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140回国会衆議院1997/06/11

外務委員会 第19号

発言数
254
登壇者
20
会派数
6
開催日
1997/06/11

会議録

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  この際、外務大臣及び防衛庁長官から発言を求められておりますので、順次これを許します。外務大臣池田行彦君。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 八日、米国ハワイにおいて日米の外務・防衛担当の局長級による日米防衛協力小委員会を開催し、これまで行ってきた日米防衛協力のための指針の見直し作業についての進捗状況及び検討内容を整理し、「日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間とりまとめ」を採択し、公表しました。  日米同盟関係は、日本の安全の確保にとって必要不可欠であり、また、アジア太平洋地域における平和と安定を維持するために引き続き重要な役割を果たしてきております。  冷戦の終結にもかかわらず、この地域には不安定性と不確実性が依然として存在しており、日本周辺地域における平和と安定の維持は、日本の安全のために一層重要になっております。  日米両国政府は、このような冷戦後の情勢の変化にかんがみ、現行の指針のもとでの成果を基礎として、日米防衛協力を強化するための方途を検討することを決定し、平素から行う協力、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等、及び日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合、いわゆる周辺事態における協力について、日米防衛協力小委員会において検討を行ってきたところであります。  新たな指針を策定する最も重要な目的の一つは、日本に対する武力攻撃または周辺事態に際して、日米が協力して効果的にこれに対応し得る態勢を構築することであります。新たな指針は、平素からの、また緊急事態における日米おのおのの役割並びに相互間の協力と調整のあり方について、一般的な大枠と方向性を示すものであり、新たな指針策定後の共同の取り組みにガイダンスを与えるものであります。  指針見直し及び新たな指針のもとでの取り組みは、次の基本的前提及び考え方に従い行われることが日米間で確認されております。すなわち、  一、日米安保条約及びその関連取り決めに基づく権利義務及び日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されないこと、  二、日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内において、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われること、  三、日米両国のすべての行為は、国際法の基本原則及び国際連合憲章を初めとする関連する国際約束に合致するものであること、 及び  四、指針見直し及び新たな指針のもとでの作業は、立法上、予算上または行政上の措置をとることを義務づけるものではないこと、 しかし、おのおのの判断に従い、努力の結果をおのおのの具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待されることであります。  中間取りまとめは、このような指針の見直しの背景、新たな指針の目的、基本的な前提、考え方を述べた上で、新たな指針のもとにおける日米協力、すなわち平素から行う協力、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等と周辺事態における協力、さらに、新たな指針策定後の取り組み並びに新たな指針の適時かつ適切な見直しの諸点について、日米防衛協力小委員会の協議の概要を記述しております。  なお、中間取りまとめに言及されている考え方や具体的な協力項目は、これまでの日米防衛協力小委員会の作業に基づくものであり、今後のさらなる作業の結果、修正、追加があり得るものであります。  指針の見直しは、我が国の安全保障のあり方の基本にかかわる極めて重要な問題であり、見直し作業については、内外に対し透明性をもって取り進めることが重要であると累次申し上げてきております。この中間取りまとめは、まさにこのような考え方に基づき、国内における議論の基礎を提供することを目的として、見直し作業の途中の段階で、これまでの一連の日米間の協議において提示された今後の日米防衛協力に係る考え方及び具体的な協力検討項目を整理し、公表するものであります。  今後、この中間取りまとめを契機として、本委員会を初め国内における活発な議論が行われることを期待しております。また、同様に透明性を確保する観点から、韓国及び中国を初めとしたアジア太平洋諸国に対して積極的に説明を行ってまいる所存であります。  政府としては、中間取りまとめに示された考え方及び具体的検討項目の取り扱いについては、我が国の安全確保のため憲法の枠内で最も効果的な協力態勢の整備を図る必要があるとの立場から、法的、制度的側面を含め、今後さまざまな御意見、御議論を十分に踏まえながら、今秋の新たな指針の策定に向け、取り組んでまいる所存であります。  委員長を初め、委員各位におかれましても、御理解、御協力いただきますよう、お願いいたします。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 防衛庁長官久間章生君。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 外務大臣から、日米防衛協力の指針の見直しの背景及び基本的な前提等について説明がありましたが、私からは、新たな指針のもとにおける日米協力に関する日米防衛協力小委員会の協議の概要を紹介いたします。  なお、次の考え方や具体的な協力項目は、これまでの日米防衛協力小委員会の作業に基づくものであり、今後のさらなる作業の結果、修正、追加があり得るものであります。  一、「平素から行う協力」では、まず、(一)基本的な防衛態勢として、日米安全保障体制の堅持、日本による自衛のために必要な範囲内で防衛力の保持、米国による抑止力の保持、アジア太平洋地域における前方展開兵力の維持、来援し得るその他の兵力の保持等が触れられております。  (二)情報交換及び政策協議としては、日米両国が関心を有する国際情勢についての情報・意見交換の強化、防衛政策及び軍事態勢についての緊密な協議の継続が述べられております。  (三)安全保障面での種々の協力としては、この地域における安全保障対話、防衛交流及び国際的な軍備管理・軍縮の推進のための努力、国際連合平和維持活動等における相互支援のための密接な協力、大規模災害の際の緊急援助活動についての密接な協力が触れられております。  (四)日米共同の取り組みとしては、効果的な協力のための共同検討作業を進めることによる日米協力の基礎の構築、共同演習・訓練の強化及び両国間の調整メカニズムの平素からの構築が言及されております。  二、「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」では、まず、(一)日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合について、情報交換、政策協議の強化、両国間の調整メカニズムの運用の早期開始、情勢の変化に応じた情報収集、警戒監視・不法行為対処の態勢の強化、事態の拡大を抑制するための措置等について触れられております。  また、(二)日本に対する武力攻撃がなされた場合については、武力攻撃に即応した日本の主体的な行動と早期の侵略の排除、その際の米国の日本に対する適切な協力が触れられております。  三、「周辺事態における協力」では、  (一)対応の準備及び事態拡大を抑止するための措置として、周辺事態が予想される場合の情報交換、政策協議の強化、調整メカニズムの運用の早期開始、合意によって選択された準備段階に従った準備、情勢の変化に応じた情報収集、警戒監視、不法行為対処の態勢の強化、事態の拡大を抑制するための措置等について言及されております。  (二)日米協力の機能及び分野については、人道的活動、捜索・救難、国際の平和と安全の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保するための活動、非戦闘員を退避させるための活動、米軍の活動に対する日本の支援(施設の使用、後方地域支援)、及び運用面における日米協力について言及されており、それぞれの検討項目例は、お手元の中間取りまとめの別表に列挙されているとおりであります。  なお、この別表は、すべての協力項目を網羅的に示すものではなく、今後のさらなる作業の結果、修正、追加があり得ることも明らかにされております。  次に、新たな指針確定後の取り組みについては、  (一)新たな指針が示す一般的な大枠及び方向性の中で、共同作戦計画、相互協力計画についての検討、日本の防衛の準備のための共通の基準の確立、及び日本の防衛のために必要な共通の実施要領等の確立について行われる共同作業、及び(二)両国間の調整メカニズムの構築について言及しています。  なお、共同作業の進捗及び結果は、節目節目に適切な形で日米安保協議委員会及び日米防衛協力小委員会に対して報告することについても言及されております。  最後に、新たな指針の適時かつ適切な見直しについて触れられております。  以上が中間取りまとめの概要であります。  防衛庁といたしましては、引き続き、指針見直し作業に対し、最大限の努力を傾注してまいる所存であります。かかる作業は、日米間及び我が国国内においていかなる態勢を構築すべきか等について、政府全体としてさらに検討していく必要があると考えておりますので、この中間取りまとめを議論の基礎として、国会での活発な御議論を賜りますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森山眞弓君。

森山眞弓自由民主党

○森山委員 ガイドラインの問題については同僚議員がなさるだろうと思いますので、私は、この機会に最近の日本とロシアの外交関係について少し御質問を申し上げたいと思います。  近年、日ロの間での要人の往来が非常に頻繁になっております。昨年だけで池田・プリマコフ会談が五回行われたと聞いておりますし、ロジオノフ国防相がことしおいでになったし、また、池田外務大臣が五月にロシアへまた訪問されたというようなことで、大変往来が乱立っているわけでございますが、ごく最近ネムツォフ第一副首相が日本に来られまして、九日に第二回日ロ貿易経済政府間委員会が開かれたということでございます。その内容及びその成果につきまして、大臣のお話を伺いたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 今、森山委員御指摘のとおり、昨年来、日ロ関係は政府ベースで関係、交流を深めてまいっておりまして、私を初めとしました外務当局間は当然でございますけれども、そのほかに、今お話のございました国防相あるいは防衛庁長官の相互訪問であるとか、あるいは、経済関係でも先般ヤーシン大臣がお見えになるとか、いろいろな形で閣僚レベルの交流を深めてきたところでございます。そういったことを基礎にいたしまして、ことしはさらに首脳ベースの交流の活発化を、こういうふうに考えております。  まず、そういった環境をさらによくしていくために、その一助にと思いまして、先般の貿易経済に関する日ロ政府間委員会を我々重要視して取り組んできたわけでございます。去る九日、ネムツォフ・ロシア第一副首相が来日されまして、私と同副首相とを共同議長といたしまして会議を開きました。会議そのものは全体として四時間弱でございましたか、またその後二時間余りいろいろ話をしたわけでございます。  今回の会合は第二回でございます。第一回は昨年三月にモスクワで行ったわけでございますが、その後の状況も踏まえながら、とりわけ今日の日ロの経済関係の状況というものを踏まえて、これから両国間の貿易・投資の拡大によって経済関係を促進していこう、また、そのことが、日ロ間の最大の問題でございます領土の問題を解決するための環境整備の一環にもなる、そういった認識で取り組んでまいりました。そういった基本的な認識については、まず日ロ間で一致したところでございます。  その上で、今回の会議におきまして、解決の図られたといいましょうか、前進の見られた点について幾つか具体的に申し上げます。  まず、両国間の貿易を進めていく上で、かねてから民間の貿易債務の問題が大きなネックになっておりました。これがこの秋には最終的に解決する、今、あと一億数千万ドルぐらいの問題が未解決でございますが、そういった意向がロシア側から表明されました。  それから二つ目には、ロシアにおいてマクロ経済もようやく安定してまいりましたが、これから先はロシアの国内において、日本を含む海外からの投資というものが非常に重要であるということで認識の一致をいたしまして、その上に立って、我が国からの投資の促進を図るためのいろいろな措置、我が方がとる措置もございますし、ロシア側でとらなくてはいかぬ措置もございます。そういったことについていろいろ話し合ったわけでございます。  例えば、ロシアにおける税制面であるとか、いろいろ法律面の整備であるとか、それから、我が国としての技術協力面での投資の拡大のためのいろいろな助言とか、そういったことについて話し合いました。特に、そういった中でも、極東との関係を重視しようということで、投資も含めまして、極東との経済交流の活性化ということに重点を置くということで一致いたしました。  その中で、サハリン・プロジェクトというのがございます。従来から取り組んできたものでございまして、石油あるいは天然ガスの開発をし、そしてまた、その一部は我が国で輸入しようというプロジェクトでございます。これにつきましていろいろ意見の交換を行いまして、これにつきましては、将来に向かってかなり明るい展望が開けた。  特に、先ほどちょっと申しましたロシア側での税制面での障害がかなりあったわけでございますが、その付加価値税あるいは関税等についての免税措置が実施されるという見通しが立ったものでございますから、そういった話をいたしました。  それから、そのほか、かねてから我が国がロシアに対して輸出入銀行の融資をオファーしております。それで、枠として四億ドルのものと五億ドルのものとあるわけでございますが、そういったものにつきまして、内容を詰めて実施を急いでいこうということでいろいろ協議をいたしまして、その中で、いわゆる五億ドル融資の対象案件のうち三つの案件、総額で百六億円程度になりますが、これにつきまして、輸銀の代表者と先方の責任者との間で貸付契約が署名されるに至った、こういうことでございます。  今回の会議、まだまだ低いレベルにございます日ロの経済関係を発展させる上において、一つのいいきっかけになったのじゃないかと思います。特に、単に認識の一致であるとか、努力しましょうという決意の表明にとどまらず、具体的な措置についても既に進展が見られた、あるいはこういうふうに進めていこうという話ができたということが意義があったというふうに考えている次第でございます。

森山眞弓自由民主党

○森山委員 日本とロシアの間の貿易経済関係というのは、社会主義体制が崩壊いたしました後、一時非常に一種のブームになって、大勢の企業家がロシアを訪問する、あるいは極東の方へ出かけていくということがあったようでございますが、その後、ロシアの経済社会情勢がなお不透明であるということで、ちょっと冷え込んだというところではないかと思います。  また、ロシアの国民が、自由主義経済とか市場経済への理解がなお、なかなか容易ではないようでございまして、どうも、こちらが当然と思っていることが向こうの方にはわかってもらえないというようなちぐはぐな面もあったようでありますし、ロシア政府の方針が、率直に言って今日までなかなか定まらなかったということもあるようでございます。  そんなわけで、最近日本企業の意欲が非常に冷え込んで、二の足を踏んでいるというような感じがあったわけでございますが、今大臣がお話ございましたように、この政府間委員会において交わされました覚書のとおりにロシア側が税制とか貿易経済分野における法制整備を進めてくれれば、かなり効果があるのではないかという感じがいたします。さらに、苦情処理の窓口の設置まで考えているということでありますので、こういうことが本当に実行されれば歓迎すべきことだと私も評価したいと考えているわけでございます。  実は私、最近、五月の連休の機会にロシアの極東地区を視察してまいりました。そのとき感じましたのは、おっしゃるような法律とか税制とかも重要ではございますけれども、基本的に、経済の基盤をなすインフラの整備がまだまだ不十分というか、ほとんどこれからという感じがしたわけでございます。例えば道路、でこぼこの道でほとんど整備がされていない。また、電力事情も非常に悪いようで、始終停電するというようなことがございます。  そして、ロシアの人たちは、長年の社会主義体制でありますから、ビジネスパートナーとしての信頼が大切であるというようなことがよくわかっていないらしい。あるいは経済活動をするのに、消費者あるいはお客様の意向を尊重して、喜ばれるような、買ってもらえるような商品を開発、工夫するというようなごく当たり前のことがどうも理解されていないというようなことでございます。  例えば、私の聞いた話では、レストランとかホテルなどでどうも評判が悪くてお客の足が途絶えるというようなことがありますと、それでは値段を上げてつじつまを合わせようということになるのだそうで、それは非常に悪循環、ますますだめになるということなのですが、そういうことがわかっていないというような状況も聞いたようなわけでございます。  そんなことで、法律整備とかインフラのハードの面も重要でございますけれども、ソフトの面が非常にもう一つ肝心なのではないかという気がいたしますが、そういう面での情報提供とか研修とかいうことを援助するということが一層必要ではないかと思います。  私も訪ねてまいりましたが、ハバロフスク、それからウラジオストク、それからユジノサハリンスクの日本センターが大変な役割をこれから果たそうとしておられて、意欲的に取り組んでおられるようでございますが、この面の問題について大臣のコメントをいただきたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 これから我が国との経済交流を進める上においても、あるいはロシアの市場経済そのものを定着し発展させる上におきましても、今委員が御指摘になりましたインフラ面の整備、そうして、何よりもソフト面での知識あるいはノウハウというものをロシアの方々に身につけていただくこと、これは本当に肝心だと思います。  実は、先般の合同委員会におきましても、インフラについてもいろいろお話がございました。特に、ネムツォフさんは国内における電力の問題だとか輸送の問題とかの最高責任者でもございますので、今委員から御指摘のございました電力の問題、あるいは道路のほかに鉄道とか港湾も含めた輸送体系の整備ということについてもいろいろ話し合ったところでございます。  それと同時に、さらに大切なのはソフト面だというようにおっしゃる、そのとおりだと思います。例えば、経済面での体制の大きな変化をした国はたくさんございますが、中国の方はどうも経済の方ではうまくいっているのではないかということを言われます。中国の方々はもともと商才にたけておるという方もございますけれども、そうではなくて、やはり、かつてのあの国にも市場経済があった時代のことを御存じの方がおいでになる。その間に市場経済への復帰といいましょうか、また移行ということができたということが一つ、いわゆるソフト面での基盤があったということにつながっているのではないかと思うのでございます。  ロシアの場合は、今世紀の初めの革命からも随分たっております。あの方々のかつての先生であったマルクスさんとかレーニンさんとかいうのは、それは資本主義の害悪ということも指摘しましたけれども、資本主義の真髄が一体何であるか、市場経済の基礎はどういうことにあるかということを、いろいろあの方々なりに十分理解し解説しておったのだと思うのでございます。どうもその辺が、ロシアの方々にはずっと理屈としても必ずしも継承されていないし、ましてや実体面においては、もう二世代あるいは三世代にわたってそういった市場経済というものの実体に触れておられなかったわけでございますから、そこの基本の認識、そして今委員も御指摘になりましたような、細部にわたる具体的な対応の仕方というものを身につけていただくということは非常に大切なのだと思います。  そういった観点から、私どももいろいろな意味での技術協力を行っておりますが、その中でも、今御指摘になりました日本センターというのが、ソフト面でのいろいろな協力の中心的な役割を我々は期待しているものでございます。現在、ロシア全体で五カ所ございますけれども、極東地方でハバロフスク、ウラジオ、それからユジノサハリンスクとございます。  そこで、我が国から専門家を派遣いたしまして、現地の企業経営者を中心にお集まりいただいて、経営の実務であるとか金融、貿易あるいは簿記会計というようなところにつきましてもいろいろ伝授すると同時に、いわゆる経済や企業情報についてのセンター的な役割を果たしているところでございます。その役割をさらに高めてまいりたいと思いますし、その際、今委員が御指摘になりましたような、さらにかゆいところに手の届くようなノウハウを伝授できるような専門家をこちらからも派遣しなくてはいけないと思います。  実は、ネムツォフさんにも、お帰りにウラジオストクに行かれるという話でございましたので、ぜひウラジオの日本センターに行っていただくように進言いたしまして、恐らく行ってくれるのだと思いますが、今委員の御指摘になっている方向でこれからも進めてまいりたいと思います。

森山眞弓自由民主党

○森山委員 私も三センターを見てまいったのですけれども、大変好評でございまして、受講希望者が非常に多い、その中から選抜するのに大変苦労しているという話を伺いました。現に私が見せていただいた日本語の研修の講座もかなり高いレベルでございましたし、大変熱心に勉強しておりました。また、一般の学校、小中高校でも日本語を学ぶ子供が少なくないと聞いておりますし、ハバロフスク教育大学の日本語学科も視察したのですが、非常に優秀な学生が熱心に勉強している様子を見て感心したわけでございます。一般に申して、日本に対する関心が特に極東では高い、私が思っていた以上に多大の関心を日本に対して払っているということが感じられまして、うれしく思ったわけでございます。  考えてみますと、極東というのは、ソ連の崩壊による社会経済混乱というのが一般的なほかの地域と同じようにあるばかりではなくて、モスクワから九千キロメートルも離れている、時差でも七時間もあるというぐらいに非常に遠いところでございます。あれだけの広い国土を持ったロシアでございますので、中央政府も必ずしもすべての地域に細かく行き届いていないのかもしれません。ですから、極東地域の人たちは非常に疎外感にさいなまれているような感じがいたしますし、それによって中央に対する反発心も結構強そうに思われます。  ちょうどメーデーのときに当たりまして、ユジノサハリンスクでメーデーの集会、三百人ぐらいの集会でしたが、そこをたまたま通りかかって見たのでございます。そこで掲げられているプラカードは、エリツィンを追放しろというような中央政府に対して反発する内容が全部でございまして、そういう気持ちが非常に強いのです。しかし、では一人でやっていけるかというと、それはそうでもない。ということで、非常に深刻なフラストレーションに悩んでいるような気がいたします。そして、そのフラストレーションが、モスクワよりももっと近い日本というものに、隣の国である日本に強い関心となって向けられているのではないかというふうに私は見てまいったわけでございます。  日本の側から見ましても、遠いヨーロッパの一部であるモスクワよりも極東はずっと身近でございます。以前、明治のころには、ヨーロッパに渡る政府要人や文化人が必ず通ったヨーロッパへの門戸でございますし、サハリンは一時一緒に暮らしていた仲間でもございますし、また、さまざまな経験を極東地域では日本とロシアは交わしてきているわけでございますので、格別の親しみを持っているわけでございます。  ですから、一口に申して大変荒れ果てた、そのような極東地域を実際にこの目にいたしますと、そしてまた一年も給料が滞っているというような厳しい経済情勢の中で懸命に生きている人々というのを見てみますと、何とか手伝ってあげられないのだろうかという気持ちが非常に強くするのでございます。  例えば、サハリンで見ました非常にすばらしいスキーのジャンプ台があったのですが、これは日本で札幌オリンピックをやりましたときに、その出場選手が練習するためにつくったものだそうです。最近は全く手入れされておりませんので、赤くさびて壊れておりまして、だれももう使えない。周りにあるヒュッテのようなところもガラスが全部破れて廃屋になっているというようなことで、ああいうものを何とかしたらさぞいいだろうなと思いながら見てまいったわけでございます。  しかし、日本とロシアの関係はそればかりではなくて、北方領土の問題もありますし、ODAというわけにもいきませんし、政府が直接何かするというのは非常に難しいと思います。結局条件を整備して経済活動を活発にするということに尽きるのかなと思います。  その意味で、先ほどお話がちょっとございましたサハリンの大陸棚の石油・天然ガス開発事業というのは非常に有望であり、期待したいと思うのですけれども、見通しは明るいと先ほど大臣はおっしゃいましたが、大体いつごろどのようになる見通しかということがわかりましたら、教えていただきたいと思います。     〔委員長退席、福田委員長代理着席〕

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 おっしゃるとおり、極東地域の開発に、何といってもロシアの中心部から地理的に遠うございます。それから人口の面でも、一億五千万の民のうち極東地域の人口は八百万に満たないのだと思いますね。そういったことから申しますと、やはり日本からのいろいろな意味での協力というものが向こうでも期待されておりますし、また、日本にとりましても、極東地域の資源その他を考えますと、将来的にはこれは大切なところだと思います。  先般会いましたときもいろいろな話を聞きました。それで、中央政府と地方の話がございましたけれども、極東地域の知事さん方と日本の関係の知事さん方の会議があるのでございますね。これを活性化したらどうだろうかということを私の方から言いまして、日本では地方と中央との連携はかなりとれているのだけれども、ロシアの方はそれは十分じゃないよ、だからロシアの中央政府もそこにもっと主体的に参画してください、こういう話もしておきました。そんなこともやりながら、いろいろ考えていきたいと思います。  さて、具体的にサハリンのプロジェクトの見通しでございますが、これは民間の話でございますから私から申し上げるのもいかがか。計画経済じゃございませんから予定をというわけにいきませんけれども、私が今承知しているところでは、順調にいきますならば、サハリン1、2と二つのプロジェクトがございますが、サハリン2という方は九九年にも天然ガスの商業生産に入り得るのじゃないかな、そして、それから数年たてば原油の方もと。それから、サハリン1の方がそれに一年おくれて二〇〇〇年ぐらいから天然ガスというような見通しを持っておられるようでございます。  ただ、それが順調にいくかどうかは、まだいろいろな環境整備の問題があるわけですけれども、先ほどもちょっと申しましたけれども、税制面については今度基本的にロシア側での国内措置ができたようでございますから、だんだんそちらの環境も整備されていくのだと思います。

森山眞弓自由民主党

○森山委員 今大臣のお言葉にもありましたように、特に日本海側の地方自治体や民間団体が、ある意味で草の根の交流というのをやっておられる、非常に活発に行われているのを見まして、大変うれしかったわけでございます。ある民間団体が、各地でやっていらっしゃるようですけれども、私が見たのはウラジオストクでしたが、町の市役所の前の広い広場に何千人も行列しているので何かと思いましたら、それは日本の民間団体が草花とか野菜の種を皆さんに配っているということで、それが大変人気がありまして喜ばれているということでございました。そんなふうな、政府ではちょっと難しいけれども民間だったら大変やりやすいというような活動が、いろいろなところで行われているのは喜ばしいと思った次第でございます。  最後に一つお願いでございますけれども、サハリンに残留日本人会というのがございまして、サハリンに残ってしまった三百人ぐらいの日本人の方が会をつくっておられます。これは、ソ連時代の国情は大変難しくて、ソ連時代には集まることさえも難しかったらしいのですけれども、最近ようやくその団体ができまして、いろいろなことをやっておられる。要望事項もさまざまあるようでございます。  例えば、だんだん高齢化して会員は減ってきますけれども、子供たちのことについて心配していらっしゃる、日本との関係をもうちょっとまた子供たちの時代でもつなげていきたいと思っておられるようでございまして、そのような問題さまざまあるようでございますので、承りますと、サハリンに今度駐在官事務所を設けられるということでございますので、そのような機会にこの方々にも接触を深めていただきまして、いろいろと相談に乗ってあげていただきたいというふうに思うわけでございます。よろしくお願いいたします。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 ただいまの経緯よくわかりました。私ども、今回ユジノサハリンスクに領事関係の事務所を開設するようにいたしましたけれども、領事事務の重要な柱は在外の邦人あるいはそれの関係者の方々の身の上に関することでございますので、今おっしゃいました残留しておられる方々のいろいろな御事情もよくお聞きし、また御要望もお伺いしまして、日本国政府としてできることは、ロシアともいろいろ相談しながらやっていきたいと思います。  先ほど申しませんでしたけれども、先般、サハリンの知事さんもお見えになりまして、その知事さんともいろいろサハリンとの交流の話はしておきました。そして、ネムツォフさんと同時に、そちらの中央と地方と意見の違うところが随分あるのじゃないか、まずそこを調整してこいなどということも言いながら、それから日本とよく相互理解が進んでいくならば、先般のような演習場をめぐる誤った発言もされないで済むのだよということも直接言っておいたわけでございます。いずれにいたしましても、極東地方との交流を深めていく中で、今委員の御指摘になりましたような同胞の方々の関係についても意を用いてまいりたいと思います。

森山眞弓自由民主党

○森山委員 ありがとうございました。

福田康夫自由民主党

○福田委員長代理 河野太郎君。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 自民党の河野太郎でございます。まず初めに、香港の臨時立法会についてお伺いをさせていただきたいと思います。  アメリカの国務長官が臨時立法会の七月一日の宣誓式に出席をしないということを正式に表明をされました。また、イギリスの政府も臨時立法会の宣誓式への出席については検討中であるというような発言を繰り返しておりますが、我が日本政府は、この七月一日に行われる予定になっております香港の臨時立法会について、どのような態度をとられるのか、御説明をいただきたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 香港返還につきましては、六月三十日から七月一日を中心にしていろいろな行事が行われることになっているようでございます。そして、私も御招待を受けておりますので、これから、いろいろな事情を検討してではございますけれども、基本的にはできれば出席の方向でと思って考えております。ただ、その行事の詳細についてはまだ確定もしていないのでございましょう、そして、御連絡をまだちょうだいしておりません、どういうものがどういうふうに、いつどこでというようなところは。いろいろ報道されているのは承知しておりますけれども、しかし、やはり正式の通知を受けた上で個々の行事に対する出席をどうするかというところは考えてまいりたい、こう思っております。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 アメリカの最近の香港に対する発言を聞いておりますと、特に今回の国務長官の声明等を聞いておりますと、中国に対する内政干渉ではないかと思われる前もございますが、いかがでございますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 基本的に申しまして、アメリカも含めまして、日本も基本的には同じでございますが、国際社会の関心は、七月一日以後においても香港が、一国二制のもとにおいて、現在と同じような経済的繁栄も享受するし、またそれが可能になるような現在の自由な社会というものが維持される、そのことを期待している、この基本は同じなんだと思います。  中国も、一国二制で五十年間はやるのだということを基本的には英中協定で合意しているわけでございますし、基本法その他のその後の措置でも、それはいわば国際的にも、香港の方々に対してだけではなくて国際的にも、約束というか表明しているわけでございますから、私は、そこのところは信じていいのだ、こう思っております。ただ、具体的に個々の仕組みや制度がどうなるかという点については、英中間でもいろいろ意見、立場の違いがあったということもございますし、また、その他の国からもいろいろなコメントがなされていることは承知しております。  しかし、それを内政干渉と言うべきなのかどうなのか。私は基本的には、かくあれかしという願望、希望に立脚していろいろ希望の表明をしておられるのじゃないかというふうに考える次第でございます。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 七月一日以降の香港がどうなるのかというのは、一義的には市場が香港を認めていくかどうか、香港を認めないということになれば、香港の経済活動がこのまま下がっていくわけですから、そこがまず一義的に判断を下すのではないか。中国による統治も始まっていない段階で、香港の今の現状について、あるいは将来についてどうこう言っているアメリカのあり方というのは、少しおかしいのではないかと思います。  ぜひ日本政府は、少なくとも香港における中国の統治が始まるまでは、この現在の移行をうまくサポートしていく、あるいは中国による統治をきちんと認めていく、そういう方向で、アメリカとは一線を画した外交態度をとっていっていただきたいと思っております。  次の話へ移らせていただきますが、四年、あるいは五年ほど前でしょうか、日本とイスラエルの間に航空協定の交渉を始めようという動きがありまして、現在に至るまでこの交渉がまとまっておりません。どういうことがあったのか、今日に至るまでの経緯を少し御説明いただきたいと思います。

登誠一郎外務省中近東アフリカ局長

○登政府委員 日本とイスラエルの航空協定の交渉は、一九九二年の一月にモスクワで中東和平の国際会議が開催されまして、その機会に日本の外務大臣とイスラエルの外務大臣の外相会談が行われました。その際に、イスラエル側から、日本とイスラエルの間で空路を開設したいという働きかけがございまして、それから二国間の交渉が始まったわけでございます。その後、一九九二年、九三年それから九五年と、計四回にわたりまして予備的な協議を実施いたしました。  この予備的な協議を通じていろいろな問題が出てきたわけでございますけれども、その中で両国間の一番意見の違った問題となりましたのは、空港の保安、つまりセキュリティーに関する扱いでございました。この点につきましては、九五年の最後の予備交渉でも余り進展が見られないという状況でございました。  その中におきまして、本年の二月にイスラエルからレビ副首相兼外務大臣が訪日されまして、その際に池田外務大臣との間で会談が行われました。その際、先方の外務大臣より、今まで問題となってきましたこの保安問題について、専門家同士で協議させたらどうかという話がございました。日本側もこれに同意いたしまして、現在、両国間におきましてこの専門家協議をどういう形でとり行うのかということを調整している、そういう状況でございます。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 空港におけるテロを防止する条約というものがあると思いますが、それに対する日本政府の取り組みはどういうことになっておりますでしょうか。

登誠一郎外務省中近東アフリカ局長

○登政府委員 私ども、イスラエルとこの問題を協議するに当たりまして、世界各国にございますイスラエル航空、エルアル航空が持っております設備、それから世界の主要空港でエルアル航空に関してどのような保安的な措置がとられているかということを鋭意研究して、日本側としてもいかなる措置がとれるのかということを検討している状況でございます。  今お尋ねございました国際協定につきましては、その一環で検討されただろうと思いますけれども、大変恐縮でございますけれども、今この時点で、私ども、それについての詳しい情報を持っておりません。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 この航空協定の交渉の際に、成田には発着の枠がないということで、関空に持っていこうと。その折に、関空の保安を考える際に、既存のターミナルではなくて新しいターミナルをつくるべきだというような議論があったと伺っておりますが、その経緯についてお伺いさせていただきたいと思います。

登誠一郎外務省中近東アフリカ局長

○登政府委員 御承知のとおり、成田空港は枠がいっぱいでございますので、エルアル航空の日本乗り入れについての協議も、場所は関空ということで協議を始めたわけでございます。  関西空港は現在民間の会社でございますが、その民間の会社の立場から、関西空港としても警察と十分協議して、いかなる保安措置が必要かということを議論している、日本側としても検討したわけでございます。  その過程で一つのアイデアとして出てまいりましたのは、今委員御指摘がございましたような、関西空港の既存の設備とは別に棟をつくって、その別棟でエルアル航空の乗客の乗りおりをしてもらったらどうかというのを、一つのアイデアというか示唆ということで日本側から出した経緯はございますけれども、イスラエル側はそういう形をのむわけにはいかないという立場でございました。  現在その案というのは既に立ち消えとなっておりまして、それにかわる何らかの対応ということを日本側としても今検討しているという状況でございます。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 その日本側からのターミナル新築の提案の場合の費用負担については、話し合いが行われたのでしょうか。

登誠一郎外務省中近東アフリカ局長

○登政府委員 これも正式の提案ということではございませんで、さっき申しましたようにアイデアあるいは示唆ということでございましたけれども、その当時は、この費用はイスラエル側に持ってもらう必要があるというのが日本側の当局の立場であったというふうに理解しております。     〔福田委員長代理退席、委員長着席〕

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 そのイスラエルのエルアル航空の事故率と申しますか、テロの対象になった回数というのは、他国の航空会社と比べてどの程度高いものなんでしょうか。

登誠一郎外務省中近東アフリカ局長

○登政府委員 手元には事故の具体的な数字は持っておりませんけれども、エルアル航空がテロの対象になっておりましたのは主として一九六〇年、七〇年代でございまして、最近は、私の記憶で恐縮でございますけれども、イスラエル側はエルアル航空に対して大変厳しい警備をしております。飛行機に乗ればわかりますけれども、四、五人の警備保安要員が各飛行機に乗っております。それから空港においても、ヨーロッパあるいはアジアの空港でも大変厳しい警備をしております。  そういう観点から、少なくともここしばらく、何年とはちょっと資料がないので申し上げられませんけれども、最近におきましては特にエルアル航空がテロの対象になった、世界のほかの航空会社と比べて対象になったということは、少なくとも最近では特に目立っているということではございません。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 現在、保安問題について専門家の協議が行われているということでございますが、さしたるテロの実例もないわけでございますから、余り無理難題を押しつけて、ターミナルの新築を相手側の費用負担でやらせるというのもいかがなものかと思います。そうかといって、テロの対象になってもいかぬと思います。現実的にうまい対応を考えて、ぜひこの航空協定を前向きに進めていただきたいと思います。  もう一つ、中近東の問題をお伺いさせていただきたいと思います。  中東の和平のプロセスが今大変に停滞をしております。パレスチナの暫定自治政府が平和を追求することによって平和の果実を得ることができるというのは、一つ交渉に弾みをつける大変重要な役割を果たすのではないかと思いますが、日本政府からパレスチナ暫定自治政府に対するODAの今後の取り組み方、今後の考え方についてお伺いをさせていただきたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私どもも中東の和平の実現を心から願っておりまして、これまでも日本なりに、可能な手段を使いながら、いろいろ努力もしてきたつもりでございます。  特に、中心になりますパレスチナ・トラックにつきましては、私自身も昨年あちらへ参りまして、アラファト議長あるいはネタニヤフ首相、それからまた関連するヨルダン、シリア、エジプト等の首脳ともいろいろお話をしてきたところでございます。その後も特使あるいは大使等々、何度も現地へ伺っておりますし、いろいろな場で日本としての果たせる役割を果たそうと努力しているところでございます。  そういった外交面、政治面でのいろいろな努力、仲裁までいかなくても、例えば米国その他のところが仲裁をするための条件、環境を整備するような面での働き、あるいは、仲裁努力がとんざしているときに、その間をつないで和平の重要さを両当事者によく認識してもらうといった面での働きかけ、そういったこともやっているわけでございます。それと同時に、我が国としてできますことは、特にパレスチナ地域の民生の安定、これがやはり和平のプロセスを進めていく上でも大切なんだと思います。  そういった面からこれまでいろいろ支援をしてまいりまして、全体といたしまして、九三年十月以降で直接パレスチナ暫定政府を対象に支援したものが二億七千万ドル以上になっております。これは人道的なものもございますし、道路、学校あるいは病院施設、そういったものの建設なども随分あるわけでございます。それと同時に、UNDPあるいは世銀等々の国際機関を通ずるものもいろいろあるわけでございます。  こういったことで、和平を進めていくためのいわば基盤を整備する、あるいはそのようなものを通じていろいろ、てことまではまいりませんけれども、和平の機運を促進していく一助にしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。その点は、単にパレスチナ側だけではなくてイスラエルも、今申しましたようなパレスチナ人の民生安定に資する日本の支援というものは評価してくれている、こういうところでございます。  今後とも、先ほど申しましたような、限界はあるにしても、外交面、政治面での役割を果たしていくと同時に、経済面の支援も進めてまいりたい、こう思っております。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 パレスチナに対するODAで、一件だけ具体的な話をさせていただきたいと思います。  ヨルダン川西岸とヨルダンの間に幾つか橋をかけかえるあるいは新しくかけるというような話がありましたときに、ジェリコとアンマンの間のキング・フセイン橋という橋を日本がお金を出してかけかえよう、そういうプロジェクトを提案し、受け入れられた。ところが、西岸はイスラエルが実効的には支配をしておりますが、イスラエルの支配が国際的には認められていない、さりとてパレスチナ暫定自治政府を日本が国家として認知しているかというと、そういうわけでもないということで、所有権の帰属あるいは橋の管理の問題が宙に浮いてしまって、このプロジェクトが進んでいないということがございます。ドイツも同じような提案をしたものの、やはり同じ問題にぶち当たって、ドイツ側は撤退をした、そういう経歴がございます。  このキング・フセイン橋のプロジェクトが今後竣工するめどがあるのか、あるいは、こうした中東和平のプロセスが停滞している場合に、このプロジェクトを断念して、同額のものをパレスチナ暫定自治政府の、先ほど大臣の御答弁もありました、民生の安定あるいは民生の向上といったものに振り向けるつもりなのか、そのあたりの外務省の見解をお伺いしたいと思います。

畠中篤外務省経済協力局長

○畠中(篤)政府委員 キング・フセイン橋のかけかえの計画につきましては、ただいま先生からお話がありましたとおり、ジョルダン、イスラエル、パレスチナの三者の間で、維持管理のあり方あるいは実施のための法的枠組みということで協議が続けられておりますが、まだまとまっておりません。  我が国といたしましては、この計画につきましての技術的な調査は既に終了しておるわけでございまして、できるだけ早くこの三者の合意ができるように働きかけておるところでございますけれども、中東和平プロセスの全体の動向を踏まえつつも、今後ともこの三者に対して働きかけを行っていく考えでございます。したがいまして、この計画をおいてほかの方に回す、回さないというようなことは、今のところでは考えておりません。  ただ、その北の方にありますもう一つの橋で、シェイク・フセイン橋というのがございますけれども、こちらの方はジョルダンとイスラエルの間の橋でございまして、これは法的枠組みの調整が終了しまして、昨年八月、交換公文に署名を終えて、九八年の初めの完成に向けて現在建設中でございます。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 イスラエル政府側は、このキング・フセイン橋を、プロジェクトを日本がぜひとも進めるべきだ、そういうシグナルをいろいろなところで出しているようでございます。日本政府ももう少し前向きに、三者にげたを預けるのではなくて、少し積極的にこの三者間の調整に加わって、このプロジェクトをぜひ進めていただきたい、そう外務省にはお願いをさせていただきたいと思います。  済みません、ちょっと時間がありませんので、次へ移ります。  現在、日本から国連の事務次長に明石さんが出ておりますが、この明石さんが近々退任されるのではないかという話を伺っております。明石さんがこの夏あるいはこの秋に御退任になるのかどうか、あるいはWHOの中嶋さんが次には事務局長には立候補をされない、UNHCRの緒方さんも体力的な雨その他もあって、余り長くやられないということを伺っておりますが、そういうことになりますと、日本から国連の事務次長レベルあるいは国連の関係機関のトップへの人材の派遣ということが途絶えてしまうことになると思いますが、外務省はこうした問題について今どうお考えで、どういった手をとろうとされているのか。次にどういった国連機関にどういった方を送り出そうと考えていらっしゃるのか、そのあたりをお伺いさせていただきたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私どもも、国連機関初め国際機関に対しましては、その活動に必要な資金を十分に出しているわけでございますから、金を出すだけではなくて、やはりその活動自体に参画していかなくてはいけない、国としてもそうですが、その国際機関の役職員という立場でも参画していかなくてはいけない、こう思っております。  そういった観点から申しまして、私どもも、機会のあるごとにそれぞれの国際機関で日本人の役職員を登用するように働きかけてきているところでございます。今お話のございました国連につきましても、先般アナン新事務総長が来日されましたときにもお目にかかりまして、私からも直接そのような点についても申し上げたところでございます。  ただ、具体的にだれをどうということは、事柄の性格上なかなか申し上げにくいところもあるわけでございますが、若干申し上げますと、明石事務次長につきましては、まだどういうふうなことになるか、私ども何とも申せませんけれども、ただ、国連の内規と申しましょうか、職員のいわば定年といったようなもの、そういったものとの関連で、いろいろなことが時に取りざたされるということがあるということはございます。  そういった場合には、我々としても、引き続き日本からそういったハイランクの国連職員をきちんと採用されるようにしなくてはいけないということで、そのような申し入れもしているところでございます。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 日本の国連に対する拠出金は、アメリカに次いで大きな金額を出しているわけですから、ぜひ、この日本からの事務次長ポストというのは何としてでも守っていただきたい、そう外務省にお願いをさせていただきたいと思います。  少し国連の問題は、また後ほど時間があれば戻ってくることにいたしまして、COP3、気候変動枠組み条約についてお伺いをさせていただきたいと思います。  このCOP3の十二月の京都会議を目指しまして、締結国は、今後の国ごとの状況がどうなっていくのかという予測の値と、どういう目標で取り組んでいくのかという目標値を出すということになっております。日本の場合、環境庁が、今後日本の温室効果ガスの動向はどうなっていくのかという予測値を策定しておりますが、日本は、環境庁のつくった予測値を条約の交渉の場に提出をしてありません。  外務省のレクを伺いますと、環境庁と通産省の間に意見の激しい対立があるということでございますが、何と申しましても、十二月の京都会議は日本が議長国でございます。議長国がリーダーシップをとってこの会議をまとめるというためには、少なくとも、決められた期限までにはやるべきことはきちんとやらなければいかぬと思うのですが、環境庁、通産省が意見の統一を見られないということであれば、内閣として政治がきちんとリーダーシップをとってこの違いをならして、日本としてはこういう予測値なんだということを提出するべきだったと私は思いますが、なぜそうしたことが内閣でできなかったのか、そのあたりをお伺いさせていただきたいと思います。

朝海和夫外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○朝海政府委員 温室効果ガスに関連しまして二つの問題があろうかと思います。  一つは、既に締約国会議で決められたとおり、各国が予測の数字を出すという作業がございます。もう一つ、別の種類の作業としまして、二〇〇〇年以降の排出目的をどうするか。  共通する面もございますけれども、二つの性格の異なる問題がございまして、前者の予測値の問題につきましては、現在環境庁において国内調整を行っているところでござい良す。外務省としましても、可能な限り早期に情報が提出されるよう引き続き働きかけてまいりたいと思っております。  二番目の、二〇〇〇年以降の排出目的でございますが、これは現在の交渉の中で扱われておる事柄でございまして、これにつきましては、EUの提案あるいはアメリカの考え方、豪州その他の考え方、いろいろなものが出ておりまして、日本も日本なりの一定の方式と申しましょうか提案をしておりますが、その数値につきまして、現在外務省を交えまして関係省庁の間で検討しておる、そういう状況でございます。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 今の御答弁を伺いますと、予測値については閣内で問題はない、環境庁の単なる作業のおくれだ、そういう理解でよろしいんでしょうか。

朝海和夫外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○朝海政府委員 予測値につきまして、単なる作業のおくれということ以上に、一言で予測を出すと言いましても、いろいろ技術的に難しい点もございます。そういった点についてなお作業を鋭意進めているということでございまして、確かにある程度時間がかかっておりますけれども、単に作業がおくれている以上に、例えば個別の政策措置をとった場合、どういう数値的な予測が出てくるのか、なかなか難しい問題も含むものであると理解しております。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 そうしますと、個別政策の措置をとった場合の予測について通産省と環境庁の意見が対立をしている、そういう理解でよろしいでしょうか。

小林光環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課長

○小林説明員 環境庁でございます。  今お尋ねの点でございますけれども、意見の単なる相違といいますか、先ほど外務省の方から説明がございましたように、この予測というのは、それぞれ政策措置ごとにどういった削減効果があるかというものを積み上げ、一つずつ検討をするものでございます。  正直言いまして、我が国で現在行われております二酸化炭素の削減に役立つような施策というものは、数えますと約四百施策ほどございます。大変多うございます。また、それぞれの施策が必ずしも地球温暖化防止ということを直接の目的にして行われているものでもない。副次的な効果としてそういう温暖化防止効果を持っている。そうしますと、温暖化防止の目的のためにその政策をどれほど活用できるかということになりますと、いわば行政の裁量の範囲の中でどこまで可能か、こういうようなことにもなってくるわけでございます。  数字の話は今特別お尋ねがございませんでしたけれども、そういった具体的な、例えば技術が、ある政策によりましてどれぐらい入るかということになりますと、大変見積もりが難しいということでございまして、私どもとして、いろんな計算をいたしましてそれぞれ担当の省庁と、必ずしも通産省だけではございませんで、打ち合わせを行っているという状況にございます。  地球温暖化対策、生まれつつある対策でございます。また通報の機会というのは、将来の見積もりを立てる大変貴重な機会でございます。難しい作業ではございますけれども、私ども、時間の制約も十分心得ながら一生懸命やらせていただきたいというふうに考えております。よろしく御理解を賜りたいと思います。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 諸外国は予測値を出してきているわけでございますから、数値の積み上げが難しいとかいろいろ理由はあるにしろ、日本がおくれているのは事実だと思います。いつまでに日本として予測値を出すのかという政府の約束事みたいなものをお伺いさせていただきたいと思います。  それと同時に、韓国がOECDに加盟をいたしました。この条約は、先進国についてはかなりの義務を課そうというものでございます。そういうことであれば、OECDに加盟をした韓国がこの条約の締結国としてきちんとした義務を果たすべきだと思いますが、日本政府はどうお考えでしょうか。また、韓国に対しどういった働きかけをするおつもりか。最後にお伺いをして、終わりにしたいと思います。

朝海和夫外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○朝海政府委員 まず予測値の件でございますが、これにつきましては、なるべく早く調整が済むよう引き続き努力してまいりたいと考えております。  次に、韓国の問題でございますけれども、今般の気候変動枠組み条約にかかわる交渉の中で削減目的を約束する対象国は、この条約の附属書1に掲げられている国でございます。附属書Ⅰと申しますのはいわゆる先進国と経済の移行国、ロシアなどでございまして、韓国はこの条約ができましたときちょうどといいましょうか、いわゆる先進国ではなかった、九三年のことでございますのでOECDに加盟する前であったということで、条約上は附属書1に入っておりません。したがいまして、条約論として申し上げれば、先進国あるいは移行国として条約上の削減目的についての義務を負う立場にはございません。  ただ、私どもは、他方で韓国という国は急速な経済発展を遂げているわけでございまして、それに伴いまして、温室効果ガスの排出抑制、削減についてもそれなりの対策をとっていただくことが地球全体の温暖化を防止するために重要であると考えております。  こういった意味で、二〇〇〇年以降の取り組みにつきまして、韓国が一層取り組みを強めるよう希望しているわけでございまして、私ども、機会あるごとに韓国側といろいろな話をしている次第でございます。  具体的には、しばらく前でございますけれども、韓国の担当局長が日本に参りましたとき私からもお話をしましたし、先月になりますけれども、外務省の幹部が韓国を訪問しまして韓国側といろいろ意見を交換してまいった、そういうことでございます。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 どうもありがとうございました。時間ですので、これで終わりにさせていただきます。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 東祥三君。

東祥三新進党

○東委員 外務大臣、防衛庁長官、おはようございます。一時間、ガイドラインの見直しの中間報告について勉強させていただきたいと思います。  中身が余りにも膨大であると同時に、ある意味で冷戦構造が崩壊し、湾岸戦争があり、また国内においても、いろいろ日本の安全が脅かされるような種々の経験をし、日本は有事というものに対し、何ら具体的な積み重ねをしてこなかった。  有事に対してどのように対応したらいいのか、そこに欠落している部分があるということに気づき出してきたのかどうなのかよくわかりませんが、そういう方向性の中で、この七八年につくられた現行ガイドラインを新たなる角度から見直し、その中間報告が今回で、そして秋には最終報告が出る。そういう状況の中で安全保障問題を真正面から議論できる、こういう場が設定されているということは極めて有意義なことであるというふうに思います。  ともすると、世界の多くの国々から、とりわけオフレコで議論したときに、やはり日本というのは奇異な国だ、安全保障問題というのを、日本の安全を守るための政治と軍事の具体的な関係をきちんと明確にしないで、憲法解釈に基づいてのみ議論しているという極めておもしろい国である、いつもこのように言われているわけでございますが、それを一歩ブレークし、本来の政治と軍事との権限関係を明確にし、そして一億二千六百万人、並びに日本の国益、そして国際社会における日本の位置づけを明確にしていく上で、実りある議論ができればなというふうに思うわけでございます。  質問は二つの側面からさせていただきたいと思います。一つは全体的なコメントでございますが、中間報告ということですから、今後やらなければならない膨大な作業があると思います。詰まっていないことがたくさんあると思います。もう一つは、この中間報告について、非常に日本語が難しい。作文するに当たって、大変ないろいろな御苦労をされたのだろうなと。わからない言葉もたくさん出てきますので、文章、各パラグラフごとにわからない点をつまびらかにしていただきたいというふうに思います。  全体的なコメントといたしましては、このガイドラインは日米協力といった側面から見た日本の防衛ガイドラインであると思いますが、その基本となるべき日本の防衛のための防衛ガイドライン、日本自身の防衛ガイドラインは依然として明確ではないのではないのか。また、米軍の来援計画全体も明らかにされていない。そういうことが不明確のままである。ある意味で、ここで出てきている内容、そういうものを見たときに、日米双方の作戦がオーバーラップする部分だけを示したもので、基本計画というものがまだ明確になっていない、つまり全体像がよくわからないという印象を持ちます。  つまり、周辺有事というものが起こったときに、それに対して、日本がそのこと自体を日本の安全保障にとって脅威と感じるのか、感じないのか。脅威と感じるとするならば、それに対して日本はどのような対処をするのか。そして、そのときに米軍は、アメリカは、その周辺有事に対して全体のオペレーションはどういう行動を展開することになるのか。そういうことが明確でない限り、日本とアメリカとの協力を詰めていったとしても、これはよくわからないのではないのか。つまり、その前提部分が非常に不明確である。  二番目、全部申し上げた上でお二人のコメントをいただきたいというふうに思いますが、二点目に関しては、このガイドラインが前提としている情勢あるいはシナリオ、周辺事態及びその場合の周辺地域というものが不明確のままである。  三番目、平和の破壊者があらわれてきたときに、国際社会全体として、当然国連の安保理が招集され、そして国連の安保理の中で何らかの決議が出る。国連のそういう枠組みと、この日米協力ガイドラインから由来する種々の諸活動との枠組みとの兼ね合いというのも一切不明確である。  四番目として、このガイドラインに基づいて日本が協力できないとき、義務なし規定ということをいろいろ書かれておりますけれども、一方において、できない場合、すぐ逃げてしまう。他方において、この中で盛られているものを実効性あるものにしていかない限り、日米安保体制を担保させることはできない、そういう考え方がこの中間報告の中に盛り込められていると思いますが、四点目として、このガイドラインに基づいて日本が協力できないとき、日本に拒否できる権限がどのように規定されているのか、どうなのか。  五番目として、このガイドラインと周辺国、特に韓国との関係、これはどういうふうにとらえているのか。その関係も不明確である。  六番目として、このガイドラインで一般国民がどのような協力を求められるのかも不明確である。  七番目として、今後の手続として有事法制及び現行法修正の関係も明らかにすべきなのではないのか。  この七点、出てくるわけでございますが、今突然言われたとしても七点覚えられないよ、そういうお顔を久間長官はされております。一問ずつ申し上げますが、申し上げたいのは、日本の独自の防衛のガイドラインが不明確、アメリカの来援計画全体も不明確、そういう状況の中で日米双方の作戦がオーバーラップするところだけをこれは取り上げているんじゃないのか。そもそもの基本計画が不明確のままで全体像がよくわからないではないか。いかがですか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 今度のガイドラインは御承知のとおり、現在あるものを見直して新しい時代に即応したガイドラインをつくろう、いわゆる大枠を示そうじゃないかということで始めたわけでございますから、しかも今中間取りまとめでございますから、これだけで全体像が見えないじゃないかという御指摘は、そのとおりだと思います。  しかし、秋までかかりまして、これをさらに詰めてガイドラインが新しく設定されますと、それを受けまして、この中間取りまとめも述べておりますとおり、日米の共同計画を検討することになりますし、また、周辺事態の場合は相互協力計画を検討することになりますから、その中においていろいろと具体的な計画等がさらに積み上げられていくわけでございます。  前回もそうでございましたけれども、ガイドラインというのはあくまで抽象的な、ケーススタディーを想定せずにつくり上げた格好になっておりますから、これだけでは出てまいりませんけれども、日米の共同計画ということになりますと、現在のガイドラインもそうですけれども、それはある程度のケーススタディーを想定しながらやっております。  それと同じように、やはりかなり煮詰まったものがその後にでき上がってくるものと確信しておるわけでございます。だから、これはそれまでに至る一過程である、そういうふうに理解していただければいいんじゃないかと思います。

東祥三新進党

○東委員 さらにまた二番目として、このガイドラインが前提としております情勢、シナリオ、また、個々に質問していきますが、周辺事態及びその場合の周辺地域が不明確のままである。今のお言葉ですと、あくまでも指針だから個々具体的な場面を想定していないということに尽きてしまうのかどうかわかりませんが、この点についてはいかがですか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 我が国周辺という、そういう抽象的な表現になっておりますから、どこまでかということをよく聞かれるわけでございます。我が国の周辺における事態であって、それが我が国の平和と安全に重大な影響を及ぼす場合、そういうようなことを想定してのガイドラインでございますだけに、その「周辺」というのは、我が国へはね返ってくるその重大さによってかなり、どこまでだということが言えない場合、言えないケースになるわけでございます。そこのところが私どもとしても大変、何で地理的にはっきり、例えば極東なら極東と言えばわかるけれども、今度のやつは我が国周辺と言っているからわからないじゃないかという御質問をたびたび受けるわけでございますが、これはやはり、我が国の平和と安全にはね返ってくるような場合で、米軍が出動せざるを得ない、そのときに我が国がどれだけ協力できるかということを決めていくわけでございますので、どうしても地理的にこの辺までということを一概に決められない、そういう点がございます。  しかしながらも、最終的には、じゃそれを何によって考えるのかといいますと、常識的に、我が国周辺で我が国の平和と安全に重大な影響ある地域というようなことで読んでいかないとしようがないんじゃないか、それがやはり我が国国民の常識からおのずと、その事態、事態、発生した段階において限定されてくるものだというふうに理解いたしております。

東祥三新進党

○東委員 国連の枠組みと日米防衛協力ガイドラインの性格、この関連はどういうふうにとらえているんですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 国連の活動にもいろんな面がございますから、どの分野を……(東委員「じゃ具体的に申し上げますよ」と呼ぶ)いや、結構です。  まず基本的に申しまして、国連が世界の平和を維持していく上で果たす役割、そのために必要な行動、例の国連軍の仕組みなども憲章七章にあるわけです、規定されているわけでございますけれども、そのような国連軍というものはこれまで創設されたこともございませんし、また近い将来、そういったことができるということを見通せないという状況があるのは御承知のとおりでございます。  そういった状況の中で、それじゃどういうふうにやっていくかといった場合、それぞれの加盟国が持っております自衛権に基づいていろいろ対処していく、そしてまたそのときに、それぞれ集団的自衛権も持っているということも前提としながら、いろいろ多数国間でやることもありますし、あるいは二国間で対応するようなことがある、そういったことも、国連の枠組みの中ではそれは認められているわけでございます。そして、日米安保条約という体制そのものも、やはり国連のそういった枠組みの中との整合性はあるというふうに承知しております。  そういった、日米安保体制が有効に機能するためにいろいろな工夫をしてきておるわけでございますが、そういった一環としまして、今回もガイドラインというものを採用しているということでございます。  それから、もとよりそういった軍事活動にかかわる問題以外にも、委員、安保理という言葉を言われましたけれども、いろいろな事態が起きましたときに、安保理で議論、論議が行われ、その結果、決議が行われるなんということもいろいろございます。  それとの関連におきまして、今回のガイドラインの中にも、例えば国連安保理の決議があった場合に経済制裁措置だとかとられることがございますけれども、そういった場合に日米としてどういうふうに対応していくか、共同して行動していくかということも触れられておるわけでございます。大体そういうふうな枠組みになっております。

東祥三新進党

○東委員 このガイドラインに基づいて日本が協力できない、そういった場合、別に義務規定といってないわけです、これは計画だけで。全くできませんよということにせざるを得なくなるわけです、現実の問題として。そういうものはここに規定されなくてもよろしいんですか、どうなんでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 基本的に、現在お示しいたしておりますのはガイドラインの中間取りまとめでございますので、これからなお作業を続けてまいります。  しかし、その作業の結果、この秋の段階で最終的なガイドラインが策定されたといたしましても、なおかつそのガイドラインというものは、そのこと自体が何か具体的な行動をやっていく直接の根拠になるものじゃございません。  これは前文にも書いてございますけれども、このこと自体が日本あるいは米国に対して立法上、行政上あるいは予算上の何らかの行為を義務づけるものではないという性格のものでございます。もとより、ここで示されております、ガイドラインの中で示されるような努力の成果というものがおのおのの判断によって適切に施策の上に反映されるということは期待されている、そういうことはやらなくてはいけないと思います。いずれにしても、ガイドラインはそういう性格のものでございますから、ガイドラインそのものであれこれすることはないというのはおっしゃるとおりでございます。  したがって、ガイドラインができた後に具体的な計画をつくるということも書いておるわけでございますが、そういうこともあるだろう。それからまた、それぞれの政府が必要とする措置を、行政上のものであれ、あるいは場合によっては立法上のものであれ、とるということになれば、そのことが根拠となって、ベースとなって具体的な協力がなされる、こういうことになるんだと思います。  ガイドラインは、あくまでそういったことに対する大枠を決める、ガイダンスを示すということでございますから、ガイドライン自身が、おっしゃるように、何らかの根拠になるというわけじゃございません。

東祥三新進党

○東委員 最終報告が出ていないのでということでございますが、ただ、これは膨大な内容を含んでおりまして、その中で、具体的な活動検討項目というものも別表で掲げられておりますし、そういうものを最終段階でやっていこうというふうに合意されたとき、そのとき、実際にその問題が起こったときに具体的に何もやはりできませんでしたということになってしまえば、そもそもこの日米防衛協力ガイドラインを見直す意味というのはどの辺に、那辺にあるのかな。  そもそも朝鮮半島で、例えば朝鮮半島で有事が起こる、有事が起こったときに直接日本がそれに対してどうこうなんということはだれも考えていないわけですね。あくまでも韓国とアメリカとの相互防衛協力条約に基づいてアメリカが出動していく、アメリカが出動していくことに対して、在日の米軍基地を使っていく。その米軍に対して直接的な形で何らかの支援をするとかそういうことは一切どこにも書かれていない。  しかし、米国というのは、日本にとって、日本の外交上また日本の安全保障上最も重要な国である。したがって、その国が日本の周辺地域で活動を展開している、活動の内容がもっともだと思われる活動を展開しているとするならば、米国に対して日本がそれなりの支援をしない限り、日米安保体制そのものは一体何なんだということが問われてしまう。そういうところにそもそもの発想があるんではないのか。そのことがまた日本の安全保障にとって極めて重要なことである。そういう判断のもとに、こういう議論の前提部分というものが大きく具体化を帯びてきているんだろうというふうに思うんです。  一方においては、ここに、ガイダンスですから、指針ですから、内容に関して、もしできないときにはできないというふうに、しようがないですよ、でも、それで日米安保体制というのはそもそも成り立つのか。  あるいは、そもそもこのガイダンスから派生してくる膨大な国内法の整備がありますから、それにどれだけの時間がかかるかよくわからない。それまではあくまでも「周辺」、ここで盛られているような「周辺事態」というのは想定でき得ない。また、そういうものが起こったときには、それは日本は何の準備もしていないわけだから、そのときはそのときだということなのか、よく私にはわからないんですけれども。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず、指針そのものは、先ほども申しましたけれども、これは大枠、あるいは方向性を示すものでございますから、この指針、つまりガイドラインそのものが直接の根拠になっていろいろな行動が行われるわけではございません。  それではどうなるかというと、まず、これを踏まえながら共同作戦計画あるいは相互支援計画というものをつくるということもうたってございます。それからまた、それをいろいろな段階において調整していくためのメカニズムもきちっとやっていく。そういうことをやりながら、そして具体的に、ここで盛り込まれましたような日米の協力を具体的な事態に対してきちんととっていくという努力は、当然その後のこととしてしなければいけないわけでございます。  しかし、それはすべて新たな立法措置を要するのか、あるいは予算措置を要するのかというと、そうではございませんで、かなり多くの部分は現在までの法律なりなんなりの、予算なりの枠内でも対応できるものがある。しかし、それを具体的に行政府の責任において進めていくぞ、そのための、先ほど言いました相互支援計画であるとかあるいは共同作戦計画などというものが必要である、こういうことであろうかと思います。  さらに追加的に立法措置を要するものが出てくるならば、それはまだその段階で政府としての考えを取りまとめ、そして国会にお諮りするということになろうかと思います。

東祥三新進党

○東委員 関連ですが、今外務大臣が言われているのですが、すべての国内法を変える必要はない、整備する必要はない、それは当たり前なことであって、今問われているのは、安全保障問題を議論しているわけですから、このガイダンスができて、それにかかわる国内法の整備を必要とするものというのは当然たくさんあるはずですよ。  自衛隊法の改正、必要ないということを言い切れますか。あるいは、民間の施設を米軍が利用できるようにしようということが盛られているわけですから、もしそれを本当にやろうとするならば、道路法の改正なりそういったものだって当然出てくるのでしょう。あるいはまた、民間の港湾施設、いまだかつて軍関係のものが入っていない港湾施設を利用しようとする場合でも、そのときどうするのか。私が申し上げているのは、いろいろな、いまだかつて経験していない種々の整備というのは出てくるではありませんか、そういうものを内包していますねと。  では、私は逆に質問させていただきますが、このガイダンスの最終報告が出た後、関連する国内法の整備、大半は別に改正する必要はないと外務大臣がおっしゃっているとするならば、短期間の間にできることになるのかどうかわかりませんが、それはどのぐらいかかるのですか、また、国内法の整備が必要と思われる関連法案というのは現段階においてどれだけわかっているのですか。多分おわかりにならないのではないか。それも詰めていかなければいけない。そういう膨大な作業が残っているのではないのかということを推察した上で申し上げているのであって、真正面から論じていただきたい、私はこのように思うわけでございます。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 今おっしゃられましたように、いろいろなケースが出てくる可能性はあるわけでございます。しかしながら、今お示ししておりますのは、検討項目として出して、国会の議論等を経まして、この中でまた、憲法上もいろいろな問題もあるじゃないかというような形で、項目は、全体としてはこれから落ちることはないと思いますけれども、この中身についてはやはりかなり議論が出てくる。そういうのを踏まえた上で、また実施する段階になりまして法的整備が必要になってくれば、その法的整備をしていくというような姿勢でおるわけでございます。  今ここで膨大なとおっしゃいましたけれども、果たして膨大なのか、そこまではいかないのか、そういうようなことについても、具体的なことになってみないとわからないので、それで今のような答えになっておるわけでございます。何も、しないというわけじゃございませんので、必要なものについてはしなければならないし、やる以上はできるだけ早くやらなければならない、そういう気持ちでございます。

東祥三新進党

○東委員 今ここで言われている「周辺事態」というものが起きたときというのは、日本はどうなってしまうのですか、長官。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 どういうふうになるかと言われましてもちょっと答えにくいわけですが、「周辺事態」、要するに、我が国の周辺で我が国の平和と安全に重大な影響を及ぼすような事態が起きたときに、我が国は米軍に対してどういう協力をするかということが今度の項目で列記されておるわけでございます。そういう項目の中で、現行法でやれるものについてはもちろんやりますし、また、それまでに法的整備が整っておればその法的整備が整った内容でやらせてもらうというような、そういうことでございます。  したがいまして、これから先の議論の中で、現行法では難しい、しかしながら、これは法改正してでもやるべきだというような、そういう御議論が煮詰まってくれば、それに即してやっていかなければならないというふうに思っているわけでございます。

東祥三新進党

○東委員 このガイドラインができ上がりますと、それから、いろいろな必要とされる国内法の整備があるとすればそれもやられる、当然、一般国民に対しても、今まで協力を求めていなかったものに対して何らかの協力を求めるという事態も出てくるかもしれないということなのだろう。したがって、先ほど申し上げました質問はもうカットさせていただいて、具体的に、個々、質問させていただきたいと思います。  一ページ目の第三パラグラフの四行目に「その後、日米両国の関係者は、共同作戦計画についての研究をはじめ、各種の共同の取組みを進めてきた。」この「共同の取組み」というのは具体的に何を意味するのでしょうか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 現在のガイドラインが昭和五十三年に確定、策定されました後、それに基づきまして、日米間で例えば共同作戦計画研究というものをやってまいりました。これは、現在のガイドラインに一項、二項というのがございまして、一項が「侵略を未然に防止するための態勢」、二項が「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」ということでございますが、主として、この一項、二項に関する幾つかの研究をやってまいりました。そのうちの共同作戦計画に対する研究というものは、二つやっております。

東祥三新進党

○東委員 同一ページの「平素から行う協力」、第五パラグラフでございますが、ここに「周辺事態」「日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合」これは、どのように、だれが認定するのでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 日米防衛協力のもとでの判断ということになります。日米間で情報交換、それから政策協調をいろいろな事態においてするわけでございまして、日米双方が行うということでございます。

東祥三新進党

○東委員 日米双方。日本側はだれになるのですか、この場合は。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 日本側は日本政府でございます。

東祥三新進党

○東委員 日本政府といった場合は、それは総理大臣ですか、それから閣議決定ですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 御質問が、この中間レポートの三番目の「周辺事態」についての、その事態を判断する主体ということでございますので、「周辺事態」のところを見ていただきますと、いろいろあるわけでございます。「人道的活動」「捜索・救難」等々があります。  例えば「運用面における日米協力」のところを見ていただきますと「周辺事態は、日本の平和と安全に重要な影響を与えており、自衛隊は、生命・財産の保護及び航行の安全確保のため、情報収集、警戒監視、機雷の除去等の活動を行う。」したがいまして、状況によりまして、判断する者、トップがどこまでかというのは、その状況次第であろうかと思います。

東祥三新進党

○東委員 次に、「新たな指針の目的」というところで、第一パラグラフ、「日米が協力して効果的にこれに対応しうる態勢を構築することである。」英語版ではこれをフレームワークというふうに言っているわけですが、同じパラグラフの中で四行目、「相互間の協力及び調整の在り方について、一般的な大枠」、ゼネラルフレームワークというふうに言っているのですが、これはどう違うのですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 表現としては、フレームワークという英語は同じかもしれませんが、やはり文脈のもとでどのように訳すのが適当かということで訳しているわけでございまして、前段の方は、全般的な態勢という趣旨なので、「態勢」ということに訳したわけでございます。後半の方につきましては、協力及び調整のあり方についての話でございますので、そこを「一般的な大枠」というふうに訳したものでございます。

東祥三新進党

○東委員 同じパラグラフの最後ですが、「日米両国の関係者が行うこととなる共同の取組みに対するガイダンス」、この場合の「共同の取組み」、バイラテラルプログラムというふうに言っているのですが、これは何を意味するのですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 プログラムという英語も非常に広い観念だと思います。具体的な作戦計画だけでなく、例えば共同訓練ですとか、日米双方が取り組むべきものがあるという趣旨で「共同の取組み」というふうに訳したわけでございます。

東祥三新進党

○東委員 次の、「「指針」見直しの経緯と現況」でございますが、その四つの前提、また考え方のうちの一番目、「日米安全保障条約及びその関連取極に基づく権利及び義務並びに日米同盟関係の基本的な枠組みは、変更されない。」「基本的な枠組み」、ファンダメンタルフレームワークと英語版では言っていますが、これは何を意味するのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 我が国の安全保障という観点で、現在、我が国は必要最小限度の自衛力とそれからこの日米安保体制という、ある意味で車の両輪でこの確保をしているわけでございます。  その場合に、日米安保体制に基づく米軍の役割、それから自衛隊の役割、例えば危機が起きた場合の役割として、日本は主として、比喩的な言い方をいたしますと、盾の役割だ。米軍の方はその盾の役割をする自衛隊を支援すると同時に、自衛隊のその役割にない機能は米軍に期待する、そういうことを指しているわけでございます。

東祥三新進党

○東委員 その四番目の終わりの方ですけれども、「日米両国政府が、各々の判断に従い、このような努力の結果を各々の具体的な政策や措置に適切な形で反映すること」、この場合の「具体的な政策や措置」、「措置」とは何を意味するのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 それはまさに二ページのⅣのところに、そのすぐ下のパラグラフの最後のところに、「この検討には、これらの考え方及び具体的な項目に関する法的及び政策的な側面の検討が含まれる。」ということでございますから、法的及び政策的な観点からの措置でございます。

東祥三新進党

○東委員 「政策」というのはポリシーと前に書いてあるのですが、それで「措置」というのはメジャーと言っているのですよ。それは国内法の整備というそういう意味ですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 四の最初のところにも出ておりますけれども、立法上、予算上、行政上の措置を含む観念でございます。

東祥三新進党

○東委員 ちょっと済みません、もう一度言ってくれますか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 日本文でようございますね。  Ⅲの四のところに、一番最初の行に「「指針」見直し及び新たな指針の下での作業は、いずれの政府にも、立法上、予算上又は行政上の措置」と書いてございます。「措置」というのはそういう観念でございます。

東祥三新進党

○東委員 次のページですけれども、平素からの協力、この「平素から行う協力」は周辺地域とは全く関係ない問題じゃないのか。グローバルな協力を意味すると思われますけれども、まずその点についてはいかがですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 そのとおりでございます。  いわゆる周辺地域における協力というのは三でございまして、三のところでは周辺地域に係る協力でございますが、一の「平素から行う協力」というのは、日米安保体制に基づく日米相互の信頼関係に基づいて、さまざまな分野で平素から日米が協力している趣旨で書いてあるわけでございます。

東祥三新進党

○東委員 そうしますと、ここで述べられている第三番目、三番目にありますこれは、いわゆるPKO協力について敷衍しているわけでございますが、これはもちろん国連の決議が出て、そして基本的に世界のあらゆる地域で行うときの日米協力を意味するのではないのかというふうに私は思うわけです。そうしますと、そうであるとすると、これは日米安保条約を超えた地域、あるいは日米安保条約がカバーする以外の地域での安全保障協力になるのではないかと思いますが、これはいかがですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 御指摘のとおりでございまして、今おっしゃいました人道的な活動、PKOのほかに、また後の方で、例えば経済制裁の実効性を確保するための活動等も出てまいりますけれども、こういったものは、活動は必ずしも日米安保条約に直接の根拠を有するものではございません。それは委員御指摘のとおりでございます。そしてまた現在までの、現在行われております指針の中にも明記されていないことでもございます。しかし、これは、今日におきまして日米の協力関係が従来よりも随分幅が広くなってきております、そういったことを反映いたしまして、今申しましたようなPKOだとかあるいは経済制裁だとか、そういった分野においてもいろいろ日米間の協力を進めるということが出てくるということで、今回こういったことも指針見直しの中で検討しているわけでございます。  もとより、そういった活動は我が国の憲法の枠内でなくてはいかぬというのは、それはもう当然のことでございます。

東祥三新進党

○東委員 「平素から行う協力」、一の(三)の五行目、「日米両国政府は、輸送、医療、情報交換及び教育訓練等の分野における協力の要領を準備する。」こうありますが、なぜここに補給だとか整備といった後方支援分野が入っていないのでしょうか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 そこの分野はまさに「国際連合平和維持活動又は人道的な国際救援活動に参加する場合には、日米両国政府は、必要に応じて、相互支援」ということの関連で書いてあるわけですが、日米で話し合いました結果、ここに掲げてあるような分野での協力が中心になるだろうということで、これについて要領の作成の準備をしたいということで書いたものでございまして、御質問の中にありました点について、特に日米間でそういうニーズといいますか、相互支援の要請が現時点の話し合いの中ではなかった。ただ、「等」と書いてありますから、今後出てくれば議論いたしますけれども、現時点で要領をつくるのだったらこのぐらいの項目がなということで書いたわけでございます。ちなみに、これまでも情報交換という分野では、必要に応じやってきているところでございます。

東祥三新進党

○東委員 同じページの「日米共同の取組み」の一行目ですが、「計画についての検討を含む共同作業を進め、」と書いてあるのです。英語では「コンタクト バイラテラル ワーク、イングルーディング バイラテラル プランニング」、共同計画を含む共同作業を進める。「検討」なんという言葉は入っていないのですけれども、これは私が英語能力がないからなのかよくわからないのですが、いかがでしょうか。英語版だと、三ページの(四)の「バイラテラル プログラムズ」の一行目ですね。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 訳をいかに適切にするかということで、「コンタクト バイラテラル ワーク」というこの最初の部分を「計画についての検討」というふうに訳したわけでございます。その方がわかりやすいという観点でございます。

東祥三新進党

○東委員 局長はすごく語彙が豊富だから、「バイラテラル プランニング」を「計画についての検討」と訳すのですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 「バイラテラル プランニング」というところを「計画についての検討」というふうにいたしまして、「計画についての検討を含む共同作業」、「バイラテラル ワーク」というのが「共同作業」のことでございます。

東祥三新進党

○東委員 では、「バイラテラル プランニング」とは具体的に何を意味するのですか。共同計画なのではないですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 共同作戦計画それから共同相互援助計画を意味しております。

東祥三新進党

○東委員 「検討」じゃないのですね。「検討」した結果、共同計画というのができるのですよね、多分。英語の勉強をしているわけじゃありませんけれども。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 もう一度言わせていただきますと、「バイラテラル プランニング」を「計画についての検討」というふうに訳しまして、「コンタクト バイラテラル ワーク」というところを「共同作業を進め、」というふうに訳したわけでございます。  その「プランニング」は、先ほど申し上げましたように、共同作戦計画それから共同相互援助計画が入るということでございます。

東祥三新進党

○東委員 最終報告ではちゃんと直した方がよろしいのじゃないでしょうか。よろしくお願いします。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 まとまった文章を極めて短時間のうちにいかに正確に表現したらいいかということで、徹夜の作業でやっていったわけでございますので、若干わかりにくいところはあるいはあるかもしれません。最終報告それから最終的な新しいガイドラインについては、検討に検討を重ねて、いい訳にするように努力いたします。

東祥三新進党

○東委員 よろしくお願いします。  同じパラグラフですけれども、「両国間の調整メカニズム」、これはもう昨日の安保委員会でもこれは何なのだという質問が出ていると思いますが、簡単に、具体的に何を意味するのか、教えていただきたいのです。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 我が国が武力攻撃を受けた場合のみならず、この周辺事態の日米の防衛協力を考えますと、自衛隊、在日米軍、この二つの機関に限りませず、これを効果的にするためには両国とも多くの機関が関与しなければならないという認識のもと、両国の調整のためのメカニズムとして両国間につくるわけでございますが、同時に、両国とも関係する機関をこの調整メカニズムに組み入れたいということであります。  具体的にまだこういうことでいこうという議論にはなっておりませんけれども、イメージといたしましては、非常に簡単なものとしては、両国のすべての関係する機関のコンタクトポイントをはっきりさせておく、いつもそれがワーカブルになっているといったような意味でのコンタクトポイントをはっきりさせておくということ。あるいは、関係する機関がすべて参加する、随時に会することができるような調整会議を開くといったようなこともあり得ると思いますが、その途中の、例えば中間段階といたしまして、それぞれの関係する機関からそれぞれの機関に連絡員といいましょうかリエゾンオフィサーを派遣するといったようないろいろなシステムがあり得ると思います。  どれをとるか、その状況によると思いますし、あるいは最初からそれを確定しておいた方がいいのか、その辺については現在議論をしているところでございます。

東祥三新進党

○東委員 次に、同じページですけれども、「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」、その一番「日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合」、日本に対する武力攻撃が差し迫っていることをだれがどのように判断するのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 これは最終的に防衛出動の発動といったところにつながり得る状況でございますので、日本国内におきますれば、防衛庁に限りませず、外務省その他のあらゆる関与する機関の情報の分析、そして協議を踏まえて、これは我が国政府としても、最高の権限者、総理大臣とも当然協議しながら判断していくということになると思います。

東祥三新進党

○東委員 いまだ決まっていないということですね。明確になっていないということですね。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 その状況は、今申し上げましたように自衛隊法の第七十六条の防衛出動ですとか、あるいは準備段階のいろいろな手続の問題に関係してくるわけでございますから、当然内閣総理大臣が中心になろうかと思います。

東祥三新進党

○東委員 日本にいると非常に怖くなってきますね。  次に、同じページですけれども、「日米両国政府は、適切に協力しつつ、合意によって選択された準備段階に従い、」全然意味がわからないのですが、これは準備段階というのは何を意味するのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 そういう状況に立ち至った場合、その後のことも考慮いたしますと、日米両政府、それから当然のことながら米国の章あるいは日本の自衛隊、そういうものも入った、日米の両政府がいろいろな状況に応じていろいろな準備段階に入る、あるいは警戒態勢その他何かあったときにすぐ対応できるような態勢を組まなければいけないわけでございますが、その態勢の組み方は状況によっていろいろあるわけでございます。  これは米国の軍組織、それから当然防衛庁、自衛隊におきまして、そういう状況におけるどういう態勢をとったらいいかという準備態勢は、それぞれの組織がそれぞれ持っているわけでございます。日米で防衛協力という形で、そしてこういう形になれば対処行動といったようなことにつながっていくわけでございますから、この準備段階に食い違いがあるということになりますと大変対応ぶりに、効果的な発揮あるいは効率的な発揮ができない、あるいは適切な発揮もできないということでございますので、準備段階を事前に基準を決めて合わせておきたいということを考えているわけでございます。

東祥三新進党

○東委員 今までにこういった合意がなされたことというのはありますか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 先ほど申し上げましたように、現在のガイドラインに従いまして、日米間で共同作戦計画の研究というものをやってまいりました。研究の中でもちろん議論をいたしておりますが、実際問題として基準を合わせて共同のものをこれまでにつくり上げたということはまだございません。

東祥三新進党

○東委員 次に、三ページの一番最後ですが、「事態の拡大を抑制するための措置」というふうに書いてあるのですけれども、「ステップス ツー プリベント ファーザー ディティアリアレーション オブ ザ シチュエーション」正確には、情勢の悪化を防止させるための措置と普通訳すと思うのですけれども、「事態の拡大を抑制するための措置」、訳はともかくとして、いずれにせよ具体的に何を意味しているのか。これは米軍の来援を意味しているのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 事態に応じて適切な防衛準備等を行い、防衛の意思を示すことも事態の拡大を抑制することに資するものと考えるところでございますが、そのほか事態の拡大を抑制するための措置といたしまして、例えばということでございますが、他国に対して挑発ととられることのないよう警戒監視区域を適切に設定いたしましたり、場合によっては予定しておりました演習、訓練を中止するといったようなこともあろうかと思っております。

東祥三新進党

○東委員 時間がなくなってきてしまいましたので、四ページの(二)の第三パラグラフ「共同で実施する作戦については、新たな作戦の考え方、装備技術の進展、弾道ミサイルによる攻撃等の新たな様相の脅威等の要素を勘案しつつ、」こういうふうにありますが、弾道ミサイルによる攻撃等の様相を勘案しつつ、これは結局、TMD導入の根拠を明記しているというふうにとらえてよろしいですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 現在、御案内のしうに日米協力してTMDの研究を行っているわけでございますが、この中間取りまとめの中に示しました「弾道ミサイルによる攻撃等の新たな様相の脅威等の要素を勘案しつつ、」ということは、この現在進めているTMDの研究とは全く関係がない、そういう形で記述したところでございます。  いわばそのTMD研究の結果、仮にそれがどういうことになろうとも、現実問題としてこういう新たな様相の脅威がある、そういった新たな脅威の要素を踏まえて、我が国が攻撃された場合の日米の防衛協力のあり方を今回、現在もございますがイドラインのその中身をある意味でレビューするという意味でこの要素を取り出したということでございます。

東祥三新進党

○東委員 同じ四ページの(二)の最後のパラグラフ「また、自衛隊及び米軍が果たす役割に加え、その他の政府機関が果たす役割」これは具体的に何を意味しているのでしょうか。国内法の整備を必要とする問題だと思うのですが、いかがですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 これは、例えば我が国が武力攻撃をなされている場合に、これは例示でございますけれども、通信分野で日米の関係機関の間の通信のための周波数の取り扱いといったような問題が起こってまいります。そういたしますと、郵政省の関係するところになりますので、例示でございますけれども、我が国が武力攻撃された場合に関係する政府関係機関がいろいろ出てくる、そういう協力を得て対応する、こういう趣旨でございます。

東祥三新進党

○東委員 五ページに行きます。  五ページの(イ)ですけれども、避難民について、双方がということだと思うのですが、アメリカと日本が責任を持って対処する。避難民については「避難民が日本の領域に流入してくる場合については、主として日本が責任をもってこれに対応し、米国は、適切な支援を行う。」というふうに書かれているのですが、公海上の避難民、これはここでは具体的に何も言っていないと言っているのですが、避難民というのは公海上でも出てくるのであって、この場合はどうするのでしょうか。その場合、自衛艦を公海上に派遣して救出するということなんでしょうか。  あるいはまた、例えば朝鮮半島で何か起こったときに、韓国の領域に入らないで避難民救出というのができるのでしょうか。あるいはまた、自衛艦には護衛艦がつくのでしょうか。  この点についてはいかがですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 避難民の取り扱いについて、現在日米間で防衛協力という観点で議論している、スコープといいましょうか、その対象は、ここにもありますように、「避難民が日本の領域に流入してくる場合については、主として日本が責任をもってこれに対応し、米国は、適切な支援を行う。」というところが中心でございます。前段は一般論として書いてあるわけでございます。  御質問の点につきましては、現在、我が国周辺における緊急事態対応策の中で、避難民対策といったようなことを議論しております。これも、主として我が国に、領土、領海に避難民が来た場合の対応であったかと私理解しておりますが、御質問の点につきまして、その避難民の取り扱い、公海上で、また、避難民がどこを目指しているのか、それから、例えばそこに海難事故等が発生した場合の対応はどうかといったような問題はあろうかと思いますけれども、公海上でどう対応するのかという点につきまして、ちょっとよくどういう状況――つまり、安保室が中心になって議論しております、主として他の省庁が中心でございますが、それを踏まえた上で、また機会を見つけて答弁させていただきたいと思います。  自衛隊に関して言えば、この避難民対策については、要するに、日本に上陸した後のいろいろな自衛隊としての便宜供与、あるいは海難事故等に伴う捜索・救難活動といったものが中心であったかと思います。護衛といったような議論はなされていなかったと記憶いたします。

東祥三新進党

○東委員 もう時間が来ましたので、最後に、(二)の「非戦闘員を退避させるための活動」、その点について、この文章はよくわからないのですが、それぞれ勝手にやりなさい、自分自身の責任でやりなさいというふうに言っているのだろうと思うのです。「非戦闘員を退避させるための活動」の中に日米協力が具体的に規定されていないのはおかしいのじゃないのか。半島から邦人及び外国人を避難させるときの日米共同行動は必要だと私は思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 日米間でいろいろ議論をした結果、こういう文章になっておりますが、この「非戦闘員を退避させるための活動」そのものは、この「周辺事態における協力」の(二)の「日米協力の機能及び分野」の中で示しているわけでございますので、当然のこととして、「所要及び能力に関する情報を交換する」ラインとして日米間の協力があり得るものと考えております。

東祥三新進党

○東委員 今半分ぐらいしか終わっていないのですけれども、この文章を読んだとしても、いろいろわからないところがたくさんある、詰めていかなければいけないことがたくさんある。  さらにまた、最終報告ができるまであと三カ月間ぐらいでございますが、ぜひその間いろいろと質疑させていただく場をつくっていただくと同時に、最終報告が出るときには、外務大臣、防衛庁長官、お願いしたいのですが、ガイダンスから由来する国内法整備がどれぐらいあるのかということもちゃんと兼ね合わせて御報告いただきたい。また、国内法整備をどのように行っていくのか、次の臨時国会でやるのかあるいは来年の通常国会でやるのか、そういう問題も含めた上でぜひ御検討していただきたいと思います。  以上で終わります。どうもありがとうございます。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山中燁子君。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 山中燁子でございます。  日米ガイドラインの中間取りまとめに関しましては、昨日からの安保委員会、そしてきょうの外務委員会などでもいろいろな質問が出ておりますけれども、私は、日本の姿勢という視点から少し御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  冷戦後、米軍は地域のバランサーという、バランスをとる役割を果たしてきたというふうに認識しております。米軍が撤退した場合に、一体その役割を果たせる国はあるのだろうかということを考えますと、地域の諸国は、日本や中国がその役割を果たすことには強い警戒感を持っております。また、地域の諸国は、政治経済的な発展の段階はそれぞれ異なっておりますし、価値観も多様でございますので、近い将来に地域の中での集団的な安全保障というようなことも含めて、まだ今のところはかなり不可能であろう。そういう意味で、今、日米の防衛の関係というのは非常に大事な役割を担っているという認識をしております。  しかし、冷戦後、国として一体どのような研究をして、どのような見通しを持っているかということに関しましては、先ほど池田外務大臣が、この地域には不安定性と不確実性が依然として存在しているというふうにおっしゃっているわけで、その認識をもう一度明らかにしていただけますでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 ただいま委員が御指摘になりましたように、これからのこの地域、日本あるいは日本周辺だけではなくて、アジア太平洋地域の安定ということを考えました場合に、いろいろな意味で米国の役割が大きい。バランサーということをおっしゃいましたけれども、バランサーというのかあるいはスタビライザーというのか、いずれにしてもそういうような御認識。そして、その上に立っての日米安保体制というか、日米のそういった面での協力の重要性を御指摘になったのは、私どもも同じような認識を持っている次第でございます。  そして、まずこの地域の情勢をどう認識しているのか、特に、不安定性とか不確定性ということを言ったけれども、さらに具体的にはどういうことかという御質疑かと存じますけれども、私どもこう考えております。  冷戦が終えんいたしまして、既に東西両陣営という形での対峙、そしてそれが場合によってはまた大きな戦争、世界大戦というようなことにつながっていくというような、かつて危惧されたような情勢というものは、基本的に、現在この地球上のどこにもないんだと思うのでございます。  しかし、それでは全体としてぐっと安定してきたかといいますと、冷戦のもとにおいては大きな危険があったものだから、むしろ抑えられておった不安定要因、宗教上の問題あるいは民族的な問題、その他もろもろの、いわば相対的には小さい不確定要因、あるいは混乱要因というものが顕在化して、それが現実に熱い戦争あるいは内乱、戦乱状態を引き起こした、そういう地域もあちらこちらございます。  では、アジア地域はどうかと申しますと、幸いにして今のところそういった状況は出ておりませんけれども、それでは本当に安定しているのかと申しますと、御承知のとおり、まだまだこの地域にはいろいろな、国家間の立場が違い、主張が違い、いろいろ言葉の上での争い、そしてそれが時々また攪乱的な事態を招くというものもございます、例えば領土をめぐっても。  それから、さらに申しますと、ヨーロッパの方におきましては、全体として、政治体制においてもあるいは経済や社会の運営の仕組みについても同じような方向性が見られ、そしてそういう上に立って、ヨーロッパの地域全体を包含するような多国間の仕組みが経済、政治、そして安全保障の面でもございます。特に安全保障の面では、NATOという実力も伴った多国間のいわば保障措置というものが存在し、それが従来の冷戦時代とは違った意味で、その地域の安定を図る役割を果たそうということになってきているわけでございます。  アジアの場合には、残念ながら、そういう事態になっていない。政治体制についても、まだ違った行き方をするという国もあるわけでございますし、それから経済につきましても、基本的に市場経済体制を目指すといいながら、まだいろいろな迷いというか、あるいは場合によっては発展の段階の差というものが非常に多いというようなこともございます。  そういった意味で、非常にアジアは多様である。これは今に始まったわけではない、冷戦時代も多様だったわけでございますが、冷戦終えん後も非常に多様でもありますし、また立場や利害の違いというようなものがございます。そういった意味で、私どもは、先がどうなるかはっきり読めないし、不安定要因と言うと行き過ぎかもしれません、安定はしているかもしれないけれども、あれは日本書紀でございましたか、くらげなすただよいという言葉がございましたけれども、そういったふわふわした形の中で、何とか相対的に落ちついた状態が表面的には保たれるという様子だと思うのです。  こういうことでございますから、我々としては、多国間の、例えばARFのような信頼醸成の枠組みもしっかり育てていかなければいけませんし、また、そのほかバイラテラルあるいはマルチのいろいろな外交努力も展開しなければいけませんが、やはり実力を背景にした平和や安定を守るという仕組みも、枠組みも持っていなければいけないんだと思います。  そういったときに、委員が冒頭に指摘されました、米国の力なりあるいはその姿勢というものも考え、そして冷戦下においても米国が一方の当事者となって二国間の安全保障の枠組みが幾つもございました、日米安保体制もそうでございますが。そういったものがやはりこれからもこの地域の安定を図る上の枠組みとして役に立つのではないか。  ただ、それもこういった冷戦後の状態でございますから、決してどこかの国を対象として頭に描くということではなくて、さっき言ったような、非常に不安定な先の見えない様相というものをにらみながら、きちんと、少なくとも自分たちのところは安定しているんだ、何かあったらこういう備えがあるんだぞということを示すという意味で役割が果たされる、こういうふうに考えておる次第でございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 冷戦時代から地域の不安定要素が多様化して、違った形が顕在化してきたというところはまさに同感なんですが、それに対して日本が一体どういうふうな対処をしていくかということがこれからの問題だろうと思います。昨年の四月十七日の橋本・クリントン共同宣言の文言も含めまして、これは日米でいろいろ協議をしてきた延長線上、例えば米国の国防省のいわゆるナイ・レポートと言われたようなもの、そういったものも含んだ上でああいう宣言がなされたというふうに解釈してよろしいでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 昨年の四月に橋本総理とクリントン大統領が署名された安全保障共同宣言でございますけれども、あれは日米の共通の認識が書かれているわけでございます。アメリカ側の認識はどういうものであったかということですと、今おっしゃられました、いわゆるナイ報告に踏まえられているような考え方。他方、日本側におきましては、防衛計画大綱を新しくいたしました。そこに踏まえられている考え方をもとに日米間で協議をして、日米間で認識の一致したところが文書となってあらわれているところでございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 ナイ・レポートの特徴はいろいろあると思いますけれども、物すごく簡単に、三点ほど申し上げますと、東アジア太平洋の平和と安定、その中に国名入りで朝鮮半島有事のこともありますし、また中国への警戒、中国の軍事拡張への警戒ということも文言としてきちっと載っているわけです。それと、兵力の削減で十三万余りから十万になったこと、そして日米の防衛の指針というような形で書かれていると思います。  そういうふうに考えてみますと、防衛大綱とナイ・レポートの延長線上で出てきている今度のガイドラインの文言の中の「周辺事態」というのが、その下地になっているものを透かして見ますと、中国その他の国から見て、その下に中国脅威というのがあるのではないかという懸念を呼んでいるのではないかというふうに思うのですけれども、その辺の認識はいかがでいらっしゃいますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 先ほど申しましたけれども、私ども、現在アジア太平洋地域あるいは東アジア地域についても、決してきちっとかたい意味での安定というものがあるわけではない、そして、とりわけ先行きにはなかなか読みにくいところがあるというのは、そのとおりの認識でございます。  しかし、だからといって具体的にどこの国が、あるいはどの地域が特に問題であるということを前提として考えているわけじゃございませんし、ましてや、どこかを対象として頭に描きながら、例えば日米の防衛協力を図っていこうということを考えているわけじゃございません。  特に、今具体的に中国の脅威あるいは危険というようなことに言及されましたので、私もあえてその点について触れさせていただきますけれども、私どもは、やはり中国がこの地域の諸国との間の関係を良好なものに保ち、そして地域の建設的なパートナーとしての役割を果たしていただくことが基本的に大切であると考えております。また、そのことが現在の中国のとっておられる改革・開放路線を中心とする政策の中でも、最もプライオリティーの置かれているものだと思いますから、中国の側からしても、いろいろなことを言われますけれども、そこを一番大切にしているのじゃないか、こう思っております。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 ずっとそういう御主張だと思いますし、ガイドラインを見てもそういうふうに読み取れるわけですが、ただ、その流れを見ますと、そういうふうにも受け取られかねないというところを、やはり日本としては認識しながら対処をしていく必要があるのではないかというふうに私は思いました。  そこで、もう一つ御質問したいのですけれども、例えば米国の場合には、人権とか台湾問題あるいは武器の輸出あるいは貿易の不均衡の問題、プラス香港が入るか入らないかわかりませんが、そういったことがありながら、トップ会談などを利用しながらお互いに中国との緊密な関係もつけていく。また一方、中国におきましては、ことしの香港の返還、そして江沢民国家主席の訪米の予定、来年のクリントン大統領の訪中、そして九九年にマカオの返還があって、二〇〇〇年のオリンピックあたりをつなげて国際社会にという一つの国の方向といいますか、戦略が見えてくるわけですけれども、日本の場合にはどういった外交戦略かというのがちょっとわかりにくいのではないかと思いますので、そこのところをもう一度わかりやすくお願いいたします。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 米中の間にはいろいろな問題がありながら、長期的にはきちんと両国関係を進展させていく方針もはっきりしているし、そのように進んでいる、ところが日本の場合はというふうな御指摘でございますけれども、逆にこういうことを言っていただけませんか。  米中の場合に問題があるということで、例えば人権であるとかあるいは民主主義的な制度であるとかということを例に挙げられましたが、それはいわば普遍的な価値として我々が追求すべきものであるということで、国際社会、とりわけアメリカもいろいろやっている話でございますが、具体的に個別の問題として米中の間で障害になっているかどうかというと、そういうものではないと思うのでございますね。  ところが、日中の関係はどうかと考えていただきますと、領土の問題について中国が我が国に対して違う立場に立って主張しておられる。そのことが時折いろいろ議論になる、あるいは何らかの事態を招くことがあるということは御承知のとおりでございます。それから、そのほかにも、やはり我々の過去の関係に根差すいろいろな問題もあるわけでございます。そういった問題がありながら、全体として日中関係はうまくいっているじゃないかという評価はいただけませんでしょうか。  いずれにしても、私どもといたしましては、先ほど申しましたけれども、中国がこの地域の建設的なパートナーとして役割を果たしていただくことは非常に大切だと思っておりますし、ましてや日中両国の関係、これは長い歴史もあり、また非常に近いところでございますから、あらゆる面での交流もございますし、これからも深めていかなくてはいけないと思っております。  そういったことで、二十五年前に日中共同声明ということで国交関係を結び、そして二十年前に日中平和友好条約ということでやってきたわけでございます。その記念すべき年でございますから、ことしはさらに日中関係を進展させる契機になるような年にしたい、こう思っております。  昨年の夏ごろ、一時日中関係も、先ほど申しましたような問題をめぐっていろいろ難しい時期がございましたが、その後、いろいろ修復の作業をしてまいりまして、昨年の十一月にフィリピンで行われました日中首脳会談におきまして、基本的に両国の関係を大切にし、将来進めていこうという認識ができたわけでございます。  そして、先般、三月には私、北京へ行ってまいりまして、いろいろ中国の首脳とも話してまいりまして、今後、ことしの後半から来年にかけて両国首脳の間における相互の訪問ということも踏まえながら、あらゆるレベル、あらゆる分野での交流を進めていこうという当面の枠組み、関係進展のための枠組みをつくっているわけでございます。  それから、中国が国際社会の中で従来以上の役割を果たしていくという観点から、例えばWTOへの中国の加盟の問題等につきましては、米国もそうでございますが、日本もそれを歓迎し、それを応援するために技術的な面を含めての協力なども行っておるということでございます。  また、人権の問題なんかにつきましても、米国あたりとは手法は違いますけれども、そういった面での中国の努力がさらに進むように、いろいろ日本として果たせる役割を果たそうということを中国にも申し上げ、中国もそういったところは歓迎してくれている、こんなこともあるわけでございますので、日中関係の将来に向かっての道というのは私ははっきりしたものになっておる、こう考える次第でございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 日中関係の御努力はよくわかりますけれども、日中関係だけではなくて、やはりアジアの一員として日本がどういうところへどういう戦略を持ってこれから外交を進めていくかというようなことについて、やはりいろいろな形でもっと議論をする必要があるのではないかというふうに私は思っています。  つまり、姿勢を明確にするということは、必ず反対もあるわけですけれども、ああ国はここはこういうやり方で今やっているのだなと、賛成、反対を問わずわかりやすくするという意味では、誤解を避けていくためにも、やはりわかりやすい日本の姿勢というものをもう少しはっきりと出していっていただきたいと思います。  それでは、防衛庁の方にちょっと質問を移らせていただきますが、基本的に二つほど、ガイドラインの中でお伺いしたいと思います。  これはきっと皆さん何度も御質問あったのかもしれませんが、「周辺」の範囲というのは、「サラウンディング」ということで、海に囲まれていますけれども、もちろん海のことだけを言っているわけではないと思いますが、極東というのとどこが違うのかという点と、日米安保においては、日本の領土というのは日本の統治下にある部分ということで、尖閣列島は入るけれども、北方領土、竹島というのは除外されるというふうな御答弁も前にあったかと思います。それは、そういう範囲ということも含めて、「周辺」ということの定義をもう一度お願いいたします。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 何度もお答えしているところではございますが、そもそも「周辺事態」とは、「日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合」ということでございまして、このような事態としては、一般的には、日本周辺地域において日本の平和と安全に重要な影響を与えるような、実力の行使を伴う紛争を発生する場合が想定されております。周辺地域において実力の行使を伴う紛争が発生する場合以外におきましても、例えば国内の政治体制の混乱等により大量の避難民が発生している状況、または日本の周辺地域内の特定国の行動であって、国際の平和及び安全の維持または回復のために経済制裁の対象となっているものが行われているような状況であって、それが日本の平和と安全に重要な影響を与える場合等も「周辺事態」に含まれることはあるものというふうに考えているわけでございます。  こういう事態が生じる場所でございますので、あらかじめどこというふうには特定はできないということで申し上げているわけでございまして、他方、この周辺地域、そこで発生する事態が単に経済的のみならず軍事的な観点を含んで、我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすことのあるという地域でございますので、このような地域が例えば中東なんかを含むようなことは、現実問題としては想定されないだろうということでございます。  他方、極東とは何かということでございますが、これは安保条約の規定の中に書かれている地域でございまして、極東の範囲というものについてはかねてより政府統一見解の形の中で表明してきてお久まして、それを変更するということはないということでございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 もう一つ、ワーディングとしてはシチュエージョンズというのが使われておりますが、日本では一時「有事」と報道されて、その後「事態」というふうに変わっているのです。これは、アメリカ側の理解としてはクライシスの意味なのですか、それともステート・オブ・アフェアーズの意味なのですか。それとも、両方を含んでいるのでしょうか。アメリカ側はこの言葉をどう解釈しているかということをお聞きしたいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 私ども、アメリカとずっと協議をしているところでございますが、常にシチュエーションという言葉を使って議論をしてきております。有事とかなんとか、いろいろ報道はされておりますが、それは新聞記者の方々の判断でそういう表現を使われたということでございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 そうしますと、シチュエーションズという言葉があらわすものすべてを含んでいるというふうに解釈してよろしいわけですね。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 まさしくシチュエーションでございますが、そこに限定句がついておりまして、日本の平和と安全に重要な影響を与えるシチュエーションということでございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 もう一つ、憲法に抵触するかしないかという議論が大変大きくあるのですが、これは防衛大臣、ちょっとのどが悪いということで申しわけありませんが、いざとなると憲法の枠を超法規的に超えるということはございませんでしょうか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 今度のガイドラインの検討を始めますときに、まず最初に、憲法の枠内でやるということを昨年九月の中間報告でもうたっておりますので、そういうことはないというふうに確信いたしております。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 それでは、一つだけ例をお聞きしたいのですが、例えば「機雷の除去」というのがガイドラインの中に出ております。九七年の六月の、これはきのう防衛庁からいただいた資料の中なのですけれども、ペルシャ湾への掃海艇の派遣のときには、まず正式な停戦が成立していたということが掃海艇派遣に当たっての一つの判断材料となっていたということで、停戦後というのを一つ打ち出しておりますし、二つ目に、公海上ということでありましたけれども、実際はクウェート沖合の公海、イラン及びイラク両方の国の領域も含んだ海域ということで、これは事前に同国から了解を得たということになっております。  そういったことで、もし機雷の除去ということをこの日本周辺で考えますと、アメリカの機雷の掃海艇というのは今二隻配備されていて、日本は三十八隻、さまざまな能力の面からいっても、かなり日本に頼ってくるだろう、こういうときに、有事の場合に、今までの条件を満たすというところを言明できるのでしょうか。それとも、そのときになって、必ずしも戦闘停止後ではないというようなことが起こり得るのでしょうか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 もうペルシャ湾に行きましたときは、問題ないわけでございます。  機雷の掃海がすべて憲法に抵触しないかと言われますと、それはそういう場合もあるかもしれませんけれども、例えば我が国に向けられて敷設されました機雷を除去するのは七十六条でやれますし、またそれ以外の機雷の掃海で、公海の中でもいわゆる戦闘区域でないようなところにあります機雷につきましては、これは九十九条でもやれるわけでございます。  いずれにしましても、憲法九条に抵触するような機雷の掃海はできないわけでございますから、機雷の掃海といいましても、そういうようなことを考えながらやっていかなければなりませんが、大体機雷の掃海については、いわゆる戦闘が行われているところで、第三国に向けられた、武力の行使としてなされた機雷の敷設以外は、大抵は掃海できるのではないかなというふうに思っております。いずれにしましても、憲法九条に触れるよ、うなことはいたしません。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 防衛庁長官からの、憲法に抵触しない範囲でということをきちっと守っていくということをいただきましたので、今の段階では、やはりそれをきちっと考えていくということになるのだろうと思います。  このガイドラインというのは、国の方向を決める大きな要素ではないかというふうに私は思っております。それで、一九七四年の大平三原則の中の第一番の、法律を含む国際約束というのには、多分、まだ法律は含んでおりませんから当てはまらないのでしょうか。そして二番目の、日本の財政事項を含む国際約束というのにも当てはまらないのでしょうが三番目に、一、二に属さない政治的に重要な事項を含む国際約束というのが、国会の承認を要する条約か否か、あるいはその約束か否かという判断基準になるという、当時の外務大臣の見解があるわけで、記録に残っているわけでございます。  これは外務大臣の見解でございましたので外務大臣に、このガイドラインというのは第三の項目、もう一度繰り返しますと、つまり、法律を含むものでもないし、財政事項を含むものでもないけれども、政治的に重要な事項を含む国際約束ということで、やはり国会の場できちんと承認が必要なのではないかというふうに私は考えますが、その見解をお伺いしたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 これは中間取りまとめて、お手元にごらんいただいておりますものにも明記してございますけれども、このガイドラインというものは、まとめられましたものも、決してそれが日本あるいは米国に対して何らかの立法上、あるいは行政上、あるいは予算上の措置をとることを義務づけるものじゃないわけでございます。  そういった意味におきまして、これは、今委員のおっしゃいました国会の審議を経なくてはいけないそもそも国際約束というものではないというふうにお考えいただきたいと思います。いわば日米防衛協力の大枠というか、あるいは方向性というものを示すだけであって、これが国際約束になっているわけじゃないわけでございます。  もとより、それじゃ何でもないかと、そんなに意味の軽いものかといいますと、そうではございませんで、こうやって共同作業をしてまとめ上げた、そしてそれをいわばこれからいろいろ両国が協力を進めていく上のガイダンスにしようというわけでございますから、これを踏まえていろいろ適切な措置をとられる、あるいは適切な政策面への反映が行われるということは期待されているわけでございますけれども、それはそれぞれ日本あるいは米国独自の判断によってやるものでございますし、このガイドライン自身でそういったことをやることは義務づけられているわけじゃないという意味においてそもそも国際約束ではない、こういうふうに御理解いただきたいと思います。  そして、このガイドラインの作業を踏まえて、将来的にきちんとした何らかの国際約束を締結することが必要になるというふうな事態が出てまいりました場合には、それはそのときにきちんと協定その他のものとして国会にお諮りするということも、それはあり得るんだと思います。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 そうしますと、これは国際約束ではないし、約束としての義務も負わないということですか。つまり、履行をしなければならないというわけではない、参考にするということなんですか。

林暘外務省条約局長

○林(暘)政府委員 先ほども大臣から御答弁申し上げましたように、国際約束ではないということを申し上げ、国際約束というのはどういうことかといいますと、そこに掲げる法的な義務として、権利義務として、日本の場合ですと日本政府が負うことを書いた文書ということで、これはそういうものではないということを申し上げたわけです。  それをそうではないということが、それは守らなくてもいい、書いてあることは全く守らなくてもいいことだというのとはちょっと違う話でございまして、それが法的な義務になっているかどうか、政治的な文書として、そこに書かれていることに従って、それなりの政治的な意味を持つということは当然ある文書というのは幾らでもあるわけでございます。それと、法的なものと政治的なものというのは、そこにやはり一線が引かれるんだろうと思いますし、ここで大平大臣が言われたのも、条約を前提にしているわけでございますから、基本的にそういう法的な文書を三つに分けて、それを国会で承認する場合のケースを申し上げたということでございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 よくわからないんですが、法律を含むという、法律は法的に義務を負うわけですけれども、約束というのは、政治的な約束であると政治的に責任を負うのではないかと私は思うんですが、これは国際約束ではないというふうなことであれば、義務を負うことにはならないということにならないんですか。ちょっと今の御説明、よくわかりませんでした。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 要するに、国会にお諮りすべき条約あるいは協定、それがどういうものか、そういうふうな国際約束を当時の大平外務大臣もお考えになって、そういった御指摘のような発言をされたんだと思います。それは、やはり国際法上合意をした両当事者に何らかの義務を課す、そういう意味の国際取り決め、こういうものは国会にお諮りすべきだろうという話だと思います。  今回のガイドラインは、そういった意味で、法律的な意味で、国際法上のいろいろな枠組みの中で考えましても、法的な意味での義務を日本あるいは米国に課すものじゃございません。政治的な意味はございます、政治的な意味はありますけれども、法的な義務を課すものではないから、このもの自体として国会の御審議を経る性格のものではないと申し上げているわけでございます。  政治的な意味があるからすべて国会の承認を求めろとおっしゃるのでございましたら、例えばこれより、もとになりました昨年の日米首脳間の安保共同宣言でもという議論にもなりかねないと思います。それは、そのほかにもいろいろな国際的な場での二国間のあるいは多数国間の非常に政治的な重い意味を持つ、いわばある意味での合意というものはあり得るわけでございます。そういったものも法律的な意味において何らかの義務を課すものでないとするならば、それはいかに政治的な重みがあろうとも、いわゆる国会の議決を経る必要があるかどうかという意味での国際約束にはならないということを申し上げているわけでございます。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 大平外務大臣の発言の三つの項目、これが国会の承認を要するということで、一つ目が法律を含む国際約束、これではない。そして二つ目が財政事情を含む国際約束、これでもないわけですよね、今度のガイドラインは。それで私は、三番目の、一にも二にも属さない、政治的に重要な事項を含む国際約束に当たるのではないかというふうに御質問を申し上げましたわけですが、大臣の御答弁は、これは国際約束ではない、しかし、政治的な意味合いは含むということになってしまうのですけれども、それでよろしいんでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 今おっしゃいました一、二、三を通じまして、国際約束という言葉がございます。その国際約束というのは、法的な意味において何らかの権利義務関係を生ずるような国際的な合意というものを指して言っておられるんだと思うのでございます。したがって、その一、二、三のどれに当たるかということにかかわりなく、今度のガイドラインというものはそういった法律的な意味での権利義務を直接もたらすものでもございませんから、国会の御審議をちょうだいしなくてはいけない性格のものではない、こういうふうに申し上げているわけでございます。  ただ、政治的な重みがあるかどうかということとはこの際は無関係である、法的にはですよ。国会の審議を要するかどうかという、御質問の意味するところはそういう法律理論的な御質問だと思いますので、主観的にどう思っておられるかはともかくとして、議員がなさっておられる御論議、その基礎になっている大平当時の外務大臣の発言というのは、そうした国会の承認を得るべき国際約束というものはどういうものかということで話をしている。その根底には国際約束というものが法的な権利義務関係が生ずるということがあるんだということを申し上げている。

山中あき子新進党

○山中(燁)委員 外務大臣の御意見は承りましたけれども、もし法的なものを国際約束と言うのであれば、ここにわざわざ法律事項を含むとか含まないとかということを言うことはないのではないかというふうに私は思いますので、そこのところは私もこれから勉強させていただきますけれども、これは非常に重要な、政治的な、国際的な約束ということに入らないのだとすれば、そこのところの責任がどうなあかということは、今後議論させていただきたいと思います。  時間がなくなりましたので、最後にちょっと私見を述べて終わらせていただきますが、日本が今しなければいけないことは、安全保障のガイドラインができましたけれども、外交上の配慮をかなり一生懸命やらなければいけないのではないか。一番最初に中国とのことも申し上げたわけですけれども、将来に向けてのやはり予防策としては、周辺の諸国に対して、このガイドラインでいろいろなことを進めている一方で、例えば、先回から出ておりましたけれども、北朝鮮に対して米の支援ということがストップしている。今までは実は何度もやってきて、今回初めてストップしたわけですけれども、基準というのがどこにあるかが海外の方たちに見えなくて、先日私はアメリカにも行ってまいりましたし、橋本総理大臣がいろいろ御苦労なさってお話をしていらっしゃるということですけれども、しかし、まだアメリカの人たちもほかの国の人たちも、でも飢えている人を死なすのかということで、日本が冷たい国であるという印象をまだ取り去っておりません。  ですから、私たちは、今ガイドラインの方で安全保障、国防ということをきちっとやるのと同時に、もう一度周辺の国に対して、例えば赤十字とか国連とか、そういった国際機関がかんでいる場合には協力をするけれども、それ以外の二国間のものは日本は毅然とした態度で拒否をするとか、そういった毅然とした態度と、それから柔軟な、温かい姿勢の努力をこれからしていただきたいと思います。中国、それから韓国に御説明なさったそうですけれども、もっともっと積極的に周辺の国に、先日レクチャーのときにお聞きしましたが、要請があれば説明に行きますという態度ではなくて、日本がどういう考え方であるのかというのを積極的に海外にもっと伝えていただきたいということをお願いして、終わらせていただきます。  ありがとうございました。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 玄葉光一郎君。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 民主党の玄葉でございます。  きょうはガイドラインの見直し作業について質問をさせていただきたいと思いますけれども、冒頭、これは漢とした質問になりますけれども、日ごろ集団的自衛権ということについて何となく私自身が感じていることを申し上げて、両閣僚に感想を求めたいというふうに思います。  それは、先ほど来からございますように、このガイドラインの見直し作業は憲法の枠内で行う、つまりは集団的自衛権の行使にならない範囲で行うということでありますから、当然、この国会の議論で、その集団的自衛権の行使、不行使という議論というのは避けられない。また同時に、丁寧にやらなければならないというふうには思っているのですが、しかし一方で、私は、冷戦後にこの集団的自衛権という議論はどれほど有意義なのかなという気も、率直に申し上げて、実は若干しています。  というのは、何となく、この集団的自衛権という言葉は冷戦期に適用されるような言葉ではないかなという気がするのですね。つまり、大国同士の、大国を中心とした同盟があって、その対立が構造的、長期的なものである。そういう場合は、同盟の一方の国が攻撃を受けたときにそれを自分の国への攻撃とみなすというのはよく理解ができるのですけれども、しかしながら冷戦後は、これはもう皆さんおっしゃっているとおり、不確実なリスクであったり、不安定なリスクが存在をする。決してそれは構造的なものであったり、長期的なものであったりしない場合が多いのかなという気がするのですね。  とにかくドンパチはやめてほしい、武力ざたにならないように、あるいは武力ざたになったらすぐ火消しをする。あるいはその後エンゲージをしてというようなことで、そういうふうに考えていくと、これは危機管理ということなんだろうなと。結局、集団で、それぞれの国が得意分野で役割分担をして、集団で危機管理をする、そういう感覚の方が適切、という表現は適当かどうかわかりませんけれども、そういう思いが実はしております。  例えば北朝鮮、特定の事態を挙げて、国を挙げて何かとは思いますけれども、北朝鮮にしても、あるいは台湾海峡にしてもそうだろうし、あるいはこの地域だけではなくて、ボスニアなんかも、何となく危機管理というふうに言った方が非常に当てはまるのかなというふうに思っています。  同時に、マスコミで躍っている有事法制という言葉でありますけれども、これも私は、危機管理というふうに呼びかえて議論をした方が有意義な議論にこれからなっていくのじゃないかな、そのように考えていますけれども、これは漢とした質問でありますが、両閣僚に一言ずつ感想を求めたいというふうに思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 私も、正直言いまして、集団的自衛権という言葉がぼんぼんマスコミ等にも出ておりまして、いささか、ちょっと集団的自衛権という言葉がはんらんし過ぎているなという感じがいたします。国連憲章の五十一条に集団的あるいは個別的自衛権という概念がございますけれども、我が国の法律上はそういう言葉を使ったことはないわけでございまして、その言葉を使っているうちにその言葉がいろいろと広い概念を持ってくるような、そういう気もいたしますから、余り適切というか、好きじゃないのですけれども、ほかにかわるべき適切な言葉がないので、今委員がおっしゃられたような概念を使っても、またそれがひとり歩きしやせぬかなという気がいたしております。  いずれにしましても、私どもは、今度のガイドラインその他で考えますことは、とにかく我が国の憲法九条に抵触しない、そういう考え方でやっておるわけでございまして、集団的自衛権云々というような、そういうのはそれの説明その他でいろいろ使われるわけでございまして、私が絶えず言っていることは、憲法九条の枠内で物事は処していきます、そういうことを申し上げておるわけでございますから、これから先もそうしたいと思っております。  それから、よく有事立法とか有事法制とか言われますけれども、この有事というのも、かつての戦争の時代における国家総動員法とかあるいはまた戒厳令とか、そういうのをすぐイメージしますので、私自身も、余り有事立法という言葉も使いたくないなと思いますけれども、それにかわるべきまた適切な用語が今のところ余りないので、今言われましたような危機管理何とか法というようなことになるのかどうか、ただ、言葉としてなれておりませんので、こなれておらないので、そういう言葉が適切かどうか、それもちょっと気になりますが。  いずれにしましても、今度ガイドラインが見直されまして、それに基づいて国内で必要な実施の状況をつくるために法律改正その他をするときには、それぞれの法律を、あるいはまとまった法律をつくっていかなければなりませんが、そのときにあわせて、我が国に何かあったときに現在の自衛隊等が十分活動できるかどうか、そういう問題もあわせて考えていかなければいけないというふうに思っているわけでございまして、決して非常時における有事立法だというような、そういう仰々しいイメージを持つべきものではないのじゃなかろうか、そういうふうに思っております。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 危機管理という観点からとらえるべきじゃないか、それはそうだと思います。それは、危機といいますと、戦争というよりはもっとずっと広い概念になるわけでございまして、危機の最たるものの一つが戦争という事態ではないか、こう思います。だから、それはそういうとらえ方も、私は何ら異を唱えるものではございません。  それからまた、冷戦が終結して以来、また見方を変えてもいいのじゃないかというお話がございましたが、それは確かに事態という観点から申しますと、典型的な国家間の戦争という意味の危機状態ではなくて、内乱であるとか、あるいは非常に政治体制が崩壊いたしまして、その後にアノミー状態が来て大変な混乱が出てくる。そこで生命、財産なんかも非常に危機にさらされる。そういった意味でのいわゆる危機の状態があちらこちらに出ているのも事実でございますから、委員がおっしゃるように、より広い危機管理という見地から物を考えることが適切ではないかというお考え、一理はある、こう思います。  しかしながら、やはりこれからも典型的な国家間の争いである戦争ということが起きる可能性も、これはあるわけでございます、現実に主権国家の中で成り立っている世界でございますから。ただ、そういったことを前提とした枠組みもやはり考える必要があるのかなと思いますし、それと同時に、そういった場合に個別的な自衛権と集団的自衛権という概念が、やはり我が国の憲法との関係で問題があるというのもこれは事実でございますから、これを一方的に排斥することはできないだろうとは思いますけれども、そのおっしゃる意味はよくわかります。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 私も集団的自衛権ということを超越はできないというふうに思っているのですが、危機管理という概念をできるだけ導入をしていった方が、私は、思考停止にならないで有意義な議論ができるような気がしてなりません。防衛庁長官、行かれましたけれども、有事法制というのも危機管理法制でよいのではないかなというふうに私は思いますけれども、その辺の呼び方もなお考えていただいた方がよいのではないかな、そのように考えております。  次に、周辺事態における協力についてでありますけれども、作業プロセスの確認を若干させていただきたいと思います。  先ほど来からお話もありましたけれども、これは確認の中の確認で、一々質問をしなくてもいいことかもしれませんが、九六年六月末、七月ぐらいから始まったときに、まず最初に決めたのは、憲法の枠内で行う、つまりは集団的自衛権に抵触しない範囲で行うということをまず初期の段階で決めたというふうに考えてよろしいのですね。一応確認の中の確認です。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず決めたかどうかというよりも、我々行政府としていろいろ作業いたします場合に、憲法を初め国内法あるいは我が国の関係します国際法、その枠内で行動しなくてはいけないのは当然でございます。しかしながら、憲法以外の国内法なりあるいは国際法の関係でも、基本的なもの以外でございましたら、いろいろ我々は検討作業を進めた上でそれをすれば、立法府にお願いして変えていただければいいということで議論することはできます。  しかし、やはり最高法規でございます憲法については、これが厳然としてある以上、そしてまた、これを改正しようという声もないことはないのは承知しておりますけれども、そういった動きが近く具体化しようという情勢が見られない以上、これはまず不動のものとして前提にさせていただくというのは当然でございます。  しかし、そのときに、決して我々、集団的自衛権の行使云々ばかりにとらわれているわけではございませんで、憲法そのもの、九条を初め、そういったことが大切である、そしてまたそのほかに、専守防衛であるとか非核三原則であるというふうな、これまで政府がずっと堅持してまいりました基本的な原則なども大切にする、また、憲法の解釈についても基本的なこれまでの政府の解釈を維持していくということは、それは前提になっているわけでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 次に、恐らく見直し作業をするに当たっては、まず状況設定をするのではないかな、つまりシナリオを設定するのではないかなというふうに思いますけれども、どんなシナリオをといってもなかなかあれですが、別の角度からいえば、これは特定の事態を次の段階で想定をして進めたのかどうか、そのことについてお尋ねいたします。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 特定の事態を念頭に行ったものではございません。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 何か、一九八一年に五〇五一という、北海道侵攻を想定した作戦計画が完成をしているという報道がございました。また同時に、五〇五三という九五年完成の、中東からの波及を想定した作戦計画、いずれも旧ソ連軍が攻めてくるシナリオだということでありますけれども。五〇五二は朝鮮半島事態だというふうに言われているわけでありますけれども、基本的には朝鮮半島事態が念頭にあるのではないかなというふうに思うのですが、私がきょう申し上げたいのは、どこだというふうにはっきりこの場で言ってくださいということではなくて、シナリオの設定が十分かどうかという思いが実はあるから、あえて実は申し上げているわけです。  これは、近隣諸国との関係もありますから、なかなか国会の中で答弁をしていくということは難しいとは思いますけれども、やはりかなり普遍的な北東アジアの、普遍的なといいますか、北東アジアの将来像を踏まえたシナリオを設定して作業を進めていかないといけないのだろうなというふうに思いましたけれども、その点についてはいかがでありましょう。     〔委員長退席、森山委員長代理着席〕

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 ガイドラインの見直しに当たりまして、今北米局長から答弁したとおりでございますが、このガイドラインが新たに策定された後、共同作戦計画についての検討ですとか、あるいは相互協力計画についての検討を行う予定でございます。これらも新しい指針が示す一般的な大枠及び方向性の中で想定、検討するわけでございますが、種々の状況を想定して行うことになろうかと思います。  これらの検討の具体的な内容に関しまして、現時点で固まったものがあるわけではありませんが、日米両国政府が日本に対する武力攻撃や周辺事態に際して円滑かつ効果的に対応し得るよう、そのような事態のうち幾つかの対応を想定して検討することになると考えております。  御質問の中に、現在のガイドラインのもとで、幾つかの共同作戦計画研究がなされたのではないかという趣旨の御質問があったかと思いますが、先ほども私、答弁いたしましたけれども、昭和五十三年以降行いました共同作戦計画研究におきまして、我が国が武力攻撃をされた場合のケースを二つやっております。  中身につきましては、先生も御質問の中でお触れいただきましたけれども、事柄の性質上、具体的に明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、あえて申し上げますと、最初にやりましたケーススタディー、共同作戦計画研究でございますが、これは、米国として日本だけとの共同対処を考えればよい状況における日本侵略事態を研究いたしたものでございます。それから、二つ目のケーススタディーは、これは日本防衛のために使用される米軍の兵力に関しまして、最初のケーススタディーの場合よりも制約がある状況、言いかえれば、米軍が日本以外の地域でかなりの兵力をとられているというようなことを想定いたしまして、かなり現実に合わせたようなケーススタディー、そういったようなことを想定して研究を行ったところでございます。  いずれにいたしましても、こういった共同作戦計画あるいは相互協力計画につきましては、種々の状況、そういった事態のうち幾つかの対応を想定して検討することになろうかと考えております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 特定の事態を想定したわけではないということでありましたけれども、そうすると、逆に言えば、あらゆる事態、例えば朝鮮半島事態も中・台の事態も、ある意味では含まれているというふうに解してよろしいのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 これは、まさに我が国に対する武力攻撃がある場合、それから周辺事態に際しての研究あるいは検討になるわけでございまして、我が国に対する武力攻撃あるいはその周辺事態、特に後者についての御関心かと思いますけれども、周辺地域ないし周辺事態については、先ほどから北米局長等から、両大臣からも説明があったとおりでございまして、特に地域的にここということを想定しているわけではございませんで、我が国の平和と安定に重要な影響を与えるような周辺地域での事態ということでございまして、特定の場所、国、そういったものを想定しているわけではございません。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 もうこれ以上質問しませんが、私は、見直し作業をするときは恐らくまず状況設定をするんだろうな、その状況設定はどういうものだったのだろうなという思いがございました。  次に確認をしたい作業プロセスは、シナリオ設定をしてずっと見直し作業が進むのでしょうけれども、基本的に対象分野を設定して、アメリカが要求を示して、それに対して日本側が、憲法とか法制とかあるいは自衛隊の能力なんかを考えながら、アメリカ側の要求に対して日本側がある意味ではそれを検討していく、そういう構図で協議は進んだのかどうか、まずそのことを確認したいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 今度の作業は、言ってみれば日米の共同作業でございます。作業をする過程におきましては、日米双方がおのおの有する能力を活用していかなる協力を行うのが適当であるかという観点から探求したことでございまして、例えば、アメリカが日本に対してこれをしろと言って要求をするというプロセスで行われたものではございません。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 もう一つ、ちょっとお聞きしたいと思うのです。今回の作業プロセスといいますか協議をしていく中で、アメリカがこの極東事態といいますか周辺事態にどのように取り組んで、いかなる戦略を持って、どれくらいの来援兵力をどのように展開させるのかという問題について、アメリカから、いわば全体像と申し上げてもいいのかもしれませんけれども、そういうことについての説明というのはあったのかどうか、そのことについてお伺いしたいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 今委員がおっしゃられたような、米側の具体的なそういう計画というものが私どもの間で議論されたということはございません。  種々の事態に対処することを目的とした共同作戦計画、それから相互協力計画についての検討作業は、まさしく新しいガイドラインができた後、日米共同作業の中で行われることになろうと考えておるところでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 これは安保土地のときにも外務大臣と何回かやりとりをしたことでもあるのですけれども、協議の中で、米軍の極東事態、周辺事態における来援シナリオというのは説明を求めるべきではないかなというふうに私は思うのですが、求めるつもりはないのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 日米間ではこれまでもいろいろな議論を重ねてまいりましたが、今御質問の点に関して若干お答えできるとすれば、現在のガイドラインのもとで米軍の来援兵力についての研究は、やったことがございます。(玄葉委員「やったことが……」と呼ぶ)やったことがございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 私は、同盟国でありますから、これはシナリオ設定とも関連しますけれども、あらゆる事態でアメリカがどういうふうに対応するのかということについては、やはり我が国として説明を求めるべきではないかというふうに思うのですね。やったことがあるとかいう程度ではなくて、やはり求めるべきではないかというふうに思います。  もう一回、求めるべきではないかと思いますが、その点いかがですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 当然のことながら、現在の日米安保条約に基づきまして、我が国が武力攻撃を受けた場合の日米共同対処というものが予定されているわけでございますから、求めるべきというよりも、日米でこの共同対処を、最も効果的に我が国を防衛するという観点で日米で共同作業をした、そういう意味での来援兵力についての研究をやったことがあるということを申し上げたわけでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 いや、それはもうよくわかっております。前も外務大臣から御答弁をいただきました。私がお聞きしたのは、要は周辺事態についてなんですね。その点、どうですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 周辺事態の場合に来援兵力という言葉を使うべきかどうかはわかりませんが、いずれにいたしましても、周辺事態において米軍は、この中間レポートにも書いてございますように、この地域の平和と安定のために活動を行うということでございまして、その中に軍事力の行使というものも当然含まれているわけでございます。  そして、その米軍の兵力、在日米軍の兵力に限りませず、いわば来援兵力というものも含めて議論をする、そういう場は相互協力計画の検討の中で当然なされていくものと思っておりますが、現在は、とにかくガイドライン、その基本的な大枠と方向性を早くまとめ上げたい、それに基づいて早く相互協力計画の検討に入りたい、そういう場に来ております。先生の御指摘の点も含めて、当然そういうことが議論になるであろうと思っております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 当然議論になるであろうということでありますけれども、ガイドラインの見直し作業が終わって、相互協力計画をつくる段階にあっては、ぜひ説明を明確に求めていただきたい、そのように考えております。  次の問題に移りたいと思いますが、きのう新聞を見ましたらば、我が党の前原議員からもお話があったということでありますが、この日米防衛協力というのは基本的に、当然進めていかざるを得ないし、いかざるを得ないというか、いくべきだというふうに私は思っておりますし、それがこの地域の抑止効果も高めるものだというふうに考えております。一方で、沖縄の問題、特に海兵隊の、一部即応後方配備という言い方をしていますけれども、後方配備につなげていくことも、私は、どこか腹の中に入れて協議をしていくことも必要ではないかというふうに思いますが、その点について御答弁をまずお願いします。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 きのうもそういう議論があったように記憶しておりますけれども、沖縄の問題につきましては、SACOの最終報告が出まして、今、それを一歩ずつとにかく前進させていくことが一番基地の整理、統合、縮小につながっていくのだ、そういう確信のもとに、これを的確に一歩一歩前進しようとしてやっているわけでございます。  したがいまして、ガイドラインはガイドラインとして、また、SACOの最終報告を実現することによって、沖縄の基地の整理、統合、縮小問題は縮小問題として、両方ともやはりそれぞれ手がけていかなければならないわけでございます。両方一緒にしながらやっていくということになりますと、焦点が非常にぼけてくるのではないか、そういう気もいたします。だから、ガイドラインはガイドラインとして今回中間取りまとめをして、それはそれで詰めていくけれども、また沖縄の問題については、SACOで最終報告として日米間で決めました内容について全力を挙げて取り組んでいく、これが一番大事なことじゃないかと思っております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 沖縄の海兵隊の問題については、安保土地のときに私は、一部だけを取り出したというおしかりもありましたけれども、第三海兵師団というのが、どうも地理的近接性ということをおっしゃるけれども、どうやら装備はグアムのMPSから来るし、運ぶ手段もどうもほかの地域から来る、したがって、どのくらい軍事的な意味があるのかなというような話をさせていただいたことがありました。  今回の防衛協力が進めば日米安保の双務性というのはさらに高まると思うのですね。双務性、片務性という議論はいろいろあって、もう既にほぼ双務的だ、完全に双務的だと言う人もいらっしゃるかもしれないし、ほぼ双務的だ、いや片務的だ、いろいろな議論がどうやらあるわけでありますけれども、既に沖縄がアメリカの戦略的な根拠地になっていることとか、六千四百億円の経費負担をしているとかということをもってかなり双務的だというふうにおっしゃる方もいらっしゃるし、私もある面でそういう部分はあると思っていますが、この日米防衛協力によって双務性はさらに高まる。同時に、別の言い方をすれば、以前よりもっと物が言い合える状態、対等という言葉がこれまた適切かどうかとは思うのですが、物が言い合える状態になると私は思っているのです。  きのう新聞を見ましたら、池田外務大臣は直接的には結びつかないと。私は、逆に言えば、間接的には結びつくのだろうと思っていますけれども、結局、間接的に結びつくと思うのですよ。直接的にある意味でどこか戦略をもって結びつけて協議をしていくこともあっていいというような考えもありますけれども、そういう意味で、その点について、より腹に据えた協議といいますか、そういうことをしていくべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず、安保条約の双務性、片務性というのは余り実りのある議論ではないと思います。安保条約に基づいて日米両国がそれぞれにどのような責務を果たさなくてはいけないか、役割を果たさなくてはいけないかを明定してございまして、それに伴う義務があるわけでございます。お互いに義務を持っているわけです。それが全く同じかというと、同じじゃない。米国は日本の安全を守るために役割を果たさなくてはいけないし、その義務があるけれども、我が方は米国の安全を守るために例えばハワイやグアム等に行くなんということはできもしないし、そういった議論も全くないわけですね。  そういう意味では、どこまでいったって義務が違うということはあるのだと思います。一方において、我が国はそもそも施設・区域の提供をするという大きな義務を持っており、そしてまた、役割を果たしているわけでございます。そういったことで、余り双務性、片務性ということを言う必要はないのじゃないかと思います。  しかし、それぞれがこの条約で求められている役割を果たし、そしてこの条約、安保体制の信頼性を維持していく。あるいは、さらに効果的な運用が可能になるような体制をつくっていくという意味で、今ガイドラインで作業をしておりますような検討項目を詰めていく。そして、その上に立って、そのうちの幾つかのものを実行するということになっていけば効率性が高まってくる。そして、効率性が高まる上において、我が方が、従来は必ずしも十分果たしていなかった役割も果たすんだ、ある意味では責務も担っていくんだという意味はあると思います。  さて、そういった状況の上に立って、従来以上に、米側に対しても日本として、より物を言ってもいいのじゃないかという点は、これまでも必要なときはちゃんと日本も考え、あるいは意見は申してきたと思いますけれども、これから、アジア太平洋地域の状況全般もそうでございますが、この地域の問題についても、従来のように米国が圧倒的な力というだけじゃなくて責任、役割を担ったという情勢から、だんだんとほかの国もバードンシェアリング、いろいろな形でしなければいけないというのは世界の現実だと思います。  そういった意味合いもあり、日本としても、従来以上に我が事として真剣に考え、真剣に意見も開陳していく、そしてよく相談しながらやっていく、こういうことかと思います。そういったことは、このガイドラインだけじゃなくて、既に昨年の首脳会談の際の安保共同宣言なんかにもそういったラインの叙述も入っているというのは御高承のとおりでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 今回の中間報告、全文を読ませていただいて、私、おもしろいと言ったら語弊がありますけれども、目にとまったのが、「平素から行う協力」という項がきちっと立ててあって、その中に「防衛政策及び軍事態勢についての緊密な協議を継続する。」と書いてあるわけです。当然これは沖縄の問題、在日米軍の兵力構成の問題も、先ほど外務大臣がおっしゃったように共同声明でも引き続き協議するということを言っているし、ここでもはっきりうたったということですから、私は、沖縄の皆さんのためももちろんありますけれども、沖縄の皆さんのためだけではなくて、日米安保のためにも沖縄のこの海兵隊の問題というのは、もっと真剣に考えていく必要があるのではないか。  できる、できないとかいう問題よりも、むしろ今求められているのは、するか、しないか、そういう問題なのだろうというふうに思っています。多分認識が、私は、これはまた堂々めぐりになりますから余り申し上げませんが、するか、しないかというところなのではないかなというふうに思っています。  次の問題に移らせていただきたいと思いますが、事前協議の問題であります。  まずお尋ねしたいのは、事前協議は今回、見直し作業の議論から最初に外していますね。きのうも御答弁があったようでありますけれども、「基本的な前提及び考え方」というところに「日米安全保障条約及びその関連取極に基づく権利及び義務並びに日米同盟関係の基本的な枠組みは、変更されない。」と書いてありますが、なぜ最初から議論の対象から外したのか。これは一言だけで結構です。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 それは文字どおり、今お読みになったところに四項目書いてございます、憲法の問題等々ですね。その中の一項目として、そもそも安保条約、そしてその関連取り決めによる権利義務の関係もさわらない、そして安保体制の基本的な枠組みは変えるものではないんだということをいわば大前提の一つとして置いたということなのでございます。  なぜそういうふうなものを置いたかということでございますけれども、それは、現在の国際情勢の中で我が国がどういうふうに安全を確保していくか、またこの地域の全体としての安定のためにも従来の日米安保体制が果たしていた役割をどう考えるかといったようなことを考えました場合に、その基本的な枠組み、安保条約あるいは安保体制の基本的なところをさわる必要性はないし、また、さわることが適切でもないという、そういう判断があったからでございます。  これは、今回急になったわけじゃなくて、冷戦終えん後もずうっと国内でもいろいろな御論議がございました。昨年の日米首脳会談もその一つの大きな出来事でございました。そういった中で、政府としてもそうでございますが、国会あるいは国民の御議論の中でも、そういった基本的な枠組みについて今変えるべきだという声は決して大きなものではなかったと存じます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 これは何回も出ているんでしょうけれども、岸・ハーター交換公文の中で、次の三つのときに事前協議が必要だと。在日米軍の配置の変更、装備の変更、そして日本からの戦闘作戦行動ということなんですけれども、これはもちろん確認ですが、周辺事態が生じたときに日本からのアメリカ軍の戦闘作戦行動が行われる場合は、当然事前協議の対象となるというふうに思いますけれども、具体的に、事前協議の対象となる日本からの戦闘作戦行動とはどういう米軍の行動になるのか、その点について御答弁できますでしょうか。これは済みません、通告してませんでした。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 典型的な例を挙げますと、航空機が我が方の基地から、要するにある特定国の目標を射撃する、攻撃する、そういった意図を持ち、またそういった態勢をつくって、弾薬の装着から何からみんなして、しかもそれは攻撃の命令を受けて、そして立っていく、そういったのが典型的な作戦行動になるんだ、こう思います。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 本件自体は政府統一見解がございますので、それで御説明させていただきますと、「「戦闘作戦行動」とは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動」であって、「戦闘作戦行動の典型的なものとして考えられるのは、航空部隊による爆撃、空挺部隊の戦場への降下、地上部隊の上陸作戦等であるが、このような典型的なもの以外の行動については、個々の行動の任務・態様の具体的内容を考慮して判断する」ということでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 それじゃ、今回のガイドラインの見直しで、周辺事態での日本の例えば提供施設の拡大なんかによって事前協議が必要となるケースというのはふえるとお考えになられているかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 変わりません。これは、先ほどの、安保条約の関係、関連取り決めあるいはその体制の基本的な枠組みは変えないという、そういった中に岸・ハーター交換公文による事前協議についての考え方あるいはその対象も我々は入っていると考えておりまして、今回、そういったことで事前協議の対象についても変わるものじゃございません。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 私、若干心配をしていることがございまして、これは特定の事態を想定したものではないというような御答弁でありましたけれども、何か最近なのかどうか、日時はございませんが、今手元に、公開されたアメリカの外交文書の中に、「NSC六〇〇八/一」という文書のようでありますけれども、このようなことが記してある。「安保条約の取り決めにおいて合衆国は中距離、長距離ミサイルを含む核兵器の導入に当たっては事前協議を行い、また朝鮮の国連」、これはもうかなり前なんですね。「また朝鮮の国連軍への攻撃に即応するものを除いて、日本防衛に直接関連しない戦闘作戦行動を日本の基地から起こすときには事前協議を行うことを約束している。」。「除いて、」ということが記してあるのですけれども。  本当に事前協議、まあ今まで一度もないということでありますけれども、また同時に、先ほど外務大臣は、事前協議の問題について議論する必要もないというようなことをおっしゃっておられましたが、本当に大丈夫でしょうか。     〔森山委員長代理退席、委員長着席〕

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 事前協議の関係につきましては、昭和三十五年の岸・ハーター交換公文で決められているとおりでございまして、これは今回も変えないわけでございます。  それから、ただいま委員の御指摘になりましたことで、米側がそういうことじゃなくて事前協議をしないケースがあるんだというふうな御指摘をされましたけれども、私、そのおっしゃった文書なるものを見ておりませんからなんですが、いずれにいたしましても、日米間を律しますものはこの関係では岸・ハーター交換公文でございますから、これできちんといくわけでございますので、我が国からする戦略作戦行動、出撃なんということがございますならば、これは当然のこととして事前協議の対象になるものでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 先ほど申し上げましたように、日米防衛協力というのは進めていくべきだとは思っておりますが、ガイドラインを整理するに当たって、この事前協議の問題というのを、一度もないということですから、活性化をさせる必要があるのではないかなというふうに思っています。  橋本総理も、四月七日の安保土地の委員会で、国際情勢が変化した中で、従来と同じものでも、外から見たときには違うように見える可能性も否定できない、周辺の状況に変化が生じたために異質に見える可能性もないとは言い切れないというようなことをおっしゃって、ある意味では、制度見直しの必要性に触れたとも言えるような答弁をされておられます。  これから整理するに当たって、この事前協議の問題、しっかり位置づけていくべきではないかというふうに思いますが、再度答弁を求めたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 事前協議そのものについては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、その枠組み、仕組み、対象を変えるつもりはございません。しからば、橋本総理も若干そのように含みを持たせるような答弁をしておるじゃないかという御指摘でございますが、私も、その総理答弁の場面、正確に覚えておりませんけれども、あれは中東の方面の何か危機的な状況に関連しての話ではなかったでしょうか。(玄葉委員「いや、そうじゃない」と呼ぶ)そうじゃないにいたしましても、いろいろなことがあり得るんだと思います。  だから、事前協議をするかどうかという安保体制上の枠組み、その中でのいろいろな様式行為はどうだこうだという話はおきましても、やはりいろいろな情勢について日米間ではいろいろな情報の交換から、あるいは対話、協議というものは、緊密化しなければいけないという認識は持っております。  そして、そのことはこの中間取りまとめにも、また昨年の日米共同対話にもあるわけでございます。そういった中で、時々の情勢なり体制についてもいろいろ話をしていく。そんなところで、いろいろなことはあり得るのだというあたりも念頭に置きながら、総理の御答弁につながったのではないのかな。だから、決してそれは事前協議の仕組みそのものを見直すという趣旨ではなかったもの、こう考えます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 私個人としても、またこれは党としてもそうなのでありますが一防衛協力のあり方を整理するに当たって、事前協議の活性化について両国の合意を図るべきであるということを申し上げておきたいと思います。  最後に、時間の関係でまとめて質問をさせていただきたいと思います。  これは何度も答弁が出ていますから主張にとどめたいと思いますが、私たちも、決して政局絡みで申し上げているわけではなくて、実効性を担保するために、このガイドラインについて、国会の承認事項にしたらいいというふうに思っているということを申し上げておきたいと思います。  まとめてちょっと質問させていただきたいと思いますが、これはある意味でガイドライン見直し作業の終了後の問題とも言えるかもしれませんが、韓国そして国連との関係をまとめて質問させていただきたいと思います。  つまり、周辺事態にあっては、国連決議に基づく関係諸国の参加協力があって、国連活動とか多国籍軍の活動なんかも念頭に置きながら具体的な内容というのは当然詰められているのだろうなというふうに思いますけれども、その辺の国連への対応についてどのように整理しておられるかということ。  それともう一つは、韓国との関係でありますけれども、その内容に応じて、恐らくこれから韓国との協力が不可欠なものも出てくるのではないかなというふうに思いますが、完了した後これを日米韓の防衛協力指針に拡大をしていく方針はあるかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず最初に、ガイドラインを国会の承認の対象にすべきであるという御意見は御意見として承りましたが、政府といたしましては、これはこのもの自体が格別の義務づけをするものではないということ、それからまた、将来の検討の結果、立法あるいは予算等の措置が必要になるものがあるならば、そのものとして国会の御判断を仰ぐということであって、ガイドラインはその性格上、国会に御承認を得るべき性格のものではないということを考えておることを申し上げておきます。  それから二番目に、国連との関係でございますけれども、どういうふうなケース、いわゆる国連憲章第七章にございます国連軍というのは、これから将来に向かってもまず想定されませんので、恐らくいわゆる多国籍軍型のものを想定しておられるのではないかと思いますけれども、それが一体どういうものになるのか。個々具体的なケースで態様、内容を見なくては何とも申し上げられないところでございますので、どういうことになりましょうか。  いずれにいたしましても、当該多国籍軍の目的とか任務が武力行使を伴うものかどうかというようなこともいろいろございますから、ちょっと余りにも前提を置きにくうございますので、現時点で一方的にどうこうと申すことは難しい。そういう態様を見て判断するのだと思います。いずれにしても、憲法の枠内で考えなくてはいけないのは当然のことでございます。  それから将来、日米韓三国の間でのガイドラインという話がございましたが、日米のガイドラインは基本的にやはり日米の安保体制がある、この基盤があるわけでございますね。それは内容には、一部安保体制に基礎を置かないものも入っておりますけれども、PKO等、やはり基礎にそれがあるということでございますので、ちょっと三国間でのガイドラインというのは考えにくいのかなと思います。  しかしながら、安全保障とか防衛面を含めてのいろいろな対話であるとか情報の交換あるいは交流というものは、この三国間でこれまでもある程度そういう努力をしてきておりますが、将来的にはさらに深めていくということは考えなくてはいけないと思っております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 時間が参りましたから、終わります。ありがとうございました。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 松本善明君。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 昨日の安保委員会の審議につきまして、政府答弁が抽象論に終始する場面が目立ち、中間報告の示す方向性のあいまいさが改めて浮き彫りになった、こういうふうにマスコミで評されております。質問に具体的に答弁されることを要望して、質問をしたいと思います。  ところで外務大臣、この中間報告が発表されまして、九日付の新聞が一斉に朝刊で報道いたしました。ジャパン・タイムズの九日付をお読みになりましたでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 余り英語が得意でない外務大臣でございますし、時間にも追われておりまして、ジャパン・タイムズ、読んでおりません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 実は、これは私もしょっちゅう読んでいるわけではございませんが、非常に的確。に見出しをつくったと思うのです。「アンベール・ウォー・マニュアル」、戦争のマニュアルのベールがはがれたですね。私は、すごい感覚だと思ってこの見出しを読みました。  この中間報告の最大の問題といいますのは、日本への攻撃もまたそのおそれもないのに、米軍が極東あるいはアジア太平洋地域で戦争に突入すると、自衛隊が参戦していく、そういう道筋を構築するところにあるのじゃないか。私は、いわゆる日本有事以外、言いかえれば日本が攻撃されていないのに参戦していくという体制づくりではないかと思いますが、違いますか。外務大臣、伺いましょう。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私は、それはジャパン・タイムズは字数の関係で見出しを余りにも短くし過ぎたのだと思います。恐らく、適切にやるとしたら「アンベール」と「ウォー・マニュアル」の間にハイフンか何かで、アンタイ・ウォーだとかカウンター・ウォーとかそういう言葉をつけるべきであったのじゃないかと思います。その方が、今回のガイドラインの内容により近い見出しになったのじゃないかと思います。  私どもは、あくまで我が国の安全、そして我が国周辺地域の安定が保たれるように、他者からの、日米以外の第三者からの安定や平和を乱すそういった行動があり、我々にとって非常に緊急な事態が生じたときにどういうふうにそれに対処していくか、その対処、対応する上でいかに日米間協力をしていくかということで今回のガイドラインの作業もしているわけでございまして、ウォー・マニュアルではない、アンタイ・ウォー、カウンター・ウォー・マニュアルというふうにお考えいただきたいと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 残念ながら、外務大臣の期待のような見出しにはならなかったわけであります。  やはり日本が攻撃をされたときの日米共同作戦態勢、これは今までいろいろできています。それが、日本が攻撃されていないところにそれを使っていこう、これが今度のガイドラインであると思います。米軍の武力攻撃と一体となった軍事支援の結果が自衛隊が攻撃を受ける、ついには自衛権の発動としてのいわば本格的な武力行使に行き着くという想定もこの中間報告には盛り込まれております。中間報告には「周辺事態の推移によって日本に対する武力攻撃が差し迫ったものとなるような場合」、こういう表現でそういうものが入っております。  自衛隊は、歴代政府の見解で、自衛権の裏づけである自衛力というふうにされて、だから自衛ということが武力行使の基本だ、いろいろ私どもとは議論がありますけれども、政府の歴代の解釈はそうです。それで、「日本の自衛隊は日本が直接にあるいは間接に侵略された場合にしか動き得ない」、これが一九五九年三月十七日の参議院予算委員会における林法制局長官の答弁で、これがずっと基本の立場というふうになっていると思います。「日本の平和と安全に重要な影響を与える」、これがいわゆる周辺有事ですけれども、そういうことで自衛隊が出動できるか。憲法の、この林法制局長官の答弁が変わるのかどうかということを法制局長官に確かめておきたいと思います。

大森政輔内閣法制局長官

○大森(政)政府委員 従前から述べてきております自衛隊の行動に関する基本的な考え方、これは今回の見直し検討作業においても何ら変わらないという前提で行ってきているものと承知しております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 北米局長は、九日の自民党国防三部会で、「単に経済面などの影響ではなく、軍事面を含めて日本に重大な影響を与える場合が周辺事態だ。日本の平和と安全に直結した防衛出動に近いレベルが考えられる」というふうに述べたということが報道されていますが、局長、どういうことを言ったんですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 私が申し上げましたのは、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合であって、これは、単に経済的のみならず軍事的観点も含めて日本の平和と安全に重要な影響を与えるものであって、日本の平和と安全に非常に結びついたような事態であるという説明をさせていただいたわけでございまして、私が防衛出動だとかなんとかという言葉で表現をした覚えはございません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 防衛出動だけ表現したわけじゃないと言って言葉を濁したが、「防衛出動に近いレベルが考えられる」ということは言ったんですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 事実関係ですから申し上げますと、防衛出動という言葉は一切使っておりませんし、近い何とかということも私の口からは申し上げてはおりません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そうすると、防衛庁長官、周辺事態のときに防衛出動に近いようなことは一切考えない、そう言っていいですか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 我が国が攻撃をされるような場合になりました場合には防衛出動をすることはあり得ます。それでなければ、我が国が武力攻撃されていないのに防衛出動することはあり得ません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 それでは、少し形を変えて聞こうと思います。  アメリカは、一九九四年に、核開発の疑惑があるというだけで軍事制裁を準備をしたことがあります。昨年は、国連決議に根拠がないのにイラクに攻撃をしたということもあります。極東あるいはアジア太平洋のどこかで国際法上の根拠のない武力行使、いわゆる戦争を行う危険があると私は思いますが、こういう場合にはもちろん日本の平和と安全に重大な影響を与える場合ということではないでしょうね。防衛庁長官にお答えいただきましょうか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合でない場合は、全く今回の対象にならないわけでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 抽象的な答弁というのは、マスコミで言うのはそういうようなことを言うんですよ。やはりアメリカが、国際法上の根拠がない、そういうような攻撃、そういうようなことをしたことによって、日本が平時いろいろ協力をしていきます、そういう場合に周辺有事というようなことで考えて動くようなことは決してないだろうなということを確かめているんですよ。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 国際法上の云々じゃなくて、私どもが一番危惧しますのは、我が国周辺で何かあって、それによって我が国の平和と安全に重要な影響がある場合、この場合が問題であって、その出動の原因が国際法云々ということではないわけでございまして、我が国の平和と安全に重大な影響がある場合には、これは今度のガイドラインの対象になるということでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 防衛庁長官、そういう答弁何遍繰り返しても、やはり抽象的な一般的な答弁なんですよ。私は具体例を挙げて、昨年のイラク攻撃のように、これは国連でも支持されなかったでしょう、そういうようなことを米軍がやることがあり得るわけです。ただ、平時から日米の協力があるわけですよ。そういう場合まで含めて周辺有事というようなことになって、例えば自衛隊がいろいろな動きをして、それが何らかの攻撃を受けるというようなことになった場合は、そういうような場合まで周辺有事というふうに考えていったら、本当にいつでも米軍と協力するということになる心配があるから聞いているんですよ。  だから、その点についての御答弁を具体的に、私の質問に、そういうことは答えられないというなら答えられないでもいいですよ。何で答えられないのか理由を言ってください。一般的な答弁だけでは国民わからない。これは本当に国民にわかりにくいものですから、やはり国会の審議というのは国民に、事態は何なのか。防衛庁長官と意見が一致すると私は思いません、思いませんけれども、どこが違うのかということを国民の前に明らかにして、国民が判断できるようにするというのが国会の質疑だと思うのです。御答弁を求めます。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私は、基本的には、防衛庁長官からの御答弁があったように、我が国の安全に重大な影響を与える状況が起きた、そういう事態に対してどうするかということであって、それがどういう国際法的な形でかかわりがあったかどうかということよりも、事態そのものが問題なんだ、こう思います。  それはそれといたしまして、委員の先ほどからの御質疑で、イラクに対する米側の対応を例に引きながらいろいろ御質疑でございますけれども、これも、実は昨年のある時点における出来事あるいは行動だけをとらえて議論するのは必ずしも適切ではないんだと思います。やはり全体としまして、イラクという国があの中東地域の安定を損なう上においてどういうことをやってきたか、それに対して国際連合がいろいろ一連のどれだけの行動をとってきたか、そしてその中にはあの湾岸戦争と言われるような事態もあったわけでございます。  そして、そういった一連のものがありまして、現に安保理の決議が幾らかございました、昨年の米国による行動をとられたときも。そういった一連の安保理の決議の中には、あの航空の制限地域なんか設定されておるわけでございますが、ああいったことも、所要の措置をとることができるという決議の中で読めるんだというふうな、そういった考えのもとにアメリカとしても行動したんだというふうに私は記憶しております。  それから、我が国といたしましても、米側のあの時点における行動が、国連安保理のイラク関連の諸決議のその趣旨にかない、目的とするところを達成する上において適切な、また必要なことであるというものであるならば、これは理解できるというような姿勢をとってきたところでございます。  いずれにいたしましても、そういったことでございますので、例に挙げられましたものにつきましても、その一時点だけをとって、一時点の行為についてもいろいろな見方があるわけでございますし、また、そういった行動がとられるに至ったいろいろな経緯、背景というものも考えながら、参考にするならば参考にしなくてはいけないんだと思います。  そういったことでございますので、将来の問題について、例えばこういうことが起きたらどうだという仮定をするにしても、必ずしも仮定をするその前提として引っ張り出すのにふさわしいケースであるとは思えません。基本的には、まずこの地域の安定が保たれるように外交努力その他を含めていろいろなことをやっていくわけでございますし、それでも非常に安全を脅かすような事態が起きたときにどういうふうな対処をするかということを今度考えているわけでございますが、その例示として、必ずしもイラクの例はふさわしくない。これは、見方やそれからいろいろ分かれているところもあるし、背景と切り離して判断できないケースでございますから、ちょっと仮定を置くにはふさわしいケースだとは思えないのでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 明快な答弁で鳴る池田外務大臣が、これだけ長々と説明をしなければならぬということ自体が、やはり問題なんだと私は思います。  防衛庁長官、あなたは、四月八日の衆議院安保土地使用特別委員会で、後方支援部隊である自衛隊は最大の価値のある攻撃目標であるという質問に対して――そういう質問があったんです。全部読みましょうか、覚えていないのならば。  これは西村さん、「後方支援部隊は、我が国の自衛隊の部隊は、最大の価値ある攻撃目標である。これに攻撃されたらどのようにして防御するんですか、防衛庁長官。」久間国務大臣、「我が国の自衛隊が攻撃されました場合は、もうこれは自衛権の発動でございます」と言ったでしょう。  だから、周辺有事で何らかの形で米軍と協力しているのが、アメリカの相手国から見れば敵性行動だという判断をして攻撃を受ければ、自衛権の発動、日本は全面的に武力行使に入るのでしょう、違いますか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 単に武力攻撃がその場であったからということで、それが即我が国に対する攻撃ということになる場合もありましょうし、また、それはならない場合もあると思います。要するに、そこでのトラブルにすぎない場合もあるわけですから。防衛出動するに当たっては、我が国が攻撃されたという、そういう前提になるわけでございますので、あのときの雰囲気では、要するに、日本の自衛隊の基地が組織的にたたかれたというような雰囲気で言われましたので、これはもう当然我が国に対する武力攻撃であるから、こちらから防衛出動するようなことになろうと思いますというようなことを言ったと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 今の答弁でも、トラブルの場合もあるし、全面的な自衛権発動という場合にもなるという答弁なんですよ。だから、日本の自衛隊機が攻撃をされた場合に、全面的に日本が武力行使に入るということの、あり得るという、非常に危険な事態がこの周辺事態ではあるのですね。  このことを今確認をしたわけであります。その上でちょっと聞こうと思うのですが、先ほど、秋山防衛局長、周辺事態はだれが、どこが決めるのだ、日米で決めるということについて質問が細かくありました。一体どこで決めるのか、首相が決めるのか、国会まで承認を求めるのか。それに対して、状況次第ということを答えたのですね。状況によっては、これは総理大臣が周辺事態を決める場合もある、国会に承認を求めなければならぬかどうかということも考えなければならぬという事態もあり得るというのが周辺事態なんですね。防衛庁長官、それでよろしいですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 こういうことじゃないかと思うのでございます。  いわゆる周辺事態かどうかということを確定して、それを例えば宣言する、そしてそのことが何らかの効果を持つというふうに考えるべきなのかといいますと、そういうものではない。やはり、どういう事態、どういう行動をとるかというのは、それぞれの状況において決められるわけでございます。  そして、その具体的にとる行動について、法律上あるいは行政上の判断で、何らかの行為が、様式行為が求められるということになれば、それについて、一体国家機関のうちのどういうところがその責任を持って決定するかという問題が出てくるんだと思います。  先ほどの防衛局長の答弁も、恐らく私の申しておりますのとは別の角度から答弁したのじゃないかと思う次第でございます。だから、いろいろケースによっていろいろな違いがあり得るという趣旨の答弁があったと思いますけれども。  だから、周辺事態かどうかということ、これを認定することが一つの例えば法律的な意味のある行政行為になるかどうかというと、そうではなくて、そういった周辺事態において具体的にいろいろな行動をする、例えば中間取りまとめの中の検討事項として挙げられておりますが、そういう行動について何らかの行為を求められる、そのときにどういうふうな形式あるいはどういうふうな機関の関与が必要かということ、そういうふうに見るのじゃないかと思います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 私が先ほど答弁をしたのは、まず第一点は、中間取りまとめの三ページにございます「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」のうちの「日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合」のまず質疑があったかと思います。したがって、防衛出動が発動されるかもしれないような状況での判断の問題と、それからもう一つは、周辺事態についてだれがどうするのかという話がございましたから、周辺事態については、いろいろな対応があるけれども、人道的活動から捜索・救難から、そして、例えば運用面においては、自衛隊がいわゆる情報収集、警戒監視、機雷の除去等、こういうものがある、状況によっては例えば防衛庁長官の判断でやる、あるいはそれ以外の判断でやるということがあるということを申し上げたので、防衛出動を前提とするような武力行使、我が国に対する武力攻撃がある、その前段階のところでの議論と、それから周辺事態で答弁したのとは、そこは分けて御理解いただきたいと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 外務大臣、あなたがさっき言った、周辺事態というのは行動に結びつくのだから、それはきちっとだれが判断する、どういう基準で判断するのか、はっきりしていなければおかしいのじゃないですか。今、防衛局長の答弁だって、それは人道的な活動からいろいろな項目を挙げている、それぞれ何をするかということについて、やはり周辺事態というのはちゃんと、きちっと判断をするというのじゃないですか。そんなものは判断を正確にしなくてもいいのですか。外務大臣の答弁ですから、外務大臣にきちっと聞いておきましょう。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 それは、我が国の安全を守る上において、あるいは我が国の安全に重大な影響を及ぼすいわゆる周辺事態が起きている状況の中で一体どういうふうに行動するか、日米間の協力を、そしてその協力をするために日本のいろいろな機関がどういう行動をするか、そういったことを今いろいろガイドラインの中で検討しているわけでございます。  それで、そういったことを考えます場合に、いろいろな事態があるなというので、その事態を前提にして、この場合にはこういう合意が必要だろうということを検討しておりますけれども、具体的には、そういった検討の結果こういった行動をとることが必要だろうということになれば、その行動を、どのような枠組みの中でどういうふうな行政行為を伴いながら行っていくかということは、これは別途に決められなくてはいけないのだと思います。  その典型的な例が、先ほどの、午前中も防衛局長の答弁の中にありましたいわゆる自衛隊法の根拠に基づく防衛出動が発動されるようなケースであるわけでございますが、それ以外にも、いわゆる周辺事態でもいろいろな行動はあるのだと思いますね。それは、例えば輸送の問題だとか、あるいは補給の問題とかいろいろ出ておりますけれども、そういうことをやるとした場合に、そういったものについて法律的な根拠があれば、現にあって、別に特に様式行為をしなくても担当部局がその責任において現に行われるというものもありましょうし、あるいは今後新しく法的な手当てをして何らかの様式行為を定めるということは必要になるものもあるかもしれませんけれども、そういったことはやはりそれぞれの個々の行為についてどうするかということで考えていくべきものであって、周辺事態かどうかということで考えるという話ではないのじゃないかと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 外務大臣も、防衛庁長官も、この点、中間報告に関して法整備に積極的な答弁を今までもしているようですが、確かめておきます一が、自衛隊法七十六条の防衛出動の基準を広げる、変えるというようなことは一切考えていないかどうか。それだけ、イエスかノーかで答えていただきたいと思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 今のところそれを変えるような考えではございません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 問題を変えて質問します。これから情報問題について質問しようと思うのです。  防衛庁長官、アメリカ国防省の議会に対する湾岸戦争最終報告書を読んだことがあるか、あるいは報告を受けたことがありますか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 ありません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そうですか。防衛庁長官でもそういうことなのですかね。  アメリカ国防省の湾岸戦争最終報告書は、「いったん砂漠の嵐作戦が始まると、戦闘機は防衛監視のほかに、攻撃と対抗が加わる。AWACSとE-2Cに支援されて、これらの戦闘機は湾岸戦争に期間を通して航空優位を獲得し維持した。」「AWACSはイラクの空襲やイラクの空軍の動きについての早期警戒イラク航空機との交戦管制を補助した。また、多国籍軍の攻撃を支援し、特殊作戦部隊や戦闘捜索救難などの航空団に対する空中監視、警告などの支援をした。」等々、かなり長いものですけれども、述べております。  湾岸戦争の報告は、近代戦の中心がハイテク機能だということを示しているのです。特にAWACSの役割の大きなことを如実に示しております。イラク機の撃墜された大半は長射程ミサイルによるものだと、これはAWACSによって遠く離れた目標がイラク機と識別できるということを示しているという報告もあります。  この中間報告で言う情報交換、情報の提供、これは日本に四機導入することになっておりますAWACSの参加も含まれているのでしょうか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 情報収集活動の手段としていろいろなものがございます。そのうちの一つにAWACSの情報収集活動も当然入ります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 AWACSは、上空から最大半径三百マイル、約四百八十キロの範囲にある航空機、艦船の動き、交信内容など同時に最大六百個の目標探知ができる。敵機というのが一瞬に識別できるわけですね。東京上空ならば大体岡山あたりまでの敵機や、地上でも小隊単位の小部隊の動きまで手にとるようにわかるわけです。  湾岸戦争ではこうした目標情報の収集、指揮管制は専ら米軍自身が行ってきたのでありますが、日本周辺事態で、AWACSの情報も含まれるということを今答弁しましたが、これを自衛隊が実施をするかどうかということが問題なのですよ。指揮管制ということはちょっと別でありますが、湾岸戦争における米軍が情報を収集し、そして味方機に、友軍に提供した、それと同じようなことを周辺事態で自衛隊のAWACSがやるのでありますか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 日米安保体制下におきまして、平素から軍事情報を含め、いわば相互に必要な情報交換を日米間でもやっているわけでございますけれども、このことは周辺事態においても何ら変わるものではございません。日本は日本で情報収集し、米側と必要に応じ情報交換をする、このような一般的な情報交換の一環としてこういう事態においても米軍と情報交換ないしお互いに提供し合うということは当然想定されることであると思います。  ただ、我が国がどのような場合にどのような情報の収集を行い、提供を行うかということは、まさに国益に基づきまして自主的に判断するという性格のものであろうかと考えております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 これは外務大臣と本委員会では前にも議論をしたところでありますが、防衛庁長官がおられないところでやりましたから、ちょっと認識のために述べておきますが、元アメリカ国防長官対日特別補佐官であり、国防総省日本部長として日米共同作戦の推進の任に当たったジェームス・アワー・バンダービルト大学教授は、世界週報の掲載論文で、日米のP3C対潜哨戒機は一日交代で警戒任務についていたが、「収集したすべての情報は互いの航空機に積載されたコンピューターを通じて直接交換された」というふうに述べています。コンピューターを通じて垂れ流してあります。  五月三十日付の朝日新聞でも、これは航空自衛隊の航空機についてでありますが、   現代においては情報の流れを任意に止めたり、送る側の意思で選別したりすることは難しい。たとえば台湾周辺で情報収集した自衛隊機には「データリンクシステム」と呼ばれる日米の軍事情報がリアルタイムで交換できるハイテク機器が搭載されており、米軍は周波数と暗号を合わせれば瞬時に情報を共有できる。  だから、AWACSが参加をして情報提供は当然ですという答弁が防衛局長からありましたけれども、その場合に、外務大臣に、これは米軍が戦闘状態に入った場合、攻撃する相手の部隊や航空機、潜水艦に関する戦術的目標情報の提供については攻撃目標の提供になるのではないかと言ったら、外務大臣は、攻撃すると言うと判断が入っているが、映像にはそういう判断が入っていないのだと。この答弁がどういう評価を受けるかは別として、とにかくそういう答弁をされて、情報提供を是認する答弁をされました。  先ほど来お話ししていますように、AWACSはいわゆる敵の識別ができるわけですよ。その映像そのものが攻撃目標を提供することになるわけですよ。攻撃という言葉は、アメリカ軍から見た場合になるかもしれません。だけれども、客観的に見れば、まさに、攻撃という言葉を使うかどうかは別として、その情報提供はアメリカ軍が、自分のAWACSがやっているのと同じような役割を果たすわけですね。それは米軍が戦闘行動に入ってもとめないのですね。そういうふうに聞きましょう。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 情報収集活動におきまして、要するに敵機かどうかということは極めて重要な要素でありまして、そういう要素を織り込んだ情報収集活動はこれまた当然のことであろうかと思いますが、自衛隊が常日ごろから行っている情報収集活動あるいは警戒監視活動を通じて収集した情報を、一般的な情報交換の一環として日米間で相互に融通し合う、交換するということは、今御指摘のような、例えば我が国から提供した情報が実力の行使につながっていくというか当たるというふうには考えないわけでございます。  御質問がありましたように、具体的な、これは前にも私も答弁いたしましたけれども、何かある目標に、方位何度何分で、あるいは角度何度で撃てといったような情報があったといたしますと、それは一般的に言うところの情報と言い得るのかどうかは私は疑問であろうと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 秋山さんのその答弁を引用して外務大臣に聞いたところが、撃てというのは指示だ、それは情報じゃない、それは当たり前なんですよ。そんなものは情報の中に、そこまではやりませんというのはまことに愚な答弁なんです。愚と言うと少し失礼かもしれないが、当然のことなんですよ。言わずもがなのことなんです。それは指揮命令なんだから、撃てというのは。その直前までの情報を提供する。実質上、アメリカ軍からすれば攻撃目標の提供なんですよ。それはとめないんですねということを聞いているのです、防衛庁長官。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 日ごろ行っている情報収集あるいはまた警戒行動で出てきたものは、今おっしゃられましたように、自動的につながっていて、アメリカ軍に渡っているわけでございますから、それをある時点でとめる、とめないということはなかなか難しい問題でございますから、恐らく、今言われたようなケースの場合でも、とめずにそのまま情報は提供すると思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 これは私は、そういう情報の提供というのは、アメリカ軍の武力行使と一体になる行動だと思います。そして、アメリカ軍を応援するということになると思います。  お答えになりたかったら次に一緒に答えていただけばいいと思いますが、私が聞きたいのは、同じ問題ですが、角度を変えて聞きたいと思います。  それは、例えば、湾岸戦争で米軍が重視したイラク軍の探知、監視システム、攻撃の前にまずこれを優先的にたたいたわけですが、いわゆる攻撃の目、探知、監視システムをまず破壊するというのが近代戦争では常識ですね。これは周辺有事になる日本周辺で、米軍が戦っている相手国の戦術情報を、今のような場合、収集して米軍に提供するということになると、自衛隊機は米軍の相手国からまず攻撃の対象にされるということにならないかということをあわせてお答えいただきたいと思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 日ごろ行っておる情報の収集活動等が結果として米軍を利することになるケースというのはあるかもしれませんけれども、それをもって武力の行使と一体化したというふうには言えないのじゃないか、一般的な行動じゃないかというふうに思います。  それと同時に、また逆に、今言われましたように、そういう警戒活動を、あるいはまた情報収集活動をやっているために相手側からねらわれるという危険性がないかと言われれば、それはあるかもしれません。それはあると思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 ベトナム戦のときに椎名外務大臣が、いわゆる基地提供について、これはベトナムから攻撃をされるということはあり得るんだと、今も、情報提供で日本の自衛隊機が攻撃をされるということはあり得るんだということをおっしゃいましたね。攻撃をされて落とされたら、自衛権の発動ということになるのと違いますか、先ほどの防衛庁長官の答弁に戻りますけれども。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 自衛隊の航空機が情報収集活動等をやる場合も、かなり、戦闘状態が行われているところでやることは非常に極めて少ないんじゃないかというふうに思っております。そして、万一そういう形の中で攻撃がされたとしても、それでもってすぐさま我が国に対する武力行使があったということで防衛出動までいくのかいかないのか、それはその状況になってみないとわからないわけでございます。  それが我が国に対する武力の行使であり、我が国としてはこれは防衛出動するような事態だというふうに判断すればそうなるかもしれませんけれども、そのときの状況がまだ、今言われるのが、たまたま敵の、敵のといいますか相手側の領海に非常に近づいたところで遭遇したのか、それとも全く日本の領域の近いところでやってどんどん攻撃されてきたのか、いろいろな状況も違うわけでございますから、ここでもってその日本の自衛隊の飛行機が攻撃されたから直ちに防衛出動だというふうに言い切るかどうか、それは状況を見てみないとわからないと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 近くといっても、先ほど言いましたように三百マイルだから、東京から岡山くらいですか、かなり近くまで行くわけですよ。それで撃ち落とされて、防衛庁長官の話では、全面的な自衛権の発動ということもあるかもしれない。それはそのときの状況で判断するというのでしょう。だから、この情報提供が、日本が全面的に戦争状態になる、実力行使、自衛権の発動ということにつながるという非常に危険な、私が最初に申しました、まさに参戦体制づくりだということが今の答弁で証明されているのですよ。  私は、日本が攻撃されたとき以外のいわゆる周辺有事、このときに米軍との協力を相談するということ自体が集団自衛権の行使。戦争を放棄しているのですよ。日本の憲法が戦争はしないということになっている。まさに今の防衛庁長官の答弁は、日本が、いわゆる戦争という言葉で言うとひっかかるかもしれませんが、全面的な戦闘状態です。  そういうものに入る危険性がこの中間報告の中にはあるんだ、非常に危険なものだということを指摘して終わろうと思いますが、何か答弁あるのなら、聞いてからもう一回あれします。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 そのようにおっしゃられますと、日米安保条約を結んでいて日本に米軍の基地があること自体がつながっていくんだという議論と全く同じような議論になろうかと思います。しかしながら、それはまた別でございまして、先ほどから言うように、日米安保条約を結んでいて、日本の基地から発進していくわけでございますから、それはそれとして日米安保条約を認めておって、今みたいなそういうような周辺有事のときの、周辺事態のときに、そういうような我が自衛隊の提供した情報が利用されたということでもって戦争につながっていくんだ、けしからぬ話だというふうに、すぐそういうふうに言えるのかどうか。ちょっと同じようなケース、地理的には違いますけれども、同じようなことじゃないかなというふうに思うのですけれども。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 防衛庁長官、私の今言った議論が安保そのものの議論なんだというのは、防衛庁長官の答弁の混乱ですよ。今度の中間報告について、周辺有事、周辺事態というものは、日本が攻撃をされていないのに日本がアメリカ軍と一緒に行動をする、それが非常に危険なものだということを指摘をしているのですよ。それを安保の方で持ってこなければ議論ができないというのは、それは、失礼かもしれぬが、防衛庁長官、混乱ですよ。  終わります。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 伊藤茂君。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 ガイドラインに関する協議の今後が大きな政治的な、外交的にも焦点になっております。  まず第一に伺いたいのは、今後の進め方の問題でございまして、進め方、九月の末まで。私は、これだけ大事な問題で、これだけ大変大きな内外の議論がある問題でございますから、できるだけやはり内外で、透明でオープンであるということが非常に大事なことだと思います。そしてまた、内外でやはり合意が形成されるということを常に重視をしながらやらなければならないということだろうと思います。  したがいまして、九月の末がゴールと言われておりますけれども、今の協議、両国の外務、防衛、行政ベースでどんどん進んで、九月の末になったらどんと出ましたということはありませんで、やはりさまざまの、その間に節目節目で、内外にオープンであり、さまざま議論がなされ、また七月、八月、九月、この間に、できるだけやはり議会でも国民の皆さんの前に積極的な議論がなされるということが非常に望ましいということだと思います。  与党の方でも、この問題についての協議会をつくろうということで、明日スタートするという予定で、今最終の調整などの相談をいたしているところでございますけれども、けさのある新聞に、加藤幹事長の大きな記事を見ておりましたら、やはり与党間でも各党は開きもあるが、いろんな議論をするということを通じて国民的なコンセンサスに近づくんだと言われておりまして、けさも会議で会いましたから、賛成だと言って帰ってきたんです。  そういう議論の進め方を、オープンでかつまた透明性のある、そしてまた国民の皆さんの前にできるだけ詳しく御説明をして、そしてその合意が那辺に形成されるのかということを注意深く見ながらやっていくという姿勢が、問題が重要であるだけに大事なことではないかと思いますが、いかがでしょう。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私たちも、今回のガイドラインの見直し作業を進めるに当たりまして、透明性を確保しながら、これは内外に対して透明性を確保しながら、内にあっては、できるだけ多くの国民の皆様方の御理解をちょうだいしながら、そしてまた外に向かっては、我々のこういった日米協力を進めようという意図が地域全体の安定に資することを考えているものであって、決してどこか特定の国を対象にするものではないということを理解を得られる、そういったことを考えてやっているわけでございます。  今回、作業の中途の段階で、中間取りまとめという形でこのように公表いたしましたのも、文字どおり、そういった内外での御理解を深めたいという気持ちから出るものでございまして、どうぞ国会においても、また各党においても、また国民のいろいろな場において議論を深めていただきたい、そのためにこそこの中間取りまとめを発表したわけでございますから、こう思っております。  そして、政府といたしましては、そのようなものも踏まえまして、この秋へ向かって、法的あるいは制度的な側面も含めていろいろ検討を進めていってガイドラインを作成したい、こう考えているところでございます。もとより行政ベースで全部やるなんということは考えておりません。  しかしながら、あえて言わせていただきますと、やはりこういった日米協力の検討を進めます以上、これは、安全保障の面で日米安保体制がより効果がある体制になるようなこと、あるいは我が国の安全の観点からもより有効な手段がとられるように、とり得るように、こう考えてやっているわけでございますが、そういった観点からの判断も、それは大切にしなくてはいけないと思います。  しかし、行政的な、あるいは場合によっては安全保障専門家の、必要性があるから、国民の世論はともかく進むんだという気持ちは毛頭持っておりません。そういった専門家の目からの必要性があるならば、それをよく御説明し、国民の皆様方の御理解を得ながら進める、こういうことでございます。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 ということを前提にお願いいたしまして、特に外交的側面のことを数点お伺いしたいと思います。  先日の質問の中で、私は私なりの、ガイドラインに関する三原則みたいなものを申し上げまして、一つは、外交戦略と安保戦略ということは表裏一体なんで、できればやはり外交戦略の方が優先をするということが常識ではないだろうか、そういう角度からガイドラインの位置づけもしなければならぬ。また二つ目には、これは三党合意でもございますし、政府がいつも表明されているところでございますけれども、憲法の枠内とかあるいは近隣諸国との友好関係を大切にするとか、今まで国是として大事にしてきた非核三原則など、あるいは今までの制度であるところの事前協議制とか、議論をきちんとやるとかというようなことを二つ目の原則に申し上げまして、そして三つ目には、やはり日本の理解、国民の理解、アジアの理解、できれば二十一世紀を展望した中でのそういう姿勢というようなことを申し上げましたが、それは私の考え方でございます。  そういう気持ちを持ちながら中間報告を読み、また各マスコミの評論などを見ておりますと、正直言いまして、懸念と心配を感ずるというのが私の気持ちでございます。  まず一つお伺いしたいのですが、外交戦略が優先すべきである、当然だと思います。やはり、どういう形での外交を日本がアジアで、また日米関係を展開していくのかという中で、もし万一何かあった場合のためにどういう備えと勉強をしなくちゃならぬかということになるわけであります。  その前提で、例えばで申し上げますが、このガイドラインでも、世上言われているのは、朝鮮半島、朝鮮半島有事、北東アジアの中での一つの焦点はそこに現実置かれているということになるわけでありまして、率直に申しまして、不安定な、心配な状況があるということは事実であります。そういう問題を、やはり一面では外交戦略を前提にしてやっていくということでございますから、私たちは安保戦略、あるいはガイドラインをやるにいたしましても、可能性ゼロのことをやるわけではありませんし、それから政府もおっしゃっておりますように、やはり日本としてやるべきではないことはやらないということになるわけであります。  そういう枠内でのことになるわけでありまして、私ども、拒絶型で対応しようとかいうわけではございませんが、行方はちょっと心配でございます。そうなりますと、やはり外交戦略に基づく努力をさまざましながら、なるべく危険なことが起こらない状況をつくりながら、じゃ、もし万一の場合どうするのか、必要な措置をどうするのかという発想になってまいると思うわけでございます。  もっとも、例えば具体的に申しますと、朝鮮半島また北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国との関係ということになります。今のところ、例えば与党合意の中でも、橋本さんの第一次内閣のときから、日朝国交正常化交渉を再開し、速やかに推進されるようにという趣旨のことが述べられておりましたが、なかなか現実はいろいろなことが起こりまして難しいという状況になっているわけでございます。  あるいは、国際機関のいろいろなアピールで人道的食糧援助ということでございます。アメリカもやりました、それから韓国も行いました。韓国の責任のある方に伺いましても、それは韓国もアメリカもやっていることですから、同じレベルのことを日本政府がやることについて意見も何もありませんからどうぞというふうな話で私も伺っておりますけれども、これらのことにつきましては、見るべき進行を見せていない。  先般のいわゆる日本人妻の問題もいいサインだったと思いますが、ちょっと展開が図られておりませんで、何とか今月中にもできないだろうかと私も苦慮して、いろいろと与党の一員として考えているというわけでございます。やはりそういうものをこれから二カ月、三カ月、何も進まない、七月になっても八月になっても何も進まないまま、このガイドラインの方向の作業の方だけが順調に進むとなりますと、ちょっといいのかなというのがやはり起こってくるのじゃないだろうか。  したがいまして、やはり外交の面でどういう真剣な、かつしたたかな努力をしていくのかということと、有事の場合、もし万一の場合の備えというものとがやはり相伴って物事が進むということが私としては、また私どもの党でもそれが必要なことだという見解でございますけれども、例えばということで考えましたら、今の状況のままで九月に向けて作業が整々と進むでありましょう、片方の方は何も進まないということでは具合は悪い、私ども、何とかしなくちやならぬという気持ちでおりますが、その辺はいかがでございましょう。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私も、委員おっしゃいますように、外交とまた安全保障面のその努力は表裏一体をなすものであり、そして、どちらかといえば、それは外交戦略がより広範な影響を持つものでもあるし、また幅広い面から対応するものでございますから、そちらを優先すべきものであろうというのはおっしゃるとおりでございます。  このガイドラインの作業にしましても、いろいろ今検討しています。将来、これがきちっとしたものに固まりまして、具体的な措置がとれるということが決定いたしましても、できるならば、そういった行動を現実にとらないで済めばそれにこしたことはない、それは委員おっしゃるとおりでございます。  また、そのような安定した状況を、あるいは友好的な関係を近隣諸国との間でとるために外交努力を傾注しなくちゃいけない、我々はそのとおりに思っております。ASEAN諸国との関係、あるいは中国との関係等々もそのような観点を大切にしながらやってきている次第でございますが、朝鮮半島の安定というものもこの地域にとって、また日本にとりましても極めて大切な課題でございます。  そういったことで、我が国といたしましても、何といいましても、北朝鮮との関係は正常な国交関係がございませんから、これはやはり国交の交渉もしなくてはいけないと思っております。今、あのような形で、御高承のようなことがありまして、中断したままになっておりますけれども、私ども何とかこの交渉も再開したいな、そして、もとより朝鮮半島の情勢でございますから、半島情勢全体の改善、安定化に資するような形で、しかも適宜韓国とも連携をとりながら、正常化交渉そのものを進めていきたいと思っております。  しかし、それに至る過程においてもいろいろ考えなくてはいけないのじゃないかということで、今具体的に、北朝鮮の食糧事情を考えての我が国からの支援をどうするかという御提起がございました。私どもも考えていないわけじゃございません。きょうの御審議でも、日本は冷たい、外務大臣は冷たいという声もあったようでございますけれども、決して冷血無比の大臣でも日本政府でもございません。そこのところは我々も何とかと考えておるわけでございます。  御承知のとおり、我々、一昨年も昨年も、国際的なアピールに対しても、いわば率先してと言っていいぐらいのタイミングで、しかも応分の、相当量の負担をしてまいりましたし、それだけではなくて、二国間でもかなりの規模の支援をしたわけでございますが、その際にもいろいろな問題がございました。国民の中でも、本当に必要とされているところに行き渡っているのであろうか、それの透明性がはっきりしないなとか、あるいは、せっかくやってもそれに対する反応がはかばかしくないじゃないかとか、いろいろな声があったのも事実でございます。  そこへもってまいりまして、ことしになりまして、御承知のとおり、行方不明になっておられる方々とのかかわりの問題、それはあくまで疑惑でございますから、どうこうと断定するわけじゃございませんが、そういった事件が、いろいろな新たな証言等々も出てまいりまして、非常にクローズアップされたということもございます。  それからさらに、例の北朝鮮の船舶による大量の麻薬密輸なんということもあったというようなこともございまして、日本の政府といたしましても、我が国国民の気持ちを考えますと、直接リンクするわけじゃないけれども、なかなかこれは踏み切れないなという状況があるわけでございます、そのほかにもいろいろ考えなくてはいけないことがございますけれども。  そういった中で、北朝鮮のいろいろな、日本の国民の気持ちの中にわだかまりをもたらしている事柄に対する対応ぶりに変化が出てくるならば、またいろいろこの問題を検討していく上での環境は整備されるのじゃないかということで、私どもも直接、間接的に北朝鮮に対してもいろいろそのような、あるいはサインも送り、あるいは働きかけと言ってもよろしゅうございましょう、そういうこともしてまいりました。  そういった中で、若干の姿勢の変化の兆しも見られないわけではなかったわけでございますが、どうもはかばかしく進んでいかないということで、まだ今、検討状態が続いている、こういうことでございます。  それから、一方におきましては、米韓だけではなくて、EU等も含めて、かなりの食糧の支援、あるいは北朝鮮と中国との間でのいろいろな食糧の供給というような話もございまして、いっときほどの急迫した今にもという状態、今にもというような話も流れた当時のような状況ではないのではないかという見方も出てきておるというようなこともある。  さらには、いわゆる四者協議のプロセスが、これも進むように見えてなかなか進まないというふうな情勢にある。そういった方向への関連をどう考えるのだろうか、いろいろな要素がございますので、なお考えておるということでございます。  私も、伊藤委員おっしゃいますように、いつまでもいつまでもこの問題が梅雨空のように垂れ込めていていいとは思っておりませんが、それならそれで、梅雨が晴れるような状況を、我が方だけではなくて、北朝鮮の側からも何かやっていただければなという期待もあるわけでございます。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 正直申しまして、長い御説明を承りましたが、ざっくばらんに言うと、ちょっと傍観的評論という感じが大分いたしますね、傍観的評論。やはり、もうちょっと、我が国は人道主義、平和国家なのですから、あなたの国が困ったら、近隣諸国が困ったら助けますよ、かつ気持ちよく助けて、それがわかるようにするためにこうしてくださいというようなことをやはりちゃんと言うとか、二国間の問題につきましても、やはりやるべきことは、私は、いわゆる少女が行方不明になる問題なども含めて、やはり国民感情に沿った打開の行動というのは、政府としてもさまざまやった方がいいだろうというふうに思うわけでございます。  ただ、私は申し上げておきますが、もう六月に入りまして、さまざまサミットその他外交活動もございますし、そういう中で、さらには夏になってしまうとなると、これはどうかなという気持ちを非常に持つわけでございまして、その辺は、政府と与党の関係というのは、お互い持ちつ持たれつ、助け合い、与党はサポートし、政府は執行権を持つという関係でございますから、いい努力をぜひしなければということを、そう時間はないことではないだろうかという思いを深くいたしておりますので、その点だけは申し上げておきます。  あと一、二だけ、できたら伺いたいのですが、私ども、建前から申しますと、憲法あるいは憲法解釈、集団的自衛権についての長年にわたる我が国政府の態度は変えないということは筋であろうというふうに思いますが、内外の一部に、踏み切るべきだという意見もございます。現内閣の閣僚としては当然の立場をお持ちだと思いますが、ちょっと確認をしておきたい。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 橋本内閣の当初からの方針といたしまして、憲法は改めない。それからまた、憲法にかかわるこれまでの基本的な解釈でございますね、集団的自衛権の行使にかかわる解釈等も変えない。それから、それ以外の我が国の基本的な原則、専守防衛であるとか、あるいは非核三原則、こういったものも堅持する、こういうことを明確にしてまいりました。  そしてまた、具体的にガイドラインの検討作業についてもそういった立場はきちんと堅持しているわけでございまして、これは今回の中間取りまとめの中にも明文でもって記述しているところでございます。今後ともその方針は堅持してまいります。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 ここ数日間、新聞を読んでおりますと、包括的危機管理法とか有事立法という、言葉はまことにおどろおどろした表現なので、あるべき姿として私は言葉として望ましくないというふうに思いますけれども、包括的危機管理法とか、自衛隊法の改正以外は取りまとめてとかというふうな発言が一部ございます。  私は、四十項目のほか、ずっと中身を見ていまして、また私どもの立場から、ああこれはやってやる必要があるかな、これはちょっと危険であるのじゃないかな、これは難しいのじゃないかな、いろいろと実は私どもなりに想定をいたしました。例えばですが、民間の空港、港湾などという問題になりますと、一種空港は国の管轄ですから、しかも我が国の主要な空港というのは残念ながらみんな滑走路が一本しかなくて、早く二本、三本にしなければなりません。鋭意努力がなされているわけでございますけれども、超過密ラッシュをやっている。世界じゅうから飛行機が来る。どうコントロールできますか。これは関係者も大変な現実の苦労をなさるということだと思いますし、それから二種空港になりますと自治体の責任ですから、それぞれの住民の意識ということと無関係に断定的に上から決めるというわけにもまいらぬということだと思いますね。  ですから、それらを含めて、結局、こういう状態がもし万一起こる可能性はゼロじゃないよというときに、一体どうなのかというコンセンサスがないと、いわば理解がないと、とても難しいというふうに思うわけでございます。大事な問題ですから、さっき私ども申し上げた外交戦略優先、それから安保戦略、有事の対応も含めまして、きめ細かくまた冷静にいろいろな分析をして、国民の皆様にそれをまた理解していただきながらどうするのかという姿勢が大事だというふうに思います。  そういうことを考えますと、日米間で日本の国内立法のことまで約束するわけではもちろんないわけですから、そういうものをどういうふうにするのかという先に議論されるべきことを、これは日本のマスコミのせいもありますけれども、今からそういう表題がどんどん躍るということはよくないのじゃないだろうか。さまざまな議論を尽くし、またさまざまな議論をされた上で、一体日本の制度としてどういうことが必要であるのかないのかということがなされるということだと思います。  先ほども御意見がございましたが、国会承認か云々かという問題は、今大事なことは、特に国民を代表する議会の場で十分な議論が必要かつ十分に行われるということがまず大事だと思います。その上に立って判断されるべきことなので、議論する前にこれはいかなる取り扱いかという議論をするのはいかがだろうかという気持ちがいたしておりますけれども、いわゆる有事立法とか包括立法とかなんとか見出しが出ますので、それらの取り扱い、御判断をどうお考えでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私どもも、文字どおり今考えておりますのは、この検討の対象になり得る事柄を今回御提示したわけでございます。その内容等につきまして、いろいろ御議論いただく、これが一番肝要だ、委員のおっしゃるとおりでございます。そのときに、一体そのこと自体を認めるべきかどうかということと同時に、将来的に、制度的にあるいは法的にどういうふうに対応すべきかということもまた検討していただくのだと思います。  そして、具体的にはそういったことを踏まえながら、秋にはガイドラインがまとまりますが、そこから先において法的な措置を要するものをどういうふうにやっていくか。これは政府としても考えますし、また最終的には議会の御判断を仰ぐということでございまして、今先見的にもう法的な措置を要するものはこれこれであるとかいうことを考え、またそれを全部まとめてやるのか、あるいは個別にやるのか、どういうタイミングでやるのかということについて特定の考え方を持っているわけではございません。  また、まとめるといってみましても、今話題になっておりますがイドラインは日米協力の話でございますけれども、ほかの面で新聞あたりで取り上げられているのは、いわゆる有事立法なんという話もございます。あるいは危機管理関連のいろいろな立法措置なんということもあります。そうなりますと、それを包括するといっても、一体どういう範囲でどういう切り口から包括するのかということなんかも議論しなければいけないのだと思いますね。  そういったことでございますので、いずれにしてもこれからいろいろな御議論も踏まえながら、今申しました法的な側面あるいはその取り扱いについても将来の課題として真剣に考えてまいりたいと思います。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 もう一つだけお伺いいたします。  よく議論されていることですが、極東の範囲と日本周辺の説明の問題でございます。  今までの説明では、地名とラインを区切って固定的に周辺とはここまででありますということの表現はできませんということと、極東の範囲など今までの解釈、規定を変えるものではありませんというお話を伺っております。まあしかし、これはわからぬですね。何のことやらよくわからぬ。常識で言えば、日米共同宣言以降の経過を見れば、極東の範囲というものはあった、特に五条、六条関連で、ある。ところが、それより狭くなることは考えられぬ。世間の見方は、相当広くなるんだろうなというのが一般的な見方じゃないだろうかと思うわけでございます。  ただ、こういうものは日本とアジア、世界とのかかわり方、どういう形でどこまで日本が責任を持つのか、ではそういうことについて一体どういう範囲でどうなのかとかいうのは、だんだん積み上げていってということではないだろうか。ですから、最終まで今の御説明だけではない、さまざまの形でこれからの、東アジア全体がもっと広いのか知りませんが、情勢を見通していく、考えていく。また、そういう中で日本がどういう協力なりなんなりを持つ立場であるのかどうなのかということも考えるという中で、おのずから一つの方向づけが出て、その辺で国民の御理解が得られるかどうかというようなものではないのかなというふうに思います。  今行われている問答は問答として、何かやはりそれらのことを国民的に御納得いただけるような、また、周辺諸国から見てもああそうかと言っていただける方向にどう収れんしていくのかという取り扱いの問題ではないだろうかというふうな気持ちがいたします。  今の御説明だけでは、明日与党協を立ち上げまして議論しても、うちの方も、はい、オーケーというのはとても言いにくいという問題だなという認識をしておりますが、それをちょっと伺います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 もうこれまでの公式の政府答弁は繰り返しません。今委員のおっしゃることもよくわかります。だから、この地域は具体的にどこなんだと余りぎりぎりやらずに、今おっしゃる意味は、常識的にどうなんだ、一体どうなんだということを国民も求めておられるのだと思います。文字どおり、日本の安全に重大な影響を及ぼすような事態が起こるような、そういう地域というのは一体どこなんだと。  それで、大体ここまででございますと申し上げますと、それではここから一キロ先ほどうか、この内はどうかという議論になるものでございますから、不毛の議論になるので、我々も、いや言えません、確定的に言うことは意味がないのでございますという答弁に終始するわけでございますけれども、常識的に何らかのこういう見当ができてくるということは、将来のこの問題に対する取り組み方として必要ではないかという御指摘はよくわかるところでございます。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 まだまだ問題はございますけれども、冒頭申しましたようにさまざまな御議論をお願いしたいと思います。恐らく議会で議論すれば、与野党間でもいろいろな意味での多角的など言いますか、そういう議論が活発にあるでありましょうし、与党の中でも、明日与党協を立ち上げましたら与野党の議論に負けず劣らず密度の濃い議論が行われるであろうし、国民の皆さんに向けてもそれが責任ではないだろうかという気持ちを持っておりますので、今後ともそういう議論をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 平野博文君。

平野博文無所属

○平野委員 大臣も随分長時間御答弁されていますからお疲れだと思いますが、あと二十分我慢をいただきたい、このように思います。  随分多くの委員の皆さんから御質問されていますので、多少ダブるところは省かせていただきます。  私は、日米安全保障体制というのは、日本の平和と安定の維持、こういう視点から今日まで大きな役割を果たしてきた、このことに対しては同じ認識にいます。さらに、日米関係の中核をなすということもありますし、日本の幅広い外交関係の基盤になっている、こういうことについても、私は同じ認識におると思っています。  冷戦終結後、世界の安全保障の体制というのが大きく変化しつつあります。そういう中にあって、平成七年に新防衛大綱、さらには八年に日米安全保障共同宣言という、こういうもとで、将来に向けた日米の安全保障体制の意義や信頼性向上に、改めてその意義を問い直そうとしておるのだと思っています。  そういう中で日米の防衛協力の指針の見直しの作業が進められようとしているわけであります。その意味合いは、日本の外交は大きな節目を迎えている状況下にあるということも認識をしています。一方では、国際社会の中で日本ができる国際貢献をより期待されているのではないか、こういうことも考えております。  日本の今後の外交はどうあるべきか、こういう視点でこの指針見直しの中間報告について質問させていただきたく思います。  日本のことわざに、備えあれば憂いなし、こういうことわざがございます。しかし、諸般のいろいろの事象を見ておりますと、憂いがあって備えなし、こういうことも、今この見直しの中で随分当てはまるような気がいたします。したがいまして、私はそういう中で、今回のガイドラインの中間報告を、このように思っております。  特に、冷戦終えん後の安全保障体制はどうあるべきなのか、こういう視点、さらに危機管理という視点で見たときに、国はどうあるべきか。逆に言いますと、国民、個人も基本的に同じ立場に立ってどう考えていくかという視点が非常に大事ではないか、こう思うわけでございます。  そういう意味で、共同宣言、さらには安全保障の今日的意義というのは、有事の想定とその定義づけも明確にしなければ、先ほど申し上げましたように、国民の皆さんは理解ができないのではないか。さらには、共同訓練の位置づけとその中身でございます。また、過去の政府見解、内閣法制局等の発言がございますが、この見解についてでございます。  そういう意味で見ますと、私、これらの問題というのは、日本の意思決定という視点で見たときに、システムの根本的なあり方が問われているのではないでしょうか。いろいろ委員の方々が御質問されておりますが、やはり基本的に意思決定が見えてこない、この意思決定のあり方を問うておるように思えてなりません。  特に、有事法制、この中には、自衛有事、地域における有事、さらには集団的自衛権の行使の範囲などがあります。日米間の事前協議、情報提供、提供の中にも範囲と内容がございます。役務提供、後方支援、共同訓練等々あるわけでありますが、今日的には、事項ごとにいろいろ積み上げてきて、言葉は悪いですが、いわゆる憲法の解釈改憲をしておるのではないか、このように思えてなりません。その時々でそれなりの理屈をつけておる、これが現実の姿ではないかなと、私思えてなりません。  その点について、もし政府として、違うよ、こういう御意見があればお聞かせいただきたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 違います。解釈改憲はいたしておりません。  私どもは、あくまで憲法の枠内で、これは当然でございますが、それと同時に、解釈につきましても、これまでの政府が公にしてまいりました基本的な解釈、例えば集団的自衛権の行使にかかわる解釈などは堅持していくことでございます。  ただ、一つ言えますことは、これまでいろいろやってきたことがある中で、憲法でできることをすべてやっていたかというと、そうじゃございません。それはお認めいただけるのだと思いますね。そしてまた、これまでやってこなかった行動、行為の中で、これは憲法上許されるものか許されないものかという点についての議論も、全部詰められたものではございません。  そういった意味で言いますと、いわゆるグレーゾーンなどという言われ方もしますけれども、私は、グレーという言い方は必ずしも適当でない、これはまだわかっていないのだから、むしろ白地と言った方がいいのかもしれませんね。そういったところについて、やるべきか否かということも、今後いろいろ検討を進めていくことはございます。  そういったときに、憲法との関係がどうかということも当然議論の対象になるということはあると思います。そして、その結果、従来やっていなかったことをやろうという結論が出るということはあり得るのだと思います。しかし、そのことをもって解釈改憲と言うには当たらないのだ、こう申しているわけでございます。

平野博文無所属

○平野委員 当然大臣はそういう答えをされることはわかっております。しかし、私は、そういう非常に解釈的に憲法を改憲しているのではないかとか、いろいろ議論が出るようではだめなのだ、やはりはっきりすべきことははっきりしたらいいのじゃないか、このように思うのであります。  私も、国会での九条をめぐる主な論議ということで、戦後のをずっと見ておりますと、その時々によっていろいろ言い方が随分変わっていますから、そういう意味で解釈を変えているのではないか、こういう意味で言っただけでございまして、誤解のないように。要は、はっきりしなければならぬ時代に入ったよということだけは主張しておきたいと思います。  それでは、少し具体的に御質問したいと思うのでありますが、今回の中間報告の中に、平素からの協力、あるいは日本への武力行使、周辺有事を前提とする指針見直してございます。  そういう意味でいきますと、先ほどから各委員の中にもありましたが、どうしても「周辺」という言葉が気になってしようがないわけでございまして、私はそういう意味では、専守防衛という視点での「周辺」というのはどこまでをいうのか、まずお答えをいただきたいと思います。専守防衛でございます。――もしあれだったら、もう一つつけ加えましょうか。  済みません、もう少しつけ加えます。時間がないものですから、もう少し言います。  この「周辺」というのは、なぜ「周辺」ということを言ったかといいますと、私は、今の憲法の中においては専守防衛ということになるわけですが、この範囲が、先ほど大臣もありましたけれども、非常にグレーゾーン、こういうところにあるので、本来、この範囲ということを明確にしなければならない、しかし明確にしづらいところもあるのではないかというふうに思います。  その「周辺」というのはなぜ言ったかといいますと、いわゆる兵器の技術進歩によって、あるいは技術水準によって、「周辺」の定義が変わるのではないか、こういう意味合いで「周辺」ということを言ったわけであります、専守防衛という意味で、意味合い、どうですか。そういう意味での「周辺」というのはどこまでをいうのか。シーレーンの範疇をいいますとか、あるいはもう水際をいいます、こういうのか、その辺をお聞きしたかったわけでございます。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 委員のおっしゃる意味を必ずしも私十分理解しておるかどうか自信はございませんけれども、専守防衛という話を前提に置いておられますから、恐らく、我が国自身の安全、平和が脅かされるときにそれを守っていく、そういうことを前提にしておられると思います。そういたしますと、我が国が他国からの、第三国からの侵略を受ける場合に、武力侵攻を受ける場合にどう対応するかということでございますね。  そういったときの我が国として守るべき地域はどういうことかということになれば、それは当然、我が国の領土であり、領海であり、あるいは領空であるわけでございますが、しかしながら、安全を守るために、それではそこだけの行為で済むのかといいますと、そうではございません。  武器の発達によるというお話でございましたけれども、これまでの武器体系の中においても、これまでの解釈によっても、我が国の安全を守るために我が自衛隊が行動する地域が我が国の領空、領海に限定されているわけじゃございませんし、また、共同対処行動をとる米国の活動の範囲もそこに限定されているわけじゃございません。  それでは、どこまでがその範囲があるかといいますと、これもまたいろいろの議論がございまして、極端な例として挙げられたのが、例を申しますと、例えばミサイル攻撃を受けるというときに、ミサイル発射の根拠地、そこをたたく以外には全く我が国の安全を保持する手段がないというような状況があった場合には、それをたたくということも排除されないのだというふうな解釈、答弁もこれまでもあるわけでございますので、そういった意味でございますと、必ずしもこれもきちんと確定はできませんけれども、そういうことでございます。  ただ、現在ガイドラインで言っております「周辺事態」というときの「周辺」というのは、必ずしも今申したような我が国自身の話だけではなくて、我が国に武力侵攻のおそれがない場合であっても、やはり我が国周辺で起こる事態で我が国の安全に重大な事態を起こす、重大な影響を及ぼす、そういう事態ということも想定しております。それは、単に軍事的な問題ではなくて、政治的な大混乱に起因するものもあり得るということもございます。

平野博文無所属

○平野委員 この議論をしますと非常に――領土問題まで本当は私質問したかったわけですが、時間がないものですから少し前に行きます。要は、私ずっと、日本本土を攻めてきたときの防衛という視点からは、先ほど大臣言われましたようにミサイルでやらないとどうしても防げない、そうしますと当然、専守防衛だと言いながら、ある意味では攻撃をしなければやられるというときは、やられてから攻撃するというのが専守防衛だという論理にはならないと思うのですね。したがって、そこが非常に難しい議論があるように思いますので、やはりいろいろなことを想定した議論をしていただきたい、このことを言いたかったわけでございます。  さて、中間報告の位置づけは、日米防衛協力小委員会の作業に基づくものとなっております。当然、今後最終報告に基づいて修正、追加もあり得る、このように認識をしております。実は、この議論がある前に、外務省の方が中国と韓国の方に御説明をされているわけでございますが、日本国民の方に十分説明がされていないのに、先に中国、韓国に御説明に行くというのは、私いかがなものかなと。これはたまたま時間軸が少し、一日とか二日の問題でありますが、やはり私は、日本国民にきちっと報告をし、それから諸外国に説明をするというのが筋であろうと思いますが、いかがなものかという点が一つ。  いま一つは、そのことによって、新聞報道等を見ていますと、韓国は評価をする、中国は、中国政府は少し危機を持っている、こういう新聞報道があったわけでございます。そういう中で、これが最終報告に、もし後方的に、いわゆる中身が少し後退をする、私は後退すべきだと思っていますが、後退した中身だったら、韓国は今度は逆に何だと言うだろうし、中国は喜ぶかもわかりません。逆に言いますと、共同部にやっております米国がどのように認識をするのかな、こういうふうな点があるものですから、この中間報告時点で諸外国に説明に行くということに対していかがなものか、なぜ行かれたのか、御説明いただきたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 これは我が国の安全にかかわる問題でございますが、我が国だけではなくて、我が国周辺の地域で起こる事態で我が国自体の安全に影響を与える、そういったことも想定しながら、いろいろ日本としての、あるいは日米の協力のガイドラインを作成しようとしているわけでございますね。そうしますと、そういう事態というものは、当然のこととして我が国だけでなくて、我が国の近隣の諸国にとってもいろいろな影響を与え得る事態だと思いますし、そういったことで、これは当然近隣諸国も関心を持っておるわけでございます。  さらに、その根底には、日米の安保体制というものが冷戦後の世界においてアジア太平洋地域の安定の上で果たす役割というものをどういうふうに位置づけるかということについて、アジア太平洋の諸国それぞれの考えを持ち、関心を持っておられます。そういった意味で、我々としてもきちんと近隣諸国にも説明していくということは大切だと思ったわけでございます。  国内とどちらが早いかという点、御指摘もございましたが、それは私どもの気持ちでは、内外問わず、この中間の取りまとめができたら直ちに御理解を求めるべき活動を始めた、こういうつもりでございます。  それから最後、もう一点ございました、これから修正あるいは追加という点でございます。それが関係、関心を持つ各国にどういう反響を呼ぶだろうかという点でございますが、我々は、後退とおっしゃいましたけれども追加もあるわけでございますから、いずれにしてもこれからのいろいろな御議論を踏まえ、またさらなる検討の上でいろいろ変わってはいくと思います。しかし、でき上がったものが、全体として我が国の防衛面での日米協力を一層有効たらしめる上で適切なものであるということを担保すると同時に、国民の、また近隣諸国のできる限り多くの理解と支持が得られるような内容にしてまいりたい、こう考えている次第でございます。

平野博文無所属

○平野委員 時間がないので、もっとやりたいのでございますが、せっかく防衛長官来られていますから質問を申し上げますと、今回のねらいというのが、これは実は東京新聞の方に「米国の狙い」、こういうので出ておりまして、そこに書いてある中身は、日本の国内からは沖縄の海兵隊の削減要求がいまだやまない、こういう言い方が出ています。「そこで日本に対し「このままでは日米同盟関係は崩壊する」」、それで、いろいろ普天間とかそういうことで米国が譲歩した、今度は米国内の部分において、譲歩せずに米国として成果を上げたい、こういう意味で今回の見直しの中に「周辺」という部分が出てきたのではないか。  そのことは、逆に言いますと、沖縄の基地問題で海兵隊の議論が実はあったわけであります。それぞれの皆さんからも、専守防衛だったらなぜ海兵隊が沖縄の基地にいるのだ、海兵隊を、沖縄の基地に海兵隊を固定化するために「周辺」ということにしたのではないかと、私はこの新聞記事から思うのでありますが、防衛長官どうでしょう。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 それは全くそういうような因果関係があるわけじゃございませんで、今度のガイドラインは、約二十年近くたつ今のありますがイドラインを、冷戦後の今日にあって、しかも我が国は防衛大綱を見直して新しい大綱をつくっておるわけでございますから、そういう流れの中できちっと見直していこうということでスタートしたわけでございます。  また、現在の我が国を取り巻く状況の中で海兵隊が必要だということは、アメリカがアジア太平洋を中心として十万人を展開しております、その中でのあの機動性、即応性、こういうのをやはり高く評価しているから、それでそれを私どもも認めているわけでございまして、ガイドラインの見直しとは全く別問題でございますから、どうかそういう誤解のないように、ひとつよろしく御理解賜りたいと思います。

平野博文無所属

○平野委員 時間が参りましたが、最後に一つだけ。  ODAについて少し、私の意見だけになるかもわかりませんが、一方的意見だったら、多分大臣、また御反論されるかもわかりませんが、要望として伝えておきたいと思います。  ODAは日本の外交の大きな柱の一つであることは間違いない事実でございます。そういう意味では、いわゆる戦略的にはやはり政府の一本化を図っていっていただかなければならない、こう思っていますが、ODAはいかんせん、中身を見てみますと、各省庁ばらばらにやっているように思えてならないわけでございます。  悪い言葉で言えば、私はこれは三つのBだと思っております。日本の顔が見えない理由は、ばらばらである、ばらまいている、貿易黒字の批判の回避ではないか、このように勝手に私は思っております。大臣はきっとそんなことはないとおっしゃると思いますけれども。いわゆる外交戦略をきちっと持って、ODAのあるべき姿を求めていただきたい。そういう意味では一元化をすべきである、このように今、私は思います。そのことによって、今民間等々でやっておりますNGOとかボランティアとか、そういう意味での情報交換がより一元化できてくるのではないか、このような視点で思っております。  今回、財政構造改革に伴って一〇%削減をする、こういうことを言っておられますが、そういう意味合いにおいては、やはり量から質を求めていってもらう、より優先順位を高めてもらう。そういう意味では、ODAを見直す。見直すというのは少なくするという意味ではありません、より有効にやっていただく絶好の機会ではないか、このように受けとめておりますので、何とぞそんな思いが伝わりますようなODA戦略を考えていただきたい。そのことが逆に外交の一本化につながると私は信じておりますので、よろしくお願いをし、質問を終えたいと思います。意見は結構でございますので……。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 ODAは、おっしゃるとおり外交の有力な手段でございますし、同時にまた、我が国が国際的な相互依存関係の深まる今の世の中で生きていくためにも、やはりODAで開発途上国が発展していくということは大切なことだと思っております。  そういった中で、確かにODAの内容あるいはそれの運営の仕方について改めるべきところがあるというのはおっしゃるとおりでございます。  それで、現在ODAは大体一兆一千億円余りでございますが、そのほぼ半分が外務省所管、四割が大蔵省所管、あとの一割を十七省庁で、技術協力中心でございますが、分け合っている。全部で十九省庁が関係するということで、執行面でもいろいろ、これをどうやったらいいのか、一つの執行機関にするのがいいのかどうなのかという議論も長くございますが、それ以外にもやはり全体として、ODA全体を見ながら予算なら予算を決めていく。そしてその中で、委員もおっしゃいましたように、質を重視するとかあるいは日本の顔が見えるとか、そういったことを考えながら、優先度を考え、めり張りをつけていくということが必要である。  そういった意味では、ODAの執行だけではなくて、予算の段階からなるべく一元的に、少なくとも総合的に見てつくっていくというふうな改善は必要であろうと考えている次第でございます。

逢沢一郎自由民主党

○逢沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたし実す。     午後四時十四分散会

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