消費者問題等に関する特別委員会遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/07/17
会議録
○岸田小委員長 これより遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 先般、小委員長に就任いたしました岸田文雄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本小委員会は、消費者側の立場から、遺伝子組み換え食品問題につきまして、特に表示問題を中心に調査するために設置されたものであります。 今日、この問題は、消費者にとりまして重大な関心事となっておりまして、その安全性に対する不安や表示に対する要望は、ますます大きくなっているものと感じております。このようなことから、本小委員会に課せられた責務はまことに重大であると考え、幅広い調査と積極的な議論によりまして、消費者保護の役割の一端を担っていかなければならないと考えております。 小委員各位の御指導と御協力によりまして、公正、円満な運営に努めていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 遺伝子組換え食品の表示問題等に関する件について調査を進めます。 本日は、本件調査のため、参考人としてアメリカ大豆協会日本代表ケント・ネルソン君、日本モンサント株式会社アグロサイエンス事業部長山根精一郎君及びサントリー株式会社品質保証部長岩田修二君に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本小委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。 なお、議事の順序でございますが、ネルソン参考人、山根参考人、岩田参考人の順でそれぞれ三十分程度御意見をお述べいただき、その後、小委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。 なお、御発言はすべて着席のままで結構でございます。 それでは、まずネルソン参考人からお願いいたします。
○ネルソン参考人 アメリカ大豆協会と三十二万人の大豆生産者を代表して、ここで皆様にバイオテクノロジーを応用した食品の表示に関しお話しする機会をいただき、まことにありがとうございます。これは大豆、トウモロコシ、綿など主要穀物に関連したものですが、私は大豆についてお話しさせていただきます。 本題の表示に触れる前に、大豆が生産されてから日本へ輸出されるまでの非常に複雑なシステムについて御説明させていただきたいと思います。このシステムを理解されることは、皆様が表示をお考えになる際に非常に役立つと思いますので、大豆生産の決定要因についてと、大豆の生産から市場に出すまでの複雑なシステムについて少し御説明いたします。次に、大豆を区別して取り扱うのは大変難しいということを確認いたします。最後に、バイオテクノロジー食品の表示をするように決定した場合どのような影響が出るか、そして、それが消費者にどのような影響を及ぼすかという話をしたいと思います。 一般には余り認識されていませんが、アメリカの農業は、世界でも最もダイナミックで競争力のある産業の一つでございます。アメリカで生産されている農産物の実質コストは、二十世紀になってからほとんど毎年低下し続けております。大豆の平均価格は二十年前とほぼ同じですが、農場で使う機械、トラクター、コンバインなどの価格は十倍近くに増大いたしました。アメリカ大豆の生産者が競争力を保ち、長年の間低価格で世界に大豆を供給する主要な国であり続けられるのは、生産性の増大のみによるものでございます。アメリカの生産者は、世界の消費者に低価格で大豆を安定供給できるよう努力しております。 アメリカの穀物生産の中心になっているのは家族農場でございます。これらの農場のほとんどは世代から次の世代へと受け継がれており、家族の価値を重要視し、社会全般の繁栄に役立つことを考えております。現在、アメリカの労働力の二%弱が農場で働いております。アメリカの生産者一人で九十人近い人たちが食べる作物を生産していることになります。このような高い生産性が、たくさんの人々への責任を果たし、世界の食糧確保に貢献しております。 アメリカの農場の平均的な大きさは約百九十ヘクタールでございます。日本のゴルフ場の二面くらいの大きさでございます。今ではほとんどパートタイムの生産者はいません。生産者は、グローバル・ポジショニング・サテライトというカーナビのようなシステムを使って農業機械を動かすといったように、新しい技術を使って生産を行っており、今や農業は、たくさんの情報を集めて、それに基づいて決断を行う職業になってきております。 最新技術を使っている生産者のほとんどは、自分が栽培するものをコンピューターを使って分析し、世界の天候などの情報を得るためにインターネットや二十四時間の情報サービスを使っております。時代の変遷とともに、今やアメリカの農家の人々もこのような技術を駆使するように変わりました。 ほとんどのアメリカの大豆農家は、四つから六つの種類くらいの異なった大豆品種を栽培いたしております。これにはたくさんの理由がございますが、リスクを分散化するということが主な要因でございます。何種類か異なった大豆を栽培することにより、毎年安定した収量を得ることができるのでございます。ほかの理由は、病気に対する耐性、洪水や干ばつに対する抵抗性、雑草や病害虫に対する耐性、それぞれの農場のニーズに最も適した特性などでございます。 それに、すべての畑がみんな同じ区画の土地にあるわけではございません。多くの畑はそれぞれ何キロメーターも離れたところに位置しておりますので、それぞれ違った問題も持っております。 このようにそれぞれの畑は違ったロケーションに位置していますが、機械や、収穫の際に使われる貯蔵庫はそうではございません。同じコンバイン、トラックやトレーラーが、それぞれ異なった畑から大豆を収穫するために、ほとんど同時期に使われます。大豆、トウモロコシ、綿、どんな農産物であれ、みんな農場に持って帰り、貯蔵庫に入れます。前もって特別に契約されたものでなければ、どの畑からどんな大豆品種を収穫し、どの敗蔵庫に入れるかの区別はいたしません。 通常、農家の貯蔵庫は一律間の収穫物を十分収容できるくらいの大きさがございます。ですから、生産者は現物市場で作物を売るか、先物取引契約をしてあるものに関しては、契約に従ってそれの引き渡しを行います。ロスを少なくするため、あるいはマーケットプライスが上がることを待っために、生産者は必要と思われる量を農場で貯蔵いたします。 要するに、一つの品種の大豆をほかの品種の大豆と分離して貯蔵して置いておくのは難しい状態なのでございます。区別して取り扱うためには、大豆を収穫する機械をクリーニングしなければなりませんし、貯蔵する入れ物もクリーニングしなければなりません。分別して扱うことは、大きい農場はもちろんのこと、小さい農場でも、莫大なコストがかかり、その上時間と労力を要する大変面倒なことでございます。 これに関連して、次の重要なポイントである収穫後の流通システム、そして輸出に関係することをお話しいたします。 生産者が大豆を売ることを決定すると、彼らは大豆をトラックに載せ、カントリーエレベーターか地元のエレベーターに持ってまいります。一般には農場に近いエレベーターに持っていきますが、別のエレベーターの価格の方がよければ、五十から三百キロメーターほど離れたエレベーターに運ぶことはよくあることでございます。一九九四年の調査によると、アメリカには一万一千八百のカントリーエレベーターがございます。大豆は、ここでほかの農場から届いた大豆と一緒に共有の貯蔵庫に入れられます。 そこから、カントリーエレベーターは大豆を大型トラックや鉄道によりターミナルエレベーターに輸送いたします。これらの大きなエレベーターは、一つの州だけでなく隣の州からも、地理的に広範ないろいろな場所から荷を受けます。需要に応じて、ターミナルエレベーターは大豆をリバーエレベーターに売ります。リバーエレベーターに集まる大豆は、全米各地の大豆生産地からのものでございます。リバーエレベーターは、イリノイ川、ミシシッピ川、ミズーリ川やオハイオ川に沿ったところに位置しております。 日本からの注文が来ると、これらの大豆はバージ、はしけに積まれて、輸出用エレベーターに運ばれます。輸出用エレベーターのほとんどは、メキシコ湾のニューオーリンズあるいはその周辺に位置しております。輸出用エレベーターでは、大豆を積み込む大型貨物船が来るのを待ちます。大豆は一時間に二千から三千トンの割合で大型貨物船に積み込まれ、神戸や横浜や東京港に輸送されます。収容量が五万五千トンぐらいの船は、パナマ運河を通って日本へ参ります。毎年約八十船ぐらいの大型貨物船によって約四百万トン近いアメリカ大豆が日本に送られております。 この流通システムは、過去十数年の間に確立され、地球上どこの運搬流通システムと比較しても最も効率的なシステムと言えるでしょう。大豆だけでなく、トウモロコシ、小麦、大麦、亜麻やヒマワリの種など、多くの穀物が輸送されております。このシステムにより六千万トン以上の大豆が運ばれており、ほかの穀物と合わせると、その量は年間約三億トン以上に膨れ上がります。大量の大豆がカントリーエレベーター、リバーエレベーター、ターミナルエレベーターといった複雑なシステムを経由するため、一つの品種をほかの品種と分離して取り扱うのは非常に複雑で、それゆえ費用も多くかかります。 アメリカの生産者は、これと並行しIP取り扱いシステム、つまり生産から出荷に至るまで特定の品種を分離して取り扱うシステムを使っております。このシステムを使っているのは、主に日本の食品用バラエティー大豆やオーガニック大豆に対してでございます。 アメリカで契約により生産されているオーガニック大豆の量は、わずか三万五千トンぐらいでございます。それらは、前述したようなコストのかからない流通システムで輸送することができません。これら特別な銘柄大豆は、ほかの大豆とは分離して、別のところで栽培され、賠蔵され、こん包、封印されて出荷されます。しかしながら、このようなIPシステムは非常に費用がかかります。食用油用に輸入をしている一般の搾油用大豆と比較して、IP取り扱いのオーガニック大豆の価格は、日本着ては約三倍ぐらいでございます。 三番目に、私がここで申し上げたいのは、とても重要なことでございますが、アメリカの生産者がなぜバイオテクノロジーを利用して開発された大豆の栽培に関心があるかということでございます。 アメリカ大豆協会の会長であるデビッド・エリクソン氏の書葉をここでちょっと紹介したいと思っております。彼は千百ヘクタールの農場を経営しており、そのうち五百八十ヘクタールで大豆を生産しております。そのうち二百ヘクタール近く、遺伝子組み換え大豆を栽培いたしております。 彼はこう書っております。私が大豆を選ぶ際にまず最初に問題にすることは、それが安全かどうかでございます。なぜかというと、アメリカで生産される大豆の五〇%近くが海外に出されるからでございます。同じように重要なことに、五〇%以上がアメリカ国内で使われます。私が出荷する大豆がどの五〇%になるか選ぶことはできません。私はほかの皆さんと同じように、妻や子供たちのために町のスーパーマーケットで食料品を買います。その食品の安全性、そしてそれが健康によいかどうかということは私にとってとても重要なことでございますと言いました。 エリクソン氏が言っていることは、生産者も生産者である前に消費者だということでございます。彼らが何を栽培するか決定することは、アメリカにいる自分の家族や近隣の人々に影響を及ぼすのでございます。これは非常に重要な責任を負っているということでございます。 エリクソン氏は、またこうも言いました。私は自分で生産したものを、それが大豆、トウモロコシあるいは小麦であれ、食べます。ですから、どこにいるだれにとってもと同じように、それの安全性に個人的な興味が非常にございます。 現在、エリクソン氏のような生産者が遺伝子組み換え大豆を栽培するか否かを決定する際の要因となるものが幾つかございます。 まず第一に遺伝子組み換え大豆を栽培することを決定する主要な要因となるものは、それを使う人々にとってそれが安全かどうかでございます。アメリカ食品医薬品局、FDA、アメリカ農務省、USDA、環境保護庁、EPAが慎重に科学的な審査を行った結果、バイオテクノロジーで開発された大豆の栽培、そして食品としての安全性が確認され、認可されたのでございます。これらの認可が出たため、詳細なる科学的検討に基づいて、新しい大豆が去年に商品化されたのでございます。 この新しい大豆品種は、農産物の栽培に使われる除草剤の量を削減いたします。農薬の使用量を削減するだけでなく、これは生産者に土壌保全を可能にし、トラクターで使用する燃料を削減し、干ばつに強い土壌にいたします。さらに、長期にわたって効力を示す除草剤から、七日から十日で二酸化炭素と水に分解する除草剤にかえることが可能になりました。これはどういう意味かと申しますと、少ない量で、しかも環境により安全な農薬を使用して作物が生産できる環境にやさしい生産方法であり、収量の増大により、より多くの作物を消費者に供給できるようになるということでございます。 バイオテクノロジーを応用した農産物開発の背景にある原動力となっているものは、地球の環境問題であり、世界の人口増加の問題でございます。世界の人口は、毎月もう一つ東京ができるぐらいの割合で増加しております。毎年もう一つメキシコができるぐらいに増加しております。そして、十年ごとにもう一つ中国ができるといった感じでございます。 人口の増加による食糧のニーズにこたえるには、次の二つの方法しかございません。一つは、森を伐採し、生産性の低いやせた土地を耕すためにもつと農薬を使うやり方でございます。もう一つは、森や湿地の環境を守り、私たちが現在使っている畑の生産性を高めることでございます。アメリカの生産者は、私たちのほとんどと同様に、森の木をどんどん伐採し、もっと農薬を大量に使用してやせた生産力の低い土地を耕作するのを望みません。反対に、私たちはもっと環境に優しい方法で、現在ある土地でより多くの作物を生産したいと考えております。交配のような古い技術では、収量を増大させるのに限界がございます。生産量の増大、そして食糧保全のかぎとなるものは、バイオテクノロジーなのでございます。 アメリカの生産者は、新しい遺伝子組み換え大豆に対し、非常に大きな期待をしております。昨年栽培された遺伝子組み換え大豆の収量は、ほかの大豆品種より五%増大いたしました。また、農薬の使用量は、従来の大豆生産より少なくて済みました。環境的に優しく、栄養の面でも安全で、消費者への供給力が増大いたします。これで、なぜ生産者がこのような新しい技術が将来のために役立つと信じているか、おわかりになると思います。彼らは、世界の食糧保全の重要性を強く信じております。 ことし、アメリカだけで、一千三百万ヘクタール以上の遺伝子組み換え技術を使った農産物、大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、綿などが生産されます。カナダの生産者は、ことし、バイオテクノロジーによって開発されたカノーラを五十万ヘクタール栽培すると言われております。南米の大豆生産国を含んだ幾つかの国々も、これらの新しい技術を使い始めております。また、ASAは、日本の米の収量を驚くほど増大し、日本の食糧確保に貢献すると期待されているC4という米が日本で開発されているということを聞いております。 ここで、皆様の小委員会の本題である表示についてお話しいたします。 ASAは、新しい表示法がつくられることに懸念を抱いております。アメリカの表示法では、遺伝子組み換え製品に関し、そのものが現在あるものと著しく異ならない限り表示をする必要がないということを考えております。このような考え方は、EUや日本の表示法の考え方に似ております。しっかりした科学により正当化されるものは、消費者は知る権利があると私たちは考えております。 しかしながら、私たちは、科学的理由以外の理由で表示することになった場合、起こり得る幾つかの問題を懸念しております。というのは、それは一般の人々が正しく理解できずに市場に混乱が起こる可能性があるからでございます。日本で非科学的な裏づけによる表示を義務づける法律を制定すると、不必要な混乱を引き起こしかねないと思います。 現在、消費者は、バイオテクノロジーを応用した食品に関して余り知りません。その結果、表示をするようになると、バイオテクノロジーを応用した食品が科学的に異ならないにもかかわらず、異なるものと信じるようになるかもしれません。遺伝子組み換え食品を恐れるようになるかもしれません。バイオテクノロジーの重要な役割を理解していない人々は、それが消費者や子供たちにとって悪いもの、有害なものと思うようになり、恐れるようになるかもわかりません。 しかしながら、消費者調査を見ますと、アメリカの消費者は、遺伝子組み換えに対し、時間がたってから積極的に考えるようになりました。アメリカでは、遺伝子組み換え大豆からつくられている製品が現在販売されていますし、よい反応を消費者が示しております。 科学的な根拠なく、不必要に遺伝子組み換え食品に関し一般の人々を刺激することは、危険なだけでなく、不当なことです。核心で食糧保全に影響する政策をつくることは、正しい科学的調査と理由づけによって行われるべきだと思います。遺伝子組み換え食品の表示に関するこの重大な状況の判断を誤ると、食糧の安定供給に深刻な混乱を引き起こしかねません。その混乱は、これから数年、恐らく十数年続くかもしれません。これは、もしそうなると、環境を改善し、食糧確保に貢献するバイオテクノロジーによってもたらされる科学的な大躍進という恩恵を利用しないで二十一世紀に入ることを意味するでしょう。 アメリカや日本には、純粋に科学的根拠に基づいて食品の表示を扱う法律や規則がございます。世界の先端を行くレベルの高い国々の偉大な科学者たちは、これらの原則に同意しております。ASAは、これらの規則が有効であること、そして研究と深い思慮によりそれらが制定されたと信じております。 過去十年くらいの間に作成された現在の表示法で十分であり、さらに規制を強化することは、日本のみならず世界の人々の短期的、中期的、そして長期的な利益を損なわせることになるかもわかりません。私たちは、地球全体が一つの村という時代に入りつつございます。そして、きょうASAにお話しする機会を与えてくださったことは、ここの認識であると信じております。千里の道は一歩からということわざが日本にございます。この千里の道の最後に私たちが見つけることは、この第一歩によって決定するのでしょう。 私は休み中で、おととい妻や子供たちと離れてアメリカから日本に戻ったのは、きょうここに話すことができるためでございました。将来、日米関係と貿易関係が円滑に問題なしに続くように、力を尽くして努力いたしたいと思っております。私が十二年間以上日本に暮らしてまいりまして、これは私個人にとって非常に大事なことでございます。 最後にもう一度、本日は、アメリカ大豆協会並びに三十二万人の大豆の生産者を代表してこのお話をする機会を与えていただいてありがとうございました。心から感謝を申し上げます。 どうもありがとうございました。
○岸田小委員長 ありがとうございました。 次に、山根参考人にお願いいたします。
○山根参考人 日本モンサントの山根と申します。きょうは、遺伝子組み換え作物につきまして御説明をさせていただきたいと思います。 お手元の方に資料をお配りしておりますので、この資料に基づいてこの順番で、まず最初に、遺伝子組み換え技術とは一体どんなものなのかということ。それから二番目に、遺伝子組み換え作物というのは、若干悪者にされておりますけれども決して悪いものではなくて、将来の人類にとって必要な技術であるという点を一つ強調させていただきたいというふうに思っております。それから、安全性の評価でございますけれども、どうやってこの遺伝子組み換えした作物の安全性が評価されているのかという点につきましても、きょうの表示問題と絡みまして非常に重要な問題だというふうに考えておりますので、そこについて御説明をさせていただきたい。それから最後に、遺伝子組み換えというものが一体人類の将来に対してどういう恩恵をもたらそうとしているのか、この点についても触れさせていただきたいと思います。 具体的なお話に入る前に、私どもモンサントという会社でございますけれども、これについて簡単に御説明をさせていただきたいと思います。 私どもモンサント社の企業理念と申しますものは、日本語にしますと、豊富な食糧と健全な環境づくり、これに尽くしていくというのが企業理念でございます。ですから、きょうお話しさせていただきます遺伝子組み換え作物、これは私どもにとっては、この豊富な食糧づくりとそして健全な環境を守っていくという面からは非常に重要な技術であるという位置づけを持っております。 最初に、遺伝子組み換え技術とはどういうものなのかということで、一枚繰っていただきまして一ページ目をあけていただけたらと思います。 こちらの方に従来の品種改良方法。私どもお米を食べています。コシヒカリがおいしいとか、あきたこまちがいいとか、やれ今度は新しいお米ができたとかいろんなことが出てまいります。そういうお米も、ある日突然そういったものが出てくるわけではございませんで、人間がいろいろと作物に手を加え、遺伝子を交換し、そしてつくっていっております。ですから、遺伝子をいろいろと組み換えていくということは決してバイオからスタートしたわけではございませんで、従来の育種、品種改良、こういったところでもう既に行われてきたことであるということを御理解いただければ大変ありがたいというふうに思っております。 簡単にその品種改良法、時間がありませんけれどもちょっと御説明させていただきますと、例えば品種Aというのが、日本で一番人気のございますコシヒカリというふうにお考えいただきたいと思います。コシヒカリというのは、平成五年に日本も冷害になりましたときに、寒さに弱く病気に弱いために、中山間地、ちょっと高度の高いところで植えられましたコシヒカリは全滅に近い被害を受けております。そうなりますとどういうことを一般の人が考えるかといいますと、では、コシヒカリは病気に弱いのなら病気に強いコシヒカリをつくってやろうじゃないかということになります。 それで、どうやってやるかといいますと、品種Aがコシヒカリでございまして、右側の方に品種Bというのがございます。これが病気に強い品種というふうにお考えいただきたいと思います。一番右に丸印がありますけれども、これが病気に強い遺伝子だと仮にお考えいただきたいと思います。その丸の左側にバッテンがございます。このバッテン、味を悪くする遺伝子だというふうに仮にお考えいただけたらと思います。ちょうどそのバッテンと同じ位置の品種Aのところに四角がありますけれども、これはコシヒカリが味がいいという、味をよくする遺伝子というふうにお考えいただけたらと思います。 病気に強いコシヒカリをつくるために、このAとBを交配、かけ合わせという言葉で呼んでおりますけれども、こういう作業をして、何とかこの丸の遺伝子をコシヒカリの中に入れてやるという作業をいたします。ところが、丸の遺伝子を入れるために交配をしたのですけれども、一段目のところを見ていただきますと、病気に強いという遺伝子も入りましたけれども、同時に味が悪くなるという遺伝子も入ってしまっています。これでは病気に強いコシヒカリになり得ませんから、その後、親のコシヒカリと戻し交配を何回もやっていって、何とかこのバッテンの遺伝子を取り除いていくという作業をいたします。 この作業、十年以上かかりますし、十年以上やったから必ずできるというものではございません。うまくいけば、一番左の下にございますように、病気に強いという遺伝子の入ったコシヒカリというものができてくるわけです。 バイオテクノロジーあるいは遺伝子組み換えが何をしているかと申しますと、病気に強いという遺伝子がこれだとわかっているのであれば、もうこのような面倒な品種改良をやらなくても、その遺伝子だけを切り出してきていきなりコシヒカリに入れてやればいいじゃないか、そうすれば一発で病気に強いコシヒカリができるというのが右側のバイオテクノロジーの方でございます。植物体だけをつくるのであれば、二年から三年でこうしたものができてまいります。 もう一つ遺伝子組み換えのいい点としましては、今までは、稲の場合ですと稲あるいは稲の近縁のものしかこうした品種改良ができませんでしたけれども、仮にこの病気に強いという遺伝子がキュウリやトマトにあっても、その遺伝子を切り出してきてコシヒカリに入れてやることができるということで、品種改良、育種の幅がこれによって非常に広がる、人類に有用な品種の開発が非常に早く進むようになるということでございます。 その次のページは飛ばさせていただきまして、では、実際にバイオテクノロジーでできること、右側の上に1-3と書いてありますページに移らせていただきますけれども、どういうことができるのか。 まず、食糧増産というものを目指しますと、減収を防ぐ。農業は、今いろんな病気ですとか害虫、雑草、こういったもので収穫量が減っております。農家の方がよくおっしゃいますけれども、農業には三つの敵がある。それは病気であるし害虫であるし雑草なんだ、こういうものに自分の収穫物を食われたら、もうとてもじゃないけれども農業は立ち行かなくなってしまうというぐらいに言われているものです。 世界全体で考えますと、開発途上国もありますから、こうした病気、害虫、雑草による減収率というのは、私どもの勝手な考え方ですけれども、少なくとも二割から三割ぐらいにはなるのではないかというふうに考えております。こういうものに強くすれば、単純に言えば二割、三割の増収が可能になるということになろうかと思います。 あとは、例えば稲は北海道ぐらいまでしか植えられません。満州に稲を植えるということは今の段階ではできませんけれども、バイオテクノロジーを使うことによって寒さや乾燥に強いという作物が出てくれば、寒いところでも作物ができます。あるいは砂漠に近いところでも作物ができる。そういったことになれば、栽培面積の拡大、ひいては食糧増産に結びついていくだろうというふうに考えております。 また、今後いろいろな植物の状況がわかってくれば、遺伝子を入れることによってもう二割、三割といった増収ができるということも決して夢の話ではないというふうに考えております。 さらに、右側の方に書きましたけれども、品質の向上ということで、これから人間が必要と思われるようないろいろなよい面を持った作物を開発していけるだろうというふうに考えております。 こういうバイオテクノロジーがなぜ今一九九七年の時点でこれほど騒がれてきているのかという点でございますけれども、そこには理由がございます。 その次のページに、世界の人口と世界の穀物需給の関係というのをグラフにしております。一九九七年現在、人口が約五十六億から五十七億と言われております。これが二〇三〇年になりますと九十億、二〇五〇年には百億を超えるというふうに言われております。人がふえますと人の住む場所が必要になりますから、どこをつぶすかというと農地をつぶしていきます。ですから、二〇三〇年のところの左側が生産量で右側が需要量の棒グラフを見ていただくとわかるように、生産量が需要量に追いつかなくなってしまう。これが今世界的に危機感を持って話をされております食糧危機ということになろうかと思っております。 ですから、今の農業の生産性を上げない限りこのギャップは埋まりませんから、食糧危機に私ども人類は対抗できなくなるということになります。前のページでお話しさせていただきましたように、バイオテクノロジーを使って病気や害虫あるいは雑草に負けない作物をつくるということだけでも、このギャップを埋める大きな力になるだろうというふうに考えております。 具体的に、ラウンドアップという私どもの除草剤に影響を受けない大豆、これに関しましては、皆様から、要するに会社がもうけるためにやっている技術なんだよねとよく言われます。モンサントは、ラウンドアップという除草剤も売って、種も売って、二重にもうけるのかいということを言われますけれども、決してそうではないというところをきょう御説明をさせていただきたいと思います。 その次のページに、私どもが一昨年度つくばの農林水産省の農業環境技術研究所の方でやりました隔離圃場試験の写真を載せております。普通に大豆を植えまして何も雑草防除をしませんと、このように雑草だらけになってしまいまして、これでいきますと収穫量は五割以下になってしまいます。 ラウンドアップという除草剤をまきますと、その次のページなんですけれども、非常によい除草剤でございまして雑草をきれいに枯らすのですけれども、残念ながら作物と雑草を見分ける力がございませんから、大豆も枯れてしまっております。 これでは困るので、それでラウンドアップの影響を受けない大豆というものを開発いたしました。それがその次のページでございます。ラウンドアップをまいてやりますと、雑草だけがきれいに枯れて大豆はすくすく育っていくということになっております。 これは小さな試験ですけれども、昨年度、私ども農林水産省の認可をいただきましたので、私どもの茨城の方の農場の方で試験をしております。それがその次ですけれども、これは全く何も除草をしていないところでございます。大豆がどこに植わっているのかわからない、もう雑草だらけになっております。これが農家の方が雑草防除をしないときにこうむる被害でございます。 これに対して、日本でよく使われております除草剤というのを使ったのがその次のページでございます。先ほどのページよりは雑草が減っております。大豆もよく見えます。しかし、その大豆と大豆の間を見ていただきますとわかるように、まだ雑草が非常にたくさん残っております。 それに対しまして、ラウンドアップの影響を受けない大豆を使いましてラウンドアップをまいたのが、その次の、右側の上の番号2-6という写真でございます。このように、雑草がきれいに枯れて大豆だけがすくすく育っていくということになります。 では、これがどんなメリットをもたらすのか。当然、雑草に食われていた収穫量が戻ってまいります。それをその次の2-7というグラフでお示しさせていただいております。 この棒グラフの中で、一番左に「無除草」というのがございます。全く除草しないときでございますけれども、収穫量がどのぐらいになるかといいますと、十アールという単位でわずか五十五キロしかとれておりません。その「無除草」の隣に「手取り除草」というのがございます。とにかく出てきた雑草は全部手で抜くという、実験のためにやっているところでございますけれども、全く雑草の被害がなければ、一応ここの試験では十アール当たり約二百キロの収穫量というのが得られております。ですから、いかに雑草の害というものが作物にとってひどいものかというのは、ここを見ていただけたら御理解いただけるのではなかろうかと思っております。 その右側に「土壌処理剤A」というのがございます。これは先ほど写真でお見せしたものですけれども、この場合、先ほども見ていただきましたように雑草が非常に残っておりますので、収穫量としては、無除草区に比べますと倍になっておりますけれども、百八キロということになっております。 これでは農家の方はとてもじゃないけれどもたまりませんから、土壌処理剤Aをまいた後に、トラクターの後ろにつめのようなものをつけて機械的に土の上をひっかいて雑草を取るという中耕という作業をやっております。それがその次のグラフですけれども、中耕を二回やってやりますと雑草防除がよりよくなりますので、この場合で約百七十二キロという収穫量を得ております。 それに対して、ラウンドアップの影響を受けない大豆でラウンドアップを一回だけまいたときの収穫量というのは、手取り除草と同じ二百キロを超えているということになっております。 ですから、ここで見ていただいてわかりますように、こうした雑草防除が簡単でかつ完璧にできるような技術というのは、やはり収穫量の増大という面からは非常に重要な技術である。これは、日本でこうですから、開発途上国等に行きまして雑草防除に除草剤を全く使えないというようなところでは、この増収効果というのは非常に大きいというふうに私ども考えております。 次のページに、では実際に除草剤の使用が減るのかふえるのかというのがよく議論になります。そこで、昨年アメリカの方で、このラウンドアップの影響を受けない大豆を実際に植えられた農家千軒以上に調査をかけております。アメリカの農家の方は、一品種だけ植えるわけではございませんで、ラウンドアップの影響を受けない大豆を植えられていると同時に従来の大豆も植えられております。どういう除草剤をどれだけまいたのかという聞き取り調査をいたしました。その結果をこちらにまとめております。 左側の薄い棒が従来の大豆にまかれた除草剤の量、右側の黒っぽい棒の方がラウンドアップの影響を受けない大豆を植えてラウンドアップをまいた場合ということになります。 雑草の比較的少ない中東部、右から二番目ですけれども、ここで九%の除草剤の使用量の減というのが出ております。一番雑草の多い南東部ではその差が三九%ということで、明らかに除草剤の使用量が減っているということを御理解いただけるのではないかと思っております。ですから、こうした技術は、現在の消費者のニーズであります減農薬といった流れにも沿うものであろうというふうに考えております。 それで、いいことはそれだけかということになりますけれども、もう一つございます。それは、環境保全型農業、環境を守りながら農業をしていくということが可能になるということでございます。 現在、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、こういったところで行われておりますのは、左側にございます耕起栽培、耕す栽培でございます。土を耕しますと土の表面が柔らかくなりますから、風が吹けば飛ばされてしまう、雨が降れば雨水と一緒に川に入っていってしまうということで、表面の肥沃土壌がどんどん流亡していって耕地面積が減っていくということが見られております。 それは耕すからいけないので、右側にありますように、不耕起栽培というのをやれば環境を守りながら農地を減らさないで農業ができるということになるわけですけれども、耕さないというのは、耕すときに雑草をみんな土の中にすき込みますが、それができなくなるということで、その下に書いてございますように、雑草防除ができないという大きな問題を抱えるわけです。 その次のページに、では具体的に不耕起で大豆を植えたらどうなるのかというのを写真にお示ししております。このように、大豆がどこにあるのかわからない、雑草だらけになってしまいます。 農家の方は、こういう状況になっても雑草を枯らすことができる技術があればこの不耕起栽培ができるようになるわけですけれども、ラウンドアップの影響を受けない大豆で農家の方にそうした技術を御提供できるのではないか。それがその次の写真でございます。こういうふうにラウンドアップを一回使うことによって雑草防除が完璧になるということで、これをごらんになった農家の方々からは、よし、これでおれは本当に環境に優しい不耕起栽培というものを自信を持ってできるようになったというようなお言葉もいただいております。 ですから、そういった意味で、除草剤の使用量を減らし、収穫量をふやし、そして環境に優しい農業をしていくという面で、この大豆というのは決してモンサントという会社が利益を得るためだけにつくったものではない、人類にとっても大きな意味のある技術であるというところを御理解賜れたらありがたいというふうに思っております。 その次に、簡単に、ラウンドアップの影響を受けない作物の利点というのを二点、効果的かつ効率的な雑草防除と環境保全型農業、そして収量増ができるというところで御説明をさせていただきたいと思います。 その後に害虫抵抗性のジャガイモのお話を簡単にまとめましたけれども、きょうはちょっと時間の関係で、ここは後で見ていただけたらというふうに思います。 その五枚ぐらい先に、右側の上に3-1と書いた「新しい遺伝子が一つ入っている」というページにお移りいただけたらというふうに思います。こうした遺伝子組み換えでつくりました作物、一体食品としての安全性というのはどうなんだろうか、どういう評価をしているのかという点をこちらにまとめさせていただきました。 安全性の評価が不十分じゃないかとか、そういったことをよく言われますけれども、私ども、この安全性評価のための書類としては、机の上に並べますと約一メーター近い資料を提出いたしまして、そして安全性の評価についての結論をいただいております。ですから、そんな簡単に安全性というものが認められているわけではございませんで、非常に多くの科学的努力そしてデータの積み重ね、そういったものから安全性の評価がなされているという点をまず御理解賜りたいと思います。 バイオの作物、遺伝子組み換えでつくった作物が従来のものとどう違っているのか、私どもがやっております、今御説明させていただいた大豆で御説明をさせていただきたいと思います。 この大豆、バイオの大豆と仮に呼ばせていただきますと、このバイオ大豆が従来の大豆と違っている点は、一つだけ遺伝子が入っていて、その遺伝子のおかげでその作物はラウンドアップという除草剤によって枯れないようになっているという点でございます。基本的な違いというのは、新しい遺伝子が一つ入っているということになります。 遺伝子というのは、私ども五千年の歴史の中で、トマトを食べてもお刺身を食べても遺伝子を食べております。ですから、遺伝子を食べた結果として人間に何か悪影響が出たということはございませんから、それと同じDNAというものでっくられた遺伝子が入ったということ自身は食品の安全性には何の影響もないというのは、この五千年以上の人類の歴史の中で、毎食毎食私どもが遺伝子を食べたけれども何も悪いことがなかったということで十分証明されているだろうというふうに考えております。 そうしますと、新しい遺伝子を入れたことによって安全性がどうなるのかというのは、二点に集約されるだろうというふうに私ども考えております。 まず一点目は、遺伝子を入れたおかげで、今まで働いていた遺伝子が働かなくなったりあるいは今まで寝ていた悪い遺伝子が働き出したらどうするのかという点かと思います。 それはどうやって見るかということになりますけれども、遺伝子が働かなくなったりあるいは遺伝子が一つ働き出したりしますと──遺伝子というのは何をやっているかというと、たんぱく質をつくっております。そのたんぱく質というのは酵素活性というものを持っておりまして、いろいろな反応を触媒するということをやっております。ですから、新しいたんぱく質ができたりたんぱく質ができなかったりしますと、必ず酵素が一つ余計にできたりあるいは酵素ができなくなったりしますから、それは植物体の中で必ず代謝異常という形であらわれてまいります。 その代謝異常というのは、例えば形にあらわれたり、背丈が低くなったり、葉っぱが小さくなったり、花の咲く時期が変わったり、あるいは栄養成分の中に差として出てまいります。ですから、そうした形ですとか成分、いろいろなものを調べて、何も悪いことが起きていない、何もいいものが寝てしまっていることはない、つまり従来の大豆と何も変わらないということをまず証明しなさいということになっております。 そこが遺伝子を入れることによって何も変わっていないということがわかれば、その次に、では新しく入れた遺伝子によってつくり出されるたんぱく質が本当に人類にとって安全なのかという点を見るということになります。そこの二番目の下の方に書いてございますけれども、これまで人が安全に食べてきたたんぱく質と同じように安全なのかどうか。 たんぱく質というのも、私ども五千年の歴史の中で毎食毎食たんぱく質を食べてきております。ほとんどすべてのたんぱく質は安全でございます。なぜたんぱく質が安全なのかというふうに申しますと、それは基本的に胃や腸で消化されるからでございます。消化されないたんばく質もございます。そういったものはアレルギーを起こしたり、あるいは毒性反応を起こしたりということがございます。 ですから、まず、入れた遺伝子によってつくり出されるたんぱく質の安全性を見るときには、胃液や腸液で消化されるのかどうかということを見なさい、そして消化されれば、今まで人類が安全に食べてきたたんぱく質と同じように安全なんだということが証明できる、こういう考え方でバイオの作物の安全性というのは評価されております。これは決して日本だけの考え方とかある国だけの考え方ということではなくて、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本、そういった先進各国において共通の科学的認識のもとに、こうしたものを見れば安全性が十分に評価できるということになっております。 では、私ども具体的にどうしたのかということを次に御説明しますけれども、まず最初に、実質的同等性がどうなのか、何も変わっていないのかというところで、ここには成分の図を載せております。 まず最初に、ラウンドアップの影響を受けない大豆、私ども商品名ラウンドアップ・レディーと呼んでおりますけれども、この大豆におけるたんぱく質、脂肪、繊維、灰分、炭水化物、この量が変わっていないのかというのをまず見ております。左側がバイオの大豆、右側が従来の大豆になっておりますけれども、たんぱく質、脂肪、繊維、灰分、炭水化物、どれを見ていただいても差がないということがわかろうかと思います。 たんぱく質の総合量は変わっておりませんけれども、それを構成しているアミノ酸の組成には差がないのかというのを次のグラフにお示しさせていただいております。十八種類のアミノ酸をこちらに書いてございますけれども、同じように左側がバイオの大豆、右側が従来の大豆になっております。十八種類のアミノ酸どれを見ていただいても、両者の間に全く差がないということがお認めいただけるかと思います。 大豆から油も絞ります。脂肪の総合量は変わらないというのを前のスライドでお示ししましたけれども、では、その脂肪の組成であります脂肪酸、これの組成に差がないのかというのを見ております。ここには五種類だけ載せておりますけれども、これもまた先ほどと同じで、左側がバイオの大豆、右側が従来の大豆ですけれども、両者の間に全く差がない。 全部で千三百近い分析をやっております、こうした栄養素だけではなくて、大豆には人間が生で大豆を食べられないその栄養素、抗栄養素と言われておりますトリプシンインヒビターというのもございます。こういったものがふえてはいないのかということまで全部見まして、何も変わっていないということを証明しております。 そうなりますと、入れた遺伝子がつくり出すたんぱく質は私どもが食べても本当に大丈夫なのかということになろうかと思います。その次のページに、今回つくられておりますたんぱく質の安全性をどうやって見ているのかというのを表にさせていただいております。 先ほど申しましたように、私どもがこれまで食べてきた安全なたんぱく質というのは、すべて消化されてしまうということになっております。ですから、人の消化器官で速やかに消化されるかどうかというのは安全性を見るときに非常に重要なことでございますけれども、このバイオの大豆でつくられていますたんぱく質は人の消化器官で非常に速やかに消化されてしまうということが証明されておりますので、従来安全に食べてきたたんぱく質と同じように安全であるということが明確に言えるかというふうに考えております。 それ以外にも、実験動物のマウスを使いまして、実際にそのたんぱく質を食べさせて何も影響がないということも見ておりますし、また、たんぱく質で毒性を持っているような千九百三十五のたんぱくがございますけれども、これとどこか一部でも構造の似ているところがあるのかないのかということも調べておりますけれども、そういったものもないということで、たんぱく質の安全性を証明させていただいております。 それから、たんぱく質ができていますから、アレルギー性はどうなんだということで、それをその次のページにまとめさせていただいております。 アレルギーを起こすたんぱく質というのは、幾つかの特徴を持っております。例えば、人間の消化器官で壊れない、そのために腸に行って、腸の受容体というものにそのたんぱく質がくっついてアレルギーを起こすということがまず言われております。それから、アレルギーを起こすたんぱく質というのは調理による加熱をしても壊れませんので、熱をかけても壊れないと、調理したものを食べてもやはりアレルギーになってしまうというような特徴がございます。 では、このたんぱく質はどうなのかということで、先ほど御説明させていただきましたように、人の消化器官では速やかに消化される、また熱でも壊れてしまう、こういったことから、アレルギー性を持つということは可能性として極めて低いということになろうかと思います。 さらに、二百十九のアレルギーを起こすたんぱく質というのがもう既にわかっておりますけれども、こういったものとどこか一部構造が似ているところがあるのかどうかというのもコンピューターを使いまして調べておりますけれども、似ているところがない。また、含まれている量も、そこに書いてございますように非常に微量である。 こういったことを総合的に判断いたしまして、アレルギー誘発性はないという結論を出しております。 そういったデータを各国に出しまして、その次のページに、現在、食品の安全性について各国で認可されているものをリストにしております。真ん中あたりに「除草剤の影響を受けないダイズ」というのがございますけれども、アメリカ、カナダ、EU全体、そして日本、アルゼンチン、メキシコ、こういったところで、今御説明させていただきましたような安全性評価、これをデータを出させていただいて認可をいただいております。 何かバイオの作物というとまるで突然出てきたように思われがちですけれども、その次の写真を見ていただきたいと思います。これは、アメリカで世界で最初に開発されましたフレーバーセーバー・トマトというバイオのトマトを実際にスーパーで売っているところでございます。 このバイオトマト、世に出ましたのが一九九四年の五月でございます。ですから、アメリカではもう三年以上の消費者による消費が行われておりまして、何ら問題が出ていない。アメリカでは、バイオというのは、やはり農業に役に立つ、自分たちのこれから将来の食糧確保のために有効である、あるいは環境を守って農業ができるということで消費者の受け入れば非常に高く、何らの反対運動も起きていないというふうに聞いております。 その次のページに、簡単に、バイオの作物とはということでまとめさせていただきました。私どもの考え方は、バイオとは従来の品種改良の延長線上である、これをより人間にとって有利に働くようにしているというふうに考えております。 何で今バイオをやらなければいけないのか。これはもうただ一つでございます。将来の食糧危機に対抗していくため、食糧の増産をするためという、先ほど御説明させていただいた内容かというふうに考えております。 では、どんな利点があるのかということでございますけれども、まず第一点は、食糧増産ということになります。食糧増産以外にも、きょうお話しさせていただきましたように、低農薬ですとか環境保全型農業、こういったものを実現できる技術であるというふうに考えております。 安全性につきましては、いろいろな科学的根拠に基づきましてつくられております厚生省、農林水産省の安全指針、これに基づいて厳正に科学的に判断がなされるということが非常に重要であろうというふうに考えております。 消費者に対しては、やはり消費者の理解を受けなければせっかくのこの技術も夢半ばで終わってしまうということもあり得ますので、やはり情報公開をきちんとして、私どもとしましても、いろいろなところに行ってとにかく御説明する。御説明をしますと、今まで何だかよくわからなかったから心配だったけれども、きょうの話を聞いてみると、まあまだちょっと不安が全部取り去られたわけではないけれども、そんなに心配しなくてもいいのねということがあります。ですから、私どもとしては、今後、消費者の方への情報提供、これに全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。 その次のページに、将来バイオというのがさらにどんな方向に行くのかというのを簡単に図に示させていただいております。今のような農業面だけではなくて、食品加工面での改良ですとか、健康や栄養面、その作物さえ食べていれば抗がん物質があってがんを防げます、そういったものも二〇〇〇年を越えれば出てくるであろう。さらには、生分解性プラスチックの材料を植物につくらせてコストを下げて、いろいろな分野で生分解性プラスチックを使っていくというようなことも可能ではないかというふうに考えております。 ちょっと長くなりましたけれども、最後に、表示に関しまして私どもの考え方を述べさせていただきたいと思います。 私どもとしましては、この表示の問題というのは、やはり厳正に科学的に判断されるべきものであろうというふうに考えております。科学的にいろいろなことを調べまして、従来のものと同じである、大豆は大豆であったとしたら、これは表示をつけることはなじまないのではないかというふうに考えております。 その理由は、仮にこれはバイオでつくりましたということがあれば、それをいいと思うか悪いと思うかは消費者の方の御判断ですけれども、何か違う、今までの大豆とは違うというイメージを持たれると思います。しかしながら、物は同じですから、そうしたことで間違った印象を与えるというのはよくない。あたかも、それはいいものあるいは悪いものという印象を持って消費者の方がそれを選択されるということは、同じものですから、やはり同じものは同じものとして扱われるべきであるというふうに考えております。 それから、遺伝子組み換えだから表示が必要なのではないかという主張も、私どもよく聞きます。しかし、私どもはそうではないと思います。 例えば、最初に御説明させていただいたような従来の育種法で、あるトマトをつくったとします。おいしいトマトをつくった。そうしたら、たまたまビタミンCがなくなってしまった、あるいはビタミンCが極端に減ってしまった。じゃ、これは従来の育種法でつくったんだから何も表示しなくていいのか。私は、それは間違いだと思います。 なぜかというと、トマトを食べる方の中の多くは、やはりビタミンCをトマトを食べてとろうと思って召し上がるわけです。そのときに、そのトマトにビタミンCが含まれていないんだけれども、従来の育種法でつくったから表示は要らないんだということになりますと、ビタミンCをとるためにトマトを召し上がっている方々は、皆さんビタミンCの摂取量が減ってしまうということになります。 バイオでできているかあるいは従来の育種法でつくられているかということが問題なのではなくて、本来の食品の表示というのは、私どもが口にしたときに、その日にするものが従来のものとどのぐらい違っているのかということを明確にすべきことで、それが私ども消費者が食品を食べるときに一番必要な情報なのではないか。つくり方ではなくて、食べるもの自身がどう変わっているかというところであるというふうに私どもは考えております。 ですから、今回のこの表示問題、いろんな議論がなされるということは私ども非常に大事だというふうに考えておりますけれども、情緒的な議論というものをできるだけ少なくして、やはり科学的にどうなのかというところで検討がなされるべきものであろうというふうに考えております。 少し長くなりまして申しわけございませんでした。以上でございます。ありがとうございました。
○岸田小委員長 ありがとうございました。 次に、岩田参考人にお願いいたします。
○岩田参考人 本日は、参考人として意見を述べる機会をいただきまして、大変ありがとうございます。 事務局の方からは、この問題に対する企業の立場からの現場の声を聞きたいとのお話でしたので、大役でありちょっと荷が重いのではありますが、日ごろ考えていることを御参考までに忌憚なく申し上げたいと思います。 最初に、私、参考人の立場ですが、三つの立場があると考えております。 まず第一は、今回問題となっております大豆、菜種、トウモロコシ、ジャガイモといった農作物及びその加工品を原料とする加工食品を製造しているメーカーの立場であります。農作物から見ますと、ユーザーの立場であります。お手元に二枚ほど資料をお配りしておりますけれども、資料1にありますように、既によく御存じのように、対象の農作物はほとんどの加工食品に使用されております。したがいまして、ユーザー企業は広範囲にわたっており、特定の企業の立場と申しますより、広く一般加工食品メーカーの立場からお話しした方がいいのではないかど考えております。 第二の立場ですけれども、企業の研究開発戦略の基幹技術として遺伝子組み換え技術に取り組み、その成果を世に出そうとしている医薬、化学、食品等の企業の立場であります。たまたま当社は、遺伝子組み換え技術の主な応用先を医薬品開発分野、一部を園芸植物の花の色の変換といった食品ではない分野にしており、食用農作物を対象にはしていませんが、遺伝子組み換え技術を通じて画期的製品の開発なり企業の発展、科学技術の発展を追求する立場は一緒であります。 第三は、個人的に私が生物化学系の技術屋でありまして、遺伝子組み換え技術については若干の知識と理解力を持っていることであります。もちろん学会の専門家にはほど遠く、浅学非才ではありますが、企業の中では、お酒や飲料の研究、生産、品質管理、商品化だけではなく、バイオテクノロジーを基幹技術とした研究開発、そしてその成果を生かした新規事業開発等に関係してきたため、この分野に全然経験のない方に比べればという程度であります。 お手元の骨子にあります形で進めたいと思います。まず最初に、加工食品メーカーとしての今回の件に関する率直な直観的受けとめについてお話ししたいと思います。 まず第一は、アメリカ、カナダでは許可され、しかも表示は要らない、日本でも輸入を許可され表示も不要と聞いているのにどうしてという率直な疑問であります。まさしく最大の疑問であります。 第二は、先ほどの資料1にもありましたように、表示の対象となる食品の範囲の広さに驚いたことであります。極端に言えば、遺伝子組み換えトウモロコシのまざったえさで育った鶏の卵までということになります。極端かどうかは私の私見ですので、当たっているかどうかはわかりません。 第三は、普通、私ども消費者に近いメーカーは、こういう場合はほかの原料なり組み換えていない原料にかえられないかととっさに考えます。少量であれば少々コストは高くなりますが可能なケースもありそうですが、これら農作物をほとんど海外からの輸入に頼る現状では、極めて困難なことがわかります。先ほど話がありましたように、大もとの米国、カナダで区別して考えていないため、現在使用している原料に果たして遺伝子組み換え農作物が入っているのかどうか、明確にはわかりません。 この問題は、個々の企業にとっては余りにも幅が広く奥が深いため、考えを整理し切れてはおりませんが、以下、安全性、表示、それと遺伝子組み換え技術とパブリックアクセプタンスという三点について掘り下げて考えてみたいと思います。 まず、安全性についてであります。当委員会が表示を主体としており、安全性の検討ではないことは承知しておりますが、考えを整理するにはどうしても避けられない点であります。若干触れさせていただきたいと思います。 私自身は、遺伝子組み換え農作物は安全であると考えております。 お手元の資料2に見にくい表がついていますけれども、個々をしゃべるつもりはないのですが、この表は、現在の遺伝子組み換え技術とその生産物の安全性評価の仕組みができ上がるまでの重要な科学的方法論の進歩を示した表であります。申し上げたいのは、この安全性評価の仕組みは、世界じゅうの専門家が英知を絞り、二十数年にわたる研究の成果でできたということであります。その若干の内容を、先ほどモンサントの山根さんが詳細を申し上げたかと思います。私が安全と考える根拠は、この仕組みで正しく評価されれば、その結果は信頼に足るものだと考えているからであります。 一九七三年、有名なコーエン、ボイヤー両博士による組み換えDNA技術が開発されました。これは、遺伝子を人為的に組み換えることができる可能性が示されたと同時に、この技術が事によるととんでもない怪物をつくり出すかもしれないという心配をも生み出しました。当時この革新的技術に対する知識と経験を持たない科学者たちは、翌年の一九七四年、安全性が確保されるまで実験そのものの自発的中止を決めております。しかし、この心配は、その後多くの専門家たちの科学的解明によって払拭されていったわけであります。 この技術の特徴は、生まれたときから危険であるという仮説を常に念頭に置いて慎重に取り組まれ、その都度その仮説が誤りであったこと、すなわち安全であることを世界じゅうの学会、国際機関、政府、産業界が協力、科学的に証明しながら発展してきたことにあります。 安全性に関する議論は、この二十数年の過程を踏まえた中で、もっともっと詳しく論ぜられるべきものかと考えます。この遺伝子組み換え食品の根本的な問題は、やはりこの安全性に戻ってくるのではないかと考えております。 以下、私のお話は、当然安全が確保された、安全であるという前提でお話をしたいと思います。 今回の該当する農作物の日本における審査資料、先ほど山根さんの方からもお話がありました審査資料は、実は我々一般人でも社団法人日本食品衛生協会に行くと閲覧できます。棚いっぱいに並べられた膨大な丘の科学的安全性評価データであります。データをつくるための技術、時間、費用、特に技術が決め手なのですが、それらは一般には我々個々のユーザー企業にはありません。それらすべての原料について個々のユーザーがこれをやることは、その信頼性、経済性からも現実的ではありません。 この安全性の部分については、やはり現在の国際的に認知されている安全性評価の仕組みに基づき、開発企業での評価試験と国の機関での最終評価をお願いせざるを得ません。先ほど述べました、米国、カナダ、日本で許可されておるのにどうしてという受けとめの由来でもあります。 ここで、加工食品メーカーは安全についてすべて国に任せ切っていて自己の責任を回避しているというような印象を与えますと大変不本意ですので、若干、もっと広い意味での安全への企業の取り組みをお話ししておきたいと思います。 お客様に渡る最終製品をつくるメーカーとしては、製品の安全確保は当然の活動であります。もし何かあれば、その原因のいかんにかかわらず、最終製品メーカーとしての責任は逃れられません。また、それによるお客様からの信用の失墜は致命的であり、取り返しがつきません。 国で許可され使用のルールが決まっているから安全かといいますと、企業としてはそれだけでは安心できません。原料から最終製品までルールどおり運用されている保証をする必要があります。 例えば当社では、農作物の残留農薬ですと、毎年の各地のクロップのサンプルを当社の分析科学センターで分析し、問題のないことを確認したり、また輸入品につきましては、日本で禁止または使用制限のある添加物の有無を事前に確認分析したりします。有害な重金属等の事故による混入防止のための分析体制も整備してあります。 また、現在使用を許可されている添加物でも、最新の科学の知見でその安全性が問題となるケースや、新たに安全性を考えないといけない物質が出てくる可能性もあります。常に最新の研究動向をウォッチングし、必要に応じ先手を打ち対応のできる技術と組織を持っております。 もちろん、企業の種類、規模によってやり方は異なりますが、または、先ほど申しましたように、その技術の種類によっては先ほどの安全性のように分担することはございますが、メーカー各社とも安全の確保は企業にとっての生命線との考えで懸命の努力をしていることを、念のためお話ししておきます。 次に、表示についてであります。 これら遺伝子組み換え農作物について、漠然とした不安がある、安全性が納得できないといったことを患われる方がおられるのはよくわかります。また、一般論として、安全と安心は違うという考えもわかりますし、消費者の知る権利、選ぶ権利は当然のことと考えます。 まず、一般論としての表示に対する基本的考え方でありますが、やはり消費者の知る権利、選ぶ権利への企業としての対応であり、当然のことと考えております。そして同時に、企業にとっても、直接お客様にその製品の持つ性質なり機能についてメッセージを伝えるチャンスでもあります。双方にとって大変重要なことと考えております。 今回、安全であることを前提としますと、表示をする意味は何かという疑問が生じます。添加物の場合であれば、例えば保存料であれば、使うことによって腐敗を防ぎ保存性がいいという通常とは違う製品をお届けできます。着色料を使えば、長く安定した色をお楽しみいただけるという通常とは違う製品をお届けできます。それぞれ表示は当然のことと考えております。使用した旨の表示の影響と付与された機能の価値で、メーカーとしては使用するかどうかを考えることができます。 今回の組み換え大豆なり組み換えトウモロコシは、組み換えていないものと同じ、実質同等性という言葉が使われておりますが、同じであれば、製品の性質、機能は何も変わっておりません。漠然とした不安がありますよというメッセージを日ごろ一生懸命育てました私どもの商品につけるのは、メーカーとしてはやはりまず抵抗感を覚えるのは当然かと思います。 もちろん、この問題は、これだけで消費者の方々に納得してもらえるものとは到底思っておりません。メーカーとして、考える範囲、スコープを決めてもっと考える必要があります。 今回、今申しました表示の意味以外に、次の三つの問題を考える必要があると考えております。 第一は、厳密に適用すれば、ほとんどすべての食品が対象になるということであります。先ほど申し上げました卵はともかく、レストランのメニュー、商店街の総菜屋さんまで対象になるのかというところまで波及していきます。表示対象の範囲、使用量、加工度は加味するのか、例えばこれら農作物からとった油やでん粉を利用した食品まで問題にするのか等は、現段階では不明確であります。 遺伝子組み換えで起きる変化は、組み込んだDNAとそれがつくり出したごく微量のたんぱくであります。それら成分を含まない、例えば油やでん粉は安全性に関係はないのではという考えもあります。しかし、この考えは、たんぱく成分を直接使用しているその他の多くの食品、豆腐、みそ、しょうゆ等をいわば置き去りにしているものでありまして、メーカー全体としてはやや問題がある考えかとも思います。 また、現在世界では、今回の品目以外にメロン、イチゴ、カボチャ、キュウリ、稲、小麦といった品目について研究開発が進み、海外では現在四千件近い野外試験が進行中と聞いております。新たな品目が実用化されるのは時間の問題と考えられますし、また生産国も、アフリカ、アジアを初め各国へと広がることも予想されます。 二つ目の問題は、先ほど来出ておりますこれら農作物の供給元であるアメリカ、カナダでは、遺伝子を組み換えたものとそうでないものを区別していないことであります。供給元に要求すれば組み換えていないものが入手可能という考えは、現実的ではないと考えます。区別して調達する、いわゆる分別調達と呼んでおりますが、これは現在機能している生産から物流に至る徹底した効率的システムをつくりかえない限り、大量には調達できませんし、当然コストの上昇を招きます。 この要求は、アメリカ、カナダの農業システム、農業全体への要求でありまして、個々の企業では限界のある交渉であります。遺伝子組み換え農作物が、農家にとって収量増、省農薬、省力、土壌流出防止といったメリットのあるものであれば、なおさら困難な問題であります。 食糧の多くを海外に依存、そして米国、カナダヘの依存度が最も高い今回の農作物については、ほかの国での調達も現実的ではありません。 第三は、一、二に比べますとやや小さい問題かと思われるかもしれませんが、表示が正しいかどうかの確認の方法論であります。正しく表示する責任のあるメーカーにとっては非常に重要なことであります。 現在の表示事項については、メーカーは、使っていると言えば必ず使っていることを、使っていないと言えば絶対使っていないことを保証する方法論を持っております。例えば添加物であれば、自分ないし公的分析機関での分析により確認が可能です。また、原産地、銘柄等も、供給先も区別する努力をしておりますので、十分保証可能であります。 遺伝子組み換え農作物は、生の状態か、組み込んだ遺伝子または生成したたんぱくが壊れていない程度の加工度でない限り、分析で確認することは不可能であります。例えば油とかでん粉といったような加工品では不可能であります。また、分析可能な場合でも、一部混入しているようなケースでは判定は実際問題極めて困難となります。もちろん、生産地で最初から最後まで区別されていれば、信頼できる商社とか国の保証でカバーできる可能性はあるのですが、今回のように区別をしていないアメリカ、カナダでは極めて困難であります。したがいまして、表示も、使用している可能性がありますというようなあいまいな表現しかできない可能性が高いと考えております。 以上のほかにもう一つ、日本の企業にとっては重要な問題がございます。それは輸入食品への対応であります。現在は、よく御存じのように、企業はボーダーレスの国際競争をしております。加工食品も当然その渦中にあります。安くておいしい外国製品があれば、お客様は当然そちらを選択されます。もちろんこのような競争は自由主義経済の活性化の原点であり、私どもも必死の合理化、効率化、革新的技術開発といった努力で対抗しております。そして、この競争は、少なくとも日本市場においては共通の土壌、同じルールが前提であります。輸入食品もすべて表示できるのかという点は気がかりなところであります。 以上を整理しなければならないのですが、まず、先ほどお話しした添加物のようなケースでありますと、私ども、使用する、しないを考えるときの範囲、スコープは比較的狭く設定できます。決めたことがもたらす社会的影響も限定された範囲であり、個々の企業でもフォローできます。これは、例えばその添加物を使わないということによってその添加物メーカーさんが大変なことになるというようなことをちょっと意味しております。 しかし、この遺伝子組み換え食品については、安全を前提に考えれば、次にお話ししようとしております遺伝子組み換え技術の有用性、日本にとって特に大事な食糧生産の問題、それから科学技術の社会的受け入れといったことまでの考えを含め、広い範囲、スコープで考える必要があると思います。その意味では、社会的影響が大き過ぎまして個々のメーカーだけで考え切れない問題かと思います。したがいまして、私どもメーカーが、国、行政の指針に従うというような答えしかできないことを御理解いただけないかと思う次第であります。 次に、今回の問題に深く関係すると思っております、遺伝子組み換え技術の有用性とパブリックアクセプタンス、社会的受容と訳されていますが、これについてであります。論点が大きく、本来私には分不相応なのですが、せっかくの機会でもありますので、私見ではありますがあえて述べさせていただきたいと思います。 先ほど来お話が出ていますように、遺伝子組み換え技術は、食糧問題、環境問題への対応に人類が手にした最も強力な武器だと考えております。農水省の食料需給表によれば、平成七年のカロリーベースの自給率は四二%、飼料、えさ用を含めた穀物の自給率は三〇%であります。科学技術基本法を定め、技術立国を目指す日本にとって、特に食糧生産の多くを他国に依存している日本にとって大変重要な技術であります。食糧問題を解決できる可能性のあるこの技術利用については、先頭に立って世界をリードする立場にないといけないのではないかと感じております。 今回のトマトを含めた六品目の開発企業は、ここにモンサントさんがおられますけれども、すべて欧米の企業であります。同じような研究開発に携わる者として、天につばするようなものかもしれませんが、残念な気もします。 土を前提とした現在の農業は、自然環境との土地スペースのとり合いであります。人類は、森林や草原や干潟といった自然環境を畑という人工物に変えていっております。自然環境から見れば、いわば舗装のしていない道路と同じようなものだと考えてよいと思います。 我々日本は、自然環境からのスペースを、畑よりも工場、ビル、住居、道路等、より快適な、より豊かな生活環境へと多く振り分けていっております。本来ならば食糧生産へのスペース確保が要るわけですが、その分は海外諸国の自然環境からのスペースを利用させてもらっているのが現状だと思います。また、狭く有限のスペースで国際競争を迫られている日本農業にとっては、まさしく戦略技術ではないかと思います。 遺伝子組み換え技術の有用性とその証明については、今まで多くの学会、官公庁、産業界の人たちが懸命の取り組みをされ、多くの成果を上げた分野であります。もっともっと時間をかけ、詳細な議論の中でその有用性を確認していただきたいというのが私の願いであります。 次に、パブリックアクセプタンス、社会的受容についてであります。 安全性について言えば、安全と安心は違うという議論は当然のことであります。安全と安心のずれの修正がパブリックアクセプタンスであると考えます。 安全性は客観的自然科学で評価できます。もちろんそれだけでは安心は確保できません。安全性に関する必要十分な情報を消費者にわかる言葉で発信する必要があります。そして、その情報の発信者は信頼されていることが必要であります。また、情報の受け手も、受けとめる知識をある程度持つことが必要でしょう。これらがうまく回れば、安全と安心のずれは小さくなるはずであります。 私は、今回の遺伝子組み換え農作物の安全性と有用性について、社会の納得を得る活動なり仕組みが結果として不十分であったのではないかと危惧しております。もちろん、関係学会、行政、関連団体を初め多くの方々が早くから取り組み、努力され、我々民間企業も微力ながら協力してきたのですが、残念なことであります。 科学技術の進歩とそれを受け入れる社会の問題は、これから確実に増加すると思われます。先ほど遺伝子組み換え技術を強力な武器と申し上げましたのは、使い方を間違えれば凶器にもなるという意味合いを込めております。 科学技術の高度化に伴いますます自然科学は難解となり、わかる言葉での情報伝達への一層の努力が要求されると思います。自然科学者だけの発信では、社会との関連の検討が不十分でしょう。人文科学者の参画も必須であり、もちろん政治、行政、企業そして最終受け手である消費者の参画といった総合的取り組みが必要であります。どのような科学技術で、どのようなメンバーで、どんなスコープで、どんな情報開示のやり方で幅広く社会の信頼を得るか、このシステム構築が今一番望まれているのではないかと思います。 最後に、私どもメーカーは、今回は、農作物の開発企業と生産する農業関係の方々と、最終消費者の方々の中間に入っております。消費者の知る権利と選ぶ権利といった非常に大きな命題に対してどうバランスをとるかというのは、個々のメーカーでは簡単に答えが出せる問題ではございません。特に、最終消費者に近い加工食品メーカーとしては、板挟みで困っているというのが端的な現場の声かと思います。私どもメーカーの製品をお取り扱いいただき、直接お客様と接しておられる流通の方々も、この問題への取り組みに大変な努力をされていることも承知しております。 幸い、ここにおられる先生方のおかげで、国政のレベルでも取り上げていただきました。皆様の御指導のもと、この問題の持つ大きさを十分認識していく中で、今後とも努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○岸田小委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。 この際、暫時休憩いたします。 午後二時三十二分休憩 ────◇───── 午後二時四十五分開議
○岸田小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより参考人に対し、各小委員による自由質疑を行います。 この際、質疑の方法等について御説明いたします。 本日の質疑時間は、一時間十五分程度とし、議事整理のため、質疑の際は、挙手の上、小委員長の指名により発言されますようお願いいたします。なお、所属会派及び氏名を述べた上、お答えいただく参考人のお名前をお告げいただきたいと存じます。また、一人一回の発言は三分程度にまとめていただくようお願いいたします。 なお、念のため参考人に申し上げますが、御発言はすべてその都度小委員長の許可を得てお願いいたします。また、小委員に対しては質疑ができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○藤田(ス)小委員 日本共産党の藤田スミでございます。 アメリカ大豆協会のケント・ネルソンさんにお伺いをいたします。北米の穀物農家には、品種ごとに保管するサイロを持っていて、アイデンティティー・プリザーブという仕組みがあるということを聞きますが、その仕組みを使えば仕分け、集荷は比較的容易ではないのかと思います。 もう一つは、特定バラエティーは、先ほど御説明がありましたけれども、増加傾向にあるというふうに私は資料を見て理解をしております。例えば一九八五年に三万六千トンが一九九二年には十六万一千トンにふえておりますが、それが微々たるものというふうに評価されていらっしゃるのか。 それから、同じく大豆協会と、日本モンサントの山根さんにお伺いしますが、EUが表示義務づけを決めましたが、そういうところに輸出する場合、その対応はどうされるのか。それから、コーデックス委員会が、あるいは我が国が表示が必要だと結論を出した場合の対応はどのように検討されていらっしゃるのかお伺いをしたいわけです。 もう一点お伺いいたします。厚生省は確認申請書を閲覧しか認めていませんが、コピーを認めるなど公開を進める措置をとった場合、どういう問題があるのか。 後でもう一度質問の機会を与えていただきたいと思います。
○岸田小委員長 後ほどでいいですか。
○藤田(ス)小委員 はい。
○ネルソン参考人 ちょっと質問の確認の方が、IPと特別のバラエティーに関して、IPがあるということに関してどのような御質問でしょうか。
○藤田(ス)小委員 委員長、いいですか。
○岸田小委員長 もちろん、確認のためお願いいたします。
○藤田(ス)小委員 北米の穀物農家は、各自のサイロを持って品種ごとに保管するアイデンティティー・プリザーブという仕組みがあるというふうに聞いておりますが、そういう仕組みを使えば、組み換え品種と他のものとの仕分けということが可能なのではないかという問題が一つ。 それから、特定バラエティー、豆腐とかみそとかの用途に合った品種のバラエティーの大豆は増加傾向にあるのではないかという、この二つです、最初に申し上げたのは。
○ネルソン参考人 実際、特別バラエティーはIPと同じようなことですから、そんなにアメリカ大豆協会の中では区別はしておりません。これは全部IP、アイデンティティー・プリザーブということを考えております。 それで対応いたしますのですが、その特別なものは、もう既に何十年間アメリカ側からこういう区別をしてやってまいりました。そして、ほとんど日本の市場向けに送る用のためにやってまいりました。始まったときは大体一万トンぐらいでして、今は大体十四万トンぐらいのアイデンティティー・プリザーブの大豆ができるようになりました。このほとんどの大豆はコンテナベースで日本に送っております。 そして、オーガニックのような件でしたら、その収穫をする前の方でコンバインは特別にきれいにしなければなりません。だから、前にほかのものをとったりしたら、またそのトラックをクリーニングして、またサイロに入れる前の方でクリーニングして、それでいろいろな条件に従わなければなりません。それでアイデンティティー・プリザーブのものになります。ただし、特別なハンドリング、特別にいろいろな準備をしなければならないから、やはり価格は随分違ってまいります。 同時に、余り大きな貨物船に載せることはやっておりません。この十四万トンぐらいのものが、ほとんど九十何%がコンテナベースで日本に来ております。コンテナの方に袋かバルクで入れて、それで日本に輸出しております。 そして、システムとしては、並行しているシステムでもう何十年間やってまいりました。そして、区別することはできます。一般的なGMOと、遺伝子組み換えのものと区別することはできるのですが、輸出する方が大変難しいです。この四百万トンを同じままでしようとすれば、一つの問題は、まぜるというところのいろいろな問題があるし、もう一つ難しいところは、コンテナでちょっと足りないことです。 四百万トンを送る場合でしたら、やはり大きな貨物船で八十船ぐらいかかりますが、コンテナベースにすると何万コンテナかかるというものですから、流通的な方が、今ちょっとシステムができておりません。そして、特別なサイロの方がまだできていないし、特別なリバーエレベーターとかいろいろなシステムができていないですから、今は難しいと思います。もう五年間とか十年間とか二十年間をかけたら、並行しているシステムをつくれば何とか経済的にももしかしたらできるかもわかりません。今しばらくは随分難しいと思います。 お答えになりますでしょうか。
○藤田(ス)小委員 EUの表示の対応は。
○ネルソン参考人 EUの表示に関して私はそんなに細かく存じてはおりませんですが、EUの表示は、ASAがどう思っているかということでしょうか。
○岸田小委員長 藤田スミ君、ネルソンさんに対してもう一度確認のために質問をお願いします。
○藤田(ス)小委員 七月三十一日をもってEUは表示をする、すべてではありませんが、しかし表示をするということを決めましたね。それでは、そういう国に対して輸出をする側はどういうふうに対応しようと考えていらっしゃるのかという問題であります。
○ネルソン参考人 今のEUの表示法の決定しているところは、知っている限り、アメリカ大豆協会は特別に問題はないと思います。今までの決定しているEUでできた表示と法律などの方は、ASAに関して特別には問題はないと思います。
○藤田(ス)小委員 大豆協会はないと。アメリカ大豆協会としては、特別にEUに輸出をしていないということですか。
○ネルソン参考人 EUに輸出はかなりしています。
○藤田(ス)小委員 そこが表示を求めて、表示をするということになったら、つまり輸出の品物はどういうふうにされるわけですか。区別しなければなりませんよね。
○ネルソン参考人 私しばらくいなかったのですが、今、EUの法律と表示に関しての知っている限りは、表示は必要ではありません。生きたままでしたら表示が要りますが、生きていなければ表示をする必要がありませんから、大豆はもう大体完全にすべて加工しますから、生きていることになりません。だから、アメリカ大豆協会としては、この表示に関しては余り影響がありませんから、特別に問題はございません。
○藤田(ス)小委員 後でもう一回聞きましょう。
○山根参考人 今の御質問でございますけれども、EUが表示した場合にEUへ輸出するものがというのも、私どもに聞かれている問題でございましょうか。
○藤田(ス)小委員 それも答えてください。
○山根参考人 EUの表示に関しましては、いろいろな情報が錯綜しておりまして、もうちょっと見分けないといけないのだろう。 今おっしゃられた七月三十一日に表示が始まるというのは、私どもの聞いております限りにおいては、ある種を農家に売る場合のことでございまして、農家に売る場合には、当然農家の方にこの作物はこういう特徴がありますよということは言わなければいけないわけですから、これはどこでも、アメリカでもやっているということでございますから。EUの七月三十一日からスタートする今おっしゃられた表示というのは、私どもとしては、それはあくまでも栽培する場合のことであって、最終食品、最終商品、こういったものではないという理解をしております。 それから、実際のEUの中で表示を求めているというのは、ノーベル・フード・レギュレーションというのがございまして、新食品法とでも訳したらいいのかと思います。これが、新食品の項目の一つの中に、遺伝子組み換えというものもその対象になる場合があるということで、そこでもやはり、実質的に同等なのか、同等ではないのか、そういったことも含めて表示の問題を検討していくという形になっております。 ですから、ヨーロッパの表示に関しては、まだ具体的なことが決まっているわけではないというふうに私ども理解をしております。もうちょっと流れを見ていかないと、ヨーロッパがどうするのかという点は見えないのではないか。ただ、いろいろな意見が出たりしておりますから、ある方が言った意見が、あたかもEUがそうするよというような感じで日本で報道されたりする機会もございますけれども、私どもの理解としては、まだ具体的なものが出ていないというのが実情であるというふうに考えております。 ただ、コーデックスが表示を決めたらどうするのかということですけれども、かなり先になるだろうというふうに考えております。やはり私どもとしては、先ほど申しましたように、コーデックスの中で科学的な議論が積み重ねられていくのではないかというところに期待をしておりますので、もしコーデックスがという仮の御質問に対しては、ちょっとお答えをしかねます。 それから、閲覧をしているのだけれども、コピーを認めるときの問題点という御質問があったかと思います。 コピーというのをやるときには、やはりそのもとのものに関する著作権というようなものはきちんと守られなければいけないだろう。それをコピーして例えばそのまま本にするというようなこともきちんと考えて、データ集をつくった企業サイド、そういったところの著作権が守られる形というのがやはり重要なのではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○青山(二)小委員 新進党の青山二三でございます。 それでは、ケント・ネルソンさんと日本モンサントの山根さんにお伺いしたいと思います。 今、ヨーロッパの表示の問題が出てまいりましたけれども、例えばオーストラリアとニュージーランドでは、組み換え食品は原則禁止というようなことで輸入禁止の動きが出ておりますけれども、アメリカとしては、ヨーロッパとかオーストラリア、ニュージーランドなどで輸入禁止の動きになりますとそういう組み換え食品が日本にどっと来るのではないか、こんな心配をするわけでございますけれども、いかがでしょうか。 それからもう一点は、日本の消費者の中には、どうしても組み換え食品は食べたくないというよりも、今、日本の赤ちゃん、子供にアレルギーとかアトピーが大変多くなっておりまして、この組み換え食品が何か反応しないかということで、できればそういうものを食べさせたくない、こんなお考えのお母さんたちが大変多いのですけれども、大量に生産をするアメリカにとりまして、もし表示をしてもらいたい、あるいは組み換え食品でないものを食べたいという場合に、価格が現在の組み換え食品よりもどれぐらいになるものなのか、そんなに驚くほど高いものなのかどうなのか、その比較をちょっとお教えいただきたいと思います。 それから、山根さんには、今こちらの方で御説明いただきまして、安全性の実験ということで、マウスに人間が大豆からとる最大量の千倍以上のCP4 EPSPSを投与した、それで急性毒性は見られなかった、このような実験がされていると御説明がございましたけれども、そのほかに、いろいろな種類のものを同時に食べさせたり、長期間食べさせたり、そういういろいろな実験がなされてしかるべきだと思うのですけれども、どのような実験をされているのか、具体的にお教えいただきたい。 一番心配になりますのは、急性毒性は見られなかったとおっしゃっておりますけれども、それでは慢性毒性はどうなのか。その辺が私ども消費者としては一番お聞きしたい点でございますので、それらについてお答えいただきたいと思います。
○ネルソン参考人 オーストラリアとニュージーランドはほとんどそんなに大豆を輸入しておりませんでしたから、アメリカ大豆協会としてそんなに影響はありませんでして、私が知っている限りでは、本部から何も正式にオーストラリアとニュージーランドに関して言っておりません。余り輸入していないからそんなに何か特別には言ったりしておりませんから、どう言ったらいいかわかりません。申しわけありません。 日本のいろいろな消費者に関して、特にお母さんたちは赤ちゃんのアレルギーに関しての心配があるということですが、最も大きな問題は、食事の安全性であるということを思っております。 と申しますのは、除草剤とかほかの農薬に関してのいろいろな心配をしている方々もございます。そして、私にしても、完全にオーガニックのものと通常のものがあれば、同じ価格でしたら、私はオーガニックの方が好みですから、どうしてもやはり、信頼はしていますけれども、オーガニックの自然のものの方が欲しいと思います。それで、やはり価格が変わりますものですから、それによって選んだりはしております。ですから信頼はしております。 それで、話に戻ると、どのぐらいかかるかということが現在はちょっとわかりづらいというところです。オーガニックのものでしたら、これは遺伝子組み換えもないし、除草剤なども使ってはならないということが理解されております。ですから、その価格の方は、大体、通常の日本で入っているものの三倍ぐらいの価格になっています。そして、日本着の三倍ぐらいの価格ですから、それが言えるということが言えます。 ただし、まだ並行しているシステムがアメリカでできていないから、量によって、また要求がどれほどあるかによって、そして規模などによってかなり変わると思いますが、コンテナベースで送るということでしたら、私、すぐお姉ちゃんに電話して、何とか一コンテナちょうだい、そして、彼女が遺伝子組み換え大豆を生産していないことを知っていますので、五トンとか十トンでしたらそんなにかからないと思いますが、やはり百万トン、二百万トンの話になると随分また難しくなります。コンテナが少なくなるし、まぜるのをだれが保証するとか、大変難しくなります。 ですから、やはり量が多ければ多いほど、価格は実際に短期的には高いと思います。長期間にすれば、何とか経済的に安く、あと五年か十年間でできるという可能性は十分あると思います。でも、現在すぐしようとすれば、かなり市場が混乱すると思います。
○山根参考人 マウスで急性毒性をやっているのはわかるんだけれども、長期毒性とかそういったものをなぜやっていないのか、あるいはやっているのかというような御質問かと思います。 先ほど申しましたように、たんぱく質の安全性を見るときにまず一番大事なことは、それが胃や腸で消化されるのかどうか。消化されてアミノ酸とかアミノ酸が幾つかくっついたものになっていきます。アミノ酸になれば、これは今まで人間が毎日食べている、安全に食べているたんぱく質と同じである。 長期の毒性試験が必要なのは、その食べているものが体の中に残る、じゃ、残ったら、長期的に食べたらだんだんたまってきて何か悪いことが起きるのじゃないですかということで、例えば農薬ですとか食品添加物にも一部要求されているのかもしれません、私、よくわかりませんけれども。そういったことで要求される。そのときのもとになる考え方というのは、それが体の中に少しでも残りますよという場合に必要な試験というふうに考えております。 ですから、今回のたんぱく質のように消化されてしまうものであれば、体の中に残りませんのでそうした長期の試験というのは必要ないというのが、先ほど申しましたアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、そして日本というところでの、これまでの人類五千年の経験と知識をもとにした安全性の判断ということになっているというふうに私どもは理解しております。 それから、ちょっと一点だけよろしいでしょうか。オーストラリア、ニュージーランドの件なんですけれども、これはあくまでもオーストラリア、ニュージーランドでそういう案がつくられたということでございまして、現在非常に活発に議論がされているというふうに聞いております。 ですから、オーストラリア、ニュージーランドというのは、組み換え原則禁止という案をつくったのは事実でございますけれども、これは実際には適用はまだされておりません。実際に幾つか組み換えの作物もある、あるいはこれからも出てくるということも聞いております。ですから、オーストラリア、ニュージーランドに関しては、今後の推移を見ていきませんと、具体的にどうなるのかというのは今の段階ではちょっとまだお話しするのが無理な段階かなというふうに思っております。 以上でございます。
○中川(智)小委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。お三方にお伺いしたいと思います。 まず最初に、岩田さんにお伺いしたいのですけれども、サントリーは、現在、組み換えで色変わりのカーネーションなどを開発しているというふうに伺っていますけれども、作物で開発中のものは現在おありかどうか、また今後開発する予定があるかどうかということを伺いたいのです。もしもなければ、なぜ作物開発は手がけないのかということが一点。 そして、組み換えの花の場合、作付が認可されたら生産者に委託生産させるか自社の圃場で生産すると思われますけれども、その場合、組み換え作物の遺伝子が他に伝播しないように何か措置がとられているのでしたら、どのような措置がとられているのか、また、委託生産者の圃場と自社の圃場とに分けて、それをわかる範囲でお伺いしたいということ。 それと、夏はビールの季節でよくビールを飲みますが、ほかのものはほとんどコーンスターチが入っておりましてのど越しまろやかで、コーンスターチがやはり遺伝子組み換えじゃないかと最近気になったらのど越しも非常にざわざわしてしまうのですが、サントリーは、麦芽一〇〇%というか、モルツのあれでとても私たちの体に御配慮いただいて、いいものをつくっていらっしゃるのですが、そこらあたりの宣伝が、遺伝子組み換えのそういうのは使っていませんよということを余りされてないので、ぜひともしてくださったらサントリーの売り上げはもうトップになるんじゃないかと思いますが、そのあたりのお話を伺いたいと思います。 そして、山根さんにお伺いしたいのですけれども、ラウンドアップの耐性大豆ですけれども、これからラウンドアップが残留するということになりますね。その場合、モンサントの実験データでラウンドアップの有効成分グリホサートの平均残留値が一・五ppmという情報を得ているんですけれども、これの最大残留値が五・三三六ppmですね。日本の残留許可値というのが六ppmで、これは非常にぎりぎりの、辛うじて基準以下という状態ですけれども、このぎりぎりの許容値のところでラウンドアップのグリホサートに関して非常に心配が残ります。 そこで、モンサントが行ったこの組み換え大豆のグリホサート残留データに関してちょっとお伺いしたいんですが、山根さんはもう頭にすべて入っていらっしゃるんで、いつも立て板に水で、もうどどどっと圧倒されてしまって、非常に、ああもう絶対バイオのこれはいいというふうに思うんですが、そこで、頑張って質問させていただきたいのですけれども、何検体実験をされて、その分析値はどのようであったかということをぜひとも資料としていただきたい。その分析方法に関してもお伺いしたいと思います。 そして、グリホサートのことで心配なのは、植物性のエストロゲンができて、そして、これが非常に体に害を与えるということで生殖障害が非常に危惧されるんですが、このラウンドアップ耐性大豆にできるエストロゲン値はどれだけなのか。そして、その実験に関するデータを情報公開していただけるのかどうか。情報公開していただけるんだったら、ぜひともそれをいただきたいと思うのです。 これはちょっと余談ですが、欧州でのモンサント社の申請データが偽りだったということが一部マスコミに報道されましたが、そのあたりのことも少し伺いたいと思います。 そこで、ネルソンさんに伺いたいのですけれども、やはり日本の消費者は、今非常に世論というのが高まっていて、多少お金が高くても遺伝子組み換えの大豆でできたものは余り食べたくないという声がすごく大きくてこのような場が持たれているわけです。ですから、サイロでもうごちゃまぜになって大豆を保管していらっしゃるのを分けて、きっちりと組み換えの大豆とそうじゃないものと分けてこれからできる可能性があるのかどうか。そしてまた、組み換え大豆じゃないものを欲しいという日本の業者からの要求が具体的に大豆協会の方に行っているならば、どのぐらいの企業が組み換え大豆じゃない大豆が欲しいと言ってきているのかお伺いしたいと思います。 そして、ちょっと大豆の生産量を伺いたいのですが、先ほども少しお話を伺ったんですがきっちりと伺いたいのですが、現在、組み換え大豆の総生産量がどれぐらいで、全大豆の生産量の何%か、そして、組み換え大豆がアメリカの国内に何%ぐらい、そして日本に何%ぐらいか、そこをお伺いしたいと思います。 以上です。
○岩田参考人 三つほど御質問があろうかと思いますので、最初の、色変わりカーネーションに絡めて当社が食品でもやるのかという御質問にお答えします。 結論から言いますと、食用農作物への遺伝子組み換えを応用するという研究開発に取り組むつもりは現在のところございません。 なぜかといいますと、もちろん、基本的にはまず技術力。ちょっと申し上げましたけれども、有限な研究開発力ですので、ほとんど医薬の方に回しておりますので、本格的にそちらに取り組むような技術力はないし、ここにおられますモンサントさん初め非常に相手は強敵ですので、少々の力で出ていっても余り意味がないだろうと。 ただ、もう一つ、過去どうしてやらなかったのかということに関しては、やはりこの委員会でも問題になっておりますように、パブリックアクセプタンスがとれるかということは十数年前から非常に懸念したテーマであります。もちろん技術力がないのが一番ですけれども、やはりパブリックアクセプタンスが、果たして例えば十年後にどうなっているかということに関して少し危惧を持っていたことは間違いありません。 それから三つ目は、少なくとも日本でこのジャンルに研究開発力を投資するには見返りとなるビジネスチャンスはないだろう。現在、食管制度でほとんど穀物の種は日本ではビジネスになりませんので、海外にやるならともかくですけれども、ビジネスチャンスはないということでやっておりません。 以上から、多分今後もやる予定はないと考えます。 二つ目に、色変わりのカーネーションであります。 答えから申しますと、このカーネーションは、青い遺伝子はペチュニアからとっておりますので、植物の遺伝子を植物に移したということで、本質的には変わらないと思うのですけれども、こういう安全性論議には少し追い風ではないかということで、一つは、植物から植物へ移したこと。 もう一つは、基本的にカーネーションの花粉というのは非常に飛びにくい花粉でありまして、ある程度意識して選んでおります。 それから三つ目、生産は現在オーストラリアでつくっております。日本ではっくるかどうかは決めておりません。 それから四つ目は、もう一つ、念のために切り花という形で日本に持ってくることにしております。もちろん、これを販売するかどうかはまだ正式に決めてはおりません。ただ、私ども、やはりこのパブリックアクセプタンスという問題は非常に慎重に考えておりますので、なるべく問題のないような形でということはある程度意識して取り組んでまいりました。 三番目、コーンスターチのビールですが、中川先生から大変好意的な意見をいただきまして、正直に申しまして、麦芽一〇〇%の私どものモルツ云々という話は、営業の第一線と一杯飲みながら話す話題としては登場しますけれども、企業としてはそういうことをやるわけにいかないだろう。 もちろん理由は幾つかありまして、一つは、当然他の商品を持っておりますし、もう一つは、やはりこれだけ社会的に大きい問題ですと、各企業が、少なくともかなりの量を売っている大企業と申しますか、量的に消費者に宣伝をしたり物をお届けしている大きな企業としてはひとり勝手なことはできないだろう、みんなでやり放題の自由競争をやるというのは少しく混乱を招くだけであろうと考えております。 やはり、本小委員会でも御検討いただいていますように、表示に関するきちっとしたルールが定まった中で、そういう宣伝をするかどうかはまた別の問題ですけれども、そういうことを考えたいと考えております。 以上であります。
○山根参考人 まず第一点目、ラウンドアップの残留量という問題でございますけれども、平均が私の記憶で約一・五ppmぐらい、最大値は確かに五・三ppmというのがございます。何カ所の作物をとってきているのか私もちょっと具体的な数字は覚えておりませんけれども、全米で二年間にわたり二十二、三カ所のデータをとっております。 そして、おわかりいただけると思いますのは、平均が一・五、最大値五・三三ということは、ほとんどすべてが一・五以下である。たまたま一カ所だけ、私ども理由がわかりません、五・三というのが出てきておりまして、ですから私どもの理解としては、ぎりぎり許容値ではなくて、日本の許容値が六ppmですので、大幅に下回っているという考え方を持っております。 分析方法は、これは各国の農薬の登録をするときにその分析法というのが決まります。私はアメリカのEPAがどういう分析方法なのかというのはちょっと具体的にわかりませんけれども、EPAで規定をされているやり方でやっているというふうに理解をしております。 それから、植物性のエストロゲンができるのではないかというお話で、ちょっと私、これを聞いたことがございません。ですから、もしそういう科学論文なり何かがありましたら、もしそのコピーをいただけたら、いろいろまた調べてまいりたいというふうに思っております。私どもの手元にこうした資料はただいまのところございません。 以上でございます。
○ネルソン参考人 遺伝子組み換えのない大豆は、さっき少し話をいたしましたけれども、アイデンティティー・プリザーブのもう既に並行しているシステムができておりますから、そのGMOなしのものもできるというのは、もう既に何十年間でやってまいりました。アメリカ大豆協会にとって、私個人の考え方としては、お客さんのニーズに合わせなければならないということを強く考えております。 また、ことしの十二月に、食品用の大豆のアイデンティティー・プリザーブのセミナーも第一回目をやるということを計画しております。この市場をどんどん大きくしていきたいと思います。この市場の可能性は、百万トンほどの可能性があるということで、今は大体IPの大豆が一五%になっていますが、これをもっと割合を拡大していきたいということで、もう既に数年間努力してまいりました。 遺伝子組み換えのものと何とか区別するシステムがあるんだけれども、やはり価格がかかります。でも、オーガニックのものは、どこかのお店に行ってオーガニックの豆腐とかオーガニックのみそなどが見つけられると思います。そして、こだわりの方々、欲しい方々は、もう既にGMOなしのものをきようでも見つけることができます。価格も、自分ですぐ店に行って区別できると思いますが、これが大事だと思います。 これから、日本のお客さんの方がどれほど希望があるかによって、やはりいろんな産業がつくっていくということは期待できると思います。そして、もう既にやっているところが、やがてやはり最も努力していくことになるだろうと思います。 今の傾向としては、もう既にこのIP、アイデンティティー・プリザーブの市場が大きくなっています。オーガニックとか、その市場も非常に大きくなっています。きのうは、アメリカのジェトロを通じてオーガニックの、また全体的な農産物のセミナーも開きましたが、かなりの人たちが出られました。 数字の件ですが、大体平均のアメリカの生産量が六千万トンぐらいですが、ことし、もしかしたら記録になるほどの、七千万トンほどになるような可能性は十分あるということになります。その中で遺伝子組み換えのものが大体一二%になります。プラス・マイナス一%ぐらいの数字というように今見ております。アメリカは、大体、大豆のすべての半分ぐらいは外国、日本に送っております。そして、そのほかの半分はほとんどアメリカで使っております。アメリカは、飼料を通じて大体日本より二・五倍ぐらいの大豆は使ったり一人当たり食べたりはしております。そして、その中に今遺伝子組み換えのものがまざつていますものですから、日本の受けるパーセントとしての割合の遺伝子組み換えのものは、アメリカの国産の割合と同じように考えられると思います。 以上でございます。
○河野(太)小委員 委員長、三人の参考人の方にそれぞれ一連の質問をさせていただきたいのですが、お答えによって次の質問が多少変わるところがありますので短い質問を幾つか繰り返したいと思うのですが、よろしゅうございますでしょうか。
○岸田小委員長 応答をやりたいということですか。それでは、できる限り手短にお願いします。
○河野(太)小委員 それでは、まずネルソン参考人にお伺いをします。 アメリカというのは大変に広い国でございますから、北の方の涼しいところと南の方の暖かいところと、つくっている大豆の品種がまず違うと思います。ラウンドアップあるいはラウンドアップ・レディーという遺伝子組み換え大豆が日本でも認められましたけれども、これを実際にアメリカでつくるときに、北の方でつくるラウンドアップ・レディーと南の方でつくるラウンドアップ・レディーというのは、それぞれ北と南に適した大豆とかけ合わせてつくると考えてよろしいでしょうか。
○ネルソン参考人 大豆はいろんな産地に分けられております。ゼロゼロから八までのいろんな産地がございますが、産地の八の方が南で、ゼロゼロの方がカナダの境のところです。ラウンドアップ・レディーに関して、北の方が寒いものですから、雑草の問題が比較的ありません。そして、南部の方は、比較していえば、やはり湿度が高くて気温が高くて雑草が多くあります。だから、一番利点のあるところとしては、やはり南部の方が一番利点のあるところになります。 北にしても、やはり随分使うことになっております。非常に便利、一回かけるとよいというところがありますから、その管理の仕方が非常にやりやすい。そして、人間はやりやすい方に向かう傾向がありますから、だから、南部の方は経済的なメリットが強くて、でも、北に行っても随分、非常に人気になっています。管理しやすいです。一括でまいて、またかけた方が非常に楽なことになります。ほかのものを使うと随分複雑なシステムをつくらなければならないし、それぞれのシステムをやって、またいろんな注意をしないと間違ったら大変になりますから、だから、簡単なものですから、興味がどこに行っても随分高いです。
○河野(太)小委員 そうすると、ラウンドアップというものがあって、それをいろいろなほかの大豆とかけ合わせたものをいろいろなところでつくると考えてよろしいですか。
○ネルソン参考人 そうなりました。
○河野(太)小委員 そうすると、ラウンドアップと南でつくられる大豆とかけ合わせてつくられた大豆、それから、ラウンドアップと北の方でっくられる大豆とかけ合わせてつくられる大豆、そういったものがつくられて、それが日本に向けて輸出をされるということになると思うのです。 日本の厚生省の安全のガイドラインの認定のやり方は、ラウンドアップという品種を認定されたときにその品種は確かに認定されました、しかし、それとほかの大豆をかけ合わせてできたものについてはまだ認定をしていないというのが厚生省の今の立場です。 そうすると、アメリカから日本に向けて今輸出されている遺伝子組み換え大豆というのは、実際には、厚生省が安全性のガイドラインを通ったといって認定をしている大豆だけではなくて、厚生省の定義に合わせれば、まだ認定がされていないものも日本に向けて入ってきているということでよろしいでしょうか。
○ネルソン参考人 今のところは、ラウンドアップ・レディーの申請したものですべて合格したものを日本に輸出しております。違う会社のデュポンは、ことしもう既に大体二、三千エーカーぐらいの種をまいたりして、日本でまだ合格をしていないものを今現在まいておりますが、これは完全に区別してアメリカで絞っていくという高オレイン酸のものですけれども、それはことし秋にまた申請するという予定はしておりますから、来年は、日本向けのためには合格のいろんな申請はしております。
○河野(太)小委員 そうじゃなくて、先ほどネルソンさんのお答えで、ラウンドアップ・レディーをベースにして南でもつくっている。南でつくっているものは、ラウンドアップ・レディーと南の方の大豆とかけ合わせてできた大豆ができている。北の方は、北の方でつくられている大豆とラウンドアップ・レディーとかけ合わせた大豆がつくられているというふうに理解をしたのですが。
○ネルソン参考人 大豆の中には何千品種もございます。かなりいろいろございますものですから、私は技術者ではないのですけれども、遺伝子組み換えのかけ合わせば、既にある品種を特別にかけ合わせて、それで地方のために品種をつくったりはしております。だから、A、B、Cの、北、中部、南の方のものが、かけ合わせてその地方でつくることができるようになっています。 品種ごとに登録しているということかどうか存じておりませんが、一応、グループの同じもの、同じ示し方の方が、グループとして合格しております。それが、全部申請して、すべて農林水産省、厚生省の方が認められたことでございます。
○河野(太)小委員 この間の国会の委員会の厚生省の答弁は、品種は一つ認定をしている、その品種とほかのものとかけ合わせてできたものについてはまだ認定をしていないというのが厚生省の答弁で、ネルソンさんのおっしゃっている考え方ですと、そのグループすべてが認定されているというようなお考えだと思うのですが、そこに差があるように思えるのですが、いかがでしょうか。
○ネルソン参考人 そのところでしたら、実際に、品種は一つしか認定していなければ、ほかのものが出るというような可能性は十分あると思います。日本の細かい技術的、言えば定義の話であると思います。品種とは何であろうという定義のちょっと疑問であると思います。 アメリカのやり方は、グループの同じ遺伝子、同じ遺伝子組み換えのシステム、やり方の大豆でしたら、その中の品種は認められます。というのは、全然示し方の方が変わっておりません。何の品種に入れても示し方の方が変わりません。また、でき上がったものの内容も変わりません。だから、アメリカの方はグループで行ったりはしております。 そして、日本では、そこまでの定義は私は細かく存じておりません。私が知っている限りは、アメリカのようにグループで、ヨーロッパと同じようにやっているという理解をしてまいりました。間違っていたら申しわけありません。
○河野(太)小委員 山根参考人にも同じことをお伺いしたいのですが……
○岸田小委員長 河野太郎君、一回の質問時間がちょっと長くなっているので、ほかにまだ質問されていない委員もおられますので、山根参考人の質疑はちょっと後に回していただいていいですか。
○河野(太)小委員 はい。
○福島小委員 新進党の福島豊でございます。 私は山根参考人にお尋ねをしたいのですけれども、栽培のときに、導入した遺伝子が、その作物だけでなくて周囲の例えば雑草等に除草剤の抵抗性の遺伝子が導入されてしまうというか、うつるといいますか、拡散するといいますか、そういう事例があったやにも聞いておりますけれども、環境汚染といいますか遺伝子の拡散に対して、現在の栽培技術はどの程度安全性があるのかということについてお尋ねをしたいのが第一点目でございます。 第二点目は、遺伝子の導入というのは、必ずしもその遺伝子がそのままきちっと入ってくれるとは限らないわけでして、別の遺伝子の途中に入ったりしまして、予想もしないような産物ができることがあり得る。先ほど、急性毒性のテストのために千倍の量を投与したといいますけれども、そういう異常なたんぱくがまれに生まれる場合には、こうしたチェックの仕方ではチェックできないのではないかというような気がいたすわけですけれども、その点についてどのようにお考えかということが二点目でございます。 三点目はネルソンさんにお聞きしたいのですが、アメリカでは表示をしないということになっているわけでございますが、こうした新しい技術を導入するに当たって、アメリカ国内では全くその議論がなかったのか、反対の意見がなかったのか、そのあたりにつきまして御存じであればお聞かせいただきたいと思います。
○山根参考人 まず第一点目、栽培したときに、組み換え作物に入っている遺伝子がほかの植物に入らないのかという点でございますけれども、例えば私どもの大豆の場合、アメリカあるいは日本、こういったところには大豆と自然条件下で交雑するという雑草がございませんので、そういうことは問題がないということがはっきり言えると思います。 日本も農林水産省のもとに環境安全性の指針というのがございまして、そこできちんと、先ほどお写真を見せました最初の部分は、そうした隔離圃場試験というところでいろいろな試験をして、確かにほかの雑草にうつらないうつりそうな雑草でもうつりませんよというようなことを全部見ておりますので、基本的に、日本で認可がとれたものに関してはそこは十分にチェックをされている。アメリカでもヨーロッパでも同じようなシステムで安全性というものがチェックをされておりますので、そういったことはないというふうに考えております。 それから、遺伝子導入したときにきちんと入るとは限らないということでございます。確かにそのとおりでございまして、一回遺伝子導入すれば必ずそれで商品ができるというものではございません。ですから、先ほど申しましたように、実質的同等性、つまり入れた遺伝子以外は何も変わっていませんよということを商品化する前にきちんと見なければいけないということになっております。 ですから、たくさんつくったものの中から何にも異常の起きていないものを選び出す作業というのが当然入っております。そういう中で、ほかの遺伝子が働かなくなったり新たに働くようなものというのは落とされますので、そういった意味で、商品化されるものに関しましては、先ほども言いましたけれども、寝た子が起きているとか、起きていた遺伝子がとまってしまうということはないものを選び出しているというふうに御理解をいただけたらというふうに思っております。 そういう場合に、異常なたんぱく質が出たときはどうするのだという御指摘でございました。ですから、そういったところも全部調べて、特に遺伝子的に問題がないというところまではきちんと見ておりますので、そういったところについての懸念は、とりあえず今安全性の評価をいただいているものに関してはないのではないかというふうに考えております。
○ネルソン参考人 私はこの仕事をやり始める前に、ワシントン政府の仕事をいたしました。大体四年前に、アメリカで初めてカルジーンのトマトの遺伝子組み換えのものができて、これがアメリカの最大の初めての遺伝子組み換えの商品になりました。そして、合格して許可を得て、大体一カ月後、私はその本社に行きました。反応はいかがでしたかとか、私が実際に店に見に行きました。 売る前にはかなり、いろいろなマスコミのイベントとか、マスコミの教育をさせたりはいたしました。そのトマトは、実際に売ったときは、通常価格より四倍で売ったりしました。そして、ちゃんと大きな看板があって、これは遺伝子組み換えのトマトですよという、非常に褒められるという言葉で宣伝をして売ったりしました。次の利点の方で、長もちがあるしとか、おいしいしとか、そのほかいろいろ書いたりありましたものですから、それで、結局、アメリカの消費者の方々は教育のレベルが先に高かった、比較的に。ずっとカルジーンの方でこういう宣伝をいたしましたものですから、既にほとんど問題はありませんでした。 そして、現在では、新しい遺伝子組み換えのものができ上がって発表しても、余り新聞でほとんど載せないようになっています。そんなにニュースではなくなっております。 逆に、アメリカの中には、人口のある一%とか二%の、何でも反対の反対団体と時々私が言いますのですが、何でも反対をしておりますのですが、私はもっと若いときに、二十年前に農家の仕事をいたしまして、ヒマワリの品種改良で七年間畑で働きました。そのときには、いろいろな反対していた方々が、品種改良をしてはいけない、不自然ということをよく言われておりました。というのは、自然のままで品種があればすべてのいろいろなたくさんの品種がありますけれども、品種改良して何か収穫が多くなるための方にすると、もしかしたら病気にかかりやすくなるし、そうすればすべての農家のものがだめになるということがある、だから、いろいろな反対していたのが二十年前にはあって、普通の品種改良をしていたのでした。 そのとき私は、やはり十四回かけ合わせないと何も出ませんですから、北米、南米、北米、南米でやったりして、ヒマワリでしたらただ頭をぶつけて、また袋まで使って、それで七年間頑張ってもとのような結果が出るのかわかりません。だから、遺伝子組み換えの方が大体どんなものが出るということがわかるのですから、技術としては非常にすばらしいのだと思います。 お話に戻ると、アメリカの中では一般の人はそんなにもう反対はしておりません。まあ幾つかの人たちが確かにいますよ。
○石毛小委員 民主党の石毛鍈子と申します。ネルソンさんと山根さんにお尋ねいたします。 アメリカの農産物には輸出補助金という仕組みがあると思いますけれども、大豆に関しては輸出補助金というのはありますでしょうかということと、あるとすれば、組み換え大豆ではない、例えばオーガニック大豆などに対してこの問題はどういうふうに議論をされていますかということ。それから、輸出補助金を組み換え大豆とそうではない大豆というふうに区別をして適用していくというふうになれば、先ほど来、流通が非常に難しいというふうにおっしゃっていましたけれども、オーガニック大豆を輸出に乗せるといいますか、促進する政策的な効用がありますかという質問をさせてください。 それから、山根さんへのお尋ねですけれども、除草剤に対する耐性が強くなって、そのことは生産丘を増して食糧危機を緩和するないしは克服する有効な政策というふうに、先ほどラウンドアップ・レディーの大豆でしょうか、御説明をいただきましたけれども、この場合の除草剤への耐性というのは、大豆は何種類ぐらいの雑草に取り囲まれているのか、すべてに効くのか、あるいは、そのほかに新しい耐性を持った雑草がまたあらわれてくるというようなことがあるのではないか、短期間で生産量増大というようなことを結論づけられますでしょうかという質問をさせていただきたいと思います。 それからもう一つは、先ほど福島委員がなさった質問と似ているかと思いますけれども、先ほど岩田さんがカーネーションのお話をされて、そのときに花粉がそれほど飛ばないという御説明をされたと思いますけれども、結果的に自然交配になってしまうことというのは植物の場合に大いにあり得ることなのではないでしょうか。としますと、生態系に対して中長期にはやはり影響なしとは言えない、そういう感想を持ちますが、そのあたりはいかがでしょうか。 以上です。
○ネルソン参考人 今現在、大豆の補助金はございません。以前には少し油に輸出するための補助金がございましたが、ガット・ウルグアイ・ラウンドでこれは禁止することになりました。 ところどころで補助金があると申しますとすれば、何かどこかの貧しい国に上げるときには時々大豆を使うのだけれども、正式には今補助金がなくて、もしあれば平等的にいろいろ公開しなければ、アメリカですから、すぐ裁判で訴えると思います。だから、そういうところで今はなくて、あれば、GMOなしのものと、オーガニックのものと、すべてを公平にしないと、もうすぐ訴えます。
○山根参考人 除草剤耐性の大豆をつくった場合に、その大豆によって逆に今度は抵抗性の雑草が出てくるのじゃないかというのが御質問かと思います。 済みません。私もアメリカの大豆畑で何種類の雑草が出てくるのかというのはちょっとわかりません。先ほど見ていただいた不耕起栽培の写真を見ていただければわかるように、いろいろな種類、丸い葉っぱのものから細い葉っぱのものまで、いろいろ出てくるだろうというふうに思っております。 ラウンドアップをそういうものに毎年毎年使っていくと、自然に何かラウンドアップの抵抗性の雑草が出てくるのではないのかというのが御質問かというふうに思いまして、そちらの方にお答えをさせていただきたいと思います。 ラウンドアップという除草剤でございますけれども、もう過去二十五年ぐらいにわたりまして百カ国以上の国で使われております。これは葉っぱにつけてやるという除草剤でございますけれども、そういったものの中ではどこの国でも大体トップブランドということで、非常に安全な除草剤として多くの農家のサポートを受けております。そうして二十何年間トップブランドでやってきておりますけれども、これまでラウンドアップに抵抗性が出たという事例は一件も報告をされておりません。ですから、今後使っていっても、そうした抵抗性が出るという可能性は極めて低いというふうに私どもは考えております。 それから、二点目の方の、そうはいっても何らかの自然交配なりなんなりが起きて、そういう遺伝子が環境中に放出されてしまうのではないかという御指摘でございますけれども、大豆というのはもともと花がすごく小さいですし、花が開く前に中で受粉をしてしまうというようなものでございます。ですから、花粉は非常に飛びにくいという特徴を持っております。そして、先ほど申しましたように、仮に花粉が飛んでもそれと交雑できる雑草がないということになつ七おります。 ですから、花粉が飛びにくいということ、そして飛んでも花粉を受け入れてくれる相手の雑草がいないということで、そうした、結果的に自然交配が起こってしまって何か遺伝子が環境中に出ていくというおそれはないということが、アメリカにおいても日本においても、環境安全性の試験の中で私どもは一応確認をさせていただいておりますし、そのデータをきちんと政府に出しまして、そのデータをきちんと科学的に御評価いただいて、問題がないというふうな結論をいただいております。
○木村(隆)小委員 山根さんに一点お伺いをしたいと思います。 私は、恥ずかしいことに、専門的な知識も何にもありません。ただ、この組み換えの食品を長く食べていて、十年、二十年先、何か起こらないだろうかなという、そんな心配を漠然と持っておる者でございますけれども、今いろいろ説明を伺う中で、栄養成分等々全くこれまでのものと同等であるから、たんぱく質も胃や腸で消化されて安全であるというような御説明を伺ったわけでございます。 そこで、今、消費者団体の方やら地方の議会から組み換え食品の表示を求める声というのですか、これは三月までですけれども、消費者団体から五十四団体、地方自治体で百十六自治体が意見書や要望書を提出しておるようでございます。私は愛知県の出身でございますけれども、愛知県議会もこの六月議会に請願を採択して意見書を可決したということを聞いておりますから、恐らく今の時点ではもっとたくさんの方々からそんな要望が出ているのだろう、こう思います。 この動きを、生産者と言ったら怒られるかわかりませんけれども、そちらの側からどのようにお考えになっているのか。逆に言うと、地方自治体やら消費者団体の声というのは消費者の声だろうと思いますけれども、そういう方々に対して今後どのような姿勢で臨むことが大事なのかということをどのようにお考えか、ちょっとお聞かせをいただきたい、こう思います。
○山根参考人 確かに私どもも、消費者団体の方あるいは県議会とか市議会とか、そういうところからいろいろそうした表示を求める意見というのが、意見書なり要望書が出ているというのは存じ上げております。 ここでひとつ、モンサントはどういうふうに考えているんだという御質問だったので、それにちょっと私なりの考え方をお話しさせていただきたいと思います。 私ども微力ながら、そうした情報公開あるいは情報を伝えていくということをやっておりますけれども、日本においては小さな会社でございますし、人数もそういませんから、要望があればいろいろなところに行って説明をしてできるだけ御理解を賜るという努力はしております。 この技術の位置づけとかいろいろなことがございますから、特に、何となく気味が悪いというところが皆さんのお気持ちかなという感じがしております。やはり、気味が悪い、あるいはちょっと何となく不安だという点にきちんとお答えできるのは、きちんと情報を公開して、どこへでも説明に行って、こういうものなんですよということをお話ししていく地道な努力しかないのかなという感じを持っております。 こんなことを言うと怒られますけれども、例えば、国とかそういったところでやはりこの技術、昔、原子力の発電をやったときにいろいろな公共広告をされたり理解を深めていただくような努力というのが国等でもなされていたと思います。ですから、そういうような形ですとか、企業は無論一生懸命、精いっぱいの努力はしてまいろうと思っておりますけれども、そういうところで、これがもし議論をして本当に危ないというものであれば、そういう形も必要になってくるかもしれません。 ですけれども、まだ今の時点というのは、何かよくわからない、不安だ、ちょっと気味が悪い、なに、遺伝子の入った食べ物を食べさせられるのなんてよく私も言われます。やはり気味が悪いとかそういったことに関して、ただそういう表示だけでいいのか。それとも、きちんとした情報を国あるいは開発した企業といったところが積極的に提供して議論を巻き起こして、本当の意味での判断をしていくということが一つは必要なのではないかと私は考えております。 私どもの微力な努力でできることは、とにかく日本じゅうどこへでも行って説明をするという努力は今後もしていきたいと思いますし、できるだけ消費者の方にわかりやすい説明をしていきたいと思っておりますので、その辺でももし国の方で御助力いただけるなり、あるいは国は国独自の、実態を消費者の方にお知らせするということをしていただけると、より消費者の方の理解が早まるのではないか。 私見でございます。失礼いたしました。
○藤田(ス)小委員 先ほどからたんぱく質が胃や腸で消化されるというお話がございましたが、この試験は人工胃液や人工腸液による試験データではありませんでしょうか。そしてそのことは、健康な成人が基準になっているということではないでしょうか。しかし、人さまざま感受性も違いますので、病人とか幼児とか胃を切除した人とか、そういう感受性に対応した試験データになっているのかどうか、これが一点です。 もう一つは、亜急性毒性、慢性毒性、生殖に及ぼす影響、変異原性、がん原性、その他いろいろあるでしょうが、その試験データについては、ラウンドアップ・レディー大豆を初めトウモロコシもジャガイモも提出されておりません。これは厚生省の安全評価指針に基づいて資料提出をしたためだろうと思いますが、モンサント社としてこれらの試験は実施しておられるのか。その試験データは、必要とされれば提出される用意があるのか。 それから、サントリーは先ほど、もうとても力がないというふうにおっしゃいましたが、遺伝子作物の種子の販売については日本で種子会社と提携していこう、そして日本国内の栽培を目指そうという動きがあると報道されておりましたけれども、これはモンサント社に聞いた方がいいと思います。三点ともモンサント社で結構です。
○山根参考人 たんぱく質が消化されると言ったけれども、それは人工胃液、人工腸液で試験をしているのではないか、感受性の違う人に対してそれが適用されるのかというまず第一点目の御質問でございます。 確かに人工胃液、人工腸液で試験をしております。人工胃液、人工腸液というのは、人間の一般的な状況をつくっているということで、消化性等を調べるときに科学的に認められている人工胃液、人工腸液を使っております。ですから、そのもの自身は問題がないと思います。 感受性の違いというものがもしあるとしまして、ただ、これはたんぱく質ですから、もしそういうことが起こるのだとしましたら、すべてのたんぱく質を調べなければいけない。感受性の違う人がもしいたら、このたんぱく質だけが特別に違うように挙動するということではございませんので、そうなりますと、感受性の高い方々がいらっしゃるとしたら、そういう方々はすべてのたんぱく質を調べない限り、安全性は結論ができなくなるということになってまいります。 多分、御質問の点は、例えば潰瘍になって胃を取ってしまった胃液の出ない人はどうなるのだというような御指摘かと思います。 お子さんですとかそういった方でも、固形物を食べられる方は必ず胃液というのは酸性になっております。そしてそこには酵素もございますので、子供であっても同じだというふうに私どもは考えております。 唯一の違いは胃潰瘍なり胃がんで胃を切除した方ということになりますけれども、無論こういう方は胃液が出ておりません。ですから、普通の食事というのはできません。酵素をちゃんと飲んで、その飲んだ酵素の力でたんぱく質を分解するとか、あるいは特別食、たんぱく質でなくてもうアミノ酸になったような食品をとられるとか、そういう特別な食事療法をされると聞いております。ですから、胃を切除された方がラウンドアップの影響を受けない大豆を召し上がる機会というのはほとんどないのではないかと考えております。ただ、これは全部調べてということではございませんから、一〇〇%かどうかはちょっとわかりません。 それから、亜急性なり慢性、発がん性というものを見ていないではないかということで、それは厚生省のガイドラインにないから見なかったのか、それともモンサント自身もやっていないのかという御質問かと思います。 先ほど申しましたように、たんぱく質が壊れてしまえば、消化されてしまうものであれば、それはもうアミノ酸等になりますから体の中に残りません。ですから、体の中でそのたんぱく質は悪いことができようがないわけなんです。 ですから、厚生省の指針の中でも、たんぱく質が分解しない、壊れないという場合には、きちんといろいろなことを調べなければいけませんというリストがございまして、その中には、発がん性ですとか慢性毒性、そういったものも見なければいけない場合もありますよという書き方がしてございます。 ですから、簡単に認可を出すためにそうなっているのではなくて、やはり人類五千年の歴史の中で培ってきた経験と科学的知識、これに基づいて、消化されるたんぱく質についてはそうした長期毒性をやらなくていいというのが、日本だけではございません、アメリカにおいてもヨーロッパにおいてもそういうことが認められております。ですから、そうした科学的判断に基づいてやっていないという御理解を賜れたら大変ありがたいというふうに思っております。 三番目の種子会社との提携というのは、もしできればもうちょっと御質問を教えていただけますと、どの点でお答えしていいのかちょっとわからないもので、済みません。
○藤田(ス)小委員 遺伝子組み換えの種子の販売、種の販売について日本の種会社と提携していこうという動きがあるというふうに、これは昨年の報道でございますが、伝えられておりましたけれども、現在はどうなっているのかということです。
○山根参考人 失礼いたしました。 組み換えの種子の販売、この場合に、大豆に限らせていただきますけれども、大豆の栽培面積が日本では六万ヘクタールから七万ヘクタールぐらいしかございません。こんなことを言うと怒られるかもしれませんけれども、非常に小さいという面積でございます。 日本は日本独自の品種を持っております。ですから、アメリカの品種を持ってきてそのまま日本で売るというのは、今の段階ではちょっと難しい。そうすると、先ほどお話しさせていただいたいわゆる育種法というのを使って日本の品種に入れていく必要が出てまいりますので、またそこでいろいろ研究投資なりなんなりをしていかなければいけません。今私どもいろいろ調べてはおりますけれども、今すぐに、ことしからとか来年から種を売るというようなことは起こり得ないというふうに考えております。
○岸田小委員長 それでは、予定時間が来ておりますので、あと、もしほかの先生方がなければ、河野太郎君の質疑をもって最後とさせていただいてよろしゅうございますか。
○河野(太)小委員 それでは、手短に。 まず、山根参考人にお伺いしたいのですが、厚生省のガイドラインで言っております安全の確認がとれた品種という考え方、そのものだけであってその系統は含まれていないということと、これは大豆だけではないのかもわかりませんが、現実に栽培をされているものとの考え方が現実にそぐわないのではないか。厚生省の定義でいくと、実際には認定されていないことになってしまうものまで日本に入ってくることになるのではないかと思うのですが、そこはいかがかということをお伺いさせていただきたいと思います。 それからもう一つは、岩田参考人に、サントリーということで難しければビールメーカーあるいは飲料メーカーということで、現実的な話として、遺伝子組み換えが行われているトウモロコシからつくられているコーンスターチですとかいろいろな糖は、既に原料として輸入されてメーカーが使っていると考えていいのでしょうか。メーカーとしてはそれを区別するすべが恐らくないのだろうと思います。現実的に、もうそういうことでメーカーとしては実際には使っているということでいいのかどうか。 それから、使っているということの裏には、これはたんぱく質ではないので、遺伝子組み換えが行われていてもでん粉その他には影響がないという判断をメーカーの方で、それはもうビールメーカーに限らず飲料メーカーすべてそういう御判断をされていると考えてよろしいのかどうかということに、時間もありませんので、この質問だけにとどめさせていただきます。
○山根参考人 私どもがとっている認可の範囲でございますけれども、私どもが提出させていただきました安全性評価の中には、親品種というものと、それからその親品種からつくった後代、これも全部含まれるという形で認可の申請をさせていただいております。そして、それには私ども一切のコメントもいただいておりませんので、それが認可の形である。それはほかの会社の場合には私どもはわかりませんけれども、私どもの作物に関しては、そういう書き方をさせていただいて提出させていただいて認可をいただいておりますので、私どもの理解としては後代も含まれているという理解をしております。
○岩田参考人 最初の御質問の、現在使っているコーンスターチは組み換え作物を使っているかという御質問ですけれども、私どももコーンスターチ会社等いろいろ情報を集めていますが、結論的に言いますと、わかりません。多分、昨年度の作付面積を数%と仮定すれば、数%ぐらいの確率で入っていてもおかしくないなという程度であります。 二つ目の、表示に関してどう判断したかという先生の御質問ですが、一応私どものメーカーは、冒頭申し上げましたように、基本的に、国、行政において許可され、表示は要らないという結論が出たと解釈して少なくともここまでは行動しております。残念ながら、先ほど申し上げましたように、例えば私どもが使っているものですと自分で確認する方法がございませんので、一応現時点は、輸入は許可されており、表示は必要ないという行政の判断があるという解釈で仕事をしております。 以上です。
○岸田小委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。小委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。 次回は、来る二十四日小委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時七分散会