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140回国会衆議院1997/05/20

安全保障委員会 第8号

発言数
204
登壇者
25
会派数
5
開催日
1997/05/20

会議録

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 これより会議を開きます。  国の安全保障に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阪上善秀君。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 我が国の安全保障政策一般について御質問をいたします。  まず、我が国の有事の想定のあり方についてであります。  防衛庁、自衛隊の有事の想定については、防衛白書などを拝見いたしますと、我が国有事のさまざまな事態について、それぞれの事態に対応する陸海空三自衛隊の行動が挿絵つきで解説しておられるわけであります。しかし、それらを見ましても、時期や場所、相手といった点で具体的なイメージや現実感を感じられないというか、危機感がわいてこないわけであります。  これと比較いたしまして、例えばアメリカなどでは、予想される紛争の相手国や地域、紛争の背景となる諸条件についての具体的な設定を行い、それに沿って作戦計画を立案していると聞いております。  もとより我が国とアメリカでは防衛政策の根幹が異なっているわけですから、一概に比較できるものではないと思いますが、我が国の防衛政策においても、起こり得る事態については、仮想敵国を設定するといったことでなく、具体的な条件を設定して計画を立案することが必要なのではないでしょうか。  昨今、ガイドラインの見直しでも、透明性の確保が指摘されているところであります。余り抽象的で具体性のない計画や想定ではかえって周辺諸国の疑惑を受けることになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 ただいま米国の例も引いて御質問がございましたけれども、日本の場合、防衛政策あるいは防衛の基本的な考え方は、例えばアメリカは特定の脅威を想定して、そしてそれを見積もって、それに対応する国防政策あるいは国防力を考えるわけでございますけれども、日本の場合には特定の脅威を見積もるというようなことではなくて、いわゆる基盤的防衛力整備、そういう考え方で例えば防衛大綱もできているわけでございまして、そこに基本的な、まず防衛政策の基本の構築の違いがあるわけでございます。  しかし、御質問の中にございました、具体的な作戦計画等についても策定すべきではないかという御指摘がございました。これにつきましては、我が国におきまして、外部からの武力攻撃、もちろんそのおそれのある場合も含むわけでございますけれども、あるいは間接侵略その他治安維持上重大な事態が生起した際に自衛隊が対処する場合の自衛隊の対応につきましては、毎年度作成される年度の防衛、警備等に関する計画におきまして基本的な事項等について定めているところでございます。  そして、御質問にございましたが、透明性の確保という点についてでございますけれども、防衛庁といたしましても、各国が保有する軍備あるいは国防政策の透明性を高める、あるいは無用な軍備増強や不測の事態の発生あるいはその拡大を抑える、さらには国際社会に安定的な安全保障環境をもたらすために、そういった透明性の確保というのは非常に重要なことであると考えておりまして、我々もそういう分野で努力していきたい、積極的に進めたいと考えております。  ただ、今申し上げました年度の防衛、警備等に関する計画につきましては、これを公表いたしますとある意味で我が国の防衛の手のうちを明かすことになるわけでございまして、それは適当ではないと考えておりますし、各国におきましても、こういった種類の作戦計画が詳細に公表されているというふうには承知しておりません。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 緊急時の自衛隊あるいは警察、海上保安庁、在日米軍それぞれの対応を具体的な想定で質問をいたしてまいりたいと思います。  まず一番目に、外国の軍隊が我が国に侵攻してきた場合の対応策を具体的な形でお願いいたします。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 我が国に対する侵攻が行われた場合、その地理的特性から、航空機やミサイルによる経空攻撃がまず考えられるわけでございます。それから、艦艇による海上における攻撃、そして艦艇や航空機により地上部隊を輸送し、我が国の国土に上陸または着陸させて侵攻する着上陸侵攻、こういったものが考えられるわけでございます。  自衛隊はこれらの侵攻に対しまして、防空のための作戦、海上交通の安全確保等の作戦、そして着上陸侵攻対処のための作戦等が行われるわけでございますが、同時に、米軍とも共同して我が国の防衛に当たることになるわけでございます。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 次に、銃火器で武装したゲリラ部隊が日本に上陸してきた場合、内閣安全保障室、自衛隊、警察、外務、四省庁対策はどのように進められておるのか、お伺いをいたします。

三井康有内閣安全保障室長

○三井政府委員 一般論として申し上げまして、我が国の安全にかかわる重大緊急事態が発生しました場合には、政府が一体となってこれに対処する方針としているところでございます。関係省庁におきまして、それぞれの所掌に応じて適切な対応がなされるべきということは当然でございますけれども、内閣において適切に関係省庁の総合調整を図ることなどによって、政府一体としての体制を構築し、対処に万全を期することになるのでございます。  今お尋ねのございました、そうしたテロリスト等の上陸等につきましても、一般論として申し上げますと、事態の重大性等に応じまして、内閣としては安全保障会議を開催するとか、あるいは内閣において適切に関係省庁の総合調整を図るように政府の対策本部を設置するといったこと等によりまして、政府一体としての対処に万全を期することになると考えております。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 次に、想定の三でございますが、海上保安庁の巡視船が公海で大量の難民を発見した場合、公海から日本領海に入ってくる間際、そして、それから上陸するまで、海上保安庁、防衛庁、警察等はどのような連係プレーをされようとしておるのか、お伺いをいたします。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 大量の難民が我が領海内あるいは領土に向けて押し寄せてくる場合に、まず、海上の治安の維持という観点から、海上保安庁がこれに対応することになるわけでございますけれども、防衛庁といたしましては、その持てる装備あるいは知識、経験からいたしまして、警戒監視による情報収集というものが大きな役割になろうかと思います。そして、しばしば事例にもございますように、遭難者が出るといったようなこともございますので、遭難した避難民の捜索救難といったような業務がそこに出てくると思っております。  上陸した場合の法務省あるいは警察の対応ぶり、そういった問題もございますし、また上陸した後、この避難民をどういうふうに日本の領土内に一時的に置くかといったような問題、これは法務省ですとか、あるいは実際問題として自治体のいろいろな協力を得ながら、かつ防衛庁といたしましても、官庁間協力によりまして、いろいろな形でなし得る協力をしてまいりたいと考えているところでございます。

小原正則海上保安庁警備救難部警備第二課長

○小原説明員 海上保安庁といたしましては、一般論としまして、政府全体の方針のもとで、関係省庁と連携、協議しつつ、難民の数等の具体の状況に応じまして、巡視船艇、航空機の警戒監視を強化するなどして対応していくことといたしております。

近石康宏警察庁警備局警備課長

○近石説明員 御指摘の点につきましては、関係機関との間において、予想される事態について必要な検討を行っているところであります。  いずれにいたしましても、警察といたしましては、治安維持の観点から、大量に警察官を動員するなど必要な措置をとってまいる所存であります。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 その難民が武装しておりまして、攻撃を加えながら公海から領海に侵入した場合、そして上陸するまでの対応をお聞かせ願います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 一種のテロに対する対応という問題になろうかと思います。例えば武装難民といったような問題であろうかと思いますけれども、一般的に申し上げますと、まず第一義的には、これは警察機能、海上であれば海上保安庁、陸上であれば警察がその任務に当たるというふうに承知するわけでございますが、自衛隊といたしましては、テロ事件に際しまして、こういった警察機関からの依頼を受け、必要な支援を実施することになるわけでございますし、あるいはテロによる被災者が発生した場合には、災害派遣を行う、あるいは救援活動を実施するということになるわけでございます。  さらに申し上げますと、間接侵略その他の緊急事態に際しまして、一般の警察力をもっては治安を維持することができないと認められる場合におきましては、内閣総理大臣は自衛隊の治安出動を命ずることができることになっております。  さらに、これが外国の軍隊による攻撃であったといったような場合を一般的に想定いたしますと、当該外国の軍隊による攻撃が我が国に対する組織的、計画的な武力の行使に該当し、我が国を防衛するために必要があると認める場合におきましては、内閣総理大臣は自衛隊の防衛出動を命ずることができる、こういうふうに自衛隊法上等でなっているわけでございます。  いずれにいたしましても、自衛隊は、保有すろ装備や訓練等を通じて得た技能、知識を生かしまして、法令の定めに従い、関係機関と連携しつつ各種の事態になし得る限りの対応をしてまいる所存でございます。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 日本海側には原子力発電所が十カ所あるわけでございますが、これも、重火器を持つたゲリラ部隊から守るために警察、防衛庁がどのような検討を加えてこられたか、お聞きをいたします。  それと、警察と自衛隊という分担で、どのような分担で警備するのかを決めて合同訓練をやってこられておるのかどうかをあわせてお伺いいたします。

近石康宏警察庁警備局警備課長

○近石説明員 重要施設に対する警戒警備につきましては、不法事案を発生させないこと及び発生した場合における犯人の現場検挙の徹底を基本方針といたしまして、その事象に対する必要な警備措置を講ずることとしております。具体的には、警察と対象施設の管理者等との協力態勢によって警戒をしておるところであります。  なお、一般論として申し上げれば、警察といたしましては、御指摘のような事態に対しまして、これは治安の維持の範疇に入るという限定つきでありますけれども、関係機関との連絡を密にしつつ被害の防止を図るとともに、警察官を大量動員して早期に被疑者を検挙するなど、最善の対応をしてまいる所存であります。  なお、自衛隊とこの施設に対する警戒警備の関係での合同訓練はということでありますけれども、今のところ、まだやってはおりません。

小原正則海上保安庁警備救難部警備第二課長

○小原説明員 海上保安庁といたしましても、平素から巡視船艇、航空機を配備いたしまして、海難救助でありますとか海上交通の安全確保、治安の維持あるいは海上災害の防除等、さまざまな単務をいたしております。そういった中で、業務の一環として、御指摘のような事態がございましたならば、私どもとしても、先ほど申しましたように、巡視船艇、航空機による監視警戒の強化等を図りまして、万全の対応をとってまいりたい、こういうふうに考えてございます。  なお、そういう意味で防衛庁さんとの方の合同訓練等については実施はいたしておりません。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 これも防衛庁、警察との緊密な連係プレーの中で合同訓練をなさるように私からも強く要望いたしておるところでございます。  次に二番目に、我が国の有事対応能力について、まず有事に自衛隊が円滑に行動するための法制度の不備について質問をいたします。  昨年秋の北朝鮮武装工作員による潜水艦侵入事件では、韓国陸軍が国内に潜入した北の工作員に五師団もの部隊を投入して、大規模な掃討作戦を展開をいたしました。このときの韓国軍の作戦を詳細に分析したある自衛隊の幹部は、同様の事件が日本で起きた場合、仮に国立公園に指定されている山中で戦闘となった場合、自然公園法の制限を受けているので、自衛隊はざんごうすら掘れないと言っておるのであります。  そのようなもろもろの法の不備、例えば防衛庁所管の法律では、自衛隊法百三条、土地を使用できない、あるいはまた建物を撤去できない、そして防衛庁職員給与法第三十条、隊員の出動手当などのための特別立法がない、自衛隊法九十五条、レーダー、通信機材を防護できない、自衛隊法七十条、防衛出動待機時からの予備自衛官招集が必要だ等々、これも、他省庁の管轄の法律等々でもまだまだ問題点が指摘されておる法令がたくさんございますが、防衛庁の今後の方針をお聞きいたします。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 今御指摘になられましたように、いざ自衛隊が出動するときになりましたときに、いろいろと抱えておる問題はございます。  昭和五十三年当時から研究をされておりますけれども、これは、我が防衛庁だけではなくて政府全体に係る問題等もございますし、また、当時から今日に至るまでの国民世論、国会での議論、そういうのも踏まえてのことと思いますけれども、研究はされておりますけれどもまだ法の整備がなされていないわけでございます。  先般私も各法令ごとに問題点を全部整理いたしまして、少なくとも我が防衛庁に係る問題については、単に研究にとどまらず整備を進めるべきじゃないか、そういうような角度から今検討を行っておるところでございますけれどもへ先ほど言いましたように、事法整備に係ります法の制定ということになりますと、これはやはりこういう安保委員会を初めとする国会の御論議等も十分に踏まえながら対処していかなければならないわけでございますので、私どももその辺のことも十分に加味しながら、これから先も検討を進めてまいりたいと思っております。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 次に、やはり平時から有事法制度を整備しておく必要があると思うのですが、三矢研究や栗栖発言等々で制服組の独走というイメージがつきまとい、長年これらははれもの扱いにされてきた経緯があると私は思います。  有事法制度の引き出し論といいまして、平時は机上の検討作業だけを進めておいて、いざというときに国会に提出してスピード審議してもらったらよいという引き出し論もあるわけでございますが、自衛隊の制服組からは、一〇〇%満足できる法律ではなくても、やはり平時の段階で国民に見える形で国会で審議すべきだという意見もあります。私は当然だと思います。  政治家が法律をつくってくれないと自衛隊は勝手に行動せざるを得ないという内部矛盾を抱えておるわけであります。私も宝塚の出身で、阪神大震災の教訓を生かして、自衛隊のための有事法制を定めることが我々政治家、役人の仕事ではないか。有事の際の自衛隊の出動マニュアルをつくれば、災害にも適用できるのではないでしょうか。  さらに、極東有事の際の対米軍の後方支援、そして次に米軍への物資提供のための法制、日米安保条約の第六条事態、極東有事にかかわる米軍の後方支援の有事法制についてどのような検討が進められておるのか、お伺いをいたします。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 ただいまガイドラインの見直し等を行っておりますけれども、これらの見直し声ことしの秋までに行った後、これを国内的にどういう形で実施していくか、これはまだそういう結論が出てまいりました中で検討しなければならないわけでございまして、今ここで直ちに極東有事の場合に必要な法制をつくらなければならないということを言うわけじゃございませんけれども、そういう過程の中で種々検討をしていくべきものと思っております。  ただ、委員が今おっしゃいましたように、とにかく緊急事態になってからばたばたとそこで慌てて法律をつくって通すということになりますと、えてして問題点を欠落してみたり、あるいは非常に行き過ぎてみたりするわけでございまして、やはり平時において絶えずそういう必要なものについては整備を図っていく、そういう態度を持っておかなければならないことはおっしゃるとおりでございます。これから先もそういう姿勢で臨みたいと思っております。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 阪神大震災のときに私も経験をいたしたわけでございますが、緊急時の自衛隊員の動員能力の現状と向上の必要性、この面での即応予備自衛官制度の有効性、具体的に言いますと、一月十五日が成人の日、そして十六日が月曜日、そして十七日の火曜日の早朝に阪神大震災が起こったわけでありますが、休日、祭日等々の連休等が寄ったときの自衛隊の緊急招集等々についてもお伺いをいたします。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 自衛隊では、各種の緊急時に対処するため、これは災害派遣も含むわけでございますけれども、そういった各種の緊急時に対処するため、領海とその周辺海空域の警戒監視や、防衛に必要な情報の収集、処理、分析を平時から常に実施する態勢を維持するとともに、関係機関との密接な連絡をとっているところでございます。  また、自衛隊の部隊等におきましては、緊急時の初動に対応し得るよう、営外居住者についてもできる限り駐屯地の近傍に居住するための努力を行っております。と同時に、必要な活動を迅速に実施し得るよう、状況の進展に応じ、必要な範囲で営外にいる隊員の招集を行う等所要の勤務態勢をとることとしております。  このように、緊急時の初動の隊員確保に必要な態勢は整備されていると考えておりますが、今後とも、訓練等の実施に努めるなどして、迅速な対応のための必要な努力を行ってまいりたいと考えております。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 次に、尖閣諸島、竹島などの領土問題についてお伺いをいたします。  先日、衆議院議員のある方が尖閣に上陸をされました。これに対し、梶山官房長官は、固有の領土だが土地の所有者が上陸を認めていない、現場などで事実関係を説明したが、無視して上陸したことは大変遺憾であると批判をされておるのであります。国連が一九六八年の調査で海底資源の存在を発表して以降、突如として領有権を主張してきました中国や台湾などに対する外交上の配慮ではなく、あくまでも国内法に照らした上で遺憾との判断を政府はされております。  これに対して、一部世論は、政府は国内法に照らして対応策を講じようとしているが、領土問題は政治問題であって、国内法を云々して処理する性格のものではない、また、昨年政治結社が灯台を建てたのも、台湾、香港の活動家が不法上陸したのも、政府が日本国有の領土であるという観点から当然なすべき施政権の行使を怠り、逮捕も含む毅然とした姿勢を示さなかった無為無策に根本的な原因があると批判する意見もあるわけでございますが、政府の見解をお伺いいたします。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 先般のある衆議院議員の方を初めとする何人かの方の尖閣諸島への上陸の問題につきまして、政府としての考え方はどうかという点でございますが、この件につきましては、私は外務大臣の立場で、その日の記者会見でも申しましたし、その後、国会におきましても幾つかの委員会で御質問がございましてお答えしているところでございますが、私どもが考えておりますのは、三つの点からこのような行為は政府として遺憾であるというふうに考えております。  まず第一点といたしまして、尖閣諸島が我が国の固有の領土であるということは、これは歴史的に見ましても、あるいは国際法上から見ましても疑いのないところでございます。それだけではなくて、現に我が国が有効にこれを支配しているところでございます。そういう状況にあるところへ、今回の出来事のように事改めて上陸して我が国の主権を主張するという必要性は必ずしもないんじゃないかと思います。むしろ、そのような行動のために、そういった行為をなさった方御自身が意図された効果とは逆行するような結果をもたらすおそれが少なからずあるんじゃないか。こういう点を私どもはまず第一に申し上げているところでございます。  それから第二に、今委員が言及されましたけれども、官房長官の会見でのお話の中でも出ておったところでございますけれども、先般上陸された魚釣島という島は、これは私有地でございます。そして、その土地所有者からかねてから政府に対しまして、これまで無断で島へ上陸したり工作物を設置するなんということが行われたけれども、自分としては大変迷惑である、だから、自分たちの権利に対するそのような侵害行為に対しては関係法令に照らして厳重に対処してもらいたい、こういった御要望が寄せられておった、こういうこともございます。これは第二点として挙げさせていただいたわけでございます。  それから、第三点といたしまして、いずれにいたしましても、尖閣諸島に対する我が国の立場は一貫したものであるわけでございますが、そして変わらないものでございますけれども、しかし、この問題をめぐるいろいろな事態によりまして日中関係全般が損なわれるようなことがあってはいけない。したがいまして、本件につきましては、関係の方々が冷静に対応していかれることを期待している、こういうことがございます。  こういった三つの点を踏まえまして、政府といたしましては、先般行われたような行為は、これはやはり遺憾だな、こういうふうに申し上げているわけでございまして、決して土地所有者の方のお立場だけを唯一の理由として申し上げているのではないということをこの際改めてはっきり御答弁させていただきます。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 領土問題という国の根幹にかかわる重大問題を単なる宅地問題のレベルで処理しようとした認識に錯誤がある、不法上陸した外国人を逮捕せずして自国民に厳しく対応するのは本末転倒だという意見もあることも付言しておきます。  次に、韓国の建設交通大臣が、竹島に建設中の接岸施設を当初の予定より一年早い一九九七年末に完成させ、完成後には竹島を一般観光客にも開放する方針を明らかにいたしております。そして、九八年末までには竹島に宿泊施設やトイレなどもつくることを検討している。そして、ことしは二月二十日現在で百五十二人が竹島を訪れ、上陸しておる。この事実、政府はどのように認識をされ、対応されようといたしておるか、お伺いをいたします。

加藤良三外務省アジア局長

○加藤(良)政府委員 委員御指摘の竹島における埠頭建設、これにつきましては、昨年の二月以降いろいろな動きがあることは事実でございます。その事実は、報ぜられたりして私たちがそれを承知するに至った段階で、これを韓国政府との間で確認し、確認がとれ次第確実に遅滞なく申し入れをこれまで累次行ってまいっております。例えば最近では四月十四日の日韓外相会談の場においても、この問題との関連で日本側は日本側の累次明らかにしてきた立場を再び明確にするということがございました。  今後とも、私どもは、そのような対応をとり続けることによって、韓国が今竹島に対して行っている事実上の占拠、事実上の支配というものが決して実効的な支配を構成しないという対応はまず心がけていくつもりでございます。

阪上善秀自由民主党

○阪上委員 やはり日本国有の領土には政府も毅然たる態度で臨んでいただくことを要望いたします。  通告は五項目しておりましたが、丁重な御答弁をいただきましたので、時間が足りませんので、きょうはこの辺でおきます。  ありがとうございました。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 次に、奥山茂彦君。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 自由民主党の奥山でございます。  私は、今までずっと地方議会におりましたので、防衛庁とか外務省といろいろ議論させてもらうという機会がなかったわけであります。そんなことで、きょうこのような場を与えていただいたことに心から感謝申し上げたいと思います。  ところで、先日来から、日米安保条約、またガイドラインの見直し等々、いろいろ議論がなされてきておるわけであります。その中で、これまでずっと、いろいろな紛争当事国、あるいはまた開発途上の国々の比較的治安のよくないところ、あるいは国際的な紛争が生じている地域、これに対して我が国が日本の軍事力でもって直接平和の回復に乗り出すということは当然できないわけであります。しかしながら、最近、随分我が国の役割もいろいろ変わってまいりまして、もちろん外交的な努力は当然のことでありますけれども、単なる経済的な支援だけで我が国が国際的な貢献を果たせるかということになってくると、これはいろいろと我が国の責任の中で厳しい問いかけが出てきておるように思います。  こういう中で、紛争地域の平和的な解決のために、経済的な支援対策と外交的な努力だけで我が国はこれからも許されるかどうか、こういうふうな問いかけがこれからも来るのではなかろうかと思いますが、こういう点について、外務大臣、いかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 委員御指摘のとおり、紛争の終息のために、あるいは紛争が起こる可能性が非常に濃厚な状態にある地域についてそれを予防するために、国際社会がいろいろ対処していく、そういった努力の中にありまして、我が国としてどういう手法をもってどういう役割を果たしていくか、いろいろ考えなくてはなりません。  これまでの我が国のあり方からいたしますと、おっしゃるとおり、経済的な観点から申しまして、民生の安定を図っていくとかあるいは難民問題に対処する経費を負担していくとか、そういった面において大きな役割を果たしてきたのはそのとおりでございますが、それだけではございませんで、例えば外交手段ということもおっしゃいましたけれども、和平を実現するために、いろいろな仲介作用を国際機関の中にあってあるいは我が国単独で行ってきたこともございます。  例を挙げて申しますならば、カンボジアの和平の実現の過程において我が国もかなりの寄与をしたと思いますし、あるいはヨーロッパにおけるボスニア・ヘルツェゴビナ等旧ユーゴの安定のためにもいろいろ外交的な役割も果たしております。中東の和平のプロセスにつきましても、私自身が現地へ行きまして、関係各国、アラファト議長とか、あるいはネタニヤフ・イスラエル首相とか、そういった方々に対する働きかけを初めとして、外交努力をいろいろな形でやっております。  さらに、最近では御承知のPKO活動でございますね。現に、現在でもゴラン高原で自衛隊の方々が非常に立派な活動を展開しておられますが、これまでカンボジアにおいてあるいはアフリカの諸国においても大変国際的にも評価される活動をしてこられたというのは、御承知のとおりでございます。  これからは、そういったふうに、経済面だけではなくて、外交的な手段あるいはPKO等々を含めた活動も組み合わせながらやってまいりたいと思います。  もちろん、そういった人的な貢献というのも、自衛隊だけじゃございませんで、ほかのいろいろな官民の方々、その中にはいわゆるNGOと言われるような、自発的にそういった活動に参画していこうという方々の活動もあるということは、論をまたないところでございます。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 そこで、今大臣からたまたま話が出たわけでありますが、例えばカンボジアにおいても我が国はPKOの活動で積極的に寄与をしたわけでありますが、ことしの三月七日に対人地雷に関する東京会議というものが持たれたわけであります。我が国も積極的にこの中で大きな役割を果たし、また地雷除去に関してこれからも積極的に役割を果たしていかなければならないわけであります。  その中で、日本のPKOの活動として、日本の自衛官が現地に派遣をされておるわけでありますが、これまではどちらかというと、道路をつくったり、橋をつくったり、こういうふうな役割が多かったわけでありますが、御案内のように、例えばカンボジアにおいても、あるいはまたモザンビーク、あるいはまたアンゴラ、ボスニア、あるいはまたニカラグアとか、こういった地域で非常に大量の地雷が今もって残っているわけでありまして、これによってその地区の国民が非常に死んだり、あるいは負傷したりという事態がずっと頻繁として起こっておる。ところが、実際にはこういう地雷の除去というものはなかなか現実問題として進まない。  こういうふうな状況にあるわけでありますが、日本のPKOの活動としてこういう地雷の除去に関与できないか、こういうふうなことを問われたことが私もあるわけでありますが、こういう点についてはいかがでしょうか。

長崎輝章総理府国際平和協力本部事務局派遣担当参事官

○長崎説明員 お答え申し上げます。  先生御案内のように、自衛隊の部隊が地雷撤去を目的とする業務を行うことは、国際平和協力法第三条第三号二の「放棄された武器の収集、保管又は処分」に該当すると考えられるわけでございます。  したがいまして、現在、国際平和協力法第三条三号のイからヘまでの業務につきましては凍結の対象となってございまして、今申し上げました三条第三号二の「放棄された武器の収集、保管又は処分」も同様に現在凍結されておりますので、別に法律の定める日までの間は国際平和協力法上この業務は実施できないということでございます。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 PKOの活動では確かに今この業務には関与できないということにはなっているそうでありますけれども、ただ、紛争当事国がみずから地雷除去を積極的にやりたいという事態になったとしても、現実問題除去する機器がその国にもないわけであります。こういう場合に、もし我が国がそういう地雷除去の機器を当事国から要請されたときに、無償提供あるいはまた輸出等、こういうことができるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。

桑山信也通商産業省貿易局輸出課長

○葉山説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のような装置の輸出に関しましては、まずそのような装置が武器に該当するかどうかということを個々に判断する必要があるかと思います。場合によっては、汎用品でほかにも使えるものを地雷の除去に使うということもあり得ますので、そういう場合はもちろん制限はございません。  それから、次に、仮に武器に該当する、地雷除去専用のものであるというような場合には、武器三原則等に基づいて慎重に対処するということになりますけれども、その場合でありましても、当該輸出の目的あるいはその態様等によりましては、三原則の趣旨を損なわないものとして輸出を許可した例はございます。  例えば湾岸戦争のときに、報道関係者あるいは医療関係者の方々がお持ちになりました防毒マスク、これは現地で万全の管理がされ、かつ、帰国時に持ち帰られるということ等を前提といたしまして認めたわけでございますけれども、政府といたしましては、今後とも、以上のような考え方のもとに、その趣旨を踏まえまして適切に対処してまいりたいと思っております。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 具体的に物を見てみないとわからないというような解釈であるわけでありますけれども、我が国もこれから人道的な立場からも積極的にこういった面で貢献をしていかなければならない事態がどんどん出てくるのじゃないかというふうに思いますので、この辺は、特にまた地雷除去の、私も具体的なことはよくわかりませんが、そういう機器は人を初めから殺傷する目的を持った武器ではないわけでありますから、こういった面は積極的に貢献をするために提供できるような体制にすべきではなかろうかと思います。  それから、過日、中国に残された毒ガス兵器等の除去と撤去に我が国もこれから積極的に貢献をしていくことになっているわけでありますが、こういう場合のいわゆる除去装置、こういったものは中国側に積極的にこれから日本が出していけるのかどうか、その辺もあわせてお尋ねをしたいのです。

加藤良三外務省アジア局長

○加藤(良)政府委員 中国遺棄化学兵器の処理問題については、四月十日、十一日に第一回の日中間の課長レベルでの共同作業グループの仕事が発足したばかりの状態にございます。今後もこの作業はなるべく迅速に進めていきたいというふうに考えておりますし、また、実態調査の方も引き続き並行して行っていくということで、五月二十六日から六月二日にかけて、また調査団を中国へ出すつもりでおります。  そういうことで、今現在、まだ物事が始まった段階にございまして、いかなる技術が必要であるか、どういう環境面の配慮、安全面の配慮が必要であるかといったことはこれから詰めていかなければならない段階にございます。それらをすべて中国との話し合いを通じて固めていかなければならない。その段階においていかなる物が中国に送られる必要があるかといったような具体的問題が出てこようかと思いますけれども、現在、まだそこまで遠く至っておらない状況でございますので、そのように御理解いただきたいと思います。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 わかりました。じゃ、後の進捗のぐあいをまた聞かせてもらいたいと思います。  次に、今内閣で危機管理の問題でいろいろこの間からも議論がなされておるわけでありますけれども、先日、ペルーの日本大使館占拠事件があったわけでありますが、ペルーの場合は、人質の救出に対してペルーのいわゆる特殊部隊が出動してほとんどの人質を救出してくれたわけでありますが、もしまたほかの国でこういう事態が生じたときに、しかもまた、その国が特殊部隊等を持たないような国でこういったテロ事件があるいは大使館の占拠事件が起こったときに、この場合、その国の警察が対応できないときは日本の警察が現地に出ていけるのかどうか、こういった点はいかがでしょうか。

近石康宏警察庁警備局警備課長

○近石説明員 純法律的に申し上げるならば、特殊部隊の派遣を含め、外国領域における警察の権限行使、これは、現行の警察法第六十一条、管轄区域外における権限に基づきまして国内法の範囲内でこれを行使することができるというふうに考えております。  ただし、警察による権限行使は国の公権力の行使に該当する行為ということでありますので、外国領域におきましては、相手国の主権を侵すことのないよう、相手国の同意が得られた場合に限りこれを行使できるというふうに考えております。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 その場合に、これは相手国の同意をもらわなければならないし、それは当然なことであろうと思うのですが、もう一つ、もちろん警察とともに、場合によっては自衛隊が、もしかなり深刻な紛争状態が生じておる場合に、日本の自衛隊がその救出に向かえるのかどうか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 御承知のように、自衛隊の行動については自衛隊法で規定されておりますし、また日本国憲法、特に九条で武力の行使ができないということになっておるわけでございます。  こういうような状況からして、特に紛争があっているような国で一方の側がそういうテロを行ったというときに、それを救出するのに、その国の時の政府が自分の方ではすべがないから来てくれと言ったからといって、はい、行きますかということにはなかなかなりにくいのではないか、そういうふうに思います。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 じゃ、今、日本の警察の方には、いわゆるハイジャックあるいはテロといった問題が生じたときに、相手国の同意があるならば、こういう場合の救出に日本側から日本の警察が出ていくということは、先ほど法的には可能だということをおっしゃっていたわけでありますが、多分にこれは外国で生じたことでありますので、当然、外交的な問題を処理した上でしか出ていけないと思うのですが、この場合の可能性としてはあるのですか。もう一度。

近石康宏警察庁警備局警備課長

○近石説明員 警察では、ハイジャックや人質立てこもり事件等に対応するために、警視庁を初め全国七都道府県に特殊な装備資機材を保有する合計で約二百名から成る特殊部隊を編成しているところでありまして、これで、連日、実践的な訓練に努めておるということで御承知おきをいただきたいと思います。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 わかりました。できるだけそういう事態にならないように我々も願っておりますので、これからもまた十分検討をしていただきたいと思います。  次に、政府の方も、防衛協力に関するガイドラインの検討というものが今積極的に行われておるわけであります。  その中の一つとして、先日も当委員会で参考人を呼んでいろいろ議論がなされたわけであります。西元参考人がおっしゃっていることに、いわゆるシーレーン防衛、海上自衛隊が湾岸戦争のときにあの地域に残された機雷の除去に出ていって、改めて我が国の機雷除去の技術が非常に高いということが評価されておるわけであります。  これは、当然、日米防衛協力に関するガイドラインにも触れてくるかもしれませんが、我が国は、言うまでもなく、中東から大量の石油を購入をし、これがとまっただけで石油パニックが過去において生じた、こういうこともあったわけであります。また、このシーレーンがとめられて、かつての第二次大戦、太平洋戦争勃発の契機になった。  こういうふうな我が国にとってはある意味で生命線と言えるこのシーレーンの防衛に、海上自衛隊が掃海艇を派遣し、機雷除去を公海上でできるようなことで――もしそういう事態が生じて、それを外国に一々お願いをしなければならないというようなことが、我が国の立場上からいうとできないのではないか。やはりこれはみずからやらなければならないのではないかと思うのですが、その辺、防衛庁長官、いかがでしょうか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 具体的にどういう状況のもとであるかということによっていろいろと判断が難しいと思いますけれども、かねてから私が言っておりますように、我が自衛隊ができないのは、とにかく武力行使になることはやれないということを言っておるわけでございます。  そういうことではなくて、我が国の商船あるいは漁船、そういったものが通航するときに機雷があって危なくてやれないというときに、それをだれもやってくれないときにほっておいていいのかとなりますと、それは、そういうわけにいかぬわけでございますから、我が国の中でやれるとなれば海上自衛隊しかないわけでございますから、海上自衛隊がやるということになろうかと思います。  だから、機雷が敷設されている、遺棄された機雷なのかあるいはまた敷設された機雷なのか、その場所にもよるでしょうけれども、どういう状況にあるか、そういうことを想定しながら議論しませんと、一般的に機雷があるものは除去できるのかと言われましても、できる場合もあるしできない場合もあるとしか答えることができないわけでございます。  一つのメルクマールは、とにかく我が国の他国に対する武力行使でないというような場合には、自国の商船等を守るために当然できるというふうに理解しております。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 我が国のいわゆるシーレーンと言われる地域というのは、非常に広範囲になるわけでありまして、また公海になるわけであります。だから、我が国が関与しない国際紛争が起こって、そしてその過程でもって公海上に、あるいは公海の外でもいいのですが、そこに機雷が落とされたときに、それが流れていく先によっては完全に商船はそこは通れない状態になってしまうわけでありますから、やはりそれはみずからやらなければならないのではないかというふうに思うのですが、そういう点でもう一度だけ聞かせてもらいたいと思うのです。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 あるA国、B国が争っておって、そこでその交戦状態の中で機雷が敷設されている、あるいはまた敷設された機雷がその周辺に流れておる、そういうところに、シーレーンであるからといってそう簡単に掃海に出かけていけるかどうか、なかなか問題があろうかと思います。したがいまして、そういう抽象的な議論になりますと、なかなか判断ができないわけでございます。  シーレーンといっても、何もそこを通らなくても、遠回りをしても行けるわけでございます。だから、そこしか道がないというようなところに敷設されるということになりますと、そこは戦闘状態の地域ではないのか。そうしますと、従来から法制局で見解を出しておりますように、交戦状態になっておる、そういう場合に、武力行使との一体性につながってくる、密接な関連があるとか、そういういろいろな判断がされた上で、これはやはり避けるべきである、行くべきではないという判断の方が強いのではないかと思います。  したがいまして、言っておられるような内容のことが具体的にはっきりしませんとなかなか答弁しにくいわけでございまして、先ほどからくどいようでございますけれども、あくまで他国に対する武力の行使になるようなことはできない、そういうことでそれを判断していただければある程度の状況判断ができるのではないかと思います。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 具体的なそういう事態が起こらない方がいいわけでありますから、長官に向かって、こういう事態でということは、きょうはあえてそれ以上は申し上げることはないかと思います。  そこで、最後にもう一つだけお尋ねをしたいのですが、昨年からことしにかけましてナホトカ号の油の流出事故があって、私は京都でありますので、丹後半島をずっと回ってまいりました。当然、油の漂着の状態を調査するために行ったわけであります。ちょうど回った先がたまたま丹後半島の経ケ岬でありまして、この経ケ岬にはレーダーサイトがあるわけであります。  このレーダーサイトは、今非常によく見えるところにあるわけです。これはレーダーですから、その網をかぶせるためには当然そういうところに置かなければならないのはわかっておるわけでありますが、これがどちらかというと丸裸の状態になっておるわけであります。  当然、外国が日本に攻撃を加えるとすれば、例えば航空による攻撃を加えるとすれば、一番にレーダーサイトがねらわれるということは改めて言うまでもないのですけれども、いろいろ我々も聞いておりまして、そのレーダーサイトが攻撃されたときに、次善の防御策は何ですかと言ったら、実はそれにかわるものは、ないとはおっしゃいませんでしたけれども、なかなか十分な対応はできません、こういう話を聞いたわけであります。  日本にはレーダーサイトはずっと各所に置かれておるわけでありますが、こういう施設を守るのに一体どんな対応がなされておるのか、この辺についてお尋ねをしたいと思います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 レーダーサイトに関しましては、経空攻撃に対しまして基地防空用火器の配備等により抗堪化を図ってきているところでございます。また、必要に応じ基地警備の態勢の強化を図ることにより、地上からの攻撃に対しても対処しているところでございますが、他国からの攻撃によりましてレーダーサイトに被害が生じた場合には、レーダー覆域に盲域、要するに見えなくなる空域が生じまして、警戒監視及び要撃管制に重大な支障を及ぼすことになるわけでございます。  これがやられた場合に対策を考えていないということを聞いたという御質問が今ございましたが、我々としては、このレーダーサイトが機能しなくなった場合の代替措置を幾つか考えております。  まず一つは移動式レーダー。この移動式レーダー部隊というのが全国に十二個隊ございます。各隊が移動式レーダー一式を保有しておりまして、もし固定レーダーサイトがやられました場合には、直ちにこの移動式レーダーを持つ移動警戒隊がそれに取ってかわる機能を発揮する。  さらに申しますと、九年度末に取得の予定でございます早期警戒管制機というものがございます。この早期警戒管制機はレーダーサイトを含めた地上の警戒管制組織の代替機能も有しているわけでございまして、かかる航空機の活用も考えて、仮に固定式レーダーサイトの機能が破壊された場合の対応を一応こういう形で考えているところでございます。

奥山茂彦自由民主党

○奥山委員 できるだけ心配のないように、十分な対策を立ててもらえるように、これはお願いをしておきたいと思います。  もう時間がありませんので、これで終わらせていただきます。  ありがとうございました。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 次に、今村雅弘君。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 自由民主党の今村でございます。  私は平和愛好主義者でございまして、こういうきな臭い話には余り関係がないわけでございますが、それだけに何としても平和を守らなければいけないといったことで、この安全保障の問題につきましてはこれからも一生懸命勉強してまいるつもりでございます。そういった立場から、幾つかの御質問と申しますか、お考え等をお聞かせ願いたいというふうに願う次第でございます。  まず、きょうは三十分ということでございますので、時間があるかどうかわかりませんが、一般的に、我が国をめぐる情勢、特に昨今の東アジア、東南アジア、とりわけ中国の進出といいますか、そういったものを含めましてどういった状況認識をしておられるのか。また、それに対応して我が国の防衛力のあり方、例えば、今陸海空とございますが、今のようなそういった編成でいいのだろうか。もう一つは、戦いが始まる前にいろいろな形でまず情報をしっかりつかまなければいけないといったことで、そういった体制が十分に機能するようになっているのだろうか。さらには、それに関連いたしまして、偵察衛星でありますとかあるいは戦域ミサイル防衛の件とか、そういったことにつきましても時間があればお伺いしたいというふうに考える次第でございます。  まず第一点でございますが、今まさに冷戦構造が終わりまして、世界は本当に平和の配当と言っていいような発展を遂げているところもあれば、また逆に、その代償といいますか、たがが緩むといいますか、そういった形で非常に混迷度を深めている地域もあるわけでございます。そういった中で、特に日本を取り巻くアジアの状況は、比較的、これもいろいろな状況といいますか、それぞれに厳しい状況、そして楽観できる状況、できない状況等々あるわけでございます。一番の問題は北朝鮮の問題でございましょうが、これにつきましてはいろいろなところで議論されていると思いますので、私は特に東南アジアの関係についていろいろお聞きしたいというふうに思います。  東南アジアは、御存じのとおり、今著しい経済発展といいますか、そういったことを遂げているわけでございます。いずれヨーロッパ、アメリカ、アジア、三つの経済圏に世界は分かれるだろうと言われておりまして、我が国の発展もこの地域のいかんにかかっているわけでございます。  そうした中で、経済成長が非常に著しいということになりますと、逆にナショナリズムも非常に起こってくるといいますか、一つ言われていますのは、今、東南アジアの諸国で軍備の増強といったものが非常に行われている。武器の購入のレベルといいますか、かなりのピッチで伸びていると伺っておりますが、なぜそういうふうに軍備を増強されるのか、どういう考えでやるのか、あるいは、ここに今石油資源が眠っているわけでございます、そういったものを加えていわゆる南沙諸島等の紛争が起きているとも言われておりますが、そういったことについてどのように認識しているのか。  そしてもう一つは、中国の進出ということでございます。これについていろいろ言われておりますが、その中でも、七月一日に香港がいよいよ返還されるということになるわけでございます。アジア間における力関係といいますか、そういったものについてどのような変化が起きると認識しているのか。  そういったことについてで結構でございますので、取りまとめて御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 委員御指摘のとおり、アジア地域は今世界の中でも成長センターと言われるように、目覚ましい経済発展をしているわけでございますが、とりわけその中の東南アジアの諸国、ASEAN諸国を中心としまして、今、一つ、また一つとテークオフを実現しながら経済の成長を遂げておられます。  そういった中で、政治的にも安定していく、また民主化も進展していくという一般的傾向がありまして、いわば経済成長と政治安定が一種の好ましい好循環を生んでいるというのが趨勢だと思います。そういった中で、それぞれの国にとりましても、平和な状態の中で経済成長をさらに進め、国民生活の向上を図っていくということが、政策体系の中でも一番プライオリティーの高いものになるということでございます。そういった基本的な認識がございます。  しかし、他方におきまして、委員も御指摘になりましたけれども、スプラトリーアイランズを初めとして領有権をめぐっての争いがある等、不安定な要因もございますし、時に、特にそれが資源との関連でいろいろ緊張度を増すおそれというものもあるわけでございます。そういったところは注意していかなくてはいけないと思っております。  もう一つ指摘しておきたいと思いますのは、そういった東南アジアの地域も含めまして、今いろいろな地域的な国際的な枠組みができております。例えば経済面でのAPECというものもございます。そういった中で、特に安全保障にかかわるものといたしましては、ARF、ASEAN地域フォーラムという枠組みでございますが、これが最近急速にその役割を高めてきておりまして、お互いの信頼醸成、さらには安全保障対話の枠組みとしてこの地域の安定にこれから大きな役割を果たすのではないかと期待もし、そして日本も積極的にそれに参画しておるわけでございます。  その枠組みの中で、例えば領有権をめぐる問題についてもある程度の話し合いが行われる。まだ今の段階でそれが解決に結びつくというところまでは遠いというのが実態でございますが、少なくともそういうことが話題になることもあるということも、私ども、この地域の安定を図る上において好ましい傾向だ、こういうふうに考えております。  それからもう一点、委員が御指摘になりました、一方で経済成長の成果が軍事力の強化に結びつく点があるのじゃないか、それが武器の近代化あるいは調達の競争につながるおそれがあるのじゃないか、そういったところも私ども注意して見なくてはいけないところだと思います。しかし、そういったところは、今申しましたような安全保障をめぐるいろいろな対話などを通じてお互いの信頼感が高まってまいりますならば、要らざるあるいは望ましくない軍拡競争なんかがエスカレートすることに対するブレーキといいましょうか、抑止の力もあるのじゃないかというふうに考える次第でございます。  それから、この東南アジア地域にとりまして、中国がこれからどういうふうな動向をとるかというのは、当然のこととして大きな意味を持っておると思います。あれだけ大きな国でございますから、食糧の問題、資源の問題の観点からもそうでございますし、あるいはマーケットという意味でもそうでございましょう。それからまた、先ほど申しました領有権をめぐる紛争の一つの当事者としての中国ということも当然考えなくてはいけないと思うわけでございます。  しかし、中国につきましても、基本的に申しますと、改革・開放路線を通じて民生の向上を図っていくということが最大の政治目標になるということでございましょうから、そういうことを我々念頭に置きながら、この東南アジアも含めたアジア・太平洋地域で大きな役割をこれからも果たしてほしい、建設的なパートナーとしての役割を果たしてもらうように、今でも基本はそういう姿勢でございますが、それをさらに強めていかれるように、日本等々の国も慫慂していくといいましょうか、そういったことでやってまいりたい、こう考えている次第でございます。  それから、香港の問題についてもちょっとお触れになりましたけれども、七月一日以降、中国に返還されましても一国二制ということで、基本的にこれまでの香港が維持してきた機能も維持される、あるいは社会の状況も維持されるという了解になっておりますので、私どもも、現在の香港の安定なり繁栄なりが継続されるということは、香港の方々にとって重要であるだけでなくて、中国にとっても重要でございましょうし、日本も含めたアジア・太平洋地域にとっても香港の果たす経済上の役割は非常に重要ですから、そのようなことで、香港の中国返還後も現在の制度が維持され、これまで香港がこの地域の国際社会、とりわけ国際経済の中で果たしてきた役割が維持されることを期待している、こういうことでございます。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 どうもありがとうございました。  その中で、二つほど具体的にお聞きしたいのですが、ただいま軍拡競争ということがございました。これについて、日本政府として、あるいは外務大臣としてでも結構でございますが、もう軍拡競争はやめようじゃないか、やめてくださいよ、そういった呼びかけといいますか、そういったことを具体的に何か考えてはおられないのでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 私は先ほど御答弁の中で軍拡競争があるとは申し上げておりませんので、軍拡競争なんてことにならないように注意していかなくちゃいけないな、こう思っておるわけでございます。  そういった意味では、先ほども御答弁申し上げましたけれども、何といいましても、その地域のお互いの国の間での信頼関係ができ上がるということは基本だと思います。  そういった意味では、当然のこととして、ASEANの国々の間では、現在七カ国、間もなく十カ国になろうかとしておりますけれども、その間では、経済面、文化面だけではなくて、政治面、場合によっては安全保障面についてもかなり密度の高い対話が行われておりますので、そういった意味での信頼の醸成というのは進んでいるのだと思います。  さらに、そういったASEANの諸国も包含する枠組みとして、先ほど申しましたASEAN地域フォーラムという枠組みがございます。それは日本もメンバーでございますから、そこで積極的にそういった、今委員のおっしゃるような働きかけもしております。  とりわけ、昨年は、ARFのもとにいろいろなワーキンググループがございますが、その中の信頼醸成ワーキンググループの共同議長を我が国はインドネシアとやっておりまして、そういった場でも、幾ら経済成長が進むからといって、資源を軍備の方に過度に配分するということはお互いにとって決して好ましいことではございませんから、そういうことはやめましょうよという話をずっとやっていたわけでございます。  それからまた、御承知のとおり、これは地域の枠組みではございませんが、国連におきましても、軍備の管理なり軍備の縮小について我が国は積極的な役割を果たしておりまして、例えば通常兵器の分野でも、そういった武器の移転、売買なんかについては登録制度というのを国連の場で我が国が中心になって創設いたしました。それはまだ今は必ずしも十分な仕組みでないので、さらに改善しようかという国際的な会議をつい十日ほど前に東京で開いたところでございますが、そういったものも含めながら、もとより二国間の対話も通じまして、せっかく経済成長をしたならば、その成果は生活の向上にできるだけ多く回るように、そういった環境ができるように、日本としても努めてまいりたいと存ずる次第でございます。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 日本の国は中東から年間二億トンもの原油といいますか、このルートを通って運んでもらっておるわけでございますから、そういったことにつきましても、今後ともこの地域の安定ということに引き続き御努力願うことを心よりお願い申し上げます。  それから、先ほど香港と申しましたが、これはまさにある意味ではシンボリックな出来事ではないかというふうに考えます。そういう中で、特に人民解放軍が香港に進駐し、旗が翻るわけでございますけれども、一方、海軍の方は、人民解放軍の海軍もこの英軍の海軍基地を使うことになるのか、そしてどの程度のどういう艦艇がここに入ってくるのか。  これはシンボリックと申しましたけれども、やはり歴史の大きな転換点を象徴する事件として、中国の東南アジアにおけるプレゼンスといったものを示す大きなことになるのではないかと思いますが、もしわかっておられましたら教えてください。

加藤良三外務省アジア局長

○加藤(良)政府委員 中国の海軍部隊が直ちに返還後の香港に出てくるということはないというふうに承知いたしております。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 ついででなんでございますが、現在、第七艦隊なんかも香港にはたしか休養その他をかねて寄港といいますか利用しているはずでございますが、そういったことも今後は引き続き可能なんでしょうか。

加藤良三外務省アジア局長

○加藤(良)政府委員 この件については、最近、米国と中国の間に合意が成立したというふうに承知いたしております。  すなわち、昨年十二月に遅浩田国防部長がアメリカを訪問いたしました際に、当時のペリー国防長官との間に原則的合意が成立しておりましたが、今般、四月二十八日に、銭其シン副総理兼外交部長が訪米いたしました際に、米側との間で手続を含めて合意が成立したというふうに承知いたしております。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 香港返還後の軍の駐留につきましては、今、私手元に資料がなくて恐縮なんでございますけれども、中国の陸軍の部隊が駐留をするというふうに記憶しております。別途、中国に幾つかの地方管区の海軍がございますけれども、その海軍が香港の施設を使うのかどうかにつきまして、現在確認しておりませんので、また調査の上御報告させていただきたいと思います。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 それでは、時間の関係で次の質問に移りたいと思います。  先ほども申しましたが、これから日本の国は東南アジアの国々と生きて、まさに一心同体でやっていくということになるわけでございますが、そこには何といっても海があるわけでございます。さきの沖縄の問題でも、いろいろと沖縄の方に御迷惑、御負担をかげながらやってきたのも、やはりこの地域の平和の維持ということを一番の眼目にしたわけでございます。我が国の具体的な防衛力のあり方についても、今後、これはまさに議論が始まっていくというふうに思うわけでございます。  そうした中で、先ほども阪上委員からも出ておりましたけれども、具体的な戦のイメージといいますか、そういったものの中で、我が国の本土といいますか、日本国内で戦火を交えるということが本当にあるのか。  そういったことから考えた場合に、先ほど言いましたこれからの東南アジア問題も含めて、いわゆる海軍力と言ったらなんでございますが、もっともっと海上自衛隊の機能を思い切って強化するとか、そういった形の中で自衛隊の三軍の編成も大胆に変えた方がいいのではないかというふうに私は個人的に思っているわけでございます。中期防にしましても、こう言ってはなんでございますが、それぞれに横並びで縮小しているといいますか、どうもそういったイメージがぬぐえないわけでございますが、こういったものについて、差し支えなければで結構でございますが、防衛庁長官、今後どのようにお考えになっているのか、お聞かせを願えれば幸いかと思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 今度の防衛大綱を決めます場合、あるいはまたそれに基づいて中期防を決定します場合にも、そういうような変化を見ながら、陸上自衛隊を十八万から十六万へとか、あるいはまた、それぞれの配置の状況等についても旅団化をしたり、いろいろなことでやっておるわけでございます。  ただ、ここで委員にまた反論するわけではございませんけれども、一たんがらっと大きく変えてしまいますと、なかなかもとに戻すことができないのも事実でございます。したがいまして、外国等のいろいろな諸要素、これだって急激に大がかりに変わるわけじゃございませんけれども、今私どもがいろいろと予測したのがまた逆に大きく変化することだってあり得るわけでございますから、そういうような状況等もにらみながら、緩やかに転換をしていく必要があるんじゃないか、そういうような気がいたしております。  いずれにしましても、冷戦構造が終わって、その後の我が国周辺の状況等を十分にらみながら新しい防衛大綱は決められたわけでございますので、私どもは、今、その新防衛大綱に基づいて着実な整備を図っていくことが揺るぎない我が国の防衛につながっていく、そういうふうに確信を持ってやっているところでございます。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 今、そういったお考えをお聞きしたわけでございますが、私が思いますに、どういう形で紛争といいますか争いが起きるにしても、日本の国は海に囲まれているということで、部隊の移動その他も海を使うケースというのは非常に多いんじゃないか。  したがって、米国には海兵隊というのがあるわけでございますが、陸上自衛隊も、いざというときには艦船に乗って移動するとか、あるいはかねてから海岸線で、上陸といったらなんでございますが、戦闘訓練をするとか、そういったことも必要じゃないか。いざというときに、船で運んだはいいけれども、船酔いして全然力が出なかったといったことでは困るわけでございますから、そういった意味で、この陸上自衛隊のあり方というものについて、今後もう少し検討されたらどうかと思いますが、重ねての質問で恐縮でございますが、いかがでしょうか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 御承知のとおり、我が国の各自衛隊というのが外国に行くことは全く予想していないわけでございますから、陸上自衛隊を艦船で、要するに他国に運ぶということはないわけでございます。あくまで移動させるとすれば国内でございます。  国内の場合に、今の艦船で移動するかということは、それよりももっと機動的に、効率的に早く動かなければならないわけでございまして、そういう意味ではもっと違った輸送の仕方をとるべきじゃないかと思います。したがいまして、北から南に行くというような大がかりなことではなくて、それぞれの地域の特性に応じた師団を配置しておるわけでございますので、今委員が想定されるような、北から南に向かって大きく移動するようなことは余り考えられないんじゃないかというような気がいたしております。  どういうようなことを想定されて、今みたいな御意見等になっておるのかよくわかりませんけれども、私どもは、先ほど当委員会で防衛局長が答弁いたしましたように、各年度ごとに、いわゆる年防と称しておりますけれども、年次ごとの防衛計画、防衛並びに警備計画を立てておりますけれども、そういう中において、そういういろいろな移動等も踏まえながら十分対処していく、そういう計画を立てているところでございます。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 あくまでこれは想定の話でございますので、今後、またこういった防衛のあり方についていろいろお話を伺いたいと思います。ただ、一つだけ、私、申し上げておきたいのは、日本国内では、元寇以降、国内戦というのは沖縄を除いては行われていない、そういった中で、本当に具体的なイメージがどういうことになるのかといったことが非常に疑問なわけで、こういった問題提起をしたわけでございます。  続きまして、ちょっと時間があれでございますが、とにかく戦いにならないようにいろいろな情報をとらなければいけないということでございまして、さきに、一月ですか、情報本部といったものを防衛庁はつくられたわけでございますが、これについてちょっとお伺いしたいと思います。  千六百人近くおられるわけでございますけれども、いろいろな仕事があるということは存じておりますが、その後うまくいっているのか。あるいは、うまくいったケースとして、具体的に実はこういった情報をつかんだんだ、これはこういうふうに役立ったんだ、そういう成果があるのかどうか、そういった面についてちょっとお伺いしたいと思います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 この一月から防衛庁の情報収集機能を統合いたしまして情報本部をつくりましたが、今、私の受けている感じでは、統合したことによる、つまり、従来でございますと同じような資料を各情報組織がつくっている、したがって、それが多少内容においてレベルが落ちるわけですけれども、統合により、各組織が共通してニーズの高い情報については極めて早く、あるいは内容の深い情報が収集ないし分析、加工されているという認識を持っております。  それから、この情報本部は、制服と背広といいますか、ユニホームとシビルが混合で入っているわけでございますし、さらにその制服の中では陸海空が入っている、そしてまた技術者も入っているという混合の組織でございますけれども、新しい情報本部がスタートしたということで、私の見るところ、大変団結と士気が高まっているという感じを持っております。  防衛庁に限らず、政府の中、あるいは一般的な貢献のために今後とも努力してまいりたいと考えております。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 具体的な成果がもしあったらということでございますが、まだないようでございますので、それはさておきまして……。  もう一つ、態勢の問題といたしまして、例えば外務省あるいは警察庁、さらにはいわゆる民間のいろいろなところ、商社その他が世界各地に行っておられるわけでございますが、そういったところとの情報の交換といいますか、あるいはタイアップといいますか、そういうことはうまくいっているのかどうか。例えば民間にいたしても、まさに物の動きといったものはいろいろな国の動きをある意味ではあらわすわけでございますから、非常に大事なことじゃないかと思いますが、そういったものについて、どういうやり方でやるのか、やっていないのか、これらについてお伺いしたいと思います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 情報収集活動の中身は多岐にわたるわけでございますけれども、御質問がございました外務省その他の機関との情報交換、これは当然のことながら我々もやっているわけでございます。  特に外務省との関係で申し上げますと、防衛庁から、これは主として自衛官になるわけでございますが、防衛駐在官が各国の大使館に出ているわけでございますけれども、防衛駐在官は、これは外交官でもございますし、外務省との情報交換の中枢になるかと思いますけれども、それ以外でも、外務省との間では常日ごろ情報交換をしております。  我々は、外務省に限らず、国内のいわゆる情報関係に関する機関とは常日ごろ情報交換をしているほか、当然のことながら、外国の情報機関とも 情報交換をして、情報の収集あるいは分析、加工に力を入れているという状況でございます。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 情報交換をやっていると言われておりますけれども、例えば具体的にどういう日にちを決めて、どういうメンバーで云々ということを聞かないと、ただやっている、やっているということでは、なかなか私も納得できないわけでございまして、そういったものについて、もしよければもう少し詰めたお答えを願いたいと思います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 当然のことながら、外務省の情報収集ないし分析の目的と防衛庁の情報収集ないし分析の目的は違うわけでございます。ただ、安全保障に関するところではかなりある意味でダブっているところがございますので、これはまさに防衛庁では防衛局が中心になるわけでございますけれども、外務省の各局各課と常日ごろ情報交換をしているというのが現状でございます。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 とにかく、官官接待でも何でも結構でございますので、しっかり情報交換をしてほしいと思います。  最後になりますが、防衛庁長官、きょう、毎日新聞だったと思いますが、TMDにつきまして、財政構造改革会議の中でこれは見送りといったようなことが出ておりましたけれども、これはどういうことなんでしょうか。「政府・与党」と、政府の名前も出ておりますが、これについてお伺いしたいと思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 防衛庁としては、御指摘のような新聞報道については承知しておりますけれども、財政構造改革会議においてTMD参加見送りの方針が固まったという事実はないと承知しております。  いずれにしましても、弾道ミサイル防衛の問題につきましては、今後の我が国の防衛政策上大きな課題であると認識しておりまして、現在、弾道ミサイル防衛に関する多くの知見を有する米国の協力を得つつ、日米共同で弾道ミサイルに関する研究を進めているほか、所要の検討作業を進めているところであり、防衛庁としては、こうした検討の成果等を踏まえ、本件に係る政策判断を行ってまいりたいと思っておるところでございます。  したがいまして、これから先さらに研究を続けるのか、政策判断が得られるような資料が早期に得られるか、これはまだ今のところ何とも言えませんけれども、いずれにしましても、私も新聞報道を見ましてびっくりしまして、私自身が関与しないところで、参加しないなんという決定がされるのだろうか、そういう疑問を持ちながら、いろいろな方面にも聞いてみたわけでございますけれども、どうもそういうようなことではなさそうだということでございまして、また、あってはならないことだと思っております。

今村雅弘自由民主党

○今村委員 ありがとうございました。  以上で質問を終わります。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 次に、神田厚君。

神田厚新進党

○神田委員 私は、この機会を利用して、昨年末から重大な問題でありました在ペルー日本大使館公邸占拠事件につきまして、両大臣の御見解を伺ってまいりたいと思っております。  まず、事件で犠牲となられた方に対し謹んで哀悼の意を表するとともに、人質となり、苦労された方にお見舞いを申し上げたいと思います。  先日、参議院の外務委員会で青木大使などが参考人招致を受けまして、その後の結果は、大使の辞任ということで一件落着のような方向でございますが、私は、この事件は、大使が辞任をしたということで一件落着にしてはならないという決意を持っておりまして、そのことを含めまして、そもそもこの事件が起こりましたときからさかのぼって外務省の見解を聞きたいのであります。  十二月十七日に天皇誕生日のお祝いをやりたいからというふうな公電が外務省に入ったと思うのでありますが、その辺はいかがでありますか。    〔委員長退席、平田委員長代理着席〕

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず冒頭、この事件につきましては、大変国民の皆様方にも長期にわたり御心配をおかけしました。そして、ようやく事件は決着いたしましたが、その間、四カ月余りにわたり、多くの方々が人質状態という苦しみの状態に置かれるということを余儀なくされたわけでございますし、また決着に当たってとうとい犠牲者も出たわけでございます。そういった意味におきまして、外務省といたしましてもまことに申しわけないと思っておりますし、今後に向かって、再発防止はもとよりのことでございますけれども、外務省としてきちんとした対応をしてまいりたいと思っております。  先ほど委員は、青木大使がペルー大使の職を辞するということによって一件落着になってはならないという御指摘をされましたが、外務省としてもそんなことは毛頭考えておりませんで、現在、調査委員会でいろいろな側面から、この事件の経過あるいは発生の原因、そしてまた将来に対する警備の強化なり再発の防止策なり、また責任の有無の問題なりも含めて検討中でございます。  そういうことをまず私から御答弁申し上げさせていただきまして、今、具体的な点につきましては政府委員から答弁させます。

原口幸市外務大臣官房長

○原口政府委員 お答え申し上げます。  昨年の九月十一日付で外務大臣から全在外公館向けに公電を発出しておりまして、その公電におきまして、天皇誕生日の祝賀レセプションにつきましては、原則として十二月二十三日または十二月二十三日に近接した日に実施するように、また、開催後は概要につき速やかに報告するように一般的な指示を出しております。その際に、あわせて現地の情勢等の事情で開催が不適当あるいは困難と判断される場合や十二月以外の月の開催をやむなく希望する場合には請訓するようにといろ指示を出していた次第でございまして、これに対しまして、在ペルー大使館からは、御指摘の請訓はなかったというのが実情でございます。

神田厚新進党

○神田委員 そうしますと、外務省の指示は、天皇誕生日を開くようにという話でございましたね。

原口幸市外務大臣官房長

○原口政府委員 先ほどお答えしたとおり、基本的には天皇誕生日の祝賀レセプションをやるようにと、ただし、現地の判断で開催が不適当である、あるいは開催の日にちを実際の誕生日よりも大幅におくらせることが必要だというようなことがあった場合には、その旨を事前に本省に言ってくるように、こういう指示でございました。

神田厚新進党

○神田委員 そうしますと、ペルーの大使館からはどういう返事が来たのでありますか。

原口幸市外務大臣官房長

○原口政府委員 ペルーの大使館からは、その訓令に対しまして、特段、開催が困難である、あるいは開催が不適当であるというような事前の連絡はございませんでした。

神田厚新進党

○神田委員 そうしますと、そういう情勢が、非常に困難な状況があるとか、あるいはテロリストが侵入をするような状況にあるという報告がなかったということですね。

原口幸市外務大臣官房長

○原口政府委員 現時点では、どういう判断であの日に、十七日ですか、開催したのかということについては調査をしているわけでございまして、調査結果を待つ必要があると思いますが、先ほど申しましたような訓令に対して、特に開催不適当あるいは開催困難というような意思表示が大使館からなかったものでございますので、現地の事情を一番よく知っている大使館がそういう対応をされたということは、大使館としては開催することに特段の問題があるというふうには判断していなかっただろうと我々は現時点では考えておる次第でございます。

神田厚新進党

○神田委員 そうしますと、開催には問題がないという判断に立ったわけでありましょうけれども、大使を初めとする人質になった集団が、テロリストと対峙をして、長い期間そういう拘禁状態にあったというようなことから、最終的な結果は、フジモリ大統領の英知と決断によって人質が無事保護されて、大使も保護されたという関係でありますから、むしろ大使のこの行動は、非常に異常な事態であるにもかかわらず、立派に職責を全うしたというふうなことで、そういう意味で、私は大使を辞任させるというふうなことには強い不満があるのですが、いかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 この事件の経過なりあるいはこれからの善後措置、それは責任問題も含めてでございますが、これにつきましては、基本的に現在調査委員会で調べておりますところを踏まえまして考えるべき、対処すべきものと考えております。  それで、青木大使のペルー大使としての職を引いていただいたのは、先般の参議院の外務委員会でも御答弁いたしましたが、こういう事情でございます。  まず、青木大使自身、帰国されましてから直後に橋本総理と会われました際に、自分の進退は政府にお預けする、こういうお話がございました。その後、あれは金曜日、今月の九日でございますが、重ねて青木大使から私に対して、自分としてもこういうことになったということで責任も痛感しているんだ、調査委員会の結論を待たずに職を辞したい、こういう話があったわけでございます。  私といたしましても、いろいろなそういった大使のお気持ちも酌みました。それだけではなくて、いろいろな観点から熟慮いたしました結果、この際、在ペルー大使としての職は退いていただこうというふうに決断したわけでございまして、十六日の閣議におきまして、ペルー駐箚を解く、そして、依然として特命全権大使ではございます、次なる命を待つといった待命という身分で今おいでになられているわけでございます。  したがいまして、今回の措置というものは、決して責任と直結して退いていただいたというわけではございません。いろいろな観点から熟慮したということでございます。  人事のことでございますから、残念ながら、この点がこう、この点がこうだとは余り申せませんけれども、一、二申し上げますならば、まず、何といいましても、あれだけ長期間にわたってあのような状況、境遇の中におられた方でございます、今御本人はしっかり頑張っておられますけれども、やはり心身の疲れというものが並々ならぬものがあったと思わなくてはいけません。そういった意味で、まずは休養していただきたいなという気持ちがございます。  それから、いま一つは、ペルーの大使館、あの事件の期間中におきましても、極力その役割を果たすように努力はしてまいりましたが、そうはいっても、いろいろペルー大使館として果たさなくてはいけない役割が渋滞したところもございます。それを早く回復しなくてはいけない。  それと同時に、公邸もああいうふうな姿になったわけでございますし、いろいろな仕事を進めなくてはいけないわけでございますけれども、これからそういったペルー大使館の仕事を全体として掌握し、指揮していく大使として、どなたにそういった役割を担っていただくことがいいだろうか、これも考えなくてはいけない。  それは、今委員からも御指摘をちょうだいいたしましたように、あの事件の過程における青木大使のいろいろな対応ぶりについて、いろいろな見方がございますけれども、非常によくやったという評価も日本だけではなくてペルーの官民からもちょうだいしている部分もございます。だから、そういった方に続けてやっていただくのがいいだろうという面もございますけれども、逆に、そうではない、何といってもあのような異常な事件の中で、しかも関心の中心になった方にやっていただくというのは、御本人にとってもあるいは関係する方面にとっても好都合なばかりではない、かえって非常に難しい面も出てくるだろうという面もございます。  そういったもろもろの観点を勘案いたしまして、ペルーの駐箚は退いていただこう、そしてほかの方できちんとやっていこうと。今はシャルジェ・ダフエール、公使を新たに任命しまして、臨時代理で対応しておりますけれども、余り遠くない時期に後任の最も適切な方を選びたいと思っております。  そういうことでございますので、決して責任を追及してどうこうしたということではない。端的に言えば、今のペルー大使館のやらなくてはいけない仕事をどういう方にやっていただくのがいいだろうかという観点から考えて、青木大使には、この際はいろいろな観点からいってペルー駐箚は退いていただこう、こういう判断をしたわけでございます。

神田厚新進党

○神田委員 お話はよくわかりましたが、外交官をやめるということではないのでありますね。一部新聞報道では、外交官もやめてしまうという話がありましたけれども。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 先ほども申しましたけれども、この事件につきましては、今調査委員会でいろいろ調査を進めております。その中で、責任問題、責任の有無を含めまして、将来いろいろ対応してまいりたい、適切に対処してまいりたいと考えておりますけれども、いずれにしても、青木大使は、先ほど申しましたように、ペルー駐箚を退いていただく、依然として大使の身分で次なる任務を待っていただくということでございます。  将来のことについては、今、責任問題も含めまして、いわば調査を踏まえてから対処するわけでございますから、現在予断をもってこれを申し上げるわけにはまいりませんけれども、少なくとも現在の状況というのは、そうしてまた青木大使の立場、地位というものは、位置というものは、今申し上げたとおりでございます。

神田厚新進党

○神田委員 わかりました。  そういう意味で、ペルーのフジモリ大統領からも再びペルー大使として赴任をしていただきたいという話があったり、政府関係あるいは民間の人たちも含めて、そういう声も多いというふうに聞いております。ただ、政府として、どの国の大使に赴任をしてもらって、どういうふうにしようかというふうなことは、お考えはまたあろうかと思いますが、それはそれで結構だと思いますが、少なくとも大使が非常にペルーに対しまして思いを込めた、文化使節のようなものを含めてもっと貢献をしたいという気持ちを酌んでやっていただきたいと思っております。  それで、この事件につきまして、私はまだ全体的な総括がうまくいってないと思っておりまして、その点につきましても二、三お聞きをしたいと思うのであります。  橋本総理が、事件解決直後、米国、オーストラリア、ニュージーランドを訪問しまして、その際、訪問先のオーストラリアにおきまして、今回の事件に関し、日本は人質をとられれば唯々諾々として金を払い、結果的に日本人の値段をつり上げるという過去の日本と決別ができたとハワード首相との夕食会で述べたと伝えられております。  私は、今回の事件に対する日本政府の対応が、必ずしも総理のおっしゃられたように世界から受け取られていないのではないかと思っておりますが、この点につきまして、外務大臣はこのような評価を受けているというお考えでありますかどうか、お伺いしたいと思うのであります。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 政府の対応ぶりがどうであったか、その評価は私ども自身から申し上げるのは適切か否か、迷うところでございますけれども、しかし、これだけは申し上げさせていただきたいと思います。  私どもといたしましては、この事件の勃発しました当初より、何といっても人質の状態になられた方を無事解放する、これを実現しなくてはいけない、こう考えました。しかし、それと同時に、それがテロリストの要求に屈するものであってはならない。もしテロリストの要求に唯々諾々と応ずるようなことがあれば、仮に本件事件は解決できたとしても、将来に向かってその再発のいわば芽をつくることにもなりかねないわけでございますから、そこのところは、やはりテロリズムに屈してはならないということを大切にいたしました。  また同時に、それは国際社会におきましても、G7、サミットその他の場におきまして繰り返し確認されておる大原則でございまして、我が国もそのようなテロリズムに屈しないというノンコンセッションの原則にはずっとコミットしてきたわ けでございます。  それから、さらに申すならば、我が国政府としても、昭和五十三年に閣議決定いたしまして、ハイジャック等こういったテロリズムに対する対処ぶりについて方針を確定しておりますが、そこにおきましてもテロリズムに屈してはならないという原則があるわけでございますので、それも大切にいたしました。  それと同時に、平和的手段でということを申してまいりましたけれども、それは、あのような状況で、あのような多数の人質が拘禁状態に置かれている、そしてテロリストが極めて重装備と申しましょうか、その状態であるということをいろいろ考えました場合に、人質の無事解放という目的を達するためには、実力行使に訴えることなく他の手段によって解決していく、これが必要なのではないかということでずっと終始してきたわけでございます。  そういった基本的な方針につきましては、ペルー政府との間でも繰り返し確認をしておりまして、ペルー政府の方でも、フジモリ大統領も、例えば公邸においてテロリストの手によって人質に危害が及ぶというような状況になり、それ以外にもう手段がないような状況になったという場合は別だけれども、実力の行使には慎重の上にも慎重を期すということでいかれたわけでございます。  しかし、最終的には、あのように四カ月を超えた段階で、もうここが限界であるというような御判断もあったのでしょう。そしてまた、一方におきまして、実力行使をしても人質の安全の確保ということに十分な自信と申しましょうか、その点にはいろいろな配慮もしているし、相当に高い確度で大丈夫だといった自信もお持ちになったのでございましょう。そういったことで、まず第一義的に事件の解決を図るべきペルー政府、それの最高の判断をし最高の意思決定をする立場として、フジモリ大統領はあのような手法で解決を図られたわけでございます。  しかし、そういった過程におきまして、我が国政府といたしましても、テロリズムに屈することなく人質の全員無事解放を目指す、その手法としては、できる限り実力の行使ということには頼らずにということでやってきた、そういった我が国の政府の努力というものはお認めいただきたいと思います。  そして、それがどういうふうに評価されるかということについては、私どもみずからあれこれ申し上げることは避けますけれども、少なくともそれは、ペルー政府の果敢なまた周到な準備の上に立った行動があったからではございますけれども、人質の大多数の方が無事救出され、犠牲も、大変とうとい犠牲もございましたが、あのような決着を見たということ、一方において、テロリズムに対する唯々諾々とした妥協あるいは要求を受け入れるということがなかったということは御理解賜りたいと思います。

神田厚新進党

○神田委員 関連して、国家として危機管理体制を確立するために、この事件を教訓に法制の整備を進めることが重要であると思いますが、提案をして、御見解を伺いたいと思います。  また、在外公館の警備態勢の強化について検討し、必要があれば法的措置を講ずること。我が国の主権の及ぶ大使館などで事件があった場合、武装部隊を含む治安機関の海外派遣ができるようにすること。また、一刻を争う事態に対する、国家の危機に対する意思決定の際には、一々閣議を開いて行うのではなく、総理の権限で行えるようにすること、以上の措置が必要だと思いますが、どのようにお考えでありましょうか。  また、報道によれば、官房長官が、警察の特殊部隊、SATの海外派遣を検討すると述べたときに、自衛隊装備の活用も考えるとの趣旨も発言されたようでありますが、この点について防衛庁の見解もあわせてお聞きしたいのであります。     〔平田委員長代理退席、委員長着席〕

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 事件の再発の防止、あるいはそのための情報収集のあり方をどうするかということ、あるいはその警備の強化等につきましては、これまでも、事件の決着以前にも既に一部措置したこともございます。  例えば平成八年度の予算の執行の過程におきまして、二十億円程度をかけましていろいろな装置、設備等について強化を図るとか、あるいは平成九年度、今年度の予算において、警備の人員、要員の増強を図るとかいう措置も講じさせていただきました。さらに、現在、調査委員会の検討結果も踏まえながら、いろいろな面で対応を強化してまいりたいと思っております。  そして、そういった中に、今委員の御指摘に法的な措置も含めてということもございましたけれども、そういった点につきましては、外務省だけではなくて、各省庁との関連する部分もいろいろございましょう、果たして法的な措置が必要なのかどうなのか、それはこれから検討の上、また考えてまいりたい、こう思います。  それから、意思決定について一々閣議を求めるのはどうかという点につきましては、現在も、こういった在外公館の問題だけではなくて、あるいは海外における緊急事態だけではなくて、国内における緊急事態も含めて、そういったものに対処する場合に一体そのあたりをどうするのかということを、いろいろ行革との関係もあり、内閣機能をどうするかという観点で検討中でございます。そういった中で、現行の憲法なり内閣法との関係も含めながら、内閣全体としていろいろ考えてまいりたい、そして外務省もそういった作業に真剣に参画してまいりたいと存じます。  それから、在外公館の強化の関係で、主権のある、主権の対象になる施設だからという御指摘があったかと存じます。  これは、ウィーン条約上、外交使節には不可得権というのが認められておりますけれども、これは決して主権とかあるいは治外法権とか言われるものではございません。一応、接受国、受け入れ国側の方の主権のもとにそういったところもあるわけでございますけれども、外交使節としての性格上、受け入れ国側の公権力がその公権力を行伸するためにそういった施設に入ってくるときには、派遣国、この場合なら日本側の合意が要る、そういうことでございますので、そこのところはなんでございますけれども、そういった国際法的な状況にあるということも踏まえながら、我が国としての対応ぶりをいろいろ改善していかなくちゃいけない点は改善してまいりたい、こう考えておりますb

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 官房長官が、テロ対策について有効な手段を確保するためにどうするかといったことについて今後検討していくと言われた中で、自衛隊の装備等についても言及されたものというふうに承知しております。  防衛庁としては、テロ事件そのものは第一義的には警察機関の任務と承知しておりますけれども、自衛隊の保有する装備とか、あるいは訓練等を通じて得た技能、経験を生かして、法令の定めに従いまして、関係機関と連携しながら各種の事態になし得る限りの対応はしてまいらなければならないと思っております。防衛庁として、いかなる対応があるのか、今後とも検討を行う必要があろうと思っております。

神田厚新進党

○神田委員 最後に、今回の救出事件で殉職されました二人の兵士にはお子さんがあったりしておりますけれども、こういう方たちに対しまして何かしてあげたらいいのではないかというようなことが言われておりますが、何かお考えはありますか、外務大臣。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 今回の救出作戦でとうとい犠牲になりました二人のペルー軍人の方々に対しましては、まず、先般橋本総理がペルーに参られましたときに、直接遺族を御訪問されましたが、その際に、我が国としての叙勲、その名誉をたたえ、功績をたたえ、感謝の意を表するということで勲章を伝達したところでございます。  それから、それだけではなくて、本院においても、また参議院においても、また国民の中からも広く、そういったとうとい犠牲になられた方あるいは負傷された方々のためにということで貴重な浄財が寄せられております。そういった浄財が、今御指摘の、遺児の方の例えば教育資金であるとか、あるいは遺族の方の生活の安定のために、場合によってはその負傷された方々のためにということで生かされることを期待しておりますが、そういったものにつきましては、基本的にペルー政府においてどういうふうな使い方をしたらいいかよくお考えをいただきたいということで伝達させていただいているところでございます。

神田厚新進党

○神田委員 終わります。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 次に、達増拓也君。

達増拓也新進党

○達増委員 新進党の達増拓也でございます。  私も、神田委員に引き続きまして今回のペルー事件に関連した質問をさせていただきたいと思います。  今回のペルー事件は、百二十七日間に及ぶ公邸占拠から、四月二十三日、非常に衝撃的な実力部隊突入という形で解決、公邸の解放ということになったわけでありますけれども、それに関連して、さまざまな有識者がさまざまな意見を述べております。その中で、一番若い評論家の一人ではないかと思うのですけれども、福田和也さんという評論家が、文芸春秋の六月号に書いている記事を紹介したいと思います。  この福田和也さんというのは、昭和三十五年生まれ、六〇年安保の年に生まれた若い世代の評論家で、我々におなじみの防衛庁広報誌のセキュリタリアン四月号にも登場している新進気鋭の評論家であります。  冒頭「日本人は、どうしてこのように卑怯になってしまったのでしょう。」というショッキングな書き出しで始まりまして、   人質事件で、橋本首相は、一度たりとも毅然とした姿勢を見せたでしょうか。この四カ月間に何かを守ろうとしたでしょうか。最初から最後まで、そんな姿勢は全く見えませんでした。ただただ、ゲリラの暴力に身をすくめて、なすべきことをなさずにいて、あとはフジモリ大統領の善意に期待するばかりでした。 そして、次のように述べています。  事件解決直後の記者会見は、遺憾と謝意とがないまぜになった、歯切れの悪いコメントでした。 続いて、橋本総理のコメントを引用しまして、  「救出作戦は残念ながら事前にわが国には連絡はなかった。この点は遺憾に思うということを申し上げなければならないが、チャンスをとらえて見事な救出作戦を行ったフジモリ大統領をはじめペルー政府関係者に、あらためて心からの謝意を表したい」   一応、お礼を言わなければならないけれど、不本意だという感じがありありです。遺憾なら遺憾、感謝するなら感謝するという潔い態度ではありません。気にかかっているのは、日本国の首相として、その面子が潰されたことだけなのではないでしょうか。まさしく卑怯者の面目躍如というところです。  このひきょうという評価について、非常に厳しい言葉を使っているとは思うのですけれども、私が似たような問題意識として感じておりますのは、この四カ月の間、政府の取り組みにおいて、しかるべきところでの意思決定というのがきちんと行われていたのかどうか。むしろそういう意思決定を回避し――本来危機管理というものは意思決定の連続なのであると思います。にもかかわらず、そうした意思決定を回避して、危機を回避するならいいのですけれども、いわばそういう危機管理を回避してきたのではないか、そういうところが見えるわけでありまして、そういった問題意識に立って、以下質問をさせていただきたいと思います。  まず、四月二十三日の早朝、日本時間でございますけれども、ペルー政府の実力部隊によって大使公邸が解放されました。この際、その実力部隊の突入について、今引用した橋本総理の記者会見でも述べられたように、日本政府はペルー政府から事前の通報を受けていなかったということであります。  一方、この点に関して、外交関係に関するウィーン条約によりますと、接受国、受け入れ国の官吏が大使公邸内に立ち入る場合には、使節田の長、大使の同意が必要というふうに規定しているわけであります。この点からすれば、今回のペルー実力部隊の公邸突入というのは国際法違反ではなかったのかという手続上の問題があると思うわけですが、この点いかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 その点につきましては、事件の決着を見た直後、橋本総理とフジモリ大統領との間で電話で話し合いが行われ、フジモリ大統領の方からは、非常にあのような微妙な切迫した状沖の中であったので了解を得るようないとまがなかったということで、その辺の事情を非常に丁重に御説明になりました。  それに対しまして、橋本総理の方からは、同意取りつけがなかったということは遺憾と言わなくてはいけないけれども、ああいった状況の中での判断、行動ということは理解できるところだ、こういうふうにおっしゃったわけでございまして、そのことを通じて私は決着を見ているのだと思います。  しかし、あえて委員が国際法上とおっしゃいますので、法律的にどういうふうに構成するのかということをおっしゃるならば、こういうことも可能かと思います。今申しましたような電話会談の中で、総理が理解できるとおっしゃったことを通じて、事後的に承諾を与えたという法律的構成ができると思うわけでございます。  さらにもう一点申し上げますならば、確かに外交使節には不可侵権がございます、ウィーン条約上。それは先ほども申しましたけれども、巷間、まるでこれは日本の主権のもとにあるんだというふうなことが言われましたり、あるいは治外法権の地であるというようなことを言われたりするわけでございますが、それは外交問題をよく御存じの委員は特に御理解いただいておると思いますので、申し上げるのは失礼かと存じますけれども、あえて申しますならば、これは接受国の主権のある土地の中でございます。そして、治外法権なんというのは、かつての植民地時代に、例えば中国の租借地であったような問題でございまして、現在そんなものはあるわけじゃない。不可侵権というのは、外交使節であるので、接受国の公権力がいろいろなことをやる場合に同意を得てから入りなさいよというものであり、それ以上のものでも以下のものでもないということを一つ申し上げたいと存じます。  それから、今もう一つ申しますならば、そういった不可侵権、ウィーン条約の中のほかの条項では、外交使節を第三者の侵害から守らなくてはいけない、接受国としてそういった責務もございます。あるいは人間としての外交官の安全を守らなくてはいけない、こういった義務も接受国、受け入れ国にあるわけでございます。  ところが、御承知のように、今回の事件の中では、その外交使節も第三者に侵害されておる、テロリストに。外交官も、大勢の外交官が人質の状態にあり、安全も侵害されておるわけでございます。そうすると、そういったウィーン条約上の接受国としての義務がいわば果たせない状態になっておる。第三者に侵害されておる状況を排除するために、接受国として何らかの行動をする、行為をするということは、先ほど申しました二十二条の同意が要るか要らないかということを考える場合にも、これは一つやはり考慮されるべき事情ではないかと考える次第でございます。

達増拓也新進党

○達増委員 大臣が今おっしゃられた、法律的には事後的な承諾という構成も可能ではないかということ、確かに理論的にはそういう構成は可能であると思います。ただ、橋本総理が記者会見で遺憾という言葉を使っているということは、やはり事後的な承諾があればそれでオーケーだという話ではなかったのではないかと推測されるわけであります。  もう一点、ウィーン条約が規定する大使館等の公館の不可侵権について、確かに今は植民地、帝国主義時代的な治外法権とか主権が及ぶ範囲とい う意味合いはなく、大使館あるいはその関連施設の機能を維持していくために、外交関係上必要な範囲内での派遣国の権限としての不可侵権、これは全くそのとおりだと思います。  ただ一方で、不可侵権については、例えばある国際法の教科書に書いてあるわけですけれども、このヴィーン条約を決める前の段階で、国際法委員会が原案としてこういう案を考えていたというのが載っております。「「人命、公衆衛生もしくは財産に対する重大で急迫した危険を除去するため、または、国家の安全を保障するため、極度に緊急な場合」の立ち入り権」これは同意がなくてもいいのではないか。まさに今回のペルーのケースはこの人命に対する重大で急迫した危険を除去するための立ち入りに該当するのでしょうが、結局ウィーン条約を決める国際会議では、そうした同意ない立ち入り権というのは乱用されるおそれがあるということで削られてしまったわけであります。  これが現在の国際社会の厳しさを反映した国際法秩序ということで、教科書によっては不可侵権は絶対であるという表現を使っているのもあるくらい、それだけ、たとえそういう緊急に立ち入らなければならない場合だとしても、派遣国の同意という明確な意思の表明によって権利義務関係を規定して、そういう法と秩序にのっとって問題を解決する、それが、民主的な国際関係、外交の精神であるというのが現状の国際関係なのだと思います。  そういう意味では、今回のペルー事件の決着に至った実力部隊による突入については、事前に接受国であるペルー政府と派遣国である日本政府との間で、そういう決定的な行動をとる場合には、事前に打ち合わせて共同でそういう意思決定をしよう、そういう取り組みをするというのが現行国際法のもとでのあるべき姿ではないかと思うわけであります。その点、橋本総理がそういう事前の通報がなかったことは遺憾だという発言をしたのは、日本政府としても、突入に当たっては事前に両国間で意思統一を図るということを前提に取り組んでいたからなのではないかと推測するのですが、この点いかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 それは、国際法上の観点だけではなくて、事実問題といたしまして、我々は、この問題の解決に当たりましては、ペルー政府がまず第一義的に責任を持って当たられるわけでございますし、それからそのペルー政府の判断をずっと信頼をしてきたわけでございますけれども、それと同時に、緊密に連絡をとりながら、我が国の考え方も的確に伝えながら共同で対処してきたところでございます。  具体的には、トロントで行われました首脳会談におきましても、我が方との間で、極力平和的な手法で解決を目指していく、しかし、先ほども申しましたように、人質に危難が及ぶようなおそれがあって、実力に頼らざるを得ないような場合にはこれはまた相談する、そういう合意もあったわけでございます。そういったことも踏まえますならば、我々も実力に訴える場合には御相談があるという想定をしておったわけでございます。  そういったことがあるので、事後の電話会談においても、橋本総理がまず遺憾であるということをおっしゃった上で、しかし、あのような具体的な状況の中で我が方に同意を求めてくるいとまがなかった、そして、このタイミングを失せずに行動に移らなくてはいけないという判断をされたことは理解ができる、こう言われたわけでございますし、フジモリ大統領の方も合意取りつけの御連絡ができなかったことは申しわけないということも言っておられるわけでございますから、そこのところは、事前にはもちろんそういう前提であったわけでございますが、しかし事後的に、先ほど申しましたように、あえて法律的な議論をするならば、事後に承諾ということで国際法上の問題も解消されているというふうに申し上げるしかないと思います。  それから、先ほど委員がおっしゃいました解釈というのも、いろいろある解釈の一つであろうと思います。そういう解釈があるのも承知しております。  また、事実問題として、ウィーン条約を相談している国際会議の中で、いろいろな例外の規定を設けようという議論もいろいろあったけれども、結果として、そういうような例外の規定はなかったということはそのとおりでございます。それは、例外の規定を設けた場合、それの解釈は一義的にはその行為をする国にゆだねられるわけでございます。国内法のように有権解釈をぴしっとすることがございませんから、少なくとも事柄が起きている段階においては。そういうこともあって例外規定は設けられなかったのでございましょう。  しかしながら、それでは例外は一切ないのかといいますと、例えば火災が発生した場合に消防車が入ってくる、これだって接受国の方の公権力に基づく活動でございますけれども、そういったものについては同意は要らないのだろうというのが、国際法学者の中でも少なくとも多数説であるというふうに私は理解しているところでございます。

達増拓也新進党

○達増委員 公館への実力部隊の突入のような決定的なアクションをとる前には、両国間で相談したいという日本政府側の意図があったということは確認できたのですけれども、次の問題として、ペルー側も同様の認識だったのかということをちょっと確認したいと思うのです。  実は、最終的な突入の前の段階でも、大使公邸に地下トンネルを掘るとか、地下トンネルを掘るというのは大使公邸の敷地内に官吏が立ち入っていくことに準ずることですから、これもまた大使の同意が事前に必要になると思うのですね。また、水道をとめたり電気をとめたりといったことについても、事前に使節団の長、大使の同意が必要なことなのではないか。  つまり、ペルー政府は、大使公邸に何か物理的な働きかけをする際に、基本的に日本側の同意を求めないでやっていると思われるわけですね。これはペルー政府の方は一貫していて、日本政府としてはペルー政府に事件解決についてはお任せしていて、特に実力行使に関連する部分についてはペルー政府の独自の判断でやっていいと認識していたからではないかと思われるのですが、この点はいかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 確かに、水道をとめたり電気をとめたことも、これは条約上同意を得る必要がある行為ではないかと言われれば、それは条約の形式的解釈といいましょうか、しゃくし定規解釈とまでは申しませんけれども、あるいはそういうことになるかもしれませんけれども、それは、こういった事態になった、そういう事態をどういうふうに解決していくか、そういった全体的な判断の中で考えていくべき問題ではないかと思います。  そういった中でへ途中経過においてペルー政府のとる行為について一つ一つ形式的に条約解釈上同意を求める必要があるというものについて、あったかないかと言われますと、それは、中には形式的に解釈した場合にこれはというのがなかったとは申せません。そういった意味で、それが遺憾だと言われれば、それは論理的に、純粋論理的にはそうかもしれませんけれども、しかし、実質論理といいましょうか、実体的にいってどう考えたらいいのかなということはいろいろあるのだと思います。  また、そういった電気の供給等をとめるという行為が、内部にございますテロリストに対するどういうふうな効果を期待しているかどうかということもあったわけでございます。そのようないろいろな問題につきましては、私どもも、この期間中のプロセスの中で一つ一つどうであったということは、今申し上げることが必ずしも適切かどうかということはございますし、なんでございますけれども、全体としては、ペルー政府も日本政府の考えをよく踏まえながら対応しておりましたし、それからまた、連絡すべきものは連絡もあったということでございます。  そういったことで、要は、事件に適切に対処し解決を図っていくという過程において、ペルー政府側がはなから日本側には相談しないとか、日本側の意思を無視したかという具体的な御質問であるとするならば、ペルー政府の対応は決してそういうものではなかった。日本側の考えも十分大切にしながら、しかし、現実に第一線で対処していくのはペルー政府でございますので、そういったことで対応されたのだ、こう考えております。

達増拓也新進党

○達増委員 ある部分について、ペルー政府の現場の判断に任せた方がいい部分について、そこはペルー政府に任せるというような日本政府のきちんとした意思決定がなされて、それをペルー側に伝えてやっていく。それについて、極端に言えば、包括的に実力行使部分はペルー政府に任せる、日本としてそう決めてやるのであれば構わない話だとは思うのですね。  ただ、問題なのは、そこを日本側としてもきちんとした意思決定を行わず、またペルー側とも細かいところを詰めないでだらだらとやっていたのではないかという疑いを持たれるところが問題でありまして、その点が、評論家によってはひきょうという言葉も使いますし、私は、そこを意思決定という責任回避、危機管理回避だったのではないかという疑いとして持っているわけであります。  例えば、青木大使に対して、大使なのだから同意を求めるということでペルー政府が何か実力行使をする際青木大使には同意を求めるといっても、テロリストに拘束されているわけですから、なかなかできない。そこで質問なのですけれども、その青木大使が人質として拘束されている間、例えばペルー政府がこれこれこういうことで立ち入る、突入する、その同意を求める場合、青木大使にかわる、使節団の長にかわるだれか、権限者というのは指名してあったのでしょうか。

田中克之外務省中南米局長

○田中説明員 お答えいたします。  先生御存じのとおり、外交関係ウィーン条約では、接受国の官吏は、使節団の長が同意した場合を除くほか、在外公館に立ち入ることができないということになっております。  しかし、今回の事件では、青木大使を初め、大使にかわる次席館員等も中に入っておりました。そういうこともございまして、ペルー政府よりペルー官憲の公邸立ち入りに対する承諾をもし求めてきておれば、派遣国である日本国政府がその諾否を決定することになった、こういうことでございます。

達増拓也新進党

○達増委員 今の御答弁の中で、日本国政府がその同意を決定するとおっしゃったのでしょうか。その場合、それは具体的には、例えば外務大臣ということになるのか内閣総理大臣ということになるのか、機関ないし個人としてはだれが責任を負う体制になっていたのでしょうか。

田中克之外務省中南米局長

○田中説明員 その諾否決定は、多数の人質の生命にかかわる極めて重大な問題でありますことから、事柄の性質上、原則として閣議にかけて内閣としての意思決定を行う、こういうことにしておりました。

達増拓也新進党

○達増委員 いざというときに閣議にかけて意思決定という点については、四月二十三日の突入が行われた後も、いろいろな新聞、雑誌等で、そもそも閣議を開いて物を決めるのに二、三時間はかかるだろう、緊急事態にあっては対応できるはずがないというコメントが多々見られるわけであります。  ですから、その場合、いざというときに時間がかかるということで、ある程度前もってこういう場合には突入していいというような、事前の条件つき包括的な同意をペルー政府に与えているのであれば格別、そうでないのであれば、やはり緊急に現場で対応できるような、青木大使にかわる臨時大使でありますとか、あるいは現地対策本部というのがあったわけですけれども、その本部長、実際にはペルー政府との連絡調整とかプレス対策とか、基本的にはそういったことを中心にやっていたわけで、外務省が中心で実際にそういう実力行使に関して手伝ったりとか一緒に考えたりできる体制にはなかったとは思うのですけれども、本来、そういうものができる体制を現地につくるか、あるいは国内でもいいです、そういう責任ある対応ができる体制をつくっておかなければならなかったのではないかという疑問がわくわけであります。  その点、いざというときに国家としての意思決定を速やかに行える、これはまさに先ほどから出ている危機管理のあり方に関する非常に深刻な問題でありまして、まさにこの安保委員会としても、この問題は深く考えていかなければならない問題なのだと思います。  今、ペルー現地対策本部の話にちょっと触れたわけでありますけれども、国内の対策本部といたしましては、まず、外務省に次官を長とする対策本部が設置されました。そしてもう一つ、総理大臣を長とする政府対策本部というのも設置されておりました。先ほどの答弁からすると、いざというときの意思決定を閣議で行うということは、総理大臣を長とする政府対策本部にはそういう緊急時の意思決定の権限はなかったということなのだと思いますけれども、この二つの対策本部が一体どういう役割分担で作業をしていたのか、伺いたいと思います。

原口幸市外務大臣官房長

○原口政府委員 この事件に関連しまして外務本省に設置された緊急対策本部におきましては、現地リマに設けられた現地対策本部を通じての情報収集、総理大臣を初めとする政府部内の関係者との連絡調整、人質となった方々の所属する企業との関係など、事件に対する第一義的な対応に当たっていたわけでございます。  他方、総理大臣を本部長として、外務大臣を含む関係閣僚等により構成される政府の対策本部は、このような重大な事態に際し、政府が一体となって総合的かつ効果的に諸対策を推進するために設けられたものでありまして、必要に応じて情勢の分析を行い、政府全体としての対応を協議していたわけでございます。  もとより、外務本省の緊急対策本部は、事件の継続中一貫して、政府対策本部の事務局を務める内閣官房を通じて種々の情報を提供いたしますとともに、関係省庁間の調整や要路への報告についても、政府対策本部事務局と密接に連携、協力しながら作業を行っていたところでございます。

達増拓也新進党

○達増委員 今の答弁の中で、外務省の中の対策本部がきちんと官邸、総理を長とする対策本部の方にも必要な連絡を行っていたということであったわけですけれども、一つちょっと気になることがありまして、テレビでも非常に有名になったのですが、橋本総理が外務省の対策本部を頻繁に訪れていたわけですね。そのたびにテレビに映って、ほとんど毎日のようにテレビに映ったりしていたわけですけれども、あれで疑問に思ったのは、あの際に、総理は外務省の対策本部を直接指揮するために行っていたのかということであります。  もしそうでないとすれば、何か情勢をヒアリング、聞きに行くために、レクを受けるためといいましょうか、あるいは視察のためといいましょうか、行っていたということになるのでしょうが、その点、きちんと官邸の方には情報は流れていたという点を伺いますと、あれだけ頻繁に外務省の方に行くのは危機管理の際のトップリーダーのあり方としていかがなものかという疑問がわくのですが、その点いかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 まず、橋本総理が政府全体としての対策本部の本部長ではありますけれども、同時に、第一線である外務省の対策本部でいろいろ情報収集その他をやっている、それに対して強い御関心をお持ちになっているのは当然のことでございます。  それから、そもそも事件が起こりまして、直ちに私がペルーへ飛べということで飛びました。それで、その間の外務大臣臨時代理を実は橋本総理御自身がやっていただいたわけでございまして、その期間中は、橋本総理は総理であると同時に外務大臣でもあったわけなんですね。そういった立場で、当初の段階では外務省のオペレーションセンターにもお出になったわけでございます。  外務省の対策本部ということもございますが、オペレーションセンターという場所は、物理的に機器の関係などもあり、そこへまず情報が入ってくるということもございますので、その後も、先ほど冒頭に申しましたような当然の御関心からして、そこへ足を運ばれることもあったということであるというふうに御理解賜りたい。  こういう事件でございますから、そのことをもっていろいろなことをおっしゃる方はありましょう。しかし、そこのところはそういうふうに御理解いただきたいと思います。  それからさらに、二つの対策本部、あるいは現地の対策本部を含めて、それがどういうふうな役割でどういうふうな権限だったかというのは、これはもちろん大切でございますけれども、これは表現が適切かどうかは知りませんけれども、事件が非常に長期化し、その中で時には非常に動きの緩慢な時期もあった。そんなこともあったもので、いわば組織論的な議論も可能になるのであって、緊迫した状態が非常に限定された時間帯に集中して起こり、あるいは対処しなくちゃいけない状態だったら一体どうだろうか。  それは、やはり内閣は内閣として、外務省は外務省として、現地は現地としての対策本部でその体制をきちんと立ち上げて、それで相互の間の連携を強化し緊密に対応していく、対処していく、それに尽きるんじゃないかという感じがするわけでございます。

達増拓也新進党

○達増委員 次に、今回のペルー事件に関連して、やはりこの安保委員会でも検討しなければならない、取り上げなければならない問題として、先ほども触れられましたけれども、我が国の警察や自衛隊といった実力部隊を、今回のような事件の際にどういうふうに活用していくのか。例えば海外派遣するのかどうか、そういう問題があると思います。  海外派遣を考える場合に、二つあると思うのです。一つは、こういうペルー事件のような事件が発生しないように、事前の警備の強化の一環としてそういうことを検討する。もう一つは、いざ事件が起こった後、それを解決するための問題として検討する。二つあると思うのです。  まず前者についてでありますけれども、現在でも我が国は警察官が在外公館に警備官として出向しているわけですけれども、現在、我が国の警備官は武器を携帯して在外公館警備に当たっているのでしょうか。

原口幸市外務大臣官房長

○原口政府委員 在外公館の警備に関する機微な問題につきましては、機微であるがゆえに具体的な説明は差し控えさせていただきたいと思いますが、昨今の国際テロリスト等による各国大使館の襲撃の多発現象、あるいは世界各地の治安状況の悪化等を勘案いたしまして、特に危険度の高い状況下にある在外公館の警備官に対しましては、個々に検討の上、その生命身体等の安全を確保するために、接受国の法令を尊重しつつ、護身用の武器の携行を認めることはあります。

達増拓也新進党

○達増委員 非常にデリケートな答弁の仕方自体、非常に頼もしいものがあると思います。  では、今のところ在外公館の警備官としては警察官が赴くケースが多いわけでありますけれども、接受国の了承が前提になるとは思うのですが、接受国が了承すれば、在外公館の警備官として我が国の自衛官を派遣すること及びその自衛官が武器を携帯することは認められるのでしょうか。

大越康弘防衛庁人事局長

○大越政府委員 お答え申し上げます。  現在、防衛庁としましては、外務省からの在外公館警備員の出向要請に応じまして約三十名の自衛官を外務省に出向させておりますけれども、これらの者はすべて外務事務官に任命された後に、他の外務省職員と同様の身分で在外公館に配置六れております。  在外公館の警備のあり方につきましては、外務省が所管しておりますので、防衛庁がお答えすろのは必ずしも適当ではないと思いますけれども、あえて申し上げますと、在外公館の警備という問題は、現行法上、自衛隊の任務、権限とされて治りません。したがいまして、自衛官をその身分のまま在外公館の警備に派遣することはできないものと考えております。

達増拓也新進党

○達増委員 では、続いて、いざ事件が起こった後のケースについてですけれども、今回ペルーで行われたような実力部隊の突入を、ペルーの実力部隊ではなく、我が国の実力部隊を派遣して行うこと、あるいはペルーの実力部隊と協力して行うこと、これは国際法上の問題として接受国の同意があれば可能なものかどうか、まず伺いたいと思います。

林暘外務省条約局長

○林(暘)政府委員 まず最初に、一般的に申し上げまして、一国における公権力の行使というのはその国がやるのが原則でございまして、そういう意味において、こういうテロ事件が起こりました場合にも、そのテロ事件に対する対応というのはその当該国がやるのが原則でございます。  先ほどから答弁がございますように、他国、そこに関係している国が警察等の実力部隊を当該国の同意があれば派遣できるということは、当該国の同意があればできるという意味においてはそのとおりでございます。国際法といいますのは、基本的に主権国家同士の意思によって決まっているものでございますので、一般的に申し上げればそのとおりでございます。  ただ、その当該国が他国のそういう公権力の行使を認めるかどうかというのは、すぐれてその国の意思によりますし、多くの場合、他国の公権力の行使というのは非常に限定的に、日本の場合を考えてもわかると思いますけれども、限定的に当該政府は考えますので、そういう点も十分考慮しなくちゃいけないと思いますけれども、一般論として申し上げれば、領域国の同意があれば派遣することは国際法上できるということでございます。

達増拓也新進党

○達増委員 では、続いて、国内法上どうなのかということ。これはまた大事な問題ですので改めて確認したいと思うのですけれども、まずは警察官について、先ほども警備課長から答弁の中で説明があった特殊部隊、SAT、そのような部隊を含む警察官を派遣するということは、国内法上は今どういう形になっているのでしょうか。

小林武仁警察庁警備局警備企画課長

○小林説明員 お答えいたします。  国内法上の問題でございますが、SAT、特殊部隊につきましても、当然警察の法執行として行うわけでありまして、国内法の延長線上としての海外における法執行ということになります。そういう面で、権限法的には現行の警察法六十一条、都道府県警察の管轄外における職権行使ということで可能でありますが、先ほど来御説明がございますように、国際法上の問題なりいろいろな制約がかかるということであります。権限法的には六十一条で可能であります。

達増拓也新進党

○達増委員 次は、自衛官を派遣する場合について、また改めてお伺いしたいと思います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 国外におけるテロ事件に対しまして自衛隊がいかなることができるかについては、これは法的な観点を含めまして慎重な検討が必要であると考えておりますが、いずれにいたしましても、まず、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土等に派遣することは憲法上許されていないものでございます。  それからまた、武力行使に至らない場合であっても、現行自衛隊法上、海外において邦人の人質を救出するため、武装した自衛隊の部隊を出動させることはできないと考えております。

達増拓也新進党

○達増委員 大変明快な答弁だったと思います。  ただ、今の答弁を踏まえて考えてみますと、例えば今回の大使公邸解放の行動に参加する場合、同じライフルを持って外国に行って、全く同じ行動をする場合でも、警察官はよくて自衛官はだめ、そういう国内法の体制になっているわけでありますね。(久間国務大臣「そうじゃないのです」と呼ぶ)御答弁いただけるのであれば、今の点について。通告にはなかったのですが。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 先ほどの警察の方の話は、現行の法律上の話として論理的には可能であるというふうなことを言われましたけれども、要するに、 国として武力行使をするというような概念に当てはまる場合は憲法上問題があるわけでございますから、これは警察であろうと自衛隊であろうと、他国に対する武力行使というような場合にはできないというふうに私は思います。  しかし、こういう問題については、もし必要ならば法制局に聞いてもらいたいと思います。

達増拓也新進党

○達増委員 我が国は、従来、国際的なテロリズムに対する取り組みということで、国際的な協力を進めていく姿勢を明らかにし、来るサミットでもまだそういう提案を我が国から積極的にしていくということであります。こうした問題についても、やはりきちんと国民的な議論を踏まえて政府は対応していかなければならないと思います。  また、その際、ペルーの事件でいえば、人質の生命、特に我が国の天皇誕生日レセプションにお客様として来ていただいた方々の命がかかっている、それに国家としてぎりぎりの決断を迫られる、そういう事態に直面したとき、それにきちんと対応できる意思決定のシステム、そういう危機管理のシステムを国内的にきちんと整備していくことが国際的な協力を進める前提でもあると思いますので、その点についても、今後、政府の努力と、また国民的な議論をしっかりやっていかなければならないという感想を述べさせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 次に、藤田幸久君。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 民主党の藤田幸久でございます。  最初に、せっかくでございますので、対人地雷の問題からお伺いを申し上げたいと思います。  四月二十二日に、たしか同じこの部屋だったと思いますが、通常兵器制限交渉に関しまして外務委員会がございましたときに、自民党から共産党の七人の議員が、対人地雷の備蓄に対する処理あるいは調達に関する、あらゆる角度から、日本政府に対して、より突っ込んだ具体的な対応をとるようにという意見で、七人の議員の方々は非常に一致をした声でございました。池田外務大臣はその外務委員会に御出席でございまして、防衛庁に関しましては何人かの課長の方々がお答えになりましたけれども、きょうは防衛庁長官がいらっしゃいますので、その後の進展も含めまして、防衛庁長官に幾つかお伺いを申し上げたいと思います。  四月二十二日以降、対人地雷に関しまして幾つか進展がございまして、一つは、イギリスでできました新しい政権のロビン・クック外務大臣が、フランスとドイツの外務大臣とともに、対人地雷の禁止ということについて非常に踏み込んだ合意を結ばれたわけであります。イギリスの外務大臣としまして最初の外交的な仕事であるというような報道もございますけれども、この三つの国の外務大臣が、対人地雷の使用、貯蔵、製造及び運搬を全世界で禁止する効果的で法的拘束力を持った協定の早期締結を最優先課題とするということを決めておるわけです。  それから、五月十五日でございますけれども、アメリカの国防総省が、昨年、クリントン大統領が対人地雷に対する政策の変更をしたわけですが、それから一年にわたるその政策に関する取り組みのレポートを発表しております。その中で、例えばアメリカは昨年の段階で一九九九年までに三百万個に上るいわゆる自己破壊装置のついてない地雷を破壊をしていくということを決定したわけですが、昨年からことしの三月までに八十八万八千個を解体したというような具体的な報告をしております。  もう一つこの報告で特徴と思いましたのは、アメリカが地雷の保有数というのを明らかにしているわけです。つまり、自己破壊装置つきが一千百万個、つかないものが三百万個。日本の防衛庁に関しましては、継戦能力ということで保有数も最近まで明らかにされておられませんが。保有数を明らかにしたということと、昨年から一年間で八十八万八千個も解体をしたというような具体的なレポートも出しておりまして、全面禁止というものが優先課題であるというレポートを出しておるわけであります。  日本に関しましては、総理初め国際的な公約をされておるということは伝わっておるわけでございますが、例えば昨年のリヨン・サミットにおきましても、「自己破壊装置を有する対人地雷への改修等に必要な処置を適切に進める。」とあるわけですが、実際に、日本政府、防衛庁においては一年間の中で適切に進めてきたのか。それから、アメリカにおいては八十八万個を既に一年間に解体をしたりしておるわけですが、日本の防衛庁においては具体的にどういったことをしてきたのか、してこないのか。  それから、こういうことを踏まえて、ますます世界的な趨勢というものは高まっておるわけですが、それに対して防衛庁としてどういう姿勢で臨まれるのか、長官の方からお答えをいただきたいと思います。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 対人地雷につきましては、非常に大きな国際的な課題になっているという認識を防衛庁を含めました日本政府も持っておりまして、御案内のとおり、昨年六月に、我が国の自主的措置を表明したわけでございます。そして、その後どう対処してきたのかという御質問がございましたので、この自主的措置に対して今までこういうふうにしてきたということをちょっとお答えさせていただきたいと思います。  「自己破壊装置を有する対人地雷への改修等に必要な処置を適切に進める。」という自主的措置を織り込んだわけでございますけれども、八年度におきまして、自己破壊装置を有する信管開発事業に着手いたしております。  それから、「自己破壊装置を有さない対人地雷の新規の取得を計画しない。」としたことを踏まえまして、実は、八年度、当初予算にはそういったものを念頭に予算化しておりましたけれども、自己破壊装置を有しない対人地雷の八年度における調達を取りやめております。  それから、「自己破壊装置を有さない対人地雷は、特定通常兵器条約改正議定書により使用が認められている場合も含め、作戦上の使用を行わない。」としたことを踏まえ、作戦上の使用を行わないこととしております。  なお、「一般市民に被害を与えるおそれのない、対人地雷の代替手段の検討を早期に進める。」という点につきまして、これは実はなかなか難しい課題でございます。まだ世界的にもそういう一般的な実用化したものがないのが実情でございますが、我々としても、代替手段の検討に関しまして、今後一層努力してまいりたいと思います。  それから、今御質問の中に、現在持っているものについてアメリカの方で数量を発表したとか、あるいは破壊をしたという御指摘がございましたが、日本とアメリカのいろいろな事情の違いもございます。我々として、やはり継戦能力の観点から、この地雷の保有数について発表することは差し控えさせていただきたいと思います。  同時に、現在所有しております自己破壊装置のついてない地雷につきまして、これは作戦上使用しないということでございますが、今後、我が国の防衛のあり方も含めまして、本件については慎重に対処してまいりたいと考えております。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 防衛庁長官に聞いておるわけでございますし、それから今の秋山局長の答弁は、去年、安全保障委員会で全く同じ答えをいただいておりますので、それを繰り返しというのは、また時間を使われたという感じがしますので、私が質問したことについて答えていただきたいと思います。なぜ解体をしないのかということを聞いたわけでございまして、それ以外のことについて、自主的措置についてすべてを答えてほしいということは一言も言っておりませんので、時間がまたむだになりましたので、委員長の方からも、その点はお願いを申し上げたいと思います。  続きまして、これは前の外務委員会でも申し上げたことですが、せっかく長官がいらっしゃいますのでまた申し上げますけれども、これは、例の湾岸戦争のシュワルツコフ将軍を初めウェストポイントの所長とか、それからヨーロッパの統合司令部の将軍といった方々がクリントン大統領に公開書簡を出しまして、この対人地雷の全面禁止ということをニューヨーク・タイムズで二回ほど訴えているわけであります。  ここで言っていることは、軍人として対人地雷の禁止を訴えるということは、軍人としての責任だということをうたっておるわけです。それから、湾岸戦争あるいはボスニアにおいて、アメリカ兵自身がこの対人地雷においてかなりの殺傷率が出た。もちろん、無差別殺傷兵器であって、文民の死傷が多いということはここにも書いておるわけですが、と同時に、これから対人地雷を使わないということが、防衛能力といいますか効果というものを決して減じることにはならない。それだけ、こういう防衛兵器に関する多様な武器というものが現存しておる。そういった関係で、総司令官であるところのクリントン大統領に対して出した書簡であります。  それから、先ほどのアメリカのレポートの中にも出ておるわけですけれども、いわゆる対人地雷以外でこういった防衛能力を高める研究がなされるべきだということに触れているわけですけれども、日本の場合には、いわゆる縦深性が深いとか、それから地形的なことが言われておりますけれども、しかしながら、専守防衛ということを考えられるならば、むしろ敵を海とか空で防衛すべきではないかと言う専門家、防衛庁関係者の方でも私聞いたことがございます。  そういう観点からいいますと、今まで防衛庁が言っておられるそういう専守防衛とか地形的なこととかいうこと以上に、昨今のガイドラインでも言われておりますような、いわゆる戦略環境というものが変わって、冷戦が終わっているわけですから、日本の特殊性ということよりも、そもそもそういう地雷が必要な状況がほかの国に比べて日本ははるかに少ないという観点から、日本がまずそういったことについて範を示さなければ、むしろその主要の輸出国であるとか生産国に対してつぶしがきかないのではないかと思うのですが、その点について、長官、いかがでしょうか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 まず基本的に認識していただきたいのですけれども、国それぞれが、それぞれの地形とかいろいろな特色の中でどういう形で守っていくか、それはそれぞれが考えることでございまして、今我が国の場合を考えたときに、空とか海、もちろんそれも必要でございますけれども、着上陸作戦に及んだ場合にはそれをどうやって迎え撃つか、これも大事なことでございまして、そのために陸上自衛隊も必要な装備を持ちながら必要な配置をしておるわけでございます。  そういう中におきまして、我が国の地形上、着上陸作戦その他がありましたときにはどういう形でそれを受け持つかというときに、どうしても地雷の役目というのはゼロというわけにはいきませんし、むしろ有力な一つの武器にもなるわけでございます。  ただ、世界のいろいろな傾向としまして、いわゆる対人地雷につきましては自己破壊装置のついてないものは使わないようにしよう、そういうような空気でございますから、我が国もそれに応じて自己規制もしておりますし、そういうような世界的な協定が一日も早く成立するのを望んでいるわけでございます。あるいはまた、今まで持っておった地雷をそういう形のものにかえていかなければならない、そういうような努力もしておるわけでございます。  しかしながら、これも一挙に解決するわけにはまいりませんで、どうしても費用がかかるわけでございます。そのときに一番の問題は、信管の取りかえその他、こういう研究がなされなければならないわけでございますので、今その問題に一生懸命取り組んでおる。そして、自己破壊装置のついてない地雷については平成八年度から新規取得はやめておるということでございまして、しかも、作戦上は今まであった地雷等についても使ってないという状況でございますから、世界の趨勢に向かって我々も努力しているけれども、日本の置かれた状況の中から、地雷を使わないということを前提にして物を考えろと言われましても、なかなかそうはまいらないということについてはぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 それぞれの国とおっしゃいましたが、それぞれの国に事情があって、それぞれの国が防衛をするという必要はありながら、こういう趨勢で動いているという前提があるということが一つだろうと思います。  それから、自己破壊装置のついてないものは使わないということですが、使わないのじゃなくて破壊していくという国が、ほとんどの国、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアその他でやっておる。使わないのではなくて破壊をしておるということが二点目。  それから、そういった装置、信管をつけるにはお金がかかるということですが、それで私が先ほど申しましたように、アメリカは一年間に八十八万八千個を解体している、随分お金をかけてやっておる。  そういう中で、国際公約をした日本として、お金がかかるとか、今までのような理由では説得力がないのではないか。さらにもう一歩、本当に真剣に考えていただきたいということを、何回もやってきましたが、今までの理論では内外ともに説得力がないのではないかということを申し上げて、時間がありませんので次の質問に移らせていただきます。  それは、ガイドラインの見直しに関しまして、私は事前協議の活性化ということが非常に重要だというふうに思っておったわけですが、たまたまけさの新聞によりますと、ガイドラインの見直しに関して事前協議というものは議論の対象から除外されておるという報道がございますが、これについて、長官、そういうことであるかどうか、お伺いをしたいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 今度の防衛協力の指針の見直しに当たりまして、幾つかの基本的な考え方がございます。  その中の一つが、安保条約及びそれに基づく権利義務関係は変更しないということでございます。そして、事前協議にかかわる部分で、日米間でいわば権利義務の関係になっている部分はそのままにしておこうということでございまして、その権利義務関係を修正するというような考えは政府は持っていないわけでございます。  他方、特に日本の周辺地域で日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす場合に、日米間でさまざまなレベルで、さまざまな段階で密接な協議をしていく必要があるわけでございまして、その協議の中で事前協議のあり方というもの、例えばどういうときにどういうルートで事前協議を行うのが適切であるかとか、それからその事前協議に至るまでの段階にお互いに国際情勢の分析をするとか、そういった意味での情報交換、情報分析のような事柄につきましては、日米間で緊密に協議していく必要があるという認識で我々はおるわけでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 今度のガイドラインの見直しに関しましては、周辺有事での想定というものがこれまでのガイドラインにはない特徴ということを伺っております。そうしますと、いわゆる国連決議による事態とか、あるいは国連軍との関係における実際の出動というようなことが今までより以上に考えられるわけだろうと思います。  例えば湾岸戦争の際に、日本から、特に沖縄あたりからガルフの方に向けて出撃があったわけですが、それに対して政府の方は、日本を出発した後で米軍は指令を受けたという解釈だったというふうに聞いておりますが、その点についてはいかがでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 安保条約上の事前協議制度で事前協議の対象になっているのは、戦闘作戦行動の場合で申しますと、日本を出発するときの態様が戦闘作戦行動ということになっているかどうか いうことで事前協議の対象になるかどうかということが決められているわけでございまして、日本を発出するときの状況がそういうことでない場合には事前協議の対象にならなかったわけでございます。  そして、湾岸の場合につきましては、日本を出るときの状況というのはそういう状況ではございませんので、それを移動という観念で表現したわけでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 例えば偵察機の出撃なんかの場合はどうなりますでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 その時々の、実際どういう状況で、どういう態様で出発するかということによると思うのですが、日本の基地を出るときの態様が直接の戦闘作戦行動に出るということでない場合には事前協議の対象ではないということでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 偵察機の場合には、出るときの状況というか、偵察機でありますから、出る前から偵察ということしか目的がないわけです。ということは、機体の性能、目的上、これは明らかに偵察以外はあり得ないわけですから、偵察機の場合にはそれに当たるというふうに理解してよろしいでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 従来、政府として御答弁しているのは、偵察の場合は戦闘作戦行動には該当しないというふうにお答えしているところでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 偵察に関しては武力との一体化といいますか、国際的にも、偵察が来た場合には、敵側の方が偵察というのは戦闘行為として撃ち落としにかかるというふうに聞いておりますが、いかがでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 日本の基地を出るときの態様が戦闘作戦行動でないものであるという理解のもとに、偵察については戦闘作戦行動ではなく事前協議の対象にはならないということは、従来政府が御答弁しているところでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 ということは、これから沖縄からアメリカ軍の偵察機が周辺地域に飛び立つ、それで、例えば敵が、具体的にどこかわかりませんけれども、敵側の方からそれに対して迎撃があった場合に、日本側は、偵察は武力行動、戦闘作戦というふうに見ていないので対応のしようがないということになるのでしょうか。

林暘外務省条約局長

○林(暘)政府委員 先ほどから北米局長が御答弁申し上げておりますように、戦闘作戦行動といいますのは、日本の施設・区域を当該飛行機なり船なりが出ていくときに戦闘作戦命令を受けて出ていくものを戦闘作戦行動といっているわけでございます。偵察行動に出ていく飛行機ないし船というのは、通常の場合であればそういう戦闘作戦命令を受けているものではございませんので、そういう意味で戦闘作戦行動ではないというふうに申し上げているわけでございます。  それで、一たん出た偵察機が攻撃を受けるか受けないか、それがどこで攻撃を受けるかというのはわからないわけでございますれども、そういう攻撃を受ける可能性があるから戦闘作戦行動になるということには当然のことながらならないわけでございまして、どういう状況かわかりませんけれども、たまたま出ていったのがどこかで攻撃を受けるということがあるわけでございますが、そうなった途端、出ていったときが戦闘作戦行動じゃないかという、結果的にそういうことになるということはあり得ないというふうに我々は考えております。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 ということは、偵察命令は戦闘作戦命令とは違うということでしょうか。

林暘外務省条約局長

○林(暘)政府委員 通常の場合、偵察といいますのは、当然のことながら、他国の領域、領空を侵犯する場合は領空侵犯という国際法上の違法行為を構成するわけでございまして、通常偵察と言っておりますのはそういう行為をしないという前提と我々は考えておりまして、そういうものである限り戦闘作戦行動ではないというふうに思っております。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 時間がかかりますので、一つ申し上げますが、最近アメリカの方で出た本に「ステルス戦闘機」というのがございます。これはロッキード社のステルス戦闘機を初めとした飛行機その他の開発責任者が書いたものですが、その中に、ベトナム戦争中に嘉手納からハノイに偵察行動に行った、あるいはイラン・イラク戦争の時分に嘉手納からイランまで偵察行動に行った、これはSR71という戦略偵察機、超音速マッハ三・三のものですけれども、それで、例えばハノイの場合には一九六八年、イラン・イラク戦争の場合には一九七八年、具体的にその参加した方々の実名入りで、嘉手納からハノイまでこういう形で拝復をした、こういう形で空中給油を受けた、それからイランに参りまして、中国製のシルクワームというミサイルの偵察に行ったというようなことが非常に詳しく書いてあるわけです。  しかも、この本の後書きには、ペリー前国防長官もこういったことについて非常に評価をしたことが書かれているわけであります。ペリー国防長官は、いわゆる政治的に国防長官になったというだけではなく、こういった開発が行われているとき、実際にもともとペンタゴンにいた方でございまして、しかもこの本の最後の謝辞の中には、ペリー前国防長官に限らず、国防長官を歴代経験をされたシュレジンジャーとか、ブラウンとか、ワインバーガーとか、それからブレジンスキーとか、そういった方々の協力によってこの本も編さんが可能になったというふうに言われているわけです。  今、林局長の話にございましたけれども、実際にハノイなりイランなりあるいは北朝鮮とかといった領空に入っているわけです。それから、この本の中にありますように、大統領直属の命令というふうに記述されておるわけです。それで、実際に敵方からのミサイルが飛んできたけれども、これはマッハ三・三ですからうまく回避できたというようなことが具体的に出ているわけです。  ということは、これはまさに偵察機ですから、初めから偵察でございまして、そしてこれはやはり戦闘作戦というふうに当然敵方はとるわけで、戦闘作戦であるということの一つのあかしとして、この偵察機が中東に出たときにイギリス側が共同の作戦というものを拒否している、その拒否をしている理由は、偵察行動というものはやはり戦闘作戦であるという認識でイギリス側が拒否をしている。これだけのことが事実として出ているわけであります。  ということは、日本という主権国家が、安保条約によりまして、日本から出撃をするということに関しては事前協議の対象になるということを言っているわけですから、これは当然事前協議がなければならない極めて具体的な事例ではないかと思うのですが、これは、外務大臣、いかがでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 偵察の問題を含め、国会で種々御議論をいただいているところでございますが、政府として統一見解というのを出してございます。それによりますと、   事前協議の主題となる「戦闘作戦行動」とは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動を指すものであり、したがって、米軍がわが国の施設・区域から発進する際の任務・態様がかかる行動のための施設・区域の使用に該当する場合には、米国はわが国と事前協議を行う義務を有する。   わが国の施設・区域を発進基地として使用するような戦闘作戦行動の典型的なものとして考えられるのは、航空部隊による爆撃、空挺部隊の戦場への降下、地上部隊の上陸作戦等であるが、このような典型的なもの以外の行動については、個々の行動の任務・態様の具体的内容を考慮して判断するよりほかない。   事前協議の主題とされているのは「日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての施設・区域の使用」であるから、補給・移動、偵察等直接戦闘に従事することを目的としない軍事行動のための施設・区域の使用は、事前協議の対象とならない。というのが、政府が従来から御説明している考え方でございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 そうしますと、今の説明によった場合に、今、私がこの本に出ております形としての事例を申し上げましたが、こういう事例が事前にわかっていたとしても、今、最後におっしゃったことによってこれらの具体的事例も事前協議の対象にならないということでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 偵察ということでございますから、先ほど政府の考え方を申し上げましたように、事前協議の対象にはならないというのが政府の考え方でございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 ということは、これからガイドラインの見直しがありまして、その中に偵察まで入るかどうかわかりませんけれども、仮に、こういった、相手の領空にまで出向いていく偵察行動、そして、戦闘行為に極めて一つまり、敵の情報をとるということは非常に重要な戦闘行為だろうと思います。きのうでしょうか、防衛庁長官が自民党の部会か何かでお話をされた中に、情報をとることもやはり非常に、具体的な言葉は新聞で覚えておりませんけれども、情報をとること自体がかなり微妙な問題ではないかという話もありました。  それでは、今後も偵察に関しましては、つまり、日本を出るときの目的をどう判断するかということが主眼であるという場合に、その先どこに飛んでいこうが、極めて戦闘行為に近いことをしようが事前協議の対象にならないという立場はこれからも変わりませんでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 私、一番最初に御説明申し上げましたけれども、事前協議に係る日米間の権利義務についてはこれを変更しないという考え方で今ガイドラインの見直しの作業を行っているわけでございます。そして、ガイドラインの作業におきまして、いろいろな場面におきましての、どういう具体的な日米間の協力が日米防衛協力を効果的にするかというさまざまな観点から議論されているわけです。  その具体的な内容についてはまだ申し上げる段階には至っておりませんけれども、その大きな要素というのは、どういう状況で、どういうふうになっているかということについての密接な日米間の協議というのが、極めて重要であるという認識で行われているわけでございます。  他方、日米間の権利義務関係というところについては、これは変更しないということでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 私、事前協議制を取り上げましたのは、この前、特措法の委員会だろうと思いますが、民主党の前原議員が質問をした結果、結局、この事前協議は一度も実行されてないということがはっきりしたわけであります。  これからガイドラインを進めていく際に、この事前協議制というのは非常に重要だろうと思いますのは、例えば、まだ国連軍の後方司令部というのが日本に、座間にあるわけですが、これはたまたま三年ほど前に安全保障委員会で、小沢鋭仁議員の質問に対して、たまたま折田政府委員ですから北米局長が、当時何だったのかわかりませんけれども、国連軍の傘をかぶったとしても、アメリカ軍は、事前協議事項については日米の間の事前協議の取り決めが適用されることになるというふうに言っているわけです。  ということは、実際に日本に国連軍の後方司令部があって、それから、国連軍の名前を使ってというか国連軍の艦船として、最近も新聞に出ておりますけれども、三十九隻の艦船が在日米軍の港に寄港をしているわけです。イギリス船籍とか、豪州とか、タイとか。したがって、今度、いわゆるグレーゾーンというような、あるいは集団安全保障というような観点でする場合に、一方でいわゆる憲法の枠内ということを言っておりますけれども、憲法の枠内と国連憲章の理念というものを押さえる必要がある。  といいますのは、日米安保条約の中にも、一条、七条、十条だろうと思いますが、いわゆる日米安保条約よりも国連憲章が優位を持つ、国連憲章の中にも、いわゆる地域間の協定よりも国連憲章が優位を持つということが書いてあるわけです。  今後、その周辺地域で実際にガイドラインが適用される場合には、むしろ、日米だけではなく、例えば韓国あたりも含めまして、多国間の取り決めあるいは行動によって出る場合がある。その場合に、この国連軍の存在と日米安保の存在、日米の事前協議というものが国連軍のものに優先をして実際に実行されるということの中では、やはり事前協議制というものを活性化していくということが、政府が盛んに言っておられます。辺諸国からの信頼を得、それから透明性を持ちながらガイドラインを進めていくという意味においても非常に重要だろうと思います。  そういった意味で、この事前協議制の活性化というものが非常に重要ではないか。少なくとも、今まで一度も実行されてないということではなく、やはり事前協議が実行されるようにしていかなければ、逆に周辺諸国は、日本に話しても余り意味がない、結局アメリカが決めてしまうのではないかということで、当事者としての、主権国家としての日本に対する信頼感が周辺諸国から得られないのではないかという気がするのですが、大臣、その点はいかがでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 周辺諸国の信頼を得るために、とりわけ今日の国際情勢の中で日米安保体制の持つ意味なり役割について、正確な理解を得て、その面でも信頼してもらうために、また、ガイドラインの作業についても周辺諸国の信頼を得るために、我々として、透明性の確保を含めまして、できる限りの努力を現にしておりますし、これからもしてまいりたいと思います。  しかし、そのことが、先ほど来委員が議論しておられる事前協議制についての委員の議論と直性関係があるとは私には思えないところでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 国連との関係で申しますと、今直接関係ないというふうにおっしゃられましたけれども、いわゆる集団安保ということに関しまして、国連憲章と日米安保条約との関係、それから憲法との関係、この三者との整合性ということについては大臣はいかがお考えになりますでしょうか。

林暘外務省条約局長

○林(暘)政府委員 国連憲章と日米安保条約との関係というのは、理論的に申し上げますと、国連憲章というのは、御承知のように、五十一条で自衛権というのを認めております。自衛権は、個別的自衛権、集団的自衛権の両方ございます。日米安保条約というのは、日米間の安保という観点で見れば、五条事態のような事態が起こった場合にはアメリカの集団的自衛権の行使ということになるわけでございますけれども、国連憲章上の位置づけとしては、五十一条にもありますように、そういう自衛権の行使というのは認められておりますけれども、それは、国連における集団的な安全保障というものが実施されるまでの間、暫定的にそういう個別の自衛権、個別というのは集団的自衛権も含めて個別の国がやる安全保障という意味で申し上げたわけでございますけれども、そういうものがやり得るという体制になっているわけでございます。  したがいまして、そういう国連憲章と日米安保条約ということを理念の上で申し上げれば、そういう国連憲章の体制の中の、国連憲章によって行われます安全保障措置ができるまでの間、日米安保条約に基づく措置がとられるという考え方になっておるわけでございます。  ただ、これも御承知のとおり、そこに書かれておりますような、国連憲章に基づく、国連憲章で考えておりますようないわゆる七章の措置とか、そういったものが現実の問題としてできていないというのは事実でございますけれども、理屈の上で申し上げれば、そういう体制になっているということでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 時間が参りましたので、一つ防衛庁長官に、全く異質の質問でございますが、御承知のとおり、昨今、諌早湾の干拓事業ということが話題になっております。長官は諌早が選挙区というふうに伺っておりますけれども、この潮どめの点に関しまして、私どもの渡辺周議員が質問書を内閣あてに出しておるわけですけれども、環境の保全と諌早湾の干拓の損失と事業の効果のバランスについて、大臣はどうお考えになるのか。  といいますのは、質問主意書の回答が近々閣議に付されるという話がございますので、閣議に出た場合に、大臣がどのような態度をとられるのかお聞きをいたしまして、最後の質問とさせていただきます。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 私は、小さいときからあの干潟を見ながら、あの近くを通りながら、通ってまいりましただけに、あの干潟が干拓になるということについては、これがいいのか悪いのか、いろいろと考えながら育ちもし、また農林省に入ってからもそれに携わってまいりました。  しかしながら、その一方では、あの辺は非常に雨の多い地区でございまして、しかも絶えずその先がどんどんどんどん海の方から押し寄せてくる泥土によって堆積されてまいります。したがいまして、非常に排水が悪いわけでございまして、いつも雨が降るたびにあの辺はつかるわけでございます。だから、干拓というのは、絶えず、五十年、百年たつと、またその地先が干拓されていくんだなというような理解もございました。  そういう中でいろいろな紆余曲折がございまして、この事業を、最初は長崎干拓事業として、その後は水資源を中心とした長崎南部総合開発事業として、その後は防災事業として変遷しながら今日に参りました。その間に、やはりこれはやらねばならないということで、最終的には、六十一年から環境影響評価調査もやりまして、そして着工したわけでございます。  やる以上は、災害が起きるようなことのないように早く締め切らなければならないということで、この間、地元の人たちからも督促されまして、やっと農林水産省が締め切ったわけでございます。そして、締め切ってしまって、このごろになりましてから、魚介類が死滅するとかいろいろな話がございまして、あけろ、あけろという話が出ております。  どうしてこれを、私がそれに携わったのは昭和三十九年でございますから、その当時から逆に推進の一方でございまして、漁業者の反対はありましたけれども、最近、締め切ってしまってからそういう話が出てきているから、非常に奇異に感じます。もう二千七百億も金を投じておるわけでございまして、この締め切りの効果というのは、これから先、水害等があった場合も非常に効果がてきめんに出るのではないかと思って、周りの人たちは非常に喜んでおります。  したがいまして、あそこのムツゴロウのためにこれをあけろというような話でございますけれども、そのムツゴロウが今どういう状態かについては、よく皆さん方によって調べていただいて、今、佐賀県ではムツゴロウが去年の三倍とれているという話でございますから、そういうことについても十分理解していただきながら、これだけの効果を上げるこの干拓で、締め切りをやめてまた海水を入れるというようなことをぜひしないようにしていただきたいという気持ちが私の気持ちでございますから、質問書が出ました場合も、当然、農林水産大臣と同じような立場で、私はそれに賛意を表したいと思っております。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 ありがとうございました。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 次に、中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 昨日の十九日からワシントンで日米防衛協力小委員会の代理会合が開かれまして、詰めの作業が行われているということですけれども、きょうは新ガイドラインについてお聞きしたいと思います。  ガイドラインは、日本への武力攻撃や日本周辺の事態等に対して、日米が共同して対処していく場合の基本的構想、共同防衛の基本構想を規定するものですが、同時に、ガイドラインは、さまざまな事態に関して米軍と自衛隊という軍レベルの共同作戦についてプランニングをして、共同対処計画と、必要な場合は作戦計画をつくっていくための指針だと思いますが、まずガイドラインの性格についてお聞きをしたいと思います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 ガイドラインはこれまでも日米間であったわけでございますけれども、そのガイドライン自体が五十三年につくられたものでございました。それが、防衛大綱及び日米安全保障共同宣言を踏まえまして、これまで進められてきた日米間の防衛協力を基礎として、新しい時代におけるより効果的な日米の防衛協力関係を構築することを目的として、安全保障環境の変化を踏まえまして、新しい時代における日米防衛協力のあり方を内外に明らかにしよう、そして、より効果的な防衛協力関係の基盤の構築のための各種共同作業の円滑化、促進を図るために、そのような作業の大枠ないしは方向性を示そうということで、それを目標として、今回、新しいガイドラインをつくろうとしているわけでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 四月十一日に秋山防衛局長も、ガイドラインができた後の日米間の具体的な、例えば共同作戦計画のためのいろいろな検討とか共同対処のための検討、こういったものが有効に機能するようなスキームをつくりたいとおっしゃっていますけれども、ガイドライン、指針というのは、こうした日米間の軍レベルでの共同作戦についても検討される、こういうことでございますね。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 現行のガイドラインができました後、このガイドラインに基づきまして共同作戦計画研究といったようなものがなされてきております。今回も、新しいガイドラインができ上がりました場合には、同様のプロセスを考えているところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 去年の四月の日米首脳会談での合意以降、ガイドラインの見直し作業が行われ、進捗状況の報告も公表されていますが、現在、平素の協力、日本に対する武力攻撃、日本周辺地域での協力に分けて見直し作業が続いています。これは現行のガイドラインとは大変大きく内容が異なるものですが、最初に、日本に対する侵略の未然防止、ここでは米国の核抑止力に依存することになっていますが、この点は見直し作業で検討の対象となるのか。アメリカの核戦略は前の大綱以降大きく変化してきていますが、見直し作業ではどうなっていきますか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 現行のガイドラインにおきましても、米国による核抑止力の保持というものを前提にしたガイドラインを策定しているところでございますが、二年前に旧防衛大綱が改められまして、現在の新大綱ができ上がりました。この新しい防衛大綱におきましても、核兵器の脅威に対しては「米国の核抑止力に依存するものとする。」ということがうたわれております。したがいまして、今回、指針の見直しにおきましても、御指摘の米国の核抑止力ということにつきましては、今回の作業の中においても念頭に置いて検討しているところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 大綱では「直接侵略事態が発生した場合には、これに即応して行動しつつ、米国との適切な協力の下」にとありますが、進捗状況の報告では日本に対する武力攻撃への対処行動となつています。この項目はガイドライン見直しの作業の中でどのぐらいの緊急性を持って協議されているのか。新たな分野を検討、整理するとなっていますけれども、どのような分野が挙げられているのですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 今回、検討の第二項として、「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」ということが入っておりますが、これは基本的には現在のガイドラインの第二項と変わりございません。  現在のガイドラインにつきまして申し上げますと、第一項も一応関係いたしますけれども、第二項を中心にいたしましていろいろな研究がなされておりますし、昭和五十三年以降の日米の防衛協力も、例えば合同演習も含めましてかなり進展を してきたと思っております。  我々としては、新しいガイドラインにおきましても、日本の防衛、日本の安全保障という観点から考えますと、この第二項は相変わらず日米防衛協力の中核的要素という位置づけをして考えているところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 ガイドラインの協議を経て、日本に対する直接侵略事態、日本に対する武力攻撃に際しての日米共同作戦計画が新たにつくられるということになるわけですか。新大綱では独力対処もなくなったわけですから、この点では新ガイドラインに基づいて新しくつくり直すということになりますか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 御質問のポイントは、多分二年前の新たに導入されました防衛大綱におきまして、従来使われておりました限定小規模侵略独力対処というものがなくなったということの関係でどうなるのかという御質問であろうかと思います。  限定小規模侵略独力対処につきましては、当時もいろいろ御説明させていただきましたけれども、限定小規模侵略といったようなものが具体的にありそうな誤解を与えますし、現実問題として、いろいろオペレーションを考えますと、限定小規模侵略について独力で対処するということが、実際に我が国に武力侵攻があった場合に、そんな区分けができるだろうかといったようなことからその言葉をやめたわけでございますが、基本的には基盤的防衛力構想につながる問題であったわけでございます。ある意味で、防衛力水準のレベルを示す一つの考え方であったかと思っております。  しかし、現在のガイドラインにおきましては、この限定小規模侵略独力対処ということが書いてございます。同じように、防衛大綱で外しましたので、それを外しまして記述をする。そして、日米の防衛協力のあり方につきましても、当然のことながら、我が国に侵攻がありました場合には、我が国が自主的にまず即応して対処するという基本に立ちながら、その辺は今まさに詰めて議論をしているところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 日本周辺地域において我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような事態というのは、ガイドライン見直し作業においても中心の課題と思いますが、進捗状況報告では、「周辺地域において発生しうる事態」では、危機発生前から危機終了後の全段階を通じて事態に対処する枠組みをつくって、その枠組みによって事態をより効果的に未然に防止し、その拡大を抑制するとともに、その収拾を図るとしています。これは武力による危機管理機能を強化していくという新しい役割を規定していると思いますが、今後、具体的に一つ一つのシナリオを想定して、危機から紛争に分けて個別の計画を策定していくことになるわけですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 検討しております第三項の「日本周辺地域において発生しうる事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合の協力」でございますが、今検討しております項目、これは最終的にこういう分類になるかどうかはわかりませんけれども、五つございまして、人道的援助活動、非戦闘員を退避させるための活動、米軍による施設の使用、米軍活動に対する後方地域支援、自衛隊の運用と米軍の運用、こういうことでございますが、自衛隊がある意味で大きくかかわってくるのは、この最後の自衛隊の運用と米軍の運用というところでございます。  それ以外にももちろん自衛隊がかかわる部分もございますけれども、今御指摘がありましたように、流れに沿ってもちろんいろいろなことを検討しておりますけれども、この分類になるかどうかわかりませんが、大体こういった項目についてそれぞれ日米間の防衛協力のあり方について記述をしていく、こういうことになろうかと思っております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 新大綱、日米安保共同宣言では、アジア・太平洋地域の平和と安定への役割が繰り返し強調されています。ところが、新大綱にはアジア・太平洋地域という規定はないし、ガイドラインの進捗報告を見ましても、アジア・太平洋ということは出てこないわけです。  アジア・太平洋地域における日米対応というのはどうなるのか。日米が重視するアジア・太平洋の平和と安全に重大な影響を与える事態がある場合、その防止を含めて、日米は共同対処するのか。その場合には共同対処計画が必要となりますが、計画をつくるのか。それとも、さきに触れた「周辺地域において発生しうる事態」で対処できる、これでカバーできるということになりますか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 日米安保共同宣言におきましては、アジア・太平洋地域ということを言っているのはそのとおりでございますが、日米安保条約に基づきまして米軍が日本に駐在し、またアジアのプレゼンスの支えとなっているということ、そういう事実がアジア・太平洋地域の諸国に安心感を与え、結果としてこの地域の安定的要因として作用しているという認識を述べたということは、従来から御説明しているとおりでございます。  他方、ガイドラインで行っております作業というのは、第三項目に書いてございますように、日本周辺地域の事態で日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす場合の対応でございまして、その場合に日米間でどういう協力をすることが適当であるかということで、日米間で鋭意議論を行っているところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 もう一度お聞きしますけれども、お聞きしているのは、アジア・太平洋の平和と安全に重大な影響を与える事態がある場合、日米は共同対処の計画を新しくつくるのか、それとも「周辺地域において発生しうる事態」で今研究して、この研究で対処していくのか、その点いかがでしょうか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 現在ガイドラインで議論しております第三項は、我が国周辺地域でということでございます。アジア・太平洋地域という言葉は使っておりません。我が国周辺地域で、かつ、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態ということでございますので、我が国周辺地域、つまり我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態、こういう観念でとらえていただきたいと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 外務省にお聞きしますけれども、日本周辺地域の事態での米軍支援の問題です。  現在、ガイドラインの見直し作業や政府の緊急事態対応策の検討の中で、周辺地域の事態での対米支援措置としてさまざまな報道があります。  五月十六日の毎日新聞は、日本周辺地域有事の際の米側が必要とする千五十九項目の対日支援要求について報道していますが、米側の要求は、「最終的に在日米軍司令部が九五年十二月、千五十九項目に整理して日本政府に提出した。」と報道していますが、米側からこうしたさまざまなケースを想定して日本への支援要求が出されていると思いますが、米側の要求はどういう形で、どういうルートを通じて出されるものなんですか。ガイドラインの協議機関とされている日米防衛協力小委員会、SDCに出されるのが筋だと思いますが、いかがですか。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 具体的にどういう項目について日米間で協議を行っているかということについては、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、ガイドライン見直しに関しまして、特に第三項目の問題でございますが、これについてどういう具体的な協力項目が検討対象になるかという議論というのは、SDC、まさしく日米防衛協力小委員会、それからSDCの代理会合、それからそのもとに作業班というのがございますので、そこで日米間で議論をしているということは申し上げられると思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 安全保障室はお見えになっていますか。  安全保障室にお聞きしたいんですが、国内では、九六年五月の総理指示に基づいて、緊急事態対応策の検討が行われています。在留邦人の俣護、救出の問題、あるいは大量の避難民対策、沿岸・重要施設の警備、対米支援措置等ですが、この緊急事態対応策の検討作業は、今どういう状況になっているのか、見通しはどうですか。

三井康有内閣安全保障室長

○三井政府委員 今お話ございましたように、昨年五月、橋本総理から御指示をいただきまして、各種の緊急事態対応策の検討を行っております。これは、我が国周辺地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような事態を中心といたしまして、我が国に対する危機が発生した場合や、そのおそれがある場合につきまして、我が国としてとるべき必要な対応策について具体的に検討、研究しているものでございます。今お話のありましたように、内閣安全保障室が事務局となりまして、四つの項目を中心として、関係省庁で作業グループを設置して、現在鋭意検討を行っているところでございます。  この検討につきましては、私どももできるだけ速やかに取り進めたい、それが望ましいと考えておりますけれども、他方で、極めて広範多岐にわたる内容を含んでおりますので、十分に検討を尽くすということも必要だと考えております。したがって、現段階では、今後の見通し等につきましては、まだ具体的に申し上げる状況にはございません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 外務省にお聞きしますけれども、この安全保障室が取りまとめている、今進めています緊急事態対応策の検討、研究は、ガイドラインの日本周辺地域での協力のあり方を協議していく際に勘案するもの、いわゆる考慮するものとされています。この緊急事態対応策の成果を勘案するのは、ガイドライン協議に当たっている外務省、防衛庁ですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 昨年五月、橋本総理大臣の指示で、緊急事態対処策ということで四つのテーマが議論の対象になっております。その四番目のテーマが対米支援ということでございました。したがいまして、日米防衛協力の指針の見直しとここはかなり大きくダブっておりますので、その間の調整は当然必要でございますし、両方で、両方のその検討状況を踏まえながら協議をしているというのが現状でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 ガイドラインの中間報告を六月初めに公表すると言われていますが、この緊急事態対応策の検討はそれまでにでき上がるものと見ておられるのか、それとも、完成してなくても中間報告はできるということになりますか。ガイドラインと、今おっしゃった重なる作業の問題がありますけれども、その点はどういうふうになりますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 緊急事態対応策とガイドラインとの関係、かなりダブる部分があるというのは、今防衛局長から答弁のあったとおりでございます。それじゃ、一方がまとまるまでは他方はまとめるわけにはいかないかというと、必ずしもそういうわけじゃございません。  ガイドラインの中間報告の性格は、文字どおり中間報告でございまして、国民の皆様方にもいろいろ御検討いただくということで、いわば論点を整理して明らかにするわけでございますから、そういった意味で、こちらの方は中間報告の形でお出しするということで、作業のあれとしては整合性があるんだと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 時間も迫っていますけれども、あと一、二間お聞きしたいと思います。  防衛庁にお聞きしたいのですが、武器弾薬の補給の問題ですが、対米支援措置の中で武器弾薬の補給の問題があります。いわゆる憲法との関係の問題を別にしまして、武器弾薬の補給の実態をお聞きしたいと思います。  武器弾薬の補給とは、自衛隊が、自衛隊の保有する武器や弾薬を、例えばアメリカの艦船まで輸送して米軍に補給するということですか。そうだとしますと、自衛隊と米軍の間で共通に使用できる武器弾薬でなければ補給できないわけですが、現在、陸海空それぞれで米軍と共通化されている武器弾薬はどのぐらいありますか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 装備局長から質問に対する直接の答えはいたしたいと思いますけれども、その前に、ガイドラインで議論をしております例えば米軍に対する後方地域支援の中に、輸送といったようなものもあるわけでございますけれども、今御質問のような趣旨で本件について議論しているわけではございません。一般的に輸送という後方地域における支援のあり方について議論をしているわけでございます。

鴇田勝彦防衛庁装備局長

○鴇田政府委員 御質問にございました、現在、陸海空それぞれの自衛隊が米軍と共通の武器弾薬をどれぐらい保有しているかという御質問でございます。  自衛隊の装備の導入に当たりましては、我が国の防衛上の必要性の見地から、性能、価格等総合的に判断して決定しておるわけでございますが、その際、日米間の装備品の共通性の確保にも配慮をしているところでございます。  具体的には、陸上自衛隊で申し上げますと、多連装ロケットシステム、いわゆるMLRS、あるいは二百三ミリ自走りゅう弾砲、海上自衛隊にありましては、MK46魚雷あるいは高性能二十ミリ機関砲、空自にありましては、地対空誘導弾ペトリオットあるいは空対空誘導弾スパロー等々、かなりの共通性を持っている実態がございます。  この事情といたしましては、ライセンス国産あるいはFMS調達を通じまして、こういった弾薬等を我が国で生産をしたりあるいは購入をしているという経緯がございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 時間になりましたので終わりますが、先ほどの答弁と関連しますけれども、そうしますと、武器弾薬の補給でもう一つ考えられるのは、自衛隊が、米軍の保有する武器弾薬を日本の米軍基地の弾薬庫からアメリカの艦船等まで輸送して補給する、こういう問題ですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○秋山(昌)政府委員 武器弾薬も含めまして、物資についての補給あるいは輸送、場合によったら保管、そういったような問題につきまして、現在議論をしているということでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 時間が過ぎましたので終わります。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 次に、上原康助君。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 外務大臣、防衛庁長官、また関係者の皆さん、どうも御苦労さまです。  ここからお尋ねをするには少し耳が痛いお話になるかもしれませんが、私は、沖縄の施政権返還との関係で核疑惑の問題についてお尋ねをしたいと思っています。  御承知のように、ついこの間、五月十五日、復帰二十五年が経過いたしました。それまでは、米軍用地特措法の問題等があって国会も政府も沖縄問題一色のような感を受けたのですが、終わると同時に、潮が引くように沖縄という声は国会から今聞こえなくなりつつあります。政府も、基地の整理縮小問題、懸案事項、振興策を含めて、果たしてどうこれからやっていかれようとするのか、私が懸念しておったこと、あるいは沖縄側が懸念しておることが早くも現実の問題になりつつあるのではないかという新たな不信感と不安がまた出つつあることを率直に申し上げておきたいと思うのです。  そこで、私は、沖縄の施政権返還、沖縄返還協定が国会で審議されておる当時から、核抜きということに疑問を思い、いろいろ追及してまいりました。  復帰二十五年に当たって、例えばNHKの報道スペシャル、朝日新聞報道、読売、毎日、地元紙、RBCなどなど、緊急時には沖縄への核再持ち込みの合意確認がなされておった。よく言われてきたいわゆる秘密協定ですね。秘密合意。それだけではなくして、核搭載艦船の寄港並びに領海通過についても、これは沖縄復帰前からそういう了解を与えておったというような報道ですが、この二つについては、沖縄の施政権返還後も認める、これは、お亡くなりになった若泉先生の著書でもそのことは明確にされているし、最近また、佐藤元総理のいわゆる沖縄返還をめぐるいろいろの日誌というのか、そういう面でも明らかになりつつある。  外務大臣、米側の証言もこれまで何人かあった、これだけ復帰二十五年になって新たな公文書というものも公開されるようになった。そうしますと、やはり沖縄県民、国民の受ける印象というのは、沖縄返還というのは核かくしたったのかと。その上でガイドラインとかいろいろの問題が出てきても、これはなかなか信用できぬという気持ちになるのも無理からぬことなんだと思うのです。このことについて、今私が指摘をしたようなことについて、政府はどう解明をして、お答えになっていかれようとするのか、ぜひわかるように、簡潔にお答えを願いたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 いわゆる密約の問題でございますけれども、この点につきましては、その当事者であると言われておる佐藤元総理を含めまして、歴代の総理あるいは外務大臣が明確に否定してきたところでございまして、そのようなものはございません。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 今までもこういう問題が持ち上がって、私なんかは相当お尋ねをして、その都度空振りさせられてきたわけですが、皆さんが、そういう密約はなかった、あるいはそういった約束はないと強調すればするほど、やはりこの疑惑は解けないわけですよね、大臣。  アメリカ側からこれだけの問題が出てきた以上、日本政府はこれは確かめたのですか、この復帰二十五周年に当たって公文書が出てきたこととか。佐藤総理もこの日誌の中でもおっしゃっているじゃないですか。絶対ノーだと言うべきところが、つい本音が出て、日本の危急存亡のときに、果たしてアメリカの核持ち込みについてノーと言えるかと。そういう事態についてはイエスもあり得るということをおっしゃっているじゃないですか。  だから、外務大臣がそこまでおっしゃるなら、このことについて改めて米側に確かめてくださいよ。確かめて答弁なさいますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 米国の内部文書でございますので、その内容についてコメントは差し控えたいと思います。  しかし、委員、大切なことは、もし核持ち込みということを米側が必要と考えるならば、それは当然のことでございますが、事前協議の対象になるわけでございます。もしそういった事前協議があれば、我が国としては、非核三原則を堅持する立場から、これは拒否するということになるわけでございます。そういうことで、御心配は当たらないと明確に御答弁申し上げる次第でございます。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 先ほども事前協議問題でありましたが、日米安保が改定されて以降、それ以前にしても、一度だって事前協議をやったためしはないのですよ。それだけを考えても、事前協議制度のあり方というのは、いかに安保の運用ということが問題があるかということは、指摘するまでもないと思うのですね。  最近も、この米国側での公文書公表あるいは新たなマスコミ等の報道があって、私の方にもぜひ追及してくれという文書も来ているのです、英文も含めて。これなんかを見ますと、紛れもなくこれは問題ありと私は改めて思います。  長くなりますので前段は読みませんが、さらに米国政府は、沖縄に現存する核兵器の貯蔵地である嘉手納、那覇  那覇は当初米軍が、私もそれは疑惑は持っておったのですが。ここは今は自衛隊、民間共用ですからどうかと思うのですが。辺野古あるいはナイキハーキュリーズ基地、これらを重大な緊急事態が生じたときにいつでも使用でき、活用できる状態に維持する必要が求められる、これがアメリカ側の要請、要求なんですよ。提案なんですよ。  これに対して、日本政府は、大統領が述べた前記の重大な緊急事態が生じた際における米国政府の必要事項を歓迎し、かかる事前協議が行われた場合は、いかなることがあろうとも遅滞なくそれらの要求に応じるものとする。これは、六九年の十一月二十二日、ワシントンDCにおいて、ニクソン大統領と当時の佐藤栄作総理の間で署名をして、それぞれ一通ずつ大統領と日本の内閣総理大臣だけが保存しておく、保持しておく、こういう内容まであるのですよ。  このことについては、さっき申し上げた若泉さんもそのような趣旨で本をお書きになった。今度のNHKスペシャルも、これはそのとおりなんです、秘密防衛議事録ということで。これも、私が若泉さんがお書きになった本を引用して、内閣委員会だったか外務委員会、多分外務だったと思うのですが。内閣と書いてありますね、取り上げたときに、当時は柿澤さんが外務大臣でしたが、お答えになっている。  これだけのことが、こういうものを読んで、やはり国民なり沖縄県民は、核抜きが本物だったのか、今、日米がやろうとするSACOの問題にしても、共同宣言における沖縄の基地の位置づけにしても、本気でやるのかということを考えるのは、これはむしろ人情じゃないですか。私はなぜこのことをきつく申し上げるかというと、今やられようとするガイドラインの問題にしても、沖縄基地の整理縮小問題にしても、こういう疑惑を積み重ねておってはこれは前進じませんよ。どうださいますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 繰り返しになりますけれども、そういった密約というものはないのだということを、密約をしたのじゃないかと言われた佐藤栄作元総理御自身がおっしゃっているわけでございます。そうしてまた、歴代の総理もそう言っておられます。  私は、先ほど申しましたように、米国政府の内部書類について、内容に触れてコメントするのは適当でないと思いますのでコメントいたしませんけれども、今もし委員がおっしゃったように、密約をして一通ずつつくって、それぞれ首脳が持っているんだ、日本は総理が持っているんだと言われるならば、もしそれが事実であるとするならば、それは事実でないと佐藤栄作元総理自身が答弁しておられるのですね。  もし仮に万一そんなものがあって、その有効性を担保するためには、それがその後の歴代の総理に引き継がれなくてはいけないわけでございますね。あるいは外交担当の外務大臣か外務省にきちんとそれが伝えられなくては、仮に密約があったとしても、その約束の実効は担保されないわけでございますね。  しかし、そのようなものは外務省には全くないということを歴代の外務大臣も答弁しておりますし、私も見たことも聞いたこともございません。それから、歴代の総理も、皆さん繰り返しそのような密約はないとおっしゃっているわけでございます。  委員御自身も、ただいまもそうでございますが、さきの村山政権のもとでも、連立政権の中枢を担う幹部としていろいろ政権を支えてこられたのだと思いますが、そういった中でも、そういったいわゆる密約なるものが引き継がれておるというお話をお聞きになったということは、私はないのだと思いますが、私もいろいろなタイミングで現在外務大臣をしておりますけれども、そのほかの内閣のときにも安全保障問題等々にいささかかかわるということもございましたけれども、そういった当時にも一切そういったことは聞いたことも何もございません。ということで、佐藤総理以下、ずっと歴代の総理、外務大臣が密約がないと答弁しておるところを、そこのところはどうか御信頼、御信用賜りたいと思います。  一方において、先ほども御答弁申し上げましたように、当時、核持ち込みなんということがあれば、これは事前協議の対象になる。万一そういった事前協議があったならば、日本政府は非核三原則に基づいて、それは拒否するということを明確に申し上げておるわけでございますので、どうかその点は御懸念ないようにお願い申し上げたいと思います。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 外務大臣が密約はありましたなんというのはなかなかおっしゃらないよ。しかし、客観情勢として、これまでも節々でそういった非常に真実に近いような報道がなされているということについては、これは懸念し、疑問を持つのは当たり前じゃないですか。これは幾ら否定したって、だんだん積み重ねてこられて、その問題については解明されるのじゃないかと私は期待をしておりますので、きょうは大臣の今の御答弁には納得いたしかねます。  そこで、一つは、前から私は言っておるのですが、私が指定をする嘉手納地域にある弾薬庫と辺野古地域にある弾薬庫の視察を認めますか、それについてお答えください。

折田正樹外務省北米局長

○折田政府委員 米軍の施設・区域は、地位協定第三条に基づきまして米側の管理権のもとにあるわけでございまして、米側の同意なくして立ち入るということはできないことでございます。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 私は、これは前にも拒否されたのですよ、柿澤外務大臣のときも。私は改めて出しますからね、これは。嘉手納と辺野古を視察させてください。その上でまた議論しましょう。  時間だと思ったら、あと四分ありますから。次に一〇四号線のこと。これも沖縄県は非常に不快感を持っていますね、外務大臣、防衛庁長官。総理がアメリカに行く前は、みんな熱心に北海道へ行ったり大分へ行ったり努力なさった。それは多としましょう。だが、最近は何ですか、沖縄ではやめるのですか、やるのですか、どっちですか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 これは本土の方でやるべく今一生懸命努力をしているところでございまして、各地区も受け入れてもらったわけでございますから、先般も、米軍との関係で、これを早く本土で実施してくれということを今申し出ているところでございます。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 私も基本は、これは沖縄で嫌なものが本土だって、沖縄は一カ所で今までずっとやられてきたのですよね。五カ所に分散するといっても拒否なさる。そこを何とか皆さんも政府も御努力をして、各県知事や関係市町村長も努力をした上で、何とか反対する地域住民の協力も得ようという趣旨でやっている。  だが、米軍は本土でやるのを嫌と言い出しているというじゃないですか。そんなことが、一体これはどうなっているんだ。これは今まで総理がアメリカへ行くためのジェスチャーだったのか、皆さんやっているのは。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 いや、本土でやるのを嫌だと言っているわけじゃございませんで、要するに、米軍の方は六月中にやりたい、それまでに間に合うかというようなことを言っているわけでございますので、それは間に合うというふうなことを今こっちは言っているわけでございます。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 じゃ、やりますね。六月からは本土でやるということで理解していいですね。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 そのつもりで今一生懸命やっております。多分そういうふうになろうかと思っております。  要するに、はっきり言いますと、三月に訓練をかなりすることにしておったわけでございますが、それを半分でやめたわけですね。あとの半分は、その三月の時点ではすぐ次に本土でやれるかと、多分やれないのじゃないかということで、沖縄であとの残りの分だけはやろうというような計画を立ててしまった、そういうふうなことの中で本土の皆さん方が理解していただきまして、ああいうふうな決着をしたわけでございます。  だから、決着したのだから本土でやってくれと。向こうはそのときもう計画を立てておったということで、いろいろ両方で話があっておりますけれども、もう決まったのだから本土でやってくれ、間に合うじゃないか、間に合う方法もあるじゃないかということで、あらゆる手を使って今向こうの方に、そのときのいきさつはいろいろあったかもしれないけれども、もう決まったのだから、せっかく決まったのだからやってもらいたいということを言っているわけでございますから、どうか、それをもうしばらく見守っていただきたいと思います。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 難しい課題ではありますけれども、そういうことを県民や国民に約束をして、しかも、総理を初め防衛庁長官、外務大臣等々が国会でも答弁をして、それがまた振り出しに戻るとか実行されないとなると、そういうことが不信を招くのですよ。そこをぜひしかと受けとめていただきたいと思います。  もう一つ懸念があるのは、これは外交問題でもあるので私も余り強くは申し上げませんが、この間、ロシアのロジオノフ国防長官が来ましたね、国防相が。何か県道一〇四号線越え演習を北海道に移転をして、北海道でやることに懸念を表明したという報道があるのですが、これは事実なのか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 それは、ロジオノフ国防相と私がお会いしたときに、むしろ私の方から提起した問題でございます。というのは、前提がございまして、極東地方のロシアの責任者、正確に申しますと、たしか知事だと思いましたけれども、それが矢臼別演習場における米軍の演習について懸念を表明したということがございました。ただ、それはそういうものじゃないんだということを、ロシアに駐在しております我が方の都甲大使が現地に行きまして説明したわけでございます。  そんなことがあったものでございますから、ロジオノフ国防大臣とお会いしましたときも、これは全くそんなことじゃないんだと。要するに、これまで沖縄でやっておった演習の一部を移転するのは、住民との関係の全く国内的な事情なのであって、国際的なものではないんだということは知事にも説明してあるということでお話しした。そういうことでございますので、ロシア側もそこのところは正確に理解しているところでございます。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 そうであれば理解いたしますが、そういった国内の状況あるいは外圧等が加わって、沖縄の基地負担なり、あるいは県民の気持ちというものを、解消はなかなか難しいと思うのですが、さらにいい方向に持っていくようなことにならないやり方というのは、これは絶対承服しがたい。  私は、本当に懸念しますよ。今政府は、確かに軍用地特措法は圧倒的多数で国会を通ったでしょう、あるいはガイドラインの見直しについても今の国会状況ならすいすいいくかもしらぬ。だが、核の問題にしても安保の運用にしたって、これはそう簡単にはいかないと私は思う。しかも、そういうものをうやむやの形にしておけばおくほど沖縄にもっと基地の重圧がいくのですよ。それを含めて政府はしっかりやってもらわぬと、軍用地特措法が通ったからといって沖縄問題が終わったなんて思ったら大間違い。これは、次から向こうの席で質問するかもしらないくらい重大ですから、御理解願いたいと思います。  以上で終わります。

伊藤英成新進党

○伊藤委員長 以上で本日の質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十三分散会

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