消費者問題等に関する特別委員会遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/08/21
会議録
○岸田小委員長 これより遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員会を開会いたします。 遺伝子組換え食品の表示問題等に関する件について調査を進めます。 本日は、本件調査のため、参考人として日本生活協同組合連合会常務理事片桐純平君に御出席をいただいております。 この際、片桐参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本小委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本件につきまして忌憚のない御意見をお述べいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 なお、議事の順序でございますが、まず参考人に四十五分程度御意見をお述べいただき、その後、小委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。 なお、御発言はすべて着席のままで結構でございます。 それでは、片桐参考人にお願いいたします。
○片桐参考人 日本生協連の片桐でございます。よろしくお願いいたします。 遺伝子組み換えの作物を原料とする食品が既に日本でも流通しているわけですけれども、どう考えるかということで、さまざまな問題があろうかというふうに思うわけですが、特に技術的な問題になりますと大変難しい問題で、私も全くの素人でございますが、生協として、単に生協の売り場ということだけではなくて、日本でのGMO食品の流通についての扱いをどう考えるかということについて幾つか検討してまいっておりますので、その点で御報告申し上げたいというふうに思います。 四十五分しゃべれということなものですから、レジュメを準備いたしました。これに沿って申し上げます。 なお、レジュメの後に二枚、私どもの会長名で小泉大臣に出してございます要望書をつけましたが、これは同じ日時で農水大臣にも同文で出してございます。これが基本的な私どものこの問題に関する現時点での国に対するお願いの内容であるということで、資料としてつけさせていただいております。 最初に、基本的な認識ということで申し上げたいわけですが、そもそもバイオテクノロジーというのは、文明の始まってからずっと広く人類の、それだけではありませんが主に食という分野でずっと活用されてきた技術であります。多分、現時点ですと、我々が口にしている食物でバイテクと無縁のものというのはほとんど探してもないのではないかというふうに思えるぐらいの状況だろう。 よく、自然のままのものをというふうに消費者も言いますけれども、世の中にそもそも自然のものを食べている人間というのはどこにいるかというぐらいでありまして、少なくとも日本人が、例えば今問題になっておりますトウモロコシであれバレイショであれ、当然それの原種を食べるわけではありませんし、原種は食べることが不可能でありますので、そういう意味では、すべて何らかの意味でのバイオテクノロジーというものが反映した中での私どもの食生活であるということではないかというふうに思うわけです。 そういう意味では、現在問題になっております遺伝子組み換え技術、これは、七〇年代に入って分子生物学の発展の中で、異種生物間での遺伝子交換ということが可能になるという中で生み出された技術の一つだということでありますけれども、こうした技術についても、将来的な地球上の人間の食あるいはその他の暮らしの営みにとって、どういうふうにこれが正当な形で発展するか、そして定着するかということは、非常に大事な問題であるというふうに考えております。その点では、非常に不幸な形でのデビューをしておりますけれども、後ろ向きになることなくこの問題に対していかなければならないというふうに考えているというのが基本的な認識の第一点でございます。 そこで、安全性というようなことが特に生協の場等では問題になるわけですが、そもそもこの遺伝子組み換えというような技術が登場して、ようやく実用化する段階、あるいは実用化のための議論が始まる段階、二十五年から三十年前ぐらいかというふうに思いますけれども、当時は、やはり予測できない潜在的な危険性がかなりあるのではないかということを世界じゅうのかかわる学者が考えていたわけです。 そこで、世界各国で膨大なそれにかかわる実験が繰り返される。そして、少なくともそのころ仮説的に考えられたリスクはない、認識としては、組み換え作物のリスクというのはDNAを提供する生物側にあるリスク、危険性であって、組み換え技術そのものに固有のリスクはないということが、ほぼ世界の学者の共通の認識として定着したのではないか、こういうふうに思うわけです。 当然、医薬品であるとかその他の分野で、あるいは花であるとか、こういった分野で少しずつ実用化が始まるわけですが、現実に人間が直接食べるものが議論になってくるのがまだほんの数年前ぐらいかというふうに思いますけれども、このことが現実の問題になるという中で、九一年にOECDが、いわゆる実質的同等性ということでこの問題の実用化について考えようではないかというふうになってきたのは御案内のとおりなわけです。 私ども日本生協連は、そうした状況の中で、九三年の八月に、新技術食品研究会・バイオ食品部会というものを発足させました。新技術食品研究会というのは、いわゆる放射線の照射食品についての研究会をもう一つ部会として持っておるわけですけれども、このバイオ食品部会を九三年八月にスタートさせまして、九四年いっぱいこのことについて、京都大学の木村先生を座長に迎えまして、関係する各学者先生あるいは消費者団体の方々にお集まりいただいて検討したわけですが、九五年三月に、かなり膨大なものですけれども、このことについての報告書をまとめて、関係するところに提供するというようなことになったわけです。 この報告書でも、いわば科学的な認識という範囲について言えば、アシロマ会議以降の世界の科学者たちが到達した認識、これを基本的に踏まえて、それを我々も受け入れるというふうなことで報告がされてございます。ただ、今特に問題になってございます表示であるとかあるいは情報のコントロールというようなことについては、この報告書で、既に九四年時点で、どうしてもこれはもう少し丁寧に扱わなければいけないということで、このことだけは留保されている、こんなふうになっているわけであります。 先ほど申しましたように、GMO食品というのが具体化する、これの安全性ということを確認するに当たっての実質的な同等性ということについて、それ自体はある種合理的な考え方だというふうに理解しておりますし、あるいは、再三申し上げておりますように、科学的な認識というものの到達点も我々受け入れることができるというふうには考えております。 ただ、もともと科学というようなものは、危険性の証明をすることはできても、絶対的な安全性を証明するということはできないものです。ですから、我々がよく、例えば魚を焼いてその焼け焦げが発がん性があるとかなんとかということがあります。こういうのは後から科学が気がついたことであって、最初から、魚を焼くとそれは人体に対しては発がん性リスクを与えるというようなことが何か予知できているわけではありません。 もともと食の安全というようなものは、動物実験か何かで確認をして、それで我々が食べているというような事例は多分世界じゅうに一つもないというように思うわけで、今ちょうど遺伝子組み換えで問題になっておりますトウモロコシは食べたら安全かというのは、動物実験で確かめたというような経験はこの世の中にないはずであります。トウモロコシであれ大豆であれ、それはすべて同じことだろう、こういうふうに思うわけです。それについては、結局、人間が長い間の食経験の中でこの安全性について確かめてくる、こういうふうな経過を踏んでいるわけです。 そういう意味では、この実質的な同等性というのが、要するにDNAを提供する側と同等のものである、そうすると同等のリスクしか持っていないという範囲でこれは安全性を確認しているにすぎないわけです。バレイショというのは、当然のことながら、ある状況によっては人間に対してリスクを持っておりますけれども、特別に遺伝子組み換えをしたバレイショはもともとのバレイショのリスクをなくしているわけではない、リスクも同じように持っているという範囲での安全性の確認だというふうに考えておかなければならない。 実はそのことが十分説明されていない。なかなか理解しにく、そこに今日の遺伝子組み換え食品をめぐっての、言い方によればフランケンシュタイン・シンドロームというような言い方もありますけれども、何となく不安だというふうな状況に対して、食の安全というものについて実はもともとそう確定的なものではないというところで動いている、そのことの不安感が相まって一つの状況をつくり出しているということが言えるだろうというふうに思います。 ただし、それ以上に大きな問題は、遺伝子組み換え技術の問題というのは、科学技術者は非常に長い間大変な真摯な努力をしてこのことについての検討をしておるわけですけれども、実は、言うまでもなく、ここで生み出される大豆であるとかコーンであるとか、こういったものが持っている社会経済的な意味といいますか、そのことが非常に重要なわけです。 いずれにしても、これがどういうふうに流通して、どういうふうに我々の食として実現するかという場合に、その背景には穀物をめぐっての国際ルールとかいう問題があるわけですし、あるいは国内外の長期にわたる食糧問題、食糧の需給構造にかかわる問題、こういうものが全部リンクした形でたまたま現在の問題が起こっているということがあるわけです。 遺伝子組み換えの技術を推進しようとする人たちは、とにかく食糧危機に対してこれが非常に有効な武器だ、こういうふうに主張されるわけです。そのことについて私どもも十分理解することはできますが、問題は、科学技術、自然科学の立場からの遺伝子組み換え技術についての究明に比べて、この技術が社会的、経済的にどういうふうに位置づけられ、どういう目的で人間のために役に立てられようとするのか、したがって、そのためにどういう効果とどういうリスクのアセスメントが行われるべきかというようなことが、ほとんど実は議論されてこなかったということがあるかというふうに思うわけです。 非常に大きな技術で、日本でも農水省でお米を中心にしてゲノムの研究が非常に進んでおりますけれども、大体毎年百五、六十億の予算が使われて、現在、米を含むこの分野の新技術の検討が行われているわけですね。ところが、こういうことについて、日本で米の遺伝子組み換えというようなことが実際に実現することは、日本の国内と世界に対してどういう意味を持っているのかというような角度からの議論はほとんど行われていない。このことがこの問題についての一つの悲劇になっている、こういうふうに実は思っているわけです。 そういう意味では、少々ずれが生じているわけですけれども、きょう、こういう議員先生たちのお集まりのようなところでは、これが安全であるとか安全でないとかという議論ももちろん非常に大事なことですけれども、どういうふうにこの技術を社会的、経済的な位置づけをしていくのか、そういう立場からどういうふうにこの技術を考えるのかという検討をぜひお願いしなくてはならないのではないか、こんなふうに思っておるわけです。 次に、実際上の管理あるいは情報コントロールの問題について申し上げたいわけです。 十九日の読売新聞で都の地婦連のこの問題についての意識調査が報道されてございましたけれども、安全性がどう確かめられているのか疑問であるとか、いろいろなことで圧倒的な消費者がこれについて否定的な回答を寄せているようです。 いずれにしても、いわゆるパブリックアクセプタンスという意味でいえば、これが非常に未成熟な状況にあるというふうに思います。科学的な意味でどう証明できるかということと食の安心というのは、実は別の問題でありまして、安全であることがもちろん前提ではありますけれども、安全なことが科学として証明できるだけでは安心ということにはならないということがどうしてもあります。 特に、遺伝子組み換え技術についての不安は、日本だけではなくてヨーロッパ各国を含める国際的な問題にもなっているわけで、その前提にあるのが、情報の提供が圧倒的に不足しているということであるというふうに思っているわけです。これから本格的にこれの社会的な合意形成を進めていくというふうに考えた場合に、どうしても、消費者に対してどういうふうに丁寧に情報を提供していくかということについて、特別な努力を払っていただかなければならないというふうに思うわけです。 後ほど申しますが、日本生協連としても、現在、どういうふうに生協の売り場でこのことについての情報提供をするかという検討をしてございますけれども、率直に申し上げまして、単独のいわば企業、民間のレベルでやれることはほとんどございません。その点で、ぜひ行政のレベルで、政治のレベルで決めていただかなければならない問題を、まず二つ三つ皆さんにお願いしたいわけでございます。 第一は、GMOの管理という問題なわけですけれども、ずっと見ておりますと、アメリカであるとかあるいはカナダで分別管理をして流通させればいい、分別管理をさせろというような議論があちこちであるわけで、もちろんそれが合理性があれば、それはそれでいいかというふうに思うのですが、私は、二つの意味で分別管理ということについては現実的でないというふうに考えております。 一つは、いずれにしてもこれは政治の世界の領域ですが、アメリカにしろカナダにしろ、ことしの春のコーデックスでもそうですけれども、絶対そういうことは認めない、場合によってはWTOに提訴するというぐらいの構えでこのことはやっているわけで、急がなければならないという立場からすると、その議論をアメリカとの間でやっていてもほとんど意味がないということが現実問題としてあるというのが第一点です。 第二点は、もともとコーンであるとか大豆であるとか、いわゆる油脂であるとか飼料になる穀物ですが、これらについての現在の流通システムというのは、油であるとか飼料の流通という立場からするとある種の合理性を持った流通システムに、例えば、少なくともアメリカの国内で収穫されてシッピングされるまでのプロセスというのは、それなりの合理性を持ったものなわけです。 これを分別管理するという形でやろうとすると、多分、油脂食物、あるいは飼料といういわば畜産業の前提になる穀物の流通構造あるいはコスト構造を本質的に変えるものになってくる可能性がある。したがって、軽々に遺伝子組み換えの問題の立場からだけ分別管理を主張するというのは、そうそう簡単な話ではない、こういうふうに私は思っておりまして、少なくとも早急にこれについての情報をより正確に管理をして消費者に提供しようという立場からすれば、その議論を一たんとめるべきだと考えております。 むしろ、現在進められておりますのは、私どもが検討しなければならないというふうに考えておりますのは、輸入された時点での穀物に、例えば大豆なら大豆にGMOが含まれているかどうかという検査をするという、そのシステムをつくるべきだという認識であります。これですと、それぞれの国がそれぞれの国の基準に基づいて実施すればよろしい、こういうことになってくるわけです。 何かこの可能性がないのかということでずっと検討してまいっておるわけですが、たまたま、まだ一週間にもなりませんけれども、スイスは今度、大豆については少なくともGMOが含まれているかどうかということについての分析法を、公定法としてほぼ確定したようです。この方法は、いわゆるPCRと言われる方法で、例のO157で使われている方法です。 それですと、既に私どもの検査センターでもPCRを使って、ほんの一、二カ月前にも、現在私どもで扱っている食品の原料の中にベロ毒素を含むものが入っていないかどうかという検査をしておりますけれども、このPCRを使えば、大豆をむいて集めて、そして多分すりつぶすというようなことになるでしょうけれども、あるいは粒子にするか、そこから何%含まれているかという検出をする、こういうことになるわけです。この方法をどう具体化するかというのが、多分今我々が考えられる最も現実的な方法ではないかというふうに考えているわけです。 ただ、問題がありまして、実はO157をやる場合には、この検査をするためのキットがあるのですね。こういうことです。要するにPCRというのは、非常にちょっとしかないDNAを増殖させて非常に大きくして、そして、ああ、これだったら何%含まれていると。御案内のように、一般的に大腸菌というのは百個以上とか、こういうオーダーで従来は調べておるわけですけれども、O157の場合、本当にもう一つか二つあってもだめだということが明らかになっておりますので、非常にほんのちょっとした可能性を含めてベロ毒素を持った大腸菌が含まれているかどうか、こういう検査をするわけですが、そのためには、DNAを一気に増殖させるというプロセスがあるわけです。このプロセスを踏まえて、何か聞きますと、数時間の間に百万倍ぐらいにふえるのだそうですけれども、それによって初めて検出することができる。こういう技術があるようなんですが、これをやるためには、O157の場合もそうなんですが、これをやるキットがあるのですね。結構お金がかかるのです。 高い金をかけてこの検出作業をやるわけですが、遺伝子組み換え食品の場合には、当然のことながら、大豆なら大豆についてどういう塩基配列になっているか、いわばこの図面があれば、それに対するプライマー、要するにプライマーとDNAがくっつく形でDNAが増殖していくわけですが、このプライマーをつくることができる。このプライマーがないと、PCRは運用できないわけです。 企業秘密なのかということなんですが、そうでもなくて、実はこっそり私どもも、コーンの一つについては既に塩基配列のコピーを持っております。当然我が国で認めているということは、農水省であれ厚生省であれ、この配列の図面はみんな持っておるわけです。それに対応するプライマーがつくられて、これが比較的容易に各研究機関で使うことができれば、水際でもって、まず輸入された穀物にGMOが含まれているかどうかということは比較的容易にわかることができる。 先ほど申しましたように、スイスは既にほんの少し前に、大豆についてはこれを公定法にして、それに基づいてスイス国内での大豆の表示を行う、こういうふうに決めたというふうに情報を受けておりますけれども、ぜひ我が国で、分別管理ではなくて、入ってきたものについて分析をして何%含まれているか、そういうことについて確定できる公的な条件の整備をお願いしたい、こういうふうに思うということなんです。 特に、実は私は農水省のこの問題の小委員会に出させていただいておりますけれども、そこで第一回のときにこういう御質問が別の委員さんからありました。今、日本で認められているコーンが入ってきているのは、それはいい。しかし、コーンでも食品衛生調査会がまだ認めていない遺伝子組み換えのコーンもあるわけですね、アメリカでは流通しているわけです。これが入ってきているが入ってきていないかというのはどういうふうに確認するんだ、こういう質問がありまして、なかなかお役人の方からこれはという御説明がなかったように思います。 そういう意味では、少なくともアメリカやカナダで流通されているあらゆる遺伝子組み換え作物について、すべて我が国に入っているかどうかについてモニタリングをする、こういうシステムはそんなに大変な努力をしなくてもできるはずです。これをぜひ具体的に政治の場で御検討いただければというのが第一点です。 二番目に、具体的な表示問題ですが、先月の二十五日にようやくEUヨーロッパ委員会が、あそこも去年の秋以来七転八倒のような苦しみをして、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしておりますけれども、ようやくほぼ案を固めたというふうな情報をキャッチいたしております。 そこでは三つの概念での表示だというふうに考えておるようで、これは指令の案ですから幾つかのまだ調整があるでしょうけれども、最終指令にしたいというようなことになっているようですが、一つは、GMOを含んでいない食品、これについてはそういうふうに書いた任意表示をしろ、これは任意表示です。それから二番目には、その食品がGMO起源であるということが明らかになっている場合にはそういう旨の表示をしなさい、これは何々を含む、このポテトチップスはGMOのバレイショを含んでいる、こういう表示をしなさい、これは義務表示です。それから三番目には、これが非常にデリケートなんですが、GMOを排除できない、しかしGMOが存在しているということを確認することもできない、こういう場合には、これは含むかもしれない、こういう義務表示をしろ。 この三つの概念でヨーロッパ委員会の指令の案がまとまったというのを、先月末ヨーロッパの牛協から情報としてもらっております。ようやく現実的な方針を固めたというふうに私ども認識しておりますけれども、ぜひ日本の表示というものも、大枠このEUが固めつつある方法で進めるべきではないかというふうに思っております。 ここで重要なことは二つございまして、EUの場合でもそうですけれども、GMOだけを原料として商品をつくっているとかいうようなことを想定した表示にはなっていないのです。含んでいるとか含んでいるかもしれない、そういう表示になっているのです。 これは、私も又聞きでしかありませんが、実際の例えばコーンの栽培であるとか大豆の栽培という場合に、例えば片桐なら片桐というファームのすべての畑が全部それだけということはほとんどないようでありまして、畝が十本ありますと、一、二、三、四と、九つ目の畝までは全部遺伝子組み換えのものを植えるけれども、一つの畝は在来のものを植える、いろいろ事情があるようですけれども、こういうことがやられるようで、もともとどっちがコンタミかというのはありますけれども、一〇〇%というのは、例えばトマトのようなああいう単体のものは別にすると、ほとんどないということのようなんですね。それはもともと流通過程でのブレンドもありますから、そういう意味でいうと、ほとんどが含んでいるという表示になっているということが一つの特徴だというのがあります。 それからもう一つは、先ほど申しました検査にかかわっておるのですが、今の日本で一、二、三というのをやることはできません。現在日本でやれるのは、もちろん完全に含んでいないという場合に含んでいないことを言うことはできますが、あとは三番目しかできなくて、含んでいるかもしれないということは言えますが、含んでいるということを言う方法を我が国では持っておりません。なぜかというと、入ってきた大豆にGMOが入っているかどうかということを証明する方法を何も持っていないからです。だから当然、EUの指令の原案を見ておりましても、スイスと同じように、何らかの方法でそれを確定する検査をするための方法を決めるということをその文書は示唆しております。 そういう意味では、いずれにいたしましても、この表示問題を進める前提として、検査方法を確定する、どういう方法で検査をするかということ。そして、その検査結果に基づいて、その情報がどういうふうに流れていくか。 こういうことなんですね。例えば油屋さんが、例えば日清製油さんが大豆を輸入いたします、買います。これで油を絞ります。ですから、日清さんはわかるわけです。絞った油かすがしょうゆ屋さんに回ります。ここでしょうゆができるわけです。そうしますと、しょうゆの原料になる大豆かすのその大豆というのは遺伝子組み換えなのかどうかというのは、油屋さんから情報が行かない限りわからないはずなんです、直接その大豆を輸入すれば別ですけれども。 そういたしますと、検査方法が叶うですね。二番目に、どこで検査をするかということ。三番目には、その検査結果がどういう方法で生産段階、流通段階で流通していくのかという問題があるわけです。ヨーロッパの指令案を見ていても、結構まだいろいろお悩みになっているようですけれども、そこをそう不合理でなくどう組み立てるかということが実は残っている課題でして、それを含めて最終的な表示案にまとめていただかなければならないだろう、こういうふうに思っております。 それから最後ですが、もう一つのお願いというのは、いわゆる安全性や環境影響にかかわる問題でございます。 いわゆる安全性ということについては、当然、前提に実質的同等性の問題があるわけですが、現在認可されているGMOについて、毒性試験は全部除外されております。合理的な理由があればやらなくていいというふうになっていて、したがってやっていない、こういう関係かというふうに思います。 実際問題として、現在認められているGMO食品が、在来種に比べて特別の毒性を持っているというふうには考えにくいというのはそのとおりだと思っておりますが、全体の消費者が、ああ、やはり安全なんだというようなことについて確認していただくためにも、少なくとも基本的な毒性試験、発がん性あるいは催奇形性に至る毒性試験は追試としてぜひ行った方がいいのではないか。 その情報を確実に消費者に届けるということが、いわばこれもある種の社会的な受容性を高めるという意味で、したがって、それは、そういう手続をとることによって遺伝子組み換えというような技術が疑問なく多くの人たちに受け入れられて、そして、今後の食糧問題その他におけるこうした技術の活用を、多くの国民が理解した中で進めていくということの一つの手だてとしても、非常に重要ではないかというふうに思っているというのが一つで、ぜひお願いしたいところなわけです。 それからもう一つ、環境問題がございます。 そんなに大きな問題が現在指摘されているとは思いませんが、花粉が飛散して近縁種との間で交雑する可能性、いわゆる横にずっと組み換えられた遺伝子が広がっていく、こういう問題かというふうに思いますが、これが生態系の撹乱にかかわるのではないかというようなことが言われたりすることがあります。 確かに個別にも、例えばアメリカで、ああいうつくり方をしたら全然別の耐性が出てきて、もつと強い農薬を与えないとだめになったとかというような話が全く聞こえてこないわけではありませんけれども、とりあえず、日本でのリスクというのは菜種の近縁種との関係ぐらいだという話を聞いておりますが、これについて、アメリカでの近縁種との交雑の問題を含めて長期の専門家による観察、それによる情報の公開ということについては、これはわからない要素が多分非常に多いというふうに思いますので、ぜひ手だてをとっていただいて国の機関で進めていただく必要があるのではないか、こんなふうに思っております。 いずれにいたしましても、第一に申し上げました、実際に試験をすることによって、検査をすることによってGMOがどの程度含まれているかについて確実にとらえるということ、そのインフラを至急に整備すること、それを踏まえて商品に伴う情報提供の制度を決めるということ、この二点についてぜひ具体的な御検討をいただければ、こんなふうに思います。 最後になりますが、私ども、今そういう条件がない中で、何とか消費者に生協のお店やあるいは共同購入での商品の選択情報としてGMOにかかわる情報を提供しなければいけない、こんなふうに思っております。 九七年度クロップの作物がこれから収穫されて、一番早いのが十一月ぐらいに菜種の油が出てくるかというふうに思いますが、本格的には年明けから九七クロップの食品が一般に流通することになるかと思います。この流通に合わせる形で、何とか生協の売り場での情報提供をしたいというふうに考えておりまして、あと一カ月ぐらいの間に、私どもが売り場を持っているわけではなくて売り場を持っているのは会員ですので、その会員のところでやれるようなガイドラインを最終的にまとめ上げたい、こんなふうに思っております。 そこで、考えておりますことを要点を申し上げますと、第一は、生協でこれを検討する場合の前提は、特にGMOを使わない、GMO不使用であるということを前提にしたものではありませんということが第一点であります。 それから二番目には、一方で、消費者にとっての選択性という立場からは、GMOフリーの、GMOを使わない、そういう食品についても積極的に配置できるところから配置する、これも当然選択性の保証という意味ではやるということは重要だろうというふうに思っております。 ただこれは、各生協の、私ども会員生協のそれぞれの商品政策にかかわる問題ですから、そんなに我々がああせい、こうせいと言う立場にもありませんが、日本生協連という立場からいえば、例えば昨年の秋からずっと検討しておりますけれども、一般的なIOM大豆についてそこの分野だけ、少々コストが上がりますけれども、分別管理をした形でシッピングをして持ってくるというようなことがあり得るかどうか、そういうことを共同仕入れという形でやるというようなことを含めて、このあたりは検討しなければというふうに思っております。 三番目は、いわゆる情報提供の問題ですが、当然この問題についての組合員が求める情報というのは、GMO一つとっても非常に幅の広いものですけれども、これは売り場でできるものではありません。ですから、広報紙であるとか組合員の学習会だとか、こういうところで広めていく。GMOについて農水省などもきちんとしたパンフレットをつくって一生懸命広報の努力をされておりますけれども、生協などが持っている組織で、そういうことについて丁寧にこれの正しい考え方について知らせていくということが、社会的にも非常に意味を持っているかというふうに思っているわけです。 ただ、実際の売り場ということで考えていきますと、第一に、コープ商品だけではなくて、生協の特有の商品だけではなくて、売り場にある商品すべてについてやらなければならない、こういうふうに考えておるということです。 実は、油脂原料だということもあるわけですけれども、既に私どもの持っている商品について第一次調査が終わっておりますが、私ども日本生協連が会員生協に卸している商品、食品がざっと三千アイテムございますが、三千アイテムのうちでこのGMOに関連する作物、コーン、大豆、それからポテトであるとか、菜種は非常に限定されますが、これにかかわる食品がほぼ三分の一強あります。ということは、大体スーパーマーケットで売られている食品の三分の一が何らかの意味で関連した穀物に由来している、こういうふうに考えなければならない、こういうふうに思っているわけです。 そうなりますと、生協の持っているコープ商品と言われるものだけやっても正当な情報の提供になりませんので、売り場全体で、例えば豆腐の売り場なら豆腐の売り場で、もちろんこれはGMOを使っていませんというようなのは個別にお知らせしなければなりませんが、全体として、この豆腐売り場の主要原料になっているIOM大豆について、アメリカでの九七年度の作付は一六%でしたと、今私が言ったような言い方だと消費者はわかりませんから、これをもうちょっとわかりやすくするわけですが、そういうような情報の提供を売り場単位にやっていくというのをメーンにせざるを得ないだろう、こういうふうに思っているというのが第一点であります。 それからもう一つは、先ほど申しましたように、いずれにしてもみなしの表示にしかならない。みなしといいますか、含まれているという表示の仕方にしかならないということなのですが、含まれているという表示をするためには、具体的にそれは含まれているという証明のための検査をする必要があって、この検査方法が今私どもの自力ではでき上がっていないということがあるものですから、本当はそうしたいのですが、現時点では、入っている可能性があると。ですから、この油売り場の油の主な原料になっているコーンの場合、アメリカでは何%が遺伝子組み換えでつくられております、こういうような多分みなしのみなし程度の表示でやるしかないのだろう、そんなふうに思っております。 しかしそれでも、消費者に対して、商品を選ぶ際に具体的にわかった上で買っていただく、わかったから買わない、こういう情報を提供し続けていくということがとりあえず私どもにとって非常に大きな任務であろう、そんなふうに考えて、何とか、申しましたように九七クロップに由来する食品が流通する年明けにはそういう売り場を実現したい、こんなふうに考えているということでございます。 最後に、くどいお願いになりますけれども、そのレベルを上げるためにも、ぜひ検査体制の確立ということについて特別の御尽力をいただければ、そんなふうに思うわけです。 以上で終わります。
○岸田小委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。 ─────────────
○岸田小委員長 これより参考人に対し、各小委員による自由質疑を行います。 この際、質疑の方法等について御説明いたします。 本日の質疑時間は一時間程度とし、議事整理のため、質疑の際は、挙手の上、小委員長の指名により発言されますようお願いいたします。 なお、念のため参考人に申し上げますが、御発言はすべてその都度小委員長の許可を得てお願いいたします。また、小委員に対しては質疑ができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○河野(太)小委員 自民党の河野太郎でございます。 片桐参考人に、もう少し個別具体的に、生協でどのような商品について表示をされているのか、どのような表示をされているのか。また、その寿示をするための具体的な手続はどういうような形で行われているのか。少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。
○片桐参考人 現時点では、この問題について帯示をしているというのは、豆腐等の一部で、使っていませんという表示以外にはしていないと思います。 今検討しておりますのが、使っているかもしれないという表示です。先ほど申しましたように、九七年度クロップの由来の食品が出回る年明けからやりたいというふうに思っているわけですが、範囲はすべてです。関係する食品についてのすべてです。
○河野(太)小委員 その使っているかもしれないというものの範囲、すべてとおっしゃいましたが、例えば、大豆が遺伝子組み換えであるならば、その油についてはされるのか、豆腐についてされるのか。あるいは、もし今度のトマトが認可された場合に、トマトケチャップ、トマトビューレ、トマトジュース、すべてにわたって表示をされるのか。川下のどのあたりまで表示をされるのか。 それからもう一つ、遺伝子組み換えと直接関係のない油脂分あるいは糖分等についてもその対象とされるのか。 あるいは、入っている、入っていない、入っているかもしれないという表示をされるときに、その確認を当面どのように実施されるおつもりでいらっしゃるのか。そのあたりをお伺いいたします。
○片桐参考人 油であれ、たんぱく質であれ、すべてというふうに考えております。もちろんトマトもそうです。これは、事が安全性の問題というようなことで議論があるとすれば、当然たんぱく質に限定されるとか、こういうふうになると思いますけれども、特別安全性の問題とかで情報提出するというふうに考えているわけでもありませんで、そういう意味では、逆に、遺伝子組み換え作物に由来するものについてはすべての情報を提世せざるを得なかろうというふうに考えているということが第一点でございます。 それから、確認の方法ですが、当然のことながらメーカーさんであるとか、こういうところの御協力を得なければならないわけで、既にそういう業界団体であるとかいうところと積極的に情報の交換をいたしております。 ただ、言えますことは、もちろん国産大豆とか、国産のもの、あるいはアメリカから輸入する場合でも、プレミアムな形で、特別の方法をとって輸入するものというのは区分できますが、それ以外は、菜種はカナダですが、たまたま大豆の場合でもコーンの場合でもほとんどアメリカですので、特別にこれが中国であるとか、オーストラリアであるとか、あるいはブラジルであるとかいうふうに限定されない限りは、すべてアメリカでの一般的な状況を消費者にお伝えする、その方法でしかできないというふうに思っております。 したがって、この原料の何%が云々ということは、先ほど来申しましたように、検査方法も何もありませんので、できません。ですから、例えば大豆でいえば、IOMとして何%、一六%の作付がされたということであれば、その作付結果を組合員に知らせる以外にはない。 ですから、非常に複雑なのですが、この油の原料の五〇%は大豆です、この大豆はアメリカのIOMです、IOMのうちの十何%は遺伝子組み換えで作付されております、菜種が三〇%使われております、油はそういうふうにやられますから、菜種はカナダから入っております、カナダの菜種の何%は遺伝子組み換えになっております、こういうふうに情報を組合員に提示するしかないというふうに思っております。それ以上のことはできません。
○河野(太)小委員 例えば大豆を例にとりますと、大豆を使ってみそ、しょうゆを最終的にはつくる。そのみそ、しょうゆが、例えばレトルト食品の何かに入っている、あるいは何とかソースの原料になっている、あるいは何とかカレーの原料に入っているというと、大豆を使った食品というのは物すごい広がりを見せるわけですが、どのレベルまでやられるのでしょうか。 すべての食品にわたって、しょうゆが入っているかどうか確認をし、トマトソースが入っているかどうか確認をし、油はどういう油を使っているか確認をするというところまで、それは本当にすべて徹底してやられるのか、どこかに線を引かれるのか。
○片桐参考人 申しわけありません。その点、申しおくれました。 商品あるいは売り場に対する表示は、原料構成比のうちで上位二番目までというふうに一たんしております。ただし、それ以下のものについても情報はすべて集めます。それは、いわば技術的に表示し切れないからなんですね、情報を集めるよりも。今私どもが会員に提示しておりますのは、少なくとも原料構成で一〇%以上のものについてはすべての情報を、今申し上げたような範囲での情報ですけれども、情報はすべて把握いたします。聞かれればお答えできるようにいたしますというふうに考えております。 ですから、今河野先生から言われたような、非常に微量なものになったり、あるいはインスタントラーメンの添付の調味料とか調味液みたいなものがありますね、あのあたりは勘弁してもらうしかない、こういう範囲だと思います。
○藤田(ス)小委員 みなし表示しかないということで、表示される場合ですが、そのみなし表示というのは、さっきからおっしゃっておられるように、アメリカで何%組み換えの作物になっているという表示ということになると、個々の商品に対する表示ではなしに、何かやはり極めて制約的な表示ということになるのじゃないかと思いますが、もう少し具体的にその辺を教えていただきたいのです。 それから、検査体制の確立を求めたいということをおっしゃっておいででして、全くそのとおりだと思います。その検査体制が確立されれば、表示の義務づけというものについて、それはもっと進んでできることになるわけですか、その辺をもう少し。
○片桐参考人 個別の商品に対する表示については、明らかに使っていない場合、それから明らかに使っている場合以外は、将来ともやるという考え方はとっておりません。ですから、ピンポイントでというのは、多分そういう流通はしないのだろうというふうに思っているからなのですね、売り場全体での表示だというふうな考え方です。 だから、先ほど河野先生がおっしゃったように、トマトみたいなものになりますと、トマトは単体ですから、そういうのは、これはGMOのトマトです、こういうふうにあえて表示すると思いますけれども、油であるとか豆腐であるとかいうふうになると、多分豆腐の原料なんかの場合でも、輸送方法が区分けしてなんということではありませんので、いわば何%というところまでしか行かないのだろうというふうに思っているわけです。 ですから、あくまでも一〇〇%使っている、一〇〇%使っていない、そういう管理をしている以外は売り場への表示だ。商品の並んでいるゴンドラのどこかにつけるとか、共同購入の商品案内、カタログのどこかに、ここのページにある豆腐はこうですと書くとかというやり方にしかならないのだろうというふうに思っています。ただ、ここの技術問題について、実は会員生協とどうするこうするというのは、細目いろいろありまして、まだ確定的なものではありませんが、そういうイメージです。 それで、二番目のお話ですが、要するに検査体制がはっきりいたしますと、何%確かに含まれているということがはっきりするということですから、それだけもっと、先ほど来私が申しているように、考えてみれば非常にインチキ臭くて、アメリカでは何%つくっていますよということを言うだけの話ですからね。そんなものではなくて、この商品に由来する原料のうちの何%にはGMOが含まれています、こういうふうに言うというのは、より情報の確度が高まるということだというふうに思っている、こういうことです。
○藤田(ス)小委員 ちょっと続けて恐縮ですが、その場合でも、結局は何%、一〇%だったら一〇%含まれていますという表示で、それもやはり売り場表示ですかね。そしてもう一つ別には、明らかに使っていない場合の表示、その商品に対する表示、そういう二つの表示というふうに理解していいわけですか。
○片桐参考人 はい。 ただ、使っていない場合については、ちょっと誤解を生じる可能性がありますので申し上げておきますと、納豆とみそについては、使っていない表示をしてはならないという考え方を持っております。 それはどういうことかというと、既に我が国の納豆の業界であるとかみその業界が、使わないというふうに言っております。あれは確かに、専用種ですから、白目であったり、納豆は納豆用の大豆ですから分別管理が非常に簡単だと思いますが、そういうふうに言っている場合に、何か生協のものだけが使っていないということを言うことによって優良誤認を与える可能性があります。殊さら表示はしてはいけないというふうに思っております。要するに、世の中全体が使っていない場合に何で生協だけが使っていないと言うんだ、こういう話で、その場合はいたさないことにしておりますので、納豆業界であるとかみそ業界が本当に最後までその方針を貫かれる限り、生協の売り場でもそのことについて表示することはありません。 ただし、豆腐であるとかという領域になってきますと、もちろん油もそうですけれども、豆腐であったり油であったりしますと、これは世の中一般には使われますので、その場合に、本当に使っていないということが管理できるならば、それは使っていない表示というのを、そういう情報は提供する。 それから、あえてその努力をして使うというケースが今後出てくると思っているのです。例えばトマトなんかは典型的で、トマトは、あれはピューレにしちゃったら余りおもしろくないと思うのですが、トマト自身を流通させるときに、当然アメリカでもそうだったと思いますが、これは遺伝子組み換えをしたトマトですというふうに言って供給するわけですね。それはそうしないとほとんど意味がないことですし、そういう作物が出てくれば、それは使っているという表示を確定的に行うということになると思います。 あとは、意図しているのではなくてたまたま含まれているという話ですから、それは、いわばどれか個別商品の問題ではなくて、一般的に、例えばサラダ油に使われている場合に、その大豆というのは、あるいはその菜種というのは何%ぐらい日本ではGMOが混入しているのか、こういうふうな情報を消費者に提供すればそれで十分だと思っているのです。 むしろ大事なことは、物を買う売り場のなるべく近くでその情報を提供する、その仕組みをどうつくるかということが私たち実務に携わる者にとっては非常に重要な問題だ。パンフレットに書いてもしようがないのですね。パンフレットに一般知識で何%ですよと書いてもしようがないですから、売り場の近くでどうそれを情報として提供するかが非常に大事だ、こういうふうに思っております。
○福島小委員 一つお聞きしたいのですが、アメリカの作付のうちGMOは何%存在しますという表示をして、実際に消費者の方がそれを見てどんなふうに感じるかということなんです。だからといって、そういう情報が入ったからといって、その場で何か選択するというわけにもいかないわけですね。限りなく一般的啓蒙に近いという話になるわけでして、実際に生協で組合員さんがたくさんおられると思うのですが、そういう表示をすることのメリットが果たしてあるというふうに皆さん思っておられるのか、また、どういう表示を本当に欲しいというふうに感じておられるのか、そのあたりについてお聞きしたいのです。
○片桐参考人 おっしゃられるとおりで、大変議論のあるところです。 一番不安に思っておりますのは、とにかくむだに混乱する。これは私どもの内部の会議でもいろいろそういう御意見をいただいておるのですが、結局むだな混乱をさせないというふうに考えていきますと、情報を与えないという方法しかないのですね。これはどっちを選ぶかという非常に難しい問題なんですが、何らかの形で情報を提供しようとすると、そういう方法にしかならないというところに現在たどり着いているということなんです。 もちろん日本の流通業の一部には、例えば輸入の原料を一切使わないということで展開されている方々もおりますから、そういうものと比べて生協は問題だというふうにおっしゃられる組合員さんも出てくるでしょうし、世の中がこんなものか、じゃ、しようがないな、私は油を食べるのをやめましようというふうにおっしゃる方も出てくると思います。それは非常に厳密に言うと理屈に合わない話なんですが、そういうふうに感想を持たれる方もいるでしょうし、正直なところ、やってみないと何とも言えないのです。 さらに言えば、そんなことをすると売り上げが下がるんじゃないか。私どもは一方できれいごとを言いますが、一方では商売ですので、これはこれで結構切実な問題です。ですから、本当は生協が突出してというりやり方はしたくないのですね。世の中全部が、生協もそうだけれども、イトーヨーカ堂もダイエーも西友も、みんな同じような表示をして的確な情報を消費者に提供している、その中で、これはヨーカ堂さんでもどこでもそうだと思いますが、使わないものは使わないものとして、やはりそういう努力をしてつくられてプレゼンテーションするという状況にぜひなってほしいと思っているのです。 一番最初に申しましたように、混乱を避けるとしたら黙ってしまうしかないのですね。これが一番難しいところなんです。
○中川(智)小委員 社会民主党の中川智子です。 質問をさせていただきたいのですけれども、私ももうずっと二十数年生協の組合員で、本当に生協は安全なものを提供してくれているという基本的な安心感、信頼感を持ってずっと食してきました。ですから、今、御発言でも、生協が突出するというお話は非常におかしいな、ぜひとも突出していただきたいし、そうやって引っ張っていってくれてこそ生協の意義、意味、存在価値があると思います。 そして、今、国への施策のことでの御要望がたくさんございましたが、やはり国のそれを待っているのじゃなくて、積極的にそのあたりまでの検査体制もしいていっていただきたいというのが、こちらが逆に生協連へのお願いなんです。九三年から九四年に、京大の木村光先生を中心に研究会をなさいましたが、その後、そのような形で現在何か生協連で、プロジェクトチームなりをつくりながら安全性の問題とか表示のことをやっていらっしゃるような組織をちゃんとつくってあるのか、そこを一点伺いたいのです。 それともう一つ、最近は生協は特に価格のことをおっしゃいます。何しろ消費者ニーズとしては安いものへと流れていっているという認識を持っていらっしゃるようですが、それはある意味では、本当に生協を信頼している消費者に対して、そうじゃない部分というのを余り大事にしないような印象を受けるのです。価格がある程度高くなってもやはり安全なものを、そして心配のないものを食べたいという今の生協の組合員の声というのをどのようにお感じになっているかということ。 もう一つ、一昨年の秋に日生協からアメリカのモンサントへ行かれていろいろ見学されたと聞いていますが、もしもそのあたりのことで、いらっしゃったときに生協として獲得されてきたようなことなど、お教えいただいたらうれしいのですが。 ちょっとたくさんになりますが、もう一つ、いわゆる日生協としての遺伝子組み換えに対してのスタンスですね。消費者ニーズがあるから努力して表示をしていくという方向が、本当に安全性に対して生協としてはどのように今認識していらして、そしてそれに対して責任を負うという形の表示なのか。現在のところ安全だ、そういう御発言を何回か聞いたのですが、それの上で表示もしないと生協としての責任が果たせないというところでの表示を考えていらっしゃるのか。生協としての遺伝子組み換え食品そのものに対してのスタンスを伺いたい。お願いします。
○片桐参考人 最初の、生協は国を待たずに努力しろというお話なんですが、先ほど申しました検査体制をしこうとする場合の検査そのものの技術はつくればできるのですが、先ほどDNAの図面があって、それに対応するプライマーというように申しましたが、これがないとできないのです。これは一民間企業でやれとおっしゃるのは全く酷なことです。 O157でもそんなに安くはないのですけれども、現在、実はこれについて検査をするための方法を持ち込まれている民間企業が現実にありますけれども、一検体というか一種類のものをやるのに数百万のお金が、機械とか人間は別にしてキットのためにかかるというふうに、それは向こうは商売ですから、やられております。もちろん特許料の償却を含めてですが。それを民間企業でやれというのはとても無理だから、無理でなければ生協がやるのですが、これは国でやっていただかなければならぬ。 特に情報が決定的なんですね。次々に多分出てくるであろう遺伝子組み換え作物の遺伝子の状況についてのデータがない限りはできないのです。これは国には必ずあるのです、なければ認可できないのですから。それがないとプライマーもできないのです。だから、プライマーをつくるところまではぜひ国でやっていただいて、あとは、国立衛試なんかもありますが、さまざまな研究機関に委託してやるという方法はとれると思うのですね。そこはそういうことです。 それから、二番目の委員会ですが、先ほど来申しました表示問題あるいはその前提になる考え方。先ほどの九三年度のものというのは生協の外の人たちによる研究会ですから、それを受けた形でどういうふうにするかというのは、ことしの三月にこのための小委員会をつくりまして、これはこの問題だけの検討なんですが、表示も含めてずっと現在も継続して議論をしております。何とかそれをあと一カ月ぐらいでガイドラインとしてはまとめたい、こんなふうに思っているということです。 それから価格云々という問題ですが、当然のことながら、例えば遺伝子組み換えの作物についてこうだ、これは普通のものだからこういう値段です、それについて例えば国産の大豆を使ってやるとこういうふうになります、値段は高くなります。 あるいは、アメリカで普通にある大豆でも、それを遺伝子組み換え以外のもので分別管理して持ってこようとすると、昨年度私どもが輸入業者と少し検討したことがあるのですが、一番いい条件で二、三割のコストアップなんです。だけれども、それを全部やることはできませんよ。あるロットに限って、これだけはとにかくやって持ってきてくれないかという方法をやりますと二、三割のコストアップでできるのですが、当然そういう場合のコストは消費者に負担をしていただく、情報を伴って負担をしていただくということになります。 生協は、もちろん価格というのも非常に社会的な課題ですから、価格も大事にしますが、実際の暮らしと暮らしの要望の中で質と価格がどういうふうに統一されているかということが一番大事なことですから、また、要望というのはいろいろありますから、それぞれに対応したことをやっていかなければならない。特に安全、安心ということにかかわっては、いわば生協の生命線ですから、そこはちゃんとやらなければいけない。こんなふうに思っておりますし、場合によって、かかるコストは、納得ずくであれば消費者に負担していただかなければならないというふうに考えております。 それから、安全であると考えているかどうかとかいう、いわばこの問題についてのある種の評価のスタンスの問題です。 例えば、遺伝子組み換えのゲントコーンというのが、一般的に従来流通しているゲントコーンに比べて安全性や環境影響で何か特別の問題があるというふうには全く考えておりません。それはいわば議論としては実はもう終わってしまっている議論だというふうに思っております、いろいろ丁寧にやってみましたけれども。 問題は、それがきちんと説明されていないという問題があるのは事実だと思います。どういうふうにこういう技術が具体的な暮らしの中に登場してきて定着していくのかということについての、そういう意味での政策のあり方が不鮮明な中で、個別民間企業の動きでやられているというのはどんなものかと思います。だから、ある意味では国家的な課題だというぐらいに考えていただいて、こういうのをどうするかをむしろ考えてもらう必要があるのではないかというのが私どもの認識であります。 それから、モンサントの話ですが、モンサントに行ったのは彼なんです。どういたしましょう。
○岸田小委員長 中川委員、申しわけないのですが、きょうは、正式の小委員会でありますので、参考人の方からお話を聞くということになっておりますので、その辺のお話は別途、小委員会を離れてまたお話をお伺いさせていただくということで対応させていただけませんでしょうか。とりあえずこの場では参考人からのお話を聞くということにさせてください。
○中川(智)小委員 はい。では、後でまたお会いしましょう。
○石毛小委員 民主党の石毛でございます。本日はありがとうございました。 二点ほど教えていただきたいと思いますけれども、まず、なぜGMO食品であるか否かについて生協連として表示するということをお考えになっていらっしゃるのか、そこのところを御説明いただきたいということが一点です。 それからもう一つは、きょう大変勉強になって本当にありがたかったと思いますけれども、あらゆる流通段階でといいましょうか、例えば私のうちの近所の昔ながらの、個人がやっている雑貨屋さんのようなお店から、二十四時間の今のコンビニから、いろんな流通を担う企業といいましょうか販売店が、すべてこのことに関して表示をするためには、結局、国の政策として検査体制がきちっとしない限りはそれは不可能だというお話をきょう伺ったというふうに理解してよろしいのでしょうか、そこの確認。二点お願いしたいと思います。
○片桐参考人 なぜ表示するかというのは、先ほども地婦連のアンケートについての読売新聞の報道を紹介させていただきましたが、ちょっと特殊に、消費者の不安といいますか、不信といいますか、そういうものが非常に広がっていて、しかもそれは国際的に広がっている領域のものですから、それを黙って、だまし討ちというわけにはいかないだろう。 それで、きちんとやはり情報を、これは使われているんですよ、あるいは使われているかもしれませんよということをわかっていただいた上でその食品を利用していただく、このことを商品を供給する者としてはやらないわけにはいかないのではないか、この問題についての現在の消費者の意識状況を見ますと、それがいいものであるか悪いものであるかというものとはちょっと異質で、だから非常に特殊なテーマだというふうに思いますけれども、せざるを得ない。だから、何らかの形で消費者の選択情報として提供するのだということで、それ以上にはなかなかないということです。 それから二番目の問題は、いずれにしても検査体制がきちんとしないと、情報としては非常に大ざっぱな、逆にそのことが場合によって消費者の不安になるかもしれない、そういう情報でしかないというふうに思っていますから、そういう意味では、確実な検査体制による、より精度のある情報にするべきだというふうに思います。ただ、いずれにしても売り場での表示というふうにしか考えにくいものですから、そうなってきますと、商品への義務表示という形でやるとすると、もうちょっと技術的に整理をする必要がありまして、もうちょっと時間が必要かなというふうに思っているんです。 ですから、商品の表示ができるようになれば、それは結局メーカーさんで、商品をメーカーさんが供給する段階で、ここにはGMOが何%含まれています、こういう表示をするしかないんですね。それ以外には、今先生からお話のあったような、おじいちゃんとおばあちゃんがやっているお店に並んでいる商品でもそういう表示がされているという状況をつくることはできませんので、そういう意味では、メーカーさんが商品のパッケージに義務表示として行うという状況をつくるためには、よほどレベルの高い検査体制を、しかも安定的につくらなきゃならないというふうに思います。 それはすべて港で入ってくるもの入ってくるものを公的な機関がやるというわけにもいきませんでしょうから、それは民間企業がかわって検査をしてというふうになると思いますね。そういうシステムが本当にできれば、それが一番いいというふうに思いますが、ちょっとまだ私どもの知恵そのものもそこまで至っていないというのが現状であります。
○青山(二)小委員 新進党の青山二三でございます。きょうはいろいろと参考になる意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。 今消費者がここまで大きく騒いでいるというその理由の一つに、厚生省が消費者に何にも知らせずに遺伝子組み換えのそういういろいろなものを輸入した、そして知らぬうちに出回って、もう食べているかもしれない、こういう不安だと思うんですね。ですから、表示をしてほしいというその願いは当然のことだと思うのです。 ただいまいろいろお話を聞かせていただいた中で、いろいろな売り場の中の製品は三分の一はもう既に入ってしまうのではないか、そういうことで、もうこれはどんなに食べたくないと言っても、口にしてしまうという可能性は往々にしてあるわけなんですね。そうなりますと、それならばいっそ遺伝子組み換え食品がない方がいいと、要らない運動などということでやっておられるようですけれども。 最初の参考人のお話の中で、やはりこの遺伝子組み換え食品というのは、世界の人口が増加するだろう、二倍ぐらいになるというようなことも予想されておりますので、食糧不足を救う切り札としてこれは大変すばらしいことだ、このように厚生省でも言っているようなのです。しかし、今でも大変食料品の豊かな国とそれから飢餓に悩んでいる国があるということで、遺伝子組み換え作物がずっと発展していっても、世界の食糧事情というのは、こういうもっと違う意味で解決されないと思うんですね。 ですから私は、遺伝子組み換え作物の規制、もうこの辺までが限度だというようなものを国が示すべきではないのかな、このように思っております。それから、どうしても食べたくない、細胞分裂の活発な赤ちゃんには食べさせたくないというお母さんたちの気持ちは、もうこれは当然ですから、そういう意味で、何としても組み換えていない食品を探すために表示は必要だ、そういう思いもあるわけなんですけれども、こういうことについて生協さん、参考人のお考えをちょっと聞かせていただきたいと思います。お願いいたします。
○片桐参考人 最初の、三分の一ぐらいというお話がちょっと誤解されるとまずいですから申し上げておきますと、三分の一というふうに申しましたのは、私どもが扱っている商品の中で、この関連する穀物であるとかポテトであるとか、こういうものを原料として使っているものが三分の一あるということですから、必ずしも三分の一が全部使われているということではありませんので、そこはそういうことなんです。 先生から非常に難しい問題が出されたかというふうに思うのですが、重要なことは、遺伝子組み換えの技術というふうに、今それだけが取り上げられて議論になっているわけですけれども、バイオテクノロジーのさまざまな技術というのが今世界じゅうで検討されているわけですね、それこそ例のクローンの羊みたいな話もありましたけれども。それが、先生の今の御指摘の食糧問題、人口問題も一つの問題ですけれども、それらとの関係で、今後の国際的な、例えば食糧問題なら食糧問題との関係でどういう機能を果たす、そのためにどういう普及とそれからコントロールが必要か、そういう仕組み、システムができ上がっていないという問題があると思っているのです。 最初に申し上げましたように、バイテクというのは世界じゅう、だから学者先生だと、そんなもの、もう全部おまえは遺伝子組み換え、遺伝子組み換えと言うが、これだけじゃないんだよとか、こういう話をされるわけですね。それはそれで客観的な事実であるとしても、目的を持って、どういうふうにこの今の経済的な仕組みあるいは経済的な課題、社会的な仕組み、社会的な課題の中でこの遺伝子組み換え技術を生かしていくのか、あるいは統制していくのか、こういう政策的な議論が欠けたところで、いわば自然科学技術者の領域にこれが圧倒的にゆだねられているというところに問題があると思っているのです。 そこはもう本当に国会とかいうところで御検討いただいて、単に食糧問題ということだけではなくて、環境問題とかなんとかというさまざまな意味で、この技術は正しく運用されれば非常に効果の高いものだというふうに私は思っているのです。決して穀物の量産のためだけに役に立つなどというそんな狭い領域のものではないというふうに思っていますが、それはやはりそれを受け入れる世界じゅうの人たちの同意と、それを正しく運用していくシステムをつくらなければならない。 特に食糧問題というような意味でいえば、御指摘もありましたように、日本のようにとりあえず非常に豊かだというふうになっている国の課題があります。でも、例えば日本で現在米についての遺伝子組み換え技術が研究されておりますが、それは日本でも役に立つでしょうけれども、例えばこれは東南アジアでどういうふうに役に立つのか、あるいは干ばつ地帯での米づくりにそれが本当に貢献できるような技術になるのかどうかということについて、ある意味で、米の先進国である日本の技術者たちが一生懸命それをやっているとすれば、それは日本の米のためではなくて世界の米のための話になるわけです。これは現実にそうなっているかどうかではなくて、私が夢のように言っているわけですけれども。 そういう仕組みとして、あるいはそういう目的を持った技術開発の体制をぜひともつくっていただかなければならない、その議論が圧倒的に欠けているということ、そのことが消費者にとっての実は不安の底流にもあるんだ。きょう、そういう憎まれ口をたたくのは控えようと思っていたのですが。この問題はヨーロッパでも確かにいろいろ議論になっているようですが。 ちょうどきょうのニュースでは水俣のあれが取れたという話がありましたけれども、長い間の食の安全に対する行政のあり方や最近の役所のいろいろな不祥事や、こういうことのいわば政治に対する、あるいは行政に対する、あるいは企業に対する国民の大変根深い不信があるのですよね。それだものですから、厚生省が特別悪いとは僕は思わないのですが、食品衛生調査会でいいと言っても、賛成する学者だけ集めて──この議論は勉強会をやりますと、学者先生を呼んでくると、みんなこれはいいものだと言う先生しか余りいないのですね、もっと反対する先生を連れてこいとかと組合員に言われるのですが。大体行政はそういう都合のいいことだけ決めて、それを一方的にいい情報も伝えずに言っている、そんなものの言っていることは信用できないという、この問題の入り口で、特に日本の場合はゆがんでいるという感じがするのです。 だから、これを本当に取り除いていくためには大変な手間暇がかかるんだというふうに思うのですが、しかし、だからといって安全なものを安全でないというふうに言うわけにはいきませんし、ここが生協としても非常に難しい課題ではあるというふうに思っているのです。お返事になったかどうかわかりませんが。
○藤田(ス)小委員 この分別管理、分別流通の問題で、先ほどの御説明では、今の流通管理は非常に合理的になっているというお話で、分別が非常に難しいというふうにおっしゃったと思うのですが、皆さんの要求の中には「「表示」等を可能とするために、輸出国に対して遺伝子組換え作物および食品の分別管理、分別流通等のシステムを要求すること。」と書いていらっしゃる。そして「日本国内でも同様のシステムを」と。こことのお話の整合性がちょっとよく理解できないのです。 私はお話をお伺いしていて、確かに消費者は情報が十分伝わってこないということ、それを求めるということからの表示ということもあると思いますが、本来消費者には選ぶ権利と知る権利という、だれにも譲れない権利というものが保障されるべきだ、そういう権利の上に立って表示というものが求められている。だから、現在の行政に対する、あるいはメーカーに対するいろいろな不信などもあるでしょうが、根本的にその権利というものがやはり最も基本にあって求められているというふうに考えております。 そういう点では皆さんの主張もそういうことであろうと思いますが、念のためにもう一度、そういう立場に立つならば、遺伝子組み換えの食品が安全だという立場にあっても、表示という問題はこれは別個の問題、つまり安全だからもうそれじゃ表示はいいよということにはならないという点で私は非常に大事なところだと思いますので、その辺もう少し整理をしておっしゃっていただきたいと思います。
○片桐参考人 最初の、私どもの会長名の両大臣に出しました要望書との違い、御指摘のとおりでして、四月の段階のものだと思うのですが、当時私どもの認識としては、検査をする現実的な方法を見出せなかったのです。分別という以外にない、こういう当時の認識がありまして、ようやく今、検査すれば日本国内である程度完結できるシステムができるという認識に立つようになりましたので、そこが確かに変わっております。そこは先生の御指摘のとおりですが、そういう経過です。 それから二つ目の、知る権利ということにかかわる問題です。知る権利については先生のおっしゃるとおりだと思いますが、問題は、それを個々の商品に表示する、表現する、売り場に表示する、表現する、要するにどのレベルで知る権利に対応するかという問題があるわけです。 大きく分けますと三つあるというふうに思っておりまして、必ず商品に義務で表示しているという場合、それからそれに附帯するような形で任意表示という、要するに個別の商品に表示する場合があります。それから二つ目には、いわば商品ではなくて、もっと一般情報としてお伝えしているというケースがあります。それから三番目には、聞かれたら答える、そういう形で対応しているケースとあるわけですね。 先ほど遺伝子組み換えの問題につきましても申しましたように、今私どもの考えでおります当座のやり方というのはそんなに厳密なものではありませんが、一つは、とにかく売り場で表示をするということにしておりますが、それも先ほど御指摘ありましたように、すべてやるというのは物理的な難しさもあります。ですから、それ以外のものでも聞かれればここまではお答えしますということを組合員にお知らせするわけですね。 現在非常に問題になっておりますのは、商品や売り場に義務であるいは任意で一つのシステムとして表示をするという状況をどうつくるかという、だから知る権利の運用の仕方の問題ですね、そこをどうするのかということが現在は問題になっているのだというのが私の認識なわけです。
○能勢小委員 自由民主党の能勢和子でございます。 私自身もこの勉強会を始める前、遺伝子組み換えという言葉の響きが大変恐ろしい響きがありますものですから、これをいかに表示するかという問題の勉強を重ねるうちに、この安全性について研究しているということも大変わかってきたわけなのです。 今、生協では表示をしている、まとめて表示をするということであります。買う方たちはいろいろなレベルの方がいらっしゃるわけでしょうけれども、表示をして、その響きからこれはもうだめだという食品のイメージを持つ人もいるでしょうし、あるいはそうでないという人もあると思いますけれども、先ほど藤田先生も、選ぶ側は自由だからいろいろな情報提供をとありましたけれども、私は、表示するということになれば、それとあわせて、それに対する安全であるということの情報をきちっと国民に流すということをしなかったら、ただ間違った形で伝わるという危険性もありますよね。 うちの商品は、ここに置いておる食品は遺伝子組み換えしてありますという表示をしますと、何となくその食品は手が出ないという気持ちになる。しかし、組み換え食品とはこういうものですということは、何か生協なりに流していらっしゃるわけですか、お客様に。遺伝子組み換え食品とはこうこういうものであって、例えば安全でありますとか、あるいは多少の危険がありますとか、いろいろな形の情報を国民にわかるように流していらしたのかどうかということを教えていただきたいと思います。
○片桐参考人 昨年来非常にこの問題が話題になってございますので、リーフレット等をつくって積極的に普及するのと同時に、特にことしの春以降でしょうか、各地で一生懸命勉強会等が行われております。ですから、世の中の一般的な状況に比べれば、生協でそういうふうな情報提供をすることの結果での混乱はまだ少ないかもしれないとは思っておりますけれども、これは御指摘のように、両方が歩調を合わせないと非常におかしなことになる、こういうふうに思っております。
○能勢小委員 ありがとうございました。 あわせて、実は私自身がこの間国のレベルの農林研究所の方へ行って、進歩の状況といいますか、これはもう大変大事な研究部門であるということも体験して帰ったわけなのです。これが国民にもし誤って全部伝わってしまった場合には、この研究が進まなくなってはいけないという部分もあると思いますので。しかし、国民は何よりも安全性を期待しているのも確かであります。 だから、その辺のバランスが、どうすれば国民にとって一番利益なのかということを思いますときに、そして商品はもちろん売れなければいけませんし、先ほどいみじくも指摘いただきました、信頼性がなかったから、我々に対して信頼性がなかったから幾ら情報を流してもなお不安を国民が持つのか、あるいは知識がなくて不安を持つのかというところが、私自身は、今回の研究テーマを見せていただくまでは言葉の響きから怖いと思っていたけれども、なるほどここまで安全性を高める研究をしているのだなということを知ったわけなのです。 しかし、それが国民にどの程度まで行くものかな、皆さんに行くのかなということがあって、これからの課題だと思いますけれども、今生協はもう国民の末端まで、私どもの広島県の地域にも大変普及しているわけで、信頼度は高いわけであって、そこから流していただく情報も国民にとって大変大きな安心感を送り届けるもとだと思っております。そのバランスがよくいくことを期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上であります。
○岸田小委員長 それでは、予定時間が迫っておりますので、あと中川智子君と河野太郎君、お二人の質問で終わらせていただいてよろしゅうございますか。
○中川(智)小委員 では質問させていただきます。 日生協は、組合員一千二百万人ですね。それで、消費者団体の代表という形で、食品衛生調査会の方の委員にも日和佐さんがお出になられたりしていますね。それでもやはり日生協のお考えと、そして、かなり安全性に対しても、表示に対しても積極的な消費者団体というのもたくさんございます。そのあたりとのいわゆる連携というか、そちらの方とのいろいろな意見の交換というのを積極的にされているのかどうか。また、そちらの方の意見と、日生協のきょうの片桐参考人のお話を伺いましたら、そのあたりのずれがかなりあるような気がとてもいたします。ですから、消費者団体の代表としてさまざまなところに出られるのであるならば、そこの組織との連携というのがどうなっているのかということが一点。 やはり私は、アメリカの大豆の作付のところで、先ほど御発言にもありましたけれども、生産者を共同して確保して、そしてきっちりと表示できる、検査などしなくても、作付のところで生産者と連携して、ここはもうはっきりとした組み換え大豆じゃないものを使った商品を置いてますというぐらいのところまで生協にやっていただきたいとすごく思うのですが、そこの動きに対して、もう具体的に何かなさろうとしているのか、それならば大体いつごろなのかということを伺いたい。 最後に、日本の農業の自給率、そのことがさまざまな形で現在の状況を生み出していると思うのですけれども、日本の農業の衰退、食糧自給率の低下について日生協の片桐参考人としてはどう考えるのか、伺わせていただきたいと思います。
○片桐参考人 他の消費者団体との間で、この問題について全く共同歩調というふうになっていないというのは御指摘のとおりだと思います。ただ、それぞれの組織の持っている特徴からの主張の仕方といいますか、切り口のあり方とかというのはやはりありますので、もともと違いが出るのはやむを得ないのですが、連携そのものは、さまざまな形で、この問題を含めてほとんど定期的にいろいろの議論がございますし、そういう分野では隣の渡辺に私どもの担当をやらせておるのですが、もうしょっちゅうそういうところに伺って意見を交換するとか、そんなふうなことは当然やっておるところであります。 それから、区分管理の問題で、こういうふうに思っているのです。全体としての大豆やコーンについて、社会的なシステムとしての区分管理をするという立場からの転換を図るというのには、それは無理があるだろうというふうに思いますが、個々の、例えば私どもも昨年の十一月ぐらいからちょっと取り組みを始めたのですが、日本の生協で自前で豆腐工場を持っている生協が五つあります。この豆腐工場を持っている五つの生協の代表にみんな集まってもらって、もちろんアメリカから普通に入ってくる大豆で遺伝子組み換えではないものだけを分別して船に積んで持ってくる、こういう仕組みをとにかく追求したことがあります。ちょっとそれは、むしろ向こうの、アメリカの事情でうまくいかなかったのですが。そういうルートはそういうルートで独自に開拓していかなければならない。 なぜ社会的システム云々と言うかというと、先ほど申しましたように、大豆というのは圧倒的に油を搾るために使っているわけです。油を搾るための大豆の移動というのがどう合理的であるかということが基本にある。あるいはコーンの場合だと、油よりもいわば飼料としてコーンをどういうふうに動かすか、ゲントコーンの場合はですね、それも合理性の問題なのです。 ですから、先ほど言いましたように、豆腐というのは、IOMで普通に流れておるものであればいいのですが、その中の一部なのですが、豆腐だけを切り離してやるとすれば二、三割のコストアップで生協分ぐらいはやれるとかという、それはそれだけのロットであればとかという、こういう領域でしかないということなんですね。 同じコーンというふうに言いましても、スイートコーンみたいな話になれば全然別の話なんです。スイートコーンで仮に遺伝子組み換えのものができても、それはもうほとんど最初から分別管理が簡単にできます。ですから、そのものが何のためにつくられているかによって流通のシステムが変わってしまうのですね。 我々が見ていると例えば大豆というのは豆腐であったり、みそであったり、しょうゆであるのですけれども、大豆をつくっている人にとっては油を搾るためのものなんですね。ですから、どうしてもそこにそごが出るということで、大きなシステムとしてはなかなか無理だろう、こういうことを申し上げているわけです。 それから、自給率というようなことでの御指摘が最後にございましたけれども、たまたま今度の場合ですと、大豆ですね。大豆の自給率などというのは多分二%とかそんなものだと思いますが、もう絶望的で、したがって、いわば何を言ってもアメリカが入れないよと言ったらどうにもならぬ、こういうのがあるわけですね。 ただ、この間、私どもの内部の会議でも、したがって日本で大豆が自給できていればこんな問題は別のことができたんだ、こういうふうに言われる方がいまして、私は申し上げましたけれども、それはまあ理屈はそのとおりであるが、今日本の大豆の消費量が非常にふえているということもありますが、日本で大豆を一〇〇%自給するなどということを考えること自身が、それは砂上の楼閣みたいな議論であって、今二%しかないものを一〇%にするための努力をどうするか、小麦が今一二%ぐらいですね、これを昔の程度の三〇%ぐらいに戻すにはどうしたらいいかという、この議論は物すごく大事な議論です。しかし、遺伝子組み換えの問題と、例えば大豆の自給率について、それを一緒の土俵で議論しても、それは有効な議論にはならないというふうに私は考えております。 自給率あるいは自給力をどう高めるか、確保するかということは非常に大事なことです。しかし、それは今日の時点でいいますと、一方で国際的な食品にかかわる、あるいは穀物の流通システムの中で、日本がどういうポジションを国際的に確保できて、そしてそのルールを正当につくるためにどういうふうに日本が積極的な役割を果たせるかという、むしろそういうことを考えるべきだ。 この遺伝子組み換え問題について、例えばコーデックスで既に表示問題の議論がこの春一回やられました。あれは年に一遍しかやりませんので、次は来年の春になります。私どもの人間も、協同組合の国際組織がこれの正式なオブザーバーになってございますので、私どもの技術的な専門家がここの会議に必ず行っておりますが、コーデックスの表示部会から帰ってきての報告で、率直に申し上げて、日本の代表はほとんど何の役割も果たしておりません。 アメリカとヨーロッパの議論、どっちが相撲で勝つかというようなレベルですが、この春のレベルでいえば。それで勝った方についていくという。いわば自給率がどうこうという問題ではなくて、遺伝子組み換え作物がどう流通するのか、どう日本に入ってくるのか、そのことのためにどういう国際ルールをつくるのかということについて、日本が国際的にもっと発言をしなきゃだめなんです。そういう仕事をすることがまず第一だ。 それで、大豆の自給率について、いや、これから小麦が出たらどうしようかと思っているんです。コーンも同じですね。コーンを、要するに飼料をどうするかという問題ですから、だから日本の畜産をどうするかということにあれは連動している問題ですから、そのことを考えずに自給率が、それは確かに自給率が高ければというのはありますが、その高ければというのは何ぼのことを高ければと言うのかという、そういう話にしかすぎないというふうに率直に言って申し上げます。
○岸田小委員長 それでは最後に、河野太郎君。時間が経過していますので、簡潔にお願いします。
○河野(太)小委員 それでは、一つはお願いなんですが、生協の中に暫定表示ガイドラインその他いろいろな表示に関する資料があると思うのですが、もし企業活動に差し支えがないようでしたらば、小委員会の方にそうした資料一式御提供いただいて、検討するときの材料の一つとさせていただきたいということ。 もう一つは、遺伝子組み換え作物に関していろいろな表示をされているということでございますが、食品安全といいますか、食品の衛生といいますか、例えば残留農薬の話、あるいは食品添加物の話、その他いろいろ食品に関する安全性の問題点があると思いますが、そういうものについて、遺伝子組み換え食品以外に、例えば売り場に表示をしているとか、あるいは積極的に表示をしていこう、情報を収集していこうとされているものにどんなものがあるのか、少し教えていただきたいと思います。
○片桐参考人 それは大変膨大ですからあれなんですが、最初のことについては、単に表示ということだけではなくて、遺伝子組み換え作物にかかわる幾つかの検討のプロセスがありますので、そこでできたものをまとめて、御指定のところにお届けできるようにいたします。 それから、表示については、できればそれも、私ども会員生協に提示してございます表示の手引という何分冊かのマニュアルがございまして、その後またいろいろあるんですが、そんなものでもむしろお示しいたしますので、ごらんいただければというふうに思います。 基本的には、国の制度を踏まえながらそれにどれだけプラスさせるかという、ここの努力なんですけれども、ただ、生協には生協の立場からの表示がございますが、非常に口幅ったい言い方ですが、ほかの、例えばチェーンストアなんかもかなり独自の努力をされております。生協の及ばないところもかなりあります。ぜひ、いろいろの分野からそうしたものをお集めになって検討していただけると、私どもとしても非常にありがたいというように思います。
○河野(太)小委員 ありがとうございました。
○岸田小委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 片桐参考人には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。小委員会を代表いたしまして心から御礼を申し上げます。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十七分散会