予算委員会 第21号
- 発言数
- 207 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1997/02/28
会議録
○深谷委員長 これより会議を開きます。 この際、梶山内閣官房長官より発言を求められておりますので、これを許します。梶山内閣官房長官。
○梶山国務大臣 閣僚の発言につきましては、常日ごろから注意するように申し上げておりましたが、不適切な発言があったとの指摘を受けました。この際、今後再びこのようなことのないよう、改めて全閣僚が注意をいたします。 ————◇—————
○深谷委員長 平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算、平成九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中慶秋君。
○田中(慶)委員 実は官房長官に質問したかったわけでありますが、記者会見の事情だということであります。 今、官房長官からもお話がありましたように、さきの予算委員会で、郵政大臣あるいは厚生大臣、政府の閣僚の中でのそれぞれの今の当面する財政問題や重要な問題に対する意見が、まさしく水と油のような形であります。そして、それに対して官房長官が注意をされたようでありますが、その注意は、まともなことを議論してもだめだから適当なことを言っておけばいいというようなことも伝えられているわけでありまして、まさしくこの予算委員会のそれぞれの議論をされていることについて、ある面では軽視じゃないか、こんなふうに考えられます。しかし、官房長官はおりませんから、そのことだけは銘記しておいていただきたいと思います。 そこで、お伺いしたいのは、実は自民党の若い人たちは今の政治に対し、先般来こんなお話を聞いているわけでありまして、国会は上手に運営をして予算や法案を素早く成立させればよい、国会は眠らせたまま起こさないようにすればいいんだ、これは自民党の幹部の人たちが、それぞれ若い人たちに対する教えのようであります。現実に、そのことが自民党の若手の人たちの広報に出ているわけでありますから、それは町の中で配っているわけでありますから。そして、現実にそのことを「ごまめの歯ぎしり」という形で、自分たちが一生懸命まじめにとらえようとしていて、財政危機だから、経済が厳しい状態であるから当面は消費税も上げるべきじゃないと思う、あるいは、少なくとも減税は見送るべきであろう、こんなことをこの若い人たちが言われているわけですけれども、まあまあ君たちはこの今の状態をよく見ておけば勉強になるから、こんな形で指導されております。現実に、このことは「ごまめの歯ぎしり」という形で、駅頭で配っているわけであります。自民党の議員が配っているわけであります。 こういうことを含めて、大蔵大臣は、この予算について、少なくとも私たちはまじめに今の行政を、今の審議を、あるいはまた今の予算について、大変厳しい。現実には、今の消費税の問題、さらには今の税制、減税の問題等々を含めて、党内の中でこういう問題について、今の政府の閣僚の中の意思の統一が、ある面では税制問題で、先ほど申し上げたように郵政相と厚生相の違い、あるいはまた党内においても同じような違いがあるんじゃないか、こんなふうに思いますけれども、大蔵大臣の考え方を聞かせていただきたいと思います。
○三塚国務大臣 御指摘を受けましたことにつきましては、委員会の中の論議でございますから、私はそうではないと信じますが、さような御指摘を受けることのないようにいかなければならないことであります。 予算委員会は、まさに国家予算の審議と国政全般についての論議が闘わされる場でありまして、与党は提案について理解を求める、野党はその問題点をつきながら、今後のあり方についての提言、質疑が展開されておるわけで、議会制民主主義における収れんされた形の論議が予算委員会で行われておることと存じます。 私は、そういう点で、この審議に参加をさせていただきながら、深谷委員長を中心に各党理事が真剣に議事運営について設定をし、やられておりますことに敬意を表するところでありますし、かくあらねばならないと思います。 消費税以下、特別減税等についても段々の御論議はいただきました。傾聴してまいったところであり、このことは、年度予算の成立を期してまいるというのが私の立場でもあり、内閣の立場でありますので、それぞれの手法は違うのでありますが、目標はこの国の安泰、国民生活の安定に尽きるわけでありますから、財政構造改革論議を進めながら、次年度における編成に、ここに出てまいりました意見が、よきものはよきものとして収れんされますように、主管大臣として閣議の場においても、また、三党の皆様方に対しましても、このことについての生かし方について自後協議をしなければならぬことであろうかと、こう思っておるところであります。
○田中(慶)委員 私は、なぜそういうことを申し上げたかというと、少なくとも我々は、今大臣から答弁があるように、それぞれ真剣に議論をされていると思っております。ところが、駅頭で、国会はなぜ眠っているのかとか、少なくとも今の自民党の国会議員は官僚の応援団や下請である、こんなことが平気で配られているのですから、そのことについて私は申し上げたのであって、やはりそういうことを含めて、内部の統一等々を含めてちゃんとするべきじゃないか、こういうことを申し上げたわけでございます。 そこで、これからも、この予算を含めて政府のいろいろな意見の違いも出てくる。こういうところで、それぞれ予算を、あるいは日本の財政を真剣に議論をしようとしていても、内部の、政府の意思の統一がなければそんなことはできないわけでありまして、そういうことを申し上げたわけですから、その辺を御理解をいただきたいと思います。 そこで、次にお伺いしたいのは、例の泉井氏の問題でありますが、この泉井氏の問題は、九五年十一月に大阪の国税局がこれを最初に特別査察をされたようであります。ところが、一年たった九六年の十月三十日まで一年近くもこれを放置をされた、そこには、その間、元国税庁のOB等々が関与をされたんではないか、こんなうわさが出ているわけでありますし、この一年間、国税はこのことについて、告訴がおくれた理由というものを明確にしていただきたいと思います。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。 一般に査察調査でございますけれども、一般論で申し上げますけれども、これはかなり時間のかかるものでございまして、一年ぐらいかかるというのは普通のことでございます。
○田中(慶)委員 その間に、国税庁の元幹部磯辺氏と、それから同じく谷氏は泉井氏との親交が深く、そしてこの査察の問題等について大阪国税に働きかけをされたということを伺っておりますけれども、その事実はどうですか。
○堀田政府委員 ただいま先生が御指摘になられましたような事実は聞いておりません。私ども、査察調査は常に適切に処理をしているところでございます。
○田中(慶)委員 いずれにしても、このような問題が具体的に報道されたり、あるいはこのことが次のような政官財の癒着の構造になったのでは大変国民に対する信頼関係も失うわけでありますから、そういう点で、ぜひともこれは明確にされる必要があるだろう、こんなふうに思っております。 そこで、実は泉井問題についてお伺いをしたいのは、この泉井氏が起訴された罪名等について法務省に改めてお伺いをしたいと思います。
○原田政府委員 お答え申し上げます。 泉井氏につきましては、これまでに所得税法違反、また詐欺罪、そして関西国際空港株式会社法違反、これは実質は贈収賄ということでございますが、その三件について公判請求をされたというふうに承知しております。
○田中(慶)委員 今答弁がありましたように、この泉井氏の問題については、詐欺罪、脱税あるいは収賄等の容疑が今それぞれかけられておられるということであります。 そこで、実はお伺いしたいのは、先ほど申し上げたように、政官財という問題の中で、泉井氏の捜査に当たって一年近く国税が、少なくともその期間、発覚してから一年間、現実問題として起訴されなかった問題については、やはりここに元国税長官の磯辺氏、あるいはまた国税庁のOBの谷氏を通じての大蔵省とのかかわり合いが何らかの形であったんではないか、こんなふうに言われているわけであります。 ということは、その関連の中でありますけれども、大蔵省の涌井官房長が結婚されたときに絵画が贈られたり、あるいは飲食をともにされたり、こういうことを言われております。そして、その後、絵画が問題になってから返されたという問題でありますけれども、この問題について大蔵大臣はどういうふうに理解をされておりますか。
○三塚国務大臣 本件が問題になりましてから官房長から聴取をいたしたわけでございますが、私の結婚式に関する雑誌の報道を見てのことと思うが、九五年暮れに泉井氏から額に入った版画が自宅に送られてまいった、家に置いてあったものですから、結婚のお祝いとしてということでありましたので一たん受け取りましたが、九六年秋に同氏に対して返却をいたしました、こういう報告を受けたところでございます。 御案内のとおり、口頭注意を申し上げ、人事管理者、規律管理者である官房長、返したとはいえ、今後厳重注意するように、こう申し上げたところであります。
○田中(慶)委員 実は今のように詐欺罪なりあるいは脱税なり収賄なり、こういう容疑があるわけでありますけれども、そういうときに、この泉井氏から政治献金を受けたと言われている人たち、少なくとも脱税で稼いだお金で、それが政治献金をされた、あるいは今のように官僚に贈り物をした。返せばいいという問題ではないと思います。しかし、まあ現実に返された。 しかし、政治家の献金の場合、脱税なり詐欺罪なり等から得た、その資金の中から政治資金をもし受けたとすれば、それは返せばいいということでしょうか。大蔵大臣、ちょっと。
○三塚国務大臣 これは個々の政治家の判断になるんだろうと思うんです。そのときはそのときの献金の申し出を受けて、まあお願いをするというケースも全くなくはないとは思いますが、相手がそれなりに社会的の地位もありという認識で受領いたしておるということであり、特に政治献金として適法に処理されておるということでありますと、個々の政治家の最終判断、こういうことになるのではないでしょうか。
○田中(慶)委員 個々の政治家ということでございますが、例えば、今、私の調査によりますと、泉井氏の大阪のマンションを自民党の山崎拓氏の大阪事務所に提供されていた件、あるいはまた関西地区の後援会の役員でもある点、そういう中で、山崎衆議院議員は泉井氏から約一千万の、合法とはいえ、政治資金の提供を受けておりました。あるいは、大蔵大臣は、今お話をいただいたわけでありますけれども、調査によりますと、これは派閥ということでありますが、六百万の(三塚国務大臣「六百五十万」と呼ぶ)六百五十万の政治資金をいただいていた。さらにはまた、当時社会党の及川氏も五百万等々を含めながら、自民党の政治家十七人、当時社会党が四人、民主党が二人、調査をさせていただいた結果、そういうことが明らかになりました。 その中で、今のように詐欺罪あるいは脱税等々で得た中から、官僚の場合、大蔵の涌井氏は贈り物を返された。政治資金の場合は、道義的に、役人は返して政治家は返さない、それでいいのだろうか。大蔵大臣がたまたま派閥の長であり、そしてそこに六百五十万の献金があったということでありますから、まず大蔵大臣の考え方を聞かせていただきたい。
○三塚国務大臣 本件、政治グループ、旧派閥、今、新政研と言っておりますが、事務局長が記者会見をいたしまして、本件の質問が記者からあったことに答えて申し上げていることは、献金は適正に処理されており返却のつもりはありませんが、返却の要請があれば返却すると事務局長は言っておるわけであります。局長とすれば、政治グループの代表で、経理代表で受領しておったということで言われるわけでございます。 議員としての大蔵大臣としてどうするのかと。言わんとする趣旨はわかります。よく考えます。
○田中(慶)委員 いずれにしても、大蔵省、通産省、運輸省、最近では外務省までスキャンダルがうわさをされたり問われたりしているわけでありまして、そして、そういう中で、一方においては倫理規程を設けよう、こういう形でやられているわけでしょう。たまたま官房長官もおりませんから、大蔵大臣に悪いのですけれども、そういう中でやられており、それで、片方には確かに適正に処理をされておりますでしょう。しかし、事と場合によって違うと思うのです。脱税という問題、そして詐欺罪という問題、それで今、検察はそのことについて調べられているわけでしょう。やはりそういうことについて、少なくともこのかかわり合いのあった人たち等々を含めて、それは個人の差があるとおっしゃられているわけでありますけれども、返すのが妥当じゃないかな、こんなふうに思っておりますが、再度お聞かせをいただきたいと思います。
○三塚国務大臣 基本論として申し上げますと、これは先ほど申し上げましたとおり、個々に判断をし、対処する問題だと思います。
○田中(慶)委員 いずれにしても、この泉井氏と三菱石油あるいはまたそれぞれ政界との問題というのが、まあこれから明らかになるにしても、大変大きな問題が出てくると思います。 先般、私の先輩であります中井さんから、この泉井氏がそれぞれ電力各社に、通産省のあるいはまたエネルギー庁の役人を使って販売に努力をされた、あるいはまた、そういうことにエネルギー庁は協力をされた、こんなことを調査するということをこの前明言されているわけですが、その結果はいかがでしょう。
○佐藤国務大臣 今委員御指摘のように、先般、本委員会でもってこのかかわりの調査をするかというお話がございまして、私の方は、当省の元資源エネルギー庁の幹部が三菱石油からC重油の購入、これを一部の電力会社へ働きかけたという報道、これが一体どうなんだろうかと。特に私の方は、それによって、接触によって石油行政というものがゆがめられていれば大変だ、実はこうした観点から調査をすると申しまして、そして、大体その調査結果というものがまとまりました。いい機会でございますから、御報告したいと思います。 調査結果の内容については官房長にこの後説明させますが、概要を申し上げると、九電力から聞いたところ、中部電力と関西電力の二社が、三菱石油の重油購入について元幹部から打診があった、しかし、いずれも通常の商取引の範囲で条件が折り合えばという話があったというふうな報告、調査を聞いております。また、元幹部から聞いたところでは、関西電力及び中部電力に対して三菱石油を紹介はしましたが、コマーシャルベースで条件が合えばという話でしたと、このように聞いております。 本件は、現在司法当局において捜査中の案件でもあり、今回の調査の際に関係者から得られた協力というものには限界があるということをまず御理解いただきたいと思うのです。 それで、私の方は、この元幹部からの説明及び電力各社の対応の内容から見れば、本件は、あくまでもコマーシャルベースで条件が折り合えばということでなされたものであって、石油政策というものがゆがめられたものではないというふうに実は判断しております。今後は、この司法当局の捜査の進展というもの、この事態の推移を注意深く見守ってまいりたいと思います。 詳しいことは官房長に言わせますが、必要があれば。
○田中(慶)委員 今通産大臣の方から御報告があったわけでありますが、それらについては、電話でお聞きしたのか面接をして聞いたのか、あるいは泉井との、直接お聞きしたのか等々を含めて明らかにしていただきたい。
○広瀬政府委員 お答え申し上げます。 今回の調査は、ただいま大臣が申し上げましたような趣旨で、電力各社それから元資源エネルギー庁の幹部本人からのヒアリングということで行いました。現在司法当局が捜査中の案件でもあり、またこの元幹部は、通産省のOBとはいえ、今は民間人ということでございますので、プライバシーや人権の問題もあるので、調査にはおのずと限界がありましたけれども、ヒアリングは、面談あるいは電話等で可能な限り行った次第でございます。
○田中(慶)委員 特にエネルギー庁の幹部と泉井とのかかわり合い等々について、まあ司法の問題もあろうかと思いますが、それぞれ、私どもの調査では、相当ゴルフに行ったりいろいろな接待も受けたり等々のことが判明しているわけですけれども、その辺の関係については調査をされたのでしょうか。
○広瀬政府委員 元エネルギー庁幹部に泉井氏との関連、かかわりについてお話ししました。その結果、十年ぐらい前に初めて知り合った、当時、この問題になっております九二年とか九三年当時でございますけれども、数回大勢の席で一緒になったという記憶がある、それからゴルフも一緒にした記憶があるということでございました。
○田中(慶)委員 いずれにしても、この現職の役人が、それぞれ民間の仕事のお手伝いも特にこういう形でされている、そのことが政官業の癒着という形でいろいろな問題が起きている。そして、今回の場合は、詐欺罪あるいはまた脱税、収賄という、こういう三つの容疑があるわけでありまして、こういう一連のことを含めながら、まして日本のエネルギー産業であります。そしてまた、このエネルギーの問題で、特にこれから三菱石油がこのエネルギー源であります石油の井戸を掘る、そのときにエネルギー庁から、外郭団体であります石油公団から、九十五億円の補助金まで出ているわけであります。 こういう一連のことを含めながら、今回のこの問題というのは、日本のエネルギーにかかわる問題だけに、大変一般の国民等々への影響もあるわけでありますから、これからこういうことを明確にしていかなければいけないであろう、こんなふうに思っております。 特に、時間も参りましたので、委員長にお願いしたいのは、このことを明らかにするために、これから証人を求めたいと思います。 まず一つは、この泉井氏と、特に泉井氏の関係の事務的な処理をされていた藤本税理士、あるいはまた秘書役の武田順子さん、そして三菱石油の山田会長、さらには、政治家の関係においては、関西の山崎拓後援会、拓政会の事務所が泉井氏のところにあり、かつまた後援会の重要な役員、そして今回の政治資金の中でも、政治家の中では一番額の多い山崎拓衆議院議員のそれぞれ四人の証人の喚問を求めたい、証人を求めたいと思いますので、委員長、お諮りください。
○深谷委員長 田中慶秋君にお尋ねしますが、あなたが今言われました山田氏、泉井氏、藤本氏、武田氏は、昨日新進党第一次要求で既に出されている名前なんですが、また重ねてここで発言されるのは一体どういうことか伺いたいのですけれども。
○田中(慶)委員 それでは、改めてその辺については党の中で調整をさせていただきますが、いずれにしてももう……
○深谷委員長 田中慶秋君に申し上げます。 くどいようですが、きのう新進党から公式に第一次の証人喚問が要求が出されているわけですね。それにさらにあなたは加えた数を重複しながら申し出ておられるわけですが、恐縮ですが、新進党として正式な書類で出しているのですから、改めてお出しいただけませんか。
○田中(慶)委員 はい、委員長、それでは改めて調整させていただきます。
○深谷委員長 はい、どうぞお願いいたします。
○田中(慶)委員 以上、私の質問は終わります。 —————————————
○深谷委員長 この際、お諮りいたします。 最高裁判所涌井総務局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○深谷委員長 この際、中村鋭一君から関連質疑の申し出があります。田中君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中村鋭一君。
○中村(鋭)委員 外務大臣にお尋ねをさせていただきますが、先般、十三歳の少女の横田めぐみさん、これは行方不明になりまして十九年、今生きていれば三十二でございますかね。韓国に身を寄せました工作員二人の証言によりますと、これは日本海岸から北朝鮮に拉致されたということでございますが、この点につきまして、その後具体的に一つのアクションというものはお示しになりましたですか。
○池田国務大臣 御指摘の、少女が拉致されたか否かの問題でございますけれども、現在のところ、その事実があったかどうかということにつきましても確認はされていない、このようなことでございます。 しかしながら、いずれにいたしましても、捜査当局とされては当然のこととして、その拉致の可能性も含めて所要の捜査を進めておられるもの、こう承知しておりますけれども、私ども外務省といたしましても、関係各省と連絡をとりながら、関連する情報の収集に最善を尽くしておるところでございます。そういったことで、アクションをとったかという御質問でございますが、アクションはとっております。 ただ、具体的にどういうふうな対応をしているのか、アクションをとっているかという点につきましては、これは失踪しておられる方の安否にもかかわるところでございますので、どうぞその点につきましては答弁を差し控えることをお許しいただきたいと思いますけれども、私どもといたしましても、この御家族の心情もおもんぱかり、また同時に、このようなことは、仮にあったとするならば、これは我が国全体としても看過することは当然許されないことでございますので、今後とも鋭意その情報収集等について努力をしてまいりたい、こう考えているところでございます。
○中村(鋭)委員 ひとつ、せっかく御努力をお願い申し上げます。 それから、ペルーの人質事件でございますが、連日のように予備的な会談は行われておりますが、その後の会見では、神父さんが話は進んでいるとおっしゃるだけで、我々心配している者にとりましては現実どうなんだということが大変気にかかるところでございます。これにつきましても、その交渉の内容その他で今大臣が把握しておられる点、それから見通し等がありましたら、ひとつわかる範囲内でお示しをお願い申し上げます。
○池田国務大臣 実は私、この委員会にきょう参ります前にも、現地といろいろ夜を徹して連絡をとっております外務省員の者といろいろ話をしてまいりました。その後どういうふうな動きがあるのか、またこれからどういうふうな展開が予想され、それに対して我が方としてどういうふうに対応すべきかいろいろ相談をしてきたのでございますが、これまた事柄の性格が性格でございます。 私どもといたしましては、とにもかくにも、ここで今ペルー政府の代表であるパレルモ教育大臣と、そしてMRTA側の代表、そして保証人委員会のメンバーないしオブザーバーである寺田大使も含めまして、こういうふうに対話が何回か重ねられておる、このプロセスというものを大事にしてまいりたい、こう思っております。 正直申しまして、シプリアニ大司教がいわばスポークスマン的な役割をしておられるわけでございますが、あの方のお話も、一体どうなのかな、そのニュアンスをどうやってかぎ取るかというふうなことでしか内情がうかがえないような話になっている。こういうことで、皆様方も大変もどかしい思いをされるというのは本当によくわかるのでございますが、事が大切でございますので、ひとつお許しいただきたい。 また、私としてはっきり申し上げることができるとするならば、今までに、例えば具体的に何らかの事柄について両者の合意ができたということはまだございません。ただ、いろいろな問題点がございます。そういったものについて、予備的といいましょうか何といいましょうか、それぞれの、ペルー政府側、そしてまたMRTA側が、自分たちの立場なりそのように来るところなりについていろいろ話をしておる。そういった中で、潤滑油的な役割を保証人委員会の方々がやっておられる。そういった中で、お互いの相手側の立場なり、主張の強弱なりについてのある程度の感触を把握するというか、そういったプロセス、過程にあるのかな。今はそういった、いわば星雲状態の中からどうやって具体的な解決への道を見出してくるか、こういった模索の過程にある。 しかし、暗中模索というのか、あるいはそこの中で少し何か見えてくるものがあるのか等、そういった極めて微妙なプロセスにありますので、いずれにいたしましても、私どもはペルー政府とも密接な連携をとりながら、何とか全員御無事での解放につながる道をできる限り早期に見出してまいりたい、努力させていただきたい、こう思う次第でございます。
○中村(鋭)委員 この北朝鮮の拉致問題にいたしましても、今回のペルーの人質事件にいたしましても、我が日本は主権国家であります。しかも、このような状況で、本当にその両方について随分もどかしい思いをしているわけでございますから、大臣、ここはひとつ全職員の先頭に立って大いに頑張っていただきたい、こう思います。 このように、外務省の職員が多くの懸案を抱えて一生懸命頑張っておりますときに、先日、これは週刊ポストでございます、それから日刊ゲンダイにも出ましたけれども、非常にショッキングな見出してございまして、「「二億円」着服疑惑」このように報じられました。ここにも出ております。来週月曜日にはまた報道されると思いますけれども、この問題について、外務省としては、こういったもので報道された内容は把握をしておられますか。どのような報道がされたかについては把握をしておられますか。
○原口政府委員 お答え申し上げます。 確かに、先生おっしゃるようにショッキングなタイトルでございますので、早速私どもも事実関係を調査したところでございますが、その結果、そこに書いてありますところの一部でございますけれども、当該職員が向島で会食を行ったということもあったわけでございますが、同人が公費を用いて私的な飲食をしたり、省員同士で会食を行っていたという事実はございませんでした。それから、同人が秘書官在任中に職務上行った会食の経費は、予算の範囲内で、所要の省内手続を経て適切に支出していたものと認識しております。 ちなみに、一職員が億単位の支出を行うことは全くあり得ないことでございまして、事実そのようなこともなかったと思っております。
○中村(鋭)委員 今のお話を伺いますと、そのような事実はなかった。事実はなかったが新聞、雑誌で報道され、外務省としては、全く事実無根でありとすれば、これまでに、例えばこの雑誌社に対して抗議をなさるとか、そのような行動をおとりになっていると思いますが、それは抗議はされたのですか。
○原口政府委員 事実関係につきましては、私が先ほど申し上げたとおりでございます。 そこで、記事の掲載を知った二十三日の夕刻に、外務報道官より週刊ポストに対して正式に抗議をいたしました。 他方、職務上の必要性に基づく会食とはいえ、場所等を含めまして、社会通念上疑問を持たれることのないように慎重を期すべきことは当然でございます。 このような観点から、私どもといたしましては、特に昨年末の事務次官会議申し合わせに基づく外務省倫理規程の制定以降は、これまで以上に会食等の場所について意を用いるよう関係職員に注意を喚起してきたところでございますが、今後は、こうした点にも一層注意を払い、任務の適切な遂行に努めることを省内で改めて確認し合ったところでございます。
○中村(鋭)委員 ただいまもこの委員会の同僚委員から、一々週刊誌等は相手にできるかという声が聞こえてまいりましたけれども、相手にしているから抗議をなさったわけでございますね。 したがいまして、これは多くの人たちが目にするジャーナリズムで報道されたことでございますから、外務省としてもしかるべき処置はおとりになって当然だろうと思いますが、なお、この報道されるところによりますと、外務省は、去る土曜日でございますか日曜日でございますか、課長以上を招集して、この対応を協議されたということでございますが、その事実はございますか。
○原口政府委員 その記事を読みますと、私が二月十九日の午前、課長職以上の職員を非常招集し、本件記事に関して指示を出し、翌日もまた口頭通達を出したことになっております。そしてまた、私の発言なるものがかぎ括弧つきで出ておりまして、私の発言の口調についてまで御紹介があるわけでございますが、私は伝えられているような会議に出席したこともございませんし、いわんやそういう発言をしたこともございません。他方、その同じ日に課長レベルの会議が開催されたことは事実であることを確認しておりますが、その目的は、二億円着服といったような記事が週刊誌に掲載されたという情報に接しまして、省内に対してそうした事実はない旨を説明したも のでございます。
○中村(鋭)委員 そのような事実はないことを徹底されたということは、一面で、かかる報道について非常に不本意であるから、そのようなことはないように外務省としても毅然たる態度をとらねばならぬということを確認された、こう思うのでございます。 外務省には、いわゆる報償費、俗に言いますと官房機密費でございますが、これがある。それを、イニシアルで報道されておりますけれどもS課長が、二億円を超える金額を着服、費消した。この中には非常に具体的な指摘もされているわけでございますが、こういった事実関係については、例えば本人に問いただすとかいうことはなさったのでございますか。
○原口政府委員 いたしました。
○中村(鋭)委員 その結果、この本人に聞かれた結論として、本人には報道されるような何らやましい点はない、こういう結論に達されたんですか。
○原口政府委員 先ほど申しましたように、会食の場所等につきましては一部にそこに出ているような場所がございましたけれども、やましいことがあったかといえば、それはなかったということでございます。
○中村(鋭)委員 会計検査院、来ていただいていると思いますが、会計検査院としては、この問題について関心をお持ちになり、外務省のいわゆる報償費、官房機密費について何らかの調査等を行われましたですか。
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。 報償費につきましては、従来から通常の検査の過程でその性質にかんがみまして十分な注意を払って調査しておりまして、特にこれまで問題があるとして検査報告に取り上げた事例はございませんが、今回の報道もございましたので今後の調査の参考にさせていただきたい、そのように思っております。
○中村(鋭)委員 これも報道によれば、外務省の報償費、九三年度残額百九十九円、九四年度は残額二十二円ということでございまして、在外公館を含めますと五十億円を超える報償費で、残額が二十二円とか百九十九円、うまく使ったなという印象がございますが、会計検査院、この点におきましても、報償費の性質からして難しい点があるのはわかりますけれども、残額が百九十九円とか二十二円とか、このようなことは当然起こり得ることでございますか。
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。 経費の性格上、そのようなことになるかと思います。
○中村(鋭)委員 外務大臣、このイニシアルSですね、課長でございますが、この本人について、外務省としては何らかの例えば注意とか戒告とか譴責とか、そういうような処分はなさいましたですか。
○池田国務大臣 先ほど官房長からお答え申し上げましたように、本人からもよく事情を聞いた、また調査をした結果、予算の執行上不適切な点は見当たらなかった、このように報告を受けております。 しかしながら、やはりこのような報道がなされたこと、そのように来るところを考えてみますと、やはりそういった活動を行う場所の選定等において社会通念上疑問を招きかねないような点があったということは否定し切れない。そういった意味では、やはりそういった情報収集のために必要な、大切な活動とはいえ、場所の選定等におきまして十分な配慮を払ったかというと、そこはやはり少し問題があったのではないのかな。文字どおり瓜田にくつをいれず、こういうことも心しなくてはならないと思います。 そういったことも含めまして、不適切なことがあったから、ましてや不正を行ったからということではございませんけれども、今後十分な配慮、ひとつ細心の注意をもって事に当たるべしという観点から官房長が本人に口頭で厳重に注意をした、こういう措置をとったところでございます。
○中村(鋭)委員 口頭ではありますけれども厳重注意をされたということはよかったと思います。 それは、政治家が一々ジャーナリズムは気にすることはないといったって、現実に有権者の皆さんが、こういう報道をされれば何百万人がそれを目にするわけでありますから、そのことについては、それはやはり国民からすれば、通産省だ、厚生省だ、大蔵省だ、こういうことが続いて役人に対する不信感というのがあるわけで、そのときに外務省でこのようなことが報道されるというのは、今まさに大臣がおっしゃったように、これは瓜田にくつをいれずですよ。李下に冠を正さず。やはりその点は厳重に、これから士気を高めてやっていただきたい。そのことをお願いしておきたいと思います。 次に、先般十月に施行されました総選挙につきまして、埼玉県の第六区で、今刑事被告人であります茶谷候補が擁立をされました。官房長官、この茶谷候補を公認されるに至った経緯を簡単にお話し願えますでしょうか。
○梶山国務大臣 残念ながら、茶谷候補が公認をされたいきさつについては詳しく知りません。
○中村(鋭)委員 応援には官房長官、行かれましたですね。この茶谷候補の応援に総理、それから小渕恵三先生、また官房長官その他多数の皆さんが応援に行かれたということは、並々ならぬ力の入れ方であった、このように理解されるわけでございますが、どうなんでしょうね。 この問題につきまして、白川自治大臣にお越しをいただいておりますが、これは選挙後だったと思いますが、我々の同僚議員がたまたまお訪ねをいたしましたときに、白川大臣は、いや自分としては別の候補の方がよかったなと思っている、このようにおっしゃったということでございますが、その事実はありますか。
○白川国務大臣 私は余り新進党の先生方と親しく懇談する機会がございませんので、どこでだれに対してどう言ったか記憶にございません。したがいまして、どういう趣旨なのかあれですが、ただ、私として浅野目氏というのには公認前に会ったことはあります。しかし茶谷氏については、私が事務方として選対委員会に上げるわけでございますが、その前までに会ったことがございませんでしたので、そんなようなことについて触れたことはあるかわかりませんが、私の方から浅野目氏がいいとか茶谷氏がいいとかと言うはずはないと思います。
○中村(鋭)委員 これは白川大臣の記憶が薄れているのかもわかりませんが、私どもの同僚議員が大臣室を去年の十二月に訪問したときに、大臣は、いや上尾の前議長、浅野目にすべきだった、こう確かにおっしゃったということなんですがね。しかし、今そのような記憶はないとおっしゃっているのですからこれは水かけ論になりますけれども、これを見ても、我々の理解では、随分やはり茶谷に力を入れているな。 ところが、現地の埼玉六区では、浅野目さんが非常に若い、上尾の市会議長をしていて、埼玉県においてはこの人が公認されてしかるべしというような雰囲気が現地の自民党サイドにおいても流布されておった、こういうことなんですね。それが突然に茶谷候補に差しかえられたといいますか、浮上したといいますか、こういう印象は否み得ないわけでございます。そういう情況的な証拠を総合いたしますと、何らか意図的に浅野目氏をおろして茶谷にしなければならないというような要請があったのではないか、このように理解をするわけでございます。 そこで、私は、例えば新進党に対して、オレンジの友部容疑者を公認し、そしてまた、この順位を上位に置いて当選を確実ならしめた、これについて与党の皆さんからも国民の皆さんからも、けしからぬじゃないか、こういうおしかりを受けているわけでございます。ところが、これについて、言うならば、友部は詐欺師です。人をだますのが仕事です。我々はいわば善良なる有権者でございまして、向こうが詐欺師で人をだますわけでございますから、我々がだまされるという場合は、これは一種被害者という面もないわけではない。しかしながら、我々としては結果責任におきまして、これははっきりと謙虚に反省をしなければならないということで、この友部の公認問題につきましては、小沢党首を初め全国会議員が反省をいたしまして、深く国民に対し、有権者の皆さんに対し陳謝をしたところであります。 ところが、この茶谷容疑者の場合は、詐欺師が人をだまして、いわば善良なる被害者をだまして金品を略取するというのとは違いまして、この茶谷の場合は、回り回って国民の血肉である税金を密室において懐に入れたという贈収賄事件の被疑者として選挙後に逮捕されたのであります。もし、新進党が友部を公認したことが本当に国民に謝罪すべき点であるならば、じゃ茶谷を公認された自民党の責任、この刑事被告人を公認した責任というのは、比較の問題ではありましても、我々が友部を公認したよりもはるかに陳謝の意をもっと深刻にあらわしていただかなければ相ならぬ、このように感ずる次第でございます。 したがいまして、今回のこの選挙におきまして、この官邸サイドが……(発言する者あり)委員長、恐れ入りますが、この不規則発言を少し静かにするように委員長から言っていただけませんか。
○深谷委員長 委員会運営に支障のある場合は委員長から申し入れます。今までの段階ではまだそれに及ばないと思っております。
○中村(鋭)委員 随分私も大きな声を出しているつもりなんですがね。この不規則発言は、ちょっと声のボリュームとしては大き過ぎる。皆さんにやはりよく聞いていただくためには不規則発言は慎んでいただきたい、こう思います。私も、今発言をされております議員に対しまして、向き直りましてしっかりとお話をしたいのは当然でございますけれども、私の今の立場上それがかないませんので、委員長にお願いをした次第でございますが、委員長はまだその段階ではないとおっしゃるなら、それはそれで結構でございます。 ここで、官邸が随分力を入れて、この刑事被告人茶谷を一生懸命当選させるために努力をしたというあたりの経緯を少しお伺いをするために、参考人として古川貞二郎内閣官房副長官を当委員会においでいただきますように、委員長、お願いを申し上げます。
○深谷委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○深谷委員長 速記を起こしてください。 ただいまの委員の御発言につきましては、理事会で協議いたします。 どうぞ引き続いて御質問願います。
○中村(鋭)委員 私がこの埼玉六区の件について申し上げたいことは、やはり自民党としても、このような刑事被告人を公認したことについて、オレンジの友部を公認した我々以上に国民にわびてもらわなければ相ならぬ、そのことを申し上げているのと、それから、これは自民党内部のことではありますけれども、随分地元では評判のよかった浅野目さんを突如おろして公認をしたというあたりに、これは推測ではありますけれども、何らかのねらいがあったのではないかと私は思わざるを得ないわけでございますから、その辺を明らかにするために官房副長官の古川さんをお呼びいただきたい、このように申し上げた次第でございます。ひとつ委員長を初め理事間でせっかく御協議をお願い申し上げます。 次の質問に移らせていただきます。 平成八年の十一月十二日午後一時三十分、東京地裁民事三十九部七〇五法廷におきまして、民事裁判の口頭弁論が行われました。第二回の口頭弁論であります。 これにつきまして、大蔵大臣にお尋ねをさせていただきますが、いわゆる飛島建設、藤田観光等が関係しておりますこの民事裁判がありましたことは、大臣、御存じでございますか。
○三塚国務大臣 それは、新聞でそういうのがあったという程度の話は聞いています。
○中村(鋭)委員 これは、このときに、弁護人が出廷をいたしました証人に対して二、三の質問を行っております。この裁判記録というのは当委員会には提出をされておりません。しかしながら、私の入手をいたしました資料に基づいて、その一部を申し上げさせていただきます。 開廷期日、平成八年十一月十二日午後一時三十分、事件番号、平成三(ワ)一四五八三、(平成三年十月十七日提訴)係属、東京地裁民事三十九部七〇五法廷、証人、宮尾進一郎飛島建設元専務取締役。 要点だけ申し上げます。 証人 現実には事務所を持っていないこともあり、ゴム印、印鑑、帳簿については預かっていました。株券をナナトミから引き取ったとき、百億円の件は知っておりました。百億円は小谷へ渡す資金であると安田氏から聞きました。それで、これは貸付金としてスタートし、その後いろいろな形に変化していきました。古藤氏 これは藤田観光の方でありますが、 古藤氏は、経費ではなく工作資金として認めていました。(証人が早口になり、裁判官から速記が困難であることを理由に注意を受けた。) 弁護人 百億円は本当に工作資金としてかかったと思いますか。 証人 (しばらく沈黙した後)いろいろな方に支払いました。 弁護人 だれにですか。 証人 (しばらく沈黙の後)この場で言ってもいいのかわかりませんが、三塚博氏です。 弁護人 幾らですか。 証人 六億円です。 このように私の資料にはございます。 したがいまして、事は実に重大なことでありまして、裁判所で宣誓の上証言をした証人が、しかも宮尾進一郎さんは飛島建設の元専務であります。この方がそう法廷で証言をしております。このことについて大臣は御存じでございますか。聞かれたことはございますか。
○三塚国務大臣 夕刊フジが報道したものでございますから、名誉毀損で告訴をいたしております。
○中村(鋭)委員 まさにこれは重要なことであると思います。したがいまして、私は、本日最高裁においでをいただいておりますので、この裁判の資料等のことについてお伺いをしたい。 もとより係属中の裁判でありますから、資料等、当日の裁判記録を本委員会に出すことはこれは不可能だと思いますが、しかし、そのほかに何らかの便法がないものか、それを確かめたい、こう思いますので、最高裁判所の方にこちらに来ていただきたいと思います。
○涌井最高裁判所長官代理者 今御指摘ございましたように、現に継続中の事件でございますので、この記録をこの委員会の場に出すということは難しいということは御理解いただけると思います。 ただ、公開の法廷で審尋されました事件の記録は、原則としてどなたでも閲覧いただけることになっておりますので、この記録を閲覧していただくことは可能かと思います。
○中村(鋭)委員 閲覧できるわけですね。それは、裁判所へ行けば、これはいつでも、それでだれにでも閲覧をさせるものですね。もう一遍確認をしていただきたいと思います。
○涌井最高裁判所長官代理者 閲覧自体は、その当該事件を担当しております裁判部の方に申請をしていただければ、事務に支障のない限り閲覧はどなたでもできるという、こういう法の建前になっております。
○中村(鋭)委員 もう一つお伺いいたしますが、この証人が、飛島建設元専務の宮尾進一郎さんが、これがもし偽証であるということであるならば、こういった法廷における、宣誓の上供述した内容が偽りであった、偽証である場合、これは当然ながら罰則が加えられると思いますが、これはどういう罰則が加えられますか。告発されて、それが偽証であるということが証明された場合、その当人にはどのような罰則が加えられますか。
○涌井最高裁判所長官代理者 法律上、宣誓した証人が虚偽の陳述をいたしました場合には、刑法の百六十九条に偽証罪という規定がございまして、「三月以上十年以下の懲役に処する。」こういう刑罰が科されるという、そういう仕組みになっております。
○中村(鋭)委員 これは実に重大なことだと思います。 私は、現にこの予算委員会で予算の審議を一生懸命毎日やっていて、その山場にいわば差しかかったこのときに、それは大臣は予算編成の最高責任者です。その最高責任者が、このように証人が法廷で宣誓の上供述をしたというその内容が、大臣に対して六億円渡しましたというようなことは、これは大臣にとっても実に不本意な、名誉を傷つけられた問題であると思います。 したがって、大臣は夕刊フジを告発した、こうおっしゃっていますけれども、もし法廷でこの宮尾進一郎証人が宣誓の上虚偽の陳述をしている、証言をしているということであれば、宮尾進一郎さんをやはり名誉毀損とか偽証罪で告発をしなければ相ならない、こう思いますが、その点は大臣、どのようにお考えでございますか。
○三塚国務大臣 夕刊フジが突然とびっくりするような活字で報道されたことで初めて知り得たことなんです。全く事実無根でございます。ですから、夕刊フジは訴えました、弁護士に法的措置を講じてほしいと。宮尾というのは、私は面識もございませんし、何の関係もない人です。もちろん裁判も、何の関係も、関知もないわけです。 よって、いかなる理由でこう言っているのかというので、いろいろ夕刊フジの報道、追いかけて報道したある新聞、検討をいただき、弁護士は調査をいたしました。なかなか、伝聞であり、証言の透明性、訴えるにはいまいちだ、もう少し調査をいたしますのでお待ちくださいと、その上で対応をする、こういうことであります。
○中村(鋭)委員 夕刊フジを告発されたのは、これはもうよく理解できますが、裁判所でこのような証言がなされたということですね。であれば、今も最高裁の方のお話では、これは法廷記録は広く国民の閲覧に供しているということでありますから、これは当日のこの裁判の、第二回口頭弁論の記録を閲覧さえすれば、この証人がこのとおり言っているのか、あるいは言っていないのかということはわかるはずでございますね。 ですから、私はここで委員長にお願いを申し上げますが、この当日の証人宮尾進一郎氏、飛島建設元専務、この宮尾進一郎氏を証人として当委員会においでいただくことをお諮りいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○深谷委員長 ただいまの委員の発言に基づいて、理事会で協議いたします。
○中村(鋭)委員 ぜひ理事会でしっかりと御協議をいただいて、この宮尾進一郎さんを当委員会に証人として呼んでいただけますようにお願いを申し上げたいと思います。 これは法廷の記録で、宣誓の上供述をした宮尾進一郎さんが、六億円を三塚博氏に渡した、こう言ったということになっているわけであります。だから、この黒白はやはり裁判記録をしっかりと見る刀そして、証人としてお越しをいただいて、はっきりとこの宮尾さんから問いただすということで、初めて私は我が日本の大蔵大臣であります三塚博先生の名誉は十二分に回復される。それで、またこのような形でそのままずっと黙っていれば、それは人の口には戸はたてられないわけでありますから、同じようなことが繰り返し報道される心配もございます。 大蔵大臣は、今回、今私が申し上げました、指摘をした点とはまた別に、国際航業社長と小谷光浩との間で交わされた覚書に署名、調印された、こういう報道もございましたが、この事実は大臣は確認できますか。
○三塚国務大臣 内輪けんかでやっておるということを心配をいたしました私の友人が、どうしたものだろうと言うから、私は国際航業を知りませんで、あなたが中に入って取り決めたらいかがですか、けんかをしないようにということで、仲よくそれでは共同経営でやりましようということのような合意だったと思います。 それで、その会合を持ちますのでということでしたが、今鮮明に覚えておりますのは、岸信介先生が逝去された日でございました。ですから、小生の事務所に来い、というのは清和会です、来い、こう申し上げましたが、いや、恐れ多くて事務所はと言うので、隣の赤プリの小さな会議室をお借りをして、それではお待ちしております、時間はないよということで、そのまま行きまして、こういうことで仲よくやることにしましたので、御心配をかけました、保証人としてサインをしていただければ光栄だと言いますから、仲よくやっていくことであればというのでサインをしたということであります。
○中村(鋭)委員 今サインをされたということを伺いますと、当然その背景には、大蔵大臣はこの小谷光浩氏、あるいは藤田観光の方々とやはり友達といいますか親密な間柄といいますか、相当の交際があった、こういう理解を私はするのですが、これは大臣、いかがでございますか。
○三塚国務大臣 何を聞きたいのか全然わからないのですけれども、核心を言ってください。 しかし、せっかくの質問ですから申し上げますが、藤田観光とはそれほどのつき合いはございません。全くと言っていいくらい個人的にはつき合いがございません。小谷さんについては、それは知っております。こういうことであります。
○中村(鋭)委員 大臣、私が何を言っているかわからぬとおっしゃいますが、私ははっきりしているわけで、そういう仲直りをするために、いわば仲裁に入ったとおっしゃいますから、仲裁に入るぐらいであるから、小谷さんや藤田観光とは親しいのでしょうねと、当然の帰結として私は申し上げたつもりでございます。一三塚国務大臣「藤田観光じゃないのです、国際航業なんですから、勘違いしないでください」と呼ぶ)まあ、今の御説明でそれはわかりました。 それから、今も小谷光浩さんですか、とは面識があるということでございましたが、平成四年の十一月に、小谷光浩氏から一千万円受け取られたことはございますか。このときは、藤田観光の元常務もその席に同席をしていた、こういうことでございますが、その記憶はございますか。
○三塚国務大臣 記憶はございません。
○中村(鋭)委員 もう一遍確認をさせていただきますが、法廷において宣誓の上証言をしたこの宮尾進一郎氏は、三塚博氏に、幾らですか、六億円、こう言っているわけでございますが、これは大臣、もう全く、全然そのような記憶はございませんね。 六億円はもちろんですよ。六億円以上か六億円以下か、一千万なのか二千万なのか、それはわかりませんし、その献金が三塚博氏個人に出されたものかあるいは後援会に出されたものか、政治団体に出されたものか、それはわかりませんが、広い意味で、こういった関係から大臣に対して献金がされたということはございますか、ございませんか。もう一遍確認をさせていただきたい。
○三塚国務大臣 私が、政治家として活動してまいっているうちで、自粛自戒をしながら行動を期しておるわけですが、大改革に突入するとき、いつもこの種のものが報道されました。しかし、国会で論議になりましたのは今回初めてであります。私は、改革をするということでありますから、国鉄のときも身辺をきれいにして突入をしました。今回も、まさにその決意の中で行っておるわけであります。六億円が出た、天地神明に誓ってさようなことはございません。 それと同時に、なぜ告発しないのか、某専務を。弁護士さんいわく、伝聞で聞いた話ということでありますからどうしようもありません、もう少し調べます、調べた上できっちりしましたらきっちりと対応しましょう、こういうことであります。
○中村(鋭)委員 私もやはり、大蔵大臣三塚博先生が断固として今、天地神明に誓ってとおっしゃったわけでございますから、そのことを信じたいと思います。しかし、感情的に信じる信じないと、法廷でなされた証言が事実か事実でないかを検証することとは、またおのずから別の問題でありますから、私は、この宮尾進一郎氏を当委員会に証人としてお呼び願いたい、このごとを申し上げた。 そしてまた、もう一つ、今最高裁の方も言っていただいたのですが、これは閲覧ができるわけでありますから、当委員会にその記録を、これは継続中の事件でありますから提出することができないというのであれば、ひとつこの委員会から裁判所の方に出向きまして、この閲覧をすればいいのではないか。これをお諮りください。 これは、私一人が行って見るよりも、やはり複数の委員が行きまして、自分の目でしっかりと確認すればいいことでございますから、ぜひひとつ委員の裁判所への御派遣、この七〇五法廷におきましての口頭弁論の記録の閲覧をお認めをいただきますように、委員長にお願いを申し上げたいと思います。
○深谷委員長 委員に申し上げますが、ただいまのような発言要求並びにそれを実施したケースは、ただの一度もないようでございます。閲覧をなさるなら、委員御自身が行かれることを私の方は期待したいと思います。
○中村(鋭)委員 これは前例があるとかないとかということではないと、委員長、思いますよ。少なくともこれは、三塚博大蔵大臣の名誉がかかっている問題です。 ですから、裁判記録を見る、証言をした本人に委員会に来ていただく、これは、二つが一つになってしっかりと、その事実がなければ、これはもう三塚大蔵大臣の政治家としての名誉は十二分に回復されるわけでございますから、私が一人で行きましても、一人で見たのだから、それはそんなことわからぬぞと言われたらそれまででございますから、私は複数ということをお願いしたわけでございまして、ひとつ重ねてのお願いでございますが、委員長、御検討をしていただきますようにお願い申し上げたいと思います。
○深谷委員長 先ほどの証人喚問については、理事会で協議するというふうに申し渡しました。 ただいまの問題については、検討させていただきます。理事会で協議するという意味ではありません。委員長として検討させていただきます。
○中村(鋭)委員 ありがとうございます。 私も、心から三塚大臣のそういった名誉の、今も言っていただきましたように、それ以外にも、仲直りの仲裁に入ったとか、あるいは一千万円もらったとか、こういうのが頻々として出てくる。大臣は、本当に今身辺を清潔にして、天地神明に誓ってとおっしゃいました。国民も注目をしていると思います。政治家が何らかの形で自分の身辺について評判をされることは、これは政治家として本当に恥ずかしいことだと私は思います。 私は先日、中曽根康弘先生の五十年勤続の、十九回連続当選の御表彰をお受けになりましたときに、随分感銘を受けました。私は、野党の議員ではございますけれども、感激をいたしまして、中曽根先生の事務所に参りました。先生のけいがいに接したい、こういうことで、中曽根先生も随分喜んでくださいました。野党の議員がわざわざ私の事務所へ来てくれたのは五十年間に初めてだ、こう言っていただきました。 そしてそのときに、中曽根先生はこうおっしゃいました。真のリーダーたる者は、国民の信頼を受けなければ相ならない。その信頼を受けて初めてリーダーシップが発揮し得る。そのためには、当然ながらその政治家が身辺清潔でなければ相ならない。李下に冠を正さずという言葉があるように、そういう評判やうわさを立てられること自体がその政治家の不徳のいたすところである。おおむねこのようなお話も中曽根先生はされたように思います。私は深く感銘するところがございました。 三塚大臣、ひとつ日本のリーダーとして、将来もまた大いに飛躍をなさるためにも、このような問題で……
○深谷委員長 中村委員、時間を超過しております。
○中村(鋭)委員 話をしなければいけないということ自体がまだこれからだというふうに御理解を願って、ひとつせっかく大蔵大臣としていい仕事をしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 質問を終わります。
○深谷委員長 これにて田中君、中村君の質疑は終了いたしました。 次に、保坂展人君。
○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。 本日は、今近々の身近な問題、たくさん議論されているわけですけれども、十年というスパンでいわゆる総合保養地域整備法、リゾート法について検証をするという趣旨で質問をさせていただきたいと思います。 ちょうど十年前といいますと、日本じゅうがそれこそバブル経済の中で札束が舞うような状況の中でこのリゾート法がスタートしたわけなんですが、私、飛行機の窓から時折天気のいい日に山やあるいは海を見て、非常に穏やかな気分の中でよく見ていくと、山肌がゴルフ場で本当に木々がむしられるようになっていたり、あるいは河川から土砂が流出して、まるで川から海に赤茶けた、まさに大地が血を流しているような光景を見て胸を痛めたことが一度や二度ではありません。恐らくそういった体験、どなたもお持ちだと思います。 もちろんリゾート法ということで、地域経済活性化あるいは民間活力導入ということで、そういうリゾート法スタート時の社会状況、その中で生まれたものだと思いますけれども、十年という時間がたってみて経済環境も一変をいたしました。そして、日本列島の自然という限りあるこの自然環境も極めて、バブル経済の崩壊でその開発がストップして、あるいは途中で計画がとんざをして急激に減速をしたという状況の中で今日あるわけですけれども、それでもなおさまざまな自然環境への影響あるいは開発に対する危惧あるいは実際上の、ゴルフ場から農薬が流出をしたりあるいは海洋汚染、いろいろな問題が出てきていると思います。 今日、国、地方を合わせて四百四十二兆という借金を抱えながら財政構造改革が叫ばれているわけですけれども、何もお金の問題だけではなくて、自然というかけがえのない資産、海や山そしてこの環境そのものを次世代に残していくために、私たちの責務は重いというふうに思います。 そういった中で、この十年という歳月が何を語り、そして我々に何を教えてくれているのかということを、ここから酌み取るべきものは多いのではないかと思います。 早速国土庁長官に伺いたいと思いますが、長官にとってリゾートというのは一体どのようにとらえていられるのか、そして、リゾート法とそれに基づく開発の十年は、教訓そしてそこから学び酌み取るものをどのようにお考えになっているのか、ここをお聞きしたいと思います。
○伊藤国務大臣 総合保養地域整備法、通称リゾート法が制定をされてほぼ十年になるわけでございます。委員も御指摘のように、この十年というのは私たちの国の経済あるいは社会の人々の暮らしというものにも非常に大きな変化があったと思います。 当然のことながら、時代が変わったりあるいは経済の状況が変われば、それに見合ったいろいろな対応をしていかなければならないことも当然だと思います。しかし、私も実はかつて国土庁の政務次官をやっていた当時、ちょうどこのリゾート法のそれぞれの各地域の要望が非常にございまして、どこを優先してやるかなどということを選択をしながら指定をした、そういう経過があるわけでございますが、それだけに、その後リゾート法がその地域地域でどういう定着をしたり活用をされてきているかということは大変強い関心を持つてまいりました。 御指摘をいただいたように、全国で四十一都道府県で基本構想が策定をされまして、それぞれの地域の特性に合ったいろいろな構想を進めてきていただいているわけでありますが、もちろん私もそれぞれの地域でどのようにこのリゾート法が生かされてきているかというようなことを地域からもいろいろな事情を伺いました。 これまでの十年間にいろいろこのリゾート法の指定によってそれぞれの地域で進めてきていただいた構想の中で、そこの新しい施設にいわゆる皆さんがなじんでいただいた、そういう数が年間一億三千万人が利用していただいているという数字をいただいております。これは東京ディズニーランドの十年間に入場した数を超えるわけでございます。あるいはそのリゾート法によっていろいろな構想を進めてきていただいた地域に働く人々、その雇用の数も四万人を超えるというふうに私どもデータを伺いまして、それなりに役割を果たしてきていただいているというふうに思っておりますが、しかし先ほど申し上げたように、時代の変化の中で見直しをしなければならない点もあると思います。事実、既に自治体でも見直しをし修正をし、そうした再点検をしていただいていることもございます。 そこで国土庁としては、総合保養地域整備研究会を開催をいたしまして、専門家の方々によってこの新しいリゾートをどう活用していくかというようなことも既に研究していただきまして、それに基づいて新しい形でこの法律の趣旨を生かしていただくようなことをそれぞれの地域にもお願いをしているところでございます。
○保坂委員 九二年の七月から九月にかけての総務庁の調べで、ちょうど一九八八年、八九年に承認を受けた九県二千四十六施設の状況についての調査があるんですけれども、この調査の中で、未着工が千七百十五件、八三・八%、整備中が百十三件、五・五%、使用中が一〇・七%という数字が上がっておるわけなんです。これから約五年たっているんですが、現在のその状況、これについてどのように把握をされているのか、伺いたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 リゾートにつきまして、これまで基本構想は四十一地域で承認をされております。 それで、それぞれ昭和六十三年度から五年度にかけて土地域あるいは五地域という形で順次承認をされてきているわけでございまして、まだ承認されてから日の浅い地域もございます。十年近く経過している地域もあるわけでございまして、また施設の規模も大きいものもあれば小さいものもあるということでございますので、数で一概に言えないかとも思えるのですが、お尋ねでございますので申し上げますと、既に供用中のもの、あるいは工事に着工し整備中のもの、いわば着工済みの整備中のもの、合わせまして千八百七十六施設、二一%程度でございます。また、個別法の許認可手続に入ったり用地買収などに入って、着工に向けて準備中のものが二五%程度あります。残りの五〇%強がこれからということでございます。 なお、お話しのように、リゾートの整備につきましては、経済情勢の変化などの理由によりまして、一部には当初計画どおりに進んでいないところもあると聞いておりますが、供用されている施設件数の推移で見てみますと、毎年百件を超える施設が供用されてきているということでございまして、緩やかではございますが着実に整備が進んでいる、このように見ているところでございます。
○保坂委員 このリゾートというのがたくさん一挙に開発を計画されて進展をしてきているわけですけれども、例えば宮崎・日南海岸のリゾートの場合は、フェニックスリゾートですか、二百二十年前に植林された保安林が伐採されるという問題があります。それから三重サンベルトゾーンですか、これはやはりバブルの破綻から開発が困難になり、九二年に企業が撤退をした。それから福島県の磐梯清水平開発、こちらの方では九六年、昨年ですね、スキー場で雪崩が発生して三人が重軽傷を負うという事故が起きています。その他、例えば北緯四十度シーズナルリゾートあきた構想、ここは予定地内の駒ケ岳山ろくで国の天然記念物のイヌワシの生息が確認されて、スキー場計画が白紙に戻された。 これは、今回こういうリゾートのいろいろな計画に目を通してみて思うのですけれども、この狭い日本に一体幾つリゾートが必要なんだろうか、百も二百も必要なんだろうか。それから、一つの山にスキー場ができる。そしてスキーを楽しむというレクリエーションももちろんあります。しかし一つの山が四つ五つのスキー場で削られてしまう、これはやはり異様ではないか。これは、リゾート法十年を振り返ってみるに、やはりちょうど折り返し地点のところで見直しの声が上がったんだろうと思います。 総務庁の方でも、総務庁の行政監察局の勧告で、やはり計画がずさんである、例えば整備そのものが困難な地域が挙げられてきたり、あるいは民間事業者がやるということになっているのですけれども、その事業者さえ確定されていないケースが多々あったということが語られています。そして、先ほど長官がお触れになったこの総合保養地域整備研究会ですか、この研究会のレポートを読んでみたのですけれども、この研究会のレポート自身がこんなふうに書いているんですね。 自然破壊や環境汚染に関する批判が生じている。これに関しては、各地方公共団体において開発規制や自然環境保全のための条例を制定して規制を行ったり、総合保養地域整備については国の基本方針に基づいて自然環境の保全との調和のための必要な事項を織り込んで相応の配慮が行われているところであるが、しかし、自然環境や景観の破壊、環境汚染の問題を指摘されているものもある、こういうふうにお認めになっているのですね。そして、地域振興への寄与が不十分、高い料金で大衆が利用できない、どこも同じような施設であるというような批判がある。そして、最近の経済社会情勢の変化で開発事業者が撤退してしまって、当初の計画どおり整備が進んでいない事例がある。 そして、このような批判や問題が出てきた背景には、好景気とリゾート開発ブームの到来の中で、関係者の中に時流に乗りおくれまいとする意識が強く先行して、リゾート整備の理念と配慮すべき事項について理解が不十分なまま開発事業者に過度の期待を持った結果、つまり自然環境の保全の観点や地域振興の観点よりも短期的な事業の成果が重視されてきたこと、それからまた、そういった人材が不十分だったことというのを挙げられているわけです。 さらにそれらを踏まえて、地方公共団体では、地域づくりの観点、自然環境の保護の観点から主導的役割を担うようにという意見を出して、そして国の方では、的確な情報提供などの支援を行うとともに、自然環境の保全、国土の保全と利用の観点から諸規制の適切な実施、総合保養地域整備法に基づく必要な公共施設の整備の促進などを行うようにというふうに、この研究会自身が数々の批判や問題の指摘があったことをお認めになっているわけですが、これを受けて、どのように国土庁の方では対策を行ってきたのかについて、具体的にお尋ねしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 平成四年前後にリゾートの問題、今御指摘のような議論が行われまして、そういうことを受けまして、国土庁にも、今お話しのような今後のリゾートのあり方を検討しようということで、有識者の方に集まっていただいて議論を始めたところでございます。あわせまして、ちょうど行政監察局の方からのいろいろな監察もございまして、考え方を整理して、地方団体初め関係者に対する考え方というものを再確認をしてきているところでございます。 お話のありましたリゾートの基本的な開発理念、政策理念というものをもう一度確認しようということで、一つは、国民のためのリゾート、家族そろって一週間程度滞在できるリゾートという考え方でいくのではないかというのが一つ。もう一つは、地域のためのリゾート、地域づくりに資するリゾートの整備だということで、やはり地域の文化とか歴史というものを生かしながら、地場産業の活用や地域振興ということと一体となった整備というものを目指そう、あるいは自然環境の保全とか豊かな国土といったことを踏まえたリゾート整備に進もうということを政策理念として確認しましてこの報告書がまとめられ、また具体的な考え方についても示されたところでございます。 私どもはそれを受けまして、リゾート関係の地方団体のいろいろな会議がございます、担当課長一の会議等においてお話しします。それから、リゾート施策を進める上では、ほかのいろいろな地域づくりの施策とかそういうものがありますので、そういうものを活用するとかいうことですし、また、リゾートの整備を進めていく上では、それぞれお話のありましたような環境保全上の諸規制の運用の中で進めるわけでございますので、そういったことへの配慮といったこと。あるいは諸外国のリゾート、非常に息の長い取り組みをしております。また自然とうまく調和した取り組みをしておりますので、そういったものの事例の紹介、あるいはそういったものを踏まえた専門家を地方団体の方に派遣しますアドバイザーの派遣、そういう形で関係者の理解を深めてまいってきているところでございます。 それで、大臣からもお話がございましたが、基本構想の承認の後、地方の方におきましても、いろいろな今言われたような問題なり諸事情あるいは経済状況を反映した民間の方の動き、そういうものを踏まえまして構想の検討というものも行っておりますし、私どもも、そういう検討をしていただけないかということでお話をしています。 その結果、具体化に伴いまして需要の見直しなども行われまして、施設の内容あるいは規模の見直しが行われて、二十三地域におきまして基本構想の変更も行われているということでございます。
○保坂委員 九四年の九月の朝日新聞なのですけれども、環境庁として、リゾート構想を環境面から見直すことのガイドラインをつくるということをお決めになったという記事が出ているのです。これは先ほど来お話をしてきた開発優先のいわば事業機会あるいは投資の機会として一種の開発フィーバーがあったような状況を踏まえて、いろいろな環境面での調査を行ってガイドラインをつくるということだと思うのですが、環境庁長官に、このリゾート開発とかけがえのない自然の保護ということについてどのようにお考えか、一言お願いします。
○石井国務大臣 リゾート開発につきましては、リゾート地の整備に当たりまして、本来、良好な自然環境を生かすべきであり、自然環境の破壊につながらないようにすべきであると考えておりますので、その実施に当たりましては、自然環境を初めとして環境の保全に十分に配慮をする必要があると考えております。 環境庁長官に対します主務大臣からの協議も受けまして、このリゾート開発につきましては、基本構想協議の際に環境保全の見地から意見も述べてまいったわけでございますが、また、関係自治体に対しましても指導と助言に努めてまいったところでございます。 いずれにいたしましても、環境庁といたしましては、今後もこのような対応を的確に行うことによって環境の保全が十分図られるように対処してまいりたいと思っております。
○保坂委員 ただいまのお話を受けて、開発造成時に、もちろん、森林伐採あるいは動植物の生態系に深刻な影響があるという指摘もあります。それから、開発時の土砂が河川を通して沿岸に流出していく、いわば今日本じゅう、周辺の海が、大変豊かな海と言われた海が、海の砂漠と言われるいそ焼けと呼ぶのでしょうか、こういった状態になっていて、魚群も見られなくなっているということがジャーナリズムでも指摘をされています。さらに、ゴルフ場の農薬が雨に流されて、そして大量に魚が死んでしまうというような事件も起きています。 こういったリゾート、本来は、自然そのものと、豊かな気分で、そしてゆっくりとそこでくつろいで英気を養うという趣旨のリゾートだと思うのですが、リゾートの開発が、ゴルフ場やスキー場という非常にお金に結びつきやすいものだけが同じパターンで幾つも建ってしまうということの中で、かえって環境の破壊、自然そのものの破壊があるのではないかということで、環境庁として何らかの調査、そしてリゾートの状況の把握ということをされているのかどうか、お聞きしたいと思います。
○田中(健)政府委員 ただいまお話がございましたように、リゾートの開発あるいは整備に伴いまして、環境保全上の問題についていろいろと問題が提起をされております。 リゾート法上では、リゾート構想に基づきます個別の開発につきましては、問題が生じた場合の措置は規定がございませんで、したがいまして、個別の環境保全上の問題につきましては、それぞれの問題に応じた個別の対処がなされる、こういうことでございまして、一般的に言いますと、国立公園の中の開発行為のような、環境庁が直接法律によります規制権限を持っている場合には、環境庁といたしまして具体的対処を行う場合がございますけれども、多くの場合は、地元地方公共団体によりまして必要に応じたさまざまな対処がなされているものと私どもは承知をいたしております。 こうしたいろいろ実態がございますので、私ども環境庁といたしましても、平成四年に、ゴルフ場につきましては、ゴルフ場の建設及び運営に係る環境配慮指針を公表するなどいたしまして、地方公共団体の参考となるような指針等の作成をしてきたものでございます。 それで、今お話がございましたが、見直しの関係でございますけれども、私ども、リゾート構想の見直しのための指針づくりということで、平成七年度、八年度、今年度まで二年間で予算を計上しております。この経緯は、先ほどお話が出ておりましたように、平成六年に総務庁から勧告が出されまして、必要に応じてリゾート構想の見直しを行うという指導等がなされております。したがいまして、リゾート構想の見直し等が環境保全上の観点からもより適切なものとなるように関係都道府県や事業者を指導するために、リゾート構想見直しのための環境保全配慮指針を作成しょう、こういうものでございます。 具体的には、各地におきますリゾート施設の整備によります環境保全上の問題あるいはそれに対する環境配慮の事例等を取りまとめた上で、リゾート構想の見直しに際しまして、環境保全の観点から配慮すべき事項につきまして取りまとめました環境保全配慮指針を検討して作成することといたしております。 先ほど申しましたように、調査は平成七年度と八年度の二カ年で行っておりまして、これが取りまとめられ次第、地方公共団体の参考に供するために送りたい、こういうふうに考えておりまして、今準備をいたしておるところでございます。
○保坂委員 ただいまの環境庁の調査の報告を非常に興味深く、また速やかに出していただきたいと思います。 そして、これは国土庁の方から、「リゾートがつくる豊かな国土」という、こういったパンフレットが出ておりまして、いろいろな効用というか効果がうたわれている中で、リゾート開発で過疎から脱却したという事例で、いわゆるトマムのリゾートがあります占冠村の人口が、一九七五年千八百人だったのが、九〇年には二千七百人に及んだというパンフレットがございますけれども、現在はどうなのかというふうに思いまして調べましたところ、また千八百人に戻っているのですね。 これは、住民台帳で千八百三十三人で、実は二千七百人という九〇年の数字は、どうも住民台帳上では千五百人余りなのですね。そして、たまたまこのときにリゾート建設の労働者や関連社員の方が国勢調査で数多く登録したということで二千七百人になったそうで、九五年以降は、建設が中止されたのでまた人口は戻ったということが判明したわけなのですけれども、こういった中で、全国で、つまりバブル経済の崩壊の中で、過大な期待を地元経済振興ということで与えて、そして離農した方もいるわけです。あるいは土地を売却したり長期貸し出ししたり、場合によっては虫食い状に地権者が入り乱れるというような状況もあります。 最後に国土庁長官にもう一度伺いたいのですけれども、リゾート法十年、現在は経済の一定の減速で現状がそう大きく変わってはいないのですけれども、再度土地投機あるいはリゾート開発の名による自然破壊が行われないように、リゾート法そのもの、リゾート開発そのものを根本的に考え直すおつもりがあるのか否かを伺いたいと思います。お願いします。
○伊藤国務大臣 日本は、国土の三分の二、六七%は森林であります。そして、四万を豊かな海に囲まれているわけであります。私たちは、この大自然をいかに生かして、そしてまた、この大自然といかに人間が共生をして新しい二十一世紀の国土行政を展開するかというのは大変私たちにとっては重要な課題だというふうに思っております。 今委員からそれぞれ御指摘をいただきました。しかし、そうはいいながら、いかに環境を大事にしながら地域の自然になじんで、また新しい時代に余暇時間を生かしていけるような、そういう地域構想というものを私たちは支援をしていかなければならないというふうに考えております。 特に、リゾート法が制定をされました昭和六十二年ごろは、私たちのこの国の労働時間は二千百十一時間でございました。しかし今日は既に千九百時間、やがて千八百時間を目指しているわけですから、そういうことを考えますと、家族で一週間程度の余暇時間をできるだけ身近なところで、しかも個性的に皆さんが快適な余暇時間を過ごしていただける、そうした新しい時代の、ある意味では、リゾートという言い方がいいかどうかわかりませんけれども、余暇時間を皆さんが大切にできるような、そういう地域構想というものを進めていかなければならないというふうに思っております。 いずれにいたしましても、このリゾート法の精神というものを、原点に立ち返って、そしてまた内容を新しい時代に向けて対応していかなければならないというふうに私たちは心得ております。
○保坂委員 日本の若者たちもたくさん海外に出て、例えばヨーロッパで若者同士で森の中のバンガローに泊まってゆっくり過ごすという中で、ああ何て豊かなんだろう、そういう体験をたくさん持っているわけです。それでは日本にその国の若者たちが来たときに、一週間、二週間と一緒に楽しく過ごせる場所というのは実は非常に少ないわけです。そういう意味でも、もう一点は、一週間安く仮に過ごせても、乱開発による、部屋が余って周りの山は全部削られてしまったというようなところで過ごしても意味がないわけで、ここのところは、ぜひ大きな曲がり角、十年を教訓化するということで見直しをお願いしたいと思います。 どうもありがとうございました。終わります。
○深谷委員長 この際、秋葉忠利君から関連質疑の申し出があります。保坂君の持ち時間の範囲内でこれを許します。秋葉忠利君。
○秋葉委員 きょうは、趣の大分異なる二つの分野について質問させていただきたいと思います。 今国会、それから今年度の政治課題のうち中心的なものの一つ、ずばりそのものだと言ってしまっても過言ではないと思いますが、行政改革がございます。行政改革というのは何なんだ。省庁の権限をいろいろと割って、その順列組み合わせでどの仕事をどの省庁にやらせる、そういった考え方がどうもマスコミ等を通して行政改革の中心なんだというような印象が形づくられているような気がいたしますが、一言で行政改革とは何かというと、それは行政に対するデモクラティック・コントロールといいますか、民による行政の管理といいますか、民が官に対して優位に立つことということに尽きるのではないかと思います。 アメリカの行政改革が一つのいい例になりますけれども、そのアメリカの民の側のコントロールで非常に印象的に私が覚えておりますのは、「真昼の決闘」という映画が随分古い時代にありました。ゲーリー・クーパーが主演でシェリフをするという映画ですけれども、そこで実際に映画の場面にあらわれたのは、アメリカの小さな町、西部の町で住民全員が集まったタウンミーティングというところでシェリフを決める、いわば警察権力というのは行政の中でも非常に特異な地位にありますけれども、そういった形で、全員が参加をして直接民主主義的な仕方でシェリフを決めるというのがいわばアメリカ的な行政改革の原点にあるのではないかと思います。 しかしながら、現在のこの社会で、人口が非常に多くてそういったすべてのことを直接民主主義的に決めることは無理だとは思いますけれども、その精神を制度の中にきちんと織り込んでいくということはとても大事なことではないかと思います。 私の勝手な解釈ですけれども、我が国の国家公安委員会というのは、まさに今のゲーリー・クーパーがタウンミーティングで選ばれたその形を日本の警察制度の中に取り入れたというような気がしているのですが、その趣旨で本当によいのか。そういった趣旨が、つまり民の側のコントロールが、もちろん代表を通じてきちんと生かされているのか。これがある意味で行政改革を行う場合の一つのモデルになり得るのではないかという気がいたしますが、国家公安委員長の、その行政改革と国家公安委員会との関連といったあたりで、現実の仕事の内容、それから今申し上げたデモクラティック・コントロールがどういうふうにきいているのか、そのあたりをぜひ御説明いただければと思います。
○白川国務大臣 秋葉委員のせっかくのお尋ねでございますので、私も国家公安委員会制度あるいは都道府県公安委員会制度というものを知らなかったわけではありませんが、自分が国家公安委員長という職務を拝命いたしまして、改めてこの公安委員会制度というのを私自身が大事にしようということをまず心がけました。 と申しますのは、ちょうど第二次橋本内閣発足の当時、金融関係の検査をしようという一つの機関をつくろう、そして政府・与党の間でどういう形がいいか、三条委員会がいいか、あるいは八条委員会がいいか、私は細かいことは知りませんが、ちょうどそんな議論になっているときでありますが、少なくとも警察ということに関しては、これが国民のコントロール下にきちんとあるということを前提に、多分いろいろな三条委員会があると思いますけれども、その中でも最も強力な、しかも委員長には国務大臣をもって充てるという形で国家公安委員会制度というものがあるわけだから、少なくともこの国家公安委員会が、法律に書かれた、そして本来与えられた使命を全うするように全力を挙げて頑張らなければならないということを一番心がけてきたところでございます。 仕組みについては、五人の委員の先生が国家公安委員会として国会の同意を得て決められております。そして、互選によって委員長が選ばれるのではなくて、国家公安委員長は内閣が任命することになっておりまして、しかも国務大臣をもって充てるということにしておりまして、そういう構成でございます。ですから、私を含めて全部で六人いるわけでございますが、毎週木曜日には国家公安委員会が開催されまして、警察庁長官以下から各部局の細かい説明を受けて、逐一私ども報告を受けると同時に、私たちが決めなければならぬことについては決めてやっておるというこの姿を見て、大変よく機能しているなというのが私のこの三カ月有余の感覚でございます。 それから、我々、自治大臣であり国家公安委員長であるというケースが多いのでございますが、大体地方に行きますと、知事が表敬に来たり県警本部長が来たり、私どもが行ったりするわけでございますが、私は警察大臣ではなくて国家公安委員長なんだから、それぞれの都道府県にある公安委員会の先生方にまずお会いしなければならない、それから先、警察、都道府県警察本部長にお会いすることはありますけれども、私はまず、できるだけその都道府県において御努力をされている公安委員の先生方とお会いをし、そこの公安委員会としてどういうことをやっているかできるだけ聞くように努力をしているところでございます。
○秋葉委員 公安委員会の職務についてもう少し詳しい議論ができればと思うのですが、時間がありませんのでそれは後日に譲ることにして、次の問題に移らせていただきます。 次の問題は、劣化ウラン弾の問題ですけれども、先日来この予算委員会でも質問いたしましたし、外務委員会でも質問してまいりましたが、この劣化ウラン弾が核燃料物質であって、さらに、平和利用しかできない、このことを再度確認したいと思います。 今までの答弁ではこの部分が明示的な形できちんと述べられていない嫌いがあるような気がいたしますので、劣化ウラン弾の製造ですとか、あるいは貯蔵、保有、運搬、使用、それが日本国内においては法律によって禁止されている、そのことを、科学技術庁、本来であれば長官にお尋ねしたいところですが、まだ健康が十分回復されていないということですので、なるべく早い御本復をお祈りしたいと思いますが、科技庁の担当官に伺いたいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 劣化ウランにつきましては、核燃料物質として規制を行っております。核燃料物質の使用につきましては、原子炉等規制法に基づきまして、その使用の目的、使用の方法、使用施設等の構造及び設備など具体的な内容につきまして審査を行います。この法律に定めます許可の基準に適合していると認めるときでなければ許可をすることはできません。 御質問は、仮に劣化ウラン含有弾を製造、貯蔵、移動もしくは実際に使用する、そういった許可の申請がなされた場合はどうかということでございますが、核燃料物質が平和の目的以外に利用されるおそれがあると考えられますので、科学技術庁といたしましては、原子炉等規制法に基づきます許可をすることはできないのではないかと考えます。
○秋葉委員 最初に質問したときにそういうふうに答えていただければ随分時間が節約できたんですが、確認いたしますと、劣化ウランを使って砲弾あるいは銃弾といいますか、そういったものを軍隊が使用する目的で製造、保有、貯蔵、運搬、使用、これはできない、その理由は、結局劣化ウランが核燃料物質である、つまり放射能が危険だからこれは許可されないということを確認したいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 原子炉等規制法におきましては、先ほど申しましたような申請がございましたときに、その判断のよりどころといたします許可の基準が明記されてございます。 そのうちの一つは、「核燃料物質が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。」それから「その許可をすることによって原子力の研究、開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。」「使用施設、貯蔵施設又は廃棄施設の位置、構造及び設備が核燃料物質によって汚染された物による災害の防止上支障がないものであること。」それから、「核燃料物質の使用を適確に行なうに足りる技術的能力があること。」以上のような基準を定めているところでございます。
○秋葉委員 そもそもそういう法律があること自体、これは核燃料物質が放射能によって人体その他に非常に大きなマイナスの影響を与える可能性があるからというところを確認していただかないと話が前に進みませんが、そこのところはおわかりになっていて、またあと何回か質問すると同じようなことが出てくるんだと思いますから省略します。結論だけまた後でどこかの機会に言っていただければいいんですが。 この際、もう一度申し上げますけれども、例えば現在の日本の基準ですと、酸化ウラン、これは劣化ウランが酸化したものですけれども、それを経口吸入する場合、これは職業人ですね、放射線を扱う職務が定められていますけれども、そういった職業人の場合に大体年間一千五百ベクレル、これは、劣化ウランの量にいたしますと大体百二十ミリグラムということになります。一般人の場合、特に職業として放射能を取り扱わない人間の場合には、大体これの五十分の一あるいは百分の一ということですから、大体一年間二・五ミリグラム、あるいはそれ以下ということになります。 一方、先日来問題になっているアメリカ軍の劣化ウラン弾ですけれども、これは一発当たり百四十七グラム、一グラムというのは千ミリグラムですから、非常に多量の劣化ウランが含まれております。千五百二十発分の劣化ウランの量というのは大体二十二万グラムぐらいになりますから、これを二・五ミリグラムで割りますと、大体大ざっぱに考えて百万人の一年間の摂取基準を超える量の放射能がその中に含まれている、単純に計算するとそういうことになります。それは非常に危険なレベルの放射能であるということをやはり申し上げないわけにはまいりません。 その危険さについて、具体的な事例で、例えば湾岸戦争の際に、この危険な放射能を使った劣化ウラン弾、アメリカ軍がいろいろな形で事故を起こしたり、それからこのことで、イラク側だけではなくて米軍側の兵士に対してもさまざまな影響を与えておりますけれども、その詳細について、外務大臣あるいは防衛庁長官、どの程度御存じでしょうか。
○池田国務大臣 まず、劣化ウラン弾につきましては、先ほど科学技術庁の方から答弁がございましたように、その製造なり保管なりにつきましては厳しい規制がございます。 しかし、それがどういう観点からであるかと申しますと、劣化ウラン弾そのものが放射性物質として非常に高レベルな放射能を持っているとか、あるいは重金属としてその化学的特性から非常に危険である、そういう観点のものではないと承知しております。むしろ、劣化ウランそのものの持つ放射能は極めて低いレベルであるけれども、これを非常に高度な技術をもって加工した場合、中性子を当てたりしましてですね、そうやったときには核燃料ということになり得る、また放射能も高くなる、こういうこともございますので、管理をきちんとしておけということでございまして、劣化ウランの状態であるものそのものが放射能の観点から危険であるということはない、このように承知している次第でございます。 ただ、それが、今湾岸戦争のときというお話でございましたけれども、あの際にいろいろな場面がございましたけれども、劣化ウラン弾が戦車の非常に厚い鋼鉄板を貫徹するのに非常に有効であるということで使われた。それが中に入りまして、非常に高熱の中でいろいろな反応を起こしたということがございます。むしろそういった高熱の状態の中でいわば致死性を発揮したのでございましょう。しかし、そこでいろいろ物質的な、化学的な変化もあり、そのことがいろいろ人間の健康にも害を与えたんじゃないかということが言われたということは承知しておりますけれども、イラク軍に対してだけではなくて米軍に対してもという話がございましたが、それは、いわば戦場において誤射といいましょうか、味方の戦車に当ててしまったということもあり、そういったところではイラク軍に対する場合と同じような結果が出たということはあるようでございます。 しかし、問題になりましたのは、戦場そのものにおける殺傷能力という観点じゃなくて、湾岸戦争の後いろいろな体の不調を訴える者が出てきた、いわゆる湾岸戦争症候群などと言われましたが、それにつきましては、物理的なもの、化学的なものあるいは心理的なものを含めて、いろいろな要因がそういうものを起こした可能性があるとして指摘されたことがあるわけでございますが、そういった中に、その一部に、劣化ウランが酸化ウランになり、あるいはエアゾールになりということが一つの原因になるのではないかというような説があったということは承知しておりますけれども、これはいろいろその後の調査、とりわけ大統領の諮問委員会における調査等におきまして、劣化ウランがそういった原因になったという可能性は極めて低い。正確にどういう表現でございましたか、アンライクリーという表現だったかどうか、その辺は要すれば政府委員から答弁いたさせますけれども、そのような評価がなされているというふうに承知しております。
○秋葉委員 政府の調査結果もまだ十分ではないという科学界の評価がございます。いろいろな例を申し上げることで具体的に指摘いたしますけれども、時間がありませんので一つだけ申し上げておきます。 例えば、アメリカにオペレーション‘デザートシールド・デザートストーム・アソシエーションというのがございます。これはその作戦に参加をしたアメリカ軍の兵士が中心になってつくった一つの団体です。この団体で大体一万五十一人、湾岸からアメリカに戻ってきた後、体調の変化、悪化を訴えている人がいるわけですけれども、その協会で調査をした結果、この一万余人のうちの八二%は湾岸戦争の作戦のうちにイラク軍のタンクの中に入った、そういう結果があります。 あるいはオーストリアの専門家が湾岸の調査に行った際に、この劣化ウラン弾の薬きょうを分析のために持って帰ったけれども、ドイツの空港において、放射能のレベルが通常の許されている限度を超えていたためにこれを押収された。 そういったさまざまな、放射能とそれから今回の被害についての関連を示すデータというのは事欠きませんし、アメリカ政府の調査結果が確定的なものでないということは、最近の医学専門誌等においても、湾岸戦争の被害についての議論がまだ終わっていないことからも十分に知ることができます。 この点について、アメリカ軍の兵士は誤射だけではなくて、例えば輸送中のトラックが爆発をしたり、あるいは実際にはクウェートシティーの近くのドハという基地ですけれども、そこで火災が起きて、実は劣化ウラン弾がそれで燃えた結果被害が起きた、そういった事故もたくさん報告されています。こういったことを考えると、アメリカ軍が劣化ウラン弾を日本国内に保有しているということによってさまざまな被害が起きる可能性がある。 その点について防衛庁としては、専守防衛ですから、国を守る、国民の命を守るという観点から、こういった可能性のある問題について十分な知識をお持ちなのか、それに対する対策はあるのか、簡単に伺いたいと思います。
○鴇田政府委員 先生の御質問に対しましては、先日来何度となく御説明を申し上げてありますが、自衛隊としては、劣化ウランを含有をいたしております弾薬を一切保有しておりません。研究を行ったこともありませんし、劣化ウラン弾について具体的な知見は必ずしも有しているわけではございません。 日ごろ、もちろん劣化ウラン弾に限らず種々の軍事情報につきましては、交換資料等によりその入手に努めているところでございますが、武器の性能については、御承知のように各国とも秘匿性が非常に高いものですから、弾薬の性能については特に部隊等の戦闘力に直結し、公表等はなされないというのが一般的でございまして、なかなか入手をするのは困難であるという状況でございます。 ただ、そもそも徹甲弾という劣化ウラン弾につきましては、その機能面では弾丸の持つ運動エネルギー、すなわち重さとかかたさとか速度等によって装甲を物理的に貫徹させるという弾薬でございますので、我が方で保有しておりますタングステン合金を弾心といたします徹甲弾と基本的に変わらないものと考えているわけでございます。
○秋葉委員 今のお答えでは、自衛隊が持っていない武器についての性能はわからない、知らない、それでいいんだというふうに聞こえますが、例えば化学兵器。自衛隊は化学兵器を持っていないわけですけれども、化学兵器に対するそれなりの防除策は持っている。それがどういう影響を与えるかということについての最低限の知識は持っているというふうに思えます。それはある程度理論的に化学物質についての知識を、ある場合には実験を通して具体的に把握されているからだと思いますが、劣化ウランの場合にも全く同じことができます。例えば、最近は核実験もコンピューターのシミュレーションで行えるような時代ですから、劣化ウラン弾が使用された場合、その放射線がどういうふうに変化をして、例えばエアゾール状になるのか、その後空中にどういうふうに拡散してどの程度の放射能をどの範囲にまき散らすのかということは、これは簡単なシミュレーションで理論的に計算することが可能です。 やはり私は、少なくとも専守防衛を唱える、そして住民の健康に対する、例えば一たん劣化ウラン弾が使われたような場合には、その影響について最低限の知識を持って、仮に防御することが不可能であるにしろ何らかの手を打つというような前向きの姿勢で最低限理論的な研究、あるいは防衛庁がそれをしないのであれば民間の研究所あるいはその他アメリカ、軍だけではなくてそれ以外にもさまざまな研究施設があるわけですから、そういったところでのきちんとした具体的な事実の把握ということは、これは責任だと思います。ぜひそれは実行していただきたいと思います。
○久間国務大臣 委員のお話を先ほどから、また前回の質問から聞いておりまして、基本的にちょっと私どもと考え方が違うのじゃないかなという気がします。 一つには劣化ウラン弾そのものが、アメリカあるいはイギリス、フランス、そういったところが確かに持っているようでございますけれども、それは徹甲焼夷弾の酸化したその放射線とかなんとかが相手に対して殺傷能力を与えるというのじゃなくて、やはりぶち抜いてそれで相手を殺傷してしまうというところにその徹甲焼夷弾が使われているわけでございます。そういう点から、ほかの化学兵器の場合はそれを防御するための化学兵器として使われますからそのための研究はやりますけれども、徹甲焼夷弾の場合はとにかくかたいものを撃ち抜いていくという、そこに使われているわけでございまして、その後の、先生の言われるように、多量の放射線が出るとかそれによって相手に打撃を与える、そういうものでないと思っているものですから、それほど力を入れて知見を集めていないのじゃないか、そういう気がするわけでございます。 その辺については、また先生の方でもいろいろとお調べいただくと同時に、私どももまた先生が言われるようなそういう違った意味の、私たちが日ごろ考えているのとは違った意味の使われ方が主な目的にあるのかどうか、それは調べてみますけれども、今までの私どもの調べた範囲では、そういうことじゃなくて、あくまでタングステンと同じように貫いて、相手の戦車をぶち破るという、そこに主目的があるということで理解しておるわけでございます。
○秋葉委員 目をつぶれば放射能が存在しなくなるというような前提があるのでしたら今のお答えは正確でいいのですが、主目的が何であろうと放射能があることには変わりないのです。その影響をやはり考えなくてはいけないというのが私の立場ですから、主目的というふうに話をごまかさないでください。副作用でもいいのです。要するに、副作用でも放射能の影響があるということは、これは重大に考えなくてはいけないと言っているのです。 今申し上げているのは、認識が違おうとも、ともかく劣化ウラン弾が使われた場合に、あるいは事故に遭った場合にどういう影響を与えるかということは、これは事実としてやはり私は日本政府としてきちんと把握をしていただきたい。その上で提案をしたいのですけれども、これが、その副作用、放射能が中心になりますけれども、化学的な毒性もありますが、その副作用の点から考えても、私はこの劣化ウラン弾というのは国際的に使用を禁止されるべき武器だというふうに思います。それをぜひ日本政府として提案をしていただきたい。それは事実調査が前提になりますけれども、それをぜひやっていただきたい。 実は、これを提唱しているグループがアメリカにございます。アメリカン・リージョン、これはアメリカの在郷軍人会です。それから、ベテランズ・オブ・フォーリン・ウォーズ、これは、外国でアメリカが戦争に参加をした場合、そのGI、帰還兵たちがつくっている二つの組織ですけれども、アメリカの社会の中で一番保守的な組織だと言われている二つの組織です。この二つの組織が、劣化ウラン弾はアメリカの兵士にとって非常に非人道的な結果をもたらすから、この使用はすべきではない、使用禁止をすべきであるという決議を出しています。私は、その政治的な考え方、アメリカン・リージョンや……
○深谷委員長 秋葉委員、時間になりましたのと、本会議がありますので、恐縮ですが。
○秋葉委員 はい。ベテランズ・オブ・フォーリン・ウォーズの政治的な考え方には反対ですが、この点については私はこの二団体の考え方に賛成いたします。ぜひその点を御検討いただきたい。一言。
○深谷委員長 池田外務大臣。短くお願いします。
○池田国務大臣 通常兵器の分野についても、過度の傷害や無用の苦痛を与えるような特定の兵器については、使用の制限、禁止をするようなものもございます、例えばレーザー光線だとか。 しかしながら、劣化ウラン弾については、そのような観点から規制すべきものに該当するというような国際的な考え方というものは、コンセンサスというものはない、こう考えておりますので、せっかくでございますが、御提案に前向きに対応する意図はございません。
○深谷委員長 これにて、保坂君、秋葉君の質疑は終了いたしました。 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○深谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石破茂君。
○石破委員 予算委員会三回目の質疑に立たせていただくわけでありますが、今まで何度かお尋ねをしました点で、なお得心のいかざるところを幾つか御教授をいただきたいというふうに思いまして、機会を与えていただきました。 私も、先回申し上げたことでございますが、戦後世代もいいところで、昭和三十二年生まれでございます。歴史というもの、特に近代史というものを、現代史というものを余り教わったことがない。日本の国は歴史が長いものですから、何しろ弥生だの縄文だのから始めれば、大体三学期ぐらいで明治維新になってしまうというようなことで、とてもじゃないが現代史までいかないということがあります。そしてまた、憲法九条をめぐる解釈についても、余り学校で教わった覚えがありません。自衛隊は合憲であるか違憲であるかというようなお話に終始をいたしまして、そこから先を出ないのであります。ですけれども、私は、次の時代に必要なことというのは、それは弥生も縄文も結構ですが、なぜあのような悲惨な戦争に突入をしてしまったのか、なぜ避けられなかったのか、なぜ途中でやめられなかったのか、なぜ負けたか、それをきちんと次の世代に伝えることが一番大切なことではなかろうかというふうな認識を持っておる一人でございます。 そういうような認識のもとに幾つかお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、きのうからきょうの報道に関しまして、官房長官が記者会見におかれまして防衛費の件について言及をしておられます。その前には総理もお触れになっておられます。すなわち、官房長官が昨日の記者会見で述べられましたことは、いわゆる平成八年から平成十二年までの中期防衛力整備計画、総額二十五兆一千五百億円、この見直しを前倒しをすることを検討する、言葉は正確ではないかもしれませんが、そのようにおっしゃったと伝え聞いております。この中期防を達成をいたしますためには、毎年度二%ぐらい予算をふやしていかなければこれは達成できない、そういうふうになっております。 さて、防衛庁として、このことを事前にお聞きになっておられたと思います。どのように対応していかれるのか。そして、そのように削減をしなければならないということになるとすれば、今回、即応予備のお話もあるわけでございますけれども、どのような形で具体的に削減をするような手法があるのかということであります。その点、御教授賜りたいと存じます。
○久間国務大臣 あのような報道がされましたけれども、私どもが前もって伺っていたわけでもないし、打ち合わせをしておったわけでも実はないわけでございます。ただ、常日ごろから、財政構造改革をしなければならないという橋本内閣の強い意思のもとにいろいろと会合が行われますが、そのたびに、各省庁の他の五カ年計画も含めて、今まで閣議決定していることもあるけれども、やはりこれから先はとにかく一生懸命この財政構造改革をやっていかなければならないということを、みんなお互いに頭の中に入れてやっていこうじゃないかということは絶えず言われておりますし、先般の閣僚懇でもそういうことが言われたわけでございます。したがいまして、まだ具体的に見直しをするとかしないとか、そういう話じゃなくて、官房長官として、そういうことも視野に入れなければならないのではないかということを言われたのだと思いますし、私どもも、それは当然のこととして視野に入れていく。 ただ、具体的な行動を、ではことしやるかどうか、ことしの概算要求までにするかどうか、その辺もまだ当庁として決めているわけではございません。中期防でも三年後に見直しをするという項目が入っておりまして、いずれにしましても、あと一年した場合にはしなければならないことになっております。その場合、それは減額の場合もありますし、増額の場合もございます。これから先、他の公共事業等もひっくるめましてそういうようないろいろな作業が全体として進んでいく、そういう中において当庁の問題についてもやはり何らかの視野に入れながら検討しなければならないのではないか、そういうふうに思っておるところでございますから、今委員御指摘の、具体的なそういうことにまでまだ作業が進んでいるわけでもございません。
○石破委員 物の考え方でございますが、私は、かつて自民党に在籍をしておったときも国防部会で申し上げたことでありますけれども、防衛費が一%を超えたらどうのこうのという議論が昔ございました。それは極めてナンセンスなお話であって、周りの情勢が平和であれば、それはもう〇・五%だろうが〇・六%だろうがよろしい、しかしながら、周りの情勢が緊迫しているのであれば、それは一・五%でも二%でもしていかねばならぬことだ。一%を超えたらどうのこうのという議論はまことにナンセンスであるというふうに思ってまいりました。 今回もそうなのですけれども、冗費は当然削っていかねばならない、しかし国防費というものは、確かに聖域だというようなことを言うつもりはありませんが、ほかの予算と同列に論ぜられてしかるべきものだとは当然思っていないのであります。アジアの情勢というのは、先回の委員会でも申し上げましたが、緊迫こそすれ、決して平和に向かいつつあるとは私は理解をしていない。だとするならば、やはりそういう観点でこのこともとらえていくべきではないかというふうに思っております。 もう一つ申し上げれば、例えば沖縄の基地の整理縮小というのは大変に大事なことである。それを本土に持っていくか、アメリカに持っていくか、そのことは別です。しかしながら、沖縄の整理縮小、例えば普天間の代替ヘリポートの建設というようなものは、これは幾らぐらいかかるものでしょうね。そしてまた、そのお金は一体どこから出すものなのかということについて、どのような議論がなされているかということなのです。つまり、普天間の代替ヘリポートをつくるのに、それはそんなに簡単なお金で済むとは思わない、何千億というお金だろうと思う。そのお金も、物の性質からすればこれは防衛費の中に入ってくる。さすれば、減額というようなことはなかなか軽々に口にすべきものではないのかもしれない、そのように思いますが、いかがですか。
○久間国務大臣 確かに、中期防をつくりましたときには、SACOで今度報告しましたそういう内容は想定していなかったわけでございます。通常のいろいろな移転経費は入っておりましたけれども、それは全く入っていなかったわけでございます。したがいまして、そういうこともございまして、今度の予算編成をする、あるいはその前の概算要求の取りまとめのときも与党の三党で御協力いただきまして、これをどうするかという御協議を願ったわけでございます。そして、これについてはやはり検討していくということになりまして、予算編成のときにもやはりその検討をこれから先も引き続き行うということになっておりまして、来年度の概算要求でまたどういうふうになるか、これも検討しなければなりません。 ただ、今言っておりますのは、特に普天間みたいな大きい金額もそうでございますけれども、まだ正直言いまして、SACOの経費の全体像がつかめていないのです。調査もまだ入っていないわけでございまして、そういうことで、調査に入ったりなんかして、全体計画といいますか、ある程度の金額が出てきた段階で中期防との関係は整理をしなければならないのじゃないかというようなことは内部でも議論しておりますけれども、全体の規模、金額がつかめないだけに、まだそういうことをやっていないというのが実情でございます。 そして、SACOについてはそういうことで、今度の予算のときにも一応防衛庁の予算書の中に入れましたけれども、SACOについては事項立てをしていただきまして、大蔵省との折衝の中でもこれは別項目として実は挙げておるわけでございますので、そういう意味では、従来の中期防に入っていないということをはっきりとやはりそこで認識した上で予算化しているという点も、そういうことだということで御理解いただければいいのじゃないかと思います。
○石破委員 済みません、何度もお尋ねして恐縮ですが、そのお金が大体どれぐらいかかるかという積算、これはいつごろ明らかになってくるか。つまり、予算の組み方と密接に絡むことでございますのでお尋ねをしておるわけでありますが、内部で御検討中という今の大臣のお話でございましたので、もし教えていただければ大変ありがたいと存じます。
○久間国務大臣 今、例えば名護市の方にお願いに行った、これも基本計画みたいなものでございまして、こういうのは二カ月ぐらいで終わると思うのです。しかし、それから今度は具体的なボーリングをしたりなんかして、もしそこが適地だということでその調査を認めてもらうということになりますと、それからそういう具体的な調査をして、その上で全体の詳細な実施計画といいますかそういうのをつくるわけでございまして、それができないことには全体像がつかめないのでございまして、しかもどういう工法でやるか、浮体、いろいろ三工法ございますけれども、どれをやるか、そのときに現地の地質がどうなのか、いろいろなことがわかってこないとそこが決まらないものですから、当委員会でも大分おしかりを受けているわけでございますけれども、正直言いまして、そういうようなことが全部決まってこないとできないということで、少なくとも今度の概算要求までに、あるいはまた来年度の予算要求でそういう大きな経費が出てくるとはちょっと考えにくいというような状況でございます。
○石破委員 普天間でも多分何千億なんだろうというふうに言われておるわけでございます。これはもうどこに移すか大体決まっておる、受け入れてくれるかどうかは別にして。技術的にこういうものだろうという積み上げもできている。これは御答弁は要りませんが、大体どれぐらいかかるんだよということを、やはりこの問題は国民の前にきちんと明らかにして、特に内地の納税者の理解というものをちゃんと得るということが必要なことであろうというふうにも思いますので、そのようなお尋ねをしたような次第でございました。 もう一点、防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 下甑村事件というのか何というのか、名前は何でもいいのですが、二月三日に鹿児島県下甑村に中国の密航者が上陸をした。その捜索に航空自衛隊の皆様方が出られた。これの名目は訓練という名目であった。そのことが自衛隊法に触れるのか触れないのかというようなことで議論がございます。 私は、法律に触れるとか触れないとかいうことよりも、本当に何をすべきなのかということをきちんと考えてあげないと、現地の自衛官の皆様方が大変混乱をするし、お気の毒なことであるというふうに思っておるわけでございますが、この事件の概要、そしてまた、それに対してとられました防衛庁の措置、お教えをいただきたいと思います。
○久間国務大臣 下甑島に密入国者が入っているおそれがあるというような報告がございまして、現地には航空自衛隊のレーダーサイトもございますために、これは何かせぬといかぬだろうというふうなときに、現地の警察、消防団、役場の職員の皆さん方がそういうのを捜しに行くということになりまして、それで、それなら自衛隊もそれに協力すべきじゃないかというようなことで一緒に捜して、結局だれもいなかったということでございますけれども、そういう行動をとったわけでございます。 これはどうだったかと言われますけれども、私は、そのときに行動をむしろしなかったらかえっておかしいんじゃないか。ああいう離れ島で人もたくさんいないところに、自衛隊が、うちはそういうことはせぬよ、任務じゃないからしないよというようなことであったらそれはおかしいので、むしろあのときに、それは一緒になって捜しましょうということで捜したことは非常に適切だったというふうに思います。 ただ、後から、いわゆる教育訓練としてそれに出ていったというのがよかったのかどうかという議論はございます。これは情報活動なのか、あるいはレーダーサイトもあるわけですから警備行動なのか、しかし警備行動にしては、島全部をみんなで一緒になってやるわけですから、それはまたちょっと違うんじゃないか。いろいろな議論がございますので、こういう問題について、ああいう離れ島でだれもいないときにそういうようなことを村の人たちと一緒にやることについて、どういうような手続をとっておったらいいのかということについては、これから先もやはりちょっと検討しておかなければいかぬことじゃないか、そういうことを考えておるわけでございます。
○石破委員 これは自衛隊法に触れるとか触れないとかいう議論をする人がいるわけですよね、世の中には。それはもう厳密に考えてみれば、自衛隊が出られるのは、外部からの武力攻撃か、間接侵略その他の緊急事態か、治安維持上重大な事態か、天変地異その他の災害か、この四つである。そしてまた、しかるべきところから要請が来なきゃ出ちゃいかぬということになっておるかと存じます。 そうしますと、今回のは一体どれに当たるのかね、現地からの要請はあったのかねというような話になってくるわけですね。じゃ一体、これに対応するような適切な法令というものをきちんとつくっておく要ありゃなしやということなのです。長官がおっしゃいますように、あそこで出なきゃおかしいのですね。出なきゃかえっておかしなことになってしまうし、何しろ多分過疎の村でしょうから、お巡りさんだつて何人いるかわからないし、消防団でも結構シニアの方々が多いのでありましょう。自衛官が出たことは適切であったというふうに私も思いますし、出なければおかしい。 さはさりながら、じゃ、代替性があるみたいな話で、お巡りさんをふやせばいいじゃないかというような話をされたってこれは困るわけでありまして、だとするならば、武装難民とかそういう話じゃないわけですな、こういうような程度の人たちが来たという場合に、それに備えて法令整備の要ありゃなしやということであります。
○久間国務大臣 法令整備、法でもって行動する場合は一応非常に厳格に書いてあるわけでございますけれども、現実には、何といいますか、運動会に出ますとかお祭りでちょっと応援をするとか、そういう村民の一部としてやっていることは結構あるわけですね。それを、じゃ具体的に全部網羅的に法律に書けるのかなという気もします。 だが、しかしながら、今言われるような御指摘もやはりあるわけでございますから、ある程度体系化しながら、そういうのをどうしたらいいのか、きちっと法律に書くのか書かぬのか、そういう議論はやはり日ごろからしておく必要があるんじゃないかというような気もいたします。 ただ、今、そういう自衛隊の行動として、部隊として、まあ言うならば災害でもそうですけれども、ある程度機材を持って隊を組んでやる行動と、沖縄でも、例えばハーリーというのですか、ペーロン競漕みたいなものにも、最近は沖縄の皆さん方から要請があって、自衛隊の名前は使わないけれども、隊としてのチーム名で参加できるとか、そういう非常に村民との一体感というのは出てきているわけでございます。これは沖縄に限らず、ほかのところでもそうでございます。 そういうのを自衛隊法に書かなきゃいかぬかどうかとなってくると、これはまた全部を網羅できるかどうかの問題もございますから、これから先検討はさせていただきますけれども、今直ちにそれを法規定でしなきゃならないとまではちょっと言い切れないんじゃないかなという気がいたしまして、今後研究させていただきたいと思います。
○石破委員 ぜひ御検討をいただきたいと思います。長官もうもちろん御存じの上でおっしゃっておられると思いますが、お祭りの参加とペーロン競漕とこれはややレベルが当然違うわけでありまして、いわゆるこの程度であればまだよいのですが、しかしながら、もう少し高いレベル、でも治安を乱すに至らないレベル、そういうものに対応するときに、間違っても、これは自衛隊法違反じゃないかというようなことがマスコミに言われ、心ない人と私は思うのだけれども、そういう人たちに言われないような、そういうような御配慮、御検討はぜひお願いをいたしたいというふうに申し上げておきたいと存じます。 次の質問に移らせていただきますが、外務大臣、これは質問通告になくて恐縮でございますが、常任理事国に入るべきだというのは、もちろん政府としてそういうようなお考えだろうと思います。大臣もそのようなお考えだろうと思います。 ただ、私、一つ懸念をいたしますのは、常任理事国になったときに、軍事参謀委員会のメンバーにならねばならないということであります。軍事参謀委員会のメンバーになったときに、本当に日本国はその責任が果たせるや否やということが私は気になって仕方がないわけでございます。 以前、ある方にそのことをお尋ねをいたしました。結構国連の要職を務められた方であります。そのように聞きましたらば、いやいや、心配しなくても、軍事参謀委員会などというものはそんなにしょっちゅう開かれるものでもないし、偉い人が出るものでもない、国連はちゃんとまだ機能していないのだからそういうような心配は御無用であるというようなお話をいただいたことがありました。 今はそれでよいのかもしれません。しかしながら、本当に将来、国連が国連としてきちんと機能するようになったときに、日本国は軍事参謀委員会のメンバーとしてだれを送り、どのような責任を果たすのかということについて、私自身まだ覚悟ができておらないし、有権者の皆様方にきちんと御説明をするに足る得心も得ていないのであります。 その点につきまして、御見解がありましたらお教えいただきたいと思います。
○池田国務大臣 今委員もちょっとお触れになられましたけれども、国連の役割の中で安全保障というのはこれはもう大きな柱でございますけれども、それにかかわる規定は、主として憲章の第七章にございます集団安全保障ということでございますね。 しかし、これまでところ、この七章に規定される真実の意味の、憲章上の真正の意味での国連軍というものが組織されたり、それとの関連で軍事参謀委員会が設置されたりということはございません。しかしながら、将来的には、そういうことは当然憲章にあるわけですから、あり得るということは前提にしながら物を考えなくちゃいけない、こう思います。 そして、国連の安全保障委員会の常任理事国になりました場合に、その軍事参謀委員会のメンバーになる、これは四十三条だったかなと思いますけれども、そういう規定もあるわけでございますが、そういった規定があるということを前提にしながら、我が国の常任理事国入りの希望について国連加盟国の多くのメンバーがそれを了とし支持してくれておる、こういうこともまた現実でございますので、私は、基本的に我が国が、今日本国憲法、とりわけその九条の関係で軍事的な面でのいろいろな活動についていろいろ制約はあるということがあったとしても、特に常任理事国になることに支障が生ずるとは考えていないということでございます。
○石破委員 そこの問題は議論を詰めておかなければいかぬことではないのかなと思っておるわけですね。 憲法上制約があると制限された形で、本当に常任理事国になるということが許されるのだろうかということが私にはよくわからない。本当にそれでいいのだろうか。つまり、その軍事参謀委員会の中に入り、安全保障理事国として加盟国に対して出動せよというふうに言った場合に、ですが私の国はそのようなことはできないのでありますというようなお話が本当に認められるかということが今きちんと議論をされていないのはなぜかと言えば、大臣がおっしゃったように、正規の国連軍というのができていない、だからその議論は詰めなくてもいいということだとするならば、これは将来禍根を残すのではないかというふうに私には思えてならない。 だとするならば、そのような覚悟がないとするならば、本当に安全保障理事国になっていいのかどうかということは、もう一度国民に問いかけねばならないことではないかというふうに思っておるところでございます。 そこの辺がいま一つ得心がいかない。本当に、よその国に、行けというふうに言っておきながら、制限つきの理事国ということはあり得るのか。そして、確かに理事国になるメリットというのは本当にトラック一杯分ぐらいあるわけですね。情報の収集もそうですし、被爆国として入ることもそうでしょうし、アジアの代表として入ることもそうでしょう。そのことは私は多大なメリットがあることを認めます。しかしながら、先ほど申し上げましたような点についてなお疑念がありますので、もう一度御見解を承りたい。
○池田国務大臣 まず最初に、失礼いたしました、軍事参謀委員会、私四十三条と申し上げたかと存じますが、あれは協定でございまして、四十七条が軍事参謀委員会の分掌規定でございました。 委員の御心配も私理解できないわけじゃございませんけれども、安全保障理事会、とりわけその中の常任理事国の役割というものも、やはり国連ができましてから半世紀をけみし、国際情勢の変化、その中での国連の果たす役割の変化というものを踏まえまして、かなり変わってきた面があると思います。すぐれて軍事的な面、これはもとより役割の中の大切な部分でございますけれども、それ以外の、いろいろな広義での安全を保障するという観点からの役割というものが、最近の安保理では非常に大きくなってきているんじゃないのかという感じがいたします。 ですから、それが単に安全保障というだけじゃなくて、例えば難民の問題であるとか、場合によっては人権の問題とか、そのこと自体ではちょっと軍事とは、ミリタリーの面とは結びつきにくいなという問題も、近時においては安保理の中での活発な議論の対象になるということもございまして、まあ言ってみれば、我が国会におけるこの予算委員会が予算の審議だけではない、予算というものは国政全般にかかわるということから国政全般にわたって議論が行われると同じように、最近の安保理というのは、国連活動全般にわたっての議論の場という色彩も強くなっている、こういう点もあると思います。もとより、狭義の安全保障、とりわけミリタリー的な側面の重要性がなくなったわけじゃございませんけれども、全体としては今申し上げたような傾向があるわけでございます。 そういった中での我が国が常任理事国になるかどうかということでございますので、そういったことで国連加盟国の少なからざる国も、日本の常任理事国入り、もっともだし、それは当然じゃないかという声が出てくるんじゃないかというふうに理解している次第でございます。
○石破委員 いざそのときになってみなきやわからぬことです。ただ、いざそのときになってみて、日本はできませんと言って袋だたきに遭わないような、そういうことは考えておかなければいけないというふうに思いますので、また勉強してみたいと思っております。 防衛庁長官にお尋ねしますが、ノドンミサイルというものが万が一発射されたときに、今の日本の防衛力でこれを阻止することはできますか。
○秋山(昌)政府委員 ただいま御質問にございましたノドンミサイルと言われているような、非常に射程距離の長い、技術的に見ますと、着地する時点でかなり高いところから非常に速いスピードで落ちてくるミサイルにつきまして、これは日本も含めまして、世界各国でこれを要撃するウエポンを持っている国、開発した国はございません。
○石破委員 ということだろうと思うんです。飛んできたらどうにもならない、アウトですということ。これは、私ども日本海側に住む人間にとっては非常におっかないことなんです。要するに、今の御答弁にもありましたように、朝鮮から日本までというのは短いですから、垂直に上がって垂直におりてくるようなそんな話であって、レーダーにひっかかってもどうにもならぬ。ひっかかったときにはもう落ちているななんというふうに見えるようなことなんです。 これが落ちてきたらどうにもならない、これをどうするかという議論を以前いたしましたらば、どこのだれとは言いませんが、答弁された方が、いやあなた、そんなことを言ったらば、ソ連のミサイルだって一緒じゃないですか、ソ連のミサイルが飛んできたって日本の国は撃ち落とせないでしょう、何でそんなに北朝鮮のミサイルだけやいやい言うんですかというようなお答えが返ってきた。 私は、それは本質的に違うと思っているんですね。ソ連があった当時に、ミサイルを撃ってくるということに対してはアメリカの抑止力、核抑止力というものがきちんとされていたと思うんです。ソ連のミサイルはアメリカまで届きましたから、それに対して、アメリカが自国の防衛のために核抑止力を行使するということはこれは理の当然であって、だから抑止がさいていだわけでありますが、ノドンはどんなに引っ張ったってアメリカまでは届かない。ハワイまでも届かない。だとすれば、北鮮に対して本当に核の抑止力はきいておるかと言えば、それは、ソ連に対する場合とは違うのであろうという認識を我々は持たねばならないであろうというふうに考えておるのであります。 だとすると、今、落とすウエポンシステムはないというお話でありました。飛んできたらアウトだというお話でありました。アメリカまでは飛びません。だとすれば、日本はどうやってそれを守るべきかということをきちんと防衛政策の中で一つの柱として議論をしなければいけない。その場合に、TMDというものをどう考えるかということを考えていかねばならない。防衛庁長官、いかがですか。 〔委員長退席、小里委員長代理着席〕
○久間国務大臣 TMDにつきましては、この委員会でもたびたび御論議がございました。今、予算も組んでいただいて、いろいろ知見を収集すべく、平成九年度までかけてこれをやるべくやっておるわけでございます。 まあしかしながら、それから先これを実際政策に移していくという決定をするためには、それが費用対効果としてどれだけのことがあるのか、また、技術的にどれだけの可能性があるのか、そういうものについてきちっとしたものを見せない限り、かなりのやはり国民的な負担が伴うわけでございますので、そういうものを三年間の予算を組んでいただいたわけでございますから、そういう中で、平成九年度にはできればそういう研究の成果を得たい。その上で、また議論をしながら、今言いましたように費用対効果あるいはまた制度、いろいろなことを検討した上で、政策決定は次の段階だ、そういうようなことでございますが、今、いずれにしましても、そういうことで、アメリカと共同で、共同でというよりもアメリカからいろいろな、向こうは一応先駆的な知見を持っておりますから、そういう資料等を収集して研究をしているというところでございます。
○石破委員 費用対効果という言葉、少し私は気になる言葉なのですけれども、やはり国民の生命、安全というのはどんな金を払ったって、それは守っていかなきゃいけないものだろう。別に揚げ足をとるわけじゃありません、ただ、ちょっと気にはなるのですけれども。 ただ、そのとき、私思いますのは、それを落とすシステムというものが今ない。飛んできたらもうどうにもならない。そしてまた、抑止力というものが対ソ連みたいにはきいていないということで、もっと危機感というものを持って考えなきゃいけない。FSXみたいなお話で、これはどうするのか、いろいろとそんなに簡単にいく話ではないことは私もよく存じておるつもりであります。ただ、冷戦が終わって事情が変わっている。だとすれば、FSXのときとは事情が違うのではないかという気が私にはしてならないわけでございます。 北鮮の情勢というのは、本当に日々、報道によって、刻々変わる。突然人が死んでしまったり、何かもう何がどうなっているのかよくわからない。アメリカは、これも報道でしか存じませんが、食糧支援ということに対しましてはまたポジティブな姿勢に出ている。それは、危ない事態になったら大変なことである、食べ物がないということになったら大変なことである、そういうような思惑に基づくものだろうと思っています。 しかしながら、逆に、どの国でもいいのですが、戦って負ける戦はするはずないとか、大変経済的に逼迫しているからやるはずないとか、そういうことは恐らくないのだろうと思います。むしろ逆だろうと思う。 日本とアメリカが戦って勝てるはずはないということは、日本のそれなりの知識層であれば全部が知っていたはずです。しかしながら、当時の記録を読みますと、何だかやむを得ない、やむを得ないという言葉があっちこっちに出てくるのですが、やむを得ない、やむを得ないの積み重ねで、簡単に言ってしまえばですよ、負けるにわかっている戦争に突入をしたという面もある。そして、経済的に逼迫してくればくるほど、費用対効果じゃありませんけれども、ある意味で、核兵器というものは安上がりな兵器なんですよね。通常の戦力を持つよりは安上がりな兵器だ。逼迫すればするほどにそういうようなものの重みが増すということも、私は一つの考え方としてあるだろうと思っている。 長官が北鮮に行かれたことがあるかどうか、私は存じません。私、以前、金日成主席の八十歳のお誕生日だということで、これは超党派で行ってきたわけでありますけれども、北鮮というものを見てまいりました。その国の人たちがどのような政治形態をとろうと、それはその国の人たちの御自由でございますから、私はいいの悪いのということをここで申し上げるつもりはございません。 ただ、そこで一つの孤立国家、そして独裁国家、軍事大国、一種のチュチェ思想というのですか、思想が支配をする国、そういうものがどういうものなのかなということは、いい悪いは抜きにして実感をしてまいりました。一回見ただけで何がわかるというふうなおしかりをいただくかもしれませんが、やはり八十歳のお誕生日というのは、ディス・イズ・ア・ノースコリアみたいな話だろうと思っているのであります。 私たちは、本当に何があっても国民の生命財産を守るということに立ちまして、TMDにいたしましても積極的に議論をすべきではないかというふうに思う次第でございますが、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 いきなりノドンが飛んでくるという、そういう前提に立ってすべてのものをやって、すべてを犠牲にしてTMDをどんどんやれというような、そういう議論もちょっといかがかと思うわけでございまして、やはり外交を通じて、あるいは防衛交流あるいはまた安保対話、いろいろなことを通じて、また今度の四者会合とかそういうものを通じながら、この近隣関係で平和をいかに保っていくか、そういう努力をしていく傍ら、しかしそうはいっても最小限の、最小限といいますか、やはり相手との関係がどうなったら大変かということも想定しながらいろいろなことをやっていくというのは、おっしゃる意味もわからぬではないわけでございます。 しかしながら、やはり国の政治をやっている場合に、先ほど言いましたように、いろいろな何かをやるときでも費用対効果を考えないでそれにのめり込んでいくことができるかといいますと、それはなかなかできないわけでございまして、冒頭に言われました現在の中期防ですら、こういう財政状況の中で本当に最後までやるのかというような議論が今起きているのも事実でございますので、だから、やはりその辺はそれだけで物事をとらえるのではなくて、もう少し緊迫感がどうなっているかという状況の中で考えていかなきゃならないことじゃないか、 そして確かに、言われましたように、冷戦構造時代の大きな核の傘の中に入っているときと今とでは違うということは、おっしゃられる意味もよくわかります。それは、今までだったらアメリカの傘の下に入っておればそれによって大丈夫だったけれども、今度は違うぞというような議論もわからぬわけではないわけでございますけれども、かといって、やはり日米安保条約というのが片一方にあります場合に、アメリカまでは届かない、そういう状況の中で、何でそのノドンをぼんぼん撃って日本だけをやっつけるというような発想が出てくるのか。それもちょっと解せない点もあるわけでございますので、委員御指摘のそういう状況が今すぐ想像できるかといいますと、必ずしもそうでないんじゃないか、その前にはもっといろいろな険悪な空気が出た上での話じゃないかなという気もいたしますので、その問題に直接の答えになったかどうかわかりませんけれども、我々は絶えずいろいろなことについて注目はいたしておりますけれども、今委員御指摘のほどの緊迫感というのは今のところ持っていないわけでございます。
○石破委員 私は、何もノドンがいきなり飛んでくるという事態を想定しておるわけではありません。ただ、ノドンの使い方、まあノドンでも何でもいいですよ、使い方が、軍事的な利用から政治的な利用に変わってきているという面も私どもは考えなきゃいけない。いろんなオプションの中で最悪のことを想定するのも政治の任務であろう、朝早くて初めてでしたでは済まぬであろうということを申し上げておるわけでございます。 朝鮮半島有事というものも、何が起こるか、この間、海兵隊の議論で外務大臣といろいろさせていただいたことでございました。この間、オルブライト国務長官がお見えになったときに大臣もお話しになったことだろうと思います。そのときに総理が、海兵隊は必要である、しかしながら、朝鮮半島の状況もし緩和せば削減ということもあり得るだろう、報道ではそのように書いてありました。そういうことにつきまして、外務大臣と長官はお話しになられましたか。
○池田国務大臣 先般オルブライト国務長官がお見えになったときの総理との話は、この関係は、要するに中長期的に国際情勢の変化なんかを見ながら、海兵隊も含めた、在日米軍の兵力構成も含めた、この地域に駐留する米軍のあり方についていろいろ協議していかなくちゃいかぬ、そういう趣旨の話であったと考えております。その前提として、現在の時点で、海兵隊も含めた駐日米軍の今のような体制またレベルというものは、その変更を検討するような状況にないというのはこれは前提にあったんだ、こういうふうに承知しているわけでございます。 私とオルブライト長官との間では、もうそういったことは大前提といたしまして、これまでもいろんな機会に日米政府の間で確認し合っているところでございますから、そういったことを前提としながら、例えば沖縄における米軍の駐留に伴ういろいろな負担を軽減するための措置をどういうふうにやっていくかとか、あるいは全般的に近辺の国際情勢、朝鮮半島も含んでいろいろ話をした。その中では、先ほどちょっと話題になりましたけれども、米の支援の問題がどうであるとか、あるいは核疑惑との関連でのKEDOのプロセスがどうであるか、こういったところもお話をした次第でございます。
○石破委員 同盟を維持するというのは、えらいことだろうと思っております。脅威が消えた中で同盟を維持するというのは、それなりに大変な努力を要することだろう。 その昔、日英同盟というものが一九〇二年に締結になった。日英同盟のおかげで日本はロシアに勝利をした。ロシアというものに対する脅威は、英国も感じていたであろうし、日本も感じていた。一種の共通の脅威みたいなものがあったであろう。そして日露戦争に勝利をするわけです。ところが、その後第一次世界大戦が起こりまして、英国の側からは、陸軍というものを派遣してくれ、こういうような要請があった。しかし、戦禍に巻き込まれちゃたまらぬということで、陸軍を送ることはせずに地中海に駆逐艦を何隻か送った。私は歴史の教科書で覚えているのですが、そのころ成金なんというものがありまして、そこで大変もうけた人たちがお札に火をつけて靴を探しているなんて、そんな挿絵が教科書の中にありました、適切であったかどうかはわかりませんが。そういうようなことをやってしまったものですから、イギリスは余りおもしろくなかったのでしょう。日本という国は非常に利己的な国だというような話を、大英帝国会議でそういうような話が出たというふうに記録には残っております。そして、日英同盟というものを破棄をされるに至り、四カ国条約というものに推移をしていくわけです。 私は、どうも日本という国がそういうような、アングロサクソン国家というのでしょうか、そういうものとの同盟を維持をしていくということは、大変難しいことでもあるし、同時に大変大切なことでもあるし、努力をしていかねばならぬことだというふうに思っておる一人でございます。 ノドンが飛んでくるとは言いませんが、朝鮮半島有事というのはいろいろなシミュレーションがあるのだろうと思うのです。その場合に海兵隊が要るか要らないかという議論は、きょうは時間がないからいたしません。 しかしながら、何が起こるかといいますと、というよりも日本がどのような対応をするかといえば、例えば、以前も議論がありましたが、送金を停止するのかどうかということも議論をしなきゃいかぬでしょう。海上封鎖に参加するかしないかということも議論しなきゃいけない。在日米軍に支援をするかどうか。韓国に在留している一万人の邦人をどう救出するか。そして、在韓米軍の家族三万人、これの救出に手をかすかかさないか。難民にどう対応するか。亡命してくる人がいるでしょう、どのように対応するか。破壊工作員が侵入してきたらどのように対応するか。そしてまた、北鮮に日本人もいるわけで、その人が人質としてとられたらどのように対応するか。考えてみただけで山ほど対応しなきゃいかぬことがある。それら一つ一つに、いざとなったらどうするかということではなくて、適切な、法的な措置、それを考えておくのが政治の責任ではないのかなというふうに思っておるのです。 そのときはそのときさと言う人がいます。今、平時にこの国会で法律なんか議論すると、かえってぐしゃぐしゃになってろくなことはない、いざとなったときにさっと法律を出せばいいと言う人もいますが、それはちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。何か起こったときに、さっきの下甑村じゃないけれども、まず判断をしなければいけないのは現場の自衛官である、護衛艦の艦長であり、F15のパイロットかもしれない。法制局はいろいろなことをおっしゃいますが、その現場に行って、法制局長官がいいの悪いのということがおっしやれるはずはないのであります。 昔、湾岸戦争の時にPKOの議論をいたしました。危ないところには行かせない、危なくなったら帰ってくる、平たく言えばこんな話でした。じゃ、危なくなったということをだれが、いつ判断するのということをめぐって議論になったこともありました。私は、いざというときに法律を出せばそれでいいとか、いざとなったらば日本人はきちんと柔軟に対応する、そういうことであってはいけないというふうに思っておるところでございます。 この間は、外務大臣に、いわゆるガイドラインの見直しについてお尋ねをいたしました。そこには個別的自衛権と集団的自衛権というものがあって、そこのグレーゾーンを埋めるという作業、きのう外務大臣が本会議でも御答弁になりましたように、憲法で認められていない集団的自衛権は使えないんだ、そして、それはアメリカも望んでおることであるというふうにおっしゃいました。そのことを前提といたしまして、個別的自衛権と集団的自衛権の間のグレーゾーンを埋めていくという作業をしておられるのですかというふうに前回お尋ねしたら、御答弁は、必ずしもそうではないというようなお話でございました。 これはちょっと抜き書きですが、ガイドラインにつきましては従来の作業は必ずしも十分には進んでおりませんでした、そういう意味ではグレーゾーンと言っていいのか、形容の仕方はいろいろありましょうが、全体的な整備はなされていなかった、これは否定することができない、現在その作業を進めておるところである。こういうお答えであって、要するにグレーゾーンなるものはあるのかないのか。これは、個別的自衛権の定義をきちんとし、集団的自衛権の定義をきちんとしたならば、それは出てくるはずなのです、もしあるとするならば。その作業というものをされますか、されませんかというお答えには残念ながらなっていない。 その後に、ACSAをなぜ平時に限るかというお尋ねをいたしました。私は、変な表現ですが、消防車を訓練のときには使うが火事になったら使わない、そんなお話がどこにありますかというような失礼な問いかけをしたような気もいたしております。それに対しまして、大臣の御答弁は、いわゆる有事には適用しないと言っていいかと思うが、この日本とアメリカの間のACSAは若干特色のあるユニークなものかもしれないと。私は、若干特色があるどころか、極めてユニークなものではないのかなというふうに思えて仕方がないのです。 その後の答弁、続けますと、ガイドラインの見直しに関しては、検討を経た上で、一体どういうことが必要か、またいろいろ考え、場合によってはまたそれを国会に御相談をすることもある、こういうようなお話でございました。 私は、集団的自衛権を認める認めないということについて、アメリカがそれを望むとか望まないというのは関係のない話だと思うのですね、本質論からすれば。もし仮にアメリカが見直してちょうだいと言えば見直すのかといえば、そんなことはもちろんないわけで、それは日本国は日本国としてアメリカとの協議の中で考えていかねばならない。これは揚げ足取りみたいな話ですから、結構です。 だけれども、物事というのは何が大事なのかなというふうに思いますと、要は、本当に有事の際に、日米同盟というものを維持しながら、アジア太平洋の安全を日本とアメリカが共同して守っていくためには何をしたらいいのかということが出発点でなければいけない。今まで解釈されている個別的自衛権と集団的自衛権の間にグレーゾーンというのはあるのでしょうか、ないのでしょうか。そして、PKO法のときに、いわゆる一体性論というのが随分とこの場でもなされました、平和協力に関する委員会で。つまり、武力行使と一体になるようなものはだめだ。時間的に、空間的に、地理的に、態様をどうするか、いろいろな分類がありました。とにかく武力行使と一体になるようなものはだめだが、武力行使と一体にならないものならいいというお話、いわゆる一体性論がこのガイドラインの見直しの下敷きになっているのじゃないかというふうに私は思いますが、いかがですか。
○池田国務大臣 まず、我が国の周辺の地域で非常に緊急な事態が起こりまして、我が国の安全に大きな影響を及ぼすおそれがある、そういったときにどういうふうに対応をしていくか、いろいろなことがあるのだと思います。それは、我が国自身として対応すべき問題もある、あるいは日米間で協力して対応すべきものもあると思います。 それからまた行動の態様としても、自衛隊あるいは米軍といった、そういった実力部隊で対応する部分もあれば、先ほどおっしゃいました、経済封鎖という例も出されましたけれども、そういった話、あるいは避難民の、あるいは在外の邦人の避難といったようなこと、いろいろな態様もあるのだと思います。 その中で、ガイドラインということになりますと、これは結局三つの分野があるわけでございますけれども、要するに、平素から一体どういうふうに日米間で協力をしておくか、それから我が国自体が緊急の事態になったときにどうするかという問題、それから我が国周辺というこの三つの分野が、分野といいましょうか世界があるわけでございますが、第一項、第二項についてはこれまでも一応のものができておるわけでございますね。それを時代の変遷に応じて見直すべきかどうかということを作業をしなくちゃいけない。第三の分野について、これはこれまで必ずしも詰めた作業が行われていなかったということはあります。したがって、そこのところも今回検討していこう、こういうことになっておるのだというふうに理解しております。 さて、そのグレーゾーンがあるかないかということですが、これはグレーゾーンの定義によるのでございますけれども、我々は当然のこととして、我が国の現在の憲法の枠内で行動するんだ、こう思っておりますし、その憲法の解釈につきましても、集団的自衛権というものは、我々それは当然のこととして国際法上持っておりますけれども、我が国憲法、とりわけ九条の趣旨からいいまして集団的自衛権の行使は認められない、これがこれまでの政府の伝統的な解釈でございまして、我々は橋本内閣でもそれは変えるつもりはない、そういう前提のもとでこのガイドラインの作業もしておるわけでございます。 そして、さてグレーゾーンというのは、定義の仕方によると申しましたけれども、これが本当に憲法上認められるか、認められないか、これが決められないというのがグレーなんでございましょう。 しかし、そういったことならば、私はグレーゾーンというものはないんだと思います。やはり、具体的な行動が憲法の枠内であるかないかというのは、それは最終的には白か黒かにきちんと分かれるわけでございますから、だから、グレーゾーンをどうするかという話ではなくて、先ほど申しましたような、緊急の事態の中で一体何をやる必要があるだろうか、それができるかできないかといった検討は進めるわけでございますが、これは決してグレーゾーンを埋めるわけではない、むしろ、言い方が適切かどうかわかりませんけれども、これまで、何をなすべきか、何ができるかということを必ずしもきちんと検討し、決めていなかった、そういったいわば空白を埋めると言った方がいいのかもしれません。
○石破委員 これはもう何時間も議論しなければいけないことですし、私は与党の中の会議に参加しておりませんから、不勉強なことでお手を煩わせて申しわけないことを承知の上でお尋ねをしております。 何でこんなことを言うかといいますと、自由民主党の山崎政調会長が論文を出しておられますね。その中で書いておられますことを私は考えているのです。 その中で、グレーゾーンの任務として、米艦船・航空機、民間船舶・航空機の護衛、二、後方地域や戦闘地域近くでの後方支援、三、戦闘地域近くでの輸送活動、四、戦闘地域やその近くでの医療活動、五、弾薬など戦闘行動に密接な関係にある物資の補給、保管、六、経済封鎖中の米軍への後方支援、臨検の実施、七、偵察など情報活動に基づく情報の提供、八、戦闘地域から離れた場所での米軍への補給、整備、輸送、通信、医療支援というものが列挙されてありまして、そこに書いてあることは、結びに「現実的政治としては、現行の憲法解釈にのっとって日本の安保政策のグレーゾーンを埋めることが急務」、こういうふうにあったものですから、そういうようなものはないということであれば、それはそれで議論はそこからまたやっていかなければいけないことだろうというふうに思っております。 そのグレーゾーンがあって、それを埋めるという作業をやるべきだという考えもあるわけでありまして、そのことにつきましてまたお教えをいただきたい。きょうは時間がございませんので、そこまでといたします。 それで、法制局長官にお出ましをいただきましたのは、先般議論の中で、集団的自衛権というものが認められるか、認められないかというお話をいたしました。それは当然認められないし、もし認めるとすれば憲法改正が必要であるということでした。そのことを、憲法上集団的自衛権を持っているか、持っていないか、いかがですかというふうにお尋ねをいたしましたらば、そういうような議論は意味がない、そのようなことを言うことは結局は憲法九条を肯定するか、否定するかという議論になるというお話だったので、私はそういうような議論にはくみしたくないということを申し上げたように思います。 それで、今まで、吉田総理が変わったのか、変わらないのかということをお尋ねをしましたらば、それは変わっていないというお話でございました。私も議事録というものを、全部とは言いませんが、吉田総理がお話しになりましたことをなるべく丁寧に見てみたつもりでございます。 例えば、昭和二十一年六月二十九日、野坂参三議員がこういう質問をしておられます。 戦争放棄ノ問題デス、 此ノ憲法草案二戦争一般放棄ト云フ形デナシ ニ、我々ハ之ヲ侵略戦争ノ放棄、斯ウスルノガ モット的確デハナイカ、野坂参三議員がそう言っておられるわけですね。こういうふうにしておればもっと話は簡単だっただろうと思うのですが、そういうような質問に対して吉田総理はどのようにお答えになったかといいますと、 正当防衛二依ル戦争が若シアリトスルナラバ、其ノ前提二於テ侵略ヲ目的トスル戦争ヲ目的トシタ国 ちょっと不思議な日本語ですが、 戦争ヲ目的トシタ国ガアルコトヲ前提トシナケレバナラヌノデアリマス、故二正当防衛、国家ノ防衛権ニ依ル戦争ヲ認ムルト云フコトハ、偶々戦争ヲ誘発スル有害ナ考ヘデアルノミナラズ、若シ平和団体ガ、国際団体が樹立サレタ場合ニ於キマシテハ、正当防衛権ヲ認ムルト云フコトソレ自身が有害デアルト思フノデアリマス、 こういう御答弁がございます。 これを素直に読めばどうなるかといいますと、自衛権というものはあるけれども、それに基づく戦争は認めない、そして、国連というような国際団体ができるとするならば、その権利すら認められないというふうに読むのが至当ではないかと思いますが、いかがですか。
○大森(政)政府委員 私の手元にございます資料で、ただいま委員が御指摘になりました部分の、全文ではなくてその一部だけ今持ち合わせておりますので、全体として今御指摘になったようなニュアンスで解せられるかどうかという点についてはなおよく検討したいと思いますが、要するに、この際に述べられました当時の吉田総理の言葉遣い、この点につきましては、その後の引き続く議論におきまして、ああ述べたのはこういう意味ではなかったという釈明がなされておりますので、当時の吉田内閣のといいますか、吉田総理の九条に関する見解がどうであったかということは、ある一定の過程を総合して理解すべき問題ではなかろうかということを踏まえて前回お答えしたわけでございます。
○石破委員 昭和二十一年で、昔々の話を今ごろ何をほじくり出しておるのだというふうなおしかりはよくわかった上で聞いておるのです。つまり、私も全部読みました、前後。全部読んだ上で申し上げておるのです。確かにここではそう言っておられる。そこの認識は、権利はあるが戦争はできない、国際連合というものができれば、権利自体を認めることがよろしくない、そういうふうにおっしゃっておられて、その話はずっと続くのです。 その後、これは警察予備隊の議論のときの話ですが、保安隊と警備隊というものができてくる。もう一つ、警察予備隊のときにこんな話がありますよ。吉田総理がお答えしておる。 新警察組織でありますが、 日本の治安を維持することは大事であります。再軍備というような懸念を抱かるる場合においては、日本の早期講和も自然論ずることになりますから、新警察の組織については余程慎重に考えなければならない これも同じ話ですね。つまり、警察予備隊というのは内地の治安維持のために使うものだから、もともと戦力とかそんなようなお話ではない、戦争とかそんなお話ではない。だからそれは、吉田総理の最初の、権利も認められないんだという話からそのままつながるものだと思うのです。 それで、今度は昭和二十七年になりまして、こういうような話がある。 私の答弁中、戦力という言葉を用いたために、自衛のためには再軍備をしても憲法上差支えなきかのごとき誤解を招いたようであります。たとえ自衛のためでも戦力を持つことはいわゆる再軍備でありまして、この場合には憲法の改正を要するということを私はここに改めて断言いたします。 たとえ自衛のためでも戦力を持つことはいわゆる再軍備である、この場合には憲法の改正を要する、私はここで改めて断言をする、こういうふうにおっしゃっておられるわけであります。 一番最初のお話は、自衛のためでもだめなんだというお話だったように思う。それで今度は、自衛のためでも戦力を持つためには憲法を改正しなければいかぬ、こういうお話になる。そこで戦力論になってきて、戦力なき軍隊である、こういうお話なのではないかというふうに思うのですね。 その中で吉田総理はこういうことをおっしゃっておられる。 日本の経済力がこれを許し、これを許しというのは戦力を持つことです。 日本の経済力がこれを許し、又外界の事情がこれを許すに至れば、国民の自由意思によって決定すると、成るべく早くということも承知いたします。 こういうふうに答弁を同じ日になさっておられるわけであります。 さて、ここで変わったのだろうか、変わらないのだろうか。保安隊というものができたとき、何をそのときの法務大臣がおっしゃっておられるかというと、要は戦力というのは何であるかといえば、結局国際社会通念によってこれを決めるより仕方がないが、具体的な問題としては、近代戦を有効かつ適切に遂行し得る兵力と装備を持ったもの、私はこう考えている、警察予備隊は、隊令のとおりに、内地の治安確保のためにこれを設けた警察のいわゆる予備隊である、一たび外敵と戦ういわゆる近代戦に適応し得るような装備と編成を持つに至りますれば、これは立派な憲法九条の戦力に該当する、憲法を改正しなければ持てない、こういうふうになっています。 ここまででも、吉田総理の昭和二十一年の答弁は逸脱してないと思いますが、いかがですか。
○大森(政)政府委員 当時の吉田総理、あるいは九条関係に関する関係者の答弁、これは膨大な量に上っておりまして、そのうちの一部を今委員が述べられたわけでございますが、要するに、私どもの理解といたしましては、まず、自衛権、当時、自衛権が九条との関係で一体どうなのか。この場合の自衛権というのは、今でいいます個別的自衛権の意味で表面上は論じられていたわけでございますが、それにつきましては、吉田内閣当時の基本的な見解は一貫して、一貫してと申しますか全体として総合すれば、自衛権は憲法九条は否定しておらないということでは一貫していたのだろうと思います。 次に、今度は憲法九条二項の「戦力」、具体的な、警察予備隊なり保安隊でございますね、その次の。それが憲法九条二項の「これを保持しない。」としている「戦力」に当たるのか当たらないのか、そこで言う戦力概念とはいかなるものであるかということについての議論といたしまして、近代戦争遂行能力を意味するんだ、したがって、現在日本国が持っている、あるいは持とうとしているものは、近代戦争遂行能力を有しているわけじゃないから、憲法九条二項の「戦力」には当たらないんだという説明から、その後、委員御承知のとおり、二十九年十二月、自衛隊創設に関しまして、近代戦争遂行能力論から離れまして、我が国を防衛するために必要最小限度の実力を超える実力という、新しいといいますか、説明ぶりを変えたという変遷はございます。 戦後の、特に昭和二十年代の憲法論、九条論争のポイントは、その二つが主たる問題点ではなかったかと思いますが、前回も、政府の見解は基本的には憲法解釈が変わっていないと申しましたのは、その二点においては変わっていないということを申し上げたわけでございます。
○石破委員 これは、何も故事来歴をやっているわけじゃなくて、集団的自衛権を認めるためには憲法改正が必要だというふうにおっしゃるから、本当にそうですがねということで申し上げておるわけでございますので、お許しをいただきたい。 私は、まさしく今長官がおっしゃったように昭和二十九年に説明ぶりが変わっただけだとは思わないのですよ。説明ぶりが変わっただけではなくて、そこで本質的な転換を遂げているとしか思えない。 吉田総理のお考えから始まる政府の方針というのは、少なくとも、近代戦遂行能力論までは一貫していたと思うのですね。保安隊など鎧袖一触という答弁がどこかにありましたけれども、そんなものは外敵と対抗し得るに足りないものだ、内地の治安に対応するものだ、そういう話だった。しかしながら、直接侵略にも対応するというお話になって、説明の仕方を明らかに変えられたのだろうというふうに思っている。吉田総理の二十一年の答弁からずっと逸脱をしていないわけですよ。しかしながら、そのときに明らかに変わった点はある。つまり、鳩山内閣ができたときに、最初の予算委員会の前の日にいろいろな協議をなさったと文献には書いてある。 そこで、新しい政府の見解というものが大村防衛庁長官から出ておる。何が変わったかというと、初めて、「憲法は戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない。」「国際紛争を解決する手段としては」ということが放棄されるのである、「他国から武力攻撃があった場合に、武力攻撃そのものを阻止することは、自己防衛そのものであって、」というふうに続くわけですね。 先ほど申し上げましたように、「自衛のための抗争は放棄していない。」という言葉が、そこで初めて出てくる。いいですか、自衛権は持っているという話はずっと連続しているのです。しかしながら、自衛のための戦争もできないというふうな野坂議員に対する答弁に対して、それがずっと維持をされていたのだけれども、自衛のための戦争は放棄していない、これは明らかに変わったと見るのが、私は常識だろうというふうに思うのであります。 そこで、戦力であるとかないとか、近代戦遂行能力というような説明がもたないので新しい説明に転換をした、私は、そこに明らかな解釈の変更があるというふうに、普通に読めば読めるのです。 もう一つ申し上げましょうか。文民規定というのがあるのですね、文民条項。「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」しかしながら、これが入ったときには、憲法ができたときには、武装解除されていますし、自衛隊も何もないわけですから、文民以外いないわけですよ。何でこんな規定が入ったのだろうということは、随分議論になったそうであります。 国会でどういうような話があったかというと、昭和二十八年二月十四日、衆議院の外務委員会です。いろいろ憲法を見ているのですが、その場合に一つ思い当たったのは、例の文民という言葉です、これは明らかに武官というものを対象としての言葉であって、日本に軍隊があり得ないことを前提としたものではない、自衛軍ならいいのだ、自衛軍なら持てるのだという解釈が成り立つのではないかと思うというような問いに対して、当時の法制局長官が何て答えているかといいますと、文民とは何であるか、それは、過去において職業軍人であった人を排除いたします場合に、そういう文字が今度は憲法上の論議となって資格があるかないかという話になるのでしょう、この文字そのものは、軍国主義というものに深く染まった、そういう経歴の人、そういう意味だとずっと考えてきております、まだ今日これを変えるつもりはございません、こういうような答弁があるわけです。そういうことでしょう。何しろ文民以外いないわけですから、軍国思想に染まった者という話だったと思います。 それを踏まえて、昭和二十九年の四月十二日に、衆議院の内閣委員会でどういう話があるかといいますと、昔の旧軍人は文民ではないということを言われましたが、それでよろしいか。長官は、そうだというふうに言われておるわけですね。 その次です。制服を着た自衛官は、防衛庁長官になれますか、なれませんか、こういうような問いに対しまして、長官がどのように答えていらっしゃるかというと、いわゆる制服を着た者であっても、なろうと思えば防衛庁長官になれないことはありません、こういう答弁を防衛庁長官がしておられるわけです。文民の解釈というのは、そういうものであった。そして、防衛庁長官も、自衛官であっても防衛庁長官になろうと思えばなれないことはない、こういうふうに国会で答弁になっておられる。 これが変わりますのは、昭和四十年になってからです。 高辻さんがどのように答えていらっしゃるか。国政が実力を異とする勢力によって支配され、国民の信託を離れて運営されることになる危険性を除くことに憲法六十六条二項の意味がある、自衛官は、その職にある限り文民でないと解するのが自然だ、こういうふうにお答えなわけです。 これは、文民というものの解釈が変わったということではないのですか。
○大森(政)政府委員 憲法六十六条二項の文民の具体的な事態に対する当てはめに関する議論の経過につきましては、ただいま委員が御指摘になりましたような経過をたどっていることは、そのとおりであろうかと思います。 現在の政府がとっております見解は、ただいま御指摘になりましたように、現職の自衛官は文民には当たらないという見解をとっているわけでございまして、それは昭和四十八年の十二月十日に改めて統一見解としてお示ししているところでございます。 これをどう評価するかということにつきまして、ただいま委員は、それは憲法解釈を変更した一例ではないかということの御指摘があるわけでございますが、確かにこの点につきましてはそういうことになるのかなと、私ども、内々話をしているところではございます。
○石破委員 これは解釈は変わっているのですよ、明らかに。ただ憲法の条文を変えなくてもいいからそれで済んでいるだけの話なのです。解釈というのは変わるのではありませんか。たまたまこれは憲法の文言を変えなくてよかっただけのことではないのですか。私はそのように思えて仕方がないのです。答弁は要りません。私はそういうふうに思っておるということを申し上げ、そして——何かありますか、答弁。
○池田国務大臣 一般論といたしまして、憲法であれ、あるいはその他の法律であれ、それは規定するものが変わらなくても解釈が変わるということは、それはあり得るのだと思います。 そして、今、委員の御議論が一体何を求めておられるのか必ずしもわからないわけでございますけれども、例えば、先ほど前半の方で議論がありましたように、集団的自衛権の行使は認められないという憲法解釈を変えろという、変えてもいいのではないかというふうな議論に展開するのでございましたら、そこのところは、私どもはそういった憲法解釈を変える意図はない、そういった集団的自衛権の行使は認められないという解釈のもとで、そしてその現行憲法の枠内でガイドラインの見直し等の作業も行っておる、そういうことでございます。 一般の法律論として、どれかの条項についての解釈が変わるということがあり得るということは、これは否定いたしません。
○石破委員 私はそういうことをお尋ねしておるのではありません。要するに、憲法解釈を変えるときには憲法改正が必要であるかどうかということです。ですから、そこまで、大臣、踏み込んでお話しになる必要はございません。 私はこの間申し上げましたが、あるけれども使えないという権利は、本当に権利なのかということです。当たり前のことでございますが、これがもう世界に恐らく唯一無二のそういう権利だろうと思う。 私は集団的自衛権を行使すべきだというふうに申し上げておるのではありません。ただ、使えるか使えないかということを、最初から使えない、憲法上も使えないというふうに大上段からかぶせてしまうのではなくて、国際連合の規定にもきちんと書かれ、どの国にも認められておる権利というものを本当に日本国民は正面から向かい合う必要があるのではないか。あるし、使えるが、どこまで使うか使わないか、それを主権者たる国民の判断にゆだねることがなぜいけないのかということを申し上げておるわけでございます。 戻りますが、あるけれども使えない権利、電気洗濯機とか冷蔵庫とかそんなものであれば、あるけれども使えないということでよろしいでしょう。しかしながら、権利というもの、自衛権というものは、権利ですか、それとも宥恕ですか、どっちですか。
○小里委員長代理 もう一回御質問願います。
○石破委員 自衛権というもの、これは正当防衛のときも言われることでありますが、それは権利なのでしょうか、それとも、それを行ってもよいという意味の宥恕なのでありましょうか。
○大森(政)政府委員 ただいまのお尋ね、権利なのか宥恕なのかという選択的なお尋ねでございますが、あるいはそれに対して国がなし得る、なすことができるという意味では機能であろうというお答えが、一番事柄の本質にふさわしいのではなかろうかと思います。 宥恕というのは、許容と言葉をかえて考えればいいのかもしれませんが、要するに、国として国際法あるいは国内法、国を規律する法律に違反しない、違反という評価を受けない地位を有するのかどうかということであろうかと思います。 ついでに、先ほどのことについて一点だけちょっとこの機会にお答えをさせていただきたいと思います。 そもそも、法解釈というのは変更が不可能なのかどうかということについて、それは不可能であるということを申し上げてきたつもりはございません。法解釈の変更があり得ることは、これは裁判所大法廷判決による判例の変更というものが制度としてもちろん予定され、現実にも行われ、それの前提としては法解釈の変更を伴う場合が多々あろうかと思います。 ただ、私が法解釈の変更は困難であると申しましたのは、特に九条に関する政府の解釈と申しますのは、憲法の基本理念の一つである平和主義という国の基本的なあり方に係るものでありまして、長年の議論の積み重ねによって確定し、定着している考え方、解釈というものを、政策上の必要性によって変更するということは困難ではないかということを申し上げたわけでございます。
○石破委員 必要最小限という量的な言葉が出てくる以上、政策的な判断が入らざるを得ないのではないか、私はそのように思っておるのであります。 申し上げておきますが、国連憲章には加盟国の権利として集団的自衛権というものが認められておるわけですね。それは国家固有の権利として認められているわけですね。なぜそれが国家固有の権利として認められているとお考えですか。
○林(暘)政府委員 御指摘のとおり、国連憲章の五十一条には「個別的又は集団的自衛の固有の権利を」有するという規定がございます。 この自衛権というのは、人間の関係でいえば正当防衛というような概念と同じように、国家がみずからの存在というものを守る権利というのはいわば自然権的な考え方として持っているということに基づいて書かれているわけでございます。ただ、五十一条の集団的自衛権というものが国家の固有的権利として歴史的にずっとあったかということを申し上げれば、それは必ずしもそうではなくて、この概念が出てきたのはこの国連憲章の五十一条が初めてということでございます。 それから、ついでに、先ほどの集団的自衛権を行使しないような国が世界にはないだろうということを申されましたけれども、確かに集団的自衛権の行使という側面から同じような考え方をとっている国というのは承知しておる限りないかと思いますけれども、結果的に同じようなことになっている国は、例えば永世中立という概念がございまして、そういう考え方をとっているないしは条約でそういう地位を規定している国は、他国が侵略されたときにそれを助けるということは許されておりませんので、結果として同じようなことをしている国はございます。
○石破委員 私はそのようなことをお尋ねしておるのではありません。 なぜ五十一条にそれが権利として認められておるか、なぜ認められているかということをお尋ねしておるのです。
○林(暘)政府委員 一つは、歴史的にそういう自然権的なものとして認められてきているということが一つでございますし、国連憲章というものは、御案内のとおり一般的に武力行使というものを禁止いたしまして、国連憲章に規定しております、七章にいろいろなことが書いてありますけれども、最終的には集団安全保障という形で平和を維持確保していこうという考え方に立っておるわけでございます。 ただ、そういう集団安全保障というものがあらゆる事態に直ちに適用できるということは必ずしも想定できませんので、その過程において自衛権ということに基づく行為があり得るということを国連憲章の五十一条では書いておるわけでございます。
○石破委員 権利というのは、何かの目的のためにきちんと書いてあるものだと思います。例えば言論の自由とか、学問の自由とか、そういうような権利がなぜあるかといえば、それは民主主義の発展のために言論の自由というのはなければいけない、学術の向上のために当然学問の自由というものはなければいけないし、保障もされなければならない。間違っても弾圧をされてはならない。つまり、権利というものは、何かを実行するためにあるものであって、例えば報道の自由はあるが検閲をやるというようなことであれば、目的は達成をせられないわけですね。 五十一条に集団的自衛権というものが書いてあるのも、国連というものは完全ではないから、その間に集団的自衛権というものを認めて、安全保障理事会への報告という義務を課しておるわけで、それは目的なしに勝手に遊んで書いてあるわけではない。それは国際連合の目的、世界の平和秩序の維持、そういうような目的のために書かれておるものであって、そのときに日本は、それを憲法上持てないという解釈を本当にずっと今日に至るまでも引きずっていいのだろうか、私はそういう疑問があります。御答弁は要りません。 ただ私は、吉田総理が本当に、議事録を読むととてもいいことを言っておられる。それは、自衛力というものを持つことは、戦力を持つということは、今の日本の経済情勢がそれを許さない、増税をするか、国民生活を圧迫するか、そういうようなことを自分はとることはできない、そういうような御答弁をなさっておられます。そのときに、池田大蔵大臣でしょうか何でしょうか、やはりアメリカに行って、そのようなお話をしておられます。 基本的には、日本の経済力がそれを許さないということが背景にあったのだろうと思う。もう一度私ども、戦後五十年の今、そこの原点に立ち返って、これから先日本の国、いかにあるべきかということを、我々戦後世代というものもちゃんと議論をしなきゃいけないのじゃないかというふうに思っております。 国民主権というものは、本当にそれをどうするのかということを、日本国が天動説的にそれを論じてはいけない、天動説に立ってはいけない。高辻長官の御答弁を読んでおりますと、私はどうしても天動説みたいなものを感じざるを得ない。条約優位説をとるのか、憲法優位説をとるのか、その問題にいたしましても、そして憲法とそれが抵触した場合にどうするかという問題につきましても、それはどうしても日本独特の解釈であるように感ぜられてならないのであります。それでこの国の平和と安全が保てればいいですが、同盟というものを維持するのは、るる申し述べましたように大変困難な状況になっておるのではないかというふうに思いますので、また議論をさせていただきたいと思っております。 自治大臣のお出ましてございますので、一つだけお尋ねをいたしたいと思います。政党法というものについてどうかということでございます。 もう今から四年も前のことでございますが、私、当時自民党の委員でございましたけれども、当時の細川総理に、政党法というものを設けるお気持ちはおありですかというふうにお尋ねをいたしました。それは、いやしくも国民の血税である政党助成金というものが入る以上は、政党というものは権利も義務も持つはずである。確かに、政党助成を受ける場合にとかいう、政党という規定はいろいろ法律の中にございます。しかしながら、政党そのものを規定した法律はないわけですね。そうしますと、総理の方から、それは政党に対する国家の弾圧的な色彩があるので、言葉は正確ではありません、今検討するつもりはありませんというようなことでございました。 初めての小選挙区比例代表並立制の選挙が終わってみて、いろいろな議論がされています。やれ党首の選び方はどうであるとか、公約を守るのはどうであるとか、いろいろなお話がございます。そのことの細部に触れようとは思っておりません。しかしながら、政党というものの権利をきちんと守るということも必要なことではないだろうか、そして、政党の民主性というものを担保することも必要なことではないだろうか。政党法というものが何か忘れ去られたようでありますけれども、もう一度、本当に政党の機能をきちんと発揮するという意味において、政党法というものを御検討になるお気持ちがありゃなしや、それが一点です。 第二点は、この後石川先生からもお話があろうかと思いますので、精神だけお聞かせいただければよろしいのでありますが、先回の総選挙におきまして、やはり地域の利益誘導というのは残っていたんだろうというふうに思わざるを得ない。 かつて、政治改革、小選挙区法というものを議論したときに、政策で政権を選びましょう、政権交代可能性のある緊張感ある政治をつくりましょう、金に左右されない政治をつくりましょう、そして地方分権のきっかけとなる政治をつくりましょう、この四つの柱を立てて、私、日本国じゅうにまいた覚えがございます。 そこで、何で地方分権というものにこだわったかというと、やはり今まで金にもならぬ、票にもならぬと言われて、余り議論をすることがなかった外交であるとか防衛であるとか財政再建であるとか、そういうことを正面から議論をしようと思えば、それは地方分権というものをやっていかねばならぬであろうということが一つ。 もう一つは、本会議でも何度も取り上げられたことでありますが、地方の借金というものをどうするかということに関連して、やはり地方にも財政民主主義というものを確立をしなきゃいかぬのじゃないか。下水道なのか学校なのか、それとも道路なのか医療なのか、何が大事なのかなという優先順位を、地方の納税者の代表たる地方議会で優先順位をつけていただきましょう。どれが補助率が高いですかという話ではない。そうしなければ、冗費の節減というものも不可能だし、財政民主主義というものが地方自治において機能しない。その二つが大事なことじゃないのかなというふうに思ってきたわけでございます。 そうしますと、補助金のあり方と交付税のあり方、フランスの交付税のまき方なんて見ますと、なんかこんな厚い本で、とても私、理解ができませんが、そのことにつきまして、大臣が今どのようなお考えをお持ちか、承りたいと存じます。
○白川国務大臣 石破委員の政治改革の議論というのは、ずっと私は熱心だというのは存じておるわけでございますが、私自身は余りこの分野、本当のプロでありませんので、政党法というのが議論されたことは知っておるのでございますが、どういうところが本当に問題になったのか、細かく承知しておりません。 ただ、権利を得るということに関してはそれぞれみんな主張するのでございますが、義務を課されるというところになると、集会、結社の自由との関係で、権利は持つことができるが、これで義務を負うということについて、どれならば、集会、結社の自由、特に政党という中で大きな制約にならない義務かというのがどうも書けないから、なかなかこの話というのは、話には出てくるけれどもまとまらないのじゃないのかな。そんなぎりぎりの中で、政党助成法やあるいは法人格付与法というのがぎりぎりの妥協の中でできたのかな、こう思うわけでございますが、いずれにしましても、政党法というものをつくりますと、今石破委員が言ったようなところに対して、どういう問題の解決になるのかというあたりがもうちょっと煮詰まらないと、政党法というのを何のためにつくるのかというところがもう少し皆さんの関心にならないのでないのかなという感じが率直にいたします。 ただ、いずれにいたしましても、これは自治省の方から提案すべきということよりも、各党各会派で、本当にぎりぎりのところで詰めていただくべき話だろうと思っております。そのお手伝いは、自治省としてしなきゃならぬと思っております。 それからもう一つは、小選挙区制になって、地方分権との関係でどうなんだという話でございますが、これも今過渡期でございまして、必ずしも、石破委員のように、断定できるかなと思います。 私たち自由民主党の議員は、石破委員も御経験のとおり、今までは逆に、ある程度の広さを持った、小選挙区といえども、例えばかなり広い地域、私の地域も広いわけでございます。ここの地域はどうあるべきかというのも、国政というか政治をやる者にとってかなり大きな一つのビジョンなり問題でありまして、そういうところを主張したりするのも、やはりその地域代表としてはかなり意味のある話なのではないかな、私はこう思っております。全然そういうところがない地域もあるかもわかりませんが、少なくともそういう地域も三百のうち百五十やそのぐらいは、そこの一人しか選ばれない政治家がどういう地域にしたいというのも大事な要素なのかなと思います。 ただ、それが中選挙区制のもとでは、例えば政権政党の自由民主党の議員といえども、必ずしも言えたかなと思うと、ある人が強烈に言うとある人は足を引っ張るというようなことはありましたが、小選挙区制でありますから、そこはかなりその政党の基本的な理念の中での地域づくりを提示しやすくなった、こういう点はいいのではないかなと思っております。 ただ一方では、明らかに今までの補助金等の、これは大きな問題があるところでございまして、それの誘致合戦というのは地域の大きな地域開発のビジョンを出すこととは別でございますので、そういう点は、御案内のとおり、今地方分権推進委員会で本当に大きな答申を出すときに、今大いに議論されているところでございます。そして、このときにこの問題についてのある程度の骨太の方針が出ないと、私は、また同じことを繰り返すのじゃないかなと思って、これは国会全体にたびたびお願いしていることでございますが、地方分権委員会の先生方、今鋭意やっておりますが、率直に申しまして、かなり各論では、各省庁と地方と、あるいは大蔵、自治との間で対立している問題点がないかといえば、ありますが、これはしかし国会という立場で、この地方分権推進委員会が立派な方針を出せるように、どうぞみんなで注目しながら督励していく必要はあるのじゃないのかなと率直に申し上げます。
○石破委員 ありがとうございました。終わります。
○小里委員長代理 これにて石破君の質疑は終了いたしました。 次に、石川要三君。
○石川委員 自由民主党の石川要三でございます。 まことに短い時間でございますが、お手元に示しました項目についてお尋ねしたいと思いますが、短い時間でございますから、多少前後して抜けるところがあろうかと思います。 最初に、自治大臣に二、三お伺いしたいと思います。 今日、六つの改革、その中の当然関連のある大きな問題として地方分権ということが取り上げられているわけでありますが、この地方分権というのはかなり前から使われている言葉であるし、最近どこの選挙に行っても必ず出てくる言葉である。しかし、我々政治にタッチしている者は多少わかるかもしれませんが、一般国民は、言葉ではわかるのですね、地方分権という四つの言葉では。しかし、中身は何かというとほとんどわからないんじゃないかな、こんなふうに私は想像するわけであります。 そこでこの際、地方分権の中身、特に理念等について、ぜひひとつ白川自治大臣の率直な考え方、そして、ひとつわかりやすい言葉で、国民にわかってもらうようなお答えをいただければありがたい、こんなふうに思うのです。 そこで、先日私は、岩倉具視の欧米使節団に関する本をちょっと読んでみました。御承知でございますが、一八七一年、今から百二十六年前の使節団でありますが、とにかく本を読んでみて本当に肝を抜かれるような驚くこと。というのは、百二十六年前、まだろくな、太平洋を横断するそういう大きな船もない、全く未知の中に、欧米、アメリカを初めとして何カ国ですか、相当の数を一年半という長期の時間を費やして、しかも日本の国内事情はどうかというと、当時は明治維新直後の廃藩置県の翌年ですね。もう実に、廃藩置県のためにプラス面、マイナス面もあるわけですから、それによって職を失う、食べられない、そういう侍たちが、非常に不満の方がたくさんいる。いつ、どんな社会変動が、あるいは事によると革命が起こるかもしれないというような危険の中で、当時の日本のリーダーである岩倉具視初め木戸孝允だとか、そうそうたる者が五十人も船に乗って行ったのです。ですから、長期の旅行ですから、もう生命も危ない、向こうへ行ったってどんな病気があるのか、どんなことになるのかわからない。そういう中で、しかも驚くことに、当時、婦人の地位向上のためでしょうね、将来の日本婦人のために、何と一番年の少ない方は、当時満八歳のあの津田梅子さん、当時の子供さんまでも入っている、こういうことを聞いて、私はどぎもを抜かれたのです。 私は、ちょうどこれから百二十六年たった今日、今六つの改革を総理は火の玉になってやっているという状態でありますが、中身をよく検討すると、まさにそれに匹敵するような大きな社会的な変動の中で、こういう行政改革というものは行わなきゃならない。また、これは避けて通れない。これはもう与党も野党も同じだ。だれもがこれに対しては肯定しているわけです。ただ問題は、これに当然大きな痛みと犠牲が伴うわけですから、これをどう克服していくか、ここに問題点があるわけです。 その中で地方分権というものを取り上げた場合に、私は不勉強で、今まで地方分権なんて、ちょうど私が落選する三年ばかり前、ここで質問したことがあるのですが、当時も地方分権を取り上げたのです。ところがまだそのころは、地方分権といったって、ただ単に言葉であった。そんなわけで、その当時の私の判断では、地方分権といったって、中央集権のこんなに強い日本が、恐らく灰皿の中を見て、ああ、これは余り大したものではないなというものをちょっちょっとつまみ出して地方へ権限を与えた、そんなような考え方もあったのじゃないかな、こんなふうに私は思ったのですが、まさに今日はそんな判断力ではとても地方分権というものを理解する、そんな状態じゃないと私は思うのです。 そのくらいこのわずか三年の間に時代は変化して、そして先ほどもお話のありましたように、もうこれをしなければ本当にこれから二十一世紀のすばらしい日本をつくれない、こういう状態で今やっているわけですね。ですから、まず地方分権というものに対する考え方、理念、これについてひとつお伺いしたいわけであります。 とにかく、繰り返すようでございますが、岩倉欧米使節団は、当時、あのような状態の中で世界じゅうを回って、しかもそれは何かといったら、これからの日本をどういうふうにつくるかというグランドデザインを求めたわけですね。だからあらゆる国へ、先進諸国へ行った。行ったその人たちがみんなもう本当に肝を抜かしてびっくりしている。そういう中で、最終的にはあの一年半の間にすっかり勉強して、そして日本はやはりこれをモデルにすべきだということを発見しているわけですね。 ですから、そういう意味で、これからの地方分権をどんなふうに考えているのか、中身を。単なる中央集権で固まった、だから本当は私はきょうは総理にお尋ねしたいのですが、こういう席ですから。本当はあなたに質問するのはおかしいのですね。中央集権の親玉ですからね、あなたは。それが握っている権限をこれからばっと吐き出すのですから。 ですから、逆に、あなたじゃ本当は適任者じゃないんだけれども、あえて自治大臣にお伺いするのですが、ただ単に中央集権の、内務官僚と言われた自治省が地方に権限を与える、そういう考え方が間違っていると思うのですね。ですから、下から盛り上がるような、そういう発想で地方分権というものを考えなきゃいけないと思うのですが、まずそこいらをどんなふうにお考えになっているか。そして、地方分権といっても、プラス面だけじゃない、マイナス面もあるかもしれない。もしあるとするならば、どんなものがそうなのか。 特に地方分権ということで大事なことは、やはり何の権限をどこまでどう与えるか。そして、それと同時に財源。財源がなかったら全然だめなわけですから。そこらがどうも何かよくわからないのですね。どんなところまで財源を与えるのか。三割自治じゃなくて、今度は逆に十割自治になるのか、七割自治になるのか、そこらはどんなふうになるのか、その辺を一つ最初にお伺いしたい。 〔小里委員長代理退席、委員長着席〕
○白川国務大臣 地方自治の長までやられた石川委員から懐疑的なことまで言われますと、私がどう答えていいのかわかりません。 いろいろなことを言われましたので簡単に申し上げますが、よく最近のはやり言葉というのでしょうか、いつの時代も言ってきたのかもわかりませんが、明治維新、それから敗戦、新憲法の制定、それに続く三つ目の改革なんだということは、今の政治家だけでなくて、二十年以降の政治家が言ってきたのかもわかりませんが、私は実は、そういう言葉を軽々に言うほど、この明治維新とそれから敗戦から新憲法をつくったときの改革というのは質的に違うんだと私は自重自戒しております。その二つの大革命と並べるほど私たちは、不退転の決意で自分の命をかけての戦いなんだと言えるだけの資格があるのかなと、僕はその言葉は、自重自戒して、余り使わないようにいたしております。 それから、二つ目のお話として、地方分権とは何ぞやという言葉でございますが、地方自治の専門家である石川委員から、数年前こんな言葉はまだ余り大したインパクトを持った言葉ではなかったという言葉を聞いて、安心いたしました。私は、この分野が余り興味がなかったものでございますから別のことばかりやっておりまして、当事者はまじめにやっていたんだろうなと思ったんですが、当事者が意外にそんなに燃えていなかったとしたならば安心でございますが、しかし、地方の自治を本当にこの際確立するというのは、僕は、もう一回日本という国を本当の自由な国にしようという、そういうことから来ているんじゃないだろうかなと思っています。 というのは、これはもう昔に比べれば、本当に一人一人がみずからの運命を決めることが随分できるようになったと思うのでございますが、それは同じようなことが地域地域にも言えるんじゃないだろうか。そして、そうしてこそ本当にすばらしい日本ができるという言葉で、自由かしからずんば死かという言葉に置きかえて、自治かしからずんば死かというような気持ちでこの問題、みんな、地方自治体の方が考えてください、中央はするつもりでこの問題に取り組んでいます、こういうお話を申し上げました。 自治省の役割でございますが、自治省というのは自治体の自治が進展することのためにお手伝いをする役所でございますから、自治省、確かに権限を持っておりますが、もしそれを放すことが地方自治の進展につながるのならば、それはもう当然のことで、しなきゃいかぬと思っていますが、そのことが今問題ではない。そして、自治省だけが焼け太りするんじゃないかということを言われておりまして、これは全く、そういう気持ちは持つちゃいかぬと思うし、もし自治省にそんなことがあったら、おしかりをいただかなきゃならぬと思っています。 財源の問題につきましても、本当に、さっきも石破委員の質問に、私、答えさせていただきましたが、私自身、さっき財政局長を呼んだんですが、もう毎回毎回同じ文章だけ読ませるな、私も読むのも読み飽きたし、聞いている方も聞き飽きた。しかも、今、例えば世紀の大革命と言えるかもしれない地方自治をやろうというときなんだから、しかも、最終答申がそろそろ出ようという、まあ言うならば八合目か九合目にいるんだから、多少その辺のニュアンスが伝わるようなペーパーをちゃんとおれによこせ、そうでなかったら、おれ、もうこれは読むの嫌になったよと言ったところでございます。地方税財源の充実に頑張ってまいりたいと言うだけではだめなんであって、どこをどう踏み込むのかということを、そろそろ一つ一つ決断をしていかなきゃならぬときだと私は思っております。
○石川委員 白川自治大臣みずから、素直に、私は余りこの方面には興味もなかったし経験もないということを率直に披瀝をされましたが、私は、むしろそういう方がこういう大変革の中で自治大臣になったというのは非常にチャンスじゃないか。チャンスじゃないかというか、いい大臣を選んだな、こんなふうに思うんですね。ですから、むしろ余り中途半端なプロ意識や何か持たないで、白紙の状態でこれからやってもらいたい、こんなふうに思います。 そこで、時間がもう半分たっちゃうのですが、具体的に、簡単に申し上げます。 まず第一点は、地方分権というものと、受け皿の合併、町村合併というものが、やっぱりこれは表裏一体だと思うんですね。その合併に対して、プラス面、マイナス面があると思うんです。そこらはどんなふうなものなのかということが一点。 それから二番目に、現状は、合併というものは進んでいるのか進んでいないのか。案外進んでいないんじゃないか。もし進んでいないとするならば、その阻害要因があるんじゃなかろうか。それは何か。 それから三番目が、要するに、今言った財源なんです。うわさかどうか知りませんが、何か交付税を全部与えるというようなことでございますが、それは、交付税は国が集めてやるのか、あるいは交付税を、もうその内容、同じようなものを地方自治体が要するに財源としてこれを課税して、自主的にそれが手に入るような方法でやるのか、そこらがどんなふうなものなのか。 それから四番目が、今度、合併に対する法律、特例法の改正で住民投票制度というものが確立されたわけでありますが、それは非常に結構だとは思いますけれども、私は、一歩さらに進んで、これはまあ非常に賛否分かれるところであります。恐らく、合併をしようとする市町村の首長さん、議員さんというのは絶対反対だと思うのですよ。私の考えは、むしろ合併するときに、住民参加のために住民の賛否の投票をやったらどうだというのが私の個人的な意見です。 何でもかんでも地方自治体の中で住民投票というのはいかがなものかという意見も、確かにございます。特にエネルギーのいろいろな問題とか、その他重要な、あるいは基地の問題とかということは、これは住民の投票をやったら絶対反対ですからね。こんなことは、もうこれは間違っていると思うのです。私は、そういうことは日本国民全体に影響することですから、その自治体だけの問題じゃないからいかがなものかと思いますけれども、むしろ私は、市町村の合併というのは、簡単に言えばこれは結婚ですよ、市町村の。好きか嫌いか。相手によっては合併したい、したくない。これはまさに成人になった人間の結婚と同じですから、当然、合併すればこういうメリットがありますよ、一、二、三、四、五、これをひとつ提示して、そして賛否をやるというぐらいの方がいいのじゃないか。 それで、その結果は、むしろ住民参加を促す。それから後の新しい町づくりのために、ああ、おれは賛成したんだ、おれは反対したんだという意思のもとに、住民が町づくりに参画を積極的にする、こういう意味からいってもいいではないかなと私は思いますが、いかがか。もし私の意見に賛成であれば、今後、制度改正なり法律を改正しなきゃなりませんが、そのぐらいの意見があるかどうかということもまず聞きたい。 それで、そういう住民投票をやったらどうだというのは、恐らく、先ほどの質問の中にございました阻害要因があるのかということの中で答弁が出てくると思うのですが、大体、合併なんかのときには、首長さんの自分の将来、議員さんの自分の将来というものがどうしても出てきちゃうのですね、これはいい悪いを抜きにして。そうなった場合、そういう人たちだけが勝手にやると、ああ、村会議員が町会議員になりたいのかとか、村長さんが町長になりたいのだろう、町長が市長の名刺が欲しいのか、そんな次元で反対運動なんかが起こる場合が多いのです。私は、そういうことをやると、勝手にやればいいじゃないかということで、住民が町づくりにそっぽを向きやすい、そういうことからいっても必要ではないか、こんなふうに思うのですね。 もう一つは、こういう問題はなかなか進みにくい。だから、積極的にやったというときに対しては、奨励制度というのがあるのかないのか知りませんけれども、あっても大して目に入らないようなものじゃないかと思いますが、思い切って、もっともっと思い切って、結果的には財政の節減になるのですから、私は、積極的に奨励をする何かの制度をつくったらどうか、こんなふうに思いますので、その点、ちょっと具体的に。簡単で結構です。
○白川国務大臣 質問であると同時に、全部意見が付されていて、そして私も、合併問題については、臨時国会、この通常国会で随分多くの方々から御質問を受けましたが、今石川先生がおっしゃったことが大体多数意見に近いのじゃないかな、こう思っております。 そのうち、一、二だけポイントを言いますと、私、自治大臣に就任したとき、自治省の言い方は本当に弱いものでございました。しかし、この国会が始まりまして、国民の代表である委員の先生方の発言が非常に強いということで、自治省は大分、これはもう少し一生懸命やらなきゃいけないなというふうに、明らかに変わってきておりますが、まだ、言っている言葉が合併の機運の醸成。機運の醸成でございますから、具体的なところに何も踏み込んでいません。もうそろそろ、機運の醸成だけではなくて、もう少し具体的な合併促進の方向の、少なくても道筋みたいなこと、あるいは、こういうことをすることが具体的に合併の促進につながるのではないかというような案を自治省としてそろそろ考えるべきときかなというふうに考えております。 それから、合併は余り進んでおりません。あきる野市とか幾つかの例が、私で数えられるぐらいでございますから、本当にそんなにいっぱいないのは御案内のとおりでございます。 そして、財源について、小さな町村がなかなか合併をしないということの一つに、現状が結構ハッピーだからというのも、率直に言って私は理由にあると思います。それらについて、だからといってペナルティーというわけにいきませんが、そういうふうに、もともとベースが高い上に、合併したらこういうボーナスを上げるよというのは、そう国も財政がないのでどの程度できるかわかりませんが、しかしペナルティーを科すわけにいかないので、どういうボーナスを逆に上げるかという仕組み、これは幾らでもあり得ると思うのです。そういう面では、奨励制度あたりばこの際思い切ったものでいいのではないかなと私は思っております。 いずれにいたしましても、もう少しこの機運の醸成の高まるのを見て、もう少し、やはり機運が幾ら醸成したって、また機運というのは、機運がなくなりますとだめになりますので、それが高まったところで、一つの仕掛けみたいなものをしてさらに前に進むように考えたいと思っています。 ただ私は、諸般の事情の中で、今一番みんなで考えるべきことは、地方に権限を移譲する、こういうのが大きな大前提としてあるわけでございますが、今の市町村、三千三百の市町村には渡せないじゃないか、こんな状態ではと。行政体制という面から見て渡せないじゃないかという声が非常に強いのですが、それはやめてもらいたい。それは、まずもらって、もらった後でどうするかはもらった方の市町村が考えればいいので、私は、市町村だってその辺のことは考える良識をみんな持っていると思います。ですから、まず権限を与えてやろうじゃないか。それをどう受けるかが、自主的に考える市町村合併につながると思っています。 昭和三十年前後のあの大合併も、大きな理由はほかにもあるようでございますが、もう一つの明らかに言える理由は、新制中学校は市町村立てなければならないというのが現実になかなかできなくて、一万近くあった市町村が合併をして今の三千三百になった、こう聞いておりますので、やはり地方を信頼して、これは地方からやれというふうに、権限を移譲することが今一番大事じゃないかなと思っております。
○石川委員 白川自治大臣、やはり自分がこの道は余り詳しくないのだという、そういう謙虚な御意見のとおり、むしろ私は非常に期待感を今の御答弁の中に感じました。大いに期待をしております。 なかなか合併というのは、合併しますと、例えば人件費一つとってみても、下の方の、安い方が高く上がってしまう、いろいろな手当も全部上がってしまう。ですから一時的には大変なことでございますから、それを乗り越えて立派な町をつくれば、国家的な観点から見ても大きなやはり節減になるわけでございますし、効率行政ができるわけですから、そういう意味で、一時的には大変でしょうが、ぜひひとつ御褒美をたっぷり出すように頑張っていただきたい、こんなふうに思います。 さて、時間も残り少なくなりましたが、最後に、きょうは大蔵大臣、三塚大蔵大臣という立場でなくして、日ごろから大変尊敬しております一政治家、三塚衆議院議員、しかも清和会という大きな政治集団の指導者ですから、そういう観点から、多年の経験と、そういう立場からの御見解をいただければありがたいと思います。 それは先日、私、日を忘れましたが、たまたまあるときちょっとテレビをひねりましたら、三塚大蔵大臣が道州制のことについて、ちょっと何かテレビで、もう本当にちらっと見ただけなのですけれども、大体全国を何万の都市にすれば幾つぐらいになるし、そしてその上に、現在の都道府県を廃して道州制度にすれば非常にいいじゃないかという、非常に積極的な賛意を表されておりましたのを私テレビで聞いたのですが、余りにも短い時間だったもので、中身はよくわかりません。それでこの際、その所信を、もう少しはっきり御見解を承りたい。 それと同時に、単なる人の意見を聞いて、ああ、いいなと言うだけでは、これは政治家としては無責任ですから、もしそういうふうにかたい御見解をお持ちでしたら、それをどうやったら実現できるのか、その実現に対する手法などもひとつ抱負を聞かせていただきたい、こういうふうに思っております。 以上です。
○三塚国務大臣 一政治家としてということでありますが、国務大臣としてということでも同一でありますから。 かねがね地方政治をやらさせていただき国会に来ました経験の中から、また、昨今のボーダーレスという国際化という大きな流れの中で、しかし、国家は主権を持ち独立しているわけですから、その国家のために政治があることは当然であります。アメリカ合衆国建国の経過は御案内のとおり、ドイツ連邦共和国また御案内のとおり。あれだけ世界大戦を二度にわたりやり抜いたヨーロッパが、国境を取り払い、ヨーロッパ連合をつくろうということで進んでおります。そのことは、国家国民にとり、民族にとりまして幸せだと、通貨の一元化ということで、九九年ユーロがスタートをするというところまで来ております。 振り返って我が日本、ハイテクの国家であります。電気通信のメッカとも言われるだけ、今アメリカに後塵を拝しつつありますが、そこまで参りました。 そういう中で考えました場合に、幕藩体制がそのままあって果たしていいのだろうか、立ちおくれないだろうかという懸念があります。やはり府県、私の住んでいる東北で申し上げます。東北六県、時に新潟を入れまして東北七県と言うのですが、同じ共通の地形、そして第一次産業、第二次産業、第三次、第四次と、こういう配合の中で生きておる地域であります。北海道は州になっておりますが。そういうことも横ににらみながら考えてまいりますと、交通網の整備、これは驚異的であります。また、県境を越えて地域の協議会が持たれるようになりました。各県の協議会、以下、市町村全部そういうことであるわけでございます。 地方制度調査会第二十四次の答申、地方分権の推進についての答申なども出しておられるようでありますが、道州制には直接触れておりません。権限の移譲、財源をどうするか、現状是認の中で出しておられるようでありますが、現段階ではそうかもしれませんけれども、やはり責任を地方に与える。地方自治でありますから、まさに行政単位がきっちりと好ましい形、これは県民、地域の最終の意見の集約だろうと思うのでありますが、そういう方向に、政治家が、地域代表が、国会議員が、やはり動くべき時期に来たのではないだろうか。こういうことで、簡単に言いますと八つの州になるのかなと、イメージとして持っておるのはそういうことです。 中央政府の出先があります。御案内のとおり、農政局であり、郵政局であり、通産局であり、国税局であり、財務局であり、時間がありません、これ以上言いません。大体、少なくとも基幹役所が、八つか九つ地方局があります。市町村の陳情が県、県の陳情が局、そして本省と、これはむだですね。そういう時期ではないと。ならば、そのブロックを、地方分局を、支局を集めて、法律で書いているのです、協議会、協議をしろと。余り協議をやってないようです。そこでやりますと、縦割りからいわゆる地方自治という、地域の政治というあるべき姿がそこから出るのではないでしょうか。 隗より始めよとすれば、その辺が法令に書いておるのでありますから、協議会からスタートをしていきますと、一々そっちも数カ点回り、中央に来ればまたあっちに行ったりこっちに行ったりということもなくなるでしょうし、なくなるという前に、分権、財源の見直し、こういうものが確立していけばよろしいのではないでしょうか、こう思うわけであります。
○石川委員 ありがとうございました。 終わります。
○深谷委員長 これにて石川君の質疑は終了いたしました。 次に、大野松茂君。
○大野(松)委員 自由民主党の大野松茂でございます。 ただいまの石川先生の御質問にも関連をいたしますが、地方分権を強力に推進する立場から、幾つかの質問をさせていただきます。 私は、これまで市長、県議会議員として地方行政に全力でかかわってまいりましたが、地方自治の最前線に身を置いてきた者といたしまして、まず地方分権の推進の基本的姿勢について、以下自治大臣の御所見をお伺いいたします。 近代国家の役割については、いわゆる大きな政府、小さな政府と、いろいろな見方、考え方がございます。今や地方行政は、住民の活動の最小限の補完をする小さな政府の考え方をはるかに超えておりまして、多種多様な住民ニーズに対して、行政サイドはそれにこたえるべく厳しい対応を日々迫られているところでもございます。 今、地方行革の推進が強く叫ばれ、そして公共事業の見直しも強く指摘されております。そして、そのどちらにつきましても、自治大臣は非常に積極的な発言をされておいででございます。 現在の地方行政は、都道府県、市町村のすべてに歳出の自治が国において厳しく制限をされております。もちろん、限られた裁量の範囲で行う各種の行政サービスにつきましても、地方公共団体側に血のにじむようなコスト削減の努力が求められていることも当然ではございますが、余りに多くの仕事が国の関与によって縛られている、こう申し上げることができると思うわけでございます。地方分権の推進は、財源保障の問題を幾ら議論をいたしましても、ここを改めないことにはというのが私の率直な実感でございます。 地方分権を推進するに当たっては、まず国が本当に提供すべき公的サービスの分野は何であるか、これについて、負担と受益の観点から、でき得る限り地方公共団体が自主的に選択できるようにするという視点が重要ではないか、こう考えております。多くの行政分野における歳出についてほとんど裁量が認められない現状のままで、自己決定、自己責任という行動原理を地方公共団体にのみ求めることは極めて難しく、まず国としての役割分担について明確にすべきでございます。 この歳出面において極めて自主裁量に乏しい状況をどのように理解し、地方公共団体への事務配分を進めていくのか。受け皿としての財源をどうするのか。また、地方分権推進委員会の論議の過程を見ますと、現在の事務の執行を前提として機関委任事務の見直しに重点が置かれているようにも見られます。地方団体の側から見ますと、地方がより弾力的に事務執行をできるようにする仕組みが重要であると考えておりますが、事務執行段階における地方の裁量の余地をどのように拡大していくのか、自治大臣の忌憚のない御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○白川国務大臣 狭山市長として豊富な経験を持たれる大野委員の、経験に基づく御質問でございます。 確かに、今とにかく地方の自治あるいは権限を拡大せよという話があるわけでございますが、私の生まれた十日町というところ、あるいは狭山市も、昔は、そういう面では決してそんな現代のような近代的な都市ではなかったと思うわけでございます。そして、若干その弊害がなきにしもあらずでございますが、全国津々浦々同じような行政サービスができるようになったという面では、機関委任事務と何と言われようが、あるいはひもつきであったと言われようが、国がナショナルミニマムを全国すべての地域に保障するという意味では、大きな役割を果たしてきたと思います。 しかし、今、それが大体行き渡った時点で、これからはもっと上に行かなければならないというときに、あたかも地方分権の大きな運動がいよいよ一つの結論を出そうというときでございます。そして、昨年の十二月に出された、機関委任事務は原則廃止して自治事務と法定受託事務に分けるというのは、やはり私は、それなりに地方自治に携わっていた人たちにしてみれば一つの革命だと思うのでございます。ただ、実際、自治事務になったって同じことを結局しなきゃならないというんだったら何もならぬわけでございますが、しかしそこは、自治事務とした以上は、どういう事務をどの程度でやるかということは当然今後の議論だと思いますが、そこに裁量権が与えられなければ、名前だけ機関委任事務が自治事務に変わったとしても意味がないと思うのでございます。 ただ、率直に申しますが、その辺のことについては今鋭意検討中で、ことしの夏までには出そうというところで、最終的な大きな方向性が出るわけでございますが、おっしゃるような方向に変わっていかなければ私はいかぬと思って、自治省は自治省の立場から、地方自治体を代表して、そういう答申になるようにいろいろと努力しているというのが現状でございます。
○大野(松)委員 いずれにいたしましても、今後地方行革を強力に推進していくためにも、地方公共団体については、国によって歳出面の自己決定能力が極めて縛られているという現状をぜひ改善する必要があることを強く訴えたいところでもございます。 次に、地方財政関係についてお伺いをいたします。 現在、地方公共団体の仕事は国においてさまざまの制約を課せられていることから、実際それらの事業を実施するに際しましての創意工夫の発揮が難しい面もございます。さらにそれを困難にしているのが、昨今の国、地方を通じての極めて厳しい財政状況にあることは論をまたない事実であろうと思っております。 来年度の国の予算あるいは地方財政対策を見ますと、財政再建元年といったトーンで貫かれております。しかし、バブル経済が崩壊した後も、国は、景気対策あるいは公共投資基本計画の推進の要請等の立場から、地方公共団体に対しては、地方単独事業を含めて仕事をするように強く求めてきたというのが地方公共団体側の認識でございます。 そういう立場からすると、ここしばらく景気対策に協力を求められてきたにもかかわらず、ここに来て突然財政再建元年と言われましても、方針の転換は、地方サイドからすれば、住民に身近な市町村レベルに行くほど困難となってくるはずであります。厳しい方向になっていることはだれもが承知をしていることとはいいましても、地方公共団体の予算編成について、担当者のみならず住民にも複雑な思いが残るのも事実ではないか、こう思います。 例えば、昨年度来の経済運営をどのように総括した結果、国全体の方向としては現在の財政構造改革の推進が求められているのだということを、その意思決定のプロセスを含めて、国民に対してもう少しわかりやすくかつ具体的にアナウンスすべきではないかと思うわけでございますが、大蔵大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○三塚国務大臣 限られた時間でありますから、簡明に申し上げさせていただきます。 御指摘のように、財政構造改革、なぜ必要なのか、この一点で申し上げますと、世界のサミット構成国七カ国、先進国であります。マクロ経済ということで、世界経済の維持発展のためにお互いが協議しよう。昨今の首脳のサミット会議は、地域紛争、政治がまたそこに入ってきておりますけれども、もともとは経済でございました。 そういう中で、ここ二年、軒並み先進国家も健全化を目指して財政の改善をやらなければならないという決心になりました。税金に見合う歳出を組んで国民サービスに努めよう、こういうことになったわけでございますが、我が国の昨年の経過からいいましても、税金を超える歳出予算を組まざるを得ないわけです。 そういたしますと、国債を発行して資金を調達をしなければならない、こういうことになります。昨年は二十一兆円ということでございました。歳出は五十八兆七千、その主たる部分が二十一兆、ですから税金分は五十四兆、こういうことになりました。それで、本年は借入金を起こして歳出を賄うということの悪循環は絶っていかなければならないだろう。御案内のとおり、二百五十四兆円になりました。地方の債務も入れますと五百兆に近づこうということにもなってきまして、国の二百五十四兆のベースでだけ物を考えましても、十六兆八千二十三億が出るわけでございます。 この国債費というのは、要すれば借り入れた分の借金を返すということになります。しかし、国税の収入だけでは到底返し切れないものでございますから、新たに公債を発行いたしまして、そこでこの部分を補てんをする。補てんをするだけではなく、一般会計の足らず前も補てんをする。平成八年度予算では五十八兆と申し上げました。そして、五十四兆が税収でありますから四・七兆不足でございました。それを借り入れまして予算編成を仕上げた、こういうことであります。バブル崩壊後の不況の下支えをいたしますために、八十兆円の国債発行の中で昨年まで来たわけでございますが、この辺で借金の体質に別れを告げまして、つらいですけれども健全財政に向かって取り組みませんと、世界先進七カ国のうちで、経済大国と言われた日本の発言力というのはなくなっていくのではないだろうか、また、仲間外れにされていくのではないだろうか。 借金を重ねていきますれば首が回りません。同時に、さらに借金を重ねて発行を続けますと、悪性インフレになることは必定でありますし、国民生活を圧迫しますし、高齢化社会を迎えて、お年寄りの皆さん、弱い立場の皆さんに大きくそのハンディを負わせるということになるわけでございますから、政治は民心の安定でありますので、そういうことで、この際まなじりを決して、全力を尽くしていかなければならぬ。地方と一体となってこれを進めませんと、物事の成功は達し切れません。 そういう点で、大野議員、市長で大変御苦労され、名声を上げて使命を持って国会にお出いただいたわけでございますが、また地方財政のあり方についてお聞かせをいただきながら、知恵の限りを絞って、これが調和をされ、ともに前進できるようなことで取り組まなければならぬと思っております。
○大野(松)委員 ありがとうございました。 私たちもまた、国民に対してそうした説明をしなければならない責任を強く感じているところでもございます。 公共事業についてでございますが、公共事業についての切り込みが議論されております。歳出を抑制する上で避けて通れないものがあることは承知をいたしております。 市町村は、総合振興計画に基づいて、また、さきには景気対策の号令のもとで着手したものもございますが、道路、下水道あるいは公園等の事業を精力的に推進しているわけでございまして、途中でやめるわけにはいかない状況にもあります。また、農業関係について見ましても、農業の生産性を上げていく上で、圃場の整備やかんがい排水施設の整備は、農村の活性化と国土の均衡ある発展を図る上で重要な事業として展開をいたしております。 それぞれに、財政構造改革を推進する中にあってもこれらを着実に前進させることはできないかと考えるところでもございますが、建設大臣、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
○亀井国務大臣 先ほどから御意見を伺いながら、さすが地方行政に精通をしておられる委員の、国民の現場の感覚といいますか、気持ち、これを踏まえながらのお話をいただいているというように非常に感銘をいたしておるわけであります。 御承知のように我が国の社会資本は、欧米先進国に比べまして、いろいろ部門はありますが、まだ大体半分程度の整備の状況でもあろうかと思います。特に、災害国日本でもあります。のど元過ぎればということであってはならないわけであります。 そういう意味では、経済情勢がいろいろ変転をいたしますけれども、我々が現在に生をうける者として、もう当面の、刹那的にと言ってもいいと思いますが、刹那的に今の生活がよければいいということで、果たして子々孫々に対して我々は責任を果たすことになるのかという基本的な問題が社会資本整備についてあると私は思います。財政再建はやり抜かなければならないことでありますけれども、今私が申し上げました視点を外しますと、私は、大変なことになっていくと思います。 また、公共事業が、委員御承知のように、特に地方のそうした社会資本整備を行うと同時に、地方の景気といいますか、経済に大変強い影響を与えておるということも事実でございます。そうした中で、今、日本の経済がどうにか緩やかな回復軌道に向かおうとしている非常に大事なときであります。そういうときに、新たに消費税がアップをされるというような状況、特別減税を一応ここで打ち切っていくという状況の中で、本年度の景気を予定どおり一・九%に成長させていくことについて、社会資本整備、公共投資がどういう役割を果たすのかということも、我々は過去の経験に基づいて冷静に判断をしていくべきだ。公共事業が悪だというような、財政再建イコール公共事業をカットすればいいということにはならない。 あのバブルが崩壊をしました後、深刻な経済事情がございました。そのときに、私も政調会長代理で三塚会長のもとで景気対策を担当いたしましたけれども、次から次へとあれだけの大幅な公共事業をやったために、ゼロ%あるいは一%程度の経済の落ち込みにどうにか抑えてきた。じゃ、あれを外しておったらどうなっておるだろうか。 残念ながら、民需が今なかなか出てこない。これはバブル崩壊の影響であります。そういう中で、やはり公共事業の景気自体に対する乗数効果の問題、いろいろありますけれども、私は否定できない。大体二〇%ぐらいでしょうね、GNPに対する建設関係の影響する範囲というのは。そういう意味でも、財政再建をやり抜かなければなりませんけれども、それが公共事業カットという形に短絡的に結びついていくということは、私は極めて危険だと。 私は、建設大臣をやっておりますが、縄張り意識とかそういう立場で申し上げておるわけではございません。
○藤本国務大臣 我が国の農政の基本的な考え方は三つあると思うのですが、生産の面でいきますと生産力を維持強化していく、それから消費の面でいきますと消費者の皆様に対して良質で安い食糧を安定的に供給する、それから農村地域の活性化、この三つが我が国農政の基本的な方針だと思うのです。 そういう観点に立ちますと、今、農村の農業整備事業、これを中心にしまして生産性の向上を図るとか、農村地域の環境整備を図るとか、そういう事業を推進しておるわけでございまして、この事業が仮におくれるということになりますと、これは規模拡大、またコスト削減、生産性の向上という面に影響が及ぶわけでございますし、また農村の環境整備もおくれる、都市と農村の格差も開く、国際的な競争力にも影響が起こる、こういうことでございますので、今財政状況が極めて厳しい、こういう状況下でございますけれども、この農業の公共事業、今我々が取り組んでいる事業は推進していかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○大野(松)委員 ただいま公共事業についてお答えいただいたところでございますが、厚生省、おいでになっていますか。厚生省に福祉の分野からお尋ねをいたします。 福祉施策を充実する上では、地域の実態に応じた単独事業の展開も欠かせない要件でございます。厳しい財政事情の中で、単独事業の実施も極めて制約される状況になってきております。地方財政計画では、社会福祉系統経費として前年度比三・一%増が計上されておりますが、今後、少子化、高齢化が進む中で、地方の自主性を尊重し、そして地域のニーズに沿った特色ある福祉施策の展開が必要であると考えているところでございますが、お考えをお聞かせ願います。
○中西政府委員 厚生大臣が介護保険法案の審議の方に入っておりますので、私がかわりまして答弁させていただきます。 福祉サービスにつきましては、住民に最も身近な市町村でこれを展開していく、地方の役割を強化していく方向で施策を進めていくというスタンスに立ってやっておるところでございます。例えば、これまでも特別養護老人ホームの措置権、これを市町村に移譲し、また市町村が策定された老人保健福祉計画を積み上げまして国として新ゴールドプランを策定するなど、市町村の支援に努めてきたところでございます。九年度予算案におきましても、その着実な推進のための経費を計上しておるところでございます。 また、今の国会で御議論いただいております介護保険法案におきましても、市町村を保険者として、都道府県、国がこれを重層的に支えていく、そういう構造になっておりまして、また、何よりもそれぞれの地域の住民がみずからサービスを選択する仕組みを取り入れております。それによって、地域のニーズに沿った高齢者福祉施策の展開をそれぞれの市町村がおやりいただくという形で法案を組んでおるところでございます。 御指摘をいただきましたとおり、地方単独事業は、福祉施策を展開していく上で極めて重要な役割を果たしておるというふうに認識しておりまして、また地方分権推進委員会におきましても、補助金のあり方も含めまして今各般の議論がなされておる。そうした中で、厚生省といたしましても、分権委の議論、結論を踏まえながら、地域のニーズに沿った市町村における福祉施策の展開を積極的に支援してまいりたい、かように考えております。
○大野(松)委員 先ほどの事務配分の問題ともかかわってくることでございますが、国として地方にどういう方向性を求めるかという判断を行う場合に、その方向に沿って地方公共団体がみずから納得して進まないと本当の効果は得られないのじゃないか。私はやはり国としての考え方を、反省をも含めて、もっとオープンにしていくべきであると感じております。 さて次に、財政再建の問題にあわせて、具体的に二点ほどお尋ねをいたします。 この予算委員会においても減税を進めるべきではないかという主張が見られるところでありますが、私はそのやりとりを聞いておりまして、別の角度から問題意識を感じております。 平成六年度の税制改正によって、国税、地方税について制度減税が前倒しで実施をされました。それにあわせて、平成六年度から八年度にかけて特別減税も行われました。地方財政においては、これらの減税を埋めるために減税補てん債が発行されるところであります。この元利償還金については、平成九年度に導入される地方消費税、また交付税率の引き上げによってその償還財源が確保されるということになっておりますが、地方のサイドからすれば、国の経済対策にあわせて赤字地方債まで発行するというのは、心理的に言って大変つらいものがあるはずでございます。しかも、特例中の特例といって導入されたものが、今後も何があるかわからないとなりますと、それぞれの議会において今後の財政運営の見通しや計画的な財政運営を求められましても、市町村長は、国の方向を見きわめてと、こう答弁するしかない状況でございます。 したがって、減税の議論を国会において行う際には、少なくとも課税自主権の強化、あるいは地方公共団体の自己責任の原則を推進するのであれば、地方税についてはでき得る限り国としての経済対策等といった政策とは切り離して扱うべきではないか、こう考えます。まずこれが第一点でございます。 次に、税制改正は、その導入に際してはさまざまの課題を生ずるものでございます。 来年度の地方財政計画で、地方消費税の収入が平年度化しない点に着目した地方債措置を創設した点については、現実的な対応として評価するのでありますが、税収そのものが国の経済対策等で簡単に左右されるようでは、どんなに歳入の自治あるいは課税自主権の強化といったところで、地方サイドとしてはむなしいものがございます。 いずれにいたしましても、地方公共団体に対して自己責任の徹底を求めていくのであれば、まず地方税源を確保することが大前提でありまして、減税補てん債といった赤字の特例債を国の政策として導入したことは例外中の例外でなければならない、こういうふうに考えております。 地方税財源の拡充についてお尋ねをいたしたいところでございますが、よろしくお願いします。
○白川国務大臣 大野委員御指摘のとおりだと私は思います。 何もこの数年間の減税あるいは景気対策だけではなくて、私は鈴木内閣あるいは中曽根内閣のときの財政再建、行政改革も、当時議員でありましたから多少見ておりましたが、地方の帳じりは何とか合わせようと思って頑張ったのでございますが、それが随分地方の方から借り入れたり、わけのわからぬことを随分やっていたということが記憶にあります。そして、今回もそういうことであってはならないという御指摘だと思うのでございまして、全くそういう点について、国側は自分の都合だけで地方の立場ということを考えてこなかったということについては、率直に反省をしなきゃならぬと思っています。 ただ、今後どうなるかということでございますけれども、これは、今回の財政構造改革あるいは財政再建は、国、地方を一緒にしての目標というのが総理の方から示されているわけでございますので、今度は当然のことながら国、地方一体で財政構造を改革していくということでございますので、御指摘のような点は今後はないと思うわけでございますが、しかし、地方のそういう今御指摘になったようなことがないように、自治省としてはそういうことも常に国全体に対して申し上げていかなきゃならぬ立場にあると思って、大変参考にさせていただきました。
○大野(松)委員 どうもありがとうございました。
○深谷委員長 これにて大野君の質疑は終了いたしました。 次に、砂田圭佑君。
○砂田委員 自由民主党の砂田圭佑でございます。 私は、昨年の総選挙におきまして、阪神・淡路大地震の最も被害の甚大であった神戸市の東部から、近畿の比例区で初当選をさせていただきました。したがいまして、日本の経済あるいは社会に大変甚大な影響を及ぼしたこの大震災について、御質問を集中的に申し上げるつもりでございます。よろしくお願いを申し上げます。 このたびの大震災は、本当にすさまじい被害をもたらしました。そして、それは日本の経済あるいは社会についても大変大きな重大な影響を与えたものでございます。将来、この震災が日本のどこで起こってもおかしくない。我々神戸市民は、まさか神戸では絶対に起こらないと信じて、日々まくらを高くしていたものが、あのひどい目に遭って、本当に日本じゅうどこで起こるかわからないという思いを強くするものでございます。 そこで、あの地震の状況について、皆さん方、国民の皆さんにもぜひとももう一度このことを認識を新たにしていただいて、天災のすさまじさを御理解をいただきたいと思います。そのために、一昨年の当日の被害がどんなものであったか、少し前もってお話を申し上げたいと思います。 私は、平成七年の一月の十七日午前五時四十六分、神戸市灘区の自宅でこの大震災に遭遇をいたしました。九階建てのマンションは二十秒で崩壊をいたしました。一階と二階で七人の人が生き埋めになりました。消防もあるいは警察も一切途絶えた状況の中で、マンションの男性ばかりが集まって、そしてその七人を一日かかって救助をいたしました。残念ながら一人は即死でありました。私も、実は十五年間このマンションのためにローンを払い続けて、そしてたった二十秒でほとんど財産の八割を失うことに、そんな憂き目に遭いました。被災者の思いは、身をもって体験をし、本当によくわかるものでございます。 その日、まず阪神間で六千四百人の方が亡くなりました。負傷者は四万人でありました。住宅の被害、全壊、全焼が十一万棟、半焼あるいは半壊が十三万六千棟でありました。道路の損壊は一万カ所。日本を貫く阪神高速道路は六百メートルの間隔で横倒しになって全壊をいたしました。新幹線はけたが落下をして、長い時間不通でありました。もちろん、私鉄、鉄道関係は寸断をされて、港湾に至っては、使用にたえ得るバースは一つもありませんでした。そして、今なお仮設住宅に七万人の被災者が生活をしている状況であります。被害の総額は十兆円と言われております。 この大被害に対して、早速政府からいろいろな形で御支援をいただきました。 まず、社会資本の復旧、復興に大変力を入れていただきました。平成八年度までに、インフラに関しては四兆五千三百億の予算措置をいただきました。計画目標の七九%と、着実な事業の進展が図られているところでございます。特に道路は、昨年の九月三十日に阪神高速道路が全通いたしましたことで一〇〇%復旧をいたしました。港についても、利用できるバースが六〇%は確保されております。荷物も、平成六年度に比較して約九〇%戻ってきております。 住宅につきましては、七万一千戸は完成をいたしました。産業復興も着実に活性化しつつありますけれども、地場産業のケミカルシューズなどは生産額が震災前の約五、六〇%の水準であり、市場とか商店街の八割が仮設店舗も含めて営業を再開はいたしましたけれども、何しろ商店街の周りに家がないということで人がいない、そのために売り上げが震災前の五、六〇%にとどまっているという大変厳しい状況であります。被災者の生活支援についても、政府から、瓦れきの処理、仮設住宅の建設、住宅再建のための利子補給あるいは家賃の助成等の支援を受けております。 これら震災復興について政府のさまざまな御努力に対して、被災者の一人として感謝を申し上げるものでございます。 にもかかわりませず、被災者の生活はまだまだ厳しい状況に置かれております。そして、殊のほか、たった二十秒で営々として築いた財産と暮らしを失った人々は、その無念と不安からいまだに解放されていない状況であります。大変つらい日々であります。このようなことが日本のどこかでまたいつ発生するかもわからないということは、まことに不安なものでございます。 この震災を目の当たりにしました国民の七〇%の方々が、何とかしてこの不安から逃れたい、地震で財産や暮らしを失うことへの不安を世論調査で訴えておられます。去る二月の二十日には、全国から実に二千三百九十一万という人の署名が阪神・淡路復興本部に届き、梶山官房長官にお受け取りをいただきましたところでございます。 そこで、官房長官にお伺いを申し上げます。長官はこの国民の不安をあらわした署名に対してどのようにお受けとめになっておられますか、お伺いをいたします。
○梶山国務大臣 被災者でもある砂田さんに改めてお見舞いを申し上げます。 私は、第二次橋本内閣の成立に当たって、阪神・淡路震災復興対策担当を命ぜられました。そして、現地に赴き、震災がいかに大きかったかを身をもって感じてまいり、いろいろな方々ともお会いをしてまいりました。 そして、去る二月二十日、自然災害に対する国民的保障制度を求める国民会議の代表者の方々から、署名運動の結果についてお話をお聞きをいたしました。全国二千万人を超える方々が自然災害による住宅や家財の喪失に対し不安を抱き、何らかの対応を期待しておられるということを率直に受けとめてまいりたいと考えております。
○砂田委員 国民の多数の不安が、その声を象徴した形で署名運動の結実になったというふうに私は心得ておりますが、国民の不安を解消するということは、やはり政治の大事な仕事の一つではないか、国民の意思を強く受けとめて何らかの答えを出さなければならないのではないかという気がいたします。 そこで私は、国民の暮らしや財産を守る国民的災害保障制度を創設する、これはこの署名運動の一つの目的でもありました。その議論をぜひ始めていただきたい、その議論の場をつくっていただきたい。そういう意味で、審議会を設置をしていただいて、そこでこの国民の不安解消に対する問題を御議論をいただきたい、そう思いますが、国土庁長官、お考えはいかがでありましょうか。また、これにかわるアイデアがあれば、ぜひともお聞かせをいただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 砂田委員が格別な思いを込めて、阪神・淡路の復旧から復興、また地域住民の皆さんのさまざまな地域にあります声を、国政の中でいろいろな形で私どもにも届けていただいたり、またこうしてきょうは委員会の中で御発言をいただいておりますことを、しっかりと受けとめさせていただきたいというふうに思っております。 今、官房長官からもお答えをさせていただきましたように、この集められた署名のことについては、御関係者が私の長官室にもお見えをいただきましたので、直接的に御意見も伺いました。阪神・淡路のかつてない甚大な災害を経験をいたしまして、災害が比較的多い私たちの国が、これからもさまざまな災害や事故があり得るわけでありますから、それに恒久的な制度をつくったらどうかという御指摘は、さまざまな角度から御意見をいただいております。 この署名の皆さんの目的は、審議会をつくってはどうかという御提案があるわけでありますが、実は阪神・淡路の震災の直後に、これは総理の諮問機関であります防災問題懇談会が持たれまして、ここで御協議をしていただいた専門家の皆さんの結論は、地方公共団体が基金制度のようなものを検討をしてみるべきであるということになりました。それを受けて、実は全国の知事会でこのことを今検討していただいているところでございます。 私も国の立場で、こうした皆さんのいろいろな動きや御提案があることでございますので、ただ知事会の結論だけをじっと待っているということではなくて、つい先日も、全国の知事会の会長さん、あるいは神戸、静岡の、特に御関心の高い知事さんに、恐縮でございましたが直接おいでをいただいて、御意見もいただき、また知事会の結論をできるだけ早く出していただけないか、そうしたことも私の方からもお願いをさせていただきました。 なお、きょう東京都の知事とも直接にお話をしたことでございますけれども、そう遠からず、東京知事を初めとして、南関東地域の直下型の震災などもいろいろ言われているところでございますので、そうしたことに特に御関心もあり御関係のある方々にも、こうしたさまざまな国民の皆さんの御意見や動きを考えながら御意見も伺いたいというふうに思っておりまして、いずれ、東京都の知事を初め御関係の知事の方々との懇談の機会も持たせていただきたいというふうに思っております。
○砂田委員 ありがとうございます。いずれにいたしましても、国民が安心してこの国に住める、そんな制度をぜひとも早急に御議論をいただきたい、強くお願いを申し上げるものでございます。 官房長官ありがとうございました。どうぞ御退席いただいて結構でございます。 さて、この地震で私はさまざまな体験をいたしましたけれども、その中で非常に印象に残ったことがございます。それは、あの大火災の後、焼け野原になりました中で、防火の壁や塀あるいは事務所が黒くすすけながら、通常、火災時には最も危険だと思われるガソリンスタンドが全く安全で、事故や火災を誘発しなかったことは非常に印象的でありました。 後で調べますと、消防庁の危険物の安全管理は、設備基準等のハード面と貯蔵取扱基準のソフト面の両面に立っての規制が大変厳しかったことが事故を起こさなかった最大の理由であったというふうに承りました。もしこのような規制がなければ、被害が拡大をしたであろうことは容易に想像のつくところであります。このような消防庁の社会的規制が功を奏したことは、被災者の一人として大変ありがたいことであったと申し上げたいと思います。 また、このことは、アメリカの業界の専門誌NPNインターナショナル誌が、日本の給油所がなぜ地震に強く、給油所からの火災が一件もなかったかという問題を取り上げています。その記事には「この安全性の成果は偶然の結果ではなく、行政と産業が新技術による革命的な解決策を通して、可能な限り最高の安全基準を作りあげるべく努力した事によるもの」と書かれております。 その具体例としては、特に当局の指導による給油所従業員への教育と資格制度の導入、セルフサービスによる給油の禁止、地下タンク容量の規制、防火壁の設置義務化など、ハード、ソフト両面における我が国の消防規制について数多くの例を挙げ、その防災における成果を称賛をいたしております。 そこで消防庁長官に伺いますが、この称賛に値する規制について、今後も防災的見地から引き続きこの規制を続けていかれることと思いますが、お伺いをいたします。
○佐野(徹)政府委員 まず規制全般に係ることではございますけれども、政府といたしましては、平成七年の三月三十一日に規制緩和推進計画を閣議決定しております。この計画におきましては、危険物、防災、保安関係の行政分野につきましても、国民の生命、身体、財産の保護等を図りつつ、技術水準の向上等を踏まえ、関係諸規制の緩和等を進めることとされております。また、同じこの計画の中で、社会的規制については、本来の政策目的に沿った必要最小限のものとすることを基本的考え方とするとされております。 消防法令による規制の目的は安全性の確保であり、お尋ねの給油取扱所の規制に関しましては、この規制緩和推進計画の趣旨、それからそこに定められました内容に沿って検討が続けられることになる、かように考えております。
○砂田委員 規制緩和についてはいろいろな議論が繰り広げられております。国民の生活の安全を守るための社会規制と、経済活動の自由に関する経済規制と、ともすればその二つが混同される場合も見受けられるわけでございますが、近年、ガソリン販売のセルフサービス給油化を進めておられるという話もちらほら伺います。 あの阪神大震災によってはっきりと示された給油所の安全、その維持をするための社会規制を外してまでガソリンスタンドのセルフ化を推し進めるのか、通産省、その辺の御所見はいかがでありましょうか。
○江崎政府委員 ガソリンスタンドのセルフ化の問題でございますけれども、この問題、現在消防庁におかれまして、どこまでが合理的な規制か、あるいはどこまで緩和できるかという、専ら安全性の面から検討がされているというふうに私ども承知しておりまして、結論が平成九年度中に得られるというふうに承知しております。 私ども通産省としては、この消防庁における安全性の観点からの検討を注意深く見守っているという状況でございます。
○砂田委員 いずれにいたしましても、震災体験から申し上げて、できるだけ安全第一という観点からお考えをいただきたい、御検討をいただきたいとお願いを申し上げておきます。 次に、災害の復旧の融資制度について少しお伺いをいたします。 震災以来、中小企業等に対する、復佃、復興を推進するために各種の低利の融資制度を創設していただいておりますけれども、被災地の中小企業についてはまだまだ、なかなか自立再建、十分に採算のとれるような状況に至っておりません。人口の減少あるいは観光業などの大幅な削減等、企業を取り巻く状況はまことに厳しいものがございます。 そこで、政府系の中小企業金融機関の災害復旧に対して、据置期間はひどい被害のところでは五年間と相なっておりますけれども、これの取り扱いの受付期間がことしの七月で終了することになっております。まだまだこれから再建しようとする中小企業の方々に、ぜひとも取扱期間を延ばしていただいて、チャンスを与えていただきたいと思います。 また、県や市とともに特別融資制度をやっていただいております。これについても、返済期間がもう来年に迫りつつあります。先ほど申し上げましたように、まだまだ商売がもとに復さない状況の中で、ぜひこの特別融資の据置期間を延ばしていただくことができないか、ひとつ中小企業庁にお答えをお願いしたいと思います。
○石黒政府委員 お答えをさせていただきます。 中小企業金融機関の特別措置等につきまして、期間が迫ってきているのでそれをさらに先に延ばせないかという御質問でございますけれども、私ども、昨年の十一月に神戸で一日中小企業庁という会合を開きまして、私も出かけまして、震災の復旧、復興の状況であるとか、あるいは日々お困りの中小企業の方々からいろいろなお話を伺いましたけれども、その中にも既にそういう御議論はございました。 委員御指摘のとおり、震災直後、直ちに中小企業関係政府機関を動員をいたしましていろんな制度をつくりまして、例えば、政府系中小企業金融機関の貸し付けにおきましては、二・五万件、五千億円程度の中小企業の方々の融資に応じておるところでございますし、また、体質強化資金と申しまして地元でやっている独自の融資制度もございますけれども、これにつきましては、三万件、四千億円の融資を実行しておるというような実態にございます。 そういうことでやってきておりますけれども、タイミングにつきましては、これからのことでございますので、これからどうなるかということをじっくり考えながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○砂田委員 ありがとうございます。ぜひとも中小企業の再建のためにお力をかしていただきたいと思います。 それでは、最後に、災害救助法について少しお伺いをいたします。 震災直後から同法が適用されて、住居の供与あるいは食糧の供給、被服、寝具等の生活必需品、あるいは医療とか救助とか学用品とか、あるいは埋葬に至るまでのいろんな形の中で救済をいただいております。 実際の災害時の運用面におきましての問題点もあったように伺います。例えば、このたびの神戸市のような政令都市の中で、どうしても県が中心になる、法律上そうなっているということが、被災者の迅速な救済あるいは迅速な対応というところで多少問題があったように伺っております。ぜひともひとつこういうものが、政令都市でありますような、あのような大きな都市で何もかも完結できる都市には、特別な権限を応急処置としてお与えをいただくことができないか、その点。 また、これは大震災でありまして、大災害でありますから、甚だ今の法律で十分なのかどうかということも懸念をするところでございます。大都市で起こった場合の備えとしても、神戸の状況を例にとって、この災害救助法はこのままでいいのかどうか、ぜひとも御検討をいただきたいと思います。その点について、厚生省、よろしくお願いを申し上げます。
○亀田政府委員 災害救助法の応急救助でございますけれども、阪神・淡路大震災の貴重な教訓を踏まえまして、先生からお話ございました実施体制の問題、情報の収集、提供、避難所の問題、それから応急仮設住宅の供与等々のあり方につきまして私ども見直すことといたしておりまして、厚生省に地元の関係者あるいは専門家から成る災害救助研究会というものを設けまして、検討を進めてきたところでございます。昨年この研究会から「大規模災害における応急救助のあり方」、こういう提言をいただいておるところでございます。 そういうことでございまして、現在この提言に沿いまして、関係通知の見直し作業等を進めておるところでございます。できるだけ早期に実施をいたしまして、大規模災害に円滑に対応できるようにしてまいりたい、こういうふうに考えてございます。 また、先生から政令市の権限の問題がございましたけれども、現行災害救助法、都道府県知事の権限になっておるわけでございますが、この問題につきましては、都道府県の皆様の御意見あるいは政令市の皆様の御意見、両方伺いながら、慎重に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○砂田委員 ありがとうございます。 いずれにいたしましても、この未曾有の被害を出した阪神・淡路大震災の教訓を十二分に生かして、これからの我が国の防災体制の強化、向上に役立てていただけることが、六千名を超す被災によって亡くなられた方への慰めになるのではないかという気がいたします。一層の政府の御努力を賜りますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○深谷委員長 これにて砂田君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして一般質疑は終了いたしました。 —————————————
○深谷委員長 この際、御報告申し上げます。 去る二十五日、分科会設置の際、分科員の配置及び主査の選任につきましては委員長に御一任願っておりましたが、分科員の配置及び主査の選任につきましては公報をもってお知らせいたします。 なお、分科会審査は、来る三月三日及び四日の両日に行います。 次回は、来る三月五日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時散会