大蔵委員会 第21号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/05/21
会議録
○額賀委員長 これより会議を開きます。 開会に先立ち、理事をして新進党所属委員に対し、出席を要請いたしましたが、出席を得ることができません。やむを得ず議事を進めます。 内閣提出、日本銀行法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 新進党所属委員の出席がありませんが、これより理事会申し合わせの新進党の質疑時間に入ります。 新進党の委員が来るまでしばらくお待ちをいただきたいと思います。 〔委員長退席、柳本委員長代理着席〕 〔柳本委員長代理退席、委員長着席〕
○額賀委員長 この際、暫時休憩をいたします。 午前十一時八分休憩 ――――◇――――― 午前十一時二十分開議
○額賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷口隆義君。
○谷口委員 新進党の谷口でございます。 質疑に先立ちまして、一言委員長に申し上げたいと思います。 この日銀法の改正案、私たち、これに対しまして対案をつくっておったわけでございますが、昨日の理事懇談会において、委員長が委員長権限でもって、本日質疑終局、採決ということになりまして、この大蔵委員会で我が党の対案を審議できないというようなことに対しまして大変怒りを感じておるところでございますが、この対案につきまして、行政改革特別委員会の方で審議を行うというようなことをいただきました。こういうような状況の中で、本日、おくれながら質疑をさせていただいたところでございます。 また、今回の日銀法改正法案と金融監督庁設置法案は一体不離の法案でございます。我々は当初から、審議は並行に進めて最終の出口は一緒に、こういうように申し上げておったところでございますが、御存じのとおり、行政改革特別委員会におきましては、まだ審議は半ばでございます。我が大蔵委員会でこの日銀法の法案を本日終局、採決しようということに対しまして、我々は厳重に抗議を申し上げたい、このように考えておるところでございます。どうかよろしくお願いいたします。 それでは審議に入りますが、初めに、今回大変問題になっております野村証券の総会屋親族企業への利益供与の問題の捜査の中で、昨日、東京地検特捜部が第一勧業銀行に捜査に入ったというような報道がございました。このような問題につきまして初めにお尋ねをいたしたい、このように考えておるところでございます。 状況を聞いておりますと、第一勧銀と、この第一勧銀の関連ノンバンク大和信用が総会屋の関連企業に対して融資を行っておったというような状況のようでございます。一九八五年あたりから取引があったようでございますが、これが総額で三百億円を超えるような融資を行っておった、このうち七十五億円が現在回収不能になっておる、このように言われております。この七十五億円の内訳を見ますと、八九年二月のあの例の証券業界大手四社の株の取得資金、各三十万株の株の取得資金三十一億円、これと山梨県ゴルフ場開発資金が三十億円、また株取引資金として十四億円、合計七十五億円が回収不能になっておるようでございます。 内訳を見ますと、第一勧銀の方が二百数十億円の貸し出しをやっておる。また、関連ノンバンクの大和信用が百億円以上の貸し出しをしておる。第一勧銀の方では七十五億円の不良債権、回収不能債権があって、これはもう既に本年三月期までに処理済みだというような報道でございました。またノンバンク大和信用におきましては、まだ十一億円余りが未返済になっておる、こういうような状況でございます。 まず初めに大蔵大臣にお聞きいたしたいわけでありますが、今回のこのような事件に対して、大臣の御見解をお願いいたします。
○三塚国務大臣 野村証券に引き続きまして、第一勧銀の強制捜査が行われました。極めて遺憾千万な事態でございまして、大蔵省としても最大の注意力と関心を持って対応いたしておるところでございます。 御案内のとおり、証券取引等委員会で既に野村の問題については調査が行われておるわけでございますが、調査終了後になれば勧告が大臣に向けて出されるわけでございますから、厳正に対応して証券市場、マーケットの信頼回復を期していかなければならない、こう思っております。 状況については、ただいま申し上げる段階にございませんから、鋭意捜査当局が行っておるところでありますので、この程度にとどめさせていただきます。 委員長を通じて、委員に、若干簡明に、最大関心事の為替について申し上げてよろしいですか。――では、お許しをいただきまして、最大の関心の為替でございますが、我が国経済にとっては為替相場の安定が重要でありますこと、御案内のとおりであります。行き過ぎました円高は、行き過ぎた円安同様に好ましくないことは御案内のとおりであります。四月十日以来表明してまいりました、行き過ぎた円安への懸念は、完全になくなったものと判断をいたしております。今後の為替相場の動向については十分注意しつつ、為替の乱高下や行き過ぎた動きに対しては適時適切に対処してまいりたいと思っております。
○谷口委員 今、大蔵大臣、全く関係のないことをおっしゃったのですが、後でまた聞く予定にしておったのですが、ちょっとそのことに触れてお聞きしてから、また先ほどの問題に戻りたいと思います。 この為替の問題、また金利の問題、今自民党で、党の首脳がこの金利の引き上げ、利上げについて御意見をおっしゃっておられます。本日の新聞報道を見ますと、山崎政調会長も、この不安定な為替相場を考慮して対処すべきであるというようなことで、金利政策について意見を述べられております。また行政改革推進本部長の佐藤議員は、同じくこの金利について御発言されておる。また加藤紘一幹事長も、この金利のことについて御発言されている。今まさに日銀法の改正を審議しておって、日銀の独立性を審議しておるときに、政府の首脳、自民党の首脳がこのような発言をすることに、私はちょっとマッチしないと申しますか、非常に問題があるのではないかというように考えております。大蔵大臣、これについてちょっと御答弁をお願いいたします。
○三塚国務大臣 本件、今朝来の朝刊、そして委員から御指摘の件、金利は日銀の専管でございます。高度に全体を分析して金利政策を行っておるわけでございまして、そういう点で、意図的にとは私思いませんけれども、大蔵委員会中心に日銀法の審議を行っておるさなかでありますだけに、自粛をしていただきたいものだな、この点だけを申し上げておきます。
○谷口委員 まさに今大臣がおっしゃったように、この独立性の問題を審議しておるさなかに党の首脳がいろいろな意見をおっしゃる、これはもう金利について極めて影響が大きいわけでありますので、ぜひ差し控えていただくようにお願いいたしたいと思います。 また、先ほどの第一勧銀の件に戻るわけでありますが、先ほどのこの七十五億円の不良債権、これは今期までにもう既に償却済みである、このような状況なのですが、この償却の方法は、債権償却特別勘定で間接償却されておるのですね。これはどういうことかと申しますと、無税処理しているのですよ。この無税処理というのは、税金がその分だけ減ってしまうわけなのです。このような金融機関のわけのわからない不良債権を償却するのに、どうして無税処理を認めるのですか。このような観点でちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
○山口政府委員 先生の御指摘の、償却が無税であったか有税であったかちょっと私ども、まだ調査中でございますので……(谷口委員「無税です」と呼ぶ)いずれにせよ、今捜査が入っておりまして、私どもも調査を命じておるところでございまして、そういったものが明らかになってから、また御説明申し上げたいというふうに思うわけでございます。
○谷口委員 今そちらに、例えば銀行局長でも結構ですが、住宅ローンを借りている方もたくさんいらっしゃると思うのです。住宅ローンを金融機関から借りるのに、形式的要件がかなりうるさいのですよ。収入の証明を持ってこいとか、今どういうような立場のお仕事に携わっておるのか、そういうように極めて融資の基準が厳しいのですね。にもかかわらず、今回の一勧のこの事件は、担保割れはしておるし、借り手の状況を十分把握しておったかといいますと、どうもそのような状況ではない、このような報道がなされております。こういうことについて、銀行局長、御所見をお願いします。
○山口政府委員 個別の具体釣な話はまだ調査中でございますので、一般論で申し上げることをお許しいただきたいのでございますが、貸し出しを行うに当たりましては、銀行は公共性にかんがみまして、資金の使途、返済財源、債務者の状況等を総合的に勘案して行うものとし、いやしくも社会的批判を招くことのないよう、業務の適正な遂行に十分留意する必要があると考えておるわけでございます。当局としては、このような考え方を踏まえて、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
○谷口委員 今回のこの金融機関、一勧のこのような問題は、我が国の金融業界全体に与える影響が極めて大きい。これは証券業界のリーディングカンパニーの野村証券の利益供与事件から波及してきた問題でありますが、この野村証券も証券業界におけるリーディングカンパニー、またこの一勧も金融業界におけるリーディングカンパニーですよ。我が国の金融業界のリーディングカンパニーがこのような事件を起こしたということは、極めて重要な問題だ。今、ビッグバンの問題を審議いたしておるところでございます。先日の外為法の自由化の問題もそうでございましたし、これからそういう問題が現実の問題として出てくるわけでありますが、今申し上げた我が国の金融業界に対する海外の見方はこれによって大きく変わるのじゃないか、私はそのように危惧しておるところでございます。 今回の問題はいろいろ問題がございますが、一つは、会社ぐるみ、銀行ぐるみで行われたのではないか、このように言われております。状況を見ておりますと、本来、融資は営業部でやるわけでございますが、総会屋担当窓口の総務部がこの窓口になって、営業部の方に圧力をかけて融資をするように図っておった、また特別扱いをしておったのではないかという疑いもある。 このようなことで、仮にこれが銀行ぐるみでやっておったというような状況になった場合に、経営者の責任、またこの銀行の責任についてどのようにお考えですか、大蔵大臣。
○三塚国務大臣 仮にということでありますが、ただいま捜査は進行中でございます。その捜査の実態を見きわめた上で適切に対処してまいりますこと、当然でございます。
○谷口委員 捜査の段階ではあるのですが、この情報を入手しますと、ほぼ今私が申し上げた状況のようでございます。極めて憂慮すべき事件が起こったなと私は思っておるわけであります。 例えば先ほど申し上げました利益供与を受けた総会屋企業の資本金が、聞くところによりますと四千五百万円のようでございます。この四千五百万月のところに第一勧銀並びに第一勧銀の関連ノンバンクが三百億を超えるような融資を行っておった。七十五億がこれで焦げついておった。こんなばかなことはないのですね。これはもう実に異常な事件であって、この銀行だけの問題ではなくて、銀行業界全体がこれによって大きなダメージを受けるのだろうというように考えております。 また、状況を聞いておりますと、担保で受け入れた株、有価証券、これは、御存じのとおり、本来、融資の担保で受け入れる場合は株の時価の大体七割ぐらいというのが一般的なのですが、担保割れをするような状況で、ほぼ満額を出しておった。現実にはもう担保割れをしておったというようなことのようでございまして、またそれにつけ加えて、この関連ノンバンクの大和信用に第一勧銀の方から実質的には債務保証をしておった。これは一体どうなっておるのだと私は大変な憤慨をするわけであります。 先ほども申し上げましたが、今、一般の方が住宅ローンを借りるだけでも大変厳しい審査があります。一般企業が融資を受ける場合にも、それはもうそれなりの担保を徴求し融資するわけでありますが、このような状況を見ておりますと、これは実に問題があり、我が国の金融業界全体に大きな影響を与えるのだろうと思いますが、大蔵大臣、もう一度この御答弁をお願いいたしたいと思います。
○三塚国務大臣 報道の限りにおきましては大変憂慮をいたしておりますが、主管庁とすれば、やはり厳正にこれを見詰めながら、その結果に去り対処をしていくということでなければならぬ、こう思っております。影響が少なくないとは思っておるだけに、今後の捜査の状況を見詰めていくということで御理解をいただきたいと思います。
○谷口委員 ここでまた日銀総裁にお聞きしたいのですが、日銀の政策委員会の都銀代表委員として一勧の元頭取の宮崎氏がほぼ決まっておったようでございますが、昨日の報道を見ますと、これも断念した。今回の事件があったからなんでしょうが、断念した。また昨年三月から地銀代表委員が空席になっておるというようなことで、現在五人の任命委員のうち二人が欠けておるという異常事態になっておると開いております。 先ほど大蔵大臣との話にもございましたように、今また公定歩合のことで自民党の党の首脳の方がいろいろな御発言をされたり、公定歩合、金利が非常に関心を持たれておるような状況の中で、これは極めて異常な事態だと思うのですが、このような状況について、またこの人選について、日銀総裁の御見解をお伺いいたします。
○松下参考人 御指摘のように、ただいま日本銀行におきまして政策委員の欠員が生じてざいます。この政策委員の任命は、政府におかれて国会の御承認を得て行うものでございますので、私どもといたしましても、この人選が速やかに行われまして、この欠員の補充ができるということを期待をし、お願いをしているわけでございます。 ただ、当面の事態におきましては、私どもも、現在おります政策委員の方々に今まで以上にいろいろと積極的な御議論をいただくように努力をしながら、私どもの政策の運営に支障のないように努めているところでございます。
○谷口委員 極めて異常な状況でございますので、一刻も早く正常を状況に持っていっていただきたいというように思います。 あと、昨年住専問題が大きな議論になりまして、公的資金を投入したのですね。一方、先ほどの第一勧銀の不正融資があった。このような業界に果たしてこの公的資金を投入していいのかどうかというような国民の意見も出てまいりました。これはもう当然のことだろうと思います。そういう意味において、昨日報道を見ておりますと、大蔵大臣は、銀行というのは極めて公共性を持っておるのだと。ですから、銀行における企業行動は公共性のもとに制約されるべきなんですね。そういうような状況の中で、このような大変質の悪いと申しますか、異常な不正融資が行われたというように言われておるわけでございますが、今大変問題になっております金融機関の不良債権の問題に関連して、金融機関の企業行動のあり方というか銀行のあり方について、大蔵大臣の御見解をお願いいたしたいと思います。
○三塚国務大臣 銀行は、御案内のとおり、国民各位のお金をお預かりをいたしまして確実に保管をし、決められたルールあるいは会社の方針で有利な展開をして、いつでもお返しできるようにしておるところでございます。言うなれば、お一人お一人の御家庭の金庫でもあるわけでございますから、銀行、金融機関たるもの、その公共性という位置づけをしっかりと踏まえて業務に精励をしなければなりません。 そのためには、預かったお金を貸すわけでございますから、貸し先については、償還が確実に見込まれるということで、その限度において、ただいまお話に担保の七割というのがかつての常識、今ようやくそうなったようで、バブルのときにはこのセクションがなくなりまして担保の一〇〇%、一一〇%までなどということが言われたことがございますけれども、本来の姿に戻るということでやられておると思いますが、まさに財源、債務者の状況とそして資金の使途ということは銀行業務の基本であろうと思っております。全体の銀行、その方向の中でただいま全力を尽くしておると思います。不良債権の縮小のためにリストラ、経営の健全化ということで信用の秩序維持、銀行の、金融機関の信頼を高める、こういうことで今日あると思っておるところであります。
○谷口委員 九五年の七月に榊原さんとサマーズさんの合意があって、九五年の九月でございましたか、超低金利〇・五%の公定歩合になったようであります。ですから、一年半を過ぎた状況でございます。 これはいろいろな意味合いがあったのでしょうが、一つは金融機関の不良債権を早く償却したいというようなことで、この公定歩合の引き下げが銀行に収益をもたらす。現実に年間六兆円を超えるような銀行収益が上がっておって、それで不良債権を処理するというようなことになっておったようでございますが、これはいわば年金生活者また金利で生活されている方の金利を企業に移転する、ある意味では所得移転、このように言われておるところでございます。このような金融機関の収益を生み出すために、この金利の引き下げが現在も続いておる。だから、今の公定歩合の利上げを検討する際に、金融機関の収益状況、不良債権の処理状況が必ず念頭に入っていくんだろうと思いますが、そのような状況で、今このように一勧の問題が起こった。不正融資が行われた。一体この所得移転は何だったのだろうな、どういうことだったのだろうなというような意味においても、国民は極めて怒り心頭というようなことなんだろうと思うのです。 ですから、これは先ほど大蔵大臣がおっしゃったように、ただいまは捜査中でなかなか御発言できないというようなことでございましたが、もう一回御答弁をお願いしたいのです。この事件が金融業界全体に与える影響、また我が国国民に与える影響はどちらとも大変大きなものがあると思いますが、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○三塚国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、決してこの影響は小さいものではない、こう思っております。ビッグバンという名の金融システム、健全な金融機関、そしてそれぞれ目的が明示をされておるわけでございますから、その取引は預貯金者であったり、契約者でありましたり、委託者でありましたりということになるわけでございますが、信頼関係というのがその基本になければなりません。そういう意味で信頼を崩した事件であるということだけはしかと認識をいたしておりますし、そのためにこの挽回をどうしていかなければならないのか、こういうことであります。 捜査の全体が明確になり、それぞれの報告が捜査当局または委員会等においてなされる、勧告がなされるという現時点においては、三度目の事件が起きてはならぬわけでございますから厳正な処置を講じていかなければならぬと思っておりますし、金融業界に対しましては、本件の事件を我が事件と受けとめられまして、誠心誠意、新しい時代を迎える金融界、国内だけではなく世界に向けての我が国の金融システムの信頼性を高めるために格段の御努力を期待をする、また、そのように法令に定められておる職務において督励指導をしていかなければならぬ、こう思っております。
○谷口委員 昨日の報道を見ておりますと、一勧の状況を大蔵省の方が聞かれたと。銀行局長あたりは立ち会われたのかどうかわかりませんが、そのような状況、今回の事件にかかわるヒアリングの状況、御報告をお願いいたしたいと思います。
○山口政府委員 いろいろ新聞報道等でもこの一勧の話が出ておりまして、昨日は強制捜査が入ったということで、監督当局であります大蔵省としても、これは重大な問題だという認識を持っております。 ただ、今先生がいろいろ御披露いただきましたように大変複雑になっておりまして、その事実関係もかなり錯綜しております。したがって、まずは内部でよく調査をするようにということを命じてあるところでございます。したがって、その調査を待って私どもとしても適切に判断しなければいけない。ただそのときには、一面で捜査が続いているという面もございますから、その点との兼ね合いも十分気をつけながらやってまいりたいというふうに思っております。
○谷口委員 今回、この事件は野村証券関係から波及した問題でございますが、昨日また同じように報道を見ておりますと、官房長官の方から、VIP口座に関連して閣僚の野村証券にかかわる取引についての御報告があったようでございます。それはどうも閣僚の方個人の取引ぶりについての御報告であったようでございまして、例えば家族、また秘書、また政治団体、このようなことについてまた新たに報告したいというようなことであったようにお聞きしておりますが、大蔵大臣、このようなことについて御報告をお願いいたしたいと思います。
○三塚国務大臣 一部週刊誌、アンケートのようなことで無差別なのでしょうか、ファクスで発送して御返事くださいというようなことに端を発しまして、行特委における梶山官房長官の発言がなされ、本件については閣僚全員に聞いてみてしかるべき対処をしましょう、こういうことで行われたところでありまして、十七名はさようなことはないと。今御趣旨のようなアンケートでした。これに対してさようなことはないと。お三方はありますと。ありますが、国債、社債等ということで、株に関してはありません、こういうことで問題なしということで、その三名というだけで報告を申し上げると閣議の懇談会においてございました。私につきまして、取引はありません、こういうことで申し上げておるところでございます。
○谷口委員 だから、また後日、家族、秘書、政治団体、このようなことも含めて御報告される予定でございますか。
○三塚国務大臣 その点を含めて官房長官のヒアリングがあったわけです。閣議後の記者会見、昨日でありましたが、本人、家族、秘書、政治団体ございますかと言うから、ございません、こう申し上げて、同様の御返事を申し上げます。
○谷口委員 後日ぜひ家族の方、また秘書、政治団体等々含めて御報告をお願いできればありがたいというように考えております。 第一勧業銀行のこの問題は、ちょっと見ておりますと、九七年三月期五千五百億の不良債権処理をやっておるようでございまして、最終的には三千億の経常赤字を上げられたというような状況であると聞いております。 冒頭お話をしたところに戻るわけでございますが、きょうはもう主税局の方はいらっしゃらないので申し上げておきたいわけでございますが、この無税処理を果たしてやっていいのかどうかというようなこと。不正融資七十五億円の処理を、間接償却、債権償却特別勘定を使ってやっておったとすると、本来要件が大変厳しいわけでありますが、そういう不正融資の場合もこのような損金処理を認めていいのかどうかということをぜひ検討していただきたい。こういうことはやはりやめるべきである、私はこれを強く申し上げたい。きょうはいらっしゃいませんね、主税局は。また私の方から申し上げますが、よろしくお願いいたします。 あと、次に移りまして、日債銀の問題をちょっと銀行局長にお聞きしたいのですが、不良債権が三月末で一兆二千六百億円あった。第Ⅲ分類、第Ⅳ分類の回収に懸念のある不良債権が、大蔵省の検査が入った結果、当初に比べて一千五百億円程度増加しているのですね。第Ⅲ分類が七千億程度になったというようなお話でございました。このような不良債権が銀行検査の結果ふえたわけでありますが、果たして再建計画について何ら影響がないのかどうか、御見解をお願いいたしたいと思います。
○山口政府委員 ただいま日債銀が出資要請先に対しまして自分の銀行の資産の状況を含め必要な説明を行っているところでございます。それで出資の要請先に対して、ぜひ出資をやってもらいたいということで今懸命に動いておりまして、その前提としてのいろいろな計数がございますけれども、私どもから見ましても、日債銀が再建することは十分に可能ではないかというふうに思料しております。
○谷口委員 ですから、前回質問した折にも申し上げたのですが、債務超過にはなっておらないという判断でございますね。
○山口政府委員 その点につきましては、前回の御質疑でもお答え申し上げましたが、債務超過にはなっておらないということは確認いたしております。
○谷口委員 また、このところ金融にかかわる事件、出来事が大変多く起こっておるわけでありますが、日産生命の問題、私は先日このことについてお聞きしたのですが、ここへ来て、生保業界が中心となって、日産火災を中心にして受け皿会社をつくろうというようなお話のようにお聞きしております。その際にこの経営破綻をどういう形で解決していくか、そういうスキームが先日報告されておったわけであります。この中で、設立の当初に大変大きな働きをした日産自動車であるとか日産グループ、日立グループというようなところに、八社あるわけですが、お聞きしておりますと五百億の出資の要請をされておるということ、これは今回の出資の要請に応じると株主代表訴訟が懸念されるということで、大変難しいというようなお話を聞いております。 また、今回のこのやり方は、私は先日、日債銀の問題また道銀、拓銀の問題でもお話をしましたが、いわゆる奉加帳方式をやられた。日本の金融システムにおいて大変批判を浴びておる護送船団行政また奉加帳方式というやり方を今回されたというようなことで、私は、これはちょっと危惧いたしておるところでございます。 また、日立または日産グループは法的責任、経営責任が果たしてあるのかないのか。どうも状況を聞いておりますと、客観的に見てこの出資要請に応ずる必要が果たしてあるのかないのか、大変疑問に感じておるわけでございますが、このような状況について御答弁をお願いいたしたいと思います。
○山口政府委員 日産生命の件につきましては、保険管理人に指定しました生命保険協会が今プランを練っている最中でございます。保険管理人から、日産生命の関係会社ともいえる日立、日産グループの各社に対して支援の要請があり得べし、あるいは行われたというような報道もなされておりますが、それは、日産生命の顧客といいましょうか契約者の中に、こういったグループの方々が多いというような御事情等もあるのではないかというふうに思っております。 いずれにせよ、管理人であります生命保険協会がそういったところに接触するということはあり得べしかなという気はいたします。ただ、各社それぞれの御判断というものがあるわけでございますし、その辺はこれからの議論ではないかというふうに思うわけでございます。 いずれにせよ、管理人が保険契約の存続というものを第一に考えまして、できるだけ立派なスキームをつくっていくという努力をなされておりますので、当局としても、それを見守りながら、また必要に応じて最大限の努力をいたしたいというふうに思うわけでございます。
○谷口委員 先ほど申し上げましたように、この奉加帳方式と申しますか、こういうようなやり方を脱却していかないと、また同じようなパターンになってしまうのではないかと私は思うわけでございます。 また、金融機関の方はペイオフは二〇〇一年までやらないということで、これは法的裏づけがないということは先日の委員会でも理解できたわけであります。しかし、いずれにしてもこの橋本内閣がそういう決意表明をされておるわけでございます。 一方、保険業界の方は保険契約者の立場を擁護されておるのかどうか。今回は、例えば個人年金などに加入しておる契約者に保険料の引き上げをお願いする可能健もあるとか、予定利率の高い保険の利率を下げるというようなことであるとか、このようなことで契約者に負担を押しつけるやり方が考えられておるようでございます。一方、先ほど申し上げましたように、銀行の預金者はペイオフをやらない、二〇〇一年まではやらない、このようにおっしゃっておるわけでございますが、このような取り扱いの違いと申しますか、これはどういうところから出てきたわけでありますか。
○山口政府委員 必ずしも預金者と保険契約者を同一に議論をすべきかどうかというのは、いろいろな御議論があると思います。 預金者につきましては、今世紀中は全額を保護することができるということをお認めいただいたわけでございます。これは非常に特例的なもので、本来ペイオフが原則でございますが、不良債権問題で今非常に過渡期的な時期にある、それからディスクロージャーにしてもまだ徹底されていないというようなことがありまして、特例期間中の特別な措置として認められているわけでございます。しかも、そのことによりまして、預金者保護をすると同時に、信用秩序というものを守るという目的が一方にあるわけでございます。これはいずれは自己責任という考え方の中にペイオフというものが組み込まれていくということになるわけでございます。 それと保険契約というものとを比べてみますと、先生とは保険業法のときにも大変御議論させていただいたわけでございますが、それでは保険契約者は銀行預金と同じように解約をすれば済むのかというと、そうではないでしょうと。 つまり、既に入っている人は、例えば五年前に入っていれば、もう五年間は保障がきいているわけでございますね。それで、自分の掛金の保障部分を引いたもの、それに手数料を引いて返してもらえばいいといっても、ではそれでほかの保険会社に五年後に同じような条件で入れるかというと、それはまた年齢がいっていますので、そこには健康上の問題もありますし、そういったことで単純には引き継いでもらえないわけでございます。そうすると、保険契約の場合一番大事なことは何かというと、預金のような元本の保証ということではございませんで、契約をできれば引き継いでもらうということが最大の問題なのでございます。 例えば、先ほど先生の御指摘にありました、保険料を引き上げることもあり得べし問題ではないかという御指摘があります。それはもっともな御意見だと思いますが、例えば五分五厘の利回りを前提に預かっている、すなわち保険料は非常に低くても保障が非常に高くなっているというものを、もし今後新しい会社が引き受けたときに、ほかの今入る方は例えば二・五%でしか受けていないというときとの均衡から考えますと、いや、もう一回契約したんだからそれは全部守るべきだという考え方もあるでしょう。しかし、もし新しく入り直したとすれば、それは新しい利率で入ってくださいよという考え方もあるわけでございます。 したがって、保険契約者の保護の概念というのが、正直言って、どこまで保証すればいいのかということはかなり問題があろうかと思います。ヨーロッパ等の国々では、数字はちょっとど忘れしましたが、例えば九割か八割かを一律で保証してあとは保証しないというような制度もあるわけでございます。 保険につきましての保護の制度というのは、そういった意味で非常に複雑で、例えば年金の場合どうか、あるいは死亡保険の場合はどうか、あるいは積み立て型のような貯蓄性のあるものはどうかそれぞれ違うわけでございまして、そういった難しい問題があって、先般の保険業法のときに、いわゆる銀行でいいます預金保険機構的なものを検討しておりましたが、法的な意味でも非常にそこの難しさがあるということで、では保険契約者を保護するためにどうすればいいのかということで、法律上にも今のような保険契約者保護基金というものをつくっていただいて、そこで、できるだけそういったお手伝いをしながら保険契約の継続を最大限図ろうという仕組みを法律の中でつくらせていただいて、それをお認めいただいたわけでございます。 だから、これは恒久的な制度とは申しません。しかし、今の状況において、保険契約について預金保険機構のような仕組みをつくるまでの間は、当座、この法律でお認めいただきました基金というものを最大限に利用しながらやるということでございまして、そこには全保険会社が参加しているということでございますので、これはある意味では奉加帳と言われれば奉加帳かもしれませんが、みんなで助け合う、保険のまた再保険というような考え方であれば、それはそれとして法律でそこはお認めいただいたスキームでございますので、そこのところをぜひ御理解賜りたいというふうに思います。 いずれにせよ、今回目産生命の問題をどういうスキームで解決するかということは、保険管理人になりました生命保険協会が適切な案をつくっていかれるということを強く期待しております。
○谷口委員 国民の立場から見ますと、預金者であろうと保険の契約者であろうと、利益を擁護してもらいたいというようなことは当然の要望でございます。 先ほど申し上げましたように、預金の方は、これは本来そうではないというような今御答弁でございましたが、いずれにしましても、事実において二〇〇一年まではペイオフしないというようにおっしゃっているわけだから、そういうようにされるんだろうと思いますが、これはペイオフするということになってくると、また大きな混乱が生じます。 しかし一方、保険の契約者の方は、保険料を上げてもいい、予定利率はまた引き下げてもいいというようなことになってくると、今、継続が大事で、本来大事なのはそこなんだというようなお話でございましたが、しかし一方、利益を擁護されておるかどうかという観点で見ますと、大変危機感を感じるような状況に保険契約者がなっていらっしゃるのは間違いのない話でございまして、そのような観点でやはり保護をしていかなければいけないのではないかというように私は考えておるのですが、どうでございますか。
○福田(誠)政府委員 お答えいたします。 御指摘のとおりでございますが、今回は、新保険業法に設けられました契約者保護基金の発動によるスキームで極力契約者の保護を図りたいと存じておりますし、今そういう方向で保険管理人たる生命保険協会が鋭意いろいろ努力をしているところと承知しております。
○谷口委員 余り時間がないので、日銀法に移りたいと思います。 日銀法の主要な目的が掲げられておるわけでありますが、物価の安定というようなことでございます。物価は、資産価格とともに通貨の対内価値にかかわるものであって、日銀の方は対外価値も含めた通貨価値の安定とすべきであるという意見もかなりあるわけでございます。 また、我が国の場合は外貨建て対外決済比率が高いということで、今までかなり円安が続いておったわけでございますが、円安になれば輸入物価の上昇を招くことになるというようなことで、開放経済のもとでは通貨の対内価値と対外価値は密接な関係があるというように言われております。だから、物価の安定とするよりも通貨価値の安定とするべきではないかという意見がございます。 これに関連して為替市場介入、これは現在、政府案によりますと政府の専管事項というようになっておるわけでございますが、これもそういう観点で日銀にゆだねることが必要ではないか。こういうことについて御答弁をお願いいたしたいと思います。
○榊原政府委員 目的を物価の安定及び通貨の安定というふうにすべきだということでございますけれども、これは中央銀行研究会でも議論があったところだと思いますけれども、金融政策という一つの政策手段をもって二つの目的を達成するということについてはコンフリクトが生じる、そういうことで、日銀の場合には金融政策をもって物価の安定を図るというのが望ましいあり方である、そういう議論があったというふうに聞いております。 また為替介入についても、中央銀行研究会あるいは先ごろ成立しました外為法でも、これは政府が一元的に責任を持つべきであるということで、中央銀行は事務取扱をするということになっております。これは現状もそういうことでございますし、また、今後の為替の運営ということからいきましても、アメリカがそういう形になっておりますので、そういう形で政府が一元的に行うのが望ましいと思っております。
○松下参考人 御質問の前段の、日本銀行の政策目的としてこれを物価の安定ということに限ってまいるか、あるいは対外価値の安定まで含む通貨価値の安定ということで考えていくかという点は、今回の法律改正に関しますいろいろの御議論の中でも改めて論じられてきたところでございます。 現在私どもの考えは、変動相場制のもとにおきます為替相場というものは、これは自分の国の経済のファンダメンタルズだけでなくて、ほかの国のいろいろの要因も絡み合いまして市場の中で相場が形成をされてまいりますので、ここで金融政策の目的を為替相場の安定まで含む通貨価値の安定というふうにとらえまして、為替相場につきましても金融政策運営の対象にしようとします場合に、そのことによって、ケースによりましてはかえって国内物価の安定が損なわれる、あるいはひいては経済の安定的発展を阻害するおそれがあり得るという議論から、このように私どもの政策目標を考えることとなっております。 もちろん御指摘のように、実際の経済におきましては、為替相場の影響はいろいろな形で現実に受けているところでございますから、金融政策をとる場合におきましても、そういった為替相場の影響を受けつつある日本の経済全体の動きを的確に把握をいたしながら、これに対して、物価の安定を通じて望ましい持続的な安定成長を実現するという方向で考えてまいるわけでございますけれども、そういう対応からいたしますと、やはり為替の影響も含めましての物価の安定が政策目標ということでしかるべきであると考えております。 それから後段の介入の点でございますが、為替の介入等を通じます為替の価値の安定につきましては、最終的な責任は政府にあるということでございますけれども、実際に為替関係のいろいろの措置をとってまいります場合には、介入も含めまして、現実に市場の実務をよく知り、市場においての取引の実際経験を持っております私ども中央銀行が政府の代理人ということで実務を行ってまいるわけでございますので、現実の為替政策の実行につきましては、大蔵省、日本銀行は、海外の通貨当局等とも連絡をとりながら、そごのないような適切な運営に努めているということでございます。
○谷口委員 確かに、実務をやられるかわかりませんが、為替市場の介入権はこれは政府にあるわけですね、今回の。 また、榊原国金局長にお聞きしたいんですが、それならば、政府が為替介入権を持つ積極的理由、これについて根拠を教えていただきたいと思います。
○榊原政府委員 先ほど申し上げましたように、物価の安定、通貨の安定という双方の目的を日銀が持っておりますと、これはコンフリクトが生じるというのが第一点でございます。 第二点は、為替の介入について、他のG7諸国と整合的な制度を持っているということが非常に重要でございまして、今、私どもにとっては円・ドルが最も重要な為替レートであるわけでございますけれども、米国で為替介入権を持っておりますのは財務省でございます。財務省と大蔵省が整合的な制度を、アメリカと日本が整合的な制度を持って協調していくということが極めて重要だというふうに考えております。
○谷口委員 確かにアメリカでは財務省が介入権を持っているわけでありますが、一方ではニューヨーク連銀も介入をすることができるというように聞いております。これはどうなんですか。
○榊原政府委員 お答えいたします。 コールドリザーブ・アクト・オブ一九三四、これは一九三四年の法律でございますけれども、この法律に明確に、介入権は米国財務省にあるということが明記してあるわけでございます。ただ、その介入に使いますときの資金の半分を連銀が持つというようなことがございまして、このことがしばしば誤解されるわけでございますけれども、介入権は一義的に財務省にあるということでございます。
○谷口委員 私は、通貨価値の安定というようにとるべきではないかというように考えているところでございまして、日銀にも為替介入権を与えるべきではないか、このように考えております。 次に、これは日銀の公債の引き受け、これは前回もFBについてお話をさしていただいたところでございますが、日銀が赤字国債また政府短期証券を引き受けることができるというようなことは、財政資金をいわゆる市中金利以下で調達しようとする大蔵省のエゴではないか、これはやはり市場のルールによるべきではないか、このように言われております。また公債の引き受けというのは、これはまたインフレの温床になるのではないかやはり市場ルールにのっとって政府も調達をすべきではないかというようなことが言われております。この件について御見解、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○榊原政府委員 政府短期証券の日銀の全額引き受けについてでございますけれども、政府短期証券、これは大蔵省証券、食糧証券あるいは外為証券とございますけれども、外為証券について申し上げれば、為替介入のための資金を市場から調達するということは、これは困難でございまして、市場から調達しておる国はないのでございます。これは中央銀行がその資金を提供するか、あるいは一般会計のようなものが資金を提供するかということでございまして、為替介入資金を市場で調達するというのは為替介入するということがわかってしまうわけでございますから、そういうことで市場から為替資金を調達しているという例はないというふうに申し上げます。 また、資金繰り債でございますから、これは当然財政法にも整合的なものでございまして、資金繰り債を全額日銀引き受けするということに特に問題はないというふうに思っております。
○谷口委員 もう時間が参りましたので最後の質問としたいのですが、今おっしゃったこともわかるんですが、要するに市中金利は安いんですね。だから、その市中金利で調達するというようなことをやるべきではないか。 ひいては、日銀が財政の下請化というようなこと、そういうことになっちゃう。今回の日銀の独立性の問題、また透明性を図っていかなきゃいかぬという日銀法の原点に返ったときに、そのあたりがどうも明確でない。開かれた独立性と申しますか、そういう観点で見ると、やはり財政の下請化を押しつけられておるのではないかというように言われておるわけでございますが、金利水準についてはどのようにお考えなんですか。
○榊原政府委員 現在の政府短期証券は、公定歩合マイナス〇・一二五の〇・三七五%で日銀が全額引き受けをするわけでございますけれども、御承知のように今市場の短期金利も非常に低うございまして、政府短期証券は六十日物でございますから、三カ月の短期国債の残存期間が六十日のものの金利をとりますと、〇・三七五とそれほど大きく乖離した水準にはなっておりません。きょうの段階でどのくらい乖離があるかということはちょっと手元にデータがございませんけれども、大きく市場と駆け離れた金利で日銀に引き受けていただいているという形には現在なっておりません。 ただ、今、日本銀行と大蔵省の実務レベルでいろいろ勉強をしておりまして、短期金融市場の育成というような観点からどういうことが考えられるかということは、いろいろ検討しているところでございます。
○谷口委員 時間が参りましたのでこれで終わらしていただきます。
○額賀委員長 午後一時二十五分に委員会を再開することにし、この際、休憩をいたします。 午後零時二十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時二十八分開議
○額賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。田中甲君。
○田中(甲)委員 どうぞよろしくお願いします。 五月の七日に質問をさせていただきまして、その日銀法の質問の内容をできるならばさらに掘り下げて、この機会を活用して御質問をさせていただくことができればと思っております。 昭和十七年ですから今から五十五年前、そして抜本的な法改正を今回行うわけですから、当然、現在の金融システムに合わせた法改正にしていかなければならない、これはだれしもが考えていることだろうと思います。果たしてそれが十分できているのかどうか、その点が甚だ疑問に思える点でありますし、冒頭、五項目、私が今回日銀法の改正の中で、現在問題点として認識をしている点をお話をさせていただきたいと思います。 まず第一点は、一九九九年一月のEUの通貨統合に向けて各国が中央銀行の制度改革を進めている中で、今回の日銀法の改正というものが、グローバルスタンダードから見て、世界標準から見て十分な内容となっているのかどうか私はなっていないと思います。 二点目。今回の政府提出案というものは、中央銀行研究会報告書並びに金融制度調査会の答申を踏まえて、中央銀行の独立性と政策運営の透明性の確保を基本とする内容としてはおりますけれども、この法案の条文というものを詳しく読んでまいりますと、財政当局である大蔵省が金融政策に直接介入するという、その部分を多分に残している。つまり、日銀の独立性の観点から大いに疑問ありという点であります。 三点目は、金融制度調査会をにしきの御旗としているような発言が随所に見られる。そもそもこの調査会の議事録の内容を私たちがつぶさに確認をするという機会がまだ与えられていないのですけれども、この大蔵省金融制度調査会のあり方という点も、今回は反省をしなければならない点だろうと思います。 四点目。法案の中に日銀の役員の天下りについての制限が盛り込まれていません。日銀自身の透明性の問題ということもやはり追求をしていかなければならないと思います。 そして五点目。五点目は、国民世論を踏まえた、国民の期待に十分こたえているものになっているかどうかという問いかけであります。 以上五項目、グローバルスタンダードから見て十分とは言えない、日銀の独立性の観点から大いに疑問を抱かざるを得ない、三点目は金融制度調査会のあり方ということ、さらに日銀役員の天下りについて制限が盛り込まれていないということ、さらには今国民の世論、期待に十分にこたえるものになっていないだろうという点を挙げさせていただきました。細部にわたっての質問をさせていただきますが、どうか、よりよい法改正を行っていく上において、積極的なそして明確な御答弁というものを期待申し上げる次第であります。 中央銀行の独立性の観点から質問を始めさせていただきますが、予算の認可権について、金融制度調査会日銀法改正小委員会では、独自性の観点に立つ委員の間から、大蔵省の予算認可権を廃止して届け出制で足りるという意見が強く出されていたはずであります。ところが事務局サイドの大蔵省が反対をして、この表現でよろしいでしょうか、私はそのように認識をしております。事務局サイドの大蔵省が反対して、結局事前の予算認可権が大蔵省に残ったということでありますが、私はこれは廃止をすべきである、そのように考えるのですが、この点に対して御答弁をまずいただきたいと思います。
○山口政府委員 金融制度調査会におきましても、かなりこの予算認可権の問題については御議論がございました。確かに先生御指摘のように、届け出制ではどうかという意見があったことも事実でございます。 しかし、種々ほかにもいろいろな議論がありました。その一部分だけ何か新聞等に出ておるようでございますけれども、議論として最終的には本案で、御審議いただいているような形で、結局日本銀行の経費というものは、本来国民に還元されるべき通貨発行益で賄われているという日本銀行の公的性格から、やはりその経費を、届け出という事後的なものじゃなくて、事前に公的にチェックする必要がある。ただ、そのチェックのあり方については、金融政策に影響を及ぼすことがあってはいけないということで、その対象を絞り込む。さらに、大蔵大臣が認可しない場合にはその理由を公表するといった措置を講じた上で政府認可とするということによりまして、金融政策の独立性及び運営の自主性を阻害しない形でこの予算の認可というような制度を残し、それにいわゆるセーフガード条項をつけたということでございます。これは金融制度調査会の結論でもございます。
○田中(甲)委員 大蔵省の言い分を聞かせてもらいました。 そう失礼な発言をさせていただきますのは、果たしてこれが世界標準にかなっているのでしょうか。世界標準ということを基準に考えるならば、アメリカもドイツもEUも自主的に決定ができるようになっているわけですけれども、日本の今回の日銀法の改正ということがこの範囲の改正ということで、果たしてグローバルスタンダードにかなっているということが言えるでしょうか。その点についてどのようにお考えか、御答弁をいただきたいと思います。
○山口政府委員 諸外国の制度というのは、もちろん参考にしていくべき大事な参考資料だと思うのでございますが、その一部だけを比較するというのもまた逆にいろいろな問題がありますので気をつけなければいけないという、そういう点を踏まえながら各国の事情について申し上げますと、それぞれ特徴を有しております。 例えば通貨発行益からの支出は原則認めないというイギリスがございます。それからフランス等は政府の同意を必要とすると書いてあります。そういったことを見ますと、今回のこのセーフガードつき、またそれが公表されるというような形での政府の認可、認可権の扱いということは、グローバルスタンダードからいっても何ら見劣るものではないというふうに考える次第でございます。
○田中(甲)委員 それでは、各国の独自性という中で、我が国においても独自性を持った法改正ということを行ってもらいたいと私は考えるものであります。 小委員会の公開された議事録というものは正式にはないのですけれども、本年二月の二十六日の読売新聞にこのような審議が行われているということが書かれました。そのことが事実かどうかということも最初に確認しなければならないのかもしれませんが、もし事実とするならば、この公開された紙面を見ますと、大蔵省側は予算認可権の廃止に対する反論として、憲法第六十五条「行政権は、内閣に属する。」という規定を盾にとって、行政の一端を担う日銀は政府から完全に独立することは困難と繰り返しています。そうですね。 そのときに大蔵から出席をした総務課長は、このように発言をしています。「予算について、日銀が最終決定権を有し、大蔵省がそれに対して意見を述べるという形では、政府が日銀の予算に責任をとっていない形になってしまい、違憲のおそれがある。」こういう発言をされたことは事実でしょうか。 その後、なおも認可権廃止を主張する委員に対して、大蔵省の審議官がこのように発言をしたそうです。「どうしても認可権が不要であるなら、憲法改正が必要である。そうまでしないのであれば、事務局が国会で立ち往生しないような結論を出していただきたい。」半ば恫喝するような形で審議が終わったという新聞紙面の内容を見ましたが、これは事実ですか。また同時に、内閣法制局に、本当に違憲となりますか。この二点を御質問させていただきます。
○山口政府委員 今御紹介いただきました新聞の報道、それは金融制度調査会での議論の一部分をいろいろ聞き書きしてお書きになっているような気がしますけれども、問題は、金融制度調査会はどういう結論を出したかということがポイントでございます。それで金融制度調査会の委員の方々におかれましても、最後の金融制度調査会の結論については、これは大変満足しているというような御発言が現にありました。これは新聞には披露されておりませんけれども。 いずれにせよ、中でどういう議論があったかというのは、それはもちろん憲法との議論もしなければいけません。これを避けて通るわけにはいきません。行政当局と日銀との関係というのも、ぎりぎり議論をする必要があります。やはり国会での御議論にいろいろたえられるような詰めた議論をする必要もあるわけでございます。そういった議論は大変熱心に行われたことも事実でございますけれども、結論として出たことは、今お示ししている法案の形が一番ベストではないかという結論をいただきまして、御提案を申し上げているという次第でございます。
○阪田政府委員 御指摘の問題につきましては、今先生からお話がありましたように、憲法が、議院内閣制のもとで行政権は内閣に属する、あわせて、当該権限の行使について内閣は連帯して国会に責任を負うということを決めているということ、それから、日銀が通貨の発行を初めとして行政権の行使を行う主体であるということを前提に考える必要があろうかと思います。 日銀とは若干性格は違いますけれども、日銀と同じように、その所掌事務の性格上、個々の業務の遂行について内閣あるいは主任の大臣が直接指揮しないという仕組みをとっております公正取引委員会等のいわゆる独立行政委員会につきまして、従来政府といたしましては、内閣がこれらの委員会等に対して人事及び財務等を通じて一定の監督権を有している、そういう場合には合憲であるというふうに理解してきております。そのようにお答えをしてきておりますし、学説でもそれが通説であろうかと思います。したがって、少なくとも、日銀につきましてもこれらと同様の条件を満たす必要があるというふうに考えております。 このように考えますと、通貨発行益を主たる財源とする日銀の経費予算について、御指摘のように政府が何らチェックしない、あるいはできないという仕組みをとると、その結果として、なお内閣として日銀を適切に監督すると言えるのか。さらにまた、日銀の行います業務につきまして政府が国会に対して責任を負うと言えるのか。さらに申し上げますと、それは行政の民主的コントロールという憲法の理念に反することになりはしないかといったような論点があろうかと思います。そういう観点から、憲法上問題がないというふうに言い切る自信がないということであります。
○田中(甲)委員 違憲になりはしないと言い切る自信はない。では、実際に違憲であるということを言い切ることはできないんですね。一言で結構です。
○阪田政府委員 政府としては、憲法上疑義があると思われる法案を御審議願うというわけにはまいらないということであります。
○田中(甲)委員 阪田第三部長にわざわざお越しをいただきまして答弁をいただいたわけでありますが、私は、どうしてもチェック機能が必要ならば、これは国会に担わせるべきではないかと考えるんです。 第五十一条、大蔵大臣に日本銀行の予算を事前に認可する権限を与える、これを改めて、国会による予算、決算の承認の仕組みとすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○山口政府委員 金融制度調査会の中におきます議論におきましても、国会による承認という形のものがとれるかとれないかという議論もありました。ただ、結論として今お示ししているような案になりましたのは、法的チェックのあり方としては、日本銀行の業務の遂行上、金融環境の変化等に即応し、機動的に経費予算の変更等を行う必要が出てくるだろうという観点から、こうしたセーフガードつきの政府による認可制ということにさせていただいたわけでございますが、ただ国会の方でも、改正案の中におきまして、これは五十四条でございますが、日本銀行の業務及び財産について総裁等に国会出席義務を課しております。したがって、国会でもその御審議をいただけるという形にしてございます。
○田中(甲)委員 今五十四条の話をされましたが、私、憲法の話に戻らせていただきたいんですね。 六十五条「行政権は、内閣に属する。」の規定がある一方で、昨年十二月、総理が国会の場において民主党の代表、我が党の代表の質問に対してこのような答弁をされています。憲法は議院内閣制を採用し、国会が立法や予算の議決権を有し、行政の統制を認めている。この発言を考えるならば、私は再度、大蔵省から日銀を独立させ、国会によるチェックが妥当であると考えていることをお伝えをさせていただきます。このことは民主党の修正案の中にも実は盛り込ませていただきました。委員各位に、ぜひその修正案をごらんいただきまして、御理解をいただいた上で御賛同をいただければ、大変にありがたいと思います。 なお委員長、私は先ほど新聞に書かれていることが部分的なことであるとか正しいか正しくないかということの是非は、この資料を見ただけで、あるいは答弁の中では確認できないという思いを持ちましたので、どうか理事会の席でこの金融制度調査会の日銀法改正小委員会の議論の内容というもの、これをぜひ情報公開してもらいたい。そのことを理事の皆さん方にお諮りをいただきまして、私たち大蔵委員のメンバーにも、どのような審議が行われたかということをぜひ公表していただきたいというお願いを申し上げたいと思います。
○額賀委員長 田中委員の申し出につきましては、これまでの経過等を踏まえながら、理事会で相談をさせていただきます。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。 そもそも日銀の政策委員会の議事録を公開するということなど、情報公開の流れの中で、今回この小委員会の議事録をまだ公表していないということは、私たちが本当にオープンの場で、あるいはこれから金融問題の一般質疑を行うに当たっても、この審議の内容ということを踏まえて審議を行っていきたいという思いがありますので、委員長、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 大蔵大臣の報告・資料提出要求権について質問をさせていただきたいと思います。 今申し上げました金融制度調査会日銀法改正小委員会の議論で、当初、法令・定款違反の場合、つまり違法性に限定して大蔵省の監督権や監査権を認めることとして、これが今法案の五十六条、五十七条となっています。しかし、小委員会の最終段階でまたもや事務局である大蔵省が、「大蔵大臣は、」「必要があると認めるときは、日本銀行に対し報告又は資料の提出を求めることができる。」という案をねじ込んでしまった。委員たちからはかなりの反発を招いたと聞いておりますが、結局そのまま改正法案の第五十八条となってしまったわけであります。なぜ委員の意見を事務局は尊重しないのかということを強く疑問に思います。これでは審議会というものが形骸化してしまっている、そう考えますが、私の今の話に対する何らかの御意見というものを答弁としていただきたいと思います。
○山口政府委員 今の点につきましても先ほどの点につきましても同じでございますけれども、金融制度調査会で結論を出していただきまして、それに基づいて法案を提出させていただいております。 この大蔵大臣の報告、資料提出を求める件ということにつきましても、これは大蔵大臣が、日本銀行の業務の執行の状況に照らし必要があると認めるときに求めることができるというふうになっておりまして、それは具体的に政府が日銀の業務の状況を把握するにとどまるものでありまして、何もそれでもってその業務上の行為を求めたり、あるいは立ち入ったりというようなことを意味しているわけではございません。そこは御理解いただきたいと思います。
○田中(甲)委員 「必要があると認めるときは、」とありますけれども、必要があると認めるとはどういうときでしょうか。
○山口政府委員 例えば、具体的に申し上げますと、違法行為等の是正の求め、監査の求めの規定がございますが、その前提として違法行為等の実態把握を行う場合とか、あるいは政府として日本銀行を取り巻く金融制度のいわゆる企画立案を行う必要があるときに、一番マーケットでよく見ておられる日本銀行に、その日々の業務から得られる意見等を報告の形で求めるという場合等が考えられるかと思います。
○田中(甲)委員 日銀側がそれを拒否した場合には、必要ないと判断した場合には拒否できるのですか。
○山口政府委員 求めることができることになっておりますので、特に正当の事由があるときは、それは日銀はこれを拒否できるというふうに考えるのが自然だと思います。
○田中(甲)委員 つまり、要は大蔵省がいつでも日銀に対して要求できる、結局そういうことになってしまうのではないですか。これでは当初の日銀の独立性ということにはほど遠い、それは絵にかいたもちになるということをだれしもが思うはずであります。 金融制度調査会日銀法小委員会のある委員が、聞いた話ですから正しいかどうかわかりません。しかし、出た結論に対して全員が賛成して本当にいいのができたというふうに今おっしゃられたから、あえて私もこういうことを小耳に挟みましたからお伝えをいたしますが、事務局大蔵省の強硬な姿勢に対し、もう次回からは出たくないと委員の方が言われているということでありますよ。そういう話もあったということは謙虚に聞いていただきたい。現在の大蔵省の答弁を聞いていると、私はその委員の方の気持ちがわかります。全くこれでは、抜本的な法改正をしようとしている、また日銀の独立性、透明性ということを確立しようとしているという姿には見受けられないのであります。もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○山口政府委員 先ほどの資料提出を求める件、報告を求める件等につきましては、先ほど申し上げましたように、政府が日本銀行の業務の状況を把握するにとどまるものでございまして、その業務上の行為を求めるとか、あるいは立ち入って強権的にそれをやらせるというのは、全くそういうことではございませんので、そこは御理解を賜りたい。これでもって日本銀行の独立性がなくなるというようなものではないというふうに思います。
○田中(甲)委員 果たしてそうでしょうか、甚だ疑問であるのです。 天下りの問題についても御質問をしたいと思っておりました。日銀の天下りについて、やはり確認をしていく必要があるのだろうということを思っておるのですが、その前にもう一度、委員長、今のようなやりとりを乱やっておりまして、小委員会の議事録というものが公開されていない、これはやはり問題だと思います。ひとつ再度御要望申し上げますので、ぜひともよろしくお願いをいたしたいと思います。
○額賀委員長 田中委員の申し出につきましては、これまで小委員会の会議録が公表されていなかったという経過もありますし、よく精査をして、理事間で協議をしてまいりたいと思っています。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。 天下りについて御質問をさせていただきます。 実は、前回も、この日銀の天下りに対する制限ということを法案に盛り込むべきだということを申し上げてまいりました。この主張と申しますか私の意見に対して、改正案では政策委員会が再就職制限を含めて服務の準則を定めることになっています、そしてこれまで以上に慎重な対応が求められているものと認識をしているところでありますという御答弁を総裁からいただきました。 そこで、重ねて今回御質問をしたい点は、服務に関する準則は具体的にどのようにお考えになっているかを御答弁いただきたいと思います。
○松下参考人 いわゆる天下りに関連をいたしまして、この法案におきましては、まず役職員の私企業からの隔離その他の服務の準則を定めるということになっておりまして、その準則は政策委員会がこれを決定するということでございます。したがいまして、私どもも、今後法案が成立をいたしました後、この服務の準則を具体的にどのように定めるべきかという点につきましては、目下検討中でございますけれども、まだ成案を得るには至っておりませんので、この段階でお答えをいたしますのは差し控えさせていただきたいと存じますが、ただ役職員の再就職につきまして、そのような表現を盛り込みました規定が新たに入るということにかんがみますと、これまで以上に慎重な対応が求められるものであると認識をいたしておりますので、私どもとしましては、そういった立法の趣旨を踏まえまして、再就職に関する内部ルールの制定作業を鋭意進めてまいりたいと存じております。
○田中(甲)委員 五月七日に質問した際にいただいた答弁と全く変わっておりません。早急に、そして慎重に検討していくと五月七日におっしゃられたのに、きょう質問しても答弁は全く一緒であります。 私は、役員について、国家公務員法第百三条の天下り禁止規定、百九条の罰則を準用して、改正法案にも条項を追加することを重ねて申し上げたいと思います。そして、これからで結構でありますから、どうぞ検討を始めて、準則の具体酌な報告ができるように御準備をいただきたい。次の機会にまた我が党から同じように御質問をさせていただきますから、ぜひこの国家公務員法の第百三条、確かに国家公務員ではありませんけれども、国家公務員は密接な関係のある企業への二年以内の再就職が制限されています。それに準じて、制度としてこの法改正の中で条項を追加していただきたい。
○山口政府委員 法案の話での御提案でございますので、私の方からお答え申し上げますと、日本銀行の役職員は、身分上は公務員ではございません。これは先生の御指摘のとおりでございます。これを対象に、公務員と全く同様に人事院規則による規制を受けたりその承認を義務づけるということについては、やはり慎重な検討が必要ではないかというふうに考えるわけでございます。 先ほど総裁からの御答弁にありましたように、日銀の準則の作成、公表の義務を課しておりますので、役職員の再就職のあり方につきましては、国民の目に、言葉は悪うございますが、さらされることになるわけでございます。法律上の義務あるいは罰則を科さなくても、おのずと国民の理解を得られる形になるものというふうに思料しております。
○田中(甲)委員 実は、もう時間が来てしまいましたが、次の質問者に迷惑でしょうが、あと数分だけお許しをいただければありがたいのであります。 なぜ私がくどくどと天下りの問題を言うかというと、見えない部分が多過ぎる。日銀から信用金庫に天下りをしている方の数というものが、全く実態が把握できないのです。資料が提出されていません。信用金庫に天下った職員の総数を把握しているのでしょうか。その数というものを把握して、私たちに資料として提出をしていただきたい、それを申し上げたいと思います。 ぜひ委員長の方から、また理事に諮る必要があるかと思いますけれども、信用金庫に対する天下りというものが今まで全く把握がされてきていない。全国で四百十六しかありません。これくらいの調査ということができないはずがないのですけれども、今まで他の質問に対する答弁は、その資料はないということで一貫して拒否をしているという姿でありますが、その天下りの実態ということをぜひとも把握をさせていただきたい。もし答弁があれば、簡潔にお願いします。
○松下参考人 ただいまお尋ねの信用金庫、信用組合への日本銀行職員の再就職の状況でございますが、信金の一部や信用組合とは取引関係のないものもございますために、網羅的にこの状況を把握していなかったわけでございますが、これは可能な限り調べようということで、ただいま調査をしているところでございます。 ただいままでに、おおむねの見当でございますけれども、本行を退職して現在信金、信用組合の役員についている人の数は五十数名というふうに把握をいたしておりますので、さらに急いで精査をいたしまして、計数が出ましたならば後刻お届けすることにさせていただきたいと存じます。
○田中(甲)委員 ぜひその調査を徹底して行って、情報公開をしていただきたいと思います。 そして、官僚や日銀の職員が定年前にやめる現行の退職制度というものを早急に改める。立法府も協力をしてまいります。この点、改めてまた退職の年齢ということも改正していかなければならないでしょう。今回、そういう抜本的な問題の改革ということに取り組んでいくいい機会にしていきたいというふうに考えます。 最後に、今回の目録法の改正の大きな目的の一つは、国民生活を大きく混乱させたバブル経済の再発防止にあったはずであります。そうですね。大蔵省に手足を縛られていたため日銀の金融政策が後手に回り、結果的に狂乱の地価などの資産インフレを発生させた。その反省から、金融政策をつかさどる日銀が大蔵省からいかに独立性を保つかということがその重要な目的であったはずであります。この国民に対する目的ということは、日銀法の総則第二条に「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」ということが書かれています。本当に今回の日銀法改正というものが国民経済に資するという本来の役割を果たす改正になっているかどうか、もう一度しっかりと御検討をしていただきたい。 僭越でありますが、我が党から修正案を出させていただいた内容というものも、どうか皆さん方に内容を確認していただきまして御理解をいただきますようにお願いを申し上げ、質問を終わります。
○額賀委員長 次に、海江田万里君。 なお、海江田万里委員の質問に当たりましては、この後、総理質問が控えておりますので、民主党の範囲内で質疑を展開していただきたいと思います。
○海江田委員 今、民主党の田中甲委員から大変明確な日銀法に対する質問がございましたので、私は、少しこの日銀法そのものから離れるかもしれませんけれども、今問題になっております金利の問題ですとかあるいは為替の問題などについて、日銀あるいは大蔵省のお考えを聞かせていただきたいと思います。 これは午前中の議論でも出ましたけれども、昨日、自民党の首脳の方々から公定歩合を上げるべきだという声が随分上がっておるということでございますが、大蔵大臣からは午前中の質疑で、金利は日銀の専管事項である、この時期の発言は自粛してもらいたいという発言がございましたけれども、これはもちろん全くそのとおりだろうと思います。目録は、この金利の問題については専管事項であるということだけに、やはり大変重い責任を持っているのではないだろうかと思いますが、この金利の上げ下げに関係をします現在の景気の状況、これを日銀は一体どういうふうに認識をしておられるのか。とりわけ日銀は短観ということで随分緻密な調査もしておるようでございますので、一番新しい短観が四月発表分でございますが、それも踏まえて今の景気の状況、どういう認識でおられるかお話しいただきたいと思います。
○松下参考人 私どもが現在の金融政策をとっております。そのねらいは、日本経済を自律的な回復軌道にしっかりと移行させるということでございます。そのようなねらいで、思い切った金融緩和の措置を講じているところでございます。 私どもの現状の判断につきましては、そういった政策効果の浸透もございまして、景気は基調的には緩やかな回復を続けておりますし、また、最近におきましては、この回復の力が次第に底がたさを増しているという面が感じられるようになっております。ただ、そうは申しましても、日本経済は、依然、バブル崩壊の後遺症でございますバランスシート調整でありますとか、新しい国際的な産業構造調整の途上にございますし、また当面は財政面からの影響が強くあらわれてくる、そういう局面にあるわけでございます。 したがいまして、このような状況の中で金融緩和を通じて経済活動を活発化させるということは、雇用の回復や所得の増加という形で国民に広くメリットを及ぼすものでございまして、私どもは当面、このような経済の自律的な回復軌道というものが信頼できる強さにまで達したかどうかという点をよく判断をしながら、今後の金融政策の展開について考えてまいりたいと思っております。
○海江田委員 ちょっと前半、晴れ時々曇り、ところによりにわか雨みたいなお話だったのですが、今総裁のお話を聞いておって、金融緩和は引き続き必要だというようなコメントが私の耳に残ったのです。と申しますのは、四月の短観の一番の特徴というのは、やはり中小企業のDIが一向によくなってない。しかも四月の時点では、製造業でまだマイナス八ですから六ポイント前回と比べて改善になっておりますけれども、非製造業の場合はマイナス九で三ポイント悪化して、六月までの予測値でいきますと、製造業がマイナス一三、非製造業がマイナス一四と、かなり悪化をしているのですね。 ですから、経済企画庁なんかは景気が回復をしている、あるいは今総裁も景気が底がたいものがあるとおっしゃいましたけれども、ただ、世間にはやはり好況感がないわけですよ。好況感なき景気回復なわけですね。その一番の理由は何なのかというと、やはり中小企業の景気がまだ上向いてこない。しかも、大企業がリストラをやってそれで大企業の収益は上がっておるわけですから、どうしても中小企業がしわ寄せを受けてしまうということで、私は、この中小企業の景況感というものがやはり前回の四月のこの短観のポイントで、しかもそれが、今総裁が一部の中でお話がありましたけれども、金融緩和はもう少し続けた方がいいのではないだろうかというふうに受け取られる発言につながってくるものというふうな考え方をしておるのですが、これは間違いですか。
○松下参考人 今回の景気回復の過程におきましては、前回までと比べまして、中小企業、あるいは特に非製造業関連の中小企業におきますところの景気回復の盛り上がり方がやや力強さに欠けていたということが認められてきたと思います。このところに参りまして、いろいろの企業の生産の増加傾向はかなりしっかりいたしておりますし、それに伴いまして企業収益は相当高水準が続くようになってまいりました。そういう点で、設備投資の計画を見ましても、このところ中小企業関連の設備投資も、大きな幅ではございませんけれども、増加の傾向が認められるようになってまいったと思います。 私どもは、こういう傾向が今後どのようにしっかりとした回復につながっていくのか、そこをよく見きわめたいと思っておりますが、そういう状況でございます。
○海江田委員 今、総裁のお言葉の中で、企業収益が少しよくなってきてそれが設備投資に回っているというお話がございましたけれども、どういう原因で企業収益が上がってきたかというと、これは実は金利の低下分による企業収益の上昇なんですね、とりわけ九六年なんか。 これは大蔵省が法人統計を出しておりますけれども、この大蔵省の法人統計を見ますと、九六年のデータで、中小それから中堅企業の支払った利払いの総費用が約六兆七千億円ですね。これは前年と比べて二五%減少をしているわけですね。それで、借り入れの残高そのものはそれほど膨らんだり減ったりしておりませんから、ということは、これは要するに金利が減少することによって利払い費が減っている、ここが実は中小企業の企業収益に結びついている、私はそういうような理解をするわけですね。 そこで、もし仮にこれから金利を動かす、長期プライムレートなんかはもう上がっておりますけれども、これはソロモン・ブラザーズの試算でございますけれども、借入金の平均金利が四〇ベーシスポイント、国債の利回りが大体今回〇べーシスポイント上がっておりますけれども、これがそのまま上昇すると、しかも借入金が横ばいの場合、約一兆円利払い費がふえるというのですね。この一兆円というのが実はまさに中小企業の九六年の営業利益の約七%で、この一年間にふえた中小企業の企業収益の増加額に匹敵をするということであります。 私は、やはりこの金利の一番の核心というのは、中小企業の収益が上がってくるのかどうなのかだというような認識を持っておるのですけれども、この私の考え方というのはどうでしょうか。皆さん方の考え方と大きく違っておるのか、それほど違っていないのか。
○松下参考人 金利の低下が貸出金利の負担軽減を通じまして中小企業を含めて我が国の企業全般の収益の改善に貢献したという点は、これは明らかに認められるところでございます。 ただ問題は、このように収益改善がきっかけになりまして、これが生産の増加あるいは設備投資の増加という方向に、今度は自律的な経済回復の力の呼び水となって働いていくことが期待をされるわけでございますから、今の状況がそのような方向に移行していくことが確実になってくると認められるかどうかというあたりがよく注意を要する点であろうと思います。 また、現在の設備投資は、企業の資金需給そのものではある程度の余裕がございまして、減価償却の範囲内でもある程度の設備投資は可能でございますので、金利の問題だけがこれに影響するというものではない面もあろうかと思っております。
○海江田委員 今の状況がその状況にあるかどうかということで言うと、実は今の状況というのはその状況にないわけですね。 それは三塚大蔵大臣も、それからその後ろにいらっしゃる榊原国際金融局長も、この間しきりにいわゆる口先介入を行いまして、行き過ぎた円高に対しては、これはいかぬということで、口先介入がそれなりの効果を生んだのではないだろうか。ということは、市場がそういう数字になっているわけでございますけれども、ただ、口先介入ということを言っていいかどうかわかりませんけれども、いろいろおっしゃっておった。 三塚大蔵大臣も、四月十日来のそういう姿勢というものがそれなりの成果を生んだということを午前中におっしゃっておりましたから、その日先介入が生んだ結果というものが、一つは確かに為替のマーケットで円高に振れたということでございますが、もっといろいろな影響があるのじゃないですか。 大蔵大臣、為替の行き過ぎた円安が解消された、円高の方に戻ったということのほかに、やはり大蔵大臣が最前何度も発言をされたその結果が、別のマーケットに対してどういう形であらわれてきたか。御自分が発言なさったわけですから、その御自分の発言なさった結果がどういう形であらわれてきているかということを教えていただきたいのです。
○三塚国務大臣 口先介入と言われますが、そうではございませんで、世界経済が安定した成長を、インフレは政治、行政という二つのカテゴリーの中では絶対に防がなければならない民主主義の大原則でございますから、レートが上下に激しく揺れるということは、まさに国民経済を直撃いたします。御案内のとおり、物価がそれによって上がります。また下がるときもありますが、上がることの弊害は、御案内のとおり、その国の経済政策、そして世界経済に深刻な影響を与えるという意味で、望ましい為替というのは安定をしておる、安定の基本は、その国の総合経済力を反映をしておる……(海江田委員「時間がありませんから」と呼ぶ) そんなことの中で、行き過ぎた円高に対しましては……(海江田委員「円安に対して」と呼ぶ)前は円安でございました。昨今は円高、こう言われますから、そのように申し上げさせていただいておりますが、決して好ましいものではございませんで、そういうことで、乱高下の行き過ぎた動きに対しましては適時適切に対処をするというのは通貨当局の大事な責任であります、こう申し上げたところでございます。
○海江田委員 私が聞きましたのは、為替のマーケットの方はもうはっきり円高に戻ったわけですね。これはお見事だと思いますけれども、そのかわり金利の方がどういうふうになったかということ、とりわけ債券の利回りが、先ほどもちょっとお話をしましたけれども、これは上がったんじゃないですか。そのことを、榊原さんでよろしゅうございますが。
○榊原政府委員 大蔵大臣が申し上げましたように、為替の安定というのは経済の安定的成長のために極めて重要なものだというふうに思っております。 お尋ねの点でございますけれども、実は国債の金利がこのところ、一カ月ぐらい前は非常に低いところ、二・一%ぐらいにありましたけれども、それがこのところ〇・四、〇・五上がって二・五から二・六になってきた。これは実は円高に振れる前に長期金利が上がっておったということ、それから円高に振れる前に実は株価が非常に上がってきた。そういう株価が上がり、債券価格が下がる、あるいは金利が上がるという、そういうファンダメンタルズの変化を反映して為替がそれに反応したものだ、そういうふうに私どもは理解しております。
○海江田委員 恐らくそういう答えになるのではないだろうかなと思っておったわけでございますけれども、それは卵が先か、鶏が先か、どうでもいいのですけれども、やはり債券の利回りが上がることによって、長プラの上昇まで来ましたね。ここから先が問題なんですよ。 長プラの上昇が実際の貸出金利の上昇につながっていくのかどうなのかという点で、過去、九〇年代は確かに長プラは上がってきましたけれども、実際に貸出金利というのは、とりわけ新規の貸し出しというのはそれほど上がらなかった。これは資金需要の問題もありますし、不良債権の問題もあります。だから、そういうような状況に今あるのか。 長プラが上がっても、長プラが上がるところまででとどまるのか、それとも実際に貸出金利が上がっていって、そして先ほど来問題にしておるような中小企業の収益を悪化させることにつながるのかどうなのかということ。やはりそこの判断といいますか、いや、長プラは上がったけれども、それは今の金融全体あるいは中小企業の資金需要全般を見てみると、そんなに実際の貸出金利は上がらないよという判断があるのならいいのですけれども、日銀総裁は先ほど、若干好転をしてきたから中小企業の資金需要も出てくるやに受け取れるような発言もありました。そのあたりの整合性というのですか、長プラのところでとまるのですか、それともやはりどうしても金利は上がっていくのですか、貸出金利は。
○松下参考人 長期金利の世界につきましての日々の動きというのを私から直接コメントをすることは適当ではございませんけれども、やはり長い目で見ますというと、長期金利の水準というものは、経済界の先行きに持っておりますところのコンフィデンスと申しましょうか、そういう見通しの反映であるという部分がございます。 私どもは、最近の動きにつきまして、やはりそういった部分を感じるようになってきているということではないかと思っております。
○海江田委員 ちょっと今、そういうふうに感じるというところ、余りよくわからない。そういうふうにというのはどういうことですか、ちょっと恐縮ですが。
○松下参考人 全般的に申しまして、経済界におきますところの、先ほど申しました底がたい回復への動きというものが実現をされていくという、そういう感じがある程度生まれてきているのではなかろうか、そう思っているということでございます。
○海江田委員 この種の発言は本当に非常に難しいと思いますね。とりわけ、きょうは二十一日ですね。アメリカが二十日で、FOMCが利上げを見送ったというようなタイミングがありますので、余り日本が上がるよ上がるよということを言っちゃうと、これは金利差が縮小ですからますます円高に向かうということになりますので、これは非常に、確かに私も聞きにくいことを聞いておるわけでございますけれども、先ほど来お話をしておりますように、日銀の専管事項でありますけれども、私はやはり特に国会の大蔵委員会などでは、基本的な景気の見方なりというものにそれなりの考え方を示していくことが重要なのではないだろうか。 あるいはまた、自民党の首脳の発言というのは、私は思惑で発言をしているのだろうと思うのですね。その思惑の発言に対して三塚大蔵大臣、これも午前中でございますけれども、自粛してもらいたいというお話でございますけれども、やはりどうして自粛をしてもらいたいのかというようなことをきちっとお話をする必要があるのではないだろうかというふうに思っておりますので、少し議論をさせていただいたわけでございます。 それから、日銀法が新しくなりまして新しい日銀に生まれ変わるわけでございますけれども、私たまたま雑誌を読んでおりましたら、これはエコノミストの五月二十日号に並木信義さんという方が、これは大蔵省もそうですけれども、「大蔵、日銀には、景気を直観的に把握できる能力が足りない。」私が言っているのじゃないですよ。並木さんという方が言っているのですけれども、「基礎的研究と訓練が足りない」ということを言われておるわけですよね。 やはりこういう指摘があるうちは、本当に専管事項だと言って経済の運営の上で非常に重要な金利を上下させるその権限を日銀に任せておって、それで本当に平気なんだろうかという心配が出てくるわけでございますから、もちろんぎりぎりのところで言えることと言えないことがありますけれども、今の景気に対してどういう認識を持っておるのかということは、私はやはり国民が納得のいくような適宜適切な説明をお願いしたい、そういうふうに思います。 それから、もう時間があと二分ぐらいしかございませんけれども、先ほど田中委員から我が党のこの日銀法に対する基本的な考え方、お話ございました。そして、とりわけ最後のところでは、天下りの問題で善処をお願いをしたいということがございましたけれども、私は、一つだけ。 これは法律の中身に書き込むことでも何でもありませんけれども、日銀の総裁が大蔵省の方とそれから日銀プロパーの方と、松下総裁は大蔵省出身の方でございますけれども、かわりばんこになっている。とりわけ佐々木日銀総裁がプロパーで、その後の森永総裁が大蔵省で、それから前川総裁がプロパーで、澄田総裁が大蔵省で、三重野総裁がプロパーで、松下総裁が大蔵省でということで、不思議なことにこういう五年ごとの入れかわりというのが何か定着をしたのじゃないだろうか。その前はいろいろございましたけれども、ここ数年やはり定着してしまったのじゃないだろうかということで、私はこれは決していいことではないのじゃないだろうかというふうに考えるわけですね。 これは日銀総裁を松下さんがそのままおやりになるかどうかこれも実は我が党でも議論のあるところでありまして、人心一新で全部新しくしたらいいとか、まあいいじゃないかとかいろいろな議論のあるところでございますけれども、もし仮に松下総裁がおやりになるようでしたら、御自身は大蔵省御出身ですけれども、やはりこういうかわりばんこ、それからとりわけ大蔵省から来ていいものだろうかどうなんだろうかということについて少しお考えをいただく、あるいはもうこの際だからということではっきりおっしゃっていただくというようなわけにはいきませんか、これは。
○三塚国務大臣 これは総裁に聞く方がいけません。日銀法の今度の改正で内閣任命から国会の両院の承認、こういうことであります。そういう点から申し上げますと、かわりばんこという話がありましたが、絶妙のコンビネーションで成果が上がっておればこういう論議にならぬわけで、こちらの角度から見ればようやった、こちらの角度から見ればちょっとタイミングを逸したな、こういうことがあるのだと思うのですね。 そういう点などを考えますと、やはり識見があり要望される人材というのは、出身をもって論ずるということは民主主義下でどうなんでしょうか。ノーというなら両院の任命の際にノーと言えばよろしいわけでございまして、やはり人材を求めるということは極めて重要なことだと申し上げさせていただきます。
○海江田委員 もう終わります。とりわけ国会がノーと言えばいい話ですけれども、やはり出してくる方がかわりばんこじゃいけませんよ、これは。むしろかわりばんこにすることによって、本来日銀総裁につくべき人が、たまたまめぐり合わせというか順番が違っちゃって、それで日銀総裁になれないなんということもあり得るわけでございますから、そこのところは大蔵大臣そうおっしゃるのなら、どのくらい大蔵大臣をやっておられるかわかりませんが、そういうことをしっかりと、こういう悪い習慣は改める、日銀法が新しくなることによって改めるということをはっきりお決めいただきたい、そういうふうに考えております。 時間がちょっと一、二分オーバーをしましたが、以上でございます。どうもありがとうございました。
○額賀委員長 次に、吉田公一君。
○吉田(公)委員 まず、改正条文から伺いたいと思うのでありますが、まず日銀法第二十四条でありますが、「審議委員の任期は五年、監事及び理事の任期は四年、参与の任期は二年」、こうありますが、監事は五名から三名に減らした。その監事の任務、そして参与の任務、こうありますが、参与というのはどういうことで参与という職務を置いたのか、その役割は何なのか、その点について伺いたいと思います。
○松下参考人 現行法におきまして、参与は、日本銀行の業務に関する重要事項について、総裁の諮問に応じて、または総裁に対して意見を述べることができるとされておりまして、これを受けまして私どもは定期的に参与会を開催いたしまして、各界を代表される参与の皆様から貴重な御意見をいただいております。 改正法案におきましても、こういった参与の基本的性格は変わりませんが、政策委員会が名実ともに日本銀行の最高意思決定機関となるというこの変更を踏まえまして、参与は、総裁ではなく政策委員会の諮問に応じて、または政策委員会に対して意見を述べるという制度となることになっております。
○吉田(公)委員 そうしますと、この参与会というのは、総裁の諮問で何回ぐらい開いているものですかね。
○松下参考人 現在は、原則として月一回程度開いております。
○吉田(公)委員 次に、第二十五条でありますが、「日本銀行の役員は、」「在任中、その意に反して解任されることがない。」こういうことになっています。当然のごとく、これは国家公務員にも地方公務員にも適用されておりますが、禁治産者、準禁治産者、この法律の規定により処罰されたとき、禁錮以上、心身の故障、そういうときには解任をするということになっておりますが、しかし、最も大切なことは政策であって、例えば政策の失敗というのは一体問われないのでしょうかね。そのことが日本の経済に影響力を与えるわけですから、政策の失敗をしても、それは全然解任の条項にはないということについては、結局は無責任体制になってしまうんじゃないか。時々、違っちゃった、そのときはわからなかったなんと言ったって、これは重大な失敗があったときにはどうするのか。これについて、「内閣又は大蔵大臣は、」ということになっておりますが、大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
○山口政府委員 御指摘の第二十五条「役員の身分保障」の件でございますが、今回の改正でもここは大変重要な部分でございまして、例えば政府と日銀との政策の違いをもって解雇をする、やめさせるということはしないということにしたわけでございます。これは日本銀行の金融政策の独立性、自主性というものを最大限尊重するという考え方から来ているわけでございます。 かといって、それでは重大な失敗があるとき、どうするのだという御質問でございますけれども、それにつきましては十分な説明をしていく。アカウンタビリティーと言われますけれども、例えば国民の代表であられる国会で十分に説明をして、理解を得るようにするというようなことをこの法律は期待しているわけでございます。そうしたわけで、この身分保障の条項からは、政策の失敗というものを原因とした解任事由というのは置いてございません。
○吉田(公)委員 大蔵大臣と経済企画庁長官の命によって政策委に必要に応じて出席することができる、こう書いてありますね。そうすると、その職員を政策委に派遣をした大蔵大臣や経済企画庁長官は、責任を結局は国会にとらなきゃならない。日銀の方はとらない。こういうことになるんですが、その辺はいかがですか。
○山口政府委員 先ほど申し上げましたように、総裁を初め日本銀行の役員の身分保障という意味では、政策の失敗を理由とした解任というのはなくしたわけでございます。 大蔵大臣、経済企画庁長官、これは内閣の一員としてその政治的な責任というものはもちろんあるわけでございますけれども、今先生のおっしゃった政策委員会に、閣僚でいらっしゃる大蔵大臣、経済企画庁長官御自身またはその指名する者が出たときには責任をとるのに、日本銀行の役員はとらないのではないかという御指摘でございますけれども、あくまで政策委員会における意思決定は、政府からの代表は議決権はございませんし、政策委員会自身が自主的に、自立的にまた独立してお決めになるわけでございます。それについて、政策の失敗があるからといって同じような責任をとらせてしまうということになりますと、現在の昭和十七年にできております法律と同じように、政府が強いコントロールする権限を持ってしまうということになって、今回外しておるわけでございます。
○吉田(公)委員 第三十一条に報酬及び給与というのがございます。これはもう先般来議論をされておりますように、日銀職員の給与が一般の国家公務員に比べて非常に高いという指摘が再三ありましたが、今度のこの三十一条をもってして、要するに国家公務員の給与に準ずる、これには「勘案」と書いてありますけれども、準ずる、こう理解してよろしいんでしょうか。
○松下参考人 役員の給与につきましては、新法の施行時までに定めていくということになるわけでございますが、改正法案におきましては、国家公務員特別職の給与及びその他の事情を勘案して定めるということになっているわけでございます。ここに一つの基準の対象として特別職の給与ということが出てまいっておりますが、その他の事情ということは、どのようにこれを勘案して定めていくか、この立法の趣旨をよく踏まえまして、私どもとしましては、所要の時期までに具体的に検討をして、適切な答えを出してまいりたいと思っております。職員の給与につきましては、新法が施行されました後で新しい政策委員会が十分議論を行いました上で、支給基準を決定して公表するということになっておりますが、その際に、「社会一般の情勢に適合したもの」という表現でございます。この場合の立法の趣旨を一般論として解釈をいたしますと、給与の支給基準を決定をいたします場合には、労働市場における競合でありますとか、外部でやっておられる同質の仕事の社会的な価値の評価といったようないろいろな要素につきまして、これまでよりも広く社会一般の情勢を反映するように考慮する必要があるという基準が定められたものであると理解をいたしております。
○吉田(公)委員 次に、支店その他の事務所及び代理店の設置、移転または廃止ということが新法に書かれておりますが、これも三十三支店、そして十二カ所の事務所がある。三十二支店というのは多いんではないかという質問が先般もございましたが、十二カ所の事務所、こうありますが、支店のほかに十二カ所事務所を持って、その事務所長とか、その事務所の役割は何ですか。
○松下参考人 御指摘の日本銀行の支店におきましては、日銀券の発券の関係でございますとか、また金融機関との取引でございますとか、国庫事務、国債事務の処理でございますとか、そういう実務を行っているところでございます。 事務所につきましては、そのような全面的な業務を行っている組織ではございませんで、寄託券の処理の事務といったような部分的な事務の処理をいたしております。これは、人員も数名程度の小さな組織でございます。 これらの支店は、これまで各地域でのいろいろな銀行券あるいは金融機関との取引等のニーズを総合的に勘案をしながら設立をしてまいったわけでございますけれども、この点、申すまでもございませんが、支店を取り巻く金融経済環境というものは時代とともに変わってまいりますので、先般の金融制度調査会におきましても、交通や情報通信の進歩に伴って、効率的配置という観点から、その見直しを行っていくことが望ましいというふうに提言がなされております。 私どもも、そういった変化をこれから注意深く見守りながら、支店網の適切な配置やバランスということにつきましては、そういう御趣旨を体して考えてまいりたいと思っております。
○吉田(公)委員 ここの改正の中に定数というのが入っていないように思うんでありますが、今六千人体制ですか、日銀の職員の体制は。そうすると、どこにでも定数というのがあると思うんですね。その定数については触れられていないということでありますが、相変わらず同じように六千人体制で日銀はやっていくんでしょうか。
○松下参考人 日本銀行の業務は、戦後間もない時代に非常に人員が多かったときには、約九千人の人員をもって業務を行っておりました。その後、逐次、機械化、合理化等が進みまして次第に減少いたしました結果、現在では六千人台というところまで減少してまいったわけでございます。 私どもといたしましては、経済、金融の発展に伴いまして、日銀の業務自体はこれからも大きくなっていく傾向は続くと思いますけれども、他方で、いろいろ機械化でありますとか合理化でありますとかそういう工夫を重ねまして、できる限り職員の数というものもこれを抑制し、でき得ればこの減少を図っていくというように考えてまいりたいと思っております。
○吉田(公)委員 いずれにしても、国家公務員にしても地方公務員にしても、定数というのがありまして、その定数を超えるということは至難のわざなんです。そのことによって人員増を抑えているわけですけれども、定数ということがない限りはこれからふえる可能性もあるわけで、そういう点についてはぜひ今後気をつけていただきたい、こう思うのです。 それから、さっき三十三支店、十二事務所というお話がありました。例えば北海道、この北海道一つとっただけでも、札幌にあって、小樽にあって、釧路にあって、函館にあるんですよ。それで帯広にあって、旭川にあるんだよね。これは酪農会社や牛乳会社じゃないんだから、こんなに六カ所も、一体、日銀の支店だの事務所があんな北海道だけで六カ所も必要なんですかね。どういうことで北海道だけに六カ所、それは乳業会社とか酪農会社なら北海道は産地だから六カ所ぐらいあってもいいけれども、日銀が何で六カ所もあるんですかね。設置理由ですよ。
○松下参考人 これは遠隔的な事情に基づくものでございまして、やはり北海道におきますところの地域の広大さ、あるいは銀行券のいろいろな配送関係その他に関します便宜の水準といったようなものを総合的に勘案をいたしまして、非常に古い時代から、必要な箇所での支店を通じる手当てということに努めてまいりました結果が現在の支店数になっているわけでございます。 私どもは、この支店の数等につきまして、先ほど申しましたように、金融制度調査会の御指摘も踏まえて、今後見直しについては努力をしてまいりたいと考えておりますが、現在、この段階で特定の地域につきましてどう見直しをするかということを申し上げられるような段階ではございませんけれども、全面的にそういう点についての今後の改善というものを図っていく方針でございますということを申し上げたいと存じます。
○吉田(公)委員 いつから四支店、二事務所になったかわかりませんけれども、いずれにしたって、それは交通の便の悪いとき、マスメディアが発達していないとき、そういうときに雪の降る中を行ったり来たりしなきゃならないからそれはしようがない、六カ所だと。しかし今、総裁、全然そんなこと関係ない。選挙だって即日開票なんだから、あの北海道は。そのぐらいもう発達しているんですよ。日銀だけですよ、おくれているのは。まだ馬車で運んでいるみたいなことを言っている。だから、もうこういうのは早いところ解決しなきゃだめですよ、北海道だけでこんなにいっぱいあるなんて。それでも横浜にもあったりなんかするんだそうですが、時間がありませんから、そういう方は省かせていただきます。 そこで、今度は副総裁が千人だったのが二人になる。もう一人の副総裁は何の役を果たすのでしょうか。
○松下参考人 改正法案におきましては副総裁を二名ということに相なっております。 これは私どもは長年中央銀行の業務をやってまいっておりまして、近年の非常に目立つ現象といいますものは、中央銀行における海外関係の業務が非常に大きくなったということと、それから海外の中央銀行でありますとかあるいは国際機関でありますとかにおきまして非常にしばしば会議や会合が開催されるようになりまして、これに出席をし、日銀としての意見も申し述べ、いろいろの決定に参画をしていくということが大変重要になってまいりました。こういう点で、私どもといたしましては、特に国際的な会合に出席をいたします場合に相手国の出席者が例えば副総裁クラスというような場合が多うございますので、これに対応できるように、国際問題を所管する副総裁を設けたいということでございます。
○吉田(公)委員 わかりました。 次に、先般も私は質問したんだけれども、「不動産その他の重要な財産の取得又は処分」ということになっておりますが、そこで、練馬区にあります日銀グラウンド、あれはどういうわけか私は大体三日に一遍通っているものだから気になってしようがない。月、水、金と貸してくれているらしいんだけれども、これは国民の財産なんだから、使わないときは日曜日でも土曜日でもたまには貸してくれてもいいと思うんですよ。ぜひその点を総裁検討して、それでやってくれれば私はもうこれ以上言わない。やってくれないと、またその後、その次言わなくちゃいけない。だからぜひ、一万四千五百坪なんだから、総裁。戦前の話じゃないんだよ。日銀の職員の人だけがそんなことをやっていないで、使わないときは、別に使ったって減るわけじゃないんだから、ぜひ総裁、検討してくださいよ。この次またいつ大蔵委員会があって、総裁、今度は年じゅうこの委員会に出てこなきゃならないんだからね。今までのように参考人じゃないんだから、もう年じゅう出てこなくちゃならない。そのときにまた聞きますから、ぜひ検討しておいていただきたい。 終わります。ありがとうございました。
○額賀委員長 次に、佐々木陸海君。 〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕
○佐々木(陸)委員 日本共産党の佐々木陸海です。 今回の日銀法案の眼目について、日銀総裁は、独立性の強化と透明性の向上だということを本委員会の質疑の中で答弁をされました。大蔵大臣も同様の見解を示されていると思います。そこで、この独立性と透明性の問題についてお聞きをしたいと思います。 我が党は既に修正案を提出いたしまして、お手元に配られております。これは独立性を一層強化し、民主性の確保すなわち国会報告の強化を図るという趣旨でございます。 まず、独立性の強化にかかわって質問をしますが、日銀の政府からの独立健を確保するためには、政府の日銀に対する一般的監督権というものはなくさなければならないというのが私たちの立場であります。中銀研報告でも、人事権等を通じたコントロールがあれば、政府の一般的監督権がなくても憲法上問題ないとしていましたが、法案では一部に一般的監督権を残しております。我が党は、独立性強化のために、政策委員会の委員は政府に指図を求めたり、また指図を受けたりしてはならないということを法案に明記するよう提案をしているところであります。 同時に、独立性ということを言う場合に問題となるのは、政策委員会への政府の出席問題であります。政府はこの間の答弁で十九条のこの出席、「必要に応じ、」という点の運用について、その時々の状況に応じて適切と判断する者を指名して、適切と思うときに出させると。これでは法律で「必要に応じ、」と言っていることと全く同じでありまして、何ら答えになっていない。もう少し必要性の基準をしっかり示していかないと、政府の思うままになってしまうというふうに思うわけです。 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいと思いますが、十九条の言う「必要に応じ、」この運用について限定的な基準をしっかり示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○武藤政府委員 政策委員会に対する政府の出席についてでございますけれども、まず、政府からの出席者が政策委員会でどういう役割を担うのかという点でございますけれども、政府の経済動向に対する考え方や、あるいは日銀の金融政策に対する政府の意見を述べるということでございますので、政府の財政政策あるいは租税政策、公共事業の執行状況等、かなり専門的なことも議論される可能性があるわけでございまして、やはりその時々の状況に応じて、そういう事柄をすべて判断いたしまして、その要否を決定するということになろうかと考えております。
○佐々木(陸)委員 政府の出席は、金融調節事項に関する議案を提案する必要があるときに限るべきだというふうに私どもは考えています。 独立性にかかわるもう、一つの重要な問題として、財務の問題があります。まず日銀納付金の問題について聞きますが、日銀納付金について、大蔵省と日銀との力関係のもとで、大蔵省が日銀予算の認可権を使い、日銀納付金を国の財政の調節のために恣意的に操作させているという批判がしばしば聞かれてまいりました。日銀OBでもある三宅純一日本総研副理事長は、日銀納付金が極めて恣意的に決められている、財政収支次第で納付金の純益金に占める比率が大きく左右される、これは読売の九七年二月八日付でこう述べておりますし、財政の下僕として使われているというふうに批判をしております。また朝日の九六年十二月四日付は、「「認可」に頭下げる 納付金の増額も断れず」という見出しで、「日銀納付金についても、大蔵省は、国家予算の「隠しポケット」として使ってきた。年末の予算編成過程で歳入が足りなくなると、日銀納付金を増やすよう、大蔵省の主計局や銀行局から「要請」がある。」というふうに報じております。 日銀の総裁にお聞きしますが、大蔵省から日銀納付金の額を操作するよう求める要請があったという事実は過去にございますでしょうか。
○松下参考人 日銀の納付金につきましては、現在も現行の日銀法の中で一定の計算のルールが定められておりまして、これに基づいて算出をするようになっておりますので、これは財政の都合によって任意に増減ができるという性格のものではございません。改正法案におきましては、基本的には現行の仕組みを維持することが適当であるという金制答申を踏まえました上で規定の整備がなされておりますので、今後につきましても、納付金が財政によって左右されるというようなことはないものと考えております。
○佐々木(陸)委員 あのような報道があったのでお聞きしたのですが、大蔵大臣にもお聞きしたいと思います。予算の認可権を盾にとって、日銀納付金の額を会計操作させたり財政の穴埋めに使うというようなことが断じてあってはならないと考えますが、今後の問題も含めて、大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○林(正)政府委員 日銀の納付金につきましては、ただいま総裁からお答えがございましたように、日銀法の三十九条によりまして、当該年度の収入から経費等を控除して得られる純益金から内部留保等を差し引いた残額を全額国庫に納付するということになっておりまして、財政状況によって左右されるというものではございません。
○山口政府委員 若干補足させていただきますと、今回の経費予算の仕組みにつきましては、しばしば御答弁申し上げていますように、その公的性格、それでいて独立性の確保というその調和点から、認可の対象を金融政策に影響しないものに限定する、と同時に大蔵大臣が認可しない場合にはその理由を公表するという、いわゆるセーフガードをつけてこの仕組みを御提案申し上げている次第でございます。
○佐々木(陸)委員 財政の穴埋めの点では、もう一つ日銀による政府短期証券の引き受けという問題があります。財政法では国債の日銀引き受けを禁止しておりますが、短期国債については全額日銀引き受けで発行されており、これは短期の国債であるとはいえ、借りかえの連続で事実上長期国債と同様の実態にある。新法案では現行法にある国債の日銀引き受けなどの規定は削除をされておりますが、政府短期証券の引き受けはできることを明示しております。中央銀行が政府に対して無制限に信用を供与できるとすると放漫財政とインフレを招くことは明らかでありまして、各国の中央銀行でも対政府信用供与は禁止をされております。政府の短期証券引き受けは禁止すべきだという我々の立場をはっきりさせておきたいと思います。 次に、民主性の確保、透明性の向上にかかわってお聞きしたいと思います。 一つは国会報告にかかわる問題です。法案では、業務状況報告書を大蔵大臣を経由して国会に提出するということになっております。なぜ大蔵大臣を経由するのか、その目的は何かお聞きしたいと思います。
○山口政府委員 現行の日本銀行法や他の立法例を踏まえまして、国会に対する報告制度を設ける場合には内閣の構成員である主務大臣を経由することが適当と考え、日本銀行の報告書について大蔵大臣を経由して提出することとしたものでございます。この経由というものの概念は、内容の審査まで含むとは考えてはおりません。
○佐々木(陸)委員 内容の審査まで含まないということを今おっしゃいましたが、大蔵省が事前にどういうものを提出するのかチェックするといったような圧力を加えない、また手を加えることは一切ない、日銀が報告しようとする内容がそのまま国会に提出されるということが、大蔵大臣、言明できますか。
○山口政府委員 いろいろ表現の問題があるかと思いますが、その経由というものは、内容の審査まで一つ一つそれを手直しさせるとかいうことは含んでおらないということを繰り返し申し上げることができると思います。
○佐々木(陸)委員 単に形式上そうするというだけであったら、私はやはり日銀法をしっかりと国会に直接報告するというふうに改めた方がいいと考えます。 最後に、議事録の公開についてですが、議事録の公開について二十条では相当期間後というふうになっておりますが、具体的にどの程度の期間を考えていらっしゃるか、政策委員会の決定事項でもありますので、日銀総裁の見解をお聞きしたいと思います。
○松下参考人 議事録の公開についてでありますけれども、改正法案におきましては、金融調節事項、つまり金融政策を審議する会議の議事録と議事要旨の公開が義務づけられているわけでございます。 金融政策に関する議事要旨、議事録の公開につきましては、私どもとしまして、これは政策決定過程の透明性を高めてまいります上で非常に大事な仕組みであると認識をいたしておりまして、これを通じて金融政策運営に対する国民の理解と信認の向上に資するように努力をしてまいるつもりでございます。 改正法のもとでの議事録公表のタイミングにつきましては、規定上新しい政策委員会が決定をするということになりますので、現段階で私から具体的な運用についてまで申し述べますことは適当でございませんけれども、事務当局としての検討は引き続き深めてまいるようにいたしたいと思っております。 議事要旨の方の公開につきましては、むしろ早期の公表につきましてこれまでも内部的に検討を進めてきたところでございますが、現段階ではまだ具体的結論は出ておりません。ただ、議事要旨公表につきましては海外の例も参考になるかと考えておりますが、米国の例を申し上げますと、経済金融情勢の検討や金融政策判断の議論概要、それから委員の賛否などを取りまとめました議事要旨は、会議開催の一カ月ないし一カ月半後に公表をしているようでございます。私どもこういった例をよく参照しながら、国民の納得を得られるような制度運営を行ってまいりたいと考えております。
○佐々木(陸)委員 議事録の公開もできるだけ速やかにやれることが意味を持つわけであります。ドイツのブンデスバンクなどでは三十年後というふうになっておりますけれども、これでは日銀の歴史を書く上では役に立つかもしれませんけれども、やはり透明性という点では合理的な期間として設定されるべきであって、海外のを参考にすると言われたけれども、こういうものは参考になさらないでいただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
○松下参考人 そういう御指摘の点も踏まえまして、よく検討いたしてまいります。
○佐々木(陸)委員 日銀の独立性は通貨価値と物価の安定という日銀の職責を果たす上でも必要ですが、政府、大蔵省からも独立を強化する一方で、日銀が国会と国民に対して開かれ、政策決定過程が透明であることが日銀の民主的運営という点で大変大事だということを重ねて強調をしておきたいと思います。 あと、私少し日銀法から離れて質問をいたしますので、日銀総裁、もう私の質問に対しては結構でございますので、どうぞ御退席ください。 法案から少し離れますが、金融機関のあり方の問題として、不動産共同投資事件の被害、特に五輪建設の被害の問題について、救済をどうするかという角度から若干質問をさせていただきたいと思います。 不動産共同投資というのは、バブルの時期に大量に販売された金融商品の一つでありまして、ホテルやマンションなどの不動産を一室ごとあるいはもっと小さく分けて販売をして、業者が一括して運用を引き受けて賃料などを配当として購入者に支払う、そういうシステムであります。十年後だとかあるいは一定期間後にそれをまた業者の方が買い戻すという契約をしているものも多数ありました。購入資金を銀行やノンバンクが融資をいたしました。ところが、この業者は九一、二年ころに相次いで倒産して、七千人以上の被害者が出て社会問題化しております。被害者は、借金だけが残されて、金融機関からは融資の返済を迫られ、担保となった自宅などを競売に付される等々大変悲惨な状況にあります。 このうち、五輪建設の被害者は三百数十人、被害金額は四百億円を超えております。この五輪建設の場合には、相続税対策ということが主目的で販売されたために、被害者一人当たりの被害金額が他に比べて大変大きくなっております。 ここに、当時の五輪建設、五輪グループが発行したパンフレットのコピーがあります。地価の上昇が激しかったころですから、こういうことが第一ページにうたわれている。「相続税 いまや〝百万人の不安〟 対策を怠ると大変なことに。」という文章で始めまして、ホテルの一室の購入を勧めているわけであります。 なぜこの商品が相続税対策になるのか、五輪建設のこのパンフレットはそのシステムを述べております。第一に、「手持ち資金は必要ありません。」ということが書いてあります。なぜかというと、自宅とその購入するホテルなりの一室を担保に提携金融機関からお金を全部借りるから。第二に、十年町にわたって「確実な家賃収入が得られます。」ということが強調されております。そして第三に、「大幅な節税が見込めます。」ということをうたっています。そして、十年後には五輪グループがこのホテルの部屋を借入金相当で買い取りますということを言っている。だから借入金も十年後にはきれいさっぱり清算できる、だから家賃収入と節税分がお得になるという宣伝でありました。 特に、節税、相続税対策というこの売り込みの点ですが、確かに資産の相続税評価額よりも借入金の方が多い場合には相続税はかからなくなる、借金は多いほどいい。しかし、十年後に買い戻してもらうときにはやはり税金がかかるのではないでしょうか。大蔵省、いかがでしょう。
○舩橋政府委員 お答え申し上げます。 一般論として、マンションの一室、ホテルの一室等を買われた投資家が十年後にそれを買い戻してもらうというケースでございます。 この場合には、通常、不動産の共有という形になっているかと思いますけれども、あるいはその持ち分についてでございますけれども、それの譲渡ということで譲渡所得の対象になるわけでございます。したがいまして、その譲渡所得の額が原価を超える場合には譲渡益が発生いたしますので、所得税または法人税の課税対象になるわけでございます。ただ、これはもちろん譲渡損が発生する場合もございますので、それはケース・バイ・ケースで見ていくということでございます。
○佐々木(陸)委員 もちろん損が発生するような場合を想定してはいないわけでありまして、最後に、十年後に買い戻すときに税金もかかる可能性があるなんということは、このパンフレットには一言も書いていない。被害者の皆さんが後になっていろいろ検討してみると、相続税対策どころか一この譲渡所得税の方が多くかかるというケースも少なからずある。だから、これだけでもかなりいかがわしい商品だったわけであります。 さらに、ここに、一九九〇年の五輪グループのあるホテルの月間収支表というのがありまして、七十三室のホテルで、稼働率七四・六八%で宿泊収入が一カ月に二千百八十三万円、他方、五輪建設が部屋なんかを買われた方々との契約によって支払わなければならぬ賃料が一月平均四千九百七十一万円。ホテルの収入が二千百八十三万円で、賃料の方が四千九百七十一万円。だから、ホテルが一〇〇%稼働しても、およそ支払えるはずもないようなそういう約束をしていた。本質的な欠陥商品であります。 物件価格をはるかに超える順位の先の担保権が残されている物件もありましたし、販売物件の土地が所有権ではなくて地上権で、その地上権に処分禁止の仮処分がされているものさえあったということが、後の調べでわかっております。そういう物件を、五輪建設は、あり得ないような高い賃料を保証して売った。だから、新たな物件を販売して保証した賃料を支払うという完全な自転車操業をもう初めから余儀なくされておりまして、五輪建設は、そのあげくに九一年十二月に倒産をいたしました。当たり前のことであります。 銀行やノンバンクなど融資した側は、こういう五輪建設の状況を十分知っていた。知っていて、融資をしていたわけであります。五輪建設は、融資を行っている金融機関に、毎月、銀行取引状況や明細一覧、こういった資料をきちんと出しておりまして、これは出さなければ貸さないわけですから、そしてそういうのを受け取っていれば、この金融機関はみんな五輪建設のこの自転車操業の状況もつかめた。だから、この商品の欠陥性や危険性、五輪建設の経営の実態を知らなかったとは絶対に言えないわけであります。知っていてこれらの融資機関は融資をしたにもかかわらず、五輪の倒産後、金を返せと迫って、そして自宅の競売にまでやってくる。本当に融資した側の責任というものは問われないで済むものなのかという点について、一般的にでありますけれども、大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思うのです。 〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○山口政府委員 具体的な案件につきましてちょっと詳細に存じませんので、その案件についてのお答えにはならないと思いますけれども、一般的に、そうした融資があった場合は、やはり民事上の契約関係でございますので、それはそれなりの民法上の規定に従って正当になされることが望ましいということは当然のことでございます。
○佐々木(陸)委員 融資する機関がこういうひどいことを承知の上でやってきたことについて、融資した側の責任は問われないのか。それはもちろん民法に照らしていろいろやることはありますけれども、一般論として大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思うのです。
○山口政府委員 いろいろなケースがあろうかと思いますので、このケースについてどうかということを申し上げるような詳しい材料を持ち合わせておりませんけれども、一般的に、銀行は社会的な責任というのを自覚してやるべきものだというふうに私どもは思っております。ただし、個々のケースがそれに当たるかどうかという問題は別問題でございます。
○三塚国務大臣 ただいまの件は、民事問題でありまして、司法の手にあるわけですから、行政がとやかく言う話でございません。お聞きをいたしました。
○佐々木(陸)委員 そういう姿勢では困ると思うのです。 五輪建設の場合に、サクセス10という商品がありまして、これに百六十人の方が入られていたわけですが、そのうちの九十二人が、五輪ファイナンスという五輪グループの金融機関から融資を受けております。この場合が特にひどい状況でありまして、顧客、つまり被害者の側は、五輪ファイナンスから十年分の利息を含めた融資を受けるわけです。少し大ざっぱに言いますと、一億円で購入するとして、一〇%の利息十年分もあわせて借りて、つまり一億円、合わせて二億円の融資を受けて、前払いで五輪ファイナンスには利息を支払うという形態がとられておりました。 ところが、この五輪ファイナンスというのは、その二億円をどこから持ってくるかといいますと、他の金融機関、ノンバンク等々から借りて、しかもひどいことにその顧客の宅地や建物にその担保を設定する、そういうやり方をやっておりました。ファイナンス側の方は、二億円を借りてきて、その二倍にも当たるような十年分の利息をあらかじめその金融機関に払うということをしておりませんから、利息は三カ月分ごとに金があったら払うというような形になっておりまして、しかも二億円をこの顧客に融資するわけですが、そのうちの一億は十年分の利子として先に返ってくるわけですから、それを五輪建設の自転車操業の方に注ぎ込むというような形になっておりました。だから、顧客の方、買った被害者の方は、十年間は何の心配もないと思っているのに、そして事実この先ほどのパンフレットには、「返済に関しては十年間一切考える必要はありません。」ということまで強調して書いてあるわけです。ところが、五輪ファイナンスが金融機関への利息を払えなくなってしまった途端に自宅が競売にかけられる、そういうとんでもない事態が起こって愕然とするということが実際にたくさん生まれているわけであります。 その五輪ファイナンスに融資した機関の一つに足利銀行というのがございますが、この足利銀行の貸出稟議書というものがあります。五輪ファイナンスにあてた貸し出しの稟議書ですが、何に充てるかという使途までちゃんと書いてあって、この五輪グループが売り出しているホテルの部屋を買うための五億円の融資をこれこれの方にするというその相手の名前まで入っていて、その融資のための稟議書でありまして、その稟議書の末尾には、担当者の「注」として、「極めて変則的な融資対応です。」こんなコメントまでついている。こういう融資もなされていたわけであります。 ですから、大蔵大臣に重ねてお聞きしますけれども、金融機関がこういうことを知っていて、こういうことをやっていた。道義的に言って、本当にひどいのじゃないかということは言えるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山口政府委員 今の案件につきましてるる御説明いただきましたけれども、詳細に、この件につき、またこの今の一つの稟議書の中身につき承知しておりませんので、個別論として申し上げることはお許しいただきたいと思いますが、一般的に、銀行は社会的な存在、公共的な存在という自覚を十分持ってやっていくべき存在ではないかというふうに思っております。
○佐々木(陸)委員 もちろん私も、今こういう例を挙げていても、固有名詞まで出してどういう方のどういう融資ということまで言っているわけじゃありませんから、一般論としてお聞きしているわけですが、それにしても、こういうやり方はひどいとは思わないか、道義的に、この融資をした側に責任が問われてしかるべきじゃないかということを率直に私は思うのですが、大蔵大臣、いかがお考えでしょう。
○山口政府委員 個別事案につきまして、一つ一つに適不適を私ども当局がメンションするのは差し控えたいというふうに思います。
○佐々木(陸)委員 少なくとも、この場合でいいますと、被害者は借金の利息は十年分先払いしてある、ところがこんな理不尽なやり方によって自宅を競売にかけられる。本当にひどい状況になっているわけでありまして、こういったものについては救済措置が必要じゃないかと私は思うのですけれども、大蔵大臣、いかがでしょう。
○山口政府委員 今の先生の御指摘のケースでありますと、これは私法上の契約に関する問題であるというふうにとらえるべきではないかという気がいたします。基本的には、当事者間で解決すべき問題ではないかなという感じを持ちました。
○佐々木(陸)委員 五輪ファイナンスが介在しない形で、直接、金融機関が五輪建設と提携して顧客に融資していた、そういう例もあります。そのうちの旧埼玉銀行、現あさひ銀行の融資に関しては、昨年十一月、大蔵省の口ききもありまして、少なくともこの競売は取り下げられるという事態が生まれております。これは当然のことであります。同じ五輪事件でも、あさひ銀行以外の金融機関が融資している事案がたくさんあるわけでありまして、あさひ銀行についてこういう措置をとることができたのならば、それ以外のものについても、事態を一つ一つよく承知していないというお話がありましたけれども、しかし金融機関がこういう理不尽なことをやっているという問題ですから、実態を大蔵省としても調べるし、自宅の競売などは少なくともなされないようにする必要があると思うのですけれども、大蔵大臣、何かお答えになりませんか。
○三塚国務大臣 民事で、これ以上個々の問題で、直ちに今そこで聞いても、私がどう判断するかは材料不足であります。それで被害を受けた人には御同情申し上げますが、しかし、実態が、佐々木議員が今質問されている範囲においては明確でございません。よって、政府委員が答弁したところがぎりぎりだろうと思います。
○佐々木(陸)委員 大変遺憾でありますが、ただ、この問題に関しては、不動産共同投資の問題について、その後、不動産特定共同事業法というのが九四年に衆参両院で可決をされて、法律として施行されているわけですね。そして、この桂案は建設省と大蔵省が一緒になって提案したもの、当事者になっているものであります。そして本法案の制定に当たりまして、この法案の審議の中ですが、過去に起きましたいろいろな不動産小口化商品の投資家の被害の実態を詳細に把握し、その原因を十分に調査して、さらにまた将来出てくるであろうと想像される事業形態を想定いたしまして対応すべく検討を重ねて反映させていただいたんだ、ここまで述べているのですよ。過去のいろいろなそういう事態を調べた上で、大蔵省も一緒になってこういう法案を提出して、これは国会を通っている。わけですね。 だから、確かに、今私が言ったことについて、一つ一つについて大蔵大臣が知る立場にないということはわかります。しかし、こういう不動産共同投資の過去に起こった重要な問題については、大蔵省ももう少し認識していて当たり前だということを私は強調をしたいと思います。 それで、こういう深刻な被害を本当に救済し、再発を防止するためには、小口不動産業者などの倒産などに際して、保証賃料が支払われなくなった場合に、その業者とその件に関して提携関係にあり、物件の購入資金を融資した金融機関の責任も重大なんですから、その金融機関に対して貸し金の返還請求を禁止するような措置をこの際講じていく必要があるのじゃないか、そういうことを研究すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山口政府委員 融資がついた形での特定共同事業のことを御指摘かと思うのでございますけれども、あくまでそれは銀行と個人の債務者との間の私法上の契約になるわけでございます。したがって、そういった紛争が生じた場合には、当事者間で解決、あるいは裁判所の方での司法判断を仰ぐということであろうと思うわけでございます。一律に、銀行が貸したものを銀行が放棄をするということを行政的にやるということは、若干それはこの趣旨からしておかしいのではないかというふうに思います。
○佐々木(陸)委員 例えば英会話教室とかエステティックサロン等々が倒産した場合に、その会費を事前に一括払いをしていた会員のローンは自動的に無効になるよう通産省が指導をしております。これは九二年十月八日付の通達でそうしております。五輪建設のような場合も、そもそもその商品に詐欺的なものがあったことや、それと結んで融資を行っていた金融機関にも重大な責任があるということに照らせば、こうした例以上にこのような措置をとることが必要でもあるし、可能でもあるし、研究すべきではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○山口政府委員 しばしばお答え申し上げて、繰り返しになって恐縮でございますが、仮に、今先生の御指摘の詐欺の行為があったというふうなことであれば、もちろん民事上は詐欺をやった方に責めを負うべき責任があるわけでございます。だから、一つ一つのケースにおいてそれは判断されるべき、言ってみれば司法的な立場での判断を仰ぐというのが筋ではないかというふうに思うわけでございます。
○佐々木(陸)委員 こうしたバブルの時期の金融被害の問題について質問をいたしますと、大蔵省の答弁はいつも最後には司法ということになるわけですが、しかし司法の場に出ても大変弱い立場の皆さんであるわけでありまして、そういうことでは本当に被害の救済はできないということから私は質問をしているわけであります。 法律に明文の規定がなくても、信義則に基づく当然の措置の問題としてこういう方向が確立し、割販法などにも書き込まれるようになっている経緯があります。そして通産省は、割販法では、個別の商品についてのそういう売買契約が破綻した場合に今のような措置をとるということだけでなくて、それはサービスの提供の場合にもそういう措置をとるのだ、そういう法律の規定をも踏み出した通達を出して指導をしているわけであります。こういうものに照らせば、この種の問題でも一歩踏み出して当たり前だと思うのですね。 消費者あるいは投資家、国民の利益を守る、そしてその保護を図る、金融機関の問題では大蔵省は本来そういう立場に立つべきでありまして、これは重ねて大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、これからビッグバンを控えていく中で、そういった投資家や個々の国民の利益を守るということが必要で求められているわけですが、そういう中で、こういう問題を織り込んで検討していくという方向は考えておられないのですか、考えようとはしないのですか。
○山口政府委員 これからの金融システム改革の中で消費者等をどういうふうな形で保護していくかということは、それは非常に大切な問題だと思うわけでございますが、しかし、その視点といいますのは、例えば貸金業規制法にありますように、脅迫をして取り立てをやるというようなことをやってはいけないというようなことを法的に規制していく、貸金業規制法以外の分野でもそういう考え方をどう持っていくかというような議論は大いにやっていくべきだと思うわけでございますが、今御指摘の個々のケースで、ファイナンスをつけたとき、ファイナンスをつけた方が請求権を放棄するような法律をつくるというようなことはちょっと、立法政策としてあるのであればそれは国会でおつくりになれば可能だと思いますが、行政の方からそういうことを金融システム改革の一環として持ち出すのはいかがなものかなという感じがいたすわけでございます。
○佐々木(陸)委員 最近出されました、大蔵省の中で検討の、ノンバンクに関する懇談会の報告書というものがございます。これも見させていただきましたが、この中で、 我が国における消費者信用保護法とも言うべき貸金業規制法や割賦販売法における規制の内容についてみると、主要先進国の消費者信用保護法と比較してみても、消費者保護のための基本的な規定は盛り込まれているものと考えられる。 私が先ほど指摘したような、小口の業者なんかがつぶれた場合にそのローンも自動的にストップさせるというようなこともこの割賦販売法には盛り込まれているわけですが、文章に戻りますと、 しかし、貸金業規制法や割賦販売法は、特定の業態や信用供与の形態に着目して規制する形式を採っており、消費者信用を行う全ての業態に対し横断的に規制するという形式を採っていない。そのため、借手の側からみれば同じ経済的性質を有する行為なのに、業態や信用供与の形態により、規制の内容にアンバランスが生じたり、規制が抜け落ちている等の問題が指摘されている。 割賦販売法の対象が限定的なので、サービスの提供等について規制が適用されていない、等のアンバランスがある。 こういうものを是正していかなければならぬということがうたわれているわけですが、その具体的な内容について、もう少し説明していただけませんか。
○山口政府委員 今先生の御指摘の消費者信用の保護という問題は、これからも大切なポイントだと思うわけでございます。 先ほど私も御紹介しました、貸金業規制法は威迫をもってする取り立てを禁止するとか、あるいは契約時には書面をきちっと交付しなさいというようなことを厳しく書いている法律でございます。一方、割賦販売法の規定もそれぞれありますけれども、それはまた少しニュアンスの違った規制になっている。あるいは消費者信用という形でありますと、銀行も消費者の信用を供与しておるわけです、消費者ローンという形でやっておるわけでございます。そういったものを横断的にどういう統一的な考え方でやるのかということが一点ございます。 もう一点は、消費者信用というときに、つまり借り手側でございますから、消費者の情報というものを共通にしませんと多重債務問題等が生じるわけでございます。その情報を共通にするという側面から来る問題点として、今度は情報が漏えいしないように、あるいは情報を消費者がみずからコントロールできる、こういう情報は出してください、こういう情報は出しては困りますよというようなことをどういうふうにシステム化していくか、大変難しい問題でございますが、将来の課題としてはそういうことをやっていく必要がある。 それからまた、消費者信用というときには、やはり消費者が自己責任を問えるように消費者教育というものも大切だということが言われております。消費者は弱小で気の毒だという考え方、それはずっとあると思います。しかし、消費者一人一人が自己責任で活動してもらえるような、あるいは自覚してもらえるような社会にしていかなければいけないという面も指摘されております。 そういったものを総合的に、これから消費者問題として私どもは取り上げていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○佐々木(陸)委員 先ほどちょっと紹介いたしました通産省の九二年十月八日の通達というのではこんなふうに述べているのですよ。 近年、ゆとりと豊かさのある生活を希求する国民のニーズの増大等を背景に、エステティックサロン、学習塾、英会話学校等いわゆる継続的役務取引提供事業が伸びてきている。 しかしながら、クレジットを利用したこれらの役務の取引に関しては、倒産等により役務提供が不可能となった場合や中途解約等に伴う消費者トラブルが増加している。 クレジットを利用した役務の取引については、これまで累次の通達により役務に係る加盟店管理の強化を推進するとともに、個別の案件ごとに、消費者トラブルの実態に応じ適切な消費者保護措置を実施するよう指導してきているが、今後とも消費者トラブルの防止に万全を期すよう下記の事項につき、貴協会傘下の会員に対し速やかに周知徹底及び協力依頼方願いたい。 ということで、その1として、 当面、いわゆるエステティックサロン、外国語会話教室、学習塾、家庭教師派遣業等の継続的に役務提供を行う加盟店が倒産等の加盟店側の事由により役務提供を行うことができなくなった場合には、直ちに消費者に対する支払請求を停止すること。 こういう考え方までこれまでの消費者保護の中では進んできているわけです。 ですから、銀行に関しては、この五輪建設の場合でも、大蔵省も全然黙っているわけにいきませんから、競売をやめさせるような形で動きましたけれども、ノンバンクのこういう問題での融資などにかかわっても、こういう措置をやはり積極的に考えていく必要があるのじゃないかということを、私はきょう五輪の問題を具体的に取り上げてお願いをしているわけです。大蔵大臣、どうですか、検討できませんか。
○山口政府委員 今、エステティックサロン、英会話等の倒産のケースでの消費者保護の点についていろいろ御指摘いただきましたが、ノンバンク等あるいは銀行等の貸し出し、それがある意味ではバックファイナンスといいましょうか裏づけになっているような契約があった場合、そのもとのところがつぶれたときに、その先にいる消費者との関係をどうするかという問題は、また若干次元の違った問題かとも思います。それから、それを余り厳しくやりますと、今度は融資をしないというような貸し渋りの現象といいましょうか、そういうことも起きてきますので、一つの難しい問題というふうにとらえざるを得ないなというふうに思っております。
○佐々木(陸)委員 いずれにいたしましても、このバブルの時期の被害の問題、私はいろいろな問題を取り上げてまいりましたけれども、やはり被害者の深刻な状況にかんがみて何らかの救済措置を講じる必要があるし、こういうことが二度と起こらないようにする必要があるという点について、いろいろな方面から研究をし考えていかなければならぬ。我々も考えますし、政府としても積極的な検討をやはりしていっていただきたいということを、大蔵大臣、まだ余りお答えになっておりませんから、最後に一言お願いしたいと思います。
○三塚国務大臣 賢い消費者は、自己責任ということに徹して個の独立を達成するということにあります。国民の各位ととともに、政府としてもそのために努力をしてまいる、こういうことであります。
○佐々木(陸)委員 もちろんこういう経験を通じて国民は賢くなりつつあるわけですけれども、その過程で生じた被害をきちんと救済するような措置を講じるべきであるということを私は重ねて述べまして、質問を終わります。 ―――――――――――――
○額賀委員長 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 新進党の鈴木淑夫でございます。橋本総理、お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございました。 政府提出の日本銀行法案の審議もかなり進んでまいりました。ここで私は、いわばオーソドックスに、この提出法案に沿って、まず金融政策ないしは日本銀行の目的というところから質問に入らせていただきたいと思います。 政府提出の日本銀行法案の第一条に目的が書いてあります。これによりますと、二つ目的が書いてある。一つは「銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うこと」、これが目的だ。もう一つは「資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること」、これが目的だ。つまり、通貨及び金融の調節と信用秩序の維持が目的だというふうに書いてあります。 金融政策、中央銀行のことを多少御存じの方は、ここではてなということになる。一番大事な目的は物価の安定ではなかったのか。法案を見ますと、物価の安定がその次に、第二条に出てきまして、これは「通貨及び金融の調節の理念」だとされているのですね。「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」この政府御提出の法案で、理念というのは何を意味するのですか。目的には書いていないで、理念というのはどういう意味でしょうか。総理、恐れ入りますが、これは根本的な、基本的な問題でございます。なぜ目的でなくて、理念なのでございましょう。
○橋本内閣総理大臣 御指摘のとおりの条文構成になっておりますことは、私もそれを否定するものではありません。 その上で、日本銀行法におきます目的規定第一条、これは我が国のいわゆる組織法の立法例、こうしたものを踏まえながら、日本銀行がどのような事項を担う法人であるかという観点から、通貨及び金融の調節、資金決済の円滑の確保などを規定している、私はそう理解をいたしております。第二条、ここでは日本銀行がその通貨及び金融の調節を行うに当たっての理念、これは物価の安定を図ることを通じ国民経済の健全な発展に資する、そうしたことを規定している内容、そうなっております。したがいまして、私は、日本銀行はこの理念に沿った通貨及び金融の調節を行っていくことになる、そう考えております。 これは釈迦に説法という言い方が適切かどうかわかりませんけれども、議員よく御承知のように、各国の中央銀行、その意味では、そうした規定についてそれぞれの国に応じた違いがございます。御承知のように、アメリカのFRSあるいはフランス中銀、これは信用秩序の維持を目的としておりません。同時に、イギリスの中銀、これは目的規定自体がございません。ドイツ連銀の場合には、通貨価値の確保とともに銀行による決済に配慮ということが掲げられております。それぞれ、その国の中で中銀というものの立場をある意味ではシンボリックにあらわしているのがこの部分ではないか。私はそう考えます。 漢和辞典で理念という言葉にどのような解釈を与えているかわかりませんけれども、私は、まさにこの理念に沿った、それは物価の安定に資する、こうしたものに沿った通貨及び金融の調節を行っていく、それが日本銀行、そのように理解をいたしております。
○鈴木(淑)委員 各国の事例を引かれましたが、今お聞きしていてもわかるように、物価の安定ないしはそれに類する通貨価値の安定等を目的として書いていない中央銀行法というのは非常に珍しい。慣習法からきた英蘭銀行の場合には目的が何も書いていないなんてありますが、普通、目的を書く場合は物価の安定は必ず入ってくる。信用秩序の維持といいますか、ファイナンシャルシステムのスタビリティーみたいな話は入っている国もあれば入っていない国もあるのですが、物価の安定というのは、中央銀行あるいは金融政策の目的と開き直って聞かれたら、必ず入ってくるのですね。 総理の私的諮問機関である中央銀行研究会の多数意見ももちろんそうです。それから日本の金融論の学者の多数意見ももちろんそうです。さらには、国際的に、例えばIMFなんかが途上国の中央銀行設立を指導するときなんかも、物価の安定そして信用秩序維持、この二つを目的にするのですよと。これは内外を問わず、いわば常識なのですね。 この物価の安定というのを目的というふうに書かなかったのは奇怪至極であって、総理、国語辞典に何て書いてあるか知らぬがとおっしゃいましたが、私はそういうことになるのじゃないかと思って、ここにコピーを持ってきました。新村出先生の広辞苑、「理念」というのを見ると、「プラトンのイデアに由来し、」と最初は哲学の話が書いてあるのですが、二番目に「俗に、事業・計画などの根底にある根本的な考え方。」と書いてある。考え方なのですよ。考え方が物価安定だというのは、目的が物価安定だというよりも弱いのじゃないですか。目的と考え方、これはどっちが強いですか。これは日本語の常識からいったら、理念というのは考え方なのですよ。目的の方が行動を拘束する上で強いのじゃないですか。どうして目的のところに堂々と物価安定と書かなかったのでしょう。重ねてお伺いいたします。
○橋本内閣総理大臣 私は学者と議論をするつもりは、これは先生だけではない、新村先生の理念という言葉に対する定義についてもであります。 ただ、その理念という言葉がいわば物事の基本をなす、根底をなすものであるとするならば、私は、独立した法人としてどのような事業を担うかというところで、通貨及び金融の調節及び資金決済の円滑の確保等を規定している。その基盤にあるものは何だ。それはまさに物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する、それがすべての根底である。どちらが重いか軽いかといいますなら、私は、その全体を通じて基盤となるもの、その方が重いということをむしろ申し上げたいと思います。
○鈴木(淑)委員 そんなに重要なものなら目的に掲げるべきですね。だって目的が通貨及び金融の調節だ、これはおかしいと思いませんか。通貨及び金融の調節というのは手段ですよ、手段。これ自体が目的だなんて言われたら、これはおかしな話になりますね。これは何か目的があってやる機能とか手段の話だと思います。 松下総裁にお伺いいたしますが、日本銀行として一番大事な目的である物価の安定というのが、目的のところに入っていない。欠陥商品とは言わないが、常識で判断すると、あれ、これ何と、だれでも言いたくなる、こういう法案。これが法律になったら、総裁は講演その他あるいは国際会議で説明するときに、日本銀行の目的は何だと言って説明されますか。
○松下参考人 この法律案の文言そのものの解釈について必ずしもお答えを申し上げる立場ではございませんけれども、やはり私の思いますには、日本銀行の目的として、銀行券の発行、通貨・金融の調節、また資金決済の円滑の確保というようなことが挙げられておりますけれども、これは日本銀行というのはどういう事柄を実行するために設けられる機関であるかということを述べられたものであると思います。 最大の目的は、発券銀行として健全な通貨を発行をいたし、そしてその通貨の価値を保全するということが最大の仕事でございます。実行することは、銀行券の発行、通貨の調節、金融の調節その他でありますけれども、しかし、それらを行うことによっていかなる効果を期待しながら行っているのか、それらの課題を実行する究極のねらいは何かということをこの理念という言葉であらわされて、物価安定を通じて国民経済の健全な発展に資することが究極のねらいであるというふうな構成をつくられたものであると理解し、また、そのような意味で私どもに与えられた課題を果たしてまいりたいと思っております。
○鈴木(淑)委員 今の松下総裁の見解は極めて常識的といいますか、世界に通用する解釈だというふうに思います。 つまり、一条の「目的」に書いてあることは中央銀行の行動なんですよ。だから機能なんですね。機能とか手段とか行動とかいう話です。今松下総裁御自身でおっしゃったように、それによって一番大事な目標である物価安定、それを通じる健全な経済の発展を実現する。これはもう総裁のおっしゃるとおり。 ただ、総裁のお立場でこの法案は妙だというようなことは言えないわけですから、おっしゃらなかったのはごもっともですが、率直に言って私は、目的というところに行動ないし機能ないし手段が書いてあるなんというのは、これは非常に珍妙だと思いますよ。そして、本来の目的を書いてあるところが理念という考え方になっちゃっている。これは出だしから大変妙な書き方をした法案だと思います。 まあしかし、私はなぜこんなことをいきなり言っているかといいますと、中央銀行・日本銀行あるいは金融政策の一番大事な目的、最優先の目的は物価の安定だということを、ここで、大蔵委員会のこの質疑応答の中で確認して、記録に残しておきたいと思うのですよ。なぜかというと、これを見た人で慌てん坊が万一いますと、目的は物価の安定じゃないよということになりかねないです、これは。目的というところに書いていないのですから。ですから、それを確認するために言っているわけであります。 これとの関連でもう一つ申しますと、物価の安定と信用秩序の維持、二つが目的だということはもう一般的な考え方ですが、これはどっちが大事なのか。実際はほとんどの場合両方が補完関係にありますから余り問題はないのですが、しかし、どっちが大事なのといえば、これはやはり物価の安定だと思うのですね。骨用秩序の維持も非常に大事ですが、画本銀行ひとりじゃできないこともあります。 日本銀行の貸し出しというのは、言うまでもなく銀行券の裏づけになる健全な資産でなければなりませんから、ソルベンシーを失ったような、債務超過のような銀行にいつまでも貸すわけにはいかない。流動性が一時的に喪失されたときは日本銀行がレンダー・オブ・ラストリゾートとしての日銀貸し出しでつないで信用秩序を維持するわけですが、ソルベンシーを失っているようなところにはずっと貸しておけない。しかし緊急事態だったら、日本銀行はすぐぱっと飛び込んでいって貸さないと信用秩序は乱れますから、ソルベンシーを失った銀行に対してはぱっと飛び込んでいってやります。でも、最終的には公的資金の導入その他の資金の導入で日銀貸し出しは回収しなきゃ、日本銀行券の健全性が維持できないわけですね。 そういう意味で、信用秩序の維持というのは大事な目的ですが、自分ひとりじゃできない。やはり政府と日本銀行が一緒になってやらないとできないことだと思います。 しかし、物価の安定というのは、それは時々石油ショックかなんかで供給面からコストインフレなんということが起こりますが、持続的に物価が上がっていくときは常にマネーサプライが追随していかなければそういうことは起こり得ないという意味で、長期的な持続的な物価上昇は、もう一〇〇%中央銀行・日本銀行の責任になると私は考えております。そういう意味で、物価の安定というのは本当に大事な中央銀行・日本銀行の目的であるということをここで確認させていただきたいと思います。 総理、その点はよろしゅうございますよね。一番大事な目的は物価の安定だという点です。いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私、今議員のお話を伺っておりまして、日銀総裁の御答弁と自分自身の答弁を突き合わせて考えていたのですが、どこが違っているんだか、そして日銀総裁のは常識的で、おまえのは非常識だと言われる理由がどうしてもよくわからないのです。 そして、まさに日本の国内で例を引きますのは多少問題があるかもしれませんけれども、第二次世界大戦が終わりました後、ブンデスバンクは従来に比べて非常に強い機能を有するに至りました。これはまさにハイパーインフレと言われましたその状況の中で、中銀というものが物価の番人としての役割を果たすために、その機能というものは非常にしっかりしたものでなければならないというドイツ国民の反省から起きたものだと私は思っております。そして、そういう視点から、まさに市銀の大きな役目が物価の安定であり、言葉をかえるなら物価の監視というものにあることは間違いがありません。そして、その物価の安定というものを確保していきますためにも、今目的として挙げましたような、さまざまな手法が組み合わせられ使われていくことも事実であります。 ですから、私は、どちらかが軽い、どちらかが重いという議論は、率直に申し上げるなら余り意味がないように思いますが、物価の安定が中央銀行としての大きな役割であることを否定するつもりはございません。
○鈴木(淑)委員 物価の安定が大きな役割であることは否定しない、だけれども信用秩序との関係で上下関係はつけないというふうにおっしゃいましたが、この法案は、どういうわけか物価の安定と信用秩序の維持の扱いを変えているのですね。変えて書いてある。だって信用秩序の維持は第一条の「目的」というところへ書いてある。物価の安定は第二条の「理念」というところに書いてあるのですね。だから、さっきから私はこれは何じゃと言っているわけです。そういう意味で、私は、この法案はコメンタールを、注釈をしっかりつけておかないと、一条、二条の書き方は、はっきり言ってちょっと欠陥商品だなとさえ思います。 さて、今申し上げたのは目的ですが、次に、この法案で金融政策の独立性について非常に大事なことが第四条に出てくるわけですね。第四条というのは「政府との関係」なんですが、通貨及び金融の調節というものは、政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるように十分な意思疎通を図らなければならないと書いてあります。 総理、「整合的」なというのはどういう意味ですか。例えば金融政策と財政政策は同じ方向を向いてなきゃいけないよという意味ですか。それとも、政府の政策を与えられた与件として、金融政策はいわばそのしりぬぐい、それに合わせてやりなさいという意味ですか。これは、整合的というのはどういう意味でしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私、きょう本当に漢和辞典持ってきておらないのが大変申しわけないと存じます。 ただ、私は、ここに申します政策の整合性というものは、時々のその政府の経済政策、その基本方針に対しまして各種の政策手段を適切に組み合わせていく、そういうものを意味するものではないかと思っております。 そして、公定歩合の操作など金融政策というものが、今議員御自身がおかしいとおっしゃるぐらい固執されました、「理念」の中に書かれております物価安定というものを図ることを通じて、まさに国民経済の健全な発展に資することを目的とするものですし、政府の経済政策との間に最終的に追求する政策目標は異なるものではないと私は思います。そして、まさに国民経済の健全な発展のために両者の整合性が確保されるということは、当然あるべきことだと思うんです。それが表に出ますとき、いろいろな組み合わせがあろうと思います、当然のことながら。 しかし、どうもちょっと、今議員がこだわられますような、財政政策をその与件として金融政策がそれに追随するといいましょうか、財政政策を与件として金融政策をその状況に合わせるというものでないことは、私は議員はよく御承知の上で繰り返しお尋ねになっておるように思います。 そして私は、先ほど一つお礼を申し上げるのを忘れましたけれども、信用秩序の維持に公的資金を入れるという言葉を議員がお使いになりましたことも、我々としては非常に重い意味を持つ言葉として、昨年の国会等振り返りますと、改めてお礼を申し上げたい思いがいたしますけれども、私は、どうも何か金融政策と財政政策というものを、無理やりにどちらかを主、どちらかを従といったような感じでとらえられることは実態上どうなんだろう。むしろ、国民経済の健全な発展を志していくとするならば、当然ながら物価の安定を確保しなければならないわけでありますし、それは金融政策の中で行われることでありますが、基本的には目指す目標は同じものである、なぜそこに壁をつくらなければならないか、私はちょっとそこの点、逆に議員の御質問の意味を理解しかねております。
○鈴木(淑)委員 総理おっしゃいますように、国民経済の健全な発展を図るためには物価安定が必要なことは当然だ、政府の経済政策も同じ考えでやっているんだ、そういう意味で調和がとれているんだとおっしゃるなら、なぜ第四条でわざわざこんな条文を入れたんですか。整合的にしなきゃいけないなんて、当然のことなら条文に書く必要はない。 これは松下総裁に伺いますが、整合的というのはどういうことを日本銀行は要求されているんだとお思いですか、政府の経済政策と整合的ということは。お尋ねいたします。
○松下参考人 まず初めに申し上げますが、日本銀行の、ここで言います第二条「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」、これをもう少し中央銀行的な言い方で申しますと、インフレなき持続的な経済成長を図っていくということであろうかと思います。その点におきましては、政府の経済政策が目的としておりますところもまさにそういったものを通じて国民生活の向上を図るということでございますから、その点では、先ほど総理がお述べになりましたような同じところを目指している二つの政策と言うことができると思います。 そこで、この金融政策と政府の経済政策とは、それではどういう状態が整合的と言える状態であるかという点でありますけれども、いろいろの経済の実態の局面に応じまして、そのような同じ目的に向かっておりましても、金融政策と経済政策はいろいろの方向での組み合わせが考えられると思います。 それは、画一的な、片方がこうであればもう片方はこうでなければならないというようなものではなくて、現実に即した組み合わせの種類というのはいろいろあると思いますけれども、ここで大事なことは、中央銀行と政府が常にお互いに連絡を密にいたしまして、金融経済情勢の判断について同じ認識を持ちながら、それぞれ最も適切な対応を図っていくように努力をしていくということがいわゆる整合的であるということの意味ではないかと思います。
○鈴木(淑)委員 私は、十分な意思疎通を図るというのは大事なことだと思うんですね。それを削除しろなどとは言っていないんです。「政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、」というところにひっかかって聞いておるわけであります。もし抽象的に日本経済の健全な発展を図るという意味で整合的なんで、同じ方向を向いているんだよというようなことなら、さっきも言ったように、こんな文言を入れる必要はないんですね。 現実に私、さっきなぜああいう質問をしたかといいますと、整合的というのは政府の経済政策と同じ方向を向くことだというと、それで大失敗したのは昭和四十七、八年ですよ。昭和四十七年に補正予算が出てきた。あれは列島改造計画で大型補正が出た。四十八年は福祉元年というたがの外れた物すごい拡大予算が出てきた。あのとき整合的というのはどういうことだったかというと、本当は日本銀行はびっくりして早く引き締めをしなきゃいけなかった、だけれども、あの引き締めのタイミングがひどくずれたために大インフレーションになっちゃったんですね。 逆に、そうか、それじゃ日本銀行は政府の経済政策を与件として、それのしりぬぐいというか、それと合わせるようにやっていればいいのかというと、これはまさに八〇年代後半のバブル発生の時期であります。あのとき政府は財政再建が非常に大事だということで、財政は緊縮、緊縮でいった。ところが、G7では、日本は内需を拡大して、そして黒字がこれ以上拡大しないようにして、円高がこれ以上進んでドルをアンダーマイン、ドルの価値を根っこから崩さないようにしましょう、こういう約束をしたものだから、しようがない、金融政策は、ねじり鉢巻きで、もう緩めるだけ緩めちゃったわけですね。そうしたら、バブルが発生しちゃったわけですよ。 ですから、私が言いたいのは、そんな抽象論の世界じゃない、現実の歴史を踏まえて言っている。同じ方向を向くのもいけないんです。いけないことが起こり得るんです。それから政府の政策を与件としてそれに合わせている々、やはりしわ寄せを食らってとんでもないことが起きたという歴史的事案があるんですよ。私、抽象論でこんなことを言っているんじゃないんです。そういう事実があるからこそ、この「整合的」という文言は問題だと言っている。私どもが出しております日銀法の修正案では、これは落としていますよ。こんなことを入れてはいけない。 そうではなくて、今の経済学の最も標準的な考え方で言えば、金融政策というのは物価安定を見詰めでやりなさい、例えば租税政策なら所得分配、財政支出なら資源配分、それぞれの目的を見てやっていった結果として全体がうまく整合して、複数の手段を使って複数の目的の最適組み合わせを達成できるよというのが、ポリシーアサインメントの経済学の理論なんですよ。 それを踏まえて言うと、整合的でなければいけないという文言は余計であります。こんなものは落として、大いに情報交換して意思の疎通を図りなさいだけで十分ですよ。これは非常に危険な文言だと思いますよ、日本銀行法の中の。私ども新進党が出しているものからはこれを落としております。決して私は抽象論で、あるいは文字を。つっついて変なことを言っているんじゃないんです。整合的というのは危険です。そうじゃなくて、独立して金融政策を運営していいのであります。 総理、ここまで私、申し上げておりますが、そういう意味で、金融政策の独立性というのを保障をすべきだとお思いになりませんか。
○橋本内閣総理大臣 過去の実例を引かれて、議員は今二つのケースから警鐘を鳴らされました。しかし、その四十七年から八年の異常な物価高騰の時期における第一次オイルショックの発生を、議員の議論の中からは落としておられます。そして、その以前にありましたもの、私が記憶をいたしております限りでも、アメリカ大陸における農産物価格の高騰が我が国における一部農産物の価格の引き上げに影響をし、もっと正確に申しますならば、フンボルト海流の異常から家畜飼料としての小魚が南アメリカの各国において例年をはるかに下回る漁獲量となり、その結果としてアメリカ大陸内における畜産飼料用の濃厚飼料の供給に問題を起こし、それがそれにかわる濃厚飼料の需要として我が国に輸出されるはずでありたであろう大豆等の価格の引き上げを来し、それが我が国の国内に転じて大豆に関連する食品の価格に異常な高騰の引き金を引いた。そうした事実があったこともお述べをいただきませんと、特定の政策と金融政策のみにこの原因を当てはめることには私は問題があろうかと存じます。 また、確かに私はバブル発生の時代における我々の責任を否定するものではございません。しかし、それではプラザ合意というものが当時生まれないままに為替市場が変動していた場合の経済情勢というものを想定いたしますと、私は何らかのやはりああした一つの合意というものは必要になったであろうと思います。 問題は、その後の政策選択の中でベストミックスを選び得たかどうかとなれば、今日我々は反省がございます。これは率直に認めます。そして、ある意味では、そのバブルの状況というものにもっと予見性を持って我々が対処していればという後悔が全くないのかと言われるなら、我々はそうした反省がございます。恐らく金融当局としての日銀にもそうした思いはおありでありましょう。 しかし、国会の御議論をも含めましてバブルをむしろはやす声が随分続き、そしてその中でシンボリックに一つ申し上げますならば、異常な地価高騰というものに対し、地価税をつくることによってそれにブレーキをかけようとする行動についても国会の中で反発の御意見すら随分ございました。私は、過去の責任を他に転ずるつもりはありません。しかし、過去の例を引用して御論議をいただきますならば、客観的なその時代全体をとらえていただき、現象面のみをもって論拠とされるには、私は多少問題があろうかと存じます。 そうした意味で、私は、整合性という言葉を、全く同じように動かすというとらえ方ではない、最終目標が物価の安定を通じて国民経済の健全な発展を求めるというところに向かいます限りにおいて、そのときそのときのベストミックスは、私は当然ながら変化があろうと存じます。どちらがウエートを持つか、どちらが先行するか。こうしたことを私は整合という言葉が否定しているものだとは考えておりません。
○鈴木(淑)委員 最終目的が物価の安定を通ずる経済の健全な発展であるならば、それはもう第二条に書いてある。そんなことのために、整合的にやらなきゃいけないなんということを四条に書く必要はありません。 それから、過去の事例を引くならいろいろな状況をとおっしゃって、総理は御記憶もよろしい、いろいろなことをおっしゃいまして、ほとんどそのような状況だったと思いますが、ただ四十七、八年のときの、第一次石油ショックの発生は四十八年の秋以降で、それによる物価上昇は四十九年一-三から激しくなっていますね。四十八年の一-三月期にはもう卸売物価の前年比は二けた上昇になっちゃっている。それは四十七年の物すごい大型の補正予算、それと過剰流動性と言われる金融緩和でそれが四十八年にさらに加速していって、公定歩合の引き上げが四月一日までおくれてしまうわけですね。それが原因であるというふうに思います。 それで、これは同じ方向を向いているとえらいことになるのですよという例として申し上げた。もちろんその前に国際原料品市況の上昇があった。世界のインフレが蔓延している。そのインフレが、いわば輸入インフレで日本に押しかけてくるというふうな状況があったこともおっしゃるとおりです。そういう中で、もう円を切り上げなきゃどうにもならぬほど黒字がどんどんたまって、まず最初の固定相場制のもとでの円切り上げをやるわけですね。それでも黒字がたまるものだから、内需拡大、内需拡大で同じ方向を向いて走ったら、大インフレになっちゃったというのがあの時期だと思います。バブルの時期については、ついこの間だから、これ以上申すつもりはありません。 以上、私、ここでしっかりと記録にとどめてほしいと思って議論したこと、二つですね。金融政策の目的、日本銀行の目的は物価安定だ。理念が物価安定なんてあいまいな表現じゃなくて、物価安定が目的だということの確認をしたかった。この法律の「目的」というところに書いてあるのは、これはみんな手段あるいは機能の話だ、これを確認したのです。二番目は、金融政策の独立性を確保していくという本当の意味は、政府の経済政策と整合的にやっていたら、金融政策の独立性なんか守れない。これは、整合的にというのは余分な文言である。第四条は、十分な意志疎通を図るで結構だ、それだけで十分だ。この一つをはっきり記録に残したいと思って、今一生懸命議論していたわけであります。 さて、この二つを踏まえて、けさから各委員、ここの質問台に来てほとんどの方が触れたことがございます。ただ、総理いらっしゃらなかったのでもう一回触れますが、総理は、同時に自民党の総裁でいらっしゃる。自民党の行政改革推進本部が、資本流出の抑制あるいは政府系金融機関の経営の窮状を救済する、こういった理由をつけて公定歩合を引き上げるよう政府に提言する方針を決めたという報道が、きのうの新聞、朝刊に大きく出、夕刊にもちょろちょろ出ております。 ここに私、問題は二つあると思うのですね。私は、政党の中で個人が自分の意見をばらばら言っている分には構わないし、あるグループがある意見を決めてもいいのですが、自民党さんは与党ですよね。その自民党さんの、与党の正式の機関の行政改革推進本部が公定歩合の引き上げを政府に提言する、この行動について、総理は自民党総裁とし、また内閣総理大臣としてどうお考えでございましょうか。
○橋本内閣総理大臣 確かに本日の新聞も含めまして、そういう報道は私も拝見をいたしました。その上で、本日、本委員会に出席をいたしますまでに、そのような申し入れを私は受けておりません。まず、その点を明らかに申し上げておきたいと思います。 同時に、金融政策というもの、これは景気の動向あるいは金融市場の状況など内外の経済情勢を注視しながら適切な運営に努めるべきものでありますし、日銀としても、私は同じような考え方に基づいて金融政策の運営がされていると信じております。 そして、こうした問題に、あるいは国会をも含めまして、日銀の専管事項であります部分について発言をするものはいかがなものか。昨日、番記者の諸君から同様の質問を受けましたときにも、日銀の専管事項であるから私はお答えをすることはできないということを申してまいりました。
○鈴木(淑)委員 私は、大変遺憾であるという総理のお考え、それから先ほどの三塚蔵相も同様の趣旨のことをおっしゃいました。 それは極めて良識のある判定だと思いますが、私が問題にしたいのは、公定歩合の引き上げを政府に提言をする、それも行政改革推進本部という立派な組織、そしてその最高責任者は自民党さんの有力な方でいらっしゃると思いますが、そういう方が公定歩合引き上げを政府に言っていくというのは、一体何を考えておられるのか。今、自民党さんが党議決定し、政府の提出法案として出ているこの日本銀行法案の考え方からいったら、これは、公定歩合の引き上げを政府に言うというのは何ですか。 今の現行法であれば、公定歩合の引き上げを政府に頼むということは、内閣は、大蔵大臣が政策の指示権を持っていますからね、あの法律では。もっとも片っ方では政策委員会が金利政策を決めると書いてあって、現行の法律はどっちが優先するのかわけのわからない変な法律ですが、しかし指示権は大蔵大臣が持っていますよ。それから内閣は、日銀の総裁、副総裁の罷免権を持っていますよ。だから指示権や罷免権をちらつかせない限り、公定歩合引き上げを政府が日本銀行に要求することはできない。そういうものは日本銀行の独立性、金融政策の独立性を害するもので、これはいかぬといって指示権も罷免権も落とした法案をお出しになっている自民党さんが、同時に、指示権や罷免権を前提にしなければできないようなことを政府に言ってくるというのは、これは何事でありますか。私はそこを問題にしたいのです。 良識を持って、あれは遺憾だとおっしゃるのは私は評価するが、どうしてああいう提出している日本銀行法案と全く違うような、そして現行法案の中には入っているが、政府がこれはいかぬといって否定しているようなものを根拠にしなければできないことを政府に言ってくるのだと思いますか。それは総理として、あるいは総裁としてでもよろしゅうございます、そういうことを自分が総裁をやっている党の有力者が言ってくる、その中身についてどう思われますでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 まず第一に、私は総裁としてここに立っておるわけではありません。内閣の長としてお呼びを受け、その責任でお答えをいたしております。 仮に、自由民主党総裁という立場を加えたといたしましても、先ほど申し上げましたように、本委員会に出席のために官邸を離れます直前まで、そのような申し入れはございません。そして私は、自由民主党が政府に公定歩合を動かす機能を行使することを求めるとは考えておりません。
○鈴木(淑)委員 今はこういう行動をとることについて申し上げたのですが、もう一つ、ちょっとあきれ返ってしまうのは、私は自民党さんの行政改革推進本部というのは立派な議員さんがたくさんいると承知していますが、そこで決まったことだといって報道されているのですが、その公定歩合引き上げを要求する理由が、資本の流出を抑えること、それからもう一つは、いつまでも低金利政策をやっていると政府関係金融機関に対して繰り上げ返済の要求が強まって政府関係金融機関が困るから、その経営に対する圧迫を和らげるためなどと書いてあったのですね。 この二つの理由で公定歩合を上げろというようなことが総理の与党で行われているということは、今議論した、そしてここへ出ている日本銀行法案に書かれた目的からいって、まことにその目的を逸脱したとんでもない理由だと思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 繰り返し、そのような申し入れが来ておりませんというお答えを申し上げておりますのに、議員は、報道をすべて真実とした上で御質問をいただいております。 しかし、それにあえてお答えをいたしますなら、外為法が成立し、このままだと資本がどんどん流出するのではないかという趣旨の質問を、昨日私は番記者から受けました。資本の動きというのは一つだけの要因で決定するものではない、現在でも動くものは動いている、そうしたことにコメントすることは適当ではないというのが私の答えでございました。
○鈴木(淑)委員 新聞の報道しか私はわかりませんので、それに基づいて申し上げているわけでありますけれども、総理はそれはまだ聞いていないと言っておられますから、これ以上総理にお伺いすることはやめたいと思いますが、この考え方がまるで間違っているということだけ申し添えておきたい。 大体、金利政策を資本流出を抑えるのに使うということは、金融政策を物価安定ではなくて為替相場とかあるいはそういう資本の流出入の方へ使うということですから、これは、もう今度お出しになった日本銀行法案では全く考えていない、そういうことをしてはいけないということだと思います。 それから榊原さんの顔が後ろで見えていますが、国金局長がしばしば言っておりますように、金利差だけで無限に資本流出なんか絶対起きないですよ。外為法を改正したって起きないし、外為法を改正する前の今の状態だって、それはある程度資本流出入はあるけれども、金利差だけで無限に起きるわけではないのですね。 要するに、カバーがついた裁定取引をすれば、直先スプレッドが金利差に等しくなったところで資本流出はとまってしまうわけですよ。それからカバーをとらない投機的な資本流出のときも、為替相場の予想変化率が金利差に等しくなったところでとまってしまうわけですよ。とまってしまうのです、金利差があったって。金利差ができたその瞬間はぱっと動きますよ。だけれども、それでとまってしまう。だから、そういう意味で、これは、自民党さんの大勢の方が集まってどうしてこういう間違ったことを言っているのだろうと私は思います。 それから、民間金融機関の経営救済のために金融政策を使うと言ったら、それだけでも批判されるのに、政府系金融機関の経営救済のために金利政策を使う、こういう私から言わせれば暴言のようなものが当然のように出てきたということにも驚いております。 以上、参考までに申し上げておきます。 さて、以上を踏まえまして、私どもが提出しております日本銀行法案の考えに沿って、今の政府案の問題点を、先ほども指摘いたしましたが、さらに指摘していきたいと思います。 一つは、これは民主党など他党からも出ておりますが、政策委員会に対する大蔵大臣及び経済企画庁長官の出席の話であります。 どうしても差し支えあるときは、私は、政務次官がいらっしゃればいい。それをあらかじめ職員を自分の代理に任命しておくという条項が入っておりますが、私はあれは削除をすべきだと思います。職員を任命したら、その職員はそれが仕事だと思うからべったりへばりついてしまって、今の政策委員会における政府委員と全く同じようになってしまうのは目に見えていると思うのですね。 三塚蔵相、これは新しい法律のもとで、蔵相御自身、あるいはどうしても出られないときは政務次官。中村政務次官のような立派な副大臣がいらっしゃる。政務次官まででよろしいのであって、職員を任命してしまうというのは、これはいけないと思うのですが、三塚蔵相はこの点どうお思いでしょうか。
○三塚国務大臣 それは、重要なときは主管大臣として出ます。それで、政務次官が必要であれば出ます。それを原則として、あとは主管大臣の良識にお任せをいただきたい、こう思います。
○鈴木(淑)委員 これは重要なときしか行かない話ではないのですかね。重要ではないときは、スパイみたいにと言ってはなんだけれども、政府の委員を張りつけておくということを今ちょっと三塚蔵相はおっしゃったような感じですね。今お出しになったこの法案からいえば、重要なときだけ、しかも原則として大臣みずからいらっしゃるという構成になっているのですよ。だから、今のお答えは、重要じゃないときには政府委員まがいの職員を出すというのは、これはちょっと問題だと思います。
○三塚国務大臣 鈴木議員がわかっていると思って私は申し上げておるわけです。言葉じりをつかまえて、重要でない、重要であると言われては困るのです。すべて重要なんです。G7その他でそれに出ることもかなわないときがあるでしょう、物理的なことでかなわないときがあるでしょう、こう申し上げておることでございまして、それ以上でもなければそれ以下でもありません。
○鈴木(淑)委員 おっしゃるとおり、G7その他で蔵相みずから出られない、しかし重要な案件が審議されていることは大いにあり得ることです。だからこそ、私は、政務次官がお出になればいいじゃありませんかというふうに言っているのですね。私どもが提出している法案では、そのように書いてあります。政務次官がお出になればよろしいということであります。 それから次に、これも各野党同じように言っているわけでございますが、日本銀行から国会への年二回の報告は、なぜ大蔵大臣経由でなければいけないのかということであります。それに対する答弁として、政府委員の答弁は要らないのです。というのは、もう政府委員が出てくると、日本銀行の報告の中身には関与しません、いじりません、右から左に回しますと言うのですが、総理、それなら、これは直接国会に提出するようにしたらなぜいけないのでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 例えば日本放送協会という団体がございます。この報告は国会に提出を義務づけられておったと承知をいたします。そして、それは郵政省を経由して提出をされております。郵政省がこの報告を改ざんするとお考えの方はだれもなく、今議員が御指摘になりましたような御論議は今までございませんでした。また、公正取引委員会におきましても同様のことが言えます。私は、所管省を経由する、それが問題であるとは思いません。
○鈴木(淑)委員 実は、この手の、大蔵大臣を経由する必要はないじゃないかとか、大蔵大臣の認可は必要ないじゃないか、総理大臣でいいじゃないかとか、あるいは大蔵大臣への届け出も、これは内閣総理大臣への届け出でいいじゃないかといったたぐいのことは、山のように、民主党さんからも出ているわけですね。恐らくそれに対するお答えは、そんなこと言ったって日本銀行は認可法人じゃないか、認可法人なら監督官庁が必要だ、監督官庁は大蔵省だ、だから大蔵省の認可とか、大蔵省への届け出とか、大蔵省経由でとかそういう文言が必要だ、そういうことでしょうか、三塚大蔵大臣。
○三塚国務大臣 文言が必要かといえば、文言は原案に書いておるわけです。今までの経過と、二十一世紀を展望してよりベターなものは何かということで、練りに練ってベストな法案として御提出をさせていただきました。
○鈴木(淑)委員 私は、今あるような一連のことをきちっとクリアしようとすると、私どもが提出しているように、日本銀行全体を認可法人のままにしておかないで、政策委員会を国家行政組織法上の、第三条二項のいわゆる三条機関、三条委員会、独立委員会にしてしまう。そうしますと、これは大蔵省と対等の立場で内閣の中に存在することになりますので、大蔵への届け出だの、認可だの、認可の申請だのという必要は全くなくなってきます。政策委員会からの報告は直接国会に提出できるし、その他一連のことが全部クリアできて、日本銀行の独立性は一段と強まるというふうに思うのですね。 私どもが言っているのは、日本銀行全体を三条機関にしろなんて言っているのではなくて、政策委員会だけ三条機関にして、大蔵省と対等の地位に置く。その三条機関の下の認可法人として、日本銀行の執行部隊をつけておく。日本銀行は、この三条機関である政策委員会、私どもは金融委員会という名前をつけておりますが、そこで決定された金融政策の基本方針に沿って通貨、金融の調節をする。あるいは、その金融委員会で決定した方針に沿って、そこから委託されて検査をする、検査と考査を一本にしたものをする。その結果を金融委員会に報告する。こういう構成をとれば、今野党からいろいろ出ている、こういう点が大蔵省への認可とか届け出では金融政策あるいは日本銀行の独立性が侵されるんじゃないかと心配している一連の問題は、一遍にクリアできてしまうわけですね。 だから、私どもはそういう法案を出しているわけでございますが、総理、日本銀行の政策委員会を三条機関にする、そして、それにぶら下がる認可法人として日本銀行の執行部門を位置づける、こういう考え方について、総理に一度行革特別委員会でお伺いしましたが、あれから大分日がたっております。あのときは、何か突然そういうアイデアを聞いたというような御様子でございました ので、余り深くお伺いしませんでしたが、改めて、こういう考え方について総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 その後、各委員会で議員がこの問題に触れられました幾つかのやりとりの議事録、またそれに対する政府側の答弁を今眺めておりましたが、大変いろいろな機会に同様の御議論をいただいておるように思います。ただ、私は長々とそれを拾い上げて政府側が今まで反論してきたことを御紹介するつもりはありませんけれども、少なくとも、政策委員会を日銀の外部機関といたしました場合、その政策委員会と業務執行部門となります日銀の間の連携が支障なく行われるか。これは、行われるというお考えを議員は言われると思います。また、政策委員会の事務局と日本銀行という二つの事務局が併存することになるわけでありますが、これは効率性を欠くのではないかといった問題点も出てくるだろうと思います。こうした視点もあってだと思いますが、中央研究会報告及び金融制度調査会の答申でも、政策委員会は日本銀行内部の機関とすることが適当とされている。私は、その方向が、先ほど来議員が使われた言葉をそのままに使わせていただきますならば、常識的な対応であると思います。
○鈴木(淑)委員 お言葉を返しますが、それでは、総理は、アメリカの体制は非常識だと思っているのですか。アメリカ、総理、御存じだと思いますが、ワシントンにあるフェデラル・リザーブ・ボード、正確には、ボード・オブ・ガバナーズ・オブ・ザ・フェデラル・リザーブ・システムでありますが、あれは公的機関ですよ。あそこで働いている人は公務員、給料も公務員と同じです。ニューヨーク連銀以下のローカルFEDは、一〇〇%民間出資の株式会社組織をとっております。そして、この給料は一般の民間銀行と同じような水準に決まっているわけであります。そして、公定歩合操作あるいはフェデラルファンド・レートの誘導レンジの変更等の議論は、いわゆる公開市場委員会、オープン・マーケット・コミッティーで議論するのですが、そこにはワシントンのガバナーたちと、それからニューヨーク連銀を初めとする何名かのローカルFEDのプレジデント、総裁たちが集まって協議をしてやっております。アメリカの中央銀行システムが非常識で非効率だと総理はおっしゃるのでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 議員は、大変いつも巧妙な議論を組み立てられるわけであります。前回の御議論の中におきましては、同様の引例を検査・監督の分野から議員はお述べになりました。 しかし、例えば英蘭銀行の問題、あのとき御指摘でありましたのは、英蘭銀行が検査・監督を所管している、中央銀行が金融行政を所管している例があるというような御議論をされましたし、マネーセンターバンクの検査・監督は政府機関であるFRBがという御指摘があったわけでありますが、マネーセンターバンクにつきましても、これが国法銀行であります場合、アメリカで財務省の外局である通貨監督局が第一次監督権限を有していること、御承知のとおりでありますし、州法銀行についても、監督権限の根幹をなす免許の付与等の権限につきまして、FRBではない州当局が持っている。あるいは、英国では公定歩合の決定権限は大蔵省が有している。それぞれの国の違いというものがあることを、議員、意図的にお触れにならずに言われます。 私は、他国の仕組みが非効率であるかどうか、そのような批判をいたすつもりはございません。我が国において、私は、日銀政策委員会を三条委員会として、いわばその手足として日銀が行動する、それがベストの形だとは考えておらない、中銀研におきましても金融制度調査会の答申におきましても、そうした考え方を示している、私はこれがバランスのとれた考え方だと思っているということを申し上げたわけであります。
○鈴木(淑)委員 総理がおっしゃいましたので、私も最後に、この金融監督庁あるいは中央銀行が検査・監督をする問題について触れてみたいと思います。 総理、今おっしゃいましたように、そして前回総理に御質問させていただいた行革特委でも申しましたが、アメリカの場合、マネーセンターバンクについては中央銀行であるフェデラル・リザーブ・システムが検査・監督をしている。ヨーロッパを見ますと、イギリス、オランダ、イタリア、結構中央銀行が金融政策と同時に検査・監督をしております。英蘭銀行については、そのかわり肝心な物価安定のための金融政策の決定権を大蔵省に握られているということが、しばしばこの委員会でも政府委員の答弁から出ておりましたが、もう御承知だと思いますが、労働党政権になりますと、これを直す。そうしないと大体ECのヨーロッパ中央銀行システムに入れてもらえないとマーストリヒト条約に明確に書いてありますから、政府指示権がついているような中央銀行は入れてやらないと書いてありますから、英蘭銀行も政府指示権を消す方向に行くだろうというふうに思います。 そういうわけで、中央銀行が、本来の目的である物価安定のための金融政策と並んで検査・監督をしている例は、今言ったように、先進国の中にたくさん挙げることができるのですが、総理、この金融監督庁との絡み、そして日本銀行に検査・監督をさせたらどうかという点で私が一番心配しておりますこと、懸念しておりますことは、間もなく政府・自民党も、そして私どもも検討しますが、中央省庁の整理統合。行革の大きな流れの中で、中央省庁の整理統合を考えていこうということになりますよね。そうすると、今ここで金融監督庁という省庁を一つふやしちゃうわけですね。 ところが、総理一生懸命御努力いただいて、金融ビッグバンが進んでいく、外為法も改正されるということになっていきますと、これからの金融行政というのは、例えば預金者保護、投資家保護、そして公正な取引を事前に決めた金融サービス法のような市場法のルールに基づいて民間はやりなさい、このルールに違反しない限りは自由ですよ、ルールに違反しているかどうか見るのが検査ですよ、それが将来の検査・監督のあり方。つまり、金融行政には企画と監督と検査の三つあると言っているが、この監督というのはルールに基づいた監督、したがってこれは検査と一体のものとして、機能的には非常に小さくなっていっちゃうと思うのですよ。監督は限りなく極小化していって、検査と企画が非常に大事になってくる。 そういう将来を展望しますと、検査・監督のために省庁一つつくっちゃって、これは余計だなという議論が遠からず私は出ると思うのですね。せっかくここでおつくりになるものが遠からず、これはちょっといかぬな、どこかへくっつけなきゃいかぬな、こんなちっぽけな、そして余り重要でない省庁は整理しなきゃいかぬな、必ずこの議論が出ると思うのですね。 それを見越すからこそ、金融監督庁のようなものはつくらないで、検査・監督は、日本銀行法案を今改正しようとしているんだから、そこへつけて統一的に中央銀行へやらしたらどうでしょう。その方が全体として効率がいいですよ。行政改革の流れに沿っていますよ。民間にしても、これは金融監督庁できちゃうと大変ですよ。日本銀行と金融監督庁と大蔵省とくるくる回らなければ連絡が終わらない、あるいは何をおやりになろうとしているのか見当がつかないみたいな話になって、民間にとっては明らかに行革に逆行する、不便な手間のかかるシステムをつくろうとしているのですね。私はそのことを一番懸念しているのであります。 無用の長物と言ったら悪いけどとこの前申し上げましたが、遠からず問題になるような組織をつくるぐらいなら、検査・監督を日本銀行におつけなさい、それに伴って日本銀行の行政的性格が強まるのが問題だというなら、政策委員会を金融委員会として三条機関にしたらどうですか、これが我が新進党の提案であります。 総理、もう一度お伺いいたしますが、行革との流れで、金融監督庁をつくって、しまったということに数年後になりはしませんか。
○橋本内閣総理大臣 今、労働党新政権がこう変わるという、変えていくという部分を引用されましたが、議員これは御承知のように、確かにブラウン蔵相、新しい考え方を発表されました。しかし、その中には、緊急時において政府が一定期間英蘭銀行に対して金融政策に関する指示ができる、政府の定めるインフレ目標達成のために英蘭銀行が金融政策を運営するといったことも含まれている、これも御紹介をいただかなければなりません。 そしてその上で、金融監督庁が、議員が御指摘になりますように無用の長物と言われるような日が来れば、私は本当に幸せです。現在、毎日の新聞、テレビの報道を見ていただきたい。証券・金融不祥事で懲りたと思っておりました証券業界で、それ以前から続いていた問題が今、そしてそれに資金を知りながら供給していると言われる金融機関が、今厳しい批判の俎上にあります。 こうした状況の中で、私は、議員がお述べになりますように、本当に日銀の一部局の中で検査・監督をすれば何ら問題が生じないと言えるような我が国の金融市場であってほしい、証券市場であってほしいと本当に思います。しかし、残念ながら、現実はより厳しい対応を求められこそすれ、これを縮小できる状態だとは私は思いません。そして私は、議員が述べられましたように、数年後、金融監督庁が無用の長物と世間から批判を浴び、これを何らかの機構改革をしなければならないような状態になることをこいねがいます。関係者がそれだけの良識を持って行動していただけることを心から願っております。 しかし、現時点におきましては、政府として必要な法律案を作成し、必要な機構をつくろうといたしているわけであり、同時に、中央銀行としての日本銀行の独自性をより強めるためにこの法案を御審議いただいていることだけは、ぜひ御承知おきを願いたいと存じます。
○鈴木(淑)委員 時間になりましたので、最後に一言申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 前回、行革特委でも総理に申し上げましたが、また、総理が今おっしゃったように、現在はいわばシュトルム・ウント・ドラングで、二〇〇一年までは大変な時期であります。しかし、総理、激流の中で馬を乗りかえるなという言葉があるとおり、こういう激しいときに、何かうわさによれば司法畑から長官を連れてくるとか言っていますが、何で激流の中で馬を乗りかえるような金融監督庁の新設なんかやるのですか。これは私はかえって能率が悪いというふうに思います。この点を私の意見として御指摘申し上げて、時間でございますので質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○額賀委員長 次に、池田元久君。
○池田(元)委員 民主党の池田元久でございます。大変御苦労さまです。 中身に入る前に一言だけ申し上げたいことがございます。政府委員の方々は余り関係のないことでございますが、当委員会の審議です。各党から修正案が出そろった。それにもかかわらず、きょう結論を出して採決をするということになっております。せいては事をし損じるという言葉もございます。国会対策上の観点から、余りお急ぎにならないように一言申し上げたいと思います。もっと皆様方が、やはり国会を活性化するために、ローメーカーとしてお互いにやっていきたいものだと私は思います。 さて、私もきのうの新聞を見ていささか驚きました。自由民主党の行政改革本部が、公定歩合を見直して引き上げに踏み切るよう提言をすると。この問題につきましては、民主党の海江田議員初め皆さんが質問しておりますので、一言だけ申し上げたいと思います。 この自民党の行政改革本部、現在、行革という最大の課題を担っております。霞が関等に大きな影響を与えようとしているというふうに見られておりますが、この組織は内閣や行政府でないといっても、政治権力と言って差し支えないと思います。政権与党の中心が金利の引き上げを主張したことは圧力にならないか。(発言する者あり)不規則発言にいろいろ答えたいのですが、審議が三十分しかございませんので、後でゆっくりとやりたいと思います。為替市場が大きく反応いたしましたのは、この自民党の動きが公定歩合の引き上げへの圧力になると感じたからです。 私は、今回の自民党の行革本部の動きはいささか自制を欠いたものと言わざるを得ません。それで、総理の考えをお尋ねしようと思いましたら、もう既に先ほどの答弁でもおっしゃっておりました。番記者に対して、公定歩合は僕は何直言えないということでございますから、お答えはいただきませんが、先ほどの御答弁のとおり、立場をわきまえて発言されていると思いますので、その点を引き続き堅持していただきたいと思います。 さて、私は、日銀・大蔵省改革につきましては政治主導で進めるべきだと強調してまいりました。私は、自民党の行革本部の皆さんには、政治主導を発揮するのは金融政策ではない、まさに行政改革、霞が関改革だと申し上げたいと思います。 では、その政治主導ですが、今回の日銀の改革は政治主導で進められたかどうか考えてみたいと思います。与党三党は昨年六月十三日の合意で、大蔵省改革、金融行政改革につきましては政治主導で強力に推進すると合意メモに書いてあります。その一方、日銀法の改正については専門的に検討を行う必要があるなどとしまして、政府において検討の場を設けることを検討すべきであると、少し政治主導からといいますか、大きく腰が引けた形となっております。 そこで、橋本総理大臣の要請で七月末に中央銀行研究会が設けられました。十一月中旬には「中央銀行制度の改革」という報告書がまとまったわけです。そして、その後、この報告書を受けて大蔵大臣の諮問機関であります金融制度調査会が十一月末から審議を始め、ことしの二月六日、答申を大蔵大臣に出しました。 中銀研、中央銀行研究会では、「開かれた独立性を求めて」という報告書のタイトルどおり、「本研究会は、日本銀行の独立性の確保が最も重要な課題と考える。」と述べ、歴史的な経験や最近の理論、さらにはヨーロッパ諸国の動向などから独立性の確保を強調しているわけです。ところが、金制調の答申では、独立性という言葉はすっぽり抜け落ちている。そのかわり自主性の尊重という言葉になっているわけです。およそ組織機関である以上、その自主性というのは当然のことなんですね。わざわざ使う必要のない言葉です。中央銀行研究会が置かれたのは総理のいらっしゃる官邸、金融制度調査会が置かれたのは大蔵省。官邸から大蔵省に移った途端に、独立性という言葉が自主性という言葉に変わったわけです。 私は、こうした改革は、前にも申し上げましたが、官僚の当事者にやらせるのではなく、政治主導でやるべきだと思います。百歩譲って、政治主導でなければ、この中央銀行研究会以降の法案作成作業も官邸主導でやるべきであったと思いますが、いかがでしょうか。橋本総理大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今経緯を御説明しようと思いましたら、既に議員が非常に細かく経緯を拾われました。ですから、私は繰り返しは避けたいと思いますけれども、結論から言うなら、私は政治主導でこれは進んできたものと考えております。 と申しますのは、今議員自身御披露いただきましたように、昨年の六月、与党のPTが、金融改革の基本方針について、日銀改革の目指すべき方向というものを示しながら、さらに専門的な検討を行う必要があるという結論をまとめました。これを受け、私の私的研究会として昨年の七月に……(池田(元)委員「いいです」と呼ぶ)いや、言うだけはきちんと言わせていただかなければと思います。鳥居氏を座長として御検討を願ったその報告書を、専門的な検討という立場から金制調の議論をいただいたわけでありまして、与党と十分議論をした上のこの日銀法改正案であります。私は、こうした経緯を考えますとき、政治の主導によって進んでまいったものと思っております。
○池田(元)委員 行革特別委員会で審議されております金融監督庁法案でも、総理にお話をいたしました。大蔵省が、金融監督庁長官を差しおいて民間の金融機関に直接報告や資料の提出を求めることができるという条文が入っております。また、支店の設置や営業時間、営業報告書の記載事項まで大蔵省が関与できる仕組みとなっているわけです。 この点につきましては、今申し上げたとおり、私がさきの行革特別委員会で指摘をいたしまして、橋本総理から御理解をいただいたことですが、これも大蔵省・金融行政改革の後半の詰めを官僚当事者にゆだねたからと言っていいと私は思います。これから、これまでのことはいいとは言いませんが、これから行財政改革に本格的に取り組まれる橋本総理大臣、政治主導を貫く考えがあるかどうかというよりも政治主導を貫く決意をお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今、政治が現に主導権をとり、さまざまな改革を進めております。これからも同様の状況で我々は一歩でも二歩でも現状を改革していきたい、全力を尽くしてまいります。
○池田(元)委員 では、少し法案の中身に入ってみたいと思います。 今度の日銀法案には大蔵省の認可や承認が必要とされる事項が入っております。どのくらいあるのか聞きたいのですが、認可や承認というのはどのくらいありますか。政府委員で結構です。――それでは計算しますと、認可が八項目、承認が五項目、要請が四項目、届け出が五項目、合わせて二十二項目あります。一部重複等計算の方法によっては多少違いますが、二十数項目あるということです。このうち、認可、承認というのは合わせて十三項目あるのですが、その中には経費の予算、財務諸表の提出、支店、代理店等の設置、資金決済円滑業務、新規業務などが含まれております。 ここで一つだけ、これまでも論議しておりますが、橋本総理もいらっしゃっていますので取り上げたいのですが、経費の予算の大臣認可制、これは予算を認可制にするということは、業務、組織、運営の細目にわたってチェックを認めるということになります。人と金といいますが、金の面から制約される。中央銀行の独立性を高めることとは逆行いたします。 二番目に、日銀ネットというものがありますね。日銀と各金融機関、金融機関同士の取引を即時に処理する決済システムですが、ちょっと古い話ですが、一九八八年、この認可について予算認可権限を持つ大蔵省が難色を示したわけです。細かいことは省きます。その結果、銀行局長と日銀の総務局長の間で覚書が交わされました。これは外部に公表されていないのですね。このように認可制というのは密室で行われるという問題点があります。 三番目には、これまで実態として大蔵省のチェックが十分機能していなかった。自民党の若手の議員の皆さんがいろいろここで質問されました。敬意を表しますが、総裁等の給与、ゴルフの会員権、肖像画制作費など、こういうところを話すのは余り私の趣味ではないのですが、(発言する者あり)それもあります。交際費もございます。などの中に入っておりますが、それを見れば明らかですね。大蔵大臣認可制にしたってだめなんですよ。やはり密室の認可制ではなくて、開かれた国会の場でチェックするということが何としてでも必要ではないでしょうか。 橋本総理大臣、ぜひ一言御答弁をお願いします。
○橋本内閣総理大臣 私も、新聞報道で給与あるいは肖像画等の単価を聞き、国会のこの肖像画の単価との違いを改めて痛感をいたしました。しかし、これだけ御議論をいただき、私は、大蔵省のチェックが今までほどざるだとは思いません。
○池田(元)委員 非常に大蔵省に好意ある発言だと思いますが、しかしこの以上三点から、これはやはり開かれた場でやらなければだめだということを強調したいと思います。 次に、認可等以外の大蔵省の権限、関与について触れたいと思います。 これも議論されておりますが、政策委員会での政府代表の議決延期請求権、理事、参与の大蔵大臣の任命、これは人事ではここだけ大蔵大臣の任命、また違法行為等の是正命令等々があります。五十八条では、大蔵大臣は、日銀の業務の執行の状況に照らし必要があると認めるときは、日銀に対し報告またはその資料の提出を求めることができるという条文がございます。ここで言う日銀の業務の執行の状況とは何か、一言でお答えいただきたいと思います。
○山口政府委員 業務の執行の状況といいますのは、日本銀行は金融政策もやっております。一方で、銀行の銀行としての役割あるいは政府の銀行としての役割、いろいろなものがございます。そういった業務を広くやっております。そういったものについていろいろ御報告を受け、もし先ほどおっしゃいました違法行為等の問題があればチェックする、あるいは情報を収集するということでございます。
○池田(元)委員 いろいろあるということです。 金融監督庁の法案はちゃんと限定しておりまして、制度の企画立案について必要と認めるときなど入っておりますが、まさにこの条文は限定がないわけです。一般的監督権を廃止したと言いながら、一般的監督権まがいの権限を大蔵省に与えるものと言っていいと思います。グローバルスタンダードから甚だしく乖離していると思います。 違法行為のチェックというところもあるのですが、それにとどまらず、こうした権限を入れることについては、先ほど我が党の田中甲委員も指摘しておりましたが、金制調の委員全部が疑問を呈したと言われております。先ほどの質疑を受け継いで言いますと、銀行局長の答弁で、業務上の行為などを求めるものではないと言いました。そうであれば、この権限は不要であると断定せざるを得ないと思います。 以上、大蔵省の認可、権限等について代表的なものを挙げてお話をしてまいりましたが、橋本総理大臣、今度のこの日本銀行法案のできばえはどうですか虚心にお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 私は、提出の方の責任者でありますから、そうお尋ねをいただきますならば、満点に近い成績だと申し上げたいぐらいの思いがございます。 というのは、先ほど来いろいろあげつらわれますけれども、例えば広範な業務命令権が廃止されている、あるいは役員の解任事由が限定される、言いかえれば政府との意見の相違では解任されない、あるいは預金準備率の変更認可の廃止、あるいは銀行券の発行限度、発行保証の認可の歯どめ、こうやって政府代表委員制あるいは日銀監理官制度あるいは立入検査権の廃止といったようなものまで挙げ出せば、私は、それはそれとしていい方だけを列記することもできると思います。 ただ、そういうやり方、議論がいいとは私法して思いませんので、私自身は、随分大きく変化をした、させたものを御審議をいただいている、それだけの自負は持っております。
○池田(元)委員 金融財政に詳しい橋本総理大臣らしからぬ発言であると思います。ただ、政府の長ですから、そこは私も割り引いて考えます。 現行の日銀法は、戦時立法として一九四二年に制定されたわけです。改正は、橋本総理大臣、五十五年ぶりですから、五十五年前の日銀法から見れば前進が見られるのは当たり前なんですよ。当然なんですよ。しかし、この改正が六十年前のアメリカや戦後のドイツと同じレベルをもし目指したとすれば、それは初めからもうおくれているわけです。現在、EUの通貨統合等に向けて各国が中央銀行制度の改革を進めております。先ほども出ておりましたが、イギリスではトニー・ブレア政権が発足直後にイングランド銀行の改革を行いました。 日銀法案は、各国中央銀行制度の世界標準、グローバルスタンダードから見て十分な内容を備えたものとは言えないとはっきり申し上げざるを得ません。それは世界標準から見て、ドイツ連銀が廃止を決めている政府代表による議決延期請求権、大蔵大臣による予算認可、先ほど申し上げました大蔵大臣の一般的な監督権まがいの関与等、日銀の独立性をゆがめ、財政当局と金融当局の健全な緊張関係を保ちながらマクロ経済政策を調整していく仕組みとしては不十分と言わざるを得ないと私は思います。要するに、五十五年前の日銀法から比べれば前進しているのは当たり前なんです。しかし、グローバルスタンダードから見たら、非常に欠けるものが多いということを私は言わざるを得ません。 それで、ちょっと話を変えまして、いずれにしても、日銀は来年四月から新しい日銀、新生日銀として発足をすることになると思います。しかし、法案作成作業で附則にみなし任務規定が入っております。現在の役員がそのまま新生日銀の役員になる。 これは、私たちも提案し、自民党の良識ある若手議員も主張されていることです。新しい日銀が発足するわけですね、総理大臣。任命権者の総理大臣に直接お伺いしているわけですが、この総裁等の役員、これは総裁、副総裁だけに限定してもいいですが、この総裁等役員については新しく任命すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 まず、御質問にお答えいたします前に、正確を期するために、先ほど鈴木委員にも申し上げましたが、英国の改革について申し上げておきたいと存じます。 議員、さまざまな角度からの御論議をされましたけれども、例えば今回のブラウン蔵相が発表いたしましたイギリスの案、これは金融政策決定の運営上の責任を英蘭銀行が負う、そういう改革案でありますけれども、同時に、その中に、緊急時において政府が一定期間英蘭銀行に対して金融政策に関する指示ができること、政府の定めるインフレ目標達成のために英蘭銀行が金融政策を運営するといったものも入っておりまして、私は、議員が言われるように、大きな前進ばかりがこの中にあるとは必ずしも思いません。(池田(元)委員「前進じゃないでしょう」と呼ぶ)必ずしもありません。 そして、私は、それぞれの国はそれぞれの国の制度で考えていくべきであって、どこの制度がいい、悪いとあげつらうことが必要なことだとは考えておりません。それぞれの国がそれぞれの制度の特色を持っております。 その上で、私は、本当に、新しい日銀がスタートをし、そこで全役員をというのは何となくすてきなように見えますけれども、その移行の時期を円滑にすることを考えた場合、それがベストな選択であるかどうかには疑問を持っております。 そして理屈を申しますならば、現行法上も一定の範囲で身分保証を付した上で任命をされている。そして、仮にこれらの役員の身分の継続を認めない、言いかえれば新法施行時に役員すべてを新たに任命する、あるいは、委員は総裁、副総裁に限定してもいいと言われました。その部分だけに限定をしたといたしましても、それは日本銀行の金融政策やその業務運営の継続性というものに影響はないだろうか、かえってそれは社会や市場に混乱を招くことはないだろうか。 そうしたことを考えますと、私は、現行法に基づく任期の残任期間に限って身分の継続を認めるというのは、実行上ベストの選択肢だと思います。
○池田(元)委員 総理大臣、英蘭銀行のことをおっしゃいますのは、私もあの直後に……(橋本内閣総理大臣「いや、あなたがおっしゃったから僕は言ったんです」と呼ぶ) それで、ゆっくり議論したいんですが時間がないんですが、このグローバルスタンダードというのは、別に一つだけあるわけじゃないですね、各国の。イギリスの銀行制度はヨーロッパの中ではおくれていた、それが追いついてきたわけですよ。だから、これが別にグローバルスタンダードじゃないわけです。全体を見て判断すれば、残念ながら今度の日銀法案はグローバルスタンダードに達していない点が多いということは、私が別に特別主張しているわけじゃなくて、識者にも、一般的に見てまだ達していないという意見が多いわけです。それを御紹介しておきたいと思います。 各党の修正案がそろったわけですね。国会の審議としては非常にすばらしいことだと私は思います。ただ、もうちょっと審議したかったという感じがいたしますが、それはちょっとおきまして、一言コメントさせていただきたいと思います。 いろいろ申し上げたいことはいっぱいあるんですが、新進党の案は、これは当委員会にはかかっておりませんが、同じですから、対象は日銀と金融監督の問題ですから、行革特別委員会で審議をされるということなので、今ここでは差し控えたい。しかし、蛇足ですが一言言えば、財政と金融の分離をもっと徹底させるべきだと申し上げたい。そこを補強していただきたいということを申し上げたいと思います。 また、共産党の修正案につきましては、趣旨はよく理解できます。民主党の全体的な、トータルな修正案と一部ダブる部分がございます。しかしながら、国に対する貸し付け等の業務規定の削除については、特に政府短期証券の引き受けの禁止等について、我々も検討したんです。しかし、今度盛り込むのは無理だろうと。これはやはり短期証券市場が整備されていない現状では難しい、その部分は現実的ではないと私は思います。 我々民主党では、もうお手元に行っていると思いますが、総理や大蔵大臣にもお届けしたはずです。あるいは雲を突き抜けて行ったかどうかわかりませんが、トータルな修正案を出しました。日銀の独立性と国民、国会へのアカウンタビリティーを確保するため、この日銀法だけじゃなくて、金融行政改革と整合性をとった大幅な修正案を提出いたしました。その骨子は、先週の半ばから関係議員にお配りをしております。 この日本の金融制度・大蔵省改革、日銀改革、そしてもっと広げた金融行政改革をぜひ実りあるものにするために、そしてまた財政と金融が十分機能するために考えた修正案であります。金融監督庁の法案は、金融庁として修正案を行革特に提出しておりますが、この委員会では日銀法が今大詰めになっております。これは五十五年ぶりの改正です。我々立法者、ローメーカーとして、皆さんよく検討していただきたい。虚心に検討すれば一致点は多いと思います。 皆様方の賛同をお願いし、また、橋本総理大臣の御理解をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○額賀委員長 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 日本共産党の佐々木陸海でございます。 日銀法改正の今度の一つの出発点になったのは、先ほどからも出ておりますように、首相が私的諮問機関として設置した中央銀行研究会の議論であり報告書であります。 橋本首相は第一回の中央銀行研究会のあいさつで、現状の日銀の姿に対して、中央銀行のあり方について、最近の内外経済金融諸情勢の変化に対応したものになっているのかという疑問が呈されているとの認識を示し、そのことを背景に中央銀行のあり方を検討していくことが必要だということを述べておられます。そして、その中央銀行研究会は、開かれた独立性という概念を提起して独立性の強化と透明性の向上を打ち出したわけでありますが、首相は現在の日銀についての問題点がどこにあると考えておられるのか。そして独立性というとき、何からの独立性が求められていると考えられているのか。簡潔にお答えを願いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 市銀研のスタートのときの私のあいさつを既にお読みでありましたなら、その問題意識は全部御承知でお聞きになるのだと思います。私は長々と改めてお答えをここで繰り返そうとは思いませんけれども、先ほど来御論議をいただいておりますような、中央銀行としての独自性を強めていく、そういう中で物価の安定を基本とした国民経済の発展により役立ち得る中央銀行であってほしい、そのような思いを持って今日までまいりました。
○佐々木(陸)委員 何からの独立性がということについては直接今お答えがありませんでしたが、言うまでもなく、政府、大蔵省からの独立性ということだと思います。 既にこれまでの審議で私たちからも紹介いたしましたが、世界銀行が五年ほど前に中央銀行の政府からの独立性の順位を発表しておりまして、そこでは日本が先進二十一カ国中十九位、これが現行法下で見た、世界から見た日銀の姿であります。政府、大蔵省が持つ総裁、副総裁、理事の解任権や業務面での監督権、業務執行命令権などを背景に、日銀が大蔵省に対して従属的な地位に置かれてきた、そこを大きく変えるということが一つの今度の眼目だろうと思います。 そして私は、これまで従属的な地位に置かれてきたことの具体的なあらわれの一つとして、前回の大蔵委員会で日銀の最後の貸し手機能という問題を指摘いたしました。東京二信組への出資以降の日銀の対応を見ておりますと、政府の要請に押されて、日銀が金融機関の破綻処理のために民間資金を呼び込むための最初の貸し手となったり、日銀資金の出動の範囲が出資やあるいは資金拠出など歯どめなく拡大しているのではないかという問題を前回提起をいたしました。この日銀法案と金融監督庁設置法案が成立したといたしますと、特融など三十八条による日銀資金の出動は、金融監督庁を所管する総理とそして大蔵大臣との協議を受けて日銀に要請されることになります。三十八条の運用に当たって総理がどういう判断をするかということが問われることになります。 そこで、総理にお聞きしたいと思います。 九四年十二月に、日銀は東京二信組の処理のために設立する東京共同銀行への出資を決めました。これは山一証券以来三十年ぶりの日銀法二十五条の発動になったものであります。橋本総理、当時は通産大臣でありましたが、閣僚懇談会の中で日銀の出資による二信組の処理策にかなり強く異論を唱えられたというふうに伝えられていますが、間違いありませんでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 閣議あるいは閣僚懇談会、その決定を見るまでのプロセスにおいて議論を交わしますことは今日も同様であります。今、その当時どのような議論を内部で行っていたかをお答えすべきではないと思いますが、そうした論議を経た上で政府としての意思が形成されていったことは私は否定をいたしません。
○佐々木(陸)委員 九四年十二月十六日付の朝日の報道によりますと、閣僚懇談会後の記者会見で、橋本通産大臣が、ここまで日銀が表に出ていいのかと批判をした。大蔵省銀行局長から説明を受けたとき、発表前に相談を受けたら賛成しなかったよと言ったとも明らかにしたと報じられております。首相は当時この出資のどこに問題があるとお考えになってこのような発言をなさったのか明らかにしていただけないでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 プロセスにおいてさまざまな議論をいたしたことを私は否定はいたしません。その上で、政府が決定したその方針には閣僚として従ってまいりました。
○佐々木(陸)委員 決定して、日銀がもう表に出してやり始めた後からも異論を唱えておられたわけです。当時通産相は、一月の月例経済報告閣僚会議の場でも大蔵省、日銀による二信組処理策に疑問を呈した。武村蔵相がなぜ蒸し返すのかと不満を漏らす一幕もあった、これは九五年一月十八日付の日経の報道であります。総理は当時こういう日銀資金の使い方に、今余り詳しくは述べられないようですが、強い疑念というのか、懸念を持っていらっしゃったと見受けられるわけであります。 しかし、それ以降の日銀資金の出動の事例を見ますと、大蔵省の強い圧力のもとにしばしば日銀資金が安易に使われてまいったことは前回私が指摘したとおりであります。橋本内閣のもとでも、住専処理の金融機関への追加負担策として構想された新金融安定化基金というものに、これも民間機関からの出資のいわば呼び水のような形で日銀の拠出が行われています。今回の日銀法案には、特融などの日銀資金の出動に何ら法的な歯どめが設けられていない。我々は法的な歯どめを設ける修正案を提出していますが、三十八条がこれからどのように運用されるかということが問題になっていくわけであります。 それで、日銀への三十八条の発動の要請に当たって総理は大蔵大臣と協議することになりますが、日銀総裁は本委員会の答弁で、三十八条の発動の基準として四つの原則ということを明らかにしております。システミックリスクの存在、その現実化のおそれ、第二に、他に貸し手がなくて最後の貸し手になるということ、三、モラルハザードが起きないよう責任関係を明確にすること、四、日銀自身の財務の健全性を損なわないこと、こういう原則を明らかにしてきております。そして、回収不能なケースの損失補てんのための日銀資金は使わないということも表明をしておられます。 総理はこの日銀の意思も尊重し、日銀が明らかにしている原則を外れたような要請を行うべきではないと考えますけれども、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今回御審議をいただいております日銀法のその中に、御承知のように信用の保持というものがあります。 そして、私はその信用の保持といった事態を、日銀の手を煩わせる前に、金融監督庁における十分な検査・監督の中で早期に対応できる状態であることをまず心がけるべきものであると思います。その上で、残念ながら問題が発生をいたしました場合に、第一義的にそうした信用保持のための努力を日銀が行われる。最終的には政府が当然の責任を持たなければならないわけでありますけれども、そのプロセスにおいて具体的な事例に応じその努力を払っていくことは当然のこと、原則がそれなりにあった上で行動されるというのは当然のことでありますし、具体的なケースに応じてその対応には当然のことながら変化があろうと思います。
○佐々木(陸)委員 繰り返し申し上げてきたように、発券銀行であるところの日銀資金の出動には常に慎重であるべきでありますし、一時的な流動性不足への対応は必要であるにしても、安易な形での金融機関の破綻処理などに使われてはならない性格の資金だと考えています。この点では総理も同じ認識かと思いますが、重ねて確認をお願いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 ですから、私が今申し上げましたように、金融監督庁がそうした事態になる以前に問題を発見し対応ができることを期待をいたします。その上で、残念ながら、その信用保持のために何らかのアクションを行わなければならなくなりましたときには、その局面、局面に応じた適切な対応をしていくということになるでありましょう。
○山口政府委員 ちょっとつけ加えさせていただきますが、特融の要請があった場合に、最終的に判断するのは政策委員会であるということもつけ加えさせていただきます。
○佐々木(陸)委員 もちろん私はそういう点は承知の上で、日銀がそういう意向を持っている以上、そしてその原則が妥当なものである以上、求める側もそこを最初からきちんと配慮をしてやるべきだ、そして総理もそういうことが起こらないように努力をしたいということを言っておられるのだろうと私は理解をいたします。 三十八条の発動を要請する政府の側が日銀資金に安易に頼り、歯どめのない要請をすることが当然あってはならない、ましてや可否を決定する政策委員会に対して政府や大蔵省が圧力をかけるようなことがあってもならない、特融の問題だけでなく、公定歩合の決定に対して政府が圧力をかけて決定を動かすような事態が過去にあったということも、何人かの政府当局者の具体的な名前も挙がって本委員会で指摘されたことがありますが、今後こういうことがあってはならないということを強く指摘をしておきたいと思います。 そして、この法案によって日銀の独立性の確保が図られることを踏まえた政府、大蔵省の今後の行政姿勢の問題として総理の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 大変申しわけありません。もう一つ実は議員の御質問の趣旨を理解し切れていないかもしれません。 しかし、お尋ねの趣旨が、日銀のより開かれた運営のもとにおける独自性というものを政府が尊重し、そしてその上でより大きな日銀の活動を求め、期待し、そうした運営のために政府も協力をしていくということでありますなら、その御趣旨に異論はありません。
○佐々木(陸)委員 終わります。
○額賀委員長 次に、吉田公一君。
○吉田(公)委員 まず、総理にお伺いしたいのでありますが、中央銀行の研究会で、日本銀行の制度面の整備にとどまることなく、政策運営に携わる人々が、国民から負託された使命の重大さを認識して、適切な政策運営のための不断の努力を重ねていくことがまず不可欠であるということが報告にございます。 それで、日銀の独立性を高めるということについては当委員会でも再三再四議論されてきたところでございますが、したがって、政策委員会の強化、当然透明性の強化ということも必要でございます。特にこの政策委員の人選に当たりましては最も考慮しなければならないことだ、こう思っておりまして、任命される側の今の政策委員を見ますと、商工代表が元通産省の次官の方であります。農林水産代表が元農水省の次官の方であります。地方銀行の代表が元旧銀の理事であります。そして、これのメンバーに加えまして大蔵省からお一人、それから経済企画庁の代表がお一人ということになりますと、金融機関の代表一人を除きまして全部官僚出身の方々でございまして、本当にこれはもう充て職ではないかと思うぐらいの状態でございます。 本当に、国民のための金融政策を決める際に、こういう充て職的なメンバー構成でいいのでしょうか。ぜひもっともっと、生きた経済を知っている人、あるいは農水のことを知っている人、あるいは商工のことについてよく知っている人、そういう民間人の起用も考えるべきではないでしょうか、総理にお尋ねをしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 この点につきましては、私は議員の御指摘を否定するつもりはありません。 実は、私が渡されましたこの答弁の資料を見ますと、「日銀政策委員会は、日銀の最高意思決定機関であることから、委員の選任にあたっては、省庁出身者、日銀出身者、民間出身者を問わず、優れた経験と識見を有する者を選考してきたところであり、」とあります。しかし、本当にそれではそのとおりと言い切れるかといえば、私は、現在の方を批判するのではありませんけれども、必ずしも万全の人選が常に行われてきたと言い切る自信はありません。今後ともその委員の選任に当たって、議員が御指摘になりましたように、私は民間だとか官だとかいうこだわりを捨てるところからむしろこの人選はしなければならないと思います。本当に識見、人格というものを総合的に判断をしながら幅広くその人材は選考したい、率直にそのように思います。
○吉田(公)委員 以上をもちまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○額賀委員長 これにて内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○額賀委員長 質疑を続行いたします。木村太郎君。
○木村(太)委員 まず、先般、大蔵委員会で日銀を視察させていただきました。委員長、そしてまた日銀総裁にこの場をかりて厚く御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。大変勉強になりましたし、なかなか目に見えないものというか、初めて見るものが多くて大変勉強になりました。厚く御礼申し上げたいと思います。 それでは、まず私のお伺いしたいのは、現行の日銀法、一九四二年制定以来、今回が抜本的な改正というふうに言われておりますけれども、この半世紀の時間的な経過の中で、我が国の経済の歩みあるいはまた世界経済の変化の中で改正が必要ではなかったのか、なぜこの一九九七年の今、抜本的改正をしようとしているのか、大蔵大臣にお伺いしたいと思います。 この半世紀の経過の中にも、日本列島改造、石油ショック等のインフレや、あるいはまたバブル経済の巨大インフレがあったわけですが、このときに中央銀行としての日銀の対応の失敗というものが指摘できる点もあると思っております。過去において、決断を求められる場面において中央銀行である日銀と大蔵省との対立があったとの指摘も、これまでの議論においても、またマスメディア等を通じても指摘されておりますけれども、私は、抜本的改正というならば、その前提となるべき反省点をきちっと国民に対して明らかにして、その上での抜本的改正でなければならないというふうにも思っていますので、大臣の方から御答弁をお願いします。
○三塚国務大臣 なぜ必要なのかということであれば、二十一世紀にあと三年、こういう視点であるということが一つです。 特に、バブルの苦い経験、まさに反省の中で、日本の金融システムはどうあるべきかという、この大きな視点をとらえてシステム改革が行われておる、その中の重要なパートとしての日銀のあり方、こういうことであろうと思っております。 銀行の中の銀行でございます。日銀の、戦前の歩みは別として、戦後の歩みの中で、いろいろな批判もあるとは思いますが、精いっぱいやってきたことも事実。評価をするとき、プラスの評価が昨今ありません。マイナスの評価だけで行われる。これは日銀だけのことではございません。反省というものは、よきものはさらにそれを伸ばしていく、あしきものはそこで思い切って改善、改革をしていく、こういうことであろうと思います。 そういう中で、審議会の議を経、中銀研の識者の各位の見識を加え、それに政治家としての三党の提言、そしてこうやって審議を通じて各政党の質疑という形の中の厳しい批判を含め、時に評価もしてくれる方もおるわけでございますが、そういう中でも、それぞれのものを外しながら、ただいまのこの案で本法律が成立をさせていただければ、参議院がありますけれども、原案に対する修正案というこの二つをにらみながら、最終的には本会議において決するところでございますけれども。それ以上のことは申し上げません。 しかし、成立をいたしましても、成立をしない修正については、やはり修正は修正として論議の中にあったわけでありますから、その中からどう日銀の執行部、職員の各位が考えるかは今後のことであろうと思いますし、そういう点で、二十一世紀、日本が非常に役目を果たしていかなければならぬ中で、ようやく立ち上がりのチャンスを見つけながら、経済もそれなりのスタートを切っておるわけでございます。 そういう中で、G7の重要な国家の中央銀行としての代表の参加なくして世界マクロ経済の決定が行われない、こういうことにあるという重要性にかんがみ、これだけの改革がなされておると思っております。
○木村(太)委員 もちろん私は、日本銀行のこれまでの歩みをすべて否定する気持ちもありませんし、貢献してきた面もたくさんあると思っております。また、しかし一方では、反省すべき点もお互いきちっと整理して新しい歩みをしなければならないという気持ちで質問をさせていただきました。 次に、今回の改正について、国民サイドに立った場合に素朴に思われる点を少しお伺いしたいと思います。 この改正につきまして、問題点というのが具体的にどこにあったのかまたその視点というものはどこに置いたのか、あるいはまた、この改正によって、大蔵省は我が国の経済あるいはまた金融政策の中で日銀に対してどのような役割を果たしてもらいたいのか、お伺いしたいと思います。 また、一方ではビッグバンということでまさに歩もうとしているわけですが、このビッグバンを進める上で今回の日銀法改正とはどういう位置づけになって、また連動あるいはまた貢献させていこうとしているのか、お伺いしたいと思います。 さらには、今、行革特別委員会でも金融監督庁を含む議論が続いているようであります。これは大蔵省改革というふうにも私は思っておりますが、この大蔵省改革の中での日銀の新しく歩もうとする姿を今回の改正というものでどういうふうにして位置づけているのか、お伺いしたいと思います。 そして日銀総裁に、日銀としてはこの改正によってどのような役割を果たしていきたいのか、お伺いします。 〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕
○山口政府委員 大変広範囲な御指摘と問題提起でございまして、十分なお答えができるかどうか、不足であればまたお答え申し上げます。 まず、現行の日本銀行法が昭和十七年につくられて、一部改正がありましたが、まだ片仮名であるという事態、中をお読みいただきますと、やはり戦時中につくった法律だなというようなものでございます。現代社会は非常に目まぐるしく変わっておりまして、実態から見て、あの法律のままで物事を運用するということがまず難しいという事態があるわけでございます。したがって、これまで長い間どうしてなのかという御疑問が出るとは思いますけれども、この機会にできるだけ思い切った改正をするというような姿勢でやる必要があったわけでございます。その視点といいますのは、やはり独立性と透明性ではないか。その二つのポリシーを前面に出して新しい法律を御審議いただいているわけでございます。 ビッグバンとの関係でもこれは大変な意味があると思うわけでございます。金融システム改革で、これから新しい我が国の金融システムが構築されようとするわけでございますが、その中で一つの視点として申し上げますと、やはり市場メカニズムを重視するという点があろうかと思います。 市場メカニズムの重視の観点から申し上げますと、日本銀行が行います金融政策がマーケットに大変重大なインフォメーションを与える要素がございます。例えば公定歩合を変更するという話が出ただけで為替が動いたり、あるいは株価が動いたり、あるいは債券市場が動いたりという影響がございます。そういったことを、開かれた独立性のもとで、正確な情報あるいは正確な予測を立てていただくということが非常に大切ではないか。そういった意味でも、この開かれた独立性ということの実現を図ることによって新しい金融システムに資していただきたいなというふうに思っているわけでございます。 それから大蔵改革との関係も申されましたけれども、大蔵改革も新しい行政のシステムに対応して、行政のやり方というのも透明性を持っていくという方向になっております。そういったものとも一貫した日銀法改正というふうにお酌み取りいただきたいと思うわけでございます。
○松下参考人 私ども日本銀行は、現行法のもとにおきましてこれまでその仕事を果たしてまいったわけでございますけれども、これは御指摘のように古い立法でございますから、非常に強大な政府の権限を前提といたしておりまして、独立性の確保あるいは中央銀行としての責任の達成ということにつきまして、必ずしも問題がなかったとは申せません。 ただ、戦後におきましては、関係者の理解を得ながら、私どもは、新しく戦後設けられました日本銀行政策委員会を通じまして、金融政策をみずからの責任において果たしてまいるように努力をいたしてまいったところでございますし、また、それに関しましては政府の理解も得ることができたと思います。 ただ、今後を展望いたしますと、ますます今後国際化、自由化が進んでまいります金融の世界におきまして、本当に中央銀行の持つ役割を的確に果たしてまいりますためには、やはりこの法律の抜本的改正ということが非常に必要なことであると考えておりましたが、今回、昨年以来の措置によりまして、この日銀法の改正案を御審議いただいていることは、私どもにとって非常に喜ばしいことでございます。 私どもといたしましては、金融政策の適切な遂行によりまして物価の安定を図るとともに、決済システムの円滑かつ安定的な運行の確保を通じて金融システムの安定に寄与していくということが、非常に私どもの仕事のかなめでございます。その基本には、我が国の通貨が健全な通貨として十分に機能するように、中央銀行の責任において適切な政策をとっていくということが非常に重要なことでございます。 こういうことによりまして、私どもが物価の安定と金融システムの安定という二つの目的を追求してまいり、それが幸いにして成功をおさめましたならば、先ほどお触れになりました、今後の日本版ビッグバンというような非常に大きな金融・資本市場の改革におきましても、やはりこの改革の基本となる金融システムのかなめであります中央銀行がその役割を果たして、システム全体の安定を維持していくことによりまして、そういう大きな改革が内外の信頼を得て展開をしていくことに役に立つのではなかろうかと、ぜひ役に立つようにいたしたいと思っているところでございます。 先ほど御指摘もございましたけれども、私どもも、これまでの私どものいろいろの経験の中におきまして、その後の結果にかんがみまして、やはりこれは改善を要するところであったと思ってまいった点もいろいろとございます。そういう点を含めまして、今後、この法律改正が行われました場合には、それをよいきっかけといたしまして、私どもは行内の自己改革というものを進めながら、この新しい法律の趣旨が十分に生きてまいるように努力をいたしまして、こういう目的を達成するよう努めたいと思っております。
○木村(太)委員 局長からは、ビッグバンやあるいはまた大蔵省改革とも関連性もあるし大事なことだ、また総裁からは、物価の安定そして金融システムの安定ということでもという答弁がありました。 では、この改正によりまして、大蔵省と日銀との関係、今まではどうで、この改正によって変わるべき点はどういう点があって、また変わるべきでない点があるとすればどういう点があるのか、お伺いします。
○松下参考人 私の方から申し上げますけれども、先ほども申し述べましたように、法律の条文上は非常に厳格な監督規定のもとにあるわけでございますけれども、金融政策の自主的な責任をお認めをいただくという点では、私どもはこれまで関係方面の御理解を得ながら、仕事を進めてまいったと思います。 ただ、それを進めてまいります際には、条文上存在をいたしておりますように、もろもろの規制、監督というものをやはり心の片隅に置きまして、絶えず意識をしてまいったということでございますので、そういう点で、今回、いろいろの監督、認可その他に関します規定が大幅に削除をされて、独立性が強まる。また残存しておりますいろいろな認可の規定につきましては、条文を子細に拝見をしますと非常に細かな配慮が行われておりまして、私どもの金融政策なり業務執行を行ってまいります上での圧力と申しますか、そういったものにならないようなセーフガードをいろいろの点で考えていただいております。 こういうことを総合的に私判断をいたしますと、それは、今日世界の各国におきまして中央銀行制度の改正、改革がたまたま時期を一にして進んでおりますけれども、そういったいわゆるグローバルスタンダードというものに照らしてみましても、私は遜色のない制度をつくっていただくことができたように考えております。
○山口政府委員 今総裁から御答弁申し上げましたように、法的には、例えば広範な業務命令権というものが今ございます。それから解任事由の限定がはっきりしないということで、政府との意見の異なることを理由に解任ができるようにも読める規定になっております。それから私が務めておりますが、日銀監理官という制度がございます。それから立入検査権というのもございます。幾つかの例を挙げましたが、現在はそういう制度になっておりますが、例えばそういったものを全部やめてしまう、それで必要最小限のものにするというところが法的には一番変わるものでございます。 それで、変わらないものといいますと、ファンクションとしての政府と日銀との関係は、やはりよりよき協調関係を保っていくということだろうと思います。これまでも、そこはよく情報交換をしたりしておりました。その関係をよりよい協調関係、これでもって国民生活の安定あるいは発展に資するという同一目的に邁進するということではなかろうかと思っております。
○木村(太)委員 局長から今御答弁いただきましたけれども、もちろん目的に向かって大蔵省そして日銀が協調していく、この協力関係は変わらない、まさしくそのとおりだと思います。そしてまた、変わる点の具体的な例を幾つか述べられましたけれども、しかし一方で日銀の独立性、自主性というもの、果たしてこれでいいかどうかというのがこの審議の中で評価が分かれているところだ、そう思っております。 私自身も果たしてというような気持ちでもありますが、その中で具体的な指摘がこれまでもされておりまして、独立性の問題等々ありましたけれども、私もそういう点で一つ、金融機関への考査ということでお伺いしたいと思います。 大蔵省の検査、金融検査機能を含めて、私はやはり日本銀行、日銀に一本化すべきではないかなというような思いを持っておりますが、大蔵省はいかがですか、このことについて。
○武藤政府委員 検査を日銀の考査で一本化すべきではないかというお話でございますが、御承知のとおり、検査は法律に基づきます行政権限の行使という側面を持つのに対しまして、考査は日銀の取引先の金融機関との契約に基づいて行うものでございます。性格もまた目的も異なるものでございます。こういう行政検査を日本銀行に行わせようとする場合には、やはり行政機関でないところにそういう公権力の行使ということを行わせることが適切なのかどうかという問題があるというふうに考えております。
○木村(太)委員 それでは、これは日銀総裁にお伺いしたいわけですが、日銀がこの考査結果に基づいて、金融機関に指導できるのかどうか。私は、その権限というものがあるのかどうかも何か不透明な感を持っております。もし権限がないとしたならば、考査そのものを例えば民間などに任せてもいいような感じもしますし、むしろ権限のない考査ということは意味がないことにもなるような気がするわけですが、総裁はいかが思いますか。
○松下参考人 私どもが現行法で行っております考査は、日銀が民間取引先金融機関に対しまして資金供与を行います際に相手方の経営の実態を把握するという役割を持ちますほかに、中央銀行のもう一つの役割でございます決済システムの円滑な、安定的な運行の確保を通じまして信用秩序の維持に資するという役割を果たします上で必要な、いろいろのリスクの把握、リスク管理の点検ということを行っているわけでございます。 考査をいたしました上で考査先の経営に改善をすべき点がございますならば、それは、私どもは契約に基づいて行っている考査でございまして、行政権限で行っているわけではございませんから、考査先が自主的に改善に努めるように私どもといたしましては説得をし、促してきたところでございますけれども、この点では、私どもの考査は相手先に真剣に受けとめられてきたというふうに考えております。 今回の改正法案におきましては、こういう考査の基本的な性格は変わりませんけれども、私どもが考査に関する民間金融機関との契約を結ぶことができる旨が法律の上で明らかになりました。これは、私どもの行う業務内容が法律の裏づけを得て明確になったということでございまして、意義の深いことでございます。 今後、こういうものを基礎にいたしまして、私どもの持っております金融機関の実務やあるいは市場の取引等に関するいろいろの知識、また各国中央銀行その他が行っておりますリスク管理の新しい手法などというものを活用いたしまして、効果的な考査を続けてまいりたいと思っております。
○木村(太)委員 独立性に関しての政策委員会のあり方とか、大蔵省が日銀の予算を認可する権限を持つとか、いろいろ議論もありましたのでその点は割愛したいと思いますが、一つ、私前々から気になっている点がありますので、日銀総裁にお伺いしたいと思います。 日銀は、私が思うに、九五年の七月ごろから短期金利の低目誘導というものを継続してきていると思っております。きょうの朝刊を見ますと、きのう時点でのいわゆるコールレートというのが〇・五〇%。公定歩合の〇・五%と同じ水準ということでしたが、これは公定歩合や預金準備率の操作のためではなくて、いわば一つの新しい金融政策の手法というふうにもとらえられていると私は思います。公定歩合の引き上げについて、先ほどもいろいろありましたけれども、また意見等がいろんな方面から出始めてきておりますけれども、現在、市場は日銀のこの低目誘導政策というものがいつ解除されるのか注目しているかと思いますが、日銀総裁、いかがでしょうか。
○松下参考人 私どもがこのところとっております金融政策の基本的なねらいは、我が国の経済を自律的な回復の軌道にしっかりと移行させていくということでございます。 この点につきまして、私どもの国内経済の見方をごくかいつまんで申し上げますが、景気は、現在、消費税率引き上げなどの財政面からの影響があらわれる局面でございます。このために、当面は景気の一時的な減速は避けがたいと見られますけれども、しかし、その一方におきまして、民間部門におきます生産、所得、支出をめぐる好循環、生産が増加いたしますことに伴って個人の所得も増加をし、これが個人の消費支出をふやしまして、さらにそれが新しい生産の増加につながっていくという循環の過程が動き始めているということがだんだんとはっきりしてまいりました。 こういう点に着目して、私どもは民間経済の回復の力は次第に底がたさを増しているというふうに見ているわけでございまして、財政面からの影響を乗り越えまして、この光景気が回復傾向を持続する可能性が高いと見ておりますが、この点は、実際の今後の消費者行動や企業活動に即しまして見きわめを行う必要があるところでございます。 また、物価面におきましては、国内需給の緩やかな改善を背景としまして、昨年末以降、物価は下げどまり傾向が明確になってまいりました。四月におきましては、消費税率の価格転嫁がほぼフルに行われましたので若干上昇しましたが、これを除きますと横ばいの動きでございます。物価は当面総じて安定的に推移すると見られておりますが、この動向につきましても引き続き丹念に見てまいるつもりでございます。 このような景気、物価の情勢を踏まえまして、当面の私どもの金融政策運営に当たりましては、引き続き景気回復の基盤をよりしっかりとするという点に重点を置きまして、情勢の展開を注意深く見守っていくことが適当であるというふうに考えております。 〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○木村(太)委員 注意深く見守っていくということですが、例えばアメリカでは、公定歩合あるいはまた預金準備率の決定というのが、いろいろ御指摘ありましたけれども、FRBに属している。そして連邦公開市場委員会FOMCにおいて、フェデラルファンド、FFレートというものもこの委員会において目標圏を決めるという、いわゆる金融政策のスタンスを決定することになっているようでありますが、このFFレートについては、三月に五・二五から五・五%へ引き上げた。実は日本時間の昨夜未明、そのさらなる引き上げがあるのではないかということで開かれたようでありますが、結局は今回はなかったようであります。法的にFOMCの権限ではないようでありますけれども、しかし実際はそのFOMCが判断して対応している、アメリカではそうなっているというふうに聞いております。 我が国においては、今回のこの抜本的改正案においては、例えば短期金利の低目誘導という今の状態を解除するような場合の決定は政策委員会に属するのか、また、それは法的な権限となるのか、お尋ねしたいと思います。 仮にそうだとすれば、政策委員会というのは定期的に開催するということでありますので、そこで思うのは、市場の動きやあるいはまた短期という視点から見た場合に対応できない面も出てくる懸念を私は持つわけですが、日銀総裁、いかがでしょうか。
○松下参考人 私どもの金融政策を運営いたしてまいります上で、公定歩合の操作につきましてはよく知られているところでございますけれども、最近重要性を増してまいっておりますのは、市場における金融調節方針の決定でございます。この点につきましては、改正法案におきましては政策委員会の議決によって定めるということになると私どもは理解をいたしております。 政策委員会の開催頻度でございますけれども、これは金融制度調査会での検討におきまして、金融政策を審議する委員会の頻度は月二回程度、あらかじめ定例日を決めて開催をすることが適当であるというふうにされたところでございます。これは、金融政策を審議します会合の開催日をあらかじめマーケットに知ってもらうことが市場の安定に役立つという考え方に基づくものであろうと思っております。 御指摘のような急激な情勢変化への対応のためには、場合によりましては定例会合日以外の日に臨時に会合を行う可能性がないとは申せませんけれども、基本的には、そのような趣旨から申しまして、市場の金融調節等におきましては極力定例会合において実行していくことが適当ではなかろうかと思っております。 御存じのとおり、アメリカの公開市場委員会はたしか年に八回の開会であったかと思いますけれども、その公開市場委員会の間の期間におきましても、ある程度の許容範囲を決めまして操作を認めるという決定が行われることもございます。
○木村(太)委員 時間がないので次に進みますが、次に、国会との関係について少しお伺いしたいと思います。 アメリカの例を出して大変失礼なのですが、アメリカではそれこそFRB議長が議会に対して年二回、証言という形で行っているようであります。今回、改正案では、日銀は金融政策に関して年二回の国会への報告というものを盛り込んでいるわけでありますが、アメリカの場合は、その場面を見た場合には、FRB側と議会との間で大変激しいやりとりがあるというふうにも聞いております。改正案における国会への年二回の報告というのはそういったものをイメージしていいのか、大蔵省にお伺いしたいと思います。 また加えて、日銀の独立性、自主性というものが今回の改正によって確保されるのだとするならば、私は、国民の代表である国会に対して、日銀が報告ではなくて、いわゆる総理が行います所信表明なるものが必要ではないかなというふうに思うわけです。私の机の前にある国語辞典を見たら、報告とは、与えられた仕事の結果を述べることと書いてありました。たびたび大蔵大臣もいわゆる財政演説等を国会の場で行うわけでありますが、当面あるいはまたこの一年はあるいはまた長期的にはというようないろいろな考え方はあるかもわかりませんが、国民経済の健全な発展に努力する決意、そして所信表明なるものが国会に対して必要ではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○山口政府委員 まず、お尋ねの第一点目の改正案の中身でございますが、金融政策の独立性が高まることに伴いまして、国会に対する報告などの規定の整備充実を通じて日本銀行の国民や国会に対する説明責任を明確にすることが重要だと考えられます。したがいまして、今回の御提案申し上げておる案では、日本銀行は年二回、業務報告書を国会に提出し、その説明に努めること、第五十四条の第一項と二項でございます。またさらに、日本銀行の総裁等は国会の各議院、委員会から説明のため出席を求められたときは出席しなければならないことも明定しております。これは三項でございます。このように日本銀行と国会との関係を明確にさせていただきました。 具体的なまたお話については日銀総裁からお話し申し上げます。
○松下参考人 ただいま銀行局長から御答弁ありました、国会に対しまして報告書を提出します年二回の機会は、私どもといたしましても、独立性の強化の裏づけとなります、国民、国会に対します私どもの説明責任を果たしていく上で非常に大事な機会であると思っております。私どもは、その際には、金融経済情勢に関します基本的な判断や、また金融政策運営の基本方針につきましてもできる限り包括的に、わかりやすく御説明するように最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。 また、それ以外の機会におきましても、今の法律案におきましては、国会から出席を求められた場合に説明することが義務づけられておりますので、私自身もお求めに応じて、国会に対しましては十分な説明を行ってまいる考えでございます。これによりまして、私どもも日本銀行の金融政策運営につきまして広く御理解を賜るように努めながら、その場での御議論もしっかり踏まえまして、適切な政策運営に努めてまいりたいと思っております。
○木村(太)委員 次に、日銀自身のいわゆる自己改革について一つだけお伺いします。 日銀は典型的な終身雇用制というふうに思っております。中途採用者というものは、現在は電算システムの技術者が六人いらっしゃるというふうに聞いております。デリバティブや電子マネーなどの専門家の採用も含めて、抜本的な人事策の考え方の変更というか、それが必要だと思うのですが、新たなるスタッフ体制をしく必要性があると思いますけれども、総裁のお考え方をお伺いしたいと思います。
○松下参考人 私どもが適切な政策を運営してまいりますためには、政策環境の変化を的確に把握して適切な政策を立案いたしますとともに、そういった政策を、実際に金融市場等を介しまして取引を通じて有効に実現させていくということが必要でございます。 そういった仕事を遺漏なく遂行いたしますためには、金融経済に対します理解や金融実務に関します幅広い知識や、また最新のシステムに関します高度の技術といったようなことを日本銀行のスタッフとして身につけた者をできるだけ確保することが大切であると思っております。私どもも常に努力をして優秀な人材の採用やその教育、能力開発に努めてまいったつもりでございますが、今後ともその点では、新しい金融技術の発展におくれをとりませんように、しっかりと人材の確保を図ってまいりたいと思います。 中途採用につきましても、これまで必要に応じましてそうした形での人材登用も行ってまいりましたけれども、御指摘の点も踏まえ、今後の状況に即応しまして、中途採用による人材確保につきましても一層配慮をしてまいりたいと思っております。
○木村(太)委員 支店のこともお伺いしたかったのですが、時間が来ましたので、最後に一つだけ。 けさの朝刊を見ますと、法人所得の面で日銀が四年ぶりに一位に返り咲いたという報道がありました。このことについて、日銀総裁の、日銀としての感想をお伺いしたいと思うわけですが、喜んでいるのか、あるいはまた、それこそ今この時期、この時点で日銀法の抜本的改正を議論しているわけですが、そのときに一位に返り咲いたということをどういうふうに受けとめているのか、御感想をお伺いします。
○松下参考人 けさの新聞で報道されましたのは、私どものといいますか、多くの企業の昨年一年間の決算の結果でございます。私どもは半年決算でございますので、昨年の三月、九月決算でございます。一般の企業は三月の一年決算だけでございますから、多少の時期のずれはございますけれども、昨年におきます私どもの当期純益は御指摘のように非常に増大をいたしております。 ちょっと数字で恐縮でございますが、当期純益金が一兆千六百二十八億円ということでございますが、その大宗を占めます経常収入、すなわち、私どもが通貨発行の見返りとしていろいろ取得しております貸出金とか国債、外貨資産等の利息収入を主とする経常収入はそれほど大きな増減は例年ございません。 その中で大きく変わりますのは、国債関係の損益が一つございます。これは、最近におきまして長期金利が引き続いて緩やかに低下をいたしました。その反面といたしまして、国債価格の上昇がございまして、この売買の、通常の取引でございますけれども、その差益がこの年非常に大きくなったわけでございます。 もう一つは、為替関係の外貨資産の評価益でございます。これも昨年一年円安が進行いたしましたために、具体的には九十三円から百六円になっておりますけれども、これが反映をいたしまして為替関係の差益が大変増加をいたしました。この二つが主たる原因で、昨年は私ども非常に収益が多かったわけでございます。 ただ、これは逆に、金利が上昇しますときとか、為替が円高に振れますときとかにおきましては、逆に非常に収益が減りまして赤字になりかねないというようなこともございますので、そういう外部環境に基づきます収益の増加が大きかったのでございます。
○木村(太)委員 ありがとうございました。
○額賀委員長 次に、上田清司君。 上田委員に申し上げます。木村委員の質疑は時間がオーバーしましたので、新進党内で調整をしていただきたいと思います。
○上田(清)委員 新進党の上田でございます。 最初に、日銀総裁にお尋ねをしたいと思いますが、この政府原案が出てきた段階で、具体的に御相談なり協議なりございましたか。
○松下参考人 原案が検討されます間、日本銀行といたしましては、いろいろな機会に私どもの意見やあるいはその関係の資料などをお出しを申し上げていたわけでございます。私自身といたしましても、中央銀行研究会の開催の日にこちらに参りまして、私どもの全体的な希望、御意見を申し上げましたが、金融制度調査会におきましては、むしろ公的な場面で私どもの事務当局から資料を差し上げ、また御意見を申し上げる機会も与えられたところでございます。 そういったことでございますので、私どもといたしましては、私どもの考え方も十分に踏まえていただいた上で金融制度調査会の答申というものが取りまとめられたというふうに考えているところでございます。
○上田(清)委員 この審議を通じまして、一貫して総裁は、比較的というか一〇〇%満足しているような御答弁をなさっておられましたが、間違いなくこの原案に関して一〇〇%満足でございますか。それとも、少しでも何か御不満がございましたら、その少しでもの部分を言っていただきたいと思います。
○松下参考人 私どもは、中央銀行のあり方といたしまして、私どもの金融政策の決定に関します独立性の強化をぜひともお願いをしたいという願望を長年にわたって持っていた次第でございますけれども、今回、この法案の作成が具体化をいたしまして、その中におきましては私どもの御意見を申し上げる機会もいろいろちょうだいをしました後、独立性と透明性という中央銀行制度改革の二本柱を軸にいたしまして、二十一世紀の金融システムの中核としてふさわしい日銀のあり方を具体的にお決めをいただいたと存じます。 この法案ができましたならば、私どもも自己改革の努力を進めまして、適切な対応を図ってまいりたいと思っております。
○上田(清)委員 大蔵大臣と総裁にお聞きしたいのですが、附則の七条でございますが、先ほど池田委員もお尋ねをされましたけれども、総理は、現在の総裁、副総裁あるいは政策委員がそのまま移行する、大事に変更なしと継続性に関して非常にいいことだというようなニュアンスのことを申しておられましたが、私は逆に、この際、一回全員やめていただいて、改めて国会で承認した方がいいんじゃないかというような考え方を持っておりますが、三塚大蔵大臣、また松下総裁に考え方をお伺いしたいと思います。
○三塚国務大臣 先ほども橋本首相言われましたけれども、新生日銀の発足に合わせまして総裁等役員を新たに任命することにつきましては、現行法上も一定範囲の身分保障を付した上で任命をされたものでございます。これらの役員の身分の継続を認めず、新法施行時に役員すべてについて新たに任命するとすれば、日本銀行の金融政策やその業務運営の継続性が失われ、かえって社会や市場に混乱を来すことになあのではないでしょうか。よって、適当ではないと答弁をさせていただきます。
○松下参考人 私自身の進退に関します規定の件につきましては、私からとやかく申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。 私といたしましては、任命をせられて、その任にあります間、全力を挙げまして中央銀行の使命の達成に遺憾ないように努めてまいりたいということを考えております。
○上田(清)委員 大変失礼も省みず申し上げますが、これまでの総裁の答弁をお伺いしていますと、日銀総裁というよりも大蔵事務次官OBという感じが私はしておりました。なおかつ、総裁は、昨年の住専国会で、いわゆる住専の二つの子会社を持つさくら銀行の会長もやっておられました。国民の税金を六千八百五十億使うあの過程の中で、人生の美意識とすれば、私は自分の個人の美意識とすれば、当然おやめになって罪滅ぼしても何かやった方がいいんじゃないか、そういう考え方を持っておりますので、この際、新生日銀をきちっとつくっていく部分に関しては後事を託された方がいいんじゃないか、みずから進退のことは言えるんじゃないかなというふうに私は思っていいんじゃないかということだけ申し上げておきます。 それから、野村のVIP口座の問題に移らせていただきますが、過日、四月十八日の大蔵委員会の議事録を読ませていただきました。これによりますと、参考人でおいでいただきました酒巻参考人は、VIPの位置づけについて、これは金子委員の質疑でありましたけれども「社内の接遇引き継ぎ留意客と申しますか、そういう符号でございまして、統一符号ではない。もちろん優遇口座でもございませんし、お客様に金銭的な利益を与える目的のためにつくられたというもの」ではない、このようにおっしゃっておりますし、また上層部の関与、これは中野正志委員の質疑の中身でございますが「上層部の関与等々については、私は全く報告を受けておりませんし、そういうものはないというふうに確信いたしております。」このような答弁をされております。 また、北側委員の質疑に答えて、総会屋とのおつき合いについては全く存じておりません、このような御答弁をされておりますし、また同じく、いわゆる総会屋が三十万株を持っていた事実についても知らなかったと。しかも、酒巻さんは総務担当の役員をしていた経過からすれば、一連の、今回の第一勧銀をめぐるものと関連した形で年代別に追っかけていけば、これは明らかに酒巻さんは当然知り得る立場にあったし、知っていたというふうに考えられるものが極めて多い。国会の委員会の場で、酒巻参考人はまさしくうそをついた、こういうことを、一連のこの第一勧銀をめぐる不正融資の関係でも、私は当然この因果関係からして言えるというふうに思いますが、このことについて大蔵省証券局はどういう理解をされているか、お答えをしていただきたいと思います。
○長野政府委員 野村証券の問題に関しましては、ただいま証券取引等監視委員会のみならず、司法当局において厳正な捜査が行われておるものと理解いたしております。その中で、御指摘のような関係につきましてどういう事実関係が把握されてくるか、その捜査の状況を見守りたいと思います。
○上田(清)委員 そういう答弁を私は期待しておりません。 この間の参考人の質疑ぐらい読んでいますよね、当然。まず、読まれましたね。
○長野政府委員 国会の御質疑は承知いたしております。
○上田(清)委員 これは北側委員の質疑の中でも出ましたけれども、役員の株保有、大田淵さんと言われる、いわゆる田淵節也さんですか、元会長は三十六万株、そしてこの総会屋さんは、法人名義でありますが三十万株と大変大きな数字が開設されているわけでありますから、これがわからないなんというのはあり得ないことでありますし、それから第一勧銀の状況からして各総務部の取り扱いになってきている。そして野村との関係も明らかになっている。そういう事態でもあなた方は、事実関係を今調べているところですからというのんきなことが言えるのですか。酒巻参考人の言っていることが、明らかに常識からしても考えられないような答弁をされているというふうに思いませんか。もう一度お答えください。
○長野政府委員 数年前の証券不祥事に際しまして、私今、証券局長という立場で御答弁申し上げておりますけれども、監督に当たる証券局が事実関係の解明に当たる監視、検査を担当することは適当でない、そういった部門は独立した部門において担当すべしという御方針になり、そのような法律改正が行われたことを踏まえまして、ただいまのように独立した機関において、現在のシステムに乗って調べが進んでおるとお答えしたわけでございます。
○上田(清)委員 それでは、大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。 今の、この間の参考人の答弁は、多分大臣もお聞きされているというふうに私は理解しております。直接的にはともかく、何らかの形で議事録もお読みになっているのじゃないかなというふうに思います。この点について、大臣として、酒巻参考人は率直に正しく事実関係を述べておられたというふうに思われますか。
○三塚国務大臣 詳しくは読んでおらないのでありますが、エッセンスの報告は聞きました。ただいま司法の捜査の真っただ中にありますので、私から感想を申し上げるということは、この際控えておきたいと思います。
○上田(清)委員 先ほど議事録の一部を私読み上げましたけれども、あのような言質が出ていたということだけはぜひ確認しておいていただきたいというふうに思います。 それでは、これは新聞報道によるところでございますが、VIP口座以上の特別口座があるということを、読売新聞あるいは毎日新聞の五月十五日付の報道の中で、過去の野村証券のいわゆる元役員あるいは幹部、社員七名の方からの聞き込みということで、このように詳しく当時の出来事について報道がされております。 例えば「元営業幹部「九一年の証券不祥事より前のことだが、役員から「とにかくもうけさせてくれ」と直接指示された口座があった。ある会社名義だったが、派閥の領しゅうクラスの政治家の親族関連企業だということに、後で気がついた」」こういうお話がございます。また「大物政治家個人や関連企業名義の口座の取引記録をコンピューターで見た。CBや新規発行株など、プレミアム商品が頻繁に割り当てられていた」元役員ですが「八〇年代後半は、いろんな官庁の官僚から、プレミアム商品の割り当てで便宜を求めてくるケースが相当あった。断りにくいし、こちらも、官僚から要求があれば応じていた」 同じように、五月二日の毎日新聞の報道によりますと、元役員の証言ということで「VIP口座が作られたのは二十年以上前で、当初は「重要口座」」と言われ「九〇年当時の役員の一人は「本店管理のVIP口座には、大蔵、外務、通産、郵政、自治など現職、OB合わせ二百人以上の官僚が含まれていた」」このような証言を新聞社にしております。 これは、ある意味では、監督官庁も含めた関連の役所の皆さん自身も野村とのかかわりを深く持っていたというふうに私は理解せざるを得ないような状況にあります。この点について、大蔵大臣は、新聞報道ではありますけれども、こういうことがあったのかなかったのか御所見を承りたいと思います。
○三塚国務大臣 私からすれば知るよしもないことでございますが、新聞報道は改めて今見ました。これまた捜査の真っただ中に入っておるところでございますので、また、証券等調査委員会において真剣な調査作業が行われておりますので、いずれ大詰めになれば勧告という形で報告があり、その上に立って厳正な処置を講じていかなければなりません。そういうことで、御理解ください。
○上田(清)委員 銀行局長にお尋ねします。 第一勧銀の不正融資について、いわゆる大蔵省の検査の中で発見ができなかったのでしょうか。
○中川(隆)政府委員 お答えをいたします。 第一勧銀に対します過去の検査についての御質問でございますけれども、従来から個別金融機関の検査の中身につきましては答弁を差し控えさせていただいているわけでございますけれども、今御質問の第一勧銀に対します検査は、直近では平成六年十月に実施をいたしております。いずれにいたしましても、当行に対します検査に関しましては、現在捜査当局による捜査が行われているところでございまして、これ以上の答弁は差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
○上田(清)委員 以前の検査で見つけることができなかったという理解でよろしいのですか。
○中川(隆)政府委員 一般論で恐縮でございますけれども、金融検査は預金者の保護、信用秩序の維持等を図るために、金融機関の財産、業務の健全性、適切性の確保を目的として行っているものでございます。金融検査は、その目的、性格から、個々の取引を網羅的に調べ上げ、個々の不正発見を主眼とするものではないわけでありますし、銀行法上も犯罪捜査のために行うものと解してはならないというふうに規定をされているわけでございます。 しかしながら、検査につきましては、特にこういう都市銀行の場合には、十数名の検査官が二カ月近く行くのが一般的でございますけれども、相当の人員、期間をかけて行っているものでございまして、検査の結果、金融機関に社会的に非難されるべき問題点がある場合には、当然のことでございますけれども、必要に応じ、問題点の指摘を行っているところでございます。
○上田(清)委員 委員長、お聞きのとおり、お答えになっていないのです。見つけ切れたのか、見つけ切れなかったのかを聞いているのですよ。イエスかノーだけで結構ですから。
○中川(隆)政府委員 ただいま御答弁申し上げたところでございますけれども、従来から個別金融機関の検査につきましては答弁を差し控えさせていただいておりますし、加えまして、現在捜査当局の捜査中でございます。お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○上田(清)委員 捜査と関係ありません、これは。銀行の検査に対して大蔵省がそういう不正融資を見きわめる、そういう力があるのかないのかということを確認しているだけなのです。一般的にないのですよ、大蔵省の銀行検査は。だから、事件が起きていろいろ調べてくると、最初の話より額が上がってくるのですよ。日債銀もそうだった。皆さん方がやったら、後で出てくれば必ずふえるじゃないですか。検査能力がないということなのですよ。検査官も少ないし。時間がありませんので、それはまた次の機会に論議したいと思います。 実は、この野村の関係でODAに絡む事件で、ベトナムのハノイの工業団地建設計画あるいはダムの事業等で、実際は商社が仕切っているわけですけれども、野村が相当かかわっているという話があります。 これは、小田淵と言われる方がアジア担当のいわば相談役、役員という形でしばしば出かけておられたということも含めて、ぜひ調べていただきたいということで質問させていただきたい。調べていただけますか。
○堀江説明員 お答え申し上げます。 今、先ほどの先生の御質問は、ハノイ市のインフラ整備計画のことかと思いますけれども、このハノイ市のインフラ整備計画につきましては、ハノイ市北部のタシロン地区というところで建設が予定されております工業団地、住居地区、物流センターなどの開発を支援するために、これらに対する送配電、道路、上下水道などのインフラを整備する計画がと思います。これにつきましては、九六年度円借款案件といたしまして、ことしの一月に百十四億三千三百万円に及ぶ円借款に関します交換公文を署名しております。本件につきましては、今後実施のための手続がとられることになっておるかと思いますけれども、これからの案件でございますので、まだ入札にも至っていないと承知しております。
○上田(清)委員 入札以前の事前のコンサルがございまして、そちらの方でかかわっておりますから、その部分でも関係があります。また、ダムの関係でも既に数百億のお金が出ておりますから、その辺も含めて言っていただかないと、あたかも関係ないような言い方をされては困る。 それから、この点に関して、野村のVIP口座の中に外務省のOBや現職の方々がかかわっている。とりわけ外交官との絡みの中で、既に新聞報道や週刊誌の中で名前が挙がったりしております。そういう点においても、このODAに絡んで野村の影がちらちらしている。こういう部分もありますので、改めてこれはまた追及する機会をいただきたいと思いますが、ぜひ外務省あるいは大蔵省においても調べていただきたいというふうに思います。 そして、VIP口座並びにそれ以上の特別口座について、これは大蔵省として確認できるのでしょうか。それとも、こんなものは全くあずかり知らぬという関係なのでしょうか。この点についてお伺いしたいと思います。
○長野政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、検査、監視にわたる部分につきましては、行政と切り離した形で担当するシステムになっておりますので、私どもの検査組織はその段階をもちまして私どもの組織から削除されておりますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
○上田(清)委員 最後ですが、酒巻参考人の四月十八日の大蔵委員会での答弁は、この第一勧銀事件との絡みの中で年月日を追っかけていきますとほとんどうそだと私は確信できますので、ぜひ、証人喚問を要求いたしますので、委員長に取り扱いをよろしくお願いしたいと思います。
○額賀委員長 ただいまの上田委員の申し入れにつきましては、当委員会の理事会において協議をさせていただきたいと思います。
○上田(清)委員 ありがとうございました。終わります。
○額賀委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○額賀委員長 この際、本案に対し、池田元久君外三名及び佐々木陸海君外一名から、それぞれ修正案が提出されております。 提出者から順次趣旨の説明を聴取いたします。池田元久君。 ――――――――――――― 日本銀行法案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○池田(元)委員 民主党提出の日本銀行法案に対する修正案について説明をさせていただきます。 これまでの審議でも出ているとおり、戦時立法として昭和十七年に制定されました現行日銀法の改正作業は、中央銀行の独立性と政策運営の透明性を確保する観点から進められまして、全面改正案が今国会に提出されました。改正案は、五十五年ぶりの抜本改正でありますから、当然のこととはいえ、現代の金融システムに合わせて一定の前進が見られます。 しかしながら、EUの通貨統合等に向けて各国の中央銀行が改革を進めている中で、改正日銀法案は、世界標準グローバルスタンダードから見て、十分な内容を備えた案とは言えないと思います。これは審議でも十分その点は論議が尽くされ、明らかになったところであると思います。 私たち民主党としては、日銀の独立性と国民、国会に対するアカウンタビリティーの確保を図るために修正案を提出いたしました。 その内容は、まず、予算の大蔵大臣認可を公表と国会承認に改める、また、政府代表の議決延期請求権を削除し、大蔵大臣の報告・資料提出要求権も削除して、日銀の独立性を高めるという内容になっております。さらには、新生日銀の発足にあわせて、総裁等役員を新しく任命するという内容も盛り込んでおります。 政府案は不十分でございますが、政府案を前進させるものとして提出をいたしました。各党各会派の御賛同をお願いいたします。
○額賀委員長 次に、佐々木憲昭君。 ――――――――――――― 日本銀行法案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、政府提案の日本銀行法案に対する我が党の修正案の提案理由説明を行います。 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券の発行、金融政策など重要な役割を担っています。しかし、現行日本銀行法は、戦時下の一九四二年に制定されたもので、その目的も「国家経済総カノ適切ナル発揮ヲ図ル為」あるいは「専ラ国家目的ノ達成ヲ使命トシテ」などと、全体主義的な色彩が極めて強いものとなっています。 そのため、大蔵省による広範な業務命令権の規定など、日銀は政府に対して極めて従属的な地位に置かれております。公定歩合政策を初めとする日銀の金融政策は、これまでも幾たびか政府の干渉を受け、ゆがめられてまいりました。 今回提案された政府の日本銀行法案は、国民の批判を受け、政策委員会の強化、国会への報告の充実など、独立性と透明性に関して大きな改善が図られています。しかし、法案が金融制度調査会の審議を経て政府によって提出されたことからくる制約を免れることはできず、政府による議決延期請求権を認めたこと、一般的監督権を一部残したことなど、残された問題点も少なくありません。 そこで、我が党は、政府案の問題点を最小限修正することによって、独立性が高く、かつ民主性に富んだ日本銀行を実現しようとするものであります。 まず、独立性の強化のための措置として、政策委員会の委員は政府に指図を求め、また指図を受けてはならない旨を明記するとともに、政府の政策委員会に対する見解表明は議案の提出にとどめ、議決延期請求権は認めないこととするなどの修正を行っています。 また、民主性を確保する一環として、政策委員会の国会に対する報告内容を充実させるとともに、報告は直接国会に対してしなければならないこととするなどの強化を行っています。 そのほか、日銀特融が安易に行われることのないよう明確な歯どめを設けること、国に対する貸し付け等についても削除すること、幹部職員のいわゆる天下りを規制するなどの措置をとっています。 これら我が党の修正案は、政府案を基本としつつ、これに独立性と民主性の観点から必要な修正を加えようとするものであり、現実的案として提案するものです。 何とぞ、慎重に御審議の上、御賛同くださることを期待し、私の提案理由説明といたします。
○額賀委員長 これにて両修正案について趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○額賀委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。砂田圭佑君。
○砂田委員 私は、自由民主党及び社会民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております日本銀行法案について賛成の討論を行うものであります。 現行の日本銀行法は、昭和十七年に制定された戦時中の立法であり、諸規定が時代にそぐわないものとなっております。また、現在の日本銀行の金融政策の決定過程が国民にわかりにくいものとなっているほか、日本銀行の役職員の待遇や資産保有のあり方についても、必ずしも国民の理解を得られていない状況にあります。 現在、グローバル化した世界の金融・資本市場を見据えつつ、二十一世紀に向け、我が国の金融・資本市場を自由かつ透明で信頼できる市場とすることを目指した改革が進められておりますが、日本銀行についても、このような情勢の変化を踏まえつつ、二十一世紀の我が国の金融システムの中核にふさわしい中央銀行に改革する必要があります。 今般の日本銀行法案は、一つ、我が国の中央銀行としての日本銀行の目的、運営の理念等を明らかにしていること、二つ、日本銀行の金融政策の独立性及び透明性の確保のため、政策委員会の権限の強化とその議事要旨の速やかな公表等の措置を講ずるとともに、国会への報告、出席義務等について定めていること、三つ、日本銀行の金融政策と政府の経済政策との整合性を確保するため、金融調節事項を議事とする政策委員会に対する政府からの出席、議案の提出、議決延期の求め等について定めていること、四つ、日本銀行の役員の構成、任期等の見直しを行うとともに、役職員の守秘義務等を定めるほか、給与等の支給の基準及び服務に関する準則の作成及び公表を義務づける等の措置を講じていることなどを通じて、日本銀行の金融政策の独立性とその意思決定の透明性を高めるとともに、日本銀行の適正かつ効率的な業務運営を確保するため、日本銀行の抜本的な改革を図るものであり、十分に評価できるものであります。 ここで、民主党の諸君が提出した修正案について一言申し上げます。 この修正案は、政策委員会に出席した政府代表による議決延期の求め、政府による違法行為等の是正の求めや報告、資料提出の求めを認めないものであり、これで政府との政策調整や日本銀行の業務の適正を図ることができるか、疑問があると言わざるを得ません。 また、共産党の諸君が提出した修正案についても、政府代表の政策委員会への出席を議案提案のために限定し、政府による違法行為等の是正の求めや監査の求めを認めないものであり、同様の問題があるものと考えられます。 以上申し上げましたとおり、政府提案の日本銀行法案は、日本銀行の金融政策の独立性と政策決定の透明性を確保しつつ、政府の経済政策との整合性、日本銀行の適正な業務運営を図る上で、現状で考えられる最善のものであると考えております。 日本銀行法案の成立とこれによる日本銀行の抜本的な改革が、二十一世紀の我が国の金融・資本市場を自由かつ透明で信頼できるものとすることに大きく寄与することを強く期待申し上げ、賛成の討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○額賀委員長 次に、北側一雄君。
○北側委員 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の日本銀行法案に対し、反対の立場から討論を行います。 討論に先立って、議事運営について申し上げます。 先ほど委員長職権で質疑終局がなされましたが、私どもはこれに反対であり、民主党や共産党の理事も反対をされております。 その理由の第一は、行革特で現在審議されております金融監督庁設置法案は、金融検査・監督権限をどうするかという大蔵省改革をテーマとしたものでございます。一方、本法案は、その大蔵省と日銀との関係について種々規定をしているわけでございまして、両法案は極めて密接に関連した関係にあります。したがって、両法案はできるだけ並行して審議し、委員会採決の出口も一緒の時期にしようというのが、本法案審議開始に当たって、与野党理事間での合意でございました。行革特委ではいまだ審議時間を二十時間近く残す中で、本法案について質疑終局、採決をするのは、この合意に明らかに反するものでございます。 また、我が党の対案である二法案につきましては、行革特に審議が付託されましたが、この対案について何ら審議がなされていない段階で日銀法案について採決するのは、極めて遺憾であると言わざるを得ません。委員長の議事運営に強く抗議をするものでございます。 さて、我が国の金融システムは今大きな転換期を迎えており、とりわけ、これまでの大蔵省の護送船団行政が時代の変化に対応できず、その限界がとみに顕著になっております。これまでの談合体質からの脱却と市場原理に基づくルール型の行政へと、転換が強く求められております。 一方、大蔵省の護送船団行政と裏腹の問題として、中央銀行としての日銀のあり方が久しく問われてきました。先進各国は、それぞれ深刻な金融の不安定化やインフレを経験した中で、物価の安定を最優先とする金融政策を実現するために、中央銀行を財政当局から独立させ、その強化を図るための制度をつくってきております。我が国の対応は、先進各国からいまだ大きく立ちおくれております。 橋本内閣の行政改革の最大の目玉であるはずの金融監督庁設置法案自体、行政改革の名に全く値しない内容であるばかりか、むしろ行政権限を拡大する、いわば焼け太りの法案であります。本日銀法案にしても、現行法よりは格段の整備がなされているとはいえ、独立性の強化の面で決して十分とは言えない内容となっております。 反対する理由の第一は、本法案が、金融監督庁設置法案とともに、金融の抜本改革を視野に入れておらないという点でございます。 これからの金融行政は、従来の業法に基づく指導監督中心の行政から、公正、透明なルールを定めた金融市場法に基づく行政へと転換しなければなりません。これを前提にして考えれば、行政における監督権限は結果として極小化し、主として企画と検査の両部門に整理されます。このうち検査業務は、本来、市場の中で業務を行う日銀にゆだねることが妥当だと考えます。この点、本法案は、検査・監督を政府案の金融監督庁にゆだねることを前提としており、来るべき抜本的な金融改革に対応しておりません。反対する理由の第二は、本法案に規定される日本銀行が、中央銀行の独立性の確保の点でいまだ懸念を払拭できないことであります。 確かに、現行法に比べれば独立性は格段に強化されていると言えます。しかし、その担保は、いずれもせんじ詰めれば情報の公開によっているだけであり、従来の護送船団方式を総括した上で大蔵大臣との権限の分担、分散が図られているとは言えません。我が党が対案として国会に提出しておりますように、国家行政組織法第三条に基づく独立委員会のもとで業務を行うという制度にするべきだと考えます。 反対する理由の第三は、日銀の予算が大蔵大臣の認可とされていること、あるいは政策委員会への政府からの出席の扱いや国会への報告等において内容的に妥当性に欠けることであります。これらはいずれも大蔵省との権限の分担、分散に関連する課題であり、この点、到底納得するわけにはまいりません。 以上、本法案に反対する主な理由を申し述べました。 最後に、民主党、日本共産党からそれぞれ提出されております修正案は、政府案を前提としておりますことから、反対であることを申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○額賀委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 私は、民主党を代表いたしまして、政府提出の日本銀行改正法案に対しまして、民主党修正案に賛成、原案に反対の立場から討論をさせていただきます。 五十五年前に日銀法が制定をされて以来、初めての法改正ということでございます。金利政策、物価の安定に責任を持つ新生日本銀行の姿がどのようなものになっているか、国民の大きな関心事でありました。もちろん、政府が御提案になられた今回の法案は、五十五年前の日本銀行法の姿からすれば格段の進歩をしていることは当然でありますし、評価もいたします。しかしながら、以下の三点において、どうしても賛成をしかねる点があることを申し上げざるを得ないのであります。 第一点は、現在、EUの通貨統合へ向けて、世界の中央銀行が格段の努力をしている時期でございます。グローバルスタンダードという言葉がございますが、世界の中央銀行のグローバルスタンダードから見て、今回の日本銀行法は十分な内容であったかどうか。第二点は、大蔵省が金融政策に直接介入する余地をまだまだ多分に残しているのではないか。日銀の独立性の観点から、大いに疑問を抱かざるを得ません。第三点は、今法案には、日銀役員の天下り等について制限が盛り込まれておりません。情報公開についても、日銀自身の透明性の問題が放置をされているままではないのか。 以上、大きく申し上げて三点の理由により政府提案の原案に対して反対をせざるを得ないということに、大変に残念な思いをしております。なぜならば、中途半端な改革は必ずや将来に禍根を残すでありましょうし、また、ビッグバンがビッグバンたり得るかどうか、これから日本の経済がどうなっていくのか、国民は本当に国会の行方、法案の行方を大変関心を持って見ております。以上申し上げたこの三点を民主党は修正をさせていただいて、提出をさせていただいております。大いに日銀の二十一世紀の姿に貢献をできる修正案であると確信をいたしております。 以上申し上げてまいりましたとおり、民主党案に賛成、政府原案に反対の立場から討論をさせていただきましたが、共産党の修正案については、若干の部分について賛同をしかねる部分があることを最後に申し添えておきます。ありがとうございました。(拍手)
○額賀委員長 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました、政府提出、日本銀行法案及び日本共産党提出、日本銀行法案に対する修正案、民主党提出、日本銀行法案に対する修正案に対する討論を行います。 日本銀行が、通貨と物価の安定という中央銀行としての職責を果たすためには、その専門的かつ中立的な判断が尊重されなければならず、政府からの一定の独立性が確保されなければなりません。現行法のもとで日本銀行は、大蔵省が持つ広範な業務命令権、監督命令権、立入検査権や、政府による総裁、副総裁、理事の解任権などを背景に、大蔵省に対し従属的な地位に置かれてきました。 政府提出の日本銀行法案は、日本銀行の目的を明確にするとともに、政策委員会を強化する一方、大蔵省の強い監督権を大幅に縮小するなど、日本銀行の独立性を確保する諸措置がとられており、現行法からの改善措置として前向きなものとは言えます。しかし、政策委員会への政府の出席を必要に応じてできることとし、議決延期請求権を認めていること、政府による一般的監督権を一部残したことなど、その独立性の確保は不徹底なものであります。 日本銀行が政府からの独立性を確保する一方で、ますます国民に開かれたものとなること、すなわち政策決定の透明化を図ることにより民主性を確保することが必要であると我が党は考えますが、この点でも、政府提出法案は、政策委員会の議事要旨や議事録の公表を義務づけるとともに、年二回の国会への報告制度を明確にするなどの一定の前進面が見られるものの、国会への報告が努力規定とされ、報告事項が金融調節事項に限定されているなど、不十分なものとなっております。 我が党提出の修正案は、先ほどの提案理由説明が述べたように、政府提出法案の不十分さを是正し、日本銀行の独立性を高め、一方で民主性を拡大するものであります。我が党は、政府提出法案が現行法に比べ前進面を持つことを評価するものでありますが、我が党提出の修正案は、日本銀行が国民の期待にこたえ、その責務を果たす上で必要な措置であることを強調したいと思います。 最後に、民主党提出の修正案については、特に反対するものではないことを申し述べ、日本共産党を代表しての討論といたします。(拍手)
○額賀委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○額賀委員長 これより採決に入ります。 日本銀行法案及びこれに対する両修正案について採決をいたします。 まず、佐々木陸海君外一名提出の修正案について採決をいたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○額賀委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。 次に、池田元久君外三名提出の修正案について採決をいたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○額賀委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。 次に、原案について採決をいたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○額賀委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○額賀委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、渡辺喜美君外三名から、自由民主党、社会民主党・市民連合、太陽党及び21世紀の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。渡辺喜美君。
○渡辺(喜)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 日本銀行法案に対する附帯決議(案) 政府及び日本銀行は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 日本銀行の法人格の在り方については、日本銀行がきわめて重要な金融政策を実行する機関であることを踏まえ、民間出資者の位置付け、法的性格の変更に伴う諸コスト、日本銀行の金融政策の独立性への影響等についても総合的に考慮しつつ、さらに検討を行うこと。 一 日本銀行は、国会に対する報告については、大蔵大臣を経由して、報告書を議長に提出するとともに、大蔵委員会の求めがあったときは、総裁又は副総裁等が誠意をもつて、報告書について説明し、質疑に応じること。 一 現在の日本銀行総裁・副総裁は、本法の施行に当たり、国会の同意を得ないまま、引き続き職務を遂行することになることに鑑み、国会の求めに応じ、国会への出席義務が課される本法案の施行日以前においても、日本銀行の運営及び金融政策に関する所見を開陳すること。 一 日本銀行役員の任期に関する国会の論議に十分配慮し、政府の経済政策と日本銀行の金融政策の整合性の確保に努めるとともに、金融政策の考え方につき国会に対して十分説明するよう努めること。 また、日本銀行は、今後、政策委員会が名実ともに金融政策の最高意思決定機関となるよう、役員集会(理事会)の廃止、付議内容・参考資料等の事前送付、独自スタッフの設置等により政策委員会の活性化を図るとともに、政策委員会の議事要旨の可及的速やかな公表等により、金融政策運営の透明性を最大限確保すること。 一 日本銀行は、その利益が主として通貨発行益によるものであることを踏まえ、経費支出や給与水準等につき、国民の理解を得られる適正水準となるよう努めるとともに、支店・事務所の改廃、不要不急の資産の処分、適正な人員配置等を含む抜本的なリストラ計画を早急に作成すること。 また、これらの事項を含む予算等の透明性の確保に努めること。 なお、政府は、日本銀行の予算認可、違法行為の是正の求め、資料徴求、業務報告書の国会への提出等において、日本銀行の業務運営自主性に配慮し、適正な運用に努めること。 一 日本銀行の役職員の再就職制限については、国家公務員の再就職制限等も参考にしつつ、国民の理解を得られる適切なルールを作成すること。以上であります。 何とぞ御賛成賜りますよう、お願い申し上げます。残りは参議院でやらせていただきます。(拍手)
○額賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○額賀委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。三塚大蔵大臣。
○三塚国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○額賀委員長 お諮りいたします。 ただいま議決をいたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○額賀委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○額賀委員長 最後に、本日の委員会審議は民主主義のルールにのっとって粛々と行われたことを申し添えておきます。 次回は、公報をもってお知らせすることにし、本日は、これにて散会をいたします。 午後七時八分散会 ――――◇―――――