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136回国会参議院1996/02/27

厚生委員会 第2号

発言数
74
登壇者
13
会派数
3
開催日
1996/02/27

会議録

今井澄社会民主党・護憲連合

○委員長(今井澄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十二日、上杉光弘君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として塩崎恭久君及び水島裕君が選任されました。     —————————————

今井澄社会民主党・護憲連合

○委員長(今井澄君) 社会保障制度等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 質問する機会を与えていただきまして、ありがとうございます。私、委員会での質問は初めてでございます。なれないことでございますので、ひとつ政府委員の方々もよろしくお願い申し上げます。  御質問を申し上げる前に、私も昨年の夏まで役所の中におったわけでございますが、それから自分の立つ場所を変えてみまして、改めて行政あるいはお役所、公務員というものの意味というものにつきましていささか考えさせられるところがございました。  一言で言いますと、行政といいますのは、個別のさまざまな団体あるいは人々の利害の調整というものがどうしても表に出てまいりますが、やはり行政の本筋というものはそういう場面の処理だけではなくて、国民全体の利害、あるいは特に厚生省関係の分野におきましては時代の後先といいましょうか、時間軸を考えた上での全体の利害というものの視点に立って事を判断し、時には勇気を持ってそうした観点からの施策を立案していくということが大変大事なのではないかな、そんな気が改めていたしたわけでございます。  御承知のとおり、選挙という洗礼を受ける身になってみますと、そうした本来の姿勢を堅持できるかどうかということにつきまして自分自身いささかぐらつくところが時に出てまいりますけれども、少なくとも行政の衝にある者、公務員という立場で働いておられる方々はしっかりしたスタンスというものを常に維持していただきたいものだなというふうなことを改めて思いましたので、一言感想的に申し上げさせていただいた次第でございます。  さて、きょうは厚生委員会の一般質問ということでございますが、さまざまな現在的な問題につきましては同僚議員からの質問等があると思いますので、私は少し個別の余り取り上げられないテーマにつきまして二つほど取り上げてみたいと思うわけでございます。  一つは、失語症という病気がございます。病気といいますよりも、いろんな原因があると思いますけれども、言葉が結果的に話せなくなる。そうしたときに、その後のコミュニケーションに障害が出まして、生理的な病気という域を超えて生活そのものの再構築ということが非常にできにくくなっている方々が大変多くなっております。特に、御存じのとおり、さまざまな脳血管障害等によりましてそうした言語的な障害を残す方が非常にふえていますので、そうした方々のリハビリテーションということにつきまして取り上げてみたいと思うわけでございます。  まず最初に、簡単に御説明いただきたいんですが、いわゆる失語症というのはどういう御病気で、どういった原因といいましょうか疾患から結果的にそういった失語症という状況になるのかということにつきまして御説明いただければと思います。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 今、先生お触れになりましたように、主として失語症の状態を引き起こす疾患としては脳卒中あるいは頭の外傷、脳の腫瘍などがあると承知をしております。こういったような基礎疾患によりまして大脳、脳の中の言語領域をつかさどる連絡部分が障害をされ、結果的に言葉の表現あるいは理解が困難になった状況をいうというふうに承知をしております。  その結果、脳卒中の患者などにおきましては、四肢の麻痺、足の麻痺などと同様、非常に重要な症状でありまして、療養の際の生活にも大変大きな影響を与えるというふうに考えております。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 じゃ、その失語症というふうな結果になっておる患者さんの数といいましょうか、これがどんな状況か。しかも、推移といいましょうか、十年、二十年前と比べて現在はどうだろうか、これからはどんな見込みなのか、こんなことについて何がしかのデータがありましたら御説明ください。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 失語症そのものは専門家によりますと幾つかの分類があるようでございますが、それにあわせて障害の程度がさまざまであるというようなことから、そういう状況にある患者数をはっきりと把握することはなかなか難しいわけでございますが、一応患者数の推計の方法としては、専門家の御意見も踏まえますと、脳卒中の患者数の大体二〇%から二五%ぐらいいるのではないかということでございます。平成五年十月の厚生省が行った患者調査によりますと、脳卒中患者数が約百四十一万人ということでございますから、程度はさまざまでございますが、約三十万人ぐらいの失語症の状況の方がおられるのではないかというふうに考えております。  一方、全国失語症友の会連合会というのがございますが、この連合会の調査によりますと、平成五年一年間に新たに治療機関で治療を開始した方が約三万二千人ということでございまして、脳卒中の患者数そのものは年々ふえてきておりますので、こういったようなことからこういった失語症の症状を持った方が今後ふえてくるのではないかというふうに予想されます。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 現在三十万人ぐらいの方々が失語症という状態であろうという推計だということと、それから毎年三万人ぐらい新しくそうした状態になるというふうな御説明でございます。  いわゆる成人病といいましょうか、脳血管障害というふうなことからくる一つの後遺症ということでございましょうから、これからもむしろ多くなっていくのではないかというように想定されるわけでございまして、その方々のリハビリテーションということになりますと、まさに言語というものは生活の中での一番基本的なコミュニケーションの手段でございますので、それが極めて不十分になる、あるいは全く使えなくなるということは大変な障害になってくるわけでございます。  特に、同じ言葉の問題でも、小さいときからの言葉ということで例えば耳が聞こえないということからくる言語とコミュニケーションの障害があるわけでございますけれども、それとまた違いまして、私どもがそうした方々と接しておりますと、会社のそれなりの地位にありまして、四十ないし五十歳代のいわば働き盛りの方がそういった状態に陥りますと、どうしても今までの生活なりあるいは地位なり、あるいは人間的な位置づけみたいなものから障害が出ますと全くゼロから勇気を持って立ち上がるということがなかなかできないで苦しまれているケースが多々あるわけでございます。  例えば、人前に出るのは恥ずかしいとか、あるいは言ったらどういうふうに思われるんだろうかというふうな、直接的な言葉の障害に加えましてそうした心の持ち方というものがどうしても障害になっていまして、そこを乗り越えることによってリハビリテーションのスタートになるわけでございますけれども、乗り越えられずに大変苦労し、場合によってはさまざまな悲劇が生まれているというふうな状況を見聞きするわけでございます。  そうしたことで、先ほど政府委員の人からも話がありましたように、失語症友の会というものがつくられ、それなりに役目を果たしてきているわけでございますけれども、何せ失語症に対するリハビリテーションということにつきまして中心になって実施できる医療機関というものがまだまだ少のうございます。それと、失語症友の会といいましょうか、そうした団体づくり、交流の輪をつくってお互い支援し合っていきましょうというふうなことのグループもなかなか伸び悩んでいるといいましょうか、リハビリテーションを実施している熱心な医療機関と提携しながらやっているわけでございますけれども、それが少ないためになかなか思うように伸びないというふうな状況のようでございます。  それで、これから先が厚生省の施策としてぜひ取り上げていただきたいなと思う話になるわけでございますけれども、失語症の方のリハビリテーションを実行していくときに、その任に当たる中心的な役目を果たすものとしてスピーチセラピストというものが一つの職業分野としてあるわけでございますけれども、これからのいわばその資格制度というものにつきまして少し取り上げてみたいと思うわけでございます。  まず、スピーチセラピストというふうに言われる、STと言いますが、これはどういった分野の仕事をするのか、あるいは医療関係の職種として、諸外国を含めまして、どんな資格制度なのか、ちょっと御説明いただけませんでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) ST、言語聴覚療法士というような言い方をしておりますが、このSTの資格問題あるいは業務内容につきましては、なお関係者の間で幾つかの議論はございますが、昭和六十二年にこのST、言語聴覚療法士の資格法制化について厚生省において検討した際には、そのSTの業務といたしましては音声機能、言語機能または聴覚に障害のある者に対する発声訓練、構音訓練、言語訓練、嚥下訓練及び聴能訓練、もしくはこれらに必要な検査を行う者を言語聴覚療法士、いわゆるSTとしたらどうかというふうな意見としてその当時まとめられているところでございます。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 言語訓練といいましょうか、そういうことに厚生行政としても着目されたのは結構古いんじゃないかなと思います。私の記憶でも、二十年前ぐらいにさかのぼるわけでございますけれども、そのころからそうした分野についてのSTの養成といいましょうか、あるいは研修というものが始められたように思います。  いつごろからそうした養成・研修が始まって、今日ではそうした資格、公式の資格制度になっていませんのでつかまえにくいかもしれませんけれども、実質的に医療におけるスピーチセラピストの事実上の養成というものを実施している施設数等々について御説明いただけませんでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) このSTの養成についての経緯は、今、先生おっしゃいますように、かなり以前から始められておりまして、医療関係職種としてのSTの養成ということでは、古くは昭和四十六年に国立聴力言語障害センター附属聴能言語専門職員養成所というのが開設をされまして、そのときは四年制大学の卒業生を対象にいたしまして一年間の専門教育、これは定員が二十名でございましたが、これが始まっております。その後、昭和五十九年に民間の専門学校によります高卒後三年の専門教育というのが開始をされております。  なお、昭和六十三年にはこのSTの行います言語療法と関係の深い学会あるいは団体で構成されます医療言語聴覚士資格制度推進協議会というのが発足をいたしまして、この協議会によります医療言語聴覚士養成施設認定制度というのがスタートをされました。現在、この認定制度に基づきまして十五校、十七課程、定員五百名の養成が行われております。  なお、この養成の内容につきましては、医学系の科目あるいは心理、言語系の科目の講義及び実習というものが含まれておりまして、先ほど申しましたように四年制大学のところもあれば高卒後三年の専門課程のところもあるということでございまして、現在この協議会によりますデータによりますと、医療に従事する言語聴覚療法士、いわゆるSTは約二千名、このうちこの協議会が認定した方は約千四百名というふうになっているところでございます。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 今御説明いただきましたように、事実上の養成施設が結構できてきておりまして、主に医療関係の施設、病院でもう実質的にその職員として働いておられる方々が相当数出てきているわけでございますが、必然的にこの方々は法律上はいわば無資格でございます。病院の中におけるある業務をこなすことにつきましての法律的な整理というものはまだ何もできていない状況の中で仕事をしておるわけでございます。いわゆる資格制度ということになりますと、その業務に当たる方々の例えば業務の安定を図るとか、あるいは後でちょっとお聞きしますけれども診療報酬上の評価につなげてもっとお金を多くいただくとかいうことにもなるわけでございますけれども、それはちょっと置いておきまして、まず医療行為というものとの関連を少し考えてみなきゃいかぬのじゃないかなと思うわけでございます。  もともと医師免許を初めといたしまして、医療関係の職種につきましてたくさんの資格法ができていますけれども、なぜそうした資格法をつくるのかなということからしますと、その業務に当たる方々の資格の保護ではむしろなくて、本来医療行為というのは、国民の受ける立場から見ても一定の方々に限定しないといい行為が行われないおそれが強いので、一定の方々に対してのみいわゆる一般の禁止行為を免許という形で解除すると、こんなふうな仕掛けをつくっているわけでございます。  そうしますと、そうする以上は新しい分野、スピーチセラピストというものは四、五十年前は余り想定されていなかったんじゃないかと思いますけれども、そのときにできた資格制度の中でどういうふうにそれをきちっと整理しなきゃいかぬかというのはやはり行政的にも整理をしていかなきゃならぬ責任があるのではないかな、こんなふうに思うわけです。  STの業務につきましても、先ほど局長さんから御説明いただきましたように、発声訓練それから構音障害に対する訓練とか嚥下訓練とかということになりますと、やはり医療行為ということとの関連抜きにして説明できないだろうというような感じがしますけれども、STの現在展開されておる業務の内容と医療行為との関係、法律的な整理というものにつきまして簡単に御説明いただけませんでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 先ほどちょっと申し上げましたように、昭和六十二年に厚生省がSTの身分法の法制化ということについて検討いたしました。その際の議論におきましては、この言語聴覚療法士の業務というものは、既に法制化をされておりますOT、理学療法士あるいは作業療法士のように、いわゆる医行為、診療の補助行為を含むものとして位置づけられております。先ほど触れましたSTの方のやられるすべての業務が医行為ということではございませんが、この業務の中には医行為というものが含まれるだろうということで、STの身分法の制定に当たってはそういう観点からの検討が必要であるということで整理をされております。  ただ、結論から申しますと、現在のところまだそこのところについての関係者の合意が得られていないということでございますけれども、先ほど来お話のございますように、医学的なリハビリテーションの重要な部分として速やかにこの問題について対応していくということが必要な課題だということは認識をしております。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 同時に、今STのさまざまな仕事につきまして、病院で実際行われているわけでございますけれども、これにつきまして診療報酬上の評価ということについてお尋ねしたいのでございますが、事実上のSTの方々の御主張としては、資格制度がはっきりしないのでしっかりした評価をいただいていない、いただけないんだということをよく聞きます。  診療報酬上の評価がどうなっておるのか。特に類似のといいましょうか、他のリハビリテーション職種でございますOT、PTなんかの業務と比べてどうなっておるのか。と同時に、そうした評価になっておることにつきまして、関係の方々が指摘するように資格制度の有無というのが影響しているのかどうなのか、その辺につきましてちょっと御説明願いたいと思います。

岡光序治厚生省保険局長

○政府委員(岡光序治君) 現行の診療報酬上の評価でございますが、言語療法につきましては、今お話がありましたような失語症であるとかあるいは構音障害の患者さんに対しまして訓練を行った場合に、一対一でやるような複雑なものと、それから一人の従事者が複数の患者に対して行うものと二様に分けております。複雑なものにつきましては患者一人につきまして百八十点、それから簡早なものにつきましては患者一人につきまして百一十点という評価になっております。  比較してどうだろうかということでございますか、いわゆる理学療法士が行う理学療法、それから作業療法士が行う作業療法、これにつきましては、御承知のとおり、従事者数、それから使う施設の広さ、あるいは関連してお医者さんが一緒にやるかどうか、かつまた道具はどんなものを使うかというようなことで実は理学療法の場合には大きく四区分に分かれておりますし、作業療法の場合には二区分に分かれております。  それで、比較上、理学療法の二区分目、施設の基準としましては百平米以上、PT一名以上、それから医師が専任で一名以上、それからマットなどのいろんな用具を使う、こういうケースでございますが、こういったものにつきましては、複雑なものにつきましては患者一人について四百八十点、簡単なものにつきましては患者一人につき百五十五点、こういう格好になっております。  それで、この言語療法の場合まだまだ、今お話がありましたように、いろいろその業務内容であるとかあるいは資格問題がありましてなかなか横並びで比較できるというふうに考えられないわけでございますが、私どもそういった御議論を大いに進めていただきまして、特に高齢化が進展する中で脳卒中などによる失語症がふえてまいると思いますので、ますますこの言語療法は重要だというふうに認識しています。  そういう意味で、現在の評価につきましてもいろいろまた、それこそ再評価が要るんだろうと思っておりますが、ただいまいろいろ御議論がありましたような資格化を含めたそういう議論が深まる中で、私ども診療報酬上の対応につきましても関係の審議会で御議論いただくなどして適切に対処したいと考えております。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 STの業務及びこれからの資格ということにつきまして二、三御質問をしてまいったわけでございますけれども、最後にこの問題につきまして大臣にちょっとお尋ね申し上げたいと思うわけでございます。  お聞きいただいたとおり、STの問題は失語症の発症状況等から見まして、先ほど保険局長さんからお話がございましたように、これから非常に重要なポイントになってくる、特にさまざまな障害の中でコミュニケーションの障害というものが世の中が進めば進むほど着目されることになるだろうと思いますし、大きな社会生活上の問題になってまいりますので、これに対するアプローチを中心にやれる職種でございますSTにつきまして、大いに質の向上なり人数をふやすということをやっていかなきゃいかぬ。  同時に、行政の責任として、医療行為ということを含むものである以上、これにつきましてやはり法律的なそれぞれの時代の進歩に応じて整理をきちっとして、いやしくも業務内容と法律的な資格制度の間にずれがある、うっかりすると法律違反が出るということはやはり放置されるべき問題ではないのではないかというふうな気がしますので、そうした両面からこのSTに関する資格制度というものは早急に結論を得ていただきたいというふうに思うわけでございます。  実は、私もかつて厚生省におりましたときに、もう十数年前でございますけれども、この問題につきまして一回チャレンジしたことがあるわけでございますけれども、なかなかうまく成功しませんで今日に至っておるわけでございます。  非常にいろんな意味で時代の先取りといいましょうか、積極的に行政の展開をされておられます菅大臣、ひとつこの辺につきましての大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) この失語症という問題につきましては、実は私も、亡くなった父が二年ぐらい失語症にかかって亡くなったことがありまして、なかなか大変だなというのは実感をいたしました。そういった意味で、今いろいろ阿部委員の方からこの問題の重要性を御指摘いただきまして、本当にこれからのより大きな重要な仕事だなということを再認識いたしました。  医療が高度化、専門化して、リハビリテーションの考えが広く国民の中に定着をしてきている中で、多様な国民のニーズにこたえて質の高い医療を提供するマンパワーを確保する必要があるということは、おっしゃるとおりだと思っております。  厚生省はこうした考え方に立ってこれまでも医療の関係職種の資格制度の整備を図ってきたところであるわけですが、この言語聴覚療法士、STの資格制度については、阿部さん御自身が今おっしゃったように、いろいろな過去の経緯があるようですし、医療行為あるいは医療という範瞬でないサイドの問題もあるようですけれども、ぜひこうしたいろんな関係者の合意を得た上で質の高い医療の充実という観点からこの資格制度の整備を図っていく、いろいろまだ問題点が残っているようですが、今おっしゃったような方向でぜひ努力をし、実現のために向かって努力をしていきたい、このように考えております。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 ありがとうございました。  あえて申し上げますと、大臣のお言葉としても関係者の合意というふうな表現があったわけでございますけれども、資格制度といいますのはえてして利害の調整のような形で取り上げられるケースが多いわけでございます。このSTの問題につきましては、特に医療関係の資格というのは、一般のいわゆる士法がどうだとかいうふうな議論がよく出てくるわけでございますけれども、それと違ったものを持つということをぜひ御理解いただきたい。いわばある種の違法状態ができているということも言えるわけでございますので、この辺は医療としてどうするのかということにつきましてのしっかりした腹構えを持って御対処をいただきたいものだなということをあえて一言申し上げさせていただきます。  それでは次に、別の質問に移らせていただきます。  いわゆるごみ処理の問題でございますが、ごみ処理の問題の中で特にこれから先のごみの減量とリサイクルということにつきまして、わずかな時間しかありませんので、総論の総論的な意味で少し取り上げてみたいと思うわけでございます。  まず最初に、簡単で結構ですが、一般的にごみの排出量といいますのは、現在と十年ほど前と比べてふえているのか減っているのか。まずふえているんだと思いますけれども、どれくらいふえているのか。これは総量と一人当たりというものでちょっと比較してみていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

小林秀資厚生省生活衛生局長

○政府委員(小林秀資君) 直近のデータであります平成四年度における我が国のごみの年間排出量は五千二十万トンでございまして、その十五年前の昭和五十二年の年間排出量四千百五十三万トンと比べて八百六十七万トン、二一%の増加となっております。  また、平成四年度における我が国の一人一日当たりのごみの排出量は千百四グラムでございまして、その十五年前の昭和五十二年度の一人一日当たりの排出量九百九十九グラムに比べまして百五グラム、一一%の増加となっておるところでございます。  ただ、年次的にちょっと追ってみますと、ごみの年間排出量の総量でいきますと、平成三年度をピークに四年度は若干下がりました。一人当たりの方も平成二年度をピークにして最近若干下がりました。これは、リサイクルに対する考え方と国民の皆さん方の認識、それからもう一つは景気の後退に伴うものではないか、こんなふうに考えておるところであります。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 それでは、これからの見通しでございますが、なかなか難しいのだろうと思いますけれども、少なくとも今度法律改正を出されようとしておりますこれからの整備計画の中でごみの総量、それの見通しをそれなりに前提にした上で立てておられるのだろうと思うのでございますけれども、それではどうなっているのか御説明いただきたいと思います。

小林秀資厚生省生活衛生局長

○政府委員(小林秀資君) 第八次五カ年計画におきましては、国民の生活環境保全に関する意識の向上を図り、ごみの排出抑制や集団回収を推進することによりまして、国民一人当たりのごみの排出量を年〇・五%の伸びにとどめるよう計画をいたしております。  さらに、容器包装リサイクル法が平成十二年度には完全実施されることなどによりまして、ごみの排出抑制が進めばごみの発生量は将来的には減少する方向に向かうのではないかということも考えられる、こんなふうに思っています。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 将来的には進むのではないかということは少し弱いのかなというか、もっと意識的にどうするのかというふうなスタンスを持っていただけないだろうかなという感じはしますけれども、そのための手段といいましょうか方法としてあと少し議論してみたいと思います。  それに入ります前に、現在の法律上、ごみの処理というのはだれが、あるいはどういう費用負担で行うということになっているのかということ、同時にこれから先、減量化とかリサイクルとかいうことを進めようというふうにされておるわけでございますけれども、そのための法的な整理といいましょうか、これはどんなふうにここ数年手だてを講じてきたのか、簡単に御説明いただきたいと思います。

小林秀資厚生省生活衛生局長

○政府委員(小林秀資君) ごみの処理に関する事業につきましては市町村の固有事務とされておるところでございます。ごみの減量化及びリサイクルを推進するために、これまで市町村の分別収集の推進やリサイクル関連施設の整備を推進してきたところでございますが、平成三年十月に廃棄物処理法を改正いたしまして、これから申し上げるような次の項目を規定したところであります。  一つは、法律の目的として、廃棄物の排出の抑制と分別、再生という概念を明確にしたこと。二つ目に、国民及び事業者の責務として、廃棄物の減量化などの施策に協力をすることということを規定しております。三つ目に、多量の一般廃棄物を排出する事業者に対し、市町村が減量化計画の作成等を指示することができることとしたこと。四つ目に、市町村が廃棄物減量等推進審議会及び廃棄物減量等推進員を設置し、その取り組みを強化できることとしたことというのを平成三年の廃棄物処理法の改正の際に行ったところでございます。  また、ごみの中で占める割合の高い容器包装廃棄物の減量化、リサイクルを進めるために、平成七年六月に容器包装リサイクル法を先生方の御協力で制定させていただいたところでございますが、平成九年度からは市町村が分別収集した容器包装廃棄物につきまして事業者の責任で再商品化が行われるように法を定めていただいたところでございます。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 もう余り時間もありませんので、結論的なところに入ろうかと思います。  ごみの処理といいますのは、私の理解しているところですと、当初は市民の道路なりあるいは周りの部分をきれいにするんだというふうなことでかなり簡単なこととして市町村が無料でやる、無料か有料かというのは市町村もそもそも共同でみんなで力を合わせてやるんだということでスタートしたのかなというふうに思いますけれども、どうもこれから先を考えますと、特に減量あるいはリサイクルということを考えますと、私はそうした原則のままではうまくいかないのではないかということ。それからもう一つは、やはり先ほど局長さんの御説明でも、減量とか再生、分別につきまして市民あるいは住民として協力をする、こんなふうな表現が法律上盛り込まれたということでございますけれども、これから先本気になって減量なりリサイクルに取り組むならば、絶対そうする必要があると思うのでございますが、そうしたいわゆるモラルの問題あるいは協力要請というふうな問題ではなかなか迫力ある仕組みにはならないんじゃないかというような気がしてしようがないわけでございます。  したがいまして、将来的には、将来的というよりぜひそこに経済的なシステムとしての仕組みというものを導入して全体を合理的に、コストを下げ、ごみの量を減らすというふうなことをやっていく必要があるのではないかな、こんなふうに考えているわけでございます。  そういう意味で、いわゆる手数料というのを各市町村で取っているところと取っていないところ、それも意味のある手数料かあるいは多少名目的なのかさまざまでございますけれども、手数料を組み入れている市町村の状況、一番典型的にかなりの程度入れている市町村とそうでない市町村の例、それから全体的にどれくらいの市町村が有料になっているのか、手数料を取っているのか、その辺について簡単に御説明ください。

小林秀資厚生省生活衛生局長

○政府委員(小林秀資君) 廃棄物処理法においては、ごみの処理の手数料について条例で定めるところにより徴収することができると規定されているものでございます。  平成四年度に実施した実態調査によりますと、一般ごみについて何らかの有料化を実施している市町村は全体の三五%に当たります千百三十四市町村で行われております。住民に費用負担を求める方法も負担のレベルも地域の実情によって異なっておりまして、いろいろございます。この平成四年度の調査で、細かくまだ分析ができておりませんけれども、手数料を徴収したのがごみにかかる経費の約三〇%ぐらいになっている市町村もあったということでございます。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 市町村のやる仕事としてさまざまな仕事があるわけでございますけれども、ごみ処理というものと、例えば同じ厚生省で、しかも同じ部でやっておられる仕事として水道があるわけでございますけれども、水道は基本的にはコストは水を使う市民が払うというのが原則かなというふうに思いますけれども、ごみについてはその辺どうなんでございましょうか。  また、それがもし仮にそういう原則に立っていないとするならばなぜなのか。同じ基本的な生活を営む上で当然出てくる一番基礎的な生活のニーズだと思うのですけれども、これは水道というのとごみというのと違うとするならばなぜなのか、その辺どうでしょうか。

小林秀資厚生省生活衛生局長

○政府委員(小林秀資君) 住民の一人一人にごみ処理に大変なコストがかかるということを意識してもらいますことはごみの減量化に資するものであるというふうに認識をいたしておりまして、そのような観点からごみの排出抑制や減量化を進める上でごみ処理の有料化は有効な方策の一つとは考えておるところでございます。  一方、ごみ処理は、先ほど先生がおっしゃいましたように、住民の生活環境の保全をするために長らく市町村が行う事業として定着しているものでございまして、そういう観点から住民に求める負担額が多ければ多いほどいいということはどうかなと、このように考えておるわけでございます。  住民に費用負担を求める場合の方法やそのレベルについては、それぞれの市町村が有料化による減量化、リサイクルの効果の程度、地域住民の理解、手数料に反映させる事業費の範囲等を勘案して判断するのが適当ではないか、このように今のところ思っております。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 私の意見を申し上げて、最後に大臣の御感想をお聞きして質問を終わりたいと思うんですが、私は手数料というのは市民の負担というふうに考えることで果たしてすべてなのかどうなのかということを考えます。私のいただいた資料の中でも、北海道の伊達市とかあるいはほかの市でも手数料を組み込むことによってごみの三〇%から五〇%の減量化に成功しているところがあるわけでございます。  一方で、今たくさんのお金を使い、しかも補助金もなかなか十分出せないままにごみ焼却施設の増設等々が行われているということを考えますと、この問題というのは市民に負担してもらうというふうな発想なのかどうなのか。もう少しお金の仕組みを中に入れ込むことによって全体的にコストが削減できる。ということは、結局それが全体の市民の幸せなんだろうと。最初に質問に入る前に一言申し上げたのはそういうことでもあるわけでございますけれども、個別の人たちの利害というものを超えた全体の利益といいましょうか、幸せというものをやはり念頭に置いて、どういう仕組みを考えたらいいのか。お金がないからひとつ負担してくださいよというふうな姿勢とはちょっと違ったものがそこにあるべきなのではないかな、こんなふうな気がするわけでございます。したがって、ごみの減量化、リサイクルということをこれから本気になってやっていかなきゃいかぬとなるならば、将来的には有料といいましょうか、お金を中に入れ込むことは一つの有力なシステムなのではないかな、こんなふうに思うわけでございます。  したがって、市民に対しましても従来のモラルとしての要請から一歩踏み込んで、特に一般ごみは市民自身が排出するものでございますので、お互いの調整をして低コストになるような状況をつくり出すという意味で積極的にお金のシステムというものを中に組み込むことを考えていただきたいものだなというふうに思いますけれども、最後に大臣の御感想をお聞きして私の質問を終わります。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) 今おっしゃった問題というのは、非常に私にとっても重要な視点だと思っております。  ちょっと古い話になりますが、私が最初にこの国会に出たときにフェニックス法案というのがちょうど議論されておりまして、東京湾と大阪湾に大きなごみの埋め立ての島をつくるということで、まだ当時はリサイクルという言葉も余り使われない、アルミの缶のリサイクル程度にしか使われていなかった状況でしたけれども、その後非常にこの問題が行政の大きな仕事として今日に至っていると。  そういう中で、今、阿部委員もおっしゃったように、費用負担という問題は単に負担と考えるだけではなくて、ある意味ではリサイクルなりごみの減量化の動機づけに大きな役目があるのではないか、私もそういう可能性は基本的には同感であります。  その場合に、いろいろな仕組みが考えられると思うんです。デポジットの問題とかあるいは昨年成立した容器包装リサイクル促進法もよく見ていると、特定業者の皆さんに分別した後の再利用の義務を課すことによって、逆に言えばコストがかかることで逆にごみになりにくい、あるいは回収しやすい、あるいは再利用しやすい材質にかえていくというようなことの大きな動機づけになるような仕組みになっているのではないか。あるいは今おっしゃったように直接ごみを排出する一人一人の国民の段階で、場合によったら袋にお金を取るといったような形でもそういうことになり得るのではないか、こんなふうに共通の考えを私も感じております。  ただ同時に、そういう仕組みをつくる上では当然ながら、例えば直接であれば個々の住民の皆さんは税金も同時に払っておられるわけですから、あるいは業者の皆さんもまた税金を払っておられるわけですから、そういう皆さんにある意味では理解をいただいた上で仕組みをつくらなきゃいけないわけですので、そういった意味では住民の皆さんに対してこれは単なる負担ではないんだと、ある意味ではそういう意味もあるんだというような理解をいただくことも含めて、やはり市町村にそういった判断をゆだねているということだと理解しております。ただ、単にゆだねるというよりは、できればもう少し、おっしゃるとおり国としてもといいましょうか、方向としてはそういう問題を含めて検討してほしいというような程度は自治体の皆さんにも申し上げていいのではないか、そんなふうに考えております。

阿部正俊自由民主党・自由国民会議

○阿部正俊君 終わります。

中島眞人自由民主党・自由国民会議

○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。  大変国会で住専問題等の論議がなされておりますけれども、もし住専がなかったとしたら、私は今国会の中心は厚生省であろうと思うくらい幾多の問題が提起をされておるわけであります。  その中で、私、実は大臣に厚生行政に対する基本姿勢からまずお伺いをしたい。  数日前の新聞の政治漫画にこんな掃きだめのツルが描かれておりました。厚生官僚や歴代の厚生大臣がのらりくらりと責任を認めようとしなかったエイズ問題が、菅厚相が家族に謝罪をした、見つかりませんと答弁を繰り返した内部資料が大臣のツルの一声でまるで魔法のようにたちまち見つかった。率直に言って、この言葉は大変痛烈な批判ではあるけれども、このことによって政治が大変失墜をしていることについて私は大変遺憾だと思うんです。  例えば、エイズ問題については同僚の長峯先生がこの後専門的にやりますけれども、ともかく森井前厚生大臣のときにはエイズの和解に対する積極的な姿勢、被爆者援護法の問題あるいは水俣病の問題等々、新しい一つの政治の枠組みの中で努力が重ねられてきた。  ところが、エイズ問題のこの問題が出た途端に、まさに掃きだめのツルだという形になってしまって、厚生省の努力をしてまいった役人の皆さん、同時にそれに基づいて地方自治体等の中で民生、衛生等に御努力をいただいている皆さん方にとってみると、何とかして勇気づけをしてやらないと、多事多難、たくさんの問題を抱えている国家課題に対して何か意気消沈してしまったのでは困るのではないのか、こんな思いが実は私も地方議会をやってきた一人として痛烈に感じているわけであります。  そういう中で、大臣から所見をお聞かせいただきたいと思うんですけれども、例えばこれから法条を提出してくるであろうと言われている公的介護保険であります。調べてみますと、平成六年二月三日に細川総理が国民福祉税を真夜中に発表いたしました。そして、六年二月五日に撤回した。ところが、平成六年三月、厚生大臣の私的懇談会、高齢社会福祉ビジョン懇談会は二十一世紀福祉ビションにおいて新介護システムの構築を提言しているんですね。  こういう問題から考えていくと、私は行政というものはやっぱり継続しているのだなと。国民福祉税というものがなくなったことにかわる高齢化対策として、これは私は行政の継続性の中でこういう提案がなされてきているんだなと。二月にこれを引っ込めた途端に三月にはこの問題に取り組みをしてくださいということを出してくる。やっぱり厚生行政の継続性の中から生まれてくる必然性、停滞を許されない行政の継続性の一つのあらわれだなと、こんな感じを持っておるわけであります。  そういう中で、率直に言ってあのときの国民福祉税七%は何に使ってどういうふうに使われていくのかということはわかりませんでした。しかし、そのことの反省の中から出てきたものだとすれば、今回の介護保険というのはサービスあるいはあり方の問題等々について明確に論議がなされているという点を勘案してみれば、やはりこれまた行政が常に壁にぶち当たりながらもそれを一つ一つクリアしていく、こういう一つの継続性のあらわれだというふうに私は思うんです。  さてそこで、大臣、過般エイズ患者の皆さん方に厚生大臣が謝罪をいたしました。これも私は、悪かったら謝る、これは大変すばらしいことですし、そのことは森井大臣のときにもそういう一つの姿勢というものがあらわれてきている。  そこで、大臣はエイズ問題に対して恒久対策を約束いたしました、薬害に対して。早速、今回薬事制度改正を提案してまいってきております。それには治験の充実強化、承認審査の充実強化、市販後対策の充実強化という、大変今回の反省点に立ってのチェックを強化してまいろうと、こういう形の中での薬事法の改正でございます。これも私はいいと思います。  しかし、大臣にお聞きしたい。  治験の充実強化をやるんです。承認審査の充実強化をやるんです。現在、このスタッフ、取り組んでいる人数は三十八人。来年度、平成九年四月一日施行に当たって定員十五人をふやす。しかし、聞いてみますと、新薬は品目にして年々二百前後が出ている。成分数で六十から七十ある。かつてはソリブジンの問題、あるいはエイズの問題等、薬害の問題がありますけれども、大臣、この強化をこの厚生省のスタッフ、マンパワーで対応できると思いますか、率直に言って。そういう問題を含めて、厚生行政の継続性、そして薬事行政等の問題、いち早く法案提案をしていただいたことについては評価をいたすんですけれども、これでできるのだろうかということを含めながら、まず大臣に御所見をお伺いいたしたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) 今、中島委員の方から基本的な問題、あるいは少し具体的に踏み込んだ問題、幾つか御質問いただきました。  まず、厚生行政に臨む基本的な姿勢についてということのお尋ねでありますが、私は政治というものがどういうことを基本的に考えなきゃいけないかということを時折考えるわけですが、私はいろんな要素があると思うんです。人間が幸福になるという要素はある意味では共通の部分もあるけれども、それぞれ個々ばらばらといいましょうか、それぞれの人によって違う部分もあるわけですが、逆に不幸になる要素というのはある意味では共通する要素が多いのではないだろうか。例えば病気になった、あるいは事故に遭った、あるいは貧困、いろんなことがあると思うわけです。そういう意味では、政治の一つの大きな目標というのは、不幸になる要素をできるだけ少なくしていく、不幸を最少化することが私は政治の大きな目的ではないかと、一般的にもそういうふうに従来から思ってきたところであります。  そういう意味では、この厚生行政というのはまさにそういう問題を最も広く受け持っている分野ではないだろうかと。国民の健康で安心できる生活を保障していく、そのことが最も厚生行政の基本でなければならないのではないか、こんなふうに考えております。  もちろん、具体的な問題としては、今おっしゃった高齢社会の介護の問題とか少子化の問題とかいろいろあるわけですけれども、そういったものを含めて取り組んでいきたいというふうに基本的な姿勢としては考えているところであります。  第二番目に、そういった中での継続性という問題についてお尋ねがありました。  私は、行政の継続性といいましょうか、そういう問題はテーマによってはおっしゃるとおり非常に重要だと思っております。特に、今お話をされた高齢化社会の問題は従来から多くの関係者が努力をされて、この数年間でも特にゴールドプラン、そしてさらには新ゴールドプランという形で制度的にも予算的にも努力をいただきましたし、今回の公的介護保険制度のあり方をめぐる議論もそうした延長上に置かれていると。そういう意味では、そういった皆さんの努力、関係者の努力の上でさらなる次の目標として位置づけられているという点で継続性といいましょうか、積み上げてきた皆さんにも敬意をあらわしたいと思いますし、継続性が重要だというふうにも思っております。  同時に、薬事法の改正についてもお触れになりましたが、ある意味では、これは厚生省の行政にかかわらず、今、日本の戦後五十年たった段階でいろいろな問題が行き詰まりを見せている。住専問題などもあるいはその一つかもしれませんけれども、そういう点では場合によっては思い切って変えなければいけない問題も幾つか生じているのではないかと思っているところです。  今回のエイズの問題、あるいはそれに関連しての薬事法の改正ですが、実は今回の薬事法の改正はソリブジンの問題などを契機に、少し前の段階から局長の私的諮問機関のような形で議論をいただいた中から、もちろんこのエイズ問題も若干念頭にはそれぞれの皆さんにはあったようですけれごも、そういう段階から準備をされて、今回法案として出させていただいているわけです。  そういう点では、今おっしゃったように、治験の問題、承認審査の問題など、まだまだ不十分な点がありますので、そういったものの強化ということを盛り込ませていただいているわけです。  これで十分かというふうにおっしゃいますと、これ自体、何といいましょうか、アメリカや他の国のようにもっと多くのスタッフの増員を図っていくという方向ももちろんさらに努力をしなければならないと思っておりますが、あるいはもう少しこの薬事の承認あるいは治験のあり方について、まだ具体的な案はできておりませんが、もう少し何かいろんなものをある段階では公開をする、ディスクロージャーをするという中で相互にいろいろな危険性とか安全性とかそういう問題については指摘をし合えるような、そういう仕組みというものもあるいは考えられるのかもしれない、そんなふうにも思っております。  これはちょっと余談になりますが、金融行政の場合もいろんな不祥事が起きますと、不祥事が起さるからもっと検査をしっかりさせなきゃいけないからそのための要員をふやせというふうになってきているわけですが、そういうやり方だけでは逆に矛盾が、必ずしも解決しないというようなことも最近指摘されているように、同じようにこの薬事行政についても行政をより強めてチェックするということも必要な部分もあると思いますが、同時にそれとは違った次元からの改革も必要ではないか、こういったこともぜひ御議論いただけれはというふうに思っております。

中島眞人自由民主党・自由国民会議

○中島眞人君 大臣の気持ちもわかるように私も努めます。  ただし、今おっしゃったように、厚生行政なんというのはやっぱり継続性ですよね。枠組みがしょっちゅうがらがら変わっちゃったら困るわけです。しかし、その中に起こってきた問題問題に対応していく手だてというのはやっぱり政治家・大臣、やっぱり厚生省の役人の皆さん方に叱吃激励をし、勇気を持ち自信を持たせていくというのが大臣の務めだろうと。  そこで、今、薬事法の改正をやっているけれども、ソリブジンの問題等があってエイズの問題はそんなに念頭になかったというけれども、大臣、エイズの問題で恒久対策をこの間お約束したばかりなんですから、せっかく薬事法の改正をやるんですから、エイズの問題もこの中に加味して国民の期待にこたえるくらいのことをやるべきではなかろうかと。私はこれがまた政治家・大臣としての役割だろうと思うんですよ。  そこで、治験の充実強化、承認審査の問題で、担当局長でいいですよ、アメリカでは大体どのくらいのスタッフでやっていますか。

荒賀泰太厚生省薬務局長

○政府委員(荒賀泰太君) アメリカと日本では若干この審査のシステムが違うわけでございますけれども、欧米諸国の審査体制につきましては、アメリカでは審査担当者が全体では千四百人ぐらいおるわけでございます。イギリスでは二百五十人、ドイツでは五百人程度ございますが、いずれも事務局を中心に審査が行われております。フランスでは審査事務局百五十人でございますが、外部の専門家を活用いたしまして約四百人の専門家を活用しておる、そういった審査方法をとっております。  これに比較して我が国におきましては、中央薬事審議会を活用するということで外部審査と申しますか、そういったシステムをとっておりまして、約五百五十人の薬事審議会の専門家を活用させていただきまして承認審査を実施しておるわけでございますが、厚生省あるいはその一部の仕事をやってもらっております医薬品機構、厚生省と医薬品機構を合わせまして審査の事務局体制は約五十人ということで、これは外部専門家を活用しておりますフランスと比べましても少ない状況でございます。

中島眞人自由民主党・自由国民会議

○中島眞人君 時間がありませんから申し上げますけれども、大臣、今おっしゃったように、日本の制度と欧米諸国の制度は違う。欧米諸国の制度と違うところに今日的な問題が起こってきているんじゃないですか。  一昨日の朝日新聞には、「非加熱製剤回収ずさん 厚生省 企業まかせに 製薬会社 回収中も出荷 医師危険を承知も」というタイトルがあります。専門的な内容はやりますけれども、現行の審議会あるいは企業や大学等々に任せている、任せざるを得ないスタッフしかいないという厚生省の実態というのは直視すべき点ではないんですか。  これはもう局長たちにしてみたら、いや努力していますと。役人が困りますなんということは国会の答弁でタブーですから言えないと思うんですけれども、大臣、思い切ってその辺の実感をおっしゃってくださいよ。国民が命の問題でどんどんやられているけれども、日本は、今、局長が言ったように、欧米諸国と違うんだと。  私が調べた内容では、アメリカでは治験、承認審査の段階では七百人、日本ではわずか三十八人。同時に、新薬が出ますね。新薬が出て市販後対策の充実強化、この充実強化で副作用報告、再審査、再評価。私もお役所からお聞きしましたけれども、平成六年の段階で一万三千五百件から一万四千件。平成七年はもっと増加するだろうと言われている。このチェックをするスタッフが何と十数名ですよ。これで大臣、恒久対策を約束できますか。  私は、抜本的に薬事法改正をするならこのスタッフ制度の、公務員の定数なんということにかかわらず、大臣、あなたなら言えると思うんです。大臣、どうですか、所見を伺わせてください。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) おっしゃるとおり、諸外国に比べて日本のこの薬事の審査に当たっている特に厚生省としてのスタッフがそういう比較でいえば非常に少ないというのは私も同じ感想です。そういった意味では、この問題、エイズの問題に限らず薬事の行政のあり方全般を考える中では、今回若干はお願いしておりますが、さらなる強化ということも必要だと思っております。  先ほど申し上げたのは、それが必要でないという意味ではなくて、さっき局長からもありましたが、日本の場合中央薬事審議会というところが中心になっていて、今いろいろな議論も、行政自体が直接審査をするやり方なのか、そういう外部を中心にした今のようなやり方がいいのか、いいとしてもその内部がこれで十分なのかという、そういう大きい枠組みのあり方の議論と、今のあり方の中でも充実が必要だという議論と二つあると思っておりますので、基本的には今の枠組みの中でももっと必要な充実はやるべきだろうと。これは今言われたように公務員の定数の問題などなかなか難しい問題もありますが、そういう方向性を十分議論した上で、必要なことは全力を挙げていきたいと思っております。

中島眞人自由民主党・自由国民会議

○中島眞人君 大臣、我々同僚にももっと勇気ある発言をしていただいて結構なんですよ。命を守るという点だったら公務員の定数なんか国民の同意をとれることなんですから、大臣は通なんですから、厚生省の役人の皆さんが掃きだめから自信を持って出てこれるように定数問題に、チェック体制に取り組むということ、これはもう大臣、歴史に残る大臣になると思いますよ。ぜひひとつ蛮勇を持ってお取り組みいただきたい。また機会を見て私は申し上げていきたいと思うんですよ。  この問題では時間をかけられれば厚生行政に対するもろもろについて大臣と意見交換をしたいと思うんですけれども、私の主たる公的介護保険の問題がございますのでこれについてはまた次に譲るとして、ともかく大臣、あなたの一挙手一投足を厚生省の役人の皆さん方は見ておる。やっぱり自信と勇気を持たせて、将来に国民の命を自信を持って守っていけるような、そういう厚生行政に携わっている職員に大きなひとつ灯台の灯になっていただきたいことを強く私は要望しておきます。  そこで、公的介護保険の問題であります。  細川内閣が国民福祉税を平成六年二月三日、白紙撤回が六年二月五日。しかし、役所は早速平成六年三月にこれでは困るという形で二十一世紀福祉ビジョンにおいて新介護システム構想を提言しているわけです。これはまさに行政の継続性だと思います。  しかし、今考えてみれば、はっきり言ってあの七%の国民福祉税よりはやっぱり時間をかけて介護保険制度の導入ということをいろいろな方々の意見を聞いてやってきたことは、ある面では行政として、あるいは政治家として私はよかったな、あのときに七%の国民福祉税が通ってしまわなくてよかったなと。あのときにもし通っておったとしたら全く医療と現行の制度というものがめちゃめちゃでどういうふうになっていったのかな、先に税が決まってしまうわけですから。よかったな、実はそんな思いをいたしているわけであります。  そこで、きょうの新聞によりますと、最終答申ということでありますけれども、大臣、あと一点だけお聞きします。  公的介護保険についての最終答申、そして今後のスケジュールについてはどんなお考えを、どんなスケジュールで推し進めていきたいと、大臣の率直な希望をお聞きしたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) 御承知のように、現在この問題は老人保健福祉審議会、老健審の方で中心になって議論をいただいておりまして、一月の末に中間報告をいただいて、現在、最終報告といいますか、そういうものが三月の上旬にもいただけるのではないか、このように考えております。  そういう報告をいただく中で、さらにそれがどこまで完全に一つの案ということになるのか、若干部分的には両論併記のようなものが残るのか、そういったことの状況にもよりますが、どちらにしてもその間いろいろな関係者の皆さんとの意見交換をしながら、できれば三月中に取りまとめをしていきたい。そして、法案の形がだんだん見えた段階では、もちろん与党の皆さんとは事前に十分議論をしながら、四月の段階で老健審、さらには社会保障制度審議会へその法案を再度諮問させていただいて、そしてそこからの答申をいただいて、もちろん与党の皆さんのいろいろな議論や手続も経て閣議決定を経て、できれば四月中、連休前までに国会に出すということを一つの念頭に置いて現在全力を挙げているところです。

中島眞人自由民主党・自由国民会議

○中島眞人君 そこで、具体的な問題は私ども党の政調、社会部会、同時に参議院の中にも石井先生がキャップになりまして介護保険チームで検討会を、それには厚生省当局から羽毛田局長等々おいでをいただきましてかなりの意見交換をされておりますし、同僚の阿部先生はこれにかかわったということで至れり尽くせり私どもは御説明を聞いているわけです。私も地方の出身でございます。この保険者をだれにするかという問題で、率直に言って市町村、国というふうな案が三つあるんですけれども、本音は市町村だということは明々白々でございます。  そういう中で、市町村を保険者にした場合に問題が私はあると思うんです。現在の国保会計、国保状況を見ましても、七倍差がある。全国各地をずっと見てみましても、医療設備というのは過疎、高齢化——過疎に高齢化はっきものでありますが、そういうところにも診療所はある。そして、広域圏の中でそれぞれ公立の病院等が建設をされて、医療設備面等々については一応平均化が図られてきたし、平均化をするために離島対策とかいろんな形の中でやってきたことは、厚生省並びに地方自治体の国民の命を守るという点で御努力をいただいている。にもかかわわらず、かなりの格差がありますよね。保険料においても七倍差がある。  ところが、この場合市町村が一番心配をしているのは、介護に関する施設設備の格差が各市町村によってばらばらじゃないのかと。お金の点については、財政は第二国保にならないようにならないようにということの意見交換をしたら、一応基金として集めて、それを高齢化人口に応じて配分をしていくと。これは交付税方式でいいでしょうけれども、施設設備の条件と介護していくマンパワーというものをどういう形で確保したらいいのかというのは過疎、高齢化という条件でつながっている市町村においては非常に深刻な問題なんですね。  こういう問題に対して、保険者を市町村にしていったときにはどうなるのか、マンパワー、施設設備のいわゆるアップはどうしていくのか、これを非常に心配をしている。この辺についていかがでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○政府委員(羽毛田信吾君) お答えを申し上げます。  今お話しございましたように、老人保健福祉審議会におきまして保険者をどうするかという点につきましても一つの大きな論点として現在御審議をいただいておるところでございます。  その中に三つの案があって、その一つとして市町村保険者案にしたらどうなるかという案もございまして、そのことを前提にしてでのお尋ねでございましたので市町村を保険者とする案についての場合としてお答えをさせていただきます。  市町村を保険者とする案そのものはどういうよって立つ考え方かと申し上げれば、やはり老人の方々の介護の問題というのはすぐれて最も地域に身近な市町村のお仕事、サービス行政としてやっていく、そういう体制の中で一番よく展開をされる行政であるという基本的なところから出発をいたしまして、そういった保険福祉サービスを市町村単位で展開をしていただく、そのための保険制度もやはり市町村保険者という形で展開をするのがそういう意味では給付も財政もという形で一番スムーズな形ではないかということで、また地方分権の流れにもかなうのではないかというのがそのよって立つ考え方であります。    〔委員長退席、理事朝日俊弘君着席〕あくまでも三案の中の一つということでありますが、市町村を保険者とする案というのはいわばそういう考え方に立脚をいたしておるわけであります。  いずれの案をとるにいたしましても、今度の保険の場合には公費でありますとか、あるいは若年者の負担ということによりましてその保険者がみずから徴収をする部分、つまり財政リスクを負う部分というのは比較的小さい、そういう意味では医療保険とは違う形になっております。その点は先ほど先生御理解をいただいているというお話がございました。  さてそこで、今お話しのように、それにしてもそれぞれの市町村ごとにおけるサービスの整備の状況の違いあるいはマンパワーの違いというものについて、これがきちっとされないと保険がうまくいかないではないかという御指摘、そのとおりでございます。  これは、市町村単位で仕組むか、あるいはそのほかの単位で仕組むかにかかわらず、それぞれの地域ごとのそういったサービス水準の違いというものがいつまでもそのとおりあったならば全国民どこでも必要な介護サービスが受けられるという体制がきちっととれないという意味においては、ある意味からいうと保険者論を離れてやっぱりきちっとしなきゃならないことであるというふうに私どもも考えております。  そういう意味で、まずもって現在新ゴールドプランという形で基盤整備を進めておりますが、この新ゴールドプランが全国的に全体的な目標水準を達成するということと同時に、それぞれの地域ごとの格差というものができるだけなくなっていくようにやっていかなければならないというふうに私ども考えております。  正直申し上げて、そのときに非常に頭の痛いのが、一つはおっしゃるように過疎地域等においてやっぱりニーズが、まとまったロットという意味で小そうございますからどうしてもそこの部分は、また財政的にも市町村にとってきついというようなこともありまして、なかなかそこのところが一つ頭が痛いところ。それからもう一つは、東京等の大都市地域において土地問題等で施設を伴いますようなサービスについてはなかなかそこらが進みにくいというようなことで、そこが非常に私どもは頭の痛いところでございます。  現在の新ゴールドプランの推進に当たりまして、そういったところにつきましてのさまざまな工夫、過疎地につきましてはある程度小さな規模の施設でも認めていく、あるいは大都市においては土地対策というものをできるだけ地方団体で精力的にやっていただく、あるいはそういった都市における整備の場合には補助に加算をしていく等々の工夫をし、またそれぞれの地域ごとの意欲的なお取り組みにつきまして私どもとしても御相談を申し上げていくというような形で、まずはそういった整備そのもの、サービス水準そのものができるだけ整備をされていくように格差のない形になっていくような努力というのをさせていただきたいというふうに思っております。このことは大事な新ゴールドプランの課題だというふうに思っております。  それから、保険制度の仕組みの中における問題としまして、そのように新ゴールドプランを進めましても、直ちに全国どこでも同じようなサービス水準になっていくということについては、これはなかなか難しい問題がございます。  したがって、ここらの部分につきましては整備段階におけるそれぞれの保険料水準が、整備が余り進んでおらなければそれに見合った形で保険料も低いというような形の段階的な保険の仕掛けというものも考えなければなりませんでしょうし、あるいは全国的なサービス提供体制は一応こういう形でやるということにしましても、地域的なボランティア等を含む補完的な代替措置というようなこともそこに考えていくというような工夫、こういったことはこれから検討していかなければならない。    〔理事朝日俊弘君退席、委員長着席〕  したがいまして、全体的な格差のない整備水準ということを新ゴールドプランの中で心がけていくと同時に、保険の仕組みの中でもそういった水準の格差というものをある程度織り込みながら制度を設計していくというような形でこれから具体的に詰めていきたいと思います。

中島眞人自由民主党・自由国民会議

○中島眞人君 時間がないので、ひとつ簡潔に答弁をいただきたいと思います。  よくわかります。率直に言って、ゴールドプラン、新ゴールドプランというのは、.こういうメニューが出ましたよ、さあどんどん御利用いただきたいと思いますという国民の皆さん方への呼びかけですよね。今度の介護保険です。被保険者になる。権利ですよ。こういった場合に、今言ったように、市町村とか地域ごとに格差があるという形になってきたときに、これは保険者、被保険者という立場は大変やっぱり、今度は一つの要求ですから、こういう制度がありますからおいでください、来なさい、今度は御紹介しますというゴールドプラン、新ゴールドプランとおのずから性格が違いますわね。  そういうことの中で、実際保険者になっていく市町村長さん方は、例えば今の老人ホームへ入所の手続の措置といたしましては、老人ホームに入所したい、しかしあなたのところは条件が整わないからだめですよという形で措置決定を各市町村でしておりますよね。しかし、介護保険は皆保険ですから要介護認定を保険者としての市町村での判定は大変困難となるのではないか。また、市町村長さんが整備もできていないような中でサービスを受けさせてくれという形になってきたらどうするんだと、これは困ると。切実に過疎、高齢化の市町村、山梨県なんかでも六十四市町村ありますけれども、半分以上の市町村長さん方は大変だ、できないと、こう言っているんですよ。  そこで、市町村、国とありますけれども、県が広域的にいろいろな形の福祉行政を進めてきているわけです。山梨県では「幸住圏」というような形の中でお年寄りに長生きしてよかった、生まれてよかったというキャッチフレーズの中でいろいろな施策をやっている。もっと端的に言えば、福祉事務所がある、あるいは保健所がある、そういういろいろな制度がある。そして、要介護認定等についてもやっぱりそういうノウハウの中でやっていかないと、ドイツのように認定を求めたけれども三十数%は非認定だというような形になったときに、整備もできていないときに私にはその責任は負えませんよという市町村長さん方の悩みもあるんですよ。だから、この問題について私は一つの検討課題としてやっぱり次の勉強会なりあるいはこういう席上でも、一遍に出ようなんといったって無理ですよ、それは。  ひとつこういう形をとって、この過程の中では県にかかわってもらう、過渡的に県がかかわって県の持っているノウハウをこういう形の中で市町村のいわゆる均衡のために導入をしていくんだ、こういうこともやっぱりぼつぼつ、ぼつぼつというのは甲州弁でございますけれども、県の役割、知事の役割、そういうものもこの中へ位置づけていくような形をぜひお考えをいただきたい、こう思うんです。  そこで、全く違った発想からいきますと、国民年金は二十歳以上から加入するということですよね、制度が。しかし、六十五歳になると全員もらえるんですね、国民年金は。介護保険は六十五歳以上になりますと適用ですよ、こういうんですけれども、私どもの党ではもっと若い方にも適用してくれというけれども、全員もらいたくはありませんけれども、大体要介護者というのは保険をかけても、被保険者になっても一〇%から一五%でしょう、いわゆる将来介護を受ける方というのは。国民皆保険というけれども、実際にこの介護を受ける方は一五%ぐらい。  そこで、被保険者になる年齢ですけれども、今、二十歳案というのが先行しているようだけれども、私は二十歳案というのは少し、ドイツでは二十年間努めてきた、我が国では三年目ですよ、少なくとも二十歳代で四十五年後の老後を考えるということよりは、当初厚生省が考えていたように、四十歳代という案をもう一回見直しをしたらどうだろうか。大体、四十というのは不惑の年、成人病でも企業が人間ドッグを義務づける年代。これに対して福利厚生も企業がかなり投入する。同時に、四十代になってくると自分の親のことも非常に深刻になってくるという年代、介護というものの感じ方を非常に切実に我が身にも我が親にもかえてみて思う年代が私は四十代だと思うんです。そして、それに対して社会的な一つの配慮も、企業も社員に対して四十になったら人間ドッグは義務づけだと、福利厚生面でも四十代の成人病対策というものは十分に重点を置いているということで企業の理解も得られていくのではないだろうか。  こういう点で四十歳代の被保険者という問題について私はやっぱり考えてみるべきではないかと思うんだけれども、いかがでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○政府委員(羽毛田信吾君) 今、先生、四十歳からの保険にしてはどうかというお尋ねでございました。  今、老人保健福祉審議会に事務局試案という形でお示しをしておりますものにつきましては、基本的には六十五歳以上の高齢者を被保険者という形にいたしまして、若年世代につきましてはいわば世代間の連帯あるいは老親に対する扶養責任といったようなことを踏まえまして、いわば適切な負担を求めるという構成で構成をいたしております。  そこで、御指摘のように、介護の問題が身近に感じられるようになってくる世代という意味で四十歳代からもうこれはすべて被保険者即また受給者という形で構成をしたらどうかという御指摘でございますが、案としては私どもも考えられる案ではあると思います。  したがいまして、最終的な結論という意味で申し上げるわけではありませんが、この場合に幾つか検討課題が残ると思いますのは、一つはやはり四十歳代以降で構成をしますから当然そこは五割仮に公費を投入いたしたといたしましても保険料負担は相当の額になってくる、こういったことについて、特にこれは高齢者になるに従って急カーブで要介護の状態が上がりますから、そういう状態にならない若人の世代に理解が得られるかという問題が一つあります。  それから、四十歳代から六十四歳までの世代というのはある意味からいうとまだ活動年齢でございますから、仮にそういう要介護状態ということが起こったにしてもその後の社会参加の援助といったようなことについて、これはそれぞれ比較の問題でございますからもちろん六十五歳以上になってもそういうことが必要ではありますけれども、社会参加の援助等といったような施策のウエートが非常に高いということで高齢者介護、六十五歳以上の場合とちょっと様相が違ってくる、ここらのところをどう考えるか。  それからまた、保険に仕組むいわば制度論としまして言いますと、四十歳から六十四歳までのところのいわば特にサラリーマンの部分につきまして、地域保険という形で今全体を一つの保険で構成をしますというと、そこのあたりの保険料の徴収機構をどうするかというようなことについてなかなか難しいところがあろうと思います。  したがいまして、そういった課題を比較しながら、検討すべき課題はそれぞれの案についてそれぞれございますから、そういう意味ではこの案についてもそういったような問題がございます。したがって、ここらのところをどう考えるかということとあわせまして被保険者のあり方につきまして今のようなお話も含めてさらに御意見も伺いながらよりよい制度、いずれにしましても高齢者御自身も、そして若人世代もみんなが支え合う公的介護という姿に持っていかないとこの高齢社会これから乗り切れないんだろうというふうに思いますので、そういった考え方に立ってさらに検討させていただきたいと思います。

中島眞人自由民主党・自由国民会議

○中島眞人君 時間がございません。  そこで、非常に端的な質問を最後にいたしたいと思います。  結局、ゴールドプラン、新ゴールドプラン、このままでいったらスーパーゴールドプランあたりをつくらなければいわゆる高齢化社会に対応できないということはよくわかります。ですから、これを国民皆保険の中でやっていきたい。やっていく手法としては保険者をだれにするのか、被保険者は何歳からにするのかという問題は私が今いろんな角度から質問をしてきたわけです。  さて、一番各市町村が、自治体が苦慮しているこの介護保険を導入するということは、肥大化していく老人医療、それに伴う介護というものをこちらへ取り出してスリム化していくことでしょう。そのスリム化は何%くらいになるんですか。そして、そのことによって国保会計は健全運営という形になっていくのか。もっと端的に言えば、各市町村における国保会計の保険税といいますか、保険料は軽減されるのか。一番当事者になってくる市町村長さん方に国保会計にはこれ以上御迷惑かけませんよと、もっと端的に言えば国保会計の保険料は減るんですよ、だからこっちへひとつ御協力してくださいということくらいは厚生省は示すべきではないか。幾ら減るんだと。一般財源の中から出している金は、これは財政繰入金出してますよね、国保会計、これはなくなってまいりますよと。ですから、各自治体の財政も国保会計の占める率をスリム化していくことができるんですよと、こういうこともやっぱり試案として出さなければ、市町村長にとってみると不安でしょうがない。率直な気持ちを私は代弁しますよ。  それと、例えば国保会計の中にある老人保健法に基づく老人保健拠出金、山梨県の場合ですと平成六年度決算五百六十億のうち老人保健拠出金は百十億円出している。この老人保健拠出金というのはどういうふうに見直されていくのか、こういうデータも。やるのは市町村長だ、これいいんですよ。施設設備もやってください。しかし、こういう国保会計の二の舞にならないような、国保会計の問題点はどういうふうに克服されるのか、こういう問題点、今申し上げたようなものはどういうふうになっているのか、概略で結構ですからお示しください。と同時に、今後これは各市町村長にとってみれば最大の課題ですから、この問題は市町村長さん方が一番苦しんでいる問題ですから、局長に説明をいただいて、最後に大臣にその辺についての方針をお示しいただきたいと思います。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○政府委員(羽毛田信吾君) お尋ねの介護保険導入による国保会計への影響ということでございますが、数字的な問題につきましては目下対象となるサービスの範囲でございますとか費用負担の方式でございますとかそういったことを検討中でございますから今日ただいま幾らという姿でお示しすることはできませんが、いずれそういう形でのお示しをしなければならないというふうに思っておりますけれども、事柄として申し上げれば、先生今お話のございましたように、現在医療保険の中で見られております老人保健施設でございますとか、あるいはいわゆる療養型病床群という形で介護的要素のある部分が医療保険の中で見られております。その一環である国保の中でも当然見られております。そこの部分が介護保険に移ることによりまして国保自体としてはその部分は減ってくるということはそのとおりになってまいります。  それから、あわせまして今回の介護制度の一つの眼目は、もちろん利用者にとって介護サービスが円滑にいくような制度にということでありますが、同時に医療保険あるいは医療費を含めたそういった費用の全体の効率化という観点に立ってみますと、現在いわゆる社会的入院というような形で、病院のベッドでもう積極的な治療段階を超えて六カ月も一年もという形で御入院をなさっておられる実態がある。これも万やむを得ずそういう形になっているということで、本当ならばちゃんとした受け皿の方で特別養護老人ホームなりあるいは老人保健施設なりにお移りをいただけば、それは御本人にとってもいいことですし、それから費用の面でもコストが随分違いますから合理化をされてくる、そういう意味での費用の効率化を図るという要素もやっぱり入っております。  そういう意味からいきますと、今回の介護保険を導入することによりまして、直接的な移動に伴う減、そして全体的な医療費の効率化ということに資する部分、こういったことを通じまして医療保険、なかんずく国保会計にもそういったいい影響を与えていくものというふうに考えております。  さて、さらにそれを超えて、そもそも老人医療の問題を初めとして医療保険制度、特に国保制度については大変体質的に問題含みになっておるということで、今お話しのようなことがございました。これにつきましては、もちろんその一環として介護保険をつくることによる医療費全体の効率化ということも医療保険制度全体について好影響を与えるというふうに考えておりますが、さらにそれだけではなくて医療保険自体の問題として今後そういった構造改革をしなければならない。特に、国保につきましては、今お話のございましたように、産業構造等が変わることによりまして非常に無収入の方がふえる、あるいは年金だけでお暮らしになっている方がふえる、お年寄りがふえるという形で国保がどんどんそういう意味では体質的には弱くなっているという問題もございますから、これらにつきましては老人保健制度の改革、そしてその後医療保険制度全般の改革の中での国保改革というようなことが課題として残っておると思いますし、目下そういうことについてのこれから取り組みをしていくという段階に来ているわけであります。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) 私もいろいろな自治体の市長さんや町長さん、村長さんにお会いしますと、今、先生が言われたような面で大変心配をされていることを私も実感しております。一つは、先ほど言われたサービス供給の体制の問題、そしてもう一つは、やはり財政の中で特に国保のいろいろなこれまでの苦労がさらに大きくなるんじゃないかということでの心配が非常に強いということを痛感いたしております。  具体的なことは、今、局長の方からもありましたが、やはり今回の公的介護保険制度の導入が国民の皆さんに理解をいただけるかどうかという一つの大きな眼目は、先生もおっしゃったように、この制度を入れることが単に今までの制度の上乗せで入れるというのではなくて、今までの医療制度あるいは医療保険制度、あるいはこちらに社会福祉制度、措置制度という大きな二つの枠組みがあるものに、それらも含めたある意味での構造的な改革をして、サービスを受ける立場の人にとってもその状況に一番ふさわしいサービスが受けられる。つまりは介護サービスが中心なのに治療を中心に受けるところに今いるとか、逆の場合も一部あるかもしれませんが、そういうふうなミスマッチがない形で、効率という言い方を局長の方からはさせていただきましたけれども、決してこれは御承知のように単に減らすとかという意味じゃなくて、まさにサービスとニーズがよりマッチした形で結果においてより効率的になっていく。そういう意味では、私は福祉の構造改革というものを伴った公的介護保険制度の導入ということが国民の皆さんに理解していただけるような形になるかどうかが最大の眼目ではないか、このように考えております。  そういった点で、今、中島先生の方からいろいろと御指摘をいただいた問題、また具体的な問題は老健審やあるいはまさに国民的な議論の中でも詰めていただかなければいけないことがたくさんありますが、ぜひこの委員会あるいは与党のいろいろな場で大いに議論をいただいていい形をつくっていただけるよう、その点もお願いをいたしたいと思います。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 自民党の長峯基でございます。  初めて大臣に御質問申し上げますけれども、菅大臣が御就任なさいまして最近のエイズ問題に対する取り組みを見ておりまして、私は大変感激をいたしております。その勇気と決断に心からまず敬意を表したいと思います。今後とも積極的にお取り組みをいただきたい。  そこで、時間に制約もございますので、何点か大臣のお考えをお聞きしたいと思うのであります。  まず、一月二十三日にプロジェクトチームを設置なさいました。この調査項目は十一項目ほどでございますけれども、この中で一番大臣がお知りになりたかったこと、どういう理由でこのプロジェクトチームをおつくりになったか、そして一番関心をお寄せになったこと。また、二月九日に資料が発見されましたけれども、郡司元課長の資料でありますが、この資料が発見されたときの率直な御感想、この二点についてまずお伺いしたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) このエイズ調査プロジェクトは、御承知かと思いますが、今おっしゃったように一月二十三日に事務次官を責任者として省内につくらせていただきまして、一カ月をめどに今おっしゃった十一項目の問題について調査をしてほしいということでスタートをさせました。いろいろな議論が周辺でもあったわけですが、やはりまずは厚生省の中の責任としてきちんとこの問題をはっきりさせる必要があるのではないかということで、そうした省内の関係者と話をして合意を図ってスタートをさせたわけです。  一番知りたかったことというふうに御質問なんですが、つまりは私が知りたいという面もあるんですけれども、もともといろんなところからいろんな疑問がもう既に出されていたわけです。例えば一つ非常に大きな指摘は、和解に付された裁判所からの所見でもいろいろな指摘があって、それについて必ずしもそうだと言っていいのか、まだそうだと言えないのかはっきりしないというような問題もありましたし、あるいは報道機関などでもかなり従来からいろんな問題を指摘しておりました。あるいは国会議員の中で質問主意書という形で幾つかの指摘もありました。ですから、私としてはそういう国民の皆さん、あるいは議員の皆さんが疑問に思っておられるだろうということを項目として並べてみて、結果的にそういう議論の中でこの十一項目になったと。ですから、全体がわかる中で今回の一連の経緯の事実関係がわかってくるのではないだろうか、そんなふうに思っております。  そして、一月二十三日にスタートをいたしたわけですが、二月九日に従来見つからなかったという資料が見つかったという報告を受けました。私としては、一月二十三日に調査プロジェクトをつくったときに、一カ月間を一応めどにしてしっかりやってほしいと。調べる場合には、結果において見つかる場合あるいは見つからない場合があってもそれは仕方がないと、ないのであれば当然見つからないわけですから。ただ、だれにどういうふうに聞いてどこを調べてどうなったかという、調べること自体も、何といいましょうか、国民的に納得が得られる形で調べてほしいということもあわせて当初その調査プロジェクトの皆さんに申し上げていたわけです。そういった意味では、その皆さんがより徹底して調べていただいた結果そうした資料が発見されたんだ、そういうふうに受けとめております。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 大臣のお話はちょっと長いので少し短く、時間がございませんから。率直にお聞きしますので率直に御答弁をお願いしたいと思うんです。  政府委員に聞きますけれども、この資料は一月二十六日に見つかったんですね。そして、大臣の報告は二月九日。この事実関係は間違いありませんか。

荒賀泰太厚生省薬務局長

○政府委員(荒賀泰太君) 一月二十六日に発見をいたしまして、二月九日に大臣に御報告したところでございます。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 ここでも十五日間かかっているんですよね、大臣に報告するのに。ばかにした話だと思うんですよ。もちろん、資料がなかったとか見つからなかったとか、これも新聞等マスコミでも報道されておりますけれども、子供だましのような話でありますけれども、一月二十六日に見つかって、二月九日に大臣に報告した。十五日間、大臣に報告をしなかったということも私は非常に不思議に思うのでありますけれども、政府委員、どういうふうに解釈したらいいんでしょう。簡単にお願いします。

荒賀泰太厚生省薬務局長

○政府委員(荒賀泰太君) この調査プロジェクトチームが発足をしたのを受けまして、厚生省内の事務室及び書庫の調査を改めて徹底いたしたわけでございます。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 それはわかっているんだ。見つかってから。

荒賀泰太厚生省薬務局長

○政府委員(荒賀泰太君) それで、見つかりましたときにそのファイルが一体どういった性格のものか、つまり個人のファイルのようでもありますが、その個人の特定をしなければそのファイルの性格なりあるいは位置づけというものができませんので、そういったことについて調査をしておったところでございます。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 そういうのは理由にならないんですよ。内容がどうかというよりも、まず大臣に報告をする、こういうのがあったということを。それから内部を調査するというのが普通じゃないかと思うんです。そこに私はどうも体質というか、今回の問題について非常に反省すべき点があるということを指摘しておきたいと思います。  それから、資料が二十一日に公表になりました。  そこで、大臣にお伺いしますけれども、残り八冊あるわけであります。もうかなりの日にちがたっておりますけれども、この八冊についてはいつ公表されるのか。少なくとも大臣は、この八冊にどういうことがあるかということは、大まかについてはもう御存じだと思うのでありますが、発表にならないと何か見たくなるというのが、もっと大事なものがあるんじゃないか、もっと重要なものがあるんじゃないかと思うのが人情だと思うんです。そういう意味では、その内容についてもし差し支えないことがあったら、簡単でいいですけれども、御発表いただきたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) 先ほど申し上げましたように、一月二十三日から一カ月をめどにということで、中間的に見つかった資料の中で特に重要と思われるものについて二月二十一日に発表させていただいたと。  実は、できるだけ早くその他のものも発表したいと思っているわけですが、今その資料以外に、それぞれの関係者に質問をお願いして、その回答がほぼそろいまして、今その方の資料も実は八冊の資料よりもっと多いぐらい調査プロジェクトの方に集まってきて、それをまたいろいろ項目別に仕分けをしたり、そういう作業が進んでおります。私もそちらの報告も先週あるいは今週と受けているわけですけれども、そういった段階にありまして、できれば今週中にはそういう中で特にいろんな関係者の方から直接いただいた報告といいましょうか、そういうものを中心にして発表をさせていただきたいと。  ただ、八冊のものを含めてさらに新たないろいろな提出いただいた資料も一部ありますので、それらが同時に発表できるかという点ではやや作業が手間取っておりまして、そういう点では今週中に発表できるものよりもさらにいろいろなものが残ったものは少し後になるのではないかと。  ですから、八冊の資料についてもできるだけ重要なものから先に公表したいとは思っておりますので、決して重要なものだから隠しているということではなくて、そういう段取りの中で若干おくれそうだという状況です。  それで、内容につきましては、私も一通りは八冊の中身も見たわけですが、多くのものは郡司ファイルと言われるものと重要な点では共通でありまして、ただ詳細に見ていけばさらに新しい情報も入っていると思いますので、その中でも重要なものがありましたらできるだけ早い時期に公表したい、こう考えております。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 それでは、この郡司ファイルの中で一、二点、時間がございませんのでちょっとお伺いしておきたいと思うのでありますが、一番今問題になっております昭和五十八年の七月四日、「AIDSに関する血液製剤の取り扱いについて」というメモ、これはどうも課長補佐がお書きになったんじゃないかという話もございました。エイズ研究班では加熱処理製剤を推薦する、あるいは輸入承認申請を急ぐように指示する、長期的な対策としては国内原料による製剤の供給確保の方向を出す、こういう細かいことがいろいろ書いてございます。そして一週間後、五十八年の七月十一日には加熱製剤の緊急輸入は好ましくないというふうにこの一週間で考え方が変わったというような報道があるわけでございますが、確かにこの資料を読んでみますとそのように受け取られる面もございます。  前後のことは結構ですから、そのことについて、大臣、現段階でどのようにお考えになっているのか、率直な御見解をお聞きしたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) この資料の内容をどう理解するかという点については、どう言ったらよろしいんでしょうか、いろいろ説明は受けておりますけれども、私自身がどう判断するというよりも、まずは調査でわかったことを公開する中で、さらに関係者なりいろんな立場の人から御指摘を受ける中で事実関係がわかってくることを期待していると。私が受けている説明は、この四日の段階のものも課としての決定というのではなくて、ある意味では検討のためのペーパーで、それが十一日の段階で課としての方針としてはやや違ったものになった、あくまで内部の検討の問題の一つの段階なんだと、こういうように説明を受けております。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 大臣はとにかくこの問題についてはプロジェクトチーム等で相当勉強もされておられますし、専門家だというふうに判断いたしますので、いろいろな疑惑がありますけれども、大臣の御決断、大臣の見解については私どもは素直にそれを受けたいというふうに思います。  それで、この問題の中で、天下りという問題が出てまいります。確かに、昭和五十八年当時、ミドリ十字は業務局分室と言われていた、つまり社長も副社長も取締役も厚生省の天下りであったということが出ております。これは事実だと思いますが、つまり先輩の方が社長をしている、そして業務行政を後輩がつかさどっている、こういうところで果たして正しい業務行政ができるんだろうかと考えますと、まさにこれはだれが考えてもこのようなことがあってはいけない。もちろん、過去の話でありますからその問題についてどうこう言おうとは思いませんが、大臣、今後どのようにこの反省の上に立って厚生行政あるいは天下りをお考えになるのか、率直な御見解をお聞かせいただきたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) まずは現在の状況を御説明しますと、国家公務員法第百三条の規定によって、職員が離職後二年以内に離職前五年間に在職した国の機関と密接な関係を有する営利企業に就職する場合は人事院等の承認を得なければならないというふうにされておりまして、厚生省としては今後ともつこうとする地位の職務内容が離職前五年間の職務内容と関係がある場合や厚生省の許認可に関係がある場合にはこうした人事院へ申請をして承認を受けるということ自体を、その申請をしないで厳正な運用を行っていきたいというのが厚生省としてこれまでとってきた態度であります。  そして、今御指摘がありましたように、もう少しいろいろな事実関係がわかってこなければと思っておりますが、いろいろな天下りについての厳しい御指摘があることは受けとめておりますし、私もいろいろ疑問を感じております。  ただ、この問題は今の行政のあり方全体の中で、例えば定年制といいましょうか、実質的に働ける期間をかなり長くとって、外務省などは例えば大使に出て六十五歳、七十歳までそういう場面でまた働いておられる方がたくさんおられるわけですが、そういう形で次の場面のこともきちんと準備しながら、そういう中で必ずしも天下りと言われるようなことにならなくても社会的に活躍をしていただけるような仕組みとあわせて考えていかなければ、これは長年議論されている割になかなか進まないというのはやっぱりそういう問題もあるのではないかと、そんなこともあわせてぜひ何らかの改革をするよう努力したいと思っております。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 ぜひ積極的にお取り組みいただきたいと思います。  私もその点については以前から考えておりまして、やっぱり定年制の延長ということは非常に大事なことだと思います。そういう意味では、せっかく厚生行政に携わられた有能な方でありますから、できるだけ長く厚生行政をやっていただくということで関連する業界との癒着等の疑惑が持たれないような形での考え方をぜひ実行していただきたいと思います。  それでは次に、過去の問題は今後十分検討していただき反省の材料にしていただくとして、今一番大事なことはやっぱりこの治療方法の確立だと思います。五日に一人が亡くなっておられるというようなこの現実を見たときに、一日も早く医療体制を整備するということが大事だと思うのでありますが、大臣に二点だけお伺いいたします。  いわゆる拠点病院、これがまだ北海道と青森県にないということでございます。二つの道県にないということでございます。  それから、この拠点病院の公表でありますけれども、わずかに十県五十七病院は公表するけれども、ほかのところにおいては公表していないということでございます。もちろん、理由はわかっております。しかし、エイズ患者に対するやっぱり差別だというふうに私は考えますので、強力な行政指導でこの拠点病院は公表すべきではないか、各県において公表すべきではないかと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) このエイズの拠点病院につきましては、今まだ決まっていない都道府県、今おっしゃったように青森、北海道が残っているわけですが、その中で拠点病院が設定されるよう重点的に働きかけを行ってまいりたいと思っております。現在、四十五都府県で百六十二の医療機関が設定をされているところです。  その拠点病院の公表については、当該の病院や各都道府県などの意向を十分踏まえて対処しているわけですが、地域の医療機関に周知をさせるとともに、エイズ患者にも明らかにすることが望ましいと、原則的にはそのように考えております。これまでも厚生省としては、関係機関に公表ができるよう、その促進方を働きかけているところです。  と同時に、委員も御理解いただけると思いますが、一方では例えばほかの患者さんが来なくなるんじゃないかという心配とかそういうものも現場に行くといろいろあるようでありまして、そういうことがあってはならないというのはもちろんなんですけれども、なかなかその理解と並行して進まないとそういった問題も出てまいりますので、厚生省としては公表ができるような状況づくりも含めてぜひ関係者に御協力をいただきたい、こう考えております。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 今度は政府委員の方で結構でございますが、水島先生の御紹介もいただきまして専門家の先生方にいろいろと御意見を聞いたり、御指導をいただきました。その中で、やっぱりカウンセラーの養成、これが非常に大事だと。このエイズ感染の告知あるいは診療についてはそのフォローも含めてカウンセリングが非常に大事であると。各県で臨床心理士を雇用してこのエイズ感染に対するカウンセリングを実施する必要がある、こういう強い希望も含めて御意見がございました。  この件についてどなたか答弁してください。

松村明仁厚生省保健医療局長

○政府委員(松村明仁君) エイズの患者さんやあるいは感染された方に対しますカウンセリングは、エイズに対する悩みや不安を取り除き、精神的な支援を行うとともに、二次感染を防止する上でも大変重要なことではあると考えております。  このため、厚生省といたしましては、エイズウイルスとカウンセリング及びエイズ相談マニュアルというようなカウンセリングについての指導書を地方自治体及び医療機関等に作成、配付をしておりますほか、今、委員御指摘のように、都道府県、政令市、特別区及び保健所のエイズ担当者に対する教育研修の実施もしておるところでございます。  また、病院におきましては、どうしても看護婦さんが一番多くカウンセラー的な働きをしていただいておりますので、看護婦さん等を対象といたしましたカウンセラーの養成・研修の実施、それから都道府県、指定都市がエイズ対策促進事業で行うカウンセラー養成・研修への国庫補助等を行っておるところでございます。  また、さらに平成八年度予算、現在御審議いただいておる予算案におきましては、拠点病院がカウンセラーの設置を行う場合の経費について国庫補助制度を新たに計上しておるところでございます。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 積極的にお取り組みをいただきたいと思います。  もう一点、専門家の話によりますと、3TC、AZT、それからたんぱく分解酵素阻害剤、この三剤併用が非常に効果があるというデータが学会でも出ているしアメリカでも最近脚光を浴びていると、このようなお話でございました。いろいろ事情はあると思いますけれども、早急に治験に入るべきではないかつそして、もちろんこれはインフォームド・コンセントが必要だと思いますけれども、患者さんの同意も得てこのようなニュースがあれば積極的にタイムリーに取り組むべきではないかと思いますけれども、御答弁をお願いいたします。

荒賀泰太厚生省薬務局長

○政府委員(荒賀泰太君) ただいまのAZT、3TCやあるいはプロテアーゼインヒビターの三剤併用の問題でございますが、従来よりエイズあるいは関連疾患の治療薬につきましてはオーファンドラッグの指定を行いまして開発費の補助あるいは税制上の優遇措置、優先審査等の支援を行っておるところでございます。  お尋ねの医薬品につきましては、AZT、ジドブジン、これは昭和六十二年九月に承認をいたしておりますが、このAZT以外は国内においてまだ承認はされておりませんが、この3TC及びプロテアーゼ阻害剤、これはりトナビルとインディナビルと二つございますが、に対しまして、これは平成八年四月にはオーファンドラッグの指定を行いまして開発の促進を行う予定でございます。  これらの医薬品につきましては、それぞれの開発企業に対しまして治験の開始を急ぐように要請をいたしておりまして、このうちインディナビルにつきましては二月十九日に治験届け出を受理いたしております。さらに、3TCにつきましては三月中旬、リトナビルにつきましては四月に治験届けが行われる予定であると聞いておるわけでございます。これらの治験におきましては三剤併用による有効性も含めて検討されることになるものと考えております。  また、これと並行いたしまして製薬企業と医療機関の了解のもとに治験に関する情報を提供いたしまして、広く患者の方々が治験に参加できるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 じゃ、積極的にお取り組みをいただきたいと思います。  エイズ関連についてはこれで終わりまして、医薬品の流通問題について伺いたいと思いますが、大臣は最後で結構でございますから所感をお聞かせいただければと思います。  御案内のとおり、この医薬品というのは製薬会社が、メーカーがつくりまして、通称卸屋さん、薬事法では一般販売業と申しますけれども、卸量さんがユーザーに配達をする、病院、診療所あるいは薬局等に配達をするというシステムが一般的でございます。  それで、いわゆる卸屋さんが病院に届けるわけでございますけれども、業務局長の私的諮問機関であります医薬品流通近代化協議会、ここが文書を出しておりますが、「過度の薬価差要求、取引価格の未妥結のままの納入の要請、総価山買い等の不適切な取引慣行を是正すること。」、「卸売業者との取引条件の明確化のため、文書による契約の締結を進めること。」、このような通知といいすか、指導が行われているわけであります。  私はいろいろお話を聞きまして大変驚くべき状態があるということを調査いたしておりますが、ちょっと時間もございませんので、今から申し上げます病院の買掛金残高、それから支払いサイトについて御答弁をお願いしたいと思います。  まず、日本赤十字医療センター、それから済出会神奈川県病院、北海道社会保険中央病院、この三つの病院につきまして買掛金の残高と支払いサイトについて御答弁をお願いします。

佐々木典夫厚生省社会・援護局長

○政府委員(佐々木典夫君) まず、日赤の医療センターでございますが、買掛金の残高は、これは平成七年の十二月末の数字でございますけれども、三十五億八千五百万、月平均購入額は三億七千三百万ほどでございますが、支払いの期間につきましては主な購入先で十カ月というふうに承知をいたしております。  それから、済生会の方でございますが、同じ時点の報告によりますると、買掛金残高十五億強でございますが、月平均購入額一億五千二百万強、それから主な購入先は十一カ月後の支払いという報告をいただいております。

横田吉男社会保険庁運営部長

○政府委員(横田吉男君) 北海道社会保険中央病院についてでありますけれども、平成七年十二月現在におきます買掛金額は七億七千万円でございます。支払いサイトにつきましては九カ月から十カ月程度になっております。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 多少数字が違いますけれども大体そういうことで、例えば日赤の医療センター、私の調査では支払いサイトは十一・二カ月、これはとり方にもよると思いますが、北海道の中央病院では十五・三カ月。つまり、この業界のことを御存じの方は大体おわかりになると思うのでありますけれども、薬を納入してそのお金を払うのが十カ月も十一カ月もかかっているということなんですね。  ほかのものの御商売というか取引というのは、大体今月買ったものは月末に払うというのが普通の商取引ですね。二十五日締めで請求書が来て、月末に払う。デパートに買いに行ったときは現金で払うというのが常識ですね。これを一年後に払いますというような、そんな非常識な商行為はないと思うのであります。しかし、この薬の業界は一カ月で使った薬を月初めに請求いたします。社会保険で請求をして、それが翌月に入ってまいりますので大体支払いサイト三カ月。つまり、総購入額の常時三分の一ずつ支払いをしていくというのが普通のやり方であります。しかしながら、こういう大きい病院が十カ月も十一カ月もかかって金を払わない。しかも、払うときに値段を、これは高過ぎる、百万以下は切り捨てる、現実なんですよ、そういう商行為をやっている。これは強者が弱者をいじめていると思うんですよ。幾ら請求しても病院は払わない。しかも、それが日本赤十字病院とか済生会病院とか、これはこの病院だけではない、全国の病院が同じような状況にあるのであります。  大臣、初めてお聞きになりましたか。それとも、そんなことはあるかもしれないとお考えですか。どうお考えになるか、ちょっと率直なこの問題について御見解をいただきたい。これはどんなことがあっても普通に払う、支払いをする、そういう強力な指導をする必要があると私は思うのでありますけれども、特別に今回は厚生省に関係のあるいわゆる系列病院についてこの問題を提起いたしております。もちろん、まだ民間病院いろいろございますけれども、今、三病院だけ具体的な例を挙げましたけれども、このような商行為についてどのようにお考えになるか、御答弁をお願いします。

佐々木典夫厚生省社会・援護局長

○政府委員(佐々木典夫君) 若干補わさせていただきたいと存じます。  ただいま日赤と済生会の個別の御指摘がございましたので、急遽私の方も昨日取り寄せまして、御報告をさせていただきました。  それで、医薬品の納品から支払いまでの期間につきましては、実は日赤全体としましては九十二病院ほどございますが、四・七カ月ほどというふうな平均的な数字でございますことと、済生会の場合ですと四・二カ月というふうなことで報告をもらっているわけでございます。  今御指摘がございましたように、個別病院におきましては確かに長期にわたって支払いがおくれている事例のあることは今御指摘いただいたとおりでございますが、もう少し見てみますと、個別病院、日赤も独立採算制をとってなかなか経営が厳しいというような状況の中から改善の努力がなおなお足らないというふうなことだと思っております。  日赤で九十二のうちざっと半分ほどが、四十三病院が累積で赤字を持っておりますが、そこですと若干長くなってしまいまして、支払いサイトも三カ月から先はどのような長く十二カ月ぐらいも出てくる、平均で五・九カ月というふうな数字をもらっているわけでございます。累積で黒字の病院でございますと、四十九病院ほどございますが、支払いサイトも一カ月から八カ月ぐらいまでということでばらつきもございますが、平均的には三・九カ月ぐらい。  済生会病院につきましても同様で、ちょっと見てみましたのですが、累積赤字病院三十六病院で見ますと、やっぱり一カ月のもございますけれども十カ月ぐらいかかっているのもあるということで、平均の支払いサイトは五・一カ月。黒字でございますとそこのところが、三十七病院でございますが、三・五カ月ぐらいというようなことになってございます。  いずれにいたしましても、確かに流通近代化ということで平成二年から各当事者間での取引の正常化に向けていろんな立場での御努力がある。病院経営という立場で考えますと、基本的には独立採算ということで、厳しい経営環境の中ではございますが、この商慣行につきましては改善の努力がさらに要るというふうに認識をいたしてございます。  私どもといたしましては、長期にわたって支払いがおくれている病院につきましては、まずは何といっても全体の経営改善がないとなかなかこの期間を縮めるということが難しゅうございますので、全体の経営改善についてさらなる努力をお願いする等によりまして今後さらに支払い期間をできる限り短縮するような指導は今後とも努めてまいりたいと存じております。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 もう言いわけはいいよ。

横田吉男社会保険庁運営部長

○政府委員(横田吉男君) 健康保険病院五十病院全体で見ますと、この支払いサイト平均四カ月でありますが、先生の御指摘のとおり、一部の病院では十カ月以上の遅延となっているものがございます。私どもといたしましては、社会保険病院関係のこのような支払いの遅延につきましては、改善に指導してまいりたいと思います。

長峯基自由民主党・自由国民会議

○長峯基君 今の、どなたかわかりませんけれども、政府委員のは言いわけなんですよね。だって、私がこういう済生会病院とか日赤病院について支払いが悪いからちょっとデータを調べてくださいと言ったときは、担当者は全部全国大体四カ月ぐらいですと答えたんですよ。それで、私がこの病院とこの病院はどうなんですかと指摘したら、このデータが出てくるんですよ。まだ出しましょうか。十病院出せと言われれば十病院出しますよ、支払いの悪いところを。こっちはわかっているんですよ。  だから、そういう言いわけをせぬで、経営が悪いのになぜ薬屋にだけ押しつけるんですか。経営の方針が悪い、経営方法が悪い、経営力がない、自分で反省をしなきゃいけないでしょう。それをすべて薬の支払いだけに押しつけて、そして十カ月も十一カ月も払わない。金利も安いんですから、銀行から借りてでも払う。薬品会社はつぶれますよ、こういうことをやっていたら。非常にそういう悲壮感が今漂っておりますから、ぜひ積極的な御指導をいただきたい。  最後に申し上げますけれども、実はこういう文書が出ているんですよ。どことは申しません。「平成八年度医薬品の指名競争入札における業者選定について」、必要であれば後から差し上げます。   日頃は医薬品等の供給に協力いただき、ありがとうございます。   さて、平成八年度の医薬品供給業者は、現六社から四社になります。   つきましては、供給契約の見積依頼業者選定のため、供給が可能か否かを下記にてお知らせください。   なお、下記条件にて供給できない場合、指名業者から除外させていただきます。   条件 薬価における最低二一%引にて当病院に供給   返答期限 平成八年二月二十九日 別に日赤だとは言いませんよ。  つまり、病院側というのは薬価差を目当てにして経営をしている。ですから卸屋をたたく。そしてこの二一%。国の指導は一一%でしょう。R一一%、薬価差一一%というのは国の指導です。それに基づいて薬価を決める。公定価格ですから薬価を決めるんですよ。そうしますと、病院側は経営のためにどんどんたたくんですよ、卸屋を。たたかれた方はたまったものじゃありませんよ、これは。こういうことを公的病院あるいは日赤とか済生会とか、こういう種類の病院がやるということは私は大変おかしいと思うんですね。  最後に大臣の御所見をお聞きして終わりたいと思います。

菅直人新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(菅直人君) 今幾つかの具体的な病院名を挙げて支払いの滞っている状況の説明がありました。  率直に言いまして、私もこんなに十カ月とか十二カ月とかといったような状況があるというのは、今お伺いをして初めて知ったわけであります。大きい企業が下請を大変長いサイトで手形を出して困らせるというような議論はよくありますが、そういう場合もやはり適正な形にしなければ、まさに強い者が弱い者をいわばいじめるような形になるということは好ましいことではないと思っております。  具体的なところは先ほど来政府委員の方からも、いろいろな事情があるということはあるようですし、また平均的にはもう少しはいいのかもしれませんが、確かにおっしゃるように不適切な商慣行があちこちにあるとすれば、それはこれからももう少し常識的な線まで是正ができるように指導を行ってまいりたいと思っております。  なお、薬価の差益の問題というのは、いろんな形でこの問題が苦から議論をされておりますので、またいろんな御指摘を踏まえながら、どういう改革が必要かをぜひ考えさせていただきたい、このように思っております。

今井澄社会民主党・護憲連合

○委員長(今井澄君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時二十六分散会      —————・—————

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