法務委員会 第1号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1996/12/05
会議録
○八代委員長 これより会議を開きます。 まず、理事の辞任の件についてお諮りいたします。 理事安倍基雄君、理事漆原良夫君及び理事福岡宗也君から、それぞれ理事辞任の申し出がございます。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事の辞任並びに委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に 岸本 光造君 上田 勇君 鴨下 一郎君 及び 西村 眞悟君 を指名いたします。 ――――◇―――――
○八代委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所の司法行政に関する事項 法務行政及び検察行政に関する事項 国内治安に関する事項 人権擁護に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○八代委員長 次に、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 行政機関の保有する情報を公開するための制度に関して司法の判断権の在り方について総合的な検討をするため小委員十三名よりなる情報開示の司法判断に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 小委員及び小委員長は、追って指名の上、公報をもってお知らせいたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可並びに補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じた場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○八代委員長 この際、お諮りいたします。 本日、最高裁判所泉事務総長、涌井総務局長、堀籠人事局長、石垣民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 この際、最高裁判所泉事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。泉事務総長。
○泉最高裁判所長官代理者 去る十一月二十九日、最高裁判所事務総長を命ぜられました泉徳治でございます。前任の金谷事務総長が東京高裁に転出いたしました後を受けまして、司法行政の任に当たることになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。 改めて申し上げるまでもございませんけれども、裁判所は、個々の具体的な事件の裁判を通じまして、国民の基本的人権を擁護し、法秩序を維持するという重要な責務を負っております。この責務を果たすために、司法行政の面で、微力ではございますが全力を尽くしてまいりたいと思っております。 幸いにいたしまして、今日まで、当委員会の委員長並びに委員の皆様方の深い御理解と力強い御支援を賜りまして、裁判所の運営は逐次充実してまいっております。今後とも一層の御支援を賜りますようお願い申し上げまして、私の就任のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ――――◇―――――
○八代委員長 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。松浦法務大臣。 ――――――――――――― 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する 法律案 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する 法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○松浦国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。 政府においては、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職の職員について、その俸給を増額することといたしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報酬または俸給を増額することといたしております。 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成八年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。
○八代委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○八代委員長 これより両案に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。横内正明君。
○横内委員 自由民主党の横内正明でございます。 きょう議題になっております法案は、人事院勧告に準じて裁判官及び検察官の給与の改定を行うものでございまして、毎年提出されている法案でございますし、事務局の説明を受けましたけれども、特別の問題はございません。ただ、この法案に関連して一点お伺いをしたいのは、裁判官、検察官の給与と、民間の法曹である弁護士の給与水準、それとのバランスはどうかということでございます。 一般職の公務員の給与については、民間の企業の給与水準を調査して、その開差を埋めるということで人事院勧告が毎年なされているわけでございます。しかし、裁判官、検察官は、同じ法曹である、民間人である、しかも所得が高いと言われる弁護士の給与とのバランスが極めて大事ではないかというふうに思うわけでございます。もしこのバランスを失して、弁護士の給与水準よりもかなり低い水準だということになりますと、裁判官、検察官に人材が集まらないということになるわけでございます。 かって、今はそうでもないようですけれども、検察官については定員割れというような時代が長く続いたというふうに聞いておりますが、それもあるいは給与の水準に問題があったのではないかというふうにも思うわけでございます。 そこで、今回の法律案で改定された裁判官、検察官の給与水準というものが、弁護士の現在の平均的な給与の体系に比べて適正と言えるかどうか、これは事務当局の部長の見解を伺いたいと思います。
○山崎(潮)政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま御質問の弁護士の給与との比較ということでございますが、裁判官、検察官は公務員という立場で勤務しているわけでございまして、弁護士はいわば独立の、事務所を構えて経営をするという立場にございます。したがいまして、かなり条件に差があるということで、単純に比較することはなかなか難しいという状況にございます。しかしながら、私どもといたしましては、そういう中で不合理な格差があるというふうには感じておりません。 いずれにいたしましても、裁判官あるいは検察官にふさわしい人材を確保するという点から、この裁判官、検察官の給与の水準を適正に保つということは十分に考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○横内委員 この法案から離れるわけでございますけれども、きょうの委員会は、松浦法務大臣が就任をされて、特別国会で一回顔見せはありましたけれども、実質上、大臣のお話を聞く最初の委員会ということでございます。したがいまして、法案を離れまして、幾つか法務行政上の私が重要だと思う事項について、主として大臣のお話を伺いたいというふうに思います。 最初は、公務員の不祥事が大変相次いでおりまして、もちろんまだ真相は十分に明らかになっていないわけでございますけれども、国民の公務員に対する不信が極度に達している。大変に憂うべき残念な事態が生じているわけでございます。 大臣も官僚のOBでございまして、大変に清潔廉直な公務員ということで評価の高い方だったというふうに伺っております。そういう大臣の目からごらんになりますと、今回のこういった事態は、大変に腹立たしい、情けない、特別な思いが官僚のOBとしておありになると思いますけれども、その点についての所見をまず伺いたいということ。 それからもう一点は、法務省の職員は、これは法秩序の維持に任ずるわけでございまして、それぞれそれにふさわしい、高い倫理観を持っておられると思いますし、綱紀の緩みというようなことは万々ないと思いますけれども、しかし、何万人ですか、五万人からの職員がいるわけでございます。したがって、そういう大勢の職員を抱えているわけでございますから油断は禁物でございまして、綱紀の維持に万全を期していく必要があると思いますけれども、そういう部下の法務省の職員に対して、綱紀粛正の観点でどういうふうな指導をされるか、この二点をまずお伺いしたいと思います。
○松浦国務大臣 官僚のOBとして、今回のような事件はちょっと想像もできないような形でございまして、まことに残念至極であるということを率直に申し上げておきたいと思います。 横内委員御指摘のように、法務省というところは、より厳正であるべき役所であると思います。したがって、今回のような事例が発覚いたしました時点において、次官をすぐ呼びまして、綱紀粛正について厳重に取り締まりを行うようにということを指示いたした次第でございます。なおいろいろとこれから問題が起こってくるに従って、内部の慣行等についても見直しをしていかなければならない問題があるのではないか、こんなふうに考えております。
○横内委員 これに関連をしまして、最近はまた弁護士の不祥事というものも目立ってまいっておりまして、例えば、ことしの十月の事件でございますけれども、八木という第二東京弁護士会に所属する弁護士が着服横領事件を起こした。依頼人の女性、これはもう九十歳近い高齢者、しかも痴呆症だったそうでございますけれども、そのことをよいことにして、その女性の財産二十四億円を着服したというとんでもない事件が起こっているわけでございます。 弁護士も数万という人がいるわけでございますから、中にはもちろん不心得な弁護士もいるわけでございます。しかし、新聞報道ですけれども、弁護士のそういう不祥事というのが逐年増加をしてきているということでございます。弁護士会によるこの懲戒処分の件数というものを見ますと、毎年増加をしてまいりまして、昨年、平成七年度は過去最多の三十九件に達しているというふうに聞いております。 もちろん、弁護士の不祥事については、それぞれの所属する弁護士会で内部規律によって処理をするということになっておりまして、懲戒とかさまざまの処理が行われるわけでございまして、法務省として弁護士を直接監督するとか、そういうことは法制上できないことになっておりますから、これは弁護士会に任せるしかないわけでございますけれども、こういう弁護士の不祥事件が増加をしているという状況に対して、弁護士会としても、日弁連としても何か手を打ってしかるべきではないかというふうに思います。既に何か手を打っているかもしれません。そういうふうに私は思うわけでございますが、こういった弁護士の不祥事が増加をしているということについて大臣の御見解、そして具体的に何か対応をするお考えがあるとすればそのお考えを伺いたいと思います。
○松浦国務大臣 弁護士の不祥事件が多発していること、まことに残念でございます。本来、社会正義を守っていくという立場にある弁護士の方々でございますから、一人一人の弁護士が十分に自覚を持って、研さんをしながら、過ちを犯さないように努力していただきたいというのが私の気持ちでございますが、なおそれに加えて、弁護士会のしかるべき研修あるいは研さん、そういったことに全力を挙げていただくようにお願いをしてまいりたい、こんなふうに考えております。 私どもは、決して弁護士会を指導する立場にはございませんけれども、よく話し合って、少しでも前向きに弁護士会がこの問題に取り組むようにしていただけたらありがたいな、こういう気持ちでいっぱいであります。
○横内委員 次に、行政改革が今の最大の課題になっているわけでございます。大臣も、御就任に当たって総理からそういう指示があったというふうに思いますし、当然、重大な関心事、課題だというふうに思っておられると思います。 ただ、法務省はともすれば、行革とかあるいは規制緩和だとか地方分権だとか、そういう論議では余り話題にならない役所でございます。業務の性格がそういう性格の役所だからということがあると思いますけれども。 例えば、橋本総理の構想では、現在二十二ある中央省庁を国家機能別に統合・再編成をして半減するというようなことも言っておられますけれども、そういう橋本構想でも法務省はそのまま生き残るような形になっているということでございまして、どうもこの行革論議の中から無風で置かれているという感じがするわけでございます。しかしながら、もちろんないがしろにしていいわけではないわけでございまして、法務省としての行革に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。 よその大臣では、この間亀井建設大臣といろいろ話をしましたが、あの大臣、非常に前向きな方で、事務当局に大号令を発しまして、行政改革会議もあるけれども、そういうもので指摘されたものはもちろんやるんだけれども、指摘されなければやらぬというのじゃいけないのだ、わかっているのは自分らが一番わかっておるのだから、直すべきはまずみずからが正すのだということで、自己点検をせよという大号令を発して、今事務当局にやらせているようでございます。いずれの役所も他の指摘を待たずに、みずからやれることはきちっとどんどんやっていくという方向で動き出しているように思うわけでございます。 そんなことで、大臣ももちろん法務省の行革に取り組んでいかれるおつもりと思いますけれども、その行革に取り組んでいく方向といいますか、基本的な考え方、現在の考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。
○松浦国務大臣 私は、先ごろ次官を呼びまして、行政改革について全面的に協力をし、新たな考えで問題を進めていってほしいということと、先ほど申し上げましたように、綱紀粛正の問題について指示をしたわけでございます。 具体的には、法務省という役所は、ただいま横内委員からお話がございましたように、なかなか行革になじまない部分がある役所でございます。しかし、機械化というようなことによって人間をできるだけふやさないでいくような方法はないかとか、いろいろ研究すべき問題がまだあると思っております。各局長とそれぞれ話をしておりまして、具体的にこの問題について研究しろというようなことを言っておりますので、それらの成果を待って、独自の方策は内閣とは別に考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
○横内委員 よろしくお願いいたします。 次の質問でございます。 さきの百二十六通常国会はいわゆる住専問題が最大の課題になったわけでございます。そして、その国会の論議の中で、貸し手である住宅金融専門会社七社の非常に乱脈な融資ぶりというものが明らかになりましたし、またその借り手である不動産業者の乱脈経営というものが明らかになりまして、国民の憤激を買ったわけでございます。そして、その議論の中で、住専処理に国費をつぎ込む、国民の血税をつぎ込む以上、民事、刑事の責任というものは徹底的に追及をしなければならないというのが国民のコンセンサスになったというふうに思うわけでございます。 そしてまた、その議論の際にアメリカの事例がよく言われまして、アメリカでも一九八〇年代に貯蓄貸付組合の大量倒産を初めとする金融危機があった。それに相当な国費をつぎ込んで解決をしたわけですけれども、その過程で大量の逮捕者を、責任の追及が行われて、結果的に千数百人の経営者が有罪になった。刑務所に送り込まれたというような話も流布されまして、ぜひ民事、刑事の責任を徹底的に追及すべきだ、そういう国民の声が高まっておりましたし、現在もまたそうであろう、そういう国民の要請というのは続いているのであろうというふうに思います。また、総理大臣や大蔵大臣やまた長尾法務大臣も、そういった責任は徹底追及をするということは再々委員会でも言っておりました。 そこで、刑事責任の追及ということになりますと、やはり法務省、検察が中心であり、あと警察、国税庁ということになるわけでございますが、まず、現在までの住専を初めとする金融関係の刑事責任の捜査状況を局長から報告していただきたいと思います。
○原田政府委員 お答え申し上げます。 御質問のいわゆる住専関係の事件につきましては、検察当局におきまして、従来から、警察当局、御指摘のとおり国税当局等と緊密な連携を図りながら鋭意所要の捜査を続けて厳正に対処してまいったところでございます。 その捜査処理状況の概要について御説明申し上げますと、主要な事件といたしましては、貸し手側といたしまして日本ハウジングローン株式会社関係者らを特別背任罪で起訴いたしましたほか、大口の借り手として、末野興産株式会社の関係者らを強制執行妨害罪等で、株式会社桃源社の関係者を競売入札妨害罪、議院証言法違反等で、株式会社アンカーの関係者を競売入札妨害罪で、株式会社ビッグライフプロモーションの関係者を競売入札妨害罪でそれぞれを起訴いたしまして、それ以外にも、住専各社の申し立てに係る競売開始決定に対する妨害行為につきまして、関係者らを競売入札妨害罪でそれぞれ起訴するなどしているところでございます。 次に、住専関係事件の数的な面について御説明申し上げますと、どの範囲の事件をいわゆる住専関係事件としてとらえるかという問題もございますが、当方におきまして住専関係事件として把握しているものについて、その処理人員を申し上げますと、既に起訴した被告人の数は、実人員で約三十名、延べ人員で約五十名でございます。 なお、住専関係の事件につきましては、株式会社富士住建や株式会社朝日住建に係る事件など、警察当局におきまして捜査を実施し、現在も捜査を継続中の事件もございます。 以上でございます。
○横内委員 今の局長の話ですと、起訴した人員数は三十名、現在なお富士住建、朝日住建で捜査を継続、強制捜査を行っている、こういうお話でございました。大変に努力をしておやりになっているのだろうというふうに思います。とりわけ、時効の壁ということがあって、五年間の時効がもう切れてきているものも相当ありましょうから、難航しているという話も聞いております。 そういうこともあって、一部のマスコミ関係者などの話を聞きますと、そろそろ検察は幕引きを考えているのではないか、そろそろ終息を図ろうとしているのではなかろうか、現実問題としてまた、時効の壁があってなかなかこれ以上の捜査は難しいという状況もあるというようなことで、大体終わりというようなことではないかということを言う人もいるわけでございます。三十人だから多いとか少ないとか、そういうことは言えないわけでございますけれども、まだこの問題についての国民の怒り、責任追及の要請というものはおさまっていないというふうに思いますし、何かきっかけがあればまた大きく噴出してくるのではないかと思います。 そんなことで、ぜひ今後とも捜査を継続していただきたいと思いますが、一般的なそういう捜査の指揮権をお持ちの大臣にも、ぜひそういったことで捜査当局を督励していただきたいと思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○松浦国務大臣 横内委員の御趣旨、全面的に了解をいたしております。したがって、御指摘のように、検察当局を一般的に指揮をして、そして少しでも不正を暴いて住専問題の解決に資したい、こういう気持ちでおりますことを表明させていただきます。
○横内委員 次の質問でございますが、これは新聞報道でございますけれども、十日か二週間ばかり前の新聞報道ですが、夫婦別姓制度、夫婦別氏制度について世論調査が行われた。そしてその結果によると、選択的夫婦別氏制度をとることに賛成という人と反対という人がかなり拮抗をしていたということが報道されました。 その際に、その世論調査の結果を見た大臣の感想、コメントが新聞に載っていたわけでございますけれども、大臣のコメントは、要するに、消極的といいますか、そう急いでこれは進めるべきではない、国民の意見も分かれているわけだから、時間をかけて、国民のコンセンサスが得られるまで待つべきではないか、そういうふうに自分はこの世論調査の結果を読むというようなことが新聞で報道されておりました。それは一つの見識で、私もむしろそうあるべきだと思うわけでございます。 この点については、今まさに、けさも自民党内で議論もありましたが、議論の真っ最中でございますが、この問題を大臣、今のそういうコメントを出されたのであれば、その真意を正確にお話しいただきたいのと、この問題について大臣としてこれからどういうふうに取り組んでいかれるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○松浦国務大臣 御承知のように、国民の皆様の御意見が全く正反対の方向に分かれておるわけでございます。民法というごく基本的な法律を国民の皆様方の動向を判断をしないで国会に提案するほどの愚は私はないと思っております。したがって、これから世論の動向をもう少し見詰めながら、慎重に検討していきたいと思います。提案の時期あるいは提案の仕方、そういったものについても十分時間をかけて検討し、拙速は避けるべきではないかという気持ちでおることを申し上げておきたいと思います。
○横内委員 次の質問でございますけれども、これは質問というよりは要望でございます。オウム真理教事件に関連をした問題について、法務大臣にぜひ御要望を申し上げたいと思います。 御案内のように、オウム真理教事件は世間を震憾した大事件でありましたけれども、刑事事件としては、捜査当局の大変な努力もあって終息に向かいつつあるというふうに思います。 しかしながら、残された大きな問題が幾つかございます。もちろん破防法の適用の問題もあれば、あるいは現在行われている破産の問題、宗教法人の清算の問題、いろいろあるわけでございます。その中の非常に大きな一つが、これは私の地元に関係をするわけでございますが、残された教団施設、山梨県上九一色村のサティアンというような、ああいう犯罪の行われた施設があるわけであります。ああいう施設が全国、山梨県の上九一色村にもありますし、また山梨県の南巨摩郡富沢町というところにもありますし、静岡県の富士宮にもありますし、群馬県の長野原町にもあります。東京都にもあります。そういった教団施設の撤去、そしてその跡地の利用の問題があるわけでございます。 ああいう山梨県の上九一色村のような教団施設がある地元の住民の皆さん、よく私も接触をいたしますけれども、地域の住民の皆さんは長い間、ここ十年ぐらいオウム教団の迷惑を受け、さまざまな被害をこうむってまいりました。そして、それがために彼ら住民は教団と対決をして、対策協議会のような組織をつくって、言ってみればオウム真理教と闘ってきたわけでございます。 そういう長年の苦労の中で、現在住民が切実に感じておりますのは、ああいう忌まわしい施設は一日も早くなくしてもらいたい、撤去してもらいたい、そして、その跡地は地域の活性化に、地域の整備に資するような事業に使っていきたいんだということでございます。そうすることによって、例えば山梨県の上九一色村などというのはオウム真理教事件で大変にイメージを傷つけられた。イメージダウンしたわけでございますけれども、そうやって傷つけられた地域イメージをぜひとも回復をしたいというのが、この地域住民の切実な願望でございます。このことは他の静岡県や群馬県も、東京都もまた同様だろうというふうに思います。 大臣は、長年地方行政に携わってこられまして、こういった住民の感情というものはよく御理解をいただけると思いますし、とりわけ大臣は、かつて山梨県庁に勤務をされて総務部長をお務めになった。名総務部長として県民に慕われたわけでございます。したがって、あの地域の状況とか山梨県民の心情というものはよくおわかりになっているというふうに思うわけでございます。 そこで、問題はこういうことでございまして、オウム真理教の財産というのは現在、破産の手続が進んでいるわけでございます。破産の手続の中で、サティアンとかああいうものは、破産管財人は阿部先生ですが撤去をし、そして後は土地を売却する。それが普通の流れで、それがスムーズにいけば、地域住民が願っている施設の撤去も破産の手続の中で行われていくわけでございますけれども、ただここで非常に困った事態が生じていて、破産管財人が立ち往生じておりますのは建物の撤去費が高過ぎるということでございまして、結果的に赤字になってしまうということでございます。 あの上九一色村なんかの建物は、四十棟ありますけれども、あれを全部撤去しようとしますと、彼らが本当にみずからの手でコンクリートを、ペトンを打ち込んでつくったような施設ですから、大変に金がかかりまして、五億円ぐらいの撤去費がかかるであろう。撤去をして、その後更地を売ってどのぐらいになるかといえば、せいぜい二億とか三億とか、今の状況ではそんなものだ。そうすると、マイナスして二、三億円の赤字になるのではないか。ということになると、法律上、破産の手続としては、それは破産をすれば損をするわけですから、その損をする施設については破産から外して破産を終結させるということに理屈上はなるわけでございます。そしてその施設は、損をするマイナス財産についてはもとの所有者に戻す。もとの所有者というのはオウム真理教団、現在は清算人ですけれども、そこに戻すということになれば、結局何にも、あの状態のままであのままあの施設がずっと残る、地域住民の願いはかなえられないということになるわけでございます。 しかし、それでは困るわけで、山梨県庁や破産管財人が要望しておりますのは、あの建物の撤去について国が助成をしてもらいたい。これは地域、自治体がやるのですけれども、国が助成をしてもらいたい。阪神・淡路大震災のときに、使えなくなった建物や瓦れきを自治体が撤去しました。そのあれには、二分の一の補助と、そして九割の交付税措置が行われたわけでございますが、それと同等の助成措置をぜひやってもらいたいということと、そしてその跡地は自治体が取得をして、地域振興事業に使っていきたい、それに対しても国が支援してもらいたいという要望を持っておりまして、いろいろな役所にお願いをしているのですが、厚生省、自治省、役所がいろいろばらばらありまして、なかなかうまく進まぬという状況でございます。 この問題は、やはり個別よりもむしろ内閣として、こういったオウム真理教の後始末をどうするのか、その地域、地元対策をどうするのか、統一的な方針を立てていただいて進めていかなければ進まぬのではないかと思っております。これをひとつぜひ来年度の予算編成の中でやらないと、また一年先になるということになりまして、ぜひこの予算編成の中でけりをつけていく必要がある、我々もそういうことで努力をしているわけでございます。 法務省も非常にこれは関係があります。というのは、今進んでいる破産は、法務大臣もこれは申立人でございます、ほかの債権者とあわせて。したがって、この破産がスムーズに進むというのは、法務省としてもこれは重大な関心を持ってしかるべきだと思います。そんなことで、閣議の席上その他、法務大臣にぜひそういった地域対策についてこの際抜本的に解決をすべきだということを言っていただいて、この地元住民の要望なりあるいは破産管財人の要望が通りますように、大臣のお力をいただきたいというふうに思っているわけでございます。その点について要望を申し上げるわけですけれども、御見解を承りまして、質問を終わらせていただきます。
○松浦国務大臣 横内委員のおっしゃるお気持ち、私、十分わかるつもりでございますが、現在の体制としては、内政審議室の方が中心になってやっております。したがって、法務省としては予算要求ができるという立場にはございません。その点は御理解をいただきたいと思います。 私どもとしては、現実の問題として、処理をするに当たって何かいい方法はないかということについては勉強させていただきますけれども、今のような御要望には沿えないということを申し上げておきたいと思います。
○横内委員 ちょっと一言言わせていただきますが、法務省の予算で計上しでやれということは私もできないと思います。例えば、阪神・淡路大震災のやり方と同じやり方で瓦れき処理ということでやるとすれば、これは厚生省の所管になりますし、交付税措置となれば自治省ということになろうと思います。そういう方向になると思いますけれども、法務省も非常に関係があるので、ぜひそういうものが実現するように側面からひとつお力添えをいただきたい、こういう趣旨でございますので、よろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
○八代委員長 西村眞悟君。
○西村(眞)委員 新進党の西村でございます。 提出されております法案については、御説明を受けまして、新進党は賛成でございますし、余り質問もないわけでございますけれども、先ほどちょっと弁護士報酬とのバランスという質問も横内委員から出ました。私も、この裁判官、検察官の報酬の表を見て、判事補初任から五年ぐらい、検察官もそのとおり、余りにも少ないな、かわいそうだなという感想を持っているのです。 検察官の方を見ますと、検察官をやめたいわゆるやめ検という弁護士さんの評価は余りよろしくない。例えば、今修習は共同でやりますから、同期の弁護士になった者、検察官になった者、おのおの分かれていきまして、検察官の報酬がこのように少ない中で、弁護士は自由業として、例えば大阪でのいそ弁を採用するときの給与は四十万ぐらいから、自由に自分で個別事件をとればそれ以上になるわけですね。そういう状況を見ておる中で、検察官が弁護士になったときに余り評価がよくないというのが風評ですから、個別具体的なことではなくて、よく言われているのです。これにも遠因があるのではないかな。 そこで私は、大臣に、この俸給表をごらんになっていただきまして、やはり働き盛りの、そして家庭を持つ、親がおるから遠くに赴任しても親の見舞いにも行かなければならないというこの年齢層の給与について、私は低いと思っているのですが、大臣は御感想いかがですか。
○松浦国務大臣 私も自治省の公務員課長をやった人間でございますので、各職種間のバランスというものを考えていかないと非常に公務員の間に大きな問題が起こる。例えば検察官だけ今御指摘のように低いと考えて上げるということになれば、それじゃ警察官はどうしてくれるのだ、そういう問題が必ず派生的に起こってくるわけでございます。 現在の状況というのは、長年の知恵を絞ってでき上がった給与体系だと思っておりまするし、私、少なくとも、検察官の方々から待遇が低いという陳情を受けたことはございません。おおむね妥当な線におさまっているんじゃないかというふうに私どもは考えております。
○西村(眞)委員 以上は私の感想を大臣にお聞きしたわけでございまして、よくわかりました。 次の質問は、捜査が進んでおります事件については、例えばオウムであれ住専の問題であれ、マスコミに報道されまして、世人は関心を持つわけです。私は、捜査が進まない事件について、世人が忘れ去っていく中に、この国家の一つの基盤、モラルの基盤といいますか、それに重大な打撃を与えている事件があろうと思うのです。 例えば、阪和銀行がつぶれましたけれども、あれには副頭取の射殺ということがある。同時期にまた大銀行の支店長が射殺されておる。これが膨大な不良債権の回収、これは民事の問題ですから銀行員がするわけですから、全くそれがやみの力によって阻止されているという事態がある。また、桃源社とか末野興産とか、私が見るに、やみの世界と関係が薄いところはマスコミはどんどん書くわけですけれども、あの同種類のノンバンクというか、金をいじくったところは無数にあるわけです。そのやみの力と関係の濃いところに報道は全くない。それは九年前の朝日新聞の記者の射殺事件とも関連しているのではないか。捜査が進みませんから、私は推測の域で申し上げているわけです。組織犯罪の点から見ても、今申し上げた事例から見ても、我が国の法秩序は、世人が忘れられた。忘れ去っていく部分で非常に打撃を受けている。 このような中で、例えば検察官の数、そして組織犯罪に、私は、私自身の見解としては、オウム事件などは内乱罪でやるべきだったと思っているのですが、組織犯罪として捜査、強制捜査を進める法制度、これについて、人員の点、法制度の点について、抽象的な質問で恐縮でございますが、これで十分なのか、今検討しているところはどういう方向なのかということを御答弁いただけましたら助かりますが。
○松浦国務大臣 詳細な問題については刑事局長からお答えいたしますけれども、少なくとも今の状況では、法務省としては人員は決して十分でないというつもりでおります。したがって、今回も予算については人員増ということを主体に大蔵省と折衝してまいりたいと考えております。 自余の問題については、刑事局長から。
○原田政府委員 ただいま委員御指摘いただきましたような諸情勢につきましては、私どもといたしましても重大な関心と憂慮も抱いております。 そういう点で、人員面、体制面につきましては、ただいま大臣から御答弁いたしましたように、現在の厳しい行財政改革の中で許される範囲で私どもとしては最善の努力をさせていただきたい、そのための努力をしてまいりたいというふうに思っております。 なお、先ほどの委員の御質問の中に、法整備と申しますか、その対策の面について考えているところはどうだというお尋ねの点につきまして、大変短い御質問でございますけれども、その背後に含まれているさまざまな事件に対する思いというところからくる御質問だと思いますし、私どもはそれにつきましても重大な関心を持っております。そして、組織的に行われる犯罪に対する対策、法整備という面で、私どもとしてこれからも十分考慮していかなければならない点が多かろうと思います。 ただ、刑事司法にわたる基本的な手続面でのさまざまな法整備、また実態面の問題につきましては、片方でやはり国民の人権に対する配慮ということも十分にバランスをとって考えていかなければならない問題だという認識もございます。そういう意味で、現在法制審議会におきまして、法務大臣の諮問が出されまして、どういう角度からこういう問題を取り上げていったらいいだろうかということを、差し迫った問題とともに、また長期的な観点を加えながら御審議をいただいているところでございます。 この問題につきましては、また当委員会を初めさまざまな角度から御指摘また御論議をいただいた上で、それを私どもは法整備の観点から受けとめてまいりたい、そのための努力を続けさせていただきたいという気持ちでおります。
○西村(眞)委員 よくわかりました。 今回の選挙でも、行政改革、地方分権等々言われていました。しかし、地方分権、行政改革という前提に、国家とは何を任務とするのか、政治とは何を任務とするのか、国政は。その根本の柱が余り語られなかった。国政の任務は、地方分権言うならば、国防と治安の維持、これに尽きる。したがって、国家行政組織をスーパーマーケットの営業管理のようにスリムにすればそれで国家の任務、また選挙で叫んだ行政改革が達成されるのだという軽佻浮薄な風潮に対して、私は、法務大臣に対しては、治安が重大であって、これが重大な脅威にさらされているという御認識のもとに、今局長から御答弁いただいたような大胆な法案整備に取り組まれたい、このように思うわけです。 RICO法をつくってロバート・ケネディは暗殺されましたけれども、RICO法によってアメリカはやみの世界の権力から救われたという部分があります。それほど大胆な、今までの我が国の百年にわたる罪刑法定主義の構成要件からはちょっととっぴなと言われるくらい踏み込んだものにしなければ、組織犯罪が国際化しているわけですから到底対処できない、このように思いますので、どうかよろしくお願い申し上げる次第でございます。 それから、いささかまた観点が異なりますけれども、私にとっては、そして国の将来を憂える方々にとっては重大な問題だと思われている部分について法務大臣の御見解を承りたい。 これは法秩序と密接に関係する問題。法秩序は法務省また捜査当局が維持するということでは到底維持できない。国民に法秩序を維持する前提たるモラルがなければならない。このモラルが今崩壊しているのではないか。私は、先ほどの公務員の問題、汚職の問題を申し上げるのではないのです。汚職の問題は必ず復元が成ります。我々が取り組む、目に見える、こういうことですから。私が今から御質問を申し上げるのは、また問題意識を大臣にお伝えしたいと思いますのは、我々が目に見えない、取り組めない、つまり青少年のモラルの崩壊、この部分についてちょっと御質問したいのです。 東京都の青少年の生活意識調査の中で、テレクラなどを利用したことのある、テレクラというのは電話をかけての売春の連絡網です。それを利用したことのある女子高校生が三六%おります。女子中学生が二五%おるわけです。 それで、私の友人が、私の選挙区のところで青少年補導委員等々をやっていまして、シンナーを吸っている子を補導するわけですね。そのときに彼が何と言って自分に反論してきたかを私は教えてもらいました。僕らのおじいちゃん、おばあちゃんの世代はひどいことをやっていたじゃないか、中国で朝鮮でひどいことをやっていたじゃないか、何で自分たちだけ言われなければいけないんだ、こういうことです。 この淵源は、前の長崎の平和資料館等々で注目されましたけれども、平和資料館というのは全国各地にあるわけです。そして、残酷な写真ばかりを並べている。それも、日本人がやったという写真。民間組織の調査によって、その写真がでたらめである、例えば軍服が日本軍の軍服ではない、将校でもない人間が長靴を履いているからこの写真はにせだ、極端な長崎の例のようにアメリカの反日映画の映像がそのまま実写写真として使われている、こういうことがだんだんわかってきています。 つまり、大臣、こうなんです。前置きが長くなりますけれども、私どもは子供たちに現代の社会を教えるときに、現代の社会は四万人の受刑者が刑務所におる、一万人が交通事故で死んでおる、この交通事故、死亡事故の写真、殺人現場の写真、そして赤坂でもある売春組織の写真、キャバレーの写真、これらを並べて青少年に、子供たちに現代の社会はこうでありますよと教えることはしない。私どもは、この社会にある明るい部分、例えば努力している部分、警察官が夜も寝ずに働いている部分を教えて、この社会はこの人たちによって成り立っているのだという明るい部分を教えて、自分もその仲間に参加したい、こういうことを教えますね。 しかし、我々が、五十年前の我々の歩んできた。例えば子供たちが言うおじいちゃん、おばあちゃんの歴史に対して教えているのは、今申し上げた残虐な写真、沖縄に至っては子供のおなかからはらわたが出て、そこにハエがたかっている写真とか、こういう写真を我々の祖父の歴史の写真として、時代として教えているわけですね。これが青少年のモラルの崩壊を確実にもたらすだろうと私は思っているのです。なぜなら、この国に生まれたことに愛着が持てない、そういうことですから。 それで、こういう思いを持っておるときに、昨日、高橋史郎という大学教授、これは教育を専門にする方ですが、これはエピソードですから申し上げますと、なぜ青少年が我が国に生まれたことに愛着が持てずにこの国の共同体を担おうという意識が希薄になったのかといいますと、彼がこういうことを言いました。歴史の教科書を含む教科書は共産党が書いて社会党が教えていたからだ。これは笑い話みたいな話ですけれども、本質をついているのかなとも思っていることを御紹介しただけです。 なぜこうなったのか。来年、中学生に配られる中学校の教科書で一点だけ例を挙げて申しますと、従軍慰安婦という記述が全教科書七冊にすべて入ったのですね。これは、例えば教育出版などは「多くの朝鮮人女性なども、従軍慰安婦として戦地に送り出された。」東京書籍では「従軍慰安婦として強制的に戦場に送りだされた若い女性も多くいた。」従軍慰安婦の記述が全七社に入っておる。この時期に子供たちに、大臣、国家の閣僚として御意見をお伺いしたいのですが、私が先ほど例に出した。現代社会を教えるときに、売春組織を教えて現代社会はこうだとは子供たちに教えない、しかし五十年前のは教える。こういう記述が入って、これで先生は、矢面なんですから質問を受けてどう答えるかは苦慮されると思いますよ。しかし、これが子供たちに歴史を教える方法として妥当なのか否か、ちょっとこれを大臣に。
○松浦国務大臣 私もバッジをつけた一人でございますから、その問題についての見解は持っております。私なりの考え方は持っておるつもりでございますけれども、今のような御質問に対してお答えすることは余り適当でないかと思いますので、この際は遠慮させていただきたいと思います。
○西村(眞)委員 思いは持っておられるのですね。思いは持っておられますから、私の思いをやはり大臣の胸に入れていただきたい。これはゆゆしき状態だと私は思っております。 現在の法秩序については、現在捜査が進んだ事件について云々すればそれで済みます。しかし、青少年の心に与えるモラルの崩壊の引き金は、我々が、多分大臣がこの世の中に関知しない未来に起こってくることですから、我々は法秩序を守るというときに、やはり現在の秩序と将来の秩序を守る、この二点が必要だと私は思っております。 それから、先ほど、これは私のお願いを申し上げておきますが、夫婦別姓の問題が出てまいりまして、今、青少年の秩序、モラルのことについてお話しした前提がそのまま当てはまると思うのです。こういう事態に陥ったヨーロッパ、アメリカでは、今起こっておりますのは家族の復権、クリントンもそのように言っております。日本は個々、個人がすべて大切なんだというふうな幻想の中に、あえて申し上げますがおりますけれども、しかし、人権思想そのものが家族を単位として生まれてきているのです、ヨーロッパの人権思想は。例えば、我が家は城である、風と雨は入ることができる、しかし国王は入ることができない。この向こうのことわざは、家族というものを単位として自分たちの城を守るという発想ですから、ヨーロッパ、アメリカで起こる家族の復権という、クリントンでさえ言っているその方向は、彼らは復元してきていると思うのです。 しかし、我が国で今取りざたされている夫婦別姓のこの法案というのは、委員の方がいみじくも新聞に言っておられたのですが、家族よりも個を重んじる、こういう思想に流れてきておりますから、先ほど大臣が慎重に対処すると言われたとおり、これは、先ほどから私の問題意識として言っております、現代ではなくて将来の秩序、将来の我が国のあり方、家庭のあり方に深くかかわる問題ですから、慎重に対処していただきたい、このようにお願い申し上げます。これは質問ではございません。 時間が余っていますけれども、私の質問はこれで終わります。
○八代委員長 次に、坂上富男君。
○坂上委員 坂上です。法務委員会で民主党から質問をさせていただきます。またこれからお世話になりますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず大臣にお聞きをいたしますが、夫婦別姓を初めとする民法改正案、これは一体、この次の通常国会に提出されますか、されませんか。これははっきり、びっと答えていただきたいと思います、長々いいですから。 と申し上げますのは、ことしの通常国会で前の法務大臣は、いろいろちょっと条件はありましたけれども、この国会中に提出したいと二度にわたって私が質問したのにお答えになっているわけでございます。しかしながら、条件成就しないために出さなかったようで、これは自民党さんの方がややまだ検討をされておる、こういうような事態でございます。 幸いにいたしまして、そんなことから自民党の先生が今度は法務大臣になったのだろうと思います。自民党の法務大臣ということになりますと、自民党の先生方をぜひとも説得をする、協議をして、ひとつ提出に運ぶようにするということになるのだろうと私は思うのでございます。しかしながら、何か、大臣の就任の談話を聞いておりますと、世論調査の結果でしたか、ややちょっと消極的なような態度も感ぜられるわけでございます。 法務省の内部というのは一体どうなっているのか。出すというのか、出さぬというのか。何か、大臣とも一致もしていないような感じだし、この間からずっとあれしてみると、どうもおかしいのじゃないか、こう思っておりますが、この際、きちっとやはり答弁してもらわぬといけないと思う。 法務省や自民党さんだけの問題でもなさそうでございますが、これでは、どうもこのままにしていますと、いつ日の目を見るかわからないと思うものですから、私は、法務省は勇気を持って、夫婦別姓を中心とした民法改正法案は通常国会で提出をする、そして、後は国民の世論と議員の先生方の判断にまつということをすべき時期じゃないかと思う。私の方も、どうもそんなようなことで提出の時期がおくれる、提出しないというような事態を心配いたしまして、うちの方の党といたしましては、いわゆる政府原案を中心といたしまして議員立法で提出しようと今準備を進めているわけでございます。 大臣、民法改正というのは大事業でございますし、ぜひともこれはなし遂げなければならぬ仕事だと私は思っているのです。でありまするから、決意のほどをひとつきちっと述べてください。
○松浦国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、全く国民の皆様方の考え方が分かれてしまっておりますので、こういう状況で提案することは決して得策ではないと私は考えております。 したがって、これからの動向を見ながら、どういう形でどういう時期に提案するかということについては慎重に検討させていただきたい、こう思っております。
○坂上委員 そうすると、大臣、あなたの今の答弁を聞いて、前の通常国会における前の大臣の答弁とはどうですか。
○松浦国務大臣 これは、省としての一つの流れではあるかと思いますけれども、やはり、こういうことについての決断は大臣によって違うということは、私はあり得ていいものだと思っております。
○坂上委員 そうすると、大臣になってからは消極的になった。通常国会に提出をするのは今ちゅうちょしている、こう聞いていいですか。
○松浦国務大臣 私は、国会で皆様方の御賛同を得る可能性がないような法案を提出することには反対でございます。閣議決定をして御提案を申し上げる以上、皆様方に御賛同いただけるという案にして御審議をいただきたい、これを基本原則に考えております。そういう情勢ができるように、これから努力をしてまいります。
○坂上委員 どこの党が反対が強いという御主張なんですか。
○松浦国務大臣 私は、どこの党がどうだというようなことをここで申し上げる筋合いはないと思いまするが、問題は、やはり国民の皆様に、基本的な法律であるだけに、皆様に納得をしていただいて提案をしたい、こういうふうに考えておりますので、御了承をいただきたいと思います。
○坂上委員 もう納得できないのじゃないですか。二月に態度決定をなさるということですよ。僕らも一生懸命お願いしますよ、私は提出賛成なんだから。大臣の方を見てみますと、どうも消極だ、しかも、どの党と申し上げられない。一つ一つ分析した結果を答弁してくださいよ。 これは本当に、法務省、今まで何のためにしたのですか。そんな、国民が反対する法案を今まで出す出すと言ってきたのですか。どうですか、民事局長。
○濱崎政府委員 私ども事務当局といたしましては、従前からこの問題につきましては、関係方面の理解を得て国会に早期に提出できるよう、具体的にはさきの通常国会に提出できるよう最大限の努力を傾けてきたところでございます。その結果、国会に内閣提出法案として提出できる条件が整わなかったということで前国会の提出は断念したわけでございますけれども、私どもとしては、できるだけ早くそういう条件を整えて国会に提出したいというふうに考えておるところでございます。 したがいまして、現在、ただいま大臣からも申し上げましたように、どういう形でどういう時期に提出すべきか、その時期ができるだけ早く来るように努力をしたいという気持ちは従前と変わっておらないつもりでございます。
○坂上委員 余り水かけ論になっても悪いから、もうこれでやめますが、私は、自民党の法務大臣が就任なさったのは、自民党を説得するのに都合がいい、またその手腕を期待するというのが政府の考えだったのだろうと思うのです。それが反対に、反対の先頭に立つために法務大臣になったのだ、どうもそんなような感じで、国会の見通しについても申し上げられないということになりますと、どうもこれはちょっと問題があるのじゃなかろうか、こう思っております。 事務当局のお話を聞くと、今まで必死になって努力してきた。そして、今度あなたになったら――世論調査は前よりはよくなっているのですよ、世論調査としては。そういう状況の中で法務省は出してきているわけです。民訴の改正でもそうなんだ。これは、この部分は反対だよと言った上で出してきているわけです。我々必死の努力をして、最小限度、ではその公文書については二年間でもって改正しよう、こういうことで成立をさせてきているわけですよ。それを民法改正は、ずっとこの間から出す出すと言いながら、まだ条件が熟さないで、今度はいつ出すかわからぬ、こうなってきている。私は、民法を、自民党の大臣の立場において、何とかこれを成立させようという立場で御就任になったのではなくて、出させないために御就任になった。こう理解せざるを得ないのですが、どうですか。事務当局は一生懸命努力してきた。法制審議会も努力してきた。それを受けて、私たちは必死になってバックアップしながら民間の大臣を守ってやってきたのでございます。今ここへ来たら、どうもいろいろ世論が分かれているから出しませんと。それだったら、そんなもの諮問しなければいいんだ、法制審議会に。混乱を与えているのは法務省だ。しかも、その先頭でつぶすために大臣になられた。こう理解していいのですか、どうですか。
○松浦国務大臣 私は、つぶすために法務大臣になったというようなことはございません。また、総理からもそういう御指示を受けておりません。 私は、参議院の政審会長として、この問題については一年間ずっと横から眺めておりました。余り拙速はどうかなということを感じておった一人でございます。そのままの考え方を引き継いで、続いて慎重に取り扱っていきたいということを申し上げているだけでございます。
○坂上委員 それだったら、大臣、法務省の事務当局、あなたを除いた事務当局の今までのあれはどうなんですか。見通しを全然誤ったじゃないですか。では、これについてあなたはどういうふうに対処されるのですか。
○松浦国務大臣 前大臣のもとで、よかれと思っていろいろ事務当局は検討なさったと思います。したがって、結果的に提案できなかったことについては、これは仕方がなかったことじゃなかろうかというふうに私は思っております。 今後も、事務当局とよく相談をしながら、まだこの問題についてどういうことかということを知らない国民の方もおられるわけでございまして、PR等も含め、それから世論の動向も眺め、それから国会に提案した場合に皆様方に御賛同いただけるかどうかというようなことも含めて、慎重に検討させていただきたいと思います。
○坂上委員 これ以上言いません。ただ、事務当局が必死の努力をしておって、それは前の大臣の時代なんだ、もう今は変わったんだ、こういう御答弁のようでございますが、これはやはり、何のために法制審議会にかけたのか、何のために原案をつくって僕らに説明をしたのか。そして、この間の国会で、二度も三度も先生方からいつ提出するかという質問を求めて、それなりに努力をして提出をいたします、通常国会で出します、そうなっているのが、今ここへ来て突然、世論調査をしたら、下がったならわかるんだよ、上がっているのに消極的な態度をとるということについては納得できない。 でありまするから、きちっとやはり、言い過ぎじゃないですよ、これは。法務省、これは責任とってもらわなければならないですよ、ここまで来れば。これは言い過ぎなんというものじゃないんだ。私なんかおとなしくて優しいから、優しい言葉でやっているんだけれども、こんなものはすぐあれするはずはないんですよ。ぜひひとつ御検討賜りたいと思っております。 さて、時間がないから次へ移りますが、新潟の法務局、いわゆるコンピューター化のためにバックアップセンターをつくりたいと努力しておられるわけです。それは、いわゆる県庁わきに新潟の霞が関ビルをつくる、こういう構想があるわけであります。この委員会で私は質問した。平成九年になったら何とかしたい、こういう答弁があるわけでございます。これは建設省、今どうなっていますか。
○原説明員 お答えいたします。 御質問の、新潟第二地方合同庁舎につきましては、市内に散在いたします国の機関のほとんどを集約、合同化する大規模なプロジェクトでございます。 現下の厳しい財政状況の中で、私どもは着工に向けまして平成七年度に予定敷地の一部を取得いたしました。また、平成九年度の予算要求におきましても、残りの敷地の一部の取得費を要求しているところでございます。今後とも、敷地の取得を計画的に進めるとともに、早期着工に向けまして努力してまいる所存でございます。(坂上委員「いつ着工する予定ですか」と呼ぶ) 敷地の取得につきましては平成十一年度までを目途として完了いたしまして、できるだけ早期に着工できるよう努力してまいります。
○坂上委員 この間は、まあこれは努力目標でもあったんですが、平成九年と言っているわけです。今度は平成十一年になったわけであります。建設省を待っていたってこんなのはできないんじゃないの。法務省どう思っていますか、バックアップセンター。一言。
○濱崎政府委員 新潟地方法務局のバックアップセンターにつきましては、今建設省当局の方から御説明がありました地方合同庁舎に入居させていただくということを予定しておりますが、今のところ早急な見通しが固まっていないということでございます。しかしながら、コンピューター化ということは一刻も早く進める必要があると考えておりますので、そういった観点から、その地方合同庁舎が完成するまでの対応といたしまして、財政当局の御理解を得て、本年度から民間ビルを一時的に借り上げて、仮のバックアップセンターということでコンピューター化に着手をいたしたいというふうに考えております。
○坂上委員 それはそれでひとつ頑張ってください。 それから、今度は法務省職員の増員問題ですが、特に住専問題で、私、予算委員会でも御指摘をし御答弁があったのでございますが、とにかく抵当権移転だけで、いわゆる浦和法務局職員三百五十人の二年分の人員が必要だというのですね、この最初の移転だけで。大変な労働過重が住専問題から起きてきていると思われるのです。 そこで、わずかの、六十名ぐらいの職員の要求をなさったのでございましょうか、法務省では概算要求で。この程度では足りないんじゃないですかと指摘をしたのでございますが、大変謙虚な主張をなさっておるのでございます。登記事務を初めとして入管の方、いろいろと法務省職員は労働過重で本当に大変な状態になっておるんですが、これは今また予算が大変厳しいという話なのでございますが、一体この増員問題、どんなふうに考え、どういう見通しを立てておられますか。簡単に二言。
○濱崎政府委員 委員には、登記を初めとする法務局の体制について大変御配慮いただきまして、ありがたく存じております。 御指摘のとおり、住専問題を初めとして法務局の事務は増加かつ複雑多様化しておりまして、これまでにもその要員の確保については、関係方面の御理解を得て、逐次増員措置を認めていただいているところでございます。 御指摘のとおり、現在の国家公務員の定員をめぐる情勢は大変厳しい状況にあるということは私ども承知しておりますが、財政及び定員事情の許す範囲で今後とも法務局の要員について適正な措置が得られるよう最大限努力をしていくつもりでございます。 なお、当面の緊急に押し寄せる大量の事件、これについては、一時的な大量の事件の問題でございますので、完全に定員という形で確保することは困難であろうと思っておりまして、その面については金銭的な予算措置ということもあわせてお願いをしておりまして、そういうことで万全の体制を確保するよう努めてまいりたいと思っております。
○坂上委員 特に住専問題なんというのは大蔵省の不始末で出てきたんだ。それでその始末を法務省にさせようとしているんだから、もうちょっと強く、私も言いますけれども、頑張ってくださいよ。これは大変じゃないですか。そんな一時的なことでないんじゃないですか。このことが結果的に一般の国民の皆様方にしわ寄せがいくわけです。申請しても時間がかかる、手が足りないから時間がかかるわけでございます。これは本当に、大蔵省は自分らの不始末をこっちへ押しつけたんだから、開き直って強く頑張っていかないといかぬと思いますから、頑張りましょうよ、ひとつ。どうぞ大臣。
○松浦国務大臣 全くお説のとおりでございまして、法務省は営繕費と人間の増があれば私は十分やっていけるんじゃないかというくらいに重点を置いて、人員増について来年度の予算に向けて折衝いたしたいと思っております。
○坂上委員 さて、その次、せっかく来ていただいておりますので、厚生省にまず御質問申し上げます。 きのうは岡光前事務次官が逮捕なんという大変なことが起きたわけでございます。しかし、これはもう国民は激しく怒っておりますね。住專あるいはエイズ問題と同じように激しい怒りが出ておるわけでございます。これはもう本当に私は実刑相当だと思っています。これはまさか意見を聞くわけにもいかぬでしょうから、要望だけしてみます。 国民の怒りは、サリンのオウム事件と同じ怒りが今全国巻き起こっているわけでございます。ぜひ検察もこういうものについては重大な責任をとってもらわなければならないのでございます。そこで、私は、厚生省のいわゆる特養問題について、きのう山形県へ調査に参りました。うちのチームで。それからこの間、埼玉県に行ってまいりました。あしたは私の地元の村上に寄せてもらおうと思っております。 これは調べてみまして、きのうの朝日新聞にもちょっと出ておりましたが、いわゆる社会福祉法人をつくるには、いわゆる資金計画というものがきちっとできていなければ認可ができないのですね。それからホームの建物の建設ができないのですね。それがどうも埼玉の方ていっぱい特養をっくっちゃつたものだから、山形の方では二つの申請が出たんだけれども、もう社会福祉・医療事業団から融資ができなくて棚上げになっておる、こういう話でございます。これが約十五億九千九百七十万円、出てこないから、これは建物が今度はできなくなるわけでございます。山形市の建物は一月完成したい、こう言っているわけでございます。これができなくなるわけであります。 いろいろ調べてみると、どうもやはり認可のとき、ずさんだったんじゃなかろうか、それから補助金を出すときもずさんだったんじゃなかろうか、建築許可をするときずさんだったんじゃなかろうか、こんな感じなのでございますが、まず事業団関係から幾ら今融資がストップしているのか、なぜ出せないのか、言ってください。
○井上説明員 お答えいたします。 社会福祉・医療事業団では、御指摘のように山形県下の二つの社会福祉法人、影山会及び彩江会から合わせまして十五億九千九百七十万円の融資の申し込みを受けております。事業団では、融資を行うに当たりまして、債権保全上の観点から法人の債務償還の能力、担保などにつきまして審査をしておりますが、この過程でそのようなことが不十分であるというふうに判断しましたところから、法人に対応策を講じるように指導しているところでございまして、したがいまして現在も契約に至っていない、このように承知しております。
○坂上委員 結局、担保が足りないので融資できないと言うのでしょう。 これは、法人設立認可の際、それから建築許可の際、資金計画というものを調査するわけですね。それで、その蓋然性、融資を受けられる確率が高い、資金計画はある程度完璧である、こういう見通しがなければこれは許可にならないのだね。これが許可になってしまった。今金を出してくれと言ったら、だめだ、こうなったわけであります。どっちが悪いんですかね。金を出さぬ方が悪いのか、あるいは全くずさんに、調べもしないで許可を出した方が悪いのか。どっちなんですかね。 いわゆる法人認可、それから建築許可、それから補助金、こういうのはどうですか、厚生省。こんなようなずさんな資金計画でもってこれがやられているというのは、私はきのう調査に行ってわかった。どうですか。
○青柳説明員 新たに法人を設立いたしまして特別養護老人ホームを運営しようとする場合には、都道府県の段階で法人の資金計画などを審査いたしました上で、補助対象とすることが適当と思われたものについて国庫補助協議を行うというような手続を経ることになっております。結果的に今回のような事態に至ったことも踏まえまして、山形県の審査の段階で法人の資金計画に問題はなかったか、改めて調査をさせていただきたいと存じます。
○坂上委員 結局、資金計画の見通しが確実でなければ認可してはならないのでしょう。返事はいいです、うなずいておられたから。建築許可も、これはなされないのでしょう、こういう計画がきちっとしなければ。こうやって今の段階になって出さない。山形の建物なんかはこのままでいけば一月に完成するというのですね。だけれども、もう資金が出てこないからこれからどうなるかというわけで県の方も心配しているのです。 では、県が何でこんなずさんな許可をしたかというと、厚生省の岡光氏らのバックアップがあったものだから、何でもしてくれるんだと思って、これはどうも、賛成をして認可をし、許可をし、補助金を出してきた。こういう感じなんですね。だからこれはとんでもないことなんですよ。しかし、老人はたくさん入居を待っているわけですよ。本当にこれには困っておる。だから、福祉の名をかりて老人を食い物にし、そしてこうやって悪いことをしているわけであります。 検察官にすれば死刑の求刑というわけにいかぬかもしれませんが、これは相当な責任をとってもらわなければならぬと私は思っておりますが、意見として申し上げます。 その次に、オレンジ共済の関係です。 これはいわゆる出資法違反だ、こういうふうなことになっておるようでございますが、どうもいろいろ調べてみると、いわば金を集めて高利で金を返すというやり口のようでございますが、高い利息を返すだけの資金運用をしたのかどうか。こう見てみますると、ほとんどしていないようですね。そうだとしますと、ただ金を集めて、経費を使って、時には政治献金などして、それでやっていたというのがどうもオレンジ共済の実態じゃなかろうか。そうだとするならば、出資法違反だけでなくして、私は、詐欺罪なんじゃなかろうか、こう思っておりますが、捜査当局、これはどうですか。
○園田説明員 お答え申し上げます。 年金会の出資法違反容疑事件についての御質問でございますけれども、この事件につきましては、現在、集めた金銭の使途、それから何かに運用していたかどうか、こういうことについて、そういう具体的な事実関係につきまして鋭意捜査を進めておるところでありますので、断定的なことはまだ言えないわけでございます。 ただ、この事件につきましては、約二千人から五十億円以上の金銭を預かっていたものと現在見ておりまして、これまでの捜査からいきますと、それに相当する五十億円以上の資産を運用し利益を上げていたという状況は現在までのところ把握してないという状況でございます。 現在は出資法違反容疑事件ということで捜査を行っているところでございますけれども、捜査の過程で御指摘の点も含めまして刑罰法令に触れる行為があれば証拠と事実に基づいて厳正に対処していく所存でございます。
○坂上委員 だから、これは出資法違反だけでなくして横領であり詐欺罪なんじゃなかろうか、こう思っております。もうあなた、これだけの高利の金を払うために必死になって運用したことが全くないのだね、これ、いろいろ調べてみても。ぜひ、こんなものはもう出資法違反だけで終わる問題でないのだということを十分御理解をいただきまして、五十数億の金を二千名から集めたのだからこれは大変な犯罪行為じゃなかろうかと思いますから、捜査当局にもひとつ厳重なる捜査をやっていただきたい、こう思っております。 さてそこで、今度は泉井事件でございます。 これもまた大変な事件で、私はこの内容がわからないのでございますが、泉井問題は所得税法違反ということで起訴になっておるわけでございます。しかし、集めた金は何に使われたのかというと政治資金なんだね、これ。あらゆるところに、政治家の有力な皆様方に政治献金がなされておるわけでございます。この間は厚生大臣が本会議場で大変怒った答弁をなさっておりましたが、こういう諸君からいただくことに私は問題があると思うのですよ。届け出をしたことだけでこれがきれいになる金ではない。おかしな金なんだから。 どうもこういうようなことから見ると、検察当局は、この問題についての捜査はもう所得税法違反で終わりなんですか。今後もっとずっと捜査をやるのですか。どうですか。
○原田政府委員 お尋ねの事件につきましては、東京地方検察庁におきまして御指摘のとおり平成八年十一月二十七日、所得税法違反で起訴したところであると承知しておりますが、御質問は検察当局の捜査の内容に関する事柄でございますので、法務当局としてお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○坂上委員 刑事局長、これでもう捜査は終わったのですか、こう聞いているわけです。所得税法違反で起訴したわけでしょう。もうこれで終わったのですか、こう聞いているわけです。もう捜査は終わったなら答えればいいのです。まだこれから捜査は続くのです、いろいろな刑罰法規を調べています、こういうことになるのか。それはどうなんですか。そういう質問です。
○原田政府委員 検察当局が特定の事件につきまして現在捜査中であるとかないとかということにつきましても、そのこと自体法務当局でお答え申し上げるのは差し控えたいと存ずるのでございますが、一般論として申し上げますと、検察当局におきましては刑事事件として取り上げるべきものがございますれば法と証拠に基づきまして適正に対処するものと存じます。
○坂上委員 もう時間でございますので終わりますが、きょうは裁判官と検察官の俸給、給料の法案の審査でございます。これにかかわりまして私は質問をしたわけでございますが、確かに今回の捜査当局の動きは国民も非常に喜んでいるというか支持をしておりますのでありますから、ひとつ勇気を持って果敢に、国民の信頼にこたえるような捜査と処断を要求したいと思っておるわけでございます。 でありますから、私は、この法案は幾らでも賛成をいたします。そのかわり、この法案に賛成をする以上は、これにこたえるだけの捜査というものをきちっとやっていただいて、国民がひとつ捜査当局を信頼するように、それから、裁判所も極めて厳正、公正な御判決を賜るようにきちんとしていただきたいな、こう思っているわけでございます。 どうぞひとつ、今私が御指摘を申し上げました数々の問題点、重要でございますので、慎重な御検討の上で対処されますことを期待いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○八代委員長 次に、正森成二君。
○正森委員 日本共産党の正森でございます。 私は、まず最初に、裁判官、検察官の給与法について一言だけ問題点を指摘したいと思います。 私どもは、今回の改正は人事院勧告に基づく最低の給与改正で、当然のことながら賛成したいと思います。しかし、一言申し上げたいのは、この中で寒冷地手当に関する法律というのが一般職の方にございまして、これによりまして第二条等の規定を削除する、その結果、寒冷地手当の約二割弱の削減になる、こう言われております。これは、労働条件の明らかな切り下げ、改悪でありますので、私どもは一般職給与等改正案に対しては修正案を提出して御審議を願うということになっております。 その上に、これが行われますと、関係地方自治体への地方交付税が当然のことながら減額されます。これを理由に、地方公務員を初め多数の準拠職員の実質上の賃金が引き下げられる危険性や、あるいはその関連の地域経済への影響も危惧されております。 そこで、私たちは、こういう不安やあるいは公務員諸君の生活を守っていくということが非常に大事で、行財政改革といいましても、こういう点について公務員の生活に対して不安や危惧を与えるということはあってはならないことであるということを指摘いたしますとともに、この寒冷地手当については、準拠されるというだけで、本法案の中には入っておりませんので、したがって賛否には関係がございませんが、国務大臣としての法務大臣に、今後とも、ことし二割削ったから来年またもう二割だというようなことのないように決意のほどを一言承っておきたいと思います。
○松浦国務大臣 寒冷地手当の問題は、これは実際に必要とする経費をもとにして計算をしておるようでございますので、今後の人事院の勧告に従うということはやむを得ない方向ではないかと思っております。
○正森委員 余り決意の表明にならないで、今後とも必要の度合いが減ればまた減らすこともあり得るともとれるし、必要の度合いがふえればふやすこともあり得るともとれるというように私は強いて解釈して、その答弁で次の問題に移らせていただきます。 そこで、それ以外の問題について伺いますが、警察と公安調査庁に伺いたいと思います。 最近、相次いでオウム真理教のけしからぬ違法な犯罪行為を行った者が出頭する、あるいは発見されて逮捕されるということが続いております。例えば、北村浩一容疑者と八木沢善次容疑者が十一月十四日に逮捕されました。それからさらに、最近では、林泰男容疑者と、それと一緒に行動しておりました大洞英子容疑者が逮捕されました。報道によりますと、警察庁で特別手配容疑者十九人のうち逮捕者は十六人で、あと残るところは三名であるというように言われております。 情報によりますと、例えば八木沢容疑者は埼玉県の所沢署に姿をあらわしてみずから逮捕されたのですが、そのときの様子は、ジャンパーの下は青いTシャツに茶色のズボン姿で、汚れて疲れ切った様子だった。事情聴取に、もうくたびれたというようなことを言っておった。あるいは、林容疑者は、今取り調べ中であろうかと思いますが、これは警察庁の長官銃撃事件にも関係したと言われている非常に重要な人ですが、これらを総合しますと、私たちが知っている限りでは、どの容疑者も武器も危険物も持っておらず、ただひたすら逃げ回っておったという状況で、組織的な支援あるいはアジトの提供というようなものもなくて、逆にテレビなどを見ますと、生活にも困ってクリスマス用品をつくる内職をしておった疑いがあるということまで報道されております。 ところが、公安調査庁に伺いたいのですが、これは前大臣もこの席で答弁されたことですが、多数の容疑者がまだ取っ捕まらないで逃げ回っているということは組織的な支援があるということが疑われるということで、それが破防法を適用するための審査の要件の一つであるというかのように言われております。事実、説明書が公安審査委員会に出されたようですが、その中では明白にそのことが述べられていると思います。 私は、日本共産党は、改めて言うまでもなく破防法の存在自体に反対であります。大体に、七百二十六万票の得票を得て、私自身もこうやって出てまいりましたが、その公党の玄関にアジトを設けて、私の出入りも含めて写真を写して視察をしておるというとんでもない役所でありますから、そういう公安調査庁長官がこの席に出てくること自体余り愉快でない気持ちはおわかりいただけると思います。 しかし、まさか法務大臣に聞くわけにもいきませんので長官に出てきてもらったわけでありますが、そういう点からいいますと、あなた方が言っている公安審査委員会に対する解散の要求というのは一つの論拠が崩れてきていると言えるのではないですか。
○杉原政府委員 委員御指摘の、最近特別手配中の信者の一部が逮捕されたということにつきましては、これは御指摘のとおりでございますが、私どもがオウム真理教に将来の危険性がある事情の一つとしてこの特別手配中の信者がなお逮捕に至っていないという事実を掲げておりましたのも、今委員が御指摘になりましたとおり、数ある危険性を示す事情の一つとして申し上げているわけでございまして、つい最近まで七名の特別手配中の信者のうち四名が捕まり、そして捕まらないのは三名にとどまっているということによって、確かに逃走中の捕まった信者そのものによる破壊活動とかあるいは犯罪行為というものの危険性は減少したということは言えるかと思います。 ただ、逃走中の信者が捕まったことによって、すべてそれが危険性の消滅につながるというわけではございませんで、現に今逮捕され取り調べ中の者がどういう供述をしているかということにもかかってくるわけですが、このような長期間こうした特別手配中の信者が逃走を続けられたというのも、やはり単なる個人的な努力以外の教団の組織的な支援があったのではないかという疑いはあるわけでありまして、そういう点については今現に捜査が進められているところでございまして、まだ未解明でございます。 そのほかに申し上げたいのは、最近教団が、破産手続でいろいろ既存の施設は清算されておりますけれども、その一方で全国に百三十カ所以上の新たな施設を確保し、つい最近にはいわきの方で広大なる敷地の中に建っている邸宅を占拠しているというようなこともありまして、全体として危険性があるというふうに考えております。
○正森委員 私たち、時間が十分にあれば公安調査庁長官にもゆっくり話していただきたいと思いますが、非常に時間が短いので簡潔にやっていただきたいと思います。 それで、公安審査委員会の事務局長が来ておりますね。伺いたいのですが、これも情報によりますと、公安調査庁は本年の十月三十日に追加証拠を提出したと言われております。それに証拠説明書というのがついておるようですが、私どもが知っておるところでは、その冒頭に、 「本団体は…破産管財人の破産手続きに応じて、拠点事務所から信徒を退去させるなど恭順な姿勢を示し、組織だった越軌行動は認められないが、こうした姿勢は、すべからく破防法適用を回避するための彌縫(びほう)策であり…」 「将来の危険性は潜在化しつつ、逆に高くなりつつある」 こう書かれております。 そうすると、こういう認定の仕方をされたらどんな人間もたまったものじゃないと思うのですね。最近の行動は、悪いことはしていない、恭順な姿勢だ、しかしそれが適用を回避するためのびほう策で、将来の危険性は潜在化し、逆に高くなりつつあると。そんなことを言われたら、どんな人間だって、悔悟して恭順の意を表せばますます危険だということになるなら、いっそ悪いことをもっとやってやろうかということになるので――こう言えばああ言う、ああ言えば上祐という言葉がありましたが、こう言えば上祐、ああ言えば公安調査庁というようなもので、何といってもこれはやっつけたるということになるのじゃないですか。 だから、そういう意味で、審査委員会は裁判所ではありませんが、多少の独立性を持って判断しますから、余り強く言おうとは思いませんが、公安調査庁のこういう論理の発展というのは非常に問題がある、こういうように思うのですね。 今公安調査庁は、なくなったとは言えないとか言いましたが、法文上は「暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれ」、こういうことになっているので、どんな人間だって、ないということを証明することはできないのです。仮に私でも、一生の間に一度も窃盗をしたことがないということを証明せよ、万引きしたことがないことを証明せよなんと言われたら、それはできないのですね。これは内閣総理大臣だって同じことです。それを有罪とするためには、検察が合理的な疑いを超える程度に証拠を提出して有罪にしなければならないというのは当たり前のことで、それを、破防法についてこういう証拠説明書を出すということはとんでもないことだと思います。 それからまた、もう一つ伺いますが、彼らがいろいろ逃亡しておるのは、「本団体による組織的な防衛・援護がその背後にあることを示唆するものである」と。「示唆」なんという言葉を使っているのですね。こんなのは、およそ罪刑法定主義ではあり得ないことなのですね。こういうことを言っている。 そこで、一つだけ伺っておきたいと思いますが、あなた方は公安調査庁の職員にスパイ行為をさせているでしょう。スパイ行為じゃなしに情報収集活動と言うかもしれませんが。新聞でも報道されておりますし、週刊誌にも報道されておりますだけでなしに、私どもはここに本人の陳述書のコピーをいただいてまいりました。だから本人の名前もわかっておりますが、名誉のために本人の名前は申しません。しかし、公安調査庁職員の名前は申し上げたいと思います。 それは福岡市にある九州公安調査局の岩川邦雄課長補佐でありますが、昨年の五月中旬、別の公安調査庁職員と二人で、三十代のフリーターをしている男性在家信者宅を訪問して、一週間から十日置きに接触し、イニシエーション、宗教儀式に参加して情報を知らせてほしいなどとして、確認されただけで、レストランなどで茶封筒入りの現金を三十六回に分けて手渡しております。総額は百六十万とか八十万とか言われております。しかも、現金のうち、ことし五月の三十万円、八月の五十万円は、オウム真理教の富士山総本部で行われたイニシエーションの費用としてこの課長補佐が渡したものです。しかも、それは自分の一存では決められないから上司に相談すると言っているから、もう明白な、系統的な指示によってやったものであります。 ところが、この男は二遍目にイニシエーションを受けに行ったら、教団の幹部が、余り裕福とも思えないのにこんな大金をどないして都合したかということで、そしてそのスパイ事実がばれたということであります。
○八代委員長 時間になりますから、まとめをひとつやってください。
○正森委員 はい、わかりました。 だから、あなた方は資金の援助があると言っているけれども、その資金自身を提供しているじゃないですか。そういうようなことをやって、そしてそれを逆に何十万円、何百万円も提供したなんというのは、これはとんでもないことだというように思いますが、どう思いますか。
○杉原政府委員 お答えいたします。 委員御指摘の点については、朝日新聞に掲載されておりますので、私ども承知いたしておりますが、一般に申しまして、私どもの調査はあくまでも相手方の同意を前提とする任意の調査でありまして、今お尋ねの場合も相手方の任意の意思に基づいて情報の提供を受けたものでありまして、正当な行為であるというふうに考えております。 なお、こういう任意の協力に対しましては、実費の弁償に加えまして、相応の報酬、対価を提供することもあります。お尋ねの信者に関しても、調査に対する協力の対価及び実費として一定の金額が支払われていることは事実であります。 ただ、その詳細な点については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○八代委員長 もう時間ですから……。
○正森委員 法務委員会の慣例として、一分や二分はそう委員長が言われることはないのですよ、私たちもよく心得ておりますから。今後の運営のために申し上げておきます。
○八代委員長 保坂展人君。
○保坂委員 社会民主党、市民連合の保坂展人です。 今回の裁判官と検察官の法案については一応賛成の立場なのですけれども、賛成をするに当たって、どうしてもここで語っておきたいということがありますので、聞いていただきたいと思います。 私は、恐らく日本全国広しといえども、十六歳から十六年間裁判を原告として過ごした。そういう極めてまれな過去の経験があります。高校進学時の内申書をめぐって、当時の中学校から高校に行った内申書の内容が、これは問題児であるということをめぐって、これは不合格になるということで、俗に言われる内申書裁判という裁判の原告人というふうになりました。そして十六年間、東京地方裁判所でこれが勝訴して、高等裁判所で敗訴して、実に十六年後の三十二歳のときに最高裁の上告棄却ということで裁判そのものは終わったわけであります。 実はきょう申し上げたいのは、その最高裁判所の、つまり判決の公開のことについてなのです。 一九八八年七月十五日、これは私のその当時の裁判が上告をされてから六年目に当たる、非常に長い間最高裁にかかっていたわけですけれども、午前十時三十分、最高裁の第二小法廷でその判決があったわけですね。私はこの裁判に非常にかかわりを持った。あるいは母親の立場で非常に支援をしてくれた者三十数名とその法廷の方に向かったわけでございます。 どうしてその判決の日時がわかったのかといいますと、推定をしたわけですけれども、私はマスコミ・ジャーナリズムで取材活動、執筆活動をしておりまして、複数の社から、あすどこにいるのか、あした重要な事件でコメントが欲しいというような所在確認が相次いたものですから、恐らく判決があるのではないかということで、推定をして行ったわけなのです。 実は、最高裁の口頭弁論が開かれない小法廷の判決というのは、本人に通告されないのですね。これは十六年間という長い年月をかけて裁判を争ってきた者としては、まことに不合理だ。どうにかしてこの判決を聞きたい。最高裁のその当時の窓口の話ですと、裁判は公開しているんだ、朝、札を法廷の前に出すのだからそれを見て来ればよい。こういうお返事だったので、私の弁護人が最高裁のはす向かいに事務所を構えていましたので、小法廷が開かれる日に、毎朝見にいってもらうということまでやりました。これを二年間続けました。そういうことで、何とか判決のその場にいたいということで、もちろん口頭弁論が開かれなかったわけですから、上告棄却、費用は上告人の負担とするという非常に短い、十秒と満たない判決を聞くために最高裁の第二小法廷に入ったわけです。 最初のお尋ねなんですが、ここ十年で最高裁の口頭弁論が開かれなかった判決言い渡しの場に、上告人なり、被上告人なりが在廷をしていたというケースがどのぐらいあったのかということを、まずお尋ねをしたいと思います。
○石垣最高裁判所長官代理者 現行法のもとにおきまして、最高裁の民事上告事件では、口頭弁論が開かれなかった事件については、当事者に対する判決言い渡し期日の通知を行っていないということは、委員からただいま御指摘があったとおりでございます。 今御質問の点でございますが、こういう事件について当事者が出頭して言い渡しを受けた事例がどれほどあるかということでございますが、調べてみましても、その件数は実は不明でございます、大変恐縮でございますが。(保坂委員「不明ですか」と呼ぶ)はい。
○保坂委員 そこで、内申書というのも本人に明かされないもので、これも私の裁判は負けたのですが、御存じのように各自治体ではもう内申書に対しては公開だということで、大阪府などもそれを決めています。 さて、「日本の司法と行政」という有斐閣から出た。田中二郎という方が書かれた本が出ているのですが、その中で、判決の言い渡しをする前に当事者に対して最高裁で呼び出しをする法廷と呼び出しをしない法廷があった。そして、やがてそれは呼び出しをしない方向に統一されていったというような記載が、これは座談会の形式の中であるのですが、かつては最高裁の口頭弁論が開かれないケースでも呼び出し通知をしていたケースがあったのではないか。もしあったのだとしたら、いっ、どのような形でそれをやめ、その理由はどこにあったのかということについてお尋ねをしたいと思います。
○石垣最高裁判所長官代理者 当然のことながら、最高裁におきましても、口頭弁論を開いた事件については従前から告知をするという取り扱いがされているわけですが、口頭弁論を開かずに判決を言い渡す事件の言い渡し期日を当事者や代理人に告知していないという取り扱いは、どうも大審院以来の取り扱いであるというふうに私ども承知をしております。
○保坂委員 実は、裁判の社会的な効果、波及的な効果といいますか、地方裁判所、高等裁判所は判決が出ることがわかっていますから、勝った場合、負けた場合に備えて、勝った場合はこう言おう、負けた場合はこう言おうということで、原告並びに弁護人、そして支援者のいわば準備ができるわけなんですね。 にもかかわらず、最高裁ではかなり大規模なこの訴訟についても、大勢の人がかかわったのですが、これは本当に突然抜き打ちにやってくるということになるわけで、例えば旅行中かもしれない、あるいは出張中でいないかもしれないというときに、突然マイクを向けられて、どうですかと言われても、全く用意ができないということです。これは、まさに当事者として最高裁が最後のいい判断をしてくれるのではないかという一縷の望みで裁判をしていく者としては、まことに不公平で不合理な仕組みではないかというふうに思うのです。これについてマスコミ、司法記者クラブには、実は判決がこの日に出るということは告知をされていると思うのですね。 といいますのは、私が八八年の七月十五日の朝九時五分に最高裁に電話をしたところ、判決の一時間前でないと告知ができませんということで、教えてもらえなかったのですね。九時半になった段階で、本日ありますという確答を得ました。しかしながら、私の自宅前には、十時少し前にはマスコミ各社の車が全部囲んでおったわけですね。要するに、判決出てどうですかと。ということは、マスコミ・ジャーナリズムに対しては、裁判の判決が出るという告知、準備がすべて行われていて、肝心の当事者に対しては何もない。このことについて、いかがお考えになりますか。
○石垣最高裁判所長官代理者 口頭弁論が開かれなかった事件につきましても、先ほど来御指摘ありますように、少なくとも判決言い渡し当日の朝になりますと、言い渡しの有無等について外部からの照会には応じているようでございます。そして、法廷の前に言い渡し事件の一覧表を張り出したりしているということで、毎日取材に来ているマスコミが、判決言い渡しについて一般人より早目に知るということは、あり得ることではないかと思いますが、特に判決の内容についてマスコミに伝えているということはないというふうに、私が承知しているのはこの程度でございます。
○保坂委員 内容ではなくて、判決があるということについて知らなければ、司法記者クラブというのは、御存じのように、どのクラブでもそうですけれども、十年もいる人はいないわけですね。大体は二年とか短い年月でかわっていくというと、突然の判決では記事が書けるわけはないのですね。ですから、判決があること自体は御存じということを確認したいと思うのですが、いかがでしょうか。
○石垣最高裁判所長官代理者 私から申し上げられるといいますのは、先ほどのところしか承知をしておりませんので、大変恐縮でございますが、そういうことでございます。
○保坂委員 それは、非公式に流しているというふうに解釈いたします。 としますと、係争当事者に対して何らの告知もしない、ジャーナリズムに対しては事前の情報がある、そういうふうなことで、憲法八十二条の裁判の公開、この原則が全く守られていないのではないか。そして、現在情報公開の流れもあります。 実はこれ、エピソードとしてお話ししますと、最高裁に傍聴に行ったわけです、僕は自分の判決のときに。そうしたら、そこの中に入れるかどうかでももめましたね。そして、係官の方が案内をされて、傍聴席に通されました。そして、私は原告です。いや、弁護人も含めて傍聴席で聞いてくださいというふうに言われましたね。それで弁護人が抗議をしまして、上告人ですから上告人席があるでしょうと言って案内をされたところ、つまり、その最高裁の法廷にはだれも来ないものですから、間違えまして私は被上告人の席に着席をして、裁判長がそれに気づいて、判決を読むのをやめて注意をして、係官が耳打ちして、保坂さん、そこは被告の席でございます。そういう一幕すらあったのですね。 ですから、これは、情報公開の流れの中で、本当に国民の知る権利、しかも裁判というのは多大なエネルギーを要する、一国民としてこれを十六年やるということは、大変な作業です。これを本人に知らせるという努力をぜひやってほしい、そのことについて改善の方向にあるのかどうか、最後にお尋ねしたいと思います。
○石垣最高裁判所長官代理者 先ほど来御指摘のありますような取り扱いといいますのは、現在の訴訟手続上通知をすべきであるという要請が規定されていないということが一つでございますが、お話の中にもありましたように、判決言い渡し期日を通知することによって、事実上裁判の内容をうかがわせることがあり得るというようなことが理由のようでございます。 しかしながら、いろいろな要望があることは私ども承知をしておりまして、この六月に成立を見た新民事訴訟法の施行に合わせまして、判決の言い渡し期日の日時が決まったときは、原則として、あらかじめ裁判所書記官が当事者に通知をするものとするという規定を今回の、昨日最高裁判所の裁判官会議で決定をされました新民事訴訟規則におきまして設けることになったというのが現状でございます。
○保坂委員 それでは、昨日ですか、そういうことになったということで、一歩前進ということで喜びたいと思いますけれども、やはり一人の無力な個人が裁判を通して訴えたいということについて、その知る権利について十分これからさらに努力を続けていただきたいと思います。 終わります。
○八代委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○八代委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○八代委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○八代委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八代委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○八代委員長 次に、内閣提出、人権擁護施策推進法案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。松浦法務大臣。 人権擁護施策推進法案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○松浦国務大臣 人権擁護施策推進法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 我が国におきましては、日本国憲法のもと、すべての国民は基本的人権の享有を妨げられず、個人として尊重され、法のもとに平等とされております。政府は、これまで人権に関する諸制度の整備及び施策の推進を図るとともに、国際社会の一員として人権に関する諸条約に加入するなど、各般の施策を講じてまいりました。 しかし、今日におきましても、同和問題等社会的身分や門地による不当な差別、人種、信条、性別による不当な差別その他の人権侵害がなお存在しており、また、我が国社会の国際化、高齢化、情報化の進展等に伴い、人権に関するさまざまな課題も見られるようになってきております。特に、同和問題につきましては、本年五月に、地域改善対策協議会から同和問題の早期解決に向けた今後の方策の基本的なあり方について意見具申がなされ、その中で、差別意識の解消に向けた教育及び啓発の推進、人権侵害による被害の救済等の対応の充実強化等が求められております。 政府といたしましては、これらの状況を踏まえ、人権の擁護に関する施策の基本ともいうべき人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策並びに人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策を今後とも推進していくとともに、これらの施策について改めて十分な検討を行うことが必要であり、これが同和問題の早期解決のためにも不可欠と考え、この法律案を提出することといたした次第でございます。 法律案の概要につきましては、国の責務として、日本国憲法の理念にのっとり、人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策並びに人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策を推進する責務を有することとし、審議会については、人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項並びに人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項について、調査審議するとともに、これらについて意見を述べることを任務としております。また、この法律は、政令で定める日から起算して五年を経過した日にその効力を失うこととしております。 政府といたしましては、審議会の答申または意見具申がなされた際には、これを最大限尊重し、人権の擁護に関する各種の施策を講じてまいりたいと考えております。 なお、審議会に対しましては、人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策につきましては、人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策との関連を考慮しつつも、二年程度を目途として早期に方向性を出していただくようにお願いをしてまいりたいと考えております。 以上がこの法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げる次第でございます。
○八代委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時七分散会 ――――◇―――――