安全保障委員会 第10号
- 発言数
- 259 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/06/10
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 本日は、特に「日米防衛協力のための指針」の見直しに関する中間取りまとめについて質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷元君。
○中谷委員 六月八日にガイドラインの見直しの中間報告がされたところでありますけれども、これは昨年の四月の共同宣言以来一年以上かかったことであって、関係者の皆様方の御努力に敬意を表するわけであります。 まず、一般国民向けに、なぜ今の時期にガイドラインの見直しをしなければならないのか、そしてこのガイドラインの意義について、簡単にお話しいただきたいと思います。
○池田国務大臣 中谷委員御指摘のとおり、昨年四月のいわゆる安保共同宣言において指針見直しを開始することで意見の一致を見た、それを踏まえてこれまで作業を行ってまいり、今回中間的な取りまとめをしたわけでございます。 そもそも、昨年の安保共同宣言でこのガイドラインの見直しを開始するということで一致したその背景がどういうことであったかと申しますと、御承知のとおり、現在の指針が策定されましてから既に二十年近くの年月が経過しております。その間に冷戦が終えんして、国際情勢は非常に大きく変わったわけでございます。 特に我々の国の存在しますアジア・太平洋地域ということで見ますと、依然として不安定あるいは不確定な要素が多うございまして、日本周辺地域における平和と安定の維持は、我が国自身の安全のためにも一層大切なものとなってきております。そして、日米安保体制が我が国の安全と同時にアジア・太平洋地域の平和と安定の維持に重要な役割を果たしておる、こういう情勢があるわけでございます。 そのような時代背景、国際社会の状況というものを踏まえまして、新しい情勢に的確に対応できるような日米の防衛協力関係を構築しょう、そういう認識のもとに、共同宣言で今回のガイドラインの見直し作業の開始が合意されたわけでございます。 今回の見直しにおきましては、大体三つの要素を掲げております。平素からの協力と日本に対する武力攻撃に際しての対処行動、三つ目に周辺事態における協力、こういった三つの項目について検討を行っているところでございますが、特に、最後の周辺事態における協力という点につきましては、現在のガイドラインでは極めて簡潔な内容といいましょうか記述ぶりとなっておりまして、先ほど申しました最近の国際情勢の変化にかんがみまして、実効性のある協力のあり方を検討する必要がある、このように考えている次第でございます。 現在、まだ作業は中間段階でございますが、この秋には新たな指針を作成することを予定しております。その新しい指針は、それ以後の日米両国の関係者が行う共同作業にガイダンスを与える、そういう性格のものでありまして、このような作業を通じて、日本に対する武力攻撃が生じた場合とか、あるいはいわゆる周辺事態において日米が協力して効果的に対処できるような態勢を構築する、そういうことを目的としている次第でございます。 もとより、政府といたしましては、我が国の安全確保のために、憲法の枠の中で最も効果的な日米協力を行う必要があるという観点から、これからも国内のさまざまな御意見を十分に拝聴し、それを踏まえながら、先ほど申しましたような態勢をきちんと構築していく、そういった作業に真剣に取り組んでまいりたい、こう考えております。
○中谷委員 安保が四十年、またガイドラインも二十年たったということで、この間冷戦も終わり、日本の地位も変化したということで、いろいろと状況は変わっておりますから、見直しするのは当然のことだと思いますが、この作業を私も見させていただいて、本当に骨の折れることだと思います。関係者の皆様、よく体がもつな、相当胃袋が強いなと思っておるわけです。 何で骨が折れるかというと、つまり現行の憲法の枠内でやる、また非核三原則や専守防衛という基本原則を守りながらこの作業をやっていくということですが、そういう中で、片やアメリカの信頼性を増す、また周辺の有事にも即応するという、いわゆる二律背反する事柄を、答えを出して回答しなければならないという作業だというふうに思います。 日本は島国で海に囲まれておりますから、なかなか陸続きの国としては考えにくいのですけれども、いわゆる国家というのは独立体でありまして、イメージとすれば、昔の戦国時代に甲斐の国とか信濃の国などがあって、陸続きで山と山で接しておりましたので、お互いの国の安全を守るには、合戦をしないようにどの国とも何らかの交渉をして取り決めをするわけです。 特に、日本とアメリカは山に挟まれているというか、いわば日米安全保障条約というトンネルがあったと思うのですね。このトンネルを通じて、いざというときはアメリカの国から我が国にどっと援軍が来てもらうとか、一部のアメリカの国の兵力が我が国にいて、周辺国の侵略から守ってくれていた。 そういう四十年前にできたトンネルを、非常に状況が変化した中でどのような新しいトンネルをつくっていこうか、そういう作業だと思いますが、そういう中でのガイドラインというと、まだ入り口も設計をしていない段階の、どんな車線の、どんな歩道をつけて、どんな大きさのトンネルをまた掘りましょうかという、いわゆる設計段階の協議の場ではないかなというふうに思います。 そういう点で、私は、今後の議論に対して、政府関係者やほかの政党、また国民、マスコミに対して、これからの視点として三つの要望をいたしたいと思います。 第一の要望としては、このガイドラインをつくるということは、日米安保体制の運用に対するルールをつくっていく、基本的なルールをつくるということで、国民の大半が日米安保体制を支持して是としているわけでありますから、これは単なる文書ではなくて、実際に機能する内容であってほしい。形式的、またちぐはぐな継ぎはぎをするのではなくて、理論的に国民が納得できるような、しかも実の伴うものをつくっていただきたい。 二点目は、視点としてはよく憲法議論に終始してしまいますけれども、そこのキーワードとして考えていただく論点は、日本の安全をどう守っていくのか、すなわち、日本の安全を守るために具体的にどういう内容が必要なのかという認識を持って議論を展開をしていただきたいというふうに思います。 今までは日本が戦争に巻き込まれるだとか戦力が一体化するという議論が中心でしたけれども、ソ連もなくなって冷戦もないわけですから、大規模なそういう世界全面戦争というものは当面考えられない中で、地域の安定をどう守っていくかというようなことで、こういう巻き込まれ論とか一体化論というのは僕は冷戦の時代の発想ではないかというふうに思っております。とかくそういう議論にはまりますと、議論がそれ以上進まなくなって、結果的に、実際に困ったときに日本が対応できない、また日米安保が機能できないというケースもありますので、ぜひ具体的に日本の安全にとって何が必要かという視点で考えていただきたいと思います。 それから第三点目には、これは非常に大事な問題でありますので、安全保障を考えるときは、政局だとか権力闘争を絡めて考えてほしくない。早くもマスコミはガイドライン政局ということで秋の政局に絡めた報道がありますけれども、そういうことをしますと、かえって国民に対して大事なことが進まなくなってしまう。 今新進党と民主党は、このガイドラインに対して国会承認を求めるべきだということを言ってきているわけでありますけれども、まさに今トンネルを掘る入り口をどうしようかという議論をしている最中に、国会で非常に大事だから決めろといったがをはめますと、かえってそのトンネルの入り口を狭めてしまう。また、それ以上先に物事が進まなくなって、かえってこれが整備する時間がかかってしまってタイムアウトになってしまうというようなことでありまして、政党に踏み絵をさせることによって切り捨てるというようなことでは、非常に今後の安全保障に問題があるわけでありますので、ぜひお互いに誠意を持って真剣に考えて、国民のために何が大事なのかということを自由な立場で考えさせていただきたいという視点を要望させていただきます。 以上の視点でこれからお伺いをいたすわけでありますが、先ほど日米共同宣言云々とありましたけれども、共同宣言前の日米安保と共同宣言後の日米安保の性格と役割、これは果たしてどのように変化をしたものなのか、簡単に御説明をお願いいたします。
○池田国務大臣 先ほども御答弁いたしましたけれども、日米共同宣言が出されました昨年の春以前から、国際情勢、そしてアジア・太平洋の情勢も随分変わってきておりました。冷戦はかなり前に終わっているわけでございますから。 しかしながら、そういった状況であるにもかかわらず、ガイドラインは二十年近く前に決められたままであった。それでは新しい情勢に対して的確に対応し得るかどうか、そういった観点から、もう既に変わっておった情勢に適合するようなものをつくろう、こういうふうにしておるわけでございます。 したがいまして、共同宣言の前後でどう国際情勢が変わったかという観点からのお答えではなくて今回のガイドラインの変更がなさるべきであるというふうに判断するに至った、その根底にある国際情勢の変化はどうであるか、こういう視点からお答え申し上げたいと存じます。 委員もおっしゃいましたように、戦後、第二次大戦後の世界というのはへ早い段階から東西両陣営が対峙するという形の中で推移してきたわけでございます。そういった中で、アジア・太平洋の地域におきましても、米国を中心とし、そして我が国等もいろいろな形で連携をしておりますいわゆる自由主義の陣営と、それから当時のソ連を中心とする共産主義の陣営というものが対峙する形になっておった。これは、経済社会その他のいろいろな国家や社会を運営するシステムとしても対峙するものでございましたけれども、安全保障という観点からいっても、それぞれが自分たちの陣営を防衛するということで連携をし、対峙しておった。いわゆる冷戦構造が存在したわけでございます。 これが、いわゆるソ連を初めとしたかつての共産圏の中での経済社会あるいは国家の運営の行き詰まりであるとかいうようなことで、内部からもいろいろ変化してまいりましたし、もとより国際関係の中でも、次第に経済面その他でのいわゆる自由主義陣営の優位というものが明らかになってきたわけでございます。 そういった中で、安全保障面あるいは軍事面と言ってもよろしゅうございますが、そういった面でも、既に早い段階から、冷戦は終えんしていないけれども、いわゆるデタントというような時期がございましたり、あるいは軍備というものもだんだんレベルを低くする必要があるのかな、いつまでもお互い競争してエスカレーションを続けるのは不適切ではないかというようないろいろな動きがございました。 そういったことがいよいよ明確になったのは、いわゆる冷戦の終えんでございます。それを象徴的にあらわしましたのは、一九八九年のいわゆるベルリンの壁の崩壊、それから引き続くソ連そのものの消滅ということがあったわけでございます。 そういったことで、冷戦の崩壊後今日に至る情勢というものは、世界じゅうあらゆる国が基本的に、例えば経済の面でいいますと、市場経済という仕組みでやっていこうじゃないか。それから、社会運営の仕組みとしてはまだいろいろななにがございますけれども、大きな流れとしては、経済の面ではもちろんそうでございますし、政治の面でも、基本的な立場の違いがある、あるいはイデオロギーの徹底的な対立があって、それが安全保障面でも対立関係あるいは対峙する関係の基礎になるというような世界は消えたんだと思います。 しからば、それで一直線に平和な世界あるいは安定した国際情勢が現出したかといいますと、そうじゃございませんで、かえって、冷戦の期間中には抑えつけられておった、あるいは顕在化することが回避されておったもろもろの利害の対立、立場の対立というものが表へ出てまいりました。民族あるいは宗教あるいはその他もろもろの問題でございますね。 そういった意味で、冷戦下とは違った意味での安定あるいは平和維持のための努力が求められておるわけでございまして、それがヨーロッパ正面では、例えばNATOという仕組みの変質、また今それの拡大なんという動きもございますが、そういうことになっている。 ところが、アジア・太平洋の方におきましては、冷戦の時代も欧州正面ほど明確な形での対峙ではなかったという点もございますけれども、冷戦の終えんも、必ずしも際立った、欧州のようにはっきりとした形での変化ということにはなっていないという点がございます。現に、まだ旧体制の政治体制をしいている国もあるということもございます。 それと同時に、これから先行きどうなるのか、非常に不透明な要素が多いということもございます。そんなこともございますし、その安全を保障している枠組みとしまして、ヨーロッパに見られるような多国間の枠組みとしての実力装置を伴ったシステムというものは存在いたしません、NATOのような。それは確かに、現在、ASEAN地域フォーラムと言われるような多国間の仕組みを通して、お互いの信頼醸成から、場合によっては予防外交までの役割を果たし得るかなといった枠組みも、今発達しつつはございますけれども、まだそれが地域の安定をきちんと守るということにはなっていない。 そういったことで、こちらの方では日米安保体制のような、米国を一方の当事者といたします二国間の安全保障の仕組みというものが、日米、米韓あるいは米国とタイ、フィリピンとか、そういったものがいわば扇状になりながら地域安定のために必要な役割を果たしておるわけでございます。そういった中で、日本の役割、とりわけ日米安保体制の役割というものはますます大きくなっているんじゃないか、こういうふうに現在の国際情勢の変化というものを認識している次第でございます。
○中谷委員 そういう認識は、日本とアメリカは本当に一致した見解でありますけれども、しかし、日本という国の隣には、北朝鮮という国もあり、中国という国もありまして、必ずしも同じことを考えていないわけであります。 私も三日ぐらい前まで、自民党の安全保障調査会の訪中団の一員で、中国に行ってきたわけでありますが、中国としては、まだ正式にガイドラインを説明していない段階でありましたけれども、台湾の問題もあって、日米間の協力態勢が強化するということに対して非常に警戒をいたしておりますし、またアメリカに対しては、世界唯一の覇権国であって、そういう覇権国がやる行動、いわゆる軍事行動、強化行動については全く賛成できないということを言っておりました。 こういう中で、日本の安全保障の問題も考えて、中国の対応も勘案しなければなりませんが、果たして安全保障問題で中国に対してどのように位置づけをいたしているのか、中国の将来展望も含めて、中国をどう考えるかという点についてお伺いします。
○池田国務大臣 基本的に、中国がこれからどういう存在になるであろうか、あるいはどういう存在になることが我が国として望ましいかという点でございますが、私は、中国は、現在においても十二億を超えるといった人口あるいは広大な国土、そうしてまた、改革・開放路線のもとに急速に発展をする経済の姿、こういうものを総合いたしますならば、国際社会、とりわけアジア・太平洋地域にとって非常に大きな存在であると思います。そうしてまた、これから二十一世紀に向かって展望した場合に、中国の持つ存在感といいましょうか、あるいは意味というのはますます大きくなってくると思うのでございます。 そういった存在でございますから、私どもは何とかこの地域社会の建設的なパートナーとしての中国というものを期待したい、こう考えております。 そして、私はそのことは十分可能であろうと思います。と申しますのは、中国自身の利害という観点に立ちましても、今中国の政治の最優先課題と目されます改革・開放路線を通ずる国民生活の向上を実現するためには、やはり日本、米国を初めとした国際社会、国際経済社会との開かれた関係を通じて努力を傾注していくということが肝要であると思います。 基本的に、そういう観点から考えますならば、中国もこのアジア・太平洋地域の中の建設的なパートナーとしての役割を追求することが、みずからのナショナリズムに対しても合致するところであろうと思います。そうしてまた、米国もそうでございますし、我が国を初めアジア・太平洋地域の諸国にとっても、その姿が一番望ましいんだと思います。 そういった意味で、基本的には、我々は中国との二国間の関係においても、国際社会のいろいろなフォーラムを通じる協議なり行動においても、そのような中国の将来像が実現するように我が国としても働きかけなり行動をしてまいりたいと思いますし、そういった中で、とりわけ日米中の三つのトライアングル関係を安定的に、しかも、お互いにゼロサムではなくてプラスサム、相互にプラスの効果を及ぼすような関係で進展させていくことが肝要だというふうに考えている次第でございます。 基本的な経済なり社会なりの状況についてはそういう認識を持っておりますが、安全保障の面で考えるとどうかと申しますと、確かに、現在中国が経済成長の成果というものの一部も活用しながら軍事力の近代化を進めている、そのことがいろいろな議論を巻き起こす一つの要因になっているということは否定いたしません。 しかし、基本的に申しますならば、私は、中国の行っている現在の努力は軍の近代化の努力であり、そのことが直ちにアジア・太平洋の地域の撹乱要因になるというふうには見ていないところでございます。中国にあっても、いろいろな軍事面の努力の透明度をなお一層高めてほしいという期待感は我々持っており、また、いろんな機会にそういったことを先方にも伝えておるところでございます。 一方、中国は、米国のこの地域において果たす安全保障面での役割について、あるいは日米安保体制について必ずしも一〇〇%の理解といいましょうか、現在我々が米国と協力しながら進めている作業に対して理解と賛意を表していないということは、委員御指摘のとおりでございます。 しかしながら、中国も全部けしからぬと言っているわけじゃございませんで、米国の役割は役割として認めるが、米国が世界の唯一の大きな存在、いわばヘゲモニーとして経済の面、政治の面さらには軍事の面でも振る舞い、それを動かすということはどうだろうかということを時々言うことはそのとおりでございますが、国際政治、国際社会において大きな役割、大きな責任を担うべき幾つかの国の一つとしてのアメリカの役割というものは、中国といえども否定するものではないと思います。 それから、日米安保体制につきましても、現在の日本と米国の二国間の枠組みとしてとどまる限りは、中国も別に異存がない。しかし、それが二国間の枠組みを超えて新たなものになるということについては、いろいろ自分たちとしても質問したいことがあるというのが中国の姿勢でございます。 その点については、我々は、御承知のとおり、日米安保体制の基本的な点は今回も何ら変更するものではない、こういうことを明らかにして、その上に立って作業を進めているわけでございます。その点については、委員も先般中国にお出ましいただきまして、いろいろ先方の理解を得るための御努力をちょうだいいたしましたけれども、政府といたしましても、先般ハワイにおいて中間取りまとめの合意に達しましたその足で、防衛庁並びに外務省の担当の者を中国にも派遣いたしまして、理解を得るべく努力はしたところでございますし、今後もそういった努力は続けてまいりたい、こう考えている次第でございます。
○中谷委員 中国はアメリカに対して警戒心を持っていると同時に、我が国に対しても過去の経験もあって非常に警戒をしている面もあって、中でも一番の注目は、果たして日本の集団的安保体制、安全保障の範囲が拡大するかどうか、いわゆる台湾の問題もあってそういうことを言っているんじゃないかと思います。 そういう中で、今度のガイドラインを読んでまいりますと、今まで安保条約だとか前のガイドラインでは、この範囲については極東という表現だったんですけれども、極東という表現から日本周辺地域という表現になっておりますし、また周辺事態という新しい言葉も書かれているわけであります。果たしてその極東と周辺地域の違い、また周辺事態の事態というのはどういう意味を持っているものなのか、御説明いただきたいと思います。
○折田政府委員 安保条約には極東ということが言われております。その極東については政府見解のとおりでございまして、それを変更することは全く考えておりません。 それから、現行指針の第三項には日本が米軍に対して行う便宜供与のあり方について記述しておりまして、その観点で極東という言葉は使っております。現行指針の第三項で言う便宜供与は、基本的には自衛隊基地の共同使用その他米軍による施設の使用や後方支援を念頭に置いたものでありまして、施設の使用及び後方支援などの便宜供与は、安保条約に言う極東における事態に対する米軍の対処行動に対する便宜供与として実施することが想定されていたために、今の指針では極東という言葉が用いられたところでございます。 他方、今回の指針の見直しの作業におきましては、今のような便宜供与以外に、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態が生じたときに、日米安保条約及びその関連取り決めとは必ずしも直接関係がない、自衛隊自身の行動として実施されます人道援助活動とか非戦闘員退避活動、経済制裁措置の実効性を確保するための協力といった事項についても検討が行われているところでございまして、これら全体の事項をくくる表題として、安保条約上の文言である極東という言葉を用いるのではなくて、これにかえて日本周辺地域という言葉を用いたということでございます。 それで、この周辺地域ということでございますけれども、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態が生じ得る地域ということでございまして、まさしくそういう事態によるわけでございますので、一概にどういう範囲というふうに申し上げることは困難であるということでございます。キーポイントは、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態が生じ得る地域という趣旨でございます。
○中谷委員 それでは将来的に、その範囲はどこかと申しますと、一つの例として、湾岸戦争のときにアメリカが多国籍軍で真っ先に行動して、日本の石油も大丈夫だったのですけれども、第二次湾岸戦争が発生した場合に、この中東の事態を我が国の平和と安全に重大な影響を与える場合だととらえて対米支援をするか否かという問題でございますが、この点についてはいかがでございますでしょうか。
○折田政府委員 米軍に対する後方地域支援の対象として念頭に置いておりますのは、先ほど申し上げました日本の平和と安全に重要な影響があるような事態が発生している場合において、日米安保条約の目的の達成のために行動する米軍ということでございまして、今先生が言われたような事態というのは、安保条約の世界ではなくて、別途、日米協力という国際的な協力あるいはグローバルな観点での協力という観点から、このガイドラインとは別個の次元で話をするようなものであろうと思います。
○中谷委員 今、別途日米協力だ、とか、別途グローバルな協力という説明がありましたが、今やっている作業は、日米のパートナーとしての同盟関係をより効果的にしていこうという作業だと思いますので、当然、その中東のケースも日米協力の範囲の中でもありますし、また、何で別途協力をする必要があるかという、そのイメージがわかないのですけれども、別途グローバルな協力をするということは、大体どういうことなのでしょうか。
○折田政府委員 後方地域支援の対象として念頭に置いておりますのは、先ほど申し上げましたように、日米安保条約の目的の達成のために行動する米軍でございまして、したがいまして、我が国の艦船が例えばインド洋だとか中東に赴いて公海上の米軍艦船に補給を行うというようなことは、今回のガイドラインでは想定されていないわけでございます。 他方、中東やインド洋において何らかの協力をする必要がある、これは日本の主体的な判断でございましょうが、そういうときに日米協力をする必要があるかどうか等の問題は、ケース・バイ・ケースで、さまざまな状況を踏まえながら検討していくべき事柄であると考えるところでございます。
○中谷委員 そうしますと、我が国の船舶等が中東地域等に行って、極東以外の地域に行って、そこで活動する米軍に対して後方支援を行う可能性は排除されていないということでよろしゅうございますでしょうか。
○折田政府委員 今御指摘の点は、今回のガイドラインの対象として考えられていることではないということを申し上げているわけでございます。
○中谷委員 そこでもう一点、ちょっと深くお伺いしたいのですが、現在、内閣の安全保障室で、昨年四月に総理から四項目の検討命題を与えられて、緊急事態対応策の検討をされていますが、その四項目のがまさに対米支援ということになっております。そういう観点で、今まで一年間内閣でも検討されていましたが、それと今回のガイドラインの作業の相互関係はどうなっておられるのでしょうか、安保室長。
○三井政府委員 二つの検討作業の関係でございますけれども、ガイドラインの見直しは、日米両国政府間におきまして、新しい時代における日米防衛協力のあり方を明らかにするとともに、各種事態における日米間の協力の円滑化、促進を図るために、そのような協力が行われるべき大枠あるいは方向性を示すべく、現在、日米防衛協力小委員会のもとで作業が進められているものでございます。 一方、緊急事態対応策の検討でございますが、これは米国政府とではなくて、あくまでも日本政府部内におきまして、すなわち、国内の関係省庁間で行っているものでございまして、これは日米協力の大枠とか方向性というよりは、各省庁に絡む各種の対米協力措置を行うこととした場合の具体的、実務的な問題点の研究、検討を行っているものでございまして、ガイドラインの見直し作業とはそのような意味において目的あるいは性格を異にするものでございます。 しかしながら、両者はもとより密接なかかわりがございますので、両検討作業は、整合性が図られるように留意しながら検討いたしておるところでございます。
○中谷委員 今、内閣安保室の見解をお伺いしましたけれども、しかし、やっていることは全く同じことだと思います。 現在のガイドラインは外務省や防衛庁が主導して交渉されていますけれども、私は、中でも一番問題になるのは、軍事同士の協力ではなくて、いわゆる民間からの協力、また他省庁、そして地方自治体との協力だと思います。 そういう意味で、今後、対米支援ということでいろいろと支援をするべきことがあると思いますが、防衛庁、外務省が他省庁に働きかけをしたとしても、心構えの問題があって、常に外務省、防衛庁は外国のことや有事のことを考えていますからそれなりの研究成果もありますけれども、ほかの省庁にいきなりそういう話を持ち込んでも、ちんぷんかんぷんというか温度差があって、なかなか機敏に答えも返ってこない。また一から省庁内で研究して答えが返ってきたり、また、飛行場や港湾の協力にしても、例えば飛行場の場合は周辺住民との合意もあり、また組合との関係もあって、非常に障害が重いわけです。 そうなりますと、防衛庁や外務省だけのガイドラインの体制ではなかなかこれは難しいという意味では、当然、政府や官邸が中心になって今後のガイドラインの詰めをしなければならないわけであります。そういう状況において、今までも内閣安全保障室がまさにそういう機能を果たして、ガイドラインの作業も、他省庁にも働きかけをして検討を促進すべきだというふうに思うのですけれども、現在のところ、それは別個の問題としてとらえているわけでありますが、そういう意味で、今度は防衛庁長官か外務大臣にお伺いしたいのですが、今後、他省庁との調整関係はどのようにしてとり行っていくつもりなのか、お伺いをいたします。
○久間国務大臣 確かにおっしゃられるように、今、中間取りまとめをやりましたけれども、今度秋に向かって、これから先、鋭意作業をしていって、秋には正式なガイドラインの見直しをするわけでございます。 そうなりました後にも、いかなる態勢を構築して実のあるものにしていくか、それが大事でございまして、その場合には、防衛庁とか外務省だけではなくて、政府全体としてやっていかなければなりませんから、秋までの間で詰めていく間に、そういう問題等についても政府全体でやるんだ、そういう意識を各省庁にも働きかけて持つようにして、その中心には安保室がなってもらわなければならない分野もたくさんあるのではないかと思っております。
○中谷委員 秋まではそういうことで検討するのはいいのですけれども、今でもやるべきことはたくさん山積みをされて、秋にガイドラインが決定した以降どういうふうになるのかということについてもお伺いしたいのですが、ガイドラインの文章の中に日米間の調整メカニズムということが書かれておりまして、これは現在の外務省、防衛庁のみならず、もっと広い範囲のスキームをつくっていく、いわゆる調整メカニズムということですが、政府として関係省庁を包括した調整の場というものはどういうことが考えられるのか、お伺いをいたします。
○秋山(昌)政府委員 調整メカニズムについて中間取りまとめの中に記述してございますが、今委員の御指摘の中にございましたように、今回の日米の防衛協力のガイドラインの見直しの中で、従来と違って、双方の政府の日米間の防衛協力に関係する機関が関与して、全体としてこれをまとめ上げる、かつ、でき上がった後に共同作戦計画の検討ですとかあるいは相互協力計画の検討をする、そういう時点になりますと、いよいよその関係する機関の間の調整というものが非常に重要になる。二国間及びそれぞれの国の間の調整、そういう調整メカニズムを、まだ具体的に日米間であるいは政府部内でそのイメージをつくっておりませんけれども、ぜひそういう調整メカニズムをつくった上で、そしてそれを平素から構築した上で、この日米防衛協力を効率的に運営していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○中谷委員 まさしくそこが今後の作業で一番重要だと思います。空港、港湾は運輸省、医療面では厚生省、難民対策では法務省と、本当にすべての省庁がこのガイドラインのことを念頭に動き始めなければならないわけであって、今でもそういう省庁と連絡をとっておりますが、九月までの期間にそれをやらないと、なかなかいいガイドラインはできないと思いますから、ぜひこういう点はこれから内閣を挙げてやっていただきたいと思いますし、ぜひその作業の中に安全保障室が、総理指示の対米支援という項目があるわけですから、その中心的役割を果たしていただくようにお願いをいたします。 また、今危機管理ということで、防衛庁からも今度官邸の方に意見具申があるようですけれども、国民のニーズといたしましては、とにかく我々の生命財産を守ってほしいというのが一番の願望であって、それを守ってくれる行政改革についてはそんなに批判がないと思います。 そういう意味では、防衛庁の庁という組織では余りにも心もとないわけであって、ぜひ省に格上げをしていただきたいと思います。また、組織改編ということで、外務省の安全保障の部分も当然必要ではありますし、内閣の官邸の機能強化も含めて、この際、行政改革の機会に国の安全、国民の安全ということを考えてやっていただきたいと思いますが、この点については何か今のところお考えがありますでしょうか。
○久間国務大臣 現在、防衛庁は総理府の外庁として置かれておるわけでございますけれども、しかしながら、防衛庁設置法あるいはまた自衛隊法等、必要な法整備はされておりますので、防衛庁であるから、いわゆる外庁であるから非常に不十分であるというようなことはないわけでございます。 しかしながら、もし防衛の性格を踏まえるならば、基本的な行政事務を所掌する行政組織としての防衛庁を省としてもいいのじゃないか、そういうふうな気持ちもあるわけでございます。先般来、総務庁の方に意見を出しますときには、そういうような省としてのことも考えてもいい——それでなければやれないということじゃないわけでございまして、例えば今政令を請議してみたり省令を出すことが防衛庁としてはできなくて、あくまで総理府を経由して閣議請議をやる形になっておりますから、そういう点を考えますと、防衛庁を省として、主任の大臣を置いてもいいのじゃないだろうか、そういうことを申し上げている段階でございます。 かといって、防衛庁が今の庁のままでは何もできないという意味ではございません。その辺は誤解のないようにお願いしたいと思います。
○中谷委員 それに加えて、官邸の強化ということですけれども、秋までのガイドラインの取りまとめの各省庁間の調整に対して、やはり官邸がリーダーシップをとらなければなりませんし、ペルーや阪神大震災のような危機に際して、まず最初の判断がどうしても大事でありますが、そういう意味で、官邸内に首相の安全保障と防衛担当の補佐官を置くという必要があると思いますが、この制度の創設についてはどう思われますでしょうか。
○久間国務大臣 そういうような構想について、私どもの方からそれがいいとか悪いとか言う立場にはございませんけれども、確かに国全体として、いろいろと各省庁を束ねた形での問題提起等が最近は非常に必要になってきている事実はございます。今度の行政改革が、省庁再編成が行われるようなときにも、そういう問題も含めていろいろと議論されるのじゃないかと思いますが、私どもの立場からそれがいいとか悪いとか言える立場ではございませんので、御理解賜りたいと思います。
○中谷委員 最後に、ガイドラインというのは有事即応なんですけれども、有事に至る前の平時の即応態勢の整備も真剣に考えていかなければならないと思います。 どういうことがあるかというと、例えば先般の、韓国で潜水艦が座礁して、そこで武装兵士が山の中に逃げ込んだというケースがありますが、これは日本でもあり得るかもしれないことであって、そういうときに、今の警察がそういう勢力に果たして対応できるかというと、なかなかこれは能力的に難しいわけです。 普通の国なら警察権と軍事権がオーバーラップして、ある程度重なっている部分がありますけれども、日本の場合は、警察が先にできて、非常に制約した保安隊、自衛隊ができて、この警察といわゆる軍事機能を持つ自衛隊との間が空白があるわけです。 そういう意味で、領域警備と申しますか、そういう集団が日本に上陸した場合の対応ということが現在整備されていないと思いますが、総理から検討指示のあった例えば重要施設の警備だとか大量の難民の上陸に際してとか、そういう指示で内閣安保室も検討しているようなんですけれども、こういう問題について、領域警備の事態についてどういうふうに対処していかれるのか、お考えを聞きたいと思います。
○三井政府委員 ただいま御指摘になりましたような諸問題につきましては、私どものワーキンググループ3というところで検討いたしております。 主な検討項目といたしましては、そういったものを発見した場合の第一報など、情報連絡ルートをどうするかということ、それから海上保安庁ですとか警察ですとかあるいは自衛隊といった各種関係する省庁の協力、役割分担のあり方をどうするかといったこと、さらに政府としての対策本部の設置が必要となることが考えられますが、そういった場合の設置の基準とか手続、さらには治安出動とか海上警備行動を下令すべき事態の目安とか、あるいは下令する場合の手続といったようなことを検討しているところでございます。 しかしながら、いずれもまだ検討中の段階でございまして、検討内容について具体的に申し上げられる状況には至っておりません。
○中谷委員 そういうことで、なかなか緊急事態対処も進んでいないというのが現状でございます。 しかし、なぜ進まないかといいますと、やはりそこに大きな問題として憲法という問題があるし、国民の意識という問題もあるし、また、ほかの国の動向という問題もありますけれども、しかし、その危機管理というのは、国にとって一番大事な問題でございます。 そういう意味で、今後のそういう体制の整備につきましては、最初に申し上げましたとおり、第一点としては、あいまいもことした形式的なものじゃなくてより具体的なもの、その視点としては、日本の安全をいかに守っていくかという視点、そして、雑念を取り払って国の安全保障を真剣に考えるという視点で臨んでいただきたいと思います。 また、関係法令の整備にしても、この表現によりますと、「反映することが期待される。」と、まるで人ごとのような表現になっておりますが、まさしくこれは国民のために行う非常に重要なことでありますので、一日も早くこの実効性が得られるための法整備もやっていただくことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○伊藤委員長 次に、栗原裕康君。
○栗原(裕)委員 同僚の中谷議員に引き続きまして、少し各論についてお尋ねをさせていただきたいと思うわけでございます。 まず最初に、この取りまとめに当たりまして、関係当局の御努力に心から敬意を表する次第でございます。 実は、平成九年二月に総理府の広報室が「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」というものを出しております。今、国民の意識がどうなっているかということをうかがい知る大変興味深い数字が出ております。 ちょっと御紹介させていただきますと、例えば「自衛隊の全般的な印象」はどうだというと、「良い」というのが八〇・五%ぐらいある。あるいは、「全般的な自衛隊の規模」は「今の程度でよい」という方が六四%ある。こういういろいろな数字が出ているわけでございます。 その中に、「自衛隊がこれまで役に立ってきたこと」という質問項目がございまして、一番が、私は当然「国の安全の確保」について役立ってきたというふうにお答えになると思っておったのでございますが、実にそのお答えは一九・一%しかございませんで、「自衛隊がこれまで役に立ってきたこと」というのは、一番が「災害派遣」で八八・四%でございます。これは断トツでございまして、二番目が「国際貢献」で三二・五%、こういう数字でございます。実は、これは複数回答可でございまして、平成六年に一つだけ選択しなさいということで選択している問いには、「国の安全の確保」に自衛隊が役立ってきたと思っていらっしゃる方は実に六・七%しかない、こういう数字が出ております。 それから、「自衛隊が今後力を入れていく面」ということについても、「災害派遣」が七一%、「国際貢献」が三四%、こういう数字がございます。それから、「自衛隊の災害派遣活動の印象」というのは、「成果をあげている」という方が八六・二%いらっしゃいますし、「国連平和維持活動への参加」も、「賛成」という方が六四%いらっしゃる、こういう数字が出ております。 そこで、今度のガイドラインの中で、平素から行う協力という中に安全保障面の協力というのがございまして、例えば国際連合平和維持活動、これは日米両国が密接に協力しましょうということになっております。それから、人道的な国際救援活動についても同じでございますし、大規模災害の発生を受けて緊急援助活動を行う場合も日米両国が密接に協力してやりましょう、これをこれから研究していこう、こういうことであるわけでございます。 そこで、まず最初にお尋ねしたいのは、PKO活動でございます。 現在PKO五原則がございます。これはいろいろ議論があるところでございまして、この日米ガイドラインの研究が進むにつれまして、このPKO五原則というものを見直す必要があるのではないかという意見もあるわけでございますが、まずその点につきまして、政府の御見解をお尋ねしたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 国連平和維持活動等への参加につきましては、我が国の憲法との関係も踏まえまして、いわゆる参加五原則のもとで行うこととされているところでございます。 なお、国際平和協力法の見直しにおきまして、こういった趣旨を十分踏まえつつ政府として検討を行っているところでございますが、我々承知しておりますところでは、いわゆるこの五原則に関しまして、人道的な国際救援活動に対する物資協力について、停戦合意が成立していない場合でも実施できるようにするといったようなことが検討されていると承知しております。
○栗原(裕)委員 後ほどまた質問させていただきますけれども、もう一つ、武器の使用の規定というのがございまして、御案内のように、必要最小限の武器を持っていくことは許されているわけでございます。 その武器の使用については隊員の個々の判断に任されているという、私どもからすればちょっとおかしなことに今なっておるわけでございまして、日米が相互に密接に協力してやっていくにおいて、個々の隊員、自衛隊の隊員だけが、上官の命令じゃなくて自分で判断しなさいというのは、これはまた随分おかしなことになるわけでございまして、こういう規定も今後どういうふうにしていくのか、そのことについてもお尋ねをしたいと思うわけでございます。
○秋山(昌)政府委員 部隊として参加した自衛官による武器の使用につきましては、これまでの派遣を通じましての教訓、反省を踏まえまして、武器の使用について憲法上の問題を生じない範囲内において指揮官の判断にかからしめることができることとするという方向でこれまで法改正についていろいろ検討してまいりました。この法律改正案、具体的な内容も踏まえまして、今申し上げましたような方向で改正をするといったような方向で政府部内で議論をしております。
○栗原(裕)委員 それはよくわかりました。 今現在もゴラン高原でPKO活動をしておるわけでございます。先ほどの世論調査にもありましたように、自衛隊の国際貢献というのは大変世論の支持も受けておるわけでございますし、それは、今まで本当に何もなかった、大変うまくいっておったという実績があるから受けていると思うのですね。 しかし、このような非常にラッキーな状況がいつまでも続くと私は思っておりません。本当に残念なことでございますが、不測の事態というものも当然予想しなければいけませんし、そういった場合に、事故が起きてから、やはり早く見直しておけばよかったでは遅いわけでございますので、ぜひ一刻も早く、私どもも努力をいたしますけれども、提出をしていただきたいということをつけ加えさせていただきたいと思います。 それからもう一つ、今度は、人道的な国際救援活動についても密接に協力していくということでございますが、これも昔からよく議論されておるわけでございますけれども、人道的な派遣ということになりますと、先ほどの答弁にもありましたが、これはなかなか範囲が定まらないのですね。ですから、歯どめがきかなくなってしまうというおそれも、危惧といいますか、そういう声もなきにしもあらずだと私は思っております。 ですから、その場合には、今後のガイドラインをまとめていく上において、どういう歯どめといいますか、枠組みをつくってこの人道的な国際救援活動に参加していくのかということについてお尋ねをしたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 当然のことながら、人道的な国際救援活動も我が国の憲法の範囲内ということで、現在でもいわゆるPKO法の中でそういったようなことも予定されておりまして、我々としましては、そういった五原則、その他憲法の範囲内で活動するという法令の枠組みのもとでやっていこうとするわけでございます。 例えば国際緊急援助、自然災害の関係の緊急援助も、法律に従いまして、当然のことながら憲法の関係も考慮した上で、その条件のもとで派遣をするということでございます。あくまでも日本の憲法の範囲内という歯どめの中でやっていこうとするものでございます。
○栗原(裕)委員 次に、今もちょっとお触れになりましたけれども、大規模災害時の緊急援助活動ということも両方で密接に必要に応じてやっていこうということになっておるわけでございます。今までの緊急援助活動については、国際協力事業団が派遣したという実績はあるように私どもも伺っておるわけでございますが、自衛隊の本体そのものを派遣した実績というのはないと思うのでございますが、まずその点を確認させていただきたいと思いますが、いかがですか。
○秋山(昌)政府委員 法律改正が行われた後、自衛隊に対して現在そういう要請はまだ起こっておりません。
○栗原(裕)委員 今までの実績がないわけですね。そうなりますと、例えば、ここに書いてありますように、大規模な災害が起こった、その場合に、関係する国あるいは国際機関から要請を受けてとなっておりますけれども、要請があるのでしょうか。これは想定でございますからわかりませんけれども、これから当然そういった要請があるということを多分考えてこういうことを規定してあると思うのですが、どうなんでしょうか。現時点での見通しといいますのはいかがでございましょう。
○秋山(昌)政府委員 昭和六十二年に国際緊急援助隊の派遣に関する法律が改正されまして、自衛隊も要請があれば海外に国際緊急援助活動として派遣されることが可能になったわけでございます。 その趣旨は、災害の規模によっては大規模な援助隊を派遣する必要があること、あるいは被災地において自己完結的に活動を行い得る態勢を必要とするようなケースがあること、輸送手段の改善といったようないろいろな理由でその法律改正が行われたわけでございます。 それまでの間におきましても、世界の各地の非常に大きな災害に対しまして、米国を初めとして各国の軍隊が災害派遣されたというケースがあったわけでございます。 そういったことも念頭に置きまして、我々といたしましては、大きな災害のあった国からの要請があれば、いつでもその救援に行くという態勢を整えているところでございまして、そういったことを当然想定して法律改正がなされ、自衛隊としては、ある意味でいつでも出られるようにその態勢を整えているというのが現状でございます。
○栗原(裕)委員 ぜひ災害がないことを望むわけでございますが、大変不幸なことに大きな災害があったときに、日本の自衛隊というものもぜひお役に立つように私どもとしても願うところでございます。 しかしながら、アジア諸国、第二次世界大戦のときに我が国の軍隊が進駐したというようなところの国々にとりましては、戦後五十一年たっても、いまだに日本の軍事大国化ということを懸念するという声もあるように聞いております。 したがいまして、そういった国々が、これは仮定の話で、しかも不幸な仮定の話ですから大変恐縮でございますが、大規模な災害があったときに、果たして日本の自衛隊に来てくださいというような要請があるかということを大変私どもも危惧するのでございますが、そういうことについての御見解をお尋ねしたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 先ほどの答弁で、私、昭和六十二年と言いましたが、それは法律のできたときでございまして、改正は平成四年でございました。訂正させていただきます。 この国際緊急援助隊の派遣につきましては、今の国際緊急援助隊の派遣に関する法律に定めるところによりまして、被災国政府等からの派遣の要請を受け、当該要請内容あるいは災害の種類等を勘案して、外務大臣が関係行政機関の長等と協議の上、その都度判断を行うこととなっているところでございます。 仮に自衛隊を派遣する場合でございますが、そういう場合であっても、派遣自体は被災国政府等からの要請に基づくものでございますし、自衛隊の派遣は災害の種類等から必要な場合に限られるものであるということでございますから、実際にそういうことが起こった場合には、御指摘のような問題は生じないというふうに考えております。
○栗原(裕)委員 先ほどの世論調査でもちょっと申し述べましたように、災害派遣ということについて自衛隊が非常に役立っているという国民の意識は極端に高いわけでございます。これは、多分、国内で大きな災害があるたびに、自衛隊の皆様方が現地に赴いて大変献身的な活動をなさっているというその実績が国民に高く評価されているというふうに私は思うわけでございます。 自衛隊は軍隊であるということで、ともすれば自衛隊というものに対して親しみを感じないような国民の皆様方も、災害のときに来てくれた、助けてくれたということが、自衛隊に対する理解、自衛隊に対する好感度というものが伸びていく一つの大きな要因だと思っておりますので、これは仮定の話でございますし、また相手のあることでございますので、余りはっきり言うのはどうかと思いますけれども、ぜひアジアの国々でも万が一のときには日本の自衛隊を頼れるような、そして日本の自衛隊が赴いていって現地の方たちのお役に立つような、そういった訓練あるいは準備というものもおさおさ怠らないようにぜひお願いをしておきたいというふうに思います。 次に、これは全般的なことでございますが、このガイドラインの見直しについて、きのうの外務大臣の所信にもございましたけれども、指針の見直しについては「内外に対し透明性をもって取り進めることが重要であると累次申し上げてきております。」という趣旨の御発言がございました。現に、先ほども御答弁がありましたように、ハワイの会談の後、すぐに外務、防衛の担当者が中国や韓国に赴いていらっしゃるということを聞いております。 これは、日本の防衛、外務の方たちが韓国や中国や近隣諸国に行かれると同じように、アメリカもなさるのですか、まずそのことをお尋ねしたいと思います。
○池田国務大臣 その点につきましては、我が国は、先ほど御答弁申し上げましたように、もう既に中国と韓国に人を派遣して説明をしております。そのほかの諸国につきましても、東京において、あるいはそれぞれ任国の我が方の大使館を通じて、現在説明を現に行っているところでございます。 また、米国におきましても、ワシントンにおいて、それぞれの関係国の大使館に対し、あるいはまたその出先の大使館で説明を現に行っておるし、これからも行われる予定だと思います。 派遣するかどうかという点につきましては、今まで明らかになっておりますところでは、アメリカの国務省の高官が韓国へ、別の用件もあったわけですが、出張しておりまして、その際に、このガイドラインについても米国の立場から韓国に説明をした、こういうことがございます。
○栗原(裕)委員 大臣の御答弁はわかりました。 ただ、先ほど中谷議員の質疑にもありましたように、中国がこの問題についてある意味では大変憂慮しているという報道もなされております。したがいまして、日本もこれはもちろん説明に行っていただいておるわけでございますが、アメリカはワシントンの中国の大使館を通じて説明をするのかもしれませんが、ぜひ外務省としても、特にアメリカも関係周辺諸国に説明をしていただくような努力を要請していただきたいと思うわけでございます。 また、あわせて、これも仮定の話で恐縮でございますが、仮に、日本から中国に行って説明をした、アメリカは大使館を通じて説明をした、その説明を受け取るニュアンスが、日本はこういうことを言っているけれどもアメリカはこういうことを言っているじゃないか、どうもちょっと違うんじゃないかというようなことがあった場合には、これはどういうふうにするのでしょうか。
○池田国務大臣 先ほど申しましたのは、これまでに既に行われた説明ぶりについて御答弁申し上げたわけでございます。これは、これからも継続的に日米それぞれあるいは共同して行われるわけでございますので、あらゆる機会に、中国を初めアジアの関係国からより深い理解を得られるように努力してまいりたいと思います。 実は、これまでもいろいろやってまいりました。久間防衛庁長官もそうでございましょうし、私も、昨年の共同宣言が出まして以来、アジアの関係諸国にいろいろな機会に説明してまいりましたが、そういうときに、例えば、私は中国へ行って中国との関係でこういう話をしたけれどもこんな反応だったよ、今度はアメリカサイドから、クリストファーさん、あなたが行くらしいから説明しておきなさいよとか、お互いに言ったり言われたりしながらやっているところでございます。 そして、日米それぞれの説明がニュアンスが違りて、そこで説明を受ける側が何らかの気持ちを持つことがないかという点でございますが、事務当局の準備した答弁資料によりますと、このガイドラインについての日米間の認識は全く一致しているので、御指摘のようなことは想定されないと書いてありますけれども、それは建前としてはそうでございます。 しかしながら、委員もニュアンスとおっしゃいましたけれども、それは、このガイドラインについての認識は全く一致はしておりますけれども、日本の説明と米国の説明とで、同じことを説明するにしても違った切り口から話をするということは、それは当然あるんだと思います。 しかし、だから困るという話じゃなくて、このガイドラインについてもあるいは日米安保体制全体についても、いろいろな側面があり、いろいろな役割、効果がある。それを、米国は米国なりに、こういう角度から見るとこういう役に立つのですよと言い、また日本は別の異なった角度からということで、両々相まって関係国のよりよい理解を得られるように努力してまいりたい、こう思っております。
○栗原(裕)委員 大変懇切な御答弁、ありがとうございました。 最後に、先ほど私が引用させていただきました世論調査の項目の中に、日本が戦争に巻き込まれる危険性があるかどうか、そういう質問項目がございまして、約三〇%強の方が日本が戦争に巻き込まれる危険性はないというふうにお答えになっているのですね。ないと思う根拠は何だ、その理由は何だとさらに聞きますと、「戦争放棄の憲法があるから」。戦争放棄の憲法があるから日本が戦争に巻き込まれる危険性はないというふうに答えていらっしゃる方が、昭和六十三年の調査で四〇%もいらっしゃるのです。そして、今回は大分減りまして三三・二%でございますが、女性の方は四〇・一%ですね。日本が戦争に巻き込まれる危険性はない、その根拠は何か、戦争放棄の憲法があるからだ、こういうのですね。 繰り返して恐縮でございますが、先ほどの「自衛隊がこれまで役に立ってきたこと」という中で、一つしか答えない場合には、実に六・七%の方しか「国の安全の確保」ということを挙げていないわけでございまして、私は、大変残念なことでございますが、軍事あるいは平和と安全保障ということについての国民の皆様方の理解というものは、私ども現場におります者とまだまだ大分隔たりがあるなというふうに感じざるを得ないわけでございます。 したがって、このガイドラインの見直しについても、内外に透明性を持ってというふうに言っておりますので、内の方、国民向けも、繰り返して恐縮でございますが、安全保障とかあるいは軍事ということについての御理解がまだまだ得られていないという観点のもとに、懇切丁寧に説得力を持って説明をしていく必要が、我々もあると思いますし、政府もあると思いますし、そのための当委員会の質疑だというふうに私は理解をしておるわけでございます。 そこで、先ほどから御答弁を聞いておりますと、憲法の枠内という言葉が再々出てまいります。確かに、日本国憲法は今までも国民の皆様方に大変親しまれてきました。そして、多くの方に評価をいただいているわけでございますが、先ほどの世論調査でありましたように、日本が戦争に巻き込まれる危険がないのは戦争放棄の憲法があるからだというふうにはとても言えないわけでございます。 何が大事なのか、憲法が一番大事で、とにかく憲法を守る、だから、このガイドラインの見直しについても、これは憲法に違反をする、これは憲法に合致する、今までよく神学論争と言いますけれども、そういった観点ばかりで議論をすると、誤った方向に行くのではないかなというふうに私は思っているわけでございます。 何が一番大切か、これは自然権的権利と申しますか、日本の国の平和と安全、我が国周辺の平和と安全が一番大事でございます。それにこのガイドラインはいかに役立つか、もうちょっとこういうふうにすればいいな、もうちょっと実効性があるようにすればいいな、こういう観点から議論をするのであって、憲法も大事でございますけれども、憲法第一主義で、憲法の条文がこうだからこれはできる、これはできないということではなくて、国の平和と安全ということをまず第一に考えて議論を進めていきたいと思っておりますけれども、そのことについてのそれぞれの大臣の御見解をいただければ、大変ありがたいというふうに思うわけでございます。
○久間国務大臣 戦後ずっと平和が続いておりますから、この平和な状態が黙っておっても手に入るというふうについ錯覚を起こしてしまわれる方から見れば、憲法があるから平和なんだ、そういうようなことの裏返しとして、だから自衛隊は余り必要ないんだというような結論が出てきて、そういう数字が出ているのかもしれません。 しかしながら、今委員もおっしゃられましたように、平和を守っていくというのはなかなか大変なことでございまして、国民のために平和を守るためには、予算的にも制約がある中でも必要最小限の防衛力は整備しなければなりませんし、それだけで不十分だとなれば、日米安保条約を結んでそれをカバーしてもらう点も必要でございましょう。 その反面、また外交努力で、平和憲法を持っておる我が国としては、その憲法の持っておる意義を各国に対して働きかけることによって、平和国家として歩んでおるということも絶えずPRしなければなりませんでしょうし、いろいろとそういうのが相まって平和が続いていることだと思います。 したがいまして、私どもは、決して憲法が第一であって、ほかのことは何もしなくていいというのではなくて、憲法は憲法として、世界のどこにも負けないすばらしい憲法を持っておるということもまた自負しながら、それと同時に、国民を守るために必要最小限のいわゆる防衛力の整備だけはしていかなければならない。それはわきまえていかなければならないと思っておりますから、どちらが先でどちらが後かという問題ではなくて、日本国憲法の中で今やっておるわけでございますから、その枠内でやりながらも、必要最小限の大事なことだけは一生懸命きちっとやっていくという姿勢でございます。
○池田国務大臣 国家の役割は何かと考えてみますと、平和な状態のもとで経済的にも安定し、国民がそれぞれ幸福を追求できるような、そういった状態をつくり上げることだと思うのでございます。そのために、憲法を初めとした法体制も必要であるし、また政府のいろいろな諸活動もあるんだと思います。そういった観点から、憲法の役割も我々はちゃんと正当に評価しなくてはいけないと思います。 戦争に巻き込まれるのが、一体、憲法があるから避けられているのか、あるいはその他の力があるからかということでございますけれども、これにつきましても、巻き込まれるということはどういうことから起きるかでございますけれども、過去の歴史をさかのぼれば、特定の国が、我が国にもそういうケースがございましたが、みずから戦争を起こすということもございました。あるいは、他国から侵略を受けるというケースもあるわけでございます。 平和憲法ということを基礎にいたしまして、我々は決して二度と他国を侵略するなんということはしないのだということを誓っておりますし、そのことを明定している。これは現在の国際社会全体の基礎、国際法の基礎でもございますけれども、とりわけ我が国は憲法でそのことを他国よりもさらに明確な形で誓っている。そういった意味では、平和憲法があることが、我々が戦争なんという局面に立ち至ることを避けているという意味はあるんだと思います。 それと同時に、そのような平和を大切にするという理念に基づいて、国家としてもいろいろな外交活動を展開する、あるいは日本の国民もいろいろな活動、場合によっては国際的な広がりを持った活動も展開するということを通じて、諸外国からも、日本は平和愛好国家である、日本国民もそうだということで、外からのいわゆる侵略を避けるという効果もあるかもしれません。 それと同時に、現実の国際情勢がどうなっているか、そういった中でいかなる利害の対立があるか、その解決のためにどういう手段が可能か、最後はやはり実力に頼るというケースも皆無じゃないんじゃないか、それで、そのターゲットが日本に向けられるという可能性も、これは現実の国際社会としては全くないとは言い切れないわけでございますから、そのためには、きちんと我が国としてみずからの安全を守るための備えをしなくちゃいけない。それが自衛隊でありあるいは日米の安全保障体制である、こういうふうに考える次第でございますので、憲法も確かに我々が戦争といった事態に巻き込まれることを避ける意味で役割を果たしておりますが、そのほかのいろいろな備えもまたおろそかにするわけにはまいらぬ、こう考える次第でございます。
○栗原(裕)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、新聞の論調などを見ますと、早くも憲法に抵触するかしないかという論調でリードしようという部分があるんですね。私どもは、それでは本末転倒じゃないかと。 今大臣が答弁なさいましたように、まず日本の国の平和と独立と安全がある、そのために憲法があるのでございます。そういう観点でこの議論が進みますことを御期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○伊藤委員長 次に、浜田靖一君。
○浜田(靖)委員 長官、大臣、どうも御苦労さまでございます。そしてまた、先ほど来、我が党の中谷先生、栗原先生、このガイドラインの見直しについては多くの皆さん方の御努力があって、きょうこういう形で御報告を受けての質問が迎えられるわけでございます。皆さん方の御努力に感謝と敬意を表する次第でございます。 そこで、ここでガイドラインのお話をお聞きしなければならないわけでありますが、その前に、このところ少々私自身の頭の整理がつかないことがございまして、それを少し教えていただきたいと思うわけでございます。 というのは、今回の政府の取り組みとして、確かに、財政問題に端を発して構造改革をしなければならぬということがございまして、先日、政府の方で方向性が示されたわけでございます。その内容に関して言えば、特に防衛庁に対する予算の今後の組み方、また防衛のあり方、いわゆる中期防の見直しということで、大変厳しい方針を今回打ち出されたわけでございます。 私自身も、この国の財政ということを考えれば、当然のごとくそれは多とするところでありますけれども、しかしながら、このごろの我が国の国民の皆さん方の関心というのは、先ほど来お話がありますように、それこそ沖縄問題、そしてまた災害、それから危機管理ということで、大変関心が高まってきた現状も、またこれは事実でありまして、そのときに、やらなきゃならないのは十分によくわかるわけでありますが、今回の措置というものが安全保障を議論するときに少々わかりづらいところもあったり、誤解しやすい部分があるような気がするわけであります。 そこでお教えいただきたいのは、今回の財政構造改革の中での中期防の見直し、予算削減と、我が国の防衛政策との整合性というのはきっちりとられておるのかということをちょっと教えていただきたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 大変厳しい状況であるというふうに我々認識しております。 二年前に新しい防衛大綱が策定されまして、その新しい防衛大綱に基づく最初の五カ年計画が、現在進んでおります中期防衛力整備計画でございます。かつ、その中期防衛力整備計画におきましては、いわゆる合理化、効率化、コンパクト化ということも織り込んだ計画でございまして、例えば陸上自衛隊の定員の削減といったようなことも織り込んで中期防を二年やってまいったわけでございます。 他方で、財政構造改革もまた大変大きな課題であるという認識を政府の一員として防衛庁も持っているわけでございまして、今回の決定によりまして、この五年間の中期防の総額二十五兆一千五百億円につきまして、今後三年間に予定されておりますところのいわゆる物件費総額がちょうど九兆二千億円程度あるわけでございますが、今後三年間に見積もられるところの、計画上考えられておりましたところの物件費総額九兆二千億円の一割に相当する金額の所要経費の縮減を行って、本年じゅうにその内容を見直すということになったわけでございます。 我々といたしましても、そういう決定でございますから、年内に見直し案を作成すべく、かつ、安全保障会議あるいは閣議の議を経て内容を確定したいと考えているところでございますけれども、今御質問の中にございましたように、新しい防衛大綱あるいはそれに基づいてつくられました中期防の考え方を踏まえつつ、他方で財政構造改革の必要性も考えながら、いろいろきめ細かく計画の内容を見直しながら、何とかこの両方の目的を達成すべく努力したいと考えております。
○浜田(靖)委員 確かに、これは当然のごとく政府でこの方向で行くということで決定して、それでなければ、とてもではないけれども、我が国の財政がもたないということはよくわかるわけであります。 しかしながら、そこで安全保障ということを考えたときに、とかく予算というもの、特に防衛予算というものに対しての評価というのがよくわからない。いわゆる数字合わせのようなところもありますし、また、要するに減らせばよくて、ふやせば悪いというような評価しか得られない部分も確かにあるわけであります。 本来であるならば、日米安保共同宣言が出されて、そこでガイドラインの見直しも出ている。そして、我が国のやるべきことを今考えておる最中に、予算がいきなりどんと減らすということに対して、ちょっと頭の整理がつかなかったものですから教えていただきたいなと思って、今質問をさせていただいたわけであります。 ただ、先ほど栗原先生の質問のときにもお話がありましたけれども、国民の皆さん方に正しく安全保障というものを考えていただくためには、本当に何が必要で、これをしなければこうだというものが明示されないと、なかなかわかっていただけないような気がするわけですね。 ですから、その点を余りにも、とにかく財政が大変だから切らなきゃいけない、では何が要らない、これはむだだから切るとか、その方針をたしか防衛大綱のときに決めたような気もしますし、中期防も、財政的に厳しいからこういう方向を出そうということでたしかつくったような気がしたのでありますが、そこへ来て、いきなりまたこれで金額を下げてしまう。では、そこに何か議論があったんですかねという気がしないでもないのですね。 だから、そこのところがちょっと頭の中で整理がつかないわけですね。それで今こういった御質問をしておるわけであります。当然これはガイドラインにまでかかわり合いを持ってくるものですから、今こういうお話をさせていただいているんです。 そこで、これは質問通告をしていないんですが、ベテランの長官と大臣ですのでこれは聞いても大丈夫だと思うのですが、本来安全保障の議論をするときには、一体どんな国家観で国民の生命財産を守るかということを明確にして防衛予算を取り扱うべきなんじゃないかなと私は思うのですね。一体どういったことでどういうふうに守るかということが明示されないと。 要するに、ただ正面装備があるからだとか、金額が多いから大丈夫だとか、兵隊の数が多いから大丈夫だとかというのじゃない、こういった気持ちを持って全面対処するんだ、要するに安全保障というものを考えていくんだということが示されるべきなんじゃないかなという気がするんですね。 この間、伊藤安全保障委員長のもとで入間基地に視察に行かせていただいたんですね。そのときに、隊員の処遇についてのお話を委員長がされておりましたけれども、その中で非常に印象に残ったのは、例えば兵舎がよくなった、隊舎がよくなった、施設がよくなったというよりも、我々自衛官に対してありがとうとか頑張ってください、そういう言葉を得ることが一番うれしいということをおっしゃっておったわけですよ。 だから、金額じゃないというのはわかるのですよ。予算じゃないというのもわかるし、例えば極論を言えば、国民の皆さん方が自分の国を守るんだということが、全員が同じ価値観でそれができるならば予算なんか要らないかもしれない。そういう正面装備は要らないかもしれない。だけれども、そうはいっても、現実問題からいえば、政府が責任として国民の生命と財産を守るためには、そういった形で世に示さなければならぬこともあるわけで、その点をもう少し明確に出していただかないと、我々は、私自身はどうもわかりづらい。 大臣、感想で結構ですので、この点をちょっとお答え願いたいと思うのですが、私の考え方は間違っていますか。ちょっとお聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 委員のお考えが間違っているわけじゃございませんで、基本的にはそのとおりだと思います。 防衛大綱を決めます場合にも、これはいろんな構想の上に立って、ある戦闘状態が行われたときにどれだけ守れるか、どれだけ時間が稼げるか、そういうことをしながら結局積み上げていっているわけでございますから、それはこれだけの経費がかかるということで、それを受けて中期防その他の予算の金額等も出ておるわけでございます。そういうようなことを考えますと、そう簡単に、それで積み上げた予算を削るということはできないわけでございます。 しかしながら、昨今のああいう状況でございますと、そういうような場合に予算を減らさざるを得ない。そして、その予算を減らしたのが、今言いました防衛大綱とかあるいは中期防に響いてきて、具体的な中身のところまで切り込んできて、それが達成できないとなると、そこの部分は穴があかざるを得ないわけですね。そうした場合には、前提となっておるいろいろな計画がある程度ダウンするわけです。 しかし、そういう場合は、それはそれとしてしようがないという形で乗り切っていく以外にないわけでございまして、それをどこがどういうふうに弱ったというふうなことを言うわけにもまいりませんけれども、とにかく一〇〇%でないということだけは、今までのものが一〇〇%であったとすれば、それをダウンするわけですからどこかにしわ寄せが来るわけでございます。 今言われました隊舎の問題とか隊員の処遇の問題とか、これらは、広い意味で言えば士気に影響してくるのだろうと思います。しかしながら一これは精神的なものでございますから、ほかの分野で、国全体が今厳しいんだから少しはそこは我慢しようというようなこともできるかもしれませんけれども、それが余りにも多くなってまいりますと、今言うように、隊員の士気にもいろいろ影響してくる分野も出てくる、そういうことを非常に危惧しているわけでございます。 国の財政状況がああいうことでございましたから、あのような形で一応内閣として決めておりますので、私どももそれに従ったわけでございますけれども、それだけに、これから先の予算編成その他において、今掲げております全体の大綱あるいは中期防の目標、こういうのを割らないような形でどうやってこれをやっていけるか、その辺については努力していかなければならない。しかし、なかなか厳しいなという状況でございます。
○浜田(靖)委員 確かにすべてのことを勘案して大変苦しいお立場にあるのはよくわかるわけでございますが、ただ単に減らせばいいということではなくて、やはり必要なものは必要であって、むだというのはないのですね。むだはないのですが、ただ、必要なものを優先順位をつけて予算をうまく使っていくということであれば対処できると思いますし、我が自衛隊は、それこそ厳正な規律のもとにしっかりと運営をされておると私は思っておるわけでございます。 その辺のところは、言えば言うだけ受けてしまうのが今の状況だと思うわけでございますので、その辺は、我々がしっかりと必要なものを主張して予算化していくことが大変重要だと私は思いますので、ぜひとも長官には頑張っていただいて、これを守っていただきたいなと思うわけでございます。 そしてまた、今回の財政改革というのが誤ったシグナルとして国民の皆さん方にとらえられないように、それこそ中期防の中にあるように、コンパクト化、そしてまた即応予備自衛官のような即応性のあるものに力を入れるのだというようなことも含めて、ぜひともPRをしていただきたいなと思うわけでございます。 しゃべり過ぎまして、時間の方がちょっとあれでございますが、ガイドラインについて少しお尋ねをさせていただきたいと思います。 「基本的な前提及び考え方」の中で、「立法上、予算上又は行政上の措置をとることを義務づけるものではない。」また、その後に「両国政府が、各々の判断に従い、」「具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される。」というふうに書いてあるわけでございますが、これはさきの先生方の中にもお話はあったのですが、質問ではなかったのでちょっと質問させていただきます。 実際には、これを実効性あるものにするためには、単なる研究にとどまらずに、関連国内法の整備や予算措置を講ずる必要性があると思うのですが、この点についての御見解をお聞かせ願えますでしょうか。
○池田国務大臣 今御指摘のございましたとおりに、今回の指針の見直し作業あるいは新たな指針のもとでの作業は、日米いずれかの政府に対しまして、立法、予算あるいは行政上の措置をとることを義務づけるものじゃございません。 しかし、このガイドラインで合意されましたものが本当に効果を持つためには、何もしなくてもいいというわけじゃない、ただ研究すればいいという話じゃございません。そういった意味で、今回の中間取りまとめの中にも書いてございますけれども、両国政府がおのおのの判断に従って、日米共同の作業の結果をおのおのの具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される、こうなっておるわけでございます。 したがいまして、ガイドラインがこの秋に策定されましたら、その後に、我が国は我が国といたしまして、立法、予算ないしは行政上の措置をとることが必要かどうか、そのことも含めまして、新しい指針の内容の効果的な実施のためにどうすればいいかということを十分検討してまいりたい。その検討の上に立ちまして判断をし、必要な国内措置をとることができるように進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○浜田(靖)委員 先ほど中谷先生が御質問なさいましたけれども、そのときは御質問にはならなかったわけでありますが、国会の承認事項にする必要があるのではないかということに対して、それが余りに意図的であったり、そういうことではなくてというお話がありましたが、私はあえてこれに対するお考えを少々お聞かせ願いたいと思うのですが、よろしくお願いいたします。
○池田国務大臣 これも、先ほどの御答弁申し上げましたことと関係してまいりますけれども、今回の中間取りまとめで明らかにしておりますとおり、このガイドラインの結果として、日本の政府が何か特定の立法、予算あるいは行政上の措置をとることを義務づけられるものではございません。したがいまして、ガイドラインそのものが国会の承認の対象となるものではないわけでございます。 しかしながら、このガイドラインができました後に、我が国としていろいろ作業を進めていく、先ほど申しました。その作業の結果として、何らかの法律の制定なり予算上の措置なりをとることが適切であるという判断をするということになれば、その段階で法律案あるいは予算案の一部として国会の御審議、御判断を仰ぐ、こういうことになるわけでございます。
○浜田(靖)委員 ありがとうございました。 きょうは法制局にもおいでをいただいておるわけでございますが、ちょっとここで確認をしておきたいと思うのですが、今回の中間取りまとめに掲げられた協力検討項目については、憲法上実施する余地のないもの、いわばグレーではなくブラックの事項は含まれていないと考えておりますけれども、法制局の見解をお聞きしたいと思います。
○大森(政)政府委員 今回の中間取りまとめに示されました各協力検討項目と憲法との関係ということにつきましては、政府といたしまして、すべての項目について検討を要しているわけではない。既に、憲法の解釈に関しましていろいろな見解を表明しております。 したがいまして、その見解に基づきまして容易に判断ができるというものはさておきまして、現時点で、政府としての確定的な考え方を網羅的にここで表明するということは、中間取りまとめという段階の性質上、差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、ただいま委員御指摘のとおり、協力検討項目それ自体の中には、対応のいかんにかかわらず、およそ憲法上実施することが認められる余地がないというようなものが含まれていないということは当然のことでございます。
○浜田(靖)委員 ありがとうございました。 そこで、また私が不勉強なのかもしれませんけれども、一つこれは教えていただきたいことなのでありますが、いわゆる集団的自衛権というのが今大変論議を呼んでおります。これを言うとマスコミさんが大変騒ぐと思うのですけれども。 わからないのは、集団的自衛権を行使した場合に一体何が問題になるのか、どういう問題が起きてくるのかということをシンプルにちょっとお聞かせ願えればと思いますので、よろしくお願いします。(発言する者あり)
○大森(政)政府委員 我が国による集団的自衛権の行使は、憲法九条に照らしまして認められるものではないということは、政府が従来から一貫して申し上げているところでございます。今回の検討におきましても、それを大前提として検討しているということは関係者間で一致した意見でございます。 では、集団的自衛権というのはなぜいかぬのかということでございますけれども、国際法的には主権国家は集的自衛権を保有している、国連憲章あるいは安保条約等におきましてもそれは確認されているわけでございますが、集団的自衛権のポイントと申しますのは、我が国が武力攻撃を受けていないにもかかわらず、実力で他国に対する攻撃を阻止し得るというのがポイントでございます。ところが、我が国は、御承知のとおり、憲法で武力の行使等を禁止しておりまして、ただ、我が国を防衛するために必要最小限度の自衛行動をすることを禁止しているものではない。 したがいまして、集団的自衛権の行使といいますのは、憲法が指定していない自衛権の範囲を超えるものであって、憲法九条に照らして認められるものではないということを一貫して述べてきているわけでございます。
○浜田(靖)委員 確かに、それは歴然としたことでありますので、いいのですが、ただ、要するに、憲法違反の事実で、憲法違反をだれが評価するのか、また、だれが認定するのか、そういったこともちょっとわからなかったこともあるわけでございまして、後ろの方からそんなことは詳しく出ているよというお話もあったのですが、しかし、実際にその細かい点になると、ちょっと私の勉強不足なのかもしれませんけれども、憲法違反の部分というのは、文言上明らかに憲法違反だなと思われるようなことも、第八十九条の私学教育の問題があったりするわけでありますし、集団的自衛権の行使が禁じられるというのは解釈上の話でもあるわけですね。 それで、そもそも事態が発生した場合、ある行為を認定なり解釈にゆだねることがいいのか悪いのかということもあるような気がするわけでして、その辺のところを本当は答えていただきたかったのでありますが。まだ少しだけ時間がありますので、長官、よろしければちょっと教えていただきたいと思います。
○大森(政)政府委員 ある行動が憲法に違反するかどうかという判断は、それぞれの局面において実はなされるべき事柄でございます。 ただ、憲法は、御承知のとおり、八十一条におきまして、最終的には最高裁判所が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有しているということを規定されているわけでございます。他方、憲法九十九条におきまして、公務員は一般に憲法の尊重擁護義務を負っております。 したがいまして、政府といたしましては、憲法を厳に遵守すべきものでございまして、御指摘の集団的自衛権のように我が国の憲法上許されないとされる事項については、政府みずからがこれを行うことは厳に差し控えなければならない、あえてこれを超えることはおよそ考えられないということでございます。
○浜田(靖)委員 この問題を話していますと、時間がもうないわけでございまして、ただ、先ほど栗原先生が言ったのに私は同感でありまして、国の安全を守るということを前面に押し出すときに、何か一つのものにとらわれ過ぎて、確かにそれが歯どめになって平和が守られているといえばそうなのかもしれないけれども、しかし、それがいきなり壊されるような状況が生まれたときに、そんなことが言っていられるのかどうか。 最高裁が判断して、最高裁が判断する前に国がなくなってしまった場合には一体どうするのかとか、いろいろなことが言えると思うわけでありまして、それは極論かもしれませんが、私は、少なくとも我が国を愛し、またこの安全保障ということを考えるときには、余り一つの方向にとらわれ過ぎてはならないのではないかなという気がしまして、そこは自由な論議をするべきこの安全保障委員会でございますので、あえてそれを言わせていただいたわけでございます。 その意味では、ぜひとも国民の皆さん方に正しく安全保障というものを考えていただき、そしてまたこのガイドラインというものが決して危険なものではない、ただ我が国を守るためにはこれは絶対必要不可欠であるということをぜひとも議論のメーンにしていただいて、お互いに知恵を出し合って、いいガイドラインをつくっていただきたいと思いますので、皆さん方によろしくお願いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○伊藤委員長 次に、平田米男君。
○平田委員 今回ガイドラインの中間取りまとめの御報告をいただいて、きょう質疑をするわけでございますが、これまでの御努力に対しまして敬意を表したいと思います。また、こういう中間取りまとめという形で国民にオープンに、また近隣諸国にもオープンにして国会で議論をする、また国民の意見を大きく聞きながら最終取りまとめに向かっていく、こういうやり方に対しましても敬意を表したいと存じますし、我々もそのために努力をしていきたいと思っておるのですが、ちょっと注文がございます。 これまでも何回も機会あるごとに申し上げておるのですが、要するにこれまでの取りまとめに至った経過。とりわけアメリカが日本にいろいろ要望を出した。羽田内閣のときでしょうか、危機が高まりまして、そのときには約九百項目ぐらいの在日米軍からの要望があった。その後、千数百項目になり、取りまとめて千項目ちょっとにおさまった。これは非常に個別の具体的なアメリカの要望でありまして、今回のガイドラインの見直しの材料そのものではないとは思いますが、しかし、アメリカがどのような考え方を持っているかということを知るについては、国民にとっては大変重要な資料だろうというふうに思います。 また、今回のガイドライン見直しのためのテーブルの中でも、伺うところ、四十四項目出てきたのを四十項目に絞った。こもごも絞ったので、どれかを欠落をしたわけではありませんという説明はそれなりに受けておるのですけれども、しかし、例えば非戦闘員の輸送の問題は全く触れられていない。それを指摘しますと、いや、これは余り協力することではありませんからと、こういうちょっと我々が見てもおかしな説明しかない。やり方としては非常にオープンで結構なのでございますが、どうも肝心なところがいささかオープンでないような私は印象を受けておるわけであります。 私は、今回のガイドラインの見直しというのは、これまで続いてきましたまさに五五年体制の思考方法から、二十一世紀の日本の安全保障の新しい新思考に大きく転換をするのだろうと思うのですよ。そのために国会承認が必要かどうかという議論はまた別途ありますが、それは一応置いておいて、そういう意味では極めて重要な事柄であって、国民に旧来の発想を大きく転換をしていただかなければ、政府と国会議員だけが転換をしていても、国民が発想を転換していただかなければ国というものは動かないわけでございます。そういう意味からも、国民にすべてオープンに、私は機密までオープンにしてくれというふうには申し上げませんが、機密でない部分については最大限オープンにしていただきたいと思っております。 それをこれまでも何度も申し上げましたが、いや、この中間取りまとめこそそのオープンの材料でございます、こういう御説明ばかりでありまして、これは一応の結論であって、出発点からの議論の紆余曲折は書かれておりません。私は書かれているのかなと思ったので、ひとまず矛はおさめましたが、しかし、やはり出てきたものは書いていない。説明を聞いてもやはりお答えにならない。こういう姿勢は、オープンにしてやろうという政府の姿勢に私は基本的に反すると思うわけであります。 この際、いろいろ整理をすることも必要かもしれませんが、最大限これまでの経過について御報告をされ、資料を公開されるお考えはありませんでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 今回の日米防衛協力の見直しの作業に当たりまして、なるべく透明性を高めて進めたいということでやってまいりました。昨年の九月に日米安全保障協議委員会で進捗状況報告というものを出したのもその一つでございまして、見直しをするに当たっての考え方、あるいはどういう項目について検討するのかということについて、検討項目はまた変わるかもしれないということを断りながらも一応明らかにし、かつ、その作業スケジュールではことしの秋に最終報告をということでございましたが、大変いろいろな意味において国内外での議論の高まりもございまして、この際、これまでの議論を取りまとめて中間発表をしようということで、率直に言いまして、この四月、五月大作業をして、今回の中間発表にこぎつけたわけでございます。 我々政府といたしましては、日米間で協議をして、一応、協議をした後、中間取りまとめあるいは中間発表であっても、責任を持って出せるものを出したい。その途中のいろいろな議論、熟していない議論について出しても我々もなかなか説明ができませんので、日米間で議論をし、責任を持って出せる段階で、極力こういう資料といいましょうか中間の取りまとめを発表して、御審議の資料にさせていただきたい。そして、我々もいろいろな御意見、御審議を踏まえてさらなる検討を進めたいということで、我々としてはなるべく透明性を高めたいということで、今回、この取りまとめないし別表も含めて提出させていただいたところでございます。 その点については、数についていろいろな報道があったのは我々も承知しておりますが、しかし、政府として、一応責任を持って、中間取りまとめとはいえ、出せる時期に一生懸命出させていただいたという点は御理解いただきたいと思います。
○平田委員 結論は同じ結論でございますので、それはそれとして先に進みたいと思います。 私は、きょう五十五分間質問時間をいただいておるのですが、各論の話は同僚議員に譲らせていただいて、今回、周辺事態に対する後方支援というのが主要な項目になっているわけでありますが、今私たちがどうしてそれを行うのかという憲法上の根拠あるいは国際法上の根拠、そういうものを国民の皆様に明らかにする議論をさせていただこうと思っております。 まず、法制局長官、お越しをいただいているわけでございますが、私は、国家というものは、今、世界の主権国家というのが構成単位でございまして、主権国家の位置づけというのはグローバルな流れの中で大分変化を来してはおりますが、しかし、主権国家にかわる国際を構成する単位というのはないわけでありまして、やはり国家というものをまず中心に据えなければならないと思うわけであります。 そういう意味で、国家の使命というのは何か、私は、国民の生命財産を守ることが国家の第一義務なのだろう、こういうふうに思っておりますが、果たして日本国憲法にはどのような条項にそのようなことが記載されているのか。 それからまた、今回、周辺事態という新しい言葉ができたわけでございますが、その中身については、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合を周辺事態というのだ、こういう定義を置きまして、そういう場合には米軍に対して後方支援をします、こういう中間取りまとめになったわけであります。 これは基本的に私はそれでよろしかろうと思うわけでありますが、しかし、我が国が周辺事態の状況の中で米軍の活動に対して後方支援をする憲法上の根拠というのを見つけることができるのかどうか、あるいは見つけられないのかどうか、その辺を御説明いただけますでしょうか。
○大森(政)政府委員 まず、お尋ねの第一点、国家の責務と憲法の規定との関係でございますが、憲法第十三条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定しております。また、憲法前文の第二パラグラフの後段におきましては、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてみる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」このようにうたいとげているわけでございます。 このような憲法の規定及び憲法前文の趣旨からいたしますと、昭和三十四年十二月十六日の、最高裁判所、いわゆる砂川事件判決において触れられておりますように、「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の機能の行使として当然のことといわなければならない。」と解されるわけでございます。 今回の検討も、この一環として行われているものであろうというふうに私どもは理解しているわけでございます。 次に、第二点の、周辺事態において後方地域支援を行う憲法上の根拠いかんということでございますが、後方支援を行うべしと正面から規定している条文がないことはもちろんでございますけれども、ただいま申し上げましたように、我が国として、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の機能の行使として当然である、このように解されております。 したがって、新防衛計画の大綱において述べられているとおり、「我が国は、国の独立と平和を守るため、日本国憲法の下、紛争の未然防止や解決の努力を含む国際政治の安定を確保するための外交努力の推進、内政の安定による安全保障基盤の確立、日米安全保障体制の堅持及び自らの適切な防衛力の整備に努めている」ということにつながるわけでございます。 今回の中間取りまとめにある後方地域支援につきましては、今申し上げましたような考え方に従い、国のとるべき政策の選択として、我が国周辺地域における事態で我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合において、安保条約の目的の達成のために活動する米軍に対して行うものとして取り上げられているものと理解しているわけでございます。
○平田委員 憲法十三条と前文を引かれて、私が申し上げる、国家が国民の生命財産を守る、これが第一義務であるということの根拠とされたわけであります。 残念ながら、我が憲法には、そういうことが明瞭に、明確に、積極的に規定はされておりませんが、これは歴史的経過の中でこのような体裁になっているのだろうと私も理解をしておるわけでございまして、恐らく長官の御説明も、そういう前提でのお話なんだろうというふうに理解をいたしました。 それで、今、自衛の措置をとる権利があるというのは国家固有の機能である、その一環として、政策の選択として後方支援を行うのだ、このようなお話があったと思います。私は、それは基本的にそのとおりだろうというふうに思います。日米安保条約上の義務として行うというような一部の意見もあるようでございますが、私は、今回の周辺事態におけるさまざまな対応、後方支援のみではないと思いますが、これは基本的に我が国の自衛のための措置というふうに理解をした上で議論を進めたいというふうに思うわけであります。 そういう議論に入る前に、それと少し密接にかかわります問題で、臨検、艦船の検査というふうに言っておりますが、今回は「船舶の検査及び関連する活動」という表現になっております。別表の一ページの上から五段目でございますが、「国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保するための活動」として、「船舶の検査及び関連する活動」というのがございます。 それで、伺うところによりますと、これは国連決議に基づく場合と国連決議に基づかない場合の両方を含んでいるというふうに言われておるわけでありますが、これは国際法上どういう根拠で船舶の検査、すなわち臨検というのが認められているのかどうか、この辺、まず御説明いただけますか。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 今度の取りまとめにおきまして、「国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保するための活動」ということで、船舶の検査が挙げられているわけでございます。 その背景にある考え方は、国連憲章の第七章にございますとおり、要するに、国際社会が一致して平和に対する脅威あるいは侵略が行われた場合に対処するという考え方、いわゆる集団安全保障の考え方がございます。その第一段階として経済制裁というものが想定されているわけでございます。 それがきかない場合には軍事的手段というのがあるけれども、これは国連軍ができていませんので、今のところそこまでいくシステムができていないわけでございますけれども、経済制裁につきましては、イラクとか新ユーゴとか、いろいろなものがあるわけでございます。 これの根拠といたしましては、国連憲章第二十五条で、国連加盟国は安保理の決定を受諾し履行することに同意する、つまり、安保理が決定すれば、それに沿って行動するということを約束しておりますので、それによって経済制裁を皆行うということでございます。したがいまして、仮に安保理決議で経済制裁が決定されますと、それに伴って自国の船舶が検査を受けることを受忍する義務があるということでございます。 一方、それぞれの経済制裁の決議につきまして、実効性を担保するために、加盟国がしかるべき措置をとることが認められております。それが安保理の決議として、それぞれ新ユーゴの場合、イラクの場合とか通っておりますけれども、安保理の決議によって権限を得て、国連加盟国がいろいろな検査をやるというのが今までの確立しているやり方でございます。 そういう中で、国連の安保理決議に基づく経済制裁ということを想定して、ここで実効性を確保するための活動として検査ということを挙げたわけでございます。
○平田委員 決議がない場合の説明はされましたか。決議がない場合はどういう国際法上の根拠でやるのか、ここがポイントなのですよ。要するに、国連決議がある場合は割と国民は安心していますけれども、決議がない場合にどうやってやるのだ、これはちゃんと国際法上の根拠というのを示してください。
○林(暘)政府委員 今総政局長からお答えしましたように、今回のガイドラインにおいては、国連決議が出た場合を想定して、それに基づいてやるということを言っているわけでございます。基本的にはそういう想定でやっているわけでございます。 今先生が、決議がない場合に臨検というのはどういうことになっているのかという御質問だとすれば、それについてお答え申し上げますと、一般の国際法上、公海というのは自由という原則になっておりますので、そこでは一般の船舶というのは自分の国の、旗国から管轄を受けるということ以外には原則としては管轄を受けないということになっております。ただ、例外といたしまして、通常、慣習法上は例えば海賊であるとかそういった場合に自国の船舶でなくても臨検その他をすることはございます。 その辺を集大成して海洋法条約の百十条に書いておりますのは、今御説明しましたように、安保理の決議があるとかそういう条約上の根拠がある場合を除きまして臨検ができる場合というのは、海賊行為の場合、奴隷取引に従事している場合、外国船舶が公海で許可を得ないで放送をやっているような場合、外国船舶が国籍を有していない場合、それから外国船舶が他国の旗を掲げているかまたは当該船舶の旗を示すことを拒否したような場合、こういう場合には全くその他の条約上の根拠がなくても臨検ということができるということが海洋法条約には書いてございます。 繰り返しになりますけれども、今は一般の国際法上のことを御説明したわけでございまして、今回のガイドラインとの関係では、基本的に安保理決議がある、そういう根拠のある場合を想定しているということでございます。
○平田委員 どうも何か事前にレクを受けたときの説明と違うようでして、私は、対抗措置という違法性阻却事由があるのだという説明を受けました。 要するに、ある国が国際法違反をしている、それに対して、その国際法違反に比例するだけの、他国がその国に対して国際法違反しても、それは違法性阻却になる。公海上は自由航行ですので、自由航行している船舶をとめるということは国際法違反になるわけであります。しかし、その相手国、この場合は船の旗国と限定されるかされないかといういろいろな問題があるようではありますが、その国の一定の国際法違反を根拠にして経済制裁を行って、その経済制裁の実効性あるものとして臨検を行う、これは対抗措置として違法性が阻却されるのだ、このような説明を受けているのですが、違うのですか。
○林(暘)政府委員 今先生御指摘の、一般論として申し上げて、国際法上対抗措置といいますか、例えば従来の国際法上復仇とか、そういう概念はございます。 それから、対抗措置という意味で違法行為をした場合に、その範囲内で相手国に対抗措置ということはあり得るわけでございますけれども、臨検という場合に、その対抗措置というのは当該国に対して向けられた行為が違法性が阻却されるという概念でございますから、幅広く第三国を含めて一般の船舶に対して対抗措置として臨検をする、つまり、臨検のうちの一部分を対抗措置で説明することは可能である場合もあるかと思いますけれども、一般に臨検すべてを対抗措置ということで説明するのはいささか難しいかなという感じがいたしております。
○平田委員 そういう御説明ならそういう御説明で結構でございますが、もうちょっとここで、余り具体論に入る気はなかったのですが、国連決議があるというだけで船舶の検査及び関連する活動を行うということはどこにも書いていない。そういう基本的な趣旨だというのは、これはガイドラインが正しく書かれていないということを自白されたわけでありまして、これはおかしい話だと思います。その点はまた今後議論をされることだと思いますが、それは指摘をしておきたいと思います。 私も説明を受ける限りでは、二種類ありますという説明を外務省から受けているわけでありまして、この委員会の場で決議に限ると限定されるというのは、文書の、まさに日本語の表現としてもおかしいし、これはオープンな議論ではない。先ほども御指摘をしましたが、もっと努力をしていただきたいと思うわけであります。 次に移りますが、今回、ガイドラインの見直しが行われたのは、基本的には七八年のガイドラインに欠落をしていた部分をきちっとやるということでありますし、また周辺有事が具体的に心配をされてきたというようなことが今回の見直しが行われた実質的な理由だと私は理解をしております。また、日本の経済上あるいは軍事上の地位も向上してきたということもあって、きちっとした責任を負っていくということも環境的に理由の一つと言えるのではないかというふうに思います。 それで、なぜ七八年のガイドラインに、あのときは極東有事の問題でありましたが、今回は周辺有事という言い方になっておりますが、この部分が欠落をしてきたのか。その理由は、要するに、日本有事は個別的自衛権の問題であり、周辺事態はどちらかというと集団的自衛権の問題が濃いとされてきた。したがって、集団的自衛権に絡むような話はちょっと置いておきましようということで、実際上、七八年から随分たってしまったわけであります。 しかし、これは基本的に、今回の中間取りまとめを見ましても、こういう考え方が間違っていたということなのではないかというふうに私は理解をしているわけでありまして、今回、周辺事態の定義として、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合と定義をしているわけでございまして、基本は要するに日本の平和と安全なわけでございます。だから、周辺事態も要は日本の平和と安全がポイントなのだ、それを離れての周辺事態対応というものはないし、またあってはならないのではないかというふうに私は思っているわけであります。 そういう意味からすると、個別的自衛権、集団的自衛権の議論は、大森法制局長官に聞くまでもなく、これは武力行使の問題だと言われてきました。したがって、武力の行使にはならないものは一体どういう権利なのですかということをずっと私はいろいろなところに聞いてみました。外務省にも防衛庁にも調査室にも聞いてみましたが、結局、戦後のいろいろな学者の資料も渉猟していただいたようでございますが、きちっと講学上の概念として出されていないようでございます。 しかし、先ほど法制局長官がお話しになったように、後方支援をやるかどうかについては政策的判断でありますが、その根拠は、どこまでも国家固有の権利、国の平和と安全を守るという主権に基づいているのだ。まさに主権かち出ておるのが個別的自衛権であり、集団的自衛権という概念なわけであります。 したがいまして、同様に主権から当然導かれるのが、個別自衛権まで至らない、要するに、武力行使まで至らないけれども日本の平和と安全を守るための国家としての行動を行う権利、これは当然あるのだ、このように言えるのだと思います。これは、私が今特段申し上げたからといって新たな権利として生まれてくるわけではなくて、今までも渉猟しても何も出てこないというのは当たり前だ、国際法上特に問題にもされなくて、当然認められた権利だ。 先ほどの対抗措置の話についてはいろいろ御説明がありましたが、例えば預金の封鎖をする、国際法違反している国に対して、制裁として我が国のその国の預金を封鎖するというのは対抗措置なわけですね。これも国家の権利として行うわけでございます。 そういう意味で、さまざまな安全保障上のオプションがあるわけでありまして、武力行使以外のオプションを行う権利というものが国家としてある。しかし、その権利というものはどういう名前なのかというのは、講学上ないようでございますので、私は、この際、それは個別的自衛隣接権——著作隣接権ではありませんが、個別的自衛権に隣接する、武力行使にはならない、しかし自国の平和と安全を守るための国家としての権利、それを個別的自衛隣接権と一応名前をつけて議論をさせていただこうと思っているわけであります。 私は、そういう意味では、今回の後方支援等の活動は、この隣接権、まさに個別的自衛権の前段階の、我が国の自衛のための措置として、国家の権利として行うものであって、まだそういう権利を実現するものとして日米安保条約があるんだ、第六条があるんだ、こういう位置づけを明確に我が国はすべきなんだというふうに思うわけであります。 そういう議論をきちっとしておかないと、この後方支援というものが、米軍の後方支援は全部やる、どういう事態になってもやる、日米安保条約の義務だ、こういう歯どめのない話にも一方では行ってしまいますし、また片方では、何で日本のためではなくてアメリカのために後方支援をやるのだという、また間違った議論さえ起きかねない。 そういう意味では、私は、今回のガイドラインの見直しは、まさに我が国の自衛のための措置としてようやく具体的な議論が行えるようになったんですよ、こういうふうに国民に提示すべきなんだろうというふうに思いますが、その点、外務大臣、長官、いかがでございましょうか。
○池田国務大臣 委員の御指摘の中にもございましたけれども、個別的であれ集団的であれ、自衛権といった場合には、基本的に、実力といいましょうか武力といいましょうか、それの行使にかかわる概念であり機能であろうかと思います。 そういうもの以外に、国家の機能として、当然のこととして、国家の中心的な役割である国民のために平和あるいは安定といったものを守っていくという目的、それを実現するためにいろいろな行為を行う機能はあるんだ、こう思います。そういったものの中に、今議論になっておりますような、要するに、今回、周辺事態における後方支援業務として提示されたような行為も入っている、それは御指摘のとおりであろうと思います。 ただ、そういったことを自衛権の隣接権という概念でとらえるかどうか、委員の御提示された考えというのは確かに極めて示唆に富んだ御提言だとは思いますけれども、私はまだ今の段階では、そういった隣接権的な一つのものをまとめてやるべきなのか、あるいはそうではなくて、先ほど申しましたような、国家として平和なり安全を守る上でいろいろな行為をする機能を持っている、それが国際法上あるいは憲法上いいか悪いかというチェックは、自衛権の話とはまた別の立場からもあり得るかと思いますけれども、そういうものはあるんだ、こう思っております。 そして、今回、周辺事態についていろいろなことを考えておりますけれども、これは一体何のためか、我が国自身の平和と安定のためではないかと、基本的にそのとおりでございます。我々の関心は、安保条約の目的もそうでございますが、我が国自身の平和であり安全である、こういうことでございますし、今回の周辺事態も、周辺における事態であって我が国の安全なり平和に重大な影響を持つ可能性がある、そういった事態というようなことでございますから、当然のこととして、我が国の平和、安全という観点から我々は考えている。そのとおりでございます。 また、安保条約上の六条の問題についても、極東の地域でいろいろな状況に対して米軍が行動するということがございますが、これも言ってみれば、それのみに限定されるわけでは必ずしもないとは思います。 基本的に、そのようなことがこの条約に盛り込まれましたのも、我が国として、極東地域におけるいろいろな事態に対して自国自身の平和あるいは安定という観点から重大な関心があり、そのような事態に対処するために、米軍が、米国がこの条約に基づき我が国の基地等も使いながらいろいろ行動するということが我が国の利益にもなるという観点もあって、このような条約が締結されておるのではないかと考える次第でございます。
○久間国務大臣 考え方の整理として、そのような隣接権といいますか、そういう考えを持たれることは非常に整理の仕方としてはいいのかもしれませんが、また、そういう概念を使いますと、それによって広がる分野も出てまいりますので、果たしてそれでいいのかなという危惧もちょっとあります。 はっきり言えますことは、我が国は、武力行使をしないという憲法九条の規定があるために、それに関係するものはできないんだ、そう割り切ってしまえばいいわけでございまして、武力行使をしないことはやれるんだ、そういうふうに理解する方が一番わかりやすいのではないかと思うのです。それを集団的自衛権、個別的自衛権というほかの概念を持ってまいりますと、ほかの言葉を当てはめますと、その言葉が非常に概念として広がってくるのではないか、そういう気がいたします。 先ほど言われました隣接権という考え方も、整理の仕方としては、私が言っているような、要するに武力行使をしない、その中で自分の国を守ることはやれる、そういうような二つのものをひっつけた中で出てきた整理の仕方かなと思いながら聞いておりました。
○平田委員 これは、長官、御承知の上でおっしゃったのだと思いますが、個別的自衛権の行使としては武力の行使はできるというわけでございまして、そこが集団的自衛権と個別的自衛権の大きな差であると政府解釈はしておる。それはそれで結構でございます。 私は、今こういう概念を持ち出したのは、個別的自衛権の行使として我が国が戦闘行動をやっていて、当然アメリカも日本を支援するために、アメリカは集団的自衛権の行使として日本の防衛のために戦ってくれている。そのときに、アメリカの航空機、艦船を守るために日本の航空機、艦船が救援活動をやる、防衛活動をやるというのは、一面から見ると集団的自衛権の行使ではないか。しかし、それはどこまでいっても日本の国を守るのだから、これは個別的自衛権の問題だよということで特に問題はないわけでございます。 こういう議論が行われているということを踏まえた上で、私が個別的自衛隣接権という新しい概念を持ち出したのは、要するに、個別的自衛権の行使であるならば、それが一面の見方からすれば集団的自衛権みたいな見られ方をしたとしても、それは個別的自衛権として憲法上許されたことなんだ。この枠組みの中で、我々は、後方支援をやる場合にどうなんだという議論をもう一遍しなければならないのではないか。 その後方支援というのは、どこまでも我が国の個別の、我が国の平和と安全のために行う後方支援活動である。それが、たまたま外形的に見ると、集団的自衛権の行使のように見られるかもしれない。こういう議論が今まで行われてきたわけであります。それが一体化論なんですね。一体化すると、それは武力行使になりますよ、武力行使になると、それはもうだめですよ、こういう話になってくる。 個別の自衛のために、自衛権、武力行使そのものをやるのがオーケーなのに、武力行使にはならない、そこの部分を一生懸命やっているのに、それがたまたま一体化論というはしごをつなげると、突然集団的自衛権だといってだめになるという今までの論法だったわけであります。 しかし、そもそも、その前段階の行為そのものが個別的自衛権ではないにしても、それは個別的自衛権的なまさに権利なのであって、個別的自衛隣接権なんですよ。それはちゃんと我が国の権利としてあるのだったら、個別的自衛権が一体化論というはしごをつけたとしても、これは集団的自衛権とは言われない、否定されないのと同じように、個別的自衛隣接権だってはしごをつけたとしても、集団的自衛権になりますよといって否定されないということになると私は思うのです。 長官、まだ少し議論をさせていただいてから御意見を伺いますが、そういうことを実はこれから申し上げたいわけであります。 要するに、米軍の武力行使とたまたま一局面で一体視されると、突然にこれは集団的自衛権の行使として違憲なんだと言われるわけですよ。これは後方支援等も、要するに我が国の平和と安全のためにやっているわけですよ。我が国の平和と安全のためにやっているのを、この一体化論で持ってこられると、突然それが制限されてしまう。我が国のために、武力行使まで至らない前段階で、平和的な手段でやっているのをなぜ禁止されてしまうのかということについて、私は極めて疑問なんです。 平和的に、できるだけ武力行使にはならないで、なおかつ、我が国の平和と安全を守るために努力をしている作業が禁止されるということは、逆に、我が国の平和と安全を脅かすことに結果としてはなってしまうということになるわけであります。その結論は、私は、我が国の国家主権を侵すものになって、到底容認しがたいものなのではないかと思うわけであります。 それで、そもそも戦争概念というのが、第一次世界大戦の前と後で随分違うわけです。国際連盟憲章ですか、あるいは不戦条約によりまして1要するに、戦争に訴えるという国家の行為というものが以前は違法ではなかったのですね。しかし、不戦条約等によって、戦争というのは違法なんだというふうに評価ががくっと変わりました。それで、違法な戦争に訴えた国は、第三国に対しまして、公平と回避を原理とする中立国義務の履行を要求する基礎を失ったと言われております。 昔の戦争は合法にやっていたから、中立国は何もしてはいけませんよ、公平に対応してください、また、いろいろな問題については回避してください、さわらないでください、こういう要求を交戦国同士は言えたわけであります。それは戦争が国際法上容認されたからでありますが、第一次世界大戦後は戦争はすべて違法だ。そうすると、戦争を起こした側は国際法違反をやっているわけであります。国際法違反をやっている国が、他国に対して中立にしておってください、こういうことを言う国際法上の根拠が消滅した、こういうふうに言われるわけであります。 逆に、侵略を受けている犠牲国、被侵略国からすれば、第三国に対しまして、侵略国を援助しないでください、侵略されております犠牲国を援助してくださいということを要求する国際法上の法的基礎ができ上がったと言われております。また、第三国の立場からすると、侵略国と犠牲国とに対しまして、公平と回避の原理に貫かれた中立の地位を維持することは、戦争が違法化された今日ではもはや法的義務ではない、こういうふうにも言われているわけであります。 それで、ちょっと古い話ですが、一九三三年にハーバード大学の国際法研究会が案としてつくりました条約案、侵略の場合における国家の権利義務に関する条約案というのがあるそうであります。そこの中で第三国の地位に多様性を認めた。それで、まだ第三国というのは中立国でなければならない、こういうことだったわけでありますが、中立国というカテゴリーのほかに、共同防衛国というカテゴリーと援助国というカテゴリーを設けたそうでございます。三つになったそうであります。共同防衛国というのは、集団的自衛権を行使してともに戦う国だ、こういうことになるのだろうと思います。援助国というのは、そこまでに至らない国であるという分け方でよろしかろうというふうに思います。 それで、我が国が個別的自衛権と集団的自衛権のカテゴリーのみで武力行使の問題を論じておりますのは、こういう時代の国際法の認識の流れからしますと、私は極めて時代おくれなのではないかというふうに思うのです。 これまで国会でいろいろ議論されておりましたが、要するに、この二つの権利のことしか言わなくて、あとの範疇、第三国はどうするんだということの範疇、また、何ができるんだ、国家としてどういうことをやるべきなのかという議論が欠落をしてきた。それは、まさに戦争というのは違法だという第一次世界大戦以後の新しい戦争観というものではなくて、第一次世界大戦以前の戦争観に基づいた議論としか見られないような、極めて古臭い、そういうものなのではないかという印象さえ私は受けるわけであります。 そういう意味で、私は、この周辺事態における我が国の後方支援のまさに国際法上の根拠とか、先ほど憲法上の根拠を伺いましたが、こういうものをやはりきちっとしておくということが、我が国が何で米軍の後方支援をするんだ、いや、場合によると、今回は米軍とだけですよ、しかし、朝鮮有事になったら、韓国に対する後方支援を考えなくていいのかどうか、そういうことだってテーマとして出てくるわけであります。 今回は、ガイドラインから遠く離れた話ですから、私はここで大きなテーマにはいたしませんが、しかし、本当はそういう議論も出てこなければいけないわけであります。 そのときに、何を基準にして我が国が行動をするのか、また、国際法上それは合法なのか違法なのか、こういうものをしっかり踏まえなければ、そういう議論の出発になるこのガイドラインの見直しの真の議論にはなっていかないのじゃないか。要するに、場当たり的なものでしかない。 我が国が国際の平和と安全だけではなく、我が国自身の平和と安全のために他国に対してどういう協力をすることができるんだ、日米安保条約を結んでいるアメリカだけではなくて、場合によると近隣諸国、あるいはもっとグローバルな視点から考えれば、もっと範囲は広がるかもしれない。そういうときに、どういう観念で、どういう哲学で、どういう国際法上の根拠でやれるのかやれないのか。まず、やれる範囲をきちっと確定し、後は、法制局長官がおっしゃったように、これは政策判断ですよ。 それは、国際法上やれたとしても、やるかやらないかは具体的な政策判断であって、それはそれで、そのときの国際情勢の中で、また我が国の国益というものを考えながら政策判断はしなければならないと思いますが、しかし、国際法上我が国はどういうことができるんだ、常に個別的自衛権だけなんだ、こういう観念であってはならないのではないか、私はこのように思っているわけでありますが、長官、お伺いします。
○久間国務大臣 先ほど私が言いました中で、個別的自衛権は武力の行使を伴う場合というのは当然のこととして言ったのだと言われましたけれども、その場合でも、日本国憲法がある以上は武力の行使が限定されておる。要するに、やられたからやっつけるということで、相手を壊滅状態までやることはできない。 そういうふうに、個別的自衛権だあるいは集団的自衛権だという言葉で整理するのではなくて、我が国の憲法九条で言っている、あの反対として、そういう場合に置かれても必要最小限の武力しか行使できないという考え方なので、個別的自衛隣接権という概念をつくられましたけれども、それも結局、私どもが、集団的自衛権ではなくて、とにかく武力の一体化にならない範囲のことはやれますというふうな形で列記している問題と同じような整理の仕方なのではないか。整理の仕方として新しい概念を委員がおつくりになって、わかりやすくそれを説明するためにつくられたにすぎないのではないかな。結局、ねらっているところは同じではないかなという気がするのです。
○平田委員 基本的には長官の認識と一緒だと私は思います。 しかし、これはどういう形で国民に説明をするのかというのが極めて重要だ。結論が一緒であったとしても、プロセスは大事だ。特に、その辺の権利の位置づけ、また権利の範囲というものを明確にしておくことが我が国の行動をまた自律的に規制することになると思うわけでありまして、その辺の論理を不明確にしたままで議論をするべきではないという考え方から、一つの仮説としてこのように御提案を申し上げているわけであります。 それで、先ほどの話から続きますが、我が国は一体化論というのをやっておるわけでありまして一武力行使にはならないことでも一生懸命やっていると、これは武力の行使と一体化されますよ。例えば武器弾薬の輸送をどこまでやると集団的自衛権と認められますよと。しかし、なぜ我が国が武器弾薬の輸送をするのか、これは我が国の平和と安全のためにやるわけですよ。我が国の平和と安全のためにやっているのを、突然それは集団的自衛権と認められるからだめですよという議論は、それでは我が国の平和と安全のためにやっていることがやってはいけなくなるんですか、こういう結論になることは極めておかしい。 時間がありませんので、きょうはそこまで申し上げて、もう一つ、極めて重要なことなので、これはぜひ触れさせていただきたいと思っているわけでありますが、我が国の平和と安全のために行う、これは政策判断として行うんだということでありますが、今回のガイドラインの見直しで、我が国は米軍の周辺事態における活動に対して基本的に後方支援をやる、これは結構であります。 しかし、具体論として、例えば朝鮮有事になったときに、米軍があるいは韓国軍がともに三十八度線を越えて北進をした、北進をしたときにもなおかつ我が国は後方支援を続けていくのか、どこまでやるのか、北の地域を全部占領する事態になったとしてもなおかつ後方支援をやっていくのか。要するに、我が国の平和と安全のためにやるということであれば、おのずから限度があるわけであります。 しかし、その辺をきちっとしないと、三十八度線を我が国に相談もなしにどんどんどんどん越えていってしまった、そのときに我が国はどういう態度をとるのか、これは我が国の基本政策としてしっかりしておかなければ、単に米軍の後方支援をやりますよ、周辺事態の場合やりますよと言っているだけでは、我が国の基本方針を明確にしたことにならない。単なるオプションを明示しただけであって、そのオプションをどういう事態の場合に使うのかということを明示しない限り、国民には、一体我が国は何を考えているのか、何のためにこの後方支援をやるのかという目的を明確に示したことにならないのではないかというふうに私は思います。 国防の方針など言うとおどろおどろしいかもしれませんが、我が国の安全保障の方針として、一体我が国はどこまで後方支援をやるのか、どういう事態を想定して後方支援をやるのか、どういう事態には後方支援はできないんですよという、ある程度の基本方針というものをお決めになるお考えがあるのかないのか、御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 今回の指針の見直しは、我が国に対する武力攻撃または周辺事態に際しまして、この周辺事態というのがこれまでも議論に出ておりますけれども、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合ということでございますが、そういう事態に際しまして、日米が協力して効果的にこれに対応し得る態勢を構築することを目的としていろいろなテーマでやっているわけでございまして、このガイドラインは一般的な大枠及び方向性を示すものでございまして、特定の事態を念頭に置いたものではございません。 したがいまして、御指摘のような仮定の御質問にはお答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。
○平田委員 こういうことをやっているからだめなんです。それは、諸外国に対する配慮もありますよ。しかし、もっと具体的に、これは一つの武器ですよ、一つの武器をどういう場合に使うのか、武器は持っています、何に使うかは言えません、こんな恐ろしい話はない。そのことを明確に申し上げて、質問を終わります。
○伊藤委員長 次に、福島豊君。
○福島委員 新進党の福島豊でございます。 まず初めに、今回のガイドラインの見直しにつきまして、概括的な私の考え方を述べさせていただきたいと思っております。 今回のガイドラインの見直しは、日米同盟を再度確固たるものにし、来るべき二十一世紀前半においても実効性のあるものとして維持していくための重要なステップであると私も思います。 冷戦終結後、ヨーロッパ大陸におきましては、著しく緊張緩和が進んだと言ってもよいわけですけれども、アジアにおきましては、朝鮮半島を初め依然緊張が緩和されたとは言いがたい状況であると思います。また、アジアの経済の発展は著しいものがあり、世界経済の発展を考える場合にも、アジアの安定ということが極めて重要であり、その中で日本が果たさなければならない役割は極めて大きい、そのように思います。 湾岸戦争でありますとか、経済摩擦でありますとか、沖縄問題でありますとか、近年、日米関係を揺るがす出来事が相次いだのは事実でありまして、日本国民に対しましてもさまざまなレベルで衝撃を与えたわけでございます。こういった一連の出来事が起こった背景というのは、一つは、冷戦が終結し、米ソという対立構造が消失をしたということ。そして二つ目には、日本が日米安保条約の締結時とは大きく異なって、その経済力によって国際社会に占める重要性が飛躍的に高まった。その二つが大きな理由ではないかというふうに思います。 湾岸戦争でさまざまな経験を我が国はいたしました。その経験を踏まえ、国際社会における日本の立場を真正面から見据えて、日本がいかなる進路を目指すべきか的確な判断を下す必要があると思います。そうした大きな議論を今回のガイドラインの見直しでは巻き起こしていただきたい、そういう議論の中で見直しの作業というものを進めていっていただきたい、そのように私は思います。 そういう意味では、先ほどの平田委員に対します大臣の答弁をお聞きしておりましたが、甚だ私は遺憾でございます。集団的自衛権の問題は、多くの識者がこれをどうするのかということがガイドラインの見直しにおいて最大の課題である、そのように指摘しております。最初からこの議論を避けるというような姿勢であってはならないのではないか、この問題を改めてきちっと議論していく、権利はあるんだけれども使えませんというのは、これは論理の矛盾でしかない、それをいつまでもいつまでも放置しておくわけにはいかないのではないか、私はそのように思います。 今回の見直しの前提として、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って検討するというふうにありますけれども、この中に、集団的自衛権の問題については全く棚上げにして検討すらしない、議論すらしないということであれば、二十一世紀の日本の安全保障ということを考えるときに、大変大きな禍根ではないかというふうに私は思います。 まず第一点目に、先ほどの平田委員への御答弁がございましたけれども、大臣にこの点につきましての御見解をお聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 いろいろな作業をしますときに、その前提となっておる諸問題を議論しながらやっていくのか、あるいはまた、その前提をそのまま置きながら議論をしていくのか、いろいろなやり方があろうかと思います。 今、私どもとしましては、現在の日本国憲法の枠内で、現在の安保条約の取り決めその他の枠内で、しかも、非核三原則等のそういう原則もそのまま踏まえて、その上に立ってやるという前提で作業を進めておりますので、ここでもう一回、翻って集団的自衛権の概念をもう少し議論して、そこまで踏み込んでやるべきかどうか、そこまでやった上でやるという立場をとっておりませんので、残念ながら、先ほど平田委員の御指摘の新しい概念の中での取り組みというのは、一つの方法としてはわかりますけれども、集団的自衛権に対する政府の解釈を変えてやるというようなことはとらなかったわけでございますので、基本的な姿勢として御理解賜りたいと思います。
○福島委員 大臣の先ほどの御答弁で、日本の基本的な姿勢ということにつきましては私も大変同感なのでございますけれども、しかし、議論すべきことを議論せずに、それを避けるというのは賢明なことではないのではないかというふうに思います。 それが、危機の状況下にありまして、なしまし的に拡大されていく。ここまでグレーゾーンで、そのグレーゾーンがどこまで縮まるのか、そういう努力を今回するのですという話なのかなというふうに思うのです。最低限の日本の武力の行使ということの中でどこまでできるのかという議論を進めて、それでその距離を縮めていくということなのかなというふうには思います。 確かにそれは漸進的なアプローチということでして、今の日本の政治状況を考えれば、そういうアプローチをとらざるを得ないという判断も、確かに一つの判断だというふうに私は思います。しかし、戦後五十年という節目を経まして、今やらないで、いつやるのかという思いもあります。これは、どちらかにせいという話ではございません。集団的自衛権を早く認めなさいということではないのです。ただ、その議論が先送りにされているということ自体が問題だというふうに思います。 先ほど外務大臣が、なぜ今の時期に見直しをするのかという質問に対しまして、七八年から二十年たちました、国際状況も変わりました、それに対応するための見直しですというお話がございました。 しかし、私、この御答弁を聞いておりまして、実はその七八年のガイドラインができまして、その後、いろいろなことが検討されたわけですね、後方支援の問題とか。それがある意味では全部塩漬けになったような状況でございまして、全然進まなかったということがあるのではないかというふうに私は思います。そういう意味では、状況が変わったから見直す、その部分も確かにありますけれども、今まで先送りにしてきだからこそ、今やらなければいかぬという話にもなっているのだというふうに思います。 では、なぜそれが先送りになってきたのか、なぜ進められなかったのか。政治状況の問題もあろうかと思います。しかし、それは私が繰り返し申し上げておりますように、根本的な議論というのをきちっとしていない、だからなかなか前に進めないのだということなのではないかというふうに思います。漸進的なアプローチということも確かにわかります。しかし、それで済むのかどうか、私は疑問に思っております。 それからもう一点、これは外務大臣にお尋ねをしたいわけでございますけれども、これは通告をしておりませんで大変申しわけございませんが、日米同盟というのは、アジアの安定にとりましては大変大切なものであるというふうに私は思います。それからもう一つ、グローバルパートナーシップということがあるわけでございますね。これはアメリカの世界戦略だと言ってもいいと思います。このグローバルパートナーシップに対して、日本がどの程度コミットしていくのか、どの程度コミットすることが日本にとって果たして国益となるのかということについて、これもガイドラインの見直し——これは日米の間の問題でございますけれども、見直すと同時に、今考えておかなければならない極めて大切な問題だというふうに思うわけでございますが、外務大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○池田国務大臣 私ども、ガイドラインの作業を進めておりますのは、安全保障面での日米の協力——さらに具体的に申しますと、安保条約がございます。そして、昨年、日米安保共同宣言を発出いたしました。そういった中で、安全保障面での日米の協力をより効果的に行うための態勢を整備しようということで、今回作業を進めておるわけでございます。 一方、今御指摘のございました日米のグローバルパートナーシップの話でございますが、これは安全保障面だけの概念ではございませんで、もっと広く、政治、経済あるいは文化、科学技術といったさまざまな分野を包摂した日米の協力関係を言う概念でございます。 基本的に申しまして、政治の面でも、民主主義であるとか、あるいは基本的人権の尊重であるとか、そういった価値観を共有しておりますし、経済の面でも、市場経済、自由貿易の制度等、現在の経済の運営方法について共通の立場を持ち、またそれを支えていく非常に大きな勢力、力でございます、お互いに。また、それは文化や科学技術の面でもいろいろ同じようなことが言えるわけでございます。 それからまた、最近は、いろいろな新しいグローバルな課題も出てきております。例えば麻薬にどう対応するのかとか、環境問題にどういうふうに対処するのかといった問題につきまして、米国との間で立場、利害が一致する問題なり分野にどういうふうに対処しようかと考えます場合に、同じような方向性を見出す分野が非常に多いわけでございます。 そういったものを網羅しながら、我々は国際的ないろいろな舞台において協調行動をとっていこう、それが基本的なグローバルパートナーシップの姿だと思います。 しからば、すべての点で同じことを考え、同じ行動をとるのかといえば、そういうわけではございません。それは、例えば基本的な自由貿易体制あるいは自由経済の理念を大切にし、そういったメカニズムをより円滑に動かしていくために我々は努力しなくてはいけない、こう申しておりましても、具体的に、例えばWTOの場で日米が衝突するというような局面もあるわけでございます。 それは、それぞれの、大きな意味においては共通する立場であり、あるいは理念を共通にしているわけだけれども、個々具体的には立場の違いが出てくることもある、利害の違いが出てくることもある、あるいは目指すところは同じであっても、それを実現するための手法をどういうふうに考えるかという点について、いろいろ違ってくる例もございます。 最近のアジアの国々の民主化の進展等々につきましても、私ども、それは進めなくてはいかぬという点では同じでございますが、それを実現するために、ぴしっといわば一種の制裁的な色彩の強いような措置も場合によってはとりながらやっていくのがいいのか、あるいはクリティカルダイアローグ、批判的な対話をしながらその方向にいざなっていくのがいいのか、日米間で微妙に違うケースなんかもございます。 そういった違いがあることも承知しながら、大きな意味での共通点を大切にしながら、そうして、国際社会において日米両国が果たさなくてはいけない役割なり担うべき責務の大きさを自覚しながら、グローバルな課題について広く協調していこうというのがグローバルパートナーシップであると考えております。
○福島委員 私が余り漠然とした御質問をしたのがよくなかったのかなというふうに思います。 先ほど申しましたように、湾岸戦争というのは、日本にとっては大変貴重な体験だったというふうに私は思います。グローバルパートナーシップにつきましてはいろいろな側面がありますが、とりわけ安全保障の部分におきまして、どういうところで協調していくのか、どういうところで日本が役目を果たすのか、いろいろと日本に対してのアメリカの要求は大きいと思います。 ただ、そこで日本国としてはどう考えるのか、そういう議論も、このガイドライン、これは日米の間の問題ですけれども、これはアジアが中心になるわけですけれども、全世界ということに関しましても同時に議論していくべきものである、そういうふうに私は考えているということを申し上げたかったわけでございます。 次に、個別の議論をちょっとさせていただきたいと思っております。 まず、今回のこのガイドラインに関連します朝鮮半島の有事ということが大変大きな問題であるわけでございますが、北朝鮮の動向につきましては一点だけちょっと御確認をしておきたいと思います。 六月九日付の産経新聞では、金正日体制が来月に発足するという報道がなされておりました。この点につきましては、外務省はどのように御認識なのか、お聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、平田委員長代理着席〕
○池田国務大臣 現在、北朝鮮におきましては、金正日書記が、いわゆる国家主席であるとかあるいは党の総書記という地位には就任しておりませんけれども、実質的に国政全般を掌握したという状態で推移してきております。 そして、今委員も御指摘になりましたように、この七月、ちょうど金日成主席が逝去されて三カ年の喪が明けるということでございまして、その機会に、形の上においても国家主席なりあるいは党の総書記という地位に金正日書記が就任し、新しい北朝鮮の体制がスタートするんじゃないかという観測が、ここしばらく、各方面から出されておったところでございます。 今でもそういった見方も非常に強いわけでございますけれども、他方におきまして、それはどうなのかな、必ずしも七月とは限らないのではないかな、もう少し延びるということもあり得るんじゃないかという観測、あるいは総書記、主席というところへすべて金正日氏が就任するんじゃなくて、場合によってはそれを分かち合うということもないわけではないんじゃないのかなといったような観測も一部でございますけれども、何分なかなか正確な姿のわかりにくいあるいは情報の入りにくい国柄でございますので、私どもも、さて七月にどういうことになるのか、確たるところは見通せないでいるところでございます。 しかし、基本的に、先ほど申しましたように、実質的には、国政全般を金正日書記、そしてまたそれを支える人々が掌握しているという実態は今でもございますし、当面続くものと見ているところでございます。
○福島委員 それでは次に、このガイドラインの見直しのその後のスケジュールということを御確認したいと思います。 中間取りまとめ後の対応につきまして、総理を初めとしまして、要するに議論をたくさんしていただいて、その議論を踏まえてまとめていきたい、取りまとめ自体にも「見直しに対する理解を促進すること及び国内における議論の基礎を提供することを目的とするものである。」そのようにあるわけでございます。 本日、そういうことでこの委員会を開催していただきまして、いろいろと議論をさせていただいているわけでございますが、今後その議論をどういうふうに進めていくのか。きょう一日やりまして、それで議論しましたよということでは、甚だ議論が深まらないのではないか、そういうような思いもするわけでございます。その点につきましてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○久間国務大臣 私どもは、この秋に取りまとめを行うわけでございますけれども、それまでの間に、どういう経過でどのような内容でやっているのかということを早い段階でお示しすることによって、本議会でもそうでございますし、また国外に対してもどういう作業をやっているのかというのがわかるようにということで、できるだけ早く国会開会中にということで、この六月に中間取りまとめをして公表させてもらったわけでございます。 この後の議論の高まりのぐあいといいますか、どういうふうにやるか、これは両院の、それぞれの院でお決めになることでもございますし、また、そういう院ではなくて、そのほかの分野でいろいろとまた御議論されることもあるんじゃないか、そういうふうに思います。 そういうときに、政府としましては、中身についてあるいは経過について、御説明すべきことについてはできるだけ説明をさせていただく、そういうふうな気持ちでおります。
○福島委員 今回の中間取りまとめの発表に際しましては、中国並びに韓国に、外務省並びに防衛庁から幹部を派遣して説明に当たられたというふうにお聞きしておりますけれども、とりわけグレーゾーンの取り扱いをどうするのかとか、具体的にどういう説明をなされたのか。こういう検討項目が上がりましたよと、それだけなのかもしれませんけれども、そのあたりについての御説明をいただきたいと思います。
○折田政府委員 委員御指摘のように、昨日九日、外務省及び防衛庁の関係者より、中国においては北京、韓国においてはソウルにおいて、先方に対して説明を行ったわけでございます。 中間取りまとめに示されました具体的な協力検討項目の取り扱いについては、法的、政策的側面を含め、今後の国内におけるさらなる検討にゆだねられるけれども、我が国が行う協力が日本国憲法の枠内で行われることは当然の前提である、そして、そのことは中間取りまとめにも明記されてあるという形で説明したと承知しております。
○福島委員 また、中国、韓国以外のアジアの諸国、これは御説明に回られる予定があるのか、そのあたりにつきましてお聞かせください。
○折田政府委員 中国、韓国以外の国に対しましても、外交ルートを通じて速やかに説明をすることになっております。また、いろいろな状況を考えながら人を派遣して説明するということも極めて重要なことだと思っておりまして、そういう面からも我々検討していきたいと思っております。
○福島委員 透明性を確保して、また、さまざまな議論を踏まえて今後の作業を進めていっていただきたいと思います。 また、秋に新たなガイドラインが策定されました後に、日米共同作戦計画また日米相互協力計画というのが策定されるというふうに今回の取りまとめに書いてありますけれども、これのスケジュールについてちょっとお聞きしたいと思うんです。 とりわけ日米共同作戦計画というのは、七八年に現在のガイドラインが結ばれた後、八五年に作業が進められて国会に報告をされております。その後もその作業がいろいろと進んでいる。研究というんでしょうかね。かつてのその日米共同作戦計画が現在どこまで進んでいて、それが今度新たなガイドラインが策定された後に行われる作業とどういう接続関係になるのか、そのあたりのこともお聞かせいただければと思います。
○秋山(昌)政府委員 昭和五十三年に現行の日米防衛協力の指針が策定された後、それに基づきまして、特に現行のガイドラインの第一項、第二項、つまり「侵略を未然に防止するための態勢」あるいは「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」という一項、二項関連で共同作戦計画の研究を行ってまいりました。 これについて幾つかございます研究成果につきましては、当然のことながら、日米それぞれの判断で、それぞれの例えばいわゆる防衛計画といったようなものに反映していくという形で研究の成果を生かしてきたところでございます。 第三項の関係につきまして研究を進め始めましたけれども、これは具体的にある果実を得るというところまではまいりませんでしたけれども、こういった形で現在のガイドラインに基づいたいわば共同作戦計画といった研究をやってきたわけでございます。 今回も新しいガイドラインが、今の予定では秋につくりたいと思っておりますけれども、それができました暁に、その大枠あるいはその基本的な方向の中で共同作戦計画あるいは相互協力計画といったようなものを検討してまいりたいと考えております。
○福島委員 前回は七八年にガイドラインが結ばれまして、数年かかってできているわけですね。今回、数年というようなのんびりしたことでは恐らく済まないのではないか、できるだけ早くつくらなければいかぬのじゃないか。また、そのスケジュールと同時に、つくられた場合に、また国会に対して報告をしていただいた方がいいんじゃないかというふうにも私は思うわけでございますが、この点につきましてはいかがでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 確かに御指摘のとおり、現在のガイドラインに基づく共同作戦計画研究といったものにつきまして幾つかございますけれども、一九七八年以降、相当の時間をかけたということは事実でございます。今回はこの中間取りまとめにも書き込みましたが、計画的、効率的に進めるということで、気持ちとしては急いでやりたいという気持ちでございます。 同時に、現在のガイドラインに基づく研究の一つの欠点は、これは実は在日米軍と自衛隊の間でやってきたわけでございますが、今回、三つの大きな検討項目、例えば周辺事態も含めて検討しておるわけでございますので、特に、もちろん我が国が武力侵攻された場合も当然のことでございますけれども、それぞれの国におきまして、軍とか自衛隊だけではなくて、関係する機関、これは政府が中心になろうかと思いますけれども、たくさんあるわけでございます、そういう関係する機関も包括的に取り込んだ形でいわば新しいメカニズムをつくりまして、共同作戦計画の検討あるいは相互協力計画の検討というものを、まさに効率的に、そしてなるべく早く計画的に行ってまいりたいと考えております。
○福島委員 さらにちょっと御確認させていただきたいのですが、関係する機関——政府ですか、それは韓国のことを指すのでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 今申し上げましたように、米国と日本における軍とか自衛隊、防衛庁、それから、もちろんこれまでのガイドラインは外務省と一緒にやっておったわけでございますけれども、日本でいいますと、外務省、防衛庁、自衛隊以外の、例えば各省庁でこのガイドラインの具体的な検討をするときに、実は今このガイドラインをつくるときも相談をしておりますけれども、日本国内それからアメリカ国内の関係する機関という意味でございます。
○福島委員 ちょっと私の了解が悪かったようでございまして、また速記録を読ませていただきたいと思います。 また、策定後の対応ということでございまして、この報告には「この検討には、これらの考え方及び具体的な項目に関する法的及び政策的な側面の検討が含まれる。」ということが述べられております。 とりわけ、日本に対しての武力攻撃に対しての対処行動について考えますと、昭和五十六年、五十九年に国会に報告されておりますように、広範な法整備をしなければならない。有事立法と言いますと大変抵抗もあるかと思いますが、緊急立法と言った方がいいのでしょうか、また周辺事態における協力につきましても、やはりある程度の法整備は必要ではないかというふうに思うわけでございます。 これにつきましては、前向きな報道もなされておりますけれども、具体的にどうするのか。先日の報道では、米国の国防総省の高官が、最終報告後何年もかかるのではなく、何カ月の単位で着手していただくことを期待しているというような報道がございましたけれども、この点につきましての政府のお考えをお聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 今ここですぐどうこうするというわけではございませんけれども、この指針の見直しが秋までにまとまったとしましたときに、それを実行していくに当たってどういう問題があるかをできるだけ早く洗いざらい洗って、法整備が必要かどうか、そういう観点からも十分検討して、必要となれば、まだそういう作業にも入らなければならないというふうに思っておるところでございます。
○福島委員 既に、五十六年、五十九年に国会に報告されました資料も拝見をいたしましたけれども、準備としましてはかなりのことは進んでいるのだと思うのですね。ですから、そういう意味では、政治がどう判断するのかという問題ではないかというふうに私は思います。 次に、いろいろと細部の問題で恐縮でございますが、周辺事態につきましての御説明をもう一度いただきたいと思います。 先ほど日本の安全と平和に重要な影響を与える事態だという非常に定性的なお答えがあったわけでございますが、具体的には、朝鮮半島の有事、台湾海峡の有事、こういうものが含まれるのか含まれないのか、どうなのか、端的にお答えをいただきたいと思います。
○折田政府委員 周辺事態とは、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合をいうというのを先ほど来お答えしているところでございます。 今、特定の地名を挙げておっしゃいましたけれども、私ども、ガイドラインの見直しに当たりまして、特定の地域を念頭に考えているわけではございません。 それではどういう事態があるのかということでございますが、一般的に申し上げますと、日本周辺地域において日本の平和と安全に重要な影響を与えるような実力の行使を伴う紛争が発生する場合というようなことがまず考えられようかと思います。そのほか、周辺地域において実力の行使を伴う紛争が発生する場合以外にも、例えば国内の政治体制の混乱等により大量の避難民が発生しているような状況、それから、日本周辺地域内の特定国の行動であって、国際の平和及び安全の維持または回復のために経済制裁の対象となりているものが行われているような状況であって、日本の平和と安全に重要な影響を与える場合等が観念としては考えられるというふうに考えております。
○福島委員 外交的な問題もありますから、個別の御発言は差し控えられるのは仕方がないのかなというふうに思います。 もう一つは、例えば南シナ海の問題もあるわけですね。ここまで含まれるのかどうかといいますと、定性的に言いますと、日本の経済に大きな影響を与える海上交通が阻害されるような場合は、この周辺事態に含まれますか。
○折田政府委員 やはり特定の地名を挙げて云々というのは私ども考えているところではございませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、日本の平和と安全ということがキーポイントでございまして、日本の平和と安全に重要な影響を与えるような事態が発生した場合ということでございます。
○福島委員 同じ質問を繰り返していても仕方がございませんので……。 先ほども委員からの御質問がありましたけれども、日米両国間の調整メカニズム、これはどういうものを構築していくのかということが極めて大切なんだと思います。場合によっては、日本政府のあり方そのものを見直していかなければいけない。緊急の事態、有事というとあれですから、そういうときにどう対応するのかということで、やはり内閣のあり方を見直さなければいかぬという問題ともつながってくると私は思うのです。 調整メカニズムをつくるということは、調整を図る一元的な窓口をつくるということなんだと思うのですね。そして、政府部内の調整を図っていくということになるのだろうというふうに私は思うのですが、これはどのようにお考えでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 具体的にどういうメカニズムを構築するかにつきましては、これからさらに日米間でもあるいは関係者とも相談しながら検討することにしております。 イメージとして幾つかのイメージ、最終的にどういうことになりますか、ちょっとはっきりいたしませんけれども、例えば非常に簡単なメカニズムとしては、調整に必要な関係機関等の連絡先をまずはっきりと確認しておく。非常に初歩的なことでございますけれども、そういったところから始まりまして、日米の関係者が必要に応じ随時に会して調整を行う、例えば調整会議といったようなものを開催するといったようなこと。その中間としては、例えば調整が必要となる関係機関相互の間での連絡員の派遣といったようなこと。そういったことを今イメージとして描いておりますが、最終的にどういう形になるか、これからよく検討してまいりたいと考えております。
○福島委員 次に、検討項目の中の人道的活動についてちょっとお聞きをしたいと思います。 「避難民が日本の領域に流入してくる場合については、主として日本が責任をもってこれに対応」というふうに書いてあるわけでございまして、日本の責任だというふうに書かれております。 これを読みまして、責任だと言われても、日本にはそれに対応する能力がないのではないかというふうに率直に思うわけでございますが、現状も、避難民が大量に流入してきた場合にどのようなことができるのか、現在の態勢が不備であるとすればこれをどうするのか、これも法的な整備が必要なのではないかというふうに思いますけれども、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。
○朝海政府委員 大量の避難民が生じた場合の対策に関しましては、昨年来でございますけれども、内閣安全保障室を中心にいたしまして、政府部内におきまして鋭意検討を進めているところでございます。 その検討の中身については、現在、具体的に申し上げる状況にございませんけれども、避難民の受け入れ態勢の問題であるとか、その他もろもろの実務面の問題につきまして、種々検討作業を行っているところでございます。
○福島委員 検討だけではなくて、具体的にどうされるのか、ある程度のスケジュールを示していただかなければならないのではないかというふうに思うわけです。 また、こういう指摘もマスコミではありました、例えば武装難民が紛れ込んでいた場合にどう対応するのかと。これはどう対応されますか。
○朝海政府委員 御指摘のような点も含めまして、現在、内閣安全保障室が中心になりまして、検討を進めているところでございます。
○福島委員 確かに検討項目でございますから、検討中ということで仕方がないわけでございますが、秋に新ガイドラインが出されましたときにはきちっと御答弁をいただければというふうに私は思います。 次に、捜索・救難につきましては、極めて基本的な事柄でございますが、日本が捜索・救難活動に従事する範囲はどのようなものでございましょうか。
○秋山(昌)政府委員 この中間取りまとめにもございますように、捜索・救難活動は、周辺事態における協力ということでございますから、周辺事態が起きた場合の地域、日本周辺地域ということが中心になろうかと思いますけれども、この場合の捜索・救難の主体は海上保安庁あるいは自衛隊ということになろうかと思います。 当然のことながら、領海に限らないわけでございますが、我が国周辺の公海あるいはその上空であっても、このガイドラインのスキームの性格からいたしまして、ほかのところにも出てまいりますけれども、戦闘地域と一線を画する地域における活動が中心になろうかと思っております。
○福島委員 例えばこの捜索・救難の対象ですけれども、戦闘により遭難しました米兵の捜索・救難を行うということは許されているのでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 捜索・救難活動の対象者は、まさに遭難者、この場合は要するに航空事故あるいは海難事故ということかと思いますけれども、遭難者が中心であろうかと思います。 いろいろなケースがあろうかと思いますので、もちろん難民が遭難するという、これは海難事故と考えればいいわけでございますけれども、遭難者が中心でありますが、その遭難者の中に兵士も含むと考えております。
○福島委員 次に、非戦闘員を退避させるための活動についてお聞きしたいと思います。 「緊急事態に際して、日米両国政府は、状況が許す限り、各々の国民を安全な地域に退避させる。」「自国の国民の退避及び現地当局との関係について各々責任を有する」、それぞれがしっかり頑張らなければいけませんという内容だというふうに思います。 この点につきましても大変心配でございます。政府は、現在、自国民の退避について具体的にどのような対応能力をお持ちですか。
○齋藤政府委員 従来から、緊急事態が発生した場合に、その地に住む日本人、在留邦人の保護あるいは緊急避難のためにいろいろなケースを想定しまして、その態勢の整備を鋭意進めております。 実際に、御指摘のように退避を必要とする事態が発生した場合には、その事態に応じましてあらゆる手段を活用して可能な限り対応を行うように努めておりますけれども、従来の例ですと、政府はみずから飛行機をチャーターするとか、チャーターする場合も、日本からチャーターするあるいは第三国からチャーターする、それから場合に応じまして第三国の飛行機、軍用機に乗せてもらうというようなことをしておりましたけれども、御承知のとおり、平成六年十一月の自衛隊法の改正によりまして、緊急事態における邦人輸送を目的とする政府専用機等自衛隊機の派遣が可能となっております。 今後、こういう事態も含めまして、救援機の派遣とか、あるいは友好国への邦人救出要請等、個別の状況に応じまして、その時点で一番いい手段を活用するということで、適時適切な退避が可能となるよう最大限の努力をしていく所存でございます。
○福島委員 最大の努力をしていただくというのは当然であると思いますが、具体的な姿がなかなか見えてまいりません。例えば一日で何人運ぶ能力があるのかとか、そのあたりのことも不透明でございます。 また、自衛隊法が改正されて、政府専用機、輸送機が派遣できるようになりましたけれども、安全が確保されていると認めるときといっただし書きがついているわけですね。当然、非戦闘員を退避させるための活動ですから、安全な地域ではない。安全な地域ではないところが対象になっているということなんだというふうに私は思います。 ですから、今回これを検討するということであれば、やはり自衛隊法を再度見直す必要があるのじゃないか、それは必要だというふうに私は感じますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 現在、自衛隊法第百条の八で、外国における災害、騒乱その他の緊急事態に際して、生命等の保護を要する邦人等を、外務大臣からの依頼に基づいて、自衛隊が派遣先国から本邦等の安全が確保される地域へ輸送するということができる、そういう規定があるわけでございますが、これは、次のような考え方によるものでございます。 在外邦人の航空機による輸送を行う場合、領空通過及び領域内への飛行については、これはまず派遣先国の許可を得なければならないわけでございます。そして、当該派遣先国が領空通過及び領域内への飛行を許可する場合は、これは当該国政府の措置等によって輸送の安全性が確保されていることが前提になるわけであります。 また、派遣先国の空港及び飛行経路におきまして安全が確保されないと我が国が判断した場合には、仮に危険を承知で輸送を行った結果、邦人に事故等が起こるような事態も想定されるわけでございまして、そういうことになれば、在外邦人の安全確保というそもそもの目的を達成することができなくなってしまうということでございますので、あえて輸送を実施するといったことは、これは想定していないわけでございます。 なお、御質問にございました、いろいろ紛争状態とかそういうこともあるのじゃないかということでございますが、この輸送は、つまり自衛隊法第百条の八に基づく在外邦人等の輸送は、外国における災害、騒乱その他の緊急事態に際して行うこととされておりますが、この緊急事態とは、治安や秩序が乱れ、人の生命及び身体に対して危険が存在する状態をいい、例えば、御指摘になりましたような、紛争によりこのような状態がもたらされることも排除されていないと考えております。 そして、今私が申し上げましたこととそこをつなぎ合わせますと、当該国において紛争が生じている場合であっても、紛争の行われている地域、紛争の状況等から判断いたしまして、安全が確保されていると判断される空港及び飛行経路を選んで輸送するということが十分考えられると考えております。
○福島委員 また、飛行機は派遣できるわけですけれども、飛行機に乗せられる人の数というのは限られているということがございます。一部には、海上自衛隊の艦船の派遣も必要になるのではないかというような指摘もあります。これも有事の場合を考えた場合に、当然検討しなければいかぬ項目だというふうに思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○久間国務大臣 確かに現在は飛行機だけでございまして、飛行機の場合は、非常にスピードは速いわけですけれども、乗る人数が非常に限られるという問題がございます。したがいまして、今後、どういうニーズがあるのか、そういうのを検討しながら、その場合に自衛艦の派遣が可能かどうか、そういうこともこのガイドラインの見直しの過程において検討していかなければならない問題じゃないかと思っております。
○福島委員 時間も残り少なくなってまいりましたが、次に米軍の活動に対する日本の支援ということでございます。 近年、日米物品役務相互提供協定というのが結ばれたわけでございます。これはあくまで平時の協定であるということでございますが、今回の見直しはその後方支援が広範に検討されるわけでございますけれども、有事の際の戦時接受国支援協定、WHNSですか、これを最終的に締結するような方向を目指されるのか、それはだめだよということなのか、そのあたりの御見解をお聞きしたいと思います。
○折田政府委員 昨年、国会で御承認いただきました日米物品役務相互提供協定、いわゆるACSAでございますけれども、これは、自衛隊または米軍が、日米共同訓練だとかPKO活動、または人道的な国際救援活動のために必要な物品または役務を相互に提供することを規定しておりますので、この協定のもとで、現在中間取りまとめに挙げているような協力は基本的にはできないと私ども考えております。 そして、後方地域支援等の実施のためにどういう態勢をとったらいいかということは、今後十分に検討していく必要があろうかと思います。そのために、日米間であるいは国内において具体的にどのような枠組みあるいは法整備が必要かどうかという点も含めまして、私ども真剣に検討していきたいと考えております。
○福島委員 あくまで個別の協定の積み上げで対応したい、こういうことなのでしょうか。 次にお尋ねしたいことは、後方地域支援ということです。 これはマスコミでも繰り返し指摘されておりますが、「戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本周辺の公海及びその上空」この一線を画されるということにつきまして、改めてその意味するところをお教えいただきたいと思います。
○折田政府委員 戦闘地域と一線を画された地域と申しますのは、戦闘に巻き込まれることが通常予測されない地域をいいまして、紛争の全般的状況、相手方の攻撃能力、航空優勢の確保等を総合的に勘案して判断されるものと考えております。 日本周辺の公海上またはその上空で後方支援を行う場合に、戦闘地域と一線を画された地域で行われることをいかに確保するかについては、今後検討していきたいと考えております。
○福島委員 通常、戦闘が及ばないということは大変技術的な問題なのかなというふうにも思うのですね、それぞれの兵器の性能ということもあると思いますし。 通常予測されない事態が万一起こった場合には、これはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 ただいま北米局長から答弁がありましたように、戦闘に巻き込まれない地域として、戦闘地域と一線を画する地域をどういう要素で判断していったらどうだろうかということを現在議論している最中でございますが、まさに通常起こり得ないようなことが起こらない地域を何とか探したい、こういうことで考えているわけでございます。
○福島委員 理解がなかなか難しい御答弁でございます。余り繰り返してもあれですから。 先ほども他の委員から御指摘がございましたが、民間の能力を活用するということが極めて大切になるのではないかというふうに思います。 例えばNATOの場合には、民間の力を効率的に利用するための八つの機関があり、また民間緊急計画というのを持っているというふうに伺っております。米本土からの輸送のため、西欧諸国は六百隻の船舶と約八十機の大型輸送機を提供することになっている。これは原本に当たったわけではございませんので、あれなんですが。 この民間の能力を活用するという場合には、これも一定の枠をつくっていかなきゃいかぬというふうに思うわけでございますが、まだ検討中ではありましょうけれども、どのように基本的にお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○折田政府委員 米軍に適切な後方地域支援を実施するためには、政府が持っております能力はもとより、地方公共団体や民間が有する能力を活用する必要があると考えているわけでございます。そのために具体的にどのようなことがなし得るのか、これは新しいガイドラインの作成に向けた作業、それからその後の日米共同作業の中で関係省庁の協力を得ながら検討していきたいと考えております。
○福島委員 全然検討していないという御答弁のようですが、国防総省が八八年に出しました「共同防衛への同盟国の貢献度」というレポートですか、「日本は大きな民間航空・海上輸送力を有しており、有事のさいの米軍支援方法について、長期的な研究を開始した」というふうに報告されているわけでございまして、それから十年近くたちますのでさまざまな検討は実は部内には既にあるのではないかというふうに思いますが、いかがなんでしょうか。
○折田政府委員 民間の協力について何か包括的な取り決め的なものがあるかということでございますが、そのようなものは今のところございません。
○福島委員 次に、補給と輸送につきましてお尋ねしたいと思います。 補給の場合には武器弾薬は除かれるわけですが、輸送の場合には武器弾薬は除かれないという理解でよろしいのでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 そういう理解で結構でございます。
○福島委員 補給は、要するに米軍が必要ないと言ったからそういうふうになったんだということなんでしょうか、経緯は。
○秋山(昌)政府委員 これまで長い間議論してまいりました。そういうことでございます。
○福島委員 次に、整備の問題です。 細かな話で大変恐縮でございますが、「米艦船・航空機・車両の修理・整備」。整備しますと、また当然戦闘に参加していくということになろうと思いますが、この戦闘との一体性ということが云々されるわけでございますけれども、この点についてはどのような整理をしておられるのでしょうか。
○折田政府委員 「米艦船・航空機・車両の修理・整備」とございますが、これらの活動は、私ども、それ自体としては武力の行使に該当するものではない、該当しないものであるというふうに考えておりまして、このような活動を我が国領域内において実施いたしましても、武力行使との一体化の問題は生ずることは基本的にはない、想定されないというふうに考えております。
○福島委員 次に、警備の問題につきましてお聞きしたいわけでございます。 米軍施設・区域周辺海域の警戒監視につきましても検討項目に上がっております。この区域周辺海域というのは、領海にとどまるのか、それとも公海にも及ぶのか、この点についての御認識をお聞きしたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 米軍施設・区域周辺海域の警戒監視を含めまして、指針見直しで検討しております後方地域支援は、日本周辺地域において発生し得る事態で、いわゆる周辺事態が生じた場合において、安保条約及びその関連取り決めに基づき米軍が行う施設・区域の使用あるいは諸活動が効果的に行われることを主眼とするものであります。 したがいまして、後方地域支援の活動の範囲につきましては、主として日本領域内において行われるわけでございますが、戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本周辺の公海及びその上空において行われることもあるものであります。御指摘の米軍施設・区域周辺海域の警戒監視につきましては、かかる範囲内で当該米軍施設・区域周辺の我が国領域を中心として行われることを想定しているところでございます。
○福島委員 まさにこの場合こそ、例えば米軍の施設がある、そこにゲリラを送り込もうというような戦闘行動を予定することがあるのではないかと思うのです。遠く向こうの方で戦闘していて、ずっと離れていて、とてもこちらには及ばないだろうと思っても、向こうが潜水艦か何かでやってきて、ゲリラを送り込むためにやってくる、その途中ではったり遭うということも当然あり得ると思うのですね。 その場合にはどう対応されるのですか。どこまですることが許されているのですか。
○秋山(昌)政府委員 仮定の御質問ですのでお答えしにくいわけでございますけれども、しかし、一般論といたしまして、我が国の領海内に潜水艦が入ってくる、あるいはゲリラコマンドが入ってきて、それが我が国の領土、領海に対する武力的侵害であるということでございますならば、それは警備の範囲を超える話かと思います。 もちろん防衛出動というようなことに入っていくわけでございますけれども、それ以前の問題としてはもちろん海上保安庁、しかし、海上保安庁の手に負えない場合には自衛隊による海上警備行動というものがあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、我が国の領土、領海に対する武力侵攻があった場合でありますと、これは自衛隊法の第七十六条の世界に入っていくものと理解しております。
○福島委員 済みません。最後一問だけ。質問時間が終わったのですけれども、先ほど領海というふうに局長は答弁を指定しなかったのですよ。ですから、僕は公海も含まれると思った。そこで警備行動をしておる、そこにやってきた、そのままどうぞ行ってらっしゃいと言って素通しさせるのかどうなのか、そこをお聞きしたがったのです。
○秋山(昌)政府委員 我が国に対する武力行使というのは領土、領海に限らないわけでございます。したがいまして、その行為が我が国に対する武力行使であれば、公海上であっても七十六条の世界に入り得ると考えます。
○福島委員 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
○平田委員長代理 次に、前原誠司君。
○前原委員 民主党の前原誠司でございます。 通告をしております質問要旨に従いまして、順次質問をさせていただきたいと思います。 今回出されました中間報告におきまして、細かな点もたくさんございますけれども、きょうは、ちょっと大きな観点から、日本の安全保障という観点からこのガイドラインの見直しがどういう位置づけになるのかといった視点から御質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、防衛庁長官にお伺いしたいのですけれども、今回の防衛協力の指針見直しというのは日本の防衛政策における変更を意味するのか、あるいは変更ではないのか、その点、ちょっとお聞かせいただけますか。
○久間国務大臣 我が国の基本的な防衛政策を変更するものではないと思っております。
○前原委員 ということは、この防衛協力の見直しということをやっていくと、私もよく地元で聞かれるのですけれども、これを行うことによってより防衛費がふえるのではないか、こういうような懸念を持っておられる国民の方というのは、私は多いと思うのですよ。 ということは、確認をさせていただきたいのですけれども、防衛大綱や中期防で定められている今の額、装備の新たな充実につながらないというふうに認識をしてよろしいのですね。これは防衛力の強化、つまり装備品の強化ということにははね返ってこないという認識でよろしいのですね。
○久間国務大臣 これでもって直ちにはね返るということじゃないと思います。 ただ、今問題になっておりますけれども、現在、中期防等について見直しをやりました。そういうような形の中で、見直しをする場合に、どれだけのものが今後必要になって、どれだけのものが要らなくなるか、そういうプラス・マイナスはないとは言えませんけれども、基本的には、現在の防衛大綱を踏まえた上でガイドラインの見直しをやっているということでございます。
○前原委員 今防衛庁長官がおっしゃったことで確認をしたいのですけれども、直ちに防衛力の増強とかにつながるものではないとおっしゃいました。ということは、このガイドラインの見直しをやる中で、中期防というか、中期防は減額するという話ですから、その内容についても後で御質問しようと思うのですけれども、直ちにとおっしゃった意味はどういうことですか、将来的には増加をする予定があるという意味を含んでおっしゃっているのですか。 〔平田委員長代理退席、委員長着席〕
○秋山(昌)政府委員 中期防の見直しをこれからやりますので、現在ございます中期防の、我々いろいろなことを考えました積算といいましょうか、事業といいましょうか、そういうものを見直しせざるを得ない状況にあるわけでございます。 その中で、例えばという例を挙げてよろしいかもしれませんけれども、このガイドラインの見直しの過程で議論になっております、そしてこの中間取りまとめにも出ております、日米共同訓練とか日米共同演習とかいうものがございます。そういう日米間の安全保障システムの信頼醸成、信頼性の向上のための事業について、例えばこれを他と同じようにカットするかしないかというような意味においては関係してくると思いますが、大きな意味での、例えば防衛力整備といったような面では関係がないというふうに基本的におとりいただいて結構だと思います。
○前原委員 では、別の角度から御質問しますけれども、今回のこの防衛協力の指針の見直しについては、現在日本が持っている装備の中ですべて対処できるものである、こういうふうに理解をしてよろしいのですか。長官、いかがですか。
○秋山(昌)政府委員 現在持っておる装備品とか、あるいはある意味で防衛力で対処できるのかという御質問でございますが、現在持っているもので対処したい、こういうことでございます。
○前原委員 わかりました。九千二百億円の減額の話は後で御質問をさせていただきます。 国民の中で、今質問したような防衛力の強化につながるのではないかとかいう懸念は、この防衛協力の指針の見直しにおいてはないということを断言されたということで確認をさせていただきました。 次に、この防衛協力の指針の見直しというのは一体だれのためになるのか、こういう質問をさせていただきたいと思うのです。 先般、この議論をやっていく上で、うがった見方も半分ありますけれども、これはアメリカのアジア・太平洋戦略の一角を日本が占めることになるのではないか、つまり、アメリカの戦略というものを後押しする役割、公共事業でいうと下請のような役割を占めるのではないかという言い方もあります。しかし、この防衛協力の指針の見直しというのは、日米安全保障条約に基づいて当然やられるわけでありますから、これは日本の安全に資するということ、つまり、米軍がいざというときに日本を守ってくれるということでなければいけないと思っております。したがって、この防衛協力の指針の見直しというのは日本を守ってくれるための協力になるのか、その点いかがですか。
○久間国務大臣 日本を守ってくれるための協力ということではなくて、日米安保体制によります日米関係をより信頼性の高いものにするために相互に協力するということでございますので守ってもらうための今度のガイドラインの見直したという表現は、ちょっと適切でないのじゃないかという気がいたします。
○前原委員 私は、今の長官の御答弁の方がちょっと本末転倒じゃないかと思うのです。 日米関係を強化するための見直しであると、しかし、安全保障条約というのは、万が一日本の国に何か起きたとき、あるいは周辺で起きたとき、あるいはそういうことにならないために日本とアメリカが結んでいる条約であって——日米関係を強化するために持っている、付随的にそういうものがつながっている、また基軸であるというのはわかりますけれども、日本の安全に資するものでなければいけないというのは根本的な認識だと思うのですね。 だとすれば、この日米の防衛協力の指針の見直しというものが日本の安全保障の強化につながる、守ってくれるという言い方がまずかったかもしれませんけれども、日本の安全保障の強化につながるということでよろしいのですね。
○久間国務大臣 日米の信頼関係をより強固なものにするためにつながっている、そういうふうに理解して結構だと思います。 また、その結果として、今言われましたように、今度のガイドラインの見直しの、特に第三項は周辺有事であって、我が国の平和と安全のために米軍が出かける場合に、我が国がどれだけ協力できるかということを明らかにするということでございますから、それは日本の平和と安全にプラスするものだ、そういうふうに理解して結構です。
○前原委員 国民の意識からすると、これを見直しをすることによって日本はより安全な国になるのかどうか、そういう点が一番気にかかる点だと思うのですけれども、それでいいのですね。(久間国務大臣「そのとおりです」と呼ぶ)はい、そのとおりですという答弁です。 次の観点からまた御質問させていただきたいと思いますが、防衛協力をすれば日本の安全にプラスになるということでありますけれども、逆に、防衛協力というものを強化しなければ日米安保がだめになる、こういう議論がございます。 要は、今、日本とアメリカの間で結んでいる日米安保というものが、例えば周辺諸国で何か起きたときに、今のままでは日本はそれについて何もできない、また法的な整備もしていない、したがって、いざそういうことが起きて、日本が何もできないということになったときに、日米安保そのものがだめになるという議論があります。 防衛協力をさらに強化しなければ、さらにというか、今防衛協力がどれだけあるのかという問題もございますけれども、日米安保が果たしてだめになるのかどうかといったところの議論をしていきたいと思いますけれども、その点について、論拠といいますか、論理の構築を、外務大臣でも結構ですし、防衛庁長官でも結構なんですけれども、ぜひお話ししていただけますか。
○池田国務大臣 私は、日米安保体制が有効に機能するためには、両国がこの体制に意義を認め、そのためにお互いに協力しようという姿勢が大切だと思います。そして、その根底には、やはりお互いに対する信頼関係が大切だと思うわけでございます。 そういった観点から申しますと、今回のように、いろいろな場面での日米の協力関係をさらに強化充実していこうという努力は信頼性を高め、そして日米安保体制の有効性、したがって、我が国の安全を守る上での効用といいましょうか、価値も高めるものだと考えております。逆に申しますと、今申しましたような信頼性を高めるという努力が長期間にわたりなおざりにされた場合には、枠組みとしての体制がございましても、それの効用というものが減殺されてくるということは理論的には言えるのだと思います。 しかし、我が国といいましょうか、日米安保体制につきましては、これまでも双方の協力、努力を通じまして信頼性の確保に努めてまいりましたが、また、こういった現在の国際情勢の中で、さらにその信頼性を高め、効用も高めていこうという努力、その一環として今回の作業があるというふうに御理解賜りたいと思います。
○前原委員 信頼関係を高める、強めるという意見、それは、当然そうだと思います。 私が質問したかった観点というのは、日米安保条約を結んでいるメリットというのはお互いあるだろう。アメリカにとってもあるし、日本にとってもある。 アメリカにとってのメリットというのはどういうものかということを考えたときに、アジア・太平洋の、特に沖縄なんか非常に戦略的に、地政学的にも重要な地点に基地を持てるということ自体がアメリカにとって大変プラスだと思うのですね。そのこと自体でも相当プラスである。しかも、ホスト・ネーション・サポートということで、大きな概念でいうと、駐留経費の約七割ぐらいを日本が負担をしている。こういう国はほかにないわけです。そういう面からすると、この日米安保条約というもの自体が、現在でもアメリカにとっても相当メリットがあるということだと思うのですね。 それで、よく双務性の話がありますけれども、集団的自衛権の行使をしないから双務性でないということではなくて、お互いの国にとってどれだけメリットがあるのかということ、それは数量的にはあらわせませんけれども、アメリカにとってもメリットがある、日本にとってもメリットがある。しかし、アメリカにとってもメリットがあるのに、この防衛協力の指針を見直しをして強化しなければ日米安保というものが瓦解をするというふうなことは、なかなかそれは結びつかないと思うのですね。長官、その点についてちょっと。
○池田国務大臣 あらゆる条約についてそうだと思いますけれども、日米安保条約につきましても、その締約国の両当事者にとりましてメリットがある、そういうことで成立しているわけでございます。 それは米国にとりましてどういうふうにメリットがあるかと申しますと、米国自体が太平洋国家でございます。それと同時に、米国は経済面におきましても、現在、アジア・太平洋地域の多くの諸国との間の貿易を通じて、あるいは投資の関係を通じていろいろなインタレストを持っておるわけでございますね。ほかの政治、文化、その他の面についてもいろいろあるわけでございます。そういった、みずからが太平洋国家であり、それと同時に、アジア・太平洋地域に大きな利害を有する米国自身の立場として、この地域の安定が保たれるということは自分自身のメリットである、それはおっしゃるとおりでございます。それを確保するために日米安保体制も役立っている、米国のためにメリットである、それはそのとおりでございます。 しかし同時に、これは日本自身にとって、みずからの安全と平和を維持するために非常に大きな役割を果たしている。そして、この安保条約を通じて米国が果たしてくれる役割というものが、我々日本の安全、平和のために大きな役割を果たしている、日本にとってメリットであるということも、これは言うまでもないことでございます。 そして、両締約国の一方にとってのメリットが、すなわち、他の当事者にとってのデメリットになっているわけではない。双方にとってメリットであるという部分が、この安保体制のもたらすそういういろいろな効果の中では多いんだと思います。もちろん、部分的にとればそうでない面もございますよ。一方のメリットのために一方が負担になるという面もございますが、全体として見れば、双方にとって価値があり、効用があり、メリットがある、そういうものだと思います。 そして、権利義務の関係について、必ずしも一方的にアメリカが義務を負うものではない、それはいろいろなことがある、それはそのとおりでございます。通常片務性と言われますのは、いわゆる集団的自衛権の行使の関連において片務性があると言われるだけの話でございまして、条約全体として見れば、これはお互いに義務を負い、そしてお互いの共通の利益、またそれぞれの当事者の利益を守るために役立っているものだと思います。
○前原委員 もっとピンポイントに御質問します。 私が聞きたいのは、日米安保条約というのはお互いメリットがある、今るる外務大臣がおっしゃったとおりです。私は、その認識は全く一緒です。メリットをアメリカは持っているじゃないか、だったら、例えば周辺地域で何か起こったときに日本が協力しなくても、それで日米安保が瓦解になるということではなくて、アメリカ自身もそれにメリットを感じているのだったら、改めて日米防衛協力をしなくても日米安保そのものが存続するんじゃないかというような考え方もあるということです。それについて御答弁ください。
○久間国務大臣 今度の日米防衛協力の指針の見直しをしないからといって安保体制が崩れるわけではないわけでございまして、まずそういう認識をしていただきたいと思います。 安保体制は、機能的には十分今果たしておるし、これからも続きます。しかしながら、することによってより以上に相互の信頼関係が高まるであろう、そして、それがまた日本の平和と安全のためにプラスするということならばいいことじゃないか、そういうふうに理解していただくことが一番肝要じゃないかと思うのです。
○前原委員 今防衛庁長官がおっしゃったのは、要は、この防衛協力の見直しをしないで、仮に周辺諸国で何かがあって、アメリカがやって、それについて日本が協力しなくても日米安保体制自体にとっては揺るぎはない、そういうことですね。
○久間国務大臣 それはちょっと論理が飛躍でありまして、現在は機能しているが、周辺で何か起きた場合という仮定の話をされて、そのときにアメリカが出ていって何かやっているのに日本が何もしない、しないでおっていいかとなりますと、そうなると信頼関係がかなり損なうのじゃないか。それはこの指針の見直しを現在やるかどうかの問題ではなくて、そのときも何もしなかった場合という仮定で議論されますと非常に困るわけで、そういうときにしないことはないと思うんですよ。 しかし、それをしっかりした形で、お互いが今度の見直しみたいなものでこういうふうにしよう、しかも共同計画までつくろうというような形の方がよりそれを高めることになる、そういうふうに理解していただくことが一番自然じゃないかと思うんです。
○前原委員 私自身はこの防衛協力について否定的なことを言っているんじゃなくて、私自身も、この防衛協力を見直して、そしてある程度日本ができることについてはきっちりやることが日米安保体制の強化につながっていくと思います。 ただ、国民全体とかあるいは対外的に説明をするときに、アメリカにとっても日米安保を結んでいるメリットというのはあるわけですよね。だから、そういうものがあって、なおかつ信頼性を高めるとか、さっきおっしゃった日本の安全環境をより高めるためにこういう防衛協力の見直しが必要なんだということで私は理解をしていますし、まだそういう認識でいいんだと思います。 先に進ませていただいてまたいろいろ議論させていただきたいと思うんですが、この防衛協力というのは、日本にとっても、基本的に日本の安全保障はこうあるべしという中で、こういうふうな防衛協力をしてもらったらよりいいなといったところが含まれていなきゃいけないと思うんですね。 ただ、これを見ておりますと、私自身、アメリカから要望されたことについて、日本が、これはできます、これはできませんというようなものに終始をしているような気がしてならない。そうしたときに、日本に求められる防衛協力であって、日本が求める防衛協力というのは一体何なんだ。八日未明に出された中で、日本がアメリカに対してこういう防衛協力をしてほしいと求められたものはありますか。
○折田政府委員 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動の中では「米国は、日本に対して適切に協力する。」ということで、まさしく安保条約五条に書いてあることの実効性を高めるようなことがまずございます。 それから、いわゆる周辺事態、日本の平和と安全に重要な影響を与える場合の協力でございますけれども、この協力は、日本自身の安全確保の観点から、憲法上の制約の範囲内において米国の活動を支援するとともに、自衛隊の運用や人道的活動等を通じて米国との協力を図ろうとするものでございます。中間取りまとめを読みますと、「周辺事態に際して、日米両国政府は、適切な対応措置を講ずる。」というふうに述べております。 これは、日米双方が、言ってみれば役割分担に沿った活動を前提とした記述でございまして、例えば施設の使用、後方地域支援だけとりますと、我が国が米国に対して行う支援措置で、一方的に日本だけのような印象を持たれるかもしれませんが、米軍が事態に対して行動するということが前提となっておりますし、運用面の協力のところにおいては「米軍は、日本周辺地域における平和と安全の回復のための活動を行う。」ということが書いてあるわけでございまして、このようにそれぞれの役割に応じまして日米が相互に協力するという考え方でできているわけでございます。
○前原委員 質問に答えていただきたいのですが、日本が改めて防衛協力を要求した中身というのは具体的にどれですか。 今の北米局長の御答弁ですと、例えば平素からの協力とかあるいは日本有事の際なんかは、細かな点、法整備はできていないけれども、昭和五十三年のガイドラインでもそういう話はしているんですよ、その内容については。今回改めて日本側としてどういう要望を、さらに防衛協力をしてほしいという要望をしたのかどうか、すべてアメリカから言われたものじゃないかというふうなことを言っているわけです。その点についてお答えいただけますか。
○秋山(昌)政府委員 現在のガイドラインの第三項におきまして、極東有事における我が国の便宜供与というのがあるわけでございます。それで、その研究は進んでなかったわけでございますけれども、考え方としては、今回新たにいろいろと米側に対する便宜供与をするということではなくて、何ができるのかできないのかを明確にしたいということでこれまで米側と議論してきたわけであります。 そして、今折田局長から話がありましたけれども、もちろん安保条約六条はございますが、「日米協力の機能及び分野」の「運用面における日米協力」というところで、「米軍は、日本周辺地域における平和と安全の回復のための活動を行う。」これは軍事行動も含めてということでありますから、ある意味で最大の、便宜供与という言葉はちょっとおかしいと思いますけれども、日米防衛協力の中の、米側の日本に対するある意味で最大の協力であろうと思います。もちろん、第二項に言うところの我が国が武力攻撃を受けた場合の話も含まれますけれども、これは従来から議論しているわけでございます。 あえて今の前原先生の御質問に答えますと、例えば人道的活動のうち被災地への人員及び補給品の輸送と被災地における医療、通信及び輸送については、これはまさに日米が相互に支援するということで、今回新たに議論したものでございます。 また、避難民の取り扱いに関しまして、避難民が日本の領域に流入してくる場合につきまして、これはこれまでも議論がございましたけれども、主として日本が責任を持って対応すべきものでございますが、米国は適切な支援を行うということが書いてあるわけでございますし、検討項目例にございますところの避難民の救助及び移送並びに避難民に対する応急物資の支給は、これはまさに米国の日本に対する支援を想定していると我々は理解しております。 捜索・救難にございますところの捜索・救難活動及びこれに関する情報の交換は双方が実施するものでございますし、同じく国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保するための活動のうち、船舶の検査及び関連する活動は日本だけではなく米国が行うことも想定しておりますし、情報の交換は双方が実施するものでございます。 あと二点申し上げますと、非戦闘員を退避させるための活動のうち情報の交換は双方が実施するものでございますし、運用面の協力にあるところの警戒監視、機雷除去及び海空域調整はいずれも双方が実施しまたは調整するものでございます。 なお、今回の「周辺事態における協力」の(ホ)にございます「米軍の活動に対する日本の支援」は、まさに日本が米軍に対して支援をするものをまとめたものでございます。
○前原委員 平成六年に朝鮮半島が緊迫をして、そのときに国連決議がなされるかどうか、北朝鮮に対して制裁をやるかどうかといったところで、アメリカから対日支援の要求というのが来ていますよね。平成七年の十二月一日の統幕四室は、在日米軍司令部第四部から対日支援要求第三次案の幕僚資料というものを入手をして、それが千五十九項目に減少をして、そしてその類型化を行う作業をされていた、こういうふうに私は認識をしています。 今回の防衛協力、特に周辺有事の際というのは、今秋山防衛局長が、アメリカが新たにやってくれるものもあるんだということを列挙されましたけれども、私の認識では、基本的に、アメリカから出てきた要望を類型化して、日本がそれをやり得るということで対処をすることになっているのではないかと思います。それがだめだということを私は申し上げるつもりはない。ただ、もっと日本が要望することもあるんじゃないかということをこれから質問をさせていただきたいわけであります。 その前にちょっとお尋ねをいたしますけれども、アメリカの核の抑止力という言葉が今回中間報告にも出ていますね。三ページに「核抑止力を保持するとともに、」ということが書いてありますけれども、アメリカというのは、根本的な質問になりますけれども、本当に核の傘、ミサイルの傘になってくれるんですか。
○池田国務大臣 日米安保体制のもとでは、当然でございますが、米軍が有する全体としての軍事力、これは通常戦力だけではなくて核戦力も含まれておるわけでございますが、それの総和としての軍事力が抑止力として機能しているわけでございます。そういった意味で、中間取りまとめにおいても「米国は、そのコミットメントを達成するため、核抑止力を保持する」ということが明記されておるわけでございます。
○前原委員 抑止力というのは、例えばアメリカ自身が核を持っているわけですけれども、アメリカに対する攻撃の抑止力と同盟国の日本の抑止力というのはちょっと変わってくるのですね。例えば日本に対してある国がミサイル攻撃を行ってきたときに、ニューヨークやワシントンに報復をされるかもしれないような危険を冒して、日本に対してのミサイル攻撃に対して本当に報復攻撃をするのかどうかという点は、これはずっと議論をされ続けていますね。ですから、自国に対する抑止力と同盟国に対する抑止力というのは違うのですよ。だから、そういうものが本当に保障されているのかどうかということですよ。その点について御答弁いただきたい。
○池田国務大臣 先ほど申しましたように、基本的に、日米安保体制上で、通常戦力と核戦力の総和としての米国の軍事力全体が我が国を守るための担保になっているわけでございまして、このコミットメントはこれまでも米国がいろいろな機会に明白にしてきたところでございます。そういったことを踏まえまして、先ほども申しましたように、今回も中間取りまとめに明記されているわけでございます。 そして、今委員が、そうはいっても、幾ら同盟国であっても、みずからの国を守るのと他国を守るのとでは違うだろうという御指摘がございましたが、それは、一般論としてはそういうことがあるということを私も否定いたしません。 しかし、同盟関係というのは一体何かといいますと、お互いに同盟関係にある他方の安全なり存立というものが自分にとっても非常に大切だという観点から同盟関係に入るわけでございまして、また、同盟関係の他方の緊急事態に対しては力を尽くそうという関係だと存じます。 そして、日米間におきましては、現在、安保体制のもとで、単に安全保障面だけではなくて、経済から文化から政治からいろいろな面で共通の面もございますので、そういった意味でのいわば運命をともにするという言い方もできましょうか、他方の安全というものは自分自身の安全でもあるといった利害関係の重なり合い、その上に立った気持ちというものも十分大きなものがあるとは思います。 しかし、先ほど冒頭の方で委員の御議論にもありましたように、どうするのだ、この安保体制の信頼性を高める、維持するという観点からいうと、本当に他方の安全が脅かされるときに、本気で持てる力をフルに使って行動するかどうか、これを担保するためにはいろいろな努力をしていかなければいけないだろう、それは、信頼性を高めるというのとはまた違った意味での信頼関係をお互いに高めていくという努力が必要だろうというふうに考える次第でございます。
○前原委員 アメリカというか日本の同盟国という意味ですけれども、みずからの国益があるから同盟関係を結んだ、メリットがあるから同盟関係を結んだ、そのとおりなのですね。ということは、逆に、メリットがない、あるいはそういう危機が訪れたときには条約というのは解消してもいいわけです、言ってみれば。 ですから、私が申し上げたいのは、今回こういう防衛協力の見直しをして、具体的な防衛協力項目についてお互いが確認をし合おうという中で、そういったものをなぜ確認しないのか。例えば、今日本で、これは地元に帰りましてもいろいろ議論があります、北朝鮮、ノドン、本当に大丈夫かという議論があるわけですね。例えば長官なんかはよくそういう話を聞かれていると思います。 別に北朝鮮と限定しなくても、第三国からミサイル攻撃を受けた場合については、今回の場合でしたら「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」の分類に入ると思いますけれども、アメリカもみずからが攻撃されたとして、例えばミサイルに対しての報復攻撃をするとか、そういう項目を何で日本が要望しないのか。 そういうことをきっちり書くことによって、それだったら本当に核やミサイルの抑止力というものが高まって、防衛協力というのは本当にいいなと。アメリカから言われたものだけやっているのじゃない、日本についてもこういうものをやってほしいということはきっちり盛り込まれている、しかも、今日本が一番心配をしているミサイル攻撃を受けた場合、本当にアメリカはやってくれるのかというところをきっちり書いてもらったらいいと思うのですよ。そういう議論は全くなかったのですか。
○池田国務大臣 そもそも、それは日米安保体制の基礎、根底にあるところでございます。米国は日本の平和と安全を守るためにこの安保体制に基づいていろいろな役割を果たそうということを約束してくれておりますし、そのために具体的なコミットメントもしているわけでございます。 もとより、先ほど来委員がいろいろおっしゃいますように、そうはいっても、それはアメリカ自身のメリットがあるからだろうと言われる、私はその部分は否定いたしません。それは確かにございます。 しかしながら、単に米国自身の利害のためだけではない。米国自身の利害という観点から考えても、これだけあらゆる分野で関係の深い日本の安定ということは、米国自身の利害の観点からもメリットがあるわけでございますね。だから、多くの部分で米国のメリットと日本のメリットは重なり合っている、ある意味では、日本の安全を守るということは米国自身の利益、安全にもつながるのだ、そういう面があるということをお答えしておきたいと思います。
○前原委員 今大臣は、日米安保条約の基礎、根底にあるものであるという言い方をされました。ということは、ミサイル攻撃を日本が受けた場合には、アメリカは確実に自分の国がやられたとして、つまり集団的自衛権の一番根本に当たる部分でありますけれども、みずからの国が攻撃を受けたとして本当にやってくれるという確証があってそうおっしゃるのですか。
○池田国務大臣 個別具体的な事態についてどういう形というのは、また別でございます。それは、自分自身の国の安全を守る場合であっても、個別具体的な一つ一つのケースによって、それに対応といいましょうか対処する仕方というのは違い得るのだと思います。 しかし、全体といたしまして、日米安保体制がある、そうして米国は日本の平和と安全を守るためにこの条約に基づいてその役割を果たしてくれる、こういうことを明確にコミットしているわけでございますから、日本が他国から攻撃を受けた場合には、これは条約上の米国の義務でもあり、また米国自身の持てる力をもって対応してくれる、その点は私どもは信頼しております。 ただし、具体的に、ある一定の行為が第三国から加えられた場合に、それが日本に加えられた場合と米国に加えられた場合と全く同一であるかどうかというのは、それぞれのケースによるでしょう。それは、米国自体に加えられた攻撃なり行為によっても、具体的なそのときの事態なりあるいは態様によって対処の仕方はいろいろ違うのだと思います。
○前原委員 ミサイル攻撃を日本が受けた場合にアメリカがやってくれるという一文を書けば、国民は相当この防衛協力の見直しというものについてプラスに評価すると思いますし、その一文を書くだけでも、ミサイル攻撃に対する抑止力が相当高まると思いますよ。 ですから、私が申し上げたいのは、この防衛協力の見直しは、全部否定をするわけじゃないし、やった方がいいと思うけれども、基本的に、アメリカから言われたことについての具体的な検討はして、それから法的な整備をしていこう、何度も申し上げるけれども、それを否定するものじゃないけれども、日本の安全保障にとって何が必要なのか、今何が心配なのかというところで、アメリカに対しての防衛協力の中身をもっと突きつけていくという視点が本当にあるのかどうかということで、今ミサイルの話を具体的に例として申し上げたのです。 これは後々また、この秋までにまとめるということでありますけれども、私、事あるごとにこの話はさせていただこうと思います。 具体的に今日本がどういう危機を持っていて、それに対しての安全性を高めるかということは、もっと個別具体的でなきゃだめですよ。だから、アメリカから言われたことだけではなくて、日本が主体的に、こういう防衛協力をしてほしい、すべきである、明文化をしてほしい、こういうこともこれから言っていくべきだと私は申し上げて、この点については終わっておきます。 改めてもう一つ申し上げたいのは、今回のこのガイドラインの見直しにおいて、沖縄の基地の縮小というものを視野に入れておられるのかどうかということなのです。この沖縄の基地の縮小につなげる意図が日本政府にあるのかどうか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
○池田国務大臣 私どもは、沖縄の基地の整理、統合、縮小については、もうあれこれ申しませんけれども、これまでもできる限りの努力は払ってまいりました。現在は、まず、SACOの最終報告の内容を実現するために、米国の協力も得ながら全力を尽くしておるところでございます。そして、なお将来に向かっても、これですべて足りるということではございません。いろいろな情勢を見ながら、沖縄県民の方々の御負担の軽減に努める道をさらに模索してまいりたいと思っております。 しかしながら、今回のいわゆるガイドラインの見直し作業が、沖縄であれあるいは他の地域であれ、基地の整理、統合、縮小と直接に結びついているものではございません。
○前原委員 日米両国の間でも合意をしていることでありますけれども、引き続き沖縄の負担を軽減するための努力を両国でもしていくということでありますね。 なぜ沖縄の負担の軽減をしていくかということでありますけれども、確かに沖縄の方々の気持ちというものを考えたときに、それはやらなきゃいけないということもありますけれども、沖縄に過度に集中をして、沖縄の方々がこれ以上の負担というのは我慢ならない、こういうふうに言われたときに、米軍の施設・区域の七五%が集中をしている沖縄県がそういうような動きになったときに、日米安保自体が成り立たなくなるのではないかというところで、じゃ、沖縄の負担を減らしましょうということは、率直に言ってあった経緯だと思います。 ということは、日米安保というものをこれからも永続して、さらに強化をしていこうということであれば、沖縄が求めている例えば海兵隊の問題なんかもそうですけれども、この防衛協力の指針の見直しに絡めてそういうものを模索するという道があったはずですけれども、なぜそれをしなかったのか、その点について御答弁いただきたい。
○池田国務大臣 確かに、沖縄であれ他の地域であれ、そこにございます施設・区域が有効に機能し、日米安保体制上期待されている役割を果たすためには、地元の皆様方の御理解というものが大切である、それは私もそのように考えます。 それと同時に、沖縄の場合には、今もお話がございましたけれども、わずか全国土の〇・六%という狭いところに米軍施設全体の七五%が存在している、集中しているという現実。そのことのもたらす沖縄の県民の方々への重い負担、あるいはいろいろな苦痛、あるいは生活面の御不便、御不自由というものも、これはどうしても軽減を図らなくちゃいけないということで、政府も一丸となって、そしてまた米国も協力をしながら作業を進めてきたわけでございますし、我々、当然それはこれからも進めてまいります。先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。 しかしながら、それを今回のガイドラインの作業と直接結びつけるということは、ガイドラインの性格上、必ずしも適切とは言えないのじゃないのかなと思います。基地の問題は基地の問題で全力を傾注してやっておりますし、これからもやると申し上げておるのでございますから。
○前原委員 ガイドラインの見直しの中に基地の縮小の問題を絡めるのは性格上適切ではないとおっしゃいましたけれども、私はその意味がよくわかりません。 というのも、今からお話しする沖縄の海兵隊でありますけれども、この間、あるテレビ局が放送していたものを聞きますと、これは元第三海兵師団の中佐をしていた人のインタビューでございましたけれども、朝鮮半島で有事が起きた場合に、沖縄の海兵隊というのは最初の補強部隊にはならない、こういうことだそうですね。 言ってみれば、最初の部隊はカリフォルニア部隊である、沖縄での訓練は限られたものであるけれども、カリフォルニアではすべての訓練ができているために、最初の投入をされる部隊ではない。ということは、沖縄に海兵隊を置いている地理的メリットという論理そのものが崩れてくるということになるわけです。 湾岸戦争のときにも沖縄の海兵隊は行っていますけれども、確かにこれは一番初めに行っていなくて、後方支援で行っているのですね。これは調べられたらわかることであります。 ということは、つまり、今回、防衛協力を新たに日本とアメリカの間で決めようということになれば、例えば事前集積のための装備品というものをきっちり日本が、沖縄だけでなくてもいいけれども、日本の国内のいろいろなところに備蓄をしておきましょう、事前集積については完全にやっておきましょう。この間、安保委員会で米軍の横田基地に行かせていただきましたけれども、横田の基地なんて全くそれですよ。要は、空軍の輸送部隊の中継地点みたいになっていて、五十四億円ぐらいの装備品がある。すべてコンテナに入っていて、それはどこの部隊に向けて行くかというふうなことで事前集積のきっちりしたものがあるわけですね。 そういう形をきっちりとっておいて、そして有事のときには広い空港がいっぱいになるぐらいに戦闘機やヘリが来て、あるいは人員も来るということでしたら、今回の防衛協力に定められている民間空港あるいは自衛隊の基地なんかの利用を高めるということをやっていけば、基地の縮小に結びつく議論になるのじゃないですか。 ガイドラインの見直しが性格上沖縄の基地の縮小につながらないというのは、全然説得力がない。もう一度御答弁いただきたい。
○池田国務大臣 今委員がおっしゃるような背景、その趣旨での御質問であるならば、私ども政府といたしましては、従来から御答弁申し上げておりますように、現時点における我が国を取り巻く国際情勢を前提にいたしまして、米国が、日本に存在するものも含めまして、アジア・太平洋地域で現在の兵力構成を含め、現在のレベルのプレゼンスを維持するということが重要である、こういうふうに考えておるわけでございまして、その変更を今の時点で求めることはないということは、いろいろな機会に政府として御答弁申し上げてきたところでございます。 そしてまた、ガイドラインでいろいろな日米間の協力の態様について今検討を進めております。そういったものもございますけれども、こういうふうな協力がこれから考えられるということでガイドラインはできるわけでございましょうが、それを具体的に、その中のどのような協力を、どのようなスケールにおいて、いつやるかということは、これはまたガイドラインができた後のいろいろな検討の上に立って行われるものであろう、こう考えるわけでございます。 今申しました二つの観点から、ガイドラインの現段階における作業というものが直ちに基地の縮小という問題と直結するわけではないと申し上げたわけでございまして、特に沖縄における基地の負担を軽減するという努力は、これはこれとして全力で続けていくということは、先ほど来繰り返し御答弁申し上げているとおりでございます。
○前原委員 特措法の改正以来、沖縄に関する議論というのが、本当に国会の中でもあるいはマスコミの中でも、急激に冷え切ったような気がするのですね。ともすれば、一番危惧していたことではないかと私なんかは思っています。 沖縄の基地をゼロにするということを申し上げているのではなくて、沖縄の方々が適正な負担であるというように感じていただける程度にまで基地の整理縮小というものはやるべきであり、また、さっき申し上げたように、それが日米安保体制を私は逆に強化するものであるという認識があります。今回の防衛協力にそれを絡めなかったというのは、私なんかからすると、本気で政府が沖縄の基地の整理縮小をやろうとしているのかどうかという疑問を抱かざるを得ません。 したがって、これは中間報告であり最終報告でありませんので、我が党としては、こういう問題について沖縄の基地の負担というものも絡めて議論するように今後も要望を続けていきたい、あるいは主張をしていきたいというふうに、この点だけはお話をしておきます。 次の質問をさせていただきますけれども、今回まとめられます防衛協力というものを具体的に実効あるものにするということが必要だと思っています。昭和五十三年にガイドラインが決まりましたけれども、一項、二項は指針の文言は決まったけれども、それを具体的に進める法整備ができていない。三項に至っては指針すらも決まっていない。それを今回十九年ぶりにガイドラインの見直しということでやられるということでありまして、今回は前回のような轍を踏まないということで、指針として取りまとめられたことについてはきっちりと具体的に実効あるものにしていくということが私は大切だと思っています。 その観点から御質問をさせていただきたいと思うのですけれども、ちょっとイメージがわかないのですね、なかなか。このガイドラインの見直しでいろいろな文言が出てぐると思いますけれども、これを一括して例えば政府間取り決めというものにするのがいいのか、あるいはすべきなのか、してはいけないのか。あるいは、個別に切り離して、一つ一つの法律をとにかく全部見直して、出てきた法律については個別にその法律をつぶしていくのか。 あるいはACSAというのがあります。これは平時、訓練それからPKOなんかで決められたものでありますけれども、内容を見ていると、有事ACSA的な内容も多いわけですね。となると、一部分は有事ACSA的な条約にするのか、そこら辺がちょっと……。実効性あるものにするために、具体的にこれからどう——条約もやるのか、あるいは法律として個々に決めていって、それはやりますよというだけで意思表明をして終わりなのか。あるいはきょうの新聞では、自民党の山崎政調会長がおっしゃっているのは、「周辺有事と日本有事は一括して処理すべきだ。あらゆる法律の改正部分を一本にまとめた危機管理法のようなものを出すことになる」と断言されているわけですね。 これはどういうイメージになりますか、ちょっと教えていただけますか。
○久間国務大臣 今度のガイドラインの見直しをやった後、その実効性を高めていくためにどういう態勢をつくっていくのか、その過程において法律はどうなるのか、今の法律でやれるのかやれないのか、また条約も今のままでいいのかどうか、そういう問題が洗いざらい出てくると思うのです。そういう中で、どういう形で整理していったらいいのか、そういうことをやっていこうと思いますから、今ここでどういうスタイルでやるとか、そこまでまだ情勢は煮詰まっていない。 今、ガイドラインの検討項目が一応中間取りまとめとして整ったということでございまして、これから秋に向かって、その中身についてもまだいろいろと詰めていかなければならない問題がたくさんあるわけでございますから、それと並行しながら、それが秋にまとまった後どうするかというのも片一方は念頭に置きながら作業をやりますけれども、なかなか今ここで、先ほどの新聞を見せられましたようなそういう中身までは詰まっていないということでございます。
○前原委員 じゃ、違う切り口で質問しますけれども、実効あらしめるためには、長官としてはどういうことが望ましいと思われますか。このガイドラインの見直しを具体的なところまでおろしていくために、実効あらしめるために、どういうことが望ましいと思われますか。
○久間国務大臣 そういう事態が起きてそれぞれ協力していくときに、具体的な項目に沿って現在の法律でやれるのかやれないのか、まずそれが一番早い切り目じゃないかと思います。 そういう中で法律が必要だとなれば、また法律の改正あるいは政策策定、そういうことをしなければならないし、そういう形で臨んでいくのが一番自然なスタイルじゃないかと思います。
○前原委員 今回具体的に検討される中に、ACSAで決められている十五項目でしたか、そういうものも含まれています。あれがACSAとして一括して条約で決められたということは、日本の物品管理とか金銭の授受の問題でやはり条約にした方がいいということでありましたけれども、この一部もやはり条約化した方がいい部分があると思うのですけれども、その点について、いかがですか。条約局長でもいいです。
○池田国務大臣 我々、まだこれは中間段階でございまして、検討の対象になる項目をお示ししているところでございます。これからいろいろ検討を進めていく中で、我が国としてどういうふうな措置が必要か、立法措置が必要かどうか、あるいは予算上の措置か行政上の措置かということをその後に検討するわけでございますが、今御指摘のありましたように、条約あるいは協定として取り上げるのが適当なものがあるかないか、私ども今の時点で何とも申せませんけれども、もし仮に、作業の結果そういうことが必要ということになれば、そのときにまた所要の措置をとるということかと存じます。
○前原委員 実効性のあるものにするためには、いろいろなそういう条約とかあるいは法的な整備、一括でやるのかばらばらにやるのかは別にして、そういうものを進めていただかないと意味がないと私は思っています。 その中で、私どもが主張させていただきたいのは、それを後押しする意味で、このガイドラインの最終報告、秋に出されるということでありますけれども、前回のようにいわゆる閣議了承というような弱いもので果たしていいのかどうか。国としてこのガイドラインの見直しというものについてしっかりやるという意味で、もうちょっと権威ある——閣議了承が権威ないという意味ではありませんけれども、もうちょっと重いものにすべきじゃないか。 そしてまた、これについては当然法律や条約が出てきたときには国会で審議をするから後でいいじゃないかという議論もあるかもしれませんけれども、これだけ大きな、日本が新たな防衛協力に踏み出していくということでありますから、ガイドラインの最終報告を国会承認事項にすべきだと思うのですけれども、その点について御意見をいただきたい。
○池田国務大臣 ガイドラインの策定作業が終わりましたときに、内閣においてどういうふうにするか、これはまだ今我々決定しているわけではございません。確かに、おっしゃいますように、昭和五十三年の際には閣議了解ということであったと思います。今回どうするかということは、またいろいろ閣内で相談してまいりたい、こう思います。 さて、ガイドラインそのものを国会の承認に係らしめたらいかがかという御提言でございましたが、その点は本日の委員会の審議の中でも何度かお話し申し上げておりますように、このガイドラインは、日米両国に対して何ら立法上あるいは行政上、予算上の措置を義務づけるものではございません。もとより、おのおのの判断によってそういった面で必要な措置をとることは期待されているということはございますけれども、しかし、基本的にそういったものを義務づけるものでないということから申しまして、それから、これがいろいろなこれからの日米間の協力を進めていく上でのいわばガイダンス的なものであるという性格から申しましても、基本的に国会の御承認を賜るということにはなじまないのではないかと思います。 したがいまして、このガイドラインが策定された後にさらに検討をして、あくまで立法措置が必要になる、あるいは予算措置が必要になるということになれば、その形で、その時点で国会の御承認、御審議をお受けするということと我々としては考えておる次第でございます。
○前原委員 今回、防衛協力の見直しを進めていって実効性のあるものにしていくわけでありますけれども、そういう防衛協力をやりましようという下地ができたときに、アメリカが実際防衛協力をしてくれというようなときに、そこら辺の留保というかセーフティーネットというか、もちろん、すべてそれについて有無を言わさずやるということではないと思います。それで、アメリカが防衛協力というものを要望したときに、どういう場でそれが議論をされますか。
○池田国務大臣 このガイドラインの作業を終わって、いろいろ日米協力のいわばガイダンスみたいなものができる、大きな枠組みができる。その後、また具体的にさらにこういったことについて協力をといういわば合意ができたといたしましても、さらに具体的な状況の中で、具体的にいかなる協力をするかしないかということは、そのときの判断が当然のこととして必要だと思います。 そして、その判断は一体どういう基準に立ってやるかということでございますが、それは当然のこととして、我が国の国益の立場から、我が国の安全を守り平和を守るという基本を踏まえながら、そのときの状況、事態、それとの関連で求められている協力の内容であるとかそれの効果等々のことをいろいろ勘案しながら判断していくということになろうかと存じます。
○前原委員 一九六〇年に今の安保条約が結ばれたときに、実際、アメリカがやることに対して日本がいろいろ意見を言える場として設けられたのが事前協議制だったのですね。この間の安保特のときに私は質問しましたけれども、事前協議というのは一回もやられてないということであります。 こういう事前協議制というものが、当初、日本とアメリカが同盟を結ぶ際に、日本の主体的な意見を言える場として想定されていたのにもかかわらず、それが生かされていないということを考えたときに、防衛協力を頼まれたときにも、こういう事前協議制というものをもっと活性化をして、日本としての態度決定をうまく伝える、あるいはその議論をする場を設けるべきだと思うのですけれども、事前協議制の活性化について御答弁をいただきたいと思います。
○池田国務大臣 私どもは、今回のガイドラインの改定作業、見直し作業を行うに当たりまして、憲法の枠内はもとよりでございます、そしてまた、憲法にかかわる基本的な政府のこれまでの解釈も維持するということでございます。それと同時に、日米安保条約並びにそれに関連する取り決めの枠組みは変えない、これも一つの大きな前提として置いております。 今回御提示いたしました中間取りまとめの前の部分でもそのことは触れておるとおりでございまして、この安保条約並びにそれに関連する取り決めの中には、事前協議について定めております、ただいま委員から御指摘がございました昭和三十五年の岸・ハーター交換公文というものも入っておるわけでございまして、そういった意味で、私どもは、今回、事前協議の対象の見直しということは考えていないところでございます。 ただ、先ほど御答弁申し上げましたように、今回のガイドライン作業のその先の話として、具体的な日米協力をどうするかということにつきましては、我が国の国益という立場に立って具体的に判断していく。その判断の仕方というのは、ある意味では、現在の事前協議の対象となっている事柄について判断していく場合の基本的なあり方と共通するところがあるのだと思います。
○前原委員 時間ですのでこれで終わりますけれども、事前協議については、今回のガイドラインの見直しにおいて、そういう権利義務に関することについては変更しないという前提でやっておられるということは認識をしています。 ただ、ガイドラインが決まった後には、言ってみれば事前協議自体も一回も行われていないという形骸化の問題もありますし、どういう場面でといったら、ブラックボックスの中でやられるということのないように、事前協議制というものを使うということも私はぜひやっていただきたいということを御提案をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○伊藤委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 今回の新ガイドラインといいますか、それは、目的で書いていますが、「日本に対する武力攻撃又は周辺事態に際して、日米が協力して効果的にこれに対応しうる態勢を構築すること」だ。要するに、周辺事態で日米が軍事協力をして効果的に対応する、要するに戦う態勢をつくる、こういうことなんですね。そして、「緊急事態における日米各々の役割並びに相互間の協力及び調整の在り方」を決めると。だから結局、日本の役割と米軍の役割とを決めて、相互に協力する。だから、これは全部軍事協力でしょう。これは前のガイドラインとはうんと違うのですね。周辺事態というものが前のは全然なかった。それが加わった。それも含めてそういう行動を起こすというようになっています。 中を見てみますと、五段階に分けているようですね。平素から行う日米軍事協力、周辺事態が予想される場合の協力、周辺事態における協力、日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合の協力、日本に対する武力攻撃がなされた場合の協力、こういうふうになっているのですが、一番中心の周辺事態における協力、要するに、周辺事態で日米両国は相互支援のための活動を適切な取り決めによって行うのだ、こう書いています。 だから、今まで安保条約上、あるいは前のガイドラインでいっても極東というのはありましたけれども、周辺事態というふうなものは、これは安保条約の枠を超えて新しくつくられたわけですが、その周辺事態を軸にして日米協力をどうするかということになっておるわけであります。 ですから、今度のガイドラインは、日本に武力攻撃がやられていない段階、要するに、いわゆる周辺事態で日米軍事協力をどうするかということを具体化しようとしている。そういう意味では、日米安保条約の枠外で安保条約を実質的に大改定をやった、そういう具体化の内容が入っている、私たちはそう見ています。だから、これは安保条約の実質的大改定の具体化だという点で非常に重要だと思っています。 それでお伺いしたいのですが、周辺事態という言葉を使っていますが、周辺有事と言ってもいいのですね。要するに、前のガイドラインのときは極東有事と言っていました、三項を。今度は、その「日本以外の極東における」と書いてあった部分が日本周辺地域の事態でと直っただけなんです、表題自体は。日本の平和と安全、あるいは日本の安全に対する重要な影響を与える場合と言っているのは一緒なんですから。だから、極東が日本周辺事態というふうに変わっただけでごろっと変わってしまうわけですね。その周辺有事というのはどういう事態で、周辺有事になっているということを判断するのはだれなんですか。その定義を、書いてある言葉を何遍も言うような概念法学みたいなことはやめて、今周辺有事だという事態を決定するのはだれなんですか。
○折田政府委員 いわゆる周辺事態ですが、これは、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合でございます。これは、日本が攻撃を受けている場合ではございませんけれども、日本の平和と安全に重要な影響を与えることから、日本としてそういう事態に対して対応するのは当然のことであろうかと思います。 それでは、そういう事態というのはだれが決めるかということでございますが、これは、こういう事態が起きそうになった段階から密接に協議しているわけでございますから、日米双方で判断するということでございます。
○東中委員 周辺事態について、「運用面における日米協力」というところがありますね。「周辺事態は、日本の平和と安全に重要な影響を与えており、自衛隊は、生命・財産の保護及び航行の安全確保のため、情報収集、警戒監視、機雷の除去等の活動を行う。米軍は、日本周辺地域における平和と安全の回復のための活動を行う。」こう書いていますね。 だから、日本周辺地域において、平和と安全の回復ですから、武力行使を米軍は行う、戦闘行動ということに入るわけですね。その入ることを決定するときは、日本と米国とが相談をして決めるということになるわけですね。そして、日本は、今度は情報収集やら機雷除去なんかをやるということ。それから、周辺地域での戦いというのは、日米が予測される事態から相談をしてやっていくと……。
○折田政府委員 今のような事態になって、日米間で、どう調整のとれた、整合性のとれた対応をするかということで、日米間でいろいろ相談をしていくわけでございますけれども、仮に、アメリカが武力行使を行うということになるような場合、その判断は、私は、基本的にはアメリカ自身が行うものであるというふうに考えます。
○東中委員 アメリカが基本的にと言いましたが、それはそうですよ、米軍を動かすのは米軍が決めるのは当たり前なんで。そうではなくて、米軍が戦闘行動に入る——イラクへ攻撃に行くということを決めましたね、去年の九月に。あの場合は、事前でしたか、日本へ通報があったということを、この前、総理は答弁されました。それから日本周辺地域、どこまで行くのか、中東まで行くのかどうかわからぬわけですね、今まであなた方は言わぬのだから。アメリカが行動を起こすという場合に、それは決めるのはアメリカです。しかし、その場合に、いろいろ準備段階でやってきておるけれども、決めるのはアメリカで、決めることについては後で通告を受けるだけですか、どうなんですか。
○折田政府委員 全く仮定の御質問でございますけれども、武力行使を行うか否かの判断は米国が行うものでございますけれども、仮に、このようなアメリカの武力行使が、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文に基づくいわゆる事前協議の主題である、日本の国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国の施設及び区域の使用を伴うものである場合には、アメリカ側から事前協議が行われ、日本としては、我が国の国益確保の見地から、具体的事案に即して自主的に判断して諾否を決定することになるわけでございます。
○東中委員 何を言っているのだ。僕が事前に説明しておったのは、そんなことを言っているのではなくて、決定するのにまず最初に相談してやりますということなのか、アメリカが決定してから連絡があるのか、それを聞いているのですよ。
○折田政府委員 そのような事態になることが予測されるような場合には、日米両国が情報交換ですとか政策協議を強化することになっているわけでございまして、その周辺での事態が日本の平和と安全に重要な影響を与えるものであるということでありますれば、そうした情報交換や政策協議の過程において、米側から適時適切な説明がなされ得るものと考えております。
○東中委員 だから、日本もアメリカのそういう行動について責任を負わされるわけですね。相談して、情報提供して、政策調整もやって、その上で、アメリカが、日本の防衛ではなくて、いわゆる周辺地域、前で言えば極東ですが、極東地域を含む日本周辺地域なるところで武力行使をやる。日本は、日本防衛以外に自衛隊は行動ができないことになっていますね。その点はどうですか。
○池田国務大臣 周辺事態と申しますのは、我が国周辺で起こる事態であって、それが我が国自身の安全、平和に重大な影響を及ぼす事態でございますから、今委員おっしゃったように、我が国は関係ないのだという話ではなくて、我が国の安全に大いに関係のある事態なのでございます。 そして、そのときに米軍がどう行動するかでございますが、米軍の具体的な行動をどうするかという決断は、それは政府委員から答弁しましたように、米側がやるものでございます。しかし、米側のそういった事態のもとでとる行動の中に、事前協議の対象になるような事柄、行為、例えば日本にございます提供施設・区域を使って、そこから直接作戦行動に出ることがあれば事前に我が国に協議がございましょうが、それ以外の場合には、条約上の枠組みとしては、日本に対する協議はございません。 しかし、一般論として申しまして、我が方と米国の間には、国際情勢あるいは安全保障情勢の変化についてもいろいろ話をするような仕組みになっておりますから、そういった中で、事実行為として、我が方にいろいろな事態における米側としての対応について話があったり、あるいは相談をするということはございます。しかし、それにいたしましても、それは我が国自身の安全と関係のない状態の中での米軍の行動であるのに日本が責任を負わされるのかというたぐいのものではない、我が国の安全にも大いに関係のある事柄でございます。
○東中委員 そういうソフィストみたいなことを言ってはいかぬと僕は思うのですね。というのは、我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすというふうなことは、単なる判断でしょう。情勢判断でしょう。イランの攻撃だって、湾岸戦争だって、それからベトナムだって、日本に影響があるのかないのか、それは政治的判断をすることでしょう。だから、極東有事の場合に、今とまるで同じように日本の安全に重要な影響を及ぼす場合と書いていますよ。 極東有事のときは、極東有事でやるのはアメリカがやるのだから、ただ日本は便宜供与だけなんだという立場だったのです、安保条約の立場というのは。日本の基地を使うことが許されるというだけのことですよ。それを今度は、同じように、同じ言葉で、日本の安全に影響を及ぼすと言いさえずれば日本が協力するということになる。 アメリカがやることは、武力行使をするということは、必ず国際法にのっとってちゃんとやっておるとは限らないのです。現に、この間のイラク攻撃はそうでしょう。日本の三沢におったF16も参加しているじゃありませんか。嘉手納からも協力しているじゃないですか。そういうことをアメリカはやるわけでしょう。 だから周辺地域で、日本の周辺地域というのはどこか、いまだに明らかにしないのだけれども、そこでアメリカが武力行使をやるということがあって、その武力行使がこの間のイラクみたいなことで起こった場合、日本はどうするんだ。それでも日本の安全のためにやってもらったんだということでついていくのか。そういう枠組みになっているよということを私たちは言っているわけです。 だから、このガイドラインというのは、米軍は必ず正しいことをやるんだということが前提になっておる。 それで、アメリカが武力行使に入ったという場合に、自衛隊は生命財産の保護及び航行の安全確保のために情報収集、警戒監視、機雷の除去、これは全部軍事行動ですね。日本は何ら攻撃を受けてないわけです。日本に対する武力攻撃は何もない、武力攻撃のおそれもない、そういうことが差し迫っているという事態にまだいってないという事態で米軍は戦闘行動をやる、主として日本におる在日米軍がやるのですよ。日本の自衛隊はそれに協力する。協力するというか、例えば機雷除去を。こんな話は聞いたことがないですね。 自衛隊は生命財産の保護及び航行の安全確保のために機雷除去をやる、周辺有事になって戦闘をやっておるところで。それで機雷を掃海するというのでしょう。そんなところに浮遊機雷が、遺棄機雷があるわけじゃないのです。戦闘しておるからこそ、そこにあるのは、戦闘行為として機雷を敷設しておるわけでしょう。それを日本の自衛隊が掃海に行ったら、これははっきりとした武力行使になりますね。 だから、日本の自衛隊が、日本が武力攻撃を受けたんではない事態で、アメリカが武力行使をやっておるという事態で、それに歩調を合わせて機雷の除去に行く、しかも公海で、要するに海外へ出て。ということになりますと、この間の三月十三日の法制局長官の答弁で、外国により武力攻撃の一環として敷設されている機雷を除去する行為は、その外国に対する武力の行使に当たることになる、一般的に言って。 だから、自衛隊が日本が何にも攻撃を受けてないのに出ていって、それで、そこらにある機雷——紛争事態である機雷というのは、紛争が終わってからの機雷じゃないです。紛争事態での機雷というのは、作戦行為として置かれていることは間違いないのですから。それを取りに行くということが堂々とこれは書いてあるのです、何の条件もつけないで。 こんなガイドラインというのは、ほんまに、随分、前のガイドラインと違いますね。これは便宜供与じゃありません。行動を起こすと書いてある。こういう状態になっているのだから、我々は、これは質的に変わっているということを言っているのです。 この機雷の除去に、周辺有事の事態で、自衛隊は航行の安全のためにといって行けるのか。これは憲法上許されないと思うのですが、どうですか。
○秋山(昌)政府委員 機雷掃海という同じ活動でも、ある場合にはそれは武力行使になるわけですし、そうでない場合もあるわけでございます。 これは、法律を引用する必要もないかもしれませんけれども、自衛隊法で言えば、七十六条でやる場合には武力行使でございますが、九十九条でやる場合にはそうでないわけでございますから、機雷の除去が武力行使だということではないかと思います。 いずれにいたしましても、機雷の除去が憲法上可能かどうかにつきまして、それがいかなる具体的な状況のもとで、またいかなる態様で行われるか等により判断されるものであり、一概に言うことは困難でございますが、一般的に申し上げまして、まず、武力攻撃の一環として敷設されている機雷を除去することは、これは外国に対する戦闘行動と考えられ、我が国がやる場合には、自衛権の行使により憲法上可能であると考えているわけでございます。これに対して、自衛権の行使に当たらない場合、これは憲法第九条で禁止されている武力の行使に当たると考えております。 また、遺棄された機雷など、武力攻撃の一環として敷設されているものではない機雷の除去を行うことは、これは敷設国に対する戦闘行動としての性格を持たないので、武力行使には当たらず、憲法上可能であると考えているところでございます。 したがって、機雷の除去の判断に際しましては、周囲の状況等を踏まえ、我が国に対する武力攻撃の一環として敷設されていると認められる場合は、領海はもとより、公海におきましても、自衛隊法第七十六条による防衛出動の発動を前提として、機雷の除去は可能と考えているところでございます。 他方、当該機雷が武力攻撃の一環として敷設されているものではないと認められる場合は、当該機雷は海上における危険な妨害物になっていると考えられることから、我が国の領海はもとより、公海であっても、我が国船舶の航行の安全確保のために必要な場合には、一種の警察活動として、これは法律でいいますと自衛隊法第九十九条により機雷の除去は可能であると考えているところでございます。
○東中委員 だから、あなたの言っているとおりで、これは憲法上許されないということですよ。ここに書いてある規定は、周辺有事で、米軍が全面的に武力行使、戦闘行動をやる、日本の自衛隊は情報収集、警戒監視、機雷の除去等の活動を行うと書いてあるのです。それは航行の安全確保のためであろうと何であろうと、周辺地域で有事になっているときに、そこにある機雷を除去する活動を行うと書いてあるのです。そういう分担を「運用面における日米協力」という項目の中で書いてあるのです。 こんなものをやったら、それは、なるほど掃海能力はアメリカは二隻しかないのにこっちはその十倍以上もありますからね、だからやるんだと、これはそういうことになっていますよ。こういうとんでもないことを、ようやっているなと私は思います。 同じことばかり言っているわけにもいきませんが、ついでに言っておきますが、周辺地域の地理的条件はどうなんですか。 きょうの新聞を見ますと、昨日、自民党の国防関係三部会の合同会議で、北米局長が出ていって、中東地域は周辺に含めないというふうに言うたといって報道されていますが、態様によっては中東地域は周辺地域になることもあるというのかあり得ないというのか、あるいは態様によっては東南アジアは周辺地域の中に入るというのか入らないというのか、入ることもあるし入らないこともあるというのか。 前は極東といって地理的範囲がはっきり安保論議の中でやられているわけだから。その極東はそのままにしておいて、日本周辺地域といって、地理的にはどこまで行くんだ、アジア・太平洋地域全体の中でどこへでも行くこともあり得るということなのか、その点はっきりしてください。
○折田政府委員 周辺事態とは、先ほど来申し上げておりますけれども、日本周辺地域における事態で……(東中委員「事態はわかっておる、地理的な条件を聞いているのや」と呼ぶ)日本の平和と安全に重要な影響を与える場合をいうわけでございまして、このような事態が生ずる場所はどこかということでございますけれども、それはどういう事態であるかということによるわけでございまして、あらかじめ地理的外縁を明確に申し上げることは困難であるということでございますけれども、ここで生起する事態が軍事的な観点を含め我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすある地域であるということから、このような地域が例えば中東を含むことは、現実の問題としては、基本的には想定されないのではないかということでございます。
○東中委員 中東を含むということは基本的には想定されない、だからまだあり得る余地が残っておるわけですね。東南アジアと言うたら、全然答えなかったですからね。だからここは大いに含むことがあり得る、こういう答弁ですね。だから、周辺地域というと何かすごく近くみたいに思うけれども、とんでもないことなんだ。要するに、極東よりも広げたんだということであります。 次いで、この規定の中にこういうのがあるのです。「周辺事態の推移によって日本に対する武力攻撃が差し迫ったものとなるような場合」というのがこの規定の中にあるのです。これは周辺地域で米軍が戦争をやる、その進みぐあいで日本は武力攻撃を受ける対象になっていく場合があるということを書いているのですね。 私たちはいつもそれを言っているわけです。日本の基地を使って、米軍が出ていって周辺地域で戦争をやる、それでまた帰ってくるのですね。ここで補給してやるわけでしょう。そういう事態になったら、やられている相手方は、本拠地だといって、日本から出ていって攻撃して、日本へ帰ってくるのを追っかけてきて攻撃する、そういうことが大いにあり得るわけだ。だから、基地を提供すれば、それに対して、相手国から見れば戦争相手として——中立を離れますからね。そういう関係になるのだから、非常に日本を戦争に巻き込ませる、そういう筋道になるのだということを我々は言ってきた。 今度はそういうことが書いてあるのです、この協定自体に。「周辺事態の推移によって日本に対する武力攻撃が差し迫ったものとなるような場合」ということがありますね。どういう場合ですか。
○秋山(昌)政府委員 御指摘の点は「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」の(1)のところにございます「日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合」というところの後半の部分をとらえておられると思いますけれども、ここの趣旨は、二番目に「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」があり、三番目に「周辺事態における協力」があり、相互に対応の準備あるいは事態の拡大を抑制するための措置が書いてあるわけでございまして、ここの関係が相互に結びつくケースもあるだろう、そういう場合に調整をしておかないと、準備段階である意味で非効率なことが起こるということで、相互関係に留意するという趣旨で書いてあるわけでございます。
○東中委員 だから、そういう事態があるということを、これは公式にガイドラインの中に入れたんだから真実に近いのだけれども、周辺地域での、そこへ日本が憲法違反の掃海に出ていくなんというようなことを堂々と書いてみたり。だから、そういう周辺事態から今度は日本が攻撃される方向へ推移によって進んでいくという、それに対してのまた対応をつくっているのだよ。ひどい話ですね、これは。そう私は思います。 それから、日米両国間の調整メカニズムというのがよう出てくるのですが、これがさっばりわからぬのです。平素の段階から日米両国間の調整メカニズムを構築し、準備段階の共通の基準を確立し、実施要領等をあらかじめ準備しておく。周辺事態が予想される場合の段階になれば、日米両国間の調整メカニズムの運用を早期に開始する。それから、日米両国政府は、適切に協力しつつ、準備段階に従い、整合のとれた対応をやる。こう書いてあるのです。 よくわからぬのは、まず日米両国間の調整メカニズムというのはどういうことなんですか。メカニズムというので、組織でもなければ調整機関でもなければ、メカニズムとようけ出てくるのだけれども、全部片仮名で書いてあるのですが、どういうものなのですか、何をするものなのですか。
○秋山(昌)政府委員 これは周辺事態の場合だけではございませんで、日本に対する武力攻撃、そういう場合に対応いたしまして、日米がそれぞれ行う活動についての整合を図る、それから両国間の適切な協力を確保する、こういうためには、日米両国のいろいろ関係する機関が多いわけでございますので、そういう関係機関の関与が必要であるという認識にまず立っているわけでございます。 具体的には、我が国防衛のための共同作戦を円滑かつ効果的に実施するための調整に加えまして、周辺地域における事態への対応として、捜索・救難、後方地域支援、運用面における日米協力等のさまざまな分野での調整が必要となると考えているわけでございます。 具体的にいかなるメカニズムを構築するかは現時点で固まっておりませんけれども、今頭の中にある例示ということで幾つか考えておりますのは、非常に緩やかな調整メカニズムといたしましては、調整に必要な関係機関等の連絡先を常に確定しておくという確認作業。一番きちっとしたものとしては、日米の関係者、関係する機関、たくさんあるわけでございますけれども、その関係者が必要に応じ随時に会して調整を行い得る調整会議といったようなものを開催する。あるいは、その中間といたしまして、相互に関係する機関同士で連絡員を派遣するといったようなことを考えておりますが、まだ具体的にこれは議論が進んでおりません。
○東中委員 ちょっとわからぬのですが、関係機関とか関係者が非常に多いとか言われたのですが、その関係者というのは、どういう関係者ですか。
○秋山(昌)政府委員 これは、日米両政府それぞれあるわけでございますけれども、現在のガイドラインに基づく例えば共同作戦計画の研究といったものは在日米軍と自衛隊とでやっているわけでございますけれども、今度は、このガイドラインの見直しあるいはそれに基づく共同作戦計画の検討等におきまして、より効果的な結果を得たいということで、今申し上げました二つの、日米のそれぞれの一つの機関が調整するのではなくて、日本であれば、当然のことながら、外務省その他政府関係機関の中にもたくさん関係する役所があるわけでございます。また、米国の方について考えますと、在日米軍だけという話ではないという意味におきまして関係する機関が複数あるわけでございまして、そういう複数機関が調整できるメカニズムをつくりたいということを考えているわけでございます。
○東中委員 具体的に言ってください。外務省その他関係機関が大変多いのですとまで今言いましたね。大変多いというだけで、何が関係機関か我々はわからへん。それを聞いていますのや。外務省のほかに何があるのですか。
○秋山(昌)政府委員 これは今政府部内で議論している最中でございますので、こういう役所が入るということを私の口から申し上げるのは適当でないと思いますが、例えばということで申し上げますと、航路というか航空空域の調整といったような問題を考えますれば、あるいは空港の使用といったようものを考えますれば、運輸省といったものが当然入ろうかと思います。
○東中委員 もう一点聞いておきます。 日米共通の準備段階というのがありますね。共通の準備段階というのはどういうことですか。
○秋山(昌)政府委員 米軍ないしは自衛隊が作戦あるいは行動を行う場合に、その前の準備段階にいろいろなレベルがあるわけでございます。米軍は米軍のそれぞれの準備段階を持っておりますし、我が国は我が国の方で持っている。 しかし、日米で防衛協力をし——日本の場合には例えば米軍に対する後方地域支援というものがあるわけでございますけれども、同時に、自衛隊の運用ということで、今御指摘になりましたような機雷の掃海ですとかあるいは警戒監視、情報収集といったようなものがあるわけでありまして、そういう行動をする前段階あるいは行動を始める段階にいろいろな段階があるわけでございますが、その段階が米側と日本側で違う基準を持っておりますと、日米間の防衛協力というものが機能的に効果的にあるいは効率的に機能しないという観点から、共通の基準に基づく準備段階を設定したいということを考えているわけでございます。
○東中委員 要するに、平素から、それから事態が予想されるですから、周辺有事にさえなっていない段階から、自衛隊と米軍じゃないんです、両方の政府機関、関係機関がみんな寄って——今、在日米軍だけじゃない、そのほかの部隊もあるということを言われましたが、要するに、米軍と日本の機関がこのメカニズムをつくって、段階を共通にするということは、米軍のアラート一、二、そういうのに合わせていくということなんですよ。これはほんまに大変なことをやろうとするんだなと私は思っています。こんなのは断じて許せぬと思います。 それから最後、もう時間がありませんので。 周辺事態で米軍が戦闘段階に入った、その米軍の活動に対する日本の支援という条項がありますが、施設の使用として、日本は、施設・区域の追加提供を適時かつ適切に行う、それから米軍による自衛隊施設及び民間空港、港湾の一時使用を確保する。日本は米軍の支援のために新しい基地を提供するんや、追加提供をする、米軍が要求したらということですよね。 自衛隊の施設を使うこと、これも一時使用を確保する。それから、民間空港から港湾まで一時使用を許していく。これは周辺有事ですよ。日本は攻撃を受けてないんです。ところが、こういう態勢で米軍に協力する。しかも、確保すると書いてある。向こうが要求したんだろうけれども、そういうことになっている。 だから、これは総動員体制ですね。しかも周辺有事、要するに日本の自衛権の発動がされない事態で、周辺有事というのは自衛権の発動と違うんですから集団的自衛権ですね、そういう名前で言われる戦闘に総動員体制でやっていくということをこれは認めている。 読売新聞によりますと、在日米海軍は、福岡、長崎空港の滑走路使用、それから松山、大阪、名古屋、水島、福岡、神戸の港湾におけるクレーンの提供、埠頭の使用、燃料補給を要求している。空軍は、新千歳、千歳、関西空港、福岡、宮崎、鹿児島、那覇の民間飛行場での航空機格納庫、それから倉庫、事務所の使用、警備や通信支援を求めている。こういうふうに、防衛庁の検討は千五十九項目に及ぶ在日米軍の陸海空軍など七組織の要求の積み上げに基づいてやっておるというようなことが報道されております。空港も何もそういう態勢へ持っていくと。 しかも、それは、このガイドラインによれば、日本は中央政府及び地方公共団体の機関の権限及び能力並びに民間の有する能力を適切な形で活用する、後方支援をするために。政府も政府機関も地方自治体も民間も、権限と能力を使ってやるんや、こう書いてあるんです。こんな態勢を何でやるんだ。米軍がイラク攻撃をやったような、ああいう米軍の有事攻勢に対して、日本は後方支援ということでこういうことまでやる、こんなガイドラインは断じて許せぬと私は思っています。 何かありましたら言ってください。終わりです。
○久間国務大臣 その前提をまずお考えいただきたいと思うのです。周辺有事で、かつ、我が国の平和と安全に重要な影響がある場合ですから、そのときに黙って我が国が指をくわえて眺めておっていいのか、まずそこから入っていただきたいと思います。
○東中委員 東洋平和のためならばと言って前は戦争をやったのです。日本の平和と安全のためにと言って何をやるかということがあるので、問題はそこだということを申し上げて、時間ですから終わります。
○伊藤委員長 次に、上原康助君。
○上原委員 大分時間も遅くなっていますが、お尋ねをさせていただきたいと思います。 もう既に同僚委員の方からいろいろと御質問がありましたので、若干重複する向きもあるかと思うのですが、最初に基本的な問題点、基本的と言っても、これはみんな基本的な感じがして、なかなか区分けはしにくいのですが、何分広範多岐にわたっておりますので、きょうは問題点というか、政府の見解をむしろ確認をしておきたい点がありますので、そういう面からお尋ねさせていただきたいと思うのです。 まず、現行指針によりますと、前提条件がもちろんございますね。旧と新を比較してみまして、今回の場合に不鮮明になってきていると私は思うのです。これは時間の都合で一々は指摘しませんが。 例えば、先ほども御指摘があったのですが、現行のガイドラインでは、前提条件の中にイの一番に事前協議に関する諸問題というのが挙げられております。日米安保の枠は変えないとか、あるいはその取り決めは何ら変更しないとは言いながらも、安保体制下で一番形骸化されてきた事前協議に関する諸問題を、前提条件というか、この新しい中間見直しで言われている、「「指針」見直し及び新たな指針の下での取組みは、以下の基本的な前提及び考え方に従って行われる。」として四項目挙げてあるのですが、今指摘をした点をわざわざ除外をした理由は何なのか、これに対する政府の御見解を聞かせてください。
○折田政府委員 委員御指摘のとおり、現行の「日米防衛協力のための指針」には、事前協議に関する諸問題は研究協議の対象としないということになっておるわけでございます。 今度の指針では、日米安全保障条約及びその関連取り決めに基づく権利義務云々は変更されないというふうに書いてあるわけでございますけれども、その日米安保条約及びその関連取り決めの中に事前協議に関する岸・ハーター交換公文は当然入るものということでございまして、事前協議について岸・ハーター交換公文に基づく権利義務関係を変更することは考えていないということでございまして、事前協議に関する諸問題を研究協議の対象としないというのが前でございましたけれども、今回のものはその権利義務関係を変更することは考えていないという表現で一般的に表現したものでございます。
○上原委員 しかし、これはきょう深く議論するわけにはまいりませんが、事前協議問題というのは、このガイドラインの仕上げがどういう包括的なものになっていくかは、まだ見えるようでいろいろ問題があると思うのですが、事前協議問題をこれまでもないがしろにしたというか、形骸化されている上に、全くこの権利義務は変更しないといいながら、事前協議問題が欠落している点について疑問があるということを指摘をしておきたいと思います。 もう一点は、先ほどもありましたが、この見直しをしようとする中間報告を含め、今、日米間で考えておられることが軍事面に非常に重点を置いていることです。これは防衛協力指針だからそういうことかなとも思うのです。だが、残念なことに、いかにして紛争を未然に防止するかという視点が欠落をしておりますね。 それと、私も日米基軸は結構ですが、日米の軍事同盟をより強化することが、二十一世紀をにらんだ日本の外交、防衛、アジア近隣諸国との信頼醸成措置等々において、日本の国家像としてそのことだけが唯一の選択肢かとなると、私を含め社民党は若干というか相当見解を異にすると申し上げざるを得ませんが、この点についてはどうかということ。 なぜこれを指摘するかといいますと、確かに、政府が中国なり韓国に対して、隣国に対して敬意を表し、この中間まとめについてすぐに御報告するなりいろいろ日本政府の立場というものをやったというのは私は了とするし、これはよかったと思うのです。しかし、それにしても中国はやはり懸念を表明しておるし、韓国とて全面的にいいとは言っておらないわけで、日米の防衛協力というのはいいわけだが、日本がこの軍事力というものを一層アジア全体に広めていこうという動きに対しては警戒感を持っておる、これは一番のポイントだと思うのですね。 特に、中国がこの問題にどう対処していくかということが、私は、一番我々が配慮しなければいかない点だと思うのですが、今の日米間なり政府のこれからやろうとすることについて、どうもそういった面が少しというか相当後回しにされているのか、あるいは考えてはおられるかもしらぬが、日米防衛協力だからそういうことになっているのか、その点はもう少し明確にしていただきたいと存じます。
○池田国務大臣 私どもも、上原委員御指摘のとおり、日米関係は、軍事面だけあるいは安全保障の面だけを突出させればいいというふうには考えておりません。日米関係は、もとより政治、経済、文化、科学技術と非常に広範な分野で非常に深い関係があるわけでございまして、全体を進展させていく、こういうことが大切だと思っております。 しかし、そういったものの根底には、我が国の安全、平和、そうして、米国にとりましても大きな利害のございますこの地域の平和と安定が守られるということがやはり大切だということで、日米安保体制もあるわけでございますし、昨年、日米安保共同宣言を出されたわけでございます。そういった意味で、安保も大切だがほかの面も大切にするということでございます。 御承知のとおり、昨年の首脳会談でも、安保共同宣言とは別個に、二十一世紀に向かっての日米関係のあり方について両国民並びに世界に対してメッセージを発出いたしました。そこにも、委員も指摘されました日米関係のあらゆる分野でのバランスのとれた進展の重要性ということについての政府の姿勢もあらわれているかと存じます。 それから、中国を初めアジアの諸国の理解を得ることの重要性も我々十分認識しておりまして、今回も、中国並びに韓国には一直ちにこの中間取りまとめの作業に参画した者を派遣いたしましたし、その他の関係諸国にも、それぞれ外交ルート等を通じて説明しているわけでございます。 それも、今回急にやったわけではございませんで、昨年の安保共同宣言の前後からあらゆる機会をとらえまして、防衛庁も、また外務省といたしましても、日米共同宣言の考え方、またそれに基づく今回のこのガイドラインの見直し作業の趣旨というものを、誤解のないようにということで随分話してきたわけでございます。 委員御指摘のとおり、特に中国はまだ完全にわかったとは言ってはくれません。しかしながら、今言っておりますのは、要するに、これまでのような日米二国間の枠組みという日米安保体制ならわかるけれども、それが従来の枠組みを超えるとそれはちょっと問題だという指摘になっているわけでございますが、我々は、今我々が考えております日米安保体制をより一層効率的な姿にするということが、決してどこか特定の国を対象にしているものでもないし、この地域全体にとってもその効果として非常に好ましいものである、これは中国にとっても好ましいものではないかということを、我が国もまた米国もいろいろ説明しておるわけでございます。これからもそういった努力は継続してまいりたい、こう考えております。
○上原委員 特定の地域を対象にしたものではないとかあるいは特定の国を意識したものではないということはよくおっしゃるのだ、これは。安保論議の中でみんなそうおっしゃってきた。 しかし、それは常識的に考えて、中国なりアジア近隣諸国交日米間でこれだけのものを決めようとすると、その影響はどうなるかということをいろいろせんさくしたり考えることは当然であって、そういうのは外交辞令としてはわかっても、余り感心した答弁じゃないですね、外務大臣。まあ、いいでしょう。聞いておきましょう。 それと、法制局長官、おいでいただきましたが、先ほどもかなり明確な答弁をしておられたように思うし、きょう余り突っ込んだ議論をしたくはありませんけれども、また、私も知識もないので憲法論をやろうとは思いません。 しかし、一番肝心なことは、本当にこれだけの中間報告がまとめられて今指摘されていることが、従来の政府がとってきた憲法解釈なり憲法の範囲内でできるのかどうか、可能なのかどうかということは、これは専門家でなくても、国民もかなり疑問を持っています。この点を私はあいまいにしてはいかないと思うのです。 そこで、このガイドラインで決めようとしておられる、包括的にまとめようとしておる諸課題というのか諸事項といったらいいのか、そういう案件は憲法の範囲内で行い得る、政府のこれまでの憲法解釈は変えない、特に憲法第九条と集団的自衛権の行使ということについては、これは憲法の許容する範囲を超えるものであるというのが政府の一貫した有権解釈であります。この件は、今私が述べたように、あるいはこれまで政府が解釈してきたように、見解を述べてこられたような立場でこのガイドラインというのはまとめていくということで理解していいですね。まず法制局長官からお答えいただいて、両大臣の見解も求めておきたいと存じます。
○大森(政)政府委員 今回の中間取りまとめの中でも「日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内において、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる。」このように取りまとめられております。 ここに言う「日本の憲法上の制約の範囲内において、」という意味は、ただいま委員からお尋ねがございましたところに引き直しますと、従前政府がとってきました憲法第九条を初めとする、その他の規定も含めまして、その解釈を何ら変更することなくという意味であると私どもはとらえているわけでございます。したがいまして、このガイドラインの見直しに際しまして、従前の憲法解釈については、何ら一%も変更するつもりはございません。
○池田国務大臣 ただいま法制局長官からも御答弁があったとおりでございます。 私どもも、当然、ガイドラインを見直しいたしましても、憲法の枠内であるのはもちろんでございますが、それと同時に、これまでの憲法にかかわる基本的な政府の解釈、非核三原則等々、そういったものは引き続き維持されるわけでございますし、今委員が御指摘になりました集団的自衛権の行使と憲法九条の関係につきましても、従来政府のとってまいりました立場を堅持してまいる、そのように考えております。
○久間国務大臣 防衛庁としましても、こういう項目を並べて、その後の議論の中でこれは憲法に反するからできないということで消えてしまうようなことがあってはならないということで、その点については法制局等の見解等も十分聞きながらこういう項目に整理されたものと理解しております。
○上原委員 ここは、そうは言ってもという疑問が、後で若干出しますけれども、私は、今の法制局長官並びに両大臣の御答弁は評価しておきたいと思います。ここがぐらついてしまったのでは、この問題は前進しません。我々も、従来の政府見解を変えないという、あるいはそういう方向でこれから国会論議をされて本当に政策化されていくならば、こういう問題にも現実的に対応できるかと思うのですが、一番大事な点ですから、その点は特に御留意を願いたいと思う。 法制局長官に余りプレッシャーをかけてもいかぬから、いい答弁したからもうお帰りになって憲法の勉強をしてください。 そこで、もう一点基本的な点でお尋ねしておきますが、先ほども議論があったのですが、この前提条件というか四項目のところですね。「「指針」見直し及び新たな指針の下での作業は、いずれの政府にも、立法上、予算上又は行政上の措置をとることを義務づけるものではない。」ここまでは現在の指針の前提条件とそう変わらないのですよね。 問題は「しかしながら、」以降なのです。ここは、時間の都合で全部は読みませんが、要するに、いろいろ説明を受けてみますと、効果的な日米の防衛協力関係を目指したい、より効果的な態勢を確立していくためには新しい法整備等も必要になってくるであろうということが言われておるわけですね。それはどういうことをイメージしておられるのか、少し解明してください。
○池田国務大臣 ただいまの点、委員も御指摘になりましたように、今回の見直しによってできます新たなガイドラインのもとでの作業は、決して立法あるいは予算あるいは行政等の面での措置をとることを義務づけるものではないわけでございます。 しかしながら、ここにもうたってありますけれども、これだけいろいろ検討をし、日米安保体制がより信頼性を持ち、効率的に運用されるようにいろいろな協力の方途を検討したわけでございますから、それがここに文書になったままでいいとは、それは当然のこととして考えないわけでございます。だから、義務づけるわけではないけれども、それがおのおのの政府の判断によって具体的な政策や措置に反映されることは期待する、ここにうたってあることは、こういった作業の持つ性格からして当然のことをむしろ書いていることだと思います。 もとより、その後のところに、その時々において適用のある国内法に従うということで書いてございますので、具体的にいろいろな措置をとっていく場合には、当然それぞれの国の国内法令の中でなければいけませんし、もしそれまでの既存法令で対応できない場合には、国会に新しい法律案としてあるいは法律の改正案として御判断を仰ぐことになる、こういうことでございます。
○上原委員 防衛庁にも聞いておきたいのですが、法整備ということを盛んに言われているわけですが、私は、自衛隊法の改正とか新たな立法までいくのかどうかわかりませんが、これだけのものですからあり得ると思うのですが、そういうことも含めて検討しておられるのかどうか。これからちょっと個別具体的なことになりますけれども。
○久間国務大臣 まだ具体的に、現在の自衛隊法のどこが不備で、これを実施するためにどう直さなければならないかという、そこまでは検討いたしておりませんけれども、ガイドラインがこの後議論がされまして、大体この線で秋にまとまっていったとするならば、やはり何らかの法的な整備を必要とするのではなかろうかという感じは持っております。しかしながら、まだ具体的にそこまで検討には入っておりません。
○上原委員 もう一点、ACSAの件ですが、これは御承知のように、ACSAは国会で余り議論されなかったのですよね、私の記憶では。私は相当疑問を党内でも提示したのだが、すいすいといってしまった、残念ながら。 そうしますと、ACSAは、御承知のように、日本の周辺事態とか周辺有事ということももちろん想定はしているわけだが、平和時におけるいわゆる役務供与ですね。供給ですね。これをやっていく上ではACSAの問題というのは私は密接にかかわってくると思うのだが、それは改正するおつもりなのか、どういうふうに関連づけようとしておられるのか。ちょっとこれも今後の議論の問題点として重要ですので。
○池田国務大臣 御指摘のとおり、現在ございますいわゆる日米間のACSA協定は、共同訓練とかあるいはPKO活動とか、そういうものを対象にしているわけでございますので、決していわゆる有事かどうかという切り口から決めているわけではございませんけれども、一般的に言いまして、いわゆる有事と言われるような状態のもとでの物品・サービスの相互支援といいますか相互融通は、現在の協定では行いません。 さて、では将来どうするかということでございますけれども、これは現在のガイドラインの見直し作業の中でいろいろな協力のあり方について検討されておりますけれども、これは、いわゆる我が国に対する侵攻があった場合に日米共同で対処する、そのときに一体どういうことが行われるかということとのかかわりであるのかと存じますけれども、そこでどういう協力が必要かという話があり、もし仮に、そこで物品あるいはサービスの相互融通が必要だということになれば、これは現行の協定では対応できませんから、それは新しい協定を結ぶなりあるいは現在の協定を改定するということにならざるを得ないのだと思いますけれども、まずその前段階として、一体そういうことをするのかどうなのかということは、まだこれからのことでございます。
○上原委員 これについては米側からかなり強い意見があったのじゃないですか。どうなんですか。その事実関係だけ答えてください。
○折田政府委員 ガイドライン見直しの協議を約一年以上やってきましたけれども、具体的に、いわゆる有事ACSAをアメリカ側からつくれ、つくった方がいいということを言われたということはございません。
○上原委員 私も、それを有事に改めろと言っているわけじゃないのです。事実関係を確かめているわけですから。 そこで、個別具体的な問題について少しお尋ねをさせていただきたいと思います。 先ほど来議論がありますが、補給と輸送の関係についてですが、別表を見ますと、いわゆる米軍の活動に対する日本の支援として、補給の場合は「米軍施設・区域に対する物資(武器・弾薬を除く。)及び燃料・油脂・潤滑油の提供」というふうになっているわけですね。輸送のところでは、この武器弾薬については不明記ですね。これはどうしてなのか。
○秋山(昌)政府委員 一般的に、後方地域支援の場合の補給にしろ輸送にしろその他のところで物資という場合に、特に制約を考える必要がないと思っているわけでございますけれども、この補給に関しましては、特にこれまでの米側とのいろいろな話し合いあるいは相談の中で、米軍自身が、周辺事態、つまり我が国の周辺地域において日本の平和と安全に重要な影響を及ぼすような事態における米軍の活動において、後方地域支援とはいえ日本側から武器弾薬の補給を受ける意思はないということで、特にここは「武器・弾薬を除く。」ということを明示したわけでございまして、結果的には補給以外はそれが入るということでございます。
○上原委員 そこで、輸送の場合には、公海上の米艦船に対する海上輸送、これはどうなんですか。
○秋山(昌)政府委員 公海上の米艦船に対する補給でなければ、武器弾薬はその輸送として対象に入り得ると考えております。
○上原委員 ここは、また議論をするとかなり長くなるので、やはり問題があるわけですよね。恐らく、補給という場合に「武器・弾薬を除く。」ということを明記をしたということは、強調しましたように、武力行使とのかかわり、集団自衛権との関係、憲法理念、憲法解釈との問題等があって、日本側は何とかこれについてはクリアしようという苦心の策かもしらない、善意に解すれば。しかし、輸送の場合は公海上はそれが可能というような立場に立つとなると、区別がつかなくなる。 では、どういう事態でそういうことをやるのか。我が国への急迫不正とはいかないでも、何か武力攻撃のおそれがあるという準備時点なのか。あるいは、極東事態、極東有事というか、周辺事態ということを考えてそういう輸送とか補給の行動態勢に入るのか、極めて不明確なんですね。もう少し線引きできますか。明確な区別ができますか。
○秋山(昌)政府委員 私が答弁するのが適当かどうかわかりませんけれども、要するに別表に挙がっておりますいろいろな検討項目は、これは米軍の活動に対する日本の支援のうちの後方地域支援でございまして、これは本文の方に書いてございますように、 日米安全保障条約の目的の達成のため活動する米軍に対して、後方地域支援を行う。 ことでございますし、かつ、 この後方地域支援は、米軍が施設の使用及び種々の活動を効果的に行うことを可能とすることを主眼とするものであって、そのような性質から、後方地域支援は、主として日本の領域において行われるが、戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本周辺の公海及びその上空において行われることもあると考えられる。 最後のところがもちろん今の点に関係するところでありますけれども、同時に、本文には、この 後方地域支援を行うに当たって、日本は、中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する。自衛隊は、日本の防衛及び公共の秩序維持のための任務の遂行と整合を図りつつ、適切にこのような支援を行う。 ということで、これまでの日米の議論の中で、輸送につきましては、主としてといいますか、大半のものを米軍は民間に期待しているというふうに私は理解しております。
○上原委員 今の後段の答弁は、これは議論を深めなければいかないですね。 そこで、この四十項目を別表は挙げてありますね。このすべての内容というのか、そういう面はもっときちっと、項目だけでなくして、どういうことをやるというのは明らかにできますね、仕上げの段階では。
○秋山(昌)政府委員 秋に予定しております最終報告で、この別表を別表のまま残すのか、本文に入れてもう少しイメージを描くのか、これから議論しなければなりませんけれども、同時に、中間取りまとめの中に書いておりますところの共同作戦計画ですとか相互協力計画といったものの検討がそれを踏まえて行われるわけでございまして、少なくとも最後の見直しが行われた後の相互協力計画の中ではより具体的に検討がなされるというふうに理解しております。
○上原委員 透明性を高めるとか、いろいろ国民の判断、議論の基礎を提供しておるとおっしゃっているわけだから、これはきちっとしたものをディスクローズせぬといけませんよ。それを要望しておきます。 そこで、時間が迫ってまいりますので、機雷除去の問題が先ほどからありました。周辺公海上での処理も可能。しかし、これは、もし敷設した国が、相手国が抵抗してきた場合どうするかという問題がありますね、明らかに。これは遺棄機雷だけを除去するとかそういうことではないわけでしょう。緊張状態下にある場合、領海ならわかるけれども、公海上も可能だとさつきおっしゃった。相手が抵抗した場合、あるいは抵抗しないまでも、我が方がそれを除去しようとする場合に軍事行動に入った場合に一体どう対処するのか、ここいらがあいまいなのだよ、本当に。その点が一つ。 それと、機雷除去というのは日米間だけで取り決めるのか、国連の決議とかそういうものも必要なのかどうかという点。 もう一つ、経済制裁。ちょっとこれもぼかしてありますね。国連決議があった場合にのみというふうに理解をしていいのかどうか、この点は極めて重要なことなので、明確にしてください。
○秋山(昌)政府委員 機雷の除去につきましては、先ほどもちょっと御説明させていただきましたけれども、武力攻撃の一環として敷設されている機雷を除去することは、これは外国に対する戦闘行動になるわけでございますが、我が国が自衛権の行使によりこれをすることは憲法上可能であると考えているわけでございます。したがって、自衛権の行使に当たらない場合にはこれはできない。また、遺棄された機雷など、武力攻撃の一環として敷設されているものではない機雷を除去することは、これは敷設国に対する戦闘行動としての性質を持たないので武力行使に当たらず、憲法上可能であると考えているわけでございます。 したがって、御質問の点は、武力攻撃の一環として敷設されている機雷で、かつ、我が国が自衛権の行使によりこれを行う場合におきましては、もちろんお互い武力行使ということになるわけでございます。しかしながら、そうでない場合は、これは自衛隊法で言いますと九十九条によって行うわけでございます。そういうケースにおいて、今御質問のようなことは想定されないわけでございます。したがって、武力攻撃の一環として敷設されているかどうかということを判断することが極めて重要であろうと考えます。 一般に、機雷とは、攻撃が無差別であるとか待ち伏せ型兵器であるとかコントロールが困難という特性を持っておりますので、こういった点を考慮いたしますと、機雷を単に敷設したことのみをもって武力攻撃の一環として敷設された機雷とは言えないと考えるわけでございまして、敷設国が、いろいろと今申し上げましたような機雷の特徴を踏まえた上で、敷設目的が維持されている機雷、武力攻撃の目的を持って敷設をしているものが、武力攻撃の一環として敷設されている機雷というふうに考えるわけでございます。 この機雷の判別につきましては、これから我々もさらに議論を深めていきたいと思いますけれども、考え方として、今のような考え方で議論しているところでございます。 それから、国連の決定あるいは日米間でという御質問がございましたけれども、周辺事態、これは我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態でございますので、自衛隊は、我が国の安全保障を維持するという観点から、自衛隊の責任でその任務を果たそうとするものでございます。その結果が日米協力になるということも当然予想はしているわけでございます。 それから、経済制裁に絡む措置につきましては、現在日本政府としては、国連における決定があったもの以外は想定しておりません。
○上原委員 機雷の問題は、これはなかなか今の御答弁では理解というか、いろいろ問題があるような感じがしますので、またよく会議録も調べてみて、議論をしていきたいと思います。 そこで、最後に、施設・区域の使用問題ですが、これはさっき前原先生が、沖縄の基地の整理縮小問題と関連づけて聞いておったのですが、理論的に言うと、外務大臣の御答弁のとおりかもしれません。しかし、この日米防衛協力を新たに決めることによって、米軍施設・区域をたくさん持っている地域とか自衛隊基地を有しているところは、もっと負担がふえることは間違いないのですよ、大臣。それは、単なる協定上あるいは条約上の問題だけ言っては困るのですよね。 私は、予算委員会でもちょっと指摘したことがありますが、確かに、日米共同宣言でこの防衛協力指針も見直すということが合意されてはいるけれども、もし一昨年の不幸な事件がないとするならば、恐らく沖縄の基地問題とかSACOというのは出なかったでしょう。あなた方は、このガイドラインと日米安保条約の見直しだけですいすいいきよったと思う、そういうつもりだったと思うんだ、私の指摘は。 しかし、これだけの新たなことをやるにおいては、負担と予算を多く日本側が使うというだけでは困るのですよ。在日米軍基地の態様、形態をどうするかということも、今すぐではないにしても、これは、それを想定して日本側の外交や防衛問題をやってもらわなければいかぬと思うのですね。 そういう意味で、時間がありませんから、例えば、我が国米軍施設の七つは国連基地でもある、沖縄の三つと本土の四つ。これは、この防衛協力指針、安保条約以上に国連という主要問題もいま一つある。これはいずれ議論したいと思うのですが、大事な問題だと思う。これだけの港湾とか飛行場とか、新たに施設を確保して利用するということになりますと、大変な負担を強いられる。 せんだっても自衛隊機とANKの民間機が、あわや衝突事故、ニアミスがあったという報道がなされている。運輸省、きょう来たと思うのだが、もう時間がないから聞きませんけれども、現在でもこういう現実があるのですね、防衛庁長官。 したがって、新たな基地の使用というようなことをただ日米間で決めればいいということではなくして、地域状況とか基地の密度とか安全性とか、一番大事なことは、国民の基本的人権とか生命をどう保護するかということが前提でなければいかない。こういうことについては、どのようにこれからやっていかれようとするのか。ただ取り決めればいいということではないですよ、これは。例えば沖縄なら、沖縄県の意向とか那覇市の意向とかそういうものも聞くのかどうか。
○久間国務大臣 このガイドラインの見直しが行われた後に、具体的にどういう形で、そういう周辺有事といいますか周辺事態が発生したときに、例えば民間の空港とか港湾についてのいわゆる運航管理との兼ね合いをやっていくか、これは政府内でいろいろと議論しなければならない問題だと思いますので、今のお話のことは、十分念頭に入れながらやっていかなければならないことだと思っております。
○上原委員 もう終わりますが、私は、憲法解釈というか、それだけにこだわろうとは思いませんが、一番大事な点ですし、できるだけ安全保障政策というもの、あるいは国の安全保障、防衛というものをどう国民的コンセンサスを得ながらやっていくかということは大事なことだと思いますので、我々が問題指摘をする点、あるいはこれからいろいろ意見や提言をすることについても、ぜひ政府は十分誠意を持って耳を傾けていただいて、やるように要望して、終わりたいと思います。
○伊藤委員長 以上で本日の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十九分散会