逓信委員会 第8号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1996/05/07
会議録
○委員長(及川一夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に松前達郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(及川一夫君) 去る一日、予算委員会から、本日午後の半日間、平成八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、郵政省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 —————————————
○委員長(及川一夫君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本件審査のため、本日の委員会に日本電信電話株式会社常務取締役公衆電話営業部長早田利雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(及川一夫君) それでは、郵政省所管予算について郵政大臣から説明を聴取いたします。日野郵政大臣。
○国務大臣(日野市朗君) 委員の皆様には、平素から郵政行政の運営につきまして格別の御指導をいただき、心から御礼申し上げます。 当省所管各会計の平成八年度予算案につきまして御説明申し上げます。 最初に、一般会計であります。歳出予定額は六百三十二億円で、平成七年度当初予算額に対し百二十九億円の増加となっております。 以下、重要施策につきまして御説明申し上げます。 まず、新産業創出と豊かな国民生活の実現に資する情報通信基盤の重要な柱である加入者系光ファイバー網の全国的な整備を促進するため、特別融資制度を抜本的に拡充することとしております。 また、我が国経済社会全体の情報通信利用高度化の起爆剤として、医療、教育等の公共分野における先導的なアプリケーションの開発、提供を行う自治体への支援を強化するとともに、新規事業を創出し、経済フロンティアの拡大への貢献が期待される情報通信ビジネスの振興を図ることとしております。 さらに、欧米技術への依存体質から脱却し、我が国みずから独創的な技術を生み出すことにより、経済フロンティアの拡大と知的資産の充実を図るため、情報通信の基礎的、汎用的技術の研究開発を推進するとともに、産学官連携型の情報通信研究開発体制を強化するため、委託研究制度を創設し、また公募による研究開発の推進を図ることとしております。 また、マルチメディア時代の情報通信サービスが、過疎地、離島等においても格差なく利用できるような情報通信基盤を構築するため、沖縄県南・北大東地区テレビ放送難視聴解消事業等の電気通信格差是正事業を推進することとしております。また、昨今の無線局の急増による周波数の逼迫状況にかんがみ、電波利用料の使途を拡大し、だれもが混信、ふくそうなく安心して電波を利用できる環境の一層の整備を推進することとしております。 国際面では、緊密な国際協調体制のもとで、持続的な世界経済の成長と雇用の拡大を図り、世界的にバランスのとれた情報通信基盤整備に貢献するため、国際共同プロジェクトへの取り組みをさらに強化するとともに、開発途上国への国際協力等を推進することとしております。 次に、郵政事業特別会計であります。歳入歳出予定額はともに七兆六千三百三十億円で、平成七年度当初予算額に対し二千七百十二億円の増加となっております。なお、業務外収入・支出分を除きますと、歳入歳出とも予定額は四兆八千六十四億円で、平成七年度当初予算額に対し九百六十四億円の増加となっております。 以下、郵政事業の重要施策について御説明申し上げます。 まず、安心して暮らせる社会づくりに貢献するため、要介護者に対する定期郵便貯金の金利の優遇等の実施、夫婦年金保険の改善、小包郵便物等のサービス改善などを行うこととしております。 また、マルチメディアを積極的に郵政事業に取り入れ、郵政事業の情報化を推進するため、インターネット等による郵便情報提供サービスなどを実施することとしております。 さらに、郵便局を活用した災害情報提供等の実験、災害ボランティア口座の創設などにより、地域社会の一層の活性化に資するとともに、地域の情報拠点としての役割を果たすこととしております。 国際面では、開発途上国への郵政事業整備に対する支援などを通じて、国際化の進展へ積極的に対応するとともに、国際社会への貢献を図ることとしております。 また、経済社会の変化に対応するため、郵政短時間職員の全国拡大、新郵便番号制及びバーコードによる情報機械化の推進などにより、郵政事業サービスの向上と経営の効率化を推進するとともに、災害に強い事業運営基盤の充実を図ることとしております。 次に、郵便貯金特別会計でありますが、一般勘定の歳入予定額は十三兆八千七十三億円で、平成七年度当初予算額に対し四千九百八十七億円の増加、歳出予定額は九兆九千四百十億円で、平成七年度当初予算額に対し二千百二十四億円の減少となっております。 また、金融自由化対策特別勘定の歳入予定額は六兆八千十一億円で、平成七年度当初予算額に対し一千六百二十八億円の増加となっており、歳出予定額は六兆七千九百五十八億円で、平成七年度当初予算額に対し一千六百十八億円の増加となっております。 最後に簡易生命保険特別会計でありますが、歳入予定額は十九兆七千八百二十六億円で、平成七年度当初予算額に対し五千九十三億円の増加、歳出予定額は十三兆四千六百三億円で、平成七年度当初予算額に対し一兆二千九十七億円の増加となっております。 以上が郵政省所管各会計の平成八年度予算案の概略であります。 御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○委員長(及川一夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡利定君 自由民主党の岡利定でございます。 きょうは予算の委嘱審査ということでございますので、私からは基本的には平成八年度の郵政事業の全般的なことについてお伺いしたいと思っておりますが、そのさきに、連休前に新聞などで報ぜられました郵政省関係の、特に電気通信行政関係で大きな話題があったものですから、この辺について二つほどお伺いいたします。 まず最初は、WTO、世界貿易機構の電気通信交渉の関係であります。 郵政省は、この電気通信交渉を取りまとめるために従来からも大変努力されてきておりますし、特に四月中旬の神戸における四極通商会議等の場で積極的に努力されたというように伺っております。しかし、五月一日のニュースによりますと、結局、交渉期限の四月三十日までに決着を見ることができず、合意期間を来年の二月十五日まで延期するというようなことで、いわゆる継続交渉になったということが報ぜられておるわけでございます。 五月一日の日経新聞の朝刊を見ますと、米国が次々と難題を持ち出し、収拾のつかない状況に追い込まれたと理由を書いておりましたが、電気通信交渉に当たられました郵政省から、交渉の実情、今後の見通し、さらに日本としての立場及び対応についてお伺いしたいと思います。
○説明員(内海善雄君) 先生お尋ねのウルグアイ・ラウンドの積み残し案件としての電気通信交渉でございましたけれども、御承知のとおり、交渉の最終段階になりまして、今までアメリカが自由化を約束しておりました衛星通信サービス、それから国際通信サービスにつきまして、その自由化をいわば撤回するような案を出してきました。 本交渉は、この二年間、各国が非常に精力的にやりまして、各国発展段階に応じました大体の自由化案というのを提出しておりましたので、ほぼまとまるような雰囲気でジュネーブへ参ったわけです。そういう中で、最終段階でアメリカが今まで約束していました自由化案を急速撤回するような案を出したものですから、各国とも大変慌て、あきれたというような状況でございます。 そういう中で、EUの各国が最終案をつくるべく閣僚会議を開いたんですけれども、そういうようなアメリカの提案に対してはとてものむことができないということで、EU各国も新たな自由化案を出すことができず、結局そのままの状況になった。そして、WTOの事務局長から仲裁案といいますか、そういうようなものが出まして、とりあえず各国がテーブルに出しております自由化案をそのまま凍結して、来年の二月十五日まで交渉を延期しようというような状況になったわけでございます。 我が国といたしましては、この分野の国際的な自由化というのは非常に重要な面があるという認識のもとに、できるだけの積極的な努力をしまして取り進めていたところでしたが、こういうような状況になって非常に残念であると思います。幸いにしてアメリカ以外の国、あるいはアメリカもごく一部の意見だと思いますが、全体としてはやはりこういうような自由化を取り進めなきゃいかぬという気持ちがまだ残っておりますので、今から一年足らずでございますけれども、さらに継続して積極的に各国の協力を取りつけていきたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○岡利定君 大変御苦労さまでございます。いずれにしても、電気通信の分野というのは二十一世紀のリーディング産業だと言われておるわけでありまして、それだけに各国もいろんな思惑があって大変だと思います。当然のことながら、日本としても国益を守るということは当然でありますけれども、あわせて日本がこの交渉をまとめるために大きな貢献をしていただきたいなと思っておるところでございます。 もう一点の方はNTTの接続ルールの関係でございます。 郵政大臣は、四月二十五日にいわゆるNTTの地域通信網と他の電気通信事業者との相互接続のあり方の基本ルールについて電気通信審議会に諮問をされたというように報ぜられております。接続ルールの策定というのは、電気通信事業者間の公正、有効な競争を確保する上で大変重要な政策課題であるわけでございます。いわゆる接続ルールの策定に関する郵政省の考え方、電通審の審議の進め方等について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生からお話のございましたとおり、四月二十五日にいわゆる接続についての基本ルールの策定ということで郵政大臣から電気通信審議会に諮問をさせていただきました。 申し上げるまでもないことかと思いますが、日本の通信のネットワーク構造、あるいは市場構造と申し上げました方がよろしいかと思いますが、例えばここから大阪に電話をいたします際にも、地域網のネットワークは必ずNTTのネットワークによるというのが原則でございます。通信が大阪に着くまでの間の長距離部門は新規事業者あるいはNTTの通信に乗るとしましても、大阪に入りましたらまたそこは地域通信ネットワークに乗らなければならない。NTTのネットワークに乗らなければならないという意味では両足回りは、地域通信網は独占、これを称してボトルネック独占と言われていますが、そういう意味では必ず接続をしてネットワークが構築されているのが現状でございます。そういう意味では、この接続が円滑にいくということが競争政策を促進して、国民の皆さんがなるたけ安い料金で多彩なサービスを受ける前提になっているということでございます。 一方、現行制度はどうかということでございますが、現行制度はこの接続につきましては新規事業者の方とNTTが自主的に協議をする、そして接続するかしないかというところもその協議で決まる。その条件についてももちろん協議でございます。これが整わない場合に、どちらかの当事者から申請がありますと、郵政大臣がそれについての命令を出すということがございます。こういう制度の中で過去の実績を見ますと、例えばフレームリレーサービスとか、あるいは仮想専用網、VPNと言っていますが、こういったことにつきまして協議がうまく整わなくて、結局五年もかかりました結果、郵政大臣が接続命令を出すというような事態がございました。 こういったことも受けまして、先般、三月二十九日に閣議決定されました規制緩和推進計画におきまして、接続をまず義務化する、競争の前提として必ず接続をさせるということを義務化するとか一あるいは接続の条件というのは約款にして世の中にオープンにしておく、そうなると新規の事業者の方々は接続はしてもらえるということと、もう一つは幾らで参入できるかということが事前にわかって事業もくろみが立ちやすいというようなことで、この規制緩和推進計画の中で接続の基本的なルールにつきましては、その策定を平成八年中に内容を決定するというふうに閣議でも決められているところでございます。 これを受けまして、先ほど先生からお話のありましたように、四月二十五日に大臣が諮問をさせていただきまして、審議会の中に接続の円滑化に関する特別部会というのが設置されました。今後、その部会を中心に接続についてのあり方につきましての審議がなされるということで、年内に答申をおまとめいただける予定になっております。 私どもとしましては、このような審議会の審議状況を踏まえまして、先ほど申し上げました閣議決定であります規制緩和推進計画に沿って年内に接続の基本的ルールの具体的内容を決定いたしまして、電気通信事業法の改正など所要の措置をとるようにいたしたいというふうに考えているところでございます。
○岡利定君 今の局長の御答弁のように、単に通信事業者間の問題だけでなくて、電気通信料金に直接かかわることで利用者にとっても大変重要な問題であるわけです。そういう意味で、日程的にも厳しいかもわかりませんが、しっかり取り組んでいただきたいとお願いいたしておきます。 それで、郵政三事業関係について、まず郵便についてお伺いいたします。 郵便事業は、バブル崩壊の後、深刻な不景気の影響や民間との競争の激化などで郵便物数が落ち込んだり、あるいは収支の悪化が続くというような状況があって、平成五年度には累積赤字が一千二億円になった。平成六年の一月の料金改定もあって、かなり状況は改善されたというように聞いておりますけれども、現在の郵便事業の状況についてどうなっているか、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(加藤豊太郎君) お尋ねの郵便事業の現況でございますが、平成七年度の状況につきまして御説明申し上げたいと思います。 まず、物数についてでありますけれども、平成七年度の総引受郵便物は、まだ速報値でありますけれども、はがきだとか小包等の堅調な伸びによりまして、おおむね前年比三・一%増の二百四十七億八千六百万通程度になる見込みでございます。この物数は、七年度予算上見込んでおりましたところの伸び率二・一%を一ポイントほど上回るとともに、過去最高の平成五年度の総引受物数を約三億通程度上回る見込みでございます。 このように、郵便物数が当初見込みを大幅に上回った要因としましては、数次にわたり、料金割引の拡充だとか利便性の向上を図るためにサービスの改善を実施したこと、それから職員の積極的な営業努力が実ったものというふうに考えておるところでございます。 一方、収支の状況についてでありますけれども、平成七年度の郵便事業損益は、予算上単年度五百五十九億、累積で七百四億程度の黒字を計上しておったところでございます。その結果でありますけれども、収益につきましては、その大部分を占めますところの郵便業務収入が予算額対前年比一・九%というふうに予想していたわけでありますけれども、対前年比二・〇%増の二兆一千六十五億となりまして、平成三年以来四年ぶりに予算額を上回ったところでございます。 一方、費用につきましては現在取りまとめ中でございますけれども、年当初から集配運送費等の効率的使用を初めとしまして懸命な経費の節減をしてまいりました。その結果、予算に予定していた額をかなり下回るものと推測しております。 以上から、損益の黒字額は予算で予定していたところの単年度五百五十九億を大きく上回るものと考えております。 平成八年度についてでありますけれども、一層の郵便サービスの改善や積極的な営業活動などを展開いたしまして増収を図るとともに、各種の効率化、合理化施策を推進して経費の節減に努めまして、予算に計上しておりますところの単年度四百九十二億円の黒字の実現に向けてさらに努力をしていきたいというふうに考えております。
○岡利定君 前にも話したこともあるかもわかりませんけれども、郵政三事業を通貨で例えますと、貯金、保険はいわば円、マルクである、郵便は基軸通貨であるドルの立場にあるということが言われておるわけです。ドルがしっかりしないと世界の通貨も大変混乱をすると同じように、まず基本は郵便をしっかりやってくださることが三事業の健全経営にも通ずるんだ、うまく言った人があるんだなと思って、これは私が考えたことじゃなくて聞いた話ですのであれですが、今の郵務局長のお話、経営が改善されてきておるというのは本当にいいことだなと思って、皆さんの努力に感謝したいと思っております。 平成八年度についてもいろいろと努力されるということで、資料を見ておりますと、二十一世紀に向けた活力ある事業の確立というのをスローガンとして、お客様志向型の郵便サービスの提供と経営基盤の強化というのが基本方針だというように書いてあります。特に経営基盤の強化というのが将来ともに安定した経営を続けるために大変重要だと思いますけれども、そういう意味で、経営基盤の強化のための効率的な事業経営の施策というのはどのようなものを考えているか、お話しいただきたいと思います。
○政府委員(加藤豊太郎君) 郵便事業といいますのは人手に依存する度合いが非常に高い事業でございますが、そういうことからこれまでも可能な限り機械化だとか部外委託だとかいうふうな効率化施策を推進してまいりまして、この十年間で約九千四百人ほどの減員に努力をしてまいりました。 平成七年度におきましては、郵便事業としての効率化を図る必要性から、あて名区分機の配備だとか郵便物の局内搬送の部外委託、それから定員の配置の見直し、これらに努力をしてまいりまして、約千百名ほどの減員を実施して効率化努力をしてまいったところであります。 今後ともさらに努力をしてまいりたいというふうに思っているわけでありますけれども、特に配達部門におけるところの局内での準備作業の効率化のために新しい郵便番号制度を導入しまして、機械化、省労働力化を図っていく、こういうふうなものに努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○岡利定君 今の御答弁の中で、今後の効率化の最大のプロジェクトが新郵便番号制の導入ということのようであります。この新郵便番号制の概要、それから取り組みの状況、さらに新しい番号制を円滑に導入するためには新しい番号をきちんと書いてもらうようにするということが一番必要であるわけですけれども、そのための利用者への周知をどのように行うのかというような点。 もう一つは、なるほど新しい郵便番号制は郵便事業の効率化には大変重要な施策でありますけれども、郵便番号が七けたになるというようなことで利用者にかなりの負担をしてもらうといいますか、負担をもたらすということになると思うわけであります。そういう意味で、できるだけ利用者の負担を軽くして、この円滑な導入を図っていくということが大事になってくると思いますが、こ の点についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(加藤豊太郎君) 新郵便番号制度の導入というものにつきましては、私どもは最大の効率化のプロジェクトということで真剣になって取り組んでおるわけであります。これはお客様に将来にわたって低廉で良質なサービスを継続的、安定的に御利用していただくために不可欠なものだというふうなことで取り組んでいるわけであります。 この新郵便番号制の概要でありますけれども、今の三けたないしは五けたに二けたないしは四けたを追加して七けたにして、そこで何々市何々町ないしは何々町大字何々まで特定していただく。そして、これを書いていただいた場合には、新郵便番号と住所の数字の部分をあわせて機械で読み取って、これに基づいて、我々順立て作業と言っていますけれども、これを機械化して省力化していこうというものであります。 この取り組みにつきましては、昨年の八月に郵政審議会から導入を認める旨の答申をいただきました。これに基づきまして、昨年の十二月に、実施時期を平成十年二月二日、それから新郵便番号制度の導入の基本的事項、それからさらに新郵便番号、これらを設定しまして公表したところでございます。 一方、機械につきましては、平成五年以降、開発に努めてきておるわけでありますけれども、現在、東京・関東管内の一部の郵便局におきまして実験機によるところの実用実験を行っているところであります。 これらのプロジェクトを進める際に、新しい郵便番号の記載率を極力高めるということが今回のプロジェクトの成功のかぎを担っているということでありますので、これに全力を挙げて取り組む所存でございます。 現在、新しい郵便番号制を広くお客様に知っていただき、新番号の記載の御協力をいただくことを目的としまして、新郵便番号のキャラクターと愛称を募集しているところでありますが、このキャラクターを活用しまして、今年度はマスコミを使ったPRをやっていきたいというふうに考えておるわけであります。 また、来年度につきましては、八月以降、一般の利用者の皆様方に新郵便番号簿を全戸に配布する。それから、十年の年賀におきまして、差出人が自分の住所の新しい郵便番号を記載してあて名人にお知らせいただく勧奨を強力に進めてまいりたいというふうに思っているわけであります。 なお、現在の時点におきましては、お客様に自分の新しい郵便番号を知っていただくことが非常に大切であると考えておりますので、行政区内の新郵便番号チラシの全戸配布だとか、それから自治体の広報紙への新郵便番号の掲載依頼をお願いして進めているところであります。 先生のお尋ねの中に、利用者の負担を軽減するようにはどうしたらいいのか、どうするのかというお尋ねがございました。 先般、この四月の下旬からなんですけれども、大口の利用者に対しまして新郵便番号を配布するとともに、コンピューターシステムを使っている事業所等が新郵便番号へ移行しやすくするために新郵便番号データのCD−ROMによるところの提供を行い始めました。 今後計画している施策を少し申し上げますと、小口に対してですけれども、フリーダイヤルによるところの番号案内サービス、それから住所のリストを郵便局に申し込めば新郵便番号を記入してお客様に返送する番号調査サービス、こんなことをやりたい。それから、新郵便番号を書いていただいた場合には市町村名の記載を省略してもよいことにする。それから、新しい郵便番号に変わっても現行のはがき、封筒を使用できるように新郵便番号枠シールの配布。それから、現行番号枠の官製はがき、ミニレター、これらの新郵便番号枠への無料交換。それから、大口の利用者に向けてですけれども、第一種郵便物等にバーコードをあらかじめ印字して、一定数量以上出していただいた場合には料金の割引の実施をしたいということで現在検討中でございます。 このようなことをあわせて行うことによって新しい番号の記載率を上げるべく努力していきたいということで取り組んでおるところでございます。
○岡利定君 次に、郵便貯金関係に移らせていただきます。 郵政省は、郵便貯金事業の基本方針として、将来ともに安定的な事業経営を図るとともに、今後とも国民の生活に密着した国営らしいサービス、商品の開発の提供に取り組み、国民の皆様の利便の向上と信頼の確保に努めるというようにされております。 そこで、平成八年度に予定しております郵便貯金の商品・サービスの改善等、どういうものを予定しているか、お教えください。
○政府委員(木村強君) 新しい商品あるいはサービスの開発に当たりまして、私ども郵便貯金事業に携わる者といたしましては、郵便貯金が国営の個人貯蓄専門機関であるという役割を十分肝に銘じております。 最近の金融自由化の進展状況あるいは少子・高齢社会の到来等、世の中の変化が非常に激しゅうございます。あるいは、現時点では民間金融機関の一部混乱等もございます。そういった中で、国民利用者の皆様方のニーズというものも絶えず変化しておる。こういう状況を的確に把握いたしまして、まさに国営として一味違った、民間とはちょっと違う、こういった新しい商品とかサービスの提供に努めるという基本的な考え方でおります。 このような観点から、平成八年度におきましては、介護問題が重要な政策課題となっておりますということで、寝たきりのお年寄りなどの要介護者に対する定期郵便貯金の金利の優遇等の実施、これは金融のこれまでの常識とは違って政策的なものだ、国としてのやはり一つの役割であろう、こういったもの。それからもう一つは、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、非常災害時に救援活動を行うボランティア団体を支援するための災害ボランティア口座の創設などを予算で盛り込みまして、先般、これらに関連をいたします二法案を本委員会においても御審議を賜りまして、全会一致でお認めいただいたところであります。 また、このほか、郵便局ネットワークを活用し、国際ボランティア貯金の運営を通じて蓄積されたボランティア活動の情報提供や紹介を行うといった施策、私どもボランティアポスト構想ということで四億五千万ぐらい今予算で計上されておりますけれども、これからもこれを推進したいというふうに考えております。 そのほかにも、四月一日から郵便振替通常払い込みを利用している加入者の皆様方に対しまして、金額等払い込みに関するデータを通信回線を介して伝送しようということで郵便振替マグネチック伝送サービス、こういったものを実施しようと。それから、電波利用料の口座振替収納もこの五月一日から郵便局の窓口で行えるようになりました。 さらに、その他のサービスといたしましては、外貨両替業務取扱局を六十局拡大しようということで、平成八年度は三百局を三百六十局にしようと。それからまた、貯蓄相談センターの設置、二十五カ所でありましたけれども、先ほどの要介護者の金利優遇とあわせて九十カ所、二十五カ所から一気に九十カ所で行おうといったようなこと。それから、地域に目に見えるといったことで、郵便貯金資金が地元に還流しておるんだということを示すモニュメントの設置など、ただいま申し上げましたような利用者の利便性の向上、信頼に取り組む、こういった観点での施策を果敢に実施していきたい、このように考えております。
○岡利定君 積極的な国民のための国営らしいサービスというのを展開していただきたいと思っております。 ところで、最近郵貯への預貯金のシフトということが時々言われます。四月二十六日の新聞各紙にも報ぜられましたけれども、本年三月末の農協の貯金残高が前年同月比で戦後初めてマイナスになったということを伝えて、ある新聞は「貯金減少 流出、郵貯へ集中」などと大きな見出しをつけたりしております。バブル崩壊に伴って、不良債権関係などの原因で中小金融機関の破綻があり、金融システムの不安というものが背景になって、農協だけじゃなくて第二地銀とか信用組合などの中小金融機関の一部で預貯金の流出が起こっておる。これに対して、郵便貯金の残高は高い伸びを続けておって、この新聞によりますと「郵貯の一人勝ち」というような言葉を使っておりますが、郵貯へのシフトが起こっておるというようなことを書いておるわけでありますけれども、実態を教えていただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) 郵便貯金の平成七年度末の残高でありますけれども、二百十二兆九千九百五十七億円ということでございます。前年度と比べますと、この数字は一〇七・九%ということでございます。 この郵便貯金残高の数字、伸び率というのは、この二、三年来七%台の伸びが郵貯も続いております。残高の増としては七%台の伸びが続くということで、本年に限っての数字ということではなくて、この二、三年の間、七%台の伸びということで安定的に推移をしておるというのがこの数字だろうと思います。 この郵貯の安定的な伸びの中身でありますけれども、流動性の高い通常貯金とか、低金利の状況を反映いたしまして、比較的金利を高くつけております福祉定期貯金の増加がその要素であると。郵貯の八八%を占めます主力商品であります定額貯金の伸びというのは、純増で見ますと対前年度七五・九%ということで、これは非常に低調だということでございます。 したがいまして、伸びとしては、この二、三年来同じ七%台の安定的な伸びをしておると。ただ、中身は、最近の金融状況を反映いたしまして、通常貯金であるとか、あるいは弱い人たちに激変緩和のために少しでも高い金利をつけようという福祉的な施策というものに若干その伸びの数字が変わっておるということで、主力商品である定額貯金につきましては非常に低調である、このようなのが郵貯の実態でございます。 一方、郵貯以外の個人金融資産の動向につきましては、直近の数字というのはこの一月から三月まで、これがまだデータが明らかでございませんので何とも言えませんが、少なくとも昨年の四月から十二月末までの間で見る限り日銀等が数字を公表いたしております。 これを分析いたしますと、一つは都市銀行とか外貨建て外債、それから公社債投資信託、いわゆる証券会社がMMFであるとか、こういった短期物を中心にして運用しておる、こういうもの。それから現金、いわゆるたんす預金と言われていますけれども、今非常に低金利でございますので、こういった現金の増加が非常に顕著でございます。その次に郵貯が安定的に伸びておる、こんな状況です。 それから三番目には、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、農・漁協などは伸びてはおるけれども、増加は今までほどではないというような、この三つぐらいまでが伸びてはおるという状況であります。 それから信託とか公社債、これは昨年の秋に五年物のビッグとかワイドが償還をされましたので、このために減少したというものがあります。それから、信用組合も減少いたしておりますけれども、これはコスモとか木津両信組の経営破綻が相当程度影響しておるという状況でございます。 そんな全体の状況を考えますと、特段郵貯にのみ資金が集中しておるといったようなことはないのではないか。国民利用者の皆様方は、この低金利下の状況の中で冷静に各種の金融手段を選択されまして、多様化といいますか分散化といいますか、満遍なくいろんな金融手段をクールに選択されておる、こういう状況だと思います。したがいまして、郵便貯金への資金シフトがあるといったような形での認識はいたしておりません。 なお、農協等につきましては、先生先ほど新聞等の記事で御紹介されましたけれども、農協貯金の残高が最近の農家所得の減少に基づきまして非常にパラレルな形で減少しておりまして、農協から郵貯に行ったから農協の残高が落ちたんだということは全く誤解であろうということで、農水省それから農林中金、私どももこういった関係の機関にも接触を求めまして、ああいうことは公式に言っていないということまで農水省等からも返事もいただいております。 ああいうマスコミのちょっとしたことが、農協から今度は郵貯だというような雰囲気が醸し出されるということは非常に危険でございます。パニックが起こる可能性もありますので、私どもはそういうことのないように現場との情報連絡を極めて密にとりまして、こういう情勢下ではございますけれども、本当に国民の皆さんが冷静に郵便貯金を選択していただけるという形のフォローを絶えずしておるところでございます。
○岡利定君 大体実情はわかりました。 いずれにしましても、こういうふうな見出しでやられますと、やはり一般の皆さんは大変誤解をするということになってきますが、そういう意味では、マスコミの皆さんにもその辺のところの実情というのをきちんと丁寧に説明して、間違いのないような書き方をしていただけるような努力もまた欠かせないんじゃないかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 時間の関係もありますので、保険の方の関係に移らせていただきます。 保険の関係でございますけれども、超低金利政策が続く中で保険事業は大変厳しい経営環境にあるというように聞いております。簡保も同様な厳しい状況にあると思いますけれども、経営の現状はどうなっておるのか、また今後の健全経営を確保していくためにどのような方策を考えているか、お話しいただきたいと思います。
○政府委員(天野定功君) 生命保険事業を取り巻く経営環境は、ただいま先生御指摘のように、長引く景気の低迷と未曾有の低金利によりまして大変厳しい状況にあります。簡易保険におきましても、平成五年度以降、剰余金が対前年度比二〇%を超える減少が続いているところであります。 このような状況の中で、経営面で努力しました結果、平成七年度におきましても、前年度を下回るわけでありますが、五千億円弱の剰余金の発生が見込まれておるところであり、その大部分を加入者へ分配する予定であります。 私どもといたしましては、このような厳しい中で、健全経営の確保のため、本年四月から現下の低金利に対応しまして予定利率の引き下げなどによる保険料の改定を行いましたが、引き続き事業運営の一層の効率化を推進し、お客様の信頼にこたえる健全な事業経営を確保してまいる所存でございます。
○岡利定君 ぜひとも健全経営に努力いただきたいと思います。 郵政省は十月から保険・年金に関する相談業務を始めるというようなことで、全国何カ所かで生活相談みたいなものを始めるんだということを新聞に書いておりますけれども、その概要なり構想を教えていただきたいと思います。
○政府委員(天野定功君) 平成八年度予算案に計上している保険相談業務についてでありますが、商品選択のための情報提供の必要性や、老後に備えるために早い時期から生活設計を立てる必要性が高まっておりますことから、本年十月から、簡易保険のお客様サービスの向上を図るために、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士などの専門の相談員によります保険商品や生活設計に関する相談と情報提供を行うことを予定しております。 この保険相談業務の窓口につきましては、既に実施しております貯蓄相談業務の窓口と同じ場所で実施することを予定しておるところでございます。
○岡利定君 最後になりますが、各事業とも一生懸命に頑張っていただいている中で、それぞれ問題を解決しながら健全経営に努めていただいておるのは大変ありがたいことだと思う次第であります。 しかし、これからずっと将来を眺めていった場合に、二十一世紀にも郵便局が国民の皆さんに役に立つような存在として続いていくためには従来どおりのやり方ではやはりだめだろう。それなりに新しい変革というのがいろんな場面で求められてくるんじゃないかなと思っております。二十一世紀といってもあともう五年ぐらいで、目前に来ておるわけでございます。 郵政大臣は、先日の逓信記念日の式辞の中で、先人の偉業を受け継ぐとともに、それぞれの職責を全うして後世に誇ることのできる郵政行政を築き上げ、国民の皆様の負託にこたえる誓いを新たにしたいというようにお述べになっておるわけでございますけれども、その辺についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) 郵政事業は古い歴史を持ちまして、本当に皆さんの努力がぎゅっと凝縮したような事業であるというふうに私は考えております。これは、単に郵政省の方で努力をしているというのみではなくて、広く国民の皆さんがこの事業を愛しておられると私は思うんです。ですから、日本国民共有の宝であるというふうに私は認識いたしております。 しかし、だからこのままずっといっていいということになりません。二十一世紀になりますと高齢化社会がやってまいりますし、また子供も少なくなってくる。少子・高齢化社会、こんなふうに言っておりますが、そういう中で、核となるような経済的な基礎というものは国民が安心して暮らしていく上で非常に大事なことであると思っておりますので、そういった社会づくりの中で郵政のいろんな事業が果たすべき役割というものは非常に大きいと思いますし、それに対する要請というものは一層高まってくるのであろうと思います。 また、郵政省はマルチメディアなんかも所管をしているわけでございまして、そういったいろんなメディアを使いながら事業の一層の高度化ということを目指し、また利用者利便の飛躍的な向上ということもあわせて図っていかなければならないというふうに思うわけでございます。 そして、こういうことをやっていけるのも、国として今までの制度のあり方、それから国民とのかかわり合い、こういったものをきちんと踏まえていくことが大事であると思いますので、これからも国営事業ならではの良質でぬくもりのあるサービス、そして二十一世紀にふさわしい新しいサービスの提供、こういうことに努めながら、庶民を大事にして庶民に愛される郵便局という形でこれから取り組んでまいりたい、そんなふうに考えております。
○岡利定君 終わります。
○保坂三蔵君 それでは、何点かお尋ねしたいと思います。 最初に、変造プリペイドカードの問題についてお尋ねをしていきたいと思います。 最近、パチンコカードの変造や偽造による被害が激増しておりまして、年間被害総額が何と五百億円に達したと聞き、大変に驚いております。また、年間四億枚の販売実績を持つテレホンカードも、既に七年前から変造・偽造カードが出回っておりまして、五百円や千円券という小額なプリペイドカードにもかかわりませず被害総額は年間数十億円に達していると言われております。今では高校生までがディスカウントショップであたかも物を買う気安さで違法カードを購入して、各地の教育関係者の間からも当局に対策を強く要請してきているとも聞いております。 しかし、これらの事件はいずれも市民が直ちに実害をこうむるわけでないために、社会問題といたしましては一見マイナーのように錯覚されておりますが、実は目立つ販売などの表の現象に加えまして、組織的に偽造、流通に乗せているのが暴力団や外国人犯罪グループであることから、裏社会との関係は大変な実態と聞いております。 今後、日本もあらゆる形でプリペイドカードが普及するなどカード社会が到来すると言われておりますし、将来は貨幣経済を電子マネーが支えるんではないかと言われているいわば新しい時代の潮流からいたしますと、キャッシュレス時代に咲いたあだ花などとのんきなことは言っていられない大問題となってきました。しかも、この偽造・変造プリペイドカードの流通にけん銃や麻薬までも乗る可能性もありまして、日本社会は安全な社会であるというアイデンティティーそのものが崩されかねないような危険な側面を持っております。 待ったなしになった変造プリペイドカード対策について、実態を認識し、具体的な川上、川下対策を何点かお尋ねしていきたいと思います。 そこで、まず変造テレホンカードについてお尋ねいたします。御参考までに机に置いてありますのが今流通しております変造テレカであります。 最近におけるテレホンカードの販売実績と変造テレカの被害の実態はどうなっておりますでしょうか。また、変造テレカ流通の相場、そして推定被害総額はどのぐらいになっているか。この被害者はだれなんだろうか。また、これまで郵政省及びNTTは対策をどう打たれてきたのか、御答弁をいただきたいと思います。
○参考人(早田利雄君) お答えいたします。 最近のテレホンカードの販売額につきましては大体二千八百億弱ということでございまして、枚数にいたしまして四億枚強でございます。また、被害の実態でございますけれども、テレホンカードにつきましては使用期限がない、要するに永久に使えるという形になっておるというようなこと、それからまたカードのコレクターというようなことがございまして、退蔵もあるというようなことからなかなか変造テレカの被害額を何億円というふうに把握することは困難でございます。 ただ、変造テレカとして私どもの公衆電話の中で検出、回収しました数につきましては、この八年の一月から三月の三カ月間の一カ月平均では二十六万件ということでございます。また、上野警察署が変造カードを販売している者から取り上げまして、私どものNTTの上野支店に交付されました変造テレカの枚数は、六年が八十四万枚、七年が九十四万枚、八年三月末現在で五十一万枚というふうになっております。 また、相場でございますけれども、私どもが東京、名古屋等の公道上で販売されておりますテレカにつきまして、直接買ったりしておるわけでございますけれども、大体千円単位で売っておりまして、時によりまして十枚から十五枚ということでございますので百円から七十円というのが相場ではなかろうかというふうに認識しております。 それからまた、だれが被害者なのかということでございますけれども、一義的には事業者でございます私どもNTTでございますけれども、最終的には公衆電話料金へも反映されることなどを考えますと、国民の皆様そして社会全体であるというふうに認識しております。 また、この問題につきましては、変造テレカ問題というのは見つからなければ何をしてもよいというような意識を高校生あるいは大学生等に助長するということも大変な問題だと思っておりますし、地域への環境の悪化というようなことでございますとか、先ほど先生御指摘ございましたように、密造販売グループが不当な利益を得ているというようなことを考えますと、大変大きな社会的な問題であるというふうに認識しております。 それからまた、対策でございますけれども、技術的な対応といたしましては、これまで例えば変造テレカ防止のための各種のデータをオンラインで対処できるようにデジタルの公衆電話を積極的に導入するとか、あるいはまた平成六年六月以降につきましては変造カードの検出装置を開発いたしまして新設の公衆電話に設備する、そしてまた既設の公衆電話にも取りつけるとかいうようなこともやってまいりました。またそのほか、変造テレカの利用が著しく多い国際公衆電話につきましてはカードを使えなくする、要するにコインでしか使えなくするとか、あるいはダイヤルQ2のテレカの利用規制をするとか、高額のテレホンカード、三千円、五千円の使用停止等いろいろの措置をやってきたところでございます。
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生からるる御指摘のありましたとおり、テレホンカードの変造というのは特に平成元年以降、これが改ざんによるということで表面化してくるような被害が出てまいっております。 こういったことのために、ただいまNTTの方からお話のありましたとおりに、高額テレホンカードの扱いでありますとか公衆電話機に百六度以上のテレホンカードの排除機能を付与するとか、あるいは国際通話が料金が高くなるものですから、それの兼用の公衆電話機におけるテレホンカードの使用を停止する対応をするとか、幾つかの措置を講じてまいりました。 このことにつきましては、これもただいまNTTの方からお話のありましたとおりに、事業者の事業収入が適正に行われないということは回り回って国民利用者の負担にかかわるということでございますので、今後ともNTTあるいは関係する協会等々と連携を密にしながら適切に対応してまいりたいというふうに存じております。
○保坂三蔵君 今の被害総額がなかなかわからないということですが、回収されている変造テレカでも百万枚を超えている。そうすると、実際に回収されていないものも含めれば三十億とか四十億という数字はあながち変な数字じゃない、こう思いますし、平成四年に五千円とか三千円の高額テレカが販売停止になっておりますから、これを仮に売り出せば、掛ける十ということになれば、パチンコカードと同じように三百億とか四百億という被害が年間で出ることも想定されるわけです。 それから、流通でお尋ねいたしますが、地域的にはどの辺で一番流通をされているのか、これは広がる傾向があるのかどうか、教えていただきたいと思います。 また、どのような人々が購入して利用しているんでしょうか。聞くところによりますと、最近、高校生が修学旅行でお土産に買って帰って使っていると聞いておりますし、犯罪としての認識がないように思います。さっきお話があったように、利用方法も国際電話から携帯電話、あるいはQ2など多岐にわたっていると聞いておりますが、文部省や教育委員会などからも対策上の相談を受けたことはございますか。
○参考人(早田利雄君) まず、地域的にどのような場所で売買されているかということでございますけれども、私どもが把握している範囲におきまして、東京では上野と町田駅周辺、関東では横浜、川崎、船橋、宇都宮駅周辺、東海では名古屋、桑名駅周辺だということを把握しております。 表で、公道上で売られているマーケットにつきましては、最近はむしろ縮小ぎみだというふうに私ども認識しております。ただ、地下のマーケットにつきましては残念ながら把握し切れておりませんので、そちらの方がどうなっているかにつきましては、わからないということでございます。 また、これをどのような人が購入し利用しているかということでございますけれども、先ほどお話がございましたように、大学生、高校生等もたやすく購入しているというふうに見知っておりますし、またそのほか良識あるビジネスマンも利用しているというふうに認識しております。 文部省からあるいは教育委員会からの相談の点でございますけれども、本社段階といたしまして文部省からの相談とかあるいは教育委員会からの相談はないわけでございますけれども、地域的に、これは東海方面でございますけれども、各高校の方からNTTの方へ相談がございまして、私どもの方で教育委員会に申し出まして、今後教育委員会を窓口といたしましていろいろと対策を講じていきたい、かように考えております。
○保坂三蔵君 川上でお尋ねしますが、取り締まり当局にお尋ねしたいんです。 これまで変造テレカが偽造され、違法流通されるまでの実態を伺いたいと思います。また、当局は偽造の現場をどうつかんでおりますでしょうか。過去どのような取り締まりを行い、問題点があったら教えてください。
○説明員(栗本英雄君) お答えいたします。 偽造あるいは変造のテレホンカードにつきましては有価証券の信用性にかかわる問題でありまして、警察といたしましてもこの犯罪につきましては力を入れておるところでございます。 これまでに検挙している数でございますが、大変申しわけありませんが、テレホンカードという形では統計をとってございませんので、テレホンカードなりパッキーカードを含む有価証券についての数字で御参照いただきたいと思います。 この三年を見ますと、平成五年にはテレホンカードを含みまして二百五十四件の検挙を見ております。それが平成六年には二百九十五件、昨年の平成七年には八百五件に増加しております。今申し上げましたように、これはテレホンカードを含む数でございまして、テレホンカードだけがどのような傾向になっているかということは明確ではございませんが、傾向としては同じような傾向になっておる。それからまた、在日外国人の方による検挙件数も同じような傾向でふえてきてございます。 具体的なこれまでの検挙事例で、ただいま先生は偽造の場所、偽造がどのように行われているかという御質問でございます。これまでの検挙した中で見られますのは、例えば印刷業者がかかわっていた事件が検挙されている。これなどは印刷したテレホンカードなどを金券屋に持ち込んで、そういう形での行使あるいは詐欺事件として検挙したケースがございます。それから、ゲーム機の機械業者などによります非常に組織的な検挙事例で、若干古い事件で恐縮でございますが、平成元年でございますが、NTTのカード式公衆電話機そのものを窃取いたしまして、これを使用して変造カードをつくった、こういう事犯なども出ております。それからまた、個人的に自分のアパートなどで偽造したというようなケースもございまして、そういう面から見まして、いろんな場所なりいろんな形態で偽造がなされている。 いずれにいたしましても、この種の問題は大変重要な問題でございますので、警察としては今後ともいろいろな法令を当てはめて検挙に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○保坂三蔵君 念のためお尋ねしますけれども、その販売はイラン人なんかもかかわっていたんですね。製造グループには東アジアだとか東南アジアの犯罪組織が加わっているという話がありますが、先々はマフィアも関係してくるんじゃないか。高額券なんかの場合は一挙に、パチンコカードが発覚されてからわずかの間にもう五百億円ですからね。これは外国人がかかわっているということはあり得ますか。
○説明員(栗本英雄君) これまでに検挙した中で偽造の面でございますが、偽造で検挙したケースに外国人が入っているというのもございます。ただ、偽造で検挙した数はそう大きな変化は見ておりませんで、今、委員御指摘のように、いろいろな組織的なグループが関与しているんではなかろうかという見方があることも承知しておりますし、またそういう観点から警察といたしましても捜査を進めておるところでございますが、現在のところ明確にどういうようなグループが組織的に関与しておるという形で把握しているところはございません。 いずれにいたしましても、そのような観点も念頭に置いて今後捜査をしていきたいというふうに考えております。
○保坂三蔵君 パチンコカードの例で申し上げると、最初日本人が偽造カードの変造機を開発して、それが相場では二千万から三千万であった。今は安くなって八百万だとか、レンタルもあると聞いています。 そういうことを含めてNTTにもう一回伺いますが、セキュリティーの問題、今までテレホンカードの対策費にどのぐらい投入してきましたでしょうか。また、セキュリティー技術と偽造技術の競争というのは限りなくエンドレスで続くんでしょうか。海外のセキュリティーシステムなどで参考にすることがありましたら、あわせて伺っておきたいと思います。
○参考人(早田利雄君) 今日まで変造カードの対策費にどれくらいの資金を投入したかというお尋ねでございますけれども、先ほど申し上げました変造カードの検出装置の設置であるとか、あるいは五千円、三千円の高額テレホンカード廃止に伴いますチェックする機能の追加であるとか、こういうふうに直接的な機器等に投じました経費は、これを足し算いたしますと百五十億円を上回る費用ということになります。 また、今後、諸外国の事例等を参考にしてどのようなセキュリティー対策をやるのかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、現在は磁気方式によりますテレホンカードというものを利用して私どもテレホンカード事業をやっております。 もちろん、今後さらに変造テレカの検出装置を強めるとか、変造しにくい磁気方式のテレホンカードを作製するとか、これは現在手がけておりますけれども、これからその次の世代として考えておりますのは既にフランスであるとかドイツで採用しておりますICカード、これは現在の磁気方式よりもセキュリティーにはすぐれておりますので、このICカードによる次世代のテレカの開発、そしてまたICカードに対応する公衆電話機の開発を検討中でございます。 またもう一つ、これも諸外国に既に例はございますけれども、現在のようにカードと端末機、公衆電話機に全面的に依存するだけではなくて、カードと公衆電話機とバックヤードのセンターを統合したセキュリティー管理システムというものを現在構築中でございまして、このような新たに統合した公衆電話のネットワーク管理システムというものを導入いたしまして、変造テレカの撲滅に向けて一層努力したいというふうに思っております。
○保坂三蔵君 いずれにせよ、端末だけでセキュリティーを保つなどとはとても考えられない。欧米の場合は偽造ができるのを想定した上でセキュリティーシステムをとっているわけです。パチンコの受付機だってすぐだめになっちゃったでしょう。とにかく向こうの方が頭がいいぐらいにどんどんやられちゃう。 ここにマニア向けの雑誌ではなくて一般の電波愛好家向けの雑誌のコピーを二つとってあるんですが、ここには「変造テレカを検証する 磁気カードのすべて」とか、それから「偽造テレカ作り方の科学」とか、原爆のつくり方まで載る時代ですから別に驚きませんけれども、これを見ていますと嫌になつちゃう。 例えば、パチンコカードや変造テレカだけではなくて、Uカード、ハイウエーカード、パッキーカード、コインロッカー、それから洗車カード、新幹線の個室カード、カラオケカード、馬券、ホテルのカードキー、郵政省のふみカード、全部解明されているんです。もう嫌になっちゃいますね。こういう雑誌は違法じゃないというんですね。 問題は、こういうこともありますけれども、川下でもう一回伺う前に、結局流通になるさっきの使用済みのカードを何百万枚って一体どうやって集めるんでしょうか。ボランティア団体が実は善意でカードを集めて、相場がいいときで一枚十円、今は五円ぐらいに下落していると聞きますが、こういうことによって一生懸命集めている善意のカードがそういうところに流れる危険性はないんでしょうか。 FM東京あたりは電波で流している。使用済みテレカで国際貢献をなんという宣伝をしたり、それからテレカ収集協会愛の献血運動センターなんというところは日本赤十字社から表彰も受けているんです。その結果、カードが偽造され、それでもし仮に年間五百億ぐらいのブラックマネーがそこで誕生して、それがやみからやみへ伝わっていくとしたらば末恐ろしくなるんですが、使用済みテレカの回収問題をどう解明されておりますでしょうか。そしてまた、これの対策を何かお考えになっておりますか、具体的に。
○参考人(早田利雄君) 変造テレカは、私どもの公衆電話機で回収したものとかあるいは警察から交付されましたものを見ましても、現在の変造テレカはすべて使用済みテレカを利用して変造しておりますので、この使用済みテレホンカードをどうやって市場からなくすかということも大きな変造カード対策の一つであるというふうに認識しております。 ただいま先生お話ございましたように、ボランティア団体が使用済みテレカを集めているけれども、その実態はどうか、変造とのかかわりはどうかということでございますけれども、各種のボランティア団体で私どもが把握している限りの数字では年間四百万枚程度集めているというふうに把握しております。これが変造ルートに乗っているかどうかについては、残念ながら私どもは確証といいますか、把握をしておらないというのが実態でございます。 今後、私どもNTTとして使用済みテレカの回収についてどうしていこうとしているのかということでございますけれども、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、使用済みテレカにつきましては変造テレカのもととなるものでございますので、テレカの利用者一人一人の方に、例えば公衆電話機周辺に放置しないとか、私どもが設置しております公衆電話ボックス内の回収箱等に入れていただくとか、いろんな形で変造テレカに利用されないよう適切に処理して廃棄していただくよう呼びかけることを原則といたしまして、これからキャンペーンをやっていきたいというふうに思っております。 また、先ほどお話ございましたボランティア団体の集めましたカードが変造グループに回っているという確証は私どもございませんけれども、少なくとも相当数の枚数を集めておられるボランティア団体の方に対しては、私どもが回収協力金をお払いして回収させていただくといいますか、私どもの方へ売っていただくという形でやるような方向を五月以降試行的に実施するべく現在準備中でございます。
○保坂三蔵君 大変いい制度を導入していただけるんで、何とか普及したい。業者もつぶしちゃいけない。アイドル、コミック使用済み勢ぞろいとか、交換会のチラシも私見たんです。日本のテレホンカードは、普及している六十カ国の中でも最も技術的にもすぐれているし、デザイン的にも引っ張りだことは聞いておりますけれども、四百万枚も海外に行っているとは思えないわけです。 しかも、海外で買いたいというのがこういうところへ出ている。人気の度合いが全部出ていますけれども、やっぱり限られているわけですよ。あとは、私がつくったテレホンカードなんというのが仮にあったとしたって、これはせいぜい三円か五円で業者に十把一からげで買われるのが関の山。しかし、それがこうやって生きてくるとなると大変だと思うんですね。海外流通の実態もできれば機会があったらNTTさんも調べておいていただいた方がいいんじゃないでしょうか。 それから、ボランティアグループなんかもはっきり書いてあるんです。最近、不法な使われ方がしているとか、偽造の悪質ないたずらがふえていますから使用済みテレホンカードの処理方法には海外に取引先を持つ立派な業者に渡していますと、ちゃんと断り書きがある。その立派な業者の次の次の次へ行って、マネーロンダリングじゃないけれども、逆の形で悪質業者に行くということは当然考えられるわけです。この流れもひとつ御検討いただきたいと思います。 昭和五十七年に発売されたテレカは順調に利用が拡大しておりますが、今お話しの平成元年に変造テレカが金券屋の流通に出現して一気に変造テレカが広がっていったことは非常に重大だと思います。しかし、既に七年経過しておりますから、もうそろそろ対策を立てないとと言っているところに実はパチンコカードの問題が出てきたわけです。 このパチンコカードの問題について何点か触れますが、パチンコカードの導入の目的と郵政省及びNTTの立場について念のために伺います。 当時、業界の反応はどうだったんでありましょうか。また、設備費はどのぐらいかかり、メリットというのは一体あったんでしょうか。関係省庁にきょうお声をかけなかったんで申しわけないと思いますが、いずれにせよこのパチンコカードが五百億円なんですよ、実害が。内容は今のテレホンカードと実態は同じなんですね。慌てて今五千円券も一万円券も売りどめにしてあるわけです。全く実態は同じなんです。 取り締まり当局にちょっと伺いますが、変造パチンコカードが見つかったのはいつごろでしょうか。現在の被害額の状況、そして当局の対策はどのようにおとりになっているのか。これの業界及び日本社会への影響はどのようにあるとお考えでしょうか。
○説明員(吉川幸夫君) 変造パチンコプリペイドカードに特定した統計はとっておりませんので正確なことはお答えしかねるわけでありますけれども、生活環境課が把握している検挙例で見ますと、平成六年四月一日が最初の検挙でございます。これ以降の検挙状況は、この種事犯、しばらくの間散発的に続いておりましたが、平成七年夏ごろから増加してきたというふうに承知しております。 現在の被害額につきましては、正確な額は承知しておりませんが、数百億円にも上るという報道もあり、相当な額に上るというふうに考えております。 警察においては、変造パチンコプリペイドカード事犯の現状は、パチンコ業界の健全化に与える影響が大きく、また外国人グループが関与している事案があり、治安上の問題を引き起こすおそれがあると考えておりまして、各都道府県警察に対し取り締まりの強化を指示するとともに、業界団体に防犯及び通報体制の強化を指導し、またカード会社に対しましては早急なセキュリティーの向上を要請しているところでございます。
○保坂三蔵君 念のため郵政省とNTTさんにお尋ねしておきます。 平成六年に郵政研究所がプリペイドカードに関する調査研究報告書を出されておりますが、このときにこういう事件やなんかがおわかりになっていたのか、どういうふうに位置づけされていたのか。 それから、カード会社で日本レジャーカードシステム、日本LCSですか、こことNTTの関係はどういう関係でございましょうか。技術的な参入か何かありますでしょうか。 それから、今はこれは主として大蔵所管なんでしょうが、通産、郵政が絡んでおります社団法人の前払式証票発行協会はどんな団体で、責任者はどなたでございましょうか。
○政府委員(谷公士君) 郵政研究所の報告書の関係についてまずお答え申し上げます。 これは郵政研究所で開催されましたプリペイドカードに関する調査研究会の報告書のことと思いますけれども、この報告書は、平成六年当時におきますプリペイドカードの発行状況と、それからふみカードを中心に考えているわけでございますが、他のカードとのジョイント化等の高付加価値化の動向について調査をいたしまして、その結果を踏まえて、主としてふみカードにつきまして消費者の利便性の向上という観点から今後の普及策等について検討したものでございます。 したがいまして、当時、ふみカードにつきましてはそういった問題が起きていなかったということもありましてか、御指摘のありましたような偽造・変造対策等につきましては特に調査研究の対象といたしておりません。
○参考人(早田利雄君) 日本レジャーカードシステムとNTTの関係でございますけれども、NTTは現在この会社に一%の出資をしております。これは同社がNTTのカード技術を活用して事業展開しているために参入したものだというふうに認識しております。
○政府委員(五十嵐三津雄君) 御指摘のありました前払式証票発行協会というのはどんな団体で、責任者はだれかというお尋ねでございますが、当協会はプリペイドカードの発行事業者等から成る社団法人でございまして、プリペイドカードに関する調査研究、広報活動等を行うことを目的として平成六年十一月に設立されております。所管は、大蔵、通産、郵政の三省の共管でございますが、NTTの山口会長が同協会の会長となっておりまして、現在、百七十五社程度の会社がこの中に参加しているというふうに承知をいたしております。
○保坂三蔵君 当初、パチンコカードの発行会社は二社、今一社参入して三社になっていますけれども、物すごくもうかったそうです。住友商事さんだとか三菱商事さんが入っている。このカードは一気に今赤字になって、この三月期決算は赤字決算だと聞いています。これがどういう数字になるかはまた知りたいところです。 そこで伺いますが、テレホンカードとの共通点というふうに一言で言いますと、どういうふうにお答えいただけますでしょうか。
○参考人(早田利雄君) パチンコカードとテレフォンカードの共通点は、磁気を利用してデータの読み書きをするという基本原理は同じでございます。しかしながら、カードの特性、材料、大きさ、データの内容等は全然別物でございます。
○保坂三蔵君 あと二問お尋ねします。 でも、実際には法律的には有価証券ですね、両方とも。こういうふうな認定をされておりますが、問題は紙幣だとか麻薬、銃剣類、これらの関係法令との対比では有価証券の、特にプリペイドカードについての関係法令は処罰においては非常に抜け穴がこちらの方が多いんです。特にプリペイドカードはつくったりすることはもちろんいけないんです。しかし、売ったり上げたり買ったり持っているだけじゃ違反にならない。ここが問題なんです。記念品として持つような人いますかね、変造テレフォンカード、変造パチンコカード。しかも、もし高価なのがあればですね。判例上どういう問題があってこういうふうになっているのか、お尋ねしたい。 それから、もう時間がありませんのであわせてお尋ねしますけれども、NTTは電話料金を上げたりあるいは携帯電話がはやったり、あるいはQ2なんかでもばんばんやっている。国際電話でも度数はどんどん上がりますね。そういうのを見ますと、五千円だとか三千円の高額券というのはやっぱり社会のニーズとしてはあるわけです。パチンコもそうですよ。しかし、それが危ないからといって停止されているわけですが、デパートや高速道路などはまだ一万円券はあるわけです。これも同じになってくるわけですね。 そうすると、プリペイドカードとの共通点から考えると被害額は結局は青天井になっていく、このまま対策を打たないと。それが暴力団や犯罪組織の好餌になっているわけです。さっき申し上げたように、行く行くは一千億市場だろう、こう言っているんですね、暴力団などは。そこで、法の改正もぜひ必要だと思いますが、法務当局、おいででございましたらば教えていただきたいと思います。
○説明員(渡邉一弘君) お答えいたします。 テレフォンカードは、御指摘のとおり、刑法上の有価証券であると解されておりまして、行使の目的でこれを偽造または変造する行為や、偽造、変造のカードを行使し、または行使の目的で他人に交付する行為等は犯罪とされているわけでございます。 偽造、変造のテレフォンカードを所持する者などにつきましても、そのような行為が認められますれば処罰することができるわけでございまして、現に検挙されている例もあるわけでございます。 所持それ自体を犯罪とするかどうかにつきましては、薬物や銃砲等の所持はそれ自体が製造等と同様に人の生命、身体に危険を及ぼすおそれのある行為に直接つながると認められますために、その目的いかんを問わずその所持を処罰しているわけでございますけれども、それと異なりまして、通貨や紙幣もそうでございますけれども、有価証券あるいは文書等の偽造、変造の罪がこれらのものの公共の信用を保護法益とする犯罪とされておりますために、これらの罪のすべてが偽造行為自体におきましても行使の目的がある場合にのみ処罰の対象とされるにとどまっております。 このようなことにかんがみますと、その材質からすべての有価証券を同じように扱うのかどうか、あるいは偽造通貨や偽造文書等の取り扱いとの整合性等、種々の観点から総合的に検討する必要があると考えているところでございます。
○保坂三蔵君 衆議院の予算委員会で長尾大臣の御答弁、それからわずかしかたっていないせいもあるかもしれませんけれども、やっぱり前進がないですよ。 目的によって差別をするというのは、基本的にこれからキャッシュレス時代、カード社会に入っていくんですよ。これは今防がなくちゃいけない。現実に今まで厳しくやっている麻薬や銃剣類が乗っていくルートに乗っているんです。ここを法務当局もぜひお考えいただきたい。これが私の偽造・変造プリペイドカードの質問のまとめでございまして、くれぐれもよろしくお願いいたします。 済みません。限られた時間でございますけれども、もう一つお尋ねしたいと思います。 これはプリペイドカードの問題じゃありません。TBS問題で、去る四月三十日にTBSが坂本弁護士ビデオ問題に関する事実上の最終調査報告書を郵政省に提出いたしました。当局は既に放送法違反などで検討に入り、今月半ばにも措置を決めると聞いておりますが、これは事実でございましょうか。この事件はTBSの何が結果的に問われているんでありましょうか。
○政府委員(楠田修司君) 今回のTBSのオウム報道におきましては、同社が坂本弁護士のインタビューテープを対立する相手方であるオウム真理教幹部にインタビューを受けた本人の同意を得ないで無断で見せたということ、あるいはこのような事実関係につきまして誤った調査結果を発表したということは御承知のとおりでございます。そういうところでいろいろと社会的に大きな問題として指摘されました。 郵政省といたしましては、これらの点につきまして放送法等の関係法令に照らしまして問題があったかどうかについて検討することが必要だ、こういうことを判断いたしまして、TBSに対しまして事実関係の調査を求め、本年四月三十日に報告を受けたところであります。 具体的に放送法等の各条項に照らし、どのようなものであるかというところは現在検討中でございます。
○保坂三蔵君 次にお尋ねしたいのは、TBSの今度の新社長はこれで区切りにすると事実上調査の終結宣言を行いました。しかし、今回の報告書や自主番組を私どもよく検討してみますと、ビデオを見せたとして懲戒解雇と最も重い処分を受けた二人の幹部社員がその事実を明白に認めてないんですね。その上、放送中止の指示につきましても、オウムの圧力を認めながらもだれが出したかということも不明。また、西ドイツでの二回にわたる単独会見の成功、これは少なくとも密約があったか、あるいはオウムのTBSへの配慮があったとしか理解できないんです。さらに、オウム幹部村井刺殺事件のスクープや暴力団との前後のかかわり、これも一遍も触れられなかった等々、疑問はますます深まった内容のようにお見受けいたしました。 また、捜査当局によるオウム一斉捜査の際にTBSが内部情報を教団側に漏らした、このことにつきましてもTBSは、オウム青山弁護士のメモの存在を初めて認めながらも、捜査の三日前、この欄に強制捜査の情報とかTBSなどという記述があることを認めながらも、リークという事実があったとは言えないと推論をしているんです。しかも、今後の公判の展開では新たな事実が判明する場合もあって追加的な調査は続行していくという、いかにもこれは自信がないんですよ。これでは、この調査結果はなお不完全なものでありまして、最終報告書としては評価できません。 いずれにいたしましても、TBSは最終報告書を二度出した前科があるわけです。組合も会社の措置には不満でストまで行ったということは、社員が納得してない、こういう事実が現前にあるように思われます。なお真実の解明に努めるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(楠田修司君) 報告内容につきましては、先生先ほどるるおっしゃられたとおりでありますが、なお現在我々としては報告内容を慎重に検討を行っているところでございます。 いずれにしましても、第三者である佐藤元最高裁判事のもとにかなり突っ込んだ調査もやられている面もございます。その他いろいろございますが、郵政省といたしましては、この報告内容につきまして十分に検討を行った上で、必要に応じて、もし必要ならばさらに説明を聞くことにしているところでございます。
○保坂三蔵君 努力は私も評価したいと思います。しかし、問題はその分析の結果あるいは調査の結果なんです。考えてみますと、平成五年に起きたテレビ朝日の椿報道局長の食言事件で当局は放送法の不偏不党及び政治的公平違反の容疑で調査をしておりますね。当時、偶然にも数カ月後に免許の更新時期を迎えておりまして、当局は電波法の百四条の二によりまして条件つきで再免許をテレビ朝日におろしている。そして、事実関係を調査終了まで措置を保留したんです。約一カ年の調査をいたしまして、翌年、放送法一条及び三条の二、一項の違反事実はなく、必要な措置をとらないと結論を出して厳重注意で終結しているわけです。 このように、当局は椿事件や、やらせなど違法性の強い放送事件でさえもすべて注意で決着しておりまして、松本サリン事件での河野義行さんの人権侵害事件などでは各社にはさたなしという腰が引けたスタンスとも見えるような状況になっております。その結果、メディア側には自浄作用が働かず、学習効果もなく、結局TBS事件につながってきているように思われるわけです。当局は内部で各種事件へのスタンスを固定化させておりませんでしょうか。 一体、放送法上、電波監理上、行政当局が言う措置にはどのような目的と種類がありますのでしょうか。また、注意というのは行政処分の一種でありましょうか。そして、何もしないということも措置の一種でしょうか。一方、この措置に対しメディア側の責任というのはどうなりますでしょうか。行政はアフターケアを続けてまいりましたでしょうか。この点をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) まず、こういうような問題が起こったときに郵政省が調査をするスタンスでございますが、椿事件のときも同じでございますけれども、本件あるいはこういう事件は、憲法に保障されました言論の自由、放送法では番組編集の自由がございますが、これを尊重するという立場で、まず放送事業者みずからがその責任において調査等を行う、そしてその調査報告を待ちまして、その調査の方法あるいは内容の公正さについて慎重に検討するということでやっておるところであります。 また、放送法は、放送事業者に対しまして放送を公共福祉に適合するように規律しております。あるいはその健全な発達を図ることを目的としておりますので、放送事業者というのは非常に大きな公共性と社会的使命が求められるところでございます。 なお、やらせの問題であるとか、いろいろの番組に関する問題につきましては放送法の三条の二の関係で、それに違反するかどうかというのは放送法において検討するところでございます。 かつ、どのような処分といいますか措置があるかということでありますが、正確に言いますと、措置と申しますのは行政処分と行政指導を含むものというふうに考えておりまして、本件がそのどれに当たるかということは現在検討中というところでございます。
○保坂三蔵君 放送法の二つの条文に見る公安を害さない、それから不偏不党、政治的な公平、多角的論点の明確化、これらは放送事業に課せられた四原則ですね。あくまでもこれは理念であって、処罰根拠にはならないとの解釈論があるようにも聞くわけですが、一体、放送法の立法趣旨はどうなっておりますでしょうか。また、電波法の処罰規定は精神規定でいいんでしょうか。処罰に放送法違反を加えた理由もお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 放送法の立法趣旨を簡単に申し上げますと、先ほど申し上げました放送を公共福祉に適合するように規律する、あるいは健全な発達を図ることを目的とするということが一つございます。それと同時に、先ほど申し上げましたように、番組編さんの自由を認める、これが一つございます。なおかつ、放送法三条の二におきまして、そのほかもいろいろ規律はございますが、番組に関しましては番組の編さんの自由を認めながら、なおかつ三条の二に違反するようなものは放送法の違反になる、こういう趣旨と解しております。 これと電波法の関係でございますが、電波法というのは、放送局もそうでありますけれども、無線局の施設あるいは電波の免許を行うものでありまして、放送局も電波法におきまして一つの無線局として免許されるわけであります。かつ放送法に違反した場合、電波法の七十六条におきまして、例えば運用の停止であるとかいうような事項がほかの無線局とあわせて放送局にも当たるというふうな関係で、放送法と電波法は連関しておるものというように承知しております。
○保坂三蔵君 ですから、電波法の処罰規定の中に放送法違反というのをなぜ後から入れたんですか。
○政府委員(楠田修司君) 一般の無線局には番組準則のような規定はないわけであります。放送法には番組準則の規定がありますので、それに違反する場合ということで電波法に入れた、こういう趣旨でございます。
○保坂三蔵君 わかりました。 今回のTBS事件では大臣も措置をとると言っておりますが、国民の間にはどうせ公権力不介入の原則から厳重注意が関の山だろうという推測が広がっておりますことは御存じでしょうか。 今回のTBS事件は、報告書でもわかりますとおり、早くから神奈川県警や東京地検による聞き取り調査、社員の十回に及ぶ地検での事情聴取、会社へのガサ入れ、ビデオテープの地検への提出などから、既に会社は昨年の秋から事件を十分に承知していたのは明白であります。しかも、昨年十月十九日に日本テレビが、坂本弁護士事件はTBSがオウム幹部に坂本氏のインタビューを見せたのがきっかけでした、こういうふうに報道すると、このスクープに対して直ちに否定し抗議する短慮を見せながら、結局は訂正して謝罪しているわけです。これでは会社ぐるみの事件を隠ぺいしようとした見方は一層強くなっているとしか言いようがない。 しかも、テープをオウムに見せたということを警察当局や坂本氏の関係者に知らせなかったのは後ろめたさや気おくれがあったと解雇されたプロデューサーが告白しておりますが、にわかに信じられませんね。また、当初の社内調査が誤ったのは指導系統の不明確さ、構造的な欠陥で、総合的な力量不足と佐藤さんが言っているわけです。自省の部分もきっとあるでしょう。これが日本一と言われているマスメディアの担い手の真の実態なのでしょうか。 坂本弁護士事件の発生時期を考えてみますと、オウム真理教が東京都から宗教法人としての認証がやっととれた時期なんです、デモだとか訴訟するだとかやって。そして、もちろん一年以内に不祥事があれば取り消し処分になるわけですね。なぜ坂本弁護士が殺されざるを得なかったのか、理路整然とオウム教団の狂気を警告する坂本弁護士の最後のインタビュービデオが私たちに能弁に物語っているんですよ。その殺人事件にメディアが結果的に加担したのである。しかも、オウム事件は拡大して、希代のテロ事件へと発展していったのであります。TBSへの責任追及の声が一段と高くなっているのは当然で、中には、この際会社をつぶしても責任をとらせるべきだとの意見さえ出ているのが実情なんです。 一体マスコミ界でこれほど大規模、悪質なTBS事件のような事件はほかにあったのでありましょうか。事件再発防止の見地からも、電波法による免許取り消しとか放送中止などという強い制裁も検討のうちに入れるべきだと思いますが、御見解をお尋ねしておきます。
○政府委員(楠田修司君) 坂本弁護士インタビューテープをオウム真理教幹部に見せたということが坂本弁護士殺害事件と直接的な因果関係がある、こういう見方もあることは事実でございます。しかし、本件に関しましては、今後、裁判が進行する中で明らかにされることでありますので、郵政省としてはこの件についてはコメントを差し控えたいと思います。 なお、電波をとめるというような話とか、いろいろございますが、我々としましては、この報告書をいただきまして、これを厳正に放送法、電波法等に照らして検討して措置を考えるのが役目と考えております。
○保坂三蔵君 実は、フランスでは若者に人気のあるFMラジオ局のスカイロックというのがありまして、一昨年、ここで警察官が殺害された事件をむしろよいニュースだとディスクジョッキーが発言したんです。これに対しまして、独立行政機関でありますところの放送高等協議会、CSAと言っているんですが、公共の秩序を維持し、人間の尊厳を守ることに違反したと、放送法違反で二十四時間放送停止という厳重処分を決めました。ところが、スカイロック社は、処分は放送停止命令であって電波を出すことは禁止していないので、ふだんのハードロック中心の通常番組は停止したものの、コメントもCMもなしに視聴者の声だけを流す自由放送として電波を開放したんです。 これに対しまして、CSAすなわち放送高等協議会は行政裁判に提訴しまして、判決は同社の社長に十五万フランの罰金を言い渡している。また、問題のディスクジョッキーは、警察官の遺族から犯罪の弁護で訴えられている、こういうこともあるわけです。決して日本だけが重くしろなんて私は言っているわけじゃないんです。重いことはいいと言っているんじゃないんです。世界じゅうで起きているメディアとの問題はこういう解決の仕方をしているところもある。 当時、TBSの磯崎社長さんが会長をしておりました民間放送連盟には放送基準審議会がありまして、日常的に放送人の倫理をチェック、指導してきているんです。特に、平成五年にはいろいろやらせ事件がありまして、対策として放送番組調査会を設置して番組制作のあり方を答申、各社に徹底した、こうなっています。また、各社とも審議会を独自に持ち、さらに報道倫理規定をやはり独自に持ってジャーナリストとしての教育を徹底してきているんです。 しかし、今回はそれでも事件は発生して、しかも単なる報道、取材、編成の倫理違反では済まない犯罪への加担容疑という未曾有な内容となっております。これでは放送業界には競争はあっても倫理観の自己規制はないとやゆされても仕方ありません。とにかく、次から次で、TBS以外にも嫌疑は晴れません。憲法二十一条に守られた報道の自由の裏面には厳しい権力を握る者の側の自己規制が当然存在するはずですが、現状はどうだったんでありましょうか。お答えしにくい望洋としたお尋ねかもしれませんが、御見解を承りたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 先にフランスの方を言及されましたので、フランスの場合を少し申し上げますと、フランスでは放送法におきまして、視聴覚コミュニケーションは自由である、この自由の行使は云々とありまして、人格の尊厳の尊重、公序の擁護のために求められる場合を除き制限されてはならない、こういうのがありまして、この人格の尊厳の尊重というところで放送を一日とめさせたというのは事実でございます。それに対して、先ほど先生がおっしゃられたような問題がいろいろフランス内で起こっているということでございまして、世界でこういう例が決してないわけではないということは確かでございます。 翻って日本の状況でございますが、現行の放送制度のもとにおいて放送事業者に番組編さんの自由を保障する一方、放送事業者には番組基準、これは非常に重要なものでありますが、この策定、公表、あるいは番組審議機関における審議等を通じて放送の適正化を図るという仕組みになっておるわけです。先ほど先生お述べのように、いろいろな問題が起こってきている、これは事実でございます。これらの仕組みが本当に動いているのかどうかということを我々も真剣に検討しなければならないというふうに思っております。 やらせの問題あるいはサブリミナルの問題、椿問題、いろんな問題がこれまでここ数年起こってまいったわけであります。前にもこの委員会で御紹介申し上げましたが、我々としてはこういう問題を有識者による懇談会で現在検討中でございまして、これも一つのきっかけといたしまして、放送に関する諸問題を含めました放送のあり方について今後必要な検討を行ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○保坂三蔵君 フランスではCMの事前検査まであったんですが、最近廃止されました。そのほか、アメリカからのいろんな文化の違い、パーセプションギャップだとかカルチャーギャップなんかからフランス文化を守るというのでVTRの放映についても規制したり、いろいろの努力をしているわけですよ。こういうことをやっぱり他山の石として勉強すべきですね、私たちは。 社長、専務、常務の三名が辞任、四名の常務が降格、そして幹部社員二名が懲戒解雇。日本一の矜持を誇っていた報道機関がオウムに翻弄されました。権威の頂点に立っていた人々が公開のテレビの前で反省する姿には同情を禁じ得ないものがあります。 しかし、TBS事件があったのを忘れたように、今日も視聴率のベストテンがテレビ会社の入り口に堂々と張られて、競争が促されております。視聴率の対象になりました、また指弾の対象になり、低俗化の元凶のように言われているワイドショーも、八割を超す下請や外部制作会社の人々に支えられながら、時には過酷な労働条件のもとに深夜に準備が進められているんですね。情況証拠で懲戒解雇されてしまったTBSの元プロデューサーは、首という最悪な事態に追い込まれても潔く事実を認めておりません。あたかもマインドコントロールにでもかかっているようであります。企業防衛の結果なんだろうか、個人の保身なんだろうか、オウム真理教への恐怖心なんだろうか、はたまた訴訟に備えた対策なんだろうか。一体何が事件を起こし、何が事件を不透明にし、何がTBSをここまで追い込んできてしまったんでありましょうか。 また、もし公判が進みまして、検察の冒頭陳述がひっくり返るような事実が判明したら、大変な冤罪事件であります。また、魔女狩りでもあります。労組が人権問題として騒がないのも不思議なぐらいなんですよ。 このように、TBS事件は現在の映像メディアが持つあらゆる問題点を露呈した事件で、ケーススタディーには絶好の素材で、後世の学習に役立てなければ犠牲は多過ぎた。また、国際的にも注目されている事件であります。TBS事件を契機に、今後、映像メディアの近代化のために官民一体となって検証チームを設置し、分析や総括、そして提言なども行うべきと考えますが、御決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) 先生のTBS問題についての御見識を今伺いまして、非常に稗益するところがございました。 我々は放送メディアに対して監督官庁という立場にございます。でありますから、私が今ここで申し上げることもある程度限度をわきまえたお話をしなければならないことは御理解いただけるかと思います。 ただ、申し上げられることは、国民共有の財産である電波を用いて非常に大きな社会的な影響力を持つ公共性の高い放送という事業を行っているのがテレビ局でございます。私はちょっと不安に思うんですが、テレビのメディアを扱っている方々自体がその影響力の大きさというものを十分に認識しておられないのではないか、このような心配をも私は実は持つわけであります。でありますから、そのようなはざまにあって今度のような事件が発生したとすれば非常に大きな問題であります。 また、我々この報告書を見せていただいてさらに検討しなければならないところは、TBSの方にさらにいろいろと追加的な報告を求めるというようなこともやってまいらなければなりません。それから、因果関係等の認定に当たりまして、私どもは先走った因果関係の認定などはやっぱりなすべきじゃないのでありましょう。きちんとした裁判所等における事実の認定等も待たなければならない事由があることも間違いございません。 そして、私考えるのでありますが、先ほど私は影響力の大きさということをテレビ人自体が余り認識していないのではないかという不安を申し上げたわけでありますが、もう一つは憲法二十一条を頂点とする一つの法体系の中にこの放送法の規制というものはあるのだということもやっぱり我々は忘れてはならない。そして、憲法二十一条に規定する報道の自由というものが民主社会を維持する上で至高の一つの価値観に発しているということもまた私どもは忘れてはならないことであろうというふうに思います。およそ人に対してであれ企業に対してであれ不利益を課するという場合、その不利益を課する根拠について我々は厳格に見ていかなければなりません。そしてまた、法律の持つ意味そのものに強く拘束をされるわけであります。 でありますから、我々がこれから何らかの処置を下すという場合は、その処置について多くの御意見が出ることは当然であろうと思います。しかし、我々としては一つの法体系の中でなさなければならないということもまた我々に課せられた非常に重い役割であろうというふうに私ども考えざるを得ませんし、そのように私どもとしても取り扱っていかざるを得ないということでございます。 いずれにしても、この放送の関係については法律の体系が憲法の二十一条ということを頂点にする法体系になっておりますから、この法律に書いてあること自体はそう大きく放送の業者を拘束するものではないということは言わざるを得ないのであります。 そうすると、何が必要になってくるかといいますと、放送人自体のモラルが必要であります。そして、そのモラルについて番組準則をつくったり番組審議機関の設置等の規律ということが課せられているところでありますが、それが果たして十分に機能しているかどうかということも我々は検証をしていかなければならない、こんなふうに思っております。 いずれにしても、我々としては、あえてTBSと名指すのではなくて、放送人自体が強いモラル、倫理観をみずから認識することによってみずからを正していかなければならない問題であろうと思います。 我々は決して問題点を逃げるつもりはございません。いろいろの問題点について十分に検討を行って、それを世に問うという形になっていこうかというふうに考えておりますが、その内容を詳しく今申し上げることは避けさせていただきたい。ただ、先生の御心配ということは私の心配でもございまして、多くの問題点、問題意識を共有しながら作業を進めさせていただきたい、こう思っております。
○保坂三蔵君 委員長、済みません、御配慮いただきまして。 大臣の御所感を承りまして一方では安心し、またしかし一方では行政当局に勇気と決断を持っていただきたい、こういうことを要望したいと思います。 お話のように、確かに報道の自由は憲法二十一条に認められた出版、表現の自由の根幹であります。その中で起きた問題の処理は、本来、自浄自律で処理をしなければならない、こう思っております。しかし、今日のジャーナリズムはそれにしましても第四の権力とまで言われるほど大きな力になっておりまして、最近では報道による他の自由への侵害事件も頻発しているのであります。そうなれば被害者を救済することも社会的な命題になっている、これを言わざるを得ない。こういうことを客観的に分析できる例えばプレスオンブズマン制度の導入を図るなど、具体的な対策がどうしても必要であって、被害者救済命令や放送の是正勧告などが行えるような検討をすべきである、こう私は考えます。 また考えてみますと、放送法も制定以来四十六年、テレビの出現で背景が大きく変わりました。世は既にマルチメディア時代に入ろうとしておりまして、この中で報道やジャーナリズムの自由と責任を確立する必要に迫られているわけです。日本のジャーナリズムは戦前戦後のあの厳しい試練の中から今日の繁栄と力強さがあると言われておりますが、それにいたしましてもテレビの映像の社会というのはまだ歴史が浅いんです。それだけにやはり当局は、今後、法律改正を含めて、国民の信頼がこの事件を契機に取り戻されるような勇気と決断を持った放送行政を進めていく、こういうことが私は今一番望ましいんではないか、こう思っております。 以上、雑駁なお尋ねをいたしましたが、きちんと御答弁いただきましたことに感謝いたします。
○西川玲子君 平成会の松あきらこと西川玲子でございます。 ただいま保坂先生がTBSの問題に関しまして、私も実は伺おうと思っていたことをほとんど全部保坂先生がお尋ねになりましたので、私自身は本当に聞くことがほとんどなくなったということでございます。今、郵政大臣が御所感をお述べになりました。私も実は伺おうと思っておりましたけれども、しっかりとそれをお忘れにならないように御指導いただきたいと思います。 〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕 しかし、このTBSの問題だけに限らず、本当に今テレビそのものが随分と問題になっております。なぜならば、子供に見せられない番組等が本当に多いわけです。日常当たり前のように画面に暴力、性犯罪、そして他人の身体的欠陥を指摘して、それをあざ笑ったり、あるいは熱湯にあるいは冷たいお水に潜ってどれぐらい耐えられるか、それで何点つけるとか、つまり今のいじめの問題にも関係してくるような、教育にも本当に影響してくるような番組も非常に多いわけなんですね。チャンネルを変えて、見なきゃいい、そうかもしれませんけれども、実際映っていて、映っているものをこれは見ちゃいけませんなんて、なかなかチャンネルを変えられないのが実情なんです。 もちろん、各局には苦情や抗議が寄せられていると思いますけれども、私のところなんかにも母親の会等からやはりいろいろな声が寄せられております。アメリカなどでは母の会などでも本当にすばらしいチェック機関がそれぞれできているそうでございまして、例えばオンブズマンとか本当にそういうすばらしい機関ができているそうでございます。視聴率至上主義というんでしょうか、それに流されないためにも本当に各局の番組審議会がしっかりしていただきたいんです。 先ごろ開設しました東京のMXテレビ、これでは番組審議会の一時間番組を放送したそうなんです。それで、やっぱりこれはもう本当に健全な番組を育てる上でぜひこういうことは必要だと私も思いますので、各局は月一度、あるいは三月に一度でもいいです、年数回でもいいですから、自主的にやはり番組審議会の対応番組を設けるようにしていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(楠田修司君) 放送番組審議会は、放送法三条の四項によりまして放送事業者に放送番組審議機関というものを義務づけております。その理由は、放送番組審議機関が視聴者を代表して放送番組について意見を述べるという趣旨で視聴者の放送番組に対する意見が反映されるということが望まれているわけで、それによりまして放送番組の適正向上化が図られるということを望んでいるものであります。 〔理事陣内孝雄君退席、委員長着席〕 法律上は、放送番組審議機関は放送事業者が諮問した事項、例えば番組基準等を変えた場合、そういうことは公表するということになっております。それから、放送番組審議機関の委員が述べた自己の意見というものにつきましても公表するということになっておるわけであります。しかしながら、番組審議機関でいつも番組基準の改正ばかりがあるわけではございませんので、そういうことも含めまして常日ごろの番組審議というのが公表されているかどうかという点につきましてはいささか問題があろうかと思っております。 郵政省としましても機会を見つけまして番組審議機関の公開等を依頼しておるわけでありますけれども、放送事業者におきましてもこの機会に番組審議機関というものをより一層公開といいますか、公表するということに努めていただきたいということを望んでいるところでございます。 先ほど三条四項と申し上げましたが、三条の四でございますので、訂正させていただきます。
○西川玲子君 その放送番組審議会、これは要するに行政が、国が番組を一々チェックするということではなくて、やっぱり表現の自由ということがありますから、そういうことじゃなくて、ぜひとも自主的にこれをやっていただきたい。 しかし、どの局も実はこれあるんだけれども、非常に煙ったく思っているというのが実情なんですね。だから、できれば余りうまくあれしないでほしいというような気持ちが各局ともあるようでございますので、ぜひそこのところをしっかり機能するように御指導をよろしくお願いいたします。 次に、NHKの決算についてお尋ねをしたいと思います。 参議院逓信委員会で、平成七年十一月九日にNHK平成五年度決算の審議を行いました。平成七年に二年度前の決算を審議するということはどのような意味があるのかと思いました。私の国会での初めての質問でございました。平成七年十一月にもし平成六年度の決算が審議されておりましたら、その審議の内容が平成八年度に反映されたと思うんです。 NHKの発行しました一九九五年、平成七年の年鑑には、平成七年十月十一日に発行されたものなんですけれども、平成六年の決算が既に記載されているんです。委員会で平成五年の決算が審議される前に、既にNHKでは年鑑に平成六年度の決算が公表されているんです。NHKとしては、国会のスピードに合わせていられないんだと思います。であるにもかかわらず、なぜわざわざその前年度の平成五年度の決算を審議するのか、私どもにはその理由がわかりません。この件は平成六年十一月に我が及川委員長も質問されたそうでございますけれども、その際、会計検査院は早期回付に努力すると約束されておりますけれども、何ら改善がありませんので、再度質問することにいたしました。 決算処理がどうなっているのか調べましたら、郵政省はNHKの平成六年度の決算報告書を平成七年五月二十三日に受けておりました。会計検査院は郵政省から七月四日に受け取っておりまして、十二月七日に検査を終えて、平成八年一月に内閣に回付しておりました。郵政省は省内に五月二十三日から七月四日まで約一カ月半保留しておりましたが、どういう作業があったんでしょうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(楠田修司君) 郵政省の件につきましては、財務諸表につきましてNHKから提出を受けた後、報告書類の様式あるいは当該年度に関する業務報告書の内容との関連というようなものにつきまして審査を行うとともに、文書決裁処理等を行って内閣に提出しているわけであります。そういうところで先生御指摘の時間がかかったわけでありますが、いずれにしましても、今後とも事務処理の迅速化ということには努めてまいりたいというふうに思っております。
○西川玲子君 平成八年一月に検査報告が回付されているのですけれども、会計検査院は五カ月間検査にかかっておりました。NHKだけ綿密に伝票を一枚一枚めくって検査しているんでしょうか。大手の株式会社では決算後三カ月以内には株主総会を開いております。例えば、NTTは六兆円規模の売り上げがございますけれども、やはりもちろん三カ月以内に株主総会を開いているわけでございます。二期前の決算審議などとても考えられません。こうしたことが経営の活力を奪うもとになると私は思います。 会計検査院は、どうしてそんなに時間がかかるのか、時間が必要なのか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(鵜飼誠君) お答えいたします。 会計検査院では、NHKの決算につきましても、国や他の政府関係機関と同様に、年初より十月まで十カ月間に及びまして計数、内容の両面から検査を実施しておりまして、内閣から送付された決算につきましてはそれぞれの検査結果を踏まえまして、特に正確性の観点から精査して検査を完了し、十二月七日に内閣に回付したところでございます。
○西川玲子君 NHKの決算は何もほかの国の決算と全部一緒に並行して検査しなければならないという理由はないと思うんです。NHKの予算の中で国からの交付金は十八億円ほどでございます。七十兆円ぐらいあるというのなら例えば一年間ぐらいかかってもしようがないということもありますけれども、NHKの収入はほとんど受信料で、五、六千億であるわけでございます。そのうちの十八億円程度なんですから、私だって計算できますよ。〇・三%ぐらいが交付金なわけでしょう。どうしても形式的に審議しているとしか思えないんですね。私、初めての質問は、何で平成五年度なのかなと本当に不思議に思いました。 きょうもテレビが来ておりますけれども、TBSの問題に限らず、これからは私は国会のこうした委員会の審議なりなんなりがどんどんテレビに映されていい時代だと思うし、まさしくそうなっていくと思うんです。そのときに、二年前の決算の審議をやっているなんて、そんなことを国民が見たら何と思うでしょうか。私は、何やつているんだ国会はと、絶対おかしく思うと思うんですよ。 また、二年前では次の予算にほとんど何の影響も与えることができないと思うんですね、もう二年もたっちゃっているから。すべての問題は形式に堕するところから私は始まると思うんです。これでは、どこかに不正がないかとか問題点はないかとか、そういうことばかりつっつく。そうじゃなくて、賛成のものは賛成ですし、直してもらいたいことは直してもらいたい。つまり、健全な経営を今後も続けてもらいたいわけでございます。 例えば、NHKの平成七年度の決算を秋の次の国会で審議できるようにしてほしいと私は思うんです。そうなるということは平成六年度が抜けますから、今国会中にそれはやらなきゃならないんですけれども、それはいかがでございましょうか。前回と同じような答えじゃなくて、よろしくお願いを申し上げます。
○政府委員(楠田修司君) 七年度の決算を秋の国会でということになりますと、これは国会の事項でありますからここはお答えを控えさせていただきますが、その前に、我々としましては、業務報告書を受けて、それを検査院の財務諸表に対する検査を含めて国会へ報告するといういつもの手順を踏んでいるわけです。この時間をいかに縮めるかということになろうかと思います。 はっきりとお約束することはなかなかできないんですけれども、できる限りこの辺のところを努力するということで、可能性はどうも、私もこんな答えがあるかどうか申し上げにくいんですけれども、先生のおっしゃる趣旨の方が非常に正しいわけであります。それに対して、我々どうするかということであるかと思います。
○説明員(鵜飼誠君) 従来より回答してまいりましたとおり、国会における決算審査が翌年度の事業計画等に反映されますことは会計検査院としましても期待しているところでございますけれども、検査業務を限られた人員、限られた時間で極力充実したものとする必要があることなどから、国の検査報告とほぼ同じ時期に回付を行うのはやむを得ないことかと考えておりますが、今後とも早期回付に努力してまいりたいと考えております。
○西川玲子君 私は全く気に入りません。前回も同じように回答していらっしゃるんですよ。人が少ないし、一生懸命やっているんだけれども間に合わない、努力します、何かこんなことばかり。私、ぜひこれテレビで撮っていただきたいですね。こういうことばかり繰り返しているから、国会はおかしい、政治家は何やっているんだと言われるわけですよ。こんなことは小さな問題かもしれないけれども、非常に大事な問題である。こういう問題からきちっと解決していかなければ、TBSのこんな大きな問題を本当に解決なんかできませんよ。私は本当にそう思います。 ですから、どんな問題にしても、いろんな先生が毎回、毎回じゃないにしても、おかしいなと思ったことに関しては質問をする。それで、例えば一年後、二年後に変わっていなければまた質問をする。それを答弁する方は同じように答えていては何の進展もない。ですから、次に伺ったときはまた同じようにお答えにならないで、人数をふやすべきはふやしたり、でき上がったところから回していくとか、そういうような努力をぜひしていただきたいと思います。これは要望でございます。郵政大臣もよろしくお願いいたします。 次に、放送大学の全国化についてお尋ねをいたしたいと思います。 放送大学は、「学びたい!それが入学資格です。」というキャッチフレーズで、いつでもどこでもどなたでも、生涯学習の場として、約六万人の学生を擁する我が国最大の教育機関でございます。昭和五十八年に設置され、昭和六十年から関東地域を対象に学生を受け入れ、教養学部一学部、三コース六専攻のもと、約三百科目にわたって大学教育を提供しております。 放送大学の番組表を見ますと、「ゆとりの期間」というところがありまして、そこには「災害列島日本・阪神・淡路大震災から」という講座がありました。「変動帯としての日本」「兵庫県南部地震をめぐって」「災害と住居」「災害とコミュニティー」「大震災の教訓」といったすばらしい内容でございましたが、提供されておりました。本当にすばらしい講座であると私は思います。 この講座はどの地域に放送されているんでございましょうか。
○説明員(北村幸久君) お答えいたします。 今、委員御指摘ございました「災害列島日本」でございますけれども、これは放送大学のテレビによります特別講義として、連休期間中、六回にわたりまして「ゆとりの期間」に放送したものでございます。 視聴できるエリアでございますけれども、直接受信が可能な地域は関東地域の一部に限定をされているという状況でございます。放送の対象外となっております道府県におきましては、そこにビデオ・オーディオテープなどを持ち込むような措置をいたしまして、地域学習センターの設置を現在進めております。したがいまして、その地域学習センターが置かれている地域につきましてはビデオによる視聴が可能という状況になっております。
○西川玲子君 このようなすばらしい講座を、ビデオをそうやってつくってくださるというのはすばらしいこととは思いますけれども、しかし地元の神戸の方も家庭で見られないのが残念でございます。全国には大勢の受講者が待っております。 しかし、関東でも見えないところがあるんですね。何か茨城県は映らないというふうに聞いております。私は神奈川でございますけれども、茨城は見えませんでしょう。(「見えない」と呼ぶ者あり)見えないそうですよ。全部じゃないんです、関東。東京、大阪といった大都市圏は大学もたくさんありますし、受講したい学部や科目にも事欠かないわけです。しかし、地方は大学も少ないし、講座も教授も限りがあるのが現状だと思います。 放送大学は、高校卒業資格を持つならば、年齢、職業を問わず、高等教育を受けられるキャンパスなき大学として昭和六十年四月に開校したんですけれども、当初予定されておりました衛星放送による全国展開がおくれ、放送を待ち受けている全国の潜在的な受講希望者の向学心を裏切ってきたことになります。電気通信審議会は平成六年五月に「二十一世紀の知的社会への改革に向けて」を答申しております。知的社会を実現するためには光ファイバー網といった設備、これも大事ですけれども、しかし人づくりこそが最重要であると私は思います。 放送大学の全国放送化はどのようになっておりますでしょうか。
○説明員(北村幸久君) 今、委員御指摘のように、放送大学は、テレビ、ラジオを利用いたしまして広く国民に高等教育機会の提供をするということを目的にいたしまして設立した大学でございますが、現在、電波の及ぶ地域は残念ながら関東地域の一部に限定をされているという状況でございます。 私どもといたしましては、その対象地域の全国化は大変重要な課題と考えておりまして、そしてこの大学のシステムを全国化するといった場合には、今お話がございます。そういった電波が届くといったことも大変重要でございます。このほかに、そういった学習を、大学の勉学を続けるために地上の拠点施設といたしまして学習センターの設置といったことが重要でございます。 それから、現在六万人の学生が学んでおるわけでございますけれども、全国化されますとさらに学生数がふえてくるということが当然予想されるわけでございまして、それに伴います教務関係の事務であるとかあるいは学生の受け入れのシステム、そういったことが全国化に当たって課題となると考えております。そのために、そういった事務のシステムであるとか、地域学習センターと我々呼んでおりますけれども、地上の拠点たる学習センターの整備、それから現在電波の全国化のためのさまざまな調査研究をいたしているという状況でございます。
○西川玲子君 昨年打ち上げましたCS通信衛星を活用すれば全国化を実現できるんではないでしょうか。郵政省が推進されようとしているデジタル放送とすれば、チャンネル数もすごくふえるんですね。ですから、開設できる講座数もふえて、放送大学の授業内容もより豊かになると思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(北村幸久君) デジタル化の技術によってさまざまな可能性が生まれているわけでございますけれども、現在、放送大学が全国化に当たって前提として進めておりますのは、一つは、全国化に当たりましてできるだけ多くの国民が、つまり学生になるであろう層が容易に視聴できるような手段ということで、現在およそ一千万世帯が受信している普及が進んでおりますアナログによります放送衛星を利用しようといったことを前提にいたしまして準備を進めてきております。 先ごろ、郵政省におかれまして、電波監理審議会に対しまして、最近の事情変更等を理由に放送衛星の三号の後継機、後発分についてでございますけれども、その扱いにつきまして一年程度をかけてさらに検討すべきという諮問を行ったということを伺っております。私どもといたしましては、今後、そういった電波監理審議会の審議の動向等は放送大学の全国化にも重大なかかわりを持つということでございますので、引き続き郵政省とも密接に連絡をとりながら全国化について考えてまいりたいと思っております。
○西川玲子君 全国の受講希望者のためにも一日も早い実現にぜひ努力をお願いいたします。 それでは、次にNTT問題を伺いたいと思います。 NTT問題については、郵政省告示、閣議決定されていたのですが、本年三月二十九日の閣議で、「時期通常国会に向けて結論を得ることができるよう引き続き検討を進める」ということで、結論は一年先に延ばされました。マルチメディアの世界では一年のおくれは十年に匹敵するというんですね。この一年は本当に大事な一年なんです。 この先に延ばされました一年の取り組みについて、郵政大臣はどのようなテーマをどのような場で具体的に検討されようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) 先生御指摘のように、一年間の先送りということになっておりますが、この一年間というのは非常に重大な一年間であることは我々もよく承知をしていることでございます。 今、情報通信の世界では非常に技術革新が速やかでございまして、我々はそれにおくれないような措置をきちんととっていかなければならないというふうに考えております。そして、特に二十一世紀に向けて、情報通信関連の産業というのはまさにリーディング産業としてダイナミックに発展をしていくというふうな予想がされているところでありまして、産業構造の変革という大きな一部を担うこともまた重要な観点でございましょう。 このような観点から、二月二十九日に電気通信審議会が、規制緩和の推進、接続に関する政策の推進、NTTの再編成の実施を三位一体で同時に実施することが必要であるという答申をなさったわけでありますが、この一年間で我々やれるものはどんどんやってまいりたい、このように思っております。 まず、規制緩和の推進でございますが、もう既に方針として打ち出しているところでございますが、例えば移動体通信料金の届け出制、それからKDDの国内通信業務への参加の可能化、可能にするということでありますが、そういった諸施策を着実に実施をしていくとともに、接続に関する政策の推進については、去る四月二十五日に接続の基本的ルールのあり方について電気通信審議会に諮問をさせていただきました。既に御審議を開始していただいているところでございます。 また、NTTの再編成の実施については、残念ながら平成七年度には結論は得られなかったのでありますが、閣議決定にもございますように、現在の情報通信の国際市場をめぐる情勢、国内における競争状態を取り巻く環境、こういったものに留意をいたしますと、早急に措置をすべき重要な課題であると認識をしているところでございます。 でありますから、私どもとしては、NTTの再編の実施、再編ができないから何もできないんだと考えてもらっては困るのだ、やれることはどんどんやってくれ、私どもの方もそういう努力はいたしますよ、規制の緩和もいたしましょう、それから国際的に展開をするために必要な努力もいたしましょうというような、そういうことで今やっているところでございます。電通審の答申の趣旨を十分に尊重しながら、これからも関係者の十分な意見を伺いながら次期の通常国会に向けて結論を得ることができるように努力をしてまいりたい、このように思っているところでございます。 具体的には、例えばでございますが、答申の趣旨を地方を含む各界各層に幅広く御理解をいただくための取り組み、それから株式の取り扱い、商法上の取り扱い、その他の再編成にかかわる諸問題はいろいろございます。これについてもいろいろ御意見を伺ってまいりたい。 それから、大事なポイントになるわけでございますが、国際的な環境下でNTTの研究開発体制のあり方、こういったものについても政府においても多くの方面から検討を進めてまいりたいし、いろんな方々の御意見を伺ってまいりたい。でありますから、一年間延びたといっても、我々はその間手をつかねて待っているという姿勢ではございません。積極的に進めるものは進めてまいる、こういう覚悟でおります。
○西川玲子君 ありがとうございました。 NTTの株式は十年前から全体の三分の一が順次売却されました。残りの三分の二は国、大蔵省が所有しております。本来、全体の三分の二が売却されるはずだったんですが、まだ三分の一が残っております。しかも、平成元年より売却が進んでおりません。 NTT株の売却について、大蔵省の予定はどうなっておりますでしょうか、お答えください。
○説明員(中村明雄君) お答え申し上げます。 NTT株式につきましては、民営化の趣旨を踏まえまして、平成二年度に策定いたしました計画的売却方針というのがございます。その方針にのっとりまして、五十万株についてただいま審議をいただいております平成八年度予算において売却のための予算計上を行っておるところでございます。 売却時期等具体的な売却の進め方につきましては、関係者のさまざまな意見を踏まえ、株式市場の動向等を十分見きわめつつ、適切な売却が図られるよう努力してまいりたいと思っております。
○西川玲子君 今、大蔵省はNTTの三分の二の株をお持ちの大株主ですよね。ところで、株主総会にはどなたが出席をされて、株主としてどのように議決権を行使されてきましたでしょうか。
○説明員(中村明雄君) NTTの株主総会につきましては、昭和六十年度以来、大蔵大臣の代理人として大蔵大臣の指名を受けた大蔵省の職員が出席し、議決権を行使しております。議決権の行使に当たりましては、NTT法の趣旨に則して適切と判断されるように行ってきたところでございます。
○西川玲子君 何かどなたかって余りお答えになりたくないようですね。大蔵省の理財局の次長さんじゃないんでしょうか。違いますか。
○説明員(中村明雄君) 昨年の六月の株主総会につきましては理財局の次長が指名を受けて代理人として出席しているところでございます。
○西川玲子君 ありがとうございます。 NTTは特殊法人といっても株式会社ですから、去年お出になった大蔵省の次長さんが例えば出席しないと株主総会は成立すらできないわけでございます。そういった圧倒的な立場にあるんですから、大蔵省はNTTの経営について重要な決定権を持っていると思うんです。 そこで、この二月にNTTについて出されました電気通信審議会の答申について、どのように評価されているか、お尋ねをしたいと思います。
○説明員(南木通君) NTTのあり方につきまして、郵政大臣の諮問機関でございます電気通信審議会が去る二月二十九日に答申を出されたわけでございます。 それで、政府として具体的にどのような対応を行うかということでございますけれども、所管官庁でございます郵政省を初めといたしまして関係省庁が協議しながら検討すべき問題でございまして、この点につきましては、三月二十九日に決定されました規制緩和推進計画におきまして、電気通信審議会の答申の趣旨に沿って、関係者の十分な意見も聴取しつつ、次期通常国会に向けて結論を得ることができるよう引き続き検討を進めるということとされたところでございます。 それで、今後の検討におきまして、NTTの経営形態につきましてどのような議論が行われましょうとも、私どもといたしましては、ただいまお答え申し上げましたように、一つはNTT株式を売却してきた当事者ということもございます。それからもう一つは大口株主という立場もございます。この立場から、株主の権利が十分確保されることが重要であるというふうに考えているところでございます。
○西川玲子君 郵政省は、電気通信審議会に諮問しているのは、大蔵省と協議されてのことでしょうか。
○政府委員(五十嵐三津雄君) 平成七年度にNTTのあり方について検討を加え結論を得るというのは閣議決定でございますので、そういう意味合いにおきましては、このことを検討するということにつきましては関係する省庁と協議の上決定したということでございます。具体的に審議会が進むこと自身につきましては、これは郵政大臣が諮問をさせていただいているということであります。 つけ加えて申し上げさせていただきますと、二月二十九日に答申をいただきまして、三月末に先生御指摘の規制緩和推進計画ということで閣議決定する過程におきましては、閣議決定でございますので関係する省庁と協議をさせていただいたということでございます。
○西川玲子君 例えば、NTT問題について、株主保護に問題があれば大蔵省は反対するということですか、いかがでございましょうか。
○説明員(南木通君) 先ほども申し上げましたとおり、私どもといたしましてはNTTの株主の権利が十分確保されることが重要だと考えているわけでございます。 以上でございます。
○西川玲子君 ああ、そうですが。 大蔵省はNTT株の三分の二を所有する大株主であり、役員人事、経営方針に圧倒的な力をお持ちでございます。しかしながら、この十年間、分離・分割など議論をしてきたわけですけれども、大蔵省のコメントは余り聞きません。大蔵省は、株券を保管する業務を担当しているのであって、株主権は放棄をされているんでしょうか。その大蔵省が分離・分割だと言うのであればそうなるでしょうし、今のままでよいと言うのならそうなるんだと思います。 私も実はNTT問題プロジェクトというのに毎週出ておりまして勉強しておりますけれども、勉強すればするほどわからなくなってしまうというようなことなんです。しかし、大蔵省の声が全然聞こえてこないわけなんですね、そこに。これは、自民党の方も同じように思っていらっしゃると思うんですけれども、何かちょっと不思議だなという気がいたしております。何かみんなに議論させておいて、何ら方針を出さずに十年間ほっておいていいんでしょうか。そんな気が私は勉強していて思います。 といったところで、大蔵省は分離・分割に賛成なんでしょうか、それとも今のままでよいとお考えなんですか。あるいはそのほかの考えがおありになるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(南木通君) 先ほども申し上げましたとおり、NTTのあり方につきましては引き続き検討を進めるということにされているところでございます。私どもといたしましてもそれを見守っていきたいわけでございますが、いずれにいたしましても、検討に際しましてはNTT株式の売却当事者、大口株主としての立場から、株主の権利が十分確保されることが重要であるというふうに考えているわけでございます。
○西川玲子君 何かこれ、わかった方いらっしゃいますでしょうか。私はよくわからなかったんですけれども、ありがとうございました。 冒頭に申し上げましたように、NTTは国民生活になくてはならない重要な機関でございます。ライフラインでございます。国民にとってはできるだけ安く電話が使えるようであってほしいわけでございます。NTT問題はあと一年という期限ですけれども、今とにかく大蔵省も大いに研究をしていただきたいと思います。これは要望でございます。 関連して、小さな問題でございますけれども、携帯電話の質問をしたいと思います。 衆議院議院運営委員会では、四月二十六日に本会議場や委員会室での携帯電話やポケットベルの使用禁止を決めました。最近、携帯電話は急速に普及しており、今後もますます普及すると思いますけれども、その使用についてモラルが非常に問われております。電車の中、公共の場での使用について、モラルの啓蒙を業界に指導してもらいたいんです。特に車の運転をしていて携帯電話をとる、あるいは置くなんというときに事故が非常に多いようでございます。 例えばたばこの、昔公社だったとき、たばこは健康のために吸い過ぎに注意しましょうというのが張ってありますし、テレビなんかでもそういうのをやりますよね。ですから、そういった健全な将来の発展のために関係業界に今からぜひ啓発をお願いするべきだというふうに思います。 とにかく、病院等では手術などでも携帯電話で機能が狂ってしまうということで大きな問題になっているようでございますので、ぜひお願いしたいと思いますけれども、機能で対応するようにするか、研究をしてもらいたいと思うんです。それについて、いかがでございましょうか、お尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(五十嵐三津雄君) 移動体通信、とりわけ携帯電話は、今お話のありましたように、大変普及をしております。一千万台を超えるということですから、十人に一人の方が持つような勢いになってまいっております。 ただ、一方では、御指摘のように、マナーについていろいろ問題視されるということで、私ども電気通信利用者相談室というのがございますが、そこにも、車の中あるいはロビー、そういうところで大声で話をしているというようなことでの苦情が寄せられたりいたしております。 私ども、こういう状況を踏まえまして、産業界に呼びかけまして、昨年の十月、社団法人電気通信事業者協会あるいは携帯電話の事業各社、そういったものが他人に迷惑をかけない使い方ということで携帯電話のマナー集というのを作成いたしまして、これを新規加入者等に今配布をしているということが一つございます。 それから、これも先生からたばこの例がございましたが、現在、新聞、雑誌というものにマナーについての向上を図るようにとでも申しましょうか、そういうことで事業者がその普及に努めているということでございます。このことにつきましては、私ども今の現状を踏まえ、さらに先生も御指摘のあったところでございますが、今後ともそういったことの啓蒙に努めてまいりたいというふうに存じております。 さらに、もう一つの問題として、病院等での医療機器というようなことでの問題でございますが、このことにつきましては、昨年、対策協議会の中で、とりわけ医用電気機器作業部会というのを設けまして、対応策を協議いたしまして暫定指針というのを取りまとめて公表いたしました。この部会には、例えばお医者さんでありますとか、あるいは医療機器メーカーでありますとか厚生省とか、そういった方々にもお入りいただいております。 具体的内容はちょっと省略させていただきますが、そういう意味で、私どもまず一つは携帯電話の事業者を通しましてこのことを注意喚起する、厚生省は厚生省で、例えば都道府県等を通しながら自分の管轄する地域に普及するということで、これは三月末に結論をいただいたものでありますが、今そういったことで対応を考えております。 今まで考えられなかったような普及ということを踏まえまして、先生御指摘の点、十分念頭に入れて取り組んでまいりたいと存じます。
○西川玲子君 ありがとうございました。以上です。
○小林元君 平成会の小林元でございます。 質問の前にお礼を申し上げたいと思います。 去る四月二十八日に、茨城県の鹿嶋市、佐賀県にも鹿島市がございますけれども、陣内先生のところでございますが、実はJリーグの鹿島アントラーズのホームタウンということでも有名になっているわけでございます。鹿嶋市でスポーツセンターの竣工式がありました。そのときに、郵政省の鹿島宇宙通信センターの大型パラボラアンテナの内側に、二〇〇二年のワールドカップサッカーに向けての「ワールドカップを日本へ、鹿嶋へ」というようなことで表示といいますか、看板をパラボラアンテナに書いていただきました。国の施設にこういうことをするというのは、国を挙げての誘致ということではございますが、地元市の企画を受け入れていただきまして大変感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。 それでは、質問に移らせていただきます。 今、西川議員からNTT問題についていろいろと質問がございました。このNTT問題は、昭和五十七年に臨調答申が出されましてからもう既に十四年、臨調答申以前、審議の段階を含めますともう十六年を過ぎているんではないかと思っております。 そういうことでへスタート時点では特殊法人の整理合理化といいますか、活力を持ち、状況変化に対応できる事業体とするというようなことを目的に検討がされ、JRあるいはJT、そしてNTTという問題に取り組まれたんだと思います。 その後、平成二年あるいは平成五年、そして今回ということで先送りをされてきたわけでございます。もう十五年になんなんとしているわけでございますが、検討の視点というのは微妙に変わってきているんではないか。市場原理を導入するんだ、独占を排除するんだ、あるいは競争原理を導入して国民に低廉な料金でサービスの向上に努めるというようなこと、そしてまた現在ではメガコンペティションといいますか、そういう中でダイナミズムの創出というようなことが言われておりますが、その辺の視点といいますか、どういうふうに変わってきて、現在どのような視点で検討されるというのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(五十嵐三津雄君) 電電公社からNTTへということで、ここ十二、三年とでも申し上げましょうか、変化がございます。 基本的には国民の皆さんになるたけ安い料金で多彩なサービスを提供する。そして、現在にあってはとりわけそうでございますが、電気通信市場の活性化を図り、日本の経済の向上を図っていくというような観点が基本的な視点だろうと。その辺のところは目標という意味では大きく変わるものではないのではないかというふうに存じますが、平成元年から二年の見直し、そして今回、平成七年度の見直しの中で、確かに環境は大きく変化しているものがあるというふうに存じます。 例えば、大きくございますのは、一つはやはり技術革新ということであります。そういう意味では、デジタル化、大容量化、双方向化と言われるような典型的なマルチメディア時代の技術革新、そしてその結果としてのサービスであります通信・放送の融合というような問題、あるいはボーダーレス社会の中でのグローバル化というような観点、それがあろうかと思います。さらに、今回、こういう見直しの中では幾つかの観点でアメリカからのメッセージのインパクトというのが随分あったというふうに存じます。 例えば、経営という観点を一つ見ましても、アメリカの中ではベンチャー企業が育ってきてマルチメディアに花を吹かせていく動きがある。そういった中で、現在のATT自身がさらに来年の一月一日を目標にして三つにみずからを分割していくというようなことで、このこと自身はスピードの経済性、よくエコノミーズ・オブ・スピードというようなことを言われておりますが、そういうような経営についての見方も一つの環境の変化ではないかというふうに存じます。 さらに、具体的には、ことしの二月になりましてアメリカはいわゆる一九九六年電気通信法という大幅な改正をいたしました。アメリカの電気通信法は一九三四年の法律でございますが、六十数年ぶりでの大改正を行ったということでございまして、そこでは競争をさらに強化していくという考え方であります。そういう意味では、政策潮流という意味でも、先生のお言葉をそのまま使わせていただきますと、メガコンペティションといいますか、そういう流れになってきたのではないかというふうに存じております。 NTTの見直しの視点という意味では、先ほど申し上げました基本的な目標という観点では安い料金で多彩なサービスを利用者、国民の皆さんに提供するというのがねらいであります。そのために、競争環境の整備という意味では公正有効競争を促進する、あるいはNTTの経営の向上という従来から言われていること、そういったことに加えまして我が国の国際競争力の向上あるいは研究開発の向上というのをどう考えるか。 あるいは、アメリカに典型的に見られることでありますが、国内と国際あるいは長距離と地域、通信と放送といったような事業分野の相互の参入、地域ごとの比較競争ではなくて相互の参入というようなこと、とりわけこれは地域の独占網についてでございますが、間接競争に加えて相互に直接競争をつくっていく、相互に参入をさせてつくっていくというような観点が出てまいりまして、技術革新とあわせましてこういう観点というのはある意味で言いますと大変大きな変化ではないかというふうに考えられております。 今回の審議会の答申もそういう幅広い視点から検討が行われたものというふうに私ども受けとめておりますが、私たちの検討に当たってもそういうことを認識して検討すべきものであるというふうに考えているところでございます。
○小林元君 今の御答弁にありましたように、国民的な視点といいますか、利用者の視点といいますか、サービスの向上が原点だろうと思うんです。そういう中で、いろいろ環境条件が大変変わってきている、激動しているということであります。 今回、政府決定というものが一年また先送りされた。内容については、三月二十九日の「規制緩和推進計画の改定について」という中でまた一年先送りするということになったわけでございます。その辺の内容と、先ほど大臣からも御答弁がありましたけれども、そういうあり方とは別に、さらにその他の問題について前進をしていくんだというようなお言葉もありましたけれども、その辺の決定の内容について簡単で結構ですので御説明をしていただきたい。
○政府委員(五十嵐三津雄君) 先生からただいま御指摘がありましたように、三月二十九日に規制緩和推進計画ということでNTTのあり方等についての閣議決定が行われております。具体的内容は、その中で、 NTTの在り方については、現在の情報通信の国際市場をめぐる情勢、国内における競争状態をとりまく環境に留意すれば、早急に措置すべき重要課題であるが、七年度内に結論を得ることは困難である。 したがって、本件については、電気通信審議会の答申の趣旨に沿って、関係者の十分な意見も聴取しつつ、規制緩和と、接続関係の円滑化を積極的に推進するとともに、次期通常国会に向けて結論を得ることができるよう引き続き検討を進める。というふうに閣議決定されたところでございます。 したがいまして、具体的内容といたしまして、先ほど大臣からも申し上げさせていただきましたように、規制緩和あるいは接続についての政策を展開するとともに、NTTのあり方について引き続き検討を進めてまいりたいというふうに存じております。
○小林元君 接続のルール等々につきましてはぜひ推進をしていただきたいというふうに考えております。 ただ、NTTのあり方の問題につきましては、去る二月二十日の逓信委員会で大臣の所信表明がございましたが、その中で規制緩和については「橋本内閣の最重要課題の一つであり、郵政省としても規制緩和の積極的な推進に取り組んでまいります」ということで今のお話があったかと思います。 さらには、NTTのあり方について「平成七年度に結論を得ることが閣議決定されておりますので、行政改革委員会の御意見や今月末に予定されている電気通信審議会の答申を踏まえて、適切に対処してまいる所存であります」、こういう所信表明があったわけでございますが、残念ながら一年先送り。国民の方かち見ればまたかという気持ちがあるんではないか。どういう結論を出すかという内容の問題が重要なんでしょうけれども、どうして先送りをしたのか、その辺の理由をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) NTTのあり方については、昨年の四月に郵政大臣から電通審に対して諮問させていただいて、本年の二月二十九日に御答申をいただいたところでございます。 先ほどもお答えしたところでございますが、今回の答申はNTTのあり方について、世界的な政策の動向、それから情報通信分野をめぐる環境の変化、世界的な政策動向というのは世界的な展開や何かが非常に早まっているというような状況がありまして、世界中で合従連衡といいますか、いろいろ各国の動きが非常に急になっております。また、情報通信分野をめぐる技術革新などもどんどん進んでいる。そういった多岐にわたる視点から幅広い論点について御検討をいただいて、その成果をお取りまとめいただいたわけであります。 このように答申が幅広い内容を網羅したものであるということから、その趣旨をより一層幅広く、かつ正確に各界各層に御理解をいただくということが必要でございまして、またいろいろ起こっている事態についての分析というものも、日進月歩ずっと変わっている状況も分析しみんなで理解し合わなければならないという点もありまして、もう少し時間をかけること、拙速を避けるということも必要かというような判断をいたしたわけでありまして、関係の向きとの調整も踏まえた上で次期通常国会に向けて引き続き検討を進めることというふうにさせていただいたわけでございます。 なお先ほどもお話ししましたが、この期間、我々は決して指をくわえて何もしないというわけではございません。いろいろ多くの事柄にどんどんチャレンジをしながらこの一年間を実りのある期間にしたい、このように思っていますことはどうぞ御理解いただきたいと思います。
○小林元君 大臣から御答弁いただきましたが、実りのある検討時間にしたいということでございますが、今回の規制緩和措置のいわゆる政府決定の中身の中でも触れられておりますけれども、この一年間、「関係者の十分な意見も聴取しつつ」というような一項目も入っております。具体的にはどのような検討というんでしょうか、まさか二度も電気通信審議会に諮問をするというようなことではないんじゃないかと思いますけれども、どのような体制でどのような検討をするのか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(五十嵐三津雄君) 閣議決定をいたださましたり、あるいは行政改革委員会の意見という格好でいただいているものを踏まえますと、基本的には審議会の指し示す趣旨というようなことで規制緩和、それから接続に関する政策の推進、そしてNTTの再編成というのを三位一体として実施していくということであろうかと思っております。 規制緩和につきましては、例えば移動体通信の普及、競争状況の進展に伴って認可をやめて届け出制にするとか、あるいはKDDの国内通信業務への参入というようなことにつきまして法制度上の検討を行うというようなこと、あるいは接続につきましては既に審議会に諮問をさせていただいておりますが、その検討を始めております。これにつきましても平成八年中に結論を得て、法改正の手続をとるべく準備体制に入ったということでございます。 ただ、NTTの再編成ということにつきましては、次期通常国会に向けまして、例えば答申の趣旨を地方を含めまして各界各層の方々に広く御理解いただくというような取り組みも必要かと思っておりますし、商法上の扱いあるいはその他法令に関すること等再編成にかかわる問題の検討が必要である、あるいは国際的な環境下でのNTTの研究開発のあり方、そういった検討すべきテーマが具体的にございます。こういうものにつきまして具体的な検討を進めるに当たりまして、例えば政府内部の関係省庁との協議を行いましたり、当事者であるNTTの意見あるいはその他関係する事業者の方々の御意見を伺う等々の検討を進めていく必要があるというふうに考えております。 それから、具体的なNTTの再編成そのものにつきましては既に審議会から青写真が二月二十九日に示されております。閣議決定におきましても答申の趣旨に沿ってということで検討すべき方向は示されているということもございまして、NTTの再編成そのものについて今回改めて審議会に諮問させていただくといったことは考えていないところでございます。
○小林元君 NTT問題が先送りされている現状につきまして、先ほど来、大臣からもアメリカの例やら、要するに情報通信市場というものは大変激変をしている、あるいは技術的な問題も大変な変動の時期であるということでございます。 しかし、これはもう十数年前に問題を提起された時点から、NTTばかりでなくて通信事業者全体が先行きどうなるんだろうか、そういう中で国際的な戦略を立てるにもやはりその辺がはっきりしてこないと大変不安である。こういうことでやろう、国を挙げてやろうとかあるいは会社を挙げてやろうということになりましても、どうも戦略が立てられないんではないか。 そういうことで、やはり激変する情報産業、そしてまた期待されている情報産業の発展というものから考えれば、拙速という意味ではありませんけれども、やはり十分に検討した上で日野大臣の決断と実行をぜひ要望したいというふうに考えております。御所見があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) NTTの経営形態の問題については、今回の閣議決定にもありますように、NTTの経営形態についての現在の情報通信の国際市場をめぐる情勢、それから国内における競争状態を取り巻く環境等々に留意をいたしますと、早急に処置すべき重要課題であることは我々も認識をしているところでございます。 したがって、私としては、本件については電気通信審議会の答申の趣旨に沿いまして、関係者の十分な意見を聴取しながら、次期通常国会に向けて結論を得ることができるように取り組んでまいるという覚悟でおります。
○小林元君 次に、内閣に高度情報通信社会推進本部が平成六年八月二日に設置されました。七年の二月二十一日に高度情報通信社会推進に向けた基本方針というものが決定をされました。この実施といいますか、実現に向けまして、平成七年度の予算には間に合わないわけでありますけれども、平成八年度の予算編成の過程におきまして推進本部はどのような役割を果たしたのか。あるいは有識者会議というのがあるようでございますが、そういう高度情報化通信社会の実現に向けての関係予算の実現につきましてどのような役割を果たし、あるいは予算編成に当たってどのような評価をしているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) 高度情報通信社会の推進というのは、豊かな国民生活、それから高度な産業活動を新しくつくり出していく決め手であろうというふうに考えておりまして、政府全体としても全力を挙げて取り組むべき政策課題だと、このように考えているわけでございます。 このような認識を持ちまして、郵政省は推進本部の副本部長として高度情報通信社会推進に向けた基本方針、それから公共分野の情報化実施指針の策定というようなことについては全省庁一丸となった取り組みの加速、推進に努めてきたところでございます。 平成八年度予算編成においては、各省庁とも基本方針、それから実施指針に沿って情報通信の高度化に向けた政策の実現に努力をされたものというふうに私は考えております。今後とも、情報通信社会推進に向けた取り組みを一層強化してまいりたい、そのために副本部長として全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○小林元君 郵政大臣、それから内閣官房長官、通産大臣が副本部長ということでございますが、やっぱり主役は郵政大臣だろうというふうに考えておりますので、これからも郵政大臣として、副本部長として総合調整機能を発揮されまして頑張っていただきたいというふうに考えております。そういう中で、郵政省の予算も厳しい財政状況の中で二〇%近い伸びを示したものというふうに受けとめている次第でございます。 それから、内閣審議室の方から来られておると思いますが、この基本方針につきまして、大臣からも今ちょっとお答えがございましたけれども、公共分野等の実施方針をつくるとか、あるいはこの基本方針のフォローアップを今後とも続けていくんだというようなことでございますし、さらには新たなる課題などの検討がされるというふうに聞いておりますが、そういうフォローアップあるいは課題検討の状況などをお聞かせいただければと思います。
○説明員(潮明夫君) ただいまお話しのフォローアップでございますが、基本方針におきましてフォローアップを行うということにされておりまして、これに基づきまして本年二月にフォローアップを行ったところであります。このフォローアップを通じまして、基本方針に基づきます各省庁の施策が具体化され、また関係省庁の密接な連携のもとに所要の調整が行われているところであります。 この問題の重要性にかんがみまして、基本方針の今後のフォローアップを行う際にも有識者等の御意見を伺いつつ進めてまいりたいと考えております。
○小林元君 先ほども申し上げましたけれども、予算が決まった段階で本部会議をやる、あるいは有識者会議をやるというようなことではなくて、でき得ればやはり予算要求というんでしょうか、概算要求の時点で本当にこの基本方針に沿った要求なのか、あるいはことしはこういう方向で実現に向けて頑張ろうというようなことをやっていただくようにお願いをしたいと思います。 それから次に、もう既に内閣委員会で審議され、本会議でも決定をされておりますけれども、郵政省設置法の一部改正によりまして郵政審議官が今回設置されることになるわけでございますが、これは既に四年前に委嘱審査のときの逓信委員会でも審議をされております。そのときには今後の検討課題というようなことであったわけでございますが、その後、今回になりまして設置をするというわけでございます。 現在といいますか、当面する国際的な課題というようなものを具体的に説明していただければと思います。
○説明員(長谷川憲正君) 近年、情報通信の社会的あるいは経済的な役割が増大するに従いまして、御指摘のとおりに、国内のみならず国際的にもたくさんの問題が生じてきているところでございます。これらの問題につきましては、先進国間での競争の問題あるいは協調する問題、そして先進国と途上国との間の援助協力の問題、あるいは人類全体として取り組むべき環境等の課題、いろいろあるわけでございますが、とりわけ私どもは世界的な情報通信基盤の整備、それと情報通信分野での政策協調、この二つを当面の重要な国際的課題であると認識をしているところでございます。 まず、世界的な情報通信基盤の整備でございますが、これは持続的な経済成長として新たな雇用の創出に向けまして大きく貢献すると期待をされているものでございます。この情報通信基盤の整備は各国それぞれの努力も重要でございますが、世界全体が一体として整備をされるということが大変重要でございまして、そういう意味で各国が協力をして構築すべき分野だというふうに考えております。 我が国といたしましては、G7各国で合意がなされております国際共同プロジェクトというものがございますが、これの一層の推進、あるいは関係国際機関等における国際協力の強化によりまして、GIIと呼ばれております世界情報通信基盤、あるいはAIIとかAPIIとか略称されておりますアジア太平洋情報通信基盤の構築に向けまして積極的に貢献をしてまいりたい、このように考えております。 また、もう一つの大きな課題であります情報通信分野での政策協調につきましては、御存じのとおりのWTO等で行われております電気通信の制度や規制の枠組みについての国際的な調整、そしてまたITUなどで行われております国際的な技術標準をめぐる問題、こういったことに適切に対応していくために二国間あるいは多国間の協議を通じまして政策協調を推進してまいりたい、このように考えております。
○小林元君 国際的な協調、協力ということがいろいろあろうかと思いますが、特にことしの五月に南アフリカで予定されております情報社会と開発に関する会合でございますか、この辺は非常に大事だというふうに伺っているんですが、どのようなことなんでしょうか。
○説明員(長谷川憲正君) 南アフリカでこの五月十三日から十五日まで情報社会と開発途上国ということをテーマにいたしまして、情報通信担当の大臣の会合が開かれることになっております。これは昨年の二月にブラッセルで開かれましたG7の情報通信担当の閣僚会議のいわば第二回目に当たるものでございまして、今回はG7だけではなくて、開発途上国を含めて情報社会の恩恵というものをどうやって世界的に広げることができるかということをお話し合いいただくということになっております。 この南アの会合につきましては、マンデラ大統領が大変に力を入れておられまして、今回はG7各国のみならず、開発途上国も三十カ国程度大臣を派遣されるというふうに聞いているところでございます。私どもも日野郵政大臣に御出席をいただきまして、日本の経験を踏まえて全世界的な情報通信基盤の整備ができますように大いに発言をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○小林元君 郵政審議官の設置につきましては私も大賛成なんですけれども、今回、審議官を設置するに伴いまして、いわゆる国のルールと申しますか、スクラップ・アンド・ビルドというようなことで、今回、審議官一名を決めるについて、通信政策局の次長あるいは官房審議官、そしてまた、何かタコが自分の足を食べるように、官房の国際部の国際機関課を廃止するというような非常につらい措置をしたわけでございますが、その辺、やはり必要なものは必要なんだと思うんです。 ですから、そういうスクラップ・アンド・ビルドというような方式とか、あるいはシーリング方式をやっていると、いつになっても日本はよくならないんじゃないか。もちろんめったやたらに予算をふやせ、人員をふやせという意味ではありませんが、必要なところには必要な配置をするというふうに考えるのが普通ではないかと思うんですけれども、どうもそういう常識というものが国では通らないというのは問題ではないかと思うんですが、御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷公士君) ただいまの御指摘に直接にお答えする能力がないのでございますが、御案内のように、行政組織の改正に当たりましては、機構の増大を招かぬようにするためにスクラップ・アンド・ビルドの原則で対応するというのが確かに従来からの政府の方針でございます。今回の郵政審議官の設置に当たりましても、この方針を踏まえまして所要のスクラップを設けたわけでございます。 このスクラップを予定しております組織でございますけれども、いずれも郵政行政の運営上重要な組織であるわけでございますけれども、郵政行政の国際化を強力に推進する郵政審議官の設置の必要性、緊急性にかんがみまして、他の組織、要員で業務を代替することを検討いたしましてこの廃止に踏み切ったわけでございまして、私どもといたしましてもまことにやむを得ない措置であると考えております。 ただ、このスクラップに当たりましては、これまで国際関係事務を総括してまいりました総務審議官、それから残ります二名の官房審議官等の担務変更等を行いまして、それぞれの業務運営に支障がないようできる限りの努力を尽くしてまいりたいと考えております。
○小林元君 業務執行上重大な支障を起こさないようにぜひ頑張っていただきたいと思います。 以上をもって質問を終わらせていただきます。
○松前達郎君 社会民主党の松前でございます。 きょうは主として電波に関係したことについてお伺いしたいんですが、先ほど保坂委員からTBSの問題についていろいろと詳しい御質問があったわけであります。予定した質問もありますけれども、その前に、またTBSかということになるかもしれませんが、重複するかもしれませんけれども、TBS問題について少し触れさせていただきたい、こう思います。 TBSのオウム報道を取り扱った番組の取り扱い、これにつきましては、先ほど来お話ありましたように、坂本弁護士の殺害に関連しているのではないか、結果としてそういう事件が起きたのではないか、こういうことが今問題にもなっているわけであります。 東京放送、TBSでは四月三十日に坂本弁護士テープ問題及び関連事項調査報告と特別調査人調査報告及び青山メモに関する報告を出しておられます。私もそれを読ませていただきました。 しかし、これを読んでいるうちに、これらの報告はいずれも明確な調査結果をあらわしていないんではないか。一連の報告から受けとられることは、時間的経過と番組当事者に対する事実追及、これらが内容としてほとんどでありまして、その結果、番組制作担当者や関係者の判断ミス、何カ所かこの判断ミスという言葉が出てくるんですが、判断ミスということが強調をされているわけであります。東京放送の社内調査結果は、まさにこれこそワイドショー的な調査じゃないかという感じを私は持ったわけでありますが、その中から会社の責任というものはみじんもうかがえないのであります。 あえて取り上げますと、会社としての対応がうかがえるのは、調査報告の結語の中に「放送の社会的影響力の大きさについて常に謙虚であり、奢りや昂りを捨て、放送人としての厳しさを全社員が身につけることこそ再生の道である」、こういうふうに述べられているわけですが、ここにも社員に対する要望が第一でありまして、会社の義務については触れていないのであります。 佐藤特別調査人調査報告書がございますが、この中では「一九九五年九月五日以降の社会に対する責任はむしろ会社にあるのであって、個人の責任として捉えるべきではない」、そういった会社の責任を強調されております。 これをずっと読んでみまして、今回の問題は何もTBS一社の問題であるとTBSだけを挙げてとらえるべき問題ではないのではないか。これから来るべき高度情報化社会、あるいはマルチメディアといいますかインターネットといいますか、こういった新しい時代を迎えるに当たりまして報道の自由、これは一つの大義名分かもしれませんが、これに対しましてその結果として生じる社会的責任、結果責任と私はそこで申し上げたいんですが、この結果責任に対して何らかの義務を負ってもらうような、それを明確化しておく必要があるんじゃないか、こういうふうに考えているわけであります。 間違った報道あるいは誤った報道、こういったような報道が今までたびたび行われたわけでありますが、その結果、人権や名誉を損なわれた人々もたくさんいるわけです。この人たちに対して、報道機関そのものが非常に強い力を持っておりますが、名誉を毀損されたような人たちは泣き寝入りしている人が非常に多いんだろう、こういうふうに思っておるところであります。しかし、これがもしか誤っているとわかったとしても、一言その訂正で終わってしまう、あるいは謝罪、謝罪することはめったにないんですが、謝罪記事とか謝罪放送でもって済ませてしまう。これは余りにも身勝手ではないだろうかと私自身は思っているところであります。 ですから、こういったことに対して何らかの義務、責任として会社の持つべき義務というものをどこかで明文化しておく必要があるだろう。確かに放送行政に当たって報道を規制するということは絶対やるべきじゃないと思いますが、その結果として生じた社会的責任に対しては会社そのものが義務として何らかの結果責任を負うべきである、こういうふうに私は考えておるわけでございます。 報道に対する法的規制の問題、これは憲法で保障されている報道の自由でありますから絶対に行うべきではないけれども、しかしその結果生じた社会的責任に対しては何らかの義務、あるいはそれに対して被害をこうむった人たちが何らかの提訴ができるようなシステムというものを今つくり上げておかなければならないだろう、こういうふうに私は個人的に考えているわけであります。 オウムの問題、特に今度のTBSに関連する問題というのはなかなかはっきりした対応というのができないんだろうと思いますけれども、規制をするんではなくて、結果責任をきちっと義務化しておくということはできるんじゃないか、こういうふうに考えておりますが、これについて郵政省あるいは大臣、どちらでも結構ですが、まずお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 今回のTBSの報道問題、あるいはその前のいろんなやらせの問題とかサブリミナル問題で、先生御指摘のような問題が幾つか現在提起されているわけでございます。 今の放送法によりますと、先ほど申し上げましたように、三条の二によりまして幾つかの規律といいますか、放送番組についての基準が示されております。あるいは番組基準というものもつくられておりますが、間違った放送によって例えば人権が侵害された場合の処理するシステムがない。現在は、前回の国会でもつくっていただきました訂正放送というのがかなり前よりは充実してまいったわけですが、訂正放送制度だけでなく、そういうふうな苦情の処理のシステムがないんではないかというお話等はほかのところでも出ておりますし、我々もその件につきましてはいろいろ研究はしているところでございます。 ただ、現在、そういうふうな青少年に与える影響であるとか、こういう苦情処理の問題であるとか、あるいは訂正放送の問題であるとか等々幾つかの問題がございます。こういうふうな問題を幅広く検討しておりまして、そういう中で現在日本において何が必要かということを考えて、将来の方向を定めるべく勉強をしておるところでございます。
○松前達郎君 ぜひ検討を重ねていただきたいと思います。なかなかこれは難しい問題だとも思います。今後またそれが原因でいろいろど社会問題になる、法律をつくったらそれなりに今度は規制という問題に入っていきますから、そうではなくて何らかの方法がないものかというので御提案申し上げたわけでございます。 さて、次は郵政省の今後の衛星計画なんですが、これからデジタル通信の時代である、これは各委員からもいろいろお話がございました。電波を有効利用するという考え方ではデジタル通信が一番有効利用できるんではないか、こういうふうに思うわけでありますが、今後もマルチメディア時代の放送・通信あるいはコンピューター、これらの基本がすべてデジタル技術なんですね。ですから、共通の言語である、言語といいますか通信方式であるデジタルというシステムがやはり非常に重要な役割を果たす時代になってくるだろう、こういうふうに思います。 三月四日にアメリカのクリントン大統領が、デジタル技術による情報ネットワークによって政府自身もさらに小さな政府が構成されるようになるだろう、こういうふうな演説もしているわけであります。さらに、アメリカのFCC、連邦通信委員会のハント議長、このハント議長というのはゴア副大統領のクラスメートだそうでありますから、いわゆる通信のハイウエーのシステムというものに対しての理解はあるんだと思うんですが、このハント議長も地上波の放送についても来年じゅうにはデジタル化の方向を決める、こういうふうに発言をいたしております。 また同時に、電波というもの、これはテレビの電波ですが、これを利用するについては十年のライセンスだと、アメリカの場合は十年だというふうに聞いておりますが、このライセンスの期限がもしか切れたときにどうするのか。電波そのものをオークションにかけるんだと言うんですね。国の財政にも寄与できるんだと。電波をオークションというのは私も初めて聞くんですけれども、そういう話までしているようであります。 また、テレビのネットワークについても来年からはデジタル放送を開始すると言っていますし、さらにグローバル・ワンという会社があります。これはドイツ・テレコムとフランス・テレコム、それからアメリカのスプリントという三つの会社の合同でできた新しい会社がありますが、このグローバル・ワンが共同事業を今始めようとしておりまして、その共同事業の中に既にたしかインドネシアも参入しているんではないか。恐らく中国、日本に参入をしてもらいたい、こういうことも考えているんじゃないかというふうに思います。 世界じゅうが新しい通信事業で、しかもこれがボーダーレスという新しい視野から始められる時代が来たわけでありますが、国際化と言っていいと思います。 この中で、基本的な技術として共通な技術の中にはやはりデジタル技術があるんですね。FCCの議長によりますと、アナログ方式というのはもう既にアメリカでは考えられないんだと、考えられないというのは商売にならないと彼は言っているんですね。それはどういうわけかといいますと、あらゆる分野との接続が可能なデジタルでなければ問題にならない、こういう意味だろうと思います。 そこで、今日までNHKが中心となりまして推進をしてきました、また企業もそれに協力をしてきたと思いますが、いわゆるアナログ方式のハイビジョン放送と今後の衛星デジタル放送との関係、これは郵政省あるいはその他の衛星計画と非常に大きな関係を持っていると思います。この関係について。 また同時に、地上波のデジタル化についても恐らく今後推進されると思いますが、これについての将来計画をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 先生御指摘のように、ハイビジョン放送は我が国が世界に先駆けて開発しました高精細度のテレビジョン放送でございます。ただ、これは伝送方式がアナログでございます。これに対しまして、いわゆるデジタル放送というものは伝送方式がデジタル圧縮技術を活用している。それによりまして放送の多チャンネル化というものが可能となる放送でございます。 我が国におきましても、ことしの夏から衛星デジタル多チャンネル放送が開始される予定でございまして、現在、我が国を含めまして世界で放送のデジタル化というのが一つの大きな潮流になっていることは先生御指摘のとおりでございます。 さて、そのような中で、郵政省としてこのようなハイビジョンをどうするかということでありますが、このハイビジョンによって培われてきました高画質というものの技術はなかなか貴重なものでございます。したがいまして、この技術を生かしつつ、かつ放送のデジタル化という世界の潮流に沿った行政運営をいかにしていくかということが必要であろうかと思っております。 ただ、現在の時点では、既にハイビジョン放送あるいは衛星第一、第二、WOWOWというのは衛星で、アナログで放送されておるわけでありますが、たくさんの聴視者もついているわけであります。したがいまして、BSの八チャンネルのうちのさきの四チャンネルにつきましては、いわゆるBS4と言っておりますが、BS4の先発機におきましてはハイビジョン放送を継続して行うこととして、残りの四チャンネルを含めたものにつきましては、デジタル化の潮流も含め、一年ほどもう少し詳しく検討してみようというふうに思っているわけであります。 なお、ハイビジョンの関係でありますが、例えばデジタル方式によるハイビジョンというものが導入されたとしても、現在のアナログのハイビジョンにアダプターをつければ引き続き放送を受信することが将来できるわけでありますから、デジタル化によって今のアナログの放送がある日突然に消えるということのないことはもう御承知のとおりでございますが、あえて申し上げておきたいと思います。 それから、地上波のデジタル化でございますが、これにつきましては二〇〇〇年代の前半に実現するように一応我々は計画を練っておるところでございますが、地上波のデジタル化というのは、日本の場合、アナログの地上波の放送が非常に桐密に配置されておるわけでございます。これをデジタル化することは技術的にもなかなか難しい問題であります。この技術的な面の研究を今進めているところでございます。
○松前達郎君 システムの大転換になるわけですね。ですから、早目に将来計画というのをきちっとしておかないと大混乱が起きる。大混乱でもないかもしれませんが、大変なロスがあるのではないか、こう思います。 例えば、BS4の寿命が来たら次にまた同じようにアナログでずっと続けるのかどうかとか、その辺まできちっとしておきませんと、やる方も大変だと思いますし、見通しがつかないようでは困るわけですから、ひとつその点は十分見通しを立てた上で将来計画を立てていただきたい、こう思います。 さて、次にやはり同じ電波ですが、電磁波の問題です。これももう既にあちこちで問題になって、先ほどもお話出てまいりましたけれども、今度は電磁波が人間に与える影響です。 この委員会だったかどうか忘れましたけれども、かつて電磁波が人間に与える影響について各国の研究なり規制なり含めて質問もし、あるいは私自身も調査したことがございます。特に、最近問題になっているのは、これは与えるということが結論として出てきているわけではありませんが、いわゆる移動体通信の中の携帯電話、あのアンテナというのは頭脳のすぐ横でもって電波を発射するわけです。出力は非常に弱いんですけれども、非常に近い距離ですから影響があるかもしれない。これらについて、人体に与える影響が一つ。 それからもう一つは、航空機などについても離着陸のときには微弱な電波であっても機内では使用できないわけですが、携帯電話が病院とか、そういうところにおける医療機器に与える影響も既に問題になっております。 それから、さらにもう一つはテレビ、いわゆるブラウン管のテレビですが、このブラウン管の蛍光面から出てくる電磁波が人間の目に与える影響も、今まで既に網膜剥離になった人も何人かいますから、恐らくこれもある程度問題にしなきゃいけないだろうと思いますが、まだこれは数量的には解析をされていないわけであります。 こういった問題について、積極的にこれから研究あるいは実験等もやっていかなきゃならないと思うんです。郵政省の通信総合研究所ですか、あそこではある程度データを持っておられると思いますが、今後、それらについて医療機関等との共同で何らかの調査をする御意思があるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。 また、通産省の方が見えていると思いますが、ワープロとかブラウン管による人体への影響についてどうお考えなのか、これもあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(五十嵐三津雄君) 無線機器が大変普及してくる中で、電波が人体に与える影響ということで、一般的な電波が人体に与える影響と医療機器という観点が先生から今御指摘がありました。二つのことについて申し上げさせていただきたいというふうに思っております。 かつて、昭和六十三年に電気通信技術審議会におきまして、電波利用における人体の電波防護指針というのを諮問して、平成二年の六月に答申をいただいております。その中身としましては、防護指針という中では、電波のエネルギーの量と生体への作用との関係が示されておりますが、出力が七ワット以下の無線機器から発射される電波というのは人体に影響を及ぼすものではないというふうにされております。七ワットと申し上げましたが、携帯電話は〇・六ワットでございますので、はるかに低い状況でございます。 ただ、その後、幾つかのことで欧米等にも議論が展開されております。私どもとしましても、平成七年度に人体の電波防護の在り方に関する調査研究会を行いまして、この三月にその報告をいただきました。 その結果によりますと、七ワット以下の無線機器から発射される電波というのは人体に影響を及ぼすものではないという基本的な部分についてのかつての防護指針の改定は要しないというふうにされております。 ただ、先生からも御指摘のありましたように、今後の課題ということで研究をしていくことにつきましてですが、一つは安全に使えることでの普及活動でありますとか、そういうことが必要かと思います。 研究という意味では、七ワットとなっていますが、数多くの電波が長期間にわたって人体に及ぼす効果はどういうものかというような観点とか、それから今まで対象にしているものより高い周波数が人体にどういう影響を与えるかというような研究、こういうことにつきましては、関係団体はもちろんでございますが、通信総合研究所の研究能力というのを活用いたしまして、さらに研究を進めてまいりたいというふうに存じております。 それから、医療機器についてでございますが、これにつきましても、ことしの三月に関係者から成る対策協議会の作業部会の中で報告をいただいております。 一、二内容を申し上げさせていただきますと、例えば手術室とか集中治療室には携帯電話のたぐいは持ち込まないとか、病棟内で電源を切るようにするとか、あるいは心臓ペースメーカーの装置は装着部分から二十二センチ以上離して使用する。二十二センチ以上というのは人間の手を開いた場合のいっぱいが大体二十二センチだそうでございますが、そういうことでありますとか、あるいは自動車電話のアンテナの場合には三十センチ以上離れるというようなことで、これはペースメーカーのことでございますが、そういうことが示されております。 ただ、PHSにつきましては出力が〇・〇八ということで大変低いものですから、実験の結果によりますと、心臓ペースメーカーには影響を与えなかったということが確認されております。 そんなことで、このことにつきまして、私ども事業者の協会あるいはメーカーの方々に文書をもって連絡をし、注意喚起を図っておりますが、この研究会自身は厚生省あるいは専門の医療関係者、それから医療メーカーも入っておりましたので、さらに厚生省を通じましても文書によって周知が行われているという現状でございます。 そういうことで、さらに広範な医療機器につきまして携帯電話の電波による影響に係る実証実験を行って、データを蓄積いたしました上で、平成八年度末を目途により詳細な指針を取りまとめたいというふうに今考えているところでございます。
○説明員(杉原誠君) 家庭で使用されている家電製品から発生する電磁波の人体影響についての通商産業省としての取り組みについて御説明申し上げます。 通産省におきましては、粗悪な電気製品による危険、障害を防止する観点から電気用品取締法というものがございまして、これに基づく規制を行っております。この法律の技術基準に電気用品から発生する漏えい電磁波の限度値というのを定めて、製造事業者等に対して基準への適合を義務づけております。 電磁波の人体防護レベルを定めた指針といたしまして、先ほど郵政省の方から御説明がございました電気通信技術審議会が平成二年に策定いたしました電波防護指針が存在しております。私どもとしては、電気製品に関して民間に設けられました電気用品調査委員会というものが平成三年にまとめた報告書がございます。これによりますと、電気用品取締法の技術基準の水準、これは主として電波雑音の防止の観点から漏えい電磁波の限度値というものを決めておりますが、この限度値が平成二年に策定されました電波防護指針の水準を十分満足しているということを確認しております。 それから、先生の方からもう一点ありましたブラウン管からの放射線についてでございますが、これも電気用品取締法の対象品目でございます。テレビジョン受信機等につきましては、同法に基づいて定められている技術基準におきましてエックス線放射量の基準値が定められておりまして、この機器の製造事業者等に対して同じく遵守義務が課せられております。その決められている基準値は国際規格でございますIEC、国際電気標準会議規格の基準に準拠しておりまして、国際的な一般的な水準を用いておるところでございます。 私どもといたしましては、電気製品から発生する電磁波の人体影響の問題につきましては、今後とも、国内外の関連機関の科学的分析等の進捗や電気製品の実態、国際的な規制制定動向等に十分目を向けつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○松前達郎君 終わります。
○伊藤基隆君 私は、まず郵便貯金関係について御質問いたします。 昨今、郵便貯金について公的金融システムという観点から議論をされている、そういう状況があります。ある立論に至るために公的金融システム論として郵貯をとらえているというふうにも思われますが、すなわち郵便貯金について大蔵省資金運用部や政府系金融機関とあわせて公的金融システムというとらえ方でございます。 郵便貯金や厚生年金や国民年金の資金の状況を入り口というふうに称して、大蔵省資金運用部を中間ないし仲介というとらえ方、政府系金融機関を資金の出口、入り口・出口論ということで一体で議論されるべきであるという主張でございます。 私は、入り口の郵便貯金にしても年金にしても、公的な資金調達を本来の目的にしているわけではないというふうに思いますが、それらの入り口の制度を通じて集まった資金が、実際に財投を通じまして公共的に配分され、社会資本の整備や住宅または中小企業等の分野で活用されているということを考えれば、公的金融システムとして公的な資金の流れを一体のものとしてとらえて、民間金融システムとは異なる役割を明らかにすることは有意義なものというふうに考えております。 かつて、日本経済とアメリカ経済を比べる中で、財政投融資の存在が日本に非常に優位なものであるという見方がありました。すなわち、公的金融システムの価値観というものに対する認識が社会的に強くあった。これはまた今日でもあるというふうに考えられます。 しかし、バブルの発生、バブルの崩壊という経過の中で、今日、国会の論議にもなっておりますように、住専問題を中心とする金融システムの非常な信用の失墜問題、さらには背後にある膨大な不良債権の存在というものが社会不安の根幹となっていることはお互いに認識しているところであります。 そういう中で、今、改めて公的金融システムの役割の重要性が問われているのではないか。特に、金融混乱と言われる状況と金融の国際化、その中で国内の金融需要にどう対応していくのか、ないしは地方分権のときに地方自治体の社会的インフラ形成に向けた資金需要にどうこたえていくか、直接投資、直接融資や地方債の引き受け等に新たなというか、より重要な価値観、非常な役割というものが出ている。その十分な論議をこれから国会においても、またはさまざまな場面においてもやらなくてはならないと思います。 ただ、昨今出ておるさまざまな主張の中で、この入り口、出口の関係をめぐる議論は錯綜しておりまして、事実なり制度が正しく理解されていない点があるようでございます。この際、そうした点にも触れてただしておきたいと思います。 そこで、まず第一に、郵貯が肥大化するから財投が肥大化するという主張がございますが、これについてどのように考えているか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(木村強君) 個人貯蓄に占める郵便貯金のシェアでありますけれども、ここ十年、二割程度とほぼ一定で推移をいたしております。したがいまして、全体の経済の発展の中でそのシェアはほとんど変わっていないということからいたしますと、郵貯のシェアというのは安定的であるというふうに考えておりまして、特段肥大化しているというふうには考えておりません。 したがいまして、私どもとしましては、郵貯が肥大化するから財投が肥大化するということは事実として間違いであるということで、各方面にもこれからさらに積極的に正しい理解が得られるように努力してまいりたいと思います。 現に、出口の部分でありますけれども、財政投融資につきましては、おのおのの政策課題に対応する具体的な財投要求というものが各役所から出てまいります。それに基づきまして大蔵省の理財局が資金需要の審査を行い、資金運用審議会の審議を経て大蔵省が政府として計画を決定した上、予算として国会の議決を経て実施されておるものでありまして、郵便貯金という原資の側の事情によって財政投融資の額が決定されているというものではないということでございます。 具体的に見ましても、毎年度の財投計画の増減が郵貯の預託純増の増減によって左右されているという事実はございません。例えば、平成五年度の例でありますけれども、郵貯の預託純増は前年に比べて減少いたしておりますけれども、財投計画の額というものは前年に比べて増加をしておるということでございまして、今、先生御指摘のように、それぞれの政策課題に対処するための需要というものがあって、それに基づいて大蔵省を中心とした関係当局、さらには最終的には国会の御了解を得て決まっておるということでありまして、郵貯の原資がもとで財投が決まるという仕組みにはなっていないと考えております。
○伊藤基隆君 今、答弁でシステムの具体的な内容が明らかにされたわけでありますが、財投はたまたま資金に余裕があるから何かに投融資しよう、そういうものではない。政策的な必要があって計画が立てられるわけでございます。さらに、財投は市場を通じては十分な資金供給が行われない分野に政策的に資金を供給するものでありまして、今答弁にありましたように、それがゆえに各分野における予算要求と並行して財投要求が行われ、予算と一体的に編成されているものでございます。 政策性の裏づけがある融資が行われているかどうか、または政策的な必要性が既に薄弱なものとなっているのに漫然と融資を続けているというようなことがあってはならないわけでありまして、公的金融システムがきちんと機能しているかどうか、それを十分に検証する、そういうことが重要なことだろうというふうに思っています。 その政策性の判断というのは市場が機能しない、そういう分野でございますから、当然市場ではそういうことは成立しません。かといって、政府がその時々の都合で恣意的に行ってよいものでもないわけでして、この点が特に重要な問題点であろうというふうに思っています。社会経済の長期的な見通しなり戦略を持ちつつ、国民の意思が的確に反映するように民主主義的に決定していくことが不可欠であります。これは私ども社会民主党の長年の主張でございます。 この原則は、従来より財政システムについての財政民主主義という概念での議論がされてきておりますが、公的金融システムについても、当然ながら同様に財政民主主義というものが当てはまるのではないかと私は考えています。公的金融システムについていかに財政民主主義を貫徹させるかという観点が大切であろうというふうに思っています。 公的金融システムの出口において、すなわち政府系金融機関の融資において、財政民主主義を貫徹させるためにどのような具体的な改善策があるのかということがまずもって議論されるべきであって、入り口をどうこうすることによって公的金融システムの問題が解決されるものではないということを、この際、答弁の具体的な内容に照らして明らかにしておきたいと思います。 そこで、公的金融システムという観点から考えた場合、郵貯に関してはもう一つただしておかなければならない論点があります。それは、公的金融システムとしての機能を果たす場合の金利についてであります。すなわち、郵貯金利が高過ぎるので預託利率が高くなって、財投金利も高くなっていくという議論が見られますけれども、これについてどう考えますか。 かつて郵貯の金利と預託金利が同額であった時代があるわけでして、そのときに郵貯はどのように経営されたのか全く疑問でありますが、そういう時代を経て今日を迎えているわけでありまして、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(木村強君) 現在、郵便貯金の金利は入り口も出口も、すなわち郵便貯金の金利、入り口でありますけれども、お客様が貯金をされますときの利率、それから私どもがお客様から預かりましたお金を資金運用部に預託をいたします金利も実は市場連動型、自由化にふさわしい仕組みに改善をされております。 かつて同じ率であったというときには、預託利率、出口の方でありますけれども、これが政策的な観点から非常に低く抑えられたために郵貯の経営が若干困難に陥った時代がございましたけれども、昭和六十二年でしたか、郵貯が自由化に対応していこうということで大蔵等関係方面と折衝いたしました結果、市場金利連動型という形になっておりますので、そういう意味では市場に入り口も出口も連動しながら動くという仕組みになっております。 まず、郵便貯金の金利であります。入り口の金利でありますけれども、市場金利等の動向を勘案いたしまして、あるいはまた民間金融機関の預金とも十分にバランスをとって決定をしておるということでありますが、その基本にはもちろん預金者の利益ということも勘案をいたしております。 一方、出口の資金運用部への預託の関係でありますけれども、運用部へは、郵貯のほか、年金等さまざまな事業の資金が同一の利率で預託をされておりまして、その利率は市場金利である国債、十年物でありますけれども、国債の金利を基本として大蔵省において政府として決定されているものであります。 したがいまして、郵貯金利が高いから預託金利が高いということにはなっていないということで、入り口の面では郵貯が市場金利あるいは預金者、民間金融機関の金利を十分見ながらつける、出口の方は郵貯以外にも厚生保険特別会計であるとか国民年金特別会計であるとか、その他のお金も入っておるわけでありますから、これと同一の形で国債十年物の金利を基本として決めておるということでありまして、郵貯金利が高いから預託金利が高くなっておる、あたかも預託金利が郵便貯金金利とずばりの形で連動しておるような考え方というのは全く誤解であるというふうに考えております。
○伊藤基隆君 私は、今日議論されているように、公的金融システムを景気の動向の中でとらえてその存在についてとやかく言う、よしあしを言う、判断をするということについては誤っているというふうに思っています。景気循環の一局面でその機能のよしあしや役割の適否を判断するのではなくて、長期的な観点から評価を加えることが大事だろうというふうに思っております。 また、公的金融システムを考える際に大切なのは、供給サイドの都合を考えるのではなくて需要サイドの立場で考えることだというふうに思います。単に民間金融機関とのかかわりで、どこが出過ぎだ、やり過ぎだというのではなくて、国民生活とのかかわりで見て、官民合わせてどこが不足しているのか、むだがあるのかというところが大事だろうと思います。 官悪民善というステレオタイプで物事を判断するのではなくて、来るべき二十一世紀に向けて、もちろんきょう私が言い、または貯金局長が答弁したように、改めるべきは改めていかなきゃならない。公的金融システムを活用して活力ある福祉社会を築く、そういう前向きの発想が大切であるということをこの際確認しておきたいと思います。 時間が余りありませんので、郵便についてお尋ねしたいわけでありますが、まず年賀状の状況についてだけお聞かせいただきたい。 年賀状の元旦配達率または年賀郵便の総数というものについて、まず端的にお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤豊太郎君) お尋ねの年賀郵便物の扱い物数でございますけれども、過去、昭和三十年には七億通程度であったわけでありますけれども、今回、平成八年には三十六億一千万通、対前年比プラス〇・八%というふうに増大しております。
○伊藤基隆君 年賀状をきちんと配達するというのは大変至難のわざであろうかというふうに、私も実際に働いた経験があって思っております。多くの非常勤職員を雇う、または常勤者も超過勤務を盛んに行ってようやっと間に合わせるということからすれば、元日の配達をきちんと行えたということは、この事業は最も大きなイベント的な事業でありますから、成功したのではないかというふうに思っています。 なお、きょうは時間がなくて余り聞けませんので後の機会にしたいと思いますが、さらに年賀状をきちんと配達するばかりでなくて、日本のまさに文化的行事、国民的習慣と言われるこの年賀の問題をさらに活発化させる、ないしは子供の社会に手紙のおもしろさを教えていくという取り組みについて郵政省としても十分に考えていただきたいということをここに要望しまして、それに対する郵務局長の考え方をお聞きして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(加藤豊太郎君) 御指摘のように、児童それから生徒が手紙を書くこと、ないしは読むことを体験するということは文章表現力の向上に大変役立つことでありまして、その行動を通じてコミュニケーションの価値を実感することが次世代を担う児童生徒等若い世代にとって非常に大切な教育的な効果を持つものだというふうに思っております。 そこで、郵政省は、年賀状を含めまして実際に手紙やはがきを書くことを体験する機会を提供することを目的といたしまして、全国各地の郵便局におきまして児童生徒を対象とした手紙教室だとか絵手紙教室等を開催しているほか、小学校の低学年の郵便局見学の際にも手紙やはがきの持つ意義などについて積極的な啓発を図っているところでございます。 また、特に年賀状につきましては、版画による年賀状づくりを勧奨いたしまして、あわせて児童生徒の教育の一助とすることを目的といたしまして全日本年賀状版画コンクールを毎年実施しておりますけれども、平成七年度からは新たに年賀状に絵手紙部門を設けまして、全日本年賀状版画・絵手紙コンクールとしてその充実を図ってきているところでございます。 このほか、例えば福井県の丸岡町の一筆啓上賞だとか松山市のはがき歌全国コンテストとか、松本市の押し花はがきコンクールの開催のように、郵便局と自治体が協力し合いまして、児童生徒を含めまして手紙に対する関心を高める施策の実施に力を入れているところでございますが、今後とも、これらの施策の充実、発展に努めまして、手紙を書く習慣の環境づくりに寄与していくとともに、日本のよき文化、伝統でありますところの年賀状につきましても、児童生徒により多く出していただけるように新しいアイデア、工夫を凝らした施策を展開してまいりたいというふうに思っております。
○上田耕一郎君 日本共産党の上田でございます。 天上がり問題とニュー夜勤問題、二つ質問させていただきます。 きょうもTBS問題で厳しい質問がありましたけれども、ああいう問題を生むような体質や構造がテレビ局並びにそれを監督指導する郵政省側にもある。その一つの例が天上がり問題なんです。昨年十一月から、「放送レポート」十一・十二月号、 一・二月号、それから朝日新聞、それから各紙に載りまして、最近では毎日新聞の五月六日付に郵政省へのNHK並びにTBSを初めとする民放キー局の職員の天上がり問題が報道されて問題になっています。 まず、楠田放送行政局長、その実態と郵政省の方針についてお伺いします。簡潔に。
○政府委員(楠田修司君) 放送事業者から郵政省に正規の常勤職員として受け入れている者はおりません。 しかしながら、最近の世界的なマルチメディア界の動きということで放送をめぐる環境も非常に大きく変化しておりますので、放送事業者側からの職員研修ということを目的とした技術開発あるいは内外の新たな放送サービスの開発の研究に参加したいという要望を受けまして、支障のない範囲で研究させておる者がおるわけであります。 具体的に申し上げますと、NHKから二名、それから一般放送事業者、これは日本テレビ、フジテレビ、全国朝日放送から各一名でございます。それから、なおTBS、東京放送から一名受け入れておりますが、これは非常勤職員として受け入れているものでございます。 そういうことで、調査研究ということで、我々としてはこういう放送事業者の中の職員の研究、あるいは有能な力というものを一緒になって研究をさせていただいておる、こういうことでございます。
○上田耕一郎君 極めて奇怪な事態なんですね。 大蔵省の天上がりは、私ども追及しまして、大蔵省は銀行との間に天上がりがあったわけね。四月二十六日の予算委員会で久保大蔵大臣が、今後新たに金融機関からの任用を行うことは当分やらない、そういう答弁をして、しばらくやめるということになったわけです。大蔵省の天上がりは、銀行から常勤職員として国家公務員として雇っていたんです。 ところが、今答弁もありましたように、郵政省の場合は非常勤職員として任用して、日給を払っているのはTBSだけです。あとは全部局側が年間約一千万円の給料を払っているんです。給料は局が払って、来たフジテレビその他の職員はデスクをもらって郵政省の仕事をして、郵政省の名刺を持って歩いているんです。 郵政省は、最初説明に、短期間の協力、援助だ、助けてもらっているんだと言っていた。それが問題になって、今の答弁のような研修というふうに言い直したんですね。一体これは郵政省が要請したんですか、局側が要望したんですか、はっきり答えていただきたい。
○政府委員(楠田修司君) 本件につきましては局側の方から、先ほど申し上げましたような技術開発あるいは内外の放送サービスがいろいろ変わっている中で研修させたいということで申し出があったものでございます。
○上田耕一郎君 ここに資料をいっぱい持っています。郵政省からの要請だったという複数の民放の局側の証言が報道されている。しかも、これが明らかになった後、郵政省から、今回の件については郵政省が要請したということは一切伏せてほしい、テレビ局が自発的に研修を申し入れた線で押し通してほしいと要請があった、こういう証言まで報道されているんですからね。いつもの手ですよ。もう見え見えなんですね。 それで、人事院のこの問題についての態度も報道されていますが、人事院、お見えになっていますね。見解を聞かせてください。国家公務員法上の問題もあると思います。
○説明員(関戸秀明君) お答えいたします。 放送業界から郵政省に受け入れられておる実態でございますけれども、まず、今議論になっております公務員としての任用がなく、身分がないまま受け入れている状況については私どもとして今まで把握をしておりません。 国家公務員法上の問題についてのお尋ねでございましたけれども、今申し上げましたように、郵政省の実態については十分承知しておりませんので、一般論としてしか申し上げられませんけれども、仮に守秘義務等の服務義務を課すことが必要であるような国の公務に従事させるためのものであるということであれば、これは非常勤職員の場合も常勤職員の場合もございますけれども、当然職員として任用すべきであるということになろうかと思いますけれども、今郵政省から御説明がありましたように、あくまでも研修の場として、民間における研修の場として公務の場を提供するということであれば公務員制度上問題があるということは言えないのではないかと考えております。
○上田耕一郎君 「放送レポート」十一・十二月号には人事院の江波戸広報室長の談話が載っています。「人事院は関知していなど、最後に、「われわれが通常扱っているよりも、やや政治的な、上のレベルの話のように思う」。関知していない、もっと上のレベルの話だろうというんです。何かやっぱり癒着があるんですよ、こういうことで。 それで、識者の談話その他が載っていますけれども、年間一千万円の人件費を局が持って郵政省の仕事をするわけでしょう。これは労務提供だと、一方的な。その労務提供のかわりに、もし情報だとか利益が局側に行けば、これは贈収賄の問題も起きるという性質の問題なんです。それで、ある民放の幹部はこう言っているんですよ、役所は情報の宝だと。それはそうでしょう。それだから一千万円の人件費を払って、郵政省の要請で二年間の任期で行かせているんですよ。 それで、さらに毎日の五月六日、これやっぱり癒着なんですな。毎日の五月六日には「郵政省幹部が語る」、こういう談話が載っている、だれだか名前は書いていないけれども。「五年に一回の免許更新時が近づくと急にテレビ局常務クラスの放送行政局幹部に対する酒やゴルフの接待が多くなる。郵政省からは局長クラス、テレビからは郵政の天下り役員、総務担当者らが常連。多い月になると毎週のようにある」。 楠田局長、あなたはこういう接待、お酒やゴルフ、行ったことあるんでしょう。どうですか。
○政府委員(楠田修司君) 私はゴルフはやりますが、テニスの方が好きでありまして、そういう接待は一切受けておりません。
○上田耕一郎君 お答えのとおりなんですよ。こういうことはやるべきでないんですよ。これ「放送レポート」で暴露されるまでだれも知らなかったんだから。知れると慌てていろいろ言いわけをさせたり、研修にしろとか、一切言うなとか、そういうことがある限り、TBS問題なんか起きてもきちんとしたことを郵政省はできるわけないでしょう。 大臣、どうですか、あなたも初めて知ったんだろうけれども、やっぱり大蔵省と同じように、こういう民放から金を払ってもらって名刺を渡して研修名目でやらせるようなことは、大蔵省と同じように、大臣としてきっぱりやめるという指導をするべきだと思いますが、決断をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(日野市朗君) 何か今の先生のお話を伺っていますと、民間とそれから役所が人事交流をやる、そしてお互いに意見を交換する、また技術的な点でもいろいろの情報のやりとりをする、これが皆悪いようにおっしゃるけれども、私はそうは考えません。 今までの役所と民間との関係というものに対する議論の中には、民間と役所というものは適当に、適度に人事の交流をやってお互いの硬直化を防ぐというようなことが望ましいとする議論もいろいろあったと私は理解をしております。 特に、郵政省で受け入れている方々は放送の免許行政というようなところには関係ないところで研修をしておられるというふうに私は理解しているところでございます。こういうお互いに交流をしていくということは、病理現象といいますか、そういったものは厳しく避けていくという両方のきちっとしたモラルというものが必要でありましょう。そういうことがきちっと守られている限り、私はむしろ好ましいことではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。 ただ、誤解を避けるということはきちんとやっていかなくちゃいかぬですわね。現に私が今伺っているところでは、そういった誤解をされるような部署にはついていない、このように理解しております。
○上田耕一郎君 給料は局が払っているんですよ。人事交流じゃないですよ。そういう誤解は避けるどころか、うんと出ているんだから。ひとつ検討をぜひお願いしたい。勇将のもとに弱卒なしというけれども、弱将のもとに弱卒ありというようなことの起きないように、大臣、しっかりやっていただきたいと思います。 次に、ニュー夜勤問題、二月二十二日に私質問をしたんですが、あのとき、このニュー夜勤を原因とすると思われる過労死の死者の数が二十一名だった。その後、不幸にも二名ふえまして、今二十三名なんです。 私は、もしもこの二十三名の過労死の方々が、郵政省と一部労働組合が結んだ合意による新勤務システムの結果、それが構造的原因だったとしたら、薬害エイズによる死亡者の責任が厚生省、ミドリ十字の製薬メーカーにあるのと同じような社会的、政治的な殺人問題になつちゃう、そういう性質の非常に重大問題だと私は思うんです。ですから、私は重視して、これからたびたびやると言って予告した。きょうは二回目。これからまだやりますから。 それで、先日、大臣は、調査している、一件だけ交通事故死、公務認定、あとは私傷病あるいは公務外の認定、五件は調査中と答弁されましたが、その五件について調査結果は、特にニュー夜勤との関係はどうだったでしょうか、報告してください。
○説明員(金澤薫君) 前回、二月二十二日の当委員会におきまして先生から御指摘いただきました二十一人の在職死亡者でございますけれども、そのうち十六人が私傷病でございます。交通事故による死亡者一名については公務災害として認められたところでございます。これはこの前申し上げたとおりでございます。 この前は五人と申し上げましたが、その後、一人公務外認定ということでございまして私傷病扱いとなりまして、現在、残り四人について調査を進めているところでございます。
○上田耕一郎君 ここに二十三名のリストがあるんです。これ分析しますと、ニュー夜勤と実に密接に関係しているんですね。 まず、病名は心疾患と脳疾患がほとんどです。それから、二十三件のうち、この記述で判明したものだけで、ニュー夜勤のその日の死亡が三名、夜勤明けの翌日死亡が十名、翌々日が一名、合わせて六割、十四名がニュー夜勤のその日、翌日、翌々日のうちに心疾患あるいは脳疾患で亡くなっています。その他の九件もニュー夜勤との関係は明らかなんです。極めて異常な恐ろしい事態だと思うんです。 二十三件の職場を分析しますと、県庁所在の大都市の職員数五百名から六百名の規模の地域区分局、これが十九局、八割に達しています。ここが一番多いんですね。こういうところで郵便の区分・差し立て業務が真夜中にひっきりなしに、切れ目なしに集中して猛烈な労働強化になった、その結果過労死が集中していると思うんです。 こういう労働強化になる原因は、調べてみるといろいろあって、例えば翌日配達制度、これが午後三時までに入ってきたのは隣の県まで翌日配達、それが午後五時に繰り下げられて、非常に翌日配達は急ぐわけだ。ところが、今の郵便の六割はダイレクトメール、カタログ、定期刊行物、電話料金など料金請求、受領通知、何も翌日に急いでやらなきゃならぬものはそう多くないんですよ。急ぐものは速達でやればいい。それをサービス、サービスと言って翌日配達が非常に拡大されてきている。 それから、人員の削減、これも恐るべきものです。この六年間で内務員が四千七百三十三名減少、そのうちニュー夜勤の導入、深夜勤務の実施等で千五百名減っている。郵便の数は約二・九%ふえている。仕事はふえる、人間は減るで労働強化が非常に激しくなっているんです。 郵務局長にお伺いしますけれども、このニュー夜勤の実施は、八七年六月の総務庁行政監察局の勧告がありますね、十六時間勤務の手直しが必要だというのもありますけれども、これとのかかわりはあるんですか。
○政府委員(加藤豊太郎君) 今の御指摘の行政監察の勧告とは直接には関係しません。 このニュー夜勤の導入につきましては、平成五年の三月に完全週休二日制を導入する際に、そのための要員を生み出す必要があるというふうなことで、関係労働組合との合意の上で深夜の最繁忙時間帯に有給の三時間の休息を付与するそれまでの十六勤というものを廃止しまして、これにかわりまして新しい勤務システムとして二つの勤務を組み合わせた新しいニュー夜勤というものをつく つたものであります。 そういうようなことで、行政監察の報告とは直接にリンクするわけではありません。ただし、十六勤というのが非常に非効率な要員の配置であるというふうな指摘は一般的に私どもいただいたわけであります。
○上田耕一郎君 総務庁行政監察局にお伺いします。 八七年六月の勧告で指摘されているのは、現行の十六時間勤務について勤務体制の見直しを行うことという内容なんですね。この説明を見ると、明け番要員及び仮眠時間を必要としない深夜勤に置きかえていくことが必要だということが三十七ページにも書いてあるんですけれども、行政監察局としては、この監察の結果、いろいろ問題点を感じて、どういう勤務体制の見直しを考えてこういう勧告を出したんでしょう。お伺いします。
○説明員(江澤岸生君) 御説明申し上げます。 実態を当時調査いたしましたところ、十六時間勤務につきましては、午後十時以降午前六時までの間の業務が少ない場合であっても十六時間勤務を実施している郵便局があったほか、業務量が多い場合でございましてもピーク時に三時間の仮眠時間を設定しなければならないなど、非効率的な要員運用を行っている例が見られましたので、勧告といたしましては十六時間勤務をとることが非効率である、そういった郵便局につきまして要員の運用効率がよい深夜勤の積極的な導入など、その見直しを行うよう求めたものでございます。
○上田耕一郎君 それで、行政監察局はことしの一月に新しい結果報告書を出しているんですね。 そこで、お伺いしたいんですが、三年前、九三年の三月から実施されている現行のニュー夜勤というのは、それまでの十六時間勤務は三時間の仮眠時間があって、これは有給だったわけです。それが結局一時間半プラス休息時間を入れて約二時間の勤務中断時間、これは無給になつちゃったんです。それで仕事が行われる。だから、一人の労働者が実質上拘束十六時間から十七時間の間働き続けで、間にかつては有給の仮眠時間が三時間あったのに、今度は無給の中断時間が休息を入れて約二時間になって、実質的には眠れなかったり、眠っても約一時間で起こされるという状況になって、恐るべき状態になっているんです。夜勤明けのときはもう死んだみたいだと、どうにも説明しようがないほど本当に疲れると。かつて十六勤というのは非常につらいと思っていたけれども、今から考えると十六勤が懐かしいという声まで私は聞いたんです。 あなた方行政監察局としてはどうですか、お一人の労働者が十六時間、十七時間同じ拘束時間で、前は三時間有給の仮眠があったのに、今度は無給で実際上一時間の仮眠しかできないような、こういう勤務体系になっていることを行政監察局としては、あなた方の勧告どおりの見直しになっているとお思いですか。
○説明員(江澤岸生君) 職員の健康管理の問題につきましては使用者としての郵政省において当然お考えをいただくべき問題であろうと思いますが、現行の新夜勤、ニュー夜勤につきまして、これまで特段の問題が生じているといった話は聞いておりません。したがって、私どもとしては殊さらそういったことについて調査をいたしておらないわけでございます。
○上田耕一郎君 私は、最初、行監局の八七年のこの勧告がどうも利用されたんじゃないかというように思った。ところが読んでみますと、今はっきり言わなかったけれども、これは明け番要員及び仮眠時間を必要としない深夜勤に置きかえろというんですよ、置きかえろと。つまり、実際上は三交代制にはっきりした方が、一人の労働者が十六時間そのままぶつ続けで、間に有給の三時間の仮眠をとらせると、郵便物が忙しいときに、そういうのは非常に効率が悪いから、別の深夜勤に置きかえろと。三交代制、はっきり言わないけれども、仮眠時間を必要としない勤務に置きかえろというんですから。 ところが、置きかえたんじゃないんですよ。同じものを改悪したわけだ。同じ人が働くんだから、置きかえになってないわけですよ。だから仮眠時間を必要としない深夜勤というんだけれども、仮眠時間を減らす、そういうニュー夜勤に改悪された。この改悪は、今、郵務局長は直接には関係ないと言われたけれども、あるいは間接に利用したとしたら非常な悪用だ、そう私は思うんです。 それで、きょうはもう時間が迫ってきたので医学的問題はこの次にいたしますけれども、大臣は私の先日の質問に対して、「職員の健康問題については重大な問題でありますから、今後とも十分に配慮してまいるつもりでおります」、そう答えてくださった。 このニュー夜勤は女性の職員もやっているんです、真夜中に事実上十六時間、十七時間の拘束、女性の職員も行っているんですよ。それから五十過ぎの高齢者の方もやっております。心疾患、脳疾患が多いというのは、これずっと続けるとどうしても血圧が上がるんですよ、血圧及び体温が。これは医学的にも、三年続けると明白に血圧が上がる、仮眠時間を二時間とらせたら血圧上昇が下がったというお医者さんの報告まであるぐらいなんです。 職員の健康を大事にする上で郵政省健康管理規程というのがちゃんとあるんですよ、健康管理規程が。それで、要療養者、要軽業者、要注意者、健康者、A、B、C、Dに分けるとなっている。 大臣、しっかりこの問題を重視していただいて、私はもうこれすっかり抜本的に見直して、夜業条約勧告にもあるような最低二時間以上の、産業衛生学会も勧告しているように二時間以上の有給の仮眠が確実にとれるような制度に抜本的に直す必要があると思うんだが、当面、少なくとも、例えばある年齢以上の方、血圧をはかって血圧の高い方あるいは女性、こういう過労死が起きないような、そういう方々を健康管理規程に従ってもう少し見直していただいて、犠牲者が少なくともふえないような措置を直ちにとるべきだと思うんです。 抜本的措置を私は要求しながら、当面、次々とこういう犠牲者が出ることを防ぐ措置を、郵政省としてもしっかり実態を把握し、健康診断も実施して、問題の起きている大都市、県庁所在地の地方区分局、ここの労働条件その他をしっかり調査して対策をとっていただきたいと思いますので、最後に大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) 郵政省としては、郵政省に働いてくださっている職員の方々の健康を守る、これは何よりも優先する課題でございます。 そこで、ニュー夜勤については先生からいろいろ御意見がありました。こういうニュー夜勤を導入したことによる職員の勤務条件、これが労働基準法、関係法令だとか労働組合との協約だとか就業規則とか、いろいろ積み重ねられてきたものがありますが、私はそれだけで事済めりなどと言うつもりは毛頭ございません。そのほかに何がこのニュー夜勤によって得られたのかという側面からもひとつ考えてみる必要があると思うんでございます。 まず、完全週休二日制が実施されました。これは健康にとって非常にすばらしいことだと思うんです。それから、非番日の暦日付与も行った。それから、夜間労働の軽減、こういう望ましい成果も得ているんだということも私はここではお話ししておきたいと思います。 なお、深夜にわたる業務に従事する職員の方々については、定期健康診断のほかに特別健康診断も実施しています。年に二回の健康診断を行っているほか、職員の健康に一層配慮するという観点から、平成六年の六月から二ュー夜勤従事の三十五歳以上の職員を対象にして、人間ドックの受診希望者に個人負担なしで優先的に受診できるように措置をする、そういった特別の配慮もやっているところでございます。 先生の方からいろいろ御指摘あることは御指摘あることとして受けとめますが、我々もこれだけの措置はとっているということはひとつ御理解いただきたい。
○上田耕一郎君 終わります。
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。 私は放送番組審議会の内容の公表について御質問を申し上げる予定でありましたが、もう既に西川委員からも同様の御質問がありました。私といたしましても、その内容について、本来定められておりますように、日刊新聞紙への掲載、その他のできるだけ多くの公衆が知り得る方法によって行うということ、これをぜひ実現させていただきたいということをお願いいたしまして、この質問については割愛をさせていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕 そこで、私は大阪有線放送社に関して伺いたいと思います。 実は、私は東京で非常に派手なキャンペーンを行っているこの会社について興味を持ち、調べていったところが、過去、衆参の逓信委員会において、昭和五十九年以降、私が調べただけで七、八回取り上げられている会社であるということがわかりました。また、昨年の四月の本委員会においても守住先生が御質問なさっているということもわかりました。この大阪有線放送社という会社及びその関連会社が、道路占用許可やあるいは電柱の使用許可、承諾を得ないで日本全国にケーブルを張りめぐらして、無届けで有線放送事業を長期間にわたって続けてきたという問題であります。 この大阪有線放送という会社ですが、御承知のように、昭和三十六年に大阪で設立をされた。私の手元にあるデータでは、これはちょっと古いんですが、平成五年度には加入者が百十五万件、七百八十億円の企業に成長した。シェアは何と七五%を占めているという実態であるわけであります。 この会社は、これまで相当悪質な違法行為をしながら事業を拡大してきた経緯があるというふうに言われておりますが、過去の委員会においても、郵政省の答弁の中で、体を張ってこの会社に対応しているという答弁があるほど強引な行為もやり得ない体質を持った会社であったというふうに聞いております。現在ではそういう体質も大分変わってきているというふうにも聞いております。 郵政省に、大阪有線放送社及びその関連会社の現在の事業内容及び違法行為の概要に関して簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 大阪有線放送社は有線ラジオ放送を行う非上場の株式会社でございます。宇野社長以下、現在、従業員が約一万人。事業規模につきましては四つの関連会社、株式会社ゆうせん、株式会社日本ゆうせん、東洋有線放送株式会社、北海道音楽配給株式会社、合わせまして全国で約七百八十カ所の放送所を有しまして、平成五年度におきましては、御指摘のように、加入件数約百十五万、売上高が約七百八十億円と承知しております。なお、同社の放送に関しては、加入料が三万円、月額利用料六千円で音楽放送四百四十チャンネルを提供しております。 この大阪有線放送社の有線ラジオ放送施設につきましては、道路占用許可及び電柱所有者の電柱添架承諾を得ずに無断で設置されていることが昭和四十七年ころから問題化したわけであります。これまでに道路占用許可等の手続を進めてきてはおりますが、まだ手続の済んでいないところがあります。そういうことで、なお有線ラジオ放送業務の開始の届け出という正式の手続には至っていない。したがって、まだ違法状態が残っている、こういうことでございます。
○水野誠一君 つまり、現在もこの大阪有線放送社及びその関連会社の八百十一の営業所のほとんどが全国で無届けで営業を続けているということになるわけであります。また、NHKあるいは民間放送を初め、テレビあるいは放送大学に至るまでの多くの番組を放送局もしくは著作者の許諾なしで再放送しているということも聞いております。 届け出をしない、あるいは道路や電柱の使用料も払ってこなかったということで、当然低コストで事業が営まれているわけでありまして、料金も他の業者よりも安くできるということで事業が拡大し、まさに独占状態、七五%というシェアを占めるに至ったということが言えると思います。 昭和五十八年には、御承知のように、議員立法で有線ラジオ放送法が改正されました。違法に設置した設備を使用して有線ラジオ放送を行うことを禁止し、さらには違反した場合は業務停止、または業務停止命令に違反した者には六カ月以下の懲役または五万円以下の罰金を科せられるようになったわけです。そして、この結果、この法律によって昭和六十年には大阪有線に業務停止命令が出された。そして、それを無視した社長が大阪府警に逮捕された。その後、有罪判決を受けたということもあるわけであります。 大阪有線も正常化に向けて歩み寄ったというふうには理解をしておりますが、行政がこれまでにどのような対応をしていらしたのか、ぜひ伺いたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 大阪有線放送社に対しましては、先生先ほど御指摘のように、昭和五十八年の法改正以降、業務停止命令及び告発を行いまして、法人と宇野社長と幹部の有罪、これは罰金刑でありますが、確定いたしまして、大阪有線放送社は昭和六十年に正常化を行うということを表明したわけであります。 〔理事陣内孝雄君退席、委員長着席〕 しかしながら、それにもかかわらず、同社の言う正常化はなかなか進まなかったという状況にあり、平成元年、郵政省のほか建設省、これは道路占用許可でありますが、あるいは警察庁、NTT及び電気事業連合会の関係機関による有線音楽放送正常化協議会というものをつくりました。郵政省としましては、この正常化協議会を中心にして関係機関との連携を行い、違法状態の早期是正に向けて取り組みを行ってきたわけでありますが、その後、目立った正常化の進展がなかなか見られなかったという状況であります。 平成六年以降、なお正常化協議会が強い指導をいたしまして、同年十二月に同社から改めて正常化に向けた取り組みの意向が示されて、平成七年七月には同社は向こう六年間で同社の全国の違法施設の正常化を行うとの計画を示しております。 先ほど申し上げましたように、そうはいいましてもなお違法状態が残っているわけであります。現在、この協議会において半年ごとにその進捗状況等を把握するなど、計画の実施を注視し、指導しておるという状況でございます。
○水野誠一君 正常化に向けて努力をされているということでありますが、この有線音楽放送正常化連絡協議会というのもそう頻繁に開催されているようではない。私は一年に一回と伺っていたんですが、今伺いますとどうも半年に一回ずつということであります。しかし、宇野社長が逮捕されてからもう十年近くたっているわけでありまして、実際には全く進展が見られないというふうに言ってもいいのではないかなという感じがいたします。 また、その正常化の内容に関しましても、これは建設省の所管の問題でありますが、昭和六十一年の時点で、十四年間の道路、電柱の使用料金の未払いは大体二千億円にも達していたというふうに言われているんですが、実際は五年分にまけて徴収したというようなことも言われています。つまり、現在国のやっている正常化ということが、結局今まで違法にやってきた不法業者の行為を追認することになってしまう。こういうことでは大変まずいんではないかなということを感じますし、まさにまじめにやってきた業者がばかを見るというようなことでは法治国家として我々は大変問題があるのではないかというふうに思います。正常化の進展のスピードの問題もあるわけでありますが、一方では、なぜもっと国が厳しい姿勢を持って対応ができなかったのかということについて私は大変大きな疑問を感じるわけであります。 そういうことで、本来、例えば不法業者の施設というものを国や自治体が撤去するというようなこと、こういう強硬手段になぜ出られないのかというようなことも含めて、ひとつ今後の対応を一言伺いたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 先ほど申し上げましたように、大阪有線放送社が正常化の表明後、遅々たる動きではありますが、平成六年十二月からの正常化の取り組みというものの意向が示されまして、一応六年間で同社の全国の違法施設の正常化を行うという計画を今示しているところでございます。先生御指摘のような撤去とか、いろいろな考えもあろうかと思いますが、とりあえずこの違法状態の早期是正を指導するということを中心にしてやってまいりたいと思います。 なお、平成八年三月末の時点での正常化の進捗状況を若干申し上げますと、道路占用許可の取得につきましては、国道と都道府県道はほぼ完了いたしております。市町村道は県庁所在都市、人口三十万以上の都市を中心に正常化が進展している。それから、電柱の添架につきましては、NTTの電柱は約百五十五万本全体についての共架料を支払っております。電力柱は約二百万本中七十三万本について支払っているということを把握しております。 まだまだ完全ではありませんけれども、このような正常化の進展を強力に進めてまいるということで今考えておるところでございます。
○水野誠一君 また、この会社が自社ケーブルを利用して通信カラオケに進出する計画を持っていたという話も日経ベンチャー等々の雑誌に紹介をされております。また、全国八百十一カ所ある放送所でCATV局の認可を取る予定というような報道もあったわけでありますが、それは事実であったのでしょうか。 大阪有線のマルチメディア分野への進出ということについて、これは確かにこれだけのインフラを不法であろうがつくってしまったということは、ある意味においてはNTTに次ぐ全国的なインフラを持ってしまったという事実があるわけでありまして、こういうマルチメディア分野への進出について郵政省としてはどのような見解を持っているのか、また将来どのように対応していくつもりなのか、これについて伺いたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 大阪有線放送社は、有線ラジオ放送以外に、同社の施設を活用するなどしましてカラオケ、CATV等の新たな事業を行いたいという意向を持っていることは事実であります。 しかしながら、違法状態の是正がされていないような施設を利用して新たな事業を行うことは違法の拡大であり、このような動きをしましたら厳正な措置をとると考えておりますし、同社に対しましては、今後とも違法状態の是正がまず第一だ、これが行われ得ない以上、新たな業務の拡大に対しては厳正な措置を講じてまいる、すなわち認めないということでございます。
○水野誠一君 法治国家として公平公正の原則でひとつ行政を行っていただきたい、指導を行っていただきたいというふうに思います。 次に、簡易保険に関して伺いたいと思います。 簡保資金が地方自治体の社会資本整備に貢献しているということは前回の委員会においても御説明をいただいたわけでありますが、昨年の阪神・淡路大震災によって大きな被害をこうむった自治体は現在復興のため多大な資金を必要としているわけであります。簡保資金の地方公共団体への融資に当たっては、このような災害の復旧のための事業にも融資できるようにすべきだというふうに思うんでありますが、この点について郵政大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(日野市朗君) 地方公共団体の実施する災害復旧事業については、現在のところは政府資金の中で資金運用部資金が充てられているわけであります。簡保資金の融資は行われておりません。 郵政省としては、阪神・淡路大震災の経験に照らしまして、簡保資金も災害復旧事業に融資できるように改める必要がある、こう考えておるところでございます。 実は昔はやっていたんでございます。昭和三十八年まではやっていたと伺っておりますが、このような観点から、できる限り早い時期に災害復旧事業に対する簡保資金融資が実現するよう今後とも関係各省庁との間で協議を進めてまいりたいと考えております。
○水野誠一君 簡易保険の保険料の値上げに関して伺いたいと思います。 この値上げに関しては、前回の委員会でも伊藤委員が御質問されているわけでありますけれども、簡易保険の保険料がこの四月より新規契約分から五・八%引き上げられたということであります。私は、今回の値上げが特に養老保険を中心に行われた理由、また中には保険料が下がった商品があると聞いておりますが、その理由に関して簡潔に御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(天野定功君) 本年四月一日から実施しております保険料の改定でございますが、長引く市場金利の低下の影響を受けて運用利回りがさらに低下して、新規契約におきましても逆ざやの状態になったことに伴いまして、改定前の保険料水準のままでは事業の健全経営が困難になると考えられましたことから、予定利率を引き下げざるを得なかったというものではございますけれども、他方、事業経営の効率化によりまして予定事業費率を引き下げ、保険料の引き下げ幅をできるだけ抑制したところでございます。 この結果、保険料は、ただいま先生御指摘のように、全体平均で五・八%の引き上げとなったわけでありますが、これを商品別に見ますと、貯蓄性の高い養老保険などでは予定利率の引き下げ効果が大きく働いていることから保険料は値上げとなっております。また、保障性の高い商品につきましては予定事業費率の引き下げ効果が大きく働くことから引き上げ幅は小さくなっております。例えば、十倍型の十年満期特別養老保険では保険料はほぼ据え置きでありますし、十年普通定期保険では引き下げというふうになっている状況でございます。
○水野誠一君 昨年の十月十七日の読売新聞の記事によりますと、平成七年度上半期の簡易保険の新規契約数が四百三十万九千件、保険金額は十一兆三千百九十八億で、前年同期と比べて件数で九・六%、保険金額で八・二%の増加であるというふうに報じられております。これは、最近の超低金利で民間金融機関や郵便貯金の資金が貯蓄型の養老保険に大量に流入する簡保シフトが起きているためであるというふうに書かれているわけであります。 そこで、平成七年度末では、平成六年度と比べまして、新規契約数及び保険金額はどの程度増加しているのか、伺いたいと思います。また、養老保険の伸びがどの程度なのかということも、あわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(天野定功君) 平成七年度一年間の新規契約状況について申し上げますと、件数で八百十七万件、前年度比で一・一%増、保険金額では二十二兆二千二百五億円で四・六%増となっており、ただいま先生御指摘の上半期と比べますと、件数、保険金額とも伸び率は減少している状況であります。 また、普通養老保険について見ますと、上半期におきましては、平成七年四月に発売されました生存保険金付十年満期養老保険が好調であったことから、上半期は前年同期を二八・七%上回る件数であったわけでありますけれども、下半期に入りまして保障型商品と貯蓄型商品とのバランスのとれた営業活動を展開したこと、さらに平成七年十月から新規契約に係る前納割引率の引き下げを行ったことなどから、平成七年度末では前年度に比べまして五・五%増で、これも伸び率が低下している状況になっております。
○水野誠一君 次に、郵便貯金の金融自由化対策資金の運用に関して伺いたいと思います。 金融自由化対策資金は郵政省が自主運用をしているものでありますが、近年、超低金利による運用と調達コストの差である利ざやが明らかに減少傾向にあるわけです。平成六年度においては、五・一九%の調達コストに対して運用利回りが五・二五%ということで、利ざやがわずか〇・〇六%ということになります。これは大変厳しい状況であるわけでありますが、平成七年度の運用益はどの程度のものなのか、お教えいただきたいと思います。また、今年度はどのような方針で運用を行っていくのか、その方針についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) 金融自由化対策資金でありますが、今、先生御指摘のように、昭和六十二年度に制度が創設されまして、ことしの三月末現在で約三十五兆円という額を運用いたしておりますけれども、最近の景気低迷によります長短金利の低下によりまして、運用環境が非常に厳しくなっております。利ざやも縮小しておりまして、平成六年度では〇・〇六の利ざやしか稼げなかった、こういうことであります。 しかし、預託利率で回しておるよりは〇・〇六でも稼いで、自由化に対応して郵便貯金の預金者に利益を与えよう、こういう趣旨でありますので、厳しい環境の中ではありますけれども、損はしない、預託利率よりは少しでも稼ごう、このようにして取り組んでおるところであります。 平成七年度につきましては、計数は現在取りまとめ中ということでございます。七月ごろには決算が公表される段階になろうかと思います。したがいまして、具体的な確定的な数字は申し上げられませんけれども、地方債あるいは国債等に運用を図りまして黒字を確保しようということで、何とか黒字に持っていけるという確信を得ております。 それから平成八年度、今年度でありますけれども、当面は引き続き厳しい運用環境ではございますけれども、基本は国債への運用ということで、キャピタルゲインよりもインカムゲインで、とにかく預託利率のいわゆるコストよりは稼ぐという慎重な対応をしてまいりたいと思います。国債よりも少しでもよりよいということで地方債あるいは公庫・公団債といったところに、少しでもそういった有利な方向へ、安全、確実な、余り危険を冒さずに、キャピタルゲインを中心というよりはインカムゲインを中心にした長期安定的な運用を図ってまいりたい、かように考えております。
○水野誠一君 最後に、簡保資金の外債の評価損、これを前回伺ったわけでありますが、きょうは金融自由化対策資金の外債運用について伺いたいと思います。 平成六年度は評価損が五千七百十九億円だったというふうに聞いておりますが、七年度はどの程度なのか、これについてお答えいただければと思います。
○政府委員(木村強君) 平成七年度末の金融自由化対策資金の保有外貨債の為替評価損につきましては、決算前でございますのでまだ確定的な数字は申し上げられませんが、今、先生御指摘がありましたように、平成六年度末には五千七百十九億円でございましたけれども、最近の円安の進行などによりましてこの数字が二千億円台に減少するという見込みで私どもとしては心得ております。
○水野誠一君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(及川一夫君) 以上をもちまして、平成八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、郵政省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十九分散会 —————・—————