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136回国会参議院1996/02/22

文教委員会 第2号

発言数
192
登壇者
25
会派数
7
開催日
1996/02/22

会議録

小野清子自由民主党・自由国民会議

○委員長(小野清子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十五日、今泉昭君が委員を辞任され、その補欠として石田美栄君が選任されました     —————————————

小野清子自由民主党・自由国民会議

○委員長(小野清子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野清子自由民主党・自由国民会議

○委員長(小野清子君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に三重野栄子君を指名いたします。     —————————————

小野清子自由民主党・自由国民会議

○委員長(小野清子君) 教育、文化及び学術に関する調査のうち、文教行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳浩と申します。  本日は、いじめ問題と、それからボランティア教育に関する問題と、そしてアンチドーピング教育に関して、この三点に絞りまして質問させていただきます。  まず最初に、御就任早々奥田文部大臣におかれましては、いじめ問題に対して大変な御理解とともに、非常に強力に対応しておられるということですけれども、改めましてこのいじめ問題に対して、その取り組む姿勢と決意というものをお伺いしたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 今お尋ねの問題につきましては以前から心配されておったことで、文部省としてもその都度真剣に取り上げて、都道府県、市町村の教育委員会に協力を要請してまいったところでありますが、私が先月文部大臣に就任をさせていただいた以後におきましても、大体二週間ぐらいの間に福岡県とそれから愛媛県、福岡県は中学校三年生の男子、愛媛県は中学校二年生の女子の生徒がそれぞれいじめによって自殺をするという事件がございましたので、私としましてもこれを非常に深刻に受けとめまして、一月三十日でございましたが緊急アピールを発表させていただきました。その中身については時間の関係で割愛しますが、いじめる子供、いじめられる子供、それから学校の先生、家庭の親、それから地域社会、それぞれの分野に分けて私からお願いをしたところであります。  なお、この月に入りまして、二月十日でありましたけれども、休みでございましたが、国会の都合でなかなか時間がとれませんので、にわかに各都道府県それから政令指定都市の教育長さんにお集まりをいただきました、その席上で、直接具体的に私からお頼みをしました。午後においては、文部省、教育関係三十九団体のそれぞれ責任者の方にまたお願いをしたということでございました。  この教育長会議におきましても、私からあるいは文部省の担当局長から一方的にお願いをするだけでなくて、それぞれ以前から真剣に各県教委、指定都市の教育長さんも取り組んでいただいておりますから、それで向こうの方からもいろいろなお話、御提言があって、非常に実りの多かった会議が持てたと。その成果についてはいろいろこれから上がるんではなかろうかと私は期待をしておるところでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 一月二十七日の毎日新聞を参考にさせていただきますけれども、愛媛県の松山市で三年前に同市立中学校の三年生の男子生徒が自殺をしましたが、その生徒に加えられていた過酷ないじめの実態というものが調査報告書「君の死を無駄にしないために」としてまとめられました。それをまとめたのは、保護者の方であるとか市民グループの方がまとめられたわけですけれども、その方々のおっしゃることには、その事件のあった学校側が、「教育現場で犯人捜しはできない」と、いじめた生徒たちへの調査や適切な指導を怠ってきた」というふうな発言をしております。  これは、教育委員会といいますか文部省側のどういう御意見でこういう対応をしていたと感じられるような事態になってしまったのでしょうか。これは質問通告はしておりませんけれども、見過ごすことのできない事項でございますので、もしお答えできる方がございましたらお答えいただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) その件につきまして現在ちょっと資料を持ち合わせていないんですが、文部省の考え方といたしましては、いじめの事件が起きたときに、いじめている者それからいじめられている者、それを特定することは非常に大事でございまして、決していじめている者を見過ごすということはよくないわけでございまして、いじめている子をはっきりさせまして、その子に対しても教育的指導をしていくというのが文部省の考え方でございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 わかりました。  では、具体的に教育的指導というような方面で質問させていただきます。  児童生徒の退学処分についてお伺いいたします。  国立や私立の学校におきましては退学処分が認められているのに、なぜ公立の小中学校においては認められていないのでしょうか。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 公立の小中学校におきましては、学齢の児童生徒を受け入れる義務があるわけでございます。それに対しまして国立あるいは私立の小中学校におきましては、学齢児童生徒を受け入れる義務はございません。  したがいまして、国立あるいは私立の学校におきましてその学校の児童生徒としてふさわしくない行為があった場合には退学処分ができるわけでございますが、公立の義務教育諸学校におきましてそういう児童生徒として不良行為というかそういうものがあった場合に退学処分をしますと、その子供たちにとっては就学すべき学校がなくなりますので、義務教育を受ける権利が憲法上保障されているものが実現できないことになるわけでございます。したがって公立の小中学校におきましては退学処分ができないと、こういう制度になっているわけでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ありがとうございます。  公立の小中学校におきましてもいじめの問題というのはあるわけでございます。そうしますと、いじめられっ子の方は転校という手段をとることはできますが、教育的な指導を十分行ったにもかかわらずいじめっ子の方が相も変わらず性行が改まらないというときに、そういういじめっ子の側に対してどういう対処、処分ということを考えておられるのでしょうか。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) そういう子供に対しましては出席停止という措置が学校教育法上認められているところでございます。これは、学校の秩序を維持し、ほかの児童生徒の教育を受ける権利を保障する観点から設けられているものでございまして、義務違反があった場合にその児童生徒に対する懲戒として行われるものではございません。ほかの児童生徒の教育を受ける権利を保障すると、こういうためにとられる措置でございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ほかの児童生徒が義務教育を受ける権利を保障するという観点からということで、今の問題で言うならば、ほかの児童生徒というのはいじめられっ子のことだと思います。  それでは、公立の諸学校で退学処分が認められないのならば、そのかわりとなりますような出席停止処分と言っていいのでしょうか措置と言っていいのでしょうか、この措置が的確に適切に配慮をした上で行われなければいけないと思います。  そこで、ここにおいていじめの問題を当該理由として強調し始めたのはいつからのことで、その実態はどうなっているのでしょうか、十分処分が行われているのでしょうかという、そういう質問でございます。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 出席停止をされた生徒につきまして、その理由でございますが、平成六年度で一番多いのが、生徒間の暴力によりまして出席停止を受けたというのが二十四件ございます。その次に多いのが対教師暴力でございまして、先生に対して暴力行為を行ったというものが十二件でございまして、それに次いでいるわけでございます。いじめを理由として出席停止が行われたというのは、平成六年度では一件もございません。これは、いじめが教師の見えないところで行われるということがほとんどでございまして、出席停止の措置の対象となるかどうかの判断が難しいということなど、個々の判断に当たりまして学校として慎重にならざるを得ないことなどがその要因としてあるものと考えております。  先生がおっしゃるように、いじめている生徒に対する出席停止の措置については、平成七年の十二月の初等中等教育局長通知におきましても改めて指導を行ったところでございますので、今後ともその適正な運用につきまして指導していきたいと考えております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ちょっと理解できないんです。どうしてかと申しますと、警察庁の調べによりましたら、平成六年度にいじめに起因する事件の補導人員は小・中学生で二百八十四名と、こうはっきりとした数字が出ておるわけでございますけれども、学校の教育現場において出席停止はゼロ件というのは、どう考えても先生方の対応が十分ではない。  冒頭に申し上げましたけれども、学校の教育現場で犯人捜しはできないというような認識が教員の皆さん方にあって、その観点からなかなか処分を下しづらいというような気持ちが働いているのではないかと思います。けれども、この問題に関しましては、いじめられる側の子供の気持ちになって取り組まなければいけない強力な問題だと思います。  そういう意味からもう一度見解をお願いいたしたいと思いますし、取り組みの姿勢をもう一度改めてお聞きしたいと思います。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 先生御指摘のいじめを起因として補導された人員が二百八十四人もいるのに、出席停止がゼロなのはおかしいというお話ですが、先ほど申し上げましたように、いじめを起因として補導されて、それは結果でございますので、警察の方に補導されてから出席停止という措置は学校としてはとれないということでございまして、後追い措置になるわけでございます。  警察に補導される前に学校として出席停止の措置をとるべきものだとは思いますが、先ほど申し上げましたように、いじめというのが先生の見えないところで行われているのがほとんどでございますので、そういう点で、表ざたになる前に学校の方でそれを把握して、そして出席停止の措置をとるということが、例えば校内暴力なんかに比べて非常に難しいという点を御理解いただきたいと思います。  しかし、学校としてはできるだけ児童生徒の状況を早く把握して、一定の限度を超えたいじめが行われる場合には、余りちゅうちょすることなく出席停止の措置もとっていくべきものだというぐあいに考えておりますので、そのように指導していきたいと考えております。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 局長の答弁をちょっと補足させてもらいますが、お話しのとおり、先生のいないところでいじめが行われている、先生は知らない。  私は、この間も各教育長さんを通じて、あるいは校長会の幹部の先生を通じてお願いをしましたのは、先生は子供と接触する時間を少しでも長く持ってくださいと。中学校の場合は、御案内のとおり、大体学科担任でありますが、一方ではクラス担任もいらっしゃるわけでございますね。したがって、少なくとも学校給食の行われているところでは、クラス担任の先生は、給食も生徒と一緒にとってください、授業が終わりました後の教室のお掃除も生徒と一緒にやってくださいと。  そういう接触の時間を長く持って一緒に作業をしておる中で、ちょっと元気がない子供とか、そういうことはおのずからわかってきますから、声をかければいじめられているというようなことが自然とわかるようなことになるのと違いますかねというようなお願いを具体的にしたんです。  平成六年度五万七千件にも達する数字で非常に私どももびっくりしておるわけでありますけれども、そのおよそ半分が中学校に集中しておる。でございますから、とりわけ中学校のクラス担任の先生は、授業が終わって、お掃除が終わってなお時間があるならハグラウンドへ出てソフトボールをやるとかドッジボールをやるとか、そういうようなところまで配慮してもらう。そのためには、職員室での他の作業がいろいろ煩雑になっている嫌いもあるから、職員室でのお仕事はスリム化してもらって、そして子供との接触時間を少しでも多く持ってもらうということを強くお願いしております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ありがとうございます。  それでは、出席停止についての質問を続けますけれども、平成六年度においてはゼロ件ということで、相当ひどいいじめというものを出席停止の処分で防止するということはなかなか難しいということが先ほどの答弁でわかりました。  ならば、発想を転換して、いじめられっ子が義務教育を受ける権利を保障するためにも、いじめられっ子に対しての出席停止を認める必要がある時期に来ておるのではないかと思います。学校を休んでもいいんだよということは文部省の側からなかなか言いづらいかもしれませんけれども、ただ、大変ないじめがあったときに、いじめられっ子が出席停止という措置で学校を休んでいる間に、十分な調査を先生方が、親がするという意味では一つの教育的な措置ではないかと思いますが、どのような御見解でしょうか。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 先ほど大臣の方から申し上げましたように、できるだけ先生の方で子供たちと接触する時間を長く持ちまして、なるべく早くいじめを発見することが第一でございますが、いじめが発見された場合には速やかに教職員相互の情報を伝達するなど、いじめを解決するために学校挙げて取り組むことがまず必要でございます。  しかし、深刻ないじめを受けまして心身の安全面が脅かされていると本人が深刻に悩んでいる、そのような場合には児童生徒が命の危険を冒してまで学校に通わなければならないかにつきましては、当該児童生徒やいじめの実態に応じまして弾力的な対応がなされる場合があるのではないかと考えております。  しかし、あくまで学校に復帰することを前提にして、欠席をしている児童生徒の家庭と十分連絡を図り、児童生徒への指導の機会を確保するなど万全の措置を講ずることが必要であると考えております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 昨年の六月十七日の日経新聞のコラムで、登校拒否を考える全国ネットワーク代表の奥地さんという方が「いじめから子供の命守る」ということで寄稿しておられます。その中にこういう二点を行政側も考えていただきたいというふうな提言をしておられますので、紹介をさせていただきます。それに関してのまた見解をいただければお願いいたします。  まず一つは、人間はどういう状況にあるときに人をいじめたくなるのかにもっと思いをはせる必要があると。つまり、いじめという問題が教育体制、社会的構造の中でどういったところに根源があるのか。どういう理由で人はいじめをするようになるのか。つまり、恐らく学校教育の中においても、あるいは社会においても、我々大人の世界  においてもいじめというものはあるのではないか、その根源的なものを探っていかなければいけないのではないかという提言です。  もう一つは、登校拒否の積極的な意味を理解していただきたいということです。いじめを受けて登校拒否をした子に命を捨てないで済んでいる子供が多い。そういう観点から、本当に自殺に走るまでのいじめがあった場合に登校拒否ということを積極的に認めてあげるような体制づくりをすべきではないかという提言でございます。   これをまた私は紹介しただけかもしれませんが、これに対して御見解があればお願いいたします。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) いじめの原因につきましては、私どもはそういう教育の体制なりなんなりの根源的なものももちろんあると思いますけれども、やはり基本的には学校、家庭、地域社会のいろいろな要因が複雑に絡み合っていじめの問題が起きているものというぐあいに考えておりまして、一義的にこれが原因だというようなものは現在のところはなかなかつかめないというぐあいに考えております。  例えば、学校ではなかなか学校の体制が現在の児童生徒の多様な実態に対応し切れていないのではないかということもその一つの原因でありますし、あるいは家庭環境、あるいは社会の環境なんかも大きく変化をしているということもその大きな原因であろうというぐあいに考えているわけでございます。  それで、先生がおっしゃったことでございますが、義務教育でございますので、学校は子供たちが義務教育の段階ではやはり行くということを前提にいろんな施策を考えていく必要があろうかと思います。もちろん、学校に登校できない子供たちもいるわけですけれども、学校に行くまでに適応指導教室とかそういうところもございますので、集団生活にまずなじんで、それからまた学校に復帰をして教育を受ける、そういうことを前提にしていろんな施策を考えていくべきものと考えております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 そうはおっしゃいますものの、ただ、今回の場合には学校に行きたくても行けない児童に対しての措置ということでございますので、そういう子供たちに対する適切な措置としての出席停止、これを十分に認めていただけるような方向で検討をお願いいたしたいと思います。  続きまして、今週の月曜日、二月十九日の夕刊の日経の一面にこういう記事が出ておって、大変センセーショナルな書き方をされておりましたので、質問させていただきます。  就学校指定制度を、自治体にこの権限を委譲することによっていじめへの対応が迅速にできるのではないかという見出してございます。この見出しを読んだだけでは、じゃそういう対策もとれるならばとった方がいいんじゃないかと、読んだ人はそういう気持ちになります。  これはどういうことかというと、ちょっと読ませていただきます。「地方分権推進委員会は十九日までに、文部省の機関委任事務である就学校指定制度などを地方自治体固有の事務に委譲するよう提言する方針を固めた。」と。方針を固めたということですから、恐らくこれは日経はどこかから情報を仕入れて書いたということだと思います。続けて、「いじめによる中学生の自殺事件などが目立つ中、教育の分権化を進めることで自治体に教育行政の大幅な裁量権を与え、地域の実情に即した教育環境を整えるのが狙いだ。」と。読めばなるほどなというふうに見られます。  そこで、次なんですけれども、「就学校の指定権限を自治体に委譲することで、いじめにあっている児童、生徒の転校手続きなどが迅速にできるようになる」とこの地方分権推進委員会が指摘しているようですけれども、本当にこれが迅速にできるようになるのでしょうか。これが一つ目の質問でございます。  そして、こういう提言について、文部省側が権限委譲には強く反対しているということで、そういう理由があるのであれば、強く反対する理由を教えていただきたい。これが二つ目の質問でございます。  その前に、簡単にでよろしいですから、就学校指定制度とは本来何なのかということを簡単にお答えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) まず、全体の仕組みを御説明申し上げたいと思いますが、憲法二十六条に規定する教育を受ける権利、この保障につきましては、国が憲法上責務を負っているわけでございまして、その責務を果たし、保護者が就学義務を履行することを確実に担保するために、就学事務自体は国の事務としておりますが、市町村あるいは都道府県の教育委員会にこの事務を機関委任しているものでございます。したがって、就学すべき学校の指定はこの就学事務の一環として行われているものでございます。  それで、具体的に就学すべき学校の指定でございますが、これは各市町村の教育委員会が、道路の状況ですとかあるいは河川の地理的な状況、あるいは地域社会がつくられてきた長い歴史的な経緯、あるいは住民の感情等、こういう地域の実情に応じて行っているわけでございまして、実際に指定するのは市町村の教育委員会が指定をする仕組みになっております。  現在、地方分権推進委員会におきまして、国の機関委任事務全般につきまして広範に審議を進めているわけでございますが、就学すべき学校の指定についてもその一環としまして検討されていると承知しているところでございます。  文部省としましては、基本的には国と地方公共団体の適切な役割分担のもとで地方分権を推進していくことが重要であると考えているところでございます。しかし、個々の機関委任事務のあり方につきましては、地方分権推進委員会の方から、今後、国と地方の役割分担と責任のあり方、それから国の関与の仕組みなどについて具体的に示された段階で国の責任が担保できることとなるのかどうか、事務の趣旨、目的、それから運用の実態等を十分踏まえましてきめ細かく検討することが必要であると考えております。  それで、まず第一の、地方の事務になったら就学する学校の変更が迅速にできるかどうかと、こういうことでございますが、これは現在も実際に就学する学校を指定しているのは市町村の教育委員会でございます。国が一々個々の児童生徒について就学すべき学校について指導してはおりません。したがって、地方分権推進委員会が言うようなそういう制度になっても、仕組みは市町村の教育委員会が就学すべき学校を指定するということが変わりませんので、その点では現在と同じだと思われます。  それから、地方分権推進委員会の言うように、国の現在の事務を機関委任するのではなくて、地方の事務にすることに文部省は強く反対するのかというお話でございますが、それにつきましては、先ほど申し上げましたように、今後、地方分権推進委員会の方からさらに具体的な検討案が出てくると思いますので、それを踏まえてさらにきめ細かく検討していきたいと考えております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 おっしゃることはわかりましたけれども、一つだけお願い申し上げたいのは、教育を受ける権利の保障と教育の機会均等の実現は国の責務であるという部分はわかるんですけれども、全国の統一性、公平性という部分になってまいりますと、また文部省側の全国全地域に対する統一性という主張は教育現場において実際に受け入れられがたいこともあるのではないかと思います。そういう意味からも、余り統一性とか公平性というのではなくて、地域実情に即応した対応ができますように、その辺のお取り組みをお願いしたいと思います。  そこで、幾つか質問してまいりましたが、ここで文教委員会の委員長にお願いというか提案を申し上げます。  ぜひこの文教委員会の下に社会的な問題になっておりますいじめ問題対策の小委員会を設置していただけないかという提案でございます。  その理由は幾つかございますけれども、例えば私の所属する自由民主党におきましても、女性のための政治情報誌の「りぶる」という雑誌でいじめ問題に対しての取り組みをしておりますし、ほかの党派、会派におかれましても、それぞれの立場で調査等をされております。  ただ、せっかく参議院の文教委員会というものがあるわけでございますから、それぞれの教育問題に対する本当のプロフェッショナルといいますか、有識者の方がたくさんこうやって出てきておられるわけですから、我々の大事な将来を任せなければいけない子供たちの教育現場の問題、いじめについて超党派で取り組んでいっていただきたいという、これが理由の一つ。  それから、先ほどの日教組の教研集会におきまして子供たちや保護者の皆さんを呼んで意見をお伺いしておりました。ここは我々政治家としても、実際に真摯な立場で教育現場に出かけていき、その生の声に耳を傾けることも必要なのではないか。そして、これは一回、二回対策をしたから済むという問題ではなくて、教育というのは未来永劫に続いていくものでございますから、そういう意味でも持続的に活動をしていく必要があるのではないかという、それが提案理由なんですけれども、ぜひ理事会で検討するかしないかという観点から御協議いただければありがたく存じます。あえて今答弁はお求めいたしません。  なかなか衆議院の方は選挙選挙といって腰が落ちつかないような方もいらっしゃるんですけれども、参議院は六年という任期がある以上、落ちついてこういう問題に取り組めるのではないか、今こそ参議院がやらなければいけないのではないかという私なりの意見も申し上げておきます。  これに関して、奥田文部大臣に、これは文部大臣という立場として私の提案をどういうふうに受けとめられるか、一言お願いできればありがたく存じます。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 今、先生御提案の小委員会設置云々のことにつきましては、これは議会の方でお決めいただくことでございますから、私からどうこう申し上げる筋ではないと思います。ただ、議会の方で決定していただきましたら、文部省としましては、当然のことながら関係を密にしていろいろと御相談をさせていただきたいというように思っております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 大変心強い応援のお言葉をありがとうございます。  続きまして、現在審議中の第十五期の中央教育審議会第一小委員会の審議報告案の内容につきまして先週来新聞等で報告されておりますけれども、その内容を全部お伺いすると時間がなくなってまいりますので、特にキーワードである「生きる力」という部分に関しましてと、それから見出しにもなっておりました学校週五日制の完全実施、この点に関しましてどういう報告案が上がってきておるか、お伺いいたします。

辻村哲夫文部省大臣官房総務審議官

○政府委員(辻村哲夫君) 中央教育審議会は第一小委員会で今精力的な審議が行われておりますが、そこで審議されておりますテーマは、今後における教育のあり方及び学校、家庭、地域社会の役割と連携のあり方ということで審議されているところでございます。  そこで、まだ中央教育審議会は春を目途にした審議中でございますので、明確な御答弁はなかなかしにくいわけでございますが、「生きる力」という点につきましては、これからの子供たちの教育を展望するときにどういうキーワードと申しましょうかポイントを教育の基本に据えるかということでさまざまな議論がされておるわけでございます。  「生きる力」ということでは、これまでややもするとたくさんの知識を覚えるということに偏りがちであった教育のあり方というものを変えて、むしろ、どのようにみずから考え、判断し、そして行動し、そしてみずからの行動には責任をとっていくか、そういうような力というものがより重要なのではないかということで、それをまとめる言葉として「生きる力」というようなワードも一つのキーワードとして上がっているというのが「生きる力」ということが報道された事情でございます。  それから、学校週五日制につきましては、これも審議中であるわけでございますけれども、学校、家庭、地域社会の役割、連携ということを考えましたときに、言葉はいろいろあるわけでございますけれども、これからはもう少し学校がスリムと申しましょうか引いて、家庭とか地域社会というところで子供たちがみずから判断して、生活し行動していく、そして自然体験とか社会体験とかというものが伸び伸びとできるような、そういう形での学習環境ということが望まれるのではないかということで議論されておるわけでございます。  その流れの中で、学校週五日制につきましては、現在、月二回土曜日がお休みになっているわけでございますけれども、これをすべての土曜日をお休みにする完全学校週五日制という方向に向けて議論は固まりつつあるというような状況が今の状況でございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ありがとうございます。  完全に報告がまとまっていない段階でこうやって質問するのも失礼とは存じますが、あえて質問させていただきます。  ここまで新聞、テレビ等で完全週五日制ということが報道されますと、やはり現場の特に教員の側が戸惑いがあると思います。そういう意味での、今の報告素案にもありましたけれども、教育内容の厳選あるいは授業時間数の縮減ということに関して、文部省側としてもある程度の案というものを提示していかなければ、それに対する国民的な議論が巻き起こってこないのではないかということを懸念いたします。そういう点に関しての見解をひとつお願いいたします。  それと、これは素案の中にあったんですけれども、国公立、私立すべての学校に週五日制を強く求めていくということでございますが、私学を言いますならば、特に大都市においては学力重視のところがあります。そういう点もありまして、今でも学校週五日制をとっているところは三〇%程度しかないのでございます。そういうところに対していきなり文部省の側から、こういう理由があるから五日制ということの指導を強く求めていってよいものだろうか。私学というのは本当にその私学なりの教育理念というのがございますから、それにまた網をかけるような形をとっていいものかなということは懸念いたします。  これを二点目として質問申し上げます。

辻村哲夫文部省大臣官房総務審議官

○政府委員(辻村哲夫君) まず第一点の、学校関係者も非常に関心を持っていて、動揺のないようにという御指摘でございますが、中央教育審議会におきましても、その点は大変重要なことと考えて今審議が続けられております。  学校週五日制を展望するといいましても、それを円滑に実施されなければある意味では意味がないわけでございます。そういう意味で、子供たちの家庭、地域社会での過ごし方の問題とか、あるいは学校の教育内容のあり方、あるいは授業時数のあり方、そういったものも含めまして、学校週五日制が円滑に完全に移行するとしたらどのような整備をしながらそれを進めていくかということでの御議論は、今精力的に行われているところでございます。  具体の細かな教科を云々とかあるいは時間数云々ということは、これは中教審の事項と申しますよりも、中教審の基本的な方向を踏まえての教育課程審議会での御議論ということになろうかと思いますので、そのあたりの兼ね合いを含めながら、中教審としてはわかりやすい基本的なあり方を御答申するということが作業になるだろうというふうに思っております。  それからもう一点、学校週五日制の関係で私立の関係について余り無理強いをというような御指摘でございますけれども、今の議論、まだ明確に一つの方向に固まっているわけではないわけでございますけれども、学校制度の基本にかかわる事柄だと。つまり、学校を五日間で実施するのか六日間で行うのかということは基本にかかわる事柄だと。そこで、同じような小学校であり中学校であり高等学校でありながら、国公と私の間でその基本にかかわるところが異なるということでは、学校を選択しようとする親御さんたちのお気持ち等を考えてもいかがなものだろうかというような観点から、やはり足並みをそろえてこれは実施していくことが望まれるのではないかというような議論が出ているというのが率直な状況でございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 その二点目のことに関しましては、私学の経営者であるとかそこに働いておられる教員の皆さん方の意見を十分集約した上での方向性をまとめていただきたいことをまたお願いいたします。  続きまして、学校教育におけるボランティア活動について具体的に実態等々を質問させていただきます。  現在、全国の公立高校におきましてボランティアという科目を取り入れている佐賀県の佐賀商業高校、神奈川県の久里浜高校、この実態をお伺いいたします。  だれが、どういう資格を持って、どのくらいの時間をかけて、どんな内容の授業をしておられるのか、端的に教えていただければありがたく存じます。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 佐賀県の佐賀商業の場合でございますが、これは福祉という教科で、その中にボランティアという科目を開設しまして、その授業としまして、教員が引率をして養護老人ホームへの慰問ですとかあるいは学校周辺の清掃活動等を行っているところでございます。  また、神奈川県立の久里浜高校におきましては、福祉という教科の中でボランティア学習という科目を開設しまして、その授業として、教員が引率をし福祉施設での研修あるいは障害者や高齢者との交流の活動を行っていると聞いております。  このほか、佐賀県では厳木高校でもボランティアという科目を開設しておりまして、それから兵庫県では来年度の開設に向けて検討中であるということを聞いております。  また、高等学校では、ボランティアに関する科目を開設していないところでも、主として特別活動のクラブ活動あるいは学校行事の中で、勤労あるいは奉仕に関する指導が行われているところでございます。  具体的にどういう人が、どれくらいの時間をかけてやっているかということでございますが、先生は特別の先生ではなくて、指導担当可能な教員が指導しているということでございまして、外部講師を頼んでいる場合もあるということでございます。  それから、単位としては二単位、あるいは四単位のところもございますが、普通は二単位程度を教えていると、こういう実態でございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ボランティアというのは、自主性、公共性、社会性あるいは持続性、そして無償性といったことが教育的な価値として認められる活動でございますけれども、一番学校教育の現場でボランティア活動を取り入れるときに難しいのは評価のあり方だと思うんですよね。  今の答弁ですと評価はどういうふうにしておられるのか伺えませんでしたので、実際にはこの両校ではどういうふうな評価の仕方をしておられるのか、点数化をしておられるのかあるいはそれ以外の評価の仕方をしておられるのか。無償性と私は言いましたけれども、ボランティアにおいては評価を求めて何か活動するということは相反することでございますので、この点十分な配慮が必要だと思います。けれども、ボランティア活動が必要であるということは、思春期の子供たちにとってまさしく生きる力を養うことに必要な活動であると私は存じますが、この点について、その評価のあり方についての見解をお願いいたします。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 佐賀県の場合でございますが、評価については六つの観点から評価をしているようでございまして、まず一つが出席率でございます。それから積極性、協調性、興味・関心度、それから反省文あるいはレポートと、こういうことで六つの観点から判断をして、それぞれ三段階で、余り細かい段階に分けずに、A段階、B段階、C段階と三つの段階の評価をやっているようでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 また段階評価になってまいりまして、私は非常にそれでいいのかなという感じを受けます。  ちなみに、兵庫県の教育委員会におきましては来年度から実施するということで、評価のあり方は、知識、技能の点数化による評価ではなく、関心、意欲、態度を主として実践活動に参加することを評価して行うという、こういう評価のあり方も教育現場でどんどん認めていくべきではないか。本当に偏差値教育を脱却するということは国民も望んでおりますし、もちろんそれは文部省も望んでいることでございますから、特に子供たちの教科外の活動としてのボランティア活動、あるいは実際にこうやって科目に取り入れている高校もあるわけでございますから、その点を留意しながら、より一層ボランティア活動を学校教育の中で推進していただけますように、これはお願い申し上げます。  ちなみに、イギリスにおいては、中学校三年生の段階で大体二、三週間福祉施設に出向いてボランティア活動をすることがカリキュラムとして組み込まれておりますので、そういった事例も参考にしながら、とりわけ本当に中学生、高校生といった段階でのボランティア活動を推進していただきますようにお願い申し上げます。  ちなみに、奥田大臣はボランティア活動はしておられますでしょうか。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 去年、いろんな不幸な事件が続きましたけれども、一年前の阪神・淡路大震災のときに非常にボランティア活動を積極的に行われて、これが国内のみならず海外からも非常に高い評価を受けたのでございます。私は、去年あった事件で唯一このことはうれしい思い出だと思っているんです。  そこで、お尋ねの学校教育の中においてもボランティア活動を積極的に取り入れた方がという先生のお話でございますが、基本的には私も大賛成でございます。やっぱり生徒、青少年はたくましく生きていくという、そのたくましさの根底には、社会の中でみんなと一緒に生活をするわけでございますから、優しさそれから時には感謝する気持ち、こういう気持ちも必要でございますし、公共の福祉、社会の発展に寄与していきますためにはどうしてもボランティアあるいは公徳心、こういうような気持ちも涵養、醸成をしてまいりませんと、なかなか先生の思っていらっしゃる実は上がらないわけでございます。  今、局長から説明をいたしましたように、九州の佐賀の高校がございますけれども、これが全国的にもっともっと積極的に取り入れられていきますように文部省としても要請をしてまいりたいと思っております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 よろしくお願いいたします。  最後に、アンチドーピング教育について質問申し上げます。  まず、ドーピングとは何か。これについて端的に教えていただきたいというのと、スポーツ選手にドーピングを禁止する理由を教えていただきたいと思います。

佐々木正峰文部省体育局長

○政府委員(佐々木正峰君) ドーピングでございますけれども、競技成績を向上させるために禁止されている薬物を用いることがドーピングであると認識いたしてございます。  ドーピングにつきましては、スポーツの公平さを害することがございますし、また薬物の副作用などによりまして選手の健康を害するという問題がございます。さらには、薬物の習慣性、副作用によって犯罪に至るなどの危険性がございますので、ドーピングにつきましては、これは選手にとっても、また社会に与える影響からしても禁止されるべきものと考えております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 まさしく健全なスポーツを守っていくために、競技スポーツであれ一般市民のスポーツであれドーピングというのは禁止されなければいけないと。  それで、平成八年度の予算案にアンチドーピング活動推進事業とありますけれども、これはどのような内容でしょうか。

佐々木正峰文部省体育局長

○政府委員(佐々木正峰君) アンチドーピング活動を推進していくためには、その中核となる統一的な組織としての国内調整機関を早急に整備し、各スポーツ団体との緊密な連携協力を図りながら、アンチドーピング活動を効果的積極的に進めていくことが大事でございます。そういう観点に立ちまして、御指摘のアンチドーピング活動推進事業を新規に平成八年度予算計上したところでございます。  この事業におきましては、国内調整機関の設置に関する調査研究や実態調査等を行うアンチドービング委員会を設置すること、ドーピング検査の推進や検査法に関する調査研究を行うこと、教育啓発プログラムの開発や教材の作成などを行うことといたしてございまして、事項にもよりますけれども、一年前後を目途に結論を得るようにしてまいりたいと思っております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ありがとうございます。  禁止薬物の上位三つがたんぱく同化ステロイド、これは俗に言われる筋肉増強剤ですよね、ステロイドと言われるものです。それから興奮剤であったり利尿剤。利尿剤というのは減量等に使われるんでしょうか。興奮剤というのはまさに集中力を高める、闘争心を高めるために用いられる。  こういった薬物によって競技成績の向上を目指したりということは厳に慎まなければいけないと思いますが、ただ、禁止禁止ということで処分というのが全面に出ることもこれはスポーツ選手に対して配慮に欠けていると思います。まず十分な教育啓発活動が行われなければいけないと思います。  実際、現在、我が国においてアンチドーピング教育という点でいいますと、JOCあるいは日本体育協会あるいは体育系の大学におきましてどの程度の教育啓発活動が行われておるのかということをお聞きしたいと思います。  といいますのは、日本人のドーピングの現状を見ますと、うっかり風邪薬を飲んでしまったと。ところが国際的なルールで見ますと、うっかり、いや知らなかったと、これは常習犯と見られてもしようがないんですよね、国際的なルールですから。そういう選手がこれからも出てきませんように、特にことしはアトランタ・オリンピックということで各競技団体において選考会が行われている段階でございますので、競技会あるいは日常の競技活動においてうっかりがありませんように、そのための教育啓発活動ということをお伺いしたいと思います。

佐々木正峰文部省体育局長

○政府委員(佐々木正峰君) 御指摘のように、我が国の場合、ドーピングのケースといたしましては、一般の風邪薬などに微量の禁止薬物が含まれているのを知らずに服用してしまうなど、選手、コーチ等のドーピングに関する知識が不足していることによるケースが一般的でございます。  その点、文部省では、教育啓発を図るため、JOCと協力しながら、平成六年三月にドーピングに関する冊子、ビデオを作成して、各競技団体、全国の体育系大学、高等学校等に配付をいたしたところでございます。現在、体育系大学における教育におきましても、一部の大学でございますが、スポーツ医・科学の授業科目の中でこういったことを取り上げ、その知識の徹底等を図っているところもございます。  文部省といたしましても、引き続き関係団体と連携を図りながら、アンチドーピング活動を推進してまいりたいと考えてございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ぜひよろしくお願いいたします。  特に指導者ですよね。選手はもちろんそれは自己責任ということもあるんですけれども、指導者が知らないでいて選手に、薬物を与えることはないと思いますけれども、薬として投与したものの中に禁止薬物が含まれていたということのないようにするための指導者に対する講習を徹底していただきたいと思います。  オリンピックにおきましてそういう問題が出たときに、これは私は本当に日本の恥だと思いますので、それに対しては文部省側からも繰り返し繰り返しこの周知徹底をお願いしたいと思います。  そのアンチドーピングの問題を質問しようと思ってけさの新聞を読みましたら、朝日新聞のスポーツ欄なんですけれども、「ドーピング検査 痛い負担増」ということで、国際的な競技会を行うその国がドーピング検査の費用を負担するということになっているのが慣例でございまして、これを読みますと、重量挙げのアジア予選がこの四月に日本で行われるんですが、日本にも検査をする機関はあるんですけれども、わざわざドイツのケルンにおいてドーピング検査をしなければいけないと。そのドイツの検査機関が非常に厳格に何カ月も前の禁止薬物の検出までできるということでそうなったようでございます。  地元の日本としては、検査には大体一回三万円から数万円かかるんですけれども、空輸の代金まで負担しなければいけない。数百万円の負担が急に言われてしまった。今は二月で、三月、四月と、もう二カ月後のことでございますので、これは重量挙げ協会の負担というものも大変だと思います。そういう意味で、少し文部省からも援助していただけないかなと。それができないのなちば何か十分な指導をしていただけないかなというふうな点、どういう御見解でしょうか。

佐々木正峰文部省体育局長

○政府委員(佐々木正峰君) 御指摘の事実関係につきまして、文部省は現在、関係者からは事情を聞いておりません。事実関係についてはまだ正確に把握しておりませんので、JOCあるいは競技団体に事実を確認してまいりたいと思っております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 そろそろ時間となりまして、これで終わらせていただきますけれども、私もアマチュアレスリングでオリンピックにも出場いたしました。それからプロレスラーに転向いたしました。アマチュアの競技、プロの競技、両方を経験し、またアマチュアの選手、プロの選手を指導してまいりました。  なかなかスポーツ選手というのは自己主張が強くて、人の言うことを聞かない選手、指導者が多うございますので、文部省側としても対応に大変苦慮されておられるのではないかと、これは中にいた者として心配申し上げますけれども、ルールあってこそのスポーツでございますので、そういう点十分御理解いただいた上で繰り返しまた指導の方をお願いいたしたいと思います。  以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

釜本邦茂自由民主党・自由国民会議

○釜本邦茂君 自由民主党の釜本邦茂でございます。  本委員会には、体操界で活躍されました小野委員長を初め、今質問されました馳委員、そしてまた野球界で大活躍されました江本委員がおられ、またスポーツ界に御理解の深い先生方がたくさんおられます。  まず私は、今、馳君がいじめの問題、ボランティアの問題等を質問されましたので、スポーツ振興一点に絞ってお話をお聞きしたいと思います。  私は京都で生まれ、京都で育ち、そして郷土の尊敬する奥田文部大臣は私の大先輩にも当たります。大臣は若いころ剣道をなさったというスポーツマンでもあり、スポーツに大いに御理解がいただけるんじゃないかと、かように思います。  戦前戦後を通しまして日本のスポーツ界がどのように発展してきたかはもう周知の事実でございます。私も四十年余り、スポーツの世界を通じ、またサッカーというスポーツを通しまして世界じゅうを回りました。世界の至るところで子供たちが広場、駐車場といったところでボールをけったりバスケットをやったり野球をやったりという姿を見てまいったわけでございます。特に、ヨーロッパのスポーツの環境といいましょうか、スポーツの施設を見るにつけ、日本でこのような環境がいつできるのかというようなことを夜遅くまで仲間と一杯やりながら語り合ったことも多々ございました。  諸外国でのスポーツの発展というのは、各都市ごとにありますクラブの発達からのスポーツであり、日本ではスポーツといえば学校の体育の一環としてとらえられてきた、現在でもそのとおりだと思います。体育の時間、ある意味じゃクラブ活動、ある意味じゃ企業におきましては企業PRを兼ねたプロスポーツというようにあると言ってもいいんじゃないかと、かように思うわけでございます。  クラブ活動におきましては、学校を代表するチームをつくらなきゃいけないという中で、運動能力の劣る選手が敬遠されがちになるという中で、優秀な指導者であっても部員が五十名、六十名というところになりますと運動能力の劣る生徒にはなかなか目が届かない。どうしてもレギュラー中心、言ってみますとエリート中心の指導になってしまう。それ以外の生徒はスポーツを楽しむどころか、悪く言えば終始ボール拾いといいましょうか、そういうところでいるようなもので、日本では本当にスポーツが好きでも運動能力の劣る子供たちがスポーツを楽しむ場所がないという現状じゃなかろうかと思います。  人間性を養い、人間関係を構築する一番大切な時期に、体を動かすことの大切さを忘れてしまうというところに大いに問題があるように思います。また、スポーツを通して子供のときから思いやりやいたわりや優しさを、また犠牲的精神、リーダーシップ、協調性、仲間意識、連帯感、ある意味では責任感、そして自己主張等、社会生活を営む上で必要な人間性が自然のうちに養われてくるのではないでしょうか。  遊ぶための原っぱや広場がない。塾通いで忙しい子供たちがテレビゲーム中心の遊びになり、人間同士の触れ合いが忘れられてしまう。そのために、体が非常に大きくなってきても運動能力、体力の低下というところに結びついているのではないかと思います。ますます人間性が阻害される方向になって、大人になって構築しようとしましても時既に遅しという現状の中で、大臣はこの点、二十一世紀を間近に控え、これからの日本を支えていく子供たちに夢や希望をどのようにスポーツ振興を通してお与えになるおつもりでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) まず、お話しのとおり、当委員会には本当にスポーツに対する御経験を通して非常に立派な見識を持たれた先生方が非常に多いのでございますが、改めて文部行政の中のスポーツ振興について御指導賜りますように冒頭にお願いをさせていただきます。  お話しのとおり、確かにスポーツというのは、肉体を鍛え上げて丈夫にするだけでなしに、たくましい精神力も培うことができますし、加えてチームプレーの場合には、協調の精神といいましょうか共同作業といいますか、そういうことにも非常に私は役に立つと思っておるんです。  したがって、学校教育の中でもこれからも非常に重視してまいらなければならぬわけでございますが、お話しのとおり、十分その環境が整っていないという嫌いはございます。特に、学校の体育の施設はともかくとしまして、大体子供というのは二十四時間のうち学校におりますのは三分の一でございますから、地域社会において自然環境、昔わんぱく小僧が鬼ごっこをしておったようなそういうところがとりわけ大都会にはありませんから、それを補うようなものを地域においても国の行政の中で考えていかなければならぬのではなかろうかなと思っておるわけです。  それから、特に私はお話しのとおり剣道をやっておりまして、大臣に就任します前までは、大体毎週日曜日朝九時には京都の岡崎の剣道場に行って、そして少年剣道に頑張ってくれというように激励をしておった立場でございます。学校でスポーツクラブの様子を見ておりますと、剣道の場合、五年、六年非常にしっかり指導をしていただいた先生が一たん転勤されますと、その後任の指導者がすぐには見つからない。したがって、警察をおやめになってちょっと時間がとれる方に指導に来てもらわなければ生徒がかわいそうというようなこと。ほかのスポーツにおいてもやっぱりそういうことが大なり小なり言えるんじゃなかろうか。  したがって、継続して部活動ができるような、そういうことも文部行政の中で都道府県の教育委員会と連絡をしながら考えていく必要があるんじゃなかろうかなというようにも思っておるわけでございます。  あとまた局長の方から何かございましたら。

釜本邦茂自由民主党・自由国民会議

○釜本邦茂君 それに関連いたしまして、あと引き続き御質問したいと思います。  欧米諸国のスポーツの環境というのは、もう海外にお出かけになられた方は十分御承知のことだと思います。公園には芝生が敷き詰めてあり、その上で子供たちがボールをけったり、そういうグラウンドが何十面もあって、本当にサッカーをやったりいろんなスポーツを楽しむ。そのことを踏まえますと、日本では公園というところには芝生が張ってあるわけなんですけれども、必ず立て看板があり、立入禁止、スポーツをやってはいけませんよと。何のために芝というのがあるのかということを時々思うことがあるわけなんです。  そういうようなものを今からすぐ要望してつくってほしいというように言いましても、これは予算の関係もあって非常に無理な話だと思うんです。そこで、今、大臣から少しお話がありましたように、これからそういったものをつくっていく、そういうエリアを広くしていくためにはやっぱり学校というものをもっともっと主体にしてやっていかなきゃいけないんじゃないか。  その中で、中学校、高等学校というのはクラブ活動があり、一般の人たちがなかなかグラウンドを使用するということができないという中で、子供たちが本当に思い切って体を動かすためには、そういった場所と、それからまたそういう汗を流す時間というものをつくっていかなきゃいけないというぐあいに思います。もちろん、学校側にはいろんな心配事項というのがあると思うんです。例えば、施設がそれによって壊されるだとか、ある意味じゃ事故の問題だとか、ある意味じゃ人の問題というのもあると思うんです。  今、先生方というのは放課後に子供たちと一緒に遊ぶということがなかなかできないという状況の中で、先ほどもお話がございましたように、これから週五日制というものを踏まえ、教職員とは別に指導者を確保するために、社会体育指導員の資格制度だとか身分保障を整備し、その人たちが責任を持って管理、ある意味じゃ指導するといったようなことを、例えばこの地域の小学校では野球の指導者がいる、この地域ではバレーボール、この地域ではサッカーだというように、まず放課後に自転車に乗ってそこへ駆けつけていけば体を動かせるいろんなことを指導してもらえるというような、そういった方々を確保するということが大事じゃないかと思います。  そして、そのことで地域に密着してスポーツというものが広がっていくんじゃないかというように私は思うんです。もう少し学校体育施設というものを弾力的に開放していく。そして身近にスポーツを楽しめる環境の整備を進めると同時に、先ほど馳委員の方からも、自分がボランティアをするということじゃなくて、指導員の方々が今までボランティアを中心にやっておられたという実態から、もう少し社会体育指導者というものを配置していく必要があるというぐあいに思うんですけれども、その点はいかがお考えでありますでしょうか。

佐々木正峰文部省体育局長

○政府委員(佐々木正峰君) 先生御指摘のとおりでございまして、子供たちに学校教育の場で充実した体育指導を行うことはもちろんでございますけれども、地域において積極的にしかも楽しくスポーツに親しむことができる場、そういった環境づくりをすることは極めて大切なことと考えております。  御指摘にもございますように、学校体育施設というのは、極めて身近なスポーツ施設として、子供を含めた地域の人々が、あるいはそのスポーツクラブの活動の拠点となるそういう場所でございます。その意味でその開放を行うことは極めて大きな意義があるというふうに考えてございます。  こういった観点に立ちまして、文部省では市町村教育委員会が実施する公立学校の体育施設開放事業というのを実施しておりますが、そこにおきましては施設の管理、利用者の安全確保と指導に当たる管理指導員の配置に対する補助を行っております。  また、開放に当たりましては、当然のことながら施設の手当ても必要でございます。夜間照明施設やクラブハウス等の整備事業に対して助成を行うと、こういった措置も講じて積極的に開放を進めておるところでございます。  平成元年度の調査でございますけれども、学校体育施設の開放率を見ますと、運動場が約八〇%、体育館が約八五%でございます。小学校について見れば運動場は約八七%、体育館は約九〇%となってございます。このような開放をさらに積極的に進め、かつまた子供たちがスポーツに積極的に取り組めるようにするためには、今後、管理指導員の配置をさらに促進してまいりたいと考えておりますし、またスポーツ指導者として優秀な人材を管理指導員に委嘱するなど、さらに学校体育施設の開放が充実するように教育委員会を指導してまいりたいと、かように考えております。

釜本邦茂自由民主党・自由国民会議

○釜本邦茂君 今お話がありましたように、子供たちが放課後に目的もなしに町の中でぶらぶらぶらぶらしているということが、ある意味じゃ先ほど来、また今、問題になっておりますいじめの問題だとか、非行の問題だとかというところに走っていきがちだと思います。先ほど大臣もおっしゃったように、本当にスポーツというものは、する者にとっては心身を健全にいたしますし、また見る側の者にとっては感動と興奮を覚えるというような中で、競技力向上ということについてお聞きしたいと思います。  オリンピックを初め国際大会というのを、日本の選手を本当に国民の一人一人が大いに期待しているところであるわけですが、出場する選手のためのトレーニングの施設、ある意味じゃそういう国立何とかトレーニング場というようなものを全国何カ所かにつくるだとか、またスポーツ科学研究及び優秀なコーチの養成の施設等の整備が本当に必要であるというぐあいに私は思います。  私は二十歳のときに日本の代表チームに入りましていつも思ったことは、本当に日本の代表クラスの選手の人、何もサッカーだけじゃなくて、あらゆる競技の人たちが国を代表して世界に出ていって戦うという中で、日本でのトレーニングをする場所がない。いつも借り歩いてどこかへ行ってトレーニングしなきゃいけないという状況、現在でもそういうものが整っていないという状況の中で、世界各国の選手の競技力が非常に向上していく中で、この七月のアトランタでのオリンピック、また長野の冬季のオリンピックなどの国際スポーツ大会に向けた政府の競技力向上を図るための取り組み方というものをお聞かせ願いたいと思います。

佐々木正峰文部省体育局長

○政府委員(佐々木正峰君) オリンピックを初めとした国際スポーツ大会において日本選手が活躍すること、これに対する国民の期待は非常に大きいものがございます。一方、世界的に競技力が著しく向上しておりますので、日本選手につきましてもこれに劣らぬ競技力の向上を図ることが極めて重要な課題と考えておるわけでございます。  そういう競技力向上のための施策といたしましては、一つは競技団体に対する補助制度を実施しております。強化合宿、専任コーチの設置、ジュニア対策あるいは国際大会への派遣などが中心でございますけれども、JOCを通じて各競技団体へ補助すること、あるいはスポーツ振興基金による各競技団体への直接の助成といったような措置を講じております。  さらには、スポーツ振興基金を用いてJOCが指定する特別強化選手、コーチに対して活動費の助成を行うといった措置も講じてございますし、さらにはスポーツ功労者表彰ということで、オリンピックのメダリストなどについて文部大臣顕彰を実施する。スポーツコーチサミットを開催し、強化指導体制を強化するべく、コーチ、スポーツ医・科学研究者などが参加をする会議を開催いたしております。  さらには、都道府県競技力向上ジュニア対策事業等、さまざまな角度から競技力向上に努めておるところでございまして、今後ともこれら施策の一層の充実に努め、我が国の競技力の向上を図ってまいりたい、そのために最大限の努力をしてまいりたいと思っております。

釜本邦茂自由民主党・自由国民会議

○釜本邦茂君 私もかつて文部省指定のスポーツ功労特別指導委員ということで全国を回ったことがあったわけなんですけれども、サッカーの選手のOBの方々が何人かで全国を受け持って、私も四県ないし五県を持った記憶がございます。  そういった地域の方々が、そういうオリンピックに出場した選手だとかいう方々が来られて指導をされるということは、ふだんから指導されている方が言っていることを釜本さんが一言こう言ったら何で子供たちがこんなによく耳をそばだてて聞いているのかな、私もいつも同じことを言っているのになとその指導者の方がおっしゃったわけなんですけれども、あらゆる競技種目の中にそういう方がおられるということで、そういう方々をもっともっと利用、利用と言ったらおかしいでしょうけれども、使っていただいて、スポーツ振興のためにお役に立てていただきたいと、かように思うわけなんです。  それにしても、やはり予算というものの問題もあり、私は当時二万五千円ぐらいの日当だったというぐあいに、まあ自民党の日当よりもいいのかもわかりませんが、車で走っていって、スピード違反で捕まって、四万五千円取られたときに、あとの二万円をどうしようかなと頭をひねったこともございましたですけれども。  二十一世紀を間近に控えてのこれからの子供たちがもっともっと本当に心身ともに明るくのびのびと過ごしていくというためには、やはり本当にスポーツというものがとりわけ大事じゃなかろうかと、かように思います。そういうわけで、どんどんと推進していっていただきたい。  かように思う中で、きょうをもちまして二〇〇二年のワールドカップの招致決定まであと百日ということになったわけです。政官民一体となって国を挙げての取り組みの必要性を感じるわけでございますけれども、私も昨年来、国会開会中にもかかわりませず、先生方のお許しを得てアフリカのカメルーンと、先般ドイツに行ってまいって、招致活動をしてまいりました。  今、お隣の韓国と日本が熾烈に相争っているというような中で、日本は、新聞、雑誌、そういった紙上で書かれていますように、サッカー協会の会長、それから招致委員会の委員長、事務局長、そういった人が本当に世界を回って非常にクリーンな展開をされているということが、だんだんとそういった評価を得ているんじゃなかろうか。お隣のことをどうこう私が言うことじゃないですけれども、本当に最後の最後まで、私としましては名古屋の二の舞を決して踏みたくないという気持ちで頑張りたいというぐあいに思っております。  大臣、関係各位のスポーツ振興に対する姿勢には敬意を表しますが、小野委員長も、それから馳委員も、また江本委員も、私もそうかもわかりませんが、スポーツ界の中ではエリートと言われるところにいた者じゃないかと思うんです。そういうスポーツあるいはトレーニング、競技をするためにはある意味じゃいい場所が与えられて、そういった中でできていたわけなんですけれども、弱者というものへの配慮というものがもっともっと私は必要だと思います。  そのためには、予算というものが伴うことでございます。私としましても、本当に正々堂々と予算の要求ができるように一生懸命頑張りたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと申し上げまして、若干時間が残っておりますが、この辺で私の質問を終わらせていただきます。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) ワールドカップの日本誘致につきましていろいろ御意見を聞かせていただきましたが、これはもう私も国民的な強い要望だというように思っております。しかも、スポーツは文部省の担当でございますから、就任させてもらってから後、私がどういうことがこれについてできましょうかねと相談をしまして、これは通産省関係でありますけれども、まずJETROの副理事長さんにお願いをしまして、日本のJETROの出先の方からそれぞれの理事さんの国にお願いをしていただきました。  それから、ここと思うところは橋本総理の名前で要請文を出していただきました。官邸にお願いしました。それから、そうでないところは私、文部大臣の名前でお願いをしております。ちょうどきょうで百日後ということになったわけでありますが、これは我々の選挙と同じように、最後まで油断をしないで、あとどういうことができるか、先生方のまたお知恵をかりながら万全を期してまいりたいと思います。どうぞ御支援をお願い申し上げます。

釜本邦茂自由民主党・自由国民会議

○釜本邦茂君 よろしくお願いいたします。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 私は、自由民主党の木宮和彦と申します。いろいろ質問したいと思います。  文部大臣、まず御就任おめでとうございます。  奥田文部大臣は、聞くところによりますと、お若いときには師範学校を出て小学校の教鞭をおとりになった経験がある。その後、早稲田大学を御卒業になって、京都新聞あるいは読売新聞で記者生活もされて、しかも地方議員で京都の市会議員、それから京都府の府会議員、そして国会議員を五回当選されて、今回文部大臣に御就任になられました。言ってみれば、いろんな経験をされた、人生におきましてまさに、私に比べましても年は大して違わない、あるいは私の方がちょっと多いかもしれませんけれども、経験の面では先生の方がよっぽど豊かではないかと思います。  私もフランクにいろんなこと、勝手なことをお聞きいたしますけれども、ひとつ大臣も肩の力を抜いて本音で、言ってはならないことはもう言わなくて結構でございますから、ぜひひとつ御答弁を願いたいと、こう思いますので、よろしくお願いをいたします。  ところで、最近、役人さんが本当に悪いと私は思うんです。きょうは役人はいないからいいですけれども、次から次へと、例えば住専問題、あるいは「もんじゅ」の問題、きのうはまた厚生省のエイズの問題、これはいずれも情報といいますか、隠しに隠し回って、特にエイズに至っては国会をだまし、裁判所をだまし、新聞記者会見でだまし、資料があったと。こういうことではやっぱり信を国民には到底求められないと思います。  大蔵省も住専問題では覚書を密かに書いておったとか、あるいはいろいろな意味で、「もんじゅ」も本来あったところのテープですか、これを隠したり改ざんしたりして、それをやった。これは動燃がやったことでございますが、科学技術庁としてもやっぱり監督官庁としては非常に国民に対して申しわけないと私は思います。  文部省はよもやそういうことはないと思いますが、しかし先ほど来、馳先生の質問の中にもございましたけれども、いじめの問題については何となくまだまだ解明されていない。隠しているとは申しませんが出てこないという、そういう一つの体質がこの教育界、日本の特に義務教育のところに、中学と小学校にあるんじゃないか。これはみんなオープンにして言っていただくことが非常にいいと思うんです。  きょうは、いじめ問題はもう既に馳先生からたくさんの時間でやりましたので、私は割愛いたしますけれども、特にいじめの問題の対処の方法について、もし大臣のお考えがありましたらひとつ御答弁いただければ大変ありがたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) いろいろおっしゃっていただきましたが、確かに私は二年間だけ教壇生活を送った経験がございます。しかし、これは終戦直後でございまして、教え子が去年の十一月に還暦を迎えたから、還暦のクラス会をやるから出てこいと御案内をいただき、みんなちゃんちゃんこを持ってきて盛大にやったんですが、それだけ大きくなっておるわけでございますから、今の教育とはさま変わりしておりますから、一から勉強だというように思っていますから、どうぞ御指導をいろいろお願い申し上げたいと思います。  それから、文部省本音でねというお話。これは、とにかく本音でつき合わなければならぬのはどこの役所も同じでございますけれども、特に教育行政を預かる文部省においてはなおさらこれは大事なことでございますから、私からも十分文部省の職員には徹底していきたいと思っております。  それから、いじめの問題でございますが、これは家庭と学校とそれから地域社会とがうまく歯車がかみ合いませんと、しかも三つともがさわやかな健康体でありませんと、なかなかいじめというものはなくなっていかぬのじゃなかろうか。しかもそれは理屈で言っておったのでは始まりません。  正直申し上げまして、最初文部省に、これどうやってこれまで取り組んできましたんですか、とりわけここ一両年の取り組み方を教えてくださいというところから始めたのでありますけれども、時には何か靴の上から足をかいているような言葉もございましたので、本音で具体的にいきましょうやということで、先ほど申し上げたように、例えば学校ではちょっとでも多くの時間を子供と接触してもらいたいとか、あるいは地域社会におきましても、よその子供でも、まずい、たたいたり暴言を吐いたりしているような子供を見つけたら遠慮なく注意してもらえるような、そういう社会になりませんといじめというのは追放できませんからということを具体的にお願いしておったんです。そういうように、理屈じゃなしに本音で、具体的にわかる言葉で話し合って取り組んでまいりたいと思っております。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 文部大臣、本当にありがとうございます。ぜひひとつ、小手先のことではなくて、百年の計で日本の将来を考えて、教育行政をオープンに、しかも大勢の意見を聞いて制度まで変えるような、そういう広い気持ちでこれからひとつ御討議いただきますことを心からお願いいたしたいと思います。  さて、本題に入りたいと思います。  実は私は、自民党の中に文教部会・文教制度調査会がございますが、その中の小委員会が最初にできましたのは、これはたしか平成五年三月十九日から始めまして、十二回の小委員会をやりまして、平成五年の六月十八日に中間発表をまず最初にさせていただきました。  ちょうどこの六月十八日が宮澤内閣の不信任案が出てきた日で、これは怪しいなと思って私は午前中にこれを書いて実は提出をさせていただきましたんですが、その中でもいろんな人の御意見を聞きました。私立の代表としては理科大の橘高先生、有馬東大元学長先生あるいは早稲田の西原先生、それから国立大学では東北大学の西澤潤一学長先生あるいは静岡大学の角替先生とか、そのほかいろんな人の御意見をアンケートをとりまして、そしてそれらをまとめまして答申を出すために十二回の小委員会をやりました。それが野党になっちゃったものですから勢力がなくなりまして、これを実はやめちゃったんですね。  ところが、また与党になりまして、平成七年にまた大学改革検討委員会の委員長を仰せつかりまして、これまた委員会を十回やりました。その中には、衆議院議員の塩崎先生あるいは小野先生の提言があったり、あるいは慶応の鳥居先生、それから経済同友会の幹事の特に教育問題をやっていらっしゃいます櫻井さん、それから西部邁さんなどの御意見を伺いながら、これは二月から始めて大体週一でもってずっとやってまいりまして、そしてこれも六月九日に一応中間発表をいたしました。  それからまた、実は二、三日前から、もう一回これをひとつ完結しようということで、今度は二つの委員会にまとめまして、一つは二十一世紀教育ビジョン検討委員会、いま一つは教育行財政検討委員会と、この二つの委員会で、二十一世紀教育ビジョン検討委員会の委員長を私にまたやれという文教部会長からの御下命でございます。  それで、何をやるんだと言ったら、この中にはたくさんございますが、例えば六三三制度の見直しについて、それから高等教育及び学術研究のあり方について、飛び級及び入試制度のあり方について、それから幼児教育、家庭教育、社会教育のあり方について、政治・宗教・歴史教育のあり方について、学生生徒の減少に対応した教育のあり方について、その他、こういう非常に幅広い二十一世紀に向かっての日本の教育についてこれから検討しろ、これも週一でもって六月ごろにはぜひまとめてくれと、こういう要望でございます。  私も浅学非才で、本当に時間もございませんし、今、副幹をやっていますのでなかなか党務の方が忙しくて、手が回らないからお断りすると実は申し出たんですが、ぜひひとつ続けてやってくれと、こういうことで、私もそれなりに汗をかいて少しでも日本の将来のためにいい教育をしたいなと思って、実はお引き受けせざるを得ないということでお引き受けをいたしました。  さて、本題でございますけれども、今の日本の大学をどういうふうに文部省はお考えなのか。これはたまたま、早稲田大学の先生から新しく最近新潟の新潟経営大学という学校の学長さんに御就任になられた鳥羽欽一郎先生、この人が頭がいいから大変いいことを、私と同じことをまとめて、私はまとめられませんけれども、ここに書いております。  これを読みますとまさにそのとおりでして、最近、東京周辺、京阪神周辺あるいは中京周辺の志願者が毎年ここ数年間五%、学校によっては、早稲田なんか五千人も志願者が減ってきている。果たしてこれはだんだん大学へ行く志向がなくなったのかというと、そうではない。  その間に、一昨年は十八校を地方に文部省は認可しています。それから昨年も十六認可しております。新しい学校も地方にどんどんできてきて、その学校がいわゆる地域大学として、都市型大学から地域大学というものが最近は非常に活況を呈していると言っては大げさでございますが、そういう小規模の地域大学が、例えばこの新潟の大学ですと何と十四倍の倍率の生徒をかき集めている。私の学校もある程度、地域大学でございますが、それなりに生徒募集も何とかやっております。  ですから、今の大学に向かっての国民の意識というものが、かつての大学はただブランド商品で東京の私立有名校あるいは国立大学というところに志向していたと思いますが、今は社会のレベルが上がってまいりましたので、いわゆる大学教育が高等学校並みになりつつある。しかも、それがマスで、一万人以上のような学校になりますと、行ってみるとどうも満足できないという一つの嫌いがあるのではないかなと思います。  今まではブランドを掲げて、卒業すればお役人さんだとか大企業に入って、就職口もあったわけですけれども、もうそういうこともやや影が薄くなってきている。私はいいことだと思うんです。出身学校だけのレベルで、素材だけでもう満足できなくなったから、もう既に民間会社でも、例えばソニー、最近ではトヨタ、これは出身学校は一切書くなと。要は実力主義でやってみて、その中からいい素質を採らないと、これからの管理社会といいますか、会社の管理面においても役所においてもこれはできないんだというようなことが言われております。これからは本当に学校の中で勝負をしていただかないと国民も満足できないような時代に来ておると思います。  ですから、文部省も現在その解決策をいろいろ模索していらっしゃるようでございますが、ぜひとも、経済とか法律とか経営とか理工とかいうような普通学部ですね、そういう普通の四年制大学はこれからは欧米型のリベラル・アーツカレッジにして、あるいはドイツ流に言うとホーホシューレにして、そして一般教養大学として規模を小さくして、三千人とか五千人くらいにして大学を再編成する。  そして、国立大学もぜひひとつ民間に、私立大学に、あるいは地方の大学に移譲していく。それで、金のかかる大学院だとかあるいは理工科系であるとか医学部とかいうものは、これは国の力でやっていかにやならないと思うんですけれども、今やまさに社会の方がむしろ行政より進んでおって、そういう志向になりつつあるということを御認識になって、今後の文部省の大学行政につきましてどういう御所見があるか、ひとつ承りたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 長年、先生は学園の経営者として御苦労いただいてきたわけでございます。そういう御体験から貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。  まあ、釈迦に説法でありますけれども、大学の教育の使命といいますのは、それぞれ専門分野の知識とか技術を身につけることだけじゃなくて、総合的な判断力も学生に持ってもらわなければならぬというようなこともございます。  そういうことがありますけれども、私学においてはそれぞれがまた建学の精神というのがバックボーンにございまして、それを尊重して非常に個性豊かな教育も行われておるわけでございます。文部省といたしましては、そういうそれぞれ特色のある大学がさらに特色を生かして、新しい世紀に十分学生が貢献できるようなそういう教育、そういうことを積極的に応援してまいる。大学というのはそれぞれ学園の自治というものもございますから、それを当然のことながら尊重していかなければならぬ文部省でございますから、いろいろ難しい要素はありますが、とにかく主体は学校でございまして、それの応援が私どもであるというように考えておるわけでございます。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 大学改革につきまして最近は文部省さんも大分熱心におやりでございます。  実は、昨日は北陸先端科学技術大学院大学、長いんです、十三文字でございますけれども、国際問題に関する調査会というのがこの参議院にはございまして、そこの委員派遣で行ってまいりました。  その前の日には名古屋大学の大学院に行ってまいりました。名古屋大学の大学院では主に留学生について、どのくらい来て、どういう生活をして、どういうものをやるか、困ったことは何かというようなことを聴取いたしました。いろいろありましたけれども、大体我々が想像していたような返事でございました。  ただ、加藤総長いわく、これは決して気を悪くしないでいただきたいんですけれども、名古屋大学は学生数で言うと東京大学の六五%、予算は東京大学の四四%だと。いかにも何か非常にひがんだような言い方をしておりましたけれども、たまたま再選されたその日ですからちょっと言葉が先に過ぎたのかもしれません。  それは、文部省としても東京大学が大事なことはよくわかるし、またそれなりの実績を上げていることも事実だと思いますが、しかし既成概念だけで予算を分けてはいけないので、非常にいいことをやったり、効果をあらしめたり、あるいは将来芽が出そうだというところにはその配分についても、横並びだけではなくて、まあ見ていると思いますけれども、ぜひやっていただきたい。  もう一つの石川県能美郡にある北陸先端科学技術大学院大学、なかなか言うのは難しいですけれども、そこへ行ってまいりまして、慶伊学長先生にもお会いいたしました。この学校はまだ創立六年目ですか、これからまさに卒業生を出そうという学校でございます。あそこは学部がないんですね、大学院だけなんですよ。  私はかつて大学改革のときに有馬先生をお呼びして、一時間ほどお話を聞いてディスカッションしたんです。それで、これからは国立大学は学部と離して大学院大学にしたらどうですかと言ったら、有馬先生がおっしゃるには、いや、それは大学院だけではパワーがない、やっぱり学部あっての大学院だと。これは余り話されちゃ困るようなことをおっしゃっていましたので、私は慶伊学長先生に、有馬先生はこうおっしゃっていたけれども、先生のお考えはどうですかという質問をしたら、それは東大のエゴイズムだ、大学院だけで十分やっていけますと、これが慶伊先生のお答えであった。  私もそれは両方あっていいと思いますけれども、これからは今の大学が大学院に、文部省も力を入れて、それが本来の高等教育だと。むしろ今までの大学はいわゆる普通の一般教養大学のようにした方が私はより社会的にもいいと思うし、また学生にとってもいい。  そしてもう一つ、北陸の大学院大学では、ともかく一般人を採ろうと枠を決めて、そしてかなり一般人を無試験で入れる、なおかつ文科生を理科の情報だとかあるいは素材研究科の方に入れています。むしろ文科生の方があるいは文科の人が大学院に入ってきたときに理科系をやった方がよりいい人もかなり出ます。こういう発想の転換をぜひしてもらいたいと、こういう御趣旨の発言もございました。  どうですか、局長、いろいろ御意見もあろうと思いますが、余り通り一遍じゃなくて、ひとつ実のある答弁をぜひしていただきたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○政府委員(雨宮忠君) ただいま先生御指摘のように、今後の社会を考えていく上で、特に大変高度化あるいは複雑化していく社会でございますので、それに見合った人材というものを養成していかなければならない。その場合に、学部で十分とは必ずしも考えておりませんで、むしろ先端的な部分というのは大学院に担当してもらうということが重要ではなかろうかと思うわけでございます。  大学審議会の審議におきましても、大学院というのが、特にいわゆる先進諸外国と言われている国々と比べましても、全体の在学者数ということの割合からいたしましても非常に少ないものがございますし、また組織機構的にも、やや誇張して申しますと、学部のつけたりというような地位に甘んじておったという時代も長くあったわけでございます。また、施設・設備においても十分なものとは言えなかったという時代があったわけでございます。  それに対して、大学院を質的にもそれから量的にも拡充していかなければならないということで、ここ近年、急速に私どもといたしましては相当の力を入れてきているところでございます。  先ほど先生が例としてお出しになりました北陸の独立の大学院大学もその一つのあらわれではございますけれども、組織機構の上で伝統的には学部しか持たない大学もございますし、それから学部の上に大学院を持つ大学もございますし、それから先生がお出しになりましたような大学院のみを持って学部を持たない大学というのもあらわれてきておるわけでございます。  私どもといたしましては、大学院全体の整備を図るということを進めつつ、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、いろいろな大学がそれぞれのポテンシャルを最大限に生かすような方向で、一番いい形態というのはどんなものなんだろうかということを大いに改善工夫してもらいたいということで、またその工夫改善の努力に私どもとしてこたえていかなければならないというように考えておるわけでございます。  したがいまして、大学院の充実ということについてはまことに先生のおっしゃるとおりの方向で進めておるわけでございますが、しからばすべからく大学院大学というのがよろしいかということになってまいりますと、例えば設置形態によって大学院だけ持つということに統一したらどうかということになってきますと、例えば国立の上でおよそ学部レベルの学生というのを私立の方にすべておんぶしていいのかという問題もまた出てこようかと思うわけでございます。  いずれにしましても、国公私それぞれの役割が現在もあるわけでございます。現在、大学院の学生の六三・七%を国立大学がしょっているということになっておるわけでございまして、そういう意味では国立大学が既に大学院の役割の相当程度をしょっているということではございますけれども、すべてということになってまいりますとまた別の問題が生じてくるということでございます。  いずれにいたしましても、国公私それぞれの役割分担の中で大学院の整備充実を図っていくと、こういうことが今後大いに努力すべき課題であろうかというように考えているところでございます。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 例えばの話で恐縮でございますが一例えば昔の旧帝大くらいは大学院大学にしちゃって、そうすると、学生さん、院生が、各地方の大学とかあらゆる私学、公立、国立を問わずにその大学院に行きたいということになれば、大学院の先生もうかうかしちゃいられませんし、また実際に一生懸命勉強しようとする。ですから、大学生の中の、先ほど申し上げました一般教養大学的な、まあ三〇%も修士に行けばいいので、大学院の博士課程は二、三%でいいんだから、そういうふうな仕組みに大学行政も変えていかないと行き詰まっちゃうんじゃないか。  予算も決められていますから、東大とか京大は真っ先に大学院大学にしてしまってやれば、これは地方の静岡大学の優秀な学生もあるいは鹿児島の学生さんも東大の大学院に行ける、また行かにゃいかぬということで、私はむしろ本当の意味の専門職業教育ができると。特に理科学生の場合にそうだと思います。  それでないと、世界にこれから雄飛していくための知識としては、今程度の学部でもいけないし、今の大学院の制度でも私はちょっと不満足ではないかなと、そんな気がしてならないものですから、実はあえてそういうことを申し上げたわけでございますが、ぜひひとつ局長を中心にしてお考えをいただきたいし、一遍に教育というものはできませんから、将来のために少しずつでいいからひとつ改善、改良をしていただきますように心からお願いを申し上げたいと思います。  時間の都合もございますので次に行きますが、私学助成について私のあれを申し上げたいと思います。  きょうはお許しを得て、変なグラフを皆さんにお配りいたしましたが、別によく見てもらおうという意味ではございません。ただこうやって遠くから眺めてもらえれば結構でございます。  この黒いのが文部省の一般会計でございます。一般会計は、途中六十三年は減っていますけれども、最近またふえてまいりました。その次に高いのが、これがいわゆる義務教育の国庫負担の分でございます。白い棒が国立大学特会でございます、この三本が。これは当たり前の話ですけれども直轄です。  ところが、下の方にちょびちょびちょびっとあるのが、これが私立の大学と高等学校の補助金でございまして、私立大学は毎年のように皆さん一生懸命予算獲得のために陳情に参ります。私どもも最後まで一生懸命。ところが、大蔵省は五%減らしておいてまた十億ぐらいふやしていいとしようということで、そういうパターンを毎年繰り返しております。  果たして私学はそれでいいのか。私に言わせると、私は経営者ですから欲しい方ですけれども、しかし、こんなに少ないなら、文句言われないでこんなもの要らないやと。だけれども、要らないと言ったって、父兄、学生は国民ですから、何にも恩恵を受けないというのはおかしいんですから、せめて授業料を全部税金から免除してくれれば、私はその方がいい。だけれども、そうはいかないならば、もう少し私学の補助金についての一つの、毎年こういうことじゃなくて、新しい私学の助成についての理念というものがあってしかるべきだと、私はそう思うんですね。  どうもそれがいつまでたっても、昭和四十九年からもう二十年以上全く同じパターンでやってきた。最初はともかく私学の経常費の半額までを見ようということで努力するという法律になっておったけれども、次の二枚目を見ていただくとわかりますけれども、一番多いときが昭和五十五年の二九・五%ですね、大学の方が。それがだんだん減って、平成元年では一五%です。平成八年になりますとこれが一二%ぐらいまで落ちているんじゃないですかね。もっと落ちているかもしれません。  そういうようなことでございますので、私学助成はぜひとも一つの理念を掲げて、これは政治家と役所と私学団体とが、将来のことでございます、おまえら苦しくてもいいからこれでやれ、そのかわり余分なことは文部省言わぬよとおっしゃるなら、それも一つの行き方だと思いますし、いや、国立が伸びればそれに従って私学も大事なんだから、同じ土俵だから、言ってみれば土俵が二重になっていまして、小さな土俵と大きな土俵の上で、おまえはこの土俵から出たら負けだよ、おまえさんは広い方でいいよというようなもので、土俵が違うんですね、私学と国公立ては。同じようなカリキュラムで同じような教育をしているはずなんで、しかも私学の学生数は大体八〇%、大学院は別ですよ、普通の大学ですから、国公立が二〇%。補助金の方はまさにその反対でして、二〇%が私学で八〇%が国立。言ってみれば二、八、十六で十六分の一ですよね。  だから、そういうことを見ても、私学の先生は黙ってよくやっているなというふうにお考えだと思いますけれども、なかなかそうばかりいかないので、私学は何をしているんだと怒られることが多いので、どうもその辺が私は解せないんですけれども、ぜひひとつ私学もかわいがっていただくと同時に、また、甘えるんじゃなくて、立派な業績なり立派な教育をやる場合にはこれは奨励すべきだと、こう私は勝手なことを言いますけれども、国立オンリーで、ともかく私が調べた範囲内では、大臣は違いますけれども、文部省の局長以上と大蔵省の局長以上、今、改組しようなんて言われていますが、これは出身学校を調べると、全部国立なんです。大臣はほとんど私学なんです。  だから私は、そういう意味で先ほどあえて言いたくないことを言いましたけれども、「もんじゅ」にしても、あるいはいじめの問題にしてもエイズの問題にしても、あるいは住専の問題にしても、やっぱりそこら辺に一つのきしみが来ているんじゃないかというような気がしてなりませんので、ぜひひとつこの辺で発想の転換をしていただいて、せめて私学は室じゃなくて局くらいにしていただいて、きっちり行政の中の一つの枠組みとしてやっていただくのがいいんじゃないかなと、こう思いますので、その辺の御感想をどなたでも結構ですが、ひとつ御返答いただければありがたいと思います。

雨宮忠文部省高等教育局長

○政府委員(雨宮忠君) 私どもの立場といたしましては、高等教育を担っている国立大学、公立大学、私立大学すべからく充実整備が図られることを期待しておるわけでございます。  予算の仕掛けといたしましては、そういう設置形態ということに応じまして、国立大学の場合につきましては、国立学校特別会計という会計区分のもとで、一般会計からの繰り入れ、授業料収入、病院収入などを収入といたしまして、また支出の方につきましては、必ずしも教育ということだけに限らずに、いわゆるビッグサイエンスと呼ばれているような宇宙でありますとか、核融合でありますとかというような研究機能も含めた形での支出をこの中に抱き込んでおるわけでございます。  したがいまして、国立関係の予算につきまして、私立大学の予算と比べてどうかというのはなかなか比較が難しゅうございます。現実に国立学校関係の予算につきましても、先生方の多大の御支援もいただいておりますけれども、そういうことで最近、施設整備もかなり進むようになってまいりましたし、先生が先ほど御指摘のような大学院の整備も進みつつあるわけでございます。ただ、これで十分かというと、まだはるかに遠い状況でございます。機構定員につきましても一般的な行財政の抑制下にあるわけでございます。  また一方で、私立学校につきましては、先生かねてから御案内のように、また、ただいま御指摘いただきましたように非常に厳しい行財政下でございまして、かつて二十数%という経常費全体に占める補助割合というのが一二%余りというようなところにまで落ち込んできているということになっておるわけでございます。  しかし、私立学校の果たします役割ということにかんがみまして、先生方の応援をいただきまして、来年度の予算案におきましては、経常費の補助金につきまして、対前年度比七十二億円増ということでございますし、また初めての試みといたしまして、私立大学の先端的な研究プロジェクトをハードそれからソフト両面から支援するということのための、私立大学ハイテク・リサーチ・センター整備事業というこれまでになかった新規の予算項目も立てておるところでございまして、これらの努力を今後とも堅実に積み重ねるということを通じまして私立大学の振興も図ってまいりたい。  したがいまして、私どもといたしましては、繰り返しになるわけでございますけれども、国立大学につきましても私立大学につきましても、それぞれの予算措置を通じて充実を図ってまいりたい。高等教育全体の公財政支出と申しますか、そのパイというものを全体として膨らませていくということが一番重要なことではないかと、かように考えておるところでございます。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 ひとつぜひ大臣もこれから、私立学校の御出身でもございますので、私学につきましてはまた格段の理念で、一本の筋は通して、五十億とか六十億、つかみ金をふやしてもらうということも、これは悪いことじゃありませんけれども、要らないものはどんどん削っていいと思います。それから要るものはどんどん奨励すべきだと、こう私は思いますので、ひとつその辺もよろしくお願いいたしたいと思います。  時間もございません、どんどん先に行きます。  次は学制改革で、先ほども六三三制の問題がありましたけれども、大学院、大学生の問題もさりながら、今どこに行っても国民の大多数が、やっぱり今の学制はちょっと時代に合わない、金属疲労を起こしていると。終戦後もう五十年たちました。新制といいますか、もう新制じゃなくなってしまいまして、もうそろそろこの辺で複線にするなり、あるいは六三三を四四三にして飛び級も入れるだとか、あるいはいろんなことを論議しつつございます。これは恐らくいろんなところでやつていると思います。  しかも五日制が出てくればなおそうだと思いますので、この辺について、過去において中教審で四十六年の四六答申というのがございました。なかなか立派なものでございます。それから、臨教審でもかなり学制問題についてはやかましくて、しかし当時はまだ社会党さんが、日教組が反対しましたので、と思いますけれども、そうじゃないですかな。そうでなければ結構でございますけれども、なかなか学制問題はタブーになっておりまして、文部省も腰が重くて全然これについて興味を示さなかった。  これが過去の現実だと思うんだけれども、五五年体制ももう改まりましたし、日教組さんも大人になりまして、日の丸、国歌「君が代」も認めておりますし、それからその他いろんな意味で、教育の中の正常化と言っていいかどうか知りませんが、私も横山委員長にお会いしてお話ししたこともございますが、確かに、それはまだ多少は、一部か二部はちょっと疑っているところもありますけれども、我々とほとんど一緒だと思うんです。そういう時期に入ったんです。文部省もひとつぜひ、どういう新しい学制にするかということは、これは国民の大勢の人の意見を聞きながら、しかも現実に合うようなことをやってもらいたい。  五日制の問題も先ほど馳委員から出ましたけれども、私は五日制だって大変なことだと思いますよ。今のカリキュラムをもしも学校の先生とかそれぞれの学会なり協会なりに委託すれば、おれのところは嫌だよ、一番大事だよと、数学の学会はそう言うだろうし、英語の学会もそう言うだろうし、音楽も体育もすべてそう言うと思いますよ。そんなことをやったら何年たったってカリキュラムを縮めることはできません、ふやすことはできても、ボランティアをふやせと言っていながら。ふやす方はここにもいます。  だから、そういう意味から言いますと、やっぱりだれかが責任を持って仕分けをしないと、そして、学校教育で最低限これだけはやらなくちゃならないという根本的なものを、今、学校教育にはこれが必要なんだ、こういうものは社会教育に任すべきだとか、そのかわりそっちに予算つけてやるとか。  日本の教育は社会教育と学校教育があります。その両輪の輪とは言いますが、片方がちっちゃくて、学校教育はこんなでかいですから、だから前へ進まないですよ。ぐるぐるぐるぐる回っちゃうからいつまでたったってこれが直らないのが私は現状だと思います。  ですから、そういう意味で、学校教育の内容まで、カリキュラムまで今やまさに選別する時代に来たと思いますので、その辺は大変な作業だと思うし、大変な仕事だと思いますが、奥田名文部大臣のもとでぜひひとつそれをなし遂げていただければこれは後世に残ります。よろしくどうぞ。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) まず、冒頭に先生からお示しいただきました私学助成、これは毎年予算編成のときに私が所属しております自由民主党でも非常に大きな課題で最後まで残り、先生方も御協力をいただいてまいったところでございます。なかなか思うようには進んでおりませんけれども、次のときも、概算要求あるいは年末に向かっても全力投球で、少しでも御趣旨に沿うような予算に持っていきたいと思いますから、ひとつ強力な応援をお願い申し上げます。  それから、学制改革のお話でありますが、これは税率の上げ下げとは違いますけれども、しかしそれと同じように、国民の理解と合意を得なければなかなかできない、難しいことだと思うんですよね。  したがって、先生も自民党につくっていただいております二十一世紀教育ビジョン検討委員会の責任者になっていただいておるわけでございますから、そこでもこれから立派な御提言をちょうだいしたいと思いますが、それと同時に、党内だけでなしに、国民にこれは次の時代をにらんでこういうトーンで書いた方がいいというような、そういう理解とやろうという高まりが出てきませんと、なかなか文部省だけでは、あるいは文部省と都道府県の教育委員会とが合意をしただけでは難しいことだろうと思うんですよね。  したがって、現状でいいという固定的な観念は決して持ちませんけれども、十分勉強は続けてまいりますが、今すぐにというわけにはまいらないことだけはひとつ先生も御理解賜りたいと思います。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 文部大臣のおっしゃることはそのとおりでございまして、こんなものはそんなに簡単にできるとは思いません。しかし、やらねばならないことも事実なんです。ただ、今までの臨教審の結果なんかもつまみ食いはしてくれたけれども、どうも対抗的に大事なところは全部カットしてしまったような気がしてならないから私はそう申し上げているんです。大事なことをまずやって、どうでもいいことは先に延ばしてもいいという、その姿勢だけはしっかりしていただかないとこれはできないなと、こう思いますが、今はひとつの機運だと思いますので、ぜひひとつまた文部大臣にも御理解を賜りたいと思います。決して無理なことは申し上げません。  次に、これは行革のことでございまして、特にこれは余り言いたくないですけれども、健康運動指導士とか健康運動実践指導者、これは厚生省の所管でございますね。それから労働省はヘルスケア・トレーナーとヘルスケアリーダー。私も何もわかりません。それから、その次に文部省がスポーツプログラマー1種、同じく2種、こういうように同じような資格があるんですね。あってもいいんですよ。あっても構いませんが、それがどういう法律の根拠にあるかというと、法律には全くない。  それだけじゃなくて、言ってみれば私法人が勝手にこういう資格をつくって、しかも安いお金ならいいんですけれども、年に二十日で二十万とかなんとかという、こういう大きなお金を取って、しかもそれを下請に出している法人もありまして、そしてそれをお互いに分割して取っちゃうというようなことは、これはいかがなものか。  文部省として、ともかく法律にない資格を文部大臣の名前で認定して認定証を法人会長名で発行している、こういう問題があるんですね。しかも複数の法人がかかわってそれぞれの収入を分けている。体協も寄附行為の事業内容には資格の中に認定業務が記されていない。だから、これはもっと明らかに必要なことをどんどんやってくださいよ、別にこそこそやらないで。大いにやって、大いにオープンにして、国民のために指導していただくのは私は大賛成。ただ、これが官僚OBの高給を取るための道具にされちゃかなわぬというのが私は率直な気持ちなのでございますが、体育局長、どうですかその辺は、文部省として。

佐々木正峰文部省体育局長

○政府委員(佐々木正峰君) 御指摘のスポーツプログラマー1種、2種の関係でございますが、これはスポーツ指導者養成事業の文部大臣認定制度にかかわるものでございます。  この制度は、財団法人または社団法人であるスポーツ団体が行うスポーツ指導者養成事業のうち、文部省が定めるカリキュラム基準を満たすなど一定の水準に達している者を保健体育審議会の委員の意見を聞いた上で文部大臣が認定するものでございます。  その趣旨といたしますところは、近年の国民のスポーツに対するニーズが非常に高度化、多様化してございます。そのようなニーズに対応した適切な指導を行うことができるスポーツ指導者というものを確保する、このことにあるわけでございます。  したがいまして、その文部大臣の認定というのはあくまでもスポーツ団体が実施する指導者養成事業に対して行われるものでございます。この認定自体は、スポーツ振興法という法律がございまして、この十一条では、「国及び地方公共団体は、スポーツの指導者の養成及びその資質の向上のため、講習会、研究集会等の開催その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」と規定されておるところでございまして、文部省といたしましては、この規定に基づいてすぐれた事業を奨励する目的でこの認定事業を行っておるところでございます。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 私ももう少し研究して、これらについて厚生省も労働省もかかわり合っておりますので、もっとすっきりして法律なりあるいは少なくとも省令なりでもってそういう認定項目をやるべきだと私は思いますので、これは衆議院の中村正三郎さんが一生懸命やっていますので、私も及ばずながらひとつ大いに整理整とん、そして権威のあるものにするということがいいことだと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  あと五分しかございませんので、次は文化庁に司書教諭についてちょっとお伺いしたいと思います。  日本の文化行政というものは箱物は大変よくなりましたよね、はっきり言って。ところが、ソフトの方は全く悪い。欧米では、例えば美術館をつくるにも、作品があって、そして箱物をつくってやるんです。日本は、箱物をつくって中へ買ってくるという、言ってみれば逆になっていますね。  ですから、学芸員という制度がありますが、大学を出てある程度単位を取れば、今じゃ六千人くらいずつその学芸員の資格を取れますけれども、本来学芸員とかいうものは、これは職人職でして、目がきかなくちゃいかぬ、目ききでなくちゃいかぬ。にせものをつかまされるような、そんなものじゃ学芸員にはなれないんです、本当は。あるいは国宝とか重文を修理するにしてもそうだし、あるいはそれを保管するにも動かすにも相当な高度の職人的なそういうものがなきゃいけないんですよね。それすらもいないというのが今の寂しい文化行政。それも無理もない。  先ほども申し上げたかもしれませんが、フランスはともかく国家予算の〇・一%が文化の予算、日本は〇・〇一ですから十分の一なんですね。そう考えていきますと、日本は今六百億から七百億ぐらいですが、七千億ぐらいあってもいいんですね。むしろ住専にやるならこっちにもらいたいぐらいなんです、なかなかそうはいかないかもしれませんけれども。本当にそういう意味では、文化と言いながら、今の文化庁のやり方については、私は批判するわけじゃありませんけれども、やはりソフトでそういう人材を養成してもらいたい。  それからまた、学校も今度は司書教諭を、法律を改正しようと今一生懸命で、私は議員立法でやりますけれども、これまたそうなんですね。学校の図書館には司書教諭を置かにやならないと言いながら、附則でもって当分の間置かなくてもいいと書いて、四十二年間置かなかった。当分の間というのは、私はせいぜい十年くらいをもって当分の間と言うんじゃないかと思うんですが、その四倍以上になっている。これは予算の問題その他いろんな、それこそ日教組とのいろいろな思い違いもあると思いますけれども、ともかく現状は図書館もそうです。図書館は立派なものがあっても、実際に先生がいないからほこりだらけになってかぎがかかっている現状があります。  それから、もう一つは文化会館、地方にたくさん立派なものができました。私もあちこち行きます。しかし、そこには建物の管理者はいるんですけれども、中を運営する人がだれもいない。だから、電話して今月はどういう催しをやるんですかと言ったってわからない。こういうのが今度は来るそうですがどういう内容ですかと言っても、それもわからない。そんなことは私はわからぬから主催者に聞いてくれと。これが今のいわゆる文化会館の実態でございます。  だから、せっかく箱物をつくっても、その運用たるやまことに寂しい。できるなら、これはプロじゃなくても結構だから、セミプロでいいから、各地方にそれらの文化会館の附属として地元のオーケストラを養成するとか、美術館だったら国立美術館には学芸員を養成する附属の施設をつくるとか。現に芸大の中にも美術館はありません。私の学校にはちいちゃいのがありますけれども、学校の中にも美術館ぐらいつくって、そして美術について、それぞれの地域地域あるいはそこのローカルなことで結構だから、息吹いたといいますか命の声、そういう行政にぜひしてもらいたいなということをお願い、これはお願いで、返事があれば結構ですが、なければなくても結構でございますが、文化庁さん、何かありましたらどうぞ。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 御指摘のような点、まことにごもっともだと思うわけでございます。  御指摘ございましたように、地方では公立文化会館あるいは文化ホール等、たくさんできておるわけでございますけれども、その中のソフトの充実あるいはそれらを担う人材の養成という点に私どももこれから力を入れていかなければいけないと思っておるわけでございます。  本年度、七百五十億円で一二・三%増の文化庁予算をいただいておるわけでございますけれども、その中で特に私どもが力を入れましたのは、「アーツプラン21」というような形で、芸術文化のソフトの面に力を入れよう、それから公立文化会館の職員を対象といたしましたアートマネージメント研修といったものも実施しておるわけでございますし、舞台の技術者の研修、あるいは美術館、博物館等の学芸員を対象とした研修、そういった意味で文化を支えるといいますか、文化を引っ張っていく人材の養成に努めていかなければいけないと思っているところでございます。  今後とも、文化施設の充実とともに、その運営を担います専門の職員の充実といったものに力を入れてまいりたいと思うところでございます。

木宮和彦自由民主党・自由国民会議

○木宮和彦君 いよいよ時間がなくなっちゃいましたので、先ほどもお話がありましたけれども、国立の劇場とか国立の美術館とかあるいは国立のスポーツ競技場には、その附属として、そういうセミプロといいますか、そういう人を養成するような施設をぜひ予算をつけていただいて活用していただきたいという私は希望を持っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  もう時間がありませんので終わりますが、最後に、これは難しい問題ですからお答えをいただかなくて結構です。  今、年金の一元化で共済組合がみんな一緒になっています。私学共済というのは一番小さい、四十万人ぐらいしか組合員がいない。片方は一千万人ぐらいいる。それにもかかわらず、ともかくことしから五年間、JRとかJTにこれをやらにゃいかぬ、五十八億ぐらいやらにゃいかぬ。兄弟で言えば、一番上の兄貴が馳さんみたいな体の大きいやつで、うまいものがあればぱっと食っちゃって、一番末っ子の女の子は、かわいそうに小野先生みたいな、まあ小野先生はそうでもないかもしれないけれども、それが大事にこれは私が夜寝る前に食べようと思ってそっととっておいたら、それも見つけてばっと食っちゃったという、そんな印象がしてならない。  それは文部省さんも、私学共済というのは大体幼稚園の先生みたいなのが多いんですから、五年、六年いたってみんな何ももらわないで人生を終わっちゃう人もいるんですよね。ですからこれは、余っているから足りないところへよこせと、住専の二の舞にならなきゃいいと思って私は心配して言うんです。やるんなら結構ですから、もっとオープンに、国民にあるいは共済組合の組合員にまで趣旨はある程度徹底して、救うべきは救う。そうでないと、知らぬ間にそんなことをやっちゃって、またその組合の長が証人かなんかで立たされますから、ぜひそうならぬようにこれは御注意いただきたいと、これを一言申し上げて、終わります。

小野清子自由民主党・自由国民会議

○委員長(小野清子君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      —————・—————    午後一時二十三分開会

小野清子自由民主党・自由国民会議

○委員長(小野清子君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査のうち、文教行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山下栄一平成会

○山下栄一君 平成会の山下でございます。奥田大臣、私も関西の出身でございますから非常に身近に感じております。どうぞよろしくお願い申し上げます。  私も大阪でございますけれども、大阪は外国籍の子供たちが大変数多く小学校、中学校、高校に在籍しておるわけでございます。そのことに関連いたしまして最初に質問申し上げたいと思うわけでございます。  二月に入りまして、学術国際局の方から「平成七年度日本語教育が必要な外国人児童・生徒の受入れ状況等に関する調査」の結果が発表されたわけでございます。この資料を見させていただきまして、要するに日本語がよくわからなくて小学校、中学校で勉強していらっしゃるという生徒さんが大変ふえておるということでございます。  特に、平成二年の入管法の改正によりまして、日系の外国人の方が日本で仕事等の関係で定住しておられる、そういう方々がふえてまいりまして、そういう方々のお子さんがちょうどそういう学齢期にある。だけれども、そういう方々は日本語が余り得意じゃない、もっと言えばよくわからない。  そんな中で、日本の学校で勉強できる体制を日本の政府また自治体でも取り組んでまいったわけでございます。特に義務教育の場合でも、義務ではないけれども希望すれば受け入れますという、そしてまた自治体の方でも就学案内をきちっと徹底されまして、それで日本の学校で勉強できる体制を整えつつあると、こういう状況があるわけでございます。  母国語別の在籍状況、この報告にもあるわけでございますけれども、全部で日本語が必要な外国人子弟というのは、平成七年度の統計で一万一千人いらっしゃる、これは小学校、中学校でございますけれども。それで、母国語がポルトガル語、こういう方が一番多くて、その次に中国語、スペイン語、フィリピン語、ベトナム語、英語と、こういう順番になっておるわけでございますけれども、ポルトガル語の方々が約四千二百人、中国語三千七百人、スペイン語千四百人、フィリピン語四百九十人余りと、こういう数でございます。もちろん日本語がもう既に自由にしゃべれるという方は除かれておる。日本語が必要な外国人子弟という数が一万一千人。  ところが、地域によりますと、愛知県とか静岡県、また東京都等が一千人を超えておるわけでございますけれども、市によりましたら、一つの学校で例えば一割がそういう日本語が余りわからない子供たちである。そういう学校、受け入れた側は大変なわけでございますので、そのためのいろんな配慮が文部省でもされておるわけでございます。  それで、いろんな観点の配慮があるわけでございますけれども、日本語教育といいますか、これがまず大事なわけです。これをやらないことには何もわからない。授業の以前の生活からついていけないわけでございますので、授業に参加する最低条件であるし、なおかつ最重要な条件としての日本語学習、これが大きな課題になっております。そのための体制がどういう配慮がされておるかということを簡単に概略御説明をお願いしたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 日本はこういう島国でありますけれども、国際化の時代を迎えまして、先生が今お話しのような外国人の子女もさらにこれからもふえてくるんじゃなかろうかと思います。確かに、今おっしゃいましたとおり、小学校、中学校合わせて一万一千五百人、高校にも来ておられて二百六十四人が学んでおられるというような話を私も聞いておるわけなんです。  そこで、こういう外国人の児童生徒ができるだけ日本の学校生活に早く適応してもらえるような施策が重要でございますが、具体的には、そういう生徒がおるところには先生の加配でございますとか、あるいは向こうの言葉が、今おっしゃったポルトガルならポルトガル語の言葉がわかる協力者の応援を頼む、それから、日本語で書いた初心者向きの教材の提供でございますとかいうことをやっておると聞いておるわけですが、今おっしゃった日本語適応教室の促進事業、こういうものも非常に大事じゃなかろうか、文部省も積極的に取り組んでおるということは聞いておるわけですが、なお詳細につきましては担当の局長から答弁を願います。

山下栄一平成会

○山下栄一君 結構です、大体大臣の方からお話がございましたので。  それで、先ほど申しましたように、こういう日本語が必要な外国人子弟という調査は平成三年から二年ごとだったと思いますけれども、そのときは五千人ちょっとだったと思います。平成五年で一万人を超えて、二倍になっておるわけですね。それは先ほど申しました入管法改正の件があると思うんですけれども、それで徐々にふえておる。また、平成七年は一万一千人を超えたということでございます。  今、大臣がおっしゃった加配、要するにそういう方々のために教員を余分に配置しないと対応できないという、これも平成四年から始まった。それで、第六次でしたか、義務教育の教員の配置改善計画にのっとって毎年ふえてきておる。今、千人ぐらい加配されておるということでございます。  私は日常会話ができたらいいというものではないと思うんですね。日常会話ができても、授業がわかるということになってきますと、文字も書けなくてはならないし、書いてあることがよくわからないかぬ。学校生活はできるけれども、授業についていけるかどうかということになってくると、これは相当の日本語学習、日本語教育の体制をしっかり考えないと、緊急避難的に対症療法的にやっておる段階はちょっと過ぎたのではないのかなと思っております。  そのために、教員の研修とか、それから教材の準備も徐々に進んでおるようなんですけれども、担当教員の研修と教材の充実という観点から、現状とこれからの取り組みをまずお聞きしたいと思います。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) お答えいたします。  まず、お尋ねの教材でございますが、先生御指摘のように、生活面で日本語が使えるというのが第一段階でございますが、それだけでは不十分でございまして、教科学習にもついていけるような日本語が話せる必要があるわけでございます。  そこで、私どもとして、まずその両面からの教材を用意いたしております。やや具体的になりますけれども、平成四年度に、「日本語を学ぼう」というのは学校生活で必要な日本語が習得できるようにと。それから「日本語を学ぼう」の2、3をその後ずっと続けておりますが、これらはいずれも小学校の低学年用、高学年用というふうな形で準備を進めてきておるわけでございます。  そのほかに、先生方の指導書として「ようこそ日本の学校へ」というふうな、これは適応指導の手引き書のようなものでございますが、そういったものもまた用意をいたしております。  それから、この研修も、日本語指導の能力を先生方に高めていただくということは大変大事でございますので、私どもとして外国人子女教育担当教員研修会というものを実施いたしておりますし、また都道府県の教育委員会におきましても同じような趣旨の研修会を実施いたしております。文部省で行っておりますのは年一回五日間、受講定員を一応百名というふうなことで行っておる次第でございます。

山下栄一平成会

○山下栄一君 研修も日本語を教える。日本語を教えるのは楽なようだと思うんですけれども、ただこれは科学的にのっとって、日常会話を教えるのだったら僕らでもできるわけですけれども、ところが授業がよくわかるというふうな段階ですね、物を考える力とか、そういうところまで行こうと思いますと、専門的な日本語教育といいますか、そういうことができる人でないと大変だと思うんですね。  だから、もちろん研修も大事なんですけれども、研修の中身も非常に、その研修によってどれだけ教える先生が日本語教育の能力を持てるのかなということだと思います。特に中学校なんかになりますと、日本語でも難しいのに、それを日本語がよくわからない、しゃべれない子供たちがどれだけ理解できるかというふうなことがありますので、日本の先生、受け入れ側の先生の日本語教育の向上のためのそういう施策をしっかりやっておかないと、研修だけじゃ厳しい、研修の中身も問題ですけれども、というふうに私は思うわけです。  それと、研修も、日本語教育という技術と同時に、ブラジルとかペルーとかフィリピンとかの国のこともよく理解しておかないと、子供の生活習慣とか、校則を説明するのにも、全然違うわけですから、だから出身国でどのような生活をしていたかというふうなことも、出身の国のこともよく知っておかないかぬというふうなことも担当教員に求められるわけですよね。そういう観点からの研修も大事だ。  教材も、今、局長がおっしゃいましたように、まだこれは小学校の段階の「日本語を学ぼう」という教材である。第三次まで、「日本語を学ぼう」シリーズを三回までやったという段階ですよね。中学生はそれに対する教材もまだない、指導資料もないという、今つくっておられるのだと思いますけれども、そんな段階であるという問題点があると思うんです。  それで、加配が進んでいきますと、大臣がおっしゃいましたように、抽出して日本語教室といいますか、普通学級じゃなくて、体育とか音楽、美術なんかは、別に言葉でなくても体育も一緒にできるとか、絵だったらできるとか、算数だったらアラビア数字だから大体わかるけれども、国語とか社会とか理科なんかは大変で、そういうときは抽出して加配された先生が担当して日本語学級でやっているということだと思うんです。  こういうやり方についても、担当する加配された先生が、先ほど申しましたように、日本語教育がしっかりとできる人で、なおかつ、特に中学校なんかになってきますと、そういう専門的な授業能力も要求され、普通の教員よりも余分の力が非常に大事になってくる。加配、ふやせばいいというものじゃない。もちろん一人でやるよりは、それは二人で教えたりとか、また別にそういう子供だけ集めて抽出授業をするのは大事なわけですけれども、それで事足れりとしていると落ちこぼれをつくってしまう。  小学校の一年、二年、三年、四年ぐらいはわかるけれども、漢字が難しくなってきたり分数が出てきたりすると日本の子供でも落ちこぼれ始めるわけですからね。日常会話がわかると何となくもう日本語学習は必要ないんじゃないかと。そうじゃない。学習したり物を考えたりする、そういう日本語の力を身につけようと思いますと、できるのかなということが不安になってくるわけで、ほうっておいたら必然的にもう六年生ぐらいから落ちこぼれていくんじゃないかというふうに思うわけです。  したがいまして、日本語教育のプロといいますか専門化された人を配置するということを真剣に考えないと、加配とか研修とか教材の工夫だけじゃ、これはせっかく日本の学校で勉強しても、恨みが残ったり、日本に行っていたおかげで、それから本国へ帰ったとしても、その間母国語もどんどん忘れていくし、日本語も中途半端にしか勉強しなかった、それで知識も余り身につかなかったという状況で本国へ帰らないかぬということになってきますと、せっかく日本政府とか自治体が配慮したことがマイナスになってしまうということが私は出てくるのではないかと思います。  同じ加配するのであれば、また、先ほど大臣がおっしゃいましたように、加配だけじゃなく、母国語ができる人をアルバイトでというか委嘱して、月に三回ぐらい巡回で、月三回だからもう知れていると思いますけれども、だけれども、ないよりましたということで、ポルトガル語をしゃべれる人とかの派遣事業もあるわけですけれども、そういう程度ではちょっと、人数もものすごくふえていますから、日本語教育のベテランといいますかプロを私は配置するということを考える必要があるのではないかと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 今、御提案をいただきましたけれども、実は、日本に現在います外国人子女が大体言語で言うと四十六言語になるということでございまして、本当に望ましい先生というのは、特に日本へ来た当初の段階では相手との意思疎通が図れるように相手の言語がしゃべれる先生が望ましいのかなというふうに思います。また、その母国での風俗や習慣についても精通をしている方というふうな方がおられるとよろしいわけでございますが、とても現状ではそういった先生を必要な数だけ確保するということは至難でございます。  そういうことで、多少なりともプラスになるようにということで、先生も御指摘がございましたけれども、派遣事業というようなことをやって、日本の社会に一日でも早く適応できるようなという努力をいたしておるわけでございます。  ただ、こういう状況がどんどん進んでまいりましたときに、御指摘がございましたように、日本語教育を専門にするような方たちというのを、特に外国人子女をたくさん受け入れる傾向のある府県が養成あるいは確保していくということは非常に有力な方策ではないかなと思いますので、今後私どもとしても何らかの研究、検討をさせていただきたいなと思っております。

山下栄一平成会

○山下栄一君 ぜひ、せっかくたくさん来られているわけですから、だから、日本の国に対する、日本の行政に対する、また日本の子供との友情もありますけれども、信頼感を高めるための方策を私はしっかりと考えていく段階に来つつあると。  だから、平成三年からですか、どっと急にふえた面もありますので、とりあえずそういったたくさん受け入れた市、県については、緊急避難的にともかく教員をふやそうとか、そのための先生の研修をやろうとか教材をつくらないかぬとかいうことがどんどん始まったと思うんですけれども、長期的な視点からこういう在日外国人の子弟に対する、日本語が必要なそういう方々に対する手当てをやはり考えていく時期に来ているのではないかと、このように思います。特に、先ほど申しましたように、日本語教育のプロを配置するという観点からの加配とか担当者の手当てをぜひとも御検討願いたいというふうに思います。  それと、国際理解教育という観点からこの問題をとらえる必要があると私は思います。この観点がちょっとないのではないかというか、まあないことはないかもわかりませんけれども、ともすれば忘れられがちであるというふうに思っております。だから、ブラジルの方、ペルーの方、フィリピンの方、中国の子供たち、国際理解教育と申しますと、何か展示をしたりそれから地球儀を置いて勉強するとかそういう知的な教育に非常にウエートがかかっておる。せいぜい交流があったとしても行事で終わっているというのではないかと思うんですね。  ところが、よく考えてみると、こういう日系外国人の方、またそういう方々の子供たちが日常的に毎日学校におるわけですから、そういう子供たちにとにかく日本人としての教育をやらないかぬというのが義務教育の観点だと思います。もちろん、そういう観点しかないかもわかりませんけれども、そういう点と同時に、子供たちが、いじめもあってはなりませんけれども、地球にはいろんな人がいらっしゃる、それでいろんな文化を持ち、日本人が学んでいかなきゃならないそういういろんな国がいっぱいあるんだ、そういう異文化を理解する、また地球人としての、また国際人としての能力を高めるもう絶好のチャンスがそういう受け入れた学校にあると思うんですよね。  それを抽出して日本語学習をすることのプラス面・マイナス面あると思いますけれども、いずれにしてもそういう国際理解教育の観点から、こういう外国人子弟を受け入れている学校での教育のあり方といいますか、こういうふうな観点を強調していく必要があると、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) お答え申し上げます。  在日外国人に対する教育でございますが、国際理解教育という観点からはポイントが三つあるかと思います。  一つは、外国人子女一人一人の実態を的確に把握して、その子供たちが自信や誇りを持って学校生活において自己実現が図られることが大事でございます。  それから二番目でございますが、二番目は教育課程を実施する上での配慮事項でございますが、外国人子女の外国での生活あるいは文化を本人の各教科の学習に生かすように指導していくことが大事であろうと思います。  それから三番目には、先生自身が、その外国人児童生徒の母国に対する関心や、あるいは理解をしようとする姿勢を持って適切な教育を実施していくと、こういうことを進めていくことが大事であろうかというぐあいに考えております。

山下栄一平成会

○山下栄一君 先ほど申しましたように、国際理解教育は知的学習にどちらかというとまだ今の段階はウエートが置かれておる。外国人子弟を受け入れる学校については、日常的な体験学習として、日々の生活の中からまさに生きた国際理解のできる場があるんだという、そういう観点からのとらえ方といいますか、これをしっかり徹底していく必要があるのではないかというふうに思っております。  あとはちょっと問題点だけ指摘させていただきます。  編入学の問題なんですけれども、要するに外国人子弟の年齢、例えば十二歳であれば六年生、十三歳であれば中学一年というふうに機械的にやるといろんな支障がある。その方の何年日本にいらっしゃるのかということもありますし、どういう教育を受けてきたのかということもありまして、柔軟に対応していく必要があるのではないか。それが現場では非常にしゃくし定規にやっておることはないのかということ。あと、希望すれば行けるけれども、いろんな事情で特に未就学になってしまっておるという、希望しないから放っておくということだけではだめなのではないかということ。  それから退学者、特に小学校、中学校の段階でもう学校に来なくなってしまったというふうなことに対する配慮とか、そういうことも含めましてこれから一つ一つ丁寧な対応をお願いしたいと思っております。    〔委員長退席、理事森山眞弓君着席〕  時間が迫っておりますので、問題点だけ指摘させていただきます。  私はこれは今回初めて勉強させていただいたんですけれども、思いましたのは、文部省の所管の外国人子女に対することをどこで担当されているのかというのが、あちこちにまたがっていまして、それできょうもどなたが責任持って答えられるのかなと思っていたんです。  とにかく助成局、初中局、学術国際局、文化庁、こういうところで担当されておりまして、例えば担当者の研修とかは助成局だ、加配の方は同じ助成局でも財務課で研修は海外子女教育課だと。教材については海外子女教育課でもつくっているし文化庁でもつくっておる。外国人子弟の協力校の指定は初中局の高等学校課でやる。国際理解教育は高等学校課だと。何で高等学校課かなと思うんですけれども、担当がそうなっているんでしょう。それで、どれだけ日本語教育が必要な子供がいるかという今回の調査は学術国際局でやっておられる。また、日本語教育のどうあるべきかという研究は国立国語研究所でやっておられるとか。  だから、そういうふうにばらばらにやっているから、全体的なそういう外国国籍の方の日本における教育をどうするかという、僕はこれは物すごく日本の国際化のために大事だと思いますし、日本の教育のあり方の大きな変化の中に国際化とか個性化とかいろいろあるわけですよ、国際化の柱としてうたわれているわけですけれども、取り組みがちょっと一体的に取り組んでおられないと、そういうことではもうそろそろいけないのではないか。冒頭申しましたように、対症療法的緊急避難的な段階ではなくなりつつあると、数もどんどんふえておられますし。  そういうふうに考えますと、文部省の所管の見直しをする必要があるのではないか。つけ足しつけ足しでついでに、ついでにと言うと怒られますけれども、どんどん子供さんがふえるものだから仕事がふえていったというふうなことで今まで来たのではないかというふうに思いますもので、文部省の担当のあり方を考える必要があるのではないかというふうに思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。

林田英樹文部省学術国際局長

○政府委員(林田英樹君) この点につきましては、私どもといたしましては、事柄の重要性それからいろいろ多様な施策を必要とするというようなことで、おっしゃいましたような各局にまたがった仕事のつながりはございますけれども、全体といたしましては、私の方で今の実態の状況を把握するとか、それから全体としての関連の必要性について関係の部局と連絡をとりながら、全体としての施策の振興が図られるように、よく十分連絡をとりながらやっていくということが実際上のことでございます。  例えば教員定数の配置一つとりましても、これは教育助成局の全体の教員配置計画の中で考えていかなければならないというふうなこともございますので、今のような形にはなっておりますけれども、私の方で十分事柄の重要性を考えながら、前向きな仕事ができるように努力していきたいと思っております。

山下栄一平成会

○山下栄一君 大臣、いかがでしょうか、今ちょっと聞いておられて。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 冒頭に申し上げましたように、これからますますそういう取り組みが非常に大事になってまいるところでございますから、先生が御指摘になりましたようなそれだけたくさんの課に局にまたがっているということは十分わかりましたので、どうやって御要請にこたえられるか、一遍十分打ち合わせをさせていただきます。

山下栄一平成会

○山下栄一君 それから、日本語教育の専門家も、例えばわかりやすく言いますと、もちろん海外でも先進国なんかに日本語を勉強したいという人がふえておりますので、先進国に派遣されるんですよね。例えば、アメリカの高校に日本語の専門家を派遣されたりとか、こういうことをされているんですが、もとへ戻って申しわけありませんけれども、日本の国の学校の中にどんどんそういう方々がふえておるのに、肝心の日本語の教育の専門家が余り考慮されていないということが大変大きな問題であるというふうに思いますので、それも含めまして日本の学校における日本語教育専門家の配置について真剣な御検討をお願いしたいと思います。  それから、学術国際局で行われた調査なんですけれども、表題は「日本語教育が必要な外国人児童・生徒」と書いてあるわけですね。ところが、日本語教育が必要な子供たちといったらどういう基準なのかということがあいまいである。調査依頼を受けた教育委員会が考えるんでしょうけれども、基準が非常に不明確ではないかなと思うんです。日本語教育が必要な外国人子弟というのはどういうレベルの日本語教育が必要だということになっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

林田英樹文部省学術国際局長

○政府委員(林田英樹君) これは学校の実態によりまして、教育の問題でございますので必ずしも明確な線引きというのは難しいところはあると思いますけれども、このような主として外国から日本へ来た方々で、それまで日本語については何ら習得の機会がなかった方が日本の学校へ来ているような方々でございますので、それらについては一応、各学校におきましては、特別な対応を気をつけてやっておる方々というふうに学校では理解をしてくださっているんではないかと思いますので、今申し上げましたような方々を対象にして上げてきていただいているものと、こういうふうに理解をいたしております。

山下栄一平成会

○山下栄一君 わかりやすく言えば、私は日常会話ができるという段階になったらこの数から落ちていくんじゃないかなと思うわけです。例えばブラジル国籍の子供たちが日本に来た、三年たってもう日常会話ができるようになった、そしたらもうこういう数字の対象から外れていくのではないかというふうに思うわけです。  それではいけないということを先ほど申し上げたわけで、生活用語の習得じゃなくて、それだけじゃどんどん落ちこぼれていく。だから、授業が本当によくわかるようになるためには、日常会話レベルではいけないわけですから、日本語教育が必要な外国人子弟というのは、日常会話という基準でいったら間違いであるということをぜひ御認識をお願いしたい。  一万一千人いると。本当はもっと必要な方がいらっしゃるのではないかなと私は思います。だから、調査されているんですけれども、受け入れ先の自治体は、日ごろ生活的に不自由じゃないということであればもう数に計上しないのではないかなというふうに思いますので、潜在的な、日本語教育が必要な、日本人の中にもそういう方がいらっしゃるかもわかりませんけれども、在日外国人の子弟がもうちょっといらっしゃるというとらえ方でこれをやっておかなきゃ、一万一千人でひとり歩きして、それで例えば教員の加配とかが決まっていくのではないかと思いますので、その調査の、ごまかしとは言いませんけれども、問題点というか、これがあると私は指摘したいわけですけれども、この点どうでしょうか。

林田英樹文部省学術国際局長

○政府委員(林田英樹君) これはまた今後とも私どもも気をつけて調査に当たりたいとは思いますけれども、実際の学校現場におきましては、それぞれの先生にとりましては、本当に日本語がわからないために授業がわからないということは、学校にとっても個々の先生方にとっても大変大きな問題でございますし、何らかの行政的な対応を必要とするというのが基本的な先生方のお受けとめではないかと思いますので、ある程度日常会話ができるようになったらこの対象から外していこうというようなお気持ちは、一般的には学校には少ないんではないかと思うわけでございます。  しかし、いずれにしましても私ども、御指摘のような点につきましては、今後とも遺漏のないように調査に当たっては十分気をつけてまいりたいと思います。

山下栄一平成会

○山下栄一君 授業についていく最低の条件が日本語教育である。その段階までも至っていない状況の中で統計から外されていくのは大変なことだと思います。日常会話レベルでは授業がわからない、漢字も書けない。漢字を書くことについては物すごく時間がかかるわけでございますので、そういう意味でも御検討をお願いしたいというふうに思います。  時間がございませんけれども、最後に一点だけ。  スクールカウンセラーの制度なんですけれども、これは去年からスタートしまして、また三倍の予算で人数をふやすわけですけれども、これはいわゆる教員免許を持たない方、外部の方が学校の中に配置されるという、これは非常に大きな私は意義があるというふうに思うわけでございます。配置されてから一年もたっておりませんので、研究はこれからまだまだ必要だと思うわけでございます。そういう臨床心理士の資格を持った、教員免許を持たない外部からの方が現場の学校に配置されるという趣旨でございます、スクールカウンセラーは。  ところが、私は以前にも質問したことがあるんですけれども、教員の中でのカウンセラー能力のある方を学校で養成していくといいますか配置するという、こういう観点も必要なのではないか。もちろん、学校によってはそういう方々が授業時間数を減らして配置されている。実際にさまざまな臨床をしながらカウンセラーとしての能力を非常に発揮されて引っ張りだこになっている、いろいろ研修会でも講師をされている現場の先生もいらっしゃるわけでございます。  お聞きしましたら、学校教育相談学会というのは、これは学校のいわゆる生徒指導とかいう観点からの教員が所属されている学会でございますが、その学校教育相談学会が認定するカウンセラー、これを学校に配置していこうというふうな動きがある。また、御要望もあり、文部省もそれを受けとめておられるというふうなお話を聞いたんですけれども、この点の確認をさせていただきたいと思います。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 学校教育相談学会の方からそういうカウンセラーを学校に置きたいという話は、ちょっと私は今、先生から初めてお聞きした事柄でございますが。

山下栄一平成会

○山下栄一君 聞いておられなかったとしたら、教員資格を持っている、また現場の教員の中からそういうカウンセラーの専門家といいますか、それを養成していこうという、そういう考え方についてはどうでしょうか。  これで終わりたいと思います。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 一般的に、いじめ問題の解消等も視野に入れましたときに、現場の先生方がカウンセリング能力を高めていくということは非常に大切なことだと思っております。  ちょっと細かくなりますけれども、そのために、まず第一に、教員養成の段階におきましてもそうした施策が必要であるということでございますが、これは非常に幸運なことにと申しましょうか、昭和六十三年の教育職員免許法の改正によりまして、生徒指導及び教育相談に関する科目というものが新たに必修になったというようなことがございまして、以後、大学におきましては、臨床心理学、生徒指導論、学校カウンセリングといったふうな科目が開設をされているに至っております。  それから、現職の先生方にもカウンセリング能力を高めていただく機会をつくらなければいけないという意味におきまして、初任研と教職経験者研修におきましてもそうした研修の機会を設けるようにいたしておるところでございます。

山下栄一平成会

○山下栄一君 ありがとうございました。

石田美栄平成会

○石田美栄君 平成会の石田美栄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  大臣の所信ですが、じっくりまた後で読ませていただきました。そうしますと、「多様な個性や創造性を発揮できるような社会をつくっていくために」とか、「個性の尊重を目指す教育の充実」、「個性と創造力を育てる教育の推進」といったように、「個性」という言葉が繰り返し出てまいります。ここから受ける感じとすると、大臣は、教育というものを個性という一つの理念でくくっておられるのかなというふうな印象を受けるのですけれども、改めて大臣の教育というものに対するお考え、理念をお伺いしてみたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 私は特に教育の専門家ではございませんけれども、ただ、午前中もおっしゃっていただきましたように、ずっと以前に二年間だけ教壇に立った経験がございますので、そういう点から考えまして、やっぱり画一的な教育というのでなくて、これからの教育というのは、それぞれ人間、顔かたちが違うように性格も違います。それで、いいところをみんなだれでも持っているわけですから、ちょっとでもそういういい面を、能力のあるところをぐっと伸ばせるようなそういう教育であってほしいなという、願望も含めてそういうことを書かせていただいたわけでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 この「個性」ですが、辞書なんかを見ますと、個人に備わって、ほかの人とは違って、その個人にしかない性格とか性質。これを伸ばすのが教育。  現場では個性個性と言って、現実にはあるクラスの中でも子供に干渉しないというふうなことでゆがんだものが見られるというふうなことも、実際に偏った地域等で聞かされることがあるのです。「教育」の文字は教え育てるということで、教育には家庭教育、学校教育、社会教育とあるわけですけれども、私自身は、教育というのは人間の成長を助ける、支援するということで、人間の成長というのは、一つには自立していくこと。したがって、教育は一人一人の人間の自立を助けていくというふうに、支援するというふうに考えてまいりました。また、自立と言っても、人は一人では生きていけないわけで、人とともに生きるということでは、人とともに生きる基本的な社会常識を教えるというふうに考えてまいりました。  例の大河内君の自殺のときに、お父さんにいじめ対策として聞いている、あるところでお父さんもこういうことをおっしゃっています。人としてしてはいけないこと、言ってはいけないことが判断できる常識のある子供を育てられれば、これこそいじめの対策だというふうにおっしゃっています。ですから、社会常識、親も教師もこれを学んで子供に教える、生活の基本、常識を知って身につけるというふうなこと、こういったことが私は教育ではないかというふうに考えてまいりました。  特に、自立ということなんですけれども、皆さんもというか、私たちそれぞれが、自分が成長した過程、教育を受けた過程を振り返ってみればわかると思うんですけれども、また子育てをする過程で感じることですけれども、家庭で子供を育てる、これこそ教育ですけれども、その過程で子供が一つずつ自立していく喜び、自信をつけていく、それを支援していくのが親の役目だったなというふうに感じるのですが、その自立にも内容的にいろいろございます。  まずは生活を自立していく。ですから、子供が育つ過程で、初めは排便から自分でできるようになる、食べることが自分でできるようになる、身支度が自分でできるようになる。一つずつそれを何らかの形で支援し教えていく中で、うまく自立していくことが喜びにつながり自信につながっていけば、それが成長。そこにはいろんなことがどんどん自立していくわけですけれども、やがては精神的にも自立し経済的にも自立していく。  私は自立ということが、女性の問題もそうなのですが、今いろんな女性の問題が言われるときにも、この自立という点で大きな人間として成長する、これが教育ですけれども、キーワードだというふうに考えているんです。精神的自立に達するのがどういうときか。特に中学生、ティーンエージャー、この時期というのが自我に目覚め、精神的に自己を確立し、自分とは何かということを自問自答して悩んでいくいわゆる思春期。それが今の中学生あるいは高校生、特に中学生のところ、小学校を終えて中学に入って新しい環境の中で、最も自分自身について不安定な時期が精神的な自立をする時期だというふうに考えます。  ところが、中学に入ると途端に、私も英語の教師でありまして、中学も四年ほど経験がございますが、中学に入ってくると途端に科目の上では新しく英語が入ってくるわけで、さあ、勉強ですよ、きょうから新しい教科は英語になって、受験には必要なんですよというふうなことを若いときには言ったことがございます。  新しい環境でこういう年齢的に難しい時期に、すぐやがて三年刻みで受験が来るという、そういう時期であるからこそ、中学生の特に一、二年生にいじめは統計上も集中しております。また、いじめによる自殺も、多分中学生のところに一番多いと思うんです。また、大臣の所信の中に、いじめ対策、一連の緊急対応措置がございますけれども、いじめあるいは不登校といったことも中学生のところが一番多いんだと思います。  教育行政の最高責任者として、このいじめに対して問題解決への将来展望としてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いしてみたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) おっしゃるとおり、いじめが平成六年で小中高合わせて五万七千件。それから不登校、一カ月以上学校を休んでいる、こういう児童生徒が七万七千件。それでずっとこれはふえてきておる傾向でございますから、非常に私はこれは深刻に受けとめておるわけです。  まして大臣に就任させていただいてからでも、愛媛と福岡で中学校で自殺がございましたから、当面の文部行政でこれは、たくさん大事なことがありますけれども、最優先課題としてみんなで取り組まなければならぬ問題だと思っております。学校だけではございませんで、学校とそれから家庭と地域社会とこの三つが本当にうまく連係プレーをとって、三つとも健全でないことにはなかなかいじめ問題というのは解消しないと思うんですね。  学校の先生は、午前も申し上げましたとおり、担任の先生が少しでも子供との接触時間を多く持っていただいて、そして観察をしていただく。そして、いじめが発見できたら一人で悩むのでなくて、もちろん先生は校長先生なり教頭先生に連絡をして、それからいじめの生徒の親にも十分打ち明けて、そして横、縦の連絡をとりながら解決に取り組むということが大事でございますし、まあ表向きこれで解決したなと学校の先生がお思いになりましても、どこでつながっているかわかりませんから、やっぱり卒業してしまうまで十分観察は怠らないようにしていただくということも大事ではなかろうかなと思います。  それから、朝起きたら、おはよう、いただきます、行ってきます、帰りましたら、ただいま、というようなあいさつを、これは親子が家庭でもやってほしいし、地域社会でもやっていただきたい。加えて、月に一回ぐらいは家族一緒に、そんなにお金は使わなくていいですから、ハイキングに出かけるというようなこともいいんじゃないでしょうか。  それからまた、学校五日制に向けてもこれは大事な課題でございますから、少年補導委員会とか防犯協会とかPTAとか地域女性会とか、社会にはたくさんの組織がございますから、そういう方々も地域で連絡を取り合っていただいて、月に一回ぐらいはそういう組織が地域の子供さんの健康なハイキングをお世話しますよというようなこともやっていただければなおありがたいと思うんです。  そしてもう一つは、もしものことがあったら、他人の子供さんであっても遠慮せずに注意し合えるようなそんな地域社会であってほしいなと、私はそういうようなことを望んでおるわけです。  それで、ちょっとお尋ねでない点まで踏み込んで申し上げさせていただきますと、地域社会でもせめて中学校単位ぐらいでそういう組織ができて、そして連絡を取り合っていじめの予防ができできますと、仮に五日制に移行するとしても一つの大きなありがたい受け皿にもなっていただけるのではなかなろうかなと、こんなことも考えておるわけでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 今、大臣がおっしゃいましたようなさまざまなことは緊急措置的にみんながそういうことを言い、やろうという声は上がっておりますし、また学校にもスクールカウンセラーを置くとかといったようないろいろな工夫がなされているんですけれども、今おっしゃいましたように、数の上ではふえてきている。そういうことを思いますときに、私自身は、先ほど申しました中学生、高校生に及ぶと思いますが、英語で言えばティーンエージャーという部分、そういう時期の今の日本の教育制度そのものが本当にいいのかな、何かそこに問題点があるのではないかという、それを私はずっと追求してきている者でして、今、文部省の方でいろんな工夫をされている、そういう実情についてお聞きする中で、何か私たちが制度的に考えなきゃいけないことが見出せないかなと思って、次に幾つか御質問をさせていただきます。    〔理事森山眞弓君退席、委員長着席〕  中学校におけるいじめ、不登校、それから高等学校の中途退学の実態がつい最近公表されましたけれども、こういう実数はいただいているんですけれども、特にそういう統計上の数が一般の高等学校、一般というか公立の中学校、高等学校と特に中高一貫が行われている私立の中・高等学校とのこういういじめ、不登校、中途退学といった実態の比較がお伺いできたらと思うのですが。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) いじめにつきまして公立と私立て比較できるんですが、私立について中高一貫でやっている学校だけというのはデータはございませんので、私立全体の数字になります。  それで比較しますと、登校拒否につきましては、中学生が公立で六万一千二百九十三人、これが全体の一・四%でございます。それから私立で三百三人、これは全体の〇・一%となっておりまして、私立が公立の十分の一以下というこんな実態になっております。  それから、高校の中途退学ですが、これも私立は中高一貫というようなことではなくて私立全体でございますが、平成六年度の数字でございます。公立が六万四千二百二十九人、これが全体の一・九%でございます。これに対しまして私立が三万二千百七十二人でございまして、私立全体の二・二%となっておりまして、中退については公立よりも私立の方が率が高いと、こういう状況になっております。

石田美栄平成会

○石田美栄君 これは多分、高等学校の私立というのは地域によっては、東京なんかですと私立の方が多いですね、高等学校は。ちょっとこのパーセントでは、私は中高一貫のところのが非常に興味があるんですけれども。  公立ても宮崎県に五ケ瀬中学ですか、中学高等学校一貫の公立がございますね。ここの実態はどんなふうでございますか。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 宮崎県の五ケ瀬中学校・高等学校、ここは中高一貫の学校としてつくられたわけでございます。ここの学校のいじめ、それから登校拒否あるいは中退、こういうものはちょっとデータを現在私どもの方でつかんでいないんですが、特色と申しますかそれを申し上げたいと思います。  この学校は、豊かな自然あるいは地域の生活、文化を活用した体験学習を重視しているところでございます。具体的には、わらじっくりでございますとか和太鼓演奏、あるいは化石採集、それから清掃作業とか稲の脱穀作業などの校外奉仕活動、あるいはホームステイ、スキーなどいろんな活動を行うほかに、それぞれ生徒が自主研究テーマを選択しまして発表するというようなこともやっておりまして、教育委員会によりますと、こういうような生徒の興味、関心を誘う体験学習の重視がいじめ、登校拒否、高校中退などの生徒指導上の問題の改善につながっているということを聞いている次第でございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 ちょっと五ケ瀬中学・高等学校、私が意図しているようなお答えがいただけたのかなと思っているんですけれども、この中学、高等学校の文部省の評価といいますか、それから実施しているその地域でのこういう一貫教育に対する評価についてお伺いしてみたいんですが。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) これは平成六年度から開校した学校でございますので、まだ全学年がそろっていない段階でございますので、そういう点で全体的な評価というのはなかなか難しゅうございますが、私どもは、公立における中高一貫の一つの例としまして注目をしていると、こういう状態でございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 次に、高等学校教育の改革については、これまたさまざまな試みが最近されているのはかなり知られてまいっておりますけれども、総合学科の高校、それから単位制の高等学校、こういうものを始められた理由とか、それの推進状況あるいは実績、これは、統計を見ますと特に平成六年、七年、八年は大幅に増加しておりますね。去年、七年から八年なんというのは開講の高校が何か三倍にもなっているような統計になっているかなと思います。  これの実績といっても、最近で実績がまだ出ていないとおっしゃるかもしれませんけれども、でも、進めてこられたにはそれなりの強い理由があり、現在までの評価をお伺いしたいんですが。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 高等学校の多様化、特色化を進めているところでございますが、その背景としましては、現在、高等学校の進学率が九七%と、中学校卒業生のほとんどが高等学校へ進学しているような状況にあるわけでございます。  それで、そこに進学する生徒が、先生が言われたように、だんだん年齢が加わるに従って能力それから適性、興味、関心が非常に多様化をしてきております。それに学校の方で的確に対応し、生徒一人一人の学習意欲を高め、それから個性を発揮していくことができるようにするためには、学校の方が特色を持ち、学校の方が個性を持っていくことが非常に大事なわけでございます。したがって、そういう生徒の多様な能力、適性、興味、関心に対応できるように高等学校の多様化を進めているところでございます。  その一つが総合学科でございまして、総合学科は、従前は普通科と専門学科と大きく二つに分かれていたわけでございますが、それに新たに第三の学科として専門教育と普通教育を選択履修を旨として総合的に施す学科として創設したものでございます。  その総合学科に入った生徒は、自分の将来の進路を自覚する、それから主体的な学習を通して学ぶことの楽しさを実感すると、こういうことの成果があると私どもは考えております。生徒が自分の将来の職業、進路、あるいは自分の将来勉強したいことなどを考えながら自分で科目を選択して履修していくと、こういう制度でございますので、そういう点で生徒の能力、個性、興味、関心に十分対応できる学科であると考えております。  それからもう一つ、単位制高校でございますが、これは、従来の高等学校が学年制をとっておりましたところでございますが、その学年制の枠を外しまして多様な履修形態を可能なものにしたところでございます。  これは、生徒が自主性、主体性を持って自分の学習計画に基づいて学びたい時間に自分で勉強したい科目をとる、そして卒業に必要な例えば八十単位なら八十単位を修得した時点で卒業を認めると、こういうことでございます。従来、例えば一学年のときに一科目二単位を落としたら留年ということが学年制では往々にしてあったわけですけれども、この単位制高校ではそういう留年ということはないわけでございますので、学習意欲の減退あるいは中途退学等を防止することができるということで、特に定時制高校を中心に大幅にこの制度をとる学校がふえているわけでございます。  その状況でございますが、平成七年四月、去年では総合学科が二十三校、それから単位制高校が八十九校設置されております。それが来年、平成八年度にはそれぞれ二十三校から四十五校に、それから単位制高校は八十九校から百二十六校に拡大をする予定でございます。まだこのほか各都道府県におきまして総合学科、単位制高校の設置について検討しているところでございまして、私どもとしては、高校生の個性それから興味、関心の多様化に対応する学科あるいは高校としてこれからも推進していきたいと考えているところでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 かつてというか今もありますけれども、だんだんと工業高校に進学コースができ、商業高校に進学コースができ、普通科の高校に就職コースができという形から、最近はそういう生徒の選択、個性、多様化ということで、こういうことがどんどんこの二、三年進められているわけです。  別の形の学校間連携促進事業というのも平成七年、八年と文部省の方から進められておりますが、これのねらい、推進状況もですが、これも実績といいましてもまだ最近ですけれども、文部省としての何らかの評価をお持ちでしたらお伺いしたいと思います。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) この学校間連携も、生徒の多様な実態に対応しまして生徒の選択学習の機会を拡大するために、自分の学校において生徒の多様な実態に対応した教科・科目の開設が困難な場合などに、生徒にほかの高等学校の科目を受講する機会を与えまして、その学習の成果を自校の科目の単位として認めるものでございます。  例えば、普通科の高等学校で情報処理に関する科目が設定されていない場合に、普通科の高校の生徒が情報処理に関する科目を勉強したいというときに、情報処理に関する科目を設定している商業高校あるいは工業高校に行って勉強して、そこで単位を修得すればその単位を普通高校の科目の修得として認めると、こういう制度でございます。  この制度は生徒の選択学習の機会の拡大ということが一番効果の目的としてあるわけでございますが、それだけではなくて、そういう学校間連携をしますと、その学校の間の教職員あるいは生徒の間の相互理解が深まると、こういうことも効果の一つとしてございますし、それから、ほかの学校と接することによりまして自分の学校の特徴、特色に気がつくと、こういうこともございまして、開かれた学校づくりとかあるいは特色ある教育課程の編成が促進されるなどいろんな効果があると聞いているところでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 そういうさまざまな形の、改革というにはまだですが、試みがなされているというところなんだと思います。  今おっしゃったようなこうしたいろんな目的、効果をねらわれたそういうことのもっと広い形なんでしょうか、先ほどの中高一貫の宮崎県の五ケ瀬中学も何かそういう試みの一つだと思いますけれども、実際に大規模の総合高等学校が埼玉県にございますね。伊奈学園高校ですか、ここはたしか生徒数が三千人か何か、そういう大規模の総合学科、こちらのことを少しお伺いしてみたいと思います。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 埼玉県立の伊奈学園総合高校でございますが、これは先生お話しのように標準規模の高校の約三校分という大規模校でございますして、ここは大幅な選択科目を導入して多様な学習活動を展開し、社会の変化に対応して一人一人に行き届いた個性化教育を実践するという趣旨から昭和五十九年、かなりたっているわけでございますが、五十九年に設置されたものでございます。  ここでは人文系、理数系、語学系、体育系、芸術系、生活科学系、情報経営系の七つの学系を設置して、そこで多様な自由選択科目を開設しまして、その中から幅広い選択を可能にし、各生徒の学習要求に基づいた多様で柔軟な科目履修が可能となっております。  こういう大規模校でございますけれども、生徒の学校生活の基盤としましては、学校全体をハウスと呼ぶ六つの小集団に分けまして、生徒と先生あるいは生徒同士の人間的な触れ合いも考慮して学校運営を行っているところでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 今いろいろな形の試み、実情をお伺いしたんですが、教育の世界、特に私はきょうは中学、高等学校のところに焦点を当てて質問を展開しているんです。  およそ教育の世界に落ちこぼれとか受験地獄というふうな言葉があってはならないので、いじめによる自殺が後を絶たない現状に対して現実にこうしたいろいろな試みがなされ始めているわけですけれども、やはり今、教育の中で最も緊急を要し、解決の努力が集中されなければいけない焦点というのは中等教育に関する問題と言えると思います。学校教育をめぐる問題の吹きだまりとなっているとも言える、あらゆる意味で中等教育に関する問題というのは学制改革も含めて教育改革の最も注目すべき焦点であると思います。  教育改革については、先ほどほかの議員もおっしゃいましたが、四六答申から延々と議論が続いていて、とりわけ学制改革については全く手がつけられていない中で、今お聞きしたようないろんな試みがなされてきている。この中で、さきの島村文部大臣も中高一貫教育について前向きな発言をされたりしておりましたけれども、実は新進党の方では、中高一貫教育、高校受験をなくするという一つの学制改革を発表しておりますが、こういう中高一貫を中心にした学制改革について大臣の所見をお伺いしたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 新進党の方でそういう今お話しの中高一貫教育、かなり理論的にも固めていただいておるということも私どもは仄聞しております。  ただ、この改革につきましては、午前中も申し上げましたとおり、相当メリット・デメリット、両方ございますから、国民の理解、そういう機運が高まってきませんことには文部省としてさあやりますと言うわけにはいかぬわけでございまして、中央教育審議会でいろいろな議論をしてもらっておりますけれども、この問題については、学校間の連携をどうしたらいいかというようなことについては御意見を伺っておりますけれども、それじゃ中学校高等学校一貫にしましょうかというような改革については意見を求めておりません。  ただ、先生もお話しいただきましたように、中等教育に相当今は課題、問題が多いわねという御指摘は、私もそのとおり受けとめておるわけです。  いじめ、登校拒否。この月の十日の午後に、教育に非常に関心を持ってくださっておる三十九の団体の責任者の方にお会いさせていただきましたが、役所へ帰りましたらメモがありますが、その中でおっしゃっておりましたのに、八月、九月、こういう月はいじめがほとんどないと思いますよとお話しいただいた方がございました。これはこれからデータをとってみぬとわかりませんけれども、もしそれが事実といたしますと、夏休み、それから夏休みが明けてさわやかな、ストレスがたまっていない、そういうときにはいじめは起きないのかな、これはひとつ参考になるから分析してみなくちゃいけないねと私自身に言い聞かせておる課題でございますが、それも勉強していきますが、先生も四年間教職におられたというお話も今伺わせていただきましたから、これからもいろいろ貴重な御提言を賜ってまいりたいと思います。

菅川健二平成会

○菅川健二君 平成会の菅川健二でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私は、都道府県や市町村の教育長の問題につきまして、今日的な課題や私自身の経験を踏まえまして、その位置づけ等につきまして質問なり御要望をいたしたいと思います。  申し上げるまでもございませんけれども、教育行政の大宗を占めております初等中等教育行政やあるいは昨今の課題でございます生涯学習の推進は地方の教育委員会の権限とされておるわけでございまして、その具体的な執行はまさに教育長の双肩にかかっていると言っても過言ではないと思うわけでございます。  ところで、教育長の任命につきましては文部大臣の承認を得て行うことと法律上明記されているわけでございますが、最近、この文部大臣の承認制度のあり方をめぐりまして地方分権推進委員会で審議され、文部省の意向も聴取されたやにお聞きいたしておるわけでございます。分権推進委員会と文部省とのやりとりの経過等について、まず御説明をお願いいたしたいと思います。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 教育長の任命承認に関する文部省と分権推進委員会とのやりとりの概要でございますけれども、この点につきましては、教育長の任命について廃止すべきであるという議論が分権推進委員会の方から出てまいりまして、私どもとしては現在の承認制度には十分な存在理由があるという形で分権推進委員会の方に再三御説明をしているところでございます。

菅川健二平成会

○菅川健二君 その具体的な文部省の意見をちょっと申していただきたいと思います。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 教育長の任命承認制度を支えております考え方といたしましては二点あろうかと思います。  一つは、この制度が設けられました地教行法が制定された昭和三十一年のころ、教育委員会における最も重要な仕事、それは義務教育を維持し発展させていくというところにあったわけでございますが、この義務教育というのは、委員御承知のとおり、国と都道府県と市町村が、この三者が密接な連携をとっていかなければいけない。その連携を制度的に担保するための制度としてこの承認制度があるということがあります。  それともう一つは、教育委員会自体がそうでございますが、政治的に中立て安定したものでないといけない。これは平たく言いますと、党派的な争いが子供の教育に何らかの悪い影響があってはいけないと、こう言ってもよろしいかと思いますが、そうした政治的な中立性、安定性というものを確保するための制度的な担保という意味合いを持っているというふうに私どもは考えておるわけであります。

菅川健二平成会

○菅川健二君 ただいまの件につきます文部省とのやりとりの中で、地方分権推進委員会のいわゆる審議概要の速記録が出ておるわけでございますが、それによりますと、「文部省があげた四点については、知事や市町村長は教育長の選任にあたり当然に十分考慮している点であり、大臣承認が必要な理由としては説得力を欠いている。」という記述が出ておるわけでございます。  そこで、文部大臣にお尋ねいたしますが、御就任早々フレッシュな感覚で、現在、教育長の承認制度は必要だと思われますか。率直にお答えいただければありがたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 先生も広島県でいろいろ貴重な体験、経験を積んできていただいたお方であると私どもは伺っておるわけで、今お話を聞かせていただいておったわけでございます。  地方分権、行政改革、規制緩和、こういうようなことが必要なことはもう時の流れで、私は非常にこれからも大事にしていかなければならぬと思っておるんです。  ただ、しかし一方では、地方の教育委員会、県の教育委員会もそうでありますけれども、一般のたくさんの、三千三百ぐらいですか、市町村の教育委員会におきましても、やっぱり教育のレベルアップのためには教育委員会の活性化も私は非常に大事な問題であろうと思っております。  そういうことに視点を合わせてみますと、なかなか今すぐそれじゃもう教育長の現行制度を改めますよというわけには決断ができないわけでございまして、文部省の内部で十分私は慎重に意見を聞いてみたいと思っております。

菅川健二平成会

○菅川健二君 私は、この承認制度につきましては、できた当時の経過ということにつきましてはある程度その背景があろうかと思うわけでございますが、基本的には地方に対する不信を前提とした制度ではないかと思うわけでございます。  分権推進委員会の検討試案にも考え方が載っておりますように、今日、国と地方との関係は上下の主従関係にあると言われている従来の考え方を改めまして、地方と国とは対等・協力の関係にあるという、そういう考え方に改めようということで分権推進委員会でいろいろな御努力をされておるわけでございます。そういった考え方からしましても、現行の承認制度は相入れない制度ではないかと思うわけでございます。  私も、県でその他の総務部長とか企画部長とか幾つかの主要な部長の職等を経験させていただいたわけでございますが、御案内のように、他の職におきましては全くこういった関与の制度はないわけでございまして、このような他に類例のない承認制度というものを現段階におきまして、特に地方分権推進ということが強く叫ばれておるときでございますので、ひとつ十分その現状をお含みいただきまして前向きにお考えいただきたいと思うわけでございますが、再度いかがでございましょうか。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 再度の先生の御要請、しっかり受けとめさせていただきますが、今、局長が御答弁申し上げたとおり、教育は政治的には絶対に中立でなければならぬ、これはもう非常に大事なことでございます。私は京都でありますけれども、これまでのずっと京都の教育界あるいは教育委員会の歩んできた道というものを振り返ってみまして、やっぱりこれでよかったんだなと思う節が多々ございまして、それも一つ私の判断をさせていただく材料になるということも率直に申し上げさせていただきます。

菅川健二平成会

○菅川健二君 政治的中立性の問題につきましては、文部大臣そのものが御案内のように政党に所属しておられるというようなこともございますし、またそういった点につきましてもいろいろ異論が出てくるんじゃないか思うわけでございますが、とりあえず今後いろんな形、むしろ分権推進委員会との今後のやりとりの中で整備されると思うわけでございますが、十分この点につきまして私の意見等も踏まえていただきまして御検討をお願いいたしたいと思います。  次に参りますけれども、やや古い話で恐縮でございますが、昭和六十三年三月に文部省は教育委員会の活性化の一環といたしまして、臨教審の第二次答申や調査研究協力者会議の報告を受けまして、教育長に適材を得るための方策に関し教育長の任期制と市町村教育長の専任化を導入することを内容とする地方教育行政の組織等に関する改正案を国会に提出されたわけでございます。  その後五度にわたりまして継続審査となりまして、平成二年一月の衆議院解散に伴い廃案になったと聞いておるわけでございます。その後かなり年数がたったわけでございますが、とんと音さたを聞いていないわけでございますが、その当時の廃案になった経過と現時点での考え方をお聞かせいただきたいと思います。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) ただいま御指摘がございましたように、昭和六十三年に地教行法改正案を国会に提出をいたしました。その中身は委員がおっしゃられたとおりでございます。  この改正案につきましては、国会に提出をされましたけれども、実質審議が全くその間行われないままに、またその改正案を積極的に推進しようとする動きもなかったというようなことから廃案のやむなきに至りましたし、またそのことを考慮して再提出をしなかったという経過だと承知をいたしております。

菅川健二平成会

○菅川健二君 現時点において見直すというお考えはございませんですか。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 現時点におきましては、委員御指摘のとおりに、今、地方分権推進委員会がまさに審議を急速な勢いで進めている段階でございます。そして、この教育長の任命承認もその検討課題の一つになっているというような状況でございますので、そうした動きもよく見定めないと、その段階で一度廃案になったものをそのまま再提出をするというようなことにはならないのではないかというふうに考えております。  また、この問題は、大臣が冒頭にも申されましたように、その承認の問題だけを取り出すのではなくて、我々としては教育委員会の活性化を図るという観点から考えさせていただけないものであろうかと。その場合には、教育委員会をめぐるさまざまな問題がございます。そういったものも全部ひっくるめて検討をさせていただいて、必要な場合にまた法案改正なりなんなりというところに持っていくということになるのではないかなというふうに考えるわけでございます。

菅川健二平成会

○菅川健二君 その当時の段階におきましても議論がなされたようでございますが、教育長というのは大変重い職でございますので、特別職にして、先ほど申し上げましたような任期制とか専任化を図ってはどうかという強い意見もあったはずでございます。  ところが、その特別職という肝心なところがいつの間にか消えちゃったものですから、画竜点睛を欠きまして、魅力のある活性化に余りならないということでポシャったんではないかと私は推測いたしておるわけでございます。  この際、教育委員会の活性化というものを改めてお考えいただきまして、教育長を特別職にして、そして議会の同意大事にすることによりましてより広く公平な人材を求めると。そして、あわせて、かつて廃案になりました任期制とか専任化をセットにして教育長の立場をより明確に重い職に見合ったように位置づけるという方策を講ずるべきではないかと私は思うわけでございます。その点につきまして、何か御意見ございましたらお聞かせいただきたいと思います。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 教育委員会の活性化を図るという見地から見ましても、そのかなめでございます教育長に適材を得るということが非常に大事なことでございます。  そこで、御指摘のように、教育長を議会同意を必要とする職に位置づけて特別職化を図るという点につきましては、その処遇の改善でありますとか地位の充実強化が期待できるというところでございまして、また議会同意にかからしめるということによって、その選任について慎重な配慮がなされるという可能性もあるわけでございます。  また、委員が前に申されました六十三年案の段階におきましても、私どもとしても、議会同意という形ではございませんが、その特別職化という考え方を持っておったわけでございます。そういうことでございますので、私どもとしては一つの御提案として承らせていただきたいと思いますが、その際にも、私どもの立場としては、教育委員会のほかの問題をも含めて全体として教育委員会が活性化をして住民のニーズに的確にこたえていけるような行政機関に一歩でも近づいていけるような措置をとっていきたいと。その際に教育長の問題というのも一つの大きな問題としてあるというふうに理解をしていきたいと思いますので、御提案につきましては、今後、引き続き慎重に検討をさせていただきたいと思っております。

菅川健二平成会

○菅川健二君 大変御親切に答弁していただきまして、ありがとうございました。  府県や市町村の教育長というのは、御案内のように地域における文部大臣でございます。心置きなく職務を全うできるよう、文部大臣に温かい御配慮をぜひお願いいたしたいと思います。  どうもありがとうございました。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。  大臣には、御就任以来四十日余りになりますけれども、大変御苦労さまでございます。  私も、午前中少しお話がございましたけれども、大臣の御経歴を拝見させていただきまして、現場においでになった経験をお持ちだということを知りまして、非常に心強く思いました。特に、その期間が短いとはいえ、教室やグラウンドで一緒に子供たちに体当たりをしながらお過ごしになった体験というのは、これはもう得がたいものだと思います。加えて、京都新聞から読売新聞の記者としてお仕事をなさったというキャリアも知ることができました。  私たちの目から見ても記者の皆さんというのは、今日いろいろマスコミのあり方が言われておりますけれども、やっぱり客観的に物事を見る目といいますか、客観的に問題を評価する目といったものが一般の私たちよりも訓練されてすぐれているのではないかといつも思うものですから、子供たちの心のわかる大臣をお迎えすることができたということと、またそれに加えて新聞社の記者としての御体験をお持ちの文部大臣をお迎えすることができまして、今日非常に多くの課題を抱えている文部行政だけに、私どもは心強く期待感が広がっておりますので、どうぞひとつ御健聞くださいますように心から御期待申し上げております。  この国会は、申し上げるまでもなく、住専国会と言われるような様相を呈しておりまして、今ほど行政の責任が問われているときはないんじゃないか。同時に、私たち政治家の責任がまた問われているときもないのではないかといつも思っているところでございまして、政治家が信頼されていない。役人の皆さんに対しても大変不信感が国民の間に募っている。これはもう率直に現状をお互いにみんな同じ思いで見ているのだと思います。  そういう住専問題、これは行政の責任も政治家の責任もいろいろ具体的に言われておりますけれども、特に役所の責任としては、総量規制だ、覚書だ、先送りの問題だと具体的にも指摘をされております。きょうはその場ではございませんから、その問題にはこれ以上深入りはいたしませんけれども、そういう住専問題の、特に舞台は今は衆議院の予算委員会ですけれども、その審議も見ながら、国民の皆さんのこの問題に寄せていらっしゃるいろんな怒りや御不満の様子もまた見ながら、私たちはこの問題に何を学ぶのか。行政も政治家も謙虚に厳しくこの住専問題に学ぶ必要があると思うのでございます。  大臣に最初から抽象的で少し網をかけるような御質問を申し上げて大変恐縮でございますけれども、文部行政の最高責任者として、今日多くの難題を抱えている教育行政の実態をごらんになりながら、とりわけ戦後五十年の教育行政の歩みもまた振り返っていただきながら、この住専問題から何を学ぼうとなさっていらっしゃるのか。そして、所信表明で教育改革とおっしゃいました、その教育改革にどうその教訓を生かそうとなさっていらっしゃるか。総括的にちょっと最初にお伺いしたいのです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 率直に申し上げますと、バブルのときに一部の者が荒れ狂った、好きなことをやったといいましょうか、それで住専問題が吹きだまりのような格好で起きてきておると思いますが、この住専の問題にしましても、それからとんでもない方向に宗教法人オウムが走ってしまいました。そういう問題にしましても、私は本当に人づくりが大事だなと、つくづくそう思っております。国づくりの中で必要なことはいろいろございますけれども、一番大事なのは人づくりだ、教育だと、こういうように思っておるわけです。  そこで、教育というものは、個性豊かなと申し上げましたけれども、それぞれの個性を伸ばすことも大事でありますが、謙虚に、そして温かみのある人格の養成、そういうことが言わずもがなで一番大事な問題ではなかろうかなと思っております。  しかし、これは私が心の底から思っておることでありますけれども、大事な教育の最高責任者として独断でやってはいけませんから、多くの方々の御意見を聞きながら一緒に行政を進めてまいる必要があろうと思っております。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 今、大臣は最も根源的な問題に触れられたと思いますけれども、その点では全く同感でございます。  しかし、具体的に行政の問題として、また私ども政治家の問題としてお互いに考えるときに、先送りをしたことが問題の今日の六千八百五十億の公的資金を導入せざるを得ない、与党案としては  そうなんですけれども、そういう状態に追い込まれたのではないか。原因究明が的確でなかったものですから、とりわけ第二次再建計画のあの前後の状態を今いろいろ私どもは見ているわけですけれども、問題の究明といいますか解明が徹底して正確でなかったことによって今日の事態が引き起こされたと。  いろんな問題がありますけれども、私は文部行政をずっと振り返りながら、できることは一つ一つこつこつと具体化してほしいと思っております。決断して実行するという当然の責任ある姿が、いろんな積み重ねが文部行政には戦後五十年特にありますから、私は一時期の大臣や局長や役所の皆さんの責任ばかりを問うても問題は解決しないと思っています。非常に難しい積み重ねがありますけれども、やっぱりしなくちゃならないこと、しかもできることは先送りをしないで一つ一つ確実に実行していれば、もう少しいじめの問題も今日の状態に至らずに済んだのではないかと思うことがたくさんございます。そういう点について、実は文部大臣、御就任なさって四十日余りお過ごしになって、お考えになっていることはないものかなと思うんです。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) ずっと衆議院の予算委員会にも出ておりましたし、その前には衆議院、参議院ともに本会議でそれぞれ代表質問があって、関係大臣から答弁があったわけですね。それを聞いておりますと、先生御指摘の住専問題は、これはいっときには、どこどこの局長と覚書を交わしたとか、何とかその場を繕って先送り先送りされてきたというようなこと、これは私の担当の分野ではございませんからつまびらかなことは知りませんけれども、そういう質疑なり答弁がかなりありましたですね。これは余計傷口を今になって大きくしてきておるわけでございますから、これは単に住専だけの問題でなく、すべての行政においても必要なことはその都度その都度合意を求めて実行に移す、議論だけで終わるべきではなかろうというように私は思っております。  教育も決してそれは例外ではありません。ただ、教育というのはきょう決めてすぐあした結果が出るとか来年結果が出るというような、そういう簡単なものではございませんだけに慎重に判断をする必要があると思います。それだけに、中央教育審議会とかあるいは大学審議会とかいろんなところで有識者に御意見を求めて、それにも日数がかかっておる嫌いはございますけれども、やはり必要なものは急いで実行に移すべきだという原則は貫いてまいりたいと思います。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 午前中からも何人もの先生方が御質問なさいましたけれども、ほとんどどの先生もいじめ問題にお触れにならない先生はおいでにならなかったと言っていいぐらいじゃなかったかと思うんです。これほど今日教育行政が抱えている諸問題が集約的にあらわれている根本の問題はないからだと思うのでございますが、いじめ対策については二つのレベルが当然あるんだと思います。  一つは、今いじめられている子、いじめている子供たちをどう救済するかという短期的な課題がございます。もう一つは、すべての子供たちがいじめを克服することのできるような教育にするようにどのように学校教育を改革するかという長期的な課題、根本的な課題があると思うんです。  対症療法と言っていいでしょうか、今の問題、今の子供たちをどう救済するか。今いじめられている子、これはいじめている子も同じだと思うんです、どう救済するかという短期的な課題。どちらかといいますと、対症療法的な問題については私は文部省は随分努力をなさっていると思います。これはカウンセラーの配置にしましても、いろんな諸施策、具体的にはここで申し上げませんけれども、随分とこの一、二年努力を重ねておいでになりまして、一定の成果を上げつつあることはよく承知をいたしております。  その点はお互いにここでの議論の影響もなかったわけではないし、ますますこれからその面でもさらに努力すべき課題はたくさん残っておりますから、引き続いて御努力をいただきたいと思います。問題は、子供たちがみんないじめの問題を克服することができるような学校教育にどのように教育を改革するかという問題については、私は再三みんなでこの場で問題提起をしたこともあるし、御提案申し上げたこともありますけれども、なかなか実行に移されていない。  例えば、養護教諭の役割をいじめ対策では大河内君の自殺以来重要視されるようになりました。そして、近く養護教諭の全国の代表の皆さんをお集めになって緊急対策会議もお開きになるんじゃないでしょうか。それほど養護教諭の役割を重要視される文部省の方針になっております。それに異論はございません。心の居場所として子供たちの保健室がある。また、保健室登校という言葉もあるくらいなんですけれども、そういうふうに子供たちが憩える場所、子供たちの心の居場所として保健室を重視する、そこにいる養護教諭の先生の役割を重要視する、そういう方針をお立てになったんですね。  ところが、大臣、その養護教諭が今どのように現場に置かれているかという現場の実態について把握なさっていらっしゃいますか、どのような状態か。現行の法律とこの実態との乖離の状況を率直に申し上げましてどのように理解なさっていらっしゃいますか。一言ちょっと。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 先生もいろいろ専門家の立場でお考えいただいて、お教えいただきまして、ありがとうございます。  今、いじめが現に起きておる。起こしておる生徒、あるいは被害を受けておる生徒、それらを対症療法的にどうするかという問題とそれ以外の問題。私は、病人で言いますと治療と予防、それで予防の方が非常に大事だと思うんです。いじめが起きないようにあらかじめみんなで予防するということですね。それに視点を合わせていきますと、今、先生御指摘の学校では、学校、家庭、地域社会とあるわけでございますけれども、学校では小中学合わせて四万人ほどいてくださる養護教諭の先生、保健室とそれから職員室の両方に机を持ってもらっていると思うんですが、こういうのはただけがをしたから包帯で手当てをするというんじゃなくて、心のけがも手当てをしていただきたい。  これはもう文部省も同じ気持ちでありますけれども、そのおよそ四万人の養護の先生が一般の先生とも十分にコミュニケーションを図れるように、もう全国どの養護教諭の先生も職員室に机を持ち、それから保健室にも机を持っておられるのか、職員会議にもどの養護教諭の先生も同じように出て、そして発言をしていただくような、そういう平等の環境になっておるかどうかというようなことについて、私は、今度二十八日に養護教諭の代表の方にお越しをいただきまして、篤とひざを突き合わせて懇談と協力依頼をさせてもらうわけですが、そのときに十分こういうことも聞いてみたい。その上で、もし不足な点があるならば、教育委員会を通じてお願いをし、そして協力を今度は養護の先生に求めるというような方向で手順を踏ませてもらいたいなと思っております。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 私が申し上げたいのは、養護教諭のいじめ対策上の役割の大きさ、重要性というのは、それは文部省がこのお立てになった方針に異論はないんですよ。しかし、そんなに大事な役割を担っている、また担う養護教諭が小中学校の全校に配置されていないわけでしょう、今。この問題をどうお考えになるかということなんです。  だから、これは局長、ちょっとお答えいただけますか、養護教諭の未配置校が小中高別に何校あるかということを。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 未配置校でございますが、平成七年五月一日の時点で申し上げますと、分校を含めまして小学校で千八十六校、全学校数の四・五%。中学校で六百五校、全学校数の五・八%。それから高等学校については、未設置校の詳細なデータはないのでありますが、実は学校数よりも養護教諭の数が上回っておりまして、そこから推測をいたしますと、本校については全校配置されているであろう。分校についてはデータがございまして、百四十四校の分校があるうちの七十二校が未配置と、こういう状況でございます。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 全体の率から言うとそれは一割にも満たない率ですよね。でも、今、千六百九十一校に養護教諭は配置されていないんです。これをどう見るかということなんです。文部省が立てた方針とその実態との間にやっぱり乖離がある。  しかも、高等学校の例を局長は言われましたけれども、現在の小中高校では、これは三学級までは平成十年度までの六年計画の第六次改善計画で配置されることになると思います。二学級以下の学校、これは学級数で言えば小さいですよ。でも子供たちは二学級いるわけです、あるいはそれ以下の学校もありますけれども。その子供たちには養護教諭は必要ないということにはならないでしょう。  だから、そんなに大事な役割を担うことのできる養護教諭がまだ全校に配置されていないということについては、文部省がいじめ対策として養護教諭の役割を重視なさるときに、これは局長どうなんですか、残りの一千六百九十一校に全校配置をするとしたら単年度の財政負担増は幾らになりますか。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 私どもの試算では約百三十億円、これは事業費ベースでございます。国庫負担ベースではその半額ですから六十五億円と、こういう数字になります。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 その百三十億、六十五億が多額であるかそうでないと見るかは、それは見方だと思いますけれども、私は方針を立てるときにはやっぱり具体策と一体でなければいけないと思うんです。こういう現場の危機的な状態で養護教諭にとにかく役割を担ってもらおうというときには、せめてこれは六十五億、百三十億、私は補正予算で措置できるわけだという気がしてならないんですよ。なぜそれが教育行政としてできないのか。これは配置基準の問題とも関係があるから、それは直せばいいわけでして、なぜ千六百九十一校も小中学校でまだ養護教諭が未配置になっているのか。これはやろうと思えばできることじゃないですか。そのことをきょうは大臣にもアピールしたいんです。  六十五億というのは、私は予算措置の面で言いますと補正予算でどうにでもなるとはっきり申し上げていい額だと思いますから、そういうふうに英断を振るってやらなくちゃならないときには一つ一つ、これは大臣がおっしゃったまさにいじめの予防、つまり長期的課題、根本の対策の一つだと思うんです。子供たちに心の居場所をより整えてやる。保健室に行けば養護の先生がいる、何でも打ち明けられる、気持ちもゆったりなる。学校に行って保健室に行けば養護の先生がどこにもいる、小さい学校も大きな学校も養護の先生がいるという環境を整えることは、小さいようで非常に大きな問題じゃないでしょうか。教育行政というのは、そういうところまで光を当てていくべき行政じゃないでしょうか。  私は、文部大臣にぜひ、御在任中に次のまた補正の機会もあると思うんですが、新年度からでも踏み切れるような御検討をいただけないものかと思います。  これは大臣にちょっとお答えいただいた方がいい。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) その前に。私どもとしても、現在、先生御承知のように、第六次の教職員配置計画におきまして、養護教諭につきまして申し上げるならば大規模校について三十学級以上に複数配置をする。それから、先生が先ほどおっしゃられましたけれども、小規模の学校については三学級以上は全校配置にする。こういうふうなことで一歩一歩その配置率を高めてきたところでございます。  私どもとしては、この計画というものを、実はこういう方式をとっている例はほかの行政では非常に少ないんだそうでございますけれども、数年後の到達目標を法律で書いていただいて、それに一歩一歩毎年近づいていくということをやっておるわけでございます。  それはなぜかといいますと、一つには、着実な改善がその改善の受け手であります県の教育委員会の人材養成に、効果的にというかむだなく吸収されていくからだと。つまり、これを単年度でぽこっぽこっと多く採ったり少なく採ったりいたしますと、それに合わせた採用計画ということはなかなか難しくなってまいります。現在のように、毎年ほぼ一定の改善が進行してまいりますと、それをあらかじめ計算に入れた上で採用計画を立てていくということができますので、その年度から私どもが確保いたしました教員定数が現場に流れていくというふうなことがあるわけでございまして、この点を非常に重要視しておるわけです。  それともう一つ申し上げておきたいのは、この計画終了後に、一学級の学校と二学級の学校につきましてはまだ養護教諭がいないわけでございますけれども、二学級の小学校の平均的な姿を申し上げますと、児童数が八人前後で先生が校長を含めまして三人、それから中学校で二学級の場合には、生徒数が十人前後でありまして、それに対し七人の先生、もちろん校長を含みますが、が配置をされていくという実態にございます。  こういうことでございますので、養護教諭の先生がいらっしゃらなくてもかなりいじめ等の問題にきめ細かく対処していただけるのではないだろうかなというふうに考えているような次第でございます。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 極端な例を引き合いに出されてもね。それはわかるんです。  だから、学校教育法の第百三条の問題がありましょう。養護教諭は置かないことができるという第百三条は工夫して直せばいいと思うんですよ、今おっしゃったような極端なケースの場合はね。だから、原則全校配置、そして一定規模以上は複数配置。これは三十学級以上は複数配置になりますね。  でも、今の小中学校の規模というのはだんだん大きくなる一方じゃないんですよ。小さくなる一方なんです、規模は。だから、三十学級以上の複数配置というのは実効がほとんどなくなっているんです。だから、その基準を上げるというか下げるというか、例えば二十学級以上は複数配置にするとか、そういう私はきめの細かさというのが子供たちが相手の行政だけにやっぱり必要じゃないかと思うんですよ。もう現行法律は一たん改善するという視点で見ないというのは、子供たちが相手の環境づくりの行政だけに私はもっときめ細かい関心を持ってほしい。  だから、三十学級以上は複数配置というのは、もう学校の規模というのは小さくなる一方だから、実効が余り伴わない。だから、三十学級にしないで、例えば二十学級以上にするとか、お互いに考えたいですね。  だから、全校配置と、もう一つは一定規模以上の複数配置、そういう行き届いた環境を整備しながら、養護教諭に子供たちの問題では心の居場所としての役割を担ってもらう。そういうものが一体的に進められないと、一つ一つこつこつと環境が整備されて、大臣が言われるいじめの予防にはなかなかつながらないと思います。  養護教諭の配置問題については、問題を提起いたしますので、ぜひ大臣、できたら役人の皆さんとも集中的な御協議をいただきたいことの一つでございます。よろしくお願い申し上げます。  それからもう一つ。  予防とおっしゃいました。大変味のある表現だと思いますけれども、そのための長期根本対策の一つとして、保健室に行くと養護の先生がいるという子供たちの安心感がありますね、現にある。保健室登校児というのがいるように、学級には行かないが保健室にだけは登校するという子供たちだっている。今、現場の養護の先生たちというのは、子供たちのけがや病気の手当てなど、あるいは健康診断、保健診断の前後の多忙な仕事、さらに保健室登校児などを抱えて非常に多忙でもある。そういうこともぜひお考えいただきたい。  もう一つ、予防対策といいますか、長期的な課題、子供たちがみんないじめを克服することができるような、子供たちの成長する環境を整える根本の対策の一つとしては、図書館に行ったら司書の先生がいるという学校にしなくてはいけないんじゃないか。保健室に行けば養護の先生がいる。子供たちは、安心するといいますか、打ち解けられる。図書館に行ったら司書の先生がいる。そういう学校を目指したい。これはずっと言われていることなんですね。  だから、そういう意味で学校図書館のあり方、読書と児童生徒の関係につきましては、私は昨年の八月に出されました児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議、文部省のこれは諮問機関になりましょうか、この最終報告は極めて的確に的を射て、図書館像、そして児童生徒と読書との関係を浮き彫りにして報告がなされていると思っています。この報告書に沿って図書館を整備していただけば、非常に大きな有効な具体的な対策になり得ると私たちは確信をしているだけに、この整備をぜひ手がけてほしいと思います。  学校図書館の実情については、大臣おおよそどのように把握をなさっていらっしゃるでしょうか。御就任になって事情をお聞きになったらびっくりなさっていると思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) その前に。保健室へ入ったら安心感がという話がございましたが、私どもはそうあってほしいと思うのでございますけれども、養護の先生だけがいじめ担当受け持ちの教諭ということではないということ、これは御理解賜りたい。私は、第一義的には担任の先生が十分生徒を観察してくださる身近な先生でございますから、これを生徒に一番頼りにしてもらえるような間柄になっていただきたいなと思うわけです。  それから、割合私自身厚かましく考えますので、学校の先生、限られた人数でございますが、先生御案内のとおり、初任者研修の指導者がいらっしゃいますね。今聞いてみますと五千七百人ぐらいいらっしゃるそうです。割合そういう指導者の方は教育に熱心なお方だろうと思いますから、こういう方にもひとつ側面から御協力、いろいろと観察も含めていただけるような、そういうことにならないかなと。これは教育委員会を通じて学校の現場の御意見を聞いてみたいというようにも思っておるわけでございます。  さて、図書館の司書の教諭のお話でございますけれども、知的活動を旺盛にするためにはやはり図書館に司書の先生がおってくださった方が非常にいいということは私もよく承知をいたしております。  ただ、どのように実態を把握しているかと、こうおっしゃいますと、昭和二十九年に講習会を実施して、そしてそれ以来有資格者の養成に努めてきたとはいいますものの、まだ二、三割しかいらっしゃらないということで、非常に寂しい限りでございます。  そこで、伺いますと、平成八年は司書教諭の講習会、講習会場を十八会場から倍の三十六会場にふやしていくという計画を文部省は立てておりますので、これはこれなりに結構なことだなと思っております。現場の先生方が、よしそれならひとつ資格を取って子供に図書館でサービスをしてやろうというように思ってくださるかどうか、これはひとつ一人でも多くそう思ってくださるように環境づくりを応援してまいりたいと思っております。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 大臣、この協力者会議の最終報告につきましては、省内で徹底して議論をなされて、具体的な政策として具体化していくことに踏み切ってほしいと思うんです。この協力者会議、私はきょうはこの文部省の諮問機関の最終報告に沿っていろいろと御質問申し上げ、御提言も申し上げることにしたいと思うんです。  この協力者会議の御指摘でも、やっぱり本をよく読む子供というのは、スポーツや勉強にも積極的に取り組んでバイタリティーがあるという傾向だと。みずから考えたり判断したり表現したりして解決することができる資質や能力を読書ははぐくむ、極めて重要な教育活動だと。これは学習指導要領だって改められて、もうこれは申し上げませんけれども、提起をされていることなんですね。そういう読書の好きな子供、本をよく読む子供というのは、そんなふうにバイタリティーがあるという傾向にある。読書と児童生徒との関係、それはごらんになっていただければわかります。時間がどんどん過ぎますから詳しくは申し上げません。  そういう読書と子供たちとの関係。私たちのあの昔から図書館というのはありました、条件が貧しかったか豊かであったかは別にいたしましてね。だから、そういう図書館像として、実に三つの視点、十の提言が行われているわけです。学校図書館は子供のオアシスである、オアシスにしよう、地域に開かれた学校図書館にしよう、こういう三つの視点、そして十の提言があります。この提言を具体化していただけばすばらしいいじめの予防のための根本的な対策の大きな柱ができ上がると私たちは確信をしているところです。  そして、実際に子供たちの状況が、そこにも指摘をされておりますけれども、大臣、子供たちは本が好きだと答えているんですね。これは文部省の調査で明らかになっていますよ。小学生で七六・四%、中学生で六九・一%、高校生で七三・八%は本が好きか嫌いかと尋ねると好きだと答えている。本が好きだと答えながら、これも文部省調査でしょう、実際にどんなに読書離れが起きているか。これは、一カ月に一冊も本を読まなかった子供の割合は、小学校で八%、中学校で四四%、高校生で四〇%。とにかく中・高校生の読書離れが著しい。本は好きなのに読書離れはどんどん進行する。  なぜこういう状態になるかということを掘り下げて、それこそ分析して原因を解明しないと、問題は常に先送りされていき、取り返しのつかない状態になってやっと目が覚めるということを繰り返すんじゃないでしょうか。だから、もうはっきりしているわけです。こんな図書館像が描かれているのに、現在は先ほど大臣が一部を御報告なさったような状況なんですね。  それで、局長にお尋ねいたしますが、この学校図書館法第五条の規定にかかわらず、なぜ司書教諭が四十一年も、学校図書館法は二十八年に成立をして公布されて、二十九年四月一日から施行されておりますから、四十一年余りたちますね。その間、なぜ司書教諭がこんなに惨たんたる配置状況になっているのか。  これは四年とか五年ならまだしも、四十一年余りたつているんですよ。その原因を本当に文部省としてどのように分析をされて、なぜ四十一年も「司書教諭を置かないことができる。」という附則が撤廃されないで進んできて、今日の惨たんたる状況になっているか、これはひとつ明確にしてほしいと思う。なぜなんだ、努力を怠ったのか、あるいは努力はしてもできなかった、その原因は何かということを正確にお答えいただきたい。これは局長、どうぞ。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) これまで学校図書館法の附則の規定が「当分の間」ということでそのまま生きてきた理由でございますが、それは学校における司書教諭の数がふえないというのが一番の原因だろうと思います。  なぜふえないかということを追求いたしますと、次のようなことが一応考えられます。一つは、有資格者の絶対数が少ない。それから、学校図書館やあるいは司書教諭の意義あるいは必要性について、学校あるいは教員の間の認識不足がある程度あるのではないか。それから、教員の側にも司書教諭として発令されることに伴う負担増についての抵抗感があるのもその一因ではないか。  それから、学校図書館の現状の調査から見ましても、今度は司書教諭の有資格者を司書教諭になぜ発令しないかということを見てみますと、主な理由として、学校図書館ではなくてほかの校務分掌を担当しているからとか、あるいは学校の規模からして図書係等の校務分掌で足りるからというようなことが挙げられているところでございまして、こういうことから学校における司書教諭に対する認識があらわれているのではないかというぐあいに考えております。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 初めての方もいらっしゃるかもしれませんけれども、四十一年たってまだ司書教諭の配置は小学校で〇・三%でしょう、平成七年調査で。中学校で一・〇%ですよ、百分の一ですよ。そして高等学校で六・三%でしょう。  今、幾つかの原因らしきものをおっしゃいました。それは確かにそういう面があると思いますね。局長がおっしゃるとおりあると思うんです。それは克服できない要因なんですか、四十年たって解決できない要因なんですか、どうなんですか。それはどうやっても解決できない要因なのか、努力をしたら解決できる要因なんですか、三つおっしゃいましたけれども。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 私どもは、これらのことは解決できない要因だとは思っておりません。それなりにこれまで努力をしてきましたが、私どもの努力が足りなかったことも一因ではあろうかと思います。  それで、文部省としましては、この協力者会議の報告を昨年の八月に受けまして、概算要求におきましても学校図書館の充実を図るための予算を大幅に要求をしまして、来年度、八年度の予算案ではかなり大幅な増額を見たところでございます。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 そういう図書館の条件整備について、物的条件の整備は平成五年度から九年度までの五カ年計画、トータルで五百億、それが進んでおりますね。いろいろとおっしゃるように努力はされていることはよくわかりますよ。  しかし、根本の問題にどうやってメスを入れるのか。克服できない要因ではないとおっしゃる。わずか小学校で四十年たって〇・三、中学校で一・○、高等学校で六・三%しか司書教諭は配置されていない。「司書教諭を置かないことができる。」とした附則第二項は、この法律が制定をされた当時十年程度と想定されていたことはよく御存じだと思いますよ。十年程度たつと司書教諭を配置することができるという想定をしてスタートした法律なんです、これは。十年たっても二十年たっても三十年たっても四十年たってもこの惨たんたる状況でしょう。  これは克服できない要因ではないとおっしゃるなら、なぜ克服する努力をなさらなかったのかとやっぱり言いたいですよ。私はそうじゃないと思っているんですよ。克服できない難しい問題を現行法は抱えているんじゃないですかと言いたいんです。その点についてはそうお思いになりませんか。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 困難な問題の一番大きな要素としては司書教諭の養成でございますが、これが、大学において所定の単位を取るかあるいは文部大臣が大学に委嘱をしてそこで八単位を取るということが司書教諭の資格を得るには必要なわけですが、それがかなり大きなネックになっていたのではないかと思っております。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 そういう七科目八単位取れば現職の教諭は司書教諭の資格を取得できるわけですよね。これはおよそ二年夏休みを使えば取得できるような、今それ以上の条件を整えて改善されてきましたよね、文部省。ですから、そんなのは大した要因じゃないと思うんです、その気になれば。  何がこんな状態に陥れているかというと、私は、現行法の「教諭をもつて充てる。」というあの第五条、ここは、少し表現が厳し過ぎるかもしれませんけれども、致命的な欠陥を持っているんじゃないかと思うんです。現実にそぐわない規定になっているんじゃないですか。だから、努力をされたにもかかわらず四十一年たってもこんな状態になっている。だから、その原因、今日の状態になっている原因を的確に解明して対策を立てないと。住専問題のどこに学ぶかと最初御提起申し上げたのはそういうところなんですよ。  私は文部省はそれなりに努力をされてきたと思います。努力をされてもできなかったんだと思うんです、四十一年間。その原因があると思うんですね。それを究明しないと、これはあと十年、二十年同じことを繰り返すだけだと思いますので、この点については、ぜひひとつ省内にプロジェクトチームでもおつくりいただいて、とにかく集中的に現場の意見も聞きながら検討していただきたいんですよ。私たちも一生懸命に検討します、なぜなんだろうということを。  ぜひひとついじめ対策の根本的な柱の一つとして、学校に行ったら司書の先生がいる、図書館に行ったら司書の先生がいるという学校にしたい。そうしないとやっぱり環境を整えていくことに大きな問題を引きずりながら進んでいくというふうに思えてならないものですから、私たちも一生懸命に頑張る、文部省ももっと掘り下げて、なぜできなかったか、局長は私たちの努力不足もあったと謙虚におっしゃいましたけれども、そうじゃなかったんじゃないか。努力はされてもできない問題がこの現行法の中に含まれている、そう思うがゆえにひとつ御検討をいただきたい。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 先生のお話を聞いておりますと、これまで四十一年間余り進んでいないのは、先生の兼任で司書教諭を置こうと文部省がしているから、それがネックになっているんじゃなかろうか、だから専任の司書教諭を置くべしというようにお考えだというように受けとめてよろしゅうございますか。  それだといたしますと、今、政権を担っております三党の間では行政改革に非常に精力的に取り組んでいただいておりますが、民間会社は景気が悪いのでスリム化がかなり進んでまいりました。役所の方もやはり行革を進めるべきだと。  今、国家公務員がおよそ八十五万人、出先の郵便局の職員の方まで含めての数字でありますけれども、そういうこと。それから地方公務員が、市町村役場の吏員の方まで含めまして大体三百七十二万人。ほかに政府の外郭団体として九十二の特殊法人、この四月から幾分変わってまいりますけれども、ここにも五十四万七千人の職員がいらっしゃるわけで、これを何とか行政の効率・スリム化を図っていこうということで、毎週二回ぐらい、そこに総務庁の職員も行きまして議論をやってもらって、かなり進んできているんですね。  そして、各政党の間にも、先生のところは、例えば学校の教員をお務めになっておりました滋賀県の山元先生がそこに入ってくださっております。だから、そういうムードが連立政権を支える三党の中にございますから、先生がおっしゃるように大事なことはわかっておりますけれども、専任の司書教諭だけをどんどんふやしていくというのはちょっとしんどいかなと、率直に私はそう思います。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 必ずしも大臣がおっしゃるような状況にならないと思うんです、やりようでは。  昭和二十九年四月から現行の学校図書館法が施行されましてから五年後に、昭和三十四年に学校図書館基準が定められておりますね、文部省で。その基準によりますと、明らかに司書教諭は専任司書教諭を想定されていると思いますよ、この基準を読みますと。これは、「司書教諭は児童・生徒数四百五十人未満の学校では兼任を一人、四百五十人以上の場合には専任を一人置く。」と書いてあるんです。四百五十人を境にして、これは昔の、三十四年当時の基準ですが、生徒数四百五十人未満は兼任でよろしい、兼任の場合の授業時間は週十時間以下とするとなっていまして、四百五十人以上の学校では専任の司書教諭を置くと基準で定められておりますよ。  私は、明らかにこの現行法がスタートした当時の構想というのは原則的に専任の司書教諭だったと思いますね。今、大臣、学校には図書館事務をなさっていらっしゃる事務職員の先生もいらっしゃいます。その配置基準もあるんですね。そして、現在配置されている学校図書館の事務を一生懸命なさっていらっしゃる先生方もおいでなんです。  そういう先生たちを含めて司書教諭のあり方をどう考えるかということを考えれば、例えば学校には一般の教科教諭のほかに養護教諭がいます、養護助教諭もいます。そして、同じように司書教諭があって司書助教諭があるというような制度を考えれば、大臣がおっしゃるように行政改革の流れに逆行するようなことにならないで済む。  それは司書教諭をどう性格づけるか、資格要件をどう定めるかという非常に議論をしてお互いに知恵を集めなくちゃならない大きな課題はありますけれども、現に養護教諭がいて養護助教諭がいる、教諭のほかに。同じように、教諭のほかに司書教諭がいて司書助教諭がいるという制度を導入して図書館の柱をつくっていく。それと、大臣が言われるように一般の先生方との協力体制を校務分掌等でどう総合的に整えていくかということを考えたら、この協力者会議の最終報告に沿うような図書館の環境は整えられると私たちは思っています。  問題は、集中的に少し文部省内でも、私たちももっと詰めて、なぜ四十一年間こんな状態が続いているかというのを議論した上で今の政権のもとで決着をつけることができないかなと、そう思っているところですから、大事ないじめ対策の根本の条件の一つを整えるという意味でもお考えいただきたい。  時間が五分しかありませんから、最後に。  文部大臣の文教予算の充実確保に一層努めるという所信表明をお聞きしまして、大変心強い思いでございました。これは局長、どうなんですか、今度の一般会計予算、今は予算案ですが、文教予算の五兆七千五百三十八億五千九百万、これは人件費率、何%に八年度はなっていますか、当初予算では。

佐藤禎一文部省大臣官房長

○政府委員(佐藤禎一君) 現在の予算案では、文部省所管の一般会計はおよそ七七%程度になってございます。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 これは大臣、七七%は人件費。そうしますと二三%しか政策展開の予算はないということですので、今の一律シーリング方式で養護教諭の問題や図書館整備の問題を解決し得るのかどうかという問題とも密接にかかわっておりますので、文部大臣が新しく御就任なさってからまだそう日もたっていませんけれども、かねてからいろいろごらんになってお感じになっていたんじゃないかと思うんですが、文教予算編成のあり方の根本について、一律シーリングでいいんでしょうか。  教育を未来への先行投資として位置づける、これはもう連立政権の政権合意にもなっていることですから、極めて重要な問題です。先行投資として位置づけながら、ほかの省庁の予算と同じように一律シーリング方式で予算を編成することはなじむんですか。これは大臣としてどのようにお考えですか。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 先生のおっしゃることは私も痛いほどわかっておるつもりでございます。特に、日本のように資源がもうほとんどないというようなところでは、日本は貿易立国であると同時に科学技術立国、それにはやっぱり学問、とにかく科学研究、基礎研究に文部省は相当力を入れて取り組んでいかなければならぬということでございます。  残念ながら、七七%が最初からもう決められた予算で、非常に少ないということも先生御指摘のとおりでございます。ただ、それなら文部省だけがシーリングの枠外でというと、なかなかそれは難しいわけでございます。そのことがよくわかっておればこそ、私は今度の平成八年度の文部省予算編成、これは島村前大臣のときに御苦労いただいたわけでありますけれども、五兆七千億円余りでございますけれども、文部省の中で日本学術振興会に対する出資金百十億円、それから今申し上げた科学研究費が初めて一千億を超えて一千十八億円になったわけでございます。それから、ポストドクター一万人計画についても非常に意欲的に取り組みまして、こういうせっかくいい実績ができたわけでございますから、次の年にさらに上へずっと伸ばしていくように頑張ってまいりたいと思っております。

上山和人社会民主党・護憲連合

○上山和人君 委員長、時間が三十秒残っていると思います。  大臣、今おっしゃいましたことは、あたかも未来への先行投資として位置づけるのは科学技術の振興費、文部省の中にはそれはないと思いますけれども、その面では随分この一、二年成果が上がっておりますよ、一生懸命に。でも、基礎教育の条件整備を、教職員定数の改善の問題もあります。三十五人学級にしてほしいという現場の要請が強いのに四十人学級にとどまっている。そういう問題を含めまして協力体制がなければ、養護教諭だけで、司書教諭だけで何もできませんよ、子供対策も。みんなの協力体制を得るためには、もっと先生たちを少なく楽にしてやる、学級編制基準も改善する、教職員数も少し改める、配置基準も。そういうことを一つ一つ積み重ねて具体的に進めていかないと、大臣がおっしゃるいじめの予防策はいつになっても整わないんじゃないか。  まさに、予算の編成につきましては、防衛予算だってODA関係予算だって、大臣御存じのように別枠ですよ。それ以上に重要なのが人づくりの問題です。国家百年の計。我が国の未来を決めるのが教育ですから、どうかひとつシーリングを外す御努力をお願いいたします。  以上で終わりたいと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。  いじめ根絶を願う立場から、まず質問したいと思います。  文部省は、いじめ問題を文部省の最優先課題と位置づけるとして、いじめ問題対策本部を設置し、先月三十日には文部大臣緊急アピールを出しました。この緊急アピールについて伺いたいと思います。  私は、このアピールの、「深刻ないじめはどの学校にも、どのクラスにも、どの子どもにも起こりうる」、この部分は非常に重要であると思います。つまり、どこか特別の学校、特別のクラス、特別の地域の特別の家庭で起こるのではなくて、日本全国普遍的に起こるという、このことです。ですから、アピールの、すべての子供たち、すべてのお父さん、お母さん、すべての先生と校長、すべての地域への呼びかけは必要なことだと思いました。  ただ、大事なことが欠落しているように思うんです。なぜここまでいじめが普遍化してしまったのか、文部省自身の問いかけがないと思うんです。  このことは、愛媛県の八幡浜市立松柏中学校で二年生の女子生徒が言葉のいじめで自殺した事件で、学校側が全校集会で、今回の不幸を引き起こした一番の責任は先生にある、本当に済みませんでしたと謝罪し、心がずたずたに引き裂かれていたことに教師は気づかなかったと教頭が深々と頭を下げたそうですが、こういう姿勢に比べて文部省の姿勢に無責任さを感じてしまうんですね。いじめがこんなにも普遍化したのは文部省にも責任があるのではないんでしょうか、文部大臣。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 教育行政の一番の元締めが文部省であるとするならば、全然責任がないとは言いませんけれども、先生がおっしゃるいじめの責任文部省にありと、具体的にどこがどうまずかったからどうというようなことをもう少し詳しく教えていただかないと、私はまだ四十日前に大臣に就任したばかりでございますから、ちょっと勉強不足の点もございますので、教えてください。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 文部大臣の今のお答えの中で、文部省にも責任の一端はあるというお気持ちを酌み取らせていただいてよろしいですね。ないとはおっしゃいませんでしたよね。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 平成六年の秋であったかと思いますが、愛知県でいじめによる自殺がございました。私はずっとこれまでの経過を、いじめに対する文部省の対応策を聞いてみたんですが、それでいよいよ本腰を入れて取り組みかけた。そして去年の三月には具体的な提言をしておる。それからちょうど、ちょうどという言葉が適当かどうかは知りませんけれども、去年の秋にまた新潟県で事件が起こりまして、それで島村前大臣が非常に悲痛な訴えをなさり、教育長会議を招集されていじめ防止についての協力の御要請をされたというようなことを聞いておるんです。  それが百点満点であったかどうかということについて、私はその採点をしてもおりませんし、それから見方によってはもうちょっとこの点が抜けておったんじゃなかろうかというような御指摘があるとするならば、それは文部省に責任なしとしないということを申し上げたわけでありますが、その程度でございまして、先生からごらんになってこういう点が欠けておったよと具体的にお気づきの点があれば教えていただきたいということです。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 それでは、子供たちの声を聞いていただきたいと思いますが、私は、最近、「いじめリポート 一八〇○通の心の叫び」、こういう本と、「いじめ・自殺・遺書 『ぼくたちは、生きたかった!』」という本と、子どもの権利条約をすすめる会がまとめた「わたしたちの声を大切にして! 『ぼくのわたしのメッセージ』第一次報告」、こういう冊子を読んでみました。ちょっと紹介してみます。  「いじめリポート」では、小中高校の十二年間いじめられてきたという女性は、「中学校でのいじめは、バイ菌扱いだった小学生の頃よりエスカレートしていきました。制服のリボンをカッターで切られる。給食のごはんに大量のバターを混ぜられる…。私は休み時間など、少しでもいじめられないように、トイレにこもる癖がついてしまいました。」と告発しています。  また、そのほかいじめの実態というのは性的ないじめも含め本当に深刻なもので、こういう声もあります。「自分たちがむかつく人間に対して、何か嫌がらせをしないと気がすまない、スッキリしないんです。相手が嫌がることをやればやるほど、自分たちの心がきれいになるような気がするんです。」、これは十四歳の女子中学生の声です。  それから、「私たち子どもって、勉強、受験のストレスがびっしりとたまってるでしょ。なのに、ストレスの発散場所、方法がない。そういう意味で、いじめって手軽なストレス発散方法なんです。そんな環境がつづく限り、いじめは絶対になくなりませんよ。ずっとつづきますよ。」、これは十三歳の女子中学生です。  こういう声がぎっしり詰められているんです、この本に。  子供自身の言葉は教育行政の抜本的転換の必要性を暗示していますし、私自身も、学習指導要領の見直しなど教育行政の抜本的転換の必要性を痛感しますが、少なくとも、少なくともです、こうした子供たちの声に身を寄せ耳を傾け、一人一人の子供を大切にすることを根底にしてこそ解決の道につながるんではないでしょうか、文部大臣。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 少しずつわかってきたような気がします、先生のお気持ちが。  学習指導要領が難し過ぎる。したがって、指導要領に基づいて授業をやっておる先生にわからないからなかなかついていけない、あるいはストレスがたまる。それがいじめの起こっておる原因だということであるとするなら、学習指導要領が要らないというんですか、もっと変えろとおっしゃるんですか、その辺はどうなんですか。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私は今、学習指導要領の見直しと言いました。これは今の教育行政の一つです。小手先ではなくて、今の教育行政の相当根本的な見直しをしないと、子供が暗示している、いじめはなくならないよという、これに真からこたえられないのではないかということを言いたかったのですね。  それで、次の質問に入りますが、人間を大切にする教育を進める、そうした観点に立ったとき、アピールが子どもの権利条約に一言も触れていないのが大変残念でした。  子どもの権利条約をすすめる会の調査によりますと、中学生から寄せられたメッセージが全体の三・五%と極端に少なくて、「子どもの権利条約を知っていますか」という問いかけに対しても、メッセージを寄せた子の中で「知りません」と答えたのが、小学生が四九・八%、高校生が六九・九%といずれも多いんですけれども、中でも中学生が八七・七%と圧倒的に知らないんですね。いじめ、自殺がいわば集中する中学生に知る機会が与えられていないというのは本当に不幸なことだなと思いました。  いじめを根絶し、子供の命と人権を尊重する教育の推進のために、子どもの権利条約のリーフレットとかパンフレットをつくって、すべての子供たちに配付してみてはどうでしょうか。このことは条約第四十二条の実行を意味するのだと思うんですけれども、どうでしょうか、文部大臣。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 先生、この条約の趣旨の徹底のお話でございますが、文部省としましては、各学校段階に応じ適切な指導がなされるように、平成六年の五月二十日に文部事務次官通知を出しました。それから、各種の広報誌、「文部広報」ですとか、あるいは教職員を対象とする会議、研修会等を通じて周知の徹底を行ってきたところでございます。特に児童生徒向けの資料につきましては、わかりやすい子供向けのリーフレットを文部省と外務省と協力してつくりまして、各幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特殊教育諸学校の各学級に行き渡るように約八十万部を作成し、配付したところでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 条約第四十二条というのは、適切で積極的な方法で成人と子供たちにこの条約の原則や趣旨を広めるというふうに言っているんですね。そういう意味では、外務省と文部省で協力してつくったというリーフレット兼ポスターですか、あれを私も見ましたけれども、一クラス一枚ぐらいなんですね。それで、それすらもまだ見られていないんですよ、実際にはどこでどうなってしまったのかわかりませんが。  あとは広報誌とかいろいろおっしゃいましたけれども、こういうたぐいのものなんです。(資料を示す)こういうものというのは各地の教育長とか校長先生が見るぐらいなんじゃないかと思うんですね。ですから、もうちょっと気のきいた、子供たちには子供たちにふさわしいようなものをつくって配ったら、子供たちの間でも話し合いが成立するし、親子の間でも、また先生と子供の間でも話し合いが成立するしということで、ぜひ私はこれを強く要望したいんですね。  それで、子どもの権利条約の精神を生かし、いじめや自殺をなくしていくために、教育条件の整備が急がれるのかなというふうに思います。文部省は今月十日、都道府県と政令指定都市の教育長を集めて臨時の会議を開いています。その際、子供に目が行き届くよう教員の定数をふやすべきだと、こういう意見などが次々に出されたとのことです。子供と教師がもっともっと言葉を交わし合い、接触し合って人間的なきずなができるように、三十人学級の実現などでその要請にこたえるべきではないでしょうか。児童生徒数が減っている今、三十人学級実現のチャンスだと思うんです。これも私は要望といたします。  さらに、いじめ発見の第一の場所とも言われる保健室、養護教諭の全校配置と複数配置、その趣旨を生かしてぜひ促進していただきたいということも、これも要望といたしまして、次の質問に入ります。  障害児教育の充実についてですが、子どもの権利条約は、児童の教育についてその二十九条で、「児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。」とうたっています。可能な最大限度までの発達、私は子供の権利の本質がここにあると考えます。  そこで、訪問教育について考えてみたいんですが、全国訪問教育研究会の調査によると、訪問教育の中学部の卒業生の進路は、一九九三年の調査では、高等部進学一六・一%、在宅四二・八%、施設三三・一%、死亡その他八・一%となっていて、在宅の多さが目立ちます。文部省は、訪問教育の中に高等部は含まれていないという立場で、せっかく小学部、中学部と訪問教育を受けてきた子供の後期中等教育を受ける権利を奪い続けていてよいのでしょうか。  二月十九日付朝日新聞がこの問題を大きく取り上げています。その中で、週数回の訪問教育を楽しみにしていて、授業の前の晩には早く寝る、こういう男の子を持つ母親が、思春期の接し方がわからない、専門知識と経験を持つ先生に知恵をかりたい、子供にできる範囲で学校とつながっていたい、訪問教育はそのただ一つの手段なんですと、こういうふうに言って、中学部卒業後の不安を語っているのがとても印象的でした。  憲法十四条の法のもとの平等、二十六条の教育を受ける権利、教育基本法第三条の教育の機会均等、学校教育法第七十一条、訪問教育の目的の高等学校に準ずる教育、学校教育法施行規則第七十三条の十二、特別の教育課程の高等部における教員を派遣して行う教育、そして子どもの権利条約。高等部訪問教育の制度化の根拠は十分にあります。この子の発達の権利を奪っているのは高等部学習指導要領に訪問教育の記載が欠落している、この一点にこだわる文部省です。訪問教育を高校でも、こういう切実な願いにこたえて決断するときではないでしょうか、文部省。

遠山耕平文部省初等中等教育局長

○政府委員(遠山耕平君) 養護学校高等部の訪問教育の問題でございますが、まず養護学校の高等部の設置が年々増加をしてきているところでございまして、平成七年の五月一日現在で全国の養護学校七百九十校のうち五百四十九校、六九・五%に高等部が設置されているところでございます。  そして、養護学校の中学部から高等部への進学率も高等部の整備の進むにつれて上がってきておりまして、平成七年度は八二・七%になっております。ちなみに、十年前の六十一年は六三%でございました。文部省としましては、中学部から高等部への進学率が低い県に対しましては、都道府県の主管課長会議等を通じ指導するとともに、いろんな助成策を講じてきた結果でございます。  それで、訪問教育につきましては、なぜおくれてきたかということは、私どもとすればまず養護学校の高等部の設置を促進すると、これを優先的に考えたわけでございます。これは通学可能な子供たちを優先して考えたということでもございます。それから、通学が不可能な重度重複の子供たちは、医療、福祉の面でも対応が考えられることから、養護学校の高等部の整備を優先して訪問教育の方が後になったと、こういう結果になっているわけでございます。  最近、各都道府県におきまして、先ほど申し上げましたように、養護学校の高等部の整備が進んできていることから、高等部の訪問教育の実施については今後の検討課題だろうというぐあいに考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 全国三千二百余名だと思いますが、訪問教育を受けている子供たちのさらなる発達を支える高等部の訪問教育、もう機が煮詰まっていると思います。この子たちのために七万の人たちが、早く高等部訪問教育を実現してという賛同の署名を寄せているんですね。その切なる人道的な期待にこたえる政治的な決断を文部大臣、ぜひしてください。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 今、局長が御答弁申し上げましたとおり、これまでのところは養護学校高等部の整備をするのに重点を置いてきた。大体私が聞いておりますところでは、もうこれは八割方進んできたということですから、これの次には先生がおっしゃるようなことについて取り組んでいきたい。それには学習指導要領の中にもそういうのを記入して、そして取り組むという前向きの姿勢でやってまいりたいと思っております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 埼玉県下最大の人口を持つ川口市にある養護学校について考えていただきたいなと思うんですけれども、この学校は、実は昭和五十年に小学部と中学部の合わせて二十一学級百十六名の児童生徒、職員四十六名でスタートしました。ところが、現在、小学部十九学級六十七名、中学部十一学級五十名、高等部十七学級九十八名、合わせて四十七学級二百十五名、教職員百十一名の規模になっています。教職員と保護者の懸命の努力で支えられているんですけれども、どういうひずみが生まれるか。  例えば、典型的なのは校庭の狭さで、三十メートルの直線コースがとれないんです。全力疾走ができない。障害を持っている子でも全力疾走というのはあるわけですから。また、プールが小学校低学年用の浅くて小さいものが一つしかないんです。こういう過密な養護学校に十二年間通い続ける、これは子供たちの発達を阻害するんではないでしょうか。ですから、こういう学校が高等部分離などの場合、優先的に補助対象としていただけますね、文部省。

小林敬治文部省教育助成局長

○政府委員(小林敬治君) 文部省といたしましては、これまでも学校規模等により教育上支障が生じている養護学校の分離、新設等の整備につきましては優先的に配慮をしているところでございます。設置者から施設整備についての補助申請があれば、その時点で適切に対応させていただきたいと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 よろしくお願いします。  最後に、私立学校における被解雇者の共済組合員資格の回復問題について伺います。  私学共済は、私学教職員の相互扶助事業を行い、その福利厚生を図り、私学教育の振興に資することを目的としていて、私学教職員とその家族の健康や生活に深くかかわるものです。ですから、組合員資格の喪失また回復が窓意的に行われてはならないわけで、昭和四十四年の私学共済の「解雇の効力につき、係争していた者に係る組合員資格、被扶養者及び給付等の取扱について」が原則を定めています。それによりますと、労働委員会の解雇無効の命令または裁判所の解雇無効の判決、身分保全等の仮処分決定があったときは、組合員資格について資格喪失前から継続して有するものとみなされています。  ところが、この原則に従わず、教職員とその家族を組合員証のない生活で脅かしている私学経営者がいることが大変危惧されます。こうした事例は現在どのくらいありますか。

辻村哲夫文部省大臣官房総務審議官

○政府委員(辻村哲夫君) 現時点で私ども私学共済組合を通して承知しております数といたしましては五法人十七名と承知しております。ただ、このうち一名につきましては近日中に教員資格が回復するという報告を受けております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 例えば松蔭学園の森弘子先生、きょう最高裁で解雇無効の判決が確定したそうです。この森先生、不当解雇されたのは一九八一年です。以来十四年余り健康保険がないそういう状態が続いてきたわけです。裁判というのはこれだけ長引きますから、ですから私学共済が、第一審判決で解雇無効あるいは地労委命令で解雇無効ということになれば、その時点で資格を回復させなければいけないと定めているんだと思うんですね。  私立学校といえども公的な教育機関としての社会的な責任を担っており、それゆえ私学助成も受けているんだと思うんです。私は私学助成というのはもっとふやすべきだと思うんですけれども、こういう悪徳な経営者によるルール違反は公共性を著しく欠きますし、また反社会的行為だと思うんですね。厳しい行政指導が当然だと思いますが、いかがでしょうか。

辻村哲夫文部省大臣官房総務審議官

○政府委員(辻村哲夫君) ただいま御指摘のとおり、裁判所の解雇無効の判決、あるいは身分保全の仮処分の決定等がなされました場合には、その身分につきましてさらに上級審で争われるというようなことがありましても、まず組合員資格を回復させるというふうになっております。先ほど先生が御指摘されたとおりでございます。しかし、そういうルールになっていながら学校法人の側が手続を行わないということで、今御指摘のような状態にある方々がおられるということは、私どもも大変に残念、遺憾なことというふうに考えております。  文部省といたしましては、これまでにも学校法人に対しまして所轄の県の知事部局あるいは私学共済、またケースによりましては直接私どもが学校法人の関係者に対しまして指導をするというようなことで問題解決に当たってきたわけでございますけれども、今後なお一層解決に向けまして努力を続けてまいりたいというふうに考えております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 きょうは、中学、高校の女子生徒の中で急速に蔓延しておりますテレクラを初めとした性暴力、そして被害について伺います。  まず、大臣に一言伺いたいんですが、テレクラは御存じでいらっしゃいましたか。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) 言葉を聞いたことはありますが、中身についてはちょっと、まことに勉強不足で。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 テレクラは電話で女の子とおしゃべりする機会を与えるというものですけれども、男性客の目的は、ほとんどが最終的には性的な関係を持つということにあるそうです。  警視庁の調査によりますと、その売春の代金というのは、孫ギャルと呼ばれる中学生の場合には五万から八万、それから子ギャルと言われる女子高校生の場合は四万から五万、そしてギャルという大学生の場合には三万円、主婦になると二万円というのが相場だそうです。  それで、足利警察署が集めた高校生の川柳がございます。ギャルたちの気持ちが大変よく語られているので、この川柳を読みたいと思います。「テレクラも 慣れてしまえば 大金持ち」、そうですね、八万円もらえば大金持ちになれます、「テレクラで 大金もらえば やめられない」、「テレクラで 金につられる 女子高生」というようなのがございます。  資料をお手元にお配りしてございますが、大臣のお手元に配ってございます資料の資料1は、これは「ツーショット・テレクラの「恐るべき自由恋愛」」、中学校一年生の少女が相手の二十六歳の男性に去年殺された事件でございます。  福島県の婦人相談員の方の報告によりますと、女子高校、これはいわき市ですが、一クラスで一人残らず全員がテレクラをやっていた事実もあったそうです。先ほどからずっといじめの問題が出ておりますけれども、今いじめの主流はカツアゲだそうです。男の子の場合には、ひったくりをしろとか、家からもらってこいということになります。架空のパーティー券を売れというようなこともあるそうですが、女の子の場合にはテレクラしてこいということで、いじめの蔓延がテレクラを誘発していると、こういったのも一つの事実でございます。  江東区の女性たちが調査をいたしました。五十二歳の高校教師は次のように言いました。「女子高校生の風俗は深刻です。テレクラでアルバイトをし、そのため麻薬に染まったり、性病にかかったりする」「教室の話りかけは力を失っています。」、これは先生の言葉でございます。  見ていただきたいと思いますが、(資料掲示一同じグループが二カ月間に自分の家のポストに投げ込まれたチラシをこうやって集めました。一番私どもがショックだと思いますのは、資料2というところに入れさせていただきましたけれども、「価格破壊」。要するに女性は物なのでございます。女性の価格なんです。それから、下にありますのが「テレフォンクラブ」。これは女の子たちがかけた場合はただでございます。そして大臣、こっちを見ていただけますか。ニカ月間でポストの中にこれだけ入っているわけです。そして、幼稚園や小学校一、二年生の子供が見ると、こういったものが何となくきれい。今、幼稚園や小学生の間ではやっているのはこれを集めることだそうです。  これは、たかがテレクラではございません。日本PTA全国協議会が全国の中学の二年生、三年生を対象に行った調査結果によりますと、テレクラとかこういった電話のダイヤルを経験した女子生徒は二七・〇%でございました。四人に一人ということです。中二、中三の総数はほぼ百五十万人、その二七%といいますと四十万人でございます。しかし、これは氷山の一角だと言う方もいらっしゃいます。実態は、本当のところはわかりません。しかし、このPTAの調査は三千九百人の子供たちを対象にしていますので、信憑性は高いと思います。それに対して親は、九三・九%の親が自分の子供はテレクラはしていないと思っていると答えています。  警察庁の報告によりますと、テレクラ等の被害者数は、これは福祉犯という場合ですが、平成五年の六百五十六人から平成六年の千二十二人へと急増しています。これも表を見ていただきたいと思います。資料5の図でございますけれども、この上の点線はテレクラ業者です。テレクラ業者の増加と、それから子供たちのこういった犯罪の、ここに書いてあるのは被害少年、これは少女が主ですけれども、子供たちの被害の増加です。全くテレクラ業者の増加と比例しているわけです。下を見ますと、こういった形で補導されたりする子供たちはもう小学生から始まっています。警察庁のこういった報告をまちますと、私たちは大変驚くのですけれども、福祉犯の補導というのは、女子生徒が去年九千二百二十九人に上った。これは大変な数字だというふうに思います。  アメリカの場合には、一九七四年に児童虐待防止法というのができましたし、刑法の百十条には子供に対する性的搾取と虐待を禁止する項目がございます。州によって異なりますが、十六歳から十八歳以下の子供たちに対しての性的搾取は、雇用主だろうとそれからそういった仲介者だろうと、そういった人はすべて罰せられることになっています。未成年者のポルノ写真の出版、あるいは人に渡したり、または受け取った場合でも罰せられます。しかし、今ごらんになったように、どこのおうちでも、北海道から沖縄まで例外なくこういったものが今や投げ込まれているわけです。日本は一体どういう国なのだと外国の方が見えておっしゃったそうです。  オーストラリアにしろ、ドイツ、フランス、イギリス、ニュージーランド、それから先進国だけではございません、タイ、スリランカ、フィリピンなどでも児童の権利条約、私たちは子どもの権利条約と言っておりますけれども、あらゆる性的搾取及び性的虐待から児童を保護すると決めています。それを受けて、こういった法改正あるいは新法が制定されています。特徴的なことは、ドイツやオーストラリアでは、自国のみならずよその国に対してでもそういうことを行った場合は罰せられるということが決められています。  私は、十年ほど前ですけれども、フィリピンに児童売春の取材で参りましたけれども、十歳、十一歳の子供たちが、愛しているとか、それからあなたきれいねとか、お金はないよとか、そういう日本語だけを私に語りかけました。どういう人が行って、どういうことがあったかということは一目瞭然でございます。  それはフィリピンのことでした。しかし、それから十年たって、それは大変にアジアの国に対して私は何ともつらい気持ちで帰ってまいりましたけれども、今度は自分の国でそういうことが蔓延している。何とも恐ろしいことだと思っております。  昨年、北京の世界女性会議で採択された行動綱領には、身体的・精神的・性的虐待から少女を守るために、適切な立法、行政、社会的及び教育的措置を講ずることというのが定められております。もちろん、日本はこの行動綱領を採択いたしました。  こういったテレクラというのは、文部省の担当課の方にお越しいただいていろいろお話を伺ったんですが、調査も行われていない。いや、これは学校の問題よりはむしろ家庭の問題なんじゃないかというお話だったんですけれども、余りにも数が多うございます。子供たちに自分の心と体を大事にすることがどんなに大事で、そのダイヤルに手をやることが暴力団のわなに陥る可能性もあるのだということをきちっと教えることが学校以外のどこでできますか。できません、全部の家庭でそういうことを。親も知らないことなんです。私も存じませんでした。文部大臣も余りよく知らなかったと正直にお答えくださった。これは、やはり実態を調べることが何より私は大事だと思います。  きょうは警察庁にもお越しいただいていると思いますけれども、強盗ですとか恐喝といった犯罪を誘発するおそれもございますし、暴力団がもう既に介入しているということは言われております。今後、どのような調査をしていただけるか、お答えいただけますでしょうが。

宮本和夫警察庁生活安全局少年課長

○説明員(宮本和夫君) テレクラ営業に関連いたします女子少年の被害の実態の急増は大変憂慮すべき事態だと考えておりまして、さらに取り締まりを徹底してまいる所存でございますが、こういった取り締まりを通じまして、その取り締まり内容の分析を通じ、またいろいろな全国的な観点からの意識調査、こういったものを進めまして、またさらに取り締まりの徹底を進めてまいりたいと考えております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 次に、厚生省に伺いますけれども、こうした子供たちの売春はエイズの蔓延あるいは望まない妊娠あるいは性感染症など子供たちの心と体をむしばむ、これはもうはかり知れないものだと思います。厚生省としては、児童機関、児童委員あるいは婦人相談員などを通してどのような対策を練っていただけますでしょうか。

粥川正敏厚生省児童家庭局企画課長

○説明員(粥川正敏君) いわゆるテレクラの問題は、児童福祉の観点からも大きな問題であると考えております。  このため、児童福祉に第一線で携わっている児童相談所、児童委員、福祉事務所、婦人相談員等がこれについて実態をどのように把握しているのか、またこれをどのように認識しているかということについて調査をしていきたいと思っております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 ありがとうございました。  あと、郵政省にもお答えいただきたいんですが、郵政省は大変複雑でございます。  ツーショットのもととなった〇九九〇で始まるダイヤルQ2というのがあるそうですが、これをテレクラ業者が使って、そして大変な収益を上げている。男の子は月に十五万円もNTTから請求書が来るということでございます。それから伝言ファクスというのもあるんですね。それから電話もございます。それからインターネット。これは欧米ではもう相当禁止されていますが、そこに幼児のわいせつなホームページをやることについて、警視庁はもう摘発していらっしゃいますが、郵政省としてどう規制なさるか。  この点、長くなると困るので、後で文書でいただきたいと思いますので、短くお答えいただけますか。

桜井俊郵政省電気通信局電気通信事業部業務課長

○説明員(桜井俊君) 御指摘のダイヤルQ2サービスでございますが、郵政省といたしましても重大な関心を持って従来よりNTTを指導してきております。  具体的に一例を申し上げますと、いわゆるツーショット型という不特定の利用者間の会話をつなぐというダイヤルQ2サービスにつきましては、新規受け付けを平成三年六月から中止いたしております。そのほか、大人向け番組に対しまして、事前の申し込み制を導入するといった措置も講じているということでございます。  郵政省といたしましても、今後ともこういったメディアが有用に活用される、健全に活用されるという方向を目指して適切に対処してまいりたいというふうに思っております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 郵政省に特にお願いしたいのは、女性が専ら性的な対象として描かれて、しかも商業的に利用される傾向が非常に強うございます。こういった環境が、こういった子供たちが、このような遊びなのか、最初は好奇心なのかもしれませんが、それが高じて売春、そして殺人に至るというようなことにまでなる可能性もございます。諸外国に見られないほど日本は野放しになっているということで、女性の人権がこういった点から侵されているというふうに私どもは考えておりますので、その点もよろしくお願いいたします。  総務庁いらっしゃっていますね。法務省もいらっしゃいますね。先に法務省に伺います。  法務省にはぜひとも、外国の例をいろいろ申し上げましたけれども、子供の性的被害、そして性犯罪を守る外国の法律について十分調査して、後日で結構ですから御報告いだだきたいと思います。よろしくお願いいたします。よろしいですね。

渡邉一弘法務省刑事局刑事法制課長

○説明員(渡邉一弘君) 我々の方でも、外国の法制等についてはそれぞれ集めておりますが、さらにいろいろ集めまして、御要望があればおこたえしたいと思っております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 総務庁は、こういう問題については今までも一番努力していらっしゃったと思いますけれども、今ずっと伺いましてももうゆゆしき問題なんです。しかし、行政の谷間と申しますか、それから法の網の目からこれは落ちるようなこと、しかも余り大人の目に触れないところでどんどん広がっていっている。それはもう今の警察の資料で十分おわかりいただけたと思うんですね。  総務庁にお願いしたいのは、こうした少女を守るために関係の各省庁間で十分に連絡をとっていただいて、総務庁を中心としてどのような予防的な措置がとれるか、その対策を至急まとめていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

得能英夫総務庁青少年対策本部参事官

○説明員(得能英夫君) 少女がテレクラ等を介して性的被害を受けるという事例が最近非常にふえておるということにつきましては、我々としても大きな問題であるというふうに認識しておりまして、昨年十一月にも非行等問題行動対策関係省庁連絡会議を開きまして、これは警察、文部、厚生等関係八省庁十三の課長レベルが構成メンバーでありますけれども、これにおいてこの問題を取り上げました。それらの中で、一つは……

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 短くお願いします。

得能英夫総務庁青少年対策本部参事官

○説明員(得能英夫君) わかりました。  それも、条例等でそういうものについて子供たちが被害を受けないようにすると同時に、子供自身がそういうようなことに安易に走ることがないよう検討していく必要があるだろうというふうに問題提起したわけでありますけれども、今後とも本連絡会議におきまして、どのようなことができるのかということについて前向きに検討してまいりたいと思っております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 いろいろ具体的な対策が必要だと思います。  岐阜県では条例を改正しました。その結果、業者は愛知県に流れているそうです。福岡でも条例を変えました。これは、例えば未成年者に対してのポルノ、これは禁止する必要があると私は感じております。それから岐阜では、未成年者のテレクラの利用禁止とか、それからテレクラ業者の営業内容の規制、あるいはその営業地域、学校の近くはいけないとか、そういうこともやっています。  こういったことを各地方自治体はやっているんですけれども、やはり国のレベルでやらなければならないことは各省庁も本当に真剣に取り組んでいただきたい。文部大臣にくれぐれもお願い申し上げたいと思うのは、女性の商品化、これは女を人間としてではなく物扱いしているということだと思います。  テレクラの特徴というのは、大人の男が加害者で、未成年の少女が被害者だということ。男の方が経済力を持っていて、被害者の子供たちはお金が欲しい、その弱みにつけ込んでいること。それから、相手の男は体力があって、少女たちはそれでいろいろ強制されたり、暴行されたり、暴力を振るわれたりすることがあるということなんです。  私は、また川柳で子供たちの言い分を代弁したいと思うんですけれども、「テレクラも 最初の一回 病みつきに」、「テレクラは お金と体の交換こ」、「テレクラで 遊ぶつもりが 遊ばれて」、「テレクラで 出た相手びっくり お父さん」、これは本当につらいことでございます。  テレクラは、こういう意味で申しますと、子供は大人の鏡だとしましたら、私たち大人の社会を映しているのではないでしょうか。日本は経済的には豊かになりました。しかし、余りにもこれでは男性と女性の関係が貧しゅうございます。心が貧しゅうございます。  そのことを考えたならば、私は、大臣がいじめのために緊急にということをきょうは何度もおっしゃってくださいましたが、緊急の対策措置をおっしゃった。とすれば、同時にこれは文部省としては可及的速やかに対策をとっていただきたい。子供たちは待っていません。きょうもあしたもこういうことが日本じゅうで起こっていて、その子供たちが妊娠したり、エイズになったり、いろいろ心を病み、体を病むことになるわけです。  そういうことの可能性への道というのは、子供たちにきちんと、どんなに女の子は自分の心と体を大事にしなければいけないのか、男の子は相手の女の子の人格と尊厳を持ってつき合わなければいけないのかということを学校できちんと教えていただきたい。そして、最初は遊びのつもりが、生涯を間違えるようなことになりかねないんだということを子供たちに教える場は学校以外にございません。  PTAの数字がある以上、大臣、これは何としても調査もしていただきとうございます。遠山局長は文部省で調べるのは難しいと。確かに難しいです。しかし、先ほどから問題になっている養護教員の先生たちは御存じかもしれない。としたら、養護教員にそういう事例があるとしたら報告してくれということぐらいはやっていただいていいんじゃないでしょうか。そして、御存じの先生もあるかもしれない。いじめと同じなんです。犠牲が出てから、子供が殺されてからでは遅いのでございます。予防ができるのは警察ではございません。学校であり家庭であると思います。  大臣、最後に御決意のほどを伺いとうございます。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) いじめを最優先として取り組んできましたが、今るる先生から話を聞きまして、新たな大変難しい課題が出てきたなと、率直にそんな感じを持っております。  しかしながら、大事なかわいい少女が人権を無視されて単なる商品化されておるということは、これはもう絶対にあってはならぬことでありますし、ましてや文部省としてはそういうことは一切看過することはできないと思います。  したがって、できるだけの、これは文部省だけでなしに、どうなっているのと、教育委員会をもひとつ通じて実態把握に努めてもらって、そして的確な対応策を考えてみたい。もうそれはただ調査だけに終わらせない、実行に移すということもお約束したいと思います。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 どうもありがとうございました。

江本孟紀自由連合

○江本孟紀君 大臣、最後の質問で、よろしくお願いします。  私は、参議院議員になって三年半余りになりますけれども、大臣がこれで五人目であります。その都度所信表明の中で注目するところは、スポーツにどの程度関心がおありかというところでありますけれども、今まで私が見た所信表明の中では、今回、奥田大臣は、所信表明の中の五つの課題のうち三番目がスポーツの振興ということで、非常に高い位置に置いていただいて、大変スポーツに関心がおありというふうに感じました。  過去の分については、森山先生もいらっしゃるので、きょうは言わないようにしておきますけれども、そういったところでスポーツに対する問題について少しお聞きしたいと思います。  スポーツ振興といっても、実際にはスポーツ振興をするためには財源の問題もあります。それから中身そのもの、スポーツそのものにもいろんな問題もあります。  例えば、一つは、朝、釜本さんかどなたかからもお話がありましたように、スポーツの振興をする上で大事な部分としては、例えば社会体育指導員制度などというのを文部省がやられておられまして、これなんかもきちっとその指導員の方の身分を保障するとか、そういった形で活動していただけるような、そういう環境整備といいますか、そういったものをきちんとしなきゃいけません。  しかしスポーツの中には、野球のように一番数の多いスポーツ、やられている人も見る人も多いスポーツなんですけれども、この野球なんかは、御存じと思いますけれども、実は社会体育指導員制度を取り入れられないわけですね。これは何でできないかというと、プロとアマがきちっと連携をとっていないというようなことで、社会体育指導員制度などというのはできないわけですね。だから、この辺の問題もあります。  例えば今度、毎度聞くようで申しわけないですけれども、恐らく春の選抜に大臣が始球式に出られると思いますけれども、その背景には、プロスポーツ出身者が唯一高校生に教えられないのは野球だけであると。これは御存じでしたか、多分御存じないと思いますけれども。毎回ここで言わせていただいているんですけれども、そういった実態もあります。そうすると、社会体育指導員制度などというのはできないわけですね。プロ野球とアマチュアとの断絶ということがあります。そういった背景も当然あるということをわかっていただければ幸いだと思います。  そういったものも含めて、スポーツの難しさ、団体の難しさ、それからそれを含めたスポーツ振興をどうやってしていくかというような中で、一つは財源の問題があると思います。財源ということに関して本当はいろいろやりたかったんですけれども、こういったことについてもいろいろ知恵を絞って考えていただきたい。  それで、私は、スポーツは簡単に振興すればいいんだというような問題ではなくて、問題が余りにも大き過ぎる。例えば、先ほどワールドカップの招致というような話もありましたけれども、これも本当に、先ほど大臣は国民的要望だと言われましたけれども、実は野球界は反対するんですよ、決して来てくださいとは言ってないわけです。私は、野球界で非常につらい立場におるんです、ワールドカップ招致の委員会におりますので。  そういったものを全部含めてもっとスポーツが素直に受け入れられるというような環境ができるためには、私は、体育局が今いろんなスポーツ行政にかかわっておられますけれども、ここでスポーツ省とかスポーツ庁とか、そういった独立した役所といいますか、そういったものをつくって、ひとつまとまってスポーツ振興にかかわっていただきたいなと、そういうふうに個人的にも思うわけです。  ここで、大臣にスポーツ振興に対する考え方と、そして今言いましたスポーツ省だとか庁だとかというような独立したそういう機関をつくれるかどうか、そういうお考えがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) スポーツに先生がかけておられる情熱というのは今よく拝聴いたしました。  私も、実は地元が京都でございますが、昭和六十三年に二回目の国民体育大会を京都でやっていただきまして、競技とかそのような施設の整備に十年間かかったわけでありますけれども、あれから非常に地元のスポーツに対する熱意もそれからレベルも上がりまして、何か明るくなったような感じで、やっぱりスポーツはいいな、大事だなと、今なおそういう感じを持ち続けておるわけであります。  文部省としましても、先生おっしゃるとおりの施設の整備、それから今は指導員の制度のことをおっしゃいましたけれども、そういう地域に張りついておる指導員も充実してまいる必要があると思います。  私のところの場合には、こういう指導員の方が毎年音頭を取って、小学校の運動会が終わりますと、今度はもう老いも若きもみんなグラウンドに集まって、そして区民ぐるみのいろいろ綱引きを初め、まり投げや何かをやるわけですけれども、それの采配は全部体育指導員に御苦労いただいているわけでございまして、全国的にそういう活動を広げていっていただきたいというように思っておるところです。  ただ、スポーツ省とかスポーツ庁とかいう御提言がございましたけれども、先ほど来申しておりますように、今とにかく中央においても地方においても行革、行政組織のリストラムードの中でございますから、そこまで踏み込んでということはちょっと考えていないということは、申しわけありませんけれども御理解賜りたいと思います。

江本孟紀自由連合

○江本孟紀君 外国のようにクラブスポーツといいますか、大臣がやられた剣道なんというのは日本が一番最初にクラブスポーツを始めた、町の人が子供に教えるというようなそういうすばらしい仕組みがあったわけですけれども、いつの間にか学校体育というスポーツでやるようになったものです。  「体育」という字は、私は辞書で調べましたら、余り学がないのですぐ調べるんですけれども一「健全な身体の発達を促し、運動能力を養うことを目的とする教育」と書いてあるんですよ。これだけじゃスポーツを全部把握はできないと思うんですね。だから、そういったクラブスポーツ的なものが日本では育たない土壌にあるわけですから、役所という言い方をするから変なんですけれども、できたらそういった一つのまとまったものがあって、それを推進していくような仕組みというのが私は必要じゃないかなと。変にスポーツ省とか庁と言うと大げさになりますけれども、今の体協ではできない部分もあるわけです、先ほど申しましたように野球なんかは全く別組織でやっておりますので。そういった実態を御理解いただければと思います。  次の質問をさせていただきますけれども、これはいじめの問題です。  きょうもずっといじめの問題が皆さんから出されておるんですけれども、昨年の十二月十四日に本委員会で、いじめの問題についてそのときにも質疑が行われました。そのときに私たちもいろんな話をここで出してやったんですけれども、その後一月もしないうちにまた首つり自殺があったというようなことで、考えてみたら、ここでこんな話をしても結局これは一緒かなというふうな非常にむなしさをそのときも覚えたんですけれども、それだけではいけません。とにかく言い続けなきゃいかぬということで私なりの意見をまたここで述べさせていただきたいと思うんです。  いじめの問題は、先ほどからもずっと出ておりますけれども、対策をもうとらなきゃいけない、分析やその他は、それはそれでいいんですけれども。この前私が提案したのは、とにかく今すぐやらなきゃいけないことをやるべきだということで、例えば元警察官だとか婦人警察官だとかという人を学校の中に相談員として置いたらどうかというような御提案をいたしました、そのときも。しかし、そのとき遠山さんから、校長のリーダーシップのもとに全教職員が一致協力した体制を確立して取り組む問題であり、御指摘のような形で教員以外の専門家を学校で採用することは適当でないというふうに御答弁されました。それから井上さんは、公立学校の管理責任は各教育委員会にあります、学校で教育的配慮のもと問題の解決を図りたいというふうなお答えをいただきました。  しかし、現実は、最近、週刊誌やその他でもいろいろ出ている中に、学校とか教育委員会とかそういった中ではもう対処できない。それはひいては、文部省がいろんなことをやってもいじめの問題はもう解決できないんじゃないか。もうバンザイして、学校の先生もいじめの問題は私たちじゃ無理だというふうに言っているケースが非常に多いんじゃないか。私も確かにそう思うんですよ。今もう任せても恐らく何をしていいかわからないと、学校の中では。先ほどもどなたかの先生が、その実態といいますか、そういったお話をされていましたけれども、それはもうずっと続いているんですよ。  私がこの前も提案したのは、これはもう子供は要するにいじめという範疇を物すごく拡大して考えておるわけですね。だから、犯罪行為なのか単なるいたずらなのかというところをもっと明確に今出すべきだというようなことを私はそのときも言いましたけれども、例えばその中で、前の島村文部大臣にお聞きしたときは、少年法があるから子供は犯罪に問われないんだというようなことをそのときに言われましたけれども、そんなのはもう子供の方が知っているんですよ。  だから、この前も、おいおまえ、金持ってこいと言えばこれは恐喝罪だと。おまえ死ねよと言ったらこれは自殺強要罪だと。それからみんなでぼかっと殴ったら集団暴行罪だと。これは犯罪だ、犯罪は犯してはいけないと。小学生であろうと中学生であろうとだれであろうと犯罪や暴力を犯してはいけないというふうに、しかしやったら処罰するぞというものをやるべきであって、それを少年法で守られているとか少年法があるからできないんだというところにこのいじめの一つの問題があると思うんですよ。  だから、犯罪行為は徹底して処罰するぞという、即対応できるようなものをぶつけるということと、それから、先ほどのまた話に返りますけれども、そういった外部の、警察の制服を着ていると相談しにくいけれども、退職していいおじいちゃんになっているとかいいおばあちゃんになっているという人が学校の保健体育室かどこかその横にいて、いつでも相談においでよというようなシステムがあればそこへ相談に行く。そうすると、その人たちは警察とはつながっていますから、まあつながっているという言い方はおかしいけれども、相談がしやすい。  そういう人たちにある程度任せるようにしたらどうかという意見を、これは同じことをまた言っているようなんですけれども、私はもうそういう方法で即対処できるような形でいじめ問題を考えていかないと、原因がこうであるとか、こういうふうにいいことをしたんだとかああしたんだとかと言っても、これを幾ら分析してももう分析はいいと思うんですよ。もう十分されています、今まで。だけれども、何をしたらそれがとまるかということを一番考えなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、この辺に関して大臣はどういうふうに思われるかということです。よろしくお願いします。

奥田幹生自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥田幹生君) かなり具体的な御提言をいただいたわけでありますが、仮に中学校なら中学校に警察官に来ていただくということになりますと、これは先生にいじめ解消のあるいは指導の能力なしと否定することになりますよね。私はそれはどうかなと。  例えば、実際恥ずかしい話、私のところの京都であった話です、中学校で。育友会の役員さんに聞きますと、体のごつい言葉の荒っぽい男子生徒が、次々登校してくる生徒に校門を入ったところで、ちょっとおまえここからどれだけ跳べるか跳んでみいと跳ばしょる。それで、チャリーンと音がすると、おっ、金持ってるな、金出せと、これをやったんですよね。  それで、学校の先生に通知をして御存じですかと。はあっというような気の長い返事。これはだめだということで教育委員会に連絡をして、その方に非常に強力に指導する指導主事二人に行ってもらって、指導主事にその現地の学校の先生にもっと積極的に腰を上げて指導しなさいと指導してもらって、一月半ほど教育委員会を離れてその学校に指導主事に常駐してもらった。そうしましたら、すうっと引いてしまいましたですよね。  やっぱり私は、先生がその気になっていただければ、指導主事がその気になっていただければ、解消できると思うんですよ。だから、どの程度そういう学校に教育委員会なり学校の校長さんなり教頭さんが本気で取り組んでいただけるか、これにかかっていると思います。それが一つ。  それから、スポーツの施設を冒頭におっしゃいましたが、なかなかこれは金のかかることで、あるいはまた場所がございません。ふだん私が思っておりますのは、大きな河川敷、草が生えたままのところがありますよね。大水が出ましたときにはこれはいたし方ありませんけれども、それ以外のところはああいう広い河川敷をもっともっと活用する方法はないものかなと。河川管理者とそれから都道府県の教委が十分に連絡をとり合えばもう少し活用していける用地が確保できるんじゃなかろうかなと思っております。

江本孟紀自由連合

○江本孟紀君 施設の方は質問していなかったんですけれども、まあ同じようなものですからいいんです。  いじめの問題は、大臣が言われたように、指導される方が来て、そしてやるとうまくいくということですけれども、私は、警察がいきなりということじゃなくて、そういった人たちをもっと外部から採用して、先生のやる仕事を楽にさせてやった方がいいんじゃないかと。  確かに、行革の折に、きょうはふやす話ばかりで申しわけないですけれども、ほかの減らせるものを減らしてこういう大事なところに金を使うというようなことでいえば、これは私はぜひ、スポーツの例えば野球の監督やコーチにしても、それからサッカーにしても何にしても、中学校、高校でもそうですけれども、外部からもっといろんな人を呼んで、学校が学校の中だけになっていなくて、非常に地域との密着した空気というものがあればいじめの問題も少しは解決してくるんじゃないか。そういう意味で、余り学校の中学校の中、教育委員会だけで教育委員会だけでというふうに言わない方がいいんじゃないかと思うんですね。  例えば北海道あたりでも、あれは教育庁ですか、高校の校長さんが裏金をつくって、一生懸命そういう何か大変な空出張でいろいろ頭を悩めたというようなことをやっているようでは、なかなかそういったところまで手が回らないんじゃないかという気もするので、そういうことを言われないためにも、私はもうとにかく今のいじめの問題を解決するには外部の人と一緒になってやらないとできない、もちろん親とかもありますけれども、ぜひそれをお願いしたいと思います。  そういうことで、私はちょっと時間が早いんですけれども、これで終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

小野清子自由民主党・自由国民会議

○委員長(小野清子君) 本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会      —————・—————

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