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140回国会衆議院1997/02/14

予算委員会 第13号

発言数
358
登壇者
45
会派数
4
開催日
1997/02/14

会議録

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これより会議を開きます。  平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算、平成九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田勇君。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 おはようございます。新進党の上田でございます。  もう予算委員会も総括審議、大変長時間にわたりまして、大臣初め皆様方も大変御苦労さまでございます。きょうは、服部経治元運輸事務次官の収賄事件並びに関西国際空港株式会社の問題などについて、まず御質問をさせていただきたいと思います。  一昨日、服部経治元運輸事務次官が関西国際空港株式会社法違反、収賄で起訴されたわけであります。先般は厚生省の岡光前次官の汚職が起きておりまして、立て続けに官僚トップの不祥事、こうしたことは、国民の行政に対する不信感といったものをさらに増幅させ、信頼を本当に失墜させているものであるという意味では極めて深刻な問題というふうに受けとめております。  もちろん個人の問題というふうにも考えられますけれども、一方ではやはり、こうした事件を引き起こす人物がこれまで各省庁の中で重用され、もちろん仕事の能力はあったのかもしれませんけれども、官僚のトップとして、人格識見、本当にふさわしい人間が登用されたのかどうか。そうしたことを考えるときに、やはり閣僚としての責任というのも非常に重大なものがあるんじゃないかというふうに言わざるを得ないと思います。  とりわけ、服部元次官は橋本総理が運輸大臣のときの運輸省の官房長であり、事務次官であられた。ある新聞では橋本総理と服部次官とはただならぬ関係だったというふうにも書かれているように、大変親しい間柄だったということも報道されているわけでありまして、これは私も含め国民各位においても大変なショックなのではないかというふうに考えております。  そういう意味で、きょうはこの問題について質問をさせていただきます。  まず服部元次官の、一昨日起訴されたわけですが、その起訴内容、新聞報道等だけでは十分明らかになっていない点もあると思いますので、まず法務省にその起訴の内容について御説明いただくようにお願いいたします。

原田明夫法務省刑事局長

○原田政府委員 お答え申し上げます。  お尋ねの事件につきましては、東京地方検察庁におきまして、平成九年二月十二日、関西国際空港株式会社法違反、これは贈収賄ということでございますが、泉井純一及び同社の服部前代表取締役社長を起訴したものと承知しております。  公訴事実の概要でございますが、同人らは平成六年四月から平成八年四月までの間に前後四回にわたり、金地金、絵画、現金、商品券等のわいろを収受するなどしたものであると承知しております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 今非常に簡単な御説明がありましたけれども、法務省の方からいただいた資料によると、服部前社長は、例えば一人当たり十万円近い接待を含めて、接待や品物あるいは金品の提供など、合計して、明らかになっているだけで二百万円を超えるようなわいろを受け取っている。  しかも、そのわいろの目的として、関西国際空港における防犯用の特殊ごみ袋の選定、採用、さらには子会社の発注している清掃業務の下請業者の選定などに好意ある取り計らいを受けたということで、そういう意味ではその謝礼として受け取っているということですから、これは関西空港の、また関連会社の業務の中で、特定の業者に対してそういう便宜を図った謝礼として受け取ったということではないかというふうに思います。  それで、もう一度その辺の事実関係、内容についてちょっと法務省の方に確認したいのですが、この法務省のペーパーでは「好意ある取り計らいを受けた」というふうに書いてあるのですけれども、これは依頼した泉井氏、この関西空港株式会社並びにその関連会社において、依頼した事柄が実を結んだということの謝礼という意味なんでしょうか。お伺いしたいと思います。

原田明夫法務省刑事局長

○原田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま委員御指摘のとおり、わいろということで起訴されたものでございますが、やはりそれには、職務に関連してその謝礼という趣旨で収受が行われたという認定をしたものと承知しております。  その詳細と申しますか、具体的な中身につきましては、検察官がまさに証拠に基づいてこれから公判廷で立証すべき事柄でございますので、それにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたい。公判で立証させていただくものと考えておりますので、御了承いただきたいと存じます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 関西国際空港株式会社、株式会社ではありますけれども、法律で設置された特殊法人でありますし、それは当然、公益性の極めて高い企業ということであると思います。平成八年度までに国の予算から約三千億円、地方公共団体からも七百億円を超える公金が支出されている、そうした公益性の強い企業であります。  当然この関西空港、関西国際空港法の中では、代表取締役の選定については運輸大臣の認可が必要になっておりますし、また同じ法律によりまして、運輸大臣は会社を監督するということになっているわけであります。  こうしたことを踏まえて、運輸大臣、今回の事件をどのように受けとめられているのか、どのような責任を感じられているのか、所感を伺いたいと思います。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生も御指摘いただきましたように、今日、官僚に対する大変厳しい国民の目の中に、今回、中央官庁で事務次官の経験を経て関空の最高責任者の地位にあった前社長であります服部氏が起訴されたという事実に対しまして、私といたしましても、まことに遺憾であると同時に極めて残念に思っております。  運輸省といたしましても、今日まで綱紀粛正につきましては不断の努力を重ねてきたところでございますが、今回改めて、運輸省並びに所管いたします特殊法人を含めて綱紀の粛正にさらに努めてまいりますと同時に、私もその先頭に立って、広く運輸行政の信頼回復のために努めてまいりたい、このように思っております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 もちろんそのようにお願いしなければいけないわけでありますが、今回はもう具体的なこういう事件が起きているわけでありまして、具体的な対応が必要なんじゃないかというふうに思うわけであります。  法律では、運輸大臣は、会社に報告をさせ、また運輸省の職員に検査させることができるということになっているんですが、具体的にどのような対応をされたのか、お伺いしたいと思います。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 お答えいたします。  運輸省におきましては、逮捕当日の一月二十三日、事務次官によります、関空会社社長に、冒頭でございましたけれども、即座に綱紀粛正の指示をいたすと同時に、一月二十四日、関空会社を含めます運輸省の所管特殊法人に対しまして文書で綱紀粛正に対する通達をいたしたところでございます。  関空の会社におきましては、一月二十四日に緊急役員会を開催いたしまして、役員みずからの倫理の向上と規律の強化を申し合わせますと同時に、綱紀粛正委員会の設置等の対策を取りまとめさせていただきました。同時に、子会社を含めます役職員に対し、関空の社長から直接訓示を行ったところであります。  今後とも、先生の御指摘を十分踏まえまして、綱紀の粛正に努めてまいりたいと思います。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 綱紀の粛正ということで注意を促すのは大変結構なことであると思うんですが、しかし重要なことは、なぜこういうことが発生したのか、そして原因究明、その会社の運営のあり方であるとか、そういったことに対して原因を追求することが重要なんじゃないかと思いますが、そうしたこと、これを会社に報告をさせ、あるいは検査することができるとなっているんですが、そういった対応はされていないということなんですか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生の御指摘いただいていることは当然のことでありまして、私どもも、原因究明、同時に監督指導、これからも努力をしていきたい。いろいろと経過の報告等については報告を受け、それに沿って監督指導してまいりたいと思っております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 私がこういうことを申し上げるのは、やはり今回の事件というのは、もちろん服部前社長個人が起こした事件ではありますけれども、私は、どうもこうした犯罪が起こり得た会社の運営のあり方や体質にも問題があるんじゃないかと思うから、その会社の方にもきっちり報告、検査を行うべきじゃないかというふうに考えているわけであります。  九五年五月にも同様の、これは同社の課長の収賄事件が起きておりますし、この関空の会社にこうした汚職事件、そういったものが起こりやすい土壌があるんじゃないかというふうに考えざるを得ないわけでありまして、今回の事件について若干申し上げれば、旅客ターミナルビルの清掃業務の契約が問題になりまして、報道によりますと、当初名乗りを上げた九十七の業者の中から九四年一月に六社が選定されたというふうになっております。  運輸省の方に届け出てあります会社の規則によれば、これは運輸省から伺ったところによれば、こうした役務の契約というのは競争を原則とするということになっているようでありますけれども、この清掃業務の契約において、この選定が、こうした競争入札など適正な手続をとって行われたのかどうか。どうも報道等を見ていますと行われていないような感じでありますけれども、その点、適正に行われたのかどうか、お伺いしたいと思います。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 ただいまの件でございますが、平成五年に公募をいたしました。その結果、九十七社という大変多くの会社から申し込みがありまして、それをとりあえず書面審査で二十社に絞りました。その後、この二十社にそれぞれ、プロポーザル方式と言っておりますが、どういう形で当該業務を進めるかということを出していただきまして、それを判断材料といたしまして最終的に六社に選定したという経緯でございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 今プロポーザル方式ということが出ましたけれども、このプロポーザル方式、その提案内容をどのように審査したのか。これは、私が伺ったところでは、原則として競争で行わせるというふうに聞いたわけでありますし、当然、先ほど申し上げたように関空の方には公的資金が導入されているわけでありますから、極力効率的な予算の運用が必要だと思うんですが、そうした競争入札だとか競争の方法というのは考えられなかったのでしょうか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 関空会社からその件について我々も話を何回もお聞きいたしました。  その結果といたしまして、やはりあれだけの大きなビルの清掃をやるというためには、経験あるいは能力等が十分ないとなかなか難しいということで、この二十社の方々にそれぞれチャンスを設けまして、どういう形で業務をやるのかということをきちっと出していただいた上で六社を選んだ、こういう経緯でございまして、あくまでも関空の旅客ターミナルビル、この清掃業務が完全に行われるかどうかという点に絞って審査をしたものでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 国の機関や国の機関に準ずる機関というのは、これは会計法上も競争入札というのが原則になっております。  いろいろな形態があってそれも問題になっているわけでありますけれども、いずれにしても、最も効率的に予算を執行しなければいけないということでありますのでそういう原則になっているんだと思うんですが、これについて、ただいまの御説明ではちょっと納得できませんし、この関空の会社は、内規なんでしょうけれども、内規で定めている競争を原則とするということに違反した行為なんじゃないでしょうか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 このプロポーザル方式という方式は、必ずしも関空だけではなくて、ある程度認められている方式でございまして、具体的に申しますと、この清掃業務の品質を確保するために、この二十社からコストあるいは提案の内容、作業員の教育訓練あるいは雇用、こういう点につきましてかなり詳細な計画書を出していただきまして、それを公平な立場で判断をして六社に絞らせていただいた、こういう経緯と聞いております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 ということは、今回契約しましたこの清掃業務というのは特殊な業務であって、何か特別な技術が必要なのであえて例外としてそういうような契約方法をとったというふうに今の答弁では理解してよろしいんでしょうか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 例外と言うかどうか、そこはいろいろ議論が分かれると思いますが、関空会社としては、そういう形で、最も当該業務が円滑に行われる、かつ完全に行われるという判断ができました六社に絞ったということでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 これは、国の予算、なかんずく国民の税金を利用するという場合において、ちょっと余りにも判断に、その基準が今の御説明ではあいまい過ぎると思います。  これは、原則は原則ですし、国の機関は原則として競争を導入してやっているわけでありまして、しかも、運輸省から伺ったんですが、関空の株式会社の規則においてもそれが原則だと言われているそうじゃないですか。それを今のように、何か総合的な判断みたいな形で勝手に判断するというのは、これは国の金のむだ遣いじゃないんですか。ちょっと今のは納得できないです。もう一度説明していただきたいと思います。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 関空の中にも、こういう例、あるいはほかにつきまして、どういう形で契約するかという規定がございます。あくまでも原則として指名競争ということは、これは関空も十分承知しているところでございます。  ただ、この指名競争の例外として、一部の業務につきましては他の方法でもやむを得ない、こういう規定になっておりまして、その中で、契約の性質または目的が競争にはなじまないという場合には随意契約とすることもできる、こういう規定になっておりまして、その限定された範囲におきまして、限定された範囲の一つとして今回につきまして六社を選定したということでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 ちょっと判断の基準が、何かこの特殊性というのはよくわかりません。清掃業務が特殊であれば、何が特殊で何が一般なのかというのがよくわからないんですけれども。  報道によると、この清掃業務では、元請六社の役員の人たちなどの証言によると、元請のさらに下請の選定にまで関空の会社あるいはその子会社が関与していたという報道があります。これは新聞でも引用つきで報道されておりますし、例えば、ある元請の業者は、「下請けも空港会社が決めるのだな、と感じた」というふうに証言していますし、また別の業者も、「元請けと下請けの組み合わせまで決められた。直接発注する関連会社の役員から、」これは、関連会社というのは関空の関連会社、子会社でありますけれども、「関連会社の役員から、下請けはこの会社を使ってほしいと指示された」ということを明らかにしている。したがって、元請がどのように仕事をするかまで関空の会社が指示しなければならないから競争入札できなかったんじゃないですか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 いわゆる元請六社に絞りましたというところは、今先生が後半でお述べになったこととは直接の関係は我々はないと思っております。  六社がその後どういう形で下請を使い、あるいは、一部マスコミで言われておりますように、そこに関空の影響力といいましょうか、それがどう働いたかということが、実はまさに今の服部前社長の取り調べといいましょうか、それのポイントの一つに多分なっていると思っておりまして、私ども、それなりに今の点については非常に関心を持っておりますが、しばらくは、裁判あるいは司直の方の調査、これが進んでおりますから、その結果を見た上で我々なりにまた判断をしたいと思っております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 この清掃業務を請け負った元請のその下請の中には、服部氏が泉井氏から依頼を受けた産廃業者も含まれている。しかも、その元請六社中の三社の下請や孫請に入っているというわけですね。しかもこの産廃業者というのは清掃業務の経験もなく、請け負った仕事にも一切タッチせずに、再度それを一括下請に出してマージンだけを取っていたというふうにも報道されております。  こうしたことを見ると、これはやはり、今回これを入札にせずにそういうような随意契約というんでしょうか、プロポーザル方式というふうにおっしゃいましたけれども、にしたというのは、これは特定の業者を下請会社として入れるためにその元請会社も選ばなければいけなかった。しかも、その元請会社に特定の下請業者を入れさせるためには、その元請会社に、仕事に一切タッチしないいわゆるトンネル会社なわけですから、そこの取り分の利益を上乗せしなければいけない、そういう意味で入札ができなかったんではないんですか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生と政府委員との御論議を踏まえまして、やはり大事なことは、そういう疑惑を招かないように、業務内容をどう洗い直してそして見直していくかということだろうと思います。発注等のあり方等を含めまして、今後、業務内容につきましても適切な指導監督を行ってまいりたい、このように思っております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 ただいま大臣から見直しを行うということでありました。今回のこの収賄事件には、私は、こうした非常に不透明な運営がその根本にあったんじゃないかというふうに考えられるわけであります。これは、結果的には国民に損失を与えることでありますので、ぜひとも厳格な見直しをお願いしたいというふうに思います。  もう一つ、今回のこの事件の中で、ただいま問題としました清掃業務というのが、関空会社の子会社であります関西国際空港施設エンジニア株式会社を通じて発注されているわけでありますけれども、関西国際空港株式会社が株式の例えば五〇%以上、過半数を所有する子会社というのが、今挙げました空港施設エンジニアを初め六社あるというふうに聞いております。この施設エンジニア株式会社を初め三社の社長は、現在は関空の社長が兼務しておられますし、役員の約半数は国家公務員の出身者、官僚出身者であります。  これらの子会社というのは、本当に、関西空港も株式会社として、民間企業としてやっているわけですから、なぜ、あえてまたその中間にこういった子会社を置く必要性があったのか、その辺をお伺いしたいと思います。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 今先生御指摘のとおり、六社ほど子会社ができております。これをつくりました理由は、関西空港の建設あるいは運営というのは、あるいは先生、現場は当然ごらんいただいていると思いますが、大変膨大なシステムでございまして、これを関空会社そのものが端から端まで全部目を通すということはなかなか困難でございまして、そのポイントポイントにつきまして責任をとってくれる人を決めて、子会社をつくった上で関空の管理運営に万全を期した、こういう考えでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 いや、でも、今の説明は責任を分散するということであるんですが、私申し上げたように、六社のうち三社は同じ社長が兼任しているんですよ。それじゃ責任の分散にも何もならないじゃないですか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 ちょっと私の説明が不十分だったかもしれませんが、会社全体としてある部分について万全を期すようにこの子会社の方に仕事を任せたということでございまして、確かに三社、社長が兼務しておりますが、これは、そのときの重要度を見ながら社長が直接指揮命令をし、その下のスタッフが完全な業務を行うべく努力する、こういうシステムにしたものでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 今の説明でも、例えば、その子会社の一つは、役員の六名中三人が関空の株式会社の役員と兼務している。別の会社は、十三名の役員のうち五名が関空の株式会社と兼務している。これでは、何というのでしょうか、単に会社を、本来関西空港株式会社、親会社でできる業務を何かわざわざ分けて、しかも同じ役員に兼務させることによってチェック機能も働かない。先ほどの説明では十分納得できないわけであります。  それで、この問題についてさらに言及させていただきますが、例えば、これは運輸省からいただいた資料によればなんですが、その関連会社、子会社の六つのうちの一つであります関西国際空港セキュリティという株式会社があります。これは空港の施設の警備業務とそれから消防や防災の業務を行っているということでありますが、社長は、先ほど申し上げたように関空の社長が兼務しております。役員六人のうち三人はこれは国家公務員、官僚の出身者であります。さらに、こうした関西国際空港が契約している警備業務のうちの二五%の仕事をしている会社であります。  もう一つ、先ほど清掃業務のところで触れました施設エンジニア株式会社、これも内容を見てみますと、これは業務が施設の維持管理や環境衛生管理などを行っているわけですが、当然社長はまた親会社と兼務、役員の十三人中七人までが官僚出身者。それで、関空が発注します。そういう維持管理だとか清掃などの業務の約四〇%をこうした会社が受けているわけであります。  これを考えますと、一つの別の観点からいいますと、関空はその警備業務のうちこのセキュリティー会社には二五%しか出していない、あるいはその施設エンジニアには四〇%だ。ということは、これは純粋な民間企業でも同種の仕事は十分できるということですよね。ということであれば、こうした子会社というのは何で必要なのか、もう一度御答弁いただきたいと思います。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 今の先生の御指摘は両面あって、なぜ子会社をつくるんだ、公団そのものでやれないのかということの御指摘と、逆に、完全に民間会社に任したらどうかという、その両面があるかというふうに私は理解したわけでございますが、今先生たまたま名前を挙げていただきましたこのセキュリティーの会社、ここには三百人弱の人間が働いております。したがって、こういう方々を関空会社そのものの中に置いてやるのが効率的なのか、セキュリティーの専門家を集めてやるのが効果が出るかという比較からいいますと、私どもとしては、やはりこのセキュリティーの専門家を集めた会社の方が万全を期すことができるのではないかと思っております。  それから、一方、逆に、ではそこまでいくならばもっと民に任したらどうか、こういう御意見があります。これは私もよく理解できるところでございますが、ただ、何分にも関空という特殊な場所でございまして、これにつきましては、必要なときには関空本社といいましょうか、この意思がきちんと伝わり、それに従ったセキュリティーの充実をしていただける、こういうところでないとなかなか、完全に関空と離れた組織でこれだけの大きな仕事をお願いするのは少々無理かなということで、繰り返しになりますが、こういう子会社をつくった上で、そこで万全を期しているというものでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 全くわかりません。今のでは、だから民間企業でもできるのであれば、何も関空の、親会社が五〇%以上の株式を持った子会社なんかつくる必要は何もないというわけですね。これは何のためにつくってあるのか、その理由が全くわかりません。しかも六社あって、これはいずれも関空が親会社、この関空の、親会社の資金はどこから来ているかといえば、公的資金も含まれているわけでありまして、そういった出資する必要性というのは全くない。むだ遣いじゃないですか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 御指摘の点でございますが、セキュリティー会社を例にとって申し上げますと、関空のセキュリティーそのものをこの会社だけでやっているわけではございませんで、関空の中の特に注意を払わなければいけない大事なポイントに絞ってこの会社にやっていただいているということでございまして、それ以外のガードにつきましては民間会社にも門戸を開いているというのが現状でございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 どうもよくわかりません。  結果的に、明確な理由がなくてこういう会社を設立されているというのは、それは私が推察するにでありますけれども、一つには、先ほど言ったように役員の約半数は国家公務員、官僚の出身者であります。そのポストを確保するということが一つの目的なんじゃないですか。  と同時に、先ほど清掃業務の話をいたしました。これも、子会社であります関空の施設エンジニアという会社を通じて発注されたのですが、こうした不透明な発注形態を、その子会社をトンネル会社として使うために設置しているんじゃないですか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 繰り返しになりますが、私どもといたしましては、関空の円滑な運営のためには万全を期さなければいけないということでこういう方式をとったわけでございますが、特に国家公務員の出身者がかなりのウエートを占めているという点につきまして再三御指摘いただいておりますが、このうちのかなりの人数が兼務で、非常勤でございまして、この会社から例えば給与をもらうとか、そういうことは控えた上でやっているわけでございまして、最後に先生がおっしゃった、国民の方々にむだな負担をかけているのではないかということは、十分注意した上でやっているつもりでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 私は、別に役員の報酬だけを問題にしているわけじゃなくて、これは公的資金により出資されている親会社、子会社とはいえ、一つの営利企業を通せば当然そこにはマージンがあるわけですね。でなければ、その営利企業は成り立たない。一つ余計に通すことによって、そこから不当な支出、不適切な支出が行われているということを、可能性があるんじゃないかということを私は申し上げているわけであります。  これはあくまで国の予算でありますし国民の税金である。できるだけ節約して、しかも効率的に使うということの趣旨からすれば、こうした何かいかにもトンネル会社みたいな会社の必要性というのには非常に大きな疑問を感じるわけでありますし、これらの子会社の必要性につきまして、これはただいま私が申し上げた点も含めて再度見直していただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 政府委員と先生とのやりとりを聞いておりまして、一つ御理解いただきたいことは、やはり空港という極めて、ある意味では専門的な、技術的なことを必要とする分野が一方ではあるだろうというふうに思います。それと同時に、関空というのは、御承知のとおり海上に設置をいたしております。働いていただく場所というのが極めて特徴があるわけでございます。  そういうことを含めまして、子会社の社長が関空の役員を兼任しているというのは、一概に私はそれがだめだというふうには思いません。なぜなら、業務を遂行するのに、かえってその方がある意味ではいい面もあるのではないかな。  ただ、いろいろな分野で、今先生とのやりとりを聞いておりまして、できる限り民間に門戸を開く、また税金のむだ遣いにならないように、そういうことを念頭に、業務の内容、子会社との関連、そういうことを含めて、当然見直すところは見直していかなければいけない、そういう気持ちで今政府委員との御論議を聞かしていただいたところでございます。少なくとも、国民の皆様方の疑惑を招かないような、そういう関空の運営でありたいということを念頭に努力をしてみたいと考えております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 ぜひ今大臣の趣旨に沿って適切に対応していただきたいと思います。  それでもう一つ。こうしたいろいろ疑惑を持たれるようなことが関空の会社で行われていた、しかも、どうもこの清掃業務等に絡んでかなりでたらめなことも行われていたんじゃないかということが推察されるわけであります。そのときに、一体この会社の役員の方々は何をされていたんだろうかということを疑問に思うわけであります。  現在の関空の会社の役員の名簿を見てみますと、社長以外でも、運輸省を初めといたしまして警察庁、自治省、大蔵省、建設省の出身者の方が、しかも重要ポストにつかれていた方がずらっと並んでいる。大変立派な方々ばかりであります。これまでも大体おおむねこうした構成であったというふうに伺っております。しかし、大変立派な経歴をお持ちの重要なポストにつかれていた方だったのですが、残念ながら今回の事件のときにはチェック機能が働かなかった。  これはなぜなんだろうかと思ったときに、これはやはり身内というのでしょうか、同じ官僚出身者、中には運輸省の出身者の方も役員の中に二名おられますが、やはり身内だからどうしてもそういう相互の監視、管理が甘いんじゃないかというふうに思われます。  そういう意味で、今回、ここにこうした大変立派な方々を役員にそろえながら、そういう役員の方々の仕事が正直言って十分できなかったということでありますので、今後いわゆるこういう身内はなるべく少なくして、相互に、お互いに管理ができるような、監視ができるような体制を考えた上で役員の任命についても改めるべきだというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、関空は、御承知のとおり海上での大規模なプロジェクトであります。また、安全確保という意味で、航空業務に携わるという非常に専門的な、技術的な要素が求められる会社でございます。これは先生御理解いただいていると思っております。それだけに、やはり運輸行政の中で識見また経験を有する人というのが求められるというのは、私はある意味では当然のことではないかな。そういった観点で考えてみますと、役員構成の中でもそういう分野の経験者、識見者というのが多くなっているということは事実だろうというふうに思います。  しかしながら、今先生が御指摘いただいているようなチェック機能ということを考えてみますと、やはり監督指導の立場である私といたしましては、どういう面が今後直していかなければいけない点なのか、先生とのやりとりの中で、私も今後のそうした役員構成のあり方を含めまして検討してまいりたいと思っております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 しかし、今の大臣の御答弁、ちょっとおかしいのは、もちろん、例えば航空行政について十分な知識のある方がそれなりのポストにっかなくちゃいけない、これは理解できます。しかし、関空は株式会社でありまして、ということは、国家公務員法第百三条二項で民間企業の隔離というのがあります。つまり、官庁からの退職後二年以内は、その在職していた官庁と密接なかかわりがある営利企業には就職できないというくだりがありますね。ところが、大臣は、業務内容をよく知っているということであれば、これはその営利企業と密接なかかわりがあったというふうに理解されて、これは国家公務員法百三条の二項に抵触するんじゃないのですか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 私ども行政官が民に移るということにつきましては、先生御指摘のとおり、かなり厳しい制約がございます。  現在、国家公務員のOBの方が七人ほど役員になっておりますが、このすべてにつきましてそれぞれ、手続をとった上で行った方、あるいは、いわゆるクーリング期間と申しまして、それを経た上で行った方ということでございまして、その点につきましては、私ども特に問題はないと思っているところでございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 もちろん、問題があれば法律違反でありますので、これは当然重大な問題、責任になるわけでありますけれども、今大臣は、関空の特殊な、非常に技術的なこと、あるいは航空行政についての十分な知識が必要だと言ったわけですが、当然国家公務員法の百三条でもこれは制限されているんですが、ただし人事院規則というのがありまして、これは例外が認められているわけであります。  これは、例外が認められているというのはどういうことかといったら、官庁におった最後の五年間にこうした行政とは一切関係なかったということが証明された場合にのみ、例外として規定されておるわけですね。もちろん服部前社長の場合は、事務次官退任後ちょうど二年で社長になりましたので、この対象にはならなかった。ちょっとこの法律の内容については私も疑問を感じるのですけれども、これは法律でありますので、ここではさておきまして……。  ということは、五年間一切関係がなかったという方々を役員に入れるわけでありますから、これは何も運輸省であり、また警察庁、自治省、建設省なりの出身者じゃなくてもいいわけでありまして、逆に、今回は十分な役員体制の中でチェック機能が働かなかったということがわかったわけでありますから、これは抜本的に改めるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先ほども申し上げましたように、この件につきましては十分検討し、対処してまいりたいと思います。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 そこで、ただいま申し上げました国家公務員法百三条あるいは人事院規則の一四—四について若干お伺いしたいと思うのです。  人事院の毎年出しております、営利企業への就職の承認に関する報告書というのがございます。これを見ますと、当然のことでありますが、関西国際空港も営利企業でありますのでこの適用になりまして、この中にも関西国際空港の方に就職された方々もいらっしゃいますし、もちろん関西国際空港だけじゃなくて、あらゆる民間企業に離職後二年以内に就職された方についてここに書いてあるわけでありますけれども、これは人事院が承認するに当たりまして、人事院規則の一四—四の例外規定で認められているケースであります。  そうすると、この人事院の承認基準はどういうことなのか、どの辺、どういう基準なのか、ちょっと人事院の方にお伺いしたいと思います。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富政府委員 お答えを申し上げます。  委員既に十分御高承のとおりでございますが、営利企業への就職制限の制度といいますのは、退職した公務員、これの職業選択の自由ということと、それのかかわっておりました前の公務の公正な執行の確保の調和ということを図るものでございます。  人事院といたしましては、公務をめぐる最近の環境の変化や職員の職業意識といいますか、その変化などを踏まえまして、現行の承認基準ではどうかなということで所要の見直しが必要と判断をいたしまして、昨年八月の人事院の報告で見直しをするという旨を指摘を申し上げたところでございます。  さて、その見直しに当たりましては、審査の範囲、あるいはいろいろ職責がございますので職責に応じた規制のあり方はどうか、あるいは、一方逆に早期に退職して若いうちにかわっていくとかあるいは研究公務員とか、そういう余りに規制と関係のない人たちにはこれは弾力的な取り扱いをしたらどうかなというような検討も進めておりますけれども、ただいま委員の御指摘の幹部職員の就職の制限につきましては、その影響力というものを考えまして規制を強化しなければならないのではないか、そういうような方向で一定の結論を得るようなだいませっかく努力中でございます。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 ただいま人事院総裁の方から見直しを検討しているということでありますが、もちろん、公務員の営利企業への就職といってもすべてが天下りというようなことじゃなくて、大多数の方々というのは、公務員の一般職からいわゆる再就職という表現の方が適切なケースが多いわけであります。この七年のものを見ても、関西空港に就職されている方々の中にも、そういうふうに読んで当然納得のできるものもあります。  ただ一方、今もう総裁から既にお話がありましたけれども、例えばある方は、運輸省の局長をされていて、それが退職と同時に関西国際空港の常務に就任されている。これは、もちろん局長をされていたのが直接的に空港を所管している局ではなかったわけではありますけれども、私は、例えば局長のようなポストになれば、これは各省とも省議というものがありますね。省議で十分、運輸行政全般、運輸省の意思決定にも意思が反映できる立場にあるというふうに理解できますし、しかも、その再就職したのが関西空港でも役員、取締役という立場で、こちらも意思決定に参画する立場であります。もちろん、当然のことながら、こうした立場にある幹部の職員であれば、運輸省に対してもまた関空の中においても、これはいろいろな意味で、間接的というんでしょうか、影響力があるのは、これはもう否定できないところであると思います。  そういう意味で、私は、ただいま総裁の方からもありましたが、省庁の意思決定に参画するような局長以上の幹部で、就職する先の企業、これがなおかつその省庁と関係があると言われている企業であれば、その企業において意思決定に参画するような場合には、この承認の基準、これをもっと厳格に見直すべきじゃないかというふうに考えるわけであります。  ですから、とりわけ局長とか長官とかそういう重要なポストについている場合には、直接所管するような事柄でなくても、これは十分影響力があるというふうに判断できるわけでありますので、これは少なくとも、直接所管する局でなかったからこの企業の業務に影響がなかったというような判断というのは、私は到底納得の得られるものではないと思いますので、そこのところだけぜひ、その見直しの中で十分な検討、しかも速やかに検討していただくようにお願いいたします。総裁、いかがでしょうか。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富政府委員 ただいまの御意見のとおりにいたしてまいりたい、そういうふうに思っております。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 関西空港の問題につきましてずっと御質問させていただきまして、もう時間も押してまいりまして、ちょっと不十分な点もありますけれども、次のお話、一つだけ最後、述べさせていただきたいと思うのですが、これは、全くずっと話が変わって恐縮でございますけれども、自治省の方に、住民基本台帳ネットワークシステムについてちょっとお伺いしたいと思うのです。  自治省では、今国会に住民基本台帳法の改正案を提出予定というふうに我々は御説明を受けております。これまでのこの問題についての経緯を見ますと、平成八年三月には自治省行政局において、住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会の報告書が出ております。有識者の研究会でありますが、これは行政局長の諮問機関というふうに位置づけられております。また同年十二月には、住民基本台帳ネットワークシステム懇談会、これは自治大臣の懇談会ですが、報告書が出ております。  これらを踏まえて本国会にその改正案を提出ということなんでしょうけれども、この懇談会の報告書の内容を見てみますと、やはりこれは、各委員からも、このシステムの必要性については認められるものの、共通番号による個人情報の保護の問題であるとか、他の行政分野での利用や民間利用などどのように考えて位置づけていくのか。また、ネットワークと同時にICカード、住民基本台帳カードというものの導入も懇談会では言われているわけでありますけれども、こうしたカードの必要性などについて、いろいろな意見、疑問も提示されています。この報告書の中にも、結論からいうと、どうももっと国民的な議論が必要なんじゃないかというのがおおむねの意見だったのではないかというふうに思います。  そういう意味で、これまではこうした研究会だとか懇談会、いろいろ有識者の方々にも参画してもらっていますが、いわばあくまでも自治省の中での研究会、懇談会であります。多くの国民も今、この問題についていろいろな疑問や懸念を持ち始めております。ということを考えれば、今国会でこの法案の成立を目指すのは若干性急なのではないかなという率直な感想であります。  そこで、自治省の方に、ただいま申し上げました懇談会、研究会、こうしたところで提示された疑問にどのように対応されていくのか、また去年の十二月のこの報告書でもこういう疑問が残っているというものについて、今度の国会、まだ数カ月しかたっていない間に、法案の提出あるいはその成立を目指していくということについては時期尚早なのではないかと思いますが、今後予定されているスケジュール等について、自治省の見解を伺います。

松本英昭自治省行政局長

○松本政府委員 お答え申し上げます。  委員ただいま御指摘のように、この住民基本台帳ネットワークシステムにつきましては、研究会を設けまして、そして昨年にその報告をいただきました。その後、いわゆる各界の御意見を聞くということで、大臣のもとに懇談会を設けまして、いろいろと御議論をいただいて報告を受けたところでございます。  ただいま大変御心配をいただいております個人情報の保護につきましては、基本的にはOECDの理事会勧告人原則を前提といたしておりまして、今日的にも対応できるような、技術的にも万全の措置を講ずることといたしております。  例えば、行政機関等におきますコードの利用は必ず法令に基づくことにするとか、あるいは民間部門におきます利用につきましても原則としてこれを禁止するとか、あるいはただいまも御意見がございましたカードにつきまして、あくまでオンディマンド、いわゆる申請者のみに発行する、そういうことにいたしておりますし、カード内のデータの適切な保護等のために、ICカードといたしまして内部のデータを暗号化する等の措置を講ずることといたしております。  今後の問題でございますが、私ども、先ほど御指摘のありましたこの十二月の懇談会の報告におきまして、確かに御指摘のように慎重な意見もございましたけれども、多くの方々からはこれを進めるべきだという意見をいただいております。  なお、その後におきましても、いろいろな機会に御意見等をいただいておりまして、現在、地方公共団体と具体的な意見調整を進めますとともに、関係省庁ともこの利用方についての調整をいたしているところでございます。  なお、国民にも十分な御理解を賜りながら検討を進めてまいりたいと考えておりまして、そういう法制的、技術的な検討も一方で進めながら、何よりもこの制度の主体が地方公共団体でございますので、地方公共団体等との調整を図ってまいりまして、これらの準備が整えば国会の方にお諮りをさせていただきたい、かように考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。

上田勇新進党

○上田(勇)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、重要な問題でありますので、国会の場においても十分慎重な審議が行われるように我々も努力してまいりたいと思いますので、自治省の方でもぜひよろしくお願いいたします。  以上でございます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。  次に、武山百合子さん。

武山百合子新進党

○武山委員 新進党の武山百合子です。  まず初めに総理大臣にお聞きしたがったのですけれども、他の会に出席ということですので、官房長官にということでお願いしましたら、官房長官も十時十五分まで記者会見があるということで、最初の質問は後回しにいたしまして、直接破防法について入ります。  まず、オウムに破壊活動防止法を適用しないことが発表され、今、国民の多くは恐怖を抱いていることをまず御存じですかとお聞きしたいと思います。  公安審査委員の権威というものは尊重しなければいけませんけれども、それが法治国家だと思いますが、いかがでしょうか。  七名の審査委員のうち四名が弁護士さんなんですね。私の記憶では、オウムに破防法を適用した方がよいという声が登場したとき、日本弁護士会は、破壊活動防止法は弁護士会として断固反対を打ち出したわけなんですけれども、それなら、公安審査委員に破防法反対を会で決定している弁護士が四名も入っていたら、破防法不適当の結論が出るのは当然だと思います。  一つの国家、一つの国、民族を守り、国を形成して、国民、民族を犯罪から守る根本は何でしょうか。法律があってこそ、憲法があってこそ、国が守られ、国民が安心して生きていけるわけですけれども、私たちの国、その国としての権威を示すために、国を破壊しようという団体、個人には破防法が必要であろうと私は思います。  マスコミで、破防法は国民の基本的人権を踏みにじるものだと報道されましたが、完璧な法律というものはありますでしょうか。破防法は、適用できないなら再検討し、それにかわる法律をきようにでも提案することが政治家として国家国民に対する義務ではないかと思います。  アメリカのある有名な政治家は、私に、日本は国家の権威を示すものまで放棄してしまった、日本で犯罪を犯す限り、日本の国が犯罪人を守ってくれるとまで言われました。私は、加害者の人権は声を大に言いますが、犠牲者、被害者、その家族の人権を言わない民族だとまで言われました。  これに対してどう思いますか。このようなおかしな国になったのは何が原因でしょうか。これにかわる新しい法律を考えていますかどうか、お聞きしたいと思います。

松浦功自由民主党法務大臣

○松浦国務大臣 御質問を賜りました。三点だと理解をいたしております。  公安審査委員会、これが請求を棄却するということになったわけでございますが、この問題については、破防法が現在の社会の情勢の変化に照らして適正なものであるかどうかということが非常に大きな問題になっております。  これらにつきましては、このたびのオウム真理教に対する規制請求の手続、そういった過程において発生しました諸問題あるいは公安審査委員会の決定書の内容等を十分に審査をいたしました上で、適切に対応していくということであろうかと思っております。  また、公安審査委員会の委員の人選の問題については、御承知と存じますが、法律に規定がございまして、議会の同意を得て選任をしておるものでございます。極めて適切な方々が六カ月もの長期間にわたって十分な検討をなされて結論を出されたものというふうに私どもとしては受け取っております。  また、今後の問題につきましては、これまでの経過等を十分に踏まえまして、どういうふうにしていくか見きわめていかなければならない問題だと思っております。理屈が立つ状況になりますれば、新規立法も含めて十分に検討させていただきたいと思っております。

武山百合子新進党

○武山委員 私が頭が悪いのかどうか、意味不明というような感じで今受け取りました。  まず、公安審査委員会、七名いるうちに四人も弁護士だということですね。弁護士の皆さんはまさに断固として反対しているわけですね。時代の変化に伴ってやはり見直してこなかったというところにまず最大の原因があると思うのですね。ですから、もうこの際、二十一世紀、日本の国家づくりを今しているわけですから、真剣に議論をして、先送りしないで一つ一つやはり詰めていかなければいけないと思います。ぜひ詰めていただきたいと思います。

松浦功自由民主党法務大臣

○松浦国務大臣 お説のとおり、十分前向きに検討させていただきたいと思います。

武山百合子新進党

○武山委員 私は松浦法務大臣を信用いたしますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。  それでは、破防法はそのくらいにいたしまして、たくさん質問したいと思いますので次に移ります。  次は、大蔵大臣にお尋ねいたします。証券取引についてお伺いいたします。  日本の証券市場が停滞しているのはなぜかということなんですけれども、一般的にこれは、個人投資家ですね、その皆さんの御意見なんですけれども、店内規制や店頭規制と、多くの規制された市場である。まさに閉鎖市場。私、長いこと海外生活しましたけれども、外から見ていて、日本は本当に閉鎖市場、まさに閉鎖市場以外に言葉が見出されないような状態なんですね。  今度、ビッグバンという大きな構想のもとに、大変期待しております。ぜひ実現しなければいけないわけなんですけれども、まず質問の第一に、財団法人で証券保管振替機構というのがあるということは私は聞いているのですけれども、どのような目的で設立されているのかお聞きしたいと思います。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の財団は、主として大口の投資家を念頭に置いてでございますけれども、投資家が保有いたします有価証券、株式につきまして、それを保管をいたしまして、売買が行われますときに、その振替、株券の移動をその機構において行われるようにするための仕事をするために設立された財団でございます。

武山百合子新進党

○武山委員 どのように運用されているかというところもちょっとお聞きしたいと思いますけれども、この機構は投資家にとってどのようなメリットがあるのか具体的にお聞きしたいと思います。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 大量の株券を保有します投資家にとりましては、株券の保管場所、それから取引に伴いますときに物的な移動の必要性がございますので、それを代行するという意味で投資家にとってメリットのある組織でございます。

武山百合子新進党

○武山委員 それでは、業界、業者、また大蔵省にはどんなメリットがあるのでしょうか。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 業界あるいは官庁へのメリットと申しますよりは、投資家にとってのものでございまして、自分でもちろん株券を自分の金庫に保管なされることも可能でございますし、それが便利とお考えであればこの機構をお使いになるという財団でございます。

武山百合子新進党

○武山委員 何となく聞こえはいいのですけれども、何か個人投資家無視のような答えのように感じました。  株取引には、信用取引以外に貸し株制度があるということを聞いておりますけれども、この制度は投資家も平等に利用できる制度なのかどうか、ぜひお聞きしたいと思います。  それからもう一点、貸し株が特別な投資家に利用されている場合、信用取引同様ディスクロージャーされているのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 お答え申し上げます。  信用取引につきましては、その取引に伴うそれぞれのルールがございますけれども、利用が特段の方に制約されておるということはございません。  それから、貸し株につきましては、現在は信用取引の一環として行われておりますけれども、これを幅広く広げていく方途はないかということが現在検討課題になっておりますけれども、貸し株自体につきましてディスクロージャーという面の問題が大きい問題だという認識は持っておりません。

武山百合子新進党

○武山委員 そのディスクロージャーが問題なんですよね。やはりそういう方向で話は進んでいるのでしょうか。  株券等の大量保有の状況に関する開示制度、何か五%ルールがあると聞いているのですけれども、これは投資家が発行株式の五%以上取得した場合、また売却する場合ともに大蔵省に届け出ることになっているということなんですね。それで、買い方にだけこの五%ルールが適用されて、そして売り方には適用されていないのはおかしいのではないかと思いますけれども、私は全く株は素人なんですけれども、おかしいと思っているのですけれども、その辺ぜひ説明していただきたいと思います。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 株式につきまして大型の取引があり、株主構成に大きな変化があります場合には、そのこと自体他の投資家にとりましても大きな判断材料になり得ると考えておりますので、その大口の取得が行われた場合に、五%ルールということで開示をさせていただいております。

武山百合子新進党

○武山委員 恐らく会社乗っ取り防止のためとかいろいろ理由があるのだと思いますけれども、外国ではこういう制約というのはないのではないかと思いますけれども、日本だけ、やはりずっと慣例だということでこれからも続けていくのでしょうか。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 ただいま詳しく外国の制度を手元に承知しておりませんので、後刻御報告させていただきたいと存じますけれども、株式の取引に関連いたしまして不明朗なことがないか、あるいは不正な取引のおそれはないかといったことをチェックする立場から現在の制度を日本においてとらせていただいておりますし、このこと自体は、株の取引を制限するというよりは、株式市場をより公正、公明なものにするための措置と御理解いただきたいと存じます。

武山百合子新進党

○武山委員 株の取引はあくまでもフェアでやること、すなわち公明、公正でやるということが前提ですけれども、これから金融改革をしようというのに、外国の、ましてや一番おくれている部分の、日本の証券市場一番おくれている部分の比較の部分の外国でのルールを知らないというのは非常に不安ですよね。まさに不安だと思います。知らないというのはもう信じられない答弁だと思いますけれども、がっくりきました。それだけちょっとお話ししておきます。  次に移ります。  買い方が株式を買った原資の出所、それによるもうけまで明らかにされるわけですけれども、これではとても資産家は市場に本格的な参入はできないわけで、公正ではないと思いますね。それで、その株式市場に店頭規制、店内規制という言葉があるのすら御存じでしょうか。証券会社の規模によりいろいろ差はあると思いますけれども、その中で、まず連続して三日同一銘柄の買い注文に対して禁止勧告、注文を受けないと業界では言われていると聞いていますけれども、これは事実でしょうか。まさに、まさにアンフェアではないかと思いますけれども。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 御指摘のルールとおっしゃいますものがどういう形のものであるか、多少私は正確に理解しかねておるところがあるかもしれませんけれども、例えば過去におきましても株式市場におきまして、例えで恐縮でございますけれども、例えばリクルート事件といったようなものがございました。そういったようなことに際しまして、やはり特定の株の取引といったものにつきまして、一定の公明なルールといったものが適用されてしかるべきということで、取引につきまして不明な取引が行われないような規制といったものが存在することは事実でございますけれども、そのこと自体、先ほど申しましたように株式市場で公明な取引が行われるようなものというふうに御理解いただきたいと思います。

武山百合子新進党

○武山委員 まさに業と官の癒着だと思いますけれども、知っておると言っていて、その辺の指導というのは全然なされていないような今答弁なんですけれども。  まずお聞きしますけれども、では、こういうことはもちろん御存じだと思いますけれども、なぜか聞きたいのですけれども、引け十五分前、すなわち午後二時四十五分の成り行き買い、それを自粛するというのですね。ストップする。売りは午後三時まで自由なのだというわけですね。  これは世界じゅう三時までは自由に売り買いできるというのがもう原則になっているそうですけれども、日本だけ十五分前にストップをかけられるというのですね。買いの方のストップですね。証券会社独自でストップをかけられるはずがないし、資格もないはずですけれども、この事実はどういうふうに受けとめていますでしょうか。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 証券会社自身でどのような経営的な姿勢をとっておられるかわかりませんけれども、私どものルールといたしましては、かつて確かに取引終了間際に証券会社の自己売買によって引け値がいわば短時間の売買によって形成されてしまうということがないように、十五分間の売買の自粛という措置がとられていたことはございますけれども、先般来の規制緩和の一環として、この十五分間の売買の規制というものは撤廃されておると理解いたしております。

武山百合子新進党

○武山委員 一般の投資家の声をぜひ耳にして、現実に受けとめて、そして対応していただきたいと思うのですね。株式市場の規制を緩和してアンフェアなものをなくし、一般の人にもその仕組みを理解できるようにするならば、市場はもっと活性化すると思うのです。  今、株は下がる一方で何一つ手の打ちようがない、いいアイデアがあったら教えてほしいという先日の大蔵大臣や官房長官の発言は、私はびっくりしまして、国家の最高権威にいる方の発言とはとても思えず、無責任きわまる言動だと、本当に申しわけございませんけれども、そう私自身思っております。  財政構造改革は、大蔵省、検査・監督の一体分離、財政と金融の分離がどうしても必要となるわけですけれども、分離する意思があるのかどうか、方向を打ち出していただきたいと思います。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 先ほど不正確に申し上げてはと思いましたので大変御無礼いたしましたけれども、五%ルールにつきましては、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツとも、日本と全く同じ五%ルールを適用いたしております。先ほどは大変御無礼をいたしました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 いいですか。今向こうで準備しています。手をまだ挙げていませんから、ちょっと待ってください。  では、三塚大蔵大臣。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 お声がかかるのを待っておりました。  段々の質疑を聞いておりました。今回の金融システムの改革、改善、マーケットにとりましては大革命だと思います。そういう点で、グローバルというのは国際的に通用する市場をつくり上げていく、こういうことでございますから、規制緩和が大前提になります。  ロンドンに行っても日本に来ても、ニューヨークであろうとフランクフルトであろうとシンガポールであろうと香港であろうと、行って売買ができる、こういう東京市場でなければなりません。その方向で今真剣な協議が行われておるところでございます。

武山百合子新進党

○武山委員 ぜひ国民の期待を裏切らないで、絶対に改革していただきたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 はい、承知しました。

武山百合子新進党

○武山委員 ありがとうございます。  それでは、官房長官がお見えになりましたので、総理大臣に伺おうと思った点をぜひお聞きしたいと思います。  橋本総理大臣は、六つの分野の改革を掲げ、火だるまになって実行すると。非常に期待しております。  私は、日本のシステム全般を見直さないと、日本は二十一世紀に本当に沈没すると思っております。日本人とは何か、国際化時代に突入して、日本人は国の何を誇りとしたらよいのでしょうか。  私たちが日本より外に出るとき絶対必要なものは、それはパスポートなんですけれども、パスポートは何を示すものでしょうか。パスポートが日本国民である存在を示すもので、その人物の存在を日本の国が証明するわけですけれども、二十一世紀の日本をどのような姿にしようとしているのか。今、制度改革がほとんど言われておりまして、国家の理念、二十一世紀にどんな日本をつくるのか、税制はどうするのか、環境はどうするのか、本当に大きな哲学、理念というのが後回しになってしまいまして、制度改革の方にずっと走っているわけですね。  それで、私は理念なき国家なんてあり得ないと思うのです。まさに今考える時期だと思うのですけれども、総理のかわりに官房長官、その理念、二十一世紀の日本の姿をぜひお話ししていただきたいと思います。

梶山静六自由民主党内閣官房長官・外務大臣臨時代理

○梶山国務大臣 私に対する質問かと思いましたら、総理大臣に対する質問を私に代理して答弁をしろということでございますが、総理のような高邁な政治手法や社会哲学を持っている方と違いまして、私は既に七十歳、古い時代にどっぷりつかって生きてきた人間であります。そして、今感じますことは、このままの世の中を次の世代に送っていいのかしらということが一つあります。それから、あなたのように国際感覚のない、極めて私はドメスチックな人間でありますから、国内的な見方からいって果たしてどうなのか、この二つの点を自問自答しながら今日まで参っております。  今総理の言っている六つの改革というのは、ただ単に制度ということではなくて、お考えになればおわかりのように、今、日本がこれをすぐしなければ、果たして次に私たちが経済的にも精神的にも、あるいは活力のある社会が残せるかどうかという瀬戸際というと大げさでございますが、座して死を待つという言葉が昔にございましたけれども、そうではなくて、このままいけば間違いなく、今、日本人の感覚的なもので言う経済力やその他で衰退国家になるであろう、その緊急避難をしなければならないのが私はこの六つの改革であろうかと思います。  ですから、次の世代をどんなふうな展望を持ってということよりも、それができ上がらないと次の展望を幾ら持ってみても切り開くことができない、そういう懸念を持ちます。     〔委員長退席、小里委員長代理着席〕  ですから、我々日本人、決して過去に賢明でなかったわけではありません。明治維新のときに一つの開国を要請をされ、文字どおり鎖国から開国をいたして近代国家への道を歩んだ。昭和二十年、戦いに敗れて、軍事国家から新たな民主的な国家、自由な国家に転身を、開国をいたしました。  今はどういう時期かというと、私は、よくもあしくもいわば国際化の求められている開国ではないかという気がいたします。日本だけがいい環境で、このものは開国をする、このものは開国をしないという選択を許されない国際化が進んでいる。その中の苦痛を我々は味わいながら、次に、今までやりおおせてきた一つの富というか価値というか、そういうものを次の時代に送りたい。  そして、それぞれが思うことは、そういう社会の上に成り立って、なおかつ、個人がどう生きるかという個々人の認識ないしは哲学、そういうものが自由闊達に生かされる社会をつくるべき大変難しい時期に今は逢着をし、そのための、私たちは次なる時代の若い方々が自由闊達に生きられる基盤をつくるために懸命な努力をしなければならない。そういう位置づけのもとに恐らく総理は六つの改革を言い、六つの改革を通りおおせれば、私は健全な社会ができ上がる。  私たちの社会哲学というのは、どちらかというと古い時代、恥を知る文化、これから始まった我々日本人の長い伝統があります。豊かな社会というからには、その反語である豊かさの哲学というか、そういうものを持ち合わせるような社会ができることを念願してやっていかなければならないと思います。

武山百合子新進党

○武山委員 どうもありがとうございます。  今のお言葉の中に国際化社会ということで、大変私も共感いたしました。ぜひそのような方向で、哲学、理念としては不服ですけれども、国際化社会ということで、そういう方向に行かれるということでともにやっていきたいと思います。  この国際化社会、今お話しになりましたように、古い時代と新しい時代のちょうど今接点なわけですね。まさにその改革を本当にやっていこうとするエネルギーというのは若い人たちだと思うのですね。古い時代の方の教えももちろん私たちは受けて改革していかなければいけないのですけれども、そこでネックになっているのは、やはり世代交代が進んでいない部分だと思うのですね。ですから、ぜひ大先輩方には、私たち若い人の改革のエネルギーを育てていただけるように、足を引っ張らないように、やはり速度をスピーディーにやっていかなければいけないと思うのですね。ですから、その辺、ぜひ育てていただきたいと思います。  それでは、国際化社会ということで、私も、在外邦人の投票制度、臓器移植、そして学校給食と、質問をしたいと思います。  文部大臣にお願いいたします。  学校給食ですけれども、戦後の食糧難のときにできた学校給食制度は、現在の食生活には全く合わなくなっているのではなかろうかと思います。大きく見直すときに来ているわけですね。  記憶にも新しいように、O157の問題で、給食調理の現場も外食産業の衛生管理者の目から見ると極めてお粗末で、食中毒予防への問題意識も低いという批判が出ています。もう時期的に、生徒たちの希望を入れたランチタイムの昼食の時間を導入していいのではなかろうかと思います。  例えばアメリカでは、学校給食は外部に委託してホテルやそういう外食産業がつくったりしまして、学校の食堂では温めるだけの作業をしているわけなんですね。それから、給食には、日がわりメニューのほかにアイスクリームとかクッキーとかジュースなども売られておりまして、子供たちは自由に買うことができるわけです。また、もう一つの選択としまして、お弁当を家から持参して食べてもいいわけなんですね。二つの選択があるわけなんです。  それから、地域によりまして、地方分権がもうとっくにされておりますので、地域の考え方が主になっておりまして、権限と財源があるものですから、その地域でこういう教育をしたいということであれば、もうそれは自由にリーダーシップをとってできるわけなんですね。  それで、本当にここは珍しいなと思って記憶に残っているところは、低学年の子供だけは、家庭に帰してお昼をお母さんと食べるわけなんです。そこはもう確固たる地域で、その考えに賛成できなかったらほかの地域に家を求める、そこがいいとしてそこに家を求めてそこの学校に行かせる、そういう地域もあるのですね。ですから、お母さんはその昼食の時間は必ずおうちにいて、子供が十分、十五分で学校から自宅まで帰ってきまして、そこで食事を一緒にして帰している、そういう選択の地域もあるわけなんですね、とっくに御存じだと思しますけれども。  ですから、ぜひ、そういう方向も考えていらっしゃるのかどうか、文部大臣のリーダーシップの内容をお聞きしたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 まず、O157の問題ですが、これは、昨年来大変大きな社会問題となってまいりましたのにかんがみまして、文部省としても、緊急かつ重要な課題として取り組んでまいりました。  特に、この再発防止のために、専門家から成る協力者会議というのを設けまして、現場の視察を初めいろいろな研究をしていただきました結果、学校の施設設備の改善とか、あるいは学校給食に携わる人たちの意識改革とか、あるいは日常の調理上の工夫改善、こういう勧告を昨年の暮れにいただきました。衛生管理の面では、日常点検の徹底を図るということを、いろいろな会議とか通知を通じて周知徹底を図ったところであります。  具体的に、平成九年度予算におきましては、例えば、ドライシステムの導入というようなことで施設の充実を図っておりますし、また、学校の調理員とか栄養士さんに対する研修の予算なども計上しております。既に、冷凍庫につきましては、平成八年度補正予算で決めていただきました。今後とも、教育委員会とか各都道府県、市町村に、このO157の再発防止ということを徹底してやっていきたいと思っております。  それから、学校給食につきましては、これは戦後と現在では大分状況が変わってきておりますけれども、みんなが、子供たちが調理の現場を見たり、あるいはみんなで一緒にその準備をしたり一緒に食事をする、そういうことを通じての教育的な効果といいますか、学校活動の一環として全員を対象にやっているわけでございます。  今、もう少し自由化したらどうか、こういうお話でありますが、これは例えば、複数の献立というのは今でもやっておりますし、それから地域によってはカフェテリア方式、つまりテーブルに並んだもので好きなものを選ぶとかあるいはバイキング式の給食、これはそれぞれの地域、学校の実態に応じて工夫できる余地を残しておりますので、それはぜひそうしたそれぞれの地域で独創的なやり方をやっていただきたいと考えております。  それから、弁当の持参とか低学年の人が家庭に帰って食べるとか、そういういろいろなお話もありましたけれども、これは、先ほど申し上げたように、事前の準備とか配食とか後片づけなどを通じて児童生徒に集団生活を体得させたり、共同、協調の精神を植えつけるという教育的な意義を持っておりますので、今直ちにこれを、全く弁当持参を認めるということは考えておりませんが、十分これからの給食のあり方については研究してまいりたいと思っております。

武山百合子新進党

○武山委員 それでは小杉文部大臣、小杉文部大臣がもし小学生でしたら、小杉文部大臣はどの選択をしたいと思いますか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 私も実際に、共同調理場とか個別調理場を見てまいりました。カレーライスと牛乳の冷たいのを一本当されまして、ちょっと戸惑ったのですね。まあ、中にはポットにウーロン茶を温めて持ってきている子供さんもいましたし、私としては、カフェテリア方式といいますか、何品かおかずを並べて児童生徒が好きなものを選んで食べられるような、そういう少しバラエティーに富んだ学校給食のあり方というものをもっと取り入れていいのじゃないかと思います。

武山百合子新進党

○武山委員 いや本当に、規制をなくして個性の時代に入るというのに、小杉文部大臣には申しわけないですけれども非常に古い考えで、それで子供たちの気持ちというものをわかっているとは、失礼ですけれども、とても考えられないです。やはり、その選択の自由の幅をきかせるということだと思うのですね。やはり子供の身になって考えてあげないと、子供たちは、調理場のすばらしい設備を見るとかなんて、家庭の調理場の方が今立派ですよ。  やはり、家庭でしつける問題、学校でやる問題というのは仕分けしないと、すべて学校に任せて、すべて国が責任を持つ、そういう考えはおやめになってください。やはりそういう分業してやっていくという方向に行かないと、子供たち、我慢して小学校、中学校、高校は送っても、大学、大人になったら、もうどんどん人の空洞化になってしまいますよ。どれだけの若い人が外国がいい、外国へ行って住みたいというか、その実態はおわかりだと思うのですね。やはり本音の部分で正直に対応しないと、本当に衰退の危機だと思います。やはり、我々国会議員がそういう危機感をあらゆるところに持たなければいけないと思うのですよ。それについて、ぜひお答えいただきたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 今度の教育改革プログラムでも、できるだけ今までの画一的な制度から、もう少し柔軟性といいますか、そういったものを導入しよう、こういう考え方でおります。  それから、今、保健体育審議会というところに諮問をいたしまして、最近の児童生徒の体力が落ちている、そういうことにかんがみまして、もう少し学校給食のあり方についても、今御指摘のことは十分私も傾聴したいと思いますが、できる限り、限られた予算と設備の中でどれだけ児童生徒が選択の幅を広げることができるか、そういう点について十分これからも努力していきたいと思っております。

武山百合子新進党

○武山委員 私は、埼玉県の小さな三万九千の、もう本当に小さな庄和町というところの出身なんですけれども、以前、そこの町長をした方が給食廃止にメスを入れて、一躍名前が全国的になったところなんです。そこは、年間三億円の給食の費用を捻出しているわけなんですね。その町長さんは、その年間の給食費三億円をもう自由にしてお弁当にしたい、三億円をぜひコンピューターや英語教育に使いたいと言ったわけです。(発言する者あり)おっこちたわけじゃないんです。その方は死んでしまったんです。給食廃止を叫びまして、三カ月後にがんで急死してしまったんです。そういうふうにして、地方自治の首長さんはやはり考えていらっしゃる方もいるわけなんです。  ですから文部大臣、私が文部大臣になりましたら、即そうしますよ。もう絶対に、小杉文部大臣、自分一人のリーダーシップでできるわけですから、最高の自分の権限を得たわけですから、ぜひ清水の舞台から飛びおりていただきたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 御意見は御意見として十分参考にさせていただいて、これから学校給食のあり方も含めまして、青少年の体位向上とか健康、スポーツ、そういう面の検討を本格的にやっていきたいと思っておりますので、貴重な御意見を十分参考にさせていただきます。

武山百合子新進党

○武山委員 また小杉文部大臣とは時間をとりましてぜひお話をしたいと思います。  それでは、次に移ります。  在外邦人投票制度について、自治大臣に伺います。  与党三党はこの問題について一昨年の秋には基本的に同意しているにもかかわらず、政府部内の調整に手間取り、具体案がまとまらないのは怠慢と言わざるを得ません。国際化が進んで、八四年に法案を提出した当時よりずっとふえまして、今、海外に長期在住する有権者が推定約五十万人おるわけですね。そして、その代表が憲法違反として提訴していることは御存じのとおりだと思いますけれども、もう先延ばしすることはできないところに来ているわけなんですね。  そして、今必要なのは、在外邦人の投票制度を一九九八年度の参議院選挙より実施することをまず決めることなんですね。それが決まれば、あとはもう方法論の問題ですから。方法論でいろいろ、郵便投票だとか現地の公館でするとか、その問題で煮詰まらないということですけれども、ぜひ、やるかやらないのか、答えていただきたいと思います。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 在外投票につきましては、今御指摘のとおり、与党政治改革協議会における協議の経過を踏まえて、現在、自治省といたしましては、投票の具体的方法等について、選挙の公正確保、適正かつ円満な執行という観点から外務省を初めとする関係省庁と協議を行っているところでありますが、今後ともその実現に向けて検討してまいりたいと思います。  気持ちはわかるんですが、いざ具体的に執行するとなると、実務的にはいろいろ詰めなきゃならぬところがありまして、やるという前提ですが、例えば公館等でとても対応できないというような率直な事情もありまして、そこを今鋭意詰めているところでございますので、御了承いただきたいと思います。

武山百合子新進党

○武山委員 先ほど官房長官も国際化の時代に沿って日本を改革するという、もちろん私もそう思っておりますけれども、全く国際化の時代になかなか進まないというのが問題なんですね。  それで、先進諸国で本当にこの投票制度が行われていない国は、日本ともう一カ国、たしかイタリアかなんかだったと思いますけれども、ぜひ日本は進めていただきたいと思います。スピーディーの問題だと思います。お願いいたします。  次に移ります。臓器移植について、厚生大臣にお願いいたします。  現在、いろいろな臓器移植ネットワーク制度の定着に伴って、国際協力は避けて通れない状況になってきていますが、海外から一方的に日本が臓器の提供を受けるという現状は、相互提供を前提とする国際提携の精神にそぐわないわけなんですね。いつまでも国際信義に反することを続けていては、やがて諸外国から臓器提供を拒絶されるようになると思います。  各国ともいろいろな障害を乗り越えてやっているわけなんですけれども、日本も国内ですべての臓器移植ができるように大枠をつくることが急務だと思います。後で決めればよい細則にこだわっていては前に進まないと思います。今はまず決断のときだと思いますけれども、その辺をどう考えていらっしゃいますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 臓器移植は、今問題は、心臓移植、肝臓移植は脳死状態でないとできない、この脳死を死と認めるかどうかというところで、今、日本でも大変な議論が行われて、賛否両論あるんです。臓器移植は行われているんですが、移植しないともう助からないという患者さんは、確かに現在外国へ行って心臓移植やら肝臓移植をされて、日本は金でそういうのを買っていいのかという一部に批判が出ているのも事実であります。  この問題については、今国会においても、何とか心臓移植、肝臓移植も日本で行いたいという積極的な意見を持っている方々が今努力されておりますが、厚生省としても、国際的に相互的な関係を構築できるような環境を整えていく必要があると思いますが、問題は、脳死を死と認めるかどうか。この国会での議論を見守りながら、できるだけ国際的にも批判を浴びないような環境を整えていきたい、そう思っております。

武山百合子新進党

○武山委員 廃案、廃案ということで、一回も俎上に上らなかったわけですから、ぜひ議論していただきたいと思います。  そして脳死の問題ですけれども、臓器を提供したいという方、もちろんしたくない人はしなくていいわけなんです。提供したいという希望の枠をやはり広げてもらいたい。ほんのちょっと広げていただきたいというところなんですね、したいという人のために。選択は自由なわけですから。  私、先ほど外国に住んでいたというお話をしましたけれども、もうある国では免許証に、十六歳からアメリカは免許証を取れるんですけれども、運転免許が。そのときに、免許を取るときに、交通事故に遭ってもし死んだら、目の角膜ですね、それを寄贈するかどうか、その場で聞くんですね。それで、大体みんなイエスということで、もうそこに、免許証の中に書かれているわけなんです。そのくらい発達しているわけなんですね。ですから、ぜひ進めていただきたいと思います。  それでは次にNPO法案について、大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。  民間非営利団体、ノンプロフィット・オーガニゼーションですけれども、民間の手によるもの、もう非営利団体については大分議論をされつつありますので、ここに出席の皆さんはほとんどおわかりかと思いますけれども、まず民間の手によるもの、つまり政府機関ではない、同時に、仲間のため、世のため、人のためのもの、つまり利益追求を目的とする企業のような存在ではないということですね、このノンプロフィット・オーガニゼーションというのは。そして、このような団体の活動資金の大部分は寄附によっていますけれども、ほとんどの国では、その寄附した金額は個人や法人の所得税から免除の対象となっているわけなんです。そして、税控除条項なしのNPO法案は、私は意味がないと思っているんですね。  例えば、これから地方分権が進んでいきます。A市でガールスカウトの会があるとかボーイスカウトの会があるとか野球チームがあるとか、それからその町、A市に交響楽団があるとか、本当に市民の間から発想されて、そして自分たちで活動の運営費を寄附して、それでその団体の運営をするわけですね。そういうものに対して、税の控除をしてもらいたいということなんです。そうすると、今まで行政の下請みたいにして行政から補助金をもらったりしている部分が減るわけなんです。  結局、国から税金が出るか、個人から出るかの違いなんですけれども、その個人の寄附を、税から控除していただきたい。そのことによってこの非営利団体の活動の場が広まる、そして自分がこういうもので生きがいを感じる、そういう団体なんですね。ですから、その辺の税の控除に対しての大蔵大臣の見解を聞きたいと思います。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 寄附金控除についての御質問でございます。  NPOに関しまして、いわゆる市民活動団体につきまして、現在、与党及び新進党から法案が出されていることを承知しております。その法案の中でもこの問題が取り扱われているわけでございますが、NPOの団体の課税の問題と、それからNPOに対する個人なり法人の寄附の取り扱いの二つの問題があろうかと思います。  この点についての私どもの考え方は、御指摘のように、一番基本的には、寄附として出すことと税金を払っていただくことの関係についてどう考えるかということで、寄附金についてのその社会の考え方というのがあろうかと思います。  どちらかと言いますと、日本の場合につきましては、ヨーロッパあるいはアメリカに比べて、寄附と税金との関係につきまして、税金も立派な国に対する寄与であるという考え方から、行く先を決めない税金を中心にお払いいただきたいという考え方になっている点はそのとおりだと思います。  なお、もう一つ申し上げたいのは、例えば所得税の世界で、アメリカなりイギリスと日本の所得税を比較いたしますと、圧倒的に日本の所得税が、中低所得者に関しては低くなっております。半分あるいはそれ以下という状況になっておりまして、そもそも、税金をお払いいただいた残りのところから寄附をしていただくという発想に整理されているという点を申し上げることができるかと思います。  いずれにいたしましても、今出されている法案につきましては、国会での御審議を見守らせていただきたいと思っております。

武山百合子新進党

○武山委員 今の説明の中に、日本の所得税、中堅者層が低くなっているというお話がありましたけれども、日本は公共料金が大変高いと思います。電気料金、ガス料金、それから高速道路にしましても、本当にあらゆる物価が高いわけですね。公共料金が高いわけですね。  アメリカの例を申しますと、まず、高速道路の通行料ですけれども、大体一時間、二時間、三時間走っても百五十円、三百円ぐらいなんですよね。ところが、私が地元の埼玉県岩槻、春日部に行きますと、やはり数千円かかってしまうんですね。それで、公共料金が非常に高いということですので、日本が所得税、中間給与者の所得税が低いといいましても、他の税金、物価が高いわけですから、私はそれほど日本が優遇されているとは思いません。ぜひその辺を考慮していただきたいと思います。  それから、厚生大臣が退席されるということで、先に一つ質問したいと思います。  先日、水俣病問題の解決についての公害健康被害補償不服審査会の人事案件が来たわけなんです。それで、私、こう見ましたら、公害健康被害補償不服審査会委員一覧表というのを見まして、ここで、二人の方が任期が切れまして、これを認めてほしいということで、環境委員会に属しておったものですから、この案件が来ました。  それで、このお二人の継続、十二月二十四日、去年任期が切れまして、今度三年継続するために根回しに来られたということで、お聞きしましたら、五回も六回もこれを継続してもらうために根回しに来たというわけなんですね。その根回しの頻繁な数に驚いたことと、それからこの一覧表を見ましたら、みんな厚生省と環境庁、天下りなんですね。私、本当に政治の世界に入って浅いものですから、勉強不足なものですから、よく知らないで、今まさに社会的批判を浴びている天下り大事なわけで、全く驚きました。  そして、この方は、まず環境庁のいわゆる事務次官をやって、退職した後、社会福祉・医療事業団、その副理事長、理事長とされまして、それから公害健康被害補償不服審査会に天下ってきているわけなんですね。  何しろ、退職して退職金をいただいたほかにまた天下って、それでまた、もっとダブルパンチでびっくりしたことは、委員の報酬は年間二千三百万だというわけなんですね。もうこの金額にもまず驚きました。  まずその天下りを自粛していこうという改革を叫びながら、このような天下りを認めて、そしてこの高い報酬も承認してしまったわけですね。もう本当に国民の目から見ましたら、天下って、それから報酬の高さ、恐らく退職金も出るんだと思いますね。私は、これは氷山の一角だと思いました。ぜひ他の、先ほど公安審査会の委員のメンバーの話も出ましたけれども、ぜひこういう一覧表を今後見せていただきたいと思います。  こういう状態を見まして、厚生大臣はこれを今後も認めていくのか。絶対認めていくとは思っていらっしゃらないと思います。改革の一つの流れで仕方なくということで、やはりすぐはできないということで、恐らく良心的に解釈すればそうだと思いますけれども、しかし、国民の目から見ましたらみんなこういうふうに  国際化の時代ですので、もっと一般の民間からも入れていただきたいんですよね。本当に各分野から、法曹界、それにいろいろな一般の市民の間から、そしてこういう弁護士、それから専門家、そういうふうにして、やはりバラエティーに富んだ部分のいろいろな分野の方から入れていただいて審査会というのはつくっていただきたいと思います。  もう環境庁と厚生省の天下り先ということでびっくりいたしました。この報酬の高さ、きっと退職金ももらってまた天下るんじゃないかと思いますけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか、ぜひ聞かせていただきたいと思います。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 審査会とか審議会に対します民間人の登用という点につきましては、いろいろ議論があるところでございます。今回御質問の中の公害健康被害補償不服審査会の委員に関しましては、環境庁の所管でございますのでお答えさせていただきます。  この審査会につきましては、水俣病のいわゆる公害病の認定ということで、県知事の行った処分に対する不服の審査について行うものでございます。委員につきましては、人格が高潔で、医学、法律学等の公害病の問題について学識経験のある者を選任するということになっているわけでございまして、そういう点で、委員につきましては、非常に専門的な知見と、また公平性が要求をされます。水俣病などの事案の大変特殊的な問題でございますので、これまで民間の方々に適任者を得ることが困難でございました。それで、今後は民間人の登用を図るという見地に立ちまして努力をしてまいりたいというふうに思っております。  そういう点で、今回はお認めをいただきましたけれども、次回については必ず民間人から採用を行うようにということで今検討をしているところでございます。

武山百合子新進党

○武山委員 ぜひ実行していただきたいと思います。  それで、あと、この審査というのは四、五件しか残っていないと聞いているんですけれども、この四、五件しか残っていないのを、こんなたくさんの人数でやるんでしょうか。ちょっとその辺を聞かせていただきたいと思います。

田中健次環境庁企画調整局長

○田中(健)政府委員 確かに、水俣病にかかわります相当数の不服審査請求は取り下げられるあるいは取り下げられたということは事実でございますけれども、今回の水俣病の解決の対象にならなかった人、あるいはあくまでも水俣病の認定を争うという方々も一定数残っておりますし、また、大気系の疾病につきましても、補償給付等に対する審査請求が残っております。こうしたことで、私どもは、依然として相当量の業務量が残るというふうに考えておりまして、迅速な救済を図るという意味で今の体制は必要ではないかというふうに考えております。

武山百合子新進党

○武山委員 私は、人数を、あとどのくらい残っているかということを聞きたいことと、もう一つ、報酬の件で、二千三百万円という金額ですね、それから退職金の件で聞きたいと思います。  それから、資料提出としまして、他の審査会の略歴やら報酬などを、ぜひ資料を要求したいと思  います。

小里貞利自由民主党

○小里委員長代理 資料の件につきましては、後ほど理事会を経まして対応いたします。  答弁が要りますか、ちょっと時間がないようですが。どうされますか。

武山百合子新進党

○武山委員 厚生大臣に私が先ほどお聞きしたと思うのですけれども、報酬の件、どう思うかということなんですけれども。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 先ほどの環境庁長官の答弁の方向で厚生省としても対処していきたいと思いますが、今お話を聞いていまして、給与の面でこれが妥当性があるのか、また、情報公開の面においても批判等をよく聞きまして、もっと国民に理解の得られるような方法はないものか、今後検討させていただきたいと思います。

武山百合子新進党

○武山委員 時間が来てしまいました。もっとたくさん聞きたいと思いましたけれども、きょうお約束していただきました大臣に期待をしておりますので、ぜひ、必ず実行していただきたいと思います。どうもありがとうございました。

小里貞利自由民主党

○小里委員長代理 これにて武山さんの質疑は終了いたしました。  次に、松浪健四郎君。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 松浪健四郎でございます。  初めての通常国会でこうして質問させていただけることを大変光栄に存じます。国民の皆様に厚くお礼を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。大して度胸がございませんので、こちこちになっておりますので、思うように質問できるかどうか、それほど自信はございませんが。  一月の二日にロシア船籍タンカー・ナホトカ号が遭難いたしました。あの荒天の中、海上保安庁の皆さん方は三十一名ものロシア船員を救助されました。しかしながら、初動のおくれからか大変な量の重油が日本海の沿岸を襲い、十四万人以上に上るボランティアの皆さん方が献身的な形で協力してくださり、私たちの国土の保全のために御尽力賜りました。この場をおかりしてお礼を申し上げたいと思います。  しかしながら、その中で五人の方々がとうとい命を失われました。この人たちの御冥福をお祈りしたいと思いますし、御家族の皆様方にお見舞い申し上げたい、このように思います。  そこで、この問題は再三当委員会でも繰り返されてきたわけでございますけれども、本当に荒天であったからあの油の処理をすることができなかったのか、そして、この重油流出事故から我が国政府は何を学んだのか、このことが大変気になりました。そこで、最初に防衛庁長官に何を学ばれたのかお尋ねしたいと思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 防衛庁としましては、事故発生以来直ちに自衛隊が出まして、先ほどの救出されました三十一名のうち十二名を自衛隊の方で救出したわけでございます。  そしてまた、油の回収等についても、海上保安庁あるいはそれぞれの県から要請がありまして、直ちに出まして回収に当たったわけでございますけれども、正直言いまして、自衛隊としては陸上自衛隊もかなり各県で出ましたが、陸上に漂着してしまってから回収するのは大変難しいというような感じを受けました。あの寒い中で、延べ人数にしましても数万人の自衛隊が出たわけでございますけれども、大変みんな苦労しておったようでございます。  そういうことで、これは防衛庁としては教訓というわけじゃございません、これはもう精いっぱいのことをやったわけでございますけれども、国務大臣として考えますのは、やはりできるだけ浮遊している間に回収をしないと、油は大変なので。これから先政府としてどこが窓口になってまとめていかれるかわかりませんけれども、浮遊している油をいかに早く除去する体制を確立していくか、これは非常に大事なことだなと思っております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 今私は防衛庁長官にお話を伺ったので、運輸大臣に話を聞いたんじゃないのです。  なぜそんなことを申すのかと申しますと、実は、油が流れ着いた一帯は、福井県から能登半島にかけて原発銀座と言われています。もし仮に大量の重油が原発銀座に流れていたらどうなるのか、そのことをちょっと防衛庁長官にお尋ねします。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 御承知のとおり、防衛庁あるいはまた自衛隊は、防衛庁設置法あるいはまた自衛隊法で定められました任務を遂行するわけでございまして、油が流れ着いた場合に、それによって防衛庁が出動するというわけじゃございませんで、今回の場合も、海上保安庁あるいはまた福井県、石川県、新潟県、兵庫県、そういったそれぞれの県から要請があって、そして海上保安庁が当たられました、それと一緒になりまして協力をしたということでございますので、ここのところはひとつ御理解をしておいていただきたいと思います。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 実は私は戦後生まれで、直接戦争を知る者ではございません。しかし、長い間、実は米ソ冷戦構造下のアフガニスタンにおりまして、ソ連軍の軍事侵攻、それ以前からそれを目の当たりにしてまいりました。戦争というのはいきなりドンパチが始まらないのです。国民にどのようにして不安を募らせるかということが戦略上まず最初に使われるのです。  もしあの原発銀座に重油がたくさん流れ着いた、数年前にはクラゲだけで出力を落とした、また落とさなければならなかった原発があったわけです、重油があの原発の取水口に流れ着いてきたならば、これは電気を、原発をとめなければいけない。どういうふうになりますか。国民の不安は募る。当たり前だと私は思います。  そこで、今回は事故であったかどうかまだ確認されてはおりませんけれども、どういう形で遭難したのか、この原因追求はしなければなりませんけれども、もし仮に、これを飛躍した論議として聞いていただきたくはないのですが、つまり、今防衛庁長官のお話をお伺いしたら、私の耳には、ああ、日本の防衛庁長官もやはり平和ぼけしているな、その程度のことしか考えずに国を守るという希薄な考えでいるのかということを私は悲しいなと思いました。今からでも私と防衛庁長官、かわった方がええんちゃうかと。失礼な言い方ではありますけれども、少なくとも防衛庁長官の任にある方は、何かの問題が起こったときに本当にこの国を守ることができるのかどうかという視点、これが欠落しているように思うのです。  そこで、仮にナホトカ号より大きな安物のタンカー、安物のタンカーというのは二重底になっていない古いタンカー、世界じゅうで今三千隻以上のあの規模のタンカーがありますけれども、おおむね半分は二重底ではありません。ということは、この四面海に囲まれた日本にありましては、今回のような事故はたくさんある。事故がたくさんあるから、大きなタンカーが三隻、四隻、海流、潮流、この長さを計算して、そこで遭難させ、重油をぼんぼん原発銀座に漂流させたとしたならば、国民の不安は大きく募ります。有事というものはそこから来る。国民の不安をどんどん募らせてくる。  そして、国を守るということは、国民の生命財産、これを守るだけではなくて、私たちの自然環境を守る、平和な暮らしをする、それは守っていかなければならないということです。その視点が防衛庁長官に欠けているのではないのかということをお聞きしているのです。そして、それが教訓であったはずなのです。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 いやしくも民主国家の国民であるならば、いかなる場合にも、やはりその根拠はきちっと憲法並びにそれぞれの法令に従って行動しなければならないわけでございまして、今委員がおっしゃるような事態になれば、海上警備行動として出ることはできますけれども、それ以外の、先ほどのようなときに自衛隊が真っ先に出ていってやるというようなことは民主国家ではないわけですから、やはり法律の根拠に基づいて行動をする。それは、やはり今の自衛隊に求められているのはそこでございますから、そこのところはきちっと理解しておって言ってもらわないと困ると思います。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 私は、防衛庁長官にお尋ねしたのは、どんな教訓を得たかということを聞いたのです。何をしたかというのじゃないのです。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 だから、先ほどから何度も言っておりますように、防衛庁あるいは自衛隊としては現行法令に規定されます内容で精いっぱいのことをやっておる、そういうことについては御理解していただきたいと思います。  法律をどうするかは、本来は立法府なのですよ。我々は、やはり法律に従ってしか行動できないわけでございますから、ああいうとき、何もかも、要請がなくても自衛隊が真っ先に行っていろいろなことをやれるように装備から何から用意しておけということにはならないわけで、そこのところはぜひ御理解しておっていただきたいと思います。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 どんな教訓を得たか。つまり、この国はあの一帯に油を流されたとしたならば怖いなということを、これを物すごく我々も痛感したし、防衛庁もそのことを物すごく痛感してくれただろう。同時に、現在の原子力発電は、海水でもって蒸気を冷やして水にする。細管というわずか二センチの管に海水を引くわけですから、原子力発電に対して国民の不安がある。そして、水深三メーターのところから海水を引いているわけですけれども、意外に無防備であるということをも我々は学び取りました。  ということは、この国の弱点はあの地域にあるのだなということを、素人ながら多くの国民はそれを理解し、そしてそのことについても防衛庁は十分に認識しているし、そして、原発の安全、このことについてもきちんと心得ているというふうなことを学び取っておいてほしかったということ。自然環境を守るということは、自衛隊の皆さんが一生懸命やられているということを、これはよく存じ上げております。そして、そのことに対して敬意も表したい、このように思います。  そこで、これは防衛庁長官かあるいは外務省にお聞きしたらいいと思うのですけれども、今、日米防衛協力のための指針の見直しが行われています。私の手元に、これは防衛庁と外務省の皆さんのつくられた簡単なメモがございます。これは、指針の見直しの目的について軽く書かれてあるわけですが、目的は、「新しい時代におけるより効果的な日米の防衛協力関係を構築する。」とあります。そして、目標の一つには、「新しい時代における日米防衛協力のあり方について内外に明らかにする。」このように書かれてあります。この二つを読んで、「新しい時代における」、このようにあるわけですが、この「新しい時代」というのは一体何を意味するのか、防衛庁長官、お聞きできますか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 恐らく委員が考えておられるような意味じゃないのかもしれません。委員はもっと先のことかもしれません。恐らくそこに書いている「新しい時代」というのは、今までの冷戦構造が終わって新しい時代に入ってきた、そういう中で、約二十年前につくられた指針がそのままでいいのかというふうなことから検討を始めて、新しい時代に対応するガイドラインの見直しをというような、そういう趣旨でございますから、冷戦構造が終わって、不確実、不透明な今日の我が国を取り巻く周辺の中での新しい対応ということになっているわけです。  今委員が恐らく念頭に置かれているのは、もっとそれよりも先の、今の環境問題を含めて、もっと先の、未来を見据えた、そういう考え方でやったらどうかということを多分念頭に置いておられるのだと思いますけれども、そこまでの感じではなくて、要するに、冷戦構造が終えて、その後の我が国を取り巻く環境が変わったじゃないか、そういう中でガイドラインの見直しをやっていくという趣旨で恐らくそのペーパーはつくられているのだろうと思います。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 今長官がおっしゃられたように、新しい時代というのは、私たちの自然環境、これをも守るということを私はこの指針の見直しの中で十分に認識していただきたいなという要望をし、そのことを防衛庁長官も触れられたわけでございます。  そこで、その「「指針」の見直しの主な研究・協議事項」の三番目に、「日本周辺地域において発生しうる事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合の協力」とあるわけです。そうしますと、今度のタンカーの流出事故はそれほど重大でなかったかもしれない。もし、冒頭で申しましたように、ああ、第三国のタンカーが遭難したなというようなときに、これは米軍の協力を要請してもらう、つまり、私たちは国民の平和と安全、財産を守るだけでなくて自然環境を守るということになれば、これは米軍の協力を要請してもらえるのかどうか、ちょっとお尋ねします。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 現在、新しいガイドラインについてはいろいろと検討を行っておるわけでございまして、これはまだ具体的にどうなるかわかりませんけれども、従来から、自衛隊におきましても、そういう環境問題等についてできるだけ配慮してまいりました。特に、最近ではアメリカの国防関係者が中心になりましてそういう会議を呼びかけておりまして、我が国の防衛庁の担当者もそういう会議に出ております。  したがいまして、新しい時代、さっき言ったような意味ではなくて、これから先はそういう環境問題とか自然問題とか、そういうことについてもどういう形で相互が協力していくか、調査研究をやっていくか、これは大変大事なことだと思います。  しかしながら、今までの見直しのラインに沿ってやっておりますので、果たしてそこまでのことをガイドラインの中に盛り込めるかどうかというのは問題があろうかと思いますけれども、少なくとも今委員がおっしゃられるようなことについては頭の中ではみんな考えながら、これから先、十年、二十年、三十年先に、今言われるような環境問題までを含めてやはり研究していかなければならない、あるいはまた、盛り込めるなら盛り込みたいというような気持ちもあろうかと思います。  いずれにしましても、これは今いろいろと検討をやっている最中でございまして、ことしの秋までに見直すときにどういう形で出てくるか。できるだけ早い時間にその経過について、ある程度のまとまりが出てきたときには、国会だけではなくて国民の皆さん方にも広く議論していただく。そういう過程において、今委員のおっしゃっておられる、あるいはねらっておられるようなこともまた議論になってくるのじゃないか、そういうふうに思っております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 長官から前向きな答弁を賜りました。  いずれにしましても、「新しい時代における日米防衛協力のあり方について内外に明らかにする。」このようにこのメモではうたわれておるわけでございますので、やはり私たちは、自然環境のために、この日米安保条約、これも大切なものとしてお願いしたい、このように申します。  と申しますのは、橋本総理の施政方針演説の中にも実はそのことを外交のところで述べておられます。「環境問題という課題を克服できるかどうかは、二十一世紀の世界にとって重要な意味を持っております。我が国は、米国との間で地球規模の課題への協力を進めております」。ですから、あらゆる面で日米とこの協力を進めていかなければならない、私はこう思うわけであります。  そこで、話を横に移しますけれども、アメリカとは地球規模的な形で協力をしていく。どうもこの演説の中からいえば、アメリカと日本の技術力はイーブンだ、このようにとれます。  そして、この演説の後段に、ASEAN諸国に対しては、「さまざまな分野における経済技術協力や政策対話に力を入れてまいります。」一言で言えば、日本の持っている高度な技術、この移転を積極的にやっていく、このように読み取ることができるわけです。平たく言えば、理解しやすく言うならば、日本は技術立国である、だからアメリカと手を携えて地球的規模で協力はする、そして持っているものはASEAN諸国に技術移転する。私の考えからすれば、ちょっとこれはうぬぼれじゃないのか。  なぜそのように言うのかといえば、このタンカー事故で油を除去しました。実に九四%の油はボランティアの人たちの手によって除去したんです。技術や科学、これで除去したのではありません。それは間違っていないかどうか、運輸大臣にお聞きします。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 お答えいたします。  九四%かどうかというのは、私も正直言ってそこまでのパーセンテージになっているかということは確認いたしておりません。  しかし、残念ながら、先生が御指摘いただきましたように、今度の重油の流出事故において、ボランティアの方々、そして沿岸の地域の方々、漁業者を含む関係業界の方々に大変御支援をいただき、そして油の防除に大変な役割を果たしていただいたということは強く認識いたしております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 この事故は一月の二日に起こりました。そして直ちに、午前十時五十七分ごろ、海上保安庁から、海難の概要そして海上保安庁の対応等の報告を運輸大臣が受けられております。そして二時ごろ、乗組員三十一名を救助したこと、そしてこの船の船首部分が漂流していること、及びその付近に油が流れているという種の報告を運輸大臣が受けられています。  これしか報告を受けていないのか、それともたくさんのことが報告されたのか、このことを運輸大臣にお聞きします。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 報告について、先生が御指摘をいただきました点とあわせまして、油の流出が見られる、厳重に空と巡視船によって監視し、その状況を的確に今後も報告をいたします、こういう報告を受けております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 ここにも新聞記者の皆さんがいらっしゃいますけれども、物を書こうと思えば、五W一H、だれがどこでいつ何をどうして、これを知らなければ文章を書くことはできません。  そこで、人命のとうとさ、そしてその救助を優先しなければならない、これは他言をまつまでもありませんし、立派に防衛庁の皆さんと海上保安庁の皆さんがしつかり手を携えてやっていただきました。  油が流れていると報告がありました。それは、ただ油、これだけなんですか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 事故が発生をいたしまして、まず人命救助に全力を尽くしたわけですが、十一時十分の時点で船首付近に浮流油を確認をいたしまして、この点を大臣に報告をいたしました。  それと同時に、浮流油の状況調査、巡視船による防除措置、さらに、浮流油の状況に応じた情報提供、こういったことについても本庁として現場に指示をいたしまして、こういうことを逐次やってまいりますということも大臣に御報告をいたしました。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 油といいましてもいろんな種類の油があるわけです。一般的には白物と呼ばれるものと黒物というものがあります。どっちだったんですか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 これはC重油でございますから、結果的に黒物であったわけでございますが、当時の状況を申し上げますと、風が二十メートル、波が六メートルということでございまして、油が浮いているというのを視認するのが精いっぱいでございまして、油の性状、性質についての確認まではできませんでした。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 しかし、黒物であるということはわかったわけですね。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 これはタンカーでございますから、タンカーであれば原油なり重油を積んでいる可能性があるということは、十分我々としても推測はできるところでございます。  ただ、実際にどういう種類の油を積んでいたかということは、これは救助をした乗組員等から事情聴取をいたしませんと確認はできない、そういうことでございます。     〔小里委員長代理退席、委員長着席〕

松浪健四郎新進党

○松浪委員 実は、そのことにこだわりますのは、タンカーだから油だ、これは見たらわかるわけです、だれだって。別の知識、深い知識は必要としません。軽油やガソリンは白物と呼ばれ、きらきら海面を光らせるだけですけれども、重油あるいは原油というものは黒物と呼ばれて、一目瞭然なんです。  これは重油であろう、私は、恐らくわかっていたと思うんです。それは運輸大臣のところには報告はなかったのですか、油があるかどうか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 大臣には、浮流油があるということについての御報告は直ちにいたしました。ただ、油の確認そのものまではできておりませんので、これが重油であるとかあるいは白物であるとか、そこまで御報告はできなかったということでございます。  ただ、御指摘のように、タンカーでございますし、重油の可能性があるということは私どももその当時から考えてはおりました。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 海上保安庁長官にお尋ねします。  黒物であった。原油か重油かわからないが黒物だ。黒物だと何時間で除去しなければ大変なことになるんですか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 大体黒物は、海水とまじりましてだんだん時間がたつとグリースのように固まってまいります。したがって、その前に除去することが望ましいわけでありますが、私ども、排出油防除計画というのをいろいろつくっておりますが、一応の目安として、二日以内に除去をするということを目標にいたしております。  ただ、先生、念のために申し上げますが、風が二十メートル、波が六メートル、うねりが四メートルという、まあ日本海にしても珍しい荒天、コウテンというのは、荒れた天気でございます。この状況のもとにおいて油の回収というのは事実上不可能でございます。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 日本海は一月二日だけ荒れたんではありません。冬の日本海は季節風があって、冬場は、もちろん一月二日は季節風の強い日であったのは事実でしょう。風が強かった、波が高かった、だからできなかったといえば、冬場で重油が、原油が流出したならば、この国はお手上げということですか、海上保安庁。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 冬場の日本海が厳しい気象条件であるのは、先生の御指摘のとおりでございます。ただ、その日本海の中でも、ことしの一月の二日から三日、四日と、これは風が十五メートル、二十メートル、三十メートル、波は六メートルから四メートルという状況でございまして、非常に珍しい荒天というか荒れた海の状況でございました。  ただ、先生、回収そのものは大変難しゅうございますが、保安庁の現場は最善の努力をいたしました。具体的に申し上げますと、航走拡散といいまして、油の中に船を乗り入れまして、船の船体の動揺とスクリュー、エンジンの回転で油を拡散させる、そうしますと油が小さく粒になって、これがだんだん微粒子へ分解されていくわけですが、そういう航走拡散などの措置はとりました。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 実は、海上保安庁は一生懸命努力されたことは十分に承知をしております。ただ、気になっていることは、総理の答弁の中に、荒天と同時に公海上であったという答弁がございました。そこで、もしかしたならば、単に天気が悪かったからいわゆる初動がおくれたと言われているわけですが、ほかのものがあったのではないのか。  そこで、我が国は国連海洋法条約というものを結びました。そして、この事故が起こった地点は排他的経済水域ではなかった。隠岐島から北北東百六キロの地点であります。これは排他的経済水域になりますかどうか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 排他的経済水域は二百海里まで、二百海里が中間線を超えるときは中間線ということになっておりますが、私どもはこれは排他的経済水域の中であると思っております。  ただ、先生今おっしゃいましたように、海上保安庁は油の防除について責務を持っておりますが、これは領海、公海を問わず責務を持っておりまして、仮にこれが領海でなくても保安庁は全力を尽くすという立場でございます。  今、総理のお言葉を引用なさいましたけれども、総理が仰せになりました趣旨は、今の油防除体制が、いわゆる船舶交通がふくそうしている、あるいはその結果事故が起こった場合に非常に影響が大きい、こういうエリアを中心にというか、そういうものを対象にした防除体制になっておりまして、それが今回のような荒海、しかも公海上、こういうものについて十分対応できない姿になっていた、そこを総理はおっしゃっておるんだと思います。  ただ、今も申し上げましたように、領海、公海を問わず、保安庁は全力を尽くします。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 これは旗国主義に基づいて、つまり、その船を持っている、所有する国が統括権がある。もちろん沿岸国である日本にもあるわけですが、日本はこの国連海洋法条約に署名、締結しておるわけでございますが、実はロシアは署名はしておるけれども締結はしていない。したがって、この条約に締結していない国のものに手を出すと後からややこしくなる、問題が面倒になるんじゃなかったのか。その疑念が私にはございますが、それはなかったのですか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 これだけのタンカーが破損して油が漏れた場合には我が国に甚大な被害が予想されるわけでございまして、その船の属している国が国連海洋法条約に入っているかどうかと一切かかわりなく、私どもは全力を尽くしますし、そのように指導もいたしました。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 ならば、海上保安庁、よくやっているのです。そして立派なものをつくられています。そして、この事故は防ごうと思ったら防げたのです。なぜそこまで言うかというと、海上保安庁のつくった山陰沿岸・若狭湾海域排出油防除計画の一番最後を読みますと、北朝鮮の船、中国の船、韓国の船、ロシアの船は先進国の船と違って、しかもこのコースにふなれであるから事故を起こしやすい。わかっておったわけでしょう。  では、それまでにこういう国々に対して何かの外交措置をとられていたのですか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 先生の仰せのように、排出油防除計画の最後にそういう趣旨のことが書いてございまして、外国船舶に対し、したがって必要な指導を行わなければならないということでございます。  御承知のように、外国の船に対する監督というのは国際的な基準と合致しているかどうかという監督をするわけですが、検査等を通じて、やはりその国の、その船の属している国、旗国、ここでやるということになっていて、旗国以外の国は何ができるかといいますと、いわゆるポートステートコントロールと申しまして、我が国の港に寄港したときに、そういう国際基準に照らして、その船が十分基準を満たしていない場合に指導監督をするということができるわけでございます。そういういわゆるポートステートコントロールの面で外国の船に対して指導をやってきた、こういうことでございます。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 今回の事故は、国連海洋法条約発効のもとでの日本での初めての大規模な海洋汚染事故でありました。恐らく海上保安庁も運輸省も外務省もまごついたであろう。そして、その船はロシア船籍であったということ、これが一層拍車をかけたのではないのか。  そして、海上保安庁はこの立派な計画を策定されて、物すごく事細かく研究されています。潮の流れ、海流の流れ、この方向から風が吹けば油はどこに着く、このことまできちんと図式で示されて、立派な研究の計画をつくられています。もしこの計画にのっとって予算が講じられ、きちんとやられていたならば、波が高かった、風がすごかった、それでも関係なく、ちゃんと油は除去できたのであります。つまり……(発言する者あり)できるように書いてある。それだけ立派なものがあるのです。ところが、悲しいかな、予算的措置がとられていないからできなかったのであります。  では、これは、この計画は計画のための計画なんですか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 今仰せの計画でございますが、事故を想定いたしまして、例えば港の中でタンカーが衝突をする、あるいは沿岸近くで船が座礁をする、そういうような事故をいろいろ想定いたしまして、どれぐらいの油が漏れるだろうか、それが時間がたったらどういうふうに流れていくであろうか、それに対してどういう防除資機材が必要か、それをどうやって確保するか、そのための事前調整をどうするか、そういうことを綿密に決めておるわけでございます。  ただ、残念ながら、先生ごらんいただきましたように、その計画で想定しておりますのは港の中のタンカーの衝突あるいは沿岸の近くの座礁などでございまして、今回のように外海で、しかも非常に厳しい気象条件のもとでタンカーが二つに割れるというような事態までは想定をしていなかった、そこに我々の反省点があるわけでございまして、これは今後十分力を尽くして検討していきたいと思います。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 この防除計画は立派だ。そして、その中に訓練のことについても書かれてあります。そして、この種の事故はおおむね特殊法人の海上災害防止センターに頼っています。ここでは訓練をやっているのです。立派なプログラムです。  海上保安庁からこの訓練に昨年何人出られましたか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 先生、申しわけございません、数字は今お答えできるものは持っておりませんが、災害防止センターと一緒にやっておるほかに、いわゆる石油業界であるとか自治体とか、こういう防災関係の人すべてと一緒に、何回も何回も実地訓練を重ねておるところでございます。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 長官、センターに電話で聞いてください。昨年は、地方自治体それから海上保安庁の人は、悲しいかなだれ一人出ておりません。立派なプログラムでありながら、出たのは各種の石油業界の人たちである。それも、無理して、難儀して、電話をかけて、せっかくのプログラムですから少々お金はかかりますけれども出てください、このようにお願いして出ておるわけでございますが、お役人さんは、地方自治体をも含めてだれ一人参加することはありませんでした。  このことは何を意味しているのかといえば、こういった事故が起これば大変なことになるという危機意識をだれも持たずに、そんなこと起こるものか、このように決めつけている、自治体や政府にその姿勢があるからだと、私はこの一件が象徴的に教えてくれているような気がします。もう話はそれでいいのです。つまり、この国は、本気になって国の環境、自然、これを守ろうとする気概が伝わってこないということだけは、この事件がよく教えてくれました。  時間がだんだん迫ってまいりましたので、次の問題に移らせていただきます。  五人のとうとい人が亡くなられました。このことは、運輸大臣も非常に正直で、まあ因果関係はないにしても、疲労と寒さで、このように報道されてまいりましたが、国土庁長官の御尽力で、見舞金が亡くなられた方に出るということになりました。この経緯について、国土庁長官にお聞きします。

伊藤公介自由民主党国土庁長官

○伊藤国務大臣 このたびのナホトカ号の流出油災害に関しましては、ボランティアとして極めて多くの方々が献身的な御協力と御努力をいただきました。先ほど松浪委員からもお話がございましたように、十四万人とも、あるいは非公式の報告によりますと十九万人を超える方々がボランティアでお支えをいただいたというふうに伺っております。  しかし、大変残念なことに、ボランティアの方々の中で五人の方が亡くなられるということになりました。改めて心から御冥福をお祈り申し上げたいと存じますし、御遺族の方々には心からお見舞いを申し上げたいと思います。  実は私、かつて外務委員会の委員長をさせていただいていたころに、カンボジアのPKOを派遣されたその時期ですけれども、日本の青年中田厚仁君がボランティア活動の中で亡くなられるということもございました。こうした国際的なボランティア活動の中で亡くなられた方々には、これまで褒賞制度が実はあったわけでございます。  阪神・淡路のあの大震災でも、百四十万人を超える方々がボランティアに参加をしていただきました。今回のこのナホトカ号流出油災害でも、お話しいただきましたように、多くの方々の善意に支えられました。  そこで、私どもは、こうしたボランティア活動の重要性に国民の皆さんの認識も非常に高まっている、こういうこともございまして、その善意とまたその功績をたたえるために、国内におきましても、こうしたボランティア活動に対して、残念ながら亡くなられたそういう方々に対しまして、新たに褒賞を行うことを二月四日の閣議で決定をさせていただきました。今回亡くなられました五人の方々につきましては、本日、内閣総理大臣が褒賞を行うことが決定をされて、本日中に表彰状を添えて伝達をさせていただくことになっております。  いずれにいたしましても、褒賞をさせていただきましても、命は帰ってくるわけではございません。私どもは、今後、こうした災害に対する善意のボランティアの方々に対しまして、そうした事故がないように、安全確保のためには全力を尽くしてまいりたいと思っております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 国土庁長官には必要以上の御親切な、御丁寧な答弁を賜りましたけれども、実は、亡くなられた人が全員ボランティアであったのかなかったのか。もうお聞きしませんけれども、一部漁民の皆さん方は日当が出ておる。多くの人々はボランティアであるけれども、日当の出ている人たちもいらっしゃる。これは非常に残念だなと思いますけれども、システムの問題もありますから、褒賞を出されるに当たっては、本当のボランティアの方であったのか、それとも作業として従事されていたのか、それらにも若干の差をつけていただければありがたい、このように要望しておきたいと思います。私の調査によりますれば、一部漁民の皆さんには、日当が出ております。  そこで、これは大変危険な作業だ、アメリカの環境保護庁、EPAの人がブラウン管を通じて見た、マスクなしでボランティア活動をするというのは危険だ、そのことを私たち新進党の有志が厚生省に申しました。そうしますと厚生省は、これはC重油である、そして既に製品の安全データシートを出し、無害である、このように言われました。けれども、司法解剖も行政解剖もしておりませんから因果関係については申すことはできませんけれども、五人の方が亡くなられたのは事実でございます。  なぜそのことについて触れるのかと申しますと、一九七四年十二月の二十四日、水島で起こった流出事故の教訓が生きていないからであります。  環境庁長官にお尋ねします。水島事故でボランティアの人たちあるいは作業されている人たちがどのような症状を起こされたか、御報告ください。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 議員の御質問につきましては、今細かい内容、データを用意してございません。後ほど用意をさせていただきたいと思います。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 もうそんなの報告していただかなくて結構です。  目やのどに痛み、二百人作業に参加されたうちの三十人の方は症状を訴えられました。しかも、目やのどに後遺症が出た。これは環境庁の調査中間報告書によれば、九十五人のうち三十人、三人に一人が大変な後遺症で苦しまれたのです。長官、よく心しておいてください。  そして、私たちが厚生省からいただいた資料によりますと、水島の流出油事故においても死亡者は報告されていない。これは環境庁長官と関係ありませんけれども、厚生省はこのような認識でありました。うっかりして厚生大臣をお呼びすることを忘れてしまいましたけれども、実は、連日の重油回収で疲労重なり漁民死ぬという、新聞が大きく記事を掲載しております。つまり、この製品は安全であると思っても簡単に、ボランティアに参加されるあるいはその作業に参加される人たちの健康管理、これを無視してはならないということであり、そのことに関して最善の注意を払わなければならないのは多言をまつまでもありません。  今回も、そのことについては、運輸大臣が正直に、口頭では言うたけれども書面で言ったのは一月二十一日、ちょっとおくれたか、そういう反省がございましたが、C重油はなるほど大丈夫であったかもしれないけれども、この油は、中国からロシアに運ぶに当たっては、マイナス十七度でも凍らないようにするために凍結防止剤が入っていた、このように言われています。環境庁は、この凍結防止剤に有害物が入っていたのかどうか、もう既に検査されていますね。

渡辺好明環境庁水質保全局長

○渡辺(好)政府委員 お答え申し上げます。  これまでの調査では、有害物が入っていることは確認されておりません。ただ、凍結防止剤の内容がどういうものであるかにつきまして、ロシア及び中国に照会を行っております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 それを採取すれば調査できるんじゃないですか。検査できるんじゃないですか。聞かなきゃわからないんですか。環境庁の技術というのはその程度なんですか。

渡辺好明環境庁水質保全局長

○渡辺(好)政府委員 お答え申し上げましたように、これまでの調査では有害物質は検出をされておりません。念には念を入れということで、ロシアと中国に内容を念のため照会をいたしております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 いずれにいたしましても、ボランティアの人たちの健康管理には最善を尽くさなければならない。私たち新進党は、手前みそになりますけれども、とにかくマスクを送ろうということで、議員が募金をし、そしてマスクを送らせていただきました。そして、そのことも今やっておりますけれども、ボランティア活動をしてくれている人たちの好意をむだにしないように、細心の注意をお願い申し上げます。  そこで、事故が起こってこれだけの日にちがたちながら、中に何が含まれているかどうか環境庁の調査では明確にならないわけでございますけれども、これは、もしかしたなら環境庁の組織に欠陥があるのではないのか。なぜそんなことを言うのかといえば、アメリカの環境保護庁、EPAと、余りにもこの省のあり方、内容、あるいは自然環境保護についての行政の仕組み、これに開きがあり過ぎる。環境庁長官はそのことを認識されているかどうか、お聞きします。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 環境庁の組織につきましては、今までの、環境庁が発足して以来さまざまな経緯がございました。そして、現在は、公害対策よりも公害を防止するという点で取り組んでいるところでもございますが、いろいろな省庁の抱えている問題、そのことの調整機能を有しているというふうに考えております。そして、積極的にこの環境問題について取り組むためには、さらにまだ環境庁の組織の充実が必要であるというふうに思いますし、また、予算上もそのようなことが言えるのではないかというふうに私自身は感じております。  アメリカとの比較ということで、これはアメリカの国の事情と日本の事情は違いますので一概には言えませんけれども、しかし、これからは、環境問題がこれだけ重要になって、そして国民の環境への関心が高まっている中で、そして環境行政をさらに充実していかなければならない、そういう時代になった以上は、さらに環境行政の充実のために、組織の問題も含めて検討をしていく必要があるだろうというふうに思っております。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 僕も余り頭ええことありませんけれども、答えになっていないんですね。  環境庁は、今度のオイルの流出事故でタッチしているというのは、水質保全局の海洋汚染・廃棄物対策室ですね。ここ一つだけなんですよ。ところが、アメリカのEPAは、実は七つもの局が、海に油が流出した、あらゆる角度からこれに対応するように組織化されています。もちろん人員の数も違います。そして、地域本部を十カ所も置いて、本気になってアメリカの自然環境を守ろうという姿勢がこの組織図を見ただけで伝わってまいります。とりわけ、バイオレメディエーションと呼ばれる、微生物を使ったバイオ矯正工学の研究につきましては、これは差があり過ぎてどうにもならない。  外務省にお聞きしますけれども、この事故が起こって、アメリカから協力しようという連絡はあったんですか、なかったんですか。

朝海和夫外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○朝海政府委員 この事件が起きまして、外務省としましては、対策本部とも御相談の上、例えば、万一資機材が足りなくなった場合どういうものが提供可能であるか、どういう仕様であるかなどを調査いたしております。その回答も来ております。  ただ、資機材に関しましては、委員も御承知のとおり、韓国の民間企業からポンプを借用した、あるいはシンガポールの民間企業からオイルフェンスを借り受けた、ロシアの船が協力しているということがございますけれども、アメリカとの関係につきましては、一月の末に海洋大気庁の専門家が二名日本に参りまして、現場も訪問しまして、現地の状況について意見交換をし、日本側の専門家に助言を与えたということはございますが、資機材の提供といったことについては、現在のところそういう状況にはなっておらないということでございます。

松浪健四郎新進党

○松浪委員 日本の環境庁の組織の中に国際協力というセクションはあるのかないのか、この組織図ではわかりませんけれども、アメリカの環境保護庁の組織図には国際活動局という局があって、世界じゅうの地域で何かが起こったときに協力をしなければいけない、協力するというセクションがあるんです。そして、その中に日本も含まれています。だから、日本で何かが起こったときに、つまり、その汚染は日本の国、沿岸、日本海だけにとどまらず、地球的規模の発想からすればこれは大変なことなんだという意識がEPAにはあります。ですから、いろいろな形で協力する。  そうしたときに、私たちは、冒頭でも言いましたように、進んだ技術も持っているけれどもおくれている技術もある。ならば謙虚にそのことを心して協力を要請すべきではなかったのか。後で調査団がやってきた、そんなことはわかっておりますけれども、いずれにしましても、国民に、この国の美しいこの国土を守り抜くということを環境庁は必死になって伝えていくべきであります。  そして、アメリカのEPAは、こういうふうに、油事故が起こったらこのように処理してください、マスクはつけてください、手袋ははいてください、国民一人一人がこういう事故に対応できるように、ちゃんとした本を市販しております。  それだけにとどまらず、こういう問題が起こったときに、一月の十日にこの国は対策本部が、運輸大臣が本部長になられてできました。アメリカでは、実は瞬間にそういう災害対策本部ができます。これをNRT、ナショナル・レスポンス・チームと呼んでおりますけれども、それは環境庁長官がトップになるようになっています。この国では、甚だ悲しい話ではありますけれども、環境庁長官というのは、本来は物すごい重いポストであるけれども、一般的には重いように思われていないところに、この国の環境に対する希薄な姿勢があるのではないのかと悲しみます。  たくさんのことを質問したかったわけでございますけれども、まず、危機管理に対しては、やはり私たちは心しなければならないということと、国際協力というものは積極的に進めていかなければならない、外交が弱腰であってはならない。そして美しい心、豊かな心を持った国民の行動に対しては積極的に政府が応援していかなければならない。そして一番大事なことは、この国土をきちんと守ることである、そのためにいろいろな角度から予算を講じられるようお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて松浪君の質疑は終了いたしました。  午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時一分休憩      ————◇—————     午後二時一分開議

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。古川元久君。

古川元久民主党

○古川委員 民主党の古川元久でございます。  民主党を代表して質問させていただきますが、まず、質問に当たりまして、最初に、先日、自民党の山崎政調会長が、金融債につきましては、これは預金保険法の適用になっていないのですが、それについては預金と同じように保護するというふうに発言をされておられるのですが、これは政府としてはどのように考えておられるのか、大臣の所感をお伺いしたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  金融債の安全性の問題でございますが、これは基本的には、発行者たる長期信用銀行等がその経営の健全性を維持することで図っていくべきものだというふうに考えております。現在、そうした発券銀行等におきましては、業務純益の積み上げ、リストラなどの自助努力を重ねてきておりまして、大蔵省としましても、緊密にその状況の報告を受けるとともに、日本銀行とも十分連携しつつ、各行の自助努力のスタンスを全面的に支持しているところでございます。金融債の安全性という問題は、このような各行のまずは自助努力により確保されているものというふうに考えるわけでございます。

古川元久民主党

○古川委員 マーケットにおいて無用な不安が起こらないように、政府としても万全の措置をとっていただきたいと思います。  それでは、本格的な御質問に入りたいと思うのですが、私は、行財政改革についての政府の取り組み方についての御質問をさせていただきたいと思うのです。  まず、財政構造改革につきまして、これは政府・与党におきまして財政構造改革会議というものが設置されたわけでありますが、一体この財政構造改革会議は何のために設置されたのか。財政構造改革につきましては、大蔵大臣の諮問機関でもあります財政審の財政構造改革特別部会でも十分に今まで議論されてきたはずだと思うのですが、その上にまたこの政府・与党の財政構造改革会議を設置されたところの理由はどうしてか、大臣にお伺いしたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 財政審は、見識を集めて、我が国財政の分析と今後のあり方、中期答申なども御案内のとおりであります。それは大事にしながら、同時に九年度予算編成に当たりましては、再建元年としての位置づけをしました。しかしながら、本格的な第二年度が、元年とあわせて最初のスタートにするためには、政府・与党一体となってこれに取り組まなければならない。こういう観点から、与党三党から、危機的状況にある我が国財政の改革を思い切った形で進めるためには、政治家だけの、各党代表だけの財政構造改革会議を設置すべし、こういうことであります。  結論的に言えば、不退転の決意で、平成十年予算編成に当たりましては、聖域を設けることなく、本国会において論議の中で出てまいりました規制緩和以下数々の諸問題を頭の中にぶち込みながら、フリートーキングを繰り返し、そして基本的な理念、それと具体的な項目と具体的なスケジュール、工程表をつくり上げることによりまして、構造改革がヨーロッパ諸国と引けをとらないベースで二十一世紀に突き進んでいこう、こういうことでつくらさせていただいた。党からの要求を踏まえ、スタートを切る、こういうことであります。

古川元久民主党

○古川委員 何かよくわからないお答えだったのですけれども、そうすると、その財政構造改革会議の中ではこの報告というのはどういう形で生かされるのですか。この報告をもとにして具体化することは政府において十分可能だと思うのですが、会議の結論が出るまではこの報告はそのままに、たなざらしにされるということですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 おわかりのことを御質問でありますが、当然ベースであります。そこに目標がすべて網羅されておるわけですから、それを理念の中心に据えながら、政治として具体的な進め方を決めていく、こういうことであります。

古川元久民主党

○古川委員 この報告書の中には、昭和五十六年に出された「財政の関与すべき分野についての報告」というのもあるのですね。この中を見ていきますと、財政関与の態様として、民間の補完だとかあるいは国と地方の役割分担だとか、公的企業の役割分担とか、もう今議論されているようなことが昭和五十六年の段階で既に議論されている。かなり細かいことまで書いてあるのです。今回またこういう形で報告が出た。私は、こういう過去に出されたものをもう既に具体化していれば、もっと具体的な形で、財政再建法案なりそういったものは今出ている報告書の中で十分できるはずだと思うのですが、それがこれまでなされていない。  ということは、これはただ単に会議をたくさんつくって、議論をやって、これはウィーン会議じゃないですけれども会議は踊るで、いろいろやります、打ち上げます、でも結果は何にもやりません、そういうふうな姿勢にしか見えないのですけれども、財政再建法案については、じゃ、これはいつまでに、どういう形で、これは財政構造改革会議の結論を待つのか、あるいはもうこういう今まで出た報告をもとに法案化して財政再建法は提出されるのか、その辺は大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 それは財政審議会、たびたび答申をお出しいただいております。最近の中期答申、これの財政危機克服の具体策、これは柱であります。しかし、これをいかに実行するかというのが党に与えられた、与党に与えられた、特に内閣に与えられた大きな使命でございますから、目標を定め、そして具体的に工程表をつくり、全項目にわたり聖域を設けることなく、かくあるべしという原案をつくらなければなりません。  そういう意味で、ただいまは予算委員会中であります。それと、参議院においてまた同様の予算審議が行われるわけでございますが、公聴会の行われる二十日に財政改革会議を、第二回目になりますが、そこでフリートーキングの中で、今御指摘のそれぞれの資料、せっかくの答申であり、そのとおり守り抜けば我が国財政はよみがえるわけでございますから。しかし、各論にわたっての進め方をどうやるかということに取り組むということであり、常会のおしまいにはそのことが取りまとめられますように、願わくば、大蔵大臣としての期待と進め方でありますが、財政再建法が会期末であろうとも提出できるように全力を尽くしていかなければならぬ。  もちろん、国民各位のこれに対する御議論、審議会のレポートに取りまとめをいただいておるのも国民の声、国会は国民の代表として行われているわけでありますから、数々の論議は大事にしながら、同時に政党政治の中で、議院内閣制ですから、与党は内閣とともに国民に責任を負うわけでありますから、基本的な具体的な明示をするだけではなく、各論にわたりましてこれを最終的に決定をし、そして概算要求に当たりまして新しい基準を私は希望しているわけでございまして、平成十年予算はそういう方向の中でつくり上げ、日本の財政がよみがえる二年度になる。  こういうことで、それが決定をし、年末予算が決定をしますと、我が国は欧米諸国と並びまして、目標年次も明示されるわけでございますから、同様のベースの中で国際的な責任、第一義的には国民に対する責任を明示して協調して進むということになるのではないでしょうか。

古川元久民主党

○古川委員 大変に長い、またわかりにくい御答弁で、時間がありませんので短く簡潔にわかりやすくお答えいただきたいと思うのですが、要するに今までは、今大臣は与党と協調してというふうなお話をされましたが、大体今まで政府と与党のありようというのは、まず政府が案をつくってそれを与党にぶち当てるという、そういう形をとってきたわけですね。しかし、この財政構造改革の財政再建法については、最初から与党と話をして、そこが決まらないと具体化もしない。これは私なんかが聞いていますと、実際にやる気がないからじゃないか、そういうふうにしか聞こえないのですけれども。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 たたき台はちゃんと責任を持って出します。

古川元久民主党

○古川委員 期待して待っております。  そうしましたら、次に、今官房長官においでいただいておりますのでちょっとお伺いしたいと思うのですが、財政改革と行政改革というものはこれは表裏一体であるはずだと思うのです。省庁の枠組み、これを変えていくということは、結局そこに、省庁にひっついているような予算が変わっていくことにもつながりますので、これは一体として進められていかなければいけない。  カナダなどの行政改革というのは財政改革から進んでいったという経緯もありますから、日本においても財政改革と行政改革といったものは一体として、そして有機的に関連づけられていかなければならないと思うわけでありますが、どうも私の見たところ、この財政構造改革会議というのは、政府で行革関連でいろいろな会議だとか、これもたくさんあってよくわからないのですけれども、そこの中にはどうも位置づけられていないような気がするのですけれども、この財政構造改革会議とほかの行革関連の内閣にあるものとはどういう関係に立つのでしょうか。

梶山静六自由民主党内閣官房長官・外務大臣臨時代理

○梶山国務大臣 質問の意味をよく理解しないで答えることになるかもしれませんが、全部一つでなければならないということはありませんし、また結果として一つに機能するということも言えるわけであります。  ですから、今大蔵大臣が説明をしたように、財政構造改革、端的に言って財政再建でありますが、それは今まで財政審やその他で随分幾つかの案が出されておりますけれども、結果としてそれを法案として議決をするのは議会であります。政党政治でありますから、各政党が本気にならなければなりません。  ところが、この財政改革というのは大変痛みを伴うことは御案内のとおりであります。それぞれ皆さん方も、だれしも総論は賛成でありますが、極端なことを言うと、この会社をつぶせばこれがどうなるこうなる、そういうことでありますから、なぜ今回政治家主導かといえば、政党主導かといえば、政治家が本気になってこれに責任を負うということが一番大切であります。そういうことを考えればこそ与党が、政党政治でありますから与党が一体になってこの問題に取り組もう、その決意を固めたのが今大蔵大臣の答弁のとおりであります。  それから、行政改革、いろいろなことがございますが、行政改革は今々、必ずしもきょう行わなければあす死んでしまうということではございません。しかし、これが長きにわたって古いしきたりのそのままでやっていっていいはずがない。これはむしろ、一つ一つの欠点というよりも、再分類ではなくて、国家の新しい機能をどういうものに求めていくか、これは国民各界各層の意見を集約をして急いで新しい体制をつくらなければならない。ですから、財政再建についてはむしろ政治が責任を負う。それから、この行政改革その他は今の衆知を絞って国民的な合意を早急に得ながら、どういう形が新しい国家機能にいいか、この問題をつくるわけであります。  こいねがわくは、どうぞ、政党政治でありますから与党・政府が一体になってこの案をつくりますが、事一政党でできる問題でもございません。皆さん方にもぜひこの問題には、政府・与党の案がおおよそ固まったところで皆さん方からも御議論を願い、ぜひ参画をしていただいて、古い言葉で言えば座して死を待つようなことのないように、少なくとも衰退国家にならないような歯どめをお互いにやらなければ責任を果たせない。そういうことをお願いを申し上げる次第であります。

古川元久民主党

○古川委員 まさに本当に、今まさに我々は待っているわけでございまして、何年も待っているわけでございます。だからこそこれだけ今、日本経済も含めて閉塞感が社会の中に漂っているわけでありまして、やはりこれは一刻も早く、十一月なんで言っていますけれども、もっと早く出せるものは出していただきたい。  大体行革絡みの、これは行革絡みの話になっていきますけれども、行革会議のほかにも行政改革委員会とか地方分権推進委員会など、とにかくいろいろもう前からやっているわけですね。その後にどんどんとつけ足しているわけですけれども、前の結論を何かうやむやのうちにまた次やって、またもとに戻ってみたいなことをやっている。そういう姿勢が国民から見ると、行革をまじめにやる気があるのか、そういうふうに見えるのだと思いますから、ぜひとも、そう官房長官がおっしゃるのであれば、一刻も早くこの議会の場に具体的な案を出していただきたいと思います。  その行革の絡みなんでございますが、もう一点、これは行革関連の中での組織、どういう関係にあるかということをちょっと整理させていただきたいと思うのです。  一番新しくできましたのが行政改革会議ですね。その前からありましたものに、全閣僚で組織されている行政改革推進本部というのがあるわけでございますが、新たな行政改革推進体制というこの図を見ますと、行政改革会議は総理に直属していまして、そのもとに行政改革委員会とか地方分権推進委員会というように、意見とか勧告が総理に伝わって、この会議でそれが反映されるようになっておりますが、この政府の閣僚が全部参加している行政改革推進本部については、この枠組みでいいますとどういう関係に立つのか。一体、これは別個に動いていくのか、あるいは行革会議で出た結論を行革推進本部で実行していくのか、その関係が非常に、事務方に聞いても事務方もよくわからないと言っているのですが、そこのところをはっきりさせていただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 先ほどの財政構造改革会議との関連も含めて、私はもう少し付言させていただきますと、財政構造改革も行政改革も当然一体としてやっていかなきゃならぬのは当たり前の話だと思います。  ただ問題は、先ほどちょっとお話があったと思いますが、行政改革というものに今取り組んでおりますのは、今直ちに早急にということになかなか、これは二十一世紀を踏まえてという話でやっているものでございますから、なかなかそうはいかないのでございますが、先ほどの財政構造改革会議の中には、なぜそれを急いでいるかといえば、ことし財政再建元年という形で今平成九年度予算を大蔵省から出しておりますけれども、それでもまだ不十分だという声が多いわけでございます。ですから、私どももぜひ平成十年度の予算編成に当たっては、概算要求の段階から従来の仕組みとは何か変えて新しい仕組みで新しい予算をつくっていかなきゃいけないのじゃなかろうか。そういう意味で、六月末をめどにして財政の再建にふさわしい予算をつくるにはどういう形で概算要求をつくったらいいのか、これを審議をしなきゃいけないわけでございますから、これは行政改革よりもスピードアップをしていこうということでなっているということでございます。  私の方の行政改革の方は、今お話しのとおりで、行政改革推進本部も従来からございました。そして、これは全閣僚プラス公正取引委員長がたしか入っていると思いますけれども、それで構成しているのが行政改革推進本部であります。これは従来から、例えば規制緩和という問題についていろいろと、行政改革委員会だけではなくて、例えば外国の日本にいらっしゃる人たちでつくられている在日米商工会議所とか、あるいはEUなども含めてそういう団体、あるいは国内の経団連とか商工会議所とかあるいは消費者団体とか、そういう方々の御意見を聞きながらいろいろと政策に反映していくために、行政改革推進本部というのがそういう意見の聴取をいろいろしているわけでございます。  それからもう一つの役割は、それを受けて今度はそれぞれの省庁が具体的に、こういうところはこういう規制緩和をしましょう、こういうところは直しましょうというもので計画が出てまいります。その計画のまとまったものをまた行政改革推進本部で決定をいたしまして閣議にかける、こういう形をとっているのが行政改革推進本部であります。  それからいま一つは、今御指摘のように、規制緩和とかあるいは地方分権とかがあるじゃないか、そして今度中央の行政改革会議ができたじゃないか、その関係はどうか、こういうことでございますが、これは御承知のとおり、私どもの内閣以前に、村山内閣のときに二つの委員会は発足しておるわけでございまして、当時から行政改革を進めなきゃいけないということで、規制緩和については、あるいは規制緩和だけではなくてできるだけ官の仕事を民に移そうというようなことも含め、あるいはまた情報を公開をしないと、エイズの事件、いろいろございましたので、情報を公開をしていかなきゃいけないんじゃないかという形のものを、大体今の規制緩和を含めて行政改革委員会でこれは御議論をいただいております。  それからもう一つは、地方分権推進委員会。これはもう一つの、中央から地方へ仕事を移そうということを中心として、これは地方分権推進委員一会でやっていただいております。  それで、そういうものがある程度まとまってきたものを含めて、結局私どもは、とにかく小さい政府をつくらなきゃいけない、それから縦割り行政の欠陥を直さなきゃいけないという形で、中央の省庁の統廃合というのを考えていこう。  そこで、橋本総理はそのときに、二十一世紀を踏まえて、二十一世紀の国家機能はどうあるべきなのか、そしてそのためには、今申し上げたように規制緩和、あるいは中央から地方へ、あるいは官から民へという形でまずスリムにしまして、スリムにする姿をつくっておいて、そして最終的に新しい時代の国家機能のあり方を踏まえた中央の省庁の形はどういう姿がいいのか、これとくっつけていこうというのが最終的なゴールでの中央の省庁の統廃合。これを何とかことしの十一月末をめどにして案をつくっていきたいというのが今の私どもの行政改革会議でございます。  そういうことで、大体、決して全く別のものではなくて、それぞれそういう関連した形で仕事をやっているわけでございまして、そういうこともあって、財政構造改革会議にも私も参加をさせていただいておりますし、あるいはまた地方分権推進委員会の委員長も、それからもう一つ、行政改革委員会の委員長も行革会議にも入っていただいている、こういうことでございますので、よろしく御理解をお願いしたいと思います。

古川元久民主党

○古川委員 二十一世紀を踏まえてというのは、もう二十一世紀はそんな先の話じゃなくて、すぐ目の前にあることでありまして、これはもう財政構造改革会議と同じように、二十一世紀を踏まえるのであれば今すぐに実行していかなきゃいけないことだと思います。  あとまた、前の村山内閣のときにできたものだと言う。そういうことを言っていますと、内閣がかわるたびに新しい行革絡みのものができて、そのうち、これだけよく内閣がかわる時代ですと、行革絡みの会議ばかりで、その面倒を見るだけで内閣の仕事が終わってしまうんじゃないか、そんなふうに思いますけれども、とにかく早くそれは結論を政策という形で政府から出していただきたい、それを要望させていただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 内閣がかわるごとにじゃなくて、内閣がかわっても継続しているということは、結局必要だから継続しているんだと思うのです。  それから、今申し上げたように、この十一月をめどに一応方向をつくりますと、次の通常国会までに法案をつくりまして提出をするという予定でございますから、二十一世紀には私は十分間に合う、こう思っております。

古川元久民主党

○古川委員 では、もう少し行革会議のことについてお伺いしたいと思うんですが、この行革会議では、省庁再編のどこまで担当するのか。これは方向性まで出す、十一月に出すところまでなのか、あるいはその後の省庁再編の抜本的な法律改正までこの行革会議の事務局でやるのか。  この行革会議の概要を見ますと、設置期限として平成十年六月三十日まで、来年六月三十日、大体来年の通常国会が終わるごろまでなんですが、それまでに全部そういうものを出されるというそういう形でつくっておられるのか、その辺のところの計画というものを教えていただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、方向づけを行革会議で出す、それに基づいて政府が責任を持って法律案をつくらせていただく。ただ、法律案をつくっていく上においても、行革会議を解散をしてしまいましては、もし法律案をつくっていくときに、いろいろおまとめをいただいた方々に御意見も承らなきゃいけない場合もあると思いますから、任期は平成十年の六月、こういうことにしておりまして、少なくとも平成十年六月までには法案はまとめなきゃいけない、こういうふうに私は考えております。

古川元久民主党

○古川委員 ということは、個別具体の法案というのは、現在の省庁でつくるということになるわけですね。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 これはまだこれからどういうふうにつくっていくのか、正直、今度の新しい私どもの考え方は、従来の省庁にとらわれないで、二十一世紀の全く新しい行政機構をつくろうというわけでございますから、従来のように、省庁がそれぞれ自分のところの設置法を改正をするというような形にはいかないと思います。  ですから、そこはどういう仕組みで、例えば先ほど政府・与党というお話もありましたが、あるいは国会で、全体でというお話もありました。いずれにしても大きな問題でございますから、その法案をつくっていく過程の中で、御審議を願うためにも、どういう形で、法案をつくる段階から御相談をすべきかどうかは今のところ決めておりませんけれども、今のように、おっしゃるような、各省庁が従来のようにそれぞれの設置法を改正をするというときにはそれぞれの省庁がやっておりますけれども、こういう形にはいかないというふうに思っております。

古川元久民主党

○古川委員 ぜひともこれは別個の、タスクフォースか何かをつくる形でやっていただきたい。それにむしろこの行革会議の事務局の人たちをもっと利用した方がいいんじゃないかというふうに私は考えますので、ぜひとも御検討いただきたいと思います。  もう少しです。この行革会議の事務局の調査員について、大変に各省庁あるいは民間からのエースを集めたというお話を伺っておるんですが、この調査員についてはどういう視点で選ばれたのか、それについてお伺いしたいんです。

坂野泰治総理府行政改革会議事務局参事官

○坂野政府委員 行政改革会議事務局の調査員の選考に当たりましては、この行革会議の任務に照らしまして幅広い人材を集めたいというふうに考えまして、官界のみならず民間からも人材を選考をしたということでございます。また、二十一世紀を見据えた組織改革を検討するということでございますので、できるだけ若い清新な人材を求めたいということで選考もさせていただいたわけでございます。  その結果、官民のバランスもほぼとれた構成になり、年齢的にもおおむね三十歳代の後半の方々を中心としたフレッシュな事務局ができ上がったというふうに考えておるわけでございます。

古川元久民主党

○古川委員 聞くところによりますと、特に省庁から来ている人たちというのは、親元に帰ることが前提で来ている。最初に親元に帰さないという話をしたら、各省庁とも、それだったらいい人間は出せない、そういうことを言った。それで、親元に帰すからいい人を出してくれ。そういことが巷間言われておりますが、その点についてはいかがですか。

坂野泰治総理府行政改革会議事務局参事官

○坂野政府委員 事務局に来ていただいております調査員の方々につきましては、それぞれ出身母体があるわけでございますけれども、その調査事務に当たりましては、出身、立場を離れてこの行革会議の使命に専心をしていただくということで一来ていただいておりますし、現実にそのように活動をしていただいておるものと考えております。  もとより、この行革会議事務局がその期限を満了いたしました際には、それぞれの出身母体にお帰りいただくわけでございますけれども、そのことをもって現在の調査員の方々がそれぞれ出身母体、立場を離れて一生懸命やっていただいておるということとは矛盾するものではないと考えておるわけでございます。

古川元久民主党

○古川委員 今出身母体の立場を離れておられるというお話がありましたが、じゃ一体給料はどこが出しているんですか、省庁についても民間企業についても。これは内閣の方で出しているんですか。

坂野泰治総理府行政改革会議事務局参事官

○坂野政府委員 行革会議事務局に各省庁から来ていただいております調査員の方々は、各省庁とこの事務局の調査員とを併任するという形で来ていただいておるわけでございます。したがいまして、その給与は本務先である各省庁から支給を受けておるということでございます。  このような併任の形をとりましたのは、この行政改革会議が臨時的な組織であるということに加えまして、基本的に行政改革を推進する組織を設けるという場合にありまして、そのために行政組織が肥大化することもあってはならないという立場から、可能な限り既存の組織の人員を活用するということをやってきたわけでございまして、例えば、かつての第二次臨時行政調査会の事務局職員においても同様の措置がとられたわけでございます。  この併任という任命形式をとります以上、給与は本務先から支給されるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、調査員のその活動にあっては、その出身母体、立場を離れて行革会議の使命に専心をしていただいておるものと考えております。

古川元久民主党

○古川委員 これは民間はどうなんですか。

坂野泰治総理府行政改革会議事務局参事官

○坂野政府委員 民間から来ていただいております方々については、公務員法上は一般職の非常勤の国家公務員という形で調査員として来ていただいておるわけでございますが、同時に、それぞれ出身の企業の職員の身分もあわせて持っていただいておるわけでございます。  これらの方々に対しては、通常でございますれば、非常勤の手当を支給することになるわけでございますけれども、各親元の企業からそれぞれ給与の支給を受けておられるということでございまして、各調査員御本人はこの手当の支給を辞退をしておられるということでございます。

古川元久民主党

○古川委員 大体、給料を親元からもらっていて、それで本当に行革に命をかけられるか。まさにここは、総理も、これも内閣がどれくらい真剣かということにもつながってくるわけです。  我々議会も、別に、行革を本当にやるためのそういう人員について、例えば補正予算で要求をされてもそれを反対するようなことはしません。むしろ不要不急なものに予算をつけておいて、本当にこういう人件費であれば、これはもう率先して逆に補正でつけるべきものであると思うんですが、それを、民間からあるいは親元の官庁から給料をもらっていて、それで行革に親元の立場を離れて取り組めと言っても、それはしょせん無理というものだと思います。  大体そういう姿勢が、国民から見れば、まじめに本当に行革に取り組んでいるか、また、あるいは出している官庁からしても、どこまで真剣に総理が取り組んでいるか、そういう総理の姿勢が疑われる、そういうもとになるんじゃないか。ぜひともこれはもう一度考え直していただきたいと思います。  もう少しこの調査員のバックグラウンドについてお伺いしたいと思うんですが、この行革の会議では、先日、これは新聞記事でございますが、総理が出られたときに、総理が発言が少ないという中で一言発言したという中で、官僚は法文系が主流で偏っている、医科、歯科の学生はなかなか来ないなどということを言われたというふうに報道がされておるんですけれども、じゃ、行革会議のこの調査員というのは文系と理系、どんな比率になっているんでしょうか。

坂野泰治総理府行政改革会議事務局参事官

○坂野政府委員 調査員、現在二十七名任命をいたしておりますが、そのうちいわゆる文科系統に当たる学部を卒業された方が二十五名、理科系統の方々が二名ということでございます。

古川元久民主党

○古川委員 行革というのは、文系の人間だけでできる話じゃなくて、特に省庁再編とかいうことは、これは省庁にたくさんいらっしゃる技官の方々のあり方も含めて考えていかなきゃいけない。そうしたら、理科系的な発想も持っていかなきゃいけない。我が党の代表二人とも理科系出身でございます。今こそ理科系の発想も取り入れていくべきだと思うんですが、余りに今のは偏り過ぎている。  また、よく今国家公務員でも東大偏重を改めようという話があるわけですが、じゃ、この調査員の出身大学というのは、中で東大は何人ぐらいいるんですか。

坂野泰治総理府行政改革会議事務局参事官

○坂野政府委員 先ほど申し上げました二十七名の調査員のうち、東京大学を卒業されておられる方は十九名でございます。

古川元久民主党

○古川委員 かなり大きな人数と言わざるを得ないですよね、これは。大体、官庁と同じような仕組みで、同じような人員体系で、組織体系でやっていて、抜本的な行政改革ができるのか。その辺の政府の姿勢というのは問われてしかるべきだと思うんです。その辺が官庁からも、橋本政権が真剣に、今の官庁をばらばらにするぐらいの意気込みがあるのかどうか、火だるまになるつもりがあるのか、そうした雰囲気が見えてこない。だから、官庁でも、どうも私の見るところ、橋本政権がこれからどういうふうに行革をやっていくかというのを模様眺めをしているような、そんな雰囲気にしか見えないんです。  そういう模様眺めの一例じゃないかと思っておりますのが、きょう通産大臣に来ていただいておりますけれども、これは通産省の機構改革についてなんです。  先日、通産省の方から御説明を受けましたら、かなり抜本的な機構改革をことし通産省はおやりになろうとしておられる。しかも、もうこれは別に法律を改正しなくても政令で改正ができるという機構改革。中には、もうプロジェクトチーム制を導入して、今までの縦割りじゃなくて柔軟に対応ができるようにというような形で、その中で、プロジェクトチームの当面考えられる課題として、環境配慮型経済システムづくりとか地球温暖化防止とか、どう考えても今の通産省だけの話じゃない、省庁横断的なことまで通産省でやりますよといったような、時代を先取りしている、さすが通産省だなというふうに感心をした次第でございますが、この通産省の機構改革は、じゃ、目前に迫っている、十一月には答申が出されるという省庁再編とは一体どういうふうに関連していくんですか。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 よく委員御存じですが、今、大競争時代に突入ということで、我が国の経済社会を取り巻く中長期的な危機が強いということで、経済構造改革というのが私たちの今取り組んでいる最大の課題ですから、そのときに、非常に有機的というかほかの方にすそが広いということで、省を挙げてこの問題に機動的かつ弾力的に取り組むということで、こうしたプロジェクトのチームをつくるということが一つの柱でございます。  もう一つは、例年やっている定員法による削減ということで、今までありました課を統合するというのがございます。  そういうことで、これは今おっしゃったような十一月を控えて先取りしたというわけではございませんで、非常に通産省自体の自主的な機構の改革だということで、二十一世紀をにらんで総理府中心でなさる行政改革会議の検討結果というのはまた別の問題だ、こういうふうに考えております。

古川元久民主党

○古川委員 そうしますと、行革会議の結果として、もう通産省が要らないということになれば通産省はなくしてもいい、その中でまあとりあえずということで考えてよろしいわけでございますね。  こうした機構改革について、これは通産省のを私はたまたま見たのですけれども、こういうかなり抜本的な、これは法律事項じゃなくて政令でここまで行えるというのは、ちょっと私も若干びっくりしたのですけれども、こういう機構改革というのはほかの省庁でもやられているのでしょうか。この辺、総務庁長官は承知しておられますか。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 十分承知をいたしておりません。  ただ、今お話しのとおりで、通産省がなくなるということは、通産省という肩書きの役所はなくなる可能性は非常にあると思いますが、今通産省のやっている業務が全くなくなるわけじゃないわけでございますから、必要のないところはなくしていきますけれども必要なところは残しておくわけでございますし、今御指摘のあったような新しい時代を踏まえたいろいろな産業政策について設けられることは、どんな役所になろうとも、その課という段階においては当然入ってくると私は思うのです。そういうことは、何も今そういうものをつくったからむだじゃないかということにはならないのじゃないかと私は思っております。  それからもう一つ、先ほどの話にちょっと触れますけれども、私は、正直、けさの閣僚懇談会でも、きのうの労働大臣の発言というのは大変遺憾に思いまして、私から、少なくとも自分の役所のいろいろ問題になっている、今行政改革で問題になっているものをまだその所管大臣が守ろうとされる姿勢はいかがか、こういうことで実は遺憾の意を表明いたしまして、総理からもその点については、少なくとも各閣僚とも、全部自分のところを守るということではなくて、本当に新しい時代に合った行政機構をつくり上げていこう、制度をつくり上げていこうという形でやっていただきたいというお話がありました。  やはり各閣僚ともそういう気持ちでやっておりますから、その役所から出てきているからその役所の人間が一向に力を入れないのじゃなかろうか、行政改革が果たしてできるのだろうか、これは私はいささか、何といいますか、そういう見方もあるのかもしれませんけれども、今来ている連中は少なくとも行政改革を徹底してやっていこう、こういう姿勢でスタッフは取り組んでくれていると私は思っておりますし、任命権者はそれぞれ各省庁の大臣でございますから我々がとやかくは言えませんけれども、この間総理と私が話をしている中には、ぜひ一生懸命やってくれたスタッフに対しては、昔戦争中に二階級特進なんということがありましたけれども、そういうようなよくやってくれた人には、その省庁のそれぞれ責任者、大臣に対して、少なくとも思い切っていいところへ行けるようにお願いをしようというような話もしたくらいでございまして、ぜひその辺は、真剣に取り組んでいるので、そう今から、十一月末にできるのかどうかということじゃなくて、ひとつそれは見ていていただきたいと私は思うのです。

古川元久民主党

○古川委員 今の総務庁長官の話を聞いていてちょっとおかしいのじゃないかと思ったのは、二年後に帰ったときには親元がなくなるかもしれないわけですね。特進してやると言って、帰ったらもう部隊がなかったら特進しようがないじゃないですか。むしろ、本当に彼らにやる気を持たせるのであれば、この行革会議の中では官邸機能の強化というものも同時に検討されていくというわけですから、ここでやった人たちはこの強化された官邸のスタッフとして総理が大事にしていくという、そういうことぐらいやはり考えていただいてもいいのじゃないかと思うのですが。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 ちょっと誤解があるといけませんけれども、先ほどスケジュールを申し上げましたように、成案はことしの十一月末をめどに私どもはまとめたいと思っております。そして、その成案ができたら、行革会議にも時たま意見を聞きながら政府が責任を持って法律案をつくっていく、これは来年の通常国会に間に合うように、平成十年の一月以降に開かれる通常国会に出すということでして、その間は今の役所はそのまま残るわけですから、親元は必ずあるわけです。この点、誤解のないようにお願いしたいと思います。

古川元久民主党

○古川委員 それはよくわかっていますけれども、特進して二、三年したらもうなくなっちゃったというのでは、それでは何の意味もないのじゃないかと思いますから、やはりよく考えていただきたいと思うのです。  時間もなくなってきましたので、最後にちょっとお伺いしたいのですが、通産省の中の機構改革の一環として、これは大変に私はすばらしいことだと思うのですけれども、自分たちの中で政策を評価する、また、みずからのやっている政策について外からの意見を求めようということで、通産省の中に政策評価広報課を設置したり、あるいは政策評価を行う第三者機関を、大臣直属の諮問機関みたいな形になるかどうかわかりませんが、そういう形で設置したいというお話があるわけですが、こういう形で、法律改正もしないような形で内部監査体制が、各官庁でチェックできるということを、これは通産省の機構改革の案が図らずも示しているわけですね。  となりますと、総務庁は、我々民主党が提出しています行政監視院が仮に国会にできたとしても行政の内部監査は必要であって、そのためには行政監察局が必要なんだという、そういうふうにお話をしておられますが、これだけ充実した内部監査機構が各省庁の中にできるのであれば、その上にまた内部監査ということで総務庁の中に行政監察局というものを置く必要はないのじゃないでしょうか。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 古川委員に申し上げますが、時間を超過しておりますが、次の民主党の時間に食い込んでもよろしいのですか、それだけ確認しておきます。

古川元久民主党

○古川委員 はい。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 内部監査というのは、それによってよりよい行政が行われればいいのであって、それぞれの役所が内部監査をおやりになることは私は一向に差し支えないと思っておりますし、私が申し上げているように、民主党が御提案になっているGAOについても、国会でそういうものをおつくりになることに対しても、私は結構じゃないかと申し上げております。  しかし、中央の一つの、中央だけじゃない、全部行政府というものの中で、やはり一段ちょっと私は高い立場とよく言うのですけれども、何かこうチェック機能をしっかりできるところが必要ではないか。今の行政監察局は、正直、その点では不十分だと私は言っているわけです。これはもう今度の国家機能のあり方という中で、あるいは官邸機能強化という中で一体どういう形がいいのか。  幸い、会計検査院、決算の方は憲法でああいう形で会計検査院というのがちゃんと認められておって、おかげで会計検査院法がございますけれども、行政監察についてはそういうものがございませんが、私は、やはり行政府そのものが全体の立場でチェック機能を果たしていくというのは、これはどうしても必要ではないか、こう思っているわけでございまして、内部でそれぞれおやりになることはそれぞれおやりになることで結構であって、そういうことがきちんきちんとやられていけば、より悪いことはできないということになるのじゃないかと私は思っているわけです。

古川元久民主党

○古川委員 この点に関しましては、またこれからも議論をいろいろとさせていただきたいと思います。  時間になりましたので終わります。ありがとうございました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて古川君の質疑は終了いたしました。  次に、渡辺周君。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 民主党の渡辺周でございます。  閣僚の皆様からしますと、次から次へと若い、息子みたいな者が出てきまして、目を丸くされているのではないかというふうにも思いますけれども、我々もこれから二十一世紀、この大変な、政財官、いろいろな問題が噴き出している中で、未来に向かってどういうふうに責任を持っていくんだ、また我々が責任を持って次の世代に、あるいは我々がこの先享受をする利益、不利益に対してやはり真摯に臨もうということで、私どもの党の御配慮により若い者が次々に質問をさせていただきたい、御理解をいただきます。  まず第一点。二月十日に出されました中央環境審議会、橋本総理の、首相の諮問機関ではございますけれども、新しい環境影響評価制度のあり方を検討して答申が出されました。これにつきましては、先日もう既に、新進党の大野委員の御質問に総理また環境庁長官がお答えになっていらっしゃいますけれども、私どもの視点として、今回の、まず環境アセス制度を設ける、そして、統一的で、透明性が保たれ、わかりやすい制度にするのだ等々、あるいは従来の答申にございませんでしたけれども、事前の計画段階での評価、そして事後の行政の成り行きを住民がある程度判断する余地を残したというようなことを骨子に盛り込まれたわけでございます。  環境庁長官、まず法案を三月に提出をされる、それ以前の現段階、この答申を受けられてどのようにお考えになっていらっしゃるか、まず一点、お尋ねをしたいと思います。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 環境アセスメントにつきましては、御指摘のように大変長い経緯がございました。十六年前に法案が出されまして、廃案になったわけでございます。その後、閣議決定に基づく要綱に基づきましてアセスメントを実施して、制度として定着をしてきているところでもございます。  しかし、やはり我が国の置かれております国際的な中での立場においては、何としても先進国にふさわしい環境アセスメント制度を確立しなければならないということを常々考えておりましたので、今回中央環境審議会の御答申をいただきまして総理に提出をされました、大変これは意義が深いというふうに思うわけでございまして、この答申に基づきまして、これから具体的な法案作成についての詰めを行っていくという段階でございます。  このたびの答申におきましては、法律による制度にするということ、それから早い段階から環境影響評価を可能とするということが新しい制度の備えるべき基本原則として示されました。環境庁といたしましても、国民の期待にこたえられますように、そして我が国の環境保全に取り組む積極的な姿勢を内外に示すためにも、審議会の答申を踏まえて環境影響評価法案を提出する考えでございます。  また、このたびは総理大臣からも、できるだけ各省庁との調整を十分に図った上で実効の上がるアセスメントを実現するようにという御指示をいただいているわけでございまして、その線に沿いまして法案を取りまとめるため今準備をしているところでございます。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 お答えをいただきまして大変な意気込みを感じるわけでありますけれども、これは、歴史的にさかのぼって考えてみますと、環境庁が設置をされたのが七一年七月、ここから既にもう大変な時間がたっている、四半世紀がたっているわけでありますけれども、この間に、昭和五十年、中央公害対策審議会環境影響評価小委員会の一つの運用指針、ここに、事前に予測と評価を行う、開発行為が大気、水、土、生物等の環境に及ぼす影響の程度と範囲、その防止策などについて、代替案の比較検討を含めここで事前に予想と評価を行うというようなことをされました。しかしながら、結果的に今日まで法案が五回、国会提出が見送られました。そして昭和五十六年、このときに出された法案が、昭和五十八年十一月の衆議院の解散に伴って、結果的には日の目を見なかった。  ちょっとまたさかのぼってつけ加えてみますと、一九七二年、昭和四十七年、国連人間環境会議において、大石武一、当時の環境庁長官が、これは国連での演説でございますけれども、私は公共事業の計画策定に当たり、環境アセスメントの手法を取り入れる所存であります、そして近い将来には、この環境アセスメントをさらに国土開発、観光開発等の事業にも広く応用いたしたいと考えておりますというようなことを述べられました。  そしてまた、昭和四十九年二月には、三木武夫環境庁長官が、各種の公共事業の実施及び地域開発について、その計画の各段階において環境に及ぼす影響の内容及び程度を事前に十分評価して、いわゆる環境アセスメントをさらに積極的に推進する。そしてその翌年にも、今度は毛利環境庁長官が、アセスメントをあらゆる開発に対しても、産業に対しても徹底しなければならぬ、これは最も強調すべき点である。そして、政府部内における法制化の具体的な検討をというようなことを歴代の環境庁長官が言ってこられました。  しかし、御存じのように、確かに閣議アセスとして現在要綱が出されておりますけれども、現実問題として法案として出すには、これは過去のいきさつを見てみますと、やはり各省庁間の調整に手間取った、あるいは自民党、与党との調整に結局統一的な見解が見出せなかったという形で、何回も何回もこれは日の目を見なかった。  今、総理からも指示があって、十分に議論を尽くせ、そして具体的に詰めて実効性のあるものを出しなさいということでありますけれども、三月に法案を出されると言われておりますけれども、果たしてこれからこの残りわずかな時間の中で、二十数年かかってできなかったことがやれるというような強い御意思を長官はお持ちなのか、そこについてぜひ、本来ならば、総理がいらっしゃれば総理に伺いたいところだったのですけれども、ぜひ長官のお考えを聞かせていただきたい。  さらにつけ加えて、今度のこの答申をこのまま沿った形で法案にするとしますと、従来のこれまでの、前回出されました法案とは違いまして、今度は環境庁あるいは環境庁長官の占める比重が非常に高くなってまいります。前回の法案では、結果的に主務大臣から求められた場合のみ長官は意見を言うことができる。しかしながら、今回の答申であれば、環境庁長官は主務大臣に対して常に必要に応じて言えるのだというようなことが書かれております。この答申に沿ってもしやるのであれば、環境庁あるいは環境庁長官の大変な環境に対する思い、あるいは役割が大きくなってくるわけですけれども、その点もあわせてお尋ねをしたいと思っております。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 議員御指摘のとおり、この環境アセスメント制度につきましては長い、大変難しい経緯がございました。しかし、せんだっての中環審の答申を受けた以上は、この中身に沿って、内容に沿って実現をするために最大の努力をしていかなければならないと思っております。  環境に関する取り組みにつきましては、各省庁いろいろと立場がありまして、内容もさまざまでございますが、しかし業種の横断的な、統一的なルールのもとにこれは扱っていかなければなりませんし、それが基本姿勢でございますから、これからも透明性が保たれて、そしてわかりやすい制度とするように留意していかなければならないというふうに思っております。  特に、先ほどお話がありましたように、今までは環境庁長官は主務官庁からの求めがなければ意見が言えなかったというような状態でありますけれども、今度このアセスメントの法制度ができれば、環境庁長官が必ず主務大臣に対して意見を述べることができますので、さらに環境行政は充実したものになるだろうということを考えております。そして、長い間さまざまな苦難の道を歩んでまいりました環境アセスメントの法制化については、最大の努力をいたしまして、各関係省庁とのコンセンサスを十分にしていきながら、実現のために努力をしていきたいと思っております。  もう既に、事務方におきましては前々からその中身の詰めば行ってまいりました。ですから、今の時点から始まるということではありませんが、今までのさまざまな交渉事、調整の成果を、さらに実が結びますように頑張っていきたいと思います。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 今、大変に長官としての力強い御答弁だったと思います。  しかし、これまでもさかのぼってみますと、結果的にはなかなか日の目を見ていない。それは、一つには、法制化の必要性の有無がこの要綱に照らし合わせてあったかなかったか。あるいは、訴訟が頻発すると開発事業がおくれるんだ、そういう可能性がある。あるいは、どうしても公共事業あるいは開発という点に非常にブレーキをかけることになりやしないかという産業界等の意見があったというふうに我々は認識しております。ぜひともこれはコンセンサスをつくっていただいて、ぜひ日の目を見るように長官のリーダーシップを発揮していただきたいと思います。  そしてもう一つ、先ほどから出てきましたいわゆる統一性という問題の中で、発電所の立地のアセスについてはどうするんだというようなことが従来言われてまいりましたけれども、この答申としては、統一性という言葉の中でこれもアセスの中にくくるんだ。しかし、先般橋本総理は、前回の委員会質疑の中で、それが果たしていいかどうか、もっと別の形で、これは法律として個別に残すべきではないかということを繰り返しおっしゃったわけですけれども、今回のこの統一的という部分の御見解、そして、通産省、今言われております発電所の立地についてはどうなんだということに対して、ぜひ通産大臣に御答弁いただきたいと思います。  と申しますのも、余計なことかもしれませんが、かつて公害国会と言われましたとき、日本の環境政策史で大変大きな転換点だと言われた、当時の総理大臣は佐藤総理大臣でございました。そしてまた、今回この法案が出る。成案として日の目を見るということが、これが第二の転換点となるならば、親子でこの日本の環境政策史に大きな名を残したと言われるようぜひ実現をしていただきたいと思いますが、その点につきまして通産大臣、御答弁をお願いします。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 大変長い環境問題の歴史もお話しでありましたが、当時、渡辺委員のお父上、渡辺朗先生、大変自然を愛されて環境問題も御熱心だったと私自身記憶しております。  今、いろいろな見地から御心配をいただきましたが、まず結論から申しますと、今回の環境のアセス法、これの成立は橋本総理の強いリーダーシップのもとに必ず実現するということをまず申し上げます。  と申し上げるのは、いろいろな歴史の中においても、今の時代というものが、もう環境というものが優先するという時代になったという背景がございます。そういうことで、当省の立場を弁解するようでございますが、この私たちの方の発電所の設置に関しては、いち早くアセス法というか法律が必要だということは言い続けてきたわけでございますが、若干誤解があったと思うのです。それが、十日の日に総理に対する答申が出まして、そして、それを受けて総理が十二日の当予算委員会でもって答弁をされております。  そのことに尽きるわけでございますが、具体的にはどういうふうになるかというと、発電所をアセス法の対象事業とした上で、アセス法に基づく一般原則を発電所に適用する。発電所のアセス手続が他の事業と異なる特別な手続を電気事業法の改正で対応する。まず基本的なものをアセス法でもって統一して、その中で発電所だけに適用されるというか特別なものは今の電気事業法の改正をしていこう、こういうことでございます。  具体的にはこれから、法制化の作業が実は残っておりまして、その中で、どういうふうな表現にするかということで環境庁とこれから調整してまいる所存でございます。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 御答弁をいただきまして、この問題につきましては、これは環境アセスメント法が出てきてからいろいろなところでまた質疑をしていきたい、また我が党としての見解を述べていきたいと思います。また、今通産大臣の御答弁、私も商工委員会の中でまたぜひこの問題につきましては深く論議をしていきたいなと思っております。  もう時間がございませんので、次の質問に移らせていただきますけれども、今環境のアセス法という観点から環境問題を論じましたけれども、先ほど通産大臣もおっしゃいましたが、環境に対する意識あるいは運動というものが今大変な大きな力、うねりとなってきている、そういう時代背景がございます。  その中の一つ、今これは大変国民的な関心事と言っても過言ではないと思いますけれども、中海の干拓事業の問題、これも環境派の非常に徹底した運動によって現在淡水化事業は休止したまま、そしてまた、これは大変大きな政治問題と今なってきているわけでございますけれども、環境庁長官にもお尋ねをしたいと思います。  この中海干拓事業の問題について今どのような御認識を持っていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 中海につきましては、湖沼水質保全特別措置法の指定湖沼となっておりまして、下水道の整備など、窒素、燐の削減等の水質保全対策が幅広く進められているところでもございます。しかし、水質の現状ははかばかしくないのでございまして、環境基準を大幅に上回っております。したがって、中海の干拓事業につきましては、水質への影響に関して十分検討する必要があるところでございます。  このような観点から、昨年の三月十八日に、島根県に対しまして、明確な土地利用計画に基づいて水質予測を行うということについて、また、水質が悪化する夏場の予測を行うということにつきまして申し入れをしたところでございます。  島根県は、これを受けまして、その内容を満たすということで、昨年の六月から約一年間の予定で水質影響調査を行っているところでございまして、その調査の結果を待ちまして、これが終了した段階で環境庁としては厳格な点検を行いたいと思っております。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 今、環境庁というお立場から御答弁いただいたわけでございますけれども、続いて、農林水産大臣にぜひこれはお尋ねしたいと思います。  これはもう今さら言うまでもなく、もう一山陰地方の一つの事業の問題ではなくて、この問題自体に、今日本が抱えているいわゆる財政の矛盾、あるいは国策の行き詰まり、矛盾ですね。昭和三十八年からここまで来た。しかしまだこの問題は決着がついていない。いろいろな問題が内包されているわけでありますけれども、農林水産大臣、この問題についてどのような御見解をお持ちか。  これは個別でちょっとお尋ねしたいと思うのですけれども、一つには、島根県はこの事業再開に当たっては、将来の食糧危機に備えて必要なんであるということを繰り返しおっしゃっておりますけれども、農水大臣として、この島根県の訴える食糧危機に備えて、そしてまた、考えられている本庄工区の干拓という言葉に具体性はあるとお考えでいらっしゃるかどうか。  そしてもう一つ、これはいろいろなところでここの知事さんが本音の部分に近い形でおっしゃっていますけれども、過去の投資がむだになるからこれは事業を中止できないのではないかというような指摘もあります。また御本人もそれに類するようなことを幾つかの対談の中でもおっしゃっております。現実問題として、これまで二百六十八億円をつぎ込んできた。そして県農家の地元負担が百億、利息が百四十億ということへ来て、このままここでやめてしまっては負担ばかりをすることになる。しかし、今後再開することによって、あともう二百四十八億ですか、つぎ込んでいただければ大変な農地が手に入るんだというようなことをお考えになっているようだ。  ちょっと時間がもうなくなってきましたので、ぜひ農林水産大臣、今の二点だけについてちょっとお答えをいただきたいと思います。またこの後、もちろん農水大臣に質問しますが。

藤本孝雄自由民主党農林水産大臣

○藤本国務大臣 幾つかの問題についての御質問でございますが、中海の工事再開については、御承知のように、二年間、事業の総合評価を行うための中立的な調査を行おうとしておるわけでございまして、その中海の干拓事業の問題については、この事業の取り扱いは調査結果に基づいて判断する、こういうことになっております。  それから、開拓事業全般についてのお尋ねでございますけれども、我が国の農地面積は、戦後昭和三十六年をピークにいたしまして、六百万ヘクタールから現在五百万ヘクタール、つまり二〇%減少いたしております。また、我が国の食糧の自給率も先進国最低の水準でございまして、今や四二%という現状でございます。仮に今輸入をしております食糧を全部国内で自給をするといたしますと、さらに千二百万ヘクタールの農地面積が必要である、こういう現状でございます。  そういう観点に立ちますと、この食糧の自給率の低下傾向に歯どめをかけ、また国民の皆様方に必要な食糧を供給するためにも、一定量の農地を確保していくということは極めて私どもは重要なことだと考えております。そういう観点からいたしますと、この開拓事業というのは、大規模で平坦な農地を造成をして、しかも生産性の高い農家を育成していく、こういうことに極めて重要な事業の一つだと考えておるわけでございまして、あくまで一般論としてはそういう考え方に立っておるわけでございます。  ただ、誤解のないようにもう一度申し上げますけれども、中海のこの問題につきましては、二年をかけて調査をする、その調査結果によってこの問題の結論を出そう、こういうことでございますので、その点は御理解いただきたいと思います。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 今、二年かけて調査をして、その上で判断をするというようなことを繰り返し申されますけれども、これは一体何を調査するのか、その点についてちょっとお尋ねをしたいと思います。

藤本孝雄自由民主党農林水産大臣

○藤本国務大臣 調査の具体的な内容でございますが、土地利用、つまり営農の問題がございます。それから地下水の対策、それから農地用水の対策、水質保全対策、生物生態系などの環境問題の調査、環境景観対策等々の調査でございます。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 今ございました御答弁の中に、これは与党三党合意が前提になっている。その上で、実はここで三億三千三百万円の調査をやろうというような中に、いわゆる漁獲の復元というようなことについては今回調査の対象には入っていないのか、その点はどうなんでしょうか。

山本徹農林水産省構造改善局長

○山本(徹)政府委員 ただいま先生御指摘の水産関係、水産振興に関する調査検討、これも対象に入っておりまして、具体的には、水生植物、水生動物等と環境の問題、また水理工学、それからこの中海・宍道湖の漁業の実態調査、また日本漁業における宍道湖・中海の漁業の占める位置づけを踏まえた具体的な振興策の選択等も調査検討項目でございます。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 今、そうした中で、当然漁獲の復元ということについても調査をするんだというようなことがありました。そこで、地元の住民の方々がいわゆる堤防の開削についてやってほしいというような要望が出されておりますし、また三党合意の中にも盛り込まれております。  先ほど大臣おっしゃったように、中立的な立場で調査をするんだというようなことをおっしゃいましたけれども、これは昨日の新聞だったでしょうか、地元の島根県が、地元からぜひここだけはと言っておりました小さな水路がございます。実は島根県は、この中海・本庄工区の北部承水堤というところに農道を建設をするんだということで、予算計上四億四千万円をしたというようなことが報道されました。ここには大海崎堤防というところと森山堤防、この二つは農道として現地の方々が使っているわけなんですけれども、ここに北部承水堤というものが結局つくられる。ここに対して農道をつくるということを県は決めたんだと。しかし地元からは、ぜひ開削をやってほしい、それによって魚の流れがどうなるかということについてぜひ調査をしてほしいというような要望も出ておりました。  しかしながら、この問題が現実になってきますと、実は来年四月の開通を目指して、もう県は予算計上してしまった。大急ぎで道路をつくる。しかも、この農道の向かいには国道が走っておりまして、この農道自体が必要かどうかという議論が地元でもなされてきた。実はこれはそういう意味で、中立というような意味においては、非常にこれによって調査する対象が狭められてしまうわけですね。  こういう事例があったということは御存じかどうか、御見解を伺いたいと思います。

山本徹農林水産省構造改善局長

○山本(徹)政府委員 ただいま先生御指摘の北部承水路堤防の農道の利用でございますけれども、これは私ども昨日の新聞で承知いたしましたところでございます。これは県の単独事業として実施されるものと承知いたしております。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 この前に自民党の農林部会の方々がここに調査に行かれました。三名の先生方が行かれまして、実際現地を見てこられた。その中でもう既に、堤防の開削は非現実的だというようなことを実際言われたわけですね。何を根拠かわかりませんけれども、百メートルの、調査費が三億三千万円なのに百億円を投入して開削なんかはできない、あるいは、その代替案として橋をかけるには工期が二十カ月かかるんだ、だからこれは無理なんであるというようなことをおっしゃったわけですね、現地で。  もう既に、中立な調査をするという文言まで盛り込まれて三党で合意をして、しかも今後調査をするのに、まずそこで一つ予断を入れてしまっている。そしてまた今回ここに農道ができてしまうと、できるはずだった、可能性を考えられた調査ができなくなるということに対して、この現実をどうとらえていらっしゃるのか。ぜひここは、大臣、中立な立場ということを考えて、本当にどういうふうにお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。

藤本孝雄自由民主党農林水産大臣

○藤本国務大臣 先ほどの調査の具体的な内容の中で、西部承水路などの調査、これを落としておりましたので、これはつけ加えさせていただきます。  それから、北部承水路の問題、御指摘ございました。私、事実関係を、大変恐縮でございますけれども存じておりませんので、早速調査の上御返答させていただきたいと思います。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 もうこれは時間がありませんから早口になりますが、政府・与党の九年度予算編成大綱には、「中海干拓事業に係わる調査の推進」として「事業計画と水産振興を中立的立場から総合的に評価するため、所要の調査を推進する。」という文言が盛り込まれているわけですし、もうここには既に予断が入ってきているんだなというような、何かこれに対して、非常に守られていない。私は与党三党でもありませんけれども、ただ、フェアではないなと。何か私は、地元の知事さんの判断によって、あるいは推進派の方々の何か連係プレーによって次々と調査の可能性をふさいでしまっているような、繰り返しになりますけれども、気がするわけでございます。  時間がございませんから、この点につきましては、今大臣御答弁いただきましたように、ぜひ事実確認をしたい。事実だと思うのですね、これはこれだけ報道されまして、地元では大騒ぎになっていますから。ただ、こういうことがあって中立的な調査ができるのかどうか、その点、ぜひへまた機会がありましたら、何らかの形で御意見を表明していただきたいと思います。  そして、もう一つは、この問題に関して我が党の菅代表が、一月二十二日の国務大臣に対する質疑の中で、行政監察局は一体いつになったらこの点について勧告を出すんだ、結果はちっとも出てこないんだけれども、どうなっているというようなお尋ねをしました。あえてここでまた聞くわけでございますけれども、総務庁長官、この中海の干拓事業、行政監察をされて、一体なぜいまだに何も出てこないのかという点について、この場でもまた改めて御答弁いただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 中海の干拓を含めて、干拓事業だけではございませんが、八つのプロジェクトといいますか、八つの事業、農業基盤整備だとかかんがい排水とか、いろいろございますが、八つの事業について監察をいたしましたので、その勧告をしなければならないのは当然であります。  少しおくれており大変残念に思っておりますが、一つは、従来、相手の官庁と相談というか協議をしながら勧告文をつくるという、私にとっては悪い慣例だと思うので、そういう悪い慣例をやめさせようということで、今度からはもう相手と相談をしないで、とにかく、業務が円滑に行われているか、間違っていないか、そういう監察をするときには、実態を知るまではいろいろ相手の役所のことを聞くのはいいけれども、勧告を決めたとなったら、これはもうこちらが主体性を持って勧告をしなければいけない、こういうことを私が指示をいたしまして、実はもう勧告文、できていたのでございますけれども、それを一応撤回をしてもう一回書き直させましたのでおくれておりますが、今月中には必ず勧告文を提出をいたします。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 今、今月中には出すというような明確な御答弁をいただきました。といいますのは、八月の新聞紙上で、実はもうこれははっきりと、干拓事業見直しを勧告だというような、もう既にこういうスクープがされたわけです。私もかつて新聞記者をやっておりましたから、内容を読んで、これはいわゆるいいかげんな記事か、ある程度確証を持って書いた記事かというと、これは確証を持った記事であるということで、今その事実が、実はもう既にできていたんだ。しかし、これに対して、これは長官のお考えなのかどうかわかりませんけれども、相手の役所といわゆるすり合わせをして、話し合いをした上で出していた。それは、これまでそういう慣例であったのですか。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 どうも、私が行っていろいろ実際に責任者になってやってみますと、従来そういう慣例であったわけでございます。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 ということは、これまで行政監察局が出してきたそういった勧告は、すべてよその省庁と、いわゆる監察をした先とそういう話をしながら常に出してきたというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 少なくとも、今回のこの農水省との間においては、農水省と事前に勧告文について打ち合わせをしたということがわかりましたので、私から、それはいけないということで、これはもう一回やり直せ、こういうことで戻した、こういうことであります。  過去のことまでは、私はあの役所へ行ってまだ三カ月ですか、その前のことは詳しいことは存じませんけれども、少なくとも私が行ってからはそういうことは、気がつきましたので、これは直させようということで直させることにしたわけであります。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 ということは、八月に出た「干拓事業見直しを勧告へ」ということは直させたというふうな逆の理解もできるわけですけれども、時間がありませんので、ちょっと最後に一つだけお尋ねをしたいと思います。  これは八月の段階で、例えばこういう問題が出ていた。十月にもう政局がきな臭くなって、恐らくもう選挙だろうといったときに、これは実は大変大きな選挙の争点に地元ではなったわけですね。そういう政治的な何らかの判断が働いていたというふうにするならば、これはある意味では中立公正という視点を大変欠いている行政監察局ではないかなと思うのですけれども、その点について、そういう政治的判断をするような、極めて政治的に、要はデリケートな問題であるならば、それについて何らかの、言っては悪いですけれども何らかの力が働くようなことがあった、あるいは今後も考えられる、長官はどういうふうにおとりになっていますか。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 総務庁というのは、あくまで公正な判断に基づいて勧告をすべきであるということで指導いたしておりまして、そういういろいろの外からの影響によって監察の結果の勧告が左右されるようなことはございません。

渡辺周民主党

○渡辺(周)委員 今いろいろ御答弁をいただきました。初めてここに立ちましたものですから、時間配分もわからずに、大変残念でありますけれども、とにかく公正で中立であるというようなことを、これはぜひ我々議員も、政府の皆さんにも、ともどもやっていく。蛇口は緩めっ放しで、片っ方から水だけくんでこいというような、こういう不公正なことが、今政治不信であり行政不信であろうというふうに思います。  また別の機会に所信の一端を披露させていただきますけれども、ぜひその点、信頼される政治のために、いいことはいいと、一緒にやっていきたいと思っております。  ありがとうございました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。  次に、一川保夫君。

一川保夫新進党

○一川委員 私は新進党の一川保夫と申しますけれども、実は私、昨年の九月まで石川県の県議会に籍を置いていた人間でございまして、このたびの重油流出事故災害につきましては極めて関心を強く持っているわけでございますけれども、この対策本部長でございます運輸大臣も現地を調査され、また農水大臣、それから環境庁長官も現地を調査されたというふうに記憶しております。  関係のそれぞれの省庁の皆さん方もそれなりに大変な御苦労をされておるということに対して心から敬意を表したい、そのように思いますけれども、また一方では、今現地も引き続き重油の回収、それから漂着した重油の除去ということに対して全精力で取り組んでいる最中でございますけれども、私、先ほど言いましたように、そういった地方における、各地方公共団体の皆さん方なりまたそれぞれ関係する諸団体、それから地域住民、漁業者の方も含めて、そういう皆さん方の現時点におけるいろいろな心配事、それから将来に対する不安、そういった点を中心に政府の考え方をただしておきたい、そのように思っております。  したがいまして、できるだけ具体的な御答弁を期待したいというふうに思いますし、それぞれの関係者の皆さん方にそういう不安感を抱かせない、そういう責任のある対応をぜひお願いを申し上げたい、そのように思っております。  御案内のとおり、日本海側、今回重油で被害を受けている地域というのは、きょうも東京は快晴でございますけれども、向こうの気象は大変厳しいものがございます。そういう非常に寒い、寒風が吹く中で油の回収に励んでおられるわけでございますけれども、一方では、これからいろいろな補償の問題あるいは今後の海岸を復元する問題なり、また、こういった類似事故の再発を防止するという問題に関して、非常に地域の方々は大きな不安感を抱いているというのが現状だろうというふうに私は思います。  その観点から特に具体的にお話を聞かせていただきたいとは思いますけれども、私は、今回の一連のこの重油災害の流れを見ておりまして、これからの対応でございますけれども、まだ引き続き漂着しつつある現状にもございますし、まだそういうものに対する除去作業というのは当然引き続き行われておりますけれども、そういった重油を回収する、除去するという部分、それからまた、それに引き続き、今現在いろいろ準備作業が行われていると聞いておりますけれども、いろいろな被害に対する補償の問題というのがこれから続いてくるというふうに思います。  それに引き続きまして、汚れた海岸をどう復元するか、汚れた自然をどう回復するかということがその次の大きなテーマであろうというふうに思っております。  それに引き続いて、やはり中長期的にはこういった類似事故の再発を防ぐということが当然あるわけですけれども、そういうことを考えますと、今回の重油流出事故は、まず油の回収、除去という段階、それから被害者に対する賠償、補償の段階、それから海をきれいに復元する、そういう段階、それと再発を防止するという段階があろうかと思いますけれども、そういう各それぞれの段階に応じて、政府の関係省庁で責任のある対応なり指導をぜひお願いをしておきたい、そのように思っております。  それで、私が質問に入る前に、まず、先ほど三人の大臣が現地を視察いただいたわけですけれども、ここで改めて、当時現地を視察されたときの印象といいますか、そこのところを一言ずつお話ししていただければ非常にありがたいのですけれども、どういう順番かわかりませんけれども、どうぞお願いします。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生にお答えする前に、一言お礼を申し上げたいと思いますが、今回の重油流出の事故に関しまして、先生、お地元という関係もございますでしょうけれども、大変的確な御指導また御支援をいただいております。このことをまず心から敬意を表したいというふうに思います。  率直にあの現地を見た感じを言えということでございますが、一言で言いますと、漂着した油の除去作業を見まして、この委員会の中でも何回も話が出ておりますけれども、この科学の進んだ時代にこういう方法しかないのか、具体的に、漂着した油というものを除去するには何といっても人海戦術にまさるものなし、こういう現実を見まして、率直にそうした感じを抱きました。

藤本孝雄自由民主党農林水産大臣

○藤本国務大臣 私も運輸大臣と同じような考え方を当然持ったわけでございますが、同時に、私は四国の香川県の人間でございまして、冬の日本海の物すごさといいますか、大変な自然の脅威といいますか状況といいますか、そういう中でこの油の除去であるとかそれからいろいろな作業、これが本当に大変な状況の中で行われている御苦労に対しては、本当に感謝をしながら見てまいったわけでございますが、特に一番印象的でございましたのは、三国町の町長が、漁場の保全、またもとへ戻るように、このことを非常に強く訴えられました。漁場を再生してもらいたい、これはまさしく我々農林水産省の仕事でございまして、このことには我々の責任において全力を挙げてこたえていかなければならぬ、そういう感じを非常に強く持ちました。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 私が視察をいたしましたのは一月の十五日でございました。その日は比較的天候が穏やかではございましたけれども、その前後の大変な日本海をめぐる荒れた海、そして天候の悪さということにつきましては、思うように油の回収ができなかった、そういう現実を目の当たりにしたところでもございます。  そして、私ども環境庁の立場でございますと、自然環境の破壊がかなり進んでいるということを感じましたし、また海鳥の保護の問題につきましても、大変な問題であるということを認識したところでございます。  そのような油の除去でありますとか、特に海岸に打ち寄せられました油の作業、そして海鳥の保護の問題につきましては、ボランティアの方々が大変な御活躍をいただいているわけでございまして、そのことにつきましては本当に頭が下がるような思いがいたしました。  全般的に、このような思いがけない突発的な事故に対しまして、いわゆる危機管理の問題については、やはり備えが甘かったのではないかという認識をしたところでもございますし、これからこのような教訓を十分に今後に生かしていくべきであるということを感じたところでございます。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 私も現地を見ておりますので、御指名がありませんでしたが……。  多分、今答弁された三人の方々は、三国町、あの油がどんと流れてきたところを見たと思うのでございますが、私は新潟県の海岸線を約百数十キロ見させていただきまして、ほかのところはわかりませんが、いわゆるかなり長期間漂流してきた油が打ち寄せられたところの被害を見てまいりまして、隠岐沖から来たのですから相当流れてきたと思うのでございますが、一時流れてきたときは本当に相当の量が打ち寄せられたようでございますが、地元の皆さんが本当に懸命になって回収をされておりました。  ただ、浜辺で回収するという作業も風が強かったために思うようにできずに、そして、天気が悪いということで中止しますとサンドイッチ状になってより困るんだというような姿を見て、大変いろいろな問題があるんだなと思いました。また翌週、どうだろうかなと思って見に行きましたら、今度は雪が降っておりまして、拾う作業を、土日でボランティアで取りたいと思ったのだけれども、雪が三十センチぐらい積もっておるものだから油を回収する作業が全然できないというようなことを見まして、そういうまたいろいろな問題もあるのかなと思いましたが、ただ、本当に各市町村が懸命になって漂着した油を回収しておりました。  そして、相当程度回収されている姿を見まして、先生が御指摘になりましたその後の被害等を含めても、まず大勢の力をかりて人力で丹念に回収するしかないんだなということを目の当たりに見たものでございますので、それは地方自治体が中心になってやっていただくしかないものでございますから、費用その他のことは考えずに、どうぞまず今できることは、今後の被害防止等を含めてまず漂着した油等を回収することであるということで、現地並びに各地方公共団体を激励しているところでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 四人の大臣、それぞれ今回の事故の特色なり、また現地の自然的な特性をとらまえた印象だろうというふうに思いますけれども、ぜひそういう現地を見られた気持ちをお忘れにならないで、これからの対応方をよろしくお願いしたいというふうに思っております。  それで、私、ちょっと事務的なお話になりますけれども、今現在、重油の流出状況とか漂着状況ですね、あるいはそれが洋上で回収されている部分、それから漂着した部分を海岸で除去されておるわけですけれども、そういう今現在の最も新しいデータで実態はどうなっているのでしょうか。そのあたり、ちょっと御説明をお願いしたいのですけれども。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生の御質問の冒頭に、地元の皆さん方の不安というものが一番重要なことなんだというお話がありましたので、私の方から可能な限り正確に現状について御報告を申し上げたいと思います。  御承知のとおり、今回のナホトカ号の折損沈没事故によりまして、推定五千キロリットルの重油が日本海に流出されたものと考えております。なお、その船首部に推定二千八百キロリットルの重油が残存したまま漂流後、先生も御承知のとおり、福井県の安島岬の沿岸に着底をしたわけでございます。  まず、浮流油の現状でございますけれども、これにつきましては、海上保安庁を初め関係省庁の御協力をいただきまして防除作業を今日まで実施した結果、現時点ではほとんど浮流油については認められなくなったというのが現状でございます。また、タンカーの船首部の残存する油の抜き取りについてでございますけれども、これも既に御承知のとおり、二月の十日までにほぼ抜き取りをさせていただいた、完了したと御理解をいただいて結構だと思います。  ただし、今後まだ船首部の船底だとか、クリーニングという、油がこびりついているものですからそれをきれいにしなければいけないという作業が残っておりまして、これも静穏な日を見て、幸いにも仮設道路というものが完成いたしておりますので、そこからクレーン車を使いまして十分なクリーニングを努めてまいりたい、こういう作業は残っております。  また、油の沿岸への漂着状況でございますが、一府七県に広がっております。これは今、関係自治体が中心となっていただきまして、お話があっておりますように、民間のボランティアの方々の献身的な大変な御協力もいただきまして、業界の方々、地元地域の方々、漁業者の方々等々の協力のもとに、その油の防除作業に全力を尽くしていただいているというのが現状でございます。これは油の漂着状況によっても若干違いますので、一府七県さまざまな状況にあるというふうに御理解をいただいておきたいと思います。  さらに、流出油でございます。御承知のとおり、本体の方が水深二千五百メートルのところに実は沈没をいたしているわけでございます。これにつきましては、御承知のとおり科学技術庁の御協力もいただきまして、深海観測機等を使いまして今現状の把握に努めているところでございます。同時に、海上保安庁の巡視船、航空機等によりまして監視を行うとともに、巡視船によります航走拡散また放水拡散等を通じまして流出油の浮流状況に応じた防除を行っているところでございまして、おかげさまでこの流出油については沿岸の漂着という事態は生じていないというのが現状でございます。その結果、十一日現在でございますけれども、海水等を含めたおよそ五千三百キロリットルの油を回収したところでございます。  今後、関係機関の総力を挙げまして流出油の防除に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 今の現状のお話がございましたけれども、今回のこの災害というか事故という中でいろいろなデータの収集、そういったことがいろいろ問われているわけですけれども、今大臣の方から答弁のありました内容というのは、それはそれなりに理解できるわけでございますけれども、各府県における油の回収状況、それから漂着状況といったようなものを、どこか窓口を一元化されて当然掌握されているとは思いますけれども、私の出身であります石川県の例で言えば、現実、今能登半島の複雑な海岸線の中では、漂着した重油がまだ相当未回収で残っております。これは当然、これから関係の市町村なりあるいは地域の住民、ボランティアの方々のお力をかりて除去するしかないわけでございますけれども、今特に未回収の重油が多いと言われているのは大体どのあたりかというような、そういう情報はつかんでおられますか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 その前にちょっと一言訂正を。  先ほど、回収した油の量について、私、五千三百と言ったような気がいたしますが、海水等を含めまして大変膨らんだ量になっておりまして、五万三千キロリットルの間違いでございましたので、謹んで訂正させていただきたいと思います。  なお、今具体的な箇所については政府委員の方から答弁させていただきます。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 先ほど申し上げましたように、浮流油はもうほとんどないわけでございますが、漂着油は実は一府七県、地域によって非常に差がございます。やはり一番今でも油が残っておりますのは福井県と石川県でございまして、特に、人が割に入りやすいところは回収が進んでいるのでございますが、例えばがけの下とか、普通では非常に入りにくいようなところにまだかなり油が残っている、しかし、そのほかのところは随分回収が進んでいる、こういう状況でございます。

一川保夫新進党

○一川委員 では、今、これからいろいろな面で漁業被害を中心に、それと、各地方自治体でもう既に相当の経費を支出しておるわけでございますけれども、そういった経費、被害という面で、現時点で、これまでの被害想定額といいますか、そういったようなものはどこか把握されているのでしょうか。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 本件事故の被害というのをどう考えるかということでございますが、私は、今一番明確なのは、浮流している油、漂着した油を、これは環境等を汚染するのですから回収しなければいけません。これがまず最も直接的な被害なんだろうと思います。  それから、現実に今日まで漁業等に出られなかった等のものがこれはかなり現実に発生して、あと幾らかということでございますが、漁業等につきましては今後どういう被害があるかということで、何か被害という中に、回収費用等は被害額でないというふうには私は考えないわけでございまして、全体でどういう被害が想定されるかということは、本部長である運輸大臣の方からお答えしていただいた方がいいと思います。  その中で、回収作業につきましては地方自治体等がやっておりますので、そういう細目についてはまた御答弁させていただきたいと思います。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 今回の事故によります被害総額でございますが、御承知のとおり、それぞれの関係省庁の立場で実はこれから基金等に対しましての損害賠償を行っていくわけでございます。御承知だと思いますが、今回の場合、船主、そして被害者という民事上のこれからの交渉になっていくわけでございます。  そういう意味で、具体的に油の防除作業に要した費用、今自治大臣がお話しいただいているような関係地方公共団体の費用、それに農業者、また、関係する中小の経営者の方々、非常に多岐多様にわたっておりまして、今現在、どの分野でどのくらいというのを積み上げている段階でございまして、全体的な把握ということはできていないというのが現状でございます。

一川保夫新進党

○一川委員 これから恐らくそういう補償関係のいろいろな交渉事を控えているわけでございますけれども、この油の流出がいつまで継続するかということに関連することもありますけれども、今、沈没している船体からわき出てきている油もございます。  そういうことを考えますと、いつかの時点で、その被害というものに対して補償なり賠償をしていくものをどこかで一遍整理しなければならぬ。完全にそれが始末する、この事故による被害が終わるまで待つということであれば、相当の長期間を要するのではないかなという感じがするものですから、どのあたりをめどにして、何か作業を、これは基本的には民事の世界というか当事者同士の交渉ということもありますけれども、しかし、今各地方公共団体なり関係団体から強く要望が出されている一つの項目に、政府がそういった相談窓口を一元化してほしい、各地方ではこういうことはなれてはいないわけでございますし、また、そういう面の知識も非常に不足しているわけでございますので、そういったところを政府の方でぜひ一本化してほしいという要請があるわけでございます。  そういうことを考えれば、やはり大体いつごろをめどに、どういう考え方でその被害額を積み上げた方がいいですよというような、そういう政府サイドの何か指導的なものが私はあっていいと思うのですけれども、そのあたり、いかがでしょうか。

相原力運輸省運輸政策局長

○相原政府委員 お答え申し上げます。  補償交渉について政府がどういうふうな支援をするかということだと思いますが、まず、基本的に、委員の方からもお話ございましたように、油濁損害に対する補償につきましては、基本的には船主側と被害者側との民事上の問題であるというふうに認識しているところでございます。  賠償交渉自体の一元化というような御要望についても承っているところでございますが、国も防除費用等で、言ってみれば一被害者としてほかの賠償請求者と民事上対等の立場に立っているということでございまして、利益が相反することも考え得るということもございまして、請求を取りまとめることは必ずしも適当ではないのではないか。あるいは、賠償請求を一本化いたしましても、支払い側の査定は個々の損害ごとになされるものでございますので、請求どおりの賠償額の確保にはつながらないというような問題もございます。そういうこともございまして、現時点では、既に関係の団体によりましては独自に請求の準備を進めているということもございます。  そういう状況でございますが、国といたしましても、今回の事故の事態の重大性にかんがみまして、円滑な賠償が確保されるように、基金との連絡調整あるいは必要な情報提供を既に開始しているところでございます。さらに、相談体制の整備についても検討してまいる所存でございます。  委員からの御指摘の、いつごろまでをめどにということでございますが、これは、既に基金側も二月の上旬の段階で弁護士も決めまして、対応窓口も設定しております。もちろん請求でございますので資料等の準備が必要なわけでございますが、準備ができ次第請求していただければ、これはトータルの話がございますので一挙に全額ということにはならないかもしれませんが、請求された分について速やかに審査をして決定をするということでございますので、なるべく準備ができた段階で、早い段階で請求をしていただきたいというふうに思っております。政府といたしましても、できるだけのそういう形での支援をしてまいりたいというふうに考えております。

一川保夫新進党

○一川委員 ぜひそのあたりの指導方をよろしくお願いしたいと思っております。  先ほどちょっと話題に出ましたけれども、今、三国町の沖合で座礁しております船首部分、ほとんど油の抜き取りは終わっている、あとは付着している重油をきれいに洗浄するというのですか、残留油を取り除くということに今全力を投入しているというお話でございますけれども、これはどうなんでしょうか、今、大体北陸の現時点での天候というのは当然想定されるわけですけれども、今ある船首部分というのはどこが責任を持って撤去するのか。そのあたり、ちょっと御答弁願えないでしょうか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 船首部分の撤去は、当然のことながら船主の責任でやるべきことでございます。ただ、手順といたしまして、まず油の抜き取りというかクリーニングというか、あれをクレーンで持ち上げたときにまた油がこぼれるようなことがあってはいけませんので、今、仮設道路から、そういうことがないように油のクリーニングをやっておるわけでございますが、それが終わるということが必要でございます。  それは、実はきょうから始めたばかりでございますけれども、例えば、油の残量がこれだけある、ポンプの能力はこれだけだ、だからこれをこれで割れば何日というようなことでなくて、壁にこびりついておるとか底にへばりついているというふうなものを小さいポンプで一つずつスチームで温めながらはがしますので、もう少しやってみないとまだめどがつかない状況でございますが、まず油の抜き取りというかクリーニングをそういう格好できちんとけりをつけたい。  その上で、御案内のように、船首部分がどういう格好で破断状況になっているかというのは、原因の究明と深くかかわってまいります。この原因の究明は、御承知のようにロシアと協力してやるということになっておりますので、その原因の究明のためにどういう手順を踏むかというようなこともロシア側と調整しなければいけない。そんなようなことで、油の抜き取りあるいはロシア側との調整などを踏まえて、最終的にこれを引き揚げていくということになります。  いずれにしましても、一日も早くという気持ちで、私どもも全力を挙げて取り組んでいるところでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 今ほどちょっと答弁の中でも触れられましたけれども、船首部分は原因究明の決め手になる、そういう可能性が非常にあるわけでございますけれども、基本的には、船主側でこの船首部分を撤去するというお話でございます。  そういう中にあって、この原因究明の話でございますけれども、ロシア側にはロシア側の、何かもう既にいろいろな報告が出ておるというふうにも聞いておりますけれども、これから、日本の調査を担当する方々とロシアの方で調査されるそういうグループの皆さん方と、どういう連携をとってやっていかれるのか。また、今現在、撤去をするといいますけれども、その撤去をした部分をどこかの陸地に揚げて、そこでいろいろな破損の状況なり原因究明の調査を、まあ今の海にあるままではできないと思うのですね。どこか陸地へ揚げてやるということになるのじゃないかと私は思うのですけれども、そのあたりは、具体的には今後どんな格好になるのでしょうか。     〔委員長退席、小里委員長代理着席〕

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生も御指摘いただいておりますように、船首部というのは、これからの再発防止を考えた場合に、徹底的な原因究明に不可欠なものでございます。今政府委員からも答弁申し上げましたように、実は、ロシア側とも協力をして今回の事故の原因の徹底究明を図っていきたいという考えのもとに、既に我が国といたしましても、五日、六日、七日、三日間にわたりましてロシア側の方に出向いてまいりまして、原因究明についての合意を得ているところでございます。  今後、今申し上げておりますような油のクリーニングと申しますか、付着した油の回収が済み次第、どういう形で、例えば陸揚げ、そういったことも念頭に置きながら、ロシア側と共同した調査に忌憚のないようにこれから運んでまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 原因究明につきまして、その船首部分、もう今沈没しておるところを引き揚げてどうのこうのというのは大変難しいというお話でございますから、そういう面では原因を究明するその決め手になり得る、そういう材料でもあろうというふうに思いますので、ぜひ、日本側として責任のあるしっかりとした調査結果を出していただきたい、そのように要望しておきたいと思います。  それから、今沿岸地域の皆さん方で最も不安に思っているのは、島根県沖合に沈没しているという、船体のほぼ四分の三に当たるのですか、そういうものが二千五百メーターぐらいの水深のところに沈没している。それが、そこからは余り重油は出てこないだろうというような言い方が当初ちょっとあったと思うのですけれども、何日か経過した後、現実にそれが漏れてきているということでございます。  では、今後これがどうなっていくのか。相当の量、先ほど、全体で一万九千キロリッターだったですか、そういう中で流出したのは五千キロリッターというふうに言われておりますけれども、五千だったですね。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 回収したのは五万三千。

一川保夫新進党

○一川委員 それはもうボリュームがふえた後ですからね。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 はい、五千です。

一川保夫新進党

○一川委員 そういうことを考えますと、今沈没している船に残っている重油の量というのは、ほぼどれくらいかはちょっと、引き算すればそれでいいのかどうかわかりませんけれども、相当の部分が残っていることは間違いないわけです。そういうものの今の調査の経過とか、現状がどういう形で流出している、流出というか、わき出ているというか、漏れているというのですか、そこは科学技術庁で何か調査されているのですか、ちょっと御答弁をお願いしたいのですけれども。

落合俊雄科学技術庁研究開発局長

○落合政府委員 科学技術庁におきましては、海洋科学技術センターが所有しております深海観測装置の、ディープトウと呼んでおりますが、これと、深海探査機のドルフィン3Kというものを用いて、今御指摘の沈没している部分についての調査を行っております。  その結果でございますが、島根県隠岐島の北東約百四十キロメートルの地点、水深、先ほど御指摘ございました二千五百メートルの海底におきまして、ナホトカという文字が入った映像をカメラでとらえて、この沈没した船体がナホトカ号であるということを確認をいたしております。  さらに、この調査の結果でございますが、船体そのものは、左側の、左舷を下にいたしまして七十度から八十度の魚度で沈没をしているということがわかっておりまして、船体の中央付近の右の、右舷側におきまして手すりに油が付着しているという様子、それから、甲板上のマンホールと見られますふたのすき間から油が湧出をいたしておりまして、これらの油がゆっくりと上昇しているというような様子をカメラでとらえているところでございます。  このほか、先ほどの原因究明にも関連するわけでございますが、船尾から約百十メートルから百二十メートルの船首側の先端におきまして、長手方向にほぼ垂直に切断されている様子というのもカメラで把握をいたしております。  この調査でございますが、実は昨日、運輸省から、事故原因の究明のために船体の破損部をより詳細に観察することが不可欠であるということで、再度調査を行ってほしいという御要請がございまして、ちょうど今ぐらいの時間でございましょうか、帰港しておりました舞鶴港から、母船にドルフィン3Kという探査機械を載せまして、舞鶴港を出港させまして、明日、天候、海象の状況によりまして、再度調査を行うという予定にしているところでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 今現在沈没している部分から出てくる重油、その問題が、先ほども言いましたように、これからの大変重要な課題だろうというふうに思うわけですけれども、今の科学技術を駆使して、ぜひ、その沈没している実態をしっかりとまず把握していただくということが先決だろうというふうに思います。  そういう中にあって、これからだんだん時間が経過すれば、船体の中でも恐らく弱い箇所が何カ所かあると思いますけれども、そういうところからまた相当のものが出てくるのではないかという心配もあるわけですね。そういう、何か見通しというのでしょうか、これまでも沿岸の人が大変な御苦労をされたわけですけれども、もうそれ以上のことが今後起こり得るのではないかということをえらい心配しているわけですけれども、そういう可能性なり、そういうことはいかがですか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 船尾部からの流出油の現状でございますけれども、まず、この湧出油について確認されたのは、実は一月の十二日からでございます。  その状況でございますけれども、その日の気象だとか海象条件によって異なるわけでございますけれども、おおむね、幅が二百メートルから三百メートル、長さ数キロメートルから、まあ静穏な日に多いようでございますけれども、十数キロという状況の日もあるわけでございますが、その先端は拡散消滅している、こういう実は状況にあるわけでございます。  もちろん、海上保安庁、巡視船や航空機で監視を行うとともに、先ほども申し上げましたように、巡視船による航走拡散、放水拡散等で湧出油の浮遊状況に応じた防除を引き続いて行わせていただくということは当然のことだというふうに思っておりますが、なお、委員お尋ねの今からの推移でございますね。科学技術庁の方から、今政府委員から状況については詳細に御報告を申し上げたところでございますが、今の報告で御理解いただけますようにかなり詳細に、大体どの方面でどういう状況になっているということはわかってきているわけでございます。しかし、さらにこれをできる限りもっと詳しく把握することができないのか、そういう観点から、今お話があっておりましたように、再度ドルフィン3Kというものを用いまして調査をしてみようということを実は考えているわけでございます。  きょう、実は私の方からマスコミの皆さん方にも既に報告をいたしたところでございますけれども、今現在考えられることは、沈没位置が非常に、二千五百メートルという水深、深海であるということ、それから、今のような状況であれば恐らく、先生御心配いただくような、また沿岸の皆さん方が御心配いただくような、一度に残っている残油が噴き出して大変な浮流油になってまた漂流が始まる、こういう状況は考えにくいのではないか、実はこういう見通しを立てているわけでございます。  しかし、それは、我々が技術的な、科学的な根拠がなくて予測をするということでは不安の解消にはならないわけでございますから、今申し上げましたように、再度の深海観測機による詳細な調査、そういうことを踏まえまして、きょう実は運輸省の方に、今後この状況がどういう状況になっていくかということを専門的にひとつ検討していただくという委員会を設置させていただきました。きょう六時に初会合を開かせていただくということにいたしておりますけれども、学識経験者、それから専門家、そういった方々がお入りいただきまして、この本体の沈没した、今漏出している状況、これは将来的にどういうふうになっていくのだろうか。あわせて、十年、二十年、この沈没した船体というものはどういう推移になっていくのか。また、漏出しているような油の中で海洋汚染というものがどういう進み方になっていくだろうか。あらゆる角度からひとつ科学的、そしてまた技術的に検討をしていただいて、一日も早く沿岸の皆様方のみならず国民の皆様方にも安心していただけるような結果というものの報告をさせていただきたい、こういう状況で進めさせていただきたいと思っております。

一川保夫新進党

○一川委員 本日そういうものがスタートをするということなんですけれども、もっと早くできなかったかなという思いもございますけれども、そういう中で、専門的に状況を把握されて、的確な、今後の対応の参考になるようなアドバイスをぜひいただきたいな、そのように思います。  ただしかし、今回も過去のいろいろな教訓が生かされていないという批判がいろいろあるわけですけれども、では、今海底で進んでいるそれが、確かに今おっしゃったように大量に出てくるという心配は恐らくないだろうという見方が専門的な観点から見ればあるのかもしれませんけれども、しかしそれが、もう大量に出てくることは絶対にないということもまた言い切れない。そうしますと、相当の部分、相当の量があの地点で出てくるということをある程度想定した中での洋上での回収対策とか、そういうことを当然真剣に考えなければならぬと思うのです。もう現在五千キロリッターと称する流出したものが八府県の海岸線に漂着し、相当の方々が人海戦術で回収したり除去されておるわけですけれども、そういうことが二度とあってはいけない。  そうすれば、五千キロリットルを相当上回るものが今現在海底にあるとすれば、そういったものが相当の量として出てきたことをある程度想定しながら、それに対する対応、もう洋上で万全に回収するという対策を何か今考えておられるのかどうか、そのあたりいかがでしょうか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先ほども申し上げましたように、先生の御心配の点が私たちにとっても一番大事なことだ、緊急を要することだ。この残存油の対策検討委員会も遅かったじゃないかという今御叱責をいただきましたけれども、私といたしましては、詳細な、二千五百メートルの深海の中でどういう状況にあるかという把握がおおよそついたところで直ちに設置させていただいたということはぜひひとつ御理解をいただきたいというふうに思っておりまして、この検討委員会でできるだけ早く結論を見出していただくということが、まず何よりも大事なことだろうというふうに思っております。  湧出油の状況につきましては、何回も申し上げておりますけれども、海上保安庁が総力を挙げて空と海、そしてできる防除活動というものには今後も引き続いて努力をしていくということは当然のことだというふうに御理解いただきたいと思います。

一川保夫新進党

○一川委員 沿岸の地域の府県、関係者の方々が安心できるような対応をぜひお願いを申し上げたい、そのように思っております。  それから、今回の、先ほど被害の話がちょっと出ましたけれども、これは自治大臣にも非常に関係あるのかもしれませんけれども、ちょっと全体のデータは私は持っておりませんから何とも言えませんけれども、私が先日、石川県内でのおおよそのデータといいますか、二月九日現在だというふうに聞いておりますけれども、石川県全体で回収した、それは海上で回収した部分、それから海岸に付着した部分、漂着した部分の除去をした重油の量ですけれども、全体でドラム缶の量にすると八万八百本というふうに聞いております。  その内訳を見ますと、約二四、五%、約四分の一ぐらいが海上で浮流していた分を回収した量。残りの四分の三は、石川県の場合ですけれども、海岸に漂着した部分の回収量。それが石川県内でドラム缶に回収した部分が全体で八万八百本というふうに聞いております。  では、先ほど、洋上というか海上で浮流した部分の回収をだれがやったかということになるわけですけれども、今の海上災害防止センターですか、そこの指揮のもとにやったのが約六割です。残りの四〇%のうち二四、五%が県が、独自といいますか、県の判断でいろいろ関係のところに依頼しながら回収した部分だ。残りの一四、五%、それは関係の漁業者とかそういう人たちが漁船を出して回収した部分だということを考えますと、海上で回収した部分の約六割がそのセンターの主導でやっておられるわけですけれども、それが、海岸に漂着した油全体も含めた形で見ますと、先ほど言いましたように全体でドラム缶八万本余り、そういう中の約四分の一が海上でとった分だ。その海上でとった分の約六割が海上何とか防止センターで対応されたということになると、何か今回の油の流出事故に対する対応の中で、海上何とかセンターがそこで実際にカバーした部分というのは、例えば石川県の例を取り上げてみましても、全体の量からすると一五%ぐらいじゃないか。八万八百本というドラム缶の量の中で、そのセンターの指揮のもとに回収したのは一五%ぐらいだ。残りの部分はほとんどが、地方公共団体等がいろいろな配慮なり、あるいは、それは当然自衛隊にも要請している部分があると思いますけれども、そういうことを考えますと、今回のああいう大規模な事故災害といいますか、そういうものの対応としては、私は、今の災防センターというのですか、そこの能力としては限界を超えていたのではないか。  本来は、私はそのセンターで対応すべきだったんだろうというふうに思いますよ。思いますけれども、現実はほとんどが、地方公共団体がある程度肩がわりせざるを得ない。そういうところは、運輸大臣の御認識としてはどういうふうにお考えですか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 浮流油についても漂着油につきましても、まず第一義的に回収あるいは防除の責任を負っているのは船主でございます。  ただ、船主だけでなくて海上保安庁、今先生のおっしゃいました自治体、こういうのも海上保安庁法なり地方自治法に基づいて当然防除の責務というのを負っておりますし、先ほど来いろいろお話がありましたように、例えば警察、消防、自衛隊、こういったところもやはりそれぞれの立場で仕事というか責任を果たしておられるわけでございます。したがって、油の防除というのは、センターだけということではなくて、そういういろいろな機関がそれぞれの立場でやっていくというのが今の姿でございます。  センターはどういう位置づけになっているかといいますと、船主が自分で油の防除の責任を負っているわけですが、自分に手足があるわけではありません。したがって、だれかに頼むわけですが、その頼み方に二通りございまして、例えばサルベージ会社だとかそういう専門の業者に船主が直接頼む。もう一つのやり方は、災害防止センターに頼んで、災害防止センターが今度は、例えば今のお話でいえば漁船のようなところを雇ってやってもらうというやり方になるわけでございます。  したがって、災防センターが実際に回収した部分が一五%というお話がありましたけれども、全体がそういう仕組みになっておりますので、全部災防センターということではなくて、そういう災防センターなりの位置づけに基づいた役割と規模を果たしているというふうに御理解いただければと思います。

一川保夫新進党

○一川委員 ちょっと自治大臣に御見解をお伺いしたいのですけれども、今の時期といいますか、事故が発生してからの今日までの時期というのは、地方公共団体にとっては当然ながら翌年度の予算の編成作業時期で大変な忙しい時期ですね。今現在も、当然そういう面では各地方公共団体は忙しい時期だと思いますけれども、そういう中にあって、今回の対応、突発的な事故に対する対応ということで、知事を先頭に各府県それから各市町村長さんたちも大変な思いでそれに全力投球をされてきておるわけです。そういった役所の人たちが大変な作業なりそういうことでの時間がとられているというのは、ある面ではやむを得ないということになると思いますけれども、もう一方では、大変多額の費用が使われていると思うのです。  これは、これからのいろいろな補償制度、賠償のそういった中で、地方公共団体がこれまでに支出した分についてどこまでカバーしてもらえるのかということも当然あるわけです。全部カバーしていただければそれはそれでいいと思いますけれども、カバーし切れなかった部分とか、あるいは地方公共団体として事務費的なものを相当使っていると思います、実際の資材とかそういうもののほかに。そういったところは、自治省側としましては、今回関係した各地方公共団体に対する対応としては現時点でどのように考えていらっしゃるのか、ちょっとお答えを願いたいのですけれども。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 今回の事故が起きまして、漂流してきた油あるいは漂流するかもしれないということで沖合に浮流している油を防除するというのは、それが来た場合は大変地域の環境を汚染しますしいろいろなところに損害を与えるものでございますから、これを防止し、あるいは漂着してしまった油を回収してそして処分するというのは、文字どおります一義的なこの事故の被害そのものだと思うわけでございます、それに要した費用と。  ですから、来るかもしれないということで、結果は来なくても警戒態勢をやっている、新潟県なんか幸いにも来なかったところもあるのでございますが、しかし来るかもしれないということで警戒態勢を早々としていただいたわけでございまして、警戒態勢をしていたというところから、私は、本来ならば船主側に請求できるものだろう、こう思っております。  そういう中で、当然警戒態勢のときから始まって、この被害がまず来るか来ないかというものの警戒をする、来るとしたならばできるだけ早いうちにこれを何とかしたい、実際にはほとんど功を奏しなかったようでございますが。そして、流れ着いたならば先ほどの話のようにいち早く回収していた方がいいわけでございまして、きょうは人手がいないからという形で放置しておきますと、二重三重にサンドイッチ状になるものでございますから、そういうすべての対策本部の警戒の段階から、回収をしている、そのための災害本部、あるいはボランティアの方のお手伝いをいただいているわけでございますが、ボランティアの方に当然保険を掛けているわけでございます。そういうすべてを含めて、これは本来この事故によるそれぞれの地方自治体がこうむった被害だと承知しております。  ただし、現実には、そのために必要なお金は各地方公共団体が現に出しているわけであります。そして、当然払ってもらいたいけれども払ってくれるのかどうなのか、そこもよくわからない。二百二十五億の中でそれが全部カバーできるのかもわからない。そういうことを踏まえて、自治省としては基本的には、この費用は本来は船主保険あるいは油濁基金等から当然払ってもらえるという前提だけれども、それは仕組みは仕組みとして、今この時点で地方公共団体が金を支出しているというのが現実でございます。  それが地方公共団体の地方財政上重大な支障がある場合は、これは自治省としては財政運営に支障があってはならないという立場で特別交付税でカバーしなければならない、そういう基本的な立場に立っているわけでございまして、そういう被害状況等について、特交の締め切りももう近づいておりますので、できるだけ今までかかったものは詳細に、そして今後も引き続き回収作業等をやっておられるわけでございますから、その見込み等を含めて状況を今調査しているところでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 先ほどのお話の中にも関連しますけれども、地方公共団体、今回の事故に対する対応で相当の役割を果たしてきたというふうに思います。  それは、地方公共団体としての一つの責務ということでの対応も当然あるかと思いますけれども、私は、自然災害というのじゃなくて、こういう大きな事故災害に対する対応として、地方公共団体の対応というか、地方公共団体が果たすべき役割、位置づけ、そういったものが、特にこの油の流出事故に対して地方公共団体がどういう役割、位置づけで果たしていくかというところが、何か法的な、制度的な流れからするとちょっとあいまいなところがあるのではないかな。もうちょっと明確な位置づけをしておれば、地方公共団体がもっと自主的な判断でしっかりと対応できる部分もあるのではないかということを思うわけですけれども、現行の制度上から見て、どうですか。地方公共団体側の位置づけとしては、これでやむを得ないという判断でしょうか、何かもうちょっと法制度的に整備した方がいいというお考えでしょうか、そのあたり何か見解はございませんでしょうか。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 最近、ペルーあるいは昨年の暮れに起きた長野県小谷村の土石流災害その他で危機管理ということが言われておりますが、私は、今回の油流出事故にかかわるこの各地方自治体の対応を見て、非常に実は自治大臣として大きな感慨を持ったのは、消防というのは、御案内のとおり災害から生命、身体、財産を守るというのでございますけれども、この消防というのは、基本的には市町村単位に主力を置いているというところの意味がわかりました。  というのは、いつ漂流するかもしれないというようなものを,まさに地域の消防団だから、毎日のようにその地域の消防、分団等で分担しながら見て、小さいものが流れてきたとかそういうことを見ておるわけでございまして、これは、例えば国家消防というようなものがあっても、その場合、国家消防があれば本体に近づくのは楽かもしれませんが、こんなに何百キロに及ぶそれぞれの地域の油の漂着状況とかというようなものは、なかなかつかめないのじゃないのかな、こう思いました。  一方、警察というのは、都道府県警察でやっております。もちろん国防、国民の生命財産を他国の侵略から守るという国防は、これはもう本来的に内閣総理大臣を筆頭にやっているわけでございますが、危機というものに対して、国防という面では国が一元的に、犯罪としては都道府県単位で、そして消防は市町村単位でという、なかなかやはり考えられた仕組みなのではないかなと思っています。  その消防の、ある面では本来業務なのじゃないでしょうか。それが自然災害であれ事故によるものであれ、非常に環境を汚染し、産業等を破壊し、そしていろいろな被害をもたらすかもわからないものが漂着してくる場合に、これを防除し、回収して処分するというのは、ある面では、地方自治体が消防というものの本来業務の中でやっているのであって、やる必要がないのだけれどもやっているという、そういう話だとは私は思っておりません。  ただし、今回の場合は、自然災害の場合ならばその費用の回収相手がいないというだけの話であって、今回は事故だから、少なくともそれに要した費用については、取れるものであるならばそのような責任がある人から払っていただきたいというのが現実の姿であって、そういう性質が、そこが違うだけなのであって、自然災害であれこういう事故に基づくものであれ、まさに自治体の本来業務として、消防を持っているという立場からやっているような仕事と私は承知しております。

一川保夫新進党

○一川委員 ちょっと話題を変えますけれども、環境庁長官にぜひちょっと御見解をお聞かせ願いたいのですけれども、当然、今回の油で汚れた海岸をもとへ戻す、あるいはそれ以上にきれいにしたいというのが皆さん方の気持ちであるわけです。それに対する環境面からのいろいろな調査を当然考えられているというふうに思いますけれども、そのあたり、もう大分時間も経過してきておりますので、具体的に、これから環境庁としてはどういうスケジュールで、おおよそこういう調査に取り組みたいという何か考え方が当然おありだと思いますけれども、そのあたりの御説明をちょっとお願いしたいと思いますが。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 このたびの重油流出事故につきましては、大変大規模でございますし、さまざまな状況の中でかなり長期的に取り組まなければならない問題であると認識しております。  それで、ちょうど一月十五日に視察に参りましたときから、国立環境研究所におきましてその調査も行っているところでございますが、海岸あるいは海の水質でありますとか、あるいは大気の調査、それから底質、海の底の調査とか、あるいは生態系に関する調査、また自然環境に関する調査などを今行っているところでございます。  そして、これは段階的にまた継続的に行わなければなりませんので、そのような準備を進めているところでございますが、ちょうど今月の七日に、ナホトカ号油流出事故環境影響評価総合検討委員会というものをつくりました。そして、約十六名の各界の専門家の方々に委員として御出席をいただきまして、今後の長期的な調査の中でいろいろと今後の対策に参考になるような意見を伺いながら、各省庁とも連携をとりながら対策をするための準備を進めている最中でございます。

一川保夫新進党

○一川委員 今の段階から、後であの調査をやっておけばよかったということにならないように、タイムリーな調査をぜひお願いをしたい、そのように思っております。  それでは、この海岸線、汚れた海岸をこれから復旧しなきゃならぬわけですけれども、これはまた、きょうちょっと建設省の方、来ていただいておりますか。今現在の制度、海岸における制度がいろいろあると思いますけれども、特に、例えば現行制度でいえば海岸保全事業ですか、そういう制度なりそういうもので今回油で汚れた海岸線をきれいにする、例えばテトラポットが汚れたものはテトラポットを入れかえるということもあり得るのかもしれません、あるいは、コンクリートの壁が汚れたものに対して前面にまた新たなコンクリートを張りつけるということもあるのかもしれませんけれども、そういったようなことも含めて、現行制度で、ある程度弾力的に読めばできるのかできないのか、もしできないとすれば新たな制度拡充とかそういうことを検討されているのかどうか、そのあたりはいかがでしょうか。

尾田栄章建設省河川局長

○尾田政府委員 ただいま御質問の海岸保全施設につきましては、私ども建設省、水産庁、港湾関係あるいは構造改善局、そういうそれぞれの施設のところで管理をしておるところでございますが、こういう施設につきまして、こういう海岸保全施設の、今御質問のような今回の漂着油、漂着油につきましては、一応除去はできておる。あるいは、除去された後におきまして、残留物がそういう海岸保全施設に悪影響を及ぼすというようなことになりますれば、そういう対策といたしまして、海岸環境整備事業等の活用によりまして、そういう養浜工等々の対策がとれないかというようなことにつきまして、現在設けられております関係閣僚会議の下にございますいろいろなワーキンググループの中で、そういうこともひっくるめて具体的な検討をしていきたいというふうに考えておるところでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 ぜひ前向きに、そのあたりの御検討をお願いしておきたいと思います。  それから、ちょっと農水大臣、せっかく出席していただきますので、今回の被害で漁業被害、水産関係の被害というのは最も大きいというふうに当然言われておるわけですけれども、今農林水産省としましては、今回のこういう油の流出被害に対する基本的な対応としまして、現時点で大臣としてはどういう心づもりでいらっしゃるのか、そのあたりをお聞かせ願いたいと思うのですけれども。

藤本孝雄自由民主党農林水産大臣

○藤本国務大臣 まず、基本的には、今回の重油流出事故によりまして被害を受けた漁業者に対しましては、できる限りの対策を講じていくということがまず基本的な考え方でございます。  大きく分けまして三点あるかと思うのでありますが、漁業者に対する融資の問題、これは生活とか経営とか、そういう安定のために融資の問題があります。これはもう既に実施されておりますし、また、各県が無利子で融資をされておられますので、そういうことが一つでございます。  それから二番目は、漁場の保全また再生、この問題がございます。これは、先ほど建設省からも答弁がございましたが、状況に応じましていろんな制度が水産庁はございますので、その制度を十分に活用してやっていきたいというふうに考えております。  それから三番目は、風評被害、これは非常に地元では心配しておる問題でございまして、漁業者、またそれに伴いまして観光業者等々ありますものですから、そういう風評被害に対して十分に適切に対応していかなきゃならぬというふうに考えております。

一川保夫新進党

○一川委員 では、この重油問題の最後の締めくくりでございますけれども、現時点でも地域の皆さん方の心配というのは尽きないわけでございますし、先ほど話題に出ましたように、二千五百メーターの深海に沈没している本体のことを思えばなお不安が非常に大きいわけですけれども、そのあたりの対応方は、ぜひ責任のあるそういう対応をお願いしたいということでございますし、また、これから交渉が開始されますいろんな補償問題、そういうことにつきましても、ぜひそういったしっかりとした指導をお願いしたいということもございます。  それとまた、先ほどロシア側と共同で調査されるというお話もございますけれども、原因究明をこの際徹底的にやっていただく、それが再発防止策にも当然つながることでございますので、そのあたりの対応方もよろしくお願いをしたいというふうに思っております。  そういうことも含めて、今後の対応に対する政府としての決意といいますか、対策本部長である運輸大臣に、これからの対応に対する責任のあるそういう御答弁をぜひお願いしたいと思います。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 それぞれ、先生御指摘いただきました今後の問題点につきまして、政府一体となりまして、皆様方の御期待にこたえることのできるように最善の努力をしてまいりたいというふうに思っております。

一川保夫新進党

○一川委員 では、私の方でまたちょっと話題を変えさせていただきまして、空港整備法の改正というのがこのたび、これまた同じ運輸大臣の方から提出されていると思いますけれども、私は、今現在、地方における空港ということが、これまたそれぞれの空港を抱えている地域の方々にとっては大変関心の強い、そういう政策であろうというふうに思います。  このたび、運輸省の方では第七次空港整備五カ年計画を策定し、閣議決定されたというふうにも聞いておりますけれども、今現在、運輸省側としまして、こういった地方空港といったようなものをどのように位置づけをされ、今後どういう考え方で整備し取り組もうとしておられるのか。  これは航空審議会等でもいろいろ議論されたというふうに聞いておりますけれども、当然ながら、国際的な拠点空港とか大規模なそういう空港の整備というのはそれはまた緊急の課題であることは十分承知しておりますけれども、それぞれの地方における空港のネットワークを整備していく、また、各地域では、今いろんな面で地域の活力を持たせたいという意味合いで、それぞれの飛行場を有効に活用しながら、そういう中で地域の活性化ということに対して大変熱心にいろんな創意工夫を凝らした対応をされているというふうに私は思います。  そういう中にあって、今現在、こういった地方のローカル空港に対して、これから運輸省の方ではどういう基本的な考え方で整備を進め、また、日本全体における空港ネットワークの中でどういう位置づけをしていこうとされているのか、まずそのあたりからお話をお聞かせ願いたいと思います。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生も今お触れいただきました、平成八年度を初年度とする第七次空港整備五カ年計画でございますけれども、この五カ年計画におきましても、地方の空港という問題につきましては、申すまでもなくこれからの国際化が進んでいく中でございます、また、国内の航空ネットワークというものの整備充実を図っていくということも大変重要なことでございます、そういう観点を踏まえまして継続事業を中心として整備を進めていくということにいたしております。  当然、需要への対応を基本といたしているわけでございますけれども、既存の空港のまず高質化を図っていくということが大事であろうというふうに思っておりまして、こういった観点に沿って推進してまいりたい、このような決意でおります。

一川保夫新進党

○一川委員 そういう中にあって、今回のこの法律改正は、お聞きするところによりますと、一部地方負担を導入する。これは、自衛隊側と共用している共用空港、共用飛行場については、これまではそういう地元負担というものはなかったわけでございますけれども、その民航部分についても新たに地方の負担制度を導入するということがこの改正の中に含まれているというふうに聞いておりますし、また、地方が管理されているそういった飛行場につきましても、さらに整備を促進させるという観点だろうと思いますけれども、そういう観点で地方の負担をさらに、国側の負担を引き下げるというのですか、地方の負担をふやすということになろうと思いますけれども、そういう制度改正をこの中に含んでいるというふうに聞いておりますけれども、そのあたりの背景、こういうふうにならざるを得ない背景ですね、またその内容等についてちょっと御説明をお願いしたいと思います。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 今御指摘のとおり、この国会におきまして空港整備法の改正をお願いをしております。既に法案として提出をさせていただいておりますが、ポイントが二つございます。  一つは、今先生御指摘ございました共用飛行場でございまして、これにつきましては、国と地方との負担をどうするかというルールが今までございませんでした。そこで、私どもが、国が管理し国が建設する空港、二種Aと呼んでおりますが、それに倣いまして、三分の一地方の方に御負担をいただきたいというのが改正のポイントの一つでございます。  それから二番目は、空港というものが単に人なり物を運ぶということから一歩出まして、地域全体の開発、その中で空港をどう位置づけるか、こういう時代になってまいっておりまして、地方公共団体の方から大変その辺について、自分たちの主体性を持った空港整備をしたいというお話もございました。したがいまして、そういうことにつきましても国として対応をしてまいりたいということで、これは、従来の三種空港ですと十分の五の負担でございますが、これを一割ほど負担をふやさせていただくということを考えております。

一川保夫新進党

○一川委員 そういう二本立てになっているということでございますけれども、私、その中の一つのポイントになっております、自衛隊が管理されている、防衛庁が管理されている飛行場を民間航空の方で使っているというその共用飛行場、この扱いの問題というのは、ある面では非常に重要な意味を持っているというふうに私は思うんです。  これまでは全額国費でそういう部分についてはいろいろとやってこられた。確かに、基地を抱えているその飛行場の周辺の皆さん方が、長年、騒音の問題とかそういうことでいろいろな面で御苦労されてきている。現在、沖縄の問題もいろいろ議論されておりますけれども、日本国内におけるそういった自衛隊の基地の問題につきましても、騒音の問題とかそういうことで大変御苦労されてきているわけですし、現状でもそういう課題を抱えているわけでございます。  そういう中にあって、できるだけ地域の振興にプラスになるというようなことで、共用飛行場というものが、それなりに全額国費でもってこれまで対応してきたんだろうというふうに私は思いますけれども、今回新たに地方負担というものを導入されて共用飛行場を整備していくということのその意味合いですね。そこが、先ほどちょっとお話しのようにほかの地方空港、地方空港というんですか、要するに運輸省が管理されているそういう飛行場との横並びで国の負担割合というものをこの際設定したというような説明もございましたけれども、そういうことだけじゃなくて、やはり新たに負担制度というものを導入したということは何かそこにちょっと思想の転換的なものがあるのかどうか、そのあたりはいかがでしょうか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○黒野政府委員 従来から、飛行場をつくる場合には、地方公共団体の方々とかなり綿密な打ち合わせをやって成案をつくっておりますが、今度の制度によりまして地方から一部の資金を負担していただくということになりますれば、当然のことながら、地方との関係をより密接にして、地域住民の方々の御意向というのをなるべく反映したものにしなければいけないと思っております。

一川保夫新進党

○一川委員 今もちょっと御説明がございましたけれども、これまで以上に地方のそういう意向というか声というものを大事にしたい、そういう中でこういう共用飛行場というものを整備促進を図っていくということがあろうかと思いますけれども、当然、今回のそういう新たな地方負担を導入したということに対して、私が聞く限りでは、それぞれの関係する地方公共団体はそう大きな反発はしなかったというふうに聞いておりますけれども、そのあたり、私はちょっと事実かどうかわかりませんけれども、それはやはり、裏を返せば、ある程度の地方の負担はするけれども、それなりにそれぞれの地方の考え方、そういう裁量というものをある程度認めてほしいということが裏にあるのではないかというふうに思うわけですね。  当然ながら、共用ですから防衛庁側とのいろいろな折衝事も当然あるでしょうし、そういうことも含めて、それぞれの地方公共団体にとっても、運輸省の方でできるだけ責任を持って防衛庁側との折衝事をやっていただきたいとか、そういうことの含みもあって、私はやはり、新たに地方負担というものが導入になったとしてもそう余り大きな反対の声が上がらなかったというのは、そういういろいろな面の期待感というのはその裏にあるような気がするわけですけれども、そのあたり、いかがでしょうか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生も御承知だと思いますが、近年、定期便の就航するこの共用の飛行場というのは、路線数だとか利用客数等も非常に順調に増大してきているわけでございます。そういう意味からも、地域の利用者の利便の向上、それからまた、ある意味では地域雇用というものが拡大をするという利点もございます。何といっても地域経済の発展、地域振興、こういったことに対しても少なからぬ私は貢献があるということで、地方の皆さん方にもそういう意味での御理解と申しますか、を得ているのではないかなというような気がいたしております。  今後とも、本来の目的であります防衛業務に支障があってはいけないわけでございますので、支障のない範囲で、今お話しいただいているような点を十分私ども踏まえながら、この共用飛行場というものの活用を積極的に考えていきたい、こう思っております。

一川保夫新進党

○一川委員 防衛庁長官にちょっとお尋ねしたいわけですけれども、今回、こういう共用飛行場の整備促進に新たに地元負担を導入をして促進を図ろうということでございますし、当然、共用飛行場もこれまでそれぞれの地方公共団体を中心に熱心な新規路線の誘致なり、そういうことに取り組んできたわけでございます。本来の防衛上の目的を侵さないという範疇での当然やり方でございますけれども、こういう共用飛行場というものに対して防衛庁側としてはどういうふうに評価され、今後こういう飛行場に対してどういうふうな対応をしていかれるおつもりなのか、そのあたり、防衛庁長官の見解をお聞かせいただきたいと思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 御承知のとおり、自衛隊が持っております飛行場は、国防上の必要性から持っておるわけでございまして、できれば専用飛行場が一番いいわけでございますけれども、やはりその地域の発展のため、また特に地域の振興のために地元の方々も非常に熱意がある、あるいはまた需要が多い。そういうこともありますし、またそれと同時に、先ほど先生おっしゃいましたように、これから先、地元との共存といいますか、基地の安定的使用等の観点も考えますと、その辺はやはりそういう地元の要望にもこたえていかなければならない。そういうようなことから、従来も共用飛行場をつくってきたわけでございます。  ただ、例えば今度の例でいえばわかりますけれども、徳島なんかにつきましては、あそこの滑走路を延長するということになりますと、自衛隊の方では延長する必要がない。しかしながら、便数がふえたりお客がふえてまいりますから、大型機をどんどん導入するとなりますと、滑走路を延長しなければならない。そういうときに、運輸省の方において地元と協議されて、それはやはり運輸省でといいますか、やらなきゃならない。そのときに、今までだったら共用飛行場全部、国で、防衛庁の方で持っておりましたけれども、それは運輸省の方でやって、そしてその分についてはきちっと整理をして使うというふうにした方がかえって共用の飛行場の効率を上げられるというような、そういう配慮があって協議されましたので、うちの方としては、それは共用について御協議に応じて、そういう制度を導入されることについても結構だということにしたわけでございます。

一川保夫新進党

○一川委員 自衛隊の基地を抱えて、なおかつそれを民航として活用している共用飛行場というのは、ある面ではその地域の皆さん方のお気持ちは複雑な面がたくさんあるわけですけれども、しかし、私は、国防上のいろいろな必要性なり、また航空自衛隊の役割等を地域の方々に深く広く認識させるためにも、民間航空としての最大限の活用をぜひ防衛庁側でも御配慮をしていただいた方が、やはりその方がよろしいのではないかというふうにも思うわけでございますので、ぜひそのあたりの御指導方をお願いしたい、そのように思っております。  最後になりましたけれども、ちょっと自治大臣に確認しておきたいんですけれども、実は、私もよく知らなかったんですけれども、こういった飛行場の場合に、国有資産等の市町村交付金法というのがございまして、一般の空港整備法で言う飛行場であればこういうものはこの交付金の対象になるということを聞いておりますけれども、今回みたいに共用飛行場における民航部分、その部分はこの法律の対象になっていないというふうに聞いておりますが、そのあたりは、事実関係と今後の対応についてお伺いしたい、そのように思っております。

湊和夫自治省税務局長

○湊政府委員 税務局長の方からお答えさせていただきます。  今御指摘ございましたが、共用飛行場の運輸省所管の用地、施設につきまして、市町村交付金の対象になっていないということについての確認でございますが、そのとおりでございます。  市町村交付金制度はかなり古い制度でございますが、昭和四十一年に空港資産についてこの交付金の対象にしようということで追加された経緯がございます。追加されました理由は、やはりこの空港施設が極めて広大な面積を占有している、また一方で、当時ジェット化が進みまして、騒音とかあるいは道路、あるいは消防も含めてでございますけれども、市町村あるいは県の財政需要が多大になってきているというようなことを考えまして、固定資産税収入が入っていないということを何らかの形で対処する必要があるという観点から、交付金の対象施設として取り上げられました。  その際に、どこまでの施設を交付金の対象とするか。本来固定資産税の非課税の資産でございますので、その中でどこまでを交付金の対象にするかということで論議がされたわけでございますが、当時既に、共用飛行場のうちの自衛隊が使っております資産につきましては、基地交付金という形で別途固定資産税代替の制度ができておったわけでございます。それからまた、いわゆる飛行場の中でも、一種、二種、三種のほかに……

小里貞利自由民主党

○小里委員長代理 時間が参っておりますから、簡潔にお願いします。

湊和夫自治省税務局長

○湊政府委員 はい。その他の飛行場施設もあるということで、先ほど申し上げました市町村への影響等の大きなものについて認めていこうという観点から、一種、二種、三種のみに限られたという経緯がございます。  今後、そういう制度創設の経緯等、あるいは現在対象になっておりませんその他の飛行場等の施設との均衡、こういったものもあわせて考えなければならない問題だというふうに思っております。

一川保夫新進党

○一川委員 以上で終わります。

小里貞利自由民主党

○小里委員長代理 これにて一川君の質疑は終了いたしました。  次に、吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。  一昨日、三井石炭鉱業の久保社長の方が、三池鉱業所を閉山する日程がことし三月三十日と確定しましたと通知に来ました。直接的には、まず雇用と地域経済に大きな影響が出るわけですが、日本のエネルギー政策そのものにもこれは大きくかかわってくる問題です。三井石炭鉱業だけでなく、三井グループには、これは日本のエネルギーと雇用と地域社会や経済に対して、私は大きな社会的責任というものがあるというふうに思います。政府には、日本のエネルギー政策として国内炭をどうするのか、どう守るのか、こういう点についての政治的に大きな責任があります。きょうは、そのことについて質問をしたいというふうに思います。  昨年の二月に、実は、財団法人九州経済調査協会が石炭鉱業影響調査報告書というのを出しておりまして、その中で、ちょっと読んでみますと、三井三池の閉山となれば、産業への影響は約三百二十五億円、三千人強の雇用対策が必要である、それから人口への影響は七千八百人、こういうふうにしております。現在、長期の不況であり、地域経済の沈下の進んでいる中で、地域の人々にとってこれは非常に深刻な問題を投げかけることになります。同時に、産業空洞化とか雇用不安にある日本経済にかかわりがあり、また日本のエネルギーセキュリティーにもかかわる重大な問題です。  こういう深刻、重大な影響を考えたときに、私は、今回の会社の閉山方針というのは認めるべきではないし、まずこれは撤回を求めるべきだというふうに思うのですが、この点、最初に大臣に伺っておきたいと思います。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今、吉井委員から質問がございましたが、この三井三池炭鉱につきましては、いまだ正式な提案がなされているとは聞いておりません。  しかし、仮にということで恐縮でございますが、閉山が決定されるという事態になった場合には、御指摘のように、大変地域の経済情勢に多大な影響を及ぼすということは言うまでもございませんし、また、ちなみに三井石炭鉱業の従業員数というのは、下請も含めまして、三池鉱業所において平成九年の一月現在で千五百八十七人、同社の売上高は平成七年度において四百六億円に上っている。こういうことで、当省としては、もし閉山という事態になった場合には、地域対策だとか雇用対策等については万全を期して会社を指導するとともに、地元の自治体あるいは関係省庁と密接な関係をとりつつ、工業団地の造成だとか地域の活性化に資するプロジェクトの推進等に努めてまいりたいと思うのです。  今、後でお話しになった、そういうことで実は山自体をというのは、これはもう委員が御指摘にならなくても、今の会社の経営からいって、あるいはまた石炭の将来性からいって、会社としてもやはりやむを得ないという判断をとっているのではないだろうかな、実はこんな気がしているわけでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 これまで三池炭鉱というものの規模の縮小、それから部分閉山とでもいうべきものが大規模に繰り返し行われてきたわけですが、そのたびに、解雇に伴う影響をあらかじめ食いとめるんだということで、あらかじめ対策とかあるいは解雇後の事後対策というのも一応とってきたはずなのですね。  ところが、人口や雇用や地域経済はどのように変化したかというのを少し見てみますと、一九五九年の最大時約二十一万人であった大牟田市の人口が、現在は十四万人台へと三割減少です。三井東圧などでは千五百人の首切り、これは八一年に行われておりますが、これらの大規模な人員削減とか、それから今日は大企業の海外移転が進んでいる時代ですから、そういうこともあって、大企業労働者と関連下請労働者の減少は非常に極端に今進んできているわけですね。そして、新規産業や雇用の場というのは生まれてこなかった。  先ほど紹介しました石炭鉱業影響調査報告書というのを見ておりましても、三井グループを中心とする既存の大手事業所は本市の経済に大きな比重を占めているが事業の縮小が進んでいる、化学工業の縮小などで従業者数は一九八五年の八千百九人から九三年には四千三百二十七人へと九年ほどの間に半減してしまっている、こういう状態だ、これが大牟田市製造業の就業者数を低下させた要因だとしているわけです。  この資料を私もいろいろ見たのですが、第三次産業へ確かに第二次産業から比率は変わっていっているのです、シフトしているわけですね。しかし、絶対数ということで見ますと、ほぼ同時期に第三次産業でも一割近い減少なのですよ。ですから、これからいろいろな対策をもし出してきたらやるというお話もあるのですが、しかし現実には、これまでいろいろなあらかじめ対策と称するものをやったり事後対策というのをやってきたけれどもどんどん下がってきた、これがまず三池における実態だというふうに思いますが、この点の御認識というのはちゃんとお持ちなのでしょうね。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 ただいま委員御指摘がありましたように、この三井三池炭鉱でございますけれども、昭和六十年代の初めから、特に第八次策がスタートしまして、その初期の段階に大幅な合理化をいたしまして、この間に生産量もほぼ半分ぐらいになりましたし、それに伴いまして従業員の数も二千人ほど減るというようなことでございました。八次策そのものが、必ずしも計画がスタートした時点の規模を維持するためということではなくて、合理的な規模に合理化を図りながら段階的な縮小を図るという考え方でなされたわけでございまして、全般的な状況の中でこうした縮小が行われたというのはやむを得なかったのではないか、このように考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 三池の縮小だけの話じゃなくて、それに対していろいろな対策をとってもさっぱり効果がないといいますか、どんどん沈下していったというのは事実だということをしっかり認識しておいてもらいたいと思うのですね。きょうの西日本新聞ではあなたのインタビューが出ております。読ませていただきました。最大限の支援を強調したということなんですが、これまでも最大限の支援をやってきたはずなのにどんどんどんどん落ち込んできたというのが実態だということを、やはりそこのところをしっかり見ておいてもらう必要があると思うのですね。  それで、これは地元紙などで、冬の時代だと、今、企業の目は海外に向いていて国内立地は眼中にないと。まあそのとおりだと思います。それから、先ほど紹介した影響報告の中でも、今後も海外へのシフトや国内生産拠点の廃止が続くという見方をしているのですね。ですから、最大限の支援をするとおっしゃるんだけれども、新たな雇用の場は簡単には生まれてこないというのがまず今の実情なんだということをしっかり見てかかる必要があるというふうに思います。  さて、一九五九年をピークにして、人口、労働者数初め、どの指標を見ても三池の地域が衰退していったことは事実です。その一方で、三井グループの方はどうなのかということを少し見ておきたいと思うのです。  実はここに持ってまいりましたが、三井文庫ですね、ですから三井の財閥そのものがつくった「三井事業史」ですが、この中で、読んでおりますと、三池炭鉱は三井財閥の発展の上で極めて重要な役割を果たした、三池は三井のドル箱であったと明確にうたっているわけですね。さらに、三井にとっての三池の持つ意味については、これは明治二十二年の払い下げになりますから随分古い話ですが、この払い下げ劇で三井は三菱との間でデッドヒートを演じ、三池炭鉱の払い下げは三井の歴史の上でも大事件であったと、それだけ三井グループの発展にとって三池というのは決定的に重要な地域だったということを事業史の中でも明らかにしております。  一八八九年に三池炭鉱を政府から払い下げを受けて、それから石炭火力発電、石炭化学工業、貿易を扱う商社部門、さらに金融部門と、大牟田市を中心としたこの地域のおかげで今日の三井グループに成長してきたということは、これは明らかだというふうに思うわけです。  そういう点では、三井グループの発展の今日あるのは、やはり三池を土台にしている、そこを土台にしてのことだというふうに私は思っているのですが、この点、通産大臣はどういうふうに見ていらっしゃいますか。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今おっしゃるとおりで、実は吉井委員も御存じのように、私自身が鉄鋼会社におりまして、そのときに石炭の買い付けを何年かやりました。そういうことも経験し、あるいはまたちょうど小此木通産大臣、私が政務次官のときの初仕事が、昭和五十八年でしたか五十何年でしたか三井で事故がございまして、九十数名というときに現場にすぐ駆けつけた。そういうことがございまして、今回の閉山があるかもしれないという報道に大変驚いて、また違う感慨を持っております。  今委員が御指摘のように、確かにそういうことで、日本の、少なくとも十九世紀という時代が石炭でもって産業が興ってきた、こういう時代だったと思うのです。ですから、今の三井グループがこうした石炭において、これは九州だけではなく北海道でも同じことが言えるのですが、三井が財をなしたことは、これはもう否定はできません。     〔小里委員長代理退席、委員長着席〕

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 それは、実は十九世紀の出発点だけじゃないと思うのです。「男たちの世紀—三井鉱山の百年」という、これは事実上の三井の社史に当たるものですが、その中の一部をちょっと御紹介しておきますと、六〇年代以降も、政府が債務を何度も肩がわりしたこと、それによって当社は国家管理体制下で安定存続させることができたというふうに書いてあります。  実際、三井は石炭で成長して、それで資本を蓄積して、情勢が変わると、国の支援のもとに三井鉱山から石炭だけ切り離して三井石炭鉱業という別会社にして債務をそこへすべて押しつけてしまう、その債務を国に肩がわりをしてもらって、これで三井鉱山や三井物産の方は海外探鉱開発と石炭輸入でもうけていく。ですから、バブル崩壊後の九〇年代不況の中でもこれらの企業は利益を上げているのですよ。  三井グループは日本の六大企業集団の一つであることは御承知のとおりですが、その社長会である二木会に参加している二十六社だけで見てみますと、従業員数は二十八万人を超え、総資産は百六兆円を超えています。本当に巨大なものです。生産、流通から金融、不動産に至る主要な分野のすべてに深くかかわっているのが、そういう実態にあるのが三井グループです。そんな巨大な三井グループなんですが、そこへ、国の方は三井鉱山と三井石炭鉱業に対して、石炭は国策だということでさまざまな財政支援を行ってきていますね。  そこで伺っていきたいのですが、八六年からの十年間に、財政支援は幾ら三井鉱山と三井石炭鉱業にやってきたかを伺いたいと思います。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 御指摘のように、政府としましては、石炭の生産の合理化あるいは保安の確保、経営の安定のために、三井石炭鉱業株式会社、それから親会社であります三井鉱山などの石炭企業に対しまして、補助金あるいは政策的な融資の支援を行っております。  まず、補助金でございますけれども、新分野に進出するグループ企業に対する補助金、あるいは鉱山保安確保のための補助金、こういったものの支援を行っておりまして、この両社に対して、平成七年末までの過去十年間で合計で六百二十七億円の補助金を交付しております。  それから、政策的な融資でございますが、これも、NEDOによります生産設備の近代化のための融資、あるいは開発銀行からの融資等も行っておりまして、NEDOの融資は、現在、平成七年度の末で六百七十八億円、それから開発銀行からの設備合理化のための融資が七十三億円というようになっております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 それで、今少しお触れになりかけたところなんですが、国の方がエネルギー政策として一定の財政支援をするとしても、その支援を受けている方の三井グループのやり方というのはちょっとひどいんじゃないかと思うのですよ。三井グループとして石炭でもうけるだけもうけて大きくなっておきながら、三井石炭鉱業の債務の方を見てみると、肝心の三井グループの方は、三井石炭鉱業の一〇〇%親会社である三井鉱山とさくら銀行の二つで、債務総額一千七十四億円の中の一三%、百三十六億円。本当にわずかしか貸し付けをやっていない。これに対して、今一部おっしゃいましたが、国の特殊法人NEDOと、それからNEDOの無利子資金による新共同石炭株式会社経由で貸し付けている分、これを合わせれば八百二十億円。これに日本開発銀行の七十三億円を合わせると、政府系資金が八百九十三億円、八七%。  つまり、三井グループは親でありながらたった一三%しか面倒を見てやらなくて、貸付金の八七%は全部政府系資金。本当におんぶにだっこという実態だと思うのですが、これが、今挙げた数字が実態ではありませんか。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 債務の状況を簡単に御紹介いたしますと、NEDOからの借入金が六百七十八億円、それから新共同石炭からの借入金が百四十二億円、それから親会社であります三井鉱山からの借入金が百二十四億円、開発銀行からの借入金が七十三億円、それから、そのほかさくら銀行を含みます市中銀行などからの借入金が合計で五十七億円という状況でございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 借り入れの数字はそのとおりなんです。だから、全部足すと、私が今申し上げましたように政府系資金の方が八七%になってくる。で、国の方は、国民の税金で最近の十年間だけでも六百三十六億円の補助金を出して、それから、無利子と無利子に近いものを合わせて八百九十三億円の貸し付けをやっているわけです。  国がこれだけ三井石炭鉱業に財政支援をしているのですから、地元三池の世話になって成長し、総資産百六兆円、内部留保もたっぷりあるし、利益も上げている三井グループに対して、子会社である三井石炭鉱業の存続と、三池のこの地域を守るという社会的責任を果たすように指導していく、私はこれをやはりやるべきだと思うんですね。  それで、通産大臣の方には、昨年の秋以降、三井石炭鉱業の方から事前に詳しい報告とか相談もあったと思うんですが、それはどういう相談であったのかということと、それから、そのときにどういう指導をなさってこられたのか、これも伺っておきたいと思います。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今御指摘のように、この三井鉱山、それが三井石炭鉱業というふうに会社を分けてやっておりますが、先ほどちょっと申したように、近年とみに採掘条件の悪化ということから経営状況が悪化したということから、御存じのように日本じゅうの石炭がどんどん閉山して、それまで一応最後までよく頑張ったというふうにも思いますが、いずれにしろ大変なことだと思います。  そこで、あくまで、今御指摘のように、三井石炭鉱業並びにその親会社である三井鉱山が鉱害復旧やまた離職者の再雇用方針というようなものに万全を期すよう指導していくということは当然でございますし、また、地域社会に対する貢献など企業としての社会的責任を果たしていくことを期待している、こういうことでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 それで、社会的責任を果たすという上で、同時に日本のエネルギーの面での責任もやはりあるわけですから、私は、今、この十七日に労働組合に対して正式に閉山提案を行うとしている今段階ですけれども、まだ正式決定ということじゃないわけですから、やはり三井石炭鉱業に対して、閉山を取りやめて存続をするようにという、そういう指導というものをやはり大臣として今の段階ではなさるべきだというふうに思うんですが、この点、大臣、どうでしょうか。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 石炭鉱山を存続させるかどうかというのは、一義的には会社の経営的な判断によると思います。もちろん組合などと十分御相談される必要があると思いますけれども、国が、存続させろとかあるいは閉山しろというようなことを指示する立場ではないんではないかというふうに考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 実は私は、三井鉱山の十数年分の有価証券報告書を調べてみたわけです。そのすべての毎年度の報告書の中で、三井石炭鉱業は、「「石炭鉱業構造調整臨時措置法」および、「石炭鉱業経理規制臨時措置法」に基づき会社経営の枢要部分につき、通商産業大臣の厳格な監督のもとに同法にそって営業が行われている。」と記載しています。つまり三井の方も、閉山のような最高の経営決定について、営業について企業判断、経営判断だけで決めるものではなくて、通産大臣の指導監督に従う、こういうふうに言っているわけです。  伺っておきたいんですが、有価証券報告書に通産大臣の監督のもとに営業していると記載されているということは、これは御存じですね。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 承知をいたしております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 法律では、石炭数量等の計画の策定とか、企業に対する勧告やそれから監査など権限を定めておりますが、それはやはり法律に基づいてさまざまな支援策を施しているわけなんですから、国民の税金を投じているわけですから、それはある意味では当然のことだと思うんですね。  ですから、権限のある大臣が企業に対して、社会的責任、国策上の責任を果たさせるようにしていく、その点では、企業に継続し存続していくようにとこれは主張することはできる立場なんだし、今日本のエネルギー政策のことを考えたときに、やはりそれはやるべきだと私は思うんですね、大臣として。どうでしょう。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今長官が答えたように、一義的にはやはり会社の問題だろうと思いますし、この会社自体が、普通の会社でいえば経営不振でもって、もうにつちもさっちもいかないということで倒産であります。しかし、石炭産業に対しては国の支援ということを、法律もまずございますので、そういうことですから、これ以上存続させるということを言える立場でないのが実は国だというように御理解いただきたいと思うんです。  ちなみに、エネルギーについておっしゃいましたが、今一次エネルギーの供給の一七%を占めているということは否定はいたしませんが、今非常に地球温暖化、そういうことで、できるだけやはり石炭の使用というものも減らしていくというふうな方向に趨勢があるということもよく委員御存じのとおりと思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 エネルギー政策の問題については後ほどもう少し触れていきたいと思いますが、私は、やはり企業の側も認めているんですから、閉山するというふうな最高の経営上の問題ですね、そこについては、企業判断、経営判断だけじゃなしに、これは国策上の問題があるからこそ金も出してさまざまな支援策もやってきたわけですし、権限もあるわけですから、やはりここは今大臣として、正式決定前ですから、これは存続をしていきなさいと、これを言うべきだというふうに私は思います。  またそれは後ほど触れていきたいと思いますが、労働大臣、来ていただいておりますので、労働大臣の方に一、二伺っておきたいのは、石特会計石炭勘定で毎年労働省所管の予算を百数十億円規模で組んでおりますが、これでこの雇用対策は進んで、大牟田市でこれまで雇用の減少を食いとめることができたのかという問題ですね。なるほど、雇用対策と言ってお金は使ってきたけれども、しかし、どんどん閉山だ縮小だと来たときに食いとめることはできなかったんじゃないですか。

岡野裕自由民主党労働大臣

○岡野国務大臣 吉井先生には、参議院以来お久しぶりでございました。  今お話しの、三井三池炭鉱に対する、先生先ほど来お話しになっているあらかじめ対策、これでございます。  特別会計の石炭勘定、お話しのとおり、私ども労働省全般といたしましては、平成八年度百六十二億、それから平成九年度百四十三億の予定ということに相なっております。これらは、主として三井三池のこの炭鉱の現にあります皆様が、ひとつ職場が、雇用が安定できるようにそういった計画をおつくりをいただく、あるいは維持の計画をおつくりをいただくというようなことで、その計画等々に基づきましていわば出向の形でよその職場にスムーズに行っていただく、あるいは違う職場に将来行かなければならないというような羽目に相至ることなどを頭の中に描きながら、職業能力の開発訓練、これが近くに、例えば飯塚でありますとかあるいは熊本の荒尾でありますとか、佐賀にもございます、というようなところで新たな技能というものを身につけていただけるような訓練を受講していただくというようなことでやってまいりました。  先生がおっしゃる雇用が減少しないようにしたかということでありますが、むしろ職場というものを、労働に従事される皆さんが円滑裏に行っていただくというような意味合いで、現在のところは、おおよそ二百人の皆さんが、今お話をしましたような出向だとか再就職のあっせんでありますとか配置がえでありますとか訓練を受けるというようなことで、効果はそれなりに私どもとしては発揮をしていただいている、こう見ているところであります。  以上であります。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 移動してもらうための訓練等にお金を使ったということですが、同時に、大臣のところで、石炭鉱業構造調整臨時措置法に基づいて、鉱山労働者の雇用の安定のためにということで、労働大臣が毎年再就職計画を定めなければならないとなっていて、これまでずっと再就職計画を定めてこられたと思うのですね。そのとおり再就職は進んだのかという問題なんですね。  今の、いろいろ移れるように訓練もやりましょう、お金も出した、再就職の計画も立てた、じゃ、現実にそれで進んだのかということが一番問題であって、九五年からの五カ年のあらかじめ対策で再就職を進めていらっしゃるわけですよ。じゃ、実績はどうかといったら、現在のところ九十六人ですよ。だから、なるほどお金はどんどん使った、計画も立てた、しかし、現実には事ほどさようにはいかないで、どんどん雇用者の数が逆に減っていっているというのがこの地域の実態であって、だから、こういう再就職の計画を立てます、これをやりますから大丈夫ですということにならないということが、既に現実の問題として示されているんじゃありませんか。

岡野裕自由民主党労働大臣

○岡野国務大臣 先生がおっしゃいます三井三池鉱業所に相とどまっていただくということのほかに、外の企業にも出ていただく、それが大牟田市周辺でありますならばこれは非常に私はいいことだと思いますけれども、やはり広域的な雇用の確保というような意味合いでこれからも、万が一閉山というようなことに相なりますれば、公共職業安定所のネットワークをフル活用をいたしまして、そして立派な新しい再就職先というものを見つけていただこう、そのためには、今お話をした訓練にも経費を投入をしている。この経費といいますのは、先生、はい訓練が終わった、すぐこういう能力ができたではなくて、そういった基礎をつくることによって新たな職場においても立派に雇用ができるというようなことでありますので、長い目でごらんをいただければと、こう思っております。  なお、数字の細かい点につきまして御要望でありますれば、また部長に……

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 それで、今大臣、長い目でとおっしゃったので、実は私も長い目で見てきたんです。三池鉱の労働者数だけでいきますと、一九六〇年の一万二千八百二十二名が十分の一になっているんですね。長い目で見るとうんと減っちゃった。それだけじゃなしに、大牟田における大企業労働者が、二万八千八百六十四人が今や三千五百人。だから、この三井の問題だけを言っているんじゃないんです。やはり全体として沈み込んでいっているんです。しかも、企業は海外へ移転していっているときなんです。新規産業の創出は何だといって雇用を吸収することはできないというのが、長い目で見たときのこの地域の実態なんです。  ですから、これまで三井や国が社会的責任を果たすことはできたのかどうかという、この点の実績がここに実は出ているわけですからね。  そういう点からしますと、三井石炭鉱業の閉山を認めた上であらかじめ対策だとか事後対策だということを言ってみても、これは失業とか中小企業や商店の倒産を一層ふやすだけにしかならないわけで、やはり今必要なのは、三池鉱を存続させた上で、今まで成果上がっていないわけですから、大牟田や荒尾などのあの地域の町を、三池鉱は存続させるとともに、今まで成果の上がっていないこの地域の活性化にやはり真剣に、本格的に取り組んでいく。私は、そのためには、やはり三池で巨大な資本に育ててもらった三井グループのその巨大な財力にふさわしい社会的責任を果たさせる、そのことにやはり今本格的に国としても取り組んでいくべきだと思うのですね。この点、通産大臣、どうでしょうね。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今のおっしゃることはもっともだと思いますし、そのような方向でもって取り組んでいきたいと思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 次に、私は、エネルギーの面からもこれを少し見ておきたいと思うんですが、実は日本の国産エネルギーの供給比率、現在五%です。食糧自給率が今大問題になっておりますが、そのカロリーベースの自給率は、二、三年前の落ち込んだときの三七%というときがありましたが、今四二%。それと比べても、このエネルギー自給率五%というのはいかに極端に落ち込んでしまっているかということがよくわかると思うんです。  国産のエネルギー資源の残された三つの炭鉱について、これをすべてつぶしてしまうのか、それとも国家のエネルギーセキュリティーの観点に立った判断を下すのか、それが今問われていると思うんですね。  このエネルギー政策の基本にかかわる問題の決定というのは、これは三井石炭鉱業であるとかそのほかの石炭会社、一私企業にはこれを決定する資格はないはずなんですよ。やはり国がエネルギー政策の基本にかかわる問題については主体的に決めていくということが、私は一番大事だと思うんです。大体世界のどの国を見ても、自国民の食糧とエネルギーの供給については、いかなる危機にも対応できるように努めることを政策の基本としています。  例えば、話は飛びますが、食糧なんかについては、スイスは憲法で備蓄を決めているぐらいですね、それはいろいろな歴史的経過があるでしょうが。ですから、そういうことを考えたとき、翻って我が国の現状を見てみると、内野健一さんという九大の資源工学の教授が「エネルギー戦略と国内炭」という一文を書いておられますが、その中で「七〇年代に起きた二度にわたる石油危機のときには、大騒ぎだった。七三年の第一次石油危機の時、日本の一次エネルギーのうち、何と七七・四%が石油で賄われ、その九九・七%が輸入であった。現在はどうか。エネルギー問題は依然として重要かつ厳しい問題として存在する。わが国のエネルギーの需給構造は脆弱なままで輸入依存率は実質的には九五パーセントである。」というふうに述べています。  実際、我が国の一次エネルギーの自給比率というのを少し歴史的に見てみますと、一九六〇年の五六・六%が現在五%ですね。かつて石炭の最盛期、大体一九五九年、六〇年ごろですが、そのときの石炭の自給率は八四・六%だったのが現在は四・一%。つまり、石炭の自給率がどんどん落ち込むのに合わせて日本のエネルギーの自給率がどんどん落ち込んで、今や五%。極端に落ち込んでしまったというのが今の実態ではありませんか。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 御指摘のように、一九六〇年ではエネルギー全体の自給率、五七%だったわけでございますけれども、その後、我が国の急激な経済成長に伴いましてエネルギー需要も膨大に膨らみまして、それによりまして自給率がどんどん下がっているという状況でございまして、自給率の計算の仕方があれですが、私どもとしては、現在九五年では一八%というふうに計算をしております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 あなたのおっしゃったのは、ウランを入れているんですね。人形峠のウランじゃないんです。イタリアなんかの場合にはフランスの原発から電力を買っているんですね。日本の場合、ウランを輸入して原発を起こしているわけですから、原子力関係の輸入分を準国産と称して国産に入れているからそういう数字になるので、実際の自給率は五%ぐらいです。  さて、私はそういう中で、世界と日本のエネルギーの需給見通しがどうなるかということが今問題になってきているというふうに思います。  若干御紹介しますと、OECDの資料で見てみると、石炭の需要というのは現在の比率、二七%台で二〇一〇年ぐらいにかけてずっと大体同じ比率だというのです。ところが、量的に見れば一・五倍にふえるというのですね。これはアメリカのDOEの資料でも大体同じような傾向です。国連の総合エネルギー統計によれば、石炭の消費量がアジアで四十年間に十倍にふえたというデータを出しています。既に世界の四四%を使っているのがこのアジアだ。  総合エネルギー調査会の国際エネルギー部会の中間報告を見ておりましても、アジア地域の一次エネルギーに占める石炭の比率は、四五%から四六%台後半へ増加し、これは世界の比率が二五%前後であるのに比べて二〇%も率的にも高い。そして、量的には世界の半分近くをアジアが占めている。二〇一〇年には現在より三倍近くも石炭需要が増加するだろうという見通しも述べております。  IEAの見通しの方では、二〇一〇年には、一九九〇年比で、エネルギー消費は四八%増、石油供給は中東、ベネズエラへの依存度が三〇%から五〇%に高まる。かつて中東の問題があって、日本はいろいろ石油備蓄基地などをやったのですが、また新たに高まっていくであろうという見方もしているのですね。  野村総研の財界観測によれば、アジア、特に中国は石油需要の急増で大量の輸入国になるであろうという見通しも述べております。  ですから、アジアでは、特に石油とともに石炭需要が急増していく。中には、二〇〇〇年代に中国では十五億トンの需要になるだろうという見通しもありますが、大量に使用する中国が、実は輸出国から輸入国に転換していく。  そういう点では、そんな長い先になっても、ほんの短い将来を見ても、このエネルギー需給ということを考えたときに、日本のエネルギーのこれからの問題について、石炭について相当深刻に考えなきゃいけない事態になっていると思うのですが、政府の方も、見通しとしては大体私の今言ったような見通しですか。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今委員御指摘のように、十九世紀の初めは石炭、そして日本の場合には戦後は石油に非常に依存してきたわけです。ところが、石油、そうした湾岸地域の紛争もあり、いわゆる石炭どうだろうか。同時に、やはり環境問題というのが非常に言われてまいりました。化石燃料から生ずる一酸化炭素、二酸化炭素、そうしたもので地球温暖化ということで、そのときは、あくまでも石油が初めは安いので非常にこれはエネルギー源として使いましたが、その後のいわゆる石油ショックでもって、これがなかなか高騰するということから石炭が見直しになったわけですが、その時点で、不幸なことに日本の場合には、石油に切りかえるというのでコスト高になる炭鉱をどんどん閉山してきた、こういう悲しい歴史があります。  そういうことで、今またこの石油というものに関して、一般的に石炭が見直されていることは事実でありますが、片一方で、今申したように、環境の悪化、特に地球の温暖化ということが議論されてまいりますと、化石燃料そのものが問題だということになってまいりまして、今私たちは、より新しい時代のニーズに備えて、新エネの開発、あるいはまた環境に優しいという原子力、まあこういうものに実は切りかえつつあるというのが現状でございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 石油の埋蔵量は大体四十五年程度と見られているのですね。それで、世界の石油供給能力というのは三、四十年後にピークを迎えて、その後急速に減少していく。一方、石炭の方というのは、これは可採埋蔵量からしても二百数十年とかいろいろな見通しがありますが、かなりまだ長期にわたっていけるわけですが、そういう中で、アジアにおける開発途上国のエネルギー需要の急増と石油の埋蔵量が底をついてきたという問題がありますので、このことを考えると、世界的にも今石炭の見直しということが必要になってきております。  ですから、我が国の石炭政策の中でも、やはりこれまでのポスト八次策のその先の国内炭をどうするかという政策はまだ決まっていないようですが、やはり本格的に、まだ日本もかなりの埋蔵量が、二百数十年とか、これは使い方によるわけですけれども、日本自身も埋蔵量を持っているわけで、だから長い将来を見据えたエネルギー政策として、私は今簡単につぶすということじゃなくて、やはりこれは改めて考え直さなきゃいけないときに来ていると思うのですが、この点はどうでしょうか。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今言われたように、石油のいわゆる将来というのは四十年説がございますが、最近では大体二十一世紀は大丈夫だ、こういうふうな説に変わりつつあります。  しかし、いずれにしろ、今の御指摘のように、今まであった石炭の山の場合には、水没を全部しまして、あとのいわゆる復旧というか、採掘が困難な情勢になっております。ですから、私自体は、やはり三井の場合にも、閉山をするに際しましても、それの閉山の仕方というものは研究する余地があろう、かように考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 いずれにしても、西暦二〇〇〇年代、二十一世紀の早い時期に、エネルギー需要もそうですが、この石炭需給が逼迫してくるという時期ですね、それはいろいろなデータで出ているわけですが、そういう中で、改めて石炭の輸入に頼った場合のことを考えますと、今は海外炭に頼っていますが、露天掘りなんですね。しかし、やがてこれも坑内掘りに変わっていくのです。最初の初期資本投下がどかんと来るのです。それでコストがどかんと上がるわけですよ。そういうことも考えていかなきゃいけないし、それが炭価急増を招くという問題とともに、このエネルギー需給の逼迫の中で、安定供給が途絶えたときのエネルギーセキュリティーということを本当に考えていかなきゃいけないと思うのです。  石油の場合は、かつての例から石油備蓄に行って、これは国家備蓄と民間備蓄を合わせて四兆円かけて石油備蓄を今までやってきたわけですね。石炭の場合は、これは巨大な石油備蓄基地のような、新たな広大な面積をとって新たな施設をつくらなくても、採掘を続けて、採炭さえ続けておれば、鉱山自身が石炭危機に備えたいわば石炭備蓄基地という役割を果たすことにもなります。  私はそういう発想を持って石炭というものを考えていく必要があると思うのですが、あわせて、言われている電力側の問題ですね。  炭価差の問題、よく言われますが、しかしこれについて最後に一言触れておきたいと思うのですが、実は国内炭が五%という比率を考えれば、実は電力の負担というのはわずかなのですね。それも、東京電力を初め電力各社は公益事業でありながら、経常利益を調べてみました。東京電力で見れば、九四年度の経常利益は第一位で二千億円を超えているのですね。関電、東北電力、中部電力、九州電力、中国電力、みんな上位ですよ。これは大体一社平均七十億円ぐらいの炭価差分を負担しているということがあっても、なおかつ経常利益を上げているのです、公益事業でありながら。若干の炭価差がふえたといっても、それが直ちに家庭に負担がしわ寄せされますよという話じゃないのですね。電力側が経常利益のほんのごくごく一部を少し吐き出すだけでといいますか、かぶるだけで、それでちゃんとこれはやっていけるわけですよ。  私はそういうふうに、電力の問題、石炭の問題を含めて、日本の将来を見据えたエネルギーセキュリティーという観点にも立ち、また三井石炭鉱業の地域社会に対する責任ということを考えて、改めて三井石炭鉱業に対して存続をするように、そういう指導をされる必要があると思いますが、改めてこの点だけお伺いをして、時間が少しオーバーしましたが、私の質問を終わりにしたいと思います。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 先ほどから何回も繰り返して恐縮でございますが、やはりこれは、現時点においては私の方から閉山の延期を申し入れる状態にはないというふうに判断しております。  ただ、今の御指摘でもって非常に私自身いい勉強をさせてもらいましたのは、高コスト構造の是正ということで実は電力料金をいかにして引き下げようかと腐心をしておるわけでございますが、いいお話を聞きまして、ありがとうございました。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 どうも。終わります。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 この際、木島日出夫君から関連質疑の申し出があります。吉井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、重油流出事故について質問をしたいと思います。  一月二日未明のナホトカ号海難によって流出した重油は、一月七日、福井県三国町安島の海岸に漂着以来、今日までに山形県から島根県まで日本海側八府県の海岸に漂着、我が国史上最大の油汚染災害になっています。  この間、被災現地では、日本海特有の寒風と荒天の中で、地元住民と自治体、ボランティアの皆さん、関係省庁や関係民間企業から派遣された人々によって、連日必死の重油回収作業が続けられています。こうした中で、五名の方々のとうとい命が失われてしまいました。  二月三日、地元の海岸で油回収作業に従事した後、急性心不全で死亡した京都府網野町の足立勉さん六十八歳の奥さん久美子さんは、「夫は海が大好きで、重油で汚れた海を見て悲しんでいました。今回は隣組の組長として責任も感じていたし、当然のように回収作業に参加しました」、こう語っています。今、日本政府に求められていることは、被災地域住民のこうした気持ちにこたえること、地元の要求にしっかりとこたえていくことではないでしょうか。  被災地域の緊急かつ切実な要望は、第一は、海岸に漂着した重油、海上に浮遊する重油、船首部分や船尾部分に残存する重油の速やかな除去。第二は、漁業、観光業、地方自治体などの損害の完全な補償と、重油の除去、回収、防御に要した費用の完全な補償。第三は、環境汚染の調査とその完全な復旧。そして第四が、油流出事故の再発防止と日本海側における油濁防除体制の抜本的強化であります。  これらは、いずれも政府のなすべき責務でもあります。まずこの四点について、簡潔で結構でありますから、ナホトカ号海難・流出油災害対策本部長である運輸大臣、並びに関係する項目につきまして農水大臣、通産大臣、自治大臣、環境庁長官から、それぞれ政府の対応について答弁を求めます。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 簡単にということでございますが、御質問が数点にわたっておりますので、先生の予想される時間よりちょっと長くなるかもわかりませんが、それはお許しをいただきたいと思っております。  まず、油の現状でございますけれども……(木島委員「いや、それはいいです」と呼ぶ)よろしいですか。  それでは、御案内のとおり、今回のこの事故を振り返ってみるときに、先生が御指摘いただいている反省点へ私も十分認識いたしております。まず、冬の日本海、この荒天の中で、確かに静穏な太平洋側との防除体制というものに大変な格差があったということが一つあろうかと思っております。  今後、こういったことを踏まえまして、初動態勢のあり方、それから防除体制のあり方、関係省庁とのこれからの、教訓を踏まえてどういう面が問題点として残るのか、十分検証して改善をしていかなければいけないというのが一点だろうというふうに思っております。  一点だけこの機会に、先生もお触れいただきましたので私の方からも申し上げておきますが、漂着した油の防除について、不幸にしてお亡くなりになったボランティアの方々、私も改めて心から弔意を表すると同時に、本当にボランティアの方々の献身的な御支援、そして漂着している沿岸住民、漁業者を含める皆様方の御努力に対して、心から感謝を申し上げたいと思います。

藤本孝雄自由民主党農林水産大臣

○藤本国務大臣 この被害を受けました関係者の、特に漁業者の方々に対しましては、おおよそ三つの被害対策のポイントがあると思います。  一つは、漁業者に対する生活、経営の安定のための融通の問題。それから二番目には、漁場の保全、再生の問題。これには幾つかの制度がございますので、その地域に応じてそういう制度を活用して対応していきたいと思っております。  それから、観光業、また漁業者につきましては風評被害の問題がございまして、これも非常に大きな問題になっておりますので、これについては産地段階、消費地段階におきまして、関係者等広く指導、流通関係者による連絡会議等を設けまして、対応していきたいと思っております。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 私に対する御質問は、中小企業への影響だと思います。  通産省としては、福井県を中心とした重油の漂着、漂流、これの確認されている府県を管轄している通産局、すなわちこれは中国通産局であり、近畿通産局、それから中部、関東と四通産局を通じまして、被害状況の把握、これに努めているところでございます。また、中小企業金融公庫を初めとした政府系中小企業金融機関等に対しても、相談窓口の設置及び状況の把握について指示をしております。  これまでのところは、福井県、石川県等においては、旅館、民宿等観光関連、あるいは水産物加工業等の中小企業等に影響があらわれていると報告を受けております。現在、まだ引き続きその詳細について情勢の把握と調査をしているということでございますので、関係省庁とも密接な連携をとっている、かような状態でございます。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 重油そのもの、あるいは海藻やごみ等と一緒になった油塊がそれぞれの地方公共団体に迫ってくるということ自身が、まず一番大きな被害だと思うわけでございます。そして、これは当然取り除かなければならないということで、各地方公共団体、懸命になってやったわけでありますし、これは災害等から住民を守るという本来業務だと私は思っております。  また同時に、これらのことを懸命にやることが、今農水大臣あるいは通産大臣、それから後に環境庁長官からも御発言があると思いますが、この事故に伴って起きる被害を最小限に食いとめる最も有効な手だてでございますので、地方自治体が中心となって、消防、警察そして自衛隊の皆様、そしてボランティアの皆様方を地方公共団体が中心になって組織化して、懸命に油の回収作業等をやっているところでございます。

石井道子自由民主党環境庁長官

○石井国務大臣 今回の事故は大変広範囲にわたっておりますし、大規模でございます。そのために、環境庁といたしましても、この周縁海域におきます環境汚染が発生しているということを承知しているわけでございまして、水質、大気、底質、生態系、景観など環境に及ぼす影響を適切に把握するために、関係自治体との連絡のもとに第一段階での調査を行ったところでございます。  今後も二カ月後、三カ月後、四カ月後、六カ月後、さらに長期的にサンプリングをいたしながらその調査を行っていくわけでございますけれども、二月の七日に専門家によります検討会を設置いたしました。そして、関係省庁また地方自治体とも連携をとりながらその体制を整えていくところでございますが、今後も段階的に、継続的にその結果を把握し、評価をした上で、そして、今後の環境復元対策に対しまして必要な提言をいたしますと同時に、それが実施できますように活用していく所存でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 必死の思いで漂着重油の回収作業に当たっている地元から見ますと、なかなか政府が一生懸命応援してくれているという熱意が伝わっていないわけですね。今御答弁いただきましたが、やはり私は政府の熱意がもう一つ不足しているんじゃないかと感じざるを得ないわけであります。  今回の災害は、ロシアのタンカーからの重油流出という原因者がはっきりした人災です。しかし、だからといって、その補償問題はロシアの船主と被害者との間の民事問題だといって日本政府が知らぬ顔をすることは許されるべき性質の災害では決してないと思います。  一月二日に隠岐島沖で重油が流出してから、最初に福井県三国町安島海岸に漂着する一月七日まで丸五日あった。なぜ重油の海上での回収ができなかったのか、なぜ海岸への漂着を食いとめることができなかったのか、この問題が根本から問われているわけであります。冬の日本海における厳しい気象、海象条件はわかっていたことです。  一月二十三日の本院本会議での我が党の不破委員長の代表質問や、同じく二十七日の本委員会での穀田委員の質問で、政府の本件事項に対する対応のおくれ、日本海における油回収の備えの欠如の問題が指摘をされました。それに対して、橋本総理からも、「政府の対応に反省すべき点があったことは率直に認めます。」また、「今回のように公海上で発生した場合の対応体制がおくれていたことは認めざるを得ません。」との答弁がなされたわけであります。このように、政府は手抜かりがあったことを率直に認めているのですから、それによる被害、損害の補償についても政府において万全の措置をとることは当然のことではないかと考えます。  一つまず、農水大臣に聞くわけでありますが、漁業についての補償問題ですが、重油が大量に漂着した海岸は、岩ノリ、ワカメ、サザエが全滅してしまっただけではありません。漁場が完全に破壊されてしまっているわけであります。収入が全くなくなってしまった被災者が当面の生活を維持するのが困難になっているだけではなく、担い手が高齢化している被災地の漁業を維持することも大変になっているわけであります。  ぜひ、政府はこのような状況を直視してほしい。そして、保険や油濁補償基金の支払いを待つのではなくて、そしてまた今も答弁がありましたが、従来型の無利子、低利の融資という枠を超えて、ぜひ速やかに直接の被害補償に乗り出していただきたい。また、保険や基金では救済の対象にならない被害や損害については、ぜひ政府が責任を持って補償していただきたい、この点での農水大臣の地元の期待にこたえる答弁を重ねてお願いします。

藤本孝雄自由民主党農林水産大臣

○藤本国務大臣 先ほど委員も御指摘のように、補償の問題につきましては、民事上の問題として油濁基金、また相手国の船主を対象にしまして交渉していくということがまず基本にあることは御承知のとおりでございますけれども、それはそれとして、政府として何も手をこまねいていいということではございません。外務省また水産庁それぞれ、それぞれの立場で相手国に対しまして働きかけをしておるということは事実でございます。  それから、融資の点につきましては、今言われましたように、低利、むしろ無利子の生活資金、経営安定資金、そういうものについても十分に配慮をしてまいっておりますし、またこれからも対応していきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、重油流出事故によりまして被害を受けました漁業者に対しましてはできる限りの対応はしてまいらなきゃならぬ、そういう考えであることは間違いないわけでございまして、ぜひ御理解いただきたいと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 やはり融資の枠から出ないんですね。ですから、最後の、できる限りのことをやっていきたい、そのできる限りを私は詰めたいのです。  同じように通産大臣に中小企業の問題について訴えたいと思うのですが、重油の漂着が大きく報道されて以来、旅館、民宿など観光業界では、予約客のキャンセルが相次いでいるだけではありません、新規の客の予約が全く入ってこないという状況であります。一昨年の阪神大震災、昨年のO157、そしてことしの重油被害と地元の観光業界は三年連続の大打撃であります。それに加えて、九七年度政府予算案によって消費税五%増税、特別減税の打ち切り、医療費の値上げで九兆円の国民負担が押しつけられようとしている。私ども日本共産党は、昨日この根本的組み替えを求める提案を発表したわけでありますが、地元の被災業者にとって先の展望が全く見えない、本当に深刻な状況が生まれているわけであります。  ぜひ漁業と同じように、このような中小業者に対しても、無利子、低利の融資というのを超えて、速やかに直接の被害補償に乗り出していただきたい。同じように、保険や基金の補償対象から外される損害についてもぜひ国が補償措置を講じていただきたい。さらに、中小業者については風評被害が生じないように対策もとっていただきたいことも含め、ぜひこれは通産大臣、一歩踏み出す措置をとってもらいたいということを願いまして、答弁を求めたいと思います。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 ちょっと不満足な答弁かもしれませんが、まず、損害補償の問題については、基本的には船主とそれから被害者側との民事上の問題であるという認識をしております。しかし、今回の重油の流出事故によって実際的に中小企業の方々が大変な影響を受けているということの懸念もされております。  そのため、中小企業者を対象に、その経営が困難とならないように、資金の円滑な融通につき中小企業金融公庫を初めとし政府系中小企業金融機関等に相談窓口を設置、貸出手続の迅速化、担保の弾力化等の指示を行ったところで対応しているわけでございますが、今後とも、福井県等関係方面と密接な連絡をとりつつ、本事項に対する中小企業者への影響について調査を進め、必要に応じてやはり適切な措置を対応していきたい、かように考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 やはり従来の融資の枠から一歩出ないわけです。私は、できない、無理なことを政府に求めているわけでは決してありません。  九三年一月五日にイギリスで起きたブレア1号の原油流出事故のときに、イギリス政府は、これはリベリア船籍の船の事故です、スコットランド省を通してつなぎ融資二百六十五万一千九十ポンドを被災した養鮭場に支払いました。そしてこの金額は、その後に基金からイギリス政府に払い戻されているのです。政府がまず被災者の救済のために支払いを行う、そして基金には後に政府から請求を起こす。これは、漁業被害、観光被害、地方自治体の支出した負担の問題、将来の環境被害回復事業の問題でも皆共通することであります。イギリス政府がやれたことを何で、日本政府がやれないわけはないんじゃないんでしょうか。ぜひこれを見習って決断を振るっていただきたいと思います。  最後に、補償問題では、重油が漂着した自治体の問題について訴えます。  日本海沿岸各地の地方自治体は、正月以来まさにパニック状態であります。漂着した重油の回収、除去作業はどの地域でも地方自治体が中心になって進めていますが、その財政負担は莫大なものとなっています。ただでさえ大変な地方財政状況の中で、各地の地方自治体は、財政をやりくりして、住民自身によるひしゃくや竹べらによる寒風の中での油回収作業を支えているわけであります。こういう出費は政府において全額見てほしい、これが地方自治体の願いであります。政府はきちんとこれにこたえていただきたい。  自治大臣は、地方行政委員会などで、先ほども本委員会で、費用のことは心配しないでとにかく油を除去していくことに万全を尽くすことが大事と答弁しているわけですが、やはり中身が大事だ。保険や基金で補償の対象となるかどうか不明なものでも、地方自治体はやらざるを得ないからやっているんです。  一つ例を挙げます。  一月三十日、国会議員団の現地調査の際、石川県知事から訴えられたことでありますが、加賀市の海岸で、最初に漂着した重油をブルドーザーで陸地の奥へ押し上げたんです。波にさらわれないように配慮したんです。その結果どうなったか。重油と砂がまざってしまって、重油が約一割、砂が約九割というボタ山ができてしまっているんですね。やり方はまずかったかもしれません。しかし、初めての経験であり、そうせざるを得なかったと言っています。夏の海水浴のシーズンまでにはこれを全部片づけなければならないんですが、莫大な費用がかかると言われています。  この費用が基金の補償対象になるのかならないのか、今関係者の間では協議が行われていると聞いているわけでありますが、もしこうした費用が補償の対象とならないとしたら、自治体財政は破綻してしまうんです。ぜひそこを直視していただいて、自治体のかかった費用は、まずは日本政府、自治省が全部見る。特交なんというので、金額がはっきりしないやり方じゃなくて、全額見ると決断をしていただきたい。自治大臣の答弁を求めます。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 その補償という言い方、その前段に、今回の事故対策が十分でなかったから政府も若干責任があるんじゃないか、そういう意味で補償せよというのであったならば、これはまた運輸大臣の方から、全力を尽くしたけれども残念ながら期待にこたえることができなかったということで、いわゆる過失に伴う補償という話はないと思うわけでございます。  そして、原因者がだれであれ、油が現に漂着してくればいろいろな被害がそこの地域にあるわけでございますから、何よりもまずこれを回収する、そして最終的には処理するということがすべてにも増して一番大事なことでございますから、そしてそれは被害の第一弾じゃないでしょうか。  ですから、このかかる費用は、本来ならば原因者が負担しなきゃいけないんだけれども、正直言ってそれらの法制がわからないし、二百二十五億円、こう言われている基金の中で果たして水産業の被害等が賄えるのかどうかわからない。あるいは、船主は多分無限責任を負っているのじゃないかと私は思いますけれども、その会社がどのぐらいの金があるかわからないというような中で、しかし、そんなことを構っていられないわけで、地方自治体は懸命に油の回収作業をやっているわけですから。そして、私の地元でもございます、ブルドーザーで全部しちゃって、それがかえって今から見ると大変金がかかったが、当時はそれが一番いいと思ってやったんですから、それも油が漂着してくるのを回収する作業の一端だと考えておりますので、そういうのにがかった全部を含めて、金を最終的にだれがどう出すか、これは後で決めていい話だけれども、少なくとも自治省は、そういう油回収のために各自治体が要した費用については責任を持って必ず面倒を見ますから、どうぞお金のことは余り、余りというか、お金のことのためにその回収作業におくれがあってはならないということは、こういう要望がなされて以来一貫して私自身が発言しているところであり、また、自治省を通じてそういうことをやっております。  そして、そういうことだけではなくて、現実に会計が三月末で締めなきゃいかぬものでございますから、自治省といたしましては、今年度交付すべき交付金の中でも適切な措置がなされることを前提に、各自治体がどういうことにかかったのか、少なくともこういうことについては当然回収費用の一環でしようということで項目等も示しながら、既に各地方公共団体等からヒアリングを現に進めているところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 原因究明の問題について質問させて  いただきたいと思うんですが、ナホトカ号の海難・油流出事故原因の真相究明は、再発防止のためにも、損害の賠償、補償問題の上でも決定的に重要な問題であります。  既に、ロシア政府においては、ロシア運輸省のもとに、ボロジツキー・ナホトカ港長を委員長とする原因究明委員会が事故原因調査作業を開始して、一月十八日、事故発生からわずかに十七日目という異例の早さで、本件は不可抗力の事故だったとの報告書がまとめられていると伝えられています。三国沖の船首部分や、海底二千五百メートルの日本海に沈んでいる船尾部分の船体や破断面の調査もしないでこのような報告書を作成するロシア政府の態度は異常であり、これは法的、政治的責任を免れようとの思惑を持った意図的なものと見ざるを得ないわけであります。  日本政府は、二月五日から七日までモスクワで行われた日ロ海洋汚染防止当局間会合において、ロシア政府からこの報告書全文を入手しているようですが、その内容はどのようなものなのですか、外務省。

浦部和好外務省欧亜局長

○浦部政府委員 お答えをいたします。  先生御指摘のとおり、五日から七日までモスクワで専門家の会合がございました。それで、中間報告書というものを我々受け取りました。  この報告書につきましては、いわゆるロシア側の中間的内部文書であります。また、ロシア側の強い要望があるものですから、その内容について全部公表するということは実は差し控えたいわけでございますが、既に現地で報道されております、ナホトカ号の沈没事故は外部の力によるものだ、そういう趣旨の先方の責任者でございますツァフ運輸大臣の発言というものは、この中間報告書に基づくものであるというふうに理解をしております。  ただ、いずれにせよ、まさに先生今御指摘ございましたように、我が方としては、事故原因に関する最終的な結論を出すためには船首部分の詳細な調査が必要であると考えておりますし、ロシア側もこの点については同様の考え方を有しております。  また、責任者でございますツァフ運輸大臣自身も、日ロの専門家があらゆる情報を分析することによって真の原因究明がなされる、そういう認識を持っていると我々は理解をしております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 外部の力によるものだと御答弁ですが、その外部の力の外部とは何ですか。波ですか。

浦部和好外務省欧亜局長

○浦部政府委員 先方のツァフ運輸大臣の発言によりますと、外部のものという言い方でございまして、波その他いろいろなものが入っているんでございましょうけれども、具体的に特定はされていないということでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本政府はその全文を持っているんでしょう。もう分析しているんでしょう、その全文を。一体ロシア政府は何を根拠にしてそのような報告を作成したのか。  二月五日からの会合でロシア側から日本側に、ロシア政府がナホトカ号の乗組員からとった事情聴取書が渡されたと私は聞いています。ナホトカ号の乗組員からは、一月二日、海上保安庁の巡視船「わかさ」などが三十一名を救助した後、海上保安庁も事情聴取を行っているはずなんです。それは突き合わせしていますね。乗組員の供述が変化したんでしょうか。全部資料を持っているはずですから、答弁していただきたい。

浦部和好外務省欧亜局長

○浦部政府委員 先ほどちょっと申し上げましたように、ロシア側は、これは中間的な報告書である、したがって公表はしないでほしいという格好で、我々、そのものはいただいているということが一点。それから、専門家会合の中身自身について、実は、私も専門家ではないものですからなかなか御説明がしにくいということでございます。  ただ、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、最終的な結論をしっかり出すためには船首部分の詳細な調査が必要であるということについては、先回の専門家会合で、日ロ間で意見の一致を見ているということは申し上げられると思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 一月二十三日に日本政府からロシア政府に対して、日ロ両国が協力して原因究明作業を行うことが提案された。そして翌二十四日、ロシア側から日本側の提案に了解が示された。そして、さきの日ロ当局間会合において、原因究明のために情報交換を含め引き続き協力していくということで意見の一致を見た、本委員会でも答弁があったとおりであります。  私は、それならばそういう報告書というのは、中間とおっしゃいますけれども、破棄されるべきものだと思います。そういうものを受け取って、しかもその内容を日本国民の前にも被災者の前にも明らかにしない、秘密にする。私は、ロシア政府の態度も、追随する日本政府の態度もおかしい、そのこと自体大問題だと思うのです。報告書を国会に提出することは、私は、政府の、日本の国会、被災者に対する責務だと思うのです。当委員会に提出していただきたいと思うのです。外務省。

高村正彦自由民主党外務政務次官

○高村政府委員 先ほど政府委員から申しましたように、この中間報告書はロシア側の内部文書でありまして、そしてこれは、私どもがどういうものがあるのかということを出してほしいということを積極的に要請して出してもらったものであります。ただし、その内部文書を出すに当たって、相手方から、これを出すについては今まだ最終報告という形で出ているわけではないので、現時点で公表することは差し控えてほしい、こういうことがありましたので、私たちも要請してもらった相手の内部文書だという立場から、今公表するのは差し控えたい、こういうふうに考えているところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は本当にこの文書、内部だから、要請してもらったものだからという理屈で秘密にしなければならないというのはおかしいと思うのです。私はまず、ロシア政府の態度が、それが本当ならおかしいと思う。それに追随している日本政府の態度もおかしいと思う。これだけの大きな被害を発生させた国際的な油濁事故ですよ。五名の人命も間接的かもしらぬけれども失われているのです。私は、日ロ両国民の前で公然と公開して、公正な原因調査がなされて当然ではないかと思うのです。  委員長にお願いしたいのですが、当委員会にその報告書を提出していただくよう、委員会として取り計らっていただきたい。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 もう一度伺いますが、高村外務政務次官、お答えを願います。

高村正彦自由民主党外務政務次官

○高村政府委員 私どもが今一番大切なのは何かということは、正しい最終報告を導き出すということで、そしてそのためには船首部分の詳細な調査が必要だ、こういう考えを持っておりまして、それについてはロシア政府も同意しているところであります。  そういう意味では、それがまだなされていない中間報告というのは必ずしもそんなに重い価値のあるものではないと私ども考えておりますし、そして相手方の内部文書、中間文書を今の時点で公表してほしくはない、しかし、日本側が要求するのであればお渡しします、こういうことで渡されているものでありますので、現時点で公表するのは差し控えたい、こういうふうに思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 委員会でやると言ってください。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 恐縮でございますが、ただいまの御発言は、外交上の問題もこれあり、資料としては出せませんという答えでございますが、これ以上どのように扱ったらいいか、委員長としては判断に苦しみます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 それは政府としての態度であって、国会の態度はまた別であってしかるべきです。重いものではないというなら、なおさらそんなものなら公開したらいいんじゃないですか。日本政府から正式に堂々とロシア政府に公開すべきだと、中間であれ報告書ができて、運輸大臣がそれで発言しているのですから、地元のマスコミに。そんなの秘密にするのはおかしいですよ。ぜひ委員会でも御検討願いたい。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 理事会で検討いたします。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 ロシア側では、一月十八日に今言った事故調査報告書がつくられたわけです、中間かどうか知りませんけれどもつくられた。日本側の運輸省内に事故原因調査委員会が設置されたのは、その後、一月二十四日であります。対応が余りにも遅過ぎる。  日本側の委員会は、現在までどのような資料を入手しているのかお聞きしたい。ナホトカ号の船歴に関する情報をとっておりますか。設計、製造に関する情報をとっておりますか。航海に関する情報をとっておりますか。修理、検査に関する情報をとっておりますか。この四つの情報をとっているかどうか、答えていただきたい。

山本孝運輸省海上技術安全局長

○山本(孝)政府委員 お答えいたします。  まず、国際統計等によりまして、船舶の主要目等の情報は既に早い時期から把握しておりました。  また、二月五日から二月七日までの間に実施いたしましたロシア側との会合を通じ、多くの情報交換ができております。すなわち、当方から事故時の海象、気象状態、漂着部の水中ビデオ等の資料を提供したのに対し、ロシア側からはナホトカ号の設計図書、乗組員からの聞き取り調査の資料等をいただいております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 それ以外は。修理とか検査とか。

山本孝運輸省海上技術安全局長

○山本(孝)政府委員 一式、ある限りすべて含めていただいております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 余り修理情報、検査情報をとっているかどうか答弁しないので、時間の関係で次の問題に移ります。  公海に関する条約によりますと、いずれの国も、自国の旗を掲げる船舶について、船舶の構造、設備及び堪航性に関し、海上における安全を確保するために必要な措置をとるものとすると取り決めております。十条です。また、この条約は、すべての国は、海水の汚濁の防止に関する現行の条約の規定を考慮に入れて、船舶からの油の排出の防止のための規則を作成するものと取り決めております。第二十四条。もちろんロシアはこの公海に関する条約は批准をしております。  ロシアのこの分野での国内法がどうなっているのか、タンカー・ナホトカ号がそれに適合していたかどうか、外務省、運輸省、把握しておりますか。イエスかノーかで結構です。

浦部和好外務省欧亜局長

○浦部政府委員 それでは、御質問の前段の部分についてお答えをさせていただきます。  先生御指摘のいわゆる公海に関する条約の規定につきましては、ロシアにおいてはそのまま直接に国内法として適用されておるということでございます。したがいまして、海上における安全の確保及び海水の汚濁の防止に関する国際的な基準を適用しているというふうに承知しております。  したがいまして、我々にとっても大事だと思いますのは、特に再発防止等の観点からは、各国政府がこういう条約をしっかり実施していくことというのを国際海事機関等を通じて徹底していくことというふうに考えております。また、この前の専門家会合の席においてもその趣旨のことをロシア側に強く申し入れている、こういうことでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 では、外務省、結構です。  再発防止について。  ナホトカ号は船齢二十六年の老朽タンカーであります。ナホトカ号の船主プリスコ・トラフィック社は、九一年にプリモリスク船舶会社から古いタンカーを買い取って設立された会社で、現在二隻のタンカーを持っているようですが、二隻とも船齢二十五年を超えているそうであります。  ロシア科学アカデミー極東経済研究所のウラジオストク市内にある支部のアレクサンダー所員は、我が党の赤旗記者に対して、極東地方には約五百隻の船舶がある、平均船齢は十八・五年、世界、平均の十四年を上回っているのは確かだとか、外洋では大きな波が来たときに危険なため、ロシア沿岸部でしか使用しなかった老朽タンカーが今は外洋でも使われるようになっている等、現在の日本海の危険な実態について語っております。我が国では船齢十年を超えたタンカーは事実上使われていないそうでありますが、運輸省、我が国の港に寄港しないで日本海を行き来するタンカーの把握はできているのでしょうか。

相原力運輸省運輸政策局長

○相原政府委員 お答え申し上げます。  老齢タンカーのお話でございますが、船舶の保守整備の状況にもよるため、高齢な船舶が必ずしも危険な船舶であるということではございません。しかしながら……(木島委員「いや、質問に答えてください。時間だって言うから」と呼ぶ)はい、わかりました。  端的に申し上げますと、日本に寄港しないで日本海あるいは日本近海を航行している船舶の実績については、公表された統計がございません。現状では把握が困難でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 終わりますが、国連海洋法条約の第二百十一条四項とか五項には、最近大きく国際法分野が変わってきまして、沿岸国は、自国の領海における主権の行使として、外国船舶からの海洋汚染を防止し、軽減し、規制するための法令を制定することができるんだと、そしてそれは領海だけじゃなくて、排他的経済水域に対しても外国の船舶に対していろいろ規制ができるんだという状況に海洋法条約によってなってきているのです。ぜひそういう立派な法律を日本でもつくっていただきたいということ。  そして、法律制定では実効性が疑問だ、相手国に対して強制力の問題があるとするならば、ぜひ日本とロシアとの間で、また日、ロ、中、韓という日本海を取り巻く国の間でひとつ関係国間条約をつくって、少なくとも日本海を航行するタンカー等についての情報をお互いの国に与える、せめてそれを前進させていただきたい。そのことが私は日本海の安全のために非常に大事な一歩になると思いますので、これは日本共産党、私からの提言でありますが、ぜひそういう方向で新しい制度をつくり出していただきますことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて吉井君、木島君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十七日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十三分散会

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