労働委員会 第1号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1996/11/12
会議録
○委員長(勝木健司君) ただいまから労働委員会を開会いたします。 議事に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。 去る六月十九日の本会議におきまして、労働委員長に選任されました勝木健司でございます。 我が国の景気は緩やかな回復基調にありますが、先行きに不透明感があることから、中小企業におきまして雇用態度が慎重であるなど、雇用情勢は依然として厳しいものがございます。 労働委員会の使命は、内外にわたる経済社会の変化に的確に対応し、勤労者一人一人か安心とゆとりを実感でき、活力に満ちた社会を実現することであります。労働者の雇用の安定を基本といたしまして、総合的な職業能力開発対策、高齢者や障害者の雇用対策、仕事と育児や家族の介護との両立支援対策等を進めていく上で、本委員会に課せられた使命はまことに重大でございます。 委員の皆様の御指導、御協力を賜りまして、公正な委員会の運営に努めていく所存でありますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(勝木健司君) まず、委員の異動について御報告いたします。 本委員会は、山東昭子君の辞職に伴い一名の欠員となりましたが、去る十月九日、嶋崎均君が本委員会委員に選任されました。 また、去る十月三十一日、日下部禧代子君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。 また、昨日、嶋崎均君、南野知惠子君及び松谷蒼一郎君が委員を辞任され、その補欠として西田吉宏君、石井道子君及び大河原太一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(勝木健司君) それでは、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝木健司君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に石渡清元君、坪井一宇君及び長谷川清君を指名いたします。 —————————————
○委員長(勝木健司君) この際、岡野労働大臣及び小林労働政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。岡野労働大臣。
○国務大臣(岡野裕君) このたび労働大臣に就任をいたしました岡野裕でございます。 今日の我が国経済社会の発展は働く一人一人の皆様の努力のたまものであり、これらの皆様が豊かさを実感しながら安心して働くことのできる社会を実現していくことが重要であると考えております。 このために労働行政が果たすべき役割は大きく、一つには、完全失業率が依然高水準にあるなど厳しい雇用失業情勢に的確に対処し、さらに産業構造の大きな変化に対応するための雇用対策及び職業能力開発対策の推進、二つには、労働時間の短縮、職場における安全と健康の確保や勤労者の福祉向上のための対策の推進、三つには、男女の均等な機会の確保対策を初め、勤労者が多様な個性や能力を発揮できる環境の整備などを行い、働く皆様一人一人を大切にしていく社会をつくっていかなければならないと考えております。 このような課題の解決に向け、私は先頭に立って国民の皆様の期待に十分こたえられるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。したがいまして、勝木委員長を初め委員会の諸先生方の大きな御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○委員長(勝木健司君) ありがとうございました。 続きまして、小林労働政務次官。
○説明員(小林興起君) このたび労働政務次官に就任いたしました小林興起でございます。 最近の我が国の雇用失業情勢は、完全失業率が依然高水準にあるなど厳しい状況が続いております。このため、雇用の安定と労働条件の向上を図り、豊かさを実感しながら安心して働くことのできる社会の実現を目指す労働行政はますますその重要性が高まり、さまざまな課題に対して的確かつ迅速な対応が求められております。私は、岡野労働大臣とともに労働行政の推進に全力を尽くしてまいる所存であります。 勝木委員長を初め委員会の先生方の御指導、御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○委員長(勝木健司君) ありがとうございました。 労働大臣、政務次官は御退席いただいて結構でございます。 —————————————
○委員長(勝木健司君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、労働問題に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(勝木健司君) それでは、労働問題に関する調査を議題とし、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。石渡清元君。
○石渡清元君 委員派遣について御報告申し上げます。 本委員会の派遣委員は、去る九月二十四、二十五の両日、最近の雇用失業情勢と雇用対策等につきまして熊本県の実情を調査してまいりました。 派遣委員は、勝木委員長、南野前理事、大脇理事、小山委員、野村委員、今泉委員、吉川委員、笹野委員及び私、石渡の九名でございます。 今回の派遣におきましては、県、労働基準局及び婦人少年室から労働行政の概況説明を聴取するとともに、株式会社お菓子の香梅、ヤマハマリン製造株式会社、希望の里及び熊本テクノポリスを視察いたしました。 まず、熊本県の雇用失業情勢について御報告申し上げます。 県内の経済は緩やかな回復傾向をたどっているものの、雇用情勢は依然として厳しい状況にございます。すなわち、本年七月の有効求人倍率は〇・六〇倍となり、平成五年十二月以降続いていた〇・五倍台からは脱したものの、求人増の多くがパート労働者であることや、全国平均の〇・七二倍を大幅に下回っていることなどから、深刻に受けとめているとのことであります。 さらに、本年二月の調査によりますと、希望退職者の募集や解雇、中途採用の削減といった雇用調整を実施した事業所の割合が全体の一七・五%にも上っているため、県としても雇用調整の動向に神経質にならざるを得ないとのことであります。 なお、九州松下電器菊水工場において、パート労働者七十一人の雇用契約が更新されずに労使紛争になっている件については、熊本県地方労働委員会にあっせん申請がなされておりますが、県としても、今後とも必要に応じ企業努力を促すとともに、相談には十分に乗っていきたいとのことでございました。 こうした雇用情勢の中で、県は、合同就職選考会やUターンフェアの積極的開催、地場企業の振興、起業家の育成など、雇用機会拡大のための施策充実に最大限の努力をしていきたいとのことでございます。 その他の課題として、労働時間の短縮、女性労働、障害者雇用の問題が挙げられました。 本県における平成七年の総実労働時間は千九百七十六時間であり、全国平均に比べ年間で約七十時間も多くなっております。そのため、労使の団体と行政機関から成る「ゆとり創造等推進協議会」を設置し、時短推進のための事業を公労使一体となって取り組んでおります。また、週四十時間労働制への移行が来年三月末まで猶予されている中小企業に対しましては、時短奨励金の活用や経営者に対する働きかけを積極的に行うことによって、円滑に移行できるようさらに努力していきたいとのことであります。 女性労働の問題では、介護休業制度の普及に特に力を入れております。すなわち、介護休業等取得者に対し、低利で生活費を貸し付ける事業を推進したり、介護休業制度の理解、普及のための事業を積極的に展開しており、一定の成果が出ております。 障害者雇用につきましては、平成七年の雇用率が一・六三%と、法定雇用率の一・六%を上回っております。しかしながら、法定雇用率未達成企業が全体の四〇・二%に上っているため、今後五年間で三〇%に改善することを目標に、雇用率の特に悪い企業に対して個別指導を実施するなど、取り組みを強化する方針であります。 次に、株式会社お菓子の香梅について御報告申し上げます。 当社は、昭和二十四年に設立され、県内屈指の製菓会社に発展した会社であります。現在の総従業員数は二百九十二名、うち女性が百九十名で約六五%を占めております。そのため、女性の長期勤続のための環境整備に意欲的に努めております。 私どもが訪れた西原工場には保育所が併設され、ゼロ歳児を含め八十九名の乳幼児を預かっております。勤務時間が朝八時から夕方七時までの時間帯の中で三形態に分かれていること、ほとんどの社員が熊本市を初めとした隣接市町村に住み、通勤に四十分程度を要していることなどから、併設保育所がなければ出産後の勤務は困難であったと話す社員が多いとのことであります。また、保育料も月額で正社員が一万六千円、パート労働者が五千円と低廉であること、小学校低学年の児童の一時預かりの制度もあること、送迎バスも運行していることなどから、入園希望者が多いため、現在増設を計画しております。 次に、ヤマハマリン製造株式会社について御報告申し上げます。 当社は、中・小型プレジャーボートや漁船の製造などを行っております。私どもが訪れた本社・八代工場の従業員数は四百四名でございます。平成三年から七年までの五年間は、労働省の大規模雇用開発促進助成金が毎年一億円ずつ計五億円支給され、約二百名の雇用増につながったとのことであり、本制度を高く評価されておりました。 売上高は、平成六、その両年度が約八十億円で、八年度は百十五億円程度になると見込んでおります。最悪期は脱したものの、なお予断を許さない状況と考えているとのことであります。現在、我が国のプレジャーボートの普及率は四百人に一隻でございますが、今後十年間で二百人に一隻、現在の二倍の普及率を目指していきたいとのことであります。 次に、希望の里について御報告申し上げます。 希望の里は、熊本市の南約十七キロメートルの松橋町に建設され、障害者福祉の拠点となる各種施設が設置されております。私どもは、希望の星ホンダ株式会社、くすのき園、こすもす園の三施設を訪れました。 希望の里ホンダ株式会社は、重度障害者雇用企業として、昭和六十年に本田技研が五一%、熊本県が四四%、松橋町が五%を出資して設立した第三セクター方式の会社で、本田技研の二輪及び四輪の部品製造を行っております。工場敷地は熊本県から借りておりますが、建物は設立時に二億円、平成二年の増築時に一億五千万円をかけて建設しております。その際、労働省の重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金が設立時に一億円、増築時に一億一千万円支給され、工場の新設、拡充に不可欠であったとのことであります。 従業員は正社員が四十九人、うち障害者は二十五人、パート労働者が十四人、うち障害者は二人、ほかにくすのき園の園生五人を研修のために受け入れております。なお、現在の従業員の平均勤続年数を見ますと、正社員全体では七・二年でありますが、障害者は六・九年と若干短くなっております。しかし、昭和六十一年以降に採用された障害者で現在も勤務を継続している者の割合は七三・五%と高率であります。また、退職事由は結婚、出産などが多く、転職希望、職場環境に対する不満などを理由として退職した事例はこれまでになく、今後もその伝統は大切にしていきたいとのことであります。 次に、くすのき園は、就職することが困難な身体障害者に対し、職業訓練や生活指導を通じて社会的自立ができるよう援助、指導を行う授産施設であります。入所定員、現員数とも五十名でございます。授産科目は、ござの作成などを行う花莚製造科、剣逆の面、胴などをつくる武道具製作科、希望の星ホンダの委託作業を行う自動車部品科の三科がございます。しかし、花莚製造科と武道具製作科の仕事が極端に減っているため、授産科目の見直しか大きな課題になっております。 また、園全体で年間に一人が就職できるかどうかといった状況にあるため、入所期間の長期化が顕著となり、十年以上の入所者が五十名中二十八名に上っております。その結果、入所希望者のニーズにこたえられなくなっており、それが大きな悩みとなっているとのことであります。 次に、こすもす園は、知的障害者のための授産施設であります。入所定員、現員数とも五十名でございます。授産内容は、タオルの縫製加工・袋詰め、靴のかかと部分に入れる布の裁断、フルーツ用防護ネットの加工、段ボール箱の中に入れる仕切りの組み立てなどの作業が行われております。 昭和六十二年に開設されてからこれまでに就職できた人の累計は、福祉工場、縫製工場などを中心に十四名にとどまっております。そのため、ここでも入所期間の長期化が問題になっております。一般企業への就職はもちろんでありますが、福祉工場を増設することによって就労の場を一層確保してほしいとの要望が述べられました。景気が低迷する中で、受注の確保がここでも大きな課題となっており、できれば官公庁の仕事を優先的に発注してほしいとの強い要望がございました。 次に、熊本テクノポリスについて御報告申し上げます。 熊本テクノポリスについては、昭和五十八年十一月、その推進母体となる財団が設立され、六十年四月には第一号施設として電子応用機械技術研究所が設立されました。その後も、熊本大学地域共同研究センターの開所、数々の優秀な企業の誘致など、着々と先端技術の集積が進められてまいりました。 熊本テクノポリス財団では、研究開発、科学技術情報の提供のほか、人材育成、起業家支援にも力を注いでおります。人材育成の事業としては、熊本テクノ大学を設け、経営、技術の両分野に関する多彩な講座を開設しております。企業及び受講者からも好評で、これまでの受講生の数は一万人を超える盛況とのことであります。起業家支援のための事業としては、債務保証と低金利融資の制度が設けられており、既に四十七件の実績がございます。 私どもは、財団の附属研究所である電子応用機械技術研究所を訪れました。当研究所の主な業務は、第一に研究所独自の自主研究や企業からの受託研究を進めるといった研究開発、第二に企業等の技術開発を促進するために行う研究施設や機器の開放、第三に研修生制度による人材育成などであります。研究開発業務の成果で注目されるものとしては、当研究所と企業とで共同開発した高性能点字読み取り装置がございます。すぐれた精度と実用性から、学校、自治体、図書館などにも導入され、高い評価を得ております。 なお、財団の基金は六十億円でございますが、最近の金利情勢から運用益を十分見込めないため、財団の運営、特に研究所の研究費の確保などに苦慮しているとのことでございます。国の研究費助成の一層の拡充を要望されました。 次に、熊本ソフトウエア研修センターについて御報告申し上げます。 当研修センターは、情報化の進展に伴い不足が深刻化しているソフトウエア技術者の養成を目的としております。通産、労働両省が推進している地域ソフトウエア供給力開発事業を実施する会社として、平成二年四月、国、県、企業の出資による第三セクター方式で設立されました。 昨年四月には、こうした施設としては全国で唯一の身体障害者ソフトウエア開発訓練センターを併設いたしました。身体障害者に対して情報処理技術者としての技能を習得させることを目的とし、システム設計科、データベース設計科の二科が設置されております。両科とも一学年五名ずつ十名、二年課程のため全体で二十名となっております。来年四月に初めての卒業生が出るため、職員は現在その就職先の確保に努力中とのことでございます。障害者の雇用に対する一層の理解の推進と、法定雇用率の制度や各種助成措置の一層の拡充の必要性を強調されました。 以上、簡単ではございますが、今般の委員派遣の概要について御報告申し上げました。 最後に、今回の委員派遣に当たり、格別の御高配を賜りました関係者各位に対し、深く感謝を申し上げたいと存じます。 以上でございます。
○委員長(勝木健司君) 以上をもちまして、派遣委員の報告は終了いたしました。 —————————————
○委員長(勝木健司君) 続きまして、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 労働問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十一分散会