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139回国会衆議院1996/12/12

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

発言数
177
登壇者
23
会派数
5
開催日
1996/12/12

会議録

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  去る十月二十日、小選挙区比例代表並立制による初めての総選挙が行われました。  本日は、午前中、この総選挙の経験を踏まえまして、衆議院議員の選挙制度について、各党委員の意見表明及び委員間の自由な討議を行います。  まず、各党の委員から十分以内で、衆議院議員の選挙制度について順次意見を述べていただき、その後、小選挙区比例代表並立制の評価について、重複立候補について、選挙運動のあり方について、以上の三項目について順次討議を行います。  それでは、まず、自由民主党の柳本卓治君から御意見をお述べ願いたいと存じます。

柳本卓治自由民主党

○柳本委員 私は、自由民主党を代表しまして、さきの第四十一回衆議院議員総選挙において導入された新選挙制度に対し、意見の表明を行います。  なお、この意見表明は、現在自由民主党内において新選挙制度に関する評価が最終的に出されていないことを前提に行うものであることを、委員各位にはあらかじめ御了解賜りますようにお願いを申し上げます。  さて、本日の議題であります衆議院議員選挙制度、小選挙区比例代表並立制については、私は改めて新制度導入の論理、経緯を振り返りながら、その中で今回の実施の結果明らかになった問題点を論じたいと思います。その方が戦後の議会政治史上新しい一ページを切り開いたと言われる今回の改革の意味づけを、より確かなものにすることができるのではないかと考えるものであります。  昭和から平成への移行期において、我が国政治は未曾有の混乱の中にありました。政治資金の問題、公約に掲げた政策の実施への不信の問題など、国民は、我が国政治のあり方に対して、積年の不満、不信を怒りとしてあらわしたのです。  我々自由民主党は、この事態を我が国議会制民主主義の危機ととらえ、党を挙げて改革の方途を探りました。そして、平成元年、我が党として政治改革大綱を広く国民に宣言し、その中で、政治倫理の確立、政治資金及び選挙制度の改革、国会の活性化、党改革、地方分権の確立を明示いたしました。以来、幾多の紆余曲折を経て、平成六年、選挙制度及び政治資金制度改革を中心とする一連の政治改革関連法案は成立したのであります。  我々自民党が議会制民主主義の再生のために目指した基本的な理念は、システムとして政党が政治から期待される役割を担えるような真の政党政治の確立てありました。  政治の役割とは、国としての意志の決定です。主権者である国民の政治的意思を一つに集約することであります。その中で、政党が責任を持って国民の意思形成に大きな役割を果たしていかなければなりません。  まさに議会政治は政党政治でありましてや、我が国では議院内閣制のもと、衆議院は内閣総理大臣指名の優越権を持ち、解散もあることから、その選挙は政党選択と同時に政権選択の意義を持つものであります。国民はどの政党に自分たちの生活をゆだねるのか、それを決めるのが選挙なのでありまた政策のない政権などありません。したがって、衆議院総選挙は政策本位で争われるのが本来の筋なのであります。  我々は、国民の政策と政権選択の意思が最も端的にあらわれる選挙制度が小選挙区制であると考えました。最終的には、これに少数勢力も議席を確保し得る比例代表制を加味したのでありますが、選挙制度改革において並立制が選択されるに至ったのは、それが小選挙区制の特性をより明確に発揮し得るものとして共通の理解があったからであり、今日の時代要請にも最もかなうものであると認識されたからであると考えるものであります。  すなわち、第一に、並立制の導入は、選挙の段階において多数代表制の原理を明確な形で組み込むこと、第二に、その結果として、選挙における国民の選択がより直接的かつ明確な形で政権選択に示される仕組みをつくること、第三に、選出された政権党には、政策実現の機会をより多く与えられる環境を整えること、第四に、政権党に失敗があったり実行力がなかった場合には、その批判が増幅され、政権交代が容易に実現できること、以上を基本的な方向として、国民の選択と政権の選択との関係を再構築し、政治の復権を図ることが目的とされたのであります。  これは、中選挙区制に内在する準比例代表制的な原理をこれからもそのまま引きずるのならば、我が国政治が直面する諸問題に対し有効な解決策は見出せないと判断をされたからにほかなりません。さらに、選挙制度改革を端緒に、政治システム全般の改革に立ち向かうことが想定されていたのであります。  また同時に、政党中心、政策本位の選挙、政治を実現するためには、多くの環境整備が必要とされます。例えば、新選挙制度導入に伴う政党組織のあり方、政策決定システムのあり方、党議拘束など与党審査のあり方、政党の政策立案形成のあり方など、多くの課題について、政党及び政治家は、方向性を見出し、解決する責任を負っているのであります。  以上、新選挙制度導入の意義等について申し上げました。  次に、今回の総選挙結果から見て、私なりに新選挙制度を評価してみたいと存じます。  大別して次の二つの論点から批判や疑問が出されています。  一つは、今回の制度改革の目的の一つであった政党中心という考え方やその内容に対するものであり、もう一つは、政策本位というもう一つの目的の実効性をめぐって出されているものであり、これには、金のかかる選挙、どぶ板選挙や地元への利益誘導政治がこれまで以上に横行し、政策本位という目的が達成されないという疑問も含まれています。  私は、まずは、先ほど述べた新制度導入の意義を前提として評価するならば、新制度の趣旨はおおむね生かされたのではないかと考えています。  確かに、初めて経験する政党が前面に出た選挙戦ということから、政党、候補者、運動員はもとより、有権者にも戸惑いやふなれな面があったことは事実だろうし、政策よりも自己PRに終始しからであった点もあろうかとは思いますが、私の体験から申せば、総じて政党中心、政策本位の選挙戦になっていたと考えるものであります。無論、それで完全であったのではなく、我々は、今回の選挙を謙虚に反省し、改善すべき点は勇気を持って改善し、今後の活動に生かしていかなければなりません。  次に、法技術上の問題について触れます。  すなわち、今回の総選挙における当選決定のあり方、重複立候補制や惜敗率にまつわる問題です。これが、今回の新選挙制度の結果を踏まえて、最も多くの批判や疑問が出されました。  私は、この点については、比例代表選挙の役割というものをどう見るのか、その見方に関係するのではないかと考えます。  国民の意思が端的に示される小選挙区制の中にあって、比例代表の役割とは小選挙区では議席に結びつかなかった比較少数の意見を吸収すること、すなわち小選挙区における選挙結果を補完することにあります。だからこそ、小選挙区と比例名簿で同時に候補者となれる重複立候補制度を採用し、小選挙区で善戦しながらも惜しくも当選できなかった候補者が、比例では惜敗の度合いによって当選できる仕組みとしたのであると認識しています。  ちなみに、私自身も今回は比例区で復活当選した一人ですが、我が近畿比例ブロックでは自由民主党候補者の全員が同一順位で立候補して、惜敗率もほぼ同率の高位で当選できたことは大変喜ばしく、この面では比例制度が適正かつ公平に運用されたものと考えます。  しかし、全国的には、重複立候補制度で復活した当選者は八十四人で、比例代表当選者の四二%を占めております。そのうち小選挙区三位以下が二十八人、供託金没収が二人おられるということは、多くの国民感情から申して、今後に問題を残したと言えます。  私は、この重複立候補制の改廃についてまだ結論を出しておりません。仮に廃止された場合、基本的に現行参議院の選挙制度とほぼ同じ仕組みになるという制度上の問題点や政党自身の候補者選定のあり方にも深く関係する問題等をはらんでいるように考えるからであり、もう少し総合的な論議が必要だと思うからであります。  以上、新選挙制度の意義を中心に意見の表明を行ってまいりました。今回の新制度実施で、私の最も憂うべき点は二つあります。  第一点は、鳴り物入りの新選挙制度であったのに、投票率が逆に低下したことです。この点は、複数日の投票日を設定するとか、不在者投票がもっと手軽に行えるとか、制度の抜本的改正も必要であると考えます。  第二点は、新選挙制度の実施に当たっても、相変わらず一票の格差が解消されていないということです。我が国が二十一世紀の先進国として政治改革がさらに強く求められているときに、依然として農村型政治をあらわす投票格差を残存したままでは、全国民的士気をくじくものがあり、早期の是正が強く求められています。  選挙制度には長所も欠点もあります。新制度を導入した政治改革の理念がより生かされる方向で各党の論議ができるよう最後に申し上げ、私の意見表明を終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、新進党の遠藤和良君にお願いいたします。

遠藤和良新進党

○遠藤(和)委員 新進党の遠藤和良でございます。  新進党といたしましては、まだ党としての意見はまとめておりませんものですから、本日は、私個人の意見を申し上げたいと思います。  新しい選挙制度でございますけれども、その立法の趣旨というのは、私自身は、やはり日本の政治に政権交代をもたらす緊張感のある政治を生み出そうという趣旨があったのだと思います。その趣旨が実際にこの選挙制度で生かされたのかどうかということから検証する必要があるのではないかと思うのです。  まず最初に、小選挙区の三百の議席というのは、この小選挙区では政権を選ぶというところに力点があったと思います。したがって民意を集約する、そういう制度であったわけです。それから比例区の二百というのは、その小選挙区の意図とは全く違いまして、民意を鏡のごとく反映するというところに趣旨がありまして、多様な意見をこの比例代表で吸収する、こういう趣旨があったと思います。  そして、この三百と二百というバランスの問題ですけれども、小選挙区の方にバイアスがかかった並立制になっているわけですが、それがどのような結果をもたらしたかといいますと、選挙の結果を見ると、ある政党が十分に国民の信頼を集めることがあれば単独過半数はいただけるけれども、十分な信頼がない場合はそうならないという国民の意思がこの選挙制度で反映されたのではないかと私は思います。ですから、この三百、二百の議席配分の妙というものが民意をかなり正確に反映したものに結果的にはなっているのではないだろうか。したがって、今後もこの三百、二百のバランスというものは維持すべきではないのかというふうに考えております。  それから、具体的な問題でございますが、重複立候補の問題です。比例区で復活当選された方が八十四人おります。これは党派別に内訳をすると、自由民主党が三十二人、新進党が二人、民主党が二十五人、日本共産党が十六人、社民党が九人でございますが、この復活当選者の数が比例区二百の中で八十四人であるということをどう考えるかという問題があると思います。  それから、その八十四人の中で小選挙区で法定得票数に達しない方が八人いらっしゃる、あるいは小選挙区で供託金を没収された方が二人いる、あるいは復活当選した人が二人いる選挙区、いわゆるその小選挙区の当選者も加えると、その小選挙区の区域では三人当選したということになるわけですが、その選挙区が七つあるということです。  それから、これは何といったらいいのでしょうか、飛び越し当選といったらいいのでしょうか、いわゆる小選挙区で四位の方が二位と三位を飛ばして当選する、二位、三位の人は落選する、こういうふうな飛び越し当選のあった選挙区ですね、これが二十二選挙区あります。  こうしたものから、やはりその地域で投票した国民の中からは、理解しがたい、よくわからないという声が出てきているのではないかと思います。  それから、重複立候補のこの制度については、選挙の後もいろいろな調査があるのですけれども、国民の七割ぐらいがやはり理解できないという反応を示しているわけでございますから、並立制という選挙制度そのものをこの重複立候補という制度があるためにわかりにくくしているのではないかというものを私は感じます。  それで、どうすればいいかという問題なのですが、小選挙区と比例区というのは全く違う性格の選挙制度だと思うのです。最初に申し上げたとおり、小選挙区は民意を集約するということに力点がありますし、比例区は民意を鏡のごとく反映するという力点があるわけですから、全く違う選挙制度を並立させたわけでございますから、一人の候補者が両方に乗り入れするというのは本来の趣旨と合わないのではないかと私は思います。  並立制と併用制というのは根本的な原理が違うわけでございます。併用制というのは比例の数で分けるわけですから、併用制を採用している選挙制度の国にあっては、全候補者が比例候補の立場も持っているわけでございますから重複立候補があってもいいと思うのですけれども、この並立制というのは全く別の選挙制度を並立しているだけでございますから、同一人物が重複立候補するというのは、本来の趣旨、制度になじまないものではないのかな、私はこう思います。  したがって、この法案を成立させるための一種の経過措置として導入された意味合いはなかったのかなと思いますものですから、これはもう次回の選挙になりますか、やはりこの重複立候補の制度そのものは廃止を含めて再検討するべきではないのか、私はこう思っております。  それから、もう一つの問題でございますが、比例で当選した方が離党したときの扱いの問題でございます。  これは、過去にもいろんな議論があったことを承知しているわけでございますが、やはり比例代表の所属議員が党籍を失った場合は、当然に議員の資格を失って、名簿の次の候補者の方が繰り上げ当選するという国民の素朴な意見、それがきちっと反映されるようにするべきではないのかと思います。憲法上の問題とか、いろいろあると思います。これはよくわかるのですが、やはり国民の素朴な感情というものが反映された制度にする方が、選挙制度そのものに対する国民の信頼が生まれるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。  それから、選挙運動のあり方ですけれども、今度の新しい選挙制度で政党中心あるいは政策主体の選挙制度にするという気持ちでいたわけでございますが、実際の選挙戦では、争点をはっきりするより、むしろ争点を隠すような作用が働いたのではないかと思うのです。  その一つの大きな特徴は、候補者がその政党の政策と違ったことを発言するということから、そういう政策中心の、要するに政権を選ぶ選挙にならなかったんじゃないかと思うのです。この辺は選挙運動のあり方でございまして、今後も議論していかなければいけないのではないかと思います。  あるいは、お金のかからない選挙制度にしたということですが、実際はどうだったのかという問題があります。  それから、政策中心じゃなくて、どぶ板選挙になってしまったのじゃないかとか、あるいは利益誘導型の政治になってしまったのではないかという指摘もあるわけでございまして、新しい選挙制度の本当の趣旨を生かすためには、この利益誘導型の政治をなくする意味でも、例えば国の補助金を廃止して交付金にしてしまって地方分権をより進める、国会議員が利益誘導する意味を持たなくなっていくような、要するにいわゆる地方分権をきちっと進めるということがこの選挙制度とともに大切な問題ではないかと思います。  それから、ネガティブキャンペーンの問題ですけれども、これはやはり政策論争ではないんじゃないかと思います。正々堂々たる政策論争をするように心がけていかないと、新しい選挙制度に対する国民の理解が深まらないのではないかと思います。  最後に、私どもがやはりこれは国会全体で反省しなければいけないことではないかと思うのですが、六〇%を切った低投票率の問題です。これは、制度をどうするこうするという問題より、もっと大切な問題は、国民の皆さんが投票したくなるような状況をつくる責任が政治家の方にある。日本の政治をもっと活性化する、そしてぜひ投票に行きたい、こういうふうにする必要があるのではないかと思います。  以上でございます。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、民主党の山花貞夫君にお願いいたします。

山花貞夫民主党

○山花委員 民主党は結成後間もない政党であり、衆議院議員の選挙制度及び政治改革関連の個々の課題については、議論をスタートさせたところでございます。現時点では、そうした議論のさなかでの意見の開陳であるということについて御了解いただきたいと思います。  まず、基本的なスタンスについて触れたいと思います。  民主党では、結党に当たって基本理念と基本政策を明らかにし、ここで衆議院議員選挙の選挙制度音含むあるべき政治改革の方向性と諸課題を整理し、これを踏まえて総選挙政策において以下の主張を明らかにしてまいりました。  「参政権の拡充と議員定数の削減」、これがテーマでございます。「政治参画の機会を拡大するため各級選挙権を十八歳からに引き下げます。また、在日定住外国人の地方選挙権と在外邦人の国政選挙への投票権の保障を実現します。首相公選制や国民投票制度の導入について積極的に検討します。国会議員の定数を見直し、その削減と議員スタッフの充実をすすめます。」  以上でございまして、すべてが当委員会の所管というものではありませんけれども、ともに政治改革に強い問題意識を持っておられる当委員会の皆さんとは、いずれこれらのテーマについて御議論させていただく機会があるものと信じております。  衆議院の選挙制度について申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、現在、全所属議員に対する細かいアンケートをつくりまして、これを配付して党内の意見を集約中であります。本日は、私が会長を務めています政治改革調査会のフリーディスカッションなどを踏まえた上での、個人の発言とさせていただくことを御了解いただきたいと思います。  小選挙区は民意の集約、比例区は民意の反映、この異なる二つの制度を並立て行うことにより、政権選択と民意に基づく政策策定を実現することが制度の本来の趣旨でありました。しかしながら、いわゆる死に票が膨大になって、投票用紙に託された意思の反映という意味では一票の格差が増大したという意見、民意の集約と反映が並立制ではうまく融合しておらず、制度改革の趣旨のためには並立制よりも併用制の方が適切ではないかという意見など、制度の基本にかかわる部分に対する意見も多く出ております。  こうした制度の基本問題とも密接に関連しますが、定数、定数配分、重複立候補制、拘束名簿と非拘束名簿、同一順位と惜敗率、供託金制度のあり方などについて、党内でも、また各党、各界からも多様な評価が出ており、新制度の成果と反省点を当委員会でも慎重に検証しつつ、国民に信頼される政治改革実現のために、各党とも党利党略を排して不断に制度改革の努力を重ねていくべきであると考えます。  また、これまでもお話がありましたけれども、供託金を没収された者が結果として議席を得たことについては、国民の理解が得られない、たとえ異なる選挙を並立に行うものであるから法的には問題がないとしても、制度を制定する際の議論においてもこのような事態は想定しておらず、早急に国民の納得を得られる改善が必要である、こういう意見が強くあったことをつけ加えておきたいと思います。  今回の選挙で、連座制の強化によりまして、買収、供応などの悪質な選挙違反が前回に比べ著しく減少していることは大いに評価すべきであると考えます。  次に、選挙運動の手段と量について述べます。  比例名簿届け出政党の自動車、拡声機の台数が少な過ぎる、政見放送の候補者個人分がなくなったことの是非を再考すべきである、ビラ、ポスター、はがきの種類、数量が適切であったか再検証すべきである、証紙を張ったビラは戸別配布を認めるべきではないだろうか、比例区と小選挙区の運動の渡りが適切であったか再検証すべきである、インターネットによる広報活動を禁ずるのは余りに情報化社会から立ちおくれているなどの意見が出されております。政党本位、政策本位、金のかからない選挙という改革の趣旨に基づいて、当委員会でも詳細に検証すべきであると考えます。  また、新制度の事務手続につきまして、実務担当者からは、届け出事務が極めて煩瑣、膨大であり、簡略化すべきとの意見が強く出ております。また、選管と法務局の連携、選管ごとの事務手続の差異など、多くの問題が寄せられています。  これらについては各党とも同じような感想を持っていると思います。また、選管、自治省職員の事務量軽減の観点からも改善が必要と考えます。各党共通の要望として、こうした問題は直ちに取りまれるべきものであると強く申し上げておきたいと思います。  政治資金規正について申し上げます。  厚生省をめぐり連日の報道をにぎわしている不祥事を中心として、次々と政治と金にまつわる事件が明るみにさらされ、国民の怒りが渦を巻いています。改めて政治倫理が問われています。政治改革の原点は腐敗の根絶にありました。政治資金規正法附則に基づく検討、見直し関係も含め、政治資金のあり方についてさらなる改革が必要であると痛感をいたします。  当面する緊急課題としては、補助金の交付団体及びその関連団体の献金は即時に禁止すべきである、このことについて提案をしたいと思います。  なお、政治資金の浄化、透明性拡大策として、懸案の政治資金収支報告書などの複写の問題、コピーの問題については速やかに結論を出すべきであると考えます。  その他、政治改革の諸課題について一言触れます。在外邦人の国政選挙における投票機会の保障については、民主党は早急に実現すべきであると考えます。基本的な考え方に各党ともおおむね異論がなく、省庁間の実務的な調整の遅延に各党ともいら立ちすら覚えている状況にあったと承知しています。与野党で実務的な詰めの協議を行い、政治のリーダーシップを発揮すべきときを迎えていると思いますが、いかがでしょうか。  在日外国人の地方参政権問題についても、当委員会の主要な議論のテーマの一つと考えます。  選挙年齢の引き下げに関し、冒頭述べましたとおり、民主党は、国民の政治参画の機会を拡大するため、各級選挙権を十八歳からに引き下げるべきであると考えます。  インターネットによる選挙運動を違法とする自治省見解は、情報化社会の進展を全く視野に入れない時代錯誤の認識に基づくものであると考えます。コミュニケーション手段は日々進歩、多様化しており、これは人と人とのつながりを基本とする政治活動、選挙運動において最も重要な意味を持つ、こう考えます。公選法の抜本的改正を含め、真剣な議論を提起したいと思います。  多様化する国民生活を踏まえ、政治参加の機会を拡大し、また低迷する投票率を喚起するために、投票日の複数化、時間の延長の問題等を検討すべきであると考えます。  その他、冒頭申し上げましたような首相公選制、国民投票制度についても、我が党内でも議論、検討を進めておりますが、当委員会においてもぜひ御議論いただきたいと思います。  委員会審議の改革について一言触れたいと思います。  以上、党内の見解がまだ未整理な部分もありますので、年内をめどに所属議員の意見を集約して議論を進めたいと考えておりますが、以上申し上げましたような問題は政治のあり方の基本にかかわる問題であり、政党の枠や利害を超えた議論が国民から求められていると思います。本日のような政治家同士の率直な議論の積み重ねこそ民意を映した合意が形成されると思いますし、その議論の過程を国民の皆さんに明らかにすることによって我々政治家の改革にかける姿勢も伝わるものと信じます。  るる述べましたけれども、国会審議のあり方の改革こそ国民が求める国会改革の第一歩であると考えます。当委員会運営を基本的に議員同士のディスカッションとすることを改めて提起し、発言を終わりたいと思います。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、日本共産党の木島日出夫君にお願いいたします。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 小選挙区比例代表並立制という新しい選挙制度について、日本共産党を代表して意見を申し上げます。  第一は、この選挙制度、とりわけ小選挙区制が、民意をゆがめ、国民主権と議会制民主主義に反する最悪の選挙制度であるという事実が選挙の結果によって改めて実証されたということです。  その内容は二つあります。一つが政党の得票率と議席占有率の著しい乖離の問題であり、もう一つが大量の死票の発生の問題です。  前者の問題ですが、小選挙区制についての選挙の結果は、自民党が得票率三八・六%で議席占有率が五六・三%の百六十九議席、新進党が得票率二八・〇%で議席占有率三二・〇%の九十六議席、民主党が得票率一〇・六%で議席占有率五・七%の十七議席、日本共産党が得票率一二・六%で議席占有率〇・七%の二議席、社民党は得票率二・二%で議席占有率一・三%の四議席、さきがけが得票率丁三%で議席占有率〇・七%の二議席でした。小選挙区制が、大政党とりわけ比較第一党に少数の得票で多数の議席を与えるという、民意をゆがめて偽りの多数をつくり上げる制度であることがはっきりと実証されたのです。  これは、総定数二百の比例代表選挙の結果を加えても根本的に是正されなかったことは、自民党の得票率が小選挙区で三八・六%、比例代表で三、二・八%であったにもかかわらず、総合議席占有率が四七・八%になった事実からも明らかです。  石川真澄新潟国際情報大学教授が十月二十二日付朝日新聞紙上で、「自民党は本当に勝ったのか」と題して、「民意が全体として四割以下の支持しか与えていないのに、衆議院ではほとんど半数の政権党になってしまう」という小選挙区比例代表並立制の根本的問題を提起していますが、当然の指摘と考えます。  日本国憲法は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」すると定めており、国会は国民主権の原則に立った国民代表機関です。その国会の議員選挙が国民の意思を正確に反映するものでなければならないことは、憲法の根本的要請です。  民意の公正な反映を著しくゆがめる選挙制度は、国民代表機関としての国会を形骸化させ、政権の正統性にも疑問を生じさせ、憲法の求める原則にも反するものと言わざるを得ません。小選挙区制は速やかに廃止さるべきものと考えます。  次に、大量の死票の発生の問題ですが、今回の小選挙区選挙の結果、投票が議席に結びつかなかったいわゆる死に票は、有効投票五千六百五十二万票に対して半数を超える三千九十万票に及び、死票率は五四・六%となりました。前回九三年七月、中選挙区制のもとでの総選挙では、死票が五〇%を超える選挙区は一つもなく、全体でも死票は有効投票総数の二五%でした。死票が半数を超える選挙制度というのは、それ自体、国民代表機関である国会の構成のされ方として根本的欠陥があるものと言わなければなりません。  第二に、小選挙区制が導入されたときに主張された。政策本位の政党選択になるとか、金がかからなくなるとか、政権交代可能になるという口実が、ことごとく実際の選挙戦を通じて否定されたという問題です。  東京十五区から新進党公認で立候補し、落選した黒柳明氏が、十月三十一日付朝日新聞紙上で語った発言がリアルに選挙戦の実情を示しています。「政策中心の選挙になると言われていました。」こう問われた氏は「全部うそ。陳情は百パーセント地元の問題。区議会、都議会では解決できないようなもので、選ぶ方も地元代表という意識が強い。このままだと都議以下のレベルになってしまう。」と語りまた「政権交代可能な制度とも言われましたが。」との問いには「それもうそ。当選したらすべての権限が集中し、ひとりの代議士にあらゆる団体、グループがくっつく。負けた方は見向きもされない。」中略しますが、「次にひっくり返すのは至難の業だ。」と答えています。  そのほか、自民党加藤幹事長の十月二十三日付産経新聞紙上の発言、「毎週末、地元に帰ってドブ板運動をやる落ち着かない政治生活になる」など、この点は枚挙にいとまがありません。  政党によるテレビコマーシャルや新聞を買い占めての広告が今度の選挙ほどはんらんした選挙はありませんでした。テレビと新聞の両方の政党宣伝費用は三十億円は使われているとも言われています。買収、供応などの悪質な選挙違反を防止するために連座制が強化されたもとで、選挙違反の件数や検挙人数が減ったとはいえ、十一月二十三日現在で買収事犯が六百七十六件、検挙者数千三百六十三人、逮捕者二百四十六人で、これは選挙違反の件数、検挙者数、逮捕者数のいずれも八割以上を占めているという事実も、金がかからなくなるどころか、相変わらずの金権選挙が行われたということを物語っています。  以上のとおり、小選挙区制導入のときに持ち出された口実が、実際の選挙の結果によってことごとく崩れ去った以上、民意をゆがめるという根本的欠陥を持った小選挙区制は、このまま残すべきではなく、今回限りとすべきことは明白であると考えます。  第三に、マスコミなどの批判が最も集中している重複立候補制度についての問題です。小選挙区制で落選した者が比例代表で当選するのはおかしいという有権者の素朴な感情や疑問があることは事実ですが、こうした疑問や考え方は、突き詰めますと、小選挙区制を第一義的にとらえ比例代表は第二義的なものとする考え方に由来するものと思われます。  既に述べたように、小選挙区制には民意をゆがめ議会制民主主義に反するという根本的欠陥があるのであって、この小選挙区の方を第一義的に考えること自体が根本的に誤っているのではないでしょうか。小選挙区制を第一義的に考える立場から、重複立候補制の持っている問題を逆手にとって比例代表部分を削減しようとする動きがありますが、比例代表選挙こそ民意を公正、正確に反映する選挙制度として、逆に拡大すべきものであることを強調しておきたいと思います。  最後に、選挙運動についてですが、今回、法定ビラの頒布制限、無所属候補の政見放送などからの締め出しなど、選挙活動の自由と平等に著しく反する改悪が行われましたが、これらを是正するとともに、世界にも例のない戸別訪問禁止規定や文書図画に対する規制を撤廃して、本当に政策本位、政党本位の選挙活動の自由を拡大することが急務であるということを強調して、日本共産党の意見の表明としたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、社会民主党・市民連合の秋葉忠利君にお願いいたします。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 社会民主党の秋葉でございます。  社民党の中では、党としての選挙の評価、総括というのはまだまとめておりませんけれども、衆議院の方は特に人数が少なくなりましたので、全員でフリーディスカッションをして、その中で挙がってきた何点かを皆さんに御報告したいと思います。  しかしながら、既に自民党から共産党まで四党の皆さんがさまざまな観点から問題提起をしてくださいました。問題の範囲というのは大体既に出尽くしているような気がいたしますので、少々視点を変えて、どういった議論をこれからしていくのかというあたりを頭に置きながら、三、四点、五つぐらいになるかもしれませんが、まとめて、私の意見も交えながら申し上げたいと思います。  まず最初に、この制度が導入されたその趣旨、意図というのは私たち皆共通だったわけですけれども、政治改革という言葉に表現された国民の思い、それから私たちの思いというのは確かにありましたけれども、具体的にその政治改革という名前のもとに行われたこの小選挙区比例代表並立制の導入というものが、あれは熱病に取りつかれていたんだという反省が出てくるぐらい、残念ながら正常な形での議論がしばしばおろそかにされた嫌いがあるのではないか、そういう点が我が党内でも指摘されました。  それで、例えば現在批判をされている重複立候補制度、これは、選挙をやってみて初めて、こんなことがあるんだ、それがわかったというような報道のされ方あるいは問題の取り上げられ方がされていますけれども、実は、この選挙制度の議論をしている間に、少数ではありますけれども、この点についてきちんと指摘をした専門家もいらっしゃいますし、あるいは我々もそういった問題提起をいたしました。残念ながら、それが議論の中では十分に生かされなかった嫌いがあります。そこが非常に大きな問題ではないかという気がいたします。  特に、この小選挙区比例代表並立制という制度ですけれども、この中にも幾つか選択の余地があって、そういったものを入れますと、世界でこれまでにこの選挙制度を採用して実行しだ国というのはたった五カ国であります。それらの国々はブルガリア、グルジア、ロシア、イタリアそして日本ですけれども、ロシアはまだわかりませんけれども、ブルガリア、グルジア、イタリアでは、この制度についての根本的な反省が行われて、いずれもこの制度を廃止するという決定をいたしております。  現在の我が国の議論は、少々の手直しをすることによっていい方向に制度を変えていくことができるのではないか、そういった議論が中心になっているように思われますけれども、いずれのこういった諸外国の例、それからその理由を詳細に検討してみますと、制度そのものの根本的な欠陥があるという認識が圧倒的に大きな比重を占めているということがわかります。導入の際にこういった諸外国、例えばブルガリアの例についての十分な検証が行われずに導入された制度ですけれども、これを評価しさらに改善していく際には、やはり今度は、きちんと事実を踏まえた。諸外国の例も参考にしながらきちんとした議論を行っていくべきではないか、そんなことが私どもの党の中では問題提起として出てまいりました。  一例を申し上げたいと思いますけれども、例えばブルガリアで行われました一九九〇年の選挙においては、我が党と全く同じような批判が出てきております。例えば死に票の問題であるとかあるいは有権者の間の選挙制度に対する混乱の問題、重複立候補の問題、こういったことがやはり問題点として指摘されております。結果としてブルガリアはこの制度をやめるという結論を得ております。イタリアにおいては、これは小選挙区では政党選挙にならなかった。政党間の妥協が非常に大きかった。それから比例では、それでも政党色を出さなくては選挙にならないという、これはこの並立制そのものの持つ構造的矛盾ですから、手直しをしてもよくはならない。その結果として、政党が地域政党化してしまった。これは現在、日本でも地域政党色というのが非常に濃く出てきておりますけれども、そういったところから、最終的にはこの制度をやめるという方向になっております。  こういった点について、改めて今後の私たちの検討の中でも、諸外国における、それから我が国のこれまでの小選挙区制度による選挙の実施例等も参考にした比較検討が、非常に重要であるというふうに私ども考えております。  それから第二点ですけれども、小選挙区制度導入に当たって、その審議の場には大きな問題として浮かび上がってこなかったけれども、選挙を実施するに当たってこれが非常に重要な問題であるというふうに認識された点が何点かございます。その中で、今まで指摘された点がありますけれども、これはアメリカとの比較で特に申し上げておきたいところなんですけれども、金をかければかけただけ効果のある選挙というものが合法化されてしまう。  例えばアメリカの選挙で非常に大きな問題になっているのは、テレビのコマーシャルの使用といった点であります。さまざまなメディアを活用するということ、それで、特にテレビを活用する際には、そのプログラムをつくるためのノウハウとか、それから俳優、あるいはさまざまな技術的な問題がありますから、お金をかければかけるほど効果的なものが使われる。それでいいのかというのがアメリカにおける深刻な反省ですけれども、日本では、今回の選挙ではそれを何の制限もなく合法化してしまいました。  その他にも、例えば選挙期間中の非常に大きなサイズのポスター。これもほぼ制限がなく、お金持ちの、一等地を持っている支持者がある政党にとっては圧倒的に有利だけれども、しかしながら、それ以外の、本当に裏通りにしかポスターを張れないような政党にとっては、あるいは無所属候補にとっては圧倒的に不利である。これも金のあるなしによって選挙の効果に直接影響を与えるようなものですし、あるいはパンフレットの無制限な配布も許されている。これは、ビラはだめですけれども、パンフレットは選挙期間中にも政党が配っていいといったような点。  具体的にはこういったことを申し上げましたけれども、金をかければかけるだけ効果が出る選挙制度というものを実際に今回やってしまったという点がございます。  それから、今までの選挙制度運用の際にも問題であったことだけれども、特に今回は新しい制度ということで選挙の問題に目を向けると、小選挙区比例代表並立制という選挙制度における問題点ではないけれども、選挙全体としてやはり問題にしなくてはいけない点が幾つかあるのではないか。  これは午後の質問の際にも提起したい問題ですけれども、例えば、アメリカのワシントンに国際選挙制度財団という、これは一種のシンクタンクですが、特に、五五年体制といいますか、冷戦構造が終わった後で東欧と旧共産圏の国々が新しい制度に移行するに当たって、選挙制度についてのアドバイスをしようという目的でつくられた一種のシンクタンクなわけですけれども、この財団の判定によると、世界じゅうの国々で日本の選挙制度というのは、これは秘密投票を行っていない国の中に入ってしまう。  例えば秘密投票というのは、投票をする際に、最低限、投票をするブースの中に入ってカーテンを閉められる、立会人といえども、投票者が一体どのような人に投票しているのかがわからない。日本の場合には自書式ですから、手の動きを見るだけでだれに投票しているかということが簡単にわかる、隣のブースを簡単にのぞけるといったような点から、これは秘密投票とはみなされていない選挙制度です。それでいいのかといったような問題が提起されております。それから具体的には、不在者投票の際に候補者の名前が掲示されていないとか、あるいは選挙管理委員会の方で誘導的な指示を与えて投票者を混乱させるとか、実際に選挙施行上のさまざまな問題点が指摘されております。  それともう一点、供託金の問題が先ほどから重複立候補に絡んで出されていますけれども、そもそも供託金制度があるべきなのかどうか、この点についても新たに問題提起をする必要があるのではないか、そんな意見も我が党の中には出てきております。  そして、最後になりますけれども、そもそも政治改革という課題が国会で取り上げられるに至った初心に戻って、金権腐敗政治、現在もさまざまな分野で問題になっていますけれども、その初心に返ると、やはり企業・団体献金の即時禁止というところにどうしても目を向けざるを得ない。企業・団体献金を即座に廃止するというところからもう一度政治改革、これが全く行われていないというのが特に我が党党首の土井さんの考え方ですけれども、きちんと政治改革をやりましょうという意見が非常に強く出されたことを申し上げまして、私たちの党の意見のサンプルの幾つかを御報告させていただきました。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これにて各党の御意見の表明は終了いたしました。     —————————————

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより自由討議に入ります。  なお、討議の際は、議事整理のため、委員長の指名により発言されますよう、また、一人一回の発言は三分以内にまとめていただくようお願いいたします。  それでは、まず、小選挙区比例代表並立制の評価について討議を進めます。  御意見のある方は挙手をお願いいたします。

中田宏新進党

○中田委員 それでは、トップバッターを切らせていただきますけれども、新制度そのものについては、政権交代を起こせるような緊張感のある政治体制をつくる、この議論に関しては、解散前の衆議院において、その構成の中でさんざん議論をしてきたわけでありまして、私、個人的には、この制度というものを今後もきちっといい形での利用をしていくということが前提だというふうに考えるものであります。しかし、重複立候補の問題だったり、あるいは政策や政党の差別化がなかなかしにくかったり、あるいはブロック制といった新たな、こういったもろもろの戸惑いというのが有権者にとってやはり投票卒の低下につながったということは事実でありまして、ここら辺については、この制度というものにより魂を入れる議員活動というものを私たちはしていくべきだろう、こう思うわけであります。  その中で、これは次回の通常国会の中でも委員長に積極的にこの委員会をぜひお開きをいただいて議論をしていかなければいけないと思っているのは、まずやはり重複立候補の問題、世論が著しくこの制度に対して不信を抱いている、そういう部分については是正をしていくべきである、こう思うわけなんです。  例えば供託金の没収をされている方が当選をするというのは、当該の方はこの中にいらっしゃらないでしょうけれども、同僚として非常に言いにくい部分はありますけれども、しかし、供託金の没収というのは、供託金というのはいたずらに選挙に出ることを防止をしている意味があるわけでして、いたずらに出ているというふうにある意味では認定をされているその方が、今度は別の部分で重複で出てくるというのは、これは小選挙区と比例区というもののそれぞれの意味合いを別にした選挙を組み合わせることによるそのメリットというものを考えても、ちょっと問題がある。こういったことに関しては、やはり早く是正をしていくべきではないか。  あるいは、二位とか三位とかいうことじゃなくて、今度は四位、五位の人が飛び越えて当選をしてくる。こういったものに対する一定の制度改正というものは、真剣に、速やかにできることからということで是正をしていくべきじゃないか、こういうふうに思うわけであります。  先ほど来出ている論調であったり、あるいはマスコミ等を通じての論調の中で、金がかからなくなるとかあるいは政策論争になるとかいうのが今回の小選挙区のメリットだったはずだけれども、それが一向にそうならなかった。むしろ弊害だったという意見がありますけれども、私は、こういう意見だけが台頭していくことに非常に懸念を覚えていまして、金がかからなくなるというのは、金をかけなくするということが必要で、政策論争になるというのは、政策論争にするということが必要であって、そもそもそれは制度によって変わるものではない。  そもそも、はっきり言えば、中選挙区であっても、きちっとした政党なりあるいは議員なりの発言、そしてそれが選挙に反映をされているならば、ある意味において変える必要はなかった。しかし、中選挙区という制度の中で安住をしてしまう先生方や、あるいはその制度を悪用する人たちが横行したがために制度というものを変えるに至ったわけですから、この部分に関して、金をかけなくする、政策議論をするという、私たち選ばれた者の真剣な努力というものが次の選挙においてなされるならば、この制度に仏をつくって魂を入れるということになろうかと。  そういう部分は、恐らくこの臨時国会の中ではきょうぐらいしかまとまった議論はできないでしょうから、次回の通常国会ではぜひ時間をたくさん、委員長にもまた御招集をいただいて議論することを、そして新たなる是正をすることを望ませていただきたいというふうに思っているところであります。  以上です。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 積極的にこの委員会を開いていくことが国民の負託にこたえることだと思っております。  冒頭に申しましたように、やはり少し議事を整理したいと思います。重複立候補の問題で今御指摘ありましたけれども、これは次の題にしますので。  共産党の木島先生の方からは、かなりはっきりとこれはもう廃止すべきだ、こういう悪い制度はないという御意見もありましたし、また、秋葉先生の方からは、これの改正の方向の御提言もございました。こういう根本の問題について、まずは議論してみたいと思います。

住博司自由民主党

○住委員 委員長の御差配でこういう自由討議ができたことを本当にありがたく思っています。  今もいろいろなお話がありましたけれども、今回の新しい制度で行われた衆議院選挙、さまざまな議論が起きていることは間違いがないと思います。結果を踏まえて、新しい選挙制度がどういうふうに作用していくのかということを本当に真剣に議論する場所を確保していかなければいけないということが大前提だと思います。きょう、自由討議で、それぞれの各党の皆さん方が、それぞれの個人の考え方も含めて御発言をしていただいたということは非常に重要だったと思います。  そして、今小選挙区比例代表並立制の問題が言われましたけれども、私自身の個人の考え方からいえば、要するに政権選択、それから民意の反映ということで、三百の小選挙区に二百の比例代表というのは非常にバランスがとれていたというふうに思っております。  ただ、比例代表の問題については、その実施方法にはいろいろと御議論があるでしょうから、ここは相当注意をして我々議論しなければいけない、そういうふうに思っているということだけ申し上げておきたいと思います。

松本純自由民主党

○松本(純)委員 中選挙区の際には約百万ぐらいの有権者の方々と伺っておりますが、その中に都市部が包み込まれるような形で存在をしていたように思うわけでありますが、今回の平均四十万前後の有権者の方々ということになってくると、今までと違った都市型の声、都市型の議員を生むことができるということに、今回の制度が非常に大きな意義をそこに持っていたように感じております。基本的には、この評価が定まるまでの間、当分の間でありますが、この制度で何回か続けていく必要性がまたそこにもあるのではないか、このように感じております。以上です。

大村秀章自由民主党

○大村委員 大村でございますが、個人的な意見ということでよろしゅうございます。  小選挙区比例代表並立制の評価ということでございますけれども、長年の御議論の積み重ねてこの制度ができてきたということで、この制度の重み自体、私も大変受けとめておるわけでございますけれども、実際に私自身、選挙区を回ってみまして、やはり戦後五十年間中選挙区でやってきたということもありまして、選挙民といいますか、有権者の方々自身に中選挙区自体に対する郷愁といいますか、なれ親しんできたものを変えたということについての戸惑いというのがやはりどうしてもあったのではないか。  実際問題、選挙戦に入っても、では自分の選挙区が新しい小選挙区で何区になるんだと。愛知の場合、一から十五までありますものですから、私は十三なんですけれども、なかなか十三なんという数字を知っている方は、やはり選挙戦に入っても半分おられなかったかなという感じがいたします。  そしてまた、手元に今正確な数字を持っていないので恐縮でございますけれども、十一月ぐらいに、あるマスコミの世論調査なんかを見ますと、今回の選挙、どうでしたかということに対して、小選挙区でよかったという方が一六、七%、二割いなかった。一方で、中選挙区がよかったというのが三割以上、どちらかといえば中選挙区がよかったという方が三割ぐらい。何か六割ぐらいの方が、どちらかといえば中選挙区がよかった。それは、その世論調査自体がどうかというのがあるわけでありますけれども、どうもそういうことをあわせて考えますと、私自身、この小選挙区の制度自体がすぐ変わるんだとか、なかなか難しい点はあろうかと思いますけれども、もう一度その議論を十分しっかりやっていく必要があるのではないかというような感じがいたします。  それで、重複の話というのは……。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 後で、次の議題にします。

大村秀章自由民主党

○大村委員 それではもう一つ、あわせて、先ほど諸先生方からも御意見といいますか、出ておられたと思いますが、投票率が非常に下がったということでございます。これにつきましては、日曜日の、それも夕方六時で打ち切るというような形のものがやはり限界ではないか。複数にするとか、あとまた平日に持っていくとかいうようなことを真剣に考えていく必要があると思います。  それとまたもう一つ、不在者投票の問題があろうかと思います。私自身、実際、選挙を終わってから自分の支持者のところにあいさつに行ったときに、不在者投票をやられた方がおられた。その方が、不在者投票の投票所に行ったときに、名前も政党名も何も書いていない、二票あってようわからぬかったから、結局二枚とも大村さんで名前を書いてきたというような話を、わざわざ不在者投票に行かれた方がそういうふうなことを言われたものですから、やはりそういった点も、もっときめ細かい配慮とPRというものが必要じゃないかなということを率直に感じましたので、申し上げさせていただきます。以上です。

堀込征雄新進党

○堀込委員 初めての選挙でいろいろ問題点はあっただろうと思います。ただ、この議論をするときに、政治の腐敗の問題だとか、いろいろあったのですが、それ以上に、今橋本総理も五つの改革ということを言い出しているわけでありますが、戦後システムを変えなければいけないということで、それには政治の改革から先に始めようというような決意や議論やいろいろあって、この制度、その中には併用制あり、単純小選挙区制あり、いろいろな議論の中で生まれてきた経過があると思うのです。私は、そういう意味では、今行政改革や財政改革やいろいろな改革が進んでいるのですが、やはり改革の途上の中でさらにこの制度が熟していくだろうというふうに思っています。  今役所でいろいろな問題が起きているわけです、補助金をめぐってとか。ですから、戦後の行政機構が、例えば今予算編成の時期ですが、中央省庁が権限を握って一手にその補助金の配分をする、それを国会議員が声をかけるとかいう仕組みを根本的にあわせて変えていくことによってやはりこの制度が生き、そしてまた日本の政党政治というのがうまくいく仕組みになるのではないかというふうに思います。  ですから、この制度はいろいろな欠陥を持っていると思いますが、とりわけ、さっきどなたが御指摘ございましたように、中央省庁の権限、小選挙区ですから、一度選ばれると、市町村長、経済・農業団体の支持はどうしても現職を中心にというようなことになるわけでありまして、そういう意味では、行政や今の仕組みをあわせて変えていくことによって日本の政党政治、民主政治が生きて、この制度も生きていくということになるのではないか。  だから、そういうセットの問題として、私どもは一生懸命、総理も提案しておられるようないろいろな改革をあわせてやっていくことによって生きていくのではないかという、実は感想を持っています。  以上です。

前原誠司民主党

○前原委員 比例と小選挙区の組み合わせによる選挙でありましたけれども、小選挙区というのは、今まで話があったように、民意を集約する、より政権交代を生みやすくするというところに重点が置かれていると思いますし、また比例というのは、小選挙区だけでは死票が多くなるのでその部分を救済をする、より広い民意というものも一部で吸収していくという折衷案が、この小選挙区比例代表並立制であったと私は思っております。  私が注目しておりましたのは、十一ブロックに比例を分けて、それが果たして得票率と議席数にうまくマッチをしているのかどうか。細かく分け過ぎたために、比例の役割がうまくできていないのではないかという懸念を私は選挙前に持っておりましたけれども、自治省からいただいた資料を見ますと、自民党で比例の議席数が三五・〇%で得票数は三二・七六%、新進党が議席数が三〇・〇%で得票率が二八・〇四%、民主党が議席数が一七・五%で一六・一〇%、日本共産党が一二・〇%、これは議席数で、得票数が一三・〇八%、社会民主党が議席数五・五%で得票が六・三八%と、ある程度拮抗しているのではないかと私は思っているのです。ですから、十一の分け方についても、まあそれほど比例ということがゆがんだ形になっているとは思えないと思うのです。  それで、私が申し上げたいのは、選挙制度というのは変えたら戸惑いもあるし、いろいろな問題点も出てくるし、しかしそればかりを挙げることによって、一たん決めたことを、しかも大議論の末に決めたことを一回でまた根本的に見直すという議論はいかがだろうかというのが私の意見でありまして、やはり少なくともあと一回、二回はやってみて、もちろん重複立候補、後で議論になると思いますけれども、そういう問題点については議論をするけれども、ある程度やって、国民の皆さんもなれた時点で冷静にこの制度そのものを判断するということが私は必要ではないかと思っておりますし、総じてこの三百、二百の小選挙区比例代表並立制については、私は肯定的に受けとめたいと思っております。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 木島さん、すぐ改めるのはどうかという御意見もあります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 自由討議ということで、ほかの皆さんへの質問ということもいいのでしょうか、ざっくばらんに。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 いいです。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 十一月二十日の朝日新聞以来、この新聞社、各政党代表に「新選挙制度を総括すれば」というのがあるのです。自民党の野中広務幹事長代理がトップバッターだったのですが、冒頭、「新しい選挙制度を、どう評価します。」という問いに対して、「小選挙区での死票はたいへんな数にのぼり、民意を十分に反映したとは思わない。大きな政党に有利に働く制度で、二、三回立て続けに選挙をやれば、巨大な一政党になっちゃう。これが健全な民主主義に役立つかどうかは、危惧するところだ。」こういう御発言をなさっているように新聞は報じているわけです。  自民党と新進党の方からの第一回の発言においては、この問題、民意の反映という点の問題点、死票の増大という問題点についてのコメントがなかったわけですが、住先生の方から、政権選択と民意の反映がバランスがとれていたと考えておるという御発言もあったのですが、この両党の皆さんに、この根本問題、民意の反映の問題、死票の増大の問題、どう考えているのか、もうちょっと突っ込んでお聞きしたいなと思います。これが選挙制度を考えるときの一番大きく論じなければいかぬ根本の問題ではないかと私位置づけているのですが、その位置づけの問題についてもお聞きをしたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 木島委員の御発言に対して、住さん。

住博司自由民主党

○住委員 先ほども柳本理事から冒頭発言がありましたけれども、要するに選挙において鏡のごとく民意を反映するということも一つの理想でありましょう。しかし、同時に選挙によって一つの政権を選択をするということもやらなければならない。そして、その選択をする際に要するにいろいろな方向で考えていくというのが選挙制度だと思います。完全無欠なものはありませんけれども、中選挙区制度も一つの比例代表的な要素がありました。そして同時に、そのときに結果的に一政党の中でいろいろな形で争うというようなことがあって、同士打ちというようなことが、ある意味でいえば選挙制度そのものに対する弊害を生むということもあった。  そういう中で、私どもは、政権選択をより明確にするためには完全小選挙区制がいいということを御提案した時期もございました。政治改革のときにいろいろな議論をしていった結果、しかしそれでは少数意見の抹殺につながりかねないということで、比例代表というものを導入しよう、こういうことで二つの制度の組み合わせということを考えていった。そして、結果として、議席の占有率とそれから得票率の乖離の問題というものについて、共産党の考え方と私どもとはやはりちょっと違っておりまして、私どもは議席の占有率とそれから得票率の乖離というのは割合民意を反映しているというふうに判断をして、この制度についてはバランスがとれているというふうに私は表現をしたということでございます。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 小選挙区制そのものとか比例のあり方について何か御議論のある方。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 議論をもうちょっと鮮明にするために、いわゆる小選挙区比例代表並立制というふうに言われていますけれども、その中にも幾つかの選択肢があるというところから問題提起をしておきたいと思うのです。  日本は小選挙区は多数当選式でやっております。多数というのは単純多数で、一番票の多い人が小選挙区で当選するという制度です。小選挙区にはこのほかに過半数当選式という、フランス型というふうに考えていただければいいのですけれども、過半数をとるということが前提になって当落が決まるという方式があります。例えば小選挙区をそちらの方に変える、あるいはフランス型の小選挙区制度で選挙をやるというのが一つの可能性です。  例えばブルガリアでは小選挙区はそれでやっております。比例の方はブロック制で、これは大体日本と同じだというふうに考えていただいていいのですけれども、どこが違うかといいますと、多数当選式の方が大きな政党にとって有利になる、これは経験則ですけれども、そういうことで。それからフランス式ですと、二回目の投票の際に小さな政党が連合をして、少数勢力を結合して大政党に対抗するということができますので、これは少数政党に配慮をした制度というふうに考えてもいいわけです。  そうすると、日本の場合の選択は、小選挙区では大きな政党に有利な方式を選択をしたということになります。それから比例代表ですけれども、これは全国一律にすると少数政党にもかなり配慮をすることになりますが、例えばこの議論のときに、あれは自民党だったと思いますが、都道府県別に比例代表を導入しろということになると、これまた大きな政党に有利になります。ブロック制というのはその中間ですけれども、全国一律の比例代表というところから比べると、これは大政党に有利な方向を選択したということになります。  ですから、日本の小選挙区比例代表並立制というのは、その二つの場面で大政党に有利な方向を選択した選挙制度であったということが言えるわけですけれども、例えばこれを是正するという立場をとると、小選挙区で過半数当選制をとって、それで比例代表では全国一つのブロックにして、そこで比例を決めるといったような方向にすると、より小政党に対して配慮を行った制度になるということに私はなるのだと思います。  現在の議論では、余りにも重複立候補のところにだけ目が行って、仮に現在の制度で欠陥を是正するとしたらどのような選択があるのかという議論が全く行われておりません。  こういったところを視野に入れて、ぜひ改めて、それではなぜ私が今申し上げたような可能性があるにもかかわらず、そういった可能性は選択すべきではないのかといった議論から始めると、これがそこのところでの諸外国の例になるわけですけれども、そういった議論はやはり有権者にとって、有権者の権利とそれから便宜ということを考えると、もっと簡単でわかりやすい制度の方がいいということで、大体比例代表制度を最終的には選択するという方向に動いているのが実情です。  そういったもう少し細かい点について、論理的な整理を行いながらの議論がやはり必要だというふうに思います。

若松謙維新進党

○若松委員 今、秋葉委員の方からも、調査の上に比例代表制というものに大変賛同している御意見がありました。これも、その国の歴史的な変化の状況でどういう選挙制度が採用されるかという、やはり状況によって異なると思います。  確かに、ある意味で政治土壌も非常に安定して国民も考え方がある程度均一化している、そういったところでの比例代表制というのはまた民意の集約もできてくるのかなと。反対に、今、日本はまさに過渡期で、これから日本のあるべき道はどうすべきかという、いわゆる民意の集約、やはり今政治改革で一番強調されたのはこの点だと思います。  そういうことを考えますと、かつ、その状況というのは我が国においては変わっていないわけだと私は認識しておりまして、そういった面では、いわゆる小選挙区制、これを骨格とした選挙制度の存続というものを私はもっと評価しなければいけないと思っております。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 根本的な問題は以上にしまして、国民的な関心事にもなっております重複立候補制の是非について、ひとつ皆様方の御意見をちょうだいいたしたいと思います。  この重複立候補制につきましては、皆様方からの御意見の中でも、供託金没収ないしは法定得票数にも至らない者が上がってくるのはいかがなものかという御意見もございました。また、別の意見として、重複をやめてしまえという御意見もありましょうが、それなら参議院との関係がどうなんだということにもなりましょう。また、純粋比例がいいのかどうか。重複していれば、入れたくないという人を落とすことができるけれども、純粋比例であれば、有権者は何らそこに自分の判断を加えることができないじゃないかという議論もまたあるわけでございまして、そういうことについて少し皆様方の率直な御意見をちょうだいしてみたいと思います。

飯島忠義自由民主党

○飯島委員 私自身はおかげさまで小選挙区で勝たせていただいた一人の議員でございますけれども、二百人のうち八十四人が重複での当選、こういう現実を踏まえて、あわせて民意の集約というものと、それから、先ほどの表現で言えば鏡のような民意の反映そういう有権者の意識を集約するという、その二律背反的なものを制度として導入したわけでございますから、無理からぬことがあると思うのです。  そういう意味で言いますと、私自身は、この重複立候補、それは政党が決める、例えば党のこういう分野についてはこの議員は欠くことができないという方が仮に小選挙区制で落ちた場合に、その党にとってみると大変大きな逸失になるわけです。ですから、そういう視点から見まして、供託金の没収とかその方が当選するとかということはこれからの論議でございますけれども、少なくともそこの部分については各政党にゆだねられた固有の権利だという理解の中で、私は重複立候補についてはやむを得ない制度だと思っております。

若松謙維新進党

○若松委員 ちょうど私の選挙区での立候補者、先ほど全国で二つの例の供託金没収の復活者ということがあったわけですけれども、地元では、国民の感情として供託金没収で比例区で復活するのはどう考えてもおかしいというこの議論を、やはり私は否定というのでしょうか、説得することはできませんでした。やはりこの国民の大方の感情というのを少なくとも早急に解消すべきではないかと思っております。  そういう意味で、この供託金没収、先ほど中田委員からもお話がありましたけれども、最低このラインをクリアした者だけがその重複制で復活を求める、こういった具体的な議論を進めていくのがこの委員会に与えられた国民の大方の期待ではないかと私は思っております。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 山花先生、重複の方のそういう問題が割合出た会派ではないかと思います。

山花貞夫民主党

○山花委員 重複の問題については、先ほども御指摘ありましたけれども、議論として、飛び越しかあるではないかといった問題については確かになされておったと思います。ただ、私の記憶でも、この供託金没収で当選する場合があったらいかぬかという議論については、実は記憶にございません。ここのところは、やはり若干問題として議論さるべきところではないか、こう思っています。  もともとこの問題は、第八次選挙制度審議会がさまざまな議論をした中で、並立制採用というときに並立制を採用する一つの条件として重複の問題が出てきたのではないかと私は記憶しております。当時から私たちは、比例代表を重視すべきである、そしてできるならばドイツ型併用制をという中で、この重複が当たり前と考えておったこともありまして、それが確かに御指摘のとおり、制度が違ったものを二つ組み合わせるということの中でいいのかということはもっともっと議論すべきところではなかったかと思いますけれども、その点もちょっと議論として不足しておったのではないかと思っています。  選挙が終わってから、私も各マスコミにあらわれた制度についての、政党、政治家だけではなく、学者側の意見等についてもできる限り勉強させていただきましたが、重複立候補については、感情的な整理のほかにもう少し議論をしなければいけない部分が残っているのではないかと私も思っています。  最後に、選挙が終わった途端に、私もマスコミの方から、この供託金没収で当選というのはいかがかという問題等聞かれまして、理論的にはと申しましょうか、比例代表を採用した趣旨からするならば当然議席を確保すべきものだと思っています、その点は疑問の余地ない結論だと思うけれども、やはり選挙というものを常に有権者の側から見て選挙制度はどうなのかということについても考えなければいけないのであって、その意味では、納得できないという声が大方の有権者側からの声ではないかということであるならば、この部分については最低限度、速やかに何らかの措置をとるべきではなかろうか、こういうふうにお答えしたわけですけれども、今でも大体そんな気持ちでこの問題についてこの委員会で皆さんと一緒に議論していきたいと思っているところです。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 その前提としまして、山花先生の方は重複がいいのか、あるいはまた純粋比例の方がいいのか、それはどちらのお考えでございましょう。

山花貞夫民主党

○山花委員 本来は比例代表中心ということを主張しておりましたからそれが大前提ですけれども、この重複の問題について、今度も政党の取り扱いとしてそういう問題が出るのならば、小選挙区へ出さないで比例だけに出しておけばもっと筋が通ったのではなかろうかな、こういう意見も出ております。ここのところは、比例の順番をどうつけるのか、重複に出すか出さないかということは政党のそれぞれの見識と裁量にかかわるところであって、その結果を有権者から批判される、これが制度の仕組みではないかと思っています。そういう部分も含めてということになれば、直ちに比例、重複はこういう例があるから全部だめですということではないのではないか。ただ、問題となる点については議論して必要な措置をとるべきではなかろうか、個人的にはそう思っております。  さっき申し上げたとおり、全議員からアンケートを今とっている最中なので、また改めて党としての立場は報告させていただきたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 個人の立場で結構です。それに対して自民党さんの方、何かございませんか。

住博司自由民主党

○住委員 基本的に、重複立候補の議論というのはさまざまあると思いますけれども、もし比例制を残した上で重複制を廃止したときには参議院と同じになるということが一つあります。それから、一体だれが順位を決めるのかということがあります。比例の重複ということは、基本的に言えば、やはり政党の基本的な考え方というものを問われるということは、今山花委員がおっしゃったとおりでございます。それは、これから制度を定着していく、あるいは変えていくにしても、比例制を残し、そして、拘束名簿であろうと何であろうと、衆議院選挙で比例というもので議員が当選するということが有権者の方々にわかった以上は、これからはそういう観点でも有権者は判断をするということが一つあると思います。  そして、党の中で順位を決めるというのは、より密室性が高まるということも懸念をしておかなければならないということなんです。そしてその際に、順位をつけるためには、党の中によっては、自分たちの順位を上げるために、例えば財産をなげうつという人もいるかもしれないけれども、人様のお金を当てにする人も出てくるかもしれませんね。そういったことを考えたときに、これは政党にとっての存立基盤を問われるということになるということも私は同時に指摘をしておきたい。  それから、小選挙区の場合には、外国のケースでもそうですけれども、現職が極めて有利だと言われております。しかし、現職は有利ですけれども、それは単独、一人。これは、これから私たちも考えなきゃいけないのですけれども、どぶ板だと言われるのは、実を言うと、私たちの政治、行政のシステムにもいろいろな問題があります。しかし、今の政治、行政のシステムが維持される以上は極めて現職が有利であろうというふうに想像されることはかたくないわけです。その際に、同一選挙区からわずかの差で落ちた重複立候補者の現職がもう一人おられるということは、極めて緊張感が高まるし、その選挙区においては政治に対する関心も高まる可能性が高いというふうに考えておかなければならない、そういった点もよく考えた上で議論を進めるべきだと私は思います。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 重複立候補について、最初の発言で山花議員がおっしゃったところがとても大事だと思うのですが、論理的に整理をすると、これは飯島議員も指摘されたところですけれども、小選挙区とそれから比例とは別の選挙であるというふうに解釈をしないと、なかなかつじつまが合わない。  と申しますのは、仮に小選挙区と比例代表を一つの選挙であるというふうに考えると、批判が出ているように、小選挙区の票は少なかったけれども比例の方が大きかったというふうに考えてはいけないのであって、それは両方一緒に考えなくてはいけないことになります。そうすると、大体比例で当選をした人の票の方が小選挙区だけで当選をした方よりも多くなるわけですから、そういったところで批判はできなくなるわけですけれども、しかし、全く別の選挙制度である、それが同時に行われたというのが、論理的には整理しやすい、考えやすい一般的な解釈だと私は思います。  ただ、それはあくまでも論理の世界であって、山花議員が指摘してくださったのは、要するに、感情的にはしかしながら割り切れないところが残るのだという点だと思います。  その感情的な部分を少し整理してみますと、選挙の機能には、先ほどから指摘されているように、民意の集約、民意の反映というところもありますけれども、その一部として、この人は嫌なんだといいますか、拒絶反応といいますか、忌避をする権利というのも同時に選挙の機能の中に含まれている。ですから、この人は落ちたんだということが明確にわかる、それが感情的に選挙の結果として明確になるということも選挙の機能の一つだと思いますけれども、その部分における機能が十分に果たされていない。そういうふうに整理するのがいいのかどうか、あるいはほかの整理の仕方もありますけれども、その感情の部分を勘案した選挙制度の機能ということをきちんととらえて概念化した上で議論をする必要があるのではないかというふうに思います。  選挙において、大体有権者は一票を投ずるときに、この人はまあいいけれども、この人はだめだという大まかな選択を行っているのですけれども、その観点から何人か、私の地元の有権者の皆さんに意見を伺ったのですけれども、そういった観点から考えると、大体、どうしてもこの人でなくてはいけないというよりも、二、三人は当選していてもいいのだけれども、やはりこの人はだめだというのが一人、二人いるというような、複数の選択性で選挙を考えている。それが今までの中選挙区の名残なんだと言ってしまえばそれまでなのかもしれませんけれども、日本の風土から考えると、選挙をするときに、だれかを選ぶという積極的な面と、それから、この人はだめなんだというネガティブな面での意思表示もあわせて考えると、中選挙区制度というのは、日本的な、先ほど若松議員の方から風土の問題も出てきましたけれども、それにかなっている制度なのかなという感を、サンプルは小さいですけれども、選挙後の少しの調査の結果、そんな感じがしております。

中田宏新進党

○中田委員 済みません、先に発言させていただきます。  今の秋葉先生の発言に対しての私の考えなんですけれども、先ほどから出ているように、比例区と小選挙区というのは、私も別の制度だと思うのです。しかし、それをくっつけたメリットというのは何か。  勝手な持論を申し上げるなら、私は、衆議院は単純小選挙区の方がいい、参議院でむしろ衆議院の独走やあり方に対して良識の府として別の議論をしてもらうというような選挙体制、すなわち、選び方がそれぞれの院で違う方が私はいいと思うのです。これは持論として今申し上げさせていただいただけなんですが、しかし、あえてその衆議院の中で違う制度を両立させたということのメリットは何なのかというと、それは、小選挙区において死に票がやはり多くなってしまうから今回比例というものを加味したわけです。  そうなりますと、その死に票というものは、やはり重要視をされるのはその惜敗率でありまして、小選挙区に出たけれども、その中で支持は集めたけれども、ある一定の政策評価、ある一定の人物評価なりというものの中で、残念ながら惜しくもというところが比例で惜敗卒という形で選ばれていくためにメリットとしてつけたわけでありまして、別とはいうものの、そのメリットがあったから一緒にしたわけであります。  ということは、惜敗率にも何にもならない状態の中での法定得票あるいは供託金没収という部分に関しては、これは惜敗率にも何にもなっていないわけでありまして、むしろ、メリットではなく、こちらはデメリットであるというふうに私は思っているもので、先ほど来申し上げているように、こういった部分は速やかに改正をしていくべきだというのが発言をしておきたい趣旨なわけであります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私自身も重複立候補で、小選挙区では第三位ですから、二番目の候補者が落選して、比例に立候補しておりませんから、飛び越しと言われる一人です。  私、この重複立候補の問題について、有権者の皆さんがいろいろな感情をお持ちになっている、これは二つの問題をやはり整理して、分けて考えるべきではないか。一つは重複立候補そのものが持っている問題点、それともう一つは惜敗率等の問題、同一順位、そして惜敗率による当選という、そういう当選のさせ方が持っている問題点、これは二つ分けて考えられる問題じゃないかなというふうに思っています。  重複立候補そのものに対して有権者が持っているいろいろな感情についての基本的な考えは、先ほど私、第一回目の発言でさせていただいたところでありますが、非常におかしいのじゃないかという疑問は、やはり同一順位にして惜敗率で当選を決めるというそのシステム、ここに集中的にあるのじゃないかなというふうに思わざるを得ません。それは土俵が違うところで争っているわけでしょう、違う土俵です。違う選挙区で、それぞれ違う立候補状況で争っている候補者同士を、同じレベルの惜敗率という数字で並べてしまって、上を当選させて下を落とすという、本来比較してはならないところを比較するというところにやはり矛盾が象徴的にあらわれているのじゃないかということは感じます。  日本共産党の場合には、同一順位、惜敗率当選ということはとりませんでした。私どもは、拘束名簿で当選順位をきちっと定めて有権者に提示するというのは、住先生は先ほど密室というような言葉もお使いになりましたけれども、逆に、政党に対する、有権者に対する責任だというふうに思います。その責任を回避したところに、責任を放棄して、本来比較できないものを比較させてしまって有権者に当落を決めさせたところに問題があるのであって、これはやはり、どう考えても、同一順位と惜敗率による当選というのは、私個人的には、理屈として成り立つ制度ではないというふうに感じています。

前原誠司民主党

○前原委員 小選挙区も比例も党の公認候補として立候補しているわけで、私はポイントは一つだと思うのですけれども、各政党がだれを当選させたいのかということに尽きると思うのです。  ですから、新進党さんのように、二人しか重複の当選者がおられない、要は小選挙区でみんな立てて惜しくも負けた人も救済しない、逆に比例については順位を決めて、そちらの方に国会に出てもらいたいというふうに決めるのか。あるいは私は、この制度、批判をされていますけれども、一番わかりやすくこの制度を使われたのは共産党さんだと思うのです。小選挙区三百は全員立てて底上げを図るけれども、だれを当選させたいかということで、比例は拘束名簿にしてだれを国会に送りたいかということを明確に示されている。こういう意味で、私はそこら辺は各政党の考え方いかんだと思うのです。  それで、結果で国民がどう判断するか。つまり、供託金没収あるいは法定得票数に足りない人が当選をしている。しかしその政党は、ひょっとしたらその人を、たとえ小選挙区では負けるような人であっても当選させたかったのかもしれない。その結果、次にその政党は党の態度としてすべてを問われるわけだと私は思うのです。  ですから、そういう形が、いや悪いんだどうのこうのということを制度で決めるのではなくて、やはり政党が、どういう候補者を立てて、重複なり、あるいはしないのか、あるいは拘束にするのかしないのかということも含めて次に問われることであり、ああいう人を当選させたいがために比例の上に持っていくんだったらあの党はだめだというふうな評価を受けるのもその政党自身だと私は思うのです。  国民の中。で戸惑いもあり不満もあるけれども、政党自身が基本的にこのことについては判断することであり、その結果、また次の選挙でその政党がその姿勢というものを問われるのではないかと思っておりますので、私はこの制度そのものについても、やはりもう一、二度、さっきの小選挙区比例代表並立制と同じように見てみないと判断は下せない、こういうふうに思っております。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 もう余り時間がございませんので。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 一点だけ。  今の重複立候補のところについて、議論をちょっと整理するために言いますと、今日本でやっている制度はある意味で拘束名簿なんですけれども、惜敗率を入れたためにその部分では非拘束になっているんです。  実は、比例の選挙を考える場合に、名簿を拘束名簿にするのか非拘束名簿にするのかというところがもう一つの選択肢ですから、先ほど大村議員がおっしゃいましたけれども、比例区で議員の名前を書く、書いてもいい、書くことによってその人の順位が上がるといったような比例の制度を採用することも可能なわけです。  そういう形で考えますと、今回の小選挙区の選挙というのは小選挙区で人を選ぶという機能が一つあって、もう一つは比例の方の、非拘束名簿の順位を決めるという機能がもう一つあった。それを、実際であれば三票入れるべきであったところを煩雑だから二票にしたというふうに考えると、そこのところが論理的には整理されるのですけれども、ただ、二つの異なった機能を一票に果たさせたところで非常に大きな混乱が起こっている。それをどういうふうに整理するのかというのが一応論理的な構造だと思います。  そこを整理した上で、今度は先ほど山花委員がおっしゃった。感情的な部分をどう定式化するかというのがもう一つ大事な問題だというふうに思います。

住博司自由民主党

○住委員 この議論のときに一つあったのは、有権者が持つ一票を、一回の選挙で一人一票にするのか一人二票にするのかという話があった。この議論も、これは避けて通れないということだけ指摘しておきたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 この重複立候補制の問題につきましてはまだまだ議論はあろうかと思いますので、また後に譲るとしまして、きょう予定しておりましたから、選挙運動のあり方等その他の問題について討議を進めていただきたいと思います。  山花委員の方からは、十八歳選挙権の問題とか、あるいは外国人の問題等も出されました。そういうことも含めて、余り時間がございませんが、簡単にそれぞれの立場からどうぞ。

若松謙維新進党

○若松委員 選挙運動等に関して、私ども、公職選挙法について一般的な問題提起をさせていただきたいと思います。  この公職選挙法に基づいた日本の選挙運動というのは、まさに世界にも類例がないほど厳しい、規制だらけの選挙制度という事実をまず認識しなければいけないと思います。  例えば国際比較をした実情という形で申し上げますと、この公職選挙法というのは非常に細かい、いわゆる規制、やってはいけないという法の体系となっておりまして、実際に選挙運動で許されているのは、幕間演説または個々面接というのですか、あとは電話、このくらいです。それに対して、例えば戸別訪問、これはまだ禁止されておりますけれども、世界の中で禁止しているのは日本と韓国だけ、こういう状況で、かつ文書、あとは図画規制というのですか、ポスターのサイズの規制とかそういった規制も、欧米諸国で規制があるのはフランスだけ。そして、ある国ですと、例えば選挙運動期間もな、い国が結構多いわけでございます。  そういうことを考えますと、世界的に今の公職選挙法を見ますと、問題点として、結局は有権者が選挙候補者等を知る権利をかなり阻害している、これが一点です。二点目としましては、そういう公職選挙法の規制が非常に厳しいために、かえって今、抜け穴を探す行為、いわゆる脱法行為が多くなって、結果的に日本の選挙のあり方としてダーティーなイメージが残る、その結果、三つ目として、選挙に対する関心が高まらないで投票率が下がる、こんな問題点があると思います。  そういうことで、これからのことを考える一つの私どもの提言といたしまして、個人的なものになるわけですけれども、やはりこれから情報化時代に即応した選挙運動の大幅な規制緩和ですか、例えば先ほどもお話がございましたインターネット、どう考えても、大声でわあわあ叫ぶより、今の時代はインターネットの方がいいと思います。そういう面で、自治省の見解、これは早急に変えるべきではないかと主張いたします。さらに、先ほど言いました戸別訪問、これはもう世界の標準化に即合わせるべきではないかと思っております。  そして、公職選挙法の基本的な考え方、できることを定める公職選挙法ではなくて、やってはいけないことだけを明確に述べる、それに対する罰則は、厳重に処分する、そういう法律の抜本的な改革を私はこの委員会で議論していただきたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 今度のポスターとかビラ、おやりになって、御実感などについて、桜井先生、何かないです。

桜井郁三自由民主党

○桜井(郁)委員 先ほどから投票率の低下というようなことがあるのですけれども、今のお話と同じように、今の公職選挙法ですと、ほとんどやれるようなものがない。そういうのでは、私はもっと自由にしていく必要があるのではないかと思うのです。  ですから、その辺を基本的に公職選挙法の方で、さっきと同じようなんですけれども、やってはいけないものを幾つかきちっと決めて、それに対しては非常に罰則も重くしていく。例えばお金の問題だとか供応の問題だとか、そういうようなことはきちっとやっていく。あとは少なくとも文書違反だとか形式違反、ポスターの違反だとか、そういうようなものはある程度自由にしていかないと、政治に対する、あるいは選挙に対する国民の投票率の低下につながる、だんだん選挙離れしていってしまうんじゃないだろうか。  今回、私の選挙でも、ある団体が推薦をしていただくということで、会長さんが一生懸命文書を書いてきてくれたのです。それなんか見ると、もう全く今の選挙法の中では違反だらけ。そういうようなことは、一般の方は一生懸命やっているわけでありますので、そういうようなものもある程度やってもいいような形にしていく必要があると思うのです。それが政治に対する興味だとか選挙に対する興味だとかにつながってくるのではないだろうか。ですから、もっともっと自由な選挙というものを考えていく必要があるんだろうと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 近藤先生、何か今度の選挙で御実感になったようなことがあれば。

近藤昭一民主党

○近藤委員 投票率が大変低かったこと、その中で政治に対する不信が大変あると思うのですけれども、私は実は選挙権を十八歳に引き下げることを選挙期間中もちょっと個人的に提唱しておりまして、結局、十八歳になって学校を出て働いて所得税、税金を納めるにもかかわらず、政治家が自分たちの声を反映してくれるかどうかは別としましても、発言する機会さえない、投票によって意思を表明する機会さえもないというのはちょっと議論していくべきではないかなというふうに思っております。そういったところから、もっと政治に積極的に参加する、そういう意識を持ってもらいたいというふうに思っております。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 議論は尽きないようでございますが、きょうは問題点指摘だけになったと思います。しかし、各委員から忌憚のない御意見を拝聴いたしまして、今後の委員会の進め方に資するところが大であったと思っております。  本日の討議はこの程度にとどめることといたしまして、この際、暫時休憩をいたします。     午前十一時五十一分休憩      ————◇—————     午後一時十七分開議

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、去る十月に行われました第四十一回衆議院議員総選挙及び第十七回最高裁判所裁判官国民審査の結果の概要について政府から説明を求めます。久野自治政務次官。

久野統一郎自由民主党自治政務次官

○久野政府委員 この機会に、第四十一回衆議院議員総選挙及び第十七回最高裁判所裁判官国民審査の結果の概要について御報告申し上げます。  御承知のとおり、今回の選挙は、九月二十七日に衆議院が解散されたことによる総選挙でありまして、平成六年に公職選挙法が改正され、衆議院議員選挙が従来の中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に改められた後、初めて行われた選挙であります。選挙すべき議員の数は、小選挙区選挙は三百の選挙区で三百人、比例代表選挙は十一の選挙区で二百人、合計五百人でありました。  選挙当日の有権者数は約九千七百六十八万人で、前回の総選挙に比べ約三百二十万人増加しております。  次に、投票の状況について申し上げます。  十月二十日の投票日は、一部の地域において午前中雨のほかは、全国的に晴れまたは曇りの穏やかな天気でありました。  投票率は、小選挙区選挙で五九・六五%、比例代表選挙で五九・六二%でありまして、これは前回に比べましてそれぞれ七・六一ポイント及び七・六四ポイント低く、残念ながらこれまでの総選挙の中で最も低いものとなりました。  次に、立候補の状況について申し上げます。  小選挙区選挙につきましては、候補者数は千二百六十一人で、競争率は四・二倍でありました。  比例代表選挙につきましては、名簿を届け出た政党は九政党、十一選挙区で延べ七十八政党、その層け山名簿に登載された候補者数は八百八人で、競争率は四・○倍でありました。なお、このうち小選挙区選挙に届け出がなされた重複立候補者は五百六十六人でありました。  この結果、小選挙区選挙及び比例代表選挙の合計の候補者数は千五亘二人で、前回の中選挙区選挙の九百五十五人に比べ五百四十八人の増加となりました。  次に、当選人の状況について申し上げます。  党派別に申し上げますと、自由民主党は小選挙区選挙で百六十九人、比例代表選挙で七十人、合計二百三十九人、新進党は小選挙区選挙で九十六人、比例代表選挙で六十人、合計百五十六人、民主党は小選挙区選挙で十七人、比例代表選挙で三十五人、合計五十二人、日本共産党は小選挙区選挙で二人、比例代表選挙で二十四人、合計二十六人、社会民主党は小選挙区選挙で四人、比例代表選挙で十一人、合計十五人、新党さきがけは小選挙区選挙で二人、民主改革連合は小選挙区選挙で一人、無所属は小選挙区選挙で九人となっております。  なお、女性の当選人は二十三人で、昭和二十二年の総選挙に次いで多く、前回を九人上回りました。  次に、小選挙区選挙の全有効投票に対する党派別得票率は、自由民主党三八・六%、新進党二八・〇%、民主党一〇・六%、日本共産党一二・六%、社会民主党二・二%、新党さきがけ一・三%、民主改革連合〇・三%、その他無所属を含め六・五%でありました。  また、比例代表選挙では、自由民主党三二・八%、新進党二八・〇%、民主党一六・一%、日本共産党一三・一%、社会民主党六・四%、その他の四政党を合わせて三・六%となっております。  最後に、最高裁判所裁判官の国民審査の状況について申し上げます。  今回の国民審査は、前回の国民審査以降に任命されました九人の裁判官について行われたものであります。  国民審査の結果は、いずれも罷免を可とする投票が、罷免を町としない投票の数よりも少なくしたがって審査に付された全裁判官が国民の信任を受けました。  以上をもちまして、今回の衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の結果の御報告を終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、第四十一回衆議院議員総選挙違反検挙・警告状況について説明を求めます。警察庁佐藤刑事局長。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 本年十月二十日に行われました第四十一回衆議院議員総選挙における違反行為の取りまり状況について御報告いたします。  選挙期日後三十日現在の集計でございますが、数字は、お手元に資料としてお配りしてあります表にお示ししたとおりでございます。  まず検挙状況は、総数で八百五件、千五百四十五人となっております。前回における同時期の数字が二千八百十件、五千五百十三人でございましたから、今回は、件数は二千五件、人員は三千九百六十八人それぞれ減少しております。パーセントにいたしますと、件数、人員とも七〇%強の減少となっております。  罪種別に申しますと、買収六百七十六件、千三百六十三人、自由妨害五十五件、二十人、戸別訪問八件、五十七人、文書違反二十四件、六十五人、その他四十二件、四十人となっておりまして、買収が検挙事件のうち件数で八四・〇%、人員で八八・二%と最も多くなっております。  また、警告状況を申し上げますと、総数で七千三百七十三件でございまして、前回と比べますと五千三百三十一件減少しております。なお、四二%の減少でございます。  なお、警告事案のほとんどは文書関係についてのものでありまして、総件数の九六・〇%を占めております。  以上、御報告申し上げます。     —————————————

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。秋葉忠利君。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 社会民主党の秋葉でございます。  まず最初に、先ほども申し上げましたように、我が党大変人数が少なくなって、現在非常に大切な委員会が並行して開かれております。そこで、物理学の大原則である、同じ人間が同一時間に二つの場所に存在することはできないという原則がございますので、発言の順序を各党の皆さんの御配慮で先に回していただいたことをまずお礼を申し上げます。先例としないということで、お札を申し上げたいと思います。  今回の選挙に関連していろいろな問題がございました。その中で、従来からも選挙制度の問題あるいはその運営の問題点として指摘されていながら、今回特にそれが際立ってきた点について何点か質問をさせていただきたいと思います。  まず、無効票ということを考えたいのですけれども、今回の選挙で大体何%の無効票があったか、それが何票ぐらいに相当しているのか。数字が簡単にわかりましたら、御教示いただければと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 今回の総選挙の無効投票数は百七十三万一千四百二十二票でございまして、全投票数の二・九七%を占めております。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 私の方で持っております四百四十万票というのがかるんですが、済みません、そこを。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 失礼いたしました。先ほど申し上げましたのは小選挙区の方の無効票でございまして、比例代表の方は二百六十六万四千二百五十四票でございまして、合わせますと委員御指摘のような数字になろうかと思います。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 その無効票、もちろん意図的に白票を投じたのも無効票になるわけですけれども、書き違いあるいは読み違い等の問題が大きな原因であるというふうに認識をしております。この無効票の数を減らすための一つの方法としては、自書式投票をやめて機械投票にす。一つにはコンピューターを使って、電子式というふうに古臭い名前で言われていますけれども、投票機械を使うあるいは電子式の投票機にするといったことでこの無効票のかなりの部分は減るというふうに考えられますけれども、その点についてどうお考えになっていらっしゃいます。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 まず記号式投票でございますが……(秋葉委員「記号はいいです、機械です」と呼ぶ)機械ですか、機械式投票につきましては、御指摘のように無効票がほとんどないといったメリットもございますし、また開票事務が非常にスムーズにいく、膨大な人員を要しないといったようなメリットがあるわけでございまして……(秋葉委員「それだけで結構です」と呼ぶ)はい。よろしゅうございます。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 今のお答えにもありましたけれども、今回は、特に比例とそれから小選挙区両方の開票作業があったわけですけれども、前回の中選挙区制の選挙では、大体全国で六十二万人の事務要員が必要だったという数がありますけれども、大ざっぱで結構ですが、今回の開票作業に大体どのくらいの人員、人手が必要だったか、大ざっぱなところでまあ百万を超えたというふうに考えても差し支えないと思いますけれども、御教示いただければありがたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 開票事務の従事職員といたしましては、前回とほとんど変わっておりません。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 わかりました。そうすると、開票の時間が従来の選挙よりも長くかかった。事実、私の場合も、零時を過ぎてから、前の晩の十二時を何時間も過ぎてからわかったという事情がありますけれども、開票時間そのものについてはかなり長時間になったか、認識をお聞かせいただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 今回、最高裁判所裁判官の国民審査まですべて終了いたしましたのは午前七時でございました。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 ということで、人手が同じだとすると時間がかかるということは当然のことなんですけれども、その開票事務、選挙の事務を担当している全国市区選挙管理委員会連合会から毎回いろいろな要望が出されておりますけれども、この問題について、電子式あるいは機械式の投票制度に改めるべきではないか、そういう要望が出されておりますけれども、その内容を簡単に御説明いただきたいのと、それに対してどのような対応をこれからされていくおつもりなのか、大体の方針をお聞かせいただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 市区の選挙管理委員会の連合会が毎年要望を出しておりますが、その中で投開票事務の機械化ということの要望が含まれているところでございます。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 毎回出されているわけで、ぜひこれを、そのまますぐということにはならないと思いますので、この委員会の中で、この点についても事実を把握した上でぜひ議論を重ねていっていただきたいと思います。  そのための幾つかのデータを確認していきたいと思いますけれども、まず日本では、現在自書式、つまり選挙に行く際に投票者が自分で候補の名前を書くという方式が使われていますけれども、全世界でこの自書式の投票制度を採用している国が何カ国あるのか、教えていただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 すべての国の実態を承知しているわけではございませんが、私どもが承知しておりますのは、現在におきましては、我が国とフィリピンであるというふうに承知しております。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 フィリピンは本年の九月の地方選挙から自書式を改めましたから、ということは、正確には現時点では日本一カ国だけが自書式の投票制度を採用しているというふうに理解していいんだと思いますけれども、この自書式の制度を変えて機械式にする、電子投票式にするということは、ある意味で世界の趨勢だと思います。  この自書式の投票制度があるために、今申し上げました時間の点、あるいは無効票が出るといった幾つか弊害がありますが、実はそれ以外に、選挙の本質にかかわる、より基本的なところにかかわる重大な問題があります。それは秘密投票ということなんですけれども、日本の選挙は秘密投票ではない。これは秘密投票で行われなくてはいけないということがうたわれているわけですけれども、実質的には秘密投票とは認めない。これはアメリカのワシントンにあります国際選挙制度財団の判断ですけれども、そういう判断があるということは御存じでしょうか。その判断の理由というのも、大体選挙を見ればわかるわけですけれども、御存じなのかどうか、伺いたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 財団の存在は知っておりますが、そのような指摘は承知をしておりません。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 これは、財団としてのどの程度公的な判断かというところは私もよくわかりませんけれども、この財団の専務理事に相当する人の証言だということで、秘密投票ではない。その理由というのは、日本の投票所、ブースにはカーテンがありません、ですから、隣のブースの人が何を書いているのか簡単にのぞける、それから壁の高さも余り高くありませんので上からのぞける、それから後ろからのぞける、立会人が手の動きでだれに投票しているかということがわかってしまう、そういった点で秘密投票とは言えないというのがこの財団の判断でございます。  それからもう一つ、これは日本の選挙の専門家による非常に小規模な調査なんですけれども、最近行われた調査で、若い人たちの間で投票に行かない理由として、投票に行っても自分がだれに投票したか立会人等に見られて、そこのところが嫌だから行かないという若い人たちが結構いるという事実が確認されているんですけれども、この点について、自治省としてはそういった傾向を把握されておりますでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 そのような傾向は把握しておりません。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 今後ともこの秘密投票、それから自書式の投票制度を維持するかどうかについて、さまざまな調査を恐らくされる機会があると思いますので、その調査の中にこういった項目も含めて、ぜひ調査をお願いしたいと思います。  それからもう一つ、若い人が投票に行かない理由として、例えば学生が親元を離れて大学に行くような場合、あるいは各種学校に行くような場合に、なかなか住民登録の異動をしないというようなことが挙げられていますけれども、こういった問題についてもこの選挙管理委員会連合会の方からの要望が出ていると思います。  そういった点についても、そろそろ時間ですのでこの問題については余り、別の問題に移りたいので申し上げませんが、ぜひ御検討をいただきたいと思います。若者の投票率を向上させるという観点から重要な点だと思いますので、お願いいたします。  それから、それと関連してもう一点、投票時間なんですけれども、現在は日曜日ということで、一日、しかも非常に時間が限られている。この時間の延長、それから平日に選挙を行う等といった観点について、そういった投票時間の延長を行う上での障害はどんなところにあるのか、主な点、二、三、どういうふうに考えておられるか、お教えいただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 投票時間延長の問題でございますが、一つには事務従事者の確保ができるか、特に投票立会人が今でも非常に確保に困窮をしておるという状況でございますので、さらに時間が遅くなるということになりますとそういう方の確保ができるかということがございますし、それから投票時間が遅くなりますと開票時間が当然に時間がずれていくということになりますので、そういう問題があろうかと思います。  過去二回ほど投票時間の延長を実施したことがございますが、そのときの効果があったのかどうか、そういう点も含めて私どもは検討を進めたいと考えております。

秋葉忠利社会民主党・市民連合

○秋葉委員 今の点に関しても、人員の確保という点、それから開票時間が長くなる、事務の時間が長くなるという、両点とも、自書式投票をやめて機械式投票を導入することによって、人手はゼロにはなりませんけれども、その二つの障害がほとんど問題なくなるという利点もございます。その観点から、やはり電子式投票制度、今はもう機械以上に電子式だと思いますので、その導入についてより積極的に検討をお願いしたいと思います。  事実、これはブラジルだと思いましたけれども、投票率が非常に低くなって、投票の義務化という制度を、つまり、投票に行かなければ罰金を科するという制度を導入しようとしていたところですけれども、この電子式投票によって投票率が向上したために、その投票の義務化という制度は必要なくなったという例もあります。  世界的にすべてがそうではありません。アメリカの選挙は機械式ですが、投票率は低いという例もありますから、一概にいいことばかりではないのはもちろんですけれども、ぜひ電子式投票制度の導入についての基本的な議論を積極的に行っていただきたいと思います。自治省それから本委員会、両方でこれを取り上げていただきたいと思います。  そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 江渡聡徳君。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 自由民主党の江渡聡徳でございます。  本日おいでの久野政務次官並びに中馬委員長を初めとする当委員会のメンバーの皆様方は、このたびの新選挙制度の小選挙区比例代表並立制による本当に厳しい戦いを経験されてこられた議員の皆様方でありますので、多くの御意見や思いをお持ちのことだと私は思っておるところでございます。また、選挙後、このたびの選挙制度に対して、国民各階層からもさまざまな意見とか、あるいは御批判が高まっていることも事実でございます。しかし、このたびの衆議院選挙の投票率が戦後最低となったということは、日本国の民主主義を守る上におきましてもゆゆしき問題である、私はかように考えているものでございます。投票率のアップに対しましても、多くの議員の方々からさまざまな御意見が出されておりますけれども、十一月四日の日経新聞では、民主党の菅代表は、「あまりに投票に行かないことが続くときには、自動車免許やパスポートなどの書き換えができなくなるなど、ある程度のペナルティーを科しても仕方がない」と述べ、国政選挙の投票率低下を防ぐための罰則規定を検討すべきだという御意見がありますし、新進党の細川先生の方におきましては、魅力ある政策立案に努める、投票時間、不在者投票制度を見直すという御意見。共産党の不破先生におきましては、政党、政治家が公約を守り、国政に国民の声を反映させることが大事だ。社民党の村山先生は、国会審議の透明性を高めるなどし、政治への信頼を回復すべきだ。そして自民党におきま。しては、加藤先生は、選挙公約の実行と、日本の将来設計を具体的かつ明確に提示すべきだ。宮澤先生は、不在者投票手続の改善と投票時間の延長、複数投票日の検討が必要だというように、多くの先生が多岐にわたるお考えを述べているわけでございます。  私自身考えますところは、学校教育の中におきまして、政治的教養教育と申しますか、国民としての投票義務を徹底させるということ、これが一番大事じゃないのかなと思っております。そしてまた、投票促進のためにキャンペーンをふやしていくことが大事であると考えておりますけれども、その点につきまして御見解をお聞かせいただきたいと思っております。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 選挙は憲法が保障いたしました国民の有する重要な権利の一つでございまして、これは積極的に行使をしていくべきものでございますが、ただ、公権力をもちましてこれを投票所に引き連れていくといったようなことには、いろいろとまた問題があろうかと思います。自発的な意思の発露によって選挙権は行使すべきものというのが基本的な考え方でございますので、そこらにつきましては慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 次に、不在者投票に関連いたしましてお尋ねしたいと思っておりますけれども、現在、不在者投票所の数というのは、多くの市町村におきまして一カ所というところがほとんどでございます。私の出身の青森県におきましては、六十七市町村、それぞれ一カ所だけでございます。有権者の利便性などを考えてみますといかなるものかなと私は感じておるとこみでございます。特に私の選挙区のように本当に小さな集落が集まって一つの自治体というものを形成しており、そしてそれぞれの集落から市町村の本庁までの距離がかなりある場合、高齢者の方々とか、あるいは障害者の方々、こういう方々にとりまして、不在者投票を行うということは本当に大変な労力を費やすところでございます。投票権の行使がなかなか思うようにいかないという点もあるわけでございまして、それゆえに、不在者投票がもう少し行いやすくできるような方法というものをとるべきであると私は考えておりますけれども、その点についてお聞かせいただきたいと思っております。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 有権者が投票しやすい環境をつくっていくということは重要なことでございまして、そのためには、投票所の数でありますとか、あるいは不在者投票の数というものが多い方が利便性が高いということは言えようかと思いますが、一方で、管理執行上の問題がございますので、そこらとの兼ね合いの中で現在の選択が行われているということでございます。  私どもは、投票所の数につきましては一定の物の考え方を示しておりますし、また、不在者投票の数につきましては、役場、市役所だけではなくて、あるいは出張所であるとか支所であるとか、そういうところも活用してほしいということを指導しているところでございます。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 そのほか、日数の関係とか時間の関係等はいろいろあるわけでございますけれども、秋葉先生等が先ほど御質問されていましたのでその辺は割愛させていただいて、もう一点、不在者投票に関してお聞きしたいと思っておるわけでございます。  公職選挙法第四十九条の三号、公職選挙法施行令第五十条の二項に関しての指定施設についてでありますけれども、現在、老人ホームあるいは病院、身体障害者更生援護施設などが指定されておるわけでございますけれども、ただし、精神薄弱者関係の施設というのは指定されておりません。ですからこそ、この辺のところはやはり公職選挙法の四十九条の三号にもかかわってくることだと思っておりますけれども、現在、精神薄弱者関係の施設におきまして、特に重度の重複障害を持っている入所利用者の方々は非常に多くいるわけでございまして、指定に対して御一考いただければありがたいなと思っておるところでございます。  そして、できますれば、政令にある施設はどのような基準で選ばれたのか、その点についてお聞かせいただきたいと思っております。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 不在者投票のできる事由というものは先ほどの公選法の四十九条で定めておりまして、その三号で、疾病、負傷、妊娠もしくは身体の障害のため、もしくは産褥にあるため歩行が著しく困難である者というふうにいたしておるものでございます。これらの方々につきましては、指定病院でありますとか指定老人ホームあるいは国立療養所、指定身体障害者更生援護施設、指定保護施設、労災リハビリテーション作業所に入院中、また入所の者につきましては、その施設内での不在者投票を認めているわけでございますが、指定病院等につきましては、一定の器具を有する施設というものを視野に置きながら指定をしているということでございます。  お尋ねの精薄者の更生施設についてでございますが、これまで指定をしてまいっております施設は、その施設の中に、あるいはその施設の性格上、歩行が著しく困難である方が多いというところを物の考え方の基本にしているわけでございまして、精薄者更生施設につきましても、その施設の性格あるいはそこに入っておられる方々の実態、そういうものを見ながら、今後の検討課題であろうかというふうに考えております。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 その辺のところをできれば鋭意御検討いただきたいと思っているわけでございます。続いて、在外選挙制度のことについてちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。  この制度というのは昭和六十一年の六月に廃案になって以来、何か余り審議されていないようなところがあるわけでございますけれども、現在多くの日本人が国外に居住しているわけでございます。そういう点を考えていきますと、議論の対象として真剣に取り組むべき時期に参ったのではないのかな、私はかように思っておるところでございます。  その辺につきまして外務省におきましては、日本人が多く居住している地域、アメリカなどですとニューヨークとかカリフォルニアとか一定の地域になってしまうと思うのですけれども、そういう地域におきましては郵便における投票を主体として考えておられるようでございますけれども、自治省としてはこの辺のところ、特に郵便における投票というのは果たして公平性、公正を得られるのかどうなのか、その辺のところも踏まえながら御意見をお聞かせいただきたいと思います。

久野統一郎自由民主党自治政務次官

○久野政府委員 在外選挙につきまして、これまで与党政治改革協議会における協議の経緯を踏まえまして、現在自治省といたしましては、投票の具体的方法について、選挙の公正確保、適正かつ円滑な執行という観点から、外務省を初めとする関係省庁と協議を行っているところでありますが、今後ともその実現に向けて検討を進めてまいりたいと思っております。ただいまの郵便については、今後検討して、また調べてまいりたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 先ほどちょっとお触れになりましたけれども、昭和五十九年に在外投票につきまして政府提案を申し上げましたときには、公館投票ということで案をつくっておりました。六十一年に廃案になったわけでございますが、その当時からいたしますと、非常に在外邦人の方々が多くなったということで公館投票だけでは処理ができないのではないかというような御意見がございまして、自民党、社民党、さきがけの三党の政治改革協議会の協議の中では、公館投票と郵便投票をミックスしたものを基本にしたらどうだというような御示唆をいただいておるわけでございます。  ただ、郵便投票は、かつてかなり幅広く郵便投票を認めておりました時代がございましたけれども、昭和二十六年の統一地方選挙のときに非常にこれを利用した不正投票というものが行われまして、翌年の二十七年に廃止をされました。ただ、重度身障者等の御要望が強くて、極めて限定的に、要件を厳しくして、昭和四十九年に一部復活をしたという経緯がございます。  郵便投票はそういう問題点というものをどうしても持っているものでございますから、私どもはそこらのところを外務省と、どういう形で公館投票ができないのかというようなところをいろいろ慎重に検討しているという段階でございます。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 その辺のところで、特に今の組織的な投票の危惧があるということで郵便投票におきましては慎重なお考えだということだと私は理解させていただきました。  ではそうなりますと、在外公館においての投票という形になるわけですけれども、その場合どうしても一カ所ですとなかなか思うようにいかないという部分が出てくると思うのですけれども、その辺については具体的にまだ自治省内では検討されていないのでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 ちょっと言葉足らずでございましたが、先ほど申しましたように郵便投票はそういう問題点を有しているものですから、私どもとしても慎重に取り扱わなければならないと思っております。ただ、在外邦人の方々に投票の機会を与える、投票していただくということは極めて重要な問題でございますので、自民党、社民党、さきがけの三党協議の結果を踏まえまして、公館投票と郵便投票を兼ね合わせた投票方式というものを前提として、現在外務省等と協議を進めているということでございます。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 続きまして、我が国に在留する外国人の参政権について少しお伺いしたいと思っているところでございます。  平成七年の二月二十八日の最高裁判決の理由部分というのがあるわけですけれども、そこの抜粋部分、ちょっと長くなるわけですけれども読み上げたいと思っております。  憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものである。そこで、憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。そして、地方自治について定める憲法第八章は、九三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前期の国民主権の原理及びこれに基づく憲法一五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。以上のように解すべきことは、十四巻の十四号三千七十三ページ、最高裁判所の昭和五十年「の趣旨に徴して明らかである。」 というふうになっているわけです。  このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。 こういう判決が出されたわけでございますけれども、自治省は今後在留外国人の参政権についてどのようなお考えをお持ちなのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思っております。

久野統一郎自由民主党自治政務次官

○久野政府委員 在日外国人に対する地方選挙権付与の問題につきましては、国民主権、地方自治のあり方、国と地方公共団体との関係等の基本的な事柄とも関係する問題でありまして、さまざまな角度から幅広く検討されなければならない問題であると考えております。  先ほどの最高裁の判決、また在日の外国人の方々の中にも参政権をというような大きな声もありますし、逆に同じ在日の外国人の方々の中にもまだ時期尚早だというような、そんな意見もあるやに聞いております。また、諸外国の例などを参照する中で、要は、皆さん方、各党各派におかれまして十分御討議をいただいてお決めをいただく問題だと思っております。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 今の在留外国人の参政権につきまして、各市町村、自治体等におきまして、議会におきまして、決議が大分されているようなわけでございますけれども、具体的にその辺の数字を少しお知らせいただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 地方公共団体から私どもが、自治省が受理をいたしております意見書等は、意見書と決議がございますが、現段階で千三十九でございまして、うち意見書が九百七十一となっております。内訳を申しますと、都道府県が二十三、指定都市が十二、指定都市以外の市区町村が千四となっております。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 私の質問は最後の方にさせていただきたいと思うわけですけれども、このたびの衆議院選挙におきまして、国民からこの小選挙区比例代表並立制という制度に対して多くの意見とか批判が出ているわけでございます。特に、新聞等におきましてはかなりの批判が、重複立候補の制度に対して、わかりにくい、そして。また午前中に先生方が御審議されたような、また御意見があったようなものが多く出されているわけでございますけれども、それらのことに対しまして、久野政務次官から、どのようなお考えをお持ちなのかということだけ最後にお聞かせいただきたいと思っております。

久野統一郎自由民主党自治政務次官

○久野政府委員 小選挙区比例代表並立制は、長期間にわたって議論が重ねられてきた政治改革の一環として導入されたものでありますが、よりよい制度に向けて議論を深めていくことは重要なことだと考えております。  先般の三党政策合意におきまして、衆議院の選挙制度について、議員定数の削減を前提とし、民意がよりよく国政に反映されるよう、早急に選挙制度見直しを開始することとされているところであり、各党各会派で十分御論議いただきたいと考えております。  私も選挙戦を戦わせていただいたわけですけれども、この並立制について、個人的には、何か余り私自身も納得のいかないところもあるわけで、私の選挙の場合なんかは、同じ選挙区から二人を当選させようということで、比例区にランクされている人は比例区で当選してもらおう、比例区にランクされていない私の方に投票してくださいという、そんな動きもあったわけで、この辺もまた大いに考えていかなければいけないのじゃないかと思います。  三党の政策合意の中にもあるのですけれども、今、市町村の議会で定員削減というのがどんどんなされているわけですので、やはり我々国会議員も大いに定員を削減することを考えて、我々国会議員がみずから身を削る、そんな中で政治に信頼を取り戻すことを、取り戻して投票率を上げることを考えていかなければならぬわけでございます。  先ほど議員からいろいろお話があったわけですけれども、物理的にではなしに、議員のおっしゃったように、国民意識を向上させる、こういうことを大いに考えていかなければならないのじゃないかな、私はそう思っております。

江渡聡徳自由民主党

○江渡委員 どうもありがとうございました。  五分ほどまだ残っておりますけれども、これで私の質問を終わらせていただきたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 若松謙維君。

若松謙維新進党

○若松委員 新進党の若松謙維でございます。新進党を代表して、四十分間質問させていただきます。  早速論点に入らせていただきます。まず、第一点目といたしまして、連座裁判についてお伺いいたします。  この資料は、仙台高裁、御存じの連座制適用になった最初の判決の要旨が述べられております。平成七年十月九日、当選無効、五年間立候補禁止となりました山形県会議員、そして、その上告を平成八年一月三十日に取り下げまして、判決確定をいたしました。その要旨を見ておりますと、連座制適用が非常に厳しいものとなりまして、そのために今回の衆議院総選挙、全国的にも買収行為はいわゆる組織管理者等も含めてそれぞれの陣営で徹底された。またそうなるようにこの判決が出たと理解しております。  そして、今回の衆議院総選挙におきまして、具体的な地域を挙げるのは恐縮でございますが、栃木四区、いわゆる茂木町におきましての買収事件、この議論がつい十二月五日、参議院の法務委員会で、浜四津議員と特に原田刑事局長、きょうはお見えではないと思いますけれども、法務省検察官の行政訴訟、いわゆる連座裁判の行政訴訟の議論がなされました。それと前後しまして、宇都宮地検の次席検事が、今回のこの茂木町の助役等の収賄罪による逮捕、これはまだ裁判所の判決が確定していないにもかかわらず、連座制適用の対象にはならないという地検の意見が出されました。  この報道、さまざまな見方の異なる点もあって、細かく見ますと微妙に報道の内容が違います。特にこの報道の内容でいろいろと議論になっておりますが、いわゆる百日裁判です。起訴の段階では裁判所に対していわゆる百日裁判の連絡をしていない旨を述べたと受けとめていると原田局長が言っておりますけれども、まず事実関係を、この新聞の発表、いわゆる宇都宮地検の今回の連座適用はもうやらないというこれは事実かどうか。新聞報道が正しいのか、また法務省として違った意味を言っているのか、それを明確にしていただきたいと思います。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 お答えいたします。  お尋ねの事件につきまして、ただいま先生御指摘のような報道がなされていることは承知いたしております。  先生の御指摘の中にもありましたように、先ごろ原田刑事局長が答弁いたしておりまするけれども、宇都宮地検におきましては、起訴時点では裁判所に対していわゆる百日裁判事案と思料する旨の連絡をしていない旨を述べたにすぎな。いものと承知いたしております。  なお、組織的選挙運動管理者等に係る連座制につきましては、連座訴訟を提起するかどうかは、買収等を行った者につきまして、その者を禁錮以上の刑に処する刑事判決が確定した後、検察当局におきまして、捜査、公判の過程で得られた証拠その他の調査結果を総合的に勘案いたしまして、公職選挙法所定の連座制の要件が認められるかどうかを判断して決定するものでございます。

若松謙維新進党

○若松委員 今の課長の御説明は、要は、まだ検察として起訴をやらないとはっきり言っていない、そういう理解でよろしいわけです。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 先ほども申しましたとおり、最終的には買収等を行った者について、その者に対する刑事裁判が確定した後判断すべきことでございます。したがいまして、最終的な判断をした。こういうことではございません。

若松謙維新進党

○若松委員 それと、公職選挙法二百十一条の規定なのですけれども、これについて見解を求めます。  この二百十一条というのは、選挙の総括主宰者、または先ほどの組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪につきまして、今回の衆議院議員の選挙におきます当選が無効ということは、条文を読みますと、「選挙における当選が無効であると認める検察官はこ「その裁判確定の日から三十日以内に、高等裁判所に訴訟を提起しなければならない。」この条文解釈が非常に重要になるわけです。  すなわち「当選が無効であると認める検察官」というのは、連座訴訟を検察官の裁量でできるのかどうかというのがやはり重要な関心事だと思います。いわゆる収賄罪等で捕まった場合、それが裁判で確定しました。それで、少なくとも今回の栃木四区では、その町の助役をやって、かつ選挙の実質的な事務局長をやっているということで、これはどう考えても組織的管理者に該当すると思います。  そういう状況にあって、またこの条文に返るわけですけれども、今回起訴された助役の収賄罪が確定したとすれば、この条文というのは、自動的にその連座訴訟を検察官が行う義務がある、そう解釈してよろしいのでしょうか。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 お答えいたします。  買収罪等によりまして当該被告人が禁錮以上の刑に処せられた場合におきまして、公職選挙法所定の連座要件が認められる場合には、公職選挙法第二百十一条第一項は、検察官は「高等裁判所に訴訟を提起しなければならない。」と規定しておりますので、検察官は連座制の要件が認められる場合には連座訴訟を提起しなければならないわけでございまして、これを義務づけられておるものと承知しております。

若松謙維新進党

○若松委員 認められる場合というのは、一般的に解釈しますと、認められるというそこに検察官の判断が入るのではなくて、いわゆる買収罪という判決が確定したということが認められる、そういう理解でよろしいのでしょうか。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 いわゆる連座制の要件でございますけれども、先生御指摘の組織的選挙運動管理者等に係る連座制につきましては、公職選挙法の二百五十一条の三に規定がございます。そこに書いてございます要件が認められる場合に適用があるということでございまして、刑事裁判が確定すれば直ちに要件が満たされるというものではございません。

若松謙維新進党

○若松委員 その二百五十一条ですけれども、これも非常にまた長い条文でわかりにくいのですけれども、いずれにしましても、今回、このいわゆる行政訴訟というのでしょうか、連座適用を最終的に手続的に裁判所に持っていく人は、今の法体系上は検察官だけなわけです。それはよろしいです。はい。  そうしますと、そこに恣意性が入りますと、かつその恣意性に対して一般人が、全く検察官は任務解怠で本当はきちんとやっていないのじゃないか、そういう形でありますと、例えば行政不服審査、こういったところを申し立てるのでしょうけれども、実際これは公選法二百六十五条で除外されている。また行政手続法においても、今回の公職選挙法も除外されているということで、つくづく今回の検察官の連座制の行政訴訟というのは、先ほどの二百五十一条にありましたけれども、ある意味でかなり厳密に、収賄罪が確定した場合には行政訴訟をやらなければいけない。そうでなければ、検察官が唯一連座制を裁判所に持っていく道にある意味で恣意性が入って反対に民主主義の根幹が崩れる、そう私どもは理解するわけですけれども、その点、いかがでしょうか。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 連座制の適用につきましては、公職選挙法所定の連座制の要件が満たされる限りは、検察官はいわゆる連座訴訟を提起する義務があるものと承知いたしております。  したがいまして、検察当局といたしましては、具体的事件につきまして連座規定を適用するに当たりましては、従来から厳正、公平、不偏不党の立場から、適宜上級庁とも協議いたしまして、法と証拠に基づきまして厳正に対処しているところでございます。

若松謙維新進党

○若松委員 それと、先ほどの宇都宮地検の次席検事が、恐らくマスコミの要請等によって、今回連座訴訟をやるかどうか、そういったインタビューになってさまざまな記事という形で伝わったと思うのですけれども、今非常に大事な時期で、この地検の方が何らかのコメントをやるという——今回のこの宇都宮地検の方に対して、法務省はいわゆる中央としてどんなお考えです。これは不適当なのか、いわゆる誤解を与える機会を与えてしまったということに対する行政上の反省があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 一先ほども申しましたように、検察当局といたしましては、かねてから厳正、公平、不偏不党の立場から、連座制の規定の適用につきましてもこれに当たるように、関係の会議等におきましてもその旨の一般的な指示等を行うようにいたしておるところでございます。  本件におきまして次席検事が述べましたことにつきましては、先ほどのような趣旨のものと理解しておりますけれども、かりそめにもそのような誤解を受けないようにいたしてまいりたいと思います。

若松謙維新進党

○若松委員 先ほどの、検察官の今回の連座適用のお立場というのをぜひ重々御理解いただいて、無用な、不要な摩擦がないように御努力をいただきたいと思います。  質問を変えまして、その前に一つ主張をさせていただきたいのですけれども、今回この組織管理者の連座制適用というところがあるわけですけれども、これはやはり一度私たち政治家としても、今回の政党助成金、年間で約三百九億出たわけですけれども、これは本来政党活動という形で政治活動という形で使われて、いわゆる選挙資金には使われない、そういう理解になっていると思います、今回のこの三百九億が、先ほどの組織管理者等によって万が一選挙運動で使われた場合には、これは本当に国民に対する冒涜だと思います。ぜひともこの際、栃木四区のこの事件を一つの契機として、私も含めて、そういうことがないように自戒を求めていきたい、そういう言葉を付しておきたいと思います。  それと、二点目の質問といたしまして、公務員の選挙運動、政治活動について質問させていただきます。  たまたま私の対立候補が、御存じの埼玉六区に出ておりまして、茶谷候補というのがまさに福祉を食い物にしたということで、あり得ざる事件が起きました。そして、これが公務員かつ本人だけではなくて、その省庁のトップも絡んだ選挙違反ということですけれども、こういったことが起きないように、選挙違反がないような観点から何点か質問していきたいと思います。  今回の茶谷容疑者、私の埼玉六区内でも二カ所特老施設を認可して、その在任期間中にも完成まで多大な尽力をしております。こういった一連の報道が万が一正しいということであれば、そして彼の罪状が確定することになった場合、公職選挙法の二百三十九条の二の一で公務員による地盤培養行為が禁止されているわけですけれども、こういったものに該当するのかどうか。万が一該当する場合には、今回これは警察庁になるのでしょうか、そういった観点からの取り調べを、少なくとも今回だけではなくて全国的にもしっかり捜査を行っているのか、そういった点について聞きたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 ただいま御指摘のありました公選法の二五二十九条の二の第一項におきましては、衆議院議員または参議院議員の選挙に立候補しようとする公務員等が、立候補しようとする選挙区におきまして、職務上の旅行または職務上出席した会議などを利用して当該選挙に関し、選挙人にあいさつすることなどの、いわゆる一定の地盤培養行為をすることを事前運動とみなして処罰をすることといたしております。  お尋ねの件がこの地盤培養行為に当たるかどうかということは、行為の実態に照らして判断をしなければならないわけでございますが、私ども自治省は具体的な事実関係を承知しておりませんし、また、具体の事案につきまして断定的な判断を行う立場にありませんので、お答えをしかねることを御理解いただきたいと思います。

若松謙維新進党

○若松委員 それでは警察庁はいかがでしょうか。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 お尋ねのようなケースに関しましては、私どもといたしましては事実に即しまして判断すべきものと考えておりまして、もし刑罰法令に反する行為がございますれば、厳正に取りまりを実施してまいりたいと考えております。

若松謙維新進党

○若松委員 それでは、公職選挙法の百三十六条の二の一、ここで禁止されているのが公務員の地位利用ということです。一般的に、これは厚生省だけではなくて外務省も、きょう官僚出身の議員の方いらっしゃるかどうかわかりませんけれども、例えば外務省から候補者を出します、それで外務省の局長なりまたは事務次官が関係業者を集めて、ぜひ彼をよろしく、例えばODA関係者を呼んでよろしくと、これは地位利用に当たりますか、一般的に聞きます。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 ただいまの問題につきましても、行為の実態に即して判断をされるべきものと考えておりまして、少なくとも私ども自治省は、その具体的な事案につきまして断定的な判断を行う立場にございませんので、御理解いただきたいと思います。

若松謙維新進党

○若松委員 自治省、具体的具体的って、そうすると具体的に選挙を何もチェックしていないんじゃないか、こう言わざるを得ないんですけれども、どうです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 具体的事案につきましては、これは司法当局において適正に対処すべきであるというふうに考えております。  ただ、私どもは、公職選挙法を周知をし公正な選挙のための啓発を図っていくという立場からいろいろと公選法の解釈等は示しておるところでございまして、ただいまの問題につきましては、過去の名古屋高裁の判決等では、職務上の指揮命令権、人事権、予算権等に基づく影響力を行使して、公務員等が部下または職務上の関係のある公務員等に対し、選挙に対して投票を勧誘することは、この地位を利用した選挙運動、あるいは選挙運動類似行為に該当するというような物の考え方を示しているところでございます。

若松謙維新進党

○若松委員 そうしますと、じゃ例えば今回のこの地盤培養行為、また公務員の地位利用ですけれども、ちょっと新聞に書かれた報道を読みますと、まず九月二十五日ですけれども、東京千代田区内で茶谷容疑者の資金パーティーが開かれ、厚生省OBが発起人となり、逮捕された岡光前次官を初め厚生省の局長や課長クラスの多数が参加、医療業界関係者や地元医師会の参加者を前に、岡光前次官は茶谷君をよろしく頼むとあいさつした。これは十一月二十六日の埼玉新聞。  さらには、ことしの八月下旬に、佐藤泰三参議院議員、厚生省幹部の一人が日本医師会本部を訪ね、茶谷容疑者の支援依頼をし、数千万円の資金提供を取りづけたという。さらに岡光容疑者は、地元の上尾医師会にも都内料亭で支援依頼をした。十一月十九日の朝日。  そして、そのほかにも、全部言ってしまいましょう。八月、茶谷容疑者が自民党県議、上尾市長、医師会関係者を伴って厚生省で岡光容疑者に面会を求め、席上、岡光容疑者は茶谷君をよろしく頼むと話した。十一月二十六日の埼玉新聞。  厚生省幹部が大手製薬会社数社に対し、社員、家族に投票依頼。十一月二十六日付産経新聞。  これが今後、いわゆる司法の手で判断されているわけですけれども、やはりこういったことが事実ということであれば、当然公職選挙法百三十六条の二違反であることは明確なわけで、今は確かに収賄罪ということでそれよりも重罪が適用されているわけですけれども、これは再逮捕という形にもなるわけですから、そういった観点から、警察庁として何か注意を払っているのか、また何か捜査的なものをやっているかどうか言えないにしても、その捜査の過程として常にそういう配慮をして行っているかどうか、答弁いただけます。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 今御指摘のように、別事件につきまして捜査中でございますので、お話しのとおり、御答弁はそれに関しましては差し控えさせていただきますが、一般論で申しまして、そのような事実につきましては証拠に即して判断すべきものと考えておりますので、もしそのような違反行為がありまして、証拠がございますれば、私どもとしては適正に対処してまいらなければならないというぐあいに考えております。

若松謙維新進党

○若松委員 例えば、具体例ということですけれども、反論があったらまた次の選挙で恐らく戦うわけでしょうけれども、同じ埼玉県内でも、特に川口市長が候補者と一緒に一年間駅頭で支援依頼をした。特別職公務員も実際に選挙活動はします、できます。しかし、例えば市長室から関連建設業者等、いわゆる指名業者に対して支援を半ば強制する、本来あってはいけないんですけれども、そういったことはもう地位利用そのものではないかと思いますけれども、あえて警察庁、いかがでしょうか。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたとおり、御指摘のようなケースにおきまして刑罰法令に触れるということがございましたら、そしてそれが証拠を持って論ずることができますれば、私どもとしては適正に対処しなければならないというぐあいに考えるものでございます。

若松謙維新進党

○若松委員 わかりました。  とにかく、司法の手できちんとやっているということを前提に今答弁がなされているわけです。本当にやっているのかどうかというのが、今回の連座適用の話がいまだに出てこないというのが、非常に不安になるわけなのです。  今検察当局が、果たして本来の検察としての、法務省としての、いわゆる公益を代表する訴訟の代弁人たり得ている地位があるのかどうか。それで警察も、まさにそういう意味の取りまりの行政的な立場を確保しているのかどうか、非常に今疑義を感じております。私だけではないと思います。ほとんどの国民が、今の日本はおかしい、本来取り締まられるべき人が取り締まられない、どこかからいわゆる権力が介入しているのではないか、そんな議論も聞こえております。  先ほどの仙台の高裁判決、金がかからない選挙ということですけれども、政策論争の堂々とした民主主義を高めるためのお金であればどんどんかけてしかるべきです。しかし、それではなくて、政策に関係のない、まさに票の買収行為は本当に厳しく取りまられるべきであって、今回はそのための連座制の拡大であって、組織管理者はしっかりと警察当局、検察当局によって、裁判所での司法の判断を受ける、こういった行為をぜひともしっかりやっていただきたいと思います。  そしてもう一つ、非常に町の中で日ごろ親しくしております民生委員、民生委員法第十六条に「民生委員は、その職務上の地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。」こういう規定がございます。一般的と言うと、また答えをしてくれない、何のための公職選挙法の委員会がなとつくづく感じるのですけれども——感じませんか。  例えばそういう民生委員、いわゆる社会福祉協議会はそれぞれで地区があります、支部があります。そういったところで民生委員が主導になって、高齢者を呼んでいろいろな企画をします。これは自治省、また警察庁にお聞きしますけれども、そのときに、高齢者等を呼んでそこで候補者の支持依頼をしたら、そういう民生委員の行為というのはまさに民生委員法第十六条違反になると思いますけれども、そういった解釈は成り立ちますでしょうか、一般的に。一般的でなくても、今の私の状況説明で御判断いただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 民生委員法の解釈につきましてはお答えする立場にないわけでございますが、ただ、公職選挙法の真二十六条の二の第一項におきましては、公務員の地位利用による選挙運動が禁止をされております。お尋ねの民生委員は、地方公務員法第三条第三項第二号に規定をいたします非常勤特別職の地方公務員でありますので、この亘二十六条の二の第一項の適用を受けるということになります。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 民生委員につきましても、先生御指摘のような事実が具体的にございますれば、法に照らして判断をしてまいりたいと存じます。

若松謙維新進党

○若松委員 結局、これは警察官が少ないから、本来行われている選挙違反が結果として表に出てこない、そういう一つの限界もあると思います。そういったところを取り上げるのがやはり議会また委員会の使命であると思うのです。そういった状況であるがゆえに、具体例で逃げないで、やはりもっと答えてほしいのです。そういう私の一つの訴えに対して、まず自治省、そして警察庁、ちょっとお答えいただきます。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、私どもは個々具体の事案につきまして、それが違法であるか適法であるかというのを最終的に判断する立場にございません。その点で御理解いただきたいと思います。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 警察といたしましては、選挙の公正性を確保するという立場からこれまでも厳正、公平な取りまりを旨として取りまりを実施してまいったわけでございますが、御案内のとおり、選挙運動に関しましては一斉に行われるという特殊な状況がございまして、私どもの方も各種の情報収集をして取りまりに当たるわけでございますけれども、事実的には一定の限界もございますことを御理解賜りたいと存じます。

若松謙維新進党

○若松委員 やはりこの際ですから、私の理解した事実だけはぜひ記録に残したいと思うのですけれども、私が当事者なので非常に言いにくい面もありますけれども、ではだれが言ってくれるのかというのも問題がありますし、そういう本来の失礼をおわびしながら言わせていただきますけれども、この民生委員というのは本当に全国に数が多い、かつ選挙で名前が出る方々です。今回の私どもの選挙区内の期間中の状況でありましたけれども、埼玉県の北本市、そこで社会福祉協議会、これは具体的に第四支部、十月十六日、まさにこの社会福祉協議会が主催してお年寄りの食事会を開いて、その席上に茶谷容疑者の姉妹と称する方があいさつをして、そして民生委員がその参加者約五十名によろしくとお願いしながらチラシを配った。  事実の内容そのものは当然司法の手なのでしょうけれども、こういう具体例という形ならお答えできるのです。どうですか、警察庁。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 いろいろなケースが考えられるわけでございますけれども、警察の取りまりといたしましては、我々もいろいろな御指摘をも含めまして情報収集を行って取りまりに着手をするということでございまして、今のお尋ねのような一般論につきまして私どもの見解を、こういう具体的なケースだがという御指摘ではございますけれども、御答弁いたしかねる立場でございますので、御理解を願いたいと存じます。

若松謙維新進党

○若松委員 いずれにしても、今回の公務員による選挙地盤培養行為、そして地位利用、やはり今回のような事件が、特に厚生省絡みの事件が起きないよう、そして今回の、これも警視庁の捜査当局から聞いた話ですけれども、この捜査はことしの三月ぐらいから二百人規模でやっていたわけですけれども、ずっと茶谷、小山、岡光容疑者を追っていて、いよいよ背中まで見えた。そしたら急に見えなくなった。立候補したわけです。立候補妨害はいけない。本当に落ちてよかった。私に感謝状は来ませんでしたけれども、本当に選挙に勝ては、まさにこの事実が闇に葬り去られた。こういうこともあるわけです。  今後、公務員の選挙を利用したそういう事実隠し等をやはり抜本的に防止しなければいけないと思うのです。そういった観点から、公務員の今後の選挙違反防止策を具体的に、例えば国家公務員ですと総務庁、そして国家公務員から地方に出向並びに地方公務員も含めて自治省、そういった何らかの手を従来打っていたのか、それとも、今後起こり得るであろうこういう第二、第三の事件に対して何らかの手を打とうとしているのか、その点について説明をいただきたいと思います。  これは大変国民的な重大な関心事であります。皆様がどのような姿勢でこの問題に、選挙という観点での公務員の関与というところに非常に重大な関心がありますので、そういった観点からのお答えをいただきたいと思います。

大西一夫総務庁人事局参事官

○大西説明員 まず国家公務員法の関係でございますけれども、職員の政治的行為につきましては、国家公務員法とそれから人事院規則によりまして制限されているわけでございます。総務庁といたしましても、国家公務員法違反の事態が生じないよう、各省庁の注意を喚起するなど努力してまいりたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 地方公務員につきましても職員の政治的行為は禁止されておりますし、また、特別職を含めまして地位利用による選挙運動等が禁止をされておるわけでございまして、この点につきましては、例えば総選挙や通常選挙等がありますたびに、選挙期間中における公務員の服務規律の確保というようなことで通知を出して、指導を行っているところでございます。

若松謙維新進党

○若松委員 ところが、少なくとも岡光容疑者、先ほどの新聞報道が事実であれば、まさに公務員のトップでそういう自分の部下をしっかりと監視というか指導しなければいけない立場が、平気で茶谷をよろしく、こう言っているわけですけれども、本当に公務員としてそういうやってはいけないという徹底がなされているのかどうか見えないのです。  実は先ほども、我が党の公務員出身の議員がおりました。通達等でそういう徹底がされているのですか、いや聞いたことありませんねと、そう言っていました。本当にやっておりますか、やる気があります。総務庁、ちょっと答えてください。

大西一夫総務庁人事局参事官

○大西説明員 私ども、これまで総選挙等、選挙の機会あるごとに、特に服務規律を確保するための通知を出して、この関係で服務規律が確保されるよう徹底を図っていただくように各省庁に注意を喚起しているところであります。  これからも選挙のたびごと、服務規律は各省庁が徹底を図るものでございますから、私どもとしても各省庁に対し、その服務規律確保の徹底を図りますよう通知等で注意喚起していきたいというふうに思います。

若松謙維新進党

○若松委員 これは、総務庁行政監察局もあるわけですし、そういった観点からしっかり調査をやっていただくように依頼をしたいのですけれども、総務庁、どうですか、ちゃんとやられます。そして報告書を議会にいただけます。

大西一夫総務庁人事局参事官

○大西説明員 調査、報告の関係ですけれども、人事院規則の方で、政治的行為の禁止、制限に関しまして「各省各庁の長は、法又は規則に定める政治的行為の禁止又は制限に違反する行為又は事実があったことを知ったときは、直ちに人事院に通知するとともに、違反行為の防止又は矯正のために適切な措置をとらなければならない。」というふうにされているところでございまして、これが適切になされているというふうに思います。

若松謙維新進党

○若松委員 過去においてそういう報告書が出ていれば私はやっているとみなしますけれども、出ていなければまさにそういった総務庁の任務解怠だと思います。結果を楽しみにしております。  済みません、ちょっと最後に一つだけ確認させてください。  これは、自民党さんがいる前で恐縮ですけれども、選挙投票日二、三日前に全国的に数千万枚配られたということで新進党も告発いたしました。それに対する逆告発もありましたが。これは「このパンフレットは、政党の自由な政治活動であって、選挙期間中でも、自由に配布できます。」ということなんですけれども、これは自治省ですか、チラシ、パンフレット、違いがよくわかりません。そして、これは基本的にはネガティブキャンペーンなんですけれども、こういったものが先ほどの公職選挙法に違反しないかどうか、自治省としてどういうお考えでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 政治活動用の文書図画につきましても、総選挙の期間中はビラの頒布は禁止をされておりますが、パンフレットはビラに含まれていないという解釈になっておりまして、これにつきましては、特定の候補者の氏名またはその氏名が類推されるような事項を記載をして当該特定の候補者の選挙区内に頒布をしない限り、特に禁止はされていないということでございます。  したがいまして、お尋ねの件につきましては、当該文書がビラなのかパンフレットなのか、それから文書の内容が選挙運動にわたるのかどうか、あるいはまた、選挙運動に該当しなくても特定候補者の氏名等が掲載されているのかどうかという具体の事実に基づいて物事が判断をされるということになろうかと思います。

若松謙維新進党

○若松委員 そうしますと、これは比例選挙も今回導入されたのですけれども、比例区というのも、党名というのも候補者ですよね。これはどうなるのですか、党名が入っていれば。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 ただいま申し上げましたのは二百一条の十三の第一項の第二号で規定をされているわけでございますが、「掲示又は頒布する文書図画に、当該選挙区の特定の候補者の氏名」ということになっております。

若松謙維新進党

○若松委員 これは、選挙制度で比例区を導入した以上重要な問題だと思うのです。これは本当にこういう形で、出し得みたいな形の国民の理解もまた政治家の不名誉ですし、少なくとも住筆頭理事なんかもある意味ではちょっと関係ない世界でこういうチラシが配られているわけだと思うのです。  比例区との関係で、ぜひ理事会でこれのあり方を検討していただきたいのですけれども、委員長いかがでしょうか。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 その件につきましては、理事会でお諮りをさせていただきます。

若松謙維新進党

○若松委員 以上、質問を終わります。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 大畠章宏君。

大畠章宏民主党

○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。  私ども民主党は、政官業の癒着構造そのものに決別をすることがこの日本の政治、経済、社会のシステムを根本から解決するものになる、そういう考えに立っているところでありますが、特に選挙についてきちっとした形のルールに基づいてやることは、いわゆる先進国としては大変重要な要素だと思います。  先ほど若松議員からもお話がございましたけれども、今回の総選挙、そういう目で見たときに先進国日本として果たしてどうだったのかということを考えますと、非常に疑問に感ずることがございます。  特に、先ほど若松議員からもお話がありましたが、候補者の後ろ側にいろいろちらほらと見えるような影もありましたし、あるいは中央官庁の影響なんかもあったのじゃないかなんということがささやかれたりして、こんな日本の選挙でいいのかなという感慨を改めて持っているところであります。  先ほどの若松委員と行政当局との話を伺っているときに、私も、政治改革特別委員会で大激論を交わしながら今日の法律をつくった者の一人として、立法府の考えというものをもうちょっと理解してほしいなと思います。  改めて、これは平成六年十月十三日の本会議の議事録でありますが、どういう意思を持ってこれらの法律をつくったかということを、ちょっと部分だけを申し上げたいと思います。  三塚博議員の発言でありますが、「候補者本人の選挙運動浄化の責任を問う新しい連座の制度を設けることといたしました。」という発言、さらには、「今回の新しい連座の制度は、候補者本人の選挙浄化に対する責任を問うものでありますので、組織的選挙運動管理者等が犯した買収罪等に該当する行為がおとりもしくは寝返りによって行われたものであるときまたは候補者本人が相当の注意を怠らなかったときは、連座制を適用しないことといたしております。」とか、いろんな発言がされております。  保岡議員の方からは、「七年前、竹下内閣のもとで火のついたリクルート事件等による国民の政治に対する徹底した不信感の高まり、議会制民主主義の崩壊の深刻な危機感にあったと思います。」「その元凶は、だれが考えても、日常活動と称する地盤の培養行為と、選挙そのものに国民の常識をはるかに超える法外な資金がかかることにあるのは間違いありません。」「選挙の腐敗が後を絶たずこ「これを放任、許容する土壌があることも否めない旨の指摘がなされているところであります。」  さらには、今回の連座制の問題が焦点だと思いますが、「候補者等の選挙浄化に対する責任を問うという新たな観点から、連座の対象者を選挙運動を行う組織体における末端の責任者にまで拡大し、公職の候補者等と意思を通じて組織により行う選挙運動において、選挙運動の計画の立案、調整または選挙運動に従事する者の指揮監督その他選挙運動の管理を行う者を「組織的選挙運動管理者等」として位置づけことか、連座制の免責についても、先ほど言ったような話でありますが、このおとりとか寝返りとかいう話ではこれは除外するということでありますけれども、いずれにしても、最後の結びの言葉には、「時代の大転換期に当たり、未来のすばらしい日本を築き上げるためには、国民の皆様に痛みの伴う改革をお願いすることを避けて通ることはできません。」等々の発言もございます。  さらには、「日本の現在の公職選挙法について申し上げますとこというくだりがありますが、「しかし、先進国の中で最も腐敗をした選挙をしているのが実情であり、選挙ごとに数千人の人が検挙され、その約九割が買収で占められております。このまま先進国のどこにも見られない選挙腐敗を続けていくとするならば、世界の中でますます重要な立場に立つ我が国の政府とその政策が、国際社会において正統性を疑われるような事態にもなりかねないことを強く憂慮いたすものであります。」  そういう状況のもとでこの選挙法を改正しようとしたわけでありますが、最後に、「結果として、日本の選挙から買収等の選挙違反が激減し、司法当局は取り締まりの負担が軽減され、選挙浄化に努めている政党や政治家の大きな力になるものと確信しております。」というのが立法府のこの法律を定めたときの意思なんです。  それに照らしますと、今回の選挙の結果、確かに選挙違反は買収等も減っだということが報告されておりますが、しかし、結果として、買収六百七十六件、人員が千三百六十三人も検挙されたという事実は非常に残念な結果であります。そして、この事実は事実なんですが、これに対して、私ども立法府の意思を酌んで行政当局がこの選挙結果にどういうふうに対応するかということに、次の総選挙といいますか、これからの地方選挙も含めてどういう形になってくるかということにかかっていると私は思うのです。  したがって、最初に警察当局から、今回の総選挙の現金買収、特に悪質なもの、検挙されたものはどういうものがあったのか、そういうことについて概要をお伺いしたいと思います。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○佐藤(英)政府委員 私どもといたしましては、買収事犯というのはいずれも悪質なものというぐあいに考えておるところでございますけれども、特に、強いてと申しますれば、今回の違反取りまつの中におきまして見られたものでは、三種類のものがあろうかと思います。  まず一つは、買収金総額が一千数百万に上るものがございました。それから二つ目といたしましては、詐偽投票を行わせるための買収事犯がございました。そして三つ目といたしまして、暴力団が被疑者として関与している買収事犯がございました。  強いて申し上げれば、この三態様がなお悪質なものであったかというぐあいに存じます。

大畠章宏民主党

○大畠委員 公職選挙法を変えたにもかかわらずそのような悪質な事例が起こるということは、やるだけやっても捕まらなければいいかとか、このぐらいは連座制にひっかからないからやり得だというような、そんな風潮もひょっとしたら起きているのかなと思うのです。  今マスコミや国民も注目しておりますのは、「選挙違反連座制で「失職第1号」は誰だ」、週刊誌などもこういう見出しを出して注目しているところでありますが、今どの事例がどれかというとなかなか答えづらいでしょうけれども、和歌山三区の問題だとか宮城六区の問題がひょっとしたらなるのではないかというような話がマスコミ等では今出ているところであります。  それと、現金買収の状況がいろいろ出ていますけれども、先ほど若松議員からも話がございましたけれども、私の北関東地域の中では、茂木町の助役さんの問題というのは、私も政治改革特別委員会の一員として仕事をしてきた人間としては、こういう事例まで連座制にひっかからないということをもう早々と地検が言っていること自体が非常におかしいのじゃないかと私は思うのです。  それはなぜかというと、自治省の連座制の拡大についての案内といいますか、これを見ると、「組織的選挙運動管理者等」というのはどういうことかというと、「一定の地域あるいは一定の分野の全部又は一部において、組織により行われる選挙運動の中心となって取りまとめている人、それを補佐する立場の人、それらの者と一緒になって選挙運動の重要な部分を担当する参謀格の人など、選挙運動を行う組織の構成員の選挙運動のあり方を決定し、実行させる行為を行う人」というようなパンフレットが入っています。  連座制の対象外だというような判断を地検はしているそうですが、少なくとも新聞でいろいろ調べると、この対象の方はこの候補者の後援会を発足させた。それは九月九日の夜、そして、町内の旅館で開かれた会合では後援会会長に云々で、この人は役員には入っていないけれども総合司会をやった。いろいろな人の話を聞くと、この人は実質的な幹事長役だったというような話も出ている。そういうことからすると、この人が逮捕され云々というときには当然連座制の対象になるのじゃないかと私は思うのです。  こういうものも連座制の対象にならないと、地検当局が早々とこういうことを出すこと自体、いわゆる千三百六十人も逮捕者を出し、次の選挙だって、まああの程度はいいんだからという話になっちゃうのじゃないかと思う。市民の観点からいえば全く私は理解できないのです。こんなことをやっているから、先ほどの保岡さんの話じゃありませんが、本当にこの日本、いいのかと。  それで、ここまで私たちは議論をしながら、法的に詰めてこういう法律をつくったわけです。しかし、それを行政当局が早々と、そういうのは対象外ですとかなんとかというふうな話をし始めると、では今のこの法律でもまだ不十分なのかという話になってくるのです。そこら辺、自治省と法務省、この連座制の分水嶺というところ、どこまで踏み込んだらアウトとかセーフなのかという分水嶺、その判断は一体だれがやるのか、そこら辺を自治省と法務省の方からちょっとお話しいただきたいのです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 私どもは、公職選挙法を所管する立場から一般的な解釈をし、そしてまたその周知徹底、普及啓発を図る立場から、有権者等の理解を求めるべくパンフレット等を作成して配布するというような仕事を担当しているわけでございます。したがいまして、法文の一般的な解釈というような判断というものは示しておりますが、個々具体の事案につきましての最終的な判断というものは有していないところでございます。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 公職選挙法二百十一条一項は、所定の連座要件により当選無効または立候補禁止となると認める検察官は高等裁判所に連座訴訟を提起しなければならない旨規定しております。したがいまして、検察官といたしましては、連座制の要件が認められる場合には連座訴訟の提起を義務づけられているものと承知いたしております。  ただ、連座訴訟を提起するかどうかにつきましては、買収等を行った者を禁錮以上の刑に処する刑事判決が確定した後、検察当局におきまして、当該具体的事案におきます捜査、公判の過程で得られました証拠その他の調査結果を総合的に勘案いたしまして、所定の連座要件が認められるかどうかを判断して決定するものでございます。

大畠章宏民主党

○大畠委員 新聞報道によると、ここのところの茂木町というのは小さな町で、この候補者の得票は全体の五%にしか満たない、したがって、ここで連座制を適用して失職させたのでは問題があるというような判断もあるのではないかとか、これはそうじゃないかという推測があるようですが、私たち立法府の意思を全然解していない。五%だろうが一%だろうが、こういうことを黙認するということ自体が立法府の意思を無視しているのではないかと私は思うのです。  特に宇都宮地検の方が連座制の適用になる要件が見当たらなかったという話をしているのですが、ここら辺、よく中央で話はしているのです。こういうところが重要な判断なんです。そして、軽々しくこういうことでマスコミ等に発言していること自体が、あのぐらいはやっても大丈夫なんだという実例に挙がってくるのです。私は、この問題は今お話しになったような一般論では片づかない問題だと思うのです。  したがって、この問題、先ほども言いましたようになぜ連座制の対象外としたのか。捜査を尽くし法律の趣旨と照らし合わせて検討した結果、連座制の適用になる要件が見当たらなかったと言うけれども、私たち立法府にわかるように説明してくださいよ。  委員長、その資料は要求したいと思うのです。なぜこの問題について適用要件にならなかったかという、この分水嶺は非常に大切なんです。したがって、できれば理事会等で話して、なぜこういう判断をしたのか、きちっとした資料を委員会に提出するように要求したいと思いますが、委員長、よろしくお願いします。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 個々の事案でございますから、理事会にはもちろん語らせていただきますけれども、そのときの皆さんの御意見に任せたいと思います。

大畠章宏民主党

○大畠委員 さらにこの問題、今資料を要求しましたけれども、何か地元の方と話をして確かめています。現状について、これはどこになるのかな、一警察庁なのかな、ちょっと教えてください。

麻生光洋法務省刑事局刑事課長

○麻生説明員 お答えいたします。  お尋ねの事件につきまして、御指摘のような新聞報道がなされており、先ごろも他の委員会で御質問がございましたので宇都宮地検に確認いたしましたところ、宇都宮地検におきましては、起訴時点では裁判所に対していわゆる百日裁判事案と思料する旨の連絡はしていない旨を述べたにすぎないものと承知をいたしております。  なお、先ほど来申し上げておりますけれども、組織的選挙運動管理者等に係る連座制につきまして、連座訴訟を提起するかどうかは、買収等を行った者について、その者を禁錮以上の刑に処する刑事判決が確定した後、検察当局におきまして捜査、公判の過程で得られました証拠その他の調査結果を総合的に勘案して、公職選挙法所定の連座制の要件が認められるかどうかを判断いたすものでございます。

大畠章宏民主党

○大畠委員 先ほども、本会議でどういう環境のもとに私どもがこの法律を議員立法として提出して成立させたかということを申し上げましたけれども、とにかくそういう立法府の意思というものを十分考えながら行政当局は仕事をしてほしいのです。  したがって、千三百六十三人が買収で検挙されましたけれども、特に悪質なものについては、立法府の意思をもってきちっと対応してもらいたい。そうじゃないと、いつまでたっても日本の国が、経済的には大国と言われるけれども、選挙は毎年毎年、地方選挙も含めて買収の横行だとか、そんなことをやっているようじゃ国自体の信頼にかかわると思うのです。  今回の行政当局の初めての総選挙、県議会の方は一人連座制で失職しましたね、この問題も、一人当たり五千円のときには失職をして一人当たり四千円の供応のときには適用除外とか、何かよくわからないのだけれども、五千円と四千円ではどのくらい違うかわかりませんが、皆さんの仕事のやりぶりが、結局日本のこれからの政治の土壌というものの基準を決めることになるんですよね。  したがって、いろいろな内外の圧力等も加わるのかもしれませんけれども、そこは、日本の国を何とかしようという気持ちを持って私たちもここまで法律をつくったんですから、それをやってもらわないと困るのです。そして、もしも不十分であれば、こういうことをやらなければならないということをまた出してほしい。そうしたらまた法律をつくります。そうじゃないと、イタチごっこじゃありませんけれども、法律をつくればぎりぎりのところでまた買収する、そんなことをいつまでもやっていたら、司馬遼太郎じゃありませんけれども、まさに日本の将来にあすがなくなります。だから、まず政治改革は選挙問題、これは徹底してやる、そういうことをぜひお願いしたいと思います。  それで、最後に自治省にお伺いしますが、これだけ法律を準備したにもかかわらずこういうふうな事件が起こること自体が、自治省の努力が少し足らなかったのじゃないです。こういうことをやったらアウトになりますよということをもっと大々的に、火だるまという表現はあれかもしれませんけれども、とにかく一生懸命、選挙の前にこれだけはやってくれ、私は、やり方が足らなかったからこういう案件が、買収は減ったといいますけれども、千三百六十三人も検挙されるような状況になったと思うのです。自治省の方でどういう努力をしたのか、ちょっとお伺いしたいのです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 自治省といたしましては、連座制の強化につきましての周知徹底を図りますために、いろいろな啓発手段を用いまして啓発を行っておりまして、最初は「連座制強化のあらまし」というパンフレットでございます。これには、ただいま委員御指摘のように、この改革というものが百三十一回国会の政治改革調査特別委員会等の質疑に対する提案者の答弁を基本に作成したということで、そういう内容のものといたしましてこれは四百六十万部出しておりますし、ちょっと手元に持ってきておりますけれども、チラシを四千五百万部、新聞広告は全国七十五紙、点字パンフレット六万部、朗読テープ七万四千本等を行っております。  それからまた、他の改正事項、いわゆる選挙制度そのものの改革等とあわせましたチラシを四千五百万部、それから、公職選挙法のあらましパンフレット六百二十万部、衆議院有権者用のパンフレットを各百七十四万部出しております。それから、今回の衆議院議員選挙に際しましては、臨時啓発といたしまして、他の改正事項とあわせまして、新聞広告全国七十五紙、チラシ一千万枚等を配布して、その啓発に努めたところでございます。

大畠章宏民主党

○大畠委員 終わりますが、一生懸命やっていただいたのはわかりますが、ただ結果がだめならだめなんです。これは民間でいえば、どんなに努力したと言ったって結果がだめならだめなんです。  したがって、この総選挙の結果を受けて、自治省としてさらに再度徹底をして、本会議でありましたけれども、まさに買収事件なんかはほとんどゼロに近くなる、そのくらいまで努力していただきたい。そして、もしも不十分な点があれば私どもの方にまた言っていただきたい、そして新たな法律を準備するように努力していきたいと思います。  ぜひ各関係省庁にそういうことをお願いして、終わります。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、政党助成法、政党交付金について、自治省にお尋ねをいたします。  政党助成法に基づく交付金の各党への配分を見ますと、九五年分が、自民党が百三十三億六千万円、新進党が九十二億一千万円、社民党が五十六億二千万円、さきがけが七億七千万円。九六年分が、まだ年度中でありますが、自民党が百三十七億円、新進党が九十八億二千万円、社民党が四十七億二千五百万円、さきがけが八億五千百万円、民主党が四億二千百万円、こういう数字が出ているわけであります。  我が党は、国民の思想、信条にかかわらず、強制的に国民の浄財が政党に配分されるというのは憲法上からも許されないという立場から、この成立には反対をしただけではなくて受領も拒絶しているわけでありますが、きょうは、政党交付金の使い方についてお尋ねをしたいと思うのです。  ことしの九月十三日の朝日新聞の報道にこういうのがあります。「政党交付金、ヘンな使い道ずらり」こういう表題で、「すし屋、スナック…飲食代計上が続々  慰安婦基金や供託金…「党財政苦しい」  ヘアメーク代、大学OB会…「これも政治活動」こういう見出しで、飲食費について、  すし屋、焼き肉店、居酒屋、クラブ。新進党の東京都第十総支部の支出には、交際費の名目で六つの飲食店名が並ぶ。総額四十四万円。同支部は「関係者の会合や親ぼくで使った。これも政党活動の一環」という。   同党の宮城県第五総支部も、スナックでの飲食費五万八千円を接待費として記載している。 いろいろありまして、   報告書によると、明らかに飲食とみられる支出を計上した政党本部・支部は新進党を中心に二十以上にのぼる。 こういう記載があります。  また、「OB会費に支出」という見出しては、   新進党の石田幸四郎氏が支部長を務める愛知県衆院比例区東海第五総支部は、石田氏が会員になっている明治大OB会「名水クラブ」の年会費六万円を支出した。石田氏の事務所は「OB会は選挙で応援してくれるので、政治活動の性格を持つと考えた。しかし、公私混同の批判は免れないので、今後は石田個人の後援会で処理したい」。 まあ、いろいろこういう記事があるわけであります。  もう今さら言うまでもないわけでありますが、政党助成法の第四条の第二項には、「政党は、政党交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な。財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものとするとともに、国民の信頼にもとることのないように、政党交付金を適切に使用しなければならない。」こういう条文がしっかりあるのですが、先ほど私が挙げた例、まあ新聞報道でありますが、こういうところにこういう形で金が使われることに対して、この法第四条二項の趣旨に照らして、これはどういうふうに考えるか、自治省の所見をまずお聞きしたい。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 政党助成法の第四条の第二項は、ただいま委員御指摘のように、これは、貴重な財源で賄われているものであることを特に留意して、国民の信頼にもとることのないように適切に使用しなければならないというふうに記載をされているところでございますが、同条の第一項では、「国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない。」というふうにしているわけでございまして、第二項の趣旨のとおりに適切に使用されているかどうかということにつきましては、この政党交付金を充当した支出を公表することによりまして、国民の監視と批判にまつことにしたものと考えているところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そういう国民の監視と批判を仰ぐために、それでは、こういう不適切な政党交付金が使われたときに、これを是正させるための法的手段、担保、国民の監視と批判を仰ぐための法的担保は、政党助成法ではどんなふうにとられているのです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 ただいま申し上げましたように、政党交付金の支出の公表を通じまして国民の監視と批判にまつということでございまして、ひとえに国民が判断をし、さらに法等に是正をすべき点があればこれを世論として巻き起こすというような形になるわけでございまして、具体的な是正の担保措置が政党助成法に設けられているわけではございません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 政党助成法によりますと、第十五条で政党の会計帳簿への記載、十七条で政党の報告書の提出、そしてさらには報告書の公表、これが第六章で記載されているわけであります。  同じ日の朝日新聞の報道をちょっと引用いたしますと、実は、先ほど私が述べた例は正直な報告だと思うのです。それで、こういう記事もあるのです。「自民党は百三十三億六千万円の支給を受け、四百二十一の支部にほぼ一千万円ずつ、計四十一億八千万円を分配した。」いろいろありまして、「どんな使い方が批判を浴びたかを調べて、使途の内規を定めた。飲食費にあてることは禁止し、備品・消耗品費、大会費、印刷製本費など十項目に限定している。報告書は「批判を受けないように、何度もチェックした」結果のようだ。」こういう記載があるのです。  それで、この記事の末尾のところに、初の政党交付金の使途報告作成に自民党は何度も講習会を開いた。しかし、実際、今の法制でいきますと、この交付金を人件費に回せば、光熱水費と人件費以外の場合は詳細を明らかにする必要はない、そういう建前になっている。法律上、規則上そうなっている。それで新聞はこう書いているのです。「整然とした報告書は、必ずしも政治活動の実態を表してはいないという問題が残されている。」  要するに、飲食費に使った五万円を超える金額について、どこのクラブで幾ら使ったということを正直に報告すれば、それは国民の批判にさらされるのでしょうけれども、もう人件費というふうに一括してくくってしまえばそれは見えなくなる。まことに私は法の不備だと思うのですが、そういう仕組みであることは間違いないです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 ただいま御指摘の点は、政治資金の収支報告書も同様でございますけれども、人件費とか光熱水費のような経常的なものは一括して報告をし、その他の支出については五万円以上のものは一件ずつ報告をするという仕組みになっております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 東海大学教授の白鳥令さんも指摘しています。「問題は、政治にかかる金が本当に私生活に使っていないかという、公私の区別があいまいになっていることで、報告書からはそれがわからない。」そういう法体系なんですね、規則まで全部調べ上げます。ですから、その辺が、国民の批判と関心にしっかりさらされる前提として情報がしっかり公開されなければいかぬわけですから、その辺の法整備が求められるということを指摘して、次の点に移りたいと思うのです。  今回の総選挙で大きな問題になった一つに、マスメディアを使った派手な宣伝合戦ということがあるわけであります。テレビや新聞を使った派手な宣伝合戦が繰り広げられたという問題であります。  私は、ここに、ことしの十月二十三日の社団法人日本反間放送連盟が発行している「民間放送」と題する新聞ですか、これを持っているわけでありますが、   政党スポットは、自民党、新進党、民主党、社  民党、さきがけ、自由連合の六党が出稿。出稿額  は、新進党の約十億円をはじめ、民主党がテレ  ビで約二億円、社民党がテレビ千本、ラジオ八  百本など。金額を公表していない自民党も「従  宋よりかなり多くなっている」(広報担当)と各  党とも大幅に増加した。こういう記載がございます。  今の公職選挙法上、選挙活動について言えば、政見放送、経歴放送、これに限られるわけです。政党がこういうことをやることについて、法制はどうなっているのです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 現在の公職選挙法におきましては、政党が政治活動としてテレビ等により制作の宣伝活動を行うことは、選挙運動に該当するものでない限り一般的には禁止されていないところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そこで、選挙運動に該当するか該当しない政治活動がの判断基準、これは何なんでしょうか。先ほど掲示した「民間放送」によると、こういう記事もあります。   党首の出演については、選挙制度の改正でこれまで以上に政党がクローズアップされたことを受け、自治省が「出演する人が党首または党を代表するもの。そのスポットの放送が党首などの選挙区に限定して放送するものではなく、党首個人の選挙運動につながらない内容であれば公職選挙法上は問題ない」(選挙部選挙課)との見解を示した。 これは自治省のことを示しているのですが、こういうことがこの新聞には書かれているのですが、自治省はそういう解釈なのでしょうか。  具体的には、橋本自民党総裁が剣道をやっている姿がテレビに流れましたね、あれを橋本さんが立候補している小選挙区で放映したら選挙活動だと、岡山何区ですか、それ以外だったら政治活動だなんて、そういう解釈を自治省はとっているのです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 一般的には、党首の出演は当該本人の選挙運動にはならないという見方をいたしております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 その党首が小選挙区制の候補者であった場合に、当該小選挙区の地元で報道されてもいいというわけです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 その出演の態様等、個々具体の事例によって最終的には判断をされるわけでありますけれども、当該選挙区において当該党首が非常に大きなシェアを占めながら出演をするとかというようなときにはまた別の判断もあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、個々具体の内容がなければ私どもは一般的な判断しかできないところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、日本の公職選挙法が余りにも選挙運動についてがんじがらめの規制をしているというふうに見ております。ですから、政治活動の自由は一層拡大しなければならない。戸別訪問とか文書頒布の規制を取り外して、可能な限り最大限そういう選挙活動の自由も拡大しなければならないという立場であります。  しかし、今回、総選挙で各党によって行われたテレビコマーシャル、また新聞を使っての広告、これはまだ報告書が届いておりませんから定かではありませんが、恐らく莫大な政党交付金がその原資に使われたのではないかと思われます。  十月十日付朝日新聞でも、「「かける費用は十億円」という政党あり、「空中戦」という政党あり……。 各党こぞってテレビコマーシャル」というような見出しでその間の経過が詳しく書かれているわけでありますが、何十億円というお金を特定の政党がテレビコマーシャルを利用して流すということは、私は平等という観点から見て問題ではないかと思うのです。  選挙が、大きな政党も小さな政党も、金のある政党も金のない政党も、平等な土俵の上で、できるだけ公正に行われるというのが一つ大事な観点だと思うので、そういう観点から、今の状況を自治省はどのようにお考えでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 本来、政治活動あるいは選挙運動というものは自由でありますが、選挙の公正を確保したり、あるいは選挙に金がかかり過ぎるということを防止をするためにいろいろな規制が加えられて現在の姿になっているわけでございます。そして、一方では、先ほど御議論がございましたように、現在の規制は行き過ぎではないかというような御意見もあるわけでございます。  その中で、政党が政治活動として先ほどのようにテレビ等を活用するということは、一般的には禁止されていないわけでございますが、それを法規制すべきであるかどうかという点につきましては、これは各党各会派において十分御論議をいただきたいと考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 時間が来ましたから終わりますが、最後に、立命館大学の桂敬一教授、ジャーナリズム論のようでありますが、そのコメントをちょっと御披露したいと思うのです。   そもそも政党コマーシャルを選挙にぶつける  ことが不見識だ。各党とも国から政党助成金を  受けている。税金が結果として、高額な政党コ  マーシャルに注ぎ込まれるのは、納税者として  納得がいかない。つまり、資金力にものをいわ  せてコマーシャル競争をすることになるわけ  で、選挙費用の高額化を避け、平等な選挙運動  の機会を保障するはずの「選挙公営」の精神に  も反す。選挙公営の精神に反するじゃないか、この教授の指摘に対して、自治省はどう受けとめます。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○牧之内政府委員 政見放送等の選挙公営につきましては、各党間あるいは候補者間の公平を損なわないようにということに十分留意をしながら現在の制度ができていると考えております。  ただいまの御指摘の問題は政党の政治活動に属する問題でございまして、これは先ほど来申しておりますように、本来、自由に行い得るものであるということでございますし、また、政党交付金の使途につきましては、先ほど申しましたように、その判断は政党にゆだねられているというふうに考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 政党助成法は、受け取った政党交付金が何に使われてもいいなんということを決してうたっていないはずであります。今回の総選挙の結果、私は政党助成制度の罪悪がはっきりしたのじゃないかと思います。早急に廃止されるべきものだと考えております。  本日、日本共産党は、国会に、衆議院に政党助成法廃止法案を提出いたしました。委員の皆さんの御賛同を得てこれが速やかに廃止されることを心から期待して、質問を終わらせていただきます。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十九分散会

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