予算委員会 第2号
- 発言数
- 224 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1996/12/09
会議録
○深谷委員長 これより会議を開きます。 議事に入るに先立ち、去る六日に発生した十二・六蒲原沢土石流災害について、橋本内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本内閣総理大臣。
○橋本内閣総理大臣 去る十二月六日午前十時三十分ごろ、姫川蒲原沢において発生した土石流により、建設省、林野庁等が実施しておりました災害関連事業の現場が直撃され、作業に従事しておられた十四名の方々が巻き込まれて行方不明となり、また八名の方が負傷されました。 現在までに七名の方の死亡が確認されており、一名が身元確認中、六名の方が依然として行方不明となっておられます。 亡くなられました方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様におかれましては、突然最愛の御家族を失われたその悲しみはいかばかりかと、衷心よりお悔やみを申し上げます。 また、負傷されました方々に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い回復をお祈りをいたします。 災害発生後、行方不明となっておられる方々の早期救出に全力を尽くしますため、本院委員会の御協力をいただきまして、直ちに建設大臣を現地に派遣し、適切な指揮をとるよう指示いたしました。 現地の捜索につきましては、消防、警察、自衛隊や関係公共団体など、民間工事関係者、民間ボランティアの方々を含めまして、昼夜を分かたず多大な御苦労をいただいているところであります。 土石流の発生原因につきましては、今後の調査を待たなければなりませんが、今は、二次災害の危険を監視しながら、残された行方不明の方々の捜索に全力を挙げることが何よりも重要であります。 ここに当委員会の御協力に重ねてお礼を申し上げますとともに、今後ともよろしく御協力のほどお願いを申し上げます。
○深谷委員長 この際、予算委員会を代表して、一言申し上げます。 このたびの十二・六蒲原沢土石流災害でお亡くなりになりました方々に対して衷心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました方々に心からお見舞い申し上げます。 なお、政府におかれましては、行方不明者の一刻も早い救出のため、全力を挙げて捜索に当たられるようにお願い申し上げます。 ————◇—————
○深谷委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。志位和夫君。
○志位委員 おはようございます。 私は、日本共産党を代表して、橋本総理並びに関係閣僚に質問いたします。 まず、厚生行政にかかわる汚職と利権の問題についてであります。 特別養護老人ホームの建設をめぐって、彩福祉グループを名乗る業者と一部官僚が結託して引き起こした汚職事件に対して、今国民の怒りが沸騰しております。国民が何よりもこの事件に対して怒っているのは、この分野での汚職だけはあってはならないと考えていた福祉を食い物にした汚職であり、官僚に対するわいろの財源となったのが補助金、すなわち国民の税金であった。この点にあります。 総理は公務員の綱紀粛正ということを繰り返し述べておられますが、私は、この問題というのは、ただ単に業者が悪い、官僚が悪い、もちろん彼らの罪は大罪でありますが、それにとどまってはならない、それを正すべき政治、政党、政治家の側の姿勢が問われていると考えます。この点に関して幾つか伺いたい。 小山容疑者が実質的オーナーであるジェイ・ダブリュー・エム社でこの九月まで取締役を務め、大株主である村田士郎氏という人物がおります。この人物は、岡光容疑者が会長を務め、小山容疑者が実質的に主宰していた医療福祉研究会の有力メンバーの一人でもありますし、村田氏が小山容疑者と深い関係にあったということは先週の質疑でも総理もお認めになったことです。 この村田氏が理事長を務める日本病院寝具協会の政治連盟、副会長を務めていた日本メディカル給食協会の政治連盟から、巨額の政治献金が厚生大臣経験者や厚生官僚OBに渡っていたということが問題とされております。私が政治資金報告書を調べてみましたら、二つの政治連盟から政界に流れた献金は、政治連盟が設立されてからの累計で約四億二千万円、九〇年以降だけでも約九千五百万円に上ります。 橋本総理に対しても九〇年以降七百万円の献金が渡っていた。こういうことが明らかになっておりますが、総理にまず、このあなたに対する献金の事実関係、間違いございませんね。
○橋本内閣総理大臣 先般も御答弁を申し上げましたが、九〇年以降、日本病院寝具政治連盟から合計五百万円、メディカル給食政治連盟からは合計二百万円の寄附金がございます。政治資金規正法上の届け出につきましては、先般も御答弁申し上げたとおり、きちんと届け出をいたしております。
○志位委員 それでは、総理にお聞きしたいのは、献金を出した政治連盟の母体となった日本病院寝具協会及び日本メディカル給食協会について、総理がどう認識されているかという問題であります。 マスコミの報道では、総理は、献金について問われて、正式に政治資金として届け出をしてあるとした上で、二つの団体に問題があるのならともかく、僕はどうしてそういうふうに聞かれるのかわからないと述べたと伝えられました。先週の質疑の中では、このコメントは事情をよく知らない段階でのものだったという趣旨の答弁もされました。 そこで、改めて私はお聞きしたいのですが、総理は今でもこの二つの業界団体には何の問題もなかったという御認識ですか。
○橋本内閣総理大臣 二点について申し上げておきたいと存じます。 まず第一点は、小山という人物が病院寝具協会に関連を持つ、あるいはメディカル給食政治連盟に関係を持つ団体の責任者という立場にあったこと自体を私は存じませんでした。これがまず第一点であります。(志位委員「村田」と呼ぶ)失礼しました。村田氏が関係を持っておるということ自体を存じませんでした。 私は、村田という方のお父様は確かによく存じ上げておりまして、綿久の社長さんとして存じ上げていた方でありますが、御子息が今団体でどういう立場におられるかということまでを存じ上げていた状況ではなかったわけであります。それだけに、番の記者の方からとっさに聞かれましたとき、その数字を調べて正確にお答えをすると同時に、その団体に何かあるのかということは確かに私はそのとき問いかけました。これがまず第一点であります。 そしてその後、むしろ、さまざまな報道等によりまして、そのかかわりを持っているという意味で質問をされたという事情を理解した。そして、問題があった人物が深い交流を持っていたという意味で、村田氏との関係を問われだということを理解をいたしました。
○志位委員 問題があった人物であったという認識ですね、村田氏について。
○橋本内閣総理大臣 問題があった方と交際のあった……
○志位委員 交際があったという認識ですね。
○橋本内閣総理大臣 はい。
○志位委員 団体についての認識についてお述べにならたかったんですがね。 日本病院寝具協会は、新規参入業者の営業活動を不当に制限する市場独占を行っていたとして、九四年六月に公正取引委員会から警告処分を受けております。日本メディカル給食協会にかかわっては、その最大手の会員企業で村田士郎氏が社長を務める日清医療食品が、日本医療食協会と共謀して医療食市場を独占し、法外な利益を上げたことで、九六年四月に公正取引委員会から排除勧告を受けております。 両方とも公取の摘発を受けている公益法人なんですよ。それが、片方は政治連盟をつくり、片方はその政治連盟の有力な構成部分をなして、そういうところから政治献金を受け取っている。これは、手続が法にのっとっていたということでは済まない、政治道義上の責任があると私は考えますが、総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 議員も述べられましたように、それぞれ公正取引委員会から排除勧告あるいは警告を受けました時期以前に、確かに私は受けておりました。この点は、事実関係としても、九三年七月が最終段階でありまして、その当時、公正取引委員会から指摘を受けているといった状況ではございませんでした。また、団体のその内容まで個別に存じていたわけではありません。
○志位委員 公正取引委員会に摘発された以前の献金であって、それ以後は受けていないということなんですが、それは公取の摘発を受けたらその政治連盟が解散するわけですから、これは当然なんですよ。 それで、九五年にも、あなたはこの寝具協会の最大手の企業であるワタキューセイモア社から献金を受けているじゃありませんか。五十万円の献金が届け出てあります。ですから、公取が摘発した以降も献金をもらい続けているわけですよ。この政治的道義的責任ですね、これをお述べにならないのですが、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 今、団体について問われましたので、私は、その後において、公正取引委員会から何らかの排除勧告あるいは警告等を発せられるという予想をしていたわけではございません。ただ、連盟からのものをお問いになりましたから、私は、連盟から受けておりましたのは九三年七月六日というものが最後でございますということを申し上げました。 個別企業のワタキューさんというのは、前から会員企業として継続して会員になっていただいている会社の一つです。
○志位委員 私は、あなたが公取の摘発を受ける以前ということを強調されたので、あえてこのことを言ったのであります。
○橋本内閣総理大臣 いえ、団体とおっしゃるから、団体ならそうですと申し上げたのです。
○志位委員 あなたが公取の摘発以前だと言ったから、あえてつけ加えた次第であります。 私、なぜこの政治的道義的責任が問題なのかということを二つの角度から述べてみたいと思うのですね。 第一は、寝具にせよ医療食にせよ、問題になっている業界団体というのは、厚生省から与えられた特別の権限を悪用して厚生行政をゆがめているのですよ。そして、独禁法に違反するそういう悪徳商法を行って不当利益を得ている。 例えば寝具協会について言えば、彼らが悪用していたのは業務代行保証制度というものであります。これは厚生省の通達に基づく措置でありますが、寝具リース業者が病院と契約する場合に、その業者が天災や事故で一時的に寝具供給ができなくなった際に、その業者にかわって業務を代行する契約をあらかじめ寝具協会と結ぶということを義務づけるという通達であります。この寝具協会の業務代行保証がなければ健康保険の診療報酬の支払いの対象にはならないという仕掛けになっていて、これを悪用して寝具協会は市場の独占を図っていったわけです。 もう一つの医療食協会について言えば、彼らが悪用していたのは、これも厚生省が設置した医療食の検定制度ですよ。これは医療用食品の栄養成分の検査を行うというものですが、医療食協会は厚生省から検定業務を行える唯一の検査機関との指定を受けて、販売会社から仕入れ値の五%、総額で年間八億円という法外な検定料を取っていた。この検定を受けなければ健康保険の診療報酬の支払いの対象にならない仕組みになっておりました。医療食協会と日清医療食品が共謀して、これをてこに市場独占を図っていったのであります。 総理、今問題になっているのは、単なる一般の民間企業からの献金問題ではありません。厚生省から特別の権限を与えられた公益法人がそれをてこに厚生行政をゆがめていた。そういう業界団体からの献金をもらって、政治的道義に照らして何の問題もないのかということを聞いているのです。はっきりお答えください。
○橋本内閣総理大臣 大変誤解のないようにしていただきたいのは、日本医療食協会から……(志位委員「そう言っていません」と呼ぶ)いや、今、日本医療食協会を強調されました。私が政治資金を受けましたのは日本メディカル給食政治連盟であります。それと日本医療食協会とは別の、日本メディカル給食協会というものと日本医療食協会というものは別なものだということをよく御承知の上で、そこを混線してお話しになっておられる。 病院寝具政治連盟について、確かに私は受けているということを申し上げております。また、日本メディカル給食協会から政治資金を受けたということも申し上げております、日本医療食協会から私は政治資金を受けているのではございません。そこはどうぞきちんと整とんしてお話をいただきたい。 そして、いずれにいたしましても、九三年の七月以降、政治資金をこの協会から受けていない。個別の企業としてワタキューの政治献金があることを私は隠しておりません。
○志位委員 私はきちんと仕分けしてさっきも聞いたのですよ。日本寝具協会については政治連盟から出ている、メディカル給食協会の政治連盟から出ている、そのメディカル給食協会の最大手の企業会員である日清医療食品が公取から摘発されていると言ったのです。そして、この日清医療食品というのはメディカル協会の中の市場の大体三割ぐらいを占めているのですから、やはりそういう有力企業からの金が回ったということは言えるわけですよ。ここはきちんと仕分けして聞いているのですから、ちゃんと答えていただきたい。 あなた。この問題について本当に責任がないという態度をおとりになるけれども、私は、利権の構造が長期にわたって温存されたという問題はあると思うのですよ。厚生省がそういう特別な権限を公益法人にゆだねたならば、その権限が公正、厳正に使われているかどうかを厳しく監督する責任が厚生省にあるのですよ。ところが、そういうチェック機能が働かなかったわけです。公正取引委員会という外部の組織が摘発に入るまで、厚生省の自浄能力が全く機能しなかった。なぜ自浄能力、チェック機能が働かなかったのか。私は、そこには業界と行政が癒着している、さらに業界と政治が癒着しているからではないのか。 厚生行政に大きな影響力を持つ政治家への政治献金が、厚生省お墨つきのいわば利権の特権です主業務代行保証にしても医療食の検定にしても、まさに利権のうまい汁が吸える特権ですよ、この温存につながったということじゃないですか。つながっていないとどうして言えますか。これを問われているのですよ。
○橋本内閣総理大臣 いずれにしても、私は、先ほどから事実をもってお答えしておりますように、九三年七月六日という、今、日付をもう一度確認いたしましたが、その時点以降、二つの政治連盟からの政治資金を受け入れておりません。 そして、それからしばらくたって、公正取引委員会からそれぞれの問題の提起といいますか、排除勧告なり警告なりが行われております。そしてその時点において、私は、そうした今議員が御指摘になりましたような状況を存じていたわけではございません。
○志位委員 九四年以降受けていないのは当たり前なのです。その政治連盟が解散しているのですから、受けようにも受けられないのですよ。 それで、私もう一つの角度からこの問題をただしてみたいのですが、独禁法に違反するような悪徳商法のしわ寄せを受けていたのは何かという問題であります。 二つの業界団体が財政的基盤にしていたのは、国民の財産である健康保険会計からの支出です。寝具について言えば、市場独占によって市場価格がつり上げられていたわけでありますが、それをかぶっていたのは健康保険です。医療用寝具を使用する病院へは、健康保険からの診療報酬の加算金が出ておりましたが、九三年当時で一日一人につき十七点、百七十円が支出されておりました。私が推計してみますと、年額八百億を超える公金が出されているわけであります。 医療食について言えば、この業界を独占していた日清医療食品は、市販の冷凍食品類と質が変わらないのに、検定を受けていたというだけで市価の一・五倍もの高値をつけ、価格のつり上げによる不当利益だけでも年間九十億に上る暴利をむさぼっていた。このしわ寄せを受けたのも、国民の財産である健康保険ですよ。この医療食を買った病院へは一日一人十八点、百八十円の診療報酬が出るわけで、総額、九四年で見て百七十五億円、累計すれば、制度が発足してから加算金の総額は一千二百億円を超えた。これは制度をなくしたわけですから、これ自体むだ金だったということは明らかになったわけであります。 悪徳商法によって穴があけられていたのは、国民の財産である健康保険なんですよ。そういう業界から献金をもらうということは、あなたがそのときに公取に摘発されるような事態を知っていたか知らないか、そのことは別にして、結果として献金の財源は健康保険からの財源ということになる。 私は、首相が行政を預かる責任者としてこれに胸の痛みを感じないのか。今、健康保険財政というのは赤字が問題になっております。こういう事態のときに、その赤字の一端をつくったそういうところからの献金について、もらっておいて政治的道義的責任がないのかということを聞いているのです。はっきりお答えください。
○橋本内閣総理大臣 まず、今議員のお話の中で一点訂正をさせていただきます。 九四年に両方とも政治団体がなくなったと言われましたが、メディカル給食政治連盟は九六年の十一月の解散であります。(志位委員「寝具についてです」と呼ぶ)いや、ですから正確にお話しいただきたい。あなたも一生懸命お聞きいただくのですから、私もきちんと御説明をする責任があります。そして、メディカル給食政治連盟というのは九六年十一月に解散となっております。 なお、先ほど引用されました日本医療食協会の関連の方では、九七年の三月に現在の食品等分析調査研究所というのが解散予定と資料にはもらっております。病院寝具協会の政治連盟は、確かに九四年一月の解散であります。 そして健康保険からと。我々は、その企業の方々が、あるいは個人の方々が政治連盟をおつくりになって、その政治連盟のお集めになった資金から政治資金の提供を受けていたと認識をいたしております。問題があると言われますならば、私はその批判は甘受しなければならないと思いますけれども、政治団体から、政治連盟から我々が政治資金を受けたという事実も明らかに申し上げておきたいと思います。
○志位委員 政治連盟から受けたというのですけれども、政治連盟と寝具協会というのは一体なんですよ。事務所も同じ場所にある。役員も一緒です。今の、前理事長が政治連盟の代表を務めているようなのが最後の実態でした。全く一体なのですよ、業界団体がつくっているのですから。そういう政治連盟から受けているということでね。これ、問題は解決しないのです。 あなた。先ほどから私は理を尽くして問題点を指摘しているつもりです。厚生省から特別の権限を与えられた公益法人の、そういう公取から摘発されるような悪徳のやり方をやっていた業界団体の、政治連盟であっても、そういうところからお金をもらうのはいいのか、健康保険を食い物にしたようなそういう業界からのお金はいいのかという私のこの質問に、ついにお答えにならないですね。お答えにならないで、事実の関係だけはお述べになりますけれども、非常にこれはあなたの政治姿勢として問題だと思いますよ。 今福祉を食い物にした官僚と行政の癒着が問題になっている。これを正すべき立場にあるのはあなたでしょう。一点の曇りもあってはいけないのですよ。政治的道義的責任を認めなさい、はっきり。
○橋本内閣総理大臣 現在知っております事実をすべてその当時において知っていて、それでなおかつ政治資金を受け入れたかとお問い合わせがあれば、私は当然ながら首をかしげるものであると思います。しかし、当時全く知らない状況の中で受け入れておりましたものでありますから、そのとおりの説明を申し上げてまいりました。 現在、ここで皆さんから御指摘を受ける以前、既にマスコミの報道等で知っておりましたような状況をすべて知っておりましたならば、当然のことながら私自身が考えるところもあったものであろうと思います。 ですから、そうした思いがあるのかということでありますなら、現時点において与えられておりますだけの知識を持っていてこの政治資金を受け入れたかと言われれば、私は恐らくそれはちゅうちょするべきものであったと思います。しかし、全く存じなかった時点においての行動でありますから、私は事実関係をそのとおりに申し上げております。
○志位委員 知らなかったということでも、そういう出どころ、性格を持った資金でなかったと言い切れないわけですね。この業界団体がまさにそういう利権の仕掛けを温存してほしいというための献金でなかったと言い切れない。国民がそういう疑念を持っても仕方がないような性格のものであるから、私はあなたにあえて反省を求めたのです。 では、厚生大臣にこの問題をお聞きしたい。 厚生大臣も寝具政治連盟からの献金が渡っております。本会議の答弁で、適正に処理しているからそういう政治献金があたかも不正であるかのように言われるのは甚だ迷惑とおっしゃいました。しかし、今問題にしているのは、これまでの質疑を聞いておわかりだと思うのですが、資金処理の手続が法的に正当だったかどうかを聞いているのじゃないのです。その資金の出どころ、性格が厚生行政を預かる政治家の政治的道義に照らして問題がないのかどうか、これをお聞きしているわけであります。その点であなたの御意見はどうですか。
○小泉国務大臣 今お話しの点で、やはり公金を受けている団体や企業からは厳しい制限を設けてしかるべきだと私は思います。そして、私は厚生大臣在任中、厚生省関係の団体等からは政治献金を自粛しております。
○志位委員 厚生大臣の在任中に自粛しなければならないものだったら、それ以外でも自粛すべきなんですよ。大体献金するのは、厚生行政に有力な影響力を持つ政治家が後でいろいろやってくれるということを期待するから献金するのですよ、献金する側は。厚生大臣じゃなくても。実際に、あなたは竹下内閣、宇野内閣のときの厚生大臣でしょう。その後少し間があきますが、今また厚生大臣をやっていらっしゃる。そういう時期に献金を受けているわけですから、やはりこれは反省があってしかるべきであります。 私、これは、小泉大臣には知らなかったでは済まされない問題があると思うのですよ。それは、あなたが、九二年五月から九三年十二月、九五年五月から九六年十一月の時期には寝具協会の会長を務めておられた。会長として、そういう行政にゆがみがあったら、公取に摘発されるような問題点があったら、ゆがみを正すべき立場にありながら、ゆがみを正すどころか献金をもらっていた。これは反省が必要じゃないですか。いかがでしょう。
○小泉国務大臣 名誉会長はしておりましたけれども、実際の運営、業務、私はどういうものか定かには承知しておりません。
○志位委員 名誉会長ではなく会長であります。私は、その点ははっきり当事者に当たって寝具協会の関係者から証言を得ております。 寝具協会が公刊した出版物がありますが、そこにも会長職としてあなたの名前が記載されております。九二年五月の総会で選出されております。これは事実ですよ。名誉会長じゃありません。名誉会長なんという職は寝具協会にないのです。 「病院寝具」というパンフレットがあります。この「病院寝具」の「役員等名簿」の一番上の「会長」という欄に「小泉純一郎」と書いてありますよ。しかも、この総会をやったときの懇親会にあなたが出て、「挨拶 小泉会長」、写真まで出ていますよ。会長なんです。何で会長をやっていたのに名誉会長だと偽るんですか。 会長がどういう権限を持っているか。定款があります。寝具協会の定款によれば、「会長は、重要事項について意見を述べ、必要に応じ指示し又は理事会の求めによりこれを処理することができる。」書いてあるじゃありませんか。名誉職じゃないのですよ。ゆがみがあったら指示をする権限もあるし責任もある。どうですか。
○小泉国務大臣 私は、その協会なり政治連盟の会合で議事とかそういう問題には一切関与をしておりません。私は名誉的な会長を仰せつかったというふうに理解しております。
○志位委員 これはごまかさないでいただきたい。あなたが理事長だとか理事をやったと言っているんじゃないのです。会長職にあったという事実を指摘しているのです。それは認めますね。では、名誉会長じゃないですね。(発言する者あり)名誉的じゃないのです。定款にはちゃんと十七条に会長の権限が書いてあるんです。いいですか。 あなたは、寝具協会で独禁法に触れるような悪徳商法をやっていたら正すべき立場にあったのですよ。それを正さないで、会長にあったじゃないかと言われれば名誉会長だと言い抜けする、証拠を突きつけられれば渋々認める。こんな反省のない態度で厚生大臣が務まりますか。 この問題、本当にあなたはも至言い返す言葉はないでしょう。感覚麻痺に陥っていると思うのですよ、私は、あなた方本当に特別養護老人ホームをめぐる汚職と病院寝具と医療食をめぐる悪徳商法というのは、程度の違いはもちろんあります、片方は汚職で片方は政治献金の問題ですが、私は共通の利権の構造があると思います。 それは、厚生省のつくった制度、すなわち補助金や許認可あるいは業務代行保証や検定制度などが悪用されているということ、これが第一。 第二に、それをてこに国民の公金が食い物にされているということであります。片や福祉にかかわる補助金、税金が食い物にされ、片や健康保険会計が食い物にされている。 福祉を食い物にした官僚と業者の悪行を正すべき橋本さんや小泉さんが、医療を食い物にした業界団体から献金を受け取って、その献金の財源は国民の保険料だ。それに胸の痛みを感じないようでは、私は、どうして真っ当な行政ができるか、ましてや行政改革を語る資格はないというふうに言わなければなりません。 この問題にとどまらず、献金の問題というのは、製薬業界からの巨額献金、この問題も薬害エイズの問題とのかかわりで指摘された問題であります。私、総理にぜひこの際検討していただきたいのは、これだけ厚生省にかかわる汚職が噴き出し、厚生省の信頼が失墜している、こういう現状があります。そして厚生行政というのは、その多くが国民の税金、補助金あるいは健康保険、医療保険、そういうものを財政的基盤にして成り立っている分野であります。ですから、厚生行政にかかわる業界からの献金は考えるべきじゃないか。 私ども日本共産党は、企業献金の全面禁止こそ政官業癒着の打破のかなめだと考えておりますが、その第一歩として、厚生省にかかわる業界からの業界献金はこれはきっぱりやめる、こういう立場に立つべきだと思いますが、総理いかがでしょう。
○橋本内閣総理大臣 まず、現在、厚生前事務次官に係ります事件につきましては、今後、当然のことながら、司法当局により厳正な捜査が行われると思われますし、その他の一連の不祥事につきましても、厚生省自身その事実関係を確認した上で厳正な処分を行うと同時に、綱紀の粛正等一層の努力をすると思います。 また、今回本当に社会福祉施設整備費などの仕組みが悪用されたという点につきましては、事実関係を究明した上で、再発防止策に早急に取り組むことになっております。 政治資金について、先ほどからの御意見をいただきましたが、現在政治資金規正法におきましては、政治活動に関する寄附について、量的な規制のほかに、例えば国などから補助金を受けている団体は寄附をしてはならないという質的制限も設けられております。しかし、特定の分野を定めて対象とした規制は行われていないところでありまして、私は、その当否は、収支を公開することなどを通じまして、国民の御判断にまつべきものだと思います。
○志位委員 なかなか前向きの答弁が出てこないんですが、綱紀粛正ということを言われましたが、私は、それを言うならまず隗より始めよだということを強く主張して、次の問題に移りたいと思うんです。 消費税の問題であります。 まずお聞きしたいのは、総選挙での自民党の公約とのかかわりについてであります。 我が党の不破委員長が本会議で、消費税増税は国民の信任を得たと認識しているのかとただしたのに対し、首相は、私は消費税率の引き上げの必要性を真剣に訴えてきたと答弁されました。私はということで、一人称で。確かに首相は訴えたかもしれない。しかし、自民党が党全体として五%増税を堂々と公約して選挙をやったという実態にありましたか。総理はこれ、どう認識されておりますか。
○橋本内閣総理大臣 党として、消費税の税率の引き上げは国民に対して訴えておりました。そして、党を代表する立場での私も同じように、たしか百六カ所だったと思いますが、ぎりぎり回れたのは自分の選挙区を除けば百六選挙区でありますが、その大半の場所において消費税の引き上げを私はお願いを申し上げております。
○志位委員 党としては訴えられたというのが御答弁だったと思うんですが、読売新聞が選挙中に行ったアンケート調査があります。これは選択式のアンケートになっているものですが、自民党の公認候補者の中で、政府の方針どおり来年四月に五%にすべきだと答えたのは二〇・九%、わずか五人に一人であります。五%をする前に行政改革を徹底すべきだが四一・八%、景気が回復するまで延期すべきだが一五・一%、税率引き上げは中止すべきだが一・二%、その他二〇・九%。半数以上の候補者が、延期、据え置き、条件つきなどを掲げていたことは動かせない事実であります。問題は、党としてとおっしゃったが、そういう候補者に対して党としてどう対応したかであります。 私は、大変印象深いのは、自民党の政調会長がある民放番組の中で発言されて、この問題について問われて、さまざまな党内調整をやって選挙へ臨んだが、そういう意見を述べることについては黙認することにしています、こうはっきり述べております。たまたま党の方針と違う候補者がいたっていうんじゃないんです。そういう意見を言うのを党として黙認していたんじゃないんですか。どうでしょう。
○橋本内閣総理大臣 税制というものにつきましては、国民の信頼と理解が必要なものであることは言うまでもありませんし、選挙中の発言につきましては、国会での御論議あるいは行革の実行などを通じて税に対する国民の理解と信頼を高めていくことが重要と、こうした視点の趣旨と理解をしております。 そして、私どもは、まさに自由民主党という名前のとおりに、これで決めたのだから何もほかのことを一切しゃべってはならぬなどというやり方をいたしておりません。それぞれが信ずることを議論し、それを党として取りまとめた上で、我々は、国政の中における我々の公約として位置づけております。
○志位委員 一般的に理解と信頼を得るための討論じゃないのですよ。有権者に対してそういう公約をしたことについて党として黙認していたということが実態だったら、それが問題だと言っているわけです。 ここに自民党本部が発行している自由新報の号外がございます。これは北海道二区の候補者の名前入りのものでありますが、「消費税は現行のまま据えおきに」、はっきり書いてあります。でかでかと見出しに出ています。これは、発行元は自民党本部なんですね。 自民党という政党は随分勝手にいろいろとこういう号外を出せるものかと思って、私、調べてみました。「総選挙実戦の手引」というのをあなた方は出していらっしゃって、そこに「「自由新報」の号外」「「号外」は随時発行できますので、大いに活用したいと思います。党本部と連絡をとってその了解と指導のもとに「号外」づくりをやって下さい。」つまり、これはあなた方の了解と指導のもとにつくったということになるのじゃないですか。そういう了解と指導をやっていたわけでしょう。どうですか。(発言する者あり)総理に聞いているのです。あなたに聞いているのじゃない。
○橋本内閣総理大臣 私たちは、個々人の議員が自分の意見を主張することを禁止している政党ではございません。そして、それぞれの良心に従って議論をして、その主張をもって党の中でも論議を闘わせ、その上で消費税の税率の引き上げを今私どもは決めております。
○志位委員 党として統一的な公約をしっかり述べるというのは、近代政党として当たり前のことなんですよ。 じゃ、政党を選ぶ比例代表選挙ではどうだったか。比例の東京ブロックを見た場合、こういう選挙公報が出ているんですよ、あなたの大きな顔写真が入った。こういう選挙公報です。この選挙公報に出ている、これは比例の公報ですよ。つまり個人の問題じゃありません。東京ブロックです。あなたのところですね。あなたが名簿のトップで、凍結派の旗頭だった。あなたが名簿のトップだった東京ブロックです。「一日も早い景気回復をめざす追加補正予算の成立と 国民が求める「小さな政府」への行政改革なくして 消費税率のアップはありえません。」こう比例の公報で出ているのですよ。 行革を実行することが、あなたの言う行革と私たちの言う行革は違いますが、行革の実行が消費税率アップの前提だと比例代表の公報で書いてあるじゃありませんか。そうすると、行革なしの税率アップはやらないというのが、政党としてのあなた方の公約になるじゃありませんか。どうですか。
○橋本内閣総理大臣 行政改革は、今までもこつこつと積み重ねてきました。これからも進めてまいると繰り返して申し上げているところであります。
○志位委員 行政改革の一般的な決意とか努力をやるということを言っているんじゃないのです。行政改革ということが出ていて、下に具体的に、省庁の数を半分に減らすとかいろいろ書いてあります。これを読んだ有権者の方は、そういう行革が実行されるまでは少なくともアップはあり得ませんとみんな思いますよ。やはりこれがあなた方の政党としての公約なんですよ。これをきちんと守ってもらわなきゃ困る。 しかも、この内閣の顔ぶれを見ますと、個々には聞きません、時間がありませんから。まだ大事な問題があるんです。個々には聞くつもりはありませんけれども、内閣の閣僚名簿の中で、さまざまな意見を述べられた方がいる。はっきり五%増税と明記された方は七人しかおられません。八人の方は、延期と言ってみたり、税率見直しを必ずやりますと言ってみたり、さまざまな条件つきのことを言っていらっしゃる。内閣不統一なんですよ。ですから、決まったこととしないで、総理、これは内閣として税率引き上げの是非について再検討をお願いしたい。いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 非常に大事な点の御指摘でありますから、個々の閣僚の意見もお聞きをいただきたい。内閣不統一のつもりはありません。
○志位委員 じゃ、一つだけ聞きましょう。 じゃ、亀井大臣。まだ、ちょっと待ちなさい。私、質問していないじゃない。質問をよく聞いてから。 あなたは選挙公報で、「税率を再検討することをお約束します。」、こうおっしゃっておられますね。ですから、私はあなたに聞きたいのは一点なんですよ。内閣の中で税率の引き上げの是非を再検討する、再検討すべきだという提起をあなたは当然やるべきです。やるかやらないか、この一点だけ。長々答弁しちゃだめですよ、時間がないのですから。
○亀井国務大臣 じゃ、委員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、選挙で自由民主党が公約しておりましたことは、いいですか、ただ一点、選挙後国会に特別委員会を設置をして消費税等について議論をするということが自由民主党の正式な公約でございます。私が組織広報本部長をやっておりました。 そういうことでありますから、選挙戦において、個々の候補者等が、消費税を含む税制について国民の方々と議論を闘わし、また自分の考え方を言うのは当然でありまして、総理は閣議決定をされた御自身でありますから、そういう立場から国民に対して理解を訴え続けられたということは当然でありまして、別に党紀違反じゃございません。また、私どもも、自由な論議をするということを言った者もまた党紀違反でもございません。 要は、特別委員会における議論の結果、これが決まりますと、これは議会制民主主義でありますから、総理も特別委員会の結論に従うということは当たり前の話だと私は思います。そういうことでありますから、私が再検討ということを言ったことも当然の話でございます。別に閣外……(志位委員「じゃ、閣議で提起しますか」と呼ぶ)閣議において提起するということよりも、公約しましたのは、特別委員会において新たな国民の代表の方々が自由な立場から消費税についても議論をして結論を出される。私は今閣内におりますから、現在においては閣議決定が取り消されておりませんから、私はその立場におるということだけの話です。
○志位委員 閣内にいるということで有権者への公約をほごにすることはできないのですよ。これはあなたが有権者に税率の——待ってください、ちょっと、座って、座って。指されてないんだから。私、もう一つ大事な問題があるのであなたといつまでもやっているわけにいかないのですよ。 閣内にいるということで、あなたが有権者に公約した。税率見直しを必ずやります、引き上げの是非についての見直しをやります、この公約をほごにすることはできないのです。いいですか。ですから、違うことをみんを言っているのは当然だ、それは党紀違反じゃないんだ、党として認めてやっていたんだということだったら、もう増税はやれないでしょうが。増税を実施する資格ないのですよ。公約に忠実なら増税はできません。そのことをはっきり私は言って、もう一つ大事な問題があるのでお聞きしたいと思います。 私は、もう一点、将来の税制像とのかかわりで消費税問題についてお聞きしたいと思うのです。 総理は、本会議の答弁で、消費税というものは高齢社会の財源としてすぐれており、高齢社会にとって不可欠な税制、こうお述べになりました。しかし私は、この議論は、消費税導入後に実際に行われた政治の実態に合わないだけでなく、大変危険な落とし穴があると考えます。 まず聞きたいのは、将来に向けて総理は企業の税金、法人税をどうしていくおつもりかということであります。自民党の総選挙公約を見ますと、法人課税引き下げを公約とされております。自民党の政調会長も、総選挙では法人税率の実質軽減を公約していると明言されました。将来的にはこの法人税の実質減税、これを行っていくというのが自民党の公約ですか。これは総理に伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今、企業が立地する国を選ぶ時代と言われておることは議員も御承知のとおりであります。そして、いかにしてそれぞれの国は投資を呼び込むかについて、さまざまな意味での苦労も検討もいたしております。 そうした中において、我が国に今投資先としての新たな企業を立地する上での非常に不利な要件の一つ、これは高コスト構造というものに起因する部分、同時に、法人税を含みました企業負担というものが他国に比べて重いという意見があることも事実であります。ですから、法人税の負担というものをある程度軽減していくことによって日本に投資をする魅力を増大させるという必要性があることは間違いがありません。
○志位委員 日本の法人税は高過ぎるという議論ですが、これは、先月出されました政府税調の法人課税小委員会の報告を見ましても、課税ベースが日本の場合非常に狭いですから、そういうことも勘案する、そうしてみますと、単純な比較はできない。 この小委員会委員の一人である東大教授の神野教授は、フランス、ドイツ、アメリカなどと比べますと、社会保険料負担を含めますと日本は七割から八割の直接税負担になっているという試算もあります。 この問題については、あなたと私、見解を異にするわけでありますが、あなたのお答えというのは、ともかく将来的には軽減というものを検討し得るということだったと思うんですね、法人税については。 そうしますと、もう一点伺いたい。 総理は、国民負担率、すなわち国民所得に占める租税負担と社会保障負担の合計ですね、これはどうなると考えていらっしゃるのか。 これは、橋本行革ビジョンを拝見させていただきましたが、人口の高齢化がピークになった際、「その上限は極力五〇%を超えることのないよう、四五%程度に止まることを目指すべきである。」こう述べておられますが、この考えで間違いありませんね。
○橋本内閣総理大臣 それは、私が従来から本当にそう夢見てきた。そして皆様にも語りかけてきたそのとおりのことであります。」ただし、同時に産構審あるいは経済審等の御意見から今出てまいりますものは、仮に現在の仕組みを全く変えず、そのままの延長で歳出歳入の構造を変えずに続けていきました場合に、その数字の中におさまるという状況ではございません。そして、財政構造改革も社会保障構造改革も行わなければ到底その範囲におさまらないという試算が出ておることも申し添えます。
○志位委員 総理のおっしゃる改革をやった場合の上限が四五から最大五〇という御答弁だったと思うんですが、そうしますと、将来の税制についての総理の考え方は、要約しますと、一方で、国民負担率は、そういうあなたのおっしゃる改革の努力をやったとしても現在の三六%から四五%ないし五〇%に引き上がらざるを得ない。他方で、しかし、企業、法人に対しては新たな税負担は求めない。むしろ実質減税を将来は検討しなきゃならない。そして、消費税は高齢社会に適した税制だと。この三つの命題が出てくるわけですよ。 この三つの命題に即して今後企業に新たな税負担を求めないと仮定した場合、企業減税は考慮に入れていません。新たな税負担を求めない、まあ企業の税負担を据え置いた場合に、国民負担率が増大することに伴って新たな税負担の増加を消費税で賄った場合、その消費税率の変化を私は試算してみました。経済成長率や国民負担率の推移については、私は、総理自身の諮問機関である経済審議会の財政・社会保障問題ワーキング・グループがこの十月二十二日に発表しております「国民負担率の意味とその将来展望」の中のシミュレーション結果の数字を使用いたしました。 私、きょうパネルをそれでつくってきたのですが、これがそのパネルであります。これを見ていただきたいのですが、こちらの方の濃い青い字で書いてあるのが国民負担率の方の数字であります。この上に乗っかっている棒グラフになっているのが国民負担率のものであります。それで、こちらの赤い折れ線グラフになっているのが消費税率の推移でございます。 これは、二〇〇〇年になりますと大体国民負担率四〇%、消費税率で六%に当たります。それから二〇一〇年、国民負担率四五になった場合に消費税率一〇%。二〇二五年に五〇%に大体なった場合には税率一七%になりますよ。これはかなり控え目な計算であります。例えば所得税の減税などは考慮しておりません。当然経済成長に伴って減税ということは必要になってまいりますが、そういうことを考慮しておりませんからかなり控え目でありますが、こういう数値が出てまいります。 これは理の当然でありまして、一方で企業には新たな税負担を求めないわけでしょう。企業の負担を減らすということは考えても、ふやすという選択肢はないわけですよ。その一方で国民負担率は、まあ行革をやっても上がらざるを得ない。この二つの条件を所与の条件にして、高齢社会に適した税制が消費税だということになればこうなってしまうのです。これは、細かい計算は後であなたにお届けしたいと思うのですが、あなたの直属の諮問機関である経済審議会の数値を全部使った上での計算ですから確かなものであります。 やはりあなたの線でいきますと、考え方でいきますと、こういう、二十一世紀の初頭には消費税率二けたの時代に必ずなってしまうのです。これはいかがでしょう。
○橋本内閣総理大臣 私は、議員が苦労して試算をされたものを一概に否定するつもりは持ちませんけれども、そこに採用されました要因というものを、後でくださるということですから、これはちょうだいをいたしたい。そして同時に、その場合に、社会保険の改革とかその他の要素をどの程度に見込んでおられるのか。私は今それを拝見しただけで、その図表が、恐らく特定の前提を置かれた試算としてはそれは正しいものであろうと思いますけれども、その結論ににわかに従うつもりはございません。 そして同時に、私たちは、日本がやはり二十一世紀になっても活力のある社会であり続けますためには、日本に新たな産業が起こってもらわなければならず、また、日本に積極的な投資の行われる状況、しかも生産に結びつく投資の行われる状況をつくらなければならないと考えております。 そしてそうした場合に、他の国々とのいわば新たな産業の誘致の大きな我々にとって今ハンディになっておりますものは、一つは高コスト構造であり、あるいは規制の問題であり企業負担の問題でありという幾つもの要素がございます。規制緩和は今一方で進めつつありますし、それに伴う高コスト構造の是正というものも、ある程度これからはそうした意味で進んでいくでありましょう。要は、いかにして新たな産業を立ち上げることができるか、そして、その企業が国際競争力を持ち得るか、こうした視点を私は捨てることはできません。
○志位委員 試算の細かい数字は今お渡ししたいのですが、よろしいですか。(橋本内閣総理大臣「後でちょうだいいたしたい」と呼ぶ)じゃ、後でお渡しいたします。 総理は、社会保障制度などの改革をやった場合のケースはどうかということも言われました。私どもは、あなた方の改革には、改悪だと思っておりますが、その改革をやった場合のケースも試算してあります、もう一つのケースとして。その改革をやったとしても、消費税率はやはり一四%ぐらいまで引き上がります。やはりそういう試算が出てまいりますから、やはり私どもの試算をよくこれは検討していただきたい。あなたの考えで、新しい社会に向けて、企業に税負担を求めない、新たな税負担を求めないという考え方になれば、庶民にこれ全部税がかぶさってくるということになるのです。 私は、その考えが間違っていると思う。あなたは活力と言うのですけれども、日本経済の活力というのは、GNPの六割を占める個人消費、国民生活を豊かにしてこそ日本経済の活力が出てくるのですよ。九九%を占める中小業者、零細業界、この方々の雇用と営業を安定させてこそ日本経済の活力は出てくる。消費税という税金は、大企業には実質税負担ゼロなんですね、すべて転嫁できるのですから。この消費税を払っているのは転嫁できない中小業者の方々、零細業者の方々、消費者の方々なんです。やはりそこにすべて二十一世紀の負担を背負わせていくという形は、私は絶対に認めるわけにはいかない。
○深谷委員長 橋本内閣総理大臣から発言を求めていますから、どうぞ。
○志位委員 時間が参りましたので、私、じゃ、最後にもう一言申し上げます。
○深谷委員長 橋本内閣総理大臣。
○橋本内閣総理大臣 もう時間がありませんので、長く答弁はいたしません。 しかし、今あなたが引かれた零細、中小の業者の方々が今どういう状況か。親企業が海外に転出したために、その仕事を失いつつある、それに対して新しい産業を我々は立ち上げなければならないと考えております。そういう点を考えていただいた上で十分の御論議をいただきたい。
○志位委員 まだ時間がありますからね。 海外に出ていくという問題を今言われましたけれども、私は、例えば税制の仕組み一つとっても、外国税額控除というのがあって、ソニーのような会社でも法人税、住民税、ただの一円も払っていませんよ。全部控除になっているのです。海外に出ていけば出ていくほど税金をまけてやるような仕組みをつくっているじゃありませんか、空洞化を進めているじゃありませんか。 私は、高過ぎる法人税が空洞化の原因だなどというのは財界がつくった作り事だと思います。国際比較を見ても、今度の政府税調の法人課税小委員会の報告を見ても、一概にそういうことは言えない。アメリカやフランスやドイツでは、むしろ法人税率を引き上げる方向にあることも留意すべきである、ここまで言っているのですから、やはりそのことはしっかり検討する必要がある。 あなたのレールに乗せられたら、将来二けた税率になるという点でも、私どもは消費税の増税には絶対に反対を貫くということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
○深谷委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。
○上原委員 総理初め閣僚の皆さん、大変御苦労さんです。 久しぶりに質問席に立ちましたので、質問の勘が戻っているかどうかわかりませんが、御承知のように、社民党は選挙の結果、大変厳しい状況にあります。同時に、政権とのかかわりでは、また御承知のような立場でありますので、総理初め御答弁なさる閣僚の誠意ある御答弁をお願いをしたいと思います。 まず、本論に入る前に、先ほど総理からも御報告がありましたが、去る六日午前、長野県小谷村蒲原沢で発生をいたしました災害に対して、お亡くなりになられた方々に心から社民党として御冥福をお祈り申し上げますと同時に、まだ救出されていない方々が一刻も早く救出されることと、負傷なさった方々の御回復をお祈りをしまして、同時に災害復旧のあり方、まだこれからの関係者の要求に迅速にこたえていただきますことを強く要望をいたしておきたいと存じます。 そこで最初に、非常に限られた時間ですから、お尋ねしたいことはたくさんありますが、そうもいきませんので、橋本内閣の政権運営について、ちょっと総理の改めての御感想なり御所見を伺っておきたいと存じます。 いわゆる今の、自民党単独で内閣は組織はしておりますが、政策におきましては、やはり自民、社民、さきがけ三党の政策合意に基づいて誕生したことは申し上げるまでもありません。 十月三十一日に、懸案合意事項四項目を含め、いろいろ未調整のものもあったわけですが、介護保険制度あるいは日銀改革及び金融行政改革、NPO法案、税制改革等については三党合意を見て、既に手がけられている面もありますが、これは私は、やはり誠実に実行していただかねばならないとその他の面を含めて思っておりますが、いわゆる政権運営三党合意、連立のあり方について、総理はどういうお考えでこれからこの難局を打開していかれようとするのか、その点についてまず所見をお聞かせいただきたいと存じます。
○橋本内閣総理大臣 自由民主党、社会民主党及び新党さきがけが十月三十一日、選挙後の新たな連立政権の枠組みを展望し政策合意を結んだ、そのプロセスは議員が御指摘になりましたとおりでありますし、私は、この合意などを踏まえながら、この三党連立のもとで、五つの改革とともに。殊に沖縄に係る問題について、全力で、また謙虚に取り組んでいきたいと思います。 そして、大蔵改革等にもお触れをいただいたわけでありますけれども、このプロセスを踏んでいきます途中には、いろいろな抵抗や困難、摩擦等は伴うわけでありますし、今までの制度の中で、あるいは枠組みの中では当然だと思われておりましたようなことが間い直される、そして大きな変化や困難に、厳しい現実にぶつかる場面もあろうと思います。 しかし同時に、こうした課題こそ、それを乗り越えて私たちの世代において実行しなければならないこと、三党の政策合意というものはそのために存在をし、それに対して私は謙虚に誠実に取り組んでいく、それが私の役割であると思います。
○上原委員 本会議における我が党伊藤幹事長の質問でも指摘をされておるわけですが、どうも単独内閣になったということでやはり自民党の、大変言いにくいことですが、古い体質というものがよみがえりつつあるのじゃないかという懸念を持たれておる面はなきにしもあらずです。率直に申し上げておきます。 例えば、報復予算をやりたいとか、あるいは今問題になっている公務員の綱紀粛正問題にしても、いまいち緊迫感がないのではないかと思う。やはり官僚のたるみというものは即政治のたるみだと思うのですね。政治家や閣僚が、これは野党を含めて、私たちは自己改革をし、率直に国民の目線で政治を見るという姿勢がないと、国民の行政や政治に対する信頼が回復できないと思うのですが、そういう面については、歴史認識を含めて、やはり村山内閣あるいはそれ以前の連立内閣等々で、国民的立場で日本の将来をどうするかということについて積み上げられてきたことについては、やはり私は、橋本内閣としても十分尊重し、取り入れていただきたい。その点についてはいかがですか。
○橋本内閣総理大臣 一つの例でお答えをさせていただきたいと存じますが、我々は、比例代表の部分においてございましたけれども、例えば沖縄県から、残念ながら自由民主党の議員を小選挙区においてお送りをいただくことはできませんでした。しかし、だからといって沖縄の問題を我々が放てきできるでしょうか。我々はそんな思いは持っておりません。 そして、大変失礼ではありますが、これは真剣な話ですからまじめに聞いていただきたい。我々は、自分たちが議席がとれなかったからといって沖縄の問題をほっておくようなつもりはありません。その点は、今まで真剣に努力を積み重ねてまいりました三党の合意というもの、その中には昨年の村山総理の敗戦五十年における談話等も踏まえているわけでありますが、こうしたものを踏まえた上で、なお私たちは努力を求められておる、そのように思います。
○上原委員 総理がすぐ沖縄のことを言われると、私も沖縄の問題では総理が非常に熱意を込めてやっておられることに敬意を表していますので、なかなか物も言いづらい面もあるわけですが、しかし、今指摘をしたことについては、ぜひ国民の厳しいまなざしということをしっかり受けとめて各閣僚も政治をやっていただきたい、行政運営をやっていただきたいということを要望しておきます。 それともう一点は、時間があれば少しお尋ねするわけですが、行財政改革の中で、今も共産党の方から消費税の問題がありましたが、これはぜひ、特別委員会を設置をする、これは合意して既にできておりますね、そこで十分議論をしていただきたい。そして私たちは、やはり低所得者のことをどうするのかということ、複数税制のあり方をどうするかということ、もう一つは益税分をどうするのか、そういった。特に低所得者層に対する手だてというものを考えた上で税率を改正するなら改正をするということ。本当に国民の消費税なり不公平性に対しての痛みがわかるような改革の仕方をぜひやらなければ、私は、今のような不祥事が続発をしている中で、とてもじゃないが税制のアップなんというのは難しい環境にあるのじゃないかと思いますので、まずそういったやるべきことを先行させてこの内閣として、また連立三党としてやっていく、もちろん野党の御協力もいただく、こういう姿勢でなければいかないと思うのですが、その点、総理なり大蔵大臣から簡潔にお答えください。
○三塚国務大臣 御指摘は本会議におきましても申し上げたところでございますが、税制改正は痛みが伴います。しかし、少子化・高齢化社会に向けての財政構造改革は前進いたしませんと、経済が激変をいたしますと、そのことによって日本経済が深刻な状態になる。国民生活が悪性インフレの中で大変な事態になることだけは防止をしていかなければならないという政府の責任がございます。 そういうことで、御案内のように、簡明にということでありますから申し上げますと、上原委員は、臨時特別給付金を一回限りではなく制度的に支給することについてどうかという趣旨が込められておると思います。既に生活保護世帯等々に一万円の臨時給付金、低所得者、在宅寝たきり老人に対して三万円の給付金等を決定いたしておるところであります。 消費税の影響は、九年スタートを切るという前提で申し上げるわけでございますが、その年度ではなく十年度に影響が出ます。よって、年金制度、低所得者の家計につきましては、物価スライド制によって、一律にそのことにより生活が圧迫されませんように措置を講じておりますことは、御案内のとおりであります。 その他、どのような配慮が可能であるか。特に、御指摘のように、三党は友党、同友の政党であります。そこの審議の実りを着実に進めていかなければならないという基本的な命題がそこに存在をいたしますから、その配慮がどういう方向で可能にできるのか、狭い選択肢ではありますが、三党の議論の推移を注目し、注視をして対応をしなければならぬ、こう考えております。
○上原委員 これは議論すればまた時間が長くなりますから、今大蔵大臣、その臨時福祉給付金問題をおっしゃったので、現行予定所要額、これは五百億円を予定しているというわけでしょう。対象者の拡大とか給付額の上積み、それから、単年度だけではいかないわけで、そういったことの可能性ということについては、ぜひ税特でしっかり議論をしていく。要するに、消費税の持つ逆進性、弱者に対して不利という、不利益性というものを解消せずして、私はこの問題の国民的コンセンサスというか、まあ一〇〇%というわけにはいかないかもしれませんが、その点は改めて社民党としても強く主張をして、これからの議論に参加をしていきたいと思います。 それともう一つは、公務員の綱紀粛正問題でちょっとお尋ねをしておきたいんですが、これも、私も内閣委員会でも随分やりましたので、過去のいろいろの不祥事についてその都度内閣が通達を出したりやっていることはわかりますが、これは本当にもう嘆かわしい次第ですね。そして、まじめにやっておられる官僚というか公務員の皆さん、一般職員の皆さん、耐えがたいと思うんですよ。こういうことで、やるべき仕事が山ほどある中で、一体どうして信頼回復するかというのは極めて重要な課題であり、国会としても、これは政治を含めて早急にやらなければいかないことだと思うんですね。 その意味で、政府全体としての綱紀粛正問題を聞いたら、今の公務員法でもいろいろ規律、規定があるんだからできるとおっしゃるんだが、やはり倫理法というのは必要じゃないでしょうかね、総理。改めて法的につくれば、魂が入らぬと、今までだってできなかった面もあるわけですから問題があるかと思うんですが、やはり法律的にも倫理法的なものをきちっと制定をしてやっていくという示しをつけないと、国民の皆さんにも私は理解が得られないと思うんです。 どうも総理と官房長官の見解もちょっと違いがあるのかなと思ったりするんですが、これはやはり橋本総理がリーダーシップを発揮していただいた方がよろしいかと思うんですね、もちろん大物総務長官もいらっしゃるんだが。いかがでしょう。
○橋本内閣総理大臣 今議員からも御指摘がありましたように、武藤総務庁長官の手元で、各省官房長会に対し実効性のあるルールというものを今求めております。そして、私は、今長々ともう御答弁をしようとは思いません。情けないという思いは当然のことでありますし、それを通り過ぎて怒り狂っている部分もあります。しかし、その結論を見ました上で、私は、その法案の問題までを視野に入れながら考えていきたい。官房長会から出てくるものがその法案を必要としないような内容の厳しいものであることを願っております。
○上原委員 総務庁長官、簡潔でよろしい。今総理から、法案のことも視野に入れながらという御答弁があったので、それに尽きるかと思うのですが、この行革なり公務員の、特に公務員関係を担当する大臣としてはどうお考えですか。
○武藤国務大臣 今総理からも御答弁がございましたけれども、本当に今先生おっしゃるように、今度の事件あるいはこの間うちの事件、この一握りの人たちがやったことによって、国民の行政あるいは政治に対する不信感というのは大変なものでございます。 しかし一方、まじめにやっている公務員もたくさんいるわけでございまして、その辺で非常に今いろいろと苦労しているわけでございますけれども、要は、今までのいろいろな綱紀粛正についての通達では効果が上がらなかったわけですから、今回、やはり効果の上がることをやらなきゃいけない。 そこで、法律ありきではなくて、まず、今の法、現在ある法律を公務員にもう一回きちんと、心の問題として見直してしっかり守っていただく。しかし、そうは言うものの、具体的にいろいろ、やはりこういうことはいけない、ああいうことはいけないという物差しをつくらなければいけませんから、今総理がおっしゃったように御指示をいただいたので、各省の官房長を中心としていろいろ物差しを今つくらせております。そして、物差しを実行するためには、何らかの形で各省の中にシステムをきちんと考えていきたい。それから報告をきちんとさせていきたい。 しかし、それでも守らなかったときには、やはり、今の懲戒処分だけではなくて、みずからきちんとした処分をするというペナルティーをかけることを考えていかなきゃいけない。その辺になってくると、やはり法律というものが私は必要になってくるのかなという感じもいたしておりますが、いずれにしても、二十日までにとりあえずの各省庁間の調整の結果を踏まえて報告が出てまいりますので、それを見て、必要がある場合には法律もぜひお願いをしなきゃならないと思っております。
○上原委員 一握りとかあるいはごく一部というお考えというか受けとめ方かもしれませんが、しかし、国民の見る目は、これは氷山の一角であって、大蔵、通産、厚生だけじゃないんじゃないのか、こういう疑惑を持たれていることは間違いないので、我々は倫理法をぜひ制定せなきゃいかないと思うし、もし政府が出さなければ、これはもう議員立法でも、場合によってはという話が出ると思いますので、その点もお考えになっていただきたいということを、これも要望しておきます。 それで、もう時間が迫ってまいりますので、私はSACOのことで、沖縄の基地問題についてお尋ねをしておきたいと思うのです。 まず、橋本総理並びに各閣僚の皆さんが、沖縄問題の解決、前進のために積極的な御努力をしてこられたことを多としたいと存じます。特に、橋本総理の九月十七日、十二月四日、五日と二度にわたる沖縄訪問は、基地問題並びに振興対策等に対する総理の御熱意のあらわれだと私も評価をいたしておるし、県民も大方そのように受けとめておるものと思います。 だが、問題は、沖縄の皆さんが基地問題の整理縮小ということについてどういう認識を持っているかということで、やはり沖縄側とあるいは日米両国政府というか政府の皆さんと非常に大きな食い違いがあるということをぜひ御理解いただきたいと思うのですね。 我々は、沖縄の基地の面積を縮小すること。これは県内移設でやろうとしておられる。これまでもやってきた。 もう一つは、基地機能を減少させること。これはしかし、今までのSACOの論議にしても、これまでの日米協議では、これは対象外と言っているわけで、これでは縮小にならないということが沖縄側の受けとめ方ですよ。おわかりですね。 さらに三番目、兵員の削減を行うこと。これもやらないと言っているわけでしょう。これでは基地の整理縮小にならないということが、今沖縄県民が、総理や皆さんが御努力をなさっているにもかかわらず、普天間のヘリポートも県内移設だからだめだと言われているわけです。 この認識の違い、溝をどう埋めていかれるかということについて、総理はどうお考えですか。
○橋本内閣総理大臣 私は、今議員がまとめられました三つのポイントの整理の仕方、これに異論を申し上げるつもりはございません。そして、現実に県民の皆さんのお受けとめがこれに近いものであろうということは私自身も感じております。ただ、私自身本当に、沖縄の現状というものを知れば知るほど、県内に米軍の施設・区域が集中している状況の中でいかにして県民の負担を軽減するか、その思いで今日まで全力を尽くしてきたつもりであります。 そしてその中で、県内移設ですべてをと言われますが、例えば一〇四号線越えの問題のように、恐らく私は、年内にも現在沖縄の皆さんに負うていただいているものの一部は本土に移っていくというケースが出てくるであろうことを強く信じておりますし、また願ってもおります。ですから、一方でそうした努力をしておることも、ぜひ私は御理解をいただきたいと存じます。 同時に、私にとりましてSACOの問題の中で一番重かったものは普天間の問題でありますが、その三番目にまとめられました兵員の削減を行うことというテーマに関しましては、日米安全保障条約を、一方でその役割を、責任を果たしていく立場にあります日本として、現時点において米軍の兵力削減が世界全体の状況の中で行われないという見通しのありますときだけに、私は、あえてこれについて今回触れようとはいたしませんでした。しかし、これが将来にわたって全く努力をしないと申し上げたつもりはございません。むしろ、国際情勢の変化に応じながら、当然のことながらこうした議論というものはこれからもやらなければならないものだと受けとめております。 その上で、象徴的に取り上げられました普天間の危険というものをなくすためにどうするか、私なりに必死で考えました。期せずして海上移設というところにその方向は出ました。確かに、沖縄のきれいな海の中に新しい問題を持ち込む部分があることは事実であります。しかし、それを固定化して未来永劫にそれが続いてしまうような埋め立てといった方式ではなく、撤去可能な方式をと模索する中からSACOの結論が出てまいりましたことは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 そして、移設を行う場所を決めなければ現実に縮小統合に入れない状況にあることも、これまた実は先日、基地所在市町村長さん方に対して私は率直にお話をさせていただきました。これで理解をしていただいたなどとうぬぼれてはおりません。しかし、逆に私の思う問題意識というものは御理解をいただき、その上で御批判もちょうだいをした。そのように思っております。
○上原委員 そこで、私は時間がないからすぐこれを持ち出しましたが、閣僚の皆さんも自民党の皆さんも、沖縄県民が求めている基地の整理縮小というのはこういう内容ですということを簡潔に言ってありますので、ぜひ御理解いただきたいと思うんです。 今、総理が、これは、この時期を逃してはやはり基地の整理縮小なり沖縄問題の前進はあり得ないという認識は私も持っております。ですから、橋本内閣が誠心誠意やると言うなら、我々も協力する、私は協力するにやぶさかでないという立場をとっておる、このことも申し上げた上で言います。 それで、今はその時期ではないと。例えば兵員削減の問題。私がなぜこれから持ち出したかといいますと、今度の、ことしの四月のクリントン・橋本会談、共同宣言等々以降のあれを見て、どうも防衛協力指針とかガイドラインとかSACOとか、軍事面は非常に先行してきているわけですね。だが、これはまだ緒についただけなんですよ。 そこで総理、今ちょっと含みのあることをおっしゃいましたが、共同宣言でもあなたのいろいろな御発言なり、あるいは今度2プラス2の会合の後の共同発表でも、「今後ともアジア情勢の安定のための外交努力を行うとともに、米軍の兵力構成を含む軍事態勢について継続的に米国と協議をする。」となっているわけだな。 なぜこのことを日本側が主体的にアメリカ側に提起をして、十万人体制あるいは在日米軍の四万七千人体制、特に沖縄のこの基地の密度、僕はなぜあんな小さい沖縄に米国の四軍の基地がひしめき合っていなければいかないか、大変疑問を持っておるのですが、二年後あるいは五年後、普天間返還がなされるまで、そういうことについてきちっと方向性をつけるのかどうか、このことにかかっていると思うのですが、その決意はおありですか、総理。
○橋本内閣総理大臣 先日、市町村長さん方に申し上げましたときにも、今回の作業というものがSACOの最終報告で終了するものではないという点、そして継続して話し合っていくということ、これは話し合っていくというのは米国との間です、話し合っていくということ、こうした点は市町村長さん方にも、私は既に私自身の意思として表明をしてまいりました。 ただ、いつまでにという日限を切る話になりますと、これは国際情勢の絡むことでありまして、今からそう何年後をこういうふうに変わっているだろうからということを申し上げる状況ではございません。 ただし、国際情勢に変化が生じるそのたびに、あるいは生じておらなくても、状況の中で、もう少し返還ができるのでは、縮小ができるのでは、そうした思いで外務省、防衛庁の諸君にこれからも協議の場に臨んでもらいたいという気持ちは私は持っておるつもりであります。
○上原委員 ですから、このことですれ違いになったり、あるいはかみ合わない議論はしたくないですが、要するに、こういうことが明記されている以上は、これは単なる飾り文句であってはいかないわけですよね。もちろん私も、外交案件であり、あるいはアジアの情勢、朝鮮半島、いろいろの諸般の事情、環境というのはありますから、ある程度そういうことは念頭にあるわけですが、少なくともこの項目がある以上は、日本政府としては積極的にそういう状況をつくり出すために努力をするということはお約束できますか。
○橋本内閣総理大臣 既にアジア太平洋地域におけるこうした多国間のフォーラムあるいは二国間の論議の中におきましても、地域の安定についての努力は我々は払ってきておるつもりであります。それを一々国会で御報告をいたすこともいかがかと思いますが、そうした努力は当然のことながらこれからも続けてまいります。
○上原委員 そのことを私は沖縄県民も非常に注目をしておると思いますし、基地問題はまだ緒についただけで、来年三月あるいは五月にかけてどういう展開になるか、総理初め関係者の皆さんが一番よく知っていらっしゃると思うので、御努力願いたいと思うのです。 それで、時間があればこれも、例えば今度SACOで、十一施設、五千二ヘクタール返るというふうにみんな言っているけれども、これは、返るのは、普天間基地は二〇〇三年ですよ、平成十五年。北部訓練場も、あなた。平成十四年、二〇〇二年。キャンプ瑞慶覧のごときは二〇〇七年、平成十九年にしか返ってこないのですよ。しかも、これはみんな条件がついているから、大幅に返還されたようにマスコミも報ずるが、ちょうど核抜き本土並み、沖縄返るというあのときと、僕はあのときから国会にいるんだから、もう本当に嫌というほどこの議論をしている。内容はこういう実態だと思うのですね。 もう一つ。例えば復帰時点で、七五年五月、二万七千八百ヘクタールあった。本土は一万九千六百です、専用基地は。今、現時点、九六年三月時点、二万三千五百ヘクタールある。返還されたのは、この二十四年間で四千三百でわずか一六%。本土はこの間にどれだけ返されたかというと、一万一千七百ヘクタール、六〇%返された。 SACOの、さっき申し上げたように二〇〇七年までに返されたとしても、まだ一万八千四百九十八ヘクタールあって、在日米軍専用基地というものは依然として沖縄に七〇%残るんですよ、まだ二〇〇七年になりても。それまでまだ我慢しなさいということではいかぬと言っているのです、沖縄県民は。ただし、今後十一年もこれだけのものを、さっき見せた表を整理するにはかかるんですよ、総理。 こういう実態があるということをぜひ念頭に置いていただいて、だから、冒頭お見せしたように、やはり機能をどういうふうに減少させていくかという課題、兵員をどう削減していくかという課題を、特に海兵隊のあり方というものをどう日米両政府でやっていくかということが、これなくして絶対に沖縄の基地問題の解決はないということをおわかりいただきたいと思うのです。 あと、時間がなくなりつつありますので、産業、経済振興について、これとの関連で、私は別に基地問題があるからこれこれはやるべきだとかそういう、何というかバーター的立場はとりませんけれども、しかし、しょせんは沖縄にこれだけの安保の犠牲なり基地の負担を強いているということになるならば、その基地被害によって受けていることの、政府として、日本側としてできることについてはきちっとやってもらわないといかぬですね。 これをこれまでやらなかった。我々が幾ら議論をしても、見解の相違ということで片づけられてきた。だが、今度は本気かもしれませんので、本気かもしれませんと言うと失礼ですが、本気にやっておられるような感じがしますので、まず一つは、冒頭も、冒頭というかこのSACO問題を質問する前に申し上げましたが、総理が九月十七日沖縄に行って、県民へのメッセージというかあいさつですね、あるいは十二月三日ですか、市町村長とやった……(橋本内閣総理大臣「四日」と呼ぶ)四日ですね、失礼、四日。これは私は、沖縄県民への約束あるいは国民への約束というふうにここでもう一度確認をしていただきたい。 この内容は、本当なら一々取り上げていきたいんだ。すばらしい内容ですよ、ある意味では。そして、相当、振興策やいろいろな基地問題についての政府というか総理としての考え方が入っている、これには。ですから、この公式の場で、私は、予算委員会の議事録にきちっと、この二つのメッセージというものは沖縄県民並びに国民に対する橋本総理大臣の約束である、公約であるということをおっしゃっていただきたい。お約束できますか。
○橋本内閣総理大臣 九月十七日に沖縄に参上しましたとき、私は、沖縄県民が耐えてこられた苦しみと負担の大きさを思いながら、その痛みをいかに国民全体で分から合っていくことが大切かということを申し上げその思いの上に、沖縄が地域経済として自立をし、雇用が確保をされ、沖縄県民の生活の向上に資するとともに、我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備されるように全力を傾注してまいるという決意を申し上げました。 そして、十二月四日に参りましたときには、基地所在市町村長さんたちとの懇談に対し、同様の趣旨を申し上げた上で、SACOの最終報告が第一歩であること、引き続き米軍基地の整理、統合、縮小は米国との間で推進すること、普天間飛行場の代替ヘリポートについて、地元自治体が納得されないうち、その頭越しに国がいわば見切り発車をし、特定の場所に押しつけることはしない、ただしこれには、しかしその場所が決まらなければ基地の移転そのものもできないのですという訴えも申し上げております。そして、沖縄懇談会の提言の実現に向けてできる限りのことを行う決意であること、同時に、米軍に関する地元の御意見や御要望を聞いて政府として迅速に対応ができるように、大使を所長とする外務省の出先機関を沖縄に設置することにした。こうしたことを申し上げました。 私は、この二回の訪問で申し上げましたことを誠実に実行してまいります。
○上原委員 誠実に実行をなさる公約だと受けとめて、そこで、もう時間がありませんので、今もおっしゃっていましたが、この普天間の移転先は、地元の強い反対を押し切ってまで移設を強行することがあってはならない、住民の代表である皆様、いわゆる市町村長自身が納得されないうちにその頭越しに国がいわば見切り発車はしない、こう明言なさったわけですから、そのこともこれからも守っていかれますね。
○橋本内閣総理大臣 例えばどこが可能性があるかの調査をすることですら、地元の協力がなければできるものではございません。我々は、地元の納得を得ながら物事を進めていくという姿勢を変えるつもりはありません。
○上原委員 大変厳しい状況であるということもぜひ御理解を願いたいと存じます。 最後になりますが、これは官房長官の懇談会があって、基地所在市町村に対するいろいろな振興策が盛り込まれております。これは、これまで比較的というか、関係市町村の非常な評価を受け、沖縄全体として高い評価を受けておるのですね。しかし、これも五年ないし七年、あるいはそれ以上かかるかもしらない。そして問題は、金目のことについては全然触れられていないということ、SACOのことにしても、これについても。これは官房長官の私的なものについては入っておりますが、この総理の発言要旨もあるわけですが、これは総理からお答えになって、時間ですから、閣議決定とみなしていいですね、この総理談話というのは、それに値するものだということで。
○橋本内閣総理大臣 と申しますよりも、沖縄問題担当大臣として官房長官が沖縄県を訪問しておりました十一月二十二日の閣議、私が官房長官のかわりとしてその進行をしたわけでありますが、その日は、この懇談会の提言についての報告を受けた日でもありました。閣僚懇談会におきまして、私から、関係各大臣もこの提言を重く受けとめるとともに実現のため最大限努力をしていただきたい旨の指示をし、実行に向けての協力の要請をいたし、関係閣僚から最大限の努力をするという発言がございました。 そしてそのときには、私はあえて、懇談会の島田座長が言われました。今後五年から七年の間に数百億円から一千億円の事業費を要するという見通しにつきましても発言をした上で、これを受けとめてもらっております。
○上原委員 終わります。
○深谷委員長 これにて上原君の質疑は終了いたしました。 次に、船田元君。
○船田委員 久しぶりの予算委員会での質問で、私もちょっと勘が狂っているかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。 私は、この選挙で無所属で立候補し、無所属で当選をいたしました。同じ境遇、つまり純粋無所属で立候補した仲間が五人おりまして、幸い話がまとまりまして、会派21世紀というものをつくらせていただきました。 我々の基本的な考え方は、新保守主義の立場に立って、基本的には各政党と等距離にある、これは理論的な話であります。しかし、現実の問題としては、現在の自由民主党の掲げるさまざまな政策に、まあ押しなべて見れば一番近い、こういうことでございましたので、自民党の皆さんと政策協議をやらせていただきました。 ほぼ十項目、まあ細かいところもありますけれども、大体十項目について議論をさせていただきました。そのほとんどについて合意がなされましたので、十一月の一日付で「新政権に対する協力についての自由民主党と「21世紀」の合意」ということで文書を交わすことができました。その結果として、十一月七日の橋本首班の実現ということに協力をしたのであります。 しかし、決して我々は自民党の補完勢力ではないということを考えておりまして、自民党に対しては、いいことはいい、悪いことは悪い、是々非々の対応をしようということを我々は考えました。 具体的には、先ほど来若干いろいろお話が出ておりますが、自民党の中にある、あるいは一部に復活しつつある、我々から見ると古い体質、例えばそれは族議員という勢力がばっこするようなこと、あるいは最近、党幹部の一部の皆さんのいわゆる報復予算発言、こういったものに対しては明らかにノーだということを言える、そういう立場を確保しておきたいということでございます。そばで耳元でささやくよりも、耳元で大声を上げる、こういう気持ちでおりますので、その点を御理解をいただきたいと思っております。それが一つ。 それから、もう一つ我々がやりたいことは、新保守主義、いわゆる国内的には小さな政府を維持しよう、それから対外的には大きな政府といいますか大きな役割をしていこう、この二つをあわせて新保守主義と我々は考えておりますけれども、これによって、特に我々の生活のツケを将来の子供たち、孫たちに回さない、私はこれをいわゆる将来世代重視の政治というふうに呼んでいますが、そういったことをしっかり踏まえた政治をやりたい、また自民党の皆さんにもやっていただきたい、こういう気持ちで、これからの、特に橋本政権、五つの改革、行財政改革を初めとする五つの改革の推進を後押しをする、またそれに逆行する動きがあればそれを懲らしめていこう、こういう気持ちでありますので、この点も御理解いただきたいと思っています。 そこで、二、三御質問申し上げたいと思います。 一つは、この橋本総理が提唱された五つの改革を断行していくということ、そして小さな政府を維持していくということは、将来我が国を生き残らせるために非常に大事であります。しかし、それをやり遂げるためには、まず総理の強力なリーダーシップ、これに加えまして、政権政党がそれをしっかり支えていくということが大変大事だなというふうに思っております。 それから、我々考えますと、従来の政治家の役割というのは、いかに不満なく利益をうまく配分をするかということに政治家の大きな役割があったかと思います。しかし、これからの政治家の役割というのは、いかに争いなく不利益を、利益じゃなくて不利益を配分をしていくのかということに政治家がもっと力を尽くしていかなきゃいけない。特にこれは、野党はともかくとしまして、政権政党にある者が本当に自覚を持ってこの不利益の配分ということをやらなきゃいけない、そう私は感じております。しかし、最近の自民党にはさっき申し上げたようた問題点がある。 特に、私は期待をしていたのですが、自民党の税調、これのいわゆる小委員会、これはある意味で大衆討議ということになるのでしょうが、その議論をオープン化させる、マスコミにもオープンにするという話が一度出たのですが寸それがいつの間にかだめだ、こういうことになってしまったのは、大変私は残念に思っております。 こういう自民党の皆さんの中の若干の懸念材料、こういうことについては、私は、総理が自民党の総裁としてもっともっと厳しく党内に物を言っていただくということが必要だと思いますが、その点について、これは総理というよりも総裁としての御見解を伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今、船田議員の御質問に対し、私は、今さらその五つの改革がなぜ必要かといったことを延々とお答えをするつもりはございません。ただ、これに全力を挙げてまいります場合にさまざまな抵抗がある。これは本当に、かつて土光臨調のもとの行財政調査会長の際にも、相当な混乱を通り越えまして、身辺の警護まで云々されるような状態がございましたことを振り返ってみましても、大変な抵抗というものはあろうと思っております。 そして、それを乗り越えますためには、これは国民の応援、言いかえますならば、マスコミの人々が即その行政改革というものの違いを探し歩くのではなく、大きな方向を支援してくれる、そうしたことだけはぜひ願わなければなりませんし、政治が責任を持っていく、その必要性があると言われることは、私もそのとおりに受けとめます。 そして私は、自由民主党の古い体質と言われましたけれども、先般行われました自由民主党の全国政務調査会長会議に参りましたとき、次のようなことを申しました。これは、先般の選挙が終わりまして初めての党の全国ベースの会合でございました。予算編成の非常に厳しい状況、そして財政構造改革に取り組まなければならないということ、その中には社会保障構造改革もあれば、すべての問題が包含をされる。よく族議員の復活とか台頭とか言われる。今回、族議員と言われる、それだけの経験を持ち識見を持った議員に求められるものは、いかにして予算をふやすかではない、いかに重点化をし効率的な予算編成をする力があるかという意味で党がその見識を問われる、私は、そのときそのようなことをその席上で申し上げてまいりました。 党の中の個別の会合につきまして、今どのような運営をしているかまで私も存じません。しかし、その作業のプロセスによりまして、さまざまなやり方を恐らく行われておろうと思います。 要は、私は、自由民主党自身が予算をいたずらにふやす側、増額を、かつて確かにそういう時期があったわけでありますけれども、ふやす側に回るのではなく、相当厳しい制度改革までを含めて、本当に予算の効率的な編成に、またでき上がった予算が本当に国民の期待に一歩でも二歩でも近づくためのものに努力をし得るような体制になっていけるかどうか、そのように受けとめておりました。 御注意は素直にちょうだいをさせていただきます。
○船田委員 総理のおっしゃること、そのとおりだろうとは思います。ただ、私は、族議員というのは逆の意味でむしろ存在してほしいというふうに思っておりまして、利益の配分のための族議員じゃなくて、不利益をいかに国民に納得してもらうか、そのために専門家であればいいわけですから、ぜひそれをお願いをしたいし、特に自民党の皆さんにお願いしたいなということを強く感じております。 次に、我々、特に国民負担率というのに非常に関心がございます。現在、三七、八%というところまで来ているのかもしれません。これが、制度などをそのまま続けてまいりますと、二〇〇〇年、二〇二五年、二〇二五年というのが高齢化社会の一つのピーク、大きなピークになるわけですが、そのときには優に六〇%を超えてしまうのじゃないか、こういうことが言われております。当然こういう状況になると、社会の活力というのは、これはどんどん損なわれてしまう。 そこで、橋本総理は、多分選挙前にも御発言になったかと思いますが、国民負担率はできれば高齢化のピークに至っても五〇%を超えないようにしたい、四五%程度にしたい、こういう御発言をされました。また具体的に、十一月に産構審、産業構造審議会、そこの基本問題小委員会中間取りまとめというところで、試算一というのがあります。これは、今申し上げた国民負担率を二〇二五年でも四五%程度にとどめる、そのシナリオが出ているわけであります。私は、総理の四五%発言というのは高く評価をしたいと思います。しかし同時に、実は、この産構審に示された四五%にとどめるために痛みを伴う、これは大変な痛みであるというふうにこれが指摘をされているのです。 ちなみに、具体例を挙げてみたいのですが、この産構審で示された中では、例えば思い切った経済構造改革、これは説明は省略いたしますが、その改革によってGDPの成長率、これが二〇二五年でも二・二%程度で堅調に推移をしなければいけないという、これは大変高目の成長率見込みじゃないかなと思います。 それと、もっと大変なのは年金制度、これは支給開始年齢、現在、この前法案が通りまして六十歳から六十五歳への段階的引き上げということなのですが、その六十五歳を六十七歳にさらに引き上げなければいかぬ。それから、報酬比例部分を撤廃するというようなことも述べられております。そういうことで、大体これからかかる見込みの費用のうちの三七・五%を削減をしないとこの四五%にはならない。 それから医療、これもまた大変大きな問題ですが、例えば薬剤費の一〇%削減、それから患者の自己負担比率を引き上げる、そういうことを通じて一八・九%の費用削減、こういう相当な痛みを伴うということがこの産構審の中間取りまとめには指摘をされているわけです。 総理の志は大変すばらし。いものがあると思いますが、それを実現するためには本当に、まさに不利益といいますか、大変な痛みを国民に理解をしてもらわなければいかぬ、こういうことになるわけですが、総理のこれに対する評価とそれから心構えをお聞かせを願いたいと思うのです。
○橋本内閣総理大臣 今議員が援用されました経済審の構造改革推進部会の試算、それから産構審の総合部会基本問題小委員会の中間取りまとめの試算、実はそれぞれ数字としては多少異なっております。しかし、指摘をされております問題点というのは同様のものでありますし、極めて深刻なものになります。 例えば経済審構造改革推進部会のものをそのままにとってみますと、現行ケースをそのままに延長していきました場合に、一九九四年実績の国民負担率三五・八%は西暦二〇二五年度におきましては五二%ほどになる。実は、この数字だけがマスコミに報道されましたとき、非常に我々にとって頭の痛い事態が生まれました。五〇%をちょっと出るくらい、それぐらいでおさまるならといった安心感が一部に出たわけでございます。 しかし、実はここには財政赤字の分というものが全く考慮をされておりません。そして、この国民負担率に一般政府財源の赤字比率、これを加えたものを潜在的な国民負担率としてとらえました場合、九四年実績、これで既に三九・二%に国民負担率は高まるわけでありますが、これは二〇二五年には七三%程度に上昇をするという数字が出てまいります。 同様、産構審総合部会基本問題小委員会の数字を見てみますと、これを加えました場合には、二〇二五年には国民負担率は九二・四という数字が出ておりまして、いずれにしても、我々として到底耐えられる数字ではございません。 それだけに、よく行政改革、財政構造改革、社会保障構造改革、何でそんなにたくさん並べ立てるんだ、一つずつやっていけ、急ぐものは行政改革だといった御意見がございますけれども、実はこれは皆並行して進めていかなければ、将来国民負担、到底耐えられるものではなくなるということがこの数字からも明らかであります。 それだけに、私どもは、経済構造改革も加えましてこの問題に同時並行で取り組まざるを得ない状況にありますし、また、取り組んでまいらなければなりません。全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えておりまして、御協力を心から願う次第であります。
○船田委員 総理は、かつて自民党の行財政調査会長を長年やっておられました。私も時々そのメンバーとして出ておりましたが、大変あのころ輝いておりまして、あこがれの的でもありましたけれども、私は、総理という非常に重い立場でこれを実行していく、総理としてやはりこの行財調会長のときと同様にぜひ輝いて前向きで取り組んでいただきたい、それをやる限りは我々は応援をするということでございますので、よろしくお願いいたします。 時間もありませんので最後の質問にさせていただきたいと思います。それは景気動向でございます。七—九月期のQEが〇・一%アップ、GDPO・一%成長ということになりました。この結果として、今年度の政府経済見通しが二・五%アップ、これを達成するためには、十—十二月、それから一—三月いずれも平均すれば〇・六%ずつGDPが成長すれば達成は可能であるという若干明るい見通しがあります。 これはいわゆることしの一—二月の発射台、これが二・〇の非常に高い成長だったものですから、それに救われている部分があるかと思いますけれども、現状の景気動向、それから政府経済見通しの達成への可能性、経企庁長官、御見解をお願いします。
○麻生国務大臣 お答え申し上げます。 先ほどQEのお話があっておりましたけれども、その数字、そのとおりになっておりまして、今、〇・六、〇・六で残り下半期二ついきますと二・五%政府目標を達成する予定になっておりますが、その見通しが達成できるか否かという御質問は、私ども極めて慎重な御返事を申し上げなければいかぬところだとは思っておりますけれども、総じて景気の動向は、少なくともこの秋以降、車の売れ行き等々堅調に伸びておりますし、住宅建設も、普通ですと百四十万戸前後と言われておりますものが今は百八十五万戸等と、ちょっと高過ぎるところもなきにしもあらずというところですけれども、まあ、おおむね景気の動向は設備投資等々も極めて堅調に推移いたしておりますので、今申し上げたような状況が続きますと二・五%達成は可能な範囲にあると、私どもはそう思っております。
○船田委員 もう時間がなくなったんですが、最後に、それはそれで若干見通しは明るいんですけれども、ただ、問題は来年四月以降だというふうに私は考えています。 消費税アップもほぼもうこれでいくんだと思います。それから特別減税、これも廃止の方向であります。そうすると、四兆円、二兆円で六兆円、これは財政が、要するに増税といいますか足を引っ張るという方向になる。この影響が、企画庁の試算でも〇・九%GDPを押し下げる、それから民間の試算でも、合わせまして〇・八引き下げる、こういうことになるわけで、非常に厳しいものがあります。 ただ、現実のその政策判断として、多分、政府としておやりになろうとしていることは、まず、二兆円特別減税はなくしましょう、補正については、これはどうも中規模、四・五兆円程度出すんじゃないかなというふうに思っておりますが、これは以前から議論があるように、暖房と冷房を一緒にかける、あるいはアクセルとブレーキを一緒に踏むようなもの、つまり、市場に非常に混乱したメッセージを送ることになるんではないかというふうに思うのです。 ですから、私は、すっきり考えれば、特別減税は逆に継続をして補正は小規模でやるか、あるいは、もう最初から財政再建ということを訴えて、筋を通そうとすれば特別減税もだめ、それから補正も、これも小規模でやむを得ない、ただそれを、国民に対してこれだけ厳しいんだよということを示しながら運営をしていくということの方が私はすっきりするんじゃないかな、その二つに一つではないかなと思うのですが、総理はいかがでございましょうか。
○橋本内閣総理大臣 まず、所信表明で申し上げたことでありますけれども、所得税、個人住民税の恒久減税と一体となっておりました消費税率の引き上げ及び地方消費税の導入、これは、私どもは予定どおり来年四月から実施をさせていただきたいと考えております。 そして、特別減税につきまして、これはまだぎりぎりまで私どもが経済見通し等を見て判断をすべきものでございますという以上に、今どうこう申し上げるのも必ずしも適当ではないと思います。 ただ、私は議員の御指摘、その方向が間違っているということを申し上げるつもりはありません。ただ、補正予算の要因として、少なくとも我々は、阪神・淡路の、当年度に入りましてからの補正要因が住宅等を含めまして発生をいたしております。こうしたものは補正を計上いたさなければなりません。 また、緊急防災事業として、阪神・淡路大震災の後、各地を点検い一たしました結果、同様の震度の地震等を受けました場合の危険度というものを考えます場合に、緊急防災対策事業というものは、相当程度進められる部分は進めておきたいという気持ちは私自身も持っております。 実は、私はもう一つ、O157の影響というものがどの程度出ておるか、これは補正要因としてどうかという心配をいたしておりましたが、ございますけれども、それほど大きなものではなくて済むようでございます。 そうしたことを考えますと、それなりに補正予算というものを、必要性があるものでは現実にある、同時にその事業が明年度四—六に与える影響等をも最終的には視野に入れながら最終の決定をいたしたい、今そのように考えております。
○船田委員 終わります。
○深谷委員長 これにて船田君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○深谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石井一君。
○石井(一)委員 第二次橋本内閣の発足に当たりまして、大震災の復興担当を国土庁長官から内閣官房長官に移された。総理のそういう御決断はどういうことであったか、お伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 ちょうど本年の一月、内閣が発足をいたしました時点におきまして非常に急がれておりますものは、特に現地に私が参上いたしましたときにも、恒久的な住宅を一日も早く建設の軌道に乗せていくこと、そしてその家賃について、特に大変所得の低い方のおられる状況というものを判断の中に入れながら、公営住宅の戸数を積み増していくこととともに、家賃の低減措置をという課題が非常にクローズアップされておりました。そうした中におきまして、県、市の御用意をいただく恒久住宅の建設用地等の都市計画関係その他の問題もありましたので、その時点におきましては国土庁長官にこれをお願いを申し上げたということであります。 その後、県、市との間に相当程度用地も確保をしていただき、一部ミスマッチ等もあるという声も聞きましたけれども、住宅の建設も軌道に乗り始めました。そして、まさに復旧から復興という道筋の中で、復興というより大きな課題を考えますときに、例えば長江プロジェクトのような、国土庁という特定省庁を土台にしたのでは対応し切れない今後の阪神・淡路大震災、特に神戸を中心といたしました復興策というものがこれからは課題になってまいります。そうした視点から、内閣全体の調整の機能を持つ官房長官にこれを御担当いただく方が至当、そのように判断をいたしまして、官房長官に担当をお願いをいたしました。
○石井(一)委員 震災後、担当大臣が、ここにおられる、今ここを出ましたか、小里筆頭理事に任命をされまして、その後国土庁長官が兼務ということになりましたが、今度大物の官房長官が任命されたということで、地元は復興に対する期待、並々ならぬものがございます。 ただいま、省庁の壁を越えて広範な課題に取り組むということでありますが、復興に対する抱負を担当になられた官房長官から一言お伺いしておきたいと存じます。
○梶山国務大臣 総理からただいま話があったような経過で、私に阪神復興対策を命じられたわけであります。懸命に努力をして、その任にたえたいと思っております。
○石井(一)委員 本委員会におきまして、いわゆる報復予算という問題が議論になっております。被災地におきましても、ここにおられる、どなたとは申し上げませんけれども、選挙の前後にたびたびお見えになりまして、ここには自民党の議員がおらぬから復興がおくれておる。いや、あなたじゃないですよ、この中にもおられるし、外にもおられる。総理はさすがにそういうことは言われなかったように私は記憶しておりますが、私も行くわけにいきませんから間接的に聞いておりますので、間違いもあるかもわかりません。今度自民党の議員を当選させてくれたら復興は進むんだ、こういう話がありまして、しかし自民党議員を小選挙区で通さんかったのですから、自民党の皆さんよりも選挙民の方が賢明だったのかなとも思えるのですが、これはどうかわかりません。 ただ、消費税の問題でいろいろ、党の、自民党政府の公約と個人の公約の違うということが指摘されておりますが、この震災に対する公約の開きはもうさらに大きい。 亀井さん、別に引っ張り出しませんから、もうきょうは。ひとつ、こうぱっと、いやいや、発言をしたいのなら、それじゃひとつ簡単に亀井建設大臣、お願い申し上げます。御答弁が何かありますか、コメントは。
○亀井国務大臣 まず一つ、消費税の公約の問題。 先ほど志位委員からも……(石井(一)委員「あなたのこと言っているんじゃないのですよ」と呼ぶ)いやいや、ちょっと待ってください。私は当時組織広報本部長をやっておりまして、党の公約を外に発表する立場におりましたので、この点は明確に申し上げます。 党の消費税に対する公約は、選挙後、国会に特別委員会を設置をして消費税等について議論をするということが公約でございますから、そういうことで、各候補者がそれぞれの信念に基づいて、一こうすべきだ、ああすべきだということを選挙民の方々に対して訴えたり話をしたのは当然であります。また、総理は閣議決定をされた御当人でございますから、それを取り消しておられない以上は、国民に対して理解を求める訴えを続けられることは当然の話であったということでございます。 それから、今、私ではございませんがついでにちょっと申し上げておきますと、私ども神戸にも、選挙の際にも私は党の役員として参りました。私どもは、予算が公正、厳正に執行されるべきということは当然だというようにこれは考えておるわけであります。 ただ、御承知のように政党政治でありますから、小選挙区というもとでその地域から与党議員が出ていない場合に、地元の要望なり気持ちが上がりにくくなるという危険性がございます。そういう意味では、石井議員を初め野党の方々あるいは自治体の方々が一層の御努力をされる必要がある、このように考えておるわけでございますので、そのように御理解いただきたい。
○石井(一)委員 共産党に対する答弁ですから、私はあなたの気持ちは理解しておるつもりであり、これまでテレビでもお互いに議論も交わしたところでありますが、報復予算よりもちょっとこれはひどいと思うのは、私は名前まで挙げてはもう申し上げませんけれども、被災地における総選挙におきまして、個人補償から、もうエンドレスな公約が各候補者から言われました。 私は実に驚いたのですが、例えば自民党のある候補は、激甚災害地を対象に消費税凍結の減税特別法を提出する、前例のない国民的災害補償制度を創設し、震災にさかのぼって神戸の被災地に遡及適用をする。三%の特別の減税法を出すと言っているんですね。三兆円の復興基金をつくる。また、別の自民党候補は、災害被災地の援護法を超党派で議員立法する、個人補償を確立する、五%には党内で造反すると。 まあ消費税のことは別としまして、こういう公約を言われますと、わらにもすがろうという被災民は、一票入れようかと思うのですよ。しかし、その結果このようなものが政府・与党の候補者から出るということになりますと、最終的にはどういうことになりますか。恐らく、政治家はほら吹きだ、うそつきだ、政党の公約などは何も信用できないということになると思います。 その結果、総選挙直後に行われた参議院の補欠選挙では、自民、新進、民主、連合を初め全党の推した候補者が、被災地においては圧倒的に共産党の候補者に負けてしまった。辛うじて三十九万と三十七万で当選したというのですが、これは何も私は共産党の勢力が伸びたというよりも、前回の総選挙と比べるとそこまで伸びておりませんから、要するに政治家に対する不信、これほどきわまりないという状態があると思います。 私は、小選挙区ですから、政策で戦う選挙になっておるのですから、消費税の問題、私たちも反省するべきときは反省いたしますが、国民にわかりやすいうそのない公約ということを、今後やはり党としてはこの際けじめをつけられることが必要なのではないか。この被災に関する公約、必要であればお出ししますから、吟味していただいたらいいと思うのですが、余りにも、党の言っておられることと政府の方針とは全く違うことで、聞いただけでももう不可能な夢物語を言われる候補者が繰り上げ当選されたりなんかしておる。 この公約違反ということについて御意見がございましたらひとつ、これは重要な問題だと思います、自民党だけでなくすべての政党に対する国民の不信を招く問題だと思いますので、御意見をお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 先ほど、当時の自由民主党の組織広報本部長としての立場から、亀井さんから党の公約というものについての御説明を申し上げました。 私は、それぞれの候補者が候補者として訴えたいその理想を訴える、それ自体を問題視するつもりはありません。むしろ私は、神戸の皆さんはそれぞれの各党の候補者の話というものを御判断になり、その結果として自由民主党が敗北したということは事実でございます。 ただ、先ほど議員のお話を伺っていますと、何か自民党に投票したのは余り利口じゃないみたいな言い方をされました。それは私、ちょっと言葉が過ぎておろうと思いますけれども、私は、神戸の有権者の方々は神戸の有権者としての判断を下された。それはその地域における国民の声として我々は受けとめるべきものだと思いますし、そして、その選挙の結果いかんにかかわらず、阪神・淡路大震災の復旧、復興という作業は、これは国として取り組むべき課題、私どもはそのように思って努力をこれからもいたします。
○石井(一)委員 私が申しておりますのは、自民党の中にも、私もおりましたので、非常に多くの意見がございます。タカ派からハト派まで、外交問題にしても甚だしい。しかし、消費税だとか被災地に対する税率なんかは、消費地だけ三%にするという立法を出しますなんて言っても、これはお認めにならないでしょう。だから、ここまで言うのはむちゃくちゃだ。これから小選挙区になるのですから、お互いにもう少しルールとけじめをつけて政策論争をやるべきだ。勝手に個人がやることをみんな放置しておるというのでは、国民にとってはたまったものじゃないということを私は御指摘しておるわけでございます。(橋本内閣総理大臣「各党ともに共通することです」と呼ぶ)そういうことも申し上げております。 さて、被災地は、政府の過去二年間の御努力もございまして、いろいろと復興が進んでおる。高速道路もようやくこの九月に完成をし、町の中はにぎわいを取り戻しておりますけれども、一たん裏側へ参りますと、民家はほとんど建ち上がっておりませんし、まだ四万世帯が仮設住宅で本当に苦しい生活を強いられておるということは、もう総理も御存じのとおりでございます。 おわかりでございますけれども、本年の二月から三月に兵庫県が細かい調査を四万人を対象にいたしました結果、四一・八%が高齢者世帯であり、そのうち単身が五一%、七十、八十、九十に近い人が一人で本当に耐え忍びながら住んでおられる姿、そうして収入は百万円未満が二九・三%、二百万未満が二三・一%、三百万未満が一七・二%で、仮設住宅の七〇%の人は三百万円以下の年間の収入で生きておる、こういう状態でございます。 まあ一遍想像してください。年金で細々と生活し、年間の収入が百万円以下ということになったら、どんなに惨めな生活を強いられておるか。精神不安を感ずるというのが四〇%おるというデータも出ております。要するに、冬に暖房をつけてもらっても電気代を節約する、一日食べる物を一回少なくして生き延びておるという方がどれだけの数に上っておるかという、こういう状態でございますから、本当に苦しいうめき声を聞くたびに、私たちも選挙で個人補償をするということを言いたいが、うそを言えない。 そういうことで、そういうことを口に出さずにやってまいりましたが、政府は終始一貫、こういう方々に対しても思いやりの手を差し仲べない、天災で起こったことは補償しないということで終始されておりますが、今でもその方針に変わりございませんか。 担当の国土庁長官、いかがです。官僚のぺーパーを読まずに、心のこもった。この間あなたも視察してこられて、なかなかいい視察をされましたから、よろしくひとつお願いします。
○伊藤国務大臣 震災が起きました直後に、私はプライベートで現地に伺いました。そして、私が生まれて初めての、本当に惨たんたる現状を見させていただきました。そのことが、その後、私も予算委におりまして、いろいろ皆さんから質疑がございました。人間としてできる限りのことをやらなければならない、そう思い続けてまいりました。 たまたま、この内閣の災害を担当してまいります国土庁の長官として仕事をさせていただくことになりました。就任をいたしました二日後に、私は現地に参りました。現地で皆さんの生活を見、また仮設住宅におります皆様の生の声も伺ってまいりました。政府として法律を超えても何かできることはないか、あるいは、新しい法律をつくって絶望している人々に力を与えるのは政治の仕事だ、そう考えながら、皆さんの生の声を伺ってまいりました。 その後の経過については、今、海外におきます法整備を初めとして、事務当局にも勉強していただくようにお願いをしております。 現状の中では、私たちは、個人が被害を受けた場合に自助努力による回復を原則としております。もう石井先生も御案内のとおりでございます。しかし、そういう中で、これはもう与党、野党を超えまして、私たちはあらゆる現在の法制度の中ででき得る限りの現地に対する支援をしてきたと思います。先生御専門ですから、具体的なことを一つ一つ申し上げるまでもないと思いますが、特別立法などさまざまな新しい法律、この被災地に対します法律もつくりながら対応してきたことも御存じのとおりでございます。 今後も、私は、この精神にのっとりまして、できる限りの勉強を続け、また対応もしてまいりたいと思っております。一層の御協力をお願いしたいと思います。
○石井(一)委員 今の答弁では、やはり中央政府の姿勢は変わりませんし、地元との温度差は詰められないという感じがするのです。 時間がありませんから多くを申し上げませんけれども、米国では災害救助基金というのがあって、いわゆる緊急事態管理庁、フェデラル・エマーシェンシー・マネジメント・エージェンシー、FEMAというのがこれを自由に使いながら、例えばノースリッジ地震でも二百億円以上の支出をやっております、個人補償をやっております。イタリアの南部の地震においても、それ以上の見舞金の予算を支出をしておる。 もっともっと例がありますが、ソ連のチェルノブイリの原発の事故におきましても、その周辺三十キロ圏内で住居を保証し、職業を与え、生活資金の援助をしておる。十万人強制疎開した人に対してそれだけの補償をしておるというのが姿である。 この地震国日本でこんなことを繰り返しておったのではどうにもならない。私は、今の国土庁長官の答弁では、今このような特定地のために利益を代弁して言っておるんじゃありません、この不幸が次に起こった場合にどうなるかということを考えた場合に、私は、もう少し踏み込んでやっていただきたい。 今、国会の前で座り込みをやっておる人々がおります。閣僚の皆さんも、第二議員会館の前ですから、場合によっては見ていっていただきたい。きょうで十日目だ。「官僚に悲憤 座して死ねとや 神戸の被災者 絶食十日」と、こういう状態が起こっておるわけでございます。そして、総理のところへは、「政治に答えを求める必死の要請書 内閣総理大臣橋本龍太郎殿」という書類が行っておるはずでございます。これも一々読みませんけれども、既に、生きられない、生きる望みを失った。そういう形で餓死し、孤独死する人が、震災関連死というのが二千八百人も出てきておる、こういうふうな状況にございます。 我が党は、地震保険に関する法案を先国会提出をいたしましたが、御審議いただけませんでした。そして、今回さらに特別給付金の創設と特別貸付金の創設を願う法律案を今国会に提出をしておりますが、議運で今つるされておるような状態である。速やかに審議をしてもらいたいと思うのでありますが、最近、ようやく与党三党も重い腰が上がったようでございまして、議論を詰められ、私も非公式に村岡座長等とも話をいたしまして、最近、地元の知事、市長が新たな要望を持ってきて、それをまとめる段階に入っておるということでありますが、この内容について、自治大臣からでも二言説明を願いたいと存じます。
○白川国務大臣 阪神・淡路大震災の被災者の生活支援対策ということでございますが、先週、兵庫県及び神戸市から緊急要望が出されております。 その骨子は、被災高齢者や要援護者のいる世帯が恒久住宅への移転後において自立した生活を再建できるよう、月額一万五千円から二万五千円の支援金を五年間支給するようにいたしたい。二番目としては、生活復興資金の貸付限度額を現行百万円を三百万円に引き上げたい、これを復興基金の果実で行ってまいりたいということであって、その点について地方交付税等による財政措置を要望する、こういう内容であります。
○石井(一)委員 新進党が今国会に提出をいたしております法案と非常に類似いたしておるわけでありますが、我が方は、要介護の世帯、母子家庭、父子家庭、身障者の家庭等、本当に社会的な弱者に対して百万円の給付をこの年末にしてあげてほしい。それから、老人家庭、これに五十万円の給付をしてあげてほしい。まだこれから働こうという中年の方々に三百万円の限度で貸し付けをしてあげてほしい。今そういう要援護の世帯が大体四万、それから老人世帯が四万五千はある。これに対しての要望をいたしました。 全く一顧だにしなかった与党サイドが、最近、選挙も終えまして、今自治大臣がおっしゃったような形でそういう案を考えていただいておるということ、これは地元の悲痛な叫びが少しは政府に届いてきたんだというふうな気持ちがいたすわけでございますけれども、担当大臣として、官房長官、今の案に対してひとつ積極的に取り組んでいただけるかどうか、本委員会でお答えをいただきたいと存じます。
○梶山国務大臣 今自治大臣からお答えをされましたような要望が地元から出され、自治省において真剣な検討がなされておるということは、委員御案内のとおりだと思います。 そして、我が党村岡座長を中心として長い間精力的にこの阪神の問題に取り組んできております。自民党、さして関心がない、遅まきながらと言われますかもしれませんが、現実の政権担当政党として、十二分な対策を講ずるために今必死の努力をいたしております。 そういうものの成案を踏まえ、私も担当大臣としてできるだけのことをしていかなければならない。その意味で、今せっかく調整中であります。
○石井(一)委員 まだ議論が続いておるようでありますから、この席でこれ以上深追いはいたしませんけれども、我が方といたしましてもこれまで並々ならぬ努力をして法案をまとめてまいりましたが、それをおろして、そこで今政府提案されようとしておるものを一歩前進として評価するか、あるいはそのまま年末のために——今政府の案は、この年末ではだめなのですよ。今度家へ入るときに、一年か一年半先に、しかも一月二万円ずつ給付するというのですから、中身は大分違うのでありますけれども、検討をしていきたいと思いますが、会期もございません。年末も迫っております。ひとつ政府の決断を、特に大物の官房長官として、私は強く要望しておきたいと思います。 たくさん問題があるのですけれども、住宅地震災害保険法というのも前国会、我々は提案をしておりますが、審議未了、廃案になっております。実際に四十万の家が全壊、半壊した中に、現行の法律で適用されたのはほんの数%、現行の保険というものは役に立たなかったというのが現実の姿であり、我々は何とかこれを、この大きな悲惨な時期にこれを教訓としてつくりたいと思っております。 橋本総理は、前向きな答弁をこれまで私の質問にもいただきましたが、中長期的な課題と言っておられる。中長期的というのは、今すぐやらぬと。いつごろやっていただくというお考えなんですか。
○橋本内閣総理大臣 たまたま新潟地震の起きました後、同じ問題が議論をされました当時、私は当選したての議員として先輩方の御議論を随分長い期間拝聴いたしておりました。その当時もありましたのは、一つは既往にさかのぼれるのかという点、あるいは強制保険たり得るかどうか、こうした視点が最後まで煮詰まらなかったように記憶をいたしております。 問題点は今回におきましても実は同様ではなかろうか。そうしますと相当の時間を要するという率直な印象を、私はこうした御提案が出てくる素地を十分理解した上で、同じような問題意識を持ってこれを眺めております。
○石井(一)委員 私の質問に対して直接お答えをいただいておりませんが、私はこの時期をおいて、この地震保険に対する時期を失してしまう、中長期的という問題ではないという認識のもとに、次国会にも法案を提出していきたいと思うのでありますが、与党サイドにおきましても、今回示されたような前進をひとつ図られるように強く要望しておきたいと思います。 住宅再建ということが一番おくれておるわけでございまして、このために住宅再建に係る税制上の支援措置、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税、印紙税等がございまして、それぞれが今減免措置を、特例措置をやっていただいておりますけれども、早いものでは今年中、来年あるいは再来年期限が切れる。このことについては延長をぜひともお願いをしたい。 また、特に重要なのは住宅取得促進税制、これは長年建設省が住宅を建設するために施行してきた優遇税制でありますけれども、これを廃止するという動きが現在ございます。大蔵大臣におかれては、そういうことがめっそうもないように、これでは、さらにここへこれをやられると、もう復興というのはどうにもならぬというふうな状況でございます。 今申し上げました個々の五つの税金あるいは住宅取得促進税制の延長ということにつきまして、担当大臣から、簡単で結構でございますから、お答えをいただければと思います。
○亀井国務大臣 委員からの土地税制または住宅取得促進税制についての御意見、私どもも同じような認識に立っておりまして、今住宅問題につきましては震災復興につきましても喫緊の課題だ、このように考えておりますが、住宅行政全体から考えてみましても、今百八十三万戸というようなことで、九月時点で非常にハイレベルでは推移しておりますが、先行指標としましては、十月、十一月の契約受注は大体軒並み三〇%減、またモデルハウスヘ来る方々も減というようなこともございまして、そういう意味で、住宅取得減税は今廃止するなという御意見でございましたが、それを超えて、拡充強化を我々としてはお願いをしております。 大蔵大臣、御答弁のようでございますから、私どもとしても答弁に非常に期待をいたしておる次第でございます。
○三塚国務大臣 建設大臣、担当、また国土庁長官も本問題に最大の関心を持っていますし、官房長官もそうであります。ただいま税調等審議を行っておりますものですから、それを踏まえながら、元気をつけていただくためには対策を考えていかなければならぬだろうと思っております。
○白川国務大臣 私どもが担当いたしております不動産取得税、固定資産税、都市計画税につきましても、現地の御要望をいただいておりますので、慎重に検討して、前向きに検討してまいりたいと存じております。
○石井(一)委員 今のお答えで、建設大臣、自治大臣の御答弁は子といたしますが、大蔵大臣は検討するということでありますが、今本当にまじめに働いておるサラリーマンがマイホームをつくるということにどれだけ懸命になっておるか、そういうことを考えました場合に、これは非常にいい税制であり、六年間を八年間に延長してくれという強い希望があるわけであります。これは非常に大きな税収になるようでありますから、大蔵省としてはカットしたいという気持ちもありますが、消費税も上げる、景気も冷え込んでおるというこのときに、大乗的見地から、ひとつここで決断をして、延長をし、拡充をしていただきたい。 よしんば、どうしてもできない場合にも、せめて被災地に対してはこの制度を例外的に適用する。本当は、私は全国にしてあげていただきたいということを強く要望しておるわけでありますけれども、そうでなければ、いつまでたっても復興ということはできないということを強く要望しておきたいと存じます。 最後に、まだまだこの地震関連ではたくさん申し上げたいことがあるのでありますが、きょうはかなり前向きな答弁もいただいたようでございますので、最後に一つ、私の所管外ではあるが、そういう指示がありましたので質問をさせていただきたい問題があります。これは最近、食糧庁の総務部長が中央線に投身自殺をした。こういう事件でございます。 この背景には、今世間で言われておりますのは、最近米価の一・一%の値上げをされた。(発言する者あり)値下げをされた。私は農村のことを余り知らぬものですから、上がりと下がりとあれしましたが、いつも米価の値上げ値下げのときに、理不尽な積み増しというものに対して都市の住民としては憤りを感じながら、まあしかし農村の、食糧ということも大切だろうと。米がなくなった。どうにもならぬという時期が来たら、その次には余ってどうにもならぬというようなことにでもなれば、やはり日ごろからいろいろの投資も必要なんじゃないかということも考えながら一黙って歯を食いしばってこれまで拝見をしてきたわけであります。 しかしながら、今度の場合は、一・一%引き下げをしたけれども、その後直ちに百億円をこれに対して積み、何というんですか、補助金を決めた。米需給調整特別対策という名目で百億円の助成金を乗せた。そのことによって、六十キロ当たり百七十五円下がるべきものが二百八十八円の、百億円を積み増すことによって農家の収入になり、差し引き百十三円の値上げになる。 しかも、この議論が自民党の米価委員会において行われて、総選挙で世話になっておる、農民に対してこのままではどうにもならぬじゃないかということから、値下げをしたけれども直ちにこれを乗せたと。常に、日本の将来、将来と言うけれども、こういうことをやっておったのでは、まさに報復予算といいますか、そういうことになりはしないか。今行革をやろうとしておるこの内閣がこんなことをやっておって、国民に納得のいく説明ができるのか。 また、この食糧庁の総務部長の投身自殺というものは、この問題に悩み抜いたというふうに言われております。一体これはどういうふうに農林水産大臣としてはお考えになっておるか、お伺いしたいと存じます。
○藤本国務大臣 故人は我が国の食糧行政の実質責任者、総務部長という立場で活躍をしていただいておりまして、私にとりましては極めて有能な部下でございました。このようなことで失ったことはまことに残念でございまして、我々としても彼の遺志を継いでこれから頑張っていかなければならぬというふうに思っております。 先ほどお尋ねの米の需給調整特別対策百億円の話でございますけれども、ことしの生産者米価を決めますときに一番問題になりましたのは、生産調整、減反規模をどうするかということでございました。いろいろな御意見がございました。また、私もいろいろと考えました。そして結論といたしましては、生産者の生産調整に対する限界感、そういう強い現場の意向を踏まえまして、生産調整は据え置きにしたわけでございます。 同時に、生産調整を進めていく場合に、調整を十分に達成する方々とそれから未達成の方々との間に不公平感があるわけでございまして、この不公平感をなくするためには、未達成者の方々に達成に対する協力をしていただかなければならないわけでございます。 食糧法によりましても米の需給調整というのは極めて重要な問題でございますので、そういう未達成を達成してもらうための円滑な措置として百億円の財政措置をさせていただいたということでございまして、これは新しい政策による措置でございますから、ばらまき行政ではないと考えております。
○石井(一)委員 生産基盤の助成とか、中期的、長期的な展望のもとでの投資ということは、何ぼ私が都市住民であっても必要だとは思うのでありますが、価格に対してそのような形での、引き下げをした直後に、それをカバーするため百億円ぽっくり支出する。どういう根拠で百億になるのか。こういうことをやっておって、納税者に対する納得は、私はできないというふうに思います。 そしてさらに、まあ住専の問題を蒸し返すわけでもございませんけれども、最近のもろもろの問題を見るたびに、被災地の現状というものに対して、私は、この内閣がさらに新しい角度でこれから本当の復興に取り組んでいただきたい、このことを強く要望をいたしまして、本日、時間が来ましたので、私の質問を終わりたいと思います。
○深谷委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。
○深谷委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁松下康雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○深谷委員長 次に、二階俊博君。
○二階委員 私は、質問に入ります前に、去る十二月六日午前十時四十分に発生いたしました長野県の蒲原沢土石流災害におきまして亡くなられた方々及び遺族の皆様に対しまして、心から哀悼の意とお見舞いを申し上げたいと思います。 なお、いまだ不明になっておられる方々につきまして、一日も早い救出について、政府が、建設省幹部と現地で陣頭指揮をいただいておるようでございますが、まず、救出、捜索作業を早期に進められるように、特にお願いを申し上げておきたいと思います。 そして、大きな反省として、私たちは徹底して安全に留意した体制を確立していかなくてはなりません。 我が党は、昨日現地に調査団を送り、太田昭宏、堀込征雄、漆原良夫、三衆議院議員が現地を調査し、また、お見舞い等にお伺いをしてまいりました。 その報告によりますと、確かに現場は軟弱な地盤であり、関係者の間では土石流の巣とも言われていた。しかも、昨年どことしに発生した洪水などによる復旧作業中であったこと。そして、この問題については決して天災として済ませる問題ではない。百歩譲って土石流自体を天災といたしましても、なぜ多数の死者を救えなかったかということに対して大変残念な思いがある。また、オリンピック等に間に合わせるために工事を急いたのではないか。別の沢に行っておった工事業者は、土石流のおそれがあるために五日、六日は休んでいた。土石流発生を感知するセンサーが設置されていなかった。工事中止は雨量の基準によって決められておるが、積雪が考慮されていない。今回は雪が解けたことも大きな要因ではないかと言われておるわけでありますが、私たちは、常に自然と隣り合わせると同時に、そのことは災害とも隣り合わせをしておるわけであります。 災害が起こるたびに、二度とこのような悲惨な出来事を起こさないためにということをお互いに誓い合うわけでありますが、今度こそこの問題に関しては技術的に、科学的に今後の対策を講じて、土石流に対しては、全国津々浦々こうした心配があるわけでございますから、政府におかれましては一層の御尽力をいただきますように、総理初め先般現地にも赴かれた建設大臣や国土庁長官にお願いをいたしておきたいと思います。 私は、お許しをいただきまして、阪和銀行の業務停止の問題について質問をさせていただきます。 阪和銀行は、去る十一月二十一日、和歌山県及び大阪さらに神戸市に活動の基盤を持つ銀行でありましたが、大蔵省から業務停止命令を受けて事実上倒産に追い込まれたわけであります。 阪和銀行はその昔、大正十四年でありますが和歌山県田辺市に紀南無尽株式会社として設立され、昭和二十六年に相互銀行の営業免許を受けて興紀相互銀行として新たなスタートをいたしました。その後、平成元年に至って普通銀行に転換、阪和銀行として業務を開始したわけであります。したがって、創業以来当行は地元密着型の金融機関として、地域とともに共存共栄、身近にいつも阪和銀行ということで、特に地元の中小企業の発展を通じ地域経済にそれなりの貢献を果たしてまいりました。 創業以来ちょうど七十一年、地域に親しまれてきた銀行が八百五十名の従業員を抱え、突然倒産してしまったのであります。無尽からスタートして相互銀行、さらに第二地銀へと発展したわけでありますが、当然地方に営業活動の拠点を置くとともに、中小企業を対象とした融資活動を行っておる中堅の第二地方銀行でありますが、これが師走に倒産をいたしました。 これが地域経済にどのような影響を及ぼすか。銀行自身がバブル経済の崩壊の後、不良資産を抱え、再建の道を失い、このような結果をもたらしたわけでありますが、銀行の倒産は当然ながら余りにも影響が深刻なだけに、大蔵大臣は、地域経済に及ぼす影響等についてどのようにお感じになっておられるか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○三塚国務大臣 大変残念な事態でございました。金融政策の基本は、預金者に対する不安感を除くことであります。金融システムに対する国民各位の安心をいただくことで動くわけでございます。最終決定は、すべての検査の結果等を踏まえて、業務停止を命ずることが前段申し上げました二つの命題に答えることであるということであります。 同時に、私は記者会見でも申し上げたのでありますが、預金者保護は、御案内の三法の改正によりまして、預金者に対しては全額これを保証、返還を申し上げるということになっております。その他企業者、地元企業者、長い間の銀行でありますから信頼関係の中で来ておるわけでありまして、支払い不能、延滞ということは、年末を控えて大変困難な状態になりますことを容易に想像できましたものですから、政府金融機関に対し特段の措置をとりますように、また、他の民間金融機関につきましてもこれまた御協力を賜りたい、こういうことでお願いを申し上げておりますし、雇用の問題もあります。本件についても検討、連携をとりながら対応を尽くしておるということであります。
○二階委員 何ゆえに倒産に至ったか、そして、その後大蔵大臣としていろいろ対策を講じていただいていることは理解をいたします。 今回の阪和銀行は、銀行自身の乱脈経営と経営不振ということに問題がある。以前から経営の悪化がうわさされていたことも事実であります。しかし、銀行という二文字に対する信頼は絶大であり、さらに大蔵省や日銀に対する信頼も、当然ながら極めて大きいものがあります。 阪和銀行は、九三年の八月に大変不幸な事件に見舞われました。九五年三月、系列のノンバンク二社を特別清算、会社整理を行うとともに、本体の銀行は無配に転落をしてしまいました。しか、し、その後直ちに九五年の六月、大蔵省のOBを迎え、その方は翌月、頭取に就任されました。さらに、同じ時期に日銀OBが専務に就任されたのであります。 銀行は信用が何よりも重要でありますが、経営状態に不安がささやかれている銀行に大蔵省から頭取、日銀からは専務という強力な助っ人を迎えて、だれもがこれで銀行は立ち直れると町の人々が思うのは当然であります。こういう銀行のことを大蔵・日銀保証銀行と言うそうでありますが、こうした専門家が経営に参加して、今日まで何らなすすべがなかったのかということでありますが、この点についてお尋ねをいたします。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 阪和銀行につきましては、今般の大蔵省検査の実態把握等を通じまして、償却を要する資産の額が同行の自己資本の額を大幅に上回ることが判明いたしたわけでございます。銀行の破綻処理におきましては、先生のおっしゃるように、地域経済に与える影響等、非常に大きいものがございますので、既存金融機関等による合併とか、あるいは営業譲渡について民間において円満な合意がなされるのであれば、それが一番望ましい形態でございますが、今般の阪和銀行につきましては、そのような受け皿金融機関もございませんでした。 このような中で、同銀行は、上場企業といたしまして十一月二十二日に決算発表を迎えておりまして、監査法人との協議の結果、大幅赤字、債務超過の決算となることが明らかになったわけでございます。同行は、決算発表までに自己資本の充実による自主再建の見通しも立てられなかったために、そのまま発表を行えば多額の預金が一挙に流出し、混乱することが必至でございましたことから、決算発表前には業務停止命令を発動するとの方針を持っていたところでございますが、二十一日の未明になりまして、同行の決算内容等が新聞各紙の朝刊に載ることが判明いたしましたために、その時点で大蔵大臣が同日の朝八時に業務停止命令をかけるということを決めていただいたわけでございます。 そういった経緯でございました。
○二階委員 今、長々と御答弁をいただきましたが、私が申し上げたのは、何も大蔵省や日銀からおいでになった個人を指して云々するわけではありません。そういう、今お話しのような経営状況にある銀行にわざわざ大蔵省から幹部が、日銀から幹部がそれぞれおいでになった。このことに対して、何らなすすべがなかったのかということを聞いておるわけです。 まず、それでは全国の銀行に大蔵省のOBがどれぐらい今行っておられるか、それも今度はあわせて御答弁を願います。
○山口政府委員 今ちょっと資料を持っておりませんので、何人そういったところに行っておられるか、後ほどまた御報告申し上げますが、確かに先生おっしゃられますように、大蔵省出身の前頭取が就任をされております。 それは、阪和銀行におきまして、七年の三月期におきまして、その決算において、関連ノンバンク処理等において大幅赤字決算、百五十八億円の赤字でございますが、無配になり、当時の橋本頭取が責任をとって退任することとなられました。それで大蔵省に対しまして、経営の立て直しを図るため適当な人材を紹介してほしいというお話がございました。 そういった経緯がありまして、新冒頭取が就任されたわけでございますけれども、その後一生懸命努力を続けてこられましたけれども、客観的な情勢からその回復がはかばかしくなかったというのが経緯でございます。
○二階委員 私は、大蔵省からおいでになった——我々はもっと若いころ、よく銀行の人たちの話を聞いておりますと、大蔵省の検査がある、これはもう大変なことだということで、大蔵省の検査に合わせていろいろ仕事をしているような、そういう感じを当時受けたものであります。そして、中小企業等が銀行から融資を受けておる、そして返済の計画をみずから立てておっても、大蔵省からの検査が来るから早く繰り上げて返済してもらいたい、そういうことをきつく銀行等から言われることをしばしば耳にしたことがありますが、それほど大蔵省の検査とか、あるいは、よって大蔵省からOBが派遣される、派遣されたということは、地域にとっては極めて大きな意味を持っておるわけなんです。 それを、ただ頼まれたから行ったんだと。日銀からも行くし大蔵省からも行く。これはもう本当に大変御親切なことをしていただいたわけですけれども、行ったにしては、それが何の効果も結果的にはあらわれていない、こういう状況をよく承知をしていただきたい。 同時に、今お話しの新冒頭取でありますが、ちょうど平成八年九月、九月といいますと総理がいよいよ衆議院の解散をしようと腹を固めかけておられたころであります。この大蔵省OBが、こうした銀行の立派なパンフレットに「ごあいさつ」として、共存共栄を図っていくんだ、そして、地域に根差した営業基盤を持った銀行として頑張っていくんだ、さらに、「金融機関にとりまして信頼の回復が急務」だ、「金融機関の社会的責任、公共的使命を認識し、いち早く営業基盤の強化・拡充、資産内容の早期浄化と健全化を推進致しております。」あと省略しますが、こういうごあいさつをなさっておられるわけであります。 経営内容や大蔵省の方針をだれよりもよく承知しておって、八月には既に銀行の検査が入っておるわけです。そういうときに、九月にこういうパンフレットを発表しておるわけなんです。九月ですよ。業務停止命令が発せられるわずか二カ月前にこのようなあいさつを発表し、このことを信じて新しく取引をした人や株主になられた人に、大蔵省側から私は何の言葉もないのかということを申し上げたい。つまり、このころ既に今日あるを承知しておったはずなんです、この頭取は。どうですか。
○三塚国務大臣 二階委員も地元ですから、銀行の今日までの経営状況、不幸な事件などもありまして、そんなこと等も御承知の上で、なおかつ今後についての対応ということでの御質疑かと思います。 当然、新頭取、他の役員、出向といいますか赴任をいたしまして、再建のために最大の努力をしたと承っております。残念ながら、他の民間金融機関の中で業務提携なり、さらに合併なりという再生の道についての協議相調わず、決算期を迎えまして赤字決算という深刻な状態に相なった。こういうことであります。 金融行政を担当する大蔵省とすれば、そのことが金融危機に波及してはならない、させてはならない、未然にこのことに対する決定をしなければならぬということで業務停止命令を出す、こういうことで、その後脚案内のとおり新銀行による債権債務の整理に入る、こういうことであります。 この間の事情、御賢察を賜りながら、格段のまた御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
○二階委員 私は今大臣がおっしゃる意味もよく理解できるわけでありますが、倒産と同時に責任をとってこの頭取は辞任した。でかでかと新聞に出ておりました。また、大蔵大臣の談話の中にもわざわざこのことが記されております。退職金を返上したとも言われております。 今回の業務停止命令は、銀行では戦後初めてのことであります。信用金庫や信用組合、農協金融機関等と同じような扱いの整理であります。信用金庫や農協がこのような事態に至ったときは、役員が全財産を投げ出してでも責任を果たされるということをしばしば耳にいたします。 今回、この重大な事態を迎えて頭取を辞任するなどということは、私は、決して立派な責任のとり方とは言えない。むしろこのときこそ、大蔵省出身の立場で、関係者との間で被害を少しでも少なくする努力を頭取としてさせること、これをなぜ指導できなかったか。これを大蔵大臣はどう考えておられるか。辞任させれば大蔵省は楽になるかもしれない。しかし、私は、無責任のそしりは免れない、こう思うわけでありますが、いかがでございますか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 先ほどの御質問で、大蔵省出身者で全国で銀行の役員になっている者の数をお尋ねでございました。今、有価証券報告書で見ますと、百二十八名でございます。 それから、今の御質問の件でございますが、新居前頭取は辞任をいたしております。新居前頭取は、旧経営陣が経営悪化の責任をとって退任した後に、再建のために七年七月に就任し、その後経営努力を行ってきたわけでございますが、結果として経営破綻を回避できなかったものでございます。経営悪化の責任が旧経営陣にあるとしましても、経営が破綻した金融機関の経営者としての責任を明確にするために新居前頭取は辞任するとともに、渡部専務が頭取代行として就任をしております。 しかしながら、新居前頭取は、破綻後の処理に引き続き取り組むために同行の非常勤の顧問としてとどまり、取引先への説明、近隣金融機関への協力依頼、関係当局への連絡等、さまざまな事務に渡部頭取代行とともに身を挺して当たっているものでございます。
○二階委員 私が申し上げた。いのは、船が今沈もうとしておるわけですから、船長は最後まで残ってその責任を果たされることを望むものでありますが、大蔵省は直ちに頭取を辞任することを認めて、今顧問とかなんとかというような形になっておるようです。私は、こういうときこそやはり現地で大いにその責任を果たすと同時に、銀行局長だとか大蔵大臣だとかと連絡をとらなければいかぬことがいっぱいあるわけですから、そういうふうなことをしっかり果たされることが大事だということを申し上げておるわけであります。 バブル経済の崩壊と不動産の低下等によって、大蔵省が実態把握等を通じて自主再建が困難になったということが言われておるわけでありますが、過去にも、平成四年の四月、それから平成六年の四月に検査をいたしております。その検査の内容についてここでお示しをいただきたいと思うのであります。 つまり、私が申し上げたいのは、もう既にそのころから今日のようなこういう兆候が明らかになっておったのではないか。それを平成四年の銀行の検査あるいは平成六年のときの銀行の検査では、これを大目に見たというか、ある程度これを了解して、そして今度初めて一遍に倒産というところへ持っていったわけでありますから、その途中経過についてやはり状況を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 検査は、平成四年四月基準時点のもの、平成六年四月基準のもの、今回の八年八月基準のものと、直近は三回ございます。 御指摘の四年の四月基準時点のものについて申し上げますと、回収不能とほぼ確定できたもの、これは一億円でございまして、当時、広義の自己資本額は二百八十億円ございましたので、自己資本との関係からいうと、破綻というような問題は全くなかったわけでございます。 ところが、平成六年の四月になりますと、回収不能債権額という、どうしても償却しなければいけないようなものが二百五十一億円になっておりました。広義の自己資本額が当時三百七十一億円でございますので、決していい状況ではございませんが、まだ債務超過に陥る状態ではございませんでした。 今回の八年八月時点で開始いたしました検査で申し上げますと、回収不能債権額は四百億円、広義の自己資本額が二百三億円でございますので、これは百九十七億円の債務超過という状況となったわけでございます。 そういった背景をもちまして、今回、この業務停止命令をかけさせていただいたわけでございます。
○二階委員 大蔵大臣の談話の三つ目に、金融機関が破綻に陥った場合の処理を先送りしない。私はこれは大変結構なことだと思うわけでありますが、今回の調査の結果、戦後初めてだとかなんとか言っておりますが、昨年の兵庫銀行あるいは太平洋銀行とどこがどう違うのかということを、これも明らかにしていただきたいと思います。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 兵庫銀行の場合でございますが、阪神・淡路大震災復興のための金融の円滑化の要請というのも当時かなり強くございました。このため、新たに民間出資による新銀行を設立するとの動きが生まれまして、預金者、取引先が継続性を持って承継される形で営業を継続することとなったものでございます。 太平洋銀行も、関連しておりました都銀が引き続き経営に参画していくということで、実質的にその継続性が保たれたわけでございます。 一方、阪和銀行につきましては、このような事情もない中で、既存の金融機関の中から受け皿を見出すことが困難でございまして、また永続性を持った新銀行の設立につきまして民間の合意が得られる見通しもなかったために、混乱防止のため、やむを得ず業務停止命令を発動させていただいたわけでございます。
○二階委員 総理にお尋ねをいたします。 この件は、まさに金融の危機管理、こういう受けとめ方をいたしておるわけでありますが、阪和銀行に対する業務停止命令がこの時期行われたことは、金融再編に向けて金融界が本格淘汰の時代に突入した。その突入を告げるシグナルではないかとも言われておるわけでありますが、総理の御見解をお尋ねしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 私も、直前に報告を受けましたときに、ある種、議員と同じような感じを受けたことも事実であります。 金融機関の経営問題と申しますもの、この対応いかんによりましては、金融システムの安定性、一歩間違えますとこれは経済全体の根幹を揺るがしてしまう、そうした問題でありますだけに、一方で、金融システム改革を進めようと号令を発しました直後にこうしたものが出てまいりましたことは、慎重かつ細心という行動とともに、大胆にこの改革を推し進めていかなければならないという思いを新たにしたものでございました。
○二階委員 大蔵大臣の談話に、先ほど申し上げました。新冒頭取の辞任の報告を受けたというふうにあるわけでありますが、この大臣の談話には、預金者の保護、あるいはまた良識ある行動をとってもらいたいと呼びかけられておること、私はこれは大変評価するものでありますが、従業員の対策ですね。先ほど、御答弁では一言お触れになりましたが、この大臣談話の中に、当初のスタートの対応をされるときに、やがて従業員のことをどうするか、そこがこの談話からも欠落をいたしておりますし、大蔵省の考え方の中にもこのことはどの程度念頭におありであったのか、これを伺っておきたいと思います。 なお、今後もこの阪和方式といいますか、こういう方式を踏襲されるつもりがあるのか。今後の破綻処理についても明確な基準のようなものを明らかにして、だれもが納得し得る整理、清算についてお考えがあれば、この際お聞かせを願いたいと思います。
○三塚国務大臣 雇用問題につきまして、当然、業務命令を出さざるを得ない状況になったという報告の中で協議をいたしたところであります。 緊急時でありますから、直ちにどうするという具体案は検討ということにさせていただきながら、まずこの金融危機をおさめていかなければならない。預金者に対する安心、パニック状態がこの種のタイミングを逸しますと出るわけでございますから、そういう点をまず最初にというふうに考えたところで、欠落いたしたということは、まさに頭の中にはしっかりあるわけでありますが、まずもって、預金者の皆さん御安心くださいという呼びかけを第一弾させていただくということであります。 県の皆様方からも御陳情をいただき、選出の国会議員団の方々からも御要望をいただいておるところでありますから、引き続き関係部署を督励をしながら、雇用問題に、また労働省もこれあり、労働省も真剣に考慮をしておると聞いております、取り組んでまいりたいと思っております。 今後について基準をと言われるのでありますが、本件は、二階委員は、第二、第三の阪和銀行が出ないのかという万般の思いを込めて言われていると思います。私からすれば、そういうことのないように万全の策をとっていかなければならない、こういうことでありまして、その基本は、預金者保護と金融システム、信用秩序の維持、この基本をにらんでノウハウの限りを尽くして対応しなければならない。 ただいまのところ、本年六月の金融三法の成立によりまして、金融業界というものが落ちつきを持って進んでおる、不良債権の解消のためにも大変努力をされておるという実情にありますことを御報告をさせていただきます。
○二階委員 今回の破綻のきっかけは監査法人の意見にあるということがよく言われておるわけでありますが、報道によると、九六年九月期の決算で、大蔵省の検査の不良債権の第四分類の三百億円余りの償却を求められたからだとされております。業務停止に至った。この決断をした最大のポイントは、監査法人の意見による予期せぬそういう事態であったのか、それとも、ほとんど死に体になりかかっておる阪和銀行を、私は粉飾決算などということは言いませんが、何らかの配慮を加えて破綻を先送りしておったのではないか、その際、受け皿銀行を探すなどの時間稼ぎをしておったのではないか。 先ほど銀行局長は、これに協力してくれそうな金融機関もないというふうなお話ですが、大蔵省が阪和の処理のために協力要請をされた。他の金融機関に具体的に打診をした事実があるのか、あるとすればいつのころかということをあわせて答弁願いたいと思います。
○山口政府委員 今のお尋ねの件でございますが、自主再建が困難な状況だということが公認会計士の考え方からも明白になりまして、それで、中間決算期を控えましてこういった措置になったわけでございます。 地域経済に与える影響等の観点から、まずは他の金融機関で何とか合併等の措置がないかということを考えたわけでございますが、関係者に対しまして非公式に協力の可能性についてはいろいろ探ったところでございます。もちろん、明白に、阪和銀行は破綻するのでどうこうしてくれということを公式に申し上げるべき筋合いのものではございませんが、いろいろなところにそういったことを探ってみたわけでございますが、当局として承知する限りにおきましては、受け皿となる金融機関もなく、また自己資本充実策、例えば増資でございますが、そういった策のめどもなかったことから、今回こういった措置をとらせていただいたわけでございます。
○二階委員 本日は日銀総裁にもお越しをいただいておりますが、日銀総裁も大蔵大臣の談話とほぼ同じ趣旨のようなことを談話で発表されております。経営状態の悪い銀行はできるだけ早く処理してしまった方がいい、こういう意味の感想だと思います。 経営内容が悪く、たとえだれも救済の手を差し伸べてくれる金融機関はなくとも、日銀総裁の言として、阪和銀行は営業を維持すべき特段の事情がなく、こう述べられておるわけでありますが、日銀から専務を派遣し、今この人が頭取代行をしておる。何も日銀との間で特別の取り決めがあって派遣されたのではなくて、先ほどのように、銀行から特に頼まれて関係者を派遣したということでありましょうが、日銀として、営業を継続すべき特段の事情がないなどというこの突き放したような言い方をされるということは、私は、地域経済やその銀行に働く従業員のことなど何も考えていただいていないのではないかという、極めて残念な発言だと思っておりますが、今もその考えには変わりありませんか。
○松下参考人 阪和銀行につきまして、私どもからも役員を派遣して自主再建に協力をいたしてまいったところでございますけれども、不幸にして、今回このように整理、清算の道を選ばざるを得なかったという点は、私どもといたしましても大変残念なことに存じております。 ただいまこの阪和銀行の営業継続についての私の申したことという点、御質問がございましたけれども、私は新聞の質問に答えまして、この阪和銀行が整理、清算をいたさざるを得なかった事情につきまして、一つは、先ほども御説明がありましたようなみどり銀行の場合のように、非常に取引先の数も多くて、その地元の方から、災害の復旧のための必要上、これを継続をさせるために資本の拠出も行うから新銀行の設立ということを実行をしてもらいたいという話がありましたけれども、残念ながら、この阪和銀行におきましてそのような事情にもなくて、したがいまして、私どもとしましては、これを整理、清算の道に持っていく以外に対応の手段がなかったということを申し上げた次第でございます。
○二階委員 総裁の御答弁はよくわかりましたが、それでは、せっかく専務を派遣し、今は頭取代行、もう少しこの銀行の実情が早い段階でわかるはずでございます。早く手を打つ方法はなかったのか。ここまで放置しておったということに対しての、銀行側だけの責任ではなくて、大蔵省、日銀等についても少しは心の痛みを感じて当然ではないかと思いますが、日銀総裁としてはいかがでございますか。
○松下参考人 日銀といたしましては、平成七年の三月に当行が系外ノンバンクの整理の方針を固めまして、当時の橋本頭取が責任を負って辞任をされました後、当行の自主再建を図っていくために人的な支援を頼みたいというお話がございまして、その段階でこれをお受けした次第でございます。 銀行の考査にも経験のある人物を選んで派遣をいたしたのでございますけれども、もう既に、その当時の実情から申しまして、不良資産と申すものがその後相当にこれは増大をしていくだろうという情勢でございました。 その後、当事者たちは非常に真剣な再建努力をいたしたのでありますけれども、経営環境も非常に厳しいものがありまして、それが実らずにこの事態となったことは、私どもとしましても大変遺憾なことに存じております。
○二階委員 日銀総裁は結構でございます。 金融の、こうした戦後初めての倒産ということでございますが、大蔵省等の万全の態勢で、銀行の店頭だけは確かに平穏で推移したことは大変結構なことであったと思うわけでありますが、およそ金融というものは、銀行の店頭だけが平穏であればそれで済むという問題ではありません。 業務停止命令の発動あるいは解体、整理、この破綻の道筋は、金融改革の第一歩として中央のマスコミ等では大変評価、比較的好意的に受けとめられておるわけでありますが、地元のマスコミや商工会議所等では全くそうではありません。「地域経済に影響 どうすれば 中小企業は深刻」「融資求め走り回る 顧客はぐったり」「不安募らす行員 県経済にも影響 中小企業に影響心配」「年末控え殺生なこと 慌ただしく現金輸送車が走る」「市民生活に影響がじわり 広がる不安解消を急げ」、これは大阪の知事や和歌山の知事が今商工会議所等と全力を挙げてやっておること、「歳末の商戦に阪和銀行の陰り 株が紙くず裏切られた」「経営情報なく窮地に陥る」、こういうことが次から次へと毎日のように報道されておるわけであります。中央の新聞には、金融改革の第一歩だということでもてはやされておるわけでありますが、「従業員の持ち株哀れ 一瞬に生活設計霧散」、こういうことが言われておるわけであります。 これらにつきまして、大蔵大臣は、こうしたことに対して十分御配慮がいただけるという御答弁でございましたが、一層の御配慮を特にお願いをしておきたいと思います。 なお、時間が参りましたので、通産大臣から、中小企業関係に対しての配慮と、そして政府系金融機関を通じて年末の対策等御配慮をいただいておるようでありますが、この点につきまして大臣の所見を承りたいと思います。
○佐藤国務大臣 阪和銀行に対する業務停止命令ということで、大変県民の不安、特に中小企業、こうした業者の方が非常に御心配になっているということはよくわかります。 そこで、通産省中小企業庁といたしましては、同銀行の健全な取引先である中小企業、これに支障が生じないよう、大蔵省と共同で、中小企業金融公庫等の政府系金融機関に対して適切な対応を行っているところでございます。 具体的には、阪和銀行に対する業務停止命令によって資金繰りの悪化が予想される中小企業に対しまして、貸し出し手続の迅速化、担保徴求の弾力化等、個別企業の実情に十分配慮しつつ、適時適切な貸し出しを行うように指導しておりますし、阪和銀行の営業地域である政府系金融機関の各支店に本件に関連する中小企業者からの相談窓口を設置し、相談受付体制を確保するよう指導しております。 今後、地域経済へ影響を及ぼすような事態が生じた場合には、商工会議所等に設置してございます倒産防止特別相談室、ここにおいても金融あっせん等の相談を受けることとしております。 ということで、いずれにいたしましても、阪和銀行の倒産に伴う中小企業への影響については、今後とも十分に注視し、大蔵省あるいは和歌山県等とも密接に連絡をとりながら、関連中小企業者の資金繰り、これに支障を生じないように万全を期してまいりたいと思います。
○二階委員 通産大臣の大変心温まる御答弁をいただきましたが、どうぞ中小企業者に対する格段の御配慮を重ねてお願いいたしておきます。 時間が参りましたので簡潔に申し上げますが、労働大臣にお願いをしておきたいと思います。 これはもう申すまでもなく、先ほどから再々申し上げておりますように、銀行職員、パートを含めると九百六十三名に及ぶわけでありますが、これらはこの地方にとっては大変大きな数字であります。 このことに対する対応でありますが、残念ながら、従業員の皆さんは、まだこの銀行そのものの今後の対策が明確でないために、自分がどういうところに位置づけされているのかということがまだ明確でない、つまり阪和ショックから立ち直れない、こういう状況にあるわけであります。労働大臣の格別の御配慮をお願いしたいと思いますが、一言御所見を承りたいと思います。
○岡野国務大臣 二階先生にもお久しぶりでございます。 本件につきましては、全銀連合から大蔵大臣あての書簡、要望書、これは私も拝見をいたしております。 今まで、あるいは長く、あるいは短く阪和銀行に職場を求め、生活の糧をそこから得、将来の生活設計等を考えていた銀行の従業員はもとよりのこと、それの周辺の中小企業等に働く皆さんの不安というものは大きなものがあろうか、こう存じております。 労働省といたしましては、今、大蔵省及び地元、その機関並びにお地元和歌山県等々、相連携をいたしまして、つぶさな情報の早期収集に相努めているところでありますが、今後の措置のスケジュール、これは今の時点において、先生御存じのとおりまだ決まっておりません。したがって、どの程度の規模の雇用問題が出てくるのか、その中心はどこであるのか、その階層はどうであるのか等々によりまして、我々の方の手配のあり方、これも変わってくるかと存じますので、今後とも収集に努めてまいろう、こう思っておりますものであります。よろしくお願いいたします。
○二階委員 文部大臣にもお尋ねする予定でございましたが、時間がございませんので、お願いだけしておきます。大学生を抱えている家族、家庭等は、子供の進学等についても再検討をしておるという悲壮な話もありますし、同時に、新規学卒者が直ちに一本の電話で採用取り消してあります。そうしたことも銀行破綻によって生じておるということを、ぜひ文部大臣にも御承知おき願いたいと思います。 最後に、総理に一言お尋ねいたします。 もう繰り返して申し上げませんが、危ない危ないと言われておりましたこの銀行でありますが、私は、大蔵大臣御経験の総理は、阪和銀行そのものもよく御存じだと思います。こうした銀行に頼って日々の生活、経済活動を続けている多くの庶民の暮らしということもぜひ忘れないで、銀行の整理統合、そうしたことをドラスチックに、果敢に行っていくことは日本国の経済の立て直しのためにはぜひ必要なことでありますが、あわせて、そうしたところにも細かい配慮が行き届きますように総理として格段の御指導をいただきたい、このことを切にお願いして私の質問を終わりたいと思いますが、総理の御所見を一言承りたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 先ほどもお答えを申し上げましたように、金融システム改革を必要とする現在の状況については、議員もしばしばお触れにたっておるとおり、我々として喫緊の課題であることは間違いありません。しかし、その中におきまして、預金者保護という視点並びに国民の資産運用の場としての信信頼性の確保、こうした点に配慮していくこともまた当然でございます。十分そうした点を念頭に置きながら金融システム改革も進めてまいりたい、そのように考えておりますので、お力添えをよろしくお願いいたします。
○二階委員 終わります。
○深谷委員長 これにて二階君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 新進党の鈴木淑夫でございます。初陣でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。 私からは、政府の経済政策運営の基本姿勢を中心にお尋ねさせていただきたいと思います。 まず、足元の景気の話から入りますが、経済企画庁は、十月までの月例報告では、景気は回復の動きを続けているがそのテンポは緩やかだという表現をしておられましたが、先月これをひっくり返されまして、「テンポは緩やかであるものの、民間需要は堅調さを増している。」と一歩踏み込んだ表現に変えられました。 確かに、民間需要の中には堅調さを増しているものがあるわけでございまして、代表的な例は、国内の乗用車の大変な売れ行き、それから住宅着工の盛況だというふうに思います。 御承知のとおり、住宅着工、十月、百八十二万戸。これは、バブル景気で、もう異常なブームが起きておりました九〇年の五月以来の水準でございます。それから国内の乗用車新車登録台数、これは十月、十一月二カ月続けて年率換算で四百二十万台。これもバブル景気の余熱がまだ残っておりました九一年八月以来の高水準なんですね。 異常とも言えるこういう乗用車の売れ行きあるいは住宅着工、なぜ今そういうことが起きているとお思いでしょうか。自動車について通産大臣寸住宅着工について建設大臣の御見解をまず伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 今御質問がありましたように、自動車の販売台数、最近大変伸びているということでございますが、確かに今年の前半は増減を繰り返しておりましたが、九月から十一月までの三カ月は連続して前年の同月に比べて増加を示しております。一月から十一月までの販売台数の累計が前年に比べて二・六%伸びているのですが、その実態と申しますと、乗用車の方は非常に伸びて四・五%なんですが、トラックだとかバスというのは必ずしも伸びていない。これが実態でございます。 この原因というのは、ここのところ、ことしになりましてモデルチェンジをみんな乗用車が行ってきた。特にこの八月から九月に行われたモデルチェンジが非常に需要家というか消費者の方に受けまして、これが大変伸びてきた。かようなことと思っております。そういうことで、こうした傾向というのは、順調に販売台数がどうなるかというのは引き続き注視していかなければいけないというのが結論でございます。 以上です。
○亀井国務大臣 十月の住宅着工、百八十三万戸という非常にハイレベルでありますが、これの原因につきましては、一つは金利水準が非常に低いということもあると思いますが、消費税に関する駆け込み需要であるという懸念がございます。 と申しますのは、十月、十一月、契約状況を見ますと、昨年同期に比べまして軒並み二、三〇%減という現象が起きております。さらに、そのさらにもう一つ先の先行指標でありますモデルハウスヘの来訪者の数も、十、十一月は二、三〇%減少しておりますので、そういう意味で、今後住宅着工が堅調に推移するかどうかにつきまして私どもは懸念を抱いていることは事実でございます。
○鈴木(淑)委員 ありがとうございました。 三塚大蔵大臣、ただいまお話がありましたように、民間需要はかたり足元がしっかりしておりますが、それにもかかわらず、金融市場を見ますと、株価が大変弱い。金曜日は、アメリカのグリーンスパン連邦準備制度理事会議長の発言に刺激されたとはいえ、本年最大の下落幅、六百六十七円下落を記録しました。きょうの前場は少し戻っておるようですが、それでも日経平均で二万五百ぐらいのところです。ことしの六月ごろはもう二万三千円をうかがっていたんですね。人によってはこの調子でいけば年末には二万四千円、二万五千円と言っているぐらいだったのが、すっかりそめ後株価の基調が弱くなってしまって、これはうっかりすると二万円台を割るかもしらぬという状況です。 一方、長期金利、御承知のようにやはりことしの初めは、国債指標銘柄で見て一時三・四五ぐらいまで上がっていた。それが最近までずるずる下がって、一時は二・四を切っております。一%以上下がっております。 実体経済、特に民間需要が異常と言われるほどしっかりしているときに、どうして株価が低迷し、長期金利がだらだら下がっているのでしょうか。大蔵大臣はこれをどのように見ておられますか。
○三塚国務大臣 株価の問題につきましては、鈴木議員はエコノミストであり、特に株、為替レート、エキスパートでございます。私は、株価はさまざまな要素でこれは動くものでございますから、経済の実態が時に正しくそこに反映しておるのかどうかという見きわめは、大変難しい問題であろうと思っております。特定の要素をもって判断できることは、そういう意味で難しいと。 今言われました自動車等好業績銘柄の株価が堅調に推移いたしておる一方、同時に企業業績の先行き不安感等もございまして、全体として伸び悩んでおるということは理解をいたします。私は主管大臣として、今後の株式市場の動向については引き続き、経済指標の判断の一つでございますから注視してまいらなければならない、こう思っておるところでございます。 さらに、長期金利の問題でございますが、本年二月以降九月下旬までは三・〇で推移をいたしておりました。その後、低下基調となり、今月五日には一時二・三三五%、こういう最低の水準を示したことは御案内のとおりであります。長期金利も、景気動向を含めたさまざまな要因を背負い、市場における債券の需給関係の中で決まってくるという市場原理そのものであります。 最近の長期金利の動向についてその要因を特定することは、これまた株式市場と同様困難であると思っております。十一月二十七日の日銀短観、景気の回復を続けておると示される指標を発表すると同時に、先行きについては慎重な見方が見られることなどから、債券の需要が底がたいため、長期金利が低水準で推移することにつながっているという指摘も専門家からなされております。 いずれにいたしましても、今後の金利の動向については、これまた主管大臣としては十分な注意力を持って見守っていく。本来、ファンダメンタルズがそこに反映しておるものだというオーソドックスな見方もありますものですから、全体を見ながら取り組んでまいります。
○鈴木(淑)委員 ぜひ注意深く見ていただきたいと思いますが、一日一日の動きとか短期の株価、金利の動きというのは、蔵相がおっしゃいますようにいろいろな要因がありますからこれは特定しがたいのですが、半年ぐらいの単位で、ことしの春先まで元気があった株価が今低迷している、あるいは上がっていた長期金利が下がってきたというのは、蔵相がまさに今おっしゃったファンダメンタルズでかなり説明がつくことだと思いますよ。 株価というのは、御承知のように地価と並んで資産の価格ですから、その資産を買ったときに、将来どのくらいの収益が得られるだろうかという予想があって買うわけですね。その予想の割引現在価値がファンダメンタルズだと言われるわけですね。易しい言葉では収益還元価格といいますが、収益還元価格が基本にあるわけです。 ですから、株価が、ことし前半強かったものが下がっていったということは、ちらっと蔵相もおっしゃいましたが、先行き不安なんですよ。株を買ったときに得られるであろう収益について下方修正が起きている。つまり、企業収益の予想が悪化しているということが一つの大きな背景にあると思います。 長期金利についても、長期金利というのは、現在の短期金利と、それから、将来日銀が公定歩合を上げるかな、景気がよくなったら短期金利上がるかなという、予想に依存する将来の予想短期金利、この現在と将来の予想の両方の関係で長期金利というのは決まるわけですね。ですから、ことしの春先まで上がってきたというのは、これは大分景気がよくなってきた。将来日銀が公定歩合を上げるかもしれない、景気を反映して短期金利は上がるかもしれないと思っていたから長期金利が先行して上がったんですね。それが今下がってきたということは、市場関係者、ひいては国民の皆さん方、半年先をすごく警戒し始めたということだと思いますよ。 なぜそうなんでしょうか。 私は、これは、どう考えても来年の四月以降、九七年度経済に少なくとも三つの大変大きなデフレインパクトが来るということを、市場関係者も国民も今心配し始めたからだと思います。 初めに、なぜ乗用車がこんなに売れるんですか、あるいは住宅着工がバブル時代のようなブームですかとお伺いしました。そのとき、建設大臣のお答えの中に、これは消費税引き上げ前の駆け込みもあるかもしらぬというお答えがございました。そのとおりです。佐藤通産相はおっしゃいませんでしたが、自動車の中にも明らかにそれがあるんですね。ということは、必ず来年の四月以降、この反動で一回どんと耐久消費財の売れ行きが落ちます。そして住宅着工も落ちるでしょう。これがまず大きなデフレインパクトなんですね。 自動車産業とか住宅産業というのは関連するところが大きいですから、これが落ち込んだときの経済全般へのデフレインパクトというのは、関連産業を通じて非常に大きなものがあります。これが第一のデフレインパクトですね。 二番目は、公共投資の落ち込みだと思います。 大型の景気対策を公共投資中心に組みましたから、昨年の十—十二月期、ことしの一—三月期、九五年度下期などというのは、年率に換算いたしまして、これは何と一九%という猛スピードで伸びた。これはこれでいいですが、こんなものは続けられませんね。四—六に頭を打った。そして、先般発表になった七—九では、もう前期比六・二%落ち始めました。年率二二%で落ち始めました。この十—十二月期、前年並みの予算を確保してあるとある方はおっしゃいましたが、前年のGDPの公共投資の水準まで落ちるといたしますと、これまた七、八%おっこちますよね。 さらに、来年どういう御予算をお組みになるか。恐らくシーリングで厳しくおやりになるでしょう。そうしたら、来年の公共投資だってそうはふえない。ことしの公共投資の当初予算は抑えていますが、実際は、昨年度の景気対策のずれ込みがありましたから、ことしの公共投資のレベルというのは、当初予算が示しているよりもちょっと高いのですね。そうしますと、来年はそれがありませんから、本当に当初予算どおり落ちていく。とすれば、民間のエコノミストが言っておりますように、七—九から始まった公共投資の落ち込みというのは、来年度上期までは少なくとも続くのですね。このデフレインパクトも大きいですよ。乗数効果を伴っできます。 そして、最後に、私はトリプルパンチと言っていますが、最後に物すごいパンチが来る。それは、金曜日のときも出ていましたが、九兆円の国民負担の増加が四月から起きるわけですね。消費税率の二%引き上げで五兆円、それから特別減税打ち切りで二兆円、それから社会保険料で二兆円。九兆円です。九兆円というのはどのくらいの規模だと思いますか。国民所得に対する比率でいったら二・三%ぐらいですね。国民負担率、ぽんと二・三上げるのです。GDPじゃありませんよ、国民所得のね。これは大変大きなデフレインパクトを持つと思います。 この三つのトリプルパンチをもう国民は大変警戒し始めている。だから、先行きに自信が持てない、そして株価が弱い、長期金利が下がるということになっているのです。先般の日銀の十一月短観を見ましても、非製造業は大企業も中小企業も一三に向かって業況判断DIが落ちているんですよ、早くも。ビジネスマインドはもう悪化し始めている。中身はといえば、これは建設、不動産です。はっきり公共投資の落ち込みを肌で感じ始めているわけですね。 ですから、これらを、全部トリプルパンチを集めましたら、経済企画庁長官、これ成長率をどのぐらい落とすバンチだと思いますか。今、来年度の経済見通しを作業しておられますでしょう。それから本年度の実績見込みの作業をしておられますでしょう。だから、その見通し何%かということは今の段階でおっしゃりにくいでしょうから聞きませんが、今の三つの大きなデフレインパクトだけで成長率はどのくらい下がると思いますか。
○麻生国務大臣 今委員御指摘のありましたように、トリプルパンチという表現を使っておられましたけれども、消費税予定どおり二%アップ等々で、また特別減税等々を足しますと、約〇・九%ぐらいの引き下げという率になるであろうという予想が出ております。 この数字は、これは三カ年の平均値で出されておりますので、この試算におきまして、来年度単年度の影響をそのままお示しするというのはなかなか難しいところなんですけれども、今、御存じのように、御指摘のありました来年度政府経済見通しというのをやっておりますので、そこのところが今、年末にはお示しできるようになっておりますが、ただ、特別減税の取り扱いにつきましてはまだ御存じのように税制調査会等々で御論議をいただいておるところでありますので、年末に向けまして最終的に決定されるべき事柄だと思っております。
○鈴木(淑)委員 私は、今お答えいただいたようなそんな小さなデフレインパクトではないと思っています。消費税率の二%上げたけで〇・九%下がりますよ。それ以外にまだ四兆円所得を削る形のインパクトが来る。それから、さっきから言っているように自動車や住宅投資の反動があるわけですね。それから、もう既に始まっている公共投資の落ち込みがあるのですね。これ全部寄せ集めますと、これは〇・九なんというオーダーではありません。 現に、民間のシンクタンクがぼつぼつ来年度の成長率の見通しを出しております。これを見ますと、私の手元に九社のものがあるのですね。ほかにも出していますが、私の目で見てこれはちょっとというのを外していきますと、九社。九社が来年度の成長率見通しが〇・七%から一・八%ぐらいに散らばっております。一%台後半が四社、前半が三社、そしてゼロ%台というのが二社。しかし、これ相当権威のあるところですよ。日本興業銀行と野村総合研究所がゼロ%台を出しております。いや、ついこの間までいて、お前がやったかと言われれば、もちろん関与してなかったとは言いませんが。 しかし、これをよく見ますと、まさか二兆円減税の打ち切りはないだろうという前提を置いている民間機関が非常に多いです。消費税の引き上げ二%と公共投資の落ち込みと、そして消費税引き上げに伴う需要の反動減ぐらいでそのくらい下がってしまうのですよ。これを平均してみますと、一・三%ぐらいになります。〇・七から一・八ですが、平均して一・三ぐらいになります。 三塚蔵相、振り返ってみますと、九二年度から九四年度まで三年間ゼロ%台成長ですよ。ようやく九五、九六と二%台成長へ戻ったと思ったら、また来年度一%程度におっこっちゃうというわけですね。これは明らかに来年度景気後退のおそれありということであって、それをみんなが今心配しているということだと思います。 どうですか、蔵相。もし同じように御心配ならば、何か手を打つおつもりがあるのですか。伺うところによると、来年一—三月、通常国会に補正予算を出してこられて、その中に公共投資の追加が入るかもしれないということですね。しかし、蔵相、四月から九兆円国民負担が上がるときに、一—三月に公共投資を追加して、波及効果が出ると思っていますか。ケインズ政策が一番批判されるのはここなのですよ。増税が目前にあったら国民は増税に備えます。九兆円の国民負担増だというのですから、公共投資をやってそれで所得がふえたって、みんなそれは貯蓄に回しますよ。 ですから、この補正予算の公共投資追加というのは、本当にどぶに金を捨てるような話、いたずらに財政赤字を大きくすることだというふうに思いますよ。それぐらいなら、何で、二兆円の特別減税打ち切りなどと言わないで、これを継続するか、あるいは恒久的な形で所得減税に回さないのですか。あるいは、私ども新進党が主張しているように、景気がしっかりして民間支出主導型の中期的な成長軌道に経済が乗るまで、どうして消費税の引き上げを凍結しないのですか。その方がよほど効果があります。三塚蔵相、いかがですか。何か手を打つおつもりですか。
○三塚国務大臣 ケインジアンの鈴木経済専門家のお話であります。 それぞれの見方がありますことは、来年度の経済成長について九社の御披露がございました。これまたばらつきがありますほど、日本経済は大きな転換期を迎えていることだけは間違いありません。経済が政治を支配する昨今の状況です、それと逆も真なりでありまして。 そこで、政治の基本を申し上げます。ですから、経済構造改革元年として橋本総理が不退転の決心で火だるまでやる、こう言った。それと、財政構造改革元年ということで東京ビッグバン、言うなれば金融システムの大改革。大改革。(発言する者あり)黙って聞きなさいよ、あなた。静かにして。こっちも静かに言っているわけですから。 そういうことで、総選挙後のただいまの橋本政権、全力を挙げて、国民の信頼と期待にこたえる道は混迷を脱して安定した成長へという、この大課題に向かっておるわけです。 そういう中で、ただいまの経済理論的に、また実体経済の中の経験者である鈴木議員が御披瀝をされておりますことは、それはそれとしてしっかりと傾聴します。傾聴しますが、御指摘にもありましたとおり、成長三カ年ゼロ、そしてようやく成長期に入りましたねと、それも事実であります。 しかしながら、恒久税制、そして特別減税、五兆五千、連続してこれも行ってきたことも御案内のとおり。バブル崩壊後の不況に備えて補正を、史上最大の補正と言われることを二回連続をしてやりまして、そのほか公共事業等、投入をした総額は六十五兆から七十兆。なぜ五兆違うか。それぞれの計算値が違いますからそう申し上げた。おおよその形の中であります。 にもかかわらず、なかなか盛り上がらない。これは一体どういうことなのだろうか。やはり、午前中の審議の中で総理から言われましたとおり、規制緩和、行政改革、そして経済構造改革を並行してやることで初めて元年になるんだろう。ですから、このことをやらなければならない。 それともう一つは、平成八年の予算編成を皆さんもう一度振り返ってみてください。この際、税収五十一兆円であったことは御案内のとおり。税外収入二・六、NTT二千億円。五十四兆でありました。租税収入という意味で申し上げます。これに対して、歳出、地方交付税十三兆六千、十三・六兆円と言った方がいいですから、こういう言い方に変えます。一般歳出が四十三・一兆、緊急金融〇・七兆等で五十九兆円で、差額が五兆ここに出るわけであります。 ですから、本来でありますと、差額の分を国債費で、公債費で捻出をし、こちらで帳消しにすればよろしいのでありますが、御案内のとおり、二百四十兆と言われる我が国の債務がございます。これが、八年度予算編成では、国債費として十六兆三千億円計上せざるを得ませんでした。うち利払いが十二兆です。元本償還が四兆円、締めて十六・三兆、こういうことになるわけです。(発言する者あり)ちょっと聞いていて、あなたね……(発言する者あり)いやいや、それは、頭のいいあなたはちゃんと理解しなさいよ。 そこで、二十一兆円を公債金として調達をしなければならなかったわけです。内訳は、建設国債は九兆円、そして特例公債、いわゆる借金が十二兆円、締めて二十一兆円ということになりました。そうしますと、本件でありますように、十六・三兆の国債費の対比をしていただきますと、その差額がまさに国民負担として、フェアにしなくては、パラレルにしなくてはいけませんのに、こういうことであるということで後世に借金を残すということになりました。 これではどうなるかということになりますので、本論に入りますが、補正予算で何を考えるかということであります。本論の補正予算は、当初予算と一体でこれを行うということであります。阪神大震災の災害復旧費等々を含め、O157の対応まで広範に考えながら、各省の要求をただいま精査をしておる。そして、税特委の審議を受けて、収入をどうするか、税収をどうするかを考えるというところであります。
○鈴木(淑)委員 私、初陣なものですから大いに戸惑っておりますが、後半でお尋ねしようと思っているような財政赤字の話まで行ってしまって、最初に端的にお答えいただきたかったところが最後にちょっぴり出てきました。しかし、時間もどんどんたっていきますので、総理に端的にお尋ねをしたいというふうに思います。 さっきも申し上げましたように、三年間ゼロ%成長、それでようやく二%台成長、二年間と思ったら、どうも来年度は、少なくとも民間の見方は一%台前半です。悲観的なところはゼロ%台と言っております。日本経済は、高度成長が終わった後平成景気まで四%強の平均でずっと来ているのですね。潜在成長率は四%は最低あったわけです。ここへ来て、九〇年代に入って、時短も進んでいるし労働力の伸びも落ちていますから、潜在成長率はもう少し落ちているだろうと言われておりますが、それでも三%はあるだろうねというのが民間のエコノミストのコンセンサスだと思うのですね。そういたしますと、三年ゼロ%台、二年二%台、そうしてまた一%前後に落ちますと、この六年間というのは平均すると一%強なんですよ。三%から一%強を引いて六倍いたしますと、GDPベースの需給ギャップの悪化というのは一〇%ぐらいの話になってしまうわけですね。そのようにバランス全体が悪化をしてきているという事実が一方にある。 他方では、総理、村山内閣の通産相、重要閣僚でいらっしゃいましたし、当時既に三党連立内閣の自民党の総裁でいらっしゃいましたから、昨年十一月に村山内閣が出した新中期計画、あれについては当然かかわっておられるし、一つの大事な中期展望として頭の中に置いておられると思うのですが、あの計画の数字はどうなっていたか。九六年度から二〇〇〇年度までの五年間、三%程度の成長をしていくとうまく回るよということが書いてある一方、もし経済構造改革がうまくいかないで、その結果一・七五%ぐらいの五年間の成長になると、日本経済はえらいことになるよと書いてあります。どういう形でえらいことになるかといえば、失業率が今の三・四よりもどんどん上がっていっちゃう。それから、経常収支の黒字が再拡大してきて、再び超円高の恐怖が起きるかもしれない。そういう意味で、一・七五じゃ失敗シナリオだよということを言っているわけですね。 経済審議会というのは、民間の専門家が総管を集めて議論して出してきたものです。もし総理が、この九六年度から二〇〇〇年度まで五年間、三%程度の平均成長率を実現しないとえらいことになるよという経済審議会の警告をまともにお受けになっているとすれば、五年計画の最初の二年間ですね、これは九六年度と九七年度。まあ政府見通し二・五は実現したと仮にしても、来年一%近くなりますから、これはまさに二%弱で、失敗シナリオの一・七五に近いんですよ。五年間のうちの最初の二年間をそういう状況にしておいて、あとの三年間で一気に持ち上げようとすると、平均三を実現するためには四%成長にばあっと持っていかなきゃいけないんですよ。五つの改革は結構ですが、あの五つの改革でそんな経済をスパートさせることは不可能ですよね。 総理の頭の中では、あんな計画はどうでもいいということで計画を捨てておられるのか。それとも計画を尊重されるなら、これぐらい無責任な経済運営はないと思いますよ、五年間の最初の二年間で失敗シナリオヘ入っていくのを平気で見逃すということですから。総理はどちらですか。
○橋本内閣総理大臣 御自身でも自負しておられると思いますが、日本銀行から研究所活動を通じ、プロ中のプロの議員の御発言ですから、私も真剣に拝聴をいたしておりました。そして、あなたの問いかけに必ずしも正確な答えになりません、それを前もってお断りした上で、私なりに感じておることを申し上げたいと存じます。 今、あなたが述べられたようなさまざまな問題点、課題を抱えているということは、私は否定をいたしません。 昨年の下期におきまして、確かに、補正予算を合わせまして公共事業、約十一兆ぐらいのものがあったと思います。しかし、そのうちの実行されましたもの、年度内に実行されましたものは六兆を切っておりました。その限りにおきまして、今年の下期にも、その実行ベースでいいますならばそれを上回る財源が残っております。これが今まで申し上げてきた一つの答えてあります。 そして同時に、私は、先ほど冒頭御指摘になりました。自動車の販売あるいは住宅建設というものの中に消費税の影響を考慮されて前倒し需要がある程度発生している、それも全然否定するつもりはありません。 また、議員は意図的にお触れくださらなかったんだと思いますけれども、私は、失業率が一たん三・三に下がりましたものがまた三・四に上がっている、この状況を極めて懸念をいたしております。雇用情勢の状況というものは、常に気になる数字であります。そして、それに対して有効求人倍率も多少ふえているといったようなことを理由に、この数字の重みを逃れるつもりもありません。 と申しますことは、三月期まで現在の公共事業の手持ちで昨年の実績程度の数字は維持できるということがまず言えると思います。昨年の十一兆余力の中で、現実に使用されましたものの数字と対比いたした場合、下期に残っております財源はそれを多少上回っておりますから、同列程度のものは維持できるであろう。まず第一点、ここに申し上げることがございます。 また、大蔵大臣からも御答弁がありましたように、補正予算要因として、私たちは、当年度に入りましてからの阪神・淡路復興対策の費用、さらに、これに関連をいたしまして緊急防災対策を必要といたします費用、O157等も含めまして、補正予算はいずれにしても編成をせねばなりません。その中にさまざまな工夫を必要とするという御指摘は、当然のことながら、私は、非常に好意のある御忠告として、特に四—六の落ち込みをカバーするに足る工夫をしておけという御好意のある御注意としてこれは承らせていただきたいと存じます。 ただ同時に、それでは改革プロセスを一つでも後送りできるでしょうか。現在の我が国の情勢の中において改革プロセスを、例えば行政改革だけ急げば社会保障構造改革はちょっと先に送っていいとか、あるいは財政構造改革を後に回してでも、言いかえれば、国債発行高をふやしてでもこの場合をつなげと言いました場合には問題の先送りでありまして、それが出てくるときは一層深刻なものになることは、委員は今までもしばしば世に対して警告を発しておられたところであります。 私どもとしては、それだけに来年の年度当初において我々が非常に厳しい状況に立つことを、そして、その時期を乗り切るための工夫を次年度予算編成を通じて、当年度補正もあわせながら十分考えておかなければならないという御指摘は、素直に私はちょうだいをいたしたいと思います。そして、むしろ党派を超えて、これに対してよき処方せんをお示しいただけるなら、我々はそれを喜んで検討させていただきたいとも思います。 しかし同時に、特定の改革分野を後に残して走るということは問題の先送りにつながるということで、しばしば議員からも在野の時代、警鐘を鳴らされてきたところでありました。私どもは、困難を覚悟しつつも、これに取り組もうという気持ちでおりますということだけは御理解をいただきたいと存じます。 〔委員長退席、小里委員長代理着席〕
○鈴木(淑)委員 総理おっしゃいますように、総理が掲げている五つの改革、これはいずれも大事なことで、後回しにしてはいけないような問題だ、この点は私も同感でございます。 しかし、私は、来年の四月以降に起きるであろう経済の落ち込みというのは、今総理おっしゃった中で九兆円の国民負担の増加のデフレインパクトは触れられませんでしたが、これは相当大きなものだと思いますよ。ですから、党派を挙げてどうするかとおっしゃれば、それは新進党が言っているように、二兆円の特別所得減税を続けなさい、できれば恒久化して、国民がいつ増税されるかわからない、いつ増税されるかわからないと思っていたら、これは貯蓄をふやしちゃいますから、波及効果が少なくなっちゃうんですよね。だからこれと、それから言うまでもなく消費税率の三%から五%への引き上げの凍結、延期ですよね、そして、我が党は所得減税ということを言っております。法人税減税も言っております。それが私どもの対策でありますけれども、しかし、ここで総理に一つ申し上げたいことがあります。 それは、総理の掲げておられる五つの改革、どれもこれも大事なことばかりです。おっしゃるように、後回しにしてはいけないことです。しかし、あえて申し上げれば、総理のあの五つの改革に一つ欠落していることがあるんですね。何か。あの五つの改革を包摂して、あれ全部の実行可能性を保証するマクロ経済の展望がないということですよ。マクロ経済の展望がありません。 改革というのは、総理御承知のように、痛みを伴うものであります。構造を変えるということは、必ず衰退側のセクターで失業がふえるという問題もある。規制緩和にだって光と影があるわけです。そういう痛みを伴う改革五つを全部成功させようと思ったら、それ全体を包摂するマクロ経済についてのしっかりした展望を持っていなかったら、これは成功いたしませんよ。実現いたしませんよ。 典型的には財政構造改革だと思います。財政赤字の削減であります。財政赤字というのは、もう今さら申すまでもなく、二つのことに依存していますね。一つは、言うまでもなく、政治の決断で動かすことのできる行政改革、地方分権等による財政支出の削減ですが、もう一方は税収でしょう。税収というのはマクロ経済に依存しているんですよ。 さっき言いましたように、この六年間で需給ギャップが一〇%に拡大する。現時点でのデフレギャップは、民間の推計を見ると五%から八%ぐらいあると言われている。そんなときに税収がふえるわけありませんね。九一年度の国税、地方税合わせると九十八兆円ありました。最新の数字で九五年度を見ますと、これ十一兆円落ち込んでいますよ。この間だったの四年間。税収は落ち込んでいるけれども経済はゼロ%でも成長していましたから、四年間で五%ぐらい上がったわけです。一・二五%平均で成長している。経済が成長しているときに税収が落ち込んでいるのですよ。こういう状況のときに、ああ、財政赤字が大きいから大変だ、増税、増税と言われて、マクロ経済がますます停滞している。 何度も言いますが、来年度九兆円の国民負担増と言われれば、経済はとりあえずふらふらっとしますよ。上期は相当ひどい状態になる。そのまま景気後退へ突っ込むか、下期にまた上がってくるとしたって、平均一%そこそこの成長だというふうに思います。金曜日のこの委員会で、野田委員が経済再建なくして財政再建なしと一生懸命強調されたのはそのことなんですね。 ですから、総理、五つの改革は結構です。しかし、これを本当に実現するためには、これを包摂したマクロ経済の展望がなきゃできないのですよ。その点、どうお思いですか。
○橋本内閣総理大臣 私はプロに刃向かうほど度胸はよくありません。ただ、今のお話を伺いながら、いわゆるレーガン減税というものの打ち出しと終了を思い出しました。 レーガン減税当時のアメリカというものは、御承知のとおり、CPI一〇%を超えるインフレでありましたから、相当な自然増収のあったときでありました。しかし、その歳入見通しと歳入実績には相当な開きが生じたこと、そして、それがその後アメリカ経済を著しめた実態を議員はよく御承知でありましょう。そして、歳出見通しと歳出実績にも大きなギャップを生じたことは御承知のとおりであります。 しかも、その歳出実績とのギャップ、それは何が問題だったか。失業手当など社会保障支出及び利払い費の増大というものが影響したと言われております。しかも、その当時、アメリカの人口構成は、我が国に比べまして、現在は当然のことながら、これから我々が経験をしなければならない高齢人口の比率とは比較にならない若い国でございました。 私は、今アメリカが非常にしっかりとした構造改革と安定した経済運営、そしてそれには当然ながら金融政策等も相まって非常に見事に回復をいたしておりますけれども、その遠因は、私は、議員が述べられましたような、例えば我が国において大幅減税を先行させるといった。当時のレーガン税制の結果現在アメリカの国力がすばらしいものになった。そうは理解をいたしておりません。 そして、まさに私たちは、だからこそ一方で規制緩和等によりまして仕事を生み出していく必要があるということを繰り返し申し上げております。今、たまたま手元に運輸省から参りました報告がちょうどありましたけれども、人流、物流の全事業分野における目標期限を決めての需給調整規制を廃止するといったことから始まる一連の改革であります。我々は、一方では地道にそういう努力を積み重ねていかなければなりません。そして、厳しいことを承知しながら、でも我々はやるべきことは進めていかなきゃならないのです。 そして、間違いなしに、確かに経済学者ではなくて企画庁の諸君、これも行政の中におりますからあるいは多少のひいき目はあるかもしれません。しかし、消費税率を引き上げた場合には〇・七、特別減税を廃止した場合にはそれにプラスして〇・二ぐらいが乗るという数字は、彼らですら私どものところに持ってまいっております。それだけの厳しさというものを意識いたしておりますけれども、逆に、そこに見合う赤字国債を発行し減税を継続いたしました場合の、その後にどの時点がでその悪循環を断ち切らなければならなくなりますときの影響というものは、もし議員が御指摘になりましたように自然増収を期待できるような経済にならない、そうした状況の中でそういう時期を迎えたとき、どういうことになるでしょう。 そして、我々は、これからむしろ行政当局としての歳入当局には、歳入見積もりというものをより正確にしていってくれということはこれまでも申してきましたし、これからも申していかなければなりません。見積もりと実績が余り食い違い過ぎる、そんな事態は決して望ましいものではございませんけれども、自然増収を大きく期待するような経済運営よりも、我々は長期に安定した経済運営をこそ目指すべきではなかろうか、私はそのように思います。
○鈴木(淑)委員 総理がレーガノミックスの話をされましたので、私も、アメリカあるいはEUの経済との比較でお話をしてみたいと思います。 なお、レーガノミックスの評価につきましては、総理と一点違っております。それは、減税で民間にやる気を起こさせながら規制緩和で民間のビジネスチャンスを広げ、そして行政改革で財政支出を抑え込んでいったから、これは時間がかかりましたが、ついに九〇年代に入って今のようなアメリカ経済の繁栄が実現したのであります。最初は確かに、減税しましたから財政赤字は拡大して苦しみましたよ。だけれども、最終的にはやはり自然増収が出てきて、そして財政赤字は縮んでいっております。 今、一つ数字を御紹介いたしましょう。 OECDが、統一した統計基準で主要国の一般政府、ゼネラルガバメントというのは中央政府と地方政府を加えていますね、これの歳入の対GDP比率と歳出の対GDP比率と、その収支じりとしての財政赤字の対GDP比率の統計を推計して、ことしの六月の「エコノミック・アウトルック」に出しておりますから、あるいは総理のお目にとまったかもしれません。 これを見ますと、日本は九一年に一般政府の方は黒字だったんですね、二・九%。それから九六年の推計で赤字四・八%へ、七・七%ポイント悪化をする。これは額に直したら四十兆円近い悪化です。そして、この九六年の四・八%の対GDP比の赤字というのは、米国が二・〇の赤字、EUの平均が四・その赤字なんですね。EUよりも〇・一、悪くなっちゃった。とうとう日本は、財政赤字、アメリカよりも大きくなったことはもちろん、EUの平均よりも対GDPで大きくなっちゃったんですね。 どうしてそうなったんだろうかということで歳入歳出の方をチェックしてみますと、何と日本だけがこの間、歳入の対GDP比率はおっこっちゃっているんですよ。三三・八%から三一・九%へ、一・九%ポイント落ちております。米国もEUも若干上昇している。最大の原因が、日本だけがさっき言ったように一〇%も需給ギャップを悪化させて、法人税も所得税も落ち込むのを放置しておったからですね。このために日本だけが歳入の対GDP比率が下がっているんです。 歳出はどうかといいますと、正本は何と三〇・九%から三六・七%へ、五・八%ポイント上昇しています。二十九兆円ふえている。歳出の比率が日本だけがぐうっと上がって大きな政府に向かっておるんですね。そして歳入の方は、経済が沈滞してほっぽり出しているから下がっちゃっているんですよ。このダブルパンチで日本が一番大きく財政赤字を大幅に悪化させて、そしてとうとう、水準で見ても、九六年度には日本がアメリカやEUよりも財政赤字が大きいという状況になっている。 つまり、今の日本の財政赤字の最大の原因は、総理が国際比較されましたから私も国際比較でいいますが、最大の原因は、日本だけが中期経済停滞を放置した。ないしはそこから脱出することを政策目標としてしっかり掲げてやれなかったということ。それからもう一つは、日本だけが行政改革による支出削減の切り込みをアメリカやEU諸国のようにやれなかった。この二つこそが今の財政赤字問題のポイントですよ。 ですから、そこに政策を向けなきゃいけないときに、経済が停滞しているから税収が落ちているときに、税率を二%上げましょう、所得税の特別減税を打ち切りましょう、国民負担率も二%上げましょう。社会保障関係ですね。これは国民は迷惑ですよ。原因は、経済停滞をほっぽり出しておいたのと行革をやっていなかったことですよ。その結果膨らんだ赤字を小さくするために、国民負担率をどんと九兆円も上げる。これは筋が違う。少なくとも順序が違うと思いますよ。順序が違う。
○橋本内閣総理大臣 議員は意図的にお触れになっておられないのかもしれません。しかし、アメリカにおきましても、またもう一つ例示で引かれましたEUの諸国におきましても、社会保障改革というものがその一つの大きな柱になっておることは御承知のとおりであります。そして、我々は、産業の構造改革、経済の構造改革というものは当然のことながらやっていかなければなりません。同時に、先般来時々引用をされております産構審あるいは経済審の小委員会報告あるいは部会の報告等を見ましても、現実に我が国の今のシステムをそのまま延長していったケース、これは表面に出る国民負担率の問題とともに、国、地方公共団体等の赤字を加え、それを計算すると破滅の数字が二〇二五年には出てくるという数字が出ておることは御承知のとおりであります。そして、それを少なくとも実質的に国民負担率が五〇%の中におさまるようにということを考えますと、社会保障構造改革と財政構造改革、両方どもを苦しくてもやり遂げなければその水準には達しないというのが両方の、少しずつ数字の違いはございます、ございますけれども、目指している方向であります。 これに加えて、行政改革も当然のことながら、そして産業、経済構造改革も当然のことながら全力を挙げて進めていかなければなりませんし、同時に、基軸通貨が二つ生まれるという時代に、日本の金融システムがこのままでいいとおっしゃる方はないはずでありまして、この金融システム改革をあわせて進めていかなければならないという認識は、私は間違っておるとは存じません。 そして、マクロの視点が欠けていると言われますが、二〇二五年までこの状況を続ければ破滅しかない、その破滅に行かないためには財政構造改革も社会保障構造改革も必要なんだ、それをやっていこうとする、それが基本的な目標でなくて私はほかのものはないように思います。
○鈴木(淑)委員 私は、総理が今おっしゃったこと、すなわち五つの改革は全部必要なことだと思っております。それを後回しにしろなどとは一言も言っていない。そうではなくて、この五つを実現するために必要な条件としてマクロ経済の問題がありますよということを言っているわけです。デフレギャップをおっぽり出して、税収が落ち込んだままで、ただただ税率だけ上げていって、どうして財政再建なんかできるでしょうか。経済を実力相応の、私は、潜在成長率は三%あると思います。デフレギャップが大きいのですから、二十一世紀の入り口に向かって四%成長ぐらいはできると思いますよ。この実力相応の成長軌道に経済を戻すこと、これをマクロ経済政策の戦略的な目標に掲げないで、どうして五つの改革がコンシステントに実行できるでしょうか。必ず破綻しますよ、これは。必ず破綻します。 ですから、私は……(発言する者あり)具体的にどうするというのはさっき申し上げたけれども、まあ時間の許す範囲でもう一回申し上げてもいいですが、要するに戦略的な目標というのは、日本経済を実力相応の成長軌道に戻すということですよ。そのための基本的な戦術というのは、民間市場経済の活性化と小さな政府へ向かうということですよ。 民間市場経済の活性化の決め手として、我が新進党は、大幅減税で一度刺激を与えるということと、それから規制緩和でビジネスフロンティアを拡大するということと、公共料金を初めとする諸コストを下げるということを申し上げている。それから、そのコインの裏側である政府を効率的で小さたものにする手段として、行政改革と地方分権と、そして規制緩和に伴う中央省庁その他の組織の整理を言っているのですね。 ですから、この行革側、小さな政府を目指す方は、おれたちもやっておるよ、こうさっきから言っておられますね。それじゃ、民間市場経済を活性化してぐっと持ち上げる方の手段は何ですか。それがないじゃありませんか。それがなくてどうして五つの改革を実効あるものにできるでしょうか。 もう時間がありませんので、最後に一つ申し上げます。 経済政策の運営の基本的な哲理として、一つの政策目標があるときに、例えば財政赤字を削減するという政策目標があるとき、これがもし経済の内生変数だったら、つまり政府の決断だけであめん棒のように動かせない性格のものであったら、これはファイナルゴールとして、最後の目標としては大事ですが、政府が動かせる手前のところにオペレーティングなターゲットを持たなければいけない、操作できる操作変数、操作目標を持たなければいけないということです。 財政赤字を縮めたいなら、政府が影響を与えることのできる手前の目標というのは、一つは行政改革、地方分権等による断固たる財政支出の削減ですよ。なぜ、政府は財政支出削減計画、これについても金曜日に野田委員から申し上げました。なぜ、財政支出削減計画を一方に持たないのか。なぜ、他方で、新中期計画にある三%の持続的な成長軌道に乗せるということをはっきりした操作目標にされないのか。 財政支出削減計画と中期計画の三%の安定成長軌道に乗せるというこの二つを操作目標に掲げれば、必ず最後に目標とする財政赤字削減が実現します。それをしないで、財政赤字あるいは赤字国債だけを削減するという財政審のようなあんな目標を掲げて、それを実現するための手前の操作目標がなかったら、これは絵にかいたもちに終わるでありましょう。 そのことを申し上げて、私の質問を打ち切ります。
○小里委員長代理 三塚大蔵大臣。 ちょっと時間がありませんから。
○三塚国務大臣 御見識をいただきましたけれども、新進党公約に余りとらわれ過ぎまして、鈴木経済学者も時に構成が違うなと思っております。 赤字国債の削減は、次世代に借金を残さない元年にしなければならぬ、二百四十兆ですからね、そういうこと。それと、財政の問題についても、まず思い切った改革を、歳出をしっかりと、聖域をなく、これを見てやらなければならぬ。その御協力をください。 そういうことですから、どうぞよろしくお願いします。
○小里委員長代理 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。 次に、仙谷由人君。
○仙谷委員 民主党の仙谷でございます。 質問をさせていただく前に、先日来の長野県の小谷村の災害につきまして、行方不明になられている方の早期の救出を祈念をいたしますし、お亡くなりになられました方の御冥福をお祈りをいたしたいと存じます。 そして、この事故につきましては、既に人災ではないか、建設省が、建設局が長野労働基準局の警告を軽視をしていたのではないだろうかという指摘もあるようでございます。 亀井建設大臣、現地に赴かれて大変精力的に調査を、あるいは対策をとられているようでございまして、心から敬意を表しますけれども、しかし、先ほど申し上げましたような指摘もあるということでございますから、そういう観点からも、なお鋭意この対策に取り組んでいただきたいとお願いをしておきます。 それでは、私の質問に入らせていただきます。 十二月六日の当委員会の質疑の中で、橋本総理大臣も、加えて武藤総務庁長官も、異口同音にと申しましょうか、一致して、国会が内閣の行政権全般にわたって監督権を持つことは当然であるという意味の答弁をされていらっしゃるわけでございます。そこで、先ほどから当委員会でも議論をされております財政構造改革といいましょうか、財政再建の問題とも深くかかわりのある公共事業問題と少々重ねて論議をしてみたいと思うわけでございます。 御承知のとおり、今、日本には十六本の長期計画と称するものがございます。十六本の五カ年計画がございます。どうも久しぶりに国会に出てまいりますと、大変な陳情団がことしは参っております。衛視さんに聞きますと、三十年勤めているけれども、こんなすごいのは初めてだ、こう言っております。武藤長官も、ちょっと行き過ぎじゃないか、こうおっしゃったというお話も報道機関で目にしております。 私は、事業官庁の皆さん方に、あなた方が仕組んでおるのではないかと。この五カ年計画満額獲得総決起大会をブロック別でやっておるものですから、このブロック別で総決起大会をなさった方々がすべて議員会館にも陳情に来るからああいう状況になっておるわけでございます。官庁の方も、これでは仕事ができぬ、こう言っておるというのが新聞にも出ておりました。 問題は、この十六本の長期計画をだれがどのようにコントロールしているのかということが最大の問題でないかと思うわけでございます。私は、結論からいいますと、これこそまさに国会が監督しなければならない、監視をしなければならない、あるいは吟味をしなければならぬ、こう思っているわけでございますけれども、どうもそういう構造になっていないようでございます。 よく調べてみますと、この五カ年計画のうち根拠法がないというのが、急傾斜地崩壊対策五カ年計画、それから海岸事業五カ年計画、空港整備五カ年計画というのがございません。さらにその余は、緊急措置法という名前で根拠法令がつくられておるものがございます。緊急措置法が第十一次までいっておるのもございまして、緊急措置法に基づいてつくられた計画が、多分三十年、四十年を超えて、緊急だと称して計画がつくられておるように思われるわけでございます。 そして、この根拠法令がないものに加えて、緊急措置法あるいはちゃんとした法律の場合でも、各所管の大臣が閣議の決定を求めなければならない、経なければならないという規定はあるわけでございますが、この計画について、国会の承認を得なければならないという規定があるのは漁港法だけでございます。 なぜ漁港法だけがこういうまともな姿になっておるのか私はわかりませんけれども、十六本の計画を律する根拠法のうち、一本だけが国会の承認というのが書かれている。その他は、この緊急措置法の緊急のところに意味があるのかどうかわかりませんが、閣議の決定だけで計画が成り立つという話になっておるようでございます。三本は根拠法令もない。 こういう事態を、まず内閣総理大臣、どのように理解したらいいんでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 実は、大変申しわけなかったのですが、私は、議員からの御質問をいただくまで、根拠法令のないものがあるということは存じませんでした。これは大変恥ずかしい指摘を受けたと思います。 ただ、公共事業の各種五カ年計画、これは決定文中にも、今後の社会経済情勢の動向、財政需要等を勘案しつつ、弾力的にその実施を図るというものがございますように、計画によって歳出が義務づけられるものではない、いわば計画的な事業実施のための目安、目標とでもいいましょうか、そんな意味合いを持つものだと私は理解をしてま。いりました。私自身、例えば運輸大臣として空港とか港湾とかいうものにかかわったこともあるわけですが、ある意味ではまさに目標と私は自分でとらえておったように今振り返ってみても思います。 それだけに、具体的な歳出が伴う、歳出権あるいは債務負担が生ずる、これは当然のことながら財政法上国会の御審議を受ける、言いかえれば承認を受けるということになるわけですけれども、五カ年計画というものを今私が申し上げたようなとらえ方でとらえております場合、これは計画策定の段階で必ずしも国会の御承認を得なければならないものだとは私は思いません。
○仙谷委員 ところが、非常に簡単な、総額が五カ年計画で決まるわけですね、七十兆円とか二十五兆円。それで、よく聞いてみますと、各事業官庁の方は、正式には、毎年毎年予算が成立して、そこから箇所づけが行われて初めてその計画の中身の、どこそこに道路をつくるとか、どこそこに鉄道をつくるとか、ダムをつくるというのは決まってくるんだ。そして、もっとお伺いしますと、いや、だけれども次の年は予算をつけないかもわからない、それはその予算をつくる各省庁のいわば自由裁量だ、こういう御意見でございました。 そうなってきますと、反対に言えば、何のための計画なのか、あるいは予算の成立までには箇所づけをしないということですから、今度は国会というのはその計画に基づいて配分される具体的な予算についてはどういうかかわり方ができているのか、大問題になるんではないかと思います。 それで、根拠法令がないのもございましたけれども、計画自身が根拠じゃないとすれば、そういたしますと、今度は、予算はできたけれども、それを執行するそのもともとの根拠たる権限を生み出す根拠がないということになるわけでございます。そういうある意味では緩んだ規律の中でこの計画が行われておるんじゃないか。したがいまして、この部分が、五カ年計画がいわば公共事業シェア固定にも十二分の役割を果たしているだけで、国会議員もチェックできない、国会議員も、知っている計画は地元の計画か、何か自分がちょっと詳しい業界に関係ある、そういう五カ年計画の一部分の中身しか知らないということに今なっているんじゃないかと思うんですね。 私はここで、内閣法制局長官でもあるいは総理大臣でも結構なんですが、漁港法の規定のように、この計画自身にも国会の議決、つまり閣議の決定に加えて国会の議決あるいは国会の承認、これが必要なんだという法改正をすべきだ、さらに、かてて加えて、この緊急措置法なるものを、緊急措置という名前でありながら何年も続けるという、こういう不健全なやり方を早急にやめるべきだ、ここから公共事業の洗い直しを始めなければならない、国会のコントロール機能を高めなければならないと思う次第でございますけれども、いかがでございましょうか。
○大森(政)政府委員 委員のお尋ねは、多分に立法政策に係る問題かと思われますが、私の方からは、そういう国会の議決に、承認に係らしめることと憲法との関係だけについてまずお答えをいたしたいと思います。 委員御承知のとおり、憲法八十三条は、いわゆる財政民主主義に関する基本原則を定めております。すなわちその規定内容は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と規定しているわけでございますが、財政の各種の作用がどのような態様、方式で国会の議決に基づかなければならないかという問題につきましては、この八十三条の規定するところではなく、専ら他の条文が規定するところにゆだねられていると解するのが現在の通説的な考え方でございます。 すなわち、憲法は、八十四条では租税法律主義、そして八十五条では国費の支出及び国の債務負担に関し、そして八十六条では予算、すなわち毎会計年度の予算は、内閣は、「予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」このように具体的に規定しているわけでございます。 そこで、お尋ねの公共事業の各種五カ年計画につきましては、計画自体によってその歳出が義務づけられるわけではなく、事業実施のための目安ともいうべき性質を有しているということにとどまるものでございます。したがって、長期計画自体を国会の議決に係らしめること、これは憲法上義務づけられているわけではないということが言えようかと思います。
○仙谷委員 長々と意味のないことを答弁していただいたような気がするんですが、簡単でいいんですよ。憲法違反なのかどうなのか、立法政策上望ましいのかどうなのか、これだけでいいんですよ。憲法上許されるのであれば、あなたがおっしゃるように、立法政策上望ましいかどうかということになるじゃないですか。つまり漁港法のような規定をすることは憲法に違反するんですか、しないんですか、それだけ答えてください。 それで、その次に大臣に、公共事業を具体的に国会が審議をし監督をする、長期計画についてもそのようにコントロールができるような国会の承認というのを漁港法のように加えることが望ましいのかどうなのか、その点を総理大臣、答えていただきます。どうぞ。
○大森(政)政府委員 お尋ねは、盾の両面をお尋ねになったんだと思いますが、私のお答えすることは、現行憲法上の要請として、漁港法の規定のような国会の承認、議決が義務づけられるものではないということでございます。
○橋本内閣総理大臣 今調べてみますと、漁港法が制定されました昭和二十五年、このときまさに、食糧確保という見地から水産業の振興を図ること、これが大きな課題になり、国会でも関心を持たれたということからこういう条文になったようであります。言いかえれば、逆に、法律上こうした計画を、すなわち五カ年計画等を国会に御報告をし、承認を受けるという手続が違法なものだとは私は思いません。 ただ、その上で私は、むしろ五カ年計画というものがある程度目安である限り、その目安を国会で御承認をいただくということは必ずしも必要がない、そのように思います。
○仙谷委員 端的で結構ですから。いいですか、長官。憲法上違反するかどうかだけ答えてください。漁港法のような規定をつくれば憲法上違反するかどうか、それだけで結構です。
○大森(政)政府委員 反対の、裏から答えておしかりをいただいておるわけでございますが、現行各種五カ年計画につきまして、国会の承認、議決に係らしめていないのは憲法に違反しないというふうに答えたいと思います。
○仙谷委員 民主党は、議会が行政府に対して復権できるかどうか、優位性をつくり出すことがどうかということを今考えております。その一つが、先日提出いたしました行政監視院の構想でもございます。 そして、きょうの議論でも問題になっておりますように、財政再建と公共事業というのがこれから大変大きな問題になってきていると自覚をしているわけでございます。十六本の五カ年計画すべてが今までのように満額に近い要求を満たす計画で行われれば、さっき総理大臣は、二〇二〇年か何かに財政破綻をする、こういうふうなことをおっしゃっていましたが、早晩、もっとより早い段階で破綻をするのではないだろうかなという気がいたします。かてて加えて、国費の公共事業だけにとどまらず、地方負担というものについて、今自治体は本音では相当悲鳴を上げております。 そういう観点から、この公共事業問題の配分について、国会が議論をし監視をするということでなければ、それも具体的な工事の項目について議論をするということがなければ大変なことになるだろうと思います。つまり、私は、そろそろ日本は公共事業がトレードオフの関係に入ってきたんだ、すべてが満たされる時代ではなくなってきた。こういう認識を持っているからでございます。 どこそことは言いませんけれども、何とか庁の事業予算はこれだけ使い残している、ここはこれだけ足りないというふうなことが、現在はそういうミスマッチも起こってきておるようでございます。どうしても、公共事業問題について、衆議院あるいは参議院で議院の同意を得て国会が公共事業を具体的に監視をし監督できる、そういう仕組みをつくらなければならないと思っているところでございます。 質問を変えます。 大蔵省改革の問題でございます。これは、思い起こせば九二年の証券・金融スキャンダルからある意味では始まっている問題でございます。そして、当時、相当間接金融の世界の問題についても指摘をしたわけですが、ほとんどここはメスが入らずに過ぎ去ってきて、そうして昨年になって噴火をした。あるいは一昨年から噴火をし始めたということではないかと思います。 私は、二信組の問題あるいは兵庫銀行の問題、住専の問題、阪和銀行の問題、この中身を問うことなくして、金融行政改革というのは、具体的にさあどうすれば検査、監督、企画、立案というふうなものが市場との整合性においてつくられるかという中身は出てこないと思うのですね。機構いじりからは何にも始まらないという感覚を持っているところでございます。 それで、そういう観点から私が申し上げた各種の金融機関の問題を考えてみますと、少なくとも銀行の検査というものがルールに基づいて行われていなかった。行われていたかどうか甚だ疑わしいというのが一つでございます。それは、商法二百八十五条ノ四に、金銭債権につき取り立て不能のおそれあるときには、取り立てることができない見込み額を控除しなければならないという規定がありますけれども、そのことは全くと言っていいほど守られていない。 兵庫銀行の倒産前期末決算で六百億と言われていた不良債権が、回収不能だけでも七千九百億、一兆五千億の不良債権が生まれたというのは、どんな検査をしておったのか、検査がどのように監督に反映したのかということが厳しく問い直されなければならないわけでございます。つまり大蔵省の裁量行政の大失敗でございます。これは、大蔵省は銀行局長をあえて頭取にまで送り込んで再建を図った銀行がこのていたらくであったということでございます。 阪和銀行は、聞くところによりますと、実は大蔵省がルールに従って業務停止をかけたというよりも、監査法人が決算を承認しなかった。なぜ承認しなかったか。株主代表訴訟に監査法人みずからが巻き込まれることを恐れて、そんな不良債権額の出し方、償却の仕方では我々は同意できないということでございました。期末決算五百七十三億に対して十一月二十一日には一千九百億の不良債権額が出てきた。これではもたないということで業務停止をかけたということのようでございます。証券・金融スキャンダルのときから私どもは、日本の公認会計士の問題も指摘をしてまいりました。検査と監督というものについて極めて真剣な反省とルールづくりが必要なんではないだろうかなと思います。 さらに加えて、この種の検査結果あるいは監督の結果がディスクローズされないで、いわば大蔵省銀行局と銀行の間の内輪の話に終始をして、人事的なやりとりで決着をするというようなことが行われたというのも、もう一つの問題ではないだろうかなと考えているところでございます。さらに、農林あるいは信用組合問題というふうなこと、あるいはノンバンクの問題を考えますと、これは検査が一元的でなかった。金融行政が一元的になされていなかったということの弱点がもろに出たと考えるところでございます。 そういう観点に立ては、私どもは、今問題になっておる大蔵省の改革ということについては、財政と金融を、財政部門と金融部門を完全に近い形で分離をしなければ事は始まらない、とりわけ重要なのは、日本銀行、中央銀行の独立性を完全に近いものにまで高めるということだろうと思います。さらに加えて、検査・監督と言われるものをルールに基づいて、冷徹にと申しましょうか、スマートに行うということが次の問題でございましょう。さらには、国際会計基準を導入する、早く時価主義を導入する以外に、私は金融マーケットとの整合性はとれないと思っているところでございます。 今私どもに問われている問題は、総理大臣の二〇〇一年のビッグバン及び全体の省庁再編成の問題があるようでございますけれども、この段階ですっきりとどこまで検査、監督、企画、立案を財政当局から分離しながら金融行政を進めていく、監督の中身を問い返して進めていく機関をつくれるかどうかということにあるというふうに考えているわけでございます。 そういう観点からは、私どもは、金融、財政の分離をするための新しい機関をつくる必要がある、そして当然のことながら、当面といいましょうか、相当期間は財政当局と金融当局を人事の遮断もしなければならないというふうに考えているところでございますけれども、大蔵大臣、大蔵大臣のお考え方をお伺いしたいと思います。
○三塚国務大臣 大蔵改革についていろいろ御指摘をいただきました。既に本会議における所信表明の中で橋本総理より、私も補完する形で御質疑にお答えをさせていただいてまいりました。 御案内のとおり、規制緩和、その根底である行政改革、特殊法人、各種の問題の総点検が第二次橋本内閣に課せられた重大な事柄であります。その突破口、スタート台に大蔵改革があるわけであります。 御案内のとおり、総選挙前、三党の協議の中で提案が行われました。総選挙後、十月三十一日、改めてこれまた提案をいただいたところでございます。今真剣に論議が行われておると聞いております。今国会が十八日まででございますから、私の方からは三党の責任者に、立法の関係もこれあり、十八日国会終了後ぜひとも大枠をお示しいただきたい、こう申し上げておるところであります。今御指摘をされたそれぞれの分野も論議をされておると承知をいたしておるところであります。
○仙谷委員 時間が参りましたので、終わります。
○小里委員長代理 これにて仙谷君の質疑は終了いたしました。 次に、斉藤斗志二君。
○斉藤(斗)委員 自由民主党の斉藤斗志二でございます。まずもってこの質問の時間をいただきましたことを御礼申し上げたいと思いますが、最初に、総選挙の結果について総理にお伺いをしたいというふうに思います。 最初にお祝いを申し上げなければならない。さきの総選挙に勝利をされまして、また引き続き首班に指名をされる。第二次橋本内閣の誕生であります。さらに、内閣支持率も五〇%をかなり超えた順調な滑り出しというふうに思っております。しかしながら、現実は厳しい。自民単独政権といいましても過半数を獲得していない状況にありますし、連立政権の延長線上にあると言っても過言ではございません。友党の協力を得まして、山積する歴史的課題を克服していかなければなりません。 そこで、総理にまずお尋ね申し上げたいのは、自由民主党は確かに議席数を伸ばしましたが、過半数には届かなかった。その国民の審判をどのようにお考えでいらっしゃるのか。また、二つ目といたしましては、友党である社会民主党、さきがけ、そして首班指名で投票された議員に対しての基本的な姿勢について、総理からまずもってお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今回の衆議院選の開票の結果が出ました瞬間から、私は、自由民主党がこの選挙戦に勝ったという言葉は使ってまいりませんでした。それなりの成績をいただいた。これが偽らない実感であります。そして、選挙の終了いたしました後に、社民、さきがけ両党と、さきの三党連立政権というものの成果を踏まえたその延長線上での話し合いを行い、政策合意を結びました。また、多くの方々の御支援を得て、今この内閣は発足をいたしました。 当然のことながら、我々は三党連立政権というものの延長線上にあることを絶えずみずからに言い聞かせていかなければなりませんし、自由民主党自身もまたそれを忘れることなく謙虚な姿勢が求められていると思います。その中で、国家的な課題について党派を超えて御協力をいただくべきときも、今さまざまな課題の中で国会で行われております御論議の中からあるいは生まれてくるのかもしれません。しかし、いずれにしても真剣かつ謙虚た姿勢が必要なこと、そのように思います。
○斉藤(斗)委員 総理は、当選すること十二回、在籍年数三十三年に上ります。私はわずか当選四回で在籍年数十年ということで、橋本総理に近づくにはあと二十四年勉強し続けなければならないし、さらに選挙に勝ち抜かなければなりませんが、この数年の国政選挙の投票率、これを見てみますと、果たしてこれでいいのだろうかという素朴な疑問を感じます。非常に下がってまいっておりまして、辛うじて五割を保っていると言った方がいいのかもしれません。戦後五十年、長期的トレンドを見ても、投票率の低下傾向ははっきりしている。私は、この長期低下傾向を憂慮すべき時代だと思っています。偶然でしょうが、新しく出ましたこの国会便覧、これも黒い表紙に変わりました。 そこで、総理、次には青信号になるように、もし御感想があれば、また自治大臣に、この低い投票率についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○白川国務大臣 最近の国政選挙の投票率は低下傾向にありまして、さきの総選挙でも投票率が低下したことは、まことに残念なことであります。 私は、投票率を向上させる基本は、政党や候補者が争点を明確にし、活発な選挙運動を行うことが何といっても第一だと思います。 さきの総選挙においては、自由民主党は、三百の選挙区で二百八十八の公認候補を立て、ほとんどのところで推薦候補を決めましたが、こういう状況が全政党間で行われたかといえば、必ずしも。そうではないわけであります。新進党がたしか、二百四十をちょっと切っていたのではないかな、推薦候補を入れても二百五十だったと思います。民主党は百数十だったと思います。もちろん、共産党は全選挙区に立てておりました。技術的なこともあろうかと思いますが、私は、基本はそこにあろうかと思っております。 ただ、自治大臣として、選挙の管理、執行の立場からは、有権者の方々ができるだけ投票しやすい環境を整えることが大切である、こう考えております。そのためには、投票時間の延長、あるいは投票日の設定、不在者投票のあり方等について真剣に検討する必要があると考えておりまして、近々のうちに、自治省内に、都道府県や市区町村の選挙管理委員の方々を含めた実務者による研究会を発足させて、これらの点を真剣に検討いたしたい、こう考えております。 〔小里委員長代理退席、委員長着席〕
○斉藤(斗)委員 ただいま大臣から、環境を整備したい、さらに改善を講じたいという御発言をいただきました。私も同様に、何らかの対策を講じなければならないというふうに思っています。投票することの大切さ、また、投票率アップヘの熱意が伝わるような環境整備をすべきだというふうに思っています。 もとより、大臣おっしゃられた争点とか選挙運動の活発さ等々議論はありますが、一方、垂れ幕での啓発、ポスターでの啓発、広報車での啓発、こういった呼びかけも大切でありますが、例えば、今度準備されるその対策委員会の方で、表彰制度の導入などを私は考えるべきだと思っています。 これは私の持論でもありますが、二十で投票権を得る、そして四年間見ましても、市議選、市長選、県議選、知事選、その間に参議院選があって衆議院選挙がある。必ず一年に一遍は投票があるという計算になるわけであります。ですから、二十歳より投票権を持ちますが、四十歳まで一〇〇%投票者には市長表彰、五十歳まで一〇〇%なら知事表彰、六十歳まで一〇〇%、まあ一〇〇%いかないまでも、それに近い投票率をみずから保つという方にはさらに大臣表彰、七十歳以上さらに一〇〇%近い投票を維持されている方には総理大臣表彰、そのぐらいのことまで考えるべきではないかと思っています。もちろん、これは、法律によってそれを明らかにするのはなかなか難しいという、そういう面は否めませんが、自己申告制にすれば問題はないわけでございまして、ぜひ大臣にはそのような角度からの御検討もお願いをしたいというふうに思います。 今、表彰制度ということでお話し申し上げましたが、さらに申し上げたいのは、叙勲や褒章が授与されます。私は、それまでの投票における自己の投票率等も考慮すべき。なぜなら、日本人のお手本として天皇陛下から授与されるわけでございますし、また総理からそのような褒章もいただけるわけでございますので、私は、余りにも低い投票率に危機感を抱いて、そこまでのことを考えなければならない非常に憂うべき事態ではないかなというふうに思っています。 自治大臣、その点も含めて、今後御検討いただけるということでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。また、啓発運動につきまして、啓発物資の支給、配布等もやはり熱意のあらわれということで御検討いただければというふうに思います。 大臣には、今、不在者投票の件についてもお触れいただいたわけでありますが、不在者投票というのは働く者にとりましては非常にありがたい制度でございます。しかしながら、現在の制度では、昼間でしかセットされていないといううらみがございます。野球でもナイターがある。不在者投票において、長い選挙期間でありますが、一日だけでも結構でございますので、夜間にも不在者投票できるような制度の導入をお考えいただきたいというふうに思っております。 自治大臣には、ぜひともそういった面も含めて、幅広く、新たに設置されるだろう検討委員会での御討議をお願い申し上げたいと思います。大臣、よろしいですか。
○白川国務大臣 私は、まず基本は政党また候補者が真剣に選挙運動をやる、そして正面から政策論争をやり、そして活発な選挙運動をやる、そして、選挙自身が自分たちの国政にとってあるいはそれぞれの選挙にとって大事なんだということが基本だ、こう思っております。そこを各政党会派においてお考えいただきたい。 ただし、執行するという立場を預かっている自治大臣としては、また今おっしゃったような問題も協議したいと思っておりますが、公職選挙法二百七十条によりますと、不在者投票は午前八時三十分から午後五時までの間しかしてはならないという法律がありまして、法律を守るのは役所の任務でございますので、こういう点もひとつ国会において御議論を賜りたい、こう思います。 ただ、付言をいたしますが、投票率が低下する、低下するという中の一つに、たしか事前ポスターを六カ月以内になったら張ってはならない、こういうのがさきの改正で決まったと思うわけでございます。あれは、払いつも思うのでございますが、祭りのぼんぼりとかあるいは垂れ幕みたいなものでありまして、我々は、ああいうポスターがずっと出てくることで選挙が近づいてきたなという、こういうのに長年なれ親しんでいた中で、あれがぱっとなくなった場合に、選挙、一体いつ急にあるのかというようなことも含めて、私は、どうかひとつ、我々自治省にいろいろ督励をいただくのも結構なんでございますが、政治を魅力的にできるかできないかは、各党各会派が国会の中において本当にいろいろな立場から、魅力ある選挙とは何なのか、こんなことをお決めいただきたい、お願いでございます。
○斉藤(斗)委員 総理に、次に所信表明についてお尋ねしたいと思います。 総理は、「今こそ政治、行政、経済、社会の「変革と創造」」を決意されたわけであります。その実現のために五つの改革をやり遂げると公約をされました。次なる世代のためにも、この改革はマストだと思っております。 お聞きすると、総理は剣道五段でいらっしゃいますか。まさに脂が乗り切っているというふうに思っております。しかし、総理として、心技体がそろい、願わくば品位、風格を持ってなし遂げるのが望ましいと思っております。剣道五段はしかし、地方審査で授与されるというふうに聞いておりまして、六段から八段までが、さらに錬士、教士、範士が全国審査の対象だというふうに思っております。最高位の範士は挑戦者のわずか一・二五%しか合格しない、大変厳しいというふうに聞いておりますが、それ以上に難関なのが今回の五つの改革だと思いますが、総理にその決意をお尋ねしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 どこにボールが行くんだろうと思って心配しておりました。確かに、間違いなしに剣道練士五段であることは事実でありますが、そういう例えに値するとは思えないほどこの改革、いずれも大変厳しいものであります。 先ほど鈴木委員との御議論をさせていただきましたとき、前提として大きく食い違うものはない内容でありながら、なおかつ非常に激しい議論をさせていただくことになりました。そして、私たちは、本当にこれを乗り切って、次の世代によりよいものをバトンとして渡せる、そうしなければならないという思いで取り組まなければならないと思っております。どれを後に残して、どれから優先というようなことの許される課題ではないと思います。 もちろん、この五つの改革と並んで、やはりいっときも私どもにとって忘れられないのは沖縄県の抱える課題にどうこたえるかでありますが、私の力のある限り努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○斉藤(斗)委員 今、総理は剣道の達人の域に達しているということを聞いたものですから、そのような例えで御質問申し上げたところであります。 さて、その改革の中で中央省庁の再編という大きな課題がございます。 総理は、政府に行政改革会議をまず設置し、さらに党におきましては行政改革推進本部をスタートさせております。総理の決意はよく伝わってまいりますが、閣僚の協力も不可欠だと思っています。行政改革に関して総理は、国家機能のあり方について四つに分類をされました。それは所信表明演説の中にあるとおりでございますが、それぞれの大臣にも、この行政改革についての考え方、または総理への協力についてもお伺いしたいというふうに思っているところでございます。 まず大蔵省、きょう三塚大臣がおられますが、日本銀行及び金融行政機構のあり方について次期通常国会で大蔵省改革法案を出されます。不祥事が相次いだ大蔵省でございますが、この大蔵省改革、総理の方針に沿ってなし遂げなければならない。今、省益より国益、省益が優先だと言っている余裕はございませんで、大蔵大臣から、改革をなし遂げ、そしてそのベースとして省益より国益を優先してやるという決意をお伺いしたいと思います。
○三塚国務大臣 ごもっともな提案で、待ったなしです。霞が関官庁の中の官庁と言われる大蔵省、さすがだと思っております。みずから今苦悩しながら、内閣の指示、小生の指示で鋭意ありとあらゆるケースで検討を加えております。 前段も申し上げましたとおり、政党政治でありますから、三党の協議、一日も早くこれが仕上がるように、しかし国会中であります、そういう国会の論戦を終えた終了直後に大枠の決定をしていただき、御提示をいただけるものと信じております。そのラインに沿いまして全力を尽くします。
○斉藤(斗)委員 次に、武藤長官にお尋ねをしたいと思います。 長官は行革担当相としてその任にも当たられるわけでありますが、今日、行政改革の課題は規制緩和、地方分権、官民の役割分担の見直し、さらに特殊法人の整理、情報公開法の整備、審議会のディスクロージャー、そして今最も大きな課題とされる中央省庁の再編成など大変広範囲にわたっておりまして、国民はなかなか全体像がわかりにくい状況になっていると言えると思います。この際、その全体像と今後の進め方を国民にわかりやすく示すことによって、行政改革についての国民の理解と強力な支援を得るべきだと思いますし、国民運動の域まで高める必要があるかと思いますが、武藤長官、よろしく御答弁いただきたい。
○武藤国務大臣 本当に先ほど来、財政の話やらいろいろございました。もうどうしても今行政改革はしなくてはいけない国家的な課題であると私は思っております。だからこそ総理も火だるまになってやろうとおっしゃっておられるわけでございまして、私も命がけでこれに取り組んでまいりたいと思っております。 そこで、しかしそれには国民の理解、協力がなければ成功しないことは当然でございます。そういう面からいたしますと、今お話しのように、国民にわかりにくくてはいけないわけでございますから、これからわかりやすく国民に全体像を示していかなければいけないと思います。私が考えておりますことは、全体像としては四つの観点からひとつこの行政改革を進めていったらどうかと考えております。 第一には、新しい時代、二十一世紀はもうすぐ間近に迫っております。新しい世紀において、簡素でそして効率のよい、そして新しい時代に適応できる、そういう行政機構を確立をしていかなきゃならないんではないか。その意味から、今お話のありました特殊法人の整理合理化であるとか、あるいは審議会の見直しであるとか、あるいは国家公務員の定数削減の問題であるとか、そういう中で中央の省庁の統廃合・再編という問題が起きてくると思います。 二番目は、もう一つは、国民の皆様方の主体性を尊重する行政をやはり実現をしていかなきゃならないんではないか。そういう意味で、今行政改革委員会であるいは地方分権推進委員会でいろいろ議論をいただいております規制緩和の問題、あるいは地方分権という問題がこの範疇に入るのではないかと思っております。 三番目は、ああいういろいろの事件を反省をいたしますと、国民に開かれた、そして国民に信頼される行政が必要だろうと思っております。そういう面においては、公務員の綱紀を確立をするということが一つ大変大切であり、いま一つは、できるだけ早い機会に情報公開法を制定をしていただく。これは国会でお願いをしなければなりませんけれども、私どもはできるだけ早く、少なくとも平成九年度中には遅くとも情報公開法を国会で御審議願えるようにしたいと考えております。 四番目は、斉藤さんも非常に御熱心でございますが、いわゆる高度情報化社会になってまいりました。やはり行政も、もうこれからの行政はそういう新しいいろいろの機械、機器を活用した。いわゆるサービスのよい、質の高い行政サービスを実現をしていかなきゃならない、私はこの四つを考えておるわけでございます。 そして、これからの手順といたしましては、どういう形で進めていくかということでございますけれども、これはまだ総理また各閣僚の皆様方とも御相談を申し上げなければならないと思っておりますが、私ども今総務庁でいろいろ検討をしておりますことは、毎年、御承知のように翌年度の政府案の決定というのが年末に行われます。 その政府案の決定が行われるときに、これに合わせて、翌年度の行政はどうあるべきだとかということで行政改革大綱というものが決められることになっておりますが、できれば私は今年末で、従来のような行政改革大綱の改定ではなくて、新たに、まあ長期的と申しますか、二十一世紀からの思い切った行政機構をつくっていこうということでございますから、この四年以内を一つのめどといたしまして、日本の今申し上げましたような形の中でどういうふうにこれを進めていったらいいのか、その行政改革のプログラムともいうべきものをひとつぜひお示しをさせていただくようになれば、これは今申し上げたように総理、各閣僚と御相談しなければなりませんが、皆様方の御理解をいただければ、私どもとしては、そういう新しい、従来の行政改革大綱とは違ったある程度長期的な行政改革プログラムというものをお示しをして、そして閣議で御決定をいただければ、こう思っておる次第でございます。
○斉藤(斗)委員 ただいま長官からは大変広範囲にわたる今回の改革の内容、さらにそのスケジュールについてお答えをいただきました。大きな改革でございますので、エネルギーがかかるわけであります。ぜひとも、閣僚におかれましては、一致団結してこの難局、総理のもとに乗り切っていただければというふうに思いますが、ただ、各論になるといろいろ、皆さんお立場があってという話になるかと思います。 再び武藤長官に、申しわけないのですが、個別の問題、小さな組織の話になるのでありますが、総務庁には青少年対策本部というのがあります。長官が本部長を兼務されていらっしゃるわけでございますが、青少年対策ということになりますと、教育の機能、先ほど総理の行革の方針、四つの区分けの中で教育の機能に分類されるというふうに思っております。そうなりますと、文部省の所管事項とかなりの部分で、まだかなり以上の部分で重複してくる。その整理も今回の行革には必要なんだというふうに思っておりますが、そういう点、いかがでございましょうか。
○武藤国務大臣 当然、中央の省庁の統合あるいは再編の中で、その辺は一つに一元化していくというのが私は当然の方向だと思っております。
○斉藤(斗)委員 それぞれの大臣に個別にお伺いしたいというふうに思っておりましたけれども、時間の経過もございますので。 今回、国民は橋本行革を応援している。したがって、内閣の支持率が五十数%と高い支持率になっていると私は思っています。 そこで、全大臣にお聞きしたいところでありますが、代表して何人かの方にお尋ねしたい、意地悪をするわけじゃないのでありますが。 よく、訳あって局なし、局あって省なし、省あって国だしという議論がされてまいりましたが、今回は待ったなしであります。ひるむわけにはいかない。省益よりも国益優先だ、こういう選択を迫られているところだと思います。何人か代表の方でお答えいただきたいと思いますが、一番、今回の内閣におきまして紅一点、内閣の花と言われております環境庁長官、その点いかがでございましょうか。
○石井国務大臣 初答弁のチャンスを与えていただきまして、まことにありがとうございます。 行革問題は大変重要な課題でありますし、この内閣として全力を挙げて取り組まなければならない課題であると思います。 環境庁は省ではなくて庁でございますが、一応、環境行政というものにつきましては、人間の命と健康を守り、そして人間生活の安全を図るという上において大変重要な役割を果たしていると思います。そして、国内問題だけではなくて地球環境問題についても幅広く取り組んでいるわけでございまして、環境庁の予算は大変少ないのですけれども、かなり仕事の幅は広いわけでございます。 そういう点で、国民の期待にこたえられるような環境行政を行うということが重要でありますが、これはやはり、庁の壁とかそういうものではなくて、やはり環境に視点を置いたさまざまな各省庁の取り組みが行われるということを私は期待をしております。そういう点で、ぜひこれからも国民の信頼にこたえられるような、そういう行政の確立に向けて努力をしていきたいと思っております。 先ほど委員から総理の剣道のお話が出ましたけれども、剣道の達人であります総理と比べますと、私はなぎなたをやって余りまして、なぎなたの気合いをもって、なぎなた道の精神を生かして取り組んでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○斉藤(斗)委員 今の御答弁で小泉厚生大臣も目が覚められたようでございますが、小泉大臣にも同じ質問を申し上げたいと思います。 大改革を前に、省益優先か国益優先か。断固国益優先だ、そのような確認をさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○小泉国務大臣 省益より国益優先と言ったのは、私は郵政大臣就任時にその記者会見をしたんです。 厚生大臣になっても、就任翌日、特殊法人であります厚生年金福祉事業団、これは厚生省本来の仕事か、年金を有利に運用しているのか、私はそうは思わない、廃止を含めて見直しをしよう。年金福祉事業団が大規模保養地やら住宅融資本当に厚生省としての仕事なのがよく考えてくれという指示を出しました。 本来だったらば、我が省の特殊法人は守る、我が省の権限は守るというのがよき大臣の風習だったと思いますけれども、私はあえて逆をいって、行政改革の先頭に立ってやりたいという気持ちを持ってこれからもやっていきたいと思います。
○斉藤(斗)委員 時間の関係もあるのでありますが、最後に、もう一方、この決意ということで稲垣長官。稲垣長官は北海道から沖縄まで大変幅広い守備範囲をお持ちでございますが、なかなか職務の関係は難しいかと思いますが、今回大事な内閣でございますので、長官の御決意をお伺いしたいと思います。
○稲垣国務大臣 斉藤議員御承知のとおり、私は沖縄開発庁長官と北海道開発庁長官、両方を兼ねて受け持ちをさせていただいております。それぞれの、北海道あるいはまた沖縄には長い間の振興開発をずっと進めてきておりますが、まだその道半ばと言ってもいい状態でございます。 特に沖縄の場合は、先ほど総理からもお話がありましたとおり、我が内閣の最重要な課題の一つである、こういうことでございますので、その認識のもとで今後の振興開発計画等々を進めてまいりたいと思う次第です。 また、北海道はあの極地の地域にありまして、過日私も出張いたしましたところ、札幌におきましては毎年、特に昨年は除雪の費用だけでも百四十億かかっておる、こういう状況を聞きまして、なかなか大変な地域でございます。 まだ道半ばでございますので、両省庁ともやはり真剣に事務次官ほか取り組んでいるわけでございまして、北海道や沖縄が大きく開発されることは我が国益に通ずることでございますので、両省庁とも大変大事な役割を担っておるわけでございます。 しかし、行政改革は貫徹していかなければなりません。これは総理が言っておられますとおり、全体をこれから一年間かけて、しっかりと意見を聞きながらまとめていきたいということでありますので、その道に沿って、私どもも省益よりも国益を、しかも両沖縄また北海道の発展の道につながるように、意欲を持って処していきたいと思います。よろしくお願いします。
○斉藤(斗)委員 先ほども当委員会で他の議員より質問があったわけでございますが、長野県小谷村で起きた土石流災害に関しまして、まずもって亡くなられた方につきましてはお悔やみ申し上げたいと思いますし、行方不明者の発見に全力を挙げていただきたいと思いますが、一刻も早いその対応を迫られるわけでございます。 建設大臣が陣頭指揮をされまして、現在救出作業が進んでいるというふうに報告を受けているところでございますが、今回の事故、災害を天災と見るか人災と見るかということがございます。早速林野庁長官とか長野県知事は天災だというような御発言をされておるようでございますが、長野オリンピックに間に合わせるために工事を急いで無理な日程や工程を組んだのではないか、また別の沢では工事を中止した業者もいたけれども、安全管理上の不徹底や相互連絡体制に不備があったのではないか、そういった指摘もあるわけでございます。 私は、今回、行政上の観点という方から見ますと、三つの作業が同時並行的に行われる。一つは上流の堰堤コンクリートの作業、これは林野庁だと聞いております。それから砂防ダム建設、これが建設省、国道百四十八号の橋梁復旧作業については県だというようなことも聞いておりまして、こういった事故対策上の観点からも、行政改革、組織としても見直しも今後必要ではないかというふうに思っているところでございます。 そこで、建設大臣にはたびたび答弁に立っていただいて恐縮でございますが、今回の土石流災害のその対応並びにその現状報告についてお伺いしたいと思います。
○亀井国務大臣 お答えをいたします。 現在、事故原因の徹底究明という形での具体的な体制並びにそれは行っておりません。当面、捜索活動を重点、これを徹底的にやるということでございます。 その後、林野庁とも協議の上、原因究明調査会を設置をいたしまして徹底的に究明したいと考えておりますが、ただ、今までの状況の中で、いろいろ見方がございますけれども、当時の自然条件等の中で、これが工事関係者が払うべき注意を払わなかったというように、私はそういう判断を現時点でするつもりはございませんし、また、建設省も営林署、県の関係者もそうした監督・注意義務を怠っておるというようには私は判断しておりません。 具体的なことを若干申し上げますと、時間の降雨量が当時大体三ミリから四ミリ程度の状況でございまして、警戒体制は十五ミリでございました。連続の時間でいいますと、基準は五十ミリとなっておりますが、当時は三十四ミリというような状況でもございまして、そういう意味で、工事を中止しなかったということが、これが現時点でも不適当だと言えない。 また、センサー等を張っていなかったじゃないかという御指摘がございますが、私どもも二次災害を防止をしながら捜索活動をやったわけでございますが、私ども、自衛隊、警察、建設省という大きな組織、装備を持っておるところにしてすら、実を申し上げますと第二次災害を完璧に防ぐという体制がなかなかとりにくかった。 そういう中で、四回の土砂の崩落というような事態の中で、避難命令を私自身が出すような状況の中で捜索活動もやったわけでございまして、工事関係者がそうした処置を工事をするに当たって怠っておったと我々が今のところ言える状況ではございません。しかしながら、現にこうした事態が起きたわけでありますから、行政として、またそれを執行する業者として、今後こういうことの再発を防ぐ面においてどういうことをしなければならないかということを目的に我々としては徹底的な原因調査をやっていきたい、このように考えております。
○斉藤(斗)委員 それでは、次の質問に行きたいと思います。 景気対策、経済対策、雇用問題等々に関してでございますが、先日、QEが発表されました。クォータリーエスティメードでございますが、景気の現状がいまいちではないかと私ども思っております。足踏み状態の中で、今後の見通しも含めて経済企画庁長官より御答弁いただきたいと思います。
○麻生国務大臣 今御指摘のありましたQE、クィックエスティメーションの略でありますけれども、国民所得の統計速報値の数字が私ども予想しておりましたものより低かったという点は確かだとは思っておりますけれども、全体といたしましては約〇・四%でありまして、本年度の第二・四半期におきましては、景気は間違いなく緩やかな回復だったということを数字の上では示しておると思っております。 その他、先ほど総理からも御答弁があっておりましたが、鈴木委員の御指摘等々の中にあっておりましたが、今年の数値を見る限りにおきましては、少なくとも数値の面においては景気は回復基調にあっておるということは確かと思っております。ただ、この景気というのは気分の問題がかなり影響するところもありますので、なかなか、数値が幾らよくなっておるといっても何となく先行きかと思えば難しいところもありますので、今後ともこの景気動向につきましては注意を払って対処していきたいと思っております。
○斉藤(斗)委員 ただいま長官より御答弁いただきましたように、非常に懸念される状況ではないかなと思っています。特に平成九年度は、消費税の引き上げ、特別減税の廃止、そして公共投資の減額が予想される中で、景気回復への足を踏み出した状況ではあるけれども、間違うと足を踏み外しちゃうかもしれない、そういうような、経済は動くものでもございますので、しっかりとこの景気見通し、見据えていただきまして、さらに私は、しっかりとした補正も、必要であるならばがっちり組むということが大切ではないかと思っているところでございます。 この景気動向に関連をいたしまして、実は失業問題というのが深刻化しているわけでございます。これを労働大臣にお尋ね申し上げたいと思いますが、労働大臣岡野先生は、ことしの九月、解散直前に母上を亡くされました。当時、党の副幹事長の要職にございまして、選挙戦の士気に影響が出てはということでないしょにされておったというふうに聞いております。見事、このたび選挙も勝利をいたしまして、大臣にも就任をされました。十一月二十日の葬儀もその中でとり行われたわけであります。心からお悔やみ申し上げます。また、その母上が、働く人の立場をよく思ってくださる方だったということを大臣から常日ごろ聞いておりますので、ぜひともこの失業問題についてお伺いしたいというふうに思います。 最近の推移を見ておりましても、完全失業率は依然として高いわけでございます。高い水準にある、厳しい状況が続いているというふうに思っております。我が国の雇用は今後とも深刻化していくというふうに私は懸念をしているわけでございますが、これに対処していくための雇用対策に対する大臣の取り組み方、基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。
○岡野国務大臣 斉藤先生には、私ごとにつきましても懇ろなお心配りをちょうだいをいたしまして、まことに恐縮をいたしております。ありがとうございました。 さて、雇用問題のお尋ねでございますけれども、今、完全失業率といいますものは三・三から三・四ということで、求人も雇用の成立も実際の数はふえておりますけれども、今の完全失業率の数字は極めて厳しいものだ、こういうふうに存じております。この完全失業率の数値といいますのは、現時点におきましては、先生がおっしゃった景気循環に伴いますところの失業と、それからいま一つ、日本の経済構造、産業構造、これが基本的に大きく変わってまいるということに回するところの雇用問題、これが二つ重なっておるかと存じます。 前者につきましては、やはり雇用調整助成金等々、これを活用いたしましてやってまいる。ただ、しかしながら、後段のこの経済の基本的構造改革に伴いますところの雇用問題は根が深うございます。 経済の空洞化イコール、これは労働行政から見ますと雇用の空洞化ということになります。先生のお地元、富士あるいは吉原、沼津、三島、岳南一円も製造工業が重畳的に集積をしている一つの例だと存じますが、そういった一般的に製造業が集積をしている地域におきまして、大きな企業が海外に転出をしていくということになりますと、これに部品等を供給をしておりました中小企業、下請企業といいますものの雇用が問題に相なるところだ、こう思います。その残された中小企業等々にも、立派な技術あるいは技能を有しておりますところの働く皆様が大勢おりますが、それによってつくられました製品を納入する先が外国へ行ってしまった。さてどうするかということであります。 したがいまして、それら蓄積をされた技能、技術を生かしますような新しい分野の産業、これをつくり上げて技術、技能等を生かしてまいる。広島県あたりでいいますのは、やすり、刃物をつくっているところがございますが、これをシリコンウエハーをつくるというようなことに方向の転換を図る、あるいはそういった技能、技術を新たな分野に適用できるように技能学校、職能教育等々を充実させまして、失業のない労働移転を実現をさせる等々を重畳的に組み合わせた。そういう雇用対策にこれから精を出してまいりたい、今時点、そんなふうに思っておりますところであります。
○斉藤(斗)委員 失業のない労働移転というのが肝要かというお話を賜りました。 思い起こすと、かつて労働省ではミス・サチコという政策を打たれました。それを継続してなされておるわけでございまして、産業間における失業、年齢における失業問題、また地域における失業問題、こういったものについて、しっかりと国民が安心できるよう対応していただきたいというふうに思います。 時間の関係で、次に外交に移りたいと思います。 きょうは、お忙しい中、高村副大臣に御出席をいただいています。副大臣は先ごろ、初の外遊としてロンドンで開催をされましたボスニア和平履行会議に出席をされましたが、実は、このボスニアというのは大変遠い感じが私ども国民にはいたします。しかしながら、身近な問題として、また身近な話として、御主人が銃弾に倒れ、戦地から子供を抱えて日本へ帰国されたリビチ郁子さんのことも思い起こされますように、大変身近な存在でもあるわけでございます。 平成七年暮れに和平が成立して、そしてこの支援のために外遊されたわけでございますが、この遠い国ボスニアでも我が国が和平履行問題に参画する意義、重要性についてどのようにお考えなのか、高村副大臣からお伺いしたいと思います。
○高村政府委員 委員御指摘のように、ボスニア・ヘルツェゴビナというのは大変日本から地理的に遠いところでありますし、また、歴史的にも必ずしも日本と関係が深かったというわけではないわけでありますが、やはり冷戦構造崩壊後の最大の地域紛争である。二十万人の方が亡くなられて、そして二百万人の難民が出ている、こういう状況で、まさに人道的な問題でもあり、あるいは冷戦終えん後の国際社会の紛争対処能力が問われている、こういう状況であり、まさにグローバルな問題でありますから、我が国としてもできるべき、お役に立てるべき協力はしていかなければいけない、こういうことだと思います。 特に、平和履行における民生面で私たちの国もお役に立てる面が十分あるわけでありますから、こういうことを平和合意ができた後やってまいりましたし、これからも引き続いてやっていかなければいけない、こういうことを考えております。
○斉藤(斗)委員 私は、高村先生のことを副大臣とあえて申し上げましたのは、従来、政務次官は英語で直しますと、パーラメンタリー・バイス・ミニスターという称号が使われますが、今回、副大臣は、ステートセクレタリーという一段上の名称になられておられます。ステートセクレタリー。アメリカの国務長官はセクレタリー・オブ・ステートでございます。そういう面で、高村副大臣の御活躍を祈念申し上げたいというふうに思います。 もう一つ、実はボスニアは地理的には遠いところでございますが、近い存在が、実は朝鮮半島に我が国の実情としてございます。 久間長官にお尋ねしたいと思いますが、久間大臣は長崎県が選挙区でございます。長崎にごく近い朝鮮半島で起きた。さきの潜水艦事件がございます。国民は大変朝鮮半島の情勢についてナーバスになっているわけでございますが、その潜水艦の韓国侵入事件にもかんがみまして、現在このようなことも伝えられている。 それは、射程千キロメートルで到達可能なノドンミサイル開発中だということも聞き及んでいるわけでありますが、ちょうど、長崎はもとより私の選挙区富士山は標的でその中に入っちゃう、そういう距離にあるわけでございますが、久間長官には、この朝鮮半島の情勢についてお伺いしたいというふうに思います。
○久間国務大臣 北朝鮮の問題については、正直なところ大変気にいたしております。深刻な食糧不足等の経済困難に直面しながらも、依然として軍事面にその国力を重点的に配分して軍事力の近代化が図られておるというふうに見られておりますし、また、北朝鮮の核兵器開発疑惑や、先ほど話がございました弾道ミサイルの長射程化のための研究開発の動きというのは、単に我が国周辺のみならず、国際社会全体に不安定をもたらす要因になっているというふうに強く懸念されます。 今年四月には三日連続で迫撃砲でいわゆる板門店の方に侵入したり、あるいはまた、国連軍が公海に設定しているいわゆる北方限界線、これの越境を北朝鮮の警備艇がしたりしておりますし、本年九月には、御指摘のように、潜水艦が韓国領海内で座礁して乗組員が韓国領土内に侵入するなど、最近、非武装地帯をめぐりさまざまな動きが見られるわけでございます。 いずれにせよ、北朝鮮は依然として地上兵力の三分の二をいわゆる非武装地帯付近に前方展開しておりまして、即応態勢の維持に努めていることから、その動向については今後とも引き続き我々としても最大の注意を払っていきたい、そういうふうに思っております。 また、今おっしゃられましたこのノドン一号でございますけれども、もともと北朝鮮は一九八〇年の半ば以降、スカッドBあるいはスカッドCというのを開発すると同時に、もう生産、配備して、しかも中東諸国へそういうミサイルを輸出してきたというふうに見られておりますが、最近ではこのノドン一号が開発中であると見られ、さらに、ノドン一号よりも射程の長いミサイルの開発も目指しているというふうに見られております。このような弾道ミサイルの長射程化の研究開発というのは、先ほど言いましたように、我が国だけではなくて国際社会全体に不安定をもたらす要因でありまして、その開発動向が強く懸念されるところであります。その動向に今後とも注意を払っていく必要があるんじゃないかと思っております。
○斉藤(斗)委員 ぜひとも私ども国民が安心して暮らせる、そのような安全保障体制を構築していただきたいというふうに思っています。時間の関係もありますので、次に参りたいと思います。総理の所信表明、この中に教育問題も触れておられるわけでございますが、文部大臣にお伺いをしたいというふうに思います。 大臣は、スポーツ大好き大臣ということで、みずからがジョギングされますし、また、たしか水泳議連の会長さんをお務めではなかったかなと記憶いたしておりますし、シティーマラソンにも進んで参加されるという方でございます。 スポーツの振興をぜひともしていただきたいというふうに思っておりますが、私は、ことしのアトランタ・オリンピックを見まして、有森裕子さんの活躍というのが目に残るわけでございます。 今、文化勲章という勲章の話に移りますが、これにはスポーツ関係者は対象になっていないのですね。私は、文化功労者は文化、そしてスポーツ功労者、これもスポーツが対象者になるのでありますけれども、日本の文化振興ということになると、広い意味で文化・スポーツ勲章であってもいいのではないかというふうに思っておりまして、スポーツ大好き大臣、もしその点お考えがあればお答えいただきたいと思います。
○小杉国務大臣 先日のアトランタ・オリンピックの結果については、国民の期待が大きかっただけに、大変残念な結果だったと思います。 そこで私は、先日、異例でありましたけれども、JOC並びに各競技団体のコーチの集まる会合に出席をいたしまして、競技力向上プランについて策定をしてもらいたい、こういう要請を行いました。また、近く、文部省の中にあります審議会に二十八年ぶりに子供の教育あるいは体位向上について諮問をすることになっておりまして、その中におきましてもこの競技力向上ということを一つのテーマとして取り上げたいと思っております。 それから、文化勲章、文化功労者顕彰につきましては、文化功労者選考審査会というところで選考しておりますが、スポーツ関係者の社会的な評価向上を図る上で、その功労者について顕彰を行っていくことは極めて重要だと思います。スポーツ関係者については、現在までに文化功労者が七名、うち一名が文化勲章をあわせて受章しております。昭和六十三年以降だけで、スポーツ関係の功労者が四名となっております。これからも積極的にこの顕彰については取り組んでいきたいと思っております。 また、昭和四十三年以降スポーツ功労者の文部大臣顕彰というのがありますが、これについては、当初はオリンピックの優勝者ということに限定されておりましたけれども、その後、各種の世界選手権の優勝者や長年にわたるスポーツに対する功労者に対しても顕彰を積極的に行っていく、こういうことで取り組んでおります。 今後とも、委員御指摘のとおり、スポーツ功労者の枠拡大については積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○斉藤(斗)委員 大臣にもう一つお伺いしたいと思いますが、いじめ問題でございます。 これは教育環境を整備しなければならないという観点からお伺いいたしたいと思いますが、いじめの問題が中学校に集中しているというのは共通の認識だと思います。 私は、心身ともに急激な成長を遂げる思春期に当たる時期にある中学校が三年間というのは短いんじゃないかという基本的な認識を持っています。現在、義務教育は六・三制という制度下にありますけれども、果たして六年と三年でいいのか、五年と四年でもいいのではないかという素朴な考え方を持っておりますが、中学校を三年から四年にすることによって、時間的にも空間的にも、また精神的にもゆとりを持たすことによって、新たな教育改革、そして教育環境の整備が進むのではないかと思っています。 現在、中学校三年生は、一年生に入るときはなれるだけ、三年生のときはもう受験勉強、真ん中の二年生のとき友達をつくれと言っても現実に無理でございまして、生徒が疲れている現状は大臣も御認識だと思います。じゃ、父兄はどうか。父兄も疲れています。先生も疲れているんですよ。これは、生徒だけが疲れているんじゃなしに、制度、システムが疲れているからだと思います。その点いかがでございますか。
○小杉国務大臣 学校制度の区切りについては、例えば五・四・三制とか四・四・四制とか、さまざまな意見があります。しかし、これらいずれにいたしましてもメリット、デメリットがありまして、まだまだ積極的な意義とか効果というものについては十分明らかになっておりませんし、国民全体の共通理解が必ずしも得られていないと思います。しかし、今そういった制度についての議論も活発になってまいりまして、斉藤委員も参画されたと思いますが、自民党の二十一世紀教育ビジョン検討委員会等でも積極的にこの学校制度についての議論が行われたと思いますし、各党におかれてもこの学校制度についての議論が行われていると承知しておりますが、中央教育審議会におきましても、この点について幅広い観点から検討をしております。一部にそういった新しい制度を主張される委員もおりますけれども、審議会全体の大勢にはなっていないという状況であります。 現在、学校制度の改革につきましては、中央教育審議会において、過去、昭和六十年代に臨教審の答申がありましたけれども、そこで指摘されて以来ずっと懸案となっております中高一貫教育の導入の問題が最も重要な課題であるという共通認識のもとで、この問題について精力的かつ集中的に議論をいただいているところであります。 私自身も、中高一貫教育、公教育で唯一実施しております宮崎県の五ケ瀬中学・高校をこの間視察してまいりました。三年間と三年間を足して六年間、教師の側にとっては一人のお子さんを大変長い時間をかけて指導ができるという利点、また生徒さんにとっては、中学三年間ですぐ受験ということではなくて、ゆっくり落ちついて教育を受けられる。 そしてまた、単に教科を詰め込むだけではなくて、例えばわらじ遠足というようなことで、村の古老に非常勤講師として来ていただいてわらじの編み方を教わり、自分がつくったわらじを履いて遠足に行くとか、あるいは自然観察にみんなで出かけるというような、あるいはボランティア活動とか福祉活動に参画をする、今の公教育ではなかなかできないことを精力的に実験しておられました。 こういったようなことで、私としては、この学校制度の改革という問題は、今、小学校、中学校、高校、大変な数に上りますので、そう簡単に制度を変えるということはこれは非常に大きな影響がある、したがって、もっと各党各会派においてもまた私たちの中でも精力的に積極的に議論を展開をしながら、いかなる学校制度が適当であるかということを議論してまいりたいと思います。 なお、いじめの問題については、これは原因とか背景というものは非常に、社会のあり方とかあるいは家庭のあり方あるいは学校の教育のあり方、どこにあるのか、その要因が複雑に絡み合っておりまして、まだこの解決案については、私は、やはり家庭、学校、社会、これが三位一体で考えていかなければいけない、六・三制を改めることが直ちにこのいじめ問題の解決の決め手になるというふうには考えられないと思うのでございます。
○斉藤(斗)委員 私の時間のことも考えなければならない状況になりました。通告では、この後、厚生省の関連事件について、また通産省関連事件についてということで予定しておったんでありますが、時間も迫ってまいりましたので、大変大臣には申しわけないのでありますが、最後、オレンジ共済関連事件について、法務大臣並びに警察からお伺いしたいと思います。 政治団体である年金会による広域出資法違反事件、すなわち預かり金禁止違反事件についてでございますが、現在までの公式な説明によりますと、二千人以上から五十億円以上集めた。一人当たり二百五十万円になるわけでありますが、一般的にこの手の出資法違反事件では、最終的には被害額が数倍にも数十倍にも上ると言われているわけであります。既に捜査本部が設置されまして、お聞きしてみますと、五十人以上の態勢で今取り組んでおるということだそうでありますが、休日返上で全容の解明に当たっていると思います。 十一月十二日に強制捜査を行って以来、既に一カ月になるわけでございますが、そこで、法務省にも警察にも被害者団体からの告発がなされたというふうに思っておりますので、法務大臣並びに警察からそれぞれお聞きしたいというふうに思います。
○松浦国務大臣 オレンジ共済をめぐる事件につきましては、東京地方検察庁において、平成八年十一月七日、オレンジ共済関係者らに対する出資法違反の告発を受理し、現在捜査中であることは委員御指摘のとおりでございます。 法務省といたしましては、検察当局を督励をいたしまして、事案の解明に向けて、警察当局との連絡を緊密にいたしまして、鋭意所要の捜査を遂げ、法と証拠に基づき適正に対処するように指導してまいりたいと思っております。
○泉政府委員 年金会による出資法違反容疑事件については、現在、警視庁などにおいて押収した多数の証拠品の分析や関係者らからの事情聴取を行うなどして、全容の早期解明に向けた捜査を行っている状況でございます。
○斉藤(斗)委員 もっともっとお聞きしたいのでありますが、今回のオレンジ共済組合事件に関しましては、出資法違反、さらに詐欺、横領、そして政治資金規正法違反等々の疑いの中で捜査が進んでいるわけでございます。報道によると、新進党の細川さんにも現金が授与され、またその後返済もされたという報道があるわけでありますが、今回大事なのは全容の解明だというふうに思っております。 そこで、ぜひとも関係者、特に年金会の代表としての友部みき子氏、会計責任者の友部達夫氏、さらに専務理事、常務理事の友部百男、益川昇、こういった方々の事情聴取をしっかりとされまして、ぜひとも全容の解明に努めていただき、さらに、國松長官射撃事件の犯人がまだ捕まっていない、警察はぜひその汚名の返上に努めていただきたいというふうに思います。 以上、質問を終わります。
○深谷委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十三分散会