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140回国会衆議院1997/05/16

文教委員会 第12号

発言数
134
登壇者
13
会派数
4
開催日
1997/05/16

会議録

二田孝治自由民主党

○二田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、大学の教員等の任期に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗本慎一郎君。

栗本慎一郎自由民主党

○栗本委員 自由民主党の栗本慎一郎であります。  今回提出されております大学の教員等の任期に関する法律案に関しまして、大臣並びに文部省担当者に御質問したいと思います。  まず第一に、この法案の目的でございますが、一言で言えば大学教員に任期制が導入できるようにする目的は一体何かということにまずはなりますけれども、その質問の趣旨をもう少し内容的に限定させていただきますと、例えば、この任期制の問題は、大学に限らず公務員一般の問題がまず基本的にこのところ提起されております。これは行政改革ということともかかわって、国家公務員というよりもむしろ地方公務員の人数が多過ぎるのではないか、人数だけじゃなく、部局の重複とかそういったものもかなりあって、これを減らしていくべきではないかというふうな議論がかなり提起されているというふうに思っておりますが、そのような公務員一般の定数の問題、あるいは勤務の仕方の問題。  この勤務の仕方の問題というのは、例えば省庁間の流動化をもっと高めた方がいいのではないか、一応今あるというけれども、それは省と省のそれぞれ命令関係によって、外務省から大蔵省へ、大蔵省から文部省へと、簡単に言いますといわば出向という形でそういうことは理解されているけれども、実際に渡ってしまうということではない。このことについても、一般の批判といいますか、省益というのが実は行革の重要な問題を阻む壁になっている、そういうようなことがよく言われるわけです。  そういった中で、任期制というのは、一般的に言いますと、勤務状態の流動化、あるいはリベラル化という言葉は当たるかどうかわかりませんが、そういったこともあるのかもしれない。だから、そういうような、まず公務員の定数とか勤務のあり方とかいった問題から考えられているというのが、一つ疑問点といいますか御質問したい点としてあるわけであります。  他方で、大学自体、日本の大学の現状、今後の展望という中でこの任期制というものが特段に位置づけられて出てきているのかというようなことも御質問したい。どちらかなのか、あるいは両方あるのか。  日本の大学の状況に関しては、これは申し上げれば切りがない、非常に大きな問題が多々ございますけれども、まず概要的につかまえれば、日本の大学は、大学、短大を含みます大学の数は六百に近づいておりまして、また、大学の中学生及び教授が比較的固定的にそこに存在している。特に学生は、一つの大学に入って、ほぼ五年以内に大体九割以上の学生が卒業する。これは、欧米、殊にアメリカと比較した場合に、そのようなことはないわけであります。  今日、単位の互換が部分的に、大学連合的なあるいは地域大学連合的なところで実施され、文部省もこれを勧奨しているかのように大体伺っておりますけれども、実際には、例えばアメリカの場合などは、学生が単位を持っていて、大学を卒業するのに例えば百五十単位必要であるとすれば、二年間州立大学に行って、そのうちの例えば八十単位分を修得をした。それから社会に行った。戻ってこない者もおりますけれども、戻ってきて、また四十、五十になっても戻れるシステムになっているわけですが、あと七十単位が卒業に必要なんだ。極端に言えば、その間、文部省に勤めていて、また大学に行ってみようかという魅力を大学側が持つ必要があるわけですけれども、そういう形で、単位を持って学生が流動する、動いていくというふうなことが例えば行われればいいと私は考えておりますし、そういった方向を目指していくべきだと思っております。  今日の日本の大学の状況では、大体一つの大学、東京大学へ入った学生は大体東京大学を卒業して、しかも入学した学生のほぼ九割以上は、正確な数字は今私わかりませんけれども、自分も大学教授をやっておりました経験からいいまして、ほぼ九割以上の学生は卒業していくだろう。そして、私の勤務しておりました大学では、四年次の学生が、つまり三年以上在籍している学生という意味に大体なりますけれども、三年次の学生の二倍以上存在しているわけであります。  そして、この四年の必修単位というのが例えばあったりすると、それがないと卒業はできない。通常の試験をやって単位が取れなかった、さらに、その追試、再試をやっても取れなかった、超法規的にレポートを出して卒業させるようにしろと。ある一年やったんですけれども、それはいわば超法規的な、超法規的と言うと大変誤解があります、それは大学の自治の範囲であり、教授の科目に対する、科目に対する自治という言葉はございませんが、どのように単位を出すのかということについては教授の裁量の範囲に入っていると思います。それはまあ私の同僚がやったことでありますけれども。  通常、そうした三度の試験を経て単位が取れなかったという者についてさらに改めて特別にレポートを課して、これまたレポートを課すということについての告知の問題も本当はあるわけで、学生は大体、聞き耳、目を向けておりますから、ほぼ問題なく、レポートを出せば単位をあとくれるようだよということはみんなわかりますけれども、中には既に卒業旅行的なものとかそういったところに行っていることが多いわけですども、そうしていわば無理やり卒菜させたことがあった。学生の方では、一年あったから翌年もそうだろうというようなことがありまして、ところが、翌年は比較的原則的な教授がそれを取り扱いまして、それはしないと言った途端に社会問題になってしまったということがあった。私も全国紙のコラムにそれについて書かせていただいたり、ということは社会的な関心が非常に高かったわけであります。  これは、少し長くなりますけれども、日本の大学のあり方はいろんな問題点があるけれども、まず第一は、非常に、大学、大学それぞれが固定化されていて、学生、教授のあり方が固定化されていて、また、入学させた者を卒業させるのは大学及び教授の義務であるみたいな話までそのときに議論されたと記憶しております。そういうところで、大学の教員もほぼ一つの大学にいるという傾向が非常に高い。  私は、正式に二回、最後に、いや、現在も東京農業大学の教授でありますから最後にというのは問題でございますが、明治大学法学部に在職する前に二度正式に転職したわけですけれども、非常にそれはまれな例だというふうに言われた。実際、転職の場合に、後でまたもう一度お聞きいたしますけれども、国公立大学の場合には、教員が自分がA校からB校へ転職したい、そちらの方が、研究、教育に対して、自分にとっても社会にとっても大きなメリットがあるということをする場合でも、割愛状というのをそれまで勤めていた大学の教授会から出されないと転職できない。  この法的根拠がどうも不明なんでありますけれども、職業の自由をある意味で狭めているのじゃないかというような気もいたします。例えば、これを出さないということをいたしますと、セクシュアルハラスメントという言葉が一時期言われましたけれども、ほぼ同時に、はるかにマイナーな使用法でございまして、アカデミックハラスメントという言葉もある。教授会の長なり大学の長が、自分の下におります、下というのはおかしいのですが、機構上、下におります教授等の転職等に関して嫌がらせをすることが十分可能である。アメリカではこのようなことは考えられないわけです。  このことが、今日のいわゆる任期法に関して、アカデミックハラスメント的に、あいつは嫌なやつだから任期をつけておこうとか、ちゃんとまじめにやっているかどうかを三年ごとに調べてやろうじゃないかということがあったりしては困るというような議論もあるわけですけれども、一般的に言えば、逆に、大学教授が転職をしていくことに対するハザードが非常に高い。  現実に、私が明治大学に移りますときに、今日、某公立大学になっている、大学の名称が変わりましたところにおったわけでございますけれども、割愛状を出さないと言うのですね。どういう根拠だか、出さない。ぜひいてほしいというならばそれまで随分態度が冷たかったのに、出さない。四月一日から明治大学に着任するというときに、最終的に、そこの大学の学長が三月三十一日まで持っているから、その日にちょうど会えるからやってこいと言うわけです。東京じゃなかった。そこに当日、三月三十一日に行ったらば、どういうわけだか、さようは学長はこの大学にいないと言うのですね。割愛状は私のところに届かない格好になっている。  そこで今度は、割愛状というものは一体どういう法的意味があり、根拠があるのかという根本的な議論になりまして、明治大学側がまあいいという話になってしまいまして、それなしで転職をした経緯がある。けれども、私のように、ぜひとも明治大学から来てほしいと、その当時は思われていたような教授じゃないと転職はできなかったかもしれない。明治大学側も、割愛状なしで採用したことを後々反省した人たちもいるようでありますけれども。  これは一つのエピソードでありますが、こんなことは欧米では考えられない。嫌がらせが現実にできるわけであります。大体、大学で研究をあきらめてしまった人間が大学行政の上の方に行くというのは、そういうことができるからだ。これは全く余分な話であります。法案の中で、国公立大学の教員が転職をする場合の割愛状云々という慣行あるいは法的根拠が那辺にあるかわかりませんが、それを外せというふうなことを私も言いたいぐらいであります。  かくのごとく、日本の大学の問題は、学生も教授もある程度固定的に一つの大学に所属をする、出た後も所属をするという感じが非常に強くなる。そして、それが、大学生が一つの大学でそのまま卒業しなければならない、させるのは義務だというような非常に勘違いをした議論が出てくるところになっている。  そういったことに対して、日本の大学の大きな問題はたくさんあります。今申し上げたようなことに対しての一つの答えといいますか、改善の方向についての問題なのかということをお聞きしたい。  もう一度まとめますと、公務員のあり方の問題、あるいは行革といったところから出てくる、つながる問題なのか、あるいは日本の大学の学生、教授が一つの大学にほぼ固定されているというような傾向がある、そうしたことに対する大きな提起の一つなのか、そのようなところを改めて大臣にお聞き申し上げたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 栗本委員から体験を踏まえての御質問でありますが、今回の大学教員の任期制の導入の目的は何かというところが主題だったと思います。  私は、まず、公務員全体の大事につきましても、できる限り省庁間の、何といいますか交流というのは非常に大事だと思います。よく省益というような言葉が言われますが、やはり省益の前に国益あり、こういう発想をもっと公務員全体が持っていただくためには、できる限り人事の交流ということは大事だというふうに思います。  それから、大学においては先生も学生も固定化してきているという今の御指摘は、私はそういう傾向は否めない事実であったと思います。今回こうした法案を出したというのは、昨年十月の大学審議会の答申にありますように、大学における教員の流動性を高める、このことによって教育研究の活性化を図る、これが主たる目標でございまして、従来の定年までの継続任用ということに加えて、大学の判断によって任期を定めた任用もできる、こういう選択の余地を広めるものであるというふうに考えております。  先生も御指摘になりましたように、教員が異動というか流動することによって、異なった経験とか発想を持った多様な人材を受け入れて相互に学問的な刺激を与え合うということは、あるいは場合によっては批判をし合うということによって、教員の教育研究能力を高めていくということに資すると思いますし、それからのキャリア形成にも大きな意味を持つものと考えております。  今、アカデミックハラスメントなんという話がありましたけれども、後ほどまた具体的な話が出ると思いますけれども、今回はあくまでも大学の判断と、そして本人の承諾ということが必要でありますので、そういう懸念はないというふうに考えております。  とにかく、今度の法案によって、教員の流動性を高め、そして大学間の異動というものがもっと活発に行われることによって、教育研究の活性化を図る、これが大きな目標でございます。

栗本慎一郎自由民主党

○栗本委員 ありがとうございます。  それでは、大臣にちょっと個別の、質問通告をしてなかったのですが、今、割愛状という話がありましたので、一つだけちょっと敷衍して御質問いたします。  それは、今回の法案は、要するに、教員、私どうも大学の教員を教員と呼ぶことに非常に抵抗感があるのですけれども、大学の教授だけは別の話でありまして、大学の教授だけは資格がないのですね。あとは幼稚園の先生から保母さんも含めて資格がある。私は、大学の教授の資格は国家資格にすべきじゃないというふうに思っております。  その場合に、研究教育といいますが、研究は八割、教育が二割だ、あるいは大学の性格づけをはっきり、研究中心の大学、それの学生がおるのですよ、それから人材養成中心の大学というふうに分けていただく、私はそれは差別ではないと思うのですが、そういうふうにすると差別だと。ということは、どうも研究の方が偉いと思っているようなんですけれども、偉いと思っておられる割には日本の大学の教授は研究をしないし、各大学が研究の体制をつくるという点が非常にできてない。人材養成も研究も、いずれも同等に重要なものだと思う。だから私は、差別ではなくて区別をつくっていくべきだというふうに思いますが、相変わらず世俗の議論では、これは差別であるというふうな考えがあるようであります。  だから、このことについて今とりあえず申し上げませんが、今ここで問題になっています法案は、そこで定義をつけて申し上げました教員と大学との一つの大学内部の関係なんですね。任期があって、例えばまだその人が三十代だ、四十代だ、大学の教授であり、研究を続けていこうという場合には、当然、他の大学なり研究所に移ることになる。その場合に、今の割愛状等の問題があってそこにハザードがあったら、せっかく任期制が導入され、それがさまざまな問題点を指摘されつつそれを克服していい方向で使われるようになっても、それは困るのです。  ですから、まず割愛状というようなものの存在が実際に大学の慣行にあったのを、大臣、御存じだったかどうか。また、あったらば、私の説明申し上げた範囲では、これは結局、出さないからといって移れないものではない。どうも慣行のようであって、例えば東大から京大に移る人がそれをもらってない場合、どういうふうになるかというと、どうも東大とうまくいってなかったのか、だからこっちへ来たのかという判断になるだけなんですね。東大とうまくいっていない方がいいじゃないかといえばそれは喜んで採ってくれるし、そうでなければこれはだめだと。  まず、出す、出さないで明確な法的基準がありませんで、結局は出すのですけれども、しばしば、ぶつぶつ言われて、ちゃんと反省をしたかとかいうようなことでまあ慣行上出てくる。その辺は割愛状を含めまして、やはり移っていくことについてのハザードをなくす方向がいいのではないかと私は思っているわけですが、法的措置云々ということを申し上げません、大臣、御同意いただけるかどうかだけ、ちょっと御質問いたします。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 まず、資格の問題ですけれども、小学校の教員とかそういうものと違って、大学教員というのはある一定の資質があるということを認められて教授になっているわけですから、そういう資格化というのは一種の規制強化であって、私はなじまないと思います。  それから、大学の研究と教育というのは分離されているものではなくて、やはり研究があり教育があって、お互いに多様な研究を通じ、またそれを教育の場に反映をし、そして教育の場で生徒と接触して得たものをまた研究に生かすという、多様なものが生き生きと存在するということが私は大事だと思うので、制度上それを区別するというようなことは必要ないと思っております。  それから、割愛状というのは私は全然聞いたことのない言葉でありますし、文字もどういうふうに書くのかわかりませんが、これはたしか文部省が決めているものではなくて慣行として行われているものではないかと思いますが、詳細はまた高等教育局長から答弁させます。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 若干補足させていただきたいと思いますが、大学の教員の資格の問題につきましては、今大臣から申し上げましたように、小中高の先生のように免許状を要するというような仕掛けにはなっておらないわけでございます。ただ、大学設置基準上、例えば博士の学位を有すること、あるいは特に会社におきましても立派な業績を上げた人というような、割合に一般的な言い方でもって要件を定める、こういうことではございますけれども、小中高の扱いと同じようなことになっていないことは大臣から申し上げたとおりでございます。  それから、今の割愛ということにつきましては、これもまた法令上の事柄ではないわけでございますが、ただそういう慣行的なものを若干弁護して申し上げるべきことがあるとするならば、やはりある先生がA大学からB大学に移ろうとするときに、A大学にとってはそこにいわば穴があくわけでございます。穴があくときに、かなり早い時期にそれを言ってもらっておりわかっておるならば、その後埋めの大事についていろいろ算段することができる。そういうそれぞれの教育機関の都合というようなことで事実上行われているのではなかろうかなということでございます。もちろん、法令的なことではございませんものですから強制力がないわけでございまして、それでも自分はやめるということであれば、それを拘束するというようなことはもちろんないわけでございます。  それから三つ目に、教育と研究、これもまた大学の先生としての二つの重要な職務であるわけでございます。これをどう評価するか、これは語ると大変長くなるわけでございます。大変重要な問題でございまして、教員の業績評価ということを考える場合に、これをどうしても欠かすことはできないというように考えておるところでございます。

栗本慎一郎自由民主党

○栗本委員 ありがとうございます。  割愛状というものの慣行は、余り世間には知られていないわけであります。大学の教員が異動いたしますと、四月から予定されているカリキュラムに穴があくとか、あるいは大学内でのプロジェクト研究をしているというケースがございます、大学横断的になされるべきものが原則だと思いますが、大学の中だけでやっていこうというようなことに研究費を出したり奨励をしたりしているケースがしばしばございます、それに若干のそごが生じるということは現実にあると思います。これから任期制が採用され、またその意味が十分理解されて、ある程度浸透していくことになれば、今後もそういった表面の問題というのは起きるのではないだろうか。  けれども、現実を申し上げますと、A大学からB大学、特に国公立同士だとどうも連絡があって、地域が近いと余計困るということがあるわけなのですけれども、ぎりぎりにしか言い出さないのは、早目に言っておくと邪魔されるからというのがほとんどであります。それでぎりぎりに言おう。そうすると今度はぎりぎりだからだめだ。全くいじめみたいなものであります。要するに大学間の異動がないようにしよう。  それから、一つの大学の中だけで完結する研究などは実際にはないのです。だから、ある大学が自分の大学の教授だけ、あるいは助教授だけを含めて、専任教員だけの研究を勧奨しようではないかというのは、私は、それはプラスの意味があるのではなくて、その大学の研究レベルが非常に低いというような、そうは言いませんけれども、そういう認識がありまして、もうちょっと頑張らなければいけないというようなことでやっているのが実際ほとんどであるというふうに私は理解をしております。  その割愛状の問題にかかわります大学の教員、教授、研究者が異動していくということについては、これは文部省が別にどうしろということではないと思います。余りそういうことをやれとかやるなとか文部省が言うこと自身が大きな問題でありますが、少なくともこの問題を認識しておいていただきたい。高等教育局長は、ひとつそういう制度、慣行があればいい方向に使って、使うと言うとおかしいのですけれども、見守っておいていただきたいというふうに思っているわけでございます。  次の質問に移ります。  任期制を導入するについて各大学の研究者にいろいろな議論がありますけれども、大体大学の教授会というのは、大きいいわゆるマスプロ私学と言われているところでも一つの学部の教授会は六十人、七十人で、それを超すことはまれであります。  明治大学法学部というのは一学年が八百人の定員のところもう少しとるとか、私立大学の場合には、たまたまふえてしまうのは仕方がない。東大でも入学辞退率が一〇%を超したときがありましたし、地方国立大学では入学辞退率が五〇%、六〇%を超したこともある。だから、学生を千人とりたいときに合格者を千人出したら絶対だめなのでありまして、私学の場合には、私学で最も志望される率が高いと言われている早稲田や慶応でもかなり抜けてしまいます。  明治大学などの場合には、千人を確保したいというときには大体二千五百人だとか二千六百人だとか、これについてむだな議論が教授会で延々と繰り広げられております。ことしは中央大学と同じ日に試験をやったから向こうに抜けることはない。そうするとだれかが、失礼な、もともと向こうには抜けないんだ、どうのこうのと言う。向こう出身の先生がおりまして、委員長も中大だと私は理解しておりますけれども、いいんだ悪いんだ、つまらない議論を、ふだんの教授会で余り言えない、何となぐたまっているものが一時間ぐらい議論されまして、最終的には、よくわからないから二・五倍ぐらいにしておこう。根拠は何もないのであります。私はあるとき、もうそんなものは、とりあえず統計の先生が一応歴年見てきて、ことしはこのぐらいではないかとかというのでぽんと出してやってくれればいいと言ったら、ある教授から、そういうときにみんながいろいろふだんのいら立ちをそこで発揮するのだからぜひやらせてもらいたいと。  また、これは高等教育局長にも知っておいていただきたいのですけれども、大学の教授会というのは、たとえ原子炉を動かしていようとサイクロトロンを動かしていようと、教員が入試に参加することがいいことだというふうに思われている。私は、こんなばかなことはないと思っております。論文採点等は教授にやってもらった方がいいと思いますけれども、ほとんどコンピューター化しているものを、なぜか必ず教授、助教授、専任教員が採点しなければいけない。そこで、研究に従事している教授はそれこそアカデミックハラスメントに遭うわけであります。機械を使います研究というのは、動物をウォッチしているものなど、本当は日々離れてはいけない。ところが、必ず教授会。入試ではすべての問題が教授会事項になっておりますから。  それで、入試というと世間の方々は、ひょっとすると文部省も、一つしかないと思っている。大臣も一つの種類の入試しか受けておられないと思うのです。つまり、高校生が高校を卒業して大学受験資格を持って、普通は昼間の入試を受ける。二部でもない、転部でもない、転学でもないというような形です。あるいは学士入学でもない。学士入学であろうと何であろうと、今申し上げたことは、法的には全部同格の入試になります。受ける人間の数は少ないわけです。けれども同格なんです。全部教授会決定事項であり、教授、専任教員が全部参加しなければいけないというので、私は自分のマスプロ私立大学在職時代に、一体おれは何回二月から三月にかけて教授会でこのことに——そんなもの休んだら大変なことになりますから、テレビに出てなくてもテレビに出たろうなんて言われるわけでありまして。自分で私は統計をとっておりまして、自分の教授会の中で一番欠講率、休講率の少ない教授であろう。これは全く余分な話であります。やむを得ず学会で休んでも必ず補講をやった。意地でやっていたわけです。そんなことする必要はないのでありますけれども、意地でやっていたわけです。だから教授会も意地で全部、意地で出るというのは変ですけれども、現実には意地で全部出ると、何と十四回あった。今申し上げた種類に全部、一部、二部がかかわってくる、掛ける二になってしまうのですね。時間も計算いたします。こんなばかなことやってどうするのだ。しかも、それは機械的な採点のできる部分も全部含めてという状態なのです。実は、その時期を通じて大学の教授会の構成メンバーの共同体意識を高めるということが現実に行われている。  だから、任期制というのは、先ほどから申し上げているように、教員の転職といいますか所属を変えるということが、ある意味で勧奨されるというか、それは認証されるということでありますけれども。  私は、明治大学へ入るまでに正式に二つの大学を経ていきましたところ、各大学で入試のあり方とか少しずつ違うのですね。それから二月、三月のそれぞれの教授会の先生方の対応の仕方。ある大学では教授会の後必ず飲むことになっている、ある大学では教授会の後必ずマージャンをすることにはもちろんなってない。いろいろある。それがわかってないから全部最初からやってもらわなきゃいけない。何だ、これは新生党から自民党に移るより大変だなというのは、そのときは思っておりませんでしたけれども。普通助手のやること、専任講師のやることを、最初からやってくれと。既に私は教授直前ぐらいの助教授になっておりまして大学の慣行についても詳しいけれども、うちのやり方はわかっていないのだからもう一回、ぞうきんがけなんという言葉が使われるのですね。  実は、大学の内情なんというもの、教授会の実情なんというものはかなりそのようなことで、それでいて、はっきり申し上げて明治大学法学部の教授会の状況は極めて、一般的に言えば、全国平均からいえばリベラルであり、私も十分意見を述べることはできたし、最後は二部の学部長に当たるものも務めさせていただいた。もっともっとひどいところがあるのです。  そして、現在、大学の教授が匿名で書いている「危ない大学・消える大学」というような本があるわけです。もちろんそのターゲットになっておりますのはいわゆるワンマン私大。オーナーが大学を運営している。そんなものはないはずなのでありますけれども、現実にはあるようにも聞いております。そこで非常にそういうことがある。  大学にそういった体質がありますと、今回の任期制なんかは悪く利用されるとか悪用される危険性は、それはあるわけです。ある人が一人だけ権限を持っていて、どうもあいつは気に入らない。大学の教授もそれぞれ政党に所属したりして、そのこと自身は構わないわけでありますが、例えば、あいつは自民党員らしいからちょっと任期をつけちゃおうというふうなことはあり得る。大学では政府・与党、自民党の支部なんというのは聞いたことがありませんから、入っている人は隠しているのです、恐らく。一番弱いのは多分ここにおります諸政党の先生方と大学の中の比較をいたしますと、私も大学教授時代自民党に入っておりませんでしたけれども自民党であって、入ったら多分隠しただろう。これはハラスメントの対象になるだろう、恐らくなります。だから、任期つけちゃう、そういうことが起きないとは限らない。  多分そういう懸念の御質問が今後も出ると思いますが、それは任期制の問題じゃないのですね。任期制の問題ではなく、その大学の体質の問題なのですね。大学自身の問題。内部が民主化されていない、ワンマン大学であるから。だから、任期制があってもなくても、そんなものは別の嫌がらせ、つまり、おまえは絶対に教授にしないよ、世界的に評価されているかもしれないけれども、それをテレビが取り上げたから、テレビが取り上げるということは大体だめだなどと言われて、やられておりましたのが早稲田大学の吉村現教授でありますけれども。ですから、それは任期制の問題ではなくて、そのようなことが六百にもなんなんとする日本の大学の中にはある。そして、それは形を変えてさまざまな格好で出ることがある。  だけれども、恐らくそれに対して文部省が具体的に介入して、そうしたことはやめろとか、よせとか、やれとかいうことは、私は問題がある。大学自体の問題であって、そのことが大学のいわば淘汰とかいったことにつながってくる。  先ほど、穴があいたらどうするか、だから割愛状を出さないというような話がありましたけれども、それも大学の責任なのです。もしもいい大学であれば、それは出ていかないですよ、基本的に。そこにいられるように、教授は全員ほぼ一律の給料であるとか、研究費も一律にしか出さないとかいうのがほとんどであります。しかし、してない人には要らないですね、本当の話。それから、図書館の充実の度合いによって研究費のかかり方も違ってくる。それに対して、それは文部省の指導ではなく、各大学がそれぞれ、それこそ自治で対応していけばいいのであって、そうしたことがきちんと行われている、あるいは努力が認められたらば、いい教員は大学から出ていかない、任期があっても恐らくそこについていることができるだろうというふうに思うわけであります。  まとめます。長くお話しいたしました。質問なんだか講義なんだかわからなくなりましたから、そう思っていらっしゃると思うので、まとめます。  文部省が、要するに任期制の導入を強制し、そして、こうしろとか自民党の教授はやめさせろとか、一番弱者でありますから、そういうようなことができるのではないか、しようとしているのじゃないかというような懸念が強く表明されておりますが、これに関して、大臣でも局長でも、きちっとしたお答えをいただきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 今回の大学教員の任期制は、教員の流動性を高めるための一つの方策でございまして、任期制を導入するかどうかは各大学の判断にゆだねるという、いわば選択的任期制の考え方をとっているわけでございます。  したがって、文部省といたしましても、このような形で法案を提出するということの意味合いは、この法案の定める制度的なことを活用しようと思ったら活用できるというようなことで法案を提出させていただいているわけでございますので、そのような活用を期待しているということはもちろんあるわけではございますけれども、選択的な任期制ということでございますので、大学に対しまして任期制の導入を強制するとか、あるいはこれを誘導するような措置というようなことを考えてはいないということでございます。

栗本慎一郎自由民主党

○栗本委員 今おっしゃられたように、実際、やれとか、やるなとかいうふうなことを今後各大学に文部省が指導といいますか、介入をしないように強くお願いをしたいと思います。  では、次の質問に移りますが、任期制の導入、それについての懸念にもかかわっているのですが、実は、今大学及び教授に対する業績評価という問題が、この十年ぐらいだと思います、日本でかなり議論をされてくるようになりました。この業績評価に関しましては、一般的に言って余り進んでいない。あるいは、一般的に言って、これが一番正しい、議論の、問題のないやり方であるというふうなものが確立されているとは思わない。私は、自分で提案している部分があります、自称栗本・朝日式というのをここでは提案しております。朝日新聞とこの点だけ意見が一致していると私は言っているのだが、本紙の方は一致していないとか言っていましたが、週刊朝日でやっていたわけであります。  先般、湯川秀樹博士が何年間か外に対して業績発表していなかったのはどうにかなってしまう危険があるのじゃないかという御質問がありましたが、湯川さんほどの人を認知できないような大学は、湯川さんに去られても仕方がない。これはノーベル賞をとったからというわけじゃありませんが、百人のうち〇・一人くらいの例でありまして、これを全般の議論にするのはおかしい。一般的には、やはり五年も十年も外に対して業績を発表しない教員、教授は、それは怠惰だ、責任を果たしていないというふうに思うのです。  先ほど、大学の教員の資格について国家資格化する、もちろん私は初めから反対でありますが、それはしないという御答弁で大変よかったと思いますが、現実には私は資格はあると思っています。それは、大学というものは高校までと違って研究をもとにする教育であるとすれば、本人が最先端の研究者であることが、本人の怠惰なり才能の欠如によってストップすることはあると思うのです、現実に。あっても、最低限必要なのは、例えば民法学でもいい、刑法でも民事訴訟法でも何でもいいのです、ショウジョウバエの眼の発生の研究でも何でもいいけれども、それについての最先端の研究が今何がなされていて、それはどういう議論がされているのかということについての知識、理解は最低持っていなければいけない。自分は残念ながらそれについて世界的研究を今発表できていないけれども、こういう議論があって、こうなんだ、今生命論の展開されている中で、これはこういう意味なんだということが学生に語られなければ、それはしようがない。  ただ、現実にはそうじゃない教授がたくさんいるわけでありまして、自分が三十年前に研究をストップしてしまったその時点のことだけを毎年やる。三十年間ノートが変わらない。三十年前というとお父さん、お母さんがいたときと同じでありまして、現実に、超一流有名大学と言われるところで、二十数年間論文、著書はもちろんです、発行が一つもなしというケース、それで大体そういう人は学部長なんかやっているのですけれども、そういうときは一生懸命なものですから、という例がもう枚挙にいとまがない。  私は、それこそ朝日新聞社が出しているのですが、自分の「間違いだらけの大学選び」という本の中でほとんどぎりぎりに実名を挙げてそのことを書いておりますが、その本人たちから、おまえの言っていることはひどい、おまえが間違っているという抗議ないし脅迫を受けたということは一つもない。逆に、その所属の学部長から何とかもうちょっと筆を抑えてほしいという陳情を受けたということはある。ということは、事実だということを認めているのですね。もうちょっと抑え目に書いていただきたいとか、そうしないと選挙に響きますよみたいな話が、陳情だか脅迫だかわからないのですけれども、そういうものが実際ありました。そういったことの方が多い。  だから、湯川博士の例というのは逆の話でありまして、また、確かにごくまれには、日本で過去、歴史上二人か三人はということになるでしょうけれども、五年も六年も外に対して発表していないけれどもというか——外に対しての発表は日本は異様に楽なのです、異様に。いわゆる大学の紀要というのは、あらゆる大学で研究発表誌を持っております。これは日本だけですから、こんなことは。アメリカのような大学では、例えばハーバードやスタンフォードといういわゆる一流大学と考えられるところが、ある特定の分野について、それについてうちは自信がある、これはハーバード・ロー・レビューというのをつくろうじゃないかというようなことはあるけれども、あらゆる大学、あらゆる短大、あらゆるコミュニティーカレッジが全部研究発表誌を持っているなんというのは日本だけなのです。だから、本数をそろえるのは異常に簡単です。世界一簡単と言われている。うそを書いても時々怒られない。そういうチェックをしようじゃないかという話をしたら、それはアカデミックハラスメントになるからやめよう、これが現状なのですよ。そこで発表していないということは、義務を果たしていない。  それと、日本の大学での紀要で許容されますレベルというのは、最近学会でこういうことが議論されて、これはこういうものです、これでも許容されます。ハーバード・ロー・レビューは、それではだめです。  だから、そうしたものを発表していないというのは、まず怠惰なのであって、大学の教員の資格を現実には欠いているというふうに私は考えている。だから、この任期制はそれを強化するという話は私はおかしいと思うのです。そうしたことでもし行われるいわゆるアカデミックハラスメントがあるのなら、別の形でも当然行われるだろうし  それで、この大学教員の任期というのは、いろいろな意見はありますが、しょせんは他人がわかることでありますから、おまえは異常に無能である、全然勉強していないからといって例えば任期をつける、そうじゃないと思うのです。現実には、私も大学についていろいろな批判をしてきましたから、では今度新しい大学をつくりたいので御意見をちょうだいしたいとかいろいろなことがありますが、一番の問題点は、やはり教員の確保であります。その教員の確保で、引く手あまたのと言うとオーバーですけれども、まず優秀と言われている教授は、任期をつけてくれと向こうから言います。つけてくれと、つけてほしいと。  実は、アメリカでもそうなのであります。ただ、アメリカの場合は、これも議論がありますが、最近任期をつけているところは数が減っているかあるいはふえていないという話があったが、それは実情がわかっていらっしゃらない。例えばアメリカの場合には、一流大学はある意味で非常にエリートシステムが発達しておりますから、博士号を大学卒業後、もう二十ぐらいで取る。例えば一つの例、私が行っておりましたノースウェスタン大学という大学があって、この大学のMBA、つまり経営学修士号は、毎年チェックしていまして、大体四年か五年に一通全米ナンバーワンだといういわば一流大学になっている、ここの教授に二十四とか五の教授が何人もいるのです。何だこれはと言うと、彼らの考え方、それを私は正しいとは言いません、一つあると言っているだけですが、彼らの考え方は、自分のところは超一流大学だから超一流の教授をそろえたい。まあこれはいいと思う、批判はできないけれども、その基準が問題なので、やはり大学を早く卒業して、博士号も早く取って、簡単に言えば二十一ぐらいまでに大学を卒業して一年か二年で博士号を取る、だから二十三ぐらいで経済学博士になっているわけであります。さすがに哲学等ではそういうことは起きなくて、アメリカの経済学は数理経済学が中心でありますから、数学ができるということを示すと割にそれは取りやすくて、二十三、四で取れる。  それで、二十四、五から教授、教授です、最初から教授を始めるわけであります。私は現実に何人もそういう人と話しして、実際にはばかなのじゃないかと思ったケースがかなりありましたけれども、経歴は立派なのです。また、経歴で来る学生もいれば、それはその学生の方もばかなのですからしようがない。そうすると、その人たちは最初からフルプロフェッサーで、何と二十四、五で来てしまう。いわゆるテニュアがついている。任期はない。だけれども、現実には、採用される二十四、五の若手超エリート教授は、二年でいいですね、三年でいいですね、その後ハーバードから帰ってこいと言われているのですけれどもという話になっていますが、表面上任期はつけない。うちの大学としては、ノースウェスタン大学ならノースウェスタン大学としては、ずっと一生いていただきたいという話でつけている。これが実態なのです。  だから、任期云々という話を、この法案では任期制をもし導入した場合にはそれを明確に外に出せと書いてある。これは非常にいいことだと思います。もし書いてあっても、今後もそういう、内々の契約といいますか、そういったものは恐らくなくなっていかないだろう。それを含めてオープン化していくべきだと思っているのですが、質問に戻ります。  どうも大学の問題になると講義になってしまって困るのでありますが、と大臣も思っていられると思いますが。  教員の業績評価についてはいろいろある。言い忘れました。私の評価基準は、したがって大学の教員といえども、外部に対して、大学内も含めて自分の外部、研究室の外部に対して研究業績を明確にする義務がある。また、もしも社会がそれを非常にマイナーなものだと考えていたら、そうではなく、それをまた社会に対して説得していく義務がある。だから、よく言われる地味で社会的にマスコミに取り上げられない研究は損するという話はおかしい。損はしているかもしれないが、もしも今から八百年前の中国の法制史、余りだれも関心を持たないのだけれども、地味だけれども価値があるのだというのなら、自分がおもしろいというだけじゃなくて、なぜ価値があるか、なぜそのことが意味があるのかということを提起していく必要があるのですよというのを基軸にした評価方式であったわけであります。いささかある面に偏っていることを認めますが、それが一つ、客観的なものにしていく根拠なのです。  アメリカではたくさんの教員業績評価がありますけれども、大体教授間の相互評価であるので、したがって、大学ではこれはもう自民党は不利であります。たくさん仲間を持っている教授がお互いに褒め合うと点がふえる。そのスキャンダルも指摘されておりますし、それは「大学教授調書」という本で、日本で翻訳されている。お互いに褒め合うとふえるわけです。  今日、日本でノーベル賞がとれていないのは大変だと、これは自民党の議員さんの中からもかなり指摘がありますけれども、ノーベル賞はまた今度国会と違う議院内閣制に当たるものをとっておりまして、ノーベル賞選考委員会の委員を何人押さえるか。政治力さえあれば、私なんかでもいってしまう。ただ問題は、私は経済学では経済人類学という近代経済学やマルクス経済学をともに批判している分野の立場をとっておりますが、私がたまたまノーベル賞を一回とると、翌年もとらなければいけない、つまり仲間をつくっていないですからね、というようなことになる。  やがて日本でもう少しノーベル賞学者が出るようになりますと、恐らくノーベル賞を実際とる構図は何なのか、そこにスキャンダルがあるのじゃないかという話が出てくるだろうと思っていますが、とりあえず現時点はもうちょっと欲しいですねというふうなことは私も思っています。つまり、外との関係を重視した、学問の狭い分野内、閉鎖された分野内にとどまらないものを重視した教員評価を私は主張している、  例えばそれの一つの成果と言うと言い過ぎですが、はっきり言ってしまえば成果が「大学ランキング」という、これはあらゆるランク、だから、私も当然書いていますけれども、栗本・朝日式だけではなくてほかの人が別の形で評価している、評価法がたくさん入っているこういったものが出てきた。  いずれにしても、だから進んでいないというより、教員評価の仕方というのは確定はしていないし、今後も確定するかどうかはわからない。栗本の言っていることがやはりいいという場合もあるだろうし、あいつはもう自民党だからいけない、こういう場合もあるだろうと思う。  ですが、いずれにしても教員評価の客観的基準、それに基づいてどうこうというものは今ないし、恐らく今後もしばらくできないだろうという状況の中で任期制を導入することは大学における教育研究に悪影響を及ぼすのじゃないかという指摘があるのですが、これについてどう思われるかということについてお聞きしたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 任期制の導入の有無にかかわりませず、教育研究の活性化を図る上で教員の業績評価が適切に行われることが大変重要なわけでございます。  現在でも、教員の採用やあるいは承認の際に、各大学におきまして当該教員の業績評価が行われているわけでございますが、任期制の導入によりまして大学における教育研究に悪影響を及ぼすというようには考えていないわけでございまして、むしろ、今回の法案は、任期制の導入によりまして教育研究の活性化を図ろうというものでございます。  ただし、任期制の導入ということによりまして、任期制の導入の幅広さにもよるわけでございますけれども、いずれにしましても、業績評価の機会がふえることは事実でございます。従来にも増して、教育、研究両面について信頼性と妥当性のある評価方法を各大学において工夫することが重要であるというように考えておるところでございます。  特に、大学教員につきましては、今、栗本先生も御指摘になった中に含まれておるわけでございますが、教育と研究というように二つ並べてみた場合に、どちらかというと研究業績の評価に比べて教育業績の評価というのがややおろそかになっていはしないかというような指摘が関係者からなされることがよくあるわけでございます。  大学審議会の答申で、昨年の秋に出されたものの中でもその点を指摘しておるわけでございます。業績評価に当たっては、これまで以上に教育面の業績等についても積極的に評価することが必要だということで、ある程度具体的な形で提言もしておるということでございまして、それらも含めまして、それぞれの大学でできるだけより適切な、完全なものというのはなかなか難しゅうございますけれども、より適切な業績評価というものを工夫してもらいたいというように考えておるところでございます。

栗本慎一郎自由民主党

○栗本委員 教員の、教員と必ず言いますね、私は専任研究者だと思いますけれども、業績評価については難しいということは多分お認めいただいた。ただ、それをすることは、二十年間全く社会に対して自己の分野についての研究業績を発表していない、英語に関しては教育法についての論文を書いても業績を認められたりするのですから、それはもう排除される、排除というのはおかしいですね、批判されるということだけはわかった。だけれども、細かい実際の問題に関しては問題があるということなんであります。  そこで、今おっしゃられた、俗論として私は教育の業績を評価しろという話が出ていると思うのですよ。教育の業績の評価は、研究業績の評価の百倍も難しいですよ。  この教授はしっかり教育をやっている、それは、私がいわれもなく批判されたように、前任者、別の学部なんですけれども、同じ大学でテレビに出ていた人がそれまで二人いて、藤原弘達さんと鈴木武樹さんなんでありますけれども、藤原弘達さんがよく休んだ。当時学生だった佐藤孝行現自民党議員は頭にきていたというふうな話があった。あとは鈴木武樹さんという方が、途中で亡くなられたのですけれども、絶対休まなかった。不要に批判されるからです。  そして、学生ともつき合っている。これは実は、学生とつき合って学生をたくさんキープしておきますとすごく教育したという話になりやすいわけなんです。現実にアメリカではそういう問題点が指摘されております。つまり若手教員に人気がある。  だから、任期制が今後導入され普及されたときに出てくる一つの問題として、教育評価をすると必ず学生に対してごまをする。先ほど明治大学で申し上げたような、本当に勉強していないし、やっていないし、ちゃんとした試験を何度も落っこちたのだからことしは単位をあげられませんというのに対して大反対運動が起きたわけであります。そういったことが起きる。  これはグレードインフレーションといいまして、学生が必ず評価をするのですね。アメリカの大学で普通のやり方は、講義が終わると、聞いている学生に僕はよかったか悪かったかという紙を出すのです、書いてくれと。それを私がとるのです。大学事務局に持っていく間に見たり改ざんしたりすることは可能じゃないですか。私のを見たら物すごくよかったのでそのまま出しましたけれども。  改ざんはともかく、その前の事前運動は可能であります。実際しています。そのうちの一環として、若手教員は、テニュアを取っていない教授はすごくAを出すという格好になっている。これは学内の政治配置が大きく影響する。ますます自民党は不利になってくる。ついでだから、大学教授に戻ったら自民党はやめたいと思っておりますけれども、そういうことになる。  だから、教育評価ということを余り強く言わないでいただきたい。そうおっしゃる方は、業績評価ですらこれほど難しくて、それなりに客観的な学会やジャーナリズム等の基準がある中でも大変難しいのに、教育評価といったらば、あの先生は学部の教育方針に協力的であったかどうかというのを必ず入れるのですよ。学内の政治配置。もう一度申し上げますが、自民党は大変不利になります。  そのことについて私は、これは質問ではございません、これは、安易に俗論として教育評価を入れるべきだという話は、それはおかしい。学内政治ということが既にありました。学内政治、あるいは各大学の教職員組合を含めて、そういったものの主流派にごまをすっていくということに多分なっていくだろう。私なんかきっとすぐに首になっていたでしょうし、吉村作治さんなんかも首で、やはり自民党へ入って議員になっていなければいけなかっただろうということに多分なるだろうと思うのですね。いや、断固として大学には戻りますけれども。  ですから、教育評価という話をしないでください。教育評価というのは、私が先ほど申し上げたように研究業績、研究の状態を——だってそうでしょう。大学で法社会学なら法社会学という学問があるのは、その実態についての議論もあるけれども、法社会学界が今何を問題にし、どういうことが今先端の議論なんだということが伝えられなければいけない。  だから、日本に経済の教授がたくさんいますけれども、経済学原理論と言っている人は大体マルクス経済学系、経済原論と言っているのは近代経済学系。どちらかの人が教養の経済学を持つと、自分のことだけ教える。私は両方批判する経済学者でありましたので、一生懸命考えまして、甲南大学で教養の経済学の講義を持ったときは三期に分けました。  最初がマルクス経済学。基本、資本論の一巻ぐらいを大体解説。立場上は批判したいけれども、言わない。二つ目に近代経済学。ミクロとマクロがありますが、ミクロに入るとこれは大変ごちゃごちゃなので、マクロについての講義をさせていただく。それで最後に、それは自分の立場がありますから、今までのは全部間違っていましたがという話をそれは少しはしたかもしれませんが、しかし、こういう立場があります、それも経済人類学だけでなく、アメリカのやや近いと言われている制度学派とか、あるいはマックス・ウェーバーの経済社会学、そういったものを入れてある。  これは自分に課していたことですけれども、一般にはそういうことをするのが義務だと思うのです、特に教養の科目は。でも、ほとんどしていません。だから、教育内容を評価というと、自分のシンパの学生が多い方がいいから、自分の学説だけを最初がんがん言って、仲間をつくって、中には、大阪の方の大学で、その教授の名前をとった学生運動のセクトが実際にあったりしたぐらいです、何派といいましてね。それでまとめてやってくる。  ですから、御警告申し上げておきますけれども、教育内容については、まず、教育内容の評価について一体そういう問題がないのかということを、私は非常にあると思うが、確認した上で言っていただきたい。そうしないと、それこそ各大学で、あるいは各大学の勢力配置等の関係で大きな問題が出てくるということをまた改めて指摘しなければならないということであります。これは質問ではありません、半分講義であります。  時間がなくなってまいりましたので、実際の運用についての大きな問題があることをちょっとお聞きしたいと思います。  それは、先ほどアメリカの事実上の任期制のことを申し上げた。テニュアといいまして永久保有権とか終身雇用権を持っているけれども、本人が、いや、それではここにいませんよと。ハーバードから言われたら大体行きますからね。これは事実上の任期制なんですね。  それから、大学に植民地という言葉があった。最近もうなくなりました。大学教員の就職が厳しくなってきたために、例えば、東京大学があります東京近辺の有名私立大学が、東大から若手教員を二、三年いただいて帰すというシステムをとっていたのです、明治大学や何かでも。実はそれが、今度は東大の方で帰ってきてもらう余地がなくなった。それから、明示は明治で、もっと優秀な学生をこちらでふやしていくというふうなことをやってきたら、もうとれなくなった。  これは事実上の任期制なんですけれども、そういったものとのかかわりで、この任期制が導入、導入というのはおかしいですね、導入するのではなくて任期制をとってもいいということを導入するわけですが、それとのかかわりで問題が出てくるのではないだろうか。その辺について、局長でも結構でございます、御質問申し上げたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 いわゆる事実上の任期制と言われておりますのは、私どもの理解といたしましては、この法律が制定される前、現在まだ制定されておらないわけでございますが、現在、大学の学部、研究所などの部局の判断によりまして、当該部局の教員に対しまして一定の教育研究期間の目安を示しまして、例えば三年でありますとか五年でありますとか、あるいは十年でありますとか、こういうような目安を示しまして、その期間経過後にはほかの大学等へ異動するなどの取り組みをしていたということを指すものだというように理解しておるわけでございます。  これらの取り組みは、目的としては、今回の法律と同様、当該大学の部局の教育研究の活性化にあるというように考えられるわけでございますが、今回のように国の制度上の裏づけを持たない、若干極端な言い方もいたしますと口約束と申しますか、あるいは紳士協定と申しますか、そういうようなものとして運用されていたわけでございまして、法的な意味合いから申しますと安定的なものではなかったというように言えるわけでございます。例えば五年なら五年という目安を示したからといって、それによって今回の任期制のように五年たったらばその任期を満了してやめるというようなことがきちっと保障されているわけではないわけでございまして、そういう意味合いにおきまして法的に安定したものとを言えないわけでございます。  今回の法律が制定された後は、大学の判断によりまして、改めてこの法律に定める要件によりまして一定の手続を経た上で、制度上明確な裏づけを有する任期制が実施されるということが当然考えられるわけでございますし、また期待もされるわけでございます。  ただし、大学や部局が、これまでの経緯を尊重するというような観点から、今回の法律に基づく制度に切りかえずに従来の取り組みを継続することも考えられるわけでございまして、これは違法なものでない限り、例えば無理やりやめさせるというようなそういうような違法なものでない限りは、これをすべて一律に今回の法律に基づくものに全部転換せよ、こう強制的に指導するというところまでは考えていない、そのような必要もないのではないかというように考えておるわけでございます。  ただ、こういうような場合におきましてのその運用というものが不透明で不明朗で公正さに欠けるというようなことであってはならないことは当然でございまして、そういうような大学に対しましては、そうした留意をぜひお願いいたしたいというように考えているところでございます。

栗本慎一郎自由民主党

○栗本委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、要するに、任期制導入を許可する格好になってもまだまだ今後の問題があるということで、今局長がおっしゃられたように、明確化、透明化するような方向をぜひとも今後の課題として持っていただきたいということと、最後に、この私の質問を契機に、全国各地の潜伏しております自民党員の教授がますます潜伏しなければならないような学内での思想チェックのようなことが行われないことを祈りまして、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。

二田孝治自由民主党

○二田委員長 次に、西博義君。

西博義新進党

○西委員 大臣、先日は本会議場におきまして、同じ今審議の議題となっております大学教員の任期制に関する法案、質問させていただきました。ありがとうございました。きょうは先日の質問に続いて、若干細かいことも含めて、大臣並びに関係の皆さんにお伺いをしてまいりたいと思います。  初めに、少し大枠の話でございますけれども、先日本会議場で質問したことに関してでございますが、あの場で、この法律案によって文部省は任期を定めないという原則を崩したのか、もしそうだとしたらどんな理由で変更したのか、見解を示していただきたい、私はこういう質問をさせていただきました。そうしますと大臣の方からは、定年までの継続任用の例外として今回の任期制が導入されるのだ、こういう趣旨の御答弁がございました。あくまで定年までの継続任用という形が原則であり、任期制はその例外である、こう解していいのだと思うのです。  そこで、次に、継続任用が原則である、このことを制度的に今の任期制においてどう確保しようとしているのか、相反する問題があると思うのですが、このことについてお伺いをしたいと思います。  例えば、アメリカにおいては、先ほど栗本委員の方から話がありましたように、一般的に任期制というのは、テニュア、終身雇用権を取得するまでの間、特に若手教員である講師、助教授の間に適用されていて、任期制とテニュア制というのは補完的な関係にある、こういうふうに言われております。  アメリカの場合には、任期制から終身雇用に至る道筋が、そういう意味でははっきりしているというふうに考えられます。大臣から、継続任用、言いかえますと終身雇用ということだと思うのですが、これが原則である、こういうふうに御答弁いただきましたけれども、今回の法案で任期制ということと終身雇用、この関係がもう一つはっきりしていないのではないか、こう思うわけでございます。終身雇用の道筋を制度的にどのように示していただけるのかということを明確に御答弁を願いたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 アメリカと日本では、おのずから大学教員の任用についての制度上の違いとか、あるいは現実のいろいろな経過がありますので、一概に並べて比較することはできないと思います。  アメリカの場合は、今お話しのとおりテニュアという終身在職権制度というのがありますが、これも、アメリカでは法律で決めているわけではありませんで、各大学の判断の積み重ねが慣行として今日広まったものというふうに考えております。  我が国は、従来から終身雇用という、これは教員に限らず、一般の労働慣行として行われてきたわけですけれども、今回は法律で、そうした従来の終身雇用という形に加えて、任期制という仕組みも採用できるということにしたわけであります。先般の本会議で答弁したように、従来のそうした終身雇用という制度は維持しつつ任期制も採用し得るという、選択的にこういう制度を導入する、こういう位置づけてありますが、将来、終身雇用と任期制との関係というのは、今後の各大学の運用の積み重ねの中でいずれ慣行として定着していくのではないか、こう考えております。

西博義新進党

○西委員 我が国の雇用形態、先ほど大臣も御答弁いただきましたように、終身雇用の賃金体系が今まで一般的でございました。これは、学歴、年齢、勤続年数等を勘案した上で年功型の賃金体系ができ上がっているわけでございますが、この年功型の賃金体系のもとでは、一般的に我々考えられているのは、若いときは働きに比べて若干見返りが少ない。逆に、中高年になると、若いときの働きに対する補償といいますか、若干優遇されている。そして最終的には定年になって退職金をもらって、一生トータルすると、その一生の間の労働に対する正当な対価がもらえる、こういうふうな仕組みになっているのではないか、こう思います。  そういう意味では、働きと対価、そのときそのときの対価に対しては若干のタイムラグがあるケースが、若いときから一生を考えてみますと、あることになるのではないか、こう考えるわけでございます。  しかし、終身雇用の世界から今回外れる制度ができできます。例えば、若いときに五年間だけ任期制のところに働く、こういうことが現実に行われるわけでございますが、そのときに、短期の場合に退職金がなかったり、もしくは終身雇用に途中からついたというようなケースもこれから出てくるわけでございます。そのために、退職金の額が大幅に少なくなった、こういうことが現実に行われることになります。給与体系とライフサイクルの関連を考えてみると、終身雇用でない場合は時差がなく働きに見合った対価が保障されるべきだ、若いときであれ、年配になったときであれ、そのときそのときの決済を要はしていくべきだ、こういうことでございます。  したがって、現在任期が付されている職務に任用されている公務員、これについては、終身雇用の公務員と必然的に別の給与体系を採用するべきである、こういう考えを持っておりますが、これは人事院の方でお答えいただけますか。

出合均人事院給与局給与第一課長

○出合説明員 公務員の給与につきましては、その職務に応じた給与を払うということを基本原則にしております。任期のつきました職員の給与につきましても、その職務内容に応じて具体的な評価に基づいた判断をしていくというふうに考えておるところでございます。現在示されております法律案の枠組みを見ますと、具体的な任期やその業務内容につきましては、各大学の自主的な御判断にゆだねられておりまして、どのようなものになるのか、具体的にどのようになっていくのかということが明確となっておりません。したがいまして、任期制大学教員の給与につきまして、現行の給与体系と異なる新たな給与体系をつくることは困難ではないか、このように考えております。  なお、現在示されております法律案の上で、恐らく、大学において、多様な対応が任期制教員についてとられると思います。その場合の給与につきましては、各大学の現実に行われます任期制に基づきまして、個々の職務内容に応じたふさわしい給与を現行の体系の中で選択をしていくというふうになろうかと思っております。

西博義新進党

○西委員 ただいま人事院から、職務内容が不明確なために新しい給与体系がまだ見えてこない、こういうような趣旨の御答弁だったと思います。  そこで、委員長にお許しを得まして、小さなパネルですが用意いたしましたので、少し見ていただきたいと思います。小さ過ぎて見えないのですが、済みません、一晩でつくりましたものですから限界があります。今任期制が適用されているケースについて、幾つかのものを比較したい。言葉だけでわかると思いますので、恐れ入ります。  まず、プロジェクト型の研究員が今ございます。それから、もうすぐ総務庁から出てくるであろう研究業務に従事する一般職の職員の任期を定めた採用等に関する制度、ややこしいのですけれども、新しい、招聘型・若生育成型という特別な任期をつけた研究員の制度が出てまいります。それと、今回の若手教員の任期つきの制度、この三つを比べてみたいと思います。これは、根拠法はそれぞれなんですが、それぞれにつきまして、任期をつける合理的基準と、それから、それに対して給与体系、これを考えてみたいと思うわけでございます。  まず、初めの、もう既に実施されておりますプロジェクト型の研究員といいますのは、これは、ある一定の、例えば五年なら五年という期限があって、その研究のために必要な人材を任用する、こういう形でございます。このことにつきまして任期をつける合理的な理由といいますのは、五年しかその仕事がないということで、時間があらかじめ決まっております。ですから、これは、基準としては、時間が決まっているので任期になってしまう、その仕事が終わればその役割は終わってしまう、こういうことでございます。そのときの給与はどうなっているのかといいますと、これは年功序列型の、いわば今の一般職員の給与体系をそのまま当てはめて働いていただいている、こういうことでございます。  その次に、今回出てくるであろう、例えば、よく言われるノーベル賞級の研究員を日本に招聘して働いてもらう、または、若手の本当に優秀な研究員に研究所で働いてもらう、こういうためにつくろうとしている総務庁関係の制度なんですが、これは、あらかじめその場所の仕事は五年とか三年とか決まっているわけではなくて、その目的というのは、これは人事院の申し出の中にも記載されているのですが、これは研究の活性化をねらったものである、研究所に優秀な人材を投入して、その研究所の研究の活性化をねらって今回この制度をつくるというふうになっております。ですから、基準としては研究の活性化、こういうふうに考えて間違いはないと思います。そのときに給与はどういう基準になっているかといいますと、これも、まだこれから審議するわけですけれども、あらかじめ別体系の給与、その能力に応じた給与体系が想定をされております。これは人事院の方から一応出ております。そういう意味で、給与体系は業績重視型の給与体系を採用するという方向が出ております。  それに対して、今回のこの任期つきの大学教員のあり方といいますのは、これは、今回の法律の第四条の中に三種類の任期の条件が決められております。初めは先端的、学際的研究をということで特に必要な人たち、それから助手を中心とする人、それから三番目がプロジェクト型の研究員、こういう三種類があるのですけれども、プロジェクト型の研究員というのは、どちらかというと、ある意味では時間が決まっているプロジェクト、五年型のプロジェクトというのがあるかもしれませんが、少なくとも、初めの学際的な研究をするとか、それから助手というようなポストにはあらかじめ時間が限定されているわけではなくて、逆に、これは法律によって時間を我々が決めて、押し込めて、そしてそこで任期制を採用しよう、こういう意味合いでございます。  そういう意味で、先ほどから文部省の話もありましたように、流動化することによって活性化したい、活性化ということがたびたび出てくるわけでございますが、これは研究の活性化というものをねらったものである、三番目に関しては時間というファクターがついて回ることはあるかもしれませんが、そう見て間違いではないのではないかと思います。  しからば、それに対する対価としての給与体系はどうなるか、こういうことでございますが、私は、これを比較してまいりますと、少なくとも三番は、若干、時間が初めから設定されているという意味ではプロジェクト型ということも考えられないわけではございませんが、活性化ということを主眼にしてまいりますと、これは業績重視型の給与体系を採用すべきではないか。これは大学審の議論の中でも、人事院のお考えの中でも、やはり給与体系というものを考える必要があるということは色濃く出ているわけでございますが、これに対して人事院のお考えをお聞きをしたいと思います。

出合均人事院給与局給与第一課長

○出合説明員 今御質問のありました給与の体系でございます。現在、教育職(一)の体系は五級制になっておりまして、採用から最終の五級まで、それぞれの職務に応じた給与という形でずっと歩んでいくということを前提にしております。  今回の大学教員の任期制につきましては、その職務そのものが一定の任期で区切られているというところに、先生の御指摘のように特徴があろうかと思うのでございますが、ただ、その職務そのものの内容というのはこの法律案の枠組みの中では特定をされておりません。したがいまして、今後、この大学教員の全部または一部につきまして、その範囲とか対象でありますとか、その任期でありますとか業務内容であるとか、こういう枠組みが明らかにされて、任期内における業務内容が任期のない一般の教員の業務内容と比べまして明らかに違う、特別の措置をするというようなことが必要であるというふうに判断した場合には、今後そういうものについて検討をしなければならない、そんなふうに考えております。

西博義新進党

○西委員 今人事院の方から基本的な今回の任期制適用に伴う給与体系の考え方が示されました。  今の話でいきますと、私は今回の任期制というのは流動性を高めるという意味では、これは強制的に五年なら五年で異動、もちろん再任の場合も仮定はできるわけですが、異動するということを考えますと達成されるわけでございますが、活性化という意味では、私は、今人事院にそういう答弁をされて、ここは間違っているのじゃないか。多分これは流動化としか書けないのではないか、ここの項目ですね。大学教員にどうして任期制をつけるのかという合理的基準は、短くするために短くするんだよという答えしか出ないのではないかというふうに思うわけです。  もう少し好意的に考えると、流動化そのものが目的で、そこから派生して活性化が起こってくるというような言い方しか、このポストそのものが活性化に資するという考え方はないのではないか、こう思わざるを得ないのですが、文部省当局の御答弁をお願いいたします。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 大変微妙なお尋ねでございます。と申しますのは、確かに流動化を高めてそれによって研究の活性化を図るというのがこの法律の目的としておるところでございます。ただし、その任期を付されたポストについた教員の具体、個別の職務ということに着目したときに、ちょうどこの「招へい型・若生育成型研究員」のところに見られますように、他とは異なった、あるいは格段の研究成果を得るための職務というような扱いにはなっておらないわけでございます。  もちろん、その任期を付された教員の、何と申しますか研究業績あるいは教育業績というものがすばらしくなることも当然出てくるわけでございますし、また派生的にその教員の業績だけではなくて周りの教員とのいわゆる切磋琢磨というようなことを通じて全体の教育研究業績が高まるというようなことはあろうかと思うわけでございます。  ただし、真ん中の欄と比べた場合に、真ん中の欄の方はやはり特別な職務に従事しているのだ、非常に雑駁な言い方で恐縮でございますが、それに対しまして、私どもが今一般的にこの制度としてデザインしておりますのは、任期を付されていない教員の職務と基本的には変わっていない、そういうデザインで考えている。その辺の違いがあるというように考えておるわけでございます。

西博義新進党

○西委員 一般の皆さんの職務と大きく違わない。ただ、もちろんその任期の中に任用になった人はそれなりにといいますか、それは皆さん、別の要するに年功序列型のポストについた人はもちろんでございますが、頑張られるであろう。極論すれば、顔ぶれが変わって新鮮になる、こういうことかな。これはちょっときつい言い方かもしれませんが、そういう程度のことをねらっていらっしゃるのかなという感じもするわけでございます。  そのことはそれでさておきまして、次の項目に進ませていただきます。  この任期制の導入というのは、不特定多数の教員に可能性として影響を及ぼす内容となっております。そういう意味で、もちろん今までも若干は、先ほど申し上げました研究職のプロジェクト研究員だとか外国人の先生方とかいうふうな任期はございましたけれども、新たな公務員制度の根幹を揺るがすような制度の導入だと考えられます。  人事院は、先ほども若干御答弁いただきましたけれども、文部省との協議の中で、これは大学審の中での意見表明でしょうか、先ほどの話にありました、目的、範囲、対象、仕組み等を明確にして、さらに給与等の処遇の面の取り扱いも含めて考えるべきである。ここに私も持っておりますが、第五十二回の大学審の組織運営部会での要旨でございます。こういうふうに指摘をしております。これらの点について、人事院から正式な意見表明がなされてしかるべきではないかというふうに私は本会議の質問でも申し上げました。  この点について、人事院はいつごろ正式表明をなされるのかということについて確認をさせていただきたいと思います。

関戸秀明人事院任用局企画課長

○関戸説明員 今回の大学教員の任期制につきましては、大学教員の流動性を高めて大学における教育研究の活性化を図るということに目的があって、そういうことで導入されようとしているものということで承知しております。  人事院がお話しできるのは、国家公務員である国立大学の教員についてということになりますけれども、一般に国家公務員の任用に関しましては、国家公務員法は原則として任期を定めない任用を想定しております。ただ、任期を定めることを必要とする特段の事由がございまして、かつ、身分保障の趣旨に反しない場合には、任期を定めた任用も認められるところでございます。  今回の大学教員の任期制法案におきましては、任期つき任用を行い得る場合というものを、法案の第四条第一項の各号にございますけれども、そこに定める三つの場合とした上で、任期制の導入に関しまして、具体的には任期制導入の有無、内容について各大学の自主的な判断にゆだねることとしているものでございます。  こういう考え方というのは、現在でも大学教員につきましては、教員の職務とその責任の特殊性に基づきまして、教育公務員特例法というのがございまして、任免、分限、懲戒、服務、研修について一般の職員と異なる取り扱いとされております。大学の自治の尊重という観点から、各大学の自主的な運営が広く認められているということでございまして、今回も同様の考え方に基づいて措置されているものというふうに理解しているところでございます。  また、今回の法案においては、任期制の導入に当たりまして、各大学管理機関においてあらかじめ任期制に関する規則を策定して、これを公表すべきであるとしておりますし、さらに実際の適用に当たっては、あらかじめ職員の同意を得るということを要件としております。  こういうことなど、職員の身分保障の観点にも配慮されたものになっていると考えておりまして、人事院としては現在のこの考え方に特段の問題があるというふうには考えておりませんで、現時点において特別に意見の表明ということを行うことは考えていないところでございます。

西博義新進党

○西委員 ただいまの答弁にもありましたように、文部省、人事院は、今回の任期制に伴って実際に採用してみた形態を見てみないとわからないという面が色濃くにじみ出ているわけでございます。このあいまいさが、逆に言えば、現場に勤めていらっしゃる大学教員またはこれからそういう研究者を目指そうとする皆さん方の不安を必要以上に大きくしているというふうにも考えられるわけです。  実際に適用してみないとわからない、こういうお話ですが、類型的にはそんなに複雑なことではなくて、不確定な要素を幾つか考えてみますと、例えば三つのタイプが今考えられておりますが、どんなポストに適用するか、何年ぐらいの任期をつけるのか、それからどの学科に適用するのか。もちろん基本的には大学の中で決められるものですけれども、そういう幾つかの具体的なものがはっきりすると、どの学科というのは余り関係はないと思いますが、そういう条件があれば、待遇というものは考えられる糸口があるのではないか、こういうことを考えているわけでございます。  この待遇に関する権限というのはあくまでも人事院が持っているわけでございまして、人事院の立場から、どのポストに何年の任期をつけるかということがはっきりすれば、例えば教職員俸給表の一号表、教(一)ですね、具体的にはそういう俸給表になぞらえたような任期つきポストの人たちの俸給表が可能ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。もちろん任期つきでございますから、再任は考えられるとしても、永遠に同じポストで継続してやるということはあり得ないわけでございますので、ある程度、十年、十五年、まあ二十年もいく人はいないと思いますが、そういう皆さん方の、助手の場合はこういうことになるのですよ、講師の皆さん、助教授の皆さん、こういうふうなホストにおける俸給表というのは可能ではないか、先ほどからの議論はすれ違ったままでございますが、可能性として考えられるのかどうか、再度人事院にお尋ね申し上げます。

出合均人事院給与局給与第一課長

○出合説明員 俸給表でございますが、俸給表は、職務内容がある程度類似したものをまとめて新たに俸給表をつくる必要があるかどうかということを判断しておるところでございます。現在の大学教員の任期制につきましては、先ほども申し上げましたように、その職務の内容、任期等々、それぞれの大学の自主的な判断にゆだねられておりますので、現在の段階では、その内容が明らかになっておりませんので俸給表が云々ということはちょっと考えられないのではないかというふうに思っております。  先ほども申し上げましたように、今後、大学教員の任期制の全部または一部につきまして、その範囲、対象、それから任期であるとか業務の内容、こういうものが枠組みとして明らかにされて、その職務内容がやはり一般の任期のない教員の方と明らかに違って、それを特別に評価する必要があるという状況が生じましたならば、その時点でどうすべきかということを判断するということになろうかと思っております。

西博義新進党

○西委員 私今それを申し上げました理由は、また戻りますが、プロジェクト型研究員は今、例えば任期五年なら五年で任用して、そして年功序列型、いわゆる普通の給与体系の中に入れているのですよね。そして、五年なら五年でそれを終えている。こういう初めから任期をつけた職務でありながら、これは退職金にも何も響いてこない。とにかく、悪く言えばいわば使い捨てのような形で全く同じ体系の中に入れていることそのものに問題があるのではないか、こういう認識なんです。短い、五年しか勤められないということそのものに普通の人と違うハンディがあるわけですから、給与体系もその分やはり考えていくべきではないか。これを基準に物事を考えるので、これ自体も私は問題がある、こういう認識なんです。先ほどの新しい大学教員の任期制における、隣の助手とこちらの助手と同じ仕事をしているから同じじゃないかという理論は当たらない、こういう意味で申し上げたわけでございます。ありがとうございました。  こればかりやっていると長くなりますので、次の内容に行きたいと思います。  次に、再任のことについてお伺いを申し上げます。この第二条四号、任期の規定の中に「引き続き任用される場合」とあり、この条文からは再任は可能である、こう読み取れます。もちろん大学の判断ということは当然のことであります。再任の際、例えば五年以内の期間に更新ができるという期間限定つきの任用なのか、それとも五年の任期終了後さらにまた五年、合わせて合計十年いける、こういう任用ができるのか、再任の基本的な考え方、これをお示しを願いたいと思います。また再々任、こういうこともあり得るのか、何回ぐらいは可能なのか、期限等についても、明確にこの際、教えていただきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 例えば、三年という任期が付されている場合に、そのポストにつけられた教員についてさらに再任ということになりますと、もしその任期が三年ということでありましたらもう三年ということになろうかと思いますし、もしもともとの任期自体が五年ということでありましたら、再任ということになりますとさらに五年というように考えております。  再々任というお尋ねもございました。全くあり得ないことではないというように思ってはおります。ただし、基本的に、任期制の趣旨と申しますのが、できるだけいろいろな人が出入りする、そういういわゆる流動化を促進するという趣旨を持っておるわけでございますので、再任を余り繰り返すことによって結果的に何のための任期制がわからなくなるというような事態は、やはり適切ではないというように考えているわけでございまして、おのずと限度があろうかなというように考えておるわけでございます。

西博義新進党

○西委員 じゃ、この再任の手続について、もう少し具体的なことをお聞きしたいと思います。  五年の任期がついた講師がいらっしゃる。これは大学が自主的に行うことなんですが、この法律の運用に当たり、現実にどういうことになるのかという情報提供を、一つのモデルケースとして考え方を示していただきたい、こういう立場でお尋ねしたいと思います。  最初に、この講師のポストについては再任ということになりますと、どの機関がいつごろに、例えば五年という任期でございます、いつごろに次の任用について手続を始めるのか。その際に、任期終了時、あるいは直前に任期期間中の教員の業績評価は行うのか、行うとすればどの機関が行うのか。再任を行う方法として、大学審議会の答申では、「再任とは再びその職に採用するということであることから、通常の採用手続に基づき、選考を行うこと」、こういう答申が出ております。  今の答申は、また一から皆さんと一緒に採用の条件の中に、大勢の中の一人として採用に臨んでください、こういう意味だと思うのですが、この方法によらないで、任期が切れる前に評価を行い再任を内定する、例えば放送大学等ではそういう方式で今までやってきていると思いますが、こういうことができるのかについてお尋ねいたします。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 法令の制度そのものよりも、法令制度が実施された場合にどういう具体の姿になるのかということについてのお尋ねかと思うわけでございます。  大学が再任を妨げない任期制を採用する場合に、大学審議会答申でも指摘がございました、先生も今言及なさいましたけれども、現に任期を定めて任用されている教員の円滑な異動という観点にも十分配慮して、次の任用についての手続を開始する時期を定める必要があると考えるわけでございます。文部省といたしまして、具体的に任期満了時から逆算して何カ月前が望ましいというようなモデルケースを示すことはなかなか難しゅうございます。ただ、一般的に、現在でも教員の異動により空きポストが生じることが明らかな場合、教員の任用に当たって慎重な審査を行う必要から、余り空白期間が生ずることのないようにということで、例えば一年というように相当期間の余裕を持って募集選考が行われているところでございます。  したがいまして、任期制の導入に当たっても、こうした余裕を持ったスケジュールで後任補充のための募集選考が行われるものと考えられるわけでございますが、今一年と例を申しましたけれども、これも学問分野の特性、言葉はなんでございますが、そのマーケットの規模でありますとか分野の特性等によりましてどの程度の期間を設定するのか異なることとなるので、最終的にはそれぞれの大学において適切な判断がなされるというように期待しているところでございます。  また、現に任期つきポストにおります教員の審査でございますけれども、例えば、後任補充のための選考の時期が任期満了の一年前ということでございましたならば、五年任期の四年目の終わりに行われるというような姿を思い浮かべることができようかと思うわけでございます。こうした場合、教員の選考につきましては採用の場合と同じ機関によって行われるわけでございますので、例えば国公立大学の場合におきましては、教特法の規定によりまして、教授会の議に基づき学長ということでございます。したがいまして、実質的には教授会で教員の業績評価が行われるということでございます。  また、任期が切れる前に再任を内定することができるかどうかというようなお尋ねもございました。現在でも、教員の異動に際しまして異動先の大学等から割愛依頼、先ほど栗本先生の方からもこの点がございましたが、割愛依頼があることは、かなり事前に空きポストが生ずることが明らかになるわけでございます。この場合、後任の教員の任用に当たりまして慎重な審査を行う必要から、余り空白期間が生ずることのないように後任補充のための募集選考が行われることは十分考えられるわけでございます。したがいまして、任期つきポストにおる教員につきまして、任期終了前に選考審査を行いまして、審査にパスすれば任期中に再任の内定を出すということは大いに考えられることであろうかと思うわけでございます。  大学審議会におきましても、こういうような考え方によりまして、再任について通常の採用手続に基づき選考を行う旨を述べておるということでございます。

西博義新進党

○西委員 この任期制の規則のことで、文部省令に関することですが、国立大学の教員に任期を定めた任用を行う必要があると認めた場合は、法律案の第三条の規定にのっとり、大学管理機関が教員の任期に関する規則を定めなければならない、これは載っているとおりでございます。この記載すべき事項及び公表の方法については文部省令で定める、今回こういう法律になっております。この規則に記載すべき事項、これは一体具体的にどういうふうな内容になるのか、これを示していただきたい。  この記載すべき事項には、このホストに任期制を置くという合理的な基準、それからその評価の方法や基準、これを同時に定めるべきではないかと思いますが、この点についても御見解をお願いいたします。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 ただいま御指摘のように、教員の任期に関する規則に記載すべき事項等につきまして、第三条の第三項の規定におきまして、文部省令で定めることといたしておるわけでございます。  その場合の、まず記載事項でございますが、私どもといたしましては、任期制を導入する教育研究組織、対象とする教員の職、任期の長さ、あるいは再任の取り扱い等を考えておるところでございます。  また、今、合理的基準というお話もございました。これは、基本的には第四条の第一項に三つの場合を示してございます。こういうような場合に任期を定めることができるということで三つの場合を示してございますし、また、これを念頭に置きながらそれぞれの大学で具体の教育研究組織、それから職の範囲というものを決めるわけでございますが、間違っていたらあれでございますが、先生のおっしゃる合理的基準というのは、それらをすべて含めたものだというように考えておるわけでございまして、大学内におきまして個別具体的に検討をされるべき事柄だというように考えておるわけでございます。  また、教員の評価方法につきましては、学問分野や職の性格などによりまして、例えば教育を重視する場合もございますれば、また研究を重視する場合もあろうかというように、事情は必ずしも一律ではないというように考えられるわけでございますので、これだという単一の評価基準を定めることを大学に義務づけるということは必ずしも適当なことではないのではないかというように考えておるわけでございます。  ただ、いずれにいたしましても、ある教育研究組織にどういう任期制を導入するのかどうかということにつきましては、やはり学内において十分検討がなされるべきでございますし、また、対外的に十分説明でき、それについて支持が得られるようなものでなければならない、これは当然のことでございます。

西博義新進党

○西委員 ごもっともな面もあるのですが、助手というだけで任期制を適用するという理由には、もちろん助手が最低限の条件にはなるのですが、この学部の、このところの助手に任期制を適用するというやはり理由が要るであろうし、そして大学として、そこの助手にはこういうことを私たちは期待しているのだということをやはり記載する必要があるのではないか。  もちろん、これは文部省やどこかが統一的にそういう評価の基準を出すというわけではなくて、大学のそのポストの一つ一つに対して、やはりある程度の目安みたいなものを出して、そして任期をつけて、そこに来ていただく。その後に、その五年間なら五年間の判断をする。どういう判断、何を望んでおられるのかということをわからずして、任期制をそこだけつけて、そして人を呼んで評価もしないで五年で終わりというようなことは、やはりこれは納得できない、私の今申し上げたのはこういう趣旨でございます。  次に、時間がだんだん迫ってまいりましたので十分な議論ができないのですが、今申し上げた評価について、任期制と評価について若干申し上げたいと思います。  平成八年十月二十九日、これは最終だと思うのですが、大学審の答申では「教員の教育研究の質を高める観点から、任期の途中で評価を行い、その結果を当該教員にフィードバックすることも有意義」と書かれております。研究の活性化を図るという法律案の趣旨を考えると、任期制における評価の位置づけをはっきりしておくこと、これは大変重要なことだと思います。再任されたりまた昇任したりまた異動したり、このときの教員のいわば通行手形のようなシステムを同時につくっていくべきだと私は思うわけでございます。それは任期制を採用する大学の責任であり、任期制をどのような目的で導入していくのかを明確にする意味でぜひとも必要なことだ、こう思うわけでございます。例えば、アメリカの例のように、一定の任期満了後は評価に基づき定年まで在職を求める、こういうふうにするシステムを適用するとか、もしくは研究業績の著しい者は人材として登用する、または文部省及び大学側は明確なコースそれから報奨をやはり示していくべきではないか、こう思いますが、この点についての見解をお示し願いたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 教員の業績評価が適切に行われることの重要性につきましては、先ほど来申し上げているとおりでございます。  特に、任期制の導入によりまして、任期満了後に他の大学等に採用されましたり、あるいは当該大学で再任、昇任させる場合など、業績評価の機会がふえることになるわけでございますので、御指摘のとおり、従来にも増して信頼性と妥当性のある評価システムというものを各大学で確立することが大切なことであるというように考えるわけでございます。  また、教員が任期満了後に新しい職場に異動するに当たり評価される場面というものを考えました場合には、やはり以前の勤務場所におきます教育研究等の業績、それが注目されるわけでございます。したがいまして、その評価が適切になされるということは重要であるというように考えておるわけでございます。  おしまいのところのお尋ねで、各大学の判断により任期制が導入されるわけでございますけれども、任期制が導入されるに当たりまして、任期満了後の教員につきまして、あらかじめ、業績が高ければ必ずいわゆるテニュアにするんだとか、あるいは一定のポストを用意しておくというようなことを、先生の言葉で報奨とおっしゃいましたけれども、システムとして準備するということはなかなか困難なことではないかというように考えておるわけでございます。もちろん、任期制の円滑な実施のための大学側の工夫、努力というのはいろいろ考えられることであろうかと思うわけでございますけれども、今申し上げたような意味合いにおきまして、あらかじめシステム化して準備しておくということはなかなか難しいことではないかというように考えるわけでございます。

西博義新進党

○西委員 やはり五年と任期を限って、活性化をするために任期制を導入するわけですから、今どちらかというと、異動することが何かきずもののような、ここではだめだったんだというようなことがどうしても評価されがちな今の日本社会の労働慣行だと思うのですね、そうではなくて、任期まで勤めたその人に対する正当な評価、これをまた踏み台にして新しい職場にむしろ積極的に挑戦していけるような、そういう場所としてのあり方、これがやはり必要なのではないか。  私は、評価をするということは、欠点をあげつらうということではなしに、有馬先生もおっしゃっていたように、励ます、その人の評価を本当に最大限生かしてあげるという意味で、きちっとした評価を全任期制の皆さんにしてあげるということが大事ではないか。もちろん、限られた期間ですから、皆さんそこについた人は一生懸命に努力をすることは当然だ、また、していただけると思います。その辺をやはり明示すべきではないか、こう思います。  評価方法についてでございますが、言い尽くされたことでございますが、研究業績というのは、これはある意味では、今、栗本先生もおっしゃられましたように、論文といったっていろいろなところの論文の評価がまた個別にあるわけですから、はっきりしたことは言えないとしても、まだそれでも客観的、定量的な評価が可能だ、こう思いますが、もう一つの大事な論点である教育評価というのは、これは非常に困難だと思います。  一方では、大学がこれだけ多くなって、四六%の人が進学してくるという、いわば大衆化ということが適当かどうか、そういう状況になってきて、やはり教育をするということが非常に重要な大学教育の内容になってまいりました。これまで以上にこの教育に対する業績の評価がなされるべきだ、こう思います。  そのほか、大学の中での運営にどれだけ寄与したか、また一般社会に対してどれだけ積極的にいわばサービスを行ったかというようなこと、貢献度なんかも考慮して、信頼性と妥当性のある評価システムをつくっていくべきではないか。これは、もちろん任期制に限らず広くということにはなるんだと思いますが、そう考えます。  例えば、ここにも、時間がありません、具体的なことは申し上げませんが、かなり細かくバッファロー大学の例が載っておりましたが、教育に対する評価の仕方なんかが出ております。そういうものを文部省が集めて、これからどういう形で皆さん方を評価していくかということをきちっとすべきではないか、こう思うわけでございます。  文部省としては、この点について、研究業績、教育業績というものに対して具体的にどのような評価の例があるのかとかいうことについての資料を今手元にお持ちなんでしょうか。全くそういうことは考えていないのでしょうか。そのあたりについてお伺いいたします。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 大学審議会の場でも検討されたわけでございますけれども、例えばアメリカのニューヨーク大学の教育学研究科において、教員に毎年年間活動報告を提出させて業績評価を行う、その結果を給与に反映させているというような例もございます。  この場合の年間活動報告といたしまして、ちょっと細かくなって恐縮でございますが、研究活動のほかに、教育業績、それからその効果、部局での活動、地域社会等への貢献度等々を項目別に記載するということが求められておるわけでございます。教育業績などの項目におきましては、授業科目数がどのくらいか、カリキュラムの企画開発にどの程度参画したのか、論文、プロジェクトの指導がどの程度であるかというようなことどもについて報告するというようなことも挙げられているわけでございます。  また、細かくは省略させていただきますけれども、イギリスのウォーリック大学の場合につきましても、やはり同様の項目が取り上げられているわけでございます。  これらの例につきまして、大学審議会でも議論されまして、これからは単に研究業績ということだけではなくて、教育業績等の部面におきましても手間暇をかけた業績評価というのがやはり必要だというふうに言われておりまして、その事例を示してもおるわけでございます。  我が国におきましても、例えば筑波大学やらあるいは国際大学やらにおきまして、教育業績ということをかなりはっきりと示しておるところもあるわけでございまして、私どもといたしましても、これらの事例というものをできるだけ多くの方々に参考にしていただくというようなことも通じまして、もちろん大学の工夫、改善の努力というのが基本であるわけでございますが、私どもなりにそういう努力をさせていただこうというように考えておるところでございます。

西博義新進党

○西委員 ちょっと観点が変わるのですが、いろいろなところで今、官民、また官から学という人事交流が盛んに行われようとしております。このことに対して、平成五年十月、行政改革推進審議会最終答申に出ている文章でございますが、産官学の交流を一層推進するために、国民の疑惑や不信を招くことのないような公的部門と民間部門の交流のあり方について検討すべきである、こういう意見が最終答申として出ております。  一方、大蔵省、厚生省による不正事件、それから官民の癒着、今あらゆるところで国、地方を通じてやはり不透明な、また行き過ぎた事例がたくさん挙がって、国民の厳しい目にさらされているわけでございます。  そんなことを考えるに当たって、民間と行政との間でいろいろな役割が考えられると思うのですが、指揮監督をする官庁、指導助言、それから政策を提言する、監視、取り締まりをする、そんなところがそれぞれの省庁であると思うのですが、それぞれの役割が不明確なままで、ただ交流という形で官と民、または、例えば官僚の皆さんと大学、この間の交流が行われるということになりますと、これまた規制のきかない、また不明朗な面が出てくるのではないかと思います。  この答申の中でも注意されたように、具体的に国民の疑惑や不信が解消できるような制度が今こそ——まず制度があってそれから交流、こういうことになるのではないかというふうに思いますが、総務庁の方から簡潔にお願いをいたします。

大西一夫総務庁人事局参事官

○大西説明員 官民の人事交流についてのお尋ねでございます。  官民の人事交流につきましては、公務の活性化あるいは公務部門に広い視野を持った人材を育成するといったような点で意義があるというふうに考えておりますが、一方、各方面で指摘されておりますように、官民交流を実施する際には、官民の癒着といった社会的な疑念を生じないような仕組みを整備すること、これが重要であるというふうに認識しております。  この官民交流を適正に実施するための仕組みにつきましては、去る三月六日に人事院から意見の申し出がなされたところでございます。現在、総務庁の方で、この意見の申し出を踏まえ、官民の人事交流が適正に行われるよう、検討、調整を進めているところでございます。

西博義新進党

○西委員 時間が参りましたので、最後、女性教官の積極的な採用ということについてお考えをお聞きしたいと思います。  人事交流がこれから盛んにこういう形で行われていくわけでございますが、先ほど総務庁から話がありましたように、官民の癒着がきちっと防止されるという前提でなければならない、これはそのとおりでございます。  大学への多様な人材の受け入れを図るこの法律案で、今、官民のことについてお伺いしましたけれども、やはり大学の中に官僚の皆さんもたくさん行っていらっしゃるんですね、短期に行っていらっしゃる方もいるし、長期、そのまま行っていらっしゃる方もいる。もちろん、本当に力があって行っていらっしゃる方がほとんどだと思うんですが、同じ公務員同士であったとしても、その辺のさちっとした、例えば公募制で行くとか、疑惑やまた国民から不信を招かないようなやはり節度ある交流が大事ではないかということも一言申し上げたいと思います。  この多様化を進める上で何よりも積極的に大学の教員の中で取り組まなければならないことは、女性の教員をもっと採用すべきだということでございます。大学教授の国際比較というカーネギー財団の報告書があるんですけれども、この中で、日本の大学では七・九%、韓国で一三%、それから欧米では二〇から三五%の女性教員が大学で働いていらっしゃる、こういうデータがあります。  この女性教員について、任期制というのは必ずしもプラスではないというよりもかなり厳しい条件になってくるのではないか。異動を前提にしているということですので、その点についてマイナスの要因になるのではないかというふうに危惧をいたします。それは、育児それから家族の介護、家庭生活の中の本当に多くの役割を女性が担っているという今の日本の社会の現実を考えるときに、任期制による職場の異動、転勤、これは、特に継続的な就業を困難にする側面に働いてくるのではないかというふうに考えるからでございます。  女性教官の採用をふやしていくということとともに、任期制の導入によって不利益をこうむらない配慮が女性には特に必要ではないか、こう思うわけでございますが、文部省の対策を聞かせていただいて、時間でございますので、以上で終わらせていただきます。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 大学の教員に占めます女性の割合、少しずつは増加しておるわけでございますが、御指摘のように、諸外国に比べてまだ必ずしも高いものではないわけでございます。  平成六年六月の「教員採用の改善について」という大学審議会の答申がございますが、ここでも、同じような問題意識のもとに女性の教員について積極的に採用していくべきだということを提言しておるわけでございます。  大学の教員人事は、申すまでもなくそれぞれの大学の判断によるわけではございますけれども、これらの答申の提言なども大学に示しながら、女性の採用が積極的に進められるということを私どもとしても期待しているわけでございます。  また、任期制法案とのかかわりについてのお尋ねでございます。私どもといたしましては、任期制の法案の趣旨自体が本来の趣旨に従って実施されるということでありましたならば、そのことが女性教員の採用にマイナスに作用するというようには必ずしも考えていないわけでございます。  また、これはすぐさまというわけにはいかないかとは思いますけれども、任期制が幅広く導入されていくという将来のことを考えていきますと、いわば教員採用のチャンスというものがそれだけふえていくということにもなるわけでもございますので、そういう意味合いにおきましては、女性のライフサイクルに応じた就業の機会が増加する、そういうメリットというものもあながち否定できないのではないかというように考えておるわけでございます。     〔委員長退席、河村(建)委員長代理着席〕

西博義新進党

○西委員 終わります。ありがとうございました。

河村建夫自由民主党

○河村(建)委員長代理 井上義久君。

井上義久新進党

○井上(義)委員 新進党の井上義久でございます。  栗本委員それから西委員ともに元大学の先生でございまして、かなり専門的な質疑が続いたわけでございますけれども、私は、関係者の皆さんが懸念されていることにつきまして、それを中心に質疑をさせていただきたい、こう思っております。  まず、今回のこの大学の教員等の任期に関する法律案、いわゆる任期制導入の目的でありますけれども、平成八年の十月二十九日に大学審議会の「大学教員の任期制について」という答申が出されて、この答申の内容をよく読んでみますと、いわゆる大学における教育研究の活性化のためには大学教員の流動性を高める必要がある、その一方策として任期制を採用する、また任期制の採用に当たっては何らかのインセンティブを工夫する必要がある、こういう構成になっているんだ、こう思うわけでございます。答申の中身そのものについての評価、是非はともかくとして、私はそれなりの評価をしておるわけでございます。  ところが、今回の法案、その提案理由とか目的とか、それからいろいろ説明をお伺いをしておりますと、どうもこの答申のいわゆる任期制というところだけを切り取ってこれを無理やり法案にしたというか、そんな感が否めないわけでございまして、改めて、この法案提出の目的、それからこれによって何を文部省は期待をされているのか、その辺をまずお伺いしておきたい、こう思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 けさの閣議におきましても経済構造改革についての行動計画を決定したわけですが、これから日本の将来を考えた場合に、あらゆる分野での活性化が必要であるということで、その経済構造改革の前提として、特に教育研究の分野においては、できるだけ活性化を図っていく、そのための手段として教員の異動というものが容易にできるようにする、そういうことで、今回の任期制法案というのは、教員の流動性を高めて、結果として教育のあるいは研究の活性化を図るというのが目的であります。  ただ任期制だけをつけるというんじゃなくて、それはあくまでも手段であって、目標はあくまでも今申し上げたとおりでございまして、できるだけ異なった分野の研究者とかあるいは異なる経験とか経歴あるいは発想を持っている人がお互いに出会うことによって、学問的な関心がさらに高まり、また豊かな着想力を生む上で大きな役割を果たすというふうに考えております。まさにそういった目標でこの法案を出したということで御理解いただきたいと思います。

井上義久新進党

○井上(義)委員 それで、目的の条文、第一条ですけれども、「この法律は、大学等において多様な知識又は経験を有する教員等相互の学問的交流が不断に行われる状況を創出することが大学等における教育研究の活性化にとって重要であることにかんがみ、」こういうふうになっておるのです。四月八日に閣議決定されたと思いますけれども、その前に恐らく与党の委員の方にお示しになった案だと思いますけれども、その案ですと「経験を有する者を教員等として確保すること」というふうに単純になっていたわけですけれども、この法案ではいわゆる「学問的交流が不断に行われる状況を創出する」、こういうふうに表現が変わっていると言っていいのか、「経験を有する者を教員等として確保する」というふうになっていたのが「学問的交流が不断に行われる状況を創出する」ということで、目的に変更が加わったような感じが私はするのですけれども、これはなぜこうなったのでしょうか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 案文の検討段階におきまして現在御審議いただいております条文と多少異なる表現をしていたときもあったわけでございまして、先生御指摘のとおりでございますが、表現ぶりを修正したということでございまして内容的な変更には当たらないというように理解しておるわけでございます。  強いて申し上げますと、要するに、教員として確保すること自体よりも、確保された人同士が交流していくということがやはり流動性のねらいだということでございますので、そういう趣旨をより適切にあらわしたというように理解しておるということでございますが、基本的には同じだというように考えておるところでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 「学問的交流が不断に行われる」という趣旨であれば、必ずしも任期制は、一つの方策とは思いますけれども、「学問的交流が不断に行われる状況」、これは当然大学にとって一番大事なことでありますから、教員が別に任期制で異動しなくても、例えば学会の交流だとか、諸外国の大学と、例えば客員教授だとか今もう既に大学の中で行われて、それは不十分であるということは認めますけれども、かなり趣旨が違ってきているのじゃないかというふうに思います。  それからもう一点。同じく、もともとの案では「教員等の任期について必要な事項を定めることにより、」というふうに単純になっていたのですけれども、ここも「任期を定めることができる場合」という文言が挿入されておるわけでございまして、ここもその後の議論の経過を踏まえて変わったのだと思いますけれども、これはどういう意味なのでしょうか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 これも、基本的には大きな変更があったということではございません。あえて申しますれば、この法案で一定の手続要件のもとに任期制を導入できるということを書いておるわけでございまして、その一定の手続要件ということを書いているのだということをはっきりさせたという意味合いで、「任期を定めることができる場合その他」云々、こういう表現をした方が適切だというように最終的に判断したわけでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 一番大事な立法目的のところが変わっているというところにこの法案の持っている意味合いといいますか、それが象徴されているように私自身は感じておるわけですけれども。  それはおいて、先ほども申し上げましたけれども、いわゆる任期制の導入が教員の流動化をもたらして大学の教育研究の活性化につながる、こういう図式の中でこの任期制というのは導入されているわけでありますけれども、任期制を導入すれば教員が流動化する、では本当にこの法案の成立によってどの程度教員の流動化が起こるというふうに見ていらっしゃるのかというのが一つです。  それはなぜかというと、これは先ほどの目的のところに新たに文言を加えられたように、「任期を定めることができる場合」ということで、これはいわゆる大学の自主ということなのだと思うのですけれども、それぞれの大学の自主性で採用するかしないか決めるということでありますから、もし流動化するのであれば一部の大学だけではだめなわけでございまして、ある程度普及しなければこれは意味がない。それからもう一つは、民間との交流ということもこれは当然考えなければいけないわけでありますけれども、民間もかなり流動化しているとはいえ、まだまだ終身雇用というものが前提で日本の雇用形態というものが成り立っている。  こういう状況を考えますと、ただ大学でこの任期制を導入したから教員が流動化する、流動性が高まるということはどうも私はにわかに信じられないわけなのですけれども、この法案によってどの程度教員の流動化が進むと見ていらっしゃるのか、その辺をちょっと伺っておきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 一つ申し上げておきたいことといたしまして、教員の流動化を促進するということの方策として任期制も考えているわけでございますが、それは方策の一つとして考えているわけでございまして、大学審議会の答申でも触れておりますように、教員の流動性を高める取り組みといたしまして、そもそも、例えば、採用の際にできるだけ学外の専門家を登用するものでありますとか、あるいは公募制を活用するものでありますとか、あるいは弾力的な教育研究組織を工夫して例えば客員ポストを設けるものでありますとか、あるいはポストドクトラル・フェローシップのように、助手があるいはそれ以下のところの部分でございますけれども、この制度を整備するものでありますとか、各種の取り組みというのがやはり流動化に関連するわけでございまして、答申におきましてもこれらの努力はやはり今後とも必要であるというように言っておるわけでございます。  しかし、それで十分かということになりますと、それでは十分ではない。さらに何かをつけ加えるとするならば、やはり今まで、公務員制度のもとにおきまして、一たん任用したら定年までは継続的な任用ということしか考えられておらなかった、あるいは民間のことを考えましても、終身雇用というような全体的な労働慣行のもとでやはり同様の措置がとられていたというようなことに対して、一つ制度的な枠組みを設けて、それによって、一定の手続要件のもとではございますけれども、期間を限った任用あるいは雇用というものを可能にするような手だてを講ずる、そのことによって教員の流動性が高まる、そういう可能性というものはやはり出てくるであろう、こういうことが基本的にあるわけでございます。  もちろん、諸外国のように必ずしも任期制をとらなくてもおのずからなる流動化というものがかなりなされている場合もあるわけでございますが、日本の場合には、例えば大学審でも検討されておりますように、同じ大学を出てそこの大学にずっと勤めている人の割合がこのところ改善されておらないわけでございますし、また、他の国と比べまして、これまでほかの大学を経験したことのある、あるいはほかの研究機関を経験したことのあるというデータをとってみましても、我が国の場合かなり低いわけでございます。こういうような状況を見たときに、とり得る方策はやはりいろいろとった方がいいだろう、こういうことでございまして、任期制だけが流動化の絶対的なポイントではないとは思ってはおりますけれども、しかしやはり有力な手だてにはなるであろう、こういうことでございます。  一定の手続要件を課してはございますけれども、これらの措置を通じまして教員の流動化を極力図る手だてにいたしたいということがその趣旨でございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 流動化を促進する重要な政策の一つである、こういうお答えだったかと思います。  先ほど目的のところで触れましたけれども、「経験を有する教員等相互の学問的交流が不断に行われる状況」、これが目的だというふうに先ほどお話があったわけです。この「学問的交流が不断に行われる状況」ということとそのプライオリティーを考えますと、私どもの友人に大学の教員がたくさんおりますけれども、学問的交流であれば、例えば学会がたくさんあります。国立大学の皆さん、要するに学会に入るということは個人の資格で入るわけでございまして、そのお金も非常に大変ですし、それから、例えば学会に参加をするとか、海外での学会に参加をするとか、年間、旅費五万円ぐらいしか支給されていないわけでございまして、旅費を工面するだけでも大変だ。  こういう現状があって、もしこの目的が学問的交流が不断に行われる状況を創出するということであれば、任期制という、何といいますか、かなりトラスチックな変革をやる前に、先ほどから、交流が不断に行われるということは流動化というふうに変わってきているのですけれども、もっとやることはいっぱいあるんじゃないか、そういう思いがぬぐえないわけでございますけれども、その辺について、この目的と流動化ということの関連も含めてちょっと。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 多少言葉が足りなかったかと思うわけでございますけれども、今先生御指摘のように、例えば学会での活動を活発にできるような方策でありますとか、あるいは海外での研修と申しますか、あるいは留学と申しますか、そういう経験をふやすような工夫でありますとか、これは当然必要なことであり、また重要なことであると思うわけでございまして、それ自体先生方の資質向上ということに大変重要な意味合いを持つわけでございます。  それで、任期制の法案ということで、これを出せばすべて片づくなどと私どもは考えているわけではございません。今先生おっしゃったようなこともあわせて努力するということがやはり必要であるというように考えておるわけでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 私の言いたかった趣旨というのは、任期制、それはそれなりに私も評価しておりますけれども、その以前に、交流を活発化するという意味でやらなければいけないことはいっぱいあるのではないかな、こういう趣旨でございます。  それで、この大学審議会の答申、先ほども申し上げましたけれども、この任期制の採用に当たっては何らかのインセンティブの工夫が必要だ、こういう答申がなされているわけでありますけれども、学問的交流とか大学教員の流動化ということがこの法案の目的だとするならば、この任期制の教員というのは基本的には再任しない、交流が目的であれば、流動化が目的であれば再任しないということが原則でなければいけないと思うのですが、この辺はどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 任期を定めて任用できるようにする、雇用できるようにするという制度でございますので、基本的には、その任期を終えたら退職する、その職を辞すということが建前であるわけでございまして、そのことについて、この法案の任期という言葉の定義の中にもそれを書いてあるわけでございます。  ただし、具体の運用におきまして、すべてそういうことで仕切ることが適切かどうか、これはまた大学の判断にもよるわけでございます。場合によって再任することもあり得るということは、これは大学審議会の答申でも言っておることでもございますし、それも大学の工夫の中の一つとしてあり得てもいいのではないかというように考えておるわけでございます。ただし、先ほど来のお尋ねにもございましたけれども、再任を繰り返すということによって、せっかくの任期制というものが本来の趣旨から外れるというようなことになりましたら、これはおかしなことになるわけでございます。おのずと限度があろうというように考えておるわけでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 再任しないということがこの法の趣旨というふうに、そういう答弁だというふうに理解しましたけれども、そういたしますと、先ほども申し上げましたように、この答申でも触れていますように、やはり何らかのインセンティブを工夫する必要があるということです。これは関係者からも指摘されていることですけれども、日本の大学で人事交流が余り活発でないという傾向は、これは事実としてある。  ただ、要するに人事交流に不利な現行制度の方が実は問題で、それを何か任期制という形で、任期が来たら、もう、あなた退職ですよ、そういう一種のおどしみたいなことを背景として人事交流の活発化を目指すのは本末転倒じゃないか、こんな指摘もあるわけでございまして、もし、この任期制というものが流動化を目的として原則的には再任をしないという前提に立てば、やはり人事交流に積極的な教員を支援する体制を整備する必要があるというふうに思うわけです。  それで、先ほどからも指摘されていますけれども、「任期制が制度として導入された場合、優れた人材を確保する上で、教育研究環境の充実だけでなく、給与面においても何らかのインセンティブを工夫することが望ましい。その際、別途任期制の導入が予定されている国立試験研究機関等における任期付き研究公務員に対する給与上の措置とのバランスにも配慮して検討する必要がある。」というふうに答申では明確に指摘しているわけでございますけれども、先ほどからの議論で、この待遇改善ということについて、今回はあわせて措置がされてないというのが実態だと思うのですけれども、この法案をつくられるときに文部省はどういうふうにお考えになったのか。     〔河村(建)委員長代理退席、稲葉委員長代理着席〕

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 今委員の申されたとおり、研究の活性化を図っていくためには何らかのインセンティブが必要だということは、私もそのとおりだと思います。ただ、給与につきましては、公務員の給与は、いわゆる職務給の原則に従って、その職務と責任に応じて決定されるということになっております。今回の大学教員の任期制というのは、教員の流動性を高めるということを再三申し上げているわけですが、その一つの方策として行われるものであって、任期つきの教員と任期のつかない、いわゆる従来の教員との間に職務内容に差が出るわけではないので、この法案においては給与上の特別な措置を講ずることは予定しておりません。  ただし、実際には、各大学の工夫によって今でも現実に教員の流動というのは行われておりまして、そのプロジェクトに必要な人材を集める、その際には、例えば研究室を少しでもスペースを広く提供するとか、あるいは、学長の判断というか権限の範囲内である程度の優遇措置を講ずるとか、さまざまな工夫が行われているというふうに聞いております。私も実際にいろいろな学長さんのお話も聞きましたけれども、そういうことで、それぞれの大学が知恵と工夫によっていろいろな形態をとっておりますが、文部省といたしましても、この制度の導入の後、各大学の運用の実態等を踏まえながら、必要に応じて、これからどう対応していくか検討してまいりたいと考えております。     〔稲葉委員長代理退席、委員長着席〕

井上義久新進党

○井上(義)委員 今大臣、任期制、任期つきの教員と任期つきの教員じゃない人と職務に違いはない、だから給与面で違いがないんだ、こういうふうにおっしゃったわけなんですけれども、職務に違いがないんだったら、片方は任期つきで片方は任期つきじゃない、任期つきじゃない方が、それは当然待遇としてはいいといいますか、定年まで考えると、いいということはもう間違いないわけですけれども、職務に違いがないのに、なぜ片方が任期制で片方が任期制じゃない教員が出てくるのか。職務が違うから任期制をある部分については導入しようということ、これが法の趣旨じゃないのですか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 職務に違いがないということの意味合いでございますけれども、第四条で定めておりますように、そのポストの性格が人の出入りを特に要請する、それの必要度が高いというようなポストについて一号から三号まで書かせていただいているわけでございます。ただし、そういう性質の職務ではありますけれども、それでは、他の分野の職務と比べて、その給与上の措置について別扱いをするような意味合いの異なりがあるのかということになってきますと、それは基本的には同じだ、共通のものはあるんだという考え方でございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 今のお話をお伺いしておりますと、そうすると、任期制の教員について給与面でのインセンティブを工夫する考えはないように受けとめられるんですけれども、将来の問題として、やはり何らかのインセンティブがなければこの法案というのは生きてこないというふうにずっと理解してきたわけなんですけれども、その辺はどうなんでしょう。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 ちょっと言葉が足りなかったかと思うわけでございますが、要するに、この法案でこういうポストの職務を書いているわけでございまして、これを今の時点で、これが他の職務とかくかくの理由で特に重い責任があるとか、あるいは特に重い職務であるとかということを一般的な意味合いであらかじめ申し上げるということは難しいだろうということでございます。  しかし、具体の運用の実態を重ねてまいったときに、ある種の給与上の特別な措置を必要とするというような実態が出てくる可能性もあるわけでございまして、そのような場合には、やはり私どもといたしまして、任期制を側面から促進するというような意味合いも込めまして給与上の措置も検討していきたい、こういうことでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 先ほど西委員からも質疑がございましたけれども、人事院に。今回導入を図られるこの任期制教員。研究公務員についてはかなり高いインセンティブが工夫されているわけでございまして、私は、この任期制が本当に流動化をもたらすというためにはやはりかなりのインセンティブが必要だ、こう思うんですけれども、給与上の待遇改善措置を検討し得るような条件、どういう条件が整えば今回の法案の任期制の教員についても待遇改善措置ができるのかということを伺っておきたいと思います。

出合均人事院給与局給与第一課長

○出合説明員 今回の任期制の教員の給与上の取り扱いでございますが、現在示されております法律案の中では、その任期とか業務内容、これがすべて各大学の自主的な判断にゆだねられているということから、この法律案の枠組みの中では特別の給与上の措置をとるということを判断するのは困難である、こう考えておったわけでございます。  具体的に、それではどういう条件ならという御指摘でございますが、今後どのように運用されていくかというのは、これは仮定でございますが、大学教員の任期制の全部または一部につきまして、その範囲であるとか対象、任期の仕組み等々、このような枠組みが明らかにされ、さらに一定の任期において行われる業務内容が、他の一般の任期の定めのない教員の方と比べて給与上特別の措置が必要であるというぐらいに異なったものになった場合、そういう状況になりましたらその点について判断をしていくということになろうかと思います。

井上義久新進党

○井上(義)委員 それからもう一点人事院の方に確認しておきたいんですけれども、任期制教員というのは再任を原則としないということで、異動ということが基本的には考えられるわけでありますけれども、一たん任期制で採用された方が異動することによって給与上の不利益というものがないような、そういう仕組みになっているのかどうかということを確認しておきたいわけです。  例えば、再任された場合、これは改めて任用するということになると思いますけれども、それから一たんやめてまた別な任期制教員に継続雇用、継続任用された場合もあると思いますし、それから例えば国立大学から私立大学、私立大学から国立大学に来るとか、あるいは一たん切れちゃった、なかなか次のポストがなくて一年間ぐらいブランクがあったという場合、そういう継続しない場合とか、いろいろなケースがあると思うんですけれども、それが給与面それから年金とか退職金とか、そういう面で任期制じゃない教員の人たちに比べて不利益を生ずることがないのかどうか、この辺についてちょっと確認しておきたいと思います。

出合均人事院給与局給与第一課長

○出合説明員 異動した場合の給与上の不利益についてのお尋ね分と思います。  現在、国立大学の教員として在職しておられます方が、この法律案によって引き続き任期つきの教員に採用されるような場合、あるいは一たん辞職をされて、一日とか数日とか間隔をあけて新たに任期つきの教員に採用されるような場合があろうかと思います。いずれの場合につきましても、その方のそれまでの経歴というものを踏まえて給与上は格付をしていくことになっております。したがいまして、任期つきの教員に任用されるがゆえに、任期のない教員に任用される場合に比較して給与上不利益な取り扱いを受けるということはないというふうに考えております。

井上義久新進党

○井上(義)委員 それから、年金とか退職金なんかはどうなんでしょうか。

二宮洋二総務庁人事局参事官

○二宮説明員 退職金について申し上げますと、国家公務員の退職手当につきましては、退職した国家公務員が引き続いて国家公務員として採用された場合、その前後の勤続期間を通算するということで、最終的に退職する場合にその手当を計算することになってございます。  これは任期制の教員についても同様でございます。具体的に申しますと、国立のA大学で五年間、その後、任期満了の日その翌日に国立のB大学、要するに引き続いてということでございますが、その場合は、五年と五年を足して十年分の手当がB大学を退職されるときに支払われる。ただ、今おっしゃられたように、間にブランクがあきますと、その間に今度は民間に行く場合もございますので、それぞれ、A大学で五年間分を一たんもらい、またブランク後にB大学で今度五年間勤務された場合は、その五年間の勤務期間に対応する退職手当が支払われることになっております。

井上義久新進党

○井上(義)委員 そうすると、給与面については、これまでの実績を評価をして、任期のない教員と比べて不利益にならないようになっているということなんですけれども、退職金についてはかなり不利益が生じるというふうに理解をしてよろしいということでしょうか。

二宮洋二総務庁人事局参事官

○二宮説明員 不利益というよりも、これは今研究公務員の任期制についても同様でございまして、そもそも官と民の交流の中で行く場合に、必ず国立から国立ということではなく、国立から民間に行く、いろいろなケースがございますので、それらを事前に想定し、勤続するということを前提として計算することは無理かと思います。民間と官との自由な異動を妨げないという意味で、逆にそれぞれで計算する、そういう仕組みになっております。

井上義久新進党

○井上(義)委員 そういたしますと、給与面、待遇面でのインセンティブがないとなかなか任期制の教員になろうということはない、やむを得ずなるというケースはあると思いますけれども、そういうふうに考えられるのですけれども、大臣、この辺はどうなんですか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 何らかのインセンティブがなければ異動しようという人は出てこないと思います。しかし、だからといって、今まで日本の公務員制度というのは終身雇用制それから年功序列型賃金、こういう形で来たわけですけれども、時代の変化に伴ってそれがやや流動化しつつある、こういうことで、これは人事院とか総務庁の方でも検討課題だと思いますけれども、今回教員につきましてこういう任期制を導入したということで、今直ちに従来の給与体系を変えるということは時期尚早ではないかと思います。これからの大学等での運用の実態を踏まえて検討すべき問題だと思います。  ただ、このインセンティブをどういう形で与えるか。これは、例えば給与の面では同じ給料表であっても、今度新しく移ったところで教育の研究室を少し広いスペースを提供するとか、あるいは科学研究費、こういう問題でもそういう任期制の教員を採用するということは非常に時代の要請というか、例えば情報であるとかバイオであるとかあるいは材料、そういう分野とか、学際的な環境問題とか防災問題、そういう分野で比較的いろいろな人材を集めようということですから、そういうテーマでもしこういう任期制の教員がいっぱい集まるということになれば、当然科学研究費を査定する場合にもそれは評価されて、科学研究費を受ける機会もふえるわけでありますし、そういったさまざまな工夫を凝らして、それぞれの大学が何らかのインセンティブを与えてできるだけいい教員を集める、こういうことに発展していくことを私は期待しております。

井上義久新進党

○井上(義)委員 後でちょっとお伺いしようと思ったのですけれども、今の大臣のお話に関連して、財政的な誘導策ということを今お話しになったのです、財政的な誘導策。要するに、給与面でインセンティブを持たせることができない、したがって、任期制導入、教員の流動化を促進する最も有効な手段というのは財政的な誘導措置、いわゆる任期制を導入した大学、学部、ポスト、そこに優先的に教育研究環境整備の資金を提供する、大学審議会でもこういう財政的誘導措置が必要だと言っているわけです。  ところが一方では、では任期制を導入した大学に優先的に財政的な措置をするということになると、大学の自主といいながら、任期制導入をしなければならないということになるわけで、大学の自主、自治というものを損なうおそれがあるわけでございます。財政誘導的な措置については一方でそういう危険があるということで、この辺はいろいろな機会にいろいろな方が、そういう財政的誘導措置によって結局右倣えさせるのじゃないか、全部導入させるのじゃないか、それが文部省のねらいじゃないか、こういうふうに指摘されているわけでございまして、今大臣そういうふうにおっしゃったので、この点についてもう一回確認しておきたいと思うのです。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 決して意図的に財政誘導を行おうというつもりはありません。結果としてそういう有利性が出てくるという可能性を私は申し上げたのであって、これはあくまでもそれぞれの大学が知恵を絞って、大学の自主的判断でこういう研究をやろうとかこういう人を任期つきの採用をしようとかいうことで、それぞれの大学が自分たちの特色を生かして決めるべきことであって、インセンティブの問題についてもそれぞれの大学がどう考えていくかという問題になると思います。

井上義久新進党

○井上(義)委員 くれぐれもそういう大学の自治、自主というものを損なうことのないようにぜひしていただきたい、こう思います。今大臣がおっしゃったことは非常に大事なことなので、大体関係者に聞くと、結果的に、どこかが採用すれば、これは右倣えで採用せざるを得ないな、こういう状況もあることは確かですから、ぜひ大学の自治、自主というものを損なうことがないようにお願いしたいと思います。  それから、この任期制をいわゆる私立大学にも導入するということに今回なっているわけでございます。それで、労働基準法の第十四条で、原則として一年を超える期間を定める労働契約を禁止している。こういう法文があるのです。労働省の見解によると、一年を超える部分というのは雇用の保障期間である、いつでもやめられるのだ、だからいいのだ、こういう解釈になっているわけでありますけれども、これは言いかえると、解雇という措置をとらないでやめさせることができる、退職させることができる、こういうふうになっているわけでございます。  こういう点から、多くの私立大学の関係者の皆さん、私立大学における任期制の導入は教員の流動化として働く以上にいわゆる経営側に都合のよい首切り法だ、いわゆる大学合理化の手段として使われるという懸念をなさっている方が多いわけでございまして、私の友人の私立大学の教師なんかも、私が経営者だったらこの法案大賛成だ、こういうふうに言っているわけでございます。そういうことについてどのようにお考えでしょうか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 今回の任期制、大学教員の流動性を高めるということでございます。これは国公立にとどまらず私立大学にも共通に期待されることでございまして、基本的に、そういう意味合いで今回の法案では国公私立すべてについて考えたものでございます。  今先生御指摘の私立大学の場合でございますけれども、そのような趣旨のものでございますので、単に教員を解雇するために任期制が乱用されるというようなことはあってはならないわけでございます。現行の労働環境法制の枠内で任期制が可能であるということを前提といたしまして、私立大学教員につきましても、第四条第一項に定めます三つの場合について任期を定めて教員を雇用することができることを確認的に規定したものでございまして、特にその際、各学校法人におきましては、任期に関する規則を定め、また公表しなければならないというようにしておりまして、制度的にも透明性を高める工夫をしておるところでございます。  各大学の判断でございますけれども、文部省といたしましては、各大学に対しまして今回の法案の趣旨を十分周知することによりまして、各大学の良識ある判断によりまして、教育研究の活性化という本来の趣旨のために運用されるように配慮してまいりたい、かように考えておるところでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 私立大学の経営者側に恣意的な運用がなされないような対応をぜひやるべきだ、こう思います。  と同時に、この際ちょっと関連で。今の大学、特に私立大学は、いわゆる非常勤講師によって事実上大学の教育が担われているという側面があるわけでございます。この非常勤講師の皆さん、非常に劣悪な労働条件の中で仕事をなさって大学教育を担っていただいているわけでありますけれども、この法案ができることによって非常勤講師のリストラとか、それから非常勤講師をいわゆる継続雇用しないという、そのための法的根拠を与えてしまうのではないか、こういう指摘があるわけでございます。  この非常勤講師の今の問題について、この現状それから問題点、それからそれについてどういうふうに文部省として今後対応していこうとされているのか、この辺、ちょっと関連で聞いておきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 非常勤講師でございますが、それぞれの大学におきまして必要な専任教員というものはあるわけでございまして、これは確保をしていただかなければならないわけでございますが、その上で、大学におきます教育を実施する上で必要な授業のうちで常勤の教員のみでは分担しがたい、そういう分野につきまして学外の適任者を非常勤講師として採用しているというわけでございます。  数でございますけれども、平成七年度の数字でございますが、私立大学におきます非常勤講師の数は、およそ十万六千人ということでございます。一方、本務教員、あるいは常勤と言っても差し支えないかと思うわけでございますが、統計上本務教員と言っているわけでございますが、本務教員数は合計で九万百人余り、こういうことでございますので、全体といたしまして本務教員をやや上回る非常勤講師の方々がおられる、こういうことでございます。  任期制との絡みでございますけれども、今回の任期制は常勤の教員についてということでございますので、直接非常勤講師の方について云々ということは出てこないかと思うわけでございます。  ただ、今先生御指摘なのは、非常勤講師の勤務条件等の御心配であろうかと思うわけでございます。非常勤講師の給与、勤務条件等につきましては、それぞれの私立大学で個々の、個々と申しますか、諸事情を考慮しながら自主的に決定しておるところでございます。少なくともそれぞれの大学の管理運営が適切に行われるたかには、任用、給与等の諸規定がきちんと整っておるということが必要でございまして、それにつきましては、従来から私立学校関係者に対しまして諸規定の整備等について指導しているところでございます。  なお、若干細かくなるわけでございますが、私大等の経常費補助金におきまして、教職員の人件費につきまして、教授、助教授のほか、非常勤講師についても補助対象といたしておるところでございまして、経常費補助金の非常勤教員給与費ということで、平成九年度の予算額といたしまして約三十六億円を計上いたしておるところでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 私立大学は教員の半分以上が非常勤講師によって担われている。これは国立大学と比べますと、国立大学は大体三分の一ぐらいということなわけでございまして、やはり専任講師であることが望ましい。特に教育というのは教員と学生との人間的な交流を通じて教育効果を高めていくということでありますから、やはり専任化が望ましい、こういうふうに思うわけでありますけれども、半分以上が非常勤講師によって担われているという現状について、大臣、どのようにお考えですか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 失礼いたしました。先ほどこの法案は常勤の者についてと申しましたのは、国公立大学の場合でございまして、私立大学につきましては非常勤の方をも対象にするということでございますので、任期制、大いに関係あるということでございますから、訂正させていただきたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 私も、私立大学が非常勤の方が常勤よりも多いという実態、これはいろいろ経営上の問題もあろうと思いますし、またそれぞれの大学の自主的な判断でそういう形態になっているのだろうと思いますが、これはあくまでもやはりそれぞれの大学の自主的な判断によって決定されるべきことであって、私どもの方からこうすべきだとかああすべきだとか、そういうことは差し控えたいと思います。  ただ、私立大学におきましても、私たちは常に私学助成という形で教育あるいは研究の条件がよくなるように努力をしているところですが、教員の配置、採用というような面についてはそれぞれ各大学にゆだねているというのが現状でございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 先ほどの局長の答弁で、非常勤講師も任期制の対象になる、こういうことなんですけれども、非常勤講師の方、多くの方は事実上継続雇用で常勤化されている方が多いわけでございます。  継続雇用をめぐって争いも起きているわけでございまして、逆に言いますと、例えば任期制採用ということになりますと、これは任期が来たら退職ということが前提でありますから、先ほど私が指摘したようないわゆる解雇に法的根拠を与えてしまうのじゃないか、こういう恣意的な運用というのがこの法案によって可能になるのじゃないか。これはそのとおりだと思うので、その辺の歯どめについてどのようにお考えなのか、伺っておきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 この法案によって非常勤講師の方について任期を定めるということになりますと、この法案において定めておりますように、一定の手続と申しますか一定の要件、すなわち第四条に定める三つの場合、あるいは規則にあらかじめ教員の任期の長さでありますとかポストでありますとか再任等の取り扱いの問題でありますとか、それらについての問題、それから公表すべきであるとかいうこと、それから私立大学の場合ですと、それらの規則を定めるに当たって学長の意見を聞いて定めなければならないというような諸種の手続要件が課されているわけでございまして、それらがいわばこれらの措置をとる場合の手続として、透明性を確保するという意味におきまして機能するということを期待しておるところでございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 それから、これに関連して、現在ユネスコが準備を進めております高等教育の教育職員の地位に関する勧告についてちょっとお伺いしておきたいと思います。  勧告原案ですと四十四ですけれども、「加盟国及び高等教育機関は、終身在職権が学問の自由の手続き的な保護手段となり個人の責任を助長するものであることを認識しなければならない。」それから、去年の秋に草案が出て、四十五、四十六で同じような趣旨が述べられていますけれども、この任期制ということとどうもベクトルが逆方向なんじゃないかというふうに思うわけです。しかも、去年の四月三十日を期限に各国政府に対しての意見提出要請があったというふうに思うのですけれども、文部省としてどのように対応なされたのか。それから、この勧告が正式に出された場合、本年秋と思いますけれども、我が国としてはどう対応するのか、これもちょっとお伺いしておきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 ただいま御指摘のユネスコの勧告でございます。これは、現在まだ勧告ができ上がっているということではございませんで、検討を進めておるという段階でございます。  本年秋にパリで開催される総会において審議が行われることになっておるわけでございますが、その前段階といたしまして、事務局が審議のたたき台ともいうべき素案をこしらえておりまして、それに対して各加盟国政府のコメントを提出するよう要請があったというようなことで、政府といたしましても、これらの案につきまして意見を申し述べ、より適切な案が秋の段階で出されるように折衝と申しますか、取り組んでおるところでございます。まだ最終案がどういうことになるのかということが未確定でございます。  また、我が国が提出したコメントについて詳細にお答えするということについては、まだいろいろな対処中なものでございますので御容赦いただきたいと思うわけでございます。基本的な考え方といたしましては、これはいわゆる国際文書というものについてある程度共通のことでございますけれども、今回高等教育教員の地位に関する勧告ということで手がけられておるわけでございまして、各国の高等教育制度や高等教育教員のあり方につきまして、それをどういう制度で支えるかというようなことにつきまして、いろいろな国におきまして多様な取り組みがなされているわけでございまして、そういう高等教育の多様性というものが十分尊重されてしかるべきだというような趣旨の意見は出しておるわけでございます。  また、大学を含めました高等教育教員の大事につきましては、大学の自主性が尊重されて、またきちんとした手続のもとで、すなわち恣意的な判断を排除するということが特に重要だというようなこと、また、任期を定めた雇用や定年までの継続雇用など多様な雇用形態が認められることもまた必要だというような、大要でございますけれども、そういうことどもを意見として出してございます。  勧告が秋の段階で議題に出され、それが正式に成立したという場合にどういう対応をするかというお尋ねでございます。  これはまだ勧告内容自体が固まっていないわけでございますので、私どもの立場として、まだこの時点でどうこうというコメントをすることは差し控えたいと思うわけでございます。我が国の先ほど申しましたような意見というものも考慮に入れた勧告案が作成されることを期待しておるわけでございます。とりあえず、そういう段階でございます。

井上義久新進党

○井上(義)委員 最後に、大臣に文部行政全般にかかわることについてちょっとお伺いしておきますけれども、このところ、財政再建ということで、特に何か文部省予算、文部予算というのが非常にターゲットになっている。私学助成の問題とか、教科書の無償配付の問題ですとか、あるいは教職員の定員の問題ですとか、それから廃止計画、編制減の問題ですとか、かなりターゲットになっているというような感じがするわけなんですけれども、これについて大臣の所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 確かに、現在非常に深刻な財政難の中で財政構造改革を進めていかなければいけない、こういうことで今いろいろな検討を行っているわけです。教育の分野でも聖域を設けないということで、特に高等教育、私学助成、義務教育の国庫負担金、こういったことが指摘をされているわけですが、短期的な財政という観点からだけで教育とか文化とかそういう問題を取り扱うべきではない、やはり相当ロングレンジの長期的な視点に立って考えていかないと、これは将来非常に憂慮すべき事態になる、こういう観点から、私は、やはりそうした基本的な高等教育とか私学助成そして義務教育費国庫負担金の取り扱いについても、あくまでもそういう国家百年の観点から取り扱っていくべきことを強く主張しているところでございます。  非常に厳しい環境でありますけれども、そういった姿勢で今後とも頑張っていきたいと思っております。

井上義久新進党

○井上(義)委員 教育改革ということがただ単に予算の縮減に終わるというようなことにならないように、ぜひ文部大臣として格段の努力を要望しておきます。  以上でございます。

二田孝治自由民主党

○二田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     午後一時三分開議

二田孝治自由民主党

○二田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山元勉君。

山元勉民主党

○山元委員 午前中に相当具体的な問題について御論議がありましたから、できるだけ重複を避けたいとは思いますけれども、最初に、去年の十月に大学審議会が、「大学における教育研究の活性化のために」ということで、任期制を導入するべしという答申を出したわけですが、午前中の論議を聞いていても、本当に教育研究の活性化に資するものとなり得るのかどうかということについて懸念を持っています。  例えば、活性化のため、本当にそういう意味ではなしに、例えば学校経営、学園経営の実権を強めようとするような意図とか、あるいは大学の研究の自由とか学問の自由とかあるいは自主的な運営ということについても、活性化という名において脅かされる可能性があるのではないか。活性化といいながらもかえって意欲を失う教職員が多くなるのではないか。そういう危惧を持つわけです。  今のこの導入の意図だとかあるいは学園の自主的な運営ということについての危惧は、文部省としてはしっかりと、ないよと言い切れるのかどうか。言い切れるとすれば、午前中の論議から見てもそういう一つ一つの懸念に答えなければいけないと思うのですが、いかがですか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 大学の自由といいますか大学の自治についてですけれども、現在でも大学における学問の自由ということについては保障されているわけでありますし、教員の大事についても大幅な自主性が認められているところであります。今回の任期制は、このような教員人事の基本的な仕組みを変えるものではなくて、教員の大事についての大学の自主性を前提として、むしろ制度的に大学の判断によって任期を付した教員の採用ができるようにするということであって、何ら学問の自由や大学の自治を侵すものではないと考えております。  なお、大学審議会におきましても、学問の自由や大学の自治を前提とした審議が行われまして、我が国の大学における教育研究の現状を踏まえて答申が取りまとめられたと理解しております。  具体的に、しからばどのように学問の自由とか大学の自治に配慮をしているかということですけれども、国公立大学におきましては、任期制を行うかどうかの判断は大学の評議会というような大学管理機関が行うこと、また教員の任期に関する規則を定め公表すること、それから任期を定めた任用は大学管理機関すなわち学長の申し出に基づいて行うこととか本人の同意を必要とするというようなことで保障されているわけでございます。  私立大学におきましても、大学の任期制に関する規則を定めて公表すること、教員の任期に関する規則を定める場合には学長の意見を聞くこととか、それから学校法人と教員との合意に基づいて任期についての労働契約を行う、こういうことがこの法案の中に盛り込まれておりまして、そういった点から大学の自由あるいは学問の自由、大学の自治というものを保障していると考えております。

山元勉民主党

○山元委員 確かにそういう枠組みには一応なっているようなんですが、午前中もありましたが、例えば選択的導入だといいながらもやはり任命権者、文部大臣が任命をするわけですね。その際に、文部省あるいは文部大臣の意思が働くということになって、自主的な運営というものを左右するのではないかという危惧がどうしてもやはり残るわけです。  教特法の十条にありますように、管理機関が申し出て任命権者が任命を行う、確かにこうなっているわけですね。ですから、この際、言葉だけというよりは、評議会があり、そして文部大臣がというところの枠組みをやはり文部省は意図的に、例えば政令であろうと省令であろうときちっとすべきだと思うのです。例えば、教授会と管理機関と任命権者との関係はどうなんだ。任命権者というのは最大限管理機関の意思を尊重するのだ、よほどのことがない限りは、おかしな言い方ですけれども、自主的な判断、申し出を尊重するのだというようなことが明確になっていないと——確かに箱だけはつくってある。管理機関が申し出て任命権者が任命を行う、こうなっているのですが、そこのところの手続は、これから運用していく中でやはり変なことが起こらないような手だてを講じておく必要が文部省にあるのではないかというふうに思うのですが、いかがですか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 四条一項で、任命権者が大学管理機関の申し出に基づいて任期を定めた任用を行うことができるとしておるわけでございまして、任命権者がみずからどの教員に任期を定めるかの判断をするということにはなっていないわけでございます。基本的に、教育公務員特例法の基本的な仕掛けに倣っておるわけでもございます。さらにまた、「任命権者」と書いてございますけれども、例えば国立大学の場合を例に引きますと、現在でも既に助教授以下の任命権は学長におりているわけでございますし、教授につきましても、今年度中には学長におろそうかということで作業をしておるわけでございます。  あと問題となるのは、先生御指摘のように学内の手続をどうするかということでございますが、私どもとしてはやはり、大学の自治ということも勘案いたしまして、基本的には教育公務員特例法で最小限のことは書いてございますが、しかしさらにその詳しいところまでは、私どもの方として制度的に立ち入るというのはいかがなものだろうかということで、そこは大学の裁量というところをやはり信じてまいりたいということでございます。

山元勉民主党

○山元委員 これからこれはずっと論議されることだろうと思うわけですね。運用していく中で大学の自治権が侵害されないかどうかということは論議されていくだろうと思うのです。あるいは事が起こってくるだろうと思うのですね。その点で、今御答弁になったような立場でしっかりとした指導をしていただきたい、あるいは文部省の立場としていただきたいというふうに思います。  時間が私は少のうございますので次々行きますけれども、こういう任期制を導入することによって、短期的に目の前の研究成果を上げよう、業績を上げようという傾向が出てきはしないかという危惧があるわけです。長期的な研究だとかあるいは粘り強い、あるいは日が余り当たらないけれどもというような、そういう研究が軽んじられていくような傾向というのが出てくるのではないかというふうに思う。大学の先生方を信頼することがいいのかもわかりませんけれども、やはり、後ほど申し上げますけれども、勤務条件等ともかかわってそういうことが危惧をされるわけです。  そういうことにある程度歯どめをかけるために、四条で一、二、三というタイプが示されてありますが、この範囲というのは、ある程度限界があるのですよ、限定があるのですよということを見えるようにしないと、これは、私がずっと読んでも、大学がやろうと思ったら、もうだれでもどれだけでもできるような感じがするわけですね。先端的、学際的、総合的、あるいは分野の特性にかんがみ、こう言うと、大学がこれはこうですということを決めるすべての教員に網がかけられるという状況になるだろうと思うのですね。そこのところはやはり、今申し上げましたような傾向が出てこないためにも、範囲を限定をする、あるいはその限界を示すということが必要なんだというふうに思うのですが、いかがですか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 二点お尋ねでございます。一つは、長期的な研究というのが軽んじられやしないかというお尋ねでございます。これにつきましては、大学審議会におきましてもいろいろ議論されたわけでございまして、答申の中におきましても「長期的な視野に立った研究がおろそかにされることのないよう、研究途上の業績等も含めた広い。意味での研究業績を考慮するとともに、論文の多寡ではなく、その質を重視した評価の方法を工夫することが重要である。」とされているところでございます。  大学で行っている研究の中には、比較的短期の目標を立ててやっているものもありますれば、また大変長期的な、いつ結果が出るかもわからないような研究もあるわけでございます。したがいまして、これをどう評価するかという、そこは、俗っぽい言い方でございますけれども、やはりここは大学の腕の見せどころと申しますか、大学の努力にまつところが大であるという分野ではなかろうかと思っているわけでございまして、したがって、大学に対しましては、今のような観点も含めまして、適切な評価方法につきまして、ぜひ開発、工夫していくようにということで、私どもとしても大学に対して促してまいりたいと思っております。  それからもう一点、第四条の一号から三号までの考え方でございます。私どもといたしましては、大学審議会の答申におきまして教育研究上の必要に応じて任期制がとり得るようにということで、しからばその教育研究上の必要性とは何だということについて、答申で書かれてあることを比較的素直になぞったつもりでございます。  それからもう一つの観点は、それ以外にも、大学の自由な設定の仕方というようなものも許されていいのではないかということも考えられなくはないのですけれども、例えば国公立大学の場合ですと公務員制度のもとにおきます教職員の身分保障という観点から、やはりここはきちっと限定的に書くべきであるということで、一号から一、二、三と三つに限定して書いたつもりでございます。  したがいまして、制度的な意味合いにおきましては、私どもとしては、例えば教員個々人に応じて任期を定めたり定めなかったりということは許されるわけではございませんし、これらの一号から三号までのどれかに該当するという説明が少なくともなされなければ、この任期制の導入ということは考えられない、こういうことでございますので、当然大学に対してもそのような趣旨が生かされるように、私どもとしても周知徹底を図ってまいりたいと思っております。

山元勉民主党

○山元委員 どうもわからぬ。今局長のお話を聞いても、どれほどの範囲、例えばある大学の教員の方が百人いて、そこのところへ三人、五人というようなイメージで考えるのか、将来的に三十人、五十人となってくるのか、一向にわからぬわけです。ですから、現場の皆さんに意見を聞いても、極めて不安を持っていらっしゃるわけですね。どういう範囲で、どのような学内の合意でそれがつくられるのかということについて、どうしてもやはりイメージがわいてこない。  それは、今までの日本の終身雇用だとかあるいは年功序列型の賃金だとか、そういうことでずっとなれてきた私たちの頭かもわかりません。わかりませんけれども、しかし新しい制度が導入されるときに、少なくとも現場の人たちも、あるいはこの法案をよしとする、否とする、そういう立場にある私どもも、どういう状況になるんだ、どういう規模で学校が変わっていくんだということがわからなければ、これはやはり不安あるいは不信が持たれるのだろうというふうに思うのですね。そこのところをもう一回、どういうようなことをイメージしていらっしゃるのか、おっしゃってください。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 確かに初めての制度をこしらえるわけでもございます。したがって、この制度を適用していく、あるいはこの制度に従って新たな任期制というものを導入していくということに当たりましては、それぞれの大学でやはり十分検討してもらわなければならぬというように考えておるわけでございます。  ただ、現在、先ほどの御論議でもございましたけれども、いわゆる事実上の任期制というのも行われているという実態もあるわけでございます。これはいわゆる紳士協定的なものではございますけれども、それなりの教育研究上の必要性に応じて、自然発生的にというと言葉はなんでございますけれども、行われているわけでございまして、そういうような大学の自主的な、あるいは大学の一部分でもございますけれども、ある部局の自主的な判断、検討というものを通じて、ぜひこれを導入したい。その場合には、この法律に定めてある一定の手続要件に従って導入したいということで、この新しい制度の適用を考えていただく、こういうことになろうかと思うわけでございます。

山元勉民主党

○山元委員 繰り返し繰り返し大学の自主的な判断だとおっしゃるわけですね。これは私は大事だと思うのです。けれども、やはりそういう節度といいますか、導入に当たっての規模なり、あるいは学内の本当に前向きの合意というものがないと成果は上げられるものではないというふうに思うのですね。平たい言葉、余りいい言葉でないかもしれぬけれども、何か選別をする、あるいは短期で人を使い捨てるというような制度に落ち込んではいけないわけですから、そこのところはしっかりと文部省もこれからその実態を見ながら、きちっとした方針を高めていっていただきたいといいますか、練っていっていただきたいというふうに今お願いをしておきます。  もう一つ懸念は、こういうふうにして有能な教員あるいは実績を持っている教員というものに、それぞれの大学が、先ほど割愛という言葉がありましたけれども、どうしてもやはり任期つきの教員として来てもらいたいということになってくるだろうと思うのです。そういうことによってみずからの大学をよくしていこう、いい大学にしよう、これは当然働くことだと思うのですが、その場合に、例えば地方の大学あるいは中小の大学から人が、吸い上げられるというのはおかしいですけれども、異動をして、大学間の格差が拡大をしていかないかというおそれがあるわけですね。  そういう意味で、私はやはり、先ほど節度あると言いましたけれども、そういう中小あるいは地方の大学に対する大学教員の誘いというものも節度がなければいかぬというふうに思うのですが、このことによって大学間の格差が拡大する、そういうおそれは感じていらっしゃいませんか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 現在の国公私立の各大学を見ましても、それぞれ歴史とかあるいは沿革を持っておりまして、現状においても内容とか規模は異なっているわけですね。そこで、文部省としては、今回こういう任期制を導入することによって各大学の教育研究の活性化を図ろう、こういうことで支援をしていこうということですけれども、こういった定員とか予算の確保などの教育研究条件の整備については、厳しい財政事情のもとではありますけれども、最大限努力をしてまいりたいと思っております。  現在、大学間で教育研究条件の違いといいますのは、主として研究分野の違いというものがあろうと思うのですね。例えば、人文系か理科系かということとか、それから教育と研究のウエートの置き方、例えばドクターコース、マスターコースのようなそういうところに力を入れている大学と、学部教育を中心の大学というふうになっておりまして、私は、すべての大学が画一的、平等的な状態に置かれるよりも、多様な個性的な状況、そして流動的で競争的な環境にあるということが重要だと思うのですね。  仮に地方の大学から優秀な人を引っ張ろうとした場合には、その大学にとっては一時的にはマイナスが起こるかもしれませんが、しかしそれによってまたその地方の大学がそういう優秀な教員をもっと育てようということで、また別の優秀な人材を引っ張ろうという努力もありますし、またそこから優秀な人材が出てくるということで、私は、決して地方大学とか私立大学とかそういうところにマイナスばかりではなくて、むしろそういう刺激を与えるというか活性化の条件を与えるということになるんじゃないか、こう期待しております。

山元勉民主党

○山元委員 余り論を深めるわけにいかぬ。  時間がないので次に行きますけれども、先ほどから出ていますが、教員にとっては大変な雇用の形態の変化になるわけですね。そして大学の学内における運営への参加の仕方もまた変わっていくわけです。そこのところで私申し上げたいのは、一体教員それぞれがどのように参加をできるのか。例えば、任期制を導入する、どういうポストでする、どういう労働条件、給与条件にするということについては、私学にあっては、いわゆる労働協約を結ぶための労使の協議、労使交渉というのが当然保障されなければならぬと思うのです。  そしてまた、国公立の教員にあっては、これは人事だから管理運営事項なんてばっさりといかないで、やはりこれから新しい大学づくりということでしっかりと参加をしてもらって物をつくっていく必要があると思うのですね。労使の協議が必要だと思うのです。そこのところはどのように保障されるのか、まずお尋ねをしておきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 私立大学におきまして任期制を導入することは、教員の労働条件にかかわる事項と考えられるわけでございまして、団体交渉事項に該当するというように考えるわけでございます。  また、国公立大学におきましての任期制の導入は、今先生も御指摘ございましたけれども、任期を定めた任用という任命権の行使に密接不可分な事柄でございまして、管理運営事項に該当するというように考えるわけでございます。したがって、それ自体は職員団体との交渉事項の対象にはならないというように解釈するわけでございます。  ただし、任期を定めて任用される教員の勤務条件、給与とか勤務時間等でございますけれども、教員の勤務条件につきましては、任期の定めのない教員の勤務条件が交渉の対象になるのと同じ意味合いで、交渉の対象になり得るというように考えるわけでございます。

山元勉民主党

○山元委員 私が申し上げたいのは、通常の交渉事項ですよということではなしに、新しい制度を導入していく、新しい大学をつくっていくということについての参加についてです。やはり今までの、ただ労使の交渉事項だというだけではなしに、意味を持たせていただきたい、こういうふうに私は思っているわけです。  そういう中で、午前中もありましたけれども、大臣は、任期つきの教員と終身雇用の教員とは職務の内容が変わらないのだから給与条件の差はないんだ、こうおっしゃるわけです。そうすると、例えば五年の任期で、あなた、終わった、再任されないよと言われたときには、そこで退職金は精算されるわけですね。あるいは年金の受給権なら受給権がそれなりに保障される、計算されるわけですね。それから後、また次のところへ行ってまた五年やった。そこのところ、公務員としての身分が続けば五プラス五で十になりますけれども、例えば五年を二期やったという場合で考えても、生涯賃金の発想でいうと、五で精算をして五という取り分と、十年続いて十年目に退職金を一括して受け取るのとは随分とこれは差があると私は思うのです。ですから、できたら再任をされたい、続けた身分で仕事がしたいと思うことは当然だというふうに思うのですね。  そこのところは保障しなければいけないのと違うか。あるいは職員団体の意見というのはきっちりと受けとめられなければいけない。とにかくそこのレール、ポイントを切りかえて、任期つきのところへ行ったら、五年目にはきっちりと退職金もあるいは年金の権利もそこで一たん精算をされる、閉じられるということに決まってしまうようで、私は、そこへ入っていく人は、これはたまらぬというのですか、よき意欲を持った人が入っていかないポストになってしまうのではないかというふうに思うのですが、その点はどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 任期制を導入するということ、そのこと自体は先ほど申し上げたような制度上の位置づけになるわけでございますけれども、今先生がおっしゃいましたように、それに関連いたして種々の勤務条件上の問題というのもまた関心を引く事柄であるというようなことにつきましては、私どもとしても理解するわけでございまして、その辺につきましては、いろいろな形でのまた御論議というものがあるであろうというように考えておるところでございます。

山元勉民主党

○山元委員 具体的なことで幾つかお尋ねをしたいのですが、例えば、そういう給与上の優遇というか配慮なりがない、だから任期ポストにつくことを拒んだ場合、あなた、五年制のここの助教授ポストへ行け、行ってほしい、こう言われたときに、いや、私は五年後にレールの切れるところには入りませんというふうに拒んだ場合には、どういう状況になるわけですか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 任期制の導入に関連いたしまして、その任期を付したポストへの任用という場面におきましては、本人の同意を得て行うということが法律上明記されているわけでございます。したがって、本人の意に反してそのような任用行為がなされるということは考えられないというように思うわけでございますし、また、それを本人が受けないというようなときに、そのことによって何らかの不利益な取り扱いがあるというようなことも、もちろんあってはならないことだというように考えております。

山元勉民主党

○山元委員 確かに、今公務員としているわけですね。そして、たまたまそこの職につくことを請われて断って、私は息長うやりたい、こう言われたときに不利が生じないしっかりとした確認がないと、全体的な不安が大きくなっていくだろうということで心配するわけです。今局長がおっしゃるように、意に反したことは考えられないし、不利益に扱われることはない、それはやはりきちっとした原則だということについては確認をする必要があるだろうというふうに思います。  もう一つ、今度は、そのポストへ入った、再任を望んでいた、来年自分は五年が切れる、続けてやりたい、仕事も半ばであるというときに再任が拒まれる。そうすると、その本人は、現実的にある程度仕事も探さなければならぬでしょうし、そういうときに救済をされる措置、例えば訴えることができる、公務員は人事院だとかあるいは労働委員会だとかいろいろあるわけですけれども、そういう手だてが保障されるのか、あるいはやはり一定期間公務員としての身分を保障するというような救済措置があってもいいのではないかというふうに私は思いますけれども、とにかくだめだと言われて三月三十一日になってしまった、次からは全くの権利もあるいはそういう救済の道もないということでは大変だと思うのですが、それはどうなります。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 御案内のように、任期制とは、任期満了によりまして当該任期を付されたポストに係る身分を失うことを前提とした制度でございまして、したがって、再任されない場合もあることは御指摘のとおりでございます。  したがいまして、再任を認める任期制をとる大学におきまして、教員を任期つきの職に採用する場合には、再任の手続について、採用と同様に厳格な審査が行われる旨を本人に明示して、任期制が円滑に実施されるように努める必要があるというように考えているわけでございます。  なお、再任を拒否された教員が身分を失うことだけを理由として、暫定的なポストやあるいは任期なしのポストに採用するというようなことを先生多分おっしゃっておられるのだと思うのでございますけれども、それは、教員の流動性を高めることにより教育研究の活性化を図るという任期制本来の趣旨からして不適切なことではないかというように考えるわけでございます。  また、不服審査の対象となり得るかということでございますが、教員の人事の審査と共通のことでございまして、したがって、これについては不服申し立てをするというようなことは考えられないというように考えておるところでございます。

山元勉民主党

○山元委員 こういう新しい雇用のあり方あるいは学問の研究なりあるいは教育ということを大きく変えていくに当たっての配慮というのはどういうふうになされていくのかということについて、極めて私は危惧を持たざるを得ないのです。  きょうは時間がありませんから、私は、次回にもう少しまとめて、労働基準法の十四条なりあるいは人事院規則八−一二の十五条の二、期限つき採用について聞いていて、例外扱いをするときの給与やあるいは勤務のあり方についてもう少し明確にしておかないと、活性化ということで、大学の教員の意欲をそぐあるいは身分が危うくなるという懸念をどうしてもやはり持ちますから、教育基本法の六条に言っていますけれども、身分を尊重されて、しっかりと待遇されるというような、ああいう教育基本法の精神からもやはり問題がまだまだあるというふうに思いますから、そこの点、次の機会にぜひまた私も立って、御質問をしたいと思います。  時間がないのですが、あと、この法案から少し離れるわけですが、子供の問題、教育の問題で少し大臣に所信をお伺いしたい問題がありますので、お願いをしたいと思います。  一つは、きのう私は長崎の子供たちに会いました。これは、御承知のように諌早の干潟の問題です。小杉大臣は環境の問題に大変関心を持っていらっしゃる、政務次官も委員長もやられて、大変そういう関心をお持ちいただいている方です。私は、そういう小杉大臣に甘えるわけではないけれども、きのう私が聞いた子供の気持ちをしっかりと受けとめる文部大臣であってほしいというふうに思うのです。  それはどういうことかといいますと、子供たちが来て、一生懸命になって言っていました、その子供の作文をもらったのですけれども、端的に言っているのです。  ついにうんめいの四月十四日に干潟はギロチンで 二百九十五枚の板が落ちて、水門が閉じられたわけですね。  しょけいされました。そしてその時の知事の言葉には頭にきました。「干潟の生き物が死滅するのはしかたがない。新しい生たい系を大事にしたい。」と知事はいったのです。ぼくは人間にはそんなことはできないと思います。口では自然保ごなどという言葉いっていてもいってることとやってることがちがうんじゃないですか。こういうことで人間はかってな生き物だなと思います。でもまだ干潟の生き物は生きているのです。今からでもおそくはありません。みんなで協力して一こくも早く水門を開けてほしい という作文なのです。  子供たちがわざわざ東京へ来て言う意味は、これは大人が連れてきたのではなしに、あの長崎の子供たちが、干潟で泥んこになって遊んで、本当に自然を満喫している、その子供たちがひび割れていく干潟を見て悲しむ。ほかの子供の作文にもありますけれども、「毎日ずっと掃除をしていた干潟がなくなってしまうと思うと悲しいです」と。こういう気持ちはやはり大事にして、今、大人としてできることは何だということを考えてほしいと思うのですね。  今、この干潟の問題、新聞にもいろいろ報じられていますけれども、一月たちました。政治として公共事業をどう考えるのか、環境をどう考えるのかというところに立っていると思うのです。ですから、小杉大臣に、今の干潟の状況についてどうお考えなのか、感想をお聞かせいただきたいと思います。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 環境問題は、教育の場のみならず、あらゆる施策の場で配慮をされなければいけない重要な課題だと思います。殊に、自然の生態系の中で人間も生かされているということを子供たちに教えるということは、極めて重要であります。  したがって、文部省としても、学習指導要領の中に、主として社会科や理科を中心に環境教育というものをやっているわけでありますし、このたび発表した教育改革プログラムの中でも、環境教育というものを一つの重要な柱として位置づけているところであります。  具体的な文部省の施策の中でも、例えば、今年度の予算からエコスクールというようなことで、学校の屋根の上にソーラーシステムを導入して、実地にエネルギーをどうやって大切に使っていくかということを教えたり、あるいは、できるだけ早い機会に教科書に再生紙を利用して、毎日手にする教科書が木材資源を大切にするために再生紙を利用しているんだということを実体験させる、こういうようなこともやっていきたいと考えておりますし、今度低公害車を導入したり、そういうことで、一生懸命この環境教育について文部省としてもしっかり取り組んでいきたいと思っております。  今御指摘の有明海の諌早干拓事業については、それぞれの役所が責任を持ってやっていることでもありますし、私自身まだ現場を見たこともありませんし、今までいろいろな経緯があったと聞いておりますが、そうした経緯の詳細についてもつまびらかにしておりませんので、今私ここで直ちにこの問題についてコメントする立場にはないというふうに御理解をいただきたいと思います。

山元勉民主党

○山元委員 いや、環境というのは大事ということは、私も、小杉大臣がしっかり考えていただいている、取り組んできていただいていることは承知をしているわけですし、そして、この長崎の地元がつくっているパンフでも、子供の情操教育や環境教育に大変かけがえのない教材なんですね。そういうものが今壊されているときですから、それは大臣としてお考えいただく、それぞれの感想を持っていただくのはいいんですが、私は、もっと突っ込んで——この間、三日ほど前に我が党の渡辺周議員が質問主意書を出しました。質問主意書というのは閣議でサインするかどうかということになるわけですね。ですから、そのときに小杉文部大臣がサインをされるのか、これはだめよとおっしゃるのか、私はいずれそれはもう見えてくるだろうと思うんですが、私は、思い切って、大臣が所属していらっしゃる公共事業チェック機構を実現する議員の会、やはりここのところでこのような悲しい状況になっていることについてチェックかストップをかけられないということではいけないだろうというふうに思うんです。  ですから、今ここでサインどうだこうだということについては申し上げることは何ですけれども、ぜひ、私たちが考えている子供と環境ということについて小杉大臣が理解のあるというんですか、私たちがほっとできるような態度をとっていただくように、これは御要請申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、これも教育の問題ですが、午前中に井上議員からもありました。今、土砂降りのように、教育の分野も聖域ではないよということで、義務教育国庫負担の問題、定数の問題、私学補助の問題、さまざまな分野で切り込んでくるという状況になっています。これは、今の段階では自民党の皆さんの財政改革本部ですか、ここのところで論議をされているわけですけれども、私は、やはり各論反対という立場ではなしに、確かに、今我が国が大事な課題としているこの財政構造改革あるいは財政再建ということと教育改革ということの両立はできるというふうに思っているんですね。ですから、財政構造改革だ、財政再建だ、だから教員定数がむだなんだというようなことにはならない。総理も大臣もこの国会の初めにそれぞれの所信表明で、これは国家百年の大計なんだと、私少し異を唱えましたけれども、我が国唯一の人的資源なんだと。そこのところがこれから二十一世紀へ向けてしっかりとやらなきゃならぬ分野です。  改革は必要ですけれども、削減ということの対象にまずなるというようなことについては、私は、文部行政を預かっている人たち、あるいは我々この文教委員会に所属して子供たちのことを常に頭に置きながらという者が今やはり非常事態だという意識を持たなきゃいかぬだろうと思うんです。私どもはそういうことでは行動を強めなければいけないというふうに思っているんですが、文部省として、改めて今のこの予算削減というんですか、財政改革の状況についてどのように認識をしていらっしゃって、どのように行動をされようとしているのか、お伺いをしたいというふうに思うんです。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 簡単に申し上げますが、私が財政構造改革会議で主張したことは何点がありますが、まず、この少子化を迎えた今日ほど、日本にとって重要な資源である人間というもの、この教育というものはより質を高めていかなきゃいけない必要があるということが大前提であるということを申しました。それから、現在進めております教職員の配置計画ですが、これは国会の全会一致で決めたことであること、それから、現在でも改善計画やっておりますけれども、この六年間で三万人の定員の純減があるんだということ、それから、もしこの計画が中断とか凍結をすると、今進めております個に応じた教育であるとかいじめや不登校対策が非常に影響を受けるということ、それから、今後の教員のいわゆる年齢構成に非常にアンバランスを生ずるというような諸点を申し述べまして、この教員の配置計画については、何とか平成十年度、来年度完結をさせていただきたい、このことを強く主張しているところでございます。

山元勉民主党

○山元委員 時間が過ぎましたから終わりますけれども、本当に、角を矯めて牛を殺すという例えがありますけれども、少し是正をしようということで日本の教育を危うくしてはならぬというふうに思うんです。  先ほども理事会で田中眞紀子先生の議員立法、新しい次の時代に向けて新しく免許を取る人の資格、より幅広くということで私は大賛成ですけれども、そういう新しい時代の資質の高い教師を求めなければならない時代だというふうにも思いますし、そしてやはり少子、今この時期にしっかりと、教師は今忙し過ぎる状況になっているわけですから、しっかりと現場を見詰めて日本の教育を過たないように文部省も頑張ってほしいと思いますし、私たちも努力をしなければいけない、こういうふうに思っております。  以上、終わります。ありがとうございました。

二田孝治自由民主党

○二田委員長 次に、山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 任期制の問題は、いわゆる四六答申、中教審答申、また八七年の臨教審答申にも提唱されましたけれども、今まで行われておりません。それは、日本の大学の学問の自由の問題あるいはその他大学のあり方についての大きな課題でありますから今日までできなかったわけですが、その点で委員長にお願いしますけれども、これは、慎重な審議をぜひ保障していただきたいということをまず最初にお願いを申し上げたいと思います。  次に、去る九日の我が党の石井議員の質問に対しまして、石井さんが、任期制が時代を画する研究の芽を摘む危険があるというふうに指摘したのに対しまして、総理は、そうは私は思わないという答弁がなされたのでございますが、文部大臣はこれに対してどういうふうにお考えになりますか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 今度の任期制の導入の目標は、大学教員の流動化によって教育研究面での活性化を図るというのが目標でございまして、これを導入したことが直ちに今お話しのような妨げになるというようなことは当たらないと私も考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 そうするならば、総理の、私はそうは思わないという見解とほぼ一緒ではないかと思いますが、時代を画するすぐれた研究というものは正当な評価を得るまで相当な時間がかかることは御承知だと思います。  例えば、移動する遺伝子を発見してノーベル賞を受賞したマクリントックという人、この人は遺伝子を発見していながら、その価値について周りの人がわからず、三十年間も無視され続けて、その後に評価を受けてノーベル賞をもらったというふうに記述されております、「ノーベル賞の光と陰」という本であります。三年、五年の評価そして任期ではこうしたことも見過ごされ、結局こうした芽を摘むことになるんではないかというふうに思われますが、これについて見解を伺います。  「ノーベル賞の光と陰」、これを読みますと、そうしたことは枚挙にいとまがない。光の速度をはかりノーベル賞を受賞したマイケルソンの研究も、三十年間改良に改良を積み重ねた結果の受賞であります。また、考古学の研究では必須の遺跡発掘作業は、調査結果の報告公表まで加えれば確実に十年単位の作業と言われておるのでございまして、数年単位の任期ではとても研究の成果を上げることができないだろうと言われておりますが、これについてはどうお考えになりますか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 今先生御指摘のように、大変長期的な視野に立って推進していかなければならない基礎研究というのはあるわけでございますし、それについての評価をどういうようにするかというのは、これは大変難しい問題でございます。  今先生幾つか例をおっしゃいましたけれども、例えばアインシュタインがノーベル賞をもらったその理由として、じゃ、現在有名になっているいわゆる相対性理論でもらったのかという話もあるわけでございます。いわゆる基礎的研究という分野におきましての評価というものを的確になす、その時々に応じて的確になすというのはなかなか難しい、これはおっしゃるとおりだと思うわけでございます。  しかし、そのことと、いろいろな雇用形態の中で、ずっと定年まで任用をするあるいは雇用をするということ、あるいは任期を限った雇用を認める、認めない、このこととはまた別の問題ではなかろうかというように考えておるわけでございまして、今先生御指摘のところは、要するに基礎的な研究をどう長い目で育てていくか、こういう視点に立って私どもはむしろとらえていく。これは任期制導入の云々ということとは余り直接関係はないのではないかというように考えておるところでございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 湯川博士が設立した紳士協定の任期制をとっている京都大学の基礎物理学研究所の長岡研究所長は、任期が厳格に定められたら、所員は任期が来たときに転出先がないことを恐れて早目の転出を考え、基研、基礎研究所で落ちついて研究する雰囲気が失われるのではあるまいか、そのような基研は研究場所として魅力を失うだろう、こう述べております。総理の、私はそうは思わないというのは、これはまさに一面的な、いわば独善的な見解ではなかろうかというふうに思うわけで、このことは指摘しておきたいと思います。そして、この法案を審議するに当たっては、さらに総理大臣も出席をして質疑をしたいと思っておりますので、委員長におかれましても、ぜひこの点の御理解をいただきたいと思います。  日本ではなかなか任期制のデメリットというものが出ていません。ところが、「英国における大学教員の任期制採用」という報告書がございます。文部省学術国際局学術課日本学術振興会ロンドン教育連絡センターの岩佐敬昭氏によるものですが、これは「週間教育資料」平成七年十二月十八日・二十五日に載っていますが、ここには次のようなデメリットが記載されています。  経済的な理由のため大学の研究を断念せざるを得ないという言葉ですね。それから、大学雇用教員側も任期制の教員のことを外部から一時的に借りている助っ人と考えているため、重要な研究を任せるよりも研究の補助をさせることが多い、こういうふうに出ています。さらに、任期制の教員は、契約期間の後半になると次の職探しを始めるため、研究に身が入らなくなることが多い。さらにまた、英国薬学産業協会は、三年間の契約期間であっても実際に質の高い研究ができるのは十二カ月から十八カ月だけであると指摘をしております。そしてさらに、前述のような状況が続く結果、優秀な研究者は安定性と高収入を求めて海外の大学に向かい、頭脳流出現象が生じる。こういう報告が出ておるわけでございます。  私は、こういう点から考えまして、任期制が適当な制度だということを判定することはできないわけでございまして、まさに今後日本でも類似した問題が生じる可能性があるのではないかと思うのでございます。日本でもこうしたことが起こらないように諸外国に学ぶべきでありますが、これでも活性化するとおっしゃるのかどうか。こういう事例を出しましても、なおかつ任期制によって学術が活性化するというふうに御判定になりますか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 何分にも新しい制度でございます。従来の終身雇用的な雇用形態、あるいは公務員制度のもとにおきます定年までの継続的な任用というものの例外を定めるということでございます。  この制度のねらい自体は、何度も繰り返して申し上げているところでございますので省略させていただきたいわけでございますけれども、私どもといたしましても、そういう新しい制度ということに直面して、教職員団体の方々を初めいろいろな方面からさまざまな懸念、今先生も幾つかおっしゃったわけでございますけれども、承っております。  しかし、今御提案申し上げております法案の本来の趣旨が実現されるということでありましたならば、私どもといたしましては、やはりこの本来の目的といたします教員の流動化が促進され、また大学の教育研究の活性化というものが一層促進されるものと確信しておるわけでございまして、そのような方向で、私どもといたしましても、大学に対してこの法案はこういう趣旨のものなのだということを十分周知徹底を図り、この制度の趣旨に沿った実現が図られるように努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 今の話は文部省の人ですから、否定できるものではないわけです、この発言は。  そういうふうに思いますし、さらに、衆議院の文教委員会調査室の作成資料を読んでみますと、ここでも任期制の有無、制限には触れておりますけれども、メリット・デメリットについては触れていません。さらにもう一面そういう状態がございまして、この正確な資料も出てきていないのですよね。これはぜひ出していただかなければ審議をすることが困難だということを申し上げておきたいと思います。  本委員会としても、諸外国の例も調べて、綿密な調査の上に論議をするならばまだわかりますけれども、次回の審議までに、諸外国における任期制のメリットあるいはデメリットについて、文書として報告をしていただきたいと思うのです。委員長、これはぜひお願いします、理事会においてお諮りをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

二田孝治自由民主党

○二田委員長 お申しの件、理事会で諮って決定したいと思いますので、お願い申し上げます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 石井議員は、国立大学には民営化のおどかしで任期制を押しつける動きすら伝えられているという発言をしております。国立大学の民営化、地方移管というようなことを行うつもりなのかという問題でありますが、総理は、「現在、行政改革会議におきまして、」「国立大学のあり方につきましても、その中で検討していく必要があるものと考えております。」というふうに述べておりまして、民営化についても「検討していく必要がある」と答えているわけですが、一方、文部大臣は、「行政改革会議等に対しても、今後、このような国立大学の果たしている役割等について十分説明していく必要があると考えております。」と答えております。  五月二十一日付の行政改革会議ヒアリング説明資料として文部省の説明が載っていますが、これによりますと、国立大学の独立機関化または地方移管、民営化についてどう考えるかの問いに対しまして、新聞にも出ておりますように、民営化については、先ほど述べた国立大学の果たしている役割から見て、国立大学の民営化には賛成できないと書いております。民営化については賛成でないということなんですね。これは反対ということですか、文部大臣。

小杉隆自由民主党文部大臣

○小杉国務大臣 総理の答弁は、決して国立大学を民営化するということを言ったのではなくて、国家機能のあり方とかあるいは中央省庁の再編を検討する中で国立大学のあり方についても検討していく必要がある、こういう答弁であったわけであります。  私は、再三申し上げておりますが、国際的に見ても高度な学術研究とすぐれた人材養成というのは、教育、特に高等教育の基幹部分であって、こうした国家基盤を形成する高等教育は国の責任と考えるべきだというふうに考えております。  そして、地方移管とかあるいは民営化といった場合の弊害を逆説的に考えてみますと、学術研究分野が偏ってしまったり、あるいは地域的に大学配置の偏りができてしまうということを懸念しております。  例えば、今、研究、特に高等教育における研究の分野では、大学院とかの博士課程、修士課程、こういうものは国立大学が約六割の学生を預かっているわけでありますし、また、特に国立大学は自然科学系、理科系ですね、これが中心になっておりまして、これを仮に民営化した場合には、そういうお金のかかる分野は敬遠されて、人文科学系のみに偏ってしまうということ。それからまた、民営化した場合には地方に果たして大学が行くだろうか、そういう地域的な偏りということも考えていかなくちゃいけないと思います。  私たちは、やはりもう一度国立大学の果たしている役割というものを十分考え、そして説明していく必要があろうと思います。ただし、国立大学といえどもその管理運営につきましてはさらに効率化、合理化を図っていくということ、そういう視点も忘れてはならないと考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 ちょっとわかりにくかったのですが、新聞には「文部省は方針を固めた 国大の民営化は拒否」、こう出ているのですね。一方、総理大臣は「検討していく必要がある」と、前向きのといいますか進めるような方向の答弁をしておりますから、だからこの点は明らかにすべきだと思って質問をしたわけです。時間がないものですから非常に慌ただしい質問になっておりますけれども、これは明確にしないとだめだと思うのですよ。  そういう点で、例えば千葉大学の場合は、評議会で、任期制は教育研究の活性化をもたらさないので現段階では導入しないと決定をしている。それが、学長によって突如態度が変えられまして、任期制導入の方針を示しまして作業部会の結成を指示して、ことしの六月までに結論を出すといいますか、そういう状態が出ております。今任期制を導入しなければ国立大学は民営化されてしまうのではないかということが理由になって任期制を導入する、こういう格好なんです。だから民営化ということがおどし、恫喝になっている。結局、それを恫喝材料にしまして任期制を大学へ導入するという、文部大臣の言われる選択約何とかいうこととは全く違ったことが出ているんですね。  そういうことを考えますと、ここのあたりしっかりした姿勢をとっていないととんでもないことになるということを申し上げたいと思いますが、これはいかがですか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 今御指摘の点でございますが、今回の任期制は、既に何度も繰り返しておりますように、昨年の秋の審議会答申を踏まえまして、教員の流動性を高めて教育研究を活性化させるというのが目的でございました。ただいま御論議のありました国立大学の民営化の議論とは何の関係もないものだというように私どもは考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 ユネスコへの対応の問題ですが、現在ユネスコでは、高等教育の教職員の地位に関する勧告草案が二十九総会で採択予定だと言われておりますが、検討されているわけですね。大学教員等の地位の確立に必要な事項を全十一章七十七項目にわたり詳細に規定をしている。  その中で、日本政府の対応が極めて問題なんです。日本政府は、これは文部省に関係のある三名の代表が出ておったわけでありますけれども、その中で、例えば条項四十四を次のように修正するというのが出ております。「加盟国と高等教育機関は教員及び研究者の多様な交流と彼らの間の自由で活発な意見交換が学術の進歩と教員の資質の強化にとって重要だという事実の見地から、教員の異動の自由と学術の自由とを守るべきである。」その次ですが、「また限定された期間の雇用を保障する期限を定めた雇用や退職時までの雇用を保障する終身雇用のような多様なタイプの雇用が利用できるよう努める」べきであるという修正案が出されているんですね。  これは文部省の指示によって出されたものですか。文部大臣はこのときはまだ大臣になっておりませんが、前の文部大臣の指示ですか、それとも文部省の指示としてこの三名の方がこういう修正案を提出したのですか。これをちょっと伺っておきます。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 いつだれがというところにつきましては現在定かにしてございませんが、先ほど、午前の御論議にもございましたように、私どもといたしましては、このユネスコの高等教育教員の地位に関する勧告につきまして、高等教育のあり方あるいは高等教育教員の身分をどうやって支えていくか、あるいは処遇をどうやって支えていくかというような仕組みにつきましては、ユネスコ加盟国それぞれ多様な取り組み方があるということでございます。  したがって、そうした多様性というものがこの勧告の中で生かされなければならないというようなこと、それから、学問の自由ということがやはり尊重されなければならないこと、それに関連して、大学の自主的な判断、自主性というものが尊重されなければならないこと、それから、教員の身分関係におきましては、いわゆる透明性のあるきちんとした手続に従ってなされるべきであることというようなことを中心とした意見を述べてきているところでございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 明らかに任期制を導入するという何の決定もないわけですよね、中教審のあれもありませんしね。その中で、何で文部省の、出先と言ったら悪いでしょうが、この場合は、学術国際局国際企画課の岡本さん、それから筑波大学の山本眞一さん、ジュネーブの大使館一等書記官の吉本さん、三名がこういう修正案を出す。だれが許可するんですか。日本政府の出先機関としては先端におる人ですから、その人に対してどういう指示が行くんですか。文部省が指示するんですか。指示してこういう任期制導入の端緒を開かせたと言われても仕方がないでしょう。これはどういう意味ですか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 多様な雇用形態が認められるべきであるという意見を申し述べること、これ自体何ら問題のあるところではないと私どもは考えておるところでございまして、現在、アメリカ、イギリスはユネスコから脱退してございますけれども、例えばアメリカにおきましても、テニュアを得る段階までに至る、いわゆる助手でありますとかあるいはアシスタントプロフェッサーと言われております助教授の段階までにおきましては、極めて競争的な任期制が支配しているわけでございまして、同じアメリカ一つとりましても、任期制とテニュア、そういうところが併存しておるわけでございます。したがって、世界各国と申しますかユネスコ加盟国あるいは先進国などの実際のありさまを眺めましたときに、高等教育機関のあり方あるいは高等教育に勤務する教員の身分関係をどう律するか、これにつきましてはさまざまな取り組みがあってしかるべきだというように考えておるわけでございまして、そういう考え方に基づいて私どもが意見を申し上げるということについて何ら問題はないというように考えておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 少なくとも外交問題でしょう、これは。外交問題とまで言えるかどうかわかりませんけれども、そういう問題を、まだどこも決定していないんです。国会はかかったばかりですよ、今審議が。任期制を導入するかどうかということをまだ決定もしていないんでしょう。それを早くも前線の外務省の出先が修正案を出してある。これはもちろん今の終身雇用の流れから否決といいますか無視されるといいますか、そういう状況の中でこれを日本の出先機関が出すというのは不見識ですよ、これは。そういうあなた方の考え方そのものが任期制を導入する要素をつくっているわけでして、この点については、ぜひきちっとした説明をしていただかなければ私は納得ができませんので、もう一回お答え願いたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○雨宮政府委員 ユネスコの勧告案につきましては、現在、各国からの意見を得てユネスコの事務局において最終的な案を取りまとめておるということでございまして、それを秋の会議にかけて加盟国の意を語る、こういう段取りになっておるわけでございまして、現在その途上にあるわけでございます。その間におきまして、さまざまな意見が、日本を含めまして、さまざまな国から寄せられておるわけでございまして、したがいまして、私どもといたしまして、まだ未確定な内容のものにつきまして現在この場でとやかく申し上げるということはやはり差し控えるべきであろうというように考えておるわけでございます。  ただし、これまで私どもがこの勧告の内容につきまして大まかな方針として意見を寄せておりますのは、先ほど来申し上げておりますように、高等教育の教員の身分関係については多様なものがあるべきだ、これは高等教育の制度自体もそうでございますし、そういう考え方。それから、大学の自主性が認められるべきこと、大学の自治あるいは学問の自由というようなこと、それらについて尊重されるべきということを申し上げているわけでございまして、それらの方針をとっているということと、今回法案を御審議いただいているということにつきまして、特段のそごがあるというようには考えておらないわけでございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 もう一つ、こういう問題は、文部省の態度をはっきりして臨むならいいですけれども、先へ先へつくっていくわけでしょう、修正案まで出してやるわけですから。そんな権限はないですよ。少なくとも我々知らぬですよ。中教審の答申に提起されたかもしれないけれども、まだ実行の段階に入っていないわけです、今、初めて法案が出て審議をしているわけですから。その段階の一年も前、昨年の七月ごろ、既に出してある。そういうやり方が終身雇用制をとっている日本の体制と違うのです。違うことをやっている。これは厳重に注意をしてください。  それからもう一つ、一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律が出ていますが、大学の教育研究のあり方、また研究公務員の研究のあり方を含め、広く検討すべきではないかと思いますし、拙速で決めるべきではないと思うのです。  この際、この問題につきましてもきちっとした態度をとるべきでありまして、当然、内閣を初め連合審査をやって、そして当委員会の意向を反映するということが必要だと思います。この連合審査についても、もう時間がありませんから委員長にお願いをしたいのですが、ぜひ理事会で諮って連合審査もやる、参考人を呼ぶところまでは来ておりますけれども、連合審査もやみ、慎重な審議をするという態度をぜひとっていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  最後に委員長のお答えをいただきたいと思います。

二田孝治自由民主党

○二田委員長 連合審査につきましては、理事会に諮りまして、その要がなしというふうに決定されました。それぞれの所管委員会に必要ならば出ておやりいただく、こういう決定を見ましたので、御報告を申し上げます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 時間が参りましたので、終わります。

二田孝治自由民主党

○二田委員長 次回は、来る二十日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時十七分散会

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