかなければならないということで、地道ではございますけれども、こういった点の努力を引き続き続けさせていただいております。 特に、この平成九年度、今お願いをしております予算の中におきましては、こういったことは今のようなことからいえば、一番市町村の段階においてきめ細かに展開をされる必要があるということを考えまして、今回も新寝たきり老人ゼロ作戦普及啓発推進事業という形で、新たに九年度予算にも、今お願いをしております中に盛り込ませていただいております。 そうした方向の中で、道を開いていただきました寝たきり老人ゼロ作戦、あるいは寝たきりの予防ということは、ある意味からいうと、寝たきりになる人の対策以上に大事であるという思想のもとに一生懸命やらせていただいておるところでございます。
○戸井田分科員 高齢社会の中でもって、いろいろな言葉が出てくるわけですけれども、やはりこういう寝たきり老人ゼロ作戦というのは、一般の庶民にとっても非常に理解のしやすい、わかりやすい言葉でもありますから、そういうことをもっと大々的に打ち上げて行政を進めていっていただきたい。 また、地方の、私の地元であります姫路市の実態を調べていっても、非常にシステム的にはきちっとした形でできているのではないかな、我々が考え得る対応策というのはすべてその中にほとんど出てきているのではないかな、現実に、私自身そういうふうに思っております。 それとまたもう一つ、この高齢化社会ができてきて、マンパワー不足を補っていく一つの流れの中で、私は、先日文教委員会でも一つの提案をさせていただいたのですけれども、小学校の義務教育また中学校の義務教育、そういう時代から、介護教育というのですか、そういう弱者に対する教育というものを、かつて、今でもあるのでしょうけれども、家庭科教育みたいな形で時間をとって、週に一時間でもやるべきではないか。 私も昔、裁縫をやらされたり料理をやらされたりして、何で男のおれがと思いながらもやってきた。しかし、人によったら下宿生活の中で、料理もしなければならない、自分のボタンつけもやらなければならない。そういうものが、過去の実体験の中において、小学校のわずかな知識であってもそれをもとにして生きていくことができるということを考えると、非常にこれは大切なものなのではないか。だからこそ逆に、そういう小学校、中学校の時代からそういうことをきちっと時間をとってやる必要があるのではないだろうか。 先日、文部大臣にお尋ねしたときにも、どうもはっきりした返答がいただけなかったような気がいたしますので、これは文部省だけでも難しいだろう、当然厚生省との連係プレーというものがまた必要なのではないか。この状態ができ上がってきたのも、考えてみますと、やはり高度経済成長の流れの中でもって、核家族化という一つの社会現象が出てきた。その核家族化の中でもって、年寄りと孫の世代との接点がだんだん少なくなってきた。その子供が、勢いそういう流れの中でもって、年寄りを理解する時間が減ってきて当たり前だろう。それが、社会現象としてそういうふうに出てきたのであれば、その悪い部分ということでもって、今だれもがそういう部分を認めているのだろうと思いますから、それを是正する意味でもそういった試みというものが必要なのではないか。 そうすると、年寄りの介護ということだけでなくても、障害者の車いすを押すということでも、知らない人からすれば、車いすがどういう構造になっていて、どういうふうに動かしたらいいのだということもわからない。だけれども、それを小学校、中学校の間に経験することによって、そういった人を見たときに、ためらいなくすっと介助ができる。 また、目の悪い人を見たときに、自分が引き連れていくのじゃなしに、自分の手を出して、そこに手を持たせて案内をしていく、そういうような基本的なことを子供のころからそういう教育を通じて覚えていく、それが、将来に向けてマンパワーを醸成していく意味で大きなよい土壌をつくることにつながっていくのじゃないか。 そのよい土壌ができていれば、その中から、将来介護福祉士でもやろう、看護婦にでもなろう、もっとそういう意味で、ボランティアとして率先してやっていこうという、そういういい芽がどんどん出てくるのじゃないか。それはある意味で非常に大まかな感じの話のように思えるのですけれども、よく考えてみると、非常に重要なことなのじゃないかなと私は思っているわけであります。 そういうことに関して、文部省とも連携をとって、これは一年でも早ければ早いほど、実行すれば、三十年たてば、三十年後のまさに高齢化社会のピークのころに、高齢者を支えていく中心の世代がすべてそういう教育を受けてきた世代になってくるということなのだろうと思います。三十年後の高齢化社会のピークということを思えば、今からもう一年でも早くやるべきことじゃないかなというふうに思うのですけれども、大臣の考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 最近は、少子、核家族ということで、一家におじいちゃんおばあちゃん、あるいは実際兄弟も少なくなっていますから、なかなか多様な経験というよりも、親子だけの経験になりがちだと思うのであります。 そういう点を考えましても、小学校あるいは中学校、高校で実際に福祉活動の体験をするというのは、私は大変いいことだなと思っています。現に、学校の中ではそういう実習体験をしている学校も出てきていると思います。 実際、今戸井田議員が言われたような体験を学生、子供の時代からしているということは、他者への思いやり等、今後の福祉国家の建設ということを考えてみても、高校のみならず、中学、小学校、それぞれの段階でそういう福祉活動を実習体験する場を提供するということは重要だと思っていますので、実際は、学校ですから文部省だと思いますけれども、厚生省でできることがあれば、文部省とも協力してこういう交流といいますか、活動ができないものかと、できるだけの協力をさせていただきたいと思っております。
○戸井田分科員 先日のたしか毎日新聞だったかと思うのですけれども、今ちょっと資料を持ってきてないのであれなのですけれども、中教審でもそういった試み、介護教育というような話が出たというような小さな記事がありましたけれども、そういうのを見た記憶があります。非常にそういう方向性も出てきているのじゃないかなという気がするわけであります。 そういう、人に対する思いやりとかそういうものが勉強してわかるのかということになると、私はそうじゃないと思いますし、しかし実体験の中で、自分らがそういう障害者なら障害者、高齢者で寝たきりの人、そういう者に接することによって人間として、学校でやるにしても、どこまでかというのが当然出てくるだろうとは思いますけれども、そういう接点を持つことによって、教えようと思っても教えられないことが一瞬にして理解できるということも、これは人間社会の中で十分あることだし、だれもが経験してわかっていることじゃないかなというふうに思うわけであります。 そういうことを考えていきますと、将来、そういうふうにして子供たちが、義務教育でもって何らかのそういう弱者に対する教育をきちっとカリキュラムの中でもって教えられてきて、また経験をしてきて、それから社会に出ていくということになってくると、今度の阪神・淡路大震災のときにボランティア、そして学生、若い人たちの行動というものは大変評価されたことが記憶の中で思い起こされるわけです。 そういうボランティアということに関しても、先日、きのうですか、きょうですか、あるプロデューサーが、一人だから老後のためにお金を蓄えるために脱税したみたいなことを、脱税の言いわけにそういうことを言っておりましたけれども、この社会で、まして子供もいない、身寄りのない人たちがどうやって社会システムの中で救済されていくのかということを考えていったときに、これからの時代というのはなかなか——これも私の父が終わりの方でよく言っていたことでありますけれども、今までは高度経済成長のあれに乗っかって、社会福祉も社会保障もある程度お金で解決することができた、しかしこれから経済のパイが膨らまない以上はお金では解決できないのだ、あとは教育しかないということをよく言っておりました。 そして、教育というのは学校だけでないはずでありますし、当然社会教育というものもあるだろうし、そういった中でみんなが知らず知らずのうちに教育されていく、またその中に入り込んでいくというようなシステムを考えていってもいいのではないかな。 私、思うのですけれども、例えば小学校の教育の中でもってボランティア手帳みたいなものをつくって、昔、ラジオ体操で判こを押してもらって、自分ら達成感があったわけです。それと同じように、そういう教育を受けた君たちは、ボランティアとして十分人助けできるだけのものがありますよという証明書みたいなものを発行するかして、そういうものの中でもってそれをさらに発展させて、ボランティア手帳みたいなもので、年金手帳ではないですけれども、ボランティア、自分たちが体でもって人助け、世のため人のために頑張ってきたということを記録に残せるようなものがやはり必要なのではないかな。 そうしたら、例えば身寄りのない人たちが、身寄りがなくてもお金がある人はどこかで面倒見てもらえるかもわからない、身寄りもない、お金もない、自分の体が元気なだけだということで、自分が元気なうちに、七十になろうが八十になろうが人のために自分はボランティアでやっていくのだ、その積み上げでもって、自分が最後にもう人に世話にならなくてはならなくなったときに、ボランティア手帳の積み上げが今度介護手帳に変わって、それだけの実績のある人だからお金がなくてもきちっと社会が面倒見ましようというシステムがあってもいいのではないかな。また、そういうことをこれから考えてやっていかなかったら、何でもかんでもお金で解決するという時代ではないというふうにまさに思うわけであります。 そういうことも、今すぐやれといってもなかなか難しいことだろうと思うのですけれども、私が選挙区でこういう話をずっとしていっても、いっそれができるのだということを逆に聞かれるくらいでありまして、割と一般の庶民の中ではそういうシステムというのは受け入れられやすいのではないかなという気がするわけであります。 どういうふうになるかわかりませんけれども、厚生関係のことはまさに厚生省がやらなければ、ほかにやる人がいないわけであります。これまでいろいろな事件があって、厚生省の方々も、最近お会いしても大変自信をなくしているような雰囲気があるのですけれども、今までの厚生行政を背負ってきたのは厚生省の皆さんでありますし、歴代の大臣であるわけですから、当然そこに対する思い、我々も周辺居住者としてその思いがあったわけであります。 そういう今の大臣が持っているような信念を持ってまた厚生行政に当たっていただいて、そしてみんなが納得するような、私が今言ったボランティア手帳、また介護手帳みたいなものにつながっていくような一連の流れのシステムをつくっていただいて、安心して年をとれる、そして寝たきり老人がゼロになるのだというふうに利用する方も思えるようなシステムを自信を持ってつくっていただきたいということを心からお願い申し上げまして、一言それぞれ御意見を、また、ぜひ一度そういうことをやってみたいということであれば、そういうお言葉を聞きたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○小泉国務大臣 これからはお金じゃないというお考え、大変貴重だと思います。当然、ある程度のお金は必要でありますけれども、お金だけでいいということではないということだと思うのです。 私、先日、阪神大震災の復旧状況を視察に行って、仮設住宅の方々と懇談した機会に、非常に印象的な言葉にめぐり会ったのですが、何人かの被災者の集まりの中で、七十過ぎの高齢者の方が、自分はこういう阪神大震災の不幸な中において今大変生きがいを感じている、どういうことかというと、今までは私は何もすることがなかったけれども、こうして毎日みんなから頼られている、相談を受けたり、非常に充実した活動をしている、自分の役割を見つけることができたというようなごあいさつをいただきまして、なるほどなと。やはり人間というのは、何か自分が役立っている、自分の存在というのが人に喜ばれているということに対して非常に生きがいを感じるのだなといういい例だと思うのであります。 そういうことを考えましても、充実感というのは単にお金だけじゃない、それぞれの考え方、そして何か人のために自分が役立ってみたいという意識が芽生えるというのも、教育の面においても重要だと思います。また、持てる力で何かしたいという方に対してそういう場を考えるということも大事ではないかなと思っていますので、これから福祉制度というのではお金がかかりますけれども、お金だけではない、何か生きがいを感じられるような雰囲気を育てるのも、啓蒙活動、啓発活動を行うということも大事なことではないかなと思っております。 いろいろありがとうございました。
○戸井田分科員 今大臣がおっしゃられたように、確かに人はパンのみにて生きるにあらずということもありますから、今、大人だけでなしに子供も、どちらかというと、してもらうことばかりが多いのだろうと思います。これから子供にも、してもらうだけでなしに人のために、社会のために何かをするという方向性のものというのは必要なのじゃないかな。 きょう、たしか文部省の方からもだれか来ていただいているかと思うのですけれども、ぜひ厚生行政と文部行政とをつなげていただいて、これから内政でもって一番大きな問題である高齢化社会に向けての対応策として、何かはっきりした言葉をぜひお聞きしたいと思うのです。
○加茂川説明員 介護に関する教育あるいは福祉教育についてのお尋ねでございます。 先生御指摘のございましたように、義務教育の段階から、子供たちの発達段階に応じて、福祉の重要性あるいは思いやりの心、公共のために尽くす心を育てる、さらには、学校や地域の実態に応じて高齢者とさまざまに触れ合う機会を設ける、高齢者施設との連携も深める、そういった実践的、体験的な取り組みを進めていくのは大変重要なことだと文部省も考えておりまして、これまでそのための施策を充実してきておるところでございます。 具体には、先ほど小泉大臣もおっしゃいましたけれども、学校におきまして、例えば老人ホームを訪問する際に実際介護の体験をしてみる、あるいは運動会といった学校行事に地域の高齢者でありますとか老人ホームの方々を招待して、ともにゲームをするなどして理解を深める、さらには、これは教科の指導になりますが、中学校の社会科におきましては高齢化社会と高齢者の福祉に関する学習といったところで、核家族化、少子化など家族の変化に伴って、ホームヘルパーによる寝たきり老人に対する介護など福祉サービスの割合が増大してきていること、あるいは、社会福祉は一部の人々の仕事ではなくて、各人が機会や能力を生かしてその仕事に参加することも大切であるといったことも学習をしてきておるところでございます。 ただ、先生、こういった介護教育あるいは介護体験を義務教育において必ず行うようにすることはどうかというお尋ね、御提言もございましたけれども、こういった介護に関する体験をカリキュラム上に位置づけて、すべての、すべからく児童生徒に義務づけるということにつきましては、一体どの発達段階において一番適切にそういった学習をさせることができるのか、あるいはすべての児童生徒ということになりますと、受け入れ施設の問題等もございまして、いろいろ検討すべき課題も少なくないと思っておるところでございます。 ただ、現在、次期の教育課程の基準の改訂につきまして教育課程審議会での審議が進められておりますので、その中でもこういった介護体験あるいは福祉教育の充実についても審議が進められることになるだろうと私どもは期待をしておるところでございます。
○戸井田分科員 どうしてもカリキュラムの中に入れろというか、その辺をよく検討していただいて、先ほど言いましたように子供のレベルに合った、一年生は一年生のレベルの介護、または障害者に対する対応の仕方、その基本的な心の持ちょっとか、段階に応じてそれを育てていくことによって、将来に向けての年寄りに対する思いやりなり、また障害者に対する思いやり、配慮、そういったものが自然に出てくるものなんじゃないか。そういう土壌をつくりたいな、つくらなきゃいけないんじゃないですか。 それは、これから高齢化社会がもう三十年後に間違いなしにピークを迎えるんだとしたら、一年でも急いでやらきゃだめなことなんじゃないかな。そのいい土壌の中から、いい介護のボランティアなりそういう芽がたくさん出てくるんだ、そうすると、今非常に苦労しているマンパワーというものが、一気に年を追うごとに解決していくんだというふうに思うわけであります。 もしそういう動きがないようでしたら、毎年毎年でも毎回毎回でも質問時間をいただいて、小泉厚生大臣の信念に負けないように、このことを自分の一つの仕事として言い続けていきたいと思っておりますので、どうかその辺のことをよろしくお願いいたします。 長時間ありがとうございました。
○越智主査 これにて戸井田徹君の質疑は終了いたしました。 次回は、明四日火曜日午前十時から開会し、厚生省及び労働省所管について審査を行うことといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十一分散会