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140回国会衆議院1997/02/07

建設委員会 第2号

発言数
9
登壇者
5
会派数
2
開催日
1997/02/07

会議録

市川雄一新進党

○市川委員長 これより会議を開きます。  建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  まず、建設行政の基本施策及び国土行政の基本施策について、建設大臣及び国土庁長官から、それぞれ所信を聴取いたします。亀井建設大臣。

亀井静香自由民主党建設大臣

○亀井国務大臣 第百四十回国会における審議に当たり、建設行政に取り組む基本的な考え方につきまして、私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御指導を賜りたいと存じます。  御承知のとおり、昨年十二月六日、長野県の蒲原沢において、土石流災害が発生いたしました。不幸にも、砂防ダム工事等に携わっておられた十三名の方が御遺体で発見され、一名の方がなお行方不明となっておられます。御遺族の方々及び負傷された方々に心からお見舞いを申し上げます。  私も災害発生の直後に現場に赴き、直ちに現地対策本部の設置を指示し、政務次官とともに救助活動を督励してまいりましたが、消防、警察、地方公共団体等の方々など延べ一万八千五百名の御協力をいただき、蒲原沢から姫川河口までの全川を捜索するなど、できる限りの手を尽くしてまいりました。引き続き捜索活動に努め、雪解けを待ってさらに全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。  現在、学識経験者から成る調査委員会に、今回の土石流の発生原因の解明や、土石流を想定した警戒・避難体制のあり方等につきまして調査審議いただくようお願いしておりますが、六月ごろにも予定されている御報告を踏まえて、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。  建設行政の基本的使命につきまして申し上げます。  さて、改めて申し上げるまでもなく、建設行政の基本的使命は、国土の根幹を形成し、国民生活に直結する住宅・社会資本の整備を通じて、安全・安心、魅力と活力、ゆとりと潤いを備えた真に豊かな国民生活と、活力にあふれた経済活動を実現することにあります。  戦後五十年を経過し、また、本格的な高齢社会を迎えるに当たり、建設行政におきましては、次値什を支える、いわば本格建築ともいうべき質の高い住宅・社会資本を整備することが強く求められているものと考えます。  私は、こうした建設行政の基本的使命を肝に銘じて、所管行政の推進に全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。  公共事業は、現在及び将来の国民の安全で快適な暮らしの基礎となり、経済社会活動の新たな活力の源泉となる住宅・社会資本づくりを行うものであり、的確に将来を見据え、質の高い住宅・社会資本を整備して、確固たる基盤の上に成り立つ社会を築くことは、将来を担う次の世代に対する私どもの責務であると考えます。  こうした観点から、平成九年度の建設省関係予算におきましても、これらの住宅・社会資本整備の着実な推進に必要な規模を確保いたしました。現在、景気は回復の動きを続けておりますが、そのテンポは緩やかであり、依然懸念すべき点も見られますことから、回復の足取りを確かなものとするために、平成九年度予算の早期成立に向けて各位の御理解と御支援を賜りたいと存じます。  もとより、厳しい財政事情のもと、公共事業の効率的な執行は重要な課題であり、重点化、効率化、透明化の三つの観点に重点を置いて、そのあり方、進め方を見直してまいる所存であります。電線類の地中化など政策課題に対応した重点配分や、事業実施箇所の絞り込みによる事業の早期完成を図りますとともに、公共工事のコスト縮減につきましては広範な対策を講じてまいります。さらに、各省庁の枠を超えた事業間の連携強化、費用効果分析の活用などにも積極的に取り組んでまいります。  また、公共工事の入札・契約制度については、共同企業体方式の活用等により中小・中堅建設業者の受注機会の確保に努めつつ、透明性、競争性をさらに高めるように取り組んでまいりたいと考えております。  今日、我が国は、高齢化、国際化、高度情報化、産業の空洞化などの大きな潮流の中で歴史的な転換期にあり、経済社会の各分野において大きな変革が求められておりますが、行政もまた、こうした時代の流れを的確に踏まえたものに変革されていかなければなりません。建設行政につきましても、従来の考え方にとらわれずにそのあり方を見直し、地方分権、規制緩和等も含め行政改革上の諸課題に前向きに取り組む必要があると考えます。  行政改革は、国民のため、国全体のためといった視点に立って、みずからの業務をみずから顧み、正すべき部分についてはみずから改善の青写真を描き、実現していく姿勢が重要であると考えます。こうした観点から、私は、建設大臣を拝命した直後に、職員一人一人に業務点検を指示するとともに、建設省行政改革推進本部を設置し、省を挙げて取り組んでおるところであります。  所管の公庫公団等にも、みずから業務点検を行うように指示をいたしました。住宅・都市整備公団につきましては、白地からの見直しを行い、分譲住宅からの全面撤退や町づくりへの業務の重点化について、抜本的な検討を行うように指示しております。このほか、現在、各公庫公団等において、関連公益法人等の改善を含めた適切な業務執行のあり方について検討を行っているところであることを御報告申し上げる次第であります。  以下、当面の諸施策について具体的に申し述べます。  まず、新しい国土構造を実現するとともに、経済構造改革を推進する観点から、高規格幹線道路や地域高規格道路の整備等を進め、交流ネットワークの形成を推進してまいります。  また電線共同溝等の公共収容空間の整備を行うとともに、二〇一〇年をめどに約三十万キロの公共施設管理用の光ファイバーを全国的に整備するなど、高度情報通信社会を支える情報通信インフラの整備を強力に進めてまいります。さらに、道路交通問題の解決の切り札と期待されるITS(高度道路交通システム)の研究開発、実用化の推進などによりまして、公共サービスの高度化や新産業の創出にも努めてまいります。  次に、快適な生活環境を創出するために、水と緑のネットワークの形成、普及のおくれた中小市町村における下水道整備などに力を注いでまいります。河川事業につきましては、従来の防災対策に加え、自然と調和した河川環境の整備、保全に向けた取り組みを強化してまいります。  また、高齢者、障害者に優しい町づくり、中心市街地の活性化など快適で魅力ある地域づくりを進めますとともに、良好な沿道環境の実現に向けて総合的な施策を展開いたします。  さらに、住宅宅地の整備につきましては、良質な住宅ストックの形成やゆとりある豊かな住生活の実現に向けて、住宅建設分野における高コスト構造の是正に努めつつ、公庫融資制度や住宅取得促進税制の拡充等を行うとともに、土地の有効利用の促進を通じて職住近接のゆとりある中高層の都市住宅の供給を促進するなど、都心居住推進等のための諸施策に取り組んでまいります。  今なお記憶に新しい阪神・淡路大震災や豊浜トンネル岩盤崩落事故、さきに述べました昨年末の蒲原沢の土石流災害などによりまして、多くのとうとい人命や莫大な財産が失われました。台風、豪雨などによる被害も毎年頻発しており、まことに憂慮の念にたえない思いであります。  私は、被災地の一日も早い復旧、復興、さらには、だれもが安心して安全な暮らしを送ることができる信頼感のある国土づくりを進めることがみずからに与えられた重要な使命であるとの自覚を強く持って、施策に万全を期してまいる覚悟であります。  このため、阪神・淡路大震災の被災地における復興対策、全国的な防災対策の充実強化に全力を挙げますとともに、平成九年度を初年度とした第九次治水事業五カ年計画を策定させていただきたいと考えております。  さらに、老朽木造建築物の密集、公共施設の不足等によって大規模地震時の危険性が高い密集市街地について、その整備を促進する措置を講ずることによって災害に強い都市構造を実現してまいる所存であります。  次に、良質な住宅・社会資本整備の直接の担い手である建設産業につきましては、建設産業政策大綱を踏まえ、その魅力と活力を高める振興策を講じていくとともに、技術と経営にすぐれた企業が伸びることのできる競争環境づくり等の検討を推進いたします。不動産業につきましては、透明な不動産流通市場の形成、宅地建物取引業者の資質の向上等に努めるとともに、不動産特定共同事業の活用を促進してまいります。  結びに、国土建設行政は、国民が多様な目標を目指すことができる基盤づくりを行うものであり、無限の可能性を現実のものへ引き出していく力を秘めたものだと思います。  私は、国民の皆様の期待と信頼にこたえ、また一層の御理解をいただくことができるよう、世論に十分耳を傾け、かつ、厳正な綱紀の保持になお一層努めつつ、引き続き建設行政の推進に精いっぱい努力してまいります。  委員長を初め委員各位の一層の御支援と御鞭撻を心からお願いを申し上げる次第であります。  ありがとうございました。(拍手)

市川雄一新進党

○市川委員長 伊藤国土庁長官。

伊藤公介自由民主党国土庁長官

○伊藤国務大臣 第百四十回国会に当たり、国土庁長官として、国土行政に対する私の所信を申し述べます。  政府は、長年にわたり、高度経済成長とともに深刻化した過疎過密問題等を解消することを目指して国土政策を推進してまいりました。しかしながら、現状では、首都圏における過密集中に起因する諸問題、地方圏における人口減少、高齢化の急速な進展、地方産業の空洞化などによる地域社会の活力低下といった問題が大きく残されていると言わなければなりません。  このような諸情勢の中で、我が国が二十一世紀に向けて、豊かで活力に富み、安心して暮らせるゆとりのある社会を創造していくために、次のとおり諸施策を進めてまいりたいと存じます。  まず第一は、二十一世紀の国土像の形成に向けた検討、取り組みであります。  我が国の経済社会が大きな転換期を迎えている中で、国土審議会において、一昨年来、新しい全国総合開発計画の御審議をいただいてまいりましたが、去る十二月十日、伺審議会計画部会の調査検討報告をまとめていただきました。この中では、地域の特色ある活性化などを実現するために、東京一極集中につながってきた現在の国土構造を複数の国土軸から成る国土構造へと転換する必要があること、質の高い自立的な地域社会を形成するために、従来の行政単位の枠を超えた広域的な地域間の連携が必要であることなどが示されています。今後、国民各層からの意見などを踏まえて、新しい全国総合開発計画の策定に向けて取り組んでまいります。  首都機能移転については、東京一極集中の是正、国土の災害対応力の強化といった課題に大きく寄与するとともに、国政全般の改革と深くかかわる大変意義深いものになっていると考えております。昨年設置された国会等移転審議会において、移転先候補地の選定に向けた調査審議がいよいよ本格化することとなり、この重要な課題に対して積極的に取り組む所存であります。特に、国民的な合意形成が重要との考えのもとに、審議会における議論の内容をできる限り詳しく国民にお伝えをするとともに、国民の御意見を伺う機会を広ぐ設け、御理解を得るべく努めてまいりたいと存じます。  また、公共事業における各省庁間の枠を超えた連携の強化、推進に努めていくため、新たな調整費などを設け、活用したいと考えております。  第二は、大都市圏の整備の推進であります。  三大都市圏の新たな基本計画などの策定を進めるとともに、国の行政機関などの移転、業務核都 市、筑波研究学園都市、大阪湾ベイエリア、関西文化学術研究都市、中部圏の高速交通基盤を核とした地域プロジェクトなどの整備、琵琶湖の保全についての検討を推進します。また、大深度地下利用につきましても積極的に検討を進めてまいりたいと存じます。  第三は、地方振興の推進であります。  新しい地方開発促進計画の策定を進めるとともに、地方拠点都市地域の整備、地域間交流・連携による地域づくりの推進、地方産業の振興・活性化、地方回帰の促進などの諸施策を総合的に展開してまいります。  また、過疎地域、山村、半島、豪雪地帯、離島などの特定地域における生活環境や産業基盤の整備などを進め、地方の振興に今後とも積極的に取り組んでいく所存であります。  また、法の期限が迫っております特殊土壌地帯対策につきましては、関係方面とも連携をとりつつ、所要の対策を推進してまいります。  第四は、総合的な土地対策の推進であります。  地価が現在のような状況にあります今日、所有から利用へという観点から、土地の有効利用の促進や実需に基づく土地取引の活性化など、土地政策の新たな展開を図ってまいります。土地政策審議会から昨年十一月にいただいた「今後の土地政策のあり方について」の答申を踏まえ、関係省庁とも連携を図りながら、新たな土地政策推進要綱を早急に策定してまいります。  第五は、災害対策の推進であります。  我が国は、地震、風水害、火山噴火などの各種災害に見舞われやすく、阪神・淡路大震災は今なお人々の記憶に新しいところであります。今後とも、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、関係省庁との連携体制を強化しつつ、地震発生直後における政府の初動対応の迅速化、災害情報収集・伝達体制の強化、地域防災拠点施設の整備、災害に強い町づくりなどによる総合的な災害対策を推進してまいりたいと存じます。  また、今回のナホトカ号重油流出事故につきましては、政府一体となった体制のもとに全力を挙げて取り組んできており、今後とも迅速的確な対策がとられるよう努力してまいります。  第六は、総合的な水資源対策の推進であります。  近年の渇水の頻発にかんがみ、水危機対策の確立、水の有効利用の促進を図るとともに、水資源開発を推進するなど、総合的な水資源対策の推進を通じて、水を大切にし、渇水のない豊かで潤いのある社会の実現を目指してまいります。また、今後の水資源に関する諸施策の指針となる新しい全国総合水資源計画の策定を進めてまいりたいと存じます。  これらとあわせて、現下の最重要課題であります阪神・淡路地域の復興につきましては、私自身、阪神・淡路復興対策副本部長として、住宅を初めとする生活の再建、経済の復興、安全な地域づくりなどの諸課題について引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。  以上、国土行政に関する所信を申し述べました。これら施策の推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力を切にお願いを申し上げて、所信とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

市川雄一新進党

○市川委員長 次に、平成九年度建設省関係予算及び平成九年度国土庁関係予算について、それぞれの概要説明を聴取いたします。佐藤建設政務次官。

佐藤静雄自由民主党建設政務次官

○佐藤(静)政府委員 建設省関係の平成九年度予算について、その概要を御説明いたします。  まず、一般会計予算は六兆七千七百八十七億円を計上いたしておりますほか、道路整備特別会計、治水特別会計、都市開発資金融通特別会計、特定国有財産整備特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。  また、財政投融資計画については、当省関係の公庫公団等分として十五兆四百七十九億円を予定いたしております。  建設省といたしましては、以上の予算によりまして、二十一世紀に向けて、豊かな生活と活力に満ちた経済社会を構築するための基盤となる質の高い住宅・社会資本整備を的確に推進してまいる所存であります。  特に、平成九年度におきましては、計画的な事業の推進を図るため、治水事業五カ年計画を新たに策定するとともに、事業の効率的、効果的な実施を図りつつ、電線類の地中化など当面する政策課題に対応した住宅・社会資本整備を戦略的、重点的に推進していくことといたしております。  具体的には、  高規格幹線道路網や地域高規格道路の整備、空港、港湾等へのアクセスの強化など次世代の活発な経済社会活動の展開のための交流基盤の整備  電線共同溝による電線類の地中化など情報ハイウエーの整備やITS(高度道路交通システム)の開発などマルチメディア社会に対応した新たな社会資本の整備  水と緑のネットワークの形成、ふるさと下水道の整備や防災公園等の整備、高齢者、障害者に優しい町づくり、床上浸水解消対策、交通渋滞対策など快適な暮らしが実感できる生活環境の創出  良質な公的住宅の的確な供給、都心居住促進対策や高齢者向け住宅供給の推進、優良な宅地開発の促進など住まいの豊かさを実現するための住宅宅地の整備  道路橋、堤防、住宅等の補強、土砂災害対策やのり面防災対策の推進、密集市街地の整備など安全で安心できる地域づくり、町づくりの推進に重点を置くことといたしております。  なお、事業別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付しております平成九年度建設省関係予算概要説明によりまして御承知を願いたいと存じます。  以上、よろしくお願いいたします。(拍手)

市川雄一新進党

○市川委員長 井奥国土政務次官。

井奥貞雄自由民主党国土政務次官

○井奥政府委員 総理府所管のうち、国土庁の平成九年度予算について、その概要を御説明いたします。  国土庁の一般会計歳出予算は、三千八百三十六億五千二百万円余を予定をいたしております。  また、大蔵省所管の産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業のうち、国土庁に係る無利子貸付金について、歳出一千五百万円を予定をいたしております。  次に、平成九年度予算の主要な内容は、  第一に、新しい全国総合開発計画の効果的推進等の国土計画の推進  第二に、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るための新たな総合的土地対策の推進  第三に、水資源の開発及び有効利用の促進等の総合的な水資源対策の推進  第四に、首都機能の移転の具体化へ向けた検討及び三大都市圏の基本計画の策定等大都市圏整備の推進  第五に、人口の地方定住を促進し、国土の均衡ある発展と活力ある地域社会の形成を図るための地方振興の推進  第六に、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震、津波、噴火、洪水等の災害から国民の生命及び財産を守るための総合的な災害対策の推進  第七に、人口及び産業の地方への分散と地域の開発発展を図るための地域振興整備公団の事業の推進であります。  国土庁予算の重点施策の概要につきましては、お手元に配付をいたしてあります平成九年度国土庁予算概要説明によりまして御承知を願いたいと存じております。  以上、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

市川雄一新進党

○市川委員長 以上で両大臣の所信表明並びに関係予算の概要説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十五分散会

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