決算委員会 閉会後第6号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1996/09/12
会議録
○委員長(野沢太三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、林久美子君、渡辺孝男君及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君、益田洋介君及び西山登紀子君が選任されました。 また、本日、海野義孝君、益田洋介君及び水野誠一君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君、友部達夫君及び堂本暁子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 平成六年度決算外二件を議題といたします。 本日は、厚生省、環境庁及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(野沢太三君) 速記を起こして。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。 時間の制約がございますので、端的に質問に入ってまいりたいと思います。 特に、今年度を見てまいりますと、国民の命と健康という問題から厚生省にかかわる問題というのは大変あるわけであります。エイズ問題、またことしの夏を大変な恐怖に陥れたO157問題、あわせて将来の高齢社会に向けての介護保険等々、国政課題の中で厚生省の問題というのは突出、山積をしているというのが実態であろうかと思います。 そういう中で、昨年、平成四年度、五年度の決算のときにも私は質問、指摘をしておいたわけでありますけれども、このたびの平成六年度の決算報告を見てまいりますと、大変残念なことながら、厚生省の指摘金額・件数が飛び抜けて多いことがわかるわけでございます。 特に平成六年度検査報告における厚生省の指摘金額は百七十億一千七百十六万円、これは検査報告全体の指摘金額が二百四十二億九千三百十三万円でありますから、全体の七〇%が厚生省に対する指摘金額ということになる。これは昨年同様大変重い結果であろうというふうに私は思うのであります。同時に、件数で見ましても、厚生省の指摘件数は八十三件、二番目の郵政省の四十五件を大きく引き離して各省庁の中でトップである。 こういう事態を厚生省はまだ指摘を受けているわけでありますが、まず、これを検査なさいました会計検査院に、過去五年間くらいさかのぼっていただきまして省庁別の指摘金額・件数はどのように推移しているのか、全体、各省をやるということになりますと時間がかかりますので、突出をした特徴的なこの五年間のことについて御答弁をいただきたい、こんなふうに思います。
○説明員(諸田敏朗君) お答えいたします。 ただいま先生御質問の件につきまして特徴的なことを申しますと、やはり厚生省がその点では一番特徴的ではないかということでございますので、厚生省につきまして過去五年間の決算検査報告に掲記いたしました指摘件数あるいは金額について申し上げたいと思います。 平成二年度が百二十四件、五十三億二千二百万余円。三年度が百二十八件、五十三億一千九百万余円。四年度が百四十八件、四十億九千三百万余円。五年度が百五十二件、七十三億三千六百万余円。六年度が、先生ただいま御指摘のとおり八十三件、百七十億一千七百万余円となっているものであります。
○中島眞人君 私は、問題省ということで言っているわけじゃありません。例えば、医療費のレセプトとか、あるいは個人個人にわたる件数が多岐にわたっているということで、こういうふうに多くなっているということは十分承知をしながら申し上げているわけであります。 それにいたしましても、ただいまの五年間の指摘金額、指摘件数、これが各省に比べて突出をしているという結果は、大臣、大変気の重いことだというふうに御認識をいただかなければならないと思うのであります。そういう点で、五年間の指摘金額が最も多いということであるが、厚生省は会計検査院からの指摘を受けて、この間どのような改善措置なり取り組みを行ってきているのか。 社会保障に対する国民の負担は大きくなっているわけです。特に、後ほど質問をいたしますけれども、介護とか医療とかというような形でもうこれ以上今までのスタイルではできない、国民の皆さん方に御負担をいただかなければならないということを提起していかなければならない時期に来ているときに、厚生省そのものが指摘件数が大変多く、そしてその金額も突出しているという形になりますと、国民の皆さん方から見れば何なんだということになろうかと思うのでありますけれども、その辺について厚生省の見解をお聞きいたしたい。大臣、よろしくお願い申し上げます。
○説明員(山口剛彦君) 私、保険局長でございますけれども、今、先生御指摘のございました会計検査院からの厚生省の指摘の中で医療費につきましても毎年御指摘をいただいておりますので、その立場から御報告をさせていただきたいと思います。 先生も御指摘いただきましたように、医療費につきましても十億枚を超えるようなレセプトを点検していくということでございますので大変な作業でございますけれども、御指摘をいただきました事項につきましては、都道府県に対しまして保険医療機関等に対する指導の強化、あるいは支払基金等の関係機関に対しては審査の充実を徹底するということをいたしておるつもりでございます。 また、医療の指導監査につきましては、指導監査要綱等も改正をいたしまして予防的なあるいは教育的な観点から指導ができるように、あるいは指導対象の医療機関を選定するに当たって懇意が働かないように選定委員会を設ける等々、厚生省としても御指摘を受けて鋭意努力をしているところでございます。まだまだ足りない点についてはさらに努力をしてまいりたいと思っております。
○中島眞人君 今、局長に御答弁いただきましたように、厚生省そのものが問題を出しているということじゃなくて、厚生省の管轄の中におけるそれぞれの提出をしてきている中に問題点があるんだと。 ただいまから質問の焦点を、多岐にわたっておりますから、特に国民の医療費の問題、本年度は二十七兆円、さらにそれは約六%ぐらいの増加で伸びていくであろう、こういう大変な問題の中から医療費に絞って、不適切に係る指摘があるわけでありますので、これについて少し質問をいたしたいと思います。 こうした医療費に関する指摘は昭和六十一年度決算報告から掲記されるようになってきているわけです。昭和六十一年までは、医療費の検査は会計検査院としてはなじまないものだというようなことでこれらの検査をしておらなかったわけでありますけれども、昭和六十一年度から会計検査院が検査を始めてきた。そして検査をやって件数をふやせばふやすほどこの指摘金額がふえているという実態、こういう中で会計検査院としては当初はなじまないものであったんだけれども、乗り込んでみたらこれは大変な金額がやればやるほど出てきているんだと。 そういう点で、会計検査院が六十一年以降やってきた検査の中で問題意識をどういうふうにとらまえているのか、会計検査院からちょっとお聞きをしたいと思います。
○説明員(諸田敏朗君) お答えいたします。 国民健康保険及び老人保健等の医療費は、ただいま先生御指摘のように、本年度二十七兆円強の膨大な額に上っております。そして保険料及び租税として国民の負担の増大を来しておりまして、医療費の適正化が求められている昨今でございます。 厚生省の医療費の国庫負担額に係る指摘は、先ほどお答え申し上げましたけれども、平成六年度決算検査におきましては五億六千九百万円余になっており、この医療費の検査を始めました昭和六十一年度から平成六年度までの九年間の合計で七十八億八千五百万余円となっております。 このように多額の不適切な医療費の支払いが毎年見受けられることにつきましては、本院といたしましても医療費については重点的に検査を実施したい、そのように考えております。
○中島眞人君 国民医療費は六年度実績で二十五兆七千九百八億円、前年度に比べて一兆四千二百七十億円も増加をしているわけです。そういう中で、将来の国民医療費は国民所得の伸びを上回ってさらに増加し、これに対する国民の負担もまた増大することが予想をされております。 この問題は、ある面では国民の命という問題で、大変重要な問題として、そして大変な関心事であり、同時にまた現在中医協等でいろんな論議が重ねられ、改革の方向に向かっているということについては熟知はいたしているわけでありますけれども、国民医療費の現状と将来予測をどのようにとらまえているのか、はっきりこの席で厚生省からお聞きをしたい。
○説明員(山口剛彦君) 国民医療費につきましては、御指摘をいただきましたように、平成七年度の見込みで二十七兆二千億円となっております。前年度と比べると一兆四千億円の増、伸び率にして五・三%の増加ということでございます。 一方、これも御承知のとおりですけれども、国民所得の伸び率は平成七年度の見込みで一・〇%ということで、医療費が五%から六%の率で老人医療費を中心に急速に伸びている、一方国民所得は一%台の成長に低迷をしているということで、この国民医療費と国民所得の伸び率のギャップがこれからの医療保険制度を考えていく場合の大変大きな視点であると思っております。 このまま推移をいたしますと、これは前提のとり方によって大分違いますけれども、医療費の方が五、六%で伸びていくということを前提にいたしますと、高齢化のピークと言われております二〇二五年度には百数十兆という規模に達する、また国民所得に対する比率にいたしましても一〇%は優に超えるというふうに予測をいたしております。 そのような状況の中で、現時点で医療保険財政は率直に申し上げまして赤字構造に陥っております。政管健保につきましては平成八年度で五千五百億円の赤字が見込まれますし、組合健保あるいは国保につきましても赤字保険者の割合が六割を超えるという状況にございます。 私どもは、こういう状況は一時的なものではなくて、かなり構造的な問題も含んだ深刻な事態というふうに認識をいたしまして、九年度にこういった事態を克服するため医療保険制度について大きな改革をしなければならないという認識をいたしておりまして、今審議会等で精力的な御審議をいただいております。その結果等も踏まえまして、国民皆保険体制を将来に向かっても健全に維持していけるように努力をしてまいりたいと思っ ております。
○中島眞人君 そこで、将来に向かっては国民医療費というのは大変な状況に置かれているという事実認識を厚生省から今答弁をいただいたわけでありますけれども、そういう中で今後の一つの課題として、決算という問題の教訓の中からもある一面考えていかなければいけないのではないか。 平成六年度の場合は二十五兆円だ、今年度の場合は二十七兆円になるだろう、大体六%の率で上がっていく、国民のいわゆる所得の伸び率に比べて数倍の勢いで伸びているんだと。いろいろ中医協とか審議会等の中では、例えばこれを国民の負担に転嫁をしていくということも、あるいは国民の皆さん方に御負担をいただいていくという方法もあるだろうと。しかし、決算委員会でございますから、私は、六%で伸びてきた伸び率の中に問題点があったのではないのか、こういう指摘もしていかないと国民の皆さんの側から見ると納得がいかないのではないかと思うんです。 そういう点で会計検査院にお答えをいただきたいんですけれども、約十億円の不当事項指摘金額があった。先ほど厚生省は、十億枚のレセプトがあるという。それに対して会計検査院では、この検査は全体どの程度を検査し、そのうち不当事項として指摘したものであるのか。そういう点で、全体の十億枚というレセプトの中でどのくらいの検査をしたのか、その実施率、それをひとつ会計検査院の立場でお答えをいただきたい。 そうすると、単純統計でいくと、例えば何%でこれだけだから、十億枚になるとこのくらい大まか出てくるのではないかということが出てくるわけです。こういう粗っぽいやり方は非常に危険かと思うけれども、会計検査院がどのぐらいレセプトを調査したのか、実施率をちょっとお示し願いたいと思う。
○説明員(諸田敏朗君) お答えいたします。 医療費の検査におきましては、医療機関を直接検査しておりませんで、平成七年度は二百三十余の市区町村におきまして市区町村等に保管されておりますレセプトを調査したところであります。 しかしながら、全国の市区町村等に提出されておりますレセプトは膨大な数であるということから、全体のレセプトの中でどの程度レセプトを調査したかについてまで私どもとしては把握するに至っていないというところを御理解いただきたいと思います。
○中島眞人君 もう一回お聞きしますけれども、二百三十余市町村、これは支払基金とか連合会へ行ってレセプトを検査するわけですね。そうしますと、全国のうちで三千を超える市町村のうち二百三十余市町村、検査のやり方は通年ですか、一過性のあったものをやるんですか。
○説明員(諸田敏朗君) お答えいたします。 私どもの検査は、最初に各都道府県に参りまして、都道府県の医療関係の担当の課の方からいろいろ調書を出していただきまして、その中から市区町村を選ぶというやり方をやっておりますので、通年とか一過性というような形でやっているわけではございません。
○中島眞人君 どのぐらい実施をしたのかわからない。 私もこれには非常に関心がございましたから会計検査院の関係をした人にお聞きをいたしますと、膨大にたまっているレセプトを勘定なしにどんどんまくっていって、自分のいわゆる目についたのでやる、こういう検査の仕方だと。そうすると、それも二百三十余市町村、全国三千余の市町村ですね、それを瞬間的に、日数も制約されているわけですから、会計検査院の担当官にお聞きをいたしましたけれども、この検査は本当に微々たるものだ、宇宙でいえばちりに存在するくらいしか検査していないんだと。それでいながら十億円出てきているわけです。 そうすると、日本国全体の一年間のレセプトというものの中に隠されている不当事項指摘金額というのは、これはまさに宇宙規模で伸びていくんだということまでは会計検査院の担当官は言いませんけれども、話の関係の中で私はそういう感じを受けたわけであります。 とすると、例えば一例を言いますと、私は実施率は一%より低いだろうと思うんです。一%より低いんだけれども、一%の検査をした中に十億円ある。そうすると、一%ですからこれを全部という形に、一%という仮定にしてやってみても、まあ単純な荒っぽい表現になるかもしらぬけれども、全部にこれを押しなべて適用してみれば百倍、一千億円ぐらいのものは隠されているのかなという感じを持つんです。会計検査院、もうちょっとその辺についての説明を。私は大変重要なことだと思うんですよ、これは。
○説明員(諸田敏朗君) お答えいたします。 確かに先生御指摘のとおり、もし私どもが調査しているレセプトの枚数が全体の一%とし、約十億、これは国庫負担額でいきますとその約半分でございますが、全体でいけば十億近くになるということから考えれば、確かに百倍すれば一千億ということになるわけでございますけれども、私どもはあくまでも実際に検査したものに対してどれだけの指摘があったかということでとらえておりますので、まことに恐縮でございますけれども、先生の御質問に対しては、私どもとしては直接お答えできないということについては御理解いただきたいと思います。
○中島眞人君 確かに会計検査院というのはっかみで、アバウトで答えるという性格の省庁じゃございませんからそれでいいんですけれども、例えば一%というふうに仮定をして実施したとして平成六年度で十億円出ているとすれば、全体のものの中には一千億相当のいわゆる指摘金額が含まれているんではないのか、こういう想像、発想をするのはあながち間違いではなかろう、政治家サイドで判断をしていく判断としては間違いなかろうと、このくらい問題点があるんだという認識を私はしていかなければいけないと思うのであります。 そういう点で、審査体制の現状というのは、私はこれはもうあくまでも、先ほど厚生省からお話が出ましたように、審査体制というものに対して今までよりもっと変えた形で、あるいはもっと厳しくやっていかなければいけないし、また請求をしていく側の責任として自覚と対応というものを抜本的に変えていかなければならない、そういうふうに思うんですけれども、現状とあわせて将来展望についてひとつ厚生省の意見をお聞かせいただきたい。 その前に、会計検査院が六十一年からやってきた中で、こういう多額な指摘金額を出しておりますけれども、会計検査院として見た場合、ある面では事務的な処理もあるようですが、こういう指摘金額が多く出てきている問題に対する問題意識をどのようにお持ちかという点をまず会計検査院から先に聞いて、そして厚生省のお答えをその後にお聞きしたいと思います。
○説明員(諸田敏朗君) お答えいたします。 医療費に係る指摘が継続した原因といたしましては、医療機関におきます医療費に係る算定基準の理解が不十分であることのために不適正な請求を行っていること、また医療機関からの医療費の請求に対する審査支払い機関あるいは市町村等の審査・点検が必ずしも十分でないことなどによると考えられております。 したがいまして、これらの各機関が適正な医療費の請求を行うよう、私どもとしては厚生省の指導の徹底をお願いしたいというふうに考えております。
○説明員(山口剛彦君) 医療費につきましては毎年検査院から指摘をいただいておりますので、私どもとしても鋭意この是正には努力をしてきているつもりでございます。 一つは、診療報酬の審査機能を強化するということでございまして、先ほど申し上げましたように十一億枚を超えるようなレセプトの審査でございますので、これをいかに合理的に効率化してやるかということが課題でございます。全国で一万人弱の専門家によって審査をいたしているわけでございますけれども、量的にもこれは相当合理化をしないとなりません。したがって、この点につきましても審査体制を強化するということをしております。 例えば、高額のレセプトについては重点的な審査をする、あるいは事前の点検を十分にするというようなことを中心にしまして審査体制の強化を図っているところでございますし、またレセプトにつきましては、保険者がそれをきちっと点検していただくということも大変重要でございますので、保険者のレセプト点検の指導にも努めておりますし、また最近では資格確認等についてもできるだけ機械化を進めていくというような努力もいたしております。 それとあわせまして、冒頭に申し上げましたように、私どもの指導監査ということ、それから予防的な教育的な指導ということもまことに重要だということで、その点についても最近特に力を入れてやっておるところでございます。 なかなか膨大なレセプトの点検ということで大変な作業でございますけれども、御指摘をいただいておりますように貴重な国民医療費でございますので、今後ともこの審査・点検・監視・指導体制の強化につきましては重々努力をしてまいりたいと思っております。
○中島眞人君 大変頭の痛いことだ、これに取り組んでいかなければいけないという気持ちはわかりますけれども、しかし具体的にどういうふうな特効薬があるのかというと、特効薬がなかなかない。率直に言って、六%ベースで上がってきているんですけれども、先ほど言ったような、例えば 一%で一千億という格好になっていったとすれば、果たして六%ではなくて五%、四%くらいの伸び率で抑えることができるんではないのか。 こういうことから考えていけば、ある面では、現在御検討いただいている医療保険改革に関する一つの問題の中に、国民の皆さん方に御負担をいただくという案だけでいったとすれば、国民の皆さん方からはやっぱりノーという答えが返ってくるということであるので、これは十分な従来の機構、あり方という問題を抜本的に変えていくくらいの意欲がないと実現できないのではなかろうか、私はこんなふうに思うんです。 そこで、総務庁も医療審査の充実については行政監察でもしばしば取り上げています。その勧告においても指摘がされておるわけでありますし、平成五年の十月に勧告が行われた医療保険事業に関する行政監察、同時に本年八月に勧告が行われた老人医療等公費負担医療に関する行政監察でも老人医療費の適正化対策の一環としてレセプト審査・点検の充実が求められております。 ですから、会計検査院の検査、同時に総務庁もこういう行政監察をしているわけでありますので、総務庁がこういう勧告を行ってきているというその背景、問題意識を総務庁からお聞きをいたしたい。
○説明員(小河俊夫君) お答えいたします。 先生御指摘の二つの行政監察でございますが、まず最初でございますが、平成四年四月から六月にかけて調査を実施しました医療保険事業に関する行政監察でございます。これにつきましては政府管掌健康保険及び船員保険について調査を実施いたしましたが、これに係る診療報酬支払い済みのレセプト六千百六十八件を無作為に抽出調査いたしました結果、被保険資格を欠いているもの、重複請求等レセプトの審査・点検が不適切なものが百三十三件、二・二%見られたというようなことがございます。 この審査・点検の実施方法を見ますと、当時すべて手作業で行われておりまして非効率となっておりました。こういったことから、平成五年十月に厚生省に対しまして、保険給付の適正化を推進する観点から、資格点検事務等につきまして事務処理への電算機の利用を計画的に推進することにより、事務の効率的、効果的な実施を図ることなどを勧告したところでございます。 次に二番目でございますが、平成七年八月から十一月にかけて調査を実施しました老人医療等公費負担医療に関する行政監察につきましては、国民医療費の中で老人医療費の占める割合が非常に大きいということから、老人医療について調査をさせていただいたわけでございますが、老人医療費支払い済みのレセプト三千八百七十一件、これも無作為に抽出調査した結果、重複請求等レセプトの審査・点検が不適切なのもが百二十四件、三・二%見られました。 この審査・点検の実施方法を見ますと、都道府県国民健康保険団体連合会の電算機を利用しましてすべてのレセプトを効率的に審査・点検いたしております市区町村がある一方、すべて手作業によっているため審査・点検が一部にとどまっているなど非効率な場合もございました。このようなことから、本年八月、厚生省に対しまして、電算処理によることが可能な審査・点検事項については、国保連が実施いたしております共同電算処理事業による電算処理システムを活用すること等によりまして、レセプトの審査・点検が効率的、効果的に行われるよう措置することなどを勧告したところでございます。
○中島眞人君 わかりました。 今、総務庁の勧告をした背景の御意見を聞きますと、私が先ほど言いました宇宙のちりのような一%にも満たないということ以上に、もっと問題件数が含まれているという印象を持っております。これ以上私が架空な数字を申し上げますと多大に問題を起こしますのでこれでとめておきますけれども、ともかく検査を多くすればするほど問題金額が出てくるという実態は国民の側から見ると大変問題点がある。 そういう中で、逆に国民に医療負担の増額がかかってくるとすると国民はノーという声を出していきますよという、平成六年度決算の中から大変な問題意識として私は厚生省に物申しておきたいと思いますし、同時にもう一点だけ私は言っておきますけれども、例えばこういうことはどうなるのかということです。 今度は国民の側からいいますと、こういう不適切な保険請求が多額に上っている裏で、患者の一部負担は、不適切な診療報酬の算定に基づきその一割なり三割なりが支払われていると考えられる。保険請求が過大であれば患者負担分の医療費も医療機関にとって取り過ぎとなっていると考えられる。 例えば十億という指摘金額があった。これは返還をされている。この返還の中には、国民の側から一割なり三割という負担金額を納めて、これはだめだということになっているんだけれども国民の側では一割ないし三割は納めっ放しになっている。この措置はフォローされているんでしょうか。
○説明員(山口剛彦君) 先生御指摘いただきましたようなケースについて、一部負担金の過払いというのが実際に生じるケースはあり得ることだと思います。会計検査院から御指摘をいただいている金額がすべてこの一部負担にかかわるということではないと思いますけれども、過払いの状況があり得ることは御指摘のとおりでございます。 この扱いにつきましては、各都道府県に、まずそういう事態になったときには保険者から患者さんに対しまして過払いの請求を行うようにということを連絡する、あるいはその当該医療機関については患者から返還請求があればそれは返還に応じるようにということを指導しております。 過去に具体的にそういうことで返還をしたというケースもございますけれども、一般的に申し上げまして、この会計検査院で御指摘をいただいたケースについて、こういう指導どおりの実態になっているかどうかという点については、現時点では申しわけありませんが把握はいたしておりません。よくフォローをしてみたいと思います。
○中島眞人君 実際問題、やるとなると大変なことですよ。しかし、一つの原則論だけでいえば指摘金額が出た、これは返還を命じた。返還を命じた件数の中には、国民の側には一割なり三割の負担があるわけですから、これは問題になるものですよということになると国民に返さなきゃなりませんね。患者さんに返さなきゃならない。そのことをやっていくというのは大変なことだということはわかります。 かつて富士見産婦人科病院の子宮摘出の問題、これは間違いだといったときに、その患者に金額を返さなかった問題が問題になった経過がございますので、原則論からいくと、問題点が出た問題については今言った形でフォローをしていかなきゃいかぬということになりますね。この辺の認識だけはしておかないと国民の側から不満があるいは問題が私は噴き出してくると、こういう点で問題認識として提起をしておきたいと思います。 次に、時間も参りましたから、後で厚生大臣にはこれとあわせて国民年金の未納保険料の解消に向けた問題で少しお聞きをしたいと思うのでありますけれども、平成六年十月四日、平成三年度決算に対し、決算委員会が国民年金の未納保険料の解消に向けた一層の努力を内閣に対して警告決議を行った経過がございます。これに対して、国民年金の未納保険料、未加入者、こういう率は、私の認識としては横ばい、ある面では率が落ちているんではないのか、こういう認識があるんです。 それと、時間もありませんからまとめて申し上げますけれども、徴収に対して非常にコストが高い、例えば国民年金の徴収コストは八・八%だと。それに対して国税は一・二%、地方税は二・八%、余りにも国民年金加入に関する事務コストが高いんではないのか、こういう指摘がございます。 ことしの七月二十八日の朝日新聞の社説の中でも、社会保険庁の保険料徴収業務そのものを抜本的に改革しなきゃいけないんじゃないか。ある面では国税、地方税等の問題から見て一割近い徴収コストがある。これは機構改革も検討課題にしていかなければいけないんではないか。国税庁等ともあわせて検討すべきものだというふうな指摘がなされているわけでありますが、国民年金の加入率、同時にコストの問題、これについて厚生省の意見をお聞きしたい。
○説明員(真野章君) お答えいたします。 国民年金の収納の状況につきましては、私ども保険料を納付した検認率という格好で把握をいたしておりますが、平成六年度の検認率は八五・三%ということでございまして、先生御指摘がございましたように、残念ながら前年度に比べまして〇・ニポイントほど低下をいたしております。これは阪神・淡路の影響その他もございまして、私ども未納対策、未加入対策に努力をいたしておるわけでございますが、残念ながらそういうこともございまして若干低下をいたしたということでございます。 それから、国民年金の保険料の徴収コストの御議論でございますが、先生御指摘の八・八%という数字は、私ども国民年金の事務費全体の保険料に対しての御指摘かと思います。 ただ、国民年金の場合には税とは異なりまして、適用の問題、先生御指摘の徴収の問題、実際に年金をお支払いするという給付の問題、それから相談というようなこともございまして、トータルといたしまして八・八%ではございますが、そういうその他の徴収以外の業務もかなり行っているという問題。さらにまた、御承知のとおり、税でございますと事業所を相手に一件で多額の税収ということもございますが、国民年金の場合には一人一人、月一万一千円ということでございますので、そういうことから構造的にどうしても経費がかかる要因が強い。ただ、厚生年金のように事業所相手に徴収をいたしている場合には、私どもの試算では〇・五%というような試算もございます。 そういうことで、できる限り徴収コストの低減、効率化ということには今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○中島眞人君 国民年金の加入率が横ばい、あるいは下がってきている、こういう問題。年金そのものにも問題点がある。この負担の問題、年金の財政、年金の将来展望についても大変な警告ランプがついているわけですね。これは国民皆年金という形の中で努力をしていかなきゃいかぬ。しかし、これも厚生省そのものじゃなくて、市町村にお願いをしていることでありますから、これもまたそういう問題意識をとらまえて取り組んでいかなければいけない、そういうことで強く要望を申し上げておきます。 さて、時の問題でございますから、大臣にも医療の指摘事項等いろいろ問題をお聞きしょうと思いましたけれども、これらの問題についてのときにひとつまとめてお答えをいただきたいと思います。 大臣就任以来、エイズ問題、O157等々大変な問題が起こっておりまして、それなりに今までとは違った手法で大臣が取り組んできた評価というのは非常に高うございます。 しかし、八月二十九日、東京地検は安部容疑者の逮捕、厚生省の家宅捜索、ミドリ十字の強制捜査という形でまさに検察のメスが製薬会社、医師、厚生省に向けられてきたことの事実が出てきたわけであります。まさに薬害構造の核心に迫ろうとしている。そういう事態に対して大臣は、厚生省に家宅捜索が入った、このことの認識をどのように感じているのか。 同時に、この強制捜査をしていったときの検察の被疑要旨はどういう要旨かといいますと、「同非加熱製剤の投与を極力控えさせる措置を講じて、HIV感染及びこれに起因するエイズ発症・死亡を防止すべき業務上の注意義務があるのに、これを怠り、何らの措置を講じることなく、」云々とございます。もっと端的に言えば、スモンのときに薬事法が改正をされまして、薬事法に基づく緊急対応をすることができる、緊急対応すべきであるのに作為義務を怠った、すなわち不作為の過失が厚生省に問われているというのが連日の報道の焦点になってきていると思うんです。 そういう点で、大臣、厚生省に家宅捜索が入っていよいよエイズ問題もここまで来たのかという、そういう中で、捜査に支障を来すコメントは結構でございますけれども、厚生省としての大臣の御見解をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(菅直人君) 今回の問題、私なりに若干整理をいたしてみますと、捜査そのものは、当日、一日厚生省ということで私、熊本に出ておりまして連絡を取り合ったわけですが、検察庁からの捜査令状には安部英教授の業務上過失致死に関連した捜査ということであったというふうに聞いておりまして、直接そのときの、何といいましょうか、容疑というものが厚生省そのものの容疑にその段階ではなってはいなかったというように承知をいたしております。 しかし、その後のいろいろな報道などでは、今まさに中島委員から御指摘のありましたように、あるいは厚生省の当時のいろいろな問題等についてのことも視野に入れた捜査である可能性も十分にあるであろうと思っております。 捜査そのものはそうでありますが、今御指摘のありましたように、今回の場合、実は昨年東京地裁と大阪地裁で和解勧告があったときにそれに関連した所見が出されております。御承知だと思いますが、実はその中にも今御指摘のあったような、つまりは昭和五十四年ですか、薬事法が改正をされまして、厚生省あるいは厚生大臣に危険ないろいろな薬については回収するというそういう権限が与えられているにもかかわらず、そういうことを怠ったことは大変重大な責任があるという御指摘を、今申し上げた和解の所見の中で東京地裁からいただいておりました。 私は、その間の経緯を私なりに調べ、あるいは国会の質疑などを踏まえて、その東京地裁の見解を認めることも含めて厚生省の責任を認めて患者さん、家族の皆さんに謝罪をし、和解ということになったわけであります。 そういった点で、今度は検察庁でありますが、検察の捜査というものがどういった形で行政の問題に触れていかれるのか、必ずしも予想はできませんけれども、少なくとも現厚生省の姿勢としては東京地検によるこの捜査に対して最大限協力をすると、そういう方針で臨んでいきたいと考えております。 なお、厚生省自身としては、従来、調査プロジェクトをつくって事実関係の調査を行って一応の報告をいたしました後に、さらに現在、総合研究開発機構、いわゆるNIRAにお願いをいたしまして、NIRAの自主研究という形でありますが、薬害等再発防止システムに関する研究会という形で第三者委員会に調査を依頼いたしております。 また、平成九年度の予算、組織要求の中にも再発防止のための危機管理システム及び透明度の高い薬事行政の確立に必要な施策を盛り込んできているところであります。 そういった意味で、やるべきことでやれるものについては順次進めているつもりでありますが、今回の捜査に関しましては、先ほど申し上げたように協力をするという姿勢で、あとは捜査当局の、あるいは司法当局の判断にまちたいと、こう考えております。
○中島眞人君 時間もございません。理事にお願いをしまして、二分くらいの時間を次の質問者からいただきましたので、簡潔に御質問を申し上げます。 率直に言って、今マスコミが報道をしている内容は、大臣も十分御認識のようでありますけれども、例えば八四年九月のギャロ報告の中で四十八例中二十三例が陽性であった、これを厚生省が聞いておったのではないのか、知らなかったとは言えないのではないかという点が焦点になっている。 同時に、同年の十一月二十二日に、鳥取大の栗村教授ですか、研究班の会合において、血友病患者二十二例中四例が陽性だと、こういうふうな問題からすれば、これらの問題で厚生省は緊急対応すべきであるのに作為義務を怠った。すなわち不作為の過失だという点が問われている。そういう点だと思うんですけれども、この辺の認識と、同時に昨今出てくる問題は、一千八百人の血友病患者がHIVに感染をしたのみならず、異常出産のときにこの非加熱製剤が使われた、あるいは肝炎に使われた。 同時に、数日前、新潟県では血友病以外の患者にも投与されたという発表が県の指導でなされているという形の中で、当初大臣がかかわって、あるいは衆参両院で参考人をお願いをし聞いていた真実とは、この辺の問題が全然また違った形の中で広がりを見せているという、そういう認識をどのようにお持ちになっているのか、大臣にお聞きをしたい。
○国務大臣(菅直人君) 今御指摘のありました、いわゆる非加熱製剤による血友病患者の皆さんへのHIV感染を厚生省がどの時点で認識をしていたかという問題、実はこの問題も当初省内に設けました調査プロジェクトで調査し、また、それに関連して衆参両院で御審議いただいた中でもかなり中心的な議論になったわけであります。 率直に申し上げて、安部教授が座長をされたエイズ研究班の中でかなり、いわゆる帝京大症例と言われるものがエイズの可能性があるということが、いやエイズと断定はできないということになっておりますが、そういう指摘があって、しかも安部教授自身がギャロ博士のところでそういうデータはとっていたにもかかわらず、それをその段階で厚生省が知らなかったというのは、率直に申し上げて私もやや不自然な感じがいたしておりました。 その安部教授のエイズ研究班はそのとき終わりまして、そのまた半年後に塩川先生の新しい研究班、サーベイランスができて、さらにそのうち新聞記事等で知ったというのはちょっと不自然だなということで、かなりその時点でも議論が出ていたわけであります。そういった点では、今回捜査によってそのあたりも明確になるんではないか。 現時点で厚生省の認識としては、五十九年の十一月に血液事業の関係の審議会といいましょうか、そちらの方で報告があった。ですから、従来よりはもう少し前からわかっていたという認識でありますが、さらなる問題はもっと明らかになるのではないかと思っております。 それから、今おっしゃいました血友病患者以外の問題につきましても、この間いわゆる第四ルートという形でずっと調査を進めてきておりまして、そういった中に、現在患者さんあるいはその遺族の方から殺人罪による告発なども出されているケースも含まれておりまして、そういった点では、血友病以外の分野について非加熱製剤が使われ感染者が出ているということの認識は厚生省としても持っておりまして、かなりの範囲の調査を相当程度進めて適宜公表し、それをさらに、今問題になっておりますのは、医療機関の公開なども行いたいということで進めている。ぜひそういった状況であることを御理解いただきたいと思います。
○中島眞人君 まことに済みません、時間が超過いたしました。O157問題等々、質問をお願いしておった方々には質問ができなかったことをおわび申し上げ、次の機会にさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○海老原義彦君 自民党の海老原でございます。きょうは豊島の廃棄物堆積の処理の問題につきまして御質問いたします。 豊島というのは瀬戸内海の中の小さい島でございまして、行政的には香川県に属するけれども地理的にはむしろ岡山県に近い、いわば香川県側から見れば辺境の島だという感じでございます。小さな島でございますけれども、風光明媚、大変美しい島でございました。ところが、その風光明媚な島が、今や廃棄物が何十万トンという堆積でこんなような状況になっておるわけでございます。(資料を示す)これは週刊現代の九月七日号でございます。 こういう状況になったということについて、どうしてこうなったのか、それからこれをどう処理していけばいいのかという問題についてきょうは御質問いたしたいと思います。 初めに、この問題について厚生大臣も大変問題意識が高く、八月四日に現地を視察されたということでございますので、現地をごらんになってどんなことを感じられたか、どんなふうに思われているかということについて一言御発言いただきたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 今、海老原委員の方から御指摘いただきましたように、私も岡山側から船に乗りまして、八月四日に現地に出かけてまいりました。 本当に大変きれいな海を越えてきれいな島が連なっている中で豊島に到着いたしまして、大変たくさんの町民の皆さんが待ち受けられておりまして、この問題に対する町民の何とかしてほしいという熱意をひしひしと感じました。そして、そこから車で二十分程度でしょうか、現地に出かけまして、産業廃棄物がかなりたくさん埋まっているといいましょうか、積み重なっている現地を見てまいりました。 大変天気のいい暑い日でありましたけれども、一部掘り起こしてあるわけですが、十数メートル、場合によっては二十メートル近い深さにわたってシュレッダーダスト等がずっと積み重なって埋まっております。中には、一部からはガスのようなものも若干出ているとか、あるいはそれが熱を持って、もともとがいいお天気ではあったんですが、それにも増して何か足元が少し熱くなつている。あるいは、海沿いの方は水が流れ出さないように堤を築いているわけですが、しかし、そこにたまっている水は紫色の非常に濃い、何とも言えない色をしている水がたまっている。そういった現状を見まして、私も事前にいろいろと報告書やあるいは写真等を見ておりましたけれども、まさに聞きしにまさるといいましょうか、そんな感じがいたしました。 そういった意味で、この問題は、ある意味では産業廃棄物という問題の象徴的な不法投棄の問題がこの豊島の問題であるというふうに認識をしておりまして、どうできるか、その中から考えたいと思って、まずは見てきたところであります。
○海老原義彦君 今の大臣発言にもございましたように、この問題は産業廃棄物の不法投棄の象徴的な問題だと大臣おっしゃいましたが、確かに私も全くそのとおりだろうと思います。ですから、これは一地方の問題であるけれども、国全体の問題である、もう国として取り組まなきゃならない問題だ、こういうふうに考えるわけでございます。 そこで、この事件の発端から見ていきたいと思いますが、平成二年まで十二年間不法投棄が続いて、平成二年に警察の捜査が入ったわけでございます。その状況につきまして警察庁から説明いただきたいと思います。
○説明員(園田一裕君) お答え申し上げます。 お尋ねの事件でございますが、この事件は、香川県内の豊島に所在いたします産業廃棄物処理会社が平成元年の十二月ごろから平成二年の十一月ころまでの間に、近畿、中部などの化学工場などから排出されました有害物質を含有いたします廃酸、廃油、汚泥などの産業廃棄物約三万五千トンを改造フェリーを使いまして豊島に運搬いたしまして、同所において焼却あるいは埋め立ての処分をしていた事件でございます。 この事件におきまして兵庫県警は、平成三年の一月、同社の役員ら六人を廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反で逮捕したのを初めとしまして、これらの産業廃棄物の処分を委託いたしました排出事業者につきましても、同法違反で検挙いたしております。このうち、この産業廃棄物処理会社の役員ら五人につきましては、懲役刑または罰金刑が科せられたものと承知しております。 また、この豊島に当時まで不法に処分された産業廃棄物の総量でございますが、これは当時約七十万トンと推定いたしております。 なお、この産業廃棄物処理会社につきましては、その後、香川県知事によってなされました汚水を防止するための止水壁の設置命令、これに従わなかったということで、同知事の告発を受けまして平成六年の九月に香川県警が同社の役員を検挙いたしております。 以上でございます。
○海老原義彦君 今お聞きのような状況で、この悪徳業者につきましては一応刑事上の処分も行われた。ところが、残ったものはこの廃棄物であります。当時七十万トンという推定でございますが、現在でもこの廃棄物、一部は県の御努力によりまして排出業者が引き取るなどのこともあって多少は減ったようでございますけれども、まだまだ五十万トンという大変な堆積が残っておる。この問題について、地元島民ももちろん当初からいろいろと県と折衝しておりましたけれども、なかなか折衝もらちが明かないということで公害調停にかけるという事態になってきたわけでございます。 調停については、これは香川県内だけの問題でなくて、排出業者は兵庫県、大阪府、さらにもっと遠くの県も、幾つかの県が入っておりまして、そういう県際問題ということでございますので、中央において処理するということで公害等調整委員会にかかっておる問題でございます。 公害等調整委員会では実態調査などもしておるようでございますので、この実態調査の状況も含めて、調停の進行状況について公害等調整委員会事務局からお話しいただきたいと思います。
○説明員(永島泰彦君) お答えいたします。 公害等調整委員会におきましては、豊島産業廃棄物調停申請事件の適正かつ迅速な処理に資するということで、先ほど先生お話にございましたが、三名の専門委員の指導のもとに、平成六年の十二月から平成七年の三月まで豊島不法投棄地及びその周辺環境の実態調査を実施いたしました。 その結果について要約を御報告いたしますと、廃棄物の総量は約四十六万立方メートル、重量は約五十万トンに上るということでございます。それから、廃棄物中には重金属や有機塩素系化合物、ダイオキシン等の各種有害物質が相当量含まれている。それから、汚染は土壌及び地下水にも及んでいること。さらには、周辺環境への影響につきましては、現状では特に廃棄物に起因すると考えられる汚染は明確には見られないわけでございますが、地下水及び有害物質の挙動からいたしますと、現状においても有害物質が北海岸から海域に漏出しているというように考えられるということでございます。これらのことが判明しております。 これらのことから、専門委員は、結論といたしまして、このま放置することは生活環境保全上の支障を生ずるおそれがある、早急に適切な対策が講じられるべきである、このように言っております。このように指摘した上で科学的、技術的観点から七つの対策案、これを提示したというところでございます。 先生から御質問のあった第二の点でございますが、当委員会におきましては、以上の結果を踏まえましてこれまで鋭意調停手続を進めてまいりました。しかしながら、今後の見通しにつきましては、現在係属中の事件ということでございますのでコメントをすることは適切でないというように考えておりますので御理解を賜りたいと、このように存じます。 いずれにいたしましても、本調停事件は社会的関心が極めて高いというものでございまして、当委員会といたしましては、全力を傾注して調停手続を進めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○海老原義彦君 今の話を聞きましても、現実に有害物質が流出しておる。今後、近辺に悪い影響を与えるおそれがある。おそれがあるということは、これは公害や病害の問題については、エイズでもそうでございますが、おそれがある段階でとめなかったら大変なことになるわけでございます。 この廃棄物堆積を何とかしなきゃならぬという問題があるんですが、その前に、もう一つ調査があると聞いております。これは環境庁で周辺海域のダイオキシン調査をやっておるということでございますので、環境庁からその状況を御答弁いただきたいと思います。
○説明員(廣瀬省君) 本年二月に公表した環境庁による豊島周辺海域の水質、底質及び魚・貝類についてのダイオキシン類の調査結果では、一部のサンプルにおいて微量ながらダイオキシン類が検出されました。 その検出レベルについては、水質については、地下水の浸出が認められる地点で検出されましたが、その他の地点では検出限界以下でありました。底質については、廃棄物の堆積場所から離れた海域よりも高い検出値が得られましたが、これまでの我が国での検出レベルの範囲内でありました。魚・貝類については、これまでの我が国での検出レベルの範囲内でありました。 以上から、豊島からの地下水の浸出が認められた地点でダイオキシン類が検出されたことや、底質における検出の状況などを考慮すれば、豊島に堆積している廃棄物に起因するダイオキシン類が周辺環境へ漏出している可能性も否定できないと考えております。 以上でございます。
○海老原義彦君 ダイオキシンが流出している可能性も否定できないという調査の報告でございますけれども、やはりこの問題については本格的な対策を立てなければならない。今、公害等調整委員会で調停を進めておるわけでございますが、七つの案のどれを選択するかということで両当事者の意向を聞いておると。だけれども、これは実に難しい問題があるんですね。というのは、この五十万トンという大量の廃棄物をもう一度処理して無害にしていかにやならない。そのために、まず持っていく場所も問題でございますし、何よりも金が大変かかる。 この金について公害等調整委員会の方から御説明がなかったと思うんですが、私の記憶だと大体百数十億、二百億近いものがどの案でもかかる。案によっては百三十何億、それから一番軽い案では六十億。ただ、この六十億というのは現場に置いたまま漏れないようにしていくというので、漏れないようにということは地下水を絶えずくみ上げて回転させなきゃならぬ。そうするともちろん浄化装置も必要でございまして、浄化装置のランニングコストだってかかるからこの六十億の上にどんどん積まれていくということで、どんな案をとっても百億以上の金がかかるんだというふうに理解しなきゃならぬと思うんです。 これだけの金を香川県が一県で背負う。本来、これは、行政上は廃棄物でございますから県が処理することでございますので、香川県が一県で背負うということになるわけでございます。さらに理論的に言えば、それはもちろん処理業者の不手際からこういうことになったのでありますから処理業者に基本的な責任がある、処理業者に払わせるべきだ。ところが、これが非常に零細な業者でございまして、警察の手入れを食ってから後はもう倒産同様の状態でございまして、金なんかありゃしません。 では、排出業者はどうか。排出業者も大企業は余りない、中小企業ばかりでなかなか負担能力がないだろう。結局、県でやらざるを得ない。ところが、県でやるにしても、これだけの金があれば高校が二つも三つも建つというような大変な金でございますから、これは国としても一生懸命この問題を考えるからには金の面で何とかしなきゃならぬ。 それで、こういう問題について例えば地方交付税というようなことを考えられないのか。自治省の御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(岡本保君) お答えをいたします。 先ほど来委員御指摘ございますように、現在公害等調整委員会でその調停申請がなされているわけでございます。自治省といたしましては、その県の意向も踏まえまして調停の状況を見守っていきたい、そういう中でいろいろの現在の制度についての対応というものも考えていきたいというふうに考えております。
○海老原義彦君 私が伺いましたのはもっと一般論でございます。こういった有害廃棄物が堆積していて、これを県で代執行なりなんなりという形式でどかさなきゃならぬ、そういう場合にかかる金を地方交付税で見ることができるかどうか。一般論で伺うのは、ほかにもそういう問題があるからなんですよ。 ですから、自治省から再答弁いただく前に、平成になってから一体どれぐらいこういった不法投棄事件があって、不法投棄の総量はどれくらいなのかというのをちょっと警察庁からお話しいただきたいと思います。
○説明員(園田一裕君) お答え申し上げます。 警察におきまして、平成元年から平成七年までに産業廃棄物に係ります廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反事件としまして検挙いたしましたのは五千八百九十九件、七千二十八人でございまして、これらの事件におきまして不法投棄されました産業廃棄物の丘は約一千万トンと推定いたしております。 以上でございます。
○海老原義彦君 一千万トンという件数にしても膨大なものがあるわけでございまして、これは香川県だけの問題じゃない、各県すべてにかかる問題でございまして、県によっては自己努力によって、財政に余裕のある県であればそれを撤去して処理したことも多いようでございますし、また財政に余裕がなくとも非常に少ない量であればそれは何とかなる。ところが、一般論として、そういう県ばかりではない、どうにも金がなくてできないぞ、困るぞという場合に、自治省としては地方交付税の面倒を見るのか見ないのか、そこら辺を明確に御答弁いただきたいと思います。
○説明員(岡本保君) お答えをいたします。 一般論という御指摘でございますのに制度論でお答えをさせていただきますが、産廃の処理費用、要するに廃掃法に基づきますと、不法投棄の回収費用の負担を含めまして原因者が責任を持って処理するということになっているわけでございます。交付税制度、その本来の制度で予定している費用についてその標準的なものを見ているわけでございますので、現在の交付税の中でそのような不法投棄に対処する費用というものは交付税の制度としては算定をいたしておりません。
○海老原義彦君 今の話は平成五年一月二十一日の当委員会における答弁と食い違っておるようでございますね。平成五年一月二十一日の御答弁では、説明員の遠藤安彦さんが、原則は原則として前提に置いて、そしてなお地方団体がやむにやまれず処理をしなければならないというような場合には、個別の事例に即してその経過や事情をお聞きし、財政負担の状況あるいは団体の財政事情、そういったものを総合的に勘案して特別交付税の算定等に当たって配慮していきたいと、こう言っておるわけでございます。 この答弁と今の答弁とかなりニュアンスが食い違うようでございますが、その後、自治省としては考え方を変更したわけですか。
○説明員(岡本保君) 今御指摘のございました平成五年の遠藤説明員の説明はそのとおりでございまして、私が先ほど申し上げましたいわゆる標準的と申し上げました交付税制度、いわゆる普通交付税の一般論の中では見ていないということを申し上げたわけでございます。
○海老原義彦君 今、豊島の廃棄物の問題を問題にしております。一般論というのは、当然豊島と同じような事情がほかでももっと小規模に起こった場合にどうするかということでありまして、そういう逃げの答弁をしては困るんだ。これは、あなた、金がないからほっておくと言ったら、十年でも百年でもほっておく、それで瀬戸内海は公害にさらされる、こういう問題なんですよ。そういう場合にそういうふまじめな答弁をされては困る。 それで、今度は厚生省の事務当局にとりあえずまず伺いたいと思いますが、こういった自治省側でいろいろと掬すべき事情があれば交付税を出してもいいんだよということであるならば、厚生省としては県と十分話し合って、ともかく何とか金をひねり出す努力を県と一緒に鼻突き合わせてやるということはできますか。
○説明員(小野昭雄君) 先生御承知のとおり、産業廃棄物につきましては、不法に処分された場合の原状回復といいますのは、その処分を行った者がその責任で行うというのが原則でございます。 豊島問題につきましては、先ほど公害等調整委員会の事務局の方からもお話がございましたが、現在調停が進められているわけでございまして、先ほど御紹介のありました現地の実態調査を踏まえましてさまざまな検討が行われているわけでございます。その中には、廃棄物をそのまま島外に運び出して島外で処分する方法、あるいは島内で中間処理して島外で処分する方法、あるいは島内で中間処理して島内で処分する方法、あるいは現場で封じ込める方法等、現時点で考え得る代表的な対策の骨格として七つの案が示されているわけでございます。 現在、公害等調整委員会におきまして、七つの対策案が盛り込まれました検討結果を踏まえて、対策の内容あるいは一体だれがその対策を実施するのかというふうなことにつきまして関係者による調停が進められているところでございまして、私どもといたしましては、この調停の動きというものを見守りながら適切な対処を考えてまいりたいと思っている次第でございます。
○海老原義彦君 もっといろいろ突っ込みたいんですが、時間もないようでございます。時間がないから打ち切るというのはまことに残念なんですね。これは日本の国土の将来にかかわる問題だと思うんですよ。 豊島がモデルケースだということは、先ほど警察庁からも説明がありましたように、一千万トンの不法投棄の中の五十万トンでございますから、大口ではあるけれども他にもたくさんある。それだけに自治省も厚生省もなかなか事務当局はガードがかたくなって、金は出せないという感じが強くなっておる。これではだめなんですね。ここで、金は出せない、しからばどうするかということになると、県も金は出せない。それは県民の税金から集まった金でございまして、香川県にとっては、遠く離れた小島一島のためにそれだけの膨大な金が出せるかという考え方がある。県議会で追及されたらそれは困るじゃないかという問題があると思うんですよ。 ですから、もともと排出業者は、先ほども言いましたように、広い範囲にわたって、瀬戸内海の沿岸からもっと内陸部までの、恐らく福井県あたりも入っていたんじゃないですかな、遠くからも来ておるというようなことでありまして、そういうような広い範囲にわたっての問題であって、国として何とかしていかにやならないということ、これは火を見るよりも明らかだと思うんです。 私は、この問題について、厚生大臣に再度御答弁をいただきたいと思うんですが、厚生大臣として、今後、やはり一番問題は、公害調停ができた後いずれの案でやるにしても大変な金がかかるんであって、それに国としてできるだけの面倒は見ていかにやならない。そこら辺の決意を御披露いただきたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 今御指摘がありましたように、公害等調整委員会におきましてこの議論をしていただいているわけであります。私、先日現地に出かけだ折にも、もし機会があれば香川県知事ともお話をしたいど思っておりましたが、そういう機会を得ることがその段階ではできませんでした。しかし、その後、八月二十九日、三十日には厚生省の産業廃棄物対策室長を初め三人の職員を県庁あるいは現地に派遣いたしまして、香川県との間での意見交換を行ってきているところであります。 そういった意味では、やはり県との間での意見交換、いろいろな連携を密にしてこの問題に取り組んでいく必要があると思っております。そして今、海老原先生がおっしゃったように、私もこれを最終的に解決するための財政的な枠組みということも当然ながら考えていく必要があろうと思っております。 これはまさに豊島の問題であると同時に、今後の産業廃棄物の処理、こういった問題のいわば一般的な制度をどうつくるかという問題にも場合によっては直結するような問題でありますので、それも今いろいろと審議会等で議論いただいております。例えば、ある程度の基金のようなものをつくるというような案も出てきているところでありますので、そういった意味では現時点でどういう形ということまで申し上げるほど私もまだ明確な形を持っておりませんが、しかし何とか現地の香川県とも十分協議をして打開策を見つける必要があるんではないか。その気持ちにおいては委員と同様の気持ちを持っている、そう考えております。
○海老原義彦君 厚生大臣、大変前向きな御答弁ありがとうございました。ひとつその考え方で現地とも十分調整しながら前向きに取り組んでいただきたいと思います。 なお、公害等調整委員会におきましてこの調停を速やかに進めていただきたい。これは事務局長戻られて調整委員会にお伝えいただきたいと思います。 終わります。
○守住有信君 先ほどは産業廃棄物、シンボル的な例のお話が海老原さんからございました。私は水の問題、入り口・出口論がありまして、水質の浄化とか水資源の確保とかもございますが、家庭雑排水の問題についてお話しして、また私の考えも言って、対応をお聞きしたいと思っております。 もう十年ぐらいになりますか、斎藤厚生大臣、今の参議院議長でございますけれども、ちょうどあのころNHKが「くらしの経済セミナー」で印旛沼の汚泥、汚れ、そしてその原因がし尿ではなくて実は大量の家庭の雑排水、単独浄化槽は完全にできておりますけれども家庭雑排水にあると。それに対して、バクテリアを使った、一つは空気を好むバクテリア、好まざるバクテリア、あるいは沈殿、三つの方式の大きなプラスチック製の槽の中で、その合併浄化槽が開発されたというのをNHKの報道で知ったわけでございます。 それで、当時厚生省の生活衛生局、生活と名のついておるのは経済企画庁の国民生活局と生活衛生局、まだ宮澤さんが生活大国と言う前でございましたけれども、生活者、私は地球環境よりも足元、脚下照顧、一軒一軒の家庭が実は原因者なんですよ。それは知られていなかった。 そして、実は方式が三つある。公共下水道、農山村の山奥の方は農林省の農業集落排水施設、それでそこに新たに合併浄化槽が開発されて、当時、厚生省の諸君と一緒に厚生担当の主計官のところへも行きまして、補助制度。ところが、一軒一軒の中ですから個人財産だ、補助はできませんと。それならば市町村はできるのか、はいできますと。それなら各県と厚生省が後ろから三分法で補助をする。ただし、単独浄化槽は補助がありません、融資だけでございます。低利融資だけですから、それを上回る分をその三分法でということで、最初は補助が一億でございました。今は百四十五億ぐらいになっております。もう十年ぐらい前からでございます。それ以降ずつど調査したりしてまいりましたけれども、その三つの方式がある。 そして、都市局の下水道部では第八次下水道整備五カ年計画、二十四兆円ぐらいになると思います。都会地は当然公共下水道なんですね。大都会ではビルがあり、密集してお店があったり、住宅があったり、アパートがあったりしておりますね。 ところが、これがだんだんと二つの町村を持ったから複合で、田舎の方が、郡部の方まで流域下水道ということでどんどん広がっておるわけですね。そして、これはえらい投資を食います。大きな管をぽつぽつあるところへ、お店も道路のわきにはあるけれども、それから先はばらばらなんですね。物すごいコストがかかった。そして、これをよく調べていきますと、自治体ですからいわゆる公営企業会計でやっておる。そうすると、下水道料は市町村議会ですからなかなか上げられぬ。そうすると、一般財源を食っておるなということが、一部のあれですけれども、気がついたわけですね。 そして、もちろん山の奥はリサイクルする。合併浄化槽もリサイクルできますけれども、これは農業集落排水施設だ。ところが、これだって限度が二十戸までなんだ、小集落で。十戸ぐらいのところはだめなんだ。じゃ、そういうところに合併浄化槽が本当に普及しておるのか。合併浄化槽のメーカーは大手ですけれども、施工者は本当の零細企業なんです、あるいはメンテナンス屋も。全国でメンテナンスを含めたらたしか九千何百ぐらいあると思いますが、これは同和問題とも絡んでおる、同和の地域の諸君とも。というのはバキュームカー、ほとんど同和の諸君たちが多かったんですが、公共下水道がどんどん広がりますから仕事がなくなる。それならどうするのと。合併浄化槽の工事の施工とかメンテナンス、その組織の中へ入りなさいと言って、そういう意味でも広がりがあるわけですけれども、しかし本当に地域の零細業者なんですよ。 そして、私は特に思っておるのが、この財源難の将来に向かっていくときに、コスト対効果というものがどういう問題があるか。三省庁の主張で分かれておるけれども、それぞれが税金使っておるわけですから、国税から地方税も、それがコスト対効果でどういうふうになっておるか。 まずは三省庁でシンクタンクに調べさせる。適地適作という言葉がありますけれども、調べさせる。そして、その次が実は大蔵省なんですよ、主計局だ。主計局も縦割り行政だ、農林担当主計官、次長、建設省担当主計官、次長、厚生担当主計官、次長、まあ横に公共担当というのがおりますがね。私は、行政監察局に前からこれを勧告させて、もう縦割りで、横で物を見るやつ、えぐるやつがいるから、行政監察局にもテーマを入れて、もう随分前ですけれども。ところが、その後見ておってもさっぱりだ。だから一番大事なのは、私は大蔵省主計局だと思う。縦割り行政と批判されて長いですけれども、主計局そのものも。きのうも実は大蔵大臣そこへ座っておられましたが、言いたかったが時間がなかった、ほかのテーマがたくさんありましたから。 そこらあたりを私は一つの手法を言いたい。何か協議は始まっておるようです、三省庁。ところが、それはやっています、やっていますばかり言うんだ、今も。違うんだ。縦で、まずそれぞれの省のシンクタンクがコスト対効果、これをはっきり出す。その次は、大蔵省主計局が大蔵の総合的なシンクタンクでこの三つの方式を分析してみる。そして、どういう地域ならどういうのがコストが安い、こっちはコスト論だけじゃないと。大都会はもう当然だと思っておりますがね、コストが何ぼかかろうとも。そういう方式を今後やっていかれるかどうか。 何か三省庁は協議を始めたということは聞きましたけれども、ただ始めたって観念論だけでやっておったんじゃだめなんで、最後は分析論ですからね。経済効果、いわゆる費用対効果、これを出し合うということで、まず大蔵省が一番中心だろうと思うんです、財源を握っておるわけだから。 まず、そこらの最近の状況と今後の取り組みを御説明いただきたいと思います。
○説明員(松川忠晴君) お答え申し上げます。 委員の方から効率的な公共事業の実施についていろいろ御提言がございました。 委員御指摘のとおり、公共事業の実施に当たりましては、今後、コスト低減という観点も踏まえて効率的な実施に努めないといけないと思っております。そのためには、まずそれぞれの事業においてそういう意識を踏まえて検討していくと同時に、先ほど御指摘がございましたように、類似した公共事業間の調整ということを一層進めていく必要があろうかと思います。 この問題につきましては、例えば今御指摘がございました下水道と農業集落排水施設が近接して整備されている等の事例がございまして、二重投資になっているのではないかという批判があることも事実でございます。 こうした批判を踏まえまして、非効率的な事例が起こらないように、まずは事業実施官庁におきまして都道府県レベルにおきます統一的な整備計画を策定していただく、さらに国土総合開発事業調整費という枠組みを活用いたしまして事業の進度レベルを調整する、さらに関係省庁間の連絡会議の充実等を行っているところでございます。 財政当局といたしましても、投資の効率性が損なわれないように、予算の編成の過程あるいは実施の段階での実施計画の協議を通じまして新規の箇所づけ等に関する連携を一層強化することとしたいと思います。 今後とも、公共事業の効率化の観点から、これらの取り組みも一層進めてまいりたいと考えております。
○守住有信君 厚生大臣、お聞きでしたか、合併浄化槽は抜けておりますよ。二つ言いました。三つ目が抜けておった。今もそのような認識なんです。 私がいろいろ調べましたら、厚生省のルートは、保健所はきちっといっておりますね。家庭婦人の方々にいろいろ講演をしたりパンフレットを置いたり、合併浄化槽についてですよ。ところが、役場に行きますと、建築関係、これには何もパンフレットを置いてない、合併浄化槽について。そして、議員の諸君たちも町村長も、下水道はよう知っております。ところが一方じゃ、かつて下水道事業団の談合問題が、あの流れがずっと地域の中にも来ておる。こっちは零細でしょう。こっちはそれなりに地域でも大手の方でございます。土木屋でございます。 そういう面をいろいろ見ると、役場に行っても建築、土木関係、パンフレットは置いてない。離れた保健所に置いてある。家庭の御婦人には大いに啓蒙しています。家庭の御婦人方も生活環境、浄化問題というのは非常に関心を持たれる。ところが、家を建てるとき、建て直すとき、やっぱりおやじの方が実権を持っておる。それからまた、住宅産業、これは建設省ですよ。その下請なんですよね。だから、そういう建設産業と下水道のグループというか工事会社、メンテナンス会社、これとの連携も実は余りできておらぬなということも感じたわけでございます。 それと同時に、各省庁がまず自分のシンクタンクを使ってコスト対効果というものを出してみる、そしてそれに対して今度は大蔵省がみずからのシンクタンクも使いながらよくその特徴を分析していく。やっぱり適地適作なんですよ。都会地、都会地の近郊、ずっと平坦地域、中山間地域、農業政策と同じなんだ、これは。それを一律パーでやってね。 九月十日は下水道促進デーですから、日経新聞にも大きく出ておる。それから、次の日はスポンサーがいっぱいついて、そして統計数字は下水道だけの数字なんです。これはよその県は怒りますよ。徳島県、下水道だけで見ておるから何と九%、和歌山県八%、ほかもいろいろありますよ。それだけのグラフなんです、下水道だけから見たグラフ。下水道類似施設だ、あと二つは。下水道だけの視点で出ておる。あとはスポンサーが山ほどありましたよ、下の方に。両方よくごらんください。日経新聞だ。日経も偉そうなこと言って批判するけれども、やっぱり大手が後ろについておるのかなと、こういうふうな気まで出てくるわけですよね。 そして一方では、これはきのうもお話しになっていましたけれども、公共事業の非効率さの例としてこの写真、鳥取県日吉津村、農水省の下水道処理、農業集落と建設省の公共下水道が隣り合わせで川の横のところで同じようにやっておる。そして一軒一軒は合併浄化槽。 それで、やっと最近厚生省は自治省と組まれて、まずは特定水源地域をやった。一番川の源流、水資源、清流、わき水、この地域の生活排水をまずやろうということで、厚生省と自治省が一緒に組んで法律もつくられた。そして、ずっとこれが進み出して、自治体自体もみずから事業主になって、特に上流の方ですな、水源地域、合併浄化槽は。農林は農林であれはリサイクルできる。こっちも小川に流してリサイクルできますけれども、それぞれのあれがある。建設省も近ごろは下水道も水資源という角度で、渇水の事態を迎えていろいろな手法を来年度に向かって組んでおられるようですけれども、雨水貯留浸透とかいろいろありますが、これはなかなか立派だと思います、建設省としての取り組みの下水道。 ただ、一番根っこのところの、私が知っているのは例えば熊本県、細川知事時代の下水道マップ。そうすると、そのマップで勝手に町村に絵を描けばいいんですよ、市を中心に。そうすると、ここは合併浄化槽はつくらせぬと、こういうことなんだ。それで細川とけんかして、何だいと言って、すぐ翌週の月曜日だったか記者会見して訂正させたんですけれども。もう具体的にそういう、一熊本県だけじゃないですよ。それが全国的にある。 最近、十年前から合併浄化槽は開発されて、しかもこれが一軒一軒なものですから、なかなか浸透しないんですよ。そして町村長も余り知らぬ。下水道はよく知っておりますよ。田舎の方に行くと農業集落排水施設はよく知っておる。その真ん中の一番のところ。それで、私は経済効果というもの、コスト対費用、橋本総理もいつもおっしゃっておるはずですよね。それを三つの方式があるから、どこを適地適作でやっていくかというのをコスト効果から分析して、シンクタンクをそれぞれ手前持ちだからこう出すでしょうけれども、それを最後に大蔵省主計局がさらにみずからのシンクタンクで三者を分析して、そして資源配分というか財源配分を本当に適地適作でやってもらいたい、こう思っておりますから、私の主張だけで、きょうは水俣病の問題がありますから、この程度に下水道関連はさせていただきます。 それで、それ以外にも一言だけ。 これはやっぱり切り抜きですけれども、東大の宮島教授がこういうことも言われておる、最後のところで。これは結論は「複数省庁による予算共同要求の導入」というようなことで、最後のところで「例えば下水道については、建設省と農水省があらかじめ調整を行った上で共同要求するというように、複数の省庁で事前に調整し、共同要求したものでないと認めないというやり方に変えて行く。」、あるいはプロジェクト要求。ここにも合併浄化槽は出ていないんです。東大の教授も知らないんだな、入っていない、これには。この間の読売ですけれども、宮島教授。これだけをつけ加えておきます。 さて、水俣病の対策。もう四十数年になりますかな、皆は猫曲がりと言って、ちょうど四十三年ぐらい前は私は水俣で郵便局長をちょっとしましたものですから、あの水俣湾、猫が魚を骨のまま食って、その次は胎児、お母さんの子供、それが今四十何歳ですけれども、死んだ人もおる。それがだあっと広がった。水俣湾だけならまあまあだったけれども、それがずっと鹿児島の方から芦北からもちろん天草まで、そして新潟の阿賀野川もある。水銀。盛んに議論して、無機水銀が何で有機水銀になるかとか、学者の方もあれでございました、プロセスはやめますけれども。いろんな患者団体あるいは弁護士団に私もいろいろ話を聞いたり、普通の大衆社会の話も聞いてきました。 やっと去年の十一月ですか、村山総理が決断された。やっぱり違うな、大分湾の漁民のせがれだと、実はそういう思いでおりまして、大きな峠を越しました。あらゆる患者団体が、いわゆる二百六十万ですけれども、医療補償等もずっとやっていくわけですから納得して、私も患者団体や弁護士団といろいろあれしておりましたけれども、やっと峠を越した、この長い悩みが。世界の公害の原点。 ところが、残った問題がまだあるわけでございます。一つはやっぱり水俣、芦北等を中心にする地域社会。今、もやい直しという言葉で、これは地ごろの熊本県の方言でございます、もやい直し。もやいとは何だ。船のとも綱でございます。いろんな糸がまじり合っております。その糸も昔の糸だ。一般の住民と患者団体や各家庭とかいろんなあれと長い間の怨念みたいなものと、こっちの反発がある。それを今もやい直し運動ということで、水俣市長以下、あそこの三町長が一緒になりまして、下から、住民からというのが基本になってございます。もやい直しという運動。 さらに、それに対応して水俣・芦北振興計画。もう第三次に入っております、第一次、第二次と。ところが、あれが閣議了解だものだから、どうも各省庁の中で余り認識が入っておらぬ。例えば道路整備にしましても、八代からずっと水俣、芦北、出水、阿久根とずっと鹿児島へ、地域でございますよ、それも建設省の九州の枠の中、これでやっているんです。これは一例でございます。 そのほか、きめの細かい、ここに持ってきておりますが、熊本県の「第三次水俣・芦北地域振興計画 平成九年度」、これはいろいろお話もこれからますます県知事以下、市町村一緒になってまいると思いますけれども、その地域の、中で、一つは地元は地元としてということで、あの不知火湾の芦北、水俣、海岸端ですね。眺めのいいところですが、桜の木をずっと植えようと、全国から募金しまして。全国的な問題ですから、心を通わせる。全国から募金して桜も植えようとか、そういうように地元は地元で取り組んでおります。 振興計画もいろんな各般にわたったものがございます。やはり、あれだけの四十何年にわたった悩み、人口流出その他ありますので、いろんな広域プロジェクトや地域プロジェクト等々ございます。今度は、いわゆる第三次の初めての取り組みでございますから、その水俣病の怨念を克服して、具体的な目に見える地域振興に御配慮をいただきたいという、これは一つの陳情でございます。 それと、もう一つがあのチッソでございますが、チッソが倒産したら全部国の財政、県の財政がかぶらにゃいかぬわけですよ、原因者負担だけれども、ここが倒産したら。もう二千億近くに今はなっている。今後もずっと返済はあと三十年か四十年続くんです。それで、かわりに熊本県債を発行して、県議会が始まっておりますから、三年に一回の見直しですから、これからまた県議会は県議会で県知事以下苦労してこれを説得しなければいかぬ。しかし、一番のもとはチッソでございます。チッソが倒産したら元も子もなくなるんですよ、全部国の財政と県の財政にかぶってくるんです。 そして、今チッソの経営はどうだといいますと、化学肥料はさっぱりでございますからね、触媒が水銀だというので。半導体とか部品とか液晶とか、これは割にいいんです。ただし、日本の最近の情勢は、半導体も液晶もだんだん台湾その他東南アジアと、こうなりだした。そして、現在は利益がやっと年間三十億。ところが、今の支出で毎年八十億円要るんですよ。その差が五十億ある、毎年です。五年たち十年たち、これが我々は心配でならないんです。 そこでどうするか。一つは、通産省基礎産業局だと思いますが、かつて申し上げたことがありますが、日本の化学界、これ競争原理ではありますけれども、販売であるいは研究開発でチッソを支援する。そこで、かの有名な通産省の行政指導力が、こういうのは特別の問題ですから、一般論じゃないんだ、通産省も原因者だったんだよ。当時は環境庁はなかった。厚生省は積極的に取り組もうと思った。これは歴史の証人、ジャーナリズムがいっぱい言っておりますよ、はっきり過去の歴史を。それを通産が増産に次ぐ増産で抑えたというプロセスが過去にある、朝日その他がずっと書いておりますよ。 だから、それは先輩の時代だけれども、そういうものを今の現役が心の中で、いや済まなかったと思って、あと残る問題はチッソが倒産せぬように、ちゃんと利益を出して補償金に全部充当されるように、補償金が四種類あるわけですから、水俣湾埋め立てもあります、健康被害の方もあります、それから補償金もあります、それに向かってどのようにとらえておられるのか。これはちょっとした舞台裏の知恵ですっとやればいいんだよ、化学製品の販売とか。 その辺をどうとらえておられるか、一遍その決意のほどを、大げさに天下に向かって言う話じゃないけれども、やっぱり公害の原点のチッソが倒れたらえらいことになりますよ。そこも問題意識の中に入れて、チッソがちゃんと成り立って育っていくように、どのようにお考えか、まず通産省からお聞きしたいと思います。
○説明員(西村英俊君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、チッソ株式会社が今後とも順調に利益を上げていくということは最も重要なことであるというふうに認識いたしております。通産省といたしましては、個別企業のことでございますのでその支援にはおのずから限界を伴うところではありますけれども、しかしながら累次の閣議了解等に基づきまして、チッソ株式会社に対して可能な限りの支援を行ってきたところでございます。 例えば最近のところで申し上げさせていただきますと、チッソ株式会社の子会社に対する日本開発銀行からの特利融資による必要な設備、施設の新設、充実に対する支援を行ってまいりましたし、また平成五年十一月の関係閣僚会議申し合わせに基づきまして、チッソ株式会社に対する中長期的な観点からの支援策につきましても検討いたしまして、まず平成七年では十月に、東ソーという株式会社がございますけれども、そこからのポリプロピレン事業の譲渡に関しまして所要の支援を行いました。 また、本年、平成八年でございますが、一月に入りまして、チッソ株式会社の子会社でございますけれどもチッソ石油化学に対しまして、新技術事業団から新しい技術によるプラスチックの開発について、総額十一億円の研究開発でございますけれども、委託を実施したところでございます。 また、さらに三月には、チッソ株式会社が中国に合弁会社を設立しまして、おむつ等に使用しまするポリプロピレンとかポリエチレンなどの生産拠点を設ける際に、日本輸出入銀行及び民間金融機関からの総額一千二百万ドルの資金の借り入れに関しましても所要の支援を行いました。 以上のように、通産省といたしましては、チッソ株式会社の経営の安定化の必要性については十分認識しておりまして、それを踏まえまして今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
○守住有信君 どうもありがとう。患者団体、チッソに成りかわって御礼申し上げます。あと、長い継続で平成六十年ぐらいまで行くんだからね、この返済が完了するまでは。 そこで、一つ最後に総合調整推進役としての環境庁長官、本当にこれは公害の原点です。あそこの患者をいろいろ診察した東大、熊大の原田助教授以下も、今はアフリカに行っておりますけれども、タンザニア国ビクトリア湖。毛髪を持って帰って、第二の水俣病が起こらぬように、この我々の思いをアフリカや南米、そういう人たちも活躍しております、環境基金を使って、ボランティア貯金も使っていますけれども。ひとつ総合的に、最後でございますのでよろしくお願いします、環境庁長官。
○国務大臣(岩垂寿喜男君) 水俣病問題の解決に当たって、守住先生を初め地元の皆さんに大変お世話になったことをこの機会にお礼を申し上げたいと思います。 今御指摘のように、チッソの支援については私としても重要な課題だというふうに考えております。今御指摘をいただきましたけれども、チッソの経営状態、最大限の努力を会社としてもしているようでございますけれども、支援策も機能いたしまして少し上昇基調にあるのかなというふうにも受けとめられると思っております。 しかしながら、化学業界全体をめぐって経営環境も変化しております。そして、多くの債務を負っている企業の経営に対しては、御案内のとおりの平成七年十二月十五日の閣議了解のように、「チッソ株式会社の経営基盤の維持・強化を通じて、患者に対する補償金の支払に支障を生じないよう配慮するとともに併せて地域の経済・社会の安定に資するため、関係省庁において、同社の経営状況を踏まえつつ速やかに検討を行い、適時適切に対処する」という閣議了解があるわけでありまして、この道筋を先生の御発言をしっかりと受けとめながら対応してまいりたいというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○守住有信君 どうもありがとうございました。終わります。
○委員長(野沢太三君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(野沢太三君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成六年度決算外二件を議題とし、厚生省、環境庁及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下栄一君 平成会の山下でございます。 私は、厚生省並びに厚生大臣を中心に御質問したいと思います。 七月二十三日でしたか、当決算委員会の総括質疑でも厚生大臣にも御質問申し上げたO157問題につきまして、私も大阪の出身でもございますので、堺で大変な今状況になっております。亡くなった方もいらっしゃるわけでございます。厚生省によります原因究明の成果も八月七日に発表され、十二日には追加資料、そして二十七日にも資料が出ておるわけでございます。それに基づきまして御質問したいと思うわけでございます。 まず大変な、七千人になんなんとするそういう集団感染が堺市で起きたわけでございますが、O157の菌も子供だけではなくて大人からも発見されております。それで、今回最初にこういうO157に感染したのはいつだったのか。どういう状況の中でどなたが、それは一人か複数かわかりませんけれども、それは原因究明する必要があると思うわけでございますけれども、これは何日から始まったということはわかっているんでしょうか。
○説明員(小野昭雄君) お答えいたします。 集団下痢症の有症者の集計をいたしましたところ、九日から十日の間から発症し始めてピークを迎えたというふうになっております。
○山下栄一君 あいまいにおっしゃいましたですけれども、この場所でこの方ということはわかっていないんですか。
○説明員(小野昭雄君) 疫学的な調査におきましては特定の者の名前まで特定はしてございません。
○山下栄一君 名前を発表してと言っていないんですけれども、どの地域のどなたが、それこそ何時何分とまで僕は調べるべきだと思いますけれども、明確になっているんですか。
○説明員(小野昭雄君) 名前を特定はいたしておりませんが、個々の方々につきまして、発症状況、症状、喫食状況等については把握をいたしております。
○山下栄一君 あいまいに答えてもらったらだめなんですよ。この堺の七千になんなんという数になっていった、そのスタートは原因究明にもう大変大事なことでございますから、ぼやっとしたんじゃなくて、この日、この方、この症状はどうだったというふうなことはわかっているのかわかっていないのか、これを言ってください。
○説明員(小野昭雄君) 個表ではわかっております。
○山下栄一君 さっき九日とか十日とかおっしゃいましたけれども、じゃ何日の堺のどのブロック、そして何時何分、何時何分までわからなくても何日のどの地域、わかりますか。
○説明員(小野昭雄君) 現在手元にある資料では、九日から十日にかけて北・東地区で発症が始まったという資料がございます。
○山下栄一君 九日から十日、もう一度。
○説明員(小野昭雄君) 九日から十日でございます。
○山下栄一君 どこで。
○説明員(小野昭雄君) 北・東地区でございます。
○山下栄一君 そんなあいまいなのはだめですよ、九日から十日。初発というか、初めて発症したそのスタートがはっきりしていなかったら困るわけですけれども、明確にはなっていないんでしょう。どうですか、なっていないんじゃないか。言ってくださいよ。九日から十日なんてそんないいかげんなのはだめですよ。
○説明員(小野昭雄君) ただいま申し上げましたのは集団として申し上げたのでございますが、個々の症例についてはいつ何日発症したということはわかっております。
○山下栄一君 わかっておりますか。
○説明員(小野昭雄君) はい。
○山下栄一君 それはだから何日ですかと言っているわけです。
○説明員(小野昭雄君) 現在、個々のケースの個表が手元にございませんので、先ほどは全体としてそれを集計したものの結果としてお話を申し上げました。
○山下栄一君 局長、そんないいかげんなことはだめですよ、それは。今回の事件はもう七千になんなんとする数ですから、これは世界的にもこんな集団発生の例はないわけですよ。今後の研究のためにも、また来年大変な集団発生が起こるかもわからない。そういう状況の中で今回の堺の事例というのは非常に大きなO157という菌の原因究明並びにその解決のために、集団発生を防止するための大事なこれは例になっていくと思うんです、世界的にも国際的にも。だから、最初いつで、その方はどんな症状でどういう経過を経てどうなっていったのかということがはっきりしていないとおかしいと私は思うわけです。今のそんな答弁じゃ、そんな答弁は症例として役に立ちますか、今おっしゃっているようなことは。
○説明員(小野昭雄君) 先ほども申し上げましたが、個々の方、名前を特定することはできませんが、個々の方についての発症日、症状、それから喫食状況等についてのデータは個表ベースではございます。ただ、私どもといたしましては、集団発生例の原因究明に必要な集団の把握という形で把握をいたしておりますので、個表ベースまでの分析は必ずしも、必要があれば行いますが、今回の場合には集団のケースの分析で十分であるというふうに考えたわけでございます。
○山下栄一君 今おっしゃる個表というのは、それは病院のカルテという意味でしょうか。診療所または保健所で明確に把握されているのがこういう例なんだという形で明確になっているということですか。
○説明員(小野昭雄君) 集団食中毒に関します調査の場合、一般的には食中毒の調査個表というものを作成いたしまして、今申し上げましたように発症日等について行っております。なお、症状その他についても必要な記載がなされておりますし、検便の結果等についてもその個表には記載がなされております。
○山下栄一君 学問的に将来の研究のためにも役に立つ明確な資料ですか、それは。
○説明員(小野昭雄君) とりあえず原因究明のために共通する因子で分析をしたわけでございますが、個表ベースにつきましては、それはカルテのようなものかどうかというのはちょっと今私も把握をいたしておりませんが、将来これをまたさらに分析していく際には有用な情報が収録されているというふうに考えております。
○山下栄一君 今の御答弁は、明確になっていないということをおっしゃっているんですよ、こんな大変な事件で最初の例も発症の具体的な事実も。そして医療機関の権威ある方の追跡調査で例えばO157が検出された、検体の検便から検出されたと。その方のたどっていった最初の発症はこの日であるということは医療機関、保健所等の資料を見ればわかるはずなんです。そういう形で調べられて明確になっているのかいないのかということを聞いているわけです。
○説明員(小野昭雄君) 食中毒の報告につきましては、通常その患者さんを診察した医療機関から報告がなされるわけでございまして、例えば頭痛、下痢あるいは下痢の性状、それからおなかが痛かったかどうか、あるいは微熱があったかどうか、何を食べたか、それからいつごろ発症しましたかというふうなこと、あるいは医師への受診の有無等々について届け出がなされるわけでございます。
○山下栄一君 何を言っているんですか、本当に。でたらめな答弁はやめてください。明確になっていないことなんでしょう。カルテそして保健所の資料を通して初発者、最初の発症者を調べたんですか、調べていないんですか。
○説明員(小野昭雄君) 届け出のありましたケースにつきましては保健所の職員が全例調査をいたしております。
○山下栄一君 それは、じゃわかりました。 疫学情報として岡山等の事例については初発者、最初の発癌者が明確になっておると聞いております。そういう形で報告されておりますか、厚生省等に。
○説明員(小野昭雄君) 先ほど来申し上げておりますように、現在手元に個表はございませんが、最初に症状を訴えた人、それから最初に検便でO157の検出された方、これはさかのぼれば特定可能でございます。
○山下栄一君 確定可能という言い方じゃなくて、明確になって、疫学情報として明確に報告されておりますか。
○説明員(小野昭雄君) 把握をしなければ分析ができないわけでございまして、それの把握はいたしております。
○山下栄一君 だから申し上げている。疫学情報としてきちっと報告するというふうに私は聞いているんですけれども、岡山の幼稚園の場合はちゃんと報告されたと聞いております。そういう形で堺の場合報告されているんですか。権威ある情報として、大切な最初の発症者、初発者の事例として報告されているんですか。
○説明員(小野昭雄君) 把握をされております。
○山下栄一君 じゃそれが七月九日ということですね。
○説明員(小野昭雄君) 七月九日でございます。ただし、検便の結果が出たのは七月十四日でございます。
○山下栄一君 そんないいかげんな答えはあり得ないですよ。将来のために大切な、大事な情報なんですからね、資料なんですから。さかのぼっていって、いつから始まったか、最初の発症者はだれかということは調べられていないというふうに局長の答弁から感じる以外にないと私は思っております。 それで、これは私の個人的な調査でございますけれども、保健所そして学校の教員、お医者さん等、直接私お会いいたしまして調べた一つの調査の結果でございますけれども、北・東地区のある保健所に正式に入った報告では、O157が検出された方で、その方の発症日は六月二十八日であると、こういう報告が保健所に報告されております。 それからもう一つ、これ学校関係者の報告でございますけれども、向こうの知り合いでございますが、その方に調べていただきましたら、これは一年生の女の子ですけれども、七月八日に発症して血便が出ていると。この方はO157が検出されておりませんけれども、そういう症状がございました。 だから、保健所の資料、そしてお医者さんに残っているカルテ等きちっと調べればさかのぼっていけると思うんです。どこまでさかのぼれるか、今の局長の話では七月九日とおっしゃっておりますけれども、私はそうではないという今認識を持っております。私、具体的に保健所の報告を聞いたわけでございますので、もう一度調べ直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(小野昭雄君) 本年の夏におきましては、大阪府下におきまして、堺市を中心にした集団発生事例のほかに散発的に個別事例の発生も見ております。 したがって、今先生御指摘のケースにつきましては、まずはO157による食中毒なのかどうか、それから通常夏季は食中毒がよく多発するわけでございますが、そういうケースなのかどうかという点につきまして、今の私どもの手元の資料では判断をすることはできません。あくまでも私どもでケースとして収集をいたしましたのは、七月九日から十日に発症し始めました、集団発生した食中毒の集団を分析したわけでございます。
○山下栄一君 じゃ、今回は厚生省としては将来のために正確な調査の結果として七月九日が発症日であると、こういう発症日の方はこういう方でこういう事例であるということを具体的に将来のためにも残し、世界的にも報告できるに足る信頼できる資料である、そして疫学情報として正式に残していく資料であると、このようにおっしゃるわけですね。
○説明員(小野昭雄君) 中間報告をいたしましたデータあるいは解析の手法につきましては、国内の疫学者あるいはアメリカのCDCの関係者等にも御意見を伺いながらまとめていったところでございまして、先生御指摘のように、できる限り今後の教訓に生かすためにも私どもとしてはきちっとした書類で残し、必要があれば国際機関あるいは外国にも情報を伝えたいと考えております。
○山下栄一君 ということは、まだ正式に伝えていない中途半端な情報を僕におっしゃっているわけですね、そういうことですか。答弁が変わっていますよ。
○説明員(小野昭雄君) 第一回の報告、第二回の報告は、それまでの調査結果として公表して差し支えないと考えられる事項につきまして疫学者等の関係する学会の先生の御意見も聞きながら取りまとめたものでございますが、なお八月末に報告しました第二回の報告書におきまして幾つかの問題点が残っておりますので、現在それについては補足的な調査を行い、私どもといたしましては今週中にはそのデータがほぼ出そろいますので、改めて学者、研究者の御意見等を伺いながらできるだけ早い時期に全体の取りまとめの方向に向かいたいと考えているところでございます。
○山下栄一君 次は、DNAパターン分析、きのうの夜、最新の調査研究班の中間報告をいただきました。きのうの報告と八月七日の報告を比べますと問題があります。 DNAパターン分析によって、堺の学校集団食中毒と大阪の羽曳野市の老人ホーム、そして京都の会社、これのDNAパターンが一致したということで、カイワレ大根の可能性があることを否定しないという非常に有力なDNAパターンの分析結果が一致したと、堺と羽曳野市と京都が。ということが非常にカイワレ犯人説の有力な根拠になっているわけでございますが、最初の八月七日の報告では、DNAパターンはA、B、Cの三分類、五十一種あると。Aグループ十四種、Bグループ二十一種、Cグループ十六種、合計三グループ五十一種がある。その五十一種の分類を調べてみてパターンが一致した、こういうことでこのカイワレ大根説をおっしゃっているわけでございますけれども、きのうの報告によりますと大分後退した内容になっておると私は思います。 全国の大半に広がったこのO157の感染事例が、この五十一種に基づくものじゃなくてAグループ、Bグループ、Cグループに基づいて、Aグループが十六都道府県、Bグループが二十二都道府県、Cグループが二十七都道府県、堺はBグループに入っていると、こうおっしゃっているわけですけれども、五十一種類の分類については抜け落ちておる。このような報告になっておるわけでございますけれども、五十一種の分類に基づくDNAパターン分析というのは、七日の時点では報告したけれども調べていくとちょっとこれは余り意味がない、こういうふうになったということなんでしょうか。
○説明員(小野昭雄君) A、B、Cというのは、別に国際的にこういう分類があるというわけではございませんで、便宜的に一応三つの大きなグループに分けられるということでございますが、堺市の例に関しまして申し上げますと、堺市のいわゆるサブグループの、大きなグループのうちのもっと下のDNAレベルにおいて堺市の事例と一致するタイプといたしましては、大阪府の羽曳野市あるいは京都市等の事例がございます。 また、そのほかに実はこのタイプと一致するものといたしまして、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山に散発例として発生したものが同じグループのDNAパターンであったということでございます。
○山下栄一君 そんなこと言うてませんよ。 今回の報告は、五十一分類に基づいて全国のDNA。パターン分析、解析の結果を報告する予定だったけれども、それはできなかったということですか。
○説明員(小野昭雄君) 五十一のタイプに分けられるわけでございますが、その五十一のいわゆるサブ、もう少し下のランクのDNAパターン、サブグループのパターンも一致をしたということでございます。
○山下栄一君 局長、あなた全然わかっていない、私の質問を。きのうの報告を見ましたか、この中間報告を。調査研究班の中間報告を読んだんですか、あなたは。私の質問に全然答えていない。
○説明員(小野昭雄君) 大変申しわけございません。 一応私が報告を受けたわけでございますが、昨日の報告はいわゆるサブグループを、いろいろ菌の検索をしていきますといわゆるDNAのサブグループレベルにおいていろんな種類のサブグループが特定されたということでありまして、どういうサブグループが特定されたかということを公表したものでございます。
○山下栄一君 だから、大きく三つに分類したと。さらに細かい分類をしようとしたけれども、それは結局うまくいかなかったということをあらわしているんでしょう、この資料は。
○説明員(小野昭雄君) むしろサブグループのタイプとして明確になったものが昨日発表したグループでございます。むしろはっきりしてきたというふうに御理解を賜りたいと思います。
○山下栄一君 報告の二ページ、「(4)その他 ①同一府県においても時期により見られる菌のグループが変化している例が認められた。」。同じ地域で発見された菌のパターン分析をやったけれども、また変化してくる、最初の分析とはいかないと、こういうことがここに書いてあるんでしょう、(4)の①というのは。そして、ページ六を見ますと同じ堺でも分類が違うのが書いてありますね。予研番号二二五、二二八等はほかと違いますね、これ。こういうこともわかってきたんでしょう。どうですか。
○説明員(小野昭雄君) いわゆるパターン分析を進めていった結果、従来、例えば大阪府なら大阪府においてこういうパターンのDNAパターンを示す菌があったけれども、新たにこういうパターンを示す菌も明らかになったということを御報告申し上げたわけでございまして、先生御指摘の趣旨は、そのような趣旨でございます。
○山下栄一君 では、ページ六の今申し上げた番号、二二五、二二八は同じ堺だけれども違う事例ですね、これは。違いますか。
○説明員(小野昭雄君) 御指摘の点は、いわゆるⅡa、Ⅱbの間違いであろうと思いますが、最終的にもう一度確認をいたしたいと思います。
○山下栄一君 これ間違った報告を出しているの。どういうことですか、それは。ミスプリントというわけ。そんなでたらめな。それなら全部ミスプリントで済ますわけ、今までの報告も。何というあなたひどい答弁やっているんですか。
○説明員(小野昭雄君) かなり急いで公表するためにミスがあったのかもしれませんが、もう一度よく調べまして御報告を申し上げます。
○山下栄一君 何でそんな急いで公表する必要があったんですか。公表するときはきちっと点検して公表しないんですか。これはミスプリでしたと言ってまた修正するわけ。厚生省は今までそんないいかげんな報告してきているんですか。それならみんな中間報告信じられないよ、こんなのは。
○説明員(小野昭雄君) 堺市の事例につきましては、DNAパターンは皆同じというふうに報告を受けておりましたが、今先生御指摘のように若干違うあれが出ておりますので早急に調べまして、訂正すべきは訂正をさせていただきたいと思います。
○山下栄一君 同じ堺のこの集団食中毒の中で菌が違ってきたら、この分析方法は全く崩壊するわけですよ。 だから、私が最初申し上げたように、三つの分類は世界的にも通用する分類だけれども、今回、予防研究所がやった分析方法はこれは世界的に通用しない、そういう分析方法だったということを認めた報告書なんでしょう、これは。
○説明員(小野昭雄君) 細かいⅡa、Ⅱbだとかという分類はこれは国際的にも十分通用する分類であり、また国際的にもそういうレベルで議論をされております。 A、B、Cというのはあくまでも予研がグルーピングをする際に便宜的に用い九名称であるということでございます。
○山下栄一君 今、大事なことをおっしゃいましたけれども、この五十一分類というのは世界的に認められた水準の高い分類方法であるということですね。
○説明員(小野昭雄君) 分類方法につきましては国際的に標準化された方法があるわけではございませんが、内容につきましては十分国際的にも通用するといいますか、議論にたえ得る内容でございます。
○山下栄一君 そんなあいまいなことを言ってはだめだ。五十一分類をなしているんでしょう。七日よりもさらにこの五十一分類の正当性が証明された報告なんですとおっしゃっているでしょう。それが正反対の報告であると私は申し上げているんです。 じゃ、アメリカのCDCも、イギリスとかカナダとかそういう分類方法も、この五十一分類のやり方を使っているんですか。
○説明員(小野昭雄君) 五十一というのは、それまでDNAパターンを進めてきた段階で五十一のパターンがわかったということでございまして、実はいろいろパターンが現在では約五十九ぐらいあるというように聞いておりますが、いろんな遺伝子のDNAパターンがあるということでございまして、それの新たに発見されたものを次々と公表をしているということでございます。
○山下栄一君 じゃ、七日の報告にございますパルスフィールドゲル電気泳動法、ランダムPCR多型解析法、こういう解析を予研、国立予防衛生研究所はこれを使ってやっているわけですけれども、こういうやり方は国際的に認められたというか、よくやられる方法なんですか。
○説明員(小野昭雄君) 国際的に権威のある研究機関も同様の方法を用いております。
○山下栄一君 じゃ、CDCもこういう研究方法でやっていると、こういうことですね。
○説明員(小野昭雄君) CDCも米国の権威ある機関でございますから、当然同じ方法を用いております。
○山下栄一君 私が聞いておる内容と全然違うお答えをしておりますので、国会答弁でございますから、これは大変なことになりますよ。よろしいですか。 私は、国立予防衛生研究所のこの解析、パターン分析方法というのは世界でも特異な例であると。ということは、東京都の予防衛生研究所とか、それから国立小児病院、これも同じ方法を日ごろから使っていると、こういうことですね。
○説明員(小野昭雄君) 同じ方法で分析をされているというふうに聞いております。
○山下栄一君 イギリス等で行われておりますファージダイビングという分析方法がございますが、ウイルスを使った型別検査、通常はイギリス等でやっているのはこういう検査が非常に経済性があり即効性がある、有効な方法であると。それをまずやった上でこのDNAパターン分析、解析は意味があるけれども、このファージダイビング法という分析方法、これで今回の日本のさまざまなO157問題の分析をやるというおつもりはございませんか。
○説明員(小野昭雄君) ファージダイビング法というのはサルモネラ菌等でよく用いられる方法でありますが、今回もその方法を用いております。
○山下栄一君 この方法を用いた。この方法を用いた上でDNAパターン解析、分析もやったと、こういうことですね。
○説明員(小野昭雄君) 御指摘のとおりでございます。
○山下栄一君 はい、よくわかりました。 じゃ、昨日公表されたDNAパターン解析、分析のこの書類でございますけれども、資料のページ一のところに「発症日・分離日」と書いてあります。発症日というのは、この日にちは六月十三日と書いてありますけれども、これは分離日ということですか。
○説明員(小野昭雄君) 「発症日・分離日」といいますのは県から報告があった日を記載しておりますので、発症した日または分離した日ということでございます。
○山下栄一君 堺の場合は書いてございませんけれども、これはどういうことですか。
○説明員(小野昭雄君) 堺のは今回のところでは特に書いておりませんが、一連の堺市の分析の段階でのデータとして用いたものでございますし、公表もしておりますので書かなかったということでございます。
○山下栄一君 発症日を報告しているんですか、そういうことですね。
○説明員(小野昭雄君) どの地域におけるケースがどういうDNAパターンを示しているかということをきちっと明らかにするということでございますので、先生御指摘の、県から報告のあった日というのは必須の要件ではないということでございます。
○山下栄一君 だから、既に報告があったから書かなかっただけだと。七月九日と本来は書くべきところを書かなかったということだけですね。
○説明員(小野昭雄君) 報告があった日ですから、発症した日で報告が上がる例、それから菌を分離した日で報告の上がる例がございますので、必ずしも七月九日がそういう日であるかどうかということは堺の例ではわからないわけでございます。
○山下栄一君 さっき九日と言ったじゃない。何を言ってるの。もうでたらめな答弁いいかげんにしなさいよ、あなた。七月九日と言ったじゃないの、あなた。それが公表されているからここにわざわざ書かなかっただけで、そういうことなんでしょう。
○説明員(小野昭雄君) 菌が分離をされなければ、これはDNAパターン分析をする必要はないわけでございますから、菌の分離されたものについて都道府県から報告があり、それのDNAパターン分析を行った結果を記載したものでございます。
○山下栄一君 じゃ、わかりました。 わかっているんでしたら、これを全部書いて報告してください、堺の各菌の。だから、この発症日はいつであるということを書いて報告してください。よろしいですか。
○説明員(小野昭雄君) 冒頭申し上げましたように、個表は堺市にございます。ですが、非常に膨大な個表でございますので、突合していくのに若干時間がかかるということを御容赦いただければ可能であろうかと思います。
○山下栄一君 はい、わかりました。 このカイワレ大根説ですけれども、これは、報告によりますと堺の学校の集団食中毒、東・北地区、そして中・南地区とも発生日は七月十日であると、こういうふうに報告されております。今さっき七月九日とおっしゃっているけれども、十日と書いてあるわけです。そして、この中・南地区は七月九日に食べたカイワレが原因である、その疑いが強い、そして北・東地区は七月八日に喫食したカイワレ大根の疑いが強い、こういうふうになっております。 ところが、中・南地区の有症者数、子供の有症者、症状のあった方の数ですけれども、七月九日、食べた日に五十六人、七月十日、翌日百六十六人にふえております。北・東地区、七月八日、カイワレ大根を食べた日、その日に二十名有症者、九日に二十五名、十日に百六十三名。要するに、食べたその日にもうすぐ症状を訴えた方がいらっしゃる、こんなあほなことはない。翌日、給食を食べて一日もたたないうちにもう中・南地区の場合は百六十六人も症状を訴えている。これがどうしてカイワレ大根が大きな原因であると言えるんでしょうか。この分析の非常に大きな問題点だろうと、このように思いますが、いかがですか。
○説明員(小野昭雄君) 堺市の教育委員会のお話をお伺いしておりますと、この季節は大体バックグラウンドとして平均的に下痢を訴える方あるいは夏風邪を訴える方が数%いらっしゃるというのが通常であるというお話を聞いております。したがって、先生御指摘の数の中には、これは有症者を非常に幅広く何らかの症状を訴えた人みんなとっておりますから、O157による集団食中毒例と、あるいはそういうバックグラウンドとして普通の夏にも存在をしておられるような学童の方も入って足し合わされた数字というふうに御理解をいただきたいと思います。
○山下栄一君 ほとんど発症者が出ていない堺・西地区は二人とか五人なんですよ。それが通例でしょう。中・南地区の場合は七月九日、カイワレ大根食べた日に五十六人も症状を訴えている。翌日は百六十六人になっているんですよ。これが通例ですか、これ。堺・西地区は数少ないんです、二人とか五人です。こんなの明らかにカイワレ大根じゃないということをあらわしている資料でしょう、これは。
○説明員(小野昭雄君) 先ほど申し上げました堺市教育委員会のお話によりますと、学童の一%から二%は年間を通じて何らかの症状を呈しているということでございます。また、七月十六日現在の病原性大腸菌O157の食中毒発生のない堺・西地区での発症者は五十二名、学童の〇・三%であるということから申しますと、今申し上げました堺市教育委員会のお話も考え合わせますと、通常の状況と考えることが適当であって、この地区には集団発生がなかったというふうに考えるべきであろうと思います。
○山下栄一君 そういうこと言って、おかしいよ、それは。堺・西地区は八日二人、九日二人、十日六人、十一日七人、十二日七人、十三日十一人、十四日六人、こんな数なんです。一けたです。今申し上げているのは、中・南地区の七月十日、百六十六人ですよ。これが通例ですか、これ。こんなのでたらめ、おかしいでしょう、そんな。 大臣、聞いていただいておりましたですか。だから、この中間報告というのは、冒頭私申し上げましたように、私の調査ですけれども、保健所の報告によると、O157の菌検出者をたどっていくと六月二十八日に発症した例もあるわけです。余り調べてくれてないらしいですけれども。今、中間だからまだ後から出てくるかもわからないという先ほど答弁もございましたですけれども、いろいろ分析していくと、おかしな内容がいろいろわかってきているわけですよ。 例えば、同じカイワレ大根を食べながら南・中地区でも一つの学校では有症者ゼロという学校もあると、北・東地区では十一校も同じものを食べながら一人も有症者がおらないという学校もあるわけです。これはどう説明をするんだと。先ほどのDNAのパターン分析につきましても非常に不透明なそういう報告がなされておる。 こんなことを考えましたら、この八月七日に大臣が発表されたカイワレ大根という固有名詞を明確におっしゃったことの大変な問題点が私はあると思うわけです。その羽曳野の生産者のところには厚生省の方はだれも一回も行っていない。それにもかかわらず、厚生省という権威ある、それも大臣が発表すれば、明確にカイワレ大根という固有名詞を使って可能性がないわけではないというような言い方をすれば、どんな影響があるかということは予想されたと思うわけです。 カイワレ大根といえばもう堺の場合は納入者となってきて、この中間報告によりますと、特定されてしまうわけです。この生産者であるという、そういうことが明確にわかるような内容で発表されているわけです。羽曳野のその生産者がもうわかってしまうわけです。言い方としてはカイワレ大根が可能性ないとはしないと言ったとしても、そういう言い方をすればマスコミはどんな扱いをするか。あの生産者だと、そこに報道陣も殺到することは目に見えているわけですよ。そんなこともわからないで発表したというのがまた大変な問題ですけれども、現地に一回も行っていない。それは可能性ないとはしないという言い回しかわからぬけれども、結果的にはもうその犯人と言ってもいいような内容の報告である。そして、中間報告は極めてあいまいな形で報告されておる。 こんなことを考えると、そしていまだに厚生省は疑いがあるというままで、別に再開しなさいとも言わなかったし、だからその生産者の方はシロでもないクロでもない灰色という状態にいまだに置かれているわけです。不幸な状態に置かれているわけですね。こんなことでいいのか。奈良の生産者はもう廃業されてしまったと、こういう例も具体的にあるわけです。 だから、私はやっぱり、大臣、いろんな立場があったかわからぬけれども、カイワレという言葉を言ってしまうと、その生産者ということが特定されて大変大きな、もしそれが違えば冤罪にも等しい内容になってしまうということが予想された。それにもかかわらず、あえて言ってしまったことの問題点が大いにあると、私はこのように思うわけでございます。そして、いまだにその生産者はシロでもないクロでもない状態に置かれたままである。いつまで、ずっと続くかもわかりません。これについての大臣のお考えをお聞きしたい。それで終わりたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 今、山下委員からいろいろ御指摘をいただきまして、私もこうした問題の情報を公開するということの難しさを改めてかみしめているわけです。 私なりにその公表した経緯といいましょうか考え方を申し上げてみますと、まさに今回の場合、それより前に岡山等でも出ておりましたけれども、堺において六千人を超す実際に児童の患者が発生をいたしたわけであります。 私も七月十六日に出かけて以降何度か足を運びましたが、とにかく六千五百人を超す患者さんが出て、出方からして学校給食あるいは学校に供給された水、そういうものではないかということがまず当然のこととして疑われ、私が出かけたときも、給食にどういう食材が使われたかということを決めているその場所にも行きまして、いついつ何が食べられたか、そしてそれぞれの食材がどの業者から搬入されたか、それはその時点でももう既にデータはあったわけであります。そういった意味で、それらを分析し、疫学的に調査をしていろいろと詰めていけば、かなりの確率で原因の究明ができるのではないかということで、それを急がせたわけです。 もちろん、一方で直接それらの食材について菌の検出ができるかどうかやってみたわけですけれども、結果的には直接食材からは菌の検出はできなかったわけです。これは、岡山の例でも直接には食材から菌の検出はできておりません。 そこで、私のその時点での報告を受けた中では、一つには堺の患者さんから出たいわゆる検便による菌がある型のDNAパターンであると。そしてもう一つ、たしか羽曳野でしたが老人ホームにおいてもある集団発生がありまして、その中の菌のDNAパターンがあると。その両パターンがほぼサブグループのレベルにおいても一致すると、そういう結果が出たわけです。 もちろんその前に、ちょっと前後しましたけれども、いろいろ食材等を堺について調べておりましたら、私に上がってきた報告では、共通食材として考えられるのはパンと牛乳とカイワレであると。パン、牛乳については複数の業者から納入されているのでそれらがすべて同じような菌を含むことは考えられないので、そういう点では、疑わしいという意味ではカイワレが残っていると、残っているという言い方がいいんでしょうかどう言ったらいいんでしょうか、少なくともまだ外せていないと。 そういう堺自身における知見と、今申し上げた全然別の羽曳野における老人ホームの発生がありまして、その両者のDNAパターンを比べた中でそれも一致をしたと。そして、その羽曳野の老人ホームにおいても同じ業者のカイワレが納入されていたと。こちらは他のものももちろん食べておりますからそれだけで認定をするわけにはいかないんですが、そういう幾つかのものを重ね合わせてあの段階で、カイワレ自体からは菌は発生していないけれども、この間のいろいろな疫学的調査ではまだ疑い、疑問は残るという形で発表をさせていただいたわけです。 今言われました、人権の問題とかそういうような問題、疑わしきは罰せずという言葉があるわけですけれども、こういった問題でそういう考え方をとるのか、それとも感染をするという、そういう病気で言えば若干疑わしいものについては注意を喚起してそれについてそれぞれ対応するという形をとるのか、これは私はぎりぎりの一つの考え方であろうと思っております。 これは薬害エイズの場合でもいろいろな議論がされておりますけれども、非加熱製剤についていろいろな議論があったわけですが、その危険性を感じたときに、言うのか、いや大したことはないといって隠すのか、それはそのときの担当者の判断であったでしょうけれども、少なくとも今日、非加熱製剤についてはそういうことを隠したことが強く問題になっているわけです。 もちろん、それと全く同じということで申し上げているわけじゃなくて、やっぱり六千五百人を超える実際の患者さんがいて、そして少なくともかなりのレベルで調査をした結果、これもこれもこれもまだ怪しいんだというものがたくさん残っているという状況であったのならば、もう少し漠然とした表現もあるいはすべきであったかと思いますが、先ほど申し上げたような報告でありましたので、後はもう簡単に言えば、まだ調査中という形で何も言わないか、それとも中間過程においてここまではわかっているけれどもまだ特定ができないんだということで言うか、そのどちらかだと考えまして、最終的には省内に設けた対策本部、私が本部長ですが、その中で議論をし、最終的に私としても、それは中間報告ではあるけれどもその過程を明らかにしようと、そういうことで決断をしたわけであります。もちろん、菌が直接出ていないということも中間報告に盛り込んだわけです。 確かに、結果において全国のカイワレ業者の皆さんに大変ある意味で打撃を与えたということについては予想を超える問題として大変申しわけなく思っております。しかし、今申し上げたように、それではあの段階で、まだまだはっきりしないから何かわからないと、もうかなり日にちが発生してからたっていた中でもそういう形をとるか、あるいは今申し上げたような形をとるかということは、その発表の仕方等について御批判があることは十分承知しておりますし、それについては今後もさらにどうであったかという議論があることは理解はできますけれども、私としてはその時点で、そうした六千五百人を超える患者さんが出ているという非常に重い現実を踏まえて、可能性として残っているその実情を発表した、そういうことでありまして、批判をいただくことはいたし方ないと思っておりますが、考え方についてはぜひ御理解をいただきたい、こう思っております。
○山下栄一君 結構でございます。ありがとうございました。極めて、極めて不満な答弁でございます。
○加藤修一君 平成会の加藤でございます。私は大きく言いましてエイズ予防対策、廃棄物問題、さらに三番目として地球温暖化対策、この三点についてお伺いしたいと思います。 まず最初に、エイズ予防対策についてでございますけれども、HIV感染者情報、平成八年六月末現在の数字を見ていきますと三千七百五十八名、こういう数字が出ておりますし、昨年十一月末現在の死亡者数は七百名を超える、またその三千七百五十八名の中には死亡者数を含むというふうに理解しているわけですけれども、これでよろしいでしょうか。
○説明員(小林秀資君) 先生の御指摘のとおりで、死亡者を含んでおります。
○加藤修一君 六月末現在の三千七百五十八名の中に死亡者数を含むと。そういう意味ではHIV感染者の現在の数ではないというふうに理解していいわけですね。
○説明員(小林秀資君) これはこれまでの累計でございます。
○加藤修一君 それでは、これは二カ月ごとに更新ですから六月末現在と七月末現在の比較をHIV感染者の状況の中で凝固因子製剤についての数字を見ていきますと、二カ月間の間に六十二名が急に一挙に増大しているわけですけれども、これはいかなる理由でこういうふうになったんでしょうか。
○説明員(小林秀資君) お答え申し上げます。 まず、凝固因子製剤によるHIVの感染者が最近六十二名ふえたということに関して申し上げますと、実はこれは発症予防・治療に関する研究班が半年に一遍報告を出されるものでありまして、その半年間に六十二名ふえたということでございます。ただ、月報でこれを二カ月ごとに書いているものですから、その六カ月ごとの発表のときに数字が改まるということでございまして、そこは半年間で六十二名ふえたと、まず数字が変わったというふうに御理解をいただきたいと思います。 それで、なぜふえたのかということを申し上げたいと思います。 まず、凝固因子製剤が原因とされるHIV感染者につきましては、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律、いわゆるエイズ法に基づく報告対象からは外れておりまして、したがいまして、発症予防・治療に関する研究班、よく山田班と言っているんですが、その山田班において担当医を通じて感染者数を把握しているものでございます。この研究会ではプライバシー保護の観点から感染者の氏名等を把握いたしておりません。したがって、担当医が変わった場合、過去に別の担当医から報告があった者が新しい感染者として報告される可能性がございます。この山田班の研究班で一は、今回のふえた結果については重複報告があると思われる、それによる増加であって、見かけの数字が増加したのではないかと報告をしているところでございます。
○加藤修一君 HIV感染者情報なんかを見ていきますと、患者数とかあるいは感染者数というふうに分けて書いているところもあったり、それを一緒にして表現したり、さまざまな形でちょっと読みづらいところがあるんですね。昨日の山崎委員の話じゃないですけれども、非常に出されている統計がわかりづらい、もう少しわかりよくするような考え方を示していただきたい、そのように思います。 それでは、献血者の関係の質問に移りますけれども、献血件数及びHIV抗体陽性件数、すなわち献血を受けた中で陽性の反応があった、そういう新聞記事も出ておりましたけれども、昭和六十二年から平成七年までの献血件数と、それからそれに対応する陽性者数、その陽性者数のうちの男性の数、このあたりをちょっと読み上げていただけませんか。
○説明員(丸山晴男君) お答えいたします。 HIV抗体検査導入後、昭和六十二年満年度からでございますが、献血件数が昭和六十二年度、八百二十一万件、うちHIV抗体陽性件数十一件、うち男性十件でございます。以後逐年申し上げますと、昭和六十三年、献血件数七百九十七万件、うち陽性件数九件、うち男性八件。それから元年、七百八十七万件、うち陽性件数十三件、うち男性十二件。二年、七百七十四万件、うち陽性件数二十六件、うち男性二十件。平成三年、八百七万件、うち陽性件数二十九件、うち男性二十五件。平成四年、七百七十一万件、うち陽性件数三十四件、うち男性二十七件。平成五年、七百二十万件、うち陽性件数三十五件、男性三十件。平成六年、六百六十一万件、うち陽性件数三十六件、男性三十一件。平成七年、六百二十九万件、うちHIV抗体陽性件数四十六件、男性三十七件でございまして、当然でございますが、抗体陽性の献血血液につきましては直ちに焼却処分をいたしておる次第でございます。
○加藤修一君 平成七年の陽性者数、今四十六件とおっしゃいましたか。
○説明員(丸山晴男君) 平成七年度陽性件数四十六件、男性三十七件でございます。
○加藤修一君 これは、サーベイランス委員会で報告しているものを私も別にチェックしましたけれども、四十七件が正しいんじゃないでしょうか。
○説明員(丸山晴男君) 私ども業務局へは日本赤十字社を通じて報告が上がってまいっておりますけれども、その報告件数は四十六件でございます。
○加藤修一君 新聞報道も四十七件になっておりますけれども、大丈夫ですか。四十六件で正しいですか。
○説明員(丸山晴男君) 重ねてお答えいたしますが、日赤からの報告件数が四十六件でございます。
○加藤修一君 昭和六十二年から平成七年まで、献血件数十万件当たりで陽性者率を考えていきますと、昭和六十二年が〇・一三、次〇・一一、〇・一七、〇・三四、〇・三六、〇・四四、〇・四九、〇・五四、平成七年が〇・七三。これは昭和六十二年と比較して平成七年を考えてみますと、五・六倍という倍率になっているわけで、そういった意味では私の調査では二百四十名、この間に陽性ということで発見された、いわゆる汚れた献血が未然にほかの方に供血されなかったという意味では非常にいい制度であるというふうに考えられるわけでございます。 その増加の傾向を見てみますと男性が極めて多い。平成七年の首都圏について考えていきますと、百四十七万件の中で二十九人の陽性者がいるというふうに言われています。この陽性者の数につきましては、都道府県に報告し、さらに国に報告される、そういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○説明員(丸山晴男君) お答えいたします。 献血者の中でのHIV陽性件数につきましては、日赤が献血の際に確認いたしまして、全国の血液センターから日赤本社に集計がされ、日赤本社から私ども業務局に報告がある件数でございまして、サーベイランスの対象外となっておる次第でございます。
○加藤修一君 サーベイランス委員会ではそれを捕捉していないというふうに理解していいんですか。
○説明員(小林秀資君) 今、業務局長がお答えいたしましたように、サーベイランス委員会では、この検査結果で出た陽性者の方々の数はサーベイランス委員会の結果としては上げておりません。 ただ、献血者のHIV抗体陽性数といいますのは私は大変貴重な情報と考えておりまして、今後は、別途関連情報としてサーベイランス委員会で分析、評価してまいりたい、このように思っております。
○加藤修一君 平成二年で二十六名、それから平成四年で三十四名と。二十六名と三十四名、この三十四名の中に二十六名というのはダブってカウントされるということはありますか。実数というふうに考えてよろしいですか。どういうふうに考えたらよろしいですか。
○説明員(丸山晴男君) 献血をする際の検査として把握いたしております関係上、一度陽性になった方が重ねて献血においでになった場合にはダブルカウントの可能性はありますけれども、当然のこととして献血対象から除外されておりますので、通常といたしましてはダブルカウントということはまず考えにくいというふうに考えております。
○加藤修一君 いずれにしましても、サーベイランス委員会の方では捕捉率は一〇〇%ではないということが明確だと思いますし、それから献血者の中に陽性者がいる、それも増加している、しかも男性に偏筒して増加している。それで、委員会で出されている資料の中でHIVの感染者数の倍率を考えていきますと、平成元年と平成七年で比較しますと五・七倍。それから、平成七年度、HIV疫学研究班のハイリスク部会でやった調査、在日外国人街娼の顧客に関する調査、この中で二人が陽性の反応を示していた、いわゆるコンドームの中の精液を抗体検査すると陽性である。いずれも日本人である、二十代の男性であると。それから、WHOが今世紀末の予測を行っていますけれども、三千万から四千万人の感染者数であると。 こういったことを踏まえていきますと、我が国の現状はもう極めて厳しい、将来もやはり大変な増加が予想し得る。あるレポートによりますと、爆発的な増加が予想し得る、否定し得ない、鎮静化というのはとんでもないという話になっているわけでございます。定性的に見てもそうですし、さらに将来予測を考えていきますと、今の現状を踏まえますと相当伸びる、増加するというふうに私は考えているわけですけれども、二〇〇〇年におきます日本のエイズ感染者の予測というのはどのようにとらえているでしょうか。
○説明員(小林秀資君) 我が国におきます将来のHIV感染者数につきましては、厚生省HIV疫学研究班が平成七年度研究報告におきまして、凝固因子製剤による感染を除いた数でございますが、西暦二〇〇〇年のエイズ患者数を二千六十五人、それからHIV感染者を七千四百三十人と推定をいたしております。平成八年六月末現在のサーベイランス委員会の報告数は、現在エイズ患者が六百八十二人、HIV感染者は千八百九十人でありまして、患者、感染者数の大幅な増加が予想されているところでございます。
○加藤修一君 非常に憂慮をすべき事態だと思いますし、それから献血の中にいわゆる陽性者が入ってくる可能性もどんどんふえてくる可能性は否定し得ない、そういう理解ができるわけですけれども、献血の中身それ自体が果たして安全であるかどうかということがやはり考えられるわけでございます。 一九八八年の事件、新聞にも報道されましたけれども、東京都内の医療機関で輸血を受けていた患者さんが感染していた。しかも、それは抗体検査を導入した後の話ですからいわゆる空白期間、ウインドーピリオド、それをくぐり抜けて実は輸血を受けた人、供血を受けた人が感染をしてしまっている。この件に関しまして二次感染があったかどうか、あるいは追跡調査、その辺の状況についてちょっと教えてください。
○説明員(小林秀資君) 今、先生のおっしゃいました一九八八年の輸血が感染源である可能性の事例についてのおただしでございますけれども、我々はエイズ患者、感染者から配偶者等への二次感染の防止は大変重要な問題であると認識をいたしておりまして、エイズ患者、感染者が判明した場合、エイズ予防法に基づき、患者に対してエイズの伝染の防止に関し必要な指示を行うこととされているわけでございます。したがいまして、御指摘の事例につきましても主治医から適切な対応がとられているものと考えております。
○加藤修一君 輸血は、今言ったようなウインドーピリオドがあるということで必ずしも一〇〇%安全でない、そういうふうに理解できる。このケースについては緊急安全性情報、いわゆる赤十字の中央血液センターでございますけれども、これはエイズという話じゃないですけれども、GVHD、移植片対宿主病、こういった関連、あるいはさまざまな合併症を含めていわゆる副作用もあるし感染の危険性も十分ある。そういったことから、必ずしも安全というふうには献血された血液については書いてない。日本赤十字社については、「より安全性の高い血液をお届けするために」と、そういう表現になっている。どこを見てもそういう表現になっていまして、一〇〇%安全という形にはなっていない。それは当然、エイズに関しましては空白期間があるからということもありますし、そのほかの件についても、医学的な情報、知見から考えていくならばそういうことが十分考えられるということでそういう表現はしていない。 そこで、私はエイズのパンフレットを調べてみたわけですけれども、「エイズのはなし」という。パンフレット。「現在、日本の医療機関で使用される血液は、すべて安全性が確認されていますから感染の可能性はありません。」。「エイズ読本」では、「現在では、輸血や血液製剤に対する対策が進んでいますので、これらによる感染の心配はありません。」。さらに、一番新しい「エイズってなあに?」という、これは厚生省が監修しているものですけれども、その中においても同様な「心配する必要はありません。」というふうに書いているわけでございます。しかし、先ほどの一九八八年の事件を考えていきますと、必ずしも一〇〇%安全とは言い切れない、表現がおかしい。 アメリカで出されているジャーナル、この中には、ウインドーピリオドについては四十五万人から六十六万人、献血者のうちに必ず一人はいると。アメリカは相当進んでいますから、これは四十五万人から六十六万人ということでございますけれども、日本の将来を考えていったときにはこのぐらいの数値になることは十分考えられる。そのときに当たって、こういうパンフレットをいつまでも出していること自体が私は非常におかしいと思うんです。 大臣にお尋ねしたいんですけれども、昨日、大臣はテレビで信頼ある政治を目指すという話をされていました。これも一つはそれにつながるような部分が私はあると思います。このパンフレットについて、私は当然訂正してしかるべきだと思いますし、場合によっては回収すべきだ。エイズ予防法に違反している内容をなぜいつまでもこういうふうに出しておくのかと私は訴えたいわけですけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 御指摘をいただきましたように、献血さらには輸血用に使われている血液について、現在、日赤等によって供血者に対する献血前の問診や、また先ほど御指摘のありましたHIV抗体検査が行われておりまして、そういった点では世界的にもかなり高い水準で安全性の確保対策がとられていると、そのように理解をいたしております。 しかしながら、まさに御指摘のとおり、エイズ抗体が産生されるまでのいわゆるウインドーピリオドの問題もありまして、現在の抗体検査の方法では、この間については輸血用血液製剤によるウイルス等の感染の状況が把握できませんので、それによる感染の危険性を完全に排除するということができない、可能性としてそういう危険性が残るということはおっしゃるとおりであります。 輸血の血液は安全であるという旨の表現のある出版物についていろいろと御指摘をいただきましたが、確かにおっしゃるとおり、表現において問題があるというふうに私も今の御指摘を受けとめさせていただいております。このような点も踏まえ、至急専門家の意見を聞いて適切な記述に改めていくことにいたしたいと思っております。
○加藤修一君 先ほどカイワレ大根のときに大臣は、少しでも危険性がある場合は云々という発言をされているわけですね。積極的な対応をお願いしたいと思います。 さらに、厚生省がかんでいる血液問題検討会の「輸血用血液製剤の安全性に関する報告書」、この中で、既に平成七年の六月に警告表示をすべきだというふうに言っているわけです。それから、さらにエイズ予防法の「目的」には、「エイズのまん延の防止を図り、」というふうにも書いています。それから国の責務としては、「エイズに関する正しい知識の普及」ですよ。このパンフレットに書いていることが正しい知識になりますか、ならないと私は思っていますけれども。それから「国民の責務」として、「その予防に必要な注意を払うように努める」、それは当然だと思います。しかし、与えられる、示される情報が間違っているのにもかかわらず何でそういうことができますか、はっきり言いますけれども。 私はもっともっと踏み込んだ発言があってしかるべきだと思います。回収も含めてその辺のお考えを再度お聞きしたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 今幾つが御指摘になった出版物がどの程度どういうところに配布されているか至急検討いたしまして、回収の問題も含めて検討させていただきたいと思います。
○加藤修一君 効果のある検討を期待したいと思います。 さらに責任問題について考えたいと思いますけれども、八八年の時点、輸血されてそれに感染してしまったという患者さんがいらっしゃるということになるわけですけれども、そういうパンフレットの表現に心配はないというようなことがあったかどうかはわかりません。わかりませんが、少なくとも責任はあるであろう。いわゆる特別手当、補償とかそういった面についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○説明員(丸山晴男君) お答えいたします。 当該患者さんにつきましては現在のところ確認いたしておりませんけれども、医薬品の副作用被害のHIVの救済事業、これの対象としてまず考えることができますし、また、本年の三月末に和解の枠組みができ上がりました、血液製剤によるHIV感染者あるいは患者あるいは死亡者に対する和解の枠組みの中で対応を検討していくことも可能でございます。
○加藤修一君 それでは、PL法が発効しました一九九五年の七月一日付以降については、こういう表現のもとでもしやっていくならばどういうふうにその辺の責任の所在を考えるか、その辺の見解についてお尋ねしたいんです。
○説明員(丸山晴男君) 先ほどの答弁で一部訂正させていただきます。 八八年に輸血によって感染し死亡しました患者さんにつきましては、HIV感染被害者の救済事業の対象でございます。失礼いたしました。
○加藤修一君 それでは、少なくとも、少なくともといいますか、必ずしも一〇〇%安全ではないと現在の献血の血液について言えると、いわゆるウインドーピリオドの関係でございますけれども。 それじゃ、こういった問題について、感染することを回避する手段、そういったものがあるのかないのか、この辺の見解についてお尋ねしたいん一です。
○説明員(丸山晴男君) 感染の危険を回避する手段についてのお尋ねでございますが、御承知のように、HIVにつきましては、我が国では昭和六十一年の献血血液について抗体検査を導入して安全対策に努めておるところでございますけれども、感染直後からのウインドーピリオドにおける感染の危険性につきましては、現在の科学水準では排除できないというものでございます。 このため、昨年、問診の充実を図りますとともに、問診室の整備という措置も講じておりますし、また、より早期にウイルスの検出可能なPCR法によるスクリーニングの研究開発に努めているところでございまして、今後も一層の安全対策に努め、ウインドーピリオドの短縮ということを図りながら推進してまいりたいと考えております。
○加藤修一君 それは同種血輸血、いわゆる他人の血液に依存しているという考え方が基本になっているわけですけれども、回避する方法としては自己血輸血、こういうことも私は考えられると思うんですけれども、自分の血液をいわゆる貯血して手術に備える等々の件でございますけれども、この辺についての普及の問題、どのように厚生省はお考えでしょうか。
○説明員(谷修一君) 今、先生お話のございました自己血輸血でございますが、これにつきましては、平成元年に専門家を集めて作成をいたしました輸血療法の適正化ガイドラインというのがございますが、この中でも自己血輸血ということが触れられております。 ただ、御承知のように、この自己血輸血には確かに先ほど来お話ございますような感染症についてのリスクがないといったような幾つかの利点があるわけでございますけれども、一方、緊急時にこれを行うということについてはなかなか難しいといったような、逆に言えば、既に手術が予定されているといったような患者さんには適用になるといったような限られた、何といいますか不利な点もあるということでございますので、現実問題としてすべての輸血を自己血輸血で賄うということは難しいというふうに考えております。 ただ、自己血輸血につきましては、この輸血療法の適正化ガイドラインというものを通じまして関係団体、関係学会とも連携をしながらその普及、周知徹底ということには従来から努めているところでございます。
○加藤修一君 私はすべてを自己血輸血にすべきだとは言っておりません。不慮の事故に際しては従前の同種血輸血に頼らざるを得ないと思いますし、不慮の事故におけるあれは大体四・五%から六%程度でございますので、自己血輸血は不慮ですからなかなか難しいと、そういうことは言えるわけですけれども、やはり感染のリスクを極力避けるためには自己血輸血を積極的に採用していくべきだと私は思います。 時間が来ておりますので割愛いたしますけれども、せっかくでございますので環境庁長官にお尋ねしたいわけですけれども、一つだけ、COP3に向けて日本が取り組むべき温暖化対策に提案する内容について、簡単でよろしゅうございますのでお願いいたします。
○国務大臣(岩垂寿喜男君) これから議論をしていかなきやなりませんけれども、ややもするとこの目標だけに関心が寄せられているという傾向がございますので、むしろ数量的な目標、政策措置、レビューメカニズム、そして途上国の協力などの重要な要素を有機的に組み合わせまして、各国によって確実に遵守され、環境保全上実効があり実行可能性が高い国際的な約束が合意されるように努力をしていかなきゃならぬというふうに思っております。 この点は、七月に開催されましたジュネーブの枠組み条約第二回締約国会議において私が提唱をいたしまして、現在、政府においてその方向で具体的な細目を詰めているところであります。今後は、我が国なりのアイデアを積極的に提案いたしまして、国際的な議論を積極的にリードしていく必要があるというふうに認識をいたしております。 なお、COP2の会議の印象を申しますと、これらの各要素についての各国の主張には相当な隔たりがございます。国際合意は決して容易ではないというふうに考えておりますけれども、これから各グループとか各国との交渉を重ねながら、国際的に何とか環境保全上実効ある内容の合意を取りつけることができるように頑張ってまいりたいというふうに思っているところであります。 我が国の地球温暖化防止行動計画の目標達成はどうも少し厳しい状況にあるということを率直に申し上げなければなりません。そのために、六月に開かれた地球環境保全に関する関係閣僚会議で、総理大臣からも指示を受けまして、来年の京都会議が開催されることを契機として対策を一層強化する。例えば、追加的な省エネ対策を具体化するなどを含めて国民各界各層の支援と参画をいただいて、いわば国民運動としてこの目標の達成を目指してまいりたいというふうに思っているところであります。 さまざまなNGOの協力も得ながら、日本として国際的なリーダーシップがとれるような、環境の面でそうしたリーダシップがとれるような努力を現実に精いっぱい進めてまいりたいと思いますので、ぜひ御理解と御協力を賜りたいというふうに思っております。
○加藤修一君 以上で終わります。
○朝日俊弘君 社会民主党の朝日でございます。 きょうは、平成六年度決算と関係をして、国民健康保険の今後のあり方の問題と、それから老人医療の今後のあり方の問題について、今後の検討の方向を含めて幾つかお尋ねをし、また私なりに意見を申し上げたいと思います。 まず第一点は、大変残念なことなわけですが、平成六年度会計検査院の検査結果におきましても国民健康保険の財政調整交付金の不適正受給問題が指摘されております。過去七年間連続して指摘をされているという状況でございます。 実は、この問題については当決算委員会が、平成四年度、五年度の決算の審査を踏まえまして、ことしの二月に内閣に対して行った警告の中でも次のように指摘をしております。「政府は、構造的な問題を抱える国民健康保険制度の安定化に更に努力するとともに、この種事態の根絶を期するため、都道府県及び市町村に対する指導の徹底を図るべきである。」、こういう内容でございます。 このような警告をなされているということもありまして、きょうこの場で同じ議論を繰り返すことは避けたいと思いますが、このようなことが毎年のように指摘をされる、こういう現状の背景には、今日なお現行の国保制度が抱える構造的な問題が一向に解決をされていないという事情、バックグラウンドがあるのではないかと考えざるを得ません。 そこで、改めて国民健康保険制度の現状と問題点、さらには今後の改革の方向についてお伺いしたいと思います。 初めに厚生省にお尋ねをいたします。 私の記憶ではたしか平成六年、二年ほど前に医療保険審議会の国保部会では国保制度の抜本的な改革に向けてさまざまな検討が行われ、そのときまでになされた検討内容を中間的に取りまとめたという経緯があったと思います。せっかくそういう取りまとめを行ったわけですが、結局、平成七年度、八年度改正では引き続き暫定的な改正という形にとどまってしまいました。この間、国保制度改革は二年あるいは三年単位で暫定改正を繰り返してきています。こういう暫定改正の繰り返しては、とりわけ国保の運営主体である市町村の不信を招いて、そのことがひいては国民健康保険制度そのものがますます不安定なものになってしまうのではないかと常々危惧をしています。 ようやくことしになって、医療保険審議会では本年六月に第二次報告というのをまとめまして、医療保険制度全体にかかわる制度改革に向けて本格的な審議を開始しているというふうに伺っております。当然、その中では国保制度固有の問題についてもかなり抜本的な検討を含めて審議が行われるというふうに思いますが、この間の経過あるいは今後の検討の方向について、厚生省の現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(山口剛彦君) 先生御指摘をいただきましたように、国民健康保険制度につきましては七年度、八年度の暫定対策を講じていただいておりますので、その期限が切れるということもございますし、また国保制度を取り巻く環境、高齢化の進展あるいは経済基調の変化に対応していくためには平成九年度にどうしても医療改革に着手しなければならないという認識でおります。 その中で、御紹介をいただきましたように、現在、医療保険審議会で今後の医療保険制度の改革に向けた大きな議論をしていただいておりますし、六月に二次報告、それから七月三十一日には、できるだけこの検討状況を公開して御議論をいただくという意味で、複数の改革メニューといったものも公表させていただいております。 その中で、懸案であります、御指摘をいただきました国民健康保険制度の見直しにつきましては、大きな論点として四つ挙がっておりまして、一つは保険者の責めによらない保険料格差をどういうふうに是正していくか、二番目に広域化等によって小規模の保険者の安定化対策をどう講じていくかという問題、それから市町村国保に対する国庫補助あるいは組合に対する国庫補助の見直し、また四番目には年金受給者の保険料負担の見直しというあたりに焦点を当てた検討が必要だということで、現在、国民健康保険部会においても集中的な御議論をいただいておるところでございます。 今後、この審議会での御議論を踏まえ、医療保険制度改革全体の中で何とか国保制度についても具体案を固めるように、そしてそのことによって国保制度が長期的に安定していく対策がとれるように改革に取り組んでいきたいということで、鋭意検討しているところでございます。
○朝日俊弘君 私がお聞きするところでは、どうも審議会における議論もついつい全体の大枠の議論に行ったり、また個別の固有の問題に戻ったり、行きつ戻りつしているようなところがある感じがしますが、全体の大枠の話と、それから固有の制度改革の話ときちっと区分けをして、国保の問題についてはぜひ積極的な検討をお願いしたいというふうに思います。 そこで、今後の検討の方向とも関連するんですが、先ほど紹介をいたしました平成六年六月の国保部会での中間まとめの中には次のような指摘がされております。前略いたしますが、「国、保険者並びに都道府県、市町村が、これまで国保事業運営において果たしてきた役割も踏まえながら、それぞれが改正に当たってどのような役割を果たしていくことが国保制度における負担の公平と制度の安定化に役立つかという観点からの見直しも検討していく必要がある。」という指摘でございます。少しわかりにくい指摘でもあるんですが、しかし私は、この問題意識といいますか、このような視点は今後の国保制度改革に向けた検討の方向として極めて重要な視点であるというふうに受けとめております。この点について厚生省としてはどのようにお考えでしょうか。
○説明員(山口剛彦君) 国保制度についての検討状況について御報告をさせていただきましたけれども、その中でも、今、先生御指摘をいただいた点については大変重要な視点だというふうに考えておりますし、そういう観点からの議論が審議会でも進んでおります。 もう先生御承知のとおりですけれども、現在の法律的な枠組みにおきましては、市町村が保険者になっていただく、国は市町村とともに国庫負担制度等によりまして健全な運営に努める、都道府県はそれに対して必要な指導を行っていく、法律的な枠組みとしてはそういうことになっているわけです。 そういう枠組みの中で、国、都道府県、市町村が現在もそれぞれに役割を果たしていただいているわけですけれども、その充実を検討していくという考え方と、もともと現在のそういった法律的な枠組み自体も検討すべきではないかというふうに、この問題についてはもう長い間の検討課題でもございますし、大変いろんな御議論がございます。 私どもも今後の方向についての明確な考え方を今持っているわけではございません。来年度の制度改革に向けて、今この点も重要な視点ということで御議論をいただいておりますので、十分御審議をしていただく中で、私どもとしても議論を深め、何とか方向を見出したい、そのための努力を続けてまいりたいと思っております。
○朝日俊弘君 その点に関して少し私の意見を申し上げておきたいと思うんですが、今医療法に基づいて都道府県は各県ごとの医療計画を策定するということが義務づけられております。しかも、今後の医療法改正の中では、さらに医療計画の内容を充実するといいますか、よりきめ細かくその医療体制のあり方を含めて計画の中に書き込むという形での法改正も準備されております。そういう意味では、都道府県が医療提供体制の中での果たす役割というのはそれなりに重要になってくるのではないかというふうに思います。そのことともあわせて、ぜひ今後の国保制度改革の課題について検討をお願いしたいというふうに思います。 次に、同じ国保の問題と関連して自治省にお尋ねしたいと思います。 自治省の方にお尋ねしたいのは二点ほどですが、一つは、先ほどの局長の説明にもありましたけれども、非常に小規模な形での市町村国保がふえてきているということもあって、保険者の単位を広域化できないかという議論がずっとこの間あるわけであります。具体的には、一部事務組合あるいは新しくできた広域連合という制度を活用してできないかという議論が何度も出されています。しかし、その割には、現実には保険者単位、市町村単位の国保の広域化ということが進まない。あるところでは、今まで一部事務組合でやっていたけれども、もう解散しようという話もあったわけであります。 これは一体なぜなんだろうかというふうに考えていきますと、私の理解が不十分なせいかもしれませんが、地方自治法に定めている一部事務組合という制度あるいは新しくつくられた広域連合という制度、その制度そのものに何らかの問題点あるいは隘路というのがありはしないか。別な言い方をすれば^広域化を図っていこうとするそのことのメリットが少ないといいますか、インセンティブが働きにくいという制度になっているのではないかというふうに考えざるを得ないのですが、この点について自治省としてはどのようにお考えでしょうか。現状、現行の制度がどのように活用されているかということも含めて簡単にお答えをいただきたいと思います。
○説明員(岡本保君) お答えをいたします。 先生御案内のとおり、一部事務組合制度は事務の共同処理の標準的な一法形態として地方公共団体の機能の補完をいたしているものでございます。また、広域連合制度は広域行政需要に適切に対応するとともに国等の権限の受け入れ体制となり得るものということで平成六年に創設をしたそうでございます。平成六年七月現在で一部事務組合の総数は二千八百三十団体となっておりまして、また広域連合につきましても本年四月に大分県で設立されたところでございまして、一部事務組合制度そのものについては相当活用されているというふうに考えております。 ただ、国民健康保険事業について一部事務組合制度を活用するかどうかということは、今国民健康保険の抱えております料金差とか給付差とか、そういう国民健康保険の制度上あるいは実態上の問題とこの制度ということで市町村長さんの御判断によっているのではないかというふうに考えております。
○朝日俊弘君 実は私も一部事務組合立病院の出身でありまして、そういう意味ではそれなりに活用されているところはあるというふうに承知しているんですが、どうも一部事務組合の問題にしろ、新しくできた広域連合の問題にしろ、市町村長の皆さんに評判が余りよくないんですね。制度上、活用しようと思えばできるんだというお答えなんですが、じゃなぜ国保制度についてもう少し積極的な活用ができないのか。多分、私はお金の絡む話はなかなか一部事務組合というのは難しいんじゃないかなとちょっと思っているんですが、そんなことも含めてもう少し、場合によっては厚生省ともよく協議をしていただいて研究をしていただきたいなと、この場をおかりしてぜひお願いしておきたいと思います。 〔委員長退席、理事笠原潤一君着席〕 あと二点目は、国保制度と絡んで念のためお尋ねしておきたいわけですが、今の制度では国保財政安定化支援事業というのがございます。平成四年度からでしたか、地方財政計画の中で一定額が計上されておりまして、市町村の一般会計から国保会計、特別会計に繰り入れるという、そういう仕組みがございます。 ただ、この安定化支援事業も暫定措置というか、平成七年、八年に限定した措置ということで、果たして今後どうするのかという方針も必ずしも明確ではない。しかも、平成五年度以降、金額はおおよそ千二百五十億円という形でかなり固定的に計上されている。この際、暫定措置の繰り返してはなくて、今後の国保制度改革の中の一つの課題としてこの国保財政安定化支援事業の制度的な位置づけ直しを含めてもう少しきちんと議論すべきではないかというふうに私自身は思っているんですが、この点について念のため自治省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(岡本保君) 御指摘の国保財政安定化支援事業は、国保会計への多額の繰り出しが市町村財政を圧迫しておりますこと、また地域間の保険料負担に著しい格差があるというふうなことにかんがみまして、本来の国費と保険料で賄うという国保の財政の基本原則を踏まえつつ、保険者の責めに帰すことができない特別の事情について、一定の繰り出しに対しまして所要の地方財政措置を講じているところでございます。・御指摘のとおり、平成四年度から暫定的な措置としてしているわけでございます。 今、委員御指摘のように、現在医療保険審議会等で国保問題の抜本的な解決について審議が進められておるところでございますので、自治省といたしましてもその内容を踏まえ、関係省庁ともよく検討いたしまして、その際、御指摘の国保財政安定化支援事業の位置づけについても検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 大変慎重なお答えです。 それじゃ、ちょっと話題を変えたいと思います。 次に、ことしの八月に出されました行政監察結果に基づいての質問を幾つかさせていただきます。 これはきょう午前中に委員からも同じ趣旨の問題提起なり質問がございましたが、ことしの八月に出された行政監察結果及び勧告については、改めてこれからの老人医療のあり方について考えざるを得ない幾つかの点が指摘されております。先生方はほとんど御存じだと思いますが、念のため、まず総務庁の行政監察局から監察結果及びその勧告の趣旨について、特にこの場では老人医療費の適正化対策の一環としての在宅医療対策の推進にかかわる項目に絞ってで結構ですので、御説明をいただきたいと思います。
○説明員(小河俊夫君) お答えいたします。 先生御案内のように、国民医療費は年々増加いたしておりまして、これに占める老人医療費の割合は三割に達するという状況がございます。かねてから老人医療につきましては重複受診、多受診の傾向やいわゆる社会的入院者の存在が指摘されているところでございまして、このため老人医療費の適正化対策の一環といたしまして、いわゆる社会的入院者を含め在宅医療の推進が重要とされているところでございます。 総務庁におきましては、昨年、平成七年八月から十一月にかけまして老人医療等公費負担事業の実態を調査いたしまして、先生御案内のように本年八月、厚生省に対して勧告いたしたわけでございます。 調査の結果からまず申し上げますと、在宅医療を推進するために設けられました老人訪問看護ステーション、これを調査いたしたわけでございますが、この中には、訪問看護の時間に制約があることや利用者が自己負担しなければならないこと等から、在宅で看護を必要とする者の一部を訪問看護の対象外としているものが見られたわけでございます。 また、保健、福祉、医療を一体的に推進するため、老人訪問看護ステーションが市区町村に対しまして提供いたしております看護内容等が記載された老人訪問看護の情報提供書、これの利活用状況が不明確でございまして、保健婦や在宅福祉対策の実施部門との連携協力が行われておらず、市区町村でこれらの情報が活用されていない状況が見られました。 さらに、調査いたしました市区町村の中には、重複受診者が未把握のものや、把握していたといたしましても保健指導対象者の選定範囲、指導方法がわからないなどとして保健指導未実施のものが見られました。 また、調査いたしました十六市区町村のうち、十一の市区町村につきましては長期入院者の数を把握しておりませんで、残る五市区町村につきましてもレセプト、診療報酬明細書により長期入院者の数は把握しているものの、長期入院者についての具体的な入院理由等の実態までは把握しておりませんでした。 また、調査いたしました十一のいわゆる老人病院におきます社会的入院者でございますが、老人医療受給者三千二百二十四人のうち九百十四人、二八・三%がいわゆる社会的入院者ということでございまして、この九百十四名のうち四百六十三人、五〇・七%につきましては特別養護老人ホームヘの待機をしておる者ということが判明いたしました。 このようなことから、総務庁といたしまして厚生省に対しまして、まず老人訪問看護事業につきまして、夜間、休日等において訪問看護を利用した場合に自己負担となります医療費につきまして療養費の支払いの対象とするよう検討すること。また、老人訪問看護ステーションから提供されます訪問看護に係る情報の市区町村における具体的な活用方策につきまして、都道府県を通じ市区町村に示すこと。さらに、老人医療の受給者に係る重複受診者の的確かつ効果的な把握方法や具体的な個別訪問指導等に関します計画の作成内容など保健指導に係るマニュアルを作成いたしまして、地方公共団体に提示すること。さらに、いわゆる社会的入院者につきましては、在宅での介護・看護へ計画的かつ段階的に誘導をしていきますための具体的方策を策定・推進することなどを勧告したところでございます。 以上でございます。
○朝日俊弘君 どうもありがとうございました。 それで、多分これを受けて厚生省も現在具体的な対応策を検討されていると思うんですが、きょうは三点ほどに絞ってお尋ねしたいと思います。 まず第一点は、ただいま御説明がありましたように、老人訪問看護事業、これがかなりの勢いで広がっていることは事実なんですけれども、夜間、休日について訪問看護を利用したいという場合には現在は療養費の中で支払いの対象にしていないということで、じゃ老人訪問看護は夜間、休日は利用できないのかということについて検討を求めております。かなりこれは具体的にさまざまなニーズのある人たちにすぐ直結する話でもありますから、今後どのように具体的な改善を図っていこうとされているのか、方針があったらお聞かせいただきたいと思いますし、なければできるだけ早く方針を決めていただきたいと思います。 ちなみにホームヘルプサービスの方では、もう既に幾つかの自治体で二十四時間の巡回型サービスが実施段階に入っているわけでありまして、ぜひそういう意味では訪問看護の領域でも二十四時間型の対応を目指した仕組み、制度につくっていくということが必要ではないかということを私は思っていますが、そのことをあわせてお尋ねしたいと思います。
○説明員(羽毛田信吾君) お答えをいたします。 今回の行政監察の結果におきまして、在宅におきます介護あるいは看護を推進いたしますために、夜間、休日等におきまして訪問看護を利用した場合の自己負担分となっております医療費につきまして療養費の支払い対象にすべきではないか、そのことを検討すべきではないかという御指摘を受けておりますことは先ほどの総務庁のお話のとおりでございます。 この点につきまして、現在の制度では、老人訪問看護ステーションが電話等で照会があった場合に対しまして、営業時間外も含めまして常時対応できる体制をとっている、そういう体制をとっている場合におきまして診療報酬上の加算を行うというところまでは実は現在の体制の中でもいたしておるわけでありますが、しかし御指摘のように、具体的に休日、夜間に利用者の希望があった、そういうことで希望に基づきまして営業時間外の訪問看護の提供を受けるという場合には、利用料につきましては現在は利用者の方で利用料を取られるというような体制になっているわけであります。 このことにつきましては、現在お願いをいたしております介護保険制度の創設というようなことをもにらみながら、やはり二十四時間対応の訪問看護というものについてのまずはニーズというものをきちっと調査を行おうということで、今そのニーズの調査も行っているところでございます。こういったところを踏まえまして今後検討をいたしてまいりたいというふうに思います。 また、そういう観点から、少しその歩を一歩進めると申しますか、そういうことで申し上げますと、二十四時間体制で看護サービスあるいは介護サービスを提供するということで、現在、明年度の予算要求の中で、在宅介護支援センターを核にいたしまして、そこにホームヘルパーのいわばステーション、そして訪問看護ステーションを合同しまして、三者一体になって二十四時間体制での看護も介護もサービスが提供できるような施設というものをまず具体的に少しモデル事業としてやってみようということで、明年度予算要求も今いたしておるようなところでございます。 なお、訪問看護の頻度につきましては、これまで週三日を限度ということでやってきましたところでありますけれども、急に病気が悪くなった、こういったような場合等におきましては、週三度という限度ではなくて、これ以上の頻度で訪問看護ができるようにというような改正、改善は本年四月にやってまいりました。 こういった意味でこの点も一歩前進を図ったわけでありますが、さらに行政監察における御指摘、また今先生の御指摘もございまして、今後、先ほど申し上げましたような方向での検討というものをさらにやってまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 いろいろ改善に向けての努力をされているというのは理解できるんですけれども、もう少し、余り中期的検討課題というふうに受けとめていただかないで、できるだけ早急に短期的な検討課題として受けとめていただきたいなということを強く要望しておきます。大体夕方から夜寝る前というのが人間不安な時期でして、その時期への看護サービスというのは非常に大事だというふうに私思いますので、今後の積極的な検討を重ねてお願いしておきたいと思います。 二番目は、老人訪問看護ステーションから市町村に情報を提供する、ところがその市町村サイドがその情報を十分に活用し切れていないという指摘がございました。極めて残念な指摘であります。 各市町村それぞれ保健あるいは福祉の窓口で対応する体制はそれなりに整ってきているんじゃないかと思うんですが、訪問看護ステーションから、ある患者さんについてかくかくしかじかというせつかくの情報をいただきながら、なぜこれが積極的に活用されていないのか。勧告では、もう少し具体的な活用方策を示すことが必要というふうにされているわけですが、もちろんそのことも大切だと思うんですが、なぜそう積極的に活用ができないのか。もう少し構造的な問題というか、体制のあり方の問題というか、そういう点についても突っ込んだ分析があったらよかったなというふうに思います。 とりあえずこのような勧告が出されたことについて厚生省としてはどのように対応なさるおつもりでしょうか。
○説明員(羽毛田信吾君) 老人訪問看護ステーションが訪問看護に係ります情報を、訪問看護を通じて得たその情報を市町村に提供する、そのことによりまして老人訪問看護ステーションと、そして市町村の保健福祉サービス行政というものが一体的に有機的な連携が保たれて、総合的に在宅療養、あるいは在宅で療養する方の保健福祉サービス体制全体が推進をされるということは極めて重要なことだというふうに考えております。 そういう意味で、勧告でも御指摘のように、そういったせっかくの老人訪問看護ステーションにおける訪問看護の情報が市町村で十分に生かされていないということは極めて適切ではないことであろうというふうに思います。 この点につきましては、実はいわば経済的な裏打ちという意味では、現在、訪問看護ステーションが市町村に対しまして情報提供をしていただく場合には、診療報酬上に既に老人訪問看護情報提供療養費という名目の診療報酬上の評価も実はいたしておるわけであります。 したがって、そういう意味では一つの道筋づけ、そういうことをまじめにやっていただくための裏打ちというものはいたしておるわけでありますが、現実にそれが十分に生かされていない。そこはやはり言われるところのいろいろな行政機関ごとの連携の不十分さ、それから行政機関、それからそういった民間機関との連携の不十分さという議論の中に入る事柄だと思いますけれども、もう少し私どもとしてもそこらあたりの原因といいますか、ネックがどこにあるかは分析をし、そして提供された情報が十分に活用されるようにやってまいらなければならないと思っております。 そういったことの一つの方向といたしまして、市町村なり受け手の方につきましての意識を私どもこれから十分高めるようにその努力をしたいと思いますが、同時にいわばノウハウとして、有効に活用しておられます市町村の事例、そのことによってそういった在宅療養なりがどのように推進してきたかというような事例集なども私どもで知る限りでこれからさらに少し集めまして、それを積極的にまた流して市町村の意識を高めていくというようなことをもこれからやりまして、市町村が実態に応じまして適切に提供されました情報を活用していくようにさらに指導に力入れをしてまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 ぜひ厚生省ももう少しきめ細かい対応をしてほしいと思いますし、これは質問通告していませんが、自治省の方も協力をしてやってほしいと重ねてお願いします。 三番目の問題、老人医療の重複受診者の問題であります。 行政監察が出たときに新聞はこの点だけを注目して記事にしておりました。例えば、新聞にも紹介された例を御紹介いたしますと、同じ疾病で四つの医療機関に通院し、一カ月の間に四十五日分プラス三十五日分プラス十四日分プラス三日分、合計九十七日分の投薬と二つの医療機関で十二回及び十回、合計二十二回の注射を受けていたと。この人本当に大丈夫なのかしらという、これ全部飲んでいたら多分生きていないと思うんですが、そういう例があったことなどが紹介され、しかもそういう例があったということさえ把握されていなかったということであります。こんな例ばかりではないのでしょうが、そのほかにも幾つかこれに類似した事例がるる報告の中に掲載されております。 こういう例を見ていると、午前中にもあるいは先ほども医療保険財政は大変ピンチで改革が必要だというふうに保険局長はおっしゃっていましたけれども、そういうことの前にこういうことを何とかしてもらわぬと困るじゃないかという気持ちになるわけであります。しかも、せっかく重複受診という形で把握されていても、その人に対してどういう形で保健指導をしたらいいのかわからないということで、把握はしているんだけれどもそのままというような実態もある。 こんなことで、勧告はもっと効果的にそういう重複受診者の把握をすることやあるいはマニュアルの作成や健康手帳の活用などを指摘しております。もちろんそういうことを通じての努力も必要だと思いますが、さらに深めていけば医療の基本的なあり方そのものがこういう事例を通して問い直されているというふうにも思います。 根本的な問題はとりあえずおくとして、この点について、今回の勧告に対して厚生省としてはどのように対応なさるおつもりでしょうか。 〔理事笠原潤一君退席、委員長着席〕
○説明員(羽毛田信吾君) 老人の方にふさわしい医療という意味での老人の方のいわば幸せという観点からも、また老人医療費を適正なものにしていかなきゃならないという観点からも、不必要な重複受診というようなことにつきましては私どもの方も重要な問題意識を持って取り組まなければならないというふうに思っておりまして、従来から重複受診者に関しまする診療報酬明細書の点検の強化あるいは保健指導の充実等につきましては市町村に対して指導を行ってきたわけであります。 しかしながら、本年の総務庁の行政監察に基づく勧告におきまして、先生がお挙げになりました事例は、あるいは最もそれが極端なところであったにしても、全体として重複受診の受診者の把握が不十分である、それへの取り組みが不十分だったのを指摘を受けました。私どもとしても引き続き真剣に取り組んでいかなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。 したがいまして、これから国民健康保険団体連合会、各県にございます連合会のデータの活用等を通じまして、こういった国保連のデータの中に重複受診についてのデータ等がとれるようなシステムがございますので、そういったところの活用等によりまして市町村における重複受診者の把握を徹底する、まず把握をしていないというような実態のないように重複受診者の把握の徹底を指導したいと思います。 あわせまして、重複受診等の対策につきまして、ある種のマニュアルというようなものをつくって市町村に配りまして、それぞれが取り組む、それぞれがもちろんベテランでそれでやっていただかなければならぬのですけれども、そういったマニュアルのようなものを作成して取り組みをさらに促進するというようなことをやりたいと思います。 また、行政機関の内部における連携という意味では、老人医療の担当部局と保健事業、いわゆるヘルス事業の担当部局との連携、先ほど訪問看護ステーションの情報が十分生かされていないという御指摘もありましたけれども、そういった行政部局間の連携というようなことをさらに強めまして、一番の一線でありますところの保健婦さんというようなものの活動の中に、そういったことを組み入れていくというような指導体制の強化というようなことについてもさらに検討をして、市町村ともども取り組んでいくような体制強化を図ってまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 それでは最後に、少し抽象的な議論になつちゃうかもしれませんが、最近よく言われる、いわゆる社会的入院という表現についてもう少しお互いに考え直すべきではないかということで、私なりの意見を述べながら、お考えをお尋ねしたいと思います。 まず、せっかくの機会ですから、結構、社会的入院という言葉があちこちで使われるんですが、厚生省としてこの言葉を使うときはどういう定義というか、概念というか、範囲で使っておられるのか、改めてお尋ねしたいと思います。 といいますのは、今回の行政監察の中でも社会的入院という言葉が使われていまして、その定義を見ますと、特例許可老人病院に入院中の者で、要介護状態に至った高齢者で、入院が六カ月以上、長期化した者という定義のもとに、先ほど御説明があったように、約三割近い人が社会的入院で、そのうちの半数以上がいわば特別養護老人ホームヘの入所待ちと、こういう結果であったことが報告されていますが、しばしば厚生省としてお使いになる場合の社会的入院というのはどういう定義ですか。
○説明員(羽毛田信吾君) いわゆる社会的入院という概念についてのお尋ねでございますが、申し上げますときも、いわゆるということで申し上げておりますように、これは制度上の定義というようなものではございませんで、ある種の問題意識をあらわしている言葉だというふうに思います。 そういう意味で、長期入院の高齢者の中には既に病状が安定をしまして、言うところの入院治療に重点を置いたサービスというよりも、むしろ介護というようなところに重点を置いたサービスを受ける方が適当であるという方が受け皿となります施設、例えば特別養護老人ホームあるいは在宅でのサービスというようなものが必ずしも十分でないというような事情の中で、やむを得ず病院のベッドで、いわば治療を主目的としたベッドで長きにわたって入院をしておられるというようなことを、それは問題意識として申し上げれば、患者御本人の適切な処遇という意味からも問題ですし、医療資源という意味からも効率的な活用に反するものであるというようなことから、問題が多いということから、一言で言えば介護を理由とする高齢者の長期入院というようなものをいわゆる社会的入院と称しまして、これについて解消の方策というものをいろいろ考えているという、いわば問題意識型の概念であろうと思います。 したがいまして、それぞれお使いになられるところで若干その概念の違いというのはあろうかと思いますけれども、私ども老人保健福祉行政を進める上では、今申し上げましたような認識のもとにやっておるわけであります。 こういったいわゆる社会的入院ということにつきましては、今後の介護保険制度の創設というようなことの中におきましても、在宅・施設サービスを一元的に提供するというようなことの中で社会的入院の解消にもつなげていくという意識を持っております。 また、受け皿と先ほど申し上げました関係でいえば、現在大車輪で推進をさせていただいております新ゴールドプランに基づく特別養護老人ホームあるいはホームヘルプ等の在宅サービス、こういったものをつくっていく。さらには、そういうことと相まちまして、一方の医療のサイドにおいて、長期療養に対しまする診療報酬上の適正な評価というようなことをあわせ考えていくというような中でそういった解消を図ってまいるということで、定義のみならず方向まで申し上げましたけれども、いわばそういうような一連の問題意識の中で出てきている言葉であるというふうに考えております。
○朝日俊弘君 今の説明は説明でそれなりに理解できるんですが、いわゆる社会的入院というふうに言いながら、ついつい社会的入院という言葉だけがひとり歩きをして、しかもそれぞれ意味する範囲や内容を勝手に考えている場合がなきにしもあらずで、そういう意味ではお互いにもう少しきちっとした議論をするためには、余り勝手な解釈が許されるような概念というのは多用すべきではない。むしろ、もう少し具体的にサブグループに分けて、例えば先はどのような勧告で言っている特別養護老人ホームヘの入所待機者の場合は入所待機入院というふうにはっきり言うとかという形で、少し概念をきちっとお互いに明確にした上で、じゃそのためには何が必要かというふうに結びつけていく議論をぜひお互いにやっていきたいというふうに思います。 以上は私の意見でございます。これで終わります。ありがとうございました。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。薬害エイズの問題について質問をさせていただきます。 まず、厚生大臣にお伺いをしたいわけですけれども、昨年の十月六日の和解の勧告以来既に一年がたとうとしています。それから三月二十九日の和解の成立以来半年がたとうとしているわけです。そして、この八月にはミドリ十字に強制捜査が入り、安部氏が逮捕されました。 原告が裁判に訴えられてから七年たつわけですけれども、薬害エイズの問題も新しい段階に、原告の皆さんの御努力と国民の皆さんの世論と運動の力でここまで追い詰めてきたというふうに思います。国会でも真相の解明が少しずつ進んできたわけですけれども、しかし、被害者の皆さんが五日に一人の割合で亡くなっていくという、こういう状況は変わっておりません。 そこで、質問に入る前に大臣に、この被害者の皆さんに対する恒久対策や確認事項の誠実な履行、これに全力を尽くしていただきたいということをまず最初にお願いをいたしまして、質問に入らせていただきます。 一つの省が犯罪の容疑に関与いたしまして強制捜査を受けるというようなことは大変異例のことであります。大臣も捜査に協力するという旨、先ほど御答弁がありました。 安部氏の容疑の関係で、厚生省がギャロ報告を含めて血友病患者の大量感染の事実をいつ知ったのか、危険性をいつ認識したのかという点で重要な事実が最近明らかにされてまいりました。国会の参考人招致の中では、松村氏は、ギャロ報告を知ったのは八五年の春ごろだったと、このように陳述をしていました。 ところが、大阪大学の栗村教授が、マスコミに対する証言でございますけれども、最近になって、八四年の十一月の二十二日、厚生省の輸血後感染症研究班の会議で二十二例中四例が陽性の結果を報告した。その中で、帝京大安部容疑者なんですが、米国の専門家ギャロ氏に依頼した検査で四十八人中二十三人が陽性だったことが取り上げられて、委員から栗村氏の検査の精度の確認のために帝京大患者の検査もするよう提案が出たというふうに証言をされています。さらにその後、十二月の御用納めの日に、実はそのギャロ報告の検査結果とほぼ一致をしたという栗村氏の検査結果を厚生省に報告をした、こういうふうに述べていらっしゃるわけです。 さらに、これはテレビで報道されたわけですけれども、八五年の一月の三十一日に塩川氏や松村氏がいらっしゃる会議に呼ばれて、スライドを使ってギャロ報告の検査と符合したということについて報告をしたということを証言をしているわけです。ですから、松村氏の八五年の春ごろ知ったというその陳述は明らかに虚偽であります。 私も、六月の十三日の国会の質疑の中で、国立予防衛生研究所で安部氏と共同研究がされているということについて、ギャロ博士の追試ではないかというふうに質問をしたことがございます。厚生省は重大な大量感染、つまり日本の血友病患者さんの五〇%から三〇%が感染をしているという事実を入手し、認識していたということは既に明らかです。 荒賀前業務局長は六月の十八日の国会の答弁で、ギャロ報告を知っていたらとの質問に対して、仮説として、「第Ⅷ因子製剤の治験の途中でございましたが、早期に承認する等の方策を検討したのではないか」というふうに言っています。仮説ではなくて事実は明確になりました。 大臣、厚生省は八四年の末に大量感染の事実を入手し知っていた。そして、大量汚染の事実の公表だとか加熱製剤の緊急輸入、加熱承認を早める、非加熱の一時停止、クリオに切りかえるなどなど、予防に有効な対策をとれたはずです。患者を救済できたはずであります。それをやらなかった厚生省の責任は非常に重大であると思いますけれども、その点について大臣の御見解、御認識をお伺いいたします。
○国務大臣(菅直人君) 先ほど他の委員の御質問にもお答えしましたように、私もこの間の経緯については従来、国会の答弁などでも、帝京大症例等が一たんエイズとは断定されないにしても相当の疑いを持たれた段階があった上で、その後のそうした抗体検査が可能になって、その報告でありますから、もっと早い時点でわかっても不思議はないんではないかと、このように考え、また内部でもそういうことを調査しておりました。 現時点における厚生省の見解といたしましては、今、西山委員からもありましたように、昭和五十九年、一九八四年十一月ごろの輸血後研の研究会などで、非加熱血液製剤によるHIV感染の事実認識について、この当時、本邦の血友病患者において抗体陽性例があることを一九八四年十一月ごろから、あるいはその翌年の一月ごろにかけて厚生省として承知していたということを現時点では申し上げなければならないと思っております。 当時は、昭和五十九年二月から加熱第Ⅷ因子製剤の治験が開始されており、厚生省としては加熱製剤の開発によりこの問題に対処できるものと当時は考えていたと思われますが、抗体陽性と発症との関連など、血友病患者のエイズに罹患する危険性について認識が低かったものと考えております。もちろん、当時現在と同じような治験を有していたとすれば、加熱製剤の治験の途中経過をまとめて早期に承認する等の方策は検討されるべきであったと、このように考えております。 なお、加えて申し上げますと、この間の経緯の中で行政の判断として不十分さがあったということは、私もこれまでも認めてきましたし、この段階でも改めて認めなければなりませんが、その裏にもし他の要因がかかわっている、そういうことがあるとすれば、それは捜査当局なり司法当局によって解明されるであろう、そのこともあわせて期待をいたしております。
○西山登紀子君 行政の判断としては当時不十分であったというふうに大臣もお認めになっているわけですけれども、私はさらなる真相の究明に大臣の御努力を重ねて要望しておきたいと思います。 次に、刑事局長にお願いをしたいと思います。 八月二十九日に安部英氏が業務上の過失致死容疑で逮捕されたわけですけれども、私は、これは業務上必要なる注意を怠ったというよりは非常に故意であり、また悪質であるというふうに考えております。安部氏は国会の答弁でも、感染の危険を知っていたが投与したというふうに答弁をしているわけです。これは故意の犯罪に当たるのではないかと思うわけです。遺族は殺人罪で告訴をし、また法曹界の一部でも殺人罪に当たるという主張もあるわけです。国民の目は非常に安部氏に対しては厳しいです。厳しい追及を要求して、質問に入りたいと思います。 検察庁は、厚生省に強制捜査に入ったわけですけれども、どのような罪名で、どのような容疑事実で、だれの刑事責任を追及するものか、説明をしてください。
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。 御指摘の厚生省内の関係箇所に対する捜索、差し押さえにつきましては、安部英前帝京大学副学長に対します業務上過失致死の被疑事実によりまして、同容疑の裏づけのために実施されたものと承知しております。
○西山登紀子君 安部氏の事件を処理する上で非常に重要な問題は、安部氏が投与したHIVに汚染をされました非加熱製剤を厚生省が承認をしていたということです。この事件は、安部氏が一人で起こせたわけではないという問題です。 この間、国会では薬害エイズの真相究明に努力をしてまいりましたが、その質疑の観点というのは、この薬害エイズが政官財学といいますか、複雑に絡み合った構造薬害ではないかという点からいろいろな追及がされてまいりました。ですから、この論議、質疑を十分視野に入れていただいて真相に迫るきちんとした捜査を要求したいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(原田明夫君) 現在、東京地検におきまして安部前帝京大学副学長に対する業務上過失致死事件の捜査を進めているところでございますので、具体的に捜査の内容についてはお答えを申し上げるのは差し控えさせていただきたいのでございますけれども、一般論的に申し上げますれば、刑事事件の捜査におきましては、被疑者とされた方の刑事責任の有無、程度を明らかにするために必要な範囲でその事件の背景事情等を解明するものと考えております。 また、いわゆる薬害エイズの問題につきましては、国会でも幅広い御議論がなされ、これに関しまして多くの報道もなされているところでございます。捜査を行っている検察当局におきましてもこうした御議論や報道の内容等を承知しているものと考えております。
○西山登紀子君 次に移りたいと思いますが、松村前局長、当時の生物製剤課長に対して、回収命令を出さなかったことなどについて遺族が殺人罪で告訴をする準備がされているというふうに聞いております。またマスコミでは、松村元担当課長立件かというような報道もあるわけですけれども、私はやはりこの課長の責任は非常に大きいというふうに思います。減給という行政処分がされたわけですけれども、行政処分だけでは国民は納得をしないと思うわけです。刑事責任の追及は当然だと思います。 正式に告発されれば、それが法と証拠に基づいて犯罪を構成するならば、当然厳重に捜査されるというふうに思いますけれども、どうでしょうか、誠実に捜査をなさいますね。
○説明員(原田明夫君) 今後の捜査方針等につきましては、検察当局がまさに証拠と法に基づきまして判断すべき事柄でございますので、法務当局として答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。 ただ、検察当局といたしましても、現在この問題が極めて幅広い関心を集めているということで、少なくとも社会的事実としてどういうことがあったのかということにつきまして十分な関心を持ち、捜査を進めていくものと考えております。
○西山登紀子君 もちろん、告発というのは法と証拠に基づいて行われるわけですから、告訴も受理し厳重に捜査をしていただけるものというふうに受けとめさせていただきます。 それで、次の質問に移りたいと思うんですけれども、安部氏は業務上過失致死で捜査がされているわけでございます。その場合に、この内容なんですけれども、業務上過失致死、HIV感染の危険性をいつ予見できたのか、また安部氏が危険性を回避する可能性があったのか、また、その場合にとるべき行為はあったのかなとがその捜査の内容であるというふうに理解をしております。 そして、そういうふうな内容は、この間国会の真相究明の中で、安部氏だけではなくて厚生省に対しましても私自身も追及をしてきた内容でございます。国民は安部氏だけが刑事責任を負うべきだ、あるというふうには思っておりません。松村氏ももちろんですけれども、郡司氏も厚生省も製薬会社も刑事責任が問われてしかるべきだというふうに思っているわけです。何の罪もない血友病の患者さん二千人を死のふちに立たせた責任は一体だれにあるのか、こういう点が司法の立場からも厳正に対処されなければならないというふうに思います。 そういう点で、これは郡司氏について、昨年十月六日の所見で既に指摘もされている点でありますので時間の関係から内容は省きますけれども、したがって、国会の審議で明らかにされてまいりました八二年、八三年当時の郡司元生物製剤課長の責任も非常に大きい。 郡司氏は七月二十三日の国会の証人喚問で、大量感染についてあなたの責任はというふうに聞かれたときに、「結果責任ということであれば、私はそれに責任があると思います。しかし、結果責任というのをだれがどういう形で追及することができるのか、」、「神様が追及するというのであれば、私は甘んじてそれを受けますし、国民全体がそれを追及するということであれば、また私はその責任を負いたい」というふうなことで、開き直ったというような答弁をしているわけです。国民の怒りを買いました。 郡司氏は安部氏の捜査との関連で捜査の対象になるでしょうね。
○説明員(原田明夫君) 検察官におきまして現在捜査中の事件に関連する事柄ではございますけれども、捜査対象や捜査方針等につきましては、当局がまさに証拠に基づきまして判断してまいるべき事柄でございますので、法務当局としては答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○西山登紀子君 郡司氏は、国会のいろいろな証言、陳述の中で安部氏と責任のなすり合いをずっとしているわけです。当然、安部氏の捜査の関連では郡司氏に対する厳重な捜査が行われるべきだというふうに思います。御要望をさせていただいて次の質問に移りたいと思います。 次に、行政の刑事責任なんですけれども、これは当時の担当課長である郡司氏や松村氏にとどまらない、担当課長の犯罪で済む問題ではない。行政機関としての上司の関与や判断が当然問われなければならないというふうに考えます。 この間、いろいろな国会の質疑の中でも、あるいは公表された資料の中にも、例えばヘモフィリア友の会の要望書がすぐに上司まで回覧をされている、判こがあるというような資料が出されておりますし、例えばトラベノール社のエイズ汚染血漿の返送の輸送許可、これには局長あるいは大臣の承認を得ているわけです。郡司氏の私の質問に対する陳述では、非加熱濃縮製剤、それがトラベノールの回収報告を公表しないという厚生省の決裁には当時の局長であります持永氏の判こが押されていた、こういう陳述がございました。 また、なその一週間についての資料には局内三役メモというふうなメモもあるわけですから、三役が当然知っていたというふうに思うわけでございます。また、八四年十二月末の松村氏と小林局長の会話がNHKテレビで報道がされていたわけですけれども、これもやはり上部が大量感染を知っていて対策を怠ったということになるのではないかと思うわけです。 ですから、トカゲのしっぽ切りというんでしょうか、担当課長だけの責任でそれを終わるということは国民は納得しないと思うんですね。国会、それから参議院では厚生委員会に小委員会をつくって真相究明の努力をしてきたわけです。こういう国会の質疑を視野に入れていただいて捜査をすべきだと考えますけれども、いかがでしょう。
○説明員(原田明夫君) 捜査当局といたしましては、一定の社会的事象に関しましてあらゆる観点からその真相をできるだけ証拠に基づいて検討させていただくということがまずあるわけでございまして、そういうことを念頭にいたす観点から、もちろん国会の御論議等で問題にされたことも含めて検討はされてまいるものというふうに考えております。
○西山登紀子君 上司について免責をするというようなことがないように、ぜひお願いをしておきたいと思います。 次に、ミドリ十字の問題なんですけれども、これは大阪地検が業務上過失致死容疑で捜査をしているわけです。延べ六百人から事情聴取がされたとも聞いておりますので十分御承知のことだと思うわけですけれども、私も少し調べてみました。 ミドリ十字は八五年の三月にエイズ感染の報道がしきりにあって、医療機関から問い合わせがふえたわけです。しかし、その当時ですら、加熱承認の直前ではあったわけですけれども、後藤営業部長の名前で八三年七月の須山論文、国会でもたびたび引用されましたが、安全だというその論文を添付いたしまして、これで医療機関に説明をしなさいという文書を出しているわけです。手書きの文書です。それどころか、NHKの報道では、加熱承認後も非加熱製剤は安全だと言って宣伝をして売り続けた。しかも、厚生省にはうその回収までしていたと。松下氏は国会の参考人招致で全く反省をしておりません。まさに製薬企業の存立にかかわる犯罪行為だというふうに思うわけです。 ですから、もちろんこれらの証拠も押収されているというふうに思うわけですけれども、問題は、松下社長にとどまらず、ミドリ十字上層部の責任も厳しく追及されなければならないと思います。 お金による利益誘導も非常に大きな疑惑としてあります。安部氏への多額の献金、政党、政治家との関係、八三年当時自民党や複数の政治家に多額の政治献金が異様にふえているというような問題もあるわけです。ですから、これは単にミドリ十字の松下元社長だけの責任ではなくて、ミドリ十字上層部の責任という点で厳重な捜査が必要だと思いますけれども、このような姿勢で臨まれるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○説明員(原田明夫君) 御指摘の株式会社ミドリ十字に係る事件につきましては、先般、関係箇所の捜索を行うなど所要の捜査を進めているところであると承知しております。 今後の捜査方針等につきましては、検察当局が法と証拠に基づきまして厳正に判断してまいるべき事柄でございますので、法務当局としての答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○西山登紀子君 厳正な捜査を望みたいと思います。 それで、最後に大臣にもう一度御質問をしたいわけですけれども、和解協議の問題点ですが、和解の確認事項の第九項に「速やかに、本件非加熱濃縮製剤の使用によるHIV感染の事実についての証拠調べを実施した上、順次和解の対象とする。」というふうに定められているわけですけれども、その後の実際の和解協議におきまして、被告会社はすべての原告に製剤使用状況を補足立証するための陳述書の提出などを要求いたしまして、こうした被告が設けた条件を満たさない限り和解を拒絶するというふうな事態が発生をしているわけです。 ですから、厚生大臣の方から、企業が勝手に条件を決めて和解に応じないという、こういうことを改めさせて誠実に和解協議が速やかに進むように指導をしていただきたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 今御指摘の点について少し事前に聞いてみたわけですが、エイズ訴訟の和解に必要な立証資料として陳述書の提出ということについては、去る三月の東京地裁の和解確認書においても、原告側から迅速な和解のため陳述書の提出で対応したい旨が記載されておりまして、また、これまでの他の裁判所においても陳述書の提出により事実関係を確認して進めている、また、札幌地裁でしょうか、このエイズ訴訟についても九月九日、裁判所の事前打ち合わせにおいて、裁判長が陳述書の提出を原告側に指示してきたというふうに理解しておりまして、陳述書を出すということが何か新たな条件というよりも、逆に言えば迅速にやるためにそれ以上の証拠調べを省いているという、そういうことではないかと思っております。 もちろん、何か必要なことがあれば、被告といいましょうか、企業に対しても和解の考え方と矛盾するものがあれば私なりに努力はしたいと思っておりますが、この間の経緯は、裁判所において迅速な和解を行うための資料として必要があると裁判官が判断されたものであるというふうに理解しておりますので、裁判所の判断については私からそれ以上のことを申し上げることはできないと思っております。
○西山登紀子君 陳述書も、製剤使用状況の補足の立証だとか、それ以外にも医者の作成した投薬証明書の記載が不十分だからもっとこれを出せとかいろいろ条件をつけているようなので、少し厳しく調べてみてください。お願いいたします。
○堂本暁子君 新党さきがけの堂本暁子です。 今、厚生省では児童福祉法の改正の作業が進んでいますけれども、そのことで御質問申し上げたいと思います。 まず、保育制度についてですけれども、二点確認させていただきたいのですが、まず、乳幼児はまだ非常に体力がない、そして、ベビーホテルの問題で子供たちが劣悪な環境で次々に死亡していくという事件に私自身かかわったことがございますが、今度の改正でそういった意味でも子供たちに使われる公費が減るようなことがあっては大変危険であるというふうに認識しております。あくまでも子供たちがあの当時のように利潤追求の対象にならないような形で、十分に日本の子供たちが育つような予算の使い方をしていただきたいということが一点です。 二番目は、核家族などの影響で地域社会での育児が立変大事になっております。こういった折にぜひとも、実際に保育所に措置された子供たちだけではなくてその地域全体の子育てに対して、その地域の子育てのセンターとして保育所が機能する、そういった形を明確に打ち出していただきたいというふうに思っています。保育所を地域の子育て支援のセンターとして機能させていただきたい。そのことと同時に小規模の保育所、そういった保育所が過疎地や都会においても重要かと思います。 以上の点について確認させていただきたいと思います。
○説明員(高木俊明君) 現在、中央児童福祉審議会に基本問題部会というのを設けていただきまして、ので子育てなりあるいは家庭の諸問題につきまして幅広く御検討いただいておるわけでありますけれども、この保育の問題につきましてもその要な柱として御検討いただいておるわけであります。その大前提としまして、子育てについて社会的な支援というものをどういうふうな考えそしてまたどの程度行っていくべきなのか、それは公費負担も含めまして、まずそのところをぢっと御議論をいただきたいということでやっていただいております。 それからもう一点、保育所の機能という面で考えますと、家庭における子育ての機能、あるいはまた地域における子育ての機能というのが非常に低下してきているというふうに言われておりまして、保育所がそういう意味で地域の中心的な子育てのセンター的なものとしてきちんと整備させておく必要があるだろうという考え方も一つ出されております。 そういった意味で、今先生お話しのような点につきまして、基本問題部会の中で現在いろんな角度から御議論いただいておりますので、その議論の報告をふまえまして私どもとしては対策を考えてまりい、このように考えております。
○堂本暁子君 次に、大臣に伺いたいんですけれども、今回の改正で同時にいわゆる要保護児童、虐待されたり、それから時にはいろいろ問題を起こした子供たちが行く養護施設であってみたり、教護院が問題になっています。 教護院というのは、平成六年度の決算で見ますと、大体四〇%しか充足していない。もう百年に感化院という形でスタートして戦後児童法できてからさらにまた五十年近い歳月てきました。教護院に子供たちが入れられると、自分はもう悪いことをしたんだとか、それか、自分はもう正規の道から外れた子供なんだというふうに子供自体が思ってしまう。 この際、教護院という名前はぜひともやめていただきたいということを私はお願いしたいのですけれども、その点について大臣の御感想か御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 今、堂本さん御自身からも御指摘がありましたように、現在教護院については定員の四割程度の児童しか入所していないという実態があり、そうした現状の問題も踏まえて、この教護院のあり方やその果たすべき機能について現在中央児童福祉審議会において要保護児童対策の一環として御議論をいただいているところであります。 この議論の中では、教護院という名称も含めて何らかの結論をいただきたいと思っております。確かに、こうした名前なりあるいはそうした施設というものが逆によりその子供たちにとって悪い影響を与えるということも十分考えなきゃいけないと思うわけですが、同時にそれにかわるべき形がどういう形であるのか、そういったことについてはこの審議会を中心に十分な議論をいただきたい、こう思っております。
○堂本暁子君 今まで五十年近い歳月、法改正もなされてこないために、大変社会環境が変わっているにもかかわらず、施設の方は古い制度で整合性がないというふうに思っています。ですから、今回児童家庭局を中心にこの問題に取り組んでくださることの御苦労を多としたいと思いますし、評価したいと思っているところです。 その点で幾つかの点は、これは意見ですけれども、今は無資格の教師が教育に当たるということで義務教育も受けない形がとられているわけですが、これはやはり日本の憲法に照らしても、それから児童の権利条約に照らしてもおかしいのではないかと思いますので、やはりきちんと教育を受けるようにしてほしい。それから、高校進学も困難なので、それも高校進学ができるようにしていただきたい。 それから問題は、院内で自己完結しようとするものですから大変社会に開かれていない。こういったところで大変一般社会とそれから教護院にいる子供たちとの間に格差が生まれている。これは大変困ったものだというふうに思っています。 こういう意味でも、これからは地域に開かれた教護院にしていただきたい。そのためには、今原則として公設公営、五十七カ所あるうちの五十五カ所までが公営ですけれども、もっとこういう領域にこそ民間の力を入れていくべきであろうと思います。公設民営という考え方、民営をぜひ取り入れていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(高木俊明君) 教護院でありますけれども、これは余り一般的にはなじみがないわけであります。ただ、現実に今千七百余名の子供たちがこの中で生活をしております。そういった中で、この子供たちというのはある意味では社会的に病んでいる子供たちでありますから、そういった子供たちが自立した社会人としてきちっと育っていけるようなそういった機能というものが教護院には期待されるわけであります。 そういった意味で、現在の教護院が十分な機能を果たしているかということが一つ問題であるわけであります。そういった意味で、この機能が十分発揮できるようなシステム、それからまた単に教護院だけで完結してしまうのではなくて、あらゆる児童福祉関係の施設が連携をとりながら、きちっとした自立できる人間として育っていくというようなことが必要だろうというふうに考えております。そういった意味では、開かれた施設になっていかなきゃいけないというふうに私どもも思っておるわけであります。 ただ、現在五十七教護院がございますけれども、そのうちニカ所が国立てございます。あと五十五が各県に設置していただいておりますけれども、そのうち二つばかりはこれまでの沿革的なものもあり民営で行われております。大部分は公設公営でございますけれども、これがそういった設置形態ゆえに十分な機能が発揮されていないということであれば、十分その辺のところを考える必要があると思いますし、その辺のところは今検討いただいております答えを見定めていきまして、そういった中でさらにこれから検討していく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
○堂本暁子君 ぜひ民営を取り入れていただきたいと思います理由は、やはり親に対する働きかけが少ないのが教護院である、それから社会に出てからもっと楽しく帰っていける、それから御飯を食べに行ったり相談ができると。結婚の相談に行くというようなことも民間の自支援助ホームなどではあるようでございます。そういった自支援助ホームの方がむしろ子供たちにとっては望まれているということを見ても、やはり民間の方がいいのではないかというふうに思います。そういった意欲を持った民間の方たちも大勢いらっしゃるということを最近知りました。 できれば通所型にして外から通えたり、逆に週末にはおうちへ帰るとか、それから親子一緒のいろいろなトレーニングができるとかそういうこともあっていいでしょうし、大きな社会的な資本が、土地もありますし緑もあるわけですから、そこで単位制の教育とかフリースクールとかそれから通信教育とかいろんな柔軟な教育の体制を組んでいただけたらいいL、その敷地の中に自支援助ホームなども位置づけていただけたらいいんではないか。 いろんな形でもっと開いたものにして、子供たちが今でも閉ざされている、それから体罰もあるというふうに聞いているので、そういった中で、心を傷つけるようなことがない、今局長が言われたように社会の中で一番病んでいる子供たちだとしたら、私たちは、その子供たちが生きていけるような制度をつくる、そして手厚く守っていく責任があるように思います。特に、中学三年が終わってから行き先がないということなので、高校にも通えるようなそういった制度に変えていただけたらと思っています。 では次に、女性の問題に移りたいと思います。 これは大臣にまず伺いたいと思いますけれども、最近、厚生省は三つの局にまたがっていた障害者プランを障害保健福祉部にまとめられました。次は女性の番ではないかと思っています。母子保健課はあるんですけれども、やはり母親と子供に政策が偏っている。もっと生涯にわたる女性の健康を保障する、そういった施策を充実する必要があると思っていますので、その点について伺いとうございます。
○国務大臣(菅直人君) 厚生省としましては、今御指摘があったように、女性の生涯にわたる健康づくりを推進していくことは大変重要な課題と考えております。これまで、思春期、妊娠出産期及びそれ以降の時期における各種健康診査、保健指導などを行い、また乳がん、骨粗鬆症等の健康診査、保健指導等の必要な施策の充実に努めてきたところであります。 さらに、今年度、身近な機関において更年期障害などの女性特有の健康状態に応じた適切な健康教育、健康相談を行うことにより女性の健康の保持増進を図っていくため、生涯を通じた女性の健康支援事業と名づけた事業を創設したところであり、今後ともこうした事業の推進により生涯を通じた女性の健康づくりに努めてまいりたいと考えております。 確かに、いろいろな部門があって、母子という表現などが使われていて、生涯の女性という枠組みとは若干違う枠組みになっているのかもしれませんが、そこは、ある意味では、もちろん女性特有のいろいろな健康の問題もありますが、逆に言えば、その部門をどういう形でフォローするか、それは制度の仕組みの問題として考えることも場合によっては必要かもしれませんが、今ある仕組みの中でもこういった事業といったような形で対応していくという、現在のところはそういう姿勢で臨んでいることを御理解いただきたいと思います。
○堂本暁子君 続いて大臣に伺いますけれども、平成九年度の母子保健課の予算を全部、概算要求ですけれどもいただきました。これを見ても全部個別でございます。私たち、男性でも女性でも同じですけれども、体がばらばらにあるわけではなくて、一人の人間として存在しているわけでございまして、その中でも妊娠、出産の機能を持って生まれてきた女性は、それは男女しかこの世にいませんけれども、男性にないやはり健康の特殊なあり方というのがあるわけでございます。 その場合に、女性の総合的な健康がきちんと全体として保障される。カイロとそれから北京で人口会議並びに世界女性会議が開かれましたけれども、そこでリプロダクティブヘルス・ライツ、性と生殖に関する健康と権利と、余りいい日本語ではないですけれども訳していますけれども、これは、健康とはすべての女性にとって総合的に、精神的にも社会的にもよりよく生ぎることを保障するということを国際的にも日本は合意したわけです。 ですけれども、このあり方というのは非常にばらばらでございます。今、最後に大臣がおっしゃったようなシステムを変えない限りこういった予算のシステムになってしまう。そこで十分に総合的な女性の健康は保障されないと私は確信していますし、いろいろ少子化対策ということもことし厚生省は打ち出していらっしゃいますけれども、これでは少子化を解決することはできない。あくまでも女性がもっと幸せな結婚というか、豊かな結婚や豊かなカップルを持つことでもって初めて子供を産める環境ができるのでございまして、そのようなばらばらな、何か安心して妊娠できないようなそういった状況がある間は少子化はどんどん進んでいくと思います。 そういった意味でも、母子保健だけではなくて、女性の健康を総合的に考える行政のシステムを確立する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 少子化の問題というのは大変重要な問題で、これはこれまで例えばエンゼルプランとか、また今も堂本さんからお話がありました女性の母子保健的な政策でもいろいろフォローしてきておりますが、せんだって省内で研究会のようなことをやりましたら、二十五歳から三十歳の女性の未婚率が五年置きに三〇%から四〇、四〇%から五〇と上がってきているということがありまして、そういう意味では結婚したカップルの出生率というか、それは余り変わっていないんですが、結婚しない人が特にその世代でふえているということが大変大きな背景にあるということを私も改めて知りました。そういう点ではいろいろな分野が関連をしているということを考えなきゃいけないと思っております。 今、堂本さんがおっしゃいました女性に関する保健、医療、福祉のニーズヘの適切な対応というものは極めて重要だと認識しておりまして、厚生省はこれまでそれぞれのニーズの性格に応じ、母子保健福祉施策あるいは老人保健福祉施策などによって対応してきたところです。 厚生省所管行政において性の差に着目して省全体にわたる横断的な組織をつくる必要があるかどうかについて、これは私もまだ深く考えてきたわけではありませんが、これまでやってきた施策が、確かに予算も部門がばらばらであればばらばらになるということはそのとおりですけれども、逆に言えばそれでは男女共通の問題もたくさんありますから、今度は女性だけでまとめれば、例えば高齢者の問題で女性の部分はこっちだとなれば、今度は高齢者という共通の部分ではばらばらになるというようなこともありますので、どこまで性の差に着目して男性とは別個の施策を講じる必要がある分野がどこであるのか。これまでのところは母性の健康保持を中心に考えてきたという歴史はあるというふうに思っております。 また、年金とか保健、医療、福祉の施策でも、部分的には男性の施策と区分しなければならないような部分もあるかもしれませんが、現時点では別個の組織を設けて行わなければならないような施策は、この母性の健康保持といった分野以外でそう多くはないんではないか、そういう認識のもとで現在のシステムが出てきているわけです。 これからいろいろ議論があるでしょうから、私はいつも堂本さんからはこの問題、強く御指摘をいろいろと受けておりますので、厚生省にとってもそういう問題を受けとめて、本当にいい形の対応ができる組織にもし必要があれば変えることも含めて検討すべきだろう、こう考えております。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 少子化対策や母子保健、決してそれが悪いというのではなくて、やはり問題の外堀を埋めているような気がいたします。 さきの国会で優生保護法が母体保護法に改正されましたが、この法律について言えば、多くの女性は長い間刑法の堕胎罪とか優生保護法の廃止を求めてきたわけですけれども、女性にとってそういう意味で非常に重い意味を持ったこの法律が、女性の主張を全く聞くこともなく、審議されることもなく、国会では、実際に国会に上程されてからわずか三日、土日を除けば三日という形で衆参を通ってしまうというもう本当に信じられない形で通りました。 このプロセスは非常に非民主的だったと私は思っています。なぜなら、人工妊娠中絶を望む女性は一人もいません。それは、どこのだれに聞いたってだれも人工妊娠中絶なんかやりたくないんです。しかし、どうにもしようがない都合で、やむを得ない最後の手段として中絶があるわけです。 しかも、戦後すぐに、人口爆発が起こっていた当時、日本は避妊の政策をとるよりも人口政策として人工妊娠中絶を合法化しました。以来、堕胎天国とまで言われて何千万人という女性が心を痛め、体を傷つけてきたわけです。そして、どれだけそのことによって多くの女性たちが命を失い、時には体を悪くし、妊娠ができない体になり苦しんできたか。それはもう本当に言葉には尽くせないものがございます。にもかかわらず、この大きな法律を一切審議することもなく通したということは、大変これは残念なことだと言わざるを得ません。 なぜならば、ナチスの断種法をもとにしてつくられた優生保護法でどれだけ女性そして障害者が半世紀にわたって、五十年間にわたって人権を侵害されてきたか。その事実が、何らこの国会の場で何一つ一秒たりとも問題にされなかった。それを検証もしない、反省もしない、謝罪もしない、何にもない。らい予防法については大臣は謝罪されました。だけれども、この不妊手術を受けた障害者がだれ一人これで謝罪されたでしょうか。どれだけ苦しんだ女たちに対しての謝罪があったでしょうか。何にもございません。 それで、ここできちっとした検証がなかったからこそ、これだけ新しい時代性の中でどういうふうに女性の保健が、どういうふうに女性の健康が守られなければならないのか、どのようにして国際的な合意の中で日本がきちんと女性の政策を厚生省が確立しなきゃならないのかということがきちっと担保されないのだと私は思います。 ドイツは二十年も議会で議論を続けています。フランスは憲法まで改正しました。にもかかわらず、一秒も審議をしないでこの国会を通していくということは、大変横暴な女性の基本的人権を侵害したものだというふうに私は思います。 ですから、こういったことは与党というよりも、もちろん野党も最後は御賛成なさったわけですけれども、これは大変人間の本質の問題だと思うんです。やはり人間は男女の本当にいい関係性の中で生きること、そして子供を持つことというのがあるわけでございまして、女性がこれだけ自分の心と体を苦しめなければならない、そういった法律を五十年間私たちはしょわされてきた。そのことに対して、母子保健の中でそれを担保していますという御答弁では私はどうしても満足ができません。そして、今後このことは厚生省なり、私どもも国会議員ですから国会の場においてきちんと議論していかなければいけないことだというふうに思っております。 ありがとうございました。
○栗原君子君 新社会党・平和連合の栗原君子でございます。 私は、広島県の大久野島と、そしてまた旧日本軍が中国大陸に大量に置いてまいりました遺棄化学兵器の問題、今日この問題が大変深くかかわりがあるということで幾つか質問をさせていただきたいと存じます。 まず最初に、被害者一つとってみましても、大久野島で毒ガス製造にかかわった人、戦後の処理にかかわった人、そういった被害者と、今日、中国においては約二千名の人たちが旧日本軍の遺棄化学兵器によって被害を受けている、こういった報告もあるわけでございます。そしてまた、その症状というものは一体でございます。 さらに、先般、広島県の大久野島におきまして大量の砒素が検出をされております。そしてまた、今日、中国大陸においても、日本が化学兵器禁止条約を批准いたしましてからこれを日本の責任において処理をしなければいけないという大変大きな問題が出てまいりましたが、この処理に当たっても、そうした中に含まれます毒剤というのは大久野島での被害の状況と一体でございます。 そこで、外務省にお伺いしたいのでございますけれども、中国大陸に遺棄されたもの、私たちがそうしたものに触れようとするならばやはり外交問題ということになりましてなかなかスムーズにいかないわけでございます。どういうルートでお願いすればそうした中国大陸においての被害者の問題あるいは環境問題などに触れることができるのでございましょうか、まずそこをお伺いします。
○説明員(佐藤重和君) ただいま御提起のございました中国に残された化学兵器の問題というのは非常に重要な問題で、その処理に向けまして政府全体として誠意を持って取り組んでいかなくてはならない問題だというふうに考えております。 今、先生の方から被害者の方々のお話というようなことがあったわけでございますが、化学兵器の処理の問題ということについては、今お話しのルートといいますか外交上の話し合いということで申しますと、かねてより中国側といろいろな形で話し合いを持っております。一九九〇年以来中国側と話をしてきておるわけでございます。 そしてまた、その処理に向けましてはその前提として、どういうところにどれだけの量の化学兵器が存在をしてどういう状況にあるかといったようなことも十分に調査をした上で処理ということを考えていかなくてはいけないということで、これまでいろいろ調査といったようなことも行っております。 そういった中国側と話し合い、折衝をしておる過程で、今先生からお話がありましたように、もう既にそういった残された化学兵器によっていろいろこれまでに被害を受けられたり後遺症に苦しんでおられる方々が多数あるんだということ、こういった点についても中国側からは説明を受けておるわけでございます。 そういったいろいろな話し合いをこれまで行ってきておるわけでございますが、中国側としても、そうした人々の生命や健康あるいは環境に大きな影響を及ぼし得る化学兵器、こういったものが残されておるということでございますので、まずこれを何とか早く処理し、除去してほしいということを中国が強く求めてきておるわけでございまして、まずそういった化学兵器の処理ということに向けて私ども政府としては、政府全体として今まさに全力を挙げて取り組もうということで中国側と鋭意折衝をしているという状況でございます。
○栗原君子君 もう一点お伺いいたしますけれども、近々、十月一日付で中国のそうした被害者十名が日本政府を相手取って訴訟を起こす、こういった情報も私どものところに入ってきておりますけれども、こうしたことについてはやはり外務省が窓口になって受けられるといったたぐいのものなんでしょうか。
○説明員(佐藤重和君) 私どもとしてもそういった訴訟が提起をされているということについては承知をいたしております。ただ、何分これは訴訟の問題ということで、そちらの方で行われているということであろうと思いますけれども、全体としてこの化学兵器の処理、それにかかわる問題ということは、先ほど申しましたように、どの省がということよりも、私ども政府全体としてこの問題については当たっていくということで政府部内では認識が一致しておるところでございます。
○栗原君子君 それでは、大久野島に戻りたいと思います。 実は、この七月でございましたけれども、環境庁が大久野島において砒素の調査をなさいました。 その調査によりますと、土壌調査に関しましては、三十九地点のうち十三地点におきまして大量の基準値を超える砒素が検出をされております。特に、大久野島の北部砲台跡におきましては基準値を四百七十倍も超える砒素が検出をされているわけでございます。そしてまた、十九地点において水質の検査もしておられまして、四カ所で基準値を超えるものが検出をされた。特に、そのうちの一カ所につきましては大久野島の国民休暇村で使用していたものでございまして、即刻この水の使用を禁止した、こういった報告を受けているところでございます。 先般、私たちは大久野島に国会調査団として参りました。そして、竹原市の市の担当者の方とも協議をしてきたところでございますけれども、とりわけ竹原市におきましては、この大久野島に入る入湯税というのが年間おおよそ五百万円入るということでございます。そして、全国から修学旅行者あるいはまた観光客を中心に年間十五万人の人が大久野島を訪れ、平和学習をしてお帰りになるといった報告を受けているわけでございます。しかし、この砒素の問題が出ましてから五千名のキャンセルが出たということで、地域の皆さんを初め市の関係者の皆さんも大変御心配をなさっているところでございます。環境庁として責任を持って安心できる状況、安全宣言をぜひ発していただきたいということが強く言われました。 そのためには、今回は砒素の調査だけでございましたけれども、ほかの有害物質についての調査というのはどのようになるのでございましょうか。
○説明員(澤村宏君) 今、先生お尋ねの大久野島でかつて製造されていた毒ガスやその原料につきましては、終戦後の処理に当たりまして化学処理や焼却によりまして除毒措置が講じられたと、そのように我々承知しているわけでございます。 砒素成分につきましては、分解いたしましても残留するということでございますので、環境庁としては砒素について調査を実施したところでございます。 砒素以外の物質につきましては、終戦後の除毒処理が行われたということ、あるいは比較的短期間に分解する性質があるというようなことを考えますと、戦後五十数年を経た現時点におきましては調査の必要はないものと、そのように考えているところでございます。
○栗原君子君 砒素だけの調査でこれは安全宣言ができるものなのでございましょうか。昭和三十七年に全島調査をしたということは聞いておりますけれども、その調査の内容あるいはまた分析の結果、そういうものはないということも伺っております。こういう状況の中で国民の皆さんに安心していただけるだけの安全宣言ができるものなのでしょうかどうなのでしょうか、もう一度お願いします。
○説明員(澤村宏君) 今、先生お話ありましたように、確かに今回の問題によりまして国民休暇村の宿泊客のキャンセルが相次ぐというようなことで、地元の観光にもいろいろと影響が出ていることは事実でございます。 したがいまして、環境庁といたしましては、現在、汚染土壌の処理対策の実施のために、汚染の範囲、それから処理の必要な土量の把握のための補完調査を実施しているところでございます。この補完調査の結果を踏まえまして技術的な検討を進めまして、関係機関とも調整の上、できるだけ早期に対策の実施に取り組みまして、利用者の方々の不安が解消されるよう最善の努力を払っていきたい、そのように考えております。
○栗原君子君 それでは、環境庁長官おいででございますので、お伺いをしたいと思います。 ぜひ私は、長官の言葉で安全宣言ができるようにお願いをしたいと思います。これが一点でございます。 それからもう一点は、現在この大久野島は、旧日本軍が毒ガス製造をしておりましたその貯留槽跡とかあるいは発電所跡とか、そうした建造物が大変残っているわけでございます。ぜひこれを保存したいという声が広島県あるいは地元の竹原市を中心にいたしまして多くの皆さんの声となっているわけでございますが、平和学習のためには貴重な私は教材であると思っておりますので、これを残していただくことはいかがでございましょうか。
○国務大臣(岩垂寿喜男君) 第一点の安全宣言について、今、自然保護局長から御答弁を申し上げたとおりでございまして、関係機関とも十分相談をして、安全宣言は出したけれどもまだ、などというようなことの心配のないように万全を期してまいりたいというふうに思っております。同時に、できるだけ早い機会にという要望に対しては、誠意を持ってこたえてまいりたいというふうに思っています。 それから、先生御案内のように、島内に存在している旧軍施設について、私も伺ったことがあるんですけれども、あそこへは行ったことがないんですが、毒ガス製造の史実を伝えるいわば平和教育の教材として利用されているということも伺っております。 そういう意味でいうと、環境庁としては、できるだけこの施設を残していくという方針には変わりございません。ただ、御案内のように、かなり古い施設でございまして老朽化しているということや、あるいは利用者に対する安全の確保ということも十分考えなければいかぬものですから、それらのことを県や市と十分相談して、そして技術的な面も含めて可能な限り残していくように対応してまいりたい、こんなふうに思いますので御理解をいただきたいというふうに思います。
○栗原君子君 広島では、御存じのように原爆ドームを保存するということで、この間、関係者の皆さんの努力によりまして、崩れないようにいろいろ接着剤などもっけられまして保存をされているわけでございます。そうしたノウハウは十分にあるわけでございますし、大久野島においてもかなり老朽化をしておりますので、そうした面でまず崩れないようにしていただくと。そして、いつでも皆さんに、かつてのそうした毒ガス製造の島であったということを御認識いただける、そして立派な平和教育の場となるようにぜひお願いをいたします。よろしくお願いします。 それでは、厚生省の方にお伺いをしたいと思いますが、現在、この毒ガスによります被害者の方がおおよそ五千人いらっしゃるわけでございます。その中に大蔵省関係が二千三百四十三名、これはことしの三月末現在でございます。そして厚生省関係というのが二千六百七十七名となっております。大蔵省関係というのはとりわけ当時製造にかかわった人を中心にしているわけでございますけれども、一方、厚生省関係というのは動員学徒の皆さんなどを中心にしているわけでございます。これが二つの省庁にまたがっておりまして、そしてまた中身を見てみましても私は大変不平等な措置になっていると思っております。ぜひこれを統一していただくということをお願いしたいのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(小林秀資君) 毒ガス障害者対策につきましては、今先生からお話がありましたように、旧陸軍共済組合の組合員であった方については大蔵省で担当し、それ以外の動員学徒、それから女子挺身隊員、それから勤労奉仕等で大久野島の毒ガス関係作業に従事した者については厚生省において救済措置を講じているところでございます。まだ私どもちょっと勉強不足で、実際に両省で所管しているものに私どもとしては処遇の差はないものと思っておりますが、私の不勉強でしたらまた改めて勉強して考えさせていただきますけれども、私はその差よりも、大蔵省が所管しているのは共済組合の関係に入っていた人ですからそれはよくわかるんですが、その他動員学徒だとか、女子挺身隊員だとか、勤労奉仕をやられた人というのはなかなか把握が難しいということで一部漏れがあるのではないかなと、こんなふうに思われる場合があるわけであります。 実態としては、これは本人の申請に基づきまして認定審査会において審査をいたします。そうして医療給付だとか健康管理手当の支給を行っておりまして、平成七年度ですと実は百件の申請がありました。そして、四十一件の方に交付をし、一応返却というのが一例、それから書類の不備等でお返ししたのが二例、その他残りのものはまだ審査中ということでございます。 それで、この認定審査会のメンバーに行政当局も入っておりますけれども、実は大久野島毒ガス障害者対策連絡協議会の方がお三方だとか、それから曽根の製造所に従事していた動員学徒の代表者の方だとか、そういう方々まで一緒に入ってきちっとした審査をおやりになっていらっしゃいます。そういう意味ではこういう医療給付だとか管理手当についても、片や支給する、片や支給しないというようなことも実際になくてやられたものと思っております。 なお、その毒ガス障害者の健康管理だとか、制度の周知だとか、その他相談事項がありましたら、広島県の竹原保健所、三原保健所に相談員が配置されておりまして、そして個別の相談に応じているところでございます。
○栗原君子君 特に動員学徒の人たちというのは比較的軽い作業についていたと、このように思われがちでございますけれども、現実には原料を素手で運んだとか、草刈りをしたとか、そういったことで、むしろ大蔵省関係に網羅されている人よりももっと重度な人が厚生省関係の方にも入っていらっしゃるわけですね。そういうところで不平等が生じていると私は思います。特にまた、特別手当につきましては厚生省関係にはないわけでございますから、そういったところをもう一度お考えいただきまして、差がないようにしていただきたい、こう思うのでございます。 そのためには、毎年実は「大久野島毒ガス障害者援護対策要望書」、こういったものが関係省庁に送られてきていると思いますけれども、毒ガス障害者のための援護法の制定ということについては第一項目に挙げておられます。七項目について要望していらっしゃいますけれども、特に国家補償の精神に基づく援護法の制定ということは毎年地元からも要望が来ていると思いますけれども、こういった件については今まで検討なさった経過があるのでしょうか、ないのでしょうか。また、これからそうした方向で動いていただくことができるのかどうか。 できましたら大臣、御答弁をお願いできればと思いますけれども、どうでしょうか。
○説明員(小林秀資君) 毒ガス障害者につきましては、その地域及び対象者が極めて限定されることから、従来から毒ガス障害者に対する救済措置要綱に基づきまして必要な措置を講じてきたところでございまして、今後ともそれに基づき対応していくことが適当だと考えておるところでございます。 この救済措置を実施するために、今年度も八億六千四百万、対前年度四千三百万増の予算を確保いたしまして、健康診断、それから医療費及び諸手当の支給の事業を行っているところでございます。また、今年度は介護手当の月額の引き上げを行ったほか、諸手当に設けられていた所得制限を撤廃したところでございます。 それで、今先生がおっしゃられました質問の中に、大蔵省の認定患者さんの特別手当があるが一般の障害者の方にはそれがないというのがございました。そのとおりでございますが、健康管理手当、保健手当については、私がここにある手元の資料を見る限りは、逆に認定患者さんの方になくて一般の障害者の方にあると、こういうようなことでございます。 ただ、これはこの資料でございますから、先生の御質問ありますので、よぐまた検討してみたいと、このように思っております。
○栗原君子君 今御答弁いただきましたけれども、金額がまるで違うんですね。だから、こちらにあるからもうこれで我慢しろということにはならないと思うんです。症状はやはり重い人も現にいらっしゃるわけですし、金額も三分の一しかないわけでございますから、そこは一概には私は言えないと、こう思うわけでございます。 それから、かつて大量に大久野島あるいは北九州の曽根というところでもそうした製造をしていたという資料があるわけでございますけれども、大量に中国大陸にもそれらは送られました。しかし、日本近海の海あるいはまた湖、そうしたところにも戦後大量に投棄をされたと、そういった報告あるいはまた写真などの資料もあるわけでございますけれども、それらの調査というのは環境庁ではどう取り組んでいただけるのでしょうか。それを一点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(岩垂寿喜男君) この前、先生お越しをいただいてお話を申し上げたとおりでございまして、過去に旧軍の毒ガスの状況について全国調査を実施いたしました。これは防衛庁が中心になって進めたわけでございますが、特に先生から御指摘いただいた土佐湾の問題もございまして、深度が深くて安全性に問題が認められないというふうに私どもとしては承っております。 ただ、このような旧軍の毒ガスの処理に際して事案ごとに、どこでどういうことがあって危険性があるということがあるとすれば、それは必要に応じて関係省庁連絡会議を開催して対応してまいりたいというふうに思っておりますので、その点ぜひ御理解をいただきたいと思います。 特に、私ちょっと、土佐湾のことについてお尋ねをいただきましたものですからそれなりに調査というか伺ってみましたけれども、海域の相当深い部分に投棄されたということでございまして、実際問題として今調査をするといっても大変困難を伴うというふうに伺っていることも申し添えておきたいというふうに思います。
○栗原君子君 周防灘など浅いところへも大量に投棄をされているといった報告も来ておりますので、そういったこともよろしくお願いします。 終わりますけれども、最後に毒ガス障害者について厚生大臣、決意のほどを一言お願いします。
○国務大臣(菅直人君) この問題、私も余り詳しくなかったのですけれども、栗原委員の御質問を受けて、きょうのお話でいろいろと聞かせていただきました。また、この問題が中国との関係でも大きな課題である。近年、化学兵器禁止条約を調印しておりますし、その中でも遺棄した国の責任ということも述べられておりますので、そういった面も重要かと思っております。 そういった点で、国内の問題あるいはそれを超えた他の国の問題も含めてきちんとした対応が必要だろうと、そういうふうに考えております。
○栗原君子君 終わります。
○委員長(野沢太三君) 他に御発言もないようですから、厚生省、環境庁及び環境衛生金融公庫の決算の審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十六分散会 ―――――・―――――