P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
140回国会衆議院1997/02/05

予算委員会 第7号

発言数
327
登壇者
34
会派数
3
開催日
1997/02/05

会議録

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これより会議を開きます。  平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算、平成九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田幸四郎君。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 新進党の石田でございます。総理初め各閣僚、大変御苦労さまでございます。私は、新進党におきまして行政改革を担当しておりますので、専らその問題についての質疑をいたしたいと存じます。  ただ、その前に、やはりペルーの大使公邸におきます人質事件について、国民の皆さんが大変心配をしておられるわけでございまして、総理を初め外務大臣、大変な御苦労をしながらこの平和的解決のために努力をされております一そのことについては心から敬意を表したいと存じます。  ただ、この問題が平和的な解決ができないとすれば、まさに私は橋本政権の命運にかかわるような、そういった出来事であろうと思うし、国民の皆さんの批判も大変厳しくなってくることは申すまでもないわけでございまして、どうかそういった状況を心していただい工さらに平和的な解決への御努力をお願いを申し上げたい、このように存ずる次第でございます。一言所感を承りたいと存じます。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先般、トロントにおけるフジモリ大統領との会談に臨みます前にも、御党を初め各党党首の方々にぎりぎりの状況の御説明を申し上げ、その上で、テロに屈することなしに人質の無事な全面解放のために努力するというペルー政府の姿勢に対する支援をお願いをいたしました。国会を構成する全党の党首からこの点についての一致した御意見をちょうだいができ、これを会談の席上ペルー側にも伝達をし、その意思が日本としての総意であることをお伝えをしながら御相談を申し上げてまいりました。  これは、テロリストグループが今後どう行動するのか全く予測のできることではございませんし、私自身、この状況を楽観できるものではありません。ただ、非常に私として一つほっといたしましたのは、リマを出発される前に、シプリアニ大司教、保証人委員会のメンバーでありますが、中におられる日本人の人質の方々全員に会ってこられた、そして、その上で、精神的にも身体的にも今問題はないという御報告をいただきましたことは一つの救いでございました。  我々の立場は、ペルー政府を支援しながら、ペルー政府の交渉によってこれが解決をするためにできる限りの役割を果たすということでありますけれども、幸いに、保証人委員会のオブザーバーという形で寺田大使が加わられる、これで直接の情報が得られるようになること。また、テロリストグループが人質の身体に危害を加えようとしない限りにおいて先制的な武力行使をしないというフジモリ大統領の発言というものがございました。その上で、テロリストグループとペルー政府の対話の予備的な話し合いという形での目に見える動きを加速させるということで合意をいたしましたので、この中から解決の糸口が見出されることを今祈るような思いでおります。  今後ともに、この問題につきましては、党派を超えた御協力をぜひ賜りたい。よき結論が得られることを心から祈っております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 それでは、行政改革の問題について順次質疑をいたしてまいりたいと存じます。  総理が提唱されております行政改革から教育改革に至るまで六つの改革をいろいろな角度から考えてみますと、一つにはやはり、行政全体のスリム化一構造改善をするためにはそういうシステムの変更が必要だということがうかがわれてくるわけでございます。一方においては、高輪化社会の到来でありますので、そういった意味での、社会保障的な面では財政も拡大をせざるを得ないのかな、そういう議論も一方においてあるわけでございますが、こういう六つの改革を通して考えられることは、やはり私は、省庁統合とか地方分権に見られるように、行政全体のスリム化を想定をしておられるのではないかな、このように思うわけでございます。  このイメージは、極めて私は国民の皆ざんにとっても関心のあるところだと思うのですね。大きな政府、今までのような社会保障を中心とした右肩上がりの予算がずっと継続されていくのか、あるいはこの六つの改革で一挙に行政経費の節減も含めて小さな政府への方向に行く、このように想定しておられるのか、大変関心のあるところだと思いますので、まず総理の基本的なお考えを伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今まで、私は、歴代の政府、単独政権であれ連立政権であれ、その折々に行政改革というものには皆が真剣に取り組んでこられた、その時点その時点で、テーマは違いましても行政のスリム化ということには皆努めてこられたと思っております。しかし、実はそれが、例えば土光臨調と言われます第二次臨時行政調査会等、非常に大きく全体をカバーした動きであるとき、それから、例えば規制緩和というものに集中して、あるいは特殊法人というものに集中して、そのときそのときのとらえ方、切り口というものはその時代その時代で私は変化があったように思います。  しかし、そうした中で、今私どもは、第二次世界大戦の後、豊かな国をつくるという流れの中で、均質性、平等性といったものを求めながら築き上げてきたシステムは、それぞれの限界に既に達してきていると思っております。それだけに、ある意味では非常に重なり合っている部分を持つそれぞれの分野の改革というものを一斉に行わなければならないという考え方を持つに至りました。  その中で、今目指すものは何かということになりますと、私はやはり、国民の求めておられるサービスを最小のコストで提供していく、そのための仕組みづくりということが行政改革の目的になろうかと存じます。そうしますと、中央省庁のあり方云々の前に、まず必要なことは規制の緩和であり、これによって行政の役割を減らす、官民分担の見直しであり、これによっても行政の役割を減らす、さらに地方分権というものを進めることによって中央省庁そのものも役割を減らす、その結果として、よりスリムな中央政府を持つことになっていく。当然ながら、その内容というものは今議員が述べられたような視点に集約されるかと思いますし、そうした手順を私自身も頭に描いております。  ちょうど昨年末、当面取り組むべき課題につきまして、その内容と目標時期を整理しながら行政改革プログラムをまとめ、決定をいたしました。これを着実に実施をしながら、各般の改革をなし遂げるように努力をしてまいりたいと考えております。  このプログラムを実施していきますと同時に、一方で、今申し上げましたような視点から、各分野から上げられてくる御意見というものを踏まえた行政改革会議における御論議、その中で中央省庁の再編というものも仕上げてまいりたい、そのように考えております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 お話を承っておりますと、総理は、国民は最小のコストで行政サービスを受けることを希望しておるというようなことに触れられたわけでございますが、確かに、中央省庁再編論、あるいは地方分権論、あるいは先般来の予算委員会の議論を聞いておりますと、政府の方も補助金行政に切り込んでいくということをおっしゃいました。また、いわゆるシーリング方式についても、これは新しいそういった予算要求ルールをつくるということも総理はおっしゃっておるわけでございます。あるいは行政経費のさまざまな、建設コストの単価の問題までも切り込むということも、建設大臣もお触れになったようでございます。  そういうふうにして見ますと、当然、予算に対する考え方、特に税収減という大変厳しい状況が続いてきたこの平成九年度の予算というものは、私は、やはり行政経費の削減の方向へ行くのかなと。昨年の臨時国会の議論でも、総理は、そういった行政経費に対する見直しあるいは考え方、厳しく見ていきますということを本会議で答弁をされておるわけでございます。  しかしながら、残念ながら、ことしの予算にはそういった行政経費の削減ということが顕著に見えてこない。残念ながら、やはり右肩上がりの予算編成になっているというふうに思わざるを得ないわけです。地方自治体なんかでは、平成九年度の予算を見ますと、全部が全部ではありませんけれども、東京都あたりは右肩上がりをやめてしまった。やはり今は歳入が厳しいわけですから、歳出についても切り込んでいく、これがいわゆる基本的な行政の姿勢ではないのかと思うのでございますけれども、なぜ平成九年度は結果的に右肩上がりになってしまったのか、行政経費の節減あるいは削減に切り込むことができなかったのか、ここら辺の問題について、大蔵大臣から伺いますか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 行政諸経費の、事務的経費です、一五%カットを九年度編成の基本としまして、ほぼその基本は達成をされております。額面が必要であれば政府委員から答弁をさせます。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 細かい説明は結構なんですが、概算要求の時点では、たしか六・八%ぐらいの増になっておった。それから見ますと大変な御努力をしたということが見えてくるわけでございますけれども、やはり私は、これだけの増税を結果的にやらざるを得ないと政府全体が御判断をされたわけでございますから、当然やはりそれに見合う行政経費の節減という努力が国民の目の前に明確に見えてくる必要があったのではないか、こう思います。  さらに、今総理の答弁の方向からいけば、行政のスリム化、最小のコストということをおっしゃっているのですが、そういった意味では、平成九年度はもう既に政府の方は決まってしまったわけでございまして、私たちはそれに対していろいろな角度からの修正要求、論議をするわけでございますけれども、しかし今総理の答弁の方向からいけば、当然平成十年の予算編成の姿勢というものは、私は結果としてやはり行政経費の削減という姿が見えてこなければならないはずだと思いますが、もう一遍大蔵大臣、御答弁いただきます。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 先ほど申し上げましたのは事務的経費の節減目標、これはそのとおり達成をいたしたところでございます。  石田議員の言われますのは、広義の行政経費、公共事業、また義務負担、法に基づく医療関係費、義務教の問題等々を総括いたしますと、そういう点から伸び率を申し上げますと、一・五%に抑制した、こういうことになります、これは一般歳出四十三兆に対応する分でありますが。  そういう点からいいますと、御案内のとおり四月から消費税、可決決定をいただければ実行できるわけでございますが、その時点からいいますと、あらかじめ、国といえども消費税の負担が課せられますから、四千億円程度のものが見込まれます。全体からいいますと、約一%に近いものがそこに出ておりますから、一・五という計算で抑制をいたしましたが、事実上対前年比の歳出の伸び率は〇・六という計算に相なっております。消費税の影響は〇・九、表面上は一・五、こういうことであります。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 そればかりやっておられません。総論の話は大概予算委員会等にも出ておりますので個別の問題に進めたいと思いますが、その前に、行政改革を進める一つの手だてとして参考になるのが、私は規制緩和の話であろうと思うのですね。規制緩和の必要性については、その原理原則、今私が申し上げるまでもない。  しかしながら、経済構造全般の仕組みを、世界の大競争時代に備えてというか対応して、そういった規制を変えて民間の自主的な活動を促進しなきゃならないということでこの規制緩和が具体的に始まったわけですが、この規制緩和の進め方を見ていると、やはり法律全般にわたって一つ一つチェックして、これが今後の民間の自主的競争意識を育てていくための阻害になっているのではないかという角度から検討されて第一次提言がなされ、第二次提言がなされというような形になって進んできたわけですね。  そうすると、例えば特殊法人あるいは財投の問題、財投の問題全体で議論するという方向ももちろん大事なわけでございますけれども、やはり特殊法人ができてきたそういった経過を見ますと、一つ一つ別の理由で必要性に応じての議論の中から特殊法人の設立がなされている。その設立法人が現代の経済社会に合うか合わないか、あるいは将来のために必要かどうか、そういうものを個別的に検討していかないと財投の問題に響いてこない、こういう仕組みになっていると私は思うのでございます。  総理に伺うのでございますが、行政改革の基本的な手だてというか手法といいますか、そういったものはやはり、行政全体でございますから膨大なさまざまな問題があるわけです。確かに、地方分権推進委員会で機関委任事務の問題について、ばっさりもうやめるという方向が出されました。そういう手法もありますけれども、しかし、その背景にあるのも、この機関委任事務の問題も十数年以来、もう何とかしてもらわなければどうにもならぬではないかという議論が積み重ねられて、いわば個別の議論がずっと積み重ねられて、そして今そういう仕組みができてばっさりやめる方向が出てきている。  ですから、私は、行政改革の基本的な今後のやり方の手順というか仕組みの基本は、やはり個別案件をきちんと見直しをしながら全体像を改革していく方向を見つけるということではないのかなと思うのでございますが、この点に対する総理の御見解を承っておきたいわけです。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今議員から、一つ一つのきちんとした見直し、その積み重ねが重要という御指摘をいただきました。私は、その御意見を非常にありがたく受けとめたいと思います。  今まで私は、時々この特殊法人の問題等で世間から御批判を浴びたことがあります。というのは、例えば一つの省が持っている特殊法人、各省一個ずつとか、そういう特殊法人の整理の仕方というのはおかしい、むしろ一個ずつの存在理由を見直した上で、それが民間にゆだねられるのか、特殊法人という形態でなければ難しいのか、そうした議論を積み重ねるべきだということを言って、むしろしかられてまいりました。私は、今基本的に議員が指摘された視点は、本来こうした問題を取り扱う上で必ず持たなければならない、それだけの重要性を持つものだと思っております。  そして、規制緩和と申しましても、これはまさに今、本年度末の規制緩和推進計画の再改定に向けまして、我々は、内外の意見、要望というものを踏まえながら、同時に、行政改革委員会がここまで作業していただいてきたその意見というものを最大限尊重して、計画の内容を一つずつ検討をいたしているところでございます。  そして、その見直しを行いますについては、その規制を設けた趣旨、そしてそれが現代においても必要なものであるのかどうか、今後においても必要なものであるのか、そうした制度の根幹にさかのぼって検討するということは当然やっていかなければなりません。  特殊法人につきましても、その意味においては不断の見直しをすることが必要でありまして、今、与党自民党でも作業を願っておりますけれども、政府としても、行政改革プログラムに従って法人の整理合理化というものを着実に進めていく、同時に、行政監察も、法人の事業の見直し、経営合理化といったものにも重点を置いて取り組んでいくことにいたしております。  ただ逆に、言い分だけ聞いていますと、実は、不要だというものは現存するものの中にはないことになります。我々としては、その見直しの作業の中で、個々の法人の設立の目的、業務内容というものを一つずつ点検をしながら、将来に向けて必要なものを残していく、不必要なものは廃止の方向へ持っていく、そうした地道な努力を積み重ねたいと思っております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 総論はそれぐらいにしまして、各論に入ってまいりたいと思います。  総務庁長官にお伺いをいたしたいわけでございますが、まず、規制緩和の問題ですね。  今、第二次提言まで出されました。この規制緩和の問題というのは、一義的に、二、三年かけて強力にやるということが必要であることは言うまでもないわけでありますが、しかし、また順次いろいろな法律が出てまいります。役所から、あるいは議員提案という形から法律が出てきますと、規制というものはふえていくわけですね。行政改革委員会の使命というものは、規制緩和を強力に進めていくということと同時に、規制緩和の進行状況について監視していく、チェックしていく、そういう機能を持っているわけですね。  ところが、この行政改革委員会というものの存続期限というのは、本年十二月の十八日で終わりになっているわけですね。ことしいっぱい。これで規制緩和が済むとは到底考えられないわけなんですが、一体、規制緩和は全体的に見て、総務庁長官としては、例えば半分ぐらい進んでいるというふうに見ておられるのか、そこら辺の見解も含めて、私は、十二月十八日でもう期限が切れるわけですから、継続的に規制緩和を進めていくシステムというものを再構築するかあるいは継続するのかという方針が必要であろうというふうに思っているわけなんですが、それに対する総務庁長官のお答えをいただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 規制緩和について総論的に今総理からお話がございました。  今私どもが進めておりますのは、とりあえず、行政改革委員会を初め、あるいは経済審議会あるいはいろいろの各内外の諸団体から御要望をいただきましたものについて、今お話のありましたように一つ一つチェックをいたしております。そして、この三月末をめどに約二千を対象にして今議論を進めておりまして、できればその二千全部と言いたいのでございますけれども、なかなかそこまではいかないのかもしれませんけれども、できるだけ二千に近い数字でいけるように努力をいたしております。とりわけ、行政改革委員会で出していただきました意見については一〇〇%実現ができるように努力をしておるところでございます。  それから、まだそれ以外に、去年一万何件という許認可があるわけでございますから、私は、決してこれが最終ではなくて、引き続いて規制緩和についての御議論を行革委員会では続けていただきたいと思っております。  そしてまた、今お話のありました、新しい時代にどう対応していくか。いろいろ新しい行政事務も出てくるでございましょうし、その場合には、場合によれば法律によって規制をしなきゃならないことも出てくるだろうと思います。しかし、今までのようなことではなくて、今お話のありましたようなことで、なるべくイージーにしないということにおいては、期限を限るとか、あるいはもし法律でそういう規制をする場合には見直し条項を入れるとかいうような形にしていかなければならないと思っております。  もう一つの御質問は、行革委員会はことし任期が切れる、一体これはどうするんだということでございます。  これは総理とも御相談をしなきゃいけませんし、それぞれ各般の皆様方の御意見を承らなきゃなりませんけれども、行革委員会のメンバーの方の中にも、せっかく自分たちが規制緩和の仕事を一生懸命やってきたので、やはりそのフォローアップが必要だということにおいては、何らかの形でそのチェック機能を果たすような組織が引き続いて必要ではないか恥こうおっしゃっておられる方もいらっしゃいますので、その辺を踏まえて、いわゆる任期の切れた後のどういう組織をつくっていくかということについては、よく相談をしながら、私としては何らかの組織をつくっていく必要はあるのではないかというふうに思っております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 存続、もしくは新しいシステムを構築するということについては前向きの御答弁があったものと理解をいたします。  次に、情報公開要綱案の問題について一つだけ伺っておきたいのでございますけれども、もうそろそろいろいろな雑誌にも書かれておりますように、この情報公開要絹案の中には特殊法人に対する情報公開の規定が欠けておる、こういう批判が非常に強いわけですね。  特殊法人は行政の補完的な業務をやるということになっておるわけですが、そこに従事する人材も約五十万人ぐらいという膨大な、全体的に見ますと膨大な量を扱っておられるわけですが、確かに、この特殊法人の中には株式会社形式のものもありますしそうでないものもあるというので、一律にはいかないと思うのですけれども、行政の補完的な行政といいますか、そういうものをやっていることは間違いないわけで、これは、特殊法人に対する情報公開の規定というものはやはり盛り込まなくちゃいけないのじゃないか、こう私たち新進党の中では今議論をしているわけでございます。どういう修正案を提出するかはこれからの問題でございますけれども。  行政改革委員会の方へいろいろ聞いてみますと、それは、いろいろな形態が違うので、行政全般に対する情報公開をすべしということに準じて法的措置をやる必要がある、そのように今意見を述べておきましたというようなことを言っていらっしゃるわけなんですよ。しかし、そこら辺は今度は受け手の政府側の問題でございますから、政府の方針、この辺どうするのか、明確に伺いたいと思います。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 情報公開法につきましては、平成九年度中ということできのうも御答弁をいたしましたけれども、今いろいろと、とにかく六百以上の法律との兼ね合いをやっていかなきゃなりませんので、とりあえずは今私どもの役所の中で整理をしておるところでございますが、四月の中ごろにでもなれば、そういういろいろの法律との整合性あるいはそういう法律との兼ね合いでどういうふうに持っていったらいいのか、こういう御相談を法制局と始めなければならないのじゃないかと思っております。  それを踏まえまして、秋ごろに法案の作成に取りかかれるのではないか。そして、お約束をしておりますように、平成九年度の通常国会が始まっている来年の一月から三月ぐらいのどこかの時点で法案を国会に提出させていただいて御審議をお願いしたい、こう思っているわけでございますが、そこで、その特殊法人の問題はどうか。  御承知いただいていると思いますけれども、この国会にも、特殊法人の財務諸表その他についてはディスクローズするということで法律案を私ども提案をする予定にいたしております。  それ以外にも、情報公開は、特殊法人も役所に準じたものでございますから、できるだけやっていかなきゃならないので、これにつきましては、今も御指摘がございましたけれども、情報公開法そのものは政府関係のものでございますので、その法律の中に何か特殊法人についても当然見直し、そういう点についてより同じような考え方で法律を定めるべきだとか、どういう形になるかわかりませんが、何らか特殊法人についても御趣旨のようなことが達せられるような、目的が達せられるようなことを情報公開法に私は書かしていただけたら、こう思っております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 特殊法人の問題はしばしば予算委員会でも取り上げられておりますし、また、支配関係にある子会社、孫会社の関係、こういったものも大変話題になっているわけですね。子会社が赤字でも孫会社は黒字であるというような、あるいはそういった傘下にある会社に対して丸投げで工事を発注しておるというような、いろいろな問題が指摘されているわけですから、特殊法人に関する情報公開規定というものは明確にしなければならぬ、このことを強く私は要請しておきたい、そんなふうに思うわけでございます。  余り時間がありませんので、さらに地方分権の問題に進んでまいりたいと思うのでございますが、これは第一次勧告がなされて、機関委任事務、明確に廃止というのが決まったわけですね。  自治大臣にちょっとお伺いしますが、この案文をちょっと読んでみますと、「国と地方公共団体との関係を抜本的に見直し、地方自治の本旨を基本とする対等・協力の関係とする行政システムに転換させるため、この際機関委任事務制度そのものを廃止することとする。」と、明確に廃止なんですね。中身はいろいろ、法定受託事務とか自治事務との振り分けはしなければならぬことが書かれてはおるのでございますけれども、原則これは廃止なんですよ。  ところが、機関委任事務というのは御存じのとおり各省庁にまたがっているわけですね。その各省庁が一つ一つ精査したときに、今まである機関委任事務九百三十九、実数にして八百二十九あるわけですよ。これが全部各省庁にまたがっているわけですね。各省庁が精査してみたらば、いや、今まで機関委任事務だったのですけれども、廃止しろと言われてもできませんというようなことではこの勧告の意味が大きく損なわれてしまうわけで、自治省を中心にして、勧告どおり必ず廃止、この方針を堅持してきちんとやるというだけの確信がおありかどうか、おっしゃってください。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○白川国務大臣 機関委任事務の廃止という大原則が出されたわけでございますので、これは当然のことながら各省庁いろいろな思い込み、思い入ればあるかもわかりませんが、この方針で従っていただくしかありません。  ただ、私も前から考えているのですが、あるいは前から教わった中で、何が機関委任事務で何が団体委任事務で何が地方の固有の自治事務なのかというようなことにつきましては、表面を見ただけで必ずしも、ずばりこれはもう一〇〇%機関委任事務だとかということが、いろいろと争いがあったことは事実だと私は思います。そういう面で、本来的にだれが見てもごれは国固有の事務だなという以外のものは原則として機関委任事務というような、要するに国の仕事としてはみなさないというそこの仕分けが大事なのだろうと思うわけでございます。  全く国と関与しない地方事務というのはないかもわかりません。また、地方事務と関連しながら国も関与するという仕事はいっぱいあると思いますけれども、明らかにこれは国本来の仕事だというものは法定受託事務という形で明記をしよう、それ以外は地方の事務というふうに大きく仕分けをしようという大原則が示されたというのは大変意味のあることだと思っております。それに従ってやらせていただくつもりであります。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 さて、そこでもう一つ自治大臣に伺いたいのですが、これは法律そのものにも関係してくるのでございますが、今もちょっと言葉が出ましたように、総務庁がまとめている国の関与現況表というのがあるのですね。国が地方に関与している法律をすべて網羅してあるわけです。  これによりますと、団体委任事務というのが二千二百三十九、実数にして千六百五十四あるわけです。まだ地方分権推進委員会ではこの問題については余り触れてない、若干触れてありますけれども。そうすると、これを見ると、この問題もどこかでチェックしていかなければいけないのですね、地方分権を進めるために。  例えば理容師法に規定されている項目をちょっと見てみますと、床屋さんの試験をやるのでしょう、その試験をやらせた県知事は、厚生大臣かな、これは報告をしなければならないことになっておる。こんなことは我々素人が考えてみても、何でそんな必要があるんだ、その地域だけで十分完結する仕事なのに、何で大臣まで報告をしなければならないんだということが不思議でならない。これが全部法律によって規定されておる。この団体委任事務の問題も、結局法律の見直しをしないことには改革のしようがない。  それで、じゃ法律全体はどうなのかといいますと、この見直しというのは各省庁ほとんど行われていない。今度通産省かどこかで若干何か廃止する法律をつくるそうですが、今までの経過を見ていると、七、八年に一遍ぐらいどかんと何百という法律をなくす。しかし、それはもう十年、十五年、二十年前に、完全に今の社会に必要のない法律だということで、一括して廃止しているのが今までの実情なんですよ。  私は、だから法制局にも聞いたのですけれども、法律というのは基本的に見直し条項というのをつけられないのかと言ったら、なかなかつけられないらしいのですね、法律体系というのは難しくて。しかも法制局というのは、法律をつくるときには憲法の規定その他の関係法との関係を精密に検査をしてつくっていくのだけれども、法律そのものの見直しをしようという機能はどこにもないわけだ。法制局長官、そうでしょう、どうですか。法律そのものをどこかで見直す機能というのは、政府の中にあるのですか、ないのですか。

大森政輔内閣法制局長官

○大森(政)政府委員 お尋ねの、法律を見直す機能というものがあるか、こういう御質問の趣旨を十分に理解しかねているわけでございますが、世に言われるいわゆるサンセット条項、失効条項を入れてはどうかとか、あるいは法律をすべて一定期間後には失効するという失効法にしてはどうかという点についてのお尋ねであろうかと理解するわけでございます。  従前そういう御意見をよく聞くわけでございますが、法律と申しますのは、とろうとする、盛り込もうどする政策の法律的衣といいますか、規範的な発現方式でございまして、要は、そのとろうとする政策を永続的な長続きするものとして考えるのか、あるいは断続的な形で考えるのかという問題につながりまして、すべてをある一定期間後には失効させるという法律というのを、それを原則にするというのはいかがなものであろうかというふうに考えるわけでございます。  そこで、冒頭、先ほどの御質問との関係で総務庁長官からも答弁がございました見直し条項というものは、先ほど説明申しました中のある程度永続的、連続的なものとして設定しながらも、情勢め変化に従って適時にあるいは一定期間ごとに内容を再検討するという発想のものでございますので、一般的には採用可能なものであろうという観点から、先ほど答弁がございましたように、規制の新設につきましては原則として見直し条項をセットすることという最近の方針をとっているわけでございます。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 それでは、事例を挙げていただきたいのですけれども、昨年の政府提出法案あるいは国会で成立した法案の中で、時限立法の条項をつけた法律は何%ありましたか。

大森政輔内閣法制局長官

○大森(政)政府委員 時限立法というお尋ねを先ほどの見直し条項がセットされている法律というふうに置きかえて御答弁申し上げますと、昨年、平成八年におきまして、第百三十六回常会で九十九件、政府提案の法律案の御審議を願いました。その中で、いわゆる見直し条項、検討条項をセットいたしましたのは四件でございます。具体的に法律名を申し上げますと……(石田(幸)委員「いえいえ、結構でございます」と呼ぶ)四件でございます。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 総理、お聞きのとおり、その見直し条項をつけたのは四件だから、百件のうちの四%なんですよ、実態は。どんどん膨れてくる。これが要するに規制にかかわってくるわけです。何年かすると規制がまたふえてくる。これを何とか防止する手だてを考えないことにはどうしようもない。  この団体委任事務の問題だって、法律がふえればふえてくるわけです。そこら辺は、やはり仕組みとしてどこかチェックする機能を持たないことには、地方の権限もどんどんふえてくるし、また規制もふえてくる。要するに、経済社会に対する規制も地方自治に対する規制もふえてくる。ここを何とかしなければいけないのじゃないですか。総務庁、何か御意見ございませんか。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 私どもの役所では、行政管理全般についてチェック機能を持っておりますので、例えば行政監察局を使うとかいう形もとれるわけでございます。当然、国民の側から見ても、これはもう必要ではないというような法律をいつまでも残しておく必要はないわけでございましょう。あるいは規制も、そういう形でいつまでも続けていくべきでないということであれば、当然そういうものは監察をいたしまして、そして、これはもう必要ではないという勧告をして、私は、それをぜひそれぞれの役所で実行していただければ結果的にそのような御心配はなくなるものと。  特に、この間から私は申し上げておりますけれども、とにかく行政監察の機能を、いろいろ国会ではGAOのお話もございますけれども、行政府そのものがやはりそういう意味においてしっかりしたチェック機能を持たなければならない、私はそう考えておりまして、そういうことでそのような御心配は私は今後はなくすようにしていける、こう思っております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 御意見は承りましたけれども、非常に甘いんじゃないかと思いますね。やはり具体的には各省庁がその法律の必要性の是非についてしょっちゅう検討しなければならぬわけでございますから、行政監察だけではだめなんですよ。その点はもう少しお考えをいただきたいと思います。  参考までに申し上げておきますけれども、ある経済評論家は、経済関係の法律というものは、非常に経済社会の変化が激しいんだから、これはやはりぜひひとつ原則時限立法にすべきじゃないかというようなことを御提案をしておられますことを申し上げておきたいというふうに思います。  もう幾らも時間がありませんから、次の問題を伺うのでございますが、公務員の天下りの問題について伺っておきたいというふうに思います。  ある新聞でございますけれども、「道路公団OB社長が八割」、天下りという、いろんな雑誌にこの話が出ているわけなんでございますが、一級公務員の採用が年に約八百人、こういうふうに聞いております。これは、卒業していく時期がやがて来るわけでございまして、そうすると、その人たちだけじゃない、ノンキャリアもその数倍の人たちが退職をしていくであろう、その天下り先がなければならぬということ。年に一万人とも言われます、あるいは五千人程度かなと、その数は定かではないんでございますけれども。  まず、いろんな新聞や雑誌でも取り上げておられるように、この天下り問題について、国民の皆さんは非常に嫌悪感を持って見ている。いわゆる渡り鳥なんという言葉が出てくるようなことであって、そういうような国民の嫌悪感、それを総務庁長官はどういうふうにお考えになりますか。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 大変遺憾なことだと思っております。  そういうことでございますので、公務員制度調査会というのをこの四月から発足させていただく予定でございますけれども、そこではこの天下りの問題も含めて、当然そうなってくると公務員の定年制の問題、あるいは、現在何らかの形で行われているようでございますが勧奨退職の問題、それから、勧奨退職をするのではなくて、定年制との問題で、できるだけ引き続いて職務を続けていけるようにどうできるのかという問題、あるいは定員の問題、今お話のありました採用の問題との関連で定員の問題も出てくるだろうと思います。それからまた、採用のあり方、これも今一括採用というような話も出てきておるわけでございまして、採用のあり方の問題。  いろいろと公務員制度調査会で議論をしながら、できるだけ国民から御批判のあるそういうことがなくなるように、これはもう一つは、やはり特殊法人を思い切ってなくしていくということでもあろうと思います。そういうことも含めて議論をして、結論を早く出していきたいと思っております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 これは国務大臣としてもいろいろお考えいただかなければならないので、もしこの天下り問題、国民感情をもっともであるというふうに評価をされるなら、やはり内閣全体として何か決定的な知恵を出さなければいけないですね。  建設大臣、何か知恵ありませんか、これは。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 私は知恵のない男でありますから、石田委員からぜひひとついい知恵を、本当に私はお教えをいただきたいと思います。  今委員が御指摘のように、私も建設大臣に就任いたしまして、関係する特殊法人のそういう問題につきまして実態を見ましたところ、やはりちょっとひど過ぎるという実感でございます。もちろん前職における知識、経験を業務に生かしていくという面でプラス面があることも事実ではございますけれども、プロパーの職員の昇進、モラールの問題等を考えましても、私は、今のような役員構成等は適切ではない、このように考えております。  ただ、一つ問題は、公務員、あるいは公団の職員も同じでございますけれども、定年制の問題と、やはりこれはいろいろと理想を言いましても、現実問題といたしましてはそれと非常に深くかかわり合いのある問題ではないかなと思います。中央官庁も、御承知のように五十を過ぎますと、まだ働き盛りでございますけれどもやめていかざるを得ないという、現在の場合は七十ぐらいまで何か職を持たなければならない、少なくとも六十五歳程度までは職を持たなければやっていけないという状況の中で、やはりこの天下りの問題はトータルの検討をやっていきませんと、天下りけしからぬけしからぬという、そういう感情的なものだけではなかなか現実的な改革ができないんじゃないかと私は思っております。  いずれにいたしましても、私ども、この問題はトータルの問題ではありますけれども、個々の問題として改革の中で前向きにとらえてまいりたい、このように考えております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 あと三十分ぐらいしかありませんので細かくはお伺いしませんが、今総務庁長官、建設大臣からも御答弁がありましたように、大体問題点としてはそこら辺だろうと思うのですね。勧奨退職の問題、あるいは島をつくらぬという意味においては一括採用の問題も考えなきゃならぬと思うのです。そしてまた、職業選択の自由というのも基本的な人権として尊重しなきゃいけない。  しかし、これは何とかしなきゃいけない。やはり両大臣から出てきた一つのポイントは、私は定年延長だと思いますよ。六十五歳ぐらいまで定年延長をする、この決意を固めれば、私は、それでもなおかつ、それはほかへ転職したいという方もおると思いますよ。しかし、原則そういうふうにしていけば何も六十前でやめる必要はなくなってくるわけですから、それをきちんと守れば、これは私は、天下りへの影響は極めて大だというふうに、それこそ声を大にして申し上げたいわけで、これをぜひ考えていただけないか。これは総理、ひとつ御答弁いただければ大変ありがたいのですが。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、議員の御意見が一つの見識であるということをそのまま素直に認めます。その上で、公務員に要請される能率とか、そうしたものも一方では考えなければなりますまい。  そして、この問題を本当に解消いたしますなら、公務員制度全体の見直しの中で進めていかなければならないわけでありますけれども、もう一つ私は、やはり日本に定着している、これは民間企業もそうでありますが、終身雇用制というものが非常に強く根づいている中で、定年という仕組みを六十五歳まで延長していく、そしてその後をどうしていくか、人生設計を考えますとなかなか難しい問題点を実は含んでいるという思いを以前から持っております。  しかし、こうした世間の厳しい御批判というものも当然我々として考えるべきことでありまして、先ほど来各閣僚から申し上げましたように、公務員制度全体の中できちんとした答えを出していく、そうした努力をいたしたい。その中には、議員が述べられましたような、形式上の定年だけの問題ではなく、実質的にそこまで職員が在職をし、しかもそれが公務員として必要な能率を低下させないという仕組みをどうすれば構築できるか、十分考えてみたいと思います。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 次の問題に移らせていただきます。  一つは、これは総務庁長官との議論になるかと思うのでございますけれども、自民党でも検討されているのですが、この補助金問題なんかのもう一つの問題点として、とにかく提出書類が膨大な量に上っているのですね。私は、行政サービスのあり方というのをそういう切り口でもう一遍検討する必要があるんじゃないかというふうに思っているわけなんですよ。アメリカにもペーパー削減法というのがありますね。そういう角度の検討が必要だ。これは一時、自民党そのものにもそういうお考えがあって計画をお立てになったという話を聞いておるわけですね。  一つの事例を挙げますと、これは市町村長会のデータだと思うのですけれども「市街化区域と市街化調整区域の区域区分の見直し事務に係る所要日数等」という調べたあれがあるのですよ。これを見てみますと、調査対象案件が九十五件、その平均だというふうに思ってください。まず、所要日数が、決定方針作成期間から許可手続までの間に八百四日かかっているのです。八百四日ですよ、もう二年有半ですよ、これは。まあひどいものですね、これは。それで、延べ人員が百二人。出張回数が出先、中央含めて三十回。三十回。たったこれだけの手続をするのに何とまあどれだけの経費がかかるのかなと。  これは一つの事例なんですよ。人件費だけを考えてみてもざっと十三億ぐらいかかっているのですよ、百何人ですから。出張その他書類まで入れたらこれは大変なものですよね。ある地方の市会議員の人が言うんですけれども、こういう書類をつくると、もう何万枚も出さなきゃいけないと言うのです。これは行政経費のむだだと私は思うのですよ。  それから補助金についても、補助規定というのが、今度は逆にいろいろな、このJISを使いなさいとかこの業者の中から選択しなさいとかいう細かい規定がたくさんあって、その都度それに合致しているかどうかを本庁と相談しなきゃならぬというような、ここからやはり補助金行政の弊害というので、わんさわんさ陳情団が中央に集まってくるということになっていくわけですね。  そのほかにもありますね。今確かに政府の方も努力をしていらっしゃる。そういった申請書類の保管の問題ですね。例えばチェーンストア協会では年間の発生伝票枚数が六千万枚、保存義務五年間でございますから三億枚保管をしなきゃならぬ。それに必要な総坪数が三千坪というようなことで、こういうものを電子データで処理をしようというような流れになってきていることは事実なんですけれどもね。そういう意味において、各省庁間のコンピューターを接続させる機能を早く整備しなきゃいけない。できれば国と地方との問題も考えなきゃいけないわけですよね。  ある建設業者が言うのには、三千三百の自治体に同じ書類を全部届けなきゃいけないのです。近代化が進んでいる時代にこんなむだなことをやっていたのでは、確かに日本の社会というものはもうおかしくなってしまいますよ。そこら辺をひとつ本格的に考えなきゃならないと思いますけれども、そういうシステムをどこかでっくりませんか。例えば行政改革委員会に、あるいは行政監察でもできないことはないと思いますね。とにかくそういうような細かいところをチェックして、そしてこういう書類は要らないんだと。そうすると、地方の負担も減る、民間業界の負担も減る、そういうところからやはり経費の節減等につながっていくわけですから、そういう地味なことも私は行政として考えるべきじゃないかと思いますが、総務庁長官の御見解を承っておきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 実は、来週の閣議にお願いをいたそうと思っておりますけれども、負担軽減対策について閣議でお決めをいただきたいと思っております。それは、たまたま自民党の行政改革本部でも先月の暮れにたしかそのようなことをお決めをいただいております。それを踏まえまして、思い切って、今の行政の手続の簡素化という観点から、もうできるものはすぐにでもやっていく。今お話のあったように、日にちがかかるとか、いろいろたくさん書類が要るとか、なるべくそういうものはもうこれからは簡素化していくというような形で、来週の閣議で御了解がいただければと思っているわけでございます。  その中で特に、今お話のありましたアメリカのペーパーレス法、こういうものも参考にしながら、日本の場合、法律をつくってそれをやるのがどうかということまでは、私まだ頭にございませんけれども、こういう時代でございますから電子化をすればいいのではなかろうか。電子メールその他を使っていけば相当、ファイルにしたって電子でファイルをしていけばいいのではなかろうか。それから、もう紙を使わなくたって、そういうことになればいいわけでございますから、ペーパーレス化するわけでございますし、いずれにいたしましても、各役所共通してそういうことをやっていただくのを、遅くも平成十年にはお願いをしたい。この一年ぐらいかけて、ひとつ準備態勢を整えていっていただきたい。  確かに今お話しのようなこと、今までは大変なことでございますから、文書の管理がそういう形で今はなされておりますから、そうすると、新しいペーパーレス化、電子化した時代にどう管理をしていくかということをやはりいろいろと検討していただかなきゃなりませんので、ある程度時間はかかると思いますが、少なくともそれは一年以内には私はできるだけやっていただきたいというふうに考えております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 東京都が新宿の方へ引っ越しましたね。あのときに八重洲口から新宿へ運ばなければならない書類の数というのは東京から三島まであったというのですよ。これは東京都だけのことじゃなくて、中央省庁も地方自治体もみんなそういうようなことになっているわけですよ。それだけでも膨大な経費のむだ遣いといいますか、私は、むしろ弊害になっておると。そういうものを保管するだけで大変なことです。そういった問題にやはり総務庁としては切り込んでいく必要がある、このことは明確に申し上げておきたい。御努力をいただきたいというふうに申し上げておきます。  それから、きのうも他の委員からも御発言があったようでございますが、やはり補助金の事業を抱えている課、その自治体の職員の勤務時間その他をずっと、地方自治経営学会というところでアンケートを平成六年の十二月にとっているのですけれども、この数字でいきますと、都道府県で五二・八%、市町村で四九・四%ですから、年間業務の半分はこの補助金問題でそれらのところはやっているわけです。とても自治体のことを考えている暇がない、そういう状態でございます。  しかし、政府の方で補助金問題に切り込むという決意を示されたわけでございますので、これはもうぜひ——今、地方の行政というのはどちらかというと右肩上がりに膨らんできていますよね、総理。そういう問題に切り込むためにも私は非常に大事な問題であろうというふうに思いますので、ぜひ成果が出るように御努力をいただきたいと存じます。  もうそろそろ時間がなくなってきましたので、建設大臣にお伺いします。  例の住都公団問題、御英断を示されたわけでございますが、これはしかし、公営住宅の建設五カ年計画ですか、これとの関連がありますね。私たち野党の側から批判をすれば、建設大臣の決断によってあの五カ年計画というのは破綻をした、考え直さにゃいかぬ、こういうふうに言えるのでございますけれども、どんなふうにお考えですか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 当然、五カ年計画の中身については見直しをいたすことになります。  ただ、低所得者向けの住宅供給をどう今後ともやっていくかという問題があります。これにつきましては、公営住宅の建設等、そうした役割分担の調整が出てこようかと思いますけれども、そういうことを行いまして、既定の先日申し上げました方針に従って、住都公団の今後の仕事の方向は決めてまいりたい、このように思います。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 もう一言だけ。この五カ年計画の見直しはいつごろまでにやりますか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 これは、もう既に私どもといたしましては検討を始めておるところでございまして、分譲住宅あるいは賃貸住宅からのそうした撤退の方針、これはだらだらとやるわけにはまいりません。既に着手をしておる分野については、これはそのまま継続してやらなければなりませんけれども、そうした新規のものにつきましては、計画を思い切って早期にこれは見直してまいりたい。現在、作業をやっておる最中でございます。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 労働大臣の方にお伺いします。雇用促進事業団住宅の問題でございます。これは平成六年の十一月に総務庁の行政監察局の監察結果が、勧告がなされているわけでございますが、このことについては御存じでございましょうか。

岡野裕自由民主党労働大臣

○岡野国務大臣 平成六年の秋十一月、ちょうど石田先生、長官のみぎり、行政監察の方からさような趣旨の勧告をちょうだいいたしております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 この行政監察局の勧告によりますれば、「既設の宿舎で必要とする戸数は十分に満たされている。」もうこれ以上つくる必要はないという結論ですよね。それから、老朽化宿舎の取り扱いの見直しの問題についても、「建て替えについては、建て替え後新規の移転就職者等の確実な入居が見込まれる場合に限定する」。  ところが、今この雇用促進事業団住宅というのは、これは大臣も御存じのとおり、目的外入居が多いんです、圧倒的に。八十何%が目的外入居でしょう。これはもともと炭鉱離職者用につくった住宅なわけだから、もう必要ないんですよね。しかも、それじゃしようがないからというので、普通の職業移転者のためにも開放しましょうというふうに言っているんだけれども、なお空き家率が一八%ぐらいある。入っている入居者は目的外入居。それをまた五カ年計画でやっていこうというわけですよね。この前の村山政権のときに申し上げた。私は必要ないんじゃないかと言ったら、計画の最終年度だから予算を組みましたと。それで、平成八年度になったらまた五カ年計画で二千戸ずつつくるというんでしょう。  ゆうべのテレビあるいはけさの新聞、自民党でも、この雇用促進事業団の用途の目的はもう終わったんじゃないか、そんなことが報道されておるわけで、私は、少なくともこの雇用促進事業団住宅については、その目的、その使命は終わった、やめるべきだというのが私の意見なんですよ。それから、先ほど申し上げましたいろんなアンケートをとった結果の中にも、職業の、何といいますか、新たに勉強し直す、このことについても、もうそれぞれの地方へ移してくれ、何も雇用促進事業団がやることはないというアンケートも出ているわけですね。  そういうような意味合いからいきまして、この雇用促進事業団がつくっている住宅の五カ年計画はまことにけしからぬと私は思うのですよ。労働大臣、ひとつ御見解を承りたい。

岡野裕自由民主党労働大臣

○岡野国務大臣 先生がおっしゃいますところの雇用促進事業団の移転就職者用の住宅は、なるほどおっしゃるとおり昭和三十六年、炭鉱離職者のために発足をした、さような事実はそのとおりでございます。  ただ、炭鉱離職者用にできましたが、今日は、産業の空洞化、雇用の空洞化等々によりまして、例えば製造団地ができるあるいは流通団地ができる。その場合は地元の就職希望者のみならず、広い範囲の皆さんに雇用の機会を提供しよう。それで、その中心が中小企業者の皆さんであります。大企業でありますればその会社の社宅ができます。しかし、それぞれ中小企業者ということになりますと、そういう皆さんの共用の、言いますならば宿舎というような意味合いで、今、この効果というものが出てきております。  しかし、先ほどお話をいたしました行政監察から勧告をちょうだいをいたしております。したがいまして、当時一万戸でありましたものを六千戸にしよう。特に雇用促進事業団は、最近、技能開発の面でありますとか中小企業の雇用者の援助でありますとか、そういう面の働きが非常に活発に相なっております。  というような意味合いで、今の移転者用の住宅については検討してまいろう、こう存じているところでございます。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 ですから、これも公共住宅の五カ年計画の中に入っている話ですよね。何でこういうことが、要するに政府部内で見直しが行われないままにどんどん閣議了解でいくのかなとまことに不思議でしようがない、そういう感じがしてならないわけでございます。  総務庁長官、これは行政監察なすったわけですから、その報告、要するに監察をした結果からいけば、やはりやめなければならないのですよ。これ、どうやって推進しますか。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 この間からいろいろ行政監察局の勧告につきまして、例えば厚生省の関係でも御批判をいただきましたし、あるいは、先日は私の方から事務当局に対して農業関係で今指摘をして再検討させております。  いずれにしても、どうも従来の行政監察局の勧告というのが、相手に対して十分義務感を持つようなところまでいっていないような正直感じがいたしておりまして、これではいけないということで、行政監察局に勧告のあり方というものを今再検討させております。  それはそれといたしまして、総務庁の設置法を読んでおりますと、再勧告といいますか、「報告を求めることができる。」で、場合によれば、私は再勧告もできるのではないかと。法律、拡大解釈になるかもしれませんが、そういうこともありますが、いずれにしても来年度、正直、特殊法人全般について今党の方でも見直しをしていただいておりますが、私の方も特殊法人全般についていろいろと監察をやってみようと。  そして、その中では、その特殊法人が果たして今の時代、あるいはこれからの時代に対して必要なのかどうか、それは場合によれば必要ではないのか、こういう点も含めて監察をするように指示をいたしまして、来年度の行政監察のプログラムに入れることにいたしました。  今の問題は、どうも今すぐというわけにはこれはいかないかもしれませんが、ぜひひとつそういう形で、私どもとしては、今のようなお話がございましたので、その点も十分踏まえて雇用促進事業団もチェックをさせていただいて、そして、必要でないというときには必要でないという形で私どもは勧告をさせていただきたいし、もし党の方で雇用促進事業団が必要でないという御結論をいただければ、私どもは事務的にそのような形でこの問題に対処していける、いわゆる廃止の方向で対処していけると思っております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 ですから、総務庁長官、これはやはり行政監察の結果というものが何らかの形で、まあ閣議後の懇談会でもいいんですけれども、何らかの形で政府全体の方に影響がきちっと出るようにしてもらわなければ、あるいは各閣僚の間で議論をするということになっていかないと、私はなかなか行政監察局だけで押し切れないと思いますよ。  だから、そういう成果が、行政監察やったけれども、どうもその成果が中途半端だというから、やはりGAOなんという発想が出てくるわけでしょう。これ、何とかしなければだめですよ。政府としてはこのGAOの方は困るんでしょう、あれは監察局をみんなこっちへ持っていこうというわけだから。そうすると、行政監察の機能が政府側としてはなくなっちゃう、行政側としてはなくなっちゃうんですよね。どうぞ。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 GAOのことは私どもがとやかく言うべきことではないんでございまして、今各党間で御協議をいただいておりますので、政府としてこれに対していろいろと意見を申し上げるのは差し控えなければならないと思います。  ただ、私どもは、それはそれとして、どういう形で御結論が出るかはともかくといたしまして、行政府としては、これは総理も御答弁いただいておりますが、やはりチェック機能というのは当然必要であろう。  それは、今までのものがチェック機能がまだ弱過ぎたと私は思っているわけでございまして、そういう面では、もし総務庁にそのまま置いていくのならば、今の総務庁の設置法を少し改正してでも強化をしなきゃいけないと思いますし、あるいは、新しい、今度は中央の省庁の統廃合あるいは再編成ということが言われているわけでございますから、その中で、何も総務庁に置かなくても、これをあるいは官邸機能の強化の中で考えていってもいいんではなかろうか。あるいは、会計検査院というのは憲法で決められて会計検査院法がございますが、憲法にはございませんけれども、やはり形としては、この行政監察というのは当然会計検査院と同じような性格を持っておりますので、何らかの形で独立した法律をつくる必要があるのかもしれない。  今そういうことで、私ども、役所に指示をいたしまして、どういう形でいったら本当に自浄作用が行われる、みずからチェックできる、行政府の中でどういうふうにしたらそういう機能が果たせるのか十分検討しろということで今検討を始めておるわけでございます。今までの反省に立って、本当に政府の中、行政府の中に行政監察の業務を置くということは私は必要だ、しかし必要であれば、それが効果の上がるようにしなければならないという形で今検討をさせていただいております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 行政監察の方の機能にまで話は行ったのでございますが、総理、住宅問題ですね。これはもういろんなデータが出ているわけでございまして、世帯数よりも住宅の戸数が上回ってきた、そういう時代ですね。一人について一戸というような数字も出てきているわけですよね。時間がないからもうやめますけれども、いずれにしても、世帯数を上回っている時代でございますので、公営住宅の必要性がないとは私も申し上げませんけれども、やはりそろそろ、住宅そのものというのは、政策的ないろんな助成措置は必要でしょうけれども、主としてやはり民間の力を利用する、活用する、そういう方向に持っていかなきゃならない時代に入っているんじゃないかな、こんなふうに思います。  基本的な問題でございますので、総理、御所見があれば承りたいと存じます。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先ほど来、建設大臣あるいは労働大臣、それぞれの立場から議員の御意見に対して御答弁を申し上げました。  議員が指摘されますように、私は、確かに量の問題という意味では、一定の水準を維持するところまで今日、日本の住宅というものもまいったと思います。その上で、一つは質の問題、今後の住宅建設におけるポイントとしては、一つは質の問題。同時に、地域的偏在と申しますか、非常になお住宅の需要を持っておる地域、大都市圏における通勤可能圏の中で、より多くの住宅を、しかも質的にレベルの一定以上のものをどれだけ供給できるかといったような視点から見ますと、地域的なアンバランスもあると存じます。  基本的な部分においてそれが民間主導でなされるべきだという議員の御意見に、議員もその公的な住宅建設を全く否定しておられるわけではない、しかし、その主体は民間であるべきだという御指摘でありまして、私はそうした御意見に対して全く異論はございません。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 時間がもうありませんからこれで終わりにしますが、いずれにしても、この特殊法人の問題、総務庁長官、大変な問題でございますので、いろいろな角度から深く検討をしていただきたいと思います。  私は非常にもう一つ不満に思うのは、この前、村山政権のときに、この統廃合をやりましたね。畜産振興事業団と蚕糸砂糖類価格安定事業団、これを合併したんですよ。そうしたら、統合前が二百十二名だったのが、統合した結果としては二百八名。四人減っただけなんですよ。業務内容は何にも変わっていない。何の検討もしていないんですよ。  特に、この砂糖の安定の問題、国内のいわゆるサトウキビ、てん菜等の問題との兼ね合いで、これ、ずっと長い間やってきたわけですよ。これはもうこれだけの時代になって、まあそういう問題を補助しなきゃならないというのなら、これは農政の業務としてやるべきであって、こういう特殊法人をつくってやるべきことではありませんよ。そして、砂糖の方は統制経済の枠の中にはまっているなんというのは、これもばかな話なんですよ。そういうようなことも含めて、十分御検討を進めて、早くひとつ改革の実を上げていただきたい。時間がありませんので、これはもう答弁は必要ありません。  言葉の荒かった点もあったかもしれませんけれども、それは失礼をさせていただきまして——ああそう、じゃ最後に。

武藤嘉文自由民主党総務庁長官

○武藤国務大臣 特殊法人の問題につきましては先ほども答弁申し上げましたけれども、党が主体性を持っていただいて、今すべての特殊法人について見直しをやろう、必要でないものはもう廃止にしよう、あるいは場合によれば統合しようという方向で努力をしていただいておりますので、私どもの方は私どもの方で、事務的にそれに合わせて行政管理局は行政管理局でいろいろ検討いたしておりますし、先ほど申し上げたように、平成九年度で行政監察局もそれぞれの特殊法人について、これは必要であるのかやめるべきか、こういうことで監察をさせていただきますので、必ず私はいい結果が出るというふうに確信をいたしております。

石田幸四郎新進党

○石田(幸)委員 終わります。ありがとうございました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。  次に、小池百合子さん。

小池百合子新進党

○小池委員 おはようございます。  平成九年度の本予算の審議に当たりまして、できるだけ的確かつ簡潔な御答弁をお願いしたいということから、まず初めに、私の質問に共通いたします視点、観点、立場など幾つかございますので、まずそこを踏まえていただければと思っております。  まず第一点でございますけれども、納税者の立場ということでございます。  四月から、消費税率がアップ、そして特別減税の打ち切り、健康保険の値上げということで、およそ合計九兆円、一世帯当たり平均といたしますと十四万円の出費増ということになりまして、納税者としては大変厳しい春を迎えるということになるわけでございます。一方で、相次ぐ官僚の不祥事、そして官官接待、さらには国のむだ遣いなど、そのままにおきながら納税者には重い負担を強いるのかというのが、普通の納税者の怒りでもあり、また不満、感覚だと思います。  そこで、まず第一点は、納税者への説明責任、いわゆるアカウンタビリティー、こういった点を踏まえて御答弁いただければと思います。  第二の観点は、阪神大震災被災者からの観点でございます。  きょう伺いますペルーの大使館占拠事件、そしてタンカーの重油災害、それぞれ、国民の生命、安全、財産、そして国家の尊厳をいかに守るかが最大のポイントだと思いますので、危機管理ということで伺わせていただきます。  第三番目の視点でございますけれども、政策の実行と現実とのタイムラグ、スピード感の違いということについて伺わせていただきたいと思っております。  私ことでございますが、かつては一秒単位の仕事、そして世界とのリアルタイムの仕事をしておりました身からいたしまして、この政治の世界に入りまして、どうも、現実とそして政治の歯車が合っていないんじゃないか、スピード感が合っていないんじゃないかということを強く感じておりますので、その点も踏まえて御質問させていただきます。  第四に、女性の立場。少子化、高齢化と、今国会でも何度かこの言葉も聞かれましたけれども、この少子化、高齢化の問題というのは、当事者は女性でございますので、そういった観点も踏まえて御質問させていただきます。  まず最初に伺いたいのが、橋本総理、先日も、トロントへのジェットセットツアーと申しますか、正味四十八時間かそれぐらいの大変きついトロントへの御旅行だったと思います。日本とペルーそれぞれのリーダーが直接会って対話をするということは、これは大変望ましいと申しましょうか、直接の対話をすることは私は何ら反対するものではございません。また、そうやって総理がいらした御労苦を、まずは御苦労さまと申し上げたいところでございます。  一方で、この予算委員会、すぐその翌日、月曜日から始まり、そして、せんだって、自民党の加藤幹事長も、これは人道的問題だというふうにおっしゃっておられましたが、私どもの予算委員の理事の方では、たしか、月曜日はお休みしてもいいんですよということを申し上げたはずでございますが、委員長、いかがでございましょうか。よって、それは自民党内の問題ではないかというふうに思うわけでございます。  いずれにいたしましても、このペルーの問題、今人質にとられている御家族の皆様の気持ち、そしてまた、それを担当しておられる皆様の御苦労等々を考えますと、もちろん、一日も早く解決されることを私も願っております。また、後ほどもお話しさせていただきますが、私も、かつて中東で暮らし、そして、あの湾岸戦争のときに、バグダッドで捕らえられました、また人質となられました日本人の方々の解放ということに携わった一人でもございます。そういったことから、できるだけ平和的に、そして速やかに解決することを願っていることを、まず申し上げておきたいと思います。  しかし、海外でのさまざまな、日本のリアクションに対しては、残念ながら、この日本という国はテロのターゲットになってもしようがないなというような、そういう、どちらかというと弱腰の報道、弱腰の姿として報道されているのが私は大変気にかかるところでございまして、例えば、これはロサンゼルス・タイムズなんですけれども、こちらに総理の頭を下げている写真、かなりこれは恣意的だと思いますけれども、頭を下げている写真、ちょっとファクスで見えにくいかと思いますけれども、こういった写真が載っておりまして、日本は世界の標的リストに入った、国家の影響力が大きくなれば目立つこと、ハイプロファイルになることは危機が高まるということを日本はわかっちゃいないということが書かれております。  それから、これはきのうのアメリカの新聞でございますけれども、トロントでの日本とペルーの会談を経まして、OASの会議に、もともと用意されていたものですけれども、ワシントンで出席なさいましたフジモリ大統領、最初はクリントン大統領とお会いになる予定ではなかったと聞きますけれども、今度はアメリカの大統領とお会いになって帰られました。  そして、このアメリカの論調の方は、幾つか似通ったものはございますけれども、その中で一番はっきりと出ているのがワシントン・タイムズでございまして、こちらに「ノーリトリート、ノーサレンダー」、絶対に降伏しないということが書いてあります。降伏というのはテロ側じゃなくてペルー側でございますが。  同じ日本の血を引く二人だけれども、非常に対照的である、ミスター橋本は平和的解決ということを強く言い、そしてフジモリ大統領はテロに断固として立ち向かうということで、大変この二人の違いということを浮き出させるような、そういう論調になっております。  さて、そこで総理に伺いたいと思います。  阪神大震災のあの修羅場を経験いたした者といたしまして、大変危機管理、敏感になっておりますので、日本としてできることできないこと、それぞれ整理していかないといけないと思っておりますし、阪神大震災の教訓、あれだけの災害でありながら、また危機でありながら、多くのことを学びつつまだ整理できていないという点が多々ございますので、ここは法律の面を重視しながら伺いたいと思います。  まず、総理は新年祝賀会で、非常事態が起きた場合の命令系統を整える法的根拠がないとおっしゃったと新聞で報じられているわけでございますけれども、官邸に内閣安全保障室というのをつくられましたね。これは機能しているんでしょうか、していないんでしょうか、総理お願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 機能をいたしております。国内の災害等あるいはその他のケースにおきましても、センターからの情報というものは、当然のことながら十分にワークをいたしております。  その上で一点補足をいたしますならば、このペルーの日本大使公邸人質事件が発生いたしました段階では、大使以下の大使館員そのものが人質となっております状況の中で情報を収集する、その必要が生じたわけでありますが、この場合にはむしろ外務省自体が有効に機能し、官邸のセンターは二次情報という形になりました。しかし、センターそのものは活動はきちんといたしております。

小池百合子新進党

○小池委員 第一次的に外務省のオペレーションセンターの方が機能していたということでございます。しかし、ここら辺のところはよくマスコミにも取り上げられて、総理とすれば不本意と思われているかもしれませんけれども、外務省の方に何度も何度も毎是を運ばれ、また総理の代理を務められました三塚大蔵大臣までいらしたということでございますが、私は一つの見方とすれば、もしいらっしゃるのならば、今も毎日行くべきであって、急に行かなくなるということの方がおかしいと思うのですけれども、その点、総理はいかがお考えでしょうか。     〔委員長退席、小里委員長代理着席〕

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 御批判はちょうだいをいたします。ただ、入ってまいります情報、そしてそこから察せられます現地における状況、毎日対応を必要とするのか、あるいは報告によって判断ができる状況か、事態というものは変化がございます。その変化の中で私なりに対応してまいりました。

小池百合子新進党

○小池委員 今総理官邸が大変な、外から見ると石垣がしっかりできてきっっあるようでございます。総理官邸の方、外側から見ると新しい官邸だと思うのですけれども、建て直しということがあるわけでございますけれども、私はやはり情報の一元化、そしてそこでの指揮指令が一元化できるような体制を一日も早く築いておかなければなりませんし、次の総理官邸をつくるまで、それはまだできないのだよということは、その間の空白に何が起こるかわからないわけでございます。  よって、内閣安全保障室ということで、そして今回、制服の方を加えてということでございますけれども、これはむしろ遅きに失したのではないかというふうに思いますが、こういった危機管理の点につきまして、官房長官、御退席ということでございますので、一言その前にお聞かせいただけますでしょうか、今回のペルーに関しまして。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○梶山国務大臣 指名をされましたからお答えを申し上げますが、ペルー問題であれば総理が一番答弁の適格者だと思います。  ただ一言、先ほどの話の中で食い違いがあることは、食い違いというか認識が間違っていることは、池田外務大臣はペルーに出発をし、その後、総理が外務大臣を兼任をいたしております。それから、事通信施設やいわば外交的な機能を持っているのは外務省であります。総理が官邸を出ることがいいか悪いか、どれが一番対応能力があるかということから総理は外務省のオペレーションセンターに入ったことでありまして、これが対応する最善の道だったということをひとつ御認識を願いたいと思います。  それから、ペルーの問題は、目下交渉を継続中でございますから、総理以外に知らない分野もございますからあえて私が申し上げることは差し控えます。  ただ、官邸のいわば危機管理機能、これは確かに建物自身も古うございます。それからもう一つ、一番恐れなければならないことは、外で起きたことには総理以下全部で対応ができます。しかし、東京に直下型の大地震ないしは特殊な危機が発生をしたときにどう対応するか、これは公式に言えば内閣法の改正までしなければできないかと思います。  しかし、便法、昨年の橋本内閣成立と同時にいわば閣議了解でもって、それぞれの事故が起きた場合にどういう人員でこれを指揮するか、閣議をどんなふうに省略してやれるか、そういうことで総理の権限強化ないしは代行を定めて、今危機管理に当たっているわけであります。

小池百合子新進党

○小池委員 先ほど申し上げました、これ、「人質とともに生きて」ということで、当時イラクのバグダッドの大使でありました片倉邦雄現エジプト大使が書かれた本なんですけれども、今おっしゃいました法律的な問題など含めまして、やはり私はきちっきちっと一つずつ積み重ねて本当に機能するものにしておかなければならないというふうに思いますし、またこの片倉さんも書いておられますけれども、「湾岸危機の記憶が未だ消えてしまわないうちに、議論を尽くして具体的対策について国民的意識を形成していくことが望ましい。」ということ、湾岸危機からもう既に何年もたっているわけでございますので、この議論を的確に行っていきたいと思います。  それで、これは法律的な面として伺ってまいりたいと思いますけれども、国家公安委員長、警察庁の方には特殊急襲部隊、SATが存在するわけですけれども、全国で二百名以上いるということで、せんだってもハイジャックのときに活躍したことでも知られるわけでございます。  この特殊急襲部隊に匹敵するイギリスのSASであるとか、カナダのテロ要員であるとか、ドイツのGSG9、そしてアメリカはデルタフォース、これはパナマでございますが、そのほかの各国、今回の人質になった関係諸国は、情報収集ということをまず第一義にそれぞれペルーに向かったわけでございます。日本は一体どうしたのか。このSATはそのとき情報収集という面でも池田外務大臣と、あのときは特別機でもございましたし、同行したのでしょうか、しないのでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 細かい点まで御報告することはお許しをいただきたいと存じますが、専門家は非常に早い時期に現地に到着をいたし、現在も現地におります。

小池百合子新進党

○小池委員 今総理が——もちろんこれは私はアイ・エヌ・ジー形であることを重々承知しておりますので。  それでは法律的な部分で伺いたいと思いますけれども、このSATの海外派遣に何か支障のある法律、どこにあるのでしょうか。憲法、警察法その他障害となる法律がどこにあるのか、これは自治大臣よりもむしろ内閣法制局——じゃ、警察庁の方からお願いします。

杉田和博警察庁警備局長

○杉田政府委員 お答えをいたします。  先ほどもおっしゃったとおり、現在この事件というのは継続中でございまして、この継続中の事案に対する対応の関連でお答えするのは差し控えさせていただきます。  ただ、一般的に申しますと、いわゆる警察力の外国におけるところの行使ということについては、国内法で申し上げれば警察法第六十一条、いわゆる管轄区域外における権限行使ということで対応できる。ただ、御案内のとおり、公権力の行使ということでございますから、当然、国内法で許されても、やはり外国の同意というものがありませんとできません。国内法上の枠内でその場合には行う、こういうことになります。

小池百合子新進党

○小池委員 今、国内法の問題と、それから受け手側の問題ということでおっしゃったわけでございます。そうすると、その受け手の側ですね。今回の場合に限って私は伺っているわけではなくて法律的な部分で伺ったわけですが、確認させていただきますと、日本に関連した事件が海外で起こった、そこで、このSATというのは相手国が了承すればそれは日本から派遣はできるということでございますね。

杉田和博警察庁警備局長

○杉田政府委員 国内法上は、海外におけるところの警察権の行使というものは、相手国の同意があれば国内法の枠内でできるということでございます。

小池百合子新進党

○小池委員 今の問題でございますけれども、相手国の承認ということ、相手国が認めればということがまず大前提になろうかと思いますけれども、じゃ、そのために、相手国が例えば承認をした、そして警察法六十七条では、警察官は、その職務の遂行のために小型の武器を所持することができるということになっておりますけれども、それから警察官職務執行法七条「警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、」中略しますけれども、「武器を使用することができる。」ということでございますが、何度も繰り返しになって、かつえらい遠いところにおられるので御足労でございますけれども、相手国がそのSATの受け入れを承認したということであるならば、武器の使用ということも可能なのでしょうか。

杉田和博警察庁警備局長

○杉田政府委員 国内法上の枠内で行使をすることができる、かように考えております。

小池百合子新進党

○小池委員 こういうような事件というのはまことに残念ながら各地で頻繁に起こっていることは否めないわけで、そのためにも、さきのサミットにおきまして、テロには屈しないという、テロリストとは交渉しないということを各国が申し合わせをしたことだと思います。  これは非常に難しい問題だと思いますけれども、どうも私、これまでの総理の御発言、これも本当にアイ・エヌ・ジー形で苦しいところだと思いますけれども、ダブルスタンダードではないかというふうに思うわけでございますし、平和的解決と、それからテロには屈しないというこの二つの、これは二本立てでございますね、これについて国家としての、どちらを優先するのかというところはまだ提示されていない。  しかし、アイ・エヌ・ジー形であるので、あえて私は伺いませんけれども、しかし、こうやって日本のこれまでの積み重ね、態度というのが、冒頭に御紹介申し上げましたような、外国のプレスの、日本の国はわきが甘いぞというようなことを喧伝してしまっている。  さらには、それが将来の、今日本人も海外にはそれこそ一千六百万人の海外旅行者を含めまして世界じゅうで活躍し、また旅をしているというような現状にあって、何が起こるかわからない。そこで、本当に国は命を守ってくれるのか。国の責任ということがあいまいであるということは非常に日本国民とすれば頼りない話ということでございますので、この事件に関しましては一日も早い解決を私ももちろん願っております。平和裏に解決することを願っておりますし^また、MRTAの要求がどんどんと下がってきている。それから、相手の人数とそれから時間の経過ということになると、これは消耗戦であるなというふうに思うわけでございますが、危機管理という点から、もう少し日本は背骨を持った方がいいのではないかということを強く訴えておきたいと思います。  続いて、タンカーの問題の方に移らせていただきたいと思いますけれども、このペルーの人質問題と私は極めて状況が似ているというふうに思います。それは国の危機管理ということでございます。  今回のタンカー事故もようやく災害として認めるということでございますけれども、事故の発生は一月の二日でございます。そして、災害の扱いということは、当初から災害として扱ってきたというふうにおっしゃるでしょうけれども、しかしながら、あれだけ与党側の方からもいろいろと声が出ていた災害対策基本法に準じた扱いになっているのかなっていないのか、ここをまず確認しておきたいと思います。災害対策基本法に準じた形での災害対策になっているのか否か、国土庁長官、よろしくお願いします。     〔小里委員長代理退席、委員長着席〕

伊藤公介自由民主党国土庁長官

○伊藤国務大臣 今回のナホトカ号の重油流出事故につきましては、これまでのさまざまな災害、事故の取り扱いと同じように、まず運輸大臣が中心となって災害対策本部が設けられました。その後、官房長官が主宰をいたします関係閣僚会議によりまして、政府は一体となって対応してきたところでございます。  実は、さまざまな事故に関しましては、関係省庁の大臣が中心となって対策本部でこれまでも対応してまいりましたし、特に大きな自然災害につきましては、関係各省庁の調整をとりながら、国土庁が中心となって対応してきた、これがこれまでの経過でございます。これまでの経過に沿って、政府が一体となって今回も対応してきたところであります。

小池百合子新進党

○小池委員 今一体となってとおっしゃいましたけれども、私も一月十五日の段階で、阪神大震災のときに全国各地の方々にお世話になった、そして福井県、今回の三国町という大変有名になってしまったところでございますけれども、現地の方にボランティアの一人として行ってまいりました。しかし、状況を見ておりますと、ボランティアセンターも大変まだ間もないということもありまして上へ下への大騒ぎでございましたし、また、当時の海岸での回収作業等々を見ましても、どうもうまくいっていないのではないかというようなところが散見されたわけでございます。  国土庁長官は、一体となって取り組んでいるということですけれども、それは、では法に基づいた対策本部にする必要はない、もう十分機能しているんだからいいのではないかというふうにお考えでしょうか。

伊藤公介自由民主党国土庁長官

○伊藤国務大臣 ただいま御答弁を申し上げましたとおり、これまで数々の災害、事故がありました。事故につきましては、担当のそれぞれの各省の大臣が中心となって、ぞして災害対策本部で対応してまいりました。今回も、これまでの数々の事故に対応してきたと同様の取り組みをしてきたところであります。内容的には大きな変化はない。  もし、これが大きな自然災害であるということになれば、関係各省庁の連絡をとりながら国土庁が中心となってやることになると思いますが、いずれにしても、当初は人命救助ということが最優先でございました。その後、重油ということになったわけでありまして、御案内のとおり、運輸大臣が担当でありましたので、運輸大臣を中心として対策本部を持ち、各それぞれの関係省庁はこれに連絡をとりながら、政府が一体となって対応してきたわけであります。  当然のことながら、国土庁も局長を派遣し、あるいは職員を現地にも派遣をして、本部長であります運輸大臣とともに、十分な連絡をとってやってきたつもりであります。

小池百合子新進党

○小池委員 私、なぜこの災害対策基本法による対策本部にこだわるかと申しますと、やはり阪神大震災のとき、本来ですと、これはもう隣にいらっしゃる小里当時の大臣がよくその経過を御存じでございますけれども、あの阪神大震災、もちろん六千人を超える被害者が出て大変な事態で、なおかつ、まだ今でも、復興、復旧が進んでいるところはあっても個人の生活などはまだまだ十分回復していないということでございますけれども、危機管理というのは、私はやはり時間との闘いであると思います。  それで、内閣一体となって対応しているからとおっしゃいますけれども、あの阪神大震災のときの問題点は何であったかといいますと、何よりも、例えば消防と警察その他の無線の周波数が違って、現実には対応がおくれたという問題。それからまた、例えば妙なところだけ地方分権が進んでいるのだなと思ったのですけれども、消防の栓のノズルの基準が全国各地ばらばらで、そこに、目の前に消防の水の出るところがあるのに、応援に駆けつけてくれたほかの県の消防車がそれをあけることができなかったというような悔しい思いをいっぱいしたわけでございます。  そこで、この災害対策基本法に基づく対策本部を設けるべきであるということは、今申し上げたようなさまざまな問題点、つまり、まさに行政改革のポイントになるわけですけれども、縦割りの情報、それから縦割りの指示系統その他を少しでも統合して機能させるためには、この災害対策基本法に基づいた対策本部を置く方がよりベターである。それも、あの震災のときには緊急災害対策本部ということを我々は主張したのでございますけれども、結局、そのもう一つ下のランクの非常災害対策本部ということにとどまってしまった。  危機については、できるだけ早く、そしてかつ、できるだけどんと大き目にまず構えることが必要ではないのかということを強く感じているわけでございます。もう機能しているから、また各省庁が一体となってやっているからいいというような受け取り方を私いたしておりますけれども、一体となっているならば、もう少し遜色のない対応というのができたはずではないかと思っております。  さて、この阪神大震災のときの緊急対策本部の設置でございますけれども、阪神大震災においては、先ほど申し上げましたように非常災害対策本部を設置、それで、対応が不十分として閣内に法律に基づかない緊急対策本部を設置したということを当時の新聞が語っております。この御発案は当時の亀井運輸大臣だったということで——さすがに覚えていない……(亀井国務大臣「村山総理大臣であります」と呼ぶ)そうでございますか。やはり危機管理ということについては、当然のことながら、緊急災害対策本部であるべきだったというふうに思っております。  ですから、私が申し上げたいのは、今回のタンカーの事故におきましても、もっと縦の統合、指揮系統その他を一体化するためにも、災害対策基本法二十四条に基づく非常災害対策本部を設置するべきだ、今からでも遅くない。今からつくってしまうと何か後手に回ったようでまずいというような感覚があるのならば、それはおやめいただきたいし、今からでも非常災害対策本部を設置すべきであるということを申し上げたいというふうに思っております。  国土庁長官、災害対策基本法というのはそもそも主管が国土庁であるのですけれども、今回の場合は運輸大臣、担当国務大臣が対策本部長になれるということで運輸大臣ができるわけですね、対策本部について。どうぞ。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生の方で災害対策本部の設置の問題について御議論いただいているわけでございますが、御承知のとおり、一月十日、閣議の口頭了解でございますが、私を本部長といたしまして、関係省庁局長クラスから成ります災害対策本部というものを設置させていただいております。これは、先生御議論いただいております災害対策基本法に基づく災害対策本部の設置に遜色のないものだというふうに御理解いただきたいと思います。

小池百合子新進党

○小池委員 先ほどから同じことの繰り返しなんでございますけれども、私は、遜色がないといっても、やはりまだ情報がばらばらになっているということを感じずにはいられないわけでございます。  じゃ、阪神大震災のときの教訓を生かすためにも少しチェックをさせていただきたいと思うのですけれども、何ができて何ができていないのかということなのでございますけれども、情報集約ということですが、各省庁は現地からの情報集約、航空機、船舶などの情報収集活動などを効果的に推進するということですが、現状は一体どうなっているのでしょうか。運輸大臣、国土庁長官、お答えください。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 漂着油、浮流油、湧出油、いろいろ状況で違うわけでございますが、例えば浮流油について申し上げますと、これは広域的に監視をしなければいけません。保安庁が中心になりまして、航空機を飛ばしまして、常に最新の状態で浮流油の状況を把握をする、それを関係の省庁、例えば自衛隊あるいは港湾建設局、その他いろいろな方に船を出していただいて回収をしていただいているわけですが、それを保安庁が中心になって、関係の方面にその都度、毎日御連絡をして、お願いをし、必要な調整をしながら浮流油の回収に当たっているということでございます。

小池百合子新進党

○小池委員 それから、その情報の収集でございますけれども、当時、阪神大震災のときに問題になりましたシステムの問題でございますが、気象予報・警報の一斉伝達システム、それから中央防災無線システムの端末、それから警察、消防、海上保安庁、防衛庁との専用ファクス、電話の設置、そしてヘリテレビ受信装置の整備。最後のヘリテレビというのは今回特に活躍したとは聞いておりますけれども、上の三点、気象予報・警報の一斉伝達システム、中央防災無線システムの端末、そして、それぞれ、警察、消防、海上保安庁、防衛庁との専用ファクス、電話の設置、これについてはどうなっていますでしょうか。それぞれ御担当の方、お答えください。

福田秀文国土庁防災局長

○福田(秀)政府委員 地震の発生した情報につきまして、気象庁から、国土庁はコンピューター管理でリアルタイムで送信を受けます。そういう連絡を受けた後、私どもの方から官邸を初めとして各省庁に、これもコンピューター管理でございますけれども、リアルタイムで地震の発生の情報を連絡する、こういうシステムを完成させております。  それから、国土庁では、地震の発生した直後間もない時期に、地震による被害がどの程度のものであるかということについてコンピューターで推定する、こういういわゆる地震防災情報システムというものを完成させております。現在、稼働中でございます。  それから、各行政機関に対する連絡、ファクス等、これは中央防災無線網を通じてファクスで送るというようなシステム、これも完成をさせております。  それで、今回関係ないというお話でございましたけれども、現地でヘリコプターでテレビ画像におさめまして、それをリアルタイムで中央省庁の方に連絡をする、これも中央省庁間では、中央防災無線網を活用して各方面に画像をリアルタイムで送信する、こういうシステムをつくり上げております。

小池百合子新進党

○小池委員 兵庫県庁などもそういった情報システム等々、多額のお金をかけてつくっていたのですけれども、現実になると、停電してしまって機能しなかったというようなこともございます。こういったシステムを整えた段階で何か事足れりということではなくて、そういった二重、三重、最悪の事態ということを考えたことをやらないと、結局これも納税者のお金が使われて、そして整備や、形だけできている、ただそれが肝心なときには使えないというような阪神大震災のあの二の舞にならないことを強く願っているところでございます。  続いて、各自治体の救急無線の周波数のことでございますけれども、救急無線の周波数は各自治体ごとで違っている。ですから、隣の県から、近くから応援に駆けつけてくれた救急隊が搬送先を求めて大混乱したというのがそのときの状況でございました。かつ、道は大渋滞ということで、物理的な問題もございました。  消防、医療関係の救急無線の整備は、その後一体何が整備されて何がまだされていないのか、御担当の方、お答えください。

佐野徹治消防庁長官

○佐野(徹)政府委員 無線の関係でございますけれども、私ども、さきの阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、昨年、全国共通用の周波数が、これは今まで一波でございましたけれども、これを三波に増波いたしまして、消防庁といたしましては、この増波に対応いたしました通信機器の整備について指導しているところでございます。  全国的な消防の応援体制といたしまして、一昨年、緊急消防援助隊というのを創設いたしましたけれども、この緊急消防援助隊が応援出動いたします場合には、これらの全国の共通波とともに県内の共通波等を有効に活用いたしまして、消防無線全体の円滑な運用を図り、救急を含め効果的な応援活動ができるように対応することといたしておるところでございます。

小池百合子新進党

○小池委員 お答えを聞いていると、何でもうまくいきそうに聞こえてくるのでございますけれども、現実はかなり、現在のタンカーの問題にいたしましても、現場は混乱する。それから、マニュアルがいろいろつくってあっても、実際そのマニュアルをどこに置いたかわからないとか、まさに、一言で言えば、日本というのはずっと平和、安全で暮らしてきて、何かそれが当たり前だと思い過ぎていることが、国際的にも国内的にもそこが一番大きな問題だと私は思うわけでございます。  それで、そのマニュアルの問題なのですけれども、やはりこういった危機管理、震災のときのFEMAの組織図なども、その後の震災対応それから危機管理対応に大変参考になったということも含めまして、アメリカのシステムというのはやはり、完璧とは言えないまでも、マニュアルの国でございますので、よくできているなと感心させられることがしばしばございます。  それで、アメリカの場合には、九〇年の油濁法を制定して、それに基づいて国家緊急計画を立案している。例のエクソン・バルディーズ号の教訓なども積み重ねているわけでございますけれども、ちょっとここで御紹介しておきますけれども、緊急防災計画ということで、アメリカの油濁法に基づいてできているこれがまずは組織図でございます。  この一番最初の大統領から国家緊急防災計画、そして国家対応システムということで、この下からが実際に動くところでございますけれども、国家対応センターというのがワシントンにある。そして、流出油に対する全米の中央情報センター機能を持っているのがこの国家対応センター、ワシントンDCと書いてあるところでございます。このセンター、二十四時間体制で全米から油濁情報を集中させて、七台のコンピューターと担当者が張りついて稼働しているということでございます。運輸大臣、よく見ておいてください。  そして、もし大規模な事故が発生すると、この国家緊急防災計画が発令されます。そしてFOSCが指名されまして、これは連邦現場調整官でございます。こちらですね。ここが指名されて、地域対応チームとコーストガードのストライクチームというのが主体になって事故の対応に当たる。それからNRCのもとに地域対応チームというのがありまして、これを、全米を十の地区に割って対応の体制をとっている。日本で言うならば十一ブロックでしょうか。そういった形で、中央と地域とそれぞれの連携というのでしょうか、それはまことに見事なような形でできているわけでございます。  このコーストガードのストライクチームが全米に三チーム配置されていまして、どの部隊も、命令があってから二分以内に隊員が飛び出せる体制になっております。そして、十分以内に資機材が出発するようになっているということでございます。前回FEMAが活躍したあの地震、サンフランシスコの大地震のときも、十五分ほどで活動がゴーがかかったということでございますが、機能している、ただ絵にかいたもちではないということでございます。  このストライクチームというのが、太平洋岸、大西洋岸、メキシコ湾といった地域にあって、この三カ所があって、そして資機材の配置センターとすれば、全米で十九都市に分けて置いてあるということでございます。一体全体日本の場合、こういったシステムは確立しているのでしょうか、運輸大臣。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 先生も御承知だと思いますが、平成七年に国家的緊急時計画ということで、油濁被害事故が起きた場合には、十八省庁から成る関係機関の情報、それからいろいろな役割、それぞれの立場立場において責任を果たしていく、そういう意見交換の場、こういうことで組織ができているわけでございますけれども、今回の場合も、事故が起きまして六日、七日、すぐ海上保安庁長官のもとでそうした連絡会議が持たれまして、それぞれの省庁で取り組みを始めていることは御承知のとおりでございます。それなりの成果は私はあったと思っておりますけれども、今先生の方から、具体的にそうしたアメリカの一つの例をお示しをいただきました。  一番大事なことは、私たちが反省点を十分教訓として再発防止にどう生かしていくのか、いろいろな問題点をこれから検証させていただきたいと思っております。そういう中で、今先生御指摘いただきましたアメリカの具体的な体制、組織というものも十分勉強させていただいくそして総合的な再発防止について早急な検討をさせていただきたいと思いますので、先生の方からも御指導いただければありがたいと思います。

小池百合子新進党

○小池委員 今運輸大臣の方から御指摘ありました「油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」という平成七年十二月十五日の閣議決定でございますけれども、今、これからも足らない部分は勉強しということでございますけれども、すごくペーパーよくできているのですね、なるほどなと。このできた時点、それから何もないときにこれを見ていると、まことに御立派ということになるのでございますけれども、しかしながら、いざとなったときには、これはうまく書けた作文にすぎないということがよくわかるわけでございます。  じゃ具体的に伺いますけれども、運輸大臣、二ページにございます第四節で「関係資機材の整備」というのがあります。下から五行目ですけれども、「海上保安庁は、油汚染事件への対応を迅速・的確に実施するため、船艇、航空機、通信施設、排出油防除資機材等の整備を推進する。」これについては、具体的に何をなさってこられましたか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 まず、油の防除に関しましては、船艇、航空機とそれが使う防除機材と、二つ要るわけでございますが、第一報を把握いたしましてから、どういう飛行機あるいは船を出動させなければいけないかということを決めるわけでございまして、それをまず第一報が入った段階ですぐに決定をいたします。  それに当然必要な機材を積むわけでございますが、その機材はそれぞれの基地に備蓄してあります。それが間に合わない場合には隣接の基地から飛行機、船を出しますし、隣接の基地に蓄えてある防除資機材なども使う。さらに、時間の経過とともに油というのは広がってまいりますから、その場合には保安庁の持っている機材だけでは足りませんので、センターの持っている機材あるいは石油業界の持っている機材、自治体の持っている機材、いろいろな機材を集結して、それを使いながら仕事をしていく、そういうやり方でやっておるわけでございます。

小池百合子新進党

○小池委員 今、機材を集中的に使ってということでございますが、現地に参りますと、確かに石連から貸し出したオイルフェンスなどを砂浜に、しけのときには使えないというのでそのまま置いてあっただけなんでございますが、先ほどから何度も申し上げているように、危機管理というのはスピード感と、それからもともとアメリカのFEMAも、そもそも核拡散という大変な問題に対処することを考えて、最悪な事態に備えたそういうシステムですから、それだけのことを準備していればこれだけのことでも対応できる。でも、これだけの危機しか考えてなければ、こういうときには何も使えなくなるわけですよね。ですから、そういった観点からも、危機管理というのが、まだまだ日本は作文で済む、済ませてしまうという、この危機管理のなさ、危機意識のなさというのがすべてに共通していると私は特にこの二年間ずっと思ってまいりました。  今、機材を一元的に集めてということでございますが、同じくこちらの緊急計画の中の二ページ目の「第二節 対応体制の整備」でございますが、「特殊救難隊及び機動防除隊の育成強化を図る」ということでございます。しかし、この機動防除隊、今回一体どうだったかといいますと、大型油濁処理船清龍丸一隻というのが現状でございますね。この育成強化を図るということは、これまで一体何をなさってこられたのか。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 今仰せになりました特殊救難隊でございますが、海難救助は海上保安庁の大切な仕事でございますけれども、船が火災を起こしているとか転覆しているという場合には、救難に赴いた人が潜水をしなければいけない、あるいはヘリコプターからおりて助けなければいけない、非常に高度な技術を要する場合があります。そういう技術を身につけ、またそのための訓練をしている人たちを特殊救難隊と言っておりまして、これは通常羽田におりますが、要請に応じてどこへでも飛んでいける、そういう機動性を持った救難隊でございます。これを我々は、今回の場合も使いましたけれども、常に訓練もし、装備も充実させて育成強化をしておる。  それからもう一つ、機動防除隊というお話がありました。これは清龍丸のお話がありましたけれども、清龍丸とは違う組織でございまして、これは保安庁の組織でございます。油の防除というのは、やはりそのときの油の性状であるとか使う機材であるとか、大変専門的な知識が必要でございます。この機動防除隊というのは、そういう高度の専門知識を身につけている、そういう隊でございまして、これも文字どおり機動性がありまして、必要に応じていろいろなところへ行って現場でやっている人たちに指導をする、そういう役割を担っております。  したがいまして、今回は、その特殊救難隊、機動防除隊ともに現場に出しておりまして、現場の中でみんなと一緒に作業をしておる、こういう状況でございます。

小池百合子新進党

○小池委員 お答えだけ聞いているとうまくいくような気になるのですけれども、今回もそれぞれタンカー沈没から、最初は人命の救助ということで当たられましたけれども、どうもこの結構なことが書いてある緊急時計画が機能していない、もしくはすべきところがまだまだ不完全であるということは否めないと思うわけでございます。  今清龍丸のお話が出ましたのですが、大型油濁処理船、日本にはこの清龍丸一隻ということでございますけれども、今回の平成八年度の補正予算にいたしましても、本来でありますと、財政法からいっても緊急のものということでございますが、本来はこういった事態というのを、もちろん計算その他時間はかかるのでございましょうけれども、こういった対応を即行うための補正予算ではないかと思うわけでございますが、こういった大型油濁処理船、一隻で足りますか、運輸大臣。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 これからのさまざまな問題点の検証の中で、油回収船、今おっしゃっているように、辛うじて外洋で役に立つというのは清龍丸一隻でございます。しかしながら、この清龍丸をもっていたしましても、波高は二メートル以内ということでございますから、現実問題として、今の冬の日本海ではまず効果的な活動ができないということでございます。  そういたしますと、あの波高が六メーターから八メーター、二十五メーターから三十メーターの風の中で、油の回収船ということになりますと、まず、技術的にそういう船が建造できるかどうかという検討も必要でありましょうし、実用化できるかどうかという、あらゆる角度からの研究は必要になってくるだろうと思っております。  当然、そういう問題も含めて検討させていただきますけれども、御案内のとおり、危機管理というのは常に点検と改善が必要であります。そういう意味からも、この反省点を十分教訓として、今後の油の汚染問題についてどういう対策と対応が必要なのか研究してまいりたいと思います。早急に研究してまいります。

小池百合子新進党

○小池委員 まあ船がもう一隻でも二隻でもあったらいいなと率直にお答えいただければよかったと思うのですけれども、緊急に検討するということでございますが、大蔵大臣、海防法でも四十二条で、運輸大臣は油濁処理に際してその費用を大蔵大臣と、これは処理とまた船の新造とは違いますけれども、やはり今回の問題というのは、日本が油濁の問題に対して非常に手薄であったということを示しているわけでございますけれども、こういった今後の危機管理を含め、また油濁処理に関しての大蔵大臣としてのお心構えはいかがなものでございましょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 今、運輸大臣を本部長として全力を尽くしておるところであります。基本的に、条約に基づく、また保険に基づく損害賠償を原因者において明確にすること、そして油濁、環境、地域振興という観点で総合的に費用が計算をされてくると思います。そのときには真剣に対応していくことに尽きると思っております。

小池百合子新進党

○小池委員 今回の補正予算につきましても、また本予算につきましても、これから長く検討されるのでございましょうけれども、こういった問題が起きたことを踏まえて、すぐに対応するという形をぜひともとっていただきたいということを強く要望申し上げます。  それで、油の処理でございますけれども、これまた先ほどのアメリカのケースで見ておりますと、極めて対応チャートというのがはっきりしております。事故が発生をしました。そうすると通報を受けた国家対応センター、先ほど御紹介したところですけれども、そこで液とか危険物質の流出があるのかないのか。次、NRCは連邦政府の現場調整官にそれを踏まえて通報し、そしてその現場調整官が査定をし、そして責任団体による事故処理ができるのかできないのか。できるということであれば現場調整官に監視を依頼し、そしてできないならば地域、州による事故処理は可能かというように、できるできないという完全なフローチャートなんですね。  石連の資料ではこういうフローチャートを見つけましたけれども、国の対応としてこういう形にちゃんとなっているのでしょうか。何か心配になりますので。

土坂泰敏海上保安庁長官

○土坂政府委員 排出油の防除に関する計画をそれぞれの地域ごとに私ども定めておりまして、いろんな想定をいたしております。この場所でどういう大きさの船がどういう格好で壊れてどれだけの油が出た場合に、回収装置でどれだけ、あるいは廃油処理剤でどれだけ、それはその管区保安部で対応できるかできないか、できない場合に隣接管区からどういうふうに調達をしてくるか、そういったようなことについては一応の計画をそれぞれの海域ごとに持っております。  また、今回の場合も具体的に、こういう広域に広がったわけですが、先ほどから申し上げておりますように、対策本部もありましたし関係省庁会議もありまして、そこで十分連絡をいたしまして、例えば、先ほど申し上げたように、石油業界については通産省の方から御指導いただいております。それから、沈んだ船尾部分については科学技術庁の方で調査をお願いしている。環境庁の方はいろんな水鳥の保護などをやっていただいておりますし、ロシアとの交渉は外務省にお願いしておりますし、それぞれの立場で力を合わせながらやるようなシステムが私としてはできていると思っております。

小池百合子新進党

○小池委員 それぞれの立場でということでございますけれども、とにかくいつもこの態勢がとれるということが何よりも大事かと思いますので、この際もう一度、先ほどの作文ございますね、ああいうようなのも全部見直してみて、何ができて何ができないのか、どこに予算をつける必要があるのか、こういったことを的確に迅速に処理をしていくことが、どうも日本人というのは風化しやすいというか、忘れっぽいんですよね。先ほどからも、自治体の無線はどうなりましたか、極めて細かい部分をお伺いしましたのもそういった点なんです。すぐ忘れちゃうんです。それで肝心の、本来ならばそれを的確に予算にもっともっと組み込んでいくべきものであるのに、結局そういう重要なところを後回しにして、そして、国民からもいろいろ反発が来ているような今回の補正予算の問題、平成九年度の予算案等々に示されるように、どうも違うなという予算になってきてしまっているのではないかというふうに思います。  それで、タンカーの賠償、油濁損害保障法に基づいての損害賠償を提起されるわけでございますけれども、これは現実には船の本体が水深二千四百メーターもの深いところに沈んでいるわけでございますよね。そこから一万六千キロリットルにも及ぶ重油がいまだに流れ続けている、もしくはそれを確認中である。これは何年もこれから継続していくことは考えられるわけですね、ちょろちょろちょろちょろと。船首の部分は、あれはジャージャーと流れ出てきて、竹べらですくっていて、目の前に蛇口があって、そこががんがん開いていて、そこを竹べらですくう作業というのは、本当にこれは大変だと思ったわけです。また船体本部の方、船体の大きな部分の方、沈んでいる部分というのは、これは確認をする。それから、流れ出るのもこれから何年にもわたって継続すると言われているわけですね。例えばバルディーズ号も大変時間がかかりましたけれども、どうでしょうか、これから約二十年ぐらいの見通しといいましょうか、十年、二十年かかる作業じゃないかと思うのですけれども、こういった現実、どのように考えておられますでしょうか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○古賀国務大臣 沈んでおります船体調査は、科学技術庁の御協力をいただきまして、深海観測装置で、今どういう状況にあるのか、湧出状況がどういう状態なのか、調査をいたしているところでございますが、残念ながら、二十五日、二十六日と行わせていただきました深海観測によりますと、はっきりといたしておりません。第一、ナホトカ号かどうかというところも、恐らく間違いないだろうということでありますが、はっきりしない。そういう状況を踏まえまして、今、深海観測装置のもっと機能できる観測装置によりまして、再度、水深二千五百メートルと言われておりますが、調査をやらせていただきたい、こういうふうに思っております。同時に、事故原因究明、これが最も大事なことでございますので、運輸省の方にも学識経験者の皆様方にも参加していただきまして、今具体的に事故究明、あらゆる角度から検討していただいております。  その中に、本体の湧出状況、将来的にこれがどうなるだろうか、これを完全に防除するというのにはどういう工法があるだろうかということも含めて結論を出していただきたい。こういう対策の中で対応させていただいております。  時間的には、これは私、全く技術的なことはわからないのでございますが、ともかく、今、原因調査会の方でまずどういう湧出状態にあるのかということを調べていただくということが一番早急にやらなければいけない作業だと思っておりますので、今申し上げましたように、極めて性能の高い深海観測装置をまず本体の状況を調査するために科学技術庁にお願いをさせていただいておりますので、その結果が出ますと前進したことが少しは御報告できるのではないか、こういう状態でございます。

小池百合子新進党

○小池委員 お話を伺っておりますと、かなり時間がかかりそうでございますね。保険の調査というのも大変時間がかかりますし、そこからのやりとりがあった上で補償がおりてくるということでございますと、本当に、二十年ぐらいかかってもおかしくないかな。  問題は、相手が、地震のときは自然災害、そして今回はロシアのタンカーということでございますけれども、被害を受ける方は、これはもう一元的に被害なんですね。震災のときも、先ほどから申し上げています緊急災害対策本部を設置すべきではなかったか。それに対応しての国の対応の仕方というのはやっぱり違ってくるわけですし、それから、それはシステムでございますから、だから、その辺のところがうまく機能していなかったのではないかということも反省点としてあると同時に、地震であろうが何であろうが受けた人は、被害はやはり被害なんですよね。そこの、先ほど冒頭に申し上げました現実と政治の時間のずれ、このはざまで苦しんでいる人が実は今、阪神大震災ではまだまだ多数おられるということでございます。  ですから、先ほどまた私は、この船の問題、一隻で足りるんですかということを申し上げました。アメリカ並みのシステムで、そしてほかの、アメリカ並みの防除の機能が備わっていたならば、今後起こるであろう大変な補償の問題、つまり、危機管理というのはまず初めの一歩は予防からくるわけでございますから、そして被害を最小限に食いとめるということ、これにしておきますと、結局、こういうことを言うとあれですけれども、コスト的にはその方が、結果的に船一隻あった方がよかったというようなことも十分あるわけでございますね。  ですから、何度も申し上げますけれども、私は、この危機管理ということ、まず日本人、国内、国外両方において危機管理意識というのをもっともっと持つべきであるし、また、それの最悪な事態が起こることに関しても想定をして、これまで想定してもいけなかったような政治状況もございましたけれども、これを十分想定した上で、それに対してのハード、ソフト、これを系統立てて整備していくということを改めてお願い申し上げたいと思います。  それで、今ここにある危機といいましょうか、さまざまな危機がございますけれども、その中でも最悪と思われるのが原発でございます。  今回、日本海のあのタンカーの流出油でもって、原子力発電所、特に日本海側、たくさんございます。日本を何とかしようと思ったら、ミサイルなんか要らないんじゃないか。油のタンカー何隻かひっくり返せば、そこはもう大騒ぎになるわけですね。私は、これは冗談で言っているんじゃなくて、危機管理というものはそういうものなんですよね。最悪のことに対して備えるというこの一番の根本のところ、これを考えますと、原発の事故、もちろん起きてはいけないことではございますが、危機管理の観点からすれば、これは十分に対応していく必要がある。  通産大臣、この原発事故に対しての備えというのはどうなっていますでしょうか。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 原子力発電所の安全性を確保するというのは最も重要なことでございまして、私ども、原子力政策を進めるに際して、安全性の確保ということを大前提にして進めております。

小池百合子新進党

○小池委員 大変心強い簡潔な御答弁でございましたけれども、まあ、もう言いようがないというか、本当、笑い事じゃないわけですよね。この国会の記録でここで笑い声が起こったなんというのが記入されるというのは、私は、それはまさに危険なことであるというふうに思います。  まあ、一言では答えられないほどあれは複雑だと思うんですね、いろいろな体制。ですから、それについてまさに水も漏らさぬぐらいの完璧な対応をぜひともやっていただきたいし、きょうはこれは一つずつ詰めませんけれども、これに対して重大な関心を抱いているということをお伝えしておきたいと思います。  総理、どうぞ。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 エネ庁長官の答弁を私が補足するというのも大変おかしいのですけれども、余りに先ほど簡潔でしたので、私の知る範囲で、ただいま議員の指摘された部分に多少つけ加えたいと思います。  阪神・淡路大震災が起こりましたとき、まず第一に原子力発電所について懸念が持たれたのは、耐震性という問題でありました。同時に、その原子力発電所が建設されている地形、地層そのもののチェックでございました。そしてこの点では、おかげさまで、当時チェックをいたしました結果、相当程度の余裕を持って大丈夫というのが当時の答えだりたわけであります。  同時に、一昨年まとめました油が流れましたときの対応につきまして閣議で議論をいたしましたのも、この中におきましても我々はそうした事態は想定を当然いたしました。  ただ、今、私自身が振り返りまして、領海内における交通ふくそう海域ということに視点を絞り過ぎ、領海外であり、なおかつ日本海の荒天下における事態ということを全く予測せずに計画をつくったという点は、我々自身、非常にその意味ではより深い考察をすべきであったと存じます。ただ、その上でまた、能力のより高い油回収船が果たして技術的にできるのかどうか、その辺になると私はわかりません。  ただ、その記憶がございましたから、ちょうどASEANから帰国をいたしました直後、報告を求めましたときに、原子力発電所の取水口付近への油の塊その他の漂着状況をチェックいたしました。その時点においては特に問題は発生いたしておりませんでしたけれども、既に関係者は、二重、三重あるいは四重のオイルフェンス展張により、また監視の強化により、この点についての警戒を進めておりました。  現在も、私は、その作業は継続し、取水口に油塊等が付着するといった事態を招いておりませんし、また、招かないような態勢を十分にとっておると信じております。

小池百合子新進党

○小池委員 まさに今総理御指摘になった、領海外か否かというこの問題は、極めて大きい問題だと思います。そこを踏まえてもう一度見直しをぜひともお願いしたいと思いますし、先ほどの原発の対応、これは極めて重要な問題でございますので、一行、二行で片づけないで、そしてしっかりとお願いしたいと思います。  さて、危機管理ということであわせて御質問させていただきたいのでございますけれども、安全保障その他に、私は経済も含まれると思います。昨今円安が進んでおりますが、きょうも百二十二円の後半ということで進んでおります。週末にはG7が開かれるということで、大蔵大臣もお出かけになるわけでございますけれども、ルービン財務長官は、ドル高、強いドルというのは国益に沿うということを発言しておられます。  三塚大蔵大臣、今の円安の傾向についてどう思われますでしょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 急激な円安も急激な円高も決して好ましくないという基本的な考えを持っております。レートが安定しておりますことが、世界経済の中に生きております我が国の経済財政運営にとりまして大事なことだ、こう思っております。

小池百合子新進党

○小池委員 そうすると、今の円相場につきましては円安傾向を認められますでしょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 レベルについては言及しないことといたしますが、急激な円安が及ぼす影響について重大な関心を持ちながら適正に対処をするというのが政府としての基本方針であろうと思います。

小池百合子新進党

○小池委員 最近、円相場そして株式市場、特に円相場でございますけれども、市場が結構それぞれの方の発言に混乱をするという事態が生じておりますので、できるだけ一人に絞って聞いた方が国益に沿うんじゃないかと思って大蔵大臣にまとめてお伺いしているわけでございます。  ちなみに、この円安の傾向でございますが、端的な例を示しますと、私の友人の友人がせんだってシンガポールに行ってまいりました。それで、買い物をするときに円を出した。そうすると受け取ってもらえなかった。つまり、円安傾向であるということをお土産屋さんまで感じているというようなことでございます。  もちろん、急激な円高そして円安という振れについては、やはり企業経営の面にとりましても大変不透明ということになるわけでございますけれども、一方で、みんな心配している部分が株価でございます。  去年の六月二十八日がたしか高値で二万二千五百円つけたんですけれども、時価総額に直すと三百九十兆円、きょうも、このところ汐留の土地の問題等々で若干上げましたけれども、しかしながら、今一万八千円台をめぐる動きというふうなことでまだまだ底値等が見えてきていない、むしろ不安材料の方が多いということでございます。この間、時価総額で計算いたしますと、大体六十兆円ぐらいは吹っ飛んだ計算になるわけでございます。ですから、株価というのはやはり国の富の源泉の部分で根幹であるだけに、この株価についての注視というのは、ただ株はもうかる、もうからないという話を超えたところで受け取らなければならないかと思います。  最近の株価の上昇というのは、すべてどうも外的要因が多いんじゃないかと思うんですね。去年の総選挙の後、翌十月二十一日でございましたけれども、約二百円下げ、そして三日間続落いたしました。自民党勝利ということで下げた。これはどう受けとめるのか。それから、十一月になると、クリントンさんが再選されたというので今度は上がるんですね。そして、補正、本予算で下げた。これはいろいろな受けとめ方があると、この二日間、過去二日間の予算委員会で、随分認識が違うな、危機意識の持ち方の違いだなと思いました。それで、また今度、FRBのグリーンスパン発言で若干自信を取り戻した。というようなことで、どうも日本発のメッセージというのは下げの要因になる傾向が強い。そして、ようやく外国のいい材料を何とか探し出してきて株価をつないでいるといった印象がぬぐえないわけでございます。  それで、今、株式市場を見ておりましても、きのうも、株価について、勝ち組と負け組というのが極めてはっきりしているわけですね。勝ち組の方を見ますと、超優良株、ソニーであるとかトヨタといった、いわゆるトップフォーティーですけれども、これが大体PER三〇なんですね。ですから、国際的に見ても極めて優良である。それから、これは日経二二五の中の四十ということで申し上げておりますけれども、残りの百八十五というのがこれがなかなか重い、中でも銀行、建設株が下げているというのはこれまでの話のとおりでございます。  不良債権というのが一番大きな問題なんですけれども、要は、銀行そして建設というのが規制で守られている、国内の護送船団方式そして国内の規制の中で育ってきた業界であるということでございます。だからこそ私は規制緩和、ビッグバン、二〇〇一年ということをおっしゃっておられますけれども、規制緩和というのは、とにかく今メガコンペティションの時代に早く仕込みをしないと、その結果が出るのは結構時間がかかるんですよね。  細川政権のときに携帯電話の自由化ということ、買い取り制というのをやらせていただきました。現在、その携帯電話を中心とした通信に関連した産業というのが、はっきり言って今の景気の牽引役、唯一のホープとなっているわけでございますけれども、あれは細川政権のときに植え込みをやって今花が開いているわけですね。ですから、この規制緩和というのは、本当に総合的に、虫食いではなくて総合的に、一括して行わなければならないかというふうに思います。  そこで伺いたいのですけれども、今後外為法の自由化が行われますと、今問題となっているキャピタルゲイン課税、有取税でございますね。これ、結局ほかの国でやればいいことになるわけですから、有取税の問題というのは、これはもう時間とともに消えてしまう話なんですよね、現実は。であるならば、今の株式市場を活性化させるためにも、約三千五百億ですか有取税、これは、今政治決断すればこの有取税の廃止というのは即できるんじゃありませんか、大蔵大臣。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 有価証券取引税についての御質問でございます。  昨年三割軽減させていただいておりますし、今日の株価との関係で有取税の存在が問題になっているとは感じておりませんが、御指摘のように、これからの金融システム改革の中で有取税をどう考えていくかということは重要なポイントだと思っております。  その際、あわせて、自由化されている各国の市場において証券関係税制がどうなっているかということも考えないと、ほかの所得に対する税金と、それから有価証券絡みの税金との関係がアンバランスではいけないということにもなろうと思います。したがいまして、金融システム改革の流れ、もう近々それがはっきりしてくるわけですが、それと証券税制全体の中でのバランス、それを決断をしていかなければならないと思っております。

小池百合子新進党

○小池委員 やはりここは大蔵大臣にお答えいただきたかったですね。もう何度も伺った答えでございました。  私は、例えば法人税の問題、ちょっと話を広げてあれなんですけれども、法人税の場合でも、税収中立というのはいかがなものかと思っているのです。企業とすれば、法人税の、法人税というかその他の対象を広げて、プラスとマイナスと、冷房と暖房とかけられてしまいますと、これは結局企業にとっては何ら変わりがないことになるんですね。  だから、本当に細い枠の中でのプラスマイナスじゃなくて、今の景気、日本の経済というのは、いかにダイナミックに総合的に動かすかということでございますので、有取税しかり、地価税しかり、そしてこの法人税にいたしましても、それぞれの部署、局での数合わせ、バランスシートではなくて、日本経済そのもののバランスシートでやるべきではないか。ここはまさに政治決断で、大蔵大臣、これは一言言うだけで違ってくるんですよ。株価がなぜこんなに重いか。そういう重荷がどんどんのしかかってくるから、そこに投資する気になれないんですよね。有取税は機関投資家に対してのものではなくて、これはむしろ個人投資家に最も心理的に響くものなんですよ。いかがですか、三塚大蔵大臣。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 株安、円安の対抗策としてという御丁重な御提言でございました。  有取税、グローバルな東京市場を目指すという意味で、ニューヨークの状況、ロンドンの状況、ヨーロッパのそれぞれの市場、これとの同レベルの考え方もあります。同時に、今主税局長言われましたとおり、三〇%の縮減をいたしました。それと、株譲渡益課税という、これとのまたパラレルな問題もございます。そういう点を考えますと、総合的な市場税制改正の一環としてビッグバンがあるわけでございますから、これには今後、政府税調、また国会の論議、国民の論議を踏まえながら対応していかなければならない。  地価税の問題につきましても、土地の流動化が有効に行われるように、有効活用そして有効流動化、こういうことだろうと思うんです。既に二分の一減免をいたしたわけでございますから、そういう点を考慮をしながら、今後引き続き検討をしてまいります。

小池百合子新進党

○小池委員 最初に幾つかの観点から御質問申し上げると申し上げましたけれども、その中に、現実の流れと政策実行、政治の流れとタイムラグがあるということを申し上げさしていただいた。私は、今お訴えしたいのは、有取税の問題それから地価税の問題、余りここで議論するべき問題ではなくて、それはもう即政治決断だということなんですね。そういうスピード感なんですね。  今日本経済は、日本経済だけじゃないですね、経済というのはやっぱり生き物なんですね。生き物に対しての、その処方せんをこれまで誤りに誤ってきた。私は、言うならば、十年前の前川レポート、あれをしっかりと一つずつ履行していたならば、今のような日本パッシング、日本ナッシングというのはかなりの部分違ってきていたのではないか。つまり、日本のこの政策、特に経済政策、十年おくれているというふうに申し上げざるを得ません。  そういった経済の、生き物であるという観点から申し上げますと、ことしは、経済分析をする各研究所でございますけれども、非常に低目の成長率を見通しております。野村総研が〇・七、一番低いのが電力中央研究所で〇・五%。一番その両極端にいるのが、金森さんのところの日本経済研究センター、ここはもう強気ということで知れ渡っているところでございますが。でも、野村にしてもその電力中央研究所にしても、この〇・七、〇・五の数字をはじき出すときに、よもや特別減税を打ち切るようなこと、そんなことを政府はするはずがないということが前提で計算されていると聞いております。  ですから、私はまず、経済が生き物であるという観点から、今まさに日本経済、総理もずっと日本元気を出せとおっしゃっていますよね、そうすると、元気を出す材料というのがないんですよね。そこをよく的確に迅速に対応、それも政治決断でやっていただきたいというふうに思います。  最後に一言申し上げて終わりたいと思いますけれども、補正予算のときもそうでございました、それから、今回の本予算の審議に当たる前に各政府委員を通して箇所づけ、まあせめてその基本になるものを出してくださいということでございましたが、例えば平成八年度のウルグアイ・ラウンドの補正予算も、この紙一枚が来ただけでございました。あすですか、アメリカの予算教書が発表されるかと思います。何千ページにも及ぶ予算書でございます。一セント単位でもきっちり書いてある、つまり箇所づけもされている。  私は、この予算委員会の審議もそうでございますけれども、そもそも、情報なしにどうやって審議をしろというのかということでございます。やはり私どもも選ばれた議員でございますし、納税者の代弁者でもあるわけですね。最後に申し上げたいのは、そのアカウンタビリティーというのが、このような審議では達成できないのではないか。これは行政の方にお尋ねしても仕方ございませんが、前に亀井大臣も行政を信頼してくれということをおっしゃっておられました。今、行政をどれぐらいの国民が信頼しているでありましょうか。  だからこそ、もっと情報公開、そして、少なくとも予算審議をする場に、その根拠となる、一つ一つの積み重ねなんですね。それは補正予算でも千項目ぐらい、そんなの無理だ。そんなことない、アメリカではちゃんとやっています。一セント単位でもやっているわけです。それなくして予算審議どうしろというのか、私はその辺がもう大変不思議でございますし、例えば、補正予算にいたしましても、パッケージでどんと来るわけですね。中はよくわからない、そして、聞いても情報を持ってこない、それ以上ありませんと言う。おすし屋さんの、ちょっと上等な、私は最近余り行きませんけれども、回転ずしだったら一枚ずつ幾らでわかるのですけれども、おすし屋さんの勘定書きみたいに中身がわからない。  それから、お正月に福袋というのが大変人気でございます。あれは一万円出せば三万円から五万円のものが入っているから、中身がわからなくても買うのですよ。日本の予算というのは、基本的にもう福袋、そこから何が飛び出してくるか、悪魔が飛び出してくるか何が飛び出してくるかわからない、そういう状況でのこの予算審議のあり方そのものが、私は大いに問題だと思います。  通年国会であるとか、この場を、全大臣がそろっておられるのは予算委員会なのでいろいろと質問もする。それから、いろいろな問題点、スキャンダル等々もこの場で取り上げられる。だけれども、多くの国民はなぜ予算委員会でやるのという話になっているわけでございますので、ここをしっかりと、ここで、この予算委員会審議のあり方も、ずっと一日じゅうここに座っておられて大変ですよね、そういうことも踏まえて考えたいと思います。  それから最後に、大蔵大臣、G7に出かけられるということでございますけれども……

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 小池さん、持ち時間経過していますので御協力をお願いします。

小池百合子新進党

○小池委員 ぜひとも国益ということをきっちり考えて、お願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて小池さんの質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時一分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山本幸三君。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 新進党の山本幸三です。  私は先週の補正予算の審議のときに質問に立つ予定だったのですが、残念ながらその機会がありませんで、あのときの経緯を思って、あの補正予算を大変急いで、しかも強引に通した、そのことを踏まえていろいろ私も考えているわけですが、やはり補正予算、本予算それぞれについて、大変問題の多いものではないかというようにも感じています。そういうことを含めてきょうは質問いたします。  まず、今回の予算、これは補正、本予算含めてでありますけれども、それぞれ、一体どういう性格のものなのかということについて、ぜひお伺いしたい。  まず建設大臣に最初にお伺いしたいのですが、建設大臣は、先般の補正予算の審議のときに、補正予算については、これは防災もあるし、景気対策も含めた見事な予算であるというような発言もしておられます。その意味で、建設大臣としては、補正は景気対策をしっかりやった、そして本予算は財政再建元年にふさわしい予算である、そういうふうに評価しておられるのか、そのことをお伺いしたい。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 補正予算の評価について私が申し上げましたことは、一つは、災害列島日本、これについて各地域から、最近の災害の発生状況にかんがみて緊急に手当てをしてほしいという要望が私どものところに数多く来ております。それを、優先順位をつけながら補正に計上させていただいた。そういう意味では、緊急を要する防災予算という性格がございます。  それと同時に、政府の景気に対する現在の見解でも明らかなように、景気が完全に自力反転の状況に入っておるという判断までは政府もいたしておりません。  そうした微妙な景気回復の過程の状況の中にあって、第四・四半期の公共事業について見ますと、何ら手当てをしないで放置をいたしておきますと、約三〇%程度大幅な発注減になってまいります。建設業がGNP全体に与える影響というのは大体一六、七%と言われておりますが、その部分がそういう形で落ち込んでまいりますと、せっかく緩やかな回復過程に入っておる景気の足を引っ張るという危険性が客観的にあることも事実でございます。  そういう中で、緊急防災予算として公共事業を実施いたしますことは、そうした景気に対して下支えの効果も発揮をするということでありまして、そういう意味で一石二鳥の効果のある立派な予算であるというように私は申し上げたわけでございます。  平成九年度予算につきましては、財政再建をやり抜くという、そうした長期の視点にも立っての元年としての予算編成でございますが、私はかねがね言っておりますように、社会資本整備は、景気がいい悪い、財政事情がいい悪いということももちろん勘案しながら実施しなければなりませんけれども、やはり子々孫々のためにも、必要な社会資本は、長中期の観点に立って着実に毎年度の予算においてもこれはきっちりと処理をしていくべきだ、このように考えておりますが、そういう中で、一・三%という伸びになったわけでございますので、私どもとしては効率的な執行を徹底的に心がける。総理からも厳しい指示もございますけれども、それをやってまいりたい。事業量におきまして、我々としては、これが落ち込むことのないような工夫を各省庁の御協力もいただきながら実施をしてまいりたい、このように考えております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 公共事業の伸びが一・三%。それは必要な社会資本整備をやるためにできたんだということですけれども、その場合に、よく政府で言っておられるのが消費税の影響を考えるともっと実質は低いんだということですが、それを含めて本予算は財政再建のために考えたというように評価しておられるわけですか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 財政再建を行うに当たっては、公共事業の分野のみならず、これは総理も言っておられますけれども、あらゆる財政支出についての徹底的な、やはりメスを入れた対応が必要である、私はそのように考えております。  ただ、一つ申し上げたいのは、よく景気対策上減税が必要だというような声が相当あるわけでありますけれども、新進党においても十八兆というようなことを主張しておられますけれども、確かに減税をしないよりもした方がそうした景気対策上プラスの効果が出てくることは私は否定いたしません。ただ、例えば特別減税、これを二兆円を実施をした場合と、公共事業を例えば二兆円を実施をした場合、どちらが景気に対して、経済の活性化ということに対して効果があるかということになると、私はこれは相当な検討を要する問題であると。  現在、御承知のように、特別減税の恩恵を受けます層は、ほとんどが銀行振り込みという形で給与が支払われておる状況であります。そういう中で、我が国の貯蓄性向が非常に高いという現実、これが欧米と非常に違うところでありまして、そうした意味では減税が即有効需要というような形になって、景気にダイレクトないい影響を与えるということが必ずしもない状況が日本にはあると思います。それに対して公共事業の場合は、これが確実に、ほとんどがそうした形で、有効需要という形になってあらわれてくるという、そういう面もある、私はこのように考えております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 減税よりも公共事業の方が有効需要に好影響があるということを言われたんですが、では公共投資は有効需要にどれぐらい、どういう形で効果があるんですか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 これは精緻な形で、公共事業の中でもいろいろな分野がございますから、それがどの程度の波及効果があるということを数値の上で、これは適当な計算をして適当の数字を言うことは楽なことでありますが、私自身がそうした精緻なデータを今持っておるわけではありませんけれども、経済企画庁の今までのそうした公共投資の波及効果についての分析等からも、公共事業がそうした意味で現在におきましても大変有効であるということは、これは検証されておる、このように思います。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 今、減税は効かない、新進党が言っている減税というのは効かないと言われたんですよ。そう言われた以上は、公共投資がそれよりも有効に効くということを証明しなきゃ、そんなこと言っちゃだめですよ。どうぞ。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 委員とそうした面について、公共事業の、下水道もあれば道路もありますね、いろんな分野ごとについての詳細な資料を私ども集めて、いろんな角度からの、現在の経済の中でどの程度の波及効果が起きてくるかという計算等をするには相当私は時間がかかると思いますけれども、もしやりたいとおっしゃることであれば、委員と後日私はやっても結構であります。  ただ、私が申し上げているのは、やはり、雲がなければ天気がいいという程度の——公共事業で出した場合、これは着実にあらゆる形で有効需要になってきますね、もちろんその一部が貯蓄に回るという分もあるかもしれませんけれども。それに対して、私が必ずしも減税がそういう形にならないと申し上げておりますのは、客観的事実として、委員も御承知のように、我が国の貯蓄性向が極めて高いという、千二百兆程度の、G7のうちの六カ国の預金を足してもなおその倍近くあるというような我が国の状況から見まして、これは国民性と言ってもいいと思います。  そういう面からいった場合、減税が、しかも銀行振り込みというような経過でいった場合、公共事業と同程度の効果が出るということを証明されるには、それこそ委員の方において私は具体的な立証をされる必要がある、立証責任は、私は委員の方にあると思います。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 そんな無責任な答弁ないと思うのですね。だって、あなたは、減税よりは公共投資の方が効果あると言ったんだ。そうしたら、それを証明しなきゃだめですよ。  しかも、それは、個々の、公共事業の下水道一つ一つが……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 お静かに願います。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 個々の下水道一つ一つ、ダム一つ一つ、それがどういう効果があるかというような議論じゃないんですね。今話しているのはマクロ経済の話ですよ。そうであれば、そのマクロ経済上、公共投資が減税よりもどれだけ効果があるか、減税は銀行振り込みだから効果ないとおっしゃいましたけれども、減税が銀行振り込みで効果がなくなるということは僕は初めて聞いたけれども、そんなことは証明されていない。我が党の減税について効果ないと言って、公共投資は効果あると言っているんですから、どれだけ、示してくださいよ。示さなきゃそんなこと議論できないじゃないですか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 私の判断でそう申し上げておるわけでありますが、政府として、経済企画庁がそうした財政支出の経済効果その他については専門的に検討もしておるわけでありますから、それは経済企画庁長官にさらにお聞きいただきたいと思いますが、いいですか、減税がそのまま消費に回っていくというようにお考えですか。日本の場合はそうじゃないという経緯をたどっているじゃないですか。これは客観的事実でしょう。これが貯蓄に回っていっちゃった場合、これが景気を浮揚させていく力になるんですか。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 大臣が質問しているんじゃない、私が質問しているんです。それに答えてください。  そう言った以上は、いざ聞かれたら経企庁に聞かなきゃわからないんですか。自分がおっしゃったじゃないですか。それを言ってくださいよ。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 何度も申し上げますように、精緻な形で、公共事業のどの分野の波及効果がどの程度でというようなその計算を私現在いたしておりません。  私が申し上げているのは、常識として、公共事業が景気浮揚のための効果がないなんてことはあり得ない、それが何%、何%と言うわけに今いきませんけれども。それに対して、減税が必ずしも、アメリカその他の地域と違って、国民性といいますか、そういう状況の中では、ないとは私は言いませんよ、ないと言っているんじゃない、相当に減殺をされるということを私は最初の答弁にも申し上げた。全然ないとは言っておりませんよ。減殺されるということを言っているのです。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 全然答弁になってないですね。  最初に、減税よりも公共投資が確実に有効需要に効果があると言われたんだ。しかもそれは、私は、おっしゃったように、個々にどうのこうのというのは聞いてないんです。そうじゃない。補正予算とか予算は公共投資を含んでいる、それは大臣がおっしゃったとおりですよね。そうであれば、それがマクロ経済にどれだけ影響を与えるかということはちゃんと持っていかなければ、そんなことを答弁できないんですよ。どうぞ。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 私ども、さまざまな景気対策等を議論する場合の参考といたしましては、従来から世界経済モデルの乗数効果というのを一つの参考としております。  世界経済モデルによります財政支出、特に公共投資によります乗数効果というのは一・二四というような数字になっております。それから、これに対しまして、減税をした場合の乗数は〇・四二というのが初年度の効果というふうになっております。そういう点を考えますと、短期の有効需要の効果という点では従来から公共投資の方が大きいのではないかというふうに考えておるところでございますが、もちろん景気対策の議論はいろいろなことがさらに考えられるというふうに思っております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 建設大臣は今経企庁が答えたことと同じことですか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 私はアバウトでありますから先ほど数字を言わないで言いましたけれども、手元に来ております資料を見ますと、今経企庁において答えましたように、公共投資の一・三二、それに対しまして、所得税減税〇・四六というような、しかもこれは……(発言する者あり)いや、これについては、一年目についてそういう試算が出ておりますが、三年目についてはさらに二・一三対一・二六という形で、むしろ拡大しているでしょう。  ですから、経済企画庁の御判断を信用できないとおっしゃる。亀井静香がアバウトだから私の言うことが信用できないというならわかりますが、経済企画庁もこう言っておるわけですから、私が言っておることが明らかに立証づけられておるというように御理解いただきた。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 その点は、大蔵大臣、同じですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 本件は、経企庁専門官も建設大臣も基調はそんなに違わないのだろうと思いますね。要すれば、景気の見方をどうするかという視点に分かれておるわけで、減税ということを、主管大臣として基本的なことを申し上げますと、減税財源をどうするのか、ここに来ちゃうのですね。特別減税二兆円ということになりますと、このことは健全財政、財政構造改革元年としてスタートを切るということを国民に向けて明示をし、予算編成も行わさせていただきましたから、この点からいいますと、極めてこのことはでき得ないことであり、御辛抱をいただかなければならぬと思う。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 質問に答えてください。大蔵大臣、経企庁の、今局長が答えたことと同じ考えでおられるのですか、建設大臣の答えられたことと同じ考えでおられるのですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 その乗数効果、波及効果の論争は、論争としてマクロで私はとらえておるわけで、主管大臣とすれば、財政構造改革元年にふさわしい予算編成をするためには何が必要なのかということで、四・三兆の赤字公債の削減を断行いたしました、こういうことであります。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 委員長は聞かれたことにしっかり答えるように指示していただきたいと思いますが、私の質問は、公共投資の効果についての議論になりました、建設大臣は、経企庁の局長が答えられたことを、数字はちょっと違いますけれども、大体それに応じた経済モデルに基づいた数字で答えられた、その建設大臣の考えと同じですか、違うのですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 経済官庁は経済企画庁、エコノミスト集団であります。過去の分析、現在の分析、将来への分析を含めて明示をいたしておるわけでありますから、経企庁のただいまの答弁、これをもってベースにする、こういうことです。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 総理、総理も同じですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先ほど経企庁の方から公共投資と減税の乗数効果についての数字を申し上げました。これは私もそのとおりだと考えております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 それじゃ、去年、経企庁は経済白書を出した。この経済白書にはそう書いてないのだ。経済白書では公共投資の刺激効果についてちゃんと分析しているのです。その分析によれば、公共投資を六兆円出したら、その景気刺激効果は五兆円しかないとしか書いてないのです。つまり、乗数効果は〇・八三ぐらいしかない、そう書いてある。どうしてですか、違うじゃないですか。

中名生隆経済企画庁調査局長

○中名生政府委員 お答え申し上げます。今御質問がありましたのは、昨年の経済白書において公共投資の効果を分析したものについてお触れになったというふうに考えております。  昨年の経済白書では、いわゆるバブルが崩壊して以降の、経済が停滞した時期に経済対策として公共投資を追加をした、それがどういう効果を持ったかということを分析しているわけでございます。  その場合に、公共投資が従来に比べて需要を拡大する効果が小さかったということを言っているわけでありますけれども、それは、本来的に公共投資の需要拡大効果、乗数効果が下がったということではなくて、バブルが崩壊した後に企業のバランスシートが非常に悪化をしていたために、ほかの需要を拡大させるという効果が顕在化しにくかったということでありまして、それは景気を下支えする効果は持っていたということを言っているわけでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 政府は、今確認したら、建設大臣も大蔵大臣も総理大臣も、世界経済マクロモデルに基づいた公共投資の乗数効果は、少なくとも一・二三から三年目には二・一三になると言っている。それに基づいて物事を考えていると確認したんですよ、今。  ところが、去年経企庁が出した、これは政府が出したんでしょう、経済白書にそう書いてないんだ。一・二三どころか、私の計算では〇・八三ぐらいですよ。これはどういうことですか。まさに今おっしゃったように、バブルの崩壊があるから乗数効果は効かない、そう書いてある。むしろ世界経済モデル、これは、この欠点は今から言ってもいいですけれどもね。それはどうしてなんですか。これは、私はもう役人と議論したらそう答えたんだから、答えられたら大臣答えてください。経企庁長官ですよ。

麻生太郎自由民主党経済企画庁長官

○麻生国務大臣 公共投資についての波及効果があることは、それはもう委員よく御存じのように、それ自身が需要となって、当たり前の話ですけれども確実に直接成長率を高める効果があることは間違いありませんね。これはまず認めていただかなきゃいかぬところだと思いますね。まずそれが間違いなく出てきましょう。これを認めていただかないと話になりませんので。  次に、乗数効果を通じて民間需要をどれだけ促進するかというのが二つ目の効果だった。両方相まって二つの面から景気に対していい影響を与えるということになっております。これはまあ当然のことだと思っておりますが、その乗数効果が民間に与える部分が、バブルの崩壊時期と言われた去年におきましては、いわゆるその波及効果の及ぶ範囲が極めて低かったと昨年に限っての話を経済白書で出しておるのであって、これは、全体に通じてという話としては、先ほど申し上げた経企庁のとおりだと思っております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 経企庁長官、ちゃんと白書読んでいるんですか。昨年のことだけじゃないです、これは。——どうぞ。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 先ほど経済企画庁が説明した中で、バブルというのがありましたね。これは、簡単に言いますと、例えば建設省が財政支出をして、例えば百億ですね、百億で土地を買収していった場合。ところが、あの白書が書かれたときというのはどんどん土地が下落しているわけですよね。下落していくという形の中で、財政支出したその効果というのが資産デフレというような形の中で、従来は起きてくる波及効果、乗数効果が起きなかったという特殊な事情があったということであって、ノーマルな状態におけるそれとは違うということは明らかでしょう、これは。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 今の答弁は、じゃ、今の日本経済はどういう状況のもとにあるかを全然無視している。今、日本経済への、我々議論しているのはそういうバブルの影響を受けている状態のもとでの経済のことを言っているんでしょう。よその国の話をしているんじゃありませんよ。  それで、もうちょっと言いますが、公共投資を出しますね。その分、例えば五兆円出す。その出したものがだれかの所得になりますね。あるいは、雇用がふえるということが起こるかもしれない。その人たちの所得がふえて、そして消費がふえて設備投資に行ってというのが乗数効果ですね。そして、経企庁長官は、まず出したときに効果あることは確かだろうと言われました、一時的にその数字だけを見れば。  だけれども、経済学というのは、その一つの部分だけを見て議論したってだめなんだ。それを出して、その後にいろんな影響が起こってくるんですよ。公共投資を出して、そしてあるいは金利が上がってくる、あるいは為替レートに影響を与える、あるいは消費性向に、将来の見通しについて影響を与える。それ全部、一次、二次、三次、どこまでの効果もあらわして、全体のマクロとして効果があるかどうかというのを見なきゃ、これは公共投資がどれだけの効果があるということは言えないんですね。  それで、世界マクロモデルということを一生懸命引かれたけれども、世界マクロモデルというのは、これはいろいろ欠点を持っているんですね。まず、基本的に金融面の観点が足らない。これはそういう日本の、世界のマクロモデルもそうだけれども、みんなそうだけれども、いわゆるケインズ理論に基づいてできているから、もともと財政効果があるという理論に基づいてつくった計量モデルだから、財政効果があるように出てくるんですよ。すべてモデルというのはどの理論に基づいてつくられているかを見なきゃ、何も言えないんですね。  だから、そこがあるから、経企庁は経済白書で、実際に見てみたら効果ないと。これは六兆円出して六兆円の効果もないのですよ、五兆円しか。これは、経企庁長官が言ったように最終的に来たら六兆円の効果はないんです。そう書いてある、経企庁は。これはどっちを信じたらいいんですか。

中名生隆経済企画庁調査局長

○中名生政府委員 経済白書を引いての御質問でございますので、担当局長であります私からお答えをさせていただきます。  経済白書で公共投資についての分析をいたしておりますけれども、先ほども申し上げましたように、その中では——公共投資が景気拡大効果を持たないというのは、確かに経済の議論としてそういう議論をされる方がおられます。その場合の議論としては、これは委員よく御承知のとおりでありますけれども、例えば対外バランスの面に漏れていくから公共投資の効果がない、あるいは金利を引き上げることによって需要拡大効果を相殺する、こういう議論があります。それで、昨年の経済白書ではむしろ、そういう効果があっただろうか、為替レートを動かす、あるいは金利に影響を与える、そういうことで公共投資の効果が減殺されるというルートが統計的に検証されるかどうかということを検討いたしまして、その結果、そういう現象は九〇年代に入っても見られないということを言っているわけであります。  したがって、やや繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたように、九〇年代に公共投資を出したものは需要項目としてそれだけの効果は持つわけでありますけれども、従来に比べてほかの需要項目への波及効果が小さかったのは、建設業その他業界での企業のバランスシートが悪かったということで効果があらわれにくかった、しかしながら景気を下支えする効果はあったということを言っているわけでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 最初の方のは、これは別の議論だから別途やります。  結論は、公共投資の景気に対する効果というのは、バブルの崩壊のもとでの日本経済については、それ自体は最初はあるけれども、その後のいろいろな、バブルの後の資産デフレとかあるのでしょう、そういうことを含めて最後に考えると、出したお金ほどはないと……(発言する者あり)そう書いてあるじゃないですか。当時——だって、去年の経済白書ですよ。それなら、それを否定するんですか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 どうも議論がかみ合わないといいますか、何か思い込みを前提にして私はおっしゃっているような気がしてしようがない。批判するわけじゃありませんけれどもね。  経済についての経済企画庁の見通しについてもですよ、皆さん、去年の段階とことしの段階では見通しが相当変わってきているわけですよ、今、御承知のように経済自体が。そういう中で、公共投資の波及効果、乗数効果もこれは変わってくるのは当然のお話でありまして、バブルが崩壊したときは、先ほどもちょっと言いましたけれども、財政出動をいたしまして、例えば道路をつける、そういうようなことをやりましても、その地域がそれによって例えば再開発をどんどんされていくという力があるかというと、バブル崩壊の直後においてはなかったのですよ。だから、その時点では確かに公共投資が普通言われておるような乗数効果も発揮しなかったということは事実であろう。  ところが、去年からことしにかけて緩やかな回復基調ということの中で、御承知のように設備投資も今ふえてきておりますし、地価にいたしましても、一時のように底なしのような形で暴落をしていくのではないかなという、そうした雰囲気では今なくなってきた、この間の汐留の跡地の入札等にもあらわれておりますけれども。  そういう中で、経済が着実に今、回復基調に乗っておる中においては、公共投資がこれに対して下支えといいますかプラスの効果を持つというのは、私はだれが考えても当たり前だと思いますよ。なぜ委員がそこまで公共投資は意味がないのだというようなことを主張されるのか、どうもその意図が私は理解できません。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 経済的な議論というのは、データと事実に基づいて議論しないとかみ合わないのですね。もちろん、現在の、今を見ることはなかなか難しいですから、それはある程度類推しなければいけないところはありますが、しかし、そういう議論というのはできるだけ直近のところで見て、そこに出てきているデータで議論しなければかみ合わないじゃないですか。その意味からいいますと、建設大臣、変わったと言いますが、では、あなたが引用された世界経済モデルというのは一体いつまでのものだと思っているのですか。これは八三年から九二年までですよ。こんなところの、バブルのことなんか全然入っていない数値を使って、それで議論しているのですよ。よっぽどおかしいじゃないですか。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 おかしいとまで言われますとまた私は反論したくなるわけでありますけれども、先ほど申し上げたことと繰り返しになりますけれども、経済の基調が変わってきておるということを前提にされない議論というのは私はおかしいと思いますよ。  また、どの程度の乗数効果があるか、波及効果があるかということは、アメリカと日本とイギリスあるいは東南アジア、それぞれ国の置かれた状況においてもこれが違ってくるのは当然の話であります。そういう意味では、万国共通のそうした精緻な数値というのがあるはずはありません。ただ、そうした数値が、どの国におけるそうした検討においても公共投資というのが一定のそうした乗数効果、波及効果を持つということは明らかであり、また、減税の効果というのはそれに比べて劣るということも万国のいろいろな機関が出しておる数値でありますから。  そして当面、じゃ今どの程度の乗数効果があるか、波及効果があるかということを現時点でやれとおっしゃると、先ほども私申し上げましたように、各事業分野ごとを含めましてこれは本当は膨大な調査機関を総動員してやらなければ、精緻な数字は私は出てこないと思います。しかし、先ほど言いましたように、常識があるんですよ。常識的な判断、しかも現在の経済の基調を考えた場合、公共投資というのが有用であるというのを判断するのは当たり前じゃありませんか。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 思い込みをしているのは大臣の方で、そんなの説得力を持たないのですよ。私は、データに基づいて、あるいは政府が書いた、はっきり示したことに基づいて議論している。  経済の見通しがよくなってきた、それは後でじっくりやります。今はどういう経済の状況かについては、これは認識が一致しないと次の議論ができないから、ゆっくりやりますよ。私は決していいと思わない。  だけれども、公共投資をやれば必ずよくなる、これは明らかだ、そんなことわからない。わからないことは経企庁がちゃんと政府の責任において経済白書で出しているじゃないですか。これはどっちをとるんですか、それをはっきり示してください。統一見解を出してください。

麻生太郎自由民主党経済企画庁長官

○麻生国務大臣 先ほどのと少々繰り返しになるかもしれませんが、何度も亀井先生との、理論の違いというのに関して、いろいろ御見解も違うんだとは思いますが、基本的には、公共投資を出せばそれ自身が需要となって直接成長率をある程度引き上げることは、これは間違いないと思いますね。ここのところは、波及効果がどうとかいろいろ御意見がありますが、違うと思っております。それがまず第一です。  それから、乗数効果を通じて民間を刺激するという面、いわゆる間接的に刺激するという面も昔から言われているところですが、その数値が、先ほどの経済白書でいくと、四、五、六のころのいわゆる経済成長率が〇・何%台と言われた時代にはその乗数効果が少なくくそしてその分はいわゆる景気の下支えになったという点は、今までに比べれば少なくなったという点だとは思いますけれども、しかし平成七年度になって経済成長率が二%台に上がってきた、間違いなく二・四%。今年度も、民間の予測では一・何%でしたけれども、経企庁は二・五%と申し上げて、多分この三月には二・五%になると思いますけれども、そういうような状況になってきているときと〇・何%台のときとは乗数効果にある程度数字の違いが出てくるのは、これはやむを得ぬところだと思っております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 二つの点でおかしいのです。  一つは、乗数効果というのは、公共投資をしたときのその分の刺激効果をいうんじゃないんですよ。そのことによって起こる、経済の分野で起こるいろいろな効果が出てくる。それ全体を全部見て、そして最初に十兆円なら十兆円の公共投資を出した、それに対して最終的に経済に対しては何兆円の影響がありましたかと、それを比較して議論するのが乗数効果なんですよ。最初に出したやつが別で、その後のものが乗数効果じゃないんだ。これは、乗数効果を理解しておられないんじゃないかというふうに思います。それが一つ。  それから、経済成長率が、状況が変わったから乗数効果が変わったという主張をされるんなら、その証拠を示してください。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 証拠を示せと言われても、犯罪捜査の証拠のように確たる、こうやるわけじゃありませんから、そういうことは、あなたが政府の立場だってできるはずないです。それは、経済のいろんな調査にしても、サンプル調査等を含めていろんなそういう、自由主義経済のもとにおいては、そういう調査が経済の実態をどう押さえるかということは、それは簡単なようで非常に難しい話だということは、あなた御承知の上で言っておられると思いますが。  今経済企画庁長官もおっしゃいましたように、ことしは二・五%、ことしは一・九という、そうした確実な景気回復への足取りを始めておるこのときにおける公共投資の乗数効果と、数年前からの、バブルが崩壊をした後のゼロ成長に近い低成長時代における、しかも土地が全然動かないというような状況におけみあの公共投資の乗数効果というのは違ってくるのは当たり前め話であり、我々は今、今日この時点における経済の実態を見て、間違いなくこれは乗数効果が数年前より比べてあるというように判断をしておるわけでありまして、委員がそうじゃないとおっしゃいましても、それをとるわけにはいきません。  だって、そうでしょう。道路をつける、あるいは橋をかける、あるいは新幹線ができる、それによってその地域の経済が上向きになっているときには、どんどんと再開発を含めて開発をされていくという、まさに乗数効果が起きてくるわけですね。それが、現在ではそういう可能性も出てきているわけですよ。それは数年前はなかった。この決定的な違いを外しておいて、何か去年ですか、あの経済白書だけを盾にとって乗数効果がないとあなたが主張されるのは、これは私は理解できません。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 そういう言葉だけで言っていたって議論にならないから、私はデータに基づいて議論しているんだ。(亀井国務大臣「出してください」と呼ぶ)出しているじゃないですか。(亀井国務大臣「出しなさいよ」と呼ぶ)だから、私は、経企庁が最新に公式に出しているのはこの経済白書なんだ。ところが、大臣に最初にずらっとお聞きしたら、それは公共投資の乗数効果だ、世界経済モデルに基づく乗数効果で考えていますよと答弁されたんですよ。そしてそういうことが総理、大蔵大臣、建設大臣、皆さんそうだということなら、恐らくその考えに基づいて補正予算、本予算の編成がなされているはずですね。  ところが、それに対して、同じ政府の公式の白書である、我々が今手に入れることができるのはこの世界経済モデルの数字と経済白書しかありませんよ、これで我々は判断するしかない。しかし、その判断で、最も直近の分析ではこの数字しかないんです。もしこれが違うというなら、違う証拠を出してもらわなければ説得力がありません。一体どっちに基づいて議論し、そして、もし今日景気が上向いてきたから乗数効果は変わっているというのであれば、その正確な証拠を出してください。どっちなんだか、統一見解とその証拠を出してもらわなきゃ議論できません。

中名生隆経済企画庁調査局長

○中名生政府委員 やや繰り返しになりますが、もう一度御説明をさせていただきます。  昨年の経済白書は、昨年の夏に閣議に報告をして発表したものでございます。委員よく御承知のとおり、統計データというのは発表がどうしてもずれますから、そこで主に分析の対象としているものは、おおむね一九九五年度までのデータをもとに分析をしているわけであります。そこの分析の主眼というのは、先ほども申し上げましたが、九〇年代に入ってからの長い時期の景気の停滞というのがどういうふうにして起こったのか、それを分析するということでやっているわけで、必ずしもその時点の足元ということではございません。  そういう結果、先ほども申し上げましたが、公共投資の乗数効果がなくなったということではなくて、その時期においてはそれが顕在化する、発現をするという程度が小さかったということを申し上げているわけでございます。  したがって、その後、例えばおととしの秋にとりました約十四兆円の経済対策、それがどういう効果があったか、これはもちろん統計的にはまだデータ分析、モデル分析をするだけのデータがそろっていないわけでありますけれども、出ている経済指標から見ますと、昨年の一−三月に公共投資が非常に大きく伸びまして、その結果年率九%近い成長を実現した。さらにその後、設備投資の増加あるいは在庫調整の進展というような形で経済に好影響をもたらしているということは、いろいろなデータから見て明らかだろうというふうに考えているわけでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 幾らでも反論できるんですよ。昨年の一−三月が伸びた、これは公共投資だけの影響だと思っているのですか。私はそうじゃないと思う。低金利ですよ、金融政策。これは経企庁だって勉強しているからわかっているでしょう。最近の経済理論ではニューケインジアンというのが出てきて、もう公共投資、そういう財政政策で景気対策というのは効かない、金融政策だ。これは為替レートが自由に動くからそこで影響してしまうんです。そのことを抜きにしてこの議論はできない。これは後からやります。  まず、この予算案を議論するときの大前提である政府の予算についての考え方、公共投資が一体どれだけの景気刺激効果があるのか、このことについて政府のはっきりした統一見解がなければ議論できないじゃないですか。最初に私がお聞きしたときに、皆さん方は、乗数効果は一・二四あるいは三年目には二・一三、そうおっしゃったのです。それに基づいて予算編成しているんでしょう。そう言明したじゃないですか。そうしておいて、私が政府の公式見解である経済白書でそんなこと書いてないと言ったら、それはそのときの話で、それでまた、今度はちょっと変わってきた。  一体どういう公共投資の景気に与える効果をもってこの予算編成がなされているのか。世界経済モデルに基づく乗数効果で考えていると最初答弁されたけれども、それでやっているのですか。そのところについて統一見解を出してくださいよ。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 ちょっと委員、申し上げますが、私が答弁申し上げたことを正確に踏まえて再質問してもらいたいと私は思うのですね。乗数効果の問題にしたって、私は最初申し上げたでしょう。現在の経済情勢下におけるそういう精緻な数字は私は持っていないということは最初から申し上げたでしょう。  ただ、世界の各国のいろいろな調査機関その他が一般的に公共投資の乗数効果と減税の乗数効果について出しているものが手元に来ていたからということで私はあなたにお示しをしたわけであって、現時点で政府がそうしたものを各事業分野について全部持った上で予算編成をしろと言ったって、それは先ほども申し上げましたように、調査に相当な時間とあれを要する話でありますから。政治というのは、もちろんそういう数字的根拠も求めなければいけませんが、過去のそうした経験と未来への先見性、これに基づいてやはり政治というのはやっていくわけであります。  だから、その点、あなたのおっしゃるような現時点の精緻な、そうした乗数効果を前提にしない予算編成というのはおかしいという御判断だったら、それじゃ細川政権はあのときそういう予算編成をされたのですか、私がお聞きしますけれども。(発言する者あり)いや、聞いている、聞いていないは関係ない。だから、そういう意味で、私も答弁するのですから、あなたもそういう点はきっちりと踏まえた質問をしていっていただきたい。  何度も申し上げますように、今経済の基調は確実に回復に緩やかながら上ってきている。そういう状況の中で、それがさらに公共投資によってどの程度加速されていくかいかないか。しかし、全体の財政事情があります。財政再建という大きな枠の中でやっておるわけでありますから、私どもとしては、一・三%の伸びじゃなくて、もっと必要だというふうに判断しているわけですが、それは全体の中で一・三%の伸びにとどめておるわけでありまして、我々はそれ以上の要求を財政当局にしなかったわけではありません。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 全く関係のない話ばかり答えられても困るのです。  いいですか、最初そう大臣は言われた。我々の減税案について批判された。投資の方が乗数効果が大きいと言われたから、そこで、それじゃそう言われた以上はそれを示してくださいと言われたら、しかし、それは精緻な数字は持っていない。しかしその後、経企庁の局長が答えられて、その後私は確認したのです。あなたはその経企庁の局長の答えられた数字でいいのですかと言われて、その数字を、ちょっと細かい数字は違いましたが、大体似たようなそれではっきり答えられたじゃないですか。そういうふうに予算編成がなされると総理も大蔵大臣も建設大臣も答えられたのですよ。ところが、経済白書ではそうじゃないと私が示したら、今度は全然、これは昔の話で、今は変わりましたよと。一体何がもとになってこの予算編成が行われたかわからないじゃないですか。統一見解を出してくださいよ。出すまでは次に進めませんよ。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 お答えをいたします。  先ほど申し上げましたように、世界経済モデルでの乗数は、公共投資の方が一を超えているような数字になっておる、それから減税については〇・四というような数字になっておる。初年度についてはそういう数字であるというふうに見ております。  先ほど経済白書の分析を御引用いただきましたけれども、経済白書で述べておりますのは、公共投資の乗数効果がなくなったとかそういうことではなくて、その時期に、バブル崩壊後のいわば調整過程にありますものですから、民間需要の調整によって、結局、波及効果の部分が経済全体の中で十分発現しなかったということを述べているんだと思っております。  したがいまして、全体として、最初申し上げましたような公共投資の持つ乗数効果は基本的にはそのまま、現状維持されているというふうに思っておりますし、それがどういう形で実際発現されるかというのはまさしく、建設大臣もお答えになっておられますけれども、そのときの経済情勢によって発現の姿は違ってくるかもしれませんけれども、経済の動きとしては、当時のバブル崩壊後の調整過程とは、全体として、回復基調という点で違ってきている。したがって、申し上げたような、元来持っている公共投資の経済に与える効果というのが経済全体に及ぶということは期待できるというふうに考えております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 納得できませんね。世界経済モデルに基づいた乗数効果で予算編成しているとはっきり答えられた。それに対して経済白書では、公共投資をやっても、それは公共投資をやった分——経済白書では最終的な効果はそれよりも落ちているんだけれども、そう言っているのです。(発言する者あり)矛盾するじゃないですか。  つまり、公共投資は経済モデルが言っているような効果があるという前提に基づいて予算編成をしたとはっきり言われた。ところが、この経済白書では公共投資はそういう効果にはならないと。  これは一体どう考えたらいいのですか。この予算編成の一番基本的な考えですよ、これは。これをはっきりしなければ議論できないですよ。

麻生太郎自由民主党経済企画庁長官

○麻生国務大臣 よく読んでいただいたらわかると思いますが、波及効果が落ちているのではなくて、波及効果が相殺されたと書いてあると思いますが。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 これは計算するとすぐわかるのです。GDPに対するシェアが八%、それで公共投資が一五%伸びた。これは八掛ける一五で一・二ですね。そして、出てきた影響というのはGDPに対する一%程度。つまり一・二出して一しかない。これは乗数効果が落ちたということを言っているのですよ。それを、最初に出したところはその分だけあるから効果ありますよと言うのは、これは経済学の議論じゃない。  それは一体どこを信じて議論したらいいのですか。政府の世界マクロモデルで言ったことと経済白書で言ったことは明らかに食い違っている。どっちなんですか。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 我が国経済全体としては市場経済で動いているわけでございますので、今おっしゃった経済対策の効果等、結果として最後に出てきます毎年度の成長率を対比をして乗数効果という御議論をしていただくところは不適当な部分があろうかと思います。  先ほど申し上げましたように、バブル崩壊後の調整過程では民間設備投資その他が自律的に調整過程に入っておりましたものですから、その部分、一方では経済対策の、いわば公共投資の波及効果が出た部分が民間需要自身の自律的な調整過程で相殺されている、そういうことを経済白書で述べているものだというふうに考えております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 公共投資、出したものがバブルの影響で相殺された。それ全体を示して、十出したものが最終的に幾らになるかと見なきゃ乗数効果というのは言えないんじゃないですか。それが経済における乗数効果なんですよ。  じゃ、バブルの崩壊が今なくなって、そういう心配が全くなくなった、この半年間で。そういうふうに言わなければ、そして、かつての世界マクロモデルに戻った、そういうことを政府は言っているんですか。どっちなんです。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 先ほど来、前提の置き方がちょっとちぐはぐになっていますね。乗数効果は、御案内のとおり、現ベースにプラスオンをした場合の計算が乗数効果ということなんですね。これは、経済原論の一般論であります。  そういうことでありますと、本年度、九年度予算編成の基本は、御案内のとおり、政府経済見通しに基づいてやるわけですね。あなたも大蔵省におられて御勉強をされたエリートですからおわかりのとおり、経済見通しは、国民所得を中心に経済全般の指数を駆使してつくり上げる政府の権威ある経済見通し、一・九というこの成長を見込んで予算編成が行われておることを山本議員はよくおわかりでやられているし、マクロの乗数効果が公共事業の波及効果ということでやられておりますが、乗数効果は、まさに前年度対比でこれに数兆円上乗せしましたね。その場合が乗数効果になるわけでして、同じベースであればベースは同じ。  ですから、一・九%の国民経済の成長率の見通しで予算編成を行っておるということで割り切って、そこで議論をしていただきますと議論は前に進むと思いますよ。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 何の議論をしているか、全く混乱していると思いますけれども……(発言する者あり)

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 お静かにお願いします。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 乗数効果というのは、公共投資を例えば十兆円出したらGDPにどれだけ影響を与えるか、その比率なんですよ。それでいくと効果なかった、経済白書に書いているじゃないですか。だって、六兆円出してGDPに与える影響は五兆円しかないと書いてある。  これ、乗数効果、大蔵大臣の乗数効果の定義というのは全くよくわかりませんでしたけれども、公共投資を十兆円出したらGDPにどれだけ影響を与えるか、公共投資に対して何倍の影響を与えるか、それが乗数効果でしょう。これは基本じゃないですか。

中名生隆経済企画庁調査局長

○中名生政府委員 お答え申し上げます。  公共投資の乗数効果が時間を追ってどういうふうに変わっているかということでございますけれども、これは、既にお答えしましたように、一九九二年までの十年間のデータを用いた世界経済モデルによる乗数効果というのは、先ほど申し上げたような数字でございます。  それから、委員が御質問になりました昨年の経済白書で公共投資の波及を分析しているところにつきましては、これは九〇年代に入りまして、データ的にいいますと九五年ごろまでと申し上げましたけれども、そういう時期のいわば異常な状態での話ということでございます。  それから、最近時点ということになりますと、これは後ほどまた御質問があるのかもしれませんけれども、景気が緩やかに回復してきているということでまた局面が変わっておりまして、これはデータ的には、委員御承知のとおり、まだ計数をはじくという状況ではございませんけれども、いろいろな状況からもとのところに乗数効果は戻ってきている、おおむねそういうことで考えてよろしいというふうに考えております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 これは重大発言ですよ。いいですか。九二年までのデータに基づいた乗数効果は、これは世界経済モデルをもとにした効果で、それで今回の予算編成はなされていると総理や大蔵大臣、建設大臣は言明されました。ところが、これよりも最近の、最も新しい経済白書の分析によれば、そんなどころじゃない、六兆円出しても六兆円分の効果もない、五兆円しかない、そう分析している。これは明らかに、乗数効果は一よりも下がったということを言っているんです。それに対して、そういう指摘をしたら、今度はこの半年間で事態はまたもとに戻って、この世界経済モデルの状況に戻ったと言明されましたね。これはしっかり証明してくださいよ。  去年の経済白書のときまではこんなことを書いておいて、この半年間にまたここに戻りましたと、世界経済モデルの状況に。これは、政府の方で挙証責任がある。それをはっきりしなきゃ、それ以上できないですよ。

中名生隆経済企画庁調査局長

○中名生政府委員 お答え申し上げます。  たびたび申し上げておりますけれども、経済白書で言っておりますのは、乗数効果がなくなったということを言っているわけではございませんで、その特定の時期に限ってはそういう効果が顕在化をしなかったということを申し上げているわけでございます。  それからもう一つ、それでは、最近のところで戻っているというのはどういうふうに証明するかという御質問がございましたけれども、これは、委員よく御承知のとおり、例えば世界経済モデルというようなものを使って乗数をはじくという場合には、どうしても、そのモデルに入れるべきデータがそろわないとそういう計算ができませんので、そういう意味では、そこまでのところはまだ計算ができていないということは先ほど申し上げたとおりでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 冗談じゃない。さっきは、はっきり戻っていると言われたんですよ。そして、追及されると今度は、データがそろっていない。何ですか、これ。こんな無責任な答弁ばかり操り返していたら、審議できませんよ、それならもう。

中名生隆経済企画庁調査局長

○中名生政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、いろんな状況から考えておおむね前の数字に戻っているのではないかということを申し上げたのでありまして、そこは、現在新しいモデルで計算ができていないということですから、数値をもってお示しすることが難しいというふうに申し上げたわけでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 私は余り、言葉だけで、言いがかりで議論したくないんです。経済問題だから、理論と論理とデータに基づいて議論したいんです。そうじゃないと本当の議論できないから。これが政策論争でしょう。その意味では、私は誠実に、政府から出されたデータに基づいて、そして経済理論に基づいて議論しているんです。  ところが、何ですか、さっき言明したんですよ。今は経済白書の半年前の状況と違って、この世界経済モデルで描いたようなところに基づくデータに沿ったような状況に戻っている。つまり、乗数効果は戻っている。そうしたら今度は、データがそろっていないからそうではないかと思ったと。何ですか、これ。この世界経済モデルというのは八三年から九二年ですから、最大のバブルのときを前提にしているんですよ。バブルそのものを含んでいる。その大半はバブルのときの状況に基づいた乗数効果なんです。それが、現状で、この半年でそういう状況に戻っていると政府は判断したんですか。これは大問題ですよ。一体どうなんですか。はっきり統一見解を示してください。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 世界経済モデルの推定は、まさしく先生御指摘のように、九二年までのデータでやっております。九二年までのデータで世界経済モデルの推定をやっておりますが、バブルについては、それが財政政策の影響でそういうことが生じたというふうには一般にはとられておりませんので、先ほどから御説明いたしておりますような公共投資の乗数あるいは減税の乗数等にそういうものが反映しているというふうにはなかなか考えにくいというふうに思っております。  それに加えまして、それから、バブル崩壊後の調整過程というものについて、乗数効果が落ちたという表現を使われる場合があるわけでございますけれども、再々申し上げておりますように、その過程では、ほかのいわば民間需要自身の自律的な調整があったために、いわば公共投資、経済政策の効果、波及効果の部分が十分経済全体にあらわれなかった。言いかえればほかの分野のマイナス効果で相殺された、こういうふうに理解をしているところでございます。最近になりまして、景気が回復過程に入ってまいりましたので、その相殺する力が弱くなってきている。そういう意味では、仮に公共投資の乗数というような御議論をいただくときには、そういうものがバブル崩壊後の調整過程に比べますとあらわれやすいというふうに考えているところでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 バブルのときに財政政策が全然影響なかった、これは非常にまた問題のあるところなんですね。だけれども、これをやっていたら時間がないから言いませんが。  そのときの、八三年から九二年のときの経済の状況と九〇年以降の状況は明らかに違う。それがこの半年間に戻っているという判断をしているのですね。もしそうするんだったら、どこでどういうふうにもとに戻っているということを説明してくださいよ。証明しなければ納得できないじゃないですか。  私は、政府が出したデータはこれしかないから、これに基づいて議論しているのです。それじゃだめだ、もとに戻っているというんだったらその証明をしてくださいと言ったら、データがないと言っているじゃないですか。データがそろっていなくて、今度はそうじゃないかと思いますと。  こんないいかげんなことでは、この予算編成が一体、基本的な、予算編成をやるときに景気に対してどういう効果を持つかとか、あるいはそのほかの必要なことを満たすとか、いろいろなことを考えなければいけない。しかし、少なくとも私は今マクロ経済の話としてやっているんだから、どこを基本にして、どの公共投資が与える影響について政府は考えているとしてこの予算編成をやっているのか、これがはっきりしなきゃこの予算の議論なんてできないのです。その最も基本であるところが、ああでもないこうでもないと言って全然はっきりしない。私がこのデータを、データで議論しなきゃ議論はかみ合わないから私はこれでやっているんだ。  それについて違うと言うんなら、それをはっきり説明する、証明する責任は政府にある。もとのこの世界マクロモデルで言っているような乗数効果でいっていると最初に言明されたんですから、それをはっきり証明してくださいよ。そういう考えでやっていますと今後とも一貫して言うんだ、そうならばそういう統一見解出してくださいよ。それが出ない限り、ああでもないこうでもないと言ってもできませんよ。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、経済白書で分析の対象としている期間というのはバブル崩壊後の調整過程でございます。この過程では、設備投資を中心に民間需要の自律的な調整がありまして、設備投資が大きく落ち込んだわけでございます。したがいまして、そういう時期でございますので、公共投資の乗数効果と言われているもの、実際に波及効果が最後の結果としての成長率その他にあらわれる形にならずに、マイナス効果によって相殺されたというふうに考えております。  それに対しまして、平成七年度から経済成長率は二・四%、今年度二・五%程度と、これは民間機関の実績見込みも平均ではそうなっておりますが、二%台に戻ってきております。そういう意味で、バブル崩壊後の調整過程に比べますと、公共投資の乗数効果、足を引っ張るものがほかになくなってきていることによってあらわれやすくなってきているのではないかというふうに判断をしております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 もうそういう状況の説明とか、そんなことを聞いたってしようがない。政府がこの予算編成について最も基本として考えている公共投資の経済に与える影響についてはこういう統一見解ですと。最初に言った、この世界経済モデルに戻ると確認するのか、それとも経済白書で言った、落ちたそこを考えるのか。もしこれが今変わったと言うんなら、その変わったという証明をつけた上でこの世界経済モデルに戻りましたということを説明してくださいよ。そのことについて統一見解を出してくださいよ。  委員長、それを要求します。それまで、もうそれ以上続けられません。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 当初から何度も委員に申し上げておりますけれども、乗数効果については、そのときの経済情勢含めてあらゆる状況下においてこれは違ってくることは当たり前の話でありまして、経済白書にそうした公共投資について効果が薄くなっておるという、それは当時の状況であります。ところが、その後、経済成長率を見ましてもその他の経済指標を見ましても、当時とは大きく変わってきているわけです。そうであれば、先ほども申し上げましたように、私あるいは経済企画庁等が申し上げましたそうした数値に近づいてきておるんではないか、そうした今判断をしておるところで、当たり前の判断だと私は思います。どこが問題なんでしょうか。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 先ほど申し上げましたことの繰り返しになりますけれども、バブル崩壊後の調整過程では設備投資がマイナスになっておりまして、これは財政政策の影響ではなくて、まさしく自律的な民間設備投資の調整でございます。これに対しまして、製造業を中心に設備投資はもう既に増加になってきております。来年度につきましても増加は見込まれているところでございますので、そういう意味で、いわば公共投資の波及効果を御議論いただく際に、これまでのマイナス効果、足を引っ張るものがなくなってきているという意味で、全体として、従来一般的に考えられております公共投資の乗数効果があらわれてきている、あらわれてきやすくなっているというふうに判断をしているところでございます。  個別の、民間需要のデータにつきましては、別途お届けさせていただきます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 資料について、後刻提出するというただいま発言がございましたが、それを前提として、山本幸三君、発言を続けてください。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 これはこの予算審議の最も基本なんです。これは、政府の統一見解がはっきりわからなければ、我々はどういう考えでこの予算を見たらいいかわからないじゃないですか。  じゃ、あれですか、統一見解は、世界経済モデルに基づく乗数効果、一番最初に答えられた、これで予算編成やっている、そういうことでいいんですか、大蔵大臣。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 山本議員は、経済分析と予算編成というこの二つの命題を先ほど交互に言われておりますが、基本的に、今も言われたとおり、予算編成の基本、これは何かということに集約されるわけですよね。よろしいですね、それで。  そのように何回も言われておりますから、予算編成の基本は何かということでありますと、政府予算編成は経済見通しが基本になります。これは連綿として続いたあの正確な予算編成をするための手法であります。  経済企画庁、大蔵省、通産省、ありとあらゆる資料を駆使をいたしまして経済の成長率を明示をするところから、八月概算要求を取りまとめたものを、既に査定が相当程度進んでおりますけれども、十二月内に編成をすることで、常会にこれを提出するということでやりてまいりました。ちなみに、平成九年度の予算編成の政府経済見通しは一・九%であります。この一・九%をベースに、税収の見積もり、そして国債費を除き、税収に見合う歳出を計上する、こういうことになって、本予算委員会開会以来申し上げてきておるところであります。  くどいようでありますが、一・九%という経済見通し、政府がこれを決定をし、これを基本として予算編成が行われておるわけであります。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 経済見通しが基本だと言うのですが、じゃ経済見通しはどうしてできるのですか。経済見通しができるためには、その次の年の政府固定資本形成が幾らになるかとか、そういうことがなければ経済見通しなんかできませんよ。何言っているんですか。だから、そういう見通しをした上で、そして、そのときの乗数効果はどうなるだろうかということがなければ経済見通しなんか立たないのですよ。逆ですよ。  だから、その経済見通しをつくるもとになる政府固定資本形成を前提に置いた上で、それがGDPにどれだけの影響を与えるかということが大きな要素なんです。それがなければできない。だから、経済見通しが基本じゃなくて、そのもとになる政府固定資本形成がGDPにどれだけ影響を与えるかという乗数効果というものをどこで見ているかということがはっきりしなければ、こんなのはできないのです。逆です。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 政府経済見通しの作成に当たりましては、全体といたしましての経済状況を踏まえまして、翌年度の民間経済の姿がどうなるか、また予算の基本的な編成方針がどうなるかということを踏まえまして、閣議了解という形で予算編成の前提とするところでございます。さらに、予算編成、予算が確定しました段階で、精査をした上で閣議決定をしてお出しをしているところでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 だから、経企庁長官もそう言っているじゃないですか。大蔵大臣、そうじゃないのですか。  将来の、来年の固定資本形成が、それは最終的には予算が確定しないと数字は出ませんけれどもね、きっちりした。だけれども、そのもとになる政府固定資本形成はこの程度になるだろう。しかし、その効果がGDPにどれだけ影響を与えるかというところの基本がなければ経済見通しなんかできないのですよ。大臣は、経済見通しがまず基本で、それからいろいろ出てくるんだと言われたけれども、そうじゃないのです。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 説明が不十分で失礼をいたしました。  政府経済見通しにつきましては、予算編成の前段で、全体の姿として民間需要を中心に閣議了解をいたしまして、それを前提にして予算編成が行われる。それを踏まえまして、政府部門の数字が確定しました段階で、それも含めまして全体として閣議決定をする、こういう手順になっているというふうに御了解いただきたいと存じます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 そんな手順なんか聞いているんじゃない。いいですか、政府が公共投資、国民所得統計では固定資本形成、それをやったときにどれだけGDPに与えるかということについての乗数効果というものをちゃんと持っておかなければ、こんな経済見通しなんかできないのです。これがなぜ重要かというと、この予算編成の最大の基本ですよ。  それから同時に、これははっきりとした政府の統一見解がなければほかの議論ができない。このことによって、ほかの議論が全部変わってくる。例えば、公共投資基本計画六百三十兆円、これが乗数効果を幾ら見るかによってどうするかということになるのですよ。(発言する者あり)そうですよ。何のために公共投資基本計画をつくってやるのですか。だから、そういうことについての基本がはっきりしなければ、これは議論できないのですよ。  だから、この世界経済モデルの乗数効果でいくとはっきり大蔵大臣は言明して、これはサミットでもそう言うのですか、G7でもそう言うのですか。これは、もしそれを信じているなら、アメリカからもっと公共投資ふやせと言われるかもしれませんよ。それがもし違うというなら、アメリカに対して、こんなもの、六百三十兆円に拘泥することないという議論もちゃんとできるかもしれません。  だから、これを政府は、この世界経済モデルの言っている乗数効果でこの予算編成も全部考え、そして公共投資基本計画についても、そのほかのことも、これから考えるすべてのことはこれで全部やるという統一見解なのですか。それならそれで後を議論しますよ。どうですか。政府の予算編成の最大の基本ですから。大臣。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 お答えをいたします。  世界経済モデルで試算をしております公共投資の乗数効果あるいは減税の乗数効果、細かい数字は別にしまして、基本的な傾向については大体関係省庁の間では共通の理解があるというふうに思っております。そういうことでこれまでも経済対策その他の議論をしてきているつもりでございます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 政府の予算編成における最も基本的な考えを経企庁の局長が述べる。それで、大蔵大臣もこの世界経済モデルの乗数効果ですべてを考え、今後もそれでいくんだと言明されるのですね。(発言する者あり)

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 御静粛にお願いします。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 それはあなたが冒頭、見通しとして建設大臣に言われたこと、基本論にどうですかと言いますから、それはそのとおりですよ、こう言っただけのことなんですよ。  ですから、最大のポイントは、あなたが言われるのは予算編成の基本はと、主管大臣としてやりますことは、直前に出る経済見通し、ぎりぎりいっぱいのところでいつも政府は出すわけです、それを受けて内示をして、予算編成がスタートすることは御案内のとおり。ですから、予算編成の基本方針は、経済見通しに基づいて全体を展望し、財政構造改革元年にふさわしいものをつくり上げていこう、こういうことでやったわけでございまして、基本は何だと言うから、それは一・九という経済見通しに基づいてやりましたと。  そのベースは、エコノミスト集団である経企庁が全部積み上げた形の中で出てくるのが政府経済見通しでありますことは議員各位も御案内のとおり。それを受けて、内示前日に行われる経済見通しを基本として予算編成を行い、国民生活に寄与する、また財政構造改革に寄与する予算編成に当たったということであります。あなたが基本方針は何だと言えば、この一点に尽きるのです。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 予算編成の最大の責任者である大蔵大臣が、そのつくった予算が経済にどういう影響を与えるかということについてはっきりした見通しがなくて私は予算編成はできないと思うのですね。この予算が経済にどれだけの影響を与えるか、そういうことがあるから成長率も一・九%いくという自信を持って編成しましたということが言えるのでしょう。そうであれば、この予算がどれだけGDPに対して影響を与えるかということについてのはっきりした考えを持っていなければ、こんな予算編成なんかできないですよ。それは、その部分はおれの知ったことじゃない、これは見通しですよと。  もしそういうことでなければ、この予算が経済に与える影響ということについて、その決定的なポイントは公共投資が乗数効果をどれだけ持つかということ、それはこの世界経済モデルの乗数効果で意思統一しているのですかと聞いている。それで、していると答えられるのですか、大蔵大臣。

土志田征一経済企画庁調整局長

○土志田政府委員 お答えをいたします。  先ほども申し上げましたけれども、政府部内におきましては、基本的には世界経済モデルに示しておりますようなそういう性格の効果ということを、全体といたしまして、経済対策をする場合の議論その他に利用しているわけでございます。  予算編成の場合も当然そういうことが基本にはあるわけでございますけれども、これは御承知のとおり、乗数効果というのは、これはもう先生に申し上げるのは失礼かもしれませんけれども、限界的に一%あるいは一千億ふやした場合の効果でございます。そういう限界的なものとして考えながら議論が進んでいるというふうに考えております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 大蔵大臣、確認してください。その乗数効果はこの世界経済モデルで言っている乗数効果で考えて、その統一見解でこの予算編成はやったんだ、それから、今後も公共投資基本計画とかそういうものをいろいろと考えるときもそれでやるんだ、そういうことでいいですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 ただいま経企庁長官、また関係局長お二人からこもごも答弁したことに尽きます。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 わかりました。それじゃ、これからこの予算はこの世界経済モデルが示したこの乗数効果をもとにすべてを考える、そういうことでいいですね。

麻生太郎自由民主党経済企画庁長官

○麻生国務大臣 第五次世界経済モデルも予算をつくるときの一つの参考の資料にしたということで、それですべてではありません。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 大蔵大臣はこれだと答えたじゃないですか。それがすべてじゃないのですから、じゃ何ですか。その統一見解を出してください。

麻生太郎自由民主党経済企画庁長官

○麻生国務大臣 それも参考の一つでありまして、景気予測につきましてはそれだけですべてが出てくるわけではありませんのは御存じのとおりですから、その他いろいろなものを含めて申し上げた。先ほど土志田が申し上げたとおりだと思いますが。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 この政府固定資本形成がどれだけ影響を与えるかということについての基本的な考えがなければ、予算の議論も公共投資基本計画、そういう議論もできないのですよ。そうしたら大蔵大臣は、さっきは、それでいいですねと答えられた。ところが今度は、経企庁長官は、これは一つの参考で、いろいろ違いますと……。  これは一体どう理解したらいいのですか。この基本がなければ、——一番最初に確認したらそう答えられたらいいじゃないですか。これがはっきりしなければ、今回の予算がどういう意味を持っているのか、あるいは公共投資基本計画について政府の方針がどういうふうになるのか、これは議論ができないのですよ。  大蔵大臣はこれだと言ったのだけれども、今度は経企庁長官は違うと言っていますが……。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 同じことを何回も申し上げているのですよ。  要すれば、冒頭建設大臣に対して公共事業が地域経済その他にどういう影響を与えますかと言うから、亀井建設大臣は言われました。そういうことに対して、その効果は是認すると、そのとおりと——是認と言いません、そのとおりと申し上げました。それでその後、乗数効果の延々とした論争が続く。  そういう中で、山本議員は予算編成の基本が定まっておらないのではどうにもならぬと申されますから、基本方針は何だと言うから、私は経過を申し上げて、政府経済見通し、これを基本に予算編成に入りました、その基本は赤字国債からの脱却を目指す初年度にする、四兆三千億円、そして歳出全般について、本件については九年ぶりの伸び一・五にさせていただきました。さらに、今後は諸改革、規制緩和、六つの改革が誠実に実行されることによって民需が盛んになり、公経済を超えて私経済が日本経済を支えるようになるでしょう、こう申し上げておるわけです。  公共事業の分野については、御案内のとおり一・三でありますが、事実上、先ほども申し上げましたお国が払う消費税分がございますから、一千三百億程度です、公共事業、アバウト九兆何がしかの分で。そういたしますと、ゼロシーリング、こういうことで取り組まさせていただきました。  しかし、ゼロシーリングの中でも、公共事業にはめり張りをつけるということで、総理が公共事業担当三大臣を呼びまして、都市公園でありますとか下水道の整備でありますとか、それから国土政策の基本である高規格道路でありますとか、さらにハブ港湾としての整備を急ぐべしと、以下具体的な項目の御指摘がありまして、大蔵大臣としてその基本を踏まえてめり張りのきいた公共関係予算を組まさせていただいた。  財政構造改革元年にふさわしい形をとり、そのことが結果として私は一・九の政府経済見通しをさらに上回るだろうと見ているのです。平成八年度は二・五、確実にまいります。もう既に来月で三月でありますが、そういうことの中で、一・九はプラスオンをしていくだろう、そういう中で、行革、諸改革に火だるまとなって、全閣僚、全力を尽くしておるということであります。  それと、もう一つ大事なポイントは、補正予算は成立を見ました。本年度予算は今審議中であります。切れ目のない予算執行が行われることによって、日本経済は確実な足取りになります。  そういうことで、格段の理解と御鞭撻をいただく、そういうことであります。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 この予算が、伸びが一・五だけだとか、そんな話は補正予算と一緒にすればもう全部崩れちゃうのですよ。それは後でやりたいと思っていたのだけれども、時間がなくなっちゃったけれども、いずれやります。でも、今大蔵大臣が言われたように、どういうところに道路をつくり、下水道をつくるとかいうことが、一・九%を上回るだろう、自分は思っていると言われた。思っていると言われたのなら、そのもとになるのは、この予算編成をやって、こういう公共投資をしたら、これだけ経済に効果がありますよということがはっきり言えなきゃ、そんなことは言えないのですよ。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 山本幸三君に申し上げます。割り当て時間が終了いたしております。御協力を願います。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 時間がなくなりましたからやむを得ませんけれども、この予算の最も基本である公共投資と経済との関係、このことについて政府がはっきりした見解を示すことができないと私は到底納得できない。これで本当に予算案審議はできるのだろうか。  これはさっきも申し上げたように、公共投資基本計画すべてに関係してきます。それがはっきり言えなきゃ、G7へ行ったって、私は大蔵大臣は何も言えないと思いますけれども、そういうことをもう少しはっきりと示してほしい。そして、この予算はこの理由でどれだけの意味があるのだ、そうでなければ、我々は本当に予算というものは議論できない。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 山本幸三君に申し上げます。割り当て時間は過ぎておりますので、御協力をお願いいたします。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 到底、この予算について、政府が真剣に、誠実に考えて答えていただいているとは思えませんので、大変不満を持っておりますが、時間が参りましたので、やむを得ません。また、いずれかの機会にやりたいと思います。  どうもありがとうございました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。  次に、福岡宗也君。     〔委員長退席、小里委員長代理着席〕

福岡宗也新進党

○福岡委員 新進党の福岡宗也でございます。私は、政治、行政の倫理の確立について御質問を申し上げたいと存じます。  昨年は、石油利権汚職、厚生省の補助金汚職等、相変わらずの政官業の癒着による構造汚職が多発をいたしました。また、長年にわたりまして再燃をしております共和のやみ献金疑惑も真相が解明をされないままに年越しとなりました。その上に、政治家による詐欺事件でありますオレンジ共済事件が発生をいたしました。国民の怒り、政治不信の声は、今や天下に満ち満ちていると申しても過言ではございません。私たち政治の場に身を置く者は、真摯に国民の声に耳を傾けて、政治倫理の確立を図り、国民の政治に対する信頼を回復する責務があると考えます。  私は、議員になるまで、名古屋弁護士会の綱紀委員会の委員長といたしまして、本当に文字どおり、泣いて馬謖を切る思いで、不祥事を犯しました同僚弁護士を処断をした経験がございます。その経験から申し上げますけれども、弁護士会におきましては弁護士法、それから会則、ここに厳しい規定があります。しかし、それだけではございません。弁護士の職責上要求されます高度な倫理を定めました弁護士倫理規程というのが定められております。そして、これらの諸規定に違背をいたしまして弁護士の品位を汚し、その職責を怠るときは、弁護士の資格を失う除名処分というものを含む、戒告処分までの数段階の厳しい懲戒処分が行われるということになっているわけであります。  国会議員は国政の最高機関の構成員でありまして、国民の負託を受けて立法に携わる、さらには国政調査権の行使に関与する権限を有しております。その職責は公正に行われなければなりませんし、強い倫理が要求をされているわけであります。また、公務員は国民全体の奉仕者として、その職務は清廉にして公正に行われなくてはなりません。不祥事が多発をし、国民の政治、行政に対する不信が高まる今日、我々は政治不信を解消をするために、みずからを厳しく律するために、政治倫理法と公務員倫理法を制定をする必要があると考えます。  総理はさきに、公務員倫理法におきましては、各省庁における公務員倫理規程をつくるということで、その自浄能力に期待をするとも述べられているようであります。しかし、国民は、このような内部規制方策では、現在のこういった危機の中、到底納得するとは考えられないのであります。政治不信の解消はこれではできません。一罰百戒のことわざもありますように、厳しい制裁を盛り込んだ政治倫理法、公務員倫理法の制定こそが肝要であると考えます。鉄は熱いうちに打てと申します。今日、この国民の声が大に政治不信解消を叫ぶとき、政治家、公務員ともに、これに対して声を大にして異論を唱える人はまずいないと思います。  賢明な総理、今をおいては機会はございません。勇気を持ってこういった厳しい政治倫理法の制定を決断をされるようにお願いをする次第であります。そのための御所見をお伺いをいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今、議員からは二つの角度から、結論としては同趣旨の御見解を述べられたと思います。一つは、まさに、昨年幾つか発生をいたしました公務員の不祥事、そしてこれに伴う公務員に対する国民の信任の失墜についてどう対応するかという点でありました。もう一点は、政治家自身がみずからの身を戒めていくべきであるという御指摘であると承りました。そして、その方向の中で、双方について倫理法を制定すべきであるという御意見であります。  私は、議員がそう御主張になるその姿勢を理解しないのではございません。昨年以来、あるいはその前からと申し上げた方が正確かもしれませんが、このところ公務員の不祥事が相次ぎますたびに、あるときは国家公務員法の規定が、あるときにはその退職の時期の設定が、さらには国家公務員法による処分の内容が、それぞれ、賛否いずれの方向からも御議論があったところであります。  そして、そうした中で、私たちも内閣として、閣僚懇談会でこの事態に対処すべく論議をいたしましたときに、公務員倫理法という問題を視野に入れていなかったわけではありません。  しかし、同時に私どもは、法をもって抑える以前に、圧倒的多数の公務員の諸君が持っている、現在も持っておられる、みずからの恥を知る心、あるいは良心と言いかえても結構です、国民に奉仕する精神と言っても結構です、そうした気持ちというものにもう一度望みを託してみたいという気持ちを持っておりました。これは、率直に私も御答弁を申し上げて相当やじられたことがありますけれども、私は、むしろ、倫理法をつくられなければならないというのは、公務員の諸君は恥だと受けとめてほしいということを申した記憶がございます。  そして、そうした気持ちのもとに、武藤総務庁長官から事務次官会議に対して指示をし、これを受けて、本当に綱紀粛正が実効の上がるものになるようにということから、事務次官等会議申し合わせというものが行われました。そして、それを受けて、全省庁において、法規範性を持つ訓令としての公務員倫理規程が制定をされたわけであります。  今後、その厳格な遵守を図ることなどによって、政府を挙げて、綱紀の粛正を徹底しながら国民の信頼を回復するよう努力していく、そのプロセスにおいても我々はこの倫理法というものを視野に入れていくということは、今も変わっておりません。  また、政治家について、常にみずからの行動を戒めなければならない、みずからの政治倫理に基づいて行動しなければならない、これは御指摘のとおりであります。そして、これは選挙制度におきましても、あるいは選挙の行為そのものにつきましても、あるいは政治資金等につきましても、絶えずみずからを戒めるという点については我々は心しなければならぬと思います。  そして、こうしたことを総称して政治改革という言葉が今までよく用いられてまいりました。その中で、選挙制度は既に動きました。そして、私どもは新しい制度における衆議院選挙を初めて体験した。その意味においては、党派を超え、全員がこの政治改革実施後の新しい制度における選挙の洗礼を受けたものであります。  この制度についてもさまざまな批判が既に寄せられております。各党各会派においても十分御論議をいただかなければなりません。また、政治資金、政治献金というものにつきましても同様の倫理性を持たねばなりませんが、制度的には、先般三党政策合意におきまして、政治資金規正法の平成六年度改正法附則の第九条及び十条の規定を踏まえて、政治資金のあり方について今後さらに検討を進めるということが明記をされております。  各党各会派におかれても、こうしたことを十分御論議をいただきながら、そのプロセスにおいて国民の信頼を回復するようともに努力をしていかねばならぬこと、そのように思っております。

福岡宗也新進党

○福岡委員 総理の答弁は、将来にわたってはやはり倫理法というものの制定を視野に入れておられるということで一応納得をするわけでありますけれども、また、先ほど私申し上げましたように、既存の法規というものが必ずしも十分機能していないという御批判を受けているわけであります。  したがいまして、もちろん私自身も、公務員、大部分の方がまじめで勤勉に公正にやっておいでになるということは信じておりますけれども、一部のそういう不心得者が出るという体制の中でも、批判というものは防がなければならないわけであります。  そういう意味で、一刻も早く、やはりそういう人に対しては厳しく処断をするということでございますので、まじめな人を処断するというわけじゃございませんので、それはきちっとした体制を早急に確立をしていただきたいということを要望をして、時間がありませんので、次の質問に移らせていただきます。  次に、やはり重要な倫理問題の一つでございます、自民党の加藤紘一幹事長が住専等から多額の借財をいたしまして倒産をしました共和の森口五郎元副社長からやみ献金一千万円を受け取ったとされる疑惑について、御質問をいたしたいと思うわけであります。  私は、加藤幹事長につきましては、かねてより卓越した識見を有する政治家として敬意を払ってまいったわけでございます。それだけに、やはり加藤幹事長には、勇気を持ってこの疑惑を解明する手続を進めて、一刻も早く疑惑を払拭し、国民の信頼を回復していただいて、国政に専念をしていただきたいということを念願をいたしておるわけでございます。本日の質問も、その観点から申し上げたいと思うわけであります。  この疑惑、加藤幹事長が平成二年の一月三十一日、都内のホテルにおきまして共和の森口五郎副社長よりやみ献金一千万円を受領したという疑惑につきましては、もう既に国会におきまして、平成四年二月から平成八年六月にかけまして五回にわたりまして審議が行われ、一たんは鎮静化の方向に向かうかに見えたわけでございます。  ところが、元後援会会長であります医師の水町氏が加藤幹事長を被告として地方裁判所に、東京地方裁判所でございますけれども、金百万円を請求する損害賠償事件を起こしました。これに対して、加藤幹事長が欠席をしたために、東京地方裁判所が平成八年の七月三十日、欠席判決を言い渡しました。  そして、その判決の中で、被告の加藤幹事長が水町氏の言い分全部を自白したものだ、認めたということを認定をして、この認定した事実というのは共和から一千万円を受領した事実を認めた、こういう認定をしたこと、及びその後におきまして、朝日新聞が平成八年の十月二十三日の朝刊におきまして、共和の森口副社長、これは実は世間的にはそれまで沈黙を守っていたのですけれども、この人が獄中から長男にあてました手紙の中で、私が加藤幹事長に平成二年一月三十一日に一千万円の政治献金を渡したということを記載している、こういうことが報じられたわけであります。そうしたことによって疑惑が再燃化した、こういうことでございます。  この問題につきまして、マスコミは一斉に、加藤幹事長の疑惑は深まったと、その真相の解明を強く迫ったのであります。しかし、国会におきましては、この二つの問題につきましては、今日まで審議を全くされていないわけであります。したがいまして、この問題について、やはり私、きょうははっきりと質問させていただきたいというふうに思うわけであります。  若干国会の経過を申しましたので、ちょっと簡単に一言だけ国会の経過を申しますと、加藤幹事長は国会の審議の場でどのように供述していたかということだけちょっと申し上げておきます。  その審議のポイント、質問のポイントは、加藤幹事長が共和の森口副社長から都内のホテルで一千万円を受け取ったかどうか、こういうことに尽きるわけでございますけれども、第一回はどこでされたかといいますと、平成四年の二月二十日の衆議院の予算委員会でこれは聞かれております。それから第二回目が、平成四年の三月の十七日に参議院の予算委員会でやはり聞かれております。それから第三回目が、平成四年の六月十日に衆議院の国際協力特別委員会において聞かれております。第四回目、衆議院予算委員会においてさらに聞かれております。これは、八年になってから再燃したわけですね。それから第五回は、平成八年六月四日に衆議院の金融等に関する特別委員会においてやはり聞かれているわけで、この場合は参考人として聞かれておるわけでございます。  加藤幹事長はこの第一回から第四回まではどういう答弁をされたかといいますと、内閣官房長官としてこれは答弁をされていたわけであります。最後の五回目だけが、参考人として供述をされているわけです。そして、いずれも共和からの金銭の受け取りを否定をされております。ただ、三回目、四回目、五回目は、記録を見ますと、記憶がないというような表現をとっておられまして、ややあいまいな表現であります。特に最後の参考人の供述は、記憶がないということと事実はないと思っております、こういうことで、極めてあいまいに受け取られる表現のように思います。  こういうような供述を国会で五回にわたってされたのですけれども、この供述に対しまして、元後援会の会長でありました医師の水町重範氏、民事裁判を起こした人ですけれども、平成八年の三月四日に司法記者クラブで代理人の弁護士岡田宰氏を伴って記者会見をいたしまして、その場におきましてこう言っているのですね。平成二年の一月三十一日夜、ホテルセンチュリーハイアット七階の部屋で森口副社長が加藤幹事長に一千万円を交付した、私はその場に立ち会っていた、加藤幹事長は国会でうそを言っている、こういうことを供述したわけであります。水町氏はその後もその主張を繰り返し述べて、今日に至っているわけであります。  そういうような状況がありまして、問題の裁判になるわけであります。平成八年の六月四日の最終審議、参考人の審議の後でありますが、裁判が起こったわけであります。  裁判の経過をちょっと申し上げますと、この民事裁判の欠席判決が平成八年の七月三十日に言い渡されております。その経過は、水町氏が平成八年の六月十三日に加藤幹事長を相手方、いわゆる被告として金百万円の損害賠償を支払えという訴訟を起こしたのであります。  ここにその訴状の写しがございます。ここに書かれておる百万円を請求する原因、これは請求原因といいますけれども、請求原因、請求する根拠ですね、理由といいますか、これを簡単に要約しますと、どういうことが書いてあるかといいますと、加藤幹事長は平成二年の一月三十一日に共和の副社長から一千万円の政治献金を受け取った、まずこれが書いてあります。ところが、加藤幹事長は平成四年の二月ごろ、共和事件が発覚したので共和から受け取った一千万円を水町氏に預かってくれと言って、これを預かった。水町氏はその後、一たん預かったけれどもこれを返還しようと思って加藤幹事長に申し出たけれども、応じないので、東京地方法務局にこれを供託してしまった。  ところが、その後の平成八年の六月四日の衆議院の金融等問題処理特別委員会において、加藤幹事長が参考人として虚偽の供述をしてしまった、こういって書いてあるのですね。その虚偽の内容はどういうことかというと、森口から一千万円は受け取ったことはないという、まず虚偽があった。それから、水町と同人が代表者をしていた紘和会に一千万円の金が共和から来ている可能性があるために、共和の管財人に返してほしいと加藤幹事長から水町氏に一千万円を渡した、こういう虚偽の事実が書いてある。そして、この虚偽の事実によって水町氏は、共和から一千万円を水町氏個人、または水町氏が代表をしておる紘和会という後援会で受領しながらこれを加藤幹事長に隠していた、これを着服したのだ、また、平成二年度の紘和会の収支報告書に記載がございませんので、やはり政治資金規正法に違反をしている、こういう印象を世間的に与えられて名誉を著しく毀損をされた、したがって損害賠償として百万円を払え、こういう内容がその請求の根拠になっているわけであります。  要約すれば、加藤幹事長は国会で、自分は共和の森口からもらってない、もらりたのは水町だ、こういう虚偽の可能性ですね、を言ったということが中心になっているわけであります。  したがいまして、加藤幹事長がたびたび言っておられますように、幹事長として国会で陳述をしたもらっていないということが真実である、こう主張されるのであれば、これは裁判という公の場で水町氏が堂々と主張されているわけですから、裁判所に堂々と出頭をしまして、自分の陳述が真実であって、水町氏の言っていることは誤りだという主張をすべきであったわけです。また、それが疑惑を解くための国会議員の責務であると私は考えるわけでありますけれども、それにもかかわらず、加藤幹事長は適式な呼び出し、呼び出しはちゃんと正規の手続でなされるわけですけれども、それを受けながら口頭弁論期日に出頭もしなかった。  それから、答弁書といって向こうの主張に対する答えを書くわけですね。その答弁書も提出しないし、その他準備書面も全然出さないままに欠席をしてしまったわけであります。  したがいまして、裁判所は直ちに結審をいたしまして、平成八年の七月三十日に、水町氏が主張する事実、すなわち先ほど言いました国会でうそを言っているという事実ですけれども、すなわち加藤幹事長が参考人として述べた事実はすべてうそであるという、こういう事実を含めて全部事実について幹事長が認めたものとして百万円の支払いを命ずる欠席判決をしてしまったのであります。  判決の理由のところ、本当に簡単ですからちょっと朗読をいたしますと、こういうことなんですね。   被告は、適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準 備書面を提出しない。したがって、被告において請求原因事実を明らかに争わないもの として、これを自白したものとみなす。自白をしたものとみなす、こういう表現で書いてあるわけであります。そして、右の事実によれば、原告の請求は、理由があるから認容し、主文のとおり判決する。いわゆる百万円を支払えという判決を主文でした、こういうことであります。そして、この判決に対して加藤幹事長は、二週間以内にこれは不服の申し立てができるのですけれども、これもせずに、判決は確定をいたしまして、私の聞いたところによりますと、その前にもう百万円の支払いもしてしまったということであります。  したがって、これによりまして、加藤幹事長が参考人として国会において述べた事実がすべて虚偽であるという事実というのが、民事裁判上は確定をしてしまったということになるわけであります。このことにより、加藤幹事長が共和からやみ献金一千万円を受領したという疑惑は深まる、こういう結果になったわけであります。  そこで、法律的な問題がちょっと入っていますので、これは簡単なことなので、まず法務省の民事局長に、この欠席判決の、擬制自白とこれはいうのですけれども、この点について若干見解を求めたいというふうに思います。  先ほど私が朗読をいたしました判決の理由中、「被告において請求原因事実を明らかに争わないものとして、これを自白したものとみなす。」というのはどういう意味か、説明をしていただきたいわけであります。特に、請求原因事実というのは何をいうのかということと、それから自白というのは概念としてどういう概念なのか、自白するというのはどういうことなのかということを説明をしていただきたい。それから、法文の、民事訴訟法上の根拠も、わからない方もお見えになりますのでちょっと御説明をお願いしたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 若干釈迦に説法になることにわたる失礼があろうかと存じますが、お答えをさせていただきます。  民事訴訟におきましては、裁判所は、その紛争にかかわる事実の上に法律を当てはめて判断をするわけでありますが、その前提となります事実をどのようにして把握していくかということにつきましては、当事者間に争いがある事実については証拠調べをしてその結果に基づいて事実認定をする、しかしをがら、当事者間に争いがない事実については証拠調べをしないでその争いのない事実をそのまま裁判の基礎資料とするということになっているわけでございます。これは、民事訴訟法二百五十七条におきまして、裁判所において当事者が自白した事実はこれを証することを要せずという規定でそうなっているわけでございます。  したがってへ裁判所といたしましては、どの事実について証拠調べをするかということをまず決定する必要があるわけでございまして、そのために、まず、当事者が主張をするそれぞれの事実について当事者間に争いがあるのかどうかということを確定していくという必要があります。  その場面におきまして、今御指摘のような、被告が、呼び出しを受けながら最初の口頭弁論期日に出席しないで、しかも答弁書その他の準備書面を提出しなかった場合には、その被告は原告が訴状に記載した事実を争うかどうかということを具体的には明らかにしていないわけでございますが、民事訴訟の手続上は、争う機会を与えられたにもかかわらず争うという行為に出なかったものでございますので、民事訴訟法百四十条三項におきまして、そうした場合は相手方の主張した事実を自白したものとみなす、自白したものとしてその訴訟においては取り扱うということにしているわけでございます。  したがって、裁判所は、この規定に基づいて、訴状に記載した事実を争わないものと取り扱って、その事実については証拠調べをしないでその事実をそのまま裁判の基礎として裁判をする、こういうのが今御指摘の擬制自白の規定でございます。  今、請求原因事実について自白したものとみなすということについて御質問がありましたが、これは、当該訴訟の対象となっております法律関係、今御指摘の事案について申し上げますれば、原告が被告の国会での発言によって名誉を毀損されたことに基づいて百万円の損害賠償請求権を有するかどうかということが訴訟の対象になっておりますが、その請求を理由づけるに必要な事実として訴状に記載してある事実という趣旨でございます。それから、自白というのはどういうことかという御質問ですが、先ほどと重複いたしますが、当該訴訟の対象になっている法律関係について判断をするその手続の中において、今申しました請求原因事実を認める、争わないということを表明する意思表示でございます。  以上、基本的なことをお答えさせていただきました。    〔小里委員長代理退席、委員長着席〕

福岡宗也新進党

○福岡委員 はい、わかりました。  そうしますと、相手方が請求原因として主張してきた事実を明らかに争わない、すなわち不利益な事実を全部認める、こういう取り扱いを受けるということで、実際にそういう取り扱いを受けた、こういうことになるわけですが、このような場合、そこで認められてしまった事実、これは欠席判決の場合ですけれども、これは、不服の申し立てをせずに確定をしてしまうということになると、ここで認定をされた不利益な事実を認めたからその事実があったという前提で判断されるのですけれども、この事実については、後日争いをすることはもうできませんね。それからまた、その争いをしない効力は法律に定められておりますか。

江崎格資源エネルギー庁長官

○江崎政府委員 その訴訟の判決が確定したという場合には、その判決の効力によりまして、その当事者の間におきましては、判決の主文で認められた請求権が存在するかどうか、今の問題でいえば、百万円の慰謝料請求権が存在するかどうかについてはそこで当事者間において確定する、したがってそれ以上争う余地がなくなるということでございます。  ただ、しかしながら、その請求権を基礎づける事実関係につきましては、今申しましたその請求権の存否の判断の手続においては争う余地はございませんけれども、その訴訟以外の場面においてそれを認めたということとして取り扱われるという効力を有するものではないわけでございまして、あくまで当該訴訟の手続の中においてそういう取り扱いがされるということでございます。

福岡宗也新進党

○福岡委員 はい、わかりました。そうすると、民事裁判上においては後日争うということはもうこれはできなくなる、欠席の場合であっても確定的になる、こういうような効力が発生をするということであります。  そこで、総理にもお伺いしたいのですけれども、いやしくも国会議員たる者、国会で述べたことがそういう民事上の争いの中で中心的事実になっている、それが真実かどうかということ。これを認めるということは、国会の議員として国民の疑惑を大いに増大をするという結果につながることは、これは間違いようがないと思うわけであります。  したがいまして、これは十分争う機会が与えられたにもかかわらず逃げたと受け取られた。実際そういう報道もございました。これは仕方がないというふうに思うわけであります。したがいまして、やはりこれは、本当はきちっと出頭して、先ほど申し上げましたように、堂々と国民に対しても、自分は真実を述べているんだということをその場においても主張をしていただかないとというふうに私は思うわけでありますけれども、簡単に一言、総理としては私のこういった見解をどう思われるか、ちょっと見解を伺いたいと思います。簡潔にしてください、時間がありませんので。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今、議員は、弁護士としての御経験の中から、民事訴訟法の解釈について法務省当局の見解をただされた上、御質問をされました。  今、私が民事訴訟法としての法解釈を聞いておりますと、欠席をした当事者は相手方の主張をした事実を自白したものとしてみなすこととしているのは、裁判所がその訴訟における原告の請求を認めるかどうかを判断するその限度において、民事訴訟の手続上、欠席をした当事者が相手側の主張事実を認めたのと同様に取り扱うことを許容した、そこにとどまるものでありまして、その訴訟以外の場面において相手側の主張事実がどのように取り扱われるかについて触れるものではないという趣旨の説明があったように思います。  これは私、実は民事訴訟法は余り得手ではありませんでして、局長の答弁をじっと聞いておりましたが、そういう内容のものだと考えております。  そして私は、加藤幹事長が今までさまざまな場で御自身明らかにしてこられたことを信じておりますし、これから先も、今、党を支えていただき、これからやっていかなければならない改革等に真正面から挑んでいる、ともにやっていきたい、そのような気持ちでおります。

福岡宗也新進党

○福岡委員 民事裁判の効力といたしましてはその事件に限定をされるということは当然でありますけれども、公の裁判所の判断の中で、ともかくもそういった原告側の主張を、十分主張できる機会があったにもかかわらずあえて出頭せずに認めるという扱いを受けるということは、これは弁護士さんに当然、相談されているという報道がありますので、されて、そういうことをあえてしたということについて、国民の疑惑を招くということについていかがなものかな、こういう質問を私はしたわけで、ちょっと視点が違う御回答であったというふうに思うわけであります。  それはそれとして、もう一点だけ質問したいのです。実は、このときに、やはり私の申し上げたような批判が、本当にこれは各紙一斉に出されたのですね。そしてさらに、有識者と言われる方も、たくさんの人が、まさに国会議員としておかしいのではないか、国会における発言自体が裁判の中身の中心になっているのに、そこでそれを認めるということを知りながら、認める認定をあえて受けたということに対する批判が出ているわけです。御紹介だけちょっとしておきます。その上で見解をお伺いしたいのですけれども。  まず、朝日新聞の一九九六年の八月一日付のことでございますけれども、これは簡単に結論のところだけ言いますと、   国会で述べたことが事実なら、加藤氏はなぜ、法廷で堂々と水町氏に反論しなかったのだろう。加藤氏のいう通りなら、承知のうえで虚偽の判決を引き出したことになり、 政府・与党を代表する政治家が司法の権威を著しく傷つけたことになる。   一方、判決が認定した通りなら、国会でうそをついたことになる。どちらにせよ、国会議員としてあるまじきことである。 こういう論説であります。  さらに、山口二郎北大教授の話ですけれども、  民事裁判の法廷に加藤幹事長側がまったく出てこなかったということは、裁判に負ける ことを承知したうえで、あえて事実関係について争うことを避けたということになる。し かし、政治家であれば、幹事長という要職であろうとなかろうと、法廷の場に出てきて、 自分への疑惑についてきちっと釈明すべきだ。 こういうことですね。  それからさらに、週刊現代におきまして、慶応大学名誉教授の内山秀夫氏が、  立法府の重要人物が、司法をないがしろにしたどころか、無視したわけです。三権分立 に対する冒涜であり、国民に対する責任の放棄にほかなりません こういうようなことを言っておられます。  これに書いてありますことは、国会の中で述べたことについては、これはどんな場でもきちっと責任をとろうということで、司法の問題と国会の問題というものを結びつけて、国会と司法に対する両方面で問題があるのではないだろうか、こういう御指摘なんですが、この点についての率直な、批判に対するところの総理の御答弁をいただきたいのです。どうぞお願いします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今幾つかの報道記事を援用されて御意見をちょうだいをいたしました。  私は、司法の判断は司法の判断として示されたもの、そのまま受け取ることが正しいのだと思います。そして、昨年の参考人質疑の場あるいは政治倫理審査会において、私は既に十分この問題は論議が尽くされているように思っております。その意味では、私は司法的にも決着がついている、そのように受けとめております。

福岡宗也新進党

○福岡委員 それからさらに、ちょっとこれも重ねてお伺いをいたしますけれども、朝日新聞の平成八年の九月二十六日の朝刊において次のような報道がなされております。  加藤幹事長が共和の森口副社長から後援会会長立ち会いで一千万円のやみ献金を受け取ったとされる疑惑が再浮上をしたことし三月、森口副社長の長男が加藤事務所の代表に接触を求められて、獄中の父に疑惑を否定する手紙を私あてに書いてもらいたいと頼まれた。長男は、当時、鉄工管理会社を関連会社に持つサービス会社を営んでおりまして、代表から大手ゼネコンの役員を紹介をしてやるとも言われた、こういうような報じ方がされております。  そしてさらに、平成八年の十月二十三日の朝日新聞にも、朝刊において、森口副社長が刑務所から平成八年の十月三日の消印で長男にあてた手紙の中で、加藤氏に現金一千万円を平成二年の二月の選挙直前に渡していたことを認めていたことが二十五日明らかになった、手紙には、事実は水町氏の言うとおり、ホテルセンチュリーハイアット、私の部屋、九百三十二号室である、私が加藤氏に一千万円を渡した、とも書かれております。さらに、この中には、うその手紙を発送する手先に長男を使うことをもくろむ、人間として許せないというような表現が書かれていると書いてあります。そして、加藤氏の自浄作用に期待をしたが、加藤氏が献金を全面的に否定し続けていることを知り、このような人が為政者として私たち日本のリーダーとして存在をしてよいだろうかと疑いを抱いたとも書かれているという趣旨の報道であります。  そこで、総理に御質問ですけれども、この朝日新聞をお読みになりましたでしょうか。読まれたとすれば、それについて何らかの調査等をされましたかどうか、ちょっとお伺いをしたいんです。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 お互い仕事の性格上、新聞というのは普通の方よりよく目を通しておると思います。しかし、何年何月何日のこの新聞を読んだかと聞かれて、その日のこの新聞は確実に読みましたとか、読んでおりませんとかお答えができるほど私は神のごとき記憶を持っておりません。  今改めて議員から伺っておりまして、そのような記事が確かにあったことを、そのうちの全部ではございませんが、一部の記事を目にしたことは思い出しました。しかし、何月何日の何新聞と言われて、それを確認できるほど私は全部を覚えておりません。

福岡宗也新進党

○福岡委員 何月何日の何新聞……

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 福岡君に申し上げます。委員長の許可を得て発言してください。

福岡宗也新進党

○福岡委員 済みません。どうも失礼しました。  確かに、総理の言われるように、何月何日の新聞を読んだかと言われて、私も答えはできませんでしょう。ただ、そういったような記事が、拝見されたという覚えはあるということですけれども、私は、対処されたかというのは、これは、はっきり申し上げまして、この疑惑が再浮上したということでいろいろ書かれていますけれども、これが事実と違いますと、やはりきちっとした名誉毀損であるとかなんとかという対応をしなきゃならぬというような問題であるというふうに思いましたものですから、公党の総理としまして、そういうような対応をされたかということをちょっと聞きたかったんですけれども、その点は総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 大変恐縮でありますが、私がどうしろという、あるいはどうするなという、その議員がお尋ねになる意味がちょっとよくわかちないんですが。

福岡宗也新進党

○福岡委員 ということは……

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 福岡宗也君。

福岡宗也新進党

○福岡委員 失礼しました。  そうしますと、そういう新聞をお読みになったということですけれども、意味がわからないということは、これは、仮に読んだとしてもそのまま無視をしたということでお聞きしていいんでしょうか、別に対応すべき問題じゃないということで。(発言する者あり)黙ってください、それは。私、質問しておるわけですから。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 大変恐縮でありますが一私どうも議員がお尋ねになる意味がわからないんです。  私、確かに、幾つか、さっき議員が読み上げておられたそうした活字を読んだ覚えはございますと申し上げました。確かにそのとおり読んだことはあります。それで終わりであります。

福岡宗也新進党

○福岡委員 わかりました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 福岡宗也君、たびたび御注意申し上げますが、ルールですから従ってください、ちゃんと。

福岡宗也新進党

○福岡委員 済みません。  そこで、今の総理の回答で結構ですけれども、私自身は、この問題については、非常に重要な問題の報道であったと思うんですね。  それはどうしてかといいますと、従来から問題になっております加藤幹事長の、共和の森口さんから一千万円を受け取ったかどうかとする疑惑につきましては、その場に立ち会っておりました水町さんと加藤幹事長の主張が対立をしておりまして、民事事件まで発展をしたわけでありますけれども、肝心の森口副社長は、それまで共和の管財人には報告書で、加藤幹事長に渡したと記載をした書面を出しておりますけれども、世間的には全く沈黙を守り続けてきたわけであります。ところが、突然、長男の働きかけを契機に、加藤幹事長に対しまして一千万円を渡したということを明確に認める手紙、これを長男に出しておる。しかも、それは最後の国会審議の後なんですね。ということは、一たん国会審議の中で鎮静化したものが、新しい疑惑が発生をしてしまったという問題だろうと思うのであります。  そういう意味で、公党の第一党の、しかも与党の幹事長にこういった問題についての疑惑が再浮上したということについて、総理である橋本総理としましては、何らかの関心、調査をされるなどして、疑惑を晴らすような手続を当然されたというふうに思ったわけで質問したわけでありますけれども、何の手続も調査もされなかったということなので、私は遺憾に思うわけであります。  それからもう一点だけ、平成八年の十二月二十七日に、総理のお話によりますと、確かに不起訴処分になったのですけれども、平成八年の十二月二十八日の読売新聞によりますと、自民党の幹事長の加藤氏が鉄骨加工会社の共和の森口五郎副社長から一千万円のやみ献金を受け取ったとされる疑惑から、新進党の議員七名が所得税法違反の疑いで告発をした問題で、東京地検特捜部は、二十七日、加藤氏を嫌疑不十分で不起訴とした。特捜部では、加藤氏本人や関係者から事情を聴取した結果、加藤氏または加藤氏の後援会会長の水町重範氏側が森口元副社長から一千万円を受領した事実を確認をした。その後、この一千万円に相当する金が加藤さんの政治団体に寄附をされ、すべて加藤氏の政治活動に使われていたことが判明をしたので、一千万円が加藤氏個人に帰属をしておることは認定ができず、刑事責任は問えないと判断した、こういう報道をしておるわけです。  この報道が真実としますと、不起訴処分とはなりましたけれども、その理由は、加藤幹事長が共和の森口副社長から一千万円を受け取ったという疑惑はそのまま、未解決のままという、だから、むしろ可能性が多いという判断をしたということになっているようであります。  そこで、法務省の刑事局長にお伺いしたいのですが、新聞では検察庁が認定した事実というものが詳細に報道されていますけれども、これについては記者会見か何かを検察庁はされたのでしょうか。それから、ここに報道されている事実は正確であるかどうか、ちょっとお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。

原田明夫法務省刑事局長

○原田政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお尋ねの件でございますが、委員御指摘のとおり、当日、東京地方検察庁の次席検事におきましく本件所得税法違反事件について不起訴処分にいたしましたので、その状況について、その骨子を記者に発表したという事実はございます。  しかしながら、ただいま御指摘の新聞に記載されているような形ではなく、それは、新聞の側である一定の事実に基づきまして、それを解釈した上での記載であったというふうに考えられます。その点は、他の新聞等の記載等から見ましても、もう少し正確に記載された記事もあるわけでございます。  そこで、不起訴の理由でございますが、事柄の性質上、検察官が不起訴にいたしました場合には、その詳細について明らかにするということは相当でない場合が多いわけでございますが、状況によりまして、事柄の公益性と申しますか、そのことについての一般的な関心ということを考慮いたしまして、差し支えない範囲で、つまり関係者の名誉等を侵害しない形でその理由の骨子を明らかにするということが公益の立場から必要だという場合にそういうふうにする場合がございます。  本件の場合もそのような形でなされたようでございまして、その理由の状況につきましては、加藤議員及び当時加藤議員の推薦、支持を行う政治団体でございました紘和会の会長であったとされます水町氏の側と、それから当時株式会社共和の取締役であった森口氏との間で一千万円の授受があったことは否定しがたいところではあるが、授受があったといたしましても、その後、紘和会等の名義でこれに相当するとも考えられる全員が加藤議員の関係政治団体に寄附されているという事実が認められていることなどを考慮いたしますと、一千万円が加藤議員個人に帰属するものとして受領されたと認めるには合理的な疑いが残り、さらに、これはすべてその年中における加藤議員の政治活動費用として費消されたものと認められる余地がございまして、本件については、所得税法違反の罪の成立を認めることは極めて困難であったと認定されたというのが理由の骨子でございます。

福岡宗也新進党

○福岡委員 今の御答弁によりますと、検察庁の認定事実といたしましては、共和の森口副社長から加藤幹事長が一千万円を受領した可能性は否定ができないということなんでしょうかということの確認が一点ですね。それからもう一つ、さらに、政治団体に受け取った金を寄附したという事実も認定されたらしいのですけれども、この一千万円の金というのは実際にだれがどこに払ったかということについてお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いします。

原田明夫法務省刑事局長

○原田政府委員 その一千万円の全員につきまして、加藤議員個人にという点では認定がしがたかったということが先ほどの認定事由の中に含まれているのであろうと考えられます。さらに、その関係政治団体への寄附は、加藤氏本人ではなく紘和会等の名義でなされたと認められたというふうに聞いております。

福岡宗也新進党

○福岡委員 一連の、最後の国会審議の後、六月でございますけれども、参考人の後、新しいこういった事実というのが非常にたくさん出てきているわけであります。そして、世間の新聞その他の一般的なものでも、やはり完全に疑惑は払拭されていないということで、こういった問題が再燃をいたしております。今、国会、それから行政の問題も、行政改革で非常に大切なときであります。できれば、本当はこういった問題はきちっとしてけりをつけていただきたい。  方法はあるわけです、簡単に。それは、関係者は三名です。すなわち、金を渡したとされる森口五郎さん、それからそのとき立ち会っておりました水町重範さん、それからさらに加藤幹事長。これは国会に呼んできちっとみそぎを受けられる方が私はいいと思います。過去におきましても、ロッキード疑惑のときに中曽根康弘氏がみずから登場をして、証言をされて、後に総理にまでなられたという例もあります。私は、惜しむのは、そういう疑惑をきちっと晴らして大成をしてもらいたいと思うわけです。  そういう意味からしても、そういう手続だけは国会の権威にかけて、それから総理の方も、もちろん我が方のオレンジ共済の問題もきちっとやらなきゃいけません。それは当然です。どこの党という党利党略じゃないのです、これは。  ということで、総理にそういったような決意、決断を求めたいと思いますけれども、最後に総理の御見解をお願いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まず、その所得税法違反被疑事件と申しましょうか、新進党の議員の方々から提起をされました訴訟につきましては、検察当局の判断が下っておることでありますから、私から種々申し上げるべきことではないと思います。  また、昨年の参考人質疑、また政治倫理審査会、これはいずれも国会の場での論議をしていただいたところであります。十分私は論議は尽くされておると思いますし、司法的にも決着のついたことだと考えております。

福岡宗也新進党

○福岡委員 これは、時間が参りましたのでやむを得ませんけれども、非常に私は残念だというふうに思います。  と申しますのは、証書するときには宣誓があります。そういう中で水町氏も、偽証罪の制裁を受けてもいい、あえて国会において証言をしたいということを言っております。それで加藤氏も、前、参考人に出ておりますけれども、本当のみそぎをするためには、そういった宣誓もして誠実にやろうという儀式の中で偽証罪も覚悟してやれば、国民全部が信ずるわけです。そういう手続をしてきちっとやっていくというのがやはり国会のルールであるということを本当に確立をしたいということを、必ずしも私は責めるわけじゃございませんけれども、その方がやはり私は加藤幹事長のためにもなるんだということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて福岡君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田克也君。

岡田克也新進党

○岡田委員 新進党の岡田克也でございます。  ちょっと時間が少なくなりましたので、最初に御通知していたのとやや順番を変えて御質問することになるかもしれませんが、御了解いただきたいと思います。  さて、まず総理にお尋ねをいたします。  報道によりますと、総理は昨年の七月の二十九日、靖国神社に参拝をされた。その参拝の様式は二礼二拍手一礼の神道方式でなされた、こういうふうに報道されておりますが、これは事実でございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 そのとおりです。

岡田克也新進党

○岡田委員 これも報道で恐縮ですが、七月三十日の朝日新聞、総理の発言がいろいろと引用されております。例えば、「公私かどうかという質問自体ばかげている。何をもって公人と言うのか。」それから、「総理大臣に私人があるのか。私人があるというならそう扱っていただきたいが、それは許されないでしょう。だから公私を分ける質問には首をひねる。心の中の問題を分けようとすることに無理があるんじゃないか。」こういうふうに発言したというふうに新聞は報道しておりますが、この点についてはいかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 確かに、私はそのとおりの言い方かどうかそこまで確認を申し上げる自信はありませんが、例えば、玉ぐし料を持っていったかとか、いろんな質問がありました。そして、玉ぐし料を持っていかないんなら私人ですかというそういう質問もありました。今まで、往々にして公私の別というのを玉ぐし料をどこから支払ったかということで分けた議論がありましたことを多分議員も御記憶だと思います。そして、ですから、玉ぐし料を実は私は持ってまいりませんでしたけれども、むしろそういう議論自体がおかしいよと、そういうことで公私の別というのもおかしいよという話は確かに私はしたように思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の御説明は、玉ぐし料を持っていったことで公私を分けるのはおかしいというそういう趣旨だということですが……(橋本内閣総理大臣「いや、というような議論もありましたと申しました。正確には覚えておりませんが」と呼ぶ)はい。新聞の報道によりますと、総理のお答えは、公私を分けることにそもそも無理があるんだ、こういうふうに受け取れるわけですが、そのお考えは今もそういうお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 どういうことを言わせようとしておられるのかわかりませんが、実態でお答えをいたしましょう。  大変私にとっては苦痛でありますけれども、私自身が本屋に行こうと思いましても、今、決められた車以外の車で行くことを私は許されておりません。自分の子供の家に行くときにも決められた車、警護つきで、以外の行動を許されておりません。外からごらんになれば、それは公に見えるでありましょう。私自身は、個人としての行動を思いましても、それが外見には許されておりません。

岡田克也新進党

○岡田委員 車の問題とか玉ぐし料の問題を私は言っているわけではございません。私が公私について申し上げておりますのは、これは政府みずからが出された政府の統一見解、中曽根内閣のときに、いろいろな議論があった結果、統一見解が出されております。  まず、当時の藤波官房長官談話、昭和六十年八月十四日、これをもとにして八月十五日に中曽根総理は公式参拝をされた。そしてその後、同じ昭和六十年の八月二十日に衆議院内閣委員会に、政府の統一見解として従来の解釈を変えるということが出されております。  この中曽根内閣時代の統一見解についてもいろいろ議論があるところは、総理も御存じのとおりだと思います。中曽根総理御自身がみずからの最近の著書の中で、「天地有情」という本を書かれておりますが、その中で、法制局の中にもいろいろな議論があったけれども、自分がまとめてこういう見解にしたんだ、そういうふうに述べておられます。  そこで、この政府の出されている統一見解、その解釈が問題になるわけでありますが、私がこれを素直に読むところ、この中曽根内閣の統一見解は、私的な参拝と公式参拝をはっきり分けておられる。そして、公式参拝については一定のルールに基づいてやらなければ憲法上問題があるという、そういう趣旨だと私は理解しておりますが、法制局長官、いかがでしょうか。

大森政輔内閣法制局長官

○大森(政)政府委員 誤解を避けるために、やや詳細な説明をさせていただきたいと思います。  ただいまお尋ねの中で御指摘がありましたように、昭和六十年の八月の十五日に、当時の中曽根総理が靖国神社にいわゆる公式参拝をしたわけでございますが、その前日の八月十四日に当時の藤波官房長官が、そしてその直後の衆参の内閣委員会におきまして、またるる説明がございました。  そのいろいろな席、機会に述べられた政府の見解を要点だけまとめて御紹介いたしますと、内閣総理大臣その他の国務大臣が国務大臣としての資格で靖国神社に公式参拝することについての見解でございます。  そして、内閣総理大臣その他の国務大臣としての資格で靖国神社に参拝することが憲法二十条第三項で禁止しておりますいわゆる宗教的活動に当たらないための要件といたしまして、まず、専ら戦没者の追悼を目的とすること、そして、そういう追悼を目的とする参拝であることをあらかじめ公にするとともに、次に方式といたしまして、神道儀式によることなく追悼行為としてふさわしい方式によって追悼の意を表すること、こういう要件に合致する限りにおいて、憲法二十条三項が禁止する宗教的活動には当たらない。  そして、右のような参拝を除き、内閣総理大臣その他の国務大臣が国務大臣としての資格で靖国神社に参拝することは、憲法二十条三項に違反するのではないかとの疑いをなお否定できないという従来の政府の考えに変わりはない。  したがって、こういう限度で政府の見解を一部変更したということでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 国務大臣が国務大臣の資格として行う、そのことを別の言い方で公式参拝というふうに呼んでいると理解しておりますが、間違いでしょうか。

大森政輔内閣法制局長官

○大森(政)政府委員 お尋ねの事柄は、そういうことでございます。  繰り返しますと、国務大臣としての資格においてなす参拝を公式参拝といい、それ以外の、国務大臣としての立場ではない、資格ではないという参拝は私的参拝というふうに区別をした上で論じているわけでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の御説明で明らかなように、昭和六十年の官房長官談話あるいは政府の統一見解は、公式参拝と私的参拝をはっきり分けて、そして公式参拝のときには、例えば一礼方式であればそれはいい、こういう考え方を示しているわけであります。  そこで、先ほど私が引用しました総理の報道される答弁でありますが、公私かどうかという質問自体がばかげているとか、あるいは何をもって公人というのか、そもそもそういうものは分けられないんだというふうに言われたとすれば、この中曽根内閣の時代の公式参拝と私的参拝の考え方そのものを否定したことになるんじゃないか、あるいはあいまいにしたことになるんじゃないか、そういう懸念がありますので、私は総理に質問しているわけであります。総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、この靖国神社の問題というのを論議の対象とすること自体を本当に好みません。私にとっては、まさに自分の心の中のことであります。  そして、私の親戚を含め、私は敗戦が小学校の二年のときでありますから、近所の方々を含めて、随分多くの方々を出征の際に送りました。そして、相当数の方が帰ってきませんでした。そしてその当時、皆、あそこへ帰ってくるからな、本気かうそかわかりません、強がりかもしれません、しかし、みんなそう言って出ていかれたのです。私にすれば、そうした方々に会い続けてきました。  ただ、総理という立場にあって、例えば春、秋の大祭あるいは八月十五日の終戦の日という日は避けた方がよかろうと思いましたから、私は、自分の誕生日に、まさに私自身の心の問題として参りました。そうした思いで、みずからの心の中の問題として参りましたわけですから、今述べられたようなルールからいきますなら、私的資格の参拝ということになるでありましょう。  ただ、先日は御党の他の議員の方からは、なぜ八月十五日に行かなかったという大変厳しい追及を受けました。その方にも私は、みずからの心の問題というものを踏まえて行動するということをお答えを申し上げた次第です。

岡田克也新進党

○岡田委員 総理のお気持ちも、私よくわかります。私の周りにも、遺族の皆さんおられます。しかし、私があえてここでこの問題を取り上げましたのは、総理が総理だからです。日本国の内閣総理大臣だからであります。総理としての、憲法をきちんと守っていくという立場が総理にあるわけであります。総理のお気持ち、遺族会の会長も長く続けてこられました、遺族の皆さんを思う気持ちもわかります。しかし、それを越えて、従来、内閣がきちんと決めてきたことを守っていくというのが私は総理としての基本的なあるべき姿じゃないか、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 議員の御意見は御意見として確かに承りました。その上でもう一度繰り返させていただきます。  これは、私にとりましては心の中のことであります。そして、その上で私自身の行動、今議員は憲法を例にとられましたが、先日、他の議員の方に私がお答えをいたしましたときには、この国にプラスにならない、プラスを生じないということであれば、自分の心のままに振る舞うことはしないということを申し上げております。法のもとにおいての行動というもの、御注意をいただきましたことを大切にいたします。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の総理の御答弁は、この中曽根内閣時代の政府の見解を変えるということですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 変えると申しておりません。

岡田克也新進党

○岡田委員 従来の内閣の……(橋本内閣総理大臣「心の中をどう変えるかまではだれにも指図されません。行動は従います」と呼ぶ)私は、心の中の問題を言っているわけではありません。総理としての行動について申し上げでいるわけであります。  今、総理が、これは私的なものである、こういうお話がありましたから、私は、総理は公式参拝をしたのではない、こういうふうに確認をさせていただき、そして従来のこの中曽根内閣時代の政府の統一見解は全く変わっていない、こういうふうに理解しますが、よろしいでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 改めてもう一度申させていただきます。  私にとって心の中の問題であるということは変わりません。その上で、まさに先日私は、今まで議論をよく呼んでおりました春、秋の例大祭や八月十五日の終戦の日を選ばずに、みずからの誕生日という別の日を選びました。そうした意味において、その官房長官見解というものに当てはめてみるなら、私的な参拝ということになるでありましょう。そして、中曽根内閣当時の見解を変える意思はございません。変える意思はございません。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の総理の答弁で結構だと思いますが、私は、やはりいろいろな記者の質問が相次いで、総理もいろいろそのときにお考えあったのだろうと思いますが、やはり総理大臣としては内閣が決めたことはきちんと守っていく、もしこの中曽根内閣が決めた統一見解がだめだというのなら、それをまずきちんと内閣で変えて新しい統一見解を出して、それに基づいて行動していくのが私は総理大臣のとるべき態度だ、こういうふうに思っております。  さて次に、ちょっと順番を変えますが、日米安保の問題を簡単にお聞きしたいと思います。  総理、ちょっとこれは仮定の問題で恐縮でございますが、もし極東に有事が発生した、そのときにアメリカのクリントン大統領が在日米軍基地から直接出撃行動をとりたい、いわゆる事前協議の申し出があったときに、総理はその場でイエス、ノーの即答ができるのでしょうか。あるいは、どういう手続が必要になるのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 仮定の御質問でございますから、余り詳細にわたってお答えするのは適切でもないし、またちょっといろいろな前提がなくては正確にはお答えできませんけれども、一般論としてお答え申し上げますと、従来から政府が繰り返し答弁しているところでございますが、いわゆる極東有事に際して日本の基地から戦闘作戦行動を米軍がとる、そういうことについては事前協議の対象になっております。  そういった事前協議がございましたときに、どういう手続、手順でというのが御質問の趣旨だと存じますが、そのような場合には原則として閣議に諮って決定することになっておりますが、事態いかんによりましては緊急で、緊急閣議も招集するだけのいとまがないというケースもあり得ると思います。そのような場合においては総理と外務大臣、あるいは場合によっては防衛庁長官というようなごく限られた者の間で相談をして対応する、こういうことも排除されない、こういうことが従来からの政府の一貫した考え方でございます。なお、事前協議は政府の責任において行われる、これが大前提になっておるわけでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の御説明の中で、緊急を要する場合には総理と外相あるいは防衛庁長官でお決めになるということですが、その根拠はどこに書いてあるのでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 この事前協議は、基本的には日米安保条約、そうしてそれを締結しましたときの両国間の交換公文、これが根拠になっておるわけでございますが、そういったものを踏まえまして、これは政府の責任において対応すべきものである、こういう解釈が成り立っておるわけでございます。  そしてまた、政府の責任で行うというのは、原則としては、これは閣議に諮って物事を決めていくというのがこの問題に限らず原則でございます。しかし、事柄の性格上、そういった緊急の閣議も招集できないというケースの場合には、総理を中心として少数の人間で対応するということもあり得る、これはほかの問題でもあり得るのだと思います。そして、これまでいろいろな機会に歴代政府が、今私が申し上げましたような御答弁を申し上げてきたところでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 恐らく、内閣は条約についての権限がありますから、閣議でお決めになるというのは正しいお答えだろうと思います。  しかし、個々の大臣、例えば総理大臣とかあるいは外務大臣、総理大臣がそれを決める、イエス、ノーを決める、その権限の根拠はどこにあるのでしょうか。外務省の設置法にあるのですか、それともその他にどこか法律があるのでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず、内閣の責任において行う、政府の責任において行うということは、この条約に基づくいろいろな行為、事前協議に対してどう対応するかという行為でございますね、これは内閣の権限、すなわち我が国の行政権に属することである、こういうことに立っておるのだと思います。  そうして、そういった中で、当然のことでございますが、内閣の方針というのは閣議によって決定するのが原則でございますけれども、しかし、場合によりまして、事柄によってその主管の大臣がその事柄を決定していくということはあり得るわけでございます。そして、このケースにつきましては、総理大臣そして外務大臣、あるいは場合によって防衛庁長官という限られた者の相談で対応することもあり得る、こういうことでございます。  そうして、外務大臣あるいは防衛庁長官の役割なり権限がどういうものかということは、それぞれの設置法等において根拠があることだと存じます。

岡田克也新進党

○岡田委員 法律の根拠が必ずしも明確に御説明いただいていないように思うのですが。  一つ例を挙げますが、例えば自衛隊法に防衛出動の規定がありますね。  防衛出動は、総理に基本的に防衛出動の命令の権限があるわけですが、これは自衛隊法の中でそれを認めているわけですね。総理は「内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」と第七条に書いてあります。そしてその上で、外部からの武力行使があったとすれば内閣総理大臣は防衛出動の命令をすることができる、第七十六条であります。  そういう根拠があって初めて総理は自衛隊の出動を命ずることができるわけでありますが、今回の、今私が質問しております在日米軍基地からの直接出撃行動、これは、場合によっては、自衛隊の出動とほぼ同等の国家にとっては重大事であります。そのことについて、今のようなあやふやな答弁では私は理解できません。  もう少し明確に答弁していただきたいと思います。

林暘外務省条約局長

○林(暘)政府委員 ただいま外務大臣から御答弁申し上げましたとおり、具体的に国内法上の根拠ということになりますれば、外務省設置法にあります条約の実施ということになろうかと思います。本件につきましては、安保条約及び第六条に基づきます交換公文でああいう枠組みが規定されておるわけでございまして、それに基づいて行う決定というのは、具体的には外務省設置法の条約の実施ということになろうと思います。  外務省の権限の範囲で行われることでございますけれども、重要な問題については閣議で決定を行うということはたびたびあるわけでございまして、そういう意味で、時間の余裕がある場合には閣議決定を行うということでやる方針になっております。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の外務省の御説明では、内閣で決定することが望ましいが、場合によっては外務大臣お一人で決められる、こういうことですか、法律的には。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 ただいまの答弁の趣旨は、要するに、条約並びにその条約六条に基づく交換公文によって事前協議というものが定められておる、そういう行為でございます。一方、外務省設置法におきまして、条約に基づいて必要な行動をする、これは外務省の責任である、役割である、こういうことが定められておるわけでございます。したがいまして、条約を執行していくために必要な事柄については、外務省限りで、外務大臣限りで実行できることも多々ございます。これは、安保条約に限らず、ほかの条約につきましてもあるわけでございます。  しかし、この事前協議、とりわけ、今おっしゃいましたような我が国の基地を使っての戦闘作戦行動に米軍が出る、そういった場合の事前協議につきましては、事柄の性質上、一般論として、それは大切なことであるから、したがって、原則として閣議に諮って決められるものであろう、このようにお答え申した次第でございます。厳格な国内法あるいは条約上の解釈からいって、常に内閣の閣議の決定が必要かどうかといった話はまた別でございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の問題で私はまたわからなくなったわけでありますが、最初に、外務大臣は内閣総理大臣、場合によっては防衛庁長官とも相談してと言われましたが、外務大臣の権限は外務省設置法に書いてある、条約の実施だ。そうすると、内閣総理大臣はどういう権限に基づいて外務大臣とともにお決めになるのでしょうか。あるいは、場合によっては防衛庁長官と言われましたが、場合によってはというのは、それは法律上どういうことなんでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 法律的な正確さを期するためにはあるいは法制局長官から、また条約上のあれにつきましては条約局長から御答弁申し上げるのが適当かと存じますけれども、私が理解しているところでは、こういった国の条約の実行にかかわる問題につきましては、外務省の責任の範囲にあるわけでございます。  しかし、そういった条約に基づく外務省の権限としてなし得る行為であっても一重要な問題については当然関係閣僚とも協議することはあり得ましょうし、また、その内閣全体としての意思を決定するということで閣議に諮るということも、それは往々にしてあるわけでございます。そうして、内閣総理大臣は国政全体を総括されるわけでございますから、このような作戦戦闘行動についてそういう日本の基地を使われるといったケースについては、閣議に諮ることが多かろう、それが原則であろう。  しかし、緊急を要する場合においては、先ほど申しましたような意味において、内閣総理大臣、そして場合によっては防衛庁長官、そして条約を実行する責任を有します外務大臣という小人数で相談して対応することもあり得る、こういうことを申し上げたわけでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 法律の問題と、それから事実上御相談ずるという問題が非常にまざり合っておりまして、私よく理解できないわけですが、総理大臣もこの自衛隊法のように権限が法律で決められておればいいと思いますよ。  しかし、それがないのであれば、内閣全体で閣議で決めるというならわかります、内閣の権限の中に条約というのは入っていますから。しかし、総理大臣が個人で外務大臣と御相談、個人というのはプライベートじゃないですよ。個人じゃないです、個人という意味は、内閣総理大臣が外務大臣と相談し協議して決めるとかそういうことは事実行為であって、今の外務大臣の御説明を聞くと、あくまでも外務大臣に法律上の権限はあって、あとは事実行為として内閣総理大臣やあるいは防衛庁長官に御相談をするんだ、こういうふうに理解しないと法律的には理解できないわけでありますが、法制局長官いかがでしょうか。

大森政輔内閣法制局長官

○大森(政)政府委員 ただいまの議論を拝聴しておりまして、権限の問題と権限行使の運用の問題と、やや混同している面がありはしないだろうかという感じがいたしました。  先ほど外務大臣及び条約局長から答弁がございましたように、安保条約に基づく、交換公文が根拠なわけですが、要するに、事前協議というのは条約の実施の一形態である。したがいまして、権限としましては、条約の実施事務をつかさどる外務省の所掌事務であろう。したがいまして、その代表者として外務大臣がその権限を持っておられる。  ただ、事前協議事項というのは我が国にとって非常に重要な事項である。したがいまして、最高行政機関である内閣の意思統一をしておくのが通常の場合はふさわしい。したがって、閣議にかけて決定をし、了解を得た上で事前協議を行うということが運用としては相当だというのが一般的な姿であろうと思います。ただ、あくまで外務大臣の権限としておろされていることでございますから、緊急を要する場合には、外務大臣の権限として事前協議は行える。  その場合に、閣議にかけるいとまはないけれども、やはり内閣総理大臣は内閣の首長でございます。しかも、内閣法六条による指揮監督ということになりますと、あらかじめ閣議にかけて決定した方針に基づかなければならないということにはなっておりますけれども、先般の最高裁判所の判決においても認めておりますように、やはり内閣の首長である内閣総理大臣には各種の指示をする権限はあると解せられる。  したがいまして、そのような内閣の首長であり行政各部に対して指示をなし得る内閣総理大臣と相談をする、その上で事前協議に臨むという方がより望ましいであろうということから、先ほど述べられたような見解がなされたというふうに理解すべきものであろうと思います。     〔委員長退席、中川(秀)委員長代理着席〕

岡田克也新進党

○岡田委員 今の法制局長官の御説明は、私なりに要約いたしますと、法律上の権限は外務大臣だということですね。しかし、何といいますか、総理なり外務大臣なり、できれば閣議を開くことが望ましい。これは法律上の問題ではなくて、むしろ政策上そういうことが常識だし、私も常識だと思いますが、そういうことですね。法律的には外務大臣がこの権限を持っている、そういうふうに理解してよろしいですね、確認です。

大森政輔内閣法制局長官

○大森(政)政府委員 誤解を避けるためにもう一度申し上げますと、単なる好ましいという以上に、可能な限りはやはり閣議にかけ、あるいは緊急を要する場合にも最小限度総理及び関係大臣と相談をし、意見が一致した上で事に臨むのが法律上、憲法上の要請としても望ましい、単なる事実上の要請じゃないというふうにお聞き取りいただきたいと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 なかなか言葉の問題は難しいんですが、法律的には外務大臣の権限だということははっきりしたと思います。  そこで、私は、それが本当にいいのかという問題提起をしたいと思います。  先ほどの防衛出動の場合には内閣総理大臣であります。あるいはPKOの法律、これも内閣総理大臣が基本的に責任者になっています。なぜ、この直接出撃行動、つまり日本の基地から戦闘機が飛び立って攻撃をする、そういう行為について、内閣総理大臣じゃなくて外務大臣なのか、これがまず第一の疑問であります。  それから第二は、例えば先ほどの防衛出動の場合には、安全保障会議設置法上、内閣総理大臣は防衛出動の可否について安全保障会議に諮らなければいけないという明文の規定があります。そういう手続も今回の場合はない。そういう状況で果たしていいのかどうか、民主主義国家としてちゃんと手続を尽くしているのかどうか、そういう疑問があるわけでございますが、外務大臣、いかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず前提として、防衛出動との比較をされましたけれども、防衛出動というのは、我が国の自衛隊が我が国の有事の際に出動するという、そういうケースでございます。  そして、今議論になっております我が国にございます基地の使用に係る事前協議というのは、我が国が危険にさらされた、我が国自体が戦闘状態に陥れられたという格好ではなくて、我が国周辺、いわゆる極東地域でそういった事態がございましたときに、我が国の基地を、施設・区域を使いまして米軍が戦闘作戦行動に出動する、そういうケースでございますので、これはいずれも我が国自身の安全に非常に大きな関係りある事柄ではございますけれども、その関係の程度は違います。防衛出動の場合は、文字どおり我が国自身がそういう状態に置かれた場合、この事前協議の対象となるものは極東地域の問題、まずそれが一つございます。  それから、安全保障会議の関係の御質問がございましたが、この点につきましても、事態によっては安全保障会議に諮るということはある、こういうことはこれまでも国会答弁がございます。  しかしながら、先ほども申しましたように、原則としては閣議で決定、閣議で諮っていくという手順が踏まれるべきものでございますけれども、緊急やむを得ない場合にはそういった手順もとり得ないということもあり得ますので、そういった際には安全保障会議にかけられないというふうに御理解いただきたいと思います。  それから、今防衛出動との関係においてどうしてとおっしゃった意味というのは、なぜ法定しないのか、こういう御趣旨かと思いますけれども、そこのところは、先ほども御答弁申し上げましたように、やはり条約に定められた役割というものを果たしていく、あるいはその権限に基づいていろいろな行政行為をやっていく、こういういわば内閣の責任においてやる行動でございまして、それが設置法上できちんと明記されておるということでございますから、この対応で不適切であるということは当たらないんじゃないのか。ましてや民主主義との関係でということは、ちょっと必ずしもこの際のケースには当たらないんじゃないかと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 もう一つ申し上げます。  この民主主義ということの具体的な例としてお話ししたいと思いますが、それは国会との関係であります。防衛出動の場合にはできれば事前に、緊急を要する場合には直後に国会の承認を求めなければいけない、こういうことになっています。あるいは防衛出動までいかなくても、私も委員会での審議に参加をさせていただきましたが、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律、これは自衛隊を出すといっても別に武力行使させるわけじゃありませんから、日本の基地を使わせる話に比べたら全く次元の違う話だと思いますが、それも国会に対する報告ということになっているわけであります。  じゃ、なぜこの事前協議の場合には国会の承認なり報告ということが必要とされないのか、それが私は手続として非常に大きな欠陥があるんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、この点はいかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 先ほど来御答弁を申し上げておりますように、この事前協議に関する事項は、条約上あるいは交換公文、さらには法律の枠組みの中で、これは政府の専管に属する事項である、このように考えております。したがいまして、国会の承認を必要とするというものではないと考えておるわけでございますが、しかしながら、現実、これは事実問題といたしまして、そういった事前協議がございましたときの状況いかんではございますが、政府が何らかの形で国会にお話し申し上げるということは、これはあるんだということは従来から申し上げております。  それで、なぜそういったことを法定しないかということでございますが、これはやはり具体的なケースによりますので、一般論として申し上げるのは非常に難しいわけでございますけれども、これまでの政府答弁として、一般論として申し上げたところでは、例えば事前協議の事実が公表されることによって米国の軍事機密が直接間接に明らかになる、また、そういうことを通じて我が国自身の安全保障にも重大な影響を及ぼす場合があるというような、そういうこともあり得る。  こんなこともございまして、国会にお話しするということにつきましても、具体的なケースいかんによりまして、どういう形態になるのか、あるいは時期的にどうなるのか、事前になるのかあるいは事後になるのか、あるいはケースによっては国会にお話しすること自体も避けなくちゃいけないということもあり得るんだ、こういうふうに従来から政府は考えてきているところでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 今のお答えは随分奇妙なお答えだと思うんですね。事前には確かにいろいろな問題がある場合があるかもしれません。しかし、事後でもいいわけです、直後でもいいわけです。もし今外務大臣のおっしゃったその考え方を引用していくと、防衛出動の際にもそういう手続は場合によっては省いていい、こういう考え方になってくると思うんですね。しかし、法律はそれを許していませんが。同じようなケースは防衛出動だってあると思うんですよ。事前に国民が広く知ることによってかえって危険が高まることがあるかもしれない、しかし、それを超えてやらなければいけない、それが民主主義の手続だということになっているんじゃないのですか。同じことは、この安保条約に基づく事前協議にも言えるんじゃないのでしょうか。  私は、恐らく今まで事前協議というのは例がない、あるいは事前協議をされても困るという部分も日本としてあったのかもしれません。しかし、日本国家として、日本の基地を使われるかどうかということは国の安全に関する極めて大事なことであります。そのことについて国会が全くノータッチだ、法律上は何もない、そういう事態が果たして許されるのか、そういう問題意識で私は聞いているわけであります。総理、いかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 自衛隊法に係る問題につきましては私の主管でございませんので、御答弁は私から申し上げるのはいかがかと存じますけれども、しかしそれはやはり、我が国の自衛隊が国の安全を守るために出動する、そういった場合にいかなる手順を踏むべきかということをいろいろ考え、この自衛隊法をつくる過程において国会でいろいろ御審議の上で現在のような仕組みが法定されておるんだ、このように理解する次第でございます。  そして、さてこちらの、極東有事の際の、米軍による我が国にございます区域・施設の使用についての事前協議のケースにつきましては、これはその安保条約を締結いたしました際の、あるいはそれを改定いたしました際のいろいろな両国間の交渉、それを通じてこの条約がまとめ上げられた。そして、そのもとで交換公文も結ばれましてこういう枠組みができた。その際に、それを国会にお諮り申し上げまして、国会の御意思も酌みながら現在のような枠組みができておるというふうに理解するわけでございます。  そして、そういうことでございますので、事前協議がございましたときにそれにどう対応するかは、政府の専管事項でございます。したがいまして、条約上あるいは法律上、国会の御承認を得なくちゃならぬということではございませんけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、個々具体のケースいかんではございますけれども、国会にお話し申し上げることが可能な場合、ケースにおいては、これはお話し申し上げていくべきものだ、このように考えております。  ただ、ケースによっては、それを国会にお話し申し上げることができないケースもあり得るということは御理解いただきたいというふうに、従来から政府は一貫して申し上げている次第でございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 最後に言われたことは、私は納得いたしません。  いずれにいたしましても、これは揚げ足を取るために言っているわけでは決してございません。日米安保条約ができたときにはその事情もあったと思います。しかし、それから随分時間もたって、日本の状況も変わってまいりました。民主主義も成熟化してきたと思います。もうそろそろそういったことを考えていいんじゃないかという、そういう思いで私は申し上げているわけであります。政策論として申し上げております。ぜひ、そういうことについて政府の方もお考えをいただければありがたい。私どもの方もそういう気持ちで、思いでこれからもこの問題を取り上げていきたい、こういうふうに思っております。  さて、余り時間もなくなってしまいましたが、話題を医療保険制度改革に移したいと思います。  総理は、先般の衆議院の本会議におきまして、たしか共産党の不破議員の質問に対するお答え.だったと思いますが、医療用食品の加算問題であります、医療用食品加算については、療養上必要な食事の提供について一定の水準を確保するという当初の目的がほぼ達成されている状況の中で廃止を行ったところである、こういうふうに述べられましたが、その認識は今でもお変わりではないんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 医療用食品加算につきまして、入院の食事の際の加工食品の的確な栄養管理を目的とし昭和五十三年に設けられた制度でありますが、加工食品の表示が進むことなどに伴い制度の必要性が低下したことなどから、平成八年五月に廃止されたものと聞いております。

岡田克也新進党

○岡田委員 それじゃ厚生省にお答えいただきたいんですが、この医療用食品の加算制度で、もう既に廃止されておりますが、支払われた医療費の合計額、一体どのぐらいになるか、一部推計を交えて結構ですからお答えいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 医療食加算制度、これは平成八年五月に廃止されておりますけれども、これが昭和五十三年度から平成六年度までの間で実績が出ておるものが千二百二十五億八千万円でございます。なお、平成七年度に関してはまだ実績がまとまっておりませんけれども、推計いたしますとおおむね二百七十五億円程度になろうかと思います。これを合わせますと、約千五百億円程度でございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 推計できるだけで千五百億円ということであります。大変な額だと思います。  この医療用食品加算制度をめぐって、最初私が新聞で読みましたときに、まず感じたことは、大変な怒りでありました。一体何ということをやっているんだ。  中身は皆さん御案内のとおりだと思いますが、財団法人日本医療食協会と日清医療食品株式会社が行ってきたわけでありますけれども、唯一の医療用食品の検査機関となった日本医療食協会がその立場を悪用して、日清医療食品のみが医療用食品を独占できる、現実は九〇%ぐらい、こういうことでありますが、独占できる状態をつくり出して、その結果、第一に、日清医療食品は莫大な利益を上げたわけであります。第二に、日本医療食協会は、仕入れ値の五%、年間八億円を検査料として取った。第三に、協会の理事長、厚生省OB、元厚生省の児童家庭局長渥美理事長は、五千万円の年収を得た。そして第四に、その結果、医療用食品の価格は市価の五割増しとなった。  私は、この記事を見たときに、私も納税者でありますから、一体こんなことに税金や社会保険料が使われていいのか、大変な怒りを感じたわけであります。  総理は先ほど、この制度は当初の目的がほぼ達成されたからやめたんだ、こういうふうにお答えされましたが、実は、この制度をやめたのはこういう事件があって、そしてやめざるを得なかったという面があると思うのです。この日本医療食協会と日清医療食品株式会社が行ってきたことについて、総理はどういうふうにお感じでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 ただいまお話のございました日本医療食協会が行っておりました医療食制度につきましては、先ほどお話がございましたように、加算制度につきましては昨年の五月に制度を廃止をいたしております。  なお、その前に、昨年四月に、公正取引委員会から独禁法違反による勧告を受けたというようなことがございました。また、これを受けまして、日本医療食協会につきましては、昨年四月の勧告後、理事長の退任というようなことについて私どもは指導をいたしましたが、同協会では昨年五月末に理事長が退任をしております。  なお、この協会につきましては、昨年の十月の理事会におきまして、本年の三月に解散をするということで、それまでの間、食品並びに水質検査の事業を行う団体として現在存続をいたしておりますが、今年三月をもって解散をするという決定をいたしております。

岡田克也新進党

○岡田委員 退任をしたり解散をしたりというのは当然だと思いますが、それで済む問題かということだと思うのですね。  例えば、この日本医療食協会は昭和五十二年の五月に理事会の決定で、これは公取の調査ですよ、公取調査によれば、理事会の決定で医療用食品の一次販売業者を日清医療食品一社にするということを決めております。あるいは、医療用食品を製造しようとする事業者には必ずこの日清医療食品とあらかじめ協議するということを義務づけております。そういう構造の中で、日清医療食品が九〇%独占するという事態が生じた。  このことについて厚生省は承知していたのでしょうか、それとも知らなかったのでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 公正取引委員会の方から独禁法の違反の疑いがあるということで指摘後調査を始めたというようなことから、また、国会での御質疑の際にもそういうお話が、日清医療食品一社に独占をさせているんじゃないかというようなことがございましたので、私ども再三にわたり医療食協会の方にそういうことについての事実関係については問い合わせをいたしました。  しかしながら、医療食協会の方からはそういう事実はないという報告を受けていたわけでございますが、平成七年の暮れ、十二月になりまして、そういう指摘を受けた、そういう事実があったということを公正取引委員会の方に報告をしたという報告を医療食協会の方から受けた。それ以前までは、私どもはそのことについては承知をしておりませんでした。

岡田克也新進党

○岡田委員 御本人に聞いても、それは自分は潔白だと答えると思うのですね。でも、調べれば九〇%のシェアかどうかというのはわかるはずですね、少し調べれば。本当にそれをやってこなかったのか、私は信じがたい。  この協会には、厚生省のOBがたくさんおられましたね。先ほどの渥美理事長は元児童家庭局長だ。それから、専務理事が二人おりますが、二人とも厚生省OBであります。元官房審議官と元東北地方医務局長。理事も三人おられる。これだけのOBがいて事実を知らないということは、極めて不自然だ。もしそうだとすると、このOBの皆さんはぐるになってこの独禁法違反行為をやっていたと言われても仕方がないのじゃないでしょうか。この点について、厚生大臣、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 お話を聞いていて、ひどい話だと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 こういうことがなぜ起こったのか、私は、厚生省にもよく反省をしていただきたい、こういうふうに思います。同時に、やはりこういうことが二度と起こらないようにするということは大変大事なことであります。  その関連で、公正取引委員会は平成八年四月九日、厚生省に対して、これは異例のことだと思いますが、厚生省所管の公益法人などについて今後同様の行為が生じないよう指導することを要請しております。具体的にどの公益法人についてどのような措置をとられたのか、お答えいただきたいと思います。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 公正取引委員会から、厚生省所管の公益法人等において同様の行為が生じないよう指導することという要請がございまして、医療関連サービスに関する業務等を行う公益法人に対して、要請後直ちに事業の適正化について指導いたしました。また、その他いわゆる試験とか基準・認証を行っている所管の公益法人についても、同趣旨の指導を行っております。  具体的に法人数としては、七十五法人について具体的に今申し上げた趣旨で通知をし、指導いたしたところでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 その指導ということの中身なんですが、先ほどの話にあるように、それぞれの公益法人にあなたのところは大丈夫ですねと聞いただけでは、これはだめなんですね。やはりその周辺からきちっと押さえていかないと、同じことがまた起こる。そういう意味での徹底調査というものを果たしてやられたのでしょうか。やっていないとすれば、厚生大臣、やるおつもりはありますか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 今申しましたように、公取からの趣旨を受けまして、具体的に私どもの通知をもって、先ほど申しました七十五法人に指導をいたしたところでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 私は、通知で物事が改善されるとは、残念ながら具体的な例を見ているだけにそうは思えません。公正取引委員会がこういう要請をするということは極めて異例のことであり、私は、役所としては、厚生省としては非常に不名言なことだと思います。その名誉を挽回するためにも、ぜひもう一度厚生省の名誉にかけて徹底的な調査をしていただくように、厚生大臣、お願いしますが、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 適切な指導をしたいと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 それから、この関連でもう一つ申し上げたいと思うのですが、先ほどの日清医療食品、この制度の恩恵といいますか、九〇%の独占状態というものを生かして、平成二年には売上高が二百九十四億円、税引き利益が三・六億円、それが四年後の平成六年には売上高が六百六億円、税引き利益が十六億円、つまり、わずか五年間の間に売上高が二・一倍、利益が四・四倍ということになりました。まさしくこれは、この医療用食品の加算制度によって独占的利益を得たためにこれだけの利益が得られた、そういうふうに考えられるわけであります。  そこで、実はこの会社は医療食の給食分野においても大手であります。私どもが入手した一九九四年の時点においてすら、千を超える病院に対して給食業者として医療食を入れております。あるいは、全国の老人ホームにもこの会社は入れている。結局、この会社、日清医療食品は、医療用食品を独占していた。だから、その利点を生かして、みずから調理してそれを給食として出すということが商売としてやりやすかった。それを生かしながら、今日のこの状態を築いたわけであります。  私は、これだけの独禁法違反をした企業が、医療用食品はなくなったとはいえ、その隣接分野である給食の分野で大手として事業活動をしている、そのことはやはり納得いかないものがある。ぜひ厚生省におかれては、この会社がこれ以上にさらに事業活動を急速に伸ばさないように、むしろその過程で多くの企業が、この給食分野で商売のチャンスを逸しているわけでありますから、この分野での競争が適正に行われるために、ひとつ厚生大臣、何らかの措置をとっていただけませんでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 独占はいかぬということで、競争政策を導入することによって各社が奮起してこの状態を改善していくことが望ましいと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 望ましいのは事実でありますが、ぜひこの点について御配慮いただいて、具体的な措置をとっていただきたい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。  時間が非常に限られておりますので、きのうちょっといろいろ議論になったことについて、少し確認をしたいと思います。  一つは、診療報酬制度の中の中医協の話であります。  これはたしか新井委員だったと思いますが、昨日、中医協の議論を公開すべし、こういう議論を展開されました。それに対して小泉大臣は、自由市場経済の中で医療は統制経済だ、国民に適切な情報を提供するというのは必要だと思う、私は、どのような適切な情報を国民に与えるべきか、積極的に取り組んでいきたいと思う、こういうふうに言われました。  私も聞いているときには、小泉大臣、非常に歯切れよくおっしゃるものですから、かなり前向きなことを言われたなと思うのですが、改めて読んでみると、かなり抽象論であります。  そこで、もう一度この点について確認したいと思うのですが、中医協の議事録の全面公開について、厚生大臣として御努力いただけるでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 国民に適切な情報を提供するという観点、情報開示の観点から前向きに取り組んでいきたいと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 中医協に関してもう一点申し上げたいと思いますが、それは中医協のメンバー構成の話であります。  これはかなり長い歴史のある話であるということは私も承知をしております。昭和三十六年の保険医総辞退以来の一連の経緯によって、現在のような構成になっている。つまり、三十八年以前は、保険者が六人、被保険者、事業者で六人、診療側が六人、そして公益代表六人、合計二十四名の構成でありました。それが三十八年の改定以降は、保険者、被保険者、事業者全体ひっくるめて八人、そして診療側が八人、公益代表が四人ということになっております。  私は、この中医協というのは、別に診療側とそして保険者、被保険者がみずからの利害を調整する場だとは思っておりません。もちろん診療報酬の点数を決める場でありますけれども、その中には税金が入っています。大量の税金が投入されている。だから、当事者間で決めていい問題じゃないはずであります。そういう意味で、議論の公開とあわせて、この構成メンバーのあり方についても再検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 委員の構成については、支払い側、診療側、公益の三者構成で、現在二十名で組織することとなっています。そして、公益委員については両院の同意が必要となっておりますので、現在この構成を変えようとは厚生省は思っておりません。  しかしながら、審議内容の公開については、協議会とも相談しながら、国民に適切な情報を提供すべく努力していきたい、そう思っております。

岡田克也新進党

○岡田委員 私が申し上げたのは、個々の人間を入れかえるという意味ではなくて、八人、八人、四人というのを、従来六人、六人、六人、六人だったわけですけれども、そこまでいかないとしても、もう少し公益を代表する者を入れること。あるいは、保険者と被保険者というのは別であります、本来。だから、これも分けて、人数もふやしていくこと、そういったことを考えていただきたいということでありますが、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 いろいろ御意見がありますから、今のところ厚生省としては、この構成でそれぞれの御意見が聞けると思っておりますから、両院の同意を得る、各方面の意見を聞くということで、変える考えはありませんが、審議内容等もっと情報を提供しようということでありますので、その面については努力をしていきたい。  ただ、今御指摘の御意見ありますから、今後、変えた方がいい、いや今のままでいいという、いろいろな意見を聞きながらしばらく検討してみたいと思っております。

岡田克也新進党

○岡田委員 それから、薬価の問題であります。これも、昨日志位議員の方からいろいろ提案がありました。  私も、国民医療費の三割を占める薬剤費であります、これについてきちんと手を入れないと、なかなか国民が、これから負担増と言っても理解してくれないだろう、そういうふうに思います。  昨日大臣は、薬価の透明性の確保について、今後透明化をいかに図っていくか検討させていただきたい、こういう言い方をされたわけでありますが、厚生省の説明では、かなりこの新薬の価格設定の問題というのはルール化されている、ちゃんとルールがあるんだ、こういうことでありますから、そういうことであれば、これをすべて公開して、だれでもそれが見れるようにする、そのことが私は非常に大事なことだと思いますが、そこまで徹底してやるおつもりはありませんか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今までの決め方、それぞれあると思いますが、この決め方の透明化については努力していかなければいかぬなと思っております。

岡田克也新進党

○岡田委員 決め方の透明化ということの意味がいま一つよくわからないんですが、ルールはありますね。だから、そのルールに従って決定した結果、この薬は幾らになりますということがかなり機械的に出るのであれば、そのことも含めて、どういうルールでこう計算した結果この価格になっているということをきちんと出すことはできるはずであります。もしできないなら、それは公表されているルール以外に何らかの別の要因が加わって薬価が決まっていると言わざるを得ないわけでありますから、この点について、ルールそのものだけじゃなくて、そのルールに基づいて決めた結果、そのプロセスも含めてきちんと公開をする、そのことについてお約束いただけないでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 その透明化について努力していきたいと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 ほかにもいろいろ申し上げたいことがございますが、時間が限られておりますので、また次回にしたいと思います。  私は、実は社会保障制度審議会の委員をさせていただいております。この一月三十一日に答申が出ました。かなりの激論でございました。その中でこういうくだりがあります。今回の医療保険制度の改革の話でありますが、それに対して社会保障制度審議会は、「抜本的な改革の考え方を明確にするとともに、その具体的な改革スケジュールを、政府の方針として早急に示すことが不可欠である。」こういうふうに述べております。私もそういうふうに思います。  今回の負担増を伴うその改革の前に、私は、政府としてこういう考え方でこういうスケジュールで改革をしていく、そのことをきちんと説明すべきではないか、こういうふうに思っておりますが、厚生大臣、あるいは総理、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 医療保険改革について、医療保険審議会、また老人保健審議会、いろいろ御議論をいただきました心また、与党の医療保険制度改革協議会でも、「改革の方向について一年以内に結論を出すこと」としておりますので、その中で当然今後の具体的な制度改革の方向並びにスケジュール等がいろいろ議論されて明らかになってくるのじゃないか。その議論を我々は期待しております。  同時に厚生省としても、今回の医療保険法案が提出されましたら、国会で十分御議論いただきまして抜本的な構造改革に何とか道をつけたい、そう思っておりますので、御理解、御協力いただければありがたいと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 私が申し上げたいのは、今回の法案は負担増の法案であるというふうに思っております。国民の皆さんに負担増をお願いするのに私もやぶさかではありませんが、そのためには政府として、将来のあるべき医療制度というのはこういうものだ、そのための第一歩として今回の負担増があるんだということをきちんと示さなければ、それは説得できないと思います。  例えば老人医療制度についてどうするのか、こんなことも随分政府の審議会でも議論してきたことであります。それをまた新しい審議会をつくって一からやり直すという。今大臣は一年間でとおっしゃいましたが、本当に一年間でできるのか。逆に言いますと、今までいろいろ議論してきたことを踏まえれば、私は半年でできると思います。政治の決断であります。半年でそういった結論を出して、国民が、ああ、これから老人医療を初めとする医療保険制度はこうなっていくんだなということを理解した上で、その上で負担増をお願いしていくというのが、私は物事の順番じゃないかと思います。  したがって、今この法案についてどうこうするよりは、そういった具体的な方向をまず出した上で負担増について考えていく、こういう道筋じゃないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私は、この医療保険がまとまる過程の議論を通じて感じているのですが、どのような構造改革が出たとしても、これから提出しようとしている負担増は避けて通れないと思います。どんな改革が、案が出てきても、この程度の負担は避けて通れない。  そういう中で、私は、これから高齢社会を迎える、少子社会を迎える、税はできるだけ抑えていこう、なおかつ若い人にツケを残さないで、赤字国債も抑えていこうという中で、現状のままだったらとてもこの財政はもたない。今回、財政対策だという御批判がありますが、もう金がない、これが構造改革への最大の推進力になると私は思っています。  今回、ようやくまとめました。これをまとめるときにも大変だった。これから構造改革が出て、みんな言います。どなたも意見が違うはずです。片っ方では右しろ、片っ方では左しろ。片っ方は過重、片っ方は軽過ぎる。必ず異論が出る。どんな案をまとめても、必ず反対が出るものしか私はまとまらないと思うのです。だからこそ、今回いろいろな反対論が出てきます。この案を出したことによって構造改革が確実に進んでいくのじゃないか、私はそれを期待しております。

岡田克也新進党

○岡田委員 もう時間ですからやめますが、私は今の厚生大臣の認識と同じであります。だからこそ、改正をする前に、負担増をする前にきちんと将来の方向を書かなきゃだめだと言っているのです。  今回の改正をしちゃったら、三年間息つきますよ。また三年間議論して、まとまらないじゃないですか。そうじゃなくて、今回、もう本当に大変だ、そういう状況の中で、限られた時間の中でしっかり議論する、そして最後は政治の決断をする、その上での負担増じゃないか。小泉大臣の問題意識は私心共有しておりますが、結論は全く違う。そのことだけ申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

中川秀直自由民主党

○中川(秀)委員長代理 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。  次に、日野市朗君。    〔中川(秀)委員長代理退席、委員長着席〕

日野市朗民主党

○日野委員 最後のバッターになりました。  まず総理、私、今まで総理がペルーの問題についてとってこられた態度を支持いたします。非常に御苦労でございましょうが、非常に強い精神の緊張とわずかなサインも見逃さないというようなことで、ひとつこれからも頑張っていただきたいと思います。そして、あの人質の方々がきちんと救出されますように御尽力を願いたいと思います。  それから、カナダまで行ってこられて御苦労さまでございました。この間の予算審議の中で、加藤紘一さんが何か人権問題みたいな話をしましたが、我々の方、我々の方というのは、新進党、民主党なんかはこれは一日お休みをいただいたらどうだというお話をしたのですが、むしろ自民党の方が、いや、それはやっても構わぬということでやったわけでありまして、私、加藤さんのあの発言には一つの思いがあると思うのですよ。  実は、大平さんが総理をやっておられたころ、非常に忙しくヨーロッパに行かれ、アメリカに行かれやってこられて、そして休みも全くとらずに答弁に立たれた。そのとき、私は加藤紘一さんに、こんなことをさせていたら殺しちゃうぞということを言ったことがあります。そのころ、私は彼を攻め立てていた社会党のメンバーの一人だったわけですが、そんなことを言ったことがあります。それから間もなくだったですね、大平さんが体調を崩された。ひとつ総理もそういうところは御留意ください。それから、やはり自民党さんも、それは予算の審議を急ぐのはよくわかる。しかし、そういう条件もいろいろ考えるべきだというふうに思います。これはもちろん答弁の要らない部分であります。  きょうは私、最後のバッターでございまして、またあしたの午前中のトップバッターになりますので、私の質問時間が途切れまして、中断をすることになりまして、質問の流れや何かちょっとやりにくいなという思いがありますが、きょうは今までのいろいろな質問者のテーマとはちょっと違う、趣の違ったテーマでお話をしたいと思います。前回、私ここで補正予算の質疑に立ちまして、そのとき、きょうのテーマについては予告をしておいたことでございます。  私、これからの日本の国が、国家像がいかにあるべきかという問題について総理と討論をしたいというふうに思います。ただ、そういう問題をやるときに切り口をどこに設けるかというような、非常に悩みがあるものでありまして、私は、最近の腐敗構造の問題について、そこのところからまずお話を進めていきたいというふうに思います。  今ほどこの腐敗構造の問題が国民から指弾されているときもないというふうに私思います。また、これは非常に悪いのですね。国民の生命、身体を守るべき厚生省、弱者を守るべき厚生省、ここにスキャンダルが噴き出す。それから、オレンジ共済などという、これもまた弱者を対象としたスキャンダルが噴き出していく。しかもかなり、事務次官経験者というトップクラスのところ、ここいらから問題が噴き出しているということでございまして、この腐敗構造の根深さというものを私は今非常に強く感じている一人であります。  これまでも政治の腐敗、官僚の腐敗、業界の腐敗ということがずっと言われてまいりました。この腐敗の構造として鉄のトライアングルであるとか腐敗の三角形とかいろいろ言われておりますが、私は、どうしてもこの構造的な腐敗の要因というものを、これは正していかなくちゃいかぬ、こう思っているわけでございますね。この点については総理も同じ思いであろうというふうに思いますが、まず、いかがでございましょう。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 これから先の日本を語るときの切り口の一つとして、腐敗という面からの議論を、そして、それに対して、政、官、民間、その鉄の三角形という言葉をお使いになりました。私は必ずしもそういう議論を否定するつもりはありません。そうした面があることも事実であります。  そして、その上で私はあえて申し上げたいと思いますのは、結局、日本の戦後五十年、この間に築いてきたシステムの中に、こうしたものを生む原因というのは、気がっかなかったけれども温存していたんじゃないだろうか。そして、お互いが関連し合うシステムの中で、もたれ合っていく、さまざまに依存し合っていく、複雑に依存し合っていく、そういう関係がいろいろな場所にできてしまったんじゃないだろうか。それは、官僚と民間あるいは政治を問わず、組織、団体、さまざまなものが組み合わさってしまったんではないだろうか。それは、ある意味では中央と地方という視点でとらえましても同じような議論ができるかもしれませんし、やっぱりそこのところには同じ根っこがあると思います。  そして、いっか私がこうした腐敗という問題に関連して、むしろ規制緩和というものを推し進めていく、分権というものを推し進めていく、その結果として中央官庁の持つ権限を縮小していくということも、こういう問題に対する、無縁なようだけれども答えの一つではないだろうかということを申し上げたことはございますが、システムを直していく、改革の必要性というものは、そうしたところにもあるように思います。

日野市朗民主党

○日野委員 私は、この構造的な腐敗の構造というものを戯画化してみれば、やっぱりこの鉄の三角形と言われるものが一つ浮かび上がってくると思うんですね。官僚というのは政治家に弱い、政治家は業界に弱い、業界は官僚に弱いというような、一つの三角形の形というのが浮かび上がってきているというふうに思うのです。そこで、私は、これをきちんと正していくということの必要性というのは強く感じております。  そこで、今度の予算の編成に当たって、総理に伺っておきたい。  まあこれはちょっと水かけ論になるかもしれませんが、補正予算、それからこの本予算、この両方について、その編成に当たっては族議員の活躍があったということが、これはマスコミ等からいろいろ指摘をされているところであります。そしてまた、その仕上がりの形を見れば、やっぱり従来型の公共事業であるとか、そういったものに族議員の活躍の跡は見られるのかなというふうに私は思います。  これは、総理が族議員を語るとき、総理は、専門家を養成するということは必要なことなんだ、こういうことをずっと今までおっしゃってこられた。私もそうだと思うのです。  ただ、どうしても、その専門家と言われる族議員とそれから業界との間が結びついていくというこの関係、どちらがいいのか、どちらが悪いのかというような問題は、これは真剣に考えなければいけないところでありますが、業界とつながりを持つ、そして、そこから選挙のときに応援を受けたり、金銭的な補助を受けたり、援助を受けたり、こういう形というのはなかなかこれは断ち切れないわけですね。私は、これをあえて断ち切って、政治家の清廉さというものをきちんと一般にアピールする必要があるのではないか、こう思いますが、いかがお考えになりますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、つい先日までともに仕事をさせていただき、内輪からも見ていただく機会をお持ちであった議員から今のような御指摘が出たことは大変重く拝聴したいと思います。  と同時に、たまたま議員は族という、あるいは業界のエゴといった視点から論を組み立てられました。それも私は否定いたしませんが、もう一つ、今回大変目立ったものに地域のエゴというものもなかったでしょうか。政党とか政派ではない、それはしかし、逆に言えばその地域の人々の切実な声だとも私は思います。ただ、そのあらわれ方が、必ずしも世の中の評価をするような形でその要望というものがあらわれなかったという点はありましょう。  言いかえれば、我々は本当に考えなければならないこととして、我々がこれから本当に改革を進めていこうとするときに、業界あるいは各種の団体、地域のエゴといったものに振り回されずに、本当に将来を見据えてこの国のために働いていける、それだけのみずからへの戒めと自覚を持つべきであると思います。  そして、議員が今、政治に清廉さが求められるという言葉をお使いになりました。これも大事なことだと思います。  そして、議員にも在任中、歳費の十分の一を国庫に返納を続けていただきましたが、現内閣もまた、全員が歳費の十分の一の国庫返納をみずから進んで行っている。宣伝することではありませんけれども、そういう姿勢もとっております。

日野市朗民主党

○日野委員 これからひとつ、地域の問題は十分に考え込んであげなければならぬ点はいっぱいあります。私はあえて、整備新幹線の問題で、一生懸命要求を重ねた人たちの要求というものをむげに断るというわけにはいかないというようなこともよく知っておりますが、しかし、そういう中にあってのリーダーのつらさというものも私はよく理解するつもりです。しかし、総理は何といっても一国のリーダーであり、総理大臣である。涙を振るってもやるべきことはやらなければならないという立場におありですから、今聞かせていただいたお覚悟のほどというものを、私これも重く受けとめてまいりたいというふうに思っております。  そこで、私、これからちょっと、三角形と言いました、トライアングルと言いました各部分について、一つ一つ、若干の私の考え方を述べながら、総理のお考えなども伺わせていただきたいと思っております。  まず、政治でありますが、これについては一応の改革がなされたところです。これに対する評価はいろいろあるでしょう。そしてまた、これについてさらなる改革という声が上がっていることもまた事実であります。しかし、一応の改革を我々はつらい思いをしながらなしたこと、これだけはやはり評価していいと思うのですね。これからこれをどのように見ていくかということは、また将来の多くの問題を見ながら考えていかなければならないと思います。  次に、官僚の問題について、私、若干の感想を述べてみたいと思います。  私は、これもちょっとまた総理から重く受けとめていただけるかなと思うのでありますが、先ほども申し上げましたように、官僚の腐敗、これが噴出をしたわけですね。そして、私、非常に印象に残ったというか、そこまで腐ったかという思いをしたのは、現金というのは、これはよくある話です。絵なんかも相当に使われることはあるでしょう、贈答用に。しかし、金の延べ板を出されて、それをすっと受け取るという感覚がどうも私には理解できない。  私、そういう姿を見て、これは官僚の諸君、多くの人はまじめにやっているだろう、こう皆さんまず冒頭におっしゃって官僚の腐敗に対する批判をされます。しかし私は、この冒頭の部分、多くの人たちはまじめにやっているという、ここのところをあえて取りたいと思う。それほど深く官僚諸君の感覚の中に腐敗が忍び込んでいはしないか。おのずから身を正そうとみんな思っても、これもそれにかかるのか、腐敗の一現象なのか、腐敗の一症状なのか、それを知らぬままに官僚の諸君が仕事をしているということもあり得ることではあるまいか、こんなふうに思っているのですね。  私は、そういう観点からいうと、今度事務次官の皆さんが集まって、そして公務員の倫理規程というものをつくられた。これは規範性を持っている、こう総理はおっしゃる。確かに一つの規範性を持っているでしょう。しかし、さらにもっと厳しい措置をも考えなければならないのではないか、こう私は感じているのですね。  総理は、法律をつくるというようなこと、これについて否定的な見解をここ数日繰り返しておられることは、私よく知っています。しかし、官僚の諸君がみずからの身を律するために公務員倫理法のようなものをつくるということは、私は意味があるのではないかと思います。これは、法は人を処罰するためにあるのではないです。刑は刑なきを期すという言葉がありますが、私は、そういう効果、これを期待するために厳しい公務員倫理法のようなものをつくるということも意味があることではなかろうかというふうに感じている一人であります。  実は、そんなことを言ったら、国家公務員法がありますよ、地方公務員法がありますよ、刑罰法規として刑法もありますよ、こういう答えというのはいつでも用意できるのですね。しかし、私は先ほども言いましたが、刑は刑なきを期す、そのために公務員の諸君の背筋を正す、この必要があるのではないかと思います。何度も総理の答弁は聞いておりますが、私が今お話ししたこと、これをお聞きになった上で総理、どのようにお考えになるかお聞かせください。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先ほど議員は否定的という言葉を使われました。否定的では私はありませんが、消極的なんです。なぜなら、我々は、閣僚懇談会において公務員倫理法の必要性も視野に入れながら議論をしてきましたし、むしろ、そうしたものをつくらずに、本当に法規範性を持つこのルールで立ち直ってくれればいい、国民の信頼を取り戻してくれることを願いたい、まさにそんな思いでいるからであります。ですから、否定ではない。そういうことにまでしないで済ませてほしい、そういう祈りにも似た思いと言ったら言い過ぎかもしれません。そのようなものが私どもの中にないわけではありません。  その上で、昨日、みずからも官僚のOBで、OBではないOGです、私どもの森山議員から、自分自身が官僚生活を送った人間として、その官僚のモラルの喪失といった点に対して非常に寂しい思いを述べられながら、議員と同じ結論に達し、倫理法が必要だと言われました。私は、昨日も同様のお答えをいたしましたけれども、その時点で、みずからが公務員の大先輩である方が現役を見たときにもそうした思いになるかということを思いました。  日野さんの、大変失礼ですが、大変まじめに物事をいつも見ておられるあなたが、あえて大多数の公務員の諸君はよく働いている、それは知っているという言葉を取りたい、その言葉は取ってしまって、倫理法が必要だというところから始めたいと言われた思いをまさに私は重く聞きました。その上でなお私は、彼らの恥を知る心にかけたいと今の時点では思います。

日野市朗民主党

○日野委員 総理が今親心という言葉をお使いになりました。私もこの間まで郵政省をお預かりした身でございまして、その思いは総理に私は引けをとらない、こう思っています。しかし、現象的にあらわれてきているいろいろな局面を見て、本当にこのままで日本の官僚の諸君が、優秀な人材です、みんな私は優秀な人材だと思う、その諸君がおとしめられていく、そして自分たちが仕事をする上でもしっかりとしたモラールを持って働けなくなる、こういう事態を私は非常に恐れるから、あえて私は言わせていただいたということであります。  その親心という総理のお言葉、私もじんと胸にこたえる言葉であります。私と総理がこのような思いでいるということは、ひとつ官僚の諸君にはよくかみしめていただきたい、こう思いますね。  それからもう一つ、私は、民間をやり玉に上げたい、こう思っています。  というのは、官僚の腐敗を言い、政治の腐敗を民間の方々はよく言われる。そしてまた、総理の六項目にわたる構造の改革、これについてもいろいろなことを言われる。経済の状況についてもいろいろなことを言われる。だが、私は、民間の諸君にも銘記してもらいたい。政も官も民も、これは日本の国の中で有機的な結合体として作用しているんですよ。官が腐敗し、政が腐敗し、ひとり民間だけが清しということはあり得ない。  現在の日本、閉塞状況にあると思います。しかし、その閉塞状況をつくり上げてきた一因を担っているのはやはりこれは民である、私はこう思いますね。そして、私、民間が今非常に活力を失って、ややもすれば官とか政に何とかしてくれ、こう言っている姿を見て、私は情けなく思うんですね。今まで日本の経済を担った、そして外国からはアローガントジャパニーズ、こう言われた、傲慢な日本人とまで言われるくらい、そういったところは私はかなり行き過ぎでもあったろうと思うが、ある意味では日本のビジネスマンたちの誇りをばあらわした言葉でもあったと思うんですよ。それが今何だということを、私はあえて言っておきたいのです。ややもすれば政治に頼り、行政に頼り、こういう姿、これこそ正さなければならない。まさにこれは、わいろを贈るなんというのは民間が贈るわけですから。しかし私は、そんなことだけではない、もっともっと民間としては考えてもらわなくちゃいかぬところがある、こう思います。  もう産業構造を転換しなければならないということは、これはみんなわかっていたはずだ。しかし、産業の構造の転換というのはどのくらいまでできている、今。さっぱり出てこないではないですか。この間、経団連の会長さんが大手企業に、それぞれ一つずつベンチャーを出せ、こう言ったらしい。これは一つの会長さんの見識をあらわしている言葉であって、私は、それはそれとして結構なことだ、こう思っています。しかし、みんな業界団体をつくって、行政の代行みたいなことまでやってきている。それから業界内部で自己規制というようなことだってやっているではないですか。  総理、私はこう思いますよ。随分規制緩和を我々もやったと思う。まだまだ不十分だと言われれば不十分だ。しかし、規制緩和、随分もう、件数を上げるだけではなくて、こんな重要なところまで規制緩和は進んでいるのかと、実はあの規制緩和の一覧表をずっと見てみればこれはおわかりになるはずなんです、皆さん。しかし、それが何で進まないか。私は、これは、業界の内部の自己規制というのは非常に大きく働いていると思いますよ。業界というのは、何かあれだそうですね、戦争中の産業会からずっとそのまま引き続いてきているらしいですね。私、こういう姿を見ております。  そして、今大体外国で何が進んでいるかということを見なくちゃいかぬです。アメリカの経済がどんどん伸びてきた。かつてあんなに打ちのめされていたようなアメリカの経済が今活発に動き出してきているわけですね。今東南アジアで何が起きているか、中国で何が起きているか、ヨーロッパで何が起きているか、これは日本のビジネスマンたちは十分知っているはずだ。それに対応をしていくという姿勢が業界の内部に見られない、私はこれを非常に残念に思います。  アメリカなんというのは身を切るような苦労を重ねてリストラをやり、リエンジニアリングをやり、そして今、自分たちの産業を活性化していったではないですか。その中には身を切られるようなつらい思いがあったに違いない。それを思えば私は、この日本の民間には奮起を促したいというふうに思うのですね。  何で、この政治も、官僚の世界も、つまり行政も、それから民間も、こんなになってしまったのか。私は、ここのところについてどう見るかということは、これからの日本の将来というものを考えるときに非常に大事なポイントであるというふうに思います。  人は、今まで日本が求め続けてきた豊かさ、これについてキャッチアップを今やり、豊かな生活を手に入れ、そして我々は今目標を見失っているのではないか、こういう見方をとる人もいます。私もそれには賛同をいたします。  総理、いかがお考えになりますか。こういう日本の政治を、官僚の世界を、それから民間の経済界の人々、これらの人たちの現在の行動を見ながらどのように総理はお考えになるか。御感想をお聞かせください。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 非常に大きなテーマを投げられましたが、先ほどの答弁に一点補足するところから私はお答えを申し上げたいと思います。  公務員諸君に恥を知ってほしいということで先ほど私は答弁を締めくくりましたが、公務員を取り囲む問題というのは、必ずしも私は恥を知れという種類の話だけではないと思います。勤続年数、定年の問題、給与体系、さらに第二の人生設計についてどういう仕組みを考え得るのか、これはある意味では我が国の終身雇用制をめぐっての議論にもなるかもしれません。我々は、公務員に対して倫理を説こうとするなら、彼らが倫理を持ち得るだけの体制もまたつくっていかなければならないんじゃないでしょうか。そして、私が、今議員が指摘をされました民間の産業界というものにあるいは企業というものに対する御意見にも同様な思いをする部分もありますけれども、同時に、ではどうすればという思いがございます。  大変、変な言い方をしますけれども、私、大学を出てすぐ、綿紡績がやりたかったものですから、しかも綿紡績で自分の学校の先輩のいないところを一生懸命探しまして、そういう会社へ入りました。しかし、その会社は既に他社に合併をされまして、随分長い時間がたちました。私と一緒に入社をした諸君も、もうその本社には、被合併の立場であったこともあるかもしれません、みんな外の系列その他に出ております。  ある意味では、しかし、そういう体制が今日までを支えてきたわけです。同業他社の中、どこかの会社が整理統合される、一つになる。どちらがメーンでどちらが従かは別としても、それが一つの会社をつくって、そしてまた、一定の年齢になると、本社の役員になれない場合に系列企業に出ていく。逆に、その系列企業をもっとより大きくしてまた本社に戻る方もある。ある意味では、日本というのは、そういう意味で非常に業容の拡大というものを民間企業は目標にしてきたんじゃないでしょうか。しかし、その意味では、経済そのものも成熟をいたしました。そして、企業の価値観というものも変化をしたはずであります。そしてその一方で、今日までを支えてきたシステムが変容している。  私は、民間企業がこれから先、一層競争原理にさらされていく、同時に自己責任原則の徹底というものが求められていく、そしてその中で、より従来よりも大きな創造性や柔軟性が求められる、そうした方向に当然移っていくであろうと思います。また、そうした方向へ向いていくように、これはそのトライアングルを逆に私は申し上げるわけですけれども、産業界と、科学技術、技術開発を研究する学界と、そして実験室段階の製品を製造工程に乗せ得るような誘導政策を考えていく国、むしろそうしたトライアングルも将来を見たとき逆に必要になりはしないでしょうか。必ずしも私はトライアングルすべてを悪ととらえるつもりはありません。

日野市朗民主党

○日野委員 まあ、そのように伺っておきましょう、これは私と総理との見方の違いというところもございましょうから。(橋本内閣総理大臣「いや、合っているんですよ。合っているんだけれども、将来に向けての科学技術とか日本を何とかしなきゃ」と呼ぶ」)いや、これからのところはいろいろ問題として私指摘をしてまいりたいと思います。  私、今までこのような質問をしたのは、これからの日本の将来というものに対する非常に強い心配を持つからこういう質問を今私しているのでありまして、まず日本の国家目的、これは戦後、いやこれは戦後というよりも明治以来ずっと求めてきたものというものはありましたですね。まず豊かさを求めてきた。そして、一生懸命キャッチアップを図ってきた。キャッチアップを図って、そして日本がある程度の水準のところまで来た。そういうところまで来て、今我々はこれから何をしていくのかというところに大きな問題点があるんだというふうに私は思います。  まずとにかく豊かさを求めて、そしてキャッチアップを求めて、ひたすらに豊かさを求めてきて、ある一定の段階まで来た。それにかわり得る目標は何なのだということ、これを今、日本は探り当てられないでいるのではないか。この辺についての総理のお考え、いかがでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、これはちょっと非常に、うまく言えないんですけれども、今まで豊かさというものを真正面にかざして走り続けてきたという点、これは私、議員と意見は違いません。  その上で、例えばこういう言い方はできないでしょうか。豊かさという目標を追い続ける間に、我々は、平等性、均質性といったものを知らず知らずのうちに全体の価値の中に置いてきました。むしろ多様な価値観を認め合い、それを許容して行動し得る社会というような定義の仕方はできないでしょうか。  とっさの御質問なんで、ちょっと……。

日野市朗民主党

○日野委員 私は、多様な価値観を互いに求め合うということ、本当に賛成であります。そして、国家が一定の段階まで発展をしてくる。経済も一定の段階まで発展をしてくる。それから先が、それにかわり得る新たな目標というようなものは、それは何なのだろうかということをみんなが考え始めていると私は思うのですよ。  今の日本の状態というようなものは、豊かさを求めて今までずっとやってきて、そして互いにみんなできるだけ平等を求めながらやってきた社会、こういうものが私は日本の社会というふうに認めていいんだというふうに思うのですが、私、ここで一つの非常に気になる新聞の投書がございまして、ちょっと読み上げさせていただきます。  秋田市の小倉雅仁君、二十歳の大学生です。新聞社がつけたタイトルは、「若さぶつける「何か」がない」というタイトルをつけております。   私は昭和五十一年生まれだ。高度成長期も終わり、そのひずみが噴き出した時代に育った。「世間」というものがわかり出した中学・高校時代にソ連共産主義が崩壊した。バブル経済とその破たん。五五年体制の終えん。時代は常に激動していた。   若者なら、何かを強烈に信じてみたい。何かを強烈に攻撃してみたい。それができた全共闘世代にあこがれた時もあった。ベ平連の反戦運動をうらやんだこともあった。   しかし、現在は信じるに足る思想もない。社会も政府もあまりに変化が速く批判する暇もない。昔もノンポリというものはあったが、ノンポリとはどこかにポリシーがあるから成立するものであって、現在はポリシーそのものがないのだ。   若いエネルギーは行き場がない。この閉塞の結果がオウムの一因にもなった。 少し省略をしますが、   現在の若者は共有する価値観がないため孤独だ。だから彼らはベル友 これは若者たちが使いますな。ベルの友達ですな。  ベル友をつくって何とか寂しさを癒す。女子高生言葉もそれを共有することで必死に仲間をつくろうとする若者のあがきだ。  これは朝日新聞社の投書の中にあったものなんですが、今ここで若さをぶつける何かというものが一つのテーマになり得るのだろう、私はこう考えるのでございますね。  今まで日本は経済成長をずっと目指してきました。そして、そういった何か若さをぶつけられるような価値観、それが金銭が至高の価値と考えるような考え方に現在の日本はなっていやしないか刀関心が目先の利害に移っていってはしないか。国益よりも省益、会社の利益、こういったものに国民の価値観が移っていってはしないか、私はここのところを非常に心配するのでございます。私は、今言ったようなことは、日本の社会における一つの群像が日本の中にでき上がっているような感じがするのですが、総理はどのようにお考えになりますか。ちょっと問題が入り組みましたか、質問が。よろしゅうございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私自身、現代の若い諸君に触れる場面がそう多いわけではありません。ただ、たまたまボーイスカウト活動を通じ、あるいは剣道というスポーツを通じて、現役の学生たち、さらには高校生たち、そして自分の子供の友人といったところを見ている感じからのお答えになることはお許しをいただきたいと思うのであります。  私はちょっと議員と感じが違います。彼らは彼らなりにへ我々の世代とは違いますけれども、それなりに自分たちの夢を追っているように思います。そして、その自分の夢を追う時間をどこかからひねり出しております。親の私からすると宿題を早くやってしまえばいいのにと思ったりなんかするときでも、まあ何かやはり自分の好みを追っている。  ただ、その上で、私は今の若い諸君に本当に気の毒だと思いますのは、ある意味では、同世代の子供たちが減り始めているために地域社会の中で遊ぶ友達の数に必ずしも恵まれない、兄弟の数が少ないために兄弟での触れ合いのチャンスが必ずしもふえていかない、そうした中で、自分をどう表現していいのか、そうしたことにまた周辺に答えてくれるよき先輩を持たない、そうしたものはあるかもしれません。言いかえれば、どうやって我々がその子供たちの身近なところに、彼らに触れ合い、彼らをある場合は対等に扱いながらリーダーをしてくれるような人をつくり出してやれるかということが大事なんじゃないでしょうか。  そして、私は、その平等というのが、あるいは均質性というのが、いつの間にか結果の均一性、結果の平等になってきてしまった、それが問題に一つないかなという気はします。我々は、これからも実は平等性というものは必要だと思うのです。ただし、それは、公平なチャンスを与える、必ず公平なチャンスを与える、その意味での平等は私はこれから先も必要だと思います。そして、その平等の中で、それぞれが挑戦できる社会を少しでもよりよいものにしていく工夫を大人は必要とするのではないでしょうか。

日野市朗民主党

○日野委員 私は、日本の社会が一応の豊かさというものを実現をした、そして一応の豊かさを実現をして、いま一つ、それじゃ次なる目標は何なのかということで大きな迷いがあるような気がしてなりません。戦後の国家目的というものは豊かさを求めてきました。キャッチアップを求めてきた。しかし、今一応それを手に入れたとき、それにかわり得る目標というものを、これからどのように我々はそれを見つけていくべきなのであろうかという問題でございますね。  私は、これについてはだれもまだ答えを出していないと思います。実は私もまだ出していない。私もこれは出していないということは告白しなければならない。ただ、言えることは、こういう豊かさを我々は手に入れて、そしてもう一つの側面である志とでもいいますか、そういったものを今失っていはしないか、こう思うのですね。  戦後というのは、国を経済的に豊かにすること、これが最優先の目的でありました。そして、国の意思というのはそこに一本化されていたと思うのですよ。そして、みんなで一生懸命それを実現しようということで頑張ってきた。しかし、その目標が達成された後で、これにかわる目標というものは何なんであろうか、今これにかわる目標が失われていはしないか、こんなふうに思いますね。  そうすると、自然と人々の関心というものは目先のこと、それから自分の利害に移っていく、これは当然のことだと思います。私は、ここに日本の志の低下といいますか、精神の衰弱といいますか、そういったものを見るような気がいたします。これについて総理はこれからの将来を見据えた場合どのようなお考えを持っておられるか、お聞かせをいただけませんか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 就任以来一番難しい御質問を連続していただいておりまして、どううまくお答えをすればよいのかわかりません。  私は、委員が言われようとしていることは多分理解できると思います。その志という言葉の中に恐らく、自分の国を愛する、あるいはふるさとを愛する、目上の人々を敬う、弱い者をいじめない、そうした当たり前のルールの上に、そうしたものを当然のことながら十分に自分の身につけた上に、この国があすに向かっておのれの志を述べたい、そうした意味での強さといいましょうか、熱とでもいいましょうか、そうしたものが必要であることは私も間違いないと思います。  ちょうど私どもが国会に出ました直後に亡くなられたケネディ大統領が、就任の際、国が諸君に何をしてくれるかではない、諸君が国に何をするかを考えろという就任演説をされて、学生時代の私はそれを聞いて大変感動したことがあります。同時に、それだけの呼びかけができているかといえば、自分で自分を恥ずかしいとも思います。  ただ、やはりその上で、私は、それはお互いの世代が若い人たちにこういうものだと言って押しつけるものじゃないと思うのです。そして、私は、そういう意味で、昨年の阪神・淡路大震災の際に全国から本当に駆けつけていったボランティアの諸君の、また今回重油にまみれている海岸で一生懸命に油をすくい取ってくれているボランティアの諸君の中に含まれている若い諸君の姿に、私は言われなくてもあすのこの国を背負っていく立派な青年たちの姿を見ております力それを曲げないようにしていく、それが我々の役じゃないでしょうか。

日野市朗民主党

○日野委員 実は私、日本人がもはや既に文明的な一つの生命力というものを、エネルギーと言ってもいいかもしれない、そういったものを急速に失いつつあるのかなというような危惧を持っておりました。しかし、阪神・淡路大震災におけるボランティアの活躍とか、そのほか、外国にどんどん出ていって今ボランティア活動なんかをやっている、こういう姿を見て、政治の仕事をやっている私、かえってあの人たちに非常に力づけられたような感じを持っております。私は、ああいう人たちを見て、日本というのはまだまだ捨てたものではないというふうに実は考えております。  一つの文明というものは、まあ、いろいろな文明に対する見方はあるのですが、その役割を終わったときに衰退をしていく、歴史家はそう語るわけでありますが、また文化についてもそのようなことは言えるわけでありますね。  私、こういう日本人のありようを見て、日本人というのはまだまだこれは捨てたものではないというふうに思いますが、それと同時に、この日本人の持っているエネルギーというもの、これを引っ張り出していくリーダーの仕事というのも非常に難しいものだというふうに感ぜざるを得ないのですね。  日本の今までの国際関係に対する身の処し方、ややもすれば、これは小切手外交などと言ってやゆをされました。しかし、日本が世界の中で果たしていくべき役割というのは私は非常にこれからは大きいだろうと思います。日本は一つの経済的な発展という段階を経て、そして今、ややもすれば目的を喪失していやしないかという感じを実は持ちます。しかし、私は、さっき総理もおっしゃられたボランティア、その活躍というものを見、また世界じゅうにボランティアが随分広く活動を展開していてくれる姿を見、まだまだ日本人の持つエネルギーというものは多くを期待できるというふうに思うのでございますね。  私は、日本が一応の経済発展を遂げて、いわゆる先進国と言われる国々、これに対するキャッチアップを遂げて、さて、日本という国が、日本民族がこれから何をするのかという問いかけ、これは世界でも注目をしているだろうし、我々政治の衝に当たる者もこの点については的確な答えを用意しなければならないのではないか、私はこう思っているのでございますが、総理はこの私の今申し上げた思いに対して、どのようにお聞きになりましたか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、文明史論的に言って、日本という国家が衰退の時期に既に入ったと言われることについては、何としてもその衰退を食いとめたいと願っている、そういうお答えから始めたいと思います。その上で、私、国際社会に対する日本のアプローチの仕方を変えたいと思うのだということを、ASEANでもことし話してまいりました。すなわち、今までの日本は成功例を誇示し、それをモデルとして提供する日本でありました。  しかし、昨年のサミットの際、私は世界福祉構想という考え方を各国に対して提示し、それを受けて、昨年の十二月、初めて東アジア福祉担当閣僚会議を開きました。そして、日本の社会保障、福祉の歴史をたどりながら、我々の試行錯誤してきた道、現代において高齢・少子化の時代に入って我々が抱えている問題点をそのままに各国に提起し、問題意識を持ってもらおうとしてきました。  また、先般来私がASEANで申し上げてきた一つの例としては、昭和四十五年という年、これは公害列島日本と言われるぐらい公害が全国一斉に噴き出した年です。そして、我々は、その公害問題を克服するのに環境庁をつくり、多数の法律を制定し、大変なエネルギーを費やしてきました。その間に随分多くの人命も失われました。私は、そういう、我々の過去の失敗をそのままに皆さんにお目にかけるので、どうぞ我々が犯したと同じ失敗をしないでいただきたい、我々は人類が同じ失敗をこの地球という星の上で繰り返すことを好まない、そのようなことを申し上げてきました。  そういう意味での変わり方、むしろ我々は、国際社会に対して、日本として、一つの新しい姿として役割を持ち得るのではないでしょうか。まさに豊かな日本をつくるために走り抜いてきた間に、我々はすべて成功ばかりをしてきたわけではありません。その失敗をむしろあからさまに、そしてその解決にどれぐらいのエネルギーを使い、結果がどうなったかというデータを提供する。私は、一つの日本の新しい生き方になるのではないか、そう思っております。

日野市朗民主党

○日野委員 私も、実は、総理とはそういう物の見方で一致をいたします。非常に私も心強く思っておりますし、これからの日本人の生き方、これを、今の総理のお話は非常に力強い一つの方向を指し示しておられるというふうに私も感じているわけであります。  私は、そういうこれからの日本のあり方として、今まで経済発展を続けてきました。随分これは世界からいろいろお世話になってきたと思う。そして、我々は豊かさを手にした。これからは、我々が世界に対して多くのものを発信をし、世界の中に多くの価値観をつくり上げ、そして世界の人々、その発展のために我々は貢献していくという道を選んでいかなければならないのではなかろうかというふうに思っております。  そのとき、私は、一つの文明の持っている活力ということに注目をしなければならないと思う。日本は、これは東洋的文明であることは言うまでもありません。しかし同時に、我々は、この自然というものと常にいい関係を持ち続けてきたというよりは、自然の中に我々は生き続けてきたと思います。  私は、こうやって見て、随分人間の営みと自然との間が敵対関係になったという文明はいっぱいございましたですね。例えば、私、この間、テレビを見ていて一つの衝撃を受けたんですが、かつてのあのレバノンの杉の美林、昔、レバノン杉の林、あれが今もうほんのわずかな土地に十数本がまだ生きているという、そういうテレビの番組を見まして、非常に大きな衝撃を受けた。  日本人というのは、自然と同化をしながら今までやってきているわけですね。そして、日本人の生き方の中に自然を取り込んできていた、こういう生き方というのは、これからの人類の生き方にとって非常に大きな行方を示すことができるのではないか。日本の持っているメンタリティー、日本人の生き方、そういったものは世界の中に大きな一つの方向を指し示し、我々はそういう方向でこれからの日本人の生き方というものをつくり上げていかなければならない、そんな感じがいたしますが、私が今申し上げたことについて、総理、御感想がおありになれば聞かせていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 自然との共生をしてきた民族であり、これからも自然とともに生きていく民族であらねばならないと言われる御意見には、私も全く同感であります。

日野市朗民主党

○日野委員 きょうの分は終わります。あしたまたやります。ありがとうございました。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員長 これにて日野君の質疑は終了いたしました。  次回は、明六日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗