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140回国会衆議院1997/05/28

厚生委員会 第30号

発言数
313
登壇者
21
会派数
6
開催日
1997/05/28

会議録

町村信孝自由民主党

○町村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、参議院送付、児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本純君。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 戦後半世紀が過ぎ、二十一世紀を目前に控え、我が国は大きな転換期を迎えております。それは、経済はかつての高度成長時代から成熟した安定成長の時代へと移行しており、一方で急速な少子・高齢化が進む中で、活力ある社会を維持していくためにも、たくさんの課題に対して、一つ一つ着実に答えを出していかなければならないということであります。とりわけ、合計特殊出生率が急激に低下し、平成七年には一・四二となっております。これは、現在の人口を将来も維持するために必要な二・〇八を大きく下回るという憂慮すべき状況になっておりますことは御高承のとおりであります。  子々孫々に託し得る新たな社会の構築を目指し、健やかに子供を産み育てることのできる環境づくりのためにも、戦後間もない昭和二十二年に制定され、五十年という節目の年に改正をされるということは、まことに時宜を得たものと存じます。既に参議院を初め、多くの同僚議員からお尋ねいたしたこともあるかと存じますが、実務的な側面から質問させていただく予定でありますので、審議の経過の中で検討の進んだものは、現時点におけるもので結構でございますので、お答えいただければと存じております。  それでは、まず初めに、保護者の保育所選択の前提として、保育所に関する情報の周知が最も大切になると思います。また、私の選挙区でもあります横浜市等都市部では、待機児童が多く、選択できる状況にはないと聞いておりますが、法改正を効果的に実施するためには、過疎の地域と都市部では利用の仕方も異なってくるものと考えられます。こうした状況を踏まえて、国においては、実態に合わせて選択しやすいようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育所の入所方式を措置方式から利用契約型に変更することに伴いまして、その前提となります保育所に関する情報の提供に資すということが大変重要になるのではないかと私ども思っております。  この点に関しましては、保護者が保育所を選択しやすいように、できるだけ詳細な情報を提供するようにいたしたいと考えております。また、周知方法につきましても、基本的には申し込みが市町村になりますので、市町村に行きましたら、選択に必要な情報をファイルなりなんなりで閲覧できるようにいたしますとともに、市町村広報の充実、あるいは最近におけるパソコンネットワーク等々も活用いたしまして周知が図られるように、それぞれの地域の実情に応じて工夫してもらうようにしてまいりたいと考えております。  それから、先生御指摘いただきましたように、保育所入所につきましても、大都市と過疎地域においては極めて大きな違いがございまして、一つ一つの地域の特性ごとに見ていく必要があると私ども考えております。  大都市におきましては、低年齢児等について待機待ちも多いわけでありますけれども、よくよく見てみますと、入所率としてはまだあきがあるという地域も多いわけであります。そういったことで、どういった原因からそういうミスマッチが出ているのかというような実態もよく調べまして、一つ一つ待機児童をできるだけ解消していくということが必要ではないかと思っております。  また、今回、従来の措置から利用契約型ということで、入所の申し込みがあった場合には、市町村としては保育サービスの提供をしなければならないということが義務づけられることになりますので、そういった意味におきましても、保育サービスの提供に対する市町村の努力義務というのは従来より強まるのではないかというふうに考えているところでございます。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 中央児童福祉審議会の答申では、延長保育や一時的保育について利用者負担の考え方を打ち出しておりますが、都市部においては、就労の形態も多様であり、延長保育や一時的保育の利用者は今後増加するものと思われますが、これらの利用者負担をどのように考えているのかをお尋ねします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 通常の保育時間を超えて保育を必要とするいわゆる延長保育に対する需要も、最近、就労の多様化に伴って大変ふえております。私ども、この延長保育につきましては、現在、緊急保育対策等五か年事業におきまして、その拡大を図っているところでございます。  ただ、現在の延長保育事業が市町村の補助事業として行われているということもございまして、保育所の方において実施したくても市町村の承認が得られないといったような批判もございます。また、利用者として、突然三十分なり一時間おくれるということで延長保育の延長をお願いしたいというようなことがあっても、これは市町村の許可が要るというようなことで、なかなか柔軟な対応がしにくいといったような指摘がされております。  そういったことで、この推進を図っていく上におきまして、どうしていくかという実施方法そのものにつきましては、延長保育自体の規制を緩和して、施設が自由にやれるようにするというような方式、それから、現在のとおり市町村の事業として続けていくべきであるというような御意見もあります。こうした中で、私ども、具体的な仕組みにつきましては、十年度予算編成におきまして、審議会等の意見も聞きながら検討してまいりたいと考えております。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 保育料については、参議院厚生委員会の決議にもあったように、現行水準を低下しさせないように配慮するとともに、法改正後の平成十年度から地方自治体が適正な保育料の設定ができるよう、その事務手続等を考えるとき、国の考え方を早く示しておく必要があると思いますが、いつごろまでにお示しいただけるのか、お尋ねします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 現段階、国が定めておりますいわゆる保育料基準額、これは地方公共団体との間の精算基準といったものでございまして、具体的な保育料そのものにつきましては、各市町村が決めることになっております。  ただ、今回の改正によりまして、保育料についての従来の考えが、所得に応じた応能負担から、年齢別の保育コストを基礎といたしまして家計に与える影響も考慮して決めるというふうに変わってまいりますので、これに伴う精算基準としての保育料基準額を私どもといたしましてもどうするかというのが一つの課題であります。  基本的には十年度の予算編成においてこれは決まってくるわけでありますが、御指摘いただきましたように、各都道府県におきましてもそれぞれどのような保育料額を設定するかということ、あるいは利用者にとっても大きな関心事でございますので、どういった形でできるだけ早くしてくれという要望にこたえられるか、検討してまいりたいと考えております。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 現在、三歳以上児の完全給食については、措置費に組み込まれていないことから、実施されていないのが実情でありますが、現代の食生活を考えた場合、主食は家庭から持参させ、副食は保育所でつくるということは、決して自然とは言えず、また合理的とも思われません。三歳未満児と同様に、完全給食とすることが合理的と思われますが、いかがでしょうか。  また、現行では、給食をすべて自前の保育所で提供することとなっておりますが、規制緩和の一つとして給食センターや外部への委託なども考慮していただければと思いますが、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育所の給食につきましては、これまでは家庭と保育所が一体となって乳幼児を保育するというのが保育本来の趣旨であるということで、三歳以上の児童につきましては、保護者に余り手のかからない主食は持参していただきまして、副食については、保育所において児童全員に栄養面を考慮して給食を行っているというようなことでございます。  この三歳以上児の主食を措置費の中に入れることにつきましては、保護者の便利になるということは間違いないと思いますけれども、その一方で、保護者の中には主食は持参させたいという方もおられます。また、それを措置費に組み込む場合には、保育料へのはね返りということもございますし、調理の場合の人件費等のさまざまな点を含めまして、慎重に検討したいと考えております。  それから、調理の方法でございますけれども、従来、保育所につきましては、子供一人一人の発達段階に応じてきめ細かい調理が必要だということで、施設内調理が望ましいということで実施してきているわけでありますけれども、御指摘いただきましたように、これを規制緩和の観点等から給食センターあるいは外部へ委託することもできるようにすべきだという御意見もございます。この辺につきまして、私ども、地域の実情あるいは施設の自主性をどうするかといった点も踏まえながら、今後、審議会の御意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 施設入所等の措置の決定についてお尋ねをいたします。  「都道府県知事は、施設入所等の措置の決定及びその解除に当たって、一定の場合には、都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならない」となっておりますが、「一定の場合」とはどういう場合を想定されているのか、お尋ねをいたします。  また、児童の措置に当たっては、実際の場面では、例えば親が急病になったり事故に遭ったり死亡したり、また親による児童虐待など、児童のため緊急かつ迅速な対応を迫られる事例も多くあって、都道府県児童福祉審議会に諮る余裕がない場合も考えられますが、このようなときにはどのように対処するよう考えているのか、お尋ねをいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 入所等の措置の決定につきまして、今回、児童相談所が行うのをバックアップする見地から、都道府県の児童福祉審議会の中に専門部会等を設けていただきまして、その意見も一定の場合には聞かなくてはいけないということにしているところでございますが、この「一定の場合」といたしまして、現在、私ども、施設入所措置を行う場合あるいは児童福祉司による指導というようなことで、行政処分に係る場合を考えておりますけれども、具体的にどこまでをその対象とするかということにつきましては、余りたくさんかけることになりましても実質的な御審議ができないとか、事務的にも大変さまざまな問題がございますので、公共団体等の関係者の意見も十分お伺いしながら、その具体的なあり方を検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、緊急等の場合におきましては、審議会の意見を聞く余裕がないわけでありますので、その場合には、そういった措置をしておいた後になりまして審議会の方に御意見を聞くとか報告するとか、そういった形を考える必要があると考えております。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 児童家庭支援の施設附置についてお尋ねをいたしたいと思います。  「児童家庭支援センターは、」「児童福祉施設に附置する」となっておりますが、都市部の施設の多くは定員いっぱいまで児童が入所しており、支援センターとして活用できる余裕スペースがない場合が多いことと思われますが、支援センターを積極的に推進するためにも、施設が増改築等により対応しようとする場合には、施設整備費等の補助をお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしたい。  また、敷地に余裕がない施設の場合には、児童家庭支援センターの要件を満たすのであれば、別の敷地なり別棟なりでも設置できるものと考えてよいのでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 身近なところで相談に応ずる施設といたしまして、今回の改正において、児童福祉施設に児童家庭支援センターを附置することとするとしておりますけれども、これは、一つは、民間施設の活用という意味合い、それから、これまで地域に根差しましていろいろな相談指導を行ってきております施設のノウハウの活用、それから、夜間等の相談も考えられるわけでありますが、そういった夜間や緊急時の対応、一時保護に当たっても本来の施設が活用できるのではないかというようなことからでございます。  この設置に当たりまして、入所施設の方にスペースの余裕がある場合にはそれを活用していただいても差し支えないと考えておりますし、余裕がない場合におきまして、増改築をすることになりますが、その場合の施設整備費補助等につきましては、十年度予算編成の過程で検討してまいりたいと考えております。  それから、附置する場所でございますが、別棟あるいは別の敷地に設置してもよいかということでございますけれども、個々の状況に照らしまして、本来の施設機能との連携が十分に確保される場合には、そういった場合についてもよいのではないかと思いますけれども、具体的な基準につきましては、関係者の意見もお伺いして検討してまいりたいと考えております。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 それでは、最後に、小泉大臣に質問をさせていただければと存じます。  教護院が、児童自立支援施設に改められ、学校教育を導入することが予定されておりますが、具体的にどのような方式で行うことを考えていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたい。  また、導入に当たって、厚生省と文部省との調整を行われたと聞いておりますが、スムーズな移行が図られるよう、各都道府県に対して、どのようなタイミングで、どのような指導をされようとお考えになっているのか、お尋ねをいたします。  介護保険関連三法、健康保険法、臓器移植法を初めとして大変重要な法案を審議してきたところであり、一方で、橋本内閣においては六つの改革を進めようとしているところでもありますが、今回の児童福祉法の改正については、社会福祉のあり方を含め果断に決断されている小泉大臣におかれましては、御所見を承ることができればと存じております。  以上で、私の質問を終わります。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 入所児童について学校教育が実施されるようにという改正がなされたわけでありますが、厚生省としては、できるだけ早くその学校教育が実施されるように、地方公共団体、文部省と連携をとって努力をしていきたいと思いますが、その実施方法については、地域によって実情があると思います。地元の小中学校へ通えるのか、あるいはその施設内に教室を持つのか、いろいろ形態が地域の実情によって違うと思いますので、その実情に合わせて、よく連携をとりながら、具体的な実施方法については検討していきたいと思います。

松本純生協いいの診療所所長

○松本(純)委員 ありがとうございました。  以上で質問を終わります。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 江渡聡徳君。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 自由民主党の江渡でございます。  小泉大臣並びに厚生省の方々が、日々、よりよい厚生行政を目指して努力されていることに、まずもって衷心より敬意を表したいと思います。  私自身、児童福祉施設等を運営しております立場から、今回の児童福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、特に保育制度の改革について質問させていただきたいと思います。  今回の改正により、これまでの措置制度にかえて、保護者に保育所の十分な情報提供を行い、保護者が希望する保育所を選択できる制度とされておりますけれども、親や子供の立場に立った改革であるといたしまして、私自身は評価できるものと思っております。  現在、保育所の果たす活動と責務は、多様な保育ニーズや子育て対応に困難なケース、地域の子育て支援に積極的な対応をし、さらに、地域福祉への貢献をする等、多様なものになっております。中でも、子育て支援センターや一時的保育等は大変好評でありまして、本来の保育事業と同様の要望がある現状にかんがみまして、特別保育事業のますますの進展が必要となっております。  それゆえ、保育関係者は、今後、一層利用しやすい保育所にするための努力をするとともに、地域への保育所の責任を明確にするため、情報の提供、開示に主体的かつ積極的に取り組むべきものと私は考えております。  さらに、子供の最善の利益を尊重し、これらの社会的要請にこたえるために、保育の工夫、すなわち、長年の保育活動が積み重ねられて集約された必須の人材としての役割発揮を担う主任保母を置き、また、状況によって事務職員を置いているわけでありますけれども、それぞれの職位における資格を明確にすることによって、社会の厳しい要請に十分にこたえられる保育所にならなければならないと思うわけであります。  また、保育所で過ごす乳幼児の時間がおおむね十一時間前後になっている現状に沿い、乳幼児の生活、遊び、食事、睡眠が十分になされ、また、子育ての相談者にとっても余裕のあるスペースが必要と思われます。  そこで、今般、中央児童福祉審議会の中間報告に提言されているように、保育所が利用者の保育ニーズにこたえた保育を実施し、質の確保と向上を図ることができるようにするために、職員配置基準の弾力化、運営の弾力化、関係職員の資質の向上等につきまして、私の持ち時間が二十分ということもありますので、時間の関係上、一括して十一点質問させていただきたいと思います。  第一点。今回の制度改正によりまして、保育所においては、利用者から選ばれるようにするためには創意工夫のある経営努力が必要であるわけですが、人事や業務遂行方法について、事業主体の選択が可能となり自主性を発揮しやすいように、最低基準など基準の弾力化が必要だと思っております。  特に職員の配置について見ますと、三歳未満児と三歳以上児の職員定数のギャップが大きいわけでありまして、三歳以上児については、年度当初に生活指導等でしっかりした対応が必要となっているのが現状であります。また、週休二日制が定着していても、保育ニーズがある限り、土曜日も開所しなければならず、その中で、正規職員の勤務時間を四十時間へ移行していかなければなりません。また、多忙な時間帯において適切な対応を図ることが重要となってきております。これらのことをするためには、正規職員にパートや非常勤職員を組み合わせることによって、サービスの質を確保し、労働の負担軽減を図る必要があります。  保育所が創意工夫を発揮するためには、保母の定数全員が正職員でないといけないということでは対応は困難であります。非常勤、パートの保母でもよいというようにすべきではないでしょうか。これが第一点でございます。  第二点目。保育所の定員に関する運用についても弾力化が必要であると私は考えております。  例えば、現状の設備の基準では、乳児室、保育室などそれぞれの面積について、乳幼児一人について何平方メートルと定められているわけですが、その結果、事実上は、各部屋の区割りごとに利用年齢などの用途や年齢別の乳幼児数の上限が決められ、それを基礎として定員が決まることが多いわけであります。特に乳児指定保育所の場合には、特定の乳児室としているその面積から保育可能な乳児数が決まるというような運用が見られます。  このように、保育所においては、各部屋を年齢ごとに区切り、利用定員を定める実態が見られますけれども、例えば、乳児保育の希望の多い状況の中では、零歳児の入所希望を柔軟に受け入れられないので、最低基準で定める入所児童の必要面積の合計をその保育所の面積が満たしておけばよいというようにすべきではないかと私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。  第三点目。保育所の入所者は大体年度開始前の三号の初めごろまでに決まっているわけですけれども、その後緊急に入所が必要となる児童への対応や、そもそもその保育所への希望が多い場合の対応などについては、定員に関する対応は硬直的になっているのが現状です。また、年度途中での定員の弾力化枠も、最低基準を満たす範囲であればさらに弾力化してもよいと私は思っているわけでございます。緊急入所がある場合には年度当初から定員を超過してもよいこととするなど、定員の弾力化を進めるべきではないでしょうか。第四点目。一方、保育所の施設基準について見ますと、保育所で子供が長時間過ごして成長していくということを考えていきますと、現在の国民の生活水準から見てそぐわない点もあると考えられます。また、地域の子育て機能の低下を考えますと、保育所において、地域社会に対し、子育て相談に積極的に役割を果たしていくことが必要となってきております。  現状の施設の基準では、生活、遊び、食事、睡眠が一つの部屋で行われておりますが、生活水準の改善に見合って改善を図るべきではないでしょうか。また、子育て相談に必要なスペースの確保というものも図るべきではないでしょうか。  第五点目。保育所に対するニーズは、保育所利用の一般化が進むにつれ、多様なものとなってきております。通常の保育時間の部分を超えた延長保育のニーズのほかにも、病気のときの保育やアレルギー食の除去などのニーズもありまして、また、障害児については、集団生活の中で社会性を身につけたいというニーズもあります。  こうした個別のさまざまな保護者のニーズについては、必ずしも一律の制度にはなじまず、個々の保育所において、創意工夫を凝らして、自主的に事業に取り組めるようにしていくとともに、これに対する規制なども緩和していくべきであると私は考えております。今後、保育制度の枠外の付加的ニーズへの対応として、利用者負担によって自主的に運営ができるようにすべきではないでしょうか。  第六点目。保育所についての規制緩和、基準の弾力化を行う一方で、保育サービスの質の確保のためには、保母の待遇面の改善も必要と考えられております。  しかしながら、予算上の保母の給与の格付は、他の社会福祉施設の職員と比較すると低くなっているという実態があるものと考えられます。保母の待遇を改善するためには、現在の保母の給与の格付を実態に見合ったものにする必要があります。それゆえに、厚生、大蔵、自治の三省による実態調査を行うべきではないでしょうか。  第七点目。一方では、ただ費用をかければそれだけサービスが向上するとは必ずしも言えないことには注意をすることが必要であります。  すなわち、公立と民間の保育のコストの差を見ますと、公立の方がコストがかかっているにもかかわらず、延長保育など、必ずしも利用者の多様なニーズにこたえていない実態があります。コストのかかっていない民間保育所の取り組みの方が進んでおります。こうした公私の保育所の取り組みを見ますと、良質で効率的なサービス提供を図るためには、民間の保育所の振興を図っていった方がよいのではないかと私は考えております。  第八点目。ところで、保育所におけるサービスの質の確保を図るためには、保育所で働く職員の資質の確保、向上が必要であります。特に、保育所の所長については、現在、特別に資格が定められているわけではありませんけれども、保育所の役割と機能の拡大につれ、多様な職種によって構成され、保育所という組織体のリーダーとしての所長には高い資質が求められるようになってきております。保育所の所長については、利用者の視点に立った保育所運営、保育所の社会的存在意義を明確にし得る保育所運営、経営できる資質を向上するための研修等の充実強化が必要なのではないでしょうか。  第九点目。また、保育所の中におきまして、スーパーバイズやOJTの指導者としての役割を果たし、地域福祉推進のコーディネートをする役割を担う職位が必要であります。このように、保育従事者の中の主任者の役割、地域の子育て支援への対応等を考えた場合、主任保母の制度化ということも必要になってくるのではないでしょうか。  第十点目。さらに、日々子供に直接接する保母の研修の充実強化というものも図っていく必要があると思います。  最後に、十一点目になりますけれども、以上の十点の質問を踏まえて、大臣にもお聞かせいただきたいと思います。  今回の改正を踏まえまして、今後の保育制度の取り組みに対する大臣の決意を最後にお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 十の質問がありますから、しっかり御答弁願います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育所における職員の勤務形態等についての御質問でございます。  これまで保母の配置につきましては、常勤職員による配置というのを基本としてきたところでございます。しかし、先生御指摘のとおり、今度の改正によりまして選択方式にもなるということもありますことを考えますと、各保育所がみずからの裁量で自由に判断できる部分を多くしていくということも必要ではないかというふうに考えております。あるいは、選択方式に変わることによりまして、応募者自身も毎年かなり変動していくことが考えられるということもあります。こういったことを考えますと、常勤ですべて抱えているのほかえって非効率ではないかということもあるかと存じます。  私ども、この問題につきましては、保育サービスの質の確保をどうやって図るかという観点と、どのように効率的にサービスを図るかという観点をあわせ考えながら、審議会の意見も聞きまして検討してまいりたいと考えております。  次に、部屋ごとに入所定員等が定められていることによりまして、待機児等の解消がなかなか進まない点があるのではないかという御指摘についてでございます。  確かに、現在の最低基準におきましては、乳児室、保育室等、それぞれ面積基準を決めておりますので、具体的な定員設定に当たりまして、部屋ごと、年齢ごとに区切って利用定員を定めるというような運用がされているということをお伺いしているところでございます。  私どもといたしまして、待機児の解消をどうやって図っていくかという観点から、その実態把握に努め、今後、基準のあり方について検討してまいりたいと考えております。  次に、緊急入所の場合の、年度途中における定員を超えての入所ということでございます。  現行におきましても、産休明けあるいは育児休業明けにつきまして、定員の一〇%ないし一五%を超えての入所ができることになっているわけでありますけれども、今回の改正を踏まえまして、受け入れ体制の整った保育所につきましては、この取り扱いをさらに弾力化することについて検討してまいりたいと考えております。  次に、現在の施設基準につきまして、生活水準の向上等に見合った改善が必要ではないかという御質問でございます。  私どもといたしまして、時代の要請にふさわしい施設基準のあり方につきまして、この改正を踏まえまして、今後、審議会の方で御検討いただきながら検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、公費負担の対象となる以外の付加的な保育ニーズへの対応の問題でございます。  これまで保育所におきましては、先生御承知のとおり、措置により市町村が児童を入所させるということで、費用も行政側が出してくれるということで、委託された事業だけを行うという意識が強かったのではないかと考えておりますけれども、選択方式になることによりまして、それぞれの施設が創意工夫を求められるようになるということでございますので、公的負担の対象となる以外のいろいろなさまざまな選択的、付加的なサービスについても、本来の保育業務に支障がない範囲で、それぞれの保育所が自由にできるようにしていくことが大事ではないかと考えております。こういった点につきまして、今後、私ども、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。  それから、保母の待遇改善についてでございます。  現行、これは五十九年に三省合同調査を行いまして、その結果に基づきそれぞれの格付を行い、毎年の人事院勧告に従いまして国家公務員に準じて給与等の改善を行ってきておりますが、御指摘の調査の実施につきましては、検討課題といたしまして、関係省庁間で今後協議をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、民間保育所の振興を図るべきではないかという点でございます。  この点につきましては、先生御指摘いただきましたように、コストなりサービスの面で違いが現在もあるわけでありますが、今回の改正によりまして、選択方式ということで、各保育所が利用者サイドに従った創意工夫を求められるということになってくるわけでありますので、こういった努力を通じて、創意工夫を図る保育所が伸びていくような仕組みにつきまして検討してまいりたいと考えております。  それから、所長、保母等の研修でございます。  保育所運営につきまして、一番大切なのはやはり人の面だと思いますので、そういった面で、経営に携わる所長あるいは職務に携わる保母さんの資質の向上というものは一番重要なことだと存じます。こういった面で、こういった方々についての研修の強化というものにつきましては、これまで以上に努力してまいりたいと考えております。  それから、主任保母の制度化につきましてでございます。  これも従来からいろいろ要望を受けている点でございます。今後の扱いにつきましては、宿題とさせていただきたいと存じます。  以上でございます。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 いろいろたくさんの質問をお聞きしておりまして、もっともな御指摘が多いと感じました。  保育所については、現在ではもう夫婦共働きが一般化しております。そういう中で、子育てと仕事を両立させたいという父親、母親を支援する施設として、保育所というのはこれからますます重要になってくると私は考えています。そして、現在では、家庭や地域の子育て機能が低下しているという指摘も随分あります。そういう中で、子育て家庭に対して、相談とか助言に応ずる、そういう地域の子育て支援センターとして機能していくことも重要ではないかと考えております。  また、御質問の中でも、保育所に対する、運営が硬直化しているのではないかという御指摘もありました。その点も考えまして、保育所を経営される方、保母さんが、入ってくるお子さんにとってどういう状況がいいのか、また、お子さんを預けている親御さんがどういう期待をしているのか、それに積極的にこたえられるような、使命感と情熱に満ちた、意欲を発揮させるような柔軟な運営が私は必要だと思います。  そういう点に十分配慮して、保育所が競争によってサービス水準を向上させるというような環境に持っていきたいと思います。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 大変ありがとうございました。  時間の関係で何か慌ただしいような質問になってしまったわけですけれども、厚生省にこれからの保育所懇談会があるわけですが、この中におきまして、保育所は仕事と子育ての両立支援、地域社会における子育て支援を図るものというふうにうたっています。それゆえに、先ほど大臣がお話しなされたように、本当の意味で、地域社会の中において、保育所というものがよりよいものになって、そしてまた、よりよいサービスというものが提供できるような形に努力していただきたいと思います。  そして、最後になりますけれども、なお、過疎地にあります保育所につきましては、特段の配慮というものが私は必要であると思っております。それゆえに、保育行政上、特別事項として扱う等の考慮をよろしくお願い申し上げまして、時間になりましたので、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 池坊保子さん。

池坊保子新進党

○池坊委員 新進党の池坊保子でございます。  私は、もし国会議員にならなかったならば保育園か養護施設の仕事にかかわりたいと思いますほど、子供への強い愛情と深い関心を持っております。私の娘もその意を酌んで、大学で社会福祉学科に学び、養護施設並びに保育園で研修をいたしましたので、それらのことを踏まえて、子供の、幼児の視点に立って、三十年前を振り返り、保育園に通いながら仕事を続けておりました母親の立場に立って、児童福祉法一部改正について、厚生大臣並びに厚生省の方々に質問させていただきたいと思います。  まず、五十年ぶりにこの法律が改正になりましたのは、少子化並びに女性の社会進出等の社会現象が変化したためだと思います。少子化というのは、今や歯どめがきかないほどの大きな社会現象になってきたと思います。  先ほど松本議員がおっしゃいましたように、去る十二月に発表された合計特殊出生率は一・四二と史上最低になりました。これは、人口維持のために必要な二・〇八を大幅に下回り、また、平成元年に発表されました、史上最低と言われました一・五七ショックをさらに下回っております。また、五月に出されました、全国の十五歳未満までの子供と六十五歳以上の高齢者の割合がほぼ同列となってまいりました。十六年、ずっと子供の人口というのは減少しておりまして、今や、子供と高齢者との割合は言うまでもなく反比例をしてまいります。二十一世紀半ばには三人に一人が高齢者だというような社会現象になってまいります。これらのことを考えますと、少子化というのはこれから大きな問題ではないか。  ただ、私は、これからは少子多死時代ではないかと思うのです。ダイオキシンに象徴されるような環境汚染、あるいは遺伝子組み換えに見られるような農薬による食品のさまざまな心配、それから薬害などを考えてみますと、子供を産み育てるには全く適していない環境なのではないかと思います。このような中で子供を産んで育てることが果たして子供にとって幸せなんだろうかと私はちょっと疑問視しております。  私のように思っております女性がふえるから、出産というのが減っていくのだと思いますけれども、国益を考えるならば、経済力の低下、社会保障負担の増大、そして労働力の供給の制約など、さまざまな問題を考えますと、子供をただ産みたくないというのをほっておくわけにはいかないと思います。  国民生活白書によりますと、「子供を育てるのは楽しい」と答えた母親は、アメリカは七一%、韓国は五三%に対して、我が国は二二%と著しく低い数字が出ております。つまり、我が国では、七八%の母親が子供を育てることが決して楽しくはないという現状なのでございます。百年後には一億二千万の人口が半分になると言われております。  この国民生活白書を見ますと、これは厚生省の問題だけでなく、文部省の教育のあり方も関係してくるのではないか。子供を産み育てることが大事なことであり、そして、すばらしいのだと言われるような教育のあり方でなければならないと思います。  と同時に、先日出されました労働省の女子保護規定撤廃、これは男女平等参画社会を考えるときに、男性とともに働きたい意欲のある女性にどっては一歩前進だと思います。女性の、仕事に対する意欲を高揚し、これからどんどん女性が社会に進出していくことは大変喜ばしいことではありますけれども、当然ながら、そのしわ寄せば子供にかかってくるわけでございます。  例えば、深夜業務は、就学前の子供を保護する人間には勘案されると言っておりますけれども、私は、これなども男性、特に子供を持ったことのない方がおつくりになった法案だなと思わずにはいられないのです。就学前の子供は、大概、寝ますのは、健全な子供でしたら八時とか九時でございます。十時まで親が働いていたら、家に帰るのは十一時になってしまいます。子供にとって最も必要なことは、休むときに母親がいる、それが子供の知育とが人格形成に大きな健全な影響を与えていくのだと思います。  それらのことを考えますと、この少子化対策というのは、国がなすべき最重要課題ではないか、政策ではないかと私は思っております。  厚生大臣に伺いたいことは、今や、この少子化政策を講じるに当たって、厚生省だけでなくて、労働省それから文部省との連携なくしてこの対策は立てられないと思います。今まで縦割り行政というのは慣例でございましたので、こういうことを果断におできになるのは大臣でしかないと思いますので、このことについてどのようにお考えか。そして、エンゼルプランも、このようなリンクが必要だということの中で出されたプランだと思いますけれども、今後、どのように連携をしながら何か政策を立てていこうと思っていらっしゃるかをちょっと伺いたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今、いろいろ御意見の中で、子育てしやすいような環境についていろいろ御意見を伺ったわけでありますが、日本というのは特に諸外国に比べて子育てに喜びを持たない親御さんが多いということは、非常に残念なことだと思います。  今後、この少子化の影響を考えますと、お子さんを持ちたいという親御さんにとって、できるだけ、子を持つ喜びを感じてもらう、また、子育ての重要性を感じてもらうということから、どうやって仕事と子育てを両立させようという父親、母親を支援していくかという施設として、この保育所というのは大きな役割を果たすと思いますので、少子化の問題については、厚生省だけの問題ではありません、確かに各省庁連携をとりながらいろいろな施策を図っていく必要がありますし、これからエンゼルプランの策定に当たりましては、特に文部省、労働省、建設省、この四省において緊密な連携をとって、事務的レベルの協議を行っていきたいと思っております。  今後、社会的にも、今六十五歳以上の方と十五歳以下の人口というのがほぼ拮抗する、あるいは将来むしろ六十五歳以上の方々が多くなって十五歳以下の児童が少なくなるという、今まででは考えられないような人口構造にもなっていくという傾向を考えますと、社会全体に与える影響も大変大きなものがあると思いますので、子供は社会の宝であるという認識を持ちながら、どうやって子育てしやすい環境をつくるかということについて、関係省庁とよく連絡をとって、いろいろな施策の実行を図っていきたいと思います。

池坊保子新進党

○池坊委員 私は、文教委員会で小学校の選択自由化を提案してまいりましたので、保育所が措置制度から選択制に変わりますことは、総論としては賛成でございますが、各論としては反対で、修正すべき点が幾つかあるのではないかというふうに思っております。  今回の法改正の中で、厚生省の公的な責任が後退するのではないかという危惧が持たれております。入所についての責任について伺いたいと思います。厚生省は、市町村が申し込みを受けたときは応じなければならない、また、選考方法のガイドラインを示すとおっしゃっておりますが、具体的にどのようにお示しになるのかを伺いたいと思います。  まず、その前に、言うまでもなくゼロ歳から六歳は百六十一万人の子供がおります。そして、公営、民営、全国二万二千カ所。ですから、これを割りますと入所率というのは保育所は八二・八%、つまり、二割弱あいているのだよとおっしゃりたいと思いますけれども、現実には、都市部と過疎地というのは全く状態が変わってきております。東京ではゼロ歳児は待機児が三千人おりますし、全国では四万五千人の入園を待っている子供がいるのです。東京だけでも一万人近い児童が入所を待っております。そうすると、一カ所に集中した場合、今までだって足りなかったのが、これだけの子供が待っているのに一カ所に集中したら一体どうなるのか。五月十三日の本会議で、大臣は、弾力的な、適切な措置をするというふうにおっしゃいましたけれども、どのような措置を考えていらっしゃるかを伺いたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の児童福祉法の改正によりまして、入所方式について、措置方式から利用契約方式に変えることにしておりますけれども、これに伴う費用負担につきましても、従来同様、市町村並びに県、国が行うことにしておりますので、公的責任の後退というものはないというふうに私どもは考えております。また、そのように努力してまいりたいと考えております。  それから、待機児に関連いたしまして、全国的には八二、三%の入所率ということで、あきがあるわけでありますが、大都市には待機児が多いのではないかという御指摘でございます。  確かに、東京都を見ますと一万人程度の待機児がおられるという状況になっておりますが、東京都の状況を見て、あきの方も二万人ぐらいいるというようなことでミスマッチが生じているわけであります。これがどのようにして生じているかということにつきましては、私ども、東京都という広範囲な地域で見るのではなくて、市区町村といったより狭い範囲で、地域ごとにその原因なり特性というものを見ていく必要があると思っております。その上に立ちまして、どういったら待機児の解消が図られるか、検討してまいりたいと考えております。  一つといたしまして、今、一カ所に申し込みが集中した場合どうするかということでございます。これは選択による申し込みでございますので、当然、偏りが生じることが考えられるわけでありますが、私ども、創意工夫を図っている保育所がより有利になるというようなことを通じて、各保育所自身の努力も促してまいりたいと考えておりまして、そういった人気の高い保育所につきましては、定員をある程度超えて入所ができるといった定員の弾力化等につきまして検討してまいりたいと考えております。  また、大都市におきましては、用地難ということでなかなか保育所ができないという状況もございますので、分園方式等の導入も含めまして、保育所が設置しやすい方法を考えてまいりたいと考えております。  以上でございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 抽象的な、努力というようなお言葉ではなくて、やはり具体的なビジョンを示していただきたいと思います。例えば、今一万人の子供が待っているわけですから、来年度はそれが入れるような保育所をつくるとか、そういうようなお考えは全然ないのですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 待機児がいる状況がある一方におきまして、その地域におきまして定員にあきがあるという状況もたくさんあるわけであります。これがどうして生じているのか。例えば年齢別に定員を定めまして、人員なり施設に余裕があるにもかかわらず入れないといった状況もあるわけであります。そういったことを改善していただくごとによりまして、現在の人員、施設においてもかなりの方が入れるようになるのではないかと考えておりますし、定員をオーバーして申し込みがあった場合におきましては、今申し上げましたように、定員の弾力化ということで、人気の高い保育所に、必要人員を確保という条件はあるかと思いますけれども、入所ができるというような方法を考えてまいりたいということであります。  それから、つくりにくいという点もあるわけです。これは、用地難、相当高くかかります。そういった点と、もう一つは、市町村の対応が、新しく保育所をつくることにつきまして若干消極的でございますのも、非常に保育コストが高くなっている、大都市における保育コストが高いということで、新たに保育所をつくる、そのまた財源負担というふうなこともあるいは促進を妨げる原因になっているかとも存じます。  いろいろな点を分析いたしまして、それに対応して、今申し上げたような対応を講じてまいりたいということでございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 具体的な方針を出して通達をしていただかないと現場は全然変わらないということを私は申し上げておきたいと思います。  選択制になりますと、言うまでもなく競争原理が働いていくと思います。いい保育園と余り入れたくない保育園というのができてくるのではないか。そうすると、みんなが頑張っていい保育園にしようということになりますと、私は教育の早期化になってしまうのではないかと思うのです。  例えば、今でも幼稚園に入りますために塾があるのが現実でございます。ですから、子供が一・四二であるということは、その子供を、お母様たちは大切に一人っ子を育てていきたい、ピアノを習わすとか英語を習わすとか、そういうことになっていくことを私は危惧いたしますけれども、そのことへの歯どめというのは何かございますでしょうか。簡単にお答えいただきとうございます。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育所において保育を受ける時期というのは、生涯においても人間形成という点からも重要であるわけでありまして、私ども、これについては保育所保育指針というのを示しておりまして、これに従って、発達段階に応じた適切な保育がされるように指導をしているところでございます。  選択制になることによりまして過当競争が生ずるのではないかという点でありますが、基本的には、保育所に関する情報公開を徹底するということを通じまして、各利用者の方に適切な保育所を選んでいただく。過当競争であるかどうかという点について、親の方の批判に期待したい点もございます。  それから、私ども、今申し上げました保育指針に沿って適切な保育が行われるような指導は今後ともやってまいりたいと考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 だれでもすぐに得ることができる、今おっしゃった情報公開を必ずしていただきたいと思います。産休や育児休暇を終えて職場に戻ろうとしても、子供を受け入れてくれる保育所が見つからないというのが現状でございますので、このことに関しては、現場の方での改善を切に希望いたします。  厚生省は、公費を通常の開所時間内の保育へ重点投入する方向を目指しているというふうに伺っております。これまでは時間延長などの特別保育にも補助金を出すかわり、預かる子供の人数やオープンの時間などに制約がありました。それを、これから、補助金を出さず、規制を緩めて、それぞれの保育所の自主的な運営を促していくというお考えのように思いますけれども、これは、補助金の裏づけがもしなくなったならば、時間延長をやめるというところが出てくるのではないかと思います。利用者の需要にこたえることはできないのではないか。  ちなみに、保育園に預けることができなくなりますと、京都などの場合、パートの時給は大体八百五十円から九百円でございます。それから、ベビーシッターに預けますと千二百円から千五百円。つまり、働けば働くほど出費がかさむという事情になってまいりますし、母子家庭の母親というのはパートで働いていることが多いので、それについてお答えいただきたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 延長保育の拡大につきましては、現在、緊急保育対策等五か年事業でも精力的に努めているところでございまして、今のところ、順調に伸びてきている状況にございます。  これの実施につきましては、現在のところ、市町村の認可事業ということで、保育所の方でやりたいと思いましてもなかなか認可をしていただけないというような御批判がありますし、利用者におきましても、あらかじめ年間を通じて申し込まなきゃいけないということで、日々の残業時間の変動等に対応した延長保育が受けにくいという批判もあるわけであります。  こういったことについて、今後、選択制に変わることに伴いまして、保育の公的負担のあり方について、これを通常の保育の方に重点投入して、延長保育あるいは一時保育とか、そういった選択的な保育サービスにつきましては、施設の自由裁量で自由にできるようにする、契約も自由にやっていただくということによって、日々の変動等にも柔軟な対応が可能になるのではないかという御意見もあるわけであります。  また、一方におきまして、そういった自由化をいたしますと、公的負担というものがなくなってやめてしまう保育所がないかという御意見もあるところであります。この点については、私ども、基本的には利用者のニーズに即した保育サービスがどうしたら提供されやすいようになるかという点を主眼といたしまして、審議会の御意見も伺いながら、十年度予算編成に向けて検討してまいりたいと考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 保育料の応能負担から応益負担への転換について、厚生省は、応益負担について、均一料金にすると、急に上がる人もいるし、下がる人もいる、できるだけなだらかに低所得者に配慮をしたいという形になると、幾つかに分けた形が激変緩和になると思われるというふうにおっしゃっておりますけれども、保育料の均一化というのはこれからはなさるおつもりがあるのか、それとも、この十段階、七段階でこのままいらっしゃるのか、その辺が見えてこないので、伺いたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育所への入所の方法が利用契約方式ということでございますので、保育料につきましても、従来の所得に従った応能負担という考え方から、保育コストを基礎といたしまして、家計への影響も考慮して定めるというふうにしているところでございます。基本的には、コストというのが基本になりますので、将来に向けて料金についてもできる限り均一化を図っていきたいということでございます。  これは、現時点におきましては、昔と違いまして、かなり所得の高い方が利用されているケースがふえてきたということもありまして、現在の応能負担による保育料方式というのが非常に過重なものとなっているという批判があるわけであります。こういったものについて、均一化を図っていくことによりまして解消を図ることができるというふうに考えているところでございます。  ただ、急に均一化を図るということになりますと、現行十段階の保育料額というところから、急激な負担増を生ずる方も出てこられるということで、緩和をするという観点から、徐々に均一化の方向を目指して進めていく必要があるのではないかと考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 保育料の自治体の裁量について、厚生省は、市町村が具体的な保育料を決めるに当たってはかなりの裁量の範囲がある、国の精算基準は七段階であるけれども、市町村においては十段階になっても構わないとの御発言がございました。  現実に、岐阜では二十九段階に分かれておりますし、地方によってのばらつきというのが随分ございます。例えば上限を見ますと、東京二十三区では三歳未満の最高額が四万一千八百円でございます。ところが、ちょっと先の横浜では五万八千百円となっております。つまり一万六千三百円も、上限だから構わないではないかとお思いかもしれませんが、若い夫婦には、一万六千三百円違うというのは、これは随分の負担でございます。  七〇年代後半には国の予算全体の〇・七%から〇・八%だった保育所措置費が現在は〇・四%、公費と父母の負担も七対三から今では一対一と、負担が膨らんでおります。子育て支援と言っている割には国の予算増額がないというふうに思うのですが、これも一つの後退だと思っております。これからも、地方自治体に任せるならばこの辺の格差があってもしようがないとお考えなんでしょうか、それからまた、これをふやすというお気持ちはないのかを伺いたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 国が定める保育料額というのは、国と地方公共団体の公的負担を行う場合の精算基準でございまして、御指摘いただきましたように、具体的な保育料額については各市町村がみずからの責任において設定するということになつているわけであります。そういったことにおいて、実施主体たる各市町村の判断によりまして国の基準とは違った保育料額が定められる、これが今御指摘いただきました各地方の地域による差ということになっているかと存じますが、これについては、各地方公共団体の判断を基本的には尊重していく必要があると考えております。  それから、公的負担のウエートでございますが、かつては、低所得者の方が利用されるウエートが非常に高いという時代でございました。そういった時代から、今ではほとんどの方が所得税課税世帯というふうに変わってきておりまして、こうした中で、一つの保育料負担も、トータルで見た公的負担と利用者負担のウエートというものが、今言われました七対三から一対一になってきているものであるというふうに考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 それですと、保育所の運営費の一部の国庫負担について、厚生省は、公的負担の面では後退しないように努力するとおっしゃっておりますけれども、これは後退しているということではないのでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育予算額そのものにつきましては、年々、少子化の中でもふえてきておりますし、現在、保育サービスに要する総コストのうちの約半分を国、県、市町村で負担することとしておりますけれども、こういった点については後退がないように努力してまいりたいということでございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 所得に応じた保育分担金システムではありますけれども、中間所得者にしわ寄せが来ると思いますけれども、どうお考えでしょうか。予算というのは五千七百四十六億円、これは九六年度の予算ですね、それを全利用者の百六十一万人で割ると、平均したら月額三万円の負担ということになります。推定年収三百八十五万円までの所得者にとってはこれは負担増になるのではないか。私は、これは負担増になるのではないかというふうに思うのですが、それについてお答えいただきたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 先ほど申し上げましたように、トータルとして見まして公費の負担と利用者の負担がほぼ一対一の割合につきましては、今後とも後退がないように維持したいということでございます。  そのもとにおきまして、現行十段階の保育料額というものを均一化していった場合、これは、平均より上の方につきましては下がるわけでありますけれども、下の方についてはそれだけ上がってくるということになるかと思います。全体としての負担の公費負担の割合は変わらないということでございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 再度、ちょっとしつこく伺うようでございますが、かつての七対三の比率からいえば確かに後退はしているわけですね、一対一だから。だけれども、今おりしゃったように、一対一という割合は維持していってくださるのですね。最低これは変わらないということはお約束いただけるのですね。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 先般、八年度ベースにおける改定後の保育料額のイメージということで七段階のものをお示ししておりますけれども、この改定前と後における公費負担の額というものは変化がないということであります。

池坊保子新進党

○池坊委員 それから、地方自治体によって保育料が違うのは、それを尊重するからしようがないのだというようなお話でございましたけれども、では、上限でなくて下限は一緒になるのでしょうか、それも地方自治体に任せるということでございましょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育コストを基礎として、家計への影響も考慮して保育料額を定めるという範囲におきまして、国の基準と違った基準を各市町村がおつくりになることは、それは自由にできるというふうに考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 児童福祉法第一条では、国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、育てられるよう努めなければならない、第二条で、国と地方公共団体は、保護者とともに、子供を育てる責任を負うとしております。子供は存在そのものが福祉ではないかと私は思います力  先ほど大臣は、社会の宝だとおっしゃいました。社会の宝であるならば、これから保育料というのも社会化されていいのではないかというふうに私は思っているのです。次代を担う子供たち・が、これからの、自分たちよりもさらに多い高齢者を扶養し、そして社会保険料を負担し、租税を負担し、そして扶養するという義務を担っていくわけです。高所得者を含めて老後の保険の基礎的費用を社会化しようとするならば、次代の社会の担い手になる子供の出産・育児費についても、親の所得にかかわりなくその基礎的費用を社会化してもいいのではないかというふうに私は考えております。  児童手当というのは、三歳未満の児童については、第一子と第二子が五千円、第三子は一万円というふうに言われておりますけれども、先進諸国では、大体、義務教育までは一万円の援助を受けております。それを考えますと、我が国では大変おくれているのではないかと思います。  大臣に伺いたいと思います。子供は社会の宝であるならば、これから保育費を社会化する、そういうようなお考えはおありにならないでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 保育所に預けている親御さんと家庭で育てている親御さんとの負担の均衡、バランスというものも考えなければいけないと思います。社会化する、基本的に国も責任を持ちますが、一義的には親御さんの責任であるということも自覚してもらわなきゃ困る。その保育に欠ける児童をどうやって社会的に支えるか、全体として支えるかという点と、うまく責任を持ってもらう大人、私はこのバランスを考えなきゃいけないと思います。  社会化といいましても、私は、子育てにとっても、ただ親御さんも仕事が忙しいから預けていればいいのじゃないと。やはり子供には十分接してもらいたいし、愛情を持って育ててもらいたい。幾ら社会の宝だと言っても、社会に任せていけばいいというのじゃなくて、第一義的にはみずからが、親が、家庭が子育てに責任を持ってもらう、足らざるところを国なり地方公共団体なりあるいは地域全体で支えていくというバランスが必要ではないか。何でもかんでもお子さんを保育所にということになりますと、家庭で育てているお子さんはどうなのか、また、親御さんの負担はどうなのかという視点も大事ではないかと私は思います。

池坊保子新進党

○池坊委員 私も、大臣がおっしゃったように、第一義的には家庭が、そして親が責任を持つのだということには賛成でございます。でも、現状は、女性も社会進出をしたい、それから、先ほど申し上げましたように、子供を持つこと自体が決して幸せではないというような現状にかんがみるときに、やはり環境整備ということを第二次的にはしていただきたいことだというふうに思っております。  ちなみに、ニュージーランドでも行政改革とは言われているけれども、逆に支出をふやした項目がある。それは就学前の子供に対する援助だというふうに言われております。公共事業を削減したら、今、一兆円が国が負担しております保育費でございますから、二兆円になったらすべてを負担することができるので、例えば道路特定財源などというのを少しやめていただければ子供の保育ができるのではないかというふうに思うときに、多少、私はふんまんやる方ない思いがしております。  保育所に関しましては、これから具体的に現場の方で困らないような措置をとっていただきたいと思います。ここで議論されましたことが現場では全く違って、そのしわ寄せを受けるということがたくさんございますので、現場が、少なくとも働く人たちにとっても、また子供たちにとっても、きちんと保育できるような保育所がつくられるような御努力を、それこそ努力というのは政府のお役人のお言葉でございますが、そのお言葉をいただいて、努力していただきたいと思います。  今度は、児童相談所について伺いたいと思います。  児童相談所というのは五十万の人口に一カ所だ、そして、児童福祉司は十万から十三万の人口に一人しかいないということでございますが、これで機能を果たすことができるのでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童相談所、全国で百七十五ございます。この相談所におきまして、現在、年間三十一万件ぐらいの相談を受けている状況にございまして、なかなかこれにつきまして御意見もございます。  今回の改正におきましては、そういう児童相談所がより一層機能を発揮できるようにということで、そのバックアップ機能を強化するという一方におきまして、より身近なところで相談に応じられるようにしたいということで、地域の基幹的な児童福祉施設に児童家庭支援センターというのを附置することにいたしまして、全体としてそういう児童相談等に関するネットワークを形成していく、そのことによって適切な対応を図っていけるのではないかという考えでございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 児童家庭支援センターについてのお話が今出ましたので、ちょっと伺いたいのですけれども、これは新設でございますね。これは児童相談所ではもう処理し切れないからこういうものをおつくりになるのでしょうか。なぜ必要かということがちょっと私には理解できないのです。これの存在そのものが何かあいまいなような気がいたしますけれども、どのようなものか、伺いたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 最近、児童に関する問題というのは非常に複雑多様化してきているということが一点ございます。児童の虐待、いじめ等、これも増加してきているということで、こういった状況なり問題に適切に対応していくためには、できるだけ、問題が発生する場所に近いところで、早期発見・早期対策というのが重要になってきていることだと思っております。  この点におきまして、児童相談所百七十五、県平均三カ所ちょっとということでございます。必ずしも地域の身近なところまでカバーできるような状況にはないかということで、今回、身近なところで気軽に相談に応じられる施設ということで、児童家庭支援センターの設置を考えたということでございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 そうすると、これはどこにおつくりになるのですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童に関する相談というのは、昼間あるいは夜、いろいろな時間帯も含めて出てくるということで、それからもう一つは、既存の施設のノウハウというのを活用したいということで、私ども、現在、地域の養護施設、今度は児童養護施設となりますけれども、そういったところに附置することを考えております。  これによりまして、これら施設の既存の知識、技術、ノウハウというものを活用できるとともに、本来の施設の機能を活用して、二十四時間対応というものも可能ではないかというふうに考えておるところでございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 そうすると、児童相談所に来まして、一時保護をするのを必要とした子供、あるいは緊急に施設に入れた方がいいという子供たちのためにこういう相談所をつくろうとなさったのでしょうか。  私、今の児童相談所だけでは足りないのかということがちょっと疑問なんです。わざわざ新しいのをおつくりになって、これはどのような人たちによって構成されるのか、そして、だれがそれをお選びになるのかということをお聞きしたいと思  います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童問題の対策にとりまして重要な点は、先ほど申しましたように、できるだけ早期に発見し、早期に対策を講じるということかと存じますけれども、そういった意味におきまして、児童養護施設等においては、ふだんから児童問題に関するさまざまな事例を取り扱っております。そういったことで、この施設に附置することによりまして、児童相談所は敷居が高いといった批判もあるわけでありますけれども、利用者の方も気軽に相談に来ていただけるのではないかということでございます。  それから、児童相談所につきましては、虐待とか権利侵害に関するというようなことで非常に専門的、高度の判断を要するもの、扱いが難しいものというような方で力を入れていただくということが可能になるのではないか。そういったネットワーク化と役割分担によりまして、虐待、いじめ等に対応ができる、効果が上がってくるのではないかということでございます。

池坊保子新進党

○池坊委員 何か、私が申し上げたことにお答えいただけなかったようでございますけれども、どのような人が選ばれて、だれが任命するのかということをちょっとお答えいただきたいと思います。  それから、今お話にございました児童相談所では、それは足りないのかというのがちょっと私は――児童相談所の強化ということでございますが、児童相談所ができないから新たに新設をなさるのですか。保育所の方では国庫の負担がふえないようにとしていらっしゃるにもかかわらず、これが新しくできるということはそれだけ税金を使うということだと思いますので、それをちょっと明快にお答えいただきたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童家庭支援センターにおけるスタッフにつきましては、現在のところ、私ども、先ほど申し上げました機能が適切に果たせるということを念頭に置きまして、ソーシャルワーカーあるいは心理技術職などのスタッフを配置する必要があると考えておりますが、具体的には、法律成立後、審議会の御意見もいただきながら検討してまいりたいと考えております。  それから、一時保護等につきまして児童相談所の方で行うことがなくなるのかということでございますが、これは、児童相談所におきましても、一時保護の場合は必要に応じてやっていただくということでございますし、児童家庭支援センター、本来、養護施設等において宿泊施設等ございますので、必要に応じて、緊急の場合のそういった一時保護というのをこちらでも行うことが可能ではないかというふうに考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 厚生省の方々の天下り施設が一つふえるのではないかというのはげすの勘ぐりでございますか。どうでございましょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 そういうことでは全く考えておりません。

池坊保子新進党

○池坊委員 では、関係ない民間の方々によって創設されるという今のお言葉をきちんと受けとめたいと思います。  それからまた、都道府県児童福祉審議会というのも今回新設されると思います。私が心配いたしますのは、仕組みがたくさんできますと、相談に行った人たちが、伺いましたら、例えば何か問題がある、児童相談所に行く、そうすると、いろいろなところ、例えば、それは福祉審議会に行かなければいけない、それからまた、今おっしゃった支援センターに相談に行くというようにたらい回しにされて、問題が解決するまでに時間がかかってくるのじゃないか。受け皿というのは簡潔であった方がいいのです。  今おっしゃったお話によりますと、相談しやすいように支援センターを置くとおっしゃいましたが、先ほどのお話によりますと、支援センターというのは養護施設の中に置くわけですね。ですから、それが早期解決や早期発見にどうして結びつくのだろうか。むしろ、町の中にある児童相談所の方が皆さん行きやすいというのが現実だと思いますけれども、その点はどうお思いになりますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童相談所は百七十五カ所ということでございますので、県に平均三つということであります。地域等によりまして、必ずしもそこまで出かけていくのは簡単でないというようなこともあるわけであります。  そういったこともありまして、この児童家庭支援センターを養護施設にも設置することによりまして、そちらの方にも気軽に行っていただく。もちろん、全体としてネットワーク化を図ることによって、児童虐待問題等に対する対応については関係者が相互に密接な協力をしていくということが重要ではないかと思っております。単に児童相談所あるいは児童家庭支援センターというだけでなくて、その他医療機関、保健所それから警察、学校等いろいろなところが協力し合って、地域でこの児童問題に取り組んでいただくような体制づくりが必要ではないかと私ども思っております。

池坊保子新進党

○池坊委員 御存じだと思いますけれども、参考までに申し上げたいと思いますのは、横浜市にございます、いじめに悩む子供たちのための電話相談サービスというのが大変な人気を得て、これが全国的に広がっております。これは、二十四時間留守番電話で「メッセージライン」というのがございまして、それとともに、それに寄せられた声をもとに解決策を考える電話プログラム「キッズライン」という二本立てでございます。「メッセージ」には、九五年度は四百六十二件、九六年度は千三百四十五件の声が寄せられております。また、「キッズ」には、九五年度には五千二百十四件、九六年度には七千二百八十三件もかかってきております。  それにもかかわらず、横浜市が持っております、係員が直接応対する、だから、これは多分、児童相談所あるいはいじめ二〇番だと思いますけれども、毎年七百件程度だそうです。ですから、いじめ二〇番だとか、厚生省がやっていらっしゃる児童相談所には子供たちも親も行きづらいけれども、子供たちがやっている、そういう電話によって解決する機能が、今、大変子供たちを救う一つの手だてになっております。  これは、形式的ではない民間の人たちの、あるいはその子たちの熱意によってできているから、これだけの人たちが利用し、そしてそれによって解決がなされているのだと思いますけれども、私はこういうものを――児童相談所が百七十五カ所ある、五十万の人口に一つしかないというのは確かに足りないと私は思います。今、子供虐待、それからいろいろな問題を抱えている方たちが多いのですから、せめて五万人のところに一つあるぐらいにしていただきたい。それが、今私が申し上げた「メッセージライン」というような、気安く入れる、あるいは電話がかけられる、そういう場所にしていただきたいと思います。それについてはどのようにお考えでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童相談所におきましても、例えば学校に通っておられる児童に対しまして電話相談カードというようなものをお渡しして、何かあったときにはすぐに本人から相談ができるような工夫をしているようなところもございます。  それから、先生が御指摘になりました民間におけるボランティア活動としての相談活動、これも大変重要なことであると思っております。  それから、今回、児童家庭支援センターということで考えておりますのも、これもいわば民活でありまして、民間の養護施設にそういった機能を持っていただくということでありまして、私ども、この児童家庭支援センターにおきましても、ボランティア等との連携も十分とっていただいて、効果があるような活動をしていただくように指導してまいりたいと考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 先ほどお話にございました子供の虐待について、ちょっと私お伺いしたいと思います。  お話がございましたように、児童相談所には一万件を超える虐待の相談が来ております。そして、三歳未満の虐待が約八割を占めている、そしてそれを虐待しているのが母親だというような、これは一つの大きな社会現象ではないかと思います。  それで、日本の場合には、そういうような虐待に対して極めて保護が薄いのではないかと思います。児童福祉法二十五条では、国民一般に対し、児童相談所か福祉事務所への通告義務を設けてはおりますけれども、懲罰規定もなく、そして、現実に活用されているという例が余りございません。アメリカなどに比べると、児童虐待に対しての措置が私は薄いというふうに思っております。アメリカの場合には年間百万件を超えるということでございますけれども、アメリカの場合ですと、例えば親権を剥奪するとか四十八時間以内に施設に入れるとか、緊急措置というのがとられております。  これは、私はぜひ大臣の御見解を伺いたいのですが、一法改正が緊急に必要である、それから、虐待禁止規定を新設すべきである、特定の発見者には通報義務を実行化する制度を導入すべきであるというような意見が出されておりますが、これについてはどうお考えでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 まず、私の方から答弁させていただきたいと存じます。  児童の虐待等、保護を要する児童がいた場合には、児童福祉法二十五条によりまして、通報しなくてはいけないというふうな規定になっておりまして、これは単に児童相談所なり関係機関だけでなく、国民すべての方がこういった義務を負っているわけであります。  それから、問題がある場合の親権分離についての規定等も現行の法律に設けられておりまして、私ども、児童の虐待等の問題に適切に対応するために現行法令の運用をもっと迅速かつ効果的に行えるような方法を考えていきたいと考えております。  それから、先ほど、ネットワークという点では、児童家庭支援センター、児童相談所等の連携、関係機関の連携等について申し上げたところでございます。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 アメリカが虐待問題に対する施策が進んでいるということは、それだけ深刻な状況だと思いますが、本来一番大事にされなきゃならない身近な親から虐待されるという、これほど子供にとって悲惨なことはないと思います。また、しつけと虐待との違い、他人がなかなか関与できない面もある。そういう点もよく踏まえながら、虐待問題については、できるだけ迅速な対応をどうやってとったらいいか、関係省庁と連絡しまして、こういう問題にも鋭意、適切な対応がないか、検討していきたいと思います。

池坊保子新進党

○池坊委員 三歳未満の者、自分の感情を表現することのできないような子供たちが虐待されているというのは本当に悲しむべき事実だと思います。それで、私は、ぜひこれを法で守っていただきたい。これは大切なことではないかと思います。  アメリカでは一九七四年に児童虐待予防処置法というのを施行いたしました。そして、通告をする義務等々を設けております。これは、私は、ぜひ日本でもやっていただきたいと思いますので、大臣、これについては前向きに検討していただきたいと思いますが、お約束いただけますでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 積極的に対応していきたいと思います。

池坊保子新進党

○池坊委員 積極的に対応と。本当に積極的に対応していただきたいと思います。どういう……

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 先ほど申し上げましたように、現行の児童福祉法におきましても、虐待等、保護を要する児童を見つけた場合には、これは、国民すべてでございますが、児童相談所等に通告しなくてはならないという規定があるわけであります。それから、親権分離についてもその手続規定等がありまして、私ども、この問題の対応を適切に図っていく上におきまして、こういった規定が活用されるように今後とも努力してまいりたいと思っております。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私もよく親しい人から聞くのですが、近所で子供が本当にかわいそうなぐらいに泣きわめいている、親御さんに注意すると、しつけに口を出さないでくれと言われる方も結構ある。  このしつけと虐待、非常に難しい問題があるのですね。現実問題として、私は、親御さんの子に接する態度が問題だと思うのであります。そんなに泣きわめかなきゃならないほどのしつけがあるかと思うのですが、この辺は、虐待かしつけかというと、家庭の問題、身内の問題に他人が口出すなという非常に難しい問題もありますが、アメリカ等の虐待対策先進国といいますか、そういう対応も参考にしながら、児童の虐待等は許してはならないという、これは、親に対する教育といいますか喚起も大事ですね。そういう啓発活動も含めて、何とか児童虐待を防止できないかという点につきましていろいろ施策を考えてみたいと思います。

池坊保子新進党

○池坊委員 アメリカでは、通告しないと罰則がある一方で、通告したことで通告者にプライバシー侵害など刑事、民事上の責任が発生しても免責されるというふうにされておりますので、それらのことをお考えの上、ぜひこれは児童が守られるような何か法的な処理をしていただきたいと切に希望いたします。  それから、時間もございませんので、最後になりましたが、児童自立支援施設についてお伺いしたいと思います。  これは児童福祉法で都道府県、政令指定都市に設置が義務づけられており、今、全国に五十七カ所ある。ところが、入所している子供は、社会状態が変わってきたことによって定員の四割しかいない。県によっては、二十人の職員に三人の子供しかいないというところがあるというふうに聞いております。  今、社会問題となっております家庭内暴力のことなんですけれども、つい先日も、皆様御存じのように、お父様がもうやむなく子供を殺した。母親と娘は避難をして別に住んでいた、児童相談所やいろいろな専門家のところに行ったけれども、それはお父様の愛情が少ないからだ、お父様が限りなく子供の要求を受けなさいといって、そのようにしていたけれども、要求はエスカレートして、やむなく、まじめで誠実な父親が子供を殺さなければならなくなった、そのような例がございます。  それで、それは表面にあらわれているだけであって、本当はたくさんの方々が家庭内暴力に悩んでいらっしゃいます。あるお母様は、もうあしたは自分が子供を殺すか、あるいは子供に殺されるか、そういう瀬戸際に立っている、ところが、相談所に行っても、それは適切な助言もしてもらえない。あるお母様は、戸塚ヨットスクールに入れて、過重な訓練によって子供を死なせてしまった。さまざまな不幸を呼んでおります。  これは、一時期、家庭と子供とを隔離したら直る場合があるのです。いろいろな例を伺っておりますと、もう本当にあらしのように、台風のように暴れ回ったのが、あるとき、ぴたっとそれがおさまってしまった。それから、今まで大変に模範的ないい子であったのが、ある日突然、台風がやってくるように家庭内暴力を起こしてしまった。同じ家庭の中に親と子がいたら、これは解決できないのじゃないか。私は、親の同意があり、そして本人の同意があったときに、児童自立支援施設にこういうような子供を預かることはできないのかということを伺いたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 家庭内における虐待につきましても、こういった事例が発見されたときに、児童相談所といたしまして、まずは一時保護で預かりまして、親御さんとの家庭調整の過程を経て、これは、親の意見それから本人の意向等も聴取して、適切な養護施設なり児童自立支援施設の方に入所していただくというふうなことが現在でも可能でございます。  私ども、こういった点については、今後とも適切な対応に努力してまいりたいと考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 私が申し上げているのは、子供が親に対して暴力を振るう場合ですけれども、それも、児童相談所などに御相談したら、この児童自立支援施設の方に入所することができるのでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 入所につきましては、児童の態様、それから家庭の状況を総合的に勘案して決定するということでございまして、この点について、今お話しになりました事例が、あるいは警察等で対応してもらった方がいいのか、児童施設で対応していただいた方がいいのか、そういった問題は出てこようかと思います。

池坊保子新進党

○池坊委員 警察で対応などということはできないのです。そういうことがございましたら、今までこういうような問題も起こってこなかったので、ちょっと今のお答えは、私は、現実性がないというか、余りにも現場の空気を御存じないと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 先ほど言いましたように、児童相談所にそういった通報がございました場合には、子供の状態、それから家庭の状態を総合的に勘案して、適切だと判断される場合には養護施設なり児童自立支援施設の方に入所していただくという措置は可能であります。

池坊保子新進党

○池坊委員 今のお答えにちょっとあらがうのではありませんけれども、養護施設に入れるということは、多分、養護施設の規定からいくと難しいのではないかと思いますけれども、児童自立支援施設に入るということは可能なのでございますね。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 家庭内暴力だけじゃなくて、あくまでもその児童の性格、それから家庭の環境を総合的に見まして、生活指導等が必要だと認められる場合には児童自立支援施設の方に入所していただくということであります。

池坊保子新進党

○池坊委員 児童自立支援施設というのを拡大解釈して、私は、一時保護、一時預かりというようなことで受け入れる施設にしていただきたいなと思うのです。  登校拒否の子供がここに入れられるのは困るのだという子供の意見がたくさん出ております。そして、それに対して大臣は、そこには入れないから、入れないつもりだという御発言をしていらっしゃいました。  私も、登校拒否というのは、わがままだけでなくて、精神的にさまざまな葛藤の中で登校拒否をしておりますので、決して登校拒否が反社会的な行為だというふうには思っておりません。五歳の子供を育てているときに、もし学校に行きたくなかったら行かなくてもいいのだというふうに私は指導をしておりますけれども、これとは逆で、登校拒否をしているけれども、あの学校には行きたくない、あの友達には会いたくない、いじめがあるから学校に行きたくないけれども、別の場所だったら勉強してもいいんだよという子供もございます。そういう子供は、もし親や子供が同意したならば、入れることはやぶさかではないのでございますね。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 登校拒否だけで児童自立支援施設に入るケースというのは私ども考えていないわけでありまして、先ほど申し上げましたように、本人の態様、それから家庭環境等を総合的に見まして、児童自立支援施設に入っていただくのがその子のためにも最善の支援になるという場合に入っていただくということではないかと考えております。

池坊保子新進党

○池坊委員 私は、児童自立支援施設を、二十人の職員が三人の子供を見ているというようなことをなしにして、もっと拡大解釈して、よく活用していただきたいと思います。  時間でございますので、大臣並びに厚生省の方々に、ありがとうございました。お礼を申し上げます。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 矢上雅義君。

矢上雅義新進党

○矢上委員 新進党の矢上雅義でございます。  児童福祉法改正の問題に入る前に、ひとつ小泉厚生大臣にお願いしたいことがございます。  実は、きのう、きょうと、もう既に報道で御存じのように、神戸の方で、三月には小学校の女の子が殴り殺されておりますし、きのう、首を切断してそれをさらすという、日本の犯罪史上まれに見るような非常に凶悪な犯罪が起きております。私ども、児童福祉法ということで、健全な児童の育成ということで議論しておりますが、それ以前に、もっと社会は深刻な状況にあるわけでございます。  これに対して、この事件に対して、政府として緊急に解決するという声明を発表するとともに、関係地区に対する捜査員の増強とか予算措置等、十分な対策が緊急に必要ではないかと思いますが、小泉厚生大臣も閣僚として、時間もありませんが、どのような対策を講じていかれるおつもりか、決意のほどをお聞きしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 直接の担当ではございませんが、昨日のあの小学生に対する残酷な殺人事件、多くの国民を震憾させたと思うのであります。また、このような事件に対して極めて多くの国民が関心を持ったと思います。  当然、捜査当局も全力を傾注して犯人逮捕に取り組んでいると思いますが、このような犯罪の防止のために最大の効果は犯人逮捕だと思うのであります。そういう面から、政府としてもこの問題というのは重視して、犯人逮捕に向けて全力を傾注しなければならないと考えております。

矢上雅義新進党

○矢上委員 小泉大臣も閣僚として、至急、政府、橋本総理に働きかけて、何らかの対策を講じられることをお願いいたしまして、児童福祉法改正の質問の方に入らせていただきます。  まず、今回の改正の趣旨についてでございます。  本法が制定された昭和二十二年当時は、戦争による孤児や非行少年の保護、さらには母子家庭等への支援が中心でありました。しかしながら、急速な都市化や、定住型の農村社会から移住型の高度産業化社会への変貌により、少子化の進行、夫婦共働き家庭の一般化、家庭と地域の子育て機能の低下等、児童及び家庭を取り巻く環境の急激な変化が生じてきております。  この五十年間の長きにわたり児童福祉法の果たしてきた役割を改めて総括するとともに、今回の改正の趣旨をお伺いしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 戦後、児童福祉法が制定されてから五十年たった。この五十年の変化というのは、今までの歴史の数百年にまさるとも劣らないような大変化だと思います。  当時の戦後の状況から考えてみましても、親御さんのいない方が保育所に預かってもらうのだという考え方から、今や、むしろ親御さんがいるのは当然だ、そして、女性と男性との考え方も大きく変化していると思います。当時は、女性の仕事は家事、育児ということは、男も思ったでしょうし、女性もそれに疑いを持っていなかった。最近は、むしろ父親も、男も家事、育児に母親と一緒に協調してやるのだというのが当たり前になってきた。そういう大きな社会的な考えも変わってまいりました。また、生活水準も格段に進歩してきたと思います。  そういう中にあって、保育所の果たす役割も大きく変わってきた。現在では、少子化という問題が出てきまして、子供がたくさんいた時代から、子供が少なくなってきた、逆に高齢者がふえる時代になってきた。そういうことから、いろいろな影響も五十年前とは大きく変化しておりますし、社会保障制度の基盤もいろいろ充実してきましたけれども、新たな時代に対応するために、さらに違った意味での施策の充実が必要ではないか。  そういう観点から、児童福祉法も、今や父親、母親が仕事も家庭も両立させたい、そういう方々に対してどうやって支援体制をとっていくか、そういう中に、保育所の役割というのも大きく変わってまいりましたけれども、その役割の重要性はますます高まっていくのではないかと思います。  そういう視点を持って、健全な児童の育成に資するような、また、時代に適応するような法改正が必要であるという観点から、五十年を迎えたから改正するというのではなくて、五十年たって、いろいろな制度、社会状況の変化に対応して改正した方がいいのではないかという観点から、今回の児童福祉法改正を御審議いただいているわけでございます。

矢上雅義新進党

○矢上委員 ただいま大臣が、この五十年間の変化は過去の数百年の変化に匹敵するほどの大変化である、そうおっしゃいまして、女性、男性、考え方が変わってきたと。  ここに資料がございます。特に今問題となっている少子化問題、女性が生涯に産む子供の平均数、いわゆる合計特殊出生率のことでございますが、大正時代の終わり、一九二五年には五・一一人、終戦直後の一九四七年には四・五四人とかなり大きい数字でございましたが、一九九三年には一・五人を割っております。急激な変化でございます。  仕事と育児、家事の両立といいますが、かつて、日本が自営業者また農業者が主体を占めておったころには、我が家で商売をしておるわけでございますから、奥様方も非常に自分の時間が自由がきいて、子育てと仕事を両立することが可能である、しかも、農業者、自営業者の場合には三世代住宅が当たり前ですから、自分が忙しいときにはおじいちゃん、おばあちゃんが面倒を見てくれて、若夫婦が働いて稼ぐ、そういう構造がありましたし、五人も六人も子供がおったころには、長男とか長女が下の子の面倒を見るという、家族の中で全部やっておりました。また、家族が面倒を見れないときには、親戚縁者等がございますので、地域社会で日常の活動の面倒を見る。  例えば、私たちが子供のころは川で泳いでおりました。川で泳ぐときには監視員というものをだれがやっておったかというと、集落の父兄が交互でよその子供の面倒を見ておりました。ただ残念ながら、川で泳ぐと危ないということと、もう一つは、川で監視をしておりましてよそ様のお子さんがおぼれてしまいますと責任をとれないということで、それからだんだんプールになっていって、地域で子供の面倒を見るという風習も廃れていったわけでございます。そういう大きな時代の変化がこの五十年の中であったのではないかと思っております。  そして、私もこの福祉の問題は非常に大事だということで政治家になったわけでございますが、残念ながら、地元に帰りますと、特に男性の有権者の方から、子育ての問題とか老人介護の問題ははっきり言いまして非生産的である、つまり、もうけにならないのだから、そんなことをやる必要はない、産業振興だけ政治家はやっておればいいのだという、今でもそういう時代おくれな御批判を浴びます。  私は、きちんと子供の面倒を見て働ける、そしてまたお年寄りの面倒を見ながらも働ける、それが当たり前の社会であり、いわば経済政策と福祉政策というものは社会を回す車の両輪であるのではないかと思っております。ただ残念ながら、男社会におきましては、特に政治の世界におきましては、そのことがまだはっきりと認識されていないのではないかと思っております。  ぜひこれを機会に、大臣に、政策、特に経済政策との関連で福祉政策がどのように位置づけられるべきか、御明確にしていただければと思っております。     〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 戦後の福祉政策の主眼は、いかに貧しさを救うかということにあったと思うのであります。貧困を解決すれば多くの弊害は是正されるのだという観点から、救貧政策が社会保障の第一義的な位置づけだったと思いますが、今や、戦後あのイギリスの、揺りかごから墓場まで、すばらしい社会保障制度だなということで見習ってきた日本の社会福祉制度も、ヨーロッパと比べて遜色のない水準になってきた。救貧思想から、むしろ、富める者もそうでない者も、持てる者も持たざる者も、相支えて福祉国家を建設していこうということに変わってきたと私は思います。  そういうことから、年金にしても医療にしても、これから導入される介護につきましても、政治の要請といいますか目的の一番大きなものは、福祉国家の充実だと思います。そして、老後についてもお互い支え合うことができるということから、現役時代も意欲的に仕事を持つことができる。さらに、これから社会を支える子供に対して、児童の健全な育成というのはどうあるべきかということは真剣に考えなければいけない問題だと思います。  特に、社会保障政策というのはむしろ非生産的なことで産業政策からすればマイナスではないかという考えは、私は逆だと思うのであります。福祉政策が充実してこそ、産業、経済の発展があるのだ、そのために経済成長をどう図っていくか、経済成長の成果をどのように社会福祉の充実に回していくか、この均衡を大変重要視しなければいけないと思っております。どちらが重要か、私は両方大事だと思うのであります。  社会福祉を充実させるためには、経済成長をさせなければならない。経済成長を阻害させては社会福祉の充実もないわけであります。この金の卵を産む社会福祉制度を充実させるためにはいかに経済成長を図るか、こういう観点から、社会保障政策というのは経済政策と切り離せないというふうに私は考えております。

矢上雅義新進党

○矢上委員 私も大臣と同様に、この二つの政策は切り離せないものと考えております。  また、大臣の答弁の中で、かつては救貧政策が第一の福祉の目的であったという言葉がありますが、それに関連いたしまして、かつては、食うや食わずで、働くために子供を預けなければならないとか、親が本当にきつい病気で子供の面倒を見ることができないなど深刻な事例が多く、まさしく保育に欠けると呼ぶにふさわしい事例が多く見られました。  しかし、現代では、母親が自分のライフスタイルや自己実現のために自由な時間を確保するために子供を預けたいという要求とか、またさらに、専業主婦なので自分の家で子育てはできるが、都市住まいで、高層住宅等マンション住まいで周りに知り合いや同年齢の子供たちがいない、そういう中で、子供の利益のために、集団教育という面から見て保育園等に子供を預けたいという要望が出ております。  そのような状況の中で、保育に欠ける児童を対象とするこれまでの児童保育政策から保育を要する児童を対象とする児童保育政策への転換が必要ではないかと昨今言われておりますが、このことについて厚生省としてはいかがお考えでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育所への入所児童の範囲でございますけれども、御指摘のように、拡大すべきであるという御意見があるわけでありますが、今回の改正におきましては、入所の要件としての保育に欠けるという要件を維持することにしているところであります。  これは、保護者が家庭で育児ができる児童につきまして、市町村に保育サービスの提供義務を課して公的負担を行うというような仕組みをつくることについて、国民の御理解を得ることが難しいのではないかということが一点ございますし、もう一つは、幼稚園制度との関連におきまして十分慎重に検討する必要があるのではないかという二点から、対象範囲を現行どおりとすることにしているところであります。  ただ、地域の子育て機能の低下等に対応するための施策といたしましては、従来から、子育て支援センターというのを保育所に設けることを進めてきておりまして、そういったところを通じまして、地域の子育て支援、子育てサークルの支援等について努力をしてまいりたいと考えております。

矢上雅義新進党

○矢上委員 私が今質問しました問題は、大変重要な問題を含んでおると思います。家庭や地域社会の子育て機能が低下しておる以上、保育を要する子供に対する何らかの施策が必要であることは間違いありません。  また、それと対照的に、こういう現実的な問題もございます。保育に欠けるという対象に限定しておけば措置制度になじむ、しかし、保育を要するという概念にしてしまって対象を広くしますと措置制度になじまない、これを本音の言葉でいいますと、保育の現場では、安全で質の高い保育をこれからも提供していくために措置制度の継続を望んでおられます。  そういう願いのある中で、保育に欠けるということを重点にするか、保育を要するという概念を重要視するか、この二つによってこれから措置制度がどうなっていくのか、そういう保育園の心配、そういうのも現実に大きく上がってきております。ただ、この二つの要素というものは、両方正しい側面を持っております。  子供が単に商売の目的にされる、商売の種にされるという保育ではなくて、きちんとした保育を維持していくためにはどうあるべきか。また、先ほど申しましたように、専業主婦でも周りに知り合いがいず、子供さんをいわゆる密室保育と言われるような状況で保育されておられるお母さん方のことを考えるとどうあるべきか。今まだ答えは出ない問題でございますが、この問題は、将来にわたって早い時期にきちんと整理しておかれることを要望しておきます。  続きまして、次の質問でございますが、今回の改正で、保育に欠ける児童を市町村が保育所に入所させて保育する措置制度から、保護者が保育所に関する十分な情報を得た上で、その児童の個性や保護者の就労状況等に応じて保育所を選択できる仕組みとなります。いわば保育所にも競争の原理を取り入れて、保育サービスの質の向上を図るとともに、子供や保護者の選択権を保障する趣旨であると言われております。  しかし、子供の数が激減する中で、特にベビーブームの時期におきまして一年間の子供の出生数が約二百七十万、現在が百二十万人です。半分以下に減っております。そういう中で、保育園や幼稚園が生き残りをかけた戦国時代に突入したと言われております。  今回、法制度上も類似した運用が行われることになると、ますます両者の壁は低くなるのではないか。特に、保育時間の問題、保育の内容の問題等についてでございます。子供たちの利益を一番に考えた場合、今後、保育園、幼稚園が機能的にどのような取り扱いがなされるべきなのか、今後のあり方について、厚生省と文部省にお伺いいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 先ほど申し上げましたように、保育所は、保育に欠ける子を対象として保育を行う児童福祉施設ということでございますし、幼稚園の方は、就学前の児童を対象に幼児教育を行う一つの学校教育施設という違いがございまして、今回の制度改正におきましても、こういった違いは基本的に維持することにいたしているわけであります。  ただ、最近の傾向といたしまして、幼稚園におきましても、午後の預かりというようなものもありますし、保育所におきましても、一時的保育あるいは子育て支援センターの整備というようなこともございまして、垣根が少し低くなってきている面もあるかと存じます。  ただ、基本的には、双方、今申し上げましたような違いもございますので、今後とも、機能としては両方とも要るのではないか、そういった上に立って、子供や保護者の立場に立って、ふさわしい施設が選べるようにしていくということが重要ではないかと考えております。  この点につきましては、保育所と幼稚園のあり方について、昨年十二月に地方分権推進委員会の勧告も出されておりますが、厚生省と文部省、共同で検討を開始したところでございまして、今後、両方の連携のあり方、あるいは施設の共用化等のあり方につきまして、検討を進めていくことにいたしているところでございます。     〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕

土居正文部省初等中等教育局幼稚園課長

○土居説明員 幼稚園と保育所のあり方に関しましては、子供や親の立場に立って考えてまいるということが基本的に大切であると考えております。  親が家庭で養育しながら集団的な教育を受けさせたい、あるいは共働きなどで長時間の監護が必要であるということなど、いろいろな国民のニーズがあるわけでございまして、幼稚園、保育所、それぞれの機能が必要でありまして、しかも、それが家庭にとって身近なところにあるということが大切であると考えております。  このようなことに十分配慮いたしまして、先ほど厚生省が御答弁になられました両省での検討会で、施設の共用化、あるいは教育や保育の内容、運営などにつきまして、幅広い観点から検討を進めてまいりたいと考えております。

矢上雅義新進党

○矢上委員 保育園と幼稚園の一元化の問題について、二つの側面がございます。  一つは、やはり保育園の経営の問題。例えば、日本国じゅうの保育園に対する公費負担の分が約三千億円です。そして、幼稚園に対する文部省の助成がたしか三百億円だったと思います。今まで保育園というものは国からの三千億円で成り立っていて、幼稚園は国からの三百億円で運営しておる。そして、先ほどから申しますように、子供の数が二百七十万人から百二十万人に毎年生まれる子供の数が減ってきておるわけですから、幾らきれいなことを言ったとしても、保育園と幼稚園の経営競争というものは、物すごく競争に拍車がかかってくると思います。  もし幼稚園と保育園が一元化されますと、結局、今ある幼稚園と保育園のすべての経営を三千億円と三百億円を足した三千三百億円でやっていかなければならないのではないか。そうすると、今まで保育行政を支えておった保育園の運営そのものが破壊されるのではないか。そういう現実がある以上、確実に戦国時代に突入するということは言えると思います。  しかし、そういう中で、小泉大臣もおっしゃるように、保育園側の経営努力というものも当然必要ですし、その中でサービスのアップが生まれるということも必要でございますが、ただ、余りにも過当競争が厳しい中で放置したままにしておきますと、子供を商品として、もうけの対象として取り合いになる、そのような事態は確実に起きてくると思っております。どうか、保育の原点に立ち返り、改革を進めるとしても、きちんきちんとした、激変を緩和するような措置を厚生省、文部省としても対処していただければと思っております。  次に、別の質問に入らせていただきますが、児童福祉政策についてでございます。  この児童福祉政策というものは、あくまでも家族の機能や地域社会の機能を補完する人工的な制度にすぎないのではないか。母子家庭の問題にしても、例えば、親が離婚する、その結果、子供に対してどういう対処をするか。また、この子供が非行に走って、その非行に走られた方を教護院でどう対処していくか。また、保育の問題にしても、保育に欠けるからこそ保育園が要るわけで、積極的な施策というよりも、何かが起きて、後から受け皿としてつくっていく。そして、この制度自体も、そもそも家族の機能とか地域社会の機能が戦前戦後のままであり続けるならば要らなかった制度でございますので、もっとこの制度にきちんとした魂というようなものを入れていきませんと、無味乾燥な人工的なサービス、制度で終わってしまうのではないかという気がします。例えば、今回、質問をつくるに当たっていろいろな保母さんとか園長さんにお聞きしたのですけれども、こういう答えが出てまいりました。いろいろな理由でやむを得ず子供を預かってもらうとしても、預かって面倒を見てくれている保母さんたちに対する感謝の気持ちや、子育てに対する保育園等施設との連帯感が不可欠ではないでしょうかと。最近では、お金を出しているのだからサービスを受けて当たり前、自分が出しているサービスは全面的に受け入れられて当たり前というお母さんがふえてきておると。お金さえ出せば何でも買える時代ですから、こういうお母さんたちからすると、保育サービスも同じようにとらえているのかもしれません。しかし、愛情を持って行うべき子育てを、物を買うかのような姿勢で取り組むということは、私にとっては異常としか思えません。  例えば、タクシーに乗って、おりるときに、ありがとうございました、また、食堂で御飯を食べて、ごちそうさまでした、おいしかったですと。これも民間のサービスですから。民間のサービスでさえ相手に対する感謝ということが守られておるのに、この保育の部分について非常に偏った傾向が出てきつつあるということは、大変深刻な問題ではないかと思っております。これは全員のお母さんということではなくて、ごくわずかなお母さんでございますが。  あくまでも児童福祉政策というものは人工的な制度にすぎないということを考えて、何らかの大所高所からの視点を持っていなければ、人間らしさに欠けた無味乾燥な制度で終わってしまうのではないでしょうか。その意味で、やはり原点である、家族とは、地域社会の機能とは、そういう機能に着目した、原点に根差した制度運営が必要ではないかと思うのでございますが、大臣のお考えをお伺いいたします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 大事な御指摘だと思います。感謝の目を閉じた者にとっては何をやっても不愉快だという言葉がありますが、いかに権利があっても、人の協力、支えに対しては感謝の念を持つことが大事ではないか。まして、自分の子供を見るだけでも大変なエネルギーであります。それを、人のお子さんを預かってくれる保育所の方々、保母さん、経営者、こういう方々に対して、子供を預かってもらう親御さんは、当然、感謝と敬意を持って接するのが人間のあるべき姿だと思います。また、保育所を経営される方、保育所で働いている方々が、お仕着せの仕事ではない、決められたからやるのだということではなくて、みずから思い立って、お子さんのためにどうなるか、働く親御さんのためにどうやって子供に接したらいいのか、使命感と情熱を持って接してもらう。  どんなにいい制度、施設をつくっても、一番大事なのは人だと思います。そういう面から、時代は変わりましても、一義的に子育てに責任を持つのは親である、そして足らざるところを地域の人が、社会が、国が支え合って子育ての支援策を考えようという気持ちがない限り、私は、どんなにいい制度をつくっても、それは有効に機能しないのではないかと。お互い、社会保障制度にしても保育所の問題にしても、恩恵を受けながら、同時にこの社会福祉政策を支えているのだという意識を持ちながらいろいろな諸施策に当たっていくのが重要だと考えております。

矢上雅義新進党

○矢上委員 先ほど私が、家族の機能に着目すべきだということで、この点について御質問いたします。  よく、「三つ子の魂百まで」と言われておりますが、三歳ぐらいまでのうちは、小さいうちは親が直接面倒を見た方がスキンシップの観点からも好ましいだろう、こういう事実はだれでもわかっておると思います。ただ、残念ながら、女性の社会進出が進む中で、子供を持つ女性の、特に働く女性の権利が確立されていない。子供を産んで復帰しようとしても、かえって会社から邪魔者扱いされる、そういう現状でございます。子育てを終えた後、職場に復帰することを今以上に制度的に保障していくこと、そして、戻ったときも、格下げになった対応ではなくて、きちんとした、プロとして対応していただくような制度的保障が急がれると思っております。その際、労働政策とこのような児童福祉政策は一体となって取り組むべきだと私は考えております。現実には、おくれた産業政策とか労働政策のツケが子供たちに回ってきているのが実態でございます。  ただ、残念ながら、いつだったですか、何日か前、行政改革会議ですか、労働省さんに対するヒアリングで、雇用政策と福祉政策はリンクさせた方がいいのではないかという問いかけに対して、労働省の方からは、雇用政策と福祉政策のリンクは余り好ましくない、今時点では考えておらない、そういう回答がされておりまして、それを私もテレビで見ておりました。そういう発想というものは、今の現代において少しミスマッチしておるのではないかと思っております。  そういう点について、先ほどから申しますように、労働政策と福祉政策の有機的連携のあり方、さらには、行政改革の観点から厚生省と労働省との統合についてどのようなお考えをお持ちか、厚生省と労働省にお聞きしたいと思います。

中西明典厚生大臣官房総務審議官

○中西政府委員 総合的な子育て支援対策を推進していくためには、委員御指摘のとおり、子育てと仕事を両立させていくための雇用環境の整備を初めとした労働行政との連携というのは極めて重要だというふうに認識しております。  さらに、それだけではなくて、子育て支援については、子育てのための住宅や生活環境の整備等の住宅・町づくり行政、あるいは、先ほども御指摘ございましたが、教育との連携、幅広い行政分野との間できちっとした連携体制をつくっていくことが必要であるというふうに認識しております。  そうした視点に立ちまして、平成六年に、御承知のとおり、厚生、労働、文部、建設、四大臣合意によりまして、エンゼルプランを策定し、総合的な対策を進めておるところでございまして、今後とも、こうした施策の連携を一層強化していくことが必要であるというふうに認識しております。  それから、中央省庁のあり方につきましては、現在、行政改革会議において検討が進められているところでございまして、これにつきましては、例えば国家機能のあり方、あるいは省庁の企画立案機能と実施機能をどう位置づけるのか、そういったことを初めといたしまして、幅広い観点から引き続き今後議論が行われていくもの、かように承知しております。

岡崎淳一労働省職業安定局企画官

○岡崎説明員 国家行政組織の再編統合の問題につきましては、御指摘のように、行政改革会議で今御議論されているところでございます。  その中で、各省に対しましていろいろ御質問がございました。労働省に対しましては、五月七日にヒアリングがございました。その際、労働省といたしましては、労働者あるいは労働市場に関するいろいろな政策、こういったものが一体として展開できる必要があるだろうということ、そういう観点の労働政策ということを考えました場合に、全体が福祉政策と同じ視点といいますか、そういったことでやられているということではないのではないかということを申し上げたわけでございますが、当然のことながら、労働行政の範囲というのはいろいろな行政分野とかかわりがございます。もちろん、福祉分野というのも非常に大きなかかわりのある分野でございます。  そういった中で、これまでも厚生省のいろいろな施策とともに連携をとりながらやってきたわけでございますが、子供を持ちたい方々が安心して子供を産み育てることができるというようなこと、そして、そういう中で働き続けることができる、こういうことも非常に重要だろうというふうに考えておりまして、今後とも連携を図ってやってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

矢上雅義新進党

○矢上委員 現実、経済企画庁が九二年度版の国民生活白書で、少子社会について意見を出しております。若い世代が結婚したくともなかなかできず、子供を産みたくともためらってしまう社会環境の悪さを出生率低下の原因として、労働時間の短縮、育児休業制度の充実、子供の養育費、教育費の負担軽減などを提言しておる。  政府の、経済を担当する部署でもきちんと状況を把握しておるわけでございますので、行政改革会議のヒアリング等におきましても、国民に誤解を与えることのなきよう、厚生省、労働省とも、今後とも有機的に連携を図って、子供の健全育成のために頑張っていただきたいと思っております。  続きまして、地域社会の子育て機能という観点からお伺いします。  先ほどから申しますように、家族間で、おじいちゃん、おばあちゃん、面倒を見てくれる人がいなくなった。地域社会でも面倒を見てくれる人がいなくなった。特に、権利社会となり、もし預かっているときにけがでもさせて訴えられたら割に合わない、そういう気持ちもございまして、人の子を預かるということが急激に減少してきました。  このような状況の中で、地域における世代間の交流が途絶えてきまして、それに伴い、地域社会の本来持っていた学習機能まで失うことになってしまいました。子育てというのは、ある意味では、子供だけでなく、その親まで影響が及んでくる。子供によってその親も育つと古来から言われておることでございます。世代間の交流という視点を積極的に児童福祉政策に導入することが不可欠ではないかと考えております。  現実に、地域住民の拠点として保育所を位置づけ、老人福祉施設との合築や、在宅育児をしている主婦のよりどころとしての機能、さらには放課後児童の学童保育の場としての機能など、新しい意味での地域社会の再生に努力している地域も多数見受けられます。  厚生省としては、今後、このような地域に対してさらにどのような支援を目指しておられるのか、考えておられるのか、お考えをお聞きいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 地域における子育て機能が低下してきているという状況の中で、御指摘のように、三世代の交流をどうやって図っていくかというのは大変重要な問題だと考えております。  私どもといたしましても、これまで児童福祉施設と老人福祉施設の合築を計画しているところにつきまして補助金の優先採択を行うとか、あるいは児童福祉施設と老人福祉施設に入所している方との交流を図るためのスペース、そういった事業としての支援、それから、地域の福祉施設資源としての活用をいただくための交流スペースの整備、あるいは子育て支援センターの整備、さらには、御指摘いただきましたような学童保育などもやってきているところでございます。  今後とも、こういった点で、地域の子育てのセンターとしての役割が一層発揮されるように努力してまいりたいと考えております。

矢上雅義新進党

○矢上委員 地域の拠点としての保育所の位置づけというのが一番大事なことだと思っております。特に、若いお母さん方が自分の子供だけでなくて、学童保育の小学生、保母さん、そして地域のお年寄りと触れ合う、自分たちがみんなで助け合って生きているんだなということを実感していただくためにも、世代間交流という面に着目して、重点的に児童福祉政策を進めていっていただきたいと思います。  さらに、質問の中で学童保育の問題が出ましたが、学童保育の問題として、人の確保が難しい、施設がなかなか見当たらない。そういうことで、昨今におきまして、空き教室の利用ができないかということでよく議論されておりますが、文部省に問い合わせても、空き教室というものはコンピュータールームなどきちんとした教育目的のものにまず使って、その上で空き教室が残ったらお使いください、ただし、子供さんを預かる以上、きちんとした安全管理は皆さん方でやってくださいということでございますから、条件が幾つもついて、なかなか実行しにくい。そういう中で、いろいろ考えたわけでございますが、地域の重要な社会資本としてコミュニ・ティーセンター、いわゆる公民館、昔の呼び名でいう公民館、新しい呼び名でコミュニティーセンター、コミセンというものがございます。よく公共工事で批判を受けます箱物行政と言われることで、この公民館の工事がやり玉に上がっておりますが、こういう公民館というものが結構利用率が低く、しかも各地域に点在しておる。今まで児童館とか保育園の活用だけ言われておりましたが、このコミュニティーセンター、公民館の活用を学童保育の受け皿として活用することが可能なのかどうか、文部省にお聞きしたいと思います。

尾山眞之助文部省生涯学習局青少年教育課長

○尾山説明員 御説明申し上げます。現在、学童保育は,児童館や学校の余裕教室のほかに、公民館など公的施設を活用しても行われておるところでございます。御指摘の公民館は、子供から高齢者まで含めた地域の住民のさまざまな学習活動や交流のために設けられている施設でございまして、地域住民に最も身近な施設として重要な役割を果たしておるわけでございます。  こうしたことから、公民館を児童の放課後や学校休業日における活動の場として活用すること自体は有意義なことでございますけれども、公民館の施設をどのように活用するか、また、どのような事業を行うかにつきましては、基本的には市町村等の設置者の判断によるものでございます。公民館が放課後児童対策を行っている例といたしましては、岐阜市の華陽公民館のケースがございますけれども、ここでは平成四年度より公民館指導員を配置いたしまして、主として小学校児童を対象とした地域の遊び場である華陽どんぐりルームというものを開設され、平日の下校時から午後五時まで、また、学校休業日の午後一時から午後五時まで対応されているということでございます。  学童保育が地域の実情に即し適切に実施されるためには、市町村におきまして、首長部局と教育委員会との間で十分な連携が図られることが大切であると考えておるところでございまして、文部省といたしましても、厚生省と連携を図りつつ、その旨指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

矢上雅義新進党

○矢上委員 特に、コミセンという施設の活用というものを図る。しかも、市町村が運営しておるわけでございますから、保育園も市町村が運営しているわけでございますから、きちんと話をつけて、金を払って貸してあげるよと言われるような状況であれば、十分活用できる状況にあります。また、人材の活用におきましても、これから子供の数が減ってくると将来的には保母さんの数も余ってくる。しかも、リタイアされた保母さん方もいっぱいおられます。自分が子育てに入っていろいろ忙しくて、しかし、子育てが一段落して手があいてきた、そういう方々を既存の保育園から紹介していただいて、学童保育の指導員として活用する。また、施設も、先ほどのコミセン等、児童館一保育所等を利用して、最低、校区に一つは学童保育の場を設けていくべきではないかと考えております。  この点について、厚生省はどのようにお考えでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 放課後児童健全育成事業の実施場所でございますが、これは、地域の実情に応じまして、児童館、学校の空き教室、それからコーミュニティーセンターなども含めまして、可能なものはできるだけ活用いたしまして進めてまいりたいと考えております。  私どもといたしましては、緊急保育対策等五か年事業の中で、平成十一年度九千カ所ということで努力しているところでございます。これが実現されますと、小学校の数の大体半分ぐらいになるのではないかと考えておりますけれども、それと同じというぐあいにはまいりませんが、かなりの数が整備されることになるというふうに考えておるところでございます。

矢上雅義新進党

○矢上委員 ぜひ学童保育の充実に向けて頑張っていただきたいと思います。  次に、エンゼルブラシ等の保育施策においての問題でございますが、これはちょっと時間の関係で、質問ではなく、要望にしておきますので、よくお聞きください。  エンゼルプラン等の保育施策において、都市部の保育園の抱える問題と農村部、いわゆる過疎地の保育園の抱える問題を明確に整理した上で実行されているのか。依然として保育所が足りない都市部、それに対して、過疎化で定員割れが続く農村部、そして地方では、定員割れが続く結果、保母さんの間でも、四月になると自分は首になるのではと心配して落ちつかなくなるとの声が聞かれます。  また、保育園が積極的に新規事業を地方自治体に申し込んでも、地方自治体の予算不足の関係で、逆に、やめておくように説得されてしまってどうしようもない。保護者の方からは、新聞を見て、こういうサービスがあるだろうと言われて、それで申し込んでも、金がないからしばらく抑えておくようにと言われて、板挟みに遭って困っておる。そういう声も聞かれます。  そういうことで、エンゼルプランというものが、最近の保育施策における地域格差に配慮した計画がきちんと立てられておるのか。確かに地方版エンゼルプランの策定など言われておりますが、地方保育関係者には非常に反発を買っております。特に、これはマスコミのせいだけではございませんが、エンゼルプランというとすぐ駅型保育モデル事業ということがよく言われておりましたが、日本国じゅう探して、自分の市町村に駅がないところは山ほどございます。そういうところの過疎地、農村部の方々にしてみると、駅型保育モデル事業はこれからの保育なのだと言われて、しかも、均一料金でこれから値段は高くなるのですよと、いいことは一つもないというのが受けとめ方でございます。  ぜひきちんとした、末端の保育園関係者にも情報を提供してくださることと、地域の実情に配慮した地方版のエンゼルプランの策定をお願いいたします。これは要望とかえさせていただきます。  次に、一番深刻な問題、保育料の問題について質問いたします。  これは、大都市と地方都市では収入に格差があることとか、また、そもそも子育て期の親は高い家賃とか住宅ローンを抱えておる、そういうことが通常ですので、可処分所得が少なく、国の設定する保育料の基準がもともと高過ぎるのではないかという不満が保育園関係者や保護者の間にあります。  例えば、私、地元が人吉市というところでございます。四万人の町でございますが、現実には、国の基準よりも低い保育料しか徴収しておりません。おかげで、市の持ち出し額が、平成四年度で五千万円、平成八年度で一億二千万円と、実に四年間で二・四倍に急増しております。ことし、保育料の料金改定を計画しておりまして、保育料が一〇%上がる予定です。消費税五%、保育料の一〇%アップとダブルパンチになると、地元では非常に困っております。  ちなみに、人吉市のいわゆる年間の措置費、保育に係る経費が合計約九億円、このうち、国の負担分が約三億円、県の負担分が約一億五千万円、市の負担分が約一億五千万円で、残り三億数千万円が本来の親の自己負担料でございますが、現実には、若い親御さんに配慮して、保育料は二億円しかもらっておりません。本来、親御さんから徴収すべき金額のうち、三億二千万円のうち、親から二億円、そして、さらに市の持ち出し分が一億二千万円です。このような状況の中で料金改定を迫られた。  今後、年齢別に均一料金を導入する予定になっておりますが、地方自治体の負担や保護者の負担をこれ以上重くしないためにも、公費負担の率を上げるなど何らかの配慮が必要ではないのか、こういう声が地方でよく聞かれますが、このことについて厚生省はいかがお考えでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育料の決め方につきましては、今回の改正以降、保育サービスのコストに応じて均一的な料金を目指すということでございまして、公費負担の面では、従来どおり、全体として保育サービスに要する費用の二分の一を国、県、市町村で負担するという形を維持したいというふうに考えているところでございます。  こういった考えのもとに均一化をしていくということになりますと、現在、負担感が重い、所得が高い共稼ぎの方につきましては、保育料は下がるわけであります。ただ、その一方におきまして、低所得者層に対する減免措置の配慮は行うにいたしましても、それを上回る方につきましては、平均的なところに収れんしていくということでございますので、上がっていくということになるかと思っております。  こういった状況の中で、具体的な保育料額は各市町村が決めるということになっておりますので、国の精算基準に上乗せして、それぞれの地方公共団体が、今御指摘になりましたような上乗せをやっておるということではないかというふうに考えております。  具体的な保育料の水準額につきましては、十年度予算編成の中で決められていくことになるわけでありますけれども、現行の公費負担水準というものが後退しないように努力していきたいと私どもも考えております。

矢上雅義新進党

○矢上委員 今まで、措置費の国庫負担率の削減、従来十分の八だった負担率を、一九八五年度に十分の七に、八六年度には十分の五に削減している。それが今回まで続いております。そういう措置費、公費負担削減の歴史を考えますと、やはり国民の頭の中には、さらに下がるのではないか、公費負担がこれ以上後退しないように努力してほしい、厚生省に努力してほしい、そういう切なる国民の要望があると思いますが、局長もしくは大臣、この点、どのようにお考えでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 全体の財政状況の中から、財政構造改革五原則というのを橋本内閣は打ち出しております。将来、国民負担率が五〇%を超えないようにしようという中で、諸施策の徹底的な見直しはしなければいけないということで、一切の聖域なしという方向で進んでおりますが、そういう中でも、社会保障関係の経費というのは年々伸びてまいりました。来年度予算を考えましても、伸びの額というのは他の省庁の予算に比べて圧倒的に多い。  しかしながら、聖域なしという見直しの中でも、必要なものはどうしても必要であるという観点から、今、必要不必要、どこを切れるか、どこを残すかというものを厚生省としても検討しているわけでありますが、今までのエンゼルプラン等、そして子育ての重要性を考えまして、できるだけ、そういう中で、国民全体の負担率を上げないという中で、いかに社会保障政策を充実させていくかということで考えていきたい。特に、この子育て関係の予算については、できるだけ公費を削減しないという形で、どのような水準の向上が図れるかということを今後とも検討していきたいと思います。

矢上雅義新進党

○矢上委員 私としても、これ以上の公費負担の後退をぜひ避けるように努力してほしいと要望しておきます。  続きまして、あと五、六分しかございませんので、これは質問の要求でしたが、まず読み上げさせていただきます。  これは、現場の保母さんが抱えておる問題です。一時的保育、一時保育の抱える問題についてでございますが、最近、登録者が急増しておる。私が聞きました保育園では、約百四十人の登録者がおります。つまり、登録者及び利用者の急増に保母さんの数が対応し切れない。結果的に、かなりの人数を断らなければならない状況にあるということです。  大体、厚生省あたりの基準でも、一日当たりの利用者をおおむね子供十人と見込んでおります。子供十人の利用者がある、それに対し保母さんが一・五人で行うことを想定しておりますので、約百四十人も登録者がある中で、利用者が殺到したら対応できない。一時保育といえども、通常の保育と同様な安全で質の高い保育を需要に応じて供給していくためには、利用者の急増に対応した弾力性のある制度の仕組みに変えていくべきではないか。これが一点。  続きまして、ゼロ歳児利用者対策。  一時保育においてもゼロ歳児の利用が急増しているが、普通保育の場合はゼロ歳児三人に対して保母は一人という基準でございます。しかし、一時保育の場合は、三カ月の子供も六歳の子供も同じ一人として保母が割り当てられます。その結果、保母の世話が行き届かず危険な場合も出てきます。ゼロ歳児利用の需要が高いのであれば、ゼロ歳児のみ特別料金にして割高にするか、もしくは逆にゼロ歳児の利用者の人数に応じて行政が予算をつけるなど、事故が起こる前に何らかの対策を考えていくべきではないのか。  続きまして、時間外保育利用者の増加。  母親たちの勤務時間が不規則で長く、子供の年齢、月齢や園生活へのなれといったものに関係なく、初日から仕事を理由に長時間保育を希望する母親がふえてきております。親としては、認可保育園が行っている一時保育ということで、普通保育と同等の保育サービスが受けられるものと期待しております。しかしながら、それに十分対応するだけの力は一時保育の制度にはないということでございます。  なぜなら、一時的に単発で登園してくる子供たちがふえると、園生活になれずに泣いたり、一日じゅう情緒が不安定になる子供が多くなり、その分、クラス全体が落ちつかなくなって保母さんの手が必然的に多くかかるようになる、これは当然のことでございます。その意味からも、普通保育の子供たちと合同での延長保育には限界があるのではないか。まだ三カ月の子供ですら延長保育を希望する時代ですから、その処遇に何らかの工夫を加えてほしいということでございます。  続きまして、安全面の確保でございます。  先ほど述べましたように、子供の人数や月齢に対して保母の人数がきちんと定められておらず、異常なまでにふえていく子供たちを前に、何か災害が起こった場合に、果たしてこの子どもたちの命を守ってあげられるのだろうかとふと考えることがありますと現場の保母さんが語っておられます。  どんなに避難訓練を重ねても、どんなに保育に工夫を凝らしても、いざというときに手が足りなければどうしようもない。避難のための人員配置や地域住民の支援体制の確立、また緊急避難スペースの確保など、課題は多くございますが、厚生省としてどのような手だてを立ててくれるのか。  最後に、緊急保育における園での受け入れ体制についてでございます。  緊急の場合、市町村に連絡して、許可が出れば保育園でも直接子供を受け入れてよいことになっておりますが、これに対するガイドラインはどのようになっているのでしょうか。  例えば、身元の確認の仕方など、一歩間違えばベビーホテル等における乳児、幼児置き去り事件にもつながりかねず、現場は大変な緊張を強いられております。さらに、受け入れに関してトラブルがあった場合の責任の所在など、重要なことをきちんと整備しないままでどんどん子供を預かることの危険性を痛感いたします。親にしてみれば保育園での直接受け入れが便利であることはわかりますが、その前提としての制度の整備を急ぐべきではないでしょうかという要望が来ております。  時間の都合で答弁はきょう要求しませんが、これは現場の声でございますので、きちんとこれに対する回答を、後日、厚生省としては文書にしてお出しいただきたいと思っております。  これで質問を終わらせていただきます。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四十三分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十二分開議

町村信孝自由民主党

○町村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石毛鍈子さん。(拍手)

石毛えい子民主党

○石毛委員 御同情でしょうか、特別の拍手をいただきまして、ありがとうございます。拍手以上にいいお答えをいただければとても幸せに存じますので、どうぞ、きょうはよろしくお願いいたします。  きょうは、法律が改正されましたら児童養護施設という名称に変わると思いますけれども、養護施設についてぜひともお尋ねさせていただきたいと思います。  まず最初に、子供の入所施設、法律的な用語では精神薄弱児施設等さまざまございますけれども、こうした子供さんの入所施設につきまして、特に夜間の時間帯の職員の勤務上の取り扱いは、児童福祉施設最低基準におきましてどのようになっているかということを御説明いただきたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童福祉施設最低基準におきましては、「養護施設の長は、児童指導員及び保母のうち少なくとも一人を児童と起居を共にさせなければならない。」というふうなことになっておりまして、施設の夜間の勤務云々ということで具体的に決めているわけではございませんが、この規定によりまして夜間の勤務も行われているということでございます。  養護施設、乳児院、虚弱児施設、情緒障害児短期治療施設等におきましては、予算上は夜勤体制ということでとれる仕組みになっております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 ありがとうございました。  くしくも局長の御答弁で、予算上は夜間の勤務ができるようにというふうにお答えいただきましたけれども、現実の、今の施設の実態を伺いますと、とてもそのようにはいかないという実情があると現場の方が声を大きくして主張されております。  そこで、きのう、質問として提出させていただきましたけれども、東京都社会福祉協議会児童部会従事者会が行いました実態調査を拝見いたしますと、現在、社会福祉施設、児童福祉施設で働く方々の労働時間は、法定上一週四十時間というふうになっていると思いますけれども、かなりの多くの人数の方を調査されていますけれども、三回調査をなさっているのですが、その三回の調査で、一回目百四人の被調査者のうち四十時間未満の者はたった一人しかいらっしゃらなかった、そういう実態でございます。  それで、この調査を拝見しますと、きちっとした実態がつかめますようにということで季節を変えまして三回調査をされておりますけれども、三回の平均をいたしました一週間の実労働時間が五十五時間という時間に上っております。  つけ加えておきますと、一回目、二回目、三回目とも五十時間台の時間でございまして、一回が特別少なくて一回が特別多かったということではなくて、恒常的に五十時間台の平均的な労働時間になっているという実態が示されております。  とりわけ驚きますのは、日本は世界でも労働時間の長い国として注目の的になっておりますし、千八百時間の年間労働時間を実現するということが目標になっているわけでございますけれども、この東京都の民間養護施設で働く皆さんの労働時間、今、平均では五十五時間と申しましたけれども、実労働時間が年間三千時間を超える方々が四割前後に上っている、こういう超長労働時間という実態がございます。  きのう、担当の方にこのデータをお渡ししてございますけれども、こういう養護施設の労働時間の実態に関しましてどのような御感想をお持ちか、あるいはまたどのように認識されていらっしゃるかということをお伺いしたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 養護施設等におきます職員の勤務時間の今の調査結果につきましては、東京都の二十九施設、百人前後の方を対象に聞き取り調査をした結果というふうに伺っております。  私ども、平成六年度の調査ということで、全国養護施設協議会がやった調査がございますけれども、これによりますと、年間総労働時間で申しますと、二千二百時間以内が全施設の三分の二を占めております。この調査で、二千九百時間を超える施設は二%ということでございます。  それから、一週間の労働時間につきましては、四十時間から四十二時間以内というのが百八十九施設ということで一番多くなっております。次に、四十四時間から四十六時間以内というのが百十五施設というようなことで、大部分が四十六時間以内という状況になっております。  いずれにいたしましても、私ども、勤務条件の改善につきましては、本年四月からは労働基準法上、一週四十時間という基準が適用されることになっておりますので、一週四十時間が可能となるような措置を図っているところでございますが、その実施がうまくいきますように今後とも指導してまいりたいと考えております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 恐縮です。質問としては通告しておりませんでしたけれども、簡単な質問をつけ加えさせてください。  今のお答えで、それにいたしましても二千二百時間までが三分の二ということですから、それを超える時間帯で働いている方が三分の一おられるということになると思います。  ただ、今の局長の御答弁を伺っておりまして感じましたのは、大都市部東京での養護施設の運営の中身というか質のことと、それから地方では、子供さんの状況等々違うというようなこともあるかと思って今の御答弁を伺いましたけれども、この労働時間に関連する職員配置では、そうした職員配置としまして、地域性を反映した職員配置をしているのでしょうかどうかということをお教えください。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 人員配置の基準につきましては、養護施設の場合、指導員または保母で申しますと、三歳未満児が二対一、それから三歳児から五歳児が四対一、六歳児以上につきましては六対一というようなことになっておりまして、各施設におきます年齢別の児童数に応じましても職員数は変わってくるかと思います。この配置基準そのものにつきましては、全国一律ということでございます。

石毛えい子民主党

○石毛委員 御検討いただくのは、考え方の基準を明らかにしていくということに関してそう容易にできることとは思いませんけれども、しかしながら、大都市部ですとかあるいは地方ですとか、要するに、子供が置かれている環境によって養護施設の運営内容にも相違が当然あるのではないかというふうに私は考えますので、今局長のお答えですと、入所していらっしゃるお子さんの年齢構成によって職員配置に関する配慮はあるというふうに伺いましたけれども、必要とされているケアの質なども勘案してこれから職員配置を御検討いただけませんでしょうかということは、これは要望としてつけ加えさせていただきたいと思います。  続けて、次の質問をさせていただきたいと思います。  養護施設は、敗戦直後に戦災で親を失われたお子さんのための施設としてスタートしていると思いますけれども、その後に入所している子供さんの状況というのは随分変化しているというふうに私は受けとめさせていただいております。厚生省の方では、入所していらっしゃるお子さんの家庭状況ですとかあるいは社会的な変化との関係で子供さんにどのような特徴的な変化が起こってきているかというようなことを御認識されていると思いますので、その御認識を披瀝していただければと存じますが、お願いいたします。     〔委員長退席、住委員長代理着席〕

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 養護施設の入所児童につきましては、法制定時には保護者のない、あるいは不明の児童が約半数近くを占めていたところでございますが、近年におきましては、保護者がいる家庭の方が大部分を占めておりまして、そういった家庭の児童が入所する例がふえてきております。  また、平均年齢でございますけれども、四十五年におきましては九・四歳ということでございましたが、平成四年には十一・一歳と上昇してきております。また、十五歳以上の比率は、四十五年には七・五%でございましたが、平成四年には二二・二%ということで増加してきております。  それから、障害等のある児童でございますが、四十五年には四・八%でございましたけれども、平成四年には九・五%と増加してきておりまして、この間におきまして、入所児童の実態もかなり変化してきているというふうに考えております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 ありがとうございました。  局長がお答えいただきました実情の変化は、本当に養護施設にお入りになる子供さんがどのように変わってきているかということを示されているものだと思いますけれども、これも東京都の民間施設の従事者の方々が調査なされました結果では、四十四施設、在籍児童千九百四十二人のうち四百二十一人に病気や障害のある方がいらっしゃるということで、ほぼ五人に一人というふうにあらわれております。これも地域性があるかと思いますけれども、少しそのことをつけ加えさせていただきたいと思います。  そこで、きょうの最も肝心の質問をさせていただきたい点でございますけれども、今局長、昭和四十五年と平成四年を比較されておりますけれども、この両期間の間には、一九七六年、昭和五十一年でしたでしょうか、養護施設に関しまして直接処遇職員六対一というそうした配置基準が実施された、これが実現するまでにはかなりの年月を要したというふうに伺っておりますけれども、六対一の配置基準が実現されたというふうに伺っております。  そこで、きょう強調したい点なんですけれども、養護施設に入所されたお子さんの状態にさまざまな激変とも言える変化があらわれてまいりましたのは、主として一九八〇年代、九〇年代というふうに現場の方々からは伺っております。そうした変化の状況を考えますと、まさにその変化が起こってからこの間、養護施設の職員配置基準には改善といいますか、変更がなくて、六対一のままで現在まで来ている。これは二十四時間通しての六対一でございますから、夜間の勤務等々、それに代替のお休みをとる等の方々が外れていきますと、日中に関しましては二十対一ぐらいの職員配置であるというのが実情ということでございますので、ぜひ、養護施設に暮らすお子さんが自分の人生をよりよく実現していく、そのことを職員の方たちが本当に納得いくケアができる、そうした方向性を可能にしていくために、この際、中児審の中間報告では触れられていたわけですが、養護施設の職員配置を増員の方向で最低基準を見直していただきたいという、そのことを申し上げたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 最低基準につきましては、一九七六年、五十一年以降ずっと来ているわけでございます。これをどうするかということにつきましては、いろいろな各種福祉施設の中での横並びの議論もございますし、また、養護施設等の場合、昼間は学校等に行かれている児童も多いというようなこともあるかと思いますし、御指摘いただきましたように、処遇困難児がふえているというような点もあるかと思います。  今回の改正を踏まえまして、そういったいろいろの現時点での状況を踏まえて、私ども、どんな対応が可能か、審議会の御意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 ぜひ、直接処遇職員と呼称される方々がふえて、よりよいケアができるように御努力いただきたいと思います。  今の局長の御答弁にも、子供さんたち昼間は学校へ、というふうにおっしゃられましたけれども、実情をぜひ御検討いただきたい。御病気を持っていらして病院に行かれる子供さん、あるいは施設にとどまっている子供さん、いろいろいらっしゃる中で、二十対一というような対応ではなかなか困難という実情があるわけですので、最低基準を中児審で検討していくということでございますから、ぜひ丁寧なフォローをお願いして、増員の方向で実現をお願いしたいと思います。  もう時間がなくなりましたので、お願いをしておりました質問を一つ割愛してまいりまして、大臣にぜひお答えいただきたいと思います。  質問要旨では、時間があれば質問をさせてくださいと言った部分ですので、ちょっと順序が違うことになりますけれども、今回の児童福祉法の改正では、第三十四条の禁止規定といいますか、禁止行為がさまざまに列挙されておりますけれども、その中の禁止行為で淫行に関する事柄がございます。  これに関しましては、今の、大変行き過ぎた商業化と言ったらよろしいでしょうか、ある種退廃的な状況も起こっていると言って差し支えないと思いますけれども、例えば買春の問題ですとか、子供をポルノの素材としていくこと、あるいは援助交際の問題等々、さまざまに性に関する問題が起こってきております。淫行という一言で片づけてしまうには余りにも、現代の社会問題化している子供の性の問題というのは大きい課題だというふうに思います。  そして、九六年八月には、スウェーデンのストックホルムで、子供の商業的性的搾取に反対する世界会議が開催されまして、そこで採択されました宣言では、子供の商業的性的搾取は犯罪であり、なくすための法や政策や計画等々の見直し改正が必要、そういう内容の採択がされております。  日本では、この問題を論議しますと、児童福祉法では罰則規定がありますので改正は簡単ではないというようなお答えもありますし、それから、売春禁止法は買春の方の罰則規定がないという問題ですとか、あるいは刑法の場合は、六カ月までの間に告訴が受理されませんと時効になってしまうとかというようなことで、なかなか買春の問題を初めとする商業的な性的な子供さんに対する搾取に対して有効な手だてがないように思います。  今回の児童福祉法の改正には間に合いませんでしたけれども、この問題につきまして、各省庁にまたがる問題でございますけれども、ぜひ積極的に検討するということを御確約いただければ私は大変うれしく存じますけれども、大臣、いかがでございましょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今の御指摘の問題については、今回の児童改正法については盛られておりませんが、性的虐待の問題について、これは大変深刻な問題でありますので、例えば刑法において、十三歳未満の児童を姦淫した者については国外犯を含めて法定強姦罪として処罰対象とされておりますから、現行法上でも一定の対応が図られていると思います。  しかしながら、今これからの問題として、国際的な協力体制の強化とかあるいは罪刑法定主義、表現の自由との関係があります。こういう広範囲にわたる問題がありますから、関係省庁とよく連携をとりながら、引き続き重要な検討課題として対応していきたいと思います。

石毛えい子民主党

○石毛委員 ありがとうございます。  刑法のその六カ月の規定に関しましては、実は大臣も御存じだと思いますけれども、水戸で、アカス事件という、知的障害のお子さんの雇用に関して特定雇用開発給付金の詐取の問題ですとか性的な虐待の問題が起こりましたときに、六カ月を過ぎているということで、かなりのお子さんについて不起訴扱いになりました。そのことができるということを知らなければ、自分が負った被害を申し出ることもできないわけですので、期間の問題にはそうした問題も含まれていることが現にございますということもお受けとめいただきまして、総合的な検討をぜひお願いしたいと思います。  時間が参りましたので、私は、いいお答えをいただきましたというふうに受けとめさせていただいて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

住博司自由民主党

○住委員長代理 川内博史君。

川内博史民主党

○川内委員 民主党の川内博史と申します。  本日は、小泉厚生大臣、小泉純一郎を政治家として大変に尊敬をしている者の一人として質問をさせていただけますことを光栄に思っております。  本日、私は、主に今回の児童福祉法の改正第四十四条、教護院を児童自立支援施設にするというへ参議院でもあるいは本委員会でも再三にわたって質問をされてきたことではありますが、繰り返し質問をさせていただきたいと思っております。  この第四十四条の改正については、どうしても子供たちの、不登校や登校拒否の子供たちの不安をぬぐい去ることができない。厚生大臣の御答弁の中でも、不登校を理由として児童自立支援施設に措置するということはないのだということを何度も御答弁されていらっしゃるわけでありますが、それにもかかわらず、子供たちは、自分たちがその対象になってしまうのではないか、きょうもたくさん子供たちが来ておりますが、不安を持っている。  ですから、きょう、この場でもう一度明らかにしていただきたいのでありますが、今回の第四十四条の改正に関して、最初、厚生省は、登校拒否へ不登校児をその対象とするというような内部資料をおつくりになっていらっしゃる、それが、ある時点でその文言が消えたという経緯があったと思うのですね。それはなぜなのか、なぜそういう文言が消えたのか、その辺からまず御説明をいただけますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童自立支援施設の入所対象範囲の問題でございますけれども、児童をめぐる問題状況というのが非常に複雑多様化している中で、児童につきましても、本来、従来の教護院が念頭に置いております非行児童というもの、それから、もう一つの極におきます、家庭における健全な児童という二分的な考えだけでは対応が非常に難しくなっている点があるかと存じます。その両極を連続的に考えないと、今の状況には対応できなくなっているのではないかということが一つあろうかと思います。  こういった検討におきまして、私ども、法案作成の過程におきましてはさまざまな検討が行われたということでありますけれども、今先生が御指摘になりましたように、不登校児ということだけをもってこの施設の対象とするという考えが方針とされたことは一度もないわけであります。必ず、施設への入所手続をとるかどうかという判断を行うに際しましては、その児童の態様はもとより、家庭環境、学校環境、あらゆるものを総合的に勘案いたしまして、そういった自立支援施設での福祉サービスを受けることがその児童にとって一番最善かどうかという観点から行うものでございまして、いわゆる学校に行っていないかどうかということだけで判定することはないし、そういったことを決めたこともないということでございます。

川内博史民主党

○川内委員 総合的に判断するという言葉が一番恐ろしい言葉でございまして、総合的に判断をするということは、その判断をする方の主観、考え方というものがそこに大きく反映をされるということですから、客観的に基準を定めていただかなければ困るということだと思うのですよ。  それで、私が最初にお伺いしたのは、厚生省が当初おつぐりになられた説明の資料の中に、児童自立支援施設に入所の対象となる子供たちに不登校あるいは登校拒否児というものが含まれていた、それがなぜ削られたのかということをお伺いしたのです。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 局長から答弁しましたが、不登校児も対象になるということは、不登校児であるがゆえに施設に入るということではないのです。不登校児の中で、施設に入った方がいいのか、そうでない方がいいのか、それは、その児童にとって最善の処遇は何かということを考えるのであって、それだけの理由じゃない。そういう子もへ場合によっては家庭環境とか考えて、施設に入った方がいいという場合はその対象になり得るという意味であって、不登校児であるがゆえに入らなければいけないということではないということを御理解いただきたいと思うのであります。

川内博史民主党

○川内委員 不登校児であるがゆえに施設に措置されることはないと。では、どういう子供たちが施設に入所を措置されるのか。非行児童だけではなく、対象が今回拡大をしたわけでございますから、これだけの範囲であったものがこれだけになった、この拡大した部分、新たに対象となる児童というのはどういう子供たちであるのか。  先ほど局長からも御答弁がありましたけれども、それは総合的に判断をするのだ、二重三重に考えているというふうな御答弁はありましたし、今も大臣から、それはいろいろな問題があっていろいろ考えた上でそうなるのだと。それは、もちろん法律をおつくりになられる側から、御提出された側からいえば、心配ないですよ、大丈夫ですと言うお気持ちはわかるのです。  しかし、実際に日本全国に教護院が、これから児童自立支援施設になるのですね、それがあって、そこでたくさんの人々が働いている。それで、児童相談所があって、そこの相談員の方たちがいろいろなことを実際の仕事の運用の面でお決めになられていくわけですね。本来の法律の精神がきちんと現場の隅々に至るまで反映をされるかどうか、それが子供たちの大きな心配の原因だと思うのです。だから、この場で、どういう子供たちが新たな対象なんだ、こういう子ですよ、あるいはこういう子ですよということをもうちょっと明確に御説明いただければと思います。     〔住委員長代理退席、委員長着席〕

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の改正におきましては、従来の児童に加えまして、「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」となっております。  これは抽象的に申し上げますと、家庭における保護者の長期にわたる養育怠慢、放棄等によりまして家庭環境上問題があって、その子についても日常的な生活習慣が身についていない、家庭におけるよりも施設において自立支援をする、そのサービスを提供する方がその児童のためにもなるというようなことで考えているわけでありまして、非常に端的に申しますと、いわゆるそういった家庭環境等によりまして、学校においても家庭においてもいわば居場所がないといいますか、受け入れられない児童というものは、入所してこの児童自立支援センターの支援を行うのが適当かどうか判断する一つの対象に入ってくるかと思っております。

川内博史民主党

○川内委員 家庭においても、あるいは学校においても居場所がない、自分はどこにいればいいのだろうというふうに思う、本当に思うた子供たちが行くのであればいいのですよ。ところが、その子供に対して、ああ、この子は家庭でも居場所がないし、あるいは学校でも居場所がないのだなと大人が決めて、相談員の方が措置をしていく、その仕組みそのものが子供たちに恐怖を与えるのじゃないかなというふうに思うのです。  ちょっと視点を変えて、問題のある子供たちがいるとすれば、非行をする子供たち以外の子供たち、それ以外の子供たちは、本来であるならば学校教育の場で指導をされてしかるべきである。特にとんでもないことをするわけではないわけですからね。そうであるならば、わざわざ厚生省さんが無理やりに対象を広げて、子供たちを教護院に入れて自立を支援しましょう、サポートしましょうとおっしゃらなくても、学校教育の現場でやればいいじゃないかという議論もあると思うのです。  文部省さん、きょう来ていただいていますので、その辺についての御見解はどうだったのかということをお話しいただければと思います。

加茂川幸夫文部省初等中等教育局中学校課長

○加茂川説明員 先ほどの厚生大臣の御答弁にもございましたように、今回の法改正によりまして拡大されます対象児童につきまして、私どもも、登校拒否あるいは不登校児であるという理由で対象となるものではないということは大変大事なポイントだと思っておりまして、この点は厚生省さんとも確認の上で今回の法案になっているものと理解いたしておるところでございます。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 お話を伺っていまして、教護院改め児童自立支援センターに対する考え方について、ちょっと我々と違っている点があるのじゃないか。  というのは、我々は、強制的に入所させるのではないのです。刑務所でないということを御理解いただきたい。福祉施設なんです。むしろ、家庭にも居場所がない、学校にも居場所がない、そういう方に対して支援の手を差し伸べなければいかぬということから考え出た施設であって、本人の意向も尊重する、親御さんの同意も尊重する、支援の手をどうやって差し伸べるかということなので、何か刑務所的な、強制収容所的な考えがあると思えば、その誤解はぜひとも解いていただきたい。あくまでも、我々が考えているのは児童の福祉施設なんです。その点を誤解ないようにお願いしたいと思います。

川内博史民主党

○川内委員 私は、全然誤解はしていないのです。今大臣がおっしゃられたとおりだと思っています。ところが、先ほども申し上げたとおり、大臣の、ラストリゾートとしての児童自立支援施設、ラストリゾートとしてのその施設の存在、その理念はすばらしいのですよ。ところが、現場で、実際に日本全国でその施設を運用される方々、また、その施設に措置をするためにいろいろな相談事を受ける相談員の方々、それは親の意向も聞くでしょう。もちろん、子供の意向も聞くでしょう。しかし、中央児童福祉審議会の答申などでも、教護院の入所率が低いというようなことが指摘されているわけですね。そうすると、仕事として、これは何とか入れよう、ちょっと問題のある子がいたらそこに入れてしまおうと思う相談員がいないとは言い切れないですよ。これは大きな問題になると思います。  厚生大臣、覚えていらっしゃるかどうかわかりませんけれども、一九九三年、中学生の女の子が、教護院に入れられていた子が、教護院が嫌で嫌で、お友達を誘って五人で飛びおりの集団自殺をしたという事件があったのですよ。  大臣の、福祉施設としての、ラストリゾートとしての、だれの助けも得られない子供たちを国が助けるのだ、その理念は私も賛同いたします。すばらしいことだと思います。しかし、そこにどういう子供たちが行くのかということに関しては、もうちょっとはっきりとさせる必要があるのじゃないか。どうも家庭環境に問題があるというのだったら、うちなんか家庭環境に問題あり過ぎるくらいあるわけですから、大変なことになってしまいますよ。それは理由は何とでもつくわけです。法律の中で二重、三重の歯どめはかけているとは言っても、しかし、最終的には、現場でその法律に基づいて行動する人々の主観というものが大きく入り込む余地があるじゃないですか。  それじゃ、現在の教護院への入所手続、どういう経路で入所するのかということを、ここでちょっと視点を変えてまたお聞きをいたします。  現在の経路で教護院に入ってくる子供たち、これはまたこれからもずっとこのままの形でこういう子供たちは入ってくるわけですね。非行を働いて、何とか矯正をさせなきゃいけない、その子供たちと、全く別な、内面的な悩みを抱えている別な子供たちが同居させられる。それはちょっと施設の運用上も問題があるのではないかというふうに思うのですけれども、現在、教護院にどういう子供たちがどういう経路で入ってくるのかということをお尋ねいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 教護院の入所経路の問題でございますけれども、要保護児童という方がおられた場合に、これは児童福祉法上、児童相談所への通告義務というのがございます。それから、親御さんの方から児童相談所の方に相談がある場合もあるかと存じます。それから、家庭裁判所等におきまして、保護処分ということで、この施設に入所させてほしいという依頼がある場合もございます。そういったことが出てきた場合に中心になるのはやはり児童相談所がなるわけでありますが、そこにおきまして、児童の意向も聞き、また家庭との調整、保護者の意見というのを聞きまして、現在、専門的な判断を加えた上で、施設に入所するのが適当であるという場合に入所措置を講じている。  今回の改正におきましては、こういったいろいろな難しいケースにつきまして、より専門的、的確に判断ができるように、一つは、保護者の同意に加えまして、児童本人の意向を聴取する、それから、入所措置を決定するに当たりまして、都道府県の児童福祉審議会の中に特別部会を設けまして、法律、医学等専門家から成る部会を設置いたしまして、そこにおいて適否を判断していただく、それを踏まえて児童相談所が入所措置を決定するというような形にしようとしているところでございます。それぞれの場所におきましてそれぞれ専門家が、また、いろいろな立場の方が判断いただくことによりまして、適正な処遇が行われるように努力してまいりたいと考えております。

川内博史民主党

○川内委員 現在の教護院に入ってくる子供たちについては、非行を働いて、それで措置をされてくるわけですけれども、今局長の御答弁の中で、今後はそれ以外の場合についても、より専門的で、より的確な判断を下せる人たちに集まっていただいて総合的に判断をしていただいてと。全然言葉があいまいでわからないのですよ。より専門的というのはどういうことなのか。専門家ほどドグマに陥りやすい人種はないわけですね。  大臣、そうじゃないですか。こんなはずじゃなかったのにという例は今までいっぱいあるじゃないですか。最初に対象をあいまいにしておくと、こんなはずじゃなかったのにということがこれから必ず起こると思いますよ。  平成八年十二月の中央児童福祉審議会の基本問題部会の報告では、「教護院の対象児童の範囲を拡大することがいずれの児童の自立にも悪影響を及ぼさないよう処遇の仕方を工夫する必要がある。」というふうに出ているわけですが、その「工夫」といったものが、より専門的で、より的確な判断を下せる人々に判断をしてもらいますという程度のものであれば、子供たちの不安を払拭することはできないと思うのですが、それ以上に何かもっと工夫をしていただけないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童自立支援施設におきましては、いろいろなお子さんが今でも入っておられるわけでありますけれども、基本的には、家庭なり学校なりにおいてなかなかいる場所がないということで、あるいは家裁の保護処分を受けて入ってこられているわけでありまして、その中で、ここで初めて、例えばなかなか集団的な教育の中ではできなかったような、個々人の特性に応じた教育なりなんなりをしてもらえる、あるいは技術指導もする、生活指導もするというようなことで、自立を図って社会に出ておられる方がたくさんいるわけであります。こういった児童福祉施設でありまして、強制的な収容施設なり処罰施設ではないわけであります。  仮に非行を犯したということで、その保護処分で入ってこられている児童でありましても、それは家庭環境その他いろいろな要因によりまして、そういったことで入所をされるということであって、仮にどなたでもそういった環境に置かれるならばあるいは同じようなことになる可能性もあるわけでありまして、決して全く白黒分けて、こちらでは異人種であるというような考え方に私ども立っていないわけであります。非行児という考え方ではなくて、あくまでも児童福祉施設において福祉の対象として受け入れる方として受け入れているわけであります。  しかも、手続としては先ほど申し上げましたような手続を踏みましてやっているわけでありまして、そこで私ども、これは適切な処遇が図られるというふうに考えているところであります。何で心配されるのか、ちょっと私としてはわからない。本人の意向も十分聞いておりますので。

川内博史民主党

○川内委員 私がわからぬちんなものですから局長もちょっと御立腹のようでございますが、しかし局長、大臣や局長がお考えになっている施設と実際の施設はもしかしたら違うかもしれないじゃないですか。局長が、局長のような立派な方がその施設で子供たちの面倒を見るというのなら、みんな喜んで入るかもしれない。しかし、日本全国に教護院が五十幾つあるのですか、そこで二千何人の人が働いているわけですね。それは、より専門的で、より的確な判断が下せるといいながら、あるいはその相談員の方々も児童福祉や子供たちのことについての専門家であるとおっしゃるかもしれないが、専門家であればあるほど最近は信用されないというところもあるわけでございますよ。  だから、子供たちは、とにかく対象をはっきりさせてほしいと。あるいは、対象がはっきりしないのだ、それは、いろいろな子供たちがいて、この子供たちは入所を勧めますというふうにはなかなか言い切れない、いろいろな家庭があって、いろいろな学校があって、いろいろな子供たちがいるから、どの子供を対象にするかはわからぬ、ただ、問題がありそうだなという子供については、相談員を通じて、あるいは二重三重の意向も聞きながら入所を勧めるのだというふうに正直にお答えになられたらどうですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 これは、基本的に福祉サービスの提供施設でありまして、強制施設ではないわけであります。  それから、児童の対応につきましては、これは一人一人、皆さん違うと思います。先ほど申しましたように、典型的に申し上げれば犯罪を犯されるような児童から、家庭において何の問題もない児童もあります。それからまた、学校に行っていないかどうかという観点で見ますと、現在の教護院に入っている児童というのは、大部分が学校には行っていない子供が入っております。そういう中にありまして、どういう方がここに入っていくかというのは、先ほど申し上げましたようないろいろな経路で入ってきているわけであります。それで、そういう方が、支援を必要とされる方がたくさんおられるということであります。  今回の改正におきましては、従来の入所機能だけでなくて通所、地域の中における家庭との調整も含めて、そういった支援を必要としている方々に対して支援の手を差し伸べようとするという改正を行おうとしているわけであります。心配されるというその意味が、私ども、その意に反してということであるならば、意向ははっきりと聞くということにおきまして、そこは担保されているというふうに考えているわけであります。

川内博史民主党

○川内委員 意向をはっきり聞くとおっしゃられるわけですけれども、大臣、子供たちがたくさん来ていますね。心配だから来ているわけですね。心配ない、心配ないとおっしゃられればおっしゃるほど心配になるのだと思うのですね。それはなぜかというと、先ほどから繰り返し申し上げているとおり、実際の運用では、現場ではそうそう法の精神に基づいたようになかなかうまくはいかぬだろうという危惧を、実際に悩みを抱えていらっしゃる子供さんや親御さんは考えるからですね。サービスとして、福祉としてやるのだということであれば、行政改革のはやりの時世でもございますし、わざわざ業務の範囲を拡大しなくても現行のままでいいのではないか、対象児童としては、特に問題がある、非行または非行のおそれのある子供たちだけでいいではないか、そんなわざわざ範囲を広げる必要はないと思うのです。  私の持ち時間が来てしまいましたけれども、最後に、厚生大臣にお伺いをさせていただきます。  四十四条、心配ないと再三にわたっておっしゃられるわけですけれども、私は、どう考えても、対象児童の範囲というものが不明確なままでは、現場のレベルでこれはいかようにも運用されてしまうというおそれがなきにしもあらずであろうというふうに思うのです。  そこで、今回の四十四条の改正については、現行法、教護院の規定に戻すということでぜひ対応をしていただきたいと思うのです。きょうは子供たちもたくさん傍聴に来ておりますし、ぜひ、子供たちが安心をできるような御答弁を最後にいただけないかと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 逆に言いますと、居場所がないという児童に対して、対象を狭くしたらどうなるのでしょうか。別に入らなくてもいいのですね、この施設には。入ったくない人を入れる施設じゃないのです。入りたい人に手を差し伸べる施設なんです。専門家は信用できないというのだったら、素人が信用できるでしょうか。このさまざまな状況に対応して、素人だったら、この子がどういう問題を抱えているのかわからない面がある。医学的にも情緒的にも、あるいは家庭環境においても、素人だけでは危険だ、施設所長だけの判断だけでは問題がある、だからこそ、いろいろな児童の客観的な状況判断ができるような専門家の相談を得て、入りたいという方に手を差し伸べる。  私は、対象を広げたのは何ら問題はない、むしろ、対象を狭めて、入りたい人も入れないという状況になる方が心配ではないかというふうに思うが、いかがでしょうか。

川内博史民主党

○川内委員 時間が来てしまいましたので反論できないのが大変悔しい思いでありますが、ぜひ、大臣の頭の片隅にこの子供たちの顔を残していただいて、善処をしていただければと思います。  終わります。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 肥田美代子さん。

肥田美代子民主党

○肥田委員 民主党の肥田美代子でございます。よろしくお願い申し上げます。  今回の児童福祉法の改正案は、小泉大臣が趣旨説明の中でもお述べになっておられますように、児童や家庭を取り巻く環境の大きな変化を踏まえて、次代を担う児童の健全な成長と自立を支援するために改正されるのであります。  特に私は、この法律が制定された一九四七年と今日とでは、子供観が大きく変化していることに注目いたしております。  当時、子供は保護の対象としてとらえられておりましたが、現在、子供は大人と同等の社会的市民権を持つ権利行使の主体として認識されております。子供は、精神的にも肉体的にも成長過程にありますが、一九八九年に国連で採択され、本院でも批准されました子どもの権利条約は、その子供の成長段階にふさわしい権利行使が尊重されなければならないという新しい子供観に立っております。  したがって、我が国において子供に関するさまざまな法令の根底をなす今回の児童福祉法改正に当たっては、国際社会で共通の認識となった子どもの権利条約の精神を十分に生かす方向で改正されなければならない、私はそのような立場から質問させていただきます。  これからの質問に関連しますので、まずお尋ねしますが、児童福祉施設に入所している不登校児の数はどのくらいでしょうか。できましたら、施設別にその児童数を教えていただきたいと思います。さらに、大まかな流れで結構ですから、教護院の定数、在籍児童数、職員の推移についてもお願い申し上げます。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童相談所におきまして、登校に関する相談も年々増加傾向にございます。昭和六十年度では六千三百八十件ということでございましたが、平成七年度には一万六千五百四十一件に増加いたしております。  教護院への入所につきましては、不登校であるということで入所理由としているわけではありませんので、教護院に入所している不登校児数というのはなかなか正確には出せないわけでありますが、入所時に不登校という状態であった児童数ということで申し上げますと、六十年におきまして百八人でありましたが、平成八年には八十二人となっております。また、情緒障害児短期治療施設というのがございますが、情緒障害のある方でございますけれども、入所時に不登校という状態のあった児童は、昭和六十年におきまして百七十三人であったのが、平成八年には三百二十人というふうになっております。養護施設につきましては、不登校ということでの統計はないのが実態でございます。  それから、教護院の施設と入所定員数でございますが、施設数につきましては、昭和三十年五十二カ所、定員が五千二百六十四人、入所率が九一・六%ということでございました。これが平成七年度におきましては、施設数は五十七カ所、定員が四千五百八十人、入所率は三八・三%ということになっております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 この改正法案提出の時代背景に、少子化社会の進展ということがございます。確かに、子供の数は減少しております。十八歳未満の人口は昭和三十五年で三千三百九十二万七千人でございましたけれども、平成七年には二千四百九十六万五千人となっております。この数字を映すように、先ほど局長からお話がございましたけれども――九六%は何年でございました。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 教護院の入所率が九一・六%でございまして、これは昭和三十年度でございます。

肥田美代子民主党

○肥田委員 失礼いたしました。  昭和三十年度には九一・六%のものが、四十年後の平成七年には定数充足率は三八・三%、そのように減少しております。約六〇%の減少でしょうか。他方、職員数は昭和三十五年で千百八十三名でしたが、平成七年には千九百六十二名となっております。職員数はおおよそ六〇%ぐらいの増加になっているように思います。教護院の定数充足率は減少し、一方、職員の数が増加するという推移をどのように理解したらよろしいでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 教護院におきます入所率が下がっている要因といたしましては、教護院におきましては、正規の学校教育が受けられないということで、保護者の方がなかなか入所について同意をしないというケースもあるかと存じます。それから、教護院そのものに伴いますスティグマ性と申しますか、マイナスイメージというものがやはり入所を敬遠する一つの背景になっているかというふうにも考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 今お尋ねしましたのは、そういう理由で入所の子供たちの数が減っておりますけれども、職員の数は逆にふえていることについて、私はどういうふうに理解したらいいのでしょうかという質問でございますが。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 職員がそれに応じて減っていないという点につきましては、労働時間の短縮もございますし、男女別々に処遇するというような必要性もあるかと存じます。

肥田美代子民主党

○肥田委員 この教護院の変化と、今回の改正案第四十四条において、教護院を児童自立支援施設に名称変更し、目的も教護から自立の支援に変えようとしているということと、私は何となく関係があるように思えてしようがないのですね。疑問に思うわけでございます。  そこで、入所対象児童を、「不良行為をなすおそれのある児童」に加えて、「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」にまで拡大しようとされる理由はどこにありますか、見解を承りたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 私ども、今回の改正の考え方といたしましては、入所対象児童数そのものが大きく減少し、ニーズが減っているということではないのであって、先ほど申し上げましたように、教護院の従来のイメージ、あるいは正規の学校教育が行われないということがこの減少要因の大きな一つではないかというふうなことが一つあるわけであります。  それからもう一つは、最近における児童の態様といたしまして、先ほども申し上げましたように、非常に多様化してきている、単に非行児と健全児というような二分法によっては対応し切れない多様さを持ってきているという点があるということで、いわばその中間地帯も含めまして、必要なサービスをできるだけ早くから行えるような仕組みを考える。しかも、入所だけではなくて、通所、家庭との調整ということも含めて、地域に出ていくということによりまして、より適切な児童問題への対応を図ってまいりたいということから今回の改正を考えたものでございます。

肥田美代子民主党

○肥田委員 これまで入所の対象とされた児童から家庭環境上の理由にまで広げようとしているわけですが、その「その他の環境上の理由」とは何を説明しようとしているのか、また、「おそれのある児童」とは何を基準に判断なさるのか、だれもがイメージできる具体的な例で説明していただけませんか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 つけ加わりましたのは、「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」ということでございますが、具体的には、学校にも家庭にも行き場がないということで、例えば、義務教育を終了いたしまして就職したけれども、家庭環境等に起因する学力不足、対人関係の形成のまずさ等もありまして、仕事も長続きしないということで、改めて学習指導、生活指導も含めて再出発をしているような児童が入ってくるのではないかというふうに考えております。  それから、「不良行為をなすおそれのある児童」ということでございますが、まず「不良行為」の方から申し上げますと、「不良行為」とは、盗み、恐喝など反社会的、反倫理的行為をいうというふうに考えておりますし、「不良行為をなすおそれのある児童」とは、このような行為をなすおそれのある児童ということで、例えば保護者の正当な監督に服しない傾向がある、犯罪性のある人と交際し、いかがわしい場所に出入りをする、あるいは、自己または他人の徳性を害するような行為をする傾向のあるということによりまして、将来、不良行為をなすおそれのあると考えられる児童をいうというふうに考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 いま少し教えてください。  この改正案を理解する上で極めて大切な点ですが、「不良行為」または「不良行為をなすおそれのある児童」とはどのように定義し、さらに、「家庭環境その他の環境上の理由」及び「生活指導等を要する児童」についてどのように定義なさっておりますか。ちょっと重複するところもあろうかと思いますが、もう一度お願いいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この「その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」とは、家庭におきまして、保護者の長期にわたる養育怠慢等によって家庭環境に問題があって、その結果、日常生活における基本的な生活習慣が習得されていないということで、家庭よりも施設におきまして自立支援を図る方が望ましいと考えられる児童でございます。  それから、「不良行為」につきましては、先ほども申し上げましたが、盗み、恐喝など反社会的、反倫理的な行為であります。それから、「不良行為をなすおそれのある児童」とは、こうした不良行為をするわけでなく、おそれのある児童ということでございますが、それを敷衍いたしますと、保護者の正当な監督に服しない傾向にある、犯罪性のある人と交際していかがわしい場所に出入りする等ということを指すものであります。

肥田美代子民主党

○肥田委員 ただいまの答弁からしますと、こんな家庭の子供以外は生活指導の対象とするという、どこかに比較できる家庭、比較できる子供像があるように受け取れるのですけれども、厚生省がモデルとされている家庭像とか、それからモデルとする子供像、それはどういうものなのか。つまり、厚生省にとっての理想の家庭とか理想の子供像というのはどういうものでしょうか。お話しいただけますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 育児というのは、基本的には家庭において行われるべきものだというふうに考えておりまして、家庭の中において、親の愛情にはぐくまれ、子供が健全に育っているような家庭を私は理想と考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 これは大変漠然とした質問を申し上げたのですが、実は、この法文の文言が実に私にとっては漠然としたものに受け取れるものですから、そういう御質問を申し上げたわけでございます。  今、私は理想の家庭、理想の子供像について伺いましたけれども、私はまだ局長からきちんと答弁をいただいていないような気がいたします。大臣、いかがですか、本当に御所見で結構ですからお答えいただけますか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 理想の家庭像、子供像、これは、親が子供を慈しむ、子供は親の愛情にはぐくまれて健やかに成長していく、そして、生活習慣等、社会に順応できるようなしっけも親から受けている。そして、子供にとっては、失敗や困難に陥っても屈しないといったくましさ、逆境に陥ったときに立ち直る強さ、そして世の中というのは一人で生きているのじゃない、支え合って生きているのだ、この世の中にむしろ多くの人の協力によって生かされているのだ、何とか助け合ってこの世の中を支えていこうという気持ちを持って育ってもらおうという親の願いもあると思います。  そういう親のもとに、子供が親の愛情を受けて、そして、自分も社会の中で頑張ってみようという気を持って成長してもらうというのが一つのあるべき姿ではないかな、私はそう思っております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 人間の営む家庭は本当にさまざまだと思うのですね。シングルもあれば二人家族もある、四人家族もある、父子家庭もあるし母子家庭もございますね。これが最高の家庭というものは私はないのではないかというふうに思うわけです。  改正法案では次のような家庭が対象になるかどうか、伺いたいのです。親とか保護者には、我が子の学習を妨げる行為から子供を守る義務があります。学校におけるいじめとか暴力からの防衛はそこに当たるわけですが、それらの行為から子供を保護するために学校に行かせないという家庭もあるわけでございます。これも家庭環境上の理由に入りますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 不登校児そのものにつきましては、従前、非常に少数の時代におきましては、いろいろ偏見等もあったと思いますけれども、最近におきましては、相当多数の児童が学校に行っていないという状況がございます。どこにでも見られるということで、ある意味では当たり前というか、普通の現象になってきているかと思います。  今お尋ねがあったように、不登校であって家庭におきまして十分親の監護のもとに生活をしておられる方というものは、今回改正いたしました児童自立支援施設の対象には入ってこないというふうに考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 それでは、次のような子供はどうでしょうか。  子供たちは、学校という学習の場で学習情報を仕入れ、友達や教師たちとともに学び、育ち合う権利を持っております。逆に言いますと、子供の学習や生命が脅かされる事態が発生したときは、学校に行くことを自分の意思で拒否する権利をも有しているわけでございます。そうした権利を行使した子供たちは生活指導の対象とされますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 学校に行っていないということで対象になることはないと考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 さらに伺います。  家に閉じこもった子供、それから、他者と十分なコミュニケーションができなくて、人の話に割り込んだり人の話をよく聞かない子供、昼夜逆転した子供、親が酒浸りの家庭の子供、部屋を取り散らかして整理整とんできない子供、この子供たちは入所の対象になりますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 家庭において監護を続けるのが適当かどうかということにかかってくるかと思いますけれども、今おっしゃった、ただ引きこもりというだけでは対象になってこないように思います。

肥田美代子民主党

○肥田委員 それでは、今申し上げたこの幾つかの事例に関しては、すべて入所対象にはならないという御見解ですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 家庭環境等を見まして、家庭において子育てなり生活をするのがふさわしくない、施設において生活指導等をする方がその子供のために最善の利益であるという場合には、そういった子供さんが、別な要素も加えた上で判断して入ってくる場合もあるかと思いますけれども、今御指摘になりましたようなことだけで入ることはないと考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 措置する人の解釈で広範な子供がこの網にかかるのじゃないかなというふうに私は感じるわけでございますが、子供たちが不安に思っていることは、教護院の在籍児童数をふやすために対象児童の拡大を図ろうとしているのではないかという点です。先ほどから局長や大臣もそうではないとおっしゃっておりますが、まだ子供たちがどこかで大きな大きな不安を抱えているように私は感じられるわけでございます。  改めて申し上げることでもございませんけれども、不登校は特定の家庭、子供に見られる現象ではなく、その原因、背景には、学校、家庭、社会のさまざまな要因が複雑に絡み合っているという見方が九二年の文部省不適応対策調査研究協力者会議報告でも打ち出されております。  しかし、社会的にはまだ、学校に行かない子供が悪いという学校信仰があります。不登校の子供に対する偏見もまだ根強く残っております。厚生省の再三の答弁にもかかわらず、児童自立支援施設の対象に不登校の子供も含まれるのではないかという深い疑念が残されております。厚生省は学校に行かない子供を悪いと考え、福祉行政上における生活指導の対象としてとらえているのではないかという不信感があるように思いますけれども、そこで、これらの不信感を少しでも取り除きたいと思うわけです。  そこで、お尋ねしますが、厚生省は、不登校児童をごく普通の子供という、先ほど紹介しました文部省の報告の考え方にお立ちになることができますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 不登校児をどうするかということにつきましては、これは私ども、文部行政の方で対応していただくべき問題でないかと考えておりまして、私どもとして、不登校児を自立支援施設の対象となるというふうには考えていないところであります。  それから、今回の改正そのものは、教護院の入所率が四割を切っているというような状況の中で、この施設の生き残りを図るために行うというものでは断じてないというふうに明言をさせていただきたいと存じます。

肥田美代子民主党

○肥田委員 重ねてお尋ねしますが、では、文部省の報告の考え方と全く同じだというふうにお考えでいらっしゃいますね。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 私ども、文部省の考え方をつぶさに検討したわけではございませんけれども、基本的に学校に行かれない児童がいるという現象につきましては、これはそれだけで何ら異常視すべき事態ではないというふうに考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 ところで、改正法案の四十八条で、「学校教育法に規定する保護者に準じて、その施設に入所中の児童を就学させなければならない。」とされております。  教育保障という点から見れば理解できますが、教育に当たるのは、現在教護院に働いている人たちになりますか、新しい教師を配置される予定ですか。先ほど大臣は、同僚議員の質問に対して、地域の実情に応じてとおっしゃいましたけれども、地域の実情というのはどういうことなんでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 施設において、従来の、学校教育に準ずる教育を廃止いたしまして、正規の学校教育を行うことにしているわけでありますが、これは、地元の教育委員会等と十分な連携を図りながら、実施方法につきましては分校方式、あるいはそこに分教室を設置する、それから、地元の学校に施設から通うというようないろいろな形態が考えられると思います。いずれにいたしましても、この教育は、施設の職員ではなく、そういった正式の学校の教員という資格を持った人が当たるということでございます。  地域の実情に応じてと申しますのは、施設に正規の教育を導入することにつきましては、教育委員会との関係、地元の意向、さまざまな調整すべき点も残っておりますので、そういった調整を円滑に図り松がら進めていきたいということで、当分の間につきましては、経過措置として、従来どおりの、準ずる教育ができるようにしているものでございます。

肥田美代子民主党

○肥田委員 厚生省が再三答弁なさっています、不登校を理由に教護院に入所させないというお考えを、どのような方法で都道府県児童相談所、都道府県の福祉審議会に対して周知徹底されるおつもりか、お聞かせください。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の改正成立後、さらに細かい細則等も詰めまして、施行について各地方公共団体等を指導していく必要があるわけでありますが、そういった地方に対する説明会それから通知等、いろいろな場面を通じまして、ここで議論になりましたような趣旨が徹底されるように努力してまいりたいと考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 ところで、子供の意見表明権は子どもの権利条約の最も重要な点でございます。改正案の第二十六条第二項も、児童相談所が都道府県知事に提出する報告書の記載事項に、措置に対する児童と保護者の「意向」を記載することになつております。  ところで、この法律では「意見」と「意向」が混在しております。第二十六条で言う「意向」は、意見表明権で言う「意見」と同じものなのかどうか理解に苦しんでおりますが、いかがでしょう。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の改正で、権利条約の趣旨も踏まえまして、児童相談所が入所措置を決定する場合に児童の意向も聴取するという形になっております。  児童に意見を表明する機会を保障するためには、意見という場合には一定の意思形成能力が法的にも認められるということが必要であるということで、年齢、成熟度等を検討する必要が出てくるわけであります。このため、今回の改正におきましては、一定年齢以上の児童というようなことでなくて、すべての児童につきまして意向を聴取するということで、意見よりも広い、本人の考え方、気持ちというものを聞くということで「意向」というふうにしているところでございます。  これは、権利条約十二条におきましても、「児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるもの」というふうにされておりまして、私どもの今回の改正もこの条約の趣旨に即したものと考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 確かに十八歳までの幅広い年代の子供たちを扱うわけですが、私は、できることならば、低年齢に合わせないで、やはりきちんとした意見表明ができる、ある程度の子供たちに合わせていただかないと、これは少し問題があるのではないかと思います。ですから、「意向」というふうにあえてお使いになったけれども、私は、そうではなく、「意見」としていただきたいというふうに思うのでございます。  次に参ります。  さて、それで措置を受けました、その措置を受けた子供がそれに不服がある場合ですが、不服の請求はできますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 これは、行政不服審査法に基づきまして、知事なら知事に審査請求ができることになっております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 そうしますと、子供を独立した人格として認め、不服請求ができるということで、行政措置機関とは別の第三者機関を設置してそれを聞くことが必要じゃないかと思うのですけれども、いかがですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 不服の審査につきましては、行政不服審査法に基づきまして、通例、都道府県知事に対して審査請求という形で出てこようかと思いますが、これにさらに不満がある等の場合には、一般の裁判の方に、裁判手続に移行していくというふうなことになるのではないかと考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 入所後においては、やはり意見表明権は十分に尊重されなければいけないと思うわけですね。「子どもの権利ノート」などで自己の表明の機会をつくることによって、子供と施設、児童相談所のコミュニケーションが進み、処遇計画の見直しや子供の人権擁護につながっていくと思います。このように子供の利益を尊重した自主的な施設内の営みを厚生省はもっと広げるように支援していただきたいと思いますが、いかがですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童施設への入所の際に児童の意向を聞くということにしているほかに、施設に入ってからも児童の意見というものが反映されるようなことが重要ではないかと私どもも考えておりまして、こういった点につきましては、現在、児童相談所が定期的に施設を訪問して報告を聞く、あるいは必要に応じて調査するという規定があるわけでありますけれども、これに加えまして、現在、各施設におきまして「生活の手引」等も配付して、そういった児童の意見表明についてのパンフレットなどをつくって周知しているところもありますので、そういったものも参考にさせていただきまして、今後とも、私どもといたしましても、児童の意見が反映されるような努力をしてまいりたいと考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 改正案の三十四条は禁止行為を掲げておりますが、ここに掲げられているものの一部は敗戦直後の古典的な形態であり、現在、子供の世界で起きていることと大きなずれがございます。虐待行為や買春行為、施設内体罰行為、薬物等を販売、使用させる行為なども禁止行為に追加する必要があると思います。しかし、この条文を改正するには幾つもの関連法が絡むことでもあり、関係省庁との調整も必要かと存じます。  したがって、それらを考慮しながらも、参議院の附帯決議にもあることですから、可能な限り早い時期に条文の一部改正を実現していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 これは、先ほどの御質問の中で大臣からも答弁させていただきましたように、関係省庁もございますし、罪刑法定主義あるいは国際協調等さまざまな問題もございますので、私どもといたしましては、関係省庁と十分に協議しながら引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 行政では「当分の間」というのが四十年続くというような例もございますので、なるべく早くというふうにお願い申し上げておきたいと思います。  それから、先ほど石毛委員からも質問がございましたけれども、児童福祉法の四十五条は、厚生大臣に児童福祉施設最低基準を定めることを義務づけております。これは、憲法二十五条の生存権の保障を受け、児童の健康で文化的な生活を保障するための基準を示そうとしたものとして理解しております。改正案の中では施設最低基準の改正は方向づけられておりませんが、施設の居住空間は一人一畳半に据え置かれるなど、基本的には児童福祉法制定当時のままであり、子供の人間的な文化生活を保障するにはほど遠いと思っております。  最低基準は、子供の日常生活とじかにかかわってまいります。改正する際の基本的な視点は、子供の最善の利益を優先し、かつ、子供を権利行使の主体としてとらえる新しい子供観に立った改正を目指すことが重要であると思いますけれども、厚生大臣、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 時代が変化するにつれて、水準も変わってくると思います。その時期の生活環境、財政状況、生活水準、いろいろな視点から、当然、水準向上のために努力をしていかなければいけないと思っておりますし、これからも一歩一歩でも施設の水準向上に努力をしていきたいと思います。

肥田美代子民主党

○肥田委員 私は、今回の改正案が随所に今日の時代を反映した内容を織り込んでいることを評価しております。保育の措置から選択への転換、保護から自立への支援、情報公開、地域への開放、保護者、子供への配慮など、小泉厚生大臣の改革の熱意が伝わってまいります。それでも十分な審議を尽くせなかったこと、それから、参議院からの附帯決議にもありますように、今後、立法府の私たちが解決しなければならない課題がたくさん残っていると承知いたしております。  したがって、今回の改正は、二十一世紀を展望した児童福祉法の形成への始まりであり、子供を主人公とした福祉制度実現に向けた第一歩として受けとめております。  私たち民主党は、二十一世紀を子供の世紀にということを目標に子供基本法の制定に取り組んでまいりたいと決意いたしております。子供たちが日本に生まれてきてよかった、そして、世界の子供たちが住んでみたくなるような日本、そう言える児童福祉の成熟した国を目指して懸命に努力するぞと、小泉大臣の明快な御決意を伺いまして、  私の質問を終わりたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 二十一世紀に向けて、ああ、日本に生まれてよかった、日本に住んでみてよかった、そして外国の人も日本に行ってみたい、そして日本人も日本の国を誇りに思えるような国にしてみたい、そのための努力をこれからも傾注することが必要だと考えております。

肥田美代子民主党

○肥田委員 日本の未来はすべて子供たちの手にあります。そのことはもう言わずもがなでございますけれども、この課題はやはり党派を超えた皆さんと力を合わせていきたい、そう思っております。  ありがとうございます。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 瀬古由起子さん。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  私は、千葉県船橋市の養護施設、恩寵園問題についてまず御質問をしたいと思います。  恩寵園では、園長によって、長期にわたって児童に対して体罰や虐待が行われてきた疑いが大変強いのです。保母たちのさまざまな申し入れも園長は受け入れずに、たまりかねた保母らが十人、昨年四月一日に辞表を提出いたしました。保母らを守りたいと十三人の児童が園を抜け出し、児童相談所に駆け込みました。一時保護所では子供たちは通学できないために、渋々、園に戻されたと報告されています。  ことしの三月の末ですけれども、園の状況が改善されないことと、そして児童の処遇に疲れ果て、園長の側近を除く全職員が退職するという事態になっています。この間、二度にわたって、全国の百名を超える法律家、弁護士、研究者の方々が、事態の改善を求めて県知事に意見書を提出しています。この代表に、千葉県は、体罰禁止の指導はしていない、体罰の定義が難しいので、行き過ぎた指導はよくないと指導している、このように答えております。園長自身も、子供たちや労働組合に対して、体罰はしないと文書で約束しているにもかかわらず、県は体罰禁止の指導さえしていないとすれば、全く信じられないことだと思うのです。  さらに、千葉県は、社会福祉事業法五十四条や児童福祉法四十六条に定める改善命令それから事業停止命令など、県の責任を一切果たそうとしておりません。  そこで、厚生省はこの千葉県の対応についてどのように指導されてきましたか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 養護施設恩寵園の問題に関しましては、これまで、千葉県におきまして、児童相談所と本課の方が共同でカンファレンスチームというのをつくりまして、児童の処遇について、毎月一回、園の方を訪問し、指導を行っているというふうに聞いております。また、八年度の県の監査におきましても、入所児童の指導方針なり指導体制を確立するとともに、児童相談所ともよく連携を図るように文書で指摘しているというふうに聞いているところであります。体罰の事実につきましては、県としてもこれを認めているというふうに私ども承知しているところでございます。  厚生省といたしましては、この事件が発覚して以来最近に至るまで八回にわたりまして、県の方から、体罰の事実の有無の確認でございますとか、職員の体制なり本庁の指導監査の実施状況ですとか、入所児童の状況等について報告を求めまして、県の方に対し、施設に対する適切な処遇が行われるよう指導してきているところでございます。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 厚生大臣にお聞きしたいのですけれども、先日、大臣は、委員会で、子供たちが自分を愛してくれていると体で感じられるように親がしっかり抱いてそっと歩かせる、このようにお話しされましたね。私は、この恩寵園の子供たちというのは、この施設に来る前に本当に身も心も傷ついている子供たちだと思うのです。本来なら、こういう子供たちこそしっかり抱き締めてあげなければならない子供たちだと私は思うのですね。その子供たちがもうたまらなくなって飛び出してしまう。こういう傷ついた子供たちを体罰、虐待などということは絶対あってはならないことだと私は思うのですね。  その点、児童福祉法五十九条の五では厚生大臣にも責任があるということはきちんと位置づけられておりますけれども、このような体罰や虐待はもう二度とあってはならない、こういうように思うわけですけれども、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 本来、愛情を受けてしかるべき子供たちが虐待されるということはまさにあってはならないことでありまして、しかも、このような、恩寵園なんという、恩寵どころじゃない、全く文字とは逆のことをやっているかのような誤解を与えただけでも、その施設の責任というのは大変重いのではないかと思います。  県としての指導監督はどうなっているのか、きちんと県当局がその施設に対しまして指導を徹底させているのか、厚生省としてもできる限りの指示、指導を徹底していきたいと考えております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 先ほど言いましたように、法律家の方には体罰禁止の指導はしていないとはっきり言っているのだそうです。これについても、体罰は禁止なんだということをはっきり指導するように県の方に厚生省としてもやはり指導いただくということでよろしいでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 何遍もその通知を厚生省としては出しております。さらに徹底するように指導していきたいと思います。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 先日の委員会では、この体罰問題を含めまして、親権という問題が出ました。これは施設長にある、しかし、親権に体罰を含まないのは当然だから、体罰禁止を今度の法改定の中に明記する必要はない、このような御答弁があったと思うのですね。  しかし、全体的には、禁止規定がないから認められているというこういう認識も、実は体罰の問題については、特に親権という問題になりますと出てくる可能性もあるわけです。実際に見ますと、養護施設の中での体罰や虐待は、この一、二年間とりましても、表面化して大きな問題になったところだけでも、恩寵園を初め、福岡とか京都とか埼玉など出てきているわけです。  学校教育法にはきちんと体罰禁止というのがうたわれていまして、これはもう私は当然だと思うのですが、児童福祉法にも、そういう親権という問題があるから、余計に踏み込んだ、きちんと体罰禁止という規定を設けるべきだと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 学校教育法におきましては、本来、校長なり教員は親権を有してないわけでありますが、そういったところに、教育目的を達成するということで懲戒権を創造的に認めているわけであります。その一環として体罰の禁止を定めておるというふうに考えております。  これに対しまして児童福祉法では、入所中の児童で親権者等のないものにつきましては施設の長が「親権を行う。」、あるいは、親権者等がいる児童につきましては、監護、教育、懲戒に関して「その児童の福祉のため必要な措置をとることができる。」というようなことでございまして、児童福祉施設におきましては、あくまで児童の福祉の向上を図るという観点からこういった懲戒が認められているということでございますので、私どもとしては、体罰は当然入っていないというふうに考えているわけであります。  それで、この旨、これは私どもとしても、大臣の方からも答弁申し上げましたように、再三にわたりまして各地方公共団体なり施設の長を指導してきているところでございます。  この体罰が起こる原因というのを考えてみますと、施設における職員の経験度あるいは管理体制、それから入所児童と施設職員との信頼関係の有無、そういったところがうまくいっていないような場合に起因する例も多いと思います。私ども、この体罰の現象につきましては、それぞれの個々の施設の状況をよく把握いたしまして、適切な対応がとれるような指導をすることによってこの体罰をなくしていくのが一番重要ではないかと考えているところでございまして、今後とも、その方面に向けて努力をしてまいりたいと思っております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 具体的には、こういう施設の関係団体に対して体罰禁止という通達などを出そうという予定はございますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の改正以後、各都道府県、施設等に対しても説明する機会が多々あると存じますので、そういった中で、今御指摘いただきましたような件につきましても検討させていただきたいと存じます。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 例えば同じような児童福祉施設でも、教護院などは、これは死亡事故がございまして、三回にわたって通達が出ているわけです。体罰禁止の通達ですね。そういう意味では、このような各地で今起きている、そして、もう本当にあってはならないものが起きて、私は、もう本当に今そこにいる子供たちのことを考えると胸がいっぱいになります。今どうしているのだろうというふうに思うわけです。  そういう意味では、もちろん通達だけで事足れりということではない、本当は私は改正をやるべきだと思うのですが、少なくとも通達を出していただくということで徹底していただきたいと思うのですが、これは大臣にお聞きしたいと思うのです。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 そのような御意見も踏まえて、通達の面において指導していきたいと思います。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 この恩寵園では、子供たちの指導の問題について、労働組合に対して園長は、指導については第一義的には職員に任せる、このように回答しているわけですね。要するに、指導は直接園長はしないよということになっているのです。でも、考えてみましたら、本当は園長だって子供を抱き締めてあげなきゃならない立場でしょう。ところが、余り接触しないみたいな園長というのは、ちょっとやはり問題になると思うのです。  それで、私、特にこういう施設長のあり方という問題についてどうなのかということをお聞きしたいのです。  これは、参議院の厚生委員会で、今どういう人が施設長になっているかという問題で厚生省がお答えいただいているわけですが、例えば出世コースだとか県の人事のローテーションでやっている人が半分ぐらいいる、こういうお話もございます。もちろん、熱意を持って一生懸命やってくださる方がたくさんおられるというのも私は存じております。しかし、少なくとも、例えば教護院だとか児童相談所長などは一定の資格要件というのはございますが、こういう児童養護施設についても施設長資格についてはふさわしい規定というものはやはり設けるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 施設長について、例えば国家試験を取るとか、そういった資格はないわけでありますけれども、施設長としてふさわしい人ということで基準を設けてやっております。  私どもといたしましては、そういった基準だけでなくて、やはり施設長という立場は包括的に施設がうまくいくような責任を持っているわけでありますので、その施設長に対する研修ですとか、そういったものを通じまして、本来施設長としてふさわしい資質が得られるように努力をしてまいりたいと思っております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 現在も研修が行われているわけですよね。ですから、これだけではやはり不十分だと思うのです。本当に施設長にふさわしい資格というものについてぜひ御検討いただきたいと思うのですけれども、いかがでしょう。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この施設長という長としての立場に立つ人というのは、一定の資格要件を持った専門家が適当なのか、あるいは、非常に包括的なということで、さまざまな観点から総合的に見てふさわしい人がいいのか、いろいろな議論があるところだと私ども思っております。  そういった意味におきまして、単純にこの施設長の資格を設ければ足りるということではないと思っておりまして、現実に施設においてこういった体罰のような問題事例が発生しないように、施設長を初め、その施設の管理体制、それから児童相談所との連携、いろいろなそういう協力関係、提携関係を通じまして適切な処遇が行われるような施設にしていくということが大事ではないかと思っております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 この問題の最後に、委員長にぜひお願いしたいと思うのです。  今、この恩寵園問題というのは大変重大な問題を提起していると思うのです。恩寵園、関係者の視察、調査など、ぜひ当委員会で行っていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 理事会で協議をいたします。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 最後の質問なんですけれども、虚弱児施設の問題について伺います。  ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの慢性の病気を持つ子供を預かる虚弱児施設が今改定で廃止されようとしております。児童養護施設に移管するというものですけれども、「保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所」させるというのが児童養護施設の目的となっているわけですね。それで、移管に伴い医師や看護婦など職員の配置基準がなくなり、国からの措置も大きく後退するということが考えられるわけです。  そこで、この問題については、中央児童福祉審議会の討議は一回だけで、この廃止の経過も不明朗なまま、突然提案されたというふうに言われていますけれども、余りにも乱暴な法改正だと私は思うのです。この点、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この虚弱児施設の養護施設への移行につきましては、審議会の中では、先生御指摘のとおり、必ずしも十分な議論が行われたというふうに私ども承知しておりませんけれども、この虚弱児施設の実態を見ますと、当初は結核性の児童を対象といたしまして発足したこの施設が、結核の減少によりまして、今日では結核性の児童の入所率というのは低くなっておりまして、現実的にはほとんど養護施設と同様の入所構成になってきているということを踏まえまして、立法の過程におきまして、養護施設への移行というものを考えたものでございます。その実施に当たりましては、虚弱児施設、関係団体の意見も十分お伺いいたしまして、進めてきたところであります。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 関係者の御意見を十分聞いてきたのかというと、実際に関係する施設長さんともこの前懇談しましたけれども、突然のことでびっくりしたと言われる方が多いわけです。そういう意味では、結核性の病気はなくなってきたとしても、ぜんそくやアトピー性など、新しい病気に伴う虚弱児施設の役割を今まで果たしてみえたという経過がございます。そういう意味では、実際に苦労してやってきた現場の声をもっと聞いてほしいというのが関係者の皆さんの御意見なんです。特に、養護施設では、今でさえも心の傷ついた子供がたくさん入所している。  そういう意味では、職員の配置ももっときちんとやるべきだし、施設の基準も貧困であるのを改善してほしいという状況がございます。そこへ虚弱児を入所させるというわけですから、私はやはり、医療だとかの関係は一体どうなっていくのかという不安を関係者の皆さんが抱かれるのも本当に当然だと思うのです。今まで配置されていた医者や看護婦や職員はどう保障されるのか、この点でも御検討いただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 虚弱児施設の養護施設への移行に当たりましては、虚弱児施設の特性も考えまして、関係者の御意見も伺いながら、円滑な移行に努力してまいりたいと思います。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 以上です。終わります。ありがとうございました。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。  ある制度を前進させようとするときに、その制度の発足時を振り返って考える、このことも重要だと思います。公的な保育をどうするかというとき、私は、この制度が発足した時点、厚生省の内部でどんな議論があったのかという点を少し調べてみました。非常に実態に即した議論が当時行われていたというので驚いたのです。  すなわち、保育時間をどうするかという場合に、働く女性の労働時間が一般的に八時間だとする。そして、当時、厚生省の児童局の皆さん方は、この八時間の労働というのは職場で行われるのだから、大都市で往復の通勤時間が当然八時間の中に入るはずがない、そこで、保育時間の八時間に通勤に要する時間を合算しなければだめだという点を御議論なさって、一九四八年、昭和二十三年のこと、多分そのあたりが中心だと思うのですが、保育所に関する最低基準の第三十四条でこう言っています。「保育所における保育時間は、一日につき八時間を原則とし、」、わざわざ「原則とし、」という言葉を挿入しています。「その地方における乳児又は幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、保育所の長がこれを定める。」こう述べているのですが、そのとおりですね。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 三十四条におきまして、先生今御指摘のような規定がございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 そこで、私は、このような柔軟な考え方というのが現在非常に重要だと思うのです。というのは、この委員会の審議の中で保育ニーズの多様性ということが随分論議されました。私は、確かに多様になっていると思う。延長保育、ゼロ歳保育、障害児保育等、そういう多様化した保育ニーズにどうこたえるかというときに、措置制度そのものが持っている生命力、措置制度そのものが持っているさまざまな可能性を大いに弾力的に発揮していく、そのことが今非常に求められていると思うのです。  私は、この関連を、先ほどからたびたび出てきている子どもの権利条約との関係でもう少し厚生省と議論してみたいと思うのです。  子供の最善の利益という言葉が出ない委員会はありませんでした。いつもその言葉が出てくる。第三条です。子供に関する「すべての措置をとるに当たっては、」、「措置」という言葉を使っています。外務省にこの言葉の英文を持ってきていただいたのですが、「イン・オール・アクションズ・コンサーニング・チルドレン」云々、ここでの「措置」というのは「イン・オール・アクションズ」という言葉で当てています。そして第三条2、「すべての適当な立法上及び行政上の措置をとる。」私は英語が大変不十分なので申しわけないのですが、ここでは「テーク・メジャーズ」という言葉を使っています。  一方では「オール・アクションズ」と使い、他方で「テーク・メジャーズ」というのを使う。  外務省の方に来ていただいてその違いを伺ったら、第三条の冒頭に出てくる「オール・アクションズ」というのは、国連が加盟国に対してあることを求める、そのとき、公的な機関だけでなく、その国の民間の機関、個人に対しても何かを要請するときに、この「アクションズ」という言葉を複数で使う。それに対して、締約各国に対し、子供の権利を確保するためにその国に何らかの義務の履行を求めるとき、さっきの「テーク・メジャーズ」という言葉を使う。それが通例であるというふうに述べているのです。  子どもの権利条約には、もう随所で措置という言葉が出てきます。措置という言葉は、国際的にも重要な生命力を持つものとして、現に立派に通用している。これを行政処分などという言葉に一々置きかえる必要はない、私はそう考えるのです。  今、多様なニーズに対して、措置制度そのものを弾力的、発展的に運用されることが最も求められている。措置制度の持っている可能性、そして国際的にそれが非常に広く使われる言葉になっている。このあたりについて、厚生省の考えを聞きます。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 保育所入所等につきまして、措置をするということで、ずっと措置制度ということでやってきているわけでありますけれども、この措置ということにつきましては、非常に不適当ではないかという意見が従来からいろいろなところから出されているわけであります。子供、児童をつかまえまして措置するというのは何事であるか、非常におかしい、これは変えるべきであるというような御議論も随分されてまいりました。  これについて、私ども、いつも制度の説明をいたしまして、これは一つの講学上、行政処分ということでありますというような説明でずっときているわけであります。今回は、この児童福祉法における今までの行政処分による入所方式というものを利用方式に変更するということでございまして、権利条約で言う「措置」とは直接にはつながらないものではないかというふうに考えているところでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今の問題ですが、二つ問題点がありますね。  一つは、実際に子供や親に対して保育所の先生方が措置という言葉を使うことはほとんどありませんよ。入っていただきますとか、そういう形で日常的に使います。  措置という言葉について、これを多少具体的に申しますけれども、九三年に、当時の局長と私は議論したことがあります。措置という言葉に外国語がないと言ったから、冗談じゃない、さっきの子どもの権利条約、あなたは読んだことがあるのかと言ったことがあるのですが、立派に外国語があるのですよ、さっき言いましたようにね。しかも、それは死語ではなく、古色蒼然たる言葉ではなく、現に国際的に通用している言葉です。その点を一つ明確にしなきゃいけない。  それともう一つは、この措置制度というものが日本の福祉の公的保障を具体化するために設定された制度であって、そして、その制度が例えば保育事業の発展についてどのくらい大きな寄与をしてきたか、こめことについて厚生省は否定されないと思う。どうですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童福祉法が二十二年に制定されまして以来、五十年にわたってこの措置制度は維持されてきたわけでありまして、この制度は、全国一定水準の保育サービス等をあまねく普及させる上におきまして、私ども、大きな役割を果たしてきたというふうに考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 もう一つ、先ほどの措置という言葉が立派に国際的にも確立している言葉であって、例えば私はそれを概念と言いかえてもいいのですけれども、そしてそれが日本に対して、子どもの権利条約が何らかのことを国としての義務の履行を求めるとき、まさしく措置という言葉で外務省は正式に訳しているのですね。  私は、児童の権利条約という言葉は使いません。なぜかと言えば、それは本来、子どもの権利条約と訳すべきだと思うから。しかし、外務省の、さっきの「アクションズ」だとか「テークメジャーズ」という言葉を「措置」と訳するのは非常に正確だと思いますね。そういうものとして現に通用しているということについて、厚生省の認識を聞きたい。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 措置そのものにつきましては、いろいろな意味で、いろいろな角度で、そういった条約も含めまして使われていることは事実であろうと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 これは、この後、日本のさまざまな分野における保育制度を前進させていくとき、この措置制度に問題があるのではなく、措置制度の運用の方に問題がある。こういう観点で、私は、厚生省にこの後の努力を強めていただきたい。強く指摘しておいて、学童保育の問題に入ります。  子どもの権利条約を日本は批准しました。その理念、内容の具体化の一つとして、もちろん、その基盤に長年に及ぶ学童保育を推進されてきた父母の皆さん、指導員、関係者の努力があってのことですが、皆さんが今度の児童福祉法の改正に当たって学童保育を法制化したのは、子どもの権利条約の理念を具体化する一つの努力としてなさった、そのように私は理解しますが、そのとおりですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の法制化につきましては、児童権利条約の、児童の最善の利益を考慮するという観点も踏まえまして、父母が働いている児童に対しましてサービスの提供を行うということで規定したものでございまして、同条約の理念を踏まえたものと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 そのことを私は大切にしたいと思います。子どもの権利条約の理念を踏まえて、そして、それを締約国である日本において具体化する一つとして今回法制化された、ここは私も非常に大切にしたいと思います。そのことを前提にして、法案に沿って若干の質問をしたいと思います。  今度の改正案の第六条の二です。そこで、「小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童」とございます。  昨年十二月の中央児童福祉審議会の中間報告にこういう一節がある。   少子化傾向の中で、親から過度な干渉を受け 子どもの自立性が損なわれたり、子ども自身が兄弟姉妹や近隣の仲間の子どもたちの中で切瑳琢磨する機会や思いやりを培ったり、我慢することなどを学ぶ機会が減少し、子どもの社会性が育ちにくくなるまさにそうだと思う。  年齢を異にする、生育条件の異なるグループが集まって、そして、あるいは遊び、あるいは生活をする。ギャングエイジズという言葉があるぐらいです。わいわいがやがや、私などはそのような育成の経過を数年にわたって受けたことを生涯の幸せだと思っています。  それで、中央児童福祉審議会がここで言っている問題、そこのところを保障する場として学童保育は非常に重要だと考えるのですね。参考人の意見聴取で、大宮の片山さんが子供の言葉を紹介された。学童保育だけに通わせてくれないかという、この気持ちも私はわからないでもありません。そういう立場からすれば、「おおむね十歳未満」と書いてあるけれども、これは実情によって高学年の児童が入ることも当然あり得ると考えるのですが、いかがでしょう。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 放課後児童健全育成事業の対象といたしましては、基本的には、小学校低学年の児童にその必要性が高いということで、法律上、「おおむね十歳未満」というふうにさせていただいておりますけれども、これは、十歳以上の児童がこの事業に参加することを妨げるものではございませんので、各地域の実情に応じまして弾力的に運用していただければよいのではないかと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 その次の問題ですが、この文言の中に「政令で定める基準に従い、」とございますね。どんな基準を今お考えになっていますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の放課後児童健全育成事業につきましては、現在、非常に多種多様な形で実施されておりまして、これは法に規定した以後におきましても尊重したいと考えております。  そういった意味におきまして、規制の方も最小限にしたいということで、ここで考えておりますのは、例えば、屋根があるところとか、あるいは児童との連絡がきちっととられているとか、そういった最小限のものにとどめたいと考えているところでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 やはり主人公は子供であり指導員ですから、そこに着目するという点では私は当然だと思うけれども、しかし、屋根があるというのはちょっとラフに過ぎませんかね。子供を安全に預かるにふさわしい一定の施設というのがやはり求められるだろうと思うし、そして、そこに常時子供たちを適切に指導していく複数の指導員の存在ということも求められるであろうし、そのあたりについては多様にという言葉で免れるのでなく、少なくとも国としてこの程度の部分については期待し、保障していくということが求められていくと思うのですが、いかがです。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 基準につきましては、具体的にはこれから検討することにしておりますけれども、そういった安全面、衛生面からの最低基準というふうに考えているところでございます。  それから、職員の配置等につきましては、これも地域の実情に応じてということで、特段、基準として定めるつもりはございませんけれども、従来から補助事業としてやってきておりますので、そういった点については継続してまいりたいと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 さて、次に、法文の中に、「授業の終了後」とあります。もちろん、これは学校休業日も対象にされなければいけないと思うし、対象にされていると私は承知しております。この質問の準備の過程で文部省に聞いたのですが、夏休みが六週間、冬休み二週間、春が二週間、地域によって若干異なるけれども、全体として約十週間、七十日ですね、その七十日の中で、父母が就業せず家にいる日曜と祝日を除くとおおむね六十日になります。そして、長期休み以外の第二土曜、第四土曜、この十数日を加えると大体七十五日程度は授業がない状況で学童保育が営まれる、そういうふうに私は考えておるのですが、いかがですか。     〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 現在の小学校の登校日数は、おおむね年間二百二十日程度になるのではないかと考えております。これに対しまして、現在行われております放課後児童対策事業の中で、これを超える事業が大体九四%ということでございまして、年間二百八十一日以上を開設している事業も三分の二を超えているような状況になっております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 それで、その引き算をしますとちょっと実態に合わないのですよ。二百八十一日で二百二十日、六十一日でしょう。ところが、実際には、夏の休みの中で四週あるとすれば二十八日ですから、それを足していって、学校が平常に行われている月の第二土曜、第四土曜、これは年によって違いますけれども、大体十五日ないし十六日ありますね。そうすると、さっきあなたがおっしゃった六十一日に十五ないし十六、十数日を足さないと実態に合わないことになります。どうですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 二百二十日と申し上げた根拠でございますけれども、一年は三百六十五日ということでございますが、日曜日が五十二日、土曜日、これは第二、第四土曜日が二十四日、祝日、休日が十四日、夏休み等が七十一日ということでございまして、それからまた重複がございますので、その十七日分を除外いたしますと百四十四日ということで、引きますと二百二十一日になるということでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 その足し算、引き算はさらに後日やることにして、要するに、学童保育が父母の求めに応じて、そして、子供たちを健全に育てていくという点で実態に合った日数営むということさえ御確認いただければいいので、いかがでしょう。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 放課後児童健全育成事業自体は、通常の授業日の利用形態なりを想定したものでございますけれども、当然のことながら、地域の実情に応じまして、運営主体の自主的な判断によって、休日あるいは夏休み等におきましてもこの事業が行われておりますので、そういった実態は尊重したいと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 次に、この文言で、「適切な遊び及び生活の場を与える」とあります。中央児童福祉審議会の方は「生活や遊び」となっていて、法文の方は「遊び」が先に来ているというのは、私はここは大いに気に入ったところです。  それで、「適切な遊び及び生活の場」、どんなことを期待されていますか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 これは、児童が余り細かく縛られずに伸び伸びと生活できるような場を考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 そのような場として設定をされていく。  学校が休みのときは、私のおります札幌では、場所によって違いますが、あるところは朝の八時四十五分から、他のところは九時から始まって、そして大体十七時ないし十七時三十分、指導員の先生方は事前に準備に早目に行かれて、子供たちが帰った後も後の整理をなさる。大体その間が指導員の方の労働時間というふうに理解していいですね。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この事業は、通例、放課後の事業ということでございますので、普通の授業日におきましては半日、土曜、日曜等におきましては全日というようなことが考えられるかと思っております。  現在、私どもの国の補助制度としての根拠といたしましては、平日としては六時間、休日等におきましては八時間を想定して単価等を積算しているところでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 次に、二十一条の十一にいきたいと思います。  「地域の実情に応じた放課後児童健全育成事業を行う」、こういうふうに述べて、市町村に努力義務を課していらっしゃいますが、子どもの権利条約の理念の具体化という点では踏み込みが足らないと思うのですが、いかがですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この放課後児童健全育成事業につきましては、就学前の児童に対するいわゆる認可保育所における保育とは違う、本来は学校に行っている児童を対象とするものであるということで、必ずしも必要度が同じではないのではないかという考えに立ちまして、こういった今回の規定を図っているところでございます。その精神におきまして、権利条約の趣旨も踏まえたものであるというふうに私先ほど申し上げましたけれども、その点につきましては、そういった趣旨に沿っているというふうに考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 「平成九年二月二十七日 厚生大臣小泉純一郎殿 社会保障制度審議会会長宮澤健一 児童福祉法等の一部改正について(答申)」があります。その中で、こういう部分がありますね。「就学前保育とともに放課後児童健全育成事業のような小学校低学年児童に対する保育対策も重要である。」以下の部分です。「今回同事業が法定されることは評価できるが、その質・量にわたる充実が望まれる。」  大臣、「質・量にわたる充実が望まれる。」ここのところについて、大臣としてはどのようにこの答申にこたえるお考えでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今、五カ年計画の途上でありますけれども、今後、この計画に沿って着実に施策を推進していく、同時に、十二年度以降も状況を見ながら改善措置に努力をしていきたいと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今の大臣のお答えの中で、十二年以降についてお触れになったのは、私は積極的だと思います。これまでのテンポを上回って加速的に強化してほしい、そう思うのです。  もう少し今の点について触れます。  「質・量にわたる充実が望まれる。」まず、質の点ですね。学童保育の質を規定する決定的な要素は、何といっても指導員だと思います心指導員に人を得る。本当に子供の教育に強い愛着を持ち、経験も豊富であって、そして、父母とさまざまな問題を民主的に進めながら学童保育を進めていらっしゃる、こういう方たちこそ日本の教育における宝だと私は思います。その方々の身分、待遇が劣悪である、この点は、昨日の参考人の意見聴取でも、現にその任に当たっている片山さんから具体的にお話があったところです。現在の指導員の身分、待遇を現状でよしと考えていらっしゃるかどうか、厚生省のお考えを伺います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 現在の放課後児童健全育成事業に当たる職員は、実態はさまざまでございまして、一人または複数、常勤、非常勤等さまざまに分かれておるところでございます。  今回の法制化に当たりまして、私どもといたしましては、運営主体の自主性なり地域の実情というものを尊重したいということで、雇用形態等につきましても、市町村あるいは運営主体の自主的、自律的な判断にゆだねたいということで、特段の規定を置いてないものでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 私は、子どもの権利条約が、締約国に対して、児童に最善の利益を保障していく、このように述べるとき、努力の主体になるのは日本に関していえば国だと思いますね。そして、国が適切な支援、援助を行いながら市町村に対して一層の努力を促していく、そのとき、最も肝心な国のところは消えうせて市町村にのみ努力義務を課す、これは子どもの権利条約の理念の具体化からは外れていくのじゃないか、こう考えますが、いかがですか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 放課後健全育成事業の拡大につきましては、緊急保育対策等五か年事業の中でも目標を掲げて推進しておりまして、予算面でも、国としても助成措置を講じてきているということでございます。これを、法制化なりによりまして、市町村に努力義務を課す、あるいは社会福祉事業法上の第二種事業と位置づけることによりまして、税法等さまざまな特典が受けられるようにするということで、その支援を図っているところでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 「隗より始めよ」と申しますからね、国が何をやるか。今、予算のことをおっしゃった。九七年度予算で幾ら国が持っていらっしゃるか、三十一億三千百八十万円。これを総予算で割り算してみたら、総予算の二万四千分の一ですよ。けたが二つぐらい違うのじゃないかと思う。総予算の二万四千分の一、それが三十一億三千百八十万。今議論してきた子どもの権利条約、そして「テーク・メジャーズ」、締約国に対して子供の権利を保障するためにその国に義務の履行を求める、それが措置ですよ。それに対して余りにもこれは貧弱だと言わなければならない。ここはもう抜本的に強化していただきたいのですが、どうです。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 放課後児童健全育成事業の実施につきましては、場所につきましても、学校の空き教室あるいは児童館、さまざまな場所で行われているところでありまして、私どもといたしましては、そういった児童館等の整備が出てまいりますれば、それは国といたしましても助成等に努めてまいりたいと考えておりますし、それから、内容につきましても、先生から今御批判いただきましたけれども、精いっぱいやっているつもりでございまして、今後ともこの事業の継続を図ってまいりたいということでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 私たち日本共産党は、今度の改正案について論議をするとき、この学童保育の法制化という点では一歩をしるしたと思っています。踏み出したとはちょっと言えないので、一歩をしるした。そこを踏み出したとするために何が必要か。  それで、参議院段階で修正案を出しました。「市町村は、社会福祉事業法の定めるところにより、放課後児童健全育成事業を行うよう努めなければならない。」このように義務を課す。それから、市町村に課す以上、国の責任をはっきりさせる。「国庫は、」市町村の行う放課後児童健全育成事業に要する費用に対しては、「予算の範囲内で、その一部を補助することができる。」  これは、法制局との立法上の問題でこれ以上言えなかったことが非常に悔しいのですが、今の二点が実れば、学童保育は姿を変えますね。その方向で進んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょう。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 現在、放課後児童健全育成事業は非常にさまざまな形で行われているものでございまして、それをできるだけ尊重しながら、その拡大、普及を図っていくという観点に立ちまして、今回は最小限の法規制にとどめたということでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今後の努力を強く要望して、質問を終わります。

佐藤剛男自由民主党

○佐藤(剛)委員長代理 中川智子さん。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子でございます。  ただいま児玉議員が学童保育に関してのかなり踏み込んだ質問をしていただいたので、少し重なるところがあるかと思いますが、最初に、学童保育のところを私も質問させてただきたいと思います。  私の友人も、かなり多くの人たちが、子育てがちょっと自分自身がほっとした後、学童保育の先生をしている人がとても多いのです。ですから、パート的に働く分にはそれぐらいのお給料で、一生懸命働いて月十万に満たなくてもそれなりに、子供が好きだからというところで働いている人がとても多いです。子供が好きだからというところで一年、二年は一生懸命働けるし、子供たちもすごく慕ってくれるので、また子供ができたみたいだわと喜びながら働いているのですが、私は、そのような不安定な身分の形ですと働ける人がとても限られてしまう、やはりしっかりしたプロとして、子供たちをずっと見守り、育て、言ってみればもう一つの家庭になるわけなんですね、そこのところで働ける状況、その人の労働に見合った賃金、そして失業保険も社会保険も退職金も、そのような形で制度化すべきだと。  今回の改正に当たって、法制化したということでとてもうれしいのでありますけれども、法制化するならば、それがみんなに喜ばれ、また子供たちにそれが返ってくるような、そのような中身として進んでいっていただきたいということを切にお願いしながら、この問題について質問したいのです。  今、保父さんも多いのですけれども、保父さんはやはり保母試験なんかピアノとかいっぱいありましてとても大変だという状況があって、学童保育の方が相撲をとったり一緒に走ったりとかできるということで、男の方が学童保育の指導員になりたい、就職したいということで就職される方もいるのですけれども、もう結婚もできない。こんな給料だったら結婚もできないし、やはりやめていく。きのうの片山恵子さんの発言にもございましたけれども、二十年勤めて二十万ぐらい。ですから、二十年というと、二十二、三から働いたら四十幾つでやっと二十万という状況があります。  そのようなところを考えまして、ぜひとも、さまざまな、賃金そして身分の保障、今、公務員並みの労働時間ですし、そこのところを、ただいまのお答えじゃない、もう一歩踏み込んだ厚生省の姿勢を聞かせていただきたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この事業の実施主体、たびたび議論になっておりますように、市町村がじかに実施しているものもございますし、また、社会福祉法人がやっているものもございますし、それから、父母会、個人、あるいは範囲としては株式会社等も入ってくるというふうに考えておりまして、それに応じまして、そこで働く職員の身分の形態も、公務員である者、あるいは常勤である者、非常勤である者、パートである者、ボランティアである者、非常にさまざま広範囲ではないかということであります。  そういったことで、例えば保育所における職員につきましては、社会福祉施設職員等退職手当共済法等の適用もあるわけでありますけれども、今回、一律でないものですから、そういったことでこういった共済法の対象にもなっていない、できなかったというようなことでございます。  今回の法改正の趣旨というのは、あくまで、今さまざまな形態で行われている実態をできる限り尊重したいということで、規制になりますと、今度は、その要件とかということで範囲が限定されていくことになるわけでありまして、そういった点を御理解賜りたいと存じます。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 多様で柔軟というのはすごく響きとしていい言葉なんですが、この学童保育に関しては最低ライン、ぜひとも厚生省は、そこで働く人の身分は、最低ここまで、このあたりからのスタートというものを持っていただきたいと私は思うのですね。介護保険と同じで、それがまずスタートですから。やはりいいものにしていくという姿勢と、身分保障に関してはしっかりとしたものをつくっていきたいというお答えをいただきたいと思いますが、そのあたりの御決意をお願いいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 放課後児童健全育成事業の行われている形態自身が、通例は放課後ということで、半日ということでございますし、土曜、日曜につきましても、実施しているところ、実施していないところ、さまざまな形態でございます。そういったことで、あくまでも、現在行われている多様な形態、地域の実情というものを尊重してまいりたいということでございまして、これを法律によって一律に規制するのが妥当かどうかという点につきましては、今回の改正の中では、今後の課題ということでございまして、規定の中には盛り込んでいないわけであります。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 ちょっとしつこいようなんですけれども、やはり職員の身分というものが本当に子供にはね返っていくのですね。先生たちがどんどんやめていくと、せっかくなれたのにまた新しい人とつき合っていかなきゃいけない。きのうの参考人の発言にもありましたように、どうせやめてしまうのだろうと。そうしたら、一番落ちつかないのは子供たちなんです。  ですから、多様で柔軟なとおっしゃいますけれども、そういうところも放置していて、それをも地域でというふうになっていきますと、法律が幾らつくられても、今までと実情が余り変わらないということになりますと――この法律がせっかくできたのに、何だ、ちっとも変わらないじゃないかということが決してないような形にはなるということでしょうか。     〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 法制上位置づけることによりまして社会福祉事業としての位置づけもされますので、それによる税制上の恩典も受けられるようになるということでございます。  それから、市町村の努力義務というのを規定しておりますので、そういった点について、この事業の活用についての市町村の努力義務というのも出てこようかと思っております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 わかりました。今後、いい形での、市町村に対する厚生省の一つの思いというのを伝えていっていただきたいと思っております。  次に、やはりこの学童保育に絡むのですけれども、社会福祉事業となることによって、児童が二十人以上必要と。それ以下のところに対する対策はどのようになっているかということを聞かせていただきたい。もう一つは、法人格がなくても届け出ればいいのかどうか、そこをお聞かせください。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 社会福祉事業法上の取り扱いといたしましては、二十人以上の放課後児童健全育成事業は届け出義務が出てくるというふうに考えております。  それから、二十人未満でありましても、近く二十人以上になることが確実だというようなものにつきましては、弾力的な運用が可能かどうか、今後検討してまいりたいと考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 それだったら、十人だったら十人にあと十人というふうになるとかなり開きがあるので、十人ぐらいの小規模なところは無理と  いうことでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 法律上からいきますと、現時点では無理ということでございます。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 大抵、学童保育の場合ですと、現実に見聞きすると、入りたい人がたくさんいても、このごろは子供の数がどんどん減っていく中で、最初、スタートは五、六人ということが結構多いのですが、その場合は、もう全然対象にならないということでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 社会福祉事業法の事業としての届け出対象にならないということでございまして、事業を実施することにつきましては、これは全く自由であるということであります。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 このあたり、やはり多様で柔軟なというのを大いに生かしていただきたいなと思うのですけれども、そういう助成を受けられるということに関しては、少ないとかなり厳しいということなんですね。――わかりました。  それに絡みまして、実施主体のことを伺いたいのですけれども、運営主体と実施主体は違うわけですね。ちょっと教えてください。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 これは、市町村がみずから実施する場合もございますし、委託する場合もあるかと思いますし、また、社会福祉法人なり個人、営利企業も含めまして、みずからの判断で実施する場合もあるかと思います。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 今回の改正案を見ますと、市町村が実施主体になるというところが外れている。これに対して非常に不安を持っている声が多いのですが、この改正後の実施主体をはっきりと明確にお願いします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 これは、市町村がみずから実施する場合も入っております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 市町村が実施主体として入っているけれども、ほかにもたくさんの、民活とかさまざま、個人のということは、そこに対しての市町村のかかわりというか、関係というのはどのように心りますでしょうか。それぞればらばらにやる、そして届け出れば二十人以上は法人格が与えられる、そういうふうな判断で、市町村が、民営しているところで劣悪なところがあればそれに対して指導するとか、そのようなことの努力義務というのも入っているわけでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 市町村のあり方といたしましては、みずから児童健全育成事業を実施するという場合もありますし、利用に関する相談、助言を行う、あるいは社会福祉法人との連携を図るというようなことを通じまして、利用の促進に関する努力義務というのを置いているところでございます。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 そこのところでますます開きが出てくる懸念があるのです。  ちょっと一番最初に発言の中で言ったのですけれども、劣悪な条件で一生懸命父母が運営しているところに対して、今回の法律が一つの明かりとなる、これで市町村が責任を持って底上げを図るというふうに考えているのですけれども、そこはやはり、父母が経営しているところに対しては、まだまだ市町村がそれを積極的に自分の枠組みの中に入れていくという形で進んでいくわけではないのでしょうか。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この法律の対象となる児童健全育成事業につきましては、安全なり衛生面からの最低限の基準を考えておりますが、市町村の関与の仕方といたしましては、これは、各市町村の判断においてどのような関与をされるか決定されることになるのではないかと思っております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 そうしたら、一応、実施主体が市町村だったならば、今でもかなり開きがあるのは、東京都の学童保育というのはいろいろなところから見に来るぐらい充実していて、きのう発言してくれました、埼玉県はもうかなりひどいという、そういうふうなばらつきが物すごくひどいのを、厚生省としては、レベルの高いものに、子供に喜ばれる、子供が安心してそこで放課後暮らせるようにということでへ指導というのは市町村に対してきっちりやっていくわけですね。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 基準に関しましては、安全面、衛生面からの最低限の基準というものは考えなくてはいけないと思いますけれども、その実施の実際の形態については、それを超えた形態のあり方につきましては、それぞれで自由におやりいただくというのがいいのではないかと考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 安全面、衛生面というのをもう少し具体的にお願いします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童と保護者との連携というのも重要だということで、連絡簿がきちっと備えられているとか、あるいは衛生面、トイレなりなんなりきちっと備えられているとか、そこで、先ほど屋根と申し上げましたけれども、雨のときの場合もあるわけでございますので、そういった場合におい‘もこの事業ができるような条件というようなことになろうかと思っております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 はい、わかりました。安全面、衛生面というのがもっと中身がいっぱいかなと思ったのですけれども。  それに関連しまして、学童保育の施設のことについて質問いたします。  きのうの参考人のお話の中で、私もあの表を見て、社務所とか自分たちで借りたアパートとかたくさんありまして、学校施設は数十のうちでニカ所だけでした。私もたくさんの学童保育の場所を見てまいりましたし、私の子供が通っているときに、幾つか転校もしましたので、その中の学童保育を、一つには空き教室を使った学童保育、もう一つは家庭科準備室に子供たちが詰め込まれているという、そういうところを見てきました。あと、東京都ですが、児童館を見せてもらいました。児童館がすごくよくて、そこに子供たちが元気よくただいまと帰ってきて、そして結構若いお兄さんたちがいて、すぐに、振り回したりして遊んでいるのですね。  私は、熊本の、熊本と言っては悪いですが、すごくいいところなんですが、そこの学童保育がちょっと施設が劣悪で、子供たちがそこに帰ってきたときに、ただいまという言葉は一言もだれも発せずに、きょうはどこに座ろうかとあいている場所を探して自分のひざの上で宿題をするみたいな、そして、薄暗いところでした。  空き教室の場合は、学校の中ですので、すごく子供たちが自然にすっとそこに入ってきて、空き教室で相撲をとったりいろいろ遊んでいて、校庭のぶらんことか滑り台とか、さまざまなものを使って遊んでいました。  児童館は、ソフトとして非常に人との交流が多いなということを感じたのですね。割とそこにたくさん出入りするので、いろいろな人とそこで交われる。大人とも出会える。自分より下の子たちの遊び相手にもなってあげる。そんなふうな交流の場として児童館というのはすばらしいなと思いました。  私は兵庫県で、児童館というのは、宝塚市というのは一つもありません。児童館が欲しいという運動をかなり長くしていましたが、うちの息子はもう二十一ですが、いまだに一館もないという状態です。児童館のかわりに公民館があるじゃないかとかいろいろ言われるのですけれども、最近は、子供の声がうるさいとどなってくる高齢者も多いのですね。児童館だったら思い切り遊べるのですけれども、本当に社会の理解が少なくなった。私は、子供の声が聞こえない町というのは死んだような町じゃないかと思うのですが、子供の声がうるさいという方がすごく多いのです。  話があっちへ行ったりこっちへ行ったりして申しわけないのですが、私は自分で小さい保育所みたいなのを経営していたのです。それはもうかなり前で、十七年ほど前になるのですが、そのときはそうでもなかったのです。わいわいと二、三十人の子供を先生たちと一緒に連れていっても、ああ元気だねとお年寄りが声をかけてくれるという関係があったのですが、最近は、私はもう今やっていないのですが、友達に譲ったのですが、彼女が私から受け継いでくれたキンダールームというのを三カ所引っ越した。うるさいと言われる。もう子供の声がもう耳ざわりてしようがないと。だから、アパートを借りたり施設を借りたりするのもすごく困難な状況なんですね。  親が一生懸命自分たちで始めた学童保育は場所を貸してもらえないのです。どういうものに使いますかと言われて、子供たちの放課後にと言ったら、だめ、近所からすごい抗議の声が上がるから貸してあげないと。何しろ、場所探しが大変なんです。それほど最近は地域の理解がない。そんな中で、みんな必死で施設を探しているという現実があります。子供の声がうるさいと言われるような今の日本の状況です。  そんな中で、やはり私は、児童館をもっとふやしていただきたい。そして、空き教室を使うときにも、少しそこにお金を投入していただいて、畳の部屋と、おやつを子供たちと一緒につくれるような、そんな台所設備を少しでも欲しい。ただ単に空き教室があるからぽいとほうり込むのじゃなくて、きっちりと学童保育ができるような、そのような形にして使ってほしいというふうな、それほどのものをやっていただくならしていただきたいと思います。これは厚生省さんにお願いいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 この事業の行われる場所を見ますと、学校の空き教室あるいは敷地内の専用施設というのが四割ぐらいを占めておりまして、一番多いわけであります。その次は児童館で、二二%程度ということで多くなっておりまして、その他保育所などで行われているものもあります。それから、先生御指摘になったような、民間のアパート等を借りて行われているものもあるかと思っております。  そういう中で、私どもといたしましては、児童館の設置県もまだ少ないわけでありますから、こういった要望が出てまいりますれば、それに対する助成等を検討してまいりたいというふうに考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 なるべく、ないところはどこなのかと厚生省も調べて、現状どれだけばらつきがあるのか、本当に子供たちが楽しそうに通っているような環境、そしてそのソフトの面、もっともっと実際に歩いていただいて、子供たちが生き生きと安心して、そして親も働けるような、そのような学童保育をぜひともお願いしたいと思います。  次に、教護院のことなんですが、きょうの質疑でかなりここは集中して同じ質問がございましたが、ぜひとも子供の自己決定権、子供自身が自分自身の人生に対して、子どもの権利条約を一番大事にした、そのような形での入所を決めていただきたいし、今の不登校の子供の、なぜそうなってしまうのか、なってしまった子供がどれだけ傷つき、どれだけつらい思いで必死で生きようとしているか、それを考えていただきたいと思います。あのような状況の中で生き続けていく子の勇気に対して、私はやはりそういうことを思います。  涙の抗議なんということをまた書かれてしまうので、不登校の子供に対しては、しっかりときようの質疑の中身を検討していただいて、子供が犠牲にならないような教護院への入所のきめ細かな対応をぜひともお願いしたいという言葉を伝えさせていただきたいと思います。  きょう伺っておりましたら、最終的にはそこの施設の決定というか、受け入れ側ではなくて、その前に、入れる方、保護者がありまして、そして子供がそこにプラスアルファというふうな印象があったのですが、保護者でも男親と女親というのは、意見が自分の子供に対してかなり違うのですね。  例えば、お父さんはやはり、この子にとって学歴とか、企業で苦労していたら学校は絶対行かなければという主張をするお父さんが多いです。お母さんは割と、この子を守るために、いいじゃないの、学校なんか行かなくてもというふうに、夫婦で物すごく意見が分かれてトラブルが多いのです。でも、結局、お父さんの意見というのが割と世の中は通ってしまうことが多いのです。  その場合に、お母さんもだめ、子供も行きたくない、でも、お父さんの言葉をその対応した人が聞いて決定するということが物すごく今多いのですが、その現実を把握していらっしゃるか、そして、このことを受けてどのようにお考えか、厚生省にお伺いいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 入所施設への決定権は、最終的には児童相談所長が行うということになっているわけでありますけれども、その決定を行う際には、御指摘いただきましたように、父母に対しまして施設の処遇内容等を十分に説明し理解を得る、それから、児童本人の意向も聞いた上で決定するということでございます。  その場合、父母の意見が違う等いろいろな場合も出てこようかと思いますが、やはり福祉施設でございますので、基本的には、そういう家庭との調整というものは十分に行う必要があると思っております。  ただ、最後まで意見が対立してまとまらないというような場合もあるかと思いますけれども、場合によっては体験入所などもしてもらいまして、果たしていいのかどうかというようなことも含めて御判断をいただき、あるいは児童福祉審議会の特別部会で各分野の専門家からも御議論いただいて、そういうものを総合的に判断して決定するということになるのではないかと考えております。  その際の視点としては、あくまでも児童の最善の利益を図るということであると私ども考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 その最後の一言がとても心強いです。そして、父母と余りくくらない方がこれから先を読むにはいいかと思うのですね。父母とくくられたら今みたいな形で、保護者のそこの力関係に対しても少し配慮をいただきたい。そのあたりの、夫婦だから同じ意見というのは決してなくて、夫婦だから違う意見だというふうに思っていただいた方がいいかもしれませんね。うちは割と一緒なんですけれども。いろいろそうでもないですね。  次は、文部省さんに伺いたいのです。  今回、就学を義務づけるというのは本当に一歩前進だと思うのですが、私自身は、わざわざお金をかけて教護院の中に学校をつくらなくても、地域の学校に入れてもらえれば、それが最善だなと思うのですね。でも、そこの学校長が入れてあげるというところには入れてもらえて、だめだと言われたらもうだめというふうな判断が今あります。  私は、これはきっちりと地域の学校が、教護院の子供たちがそこの学校に行きたいよと言えば、すごく問題を起こしたときには一度考えるけれども、最初の時点ではまず入ってくださいというふうに学校長が言うような指導を文部省がするべきだと思うのですが、お願いいたします。

加茂川幸夫文部省初等中等教育局中学校課長

○加茂川説明員 お答えをいたします。  委員御指摘のように、今回の児童福祉法の改正によりまして、施設の長には保護者に準じた就学義務が課せられることとなります。その結果、原則として、入所児童は、学校または市町村の教育委員会が実施する学校教育を受けることとなるわけでございます。  ただ、現在の教護院の施設全体を見ますときに、その規模、入所しております児童の数がその主なものでございますが、態様はさまざまでございまして、また、従来、いわゆる準ずる教育を教護院では実施してきたという経緯もございます。そういったことを踏まえますと、私どもは、学校教育を実施するに当たりまして検討すべき課題は少なくないと考えております。  ただ、具体的にどのように実施していくのか。例えば、現在十カ所ほどでは、院内に分教室を設置して学校教育を実施しております。また、委員御指摘のように、場合によっては地元の小中学校等に通学させるといった方法も可能でございます。いずれの方法で行うのか、またはそれ以外の方法で行うのかということにつきましては、各地の学校、または関係する教育委員会、さらには児童自立支援施設、福祉関係の部局等の関係者が十分な協議を行いまして結論を出すべきものと思っておりますし、その結論は、該当する市町村の教育委員会が決定すべきものだと私どもは考えております。  このような理解に立ちまして、文部省としましても、今回の法改正の趣旨を各都道府県に十分通知いたしまして、今申しました判断が適切に行われて、何より子供たちに円滑に適切な学校教育が実施されるように努力をしてまいりたいと思っております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 そのときにも、やはり子供自身の意見を一番反映していただきたいと思います。  それでは、きょうは四十分いただいてうれしかったのですが、あと六分ぐらいしかなくなってしまって、最後ではないのですが、保育所のことで伺いたいと思っています。  今回の児童福祉法改正によって、選択制が導入されます。利用しやすい保育所となるというふうにおっしゃっていますけれども、私は、決してそうは思いません。  と申しますのは、選択できるほどのものがないと思いますし、これから選択するといったって何を基準にすればいいかわかりませんし、私は、保育所というのは、泥んこになって、広場があって、そして、肝っ玉のでっかい保母さんがいて子供たちと元気いっぱい遊べばいいわけで、別に英語教育とか行事に、七夕に何やかやつくるとかという小手先のことではなくて、本当に子供たちが伸び伸びと暮らせる、それで十分だと思います。  選択というのは、むしろ、すごく駅から近いところに保育所があるとか、そういうふうなところが大事で、そういうところは待機児童がすごく多いという矛盾を抱えながら、選択制というのも空論だなと思っているのですけれども。  そういうことをちょっと言いながら、育児休業法との関係で、育児休業期間が満一歳で切れるために、その直前から保育所に預けることが必要となるのですね。だけれども、生まれるのは、大抵予定日がわかっていますけれども、妊娠というのは、いろいろな人が毎日のようにするわけですね。年度末とか年度初めなんて決まっていないわけで、いつ子供が生まれるかわからないのです。私も、樺美智子さんの命日の六・一五に生まれてと言ったら、うちの子は二週間ほど早く生まれてくれたのですね。そういう子もいるのですが、大抵、勃発的に生まれてしまうのですね。予定日なんて余り当てにならないのです。  一歳で切れたため、その直前から保育所に預けることが必要になるのですけれども、途中入所の制度を充実すべきではないかと考えているのですが、時間がないので簡潔にお答えをお願いします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 年度途中の入所につきましては、従来から、産休・育休明け入所予約モデル事業というようなことで助成事業等も行ってきておりますが、今後とも、そういった事業の継続なり拡充というもの、定員の弾力化等も含めまして検討してまいりたいと考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 この辺は柔軟な対応をよろしくお願いいたします。  そしてまた、職場に復帰する場合なんですが、復帰の見込みを確実なものとするために、予約制を設けたらどうかと思います。そして、予約制を設けてほしいという声が大きいのですが、それも、妊娠期間中の予約も受けるべきではないかと思います。市町村や保育所においても、予約制を通じて次年度以降の需要が明確になりますので、これは広島で実施されているのですが、今後、もっと拡大する予定はおありかどうか、お願いいたします。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 育児休業明けの保育所の予約につきましては、先ほど申し上げました産休・育休明け入所予約モデル事業においてもやってきているところでありますけれども、今御指摘がありましたような利用者のいろいろな要望もございますので、市町村の保育担当部局なり母子保健担当部局等、連絡を密にしていただきまして、そういった妊婦のデータ等も踏まえて、どういった方が入所を希望されるか、把握に努めまして、円滑に行われるような方策も検討してまいりたいと考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 今度の児童福祉法の改正は、保育所だけにという受け取りが最初私自身の中にも割とあったのですが、結構さまざまなものを網羅していて、読み込んでいったら、やはりいいものもあるな、そういうふうに思っているのです。  保育所の運営が、私も少し保育所で働いていた経験がありまして、子育てにプラスになればいいなと思って夜学に通って保母の資格を取ったりしたのですけれども、保育所に少し働きに行っていたのですね。そのときに、先生と保護者が割と分断されていて、親の方は、子供を預けているのだから、預かってもらってやっと働けるのだから文句は言ってはいけないという形で、余り親が意見を言えない。そして、保母さんたちも、何だかんだこっちでは文句を言っていても、渡すときは、お利口にしていましたよなんて心にもないことを言ったりして、うそを言ってはいけないのではないかということで、よくけんかしたのですけれども。  やはり保護者の意見を直接反映する制度とか、整備がとても重要だと思いますが、そのあたりの盛り込みはいかがでしょう。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 利用者のニーズにこたえた保育サービスの提供というのが今後の大きな課題でございますので、例えば、利用者の意見が保育所運営に反映されるような父母会の設置の勧奨でございますとか、そういった方法について今後検討してまいりたいと考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 ありがとうございます。ぜひとも、やはり父母の意見がもっとつながっていって、みんなで一緒にいい保育所をつくっていこう、子供たちにとってそれがベストなんだということでよろしくお願いしたいと思います。  きょうの質問の通告はしていないのですが、私も、この児童福祉法をずっと読んで、そして質問づくりを一生懸命やっていく中で、最近、いわゆる家庭の責任というか、親が子育てに対して何となく不安だというふうなことを感じてはいたのです。  かえってこのあれからは逆なんですけれども、パチンコ屋さんで親がパチンコをしていて子供が死んでしまうとか、そして、私の近所にもあったのですけれども、夜中にお母さんが、本当に経済状態が大変だから働きに行かなければいけないかもわからないのですが、ゼロ歳の子供を、妹を三歳のお姉ちゃんが見たままで、泣いているので見に行ったら、お母さんもお父さんもいなくて子供だけが泣いていた、それで手紙を置いて連れて帰ってきたこととか、そういうことというのはすごくあったのですが、そこの家に行って、ちゃんとしなさいとかということはなかなか言えないのですね、角が立つから。  そういう形で、一方でそのような、子供をある意味で産みっ放しで、いろいろな事情があろうかと思いますけれども、どこか社会で救わなければいけないという感じがあります。  それで、私はやはり、厚生省とかお上がやることに対して私たち不信感をかなり持っていて、教護院でも何でも、何か変にされてしまうのじゃないかというのがあったのですが、この間、ずっといろいろなお話を伺っていて、決してそうではなくて、厚生省は、本当に子供を守っていこう、地域住民みんなと一緒に子供を守っていこうという姿勢が感じられたのです。  そういうパチンコ屋さんで置きっ放しで死んでしまったとか、家の中で親がちょっと放置してしまって脱水状態で死んでしまったりとか、いろいろあるのですけれども、そういうことに対しての御意見があったら、ちょっと一言。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 私ども、そういう育児不安あるいは家庭内における虐待、いろいろな問題につきまして、施設に入所させるということだけではなくて、やはり地域にできるだけ出ていってこれを支援していくということが必要ではないかと考えておりまして、今回の改正におきましても、そういった地域住民を対象とした保育所の育児相談でございますとか、児童自立支援施設への切りかえでございますとか、そういった改正も今申し上げましたような趣旨に沿って考えてきたものでございます。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 小泉大臣の出番がなかったので、最後に一問だけお願いいたします。  これは、何年後に見直しとかというのが全然ないのですが、私はやはり、不断に見直す努力をしていくべきだと思うのです。大臣、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今いろいろお話を伺っていまして、保育所なり子供の環境は時代とともに随分変わってきたなということを痛感していました。  当初は、保育所というのは、三歳児以上の幼児が入るのが原則だった。ところが、最近はむしろ乳児、二歳以下のお子さんに対する対応をどうしようかというのが大変重要になってきた。  また、学童保育におきましても、私どもの子供のころは、学校から帰ってくると、指導員なんかいなくたって、近所の子供たちと勝手に遊んでいた。それが、最近ではそうでもなくなったし、子供のころは、人を疑ってはいけませんよと言われたのが、最近は、人を信じてはいけませんよというふうに親御さんがお子さんに言って、幼稚園なり保育園なりあるいは学校なりに一人で行ってはいけませんよというようなおっかない世の中にもなってきた。  制度というのは、その都度改正されても、また新たな予想もしない変化も起こってくる、その状況に合わせて不断の見直しをしなければいかぬと思っています。  そして、子育てというものを、親が責任を持つというのは第一義でありますが、むしろ、そうでないお子さんもたくさんおられるわけでありまして、そういうお子さんに対しても社会全体が児童の健全育成にどのような仕組みを構築していくかということに関しては、今後とも不断の見直しなり改善措置が必要だと思っております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 ありがとうございました。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 土肥隆一君。

土肥隆一無所属

○土肥委員 土肥隆一です。  あと十五分ですので、皆さん我慢してください。  通告してありますけれども、ほとんど通告は飛ばします。ずっと長い間、私はいつも一番最後なものですから、また数字だ何だと聞いてもつまらないので、私の率直な感想を述べさせていただきます。  いろいろな子供たちがいる、そして子供たちもいろいろな苦労をしている。しかし、最終的に、二十四時間ちゃんと食事をさせて寝泊まりができるのは家族、家庭しかないわけですね。そこから飛び出したらどこも行くところがないわけです。それは結局、社会福祉施設なんですね。  ずっとお聞きしていますと、何か施設罪悪論、害悪論あるいは施設不信感というようなものが流れているというのは、やはりこれは考えてみなければいけないなというように思うのです。児童福祉法の改正、五十年ぶりだといいますが、私は、特にこの児童養護施設あるいは教護院などのあり方についてきょうは意見を出してみたい、そしてまた、反論があったらどうぞおっしゃっていただきたいと思うのであります。  例えば、なぜこんなに教護院が信用をなくしてしまったのかというようなことですね。やはり私は、五十年もほっておいたのがまずかったと思うのです。早く時代の状況を先取りしまして改革をしていくということをしなかったから、何か、行ったこともない、見たこともないのに教護院というのは恐ろしいところだというようなことでございまして、そういうふうにしてしまったということを私どもは大いに反省しなければいけないと思っております。本当に行くところがない子を町中にほっておくわけにはいかないわけであります。  さて、いろいろなメニューが一度に出てまいりまして、これから改革していくのだというのでございましょう。養護施設が児童養護施設になる。教護院が児童自立支援施設になる。従来から児童相談所があり、また都道府県の児童福祉審議会もできる。あるいは、児童家庭支援センターというのもできる。メニューがいっぱい今度は出てきたわけです。  しかし、よく行政がやるのには、何かメニューをたくさんつくればうまくいっている、あるいは、いい仕事をしているというふうに思いがちなのもまた行政の過ちでございまして、今度はこんなにたくさん出ますと、一体どこがどういうふうに子供を取り扱っていくのだろうかというふうに思うわけです。  大体、基本的に子供というのは、問題が突然出てくるわけです。その突然出てきたときに、どこがまず最初に手をつけて、そして、自立支援施設であれ児童養護施設であれ他の施設であれ、すぐさま振り分けなければいけないのですが、今度の法改正でどこが中心になってやるのでしょうか。ヘゲモニーをとるのはどこの施設なのか、教えてください。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 虐待あるいはいじめ、さまざまな面で児童を取り巻く問題が複雑化しているというのが現在の特徴だと思います。こういった中で、行政としてどのように対応していくかという点について検討課題であったわけであります。この点につきましては、今まで、どちらかといいますと、入所施設というものがございまして、そこに入所していただいて、これを保護し、自立支援を図るというようなことであったかと思いますけれども、できるだけ早期発見・早期対応ということで、問題が生じている場所に近いところでまずはなるべく早くつかまえ、それを必要なネットワークを通じて、中心になるのは児童相談所だということになりますけれども、そこに情報が入るようにする、それをとらえて、今度は家庭との調整、あるいは入所が必要かどうか等さまざまな判断を加えて適切な施設において支援をするというような、簡単に言いますと、そういう考え方に従いまして今度の制度改正を考えてみたところでございます。

土肥隆一無所属

○土肥委員 とりあえず、問題が発生したその場所で児童福祉施設があれば飛び込んで、そこから保護のルートが始まるというふうになりますね。そうすると、都道府県児童福祉審議会というのが、これはどんな役割を、まあ法文を読めばわかるわけですけれども、そういう措置が終わって、終わってというか初期の段階が落ちついてからこの子をどうしようかということをやる審議会なのか、一体なぜこういうものを置くのか、説明してください。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 身近なところでの相談指導につきましては、児童家庭支援センター等各施設で対応するということになろうかと思いますが、基本的に、虐待とか権利侵害に関するような難しい問題あるいは保護者と児童の意見が食い違う、いろいろな難しい問題があろうかと思います。  そういう問題につきましては、今度、児童相談所が重点的に取り組むということになるわけでありますけれども、現在の児童相談所の機能につきましても、いろいろな御批判が寄せられているところでございまして、私ども、児童相談所の機能をより的確に発揮していただくように、そのバックアップ施設として児童福祉審議会の中に特別部会というようなものをつくりまして、これは審議会という名前がついておりますので誤解を生じやすいわけでありますけれども、趣旨は児童相談所がより専門的に的確な判断を下し得るようにバックアップをするということでございまして、そこに、ケースについて専門家においても議論していただいて、児童相談所ではなかなか決定できないようなことにつきましても方針を決めていただきたいというような趣旨でございます。

土肥隆一無所属

○土肥委員 福祉施設というのはすべからく利用施設かつ一時の通過施設だ。子供にとってよりよき生活環境が与えられるならば、施設を出てそこへ移ればいいわけでありまして、どうも旧教護院というのは、ずっとそこでおりまして、大人になってやっと出て、そして一種のスティグマといいましょうか、福祉につきまとう傷を残していくというわけです。  今回の法改正で児童自立支援施設というわけでございますから、またニックネームなんかつけるのかどうか知りませんけれども、これはもう利用施設、通過施設というふうにしっかりと考えを変えていた溶きまして、そして、何か無用な批判を浴びるようなことのないように、だれでも行ける、だれもが訪ねていって遊びにも行けるぐらいの施設にしない限り、従来どおりのことをやっていてはならない。名は体をあらわすということでございますから、ひとつ大改革をやっていただかなければならないと思います。  今までは恐らく非常に困難児を教護院に送っていたわけでありますけれども、これからずっと幅が広がってまいります。何かその中に普通の子供というか、ほかの理由の子供を入れると心配だというふうなことは偏見でございまして、子供というのは、たまたまある状況とある環境の中で、ある場合には罪を犯し、ある場合にはさまよい出てしまうこともあるわけでありまして、それは一時のことであって、それをファイナルなものにしてはならない。だから、どなたかがラストリゾートですか、何かおっしゃっていましたけれども、とんでもないと私は思うのでありまして、早く出してやるべきだ、このように思います。  それで、もう一つ申し上げますと、今度は児童養護施設になるわけですけれども、これが児童家庭支援センターにもなるのではなかろうかと思うのでありますが、この施設も、戦後、児童福祉法ができてすぐできた一番最初の施設でございまして、戦災孤児などを集めて、神戸などがそうでございますが、今はもう時代が全然変わっておりまして、果たして児童養護施設が変わり得るのか、本当に通過施設あるいは利用施設として変わるのかというと、私も若干疑問があるのです。これはやはり、子供の幸せのために、しかも、家庭からはじき出された子供たちの受け皿としては、生活の場として残しておかなきゃいけない、そういうものなんですが、児童養護施設が本当に通過施設あるいは利用施設として利用されているのかどうか、その辺の局長の見解をお聞きしたいと思います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 児童養護施設が設立されましたのは、昭和二十二年、児童福祉法が制定されて以降、その当時、いわゆる戦災孤児等がたくさんいた時代でございまして、こういった保護者のいない児童を保護するというようなことでスタートしたわけでありますけれども、現時点におきましては、保護者がいる児童、片親または両親がいるということでは九割ぐらいを占めるようになっておりまして、単に児童を入所させて保護するというだけでなくて、むしろ家庭環境との調整というようなことも含めて自立支援を図っていくことが必要になっているのではないかというふうに考えております。  今回の改正におきましても、こうした趣旨に沿いまして、先生の今御指摘いただきましたような、利用施設として、よりこの養護施設が自立支援を図るための施設として機能を発揮できるようにしたいということでございます。

土肥隆一無所属

○土肥委員 ところが、二つほど問題があるのですね。  一つは、子育てをしているわけですから、出たり入ったりとか、一時緊急措置も、一時預かりもあるのですけれども、それもなかなか進まないなどを考えてみますと、出たり入ったりするのは指導や保護が非常に難しいというところがあるのですね。これは特養のショートステイもそうでありまして、大体、今は五十名の定員で二十名ぐらい特養のショートステイをつけますと、もうショートで職員は振り回されるということがあるわけでありまして、だから、その辺は一つ問題だと思うのですね。利用施設となると、子育てしているのです。それで、子供というのは必ずしも純真じゃなくて、必ず反抗もしますし、いろいろな悪さもするわけでありまして、それも含めて、学校教育も含めて教育をしなきゃいけない、子育てをしなきゃならない、これが児童養護施設なわけでございますけれども、そういう出入りが激しくなると、やはり職員の数だとか待遇が問題になってくるわけです。  私が申し上げたいのは、定数制、一定員制ですね。法定定員を決めますと、その定員分しか措置費がおりてこない、減ると暫定措置をしまして、翌年から今度は減った分しかまたおりてこない。この児童養護施設なり教護院に来る子供たちというのは推定ができないわけですね。どこに児童養護施設の予備軍があるなどということはどこもわからないわけでありまして、そういう出入りの激しさが加わりますと、運営上も難しくなるし、経営上も難しくなる。  だから、私は、児童養護施設というのは、一定の幅を持って、五年なり十年なりの幅を持って、おたくでは三十名を定員とします、そこでたとえ半分になっても職員も備えてじっと待っていてください、そのかわり財政措置をちゃんとやるというくらいにしないと、片一方で経営に追われ、片一方では利用施設だ、出入り自由だということになると、とてもじゃないけれどもやっていけない。その辺の措置費体系を変えなきゃいけないと思うのですが、局長の御意見をどうぞ。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○横田政府委員 今回の改正を踏まえまして施設の基準なり処遇なりをどうしていくかというのは、私どもも課題の一つだと思っております。先生の御意見等も踏まえまして、この施設が置かれている状況変動への対応の必要性と、それから、予算自身につきましては、毎年度、毎年度決まつていくという制約があるわけでありますので、こういった中でどういう対応が可能なのか、検討してまいりたいと思います。

土肥隆一無所属

○土肥委員 大臣に最後にお尋ねします。  これは、相当な決意を持って末端まで今回の法改正を徹底しませんと、私は、余り変わらぬのじゃないかと思うのですね、旧教護院も児童養護施設もそうだと。ここで言うのはちようと恥ずかしいのですけれども、それだけ歴史が長くて、そういう体質になっていますから、これを変えるというのはなかなか大変です。したがって、よほど皆さん、現場におりていって話し合わなきゃならないと思うのです。  そういう決意と、それからもう一つは、自立支援施設に教育が今度入ってきますね。この教育をどうかませるかということは、文部省の見解も厚生省の見解も十分じゃございませんけれども、私は、利用施設、通過施設であれば、当然、教育的な機能を、それは中でやるのもいいですけれども、やはり極力外に出す、そして、一般の子供と同じようにして、しかも在籍はそれぞれの学校に在籍して、そこの小学校、中学校、高等学校の卒業証書をもらって出られるような、そういう、スティグマを残してはならないということで、教育面についてはまだ議論が残っておりますけれども、私はそれを大臣の決意としてお聞きしたい。  一つは、徹底して児童福祉関係のいわば意識変換をやれるかどうかということと、もう一つは、教育を教護院にきっちり入れられるかどうかということです。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 時代の変化に伴いまして、児童養護施設あるいは教護院、児童自立支援施設の役割も変化してくると思いますが、保護者がいるにもかかわらず社会的支援を受ける必要のある児童が増加している状況を考えますと、これからも変化に応じた的確な対応が必要だと思っております。  特に、児童養護施設等、本来、この世に生を受けて、最初にしっかりと精神的にも肉体的にも抱き締めてもらわなきゃならない子供たちの施設として考えれば、この児童養護施設なり児童自立支援施設というのは福祉の原点ともいうべき施設ではないかと認識しております。  今後とも、不断の見直しを図りながら、保護を必要としている、支援を必要としているお子さんたちに社会全体がどういうような支援体制をとっていくか、鋭意注意しながら改善策を充実させていきたいと思っております。(土肥委員「教育はどうですか、教育機能」と呼ぶ)  教育機能も、今回は新たにその施設なり地域の実情に応じて対応を図るということになっておりますので、その実情等を勘案しながら、関係省庁また地方公共団体、よく連携をとりながら進めていきたいと思います。

土肥隆一無所属

○土肥委員 終わります。ありがとうございました。

町村信孝自由民主党

○町村委員長 次回は、来る三十日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十七分散会

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