逓信委員会 第6号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1996/04/02
会議録
○委員長(及川一夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨一日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として大森礼子さんが選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(及川一夫君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査のため、本日の委員会に株式会社東京放送代表取締役社長磯崎洋三君、株式会社東京放送常務取締役鴨下信一君及び株式会社東京放送常務取締役鈴木淳生君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(及川一夫君) 次に、郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査のうち、オウム報道等に係るTBS問題と放送の在り方に関する件を議題とし、参考人から意見を求めることといたします。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、磯崎参考人から、国民の関心事であり、社会的問題になっている本問題についての事実関係及び認識並びに今後の対応等について十五分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。 それでは、磯崎参考人にお願いをいたします。磯崎参考人。
○参考人(磯崎洋三君) 磯崎でございます。 本日は、審議御多忙中でこのような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。今回の当社の事態につきましては、委員長を初め本委員会の皆様方に大変御心配をおかけいたしております。申しわけございません。 亡くなられた坂本さんには、TBSを信頼して取材に応じていただきました。しかし、私どもはその信頼関係をみずから損なってしまいました。まことに申しわけございません。 今回の事態で、私どもは、単にTBSのみならずへ日本の放送界全体に対する信頼をも傷つけてしまいました。さらに、私どもを長い間支持していただいた視聴者、国民の皆様の信頼にもひびを入れてしまいました。私は、こうした事態を極めて深刻に受けとめております。 現在、私どもは事態の全容を解明すべく最大限の努力を重ねております。そして、必ずや的確な処理を行い、どこに問題があったかを洗い出して、視聴者そして国民の皆様にお伝えするつもりでございます。日本の放送界全体のためにもそうした透明な処理を行うことは不可欠であり、それが今の私どもに課せられたまさに責務であると考えております。 この問題について、これまでの経緯の概要を御説明いたします。 私どもの社員に坂本弁護士のインタビューテープをオウム側に見せたのではないかという疑いが持たれていることを知ったのは昨年の九月末でございました。これを受けて、私どもは、情報収集を進めるとともに、疑いを持たれた社員や関係会社のスタッフの聞き取り調査など、社内調査を開始いたしました。 調査開始に際しては、当初から報道の根幹にかかわる重大な問題ととらえておりました。公平公正を担保するため、最初の段階から社外の法律家とも相談しながら調査を進めてまいりました。調査される人の立場にも配慮して、調査は限られた人数で極秘に行いましたが、この調査に当たって、会社として事実を隠ぺいしようとかねじ曲げようとか、そうしたことは一切ございませんでした。しかし、結果的には当初の調査は誤りということになってしまいました。私にとりまして、まさに痛恨のきわみであります。 委員の皆様は既に御存じと思いますが、私どもの最初の調査結果は、ビデオを見せた記憶や事実関係は出てこなかったというものでございます。三月十一日付の発表です。 この時点で、後で懲戒解雇することになる担当プロデューサーに対しても繰り返し事情聴取を重ねておりました。しかし、事件そのものが捜査中であり、証拠類の収集には限界があり、調査は当事者の記憶を喚起したり同じ材料をもとに何回も事情を聞くという作業でありました。しかし、非常に残念なことでありますが、この調査結果はわずか十日余りで百八十度変わってしまったのでございます。最大の理由は、三月二十三日にいわゆる早川メモの詳細を入手したためでした。 その経緯について極めて要約した形で申しますと、メモに書かれていた坂本弁護士の言葉と、私どもが取材したインタビューがほぼ一致した、つまりビデオを見ていなければ早川被告がこのメモを作成するのは不可能と判断したこと、そして担当プロデューサーがそれまでの説明を変えて、ビデオを見せたことを認める発言をしたためであります。 三月二十五日にこの結果を緊急発表するとともに、社内処分も行いました。担当プロデューサーは懲戒解雇、その上司の総合プロデューサーは降格、担当役員は降格、私も含めて常勤取締役全員の減俸、調査を担当した幹部職員は譴責というのがとりあえずの処分の内容でございます。 調査は現在も継続中でありますので、今後も必要な処分はちゅうちょすることなく行う考えであります。 以上、一連の経緯を説明させていただきましたが、この調査に関しまして、私は、組織的に事実を隠ぺいするようなことはあってはならない、関係者の聞き取り調査の中で恣意的に結論を誘導するようなことが絶対あってはならないと考え、調査担当者に対して私みずから確認してまいりました。その結果は、先ほども申し上げましたが、そうした不正なことは社として一切ございませんでしたので、重ねて御報告いたします。 しかしながら、私どもの調査は結果的に誤った結論を出したのですから、調査は不備であったと言わざるを得ません。私の指導監督が不十分でありました。TBSの社長として、まさにざんきにたえない思いでございます。まことに申しわけありませんでした。 こうした反省を踏まえて、新たに、調査の透明性を確保するためにTBSから独立した自由な立場の特別調査人を置くこととし、佐藤庄市郎元最高裁判事に委嘱いたしました。また、調査チームとは別に、社内にオウム報道特別委員会を設置しましたが、この委員会では基本に立ち返ってオウム報道全般について検討してまいりたいと考えております。 このような事態を再び繰り返さないよう、私は断固たる決意であります。あらゆる障害を乗り越えて、断行すべきは断行してまいります。 具体的には、取材者の報道倫理の徹底、みずからのチェック機能の強化、徹底を図るとともに、外部の意見が反映されるような体制の確立をするよう指示いたしました。また、ワイドショーのあり方について早急に抜本的な見直しを実施する考えです。また、社員と外部スタッフの教育につきましては、社内の教育、研修プログラムを見直し、放送マンとしての資質を高めていきたいと考えております。 報道機関にとりまして信頼こそが命であります。私どもは営々として築き上げてきた信頼をみずから大きく傷つけてしまいました。現在、私どもは信頼を回復するためにあらゆる努力を結集しております。今回の事態を招いたことについて、私はその責任を極めて重く受けとめております。そして、責任のとり方については私みずから決断を下すつもりでおります。 今回の事態と当社の対応について、以上御報告申し上げました。 最後に、この場をおかりして、亡くなられた坂本さん御一家、坂本さんの御両親様、大山さん御夫妻を初め御遺族の皆様方に衷心よりお悔やみを申し上げます。坂本さん、御遺族の皆様、まことに申しわけございませんでした。
○委員長(及川一夫君) ありがとうございました。 以上で磯崎参考人の意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 まず、理事会で確認を得た事項について、委員会を代表して私から参考人に対し質問いたします。 まず第一に、貴社は、去る三月二十五日、当委員会の理事懇談会に出席し、緊急調査結果概要として、坂本弁護士のインタビュービデオテープをオウムに対して見せたことに社員らが関与したことは間違いないと判断し、関係者に対する処分を決定したことが報告されております。このことは、当該ビデオテープを見せたことを社長自身も事実として認めた上で本日の答弁に立っていると受けとめていますが、よろしいか、お尋ねいたします。 第二に、ビデオテープを見せたことを事実と認めたその判断根拠は何ですか。関与した本人の証言によるものでしょうか。あるいは、検察におけるTBS関係者の供述調書やいわゆる早川メモを根拠とされているのでしょうか。お尋ねいたします。 第三に、貴社は従業員の社内処分と役員の処分を行いました。処分の根拠となった違反事項は何でしょうか。特に、金曜日の番組担当プロデューサーは懲戒解雇とされております。放送法違反でしょうか。日本民間放送連盟の放送基準を根拠としていますか。あるいは、貴社の放送基準もしくはTBS報道活動の指標等に照らしてでありましょうか。具体的にお答えいただきたいと存じます。 第四に、貴社の三月二十五日の報告等によりますと、来訪したオウム幹部との応接には金曜担当プロデューサーとともに総合プロデューサーが長時間同席したことになっております。総合プロデューサーは金曜担当プロデューサーの上司に当たり、番組全体の責任者としてビデオテープを見せることを制止するなど適切な指示を行える立場にありながら、なぜそれをやらなかったのか、単純な疑問が生じます。いかなる実態にあったのか、お答えいただきたいと思います。 第五に、坂本弁護士は、インタビューを受けるに際し、当然放映されるものと考えて了解されていたと思います。貴社は、一般的に放映を中止する場合の手続はどのようになっていますか。特に、放映される本人に対する通知はどうしていますか。また、了解はどのようにして得ているのでしょうか。坂本弁護士の場合にはどのような手続をとられたのでしょうか。あわせて、その際、オウムに対して当該ビデオテープを見せたことをはっきり告げたかどうかについてお答えください。 最後でございますか、坂本弁護士のインタビュー内容は、坂本事件発生後に一般に放映されましたか。今後、放映される予定はありますか。テープには、編集前のいわゆるマザーテープと言われるオリジナルのテープと、それを編集した放映用のテープがあると思いますが、もし放映されたとするならば、そのテープはマザーテープをどの程度編集したものなのか、お答えください。また、当初オウムに見せたとされるテープは編集前のマザーテープと考えられますが、そう受け取ってよろしいか、あわせてお答えください。
○参考人(磯崎洋三君) お答え申し上げます。 ビデオテープを見せた事実を認めるのかという最初の御質問でありますが、そう私は認識をいたしております。見せたという認識を持った上でこちらに参っております。 そのような判断に至った根拠は先ほど申し上げたとおりでございます。ビデオとメモが細部まで一致するのはビデオを見なければ不可能でございますし、担当プロデューサーも、まだ記憶にあいまいな部分もありますが、事実を認めております。 三番目の御質問でございますが、処分の理由でございます。社内処分でありますので、理由は就業規則違反ということであります。担当プロデューサーは虚偽の証言で事態の解明をおくらせました。そして、この結果、会社の信用を著しく傷つけたというのが処分の理由であります。 今回のように、社会的に極めて厳しい対立関係があるときに、一方の取材結果を本人に無断で相手側に知らせることはしてはならない行為であります。これは、いわば報道に携わる者の常識であり、成文化された基準や指標以前の倫理であると考えております。 また、総合プロデューサーがテープを見せたことにどこまで関与したか、まだ調査中でありますが、少なくとも総合プロデューサーは指導性を発揮しなかったわけで、これは非常に残念でございます。管理監督に関する社員教育がまことに不十分でありました。事実関係については解明すべく努力を続けてまいる所存でございます。 五番目の御質問でございますが、放送中止になった場合の連絡ですが、通常は取材した相手には連絡をいたします。しかし、今回は担当プロデューサーの記憶は定かでなく、今のところはっきりと連絡したとは申し上げられない状況です。私は坂本さんの勇気ある行動に敬意を抱いております。それだけに、こうした通常の連絡すらしていないのではないかと憂慮いたしております。 最後のテープの件でございますが、取材したのは正味十四分ほどのテープ一本でございます。オウム側に見せたのはこの取材テープと思いますが、今残っているのはそのコピーでございます。このテープの全容は既に昨年の九月六日にすべて放送しておりますが、オウム側がこのテープのどの部分を問題にしたのかわかっておりません。 こうした点を含めて、まだまだ不明な点はたくさんございます。調査を進めるとともに、さまざまな形で一連のオウム報道に関する検証を行いたいと考えております。その中でこのテープの放映も考えてまいりたいと思います。TBSは何も隠していないということをそうした措置でお示ししたいと思います。これが信頼を回復するただ一つの方法と考えております。
○委員長(及川一夫君) 委員長からの質問は以上でございます。 それでは、参考人に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
○吉村剛太郎君 自民党の吉村剛太郎でございます。 本日は、参考人お三方には、お忙しいところ、当委員会にお出ましをいただきまして、まことにありがとうございます。御苦労さまでございます。 さて、昨年は戦後五十年目の節目の年であったわけでございます。御存じのように、戦前は我々日本の社会といいますものはいろいろと規制を受けておった社会でありました。思想、信条、言論、あらゆる面で制約を受けておったわけでございますが、戦争が終わりまして、戦前のもろもろのことに対する反省から、そういうものに対して我々日本国民はまさに大いなる自由をかち取った、このように思う次第でございます。 その一つに信教の自由がございます。また、言論の自由、報道の自由がある、このように思う次第でございます。その戦後五十年、謳歌しました自由の結果があのオウムという宗教団体、まさに忌まわしい宗教団体を生んだということは、我々自由を愛する日本国民として本当に考えなければならないことだな、このように思う次第でございます。そして、そのオウムが起こしました一連の事件の原点とも言われております坂本弁護士一家殺害事件、それを誘発したんではないかと思われる行為がTBSさんの方で行われたんではないか、このように思っております。 言うまでもなく、坂本弁護士のインタビュービデオをオウムが見て、そして麻原被告の指示によって坂本弁護士一家を拉致、殺害するというようなことに及んできたんではないか、このように思う次第でございます。まさにオウムという宗教団体の存在、そして起こしました一連の事件といいますものは前代未聞の事件だ、私はこのように思う次第でございます。 そして、その前代未聞の事件を誘発したんではないかと思われる行為が報道機関でございますTBSによってなされた。そして、その後の対応が、今、社長は反省の弁を述べられましたが、それまでの経緯はまことに私は非常に不誠実であったんではないか、このように思う次第でございます。 そういうことを思いまして、関連しまして、きょうは国会としてもこれを座視することができないと。本来ならば民間の企業の皆様方をこういう形でお呼びするということは我々としても決して歓迎するものではないわけでございますが、この逓信委員会の総意として、もうこの段階ではお呼びしていろいろと聞かなければならない、このように判断をした次第でございます。したがいまして、申すまでもなく、報道といいますものは自由でありますし、国家権力とかその他のいかなる権力から介入されてはならない、私はそのように思う次第でございますが、しかしまた国民の負託を受けております国会、我々国会議員としても座視することができない、このように思う次第でございます。 このような場になりました。きょうは報道各社の方もたくさんお見えでございますが、ある意味ではライバル会社のTBSさんがこのような形でいろいろとこの委員会で質疑を受ける、ああ、いい気味だというような気持ちを抱くことなく、放送界の共通の認識として受けとめていただきたいな、このように思うと同時に、我々国会議員も日ごろ放送界からいろいろとまた非難を受けたり、いろいろなことがございます。この際にというようなことではなく、政治ショーということではなく、やはり冷静に対応していきたい、このようにまず思う次第でございます。 そういう中で、ただいま磯崎参考人から経緯についていろいろと御説明がありました。また、委員長の御質問に対する御答弁もあった次第でございます。まだ若干事実関係を究明しなければならない点もあろう、このように思う次第でございますが、それはきょうこの委員会でほかの委員の方々の質疑の中からまたいろいろと明らかになつていくんではないか、このように思う次第でございまして、私としましては、それはほかの皆様にお譲りするといたします。 ただいまの社長の御説明にもありましたように、このビデオを見せたと思われる曜日プロデューサーを初め一連の方に対する社内処分を行われた次第でございます。また、社長御自身も、とりようによりましては将来辞任をもというような御発言があったわけでございます。これは、ある意味では社内の業務上の過失に対する処分であろう、このように思う次第でございます。しかし、この問題といいますのは、やはり国民がひとしく関心を持ち、あるいは怒り、そして悲しんだ問題でございます。いろいろと一件落着した際に、放送事業者としてさらなるみずからの対応といいますものを何かお考えかどうかお聞かせいただきたい、このように思います。
○参考人(磯崎洋三君) このことにつきまして、まず、公共の電波を預かる報道機関といたしまして、まさにあってはならないことが起こってしまったわけでございます。このことにつきまして衷心よりおわびしなければならないと考えております。また、最高責任者としての責任は極めて重く受けとめております。 当社は、かねてより倫理基準を厳正に定め、公平公正な放送を心がけてきたつもりでございました。今回のこの事態は、その基本理念を根底から覆す、私にとりましてまことに痛恨の出来事であったと申さざるを得ません。この上は、当社の総力を挙げて信頼の回復に努める所存でございます。 そして、私自身、そしてまた経営全体の責任につきましては、私自身みずから判断をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉村剛太郎君 私が今お尋ねしましたのは、社長みずからの御判断、また社内のいろいろの処分、これはある意味では社内の問題であろうかと。そして、民間会社を含めまして、放送事業者も含めましていろいろの問題が起きましたときに、ある意味では当然のことだ、このように思っております。 しかしながら、電波という国民共有の財産を借りて、そして仕事をされておられる皆様方が、事業者として国民にどのように納得をしていただけるような判断をされるか、私はそういう意味でお聞きしたわけでございます。我々は日本の社会が健全な民主主義社会として発達していくことを願うものでございます。その健全な民主主義が発展していき、維持されていくという要素の一つに、やはり健全な放送が存在するということが大変一つ大きな要素ではなかろうかな、このように思っておる次第でございます。 そういう観点も踏まえまして、放送事業者というのは民主主義を背負うという、民主主義の発達の一翼を担うという大変重要な役割を持っていらっしゃる。したがって、その健全なそういう気概を持った放送事業があるという信頼感が、今申しましたように、健全な民主主義の発展につながっていく次第でございます。したがいまして、一般の事業会社、営利会社とはまた違う私は役割を持っておられる、このように思う次第でございまして、重ねて実はそういう面をお尋ねしたわけでございます。何か御意見があれば、ちょっとその点についてお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(磯崎洋三君) 放送は大きな社会的責任を持った企業であるということは御指摘のとおりというふうに理解をいたしております。 ただ、現在、私に課せられた責務は、この問題の信頼回復のためのさまざまな社内の改革、そしてまた意識、モラル等々の改革がまさに現在私に課せられている責務だというふうに私自身考えている次第でございます。したがいまして、この問題を一日でも早く私自身、そしてまた現在の経営陣で取り組むことこそが負託されている視聴者、国民の皆様におこたえする道であろうというふうに考えている次第でございます。 したがいまして、繰り返し申し上げますけれども、この大きな、そしてまた重大な責任に関しましては私みずから判断をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
○吉村剛太郎君 関連する放送法、電波法、そういうものをもとにしまして、先般から郵政大臣も行政としての対応を考えておるという御報告がございました。法律と照らし合わせまして、法に基づいて、行政は行政の立場として何らかの処分といいますものが出てくるのか、それは行政任せでございまして、立法府でございます私からどうのこうの言う問題ではありません。 しかしながら、何といいましても放送事業といいますのはやはり自律、独立、自浄、これが私は大変大切なことだ、このように思います。だからこそ国民が信頼して日ごろ放送といいますものを楽しむことができるわけでございまして、私は行政から何らかの対応をされるというような、ある意味では大変不名誉なことを放送事業者が受けてはならない、放送事業者みずからが自分を律して、国民が納得する事業者として、事業体としての私は対応をしなければならないんではないか、このように思う次第でございます。 町のレストランがもし食中毒を起こせば何日間の営業停止を受けます。不動産屋さんが法に触れれば営業停止を受けるんです。しかし、放送事業者はそのような行政処分を受けるような、そんな不名誉なことがあってはならない。みずからが厳しく、法律以上に厳しく私は律していかなければならないんではないかな、このように思う次第でございます。 先ほどから申しましたように、我々は健全な民主社会といいますものがこの日本に根づき、そして発展することを願っております。その一翼を皆様方は担っておられる。大変不幸にしてこのような過ちを起こされました。しかし、ここで皆様方は、例えばこれは私から強制するものではございませんが、放送免許を一時停止するというぐらいの、それぐらいの自浄、自律を行えば、これは私はこれから、きのうは恐らくTBSにも新入社員の方が随分多く入ってこられたと思います。恐らく肩をすぼめて下を向いた形での入社式ではなかったんではないかな、このように思います。 そういう面からいきますと、不幸にしてこのような過ちを犯されましたが、放送の百年、二百年の大計のために、勇気を持ってそれぐらいの自律、自浄の行動をすれば、これまさにTBSといいますものは日本の放送の歴史の中にある意味ではさん然と輝く原点を残すんではないか、私はこのように思う次第でございます。 大変失礼でございますが、社長も六十数年人生を送ってこられたと思います。そして、放送事業というものに長らく携わってこられた方だと、このように思います。そして、同じく日本の民主主義といいますものが健全に発達するということを願っておられると思います。そして、今日の社長及びお見えになりました参考人、大変な苦悩だと思います。 人生の中にはこういうことが一度や二度はある。全人生を傾けて、そして日本の民主主義ということを思いながら判断すべき、今がそれであり、それができるのは不幸にして過ちを犯された社長、あなたがトップなんです。その社長の判断が日本のこれからの放送の歴史を本当に決める大きな判断になる。そして、放送に携わる人々が身震いするような緊張感でこれから放送事業に邁進していただくならば、日本に本当にすばらしい民主主義といいますものが根づく。そのような本当に、この際、失礼な言い方だけれども、全神経を、全人生を傾けて御判断をしていただきたいな、私はこのように思う次第でございまして、何か御意見があればお聞かせいただきたい、このように思います。
○参考人(磯崎洋三君) まさにこのような過ちを起こしたTBSでございます。しかし、御指摘のとおり、放送事業というのは日本の民主主義の、そしてまた国民の自由な意見、そしてまた国民に知らしめる、知る権利に対しても十分にこたえていく責務があろうというふうに考えている次第でございます。 私といたしましてはこの責任の重さを極めて重大に受けとめておりますし、しかしこの試練、そしてまた御批判、御疑念というものを一刻も早く明確にし、そして一日でも早く国民、視聴者の皆様の信頼にこたえるように全力を傾けることが私の責務であろうというふうに考えている次第でございます。
○吉村剛太郎君 今日的な結論という次元で私は実はとらまえて質問をしておるわけではございません。やはり、放送事業百年の大計の中で社長が判断していただく、何度も申しますけれども、これが日本の健全な民主主義の発達につながってくる、このように思う次第でございます。 ぜひともそのような御判断をお願いしたい、このように思いますと同時に、先ほど社長からも謝罪がございましたあの坂本一家、そして被害に遭われた、亡くなられた方々、そしてなお今日も治療を余儀なくされておられる大変多くの被害者の方々、そしてその原点でございます坂本御一家が、殺害された後、ばらばらのところに埋められておりました。そして、一番最後にあのちっちゃな龍彦ちゃんという遺体が発見されました。私はこの遺体には意思があった、あのちっちゃな子供の遺体には強固な意思があった。自分は必ず発見されるんだ、そしてオウムのこのような極悪非道を許さないんだ、その意思と、あの捜査に携わった方々の心が本当に一つになってあの遺体といいますものが発見されたんだ、私はこのように思います。 したがいまして、その事件を誘発したとも思われますTBSのその行為といいますものは、この龍彦ちゃんの意思に私はこたえなければならない。それは、放送百年の歴史の原点を今社長の判断によってつくることによってこの意思に私はこたえることができるんではないか、そしてそれが民主主義を愛する全国民にこたえることであり、TBSの今日までのいろいろなことの贖罪になるんではないか、私はこのように思う次第でございます。御感想があればお聞かせいただきたい、このように思います。
○参考人(磯崎洋三君) 先生のおっしゃるとおり、全く同感でございます。特にそのことに関して申し述べることはございません。まさにおっしゃるとおりだというふうに思います。
○吉村剛太郎君 基本的なことに随分時間を割きまして、まだ質問したいことがたくさんあるわけでございまして、一つ実務的なことに話を転じたい、このように思っております。 それは、報道とワイドショーの役割分担があいまいになってきておるんではないか、このようによく言われております。報道といいますものは真実をありのままに国民に提供する、ワイドショーというのは娯楽、楽しく、また涙あり、笑いあり、スリルあり、こういう番組だろう、このように思う次第です。 例えば文学、純文学といいますのは人間のありのままの姿を追求していく、あらゆる切り口から内面に人間そのものを追求していくのが純文学、私はこのように思います。一方の大衆文学、大衆小説、娯楽小説、例えば推理小説なんかは小さな子供が難解な事件を知恵を絞って幾つも幾つもたちまち解決をしていく。また「ランボー」みたいな男が出てきて悪人をばったばったと倒していく。これはわかっているんです、こんな人間がおるはずはないと。しかし、見ていて楽しい。純文学の本当に人間そのものを追求していくもの、文学の中にもやっぱりいろいろと役割分担があろう、分野があろう、このように思う次第でございます。 そういう中で、報道といいますのはやはり事実をありのままに国民に提供していく。しかし、おもしろくないという面はあろうかと思います。やっぱりワイドショー、娯楽であれば視聴率も高くなろう、このように思いますときに、どうしても民放であれば視聴率、視聴率すなわちコマーシャル料との関連が発生するわけでございまして、どうしても視聴率の方に重点が置かれていくというようなことが間々あるんではないか、このように思う次第でございます。 今言われております報道とワイドショーの関係といいますもの、これがどうあるべきか、まず基本的に磯崎参考人、またどなたでも結構でございますが、お聞かせいただきたい、このように思います。
○参考人(鴨下信一君) 先生がおっしゃるとおり、報道とワイドショーというのは表現の違いが大変ございます。片方は非常に庶民的な表現方法をとっております。ただ、その取材のモラルとか倫理とかに関しましては全く同じであるべきだと私は思っております。 ただいま報道とワイドショーを含む生の情報番組との境界線があいまいになっておるのではないかという御意見はたくさんございます。私どもは、これを契機と言っては非常に問題があると思いますが、ぜひこれをきっかけにしてワイドショーの見直しを図って、よりよい番組につくっていきたいと思っております。
○吉村剛太郎君 当然でございますが、ワイドショーを否定しておるものでもございません。やっぱり茶の間で酒を飲みながらだとか、一家団らんの中でワイドショーを見ると、日ごろ仕事に疲れて、非常にストレス解消にもなるし、その中には笑いがあったり涙があったり、いろいろある。時には人生の機微に触れるようなこともある。これは本当に大切だ、このように思います。 ただ、今申されましたように、基本は倫理の問題だろう、このように思っております。先ほどの例がよかったかどうかわかりませんが、やはり純文学が講談調になっていったりすれば、これはある意味じゃ文学の自殺行為であろう、このように思います。やはり報道といいますものは、報道のあるべき姿、哲学というものがあろう、このように思いますから、そういう面で進んでいっていただきたい、このように思う次第でございます。 ただ、どうしても視聴率ということで、いろいろと報道では金がかかる、その割には視聴率は上がらない、ワイドの方は金かからずして視聴率が上がる、それがコマーシャル収入と直接間接的にかかわってくるというようなことで、どうしてもワイドショー的に、これは事業会社でございますから営利もやっぱり追求しなければならない、そのようなこともあろうかと。 それに絡みまして、民放の場合はどうしても下請といいますか外注を使うことになってくる。外注を使いますと、どうしても本社の管理といいますものが薄くなってくる。しかし、これを使えば便利だ。また、いろいろな外注先がいろいろなネタも持ってくるでしょう。変なネタも持ってくるでしょうけれども、そういうところにワイドショーの一つのよさもあるかもしれないけれども、危険なところもある。際物に飛びつくというようなこともあるんではないか、このように思う次第でございます。これはTBSだけの問題ではない、このように思う次第でございますが、その辺について、今ちょっとお答えもありましたが、もう少し突っ込んだお考えなりがあればお聞かせいただきたい。 そして、今回のオウムに絡みますTBSさんのいろいろな過ちといいますものもそういう構造的なところから来ておるんではないかという懸念も私は抱くわけでございまして、そういうものも含めまして御意見をお聞かせいただきたい、このように思います。
○参考人(鴨下信一君) おっしゃるとおりに、社外のスタッフがたくさんスタジオ系といいますかワイドショー関係では働いておることは事実でございます。ただ、私どもはそれと一緒にやっております社員の自覚とモラルが一番大事なことだと思っております。これは、外部の方も一生懸命仕事をなさっていらっしゃいますし、私どもは社員と一緒になって外部の方たちの倫理、モラルの研修にも努めてまいりました。 今回の事件は大変残念なことでございますが、社員の自覚とモラルの向上がやはりこういう混在の形態であります民間放送の制作に関しましては一番大事なことだと心得ております。
○吉村剛太郎君 もう時間もなくなってまいりましたが、重ねて、今回のオウムに関連しますこの事態、もう何度も申されておりますように、まさに放送法とか、そういう法律ではない、そういう次元の問題ではない、まさに倫理の問題である、このように思いますし、今、参考人からお聞きして私も安心した次第でございます。 ただ、もう既に社内規則、民放連の基準もいろいろあるわけですね。そして先般、去年も他社で報道についていろいろありました。そのときも実は同じ答弁をいただいておるんです。そして、なおかつこうやって同じようなことが繰り返されるというときに、まさに戦後五十年、そして五十一年目のきょう、この機会に、先ほど申しましたように、大変不幸にしてTBSさんはこのような過ちを起こされた。しかし、起こされたTBSさんだからこそできるという厳しい自己批判、自浄作用、自律、それがこれから百年後の放送のやはり一つの大きな哲学になる。それができるのがまさにトップ磯崎参考人以下、現経営陣の方々だ、このように思う次第でございます。 これからいろいろと事実の解明がなされよう、このように思っておりますが、国民の一人として、また国民から負託を受けております国会議員として、国民の声を伝えるということで、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。失礼しました。
○保坂三蔵君 自由民主党の保坂三蔵でございます。 きょうは御出席いただきましてありがとうございました。 今回の質問をするに際しまして、私は、坂本弁護士御一家並びにサリン事件などの犠牲者の方々の御冥福をまずお祈りしたいと思いますし、五千名にも及ぶいまだに後遺症に悩んでいる方々の一日も早い回復を祈りたいと思っております。 質問をするに当たりまして、まず冒頭でお尋ねいたしますが、さきの衆議院の法務委員会にTBS大川常務が御出席をされました。この参考人出席の後に、大川常務が社内に帰ってまいりまして、国会なんてちょろいものだ、国会議員なんかちょろいものだ、こう言ったということが内部告発などで外部へ漏れてきておりますが、こんなこと本当に、社長、聞いておりますか。
○参考人(磯崎洋三君) そのような発言は全く聞いてはおりません。
○保坂三蔵君 私は、真実を述べていただきたい。国民が今真実を求めているということの原点できょうの質問をしてまいりたいと思います。 私は東京出身の議員でございまして、長くTBSを愛好してきた一人であります。ましてやラジオ東京という前身の時代からファンでございまして、特に質の高い報道を旨とした報道のTBS、こういうことでオウム問題などでもサンデー毎日の指摘を生かして一番早く取り上げてオウムの核心に迫っていた。非常に注目をしておりました。私は、そういう立場から、首都東京を代表するテレビ局が成功している姿を、今の民主主義の世の中で大変に貴重な存在である、こう期待しておりましただけに、今は、TBS一体どうしたんだ、こういう気持ちでいっぱいであります。 そこで、引き続きお尋ねをいたしますが、先月二十七日、教団幹部の田下聖児、これが殺人幇助で懲役七年の判決を受けました。翌日にはオウムに破産宣告が出まして、サリン事件などを中心にいたしまして教団ぐるみの犯行が司法の手によって断定されたわけであります。 今、吉村議員のお話がありましたように、本来、人を幸せにする宗教教団が、人を平気で殺したり不幸をもたらしている、こういう実態が次々と明らかになってまいりました。特に、きのうの四チャンネル、日本テレビの報道などはもう戦慄すら感じました。武装蜂起をまじめに考えていた、こんな内容でございまして、衝撃的なニュースでありました。これらの問題のすべての原点が坂本事件にあるということが社長のただいまのお話の中でもある程度明瞭になってきたわけでございます。 そこで、さきの訂正記者会見におきまして、また今回の冒頭におきまして、坂本弁護士遺族に社長が謝罪をされました。どんな心境でお話があったのか、また謝罪とはこの因果関係を認められたということになりますでしょうか。
○参考人(磯崎洋三君) まことに、坂本弁護士御一家の事件につきましては、心からお悔やみを申し上げる気持ちでいっぱいでございます。 ただ、先生御指摘の、テープを見せた案件につきましての関連でございますが、検察の冒頭陳述の中にもございますとおり、非常にさまざまな長い経過の中で私どものTBSも冒頭陳述の中で述べられているわけでございます。したがいまして、私としては、関係が全くなかったというふうには存じておりませんけれども、一連のそういった関係の中でこの事件が起きたというふうに認識はいたしております。
○保坂三蔵君 社長、それが甘いんですよ。 先ほどの冒頭で坂本弁護士一家並びに御両親には謝罪をされましたが、この事件の後にあらゆる事件が引き続いて起こっている。やはりその原点なんですね、坂本事件。だから私は、冒頭で申し上げたように、サリン事件の被害者にもやっぱり社長の言葉で冥福を祈らなくちゃならないような責任があるということを認識されていないと、今回、この委員会だけクリアすればいいということでお帰りになられては困る、こう思って、次にまた質問をしてまいります。 磯崎社長はつい二日前まで民放連の会長をされておりましたね。その民放連が、既に三年前の平成五年二月三日に「番組制作のあり方」というものをまとめまして、全民放各社に配ってこの見解の徹底を求めている。 ちなみに読んでみます。民放番組でいわゆるやらせをはじめ、取材マナーの問題、誤報、虚偽の放送などが発生したことを受けて、審議を踏まえてまとめられたものです。放送人としての自覚を問うとともに、番組制作の管理体制など民放の姿勢そのものに問題があると指摘しています。 さらに、放送倫理向上のための具体策として、虚偽の情報が放送される危険性、人権への配慮、取材マナーへの配慮、無理のない制作体制がとられているかどうかなどのチェック、二番目に番組外注における責任体制の明確化、三番目に番組考査の現場への徹底、四番目に制作現場への教育指導の徹底を求めています。 この見解には特に外部からの意見が附帯されておりまして、「番組の不祥事の背景には視聴率至上主義による制作競争があり、これを看過してきた経営姿勢が問題である」等々述べまして、民放連の見解として全社にこれを徹底されまして、その尊重と番組向上への尽力を要請されています。 これは、磯崎会長が就任される直前かもしれませんが、民放連の統一見解、これ、いかがな御見解をお持ちでしょうか。御感想を伺いたい。
○参考人(磯崎洋三君) 先生御指摘のとおり、放送に携わる者の基本的な倫理の基準として、連盟加盟各社、そしてまた放送に携わる社外のプロダクションの皆様にも周知徹底した案件でございます。したがいまして、私は、放送に携わる者の基本的な基準、倫理として深く受けとめております、重く受けとめておる次第でございます。
○保坂三蔵君 ところで、あわせてお尋ねしますが、聞きにくいことですが、昨今のTBSは激しい視聴率競争で日本テレビやフジテレビに水をあけられた、さらに社屋の改築などで営業状態にも深刻なものがあった、こう仄聞しておりますが、これは事実でしょうか。
○参考人(磯崎洋三君) 視聴率の問題に関しましては、確かに現在他社が週間平均で見てまいりますと視聴率は高いという状況は続いておりますが、私ども、週間によって視聴率の変動はございますけれども、視聴率的に見ますとそれほど水はあけられているというふうには考えておりません。 それから、新しい社屋の建設につきましては、現在、竣工をして新しいセンターで仕事を開始をいたしておりますが、特に経営的にこの新社屋建設に関して問題はないというふうに判断をいたしております。
○保坂三蔵君 経営実態が危険だとか、そんなことは申し上げておりませんが、財政的に厳しいだろう。こういうことを申し上げているのは、視聴率の競争では負けていますよ、はっきり言って。日本テレビに完全に、そしてフジテレビにも水をあけられそうになっている。私はこの実態を踏まえた上で言っている。これは週間的なものじゃなく、年間で、もう五年、六年追っかけて私はデータをとっている。 そういう状況の中で、視聴率は即広告収入ということで会社を支えているわけですが、これはもう上げろという現場の必死の努力が展開している。報道のTBSやドラマのTBSは言ってみればかなぐり捨てて、即効性の高いワイドショーに傾注していったんじゃないか、こう見ざるを得ないんですね。このような中でオウムの事件が関連として起きてきている、私はこう見ているわけです。 今回の事件は、何だ、他社もやっていることじゃないか、TBSは結局はアンラッキーだったと社長はお考えでございましょうか。また、番組の制作に当たっては制作会社すなわち外部の人間に任せた事件であって内部の問題は関係ない、あるいはこの問題に関しては、言ってみればトップの対応がまずかったんであって、TBSというのは会社としても社員としても関係ない、こういうムードが社内にございますでしょうか。
○参考人(磯崎洋三君) まず、私どもはワイドショーだけに編成的に重きを置いているということではございません。私どもの編成は、総合編成としてニュース・報道番組、そして情報番組、そして娯楽番組、娯楽番組の中にはドラマもございますしバラエティー番組等もございます。そして、娯楽系のプログラムでは、特に私どもではドラマに中心といいますかウエートを置いて編成をいたしておりますので、御指摘のとおり、特にワイドプログラムと申しますか情報系番組に重きを置いているということではございません。 そしてまた、社外のプロダクションの皆さんに制作をお願いしていることもこれまた事実でございますけれども、放送の最終責任につきましては私どもTBSがその責任を持っているということははっきりいたしておりまして、また全社員もそのように自覚をして作業をいたしておるところでございます。
○保坂三蔵君 吉村議員からもお話がありましたように、確かに今回の事件はTBSに限らない、言ってみれば今の日本の放送メディアが抱える問題を象徴的に露呈した最悪の事件だ、こう思っておりますが、しかし何といいましても視聴者との信頼関係を裏切ったのはTBSですから、このことでは責任は非常に重い、こう私は考えております。 そこで、具体的に、今国民の間でささやかれているTBSさんとそれからオウム真理教の教団との関係につきまして私なりに十の事件をまとめてみましたので、ごらんになっていただきたいと思います。(図表掲示)これは、「TBSとオウム教団 10の疑惑」、こうまとめてみたわけでございます。 一つ一つ申し上げますが、「3時にあいましょう」の事件、これは冒頭、今お話が進んでいます。それから、これに関連いたしまして西ドイツの麻原教祖単独会見の疑問、これですね。この二つをまずお尋ねしてまいります。 先ほどもお話がありましたとおり、社外の人間にまで責任を持つとおっしゃいましたけれども、今回、社内の内規で処分された金曜担当のプロデューサーの武市、しかしこの人が独断で放送の、放映の中止ができ得たか、処分決定にはその直属の上司であるところの多良総合プロデューサーが関連していたんじゃないか、こうだれも考える。しかも、そのほかに社外プロデューサーであった下請の宮本さんという人がいましたね。この人は一体どうなっているのか。我々としましては、今一生懸命TBSの内部で外部に対して悪かったというキャンペーンをやっていますけれども、あの中にもこの人たちは出てこないんですよ。事件が解明する前にさっさと懲戒解雇してしまいましたので、言ってみればこれは疑惑隠しじゃないかなどと言われているわけです。 しかも、この武市という人は、この「3時にあいましょう」の事件の約一カ月後に、平成元年の十一月三十日、西ドイツでオウム真理教麻原教祖の単独記者会見に成功しているわけです。記者会見の真ん前で仕切っていたなんというのはだれもが見ている。そういう実態を見まして、しかも、この武市さんという人は、おれがオウムを仕切っている、こんなことを言ったそうですけど、これも社長、聞いておりますか。 いずれにいたしましても、早川ノートというのが出てくれば、TBSがその後放送するおそれがあるんじゃないか、早川ノートの中でですよ、TBSがその後放送するおそれがあるんじゃないかということで、放送中止の見返りでこういう単独記者会見をやった、こんな疑惑があるわけです。これを一番、二番に私はまとめてみまして、私は武市プロデューサーなどは証人喚問したいようなつもりでおりますけど、これはきょうは申し上げません。 それから、三番目の疑惑として「スペースJの先見性と癒着」と書きました。確かにすぐれた報道をしております、「スペースJ」は。吉崎、報道局の方ですね、このプロデューサーの吉崎さん、そしてまた下村さんというかなり国民的な人気が出たキャスターを擁しましてぐいぐいと当初からオウムを、まあ言ってみれば反オウムキャンペーンというかオウムたたきで頑張ってくれた。しかし、やっていればやっているほどだんだんTBSとオウムがもたれ合いになって、相互に利用し合っているような姿を見ているんですね。その象徴的な事件が、接見禁止中の、だれもが会えない、弁護士だけが会える接見禁止中の麻原教祖に会った横浜の弁護士事務所の某、これはYという弁護士ですが、違法で入手した。接見交通権違反ですね。今この弁護士は調べられているんですから。そのテープを「スペースJ」が手中にして、自分も放送し、またワイドショーにも流している。こういうスペースJの先見性と癒着という問題が今事実問題になっている。このことを私は三番目にまとめました。 四番目に、これは具体的にお尋ねしたいんですが、例の村井秀夫刺殺事件です。これは昨年の四月二十三日に事件が起きました。そして、このとき幹部中の幹部の村井が刺されて、そして翌日の二十四日の午前三時に死亡しているんですが、二時間後の五時にもう既に「ザ・フレッシュ」ですね、「ザ・フレッシュ」じゃなくて、五時は違いますか、すぐニュースで特番的にこれを放映している。これは国民が見まして、夕方の「ニュースの森」でもやりましたから、みんな見ているわけですよ。だれが考えたっておかしいんですよ。 その徐という犯人が、最初からやりますよというように徐ばかり追って、アタッシェケースから何からですね。社長、これをごらんになったでしょう。マザーテープをごらんになりましたか。事件二時間後の五時に放映したこのテープ、これ無修整のテープなんですよ、多分。これは一回公開してもらいたい。「ニュースの森」というのはもう時間も一日近くたっていますから、修整したというよりも、言ってみれば編集したテープが流れておる。しかし、無修整のテープ、私は委員長、機会がありましたらぜひ私どもに見せていただきたい。 そして、このことは、この情報をどうしてTBSが仕入れたのか、このお調べをしたことがありますでしょうか。しかも、この事件はおかしいというんで検察当局がTBSの三人の関係者を調べたと言っておりますが、この村井秀夫刺殺事件の私の質問に対する見解と御答弁をいただきたい。
○参考人(鈴木淳生君) 今、先生が御指摘になりました村井幹部殺人事件に、事前に情報をつかんでいたんではないかというふうな御趣旨かと思いますけれども、これは外部プロダクションのつくっているドキュメンタリーのカメラマンが映像を撮ったところでございまして、たまたまそこにいたということでございます。オウムの青山本部に群がっている人々を三日間取材いたしまして、それをまとめて放送しようということでございましたが、その中に、いわゆる群衆の中にまじって徐容疑者もおったということでございます。 そういうことでございます。
○保坂三蔵君 そんな偶然なシーンじゃないよ。暴力団の筋から情報をとったんじゃないかとまで疑われているんですよ。そんな甘い調査でこれは済みませんよ。 その次に、サブリミナル放送の危険性、これは民放連も禁止しましたけれども、アメリカでは三大放送がもう完全に禁止している。イギリスでは法律で禁止している。瞬間的に潜在意識に流す、これをTBSが「ニュース23」で、その五日前にNTVが同じようなことをやったという平成元年の事件を掘り出して報道しておきながら、五日後に自分が今度は禁を犯すわけです。こんなばかなことをやりまして、しかも麻原教祖の大型の画面が出てきた。そして、村井刺殺事件のところではユダの写真が入っておるんですよ。だれが見たって裏切りということですね、ユダというのは。キリスト教のことを知らない人だってわかりますよ。こんなサブリミナルの危険な実験をやった。 それから、問題はもう一つあるんですよ。教祖の、逮捕されている、さっき言った接見禁止になっているぐらいの教祖のテープを「スペースJ」が取り上げて、それを事もあろうに報道で流しましたね。そしてまた、教祖がいないところで知子という夫人が各道場を説教して回ってまいりました。六月四日に杉並道場で説法した説法をよく聞いてこれからの修行の指針にしてください、究極の布施を、ハルマゲドンは必ず起きますよ、そして尊師に帰依せよ、こういう当時の知子代理の説法を流している。 そして禁じ手は、さっき言った違法のテープをさらに流して、麻原自身が、自分の精神的な成長のためにしっかり頑張ってくださいとTBSの電波媒体を通して信者に呼びかけているんです。これですよ、朝八時四分。(図表掲示)「松本知子説法肉声!! 獄中の麻原被告は」、こう書いてありまして、「これが尊師が今、皆さんに実践してほしいこと…」と書いてある。これ提供はオウムですか、オウム教団の提供の番組ですか、これ。こんなことあったんですよ。 これはだれが見たってTBSと癒着があると思うでしょう。朝の八時四分ですよ。これ九分間か何か放映されている。こういうことがありました。この御見解を伺いたい。
○参考人(鈴木淳生君) 先生の御質問の一からちょっと御説明をさせていただきます。
○保坂三蔵君 済みません。私、持ち時間がありませんので、今のことだけで結構です。最後の違法テープの入手と放映のことを伺いたい。
○参考人(鈴木淳生君) 教祖の、麻原教祖のということでございますか。
○保坂三蔵君 はい、これです。
○参考人(鈴木淳生君) 麻原の獄中での説法の録音を入手し、放送したことはあります。が、これは被害者の会などの御指摘を受けました。 テープそのものは道場での集まりに参加した信者から通常の取材の過程で借りたものでございますけれども、マインドコントロールについての私どもの配慮が極めて足りなかったと反省いたしております。 今、気がつかなかった点の御指摘を承ったわけですけれども、テープは直ちに放送しない処置をとったわけでございます。 松本知子に関しましては内容を伝えたのみで音は流しておりません。
○保坂三蔵君 音は流していないというのをはっきり後でまた報告してください。 いずれにせよ、被害者の会から言われたように、もう信者がこれによってフラッシュバックで戻ってしまったという事実があるんですね。 そのほか、オウム捜査の情報漏えい事件、これも青山メモをTBSはお持ちだと聞いておりますが、この中にかなり詳しく微妙なところが書いてある。微妙なところが詳しくというのはおかしいけれども、TBSが関与していたんじゃないかということが書いてある。 そのほか、社内調査の疑惑、この責任者の、さっき申し上げた大川常務はもともと警視庁のキャップでしょう。ベテランですな。その人が調べられなかったのか。しかも磯崎社長は前、社会情報局の局長もお務めでございましたでしょう。私は、こういう社内調査の疑惑というのは、六人の部長や局長が二十人の関係者を対象に二カ月半調べてわからなかったというんだけれども、私はわからなかったんではなくて、既に昨年の九月から知っていたんじゃないか。これはオウムとの密約説などで表へ出せ得なかった、こうしか考えられない。不自然でしょう、余りにも。しかも社員が、TBSのプロパーの社員が三人とも調べられているんですよ。調べられたら調べられましたよと上司に報告するぐらいが、そして何を聞かれたかもわかるでしょう。また、何をしゃべったかもわかっているはずですよ。 さすれば私は、今回の事件は昨年からTBSは知っていた、にもかかわらず虚偽の報告で、びほうびほうで来て、結局は早川ノートで馬脚をあらわしてしまった、こうしか考えられない。それじゃなければ、その後に出てくる早川ノートが、早川供述じゃないですよ、早川ノートが三月二十七日の中川公判の中で全文朗読されますが、その二日前に、共同通信の配信だとはいうけれども、それを全部信用して解雇したんでしょう、どうだ、これは確かなものだろうと。 しかし、考えてみれば、同じことを去年の十月十九日からNTVがキャンペーンを張ってやっていたじゃないですか。そのとき、NTVを軽く見て、共同通信だけは正しく見たんですか。それとも、検察からほかに情報を得たんですか。そう私は言わざるを得ない。 そして最後に、オウムの出家信者、在家信者、シンパの存在ですよ。これは評論家の渡辺さんという人が何度も社長に文書を送ったけれどもナシのつぶてだと、こういうのが来ていますよ、渡辺正次郎氏の。しかも、見せた見せないの中で、見せた人の実名まで言ったらTBSは告訴すると。告訴したんですか。こういう評論家に対する、評論家が言ったことを全部、いろんなことを言うかもしれないけれども、まじめに受け取ってもらいたかったですな。 そんな中で、青山総本部や上九一色村や富士宮道場をTBSの社員だけがフリーパスで入っている。こんなのだれも見ているんですよ。 そして、ロシアにおきましては、まだこの事件が解明されておりませんけれども、軍人が立ち会ったりあるいは世界的なスパイ養成機関の学校などにもオウムが入れたのは、いろんな方法もあったかもしれないけど、上祐とKというTBSの社員が緊密な関係にあったなんといううわさもある。あるいは「ニュース23」、筑紫さんのところ、クルタを着たYというおたくのTBSさんの社員が写真に撮られている。こんな疑惑があるんですよ。 ですから、私はこのことを申し上げませんけれど、考えてみますと、こういう事件が明白にされない限りは、国民はTBSが意図的にのめり込んでいった事件で、どうしようもなくて、今国民の前で黒白をつけられそうになっているというふうな、本当は犠牲者のようなお気持ちでいるかもしれないけれども、TBS自身が起こした事件である、このことを私は申し上げたい。 ニュースのワイドショー化は、さっきもお話がありましたけれども、殺人事件の犯人が主役で登場したり、ただ視聴率さえ上げればやり放題の風潮に少し拍車をかけ過ぎてきた。しかも、下請とフリーが混在する現場では、日々の激しい戦いのみが先行していて、いわば報道の基本姿勢や倫理観がまさに埋没しているとも言っていい実態があるわけであります。しかも、その助っ人を、TBSの中では社外の社員を二級市民としてさげすんでいたなんて話を聞くと、何をか言わんやだ。報道関係者すべての倫理観の確立と下請制度の抜本的な近代化、これらにまで踏み込んだ民放連の今後の対策が必要と思いますが、前民放連会長としての磯崎会長の御見解を承りたい。
○参考人(磯崎洋三君) 先生のお話は重く受けとめさせていただきたいというふうに思います。 いずれにしても、放送に携わる身は、繰り返し放送の倫理、そして放送基準に関して徹底して研修を行うこと、それから一番大事なことは、現場の放送人、放送マン一人一人がそのことについてしっかりしたモラルと意識を持つことであるというふうに考えている次第でございます。そのために、私は最大限のこれから努力をし、そして繰り返しこの問題については継続してやって、事に当たっていかなければならないと考えている次第でございます。
○保坂三蔵君 最後に。 いろいろお尋ねしてまいりました。今日、憲法のもとでも報道の自由は絶対的に保障されております。しかし、万一誤った報道がなされた場合は、あるいは意図的な報道がなされた場合は、報道から社会を守るという行為も当然担保されているわけであります。これは私たちの責任によっている。信教の自由と似ていますね。 特に、マスコミの横暴、例えば具体的に申し上げれば松本サリン事件の河野義行氏への汚名、これもマスコミで起こされましたね。それから江藤前大臣の発言を内外の第三者へ、マスコミの倫理観ですよ、ジャーナリストの倫理観を破って通報してしまった事件、あるいは選挙のたび重なる偏向報道、そしてその他ワイドショーなどでの目に余る取材の仕方、これはマスコミの横暴、暴力と国民が見ている向きがあるんです。特に、健全な、民主化された社会の中では、ジャーナリズムが第四の権力たるには暴走するブレーキがどうしても必要なんですよ。 今こそ、私はあえて申し上げたい。先輩である磯崎社長の前で申し上げるのはどうかと思いますが、放送ジャーナリストは、右手にマイクを持つとき、左手には自責のつえを持っているべきではないでしょうか。この事件は、何度も言ってまいりましたが、放送界全体の問題ではありましょうが、民放連会長としてNTVとの一対一の応酬も見苦しかったですね。なぜあの事件をもっと、これはいずれが勝とうと墓穴を掘っているだけなんですから、民放連の土俵に上げてこなかったのか、これもざんきにたえないところです。 最後に、TBSの筑紫キャスター、TBSの看板キャスターですね、この方がこの一連の事件でTBSは死んだと、こうおっしゃっていますね。民間放送の雄として、また初代足立会長以来、民放連を通じて業界を束ね指導してきたTBSとしては、この際、みずからめりはりのきいた思い切った責任をとり、そして原因を徹底的に調査をして、一刻も早く民間放送の信用回復の再スタートにつくように努力をしなくてはいけないんじゃないだろうか。このことは、坂本弁護士一家を初めとするオウムの犠牲者のみたまのためにも、喪に服するという気持ちのもとで努力をして、そしてあらゆる国民の見えるところで真実を解明して、一刻も早いTBSの戦列復帰を望みます。御見解を最後に承っておきます。
○参考人(磯崎洋三君) 先生のお言葉を極めて重く受けとめさせていただきたいと思います。そして、私どもはみずからの自浄努力で、信頼回復のために私も含め全社一丸となって取り組んでいくことを皆さんの前でお誓い申し上げたいというふうに思います。
○広中和歌子君 新進党・平成会の広中和歌子でございます。 きょうはお忙しい中を御出席いただきまして、参考人の方々に心から御礼を申し上げます。 私は、放送界、特に放送の現場には全くの素人、無縁の人間でございましたので、見当違い、失礼な御質問をするかもしれませんけれども、あらかじめお許しを願いたいと存じます。 このたびのTBSオウム報道に関しまして、新進党といたしましてはコメントを発表しております。「東京放送(TBS)のオウム・ビデオテープ問題は、単に報道のモラルから大きく逸脱したという問題に留まらず、それがきっかけとなって殺人事件が誘発され、さらに一連のオウム事件に発展する一因となったとも考えられる。」、そういうふうに始まっているわけでございます。 先ほど磯崎社長は、信頼関係を失った、日本放送界への信頼を著しく傷つけた、国民の信頼も傷つけたということで謝罪をなさいましたが、その謝罪の内容というのは、私が今述べましたこのコメント、「単に報道のモラルから大きく逸脱したという問題に留まらず」というところでとどまつているのでしょうか。それとも、「それがきっかけとなって殺人事件が誘発され、さらに一連のオウム事件に発展する一因となったとも考えられる」、そこまで含んでいるんでございましょうか。お伺いいたします。
○参考人(磯崎洋三君) 今、先生のお話の具体的な事件の影響につきましては私ども言及すべき立場ではないと存じますが、検察側の冒頭陳述にございますように、坂本事件には長い経過がございます。そして、さまざまな要素が絡み合っております。その中に私どもがテープを見せたことも位置づけられておりますので、事件に関係がないとは思っておりません。その認識を申し上げた次第でございまして、実際にどのような影響があったかは、今後の裁判の推移を見守ると同時に、オウム報道の私ども社内の特別委員会で徹底的に検証をしてまいりたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 私どものコメントでございますけれども、それにさらに続きまして、「これほど重大な問題にもかかわらず、TBSはこれまで内部調査が極めて不徹底であり、その事実を隠蔽もしくは否定し、国民に対して虚偽の報告をしてきたことは、断じて許すことはできない」、そのように続いているわけでございます。 ちょっと違う事件のことを御紹介いたしますが、皆様既によく御存じのアメリカのウォーターゲート事件でございます。 これは、ワシントンのウオーターゲートという住居用マンションに盗聴器を仕掛けたといういわゆるウオーターゲート事件でございますが、あれほど大きくなり、ついには大統領を辞任に追い込んだ、そういう大きな事件に発展した理由は、盗聴器そのものを仕掛けたことへの大統領の直接の関与ではなくて、むしろそれを否定したり隠ぺいしたりするそうした工作によってでありまして、それが大統領あるいは大統領府の信用を失墜せしめた、そういうことで大きくなったわけでございます。 今度のTBSテープの事件におきましても、理由は何であれ、理由は今いろいろ御説明なさいましたけれども、二カ月かけた社内調査後の発表の内容が後の検察庁調査による早川メモと大きく倉い違ったこと、それがTBSのマスメディアとしての信頼を著しく失わせたと思われますけれども、御見解をお伺いいたします。
○参考人(鈴木淳生君) 先生の今事実を隠ぺいしたのではないかという御指摘でございますけれども、社内調査は予断を排して真摯に厳正に行いました。その結果を隠さずに正直に公表いたしておりまして、隠ぺいの事実はございません。 見せたという事実を初期の調査で把握できなかったのは極めて残念に思います。しかし、六年前の記憶をたどる作業は極めて困難であったことをまた御理解いただきたいというふうに思います。 早川メモ詳細を入手するまで、正直なところ見せたことにつながることの決め手にはなりませんでした。調査が不十分だという御指摘は十二分に甘受いたしますけれども、隠ぺいしていたとか何らかの予断を持って調査に当たったということは決してございません。その点はぜひ御理解いただきたいというふうに思います。ただ、調査が不十分であったことは重ねておわび申し上げます。
○広中和歌子君 今、TBSに問われているのは番組編成の責任体制ではなかろうかと思います。企画、制作、審査に当たって、責任者の判断、指揮、命令がどんなシステムで取材・制作現場に徹底されているか、お伺いいたします。
○参考人(鴨下信一君) 現場の責任者はプロデユーサーでございます。プロデューサーの判断が現場では一番のことでございますが、そのプロデューサーに対しましては、もちろん常日ごろ、ラインの部長あるいはその上の人間は常に正しい指導と正しい判断ができるように申し渡しております。 ただ、先生御案内のように、現場ではプロデューサーに大幅にそういうふうな権限が与えられていることは御理解いただきたいと思います。
○広中和歌子君 取材テープを放送前に関係する第三者に見せてはいけないということは、報道に携わる者のイロハだと言う人もおりますけれども、報道倫理違反だという認識は報道関係者全体に本当に広く行き渡っているんでございましょうか、それをお伺いいたします。 報道テープを第三者に見せる場合というのがあるとしたら、それはどういう場合なのか。例えば、放送前のテープをスポンサーとか新聞、雑誌のテレビ担当記者等に見せるということはあるんではないかと私は想像するわけでございますけれども、見せていい場合と見せていけない場合、そうした区別というのはどういうふうになっているんでございましょうか。
○参考人(鴨下信一君) 放送前のテープを第三者に見せることは確かに例外的にはございます。 例えば、討論番組の出演者に討論のテーマと次るVTRを見せまして討論の準備をしてもらうとか、それから意見の対立する両者にお互いのインタビューを見せて、さらに意見を聞くというふうなケースはございます。しかし、いずれの場合もインタビューをしていただいた御本人の了解を得るというのが大原則でございます。 関係のない第三者に見せることはあり得ませんし、今回の事態を招きましたケースは見せてよい場合に全く当たらないのはもちろんでございます。
○広中和歌子君 といいますと、責任体制の方に逆算いたしますと、現場でもってオウムの人たちに見せたということ、それはプロデューサーあるいはその前の段階、どこまで承知していたということになるわけでございましょうか。
○参考人(鴨下信一君) まだこの部分の調査が行き届いていないことは事実でございます。 つまり、当該の曜日のプロデューサーが自己の判断で勝手に見せたものかどうかということに関してはややまだ調査が行き届いておりませんが、現在の状況で枠のプロデューサー、曜日のプロデューサーと枠のプロデューサーというのはちょっと御理解がいただきにくいかと思いますが、ワイドショーの場合は大概は一曜日一曜日ごとにプロデューサーが決まっておりまして、総体の枠のプロデューサーがその上で管理しているという体制でございます。 当該金曜日枠のプロデューサーが自己の判断で、勝手な判断で見せたというふうに私どもは了承しております。
○広中和歌子君 ワイドショーというのは多く外注されると伺っておりまして、このワイドショーの場合も社外プロダクションがなさったと伺っておりますが、曜日プロデューサーというのは社内の人間でございますね。
○参考人(鴨下信一君) 曜日プロデューサーは社員でございます。
○広中和歌子君 社員である曜日プロデューサーが恐らく見せたに違いないというような御発言でございましたけれども、そうであったならば、社員としての自覚に基づいて、見せたことは間違いだったかもしれないけれども、しかし坂本拉致事件が起こったといったようなときに、それを後から社内に検討の材料として提出するなり、あるいは警察に通報するなりといったようなことが行われてしかるべきだと。それが放送に携わる者の倫理の一つだろうというよりは、まさに人間としての倫理だろうと思うわけでございますけれども、その点について、いかがでしょうか。
○参考人(鴨下信一君) 先生おっしゃるとおり、全くそのとおりでございます。なぜそうしなかったかに関しては私は全く理解に苦しんでおりま.す。
○広中和歌子君 それから、坂本弁護士のせっかくお撮りになったインタビューテープですけれども、それを放送しないことにお決めになったということでございますけれども、その放送中止と、それからドイツでの麻原単独インタビューとのかかわりについていろいろマスコミなどで言われておりますけれども、そこに取引、駆け引きのたぐいがあったのではないかと言われておりますことについては、どのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○参考人(鈴木淳生君) まず、放送中止の件でございますけれども、プロデューサーら担当者は捜査当局に対しましてもあくまでも自主判断だと供述しており、私どもの調査でもそうなっております。 この点に関しましては、新聞の番組欄の内容が変更になっていることからいっても、オウムが来る前に内容変更について何らかのアクションがとられたことは確かだと思います。また、夕方の段階で実質的には放送中止が決まっておりまして、編集作業も行われなかったという証言もございます。しかし、最終的な放送中止の判断は彼らが帰った後だという証言もございますので、現在さらに詳細な調査を続けているところでございます。
○広中和歌子君 ぜひ、そうした事実解明に本当に真剣に取り組んでいただいていると思いますけれども、さらなる御努力を期待いたします。 日本人は新聞よりもテレビで情報を得る人が少なくとも時間的には多いわけでございます。新聞では平均で二十分、ところがテレビでは三時間見ております。そして非常な影響力があります。テレビは情報源として社会の隅々まで浸透し、影響を与えているわけで、また世論をつくると言っても過言ではないわけでございます。 いわゆる権力というのがございますけれども、立法、行政、司法に次ぐ第四の権力ではないか、そんなふうに言われておりますが、立法、行政、司法、この三つのいわゆる権力というのは憲法の中で法的に規制されておりまして、そういう制度的な規制、規定、そういうものの中で動いているわけでございます。ところが、第四の権力であるところのマスメディアに関しましてはまさにそれがない。 憲法の中では言論、表現の自由といったような一般的な形で自由が与えられ、そしてそれの範囲というのは公共の福祉に反しない限りといったような非常に一般的な表現でございます。 憲法二十一条に「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と書いてございまして、それからちょっと戻りますが、憲法十二条、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」ということが書いてございますが、恐らく言論の自由とともに報道の自由というのもこの範疇に入るのではなかろうかと思います。 ですから、放送者自体がみずからの考え方で、自己責任というんでしょうか、義務、倫理観、そういうものをきっちりさせなければならないということではなかろうかと思いますが、放送倫理について、これまでのお取り組みについて簡単に御説明いただければと思います。
○参考人(鴨下信一君) おっしゃるとおり、放送の自由というのは何よりも大事なことでございます。その自由の裏づけになるのは我々放送人の倫理、モラルだと思っております。 社員の教育に関しましては、入社時からそのことは徹底して教育するように心がけておりまして、それからなお、副部長、部長等に昇格するとき、あるいは三十歳セミナー等の年齢を経るとき、全員参加のセミナーで再三強調し徹底を図っておるところでございます。 さらに、現場が一番大事でございまして、現場では放送基準、民放連の放送基準あるいはTBSの放送基準、報道局では報道活動の指針あるいは社会情報局ではガイドブック等を全員に配付いたしまして研修を重ねるように努力をしてまいりました。 今回の事件のようなことが起こったのはまことに残念でございますが、私どもはこのような努力を継続的に、なおかつもっと深く強く行う必要がある、そういうふうに自覚しております。
○広中和歌子君 私も、放送界が放送倫理に関しまして非常な御努力をしているということは存じております。例えば、一九九三年六月、NHKと民放番組倫理委員会は「放送番組の倫理の向上について」の提言を行っている。あるいはそれを受けまして各放送会社、民放はそれぞれのいわゆる倫理のガイドラインみたいなものをつくっていらっしゃるわけでございます。 明らかに、今回のような場合あるいはほかの場合も結構あるのではないかと思われますけれども、徹底というのは非常に難しいという側面があるとしたらば、それはどのような理由によるのかということでございます。どのような社会でも、規律がありましても違反する者はあるわけでございますが、特に民放の場合でございますが、この場合には難しい要素としてどういうものがあるのか。 先ほどから同僚議員の御指摘がございましたように、いわゆるコマーシャリズムというんでしょうか、コマーシャルの収入は視聴率によるといったようなことが放送の、報道の倫理をゆがめるような形で働いているというような認識をお持ちなのかどうか。もし、そうだとしたらば、スポンサーとの話し合いその他、これを機会に改善というんでしょうか、状況を改善するための御努力をなさる必要があると思うんでございますが、その点についての御所見をお伺いいたします。
○参考人(鴨下信一君) 視聴率競争の激化に関しましては、そのための過熱ということを否定し切れるものではございません。 しかし、私どもの放送局は、先輩から私どもは最大の放送局になるよりは最良の放送局になれと言われて育ってまいりました。今回、このような事件が起きましたことは、諸先輩に対しても私どもは大変申しわけなく思っておるところでございます。最良の放送局たれという先輩の教えをもう一度私どもは胸にかみしめて再建をしたい、こう思っております。
○広中和歌子君 このたびのTBS事件は、テレビ界全体に自分たちの持っている力と、それからその限界、そういうものを突きつけた、考える材料を与えた大きな事件だろうと思います。この事件に萎縮することなく、やはり公正なすばらしい報道番組をつくっていっていただきたい。 NHKと違って、特に民放の場合には本当に視聴率、一般の方々の信頼を得て成り立つという要素がより大きいわけでございまして、そういう中でぜひ御努力をなさりながらいい番組をつくっていっていただきたいとお願いいたしまして、私の部分の質問を終わらせていただきます。
○参考人(磯崎洋三君) ━━━━━━━━━━
○委員長(及川一夫君) 参考人に申し上げますが、やっぱり質疑される方が発言をされて、お答えをしなければならないときにしないで、それこそもう一人の質問者が終わってから訂正だ修正だというのは、なかなかこれは問題ですね。 したがって、これは当然のこととして理事会で相談をいたしますが、いずれにしても今の御発言については、とどめてはおきますけれども、お受けするかどうか、これは私としては疑問がある、こういうことだけは申し上げておきます。
○大森礼子君 平成会の大森礼子です。 きょうは質問の機会を与えていだたいて大変にありがとうございます。それから、参考人の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 最初に、坂本弁護士のことについて少し触れます。 坂本さんは、昭和五十九年に司法試験に受かりました。三十九期で、東京で修習を受けました。私も実は同じ班だったんですね。坂本さんは弁護士になって、私は検事になりました。研修所を出てから坂本さんと会ったのは昨年の十月二十二日の合同葬のときだったわけです。そのときに、合同葬の後に、私たちは三十九期だけでマスコミをシャットアウトして坂本さんの追悼式というのをやったんですけれども、その席にお母さんのさちよさんが来てくださいました。お母さんは、あと唯一の気がかりは私が死んだ後にだれが堤の墓参りをしてくれるかということですと。それで、ぜひ皆さんにお墓に来ていただきたいと思って、そして交通の便のいいところに墓を見つけましたと。私が死んだ後も、堤が寂しがりますから、どうぞ皆さんお墓に行ってやってくださいと言って深々と頭を下げられました。私はその光景が頭に焼きついております。 今回のTBS問題というのは、このお母さんに再び新たな苦しみを与えたことになると思います。私は、本当にもういいかげんにしてくれと言いたい。この事実に非常にやり場のない憤りを感じます。同期生として少しこの点に触れさせていただきました。 質問に入ります。磯崎社長にお尋ねいたします。 三月二十五日付の日経新聞の夕刊です。記者会見の記事が出ております。ビデオを見せたことへの事件への影響について、あなたは最初は「私は影響はないと思っています」と言ったそうです。記者団に追及されて、「まったく影響がなかったということはないだろう。徹底調査を致したい」と言い直すという場面があったとございます。このような発言があったことは事実でしょうか。もしあったとすれば、あなたがおっしゃる「まったく影響がなかったということはないだろう」というのは一体どういう御認識なんでしょうか。先ほど保坂議員の質問にも出ましたけれども、重ねてお尋ねいたします。
○参考人(磯崎洋三君) 先生御指摘の私の記者会見のときに、影響はない、そしてまた余り影響はないという答弁をいたしました。私の認識は、事件への影響につきましては、先ほどもお話いたしましたとおり、私どもが言及すべきことではないというふうに存じておりますけれども、検察側の冒頭陳述にございましたように、坂本事件には長い経過がございました。さまざまな要素が絡み合っております。その中に、私どもが、TBSがテープを見せたことも位置づけられておりますので、事件に関係がないとは認識いたしておりません。その認識を申し上げましたが、実際にどのような影響があったかどうかということにつきましては、今後の裁判を見守ると同時に、私ども社内のオウム報道特別委員会で検証をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○大森礼子君 そのような御認識であるということを明らかにしただけでも意味があると思います。 ただ、だれが見ても、十月二十六日にTBSの千代田分室で何かが起きたと。そして、なぜ早川、上祐、青山が十月三十一日に横浜法律事務所へ行ったのか、その後、麻原が殺害を指示するのか、私は自然な因果関係の流れの中にあると思います。そして、もしそのことを、もちろん公判の経緯を見守るとおっしゃるのであればそれは結構ですけれども、そうでありましたら、先ほどあなたが冒頭でおっしゃいましたけれども、坂本さんのことを尊敬しているとか、何かそういうことはちょっと言うのはやめていただきたいなというふうな気がいたします。これは私の個人的な問題であります。 それから、私はきょうは実はTBSの責任があるのであれば明らかにしたい、しかし憶測で物は言いたくない、そう思っていろいろ資料とかを見てきたんです。ところが、三月十一日付の調査概要、それから三月二十五日付の調査概要という言い方をさせていただきます。文書の特定については三月十一日付文書、三月二十五日付文書という言い方をさせていただきます。これを繰り返し読んだんですけれども、一体どういう事実がこの調査結果から確定できるのか、読めば読むほどわからなくなったわけであります。 私は、とりあえず検察庁作成に係る各関係者の供述調書の内容には触れないで、TBSが作成した調査文書、これをベースとして質問させていただきます。つまり、この二つの調査結果報告書から何が明らかになっているのかということを教えていただきたいわけです。 まず最初に、要するにインタビューテープを見せたのか、見せなかったのか、このことが問題となって、三月十一日の文書では否定、そして三月十九日の衆議院法務委員会でも大川常務が否定しておられます。そして、三月二十五日には見せたという結論を出すわけなんですけれども、その理由づけが非常にあいまいであると思います。 先ほど冒頭で磯崎社長さんは、早川メモと照合したところ非常に符合しているということ、それからもう一つ、プロデューサーが、これは金曜日担当プロデューサーだと思いますけれども、ビデオを見せたということを認める発言をしたというふうな表現をされました。 しかし、三月二十五日付の調査結果の概要を見ますと、要するに、まず社の方で早川メモとビデオテープを照合したらほぼ一致したので、早川が「ビデオテープを見たことは間違いないと判断するに至りました」、これが先に来るんです。その上で、関係者への徹底聴取を行いましたと。それで、この担当プロデューサーが言っていることが、「細かい記憶は蘇ってこないが、早川メモを見る限り」云々、「見せたとしか考えられない」と。「見せたとしか考えられない」なんですね。その後にいきなり「大変重大な判断ミス」をしたと。うまく結びつかないんですけれども。そしてこの後の文章で、見せたことについて、「実際の記憶としては語ってはいない」、こうあるんですね。 そうしますと、この認めた根拠というのは、要するに本人も記憶は全然変わってないわけですね、はっきりしないという点では。それにもかかわらず、見せたという事実を認定したというのはどういうことでしょうか。もう一度御説明願います。
○参考人(鈴木淳生君) 先生今おっしゃっていましたように、早川メモの詳細、これが最大の根拠ではあります。しかし、それを受けまして、曜日担当プロデューサーが、私が見せたと思う、申しわけない、こういうふうに関与を認めております。 その後の調査をさらに続けますと、富士宮の現地で水中修行の取材をした際にビデオを見ることを既に了承したことや、オウムが抗議が終わって帰る際、別れ際に、ビデオを見たことを内密にといったような趣旨の話をしたと思うと、こういうふうに証言を始めている。こういったところのことで、今申し上げたとおりのことでございます。
○大森礼子君 済みません。それはこの報告書のどこのどの部分になりますか。
○参考人(鈴木淳生君) 今の件は、最後の件は報告書にございません。
○大森礼子君 そうすると、この報告書というのは一体何なんでしょうか。私たちは、この二通の報告書があなた方の調査の結果だと思って、これであなた方がどういう調査をされたか、この範囲で私たちはこのTBSの問題を考えていくわけなんですね。これ不十分な調査結果を出したということですか。
○参考人(鈴木淳生君) この後に、実は調査の後にそういう事実がわかったということでございます。
○大森礼子君 その調査の後にというのは、この文書を作成した後にということでございますか。三月二十五日付です。
○参考人(鈴木淳生君) そのとおりでございます。
○大森礼子君 ちょっとこれ以上質問しても余り意味がないと思いますので、常務さんがおっしゃった事実がここで判明したということにとどめたいと思います。 それから、例えば、そうしますと、刑事事件の公判廷で全文朗読されたのはTBS関係者三名の供述調書なんですね。ところが、TBSの調査の結果によりますと、例えば供述調書では見せたと言っておるディレクターも、三月十一日付では「少なくとも私が同席している間は見せていないことは確かだ」、こうあるんです。それから、総合プロデューサーと金曜日担当プロデューサーは、三月十一日の調査報告では、この二人のプロデューサーが応対とあるのに、三月二十五日の時点では総合プロデューサーについてはどうなっているのか不明なわけなんです。 それで、この報告書の中で、項目四として、「詳しい事実関係は依然不明」というふうに書いてあるんですね。「見せたことに関する事実関係もまだ殆ど解明されてはおらず、今後の調査を急がなければなりません」というふうに書いてあるんです。 それで、別にこれは確かに刑事事件の認定とは違うんですけれども、この一人のプロデューサーがいただけで、あと総合プロデューサーがわからないわけですね。こういう関係で、なぜ三月二十五日の時点で見せたという結論を出したのか。もう少し調べてからでもよかったのではないかなという気がするんですけれども、その点、いかがでしょうか。
○参考人(鈴木淳生君) 監督責任を問うたものでございます。
○大森礼子君 違うんです。それまでテープは見せていないということできていたのが、この三月二十五日の報告書ですか、ここから見せたというふうに変わるわけですね。それで、その根拠となるというのは、要するに先ほどこの報告書には載っていない、その金曜日担当プロデューサーの何かいろいろほかにもあるらしいですけれども、それにしてもほかのその総合プロデューサーとか、どうなっているかわからないのに結論を出した形になる。 私が言いたいのは、きちっとした調査に基づいて、私はだれをかばうのでもありませんけれども、きちっとした結論を出すべきではないかと思うんです。私の質問は、なぜ三月二十五日の時点で、要するに金曜日担当プロデューサーがあなたがおっしゃるようなことを裏づけるようなことを言ったからといって、それだけでこの日になぜ見せたという結論に固めてしまったんでしょうか。その点については問題がなかったんでしょうか。
○参考人(鈴木淳生君) 早川メモの詳細を、うちにありますVTRを逐一再現いたしました。そうすると、早川メモに書いてあるとおりの筆の流れみたいな、鉛筆で書いてございますので筆の流れその他が、これは見た者でなければ書けないということがわかりました。それが最大でございます。それをプロデューサーに、曜日プロデューサーに突きつけて見せたところ初めてそういう供述が得られた、こういうことでございます。
○大森礼子君 それにつきましては先ほど広中先生もお聞きになったんですけれども、そんな早川メモですか、それだけでそれまでのがひつくり返ってしまうんだったら、早川メモが出てこなかったら結論は変わらないままだったのかなという気がするんです。 それで、常務さんも調査が不十分であったということは認めておられることですからいいんですけれども、その早川メモ一つでひっくり返るようだとしたら、それまで二カ月半かけて真摯にやったというその調査は一体どうだったのかという疑問がわいてくるということを述べさせていただきます。 それから、先ほど各処分の内容について既に説明を受けたんですけれども、各処分の根拠は一体何か。きちっと責任が明らかになってすべきじゃないかと思うんですけれども、それはとりあえずの処分ということでしたから多分そういうことだろうと思います。 ただ、先ほどの懲戒解雇になったプロデューサーについては虚偽証言をしたということでございますね。それで、ここに出ていない事実を持ち出されたら困るんですけれども、少なくとも検察庁の供述調書ではここで見せたとは言っていないんですよ。三月十一日の聴取でも記憶ないんだから見せたとは言っていない。それから三月二十五日でも記憶はないわけですから、必ずしも見せたとは言っていないわけですね。これで虚偽証言というふうに認定してしまった理由というのは一体何なんでしょうか。
○参考人(鈴木淳生君) 早川メモの存在がわかって、今申し上げたように、それを見せたところ、本人の発言に見せたという強い心証を得たわけです。どういう事実由来があったかはまだ不明な部分もございますけれども、なお調査は続行いたしております。 それから、先ほども申し上げましたように、特別調査人というのを依頼してございますので、これはTBSから独立した自由な立場で調査をしていただく予定になっております。これは元最高裁判事の佐藤庄市郎弁護士でございます。そこのチームに依頼してございますので、その結果を我々は真摯に受けとめたいというふうに考えております。
○大森礼子君 これは、もしかしたら本当に小さなことかもしれないんですけれども、私は非常にこだわるんです。というのは、やっぱり何かフェアじゃないんじゃないかなという私は印象がしたんです。それで、本当にきれいな形で事実を明らかにしていただきたい。それはわずかかもしれませんけれども、その確定した事実がないと、どこに責任があったのかとか、それから本当にTBSに責任があったとしたらそれをストレートに私たちは追及することができないんです。 例えば、きょうは私は、もしオウムにそのビデオテープを見せていて、それでもしそれを前提として、その情報が捜査当局等に入っていたとしたらという前提ですけれども、この捜査の進展はどうなっていたかということについて、いろいろ新聞とかを見ますと、関係者の方は過程として違ってきたんじゃないかというふうな言い方をされる方がいらっしゃるんですけれども、私は多少捜査を経験した者として、そのオウム、十月二十六日に何があったかという事実がもし捜査当局に知れていたら、もう事件の進み方というのは絶対違ったと思うんです。 そうすると、後に続くやっぱり早川とか上祐とか青山を警察もマークするでしょうから、その過程で別の犯罪事実が判明するかもわからないし、ともかくもちろん坂本さん事件もこんなに時間がかかるわけなかったと思います。確実に捜査状況が違ったと思うんです。 私は、本当はそれをばっと言いたいなと思ったんですけれども、その前提となる本当にあれを見せたのかどうかということも、その調査内容を詳細に見てみますと実は明らかではないんです。 それから、指摘だけしておきますけれども、三月十一日付の報告書ですけれども、これはTBSの方、もう一度何回も何回もお読みください。この中にそれ自体矛盾しているような記載がございますので、ちょっと時間の関係で全部言えませんけれども、どこかといえば後で説明いたします。 それで、次の質問に行きますけれども、なぜオウムが来たことを捜査機関なり坂本さんの関係者に伝えなかったのかということが問題になっているんですね。このことは、テープを見せたか見せないかにかかわらず、オウムが坂本さんのことでクレームをつけに来たのであればやはり問題になることだと思うんです。 それで、このことについて三月十九日の衆議院法務委員会で大川常務は、オウム「三人の来訪を、捜査機関を含めまして社内に知らせる必要があるものとは思い至らなかったというのが実情でございます。」と、これは多分プロデューサーの立場に立っておっしゃったことだと思うんです。だけれども、三月十一日付の文書の中ではテープを見せていないと言っているわけでありまして、これを受けた説明になるわけなんです。それで、三月十一日の調査報告の中では、オウムとの間で坂本さんのインタビューのことが話題になったかどうかははっきりしないと言っているんですね。 これはちょっと細かいことかもしれませんが、もし坂本さんのインタビューの内容自体が千代田分室で問題にならなかったんだとしたら、それから先のテープ云々とかという問題にならないという気がするわけなんです。言っていることわかりますか。わかりませんか。じゃ、後でまたビデオでも見て、何を問題点にしているかチェックしてください。 問題は、三月二十五日付の報告書でも項目五として、「「通報」問題に関する聴取結果」としてあるんですが、今回も重点聴取を行ったとあるんですけれども、「坂本事件との関連は意識しなかったから」という従来のプロデューサーの主張にとどまったというんです。だけれども、このTBSの報告書の中では坂本さんの話題は出てこなかったままにとどまっておるんですね、インタビュー内容については。ちょっと難しかったですか。 だから、私が聞きたいのは、TBSは、今の時点です、十月二十六日にTBSの千代田分室で坂本さんのインタビューテープが話題になったことを認めているんでしょうか、認めていないんでしょうか、こういう聞き方をします。
○参考人(鈴木淳生君) おっしゃるとおりでございまして、現段階ではテープをめぐって抗議があったというふうに認めております。
○大森礼子君 そうしますと、先ほどと同じとなると思うんですが、それはこの報告書には書かれていないということでございますね。
○参考人(鈴木淳生君) はい、そうでございます。
○大森礼子君 わかりました。 それで、適宜事実が判明次第発表しますと言ったので、できれば、まあ適宜がいいのか、それとも一カ月以内にちゃんとした報告をするという、中身だから一カ月待たなきゃいけないのかわからないんですけれども、私たちはこの調査報告書を見てしか、これを前提としてしか質問できないものですから、その食い違いがあることは仕方がないなという結論になるんでしょうか。 それから、もう時間がないんですけれども、この調査について私が申し上げたいのは、できる限りきちっとした形で、万人が納得のいくような形でしていただきたい。私は、本当のTBSに対する責任追及はそのときから始まるんじゃないかというふうに思っております。推測に基づく追及はしたくありませんので、その再調査、一カ月後に出るといいますから、その結果を待ってまたお尋ねすることがあると思います。 それで、特にTBSに本当にきちっと調査をしていただきたいと思うのは、TBSみずからの手でもちろんやっていただきたい。それは、昨年十二月八日に宗教法人法の改正案が参議院で可決されたんです。これもオウムという一宗教団体の凶悪犯罪をきっかけに、そんなたびたび起こるはずのない再発防止という名目のもとに、ほかの十八万四千もの宗教法人すべてに法改正の名のもとに国家の介入を認める、そういう宗教法人法改正がなされたわけであります。 私が心配しますのは、このTBSの不祥事というものをきっかけに、すべてのマスメディアを対象として法権力が介入することがあってはならないということなんです。そのことを危惧するがゆえに、TBSにあっては本当に有効な調査を続けていただきたいと思いますし、そして信頼回復の努力をしていただきたいと思います。 最後に、きょう新聞を見ておりましたら、テレビ各局の入社式の報道がありました。それぞれの入社式で各トップの方がお話をされているわけです。 NHKの川口会長は、「(TBSの今回の問題は)放送人としての思慮のない思い上がりが生んだ事件」としながらも、「NHKでなくてよかったとは思わない。どこでも起きうる事件で、NHKで起きたらどうしようかと、厳しく考えなければならない」と述べておられます。フジテレビは省略して、テレビ朝日の伊藤社長さんは、「一連の出来事は、同じ業務に携わる者への厳しい教訓でもある。テレビという仕事、とりわけ報道、情報という作業に携わるには、相当の覚悟が必要であること、仕事に際しての判断や行動がいかに重大であるかということを、この機会に真剣に考えたい」と表明しておられます。テレビ東京の杉野社長さんはこの件について、「これまで公正中立について厳正に対処してきたが、これを機会にさらに厳しく問い直している」、このようなことを述べられているわけであります。 この坂本さんのことについて、マスコミのあり方とかいろいろ問題になっておりますけれども、TBSだけの問題としないで、ぜひマスコミの方にお願いしたいと思います。私は坂本さん一家の死というものを絶対にむだにしてほしくない。もしこのTBSの問題を深刻に受けとめてくださるのであれば、このTBSの事件をきっかけとしてマスコミの質が向上した、それから人権への配慮が深まった、こんなふうに言われるようなマスコミ界にしていただきたい、それをお願いいたしまして私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○参考人(磯崎洋三君) 今、先生の御指摘につきましては非常に重く受けとめさせていただきました。そして、お話の中にございましたとおり、社内調査の不備、極めて不十分な点につきましては、全く私の責任でございますし、申しわけなく思っております。 ただ、社内調査の困難さ、そしてまた限界というものも私みずから感じておる次第でございまして、改めまして第三者の独立した自由なこの事実関係の特別調査人を私どもとしては既に依頼をいたしておりまして、この特別調査人によってこの事実関係を皆様の前に明らかにする義務がまず第一であろうというふうに感じている次第でございます。 したがいまして、私どもの社内調査の不備の点につきましては重ね重ねおわびを申し上げる次第でございますけれども、その点、改めまして独立した特別調査人の徹底したこの事実関係の調査の結果を待って、それを皆様方、そしてまた国民の皆様の前に明らかにすることが私どもに課せられた最大の責務であろうというふうに申し上げておきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○伊藤基隆君 私は、社会民主党の伊藤基隆であります。 既に本委員会における質疑が続いておるわけでありますが、私は坂本弁護士のインタビュービデオテープをめぐるTBSの対応問題について、今までの質疑にもありましたように、坂本弁護士一家殺害事件との関係からも大きな怒りを感じております。 しかし、このことによって言論の自由を否定するようなことになってはならないということだけはきちんと押さえていかなければならないというふうに思います。 〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕 しかしながら、参議院逓信委員会が本問題についての調査を行うということは、放送法に照らしてどうなのかということを審議するものであります。我々に求められたのは事実を正確に確認すること。今までの質疑の中で、特に保坂委員、さらには大森委員から極めて具体的な質問がなされ、その答弁は必ずしも十分ではございません。しかし、事実を正確に確認しなければならない。その上で、放送法等に基づいて厳正に措置すべき点と、放送倫理の問題として放送事業者の自主性にゆだねるべき点を峻別するという冷静な態度で今後調査、審議をしていかなきゃならないというふうに考えております。 本件は、ひとりTBSだけの問題ではなく、いずれの放送事業者にも起こり得る問題でありまして、言いかえれば放送業界の氷山の一角という認識を持っております。 例えば、少し調べましたが、平成五年においても九月に「ザ・スクープ」、朝日放送、中国死刑囚の臓器移植の問題、また読売テレビの「どーなるスコープ」、看護婦やらせ、「NHKスペシャル」、「ムスタン」やらせ、これは平成四年でございます。こういう不祥事が続発しているのであります。その都度、放送業界全体の問題として反省がなされ、民放連を中心とする再発防止のための取り組みがあって、各放送業者においても改善策が講じられたと聞いております。郵政大臣は、その都度、文書による厳重注意を発しているわけであります。 特に、平成五年には、民放連だけでなくて放送業界全体での検討が必要ということで、NHK・民放番組倫理委員会を設置して、「放送番組の倫理の向上について」と題する提言をまとめております。これによって、社内体制の改革、社員教育の徹底などをみずからの考えで各会社に要請したというふうに聞いております。 〔理事陣内孝雄君退席、委員長着席〕 そこで、磯崎社長にお伺いしたいと思いますが、TBSが取り組んできた社内体制の改革についてお伺いしたい。さらには、現時点におけるTBSの社内体制についての改善点について、まずお伺いいたします。
○参考人(鴨下信一君) 私からお答えさせていただいてよろしゅうございましょうか。 平成五年にNHK・民放番組倫理委員会、現在は放送番組向上委員会となっておりますが、できました。 その時点で、私どもには既に昭和六十三年から社内の倫理委員会がございまして、それをメンバーを拡充いたしまして、現在では専務を委員長、現場担当の常務、局長、部長など総勢約三十人で、毎月もろもろの放送倫理にかかわる問題を討議する場としてTBS放送倫理委員会というのを設けております。 さらに、緊急に対処すべき問題が生じましたときは小委員会を設けて討議をし、その結果を現場におろしております。
○伊藤基隆君 現時点において今後の改善点についてお伺いしているわけです。
○参考人(鴨下信一君) これまでもさまざまな教育、研修は行ってまいりまして、具体的には入社時、現場配属時、番組責任者になるとき、管理者になるときなど、できるだけ多くの機会にきちっとした計画を立てて体系的にやっておりますが、こういう問題を起こしまして、今後、なお非常に厳密な教育、研修をやらなければならないということを肝に銘じておる次第でございます。
○伊藤基隆君 私もこれを機会にNHK・民放番組倫理委員会の提言を読ませていただきました。そこにこういうことが書いてあります。 テレビ番組の多くは、制作者個人の創造性や時代を捉える視点によって制作される。従って取材の方法や演出手法の判断は、制作者個人のモラルに負うところが大きく、それ故、制作担当者は常に自己を研鑽し、放送倫理から逸脱しないことを心掛けなければならない。また、経営や管理に携わる者は、虚偽の報道、過剰演出の番組が制作されることのないよう、制作環境を整備する必要がある。これは皆さん自身がお決めになったことであります。 そこで、ただいまの鴨下参考人の答弁は抽象的に過ぎます。私は、社員教育の重要性についての認識はあろうかと思いますけれども、TBSは千五百人の社員を抱えて二千億円の営業経費を計上しているわけですが、社員教育、人材育成に時間的、金銭的にどれだけの資源を投入し、どのような研修を実施しているか、できるだけ具体的に数字を挙げて説明願いたい。 さらには、先ほどの平成五年の提言を契機に、社員教育の徹底策としてTBSが新たに取り組まれている点は何か。特に放送ハンドブック、放送ガイドラインなどの基準が番組制作スタッフに確実に継続的に読まれるよう体制をつくると提言しているけれども、具体的にどのような体制をつくったのか、その体制が現時点で実効性があるものと評価しているのかどうか、このことについてお尋ねいたします。
○参考人(鴨下信一君) 私どもの教育、研修課程に関しましては、新入社員に関しましては四月一日から七週間、入社五年目、十年目の社員についても節目ということで研修を行っております。 それで、私どもの教育、研修に関しまして一番大事で肝要と思われますのは現場での教育でございます。現場で先輩の社員から学ぶ、先輩のスタッフから学ぶということが一番大事な社員教育になっているように思います。したがいまして、何時間という単位で私どもがカウントしたことは現実にはございません。それから、研修についてどのぐらいの費用がかかっておるかということに対するカウントは残念ながら私の手元に持ち合わせがございません。 それでよろしゅうございましょうか。
○伊藤基隆君 私は、一つの会社がその仕事の最も重要な報道の倫理ということに基づいて社員を教育するときに、その具体的な計画、アクションプログラムを立てないということはないと思いますし、実行した後の評価をどのように行うかということが常日ごろ社内で行われていないことはないというふうに思います。また、これは当然のこととして、どこにおいても行われていることではないだろうかというふうに考えております。 しかし、そのようなことをしていないという御答弁でありまして、大変このことは問題であろうというふうに思っています。じゃ、何のために倫理を決めて、さまざまな放送に携わる事業者が共同でその目的を遂行しようとしたのかということの目的性が薄れてしまうということを考えていただきたい。 今、手元にお持ちでないということでしたら、後日、全体に明らかにしていただきたいというふうに思います。 さて、今回の問題の中で、外部の関与があるわけであります。放送番組の制作における外部の関与でございます。この提言は、TBS社内だけじゃなくて、番組制作プロダクションにも配付されているというふうに聞いております。TBSが独自にやったか、または番組制作プロダクションとの連携で倫理の問題についての教育その他について取り組んだのかどうか、その点についてもお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(鴨下信一君) 社内に関しましては、放送基準の解説書、ガイドブックを全員に配付し、報道活動の指針が報道局全員に配付され、社会情報局ガイドブックが社会情報局員に配付されて、それを使っての定期的な研修がございます。 社外でございますが、民放連の放送基準書を購入するなど、TBSと同様に研修を行う会社が大半でございます。TBSで働いております社外スタッフは、その職場で社員と一緒に同様研修を受けております。
○伊藤基隆君 次に、冒頭に申し上げたとおり、本委員会の目的は放送法に基づいてどうであるかという判断をするところにあるわけです。放送法は表現の自由、報道の自由というデリケートな問題にかかわるだけに、放送番組編集の自由、これは第三条、放送番組編集の準則、第三条の二、これを示した上で、放送事業者に番組基準の制定義務、これは第三条の三でございますが、番組基準の制定義務や放送番組審議機関の設置義務、第三条の四、これらを課して、いわば自律的に放送番組の適正化に取り組むことを期待しているわけであります。 その中でも、放送法は放送番組審議機関の答申や意見を放送番組に反映させるようにするために審議機関の機能の活用を義務づけている。放送番組審議機関の答申等の公表もあわせて義務づけているわけでございます。すなわち放送番組審議機関を重視するわけであります。 磯崎社長に三点お伺いしたいわけでございます。一つは、番組審議機関の活国策として社内に示した具体的方針があれば説明をいただきたい。
○参考人(磯崎洋三君) 今御指摘の当社の放送番組審議会は毎月一回開催をいたしております。この審議会では、ラジオ、テレビの番組を具体的に審議委員の先生方に御説明をいたしまして、忌憚のない御意見をちょうだいするということと、私どもの放送全般に対する御批判、御意見をちょうだいしている審議会でございます。 昨今、御指摘のとおり、放送に対しましてさまざまな御批判をいただいているわけでございまして、私どももこの番組審議会に関しましては極めて当然のことでございますけれども重視をしている次第でございます。 この審議会には、私も含め役員そして現業、現場担当の各局長も出席をいたしておりまして、審議委員の諸先生方から番組、そして放送全般、編成等々につきまして御意見を賜っているところでございます。 そして、いただきました御意見は、一つはラインを通じまして各現場に徹底方を図っておりますし、具体的な御提言に関しましてはラインを通じて当該番組プロデューサーの方に直接話をするということで、この番組審議会の御意見を社内的に徹底をいたしているつもりでございます。あわせまして、私どもの社内報で、この番組審議会で討議、検討、また提言されました内容を社内報に掲載をいたしまして、全社員にもこの番組審議会の審議内容について徹底を図っている次第でございます。
○伊藤基隆君 それでは、今の答弁を受けてお伺いしますが、最近一年間の主要な審議事項と示された意見の概要を紹介していただきたい。さらに、その出された意見等のうち、番組づくりに反映された具体例をここで示していただきたい。
○参考人(鴨下信一君) 最近一年間の主要な審議案件に関しましてはただいま持ち合わせがございません。 先生の後半部分の、出された意見が番組づくりにどう反映したかということに関しましては、例えば自然林保護の観点からの番組をつくってもらいたいという御指摘とか、言葉の乱れを正してほしいといった問題提起をいただいたことがございまして、企画の参考にさせていただいて番組をつくりましたり、アナウンサー、レポーターに徹底を図ったりしております。
○伊藤基隆君 私は、今この質問をTBSに対して直接初めてしたわけではありません。この種の委員会のルールがありまして、どのような質問がなされるかということについては、審議の有効な発展のために事前にこういうことを聞きたいということを通知してあります。今の、例えば一年間の主要な審議事項ということについても、このことをお聞きするから答えていただきたいというふうに言ってあるわけですが、持ち合わせがないというふうに答えられました。 先ほど、倫理委員会その他についてのTBSが取り組んできた社内教育の実態についても同様の答弁がなされている。事前にこういうことが聞きたいと私は言っているのに、現時点で持っていない、これは大変問題であります。そういうことでしたら、常にその都度その場で聞いて、答えられなければ次の委員会で再度また質問して答えていただくということになりかねないわけでありまして、そのことを避けて審議を促進するためにあらかじめ通告してあることについて、もっと重く受けとめていただきたいというふうに思います。 そこで、答えは抽象的な内容でもありましたけれども、実施しているということについてはわかります。しかしながら、その後、放送番組の質が向上したというようなことについては実感が余りありません。最近のテレビ番組に相変わらず視聴率稼ぎのためのセンセーショナルな番組づくり、暴力シーン、性描写のはんらんのほか、関係者のプライバシーに配慮を欠く番組も目立っております。安易にオウム真理教幹部を生出演させて、多くの視聴者からのひんしゅくを買ったという事実もあるわけでございます。 今後、デジタル技術の発展で多チャンネル化が進むというふうに言われておりますが、放送事業者にとっては競争激化ということを意味することでもありまして、なお一層俗悪番組がはんらんするのではないかという心配をするのは私ばかりではないというふうに思います。 恐らく、今回のTBS問題を踏まえて、今後またさまざまなシンポジウム等が開催され、再発防止の検討がなされるだろうというふうに思いますが、放送事業者の自律確保のためには、お題目だけでなく、不祥事の再発を厳に防止し、放送倫理の向上に実効を上げることが不可欠であります。表現の自由、報道の自由という名のもとに、いかにも反省したように形式を取り繕うことに終始するようでは放送業界の自殺行為であることを銘記すべきであろう、こういうふうに思います。 先ほど広中先生からウオーターゲートの問題が出ましたが、きのうの読売新聞の「地球を読む」という欄で、キッシンジャー元アメリカ国務長官がオリバー・ストーン監督の映画「ニクソン」についての批判をしております。事実に基づいて自制力のある名文であろうというふうに読みましたが、そこでこういうことが書いてあります。「自由は知識ある市民と自由で活力ある報道によって守られるという居心地のよい信念のもとで、わが国はその自由を行使してきた」、非常に重要な問題であろうというふうに思います。これは、ニクソンを擁護しながら、ニクソンの最後のウォーターゲート問題を批判しているんだというふうに私は読んでおります。 表現の自由、報道の自由のもとで、いかにも反省したように形式を取り繕うことに終始するようであるならば、そのことをそうではないということを証明していただきたくて私は事実関係を具体的にお聞きしたわけでありますけれども、放送業界の自殺行為になることを銘記すべきであろうと思います。 本問題については、TBSがみずからを律する倫理と、それの実行の体制を築いてきたのか。しかし、事が起こったわけでございます。それは社内システムに欠陥があるのか、あるいは問題点があるのか、このことを言わなくてはならないというふうに思います。 最後に社長にお聞きしたいと思います。 さまざまな取り組みが生かされていない実態を踏まえて、今回の教訓を今後に生かすためにどのような点に取り組もうとされるのか、TBS社長はみずからをどのように律しようとしているのか、そのことをお聞きしまして私の質問を終わります。
○参考人(磯崎洋三君) まず、先生の御質問の中に、先ほど私どもの鴨下が番組審議会につきまして持ち合わせがないという発言をいたしました。これに関して私から少し報告をさせていただきたいと思います。 当番組審議会におきまして、最近の一番大きい事例でございますけれども、先ほど来御指摘をいただいておりますサブリミナル放送の問題でございます。これは、番組審議会の席上、このサブリミナルのビデオテープを具体的に審議委員の先生にお見せをいたしました。そして、このサブリミナル的な表現、手法等に関しての具体的な御意見をちょうだいしたわけでございます。さまざまな御意見がございました。 しかし、審議委員の先生方の御意見、御意向は、やはり視聴者が認知できないような、認知し得ないような映像を挿入するということについてはやはり問題があるという御指摘を受けた次第でございまして、その問題につきましては、今後、再発防止のための具体的な施策、つまり編集機器等々に関する管理、そしてまたチェック体制を確立したという事例がございます。 それからもう一つは、放送上の日本語の表現の問題でございます。 レポーター、そしてまたさまざまな放送に出演される皆様方の日本語の乱れというものにつきましても再三御指摘をいただいております。また、ラジオ番組等につきましても、その内容、そしてまた表現等につきましても再三御指摘をいただいておりまして、それはその都度担当プロデューサー、そしてまたラインを通じてその御指摘に関して徹底を図っているということでございます。 先生御指摘のとおり、事前に当番組審議会の状況等につきましての御質問をいただいていることはまさにそのとおりでございますが、答弁が大変に不備でございました点、重々重ねておわびを申し上げたいというふうに思います。 それから、今後の私どもの決意、そしてまたこれを教訓にしてどう生かすかという問題についてでございますが、放送番組一般につきまして、つまりラジオ、テレビの番組につきましては、御指摘のとおりさまざまな御批判があることはよく承知をいたしております。番組に対する御批判は、先ほどから申し上げますとおり、番組を通じて具体的におこたえしていくことしかないと私は考えている次第でございます。 今回の本当に痛い、そしてまた深刻な教訓を生かすためには、放送に携わる者としての批判を常々十分意識をして仕事に当たること、そしてまた、そのための社内の社員教育、これは当然社外スタッフも含めてでございますけれども、教育訓練、そして研修システムをさらにもっと充実させることによりまして再発、ミスを最小限、そしてまた皆無に抑えることがこの教訓を生かすことであろうというふうに考えておる次第でございます。そして、万一不幸にしてミスを犯しました場合は速やかに対応し、訂正等の必要な措置をとるとともに、社会に対して必要な情報開示をすることによって透明な放送の印象を確保してまいりたいと決意している次第でございます。
○上田耕一郎君 日本共産党の上田でございます。 三人の参考人の方々、心労の日々が続いていると思いますけれども、あなた方の責任は非常に重いので、全力を尽くしていただきたい。 私、時間が十五分ですので、ひとつ簡潔に明確にお答えいただきたいと思います。 TBSが犯した誤りは、まず放送の自由を守る問題では二つあると思います。一つは、放送法の第三条にある何人からも干渉されない、この原則を踏み外してオウムの干渉を受け入れた、番組の編成権を放棄して未放映のビデオテープを見せて放映の中止もしたということです。第二は、ニュースソースを秘匿し保護して守るという報道の自由の重要な鉄則をも放棄したことであります。 調べてみましたら、一九四九年、新聞協会が見解を発表していまして、報道の自由の中にはニュースの出所に接近する自由がある、そのためには秘密保持の権利と義務、これは世界じゅうの新聞人に共通した倫理だと。たとえ法に触れても守るというんです。こういう倫理。 この二つの報道人、放送人としての鉄則が極めてあっさりと容易にTBSは今度の問題で踏みにじられた。余りあっさりしているので、どうもTBSは日ごろから崩れているんじゃないか、そう思うんですね。現場、職場に自由な批判をする、討論をする、こういう空気がないんじゃないか、そうまで思われます。余りに深刻な事態だと思うんです。 そこで、放送倫理を保障する職場の民主主義の確立という観点から、労働組合の活動の自由も含めてあなた方の会社の組織管理の体制、報道システム、この総点検が必要になっているんじゃないかと思うんですけれども、磯崎参考人、お考えをお聞かせいただきたい。
○参考人(磯崎洋三君) 先生の御指摘のとおりだと思います。まさに私どもは、これからさまざまな意味で組織の総点検、それからプログラムのありよう、そしてまた再発防止のためのあらゆる努力を具体的な施策で示してまいらねばならないというふうに思っております。現在、そのための具体的な施策を検討いたしておりまして、その結果につきましては皆様方に明らかにしてまいる所存でございます。 いずれにいたしましても、これを契機にいたしまして、管理体制も含めた組織の抜本的な改革、それから番組のありよう等も含めまして、スタートをいたしました特別委員会、そしてまた各職場で行っております討議等も踏まえまして早急に具体的な対応を考え、そしてまた実施をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○上田耕一郎君 大きな問題として、きょうもいろいろ問題になりましたけれども、視聴率至上主義、センセーショナリズム、愛川欽也さんは「視聴率戦争」という言葉も使っておられますけれども、それが個々の皆さん方放送人のそういう倫理感覚を麻痺させていることがあるように思うんです。 私は、その一つとして、取材対象の歓心を買うために取り入るということが今度もあらわれたんじゃないかと思うんです。これはテレビだけでなくて新聞にもあります。番記者なんというのはちょっとそういう欠陥が出ます。今度も、だからオウム担当の記者あるいは担当の人が相手に取り入る、水中クンバカの取材に行くと、あしたの放映では被害者の会のテープもありますよとつい教える。抗議に来ると、ビデオをお見せしますからチェックしてください、だめだと言われればはいはいと、そういうことに事実としてなってしまったと思うんです。 今週のアエラには、「上祐史浩が生出演する条件として、ジャーナリストの江川紹子さんや有田芳生さんを番組から降ろすように要求したのを、あっさりと呑んでしまった」と、TBSにはそういう指摘まであるんです。これは放送法三条の二の「公平であること」あるいは「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」、これに反しているんです。これは鈴木参考人かな、こういう事実はありましたか。鴨下さんですか。
○参考人(鴨下信一君) その後、オウム幹部の生出演は極力避ける、反対意見を言える人も必ず同席をする、条件つきの出演は断る等の措置を講じました。
○上田耕一郎君 三月十一日の社内調査を見ますと、早期からオウム関連の取材を行っていた報道局所属の一記者のことが指摘されていて、オウムのマスコミ担当者は報道局に対しては早川被告だと、そう書いてあるんですね。だから、報道局のこの一記者と早川被告、これは早川メモには××ルートというふうに出ているんですね。 ここで一つお聞きしたい。先ほど西ドイツの単独記者会見、これもスクープさせたと早川のにも出てくるんだけれども、これは先ほど出ましたので別の問題に行きたいが、私のところにファクスで、三月二十日付で「職場幹部、犯人を許せない有志一同より」というのが入っている。これはTBSの方かどうかわからぬけれども、既に三名のビデオを見せた方の正確な名前まで入っている。これにこういうことがある。「オウムに強制捜査が入ることを、オウム側にリークしたのは、報道局のスペースJを担当している」、実名が書いてある。 最近の週刊誌には、青山メモの三月十九日付に、TBS密着、強制捜査の情報、こういうメモがあるということが複数で報道されている。これは昨年三月二十二日の上九一色村のオウム施設の強制捜査のことであるのは明らかなんですけれども、この問題、調査をしていますか、鈴木さん。
○参考人(鈴木淳生君) 一つは、単独インタビューの件でございますけれども、報道部の記者がワイドショーに対して働きかけを行った形跡はございません。また、若い記者でありまして、そんなことができる立場にはございません。入社六年目だったと思います。ボンでの麻原インタビューは、この記者が粘り強く交渉をした結果、さらに現場に行った別の記者が最終的なオーケーをとったものでございます。通常の取材、出演交渉と考えておりますが、なおこの細かい点、事情を調査していきたいというふうに考えております。 それから、強制捜査の件でございますが、TBSが強制捜査の情報を教えたのではないかという話が伝えられております。このことについては我々も承知いたしておりますけれども、事実関係を今調査しております。当社が三月二十二日の強制捜査の情報を入手したのは極めて遅い、前日の三月二十一日の午後のことであったということでございます。余りにも情報の入手が遅いのでカメラの手配等がおくれて、後で社内で問題になったほどだということでございます。それ以前にも当社には強制捜査の情報はなかったわけでございまして、したがって情報を教えるというのは不可能な状況だったと思います。しかし、いろいろ問題ということが言われておる以上、この点も調査をして疑念のないようにしておきたいというふうに思っております。
○上田耕一郎君 放映中止問題についてお聞きしておきたい。 先ほど鈴木参考人は、大森委員の質問に対して、何らかのアクションがあった、新聞の番組が変わっておりますよね、あったと思うと、編集作業も行われていなかった、そう答弁されました。あなた方の三月十一日の調査には、これは各紙のテレビ欄が「水中実験」から「郷ひろみの育児報告」に変わっていると、企画変更の連絡を遅くとも前夜八時半ごろまでに行われた事実を推測させますとなっている。 私は赤旗の縮刷版を調べてみました。赤旗の縮刷版も十月二十七日は「郷ひろみ」になっているんです。これは十版。赤旗の編集局に聞きますと、赤旗の場合はどうしても、幾ら遅くとも午後八時だ、八時までに入っていなければ番組は変わらないと。 そうしますと、富士宮に行ったその「三時にあいましょう」のチームは、報告によると午後十時に帰っているのね。午後十時に分室に帰ってくる前の八時までに番組変更が各テレビ欄に行っているわけです。それをどうも鈴木参考人はお使いになってアクションがあったと。それで、テープで編集はされていなかったことが明らかになったと言われた。 そこで、産経新聞にこの早川メモが出ている。これが一番詳しい。僕らも早川メモ全文見ていませんが、最後に「TBS交渉関係」というのがあるんです。「新聞タイトルに入れている 番組変更 ××さんのルート」。また出てくる、××さんが。「五分五分と思った」、やめさせられるかどうか「五分五分と思った」と。 そこで私は、鈴木参考人に、今度、最高裁判事の佐藤さんの調査もあるというんだけれども、一体放送中止の番組変更、これは何時ごろ、だれが決めて、だれが各紙に連絡したのか。八時前ですよ。まだチームは帰っていないんだから。そのことについてきっちり調査してください。もし今でもおわかりになったら明らかにしていただきたいと思います。これが明らかになりますと、あるいは第三の真相が出てくるのかもしれませんよ。 なぜかというと、総合プロデューサーの供述調書では午前三時に結論が出ているんでしょう。午前三時に結論が出る前に、八時前にはもう各紙、赤旗も含めて通知が行っているんですから。それでまだチームが帰ってきていないんだから。どろですか。
○参考人(鈴木淳生君) プロデューサーの担当者たちは、捜査当局に対してあくまでも自主的判断だと供述しております。私どもの調査でも同じように言っております。この点に関しましては新聞の、今おっしゃったように、番組欄の内容が変更になっていることからいっても、これは八時半前ということでございますけれども、オウムが来る前に内容変更について何らかのアクションがとられたことは確かだと思います。 また、夕方の段階で、先ほどおっしゃっておりましたし、私も申し上げました、実質的には放送中止が決まっていて編集作業も行われなかったという証言もございます。しかし、最終的なその放送中止の判断は彼らが帰った後だという証言もございます。したがって、現在はさらに詳細な調査を行っているということでございます。
○上田耕一郎君 私は、二番目にTBSの大きな問題は、先ほどから磯崎社長は事件に対する影響については言葉を差し控えておられるけれども、坂本弁護士一家の殺人事件、その後のオウムのサリン事件に至るさまざまな重大な犯罪について、客観的には幇助者の役割を果たした。その点では極めて重大な結果責任があったと思うんです。その点、おっしゃるかどうかは別として、あなた方はその重大な責任を自覚していかなきゃいけないんですよ。 まず、もしビデオを見せていなかったなら、麻原・松本は、坂本弁護士の主張を知らず、三十一日に三人を差し向けることもせず、ポアの指示も出さなかったと。もしビデオを放映していたら、全国の人が坂本弁護士とオウムとの関係を知り、これは麻原がポアの指示を出すのを極めて困難にする。その後、失踪事件が起きた後、皆さん方が横浜法律事務所、被害者の家族あるいは捜査当局にオウムがこういうことを抗議に来たということを知らせれば、現場にはプルシャという遺留品があったんだから、あれだけの初動捜査の大ミスをやった神奈川県警でさえもオウムに対する捜査をやらざるを得なかったんですよ。世論も沸いたんです。だから、あれだけの大事件を未然に防ぐことが可能だったかもしれない。 それは、あなた方、あのころはオウムなんというのはそんなすごい犯罪集団と思わないでしょう。だれもそう思っていないけれども、しかし結果責任としては事態はそういうことになっているんですね。これは裁判の過程で明らかになるでしょう。冒頭陳述はそう読めます。あなた方はその結果責任を厳しく感じて処置しなきゃいかぬのです。どうもその自覚が極めて弱い。弱いから、第三に、社内調査のあの恐るべきずさんさが出てきたんだと思うんです。 私は、もう時間が来ましたので終わりますけれども、まず第一に放送の倫理、これをあなた方はつぶしていた。それをつぶした結果、オウムの犯罪の客観的な幇助者になったという重大な責任がある。三つ目に、そのことの自覚が弱いからあんなにとんでもない、ずさんな無責任な社内調査で事を済まそうとし、それがすっかりひっくり返って世論の批判を浴びて、社長が自認されたように信頼の崩壊も起きてきた、信頼の崩壊が。だから、この信頼の崩壊を、TBSだけじゃなくて、日本のテレビ局全体の信頼の崩壊をどう再建していくか、これが非常に大きな仕事で、先ほどから答弁を聞いていますと、まじめに答えようとされていても、問題の大きさ、深刻さをどうも三人の参考人は皮相でしかとらえていないように私は感じます。 最後に磯崎さんの決意をお伺いして、質問を終わります。
○参考人(磯崎洋三君) 事態の深刻さは本当に十分に、そしてまた非常に重く、強く受けとめておる次第でございます。したがいまして、この信頼回復のために全力を挙げて事実関係の究明、そしてそれを皆様方にお知らせし、信頼回復に一日でも早くつながるような努力を全社を挙げてやってまいりたい所存でございます。 責任の重さは十分に自覚をいたしておる次第でございます。
○山田俊昭君 二院クラブの山田でございます。 今さら言うまでもありませんが、報道の自由は民主主義の基礎であります。根幹であります。その報道の自由の中に、取材の自由と編集の自由が含まれているということはもとよりであります。そして、その自由の与えられているジャーナリストには、取材源の秘匿というまた大きな義務が課せられているというのも厳然たる事実であります。 このたびのTBSの問題は、取材に当たった現場の人たちがこの編集の自由という権利を放棄し、いわゆるマスコミに課せられた取材源の秘匿というみずから守らなければならないその義務を遵守しなかった結果発生したものである、このようにとらえることができると思うのであります。その結果、各議員から出ておりますように、坂本弁護士一家の不幸な死を招来したという、これがすべてであるかどうかは別として、その一要因を与えたという事実は間違いないわけであります。かかる観点からも、TBSの犯された誤りの大きさは極めて重大であると断ぜざるを得ないのであります。 その意味において、当委員会において、放送行政に携わる委員会が放送法その他の観点から、TBSの今回の事件の徹底した真相の究明を図るということは当然要請されるところであるわけであります。その意味においてTBSは、みずからまかれた種でこの委員会で幾つかの糾弾を受け、今後もいろんな形で糾弾を受けるという宿命を負っていることを自覚されたいと思うわけであります。 しかしながら、先ほども申し上げましたように、報道の自由は民主主義の根幹であります。この報道の自由が公権力や行政によって不当に侵害されることがあっては断じてなりません。 私は、このTBSの問題に関しましては、私の個人的見解かもしれませんけれども、TBSの自浄努力によってこの問題を解決するのが一番適当である、このように考えるものであります。そのためには、過去の事実関係を隠ぺいすることなく、事実は事実として真実を報道してもらいたい、公表していただきたいわけであります。そして、これから二度と再びあってはならないという観点から、TBSは今後具体的にどのような対策をお立てになっているのか、そこら辺のところをはっきりと示されるべきだと思うわけであります。 そういう意味において、私は一九八一年のアメリカにおけるワシントン・ポスト紙の事件を思い出すわけであります。御存じのとおり、ワシントン・ポスト紙の女性記者が麻薬常用児のいわゆるルポ、現地報道をつくり上げたということが問題になりまして、ワシントン・ポスト紙は全社挙げて真相究明に徹底的に乗り出しまして、その記者の書いたルポが捏造であるということが判明したわけであります。その事実をポスト紙は三ページ半にわたりまして公表し、謝罪し、二度と再びないということのためにオンブズマンという制度を設けて対処したという歴史がございます。極めて学ぶべきアメリカの具体的な事例がございます。 かかるゆえにおいて、私は磯崎参考人にお尋ねをしたいわけですけれども、TBSはみずからのメディアをお持ちになっているわけですから、そのメディアを通じて事実を隠ぺいすることなく真実を公表し、視聴者に真相を述べて、過去に犯した過ちをわび、これから二度と再びしないということを報道なされたらいかがかと提言するものでありますが、いかがでしょうか。
○参考人(磯崎洋三君) 現在、私どもでは、先ほど来御説明を申し上げておりますとおり、事実関係につきましては、一つは、社内の調査委員会とともに、改めて特別調査人を委嘱いたしまして事実関係の徹底的な究明に当たっている次第でございます。 それから、もう一点は、オウム報道の特別委員会を既に設置いたしておりまして、オウム報道一連の検証と総括を社内的に徹底的に行ってまいりたいというふうに思っております。 そして同時に、今御指摘がございましたとおり、社内の組織問題、それから番組のさまざまなありようについても既に具体的に検討を始めている次第でございますけれども、一日も早く皆様方にその事実を公表し、そして私どもの見解と申しますか、立場と申しますか、それを明らかにしてまいる所存でございます。もちろん、まだ検討中でございますけれども、私どものメディアを通じても国民の皆様に明らかにする必要があろうかと考えている次第でございます。
○山田俊昭君 元最高裁判事の佐藤弁護士に委嘱して、一カ月をめどにして調査をする、こういうことです。 先ほど磯崎参考人は、いわゆる社内調査の限界だとか困難だとおっしゃっているけれども、こんな調査は極めて簡単だと私は思うんです。関係者五名が正直に話せばこんなものは一日もあれば足りるものだと思うんです。そこら辺のところを、私は、改めて調査の困難とか限界と言われるところがどこにあるのか、お尋ねをいたしたい。
○参考人(磯崎洋三君) 一つは、六年半前でございますが、北の丸公園にございます武道館の隣の科学技術振興財団というスタジオの中で、私どもこれを千代田分室というふうに呼んでおりましたけれども、そこで生じた事件ということでございます。既に私どもはこのスタジオを使っておりません。当時のさまざまな具体的な物証と申しますか、さまざまな記録と申しますか、それを、最大限努力をして、いろんな形で見つけ出す努力をいたしたわけでございますけれども、それが正直に申し上げて極めて不足をしていたという点がございます。 それから、もう一点は、二人の対応した当社の社員、それから、当日、千代田スタジオにおりました、私、十九名、これは社外のスタッフも含めて十九名と今記憶をいたしておりますけれども、その当日おりましたスタッフ等々にも、そのような見せたという、それからまた保管されておりますテープの場所等からテープを持っていったかどうかということも含めましていろいろ事実をただしていたわけでございますけれども、六年半前の記憶を喚起しながら調査を重ねていくということで、本人たちが、どうしても見せた記憶、見せた事実はよみがえらないということの繰り返してございました。 御指摘のとおり、一日でもわかるではないかというふうに御疑念を持たれることは私どももよく承知をいたしておりますが、調査に当たった社内の調査員も本当に何回も、一人当たりにいたしまして二十回以上も重ねて関係者に事実確認をしたわけでございますけれども、どうしてもその事実が明らかにならなかったという点、その点を御理解いただきたいと思います。そのことが私の申し上げている社内調査の困難ということと御理解いただきたいと思います。
○山田俊昭君 事実を隠ぺいすることなく、慎重な正確な調査をなされるために多少の時間は必要かもしれませんけれども、速やかなる正確な虚偽のない調査報告を出されることを期待いたします。 次に問題を変えますが、報道機関というのは、ジャーナリズムすべてでありましょうが、いわゆる真実を報道する過程の中で、報道されて困る、不利益を受けるような人たちというのは必ずいるわけですね。いわゆるそういう人たち、圧力団体というか大株主というか、あるいはスポンサーというか、そういう圧力をかけるという人たちの存在、これに対してジャーナリズムは敢然と真実の報道でそんなものにたじろいじゃいけないと思うわけです。 人間、今回のようにやはり生命、身体の危険を感じたりするようなときには、時には保全を感じて妥協するようなケースがあるかと思うんですが、TBSにおいて、これまで外的な圧力によって、幾つかの圧力をかけてきたような団体があるのかないのか。もしあるとするならば、そういうものに対してTBSは具体的にどういう対応をされてきたのか、そういうものがわかったらこれからどういう対応をされようとするのかについてお尋ねをいたします。
○参考人(磯崎洋三君) 具体的には特定した名前は申し上げかねますけれども、いろんな意味で圧力と申しますか、具体的な放送等に関するクレーム、抗議等々があったことは事実でございます。 しかし、私が承知している限りでは、そういった外側の攻撃、圧力等によって番組の基本的な編集に関して変更した事実は全くございません。そして、当然のことでございますけれども、これからも何人からの干渉、そしてまた圧力によって番組そのもの等々に関して変更するつもりは全くございませんので、そのように御理解をいただきたいと思います。
○参考人(鈴木淳生君) 恐れ入ります。発言の訂正をお願いしたいと思います。 先ほど磯崎が、当時、千代田にいた人間は十九名というふうに言ったと思いますが、これはそうではございませんで、人数は確認できておりません。それだけお願いいたします。失礼いたしました。
○山田俊昭君 私の持ち時間が来ましたので終わりますが、このTBS問題の解決は、TBSみずからの持つ使命を十分に自覚されまして、吉村委員が指摘されたように、まさしく社の生命をかけた自浄努力をなされる以外に解決はないと私は思います。期待しまして私の質問を終わります。
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。 まず、坂本弁護士を初め、被害者の皆さんの御冥福を心よりお祈りしたいと思います。 既にいろいろな御質問が出てまいりまして、私は最後の質問者でありますので、総括の意味も含めて質問を申し上げたいというふうに思います。 私は、今回の事件の背景にありますジャーナリズムの倫理問題ということを考えていく上で、内外のジャーナリズムの倫理規定というものをひもといてみました。その中に、アメリカの全米新聞記者協会によって定められたジャーナリズム憲章、これは七つの項目から成り立っているものですが、これがジャーナリストの志に基づいて、またかつ非常に名文と言われているものではないかと思います。 そこでは項目が七つありまして、一つは責任感の重要性、二つ目には報道の自由、そして三つ目には独立性、そして四つ目には誠実さ、五つ目に不偏不党、そして六つ目にフェアプレー精神、そして七つ目に、これは非常に重要なんですが、品位という項目がございます。 こういう項目は皆さんにとっては当たり前だというふうにお思いになると思うんですが、報道の自由とか独立ということはジャーナリズムの権利としてよく論じられることであります。しかし、こうした権利の裏には、もう既に今までもいろいろ御指摘ありますように、義務がついて回る。責任感であるとか誠実さであるとか不偏不党、フェアプレーといった義務はもちろんのこと、報道の自由あるいは独立といった権利も、その裏にある裏づける義務とともに論じられなければいけないというふうに考えるものであります。言いかえれば、報道の自由はこれだけの報道の義務の遂行によって担保されるものであるということは論をまたないと思います。 今回の問題は、そういう意味ではこのすべての義務を放棄したのみならず、同時に報道の自由や独立性という権利をもみずから放棄してしまったいわば自殺行為になるのではないかというふうに危惧をしております。特に問題なのは、責任感の欠如、誠実さの欠如、こういう問題でありますが、これはもう既に今まで各委員からさまざまに論じられた問題であります。 そこで、私は、本当に今民放テレビが求められているのは、この七項目のうちの最後の項目である品位ということではないかと思います。これは、言いかえれば、放送倫理というものにも置きかえられると思います。 アメリカばかりのお話をしてもしようがないんですが、一方、日本の新聞倫理綱領というのもございます。これは昭和二十一年に制定されたものでありますが、ここでもほぼ同じ七つの項目がある。そして、その最後にやはり品格という言葉が述べられております。 ここで注目すべきなのは、日米双方のジャーナリズム憲章と新聞倫理綱領に共通する品位、品格という項目であるわけですが、この報道の品位、品格という文字は、民放の綱領である民放連がつくっています放送基準がありますが、この中には全くあらわれてこないわけであります。言ってみれば、この放送基準というのは禁止マニュアル的なものでありまして、つまり憲法なくしてマニュアルがあるという感じを私は実際これを読んで実感をいたしました。やはり、こういう中に今回の事件の背景という、民放が、放送局が置かれている問題点というのがあるのではないか、こういうふうに感じたわけであります。 そこで、質問に入らせていただきたいんですが、今回の問題の「3時にあいましょう」という番組がある。先ほどから、報道番組あるいは娯楽番組ともどちらとも言えない非常に中間的なもの、言ってみればぬえ的な存在のものであるというふうに言われております。しかし、先ほど冒頭磯崎参考人が、今後ワイドショーのあり方を考えていきたいというふうにおっしゃったわけでありますが、具体的にどういうふうにその方針をこれからお考えになっていくのか、伺わせていただきたいと思います。
○参考人(磯崎洋三君) この案件は鴨下参考人からお答えさせていただきたいと思います。
○参考人(鴨下信一君) これは社内で考えるのも当然でございますが、私どもつくりましたオウム報道特別委員会は実は外部の委員の委嘱も行っております。外部委員の方若干名、大体七名程度になると思われますが、既に御内諾を得ておるところでございます。 そういう外部の方の御意見をよく素直に聞いて、率直な意見を述べていただいて、ワイドショーのあり方といいますか、報道とワイドショーはいかにどうあるべきかという問題に関して正しい答えを出していきたいと思っております。
○水野誠一君 都合がよければ報道の正義の仮面をかぶり、そして都合が悪くなると娯楽番組だからと言って責任を逃れる、こういう体質というのが私はどうも問題なのではないかなというふうに思います。そういう意味からも、ワイドショーの性格、そして責任のあり方というものを明確にしていただくということが非常に重要なテーマではないかなというふうに思います。 こういった問題の延長の中に、先ほど保坂委員から御指摘のあったサブリミナル事件というのがあるわけであります。 これは、昨年の五月七日と十四日に、TBSの「報道特集」のオウム関連取材において、サブリミナル効果をねらった一秒に満たない非常に短いカット挿入が起きた事件であります。もう既に御承知のように、以前からこれは、特に前にありました映画コマーシャルが問題となりまして、民放連では既にアンフェアな表現方法である、放送上極めて問題があるというふうに規定をしていたわけであります。また、さらにこれは海外では、英国では放送法によって禁じられている。アメリカではFCC、すなわち連邦通信委員会の規則によって禁じられているということはもう明らかなものでございます。 しかし、問題なのは、それを行ったことにもあるわけなんですが、その後の報道の中で、日経新聞の取材に対して報道局特別報道センターの担当プロデューサーがこういうふうに答えているわけであります。ちょっと読ませていただきますと、「今回の映像はテーマに沿った短いカットを積み重ねていくカットバックと呼ばれる手法。テーマを浮き立たせようという意図のもとに行った。この番組は純粋なニュース番組ではなく、こうした映像表現で効果を上げようとするのは当たり前のこと。他局でやっていないのは技術がないからだろう」と。これは大変言い逃れ、開き直りといいますか、やや傲慢な答えだというふうに私は感じます。 しかし、この体質の中に私は今回の問題を誘発した体質があったというふうに思いますし、またここでも言われているように、これはニュースではない、純粋なニュース番組じゃないんだという、しかし明らかにこれは報道番組です。にもかかわらず、こういう言い逃れを担当プロデューサーがする、それを社内で問題にしなかったのかということを私は伺いたいと思います。 このサブリミナル問題というのは、今回のオウム報道の問題、一連の問題と同じ根があるというふうに考えますので、ぜひその点について伺わせていただきたいと思います。
○参考人(鴨下信一君) ただいまおっしゃったようなことが新聞記者に言われておるとしたら大変残念なことでございます。私どもといたしましては担当ディレクターは処分いたしました。これは、非常に視聴者に対する信頼感を損ねる軽率な行為であったという結論を得てのことでございます。
○水野誠一君 先ほども紹介がありましたが、筑紫哲也氏は「ニュース23」の中で、過ちに真っ正面から対応できるかどうかが死活にかかわるのに、その意味からもTBSは死んだに等しいということを言っています。この報道が非常に大きく取り上げられたわけでありますが、その別の日にこうも発言されている。つまり、筑紫さんがこう発言されている。すなわち、マスコミは権力に距離を置く姿勢をずっととってきたが、その中にこの問題の芽が潜んでいたんじゃないか、これに近いこういう意味の発言をされているんですね。 私は、こうしたすべてのことにはすに構えていく報道姿勢、これがワイドショーの報道の基本スタンスにもなっているわけでありますし、先ほどから出ております視聴率至上主義ということの中では、視聴率をとれるためだったら何でもいいというぐらいの非常に乱暴な考え方がそこにはびこっていくということにつながっているのではないかと思います。 今、TBSとしては、自浄作用ということも含めて、例えばこの「ニュース23」の中なんかではざんげ的な視点を持った番組づくりをされているんでありますが、片方では、バラエティー番組を見ますと、依然まだいじめ問題の温床になるであろう一部のタレントをおもちゃにするような番組つくりというようなことが行われている。 どうも私は、こういう問題というのはやはり一つ同じところに原因が潜んでいるのではないか。先ほどから申し上げている品位、品性ということにもここがつながると思うのでありますが、そういうことをも踏まえて、私は、今回の事件を起こしてしまったTBSが本当に生まれ変わる上で、ジャーナリズムの志を持ち、そして品位、品性ということを再び考えて、今こそ、視聴率を争うのではなくて番組と視聴者の質を争う、番組と視聴者の質を競うと言った方がいいと思います。こういうまさに視聴質とでも言ったらいいでしょうか、こういう競争で民放の放送業界をリードしていく、こういう努力をすべきではないかなというふうに私は思っております。 この点について、視聴率ということでありますが、番組づくりということで、私は、特にドラマの分野で非常にすぐれたものをおつくりになってきた、日ごろから尊敬を申し上げておりますが、鴨下さんにお答えいただければと思います。
○参考人(鴨下信一君) 私は、常日ごろ番組というものは何としてでも美しくなければいけないと思ってつくってまいりました。そういう美しさが現在のテレビの番組に少しずつ欠けているとしたら非常に残念なことでございます。何とかそういう美しさを取り戻すような番組を数多くTBSから発信していきたい、そう思っております。
○水野誠一君 これも先ほどから繰り返されていることなのでありますが、今後、こういった体質の転換あるいは民放全体における報道姿勢、報道倫理というものの見直しを今回の問題を奇貨としまして積極的に向かっていただく、進めていただくということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(及川一夫君) 委員長から申し上げます。 冒頭、委員長質問を一括して申し上げて、まとめて磯崎参考人から御回答がございました。その中に一問だけお触れになっていないのではないかという気持ちがございまして事務局からTBSの関係者に確かめましたところ、特に坂本弁護士に対する放映の中止という問題では、連絡したと言い切る段階ではないという答えの中に、オウムの皆さんにビデオを見せたということについてお告げになったのですかという質問も含まれておったんです。それにお答えがなかったんですが、それも放映中止と同様、この段階で坂本弁護士にオウムに見せたということを知らせたということを言い切ることは今の段階でできない、こういうお話であるということを事務局をして確かめたのですが、磯崎参考人、それでよろしいですか。
○参考人(磯崎洋三君) 本来、インタビューに応じていただいた人に予定変更など、その後の連絡をいたしますことは私どもの当然の義務でございます。今回の担当者たちもそう認識しておりまして、連絡したはずだと言っております。 しかしながら、六年前のことであり、だれがいつ連絡したのか具体的な記憶は現在残念ながら出てきておりません。永岡さんや牧さんも何もこの件については覚えていらっしゃらないということでございます。
○委員長(及川一夫君) それでは、断定できないということでございますから、いずれにしてもこれからさらに調査をされるのでしょうから、それをまちたいというふうに思います。 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 参考人の方々に一言お礼を申し上げたいと存じます。 本日は、長時間にわたり本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十七分散会