科学技術委員会 第6号
- 発言数
- 306 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1997/04/24
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 原子力の開発利用とその安全確保に関する件、特に動燃に関する諸問題について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事長近藤俊幸君、同副理事長植松邦彦君、同理事中野啓昌君及び同理事岸田篤彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○佐藤委員長 この際、申し上げます。 四月二十二日付をもって、動力炉・核燃料開発事業団理事長近藤俊幸君から、去る三月十八日の当委員会における動燃東海再処理施設における火災爆発事故問題調査の際、石崎岳君、田中慶秋君、笹木竜三君、辻一彦君及び辻元清美君の質疑に対する植松参考人及び中野参考人の答弁中、火災の鎮火再確認等に関する答弁に誤りがあり、改めて再答弁の機会を得たいとの願い出がありました。 本問題につきまして、動力炉・核燃料開発事業団から説明を聴取いたします。近藤参考人。
○近藤参考人 先般、三月十八日の本委員会におきまして事実に反する発言を行ったことは、国会の権威と尊厳を傷つけ、佐藤委員長を初め委員会の諸先生に大変御迷惑をおかけしました。深くおわび申し上げます。 また、虚偽の法令報告等をしたことにより、先生方を初め国民の皆様の信頼が損なわれることになったことは、まことに申しわけなく、今後全力を尽くして信頼の回復に努めてまいる所存でございますので、御指導のほど、よろしくお願いいたします。 私どもから、四月二十二日付の文書をもって再答弁につきましてお願いいたしましたところ、本日、本委員会でこの機会を設けていただきまして、まことにありがとうございます。 それでは、早速でございますが、さきの本委員会の発言内容につきまして御説明させていただきます。 三月十一日十時二十二分に消火の確認をしたと御説明してまいりましたが、実際にはそのような事実はなく、十時十二分ごろに水噴霧による消火を開始し、十三分ごろに火が消えていると認識し、水噴霧を停止しただけということが、四月八日、社内調査で明らかになりました。 本件は、管理職までが関与した虚偽であり、規制当局から告発を受けるというまことに不名誉な事態となりました。まことに申しわけなく思っております。早急に意識改革の強化を含めた体質、組織、体制の抜本的な改革を行うため、四月十日に、私を本部長とする経営改革本部を設置いたしました。 次に、その後の事故調査の過程で判明した事実でありますが、アスファルト固化処理施設からの退避について、十時三十二分に全員退避をしたと御説明した件は、十時三十二分現場指揮所より施設内作業員の退避を電話にて指示をしたということでございました。 水噴霧消火に関し、水を大体三立方メートルから六立方メートルぐらいの間流したと御説明した件は、事故当日に流した水の総量は、約一分から二分の間で、計約一立方メートルでありました。 アスファルト充てん室内の火災発生時のドラム缶の数について、その後運転記録等を詳細に検討してみましたところ、ドラム缶の詰め終わったものは二十七本でなく二十八本、充てん中のものは五本ではなく三本であり、トータル三十一本でした。 なお、最終的な本数の確定は、今後、充てん室に入り確認したところで行うこととしております。 以上が事実でございます。 なお、現在調査中の事項もあり、本件事故に係る事実関係について速やかに確認した上で、今後、委員会に対しても御報告申し上げる所存であります。何とぞ御容赦くださるようよろしくお願いいたします。 国権の最高機関である衆議院科学技術委員会において、まことにあり得べからざる答弁をいたしましたこと、また、三月十四日の委員派遣の際にも同様の御説明を申し上げましたことについて、深く反省いたしております。重ね重ねおわび申し上げるとともに、訂正させていただきたいと存じますので、よろしくお取り計らいをお願いいたします。 —————————————
○佐藤委員長 本問題について、委員長から、委員会を代表し、参考人にお尋ねいたします。 まず、虚偽報告の発覚の発端について、報告書では、報道機関から科学技術庁へ本件に関して問い合わせがあり、科学技術庁から動燃に問い合わせがあったため、再確認したところ、誤りがあることが判明したと記述されていますが、なぜ、動燃や科学技術庁では察知できずに、外部の報道機関が察知できたのですか。これでは、動燃や科学技術庁の監査・監視能力について国民の不信を買う結果となるのではありませんか。
○近藤参考人 今回は、現場指揮所の長である環境施設部長、同部技術課長、処理第一課長、処理第一課担当役等の環境施設部管理職が虚偽を訂正しないことで一貫していたため、東海事業所現地本部、本社本部等は本件について察知できなかった。一方、運転員は虚偽を訂正したい旨を周囲の者に対して発言していた。動燃は、科学技術庁からの問い合わせにより、本件虚偽を知るところとなったわけでございます。 動燃として、本件を深く反省し、今後は正直に、迅速に事故情報を提供するよう理事長緊急指示を発したところであり、徹底した再発防止に取り組む決意でございます。
○佐藤委員長 次に、環境施設部長を長とする現場指揮所の技術課長と、東海事業所長を長とする現地本部の総務課長との間で、修正についてのやりとりがあったようですが、現地本部の周りの職員は、そのようなやりとりに全く気がつかなかったのですか。現場指揮所内は環境施設部長が長なので、そこからは情報が漏れることは期待できないにしても、現地本部は環境施設部長の指揮下にない幹部職員がいたのですから、気づいて当然だと思いますが、どうですか。
○近藤参考人 現場指揮所、現地本部とも、事故後は錯綜した状況の中で電話、ファクスの受け渡し、室内の口頭やりとりが喧騒の中で行われていた。同じ部屋の中にいる職員でも、直接に面と向かってやりとりを行うとかファクスを回覧するとか等を行わないと情報を共有することが困難な状況でありました。 当時、本部長の代理として現地本部の指揮をとっていた副所長は、このような状況の中で、総務課長と技術課長とのやりとりを把握することができなかった。また、総務課長は、技術課長とのやりとりについて現地本部内の他の職員には相談しなかったと述べています。 副所長は、現地本部内で副所長に判断を求めてきた事項については指示を与えていたが、現地本部内のやりとりをすべて把握できる状況にはなかった。 事故対応は、錯綜した状況にあるとはいえ、重要な情報については、必ず現地本部、本社本部等の関係箇所で情報を共有し、本部長の指示のもとに体系立って行うことが必要であり、今後は、実地に即した訓練や過去トラブル事例の教材化等を一層進め、このようなことの再発防止を徹底してまいります。
○佐藤委員長 次に、中野参考人は、「白い煙はあったけれども炎は見えなかったということを確認をいたしまして」と、臨場感あふるる答弁をしています。技術課長がホワイトボードの記載を誤解し、「十時二十二分水噴霧で消火した」とファクス連絡文書第一報に加筆したのが虚偽報告の発端ですが、「水噴霧で消火した」が、どうして「白い煙はあったけれども炎は見えなかった」になったのですか。
○近藤参考人 お答えします。 平成九年三月十八日の衆議院科学技術委員会におきまして、中野が「二十二分に、再度上司からの指示で中を確認いたしましたところ、炎は見えなかった。白い煙はあったけれども炎は見えなかったということを確認をいたしまして、一たん退避をした次第でございます。」と発言いたしましたが、その後、十時二十二分のこの部分につきましては、先ほど御説明したとおり虚偽であることが判明いたしましたので、前回のこの発言を取り消させていただきます。 事業団としての事実関係の確認が十分でなく、このような発言に至ったことを深くおわび申し上げて訂正させていただきます。 その後の調査において、十時十三分ごろに運転員が火が消えていると認識して水噴霧を停止するときの状況が、白い煙はあったけれども火は見えなかったということであることが判明しております。当時、三月十八日の中野は、十時十三分ごろの状況と虚偽と判明した十時二十二分ごろの消火の再確認の状況とが混同した現場からの説明を受けて、そのまま説明したものであり、ここに深くおわびして訂正いたします。 以上でございます。
○佐藤委員長 この際、委員会を代表し、参考人に申し上げます。 ただいままでの近藤参考人の御発言によれば、三月十八日の当委員会において植松参考人及び中野参考人から聴取した意見には、残念ながら虚偽の部分が含まれていたことが明らかになりました。 このことは、国民の負託を受けて科学技術行政を監督する立場にある当委員会において虚偽の発言をしたということであります。 まことに遺憾であります。二度とこのようなことがないよう、ここに厳重注意いたします。 また、今後は、事業団を挙げて情報の迅速かつ正確な提供、組織、体制の見直しなどに努め、国民の信頼を回復されるよう、強く要望いたします。 さらに、科学技術庁においても、その指導監督責任に基づき、事業団の体質及び組織、体制の改革に全力で取り組むべきことを付言しておきます。 発言を許します。近藤参考人。
○近藤参考人 本委員会における答弁の中で、虚偽の発言をする結果となってしまった部分がございましたことについて、重ねて深くおわび申し上げます。 去る三月二十一日付をもちまして、当該事故に関し、原子炉等規制法に基づき科学技術庁長官あてに提出しました事故報告書におきまして、十時二十二分ごろに目視により消火を確認した旨の記載が虚偽であったことが明らかになりました。 これはあってはならないことであり、科学技術委員会の皆様を初め国民の皆様の信頼を裏切る結果となり、事業団の最高責任者としての経営責任と危機管理が十分に果たし得なかったことにつきまして、重大なる責任を感じているところでございます。 去る四月十日に、私を本部長とする経営改革本部を設置し、事業団の体質問題を解決し、意識の改革、そして危機管理に万全を期するように、情報の迅速かつ正確な提供のための体制の見直しを含め、組織、体制、経営の抜本的改革を不退転の決意で進める覚悟でございます。先生方には、厳しい御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。 —————————————
○佐藤委員長 この際、近岡国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。近岡国務大臣。
○近岡国務大臣 今般、「もんじゅ」事故、アスファルト固化処理施設事故及び「ふげん」事故と動燃施設の事故が続き、また、その事故対応において、情報伝達が遅いだけでなく、虚偽報告で告発する事態にまでなっていることは、極めて遺憾であります。 特に、安全対策及び情報伝達について細心の配慮を払うべきところ、「ふげん」の事故の通報が大きくおくれたことは遺憾のきわみであり、「ふげん」の運転を停止した上で、情報伝達体制の改善を徹底するよう指示したところであります。 これらの一連の事態が原子力に対する国民の信頼を失墜させていることを大変重く受けとめており、原子力行政の責任者としてまことに申しわけないと思っております。 今後とも、私自身が先頭に立って原因究明等に毅然として取り組むとともに、当庁みずからの緊急時体制の見直し、動燃の抜本的改革に総力を挙げて取り組んでまいる決意であります。 特に、動燃の改革については、私直轄の動燃改革検討委員会を中心に、業務の抜本見直し、現場重視の体制整備、業務運営の透明性確保といった事項について、聖域を設けず、ゼロから出直す覚悟で徹底的に実施してまいる所存であります。 今後とも、御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。
○佐藤委員長 近藤参考人から、動燃東海再処理施設火災爆発事故、新型転換炉「ふげん」における重水漏えい事故等について説明を聴取いたします。近藤参考人。
○近藤参考人 一昨年の「もんじゅ」事故、三月十一日に発生した東海事業所アスファルト固化処理施設における火災爆発事故と虚偽の報告、四月十四日の「ふげん」発電所における重水漏れの通報おくれなど、たび重なる事故と情報の不手際により、先生方を初め多くの皆様に多大な御不安、御迷惑をおかけし、まことに申しわけございません。 東海事業所のアスファルト固化処理施設における火災爆発事故についてでございますが、ごく微量とはいえ多くの従業員が体内に放射性物質を吸入し、また施設外に放射性物質が放出されたことは、極めて重大な事故と受けとめております。 特に、国会の法令報告で虚偽の報告を行い、告発を受けるというまことに不名誉な事態となりまして、申し開きできないことを深くおわび申し上げます。今後の捜査当局の調査に対しては、誠心誠意対応してまいる所存でございます。 アスファルト固化処理施設の現状でございますが、建屋の窓等の密閉作業を終了し、仮設の換気設備の設置を行い、環境への新たな放射性物質の放出がないような措置を講じております。現在、徹底した原因究明に当たっているところであり、国の事故調査委員会に対しても積極的に協力させていただいているところでございます。 次に、「ふげん」発電所の問題でございますが、四月十四日、重水精製装置から重水が漏れ、トリチウムが、微量ですが放出され警報が発報いたしましたが、関係機関への通報が大幅におくれ、重ねて国民の皆様の不信を増大させることとなりました。このため、四月十五日には、内閣総理大臣の命令により「ふげん」発電所の運転を停止いたしました。現在、運転停止とともに、指示のありました情報伝達体制の改善を徹底すべく鋭意努力しているところでございます。 このような非常事態に当たり、動燃自身、みずからのあり方を厳しく問い直し、意識、経営、組織の改革を徹底的に進めるため、先ほど申し上げましたとおり、私を本部長とする経営改革本部を設置いたしました。社会の信頼回復に向けて真摯に努力を重ねていく決意であります。 たび重なる不祥事の根源の一つは、技術者集団である動燃と社会一般の意識のギャップの大きさにあると痛感しております。この乖離をなくしていかねばなりません。 各事業所においては、各施設に大量の放射性物質を所有しており、事故の未然防止と保全のため、全事業所一斉に安全点検を実施中であります。ソフト、ハード両面から改善を図り、地元との信頼関係の回復に努力してまいります。 少資源国の我が国は、将来のエネルギー開発は避けて通れない最も重要な基本課題であり、この一端に取り組む者として不退転の決意で動燃改革に臨む覚悟でありますので、先生方の御指導のほど、よろしくお願いいたします。 —————————————
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野晋也君。
○小野委員 まず最初に、監督官庁であります科学技術庁が、傘下にあります動力炉・核燃料開発事業団を告発するという異常な事態が今回生じました。不肖の息子を警察の手にゆだねるような、胸中尋常ならざる思いがあったと思いますが、近岡長官にはその率直な思いを語っていただきたいと思います。
○近岡国務大臣 国民の信頼を大前提にして進めなければならない原子力の研究開発を担っている、今も御指摘の動燃事業団を当庁が告発しなければならない、さらに家宅捜索も受けなければならないという事態になったことは、本当に行政を預かる者としまして大変重く受けとめております。 捜査当局におきましては、一日も早く虚偽報告にかかわる真相が解明されることが重要でありますし、当庁としましても、捜査当局に必要な協力を行ってまいり、そして事故原因究明というものに引き続き全力を挙げていきたい、このように思っております。 また、動燃の組織、体制につきましては、先ほども私申し上げたとおり、聖域なく徹底的にメスを入れ、国民の信頼が得られるような組織となるように抜本的な改革に取り組みながら、原子力行政に対する国民の信頼というものをこの機会に回復するために最大限の努力を傾注していかなければならない、こんな気持ちでおります。
○小野委員 心中お察し申し上げますけれども、この原子力行政の最高責任者でございます近岡長官におかれましては、この事態の深刻さを十分に受けとめていただいて、全力投球で解決に当たっていただきますように心よりお願い申し上げたいと思います。 次に、動燃の近藤理事長にお尋ねをいたしたいと思うわけでございますが、昨年十二月、動燃技報という、動燃の中での技術開発を取り扱った報告書の百号記念の特集号というのを拝見させていただきました。その中に、近藤理事長さんがごあいさつをされている文中に、「もんじゅ」事故への対応として、動燃事業団の意識改革、情報公開、地元とのコミュニケーション強化活動を積極的に進めており、この活動を通じ、当事業団の技術的信頼、社会的信用の回復に向けて最優先で取り組むという強い決意が示されておりました。 その点に関しまして、ここで意識改革、情報公開、コミュニケーション強化という基本的な三つの指針が示されているのでございますが、それぞれにおいてこれまでいかなる対策を動燃としてとってこられたのでありましょうか。そしてさらに、今回東海村での事故、「ふげん」における問題等が起こってきているわけでございますが、この三点の実行の難しさというものを理事長さんのお立場で痛感しておられるものと拝察をいたします。先ほどは不退転の決意で臨むという思いを述べられたわけでございますけれども、今後はどんなことに力点を置いて取り組みを進めていかれるのか、具体的な御指摘をいただきたいと思います。
○近藤参考人 お答えします。 「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故を契機にしまして、事業団への信頼回復を目指し、意識改革を軸とした自己改革を全社的に進めてきました。 その意識の改革につきましては、職場討論会を初め、役員と若手職員との意見交換、それから外部の有識者からいろいろな御意見を拝聴するといったことをやってまいりました。情報公開につきましては、情報公開マインドを進めるため、情報公開課の設置、情報公開総括者の配置、事故発生時のプレスセンター設置等々実施してまいりました。コミュニケーションの強化につきましては、地元の方々からの意見を拝聴し、業務に反映させるため、モニター制度の導入、地元懇話会の設置及び「もんじゅ」一万人見学会の開催等やってまいりました。 このような自己改革を進めてまいりましたが、この途上において東海の火災爆発事故や「ふげん」の通報おくれ等が発生いたしまして、「もんじゅ」事故後のこの反省が十分生かされなかったということは大変残念なことでございます。ここに改めて全従業員の総力と知恵を結集して、動燃みずからの改革を徹底的に進め、社会の信頼の回復を進める決意でございます。 特に、先ほども申し上げましたように、私が非常に強く感じておりますのは、社会の意識とそれから技術者集団の動燃の意識との乖離でございます。例えば放射能の問題について申し上げますと、動燃事業団の方には、一定の法定基準以下ならばいいではないかといった長年の間にしみついたものがございます。一方,社会の方は、レベルの問題を問うているんじゃない、環境に放出したかどうか、そこを問うているというふうに非常に厳しい状況でございますが、それに対して動燃がまだ脱皮できないでいるというのが実態でございます。まず、こういった基本的なものかち改革してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○小野委員 今の御答弁をお伺いいたしまして、大変な御努力を重ねていただいていることを痛感をするわけでございますが、その一方では、実はきょうの朝も、私は大変残念に思うような報道に接したわけでございます。朝のNHKニュースを見ておりますと、東海村アスファルト固化施設では、通常と異なる薬品濃度を使い、より容積を小さく固化させるような実験を当時行っていたのではないかというニュアンスの報道がなされておりました。あの事故から数えますと、もう一カ月半という月日が流れているわけでございますが、私たちはこの一カ月半の間聞いてきたことは、これまでと同じ作業を継続してきたにもかかわらず今回あのような火災事故が起こったというようなことでございまして、今までトラブルがなかったプロセスで事故が起こったから、その理由を、原因を今調べているんだという説明を受けてきたわけでございますけれども、この点に関しての事実関係を明らかにしていただきたいと思います。
○中野参考人 お答えいたします。 先生御指摘のように、けさほどの報道で、火災の原因は廃液の調整など通常と違った作業があったことが原因ではないかというような報道があったということでございますが、私どもの原因究明班を設置して以来、きょう報道のございました点も含めまして、廃液あるいはアスファルトヘの異物の混入、反応槽に供給する試薬の誤調整、それからエクストルーダー運転温度の制御等運転条件の失敗、ターンテーブルあるいはコンベヤー上のドラムの外部加熱の原因等々、いろいろな方面から今後これを調べていきたいというふうに申し上げてきておるかと思います。原因の検証には、アスファルト、試薬、廃液等の分析、事故直前の運転状況の把握等を調査していく必要があるということで申しております。 そして、今回の二十九バッチの運転におきまして、試薬調整を通常以上行った事実はございまして、これにつきましては、既に四月二日の事故調査委員会に報告をさせていただいております。また、今回の実験条件等の設定につきましては、本日の事故調査委員会で、その全体が明らかになりましたので報告させていただくという手続をとっておるところでございます。 先生御指摘のございました、従来安定した形で操業をしてきたそのプロセスでのことなので、今後きちっと調査していきたいと申しました、これはたしか植松参考人がお答え申し上げたことかと存じますが、この意味は、過去十二年間にわたって同じプロセスの中で三万本ものアスファルト固化体をつくってきた、そういった安定した操業の中で実施してきたのでと、そういう意味でございます。 以上でございます。
○小野委員 この点は極めて大事な点でございますから、もう少し質問をさせていただこうと思いますけれども、先ほどのお話の中で、よく私どもわからなかった点というのは、この濃度の問題だとか速度の問題ということが指摘されているわけでございますが、これはあくまで意図的にそれを、濃度を濃くしたり容積を小さくするような対応を、動燃としてそのアスファルト固化の施設で行ったということではなくて、たまたま何かのふぐあいによってこういう事態が生じたという御認識で間違いございませんか。
○中野参考人 お答えいたします。 濃度の件に関しましては、まずこの廃液、原料となります液のPHを調整したことを指すものと思われますが、この二十九バッチの際には、通常でございますとPH調整をいたしますのに、アルカリ側、強アルカリ側から中性側に酸で中和していくわけでございますけれども、一回程度の酸の添加で規定のPHの値が得られたのが通常だそうでございますが、この場合には、酸を二回、アルカリを二回添加するというような複数回にわたった調整作業が行われたという記録がございまして、これは既に四月二日のときに事故調の方に御報告させていただいております。 それから、このプロセスのコントロールでございますが、二百リッター・パー・アワーで通常は処理しておりますものを百六十リッター・パー・アワー程度にゆっくりと混合し添加していくというやり方につきましては、今回作業計画をつくりまして、これは要するに充てん率をよくするという意味で、作業計画をつくって行ったものだそうでございます。こうした実験といいましょうか、やり方につきましては、けさほどの私ども聞き取り調査によりますと、従来もたびたび行っていたことだというふうに聞いておるところでございます。 そういう意味で、プロセスのハンドリングに関しましては意図的に行い、また最初の酸調整につきましては、従来の手法で酸の濃度がきちっとなるようにまで調整をしていったということが事実のようでございます。
○小野委員 これまでの当委員会での答弁を検討し直してみました場合に、池田政府委員の方から、アスファルトの品質管理ないし温度管理等は、安全審査の書類中に明記して、審査の対象であったということが答弁として出ているわけでございまして、その品質管理、温度管理等が適正になされている限り火災等は考えられないということを前提に対応を進めてきた、こういうふうなことが語られております。しかし、今回の問題において、通常の操作の範囲内だというお話があったわけでございますが、この薬品関係を操作するということについて、これは安全審査上の対象案件ということにはならないのでありましょうか。 そして、それ以上に、この問題が爆発事故の直接的原因である可能性が高いにもかかわらず、先ほどのお話ですと、事故調査委員会には四月二日の時点で報告がされているというお話でありますが、私ども委員のもとにはそのあたりの情報がいまだ伝えられていないと私は認識をいたしております。このあたりの事態は、一体どういう意味で私どもにその情報が伝えられてこなかったのか、その点についての御説明を求めたいと思います。
○中野参考人 お答えいたします。 私ども、この操作をするに当たりましては、先ほどお答えいたしましたように、酸の調整、PHの調整を弱アルカリ性、正確に申しますと弱アルカリ性でございますが、たしかPH八から九だったと思います、に調整をします、そしてそれをアスファルトとまぜます、そうした状態が安定なものであるということで、運転の手法として、安全な運転の仕方として報告あるいは申請させていただいております。そういった形。 それからまた、エクストルーダーからの混合量につきましては、たしか二百リッターから百六十リッターの間でという運転条件の中で、従来申請させていただいております運転条件の中で、今回の試験といいましょうか、操業もやらせていただいたというふうに考えております。
○小野委員 今の参考人の御答弁によりますと、そういうPH調整の問題ですとか速度の問題ですとか、これはちゃんと記述されているということですから、またぜひそれは後ほど資料としていただきたいと思います。 加えまして、こういう種類の問題は通常運転の範囲内だと認識されるならば、東海事業所の中の中央安全委員会で、これは植松副理事長さんがその委員長をしておられるというふうにお伺いしておりますけれども、この種の問題というのは、この中央安全委員会の場において検討をして対応するような案件なのか、現場のみの判断で対応される案件なのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○中野参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように通常の運転の範囲の中ということでございますので、中央安全委員会の方で審議するような事項ではなくて、現場の方で確認をしてやらせるような作業の内容でございます。
○小野委員 このあたりの問題につきましては、今検討中だということでございますから、その結果を待ってということになろうと思いますが、ともかく原子力行政推進に当たっては、三原則で自主、民主、公開ということが定められているわけでございますから、ぜひこの考え方を一度再確認をいただいて、本当にそのルールにのっとった対応なのかどうかということをまた御検討をいただきたいと思います。 なお、先ほどの質問中、プロセスにおいて通常操作の範囲内だとお答えになっておられるわけでございますが、事故の原因に結びつく可能性のある要素があったということについて私ども科学技術委員会委員のところに報告が届けられていないという点について、これはどういう事情があったのか御説明をいただきたいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 けさほどの新聞等にも報道されております内容につきましては、ちょうどきょう、午前中でございますけれども、東海村におきまして事故調査委員会が開催される運びになっております。この事故調査委員会におきまして、この火災発生の原因につきまして重要と考えられるような事実がきょう議論される運びになっております。 その過程につきまして、現在までに私どもで調べましたところでは、運転計画でございますとか運転記録類、こういったものを調査しましたところ、この事故発生の直前においては通常と異なる運転が行われていたといったようなことが明らかになっている次第でございますし、それから現場から回収されました記録紙のデータからも、エクストルーダーにおきます操作におきまして通常と違った状態があったというようなこともわかってきた状況でございます。それから、現場の運転員からの聞き取り等、これも調査の過程で行っております。 そうしたことで、きょうの委員会におきましては、さまざまに今新聞が、あるいはテレビ等が報道していますような内容につきましての調査分析というのがされることになってございまして、その過程で、今御質問ありましたような、果たしてこれが通常の運転の範囲と言えるのかどうかといったことでございますとか、あるいは適切な管理がされていたかどうかといったことにつきましても、専門的な見地から議論がされるものと考えてございます。
○小野委員 私は、この事故が起こってこれで一カ月半だということを申しました。その間に運転条件が明らかになっていないということは、常識ではあり得ない話であります。 さらに、昨日、この質問の調整の段階に当たって動燃の方からも説明をいただく場面がありましたけれども、この火災発生ないし爆発事故が起こった原因について、その化学的な条件等も質問させていただきながら、その状況把握に私ども努めさせていただいたわけでございますが、その場にあっても、いまだ状況がわからないから、放射能汚染を受けている部屋の調査なものだから、いまだにその調査ができないから、それはもう一切何もわかりませんというような御説明をいただきました。 そのようなことを考えてまいりましたときに、常々、長官、また理事長さんが言っておられる動燃の体質という問題がこのあたりに顕著にあらわれているというような気持ちがしてならないわけでございますが、この点はぜひ近岡長官、この種の扱いがこういう形でよかったのかどうか。突然の質問で申しわけないのですけれども、公開の原則ということを言いながら、一カ月半にもわたってこの種の一番基本的な問題が伏せられているというようなことについては、やはり決然とした対応をしていかなければ、長官の言うような、もう全くゼロからの再出発であり、何もかも公開をするという原則と相反するのではないだろうか、こんな思いを持つわけでございますが、これはぜひ長官の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○近岡国務大臣 けさも私、各局長、担当者を集めまして申し上げたのは、今委員が御指摘の点について、要するに、化学的なそういう化合の今までやってきた作業自体が、聞けばわかるわけなんですよ。ですから、その点がまだもたもたして究できないということは非常に遺憾だということをけさも私は指摘して、同感なんです。ですから、何と何と何をまぜたらこうなったと、だれしも出せばわかることでしょう、検討できることでしょう。そういうふうなことすらまだ遅いというようなことは、私も非常に遺憾だと思っております。御指摘のとおり、私も全くそういった点は同じ意見を持っております。
○小野委員 長官から決意を示していただきましたので、とりあえずこの問題は終えさせていただきたいと思います。引き続きまして、危機管理全般の問題にこれから質問を移らせていただこうと思っているわけでございます。私は、これまでいろいろと聞いてきた言葉の中で、危機管理をあらわす言葉としてこの言葉ほど適切な言葉はないと思います言葉は、「変至らざるなく、応当たらざるなし」という言葉でございます。変とは変化の変でありまして、この世に生きている私たちは、またいろいろな団体ですとかいろいろな企業ですとか、こういうものもすべて含めまして、この世にあるものすべて、いかなる変化でも、至らざるなしでありますから、起こり得るものでありますというのがこの前段の句の意味でございましょう。そして、後段の「応当たらざるなし」という、応というのは反応の応であり、応答の応であります。つまり、いかなる事態が起こつたとしても、それを事前に想定をしながら、その事態に対して的確な応答、反応をきちんとやれなければならない、これが「変至らざるなく、応当たらざるなし」という言葉の合意であると私は理解をいたしております。 この点から考えてまいりましたときに、危機管理の視点から、動燃がこれまでやってきた対応ということについては幾つかの疑義があるわけでございます。 今回の東海村の爆発事故を取り上げてみました場合にも、今回の事故想定という中に爆発事故が起こるということは頭から考えていなかった。つまり、その建物自体が、委員の皆さん方がこれまで御指摘をしてこられましたとおり、防爆施設となって、爆発が起こった場合でも放射性物質を外部に漏らさないという設計になっていなかったということを見れば、爆発想定がなかったということは明らかであろうと思います。 そしてまた、火災の問題についても、ある一定規模以上の火災が起こるという想定がなかったということもこれまた明らかであろうと思います。それは、少しの火災が起こってしばらく時間がたった段階でフィルターが目詰まりをして、建物内の部屋の負圧調整ができなくなったというような事態を見るならば、フィルターの設計に当たって、それほど大きな火災が起こるという想定はなかったということでございましょう。 そんなことを考えてまいりましたときに、今申し上げました変至らざるなしという考え方の部分が、変というものがある限定されたものしか起こり得ないのだという頭からの前提条件を置いての取り組みであったような気持ちがしてならないわけでございます。 そこで、お尋ねをさせていただきたい点は、第一点目は、この事故想定はいかなる組織でつくられたものであるかという点であります。 そして第二点目は、その事故想定を行う作業において、何か基準のようなものがきちんと定められて、そのもとで作業が進められたのかどうかという点でございます。 そして三つ目の点が、事故が起こった場合に、特に人命に影響を及ぼすこの放射性物質の取り扱いにあっては、仮に何かが起こっても別の要素でそれを防ぎ、人命には影響を及ぼさないという考え方が必ずなくてはならないわけでありますが、多重防護的な考え方をこの事故想定の中にきちんと入れておられたのかどうかという点であります。 四つ目には、外部機関等を活用して、この事故想定が妥当であるかどうかという検討というものが果たしてなされていたのかどうか。そして今後の課題として、外部評価をきちんと取り入れながら、いかなる事故の想定を行うべきかということをやっていかれるお考えがあるのかどうかという点でございます。 最後に、この事故想定をめぐって、安易な事故想定を行ってきた責任というのは一体どこに所在すると考えているのか。 この五点の質問を行いたいと思います。
○池田政府委員 ただいま先生から、今回の動燃のアスファルト固化処理施設の事故想定についてのお尋ねがございました。 いかなる組織でこれが検討されたのかといったことでございますけれども、このアスファルト固化処理施設につきまして、動燃事業団が設置に当たりまして申請をいたしましたのは、昭和五十三年七月でございました。当時の原子力委員会は、まだ原子力安全委員会が発足しておりません当時でございましたから、再処理施設の変更ということで、本申請につきまして、昭和五十三年七月から八月にかけまして、核燃料安全専門審査会の再処理部会において審査を行った次第でございます。 その審査におきまして、このアスファルト固化処理施設につきましては、アスファルトの品質管理でございますとか温度管理、こういったことによって火災が起こらないようにする措置を講ずることにしたものの、そういう措置を講じた上であっても、エクストルーダーと申しますアスファルトと低レベル放射性廃液をまぜる設備でございますけれども、これが今回火災が起こりました充てん室の隣にありますけれども、そのエクストルーダーの部屋の中で火炎が発生する、それがひいては充てん室のターンテーブル上、これは、複数個のドラム缶を置いた上で、その上に充てんしていくわけでございますけれども、ターンテーブル上のドラム缶、この場合は、その上に載っている全数五本に引火するといった火災事故を想定し、その事故評価を行った次第でございます。 その結果につきましては、昭和五十三年八月の再処理部会におきまして検討を行い、放出される放射能量でございますとか、その場合の周辺公衆に対する影響等についての評価が行われ、それは十分小さいものであるといったことを確認したという次第でございます。 なお、このような過程で、御指摘ございましたような基準といったことから申しますと、事故が起きても災害を起こさないといったことが原子力の安全につきましては基本でございますから、ただいまのような事故を防止する措置を講じた上で、さらにそれの結果についての抑制措置、それからその場合の対処措置、そういったことを考えた上で、いわゆる多重防護といった考え方は安全審査の過程で十分取り入れたことにはなっているかと存じます。 それから、外部機関における事故評価はどうかといった点につきまして付言させていただければ、審査のメンバーには外部の大学あるいは研究機関の専門家を動員して行っているわけでございますから、そういった過程で、この評価、内容につきましても客観的な見地からの議論が行われたと承知しております。 最後に、責任についてどう考えるかといったお尋ねもございました。 今回は、これまでの調査によりまして、アスファルト充てん室のセル内におきまして、低レベル放射性廃棄物とアスファルトをドラム缶に充てんしたものの、それがかなり長時間たった後で火災が発生した、それから、その後の、火災発生後の対応が十分でなかったといったことあ既に明らかになっている次第でございます。その結果、爆発ということによって施設が壊れる、外部に放射性物質がこぼれるといったような事態も招いたわけでございまして、このような過程につきましては、ただいま、事故調査委員会におきましての調査検討によりまして、事故の全容というものを見きわめたいと考えております。 その過程におきまして、ただいま御指摘ありましたような、事故想定が十分なものであったのかどうか、それから、この設備におきますフィルターですとか換気装置などの設備面が適当なものであったのかどうか、それから、消火につきましてのマニュアル、あるいは実際現場での措置等が十分であったのかといったことにつきましても、徹底的な分析、評価が行われると考えてございます。その過程で、私ども、今回の事故から学ぶべきこと、教訓を最大限学んで、今後のために生かしたいと考えている次第でございます。
○小野委員 大体、事故というのは、起こり得ないと考えているところから起こった場合に被害が甚大になる、これは阪神・淡路大震災の教訓からも私たちは導き出すことのできることでありますだけに、事故想定という問題を、かなりこれは重点的に取り上げながら、原子力施設すべての点検をしていかねばならないところだろうと思っております。 以前、私ども、科技庁の方に非常に厳しいことを申し上げたことがあったわけでございますが、科技庁の皆さん方が原子力の問題等について語られるときに、事故は起こり得ないという発言をこれまで随分やってこられた。その根拠を聞いてみると、機械的な側面において十分信頼性を検討し、そしてその上に多重防護的な考え方を取り入れているから、機械自身が信頼性が極めて高いものでありますから、事故を想定するということ自身が、我々は余りそういうことを考えておりませんと言われる。仮に小さなトラブルが起こったとしても、そのトラブルが起こったものに対して、周りにいる人たちが十分な訓練をされているがゆえに、そのトラブルはその人がきちんと解消に向けて対応することができます、だから原子力施設というものは安全であって、その安全性に基づいて対応しているのであります、こういうことを随分語ってこられたように私は記憶をいたしております。 今回の場合、それらが次々に破綻を来してしまったということで、私どもは極めて深刻にこの問題を取り上げて、単に東海村のアスファルト固化施設の問題というのではなくて、全体的に、原子力施設全体をきちんと評価をし直してやっていかなければ、国民の信頼回復はなかなか困難なことになってしまう。動燃のうそつきということで随分マスコミに取り上げられておりますけれども、この安全性をめぐっての評価という面では、科学技術庁も、安全だ安全だと言ってきたことは、その言葉自身が今回裏切られるものがあって、外部に放射性物質が出てしまった。私ども原子力を推進する考え方を持ってきた議員の立場からいいましても、私どもも、原子力は十分な安全性が担保されているから、その建設、立地に当たっては御心配なくというようなことを言ってきたことも実は虚偽の発言になってしまったというようなことで、かなりこの問題がはらんでいる広がりというのは大きいという認識を持っている次第であります。 ですから、今池田さんの方から事故想定をめぐってのいろいろな御答弁をちょうだいしたわけでございますが、この事故想定をめぐっての安易な取り組みがあったとするならば、これは厳に慎んでいただいて、いろいろな事故が起こり得るという視点から見直しを行うとともに、これは一時的に見直しをすれば済むということではなくて、日常運転中にいろいろなささいな兆候というのはあらわれるはずでありますから、そういうものをきちんと受けとめながら、フィードバックをかける仕組みもきちんと確立をしていただかなければ信頼回復ということが非常に難しいなと思っているわけでございまして、何とぞその点については、科技庁も心を引き締めていただいて、取り組みをいただきたいと思っているわけでございます。 先ほどの話の中で、対応の問題についても少し私の方から触れさせていただいたわけでございますけれども、この対応をめぐりまして、幾つが御指摘を申し上げ、御答弁いただきたい点があるわけでございます。 一つは、何かというと、対応マニュアルの問題でございます。事故を想定してのマニュアルというのは当然動燃さんの方でつくっておられるはずでございますけれども、そのマニュアルが一体どういう形のものであるのかということに関心がございます。 私どもの場合ですと、宇宙開発等の仕事の一部を担ったことがありますものですから、いろいろなその面での情報を受けることがあるわけでありますが、かなりの事故対応マニュアルというのをつくり上げているわけですね。どういうトラブルでも起こり得るということを前提にして、トラブル管理マニュアルというような非常に大部のものがつくり上げられておりまして、もう恐らく何万ページ、何十万ページに及ぶような大部のものでございましょう。ありとあらゆる事態想定の中に、それぞれの事柄が起こった場合の解決法を詳細に検討し尽くしたマニュアルが一方にございます。 それと同時に、もう一方には、そのトラブルが起こったときの活動チェックマニュアルというものがつくられておりまして、問題が起こったときは、その一枚か二枚程度のチェックマニュアルをぱっと引き出してその項目をチェックすれば、その事故への対応が、当座の問題として事故拡大を回避できるというようなリストが備えられているというような形でありまして、私は、人命にかかわるような機械類を動かすという立場から見ますと、この両者が備えられているということが前提であろうと考えております。 動燃の各事業所において、この種のマニュアル整備がいかなる形で行われているのかという点が第一点の御質問でございます。 それから、第二点目には、マニュアルというのは常に修正が加えられる性質のものでなくてはならないというのがまた鉄則でございまして、特に、現場作業者の目から見たときに、ふぐあいがあったり、当初想定になかった新しい問題が発生したときにそれがきちんと変更される、先ほど言いましたフィードバックですね、それをやりながら練り上げられていく過程というものがなければ実際に即したマニュアルにならないということでございますが、フィードバックがかかる仕組みというのをきちんと確立されているのかどうか、この点についてのお尋ねを申し上げたいと思います。
○中野参考人 お答え申し上げます。 先生の御指摘、私どものマニュアルの構成でまいりますと二つのマニュアルの形態に分かれようかと思います。 まず一つは、事故等が発生した場合にどういった対応をするようになっているかという点でございますが、そういうような事故に対して円滑な対応をするために、事業団の社内規程といたしまして事故対策規程を整備、運用しておるところでございます。事故対策規程では、通報連絡体制、事故対策会議等の運営、事故対応の基本的事項を定めておりまして、一般的な事項を定めております。そして、より具体的な施設設備の操作を含む異常時の対応に係るマニュアルにつきましては、各施設ごとにそのマニュアルを決めておるわけでございます。 事故対策規程の運用趣旨につきましては、全社的な管理・監督者の教育の場等におきまして事例研究を行うなど、より徹底を図っておりまして、施設固有のマニュアル類につきましては、改定の都度、現場の小グループ内での読み合わせ、また、OJTによる教育訓練により施設の特徴に応じた職員への周知徹底を図っておるところでございます。 いわゆる事故という形では、一番上にそういう事故対策規程があり、その下に事業所の防護活計措置規則というものがございまして、さらにその下に各施設ごとの異常時マニュアルというものを取りそろえておるわけでございます。 それから、いわゆる通常の運転上のマニュアルというものがございます。通常に運転していたときに何かおかしなことがあった場合にはどうするかということにつきましては、事故とまでは言わないまでも、いわゆるミスといいましょうか、そういったものにつきましては運転マニュアルの方に詳細に記入してございまして、こういうことがあった場合にはどういうふうに対応すべきかということを書いてございます。 修正、フィードバックにつきましては、今も一部申し上げましたが、OJTとかあるいは小集団活動の中でいろいろと意見を聴取したり、また適宜、他の事業所等で同類の事故があったような場合には、その水平展開として他の事業所にそれを言い、そしてそれを、もう一度マニュアルを見直すというような活動を行っておるところでございます。
○小野委員 マニュアルの見直し問題につきましては、ぜひこれは随時対応できるような仕組みを御検討いただきたいと思っております。 そして、対応の中でもう一点取り上げてみたいと思っておりますのが、従業員、また関連会社社員の教育問題でございまして、先ほど申じましたとおり、いざトラブルが起こったときに頼りになるのは、やはりその施設を守っている人の対応でございます。 今回の問題を見ておりましても、後の対応が適切であれば、単なる最初のぼやだけの問題であれば、これはもうほとんど問題にならない小事故で終わったはずでありますが、その後の火災鎮火の確認の面において不十分な点があり、それが爆発事故につながり、そしてさらに、その後の報告をめぐっての不信感の増大を招いてくる、また、さまざまな対応をめぐっての問題も生まれてくるという中に、どんどんとその問題が拡大していったということを考えてまいりましたときに、やはりその現場を担う人、そしてその人たちを管理される人たちの教育問題というのは極めて大きな課題であるということを再認識いたしております。 質問を申し上げる時間がなくなってまいりましたので、御指摘だけ申し上げておきますけれども、やはり、管理職研修のみならず、一般職員、さらに下請企業社員の研修という問題にも真剣に取り組んでいただきたいと思っております。 それから、核燃料サイクル工学研修室が開いております危機管理訓練という講座もあるわけでございますが、その条件を見ておりますと、上級管理職を中心とする管理職を対象とする講座であるというふうに書いてありますが、危機管理の問題は決して管理者の問題ではなくて、これはすべての人が共有しなければならない問題でございますから、一般社員またその下請社員等も含めて、この種の危機対応の問題についてはきちんとした教育研修講座を開設いただいて、小さな事故が起こった場合に現場で即座に対応できるというような体制づくりに御尽力をいただきたいと思います。 引き続きまして、また先ほどの言葉に返るわけでありますが、変至らざるなしという観点から見ましたときに、今回のこの事故が引き起こした問題は、既に御指摘をさせていただきましたとおり、単に動燃の東海事業所のアスファルト固化施設の問題であるというエリアをはるかに超えてまいりまして、かなり大きな社会的な影響を及ぼし始めてきているように思えてなりません。一般国民の視点から見ますと、原子力行政というものの不透明さ、そして、事故が起こらないという言葉があったけれども、事故が起こってみるといろいろとあらわれてくることへの不信感、こういうものが随分拡大してきているというような気がいたしまして、現実にそれがいろいろな面に影響を及ぼし始めてきているようであります。 例えば、日本原燃の六ケ所村再処理工場への試験用使用済み核燃料搬入問題につきましては、これは青森県知事への配慮をして延期をする意向を示しておりますし、また、東京電力においても、プルサーマル計画の延期やむを得ないだろうというようなことも報道をされているわけであります。 こういうことを考えてまいりましたときに、社会的な影響についても、十分な今後の影響の予測を持ちながら、先ほど事故想定の問題を申し上げましたけれども、影響想定を持ちながら取り組みを進めていかなくてはならないと思っているわけでございますが、皆さん方の御認識の中で今後どのような波及が予想されているのか、それに対してどういう対応策を持っておられるのか。この点、具体的な御答弁をいただきたいと思います。
○近岡国務大臣 今御指摘のとおり、今回の事故は、本当に地域住民を初め国民の間に大変な不安感を与えたわけでありまして、今後この不安感をどうやって払拭するかということは、これは大変な問題だと心得ております。 したがっくこのためには、今まで以上に積極的な情報公開のもとに、まず何よりも事故原因の徹底的な究明、それと同時に万全の再発防止策を講ずるということが一点。それから、動燃の体質及び組織、体制の抜本的な改革を図っていくことが第二番目だと思います。三番目は、今もいろいろ御指摘あったように、核燃料サイクルの意義あるいは経済性、安全性について地元との一層の対話を図っていかなければならないというふうに思っております。 こういった事柄を、いろいろ御指摘になっている事柄を、正直に、素直に、今まで以上に国民の信頼を回復するにはどうやっていくかということを、先ほどもお話し申し上げたとおり原点に立ち返っていかなければならないというふうなことで、今回の効果というのは非常に大きいものであって、日本のエネルギーの根幹を揺るがしかねない大きな事故までいっているなという認識を持っておりますので、動燃はもちろんのこと、私たち役所としましても、この問題を本当に重く重く深刻に受けとめて取り組まなきゃならない、こんな覚悟でおります。
○小野委員 この点につきましては、今後、各省庁との関係もございましょうし、さらなる業界の皆さん方との交渉もあるだろうと思いますが、ぜひ、安易な考え方ではなくて、極めて厳しいと今長官言われましたけれども、その厳しさというものを原点に置いて対応を考えていただき、社会的波及がいろんな方面に及んでいく可能性を持っているわけでございますが、それぞれに適切な対応をしていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。 そこで、信頼感を取り戻すという視点から、具体的な提言を含めてお話をさせていただきたいと思っているわけでございますけれども、信頼感を取り戻すということは、今の御発言にありましたとおり本当に大変なことだと思います。よく皆さんが言われますとおり、信用を獲得するには何年も何十年もたゆまない努力を重ねなきゃ人間の信頼というのは得られないけれども、信頼を失おうと思えば一瞬にしてそんな信頼というのは壊すことができる。これが非常に端的な言葉だろうと思っております。今回の事故は起こってしまった事故でありますから、これを取り戻すことはもうできないわけでありますから、信頼を回復するために、諸般の取り組みを目に見える形で、しかも地道に継続的に続けていくことを通して何とかやり遂げていかねばならないということであろうと思います。 今回のいろいろなトラブルを見てくる中で、私は、最大の問題というのは、やはり情報をめぐる取り扱いの問題にあったという認識を持っております。一般論で申し上げますと、情報というのは、人や組織を介すれば介するほどその情報はあいまいになり、不正確になってくるものでございます。そしてまた、いろいろな感情的な装いをその情報の周りにつけてくるものでありますから、いろいろなニュアンスも帯びてくるというような性質を持っているものだと思います。 例えば、今回の場合ですと、動燃の東海事業所アスファルト固化施設の運転をしていた数名の人たちから情報が発せられて、それが管理される部屋に届けられ、動燃全体としての場に届けられ、科技庁に届けられ、そしてそれが我々のところへ届いたり、マスコミを通してまたさらに国民に届くということを考えてみますと、かなり多段階のコースを経て初めてその情報が国民のもとに届けられるということについて、国民の皆さん方は、幾多のフィルターの中で自分たちは必ずもも正確な情報を得られていないのではないかというような不安感を募らせてきた部分が確かにあるだろうと思います。 その点を考えましたとき、人の命にかかわる情報に関しては、間に人や組織を介在させずに、生データを直接国民に届けられる仕組みというようなものを真剣に考えてみてはどうだろうということを御提言させていただきたいど思います。 実は、先日、フランスの原子力安全関係省庁間委員会事務局長のジャック・デシャンさんという方が私の部屋を訪ねてくださいました。科学技術庁もお訪ねになられたとお伺いをいたしております。この方に、私の方から、フランスでは総発電量の八十数%が今原子力だと聞いているし、それに対して国民の皆さんの支持率も決して高いわけじゃないけれども、このしばらくを取り上げると支持率が上昇してきているような報道に私たちは接するんだ、それを聞いたときに、なぜフランスの皆さんはそれだけ原子力発電を信頼されるのでしょう、何かいい知恵があったら教えてくださいとお尋ねしましたところ、こんなことを言っておられました。 フランスには、ミニテルですか、家庭用端末がありますけれども、その家庭用端末にいかなる原子力関係施設におけるトラブルも全部報告することにしているんだ、だから、自分のところの水道のコックが調子が悪くなったというようなことまでその中に流すようなことをやっているんだそうです。それと同時に、モニタリングポストがございますね。原子力施設の周りの放射線量をはかるセンサーでございますが、このデータは生データでそのミニテルに流しているんだと。それを通して、そこまで放射線管理の問題に関して、今のお話でいきますと、何かが起こったら国民全体に正直に、率直に機械的に流される仕組みがつくられているから、もしトラブルが何かあったんじゃないかと思えば、端末をたたけばすぐにその情報を得て確認ができるから信頼できるんですと。 こういうようなお話があったことを考えますと、ぜひ、これは動燃さんだけの問題ではなくて、原子力関係の施設すべてについて、トラブル等が起こった場合に、先ほど言ったようにすべてそれが、日本のようなインターネットということになるんでしょう、その掲示板上に掲示がなされて、掲示がなされなかった場合にはむしろ刑罰が加えられる程度の法改正問題も考えていただいたらいかがだろう。 そしてさらに、モニタリングポストのデータについては、瞬発値ですと確かに誤差が出ることがありますから、五分なり十分なりの積分値を常に自動的に送り続けていくというような形をとって、国民の皆さんに、放射線が外に流れていくということについては私たちは本当に何も隠し事をしてませんよ、だから、もう私たちもうそをつくことはありませんから、この点は御心配ないようにしてくださいというような形で、きちんとした対応を行うということが極めて大事な点ではなかろうかと考えております。 この提言に対して御意見がございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○植松参考人 今先生御指摘のように、フランスのミニテルというのは非常に発達しておりまして、私も七年余りフランスに住んでおりまして、それをいろいろと利用させていただいた経験を持っております。その中に原子力の安全関係の資料が全部入っておりますので、それから直ちに情報を取り出すということができるシステムが存在しておることはそのとおりでございます。 今先生御指摘のように、国民の皆様に御理解いただくためには、できるだけ生データを直接供給することができるようにしなければならないということもその点から学んでまいりまして、日本に帰ってまいりましてから、事業団の中にも、インターネットを通じて事業団のいろいろな情報を、いわゆるホームページを通じて皆さんに見ていただくというシステムをつくり上げましたし、また、ファクスネットでもっていろいろな情報を提供するようにはいたしました。 御指摘のように、放射線レベル測定値についても、できるだけ直接供給することが望ましいというふうに考えておりますので、我々といたしましても、放射線モニタリングデータ等の環境情報を最新のインターネットでもって常時提供できるように現在検討を進めておるところでございます。 一つの具体例としましては、アスファルト固化施設及び「ふげん」の重水漏えい事故につきましては、毎日、最新の情報をインターネット及びファクスによって提供できるようにしてまいりました。三月十一日以降四月二十日までの間に、このインターネットによる情報につきましては、国内外から既に約五万件のアクセスをいただいております。 こういうふうに、生情報を積極的に提供するということが信頼を回復する基本かというふうに存じております。そういうシステムをもっと充実させたいというふうに考えております。
○小野委員 それでは、もう時間も余りありませんので、残りました点は御指摘にとどめさせてもらおうと思いますけれども、これは動燃初め科学技術関係の研究機関に広く共有される問題であろうかと思うのは、体質的に問題があるという感じがいたしております。それはもう近藤理事長さんが、技術者と社会との乖離が思った以上にひどいというような御指摘をされましたが、その点のみならず、組織体としての体質をめぐっても何かしらいろいろな課題があるような気持ちがしているのです。 それを指摘だけさせていただきますと、一つは、客観的な判断を国民にゆだねようとする姿勢が弱いという点でございます。 例えば、動燃さんないし科学技術庁さんからいただく報告書等を見ましたときに、これは私どもの党の部会でも指摘があったわけでございますけれども、主語が何であるかわからない報告書が出されてきている。一体だれが何をしたのかわからないじゃないか。何かしら評論家が遠いところから眺めていたら何かが起こったみたいな書き方をしているけれども、そういうことをやっていても事態がはっきりと見えない。 報告の原則というのは、四W一Hということがよく言われるとおりでありまして、フー、ホエン、ホエア、ホワット、ハウですね。だから、だれが、いつ、どこで、何を、どのようにやったか、この五つがきちんとそろわなければ報告書として完全な報告書と認めないというのが、これが一般常識でありますけれども、残念ながら、この事故をめぐっても、これまで提供されてきた報告書を見る限り、この五つが完全にそろった報告というのは見たことがないような気持ちがいたします。 加えまして、この虚偽報告と言われたのは、ホエンとかホエア、ホワット、こういうところが実は事実と違う報告が堂々とまかり通っていたというようなことでございますから、ぜひこのあたりのきちんとした報告を出しながら、その報告は議会の評価ないし世間の評価、これを真っ正面から受けとめるのだというような姿勢を取り戻していただきたい、これは要望させていただきたいと思います。 それから、二つ目に感じますのは、形式が整うほどに心が滅ぶということがよく言われるわけでございますが、動燃も、設立以来約三十年、苦難の道を乗り越えながら、開発の厳しい中を闘いながらやってこられたその御努力に対して、私どもは敬意を表さなくてはならないと考えているわけでございますが、どうも最近の対応を見ておりますと、形式的に処理をするという部分が随分目立つようになってきたと思います。 原子力の火をともすのだという当初の燃えるような思いがだんだん衰えてきて、形式的に問題を処理をする、サラリーマン的な発想で片づけていこうというような部分がふえてきているのでありましょうが、「もんじゅ」の事故の場合のあの温度計さやの問題にいたしましても、だれが見てもこんな設計がおかしいということを感ずるものであるにもかかわらず、設計者も気づかない、つくった人も気づかない、その後チェックした人も気づかない、据えつけする人も気づかない。気づいて言わなかったとなれば、さらにこれは深刻な事態でありますけれども、この心を取り戻すということについて、やはりいま一度考え直さなくてはならないところにやってきているのではないかと思います。 そして、評価の問題をめぐりましてもやはり一考しなきゃならない問題が出てきているわけでございまして、今回は動燃改革の委員会を外部につくられるということになったわけでございますけれども、やはり自分が企画し、自分がつくり、自分が運営し、そして自分が評価するというのは、どうしたって甘くなってしまう部分があるわけでございます。大蔵省の金融問題の改革にしても、検査監督は別機関にしろという議論が随分なされたのと同じものでございまして、思い切って外部評価にゆだねるという部分を日常業務の中にも取り入れていく必要が出てきているのではなかろうかと思っております。 なお、この問題は単に動燃の組織だけではなくて、日本の国がこれから国家戦略として科学技術の振興を図っていこうということを語る中にあって、この国家戦略がいかなる方向であるべきかという問題につきましても、省庁が自分の殻の中で企画し、評価するということでは、これはなかなかダイナミックなものをつくっていくことは難しいだろうという気持ちがいたしております。外部にきちんとこれからの方向性を考えていく機関の設立という問題を考えていかねばならないと考えている次第でございまして、この点は、近岡長官、いかがでございましょうか。一言御答弁いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○近岡国務大臣 ビッグプロジェクトなどにつきまして、この研究開発に長期的視野に立った評価を行っていくことは大変大事なことだな、このように私も全く同感でございます。 したがいまして、現在は、政府としましては、科学技術会議において「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」というのがあるわけでありますが、これを踏まえまして、いろいろ科学技術基本計画に沿ってこれから積極的に取り組んでまいる所存でございます。 今先生御指摘のとおり、一つのこういった事故が発生してみますと、やはりそういったふうなものを設置することも大事なのかなというような考えも私もないわけではありませんが、私、長官という立場で、政府機関の長を拝命している現時点で、そういったものの要否やまたあり方等について私見を申し上げることは差し控えなきゃならぬのかなとは思いますが、いずれにしましても、国会においてやはり十分御論議していただく問題ではないかなという、私はそんな考えを持っております。
○小野委員 以上で質問を終わります。
○佐藤委員長 田中和徳君。
○田中(和)委員 自由民主党の田中和徳でございます。 小野委員に引き続き質問をさせていただきますので、明快な御答弁をお願いをする次第でございます。なお、一部重複する部分もあろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思っております。 それでは、まずお伺いをいたしますけれども、近岡大臣、本当にお疲れさまでございます。御苦労さまでございます。 昨日、近岡科学技術庁長官の不信任決議案が提出されまして、採決の結果、否決されたことは、これはとりもなおさず国会、国民がぜひ近岡長官に引き続き力強い指導力を発揮していただいて御尽力をお願いをしたい、熱い気持ちのあらわれであります。重大な危機を迎えていると言って過言でない原子力行政の立て直しに向けた長官の決意を最初にお伺いをいたします。
○近岡国務大臣 先般の本会議で、私が皆様のお力添えで信任させていただきまして、本当に身の引き締まる思いと同時に、この問題解決のために与えられた自分の職責というものを、身を挺しても一生懸命努力していかなければならない、こんな気持ちで今いっぱいであります。今後とも、日本の原子力行政の確立のために、先生方のお力添えもぜひお願いしたいと思います。
○田中(和)委員 大変な事態の中に御奮聞いただくわけでございますが、ぜひひとつ、御健康にも御留意をいただきながらお力を賜れば、このように思うわけでございます。 昨日、茨城県警により、原子炉等規制法違反の容疑で、動燃に対し異例の強制捜査が行われました。動燃の虚偽報告と隠ぺい工作が科学技術庁の告発で司直の手により明らかにされていくというのは、前代未聞の大失態で、極めて深刻な事態でありまして、私は、関係者の方々に反省を促すものであります。 私たち科学技術委員会も、今般の東海村のアスファルト固化処理施設の火災爆発事故発生後、三月十四日に現地視察をさせていただきました。私もその際参加をいたしましたが、その席上、三月十一日午前十時六分に発生し、十時二十二分に消火したとされる消火確認について、動燃側から二度にわたり確認をしたという答弁もありました。その際、私は、だれの指示によって、だれが、いつ、どのような方法によって消火の確認を行ったのか、また、その後いつ、だれに、どのような内容を報告したのか。ただいまの小野委員の御質疑にもありましたように、五W一H、すなわちこの基本がどうなっているのかというのはだれもが一番関心を持ったところでありました。その場では答弁がありませんでしたので、後日で結構だから詳細な資料を求めますということで、その場を私は結んだのであります。その後、私が求めた詳細なる報告はもちろんありませんでしたし、今振り返ってみれば、その場しのぎの虚偽の回答で、私自身結局ごまかされていたのかと、本当に自分自身情けないというのか、大変な憤りの気持ちでこの場に立っているのであります。 「もんじゅ」の事故以来今日まで、本当に次から次の事故続きでございまして、またその事故一つ一つへの対応が極めて悪く、我が国の原子力行政が本当に大変なところに差しかかってきた。ここで一番大切なことは、徹底した事実の解明を図ると同時に、国民の理解を得るために命がけの奮闘を願わなければならないのでございます。そして、将来の我が国の原子力行政への取り組み姿勢を正しい方向へもう一度強い力で戻していかなければならない、こういうことだろうと思っております。 今日、原子力は五十基、四千三百万キロワット、我が国の総発電電力量の約三割を供給する大変な存在になっておりますし、これからますますその重みは増してくるわけであります。我が国の原子力利用に関する研究開発については、原子力基本法に基づき原子力委員会が策定する原子力開発利用長期計画に基本的な方向性が示されております。最近では、三年前、平成六年六月に改定されましたけれども、その中でも、従来と同様に核燃料リサイクルの推進を我が国の政策とすることが再確認されているのであります。 高速増殖炉や再処理工場は、核燃料リサイクルの中心となる重要な施設であります。「もんじゅ」の事故、今回の東海村の事故、あるいは「ふげん」の事故、一連の動燃の事故は本当に残念なことでありますけれども、虚偽報告等の不祥事が社会に与えた影響が余りにも大きいために、とにかく本当に深刻な事態に陥った、このように思います。 先ほど委員長からも御質問がありましたけれども、その一つの原因というのは、関係者の皆さんが本当に、科学技術庁も動燃も、一番詳しいはずの関係者の人たちが常に後追いである、マスコミ主導型である。なぜマスコミの主導で、調査をすればわかることを国民にディスクロージャーできないのか、私たちに説明ができないのか。逆に、マスコミの皆さんに、公器にかかわられる方々に関係者の方が記者会見をされたり、御説明をされて初めて事実が明らかになっていくのが当然でありますが、まさしくここに、私は非常に不可解というのか、残念でならないというのか、本当に大変な思いがあるわけであります。 ぜひ科学技術庁、動燃、御両人の方からこの点について、何度も繰り返され、ただされたことでありますけれども、この時点でもう一度お伺いをさせていただきたいと思いますし、二度とこのようなことが、もうないと思いますが、今回の事故調査のことも含めてひとつ責任を持って、誇りを持って頑張っていただきたい、この願いを持ってお尋ねをさせていただきます。
○近藤参考人 お答えします。 泥とうそにまみれた動燃、こういう形になりましたけれども、何としても信頼を回復していかねばなりません。その場合に、御指摘のとおり、周りから求められておるのはやはり透明性の問題だと思います。とにかく情報をもっと積極的に提供して、誠実な、正確な情報を提供していく、そうすることによって動燃が透けて見える、透明性をそこで回復するということが非常に先決の問題だと思います。 そのためには、やはり動燃の意識改革というのが非常に原点になると思います。これは、どうしても従来から、放射能について申し上げますど、ある基準、法定基準ならばいいじゃないかといった甘い考えがしみついたものだ、これが一つの体質だと思っております。それに比べまして、一方社会は、そういったレベルの問題ではない、環境に放射能を放出したかしなかったか、そういう厳しい問い方をされております。まさに、これから原子力を進めるに当たっては非常に重要なことでございます。 先ほど先生御指摘のあった、三割まで原子力発電のウエートが来ている、さらにそれをふやしていかねばならない今日にあって、そういった、うそを言ったり不明朗なところの残っている、しかも危険な事業は任せられないというお気持ちが、一般の皆さんに今強くあると思います。何としてでもこの動燃の体質を是正して、それからまた、それに対応する仕組みもいろいろと考えていかねばならぬと思いますが、とにかく体質の克服、これを大前提に動燃の改革に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしく御指導のほどお願いします。
○近岡国務大臣 世の中には絶対安全だということはあり得ないと思います。したがって、常にこういった国民の信頼を得なければならない、それがなければ推進できない原子力行政というものに対して、やはり監督官庁の、私の科技庁それ自体も、前線をいかに把握するかということは非常に大事だと思います。したがって、特に今回いろいろな施設に対しまして立入調査なども、やはりこういった問題は、四六時中、常に何があってもいかぬという感覚を持たなければいけないのではないかなというふうに私は思っておりまして、今御指摘のように、報告があったからどうというふうなことではいかぬと私は思います。 そういった意味では、今、動燃改革の検討委員会で、第三者的なチェックはもちろんでありますが、コンサルタント等の御意見などもいろいろ含めまして、やはり科学技術庁それ自体のあり方などもこの機会に一遍総ざらいして見直してみた方がいい、私はそう思いまして、今委員御指摘のような考え方をこれからは役所の中も持っていきたいな、こう思っております。
○田中(和)委員 大臣、理事長の御答弁がありました。 こういう事態を迎えた今日の状況の中で、私は、つらいことでありますけれども、これを本当に今度こそ真の教訓にしていただいて前進をしていかなければならない、このように思うわけでございます。日本の原子力行政が、本当にマスコミの皆さん、報道機関の方々の御努力に私も感謝する者の一人でありますけれども、そういう皆様方の御努力がなかったら行政が推進できないということでは、これは大変なことになるわけでありまして、ぜひひとつ特段の御尽力、御努力を願いたいと思うのであります。 近藤理事長にちょっと確認をさせていただきます。 一昨日の参議院の予算委員会の参考人質疑において理事長は本当に真情を吐露された、このように私も一人の人間として思う部分がありますが、今日の状況の中で、公の立場といいますか、この立場に立ったときの理事長の言葉としては、人間らしいなというふうに思いながらも、やや理解に苦しむところがありましたので、お尋ねをしておきますけれども、理事長は望んだ役職ではない、こういうお話があったようでございます。本当に気持ちはわかりますけれども、ここで踏ん張ってもらわないと、ここで頑張ってもらわないといけないわけでありまして、その点について一応御確認をさせていただきたいと思います。
○近藤参考人 お答えします。 ちょっと舌足らずの表現だったと思います。非常に後悔しております。一たん受けた以上は、先ほども申し上げましたように、不退転の決意を持って臨んでいきます。よろしく御指導のほどをお願いいたします。 〔委員長退席、田中(慶)委員長代理着席〕
○田中(和)委員 力強い御答弁をいただきました。御期待をいたします。 さて、今回やはり国民が一番不審に思うところは、本当に組織ぐるみだったのかと。先日も大蔵委員会の中で、野村証券の前社長さんがお見えになって、その点についていろいろとお話があったのですけれども、これは認めたくはないと思うのですね。組織ぐるみでやったことによって大変な事態になったということになれば、基本的なことをすべて失うことになってまいりますし、今までのせっかくの努力というものもまさしく水泡に帰していくわけでございますから、そういうふうにはとても動燃の皆さんも答えづらいとは思いますけれども、どうもこのところの流れを見ていきますと、科技庁の告発まで至ったということを考えますと、組織ぐるみでやったんじゃないかなと思わざるを得ないところがあるのですね。 もう一度明確に、今の時点でわかっている、今回の、はっきり言うと捏造の部分ですね、虚偽の部分です、この部分にかかわった人は何人なのか、もう一度確認をさせておいてください。どういう人たちがそういうことをやって、逆に言うと、どういう人たちがかかわってなかったのか、確認をしておかなければいけないと思っています。
○植松参考人 お答えを申し上げます。 「もんじゅ」の事故の教訓を生かすことができずにこういう事態に陥ってしまったことは、動燃としてまことに残念だと思っております。また、今回の虚偽報告の問題につきましても、我々の手で発掘することができず、マスコミを通じて、また科技庁を通じて、そういう事実があったのではないか、よく調べるようにという御指示をいただいたわけでございますが、こういったことはまことに残念な結果であったかと思います。動燃といたしましては、直ちに特別調査班を組織いたしまして、東海で、独立の目でもって調べてまいりました。 その結果は、もう既に報告が出ておりますように、ある管理職を中心とした一部の部、課がこれに直接関係しておったということは明確になってまいりました。その結果は既に御報告をしております。既に、関係した人たちの処分も行われておりまして、新聞その他に報道されておりますように、直接的に関係した人たちは六名ということになっておりますが、間接的に知り得た立場にある人たちも含めると十四名であるというふうに認識を現在のところいたしております。しかし、それを虚偽報告にまで仕立て上げていったのは、処分が行われたこの六名の方々の中で話が行われたというふうに理解をいたしております。 その他の上部管理職、その他の部門の管理職が直接この問題に関与しておったという証拠は今のところ握っておりません。今後は、警察の調査が入っておりますので、そちらの方でいろいろと確認がされていくことだというふうに考えておりますが、我々の調査では、ごく一部の管理職の方々がこの問題に関係をしておったというふうに調査の結果としてわかったわけでございます。
○田中(和)委員 報告にもあったように、六人の人がかかわった。知っていた方は十四人であった。そして、みずからの調査によれば、もうほかにそういう人はいない。ただ、捜査当局は大変その部分に、さらに上に向かっての関係者がかかわっているんじゃないか、このような強い関心を持っているようでございまして、今の答弁のように、絶対にもう新たなる人物が登場しないように願っておかなければなりませんけれども、念には念を入れないと、捜査当局だけに任せればいいという問題じゃありませんから、皆さん自身がさらに十二分に確認をして、残念なことだったけれども、こういう事実はあったけれども、それ以上のものはなかった、こういうことを、やはり国民に向けてしっかりと、もう一度確認をして御報告をすべきだと思いますけれども、ひとつお約束をしていただきたいと思っております。
○植松参考人 ちょっと修正をさせていただきます。 ただいま全部で十四名と申し上げましたが、いわゆる技術サイドで関係したことが判明しておるのが十四名で、そのほかに事業所の総務が一名関係しておりますので、全部で十五名でございます。十四ではなくて十五名でございますので、訂正させていただきます。 また、先生御指摘のように、我々も、これで調査を終わったわけではございませんで、今後とも、必要に応じ、さらに確信が持てるような調査を続けていくつもりでおります。
○田中(和)委員 今のやりとりでも、訂正があるというのはよくないのですよ、はっきり言って。それは、やはり信頼性が低くなってくる。一回言ったこともきっと間違っているんじゃないかという視点からすべての人が見るようになれば、やはりこれは信頼性の欠如になっていきますから、ひとつお気をつけをいただきたいなと思います。 さて、角度を変えますけれども、平成六年策定の原子力利用長期計画では、二〇三〇年に高速増殖炉を実用化するとされているのでありまして、それに向かって巨費を投じ、努力をしておるわけでありますけれども、今回の一連の事故で、ましてや各機関がとまっているような状況でありますので、おくれる、いろいろな意味での影響は必至、こう思われますけれども、見直しというのはするのかしないのか。私は、基本どおりに、自信を持って、責任を持って頑張っていただきたいという強い気持ちは持っておりますけれども、現実の問題として、長期計画をつくり直さなければならないのかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 御指摘の原子力開発利用長期計画、平成六年に策定されましたが、高速増殖炉の実用化時期は二〇三〇年を想定していたわけでございます。まだ三十数年先の実用化ということでございまして、現在「もんじゅ」がしばらくとまっておりますけれども、この数年間のことでその二〇三〇年をすぐ変えなければいけないかどうかということは、まだ先の話ではないかと思っております。 特に、現在、資源に乏しい我が国にとりましては、エネルギーの安定供給あるいは地球環境への問題、そういう対応から原子力は非常に大切なエネルギーでございます。しかも、ウラン資源も有限でございますので、それを長期にわたって安定的に使っていくためには、使用済み燃料の中のプルトニウムをリサイクルしていくということが非常に重要でございます。 その高速増殖炉でございますけれども、「もんじゅ」の後を受けまして、現在、高速増殖炉懇談会、原子力委員会で高速増殖炉の問題を幅広く議論していただいているわけでございます。そういう結果を見守りまして、的確に対応してまいりたいと考えている次第でございます。
○田中(和)委員 基本的には二〇三〇年に向けて大きな方針に変化はないということに、うなずいておられますから、認識していいと思いますけれども、ぜひひとつ頑張っていかなければならないわけでございます。 プル十二ウムを軽水炉で燃やすというプルサーマル計画は、軽水炉から高速増殖炉までの過渡的なもの、こういう認識に立って行政は推進をしてきたわけでございますけれども、万が一、高速増殖炉の実用化がどんどんとおくれていけば、プルサーマルは半世紀も続けていかざるを得ないということになってくるわけであります。これでも過渡的なのかどうかというところが、二〇三〇年の御答弁を受けながらも、やはりあえて指摘をしておかなければならないと思うのですけれども、ほかの先進国は、プルサーマルが主役になって、高速増殖炉の研究はしたものの、もう手を引いていきつつあるのが実態なんです。 いろいろな理由が国情に合わせてあるわけでございますけれども、再度、プルサーマルも含めて、日本はやはり基本方針どおりいくんだ、こういうことであるのかどうか、確認と同時に、課題があれば、こういうことを乗り越えてやるんだということで決意を示していただきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 FBRの実用化時期は二〇三〇年ぐらいと言っておりまして、二〇三〇年ぐらいに実用化されましても、直ちに大量の高速増殖炉を建設するということでなくて、それから徐々に入り出すということでございますので、当然、FBRの実用化がうまくいったとしましても、プルサーマルというのはやはり相当、三十年を超える期間ずっと必要だと思っております。 なお、当然、高速増殖炉は増殖するというところに意味がございますので、そのころのウランの需給の問題、そういうこととも兼ね合いがあるかと思いますが、少なくとも現在のウラン資源は可採年数七十年ぐらい、こう言われております。石油と同じ程度の資源量と言われておりますので、プルトニウムを増殖していく、そういう技術を確立するということは、資源のない日本、それから技術立国の日本といたしましては、進むべき道だと考えている次第でございます。少なくとも研究開発は続けていきたいと考えている次第でございます。
○田中(和)委員 時間の関係もありますので、最後の質問になるわけでありますけれども、マスコミ報道では、動燃の全体の事業がこうなるんだ、政府案はこうなんだといって、まことに事細かに日々報道がなされているわけです。もう結論、結果が出たような状況が示されておるわけでございます力報道と合わせて、国民はそうなるものだと思いつつあるわけでありますけれども、事実関係について、あるいは報道の中身を後でそのように行政の方が追っていくということも現実にあるのかもしれませんけれども、ぜひひとつその辺について、今後、科技庁として動燃をどうしていくのか、御説明いただきたいと思います。 〔田中(慶)委員長代理退席、委員長着席〕
○加藤(康)政府委員 動燃事業団の抜本的改革というのは、非常に重要で、緊急に取り組まなければいけないと考えております。 科技庁におきまして、冒頭に大臣からお話ございました、第三者的なチェックを受けながら、動燃改革検討委員会を設けて検討していく、ゼロかち出直す覚悟で検討していくということでございます。その動燃改革検討委員会は、去る十八日に第一回目の会合が開かれたばかりでございまして、我々もゼロからスタートして議論をしていただくということでございます。したがいまして、我々としましては、まだ何らまとまったものはございません。一部新聞記事の内容も含めまして、何らそういうまとまったものはございません。 ただし、過去、二年前の特殊法人の整理統合化の一連の閣議決定を受けまして、動燃事業団につきましては、ウラン関連業務を見直す、それから核燃料リサイクル等に重点化をする、そういうようなことは二年前に一応方針を決めておりますので、当然そういうことも議論の対象になるかと考えている次第でございます。 以上でございます。
○田中(和)委員 これで質問を終わりますけれども、大変重大な局面でありますので、今まで動燃の事業そのものが日本の原子力行政のすべてであったような状況にありますので、ぜひ、組織がえも含めて、やはり新しい視点から真剣に議論し、早く結論を出して国民を安心をさせていただきたい、このことを申し上げて失礼をいたします。ありがとうございました。
○佐藤委員長 石崎岳君。
○石崎委員 自民党の石崎岳であります。 本日の委員会の冒頭で近藤理事長からも御発言がありましたけれども、三月十八日の当委員会での私の質問に対する動燃の答弁に虚偽が含まれていたということは甚だ遺憾なことであります。 十八日、私はいろいろ聞いたのでありますけれども、ちょっと議事録を見ますとへ私の質問は、要するに焦点は、鎮火の確認ができたかどうかということにある意味では尽きるのではないかというふうに思っております云々という質問に対して、植松参考人の方から、「十時二十二分に至って、上司から別の二人を消火確認のために派遣しております。二人が操作室まで入りまして、消火したかどうかということを確認に行ったようでございます。」云々というような答弁がございましたけれども、この部分が虚偽であったということであります。 今回の東海事業所の虚偽報告の問題というのは、発端は単なるささいな勘違いということだったものが、事実の捏造ということにまで発展してしまったということであります。 私なりに問題点を拾っていきますと、一人二人のうそではなくて十五人もの職員、作業員がかかわった。それから、公開の原則に反する密室性。それから、一度決めたら変更しないという硬直性。それから、真実よりも上司の意向が優先されるという倫理観の欠如。それから、批判を恐れ事実を公表しないという小心さ等々、いろいろな問題点が挙げられるというふうに思います。 そして、何よりも、単なる情報隠し、事実隠してはなくて、事実の捏造、積極的なうそだったという点が大きな問題だろうと思います。それから、こうした虚偽が国会なりマスコミ報道なり、公式な事故報告書に記載されているという事実を十五人もの職員、作業員が見過ごしていた、そのまま放置していたということもまことに重大なことであろうというふうに思います。 なぜこういったことが起きるのか。先ほど理事長は、技術屋集団の意識と一般国民の意識の乖離というようなことをおっしゃっていましたけれども、とてもそれだけでは説明がし切れないのではないかというふうに私は思いますけれども、この点、動燃はどう考えていらっしゃいますか。
○近藤参考人 三月十八日の当委員会における先生の御質問に対して、事実に反する報告を行ったことに対して大変申しわけなく思っております。 私も、就任以来、「もんじゅ」事故を踏まえまして、安全に徹する動燃、開かれた動燃、地元重視の動燃ということで一応努力してまいったわけでございますけれども、残念なことに、まだ末端まで十分浸透していないということを痛切に反省させられております。 今、私が一番痛切に感じているのは、やはり従来から長い間動燃の技術集団の中に深く住みついております感覚、これは法定レベル以下ならば許容されるじゃないかという考え方、これがなかなか払拭できなくている。それで今、事の大小、軽重を問わず、とにかく外に積極的に公開していく、決してうそをつくな、事実は事実として勇気を持って認めろ、認めてお答えしろということで、体質改善に取り組んでいるところでございます。 今後ともこれを、とにかく動燃に対する失われた信頼を回復するためには、そういった、動燃が透明な体質に変革していく、これが一番肝心なことだと思いますので、それに努めていきたいと思います。よろしく御指導のほど、お願いしたいと思います。
○石崎委員 そこで、前回のちょっと繰り返しになるのですけれども、鎮火の確認というのがかぎだったと思いますけれども、それは本当に十分だったのかどうか。それから、鎮火の確認の指示というのが十分徹底されて行われていたのかどうか。先ほど水の量が、一立方メートルの水で消火をしたという、ちょっと信じられないような御発言がありましたけれども、その点はいかがでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 今回の消火では、水噴霧によりまして火が見えなくなったことから、火が消えているという認識を十時十三分にしたものでございます。先生おっしゃいますように、消火の確認という面からは必ずしも十分ではなかったのではないかと反省いたしておるところでございます。 なお、その後十三時三十四分でございますが、従業員二人と消防署の方が中に入りましてセル内を見ておりますが、そのときは暗くて見えなかったとか、あるいはその後十五時十五分に放射線管理の関係の方が数名、そして十七時近くにも三名というふうに順次中に入って見ておりまして、特に火を確認しているわけではございませんけれども、消火の具体的な確認指示というものは出されていなかったということについては問題があるというふうに考えておるところでございます。
○石崎委員 それから、ちょっと追加でお聞きしたいのですけれども、けさほどの報道ですね、アスファルト固化施設の運転データ、下請作業員が記録した元データでは、事故の数日前からアスファルト充てん装置の断続的な停止など幾つもの異変が見られたのに、作業員から動燃に報告された操業日誌には連日異常なしとの報告であったということなんですが、この予兆、それから異常なしということの事実関係は、そうなんでしょうか。
○佐藤委員長 正確にお答えください。
○中野参考人 先ほどもお答えいたしましたが、この期間に行っておりました、いわゆるエクストルーダーから流すアスファルトの量を、二百リッターで通常運転では行っておりますが、それを百六十から二百の範囲内で可変運転をしていたという事実、それからもう一つ申し上げました、酸及びアルカリの調整を、通常一、二回で終わるところが二回ずつ四回実施されたという事実、このことにつきましては、報告のデータ等で確認をしてございます。 ただ、発泡現象があったかどうかというところは、現在のところ、私まだ確実なところをつかんでおりませんので、引き続き調査させていただきたいと存じます。
○石崎委員 動燃の体質論ということが当委員会でも、あるいはマスコミでもいろいろ連日のように論議されておりますけれども、動燃職員二千八百人のうち技術者は二千三百人という、技術屋集団であります。そういう組織の中で、個々のセクションの構成、成り立ちという面で、安全管理の専門家あるいは組織管理をやった人、人事管理の訓練を受けた人、教育を受けた人、そういうバランスですね、つまり技術屋さん、技術だけずっとやってきた人だけじゃないバランス配置とスタッフ配置というのが配慮されていたのか、なされているのかどうか、あるいはそういう人たちの研修が十分になされていたのかどうかということをお聞きしたいのですが。
○植松参考人 先生御指摘のように、事業団は技術者の非常に多い集団でございまして、二千三百名が技術者でございます。それがいろんな部門に配置されておりますが、研究開発に八百二十六名、運転関係に千百名配備されております。 これらのプロジェクトには、それぞれみずからの安全確保のために必要とする安全主任者を持っておりますけれども、これとは独立に、プロジェクトとは独立した安全管理部門が設けられておりまして、この安全管理部門専門の職員二百名が縦糸と横糸のように配備されておるわけでございます。これでもって安全の確保を図ろうということをやっております。 また、組織、労務等の管理も当然必要になってまいりますので、各部には管理課もしくは管理課のないところには事務長職というものを置きまして、事務系の職員を配備し、それなりの支援をするようにやっております。
○石崎委員 どうも今回の虚偽報告が成り立つ過程を見ていくと、そういった、それぞれの役割というものが十分発揮されていないというふうに見受けられます。 それから次に、今回の一連の事故、不祥事、「もんじゅ」の事故を含めて今回を総体として見ると、動燃がどうこうというよりも、日本の原子力政策そのものがもう揺らいでいる、根幹が揺らいでいるというふうに私は思います。先ほど答弁の中で、核燃料サイクル政策というのは堅持していくんだという御発言がありましたけれども、堅持していくという姿勢は私も支持しますけれども、堅持していけるかどうかということは甚だ疑問であろうというふうに思います、実態として。動燃の使命というのは、もちろん核燃料サイクルの実現ということに尽きるわけでありますけれども、「もんじゅ」がとまり、「ふげん」がとまり、再処理工場もとまり、バックエンド対策も進展しないという現状では、動燃が担っている仕事というのはほとんどもう手詰まり状態になっているという現状であります。 そういう現実にかんがみて、理想はわかりますけれども、やはり今冷静に核燃料サイクルといったものをもう一回検証し直して、考え直す時期に来ているんじゃないかというふうに私は思います。核燃料サイクル政策を放棄しろという意味ではなくて、もしその政策をこのまま国策として引き続き続行するというのであれば、その政策を再検討して、もう一度国民にさらして、国民の理解を得るというプロセスがなければ、現状のままでそれの理解を得るというのはとてもできないんだろうというふうに思います、物すごい反発をまた受けてしまって、政策の遂行ができないというふうに思いますけれども、その核燃料サイクルの再検討あるいは国民の理解を得る努力というものについてはどう対応なさいますか。
○加藤(康)政府委員 御指摘のように、核燃料サイクル全体への影響というのは非常に大きいものがあることは懸念されている次第でございます。 その中で、少し分析してみますと、動燃事業団の「もんじゅ」、それから再処理工場、「ふげん」というのは、どちらかといいますと新しいシステムをつくる研究のレベルの燃料サイクルでございますが、現実に軽水炉で発電をしている。それからプルサーマルというのは、六ケ所村とか海外の再処理からのプルトニウムを利用する、そういう実用レベルでの燃料サイクルもあるわけでございます。 動燃事業団が行っております燃料サイクルにつきましては、現在、先生御指摘のように、いろいろなところでトラブルが起きているわけでございますが、高速増殖炉というのは「もんじゅ」が象徴でございまして、そういうものにつきましては、高速増殖炉を将来どうするかという政策面での検討というのを原子力委員会でやっているわけでございます。したがいまして、そういう結論もあるわけでございますが、そういう動燃事業団の関連の燃料サイクル、それをしっかりやっていかなければ将来引っ張っていくわけにはいかないわけでございますので、とにかくまず、動燃事業団の体質、組織、体制、そういうものをしっかり立て直して、そして原子力行政に対する信頼を回復していかなければならないと考えている次第でございます。 なお、この二月四日に閣議で了解をいただきました六ケ所村の再処理施設の建設の、再処理事業の推進とか、プルサーマルの問題、使用済み燃料の貯蔵対策の問題、そういうような問題につきましてはそれぞれ着実に進めていかなければならないと考えておりますし、我々も一生懸命頑張りたいと考えている次第でございます。
○近岡国務大臣 今局長から答弁があったわけでありますが、私はこの問題は、今までのこういった事故等によって国民から信頼感を失ってしまったということはへ本当にこれは大きいなという認識を持っております。ですから、先ほど先生方が御指摘のとおり、家庭の茶の間から台所まで、本当に国民とともにある原子力行政というのをどうやって解決するかということがまず第一点。それから、日本のエネルギー全体をどうするかというようなことは、これは内閣全体として、国会の意思等を尊重しながら考えていかなきゃならない。この二つが今回の事故等を反省してみましてあるなというふうな考えを率直に持っております。
○石崎委員 そこで、動燃のいろいろな機能が開店休業状態に陥っているわけでありますけれども、その機能を再び立ち上げるということに際しては、また膨大なコストがかかると思います。「もんじゅ」の再開、それから今回の東海の再処理工場の再開、「ふげん」の再開、もろもろ、再び立ち上げるためのコスト、個々のコスト、全体のコスト、どれぐらいになるのでしょうか。
○植松参考人 先生よく御存じのように、高速炉「もんじゅ」につきましては、FBR懇談会での政策的な議論がなされておるところでございますし、また地元のコンセンサスが運転再開については前提となっておりますので、まだ現時点では再起動の時期を議論する段階ではないというふうに我々は考えております。したがって、それに向けたコスト算定も実はできるような状況にはないというのが我々の判断でございます。 再処理工場も、アスファルト固化処理施設の状況を踏まえながら今後の運転計画を検討していくところでございますので、これについても、再開のためのコスト計算というのはもっと先の問題かなというふうに考えております。 また、「ふげん」につきましても、現在、情報連絡体制の抜本的な見直し、改善などを行っておる途中でございまして、地元及び国に御報告をいたしまして理解を求めなければいけませんので、現時点では、これもまた再開に向けてコスト計算ができるような状況にあるとは思っておりませんので、残念ながら本日の時点でこれくらいだというふうに申し上げる立場にはないというふうに考えております。
○石崎委員 科技庁はないのですか。
○加藤(康)政府委員 基本的には同様な内容になります。「もんじゅ」につきましても現在総点検をやっている最中でございますし、「ふげん」、東海再処理工場につきましては原因究明の最中でございますので、その辺のことについてはもう少しお時間をいただきたいと考えている次第でございます。
○石崎委員 いずれにしても膨大なコストがかかると思うのですけれども、現状の財政状況の中で、膨大なコストをかけて再び立ち上げるということについても、国民の理解がなければ進展しないというふうに思います。 そこで、もう一度原子力政策を再構築していくという上で、それではその政策を担う組織というのはどういうふうにすればいいのかという議論が今大事だというふうに思います。現状の拙速な動燃解体論というものは余り意味がないのではないかというふうに私は思いますけれども、一方で、動燃の看板を背負って新たな立地、新たな政策展開というのも、国民感情からして現状では難しいのではないかというふうに私は思います。 そこで、この動燃再編の基本的な考えをまず科技庁にお伺いします。
○近岡国務大臣 先ほど来御答弁申し上げておるとおり、今回の国民の不信感、不安感というのは本当に重く大きなものだなというふうにつくづく身にしみております。したがいまして、動燃改革検討委員会で、いつも申し上げているとおり、聖域を設けずにゼロから、さらに第三者的なチェックを、徹底的にチェックをしてメスを入れなければならぬ。さらに、コンサルタント等、いろいろな観点から幅広く検討してもらっているわけであります。 私は、総合的に言いますと、月並みな言葉かもしれませんが、うみは全部出してしまった方がいい。うみを持っておって手術したってこれは意味がないわけでありますから、この機会にやはり国民とともにある原子力行政というものを本当に、動燃自体もそうでありますが、私の科学技術庁、役所それ自体も、今までの取り運びでまずい点があるならば、これは改めることに何もちゅうちょする必要はないな、こんな気持ちでおります。この問題につきましては、動燃とともに、国民から信頼を受けるためにどうするかというようなこと、それが前提にありませんと、役所が云々だけでは日本のエネルギー行政というのは困難にぶつかってしまうな、こんな感じを私は持っておりますから、今申し上げたようなことで徹底的にメスを入れなきゃならぬ、こういう気持ちでおります。
○石崎委員 おとといの参議院の予算委員会では、近藤理事長は少し具体的に、動燃の今後のあり方として、高速炉の開発、高速炉の燃料サイクル、高レベル廃棄物の最終処分研究に特化していきたいというような発言をされたというふうに聞いております。そうすると、動燃という看板でそういう業務をこれからも遂行していくという構えでしょうか。そして、その他の業務はどうするお考えでしょうか。
○近藤参考人 お答えします。 私が前段で申し上げておりますのは、技術移転をもっと円滑に、大幅にやっていきたい。といいますのは、濃縮の分野、再処理の分野、御承知のように、これは実用化レベルにもう達しております。 濃縮の問題については、日本原燃さんとの間で今までもいろいろと技術協力を申し上げ、また要員も、出向の形あるいは一部移籍という形で人も出しております。また、現に共同研究もやっておりますが、もうここまで来たならば、もっと技術を原燃さんの方に移転していきたいということを申し上げております。 それから再処理についても、御承知のように、六ケ所で再処理工場を今建設しているところで、そこにも動燃から人は出ていっております。そういうサポートはしておりますが、この際、そういった技術移転をもっと大幅に進めていきたいということを考えております。 それで、決して組織ぐるみで、あるいは自分が持っている設備ごと相手に受け渡すとかそういうことではございません。技術移転をもっと円滑に、大幅にやっていきたいということを申し上げているわけでございます。そういった組織ぐるみあるいは設備を含めて渡す、こういった問題は関係方面の御了解、特に地元の問題等々ございまして、しかく簡単ではございませんし、私が今申し上げているのは、先ほど来申し上げています技術移転の問題として申し上げております。 それから、将来を考えてみますと、どうしても国としてやらねばならない分野として考えられますのは、高速増殖炉の開発及びその燃料サイクルの確立、この問題と、それからもう一つは、原子力を始めたならばどうしても解決せねばならない問題、高レベル廃棄物の処分の問題がございます。これに各国御承知のように取り組んでいるわけでございますが、この二つのテーマについてはどうしてもやはり国でやるほかはない。研究期間が長く、大きな資金も要る、リスクも高い、こういった分野は民間企業に移管するといってもとても無理ではないか、やはり国としてこれは受け持ち、開発していくべきではないか、私どもはそちらの方により重点を置いた研究を進めていきたい、こういうふうに思っております。
○石崎委員 そこがまさに核燃料サイクルの根幹の部分でありますけれども、そこを担うのであれば、より責任のある組織が担わなければならないというふうに思います。 もう一つ、今回の東海の事故で、事前の安全審査の問題ということもあったと思います。原子力安全委員会の安全審査というものをどうするかという問題であります。実際の事故というのは、今回もいろいろありますけれども、詳細設計あるいは施工の段階が原因である場合も多々あろうかというふうに思います。現状の原子力の比重というものを考えますと、安全審査の重要性というものをもう一回改めて考え直してもいいのではないかというふうに思っております。ですから、原子力安全委員会の安全審査のあり方、基本設計に限定されている現在のあり方をどうするか。 それから、原子力安全委員会そのもののあり方。現在のスタッフ、委員五人のスタッフは二十人というふうにお聞きしましたけれども、そういう機関でいいのか、独立した機関になるべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○都甲説明員 お答えいたします。 御承知のとおり、原子力安全委員会は、基本設計段階で行政庁の行いました設置許可などの安全審査の内容をダブルチェックいたしております。実は、そのほかにも必要に応じまして、設計及び工事の方法の認可、これは設工認と言いますが、以降の規制段階におきまして、行政庁が確認すべき重要事項を摘出いたしまして、その処理方針に関し報告を受けまして、これを審議しておるところでございます。このように、原子力安全委員会での調査、審議は必ずしも基本設計に限られているものではございません。 続きまして、スタッフについての御質問でございますが、原子力安全委員会の専任のスタッフ、今御指摘いただいたとおり約二十名は行政庁であります科学技術庁に属しておりますが、原子力安全委員会はそのほかにも、原子力の各分野の数百人に及ぶ専門家で構成されます幾つかの審査会などの組織を有しております。必要に応じまして専門家を集めて活用できるという柔軟性を持った仕組みになっております。今後、動燃の一連の事故で増大いたしました国民の不安あるいは不信を払拭するために、これらを総動員いたしまして、原子力安全委員会としての責務を果たしてまいりたい、このように考えております。 また、「もんじゅ」事故とか今回の火災爆発事故の防止につきまして、原子力安全委員会といたしまして、これらの事故調査委員会の調査結果も踏まえまして、過去においてどのようなことがさらにできたか、あるいはなすべきであったか、さらには再発防止のために将来どのようなことができるのかということが明らかになれば、原子力安全委員会といたしましても見直すべきところは見直してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○石崎委員 もう一つ、組織論なんですけれども、原子力委員会と原子力安全委員会というのがあります。開発と規制ということでありますけれども、しかし、その事務方というのは科技庁で一緒であります。科技庁の中にも原子力局と原子力安全局というものがあります。規制と開発というのが一つの役所で同居しているということで、安全面での対策というのが不十分なのじゃないかというふうに危惧するわけでありますけれども、その辺の分離独立といったことは考えられないでしょうか。
○池田政府委員 ただいま先生から、科学技術庁の中で原子力開発と規制を担当する部局が同居している、分離してはどうかという御指摘をいただきました。 原子力の安全規制に当たりましては、法令に基づきまして、独立性を保つこと、それから厳格に安全確保を図りますとともに、その過程、結果につきまして情報を公開することによりまして透明性を高めていくということが必要であると認識してございます。 独立性の確保といった点から申し上げますれば、我が国の安全規制につきましては、行政庁によります安全審査に加えまして、これとは別に原子力安全委員会がダブルチェックを行うという規制体制が整備されているところでございます。 また、厳格にということで一例を挙げさせていただきますれば、今回、動燃事業団の虚偽報告に対してまして、原子炉等規制法違反の罪で告発を行ったところでございますし、規制当局といたしましても、法令に基づきまして毅然とした対応をとっているところでございます。 また、安全性に関します情報を積極的に公開するということで、安全委員会でございますとか、今回の事故につきましては事故調査委員会、こういった会合をすべて公開で行いますとか、原子力の安全規制の透明性を高めるための取り組みについても強化しているところでございます。 今後も、原子力の安全規制の独立性と透明性を高めていくという、その上でどのような実施体制が適切かといった点につきましては十分検討すべきと考えておりますし、先生御指摘の点も含めまして、さまざまな御意見を踏まえて、科学技術庁といたしましても原子力の安全規制の充実強化に努力してまいりたいと存じます。
○石崎委員 時間がなくなりましたけれども、今回の一連の問題、これは動燃だけをどうこうすればいいという問題ではないというふうに思います。動燃改革とはすなわち科技庁改革であり、すなわちそれは原子力政策の再検討、再検証、国民の理解を得るということであろうというふうに思います。それから、私個人としては、原子力政策における通産省と科技庁の二重構造ということも問題であろうというふうに思います。 最後に、大臣の御所見をお願いします。
○近岡国務大臣 先生御指摘の点は私全く同感でございます。 したがって、この現況を見ますと、私は、動燃の抜本的改革はもちろんでございますが、やはり当庁自身も改めるところは改めなければならない、このように考えております。いずれにしましても、少資源国の我が国でございますから、これからも原子力の開発、利用というものは必要でありまして、これまで以上に、やはり政府が一体となって、関係者が連携し合いながら取り組んでいかなければならないな、このように思っておりまして、先生御指摘の点は私も十分に留意していきたいと思っております。
○石崎委員 終わります。
○佐藤委員長 達増拓也君。
○達増委員 新進党の達増拓也でございます。 きょうのこの科学技術委員会の場は、私は、動燃と科学技術庁にとって汚名挽回のチャンスになるのではないかということを期待しておりました。 たび重なる不祥事、それは、主要施設が次々と事故を起こし、その大半が今使用不可能になっている。さらには、単に事故のみならず、その処理に当たって虚偽報告等の不祥事を重ねるということで、今動燃とそれを監督する科学技術庁のあり方、まさに底をついているような、国民から最大限の不信の目で見られているような、そういう状況にあるわけであります。そういった汚名を晴らし、新たなる信頼を回復するその第一歩がきょうの委員会で達成されれば非常にいいことだと思ってはいたわけでありますけれども、冒頭よりの動燃や科学技術庁からの説明、答弁、そしてその後の質疑応答等を聞いておりまして、動燃にも科学技術庁にも事態の深刻さに対する自覚というのが全く欠如しており、そして未来に向かっての対応策についても全く迫力のない答弁のみが繰り広げられていることについて、非常にがっかりしております。 冒頭、近藤動燃理事長が、今回の東海再処理施設の事件に関しましては、技術者集団と社会一般との間の意識のギャップの大きさというものがあったと答弁されました。この指摘は、新聞で報道されておりますけれども、処理施設の山村所長が記者会見の場で「原子力の安全性に対する世の中の意識と我々に温度差があった」「原子力の技術に自信を持ちすぎたのかも……」と発言していたことと同じ趣旨の発言であるわけですけれども、これは全くわけのわからない言い逃れでしかないと思います。 技術者集団たる者、社会一般の意識がどうあれ正しいことは正しいと真実を追求し、それを技術的な必要性に従って的確に処理し、また必要に応じて公表していく。やるべきことをきちっとやつていさえずれば社会一般との意識の関係というのは全く関係のない話でありまして、今問われているのは、動燃のそういう技術者集団としての、プロとしての体質がどうなっているかということであり、それを監督している科学技術庁がそこをきちんとやっていたかということであります。 どうも、この原子力の安全性に対する世間の意識と技術者集団の意識のギャップ云々という話は、自分たちがつくって運転している原子力施設はもうこれは安全で大丈夫なのに、世間一般では危ない危ない、いつ大事故が起こるかわからないと言っていて非常に困ったものだ、そういう意識がいまだに存在するから出てきた発言ではないかと懸念されるわけであります。 その原子力施設の安全性、原子力の安全性については、やはりプロたる者、危機意識を最大限に持って、平素から最悪事態に備え、事故はあり得るもの、そういった意識に基づいて準備をしていなければならないはずであります。 事故はあってはならないというのは当然でありますけれども、事故があってはならないという願いと、事故はないはずだ、事故はないという思い込みがごっちゃになって、きちんとした準備もせず、またそういった事故が起きたときそれを極力隠すというような体質、これは国家ないし社会的に責任ある立場にある人間たちが決してとってはならないことでありまして、思えば、第二次世界大戦のときに、日本が負けることは決してない、そういう思い込みで軍事的に不利な情報は覆い隠し、負けたらどうしよう、負けるのではないかとかいった発言を押し殺した、圧殺した当時の日本の軍国政府のそういった体質がいまだに残存しているということではないかと考えます。 当時の日本においては、国民も、そういう大丈夫大丈夫、負けない負けないという宣伝にいわばだまされてついていったわけでありますけれども、今日の日本においては、幾ら原子力施設が安全だ安全だというふうに言ってもさすがにだまされないわけでありまして、その意味では、国民の信頼をかち取るためには、やはり最悪事態というのはあり得るのだ、しかしそういう場合には我々はこう対処するんだということをはっきりさせておくことが肝要だと思います。 一つの例でありますけれども、私がアメリカの田舎の方を車で移動していたときに、原子力発電所がありまして、そのそばに、原子力発電所の絵をかいた立て札、標識が何本か立っておりました。これは、この近くに原子力発電所があるという標識かなと思って車をとめてよく見ますと、それは実は、核事故が起きた場合にはこちらの方向に避難しろという避難の経路を示した標識でありました。そのように、原子力施設というのは事故になることもあるんだ、しかしなったらなったできちんと対処していくんだということが住民に対してもきちんと徹底していたということで、感銘を受けた次第でございます。 今の我が国の危機管理体制、広く考えてみますと、安全保障の問題につきましても、有事というものはない方がいい、だから有事というのはないんだというような調子で、本来必要な有事法制の整備というものがおざなりになっておりますし、また災害に対しましても、災害対策基本法、消防法、消防組織法といったものが阪神・淡路大震災のときに不備であることが確認され、自治体の首長あるいは市町村主体のそういった防災体制というものがあのような大規模災害には非常に無力で、国として対応する体制を整備しなければならないということがわかっているにもかかわらず、今それへの取り組みが非常におくれている。 そういう日本の国全体の危機管理体制の問題性ということも意識しながら、今回のこの一連の動燃の事故、事件に関して、特に危機管理という観点から、以下質問をさせていただきたいと思います。 危機管理に関しましては、佐々淳行初代内閣安全保障室長、今危機管理の権威のようになっていらっしゃる方ですけれども、いろいろな本やいろいろな場で、悲観的に準備して楽観的に対処せよと、危機管理の要諦ということでおっしゃっております。悲観的に準備する、さまざまなあり得る事故、災害、そういったものをできるだけ事前に想定して、それへの対処方法をマニュアルという形で準備しておけば、いざというときには基本的にはマニュアルどおりに対処すればいいわけで、楽観的に対処することができるわけであります。 さきに小野委員も、その事故対応のマニュアルの重要性という観点からの質問をされ、私もその趣旨に非常に同感するところでありますけれども、さらに、マニュアルに関して具体的な質問をさせていただきたいと思います。 今回の東海再処理施設の事故に関してでありますけれども、まず、最初の火災が発生したとき、水の噴霧によって消火作業等行われたわけでありますけれども、あのアスファルト充てん施設における火災時のマニュアル、それに対応するマニュアルというものはあったのでしょうか。もしあったとすれば、どういう内容だったのでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 先生御指摘の、アスファルト固化施設における火災を生じた場合のマニュアルがあったかどうかという点でございますが、警報が鳴った場合にはどういう対応をするか、消火に対してはどういう対応をするか、マニュアルは一応ございました。 この当該マニュアルは、再処理施設におきます保安規定に基づきまして、安全作業基準というものが決めてございます。その基準に従いましてそれぞれの要領書がある、こういう仕組みの中でマニュアルをつくってございます。
○達増委員 新聞報道によりますと、アスファルト固化体の燃焼の危険性というものを、七三年の試験報告で動燃では既に承知しており、また八四年にはアスファルト固化体に関連して発煙事故があった。にもかかわらず、発煙、爆発を想定しないでいたというふうに報道されていますけれども、今の火災発生時のマニュアルということで、先ほどの小野委員の質問に対する答弁で、全社的な事故対策規程のほかに施設ごとのマニュアルをつくるとあったわけですが、その施設ごとのマニュアルとしてはなかったということになるのでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 先生、前回お尋ねの件がその施設ごとの意味かというふうに私理解をいたしまして、保安規定に基づいて安全作業基準があり、その下に消火にかかわるマニュアルがあるということを申し上げたわけでございます。 それから、先ほど小野先生にお答えいたしましたのは、いわゆる事故、危機管理、そういった場合のマニュアルがあるのかというお尋ねでございましたので、事故に関しては具体的に事故対策規程がございますということでお答え申し上げた次第でございます。
○達増委員 火災発生の後、消火作業を行い、今回問題になったのはその消火の確認ということであったわけであります。この消火の確認の仕方についてはマニュアルというものはあったのでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 消火マニュアルの中に、消火を確認しろ、せよという項目は入ってございますけれども、どのようにして、どういうときに、そしてその後の処置をどうするということについては具体的な記述はございません。ただ、後の措置といたしましては、消火の確認ができたら上位の責任者に連絡しろという事項は書いてございましたけれども、確認方法、手段等については記載してございませんでした。
○達増委員 消火の確認につきましても、今回煙が立ち込めていて目視がしづらかったということで、そういう煙が立ち込めている場合の確認の方法、あるいは放射能が漏れている場合、中に入って直接確認はできないわけですから、そういった場合の確認の方法、ビデオですとかテレビカメラですとかさまざまな器具を使ったいろいろなやり方があるはずでございますので、そういった確認の方法について事前にきちんとしたマニュアルがあれば、かなり事態は違っていたのではないかと思います。 次に、消火確認がなされたということで、関係者への通報があったわけでありますけれども、火災やその他事故が発生した場合、関係者にその旨通報をするに当たって、その通報の要領、マニュアル、例えば、どういったところに通報しなければならないという通報先、そして、何分以内あるいは何時間以内に通報しなければならない、そういった、これは規則かもしれませんし、あるいはマニュアルというものはあるのでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 火災発生時の措置、連絡等につきましては、けさほど来御説明させていただいております事故対策手順によっております。また、アスファルト固化処理施設運転要領書の中の消火マニュアルでも定めてございます。このうち、事故対策手順には火災発生時の共通的措置を定めておりまして、アスファルト固化処理施設運転要領書には消火設備の具体的操作手順を定めております。 今回の事故におきましては、担当課長が現場に急行すべきところを急行していないなど、そういった一部規則を遵守していない面もございましたけれども、アスファルト固化処理施設運転要領書に対してはマニュアルどおりの措置をいたしたと思っております。
○達増委員 規則等が整備してある部分については、担当者がその規則に従わなかった場合、これは違反ということで責任の所在が明確になっていいわけでありますけれども、そういった規則、マニュアルの整備がなければ、結局だれがやるべきだったかということが決まらないわけでありまして、責任の所在も明らかにならなくなってしまう。そういう意味でも、責任というものをはっきりさせ、その後の再発予防等に力を入れて努力していくに当たっても、やはりマニュアルの整備というものが重要であると考えます。 さて、事故の経緯を追いながら確認させていただきますけれども、次に、夜の爆発ということがあったわけであります。東海再処理施設、特にアスファルト充てん施設での爆発が起こった際のマニュアル等はあったのでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 東海事業所再処理施設の保安規定には、地震、火災その他の原因によって再処理施設に災害が発生した場合であって、通常組織ではその災害の原因除去、拡大防止等の活動を迅速かつ適切に行うことができない事態が発生した場合には、必要な措置、例えば通報、緊急体制組織の設置を行うことを定めております。 今回の爆発事故のように、外壁等の一部破損、換気機能の停止が生じ、封じ込め機能が喪失した場合における機能回復のための具体的な対応マニュアルは今回はございませんでしたけれども、今後、こういった異常事態に備えたマニュアルを検討していく必要があると考えておるところでございます。
○達増委員 今の御答弁の最後にあった部分、新聞報道におきましても、低レベル放射能廃棄物が置かれているアスファルト充てん施設のドアが壊れたままで施設外の空気と直接触れている、その状況で担当者が、我々としては早く密閉したい、どういう手だてがあるか検討中ということ、これは十二日未明の担当者の発言でありますけれども、事故が起こった現場で一体どうしたらいいのかということを考えなければならないというのは、やはり事前のマニュアル整備に不備があったということだと思いますので、その点は重く受けとめなければならないところだと思います。やはりマニュアルを整備することによって、できるだけ事故が起こった現場では考えなくても動くことができるようになる。特に、その場での判断を迫られなくてもマニュアルどおりに動けばいいというような状況を平時からできるだけ整備しておくことがやはり肝要と考えるわけであります。 さて、一連の事故が落ちついた後、当初の通報に誤りがあったことが内部で判明したわけでありますけれども、結局それを修正せず、虚偽報告という形で外部に出て、今回告発という事態になったわけであります。 その間の経緯、報道によりますと、環境施設部の技術課長が発表内容の誤りに気づき、対外的な連絡に当たっていた現地本部の総務課長に訂正を依頼した、ところが、既に外部に出しているので訂正は難しいと拒否されたため、技術課長は訂正を断念、そして、逆に現場の職員に消火の再確認をしたことにしてくれと口裏を合わせるよう依頼した云々、このようにあるわけであります。 この経緯を読んで非常に疑問に思うのは、まず、現場の課長クラスに、対外的な、対マスコミでありますとかあるいは対住民あるいは対世論、そういったことを考慮に入れて事実を曲げる、そういう権限が認められているのかどうか。さらには、そういった報告に誤りがあった場合にそれをどう処理するかというような、そういう内部規定があったのかどうか、伺いたいと思います。
○中野参考人 お答えいたします。 先生御指摘のような、マスコミに対して、何といいましょうか、訂正ができないとかそういった判断を直ちに課長がするというような権限はないと思います。やはりこの場合は、いわゆる事業所長が全体を指揮しておるわけでございまして、そこまできちっと上げた上でどういうふうに対応するか、外へ出ていく情報というのはすべて事業所長が責任を持って出しておるわけでございますから、そういう意味では事業所長であろうかと存じます。 それから、関係者に通報した後に誤りがあったときのルール、そういったものがあるのかという御指摘でございますが、通常私どもは、事象が発見され、それを外に伝えるルートに従って誤りを訂正していくようにしてございまして、誤った場合の特別な、とりたてたルールというものはございません。 以上でございます。
○達増委員 先ほど紹介した佐々淳行初代内閣安全保障室長が「危機管理のノウハウ」という本の中で、情報の原則ということで、危機に当たっては拙速を旨とせよと。例えば、これこれこれという情報をとにかくできるだけ早く入手して、以上、第一報、とりあえず聞き取りのままというように、不完全、不確定だということを明らかにして、とりあえず第一報として早く報告、通報するようにと。そして続けて第二報として、より詳細、完全な内容を通報し、それでも詳細はいまだ不明、わかり次第続報しますというように、そのように、危機に当たっての情報の取り扱いに関してはまずとにかくスピードが大事ですから、何か起こったくらいの段階で、とにかく通報する。ただ、それがあくまで第一報であることを明らかにして、新たな事実が判明し次第、随時それを修正していく。そして、恐らくは所長等のレベルで、この段階であればまとまった情報を対外的にもきちんと発表できる、対マスコミにもきちんと発表できるという段階で記者会見をしてやっていくというような、そういう基本的な情報の取り扱いをしなければならないと思うわけでありますけれども、どうも動燃の一連の事件やその情報の取り扱いを見ていますと、できるだけ完全なセットされたような情報が得られるまではそれを外に出さない、一たん出したらもうそれを取り消さないという、危機管理に当たっての情報の取り扱いとしては、まさに危険なやり方をやっているというふうに気づくわけであります。 この点、規則等から、やるべきことというのはわかるのかもしれませんけれども、今の現状にかんがみれば、やはりこれも詳細なマニュアルをつくって、そういった情報の取り扱いに関しても、上から末端まで徹底させるようにしていかなければならないんだと思います。 そうした作業について、まさに今動燃の主要施設がほとんど使えない状況にあって、そして国会に対して虚偽報告をするという前代未聞の、言語道断な事態を引き起こした今、どこを変えなければならないか、何をしなければならないかというのは、強いリーダーシップで判断して、今行動していただかなければならないことだと思います。それは、動燃理事長に言えることであると同時に、やはり科学技術庁長官にもそういった断固たる、これはもう検討とかいう段階ではなく、検討するなら、何を検討しろというようなことを今決める、そういうふうにすぐ決めなければならないことをすぐ決める強力なリーダーシップというのが求められていると思います。そういうことがもしできないのであれば、もうそれはリーダーをかえるしかないわけでありますけれども、国会の方でもリーダーはかえないというふうになっておりますので、それである以上、断固たる行動をとっていただかなければならないと思います。 断固たる行動に関連いたしまして、動燃では、「もんじゅ」の事故が九五年十二月に起こりまして以来、さまざまな見直しというのが行われていたはずでありますけれども、今、東海再処理施設についていろいろ伺ったようなマニュアル、この「もんじゅ」について見直しの作業を行ったということを聞いておりますけれども、その詳細について伺いたいと思います。
○岸田参考人 ただいまの御質問でございますが、マニュアルでは、異常をとめて拡大を防ぐという意味での運転等のマニュアルと、それから通報連絡にかかわる事故の対策規定にかかわるマニュアルと、両方あると思います。 まず、一点目の技術面の方でございますけれども、これは体系といたしましては、原子炉等規制法に基づきまして原子炉施設保安規定というのがございます。そこで決められた数字を守るために、例えば運転に関しては、起動停止、あるいは異常時あるいは故障時などの各種の運転手順書がございます。 今回「もんじゅ」の事故に関しましては、大中小の漏えいを判断する基準があいまいであったということ、それから、それに伴って直ちに原子炉をとめるというあたりもあいまいだったというようなのが明らかに不適切な部分だったということがわかっております。それは既に科学技術庁からも改善の御指摘をいただいておるところでございまして、それらも含めてすべての面での安全総点検でマニュアルの見直しをやっておるところでございます。 なお、わかっていることは少なくともということでは、外国で起こった各種のトラブル、それらについても、勉強した上でマニュアルに反映させていきたいと考えております。 その次に、事故の対策の規定でございますけれども、御指摘のように、自治体等含めましてだれに連絡をするかということは、各事業所ごとの、より下位のマニュアルで決まってまいります。 「もんじゅ」のトラブル以降は、まず一点目は、事故の通報連絡責任者を置きまして、「もんじゅ」サイトにおいては、その責任者が二十四時間ベースでサイトにおります。彼の判断でもって第一報を出すというようにルールを変えております。 なお、一斉同報ファクスとか、あるいは敦賀の「もんじゅ」サイトの方では、対外対応を担当する敦賀事務所、あるいはもう一つの発電所、今回トラブルがありました「ふげん」等ございまして、支援を含めまして、この三事業所で対応をするような体制を組んでおります。 具体的には、そういうところを改定をいたしました。
○達増委員 次に、「もんじゅ」、東海再処理施設に限らず、動燃の施設一般に関しまして、極端ではあるけれどもあり得ないことはないケースについてもマニュアル等が整備されているのかを伺いたいと思います。 例えば、大きな地震でありますとか、あるいは原子力施設を対象としたテロ、さらに、これはかなりあり得ることかと思いますけれども、放火や侵入、そういったいたずらに対するマニュアル等は整備されているのか、お聞かせください。
○中野参考人 お答えいたします。 私ども事業団では、事業団が有します施設に異常の発生それから異常の発生のおそれがある場合に、円滑にこれに対応するために、先ほど来申し上げております事故対策規程を定めてございます。この中では、先ほども申し上げておりますように、事故の発生、テロ等に関しての通報連絡体制等々を定めております。さらに、これに対してどう動くかということで、防護活動措置規則というのをその下に定めておるわけでございます。 一方、国の災害対策基本法に基づきまして、私どもの各施設の中において防災業務計画というのを定めておりまして、地震とかそういった大型の事故が起きた場合には対応するようなシステムにしてございます。 それともう一つ、私ども事業団の特徴でございますが、大量の核物質を保有いたしております。このことから、核物質防護規定というのを定めまして、ハード、ソフト含めた形で、テロ、侵入、いわゆる不法侵入でございますね、そういったものを含めて対応できるようなマニュアルをつくっておるところでございます。
○達増委員 動燃におけるそのような規則あるいはマニュアルの整備について、科学技術庁がどの程度指導監督を行っているのかを伺いたいと思います。特に、原子力技術の専門家のみならず、危機管理問題について専門的な観点ですとか、さまざまな観点から危機管理マニュアルというのは整備していく必要があると思うのですけれども、その辺はどのような体制で行っているのか、伺いたいと思います。
○池田政府委員 ただいま先生から、こういう動燃を含めました事業者におきます各種マニュアルについての御質問がございました。特に、危機管理と申しますか、緊急時の体制がどうなっているかといったことについての御指摘がございました。 科学技術庁といたしましては、今回の動燃の一連の事故、トラブルがあったわけでございますけれども、こういった事態にかんがみまして、先ほど大臣からも前線の把握をしっかりやるといったことでも御指摘がございましたように、私ども、原子力施設に配置しております運転管理専門官というのがおりますけれども、これにつきましては、非常時の措置、こういった内容につきましての指導を強化したいと思っておりますし、さらに、こういった原子力施設につきましては、抜き打ちの立ち入りといったようなことも考え、事業所におきましてこうした危険時の措置、あるいは事故時に適切な対応ができるようになっているかどうか、こういったことにつきましても、そういう体制の整備を目指して指導監督を強化してまいりたいと考えているところでございます。
○達増委員 動燃が行ってきた、また行っている事業の原子力政策という国家的観点からの重要性、また事故、災害等が発生した場合の規模の大きさ等にかんがみて、やはり国として、政府として、そういったマニュアルの整備についてもしかるべく監督していかなければならないと思います。今の答弁で述べられた体制からしますと、やはり今までの動燃のマニュアル整備の不足等があったわけでありますけれども、科学技術庁もその点深く事実を受けとめて、さらなる努力を続けていかなければならないと思います。 原子力政策には原子力安全委員会というものがあるわけでありますけれども、この原子力安全委員会がこうしたマニュアル、規則の整備等についてどのように関与しているのか、伺いたいと思います。
○都甲説明員 お答えいたします。 事故時等の規則あるいはマニュアル類の整備につきましては、一義的には設置者の自主保安努力の一環といたしまして、設置者の責任で行うべきものであると考えておりますが、原子力安全委員会は、必要に応じまして、設置許可後の規制段階で行政庁が確認すべき重要事項を指摘いたしまして、その処理方針について報告を受けまして審議を行っておるところでございます。その一環といたしまして、事故時の対応についても適切な措置が講じられているか否かを確認しているところでございます。 例を挙げますと、「もんじゅ」に関しましては、ナトリウム漏えい後の措置につきまして審議を行い、ナトリウム漏えい後の点検とか補修措置につきまして適切な規定が定められているということを確認したところでございます。 また、原子力発電所の周辺の防災対策に関しましては、緊急時措置に関する技術的かつ専門的事項を取りまとめました原子力防災指針というのを決定してございまして、国並びに事業者等に対しまして的確な対策を講じることを求めておるところでございます。 さらに、原子力安全委員会といたしましては、今回の事故におきまして、設計、建設あるいは運転管理、さらには事故後の措置等々の各段階でどこに問題があったかということを見きわめまして、その問題点を改善する取り組みを強化してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○達増委員 次に、これは通産省さんに伺いたいと思うのですけれども、民間の原子力発電所について、その規則、マニュアル、特に事故関連のものについて指導監督しているのか、伺いたいと思います。また、トラブル、事故等が生じた場合に、その報告やその後の処置等についてフォローしているのかどうか、伺いたいと思います。
○東郷説明員 お答えいたします。 原子力発電所におきましては、原子炉等規制法及び電事法に基づきまして、設計、建設といったような各段階におきまして厳重な安全審査を実施しております。運転面につきましても、電気事業者は、非常の場合に講ずべき措置を定めまして、必要な事項を原子炉施設保安規定に定め、国の認可を得ることとなっております。さらに、事故の際の詳細な対応につきましては、運転マニュアルを定めまして遵守するよう保安規定に定めております。また、こういった運転マニュアルの整備に加えまして、電気事業者におきましては、事故時の操作等につきまして定期的に自主訓練を行っているところでございます。 また、通報連絡でございますが、これにつきましても通産省はかねてより指導しているところでございますが、動燃の事故が起きました翌十二日、電気事業者十社に対しまして、トラブルの通報連絡について点検するよう指示いたしました。点検の結果、迅速な通報連絡体制が整備されており、問題はないというふうに判断しております。
○達増委員 本来は、プルトニウム等高度な技術を使い、またそれだけ危険性も高い事業を行っている動燃の方が、民間の原子力発電所施設よりも厳しい危機管理の体制をとっておかなければならないと思うわけでありますけれども、意外にビジネスとしてやっている民間の方が、顧客との関係とかいろいろなそういう対外的な関係をより意識して、危機管理体制について神経を使っているところがあるのではないかというふうに思います。 この危機管理に当たってのマニュアル整備ということ、先ほども責任ということの関連を少し述べましたけれども、私もかつて公務員をやっておりましたときに、規則、マニュアル等がはっきりしている部分については仕事が非常にやりやすいのです。しかし、そういったマニュアルがはっきりしていない場合、まず仕事の役割分担、だれがどこまでやらなければならないのか、上司との関係、部下との関係、あるいは横の他の部署との関係で、そういったことがあいまいになります。 特に緊急性を要しないような事務であれば、人間的なつき合いが深まるにつれて、大体以心伝心で、自分はここまでやっておけばいいんだな、あとは上司に任せるとか、そういったのがわかってくるわけでありますけれども、危機管理、もう一分一秒を争うような行動をとらなければならないときに、これをだれがやらなければならないのか、何をやらなければならないのか、そういうことがあいまいのまま残されていますと、まず事故等の処置がきちっと行われないわけであります。また、最終的に責任の所在があいまいなまま、部下は部下で、これは自分の仕事じゃなかったんだということになりましょうし、上は上で、いや、部下が本来やることだったというような格好で、結局、責任の所在が不明確なまま、抜本的な解決が図られないまま、また次にいってしまう。ここ一、二年間の一連の動燃関係のさまざまな事故、事件を振り返りますと、そういった傾向がやはりあったのではないかと思われるわけであります。 その意味で、一日も早くそうした規則、マニュアル等の整備を進めること、それを国民に対し、もちろん国会に対しても示していくことが非常に肝要であると思いますので、その点を確認して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○佐藤委員長 午後四時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ————◇————— 午後四時三十九分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 新進党の斉藤鉄夫でございます。 新進党は、科学技術庁長官不信任案を先週提出をし、一昨日、本会議でこの審議が行われました。この不信任案は、近岡大臣いらっしゃいますが、近岡大臣の任期中の措置に大きな誤りがあったとか、またお人柄がどうとか、そういうことでは全くございません。これは、田中慶秋委員がその本会議の討論の中で述べたとおりでございます。 ただ、橋本総理が、動燃の話は聞きたくない、本当に怒っている、こういう発言をしたというふうに報道で言われております。大変、国民の気持ちを代弁した正直な気持ちだとは思うのですが、ちょっと待てよと。動燃というのは、政府出資の特殊法人で、人事、予算、計画、ある意味では内閣と一体になって原子力政策を進めている特殊法人、事業団でございます。科学技術庁と一体になって進めている。特に人事の面では、科技庁出身の方も行っていらっしゃいますし、また、天上がりというのだそうですが、動燃からも科技庁に出向されている。そういう一体でやられている行政が、ある意味で、外から見ておりますと、自分の責任は全く知らんおりをして動燃にばかりそめ責めを押しつけている、こういうふうにも見えるわけでございまして、だから、この橋本総理のお言葉も、ちょっとおかしいのではないかというふうに感じたわけです。 今回の不信任案は、そういう意味で、行政もきちんと責任を、ある意味で責任の一端といいましょうか大きな部分を感じなくてはいけない、その筋を通すべきだ、こういう形で新進党は不信任案を出した次第でございます。 本会議の採決で、この不信任案は否決されました。ということは、近岡大臣は国会において信任をされたわけでございましてこういう意味では、これからの原子力行政の立て直しに、より一層重い責任が大臣の両肩に加わったというふうに感じております。 ちょっとお聞きしにくいのですが、不信任案を出されたということと、その責任の重さについて、大臣から御所見を例えればと思います。
○近岡国務大臣 午前の委員会でも申し上げましたとおり、本会議場で不信任案を提案された方々に対しまして、今御指摘のとおり、監督官庁の行政の長として私にも十分責任があるのだということは、私も重く重く受けとめております。 私も、東北の田舎の一町会議員から、議員活動四十年になるわけでありますが、振り返ってみまして、日本のこういったエネルギーにかかわる、特に原子力行政というものが国民の信頼なくして進めることができないという点から見た場合に、今回のこの不信、不安感というものは大変なことだなというようなことで、私は、政治家の一人としても、生涯忘れ得ない責任の重さというものを身にしみて、先般のあの本会議場における先生方の御指摘に対しまして、終生忘れないでこの問題に鋭意努力しなければならない、こんな覚悟をいたしております。
○斉藤(鉄)委員 いよいよ重くなったその責任をこれからの原子力行政の再スタートに大いに生かしていただきたい、責任を持って進めていただきたい、このように最初に申し上げさせていただきます。 次に、この委員会の最初に、動燃理事長の再答弁に対する委員長の質問がございました。正直申し上げて、理事長のお答えは、よくわからなかったといいましょうか、委員長の質問に対してまともに答えていないのではないかと思われる部分がございますので、この委員長質問について、もう少し詳しくここで質問をさせていただきます。 まず、委員長質問の問一でございますが、この虚偽報告について、なぜ、動燃や科学技術庁では察知できずに、外部の報道機関が察知できたのですか、この質問についてでございますけれども、この外部の報道機関というのは一体どこでございましょうか。
○池田政府委員 ただいま、今回の虚偽の報告についての経緯におきまして、私どもが今回の動燃事業団からの報告書の中に偽りがあるといったことについて知る経緯についてのお尋ねがございました。 前後の状況について、若干御説明させていただきたいと思います。 実は、動燃事業団から今回の発表があります前に、四月七日でございましたけれども、事故の原因究明の一環といたしまして、事故調査委員会の委員が、現場におりました運転員から火災発生時の状況を直接聴取することになりまして、現地におきましてヒアリングを実施した次第でございます。その際に、当初予定しておりました四名の運転員のうち一名が出席できないという旨の説明が動燃事業団側からあったわけでございます。その後の調査によりますと、この運転員が、このような事故調査委員会のメンバーに対する事情聴取の場では真実を言わざるを得ないと主張したそうでございまして、それに対して事業団側から、これまでどおり十時二十二分消火を確認したことにしてほしいといった旨の説得がなされた、しかし本人が意思を曲げなかったことでヒアリングヘの出席が取りやめさせられたといったような経緯があったことが判明した次第でございます。 このような経緯が、間接的にでございますけれども、その後、報道機関に知れることになった、八日に至りまして報道機関から我が方に対して事情の問い合わせがあったといったことでございまして、それをきっかけに、私どもからも事業団に対して再度確認を求め、その結果といたしまして、夕刻に至りまして事業団側から、三月二十一日に提出した報告書に虚偽の記載がある旨報告があった、そういった事情でございます。
○斉藤(鉄)委員 質問は、その外部の報道機関とはどこかということでございます。
○池田政府委員 お尋ねでございますから、お答え申し上げます。 NHKでございます。
○斉藤(鉄)委員 それでは、NHKからどのように科学技術庁に連絡が入ったのでしょうか。
○池田政府委員 ただいま申し上げましたように、今回の事故を契機に、その後、事業所の中には報道陣が、そういう意味では常に状況を見ているといったような状況にございます。今申し上げましたような事情が、そういった意味では、今申し上げました報道機関にも何か不審に見えるようなところがあった模様でございまして、それが疑問となって我々に投げつけられたわけでございます。そして、それを契機に、私どもも、そういった疑問に対しては答える義務があるといったことで、事業団に対して、事実の解明について説明を求めたといった次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 報道機関から科学技術庁に電話で連絡があった、それを受けて科学技術庁は、科学技術庁として調べられたのでしょうか、どういう形でその究明を行われたのでしょうか。
○池田政府委員 こういうような問い合わせにつきましては電話というようなことではございませんで、今申し上げましたような照会につきましては、実際に訪ねてこられて、そういう事情について疑問を投げかけられたといったことでございます。 私ども、プレスに対しましても、そういった疑問があるような場合には、いつも、できる限り正確な情報を提供するといったことほ必要だと思っておりますから、それに対してはできる限りの対応をしようということで、事業団に対しても、そのときはうわさ、あるいは何かのヒントといったようなことではあったのかもしれませんけれども、それについての説明を求めたという状況でございます。
○斉藤(鉄)委員 それは動燃にまた問いを投げた、動燃に調査を命令したということでございましょうか。
○池田政府委員 動燃事業団に対して、調査をし、その結果を報告するように求めたわけでございます。
○斉藤(鉄)委員 それを受けて、動燃の中ではどういうふうな調査が行われましたでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 当日、池田局長から私の方に問い合わせがございまして、局長のところに伺いまして、そういううわさがあるのだが調査するようにということでございましたので、直ちに私、東海事業所と連絡をとり、調査を開始いたしました。
○斉藤(鉄)委員 もしよろしければ、その調査の中身をもう少し詳しくお述べいただけますでしょうか。私は、それがこの委員長質問に対する答えになるというふうに思っております。
○中野参考人 お答えいたします。 当日、最初に御質問あるいはお尋ねがございましたのが、たしか四時過ぎであったかと思います。そのときに、直ちにお役所の方に向かいましてそのお話を伺いました。そして、一たん私、事業団の方に戻りまして、東海事業所のこの分野を担当しております副所長に調査するようにお願いをいたしました。 副所長も、最初はそういうような事実というのは聞いたことがないということで、随分いろいろ苦労しておられたようでございますが、一部に、そういえばそんなことを言っていたという、うわさのうわさでございますか、というようなことも聞いたぞという話がございましたので、私の方から、何でもいいからとにかくその辺を十分に調べてみてくれるようにというお願いをいたしまして、六時半過ぎでございましたか、やはりちょっと事実と違っているようだということがわかりましたので、それから本格的な調査に入った次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 外部の報道機関、NHKというお答えがありましたけれども、NHKの、記者さんかどうか知りませんが、その方がなぜ知り得たかということは、調査をこれからされますでしょうか。 これは非常に微妙な問題、ニュースソース、またその人権といった微妙な問題もございますが、委員長の質問に、内部である動燃や科学技術庁では察知できなかった、しかし外部の報道機関が察知ができた、これはなぜなんだ、本来逆ではないか、こういう質問でございます。委員長質問というのは、我々の質問とは違いまして特に重い質問でございます。国会を代表しての質問でございます。 そういう意味で、なぜ外部の者が察知できて内部が察知できなかったのか。これを突き詰めていきますと、なぜその報道機関の人がそれを知り得たのか、その調査も必要になってくるかと思いますが、その点についてはどうお考えでしょうか。
○池田政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、真実を語ろうとして語れなかった作業員がいたわけでございます。そういった意味では、そういう作業員の立場になって考えますと、それ以上は秘密を守る必要がないといったことで、外部からのいろいろな問い合わせに対しても答える場面があったのではないかと思われます。
○斉藤(鉄)委員 非常に微妙な問題ですので、私も今のお答えではちょっとまだ委員長質問に対して答えていると確信できませんが、微妙な問題でもございますし、私自身もちょっと判断がつきかねますので、この辺にしておきます。 それから、委員長質問の問二は、現地本部は、環境施設部長の指揮下にない幹部職員がいたのですから、気づいて当然と思いますがどうですか、こういう委員長質問でございます。それに対して先ほどの理事長のお答えは、非常に錯綜していて、そういう一つ一つのことに、小さな、その当時は小さなことだったわけですから、それには気づかなかったということで埋もれてしまった、こういう答弁だったと思うのですが、その理解でよろしゅうございますでしょうか。
○近藤参考人 先ほどお答えしましたように、現場指揮所、それから現地本部とも、事故後は非常に錯綜した状態でございまして、電話、ファクスの受け渡しとか、それから室内の口頭でのやりとりが激しく行われております。そういう部屋の中にいると、職員でも直接に面と向かって話し合うとか、あるいはファクスを回覧するとか、そうでないとなかなか情報を共有することが困難である、こんな状況でございました。 当時、本部長の代理として現地本部の指揮をとっていました副所長は、このような状況の中で総務課長と技術課長とのやりとりを把握することはできなかった。また、総務課長は、技術課長とのやりとりについて、現地本部内の他の職員には相談しなかったと調査の結果述べております。副所長は、現地本部内で副所長に判断を求めてきたときには指示をちゃんと与えていたが、現地本部のやりとりを全部把握できるという状況にはなかったと言っております。 そんな状況でございまして、なかなか把握することができなかったというのが実態でございます。調査結果でございます。
○斉藤(鉄)委員 動燃が四月十二日に出しました虚偽報告についての報告書を読みますと、 十七時前後の現地本部からのFAXよる時系列確認依頼に対し、十時二十二分とされていた消火時刻を十時十三分に訂正する旨の回答をFAXにて送付した。更に十八時過ぎに現地本部から届いたプレス発表文案に対し、技術課長は、消火時刻を十時二十二分から十時十三分に訂正するよう現地本部の総務課長に電話にて依頼した。 五時前後に、消火時刻は十時十三分に訂正してほしいというファクスを現地本部に入れているわけですね。一時間後の十八時過ぎに現地本部からプレス発表の文案が届いた。この十八時過ぎに現地本部から届いたプレス発表文案には、十時二十二分はどういうふうに記載をされていたのでしょうか。
○植松参考人 現地本部から届いたプレス発表文案の中には、十時二十二分に消火というふうに書かれておりました。それを見て技術課長は、十時十三分にそれを訂正するようにというふうに電話で総務課長のところに連絡をしたというふうに聞いております。
○斉藤(鉄)委員 そうしますと、技術課長が五時に現地本部に送ったファクスというのはどうなったと理解すればいいのでしょうか。
○植松参考人 現地本部の方に技術課長から送った訂正の要請は一応無視されてしまったというふうに考えざるを得ないというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 ファクスで送ったわけですから文書は残っている、文書は残っているけれども無視されたということは、その文書をみんなが見て無視しようということなんでしょうか。
○植松参考人 そのあたりも詳しく調べてみましたが、そのファクスが現地本部内に回覧されたという事実はございませんでした。単に総務課長のところで、受信人のところでそれを見ただけで終わっておったということでございます。
○斉藤(鉄)委員 そのファクス文書はまだ残っておりますか。
○植松参考人 そのファクス文書のコピーは残っております。
○斉藤(鉄)委員 先ほど理事長から、錯綜していて、そういうファクス文書が来ても回覧されなかった、総務課長一人のところでその情報がとどまって、だからみんなは知らなかったということなんですが、普通、ある事務所にファクスが行く、今事故が現場で起きている、現場でいろいろなことが進行している、その報告のファクスが来たという場合、いろいろな人が見るのではないか。特に、その現地本部の責任者は見ても当然ではないかという気はするのですけれども、その点についていま少しみんなが納得できる調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○植松参考人 先生がお持ちの疑問は我々調査班も同じような疑問を持って、そして、単に総務課長だけはなくてほかにいた人たち、特に、その当時は副所長一人が現地本部を指揮しておりましたので、副所長にも何度もインタビューをして調べました。その結果として、そのファクスを見たという記憶がないというのが答えでございましたので、我々はそれを答えとして受け取ったわけでございます。
○斉藤(鉄)委員 結局、最終的には消火は十時二十二分から十時十三分に変更になっております。内容が変更になっているのになぜ十時二十二分だけが残ったのかという疑問がこの報告書からは読み取れないのです。内容も変更したのだったら十時二十二分もなくなるはずではないか、なぜ十時二十二分だけが残ったのか、この点についてはいかがでしょうか。
○植松参考人 十時二十二分という時間がひとり歩きを始めたのはごく初期のころでございました。黒板に部長の発言時刻を十時二十二分と書いて、水噴霧で消火したというふうに書いたものがひとり歩きを始めたわけです。何度か訂正のチャンスはありましたし、訂正をしようとした動きも、その報告書に書いておきましたが、ございました。 しかしながら、総務課長の方からは、一たん外部に一斉ファクスで十時二十二分という数字を流してしまうた後であるので、なかなか変更することは難しい。彼の心は多分、一度言ってあるので正当な、はっきりよくわかる理由がなければ変更することは難しいということを言ったのだと思うのですが、それがやりとりの中で十分二人の間に意思が伝わっていなかったのではないかというふうに思われる。何度かそのやりとりをやっているうちに、それならしようがないやというのが技術課長側の早とちり的な判断であったのではないかと思われます。それが全体の構造をゆがめる結果になったのではないかというふうに考えております。
○斉藤(鉄)委員 わかりました。 以上で委員長質問を補足する形での質問は終わらせていただきます。 これからは私の質問ですけれども、今回、虚偽報告がなされた、その虚偽報告が明文化されたのは六時過ぎになるかと思います。これは午後八時の爆発の前でございます。この虚偽報告、消火を確認したということが正式な文書になった、そのことがこの爆発の、もちろん直接の原因ではありませんが、遠因の一つぐらいにはなるのかな。つまり、消火を確認したのだから消火の確認がそれ以降いいかげんになって、爆発を誘引した、遠因になった、こういうことも考えられるわけですが、この点についてはいかがでございましょうか。
○植松参考人 確かに、消火をしたという事実ができ上がってしまいましたものですから、それが十時間後の爆発につながる遠因になったのではないかというふうに私どもも勘案いたしております。 したがいまして、消火したという認識を持ち過ぎたがために、その後何度か災害現場に入域をしておりますけれども、さらに火災の状況について調べるとか、また、さらにもう一度水をかけるとかいう動作が行われなかった。それが最終的には爆発につながるものになったというふうに勘案しております。
○斉藤(鉄)委員 今回、原子力開発であってはならない虚偽報告という面が強調されておりますが、副理事長今お答えのように、第二の爆発の遠因になった、この虚偽報告が直接の事故の原因になったということはこれはまた新たな観点でございまして、その点についても今後動燃としてもう一度調査をしていただきたいと思います。 虚偽報告については以上で質問を終えます。 次に、「ふげん」の問題に移らせていただきます。 通常、「ふげん」からはトリチウムが一週間当たり三・〇掛け十の九乗ベクレル、このベクレルというのが非常にわかりにくい単位でございますが、放射能の単位のようでございますけれども、これが一週間当たり通常出ているということでございますが、どのような形でトリチウムが通常放出をされているのでしょうか。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 今回の重水の漏えいにつきましては、この事実を知りましてから、現場に検査官が臨みまして検査をしております。その際に、今回の漏えいにつきましては、この重水を精製する設備の一部分でございますけれども、重水と水とを分離して、重水の方の部分におきまして四十ccほどの重水の漏れがあった。重水は、「ふげん」という原子炉におきましては原子炉の反応を制御するために減速材として使われておりまして、この炉内で使われることによって、その中にトリチウムが生成されるわけでございます。ですから、この重水の中には必然的に一定量のトリチウムが含まれます。重水が漏れたことによって、その中に溶け込んでおりましたトリチウムが漏れ出したといった次第と理解しております。
○斉藤(鉄)委員 ですから、私の質問は、通常一週間当たり三・〇掛け十の九乗ベクレルのトリチウムが環境に放出されている。どういう形で、例えば気体にして空気で薄めて出しているとか、水で薄めて海水中に出しているとか、どういう形で出しているかという質問でございます。
○岸田参考人 今御指摘の数字は、排気筒から出ておるものでございます。ということは、トリチウムの水が蒸発したという形で、気体の形で、水蒸気の形で出ているということでございます。
○斉藤(鉄)委員 水蒸気、空気で薄めて濃度以下にして、一週間当たり三・〇掛け十の九乗ベクレル出ている。今回漏れたのが四・二掛け十の九乗、大体一週間分ということで、動燃の発表を見ますと、この三・〇と四・二を足して、三カ月平均濃度換算ということでベクレル・パー・立方センチメートル、急に立方センチメートルという単位が入ってきましたから、多分空気で薄めて濃度換算をしたのだと思うのですけれども、いわゆる排気筒からどんどん空気で薄めて低濃度で出しているものと、今回のように重水、水で出てきたものと一緒に足して換算するというのはちょっとおかしいのじゃないかと思いますが。 ちょっと私、質問の仕方が下手で、言う意味わかりますでしょうか。その点についてはいかがでしょうか。
○岸田参考人 この放出量に関しましては放射線障害防止法という法律で規定をされておりまして、ここでは三カ月の平均濃度で押さえるという仕組みになってございます。ということでは、先生御指摘のとおり、我々は一週間ごとで社内として管理をしておるわけですけれども、今回のは短い期間でございますけれども、通常一週間出ておるものに今回のものを足し算をして、排出の空気量で割ったということでございまして、そういう意味では、空中に、部屋の中に出たのが排気筒から出ていくということで、意識してといいますか、積極的に空気で薄めて放出というようなことではございません。
○斉藤(鉄)委員 その点わかりました。 放射線障害防止法には、報告すべき場合には該当しない、今回は。しかし、内部の内規では不適切、こういうふうに報告書に書いてございますが、これはどういう意味でしょうか。
○岸田参考人 内規でといいますのは、通報連絡をしろという社内の内規のことでございましょうか。
○斉藤(鉄)委員 科学技術庁が出された報告書に、「トリチウムの放出は、いずれも放射線障害防止法の規定に基づき報告すべき場合には該当しない。」しかしながら、「動燃事業団の内部規程に照らしても不適切なものであった。」ということの意味でございます。
○中野参考人 補足させていただきます。 「もんじゅ」の事故以来、私どもの事業団の中で、いろいろなトラブルが起きたときにどういう通報の仕方をするか、どういうものを通報するかということについていろいろ協議しました。けさほど来申し上げておりますが、その一つに事故対策規程というものがございます。これは、今岸田が申しましたように内規でございます。この事故対策規程によりますと、大小、軽重を問わずすべてを報告する、そういう規定になっておりますので、そういう意味で、内規ではということでございます。
○斉藤(鉄)委員 今回、この内規に照らしても不適切であった。こういう報告を怠った。ある意味では士気の緩みというようなものもあるかと思うのですが、その士気の緩みの原因として、ATR、新型転換炉路線が中止になった、「ふげん」はある意味で動燃の今後展望のないお荷物、こういう背景があるのではないかというようなことも言われております。私はそれは信じたくありませんが、しかし、トリチウム技術はこれからの核融合の三重水素燃料、これイコールトリチウムですから、そういう意味でも、非常にトリチウム技術、重水技術というのは重要になってくるわけでございまして、「ふげん」の技術も大事にしなければいけないと思うのですが、この士気の緩みという批判についてはいかがでしょうか。
○加藤(康)政府委員 ATRは、原子力発電所としては非常に運転状態がいいと申しますか、余り多くのトラブルもなく、ずっと長く運転されてきたものでございまして、国産でつくりました最初の原子力発電JPDRを除けば、大型のものとしては軽水炉以外では初めてのものでございますが、そういうようなことで、動燃の中でもATRのグループというのは非常にまとまってよくやっていたかと思います。 しかしながら、今回、虚偽の報告があったとか、いろいろな事件、事故があった上に、なおかつ三十時間も報告がされなかった、そういうのはございました。気の緩みというのもあるかもしれませんし、あるいは先ほどの、内部のどのレベルから報告すればいいということが徹底しなかったということがあるかもしれませんので、そういう意味で、今回原子炉を停止いたしまして、情報連絡の部門、情報伝達の部門、そういうところを徹底的に洗っていただきたいと思っている次第でございます。 もちろん、ATR自身にトリチウムの技術を涵養するとか、それなりの意味もあるわけでございます。地元の意向もあるかと思います。これからもATRは、そういう情報伝達問題がクリアされましたならば、また運転を再開したいと考えている次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 「ふげん」のデータの蓄積は非常にすばらしいものがありますので、むだにしないようによろしくお願いいたします。 最後に、資源エネルギー庁の方にお伺いしますが、今回こういう事故がございまして、再処理がだめ、それから「もんじゅ」もだめということになりまして、プルトニウム需給のバランスが非常に心配されております。使用済み核燃料も含めて、このプルトニウム需給が今後どうなっていくのか。そして、この問題を解決するためにはどうしてもプルサーマルを推進していかなければならない。これは私ども新進党も理解しておりますけれども、このプルサーマル、今回の事故によって大きな障害になったとも言われております。今後どういう見通しか、それをお伺いします。簡潔に。
○伊沢説明員 ただいま御指摘ございましたように、今回の事故によりまして原子力に対する風当たり、一層強まったのは事実だと思っております。他方、エネルギー資源に乏しい我が国にとりまして、同時にCO2問題なども念頭に置きますと、原子力の重要性、核燃料サイクルの重要性というものは変わらないと我々は思っております。 プルサーマルにつきましては、先生御案内のとおり、閣議了解を行いまして、その後通産大臣、科技庁長官から、さらには総理大臣からも三県に協力要請を行い、電力会社からも三県に対しまして計画の御説明をしております。我々としましては、やはりプルサーマルを中心としましたプルトニウム利用を進めていくことが非常に重要だと思っておりまして、これがまた使用済み燃料対策としても非常に意味があるものでございます。 そういうことも頭に置きまして、現在、地方の議会とか地元自治体そのものに対する説明を行っておりますが、今後ともこうした努力を行いまして、シンポジウム、フォトラムなどを活用しながら、地元だけでなく、広く国民の理解を得られるような努力をしていきたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 終わります。
○佐藤委員長 井上義久君。
○井上(義)委員 新進党の井上義久でございます。 近藤理事長初め動燃の皆様には、きょうは大変御苦労さまでございます。心労を察して余りあるものがあるわけでございますけれども、まことに残念なことですが、動燃のこの一連の、お粗末としか言いようがないわけでございますけれども、その行為によりまして、核燃料サイクル計画あるいは日本の原子力行政というものがつまずき、中断を招きかねない、こういう状況になっているわけでございます。私は、核燃料サイクルの問題あるいは原子力行政という問題は国家百年の大計に値する重要な問題だと思っておるわけでございまして、そういう意味で、やはり冷静な議論が必要だ、そう思うわけでございます。 そういう意味で、動燃の皆さん、この問題はそういう問題であるということをぜひとも受けとめていただいて、やはり事実関係それから原因というものを徹底的に明らかにして国民の信頼を回復するということで、ぜひともそういうことをしっかりお願いしたいというふうに最初に申し上げておきたい、こう思います。 それで、一昨年の十二月に「もんじゅ」の事故が発生をいたしまして、ナトリウム漏れ事故があったわけでございますけれども、このときに、情報隠しがあったということで非常に厳しい指弾を受けたわけでございます。そしてまた、ことし三月十一日は、今議題になっております茨城県東海村の再処理施設の火災爆発事故があって、ここでも虚偽の報告があった。これは十六日に科学技術庁が告発をするというような事態にまで発展しているわけでございます。 そういうさなかに、この十四日の早朝には、福井県の敦賀市にある、先ほども議論になっておりましたけれども、新型転換炉「ふげん」で微量の放射性物質が外部に漏れていた。そのことを動燃が地元自治体、国に報告したのが丸一日だつた後であったというようなことで、この通報のおくれというのは地元との協定に違反する疑いもあるわけでございます。 これまで科学技術庁も、「もんじゅ」の後、トラブル発生時の情報公開ということで通達も出されておりますし、それを受けて動燃の方も情報公開ということについては相当努力してこられたのじゃないかと思うのですけれども、要するに、我々から見ると、この放射能漏れの事実を隠そうとしたのか、ただ通報がおくれただけなのか、その辺が判然としないわけであります。少なくとも内部にとどめようとしたという、この新型転換原型炉「ふげん」の運転管理者の皆さんの行為というのはどうも理解を超える、もう我々国民の理解を超えるものだというふうに、私なんかは率直に言って思うわけでございまして、なぜそういうふうになってしまったのか。これまでも何回もいろいろな角度から言われておりますけれども、改めて当事者である動燃から、なぜそういうふうになってしまったのか、この原因というものをぜひお聞かせいただければと思います。
○岸田参考人 御指摘のとおり、「もんじゅ」のトラブル、事故の通報連絡に関する反省を踏まえまして、連絡の体制とかあるいはハードウエアの整備は十分図ってまいりました。今回の情報のおくれは、発電所の中で今までこういうものは、これは言いわけにもなりませんけれども、微少なリークは言わなくてもいいという共通の認識があったということでは判断ミスでございます。 しかし、内部にとどめておこうというつもりはなく、通常の、デーリーの異常といいますか、通常ベースで報告すればいいということで、一日おくれで各所に通報に回っておったところでございまして、その途中の過程で本社等に連絡があり、これは異常の報告をすべきだということで、そのデーリーベースから素早く連絡をする体制に切りかえたわけでございまして、決して内部にとどめておこうという意思ではございませんでした。 非常に残念ながら、御指摘のとおり、安全協定では、不測の事態によるリークがあれば通報ということでは、量の話は書いてございません。という意味では、今回国の方から御指摘をいただきました通報連絡に関して改善をせいという中では、今回の判断ミスを、何とか定量的といいますか、もう少し明確なものに変えていく必要があるのだろうと考えております。
○井上(義)委員 そうすると、現場管理者と幹部の皆さんとの間に、この情報公開ということについて、落差というか認識の違いが相当あったということになるのでしょうか。
○岸田参考人 一言で言えばそういうことだと思いますけれども、もう少し解説をさせていただきますと、外へ出ていくスタック、排気筒には放射線のモニター、トリチウムのモニターがついてございます。それで、今回の場合は高警報、ハイの警報が出ておりまして、通常、運転のプラクティスとしては、そのあたりで漏れている系統のポンプをとめると、その漏れをとめる措置をするような運用をしてございます。それで、ハイハイになりますと、これは自動的に重水のポンプ等が止まり、外へ連絡するというような、何といいますか、誤ったといいますか、そういう判断を、共通認識を持っておったということでして、ということでは、量にかかわらず言うべきだということでは本社と現場とに乖離があったと言わざるを得ないと思います。
○井上(義)委員 昨年の「もんじゅ」の事故があってから、科学技術庁の通達もあって、相当な社内的な徹底もされたと思うのですけれども、それでもなおその乖離があったということについて、どういうふうにお考えでございますか。
○岸田参考人 発電所といたしまして、そういう共通認識としての判断、大きな目で見れば判断ミスをしておるところでございまして、私どもとしても、そのマニュアルのディテールまでチェックをしていなかったということはあるかと思いますけれども、という意味では、今回理事長の方から経営陣を含めての処分を受けたものと、不十分であったものと考えております。
○井上(義)委員 現場管理者にそういう判断ミスがあったというふうに今おっしゃっているわけでございますけれども、一般の住民の方から見ますと、少なくとも放射能が外に出るというようなことについて現場管理者に判断ミスがあるということは非常に重要なことでございまして、一般の化学プラントであれば、例えば爆発事故が起きたとか、多少の漏れがあったとかということで、それはそれでまた重要な問題ですけれども、一般の人たちの受けとめ方というのは、これはもう全く質的な違いがあるわけでございます。 私は、今のお話を伺っていて、よく微量であった、法定内であったということが、いろいろな報告の中に必ず出ているのですけれども、要するに、微量であっても出たということは、やはり原因があって出ているわけで、そこをきちっと事実をまず明らかにして、そして、なぜそうなったのかということを明らかにしていく、それを積み重ねていくということが、やはり信頼感を醸成していくということになるんだろうと思うのですね。 特に、原子力というのは、ある意味では未知の技術なわけでありますから、国民的な理解を得るということに関して言うと、現場管理者に判断ミスがあったということは非常に重要な総括だということを、ぜひこれは動燃として認識をして、そういうことについて、今後二度と起きないような対応といいますか、その辺についてはどういうふうにお考えでございましょう。
○岸田参考人 判断ミスの再発防止対策については、先ほどちょっと申しましたように、大臣の方から、今回「ふげん」を停止して、情報伝達体制の改善指示を受けてございます。 今回の直接的な原因としては、やはり判断ミスということでございまして、先生御指摘のとおり、何らかの形で、この判断基準を定量化といいますか、明確化する必要があると思います。 さらに、あえて言うならば、もう一つつけ加えるとするならば、個人の判断ミスをチェックできる体制といいますか、通報連絡者をさらにチェックするような体制を検討してまいらねばならないと考えております。
○井上(義)委員 判断ミスをチェックする人、またチェックする人、そういうふうにしなきゃいけないということは、ある意味で非常に厳しい状況なんだと思うわけでございます。やはり現場管理者が本当に信頼できるような、いわゆる動燃的なものと言われている体質といいますか、安全だ安全だ、こういうふうに外に対して言う。そのうちに、これはもう絶対安全だ。そうすると、少しでも何かそういうミスがあれば、これを出すと一般の人にはわからない。先ほどから専門的な議論、なかなか一般の人にはわかってもらえないだろう。そういう未知の技術を扱う技術者としての基本的な姿勢といいますか、そこをやはりきちっとしていかなければいけないんじゃないか。そういう基本的なことについて、ただチェックの仕組みを積み重ねていくだけじゃ、これは不信の相互作用になってしまって、お互いに監視し合うような仕組みになってしまうわけでございまして、そういう抜本的な体質の改革ということについて、どのような認識をお持ちでございましょう。
○近藤参考人 先生御指摘のとおりでございます。幾ら基準を細かく引いていっても、やはり最後は、基準値以内ならばという発想がどうしても出てくると思います。 それで、今基本的に意識の改革を進めておりますのは、事の大小、軽重を問わず、とにかく外に出しなさい。それを判断するのは、こちらじゃなくて周りの人、地域の方が判断していただく、そのための情報を提供しろという方向で今指導しております。 やはり、とにかく動燃をもっと透明度を高めていく、そのためには、すべて情報は外に出していきます。これを通じてしか、動燃の信頼の回復ということはあり得ないと思いますので、先生おっしゃるその精神に即して、意識の改革を進めていきたいと思っております。
○井上(義)委員 東海の再処理施設の火災、爆発の件でちょっと具体的なことをお伺いしますけれども、当初動燃では、要するに火災を想定していなかった。ところが、ベルギーの同種施設で起きた火災を教訓にして、このアスファルト固化体の燃焼試験を行って、要するに、火災の可能性がある、しかも、完全に消火するためには八分間放水が必要だ、そういうことを確認して、それでスプリンクラーとか二酸化炭素の噴出装置だとかを一応つけた。しかし、この消火マニュアルには、消火マニュアルというのがあるそうなんですけれども、それには、水をかけて消火の状況を確認するとだけ書かれていて、どの程度水をかけなければいけないかというようなことは書かれていなかった。実際、今回は一分間しかかけていなかった。消火が不十分で、それが爆発につながった可能性が非常に高い、こういうふうに言われているわけであります。 我々の認識からいうと、この施設をつくられるときに、当然これは今の原子力安全の二重チェック、原子力安全局あるいは安全委員会という二重チェックがなされて、施設が適切であるかどうかということが設置の許可の基準になっているんだろうと思うのですけれども、どうも何か、火災は発生しないという前提に立って、それが今日までそのままずっと来てしまっていたんではないか、そこに大きな原因があるんじゃないか、こんなふうにも思うわけでありますけれども、この辺はどうなんでしょうか。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 このアスファルト固化処理施設につきましては、当初安全審査を申請されましたときに、先生から今火災を想定していないという御指摘がございましたけれども、この施設がアスファルトを使うといったことから、火災についても考慮はしておったわけでございます。ただ、その場合に、アスファルトについての品質管理を行いますことですとか温度管理を行うといったようなことで火災が起きないようにする、そういう基本的な考え方を明らかにしておりました。ですから、火災は起こらないと考えるものの、しかしながら火災が起きた場合の対策については考えるといったことで、水の噴霧設備ですとか炭酸ガスの噴霧設備、こういったものを用意しておったわけでございます。これは、当初基本設計をします段階で、そういった考え方については確認されてございました。 先生が先ほど御指摘ございましたように、その後、建設過程におきまして、ベルギーでの火災の経験、それから、動燃事業団自身がその後実験等を行って、このアスファルトの同じような施設においての知見を得た結果、その建設途中におきまして、水の噴霧設備について一部手直しをしたわけでございます。もっと重点的に、その充てん設備のところに水が当たるようにといったような処置をいたしました。これは、一部設計を変更したことがございまして、設計工事方法の認可の過程でそういった一部設備の手直しが行われたといったことも事実でございます。
○井上(義)委員 ということは、このマニュアルに問題があったということになるんでしょうか。このマニュアルというのは、これは動燃がおつくりになるものであって、原子力安全局なり安全委員会の方はタッチをされていないんでしょうか。
○池田政府委員 このような原子力施設を建設いたしまして運転を始めます前に、事業者は保安規定というものを定めまして、これは、再処理事業の場合ですと内閣総理大臣の認可を得る過程がございます。そうした保安規定におきまして基本的なことは約束をするわけでございますけれども、ただいま御指摘がございましたような、例えば火災の場合にどうするとかいった、より具体的な操作ということになりますと、いわゆる先生御指摘のようなマニュアルといったようなことになりまして、これはむしろ、事業者が自分の責任のもとに自主的に定めてこれを履行するといったことになってございます。
○井上(義)委員 「もんじゅ」の事故の後、動燃は、全マニュアルを総点検する、こういうふうにおっしゃっていたかに思うのですけれども、こういう火災想定のマニュアルというのは、全マニュアルを総点検する中に入っていなかったんでしょうか。それとも総点検されたんでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 今回の「もんじゅ」の事故に関連いたしましては、まず通報連絡、それから情報の伝達、そういったことを中心に総点検をしてございます。それから、通常、私ども、一年に一度安全総点検というのを全事業所について実施いたしております。そういう際に、気のついたことがあればその都度マニュアル等も見ていくことにしておりますが、特に消火のマニュアルについて見るようにという指示はしたことはございません。
○井上(義)委員 それで、これは新聞に報道されていたことなので、事実かどうかちょっと確認したいと思うのですけれども、事故があった施設は四十九人中四十五人が下請であった、これは事実かどうか、ちょっと後で御答弁いただきたいと思います。それで、動燃職員は四人いらっしゃるということになるのですけれども、ふだんは現場にはいない。保安監督のために時折施設を見回る。頻度は、動燃によると一日に一度だけれども、下請側は週に一回程度だと、これは実際はどうなのか。 それから、実際の作業をやっているのは、班長のもとに下請から出ている班長代理という人がいて、その人が作業をしているということなんですけれども、最初の火災を確認してから消火開始までに四分間、これは指示を仰いでいた。これがロスがあって、これが消火がおくれてしまった一つの原因だと。動燃は、班長代理には消火を開始する権限があったのに、動燃職員に電話で指示を仰いだために消火がおくれた、こういうふうにおっしゃっているのだけれども、下請の側は、そんな権限はないと。消火設備作業要領には、緊急通報連絡体制に従い状況を連絡し、火災発生箇所への給水消火の許可を得るというふうに明確に明記されていると。 要するに、責任がどこにあるのかよくわからないわけでございまして、こういうことが、事故が起きる、特に危機管理という面では一番のポイントになるのですけれども、これはちょっと事実関係を。
○中野参考人 お答えいたします。 先生、事実関係ということでございますので、そのまま申し上げますと、結果を総合いたしますと、十時十分ごろ、制御室から処理第一課に火災が発生していることを通報いたしております。処理第一課の担当役から主査を経由して、制御室内の作業員に水噴霧による消火の指示が出されてございます。それを受けまして、十時十二分ごろ、操作区域内のバルブを手動開によりまして、アスファルト充てん室内に水噴霧を開始いたしております。 現在、再確認を行っておる最中ではございますが、連絡をいたしましたのは主査の判断によるものと一部言われておりますけれども、現在までの調査では、主査が担当役の指示を得て水噴霧を連絡したという調査結果を現在のところ変えるつもりはございません。そのとおりでございます。
○井上(義)委員 要するに、私が聞きたいのは、消火設備作業要領で、第一義的な責任、責任というか権限はどこにあるのか、そこを聞きたいのですけれども。
○中野参考人 マニュアルの上では班長の許可、了解を得て水噴霧をするというようなシステムになっております。この日は班長がいなかったわけでございまして、そういう場合には班長の上に権限が通常移ってまいります。 権限の移り方に、動燃の場合二通りございます。一つは、第一代理、第二代理というのをあらかじめ決めてある場合がございます。そういう場合には、職制上、下の方に下がっていくことが多うございます。それを特に決めていない場合は直近上位にその責任が行くようなシステムになっておりまして、この場合は直近上位に移ることになります。 したがいまして、主査自身が判断をして指示をすることはこの場合可能でございました。班長がおりませんので、その上は主査になります。その主査の上は担当役ということになりますので、主査の判断でもそれは差し支えなかったと思います。
○井上(義)委員 そうすると、この班長代理がすぐに消火をすればよかったのに、上に指示を仰いでいたから四分間ロスがあって消火がおくれた、これは事実じゃないのですね。
○中野参考人 お答えいたします。 今申し上げましたように、班長がその責任を持っている、判断の責任を持っておりますので、班長代理がちょっと判断がおくれたために消火がおくれたということではございません。
○井上(義)委員 この報道を見ると、動燃の側は、要するに、班長代理にその権限があったのに、班長を探して指示を受けている間に四分間のロスがあって消火がおくれた、こういうふうに言っていると報道されているのですけれども、動燃側と下請の作業側の間にどうも認識の違いがあるようで、こういうところがきちっとしていないから、特に私はこういうことが心配です。要するに、現場の作業がほとんど下請によって行われている。責任が非常にこの辺が不明確だ。こういうことについてその後どういう改善がなされたのか、あるいはされようとしているのかということについて、ちょっと確認しておきたいと思います。
○植松参考人 もちろん動燃は、職員のほかに非常に数多くの役務の方々と一緒に仕事をしていただいております。常日ごろ、職員と役務で働いておられる方々との間に分け隔てがないようにするという努力を続けてきておりますけれども、今回のケースはそれがうまく達成できていなかったということを深く反省しておりまして、職員に対しても、今後とも常日ごろから職員と役務の方々の間に分け隔てなく一緒に働くという精神を涵養するように意識改革を図っておるところでございます。
○井上(義)委員 こういう未知の技術といいますか、開発途上にある技術をそういう下請に頼ってやるという仕組み、これは非常に大きな問題点を含んでいるのじゃないか。これは、もう商用化されて、完全にマニュアル化されているものであれば、仕事のシステムとしてそういうことは可能だと思うのですけれども、こういう開発途上にあるような技術についてこういう下請に頼るというような仕組みは私はいかがなものかというふうに思っているわけでございます。定数の問題とかあっていろいろな困難があると思いますけれども、この辺はやはり抜本的にきちっと考えていかなければいけないのではないか、こう思います。 それに関連して、再処理施設というのは、高速増殖炉と並んで核燃料サイクルの最も重要な施設になっているわけですね。それで、基本的には、プルトニウムを扱うわけですから、いわゆる主工程、この核のところは、メインのところはもう多重の安全対策、厳しい防災対策、それから技術者もレベルの高い技術者でそれなりに、ここが事故を起こしたら大変なことになりますから、完璧な体制になっていると思いますけれども、今回のような低レベルのいわゆる末端の施設、こういうところの安全対策というのが非常に手薄だった。ある意味では動燃の技術の中核をなすところの目がきちっと届いていなかったのではないか。 それから、これは「もんじゅ」のナトリウム漏れのときもそうだったのですけれども、要するに、炉心から離れた二次冷却系統の温度計の設計という非常につまらないミス、これが「もんじゅ」のナトリウム漏れという大きな事故につながってしまった。 そういう中核をなす技術は、何といいますか、優秀な人たちが直接扱い、それなりにでき上がっていると思うのですけれども、周辺といいますか、そういう技術が非常に手薄になっている。実は技術というものはそういうことの積み重ねですから、これは動燃だけではなくて、日本の科学技術全体について、また別な機会があったらぜひ議論したいと思っているのですけれども、さっきの下請に任せるということとかこういう周辺技術というもの、ここをやはりきちっとやっていかないと、こういう事故というのは繰り返し起きてくるのではないか、それが結局信頼を損ねていく大きな要因になってしまうのではないか。こういうことについて、動燃としてどのように、あるいはまた科学技術庁はどのようにお考えでしょうか。
○近藤参考人 先生御指摘のとおりでございまして、どうしても、新しい技術の開発集団でございますので、新しい技術の開発の分野には非常な関心がございます。今御指摘ございましたように、設備の保守運転とか、こういう地味な分野には余り関心がなかったと思います。それで、ここは非常に重要なことでございまして、事故はこういうところから今まで起きてきております。 したがいまして、これは動燃全体として、そういった運転保守の分野、言うなればハイテクではなくてローテクという言葉もあろうかと思いますけれども、そういった分野にもっと全体として光を当てていくということが必要だと思います。それで、考え方を場合によっては逆転しまして、開発のための運転ではなくて、やはり安全運転が大事で、これを優先させて、その中で開発をやっていく、そのくらいな考え方で、この保守運転という地味な分野に光を当てていく必要がある、こう思っております。
○加藤(康)政府委員 科技庁の方でも、当然、今御指摘の下請の問題とかローテク部分をどうするか、そういう問題につきましては重要な課題と考えております。 現在、動燃改革検討委員会というものを第一回を十八日に開きまして、検討をこれからお願いしていくわけでございますが、基本的には、動燃の業務がかなりいろいろ広がっております、そういうものを整理できるものは整理して重点化する、そういうことによりまして、下請の問題とかローテク部分に目が届くようにとかへそういうことも可能になってくるのだろうと思っております。そういう意味で、動燃改革検討委員会におきましても、そういう問題点も含めまして検討させていただきたいと考えている次第でございます。
○井上(義)委員 動燃という開発組織は、国の資金で研究開発を行って、実用段階でその成果を民間に移転する、こういう目的でつくられているわけで、言うなれば、実際に使うのだというところからほぼ完全に切り離された開発の組織なのだと思うのですね。しかも、必要な資金というのは予算という形で保障される、コストダウンも必要ない。 やはり技術開発というのは、いわゆる使うという前提に立って、使う側の論理というか、それがきちっとしていないと、例えば「ふげん」なんかも、結局実証炉は断念してしまった。「ふげん」によって得られた技術は多いというのですけれども、やはり成果を民間に移転するということで「ふげん」の開発をやってきたわけで、それが民間に移転されない、コスト高でだめだということは、これは技術開発としては失敗したというふうに言わざるを得ないわけでございます。 そういう意味で、今のローテクとかそういう問題も含めて、もっと民間に近い組織といいますか、そういう本当にコアの技術開発というところだけに絞って、民間に近いところはどんどん民間の方に移行していくというような抜本的な改革をやはり今必要としているのじゃないか、こんなふうに思うわけですが、どのようにお考えでしょうか。
○加藤(康)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたけれども、動燃事業団の行っていますウラン関連事業、そちらの方につきましては民間も非常に実力がついているわけでございますので、動燃事業団としましても順次縮小する方向にあるわけでございます。 したがいまして、先生御指摘のように、民間でできるものは民間にお願いする、動燃事業団は国として必要なものを重点化してやっていく、そういう方向で検討を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○井上(義)委員 時間がありませんので、大臣に。 今回科学技術庁としては、再処理工場事故の虚偽報告ということで動燃並びに職員を告発されたわけです。これは初めてのケースで、大変異例なことで、ある意味で身内を告発されたということですから、これは大変な心労があったと思いますけれども、要するに、ここまで至った責任、果たして本当に問われなければならないのはだれなのかということを考えると、最近橋本総理の発言で非常に私が気になっているのは、動燃という言葉も聞きたくない、あるいはいいかげんにしてくれと、不快感、国民の一般の感情と同じ感情を吐露されているわけです。動燃というのは政府の設立した特殊法人、監督官庁は科学技術庁、当然これは最終責任は内閣にあるわけでございまして、要するに、総理大臣みずからおつくりになって、みずから監督責任のある、言うなれば身内ですよね。それを何か突き放したような、動燃という言葉は聞きたくないという、これは政府としての責任をもう全く放棄した、私はこれはゆゆしいことだと。何か動燃に責任のすべてを押しつける、こういうような今の政府の姿勢であっては、この原子力行政に対する国民の信頼はもう到底得られない、こういうふうに私は思うわけでございます。 これは詳しく申し上げませんけれども、法的にも人的にも、原子力委員会あるいは原子力安全委員会は事実上科学技術庁が事務局をなさっているわけでございまして、そこで立てた政策を具体的に遂行している実行部隊、予算的にもこれはもう科学技術庁と一体のものなわけでありますから、今回の一連の事故に対する政府の責任は動燃以上にある、こんなふうに私は思うわけでございます。 時間がありませんので、もう一点。 そういう中で、この原子力行政、今日本の発電の三割を原子力が占めるようになってきているわけでございまして、エネルギー全体の中でこの原子力ということを考えていかなければいけない時代にもう入ってきたのじゃないか。特殊な技術開発ということは別にいたしまして、そういう意味で、原子力行政の一元化ということが一つ。 それから、原子力行政の中で開発推進ということと安全という、ここはやはり切り離しく例えば原子力安全委員会というものを改革して、公取のような独立の機関にするというようなことも含めた抜本的な原子力行政のあり方の問題、これについてのお考えもお聞きしたいと思います。 それからもう一つは、高速増殖炉を中心とした核燃料サイクル、これももう一回きちっと議論し直す必要があるのじゃないか、このように思うわけでございます。 以上三点について、まとめて御答弁いただければと思います。
○近岡国務大臣 一昨年の「もんじゅ」の事故以来の教訓が生かされておらないということに対しまして、やはり私としても、動燃に対する指導監督が本当に不十分であったということを率直に深く反省しております。 このような事態を引き起こすに至った経緯等を考えてみますと、監督官庁の私どもの科技庁を初め、今先生御指摘の安全委員会、そういったもろもろの委員会あるいは機関、あるいは特殊法人の動燃を含めまして、どうやるのが一番これからの日本の将来のエネルギー政策というものに対して国民の信頼を得るかというようなことを、先般来答弁申し上げているとおり、改革委員会で第三者機関チェックを徹底的にやっていただいて、メスを入れまして、聖域を設けずにゼロから出発しなきゃだめだというぐあいに、私は強くこれは感じております。 なるがゆえに、今も御指摘あったわけでありますが、このエネルギー問題というのは、やはり日本の内閣全体でこれは取り組んでもらわなきゃ困るというようなことは、私は、十一月七日に閣僚に就任させていただきましてから第二回目の閣僚懇談会で、全閣僚がいたところで申し上げたというようなことも過般の委員会では申し上げてきたわけであります。 そういった意味で、私は今回のこの現況を見たときに、先ほど「ふげん」の現場のいろいろな御指摘もあったわけでありますが、今この時点になって判断ミスなんというようなことはもう許される時代じゃない、もうそんなことはとうの昔にマニュアルなりなんなりきちっとしておくべきで、指導監督はすべきであったというふうなこと等を考えてみますと、私は、くどいようでございますが、この機会に、午前中も申し上げたとおり、もう今までのうみは出し切れるものは全部出し切ってしまわなきゃだめだというような気持ちで、私の責任そのものも深く深く、本当に重く受けとめておりまして、これからも、今御指摘の点については科学技術庁挙げても、内部の改革等があるならば私は率直にこれは断行するべきであると、このように思っております。
○井上(義)委員 きょうは資源エネルギー庁にも来ていただいておるのですけれども、ちょっと時間がなくなりました。原子力行政は、国家百年の大計、非常に重要な問題でございますので、委員長におかれましても、ぜひともまた機会を設けていただいて議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 以上でございます。
○佐藤委員長 近藤昭一君。
○近藤委員 民主党の近藤昭一でございます。 質問をさせていただきますけれども、近岡長官、近藤理事長初め関係各位、大変に御苦労されておられると思います。まず、その御苦労に対して敬意を表したいと思います。 今回、多分多くの国民一人一人が、どうしてまたこういうような事故が起きてしまったのか、そして、その事故に対する対応がどうしてこうおくれるというか、いろいろな事情があるのかもしれませんが、事故を隠すようなところがあるのかというのが率直な感じではないかと思います。残念ながら、その状況が何回も繰り返されてきた、過去にもあった反省が決して生かされてはいないのではないか、私はそんな気がいたします。 そういう中で、どうしてこういうことが起こってくるのだろう。関係者の方から、とにかく今回起こった事故を反省してうみを出さなくてはならないんだ、うみを出し切って、日本のエネルギー政策、原子力のために頑張っていこうというお言葉を聞くわけですが、私が思いますに、そもそも、どこか一番最初のスタートにボタンのかけ違いというか、スタートの点でおかしいところがあるのではないかと私は思うわけであります。 〔委員長退席、斉藤(鉄)委員長代理着席〕 と申しますのは、「もんじゅ」そして「ふげん」、この名前がつけられた由来、動燃がつくられたパンフレットにも書いてありますけれども、智慧と慈悲を持つ文殊と普賢、智慧と慈悲で巨獣を完全にコントロールする姿、この姿に例えまして、原子力という巨大なエネルギーをコントロールするというゆえんから、この「もんじゅ」「ふげん」という名前がつけられている。 しかしながら、これが、うがった見方をしますと、この原子力というエネルギーに対して完全にコントロールできるんだ、今持っている技術でも容易にコントロールできるんだというおごりにつながってしまったようなところもあるのではないか。科学技術というものはどんどんと発展していくものであります。その都度ごとに問題が出てくる、それについて技術を改良していく、それは大前提であるとは思うのですが、私は、そういった原子力のエネルギー、自然の持つ驚異というものに対する謙虚な気持ちがやはり必要ではないかと思うわけであります。 ましてプルトニウム、この言葉の由来、動燃のパンフレットを見ますと、プルトー、冥王星から出ている。しかしこの冥王星というのは、いわゆるプルトンとは、ギリシャ神話における死の神、冥界の支配者ではなかったかと思うわけであります。それほどまでに恐ろしい面を持ったプルトニウムであったということ。 それに対して、とにかく技術で抑え込んでいけるんだという過信があったのではないか。その過信のもとにいろいろな行動、計画がつくられてきた。あたかも、夢の技術として、夢のエネルギーとして、原子力が将来の日本のエネルギーを供給していく上に本当にバラ色にその道が開かれているんだというふうに、技術者の皆さん、関係者の皆さん、そして国民の一人一人が思ってしまった。 ところが、いざふたをあけてみると、本当に思いもしなかったような、初歩的なこともあったでありましょう、あるいは根本的な技術の難しさもあったでありましょう、そういった問題が出てきた時点で、これは私の勝手な想像かもしれませんけれども、思ったことと随分違った、やれると思ってきたことが意外な難しさがあった。そういうことに対して、起こってきた事故に対してやはり隠そうとする気持ちがどこかで働いてしまったのではないか、勝手な想像かもしれませんが、私はそう思ってしまうわけであります。 そういった意味で、私は、ある人は、今回の一連の事故が今後の日本の原子力政策、エネルギー政策に大きな不幸な汚点を残したとおっしゃる方もいらっしゃいますが、これは一つのいいきっかけとして、今までどちらかというと、問題が起きても先送りをしてきた、大丈夫なんだと言ってきたことを謙虚に見直すいいきっかけではないかと思うわけであります。 そういった意味で、日本の状況ではなく、外国の例についてちょっとお聞きしたいわけでありますが、使用済み核燃料についてであります。 使用済み核燃料を利用する高速増殖炉につきましては、イギリス、ドイツ、アメリカ、フランスにもそれぞれ計画があったと思われるわけでありますが、それぞれがたしか中止になっていると思います。それぞれの計画がいつ中止になったのか、どんな計画があったのか、教えていただきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 世界での高速増殖炉の開発でございます。 中止をしておりますのは米、英、独の三カ国でございまして、アメリカにおきましては非常に早くから高速増殖炉の開発を始めましたが、核不拡散の観点からプルトニウムの民生利用を行わないという方針のもとに、一九九四年に、高速増殖炉を含むプルトニウムを利用する発電体系の研究開発を中止いたしました。そのバックグラウンドといたしましては、米国には非常に豊富なエネルギー資源があるということで、プルトニウムを使っていく必要性を感じていないというのがあるかと存じます。 それから、英国におきましては、やはり「もんじゅ」と同規模の原型炉、これを既にもう二十年間運転をいたしまして、高速増殖炉の技術を蓄積したと言われておりますが、新たに北海油田の発見等、そういうエネルギー事情が緩和されたということから、少なくとも今後三十年十四十年間は高速増殖炉を必要としないということで、これも一九九四年三月以降はさらなる投資は控えているということでございます。 ドイツにおきましては、約二十年間にわたりまして実験炉を運転しておりましたが、「もんじゅ」と同規模の原型炉、これも建設は終了いたしまして、連邦政府は安全性に関しては問題ないものといたしましたが、州政府の許可、これは核燃料を装荷するという許可がおりなかったために財政負担がどんどん増加いたしまして、一九九一年に計画を中断いたしました。なお、高速増殖炉に関しまして、フランスとの共同研究はドイツは引き続き行っております。 そのほか、フランスとかロシアにつきましては、引き続き高速増殖炉の開発を進めている次第でございます。 〔斉藤(鉄)委員長代理退席、委員長着席〕
○近藤委員 ありがとうございます。 英国、ドイツなど、それぞれの国が早くから高速増殖炉の実験を進めてきたようでありますが、今御回答の中にもあったわけでありますが、それぞれの国がエネルギー事情が緩和された、あるいは豊富なエネルギー資源があるというバックグラウンドのもとでやめたということもおっしゃっているわけであります。ただ、そういった事情とともに、一連の技術開発、使用済み核燃料の処理という点におきましてもかなり難しい問題があるのではないかと私は推測するわけであります。 そういった意味で、今、エネルギー事情の緩和、あるいは豊富なエネルギーがあるということで、イギリスあるいはアメリカなどは計画を中止しているというお話がありましたが、世界的にそういったかなりの国におきましても、いわゆる高速増殖炉ではなく一般の原子力発電所そのものの建設というものが、最近ほとんど新しいものが見られないはずであります。そういった中で、ウラン燃料というのはかなりダブついているというか余剰がある。当初日本が予想していたよりも随分とコスト的には下がっているのではないかという状況があるのではないかと思います。 そういったウラン燃料の状況というバックグラウンドの中で、たしか一九九二年の春の日本原子力産業会議の年次大会であったと思いますが、その大会の席上、IAEA、国際原子力機関のウィリアム・ダークスという事務局次長が、日本の核燃料サイクルの計画について、受け取り方にもよるのかもしれませんけれども、見直しをしたらどうかと示唆するような演説をされたと聞いておるわけでありますが、その演説の要旨はいかがであったでしょうか。
○加藤(康)政府委員 一九九二年の原産年次大会で、IAEAの事務局次長でありますウィリアム・ダークスさんが講演をされました。 その内容は、我々の承知しているところでは、日本の核燃料サイクル政策を見直す示唆というよりも、今後の世界の原子力発電規模、それからそこから排出される使用済み燃料の量、さらにはそこから回収されますプルトニウム、核兵器の解体によって生じますプルトニウム等の予測を少しされました。そして、そういうものに関しまして、こういった核物質の蓄積等に対しましてのIAEAの取り組みというものを御紹介されたものでございまして、要点は、特にプルトニウム管理の透明性、それを確保することがプルトニウム利用の理解を深めることだ、そういうことを御指摘されているように聞いております。 我が国といたしましては、その御指摘のプルトニウムに関しましては、余剰のものは持たないという原則のもとにプルトニウム利用の計画を明らかにしているわけでございますし、その透明性も高めている、所有量がどこにどれだけあるかということも公表しているわけでございます。このような動きは、我が国のイニシアチブによりまして、日本とかヨーロッパ、アメリカのプルトニウムを利用する国、九カ国でございますが、それとIAEAとの中で、国際的に同一の歩調でプルトニウム利用の透明性を高める国際的な枠組みづくりの検討が継続されておりまして、それも近々まとまる予定と聞いております。そういう意味では、プルトニウム利用に関する国際的な透明性、そういう理解も深まるのではないかと考えている次第でございます。
○近藤委員 その話を私も直接聞いたわけではありませんので、その話の中からどういう結論が導かれるか、話を聞かれる方によっても違うのかもしれませんけれども、プルトニウムが持つ危険性、いわゆる核兵器に転換できるという危険性を指摘されたということ、そしてまた、これだけ世界的に余剰のプルトニウムができている中で、なぜ日本が、いわゆる高速増殖炉の完全な商業利用のめども立っていない中で、さらにプルトニウムの再処理を急ぐのかというような指摘も多分あったのではないかと思います。 そういう中で、今、余剰プルトニウムの所蔵についての情報を公開するというお話がありましたけれども、高速増殖炉のめど、今二〇三〇年ということをおっしゃられているようですが、完全に二〇三〇年にできるかどうかわからない状況の中で、日本はかなりプルトニウムを余剰に持っているのではないかと思われるわけであります。そこでお伺いしたいのですけれども、青森県の六ケ所村の再処理施設の処理能力、プルトニウムの生産能力、そしてまた、二〇〇〇年以降も続くと聞いておりますフランス、イギリスとの使用済み核燃料の再処理契約の量、それと、そういった中でどれぐらいのプルトニウムが二〇三〇年までに余剰として出てくるのかということをお教えいただきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 我が国ではプルサーマル計画というのをこれから進めようとしておりまして、二〇〇〇年以前にもプルトニウムを現実に既存の原子力発電所で燃やそうということにしておりますので、その時点その時点で、余剰と申しますか、プルトニウムが幾らあるかというのはわかりかねますが、御質問の六ケ所村の再処理工場では年間の再処理能力が八百トンでございまして、それがフルに再処理されますとプルトニウムが毎年四・八トン出るという予定でございます。 それから、これまでかなり海外、イギリスとフランスに再処理を電気事業者が委託しておりまして、約五、六千トンの使用済み燃料を委託しておりますが、そこの中に含まれますプルトニウムは約三十トンでございまして、それはやがて日本で大部分、MOX燃料としてプルサーマル等で燃焼させる予定でございます。 片やプルサーマルにおきましては、一般的に百万キロワットの発電所、一年間で〇・三トンとか〇・四トン、プルトニウムを使いますので、例えば十基の原子力発電所ですと三、四トンぐらい年間にプルトニウムを使います。 したがいまして、そういう発生するのと同時に使う方がございますので、その差し引きは、ちょっと年度バランスはわかりませんが、そんな見当でございます。
○近藤委員 私が申し上げたいのは、かなりの量のプルトニウムが出てくるであろうということ、なおかつ、それが本来でありましたら、夢のエネルギー源として高速増殖炉の中でどんどんと燃やす、それが増殖していって絶えることがない、そういう予定であったと思うのですが、今のところ、残念ながら、高速増殖炉のめどが二〇三〇年と予想をされているだけという中、その中でプルトニウムがどんどんと余剰しているのではないか。余剰している中で、再処理施設をつくり、また、フランスとイギリスの再処理契約がある。 今お答えの中で触れられましたプルサーマル計画、これは本来でいいますと、使うべきプルトニウムが余っているので使う、そういう状況ではないのでしょうか。世界そして日本でも随分と騒がれましたあかつき丸で運ばれたプルトニウムも、たしかまだ利用されずに貯蔵されていると聞いておりますが、いかがでしょうか。
○加藤(康)政府委員 日本は資源小国と言われております。それに加えて、日本には優秀な人がございまして、技術立国とも言われております。そういう資源小国、技術立国の国が将来のエネルギー源をどのように確保していくかということに関しましては、やはり技術でもってエネルギーを確保していく、そういうことが非常に合ったものではないかと考えている次第でございます。 我が国におきましては、エネルギーの安定供給を図るために原子力発電を進めております。その原子力発電を進めるためにも、核燃料サイクルと申しますか、使用済み燃料の中に含まれているプルトニウムを再利用していく、そういうことによって資源小国としてはやっていこうということが核燃料サイクルの基本でございまして、余っているから使うというのではなくて、プルトニウムを使うためにいろいろと施策を講じている、そういうふうにお考えいただけないでしょうか。
○近藤委員 おっしゃっている意味はよくわかっているつもりであります。ただ、私が申し上げたいのは、冒頭にも申し上げましたように、技術というものがいまだ確立していない、そして非常に危険性を持った技術である。それにもかかわらず、日本のエネルギーが足りないだろう、そして、そこに高速増殖炉という夢の技術があるんだ、だからこれを開発してやっていく。ところが、その技術、二〇三〇年というのが本当にめどが立っているんだろうかというのが一つ私は疑問になってしまう。そして、そういった中で進めてきておるにもかかわらず、先にプルトニウムがそういうふうに余ってきているという状況は、ひとつしっかりと事実としてとらえていただきたいと思うわけであります。 そんな中で、今やはり日本は資源がない。そういう中で、将来、技術を持って夢のエネルギーを開発していくということでございますが、それでは、今予定していらっしゃる二〇三〇年に高速増殖炉が実用化されたといたします。そして、二〇三〇年の電力需要をどういうふうに見るかということはあるかもしれませんが、日本の電力需要を予想し、これだけ予算を使い、そして時間を使っている高速増殖炉、二〇三〇年に実用化されていたとしましたら、例えばでありますが、日本が使う必要な電力の五%を供給するといたしましたら、その高速増殖炉、二〇三〇年の時点で一体何基ぐらい炉が必要なのか。また、そこで燃やされる燃料を処理するために何基ぐらいの再処理工場が必要なのか。予想で結構でございますので、お教えいただきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 ウラン資源の可採年数というのがございまして、普通の軽水炉並みに使いますと七十年ぐらい、こういうふうに言われております。高速増殖炉を導入しますと、それが何十倍にも使えるということでございまして、エネルギーセキュリティーと申しますか、現在、ウランの需給が緩んでいまして、ウランの価格も非常に安いわけでございますが、高速増殖炉の技術を持つということは、とりもなおさず、そういう一つの牽制にもなるわけでございます。そういうような効果もあることをひとつ御認識いただきたいと思います。 それから、御質問の、二〇三〇年で一次エネルギーの五%ぐらいを高速増殖炉で賄おうとするとどの程度かということでございますが、実は、二〇三〇年ぐらいのエネルギー需給を見通したものがなかなかないわけでございます。したがいまして、必ずしも適当ではないかと思いますが、昨年の十二月に、総合エネルギー調査会の報告書において、いろいろなシナリオを検討する際の一つのシミュレーションというものがございました。 一つのシナリオといたしまして、例えば省エネルギーとか新エネルギーに最大限努力したとしましても、炭酸ガスの排出量を一九九〇年レベルに抑制するためには一億キロワットの原子力発電が要る。これは、エネルギー供給全体の二二%になるわけでございます。例えばそういうものを参考にいたしまして、そのうちの五%を高速増殖炉と仮定いたしますと約二十基程度になるという計算にはなりますが、実は、二〇三〇年ごろに高速増殖炉が実用化するという見通しを持って開発を進めておりますが、実用化されたからすぐ大量に建設するということになかなかならないと思います。やはり毎年何基ずつ、新しいタイプのものですから、そういうふうな格好にしかならないと思いますので、直ちにそのように大量に入るということはあり得ないと考えている次第でございますし、そのときのウランの需給の問題、それからやはり経済性との比較、そういうもので決まっていくものだろうと考えている次第でございます。
○近藤委員 二〇三〇年の電力需要を見通すのはなかなか難しいとは思いますが、例えば今の仮定ですと、二十基の高速増殖炉が要るということになります。二〇三〇年の時点での高速増殖炉の技術がいかほどかというのはなかなか想像がつかないわけでありますが、ただ、昨今の原子力発電の建設の状況なんかを見ておりますと、新しい原子力発電所をつくるというのはなかなか難しい状況にある。そんな中で、二〇三〇年に向かって、二〇三〇年の時点で二十基必要だということでありますと、その前から計画は必要なわけでありますから、二十基の高速増殖炉の原子力発電所というものを果たしてつくることができるのだろうか、住民の反対なくしてつくることができるのだろうかということを思ってしまうわけであります。 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、もちろん、技術によって日本のエネルギー事情を解決していく、それはよくわかります。しかしながら、二十基の高速増殖炉はかなり無理があるのではないかということを申し上げたい。技術というものは進歩させていかなくてはいけないわけですし、開発をしていかなくてはいけないわけです。ただ、その中で二〇三〇年ということを考えれば、少々いろいろな面で焦り、焦りと言ったら失礼かもしれませんが、お急ぎになられている部分が余りにも多いのではないかというような懸念を感じるわけでありますので、そのことだけ申し上げたいと思います。 それでは、時間も参りましたので、これで質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 植松参考人、熱は大丈夫ですか。何か、きのうから三十八度の熱が出ている。つらかったら御無理されないで、どうぞ下がって、少し休養してまた出てきていただければと思います。 それでは、辻一彦君。
○辻(一)委員 二十五分という非常に短い時間ですから、簡潔に要点を答えてほしいと思います。 まず第一に、動燃の再処理工場で当日やっておった固化作業は、平常の運転なのか、あるいは別の、研究開発のための試験をやっていたのか。その点、ちょっとお尋ねしたい。
○中野参考人 先生の御質問は、今回事故のあった当時に操業していたのが試験であったのか、通常の操業であったのかという御質問かと思いますが、それでよろしゅうございますでしょうか。
○辻(一)委員 はい。どういう試験をやっておったのか、要点だけ。
○中野参考人 当日やっておりましたのは、通常の中レベルの放射性廃液を処理いたしておりました。この廃液の固化に当たりまして、容積率をよりよく、より高くするために、従来、廃液の流入速度を二百リッター・パー・アワー程度でやっておりましたものを百六十リッター・パー・アワー程度まで下げまして、容積率を高める操業を実施いたしておりました。 なお、こういった容積率を高めるやり方につきましては、以前、低レベルについても既に十バッチ以上の経験を持ったものでございました。
○辻(一)委員 余り詳しい論議はきょうはできないのですが、少なくとも動燃ですから、研究開発が平常の作業のほかに時々入るのはこれは当然だと思うのです。 ただ、そのときに、アスファルトを使っているということ、それから、テストというか研究開発であるから、試薬等のいろいろな変化がかなりあって、調整に硝酸や苛性ソーダを何回か入れている。当然そこには硝酸ナトリウムが生成される。硝酸ナトリウムはアスファルトと反応すれば、一定の温度を超えれば発熱するということは、もうこれは当然動燃自体の実験でわかっておるのですね。 また、アスファルトに燐酸関係の廃液が入っています。さらには、ガスの検知器を見ると、十一日の十三時ぐらいからブタノールが発生している。ということは、燐酸トリブチル、燐酸を含んだものがあったということを意味していますが、これは温度の関係と、もう一つは燐酸が触媒として作用したときに、アスファルトはそういう触媒は使ってはならぬということで動燃が実験で出している。 これらの要素をずっと見ると、発熱あるいは発火、引火等の要素が極めて多いものを組み合わせたことになっているのではないか。では、その場合にどういう人事配置をしておったのか。こういうことが全部わかる専門の者がきちっと配置されて、そういう変化を見ながら目を配っておったのか、あるいは下請に任せっ放しだったのか、そこらはどうですか、ポイントだけ聞かせていただきたい。
○中野参考人 お答えいたします。 現在まで私どもの知り得た中で申し上げますと、通常の作業の状態でこの運転をしていたというふうに聞いております。ただ、一、二点通常と違ったところを記録の中から聞いておりますが、今回二十九バッチ目の溶液のPHを調整するに当たりまして、従来でございますと、PHが一五くらいのものを一度の酸ではっと下げることができるのですけれども、四回ばかり操作をしたというふうに聞いております。(辻(一)委員「それはもうわかっているから、専門の正規職員を配置して目を配っておったのかどうか」と呼ぶ)通常の運転状態で、見るべき計器それから測定すべき測定値は、目を配っていたというふうに聞いております。
○辻(一)委員 私は新聞の記事で調べる時間がなかったけれども、例えば百九十度以上の温度で警報が出る。それが何回か鳴っておるということは、硝酸ナトリウムとアスファルトは二百二十度ぐらいで反応、発熱が出るはずですから、百九十度以上の温度が出ているということは、そういう条件があった可能性もある一あるいは発泡、困ったほど泡が出ておったということが出ているが、私もまだデータで確認はしていないけれども、動燃の実験でも水素の泡が出て随分問題があったデータが、既に動燃はやっていますね。 そうすると、発泡現象、泡が出るということ、アスファルトを詰めるのに困ったというほど泡が出たと新聞は報じているのですね。それからまた、百九十度以上の温度が出たということは、警報が鳴ったということでわかっている。これは普通の状況から見れば、専門の人たちならば、何かが起こっているということはわからなければならぬはずです。下請の人ならそんなことはわからないですね。それはもう専門ではない。だけれども、きちっとした専門のメンバーが目を配っておれば、これらの変化はわかって、何か起こっているなということはわかるはずだけれども、そういう目配りのできる人が配置をされていたのかどうか。それはどうなんですか。
○中野参考人 私どもまだ正確につかんでいないところもございますが、先生が今おっしゃいましたように、新聞の情報によりますと、その状態の観察等々の記事もございます。 ただ、今先生がおっしゃいました温度が高くなって警報が鳴ったということでございますけれども、これはいわゆる温度管理をする中で、ある注意報としての温度管理はしております。この場合には、直ちに温度を下げる操作をすることになっておりまして、今回も、データはここにございますけれども、百九十一度という状態に一遍なりまして、直ちにそれを冷却するという操作を行うことによって、その後は警報が鳴らないような状態で処理をしたというふうに聞いております。
○佐藤委員長 中野参考人、御注意申し上げますが、今の辻委員の質問は、目配りできる人がそこに配置されていたのかどうかという質問なんです。正確にお答えください。
○中野参考人 お答えいたします。 そういう技術能力を持った人間がそこにいたかどうかという御質問であったら、大変失礼いたしました。 ここで働いております人間は、既に十数年間この業務をやっておる者でございますので、私どもとしては十分そういった能力がある作業員、作業者であったというふうに思っております。
○辻(一)委員 私は最近のデータを詳しく見ていないのでわかりませんが、温度の変化やあるいは泡が出るとか、いろいろなことが普通の状態とちょっと違った状況が出ているのだから、専門の人がおると何か変化があるのではないかと普通は気がついて、いろいろ検討すべきなんですが、どうもここの場合はもうちょっと、どういう人が配置されていたのか今確認できませんが、例えば再処理工場におけるあれを見ても、一分消火で一トンほどの水をかけて終わってしまった。そんなことはもう五分以上、そして八分ぐらい水を相当かけなければいかぬということは、実験もやってわかり切ったことが、やはりそこに配置される人によって、できないということはあるのですね。 だから、この時間でその論議をできませんから、データ等なお見て、この問題はひとつ継続してまた論議をしたいと思います。時間の点から、それはそこでとどめておきたいど思います。 大至急で三、四点を聞きたいのですが、きのう私は「ふげん」の実態を、民主党として議員三名ほか地方議員を入れて十二名で三時間ほど現地に行ってまいりました。現場も見、それから一時間余り質疑を通していろいろな要求を聞きましたが、その中で、「もんじゅ」事故前と事故後に、いわゆる事故対策規程というのがそれを境にして新しく改定されている。その中に、自治体への連絡等のいろいろなことをずっと見ると、大きな改定は第四条の十一項であり、それによれば、地方自治体に連絡をすぐとる、こういうことが書いてあるのですね。これが「もんじゅ」前と「もんじゅ」後の改定の大きな点だというわけです。それは確認したのです。ところが、福井の方には三十時間、それから立地の敦賀市にはさらにそれから約二時間おくれて、さらに隣の美浜町にはさらに二時間半おくれて、もうニュースや新聞で見た後に恐らく知らされていると思うのですが、こんなことでは立地自治体の信頼が確保されるはずがないと思います。 そこで、再処理工場におけるところのマニュアル等を見ても、消火も、マニュアルの改定もないし、教育もなければ、そして訓練もされていない。それでもって動燃は総点検、全部点検している、こう言われる。それは「もんじゅ」だけではなしに、あらゆる事業所においても同様の点検をやつているはずですが、中身を見る限り、とても総点検をやったというようには言えない。今度の「ふげん」における自治体の連絡についても、また再処理工場における水の消火の扱いについても、とても点検をしてきたとは思えないのですが、本当に総点検をやっているのかどうか。こんなことをやっていると、四次、五次の同様の事件が出てくる心配があるわけです。本当に総点検をやっているのかどうか、そこをひとつ伺いたい。
○中野参考人 お答えいたします。 事業団におきましては、安全確保をさらに徹底するために、日常的な安全点検に加えまして全社的な安全総点検を実施しております。また、安全強化月間を設けまして全社的な安全意識の高揚を図るとともに、各事業所におきましても安全関係委員会等を中心にしたパトロールなどを随時実施しまして、施設設備の改善、現場レベルでの安全意識の高揚を図っておるところでございます。 今回の火災爆発事故の発生を踏まえまして、施設の安全性を再確認するとともに、一般の方々に安心していただけるように、放射性物質及び化学物質を取り扱う設備施設の火災、爆発を中心とした安全性の点検と、事故発生時の連絡通報体制や情報処理体制の一斉点検を行っておるところでございます。これらの点検結果は、役員を班長といたします点検班を組織いたしまして、各施設ごとに現場の確認を行うことといたしております。一斉点検は、役員の現場確認を含めまして、五月末までに終える計画といたしております。 また、アスファルト火災爆発事故の原因究明におきましては……
○辻(一)委員 いや、わかりました。その辺で……。 そういう作文を幾ら聞いたって余り役に立たないので、私が幾つかに当たってみると、その総点検は実質的にほとんどされていないのじゃないかという疑念を持つのですよ。だから、徹底した点検をやらないと、同様のことがまた起こる可能性がある。 理事長、ひとつ腹を据えて点検を本当にやってもらわなければいかぬと思いますが、いかがですか。
○近藤参考人 御指摘のとおり、ここでしっかり再点検をやるのだということで、各担当理事それぞれの持ち分を責任を持ってやる。私、技術屋ではないものですから表現が下手で、各理事には、現場に行ってじっくりそれを確認して、自分の肌で安全が確保できているという、自分の肌で感じてくれということを今各理事にお願いして、現場に行ってやっているというような状況でございます。
○辻(一)委員 これはしっかりやってもらわぬと、私が幾つかにぶつかった範囲のことであると、また次に新しい問題が起こりますよ、このままだと。これは腹を据えて点検を本当にやってほしいと思いますね。 それから、自治体は、そんな連絡の状況で、全く腹が立つというか、どうにもしようがないという気持ちがありますね。そこで政府は動燃に対して、余りもたもたしているというか、同じことが繰り返されるので、腹に据えかねて原子炉の停止を命じた趣はあると思いますが、それは、警告というか事の重大性を、情報の公開、開示がいかに大事かということをはっきり示すためには意味があったというふうに評価しますが、肝心の自治体の福井県や敦賀市に、それは原子炉をとめるのをやってしまって、そしてその報告をされておるのです、知らされておるのです。これは、いろいろなときには随分懇切丁寧な説明が地元に、自治体にされておる。ところが、こういう場合になるとぽんとやって、それは決定権は総理や担当長官にあるのはわかりますが、少なくともこういう経緯で原子炉をとめますよというぐらいのことはその自治体に知らすべきだと思うのです。その点も非常に自治体、地元の不信を買っておる一因でありますが、長官、いかがですか。
○加藤(康)政府委員 「ふげん」をとめましたことにつきましては委員の御指摘のとおりでございますが、先ほどの自治体との連絡につきましては、我々としては福井県並びに敦賀市には事前に電話で御連絡は申し上げました。しかしながら、十分に説明をしたかどうかと言われますと、そこは、時間も急いでおりましたので、足らなかったかもしれません。 したがいまして、おくればせではございますが、先日、二十二日でございますけれども、当局の審議官を福井、敦賀に訪問させまして、背景説明等を行ってきた次第でございます。そこでも地元自治体との連携を密にするよう要請されたわけでございまして、その点につきましてはこれからも肝に銘じてまいりたいと考える次第でございます。
○辻(一)委員 後に審議官や次官が行ったって、それはやはり立地自治体としては、事前に一応の相談とか、こういうことだということが聞きたいということで、そんなことを後に説明をすればいいというようなものではとても信頼は保てません。長官、その点をしっかりと腹に据えておいてほしいと思いますね。 それから、ごく簡単に申し上げますが、福井県の方では、通報義務を原子炉保安規定の中にはっきりと盛り込んでほしい、それから重水精製装置の建屋を原子炉等規制法の対象にしてもらいたい、こういう強い要望が既に審議官が行ったときにもちゃんと知事の方から伝えられておるのですが、この二点についてどういう用意があるか、要点だけちょっと簡単に答えてください。
○池田政府委員 先生御指摘のとおりに、福井県からそのような要望があることは承知しております。 このうちの通報義務を保安規定に盛り込むべしといった点につきましては、私ども科学技術庁といたしましても、今後こういった事業者に対しまして指導を行いますときに、このような自治体に対する通報義務がきちんとされているかどうかといったことについては注意して見ていく必要があると思っております。そういった意味で、こうした義務を保安規定に記載するべきかどうかといったことにつきましても、このような福井県の要望等も踏まえて検討してまいりたいと存じております。 また、もう一つ、重水精製施設につきまして、これを原子炉等規制法の対象にできないかといった点について御指摘がございました。 この「ふげん」にございます重水精製施設は、これはトリチウムを含有する重水を取り扱う施設でございまして、原子炉とはつながってございません。独立した施設でございまして、これは重水を効率的に利用しようというための設備でございまして、原子炉の運転について必ずしも不可欠な施設ではないということから、当初より障害防止法という法律に基づいて規制が行われてきた経緯がございます。 むしろ、今回このような施設につきましても原子炉等規制法であわせて規制すべしといったそのねらいとされるところは、このような施設につきましても原子炉施設と同じような規制が行われるべきであるということだと存じます。そうした意味では、今回のようないわゆる軽微なトラブル、必ずしも法令に基づいて報告を求めるといったような場合ではないものにつきましても、今後は、同じような施設に、敷地内にあるわけでございますし、このような施設につきましては同じような規制、事業者からの報告につきましても原子炉施設と同じような報告が行われるように指導してまいりたいと考えております。
○辻(一)委員 最後に、「ふげん」を一体どうするのかということについて、動燃の理事長と、それから長官にお伺いしたい。 新型転換炉、ATRは、いろいろな期待がありましたが、結局、経費が高くつくというので原型炉から実証炉への道が閉ざされて、そういう意味では商業化の道が閉ざされております。そういう点では「ふげん」は原型炉としての実験、原型炉としての役割を既に終わったものと思われますが、そうなると、「ふげん」を廃炉にするのか、あるいは新たな研究開発の目的をもってきちっとこれを位置づけていくのか、それについて一体どう考えていらっしゃるのか、お伺いしたい。
○近藤参考人 「ふげん」につきましては、平成七年八月に原子力委員会におきまして、地元との信頼関係を確保しながらプルトニウム利用技術開発、国際的共同研究施設として利用していくことが適当であると、御承知のように決定されております。 したがいまして、事業団としては、地元の御理解を得た上で、施設の安全確保、通報連絡体制の改善に努め、まずは運転を再開し、「ふげん」の今後のあり方について地元並びに国と相談しながら検討していきたいと思っております。
○近岡国務大臣 先生既に御指摘あったわけでありますが、動燃の中にはいろいろ、高レベルのものあるいはまたウラン濃縮のように民間に移転すべきものがあるわけでありますが、平成七年二月に特殊法人の整理合理化に関する閣議決定があります。それを見てまいりますと、動燃の事業団についてはいろいろ見直すというようなことが出ておりますので、やはりこの機会に動燃改革検討委員会のいろいろな意見を聞きながら、国全体としてこれからどうあるべきかというふうなことを十分に考えながらやっていく時期に来たのではないかな、このように思っておりますので、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
○辻(一)委員 長官、ここまで来るとやはり、この間、動燃の理事長は参議院の参考人答弁でかなり明確に出されておりましたが、リスクもあり採算にも合わぬ、しかし国がどうしてもやらなければならぬという分野がありますね。それから、もう技術移転等民間に移してもいい、ほぼでき上がった技術体系というかそういうものは移してもいいものがありますね。それを全部抱え込んで、そして予算で縛られる、人員が足りぬ、だから下請を入れる、そうすれば目配りがだんだんできなくなるのです。そんな無理をするよりもやはりそこは整理をした方がいいと思うのですが、そういう意味で国がどうしてもやらなければならぬのは何か、民間に移してもいいのは何かということを長官としてどう考えていらっしゃるか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○近岡国務大臣 この問題は、高レベル廃棄物の最終処分場もまだ決まらぬというふうな状況等を考えてみますと、これから日本のエネルギー行政全体の中で原子力行政というものがどうあるべきかというようなことは、特に高速増殖炉にかかわる問題等なんかは、今原子力委員会で高速増殖炉懇談会で検討願っているというふうなこと等もありまして、くどいようでございますが、やはり政府全体の問題としてこの問題を取り扱わないと、一科学技術庁云々だけではいけないのじゃないか、このように思っております。 特に最近は、党の行革推進本部等のいろいろな意見も出ておりますし、また私の方の政調の合同会議等もいろいろな意見も出ておりますし、やはりいろいろな角度からこの問題を、通産省あるいはエネルギー庁、そういったところが直接的に連携をとりながら考えなければならぬ問題だなというふうに私は思っておりまして、もう少し時間をかしていただきたいというのが私の本音であります。
○辻(一)委員 民間に移していいと思うのは何ですか。
○加藤(康)政府委員 二年前の閣議で決まりました行革大綱におきまして、ウラン関連業務は見直すということでございまして、その方針に従いまして、海外ウラン探鉱とかウラン濃縮につきましては漸次縮小の方向をたどっておりました。特にウラン濃縮の技術につきましては、六ケ所村でも工場が動いておりますし、民間との共同研究もやっております。実力がつきつつあると思いますので、そういうような問題につきましてはまた民間とも御相談したいと考える次第でございます。
○辻(一)委員 時間が来たから終わりますが、この問題はすべて大事な大きな問題ですから、またの機会になお論議をしたいと思います。 では、終わります。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井でございます。 本日午前中、中野参考人の答弁でも、委員会への提出資料に記載されていたとおりに、三月十一日十時十三分、運転員が目視にて火が消えていると認識したので水噴霧を停止したという表現がありました。同じ表現だったわけですね。 これまでに私は、質疑の中で、アスファルト固化施設のドラム缶などの温度とか部屋のガス組成や濃度などを検出する機器がなかったということ、したがって、消火なり鎮火なりを確認する手段がもともとなかったのだということを明らかにしてまいりました。十時二十二分消火確認というのも、これは虚偽報告で問題なんですが、同時に、この十時十三分の消火を確認というのも、運転員の方が認識したとしても、やはり動燃としては確実な消火確認の手段を講じない限り、これは消火という発表はできなかったのではないか、そのことが重要なのではないかと思うのですが、まず最初にそのことから聞いていきたいと思います。
○中野参考人 お答えいたします。 先生今おっしゃいましたように、消火という確認が確実になされているのかどうか、そういう言葉が使えるのかということでございますが、一応我々調査をし、その運転員から聞いた範囲では、消火したと思ったので水をとめたということで、その事実のまま記録しておるわけでございます。
○吉井委員 ですから、その運転員の方の認識はそういうことなんですよ。しかし、例のボードの上に書かれていたこと、「十時二十二分水噴霧器で火は消えた。」ということに続いて、これは、火災はどうか確認中か、あるいは火災かどうか確認中か、ちょっと読みづらいところですが、いずれにしても私は、これはなかなか大事なメッセージだったと思うのですよ。前段の、水噴霧で火が消えたという、ここがうそだったということで今問題になっているわけですが、しかし、この「火災かどうか確認中」ということは、これを本当に確認し切ったのかどうか。それは現場の作業員の方の任務じゃないのですよ。このメッセージがある以上、やはり動燃として、これは幹部の皆さんが徹底的に、火災はどうなのか、つまり、炎は消えたが種火として残っている状態なのか、あるいは完全に鎮火した状態なのか、いずれにしてもそれは確認しなければいけなかったと思うのですね。それをやはりやらなかった。これは、もともとそれができない施設だから仕方がなかったという判断を今していらっしゃるというふうに見ていいのですか。 〔委員長退席、斉藤(鉄)委員長代理着席〕
○植松参考人 火災が消えたということを確実に認めておるということが必要だったと思います。 しかしながら、十時二十二分問題をよく調査してみました結果わかりましたことは、十三分過ぎからは煙が部屋内に立ち込め始めまして、実際には十時二十二分に人を中に入れることができるような状況にはなかったということが明らかになってまいりました。そういう点では、もう一度責任ある人が入域をして火災を確認するということが大切だったとは思いますけれども、物理的にできない状況にあったということが本当の姿かというふうに思っております。
○吉井委員 危険な状態で中へ入ること自体は、これは人道上問題がありますから、私はそんなことを求めているわけじゃないのです。 ただ、ボードにあったこのメッセージは本当に大事なメッセージだったと思うのです、「火災かどうか確認中」。だから、この確認は現場の作業員の方の責任じゃなくて、やはり動燃の幹部の方が、どういう手段にしてもこれは徹底的に鎮火しているということを確認しなきゃいけないのに、そのことについては、やはりこれは重大な責任を感じてもらわなきゃならぬと思うのですよ。この点はどうなんですか。
○植松参考人 御指摘のとおり、最初の消火確認が十分でなかったということが遠因となって十時間後の爆発につながったのではないかというふうに、我々も一つの原因として考えております。したがいまして、正確に消火の確認を再度するということが非常に重要な仕事であったのではないかというふうに考えております。 ただ、先ほど申し上げましたように、煙が立ち込めておって、普通の装備では入れない状況にあったという点も御理解いただきたいと思います。
○吉井委員 それで、中へ入らなくても本当はわからなきゃいけないのです。それは、温度検出なりガス組成の分析なり濃度の検出なり、きちっとつけてなかったからわからなかったわけです。だから、これは設計段階も含めて、本当に爆発火災対策、防災対策の面で非常に重大な欠陥があったということを重く受けてもらわないことには、大事なメッセージがありながら、そのメッセージに基づいて確認する手段がなかったということ自体が非常に大きな問題を持っていた施設だということを指摘したいと思います。 次に、けさの委員長の二つ目の質問にかかわって私も聞きたいと思いますが、私は、実はあの事故のすぐ後ぐらいに、マスコミの記者の人が動燃の環境施設部長と会って取材したときに、部長が、すべて上の指示だ、この上という意味は科学技術庁を意味しているのですよ、上と相談した上で発表したんだと答えていて、同時に、非常におびえていたということを聞いております。 告発され、社内処分を受けた環境施設部長らだけの問題なのか。それとも、科学技術庁や動燃本社の、まさにこの部長の言葉で言えば、上の方が事故直後にどんな指示をしたりかかわってきたのか。やはりそれを究明しないとトカゲのしっぽ切りになってしまうし、理事長がこの間十六日も理事長緊急指示というのを、呼びかけを発表されましたが、幾ら理事長が職員にそんなこと言ったって、それは現場の人たちが信頼して物を言うことにはならないと思いますよ。 やはり、大臣、この告発で終わるものじゃないと思うのですね。だから、大臣として、一連の事故隠しや虚偽報告、偽証問題に科学技術庁は全く関与していなかったと言えるのかどうか、この点は大臣はどういうふうに見ていらっしゃるのですか。
○池田政府委員 今回の事故につきましては、事故が起こりましてから、その当日には既に、限られた情報ではございましたけれども、私ども職員を直ちに現地に派遣いたしましたし、それ以来、これまでも常時その状況につきましてはつぶさに現場の把握に努めてきているところでございます。 なお、御案内のように、既に翌日には事故調査委員会というものも発足させまして、本日まで七回にも及びます会合を重ねてきております。この間、事業団から火災の状況それから爆発の状況等につきましての事情の聴取等も行いましたし、委員みずからが現場に入っての調査等も進めてきているわけでございます。 また、今御指摘の虚偽の報告等につきましては、これは法律に基づきまして、事故から十日以内に出すといったことで出してきたわけでございますけれども、これにつきましては「もんじゅ」の経験もございましたし、これは事業団が非常に慎重に事実を確認した上で出してくるといった前提で、私どもは、この報告が出されるのを待っておったわけでございます。 これにつきましても、提出されましてからこの記載状況に基づきまして調査をしてきたところでございますし、その過程で、けさほど御紹介申しましたように、この一部記載に偽りがあったといったことも発見する次第になったわけでございますし、科学技術庁といたしましても、今回の事故につきましては大変残念だと思っておりますけれども、その後の処理につきましても、こういう事態につきましては一刻も早く原因を究明し、一般の方が抱いております不安ですとか不信にこたえるために懸命の努力をしてきている状況にありますことは、ぜひ御理解いただきたいと思います。
○吉井委員 私、今言いましたように、環境施設部長のお話として、すべて上の指示、上と相談した上での発表をしたんだ。私は、だから大臣に聞いているのです。大臣として、こういう一連の事故隠しや虚偽報告あるいは偽証問題に科学技術庁は全く関与していなかったとはっきり言えるのかどうか、そこのところを大臣がつかんでいらっしゃるのだったらお聞きをしておきたいと思うのです。
○近岡国務大臣 ただいま局長が答弁したことに尽きます。
○吉井委員 動燃と科学技術庁の関係について言うと、内閣総理大臣と委任を受けた科学技術庁長官は、動燃事業団法、原子炉等規制法、放射線障害防止法などに基づく検査とか書類提出を求め、改善命令などを出せるわけですね。また、そのために原子力施設検査官を置くことになっているし、さらに、原子力安全局長のもとに運転管理専門官、これをそれぞれの施設に配置してきているわけです。これらの人たちは、局長名文書が示す内容として、事故の現場把握、事故の対応や内容の発表など、動燃と科学技術庁一体になって取り組んできたということをこれは示しているんじゃないですか。ですから、十一日のあの事故以降、一体になってやってきたんじゃないんですか。
○植松参考人 私も、三月十一日の爆発事故のニュースを聞きまして直ちに現場に駆けつけまして、それ以来現場にとどまっていろいろと支援をしてまいりましたが、もちろん科学技術庁の方々もいらしておられました。しかしながら、先生のおっしゃるように、一緒になって、ぐるになってやるというようなことはございませんで、それぞれ独立した立場から独立した調査を行っておったというふうに信じております。
○吉井委員 専門官の方は、日常的に再処理工場に入って中央制御室のデータをチェックし、それから異常発生箇所の確認などをやっているわけです。今回の事故発生時には、アスファルト固化施設の操作室の計器が壊れたり放射能で汚染されているところですから、チャート紙取り出しなんかは非常に難しい状況にあったわけですが、しかし、別の部屋の計器盤のところで幾つか同じデータを読み取ることができるということも知っていたわけですよ。 四月九日、十日から、動燃と科学技術庁が一緒に現場から事故時のチャート紙を取り出しておりますが、そのときの動燃資料には科学技術庁の立会者のサインも記載されております。ですから、一体になって取り組んできたということははっきりしているわけです。動燃の内部調査に科学技術庁の方はどんなふうにかかわってきたのか、次にこのことを伺いたいと思います。
○池田政府委員 先ほど来の先生の御指摘でございますけれども、一体となってというのは、私ども運転管理専門官を主要な施設には派遣しておりますけれども、これは事実についての御認識、違うということをぜひ申し上げさせていただきたいと思います。 これは規制する側と規制される側ということでございますし、この任務は、端的に申し上げまして、事業者の運転管理の状況を監視しているわけでございます。そうした意味では、このような担当官につきましては、日常の運転の記録、それから事業者の振る舞い、日誌等、これを懸命に見ているわけでございますけれども、この過程で事業者におきましても適切な対応がなければ、なかなかつぶさに現場の把握ができないといったことも、我々はある程度問題としては認識してございます。 また、今回のこの事故後の対応ぶりについて、先生から今、四月に入りましてからの事故現場からのチャートの取り出しについての御指摘がございました。これは、こういった事故後の施設において事業者が行います措置、応急の措置と申しますか、危険時の措置でございまして、これは事業者が勝手にやることはできないわけでございます。そうした意味では、私ども、事業者の措置が安全に行われるように、必要な配慮が行われるように、これは立ち会い、その措置についても見ているわけでございます。 なお、こういったこの事故調査の進展のために必要なデータの取得につきましても、私ども、動燃事業団に対しまして、しかるべき措置をするように指導もしておりますし、この過程でまた二次災害等を起こしても困るわけでございますから、そういった観点から、必要な立ち会いを行っているのは事実でございます。これを一体ということでごらんいただくのは非常に残念でございます。
○吉井委員 一体にえらいこだわってはるのやけど、一体が嫌なら、一緒に取り組んでいるでいいのですよ。問題は、この事故があった後、動燃の内部調査に科学技術庁はどのようにかかわってきたのかということを聞いているのです。そこのお答えがないわけです。 実は、再処理施設の事故の発生後は、私、専門官の方を個人的に何か攻撃しようとか、そんなあほなことでやっているのではないのですよ、この問題は。専門官の方だけが事故後行っているわけではないのです。科学技術庁の多くのメンバーの方が行っているわけですよ。その事故発生後は、これは法律からしても実態からしても、動燃と科学技術庁がすべてのことに、一体が嫌なら、一緒に取り組んできたことは明らかなんですよ。 ところで、私は、この動燃の幹部の方の、すべて土の指示、上と相談した上で発表したのだというこの言葉を聞いておりまして、実は、特殊法人に対する科学技術庁の権限というのはかなり絶大なものだということを改めて思い出しました。 実は、かつて、原子力船「むつ」の調査に私が行ったときですが、現地の、当時は原研の方が管理していましたね、原研の所長も「むつ」の艦長も、私に同行して行っていた科学者の方、事前にお名前も届けてあったのです。だから乗船を許可すると言ったのですが、東京からわざわざ、科学技術庁から派遣されてきた若い職員が、本庁と連絡をして、乗船は絶対だめだ、科学者の乗船は認めないということで妨害して、非常に嫌な思いをしたことを今思い出しております。最後までそれを主張して、年輩のこの原研の所長さんや艦長さんが私に、大変申しわけありませんと謝ったぐらいでしたよ。 ですから、この動燃の環境施設部長が科学技術庁から、これは発表するなと言われたら黙らざるを得ない、そういう関係だったということを、私は「むつ」のときのことを思い出して思いました。 事故隠しとか虚偽報告は、科学技術庁が一体になって進めたものではない、関与してはいないということを、大臣、これは断言できますか。
○池田政府委員 今般の報告書の中に偽りの記載があるといったことを確認しました段階で私どもがとりました措置は、その偽りと知りながら記載させたこと、さらにそれを訂正させなかったこと、ひいては、これにつきまして隠すような工作に加担したこと、そういったことにつきましては、その関係した者を見きわめて、規制法違反の疑いで告発までさせていただいているところでございます。そうした事情を御観察いただければ、先生の御指摘のような事情に私どもがあるということはないということは御理解いただけると思います。 〔斉藤(鉄)委員長代理退席、委員長着席〕
○吉井委員 私が一番懸念しておりますのは、トカゲのしっぽ切りにならないことです。現場の人たちが、科学技術庁と動燃の関係でいいますと、原子力船「むつ」のときの経験からして、やはり、これは発表するなと言われたらなかなか言えなくなるのですよ。やはり私は、吉井の言っていることについては、大臣として、特別にそこのところは調べてみようということで取り組んでもらいたいと思います。 さて、現在の安全審査指針の方では、火災、爆発が起こっても放射能を閉じ込めることなどとなっているのですが、指針制定前の施設だからということで、科学技術庁も原子力安全委員会も、再点検したり改善指示を出すなどということをしてきませんでした。新しい知見を入れて新しい指針をつくれば、本来それに基づいて指導を、これは動燃は動燃でやらなければいけないですよ。しかし、動燃がやらなくても、監督官庁がやらなければいけなかったと私は思うのですよ。そういう姿勢がやはり問題だったと思うのですが、今でも、こうした点を含めて、この指導監督について見直すという考えはありませんか。この点は見直していかれますか。
○池田政府委員 今回の動燃アスファルト固化処理施設の事故が火災から爆発まで至ったといった過程につきましては、先ほど御議論がありましたように、初期の火災に対します当初の処置、その後の消火の見きわめ等々、さまざまにこれまでも問題が指摘されているところでございます。また、本日もちょうど、七回目の事故調査委員会におきましては、なぜ充てん後数時間たったものが発火したかといったことにつきましても、その内容について見きわめるための議論が進んでいるところでございます。 私ども、こうした事故の原因究明を急ぎたいと思っておりますし、その過程で今般の事故の全容というものが明らかになれば、今先生が御指摘のような、当初の安全審査の過程で問題があったのかどうかといったことにつきましても明らかにできると思っておりますし、そこで改めるべきことがありますれば、いささかもちゅうちょすることなく改めてまいりたいと考えているところでございます。
○吉井委員 それで、さっきの最初の火災のことに戻りましても、動燃は動燃で、爆発、火災のときに内部がブラックボックスにならないで状況をつかめるように、みずから考えて設計もしなければいけないし、やらなければいけなかったと思うのです。指導監督というのは一やはり監督官庁はそういうところについても目っこに入れることじゃないでしょうか。だから私は、どこかがいろいろ意見を出してくれたから、それも踏まえてこれから見直すというだけの姿勢じゃなくて、これからは監督官庁のあり方というのは、そういう立場で臨むようにやはりもっと厳しいものを持ってもらわぬと困るというふうに思います。 さて次に、先ほども世界の高速増殖炉の多くが中止になっているという状態が示されておりましたが、現在、高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開のめどは全く立っておりません。それどころか、原型炉から研究開発炉に格下げするという話も今出てきていますね。プルトニウムとナトリウムの利用という二つの困難な問題と採算性などもあって、高速増殖炉が実証炉から商業炉へ進んでいく見通しというのは、現在のところ全く立たないという状況にあるのではありませんか。大臣、これはどうですか。
○加藤(康)政府委員 今の話は、新聞がそう言っていたということだと思いますけれども、「もんじゅ」原型炉と申しますのはまさしく研究開発炉でございまして、研究開発段階なのでございます。したがいまして、格下げということはなくて、そのまま研究開発をそれでやりたいということでございます。 実証炉の見通しと申しますと、これは、「もんじゅ」が動きまして、そこで技術的にこれでいけるということに加えまして、さらにそれをもう少し、経済的にできるという合理化設計と申しますか、そういう見通しができた段階で実現するかと思いますが、いずれにせよ、「もんじゅ」の再開、それが一つのポイントであるかと承知しております。
○吉井委員 そんな話はわかっているのですよ。実験炉から研究開発炉、そして実証炉から商業炉へと発展していくわけですよ。今私が言っているは、実証炉から商業炉へ進む見通しは今立っているのかということを聞いているのですよ。一言でいいです。
○加藤(康)政府委員 まさしく研究開発の途上でございますので、その成果がうまくいけば、当然商業炉にいくと思っております。
○吉井委員 その原型炉が進まずに後退というのが今言われているところです。 「もんじゅ」というプルトニウム燃料の原子炉がストップした中で再処理工場を稼働させると、プルトニウムがどんどんたまってきて、日本はプルトニウムの生産と蓄積に熱中する世界でただ一つの国家となってしまって、国際政治の中でも非常に危うい立場に立たされるということになりかねません。だから、本来、再処理工場というのは今ストップをするべきだと思うのです。 しかし、皆さんの立場に立って考えてみても、東海再処理工場というのは、一九六九年当時の原子力委員会再処理施設安全審査専門部会は、火災や爆発を検討したが、起こりそうもないことがわかったなどとして建設を承認しているわけです。しかし、東海再処理工場では、七五年十一月以来の事故が三十四件、これは発表されている分だけですが、労働者の被曝した例も数多くあります。今回は、その当時の起こりそうにもないとされた施設の中の、これまた最も簡単な施設で大きな事故を起こしてしまったのです。そういう状態でも、この再処理工場はもう技術的に完成された全く安全なものだと言えるのかどうか、これは一言で結構です。
○加藤(康)政府委員 時系列的には少し承知しておりませんが、アスファルト固化処理施設は東海の工場ができてしばらくたってからできているものでございますので、先ほどの安全審査というのも多分別の機会に行われているのだろうと思います。 それから、再処理施設が全く安全で技術的に確立されているかどうかということでございますが、再処理施設につきまして、東海の工場で非常な経験を積みました。そしてまた、六ケ所村の再処理工場につきましては、フランスからの技術導入で建設されておりますので、それをまたうまく運転するように努力されると承知しております。
○吉井委員 最初、東海の再処理工場をつくるときだって、もう事故は出尽くしたと。当時、世界で再処理工場が始まって二十年の歴史を持っておったころですが、「二十年以上の歴史を持つに致っているので、失敗もし尽したと見てよい」、これは当時の原燃の社内報に出てきますが、つまり、当時もそういう発想なんです。今は今で、今あなたおっしゃったように、新しい施設で大丈夫だ、そういうふうな完成されたもの、全く安全だという発想が私は一番危ないということを言わなければならぬと思います。 「ふげん」は廃炉処分と言われているわけですが、ますますプルトニウム利用量が減ることになると再処理工場が要らないということになってくるわけですね。それはあくまでプルトニウムを使うためにプルサーマルだというわけですが、しかしプルトニウム燃料の軽水炉での実験というのは、一、二体のMOX燃料を入れたものはあるのですが、本格的なMOXでの実験炉も研究開発炉もありません。「ふげん」の方は重水減速炉であって、そのデータがそのまま使えるわけのものじゃないわけです。「ふげん」の後の実証炉の計画は中止となっております。 そこで、高速増殖炉「もんじゅ」が破綻、新型転換炉「ふげん」が廃炉、プルサーマルは本格実験もまだ、再処理工場は完成された技術ではない、最終処分地も決まらないとなると、これは明らかにプルトニウムリサイクルを中心とするこれまでの原子力政策がやはりほころびを来している、破綻を来しているということは考えなければいけないと思うのです。 日本共産党は、反原発とか脱原発という立場の、ほかにそういう政党がありますが、そういう立場じゃないのです。これまでの原子力開発の進め方が、実験室規模から二遍にスケールアップしてしまって、原発安全神話を振りまきながら強行してきたこの路線が破綻したということを言っているのです。私たちは、安全技術の水準の枠の中での基礎研究から出直すべきだ、高レベル廃棄物にしても、あるいはプルトニウムの無毒化技術などを含めた安全技術の確立、最終処分地問題の解決など、本当の意味での原子力のリサイクルの完結なしに、今のような巨大規模での原発推進というのは強行するべきではないということを言っているわけです。この原発の危険から国民の安全を守るということに、今やはり科学技術庁はそのことに本当に全力を尽くさなければならぬときだと思うのですよ。こういう事故が相次いでいる中で特にそうです。 そこで、大臣、今こそそういう日本の原子力政策の根本的な見直しというものをやはり図るべきじゃないか、これは事務屋さんじゃなくて、大臣にやはりそこのところはきちっと答えてもらいたいと思います。
○近岡国務大臣 先ほど来各先生方からいろいろ御指摘あったように、私は率直に、動燃に対する指導監督が不十分だったということは本当に深く反省しているところであります。そのために、何回も御答弁申し上げておるとおり、動燃改革検討委員会というものを発足させたわけでありますが、これはただ単に動燃の改革を進めるだけの問題ではありません。動燃に対する科学技術庁の監督のあり方も検討することとなっておるわけであります。 そういった意味で、この検討委員会の議論を踏まえながら、動燃の抜本的な改革も取り組まなければならないし、また、今先生から日本のエネルギー、特に原子力行政について、将来の見通しを含めてのいろいろな御意見があったわけでありますが、その点につきましては、先ほど来私御答弁申し上げておるとおり、日本のエネルギー問題をどうするかというようなことを、これは日本で発足以来年数もたっておりますし、機械も相当古いものも出ているわけであります。ただ、今日本の置かれている現況を見ますと、このエネルギー対策というものは、化石燃料その他いろいろクリーンな燃料もあるわけであります。太陽エネルギーその他いろいろな問題含めますと、全般的にどういうふうにあるべきかというようなことは非常に重要な問題だなというふうに認識しておりますので、先ほども申し上げたとおり、今いろいろ御指摘のあった点は十分に頭に入れながら、これからの問題は少し時間をかしていただきたいというのが私の本音であります。
○吉井委員 時間が参りましたので、もう締めくくらせていただきたいと思いますが、大臣、事故があったから動燃をどうするとか、科学技術庁の監督責任どうだとか、一つ一つそれは大事なものがあります。ただ私は、ここで国民の目線から見れば、どこに視点を当てて物を考えていくかということは、それは日本の原子力政策の見直しにかかわってくる問題として、やはりきちっと考えなければいけないことがあると思うのです。 私は動燃についてだけ御紹介しておきますと、「もんじゅ」の建設費は総額五千八百八十六億円で、運転費が一千四百四十九億円でしたが、その約八割は国民の金なんですね。工事を請け負ったところはどこかと見ますと、三菱重工業が工事費の二〇%と断トツですが、これ以外に東芝、日立、富士電機、こういうところがほとんどを占めるわけですね、四社で。それから、再処理施設は建設費千四百八十一億で、運転費は四千五百七十八億円、工事請負は一〇〇%日揮。常陽の建設は、これは二百八十九億ですが、運転費が千五十九億円、全額もちろん国民の金なんですが、工事請負は東芝が中心。「ふげん」の建設は六百八十五億で、運転費が二千二百八十三億円、工事請負は日立製作所が中心。 動燃の巨大プロジェクトの受注先というのは以上のような状況なんですよ。そして、三兆円近いお金を投じてやってきて、設立もそういうメーカーが中心にやってきました。そういうふうに、この大規模なメーカーの研究開発費に動燃をトンネルにして流れていっている。そういうふうな日本の原子力行政のあり方でいいのか。私は、そういうところからして、本当に根本に立ち返ってそれをやらないと、国民の税がトンネルにして流れている状態で、これは秘密主義とか批判拒否とかそういう状況にならざるを得ないという、うんと深いところにある根源的な問題としてやはり出てくると思うのです。 そういうことも踏まえて、大臣に、今これから検討するというお話ですが、日本の原子力政策の根本的な見直しというものをぜひ考えていただきたい、そのことを申し上げまして私の質問を終わりたいと思います。
○佐藤委員長 辻元清美君。
○辻元委員 社会民主党・市民連合の辻元清美です。 私は非常に残念です。三月十八日の私の質問に対しまして虚偽があったということで残念に思っております。その部分なんですけれども、私は消火の確認について御質問しました。そのときに中野参考人が「その後の措置についてでございますけれども、十時二十二分だったかと思います、再度中を確認いたしまして、火のようなものが見えないということ、さらに、十三時になってからでございますか、もう一度中を確認いたしまして、燃えていないということで、フォローしてございます。」と、非常に懇切丁寧に答えていただいたわけなんです。それで、まあ本当に残念だなという気持ちです。 このときに私はこの答弁をいただいているのですが、四月一日に、やはりおかしいな、どうして消火確認できたのかなという疑問がありまして、もう一回、初動体制ということで、だれが確認したのですか、何人の人が見ましたかというようなことも聞いているわけなんですね。私は原子力のプロでもありませんし、監督したこともありません。しかし、非常に素朴にそう思ったのですよ。 科学技術庁の方に聞きたいと思うのですが、私でも疑問に思ったのに、ここのところ、例えば池田さんにお伺いしたいと思うのですが、池田さん自身はこの当時疑問に思われたのかどうか、まずお聞きしたいと思うのです。
○池田政府委員 この事故後十日目に事業団から出されました報告書にそのような記載があったわけでございますけれども、この時点で今先生が御指摘のような疑問に思ったかといったことにつきましては、そこまで考えてはございませんでした。当然のことながら、事業団自身が「もんじゅ」の経験もございましたし、その事実関係を法律に基づいて報告するということはそれなりの重さを持って慎重に検討した上で出してくるものと思っておりましたから、この内容につきましては十分内容のあるものだと思っておりました。しかし、後から、事故調査委員会の活動の過程でこういった偽りがあるということがわかったことにつきましては、そういった意味では大変私どもも残念だと思っております。 しかしながら、事故調査委員会の活動がこういった偽りを暴く意味で結果的には功を奏したといったこともございます。そういった意味では、今私どもはこの事故調査委員会の活動に全力を挙げて、ほかにはこのような偽りがあってはならないわけでございますし、この過程ですべての情報が正しく提供されて客観的な議論ができるように、懸命に努めてまいりたいと思っております。
○辻元委員 今疑問には思わなかったというお答えだったと思うのですけれども、安全局長さんというのは疑問に思っていいのじゃないかというふうに、これは私の意見ですけれども、思わない人がやっていらっしゃるのかしらと私は思ったものですから、今のお答えを伺いまして非常に心配になりました。 さて、ここで幾つかまた具体的なことをお聞きしたいと思います。科学技術庁から四月二十二日付で「火災爆発事故等への取組みについて」というのをいただきました。この中から二点質問をさせていただきたいと思います。 この中で、先ほどから何回も動燃改革本部の設置ということが語られております。それから、動燃改革検討委員会の設置をしているへそれで第一回目も開かれたと聞いているのですが、これはだれが人選をされたのでしょうか。具体的に実務で、この人とこの人とこの人を選びましようというのは科学技術庁のどなたが選ばれたのか、数人でしたら数人の方のお名前をいただきたいのですが。 あともう一つ。外部コンサルタントの活用をしようということが書いてございます。いただきましたものの参考資料の二というところに、六月上旬ころには外部コンサルタントによる問題点の抽出の報告を受けようという予定も書いてございますが、この外部コンサルタントというのは、どこの会社というか、どなたにお願いしているのか伺いたいと思います。
○加藤(康)政府委員 最初に、改革検討委員会のメンバーをだれが選んだかということでございますが、私、それから私の下におります部下がある程度企画いたしまして、上司に相談しながら決めていったということでございます。 それから、外部コンサルタントにつきましては現在選定中でございまして、まだ決まっておりません。なるべく早く決めたいと考えております。
○辻元委員 そうしましたら、このコンサルタントが決まりましたらぜひ教えていただきたいと思うのです。だれがどのような形で調査をしているかということを明らかにしていく、具体的にだれがということを明らかにすることが情報公開の第一歩だと思いますので、早急にお知らせください。 さて次に、科学技術庁と動燃の関係につきまして幾つかお尋ねしたいと思います。 動燃には科学技術庁から出向者の方がいらっしゃると聞いておりますが、現在何名で、どのような役割を果たしていらっしゃるのか、動燃の方とどのように仕事をなさっているのか、具体的にお教えください。
○沖村政府委員 人事交流につきましては、一般的には人材の養成に役立ちますとか、組織や人の相互理解が進む、それから組織の活性化に役立つといったメリットがございまして、政府部内では省庁間の人事交流を大いにやろうということをやっております。また、民間との交流につきましても、人事院ではこれを大いにやるようにということで制度をつくるようにという意見の申し出が行われております。 そういう一環といたしまして、科学技術庁では、ほかの省庁あるいは当庁所管の法人等と人事交流をやってございまして、動燃につきましても、このような考え方から現在十三名出向をいたしております。十三名出向しておりますが、その考え方につきましては基準といったものは特にございませんで、動燃の業務状況、科学技術庁の業務状況、そういうことに応じましてケース・バイ・ケースで決めさせていただいております。 具体的に現在十三名の者は、技術協力部でありますとか、総務部でありますとか、広報室でありますとか、あるいは企画部でありますとか、国際部でありますとか、非常に幅広い分野にわたって動燃の方々と一緒になって仕事をしているというふうに理解をいたしております。
○辻元委員 今十三名と伺いまして、幾つかの部署も伺ったわけなんですが、私もちょっと申し上げますと、技術協力部長一名、総務部次長一名、広報室次長一名、安全部課長一名、担当役といたしまして、企画部、核物質管理部、環境技術開発推進本部、国際部、核燃料サイクル技術開発部、核燃料施設計画部、安全部、課長代理の方は財務部、主査の方は国際部で、十三名というふうに承っているのです。動燃の組織の中の大半に科技庁の方も出向していらっしゃるわけなんですね。ですから私は、先ほどからも指摘がありますけれども、一体となって経営や運営、そして安全管理もやってきたというふうに理解しているのですが、この理解は間違いでしょうか。
○加藤(康)政府委員 動燃事業団に出向しますと、その指揮命令系統は理事長のもとになるわけでございます。理事長といいますか、現在の動燃事業団の経営のもとに行うというわけでございます。したがいまして、すべて一体でやってきたとか一緒にやってきたというわけではなくて、当然一緒にやらなければいかぬところもございますが、基本的には別の組織でございますので、別の対応をするということでございます。
○辻元委員 そうすると、部長さんなんかもいらっしゃるのですけれども、別々に動いていらっしゃるということですか。
○加藤(康)政府委員 出向するということは事業団の職員になるものですから、その事業団の、例えば部長ですと担当の理事の指示を受けながら仕事をするとか、そういう意味でございます。
○辻元委員 よくわかりました。ということは、非常に人事交流もしっかりと行われていたというふうに承るわけなんですね。 さて次に、先ほどから池田安全局長も、今回は規制法違反で告発までしたのだということで、この毅然とした態度をぜひ理解してほしいというふうに力説されました。「もんじゅ」の事故の折も虚偽の報告があったということが報道されたりしておりまして、前回の私の質問のときも、福井地検に住民の方による告発ということで、動燃の方が七十名事情聴取を受けているというふうに伺ったのですね。 科学技術庁の方に伺いたいのですが、今回は規制法違反、私の目から見たら「もんじゅ」のときのあの動燃の対応も規制法違反に当たるのではないかと思うのですが、あのときは告発されなくて今回告発された、どういう違いがあるのでしょうか。
○池田政府委員 今回告発に至りました経緯を申し上げますと、私ども、この事実が明らかになる過程を「もんじゅ」の場合と比べる必要があると思っております。 すなわち、四月八日の段階で今回の法令に基づきます報告の中にうそがあるといったことが明らかになったわけでございます。これは事業団自身が明らかにしたわけでございますし、この後、その発表を受けて私ども自身が現地に立入調査を行いました。その過程で、改めてまた法律に基づきます報告徴収を求めました。その結果を踏まえて、確かに虚偽を報告した事実があるといったことも明らかになったわけでございますし、それに関与した者というものも見きわめがついたという状況にございます。そうした意味で、これは規制法の虚偽の報告という規定に照らしまして違反であるといったことについての見きわめがついたわけでございます。そうしたことで、私ども規制法を厳格に執行します立場から申しますと告発することが義務だと思った次第でございます。 このようなことを考えますと、「もんじゅ」の場合には、そこまで実際には、明らかに偽りである、あるいは偽りを訂正しなかったとか、あるいはそれを隠したとか、そういったことまでの事実の認定というのはできなかったといった状況もございます。 もう一つ事情の違いを申し上げますと、私ども政府自身がこういった事実についての結論を、正直申しまして今の段階でまだ結論を出したわけではないわけでございます。「もんじゅ」につきましては、調査をしている過程で一般市民の方が告発という行動をとられたわけでございまして、その過程で今度は福井の地検が実際に捜査活動に入られたわけでございます。私どもは、むしろその推移について見守っている状況でございますし、これが出てまいりますと、その過程で私ども自身がそれに対してどうこたえるかといった場面がいずれあろうかと考えております。 そうした意味では、同じ原子炉施設に対する規制のありようについての比較でございますけれども、「もんじゅ」の場合と今回の場合についてはそれだけの違いがあるといった点については御理解いただきたいと思っております。
○辻元委員 ということは、「もんじゅ」の事故の時点での対応というのは、あの時点では規制法の違反でなかったというふうに科学技術庁ははっきりと見解を出されて対応されたというふうに確認してよろしいですか。
○池田政府委員 先ほど御説明が不十分であったかもしれませんけれども、今に至りますまでも、まだ規制法の違反といったことにつきましての判断をする状況にはなっていないということでございます。
○辻元委員 わかりました。 それから、もう一つお伺いしたいのですけれども、先ほどからもこの安全審査をした折のこと、要するに一番最初に審査をした折のことが話題になっております。こういう事業を行う、こういう建物を建てます、こういう施設をつくりますというときに、安全基準に基づいて審査がされるようなんですが、今回はその安全審査会の責任ということは何か論じられているのでしょうか。そして、具体的に何か、その安全審査のやり方がここがまずかったのじゃないかとかというふうな議論はされているのでしょうか。 といいますのは、今回、そこで審査されてあの爆発が起こりましたよね。そこがほかの施設もいっぱい審査してはるわけですね。そうすると、これはもう一回審査のやり方を考えてもらわないと、ほかでも何かあったら困るなという心配があるわけなんですが、そういう議論はされているのでしょうか。それで、責任があると考えていらっしゃるのでしょうか。
○池田政府委員 先生今お尋ねの安全審査につきましては、私ども行政庁としましても、今回の事故調査委員会によります事故の原因究明を急いでおるところでございまして、この過程でその全容が明らかにできますれば、その結果、この安全審査の過程でどんな問題があったかといったことにつきましても明らかにできると考えております。 また、安全委員会におきましても、この事故調査委員会によります事故究明の推移を見ている状況にございまして、その推移を見ながら独自にまた検討されると思っておりますし、その過程で安全委員会として安全審査のあり方につきましても訂正すべきは訂正をするといったお考えだというふうに伺っております。けさほど安全委員長は、その点につきましても言及されたというふうに理解しております。
○辻元委員 ということは、推移を見てとおっしゃるのですけれども、例えばあした事故があったらどうするかということなんですよね。それぐらい緊迫した話を今論じているし、認識だと思うのです。一カ月後、二カ月後に、その調査した人たちの結果や推移を見て安全審査はどうだったのかということを論じることも、それは私はもちろん必要だと思うのですが、じゃ自分たちのあり方はどうかということをやはり今早速やることが必要なのではないかというふうに思うのですね。それが一つです。 今回、先ほどから科学技術庁長官も、科技庁にも大きな責任があるだろうというようなことをおっしゃっていました。私がちょっとびっくりしたのは、先ほどどなただったかな、加藤さんでしょうか、日本は技術立国なんだ、立派な技術を持っているんだ、だからこれを大事にしたいというような御発言があったのですが、私は、やはりそこをちょっと疑った方がいいのではないかというふうに思うのですね。 なぜかというと、じゃ、なぜ爆発が起こったかなんですよ。それは体質とか運営ということもありますけれども、技術にも問題があると思わないと、まだ今でも、いや、日本は技術はいいのだけれどもやり方がちょっと悪くてというような段階ではないように思うのですね。ですから私は、先ほどから過信という言葉なども出ておりますが、すべてのこと、技術立国だと言われてきた日本はどうなのか、そしてそれを運営する力は自分たちにあるのだろうかということを一つ一つ点検しないとだめだと思うのです。ですから私は、先ほどの発言には実はがっかりしちゃったんですね。まだそういうふうに思っていらっしゃるのかなというふうに考えました。 幾ら立派なプランとかがあっても、それを使いこなせなかったら、これは技術立国とは言えないと思います。幾ら実験で上手にやっても、それを人間が動かし、そして実用化させていくことがない限り技術立国ではないと思いますので、私は、そういうふうに認識されているのであればやはりそこから考え直していただきたいと思うのです。 何か御意見がおありのようなので、どうぞ。
○加藤(康)政府委員 今回のアスファルト事故とか「もんじゅ」の温度計とか、ああいうトラブルが起きたということはもちろん技術に関係しているわけでございますが、私が最初申しましたのは、日本の将来を考えますと、現在の経済構造改革とかエネルギー問題とか、日本のみんなが長期的に生きていくためには、やはりそういう技術をベースにやっていかなければいけないところがある。そういう意味で、そういうものをこの原子力にも応用して、長期のエネルギーの問題につきましてはそういうことでみんなでやっていこうじゃないか、そういう趣旨でございまして、先ほどのローテク的なものを軽視するということでは全くございません。
○辻元委員 じゃ最後に伺いたいのですが、私は、今回動燃の責任はもとより科学技術庁にも大きな責任があると思いますし、先ほどから長官も御発言をなさっております。それで近藤理事長は、先ほどというか前からなんですが、体質という言葉をお使いになりまして、例えば、技術、技術と言ってきますとなかなか周りが見えなくなったりすることもあるとか、具体的な幾つかの動燃の体質について率直な御意見をおっしゃっております。 それで私は、そうしますと、監督官庁として今回のようなことを起こしてしまった科学技術庁のどういう体質がだめだったのか、どういう体質を反省すべきなのかということを知りたいのですね。どうお考えなのか。そこで、現場の方、安全局長がいいのでしょうか、現場の方はどういう体質が科学技術庁として問題だと思っていらっしゃるのか。そして、長官にも同じ御質問をさせていただきたいと思います。というのは、やはりそこを率直に考えないとまずいと思うのですね。よろしくお願いします。
○佐藤委員長 質問時間が過ぎておりますので、どうぞ簡単にお答えください。
○池田政府委員 私ども、監督官庁というよりも、むしろ規制法を所管する立場から申し上げますと、今回のような事故を経験してみますと、現場に対するもっときめ細かな監督あるいは管理状況に対する指導といった面では、今後、今回の事例にかんがみて、十分これまでのやり方を改める余地があると考えております。
○近岡国務大臣 今局長が答弁されたわけでありますが、監督官庁というのは、何か報告とか連絡とか、そういうようなことばかり待っておったのではできないと私は思うのです。 ですから、私が今回指示したのは、やはり抜き打ち的に立入調査してみる、あるいはまた、場合によっては法令に定める立入検査ぐらい、自分たちの監督している限りは、第一線の実動部隊がどうなっているかということを、限られた科学技術庁の人員の範囲内で、そういうことが本当に四六時中、二十四時間、危機管理センターというものをつくることにしましたけれども、そういうふうな実践的なことを、科学技術庁みずからも現地に足を運んで、そして一体となってやらなければだめだ、私はこう思います。 そういった意味で、今局長からも申されたとおり、私は、本当に、何といいますか、実戦なれといいますか、やはり責任と義務と行動というものが一致しなければ、いつまでたっても立ち直れないな、こんな気持ちを持っております。
○辻元委員 もっといっぱい質問したいのですが、時間が来ましたので、これで終わります。
○佐藤委員長 小坂憲次君。
○小坂委員 太陽党の小坂憲次でございます。 お忙しいところお越しをいただきました動燃の近藤理事長初め植松参考人、中野参考人、岸田参考人、それぞれの関係の皆さんには、十時間にわたります、正味六時間半ですから本会議を入れて十時間、大変長い間おつき合いをいただきまして、まずもって感謝申し上げ、御慰労申し上げたいと思います。最後の質問でございます。ひとつよろしくお願い申し上げます。 さて、近岡長官は、御自身は十分に反省をしていらっしゃると思いますし、責任を痛感していらっしゃる方だと思っております。それはわかっているわけでありますが、今さら言うまでもありませんが、今回の動燃の相次ぐ不祥事は、地道に信頼を積み重ねてまいりまして、ようやく理解が進んできたと認識をしております我が国の原子力政策を根底から揺るがし、そして国民に大きな不信感と不安を与えた、このことは間違いのないことだと思うのであります。 我が党は、一昨日の科学技術庁長官の不信任決議案に対して否決に回ったわけでありますけれども、しかし、これは科学技術庁の責任を免責する、そういうことでは毛頭ないわけでありまして、むしろ今後どのような責任のとり方をするかを見きわめるという姿勢であることをまずもって明確にいたしたいと思うわけであります。そういう意味で、最初に申し上げたように、近岡長官御自身は責任を感じていらっしゃると思います。これからしっかりと、責任をどのような形でとるか、みんなに納得いく形を示していただきたいと、まずもってお願いを申し上げます。 私は、今回の一連の事故を受けて、その反省に立って今何をなすべきかということを考えますに、まず、これ以上の不信を生まない、そのためには徹底した情報公開を今しなければならない、こう思うわけであります。事故の原因となった組織的な問題はどうであったか、また通常の運営管理体制はどのようであったのか、事故発生時の処理体制はどうだったか、また報告体制はどうか、再発防止のための情報のフィードバックはどのように行われ、また責任体制はどのようになっていたか等々、こういったことを情報開示しまして、その開示された情報をもとに幅広くいろいろな視点でみんなで考えて検討する姿勢、これがまずもって必要だと思うのです。 こういうふうにみんなの知恵を集めて考えること、これを称して文殊の知恵というのであります。これは、しゃれだけではなくて、文殊菩薩が迷惑していますよ。あれは知恵の神様です。ですから、やはりこういう情報を公開して、徹底して、どこにあったかみんなで検討する必要がある。 科学技術庁の中に動燃改革検討委員会をつくって検討を始められたということも存じております。そして、これからその検討も進むのでしょう。しかし、科学技術庁に告発されたこの関係者が、自分たちが真の反省に立ってその改革検討委員会に行って、本当は私はこうした方がよかったと思っているとか、反省の弁を述べることができるでありましょうか。告発された相手に対して、そういった真摯な態度で意見を述べることはできないでしょう。 私は、科学者の良心というものを信じております。研究者は、自分の研究の完成のために命がけで取り組むのですよ。自分の一生をかけて研究に取り組むのです。ですから、命がけです。それぞれの科学者はそれなりの良心を持っている。その良心を引き出すことがまず必要なのじゃないでしょうか。理事の皆様方はそれぞれに責任を持った方々ですから、自分の責任のとり方は御存じであります。しかし、その皆さんの下で一生懸命働いてきた研究者は、それぞれに研究者としての情熱と良心を持って仕事をしてきた。それで、自分の研究が本当に完成に近づくために日々努力をする、これも続けたいという気持ちも持っている。ならば、その人たちの知恵をかりれば、本当にいい体制がつくれるのじゃないか、再生への道筋が確保できるのじゃないかと思うのであります。 そういう意味で、この改革検討委員会、科学技術庁の中にあるのがいいかわかりません。やはり政府のどこかにありて、第三者の知恵も入れながら、そしてその研究の中核にあった動燃の技術者の皆さんの知恵もかりながら、今後動燃をどのような形で改革をし、その組織的な機関をどこにどう分けていって、どの部分を残したらいいのかを相談すべきじゃないでしょうか。そこから初めて真の解決策は生まれてくると思いますよ。まずそのことを私は指摘しておきたいと思います。 この点に立って、今申し上げたように、政府内に行政改革の組織をつくって、行革とあわせた改革、組織的な検討グループといいますか、そういったものをつくってそこに研究者の知恵を入れる、こういうことについて長官の御所見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○近岡国務大臣 先生今御指摘の点につきましては、午前中の委員会以来申し上げてまいりました。 今回の私直轄の動燃改革検討委員会は、動燃だけの問題ではありません。科学技術庁に対してのこれからのあり方、したがって、今御指摘のように、第三者のチェック、これは徹底的にメスを入れてもらいたい。同時にまた、コンサルタントにも依頼をいたしまして、本当にこれからの原子力行政のあり方というものを、幅広く国民の信頼を得るためにどうあるべきか、先生御指摘のとおり、やはり情報公開のあり方はいろいろな問題がたくさんあるわけでありますから、そういったふうなことを率直にこの検討委員会で検討していただくと同時に、また、先生今おっしゃったとおり、行政改革推進本部あるいは党の政調の合同会議等の意見等も十分聞きながら、この問題というものに当たらなければならぬな、私は、このことを午前中以来申し上げてきたところでございます。
○小坂委員 たび重なる御答弁で御苦労さまでございますが、答弁をされるたびにその意志はなお強固になると思われます。ぜひともその姿勢でお願いをいたしたい。 これは、情報公開の義務づけというものを法制化することも必要だと思いますね。そういうことも、長官、率先して今の姿勢で進めていただけませんか。いかがですか。
○近岡国務大臣 きょうの委員会の先生方の御発言をずっと午前から聞いておりまして、今先生御指摘のような問題を含めて、検討委員会で、これは公開でやっておりますから、そういった御意見もあったというふうなこと等も含めてこれから検討していかなければならぬな、こんなふうに思います。
○小坂委員 情報公開法の要綱案を読みますと、特殊法人、政府認可法人、これは適用対象から除外されているのですね。これでいきますと、今の形は実現しないのであります。そういう意味で、今回の虚偽の報告、委員長からの厳重注意というものがあるというのは、委員会は通常こんなことはないですよ。本当に大変な重大な問題です。それを深く受けとめていただいて、今回の事故を教訓として、ぜひとも情報公開について、特殊法人、政府認可法人、こういうものに例外なくこれを徹底していく。そうして公開された情報をみんなで検討して、まあ二度言うとあれですから、みんなの知恵を集めてと言っておきますが、知恵を集めて解決策を見出そうではないですか。 さて、次の質問にいきたいと思います。 今回の事故に対して長官の御所見は伺いましたけれども、今私が申し上げたことも踏まえた上で、局長の皆さんはどのように感じられたか。そして、今後の科学技術庁としての自己改革の取り組み、また、いろいろな場合に意見の聴取をされると思いますが、その中にどのように反映されるか、今実際にどのようにお考えなのか、ちょっと意見を聞かせていただきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 科技庁自身の改革ということで、我々も非常に難しい問題だと思っております。大臣からのお話にございましたように、動燃改革委員会におきましても、動燃と科技庁とのかかわりという観点から、科技庁の問題についても御意見をいただくということになっております。 それ以外、私自身が考えますのに、大臣から先ほどございましたけれども、現場という言葉がございました。我々も、できるだけ時間を見つけては現場に足を運ぶとか、事業団の監督をする立場からは適度の緊張感も必要とは思いますし、そういうところをもう少し、何が改革できるか考えてみたいと考えている次第でございます。
○池田政府委員 お尋ねでございますけれども、私ども、原子炉等規制法あるいは障害防止法に基づきまして原子力施設の安全確保を図ります立場から申し上げれば、まず事故、トラブルを起こさないようにするという意味で、現場に対する規制、監督、指導といったものにつきましても今後できる限り万全を期してまいりたいと考えております。 もう一つ、先ほど先生御指摘のように、私どもも、特に「もんじゅ」の事故以来、情報の公開といったことにつきましては運動を繰り広げてきたところでございます。各事業所におきまして事故、トラブルはやはり起こるわけでございます。往々にして起こるということは、これは私ども覚悟しなければいけないわけでございますけれども、そうした場合にも、現場においてこれを隠すことなく、私ども規制の部署に対しましても現場から速やかに連絡通報が行われる、それから、私どもはこういう通報が行われれば速やかに公表するといったことで、そういった対応ぶりを徹底しようと運動としても繰り広げてきたところでございます。 そういった状況で、今回のような東海村におきます事故、それから「ふげん」におきます通報おくれといったことを経験しておるわけでございますけれども、こうしたことを経験いたしますと、むしろこういった意味での運動につきましてもさらに徹底しなければいけないといったことを痛感しているところでございます。 また、個別具体的に申し上げれば、東海の事故につきましてはただいま事故の原因究明に懸命に取り組んでいるところでございますし、この過程でまた私どもの安全審査のあり方、規制のあり方、事業者に対する指導のあり方等につきましても反省すべき点が出てまいりますれば、それにつきましては、できる限りそれを受けとめて今後の事故の再発防止等に生かしていくべく取り組みたいと考えております。
○小坂委員 私は先ほど申し上げましたけれども、告発というのは、自分でもうできないから解明を人にゆだねるということにもつながるのですね。監督官庁が本来究明すべきことを、努力はされたのでしょう、その途中でやはり告発ということに踏み切った、それは何ゆえなのでしょうかね。要するに、自分たちが情報公開を求めても、情報を取り出そうと努力をしても限界がある、したがって別の機関にゆだねなければならない、こう思って告発をされたのでしょうか。
○池田政府委員 私ども、原子炉等規制法あるいは障害防止法に基づきまして各原子力事業所の安全を確保する上では、やはり事業者のこの法律を守るという姿勢が大事なわけでございます。事業者を信用できなくなるといったことは非常に残念なことでございまして、そういった意味からは、事業者の良心に基づいて我々の規制が初めて実効あるものにできる、そういった事情にあることは御理解いただきたいと思います。 そうした意味で、今回この法律に基づきます報告の中に偽りがあったといったことは私ども極めて深刻に受けとめた次第でございまして、法律を今後厳格に施行していく上でも、これにつきましては我々としましては告発せざるを得ないという判断に至った次第でございますし、その後は司法に、捜査当局にゆだねるといった決断をした事情にあることを御理解いただきたいと思います。
○小坂委員 そうしますと、今後、告発したことによって入らない情報は、捜査の過程で明らかにされて、そして明らかになったことに対して科学技術庁として自分の責任を考える、こんな手順になるのでしょうかね。 要するに、監督官庁がみずから調査をしておれば、明らかになった中で自分たちの責任というものが明らかになってくると思いますが、司直の手にゆだねて調査をしてもらうということは、情報はしばらく出てこなくなります。その調査が一段落し、それなりの処分が出たところで、どのような形になるかが明らかになったところで初めてその情報がわかってくるわけですけれども、その間、科学技術庁としてはどのような対応をされますか。
○池田政府委員 先ほどの告発の経緯につきましては、規制法違反の疑いがあれば、私ども規制法を所管する役所としましては、これは告発するのが義務だと思っております。 それからもう一つ、事故の原因究明、これにつきましては、こういった告発といったこととは別に、むしろ私ども早急な展開、原因の見きわめといったことが必要であると思っておりますし、その過程で、先ほど申しましたように、私どものこれまでの規制のあり方、そういったことにつきましても、改善すべき点がその中で出てくれば、これについては直ちに取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
○小坂委員 それでは、そのようにお願いしますよ。しっかりと反省をしながら、組織内の欠点は恐れることなく外に出して、みずからも処分を決めて、そして対応していただきたい。 この原子力の火が日本から消えるようなことになれば、日本の滅亡ですよ。プルサーマルを推進する体制まで閣議決定して、それで各電力会社も前向きに取り組む、そういうふうになってきたこの状況は、非常に長い間かかったわけですし、それに対する国民の理解というのも徐々に徐々に高まってここまで来たわけです。絶対にここで後戻りできないのですよ。これはもう皆さんが一番よく御存じだし、我々もそれを一番心配している。だからこそ、ここでどのような犠牲を払っても、これを貫けるような体制づくりをしなきゃいけない。それは我々の責任ですし、皆さんの責任であります。ぜひともお願いします。 資源エネルギー庁にも来ていただいておりますが、今プルサーマルの話をしましたけれども、今後プルサーマルが後退するようなことがあってはならない。やはり今回のことで、これはおくれるかもしれぬ、体制が整うまでにまだ時間がかかりそうだ、しからば、しばらくは化石燃料で代替する計画を強めて、プルサーマルを少し先へ延ばそうじゃないか、これでは困るのですね。やはり、そこでも一緒に協力をして、プルサーマルをおくらせないで実現していくような協力体制をしいていただきたい。資源エネルギー庁の考え方を聞かせてください。
○伊沢説明員 ただいま御指摘いただきましたように、我々もプルサーマルは非常に重要な計画と思っております。 「もんじゅ」事故以来信頼の回復に努めてきたやさきだけに、今回の事故がまた原子力に対する風当たりを強くしたのも事実でございます。地方自治体におきましても、なかなか容易に受け入れられる状況にないこともまた事実だと思っております。 しかしながら、今御指摘ございましたように、我々も最大限努力しまして、国が前面に出る形で、地元住民、ただいまも地元議会、地元自治体に御説明にたびたび参っておりますが、今後、こうした努力を続けまして、極力おくれがないように進めていきたいと思っております。
○小坂委員 時間が来ましたから締めくくりをしなければいけないと思いますけれども、きょう長い間議論をしてきたことは、すなわち、今後国として何をなすべきか、原子力政策の中で開発のどの部分を我々が国としてやらなければいかぬか、そして開発された技術のどの部分を民間に移転をして進めてもらわなければいかぬか、そこを判断する重要な正念場に今我々は立たされている。そういう意味で、今回のこの事故を一つのきっかけに、大きな反省点としてむしろプラスに転換できるような、そういうきっかけにして、みんなで協力してこれを進められる体制に持っていこうじゃないですか。 日本は、世界の中でもこのプルサーマルでリーダーになれる、そこまでやってきたのです。そして、東南アジアの開発途上国を助ける手段はこれしかないのですよ。そして、環境を守る手段もきっとこれしかないのでしょう。できれば原子力にかわるもっと効率のいい安全なエネルギーが見つかればいい、しかし、まだその芽がないのですから、この技術を伸ばして、安全に運用できるようにそのシステムを確立することが我々の使命だと思います。 長時間にわたりまして御協力いただいた参考人に心から感謝を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時十三分散会