地方行政委員会暴力団員不当行為防止法及び風俗営業等に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1996/06/04
会議録
○小委員長(鎌田要人君) ただいまから地方行政委員会暴力団員不当行為防止法及び風俗営業等に関する小委員会を開会いたします。 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の運用及び風俗営業に関する制度及び運用等の件について調査を行います。 まず、暴対法及び風営適正化法の施行状況と今後の課題について、警察庁から報告を聴取いたします。 最初に、野田刑事局長、お願いいたします。
○政府委員(野田健君) 刑事局長の野田でございます。 当小委員会の委員の皆様には、平素から暴力団対策につきまして御理解、御支援を賜っているところであり、この機会をおかりして厚く御礼を申し上げます。 さて、いわゆる暴力団対策法も成立後五年が経過いたしました。この間、国民の暴力団排除意識は非常に大きく高揚し、暴力団組織が解散したり、構成員の組織離脱の傾向が顕在化したりする状況も見られるなど、本法の成立及び施行は組織に対して相当の打撃を与えているものと考えております。 しかし、その一方で、暴力団は社会経済情勢に対応してその活動を機敏に変化させているところであり、警察といたしましても、このような暴力団に対する取り組みを今後一層強化していく必要があるものと認識しております。 現在、警察におきましては、暴力団犯罪の徹底的な取り締まり、暴力団対策法の効果的な運用、暴力団排除活動の積極的な推進を柱とする暴力団総合対策を強力に展開しているところでありますが、本日は、暴力団対策法成立後の状況と今後の課題について、お手元のレジュメに沿って御説明申し上げます。 まず初めに、最近の暴力団情勢について御説明いたします。 従来、暴力団は、覚せい剤の密売、賭博、のみ行為、みかじめ料の徴収等を主要な資金源としてきたところでありますが、近年、これに加えて、債権取り立て、交通事故の示談介入等の民事問題への関与のほか、企業活動を利用して経済取引への介入を図るなど経済社会への進出の度を深め、企業や市民から違法、不当に資金の獲得を図ろうとする傾向が顕著となっております。また、けん銃を使用した凶悪な犯罪も数多く敢行しており、依然として市民社会にとって大きな脅威となっているところであります。 お手元の資料1のとおり、平成七年末現在の暴力団勢力は約七万九千三百人となっており、六年末と比べますと約千七百人、また暴力団対策法が成立いたしました平成三年末と比べますと約一万一千七百人減少しております。 なお、暴力団勢力が減少する一方で、特定の大規模広域暴力団による寡占状態は依然として継続しており、平成七年末現在の山口組、稲川会及び住吉会の構成員は三万一千人で、全暴力団構成員の約六七%を占めるに至っております。 このような情勢のもと、警察においては、暴力団の壊滅に向けてあらゆる法令を活用して暴力団に係る犯罪の検挙を徹底するとともに、その犯行の組織性、常習性、悪質性を立証し、適正な科刑によって社会からの長期隔離がなされるよう努めているところであります。 暴力団犯罪の取り締まり状況に関し、まず住専関連事件を含む金融・不良債権関連事犯の取り締まり状況について御説明いたします。 住専問題は政府にとって現下の喫緊の課題であり、住専関連事件を含む金融・不良債権関連事犯に関し、警察庁においては、警察庁次長を長とする金融・不良債権関連事犯対策室を設置するとともに、全国の都道府県警察に対し、情報収集、事件検挙及び体制の整備に積極的に取り組むよう指示し、また関係都道府県警察においても特別の体制を整備し、同対策室の指導、調整のもと、この種事犯の捜査を強力に推進しているところであります。 検挙状況は資料2のとおりでありますが、例えば本年五月二十七日には、警視庁において、住専大口融資先である不動産会社の役員らによる公正証書原本不実記載、同行使並びに競売等妨害事件を検挙するなどしております。 また、暴力団等に係る金融・不良債権関連事犯については、本年一月以降、既に十九件の検挙を把握しております。 このほか、警察は、暴力団員等の違法、不当な要求に関し企業等から個別具体的な相談を受けた場合には、その内容に応じて、被害防止要領、関係者との応対要領等を教示し被害の防止に努めております。 また、刑罰法令に触れる行為はもとより、不当な債務免除等の要求あるいは競売等妨害行為等については暴力団対策法の適用も視野に入れつつ、厳正に対処することとしております。 さらに、債権の回収に当たる関係者等に対して暴力団等によって危害行為が加えられることのないよう、情勢に応じた措置を講じていくこととしております。 いずれにせよ、警察としては、住専問題の処理の過程で刑罰法令に触れる行為を認めれば、貸し手、借り手を問わず、また暴力団であろうとなかろうと厳正に対処することはもちろん、以上に申し上げた諸施策を推進することによって、政府にとって喫緊の課題である住専問題の処理に資するよう努めてまいりたいと存じます。 次に、暴力団犯罪の全般的な検挙状況でありますが、資料3のとおり、平成七年の暴力団勢力の検挙人員は約三万三千人であり、罪種別では覚せい剤取締法違反、傷害、恐喝、賭博の順となっております。 また、資料4のとおり、平成七年における暴力団等によると見られる銃器発砲事件は百二十八回発生しており、これらの銃器発砲事件に伴う死者数、負傷者数は二十一人でありました。この中には、けん銃発砲殺人未遂事件の発生を受け暴力団事務所の警戒に従事していた警察官に対してけん銃を発砲し殺害した事件などがあり、大変凶悪かつ悪質な犯行形態のものが目立っております。 さらに、資料5のとおり、平成七年の対立抗争事件は四件、発生回数は二十八回で、前年に比べ減少しておりますが、そのすべてに銃器が使用されているほか、暴力団勢力からのけん銃押収丁数は約千四百丁に上っており、平成三年以降増加傾向にあります。 このような厳しい情勢を踏まえて、警察においては、暴力団に係るけん銃の摘発を一層強力に推進することとしております。 次に、暴力団対策法の施行状況について申し上げます。 暴力団対策法は、我が国で初めて暴力団を明確に反社会的集団として法的に位置づけるとともに、既存の刑罰法令によって必ずしも有効に取り締まることができなかった暴力団員による不当な行為を規制し、その根絶を図っていこうという画期的な法律であります。本法の成立及び施行を契機として、国民の暴力団排除機運は非常に大きな高まりを見せております。 まず、暴力団対策法の規定に基づく暴力団の指定状況について御説明いたします。 現在、お手元の資料6のとおり、合計二十四の団体を指定暴力団として指定しております。これにより、全暴力団員のうち八八%の者に暴力団対策法の網がかけられたことになります。 本法は、指定暴力団員が指定暴力団の威力を示して行う不当な要求行為等の行為を禁止するとともに、その違反行為に対しては中止命令等を発出することができることとされております。 暴力団対策法施行以降、平成七年末までに発出した中止命令は、資料7のとおり合計三千二百二十九件に上っております。平成七年中には千三百二十一件の中止命令が発出されたところでありますが、その内容を見てみますと、資金獲得活動である暴力的要求行為に対するものが八百十四件、加入強要、脱退妨害に対するものが四百三十七件となっております。また、暴力的要求行為のうち、伝統的な資金獲得活動であるみかじめ料、用心棒料等、要求行為に対するものは三百七十六件を占めております。 さらに、中止命令等を発出した際に、暴力的要求行為の相手方から被害回復交渉のための援助を受けたいという申し出を受けた場合には、暴力団対策法第十三条の規定に基づき、助言、交渉場所の提供、違反行為者への連絡等の援助活動を行い、暴力的要求行為の相手方の被害の回復を図っております。 また、暴力団対策法第十四条の規定に基づき、警察及び都道府県暴力追放運動推進センターは、暴力団員による不当な要求の被害を受けやすい業種を中心に、各事業所で選任された不当要求防止責任者に対する講習を実施しており、これを責任者講習と言っておりますけれども、平成六年四月から平成七年三月までの一年間で約五万三千人の方が受講されております。 このように、暴力団対策法施行以来の三千件を超える中止命令の発出や警察及びセンターにおける暴力相談の展開等による民事介入暴力被害の未然防止により、暴力団の資金源の封圧にも相当の成果を上げているものと考えております。今後も、引き続きその効果的な運用に努めてまいります。 暴力団の脅威から市民生活の安全を守るためには、強力な取り締まりとともに暴力団の社会的基盤を切りまし、暴力団を社会的に孤立させるための暴力団排除活動が必要不可欠であります。このため、職域及び地域における民間の暴力団排除活動に対して積極的な支援を行うとともに、都道府県暴力追放運動推進センターの事業の充実を図り、真に暴力団に打撃を与えるべく努めているところであります。 このセンターは、警察等関係機関との連携のもとに、地域における暴力団排除活動の中核として暴力団に関するさまざまな相談を中心とする各種業務を行っており、平成七年中は、暴力団員による違法、不当な行為に関する相談、暴力団事務所の撤去に関する相談を初めとして約一万件の相談が寄せられております。 その種別を見ますと、因縁をつけて金品等を要求する行為、不当に債務の免除を要求する行為、不当に贈与を要求する行為等、暴力的要求行為に関するものが多く、市民生活に不当に介入する形での資金獲得活動に関する相談が多くなっております。 そして、暴力追放運動推進センターにおいては、これらの相談を受け、暴力追放相談委員として委嘱された弁護士、少年指導委員、保護司等がそれぞれの専門分野において迅速かつ適切に処理するとともに、事務所撤去に伴う訴訟費用の貸し付け、暴力団員の違法、不当な行為による被害者への見舞金の支給など、活発な活動を展開しているところであります。 また、暴力団からの離脱に関する相談も多数に上っておりますが、暴力団の人的組織基盤を切ります観点から、暴力団員の組織からの離脱の促進を図るとともに、少年等の新規加入を防ぐことが重要であり、警察においては関係行政機関等と連携して、暴力団員の離脱促進や社会復帰のための諸施策を積極的に推進しているところであります。 次に、このような暴力団対策の現状を踏まえ、暴力団対策における今後の課題について御説明いたします。 その一は、知能暴力事犯の取り締まりの推進であります。 冒頭で御説明いたしましたが、住専関連事件を含む金融・不良債権関連事犯を初め、最近の経済情勢を反映した暴力団等による知能暴力事犯の検挙に努め、暴力団の資金源を徹底的に封圧してまいることとしております。 その二は、暴力団に係るけん銃摘発の推進であります。 暴力団組織の管理に係るけん銃の摘発に重点を置き、突き上げ捜査を徹底し、けん銃の大量摘発及び組織的な密売ルートの壊滅を図ることとしております。 その三は、暴力団組織に対する総合的な対策の推進であります。 暴力団犯罪の取り締まりにつきましては、暴力団組織の維持運営に当たる幹部に対する集中的な取り締まりを実施するほか、暴力団勢力を大量に反復して検挙し、暴力団の人的基盤の弱体化を図ることとしております。また、暴力団の資金源を封圧するために、さきに申し上げた知能暴力事犯はもとより、薬物、賭博・のみ行為事犯等、各種の事犯において突き上げ捜査を徹底し、資金源の実態解明を徹底するとともに、税務当局との連携のもとに組織の恒常的資金源を封圧するよう努めてまいる所存であります。 暴力団対策法の運用につきましては、中止命令等の効果的な活用を図るとともに、さきに申し上げた違反行為の相手方に対する援助等を充実させ、事案の迅速かつ的確な解決と被害回復に努めてまいる所存であります。また、暴力団の人的基盤を切りますため、都道府県暴力追放運動推進センター、関係行政機関、事業者等と連携して離脱希望者に対する援護を初めとした暴力団員の組織離脱及び社会復帰のための諸対策を積極的に推進することとしております。 暴力団排除活動につきましては、関係行政機関等との連携を確保して、地域、職域からの暴力団排除活動を推進していくこととしております。また、暴力団排除活動の中核として機能することが期待されている都道府県暴力追放運動推進センターの各種事業活動の一層の充実に努めてまいる所存であります。 以上、御説明してまいりましたように、警察といたしましては、特に暴力団対策法の成立、施行を契機に暴力団対策について強力に取り組んできたところでありますが、暴力団にあっては、依然として組織の威力を背景として各種の違法、不当な行為を敢行しているところであり、警察におきましては、国民の理解と協力の確保に努めつつ、引き続き暴力団犯罪の徹底的な取り締まり、暴力団対策法の効果的な適用、暴力団排除活動の積極的な推進を柱とする総合的な対策を強力に進め、国民の皆様の強い御期待にこたえてまいる所存であります。 委員の皆様方におかれましては、これからも引き続き御支援を賜りますようお願い申し上げまして、私からの説明を終わらせていただきます。
○小委員長(鎌田要人君) ありがとうございました。 次に、泉生活安全局長、お願いいたします。
○政府委員(泉幸伸君) 生活安全局長の泉でございます。風営適正化法の施行事務を初め担当業務につきまして、日ごろ何かと御指導を賜っております。この席をおかりしまして厚く御礼申し上げます。 それでは、お許しを得まして、着席して御説明したいと思います。 最近における風営適正化法の施行状況について御報告いたします。 まず最初に、概況について申し上げます。 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律が施行されましてから十一年余りになりますが、この間、警察といたしましては、風営適正化法の目的であります善良の風俗と清浄な風俗環境の保持及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、必要な指導、取り締まりを推進し、風俗営業の健全化に努めてきたところであります。 この結果、各種風俗営業につきましては、それぞれの規制がおおむね遵守され、強引な客引きや卑わいな看板のたぐいが減少するなど法規制の成果が見られるところであり、また風俗関連営業についても営業禁止地域の設定などの各種規制の効果により営業所数が年々減少するなど、風俗環境の浄化に前進が見られるところであります。 しかしながら、その一方で、無許可風俗営業や少年の健全な育成を阻害する十八歳未満の年少者使用違反が依然として後を絶たないほか、パチンコ遊技機の不正改造事犯も増加し、その手口もますます悪質、巧妙化する傾向にあるなど、善良の風俗等を保持していく上で看過できない状況も見受けられるところであります。 このため、警察といたしましては、こうした風俗環境の実態などを踏まえまして、引き続き風営適正化法の趣旨、目的に沿った法の適正かつ妥当な運用に努めるとともに、悪質な違反については厳正に対処していくこととしております。 次に、風俗営業等の営業所数について申し上げます。お手元に基礎的な資料を配付させていただいておりますので、御参照いただきたいと思います。 まず、風俗営業の営業所数でありますが、全体的には逐年減少傾向にあり、昨年末現在の許可営業所数は十四万一千七百二十三営業所で、五年前の平成三年末現在に比べますと三千八百七十六営業所、二・七%減少しております。中でも、料理店などの風俗二号営業、七号営業のうちマージャン屋営業及びゲームセンター等の八号営業が継続して減少しております。こうした減少傾向の要因としましては、景気の低迷や最近における国民一般の娯楽の多様化などが影響しているのではないかと考えているところであります。 なお、こうした中で、七号営業のうちパチンコ営業については増加し続け、昨年末現在では一万八千二百四十四営業所となっておりますが、その増加率も最近ではやや低下傾向にあります。 次に、風俗関連営業の届け出状況についてでありますが、御承知のとおり、個室つき浴場業のほかに、いわゆるストリップ劇場、ラブホテル、アダルトショップ、個室マッサージなど性を売り物とする営業を風俗関連営業として風営適正化法で必要な規制を加え、これらの営業を営もうとする者は公安委員会への届け出が必要とされているものであります。 これらの営業におきましては、売春やわいせつ事犯が敢行されるおそれがあり、善良の風俗にも大きな影響を与えるものであることから、適正な行政措置と厳正な取り締まりを講じているところであります。 昨年末現在の届け出数は総数で一万二千六百三十営業所となっており、五年前の平成三年末現在に比べますと八百七十一営業所、六・五%の減少、風営適正化法が施行された昭和六十年末の一万六千六百五十八営業所に比べると四千二十八営業所、二四・二%の減少となっております。ただし、個室マッサージ等の風俗関連五号営業についてはさまざまな形態のものがあらわれ、平成三年以降増加傾向にあります。 このように、風俗関連営業は全体として逐年減少してきていることは、風営適正化法による規制と取り締まりが効果的に作用しているためと考えているところでありますが、今後も、引き続き規制と取り締まりを的確に行ってまいりたいと考えております。 次に、深夜における酒類提供飲食店営業の届け出状況についてであります。 スナックなどの深夜酒類提供飲食店営業も、昭和五十九年の法改正によりまして新たに届け出が義務づけられたものでありますが、昨年末現在の届け出営業所数は二十七万二千九百三十四営業所となっており、過去五年間、若干の増減はありますが、ほぼ横ばいの状態にあります。 引き続きまして、風営適正化法違反事件の取り締まり状況について申し上げます。資料の三枚目を御参照いただきたいと思います。 昨年中は、風営適正化法違反として二千三百八十六件、二千七百九十五人を検挙しており、五年前の平成三年中の三千百十六件、三千三百八十五人と比べると、件数で七百三十件、人員で五百九十人、それぞれ減少しております。 風営適正化法違反につきましては、法改正以前の昭和五十九年までは年間一万件台で推移しておりましたが、改正法が施行された以後は、若干の増加する年はあるものの、基本的には減少する傾向にあります。これは法改正で、日常の営業活動に伴って生じるような営業時間の制限や照度の規制などの遵守事項違反については、第一次的には指示等の行政措置の対象とすることにより、是正に向けた営業者の自主、自発的な努力を促すこととされたことが大きな要因ではないかと考えているところであります。 違反態様の特徴について申しますと、一番多いのが十八歳未満の年少者使用違反、次に無許可風俗営業となっております。また、遊技機の不正改造事犯の検挙が増加したことにより、無承認変更及び不正手段による承認変更がいずれも大幅に増加しております。 最近の風営適正化法違反の事例を御紹介しますと、昨年の十一月に、全国に八百五十余りのビデオショップを展開していたビデオ販売会社の系列店について、性的好奇心をそそるアダルトビデオを専ら販売する風俗関連四号営業、アダルトショップ営業に該当する営業をその営業が禁止されている地域であるにもかかわらず営んでいたとして摘発し、同社の実質的経営者たる会長ほか三名を逮捕したという事件がございました。この事件検挙により、同社の営業実態などから全国で禁止地域内営業が行われているおそれがあることが判明しましたので、各都道府県警察が指導取り締まりを行い、加盟店の多くが離反や廃業したり営業内容を変更するなど、全国的に風俗環境の浄化が図られたところであります。 警察といたしましては、今後とも、善良の風俗等の保持、少年の健全な育成を阻害するこの種事犯の取り締まりを推進していくこととしているところであります。 次に、行政処分の実施状況についてでありますが、昨年中に風営適正化法に基づく行政処分件数は一千七百九十二件で、うち営業の取り消し、廃止及び停止処分は合計で四百二十八件、指示処分については一千三百六十四件となっており、指示処分が行政処分全体の七六・一%を占めております。 これら行政処分につきましてはその適正な運用に努めているところでありますが、指示処分については、先ほど申しましたように、違反の是正に向けた営業者の自主、自発的な努力を促す風営適正化法の目的達成上重要な役割を担っているという趣旨を踏まえ、今後ともその適正かつ効果的な運用を図っていくこととしております。 以上、最近の風営適正化法の施行状況について御報告申し上げましたが、最後に、いわゆるテレクラ営業に関する少年非行の実態と対策につきまして御報告いたします。 近年、いわゆるテレクラ営業が急激な増加を見せており、平成七年末現在で警察が把握したテレクラの数は二千百六十四営業所と、三年前に比べ約二・四倍に増加しております。特に、最近ではツーショットダイヤルと呼ばれる店舗のない形態のものが大幅に増加しており、その実態が非常につかみにくくなっております。 このようなテレクラの増加に伴って、少年に有害な広告用のビラ、チラシが公衆電話ボックスなどにはんらんするとともに、これらを目にした女子少年が興味本位から安易にテレクラを利用して、相手の男性から言葉巧みに誘い出され、福祉犯による性的な被害に遭うという事案が続発しており、大きな社会問題となっているところであります。 平成七年中におけるテレクラに係る福祉犯の被害少年の数は一千四百十人と、三年前に比べ約三倍に増加しており、その約三分の二を中学生、高校生が占めているなど事態は大変憂慮すべきものと考えております。 このような状況に対処するため、警察では、テレクラに係る福祉犯はもとより、営業に起因する各種違法行為に対する取り締まりを徹底するとともに、NTTなどの関係機関やボランティア、地域住民との連携により、街頭におけるビラ、チラシやテレクラ利用カードの自動販売機の撤去活動に取り組むなどして店舗を撤退に追い込んだりしているところであります。 また、テレクラに対する抜本的な対策として、テレクラを規制する条例を制定する県も見られるところでありますが、違反業者には営業停止を含む厳しい処分を課すことができるなど相当の効果が期待できるものと思われますので、条例は県の実情に応じて制定されるものでありますが、警察庁といたしましてもこれらを側面的に援助してまいる所存であります。 風営適正化法については以上でございます。
○小委員長(鎌田要人君) 次に、最近の銃器情勢、薬物乱用の現状と対策、パチンコ営業に関する諸問題について報告を聴取いたします。 泉生活安全局長、お願いいたします。
○政府委員(泉幸伸君) 続きまして、最近の銃器情勢と対策について、薬物乱用の現状と対策について、パチンコ営業に関する諸問題について御説明申し上げます。 まず、最近の銃器情勢とその対策について申し上げます。 初めに、最近の銃器情勢についてであります。 まず、昨今の銃器発砲事件の発生状況でありますが、昨年中の銃器発砲件数は百六十八件で、三十四人の方が亡くなられ、三十三人の方が負傷しています。また、亡くなられた方のうち、一般の方は十四人を数えております。本年に入ってからの銃器発砲件数は五月末現在五十件で、四人の方が亡くなられ、七人の方が負傷されています。また、亡くなられた方のうち一般の方は二人でありました。 これまで銃器対策を強力に推進してきたこともあり、昨年は一昨年に比べ、発砲件数は八十一件、約三二・五%減少しております。しかしながら、銃器をめぐる情勢はまだまだ厳しいものがあり、ここ数年、暴力団の対立抗争以外の発砲が相対的に増加し、銃口が市民生活、企業活動、政治・言論活動などに向けられる事件が相次いでおります。 特に、一般市民が銃弾の犠牲になるケースが目立ってきており、昨年は八王子のスーパーマーケットにおける女子高校生を含む女性三人被害の強盗殺人事件、東京中野区のパチンコ店の売り上げねらった路上強盗殺人事件、横浜市の釣り具店の売り上げをねらった路上強盗殺人事件など、銃器を使用した凶悪事件が続発したところであります。また、本年に入っても、昨日、都内においてけん銃使用強盗事件の発生を見るなど、これまで威嚇の道具として用いられてきた銃器がまさしく殺傷の道具として使われており、その意味で銃器使用犯罪に質的な変化が出てきているのではないかと見ているところであります。 次に、銃器の摘発状況についてでありますが、昨年はこれまでの最高であった昭和五十九年の一千八百七丁を上回る史上最高の一千八百八十丁を押収しましたが、そのうち暴力団からの押収が一千三百九十六丁、それ以外の者からの押収が四百八十四丁でありました。また、本年は五月末現在で六百七十一丁を押収し、うち暴力団からの押収が四百六十三丁、それ以外の者からの押収が二百八丁となっております。 押収した銃器について最近の傾向を見ますと、暴力団以外の者からの押収数がかつては全体のわずか数%にすぎなかったものが、ここ数年は押収量だけでなくその割合についても急増し、昨年も全体の二五.七%を占めており、銃器の一般社会への拡散傾向が続いているところであります。 このように、昨今、一般市民の間にも銃器が拡散している背景には、一つには、暴力団の資金源が一般市民の経済活動にまで出てきたこと、二つには、最近の警察の厳しい暴力団対策や景気の低迷などにより末端の組員がけん銃を手放すケースが出てきていること、三つには、国際化の進展に伴い国際間の物的交流の増大や日本人の海外渡航の機会が増加してきていることなどによりまして、国民の銃器に対する規範意識が希薄化するとともに、けん銃の入手機会が広がったことがあるものと考えています。 一方、摘発事件の内容について見ますと、水際検挙については昨年は九丁と依然低調ではありますが、静岡県警、沖縄県警等の共同捜査による遠洋マグロ漁船員らの南アフリカルートの大量けん銃密輸事件の検挙など、組織的、本格的な密輸事犯の摘発を行ったところであります。また、暴力団の武器庫の摘発についても、愛知県警による山口組の武器庫摘発を初めとして、昨年中に十一件のこの種武器庫の摘発を行ったところであります。 第二に、銃器対策の推進状況についてであります。 警察としては、銃器対策については治安にかかわる最重要課題との認識のもと、昨年八月に各都道府県警察の本部長を長とする銃器取り締まり総合対策本部を設置するとともに、十九の都道府県警察で銃器対策課が設置され、それ以外の府県にも銃器対策室が設置されたところであります。また、平成八年度予算では、銃器捜査の強化のための要員として全国で約一千人の地方警察官の増員が認められたところであり、警察組織を挙げて銃器の摘発に取り組んでいるところであります。 しかしながら、引き続き一般市民に銃口を向ける事件や銃器を実際に殺傷の道具として使用する犯罪が見られるなど、銃器をめぐる情勢はまだまだ厳しいものがあります。したがって、警察としては発生事件の検挙に全力を挙げることはもとより、違法銃器の根絶に向けて体制の充実、捜査手法の高度化、国内外の関係機関との連携強化を図り、銃器の密輸・密売ルートの壊滅や暴力団の武器庫の摘発など、根源的な事犯の摘発を重点に銃器摘発を推進していくこととしております。 また、関係省庁との連携の強化についても、昨年九月、内閣に内閣官房長官を長とした銃器対策推進本部が設置され、十二月には、同本部で銃器摘発体制の強化と取り締まり関係機関の連携の緊密化、水際対策の的確な推進、国際協力の推進などを柱とする銃器対策推進要綱を決定したところであります。また、これを踏まえ関係省庁では、平成八年度銃器対策推進計画を策定するなど、関係省庁が一体となって対策を推進しているところであります。あわせて、五月十一日から六月十日までの間、警察、税関等、関係取り締まり機関においてけん銃取り締まり特別強化月間を実施中であり、銃器の摘発に向け共同して全力を挙げて取り組んでいるところであります。 加えまして、銃器問題は国際的な広がりを有する問題であることから、関係諸国に対し実効ある銃器管理の推進と国際捜査協力の促進を働きかけてきたところであります。 具体的には、昨年五月、エジプト・カイロで開催された第九回国連犯罪防止会議に我が国が提出した銃器規制決議が全会一致で採択され、昨年十月には、中国・北京で開催された第六十四回ICPO総会でも警察庁が銃器規制決議を提出し、全会一致で採択されたところであります。あわせて、昨年十一月には、日本で関係各国の高官を招いての銃器対策国際会議を開催し、銃器対策に係る国際協力の緊密化を呼びかけたところであります。また、本年に入りましても、警察庁に国際銃器対策官を設置するとともに、今月は、東京で関係諸国の銃器対策の担当者を対象とした第二回国際銃器管理セミナーを開催するなど、今後とも国際協力の推進を図っていくこととしております。 以上のような取り組みとあわせて、我が国の安全な社会を守っていくためには、国民一人一人の銃器問題に対する理解と協力が不可欠であります。そのため、警察では、政府広報を初め各種のメディアを活用して、ノー・ガンズ・キャンペーンを推進するなど、テレビ、ラジオ、新聞等のあらゆる広報媒体を通じて広く銃器問題に対する理解と協力を求めるとともに、昨年十月には都内で、銃の被害に遭われた遺族の方々や全国のボランティアリーダーの方々に集まっていただき、内閣総理大臣出席のもとで、銃器根絶のための国民の集いを開催するなど、国民の理解と協力の確保に努めているところであります。 次に、薬物乱用の現状と対策について申し上げます。 覚せい剤などの薬物の乱用は、乱用者個人の生命や身体に害悪を及ぼすばかりではなく、薬物を入手するため、あるいは薬物の影響下で凶悪犯罪を誘発するなど社会的にも重大な害悪を及ぼすことから、世界の多くの国々で大きな治安問題、社会問題となっていることは御案内のとおりでございます。 我が国における薬物情勢につきましては、昨年以降、覚せい剤事犯の増加が顕著であるほか、依然として来日外国人による多様な薬物の密輸・密売事犯が後を絶たない状況にあり、加えて、最近では、高校生などの少年による薬物事犯が急増するなど予断を許さない状況にあります。 最近における薬物事犯の特徴的傾向につきまして、もう少し詳しく申し上げたいと思います。 その一つは、覚せい剤事犯の増加、特に少年による乱用の増加であります。 覚せい剤事犯の検挙人員は、平成に入っておおむね一万五千人前後で推移していたのでありますが、昨年は初めて一万七千人を超え、本年に入ってもこの増加傾向がさらに強まっているところであります。 特に、高校生などの少年による覚せい剤の乱用が急増しており、昨年、覚せい剤事犯で補導した少年は一千七十九人で、一昨年に比べ三〇・五%の増で、平成に入って最高の数となっております。 中でも、高校生が昨年は九十二人と、一昨年に比べて二倍以上に増加しており、本年四月までを見ましても既に五十三人と、昨年同期の三倍を超えております。 少年による最近の覚せい剤事犯を見ますと、同級生同士が共同で購入し安易に乱用に及んでいる例や、学校内が取引や乱用の場となっている例が目立っており、中には小学生が補導された例まであるなど極めて憂慮すべき状況にあります。 このような高校生などの少年による覚せい剤の乱用が増加している背景としましては、繁華街や駅前などで外国人の密売人から購入できるなど少年でも安易に薬物を入手できる状況が出てきていること、少年に薬物の危険性、有害性についての認識が欠けていることなどが考えられるのであります。 その二つは、来日外国人による薬物事犯の増加であります。 近年、来日外国人の不法就労や不法滞在が問題となっていますが、これに伴って来日外国人による薬物事犯も増加し、昨年は過去最高の八百二十五人を検挙しており、五年前の平成三年と比べると約二・七倍となっております。国籍別ではフィリピン人が最も多くて二百九十四人、次いでイラン人二百五十三人、韓国人二十九人などとなっており、フィリピン人とイラン人が全体の六六・三%を占めております。 こうした来日外国人による薬物事犯の背後には、国際的な薬物犯罪組織が存在し、これらの手足となって薬物を密輸入するケースが目立っているところであります。 その三は、大麻樹脂の押収量の急増であります。 乾燥大麻より有害成分が濃縮されている大麻樹脂の押収量は、平成五年までおおむね十ないし二十キログラム台でありましたが、平成六年には九十五キログラム、昨年は過去最高の百二十五キログラムと急増しております。 なお、昨年、大麻樹脂一キログラム以上の大量押収は二十四件ありましたが、そのすべてが来日外国人によるもので、インド、シンガポール、クイ、オランダなどから持ち込まれたものがほとんどであります。 以上が最近の薬物事犯の主な傾向でありますが、このほか大麻、コカイン、ヘロイン事犯が依然として高原状態にあるほか、最近では俗称エクスタシーと呼ばれるMDMAやLSDなどのいわゆる合成麻薬の密輸入及び所持事犯が目立つなど、我が国における乱用薬物の一層の多様化が懸念される状況にあります。 このような厳しい薬物情勢を踏まえ、警察では、薬物問題を平穏な社会生活や治安の根幹にかかわる重要な問題としてとらえ、薬物の供給の遮断と需要の根絶を柱とした総合的な対策を推進しているところであります。 供給の遮断対策につきましては、我が国で乱用されている薬物のほとんどが海外から密輸入されたものであることにかんがみ、税関、入国管理局などの関係機関や外国捜査機関との緊密な連携による水際対策の強化に努めております。 また、薬物の密輸、密売には暴力団などの薬物犯罪組織が深く関与しているため、これらの組織による密輸・密売事犯の徹底した取り締まりを行うとともに、その不正取引により得られる莫大な不法収益が組織などの主要な資金源となっていることから、いわゆる麻薬特例法の積極的な活用などにより、不法収益の剥奪など資金面からの取り締まりについても力を入れているところであります。 さらに、薬物の不正取引は国際的な薬物犯罪組織により国境を越えて敢行されているため一国のみでの解決が困難であることから、関係国との緊密な情報交換に加え、各種国際会議への参加、国際刑事警察機構を通じての捜査協力、関係国の捜査官を招いたアジア・太平洋薬物取締会議、薬物犯罪取り締まりセミナーの開催など国際協力の推進に努めております。 他方、需要の根絶対策としましては、国民一般の薬物に対する危害への理解と薬物乱用を拒絶し許さないという規範意識を維持形成することが極めて重要でありますので、乱用者を徹底検挙するとともに、乱用がもたらすさまざまな害悪についての広報啓発活動に努めているところであります。 特に、最近深刻化している少年の薬物乱用に対しては、少年に対する薬物の供給源の取り締まりを徹底していくとともに、シンナーなども含めた薬物の乱用少年の早期発見、補導に努め、再乱用防止のための継続的な補導を行って、少しでも早い段階での少年の立ち直りを図っていくこととしております。 また、少年に薬物の危険性、有害性についての正しい認識を持たせるため、学校に対して生徒指導の強化を要請するとともに、学校との連携を強化し、薬物乱用防止教室を積極的に開催するほか、家庭、地域に対しても広報啓発活動を強化していくこととしております。 警察としましては、薬物乱用のない社会を目指して一層の努力を重ねてまいりたいと思いますので、今後とも御支援を賜りますようお願い申し上げます。 最後に、パチンコ営業に関する諸問題について申し上げます。 パチンコ営業は、遊技人口が約二千八百万人、事業収入額は約三十兆円と言われ、我が国を代表するレジャー産業となっております。しかしながら、パチンコ業界には依然として遊技機の不正改造や暴力団の関与等の問題があり、業界の健全化を阻害するものとなっております。また、昨今、パチンコ・プリペイドカードの変造・行使事犯が増加しているところであり、重要な問題となっているところであります。 以下、これらのパチンコ営業に関する諸問題について、ポイントを絞って御説明申し上げます。 まず、遊技機の不正改造事犯についてであります。 パチンコ営業は、適度に射幸心を満たすことのできる手軽で身近な大衆娯楽として位置づけられるものでありますが、パチンコの射幸心の適度さを保つために、法令で遊技機の性能に関する規制がなされております。しかしながら、あしき売り上げ至上主義から、パチンコ営業者が遊技機を不正に改造して客の射幸心を著しくそそり、その結果として客に多額の金銭を使わせる営業が後を絶たないのが現状であります。 遊技機の不正改造事犯は平成五年ごろから急増し、昨年の送致件数は百三十四件と過去最高に上っております。また、ここ数年の不正改造の手口を見てみますと、遊技機内部の電子部品を改造して交換するといったものが増加しております。 警察としてもこうした不正遊技機の状況を踏まえ、引き続き強力な取り締まりを行っておりますが、その結果、本年に入ってからも既に相当数の検挙がなされ、昨年の同時期を上回るペースでの検挙が進んでいる状況にあります。 最近の検挙事例の中には、検定制度を利用している遊技機製造業者の役員らが会社ぐるみで、検定を受けた型式に属さない遊技機を検定を受けた型式に属する遊技機と偽って全国的に販売していたという事案もあります。遊技機については、行政事務の簡素合理化だけではなく遊技機製造業者やパチンコ営業者にとっても便宜となることから公安委員会による型式検定の制度が設けられているわけですが、この事件のような不正改造事犯は、これらの制度や手続をないがしろにすることにもなり、極めて悪質な事件であると考えております。 パチンコが適度に射幸心を満たすことのできる大衆娯楽という本来の姿を保っていくために、警察としては今後とも、不正改造された遊技機の追放に向けて取り締まりの強化と業界団体への指導を徹底してまいりたいと考えております。 次に、パチンコ・プリペイドカードの変造・行使事犯について御説明いたします。 パチンコ・プリペイドカードシステムは平成二年よりシステムの供給が開始され、現在では、日本レジャーカードシステム株式会社、日本ゲームカード株式会社、日本アドバンストカードシステムの三社が全国共通、無期限のカードシステムで営業をしております。 警察庁では、同システムがパチンコ営業に特有の現金管理業務を軽減し、事務処理の効率化、経営の合理化に有効なものであると同時に、経理の明朗化にも資するものであることから、業界の健全化に効果を発揮するものとしてその導入を推奨してきたところであります。現在、部分的な導入店舗を含めると、パチンコ営業所総数の約七割の店舗に同システムが導入されているところであります。 カードシステムはパチンコ店に一定の普及を見ているわけでありますが、昨年の夏ごろからこのプリペイドカードの変造・行使事犯が増加し、全国的な広がりを見せております。平成七年中の変造カード事犯の事件数は六百六事件、検挙人員は六百九十三人でしたが、本年一月から五月十五日までの四カ月半では、それぞれ六百二十一事件、七百三十七人となっており、既に昨年一年間を上回ったところであります。 検挙人員の内訳を見ますと、平成七年度中では、日本人は約三割であり、残りが外国人となっています。外国人のうち最も多いのが中国人で全体の約五割を占め、次いで韓国人が約一割、残る約一割はその他の外国人となっております。 この変造カード事犯によるカード会社の推計被害額は、カード会社からは日本レジャーカードシステム株式会社が約五百五十億円、日本ゲームカード株式会社が約八十億円であると聞いております。もっとも、これら変造カード事犯を敢行している組織の実態や資金の流れについては未解明の部分も多いことから、今後とも実態把握に努めてまいる所存であります。 変造カード事犯の現状は、健全化のためのシステムが犯罪に悪用されている状況であるためパチンコ業界の健全化に与える影響が大きいこと、また外国人グループや暴力団が関与している事案があるなど治安上の問題を引き起こすおそれがあることから警察庁としても重大な問題であると考え、既に都道府県警察に対して取り締まりの強化を指示しております。あわせて、パチンコ・プリペイドカードの場合、変造カードの使用は必然的にパチンコ店舗内で行われることから、業界団体に対し防犯及び通報体制の強化を指導しているところであります。 また、このようなカード犯罪においては、カードセキュリティーの向上を図ることが基本的かつ最も効果的な対策であることから、カード会社に対し早急かつ効果的なセキュリティーの向上を強力に要請しているところであります。 これを受けて、現在、カード会社において、店ぐるみの変造事犯として検挙された店舗などの悪質店舗に対してはシステムの契約を解除する措置をとっているほか、新たなセキュリティーの盛り込まれた新カードの導入準備など技術的な対策をとっているところであります。また、新カード導入までの間、被害の中心となっていた高額券について、一万円券は四月二十一日から、五千円券は五月十九日から、その供給、使用を一時停止して被害の発生を抑えるなど所要の対策が進められているところであります。 なお、これまでの検挙におきましても、そのうちの相当数はパチンコ店からの迅速な通報によるものでありますが、他方、これら変造カード事犯の検挙事例の中には、パチンコ店そのものがみずからの売り上げを上げるために店ぐるみで犯行に及んでいたという事犯があるのも実情であります。先ほど申しました変造カード事犯の事件数等を月別で見ますと、そのピークは一月であり、最近は減少傾向にありますが、このような店ぐるみの変造カード事犯は依然として摘発されているところであります。 警察としましても、健全化に資するシステムを悪用して売り上げを伸ばそうとするこのような悪質業者に対しては、刑事処分、行政処分の双方から厳正に対処してまいるとともに、業界団体に対しても、このような店舗が関与する事犯を業界から根絶するよう指導しているところであります。 以上、パチンコ営業に関する諸問題について、二点に絞って御説明申し上げました。パチンコ営業は、このほかにも暴力団の関与等の健全化を阻害する問題を抱えているところでありますので、警察庁といたしましては、引き続き、風営適正化法に基づき業務の適正化を促進するなどによりましてその健全化を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○小委員長(鎌田要人君) 以上で報告の聴取は終わりました。 本日の報告に対する質疑は後日に譲ることといたします。
○小委員長(鎌田要人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の運用及び風俗営業に関する制度及び運用等の件についての調査のうち、パチンコ営業に関する諸問題について、来る六月十三日午後一時から参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時六分散会