安全保障委員会 第9号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1997/06/09
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 「日米防衛協力のための指針」の見直しに関する中間取りまとめについて、外務大臣及び防衛庁長官からそれぞれ報告を聴取いたします。池田外務大臣。
○池田国務大臣 昨八日、米国ハワイにおいて日米の外務、防衛担当の局長級による日米防衛協力小委員会を開催し、これまで行ってきた「日米防衛協力のための指針」の見直し作業についての進捗状況及び検討内容を整理し、「日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間とりまとめ」を採択し、公表しました。 日米同盟関係は、日本の安全の確保にとって必要不可欠であり、また、アジア・太平洋地域における平和と安定を維持するために引き続き重要な役割を果たしてきております。 冷戦の終結にもかかわらず、この地域には不安定性と不確実性が依然として存在しており、日本周辺地域における平和と安定の維持は、日本の安全のために一層重要になっております。 日米両国政府は、このような冷戦後の情勢の変化にかんがみ、現行の指針のもとでの成果を基礎として日米防衛協力を強化するための方途を検討することを決定し、平素から行う協力、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等、及び日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合、いわゆる周辺事態における協力について日米防衛協力小委員会において検討を行ってきたところであります。 新たな指針を策定する最も重要な目的の一つは、日本に対する武力攻撃または周辺事態に際して、日米が協力して効果的にこれに対応し得る態勢を構築することであります。新たな指針は、平素からの、また緊急事態における日米おのおのの役割並びに相互間の協力と調整のあり方について、一般的な大枠と方向性を示すものであり、新たな指針策定後の共同の取り組みにガイダンスを与えるものであります。 指針見直し及び新たな指針のもとでの取り組みは、次の基本的前提及び考え方に従い行われることが日米間で確認されております。 すなわち、 一、日米安保条約及びその関連取り決めに基づく権利義務及び日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されないこと 二、日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内において、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われること 三、日米両国のすべての行為は、国際法の基本原則及び国際連合憲章を初めとする関連する国際約束に合致するものであること及び 四、指針見直し及び新たな指針のもとでの作業は、立法上、予算上または行政上の措置をとることを義務づけるものではないこと、しかし、おのおのの判断に従い、努力の結果をおのおのの具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待されることであります。 中間取りまとめは、このような指針の見直しの背景、新たな指針の目的、基本的な前提、考え方を述べた上で、新たな指針のもとにおける日米協力、すなわち、平素から行う協力、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等と周辺事態における協力、さらに新たな指針策定後の取り組み並びに新たな指針の適時かつ適切な見直しの諸点について、日米防衛協力小委員会の協議の概要を記述しております。 なお、中間取りまとめに言及されている考え方や具体的な協力項目は、これまでの日米防衛協力小委員会の作業に基づくものであり、今後のさらなる作業の結果、修正、追加があり得るものであります。 指針の見直しは我が国の安全保障のあり方の基本にかかわる極めて重要な問題であり、見直し作業については、内外に対し透明性をもって取り進めることが重要であると累次申し上げてきております。この中間取りまとめは、まさにこのような考え方に基づき、国内における議論の基礎を提供することを目的として、見直し作業の途中の段階で、これまでの一連の日米間の協議において提示された今後の日米防衛協力に係る考え方及び具体的な協力検討項目を整理し、公表するものであります。 今後、この中間取りまとめを契機として、本委員会を初め国内における活発な議論が行われることを期待しております。 また、同様に透明性を確保する観点から、韓国及び中国を初めとしたアジア・太平洋諸国に対して積極的に説明を行ってまいる所存であります。 政府としては、中間取りまとめに示された考え 方及び具体的検討項目の取り扱いについては、我が国の安全確保のため、憲法の枠内で最も効果的な協力態勢の整備を図る必要があるとの立場から、法的、制度的側面を含め、今後、さまざまな御意見、御議論を十分に踏まえながら、今秋の新たな指針の策定に向け、取り組んでまいる所存であります。 伊藤委員長を初め委員各位におかれましても、御理解、御協力いただきますようお願いいたします。
○伊藤委員長 久間防衛庁長官。
○久間国務大臣 外務大臣から日米防衛協力の指針の見直しの背景及び基本的な前提等について説明がありましたが、私からは、新たな指針のもとにおける日米協力に関する日米防衛協力小委員会の協議の概要を紹介いたします。 なお、次の考え方や具体的な協力項目は、これまでの日米防衛協力小委員会の作業に基づくものであり、今後のさらなる作業の結果、修正、追加があり得るものであります。 一、平素から行う協力では、 まず、(一)基本的な防衛態勢として、日米安全保障体制の堅持、日本による自衛のために必要な範囲内で防衛力の保持、米国による抑止力の保持、アジア・太平洋地域における前方展開兵力の維持、来援し得るその他の兵力の保持等が触れられております。 (二)情報交換及び政策協議としては、日米両国が関心を有する国際情勢についての情報・意見交換の強化、防衛政策及び軍事態勢についての緊密な協議の継続が述べられております。 (三)安全保障面での種々の協力としては、この地域における安全保障対話・防衛交流及び国際的な軍備管理・軍縮の推進のための努力、国際連合平和維持活動等における相互支援のための密接な協力、大規模災害の際の緊急援助活動についての密接な協力が触れられております。 (四)日米共同の取り組みとしては、効果的な協力のための共同検討作業を進めることによる日米協力の基礎の構築、共同演習一訓練の強化及び両国間の調整メカニズムの平素からの構築が言及されております。 二、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等では、 まず、(一)日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合について、情報交換、政策協議の強化、両国間の調整メカニズムの運用の早期開始、情勢の変化に応じた情報収集、警戒監視、不法行為対処の態勢の強化、事態の拡大を抑制するための措置等について触れられております。 また、(二)日本に対する武力攻撃がなされた場合については、武力攻撃に即応した日本の主体的な行動と早期の侵略の排除、その際の米国の日本に対する適切な協力が触れられております。 三、周辺事態における協力では、 (一)対応の準備及び事態拡大を抑止するための措置として、周辺事態が予想される場合の情報交換、政策協議の強化、調整メカニズムの運用の早期開始、合意によって選択された準備段階に従った準備、情勢の変化に応じた情報収集、警戒監視、不法行為対処の態勢の強化、事態の拡大を抑制するための措置等について言及されております。 (二)日米協力の機能及び分野については、人道的活動、捜索・救難、国際の平和と安全の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保するための活動、非戦闘員を退避させるための活動、米軍の活動に対する日本の支援(施設の使用、後方地域支援)、及び運用面における日米協力について言及されており、それぞれの検討項目例は、お手元の中間取りまとめの別表に列挙されているとおりであります。 なお、この別表は、すべての協力項目を網羅的に示すものではなく、今後のさらなる作業の結果、修正、追加があり得ることも明らかにされております。 次に、新たな指針確定後の取り組みについては、 (一)新たな指針が示す一般的な大枠及び方向性の中で、共同作戦計画、相互協力計画についての検討、日本の防衛の準備のための共通の基準の確立、及び日本の防衛のために必要な共通の実施要領等の確立について行われる共同作業、及び(二)両国間の調整メカニズムの構築について言及しています。 なお、共同作業の進捗及び結果は、節目節目に適切な形で日米安保協議委員会及び日米防衛協力小委員会に対して報告することについても言及されております。 最後に、新たな指針の適時かつ適切な見直しについて触れられております。 以上が中間取りまとめの概要であります。 防衛庁といたしましては、引き続き指針見直し作業に対し最大限の努力を傾注してまいる所存であります。かかる作業は、日米間及び我が国国内においていかなる態勢を構築すべきか等について、政府全体としてさらに検討していく必要があると考えておりますので、この中間取りまとめを議論の基礎として、国会での活発な御議論を賜りますようお願い申し上げます。
○伊藤委員長 以上で報告は終わりました。 次回は、明十日午後一時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十四分散会