予算委員会 第2号
- 発言数
- 430 件
- 登壇者
- 57 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1996/12/11
会議録
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 昨日に引き続き、質疑を行います。及川一夫君。
○及川一夫君 まず、長野県の小谷村の災害、何かけさほども土石流が発生したということを耳にいたしておりますが、まことに痛恨のきわみだというふうに思います。災害の犠牲となられた方々の御冥福を心からお祈りいたします。同時に、御家族の皆様にも心からお見舞いを申し上げる次第でございます。 いまだ行方不明になっておられる方々の救出は全力を挙げてもらいたいというふうに思いますし、原因の究明、再発防止のために、政府はもとよりでありますが、我々も責任を持って対処しなければならないということを表明させていただきます。 改めまして、総理、閣僚の皆さん、大変御苦労さまでございます。政治的な難問が山積をしている、こういう状況の中で内閣の運営も大変だと思いますけれども、我々も及ばずながら与党の一員として、与党内野党といいますか、チェックすることはチェックし、言うべきことは言い、そしてよい政治が、国民のための政治ができるようにぜひとも我々も協力を申し上げたい、こういうふうに表明をしておきたいと思います。 まず第一に、この参議院でもそうでありますが、衆議院を通じて、厚生省の不祥事の問題についてはまことに遺憾であり、すべての党が、またすべての議員の皆さんがこれを取り上げられておられます。私もその一人であることは間違いありません。 したがって、これまでの論議の中で果たして国民全体の皆さんのそれこそ政治に対する不信、行政に対する不信、こういったものが一掃されただろうかどうかということが私は非常に気になる点でございます。総理の心境を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 冒頭、お許しをいただきまして、御質問外に一言触れさせていただきます。 本日、まだ正確な時間が参っておりませんけれども、八時半から四十分ぐらいの間に、小谷村の捜索現場におきまして新たに土石流が発生をいたしまして、現在作業が中断をいたしております。作業に関係をいたしておりました人員に何ら異常はございませんが、作業用の機材等への影響等、今報告を現地に求めておりますので、その報告が入り次第また御報告することをお許しいただきたいと存じます。 そして、今回の厚生省の不祥事、これが最高幹部による事件でありますし、国民の厚生行政というものに対する信頼を根底から揺るがすという事態でありまして、本当に何とも言いようのない、ざんきにたえないという気持ちでございます。 これから後、既に前事務次官に対します事件というものは司法当局による厳正な捜査の対象となっておりますので、これを見守ってまいりますが、そのほかの一連の報道されておりますような事件、あるいはそれ以外に問題がないかどうか、こうした点につきましては厚生省におきましてその事実関係を確認した上で厳正な処分を行いますとともに、綱紀の粛正の一層の徹底を図っていき、また特に社会福祉施設整備などの仕組みが悪用されたという点につきましては、事実関係を究明すると同時に、再発防止策に早急に取り組むように厚生大臣にも指示をいたしました。 そうした努力の中から国民の厚生行政に対する信頼を回復していかなければならない、そのために全力で取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○及川一夫君 そうした中で、昨日ボーナスが支払いをされたということを新聞紙上で拝見しました。法律でありますから法律を守ればそういうことになるのかもしれませんけれども、ある意味では超法規的な発想でというやり方もないわけじゃないと思うんですが、これは私は、国民から見ると大変怒りが倍加してしまうというような状況でありまして、政治不信の不信どころか倍加してしまうというふうに思うんですが、総理、いかがですか、このまま放置しておきますか、制度上。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 法的な詳細につきましては私も細かく存じておる状況ではございませんが、この場合、ボーナスを支給しないということになりますと、たしか私は懲役を含む刑事罰の対象に厚生省のその担当者がなると現行の法律のもとでは承知をいたしております。 そして、厚生大臣が努力をされまして、官房長等を通じて本人に辞退を働きかけられたようでありますが、その意思がない。そうした中から、私自身も本当に割り切れません。割り切れませんけれども、ボーナスの支給を行わないことによって逆にそのために刑事罰を受ける職員が生ずる、そうした中の苦渋の選択であったと承知をいたしております。 もしお許しをいただけますなら、事務的に法的な側面についての説明をいたさせたいと思います。
○及川一夫君 説明を求めます。
○政府委員(弥富啓之助君) 総理の御命令でございます。 本件につきましてはさまざまな御意見があるのはよくよく承知をいたしておりますけれども、法律的に申し上げますと、一般職の職員の給与に関する法律第十九条の四によりまして、ボーナスは「基準日の属する月の人事院規則で定める日に支給する。これらの基準日前一箇月以内に退職し、又は死亡した職員についても、同様」というふうに規定をされております。 人事院規則によりますと、「退職」とは、「失職の場合」、これは欠格条項によって離職した場合でございますが、「失職の場合及び懲戒免職の場合を除いて、職員が離職すること。」となっております。したがいまして、基準日前一カ月以内に退職をした職員についても支給されることとされております。したがって、基準日前一カ月以内において辞職をいたしております本件の場合は、この規定に基づき期末手当は支給されることとなるということでございます。
○及川一夫君 説明は説明としてあるんですが、そこから先の問題ですよね。我々から言えばいろんな抵抗の仕方はあると思うんですが、そういったことは全く議論もされませんでしたか。
○政府委員(弥富啓之助君) 本件につきましては、所属省庁でお決めになることでございますので、私の方といたしましてはこの法律に従う以外にはないわけでございます。
○及川一夫君 厚生大臣、いかがですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 我々もこの問題について、法律的にも政治的にも、また国民感情からもいろいろ判断いたしました。退職金は政治判断で支給をしておりません。 これも同じく政治判断で支給停止できるのかと一時的には思いました。しかし、御承知のように、いろいろな法律条項、これは払わざるを得ないという法律の規定のように、やむを得ない面があるということで、私自身、官房長を通じまして、それでは本人が辞退するのはどうだろうかというような働きかけもやってみましたが、今のところ辞退するという話は来ておりません。法律を守れと言っている大臣が法律を破るということもいかがなものかと思いまして、これはやむを得ない措置だったなと、そう思っております。
○及川一夫君 私から言わしめれば、法律はそうかもしれませんけれども、仮に大臣が裁判を受けても支払いを拒否するという決意ぐらいはきちっと持った対応があったのではないかという気がいたします。いずれにしても、この問題については不満を表明いたしておきたいと存じます。 そこで、この不祥事、問題は根本的な問題ですよね。そういう意味合いでいうと、厚生省の不祥事というのは一体原因はどこにあったんですか。制度的な問題でしょうか、それとも公務員としての倫理観の欠如の問題なんでしょうか。その辺は厚生大臣いかがですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 昨日の当委員会の議論におきましても、昭和六十三年当時の綱紀粛正策の問題について御議論がありました。そのときにおいても、職務関係者との接触について厳しく注意すべきだというような綱紀粛正策が出ていたわけです。あのときにあの綱紀粛正策をきっちりと守っていれば、今日のようなことは私は起こらなかったと思います。そういう点で、あのときの綱紀粛正策が真剣に受けとめられていなかったんじゃないかという点は私は厳しく反省しなければならないと思っております。
○及川一夫君 昭和六十三年ですか、その前に昭和四十二年、四十三年ころに共和製糖事件あるいは日通事件という大汚職がございまして、さまざまな政治的な問題になりました。たしか総理も国会に出られたころの話じゃないかというふうに思っております。 当時行管庁に行政監理委員会というものがございまして、ここで何か答申みたいなものを出されておりますよね。この点について総務庁の方から、政府委員で結構ですから、その当時の意見書をひとつ読み上げていただきたいと存じます。
○政府委員(河野昭君) お尋ねの行政監理委員会の「公務員の汚職の防止等に関する意見」でございます。この「意見」では、汚職の防止について「具体的措置を講じるべきである。」としておりまして、一つには、「職務上関係のある者から、職務に関連するおそれがある贈与を受け又は接待の申出を受けたときは、速やかに上司に申告し、その判断を仰ぐものとする。」と。それから二つ目に、「この申告を怠った者について、」「汚職の事実が明らかになったときは、」「その者に対して懲戒処分を行なう。」と。それから三つ目に、「汚職の事実が明らかになったときは、」「事実発生当時の直属上司に対して厳しい懲戒処分を行ない、」と。それから四つ目に、「汚職に関係した業者は、汚職の事実が明らかになったときから二年間は、関係官庁と一切の契約を結ぶことができないものとすべきである。」と。 以上でございます。
○及川一夫君 今御紹介のあった意見書でございますが、これの扱いはどういうふうに処理されましたか。
○政府委員(河野昭君) この意見書は昭和四十四年三月十二日でございますが、これを受けまして、昭和四十四年三月十四日に総理府総務長官名で「官庁綱紀の粛正について」という通達が各省に発せられております。
○及川一夫君 しかし、国家公務員法の方は全く表現も何も変わっておりませんよね。したがって、具体的にこれを法律化するとか、新しい倫理規定をつくるとか、そういった行為は行われていない。完全に無視されているということになりますと、厚生大臣も触れましたように、こういうものはいかに出ても全くまじめに考えられていない、そして今日を迎えている、そしてこういう岡光事件みたいなのが起きていると。このことは本当に大いに反省すべきだと思うんですが、総理、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から御指摘がございましたように、当時の行政監理委員会による「意見」というものを振り返ってみますと、これが取りまとめられました昭和四十四年当時、公務員を取り巻く環境というものには現在と同様に大変厳しいものがあったと思います。 にもかかわらず、今日また公務員の不祥事というものが問題となりました。残念と言う以外に言葉がないんですけれども、現在、政府部内で真に実効の上がる綱紀粛正の方策というものについて早急に結論を得たい、努力をし検討を進めているところでありますけれども、この「意見」の趣旨にも留意してまいりたいと思います。 今、改めてこの一般職の職員の給与に関する法律の「罰則」を見てみますと、その給与を支払い、あるいはその支払いを拒み、またはこれらの行為を故意に容認した者は、一年以下の懲役または罰金に処すという条文がありまして、当然のことながら、事務次官ともあろう者、こうした職員においてこのような事件が発生することを想定しておらない規定でありますから、こうしたものまで視野に入れて考えなければならないのか、そのような思いも持っております。 いずれにいたしましても、この事件の深刻さというものを受けとめて、我々は実効の上がる粛正策をつくりたい、今努力をいたしているところでございます。 なお、一言付言をお許しいただきたいと思います。 土石流が発生いたしましたのは、小谷村におきましてけさ八時四十五分ごろという報告でございます。昨夜、雨が降りましたために水かさが増し、小規模の土石流が発生をし、現時点におきましてもなお上流に水がたまっておる状況でありまして、作業は中断をいたしております。 しかし、現段階で確認をいたしました限りにおきまして、当然人的には問題ございません。被害もございません。また、作業機材等にも特に影響が出ている状況ではありませんので、今後、現地の状況を判断しながら、どの時点かで作業を再開することになろうかと存じます。御心配をかけました。
○及川一夫君 意見書とか答申とかさまざまなものがあるんですが、どうしてもこれは国家公務員法自体を実質的に直していかなきゃいかぬ。全体の奉仕者という言葉だけですべてをくくっちゃって、国家公務員は立派な人、立派であらねばならないという程度のものではもうおさまらないと、こんな気がしてなりません。 そういった点では、我が党も倫理法を提出する予定をいたしております。三党で協議をし合う必要もあるかと思いますけれども、とにかく具体的に資産の公開とか資産の移動とか、あるいは金品の授受の問題であるとか、それから倫理責任者を配置する問題であるとか、免責条項は当然つけてもよろしいんですけれども、そういった具体的なものをぜひ総理にも考えていただきたいと思う。 同時に、腐敗防止法的な発想、つまり腐敗した行為があれば罰するよというものじゃなしに、国家公務員はやっぱり清く正しい気持ちを保持していかなければいけないという意味で、私は法律の題名で言えば清廉保持法的なものをこの際つくるべきではないかというふうに思っているんですが、どうも直接担当は総務庁にあるような感じがするんです。総務庁長官いかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今、総理からも御答弁がございましたけれども、一生懸命私どもが中心となりまして各省と打ち合わせをしながら、先ほど来お話のあったように、四十何年に出た、その後も結構何回も出ているわけでございますが、結果的にこういうことが起きてきているということを踏まえて、各省各省で管理をしていただいているわけでございますけれども、各省の中にもう少しチェックできる機能を何かつくっていただけないだろうか、それから物差しもできるだけもう少し具体的な物差しができないだろうかと。そして、今までは抽象的なものですから、結果的に悪いことをやっちゃったと、こういうことじゃないかと思うのでございます。 もちろん、一番大事なのは、先ほど総理もおっしゃったように心の問題でございますけれども、いずれにしてもそういう物差しあるいはチェック機能、そういうものを踏まえまして、しかしそれでも十分でないと判断される場合には、今御指摘のような形で、どういう形に法律をすべきかということも私たちはまだ検討はいたしておりませんが、とにかくそういう一つの申し合わせとか通達とか、そういうものでは効果が上がらないんじゃないか。特にペナルティーをかけるとなるとやっぱり法律が要るかもしれないというようなことで、法律というものも頭に描きながら今いろいろと作業を進めさせていただいておりまして、とにかく二十日を期限としてまとめていきたいと、こう思っているわけでございます。
○及川一夫君 ところで、今回の事件の全容が出てくるきっかけをつくったのは怪文書だと言われておるんですね。それで、地元はもとより、警視庁、司法機関、マスコミにもばらまかれたということになるんですが、検査院並びに行政監察局にはこういった種類のものは届かなかったんですか、お聞きいたします。
○説明員(諸田敏朗君) お答えいたします。 お尋ねの趣旨の文書や情報につきましては、会計検査院では受け取っておりません。
○政府委員(土屋勲君) 行政監察局についても、そういう文書は受け取っておりません。
○及川一夫君 知らなかったでは済まされないような気がしてなりません。 そこで、検査院の地位と検査の範囲という問題について法律上どうなっているのかお聞きします。
○説明員(諸田敏朗君) 補助金に対する検査でございますけれども、会計検査院法第二十三条に規定がございます。これをちょっと読ませていただきます。 第二十三条第一項「会計検査院は、必要と認めるとき又は内閣の請求があるときは、左に掲げる会計経理の検査をすることができる。」と。二十三条一項第三号でございますけれども、「国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計」と。 したがいまして、厚生省より社会福祉施設整備費補助金の交付を受けております社会福祉法人に対しましては検査をすることが可能でございます。
○及川一夫君 ということは、やろうと思えば彩グループに対する検査ができたというふうに受け取ってよろしいですか。
○説明員(諸田敏朗君) 彩グループの各社会福祉法人に対して検査をすることは可能でございますが、これまでは検査を行っておりません。
○及川一夫君 行政監察局はいかがですか、その役割と任務についてお知らせください。
○政府委員(土屋勲君) 行政監察局は、総務庁設置法に基づきまして、各行政機関の業務の実施状況を監察し必要な勧告を行うということを任務といたしております。 具体的に申し上げますと、行政の総合性、効率性、公正性を確保する観点から、全国調査網を活用いたしまして行政の実態と問題点を実証的かつ的確に把握し、その結果に基づき改善方策を各省庁に勧告することによりまして、制度、施策、組織、運営の全般にわたって行政の改革、改善を推進することを目的といたしております。
○及川一夫君 要するに「国の委任又は補助に係る業務の実施状況」という言葉が残っておりまして、これでもってどこからどこまでやれるかという範囲は確かに問題があるかもしれませんけれども、いずれにしてもその気になれば検査院でも行監の方でも取り上げることが私はできたんじゃないかと。行政全体とかそれを監視する機関というものがその気になって常に対応しているかどうか、そういった点では緊張感を欠いているなというふうに私は言いたいんですが、いかがですか、総務庁長官。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど局長からも答弁しておりますように、一般的な行政のテーマをいろいろ決めまして、そして毎年毎年行政監察をやっているわけでございます。 特定の事件を承知したら当然それはやりますけれども、先ほど答弁いたしておりましたように全く知らなかったわけでございます。そういうことが起きていることを全く知らなかったわけでございますから、例えば特養老人ホームをよるときも、全国の特養老人ホームを全部やるわけにもまいりません、そういう形でしていなかったと思うのでございます。 しかし、今度の事件が起きましたので、もう一回改めて私から指示をいたしまして、今こういう特別養護老人ホームその他で補助金が適正に使われているのか、その業務が適正に行われているかを再検討するためにフォローアップを改めて指示いたしました。これも人数の関係で全国的ではございませんけれども、たしか東北とそれからどこか何カ所かを指示いたしまして行政監察に入るということになったわけでございます。ぜひその点で御理解をいただければと思います。
○及川一夫君 検査院はどうですか、検査体制を含めて問題はありませんか。
○会計検査院長職務代行(疋田周朗君) お答え申し上げます。 国庫補助金につきましては国の予算の中で非常に大きいウエートを占めておりますことから、私どもも従来から重要な検査対象として位置づけ、重点的に検査を実施してきたところでございます。 その結果、毎年度の検査報告におきまして、違法、不当な事態を数多く指摘するとともに、補助制度の運営や補助制度のあり方自体についても改善を求めるなどしているところでございます。しかし、何分にも補助金の種類は非常に多種多様なものがございまして、その件数、金額も膨大かっ多額に上っているわけでございます。これに対しまして、会計検査院に従事する職員は会計検査院全体でも約九百人程度でございまして、補助金に対する検査も含めまして悉皆的に検査を行うということは事実上不可能であるということを御理解いただきたいと思います。 こうしたことから、従来から検査計画を策定いたしまして効率的な検査に努めているところでございますけれども、今回のような不祥事がございましたことから、今後、情報収集等に一層意を用いまして、適切な検査計画のもとに検査手法等にも工夫を凝らしながら、これまで以上に効果的、効率的な検査に努めてまいりたいと考えております。
○及川一夫君 情報には間違ったもの、正しくないもの、いろいろあろうかと思います。しかし、今回の場合は、怪文書という言葉ではあっても、結果的には正しい情報になっちゃったわけですよね。それで検察が動いたということでこの事件が明るみに出たということですから、これは総務庁にしても検査院にしても、やはり緊張感を欠いている。もう少し目を光らせたらどうだということを私は言いたくなる。だから、その点をしっかり踏まえて対応してもらいたいということをきつく要請しておきます。 もう一つは、補助金等というとこんな分厚い補助金総覧というのが政府から出されておるわけですね。(資料を示す)これには一切のものが書いてあるんです。これで二十兆です、二十兆。補助金だけを言えば約七兆二千億ぐらいの金額でしょうか、補助金だけ言えば。その中で厚生省は一兆三千億ぐらいですか、そのぐらいのものがこの中に入っています。 これを見ると、一応何のために使われるのかというのはわかるんですけれども、じゃ、これに基づいてどこにどういうふうに使ったのか、いいのか悪いのかという判断をする材料が全然ない。検査院に聞いても、こういうもので調書をつくった白書をつくった、入り口はこれだけれども出口は全然精査されていないという事態なんですが、総理、これはこのままでよろしいですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨日も本委員会におきまして、この補助金の執行の実態というものをどうすればもっとわかりやすいものにすることができるか、国民から見て御理解をいただき、問題を見出すことが可能かという趣旨の御質問がございました。 地方公共団体あるいは特殊法人などに対しましての補助金など、予算額の総額でありますとか主要な補助金などにつきましては今までにもマスコミ等の協力をも得ながらわかりやすい公表に努めてきたつもりであります。しかし、まさに議員がお示しになりましたように非常に膨大な書類になることも事実です。ですから、現状をもっとわかりやすくする工夫というものはこれからも努めてまいりたいと思いますし、その透明性の問題についても努力をしてまいりたいと思います。 昨日御論議がありましたのは公共事業を中心にした御論議でありました。公共事業に限定した場合には公開の仕方というのはおのずから今までと違ったものは可能であろう。ただ、例えば補助金全体ということになりますと、補助事業者が個人というケースがございます。例えば、特殊教育を受ける学童の保護者に対する補助、こうしたものになりますと、私はやはりプライバシーの問題もあろうかということを昨日もちょっと申し上げてまいりました。むしろ、今後、公共事業等を中心といたしましたものの公開、閲覧の機会をふやすといった努力も当然考えていかなければならない、そのように思っております。
○及川一夫君 いずれにいたしましても、福祉に関することがほとんどだと思いますよ。それで、補助金、負担金、交付金あるいは補給金、委託費というようなことでもって全体が成り立っているわけですよ。 いずれにしても、そういうものについて国民の目に触れない、国会にすら触れるような状況でないということについては私自身も反省するんですけれども、これはぜひ内閣の方できちっとした対応を私はお願いしたいというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まさに私は、本当に補助金の交付対象、その先が例えば地方公共団体でありますようなものについて、その地域の住民の方々自身がその公開、閲覧を求められるといったケースもあろうと思いますし、よりわかりやすいやり方というものを工夫させてみたいと思います。
○及川一夫君 いずれにしても、何とか早く不祥事の全貌が明らかになって政治不信をなくすための措置がなされるように心から期待をいたします。 次の問題として、消費税アップの問題、それから景気あるいは消費への影響、そして特別減税の関係に絞りましてお伺いしたいと思います。 まず、消費税は消費への影響が非常に大きいというふうに言われているんですが、景気の動向は現状どういうふうに御判断になりますか。経企庁長官にお願いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 景気の回復につきましては昨日も他の委員の方から御質問があっておりましたけれども、景気は回復の動きを続けておるという認識に立っております。 昨日、月例の経済関係の報告をさせていただいたところでもありますし、けさ一部新聞にも出ておりましたけれども、設備投資はもう回復の基調にございますし、機械受注等々大きく伸びておりますので、これはいずれも先行きを示す一つの指標にもなります。また、住宅建設も大変高い水準になっておりますし、個人消費等々につきましてもいずれも回復基調にあると思っております。 加えて、円安の関係もありますので、大分輸出が増加してきたというか、そういった背景にはありますので、いずれもこういったものでありますので、現状といたしましては回復基調にあると理解をいたしております。
○及川一夫君 五%に消費税をアップすることによって消費性向に対する影響はどの程度と踏まれておるんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) お答え申し上げます。 消費税につきましては、御存じのように特別減税とセットになって、平成六年度に特別減税の実施をいたしましたときから消費税の引き上げと特別減税一体で計算をさせていただいております。これは平成九年から十一年までの三カ年の平均値で出してありますので単年度ではなかなかできないところなんですが、国民総生産等々物価へ与えます影響は、国民総生産に関しましては約〇・九%ぐらい引き下げるであろうと。また、物価についての御質問もあろうかと思いますが、その点につきましては、消費者物価の水準を一・五%程度引き上げるであろうと計算がされておるところであります。
○及川一夫君 総理、新聞紙上でも、また我々もいろいろ検討しましても、結局は二%アップされるという問題と特別減税がなくなる、これを称してダブルパンチと、こう言っておられますよね。 したがって、こういう影響というものを総理だって無視はしていないと思うんだけれども、どうしたらいいのかということが恐らく頭の中でぐるぐる回るんだろうと思いますけれども、このままでよろしいんでしょうか、予定どおりやるんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は平成六年の秋の税制改革論議というものを今振り返ってみたいと思うのであります。 まず、あのとき、国会におきましても大変激しい御議論がございましたし、政府部内におきましてもさまざまな角度からの議論をいたしました。そして、働き盛りの中堅所得者層の負担累増感というものを緩和していく、そうした視点からも三兆五千億円の恒久減税を既に実施いたしておるわけであります。私は、この減税というものは勤労者の中に定着をし、経済全体の活性化にも資してきていると思っております。 一方、特別減税について、その取り扱いということは、景気の動向を考えましたり、あるいは財政事情を考えながら、一方で進んでおります税制調査会の御論議等を得て年末に向けて最終的に判断すべきことであると思っておりますけれども、逆に特別減税を継続実施する、これは現在既に危機的な状況にあります財政状態をなおさら大きく悪化させる要因ともなりかねないという、そうした問題意識も我々としては持たなければなりません。その場合、私は、国民の方々にも、国民経済全体の上にもその与えるマイナス面の影響というものも当然ながら真剣に考えなければならないことだと思っております。 我々としては、問題を先送りするのではなく、厳しい状況というものをあえて国民の皆様の前にもさらけ出しながら、少なくとも国、地方合わせまして国民が未来の世代から既に三百五十二万円の借金をしている、国、地方合わせての四百四十二兆円という公債残高はそういうものなんだということを申し上げながら、全力を挙げて次年度予算編成にも向かってまいりたい。 その中において、特別減税の扱い方というのは、議員御指摘のような視点があることを私は否定いたしません、少なくとも〇・二%程度GDPを押し下げる方向に働くことは事実なのでありますから。しかし、それを回避しようとする余り一層の財政悪化を来すことが本当にこの国の将来にとっていいことかどうか、これはぎりぎりまで考えてまいりたいことと、私はそう考えております。
○及川一夫君 なかなか苦しい御答弁だと思うし、僕自身も無責任に物を言うわけにはいかないと思っています。 ただ、ぜひ大蔵大臣に考えていただきたいのは、消費税というのは一面かなりの抵抗があったけれども多数決で決まってきた問題ですよね。だから、消費税の税収というのは一体どのぐらいあるんですかということももう私の頭から離れないんです。一%二兆円と言いましたね。したがって、三%ですから六兆円ですよ、一年にして。果たしてこの六年間六兆で推移してきたんだろうか。六兆より上回っていますよね、これは地方譲与税の問題も含めてなんですけれども。 そういう数字を考えると、本来、六年間やってきたんですから三十六兆入れば政府は満足、大蔵当局は満足と、こうなるはずですよ。ところが、現実には決算ベースでいきますと、八年の予算ベースも含めて四十一兆円を超えているんですよね。つまり、五兆円ぐらい余計増収になっているんじゃありませんかというふうに言いたいんですけれども、いかがですか。
○政府委員(薄井信明君) 計数面について御説明いたします。 委員御指摘のように、消費税収は年々ふえてはおります。数字を申し上げますと、例えば平成四年度ですと六兆六千、平成七年度の決算では七兆二千となっております。また、御指摘のように、この中には一般会計分以外のものも入っておりますので、通常、一般会計分で申し上げますと、平成四年度ですと五・二兆、これが七年度では五・八兆ということになっております。 なお、一言つけ加えますと、歳出面も同じようにふえている面がございまして、これとの見合いになっているという面を御理解いただきたいと思います。
○及川一夫君 大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(三塚博君) 計数の問題はただいま主税局長お話しのとおりでございます。元年度から執行三年を見ますと、一・四、一・九、二・一というような、一%あたりでありますが税収であります。昨今、経済の回復が緩やかではありますがございますから、その部分については増額傾向にありますことはおっしゃるとおりでございます。 こういう中にありまして、特別減税の問題、今後の消費税の問題をどうするのかということであろうと思いますが、既に総理から基本方針、考え方について申されたところでございます。特別減税、本件は後世に確実に借金を残すことが明確になっておるわけでございます。平成六年の税制改正の話が総理からありましたが、恒久減税三兆五千ということで三年度経過をいたしております。 十六兆五千億円という減税、これによってサラリーマンのほとんどがカバーされる状態になりまして、このことは活力に相当プラスをいたしておると思うのであります。こんなことを減税効果として、さらにそのことが日本の活力を増進する原動力になっておることもあるわけでございます。 特別減税は単年度限りということが今日まで続いたわけです。来年四月一日からはこの方針はやはりもとに戻すということでなければならないと考えております。 経企庁長官が言われますとおり、経済は緩やかな回復基調にあることも確かであります。この確かなものをより確かなものにするということでありますと、財政の手がたさ、堅実性というものの評価があって初めて国際経済社会において理解が深まり、来年度の経済見通しも間もなく出ると思うのでありますが、その見通しに向けて着実な前進ができるのではないでしょうか。
○及川一夫君 足し算、引き算をすればそういう答えになるんだろうと思うし、別に間違いではないと私は思いますね。ただ、政治という観点から物を見たときにそれだけで済まされるのかと。今や一%は二兆五千億と、こういうふうに大蔵当局も言っているわけですから、二兆円だったものが二兆五千億で、それこそ二割五分上がる、増収になっていると、こういう現実があるわけですよ。しかも、四月一日からそれが実行されていくということになりますと、二兆円ベースで言えば十兆円で間に合うものが、それが十二兆五千億になるわけですよね。要するに、二兆五千億増収に黙っていてもなりますという計算になるわけです よ。 そういうものを政治という面から使うということはできないんだろうか。借金のことを言うんだったら、建設国債だって赤字国債だってそれこそどでかいものですよ。これに使ったのは五兆円ですよ、大蔵大臣おっしゃるように今まで使ってきたのは。それで三年間やってきたんだから十五兆ということになるでしょう。だから、そこに政治の観点から、消費性向が下がれば消費税の税収も減るわけですから、減らさないためにも、減ってもらいたくないためにも、これは何とかして、未来永劫とは言いません、ここ二、三年でもいい、やっぱり残して、そして税制のあり方として考えるということも必要ではないかというふうに思いますが、総理大臣いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員も大蔵大臣の答弁を認められた上で御論議をいただきました。私も議員のようなお考えがあることを否定するというつもりはございません。 ただ、現実の問題として考えましたときに、この平成八年度の予算を編成いたします際にも、十二兆円の特例公債を含めまして二十一兆円に上る公債発行を余儀なくされるという大変危機的な状況に陥っております。こうした財政事情の中で、仮に議員の御指摘のように特別減税を継続するということになりますと、当然ながらそれに地方を入れまして二兆円ぐらいになるわけでありますけれども、その財源というものをまさに赤字公債の発行に頼らざるを得なくなります。それだけの税収を他で得る道がございません。 そうなりますと、これはただでさえ危機的な財政事情というものをより一層悪化させる。そして、これは確かに私は一時期厳しい時期は来ると思うのでありますけれども、こういう状況の中で国民経済を本当に立て直していくためにむしろ問題を先送りしてしまう結果になりはしないだろうか、そしてその特別減税を継続するための赤字公債の増発自体がまた首を絞めるという悪循環に陥る、私はよりその方を恐れております。
○及川一夫君 意見を持っておりますが、これはひとつ行財政特別委員会の方に移しまして論議を重ねたいと思います。 次の問題として、NTT問題ということになりますけれども、実は総理が国際通信をそれこそNTTにくっつけていわば国際競争に乗り出せという御指示をされたということを私は聞くわけでございます。この際、情報通信産業の国際的な動向という問題についてどういう認識を総理は持っておられるかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今世界的に動いております国際通信という世界の動向の中で、日本が取り残されてしまうのではないかという危機感を本当にこの何年間か持ち続けておりました。そして、その中でややもするとNTTの経営形態の国内における論議に時間が費やされ、その間に国際情報通信の世界における、特に国際通信の世界における大きな流れ、グループ化といったものの中で立ちおくれてしまうということを真剣に心配いたしておりました。 情報通信産業というものは、今さら私が申し上げるまでもなく、国民生活を豊かにしていくものであり、またほかの産業の生産性や効率性の向上にも資するものでありますし、いずれの国におきましても二十一世紀の戦略産業という位置づけに置かれ、期待がかかり、国際的な競争が激化しております。我が国においてもその期待をかけているという点では同じでありますし、将来にわたって新たな産業が創出される中において情報通信という分野が占めるウエートは高く、そこにおける雇用というものにまた大きな期待を我々は寄せているわけであります。 こうした情勢の中で、私は経営形態の議論に口を入れようとは思いません。これはそれぞれの専門のところで議論を続けていただいて、それなりの方向が出つつあるようでありますけれども、しかし少なくとも議論は議論として、国際通信の世界に、その市場にきちんとNTTが乗り出せる体制だけは、また新たな民間業者がその中にきちんとした位置づけで出ていける状態をつくることは、世界的な国際通信ネットワークの形成の中で日本の占めるべき位置づけというものをきちんと早急に確保するためにまだ遅くはないと思いますので、こうした点については、議論は議論、しかし国際通信の世界における日本の立場を失わないだけの対応はしろと、これは事務方への指示をいたしております。
○及川一夫君 理解の面として私は一致しています。したがって、今回の総理の指示は私は評価をしたいというふうに思っております。 ところで、郵政大臣にお伺いしますが、問題は、各国の状況というのは市内通信、市外通信、国際通信、移動体、マルチメディア、一体のものとして競争に乗り出そうという世界の動向にあると思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま委員の御指摘のとおりでありまして、我々郵政省におきましても、そうした国際的な競争の激しい中において対応できるように強く指導をなしておる次第でございます。 なお、先ほど総理から御答弁ありましたNTTのあり方につきましても先般ようやく決着を見た方向でありますが、これにつきましては鋭憲政府内の調整を進めておりますし、さらに国際通信の進出についてもこの決着を待たず、再TTにおいては十分な対応ができるように社長に直接指示もいたしておるところであります。
○及川一夫君 実は、郵政省が合意したという内容については説明も何も承っておりませんから、私はわかっていません。そういう前提で、ぜひ郵政大臣も考えていただきたいのは、今認められたように、とにかく世界の動向というのはもう地域も長距離も国際通信もないわけですよ。一体で国際競争に乗り出しているということなんですから、それと違った形を我が国がとったらどうなるんですかという問題があることだけは申し上げておきたいと思います。 それで、私の質問の中で関連で照屋先生に御登場いただくことになっておりますので、あと二点だけちょっと、簡単なことなんですが、お聞きしたいと思います。 一つは教育問題につきまして、義務教育費国庫負担法は、明治以来我が国の知的水準確保の柱となってきたものだというふうになっております。総理、この法律を堅持してきた歴代内閣の方針を今後とも引き継がれるかどうか、この点についてお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、義務教育というものが我が国の中で非常に大きな役割を果たしてきたこと、そしてそれに支えられた今日の日本があることを十分承知いたしておるつもりであります。そして、義務教育費国庫負担制度というものが教育の機会均等と同時にその水準の維持向上を図る、そうした視点からの重要な制度であり、その制度の根幹についてはこれからも当然維持していかれるものであると思います。 ただ、その上で将来を考えますときに、国がどのような機能を果たしていくべきなのか、その意味では私は聖域はないと考えておりますし、もしそういう意味で全く今の制度をそのままに守れというのが御指摘であるとするなら、私は検討の対象から外すべきものではない。その制度の根幹を維持する、しかしその上で、よりよい姿というものは何か、国家機能の果たすべき役割は何か、そうした視点からの検討を排除するものではないと思います。
○及川一夫君 次に、最近情報がなくなってきたんですが、忘れてならないのは御嵩町町長襲撃事件の問題であります。 非常に情報が少なくなっております。一体この点、恐らく法務省の刑事局長ということになるんでしょうか、法務大臣になるんでしょうか。いずれにしても、十月末に岐阜県の御嵩町の柳川喜郎町長が何者かに襲撃をされまして九死に一生を得たという事件であります。 既に一カ月以上過ぎていますが、捜査の現状及び見通しはどうなっているんでしょうか。こうした事案が速やかに解決をしないのは民主主義社会にとってゆゆしき問題というふうに私も理解をいたしておりますので、御報告いだだきたいというふうに思います。
○政府委員(佐藤英彦君) お尋ねの事件は、平成八年十月三十日午後六時十五分ころ、岐阜県可児郡御嵩町地内のマンション四階エレベーター前において、同マンション居住の御嵩町長が役場から帰宅したところ、二人組の男に襲撃され重傷を負った事件でございます。 岐阜県警察におきましては、本事件を自治体の長を襲撃した悪質重大な事件と認識いたしまして、即時百八十名の警察官による初動捜査を実施いたしましたほか、刑事部長を長とする百三十名体制の捜査本部を所轄警察署に設置いたしまして、現場付近の聞き込み、関係者の事情聴取、各種監視活動等の基礎捜査を行うとともに、御嵩町の町政をめぐる諸問題につきましても慎重に情報収集をするほか、関係する都府県警察の協力を得まして幅広い捜査を鋭意推進中でございます。
○及川一夫君 その程度の話はいつでも聞くんだけれども、見通しと決意の問題としてはっきりしてもらいたい。 これはもう町長の問題じゃないですよね。お互い政治家とか、政治家でない民主団体の役員だって、僕らから言えば、あんな暴力でもって抹殺されるなんということはとんでもない話だと思います。だから、そういう危機感を持って対応されることを切に希望しておきたいと思います。 私は終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 沖縄選挙区選出の照屋寛徳でございます。 質問に入ります前に、第二次橋本内閣の発足に当たり、橋本総理を初め全閣僚が沖縄の基地問題の解決と沖縄の自立を目指した振興策の確立に御尽力賜りますことをお願い申し上げます。 その上で、沖縄の諸問題解決へ向けた橋本総理と稲垣沖縄開発庁長官の御決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、所信表明の際にも、との内閣として五つの改革を目指すという目標とともに、沖縄の問題に対する取り組みというものを強調させていただきました。 そして、その沖縄に係る諸問題、非常に幅の広い問題があるわけでありますが、その背負ってこられた重荷というものを国民全体で分かち合うという姿勢に立ちながら、引き続き内閣を挙げてこの問題の解決には努力をしてまいりたいと思います。 恐らく後刻個別の御質問があろうと思いますので、総体だけを申し上げてまいりますが、米軍基地の問題につきましては、十二月二日のSACOの最終報告に盛り込まれました措置を着実に実施していくためにあらゆる努力を払ってまいりますとともに、政府の最重要課題の一つとしてこれを位置つけながら、この問題に取り組んでましりたいと思います。ただし、同時に、このSACOの最終報告で基地の問題が終了するものでない、これは当然のことであります。 二つ目に申し上げたいことは、沖縄の振興というものにつきまして、県は既にアクションプログラムを政府にも御説明をいただきました。そして現在、関係各大臣と沖縄県知事で構成しております沖縄政策協議会におきまして、沖縄振興策というものを具体的に検討させていただいております。また、先般沖縄米軍基地所在市町村懇談会から提言をちょうだいいたしました。内閣としてこの実現に最大限の努力をしてまいるつもりでございます。 そして、今後ともに、この懇談会提言あるいは政策協議会における検討の結果というものを踏まえながら、沖縄の振興のための課題の解決に向けて我々は力を合わせてまいりたい、そのような思いでおりますことを冒頭申し上げます。
○国務大臣(稲垣実男君) ただいま総理が申し上げましたとおり、沖縄の問題はその解決に内閣を挙げて取り組まなければならない重要な課題であると思っております。 沖縄の米軍基地問題につきましては、沖縄開発庁としては、従来から土地区画整理事業など必要な事業を積極的に推進するなど、返還跡地利用、活用に努めてきたところでございますが、今後とも自立経済を目指されます沖縄経済の発展と県民生活の向上に資するよう、関係省庁及び沖縄県と連携をとりつつ、跡地利用の促進に一層尽力してまいる所存でございます。 また、沖縄の振興開発につきましては、沖縄が本土復帰して以来、三次にわたります沖縄振興開発計画に基づきまして各般の施策を実施してまいりましたが、沖縄開発庁といたしましてはへ先般の沖縄問題についての内閣総理大臣談話に基づきまして、空港、港湾等の社会資本や観光関連施設の整備等をさらに積極的に進めるとともに、自由貿易地域の拡充等による産業や貿易の振興につきまして一層の検討を進めることとしております。 今後とも、沖縄開発庁といたしましては、内閣官房と協力いたしまして、幾つかの提案がございますが、沖縄政策協議会に設置されましたこれらのすべての十プロジェク十チームに積極的に加わりましてへ関係省庁及び沖縄県と密接な連絡をとりながら、沖縄県が経済として自立し、雇用が確保され、県民の生活の向上に資するよう、また我が国の経済社会発展に寄与する地域として整備されるよう、私としても全力を尽くしてまいる所存でございます。
○照屋寛徳君 さて、二十万余のとうとい命が犠牲になった沖縄戦から五十一年余がたちました。戦後五十一年余り、沖縄は膨大な米軍基地があるがゆえにさまざまな犠牲と被害を強いられてまいりました。橋本総理は、所信表明において「沖縄の方々が背負ってこられた重荷を国民全体で分かち合うとの姿勢に立ち、」と述べられました。 総理がおっしゃる沖縄県民の重荷とはいかなる御認識か、具体的にお示しください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘の所信表明の中で私が触れました部分、それは米軍の施設・区域の約七五%が、日本の国土面積全体から見ますならわずか〇・六%しかない沖縄県に集中しているという現実、そしてこれが県土総面積の約一〇%、沖縄本島におきましては約二〇%を占めている、その結果、住民の生活環境や地域振興にさまざまな影響を及ぼすなど、沖縄県の方々に長年にわたり大きな御負担をお願いしてきたということを踏まえたものでございます。 しかし、その中に込めましたもの、私は昭和四十年に初めて沖縄県をパスポートを必要とする時代に訪問させていただきました。そして、その当時、沖縄戦の悲惨な状況をいろいろな方々から伺い、摩文仁の丘が今非常に立派に整備され、各県の墓園等もございますけれども、その当時はまだ点々とした状況でありました。先日、改めて私は魂魄之塔に参らせていただきましたが、四十年前には、私の覚えておりますのでは、サトウキビ畑や手の入れられていないそうした中に魂魄之塔はぽつんとあったと記憶をいたしております。そして、何よりもそのとき私の印象に強烈に焼きついたのは、人の背丈よりも高い木が全くあのあたりになかったという状況でありました。今その木々が育っております。 随分の時間の経過を改めて感じましたが、第二次世界大戦中において本土の中で唯一戦場となり、多くの住民がその犠牲となった事実というものを自分の心の中に持っておるということを思いながら原稿はつくりました。
○照屋寛徳君 総理は所信表明で「日米安全保障体制を維持するための負担は、本来、国民全体で等しく負うべきもの」とも述べられました。 そこでお尋ねいたしますが、総理は、沖縄県民が安保体制の負担や犠牲を強いられているとの御認識をお持ちでしょうか。 次に、総理は、安保体制の負担を国民全体で等しく負うべく、例えば在沖米軍基地の本土への移転などの方策をお考えか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府は、沖縄県におきまして、今私自身が申し上げましたように、本土復帰の後になりましても米軍の施設・区域が集中をしております実態、そしてその基地の集中という中で、沖縄県の県民の方々が日米安全保障条約という我が国全体の安全を保障するための条約を維持していくために過重な負担を負ってこられたということを痛切に認識しておるつもりであります。そして、その負担、痛みというものをこれは日本全体、日本国民全体が等しく本来負うべきものだと考えております。 ですから、そうした意味で、我々は米軍基地の整理、統合、縮小といったものに対しての最大限の努力を傾注してまいったつもりでありますし、SACOの最終報告書に盛り込まれました中を拾い上げてみましても、例えばKC130航空機の岩国基地への移駐、県道一〇四号線越え実弾砲兵射撃訓練の本土演習場への移転と本土への移転条件も含まれていることは議員が御承知のとおりであります。しかし同時に、今回の返還条件の中で返還される施設・区域の機能の全部または一部を県内の他の既存施設・区域に移設することを返還の前提としておるものがございます。 こうした問題点があり、こうした問題点に対して決してバラ色ではない厳しい県民のお気持ちがあることも私は承知をいたしております。少しでもこの問題を前進させ解決に向けていくためにと、そうした思いで今回の報告書を取りまとめてまいりました。
○照屋寛徳君 官房長官の定例の記者会見の時間が迫っておるようでございますので、先に官房長官に質問をさせていただきます。 楚辺通信所の土地の一部を政府が使用権原を取得しないまま不法占拠する状態が続いております。梶山官房長官は、四月一日の時点で、適法ではないが直ちに違法とは言えないとの談話を発表されました。現時点ではどのようにお考えでしょうか。また、来年五月十四日に使用期限が到来する契約拒否地主の土地を強制使用するために特別立法の制定をお考えかどうか、官房長官並びに防衛施設庁長官の所信を伺います。
○国務大臣(梶山静六君) お答えを申し上げます。 本年の四月の衆議院の委員会で直ちに違法であるというには当たらないと、こう申し上げたことは事実でありますし、この考え方も公式論で言えば変更がございません。 それはなぜかといえば、過去二十年間にわたり土地所有者との間で賃貸契約に基づき適法に処理をされている、それから当該土地を引き続き米軍の使用に提供することは日米安保条約及び地位協定の上の義務である、それから目下駐留軍用地特別措置法に基づき土地の使用権原を得るための所定の手続をとり引き続き適法に使用を続けるための努力を行っている、土地所有者に謝して借料相当の金品を提供して損害は与えないようにするという論拠に基づいて、適法ではないけれども直ちに違法ではないといういわば心苦しい答弁をいたしていることは間違いありません。心苦しいという言葉をとって公式には申し上げる以外に私は道がございません。しかし、誠心誠意そういう問題にこたえたい、このように思っております。 それから、この後の状況についてでありますが、幸いに公告縦覧に知事さんに応じていただき、その後、土地収用委員会に迅速果敢にやっていただけることを期待しながら、誠心誠意この問題に取り組んでまいりたい。目下のところそういう心境であります。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えいたします。 ただいま官房長官からお触れいただきましたように、現在の楚辺通信所の状況は、四月一日に期限が切れまして以降、収用委員会の方の手続を行っておるところでございまして、私ども、先ほど官房長官からお触れいただきましたような状況で現在も推移しております。 しかしながら、今手続を適法になるようにとらせていただいておるという状況でございまして、何とか一日も早くこの使用権原が得られるように最大の努力を行わさせていただいている、こういう状況でございますので、法的状況は四月一日以降現在も変わっておりませんが、何とか一日も早い法的権原をいただけるように収用委員会の方にお願いをしておるということでございます。 それから、立法等の御質問がございましたが、これは私ども、駐留軍用地特措法に基づく手続のあり方等につきましては、従来から申し上げておりますように、幅広くいろいろと勉強しておくべき課題であるというふうに考えておりまして、現段階で私ども、収用委員会の方の裁決を期待しておるということで、本件の立法問題その他については幅広い勉強を行わさせていただいておるということで御了解をいただきたいというふうに考えております。
○照屋寛徳君 去る十二月二日、SACOの最終報告がございました。注目されておりました普天間飛行場返還に伴うヘリポートを沖縄本島東海岸沖の海上施設と合意をし、事実上キャンプ・シュワブ水域での海上ヘリポート建設が決定をされました。普天間飛行場以外の基地についてもそのほとんどが県内移設を条件としており、多くの県民が失望の念に駆られております。 そこで、総理並びに久間防衛庁長官にお尋ねいたしますが、SACOの最終報告でもって沖縄の基地問題に一応の区切りがついたとお考えでしょうか。また、ヘリポートはなぜ海上なんでしょうか。さらには、海上ヘリポートの規模や建設に要する予算についてもお答え願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、去る二日の日米安全保障協議委員会におけるSACOの最終報告が承認をされた、これはSACOに付されておりました問題について日米の共同作業に一つの区切りがついたということは先刻来申し上げております。同時に、それが沖縄県における基地問題の論議が全部終わったということを意味するものではありませんということも繰り返し申し上げておりまして、議員の御質問には今私は同じ答えを申し上げたいと存じます。 これから先も、我々はこのSACOの報告というものを実現に移していきますように全力を挙げて努力をしてまいりますし、同時に、引き続き沖縄県における米軍施設・区域に関する問題というものは真剣に取り組んでいくべき課題だと考えております。 それから、その海上ヘリポートというものにつきましては、先日来本院においてもお答えを繰り返して申し上げておるところでありますが、大田知事から、普天間というものの持つ危険性とともに、ある意味では普天間基地の返還というものを象徴的なものとしてこれを進めるようにという御依頼を受け、日米間の交渉でも全力を挙げてこれに対する論議をいたしてまいりました。そしてその中で、他の基地へこれを統合する、あるいはこの普天間基地の移転のために新たな埋め立てを行う、そういった選択肢については、知事さんからも、そういう状況を県民は恐らく受け入れないであろうという御意見も、繰り返しお目にかかっているうちに私の胸の中に残るような形で伝えられておりました。 しかし、その移転の方途を編み出さない限りこの問題に前進がないという中から、私は撤去可能な施設として海上に移設という考え方を持って全体を整理する方向に向け、たまたまアメリカ側も同様の視点から海上移設というものを打ち出してまいりました結果が、今回のSACOの報告にまとめられた方向でございます。 今後、議員は特定の地名をお挙げになりましたけれども、どこに海上施設を設置するにふさわしい海面が存在をするのか、また地域の方々に御納得をいただいて調査ができるような場所がどこにあるのか、こうしたことにつきましては、我々はこれからも県、また県とともに地元にも御相談をかげながら進めていこうとしている状況でございます。
○国務大臣(久間章生君) これまで二年間、日米だけではございませんで、またSACOの下に置かれました作業委員会等では沖縄県の要望等もあわせて聞きながらいろいろと詰めてこられた経緯もございますわけで、作業委員会等でそういうこともしてあのような報告が出まして、それで一つの区切りを得たわけでございますから、一応の区切りは得たと思っております。 ただ、先ほどから総理がおっしゃられますように、これから先も引き続き検討すべき課題はたくさん残っておるわけでございます。私どもとしましては、だからこの最終報告で出ました今度の結論をこれから先全力を挙げて早く解決に向けて努力していかなければならない、そういうふうに理解しておるところでございます。 なお、先ほど総理からもお話がございましたように、これから先まだ場所とかあるいはまた工法とかいろいろ詰めなければならないので、予算規模とかあるいはまた全体的な規模とか、そういうものはまだ今の段階ではなかなかわかっていないわけでございます。ただ、作業過程において,数千億はかかるんじゃないかというようなことを念頭に置きながら作業がされたことだけは御報告できると思います。
○照屋寛徳君 海上ヘリポートは将来撤去可能であるということ、撤去可能だから基地の固定化につながらないんだという趣旨のことが強調されております。 本来、基地は、陸上であれ海上であれ、条約上も物理的にも撤去可能であるはずであります。なぜ海上ヘリポートだけ撤去可能性を強調されるのか。総理は、海上ヘリポートについてはあらかじめ建設時に撤去時期を明記されるおつもりなのかどうか、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は議員と議論をいたすつもりはございません。ただ、交渉の責任を持つ人間といたしまして、日米安全保障条約の内容を遵守していく責任のある日本側としては基地の提供を行う責任が存在をすること、同時に普天間基地を何としても早く返してほしいとおっしゃる沖縄県の強い御要望、同時に沖縄県の中で陸上の他の地域にこれを集約するという選択肢についてはマスコミの報道等で地名が報道されますたびに県からもその地域の方々からも非常に強い反発が示されましたこと、そうしたことの中から解決策を模索していきます中で、私には海上という選択肢しかございませんでした。 そして、確かに陸上の基地であれ埋め立てであれ、未来永劫のものでないということを申し上げれば、それはそのとおりであります。しかし、移転先が決まらなければ普天間を移すことができないという状況が現実に存した上で考えてまいりましたとき、私にはそれ以外の知恵が出てまいりませんでした。
○照屋寛徳君 橋本総理は、去る十二月四日、基地所在市町村長との懇談会で、沖縄の頭越しに国が見切り発車をし特定の場所にヘリポートを押しつけることはないと約束をされました。この総理発言は、移設先の住民や議会、行政当局が反対をしている限り移設を強行しないと理解してよろしいでしょうか、お答え願います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) もし必要でありましたなら、そのときの私の発言自体全部を御紹介申し上げても結構でありますが、私はいかなる施設も受け入れるところがあって初めて移設できるというのが当然の出発点です。そのために、新たな御苦労をかけるところ、お願いするところが出てくるということも率直に申し上げながら、同時に、普天間飛行場の代替ヘリポートにつきまして、地元の自治体が納得をされないうちに国がいわば頭越しに見切り発車をして特定の場所に押しつけるというようなことはいたしませんということを申し上げました。 今後、候補水域を特定していきますためにも調査等はさせていただきたいと願っておりますし、その調査が行われなければ実施の計画を策定することもできないわけでありますが、地元の納得が全く得られない状況の中でこれを強行するということは、現実的にもそのような手法をとるべきではないと私は思っております。地元の御納得をいただけるように国としては最大限の努力を払っていきたいと、率直に今そう考えております。
○照屋寛徳君 総理は、去る九月十日、大田知事との会談後、米軍の兵力構成を含む軍事体制について継続的に米国と協議をしていくことを表明されました。 そこでお伺いいたしますが、総理のおっしゃる兵力の構成とは在沖米軍の兵員の削減も含まれるでしょうか。また、沖縄県民は海兵隊の撤退を強く望んでおります。大田知事も近々に海兵隊の兵力削減を求めてアメリカに直訴するとおっしゃつております。 総理は海兵隊の撤退もしくはその兵力削減をアメリカと交渉するおつもりはおありでしょうか。お答え願います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 九月十日の談話というものの中で、私はへ今年四月のクリントン大統領との共同宣言で明らかにしたように、今後ともアジア情勢の安定のための外交努力を行うとともに、米軍の兵力構成を含む軍事体制について積極的に米国と協議してまいりますと述べました。 これは、日本における現在の水準を含めて、アジア太平洋地域におきます約十万人の現在の兵力構造を維持するというアメリカの基本的政策を前提としながらも、我が国の周辺地域の国際情勢の変化等によりましてはこの地域における米軍のコミットメントの達成に必要な戦力水準等も変化し得るわけでありますから、中長期的な観点に立って、今後の国際情勢を適切に反映した軍事体制のあり方についても日本における米軍の兵力構成を含めて日米間で協議をしていくということを明らかにいたしたものでございます。そして、こうした協議の必要性というものは、先刻来御議論をいただいております日米安全保障協議委員会におきましても確認をいたしました。 現時点についてを問われますならば、私は、我が国に駐留する海兵隊につきましては、その有する高い機動力や即応性などを通じて在日米軍の重要な一翼を担っていると考えておりまして、現時点では海兵隊の削減、撤退を求めることを考えてはおりません。
○照屋寛徳君 去る九月八日、全国初の県民投票が沖縄で行われました。県民投票に対して橋本総理並びに久間防衛庁長官はどのように受けとめられたか、御質問をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 五九%以上の方が投票に行かれ、またその中で八九%の方が賛意を表されたということで、厳粛に受けとめておるところでございます。沖縄の皆様方が地位協定の見直しあるいは基地の整理、縮小についてのそういうお気持ちを持たれておるということは十分厳粛に受けとめているところでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府としては、この県民投票の結果というものは厳粛に受けとめながら、沖縄が当面しておられる問題の解決に誠心誠意取り組んでまいりましたし、今後も取り組んでまいります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で及川一夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、筆坂秀世君の質疑を行います。筆坂秀世君。
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、今国民の怒りが集中している厚生行政をめぐる底知れぬ汚職、腐敗、そして時間が許せば公共事業をめぐる壮大な浪費の問題についてお伺いしたいと思います。 まず、公正取引委員会に伺いますけれども、公正取引委員会は一九九三年十二月、そして九四年の五月、六月、いずれも日本病院寝具協会あるいはその中核であるワタキューセイモア株式会社、ここに対して独占禁止法違反ということで勧告、警告を行っておりますけれども、その違反の概要についてまず報告していただきたいと思います。
○政府委員(矢部丈太郎君) お答え申し上げます。 公正取引委員会は、まず平成五年十二月二十七日に五つの地区、具体的に申し上げますと、九州北部地区、長崎地区、岡山地区、鹿児島地区及び広島地区における病院向け寝具等の賃貸、洗濯業者に対しまして、独占禁止法第三条の規定に違反するとして、三件の排除勧告並びに違反する疑いがあるとして二件の警告を行っております。 排除勧告及び警告の対象となった行為は、各地区とも、新規に開設される病院向け寝具等の賃貸を行うに当たりまして、事前に取引予定者を決定していたこと、及び病院向け寝具等の賃貸料金の値上げ協定を行っていた、この双方またはいずれかでございます。 それから次に、平成六年五月十三日には、社団法人日本病院寝具協会近畿支部が、同支部の地区において新規に開設される病院向け寝具の賃貸を行うに当たり、事前に取引予定者を決定させ、支部員の営業活動を制限していた事実が認められたことから、独占禁止法八条一項四号の規定に違反するとして排除勧告を行ったものでございます。 それからその後、平成六年六月二十四日に、日本病院寝具協会に対しまして、業務代行保証を引き受けるに当たりまして新規参入業者の営業を行いにくくしているとの疑いが認められたために警告を行っております。 また同日、西日本病院寝具協議会につきまして、公正取引委員会は同協議会の会員であった四十四の事業者に対しまして警告を行っております。 これは、同協議会が西日本地区において、病院向け寝具等の賃貸、洗濯業務に関し会員の間で取引先の争奪を行えないようにして会員の営業活動を制限していた疑い、それからまた病院寝具協会の業務代行保証手続を代行していることを利用いたしまして、新規参入業者が会員の取引先を奪取しないようにさせていた疑いが認められたところ、同協議会が平成五年十二月五日に解散してしまったために、同協議会の会員であった者に対しまして、今後同様の行為を行うことのないよう厳重に警告するとともに、違反行為の再発を防止するために必要な措置を求めたものでございます。
○筆坂秀世君 要するに、料金のつり上げを図るためにカルテルをやったり、あるいは談合する、あるいは他業者を排除するために会員の営業活動を規制する、こうやって病院寝具の仕事を独占する、そして暴利をむさぼっている。結局は、この費用というのはもとをただせば国民の税金であり、あるいは健康保険料である。いわば国民の医療費を食い物にしている、こういう行為を行ってきたということであります。 ところで、総理は、昨日の本委員会で、この事件でいわば中核的な役割を果たしたワタキューセイモア株式会社、ここからの政治献金について、公取の摘発以降も受け取っていたというので返却するという御答弁をされました。 しかし、私は、これは二つの点で、返却したからそれで済むんだと、もちろん返さないよりは結構でありますけれども、返したからそれで済むという問題ではないということを指摘したいと思うんです。 その第一は何かといえば、先般の衆議院の予算委員会で、総理は、病院寝具政治連盟の方からは九三年七月六日に受け取ったのが最後だというふうに答弁されました。それ以降に公取の摘発があったのだ、もしそういう事実を事前に知っていたなら受け取ることはちゅうちょしただろうと、こういう御趣旨の答弁をされました。 しかし、総理がその後も受け取っておられたワタキューセイモアというのは、その後も独禁法違反を行っていた。そして、病院寝具政治連盟からその後なかったのは当たり前のことで、この政治連盟は九三年十二月には解散をしております。ですから、ここは出そうといったってもう出す政治連盟自体がない。しかし、その後も病院寝具政治連盟の中核だったワタキューからは受け取っておられた。つまり、病院寝具業界からは、政治連盟にかわってその後はワタキューから受け取っていたと。つまり、独禁法違反がわかって以降もこれは何もちゅうちょせずに受け取っていた。こういうことになるのではありませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身、綿久という、ワタキューセイモアといつから名前が変わったのか知りませんが、私が初め存じましたころは綿久という名前だったと記憶をいたしておりますが、確かに後援会の中にある企業であり、それは継続して会員でありました。そして、調べて、確かに私自身が不注意を認めましたように、その後独禁法違反ですか、公取からの警告を受けました後に受けておりましたものがありましたので、昨日の時点で返還は終了をいたしました。 そして、それがいかぬと言われます。確かに、問題があるとわかっておりましたらば、それは当然考えたでありましょう。しかし、その時点に問題がある、あるいは不法な行動をとっているということを存じない時点で後援会の中からの会費をいただいていたこと、それをその時点においてなおかつ問題があることを知っていなかったのはけしからぬとおしかりを受けますと、私もちょっとお答えのしようがありません。
○筆坂秀世君 総理、そうおっしゃいますけれども、ワタキューセイモア自身は、九三年十二月に九州地方、四国地方、各地でカルテル、談合を行ったということで、今公取からも報告があったように摘発を受けているんです。これは新聞発表もされているんです。寝具業界が大問題になっているんです。これは総理は知らなかったということでは済まないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 不注意であるというおしかりは甘受をいたしますけれども、後援会に入っておられる方々はたくさんおられます。毎日の新聞を一つずつ突き合わせて、その方々が新聞の報道あるいはテレビの報道に出ているか出ていないか、一々チェックはいたしておりません。
○筆坂秀世君 私は、御存じなかったということはこれから指摘しますけれども、いろいろな状況を見て、私はそれをうのみにするわけにいかないと思う。 ワタキューセイモアが公取から摘発を受けたのは、九三年十二月もそうですし、あるいは九四年の六月もそうです。一度だけじゃございません、何度か摘発を受けている。病院寝具協会のいわば中核となって、ワタキューセイモアの社長は理事長やあるいは常任理事やあるいは理事も務めていた、文字どおり中核でありました。何でワタキューセイモアあるいは病院寝具協会が、何度も摘発を受けながらそれでもなおかつ独占禁止法違反行為を繰り返す、法違反を繰り返していたのか。 私は、それは総理やあるいは小泉厚生大臣、俗に厚生族というふうに言われていますけれども、こういう議員に一貫して政治献金を贈ってきた、そして親密な関係を築いてきた。だから、当然見返りとして、いざというときには病院寝具業界のために働いてくれるだろう、こういう期待をしていたからこの業界はこういう暴走を行った。こういうことじゃありませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼でありますが、議員が親密な関係と言われるのはどういうことを指すんでしょう。 確かに、綿久というのは、先代の社長さんのころ、私は御紹介を受け、私の後援会に入っていて、つい先日まで、私自身がマスコミの報道を見て知り、調べ直すまで継続をして会費を払っていた金業であります。病院寝具協会という団体の存在も存じております。 しかし、議員の言われる親しい関係というのはいかなる意味をその言葉にお込めなのでしょうか。私は、村田さんの先代は確かによく存じ上げておりました。今の村田さんという方はよく存じ上げておりません。
○筆坂秀世君 じゃ、指摘しましょう。 ここに私、一九七九年三月十五日号、日本病院寝具協会の機関誌を持ってまいりました。これです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 七九年ですね。
○筆坂秀世君 七九年の三月十五日です。 ここに総理が厚生大臣になられてごあいさつ文が掲載されています。どういうふうにあいさつされているか。「大平内閣の発足に伴い厚生大臣に就任いたしました。今までは協会顧問として皆様方の事業の発展のため、ご相談にあずかってきましたが、これからは日本の福祉、衛生行政の最高責任者として直接関係をもつことになりました。」と。 協会の顧問だったじゃありませんか。そして、いろいろ御相談にあずかってきた、これからは厚生大臣として直接関係を築いていくんだ、持つんだということを明白に述べているじゃありませんか。これは親密じゃないんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一九七九年というのは確かに私の厚生大臣在任中のことであります。そして、その時代にその機関誌に投稿を求められておりましたならば投稿は当然いたしたでありましょう。そして、所管閣僚として関係団体との間でそれこそ話し合ったりするというのが別に私は悪いことだと思いません。 殊にそのころ、この団体が世間的に批判を受けるような団体でありましたならこれは問題でありましょう。一九七九年という時点で、私は病院寝具協会が今日世間から指弾を受けているような批評を受けていた団体だとは記憶をいたしておりません。 むしろ基準寝具というものはある意味で大事な問題の一つでありました。ですから、その当時、確かにその記事を私は出したことを覚えておりませんけれども、恐らくそういうものを求められれば出したでありましょう。その当時、基準寝具業界というものが今日のような批判を受けていたであろうか、私はそう思います。
○筆坂秀世君 だったら親密だということを否定することないじゃありませんか、協会顧問まで務めておられたんだから。 そして、この当時問題があったのかとおっしゃいますけれども、総理は、先ほど指摘したように、公正取引委員会に摘発されて以降もワタキューとは関係を持ってきたじゃありませんか。 もう一つ指摘しましょう。 これは一九七五年の十一月三十日号であります。当時、診療報酬の対象となり保険点数が加算される基準寝具になっていたのは布団やシーツでありました。病衣、つまり寝巻きなどは基準寝具になっていなかった。そこで総理はこういうふうに述べておられます。「病衣の問題は、近い将来に基準寝具の中に取入れられなければならない」、「私はこの制度の実現に大いに努力したい」と。 当時、病院寝具協会が病衣、寝巻きを基準寝具にしてほしいというのは強い要望で、この中にも要望も出てまいります。それにこたえて全力を挙げるという約束を当時総理はされているんです。そして、見事にといいますか、翌七六年四月、ちょうど半年後です、これ実際に加算されることになっています。御相談にあずかってこられた。 それだけじゃない。これまだ厚生大臣になられる前ですよ。ちゃんとそれの期待にこたえて働いてこられたんじゃないんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一九七五年、昭和五十年という時点は、診療報酬改定があった年かどうかわかりませんけれども、私は、確かにその当時、基準寝具というものが問題であった、むしろ逆にどうやって衛生水準を維持するかという議論があったということは、その年かどうかは覚えておりませんが、意識があります。そして逆に、例えば長期の入院等に対して寝巻きの交換等がめったに行われない、衛生状態の維持の上で問題があるといった議論があったことも、その当時であるかどうかは正確に覚えておりませんけれども、そういう問題があったことは私も記憶をいたしております。当然ながらそういう問題を解決しようと努力をしたということはあったかもしれません。 ですから、今病院寝具、基準寝具というものが置かれて議論になっている協会の状況、その当時の持っておりました問題、よく分けて御論議をいただきたい。私は、いたずらに誤解を生むようなことにはなっていただきたくないと存じます。
○筆坂秀世君 そうじゃないんですよ。この当時に今のもとになる制度がつくられているんですよ。 総理は、私がこの機関誌で調べただけでも一九七四年から八八年にかけて総会、懇親会あるいは式典などに出席されています。これは全部カラーで写真も載っております。御存じだと思います。この間に、一九八四年には今の独占禁止法違反の大もとになる業務代行保証制度、これが日本病院寝具協会に窓口が一本化される、こういうことが実現しているんですよ。公取だって、これが起因しているということをはっきり述べていますよ。 そして一方、この機関誌を見ますと、この協会というのは政治家に頼るのが好きか知りませんけれども、初代会長が黒木さんという参議院議員、二代目の会長が安倍晋太郎さんです。三代目が小泉さんです。いつも会長に政治家を置いてきた。明らかに私は政治家を利用してきたと思うんです。 実際これを見てみますと、例えば病衣保険点数加算依頼要望、基準寝具加算点数に対する値上げ要望等々が再三出されている。その上で何と書いてあるか。その都度関係国会議員、顧問国会議員に要望しました、そしてその結果、保険点数が引き上げられることになりましたと、こういう記述も出てまいります。 つまり、だからこそ政治連盟をつくったり、あるいはワタキューセイモア自身が総理やあるいはその他の議員に政治献金を贈ってきた。客観的に言えば、その政治献金を贈った効果はあったというふうに私は言わざるを得ないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼でありますけれども、間違いなしに私はこうした団体からいろいろな、例えば総会でありますとか、呼ばれたときに出ていったことはございます。そして、恐らくその中に病院寝具協会、間違いなしに私は安倍先生から誘われて行ったことがありますし、出ていった回数はあるでありましょう。そして、行政としてさまざまな視点からさまざまな施策がとられてきたということも事実でありましょう。 すべて私一人の働きと言っていただくのは光栄のような、同時に、その当時我々の先輩方で非常に影響力をお持ちの方々も多数おられましたから、私も何とも申し上げようがありません。
○筆坂秀世君 私が言いたいのは、結局そういうことがこの日本病院寝具協会のいわば暴走を許してきたと。その根底に政治献金であるとか、あるいは政治家が顧問になるとか会長になるとか、こういう関係があったと。これはやっぱり世間では癒着関係と言うんじゃないでしょうか。 私、小泉厚生大臣に伺います。(発言する者あり)黙って聞きなさいよ。昨日の本委員会で橋本総理は、ワタキューセイモアからの献金について、これは返却するというふうにお答えになりました。 大臣は、調査して事実なら返却するとおっしゃいましたけれども、調査はされましたでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 調査をしまして、献金がありましたから返却します。
○筆坂秀世君 幾らありましたですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) たしか二十万円と聞いております。
○筆坂秀世君 ところで、小泉厚生大臣は一昨日の衆議院の予算委員会で我が党の志位書記局長の質問に対して、なかなか会長だということをお認めにならずに名誉的会長であったとかいうことをおっしゃいました。渋々最終的には会長だったというふうにお認めになりましたけれども、会長だったことは事実なんですから、名誉的会長であるとかそういうことを言わずに何で素直にお認めにならなかったのか。勘ぐった言い方をすれば、何かやましいことでもあったのかと思いたくなるんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) いや、それはあたかも会長であることがいかにもやましいとか疑惑に満ちたような問われ方をするから。それは会長をやったことはございます。しかし、政治家である限り、共産党は知りませんけれども、できるだけ交友関係を広げたいと思う、そして会長に推されればこれは名誉なことだと思ってお受けするのが私は普通の議員の立場だと思います。 たまたま、私でも会長でもいいというお勧めがあってなったことはあります。しかし、その時期は調べてみますと平成四年の五月二十六日から十二月十一日までの間でありました。そして、会長とはいいましても私はあくまでも名誉的な会長だと理解しております。 現に、公益法人の設立及び監督に関する規則による厚生大臣への届け出は理事となっており、会長は理事ではないため厚生省には届けられていない。厚生省監修の公益法人要覧、九三年版、九四年版、九五年版、九六年版、いずれの名簿においても理事長の名前と理事の名前は書いてありますが、会長の小泉の名前は一つも記載されておりません。たとえ会長の時期があったとしても私は実際の運営には何ら関与しておりません。
○筆坂秀世君 じゃ、厚生省に聞きますけれども、日本病院寝具協会の定款第十七条で会長の職務についてどう述べていますか。
○政府委員(谷修一君) お尋ねがございました社団法人日本病院寝具協会定款の第十七条の二項に会長についての規定がございますが、この定款によりますと、「会長は、重要事項について意見を述べ、必要に応じ指示し又は理事会の求めによりこれを処理することができる。」と、こうなっております。
○筆坂秀世君 ちゃんと書いてあるじゃないですか、定款に会長は重要事項について意見を述べることができると。ですから、大臣、そんなものを幾ら示したって何の反論にもなりませんよ。 そして、大臣自身が会長に就任されたときにごあいさつされていますよ。私、きょうその機関誌を持ってまいりましたけれども、これが大臣ですね。これを見ますと、「このたび寝具協会会長を仰せつかりました小泉純一郎です。」「できるだけ皆様方のためにも何かお役に立てればと思っております。」「微力ではございますが一生懸命努めます」というので、何も名誉的どころか、ちゃんとお役に立ちたいというふうに大臣おっしゃっているじゃないですか。 そこで私、伺いますが、今おっしゃいましたが、大臣が最初に会長になられたのは九二年の五月二十六日の総会ですよ。そして、翌九三年の十二月十二日におやめになったんじゃないですか、会長を、十二月十二日に。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私の調べたところによりますと、十二月十一日までだとなっております。
○筆坂秀世君 一日ぐらいの違いはどうってことないですよ。 私は、何でその時期におやめになったのかと。これは、寝具協会の総会は大体五月ですよ、いわば任期途中でおやめになっているんですよ。おやめになった理由は何でしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) たしか郵政大臣になったからじゃないかと思っております。
○筆坂秀世君 それは九二年の十二月でしょう。寝具協会の資料では九三年十二月まで会長だということになっていますよ。寝具協会では九三年十二月まで。
○国務大臣(小泉純一郎君) 平成四年。
○筆坂秀世君 いやいや、寝具協会では九三年になっています。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私の調べによりますと平成四年の十二月十一日だということになっております。
○筆坂秀世君 やっとともかく会長だったということをお認めになりましたです、素直に。 私は、そもそも厚生大臣をやった方がこういう特定業界の会長になられる、この前に厚生大臣をやられていますからね。ということ自体がこれは決して、普通のこととさっきおっしゃいましたけれども、到底普通のこととは思えない。そして、今度は厚生大臣になられるので二回目の会長職はおやめになりましたけれども。 しかし、日本病院寝具協会のいわば独占禁止法違反、今こういう問題が明らかになってきた。このときに私は、大臣は疑惑を持たれるから会長だということを素直に認めないというふうな態度をおとりになるんじゃなくて、厚生大臣を務めておられる、そして会長も二期にわたってお務めになってきた、こういう経緯に照らしても、やはりこの日本病院寝具協会の問題について、これにかかわる疑惑について、国民の持っている疑問に対して全面的にこたえていくという姿勢をおとりになる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) そのとおりだと思います。そういう疑惑がもしあったら改善しなきゃいけないと思っております。
○筆坂秀世君 時間が来ましたので終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で筆坂秀世君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、小島慶二君の質疑を行います。小島君。
○小島慶三君 初めに、長野県における土石流の問題について、私も何回かあそこに黒部ダムの建設で行ったことがございまして、大変に哀悼の意にたえません。ここでお悔やみを申し上げ、御家族の方の御健勝をお祈りいたします。 それで、きょうの質問でございますが、余り時間もないことでございますので、端的に幾つかお伺いをしたいというふうに思います。 まず、私はこのごろ年をとったせいか月日の流れが非常に速い、時間のテンポが非常に速いということを痛感しております。殊に、この前、武村元大蔵大臣が中央公論に論文を書かれまして、日本はこのままでは滅びるということをおっしゃっておられます。私もこのごろひしひしとそういうことを感じておるわけであります。 大きなことを言うようですが、世界の文明の滅びというのは大体三つの要因から起こる。一つはシステムの機能不全、それからもう一つは環境生態系の崩壊、それから三番目はモラルの崩壊ということで、このうちモラルの崩壊ということが私には非常に痛烈な響きになって浮かんでまいるわけであります。 サリンの事件、金融の崩壊あるいは今度の厚生省の事件、これは全部やはりモラルの崩壊からきているのではないでしょうか。家庭もそうでありますし職場もそうでありますし、それからいろんなところでこういった現象が次から次へと起こつてくる、新聞の種の絶え間がないという状態であろうと思うんですね。 それで、このモラルの崩壊ということが私はその根因にあると思いますので、やはりこの際教育についての見直しが必要なんじゃないかというふうに思うわけでございます。教育で修身とか倫理とか道徳とかそういうものを教える、それから歴史の近現代に対してもきちっと教える、日本国家の尊厳を教えるということを私はぜひこの際教育の現場の方に求めたいというふうに思うわけであります。 そういう意味で今の教育の見直しということが大変急務であると私は思うのでございますが、この点、総理はいかにお考えでございましょうか、文部大臣はいかにお考えでしょうか、まずお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、我が国の将来を考えましたとき、その将来を担ってくれる子供たちというものが、ただ単にその知識や技術を覚えるということだけではなくて、むしろ正義感とか公正さを重んじる、あるいは人を思いやる、あるいは弱い人を助ける、そうした豊かな心を持った人間に育ってもらいたいと、それを願う点では委員と全く考え方を異にするものではないと思います。 そして、その上で、今後の教育のあり方ということでありますならば、今申し上げましたような人間を育てるためには知、徳、体のバランスのとれた、そして伸び伸びとした生きる力をはぐくむような教育になってほしい、またそういう教育が生まれていくような方向に努力をしていかなければならないと考えております。 ただ、現実にモラル破壊を起こしておりますのは実は大人の世代でありまして、子供たちに対する教育とともに、社会教育という視点でも我々は考えなければならないものを持っておる、今そのような感じを持っております。
○国務大臣(小杉隆君) モラルに対する考え方、教育に対する考え方は総理が今お答えしたことと基本的に認識を同一にするものであります。 このような観点に立ちまして、教育課程審議会という教科内容を審議する審議会がございますが、そこにおきまして本年の八月から、知育、徳育、体育、これをどう組み合わせて教えていくか、そのことの検討を始めているところでございます。総理も今申されたように、学校の教育現場だけではなくて、家庭と社会と教育の場、この三位一体の取り組みが必要かというふうに考えて、今後とも一層教育改革に努めてまいりたいと思います。
○小島慶三君 ぜひそういうことで、できれば教育基本法の改正というふうなこともお考えをいただきたいというふうに思います。 それから、今文明の滅びの要因として三つ申しました、その最初のシステムの問題でございます。これについて少し伺いたいと思うんですけれども、殊に問題は経済システムの中の一つの財政システムということで、最近の日本の財政というのは全く危機的な状況にあるというふうに私は思っております。 殊に、この象徴的なものは国債の問題でございまして、総理もさっき四百四十何兆とおっしゃいましたけれども、これだけの国債が残っている国というのは世界じゅうにありません。文明国にはありません。だから、これは本当に日本としてよほど考えなきゃならぬことではないかと私は思っておるわけでございます。 それで、この間の財政審議会では、二〇〇五年に赤字国債をなくすということを言っておられます。これは当然のことでございますし、また余りにもゆっくりし過ぎるというふうに私は思うのでございます。 公債依存度というものを思い切って減らすということに私は焦点が置かれなければいけないというふうに思っています。公債は単に現実の利払いその他で財政を圧縮するだけではないのでありまして、一番の問題点はやはり次世代の負担との不公平の問題であります。我々がぜいたくをして飽食して、そして次世代にツケを回す、これが公債の実態であります。したがって、これを何とかそういう公平の面からも考え直す必要があるというふうに私は思っておるわけであります。そこで、そういう点からこの財政健全主義といいますか均衡財政といいますか、そういうものに対する回帰、それに戻るということが財政の第一要請でなければならないと私は思っております。そういう点で総理のお考えを伺いたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は非常に大事な視点を今挙げていただいたと思いますし、基本的に同じような考え方で我々は行動しているのではないかと思います。 なぜなら、公債を減額するという点につきまして、今私どもが九年度予算編成に向かいまして少なくとも三兆円以上の公債減額を実現するように最大限努力し、同時にこれをもって中期的な財政健全化に向けた第一歩としたいと考えておりますし、これを踏まえて中期的な財政健全化目標の設定などについても積極的に取り組んでいく、そうした決意を今持っております。 同時に、財政支出そのものの削減についても努力をしなければならないわけでありますが、九年度予算編成に当たりまして、一般歳出の伸びは八年度の伸びを相当程度下回るような努力をしてもらいたいと大蔵大臣にも指示をいたしておりまして、その中で限られた財政資金の重点的効率的配分に努力をしていく、そのような姿勢を我々はとらなければならないと思います。 ただ、そう考えましたときには、これは社会保障につきましても、特に医療保険制度を改革する努力をしなければなりませんし、防衛関係費でありますとかODAでありますとか、歳出全般にわたって聖域を設けないという覚悟でこの編成に取り組まなければならない、それを本当に努力することによって財政構造改革のスタートを切りたい、今そのようにみずからにも言い聞かせ、政府全体としても努力をしていこうといたしております。
○小島慶三君 ありがとうございました。ぜひそういう形で、出るを制するということを第一観点に置かれて御努力になるようにお願いをいたします。 ただ、今諸般の情勢を見ますと、来年度の概算要求、これは出そろっておりますが、大体八・一%か何か増加になっておる、かなりな増加であろうと思います。総額八十一兆円だと私は覚えております。そういう要求が出ております。 それから、景気が先ほどの企画庁長官のように回復の軌道に乗っているというにもかかわらず、景気の回復を目指して補正予算を組めという案が出ているように思います。こういう点はさっきの財政均衡主義とは恐らく逆な動きでありまして、この点は厳重に大蔵省の方できちっと切るべきものは切るという立場をはっきりさせていただきたいと思います。大蔵大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(三塚博君) 小島委員の全体を把握され、なお財政危機が待ったなしたという御認識の御質疑、そして激励だと受けとめさせていただきます。待ったなしのところに来ましたことは、総理が言われたどおりでございます。 委員御指摘のように、現世代の受益と負担を均衡させる、これが政治の基本ではないかという御指摘、同感であります。そして、国債費除きの歳出を租税と均衡させる努力をせよという、こういう御見識でございます。よって、大蔵大臣とすれば、補正予算、年度予算、臨時国会が終わりました直後から一気に入らせていただきますが、全体を見て財政再建元年にふさわしいカットをいたしましてスタート台にしたいと思います。 首相の言われる聖域をも設けず、国民各位にそのことが読み取れるような、同時に政治の決心、決意がメッセージとして伝わるようなことをやり抜いていかなければならぬと心を鬼にして頑張り抜きます。
○小島慶三君 どうもありがとうございました。ぜひそういうお覚悟でおやりになることをお願いいたします。 それで、あと時間が三分しかなくなりましたので、私の行財政改革についての考え方とか意見とか申し上げたいと思ったんですけれども、これはもうカットいたしまして、最後に、これは行財政の改革について民営化という視点をぜひ中心にお考えいただきたい。政府主導の時代から民間主導の時代へどいうふうになると思いますので、ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。 それで、日銀総裁、御出席いただいてありがとうございます。最後に、日銀総裁に金利の問題でお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。 超低金利政策がとられ始めましてから既に一年数カ月がたっております。これは景気回復のためとはいえ、金利生活者には大変な忍びがたい犠牲を強いていると私は思うのでございます。それで、この理由は景気回復のためとかあるいはアメリカの資本市場に対する支援等といろいろ説明されてまいりましたけれども、もう既に何回か金利引き上げのチャンスというものはあったはずでございます。それが今までずるずると延びてきて、先どうなるかわからぬという情勢が続いていると思うのでございます。 しかし、例えば今の状態でありますと金利差というのは、彼我の金利差は大変大きな差になります。資本流出があってもおかしくない。資本流出がどんどんある場合に、これが行き過ぎますと、円と株とそれから公債と三所攻めと申しますか、三つのものが大幅に下落するということもあり得るわけであります。そういう場合に遭遇して金利防衛をやるというのでは私は少し遅いと。ですから、少し前広に〇・五ないし一%の金利引き上げということをなぜ断行できないのか、大変疑問でございます。 日銀総裁にお伺いいたします。
○参考人(松下康雄君) 低金利のもとにおきまして金利収入に大きく依存していらっしゃる家計が現在非常に厳しい状況の中にあるということにつきましては、私どもも十分認識をいたしております。 ただ、私どもの金融政策を考えますに当たりまして、やはり国全体の経済がどういう方向に動いていくかということが一番基本的な基準でございます。そういう点から見ますると、最近の景気情勢は昨年以来のいろいろの政策的な効果も徐々にあらわれておりまして、このところ緩やかな回復ではございますけれども、一部にいろいろと底がたい動きも見られるようにはなっているところでございます。 ただ、私どもといたしましては、こういう好ましい動きというものをいま一つしっかりとした勢いを持たせて、経済自体が政策的なてこ入れということなしにでも自律的な回復の道を歩いていけるような、そういう状態に早く持っていくことが一番大切なことだと思っております。そのような考え方で、私どもは経済の実態をよく見詰めながら今後の政策運営に誤りなきを期したいと思っております。 お尋ねの中に資本の流出等の心配があるかどうかということがございましたけれども、この点は、国際的な資本移動と申しますと、単に金利差だけに着目することではございませんで、やはりいろいろな市場リスクその他のリスクとか、あるいはそれぞれの国の経済の基本的な強さというようなものに着目をして動く点が多うございますから、現在のところ私どもとしましては、金融市場等に撹乱的な要因を及ぼすような、そういう心配な資本流出という兆しは見られていないというふうに判断しているところでございます。
○小島慶三君 一分ございますので、最後の御質問を申し上げたいと思います。 今、個人の金融資産というのは大体一千二百兆円あると言われております。国民所得、GDPの大体二倍強であります。これを活用するということは私は非常に大切なことではないかと思っております。 総裁から経済全体のことを考えるというお話がございましたけれども、例えばこの〇・五%あるいは一%というのは六兆円あるいは十二兆円という膨大なあれになるわけであります。だから、仮に金利が上がればそれだけの可処分所得がふえるわけであり、当然消費もふえるわけでありますから、これをぜひ今活用されるということも大変重要なファクターではないかと私は思っております。そうすれば、私どもはいろいろ内部で議論をしておりますけれども、仮に消費税を上げるとかあるいは特別減税をやめるとか、そういうことがありましても何とかその分でしのげるということになるのではないかと思います。 これを最後の御質問にしたいと思います。よろしくどうぞ。
○参考人(松下康雄君) 個人の金融資産につきましては、御指摘のように千二百兆円というふうに申されております。そのとおりでございますけれども、一方では、個人の分におきましては相当程度の住宅ローン等の借り入れもあるわけでございます。そういったものを考慮いたしますと、ネットの個人の金利収入と申しますものは統計の数字上から見ましてずっと少ないことに相なります。 そういうことだけではございませんけれども、私どもは、個人の金利収入に比べまして、全体として見れば個人の給与所得等の大きさがずっと大きゅうございますから、そちらの方を元気づけていくことに当面重点を置いてまいりたいと思います。
○小島慶三君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で小島慶三君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。西川潔君。
○西川潔君 西川でございます。よろしくお願い申し上げます。 まず、質問に当たりまして、総理のプライベートな部分に触れることをお許しいただきたいと思います。 毎日の新聞で、総理の一日という記事をよく目にいたしますが、お忙しい公務の日程の中、お母様のお見舞いに行っておられる、大変親孝行な子供さんを持ってお母さんもお喜びだと思います。私も三人の親がいるんですけれども、まさるとも劣らないように親孝行しなければいけないと努力をいたしております。 一人の生活者といたしまして、病院にお見舞いに行かれたときに、今後医療、福祉はどういうふうに変われば全国の人たちが幸せを感じてくれるのかな、そんなことの御感想を冒頭にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、私の母親が倒れましてからいつの間にか八年余りという時間がたちました。一時期は断念をいたしておりましたものがある程度回復の兆しを見せ、その後一進一退の状況を続けておりますけれども、このところそれなりに病状が安定をしておりますことは多少心の慰めであります。 と同時に、本来なら連れて帰ってきてやりたいと思いますし、一緒に暮らすことができればと思いますが、何回か実は試してみましたが、結局また病院に戻すことになりました。政治家という仕事の性格と同時に、特に現在公邸住まいという状況もありまして、その意味では大変寂しい思いがいたします。 と同時に、幸いに、お年を召した方ですけれども、介護をしていただける非常にいい方を見つけることができまして、その方の大変なお世話をいただいていることも本当に幸せであります。 しかし、そうした中から、本当はやっぱりお年寄りの皆さんが家族に囲まれて暮らしたいということはどなたも同じ気持ちでありましょうし、在宅介護というものの必要性は公の立場ではなく個人としても痛感をいたしますし、それが可能な仕組みをつくるということが非常に大切であることも間違いがありません。 どういうふうにすればベストなのか、これはそれぞれの御家族の状況に応じても私は違うと思いますけれども、少なくとも仕組みとしては在宅で介護をしたいという気持ちをお持ちの方々が、それができるように仕組みを整えておくのが我々の責任ではないかと思います。
○西川潔君 目を真っ赤にしてお話ししていただいたことを本当に感謝いたします。 プライベートな部分をお許しいただきたいと思うんですけれども、私自身も親と生活をもう三十年近くしておりますが、やっぱり心配なのは健康、医療、介護の問題でございます。 医療保険制度改革について、これからは政府の方にお伺いしたいと思うんですが、医療保険審議会の建議書、また老人保健福祉審議会の意見書が厚生大臣に提出されたわけです。これから検討作業に入るわけですけれども、不安でまた心配な老後の生活をしておられるお年寄りにとりまして患者負担増の改革案、本人は二割に、老人に定率制、また薬の負担も上がると新聞によく出ておるわけです。また、消費税が来年から三%から五%に、その上病院代まで上がる、値上げ値上げで生活は苦しくなるばかりだということを、僕らはよく福祉をやらせていただいてお伺いするわけです。これではまるで潔さん、弱い者いじめじゃないかとよく言われるんですが、そうした方々が少しでも安心できるような医療や看護、福祉の問題についての取り組みに怠りがあってはならないと思うわけです。 そこで、今なぜ医療保険の改革が必要なのか、なぜ患者の負担をふやさなければならないのかという現状の説明をわかりやすく全国の皆さん方に、厚生大臣お願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 医療保険制度改革に向かいまして、医療保険審議会等貴重な御意見も伺っております。また、これから各方面から御意見を伺い、来年の通常国会にはその改革案を提出できるように今準備を進めておりますが、この医療保険というのは、患者さんに負担していただくか、あるいは健康な人にも保険料で負担していただくか、あるいは税金として負担していただくか、だれかがどこかで必ず医療サービスを受けるためには負担していただかなきゃならない。 そうなりますと、なぜ患者さんだけ負担するのかといいますと、患者さんの負担を今よりももう少し御負担いただけないかという提言が多く出ておりますが、もしこれがだめだとなると、じゃ会社に負担してもらうのか、あるいは健康な人にも、若い人にももっと負担していただくのか、さらには税をもっと投入していただくかしかないわけであります。そこで、患者さんにも負担していただく、また保険料にもある程度負担していただく。そして、この医療保険制度というのは、今だれでもどこでも病に倒れた場合には病院に診てもらうといういい制度ですから、この制度を永続的に保っていきたいということで、何とかバランスのとれた適切な医療サービスと負担を考えていかなければならないということで取り組んでおります。 そこで、我々としては、もう少し時間をかしていただきまして、どのような適切な負担をお願いしなければならないか、また適切な医療サービスというのはどういうものかということを、何とかできるだけ早い機会にまとめて国会で御議論をいただき、国民の理解を得られるような方向で御審議をいただき、改革案を成立させたいと願っております。
○西川潔君 現実に医療費は年々高い伸びで膨らんでいるわけですから、このままでは保険財政はパンクする、よくわかります。医療保険制度の構造改革が必要なことはよく理解するわけですけれども、ただ社会的入院の是正といいましても、だれが好んで大切な親を長い間病院に置いておくか。自宅でそれはケアをしたいんですけれども、地域でそういう福祉の施設もまだ整っていない。それに薬漬け、検査漬けといっても、お医者さんでどういう検査をしてどれだけの薬をもらうのかというのは患者はわかりません。薬の自己負担をふやしても、結局患者の負担が重くなるわけですから、薬漬けや検査漬けといった弊害がなくなる保証はないと思うんです。 政府は、全国の人たちが不信や不満を持っている医療費のむだや社会的入院の是正については、増大を求める以外にどういう方策をお持ちなのかというところを具体的にきょう示していただきたいと思うんですが。
○国務大臣(小泉純一郎君) 当然、制度改革の中には、今御指摘の点、これも是正する方向でその中に改革案を盛り込みたいと思っております。 確かに、薬剤については不必要に多く給付されたり、あるいは病院にもあちこち重複受診等、必要ない受診もあるんじゃないかという点は指摘されております。また同時に、医療機関においてもレセプトの審査とか点検も必要じゃないかと、いろんな御意見が出てきております。そういう今言われている御批判やら御指摘等をどうやって適正に改善していくか。 それと、これから介護保険法案も御審議いただければと思っておりますけれども、本来、医療サービスよりも福祉サービスの方が適当ではないかと思われる方も、その福祉サービス等の施設が少ないために病院に入院せざるを得ないという点もあります。そういう観点から、この介護保険も医療と福祉の両方のサービスを見ながら調整すべきではないかということで、介護保険の導入にも取り組んでおります。 そのような、今御指摘の点をできるだけ盛り込めるような、そして将来の改革の芽を見出せるような改革案が何とかできないかなということで取り組んでおりますので、御理解いただきたいと思います。
○西川潔君 時間の都合でテンポアップになりますが、お許しください。 本当の意味で信頼される制度改革が行われれば、一方の患者負担の増額についても、若い世代だけに負担していただくというのは限界があると思いますし、理解いたします。高齢世代の負担についても、低所得のお年寄りに配慮した上で、その負担のあり方についても改めていただきたい。 また、今議論になっている患者負担は、今もおっしゃっておられましたが、外来月千二十円、入院は一日七百十円。これはあくまで法定負担額に限った話ですし、例えば外来千二十円というのはあくまで一つの診療科でございます。 この間の新聞を見ますと、あるおばあさんは六科へ行っているわけですね。整形外科、膀胱炎で泌尿器科へ行って六科。御主人が四科で合わせて十科。月一万円以上かかるわけです。さらに、老人病院などで入院されている場合には、おむつ代とお世話代といった名目で多額の保険外負担があるわけです。本人が負担している場合はもちろんですが、家族が負担する場合にも相当大きな負担です。政府が言っている患者一部負担引き上げの議論は、入院している親の治療費を負担している家族からすればすごいんです、これは。 厚生省は保険外負担の実態についてはどこまで把握しておられるのか。大切な部分ですので、よろしくどうぞ。
○政府委員(羽毛田信吾君) お答えをさせていただきます。 老人の入院におきます御指摘のおむつ代等のいわゆる保険外負担につきましてでございますが、平成六年度に調査を行いまして、その結果によりますというと、費用を支払った患者で平均をいたしますと一カ月で三万二千四百二十円の負担という結果が出ております。 なお、このほかにいわゆる室料差額というようなものにつきましては、平成七年度の調査でございますけれども、まず全国の病院病床のそういう室料差額を取っていいとされる病床というのが一二・三%でございます、これはいろいろ要件をつけておりますけれども。それにつきまして、日額千一円から二千円までというのが一番多うございまして全体の二八・九%、次いで二千一円から三千円までが一六・四%、ここらが全国的に見ますといわゆる室料差額を取っているものの一番大口の部分でございます。
○西川潔君 ありがとうございました。時間があればいろいろ反論もしたいんですけれども。例えばおむつについても、病院で使うのはリースの布おむつなんですけれども、布は最初は分厚いんですが、洗濯をすると薄くなります。これが一回に一枚ではだんだん尿が漏れできます。そうすると、二枚、三枚重ねると、月幾らであればいいのですが、一枚幾らですから大変な負担になるわけです。 今回、改めて老人病院、そして患者さんの御家庭でいろいろお伺いしました。大体月七万円から十数万円の保険外負担が要ると聞きました。まして両親ともなると莫大です。保険外負担が緩和されましてよりよい質の医療サービスが受けることができましたら一部負担がふえることは納得できるでしょうけれども、保険外負担については何ら手をつけることなく、ただ単なる赤字の帳じり合わせだけでは、これは困ります。 保険外負担を加えたトータルの自己負担の公平性、保険外負担の緩和についての御見解をお伺いするとともに、前回総理大臣にお伺いいたしました、この国は将来大丈夫でしょうかと言ったら、西川さん、絶対に大丈夫ですというお答えでございました。今後具体的な検討を行う際には、患者や家族の負担の実情をできる限り酌み取っていただいて、国民が安心できる御答弁をいただきた いと思います。よろしくどうぞお願いいたします。 まず厚生省さん、お願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 日常生活における保険外負担、これは日本的な、お世話になったということからお世話料というものもあるやに聞いております。しかし、そういうことのないように、保険の中での負担でできるような適切な指導をこれからも進めていきたいと思っております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御指摘になりましたような、まさに保険外給付、患者の負担というものが現実に存在することは私自身もよく存じております。一方で、大幅な赤字構造が体質的なものとなってしまっております現在の医療保険制度、安定的な運営を図っていこうといたしますと、どうしてもこれは負担と給付の公平という視点からこの見直しを必要とすることも事実です。 私は、本当にその医療保険制度改革というものをこれからやらなければなりませんけれども、保険料、公費負担、そして患者の負担、こうしたものの中で、増大する医療費をどこまで賄っていくのかということが一番大事な点だと思いますけれども、議員から本日御指摘のありましたような患者負担の実情というものも十分に考えに入れながら制度改正に取り組んでまいりたいと、そのように思います。
○西川潔君 ありがとうございました。よろしくお願いします。これで終わります。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、板垣正君の質疑を行います。板垣正君。
○板垣正君 板垣であります。 きょうは、いろいろ伺いたいことはありますけれども、時間の制約もありますので、教科書の問題に絞りまして文部大臣にいろいろ伺ってまいりたい。ただ、この問題は、ひとり文部大臣の問題ではありません。まさに内閣全体の、しかも国の基本にかかわる、国の将来にかかわる本質的な問題でありますので、各閣僚におかれましても心にとめてひとつ聞いていただきたい。 まず、文部大臣に御就任をお喜び申し上げます。と申しますのは、小杉文部大臣、私は世田谷、先生は目黒で、同じ選挙区で長年おつき合いをさせていただき、またこのたびは新しい選挙区で見事に当選をされ、文部大臣の大命を拝されたわけであります。 これは大分昔でありますが、小杉先生が宮古島のトライアスロンに参加されて、あれを全部完走されたんですね。これは現職国会議員としてはまさに前人未到のことをやり遂げられた。ひそかに尊敬を申し上げてきたわけであります。それだけに、これだけ大きな大事な転換期に重大な教育の問題を担うということでございますから、どうぞこの教育の問題について、日本国の文部大臣として、政治家としてまさに前人未到の決断をやっていただきたい、これが前提であります。 そこで、まず伺いますが、大臣どうでしょうか、今問題になっております中学校の社会・歴史教科書、お読みになって、ああすばらしい、いい教科書だと自信を持って生徒に、父兄に、国民に示すことができる教科書だと、そう思っておられますかどうか、まずそれを伺いたい。
○国務大臣(小杉隆君) 現在の教科書につきましては、専門家によります教科用図書検定調査審議会の専門的な審議に基づき行われているものであって、私は妥当なものだと考えております。
○板垣正君 これは大臣の答弁というよりは、あえて言えば大変官僚的答弁と言わざるを得ない。 もう御存じのとおりに、私もこれを見ました。これが来年の春から使われる文部省検定済みの社会科歴史分野の七社七冊の教科書であります。これを読んで私も痛感しましたが、全国的にいろいろな立場から、あらゆる立場からこの教科書の内容について大変心配をする、これが一体子供に与えるべき教科書であろうかと、こういう声が起こり、また民間のいろいろな運動が起こっていることは御存じのとおりでございます。 大臣、どうぞ率直にそこをおっしゃっていただきたい。やはり教科書は、つまり検定を経てつくられる教科書は、検定を通じて国の教科書としてこの資格が初めてできるわけで、教育においては教科書は使わなければならない。そういう中で、こういう教科書のもとで本当に次の世代がこの国に生まれた喜び、国民としての、人間としての誇り、こういうものが生まれてくるでしょうか。もう一度お答えいただきたい。
○国務大臣(小杉隆君) 先生御承知のとおり、日本の教科書制度というのは国定教科書ではなくて検定制度ということになっておりまして、教科書の著作、編集というものは民間に任せております。そして、先ほども申し上げたように、文部大臣が学識経験者で構成される教科用図書検定調査審議会の専門的な審査に基づいて検定を行っていると、こういう仕組みになっておりますので、私は、先ほど申し上げたように現在の教科書を妥当なものと判断しております。
○板垣正君 さらに、この教科書の反響という点で申し上げますと、これは以前からでございますけれども、日本の国を悪く、自分の国を悪くばかり記述されておる、教科書で学んだ子供たちが果たして日本の将来に希望を持つか、とても持てない、学ぶほど日本が嫌になると。 中学校の歴史を学んだある学校の中学生たちは、日本は汚い、ずるがしこい、心が狭い、卑怯な、恐ろしい、とてつもなく悪い、世界で一番悪い国だという感想を書いた。これは「新潮45」七月号にまとめられた記事です。こういうことを多くの父兄も、心配をしておりますし、有識者が立ち上がって自分たちの手で新しい教科書をつくろうという声すら起こってきております。 特に、私の一番近い関係にある戦没者の遺族の方からも悲痛な声があります。この国が侵略をし、殺りくを行い、あるいは慰安婦をどうこうしたという一色に塗りつぶされてしまった。一体、戦後の苦難の中で自分たちの肉親を誇りに思いながら、だからこそ耐え抜いてきたこの思いをこれだけ酌み取ってもらえない、この情けない思い、こうしたことが現実に大きな声に上がっているというのに、今までの文部大臣の御答弁というものはまことに不満足と言わなければなりません。 そこで、もう一歩踏み込んで、やはりこの教科書、いろんな問題点があります。歴史認識の問題、個々の記述にもいろいろな検定基準からいっても問題点が山ほどありますけれども、特にいわゆる従軍慰安婦の問題が七社、七冊の本に全部載っておる。一体、中学生の子供たちにそうした問題を教科書で取り上げて教えるというようなことは、これはもう規則以前の常識的な問題、まともな考え方に沿ったものなんだろうか。 検定基準にも、児童生徒の心身の発達段階に適応する健全な情操の育成に配慮する、こういうこともきちっとうたわれているわけです。それは民間で大いに書いていただく、自由に書いていただく。ただし、それはやはりきちっとした検定を経、文部大臣の責任においてこれが公教育の教科書になるわけでありますから、その辺のことで、今からでもせめて慰安婦の問題は削除してもらいたい。 これは検定基準の中にも、「検定済図書の訂正」ということで第十三条一項から二項、三項、三項には文部大臣の職権としてそうしたものを、誤った事実の記載、学習を進める上で支障となる記述を発行者に訂正申請するように勧告できると。 文部大臣、この職責を果たしていただく上からもそうしたお気持ちはありませんか。ぜひお願いしたい。
○国務大臣(小杉隆君) まず、中学生が従軍慰安婦について理解できると考えるか、こういうお尋ねでありますが、従軍慰安婦については歴史の授業などで、さきの大戦において朝鮮や台湾などの人々が受けたさまざまな犠牲や苦痛について学ぶ際の歴史的事象の一つとして、また公民などの授業で戦後補償問題について学習する際に取り扱われるものであります。 従軍慰安婦問題については、新聞等で戦後補償問題として頻繁に取り上げられているところであり、また中学生の心身の発達状況や中学校におけるエイズの授業等における指導などを総合的に勘案すれば、中学生が従軍慰安婦について理解することは可能であると考えております。 それから、中学生にこの問題を教えるについて、健全な情操の育成についての必要な配慮を欠いているのではないかという御指摘でありますが、私どもの教科書におきましては、従軍慰安婦については、さきの大戦において朝鮮や台湾などの人々が受けたさまざまな犠牲や苦痛についての記述の中で、また戦後補償問題について記述される中で取り扱われている、これは既に申し上げたとおりでございます。検定審議会においては、従軍慰安婦については現在戦後補償問題として新聞等で頻繁に取り上げられている、これも申し上げたとおりでございまして、そうした判断から取り上げたものでございます。 なお、文部大臣の権限でこの従軍慰安婦の記述を削除させるべきである、あるいは速やかに検定規則十三条の三項に基づく訂正勧告を行うべきではないか、こういう御指摘でありますが、文部大臣の訂正勧告というものは、教科書の記述が客観的事情の変更などにより訂正が必要であるという場合に、発行者がその訂正申請を行わない場合に限り行われるものであります。 本年二月に行われました教科用図書検定調査審議会の答申に基づいて検定を行ったところでありまして、その後の客観的事情の変更がないので訂正勧告を行うことは考えておりません。
○板垣正君 検定基準には、「未確定な時事的事象について断定的に記述しているところはないこと。」、「著作物、史料などを引用する場合には、評価の定まったものや信頼度の高いものを用いている」、こういうことが明確に示されているわけであります。 今、いわゆる従軍慰安婦問題について大臣はまことに断定的な政府見解を述べられましたけれども、御承知のとおりこの強制連行というものは事実上なかった、これが多くの、現実にそういう立場に、戦場にいた人たちの偽りのない、またこれの全容を調べますとそういうことでありましょうし、またこれらの問題というものがいろいろな長い歴史なり長い背景なり、それがあたかも日本軍だけがそういう極めて特殊な組織を持ち、軍の権力をもって強制連行したんだ、ひどい目に遭わせたんだと、こういうふうにイメージづけられるように七社七冊の教科書というのはできているじゃありませんか。 こういう点でも、私は、基準からいってもおかしいし、この問題についてまだ確定したものがない段階において、新聞で報道されたから、社会に言われているからということで、当然中学校の教科書に載せてもいいんだというようなことは全く理解できない。 それで、先ほどから検定審議会の専門家の審議を経たんだ、専門家の審議を経たから尊重する尊重するとおっしゃいますけれども、じゃこの問題について専門家が一体どういう論議をしたのか、その資料を公開してもらいたい。どうですか。
○国務大臣(小杉隆君) 従軍慰安婦についての記述が「未確定な時事的事象について断定的に記述しているところはないこと。」という基準に抵触するのではないか、こういうお尋ねですけれども、この問題については以前から民間において研究が行われているところでありますが、平成三年十二月から約一年八カ月にわたりまして、政府におきまして関係資料の調査、これは内外のあらゆる資料をすべて調べたのと同時に関係者からの聞き取り調査も行いまして、その結果を平成五年八月に慰安婦関係調査結果として公表したところであります。 この調査結果におきましては、従軍慰安婦の実態に関して、慰安所の設置の経緯及び時期、慰安所が存在していた地域、慰安婦の総数及び出身地、慰安所の経営及び管理、慰安婦の募集及び輸送などについて詳細な報告がされているところでございます。 検定に当たりましては、こうした調査結果を客観的な資料として採用し個別の記述の検定を行ったところであって、御指摘の検定基準に抵触するということはないと考えております。
○板垣正君 私が申し上げたのは、そうした専門家の意見で検定審議会でやったというならば、それは公開してもらいたい。一般の人たちはそうした内容を何ら知らない。検定の経緯というものはこうしたものですというパンフレットみたいな、極めて簡単なチラシみたいなものは最近出しているようですけれどもね。 そうではなくして、あるいは社会なら現に検定が終わったときに、社会は第二部会ですね、第二部会の部会長は国連大使までやられた黒田とおっしゃる方で、建設的なことを何も書いておらない、日本人として恥ずかしくなる、しかしこの問題についてどうにもならないと。これは新聞にも報道されましたけれども、社会部会長という立場にあった人すらその本音においてはそういう思いを抱いておられるということにもあらわれているように、また政府の平成五年八月三日の河野官房長官談話を裏づける強制連行の資料などというのはない。広い意味における関与、衛生管理とか輸送とか施設の管理、そういうものはあり得たでしょう。しかし、強制連行をやったという、そういうイメージを与える河野官房長官の見解というものが政府の一つのよりどころになっているというのは紛れもない事実ですよ。 いずれにしましても、文部省は十五の審議会を持っているというが、そのうち公開されているのは国語審議会一つだと。このことについてあなたの前任者がこう言っているんです。委員会や審議会を隠れみのにした行政はこれからは通用しないと。奥田文部大臣は省職員に厳しい言葉を残してあなたにバトンタッチしたわけですよ。 どうですか、そういう意味合いからも、公開して理解を求めるという謙虚さがあっていいんじゃないですか。
○国務大臣(小杉隆君) 私も就任以来、できるだけ文部行政は公開性、透明性を高めるべきだ、こういう考えのもとにできる限りオープンにすべきだということで、今御指摘の十五の審議会についても逐次公開の方向に向かうべきだ、こういうことで、今までただ一つ国語審議会のみ公開であったものを、昨日諮問いたしました保健体育審議会、これは昨日から公開に踏み切りました。すべて報道関係者も入った上での席で大変活発な論議が行われたと聞いております。 また、続きまして、委員が改選になる審議会が幾つかございます。教養審、教員養成の審議会におきましてもこれは近く公開に踏み切ると。そして、こうした形を通じてできる限り公開を実施してまいりたいと思っております。 ただ、行政処分にかかわる、例えば文化勲章をどなたに差し上げるかとか、あるいはどの教科書を採択するかというような、そういう行政の処分にかかわる審議会について公開をすることは適切ではないと考えております。 以上でございます。
○板垣正君 私が申し上げたのは、ほかの委員会も公開が当然でございましょうが、教科用図書検定調査審議会ですね、大臣がさっきもおっしゃった、いわゆる専門家が議論した上で記述することになったと。長いルールに乗っかって専門家が検討してこういうものができたんだから、これを一方的に削除するのは問題だ、慎重な審議を経た結論は尊重しなければならない、こういう趣旨で終始一貫している。それでは、それほど良識ある国民が心配している重大問題について、あなたが認識していると、そういう専門家の議論というものをですよ。一体どんな専門家がどんな議論をしたんだと、こういうことについてまさに公開すべきではありませんか。 もう一つ公開してもらいたいのは執筆者です。どこをだれが分担して書いたのか、そういうことも全く、編集者とそれに携わった学者の名前はだっと載っているけれども、一体あの学者があんなくだらぬと言っちゃあれだが、ゆがんだ文章を書いたというのは、その書いた当人の名前を今度は教科書の後ろにきちっと責任を明確にすべきではありませんか。その二点を重ねて申し上げたい。
○国務大臣(小杉隆君) 先生が御指摘されたように、好ましい人が入っているかどうか、その問題については私どもは言及することの、私はそういう立場にはないということであります。 冒頭申し上げたように、日本の教科書制度というのは国定教科書、国定ということではなくてあくまでも検定ということで、しかもこの歴史教科書の記述につきましては執筆者、発行者の判断にゆだねられております。そして、先ほども申し上げたように、その記述が客観的な学問的成果やあるいは適切な資料に照らして欠陥があるかどうか、そういうことに基づいて検定をするものであります。そういうことで御理解いただきたいと思います。
○板垣正君 この「教科書が教えない歴史」、これはもう既に三十五万部読まれている。こういう国民の思いを、大臣、考え直してもらいたい。 最後に総理の御所見を承って、終わります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御答弁を申し上げます前に、ただいま松本砂防姫川出張所長が災害現場で倒れて大町病院に運ばれたという急報が入りました。どういう状況であるのか詳細は入っておりませんので、入り次第また御報告を申し上げます。 今、議員と文部大臣の間で交わされておりました教科書についての御意見、次代を担う青少年が歴史に対する理解を深める、これは非常に重要なことでありますし、歴史教育におきましては国際理解と国際協調の観点からもバランスのとれた指導を行うということが必要なことであることは言うまでもありません。 ちょうど私は小学校二年で敗戦を迎えたわけでありますが、敗戦と同時に全部の教科書が切りかえられ、その後、混乱の続く時期を小学生時代に過ごしました。 そうしたことを振り返りましても、やはり教科書というものが非常に大切なものでありますし、今申し上げましたような観点に立った指導の努力を払っていくべきものだと考えておりますが、今後とも、国際社会で生きていく、そうした基本を踏まえた国民の育成に努力してまいりたい、そのように思います。
○板垣正君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で板垣正君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、武見敬三君の質疑を行います。武見敬三君。
○武見敬三君 それでは、本日は健康医療と政治とのかかわり、特に非常に大きな転換期にございます我が国の医療政策に関連した質問をさせていただきたいと考えるものであります。 現在の我が国の時代状況と申しますものは、まさに政策面から申し上げるとするならば短期、中期、長期の課題が混然一体となっておりまして、その短期的な処方せん一つだけを取り出して問題を解決しようとしても解決できない。むしろ、これらを束ねた、体系化された政策のパッケージが求められていて、全体を把握するビジョンがまさに喫緊の課題となっているというのが我が国の時代状況の特徴だろうと思っております。 この点、医療政策も全く例外ではございません。国民世論もこうした時代状況を極めて的確に直観的に理解をしているように私は思えてならないわけであります。例えば、医療政策の面に関しまして考えてみますと、医療保険制度というものが破綻直前のところに来ておりまして、当面のまさに短期的な処方せんとしては患者負担の引き上げということが言われていることは御存じのとおりであります。 ところが、この点に関しまして日本医師会が最近こうした健保本人の負担の一割から二割への引き上げ、それから老人保健の定額から定率への転換、さらには薬剤費の本人負担三割から五割の負担を新たに創設といったようなことに対して反対するための署名運動をいたしましたところ、何と約三百万の方々がこれに署名をなさいました。驚くべきことは、十一月二十五日から二十七日までの間に各会員にこの署名簿が送られまして、十二月三日に締め切られて四日に返送されてきたものでありますが、わずか一週間という期間の中で実際に診療所や病院の受付の窓口でこうした署名が行われ、患者さんたちが、約三百万の方々がこれに署名をされている。どれだけこうした患者負担の引き上げということが強く反発されているのかを私は物語っているように思うのであります。 したがって、こうした患者負担の引き上げに反対をする約三百万の署名というものが極めて短期間にこういう形で集められてしまったという事実を相当重く受けとめなければならないと考えるわけでありますが、その受けとめ方について総理大臣及び厚生大臣に御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) だれでも自分の負担がふえるというのを喜ぶ人はいないと思います。それと同時に、医師会のこの医療保険に寄せる関心の高さ、日ごろから多くの住民に接して抜群の行動力、いろいろな要因があると思います。 しかしながら、医療保険制度を永続的に維持発展させていくためにはどうしても改革が必要だ、私はある程度の患者さんに対する負担というのはお願いせざるを得ない状況になっているなと、そういうふうに受けとめておりますけれども、これは若い世代とお年寄りの間の公平の問題、そして給付と負担の公平の問題、いろいろの観点から議論していかなきゃならない。ともかく患者さんに負担するという抵抗感は相当大きいということを私は覚悟しておりますが、何とかこの医療保険制度の改革はやり抜いていかなきゃならぬと、そういうふうに思っております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一週間で約三百万名の署名を集められた、それに対しての感想は厚生大臣から述べられたものとほとんど同旨に尽きるわけでありますが、同時に私どもはもう一つ今考えてみなければならないことは、本当に我々の身の回りにいわば日常の健康管理をお願いのできるお医者様が減ってしまっている。そして、どうしても病院に集中して今の医療が運営されている。こういう状況も同時に考えていかなければならないと思います。 そうした中で、世代間の公平を含む給付のあり方というもの、また負担のあり方というもの、これは我々は真剣に議論をしていかなければなりません。今、厚生大臣からも述べられましたように、負担がふえる、それに賛成か反対かと問われれば賛成という方はほとんどないでありましょう。しかし、現実に置かれている状況というものを私どもはもっともっと国民に知っていただきながら、医療担当者にも協力を得つつ、こうした制度改革を進めていかなければならない状況にあるということもぜひ御理解をいただきたいと思います。
○武見敬三君 この点に関して、まさに患者負担の引き上げに非常に強い反発がこういう形ではっきりとあらわれている。これに対して政府がどうこたえるかということを考えるときに、まず考えなければいけないことは、こうした短期的な患者負担の引き上げという政策が安易に行われるものではないと。しかも、それが実際に、総理からも今御答弁いただいたように、かかりつけ医の機能を充実させることであるとか、地域医療の中で地域支援型病院を新たに設定をし、特定機能病院やあるいは療養型病床群、そういったいわば機能を体系的につなぎ合わせて効率的な地域医療というものをつくり上げることである。 そしてさらにもう一つ、従来は聖域になっておりましたような健康保険の制度そのもの、すなわち政管健保であるとかあるいは国民健康保険であるとか共済組合であるといったような、それぞれ五千三百も実際に保険者が併存をしているというような、そうした健康保険制度そのものをより効率的に政策を組みかえていくということが同時並行して行われることによって初めて患者の負担の引き上げについても国民の御理解が得られるものだろうと思うわけであります。患者負担の引き上げという政策が余りにも短兵急に事前に先行するということは、まさにこうした反発を強めこそすれ、弱めることはないわけであります。 したがって、まさにパッケージになった短期、中期、長期の政策がこうした医療政策の中に求められているのであって、その優先順位というものをいわば同率に設定しなければならない、私はこう考えるわけでありますけれども、総理及び厚生大臣はこれから医療改革を進める上で政策課題の優先順位をどういうふうに設定されているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 改革においてあるべき姿、これは当然制度に求めていかなきゃならないと思いますが、長期的な制度改革、中期的な制度改革、そして当面の改革という点をどのように整合性を持ってやっていくか。そのあるべき姿を求めながら、今言われたような世代間の公平の問題、あるいは給付と負担の公平の問題、さらには保険間の公平の問題、そして医療提供体制の整備等いろんな問題があると思いますが、当面の改革をしたからこれで改革事成れりと思えるような案は当然出せません。一歩一歩改革しながらあるべき姿に向かっていこうと。 そして、一度改革しますと、当初はいいと思っていた点についても必ずまた直した方がいいな、ああすればいいなという問題が出てくると思います。そういう点を含めながら当面の改革をしなきゃならないと同時に、あるべき改革の芽をどのように盛り込むかということにも腐心してこの改革に当たっていきたいと思っております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、厚生大臣から述べられたことに多少補足をさせていただきますならば、議員が言われるように、医療制度全体を見直していく中で、医療保険制度だけを議論していてそれで済むとは私も思いません。 と申しますよりも、どうすれば予防というものが医療の中でウエートを占めるか、まさに委員のお父君が日本医師会の会長でおられたころから私どもの議論の大きなポイントの一つでありました。そして、むしろ予防というものにウエートをかけることによって医療費全体の増嵩を抑えることができるのではないかということは一つの大きなテーマだったわけです。 そうした点から、議員からも御提起がありましたように、保険者のあり方の問題もありましょう。同時に、医療供給体制の問題もあります。そして同時に、大学医学部における現在の仕組みの中で、本当に初期の包括的な医療、言いかえれば、何らかの体の不調を訴えてお医者さんに行ったときに適切な指示を与える能力を持つ医師の養成というものが必ずしも十分行われていないといったような医学教育にまでさかのぼった問題点も検討しなければなりません。 そして、それをそれぞれに解決していくことは極めて大事なことでありますけれども、同時に今、社会構造改革というものを考えます中で、医療保険改革というものは間違いなしにその第一段階で着手をしなければならないものでありますし、大幅な赤字構造体質というものに陥っている現在の医療保険制度の安定的な運営を図らなければむしろ今後の発展もあり得ないでありましょう。 議員の御指摘のように、多面的な考察を必要とする問題ではありますが、その中から優先順位をつけていきます中に、この財政構造というものを安定させなければならないという思いがあることはどうぞお認めをいただきたいと思います。
○武見敬三君 この財政的な視点というものが喫緊の課題であることはわかるわけでありますが、それにしても、中長期的な観点から財政的な課題を解決するための優先順位もさらに設定をされるわけでありまして、その中で医療の供給体制の効率化であるとか、あるいは医療保険制度そのものの抜本改正といったような問題がそこに相当早い時期に政策課題として設定をされ、確立されなければいけないものだろうと私は考えるものであります。そこをきちんとやらないと、患者負担の引き上げという極めて現実的かつ喫緊的な課題と考えられるものが国民の納得を得られないということを重ねて申し上げておきたいと思うわけであります。 それから、よく国民医療費がふえているということが言われますが、これの定義というのは、当年度において医療機関等における傷病の治療に要する費用を中心に推計したものという定義がございます。 そこで、厚生大臣にお伺いしたいわけでありますが、我が国の医療システムの運営に当たりまして、健康保険を代表とする医療保障制度の実際の機能を担当する各組織、機構というものが不可欠であります。それらの運営費の多くも保険料あるいは政府歳出が原資となっているわけであります。したがって、医療保障制度を支える組織の費用についても社会が負担する実質的な医療支出の一部とみなしてよいと考えるわけでありますけれども、この点について厚生大臣の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 現在の国民医療費の計算は、先生今御指摘のような形になっております。 ただ、現実にはこれを動かすためのコストがかかっておるわけでありますが、これは国民医療費という面では各国共通に比較をしたりいたしますものですから、そういった意味では今お話に出ましたような形で各国ともそれぞれ計算をいたしております。したがって、現在そういった意味でこれに関連する事務的な費用等々は入れておりませんけれども、確かに制度運営に当たってのコストという面ではこういった事務費等々が入ってくるだろうと思います。
○武見敬三君 そこで、健康保険組合の人件費及び物件費などの事務諸経費というものは総額幾らで経常支出総額の一体何%を占めているのかお教えください。
○政府委員(高木俊明君) 平成七年度で申し上げますと、健康保険組合の事務運営経費でございますけれども、トータルで千三百七十六億円ということでございます。経常支出全体に占めるシェアとしましては二・四四%ということでございます。
○武見敬三君 財団法人医療経済研究機構がことし三月に発表しております国民総医療支出に関する研究報告書、これによりますとこうした事務諸経費は千三百五十三億円ですから、おおよそ同じぐらいの数字になっております。各種医療保険及び各種共済組合の合計をいたしますと、相当大きな数字になっておりまして、五千百二十四億円という数字になっているわけであります。 厚生大臣、これらの事務諸経費というものもやはり今後徹底的に合理化するということも考えながら医療保険制度の抜本改正というものを進めていくべきだと私は考えるわけでありますけれども、厚生大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 貴重な御指摘だと思っております。
○武見敬三君 貴重な御指摘ということは、それを実際に認識をして重要な課題として政策で実行していきたいということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 御指摘を踏まえて何とか改善措置を講じることができればなと、そういう案を考えながら改革に生かしていきたいと思っております。
○武見敬三君 そこで、こういうことを実行していくときには非常に大きな痛みを伴います。それは、例えば健康保険組合は千八百十九あるわけでありますけれども、ここには相当多くの厚生省の職員の方々が第二の職場として再就職をされておられるわけであります。 こで、厚生省の方に、一体この健康保険組合、どのぐらいの数の厚生省の職員が第二の職場として再就職されているのか、その数をお聞かせいただけますか。
○政府委員(高木俊明君) 健康保険組合もなかなかそういった意味では財政事情が厳しいわけでございまして、そういった中でそれぞれの事業の見直しを初めとしまして職員についても合理化なりあるいは事務経費の圧縮ということに努めておるわけであります。 そういった中で、現在千八百十九の健康保険組合がございますけれども、平成五年の十二月で見まして、国から役員として八名ほど、それから職員として一名の方が就職をしておるということでございます。それからまた、都道府県からは役員として五百六十名、それから職員として二百七十六名の方が就職をしております。
○武見敬三君 大体そういうことのようでございますが、平成五年の数字があるということを伺っておりますけれども、平成六年と平成七年に調査を行われていないんですか、その数字はないんでしょうか。
○政府委員(高木俊明君) この数字は毎年必ず把握するという形ではやっておりませんので、平成五年の十二月の時点で調査したものが今一番新しい数字でございます。
○武見敬三君 そこで、厚生大臣、やっぱり国民に政府は抜本的に改正するんだという意思をはっきり示す意味でもこうした数字をきちんと公表する。そして、厚生行政全般について国民に対し御報告申し上げる厚生白書といったところでこうした数字を毎年調査して公表しておき、かつその上で改革案というものをきちんとやるんだという意思を表明することが信頼を得る上で重要だと思いますけれども、厚生大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生白書で公表するのがいいかどうかはともかく、そのような情報公開は進めていく必要があると思います。
○武見敬三君 このほかにも、まさにこの問題、年金とも非常にかかわるような問題にもなってくるわけでありますけれども、厚生年金基金を第二の就職口としておられる厚生省の職員の数を教えていただけますか。
○政府委員(矢野朝水君) お答えします。 平成五年の数字でございますけれども、千七百三十四の厚生年金基金がございまして、国から役員としまして七十八名、職員として三名就任しております。それから、都道府県からは役員として七百八十五名、職員として三百六十三名が就任しております。
○武見敬三君 このように、厚生年金基金の場合には特に約半分近くの基金に実際厚生省の職員の方が第二の就職口として仕事をしておられる。こうした実情、実際にある一定の必要性は確かにあるんだろうと思います。 そこで、その必要性について、どういう御説明がなされるのか伺っておきたいと思います。
○政府委員(矢野朝水君) お答えいたします。 年金制度は非常に長期にわたる制度でございますし、それからまた内容も非常に複雑でございます。そういうことで、企業サイドに適任者がいない、こういった場合に推薦依頼があるわけでございまして、推薦依頼があった場合に私どもの方で推薦をしておるということでございます。
○武見敬三君 実態としても、厚生省の方からある種のインプリシットな、暗黙の圧力がかかってどうしても受けとめなければならないみたいな、そういう状況では全くないわけでございますね。
○政府委員(矢野朝水君) これは、基金の設立に当たりましていわゆる天下りを受け入れるということを条件にしている、こういうことではございませんで、あくまで基金サイドから依頼があった場合に御推薦する、こういうことでございます。
○武見敬三君 厚生行政に対する信頼を回復するためにも、こうした調査を的確に行って国民の前に知らしむる努力をぜひ厚生大臣やっていただきたいと思います。 さて、地域医療の効率化という視点に立ってみますと、さっき総理からもお話がありましたように、いわゆるかかりつけ医の機能を充実させつつ、かかりつけ医とそして病院との連携というものが極めて重要になってまいります。この点に関しましては、既に全国で約七十六の医師会病院というものが機能を果たしておりまして、ここは外来はほとんど七、八割あるいは九割近くがかかりつけ医からの紹介制という形になっているわけであります。 こういう形で、実は既に我が国の地域医療の中ではかかりつけ医あるいは開業医とこうした当該病院との間の信頼関係が確立され連携ができているというところがあるわけでありますが、こうしたことが現実にある。そして、そうしたソフトウエアの面からのこうした一つの形ができているということをどのように評価されるか、厚生大臣、伺いたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 地域医療における医師会の果たす役割というのは極めて大きいと思っております。特に、これから開業医と病院との連携、効率的な医療提供体制を考える上においても医師会の果たす役割は大変私は大事だと思いまして、ぜひとも病院と開業医との連携、そして地域支援病院の確立等、より充実したものにしていきたいと思っております。
○武見敬三君 地域支援型病院を新たに創設するというときに、この医師会病院といったものがソフト面で非常に大きな機能を既に持っているという点を重視して、これをハードな面からも支援しようという考え方があるかどうかを厚生大臣にお伺いして、私の質問を終わります。
○政府委員(谷修一君) 今、厚生大臣の方からもお話がございましたように、この医師会立病院というものは地域の中でかかりつけ医を支援をしていくという形で非常に大きな役割を果たしているというふうに認識をしております。 また、現在介護関連法案ということで国会の方にお願いをしてございます医療法の一部を改正する法律案の中では、この地域医療支援病院というものを制度化したいというように考えておりまして、具体的な細目については今後検討しなければなりませんが、この医師会立病院というものが当然地域を支援する病院の一つとして位置づけられるものだというふうに考えております。
○武見敬三君 ありがとうございました。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で武見敬三君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
○木庭健太郎君 きょうは参議院予算委員会第二日目、最終日でもございます。 閣僚席、ごらんになったとおり、外務大臣、昨日も空席でございました。きょうも空席。二日間とも御出席をいただけなかった。参議院予算委員会、戦後以来、外務大臣抜きで審議をしたことは今回が初めてであり、極めて異例であり、我々はまことに遺憾であり、心から納得はしておりません。 なぜこうなったか。私ども与野党の理事でWTOの日程も視野に入れながら本当に真摯に協議をしてきた。先週末、与党理事の御努力をいただいて、十日はどうぞWTOに御出席ください、十一日はどうにか日程を、都合をつければ委員会に出られる、外務省もそういう回答をしていた。私たちはそれで合意をしていた。ところが、月曜になった途端にどうなったか。現地に問い合わせてみると、とてもそんな状況にない、外務大臣がこの会合に出ないと国益を損なう、そういう話が突然舞い込んできた。 本当に苦悩しながら協議をして、我々は納得いきませんけれども、国益を損なうということはできない、その意味でこの欠席という形が生まれたわけです。初めての例をつくってしまったわけでございます。私たちはざんきにたえません。 このことに対して我が予算委員会の委員長も、この予算委員会の審議というものの重要性にかんがみて、昨日の冒頭、今回は例外である、原則をもう一回きちんとしろ、これを強く政府に求めたわけでございます。 この点について、この予算委員長の発言の重みを総理としてどう受けとめるか、これはきちんと聞いておきたい。総理、お願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御指摘のような角度からの参議院の御意見とあらば、私はそれを甘受いたしますし、おわびもいたします。 しかし、同時に御理解をいただきたいことは、今回の閣僚会議というものが九五年に発足をいたしましたWTOの初めての閣僚会議であること、そしてWTOを中心とした多角的自由貿易体制だけではなく、この体制のもとにおいて経済発展を遂げてまいりました日本として、貿易立国というものをかざしております中に極めて重要な国際会議でございました。そして、それだけに、その会議に並行し、二国間会談を申し入れてこられる国も、またそれ以外の非公式な打ち合わせに近いいわば内輪の会議というものもたくさんございました。そういう日程が確定をいたしました段階で、おわびをしながら院に対してお願いを申し上げておることでございます。 私は、おしかりは甘受をいたしますけれども、これから先も我が国として国際的に閣僚の出席をどうしても必要とすると判断をいたしました場合には、院に対しその旨をできるだけ早くお願いを申し上げると同時に、日程が確定し次第御要請をいたし、出席をさせていただくことをお願いすることもあるかもしれないと思います。今回はおわびを申し上げます。
○木庭健太郎君 我々は別に外交日程をすべて縛ろうというふうなことを言っているわけじゃないんです。今回みたいにちょっとだまし討ちみたいな形になった、結果的にね。一回与野党で合意した、その後にひっくり返るような現状があった。 こういう形はあってはならないし、例えば衆議院でも我々の党は亀井大臣が現場に行かなくちゃいけないときどうしたか、それは結構ですよと申し上げているわけです。そういういわば体制をきちんと整えた上で、先ほど総理がおっしゃったように、早目にそれこそ我々にもそういうことも協議していただきたいし、その上で我々は真摯に協議をする、そのことは申し上げておきたい。ただ、この原則の問題だけはきちんと御認識をいただいておきたいということでございます。どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、私はおわびを申し上げますということから申し上げました。 と同時に、そういう話でございますので、一つの実例を挙げさせていただきたいと存じますけれども、これは国会開催中ではございませんでしたが、先日、APECの非公式首脳会合でマニラ・スービックに参りました。私自身の行いました二国間会談、最終的に日程が双方の国の間で合意をされましたのはたしか二日半ぐらい前であったと思います。国際会議にはややもするとそうしたことがございます。 あるいは、私自身、バンコクで大蔵大臣の最後にG7の議長を務めたことがございます。このときは、国会のお許しをいただきまして出張いたしました日数よりも、会議そのもの、G7の会議そのものが丸一日時間が延長をされました。結果的に、同時に開かれておりましたIMF総会の方を私は欠席して、G7の議長という職務に集中をいたしました。 国際関係の中でそうした現象というのは起こり得ることでございますので、どうか基本についておわびを申し上げ、御了解を願いたいと申し上げましたが、これからも偶発的にさまざまな局面に対応する場面はあると思いますので、その点では御理解をいただきたいと存じます。
○木庭健太郎君 ぜひその原則を確認していただきたいということで、質問に入ります。 まず、金融システム安定化の問題でお尋ねをしたいと思います。 戦後初めて銀行に対する業務停止命令が出された阪和銀行の破綻処理の問題でございます。この問題は衆議院でも取り上げられまして、大蔵大臣は、その後の預金者保護の問題、雇用問題、それからある意味では地元経済への影響に対する万全の対策、そのことはお述べになっているようでございますから、それを再度確認させていただくとともに、こういう処理、初めての処理というようなことも言われているわけですけれども、なぜこういう処理が起こり、またこういう処理というのが今後の銀行処理に当たってどんな影響を及ぼしてくるのか、この辺の御認識を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 銀行等の破産処理につきましては、地域経済に与えます影響等の観点から、既存の金融機関等による合併あるいは営業譲渡について民間で円満な合意が得られますよう努力をし、そうありますことが望ましいことであると考えておるところであります。 しかしながら、阪和銀行については現状では受け皿となる既存金融機関等もなかったことから、混乱を回避する観点から、業務停止命令をかけた上で預金を全額保護しながら円滑な整理、清算を行うための新銀行を設立することといたしたものであります。 具体的には、同行を整理、清算するための新銀行を設立した上で営業譲渡を行うこととし、その際、預金保険機構が預金者を保護するために新銀行に対し資金援助を行い、損失を補てんするとともに阪和銀行の資産を買い取るという方向で関係者間の調整を進めているところであります。早急に取りまとめていきたいと考えます。 以上のように、銀行が仮に破綻した場合にどのように対処していくかということについては、その時々のさまざまな状況で総合的に勘案をして対処じていくことと考える次第であります。 戦後、銀行がこのようになりましたのは初めてのケースでございます。金融システムを考えますことは当然でございますが、それ以上に個人預貯金の保証とそれがスムーズに払われるということのために、業務停止命令を一日繰り上げて発出をいたしたと。マスコミが先行いたしたものでございますから、早朝に決定をし、早朝の記者会見で、どうぞ冷静に預金者の皆さん対応してくださいと、こう申し上げたところでございます。
○木庭健太郎君 こんなことが何回もこれからも続いてもらったらそれこそ困るんであって、そこへの対策のあり方の一つのやり方というものが示されたんだろうと、今回の場合はそう思っております。 今回の場合も日銀法二十五条におけるいわゆる日銀特融というのが行われました。かつては何かこれが行われるときは伝家の宝刀のようなことを言われましたが、最近は何かあるたびに日銀特融日銀特融というような、こんな新聞見出しがございまして、一体現在の日銀特融というのは特融全体でどれくらいの残高になっているのか、またどんな機関に実施しているのか、その実態をまず事務当局で結構ですから教えていただきたいと思います。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 八年十一月末現在の日銀法第二十五条に基づく貸し出し、いわゆる日銀特融の残高は一兆一千二百八十五億円でございます。 このほか、同法二十五条に基づき、整理回収銀行へ二百億円の出資、新金融安定化基金へ一千億円の資金拠出を行っております。 特融の先としましては、木津信用組合や阪和銀行に対する貸し付けが一兆百八十五億円、みどり銀行等に対する劣後特約付貸し付けが千百億円となっております。
○木庭健太郎君 日銀がするんだから大丈夫とは言いたいものの、この一兆円を超える特融残高、すごい額でございます。これについて大蔵省としてどんな評価をしているのか。この特融というのは何か限度額とかそういうのが決められているのか、どの点をめどと思っているのか。特に、日銀特融が回収困難みたいな話になって国庫の歳入に影響を与える、そんなことのおそれがないのかどうか、その辺を含めてこの現状について評価をお伺いしたいと思います。
○政府委員(山口公生君) 破綻金融機関の処理の場合にしばしば起きる現象は、預金等の支払いが非常に高まるわけでございます。したがいまして、資金がショートしてしまう。通常であればそれを市場あるいは預金の受け入れによって賄うわけでございますが、一挙にそれが参りますので預金の支払いもできないという状況になるわけでご一ざいます。 したがいまして、そういった緊急の場合に日本銀行が特融の形で預金払い戻し等に必要な資金を急遽供給することを目的として発動しているわけでございます。そういうことによりまして、預金者の保護、金融秩序に対する信頼を失わないようにするシステムで有効に働いているというふうに思うわけでございます。
○木庭健太郎君 大臣もどうぞ一言。
○国務大臣(三塚博君) 山口銀行局長が御説明申し上げましたような仕組みの中で、預金ショートが起きてはなりませんものですから、瞬時に決定をし、金融不安をなくす、またその連鎖恐慌を未然に防ぐというのが私に与えられた使命であろうと、大蔵大臣という意味であります。そういうことで日銀の特融、二十五条でありますが、この要請を行って万全を期するということでありまして、今日ただいまこれ以外の方法はございません。
○木庭健太郎君 さらに、阪和銀行の問題では、日銀は預金保険機構に対しましても三千億から四千億規模の貸し出しを行うという方針を伝えられております。 この預金保険機構ですけれども、この前、保険料をたしか七倍ぐらいに上げたばかりだと思うんですけれども、現在の預金保険機構の収支状況、現在の責任準備金の残高がどうなっているのかをお教えいただきたい。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘のように、預金保険機構の保険料率につきましては、今年度から昨年度の料率に比べまして七倍に引き上げられたところでございます。そういったものを前提といたしまして、現在の収支等を申し上げますと、八年の三月末、つまりその引き上げ前の責任準備金の残高は三千八百六十五億円でございました。今後五年間にわたり、この引き上げた率で保険料を集めますと、その額を加えますと二・七兆円が五年間の残高となるわけでございます。 これに対しまして、今年度に入って実行した同機構の資金援助は千四百億円、また今後資金贈与の実行が見込まれる破綻金融機関、例えば木津信用組合等の案件でございますが、こういったものを考えますと一・三兆円程度と推測されます。 今後さらにこれが財産状況の精査等によってふえることはあると思いますけれども、今の段階ではこうした前提で動いておりまして、また三年後には保険料の再見直しということも考えておるわけでございます。今のところは収支は償うという考え方でございます。
○木庭健太郎君 本当にぎりぎりのところで運営されているなと。だから、今後いろんな問題が起きたときに、今言われたいろいろな機能がどうなっていくかというのはちょっと不安な面もあるんではないかと思うんです。この辺をどう本当にマッチさせながら対応していくかというような問題が非常に大事になっていると思っているんですけれども、全体を見ながら、大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(三塚博君) ただいま政府委員から説明がありましたとおり、預金特別保険料率いわゆる預金保険機構に対するものでございますが、三年後に見直すという条項に相なっております。よって、三年以内にはそのことが出ませんように十二分に不良債権の処理等を慫慂する、努力をいただく、こういうことの中で体制を整備をしながら、一般銀行についてさようなことが起きませんような手だてを講じていかなければならぬ時期にあるということの認識はいたしております。
○木庭健太郎君 また、今回の問題では、住専新基金、政府の言い方で言うと新金融安定化基金ですか、この日銀拠出分の活用というようなことも検討されているようでございますけれども、そもそもこの新金融安定化基金というのが何なのか。国会で別に審議してできた機関ではありませんし、一体どんな基金であるのか。これは法的根拠がどこにあって、特に問題視されるのは財政法との関係でこれが本当にいいものなのかどうか、この辺含めて御説明をいただいておきたいと思います。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 いわゆる新基金は、住専問題をめぐる先般の国会の御論議等を踏まえまして、結果として、住専処理に伴う六千八百億円の財政負担を可能な限り軽減するなどの観点から、関係金融機関等において新たに社団法人新金融安定化基金を設立し、当該社団に関係金融機関などの拠出による総額九千億円の基金を設置したものでございます。 当該基金は総額九千億円でございますが、このうち、先ほど御指摘の日銀の拠出金が一千億円でございます。残りの八千億円が民間金融機関等の拠出金でございます。この民間の拠出金の部分は国債で運用しまして、その運用益を原則十五年後に住宅金融債権管理機構及び預金保険機構を通じて国庫に納付することとなっておるわけでございます。 さらに、お尋ねの法的な部分でございますが、この新金融安定化基金は社団法人でございまして、この設立自体、関係金融機関等の自主的なものでございます。したがって、財政法の言います国の特定の事務に要する費用について、法律に基づかずに国以外の者に対して強制的に負担させることを禁じた財政法第十条の規定の趣旨に違反するものではないというふうに考えております。
○木庭健太郎君 しかし、この基金自体はある意味では与党、連立三党ですかね、当時、これがある意味では六千八百五十億を埋めるために政治主導の形で、しかもこれは大蔵省が各銀行に言って、いわば国主導型でやった話じゃないですか。何が自主的に出した、そんなことにならないと思いますよ。その点、どんな認識を持っているんですか。もう一回答弁。
○政府委員(山口公生君) 確かに、国会の御議論を踏まえまして、私の方からも金融界の方へ要請をいたしたことは事実でございますが、ただ、これの法的な性格としましては、自主的にこういった社団法人をおつくりいただいた、自主的な検討の結果決定されたものということでございます。
○木庭健太郎君 これは少しいろいろ異論が残る話だと私は思うし、国以外の者にこういう事務費用を負担させるということになれば、やはり法に基づいた形というのもきちんとお考えをいただきたい。国会にも何にも審議されないうちにこういう何か一つの機関ができ上がる、こんなことはやっぱりよくないことだと私自身は思っております。 住専の関係で、前国会以来ちょっと途絶えておりまして、大蔵省からも余り情報もいただけませんし、一体どんなふうに動いているのか見えないものですから、本来、私どもがお呼びするより、本当は与党がお呼びしなくちゃいけないんでしょうけれども、住宅金融債権管理機構の中坊社長にきょうはわざわざ国会まで足を運んでいただきまして、一度国会の場でもどうお取り組みになっていらっしゃるのかというのをお聞きしたいと思いまして出席をいただきました。どうもありがとうございます。 そこで、何点かお聞きをしておきたいと思います。 中坊社長は、債権回収を進めるため民間金融機関と管理機構の債権の担保順位の入れかえも考えておられるというようなことを話されたことがございます。この点、なぜ入れかえが必要なのか、まずその点をお教えいただきたいと思います。
○参考人(中坊公平君) お答え申し上げたいと思います。 私は、社長に就任いたしました節、このことを申し上げたのであります。私がこのことを申し上げましたときに想定した事案と申しますのは、特定の担保物件を考えましたときに、当社よりも先順位の債権者がおられた場合、その担保物件に例えば一画の土地の中のど真ん中をわざわざ見せかけの他人名義にして執行妨害をするとか、そういう事案がある。例えばきずがある。そういうきずがあったために、先順位の債権者ですらがその満足を得られないという場合が想定されるわけであります。このような場合、当社といたしましては、預金保険機構と協力いたしましてこのきずを直す。率直に言って他の関係者の方ではなかなかこのきずが直しにくい、預金保険機構がお持ちの特別業務に基づく調査権等に基づいて初めて可能であるということが考えられるわけであります。 このような結果、先順位の債権者もまた満足が得られたというような場合、当社といたしましては、その先順位の方々と当社のした努力と成果とを考え合わせていただきまして、先順位の方々と協議して、例えば同列に取り扱っていただきたい、このようなことを考えたいと思ったことでございます。私、弁護士として長く勤めておりますので、このような事案にはしばしば遭遇いたしておりましたので、そのことを考えて申し上げました。 私といたしましては、当社が設立されましたときに、当社の主な目的というのはやはり何としても国民に二次負担をかけないことではないか、このように考えました。このような目的達成のためにどのような姿勢をとるべきなのか、例えば形式的に法的手続を履行しておればそれでよいのかということを考えたわけであります。そういうことから、新しいアイデアあるいは行動というものが必要ではないかと考えまして、そのような決意のほどを具体的な例で示したのが先ほどおっしゃいました担保順位の入れかえの事案でございました。ひとつ御了解いただきたいと思います。
○木庭健太郎君 そうすると、第一抵当順位、これは順位の問題なんですけれども、機構が抱えた形の債権の中でいわゆる低い順位が多かった、だから第一にかえなくちゃいけないんだと、そういう全体像で見ると実態がどうなっていらっしゃったのかということで言えばどうですか、その点は。
○参考人(中坊公平君) お答えいたします。 率直に言って、私はそのような事案が多いんじゃないかと思っておりました。しかしながら、現在、当社がおおむね調べております範囲では、逆に先順位である場合が約八割程度に達しておるのではないか、このように考えておるわけでありまして、今具体的に想定しました事案は場合によれば少ないのではないか、現在ではそのように考えております。
○木庭健太郎君 また、この住専の一次損失額でございますけれども、平成七年一月時点の路線価で評価して六兆四千百億円とされておりましたけれども、地価の下落によりまして約三千億円目減りをしたことから、こういうものもあわせて再査定をするとのことでございました。その結果がどうなっておるのかということと、損失額が拡大した部分は一般行の債権放棄額の上積みにより負担させるとの方針が伝えられているだけでございますけれども、それらを取り決める住専処理にかかわる基本協定というのがあると聞いておりますけれども、これがいっ締結されそうなのか、この点もあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○参考人(中坊公平君) 当社といたしましては、一次損失の再査定というよりかは、譲り受け資産の確定手続というのを行っております。八月三十一日に旧住専七社と当社が譲り受けの契約をいたしました当時、その価格につきましては一応見積譲渡価格ということになっておりました。それをさらに私たちが、実際十月一日から当社が現実に効力が発生して諸物件を見る場合の、そういう場合になって初めてこの実態を見定めた上で、もしその物件に隠れた瑕疵等があった場合にはその金額はやはり差し引いていただかなきゃならない、そうしなければ我々はまた国民に二次負担をかけかねない、このように考えまして資産のもう一度の再調査をお願いしておったわけでございます。 しかし、その作業もおおむね十一月末をもって完了いたしました。そして、その意味におきますいわゆる瑕疵に基づきます減額を求めましたのが約一千億ありまして、そういう意味で確定をいたしました。そして、その一千億というものは、その後大蔵省の方でもいろいろ御考慮いただきまして、例えば末野興産の場合、我々はいわゆる一次損失だと言われておったところから約一千二百億程度の債権保全等ができたことも考え合わせていただきまして、約四百億ほどはⅣ分類からⅡ、Ⅲ分類に上げていただきました。そのような結果、結果としては一次損失の負担増は約六百億になることになりました。そのようなことで、当社といたしましてもそのような手続をすべて完了いたしました。 その結果、我々といたしましては、我々が確定したこのことに基づきまして、基本協定書につきましても、各金融機関におかれまして、関係当局とも御相談の上、基本協定書に早晩合意、サインしていただけるものと期待をいたしております。
○木庭健太郎君 もう一つ、さらにこの一次損失を除いた管理機構が引き継ぐ資産というのが六兆七千八百億円ですね、最初言われていたのが。 ただ、この優良資産の方も二千億円減少しているとの報道がありました。これは個人ローンがほかの安いのに切りかえて、本来管理機構が持っていく分が目減りしているとの話でございますけれども、こういうことが起こってしまいますと、この管理機構の存続そのものがなかなか難しい事態を迎える話でもございますし、この優良資産の部分、どういう現状になっておるか、これも御報告をいただきたいと思います。
○参考人(中坊公平君) お答えいたします。 確かに、おっしゃいますように、当社の中では一番の優良債権、優良資産というものは、いわゆる高率に回っておる正常債権が一番の優良資産だろう、このように考えております。その優良資産は正直言って極めて急速に減少しております。 というのは、おっしゃるように、高利回りのところで借りているよりも、もっと低金利のところがよいということでの繰り上げ償還その他が行われております。そのような結果、現在我々が有しております正常債権というのは約二兆円に減少をいたしております。 私たちとしてはこの正常債権を、しかしできるだけ利率を若干下げたりいろんな工作をすることによって維持しつつ、最終的にはこれを回収していかなければならない。しかしながら同時に、いわゆる正常債権が減りますと利息収入が減ってまいりますので、そういう意味における当社の体力がまた急速に減っていくものと考えなければいけない。そのようなためには、回収を急ぎ、同時に回収物件の中から不動産化して賃料を取ったり、あるいはリストラ等をやる中で当社の体力をつけていきたい、このように考えておるところであります。
○木庭健太郎君 中坊社長に最後に、今後五年間の債権回収目標をお立てのようでございますから、それを簡単で結構でございますから。 それとともにもう一つ、債権回収率が二割ならばこれは関係者の責任追及もと、こういう決意を伝えられておられますが、これはただ余り遅くなってしまうと決意してもできない話でございまして、この辺もいつ実施するおつもりでいらっしゃるのか、あわせて御答弁をいただきたいと思 います。
○参考人(中坊公平君) お答えいたします。 私のイメージといいましょうか、私のというより当社の努力目標ということで聞いていただきたいと思いますが、まず先ほど申しました優良資産であります正常債権、これはできるだけ長いこと保ちつつ、しかも完全に回収していかなければならない。次に、いわゆる不良債権につきましては、その半額をとにかく急いで現金化していきたい。そして残りの半分は、自己競落等をいたしまして、不動産化して賃料を取る債権にしていきたい。それから三つ目には、いわゆる一次損失と言われておった中からもできるだけ多くの金を回収しましてこの借金の返しに向けたい。そして、少しでも回収したことに基づきまして、いわゆる不良債権全体の額を少なくして、同時に借入金の返済に向けていきたい、このように考えております。 そのような中にありまして、そのような一般の資産あるいは担保物件をもっても貸し付けた債権の二割も回収できない、このような事態に差しかかったときには、やはり貸された旧住専の経営者の責任というのもまた私は問題になってくると思っております。そして、それはいわば商法に基づく取締役の忠実義務違反ということになるわけでありまして、そのようなものにつきましても、私たちは回収を急ぐ中で、この貸し付けの実態等が判明次第この問題に対処していきたい。そのような意味では、できれば来年の春にも我々としてはこの問題に着手できるところまで回収手続を履行していきたい、このように考えておるところであります。
○木庭健太郎君 中坊社長、ありがとうございました。今の社長の話、一番現場でおられる人の話でございます。なかなか苦労しながら、一番の問題は二次損失を出さないことだと。当たり前のことで、我々もこのスキームそのものを賛成したわけじゃございません。でも、二次損失が起こってくればこれはこれでまた大変な問題になる。 その意味で、今の社長の御発言も受けながら、大蔵省としてサポートをされているんだろうとは思いつつも、この辺きちんと、どう二次損失をなくすためにやっていくのか、その決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 今の御質疑のやりとりの中で、中坊社長を中心に大変深刻でかつ精密な、また勇気ある努力をされておることを承知するところでございます。 今後、大蔵省とすれば、中坊社長の御指示、御要請をまつまでもなく、万般の体制でこれをサポート申し上げる体制をとりつつ、所期の目的が達成されますように全力を尽くしておるところであります。また格段の御鞭撻、御支援を賜りますようお願いを申し上げ、答弁にかえます。
○木庭健太郎君 中坊社長、ありがとうございました。 では、話題を変えまして、日銀法の改正問題で日銀総裁及び大蔵大臣に幾つかお尋ねしておきたいと思います。 金融システムの問題の中で、大蔵省改革もそうですけれども、この日銀法の改正というのは極めて大事な問題だと、こう思っておりますし、少しだけこの論議をさせていただきたいと思います。 まず一点目は、読ませていただきました日銀法、昭和十七年制定でございますけれども、これを読むと、一条、二条を見ても、何か極めて国家統制的な色彩の強いものでびっくりしました。何でこんな法律がこのまま放置されていたのかなということ自体私はもうびっくりいたした次第でございますけれども、なぜ今日までこういう抜本改正が見送られてきたのかなと、こうも思いましたし、その点について、日銀総裁及び大蔵大臣から御見解を伺っておきたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 現行の日銀法は昭和十七年の制定でございますから、当時の世相を反映いたしまして、今日の目で見ますれば改正を要するという点もございます。また、事実、戦後におきまして、まず日銀政策委員会の制度が設けられまして、これによりまして日銀の金融政策の実施に伴います事項が明確化をいたしたわけでございますけれども、その後、昭和三十年代、四十年代と引き続きまして法律改正の検討は行われたわけでございます。しかしながら、検討はかなりの期間続けられましたけれども、いずれの場合も結論を得ることなしに今日に至っているわけでございます。 一方、そういう事情はございますけれども、今日まで法改正が行われないでこの法律でやってこられたということは、一つは物価の安定、金融システムの安定という日銀の使命の遂行に支障を来しませんように、関係の各方面におかれて非常に慎重にこの法律の適用をして運用をしていただいたことによると思っております。 しかしながら、今日、自由化、国際化が非常に進行しておりますこの時代に、また海外の中央銀行との協力関係もいよいよ密接になっております。こういう時期におきまして、新たに日銀法の改正の機運が生じまして、ただいま具体的な検討をいただいておりますことはまことに時宜に適したことであると、さように考えております。
○国務大臣(三塚博君) ただいま松下総裁から答弁がございました。 日本銀行のあり方については、従来、現在の日銀法のもとにおいて日銀の独立性、中立性を尊重した形で運用するよう配慮されてきたところであります。また、中央銀行のあり方については、一国の経済システムの根幹をなすものでありますことを踏まえ、日銀法改正問題についてこれまでも慎重な検討がなされてきたところであります。 しかしながら、問もなく迎える二十一世紀は経済社会の情報化、グローバル化が進み、市場原理が重視されることになると考えられます。こうした潮流の中、グローバルマーケットの理解を得るため、日本銀行について透明性を伴った独立性、すなわち開かれた独立性を確保すべく抜本的に改革する必要があると考えておるところであります。
○木庭健太郎君 十一月十二日に中央銀行研究会は橋本総理の方に報告書を提出されました。今、大蔵大臣からも総裁からも抜本改正の必要性が語られたわけでございますけれども、総理としてこの報告書をごらんになってどうお感じになったかということともに、総理自身は、日銀改革というものの一番基本になる部分、何をもってこの基本理念といいますか、それは何をお考えになっていらっしゃるのか、その一番の基本の部分をこれは総理から伺っておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御答弁を申し上げます前に、先ほどのに関連して御報告を申し上げます。 先ほどの倒れました姫川出張所長、大町の病院で診断の結果、過労ということでありまして、生命に別状がある状態ではありませんでした。一瞬心配をいたしましたが、御心配をかけました。 私は、中央銀行研究会の報告書は、鳥居座長を初め委員の皆さんが非常に真剣に議論をしていただき、二十一世紀の中央銀行、言いかえれば金融システムの中核にふさわしい姿というものを論議していただいたと考えております。 中央銀行の役割というものは、申すまでもなく物価の安定、言いかえれば物価の番人という役割がありますし、こうした点では日銀というものが将来ともに開かれた独立性を強めていくという方向で変わっていかなければならないものであろう。私はそうした開かれた独立性というものを実現していくための基本的な方針というものをこの中銀研報告というものはまとめていただいている、そのように理解し、評価をいたしております。
○木庭健太郎君 少しこの改革の具体的中身に入っておきたいんですけれども、一つは、今皆さんからおっしゃったように透明性を高めること、そして一つは、やっぱり独立性ということが今回の改革、改正の基本でなくてはならないと私は思っております。 その意味で一つの例を挙げますと、例えば日銀法では第四十五条と第四十六条におきまして日本銀行監理官の規定が設けられております。こうした規定というのは大蔵大臣の日銀監督権を強化するために設けられた制度で、今はそのままになってしまっている。しかし、それをやってしまえば、日銀の独立性を高めるといっても水を差すものになるんではなかろうかと、こういうものは撤廃すべきだと私は考えます。 これは例が同じではないんですけれども、例えば電電公社、国鉄、専売公社、これが民営化する際のことでございますけれども、このときは、それまで置かれておりました電気通信監理官、国鉄監理官、専売監理官制度、これはいずれも廃止になっております。もちろん、これは三公社の民営化とは全然また別次元の話です。ただ、私はこの監理官というあり方については廃止すべきだと考えておりますが、その方向性について大蔵大臣からお伺いしておきたい。
○国務大臣(三塚博君) ただいま御指摘の監理官制度でございますが、これは大蔵大臣が日本銀行の業務を監督するために置かれたものでありますこと、御指摘のとおりであります。よって、現在は銀行局長が就任をいたしております。諸外国におきましても、政府による中央銀行の監督を行うため同様のポストが置かれておる例がございます。ちなみに、フランスでありましたりデンマーク、ベルギー、オランダ、オーストリア、こんな感じであります。 御指摘の監理官のあり方ということについては、中央銀行研究会報告では特に言及されてはおりませんけれども、今後金融制度調査会等におきまして御検討をいただくということにしたいと思っておるところであります。
○木庭健太郎君 私は、これだけでなくて、本当は監督権限というのは一切取っ払うべき方向性が今回の日銀改革の一番大事なことじゃないかなと思うんです。これは国によって違います。確かにアメリカのFRBのように一切監督権限がないというようなところもあるわけでございます。どこまでこの監督権限というものをなくしていくかという問題はあるんですけれども、私自身の主張はできればすべて撤廃すべきではないか、こんな考えを持ちながらこの法改正を今後見守っていきたいと思っておるんです。 この辺の見解について、日銀総裁もいろいろおっしゃるんですけれども、監督権限のことはなかなか御遠慮なされて、何か最近日銀は消極的だとも言われておりますから、この際はっきり総裁からもお聞きしておきたいし、また大蔵大臣からもこの点御意見をお伺いしておきたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 日銀に対する監督権限の問題でございますが、現在の日銀法におきましては、第六章の「監督」というところに政府の日銀に対する監督が規定されているわけでございます。この点に関連いたしまして、先般の中央銀行研究会の報告書におきましては、日銀の独立性を確保するための措置として、政府による広範な業務命令権を廃止することと、政府と意見が異なることを理由とする解任は認めるべきではないということが明記されてございます。 現行法には、このほかいわゆる政府の一般的監督等の規定が置かれておりますが、これらにつきまして研究会におきましてはお触れになっておりませんけれども、今後金融制度調査会の場で議論が進められてまいるべき問題であると思っております。 日銀といたしましては、独立性が強く求められるという中央銀行の特殊性を踏まえました上で、金融政策の独立性に妨げとなりませんように監督規定の整備をお願いすることが大事だと思っております。この点で政府とも適切な関係のあり方が検討されることを期待いたしておりますが、同時に、監督に関しまして日銀の独立性の向上が認められます場合には、私ども自身といたしましても業務の運営等につきまして十分世間の信頼を得るだけの努力は必要であると思っております。
○国務大臣(三塚博君) ただいま松下総裁の答弁がありまして、大蔵大臣の見解いかんと、こういうことでありますが、中央銀行研究会報告書におきましては、政府による広範な業務命令権を廃止し、また総裁等役員について、政府と意見が異なることを理由とする解任は認めるべきではないとされておるところであります。日銀の金融政策の独立性の強化を図ることが提言されております。 他方、日銀が大蔵大臣の認可により設立されました認可法人でありますことから、大蔵大臣は日銀に対し一般的な監督を行っておりますこと、御案内のとおりであります。この一般監督権は、適法な業務執行が行われているかを監視し、違法状態が判明すれば、不法行為等ということになりますけれども、これを是正することを目的といたしておりまして、金融政策の独立性とは直接関係するものではないという見解を持っております。
○木庭健太郎君 先般、来日されましたアメリカのFRBのグリーンスパン議長、この方は、アメリカ自体は今申しましたように政府による監督権限を定めた規定はないわけでございますから、ある意味ではさらに踏み込んだ言い方もされております。例えばどんなことをおっしゃっているかというと、予算認可権を政府に握られるべきではないとか、金融政策を決める会議に政府代表を入れない方がよいとか、こんな考え方まで表明されているわけでございます。 もちろん、これらの点というのは、中央銀行研究会の考え方からすればかなり踏み込んだ形で日銀の独立性を強化しようというような指摘になっているわけでございます。こういった話にある意味では私どもは謙虚に耳を傾ける必要もあるのではないかと思うし、特に日銀の場合はなかなか立場があって難しいでしょうけれども、こういった指摘に対してはそれこそじっと耳を傾けて、この辺どうにかならないのかなと、大蔵省とやるときもこういう点を考えなくちゃいけないんじゃないかなと思いますけれども、日銀総裁からこのグリーンスパン議長の発言についてどんな感想をお持ちになったか、お聞きしておきたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 先般、来日されました連邦準備制度理事会のグリーンスパン議長は、質問に応じる形で、金融政策運営面での政府との関係や中央銀行の予算のあり方、特に中央銀行の独立性の確保に関する幾つかのポイントにつきましてお話をされたことは私どもも承知をいたしております。 現在は、研究会の報告書を踏まえまして、金融制度調査会の場で法案化に向けた検討が行われておりますけれども、私ども日本銀行といたしましては、研究会報告で示されました独立性と透明性という二つの視点を十分に尊重しながら検討が行われるということを期待している次第でございます。その際に、日銀の制度を市場化、国際化の進んだ経済金融情勢の変化に即しまして、独立性という点でも主要国の中央銀行制度と比べて遜色のないものにしてまいるという観点が重要であると思っております。 グリーンスパン議長からは米国の状況の御説明がありましたが、そのほか、今たまたま欧州におきましては通貨統合を目指して各国の中央銀行制度の見直しも行われております。私どももそういう点を十分参考にいたしまして、今後の御審議に協力をしてまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 もう一つ、金融機関の検査体制の問題なんですけれども、現在これは大蔵省の検査それから日銀による考査という二本立てで進められているわけでございます。通例、一つの金融機関に対して大蔵検査と日銀考査、これが交互に行われていると、こう聞いております。大蔵省の検査は銀行法の規定に基づいた法的根拠のあるものでございますが、日銀考査につきましては明確な法的根拠はないと、こう私は思っております。 日銀は今どうやっているかというと、当座預金取引先金融機関との間で約定を締結した上で、それらの金融機関に実際に出向いて調査を行い、その経営実態や問題点を把握して健全経営の指導を行っている、これがいわゆる日銀考査と呼ばれるものであります。これには都銀、長信銀、信託、地銀、在日外銀支店もそうですし、日銀と取引を行っている信用金庫、証券会社等もその対象になっております。 ところが信用組合、これにつきましては日銀との取引関係はございません。ですから、これは考査の対象とはならない。これは問題点だと私は思っておるんです。信用組合の設立や業務活動の監督は、国の機関委任事務として現在は都道府県が直接担当している。ただ、信用組合に対する都道府県の検査能力というものについてはいろいろ問題も指摘されております。また、この監督行政の一元化というのを求める声もあります。この金融機関の検査・監督権限を大蔵省と日銀でどのように分担するのがいいのか、こういう問題もこれから大事な問題になってくると思います。 専門の検査とか監督委員会を設置するなど、構想を含めて、この際、金融機関の監督のあり方について手短でも結構でございますから、日銀総裁、大蔵大臣、それぞれちょっとお聞かせいただきたいし、また、あわせて日銀総裁については、この日銀が行う考査というものについて法改正はどのように規定していこうとしているのか、この点についてお話をいただきたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 現行法におきまして日銀が考査を行っております根拠は、私は、日銀の使命として規定をされております「信用制度ノ保持育成」という条文に基づいているものであると思っております。したがいまして、日銀は銀行の銀行としての任務がこざいまして、その任務を果たしますためには相手先の銀行の経営内容を十分承知している必要があるわけでございます。 また、信用制度と申しますのは、例えば決済システムが代表例でございますけれども、銀行間の決済システムが円滑に行われますためにも、金融制度あるいは個々の金融機関のどういう点にリスクがあるかということも承知をしておく必要がございます。 また最後に、日銀の金融政策の実施につきまして、金融政策を実施した場合に、それが金融機関に対してどういう経路で波及をし実行されていくかという点もあらかじめ理解をしておく必要がある。こういう三つの点から、私は日銀考査というものが取引相手先との契約に基づきまして今日行われているというふうに存じます。 ただ、中央銀行研究会におきまして、この点は権限関係をはっきりさせるためには何らかの法定措置が必要であるという御指摘もいただきましたので、私どもといたしましては、日銀が独自に行っておりまして、また中央銀行としての職務の遂行に直接必要な考査につきましては、それを生かしていただくような形での立法化をお願いすることが大変重要であると、そういうふうに考えている次第でございます。
○政府委員(永田俊一君) お答え申し上げます。 お尋ねの金融機関検査の今後のあり方といった点についてちょっとお答えをさせていただきます。 大蔵省の金融検査は、銀行法第二十五条等に基づきまして、金融機関の経営の健全性、適切性を確保するため、経営管理のあり方あるいは資産管理の状況など金融機関の経営全般にわたる業務、財産の実態を的確に把握するために実施しているものであります。 金融機関等を取り巻く経営環境は、いわゆるバブル経済の崩壊等によります影響から、引き続き極めて厳しい状況にございます。また、金融の自由化あるいは国際化の進展の中で、例えばデリバティブ取引の増加等、金融機関を取り巻くリスクも多様化、高度化しております。 このような状況の中で、検査に当たりましては、金融機関の資産内容の実態把握や、あるいは市場関連業務にかかわるリスク管理体制の実態把握、あるいは業務の適切性の確保の観点から、諸規制の遵守状況やディスクロージャーの実施状況の点検等に重点を置く必要があると考えております。 今後とも、そういった意味で重点的、機動的な検査を実施し、検査の効率化を図りながら深度ある検査を実施していく所存でございます。 なお、考査の件につきましては、ただいま日銀総裁がおっしゃられたとおりでございまして、私どもとしましても、中央銀行研究会の検討を受けまして検討をしていくべきものだというふうに考えております。
○木庭健太郎君 日銀総裁、ありがとうございました。 この問題の最後に、これは今、大蔵改革の中でも独立性の問題で、例えば人事の遮断のような問題もテーマの一つに挙がっていることは事実でございます。 この問題の最後に総理にぜひお伺いしたいのは、とにかくそういう意味で独立性を保つということの重要性を我々は考えているわけでございまして、その意味でこれをどう考えるのか。 これは何かといいますと、日銀総裁というのは、もう総理御存じのとおり、大蔵省と日銀から交互に総裁になるわけでございまして、これは慣例でずっと続いているわけでございます。ある意味ではこういう慣例、大蔵省の人が来れば次は日銀だと、こんなことを是正することがまずもって一番最初にやるべきことではないかと、こうも考えますが、これはやっぱり総理から御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、過去の歴史を見ますと、必ずしも大蔵省と日銀交代ばかりではなく、民間登用もあったと思います。そして、適格者があれば、これこそ実は、どこの出身とかいうことではなく、やはり中央銀行の総裁にふさわしい人物であればどなたでも選任ができるという状況でなければいけないのではなかろうか。 殊に、例えばG7の中銀総裁あるいはEUの中銀総裁会議といったようなものがしょっちゅう行われ、これはほとんど音もなしで非常に真剣な議論をされている現状を存じておりますだけに、その出身が何だということよりも、中銀総裁として各国に伍して堂々と論議のできる、それだけの識見のある人物を今日も得ていると私は思っておりますし、これから先も得られることを願っております。
○木庭健太郎君 菅川委員から関連質問があるのでかわりたいと思います。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。菅川健二君。
○菅川健二君 平成会の菅川健二です。総理の隣の広島県出身でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 私は、一連の不祥事件、そして予算編成、国庫補助金、地方行政改革等の関連質問をいたさせていただきたいと思います。 このところ、社会福祉施設をめぐる厚生省の汚職事件や泉井石油商をめぐる通産省の疑惑事件など政官業をめぐる腐敗の実態が次々に明るみに出ておりまして、今や政治や行政に対する国民の怒りは頂点に達しております。時あたかもこのようなときに、政府は平然と消費税の五%へのアップを決定し、特別減税の打ち切り、医療費の患者負担増、介護保険の導入に伴う保険料の新設等々、次々と国民に負担を迫っております。政治や行政に対し国民の不信や怒りが渦巻いている今、私は政府が国民に負担増を求める資格はなく、早急に次の二つの条件を克服することが先決であると考えております。 一つは、事件の解明を急ぎ、責任の所在を明らかにし、再発防止策を講じ、国民の政治、行政に対する信頼を回復すること、二つ目は、徹底的に歳出を見直し、むだな経費を削減し、効率的な財政構造にすることでございます。 橋本総理、各閣僚初め政府各省はまず襟を正し、身をスリムにして初めて国民に負担増の可否を問う資格が生ずるのではないかと思うわけでございます。橋本総理いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般来、本院当委員会におきましてもしばしば申し上げてまいりましたように、現在起きております事態というものを本当に私は情けなく思います。今後、殊に前事務次官に関する事件につきましては司法当局により厳正な捜査が行われると思いますけれども、そのほかの一連の不祥事につきましても、厚生省においてその事実関係を厳しく確認しながら厳正な処分を行うといった行動を現在進行させつつあります。 また、特に社会福祉施設整備費などの仕組みが悪用されたということは本当に大きなショックでありましたが、事実関係を究明した上で再発防止に早急に取り組むということを既に申し上げておるところでございます。 次に、歳出削減の努力についてお尋ねがございましたが、平成九年度予算の編成に当たりまして、一般歳出の伸びについて八年度の伸びを相当程度下回るように圧縮すると同時に、その中で限られた財政資金というものの重点的、効率的配分に努めるよう大蔵大臣に指示をしているところでございます。 そうした観点からまいりますとき、社会保障につきまして特に医療保険制度改革の問題も実現に努力しなければなりませんし、防衛関係費あるいはODAなどを含めた歳出全般にわたって聖域を設けることなく徹底した洗い直しを行いながら予算編成に努めてまいりたい、現在そのように考えております。
○菅川健二君 同様に大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(三塚博君) ただいま橋本総理から今後の歳出削減についての答弁がございました。 予算編成に当たっては総理の趣旨を体しながら努力をしていきますことは当然でありまして、努力だけではなく、目標に向けて聖域を設けず適切に編成をしていかなければならない、こう思っております。
○菅川健二君 厚生大臣いかがですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) この不祥事を反省する上において、今までのいろいろな業務の点検等改善に向けて再発防止のために全力を尽くしていきたいと思っております。
○菅川健二君 国民に負担を求める場合は、求める側が信頼され、国民が理解し納得した上でなければならないと思うわけでございます。今のような状況のもとで負担を強行することは、国民に拒税運動、拒税同盟が出るのではないかと心配すらいたしておるわけでございます。昨日のテレビでも落合選手がもう税金を払いたくないというような発言もしておるわけでございます。ぜひ再考をお願いいたしたいと思うわけでございます。 特に厚生大臣は、介護保険法案に携わった役人が不正事件に関係し、また関係書類もほとんど押収されておるんではないかと思うわけでございますが、まずもって省内の立て直しに専念していただき、介護保険法案は当面は棚上げし、顔を洗って出直していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) このような厚生省関係の不祥事にもめげず、厚生省の職員の不眠不休の努力によって、この重要な介護保険制度の創設に向かって去る先月二十九日の臨時国会開会までに提出できたということ、本当に職員がよく頑張ってくれたと思います。この上はどうか国会においてこの法案の内容を御議論いただければと思っております。
○菅川健二君 まずもって政府は信頼回復に全力を注いでいただきたいと思うわけでございます。 私自身のことで恐縮でございますけれども、三年前まで三十年間、国と地方の役人をやっておりました。特に金銭関係とか女性関係につきましては毅然とした対応をしてきたつもりでございます。幸いにして私の上司あるいは先輩には大臣も、それからこちらに何人かおられるわけでございますが、先輩の御指導がよろしかったんではないかと思っておるわけでございます。 このような長い間の私の経験からいたしますと、今回の岡光前次官のような事件というのはまさに信じられないことでございます。恐らく現役の役人の九九・九%の皆さんもそうであろうし、そうあってほしいと私は願っておるわけでございます。しかしながら、信じられないことが起こったわけでございまして、これを厳粛に受けとめ、再発防止に全力を挙げなければなりません。 ところで、去る五日、通産省では泉井石油商絡みで事務次官以下六人の処分が行われましたけれども、そのうち法律上の処分を受けたのは、これは減給処分でございますが、事務次官だけでございまして、あとの五人の方は履歴事項にもならない訓告とか厳重注意でございます。これは役所が世間に対してお茶を濁す場合によく使う手でございます。厚生省の岡光前次官の辞職をめぐりましても、昨日のボーナス支給に見られますように釈然としないものがあるわけでございます。各省処分がばらばらで整合性がないわけでございます。 私は公務員倫理法の制定を急ぐべきだとは思いますが、近々綱紀粛正策が出されるやに聞いておるわけでございます。その中で厳正かつ公正な処分を行うための各省共通の懲戒基準を設け、再発防止の抑止力にするべきであると考えますが、総務庁長官いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今までのいろいろ綱紀粛正についての通達がありましたり、あるいは申し合わせがありましても効果が上がらなくてこういうことが起きたわけでございますから、今私どもの方で鋭意各省と御相談をしながら進めておりますのは、何らかの形で本当に今度こそ効果の上がる綱紀粛正策をつくらなければいけないということで、なかなかこれは難しいのでございますけれども、今もたまたまお話のありました、何らかの形で共通した物差しができないだろうか、それからそれを守らなかったときのペナルティーは何らかの形でかけなきゃいけないんじゃないか、そしてその場合、必要に応じて法的な問題も考えなきゃいけないんじゃないかということで今検討を進めておるところでございます。
○菅川健二君 どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。 役人は大臣の後ろ姿に学ぶと言われております。当然のことながら、各大臣は多くの部下の範となるように行動しておられると思いますけれども、厚生大臣、通産大臣を見事卒業されました橋本総理、今回の相次ぐ官僚の不正事件に対してどのような反省と今後の対応を考えておられるか、総括していただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) こうした事件が起こります中で、政治家として私自身も常にみずからを省みることの必要性を痛感いたしております。
○菅川健二君 さきの衆議院の予算委員会でも新進党の野田委員から取り上げていただきましたけれども、大方の省では大臣室、事務次官室、官房長室というのは大体同じフロアにあるわけでございます。大臣室で所管の関係業界から政治資金を受け取っていては部下に示しがつかないわけでございます。各大臣におかれましても、少なくとも在任中は所管の関係業界から政治資金を受けることはぜひ自粛してもらいたいと思うわけでございます。 厚生大臣は衆議院の予算委員会ではたしか自粛すると表明されたと思いますが、そうでございますね、厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) 自粛します。
○菅川健二君 建設大臣はさきの衆議院予算委員会では災害現場に行かれまして、大変御苦労さまでございました。その際、御不在だったかと思うわけでございますが、同様に自粛していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(亀井静香君) 政治倫理は、主として閣僚の場合は行政権との関係、議員の場合は立法権との関係で問題になると思いますが、政治献金がたとえ政治資金規正法に基づく処理をいたしましても悪い金を受け取った者は捕まりますし、また捕まらぬまでもこれは倫理上の批判を受けるわけでありまして、私は建設行政の廉潔性をきっちりと保持してまいります。
○菅川健二君 レンケツ性という意味がよくわからないわけでございますけれども、いずれにいたしましても公平な建設行政を進める上でぜひ身を正していただきたいと思います。今のレンケツ性につきましてもう一度御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) じゃ、細かくちょっと議員のあれにお答えします。 議員も政治献金を受けておられると思います。どの委員会に属しておられるかわかりませんけれどもその関係、あるいは役人として在任中の職務に密接な関連のあった団体から政治家になられた後も受け取られる場合は極めて私は慎重な対応をしておられると思いますね。政治家はやはりそうした職務との関係を含めて、あるいは道義的に受け取ってならぬ金を受け取ってはなりません。 私は、建設大臣として、例えば建設省が発注をしている先から政治献金をいただくようなことはいたすつもりはございません。
○菅川健二君 議員と大臣といいますか、これはおのずから違いがあると思いますけれども、建設大臣としてきちっとそれは身を持すると言われることでございますので、ぜひそうしていただきたいと思います。 次に、予算編成についてお聞きしたいと思います。 来年度予算編成も間近に迫ってまいりましたけれども、総理は財政構造改革元年の予算にしたいと意欲を燃やしておられるわけでございますが、財政構造改革とは何を意味するのか余り具体的なものが伝わってこないわけでございます。若干聞こえてまいりますのは、消費税率の五%アップとか特別減税の打ち切り等、国民に負担を押しつけることばかりでございまして、私は今こそ歳出を徹底的に見直し、歳出削減による財政構造改革を優先すべきではないかと思うわけでございます。 心を鬼にして頑張ると先ほど大蔵大臣は答弁されたわけでございますが、大蔵大臣に歳出削減の具体的な方策につきましてお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) ただいまの御質問でありますが、前段総理からも、九年度予算編成に当たって一般歳出の伸びは八年度の伸びを相当程度下回るよう圧縮すべしである、その中で限られた財政資金の重点的、効率的配分に努めるようという指示が昨晩でありますけれどもありました。 また、社会保障については、特に医療保険制度改革を実現するとともに、防衛関係費、ODAを含めた歳出全般にわたり聖域を設けることなく、徹底した洗い直しを行い、財政構造改革元年にふさわしい姿をとるべきであると、こういう指示であります。 平成九年度予算編成に当たりましては、この基本方針を踏まえて、各省の格段の協力を促しながら全力を尽くすと、こういうことに相なります。
○菅川健二君 間もなく来年度の予算編成が行われるわけでございますので、その予算編成に私は注目しまして、次の通常国会に向けまして財政構造改革元年であったかどうか検証させていただきたいと思います。 次に、国庫補助金問題についてお聞きいたしたいと思います。 今回の厚生省の社会福祉施設をめぐる汚職事件は、国庫補助金制度の持つ弊害というものを露呈した典型的な事件でございまして、我が新進党がさきの総選挙で公約いたしました補助金の全廃とその財源の地方への一括交付がいかに重要であるかということを如実に示したものでございます。 ところで、来年度の予算編成の時期も迫っておるわけでございますが、大蔵大臣としては地方に対する国庫補助金をいかに適正化されようとしておるのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 国庫補助基準額につきましては、それぞれの補助対象の範囲において、その目的に即し合理的に設定された規模、規格水準で補助事業者が能率的に事務を執行した場合の標準的な経費を基礎として算定されておるところであります。毎年度予算編成に際して、物価動向その他経済事情等を勘案し、適正な補助基準の設定に努めてきたところであります。今後とも社会経済状況の推移を見守りつつ適正な補助基準の設定に努めてまいります。 地方に対してということでありますが、これは国の補助基準、また地方に対する補助金の単価計算ということであろうと思うのでありますが、それは査定の中におきまして真剣に論議を重ね取り組むということに相なります。
○菅川健二君 厚生省は、今回の汚職事件にかんがみまして、社会福祉施設に対する補助金の適正化はどのように図ろうとしておられるのか明示していただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今回の不祥事について、特に補助金の仕組みを悪用した点についてどういう点に問題があるのか、今調査委員会を設置しておりまして、特に特別養護老人ホーム等における補助金の選定手続等あるいは業務等、これについては今調査を進めている段階であります。 一月末を目途に何とか一つのめどをつけたいと思っておりますが、そのほかの補助金についてはそれよりもう少し時間がかかるのではないかと。しかし、三月末を目途にこの業務の再点検を行っていきたい、そして改善措置を講じていきたいと、そういうふうに思っております。
○菅川健二君 今回の社会福祉施設の建設に当たりましては、工事請負の丸投げによって、埼玉県で約十八億、山形県で約八億、計二十六億もの膨大な差益がありました。この一部が政治家や官僚に還流したんではないかと言われておるわけでございます。 補助事業でこのような膨大な差益が出ることは補助金の工事単価そのものに過大見積もりがあったんではないかと疑わざるを得ないわけでございますが、この点につきまして、予算を調整した大蔵省と予算を施行した厚生省の見解をお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 私ども、補助金を執行いたしました立場の方からお答えをさせていただきます。 今回の事件で、国庫補助基準を大幅に上回る豪華な施設をつくるという中で今回の丸投げ等の手法が起こったわけであります。したがいまして、国庫補助基準そのものではなくて、国庫補助基準を大幅に上回るような事業をまずやるという形の中で多額の利ざやを生じさせるということで特別養護老人ホームの施設整備費補助金等の仕組みをいわば悪用したものでございます。 したがいまして、この点については、国庫補助だけではなくて、全体の費用の中で工事なりなんなりの下請なりの価格あるいは工事そのものの中身をどうやったかということにつきましてさらに精査を行う必要がございますけれども、冒頭申し上げましたように、そもそも国庫補助基準を大幅に上回るような総事業というものを設定したというところから入っておりますので、そのことをもって直ちに国庫補助基準が実勢価格に比べて高いなどということを結論づけることはなかなか難しいと思います。 しかし、特別養護老人ホームの整備の補助基準そのものは実態に合ったものでなくちゃいかぬという点はそのとおりでございますので、実態を踏まえまして、基準面積あるいは単価等につきまして、これを改定して実勢価格に近いように、そういう乖離分の解消に努めて今日まで来ておりますけれども、今後もそういう姿勢でやっていかなければならないと思います。 一方において、補助基準、これではまだまだ足らないというお声もいろいろございます。そうした両方のお声を聞いて、何よりも実態に即した単価になるようにということで今後とも心がけていきたいというふうに考えております。
○政府委員(小村武君) 社会福祉施設の補助基準でございますが、毎年補助単価そのものについて実勢等を見ながら改定をしております。また、補助基準そのものにつきましては実態調査を踏まえまして六年、七年に改定をいたしました。 ただ、こうした国の基準を上回るいわゆるデラックス部分とかあるいは上乗せ、横出しというようなものが実態として見受けられるというのは、ただいま厚生省からもお答えのあったとおりであります。私どもとしては、国の基準を上回るような補助は一切できないシステムになっておりますが、さらにその上乗せの部分あるいはデラックス部分についての実際上の執行上の管理というのは担当の省庁において責任を持ってやっていただくべき問題であると考えております。
○菅川健二君 差益の全部がいわゆる補助単価によるということは、必ずしもそうではないということは言えるわけでございますけれども、しかし補助工事単価についても私は問題があるのではないかと思うわけでございます。 お手元に資料を配付いたしておりますけれども、資料の二枚目をお開きいただきたいと思います。資料2でございますが、建設省の「建築統計年報」によりまして建築主体別の工事費単価と特養ホームの補助単価を調べてみたわけでございます。 国と民間との間に、特にバブル期以降、いわゆるバブルの崩壊した平成二年度を一〇〇といたしますと、平成七年度、民間は九〇・九、むしろ下がっておるわけでございます。国の直接施工でございますが一〇五・四、それから補助単価、これは社会福祉施設の特養の補助単価でございますが、これは鉄筋で一二二・八、かなりの上昇になっておるわけでございます。平成二年から七年度の間にかなりのギャップが広がっておるという実態があるわけでございます。 この中におきまして果たして工事費単価が、補助単価が適正であったかどうかという点に大いに見直しの材料があるのではないかと思うわけでございます。 非常に粗末なパネルでございますけれども、総理、特に補助単価と民間の単価とを平成二年から平成七年までずっと調べてみますと、こんなに格差が広がっておるわけでございます。(図表掲示)御感想はいかがですか。
○国務大臣(三塚博君) このデータはそれなりに試算をされたものと思います。既に主計局長も言われましたとおり、先ほど私から申し上げましたとおり、単価設定は経済状況、物価の動向が一つの基本になりますが、全体を見て適正なものをつくっておると思います。 そういう中で、これはこれとしてさらに主計の方で調査分析をさせます。
○菅川健二君 ぜひ補助事業の適正化の観点から検討していただきたいと思うわけでございます。 次に、地方の行政改革について若干申し上げたいと思います。 当然のことでございますが、今回の行革を真に実効あらしめるものにするためには、事務事業を徹底して見直し、国、地方を通じて簡素にしてしなやかな行政の姿にしていくことが重要でございます。とりわけ、経費面からしますと、国が三分の一に対して地方が三分の二支出いたしておるわけでございます。その点、地方の行革は極めて重要でございます。 ところが、御案内のように、地方行政を進める場合、国が法令によっていろいろな事務を押しつけたり、あるいはいろいろな関与をいたしております。それから、補助金等によりましてがんじがらめになっておるのが地方の実態でございます。 そういった点から、まず国において事務事業を思い切ってスクラップする、国庫補助金は廃止する、あるいは地方の自由に任せるというようにすることが重要でございまして、そうしなければ地方の行革は進まないわけでございます。 総理、こうした国と地方の行革の関係につきましてどうお考えか、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今までしばしば私は申し上げてまいりましたけれども、まず一方で規制の緩和、撤廃の作業に取り組み、同時に地方分権を進めていけば、それだけでも国の行政はスリム化できるはず、こういったことを繰り返し国民にも御説明を申し上げてまいりました。 同時に、地方の方におきましても受け皿として、例えば分権が進みましたものを受けとめていただけるような体制づくりはお願いをしなければならぬ、これは事実であります。
○菅川健二君 もとより、国の行革が進まないから地方もできないんだということではなくて、地方自身もみずから行革を進めていただきたいと思うわけでございます。 ただ、行革を進めるにも、基礎的な単位でございます市町村の規模で、十分行財政能力がない市町村があるわけでございます。とりわけ、これから介護システムの導入等によりまして福祉サービスをどの地域においても均質に行わなければならない。そういった提供の主体としての市町村ということになりますと、やはり市町村の合併によって規模を適正化し、そしてどこの地域でも十分なるサービスを受けられるようにしなければならないと思うわけでございます。 そこで、自治省としては、昨年、市町村合併法を改正したりしていろいろ努力はいたしておられるようでございますけれども、私はもっともっと合併に対しインセンティブを与えまして、例えば国は望ましい市町村の規模についてのガイドラインを示し都道府県に合併計画をつくらせるなど、さらに進んだ合併策を講ずべきではないかと思うわけでございますが、自治大臣いかがですか。
○国務大臣(白川勝彦君) 委員お尋ねのまず第一の点に総理からもお答えがありましたが、私は自治大臣に就任以来、地方行革ということを特に強く言っております。 そして、今まで課長レベルの地方行革プロジェクトチームというのがあったようでございますが、これを事務次官を長とする地方行革推進本部ということで、予算も八十数万円であろうと、こういうことなんですが、自治省みずからでやることならばできるのでございますけれども、自治省の立場からいうと、三千三百の地方自治体が行革をやろうという機運を、気持ちを持ってもらうということに我々はお手伝いする立場でございますから、今年度だけでもやりくりをして千数百万の予算を組みまして、地方行革をとにかく進めていくということの先頭に、それこそ火だるまになってでもやりたいと、こう思っております。 しかし同時に、難しいところは、今合併の話が出ましたけれども、やはり法律上は自治省は指導と助言というのが主でございまして、それぞれの地方自治体には選挙で選ばれた首長さんがいるわけでございますので、あくまでも自主的なということを私どもは最大限重視していかなきゃならぬと思っております。 今御指摘のあった町村合併等の問題、市町村合併等の問題もそこのところを我々がどうこれから努力をしていくかということであって、国から一つの基準を示し、ガイドラインを示し、こういうふうにやっていけばいいんだというようなことはできる限り避けてまいらなきゃいけないと思っておりますが、ただ基本的には、町村合併をして地方行財政基盤を充実していくというのは、御指摘のとおり、真摯に取り組んでいく決意であります。
○菅川健二君 以上で関連質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○木庭健太郎君 ちょっと外交問題も聞きたかったんですけれども、時間が残り少ないので、綱紀粛正の問題で何点か伺います。 まず総理、新聞にワタキューという問題ですか、一昨日載った。載った途端に、いやそうじゃなかったですと衆議院の答弁から変わる。それまでは、公取警告後はもらっていなかったとおっしゃった。国民の声です、聞いてくださいよ。ところが、新聞に載る。そうすると国会に出てこられて、いやもらっていましたという調査結果を発表される結果になる。国民から見た場合に、それでは何か発覚したら言うんだというようなイメージを与えてしまう。 なぜ今回の場合こんなことになっちゃったのか。これはきちんと説明をしておかないと、いやまだ何かあるんだ、発覚したらまた言うんだということになりかねない。ここはきちんとしておいてもらいたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今引用されました報道について私自身が説明をする機会を与えられませんでしたので、非常に感謝をしながらこの点について申し上げたいと思います。 実は、衆議院におきまして、たしか権藤議員が提出されました資料の中に、そのワタキューという企業そのものの献金は既に出ておりました。そして、それは私からすれば公知のことと思っておりました。そして、国会における御質問が政治団体からの御質問でありましたから、私は実は政治団体についてのみお答えをいたしておりました。そして、その際の御質問に対しても、綿久という会社は前から知っておりますということも私は全く隠し立てをいたしておりません。 ただ、そのときに私が不注意でありましたのは、公取からの警告を受けた後に綿久から政治献金を受けていたかどうかを調査することを失念いたしておりました。そして、その注意をいただきまして調べてみましたところ、確かにございましたので、それについては返済をいたしてまいりました。 綿久から政治献金を受けている、その企業から受けているということを一度も私は否定いたしておりませんし、それは当初国会に提出をされました権藤議員がおつくりになりました資料の中にも出ておりましたことですし、それを私は一度も隠しておりません。質疑が政治団体からのものでありましたから、政治団体についてお答えを申し上げてきました。しかし、綿久という会社を知っていますということもそのとき申し上げておりました。
○木庭健太郎君 それはいいですけれども、もう一つ聞いておきたいんだけれども、結局、今回は二百万円を返すとおっしゃった。ですから、今の説明は少し私はわかりました。 ただ、普通の新聞だけ見た国民にしてみれば、あら、ばれたら総理は返すよと。そうじゃないお金については、一応政治資金規正法上きちんとしていたんだから返す必要はない、こんなことになってしまったらこれはまずいと思うんです。 ですから、ちょっと総理に聞いておきたいのは、今回はこうこうこうだから返すんだと。ただ、例えばミドリ十字の問題も言われたこともあります。ツムラの問題も言われたことがある。それについてはこうこうこうだから、これはいただいて、きちんとしたお金なんだ、だから返す必要がないなら返す必要はない、お返しになったらお返しになったと、そういう説明をきちんとこの際しておいていただきたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 衆議院での答弁の際にも申し上げたことでありますが、現時点において我々が報道を通じ、あるいはその他のものを通じまして与えられているだけの情報を持っていれば、その時点において政治資金の受け取りをためらったものがあった、それは事実私が申し上げたことであります。 そして、私がその瞬間に、御答弁をしながら頭に置いておりましたこと、それはまさに公正取引委員会から関係する政治団体に対しそれぞれの処置が行われたという事実を踏まえてのことでありましたりそして、実は私は、その政治団体の方からの政治献金は、公正取引委員会から指摘をされましてすぐに解散をした団体が一つございます。その後も続いておりました団体がもう一つございましたけれども、いずれもその後の政治資金の受け入れがありませんでした。 そして、その企業の方を実は私は本当に調べるのを失念しておりました。そして、公正取引委員会から警告を受けたという事実がわかりましたので、その警告を受けた以降の政治資金というものは全部お返しをしたと。昨日完了いたしております。
○木庭健太郎君 そうすると、総理にとってどういった場合、この場合だったら警告を受けたような企業からもらったのが結果として後になってわかった、こういう場合はやっぱりおかしい、そういうときはお返しすべきなんだ、こういう考えをお持ちなのか。 例えば、ある意味ではこれは正式に政治資金規正法上もらったわけですから、返す必要はないかもしれません、それは、一つの論理では。ただ、どういうのを基準としてお返しになるのか返さないのか。政治家としてこういう場合は返すべきではないかというようなもしお考えがあるなら、この際聞いておきたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 少なくとも今私は、公正取引委員会からの勧告、警告等を受けました後に、その当該団体あるいは当該企業から政治資金を受けていたことは、私自身軽率だったと自分で思っております。
○木庭健太郎君 きのうボーナスが支給された問題で、総理が一言おっしゃっておりました。 きのうの報道を見ておりましたら、大臣から弁護士さんに言われたのかどうかわかりませんけれども、これは本人が返さないと言っているんですか。もう払ってしまったと。今どういう状況に置かれて、大臣は何をされて、どんなふうな状況にこのボーナスの問題は、岡光さんの問題です、どうなっているのか。事実をちょっとはっきりしてください。
○国務大臣(小泉純一郎君) ボーナス支給の点につきましては、法律上十日に支払わざるを得ない。その前に、いろいろな情勢を考えると、本人が辞退する方法はないだろうか。また、本人は返還についてどう思っているかということを弁護士を通じて聞いてみたらどうかと。ところが、官房長が岡光氏の弁護人に接触をしたところ、接見の時間が十日までにはないということのようでありました。そういう経緯を経て、法律的には十日にはもう支給せざるを得ないということでありましたので、そのような手続をとったわけでございます。
○木庭健太郎君 そうすると、今の段階ではまだ本人の意思というのは明確になっていない段階ですね。そうすると、厚生大臣としてはこれは当然辞退すべきなんだと、こうお考えになるんだろうと思います、厚生大臣は。ですから、これについては今努力をしている最中なのか、十日まではわからなかったわけですけれども、今の時点でもし何かわかっているならば、事務当局で構いませんけれども、どんなことになっているのかお答えをいただきたい。
○政府委員(近藤純五郎君) 先ほどの大臣の答弁につきまして若干補足させていただきます。 私、九日に刑事弁護人とお会いいたしまして、前次官に対しまして辞退ができないだろうか伝えてくれないかと、こういうことを申し上げたわけでございます。それで、弁護士さんからの答えで、いろいろやりとりはございましたけれども、刑事弁護人でございますのでこの問題についてお答えできる立場ではないし、私限りでお答えはできないと。それから、先ほど大臣が申し上げましたように、接見の時間というのは一日一回しかできないそうでございまして、九日に行ったときにはもう終わっていたわけでございます。十日につきまして、早目にお願いしたいということでお願いしたんですが、今のところその予定はないということで、残念ながら十日の時点では終了できなかったということでございます。 したがいまして、これから御本人について御確認を、お願いをまたし続けるということになっていますが、現在のところ、まだそれについての回答はございません。きのうのままの状態でございます。
○木庭健太郎君 ところで、厚生省はこの岡光、小山関連に関しては事実調査を進めていらっしゃるはずでございます。昨日はもうこの問題に絡む埼玉県の処分も出てしまった。通産省も、別の問題でございますけれども、短期間でお調べになられて一応処分までなされた。 厚生省、どんな状況になっているのか、今の状況を報告いただきたい。
○政府委員(近藤純五郎君) これまでも国会等の審議を通じましていろいろな問題につきましては私どもの調査結果を御報告いたしておりますけれども、先生の御指摘は恐らく医療福祉研究会の関係だろうと思っております。 これにつきましては、現在問題になっております医療福祉研究会でございまして、これは通称小山会と呼ばれております。この問題になっております研究会はかつて十数年前に一度あったようでございますが、小山会でないような勉強会があったようでございますが、小山会のような形で岡光前次官と小山さんが中心になって動かしていた研究会は平成二年ぐらいから平成七年の六月まで合計十数回開催されているわけでございます。 それで、この岡光氏と小山氏以外のメンバーでございますけれども、いわゆるメンバー表といったぐいのもので会員名簿というふうな形で会員に配付されたようなものはなかったようでございますが、これは会が開かれるときの送付名簿みたいな形で残っているようでございます。 そのメンバーでございますけれども、厚生省職員は岡光氏のほかに十六名でございます。それから医療関係者、ジャーナリスト、民間の方、小山氏以外が九名ということでございまして、この中には案内状の送付を受けましても参加していないという方もいらっしゃいますし、その参加度合いというのは極めてさまざまでございます。 研究会の進め方ということでございますけれども、主としてメンバーが持ち回りで講師になりまして、医療とか福祉とか農業問題とか、こういったような問題でテーマをつくりまして発表いたしまして、相互に議論した上で会食をする。この会食とか会場費というのが小山氏あるいは彩福祉グループの方で負担していた、これが問題だというふうに我々は思っているわけでございます。 この医療研究会に関する調査でございますけれども、各メンバーの研究会への出席とか会食等の回数等を確認しました上で、ここ一週間以内にそのメンバー等を公表するとともに、必要な者につきましては厳正な処分を行いたい、処分と同時に発表をいたしたい、こういうふうに考えております。
○木庭健太郎君 ところで、更迭されたと言われる和田前審議官ですか、この方にはボーナスはお支払いになりましたか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 支給されております。
○木庭健太郎君 一般論で結構です。もし十二月九日までに懲戒免職になっていた場合、ボーナスは出ますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 一日に在職していれば当然-時期にもよると思います。いっ懲戒処分にしたかという時期にもよると思いますが、その辺の詳しい点は官房長に答弁させます。
○政府委員(近藤純五郎君) 十二月のボーナスは十二月一日現在の在籍者に対しまして支給されるということでございまして、その後に懲戒免職を受けましても支給されるということでございます。 それから、岡光前次官について問題になりましたように、十二月一日以前一月以内、ですから十一月中に懲戒免職を受けた場合には出ません。そういうことになっております。ただ、岡光次官の場合には辞職ということでございますので、一月以内にやめたということで百分の八十が出ているわけでございます。
○木庭健太郎君 和田前審議官ですか、厚生省の調査で百万円以上受け取っていたと。しかも、大蔵省の方との関係でゴルフの会員権をあっせんですか、自分の関係というか厚生省関係の会社に。三百六十万の手数料。今、更迭されて厚生省にいる。その結果どうなったか。ボーナスが払われたわけですよ。どう考えますか、こういうことを。 私は、各省庁早目に処分したと、別に早いことがいいことではない。しかし、これを決めるのはだれかというと厚生大臣ですよ。あなたがお決めになる問題だ。この百万円の問題、三百六十万円の問題、こんなのがわかった段階でそれはぎりぎり御自身としてこの懲戒免職の問題を考えなくちゃいけない。まだこれも放置されている。だから、例えば岡光さんの辞表を受け取ったときの問題もさかのぼって言われる、何やつているんだと言われるわけですよ。そう思いませんか、この問題。後で懲戒免職になってもボーナス取り返せないんですよ、これじゃ。どう考えますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 和田前審議官の場合は、医療福祉研究会、また岡光、小山容疑者等との関係もいろいろあります。和田前審議官だけの問題ではありませんので、全体的に見ながら、まとめて厳正な処分を行うというつもりで官房付にしております。 また、岡光前次官につきましては、去る十一月十九日未明、辞表を受理し、退職金支給を停止し、直ちに新次官を決定し、その判断について私はいまだに妥当なものと思っております。 そして、その後の期末手当の問題につきましては、これはいろいろ国民感情としてなかなか釈然としない気持ちは私も持っておりますが、これは法律上やむを得ないなというふうに感じておりまして、その御批判は甘んじて私が受けます。
○木庭健太郎君 少なくともこの和田審議官の場合はほかの方々と立場が違うと思います。研究会に参加された方とまた違うと思います。この百万円の問題が出たときに大臣何と言われましたか。さらに、三百六十万円の問題が出たときに何と言われましたか。言葉だけじゃ国民は納得できないまでになってしまっているというのが現状なんじゃないですか。そこをやっぱり厳しく認識をなさらなくてはならない。 例えばボーナスの問題についても、それは法律ですから結果として出てしまう。それならそれに対してどうすればいいんだ。岡光さんに対しては返却を求めていくと。和田前審議官ですか、この方に対しても返却を求めていくようなことをされますか、もし懲戒免職をお決めになった場合。また、懲戒免職じゃなくても処分をお決めになった場合、そういう措置をなさいますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 総合的に厳正な処分をした後、しかるべき判断をしたいと思います。
○木庭健太郎君 ですから、大臣はその時々に正確ないろんな形をした、時期的に辞職も当然この場合厚生行政を進めるために認めざるを得なかったと。ボーナスも法律上払わなければ、これは払わなくちゃいけない側が処分をされるから払わざるを得ないとおっしゃる。結果的に処分もまだ決められない、全体像を見なくちゃと、こうおっしゃる。でも、その一つ一つを見ていくと、国民の目から見たとき、何で辞職を許したんだと。結局、あの岡光さんの辞職を許してしまったから次の人により厳しい処分ができないような状況になっているんじゃないかとか、ほかのところは次々に処分は決まっていくけれども厚生省だけやっていない。まだまだ身内に甘いな、そんな感情しか抱かないんじゃないでしょうか。 参議院は第十九回国会で、昭和二十九年の話でございまして、私が生まれて直後の大変古い話で恐縮でございますけれども、参議院決議として懲戒処分の適正励行に関する決議というのを行っております。 これは、公務員による不当行為が激増しているということで官紀が極めて緩んでいる、国家のため憂慮にたえないということで、何を最後に申し上げているかというと、いわゆる不当行為者が出てもなかなか行政は注意とか訓告とかそんなことしかせずに、懲戒処分はほとんど行われていないという現状をかんがみて、当時どう言っているかというと、最後に「内閣は、かくの如き弊風を一掃するため、懲戒処分を厳正に励行し一罰百戒の実を挙げ、もって吏道の刷新に努むべきである。」ということを決議しております。 このことも含めて私たちは注意深く厚生省の処分を見守っていくつもりです。 大臣、厳正な処分をきちんとやられることを求めて、最後に御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 事実確認を待って厳正な処分をしていきたいと思います。
○木庭健太郎君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、清水澄子君の質疑を行います。清水澄子君。
○清水澄子君 私は、まず最初に、新年度予算編成を前にSACO、海上施設建造費の取り扱いについて質問をいたします。 防衛庁長官、十二月二日に発表されました普天間飛行場の代替ヘリポートの機能を持つ海上施設の建造費用はおおよそ幾らぐらい見積もられておるでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 御承知のとおり、これから先まず場所を特定し、また工法を特定する、そしてそれから来年十二月までに詳細計画をつくっていくという状況でございまして、今の段階では事業費、規模等も確たるものがないわけでございます。
○清水澄子君 技術検討資料の試算を読んでいただきたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 技術検討委員会、TSGあるいはTAGグループにおいて検討されましたときには、数千億からその二、三倍の非常に幅のある検討の中で行われましたけれども、しかしこれは場所も特定されておりませんし、例えば波が荒い場合あるいは深い場合、そういういろんなことを想定しての検討でございますから非常に概略でございまして、幾らということがこれから出てくるものじゃございません。
○清水澄子君 大蔵大臣、とにかく巨額な財源が必要であるということは確実だと思います。その財源はどのように手当てされますか。
○国務大臣(久間章生君) 平成九年度の概算要求を取りまとめる場合に、七月三十日でございましたが閣議了解がされまして、九年度に係る予算編成時におきまして重点的にこのSACO関連経費については検討するということになっておりまして、これから先の取り扱いは今度の予算編成過程において決められていくものであるというふうに理解しております。
○清水澄子君 そういう明確な金額がなくても巨大な財源が要ることは事実ですが、これを一般財源として手当てした場合には、その結果としてその分赤字国債の発行額を拡大するか、それとも既定の予算経費の削減か、二者択一しかないと思うんですが、その点、大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(三塚博君) 今、防衛庁長官が言われましたとおり沖縄問題、同時に官房長官からも沖縄問題、締めくくりとして総理から沖縄対策と、こういうことで、これは島田座長報告を受けて閣議において協議をいたしたところであります。八年度補正、それで九年度当初予算、一体的にこの委員会で、臨時国会が終わりましたらそこから作業を進めることになります。 一般財源なのか、建設国債なのか、その他なのかはこれからの検討であり、御承知のとおり、三兆円以上の赤字国債の縮減を図るという、平成九年をもって財政構造改革元年にいたしますものですから、そこをにらみながら対応してまいります。
○清水澄子君 大蔵大臣、今ちょつと変なお答えでしたね。防衛関連費が建設国債の対象になりますか。
○国務大臣(三塚博君) 施設費であるという概念で申し上げたところでございまして、調整費等はまさに一般財源であります。
○清水澄子君 防衛庁長官、平成七年十二月の新中期防策定のときにはこの普天間基地の代替ヘリポートとしての建造費は想定されていなかったわけですが、今回の事態を踏まえまして、新中期防と海上施設建造との関係はどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(久間章生君) おっしゃいますとおり、確かに村山内閣当時に中期防計画が策定されましたけれども、この中にはこのようにいわゆる大規模な施設の移設を含む返還は含まれておりませんでしたので、通常のいわゆる今まで過去五年間なら五年間でありましたそういう計画のみを中期防としては持っておりますから入っておりません。したがいまして、これも今度、九年度の予算編成をやっております過程におきまして、私どもはやはり重点的に検討するという中にはそういう問題との調整等も考えていかなければならない問題じゃないかと思っております。 ただ、御承知のとおり、中期防計画は防衛力の整備でございますから、防衛力の整備に当たらない項目もあるんじゃないかなという感触を持っております。といいますのは、いろいろと返還するわけでございますから、返還するときに撤去をして返還するというものもございます。そういうときは、もう全く返す経費でございますけれども、そういうものについてもこれから先はかなりの経費がかかってくるんじゃないか。これが防衛力整備に入るのかどうかという、そういう問題等も議論していけばあるんじゃないかと思います。いずれにしましても、これから先、予算編成の過程におきまして重点的に検討するというふうに閣議了解でなっておりますから、その過程において検討させていただきたいと思っております。
○清水澄子君 じゃ、防衛庁長官、それは新中期防を見直すというお考えですか。
○国務大臣(久間章生君) この問題につきましては、どういう費目でやるのか、またどこがやるのか、そういうこともひっくるめましてこれから先検討が行われるものと思っておりますので、中期防を見直すとか見直さないとか、そういうことを今ここでは申し上げるわけにはまいらないわけでございます。どうぞ御理解を賜りたいと思います。
○清水澄子君 もう一度防衛庁長官、この海上施設は予算の歳出経費としては防衛関係費に含まれますか、それとも防衛関係費の外枠の経費とお考えでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 概算要求に当たりましては、与党三党で、これについては別途措置するというような、そういう合意文書もございます。したがいまして、防衛関係費というそういう概念に全部が全部入ってしまうのかどうか、そういうこともひっくるめましてこれから先詰めでいかなければならない問題だと理解いたしております。
○清水澄子君 この海上施設の性格が明らかに軍事的なものであるのに防衛費に入るか入らないかわからないというのはとても国民も私も納得できませんけれども、平成九年の予算編成期を今迎えているこういうときに、そういう編成費目がまだ未定というのは私は大変無責任な気がいたします。 だといたしましても、このSACOの関連事業費は要求省庁はどこになりますでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 御承知のとおり、予算編成というのは内閣として一体として編成するわけでございます。その間の過程におきましては、各省庁がそれぞれいろんな要求をする場合もありますし、また逆に言いますと、自分のところではしたくないというような場合もあるわけでございますけれども、この問題につきましては、これから先かなりの大きい問題でございますから、概算要求のときに閣議了解しましたように、予算編成時において検討するという中でそういう問題もひっくるめて検討されるべきものだというふうに理解しております。
○清水澄子君 大蔵大臣、もう一つお答えください。 この予算の要求省庁はどこになるかということは一切まだ考えられないんでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) かねがね総理大臣が申されておりますとおり、補正において五十億、これは官邸内政室長、総理の直系がその積み上げを行ってまいると、こういうことになりますし、九年度当初予算については、ただいま防衛庁長官が言われておりますように、三党の大枠決定の中で決まる。基本的には基地周辺整備費ということで、従前はそういう扱いになっておりますけれども、今後の、浮体式工法の飛行場ということになりますと、本件は総枠の中でどのように取り組んで決定するか、今その決定を大蔵省とすれば見守っておりますと、こういうことであります。
○清水澄子君 もう一度伺います。 防衛庁長官、普天間の飛行場の代替ヘリポートというのは一般的な建設物ですか、それとも軍事的なものなんでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 普天間の飛行場は、普天間の飛行場の代替ヘリポートでございますから、それは米軍に提供されるいわゆる防衛施設というふうに思っております。
○清水澄子君 そうであるならば、これは今日までこういう関係費は防衛施設庁から予算が出されているものと思いますが、これからはそれが崩れるということを想定されているんでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 普天間の飛行場だけについて委員は御指摘のようでございますけれども、私どもはSACO関連経費としてSACO全体をこれから先重点的に検討するということになっておるものですから、そういうような関係で先ほど来の答弁を繰り返させていただいておるわけでございます。
○清水澄子君 総理にお伺いいたします。 今いろいろ非常に不明確な御答弁なんですけれども、それはそれといたしまして、いずれにしても防衛関係費に含む含まないということに関係なく、これは明らかに防衛施設庁の予算に入るということは変わりはないことだ、今までの予算編成の理念なり今までのあり方からいえばそうであると思います。 しかも、国民からはこれは当然防衛関係費とみなされると思うわけですが、こういう巨額な金額が、今後五年ないし七年間この海上施設の建造費というものが予想されているわけで、それは非常に財政の支出増になると思うわけです。そういう場合に、いわゆる防衛費のGNP比一%枠との関係がどういう関係になっていくのか、それについて総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、ちょっと順番をひっくり返させていただいて恐縮ですけれども、防衛関係費のいわゆる対GNP比一%枠というのは、昭和六十一年十二月の閣議決定によりこれを適用しないこととされ、その後これにかわる新たな指針として、中期防に定める所要経費の枠内で各年度の防衛関係費を決定するとともに節度ある防衛力の整備を行う、そうした方向が定められ、その精神を引き続き尊重するというのが今日の姿勢であります。 その上で、私、ちょっと今の議論を聞いておりまして、この予算がどこに入るかとかいうことよりも、沖縄で基地を返して、そして普天間というものの住民から今さまざまな心配をいただいているものを解消するためにかかる経費であれば、どんな工夫をしてでもこれを予算化したい、そして基地を減らしたい、私はそう思ってまいりました。 そして、先ほど来防衛庁長官もまた大蔵大臣も御答弁申し上げておりますように、平成九年度の概算要求の閣議了解におきまして、予算編成の過程で十分に検討するということにいたしており、当然のことながら具体的な内容を検討していきます場合に、防衛関係費との関係も含めて議論をしていくものになると思います。 しかし、いずれにしても私は、十二月三日の閣議決定の趣旨を踏まえて、経費面を含めて政府全体として沖縄県に対する我々の努力というものを実現していくために全力を尽くすべきであると思っております。
○清水澄子君 私も基地を縮小しなければいけないということでは全く同じですし、そして努力をされていらっしゃるその部分も認識をしております。しかし、その結果がどう日本国内の財政に反映するのかというところもまた非常に重要な問題だと思います。 そして総理は、午前中の私どもの同僚議員が特別減税を続けるべきだという質問に対しましても、それは赤字公債をふやさざるを得なくなる、財政事情が一層悪化するという点でそれは非常に難しいというお答えをしておられました。それは私も、またそれも事実というんですか、今の財政状況というのは非常に厳しいという、このことはまさに事実だと思います。それだからこそ質問をしているわけです。 今度、代替ヘリポートの建造のためには、これは縮小という形でこういう案が出てきた。それはやはり非常に巨額な費用負担が伴うという意味で財政上非常に大きな財政を圧迫するという、そういう問題が起きてくると思います。 その場合に、その建造費を国債発行や社会保障とか福祉予算の削減に求められては私はいけないと思うわけです。ですから、あくまでこの費用は防衛関係費の枠内にとどめて、その中で対応すべきであるということを私はここで主張したいと思いますが、総理の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今までにもよく、沖縄県の長年にわたる、また県民の長年にわたる苦しみというものは本土の住民が等しく分かち合うべきものということを申し上げてまいりました。 今お答えを申し上げましたように、この代替ヘリポートの建設を含め、SACOの関連経費の取り扱いにつきましては、これから始まる平成九年度の予算編成の過程において十分検討するということになっておりますし、それは政府部内だけではなく、恐らく私は連立与党の中におきましてもさまざまな御議論がなされるであろうと考えております。 ただ、いずれにいたしましても、政府としては、この米軍施設・区域の集中によって沖縄県民の肩にかかってまいりました非常に大きな負担というものを、日米安全保障条約の目的達成との調和を図りながらいかに進めていくかという考え方の中で、可能な限りその負担を軽減したいという中からこのSACOの報告というものをまとめてまいりました。これを実行に移していく責任は我々にあるわけでありまして、そのほかにも官房長官の私的懇談会としてつくりました、そこから島田座長が打ち出しておられるような基地所在市町村に対する対策といったものをも我々はきちんと実行に移していかねばなりません。むしろ私は国会の御協力をぜひこうした点で得たいものと考えております。
○清水澄子君 防衛関係費の中に入るか入らないかまだ決まっていないという、そういう態度を示されましたけれども、それは大体は決まっていらっしゃるんじゃないかなと思います、私どもはそれはいけないと思っているわけですが。 私はここで防衛庁長官にももう一度お伺いいたしますけれども、もしこれを防衛関係費と別枠にした場合には新たな疑問が出てくると思うんですね。この新中期防の中にはっきりと「在日米軍駐留支援及び沖縄の施設・区域の整理・統合・縮小を含む在日米軍の駐留を円滑かつ効果的にするための施策を推進する。」という項目が入っていますね。ですから、それとの食い違いをどう説明なさるのか。
○国務大臣(久間章生君) 確かに御指摘のような項目は入っております。 しかしながら、この中期防を村山内閣がまとめられましたときのその中には、積算の金額の中には、以前の移設、通常行われておった移設を前提として入っておるわけでございまして、今度のいわゆるSACOみたいな大きいものを想定して入っていないということで、そこで私どもははっきり言いまして村山内閣がまとめられましたあの中期防を実施しなければならない立場には置かれておるわけでございます。 しかしながら、その中ではそういうことは前提としては入っていなかったわけでございます。そして、これから先、じゃ予算編成の今度の過程においてその問題をどうしていこうかということで、これからいよいよその問題についても詰めていかなければならないんじゃないか、そういうふうに認識しているわけでございます。決してうやむやにしようというわけではございません。
○清水澄子君 大蔵大臣、この基地移転費用とか施設の費用を防衛関係費と別枠にされれば、これまでの予算編成との整合性といいますか基本方針がここで失われると思いますが、全然そういうことはありませんでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) 先ほども橋本総理から話がありましたとおり、全国民そして政府全体として、基地縮小、今後の大きな目標に向かって取り組むという象徴的な一つの仕事になるんだろうと、こう理解をするわけです。 ですから、従前のパターンはパターンとしつつも、前段も申し上げました与党三党は中期防に従い、それでさらにただいまの視点も加えましてどうするのかと、こういうことであるわけでありますから、委員におかせられましては、この臨時国会が終わる直後から三党において真剣な論議が交わされることでありますので、ひとつ見守っていただければと思っております。
○清水澄子君 これがもし別枠ということになれば、表向きの防衛関係費目から外れて技術的な操作が行われるかもしれません。しかし、あくまでも海上ヘリポートというのは米軍の海兵隊の海上軍事基地になるわけですから、アジア近隣諸国の日本に対する警戒心は弱まるというよりも強まるんじゃないかと私は思いますが、その点は総理どうお考えになっていますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、そのヘリポートの移設というものが近隣諸国に与える影響というのは、防衛費の中にその予算があるかないか、予算編成の上においてどこに位置づけられるかとはかかわりなく、日本政府自身がその目的とそして将来の方向性といったものを踏まえながらきちんとした説明を行っていく努力の必要があるものだと思います。もっと正確に申しますなら、これは日本政府だけではなくアメリカ政府も同様でありましょう。 むしろ、これは日米安全保障共同宣言等についても言えることでありますけれども、口頭で説明をしてもなかなか御理解のいただけないものというのは現実に周辺諸国に存在をいたします。そしてこれは、例えばその指針をつくってまいりますプロセスを透明化しながら事実をもって証明する以外にその気持ちというものを完全に払拭する方法はございません。 そして、先般マニラで行いました日中首脳会談の際にも、説明はしつつも、その指針についての不安がこの説明だけで払拭できると、私はそうは思っていません、そしてむしろこれからの作業を透明化し積み重ねていく中でその疑心を解きたいと思うということを申し上げてまいりました。 私は、本問題も、予算が防衛費のといいますか、中期防の中にあるか外にあるかそれが問題なのではなく、むしろその必要性というものをいかに説明し納得を得るかという外交上の努力にかかると思います。
○清水澄子君 総理、これは予算の中期防なりあるいは防衛施設庁予算の外にあるか内にあるかが問題じゃないとおっしゃるけれども、これは大変な問題だと私は思いますが、この部分はいずれまた質問をさせていただきます。 そこで、大蔵大臣、SACO関連経費の予算化は、いずれにしましても、今後日本の防衛関係予算を増大させるということが予測をされるわけですが、これまで日本の安全保障政策の柱の中で非常に重大な柱というのは外務省のODA予算があったと思います。そして、このODA予算は日本の外交政策の上で大きな役割を果たしてまいりました。特に社会開発関係のODA予算は、途上国への自立支援で非常にこれは評価を受けていると思うわけです。 ところが、平成九年度、来年度のODAの概算要求を見ますと、その伸び率は防衛関係費の二・八八%を下回っております。二・六%に抑えられているわけですが、私はこれでは日本の外交政策の姿勢が問われると思いますし、その信頼を損ないかねないと思います。 ですから、大蔵大臣、新年度のODA予算の伸び率が絶対にこの防衛費の伸び率を下回らないようなそういう政策的な配慮をされることを私はお願いしたいと思いますが、大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(三塚博君) 話は承りますが、前段も申し上げましたとおり、聖域を設けない、歳出にこの際切り込む、その心は後世に現代の借金の先送りをしない、その決意が実は経済構造改革にも影響を及ぼすものと信じております。 よって、量より質ということで、委員御指摘の分野、何となくわからぬわけではございません。そういうことの中で、国会の論議を踏まえて、平和国家の国是を踏まえて、環境国家の国是を踏まえて、そんなことで取り組ませていただきます。
○清水澄子君 聖域を設けないというのはいいんですけれども、やはり必要なところには重点を置かなきゃいけないと思いますし、ODA予算というのは、日本がこの外交方針の中でそういう各国に経済的な支援をしていくと、私はただお金をまけばいいと思いません。今までのODAのあり方は私は再検討しなきゃならぬものがいっぱいあると思いますけれども、これは外交の上で象徴的なイメージにもなりますので、私はどうしてもその点は非常に重視をしていただかないといけないと思います。 もう一度お願いいたします。
○国務大臣(三塚博君) 編成前でもございますし、言わんとされている御趣旨は了解しつつも、量より質へと、こういうことで対応させてください。
○清水澄子君 次に、法務省にお伺いしたいと思います。 東京の小平市において、小平警察署が小平市に在住します外国人全員の外国人登録原票を閲覧していた事件がございます。市が全員の外国へ登録原票を閲覧させたことというのは、これは法務省が定めた外国人登録事務取扱要領や指示に反するものだと考えますが、法務省はこれをどのように受けとめていらっしゃるか、また法務省のこの問題に対する見解というのはどういうものか、ぜひ大臣お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(松浦功君) ただいま御指摘の小平の事件でございますが、法務省の方針には沿っておらない。したがって、法務省として東京都を通じまして小平市の方へ、注意深くこの問題を取り扱わなきゃいかぬぞという指示を具体的にいたしております。 事実関係につきましては、政府委員から答弁させます。
○政府委員(伊集院明夫君) 事実関係について補足いたします。 小平市からの報告によりますと、小平市は登録原票自体を閲覧させたものではございませんで、居住地の変更に伴う登録原票送付請求書及び回送付書を閲覧させたものであるということでございます。
○清水澄子君 その事実関係はちょっと違っておりますね。九月十七日に警視庁小平警察署長の名において全員の閲覧をしたいということが文書で行っていますから、その事実は違っていると思います。 次に、国家公安委員長にお伺いをします。 小平警察署が本当に事件を捜査するならば、どういう事件を捜査するかということとか、被疑者といいますかその個人を特定して外国人登録原票を閲覧するというのが原則ですけれども、そのいずれも特定もせずにこういうことが行われたということは非常に重大な人権侵害だと思います。 国家公安委員長は、小平警察署が行ったこの外国人全員を被疑者扱いにする行為につきましてどのようにお考えになりますか。そしてまた、関係部署に対してこのような重大な人権侵害行為が起きないように防止のための指導をぜひ約束していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。
○国務大臣(白川勝彦君) 今話題になっているような照会は、刑事訴訟法百九十七条の規定に基づいて適法かつ適正に本来できるわけでございます。ただ、登録原票というようなものにつきましては、プライバシーその他に大変関係のある問題でございますので、捜査上必要かつ具体的な範囲において行われるべきものであり、本件におきましても実際はそのようになされ、かつ原票ではなくて登録原票送付請求書を閲覧させていただいたと、こういうふうに聞いております。 いずれにいたしましても、このようなことをきちんと守るように指導を徹底してまいりたい、こう思っております。
○清水澄子君 先ほども申し上げましたけれども、この署長からの文書は、貴市内に外国人登録を有する者の外国人登録原票を閲覧したいので御配慮願いたいということで、はっきり特定はしていないんです。ですから、それは今まで十五年間そういうことは慣例として行われてきたという一のが市の行政関係の人たちの話でございますから、やはりそれは現場の声を参考にされる、それを私は重視されるということが大事だと思います。 そこで、もう一度国家公安委員長にお伺いしたいんですが、今、政府は内閣に橋本総理を本部長にしまして関係各省庁が人権教育のための国連十年推進本部を設置しておられると思います。そして、先ごろ人権教育のための国連十年に関する国内行動計画の中間まとめを報告されました。その中には、人権にかかわりの深い特定の職業に従事している者に対して人権教育の強化が必要であるということが強調をされています。 ですから、そういう意味でも小平市の事例に見られるような特定の司法警察官、こういう人たちの人権意識をどう改めていくか、高めていくかということがとても重要なわけですが、このことについてどういうふうに人権教育を進めていくかというお考えをぜひひとつお示しください。
○国務大臣(白川勝彦君) 昭和二十九年に国家公安委員会制度ができまして、私が五十代目の委員長だそうであります。この間、弁護士が何人なったかと思ったら、私で二人目だそうであります。橋本総理がそういうところを加味したんだとしたならば、普通、弁護士は警察官と刑事事件等においては激しく対立するときもあるわけでございますが、たまたま弁護士の私が国家公安委員長になったという中で、私はそれなりの役割を果たさなきゃならぬと、こう思っております。 以上申し上げたようなことを含めて、警察庁も十カ年行動計画の中で真剣に取り組んでおりまして、「警察職員の信条」という中の二つ目に「警察職員は、人権を尊重し、公正かつ親切に職務を執行する。」と、こういうようなものを改めて制定いたしまして、その人権思想の徹底を図っているところであります。 いずれにいたしましても、私は、現在日本の治安情勢というのは非常に正念場だと思っております。警察官だけでなくて、日本の治安は一番いいというのがみんなの誇りだったわけですが、凶悪かつ異常な事件の発生のためにこの治安への信頼がちょっと今揺らぎ始めている、陰りが出ている、ですから警察当局に努力をしてもらいたいと。そのために、必要があれば行政改革のときでもある程度の努力はするけれども、しかし一番強い警察力をつくるためには、国民が警察を信頼してくれるという関係がなければ強い警察力はできないんだということを、それこそ機会あるごとに言っておりますし、頑張る決意でございます。
○清水澄子君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で清水澄子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、有働正治君の質疑を行います。有働正治君。
○有働正治君 本日は財政再建の問題、とりわけ国民本位の財政再建を図る、また消費税増税を許さない、こういう立場からむだや浪費にメスを入れるということが求められているわけでありますが、私は公共事業問題について質問したいと思います。 総理は、所信表明演説の中で財政構造の改革ということを強調されたわけであります。財政が深刻な危機の状況にあることは議論の中でも明らかになっているところであります。総理が財政構造改革ということを強調されるのでありますれば、私はまず何よりも、巨額の公共投資の中の浪費、こういう問題についてもメスを入れていく、こういうことは避けて通れない課題だと考えるわけでありますが、総理の見解をお尋ねします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 二十一世紀に向かって、国民が経済力に見合った豊かさを実感できる社会をつくろうといたしました場合に、なお我が国は着実な社会資本の整備を必要とする、こうした点は私は否定をすべきものではないと思います。 他方、この厳しい財政事情の中で、公共事業費といえどもこれは財政構造改革の枠外ではあり得ませんし、ましてや委員が言われるような浪費といったもの、そのようなものを許しているような余裕のあるものではございません。特に効率的な投資が求められるわけでありますし、国民生活の質の向上に直結する分野、あるいは次世代の発展基盤など経済構造改革に資する分野への配分の重点化、あるいは建設コストの低減などの効率化に努めたいと考えております。
○有働正治君 もっと明確な答弁を期待したのでありますが……。 ところで、政府は昨年度から十カ年による六百三十兆円という膨大な公共投資基本計画を進められているわけであります。 そこで、総理にお尋ねするわけでありますが、この六百三十兆円という数字、これはどういう論拠によるのか、根拠を示していただきたい。それぞれの分野の積み立てなりそれなりの積み上げなり、そういう数字の論拠があるのかどうか、責任者としての総理の見解を求めます。
○政府委員(坂本導聰君) お答えいたします。 公共投資基本計画につきましては、今御指摘のように、基本的枠としては計画期間中六百兆円、それから弾力枠三十兆円でございますが、これは前回の計画四百兆円に対しまして、その後の推移等を考えましてこの程度今の時代に社会資本整備をする必要があるという考え方から、個別計画等を勘案しつつ確定したものでございます。
○有働正治君 基本枠ということであって、数字の具体的な根拠というのは言えないじゃないですか。総理どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 何となく経済企画庁の事務方の補足を私がするような感じもいたします。 公共投資基本計画は、局長の方からも今答弁をいたしましたように、社会資本が二十一世紀初頭に全体としておおむね整備される、こうしたことを目標にして、その整備を着実に図っていく場合の指針として定めたという性格のものでありまして、当然のことながらこの計画の具体的な実施というものは、その財政の健全性を維持しながら、各時点での経済、財政状態を踏まえて機動的、弾力的に対処するものであります。 同時に、各省の個別事業ごとの具体的な姿、これは、この計画すなわち公共投資基本計画というものの考え方を踏まえた上で、国民生活の質の向上につながる分野あるいは次世代の発展の基盤になる分野への投資の重点化を図りながら年度ごとの予算において示されるものであります。
○有働正治君 説明を聞いても、この公共投資基本計画の六百三十兆円の論拠を示されていないということがはっきりしたのではないかと私は思うわけであります。具体的には裏づけが示されていないわけであります。 私はここに、野村総研の研究報告一九九五年一月号、「公共投資基本計画がわが国経済へ及ぼす影響について」というのを持ってまいりました。この研究報告は政府の計画を経済成長への影響、財政への影響等々から分析したレポートでございます。 それによりますと、具体的に指摘している問題点として、具体的な目標というのは下水道、都市公園、廃棄物処理、住宅だけにとどまり、つまりほかの分野で具体性がない、せめてここはそれなりに示されているだけだ、こういう指摘であります。そして、財源についても「一般論に終始するなど、具体性に欠けるものとなっている。」、「財政面からは、生産年齢人口が減少に転じ、今後の十年間に五%程度の成長率を維持することは困難であることを考慮すれば、その規模は過大である」、大き過ぎる、こういう指摘を専門家としてやっているわけであります。 この指摘について、総理、どのようにお受け取りになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその野村総研のリポートというものを実は読んでおりませんので、詳細についてこれを論評することはできません。 ただ、同時に、我が国の将来を考えましたときに、質の豊かな国民生活を享受したい、そう考えられる国民の目標というものを考えながら、一方で、例えば総合交通体系という視点から我が国土を見直し、あるいは世界的なハブ空港の整備という状況の中で我が国の航空路がローカルライン化しないような空港整備、これは港湾でも同じことでありますけれども、というような目標をかざし、おおむね総額六百兆程度、そして弾力枠として新たな行政需要等に対応するものとしての三十兆の枠をとった、その構想そのものは私は必ずしも批判さるべきものではない。むしろそれを土台として、それぞれの分野においてどれだけの仕事を重点的に、また将来につなげるような形で仕上げるかが大切なことではなかろうか、私はそのように思います。
○有働正治君 私は、計画の内容を見てもこの野村総研の指摘は当たっていると思います。総理はこれについて正面から答えられない、是とするだけという態度であるというのは、この計画そのものにさまざまな問題があると私は言わざるを得ないわけであります。 六百三十兆円の論拠がない中でこの計画を進めていくとどういうことになるか。無理やりそれをこなしていくとそういうことにならざるを得ないわけであります。そういう点で、私どもは内容上見直すべき問題点が多々あるということを痛感しているわけであります。 具体的に挙げたいと思うのであります。公共事業にいかに浪費が多いか、港湾建設、港を例に実態を示したいと思うのでありますが、まず運輸大臣にお尋ねします。 福井県の福井港、一九七一年に国際港湾として位置づけられていると思います。また、重要港湾に指定されているはずでありますが、間違いございませんか。
○国務大臣(古賀誠君) そのように承知いたしております。
○有働正治君 福井港は一九七三年に工事着工をされているわけでありますが、これまでの投資額、国、自治体、既済分それぞれ幾らで、合計して国、県はどうなのか、トータルで幾らなのか示していただきたい。
○政府委員(木本英明君) 福井港の整備にかかわる事業費につきましては、昭和四十七年度からいわゆる工業港としての開発が始まっておりまして、平成七年度までに約四百八十四億円の投資を行っております。二十四年間の投資額でございますが、内訳といたしましては、国の負担が二百三十六億円、県の負担が既済事業を含めまして二百四十八億円となっております。
○有働正治君 九一年から九五年までの外国船舶、これの入港実績はどうなっていますか。
○政府委員(木本英明君) 福井港の利用状況でございますが、現在、外航船、内航船を含めまして九百二十七隻の入港があります、百総トン以上でございます。そのうち外航船につきましては、一九九一年は五隻、九二年が八隻、九三年が十六隻、九四年が二十六隻、九五年三十隻というふうに少しずつ増加してきておる状況でございます。
○有働正治君 少しずつ増加しているといっても、たかだか年間二、三十隻、月に平均いたしますと二隻から一二隻と、こういう状況であります。 先ほどの答弁で四百八十億円を超える国民の税金を使っている、こういうことで、国際港湾と言いながら税関もないわけであります。整備もそういう状況であります。機能する状況になっていない。 実際にだれが一番港を利用しているかというのを運輸大臣は御存じでありましょうか。釣り人なんです、釣り人。地元では当初百億円かける予定でありました。そこで、百億円の釣り堀とやゆされていたわけであります。実際は四百八十億円かかったわけで、四百八十億の釣り堀と、こう言われているわけであります。 私どもが撮ってきました写真がここにございます。(写真を示す)いるのは釣り客だけであります。こういう実態、運輸大臣はどうお考えでございますか。
○国務大臣(古賀誠君) 委員御承知のとおり、この福井港は工業港として実は昭和四十七年度から開発整備が始まったわけでございます。ただ、社会経済状況の変化の中で、御承知のとおり、利用度がなかなか期待どおりに増加していないということは私も承知いたしております。そういう中で、平成四年から新しく岸壁整備等の整備を見合わせておりまして、さらに適切な執行に努めているところでございます。 そういう意味では、その写真は土曜日か日曜日だったか私もよく承知いたしておりませんけれども、今後もこの利用の促進には港湾管理者とともに運輸省としてもしっかり支援をしていきたいと考えているところでございまして、先生の御指摘は私は当たらないのではないかと、そう考えております。
○有働正治君 筆坂委員の関連質問をお願いします。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。筆坂秀世君。
○筆坂秀世君 今、福井港の例が出されましたけれども、私は次に北海道網走市にある能取漁港についてお伺いしたいと思うんです。 これは国の直轄事業として行われたものですけれども、農水省に伺いますが、能取漁港整備への投資額というのは幾らになっておりますか。
○政府委員(嶌田道夫君) 能取漁港は、同漁港の整備計画を策定いたしました昭和四十五年当時、地域の漁船が利用していた網走港が狭い、漁船の大型化、外来船の増加、荒天時の避難に十分対応できなかったということから、網走港に近接する能取湖内に新漁港を建設することとしたものでございます。 能取漁港の整備事業は、閉鎖湖でありました能取湖の開口事業及び湖内の三地区の漁港整備事業につきまして、第四次漁港整備計画、四十五年度に着手しておりますが、第四次漁港整備計画から第八次漁港整備計画にわたりまして、総事業費は約二百十億円となっております。
○筆坂秀世君 このうち、能取漁港、二見ケ岡地区というのがありますけれども、ここへの漁船の入港実績というのはどうなっていますか。
○政府委員(嶌田道夫君) 能取漁港の整備は、今申しましたように二見ケ岡地区のほかに三地区、計四地区について行われたものでございます。 そのうち二見ケ岡地区につきましては、網走港の大型船の移転先として建設されたものでございまして、昭和六十年には二十八隻、八千六百トンの陸揚げがございましたが、北洋水域からの我が国漁船の撤退による影響、減船でございますが、影響を受けまして漸次減少しております。平成三年には十五隻、平成四年には十三隻となっておりまして、平成六年には二隻というふうになっております。
○筆坂秀世君 二百億円がすべて二見ケ岡地区に入ったわけじゃありません。二見ケ岡地区には六十五億八千百万、そしてこれは湖ですから口をあけるために百十億六千六百万円、これに関連するものとして大体百七十六億円程度かかっているわけです。しかし、今入っている漁船、年間二隻ですよ。 私、実際に行ってきたんです。ここまで行ってきました。同じような写真を示して恐縮ですけれども、これは能取漁港なんですよ。(写真を示す)(「休みの日じゃないんだろうね」と呼ぶ者あり)休みの日じゃないんです。私は平日に行ったんです。これはもう農水省さんが一番よく御存じです。全く使われておりません。全く使われていない。 そして、そこに本来なら荷さばき所、水揚げをして競りをするところ、これをつくる予定でした。ちゃんと荷さばき所もできているんです。これ二億五千万円かかっているんです。茶色になっているのは全部さびちゃったんです。後ろにいろんな誘致する予定はもうほとんど入っていないという状況であります。 つまり、百七十六億円かけて、あるいは二億五千万円かけて荷さばき所もつくったけれども、これはもう全く使われていないということであります。これは港湾の一つの例であります。 続けて農水省に伺いますけれども、農道離着陸場、いわゆる農道空港というふうに言われていますが、今全国で四カ所が供用されております。そして、あと五カ所が今年度もしくは来年度に完成するということになっておりますけれども、農水省、それぞれの空港名と総事業費について明らかにしてください。
○政府委員(野中和雄君) 農道離着陸場でございますが、これは一般の飛行場に遠い農用地域におきまして、生鮮食料品等の輸送あるいは農作業の航空機利用というようなことに対応いたしまして、農道を活用いたしましてセスナ機などの航空機の発着を可能とする農道離着陸場を整備することによりまして農業の生産性の向上と地域の活性化を図るということでございまして、昭和六十三年度に創設をされまして、同年と平成二年に合計九地区の採択を行いました。 地区名ということでございますが、このうち完了いたしました地区は、岡山県笠岡地区、大分県豊肥地区、北海道十勝西部地区、岐阜県飛騨地区の四地区でございます。 それから、実施中でございますが、北海道の北後志地区、中空知地区、同じ北海道でございますが北見地区、福島県福島飯坂地区、島根県飯石地区の五地区でございますけれども、これら実施中の地区につきましては一地区を除きまして八年度中に完了をさせることといたしております。 事業費についてお尋ねでございますが、各地区の地形条件、気象条件、環境状況等によりまして立地条件が異なりますが、一地区当たりの事業費で申しますと五億円程度から三十億円程度ということでございまして、平均をいたしますと一地区十四億円ということでございます。 なお、この事業につきましては、今後新たな採択をする予定地区はございません。
○筆坂秀世君 供用している四港、そして今後できる五つの空港合わせて総額で百十九億円が投じられております。今、この後新たにつくる予定はないというふうにおっしゃいましたけれども、これは私は当然だと思うんです。 既に運行されている四空港について利用実績がどういうことになっているか。十勝西部、当初計画では空輸で四百三十トン運ぶ予定だった。それが三トンです。実績率〇・七%。飛騨は計画では四百二十五トンだったのが実績四トン、実績率は〇・九%。笠岡は四百五十四トンに対して五トン、一%。豊肥は計画五百六トン、実績十トンで二%。実績です。これは間違いございませんか。
○政府委員(野中和雄君) 農道空港の完了地区の輸送量等でございますけれども、これらは供用開始後まだ間もないということもございますし、また、予定をいたしておりました航空機が当初予定よりもかなり小さくなったというようなこともございまして、御指摘のように、必ずしも輸送計画量に達していない状況でございます。 完了四地区の輸送量等でございますが、先生のお話しのと若干数字の細かい点は違いますけれども、おおむねで見ますと、御指摘のとおり、輸送量で見ますと計画に対しまして一、二%程度、飛行回数で見ると九%から三八%というような状況でございます。 ただ、率で見るとこういうふうに低いわけでございますけれども、これらの地区につきましても、それぞれコネギとか花とかホウレンソウとか、こういうものがブランド化が図られて地域の農業に新たな展開がされているというようなところもあるわけでございまして、今後各地区ごとに、このフライト農産物の産地形成の育成、あるいは周年生産出荷体制の育成、あるいは空中防除、帰り便の有効活用、その他空き時間を利用したスカイスポーツ等の利用等々につきまして、利用率の向上を図るように現在具体的な計画を各地区で立てているところでございまして、そういうふうに推進をしてまいりたいと考えております。
○筆坂秀世君 これはそういうふうに推進といったって絶対無理で、そもそもセスナ208型というのを使う予定だった。これは大体一トンから二トン積める。ところが、そんな飛行機はなくなっちゃったんですよ、バブル崩壊で。今セスナ172しかないんです。百キロから二百キロしか積めないんです。ですから、大半はトラック輸送に頼っているというのが実態なんですよ。先日NHKでもやっていましたよ。飛行機よりも先にトラックの方が着いちゃったというんです。こんなことをやっているんですから。 私はこういう一例を挙げましたけれども、何でこんなことになるのかということで農水省にお聞きしますが、ここに九一年度版の農水省構造改善局設計課監修の「全国農業土木技術者名簿」というのがあります。これを見ますと、農水省のいわゆる技官がどれだけゼネコンに天下っているかというのがよくわかります。 農水省から、青木建設、大林組、鹿島、熊谷組、五洋建設、清水建設、住友建設、大成建設、飛島建設、間組、この十社にこの九一年度版当時何人天下りしていましたか。
○政府委員(野中和雄君) 御指摘の平成三年度版の「全国農業土木技術者名簿」の記載によりますと、御指摘の会社、青木建設、大林組、鹿島建設、熊谷組、五洋建設、清水建設等々でございますけれども、合計で八十三名でございます。 これらの職員は、いずれにいたしましても国家公務員法に基づきます所定の承認等を経て就職をしているものでございます。
○筆坂秀世君 私はきょう資料をお配りしておりますけれども、私がここから抜き書きしたものでは合計で百二人になります。八十数人でも百人でもそんなには変わらないでしょうけれども、ともかく十社でこれだけの天下りです。これは別にただ十社とっただけなんです。これ全部載っています。天下っていないゼネコンなんというのはほとんど一つもありません。しかも、全部農業土木技術者なんです、技官なんです。 資料を見ていただきたいと思うんです。就職したところの仕事を見ると、例えば青木建設で言いますと、常務取締役、顧問、営業部長、営業部長、営業部長、支店次長、土木部次長、副支店長、営業次長、営業所次長等々です。九割以上が営業部門に天下っているんです。 何で技官が営業部門なんだろうか。技術者として農業土木を伝えるために行ったというならまだわかります。しかし、全部営業部門。これは農水省の予算を受注しやすくする、そのために技官がゼネコンに大量に天下りしている、こういうふうに私は思わざるを得ないと思うんです。農水大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(藤本孝雄君) 職員の再就職につきましては、国家公務員法に基づきまして適切に対応をいたしております。 なお、この問題につきましては、行政に対する国民の信頼確保の観点にも配慮をしながら、公務員のライフサイクル全般にわたる制度、運用の問題として適切な解決策を見出すべき課題であると考えております。
○委員長(大河原太一郎君) 時間ですよ、筆坂さん。
○筆坂秀世君 私、座ってからゼロになりましたよ。今ゼロになったんだから。
○委員長(大河原太一郎君) あと一問だけ許します。
○筆坂秀世君 では、総理に御見解をお伺いしたいと思います、こういう実態をお聞きになって。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、公務員の再就職というものについていろいろな思いをいたしております。今御指摘になりましたような実態、幾ら何でも度が過ぎているという思いももちろんいたします。ただ、同時に私は、公務員制度全体の中で、そのライフサイクルが余りに短く、第二の人生を求めなければならないという今の状況も我々は考えるべき部分の一つだと思います。 しかし、問題としては、官庁の人間が再就職をすることによって行政がゆがめられることがあってはならないという点が一番の基本であり、この点は厳正でなければなりません。そして、規制緩和とか行政のルールの透明化といったことを進めていけば、そういう意味では私は民間企業側の受け入れの必要性、すなわち官とのつながりをつけるという意味での必要性をなくしていくということも一面我々は考えていくべきことだと思います。 そして、そういう意味では、その場合でありましても、その能力あるいは人材、いろいろな意味で買われる、請われて第二の人生を歩むケースはあり得ると思いますけれども、その場合に行政と企業との間のファイアウォールというものをいかに構築しておくかということも非常に大事なことでないかと思います。 殊に、アメリカのSECなどを調べましたときに、本当にきのうまでSECで仕事をしていた人がぽんと民間に出ていく、しかしそこはファイアウォールを非常にしっかりとして厳正な規律管理をしている。こうしたものも考えなければならないと思いますが、いずれにしても今拝見をしておりまして少々度が過ぎると感じたことは事実であります。
○筆坂秀世君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で有働正治君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、川橋幸子君の質疑を行います。…川橋幸子君。
○川橋幸子君 朝からでお疲れかと思いますが、短い時間ですけれども、五分間質問させていただきます。 初めに、小谷村の土石流災害について伺いたいと思います。 亡くなられた方、行方不明の方々、そしてその御家族の方々には心からお見舞い申し上げたいと思いますし、現在救出作業中の方々の御苦労にも心から御慰労申し上げたいと思います。 さて、この件につきましては人災か天災かというお話があるわけでございますが、私はもう一点、働く人々の安全確保が十分であるかどうかという、そういう体制の問題があろうかと思います。 そこで、労働省にお聞きしたいと思いますが、当該工事現場におきまして非常に難工事、危険工事であることが予想されておったわけでございますが、どのような対策をとっておられたのか。そしてまた、今二次災害が起こらないような形で救助作業が行われているわけでございますけれども、現在どのようにこういう問題に対応しておられるのか、労働省にお伺いします。
○国務大臣(岡野裕君) 労働省の御経験が随分長い川橋先生でございますので、簡明にお答えをいたします。 この地域は地盤が非常に脆弱でございます。それからフォッサマグナ、これが通っておりまして、下部構造の方が複雑をきわめております。したがいまして、私どもといたしましては、こういった災害が起こることがないようにというようなことで、昨年九月以来、私どもの出先機関が中心になりまして、関係の各省庁の出先機関、特に発注元等々とタイアップをいたしまして、安全対策、そのための実施要領、それの周知、会議の開催あるいは大会等々を設けてやってまいったところでありますが、今回こういうような死者、行方不明者が出るという事故になりましてまことに残念至極と、こう思いますと同時に、真剣にこの事態を受けとめさせていただいているところでございます。
○川橋幸子君 ありがとうございます。 そういたしますと、労働省は発注官庁や業者に対して大変適切な指導を行ってきたけれどもなおざりにされてきたと、こんな状況というふうに受けとめられるわけでございましょうか。
○政府委員(伊藤庄平君) ただいま大臣から申し上げましたとおり、私どもは、かねてこの地域の特殊性に配慮いたしまして、発注元の方とも連携して安全対策について進めてまいったわけでございます。そういった状況でございまして、幸い、昨年七月の集中豪雨の復旧工事、その後、私どもが懸念をしておりました土砂崩壊等による事故はなくて、そういった観点からも関係者の皆さん方に理解や協力をいただいて、いろんな配慮をしていただきながら安全に配慮した工事が進められてきていたものと理解しております。 ただ、今回そのような状況の中でこういった災害が起きましたので、こういった点につきましては深刻に受けとめて、今懸命に進められております救出救助対策、これの進展、終了を待ちまして、そういった原因の究明を行いまして再発の防止に結びつけていきたいと、こういうふうに考えております。
○川橋幸子君 なお御努力いただきたいと思います。 私は民主党・新緑風会に属しておりますけれども、民主党の場合は菅代表以下何人かが視察といいますか調査に上がっておりますし、新緑風会の場合は民改連の笹野議員が現地入りしてつぶさに話を聞いてきたところでございます。 そこで、建設工事の危険防止、安全対策というのは大変難しいことは私も漏れ承っております。発注者がいて、元請がいて、下請がいて、孫請がいて、非常に重層的なものでございます。民間企業でも難しいわけでございますが、そこで公共事業における安全対策の重要性というものが問われるのではないかと思います。率先垂範しまして、事業主体が異なる場合、特に縦割りの官庁にまたがる場合、それから国と地方公共団体にまたがる場合の安全対策の連携のあり方というものが大事ではないかと思います。この部分は、縦割り行政の弊害をなくすという意味からいえば行革にも相通ずることがあるかと思いますが、総理に御所見を伺いたいと思います。官邸のリーダーシップを発揮していただけないでしょうか。
○国務大臣(岡野裕君) こういった労働安全を期するのには労働省だけではできません。関係の省庁と相提携し合い、知恵を出し合いながら徹底を期するということだと、こう思っております。 今般の事故に先立つ私どものそういった安全対策につきましても、建設省あるいは林野庁、あるいは長野県、新潟県、あるいは地元の小谷村等々、そういう皆様が集まっていただいて安全対策をつくり、それぞれの機関を通じまして、労働省ももとよりでありますけれども、元請、その下請、そのまた孫請というようなものに徹底するべく努力をしてまいったところでございます。 今、救出作業の真っ最中であります。したがいまして、この進展を見まして原因究明を徹底的に行い、よりしっかりした安全対策というものを講じまして、先生のお話しになられましたような、二度とこういう事故が出ないようなそういう対策を徹底してまいりたいと、こう思っておりますので、よろしくまたお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今その一連の、例えば大町労働基準監督署、本年の六月二十五日に出された情報、そして恐らくそれを受けた状況ででありましょう、七月三日、長野県北部梅雨前線豪雨災害復旧関連工事大北地区安全対策会議における内容、あるいは七月十五日、小谷地区災防協労働災害防止大会の内容、それぞれを見ますと、私は相当きめ細かくさまざまな注意はしてきていたなという感じがいたします。 しかし、それにもかかわらず、しかも想定される危険な雨量よりもはるかに少ない状況でこの事件は発生をいたしました。本当に残念でありますし、この後一日も早く残る数名の方の救出が行われなければならないと考えておりますが、けさほどから土石流の小規模な再度の発生によりまして作業が中断され、午後、下流域で一部の作業は再開されましたけれども、先刻また、夜間ということ、上流における増水といった状況の中で、今夜の作業を中断せざるを得ないという現地の判断が参りました。 こうした本当に不幸な事件を発生させてしまいました以上、一日も早く行方不明の方々の捜索をいたしますと同時に、二次災害の発生というものに我々は何よりも意を尽くしたいと思います。既に、姫川の所長が先刻倒れ、病院に収容されたということも先ほど本委員会に御報告をいたしました。現場で苦労している諸君の安全を願いながら、同時にその再発防止策というものに万全を尽くしてまいりたい、そう思っております。
○川橋幸子君 総理のリーダーシップでぜひいい解決を見ますようにお願いしたいと思います。 残された時間は、男女共同参画社会の実現につきましてお伺いさせていただきたいと思います。 総理の所信の中でも、男女共同参画社会の実現について新たな国内行動計画を策定するというふうに述べていただきましたが、この計画に対しまして女性たちは大変大きな期待を持っております。 去る七月三十日でございますが、民間の女性もあるいは男性も入っていらっしゃいます男女共同参画審議会から、二十一世紀のビジョンという形で答申が行われております。 まず、事務方の方にこのビジョンのポイントを御紹介いただけますでしょうか。
○政府委員(安藤昌弘君) お尋ねの国内行動計画につきましては、ただいま先生の御指摘にもございましたように、本年七月の男女共同参画審議会の答申「男女共同参画ビジョン」で提起された、新たな課題への対応を図るということで、年内にも策定すべく現在最終的な手続を進めておるところでございます。 したがいまして、大変恐縮でございますが、現時点でその具体的内容につきまして申し上げるのは差し控えさせていただきますようお願い申し上げる次第でございます。
○川橋幸子君 質問の趣旨は、審議会から出されたビジョンのポイントを御説明ください、御紹介くださいという意味です。
○政府委員(安藤昌弘君) ビジョンそのものは大変長うございますけれども、一応基本的な考え方、それから施策の基本的方向、具体的施策等につきまして、男女共同参画を推進する社会システムの構築の問題、それから職場・家庭・地域における男女共同参画の実現、女性の人権が推進・擁護される社会の形成、それから地球社会の平等・開発・平和への貢献等々、それぞれの項目につきまして審議会から答申をいただいたところでございます。
○川橋幸子君 それでは、明断なる本部長でいらっしゃいます総理の方に伺いたいと思います。 このビジョンを受けて具体的に取り組んでいただきたいと思いますが、本部長の姿勢をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、新たな国内行動計画につきまして、男女共同参画審議会の答申などを踏まえながら策定作業を急いでおります。策定後は、政府一体となりまして速やかにその施策の総合的かつ効果的な推進に一層努めてまいりたい。 非常に事務的な申し上げ方になりますけれども、まさに私はこの国内行動計画というものをどうまとめ上げるかが一番大切なことである、そのように考えており、現在その作業を進めているところでございます。
○川橋幸子君 このところ規制緩和に関連いたしまして、経済審議会からの報告、それから行革委規制緩和小委員会からの報告がございまして、いずれの報告も女子の時間外、休日、深夜業の規制を撤廃するということが提言されておるわけでございます。 この件に関しまして、撤廃する場合はむしろ男女共通の時間外労働の上限を設けるべきではないかという、こういう意見も強いのでございますが、この点につきまして労働大臣いかがでございましょうか。行政指導で行われている部分が多うございますが、むしろ法制化すべきではないかと私は思っております。
○国務大臣(岡野裕君) もう川橋先生にお話を申し上げるまでもありません。今の時間外労働の適正化、この指針といいますのは、本来ならば労使の自主的な交渉にゆだねるべき分野を目安というような意味合いで示しているものでございます。これの法制化ということになりますとこんな問題がございます。 個々の孤立した労働者は弱い。したがって、事業主の方からオーバーワークの時間外労働を命ぜられる。しかしながら、これではいけないということで労働組合がこれを取り上げまして、基準法三十六条の協定でありますとか、宿直の問題でありますならば宿直勤務の協定でありますとかというようなものを結んで、一人一人の孤立した労働者の労働力の再生に資するというようなことに相なっているわけであります。 したがいまして、これは団体交渉というようなものの自主性を尊重しなければいけませんものですから、これについては団体交渉の拒否をしてはならないという不当労働行為の担保規定があるのみであります。したがって、なるべく労使間で自由にこれをお決めいただくというのが趣旨ではないかなという意見があることは御存じのとおりであります。 というような意味合いではございますが、ちょうど関係審議会の方でこの問題を取り上げていただくべく、例えて言いますならば、裁量労働制でありますとか、あるいは契約期間が一年だというのはちょっともう時代おくれではないかとか、いろいろな問題がありますものですから、御意見を伺わせていただけないかというお願いをしてあります。それが七月ごろまでと思っておりますが、その御意見を伺いました上で労働省としてしかるべく対処をしてまいりたい、こう思っておる次第であります。
○川橋幸子君 時間が短いので、伺いたいことがたくさんあるのでございますけれども、検討してくださるということの結論で受けとめさせていただきます。 次は、男女雇用機会均等法の改正問題についてお尋ねさせていただきたいと思います。 これも公益委員の見解が出ておりますが、そのポイントを事務局の方で結構ですので御紹介ください。
○政府委員(太田芳枝君) お答えいたします。 均等法と労働基準法の女子保護規定の見直しにつきましては、婦人少年問題審議会婦人部会におきまして御審議をいただいております。去る十一月二十六日は、これまでの議論も踏まえまして、法的整備について公益委員の案が示されたところでございます。 この公益委員案におきましては、雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保を確固たるものとしたいということで、まず第一に募集、採用、配置、昇進に係る現在の努力義務規定を禁止規定とすること、それから企業名の公表などの新設とか、調停の一方申請を認めることなど、法の実効性の確保の措置を強化したいということ、そして女子労働者に係る時間外、休日労働、深夜業の規制を解消すること、さらに女性の能力の発揮の促進について、企業が自主的に取り組んでいただきますポジティブアクションを促進していただきたいということ、それから職場におけるセクシュアルハラスメントの防止、母性保護の充実などのことが盛り込まれているところでございます。 この公益案に対しましては、労使双方からさまざまな意見が出ておりますけれども、基本的な方向につきましては理解を示されているところでございます。労働省といたしましては、審議会において速やかに議論の集約を図っていただきたいと考えておりまして、その検討結果を踏まえまして必要な法的整備を行いたいと考えております。
○川橋幸子君 公益案がすべて満足とも私は思いませんけれども、大変リーズナブルなところで労使の調整を図られた案かと思いますと、ぜひこの公益案から一歩も退くことなく法制化に取り組んでいただきたいと思います。 昨年、アメリカ三菱でセクシュアルハラスメントという事件がありました。セクシュアルハラスメントという言葉は日本語にしますと性的嫌がらせというふうに訳されますけれども、その本当の意味は人権侵害、女性の人権侵害というふうに解釈していただいた方がよいぐらいのものでございます。労働関係の立法も国際化するようにしていただきたいと思いますが、時間が過ぎて恐縮ですけれども、総理、一言最後にお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年、アメリカにおける日本企業の女性への権利侵害というものが報道されました後、さまざまな角度からの議論が我が国の中でも行われました。そして、そのセクシュアルハラスメントというものが人権侵害に当たると言われる議員の主張は、私もそのとおりだろうと思います。そして、残念ながらっい最近も国内におきまして女性の昇進差別といった事件もございました。 いずれにしても、我々は、その共同参画型社会というものを言葉に終わらせないようにするためにはまだまだ努力していかなければならないことが多いと存じておりますし、それを一つでも解決していくために力を合わせてまいりたい、そのように思います。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で川橋幸子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、西川潔君の残余の質疑を行います。西川潔君。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。 今日我々があるのは、本当に人生の先輩の皆さん方のおかげだと思っております。 まず、厚生省に、戦没者の妻に対する特別給付金の制度をお伺いいたします。
○政府委員(亀田克彦君) 先住御指摘の特別給付金制度でございますが、これは戦没者等の妻に対する特別給付金支給法に基づきまして、戦没者等の妻が夫を失ったことによる精神的痛苦に対し国として慰藉をする、こういう趣旨から特別給付金を支給するものでございます。この制度は昭和三十八年に創設されまして、平成五年の法律改正によりまして継続支給の措置が講じられたところでございます。 なお、この法律におきましては、第六条に時効に関する規定がございまして、三年間権利を行使しないときは時効によりまして受給権が消滅する、こういうことになっております。
○西川潔君 そこででございますが、先日、大阪府の狭山市というところからお手紙をいただきました。 戦没者の妻に対する特別給付金について、市の広報の片隅に、のっていました。 当方八十三歳の母が該当するので、当然、援護局の方から連絡があるものと思っていました。広報には、締切日も書いてありませんでした。六月ごろ気になり援護局の方に問い合わせました。七月三十一日に援護局の方から電話を頂き「申し込みの締め切りが四月三十日までなのでだめです」と言われました。「これは、国会で決まったから」の一点ばりです。ただ、知らなかったり、申し込みが遅れたからだめだと言われるのは、あまりにも役所の理で不公平だと思います。給付金を受ける人は高齢な人で、市の広報にのっていても全部に目を通す人も、少ないし、気のつかない人もいるのではと思います。 本当に、いついつまでに申し込みがないと駄目と法律で決まっているのでしょうか。 それと、こんな大切なことは各個人に通知を出すことができないでしょうか。というお問い合わせですが、いかがでしょうか。
○政府委員(亀田克彦君) 平成五年の法律改正によります戦没者等の妻に対する特別給付金の支給に当たりましては、当然のことでございますけれども、改正法律を官報で公示いたしましたほか、厚生省においても新聞による広報を行うとともに、各都道府県、市町村に対しましてこの制度の広報を十分行っていただくようお願いを申し上げたところでございます。 なお、今後このような広報を行うに当たりましては、受給対象者の請求漏れを防ぐため、請求期限を明記するなどのきめ細かな工夫を行ってまいりたい、かように考えております。
○西川潔君 よろしくお願いしたいと思うわけですけれども、私もこの広報も持ってまいりました。時効までの三年間に実際どのような自治体の広報が行われているかということなんですけれども、大阪府の「府政だより」によりますと二回、狭山市の広報が八回ということですが、これは小さいんです。見落とせば本当に僕らでも、これは大きい目玉でもちょっとわかりにくいというようなこともあるんです。 法律がある以上やむを得ないことはよくわかるんですけれども、厚生大臣、救済措置のようなことは考えられる余地はないのでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) その事情を調べてみたんですが、本当にお気の毒だと思います。何とか救済措置がないのかなと検討してみたんですが、時効制度というものがあってこれはどうしても無理だと。本当に残念です。しかし、今後こういうことのないように、できるだけ自治体とも連携をとって広報活動というものをもっときめ細かくやらなきゃいかぬなと、そう思っております。(発言する者あり)
○西川潔君 関根先生の方から法律改正というお話もいただいたんですけれども、それしかないというのもよくわかるんですけれども、時効の一カ月後、もう一カ月早ければということですから本当に残念に思うわけです。我々、普通、陳情したり請願を出したり、ここで本当に我々が質問させていただけることはお聞き届けいただけるんですけれども、ほかは何をするかといいますと、普通はデモでもやるかとか、いろいろ本当になかなか庶民の声が届かないものですから。 百八十万円という金額、八十三歳で戦没者の妻でこれをいただけない。国としても慰藉するという誠意が結果として伝わらなかったというお便りなんですけれども、総理はこうした事例をどういうふうにお感じになりますでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) きのう、この御質問をするよという予告とともにこのお手紙をちょうだいいたしました。今私自身ここにその控えを持っております。 本当に実は何ともこれはお気の毒なケースでありますし、また国としても残念なケースです。正直申し上げまして、厚生省の諸君に何とかできぬのかということできのう投げかけましたが、昨夜必死に考えてくれましたけれども、どうにもよい考えが浮かばない、今うまい方法がないということがけさ返ってきました。二十万人以上の方々を対象とする大きな仕事でありますから、どこかでその仕事の終了点を決めておかないと予算そのものも計上しづらい。いろいろな問題点があるわけです。 そうしたことと、これは実は三カ月、四月三十日に締め切りというのを、六月に問いかけて七月に返事が返ってきたと。行政の返事も実は問い合わせてから一月半余りかかっている。そういう意味では本当に苦慮しているというのが実情です。 今の時点、研究させてみましたがなかなかいい方法が思いつきません。今後とも検討をしてみたいと思います。(発言する者あり)
○西川潔君 周囲の方々から大変いいお言葉をいただくんですけれども、ただ、八十三歳で戦没者の妻で百八十万円というのは本当に大切な大変なお金だと思うんですね、お金だけではということでもない部分もあるんですけれども。 私の質問はいつも細かいことばかりですけれども、皆さんが本当に頑張っていただいて、全国の人に届くときには温かくホットに感じていただけるようなことの行政をひとつよろしくお願いしたいと思います。 ですから、こうした広報の活動、この現状をどのように考えておられるのかということを、政府広報については官房長官にお伺いして、市町村の広報については自治大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) 一般論でありますが、広報には政府広報がありますし、それから各省庁、それから自治体等に広報があることは事実でありますし、どちらかというと官製でございますからかた苦しくて読みづらい。それから、何の目的に、どういう目標を持って、それがどうやったら伝達できるか、わかりやすくというその問題には若干欠けるところがあることは間違いないという意味で大切であります。 しかし、この広報を通じてそういう個人の権利の伝達を代行していいのかどうなのかという疑問は残るわけでありますから、個人に向けての通知書が出せないものかどうか。広報といっただ単に一片の、いろんな問題が書かれている中にその一行があってみたところで、それは必ずしも完全な効果にはならないという気もいたしますので、研究をさせていただきます。
○西川潔君 よろしくお願いをいたします。
○国務大臣(白川勝彦君) 地方公共団体の広報については、それぞれの団体が自主的な判断で創意工夫を凝らしながら作成し、発行しているものであります。 いずれにいたしましても、自治省といたしましては、広報事務に携わる職員の方々に格段の努力をしていただく必要があると存じますが、地方公共団体の広報職員に対する研修等を通じて、御指摘のような点が市町村等の広報において十分配慮されるよう情報提供等に努めてまいりたいと存じております。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で西川潔君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十二分散会