環境委員会 第3号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1997/04/11
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、環境影響評価法案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。石井環境庁長官。 ————————————— 環境影響評価法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○石井国務大臣 環境影響評価法案の提案理由の説明をさせていただきます。 近年、環境問題は、地球環境問題や、事業者や国民の通常の活動に起因する環境負荷の問題などに見られるように、時間的、空間的、社会的に広がりを有するものとなっております。こうした環境問題の様相の変化に対応し、持続可能な経済社会の構築を図るため、環境の保全の基本的理念とこれに基づく基本的施策の総合的な枠組みを示すものとして環境基本法が平成五年に制定され、環境の保全に関する基本的な施策の一つとして、環境影響評価の推進が位置づけられているところであります。 大規模な開発事業等の実施前に、事業者みずから環境影響について評価を行い、環境の保全に配慮する環境影響評価は、環境悪化を未然に防止し、持続可能な社会を構築していくための極めて重要な施策であり、我が国におきましては、昭和四十七年の閣議了解以来取り組みが進められ、昭和五十九年の閣議決定等に基づき、その実績が着実に積み重ねられているとともに、多くの地方公共団体においても環境影響評価制度が整備されるなど、着実な進展を見てきたところでありますが、近年、行政手続法の制定により行政運営の公正の確保と透明性の向上が求められることとなり、また、地方分権推進法の制定により国と地方の役割分担のあり方が示されるなど、環境影響評価制度をめぐり新たな状況が生じてきております。 こうした状況に適切に対応するため、政府におきましては、さきに中央環境審議会に対して環境影響評価制度のあり方について諮問し、審議を求めておりましたところ、本年二月に答申を得ましたので、これに基づきまして、今般、本法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。 第一に、この法律案は、事業者が事業の実施に当たりあらかじめ環境影響評価を行うことが、環境の保全上極めて重要であることにかんがみ、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業について環境影響評価が適切かつ円滑に行われるための手続その他所要の事項を定めることとしております。 第二に、対象とする事業について、国の立場から見て一定の水準が確保ざれた環境影響評価を行わせる必要のある事業として、第一種事業と第二種事業という二つの類型を設けております。第一種事業とは、必ず環境影響評価を行うこととする事業として、道路、ダム、鉄道、飛行場、発電所等の事業のうち、その規模が大きく、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものを定めることとしております。また、これらに準ずる規模を有するものについても第二種事業として位置づけ、これらについて環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるかどうかを具体の事業ごとに判定する手続を設け、その程度が著しい場合には、この法案の規定による環境影響評価その他の手続を行うこととしております。 第三に、事業者は、対象事業に係る環境影響評価を行う方法について環境影響評価方法書を作成し、公告縦覧を行い、環境の保全の見地からの意見を有する者がこれを述べることができることとするとともに、関係都道府県知事は関係市町村長の意見を聞いた上で、環境の保全の見地から意見を述べるものとしております。事業者は、これらの意見が述べられた後に環境影響評価の方法を定め、それにより環境影響評価を行うこととなります。 第四に、事業者は、環境影響評価を行った後、その結果について環境の保全の見地からの意見を聞くための準備として環境影響評価準備書を作成し、公告縦覧を行い、これについて説明会を開催することとし、準備書について環境の保全の見地からの意見を有する者はその意見を述べることができることとするとともに、関係都道府県知事は 関係市町村長の意見を聞いた上で、環境の保全の見地からの意見を述べるものとしております。 第五に、事業者は、これらの意見が述べられた後に環境影響評価準備書の記載事項に検討を加え、必要な措置を講じ、その結果について環境影響評価書を作成しなければならないこととしております。事業者は、環境影響評価書を免許等を行う者へ送付し、これらの者はこれに対し環境の保全の見地からの意見を述べることができることとしております。この際、当該環境影響評価書は環境庁長官にも送付され、環境庁長官は必要に応じ環境の保全の見地からの意見を述べることができることとしております。事業者は、これらの意見が述べられた後、環境影響評価書の記載事項に検討を加え、所要の補正を行い、これを公告縦覧することとなります。 第六に、事業者は、環境影響評価書の公告を行うまでは、対象事業の実施をしてはならない旨を定めるとともに、環境影響評価の結果を免許等の審査に反映させるため、環境の保全の配慮についての審査等に係る所要の規定を設けております。また、事業者も、環境の保全についての適正な配慮をして当該対象事業を実施しなければならないものとしております。 以上のほか、都市計画に定められる対象事業等に関する特例、港湾計画に係る環境影響評価その他の手続、発電所についてのこの法律案と電気事業法との関係、及び地方公共団体の行う環境影響評価に関する施策との関係等について、所要の規定を設けることとしております。 以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
○佐藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。持永和見君。
○持永委員 自由民主党の持永でございます。 ようやく、待ちに待った環境影響評価法案が、本日からこの衆議院で委員会の審議ということになりました。 振り返ってみますと、この環境影響評価制度について法案にしようということで、国としてあるいは政府として取り組み始めたのは恐らく五十年代からではなかったかと思います。以来、二十数年たっておりますし、また、一遍出された法案が昭和五十九年に解散という事態で廃案になった。それからもう十余年という長い経過を経ておるところであります。 そういう意味でいえば、環境の保全を国の重要な施策としてやりたいな、あるいはやらなければいかぬなという思いをされていた関係者にとっては、長年の、待望の、待ちに待った環境影響評価法案がようやっとここに上程をされた。そういう意味では、関係者にとっては感慨もひとしおなものがあるのではないかというふうに思っております。 実は、長官が十時から参議院の方だそうでございますから、最初に二、三、長官の決意をお伺いして、後で順次質問をさせていただきたいと思います。 石井長官が就任されて、長年の懸案だった環境影響評価法案がこうやって上程され、審議されるということは、我が国の環境行政にとっても極めて画期的なことであるし、それだけまた長官に対する期待も大きい、これからの環境庁に対する期待も大きくなると思っております。この環境影響評価法案の中でも、環境庁長官は、全体の立場から幅広く環境保全の見地からの意見を積極的に述べることができるというふうに規定をされておりまして、それだけ、これからますます大事になる環境保全の問題、あるいは地球環境の問題、こういった問題についての環境庁長官の役割、あるいは環境庁長官の重みというのはますます大きくなるのではないかと思います。 この制度がこれから審議され、成案を得ることになりますれば、この環境保全の取り組みをさらにより確実なものにしていかなければいかぬという思いをしておりますが、そのことについてのまずは石井長官の積極的な決意をぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○石井国務大臣 ただいま持永議員がおっしゃいましたように、この環境アセスメント法案は、先進国の日本として、本当にまさに長い間の懸案事項であり、悲願ともいうべきものであったと思います。ようやく本日からこの衆議院の環境委員会で審議が始められることになったわけでございまして、私もこのような場に環境庁長官として遭遇できたこと、本当に大きな感激でありますと同時に、大変重大な責任を感じているところでもございます。 環境アセスメント制度につきましては、環境の保全上の支障を未然に防止し、総合的な環境の保全を図る上で極めて重要な施策でありまして、その的確な推進を図る必要があると認識をしております。我が国におきましては、これまで閣議決定等に基づきまして着実に実績を積み重ねてきたところではありますが、環境基本法に盛り込まれた新たな課題等にも対応するために、中央環境審議会の答申を踏まえまして、今般この環境影響評価法案を提案したところでございます。 法案は、現行制度を改善すべき点は改善し、諸外国の制度と比較しても遜色のない内容のものでありまして、これによりまして実効ある環境影響評価の実施が確保をされ、環境保全の取り組みが飛躍的に促進されるものと確信をしているところでございます。 本法案成立の上は、本法案によりまして、環境庁の責任が一層重みを増すこととなるのは御指摘のとおりでありまして、これからも国民の期待にこたえて、この環境影響評価制度の運用に万全を期しまして、環境保全の取り組みをより確実なものにしていく所存でございます。
○持永委員 ぜひ今の決意を十分胸に秘められてお取り組みをいただきたいと思います。 次の問題は、この環境影響評価の法案に直接関係ありませんが、最近非常に大きな問題となっております地球環境の問題があります。 申し上げるまでもなく、地球環境というのは人類あるいは地球上にすむ生物そのものの生存の基盤であると言っても過言ではありませんし、また我々が、人間が健全な生活を送っていくための源であると言うことができるかと思います。 ところが、この地球環境の保全で今大きな問題となっておりますのが地球温暖化の問題であります。いわゆるCO2、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量がこのままの状況で続けば、二一〇〇年ぐらい、いわゆる二十一世紀末には地球自体が危なくなるのじゃないか。地球の温度が二度ぐらいも上昇したり、あるいは海面も五百ミリぐらい上昇する。そうなると、生態系一いわゆる地球上にすむ生物そのもの、あるいは食糧、人間の健康、そういったものに大きな影響があると言われておるところであります。 専門の科学者の間では、いわゆるCO2、二酸化炭素排出量を最終的には現在の半分以下にしないとこれからの地球環境は守っていかれないというようなことも言われております。平成五年の十二月にそういった報告書も出されております。 こういった地球環境問題あるいは温暖化の問題が全人類的にあるいは地球的に極めて大きな問題となる状況の中で、ことしの十二月に我が国がホスト国となっての地球温暖化防止会議が開かれるわけであります。極めて大事な会議であり、二十一世紀における地球全体の生存をかけた、意味のある会議だと思います。 そのためには、この会議において、CO2、二酸化炭素の排出量について相当思い切った、積極的な排出削減目標というのを掲げ、それを議論をしていただかなければならないと思っております。何といってもこの会議は日本が開催国であり、ホスト国でありますから、日本がリーダーシップをとってその会議をリードし、世界の地球 環境を守るということを内外ともに明らかにし、そして日本が環境先進国としての立場を確立すべき一番大事な会議であると思っております。 そういう意味で、この会議に向けて、二酸化炭素排出量の削減目標、これをどういうふうにするか、まだ具体的に私どもも聞いておりません。いろいろ検討がなされているというような話は聞いておりますけれども、まだその具体的な内容がはっきりしておりませんが、この点について、十二月でありますから、もうそろそろ環境庁として前向きな、積極的な対応が必要であろうと思います。 どうかひとつ、その検討の状況について、この段階でお話しできることは話をしていただきたいし、また、この会議に向けて環境庁長官が世界の環境保全のリーダーとしての活躍を果たされますような、そういう決意をぜひお持ちいただきたい。そのことについての環境庁長官の決意をお聞かせをいただきたいと思います。
○石井国務大臣 地球サミットが五年前に開催をされまして以来、国際社会の中でも環境問題に対する関心が高まってまいりましたし、我が国におきましても、環境基本計画に基づきましての取り組みも次第に実績も積んでまいっているところでもございます。 その中で、地球温暖化防止京都会議がことしの十二月に京都で開かれるということになっておりまして、この会議におきましての国際約束に盛り込まれる温室効果ガスの排出削減目標につきましては、環境保全上実効があって、公平で、また実行可能なものとすることが必要になってまいります。そして、こうした点を考慮しながら、現在政府部内で検討を行っているところでもございますし、今後の本格的な外交交渉の中で、できるだけ早い時期に政府として提案できるようにしていきたいと考えているところでもございます。 いずれにいたしましても、地球温暖化防止京都会議は人類の今後を左右するような重要な会議であることは御指摘のとおりでございますし、我が国が旧西側第二位の二酸化炭素排出国であるという責任を踏まえまして、会議の開催国としての責任といたしましても、この会議の成功に向けて最大限の努力をしてまいる所存でございますので、どうぞまた御支援、御指導を賜りますようにお願い申し上げる次第でございます。
○持永委員 どうかひとつぜひ頑張っていただきたいと思います。長官、結構です。 鈴木政務次官がお座りでありますから、政務次官に御答弁をいただいても結構ですし、政府委員に御答弁をいただいても結構でありますが、質問を続けさせていただきたいと思います。 環境影響評価制度というものが法制化された、これが今回の環境影響評価法案の提出の主たる基本となっておりますが、先ほども申し上げましたように、我が国におきましては、環境影響評価制度というのは、長年の経緯を経て、今日ようやくこうやって法律化されたと言うことができるかと思います。 五十九年、前回の環境影響評価法案が廃案となって以来、しかし、といって環境影響そのものを放置するわけにいかないということで、閣議決定が行われております。いわゆる閣議アセスというものが行われ、また、地方は地方の方で先進的に自分のところを環境汚染から守ろう、環境を保全しようということで、地方公共団体がそれなりの条例なりあるいは要綱をつくって環境影響評価制度を積み上げてまいりました。また、各省においても、通産省が発電所アセスをつくったり、あるいはその他各省庁でそれぞれ必要なアセス制度というのを行政指導あるいは要綱の形でつくってきたというのが今日であります。 平成五年に環境基本法が成立を見まして、この中で、環境影響評価の推進が、二十条であったと思いますが、たしか大きな位置づけをされて、環境影響評価制度というのを推進し、そのために政府としては必要な措置を講ずるのだということが規定されております。この必要な措置というのは何だということをめぐって当時もいろいろ議論が行われたことを私も今思い出しておりますが、法制化も含む措置だということが当時言われておりました。 以来、政府としても法制化に向けての努力がなされました。各省庁との調整の問題、あるいは中央環境審議会におけるいろいろな意見がありましたけれども、今回、ようやく廃案以来十四年ぶりにこの環境影響評価法案が提出をされることになったわけであります。 法案として環境影響評価を行うことになったわけでありますが、従来の行政指導あるいは地方公共団体が自主的にやる環境アセスと、今回の法案化されたことによる、法制化されたことによる意義あるいはその効果、これはぜひともまずお伺いをしておかなければいかぬと思っておりますので、法律化されたことによる意義、あるいは法律化されたことによってこれだけの効果が生まれるのだということをぜひ伺いたいと思います。
○田中(健)政府委員 今お話がございましたように、旧法案の廃案以降十四年にわたりまして、閣議決定等に基づく行政指導によりましてアセスメントを実施してきたわけでございますが、その間に、着実な実績の積み重ねによりまして、環境アセスメントは、開発事業について環境配慮を確保する有効な手法として定着をしてまいりました。また、先生今お話がございましたように、環境基本法の制定によりまして、環境影響評価の推進が位置づけられたわけでございます。 また、環境アセスメントは、立場の異なる広範な主体のかかわり、それぞれの役割、行動のルールを定めることが基本でございますし、また、行政手続法の制定によりまして行政指導の限界が明らかになった、こうしたことからも、法制化は時代の要請でございます。環境基本法を受けまして、我が国の環境政策の積年の課題でございましたアセスメントの法制化を図ることは、環境問題がますます重要となるでありましょう二十一世紀に向けまして、我が国の環境政策の基盤を確立いたしまして、環境保全に積極的に取り組む姿勢を内外に示す上でも大変重要な意味があるものと思います。 それで、法制化のメリットでございますけれども、一つは、事業者のみならず国民あるいは行政といった広範な主体がかかわります環境影響評価の手続は、法定をされるということによりまして各主体の役割や行動のルールが明確になりまして、これまで以上に環境影響評価の円滑な実施が期待をされるということ、あるいはまた、これまで行政指導によっておりましたので、環境影響評価の結果を許認可等に反映させることに限界があったわけでございますけれども、法律でいわゆる横断条項を規定することによりまして、事業にかかわります許可等を定める法律に環境の保全の観点が含まれない場合にも、環境影響評価の結果を確実に反映させることができる、こうしたこともございます。 それから、環境庁長官の意見でございますけれども、これまでは免許権者からの求めに応じまして意見を申していたわけでございますが、これからはみずからの判断によって必要に応じて意見を述べることができる、これまで以上に環境保全に万全を期することができる、こういうことになるわけでございます。 こういったことで、法制化するメリットというのはいろいろあるわけでございまして、環境行政の推進上大変有効になるというふうに考えております。
○持永委員 この環境影響評価が法律化されたことの意義なりその効果が十分国民の間、事業者の間あるいはそれぞれ国なり地方公共団体の間に行き渡りまして、その機能が十分に発揮されますことを心から祈念をするものであります。 多少個別的な問題になりますが、発電所の問題について、ひとつ環境庁の立場からお伺いをいたしたいと思います。 この法案ができる過程で、これはマスコミなどでもいろいろと取りざたをされましたが、中央環境審議会あるいは政府部内において、いろいろと 発電所の問題について議論が行われておりました。国民の間では、発電所が包括的なアセスメント法の対象になるのか、あるいはそこから外れて電気事業法の対象になるのか、一面では大変わかりにくい議論もあったと思います。 中央環境審議会の審議あるいは政府部内の調整あるいは世論の動向、そういったものから、結果的には今回の環境影響評価法案の対象事業に発電所も加えられてはおりますけれども、一方では、電気事業法改正案で発電所に関する特例が定められることになりました。これも既にきのうの段階で、衆議院に提案をされるということになっております。 そういったことから、発電所について、いわば環境庁なり中央環境審議会がねらいをされております十分なアセスメントが本当に行われるのかどうか、この点について、国民の間には不安を感ずる向きがあるのではないかと思います。このことに関しまして、特に国民の懸念を払拭するという意味でも、ぜひひとつ環境庁の立場で明確な見解をお示しいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 発電所につきましては、過去二十年間、電源立地の円滑化のために、通商産業省の商業アセス制度におきまして、手続の各段階から国が指導監督をいたしまして、十分な実績を上げてきたところでございます。 それから、これは民間事業者の個別事業が電力の安定供給という国の施策と強いかかわりを持つという特殊な性格を有するものであること、こうしたことから、私どもといたしましては、この御提案をしております環境影響評価法案の手続に加えまして電気事業法を改正をいたしまして、手続の各段階で国が関与する特例を設けることといたしたわけでございます。 これは、ただいま申し上げましたような発電所に関する過去の通産省省議アセスの実績と電力の持つ特殊性ということを勘案したわけでございますが、このような特例を設けはいたしますが、発電所は、御提案をしております環境影響評価法案の対象事業の一つといたしまして、中央環境審議会の答申の原則を満たすように作成をされました環境影響評価法案の定めるいろんな指針やあるいは手続が適用されるということになるわけでございます。 手続の基本は、環境影響評価法案の制度にのっとるということでございます。したがいまして、発電所につきましても答申の趣旨を踏まえた十分なアセスメントが行われることになるものと私どもは考えております。
○持永委員 いずれこの問題はまた同僚の各議員の方からもいろいろ議論があるかと思いますが、ぜひひとつ、環境庁として、やはり環境アセスメントの基本は環境庁にあるんだ、そういう立場を貫いていただいて、各省庁に対してそれなりの優位性といいますか指導性、調整官庁としての機能を発揮してもらいたいと思います。 次に、先ほども長官のお話の中に、外国制度に比しても遜色のないものができましたというようなお話がありましたけれども、残念ながら、この環境アセスメント制度、我が国は、先ほど申し上げておりますように、今日の段階に至るまで長年の経緯をたどってまいりました。そういった長年の時間の間に、先進国ではOECDにたしか二十九カ国の加盟国があると思いますが、その中でこの環境アセス制度の法制化をしていないのは我が国だけだというような状況、あるいはまたOECD以外の世界の国でも五十カ国以上の国が関連の法制を備えておるような状況であります。 そういう意味からいうと、今、我が国としては、こういった環境影響評価制度については極めて肩身の狭い思いであるということを言わざるを得ないと思いますが一命回、ようやくこうやって環境影響評価法案が出てまいりました。せっかくこの環境影響評価法案が出てまいりましたならば、先ほども申し上げましたように、ことしはCOP3もあります。日本が環境保全あるいは環境汚染の防止についての先進国であらなければならない、それだけ日本は公害とか何とかに大変悩まされた国でありましたけれども、それを乗り越えて環境保全についての先進国でありたいというのが私どもの願いであります。 そういう意味からいうならば、今回のこの環境影響評価法案が各国の環境影響評価制度、環境影響評価法案と比べて遜色のないものかどうか、そういう点について、どういう点がどういうふうに進んでいるというようなことがありますれば、ひとつ具体的に明確な答弁をお願いを申し上げたいと思います。
○田中(健)政府委員 本法案の立案に至る過程で、私どもは欧米等の諸外国の制度の実施状況等十分に調査をいたしました。その上で、その成果を踏まえて中央環境審議会に御審議をお願いしたところでございます。 それで、具体的に申しますと、主要諸国の制度において見られますような、一つは、環境影響評価の実施の必要性を個別の事業ごとに判断をする、いわゆるスクリーニングの手続でございます。 それから、地方公共団体あるいは住民等からの環境情報を収集をいたしまして具体的な環境影響評価の方法を個別に選定をいたします、いわゆるスコーピングの手続、こういった事前手続を導入をいたしております。 さらに、複数案の比較検討をする手法を導入をいたしますために、環境保全対策の検討の経過を評価書等の記載事項としております。 それから、フォローアップのために、評価後の調査等の措置を評価書等の記載事項ともいたしております。こうしたことが盛り込まれておるところでございます。 こうした具体例がございまして、したがいまして、この法案の内容は、私どもは諸外国と比較いたしましても遜色のないものであるというふうに考えております。
○持永委員 もう余り持ち時間もありませんので最後の質問になるかと思いますが、これから先の問題として、ひとつぜひお伺いをしておきたいと思います。 私は、これは申し上げるまでもないことでありますけれども、環境アセスメントというのは、大気とか水とか土壌とか動植物、いろんな分野におきます科学的な知識といいますか知見というものを総動員して行われなければなりません。それによって、アセスのための技術指針というのはこういった最先端の科学なり技術を反映したものでなければなりませんし、科学技術というのは日進月歩であります。極めて速いテンポでこの進歩が、進展が図られていると思います。そういった意味で、こういった面からの適切な見直しというのを常に考えていかなければならないと思っております。 二番目は、中環審の答申でもありますように、上位計画・政策段階での環境配慮、港湾計画などがそれに当たるかと思いますが、上位計画とか政策段階での環境配慮のためのアセスメントの検討というのが、今後ともやられていかなければなりません。環境基本法の十九条、国の環境配慮の責務がより幅広く具体的に果たされるように政府としてもこれから検討を積み重ねていくことが必要だと思っております。 このほかに、アセスメント、今回法律が成立し、これが実行されるということになりますと、その実績が積み上がってくるかと思いますが、そういった実績の積み重ねを踏まえながら、今後とも、この内容について、制度について、仕組みについて、適切な見直しなり検討が行われることが必要であるかと思っております。 こういったこれから先の問題について環境庁としてどういうふうに取り組んでいかれるおつもりか、お伺いをいたしたいと思います。
○田中(健)政府委員 先生から今お話がございましたが、環境基本法第十九条におきまして、国は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定、実施するに当たりては、環境の保全について配慮することとされているところでございます。 今般の法案におきましても、過去の実績等を踏 まえまして、港湾計画につきましてのアセスメントを盛り込んだところでございますけれども、上位計画、一般のアセスにつきましては、今後、中央環境審議会からいただきました答申に従いまして、国際的な動向やあるいは我が国での現状を踏まえまして、政府の計画あるいは政策についてのアセスメントの手続等のあり方につきまして具体的に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 それから、制度をよりよいものとしていく観点で、制度の運用状況を点検をいたしまして、今後の内外の科学的知見の集積状況等を踏まえまして、必要に応じまして技術指針等を見直すなどの運用の改善を図っていきたいというふうに考えております。 さらに、この法案の附則におきまして、法施行後十年を経過した段階で、法律の施行の状況について検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずる、こういう規定も設けているところでございまして、こうしたことを踏まえましてさらに制度の改善に今後とも努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○持永委員 ぜひひとつ環境影響評価法案の成立を契機として、我が国の環境保全行政あるいは環境汚染防止のための政策というのが、さらにさらに実効が上がりますことを心から祈念を申し上げたいと思います。また先ほど申し上げましたとおり、ことしはCOP3が我が国において行われる大事な年であります。このかえがたい地球を二十一世紀あるいは二十二世紀、二十三世紀にわたって我々の子々孫々に残すためにも、ぜひとも地球環境の問題あるいは国内における環境保全の問題というのは、政治家としても真剣に取り組んでいかなければならないこれからの大きなテーマであり、課題であろうと思っております。 そういう意味で、これは政治家のみならず、まずは行政としても真剣にこの問題に取り組んでいただきたい。環境庁、ともすれば今まで調整官庁として、果たしてその機能が十分に発揮されていたかなということについては、いささか私どもの方も物足りないところがありますから、どうかひとつ、これから大いに勇気を持って積極的に各省庁の調整官庁としての実力をこの法案の成立を機に発揮していただきますことを特に最後にお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○佐藤委員長 谷津義男君。
○谷津委員 環境アセスメントの法案が提出されたにつきまして、各論について少し質問してみたいと思います。できるだけわかりやすく簡単に御答弁をお願いします。多岐にわたっておりますので、よろしくお願いいたします。 十四年前に廃案になったことがございます。その後、宮澤内閣のときに基本法をつくりました。その基本法の最後の質疑のときに総理に出席をしていただきまして、このアセスメント法の法制化について私質問いたしましたらば、できるだけ早く提案をしたいという御答弁もありました。そして今回、法制化に当たっては総理からの諮問を受けた中央環境審議会において幅広くヒアリングが行われて、また熱心な御論議があったというふうに聞いております。 こうした経過を経まして答申が出されたわけでありますが、これは、政府はこの答申に基づきまして十分に尊重しながらこの法案をつくったというふうに聞いておりますが、これについてはどのように反映されているのか、まずもってお聞きをいたします。
○田中(健)政府委員 中央環境審議会の答申におきましては、現行制度を見直すべき点を中心に、新たな制度が備えるべき基本原則といたしまして、対象事業の拡大、それからスクリーニングあるいはスコーピング制度の導入、それから一般の意見提出機会の拡充、環境基本法に対応いたしました評価の対象や視点の見直し、それから事後のフォローアップの措置などが示されましたけれども、法案では、これらの基本原則につきまして法律として規定すべきものはすべて盛り込んだものとなっていると考えております。 このほか、法案では、環境庁長官あるいは主務大臣等の意見を受けまして事業者が評価書を再検討する仕組み、それから港湾計画に関する環境影響評価を規定するなど答申の趣旨に即してより充実した内容のものとなっているというふうに思っております。
○谷津委員 我が国におきましては、環境アセスメントは長い内閣議アセスで行われておりまして、行政指導ベースで行われてきました。今回の法案化によってこれまでのアセスと具体的に何が変わったのか、その変わった点をお示しいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 まず第一に、これまで行政指導という形で事業者の任意の協力に依拠して行われてきた環境影響評価が、事業者の法律上の義務として位置づけられるというのが第一点でございます。 それから第二といたしまして、事業者のみならず国民あるいは行政といった広範な主体がかかわる環境影響評価の手続が法定されることによりまして、各主体の役割、行動のルールが明確になりまして、これまで以上に環境影響評価の円滑な実施が期待されるということになろうと思います。 それから第三に、これまでは行政指導によっておりましたので、環境影響評価の結果を許認可等に反映させることに限界がございましたけれども、法律でいわゆる横断条項を規定することによりまして、事業にかかわります許認可等を定める法律に環境の保全の観点が含まれていない場合にも環境影響評価の結果を許認可等に確実に反映させることができるということになります。 それから第四に、環境庁長官が免許等を行う者に対しましてみずからの判断によりまして必要に応じて意見を述べることができ、これまで以上に環境保全に万全を期することができる、こういう ことになるわけでございます。 それから第五に、先ほど申しました対象事業の拡大、あるいはスクリーニング、スコーピングといった事前手続の導入、それから事後のフォローアップの措置の導入、環境基本法に対応した評価の充実、それから環境庁長官等の意見を踏まえまして評価書を補正する仕組み等の創設。 これまでの制度から格段に充実した環境影響評価が行われることになると思っております。
○谷津委員 アセスメント制度をめぐる論議の中に、現行制度、いわゆる閣議アセスは、事業内容が固まった、そしてもう後じさりができないような状況になって手続が始まっておりましたものですから非常に問題があるということが指摘をされまして、早期の段階で環境の配慮を確保するためにどうしても先にやっていく必要がある、計画段階でやっていく必要があるというふうに私は思っておったわけであります。 今回の法案では新たにスコーピングが導入されておりますけれども、これによってどのような効果があるのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 このスコーピング制度の導入によりまして、調査に着手する前の段階で住民あるいは専門家等の意見が反映されるということになりますから、論点が絞られまして、効率的でめり張りのきいた予測評価が行われるということになるとともに、このプロセスを通じまして関係者の理解がより一層促進をされまして、これまで往々にしてございました作業の手戻りの防止が図れる、こうした効果が期待されるわけでございます。 さらに、この手続におきまして提供されました有益な環境情報を活用することによりまして、事業計画の早期段階での環境配慮に大いに資する、こういうことが期待をされるということでございます。これがスコーピング制度の効果であろうと思っております。
○谷津委員 そこで、スコーピングの手続の導入によりまして、私は問題があるのではなかろうかなというように思うのです。それは、調査の項 目、手法、こういうものについて限りなく要求が出されてくるのではなかろうかという、そういう心配がある。そうなりますと、事業者は、これは役所も事業者の一つでありますし、民間もそういうような形で出てくるわけでありますけれども、対応に窮するのではないか、そういう心配があるわけですね。これについてはあらかじめ指針を示しておく必要があるのではなかろうか、そうしないときちんとした対応ができなくなるのではなかろうか、こういうふうに私は思うのですけれども、この法案ではどのようにこれが取り扱われているのか、明快に答弁をしていただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 スコーピング手続の導入によりまして、先生今御指摘のございましたように、環境影響評価の項目等につきまして際限のない要求がなされるという懸念もあるわけでございますけれども、これに対応するため、法案におきましては、調査等の項目及び手法を選定するための指針を定めることといたしております。 この指針では、各事業種の標準的な事業形態を想定をいたしまして、その場合に必要と考えられる標準的な項目、手法を示すとともに、どのように項目を追加し、または削除するか、また、どの項目を重点化するか、また簡略化するかなどといった選定の考え方を示すということを考えております。 さらに、項目や手法の選定に当たりまして事業者が対応に窮した場合には、事業者が主務大臣に対し技術的助言を求めることができるという条文も入れております。
○谷津委員 局長、そこでちょっと聞くんだけれども、この項目を決定するに当たっては、いわゆる環境影響評価方法書ですか、それをつくるに当たって、都道府県知事、市町村長、また住民等の意見を聞く。この住民というのは、関係住民じゃなくて、幅広く、日本じゅうと言ってはなんでしょうけれども、そういう人たちの意見が聞ける。しかも専門家の意見が聞けるということになっておるわけでありますが、そういうふうになりますと、今言われた指針を示しても、その指針以外に、そういう項目に入れてくれというふうな話が出てきた場合にはどういうふうに扱うのですか。
○田中(健)政府委員 私どもといたしましては、有益な環境情報を収集するということで、環境保全に関する意見を有する者の意見を徴するということでございまして、その範囲で有益な事項がございましたら、事業者の判断でそれを選択するということもあろうかと思いますが、基本的には、私どもが作成をいたします指針でおよそ尽きるのではないか、こう思います。ケースによっては弾力的に考える場合が生じるかもわかりません。そういうことであろうと思います。
○谷津委員 今局長は、事業者の判断でというふうに答弁になった。事業者は、できるだけそういうことはやりたくないということになってくるんじゃないですか。ですから、そこはもっと第三者的なところが判断しなければならない面もあるんじゃないでしょうか。その辺はどうでしょう。
○田中(健)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたが、項目や手法の選定に当たりまして事業者が判断に迷う、あるいは対応に窮するという場合には、事業者が主務大臣に対しまして技術的な助言を求めるという条文もございますので、こういうことで対応が行われるというふうに考えております。
○谷津委員 この点については十分に詰めておく必要があると私は思いますので、忠告を申し上げておきます。 次に、早期段階からの環境配慮としては、事業の実施段階でのアセスメントを早期に行うことのほかに、具体的な事業が明らかになる前から、いわゆる計画の段階からアセスを行うという考え方がありまして、私もそういう考え方に立つものです。いわゆる戦略的環境アセスメントと呼ばれるのですか、これはアメリカではそういうふうにやっているわけでありますけれども、これの取り組みについての考え方はありますか。
○田中(健)政府委員 環境基本法十九条でございますけれども、国は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定、実施するに当たっては、環境の保全について配慮することとされておりまして、個別の事業計画や実施に枠組みを与えます政府の計画や政策につきましても環境保全上の配慮が必要である、こういうことは既に環境基本法十九条でうたわれておるところでございます。 今般の法案におきましては、我が国の過去の実績などを踏まえまして、港湾におきます土地利用等のマスタープランでございます港湾計画についてのアセスメントを盛り込んだところでございますけれども、私どもといたしましては、中央環境審議会からいただきました答申に従いまして、この戦略アセスメントにつきましても、国際的な動向やあるいは我が国での現状を踏まえまして、政府の計画あるいは政策についてのアセスメントの手続等のあり方について、今後具体的に検討を進めていくということにいたしたいと思います。
○谷津委員 この法案は、環境影響評価手続の対象とする事業、これを大規模な事業に限定しております。これでは十分な環境保全が図られるかどうかという疑問を投げかけている面がありまして、そういう指摘もあるわけでありますけれども、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○田中(健)政府委員 この法案では、規模が大きくて環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあり、かつ、国が実施し、あるいは許認可等を行う事業を対象として選定することとしております。これは、中央環境審議会の答申におきまして、「国の立場からみて一定の水準が確保された環境影響評価を実施することにより環境保全上の配慮をする必要があり、かつ、そのような配慮を国として確保できる事業を対象とすることが適当」、こういうふうに答申が出されたのを受けたものでございます。 なお、地域の環境保全のために法が対象としております事業以外の事業につきましては、環境影響評価が必要と認められるときには、その地方公共団体におきまして、法の趣旨を尊重しまして、条例で環境影響評価制度を設け、対象とすることができるようになっておりますので、国と地方の適切な役割分担のもとに、国、地方の全体として整合のとれた制度を通じて適切な環境保全が図られるものと私どもは考えております。
○谷津委員 この件については、地方では条例でというお話がありましたが、こんなことを言うと、皮肉めいた話を申し上げて申しわけないのだけれども、地方は条例はもうほとんどつくってしまってやっているんですよ、実施を。国がおくれたのであって。地方がこれから条例を設けるんじゃなくて、既に地方には条例ができている。 そういう面で、いわゆる国の方のアセス法が、先ほど持永委員からも質問がありましたけれども、遅きに失しているということなので、今の局長の話は逆さなんだよね。その辺のところを十分に知っておいて対応していかなければいけないというふうに思うのです。 そこで、ちょっと私、指摘をしておきたいことがあるのですよ。この事業規模の問題ですが、この事業規模というものは、これは第一種、第二種というふうに分かれてやっておるようでありますけれども、規模の限定、これはだれが決めてやるのでしょうか、一種、二種の。これはどこが判断するのですか。
○田中(健)政府委員 規模の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、この法律では、大規模な事業で環境に著しい影響を与えるおそれがあるものということと、国が直接やるか許認可にかかわるという事業でございまして、この選定につきましては、これから具体的には政令で定めるということになるわけでございます。 関係各省ともいろいろと調整をして決めてまいりたいと思いますが、その基本は、現行の閣議決定の要綱がございますけれども、これらで定められております規模をベースに議論になって、それ をベースに考え方が定まっていくであろうというふうに考えております。
○谷津委員 そこで、局長、規模だけでこの環境影響評価をするというのはちょっと違う面がある。これは規模以外でも、環境に重要な影響を与えるものは、小さくてもある場合がある。こういうふうなものについてはどういうふうに考えておりますか。——答弁できなければ、後で調べてちゃんと答弁してくれればいい。
○田中(健)政府委員 私どもとしては、スクリーニングを行うときにも、そのよりどころとするガイドライン等をつくろうと思いますので、そうした過程で、今言ったことも含めまして考慮に入れまして検討いたしたいと思います。
○谷津委員 そこなのだよ、局長。私がさっき質問したのは、スクリーニングをやる、項目を決める。そうすると、規模の大小にかかわらず、重要性の問題、環境破壊あるいはそういうふうに懸念される重要な問題が、規模とは関係なくある場合がある。そういうことになってきた場合には、例えばタカがいるとか何か、必ずしも規模とは限らないでそういう問題が起こってきた場合に、環境の項目を決めるのに住民の意見を聞くというところが入っていますね。こういうのが意見として出されてきたならば、これは採用するのかしないのかと言ったら、事業者が決めるとおたくは答えた。そこに問題がありゃしないかと私は思うから今念を押しているのであって、その辺のところはどういうふうになっているのだ。この法案の中にはないのだよ、それが。それはどうなっていますか。
○田中(健)政府委員 事業者は、住民等の意見あるいは地方公共団体、知事の意見等を踏まえて、それも参考にしながら調査項目等を決めていくということになっておりまして、私どもといたしましては、その過程で住民意見あるいは知事意見等も公表するということになるものでございますから、事業者の方でその辺につきましては十分配慮をされるというふうに考えております。
○谷津委員 私は、これ以上ここの点については申しませんけれども、これは規模とは関係なくその問題が出てくるということはひとつ承知をしておく必要があるであろう。今局長の答弁を聞くと、事業の規模によってこれを決めていくということでありますが、一方ではそういう環境破壊の方のあれは事業の規模とは関係ない面もあるということを認識の中に入れておかないと、この問題でつまずきますよ。私は、その辺のところをはっきりと指摘をしておきたいと思うのです。 次に、今回の法制化に当たって、現行の閣議アセスから対象事業を拡大することになりました。これは先ほど答弁の中でありました。制度の対象とする事業の種類ですね、事業種は、法律に列挙されておりますけれども、詳細には今政令で定めるというふうになっております。どのような事業種が対象に加わるのか、必ずしも明確でありませんね。明確でありません。今回新たに対象とする事業種は何なのか、明らかにしていただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 法律では対象事業として十二の事業種を掲げておるところでございますけれども、さらに詳細な事業種等につきましては本法の要件に従って政令で定めるということになっております。 政令の内容につきましては、今後関係省庁とも調整をして適切に定めてまいりたいと思っておりますけれども、現行の閣議アセスの対象事業種に加えまして、まず発電所につきましては、これは法律に定めております。 このほか、予定をしておりますのは、道路というふうに法律で規定をしておりますが、その中で大規模林道を入れる、それから鉄道の中に在来線の鉄道も新たに対象事業として加えるということにして、対象事業を拡大していくということを現在考えております。
○谷津委員 法案では、必ずアセスメントを実施させる規模の第一種事業に加えまして、その規模が第一種より下回る事業についても第二種事業ということで枠を設けております。 第二種事業については、事業が行われる地域などの特性等に応じまして、アセスを実施させるか否かは、関係の都道府県知事の意見を聞いて個別に判断する、いわゆるスクリーニングの手続が導入されておりますね。これは一律の規模要件でアセスメントの有無を機械的に定めていた、いわゆる従来の閣議アセスの制度に比べまして、地域の実情に応じた判断が行われることになった点で大きな前進があったということで、私は評価をしております。 一方、事業者については、アセスメントの義務を果たされることとなるか否かがあらかじめわからないために、法的には不安定な状況に置かれている、そういう不安があるということで指摘をされているところがあります。 このような不安を解消するためには、スクリーニングの対象となる第二種事業について、どのような場合にアセスメントの義務が課せられることになるのか、ある程度明快な基準が示される必要があるのではないかというふうに私は思うのですけれども、この点についての対応はどういうふうになっておりますか。
○田中(健)政府委員 第二種事業につきましてのスクリーニング手続の基準でございますけれども、法案の四条九項に基づきまして、事業の種類それから規模、これが事業特性でございます、それから事業の実施地域の環境の状況、地域特性でございますが、これを勘案をして判定が適切に行われるように主務大臣が環境庁長官に協議して定めるということとされておりまして、その際には、法案の四条十項に基づきまして、環境庁長官が公表いたします基本的事項を考慮すること、こういうことになっております。 この基本的事項を考慮して、主務大臣が環境庁長官と協議をしてその基準を定めるということになっておりまして、具体的には、事業の特性に関しましては、個別の事業ごとに、特に環境に及ぼす影響が著しくなるおそれが高い内容を含むかどうか。 それから地域の特性に関しましては、自然環境の保全上重要な地域あるいは環境基準の未達成地域などの、環境保全上、特に注意を要する地域を含むかどうかなどが考えられるわけでございまして、これらを踏まえてスクリーニングの判定に的確に反映できるような基準をできる限り明確に定めるようにすることを考えております。
○谷津委員 次に、ちょっと具体的になるかもしれませんけれども、従来の閣議アセスでは、評価の対象が典型七公害や希少な動植物などに限定されておりました。また、評価の視点も、環境基準などの目標をクリアしているか否かという点に置かれていたというふうに私は思っておりますが、今回の法制化において、環境基本法の制定を受けてアセスメントの内容も充実していると聞いております。 しかしながら法案は、アセスメントの手続を規定することに重点が置かれておりまして、実際にアセスメントの内容がどのように変わることになるのかが必ずしもはっきりとしていない点があると私は思うのです。 環境基本法に対して評価項目や評価の視点がどのように変わるのか、これが法案ではどのように取り扱われているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、この辺について、これだけははっきりと答えておいていただきたいと思うのです。
○田中(健)政府委員 環境基本法の制定とその規定によりまして、公害と自然という区分を超えた統一的な環境行政の枠組みが形成をされまして、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等が求められていることが明らかにされましたが、この法案では、これを踏まえまして、調査等の項目を見直して環境基本法の施策の枠組みに対応をいたしますとともに、環境への影響をできる限り回避し低減するものであるか否かということを評価する視点を取り込んでいくことといたしております。 これらの考え方は、法案におきましては、例えば第十一条第三項におきまして、環境基本法第十四条各号に掲げる事項の確保を旨として環境影響評価の項目等を選定することといたしておりますし、また、法案の第三条におきまして、環境への負荷をできる限り回避をして低減する等の環境保全の配慮を適正に行うこと等を国、事業者等の責務として規定をいたしておるところでございます。 このほかに、個別の環境影響評価その他の手続の実施に当たりまして、これらが適切に確保されるように環境庁長官が定めます基本的事項、これは第十三条でございます、それから主務大臣が定めます指針、これは十一条と十二条でございますが、これらの考え方に即したものになるように、その基本的事項あるいは指針がそういうふうになるようにいたしますとともに、環境庁長官の意見の形成に際しましても、そういうことになるように適切に対処をしてまいりたいと思います。 環境基本法第十四条各号の確保を旨として、事業の特性を踏まえて各指針により定められるということでございまして、全般的には、例えば生物の多様性、あるいは地球環境問題、あるいは廃棄物の発生の抑制、人と自然との触れ合い、アメニティー等のよりよい環境の状況の確保等がその評価項目になろうかと思います。
○谷津委員 アセスメント法において、事業計画よりも環境に配慮したものとしていくためには代替案を検討する手法が有効とされておりまして、アメリカではそういうふうな扱いをしておるわけであります。 しかし、我が国におきましては、代替案という場合は、ともすれば道路をつけかえろとかとなるので、そうなるとまた、こっちで反対があるとかということがあって意味が違う方に取り違えられる面がありまして、この代替案の導入というのはなかなか不安な面があるというふうに私も思うのですけれども、この法案ではこれをどのように位置づけているのでしょうか。その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 諸外国におきましては、環境への影響をできる限り回避し低減するという視点から、複数の案を比較検討する手法が用いられております。これがいわゆる代替案の検討とされておるわけでございますが、この場合の代替案と申しますのは、立地の代替だけではなくて、建造物の構造、配置のあり方、環境保全設備あるいは工事の方法等を含みます幅広いものであるというふうに認識をいたしております。 中央環境審議会の答申におきましては、複数の案を比較検討する手法を我が国の状況に応じて導入していくことが適当であり、事業者が事業計画の検討を進める過程で行った建造物の構造、配置のあり方、環境保全設備、工事の方法等を含む幅広い環境保全対策の検討の経過を明らかにする枠組みとすることが適当と、こういうふうに提言をされておるところでございます。 これを踏まえまして、本法案におきましては、環境保全のための措置を講ずることとするに至った検討の状況、これを環境影響評価準備書に記載をさせることにしておりまして、いわゆる立地の代替については記載を義務づけることはいたしておりません。 〔委員長退席、小林(守)委員長代理着席〕
○谷津委員 わかりました。 ところで、この代替は、いずれにしましても、事業計画が変更になった場合に、この法案では、変更した分は改めてアセスにかけなきゃならぬということになっておるのですが、その変更そのものについて、いろんな環境関係を見ますと、大きく影響を全体に与える変更になる場合が多いのじゃないかという感じを持つのですね。ですから、その場合は、変更された部分だけをアセスにかけるのではなくして、もとからやり直す必要があるのではないかというふうに私は思うのですけれども、その辺のところはどういうふうにお考えですか。
○田中(健)政府委員 事業者の負担等も考えまして、計画の変更の場合には、必要な範囲でさらに手順を踏んで手続をするというところに戻るようにしておりますが、その変更が非常に大きな変更である場合には、もとからやり直す、こういう仕組みになっておるところでございます。
○谷津委員 この辺のところも多少問題があるのではなかろうかというふうに思いますので、それも指摘をしておきたいと思います。 次に、住民や地方公共団体の意見を求める点でありますけれども、アセスメントの制度は、手続の過程で一般の人々の意見の提出の機会を設けております。これは非常によいことであろうと思うのです。これを事業者が検討に供しまして、地域の実情に即しまして十分な環境配慮を確保をしていくという点に大きな特徴が今回の法案にはあります。ですから、この法案では、従来の制度と比較しても、意見の提出の機会をふやしたり、意見提出者の範囲を限定しないなど、住民関与の充実が図られておりまして、私は非常にこの点について評価をしているわけであります。 これについては、時代に即した制度の充実として、先ほどから申し上げているとおり、基本的には私は評価しているものでありますが、一方では、事業者を中心として、事業の進捗にさまざまな影響を与えるのではないかなというふうにも思うのです。こうした懸念は、往々にしてアセスメント制度における住民関与の位置づけが誤解されがちである現状が日本にはあるというふうに思っておりますので、この誤解に起因するものがあって、アセスメント制度において住民等の意見を聞くのにいろいろとやり方等ありますが、書類で出すんだというふうな答弁も先ほどありましたけれども、こういうものについての意義づけといいましょうか、そういうものはどういうふうになっているのでしょうか。
○田中(健)政府委員 環境影響評価制度におきましては、事業につきまして、環境保全上の適正な配慮を確保するために、一般の意見あるいは地方公共団体の意見を通じまして環境情報を収集をいたしまして、これを事業内容に適切に反映させることを期待するものでございます。 したがいまして、環境影響評価制度におきます一般の意見の聴取手続は、有益な環境情報を提供していただくということで、環境保全の見地からの意見の提出を期待するものでございまして、事業そのものの可否についての意見を求めるものではない、こういうことでございます。 法案もそういうふうになっておりまして、ただいまお話のございましたように、文書で提出をしていただく、また、提出の期限も限っております。そういうことで、住民意見について誤解のなきように、私どもとしては、この法が成立をいたしましても、その辺の普及啓発にも努めてまいりたいというふうに思っております。
○谷津委員 閣議アセスでは意見の提出者を、関係住民というふうに限っておりましたね。この法案では、.地域的に限定を行わないことにしている。先ほど私はこれはいいことだということで評価しているわけでありますが、これについてはさまざまな不安があるということで、地域限定を行わなかった理由はどこにあるんでしょうか。
○田中(健)政府委員 一般意見の聴取は、先ほど申し上げましたように、有益な環境情報を提供いただく、環境保全の見地からの意見の提出を期待をするものでございます。有益な環境情報と申しますのは、その地域の住民に限らず、環境保全に関する調査研究を行っている専門家やあるいは学識経験者、それからその地域に勤務する方々、あるいはまた自然保護等の環境の保全に関心を持つ人々等によって広範に保有されていると思われることから、意見を述べることができる者の範囲をそういう意味で限定をしないということにしたものでございます。 なお、中央環境審議会の答申におきましても、意見提出者の範囲は限定しないことが適当というふうに指摘をされているところでございます。
○谷津委員 別な視点からちょっとお聞きをいたします。 地方の公共団体が意見を述べる段階で、これは都道府県知事あるいは市町村長でありますが、意見を聞くということなんですが、その段階で私は一つ懸念を持っているものがあるのですね。実は、市町村長というのは選挙で選ばれる人たちです。そうなってまいりますと、このアセスについての意見を述べる前に住民投票にかけるという手もあるかもしれない。というのは、巻発電所の問題等があるわけですけれども、こういうふうな問題が起こってくるということは十分に考えられるというふうに思うのです。しかし、このことは法的には何ら根拠がないことは私も十分にわかっております。 しかしながら、こういうふうに投票でもしノーというふうな形が出てくると、これは意見を述べるだけではあっても、かなり拘束力を持つ危険があるのではないかと思うのですが、このことはこの制度の趣旨にはなじまないというふうに思っておりますけれども、この点についてはどのように環境庁は考えておりますか。
○田中(健)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、環境情報の収集を通じまして事業の環境保全上の適正な配慮を確保することを目的とするものでございまして、決して事業の可否自体を問うものではございません。また、本法案で聴取をされました意見につきましては、それが有益な環境情報であるかどうかという視点から事業者がその採否を判断するものでございまして、この環境影響に関する情報というものは、私どもといたしましても、多数決になじむものではないというふうに考えておる次第でございます。 したがいまして、そうした事業の可否にかかわる意見が述べられたといたしましても、事業者はこの意見を受け入れる義務は少なくともこの法律上発生するものではございません。そういうことでございます。
○谷津委員 通産省来ておりますか。電事法との関連についてちょっと聞きたいと思うのですが、今申し上げましたとおり、巻発電所、いわゆる住民投票というのが行われました。 この環境影響評価の結果を認可要件とするということに今度なっておるのですね。しかも、環境影響評価書に従っているものであることを工事計画の認可要件とするということなんです。しかも、この環境影響評価書というのができると、またこれは知事、市町村長、住民の意見を聞くことになるのですね。 そういうふうになりますと、今私が質問しましたこの件について、町村長は自分の意見を述べる前に、例えば原子力発電所、こういうふうなものが出てきたときに、巻発電所のときのことではないですけれども、これを住民投票にかけるということは十分あり得ると思うのですね。そういうようなときになりますと、この住民投票というのは、賛成というのはなかなか出しにくいものでありまして、これは反対と出てくるのが通例ではなかろうかなという感じを私は持っているのです。 そうなってまいりますと、私は、いわゆるエネルギーの政策にも大きな影響を与えてくるのではなかろうかなという感じがしておるのですけれども、この点については、通産省は今度のこのアセス法との関連においてどのように考えておりますか。
○真木説明員 お答えいたします。 発電所の立地には、地元の理解と協力を得るということが不可欠でございます。このために、環境保全に万全を期すということによりまして、電源立地の円滑化を図るとの観点から、発電所につきまして、過去二十年間、通産省の省議決定によりまして、環境アセスメントを実施してきているところでございます。これによりまして、適正な環境保全を図りますとともに、環境アセスメントの制度が事業者、自治体、住民等の関係者に定着をしているというふうに考えております。 ただいま御質問のございました発電所につきましては、工事計画の認可要件に評価書を入れておりますし、また地方自治体の意見を聞くという手続も環境影響評価法と同様に入っております。発電所のアセスメントではこれまでも市町村長の意見を聞いておるわけでございますけれども、ただいま御指摘のございました巻の問題は、環境問題というよりは、町有地の売却問題、あるいは原子力の安全問題ということが争点になりまして住民投票が行われたわけでございます。 環境問題について限りますと、ただいま環境庁の方からも御答弁ございましたように、環境問題は、科学的な判断に基づいて、いただいた意見を判断し、合理的なものを環境アセスメントに採用していくということでございますので、住民投票のようなことは起こりにくいのではないかというふうに考えてはおりますけれども、ただいま御指摘のありましたような懸念もございますので、制度の適正な運用によりまして、適切な制度とし、電源立地の円滑化を妨げることのないように、なおかつ環境保全に万全を期すことができるような制度としてまいりたいというふうに考えております。
○谷津委員 今お話を承って、一つ、これはむしろ環境庁、局長に聞きたいのですけれども、例えば「もんじゅ」の問題、あるいは今度の動燃の東海の問題、こういうふうな問題を聞きますと、当然原子力発電所の関連あるいは原子力の関係、こういうものは環境との影響というのが深くかかわり合ってくることは間違いのない事実だというふうに思うのですね。 そういうふうになってまいりますと、これは今の通産省のお話では、環境と立地の反対の理由は違うんだというお話がありましたけれども、これを区別して住民が判断することはまずできないというふうに思うのですよ。ですから、そういうことを考えたときに、この問題については私はかなりの懸念を持つように最近またなってきたわけなんですけれども、その辺のところについては局長、どういうふうに考えていますか。
○田中(健)政府委員 先生おっしゃるような御懸念もございますので、私どもといたしましては、制度的には先般から御答弁を申し上げているとおりでございますけれども、制度の趣旨の徹底につきまして、今後ともいろいろと努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
○谷津委員 次に移ります。 法案の二十条では、都道府県知事が意見を提出する期間を政令で定めるというふうに記されております。この期間の問題なんですが、事業種によっては、余り長いものとなってまいりますと手続の進行に支障が生ずることがあるのではないかと思うのです。 そこで、都道府県知事の意見の提出の期間というのが政令で定めることにはなっておりますけれども、これは考え方があるのではなかろうかと思うのですね。どんなに長くてもいいというものではないと思うのですよ。ですから、その辺のところをどういうふうに考えておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 今お話ございましたように知事意見の提出期間は政令で定めるということでございますが、知事は、この期間内に関係市町村長の意見を聴取をいたしまして、そうするとともに、一般意見の概要と事業者の見解を検討をいたしまして地域の環境保全の責任者としての意見を述べることが必要になってくるわけでございます。 したがいまして、現行の閣議アセスにおきましては準備書についての知事意見の提出期間は三カ月とされておりますけれども、こうした実績や、あるいは地方制度におきます審査の実態等も勘案をいたしまして、必要な期間を適切に定めていきたいというふうに思っております。
○谷津委員 これは必要な期間は適切にやるなんということでありますけれども、閣議アセスでは三カ月ということですと、これを延ばすことはなかなか至難のわざになってくるんじゃないですか。そうすると、三カ月という解釈でよろしいのでしょうか。
○田中(健)政府委員 今申し上げましたように、この期間内に関係市町村長の意見を聞く、あるい は一般からの意見の概要、あるいは事業者の見解を検討して知事意見をまとめるということでございます。現行は三カ月でございますけれども、これから各省と相談をしてまいりますが、それよりも若干長い期間が設定されるのかな、こういうふうに思っております。
○谷津委員 この期間の問題につきましては、事業の内容によっては多少時間が違うんじゃないかなという感じを私は持つのですがね。項目を決めるのには住民の意見等も聞いて決めるわけですから、そういう項目がうんと出てくる場合もある。そういう場合には当然期間がかかるということで、項目によっては期間を短くすることもできれば、長くすることもあるから、これはある程度の弾力性を持ってやらなきゃならないことはわかるのです。 しかし、事業の種類によって期間を決めるということは考えておりませんか。
○田中(健)政府委員 なかなか細分するのは難しいということで、私どもとしては期間は統一的に定めたい、こういうふうに思っております。
○谷津委員 わかりました。 次に、現行制度、いわゆる閣議アセスでは、アセスメントの実施主体は事業者となっておりますね。本法案においてもその考え方は踏襲しております。この点については、事業者がみずからの事業を自己採点するようなもので、ちょっと信頼性に欠けるんじゃないかなという感じを私は持っておりますし、まだそういう指摘もありますね。しかしながら、EU諸国などにおいてもアセスメントの主体は事業者とされておりますし、環境基本法においてもアセスメントは事業者が実施することとされております。事業者が実施主体となることは定着しているんだなというふうに考えております。 そこで、事業者がアセスメントの主体となることの合理性はどこにあるのでしょうか。この問題についてはちょっと確認をしておきたいというふうに思うのですが、これは明らかにしていただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 事業者が環境影響評価をみずから実施することといたしましたのは、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行おうとする者は、事業の実施に伴う環境への影響についてみずからの責任と負担で配慮することが適当ではないか、こういう考え方によるものでございます。 また、事業者が事業計画の作成段階で調査、予測、評価を一体といたしましてみずから環境影響評価を行うことによりまして、その結果をみずからの事業計画、あるいは環境保全対策の検討、それから事業の施工・供用時の環境配慮に反映できる、こういうことにもなるわけでございまして、こういうことで事業者がアセスメントを行うことが合理的ではないかと思っております。 こうした理由によりまして、先ほどもお話がございましたように、閣議決定要綱、あるいは通産省の省議決定に基づく制度など、従来から実施主体は事業者とされてきたところでございまして、その実績も積み重ねられております。 それから、先生から今お話がございましたが、環境基本法二十条でも、事業者がその事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響についてみずから適正に調査、予測、評価を行う、こういうふうに規定されておりまして、環境基本法でも環境影響評価の実施主体とされておるところでございます。 それから、これもお話ございましたが、主要諸国におきましても、アメリカを除きまして原則として事業者が環境影響評価の作成を行うことにされております。 こうしたことを踏まえまして、中央環境審議会におきましても、事業者が環境影響評価の実施主体になることが適当であるという答申をいただいておりまして、私どもにおきましても、この法律案において、これを受けまして、従前同様に環境影響評価の実施主体は事業者というふうにしたわけでございます。
○谷津委員 この信頼性の問題なんですけれども、アセスメントの信頼性を高めるためには、事業者や事業にかかわる許認可権を持っている者、事業の実施に深くかかわっている者がチェックをするんだということになっておりますね。 この点については、私は、もっと第三者機関がチェックすべきではないかという考え方を従来から持っておったのです。この件についてはオランダとかイタリアあたりはそういうふうになっているのですが、この法案には事業者自体、国でやる場合は主務官庁、いずれにしても事業者がやることになっている。この点はちょっと信頼性に欠けるんじゃないかというふうな感じを私は持っている。きのうの本会議でもそういう質問がありましたけれども、その辺はどういうふうに考えておりますか。
○田中(健)政府委員 環境影響評価制度の信頼性を高めるためには、許認可等を行う主務大臣による審査に加えまして、第三者が、審査のプロセスに意見の提出を通じて参画することが必要だと考えております。 このために、中央環境審議会の答申にもございますとおり、地域の環境の保全を図る立場から都道府県知事が意見を述べるということにしておりますとともに、環境保全行政を総合的に推進する立場から、私どもの環境庁長官が必要に応じて意見を述べるということが適当でございまして、そのような仕組みを本法案に盛り込んでおるところでございます。これは中央環境審議会の答申に従ってそういう法案にいたしております。 私ども環境庁といたしましては、主務大臣等に対しまして適正な意見を必要に応じて述べることによりまして、事業の環境保全への配慮が適正になされるようにいたしますとともに、環境影響評価の信頼性の確保に努めていきたいというふうに考えております。
○谷津委員 ちょっと長官にお聞きしますが、今の答弁を聞いておりますと、とにかく、主務官庁といいましょうか、事業者がこれを取りまとめるという段階において、環境庁長官の意見がそこで言えるということになっているのですけれども、決定者はやはり主務官庁なんですよね。そういうことですね。 そうすると、環境庁長官の意見がそこで出されても、それを取り上げられないような場合もあり得るのではなかろうかなという心配を私はしているのです。いわゆる第三者機関が審査をするのではないですから、まさにその第三者機関の役目を持つのが環境庁ではなかろうかというふうに私は思うのですね。 ですから、そういうことを考えると、環境庁長官の意見を聞くこの段階は、私は非常に大事な段階だろうというふうに考えているのですが、この件について、長官としての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○石井国務大臣 このたびの環境アセスメント法制度、これは大変重大な意味があるというふうに思っておりますし、今までの閣議アセスの中では意見を求められれば意見を申し上げるというような程度の扱いでございましたが、今度はきちんと環境庁長官が責任を持ってこれに当たらなければなりません。ですから、それぞれ手続を経まして、住民の方、自治体の意見なども伺う中で、そのような手続、過程を経まして、適切な判断を環境庁長官がした上で、それは実態に合った意見、そして対策をしっかりと講じていかなければならない、そういう責任があるというふうに思っております。
○谷津委員 ちょっと局長にお聞きしますが、その段階で環境庁長官の意見によって環境影響評価書の補正が行われる可能性がありますね。その場合は、補正をされた分について、必要なものがあるとすればもう一度改めてアセスにかけるのですか。それはどうなっているのでしょうか。
○田中(健)政府委員 評価書につきまして、私どもの長官が主務大臣に意見を言って、主務大臣から事業者にさらに意見が届きまして、そこで私どもとしては、私どもの意見は重視をされて尊重さ れるというふうに考えておりますから、それ以後、さらにその中身について精査をするという手続は、この法律ではいたしておりません。 私どもといたしましては、私どもの意見が十分に尊重されるというふうに考えまして、この制度を仕組んでおります。
○谷津委員 局長、それは問題だと思うのですね。環境庁の長官が、いわゆる環境庁としての意見を言ったときにそれが取り上げられて補正が行われる、しかしそれが補正されたにしても改めてアセスはやらないということならば、これは聞かれないのと同じです。これはどういうふうに考えますか。
○田中(健)政府委員 失礼しました。私どもの長官の意見の中で非常に重大な指摘をしたという中身によりましては、さらに調査をしてもらうということにもなろうかと思います。
○谷津委員 次に、予測には不確実性が伴うものでありますね。アセスメントが終了して事業が実施された後もフォローアップを行う必要があるのではなかろうかというふうに思います。また、これはやらなければならぬと思うのです。その結果に応じて対策を講ずることは、必要となる場合もあります。法案では事後のフォローアップについてはどのように位置づけられておりますのか、お聞かせいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 新規あるいは未検証の技術や手法を用いるような場合等が出てくるわけでございますが、そうした場合等には予測の不確実性が伴うということになります。 そうしたことにかんがみまして、影響の重大性や不確実性の程度に応じまして、その影響ないしは効果を評価後に把握をいたしまして、その結果によりまして適切な対策を講じるということ、これがいわゆる事後のフォローアップでございますが、それを実施することが非常に重要でございます。そうしたことで、法案におきましては、事後のフォローアップの措置を準備書と評価書に記載をさせることといたしております。 具体的には、準備書等に、環境の保全のための措置が将来判明すべき環境の状況に応じて講ずるものである場合には、当該環境の状況の把握のための措置を記載する、こういうふうに定めております。 さらに、法の三十八条におきまして、事業者は、評価書に記載されているところにより、環境の保全についての適切な配慮をして事業を実施をすることといたしております。こうしたことでその確保が図られるような措置をいたしているところでございます。
○谷津委員 ちょっと地方公共団体との関係についてお聞きしたいのですけれども、先ほども答弁は少しあったわけでありますが、今度の法制化によって地方制度の後退を招くのではないかというふうに懸念されている面があります。 実は現行法、いわゆる閣議アセスによっては両方で実施することになっているのです。ところが、この法案によりますと、いわゆる地方自治体のアセスについては、重複する場合は国の制度のみを適用するのだというふうになっているわけであります。 そういうことになりますと、地方の意見、いわゆる市町村あるいは住民の意見が非常に取り上げにくくなるのではないかというふうな、東京都などもそういう懸念を示しているわけでありますけれども、この点についてはどのようにお考えでありますか、お聞かせ願いたいと思います。
○田中(健)政府委員 既に地方公共団体で広範に環境影響評価に関する施策が実施をされている、こういう実態にかんがみまして、法案では、国と地方の適切な役割分担を図るという観点からも、規模が大きくて環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあり、かつ国が関与する事業に対象を限定しておりまして、それ以外の事業につきまして環境影響評価を行うかどうかにつきましては、これは地方公共団体の判断にゆだねている。法律ではそういうふうに構成をいたしております。 また、本法の対象となる事業につきましては、国の手続と地方の手続の重複を避けるために、法律の制度による手続を適用するということにいたしております。本法の対象となる事業につきましても、手続の各段階できめ細かく地方公共団体の意見が反映される仕組みをとっておりまして、また地方公共団体の意見形成の過程におきまして審査会の意見を聴取したりあるいは公聴会を開催するなど、この法律の規定に反しない限りにおきまして地方公共団体におきます手続を設けることが可能となっております。こうしたことで地域の実情に応じた環境影響評価が行われる仕組みとなっていると考えております。 また、本法が定める手続の内容面におきましても、スクリーニングやあるいはスコーピングの手続あるいは事後のフォローアップの措置等を導入しておりまして、現行制度と比較をいたしまして飛躍的に充実をいたしておりまして、既存の地方公共団体の制度に比較しても充実した内容となっておるわけでございます。 また、多くの地方公共団体の制度では、現行の閣議アセスの対象となる事業や国の直轄事業について、対象から除外をしているケースがかなりございます。こうしたことで、本法の制定によりまして現行の地方公共団体の環境影響評価の取り組みが後退するという懸念はないものと私どもは考えております。
○谷津委員 その地方公共団体の関係について、アセス逃れ、このことについてちょっと聞いておきたいと思うのです。 要するに第一種事業、第二種事業。第一種事業では、これはもう必ずアセスをかけなければならない。ところが、第二種事業については、これは知事の意見を聞いてどうするかを決めていくということなんですが、そういう中で、規模を縮小してアセス逃れをする可能性もある。そのカバーは地方の条例とか何かでやれるというふうには思いますけれども、これは起こってくる可能性は十分あると思うのですが、この辺についての対策というのは打ってあるのでしょうか。
○田中(健)政府委員 私どもは、先ほど申し上げましたように、国の立場から見てアセスメントを必要とする事業ということで、先ほど先生からお話がございましたが、一応そのスケール等を対象とする事業の一つの判断基準にいたしたいと思っておりますので、どこかで線を引きますと必ずそういう問題が出てくるかとも思います。 そうしたことで、一つは、第一種事業と第二種事業を分けたということもそういうことの対応になろうかと思いますが、さらに、第二種事業の規模を縮小して事業をやるというケースが出てまいるかもわかりませんけれども、私どもとしてはなかなかそれに対応するのはいかんともしがたいのではないか、こういうふうに思っております。
○谷津委員 いや、そこで前の質問に戻るんですけれども、要するに、規模だけではこれはアセスの対象にはなり得ないものがある。規模は小さくても、例えば生態系に大きな影響を与えるようなものもあるはずですから、そういうところで考えると、生態系等を考えると、これはまさにアセス逃れがいっぱい出てくる可能性がある。その辺のところをどうするんだと前にも聞いたんだけれども、今答弁を聞くと、どうも自信がないような答弁なんだけれども、その辺はどうなんですか。
○田中(健)政府委員 先生が今御指摘になりました点も、私どもいろいろ考慮いたしまして、それに対応するということからも、第二種事業のスクリーニングの制度を入れておるわけでございまして、私どもとしてはかなりの対応をしておるのじゃないか、こういうふうに考えております。
○谷津委員 確かにその辺は知事の方の判断によって第二種事業についてのスクリーニングはかけられることになっていますから、この辺のところはひとつしっかりとその辺を踏まえておいて、きちっとしておかないと、やはり逃げ出す者がいますから、その辺はぜひお願いします。これがまた問題になるわけですから、よろしくお願いいたします。 ところで、法案では、対象事業については地方 公共団体が条例で一連の手続を定めることはできないというふうになっておりますけれども、その理由はどうなんですか。
○田中(健)政府委員 同一の事業につきまして、国の制度と地方の制度が二重に適用されるということは、事業者に必要以上の負担を課しますし、また国民が適切に手続に参加することが困難になってくるおそれもあるのではないかということで、二重に課するということは適切とは考えておりません。 したがいまして、手続の重複を避けるべきという考えに立っておるわけでございまして、そのような趣旨は、中央環境審議会の答申でも指摘をされておるところでございます。
○谷津委員 そこで、スクリーニングの結果、法律によるアセスメントを行う必要がないとされた事業について、地方公共団体の制度でアセスメントをやっていいんじゃないかというふうに私は思うのですけれども、それはできるんでしょうか。
○田中(健)政府委員 これは法案の第六十条の第一号でございますが、第二種事業及び対象事業以外の事業に係る環境影響評価その他の手続に関する事業は、条例で必要な規定を定めることを妨げるものではないという旨の規定を整備をいたしておりまして、御指摘の事案につきましては、条例によりまして環境影響評価手続を課することが可能でございます。
○谷津委員 そうしますと、各都道府県あるいは市等においては、既に条例を持っているところがあります。持っているところが多いと思いますね、都道府県なんかは。そうしますと、その条例と今度のアセス法との関連において、バッティングするところもあるのではなかろうかと思うのですが、そういう場合には自治体に対して条例改正をお願いするのですか。
○田中(健)政府委員 それは今後の自治体の判断になろうかと思いますが、私どもとしては、調整をとっていただきたいというふうに考えております。
○谷津委員 ですから、これからそれをつくることができるというお答えだったのですけれども、既に大半のところは持っているんだよ。国が持つてなかったんだよ。大体地方はみんな条例によってやってきたんで、ですから、その辺のところは、事前にこの法案をつくるときに、そういう自治体との関連において協議をしたことがあるのですか、なかったのですか。
○田中(健)政府委員 地方自治団体、アセス制度をやっておりますのは五十一団体でございますが、その中で、条例を持っておりますのは六団体でございまして、あとは皆要綱でやっております。 そういうことで、条例との調整が必要なのは六団体でございますが、私どももこの法案の作成過程で自治体の方々と何度かその辺の意見交換はいたしました。
○谷津委員 そうしますと、意見交換をした結果、改正しなきゃならない面もあるし、仮に条例であれ要綱であれ、そういうふうなものを持っているわけでありますから、この整合性をきちっと図っておかないといけませんね。これは大事なことです。ですから、この法案が成立すると同時に二年間、施行まで期間があるわけですから、その間にはちゃんとやっていかなきゃならないというふうに思うのです。 そこで、一点だけちょっと聞いておきたいのは、この法案は施行が二年後ですね。その間は今の閣議アセスでやっていくのですか。その辺はどうなりますか。
○田中(健)政府委員 施行までは現行の閣議アセスでやっていくということになります。
○谷津委員 そうすると駆け込みがかなり来るぞ。ですから、この二年の間に、どっちがいいかというと、今の閣議アセスの方がまだ、緩やかと言ってはなんですが、そういう感じがする。 確かにこの法律は、先ほどからおっしゃっておりますように、閣議アセスよりも数段私は高い評価をしているのですよ。そうなると、この二年の間にかなり駆け込んでくると思うのですけれども、そういうときの対応はどうするのですか。これは環境庁、非常に難しい問題になるのですよ。なぜかというと、先ほど長官もおっしゃっていましたが、閣議アセスの場合は、意見を求められなければ意見が述べられないんだ。そこに大きな違いがあるんで、その辺のところはどういうふうに整合性を図っていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 新たに制度をつくるというときにはこういう問題が生ずるわけでございます。先生がおっしゃるような問題が生ずるわけでございます。私どもといたしましては、閣議アセスで行っている手続がこの新たな制度の手続に乗っかるように、この法律で経過措置として措置をいたしまして、スムーズに新制度に移行できるように配慮をいたしております。 そういうことで、旧制度と新制度の移行がスムーズにいくように配慮をいたしておるつもりでございます。
○谷津委員 その辺のところはしっかりと踏まえて目を光らせておいていただきたい。この間は、どうも環境庁はなかなか意見を述べられないんだよね。閣議アセスにおいては要請がない限り環境庁長官は意見を述べられないんだから、その辺のところはしっかりと踏まえて対応していただきたいというふうに思うのです。 ところで、アセスメントが適切に行われるためには、アセスメントに関する技術あるいは環境の現況に関する情報、あるいは収集そして整理、こういうものについて、いわゆるアセスに関する人々に提供されなければならないというふうに私は思うのです。いわゆる情報の公開です。このようなことについてはどのように取り組んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 アセスメントが円滑かつ適切に行われるためには、調査等の技術的手法に関する情報あるいは環境の現況に関する情報等が体系的に整備をされまして、かつ、関係者が容易に当該情報を入手することを可能とするための基盤を整備することが非常に重要だというふうに認識をしております。先生のおっしゃるとおりでございます。このことは、中央環境審議会答申においても指摘をされております。 私どもといたしましては、今後は、過去のアセスメント事例や、あるいは民間等も含めました幅広い主体が所有をいたしております技術的な情報、さらには地域の環境の現況に関する情報が広く活用されるような必要な取り組みを推進してまいりたい、こういうふうに思っております。 ちなみに申し上げますと、環境庁におきましては、今年度から環境影響評価情報支援ネットワーク事業というのを開始いたしまして、過去の環境影響評価の事例や、あるいは調査等の技術的手法に関する情報に加えまして、地域環境の現況に関する調査結果等の情報をインターネットを通じて提供することにこれから着手をいたすところでございます。そういうことを考えております。
○谷津委員 時間が余りありませんので、二、三聞いておきたいのは、実は、大きな災害あるいは緊急な事業、こういうふうな、行う必要のある場合があります。事実そういうことはある。例えば神戸にもあったし、あるいは大水害に遭った場合もあるでしょう。あるいは大きながけ崩れがあって、そこにまたいろいろな対策を打たなければならないと思うのです。こういう災害があった場合においては、アセスは行う必要があるのでしょうか、その復旧について。この辺はどういうふうになっておりますか。
○田中(健)政府委員 災害対策基本法に規定をいたしております災害復旧事業など、災害から通常の日常生活に復帰するために緊急に行う必要がある事業につきましては、その性格上、本法案の環境影響評価その他の手続の実施を義務づけることは適当ではないと考えるところでございまして、法の五十二条第二項の規定によりまして本法案の手続の適用除外といたしまして、こうした災害復旧の事業に支障がないように配慮をいたしている ところでございます。
○谷津委員 先ほど長官にもお聞きしたのでありますけれども、この法案は、最終的な審査の場面では、主務大臣が最終的にはその前面に出て取り仕切るというふうな仕組みになっておりますね。環境庁長官は評価書について主務大臣等に意見を述べることができる。この件について、長官の意見というのが非常に大事ですよというふうに申し上げたのでありますけれども、この仕組みでは適正なアセスメントが期待できるのかという、そういう懸念の声が随分聞かれるのですよ。 そこで、これについて、局長の答弁で結構ですから、環境庁としてどのように考えておるのか、その辺のところ、はっきりと聞かせておいていただきたいと思うのです。
○田中(健)政府委員 評価書につきましての審査を主務大臣が行いまして、環境庁長官意見は主務大臣等に述べる、こういたしましたのは、事業の特性を熟知しております主務大臣等が免許等を通じまして環境影響評価の結果を反映させていく仕組みの方が実効を上げることができるのではないか、こういう判断によるものでございます。 環境庁長官の意見は、政府において環境行政を総合的に推進する責任を持ち、それから関係行政機関の環境の保全に関する事務の総合調整を所掌するという立場から述べる意見でございまして、免許等を行う大臣におきましては、当然重みを持って受けとめられ、これにより適正なアセスメントの実効が担保できるというふうに考えておる次第でございます。 〔小林(守)委員長代理退席、委員長着席〕
○谷津委員 多少時間がまだあるのですけれども、最後に長官にお聞きしておきたいと思います。 環境アセスメントの制度は広範な事業種を対象にしまして、多くの事業官庁がそれぞれの立場でかかわり合いを持っておりますね。そのために、適切なアセスメントの実施を確保するためには、政府における環境行政の総合的な推進、この任に当たる環境庁長官の役割はずっと重みを増してきたというふうに私は考えているのです。 そこで、環境アセスメント制度に取り組む環境庁長官の決意を最後に聞いて、終わらせていただきたいと思います。
○石井国務大臣 きょうは、環境問題に対しまして大変長い間御熱心に取り組んでこられました谷津議員からの大変細部にわたります適切な御意見、また御指摘もいただいてまいりまして、大変有意義であったというふうに思っております。 この環境アセスメント制度につきましては、環境の保全上、どうしてもその支障を未然に防止するという点で、総合的な環境の保全を図る上で大変重要な施策でありますので、その的確な運用を図っていく、そしてその推進を図っていくことが大変重要であるというふうに思います。 特にこの法案におきましては、先ほど御指摘がありましたように、環境庁長官は環境行政を総合的に推進するということを任務とする国の機関の長である、責任者であるという点では、環境影響評価の項目等の選定とか、あるいは環境影響評価の実施などに対しまして基本的な事項を定めるとともに、また事業者が取りまとめた環境影響評価の結果についても、主務大臣に対して意見を述べるという大変重要な役割を担うことになっているところでございます。 このような立場でありますので、また、このような重要な役割を果たす環境庁でございますから、今後も実効ある環境影響評価が行われ、そして対象事業に係る環境の保全について適正な配慮がされることが確保されますように、そしてその役割を適切に果たされるようにということで、関係者におきまして新しい制度が適切に理解をされて、そして運用されるように、積極的に責任を持って働きかけてまいりたいと思っております。
○谷津委員 ひとつしっかりとその点の頑張りをお願い申し上げます。 ことしは、先ほど持永委員からも話がありましたとおり、十二月には京都においてCOP3がある。また六月には国連総会、いわゆる環境総会が行われるということで、非常に大事な節目の年にもなっているわけであります。また、人口と環境、あるいは食糧と環境、そういうふうな面で、環境問題というのは、あらゆる部門において非常に大きく取り上げられ、またクローズアップをされているときであります。ますます環境庁の役割というのは大事さを増してくるときでございます。そういうときにこのアセス法が提案をされ、一日も早い成立を私は望むものであります。 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十九分散会 ————◇—————