金融問題等に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1996/06/13
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十二日、国井正幸君が委員を辞任され、その補欠として小島慶三君が選任されました。 また、本日、小山孝雄君及び笠井亮君が委員を辞任され、その補欠として服部三男雄君及び吉岡吉典君が選任されました。
○委員長(坂野重信君) 特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律案、金融機関の更生手続の特例等に関する法律案、預金保険法の一部を改正する法律案、農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案及び特定住宅金融専門会社が有する債権の時効の停止等に関する特別措置法案、以上六案を一括して議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松村龍二君 私は自由民主党の松村龍二でございます。 最近、と申しましても参議院において住専問題の金融特が始まる前のころでございましたけれども、地元に帰りましたところある地方議員から、住専の問題をまだ審議しているのか、国内外にいろいろな問題が山積しているこのときに住専問題の審議を急いでやってほしいというふうなお話がございました。地方議会におきましても、このような会議をする場におきましていろいろな問題が与野党間で膠着したときには多数決の原理でやるのが常識ではないかというその議員のお話でございました。 私、この審議を通じまして、国民の九割がこの住専問題の処理に反対しておるという話をよく聞くわけでございまして、確かにそのような世論調査があることは認めますけれども、先ほどの話、あるいは経済界の方々が金融不安を解消してほしいというような問題、また声なき声が、この住専問題を支援している国民も多いんではないかというふうに私は実感しているところでございますが、副総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 住専問題は、我が国の金融の抱えます不良債権に関して象徴的で喫緊の課題だということを再三申し上げてまいりました。そういう立場から、今この住専問題を早期に処理しなければ、解決しなければならない問題だということにつきましては、国民の皆さんは国会の御論議等も通じて認識をほぼ同じにしてもらえたのではないかと考えております。 ただ、その処理方策について、財政支出を行うことについていろいろの御意見もあり、御批判もあることは承知をいたしております。しかし、今、法的処理によってこの問題を決着させることが不可能であるといたしますならば、公的関与を行ってでもこれを処理することは政治の責任であろう、政府の責任であろう、そのような立場から住専処理方策について御提案をし、御審議をお願い申し上げているところでございます。 昨年、まだこの処理方策を政府として決定いたすことができないでおりました十一月のころには、ジャパン・プレミアムも〇・五まで上がったのでございます。その後、この処理方策を決定し、国会の御審議をお願いいたします段階でほぼゼロに近いところまで下がったのでございますが、この処理方策といいますか、財政支出を含む予算の審議が停滞をいたしまして、この成立が不透明となります段階では〇・三近くまでまた上がるという状況もございました。 私どもは、これを速やかに処理して国内外の信用秩序の回復を図り、金融システムを安定させることが将来にわたって国民の利益を守る道だと考えております。そういう立場から、住専処理法案の一日も早い成立、そして同時に、金融システム全体の新しい時代に対応できる体制を整えてまいりますために、御提案申し上げております金融関連法案の成立を一日も早く決定していただきますよう心からお願いを申し上げる次第でございます。
○松村龍二君 私は、自分の体験を通じまして、この住専処理法案に賛成であるということをまず二点申し上げたいと思う次第でございます。 ただいまお話がございましたように、日本の金融システムに対する内外の不安を解消するということは大変に重要なことであると信ずるものであります。 昨年、私、ちょうど選挙を終えまして県内のいろいろなところをあいさつに回っておりましたところ、ある機械メーカーの社長が私に申しますには、最近アメリカの機械メーカーが集まる会合に出席した。そのコーヒーブレークのお休み時間に出席者のアメリカ人が、日本の金融システムの不安、多額の不良債権、これをどのように処理するつもりかということを口々にその地方の機械メーカーの社長に尋ねてきた。金融マンでもないアメリカのビジネスマンがそのようなことに非常に関心を持って心配して尋ねてくるということに対して、改めて日本の置かれている立場というものを知ると同時に、この問題の解決を日本国民として真剣に考えないといけないといった感想でございました。 私も昨年、自民党の政務調査会、いろいろな勉強会等に出まして、住専処理問題の経緯を、ある程度一議員として参画していたところでございます。十二月十九日に住専処理スキームが定まりまして、平成八年度予算案にも住専処理のための緊急金融安定化資金として六千八百五十億が計上されたところでございます。 先ほど大臣がおっしゃいましたように、一月四日の大発会以降しばらく一万五千円台を切っていた株価が二万円台を回復し、また〇・五%にまで拡大していたジャパン・プレミアムが一時解消したということが、この住専処理法案によります金融不安の解消策に、政府の政策に対しまして歓迎したということであろうかと思います。 このような意味からも、私は、第一の理由といたしまして、我が国金融システムの安定性とそれに対する内外からの信頼を回復し、我が国経済を本格的に回復軌道に乗せるために、今回の法案の可決は絶対に必要であると信ずるものであります。 第二点でございますが、私の地元は農業の盛んな県でございまして、良質米、お米の生産地でございます。昨今、二十一世紀に入りますと世界的な食糧難が予想され、人口の爆発、また生産の停滞といったところから世界的な食糧不足というような問題が指摘されているこのときにおきまして、農業の重要性というのは指摘するまでもないことだと思います。 このような農家の方々は、私の県では二〇%農家人口があるわけでございますけれども、このような方が営々として働いたお金を、地元の農協を通じてその金融機関としているわけでございます。もしこの住専処理の方法を誤ることになりますと、全国的には九百万世帯とも言われます農家に対しまして大変なダメージを与える。 よくこの住専処理方策は農協を助けるためか、農協系統を助けるためかというような議論も出されたわけでございますが、農協系統に預けております農家、またひいては地域の方々、農協の金融機関が落ちついていることに伴いましての県内の産業、あるいは県内すべての社会の問題について大変な影響を与えるということを身にしみて実感するわけでございます。 このたびのスキームの決定の過程で、六兆四千億円の不良債権を母体行が三・五兆円、一般行が一・七兆円債権を放棄し、農協系統金融機関が五千三百億贈与する。また、どうしてもぎりぎりの協議によっても調わなかった部分について公的資金で公的関与をするということになったわけでありますが、これがもしもいわゆる法的処理によりまして住専に対する債権の案分によって負担するということになりますと、農協系統が二兆数千億の負担をしなければならないといったような試算もあるわけでございます。そのようなことになりますと、その処理も時間がかかって大変でありましょうし、先ほど私が心配しますような地域の金融、預金者の保護といった点で大変なことになる。 また、昨今、信用組合の破産といいましょうか、滞りが出たわけでございますけれども、これに対しましても利子が高いというようなことでいろんな方が預金をしておった。このような方にも一〇〇%預金者を守るといったことが行われている中で、農協の金融機関に対しまして今回のような処理でなければ大変に地域的にも不安をもたらし、預金者保護の点で困ることになる。 その理由から、私は二つの理由で実感的に今度の住専処理の案に対しまして賛成するものでございますが、そのことについて御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 今、松村さんからお話がございましたことは、私どもと考え方をほぼ一にするものだと考えておりますが、確かにこの住専処理問題はもう先送りを許されない状況のもとでその解決を迫られているのでございまして、私どもといたしましては、今日この成立がおくれまして住専処理機構の設立が先へ延びる、そして預金保険機構と一体となった処理の機能がつくれないということになりました場合を非常に憂慮いたしております。 その場合には、今お話がございましたように、このスキームそのものが白紙に戻るということになりますと、方法としては法的処理以外になくなるだろうと思っております。最低の場合で六兆四千百億の損失を債権者が破産によって平等に負担する、こういうことになりました場合には、お話しのように系統金融機関の負担は二兆七千五百億に及ぶものと考えられますが、これは最低でございまして、経費その他を考えてまいりますとさらに多額に上るであろうと思っております。 いかに自由化の時代とはいえ、先般の国際的な農産物の自由化の方向が進められる中で、今後六兆円を超えます農業・農村対策の経費を国として負担をして、そして農業・農村の振興を図ろうということを決めているわけでございますけれども、このようなことから系統金融機関が危機に陥り、そして多数に上ります預金者に不安を与え、また実質的な負担を行わせるということになってまいりました場合には、国は農業・農村に対して、地域の経済対策に対してどのような責任を負うことができるであろうか、そのようなことも今回の問題を処理いたします場合の重要な視点であったと思っております。 それだけではございませんで、この問題を早期に処理することが結果としては国民全体の将来の利益を保障する最善の手段であろうということが私どもが提案を申し上げております根拠でございまして、どうぞそういうことで国民の皆様方にも御理解を賜りたいと思っているのでございます。 なお、この際、財政支出によって国民の御負担となりました部分につきましては、金融制度調査会の答申もいただいておりますように、公的支出は極力圧縮に努めなければならないという方針に基づいて、私どもは、この問題の解決に当たっての責任論という立場からは母体行責任を極めて重く見ているのでございまして、母体行を中心にいたしまして、公的支出の圧縮のために、今も皆様方の御意見もいただきながら全力を尽くしているところでございます。この国会が終了いたしますまでの間には、この公的支出の圧縮の方法等につきましても、関係金融機関等の同意も得た上で明らかにできればと考えて努力をいたしているところでございます。
○松村龍二君 ただいま私はこの法案に対しまして賛成の意見を申し上げたわけでございますけれども、この半年以上の経過の間に、私も地元へ戻りまして、いろいろな機会にこの住専処理法案に対して賛同していただきたいといった説得を試みたところでございます。その間に感じましたことを幾つか、素朴な疑問でございますが、お答えいただきたいと思います。 まず、情報の開示という問題でありますけれども、情報の開示は英語で言うとディスクロージャー。クローズする、閉めるというのをディス、否定するということで情報を開示するということかと思います。 この情報開示というのは、いろんな立場の方がいろんな意味で使われますので、それぞれに持っているニュアンスは異なるかと思いますが、私が申し上げたいのは、昨年、先ほども申しましたように党のいろいろな勉強会等におきまして私なりに参画をしていたわけですけれども、なぜ十二月の末に向かって解決を急がなければならないか、急いでいるのかといった点について、あと一つ情報が我々に知らされていなかったような感じを持ちました。 といいますのは、予算の編成期に向けて解決したい、あるいは純粋な立場でこれを解決したいということでございますけれども、そのほかに、やはり先ほど指摘いたしましたように、アメリカその他ヨーロッパの諸国等に対しまして日本政府としてはこの金融システムの不安解消に具体的な案を持って努力するといったことを約束しておる、したがって、その約束の履行のためにも何が何でも十二月の末までに解決したいといった立場が日本政府としてあったんだと思います。 そのことは、十二月十九日にアメリカの、これはお見せするほどのこともございませんけれども、財務省のニュースの中で、日本の政府から十二月十九日の住専処理スキームの決定があった、このことは、日本政府が先ほど申しましたような解決したいというコミットメント、約束を一つ履行したものである、さらなる解決を期待する、前進を期待するといった新聞記者に対するリリースであります。 したがいまして私は、やはりこのたび、住専処理機構のスキームの内容、またなぜ急いでこの時期に解決したのかといったことの情報開示が国民に十分されていた場合には、もう少しスムーズに国民の理解を得られるに至ったんではないかということを感ずるわけでございます。 さらにもう一点、この情報開示に関してでございますけれども、私、地元で、税金を使ってでも、日本の真の安定、国民の幸せのためにはこの住専処理法案を通さなければならないといったことを説得しようとしたわけですけれども、その際にひっかかりましたのがノンバンクの問題でございます。 大蔵省の説明によれば四十兆近い不良債権がノンバンクにある。あるいは外国の指摘で百兆とか百二十兆とかというような指摘があるわけでございますが、十二月十九日の政府と与党の調整会議で公的関与はノンバンクには行わないといった申し合わせがされ、また大蔵大臣が予算委員会等でも答弁されておるということは私も承知いたしましたけれども、昨年のようにいろんな重要な問題が知らされないままぱっと決まるというようなことになっては、私もせっかく選挙民から選ばれた手前、選挙民に対してうそを言ったということになりはしないかと内心ちょっと不安に感じたところでございます。 このノンバンクに対して税金を使う意思がないということと、また情報開示をしながら重要問題、今の日本の国民のレベルは非常に高いと思いますので、やはり必要なことは国民に知らせながらいろんな問題を解決するといったことについて大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) まず最初の問題、情報開示の問題でございますが、経済、金融が今日グローバル化がどんどん進んでまいります中で、金融は、自己責任原則と市場規律を基軸にしながら透明性の高いものにならなければ新しい時代に対応できないと思っております。 透明性が高いということは情報が開示されるということだと思っております。行政もその行政の知り得た情報を最大限開示すべきものという立場で、私どもといたしましては今回の国会の御審議にも可能な限りの協力を申し上げてまいったつもりでございますが、今後自己責任原則が中心になって基本になってまいります以上は、どうしても情報が預金者に十分に開示される、預金者と申しますより国民の皆様方と申し上げた方が適切かもしれませんが、だれにでもしっかり情報が開示される、それは金融機関の持ちます経営の実態等についても知り得ることでなければ、預金者に自己責任原則を課することは難しいと、こう思っております。 それから、そういう情報の開示ということと関連させて、今、松村さんから国際公約の問題についてお話がございました。私の前任者が昨年十月のG7において、日本における不良債権処理の方策についての検討の状況について報告をしたということは私も承知をいたしております。それを国際公約という形で受けとめるかどうかは別でございますが、一月にパリで就任直後に私G7に出席をいたしました際にも、日本における不良債権処理の問題への取り組みの現状について報告をいたしました。各国はこのことに非常に注目をいたしておりました。 私は、その後三月、京都でAPECの蔵相会議が開かれました際にも、ルービン・アメリカ財務長官と会っていろいろとこれらの問題についても話をいたしました。それで私が申し上げておりますのは、不良債権の処理、住専問題の処理は、その方策は日本政府が責任を持ってやることである、しかし、その結果は今日の時代においては国際的に大きな影響を及ぼすものであるから、その国際的責任というものを我々は重く受けとめながら政府の責任において処理したい、こういうことを申し上げてまいりました。ルービン長官も全くそのとおりだということでございました。 また、G7の会議等にいつも出席をされますIMFのカムドシュ専務理事は、日本における住専問題への取り組みについて、彼は彼なりに、日本政府が今やろうとしていることは我々の立場からは大変期待の持てる、彼の言葉をかりますと、賛辞を送ってもよいやり方だと思うということを申しておりました。 しかし、私ども政府といたしましては、そういう国際的責任を負いながらも、このことに対しては政府の責任において処理しなければならない。国際的な圧力を背景に問題を解決するなどということを考えたことはございません。公約と申しますよりは、今日のような自由化、国際化の進んでおります中で、日本における金融の問題等についてG7等の国際会議においては我々は報告する義務はあると、このように考えているところでございます。 また、ノンバンク等に対する対応の仕方につきましては、お話ございましたように、十二月十九日の閣議決定に先立ちまして政府・与党の間で合意をいたしました中に、ノンバンクに対する公的支出、財政支出は今後は行わないということを確認いたしてございます。これは住専とは違いまして、その債権債務の状況からいたしましても、ノンバンクの場合には母体となっております銀行等との間において処理され、預金者に影響を及ぼさずに解決が可能となるものと考えております。そういうことからいたしましても、他の今後起こりますノンバンクの破綻等に関して財政支出を行うことは適切でないと考えているところでございます。
○松村龍二君 もう一点は、住専問題解決のために税金を投入するという問題でございます。 この問題が起きまして、野党におきましては、一人当たり五千円とか一万円、世帯が四人だから四万円とか、このような金額をいつもの通常の方法による税金以外にさらに上乗せして税金が徴収されるといったような印象を特に選挙の期間中等に与えるというようなことがございまして、国民からしますと大変に重要な問題であるというふうに関心を持ったわけでございます。そのことが今日までの時間を経過したということにもなっているかと思います。 しかし、この税金というのが、中小企業が東南アジア等のNIESの追い上げを受けて苦しんでおるとか、あるいは政府の金融機関から金を借りてそれをきっちり返済しないといけないとか、あるいは阪神大震災でローンを組んだマンションが倒れてまた二重ローンを組まなければならないといった国民の感情からすると、大変に関心を寄せたところであります。 また、住専からお金を借りていた不動産業者がロールスロイスに乗ってしゃあしゃあとした顔をしている、また大邸宅に住んでいるといったことが国民感情として許せないといったことで、この税金の投入については、母体行等の理解を得てなるべくぎりぎり税金を使わないで済む方策につきまして昨日、一昨日来、野党の諸先輩議員からの御質問があったところであり、また大臣から前向きの答弁を得ているところでございます。しかし、税金を使うという意味におきましては、福祉の十四兆円、防衛の四・八兆円、教育の六兆円、公共事業の九・六兆円、これらの税金も同じような意味におきまして貴重な税金として使わなければならない問題であろうというふうに存ずる次第でございます。 住専問題は、債権処理の過程におきましていろいろ難しい問題が生じて、税金を投入しないといけないということもあろうかと思いますけれども、税金を投入してでも住専処理に取り組むといった御決意につきまして、ただいまのお話で尽きているような気もしますけれども、一言お話しいただければと思います。
○国務大臣(久保亘君) まず、我々は公的資金の投入をお願いいたします以上は、債権の回収についてあらゆる力を結集しなければならないと考えております。住専処理機構は預金保険機構とともにその任務を遂行しなければならないのでございますが、とりわけ住専からの借り手、債務者が借りた金を返さない、初めから返すつもりがなくて借りている、こういうものに対しては徹底的な追及が行われなければならないということでありまして、私どもは一円たりともこの債務を棒引きするつもりはありません。 また、借り手に対する債権者であります住専の経営責任というものも追及されなければならないと思っております。今日このような深刻な事態に至るまでこのことに的確な対応ができたかということに関する行政の監督庁としての責任、そういったようなものも私は決して軽くないと考えておりますが、とりわけ今お話ございました借り手や貸し手であります住専、この責任は徹底的に追及され、そして住専処理機構の設立に伴って住専七社は清算整理され取りつぶされる。つまり、住専を助けるとか、借り手の借りているお金をまけてやるというようなことに私どもは手を貸すつもりは一切ございません。 それから、財政支出の性格でございますけれども、これは国民の皆さんに御負担をお願いするということは紛れもない事実でございまして、このような事態に至りましたことについては政府として大変申しわけないことだと思っております。しかし、今はそのことを通じてでも、将来さらに大きな国民の不利益をもたらす、国家的な損失につながっていくこの住専問題を処理しなければならないということのために御理解を賜りたいと思っているのでございます。 お話ございましたように、六千八百五十億を新たに平成八年度の歳入において税負担をお願いするというものではございません。これは将来にわたって国民の御負担をお願いする、言ってみれば借金として残っていくものだと考えております。 したがいまして、この六千八百五十億の国家の債務が残ってまいりますものをどのような形で返済していくかということにおいて、今このことについてさらにこの負担を金融機関等に要請している。そして、この返済に関する負担が可能となれば、私は最終的に国民の皆様方の御負担を軽減、圧縮することにつながるものだと考えております。 そういう意味では、ことしの予算で使えるお金を六千八百五十億円はねてどこかへ持っていくという性格のものではないということについては御理解を賜りたいのであります。したがいまして、この六千八百五十億円があればもっとこんなことができるじゃないかということとストレートにつながって論議される問題ではないと、このように考えております。
○松村龍二君 私は、不良債権の回収をするこのたびの仕組みにつきまして大蔵省の方から平易に御説明いただきたいと思っていたわけですが、時間の都合もございますので。今まで預金保険機構、住専処理機構の御説明がありましたけれども、何となく役人言葉の説明でありまして、どれだけの陣容のあれで、理事長がだれになって、どういう仕組みでいろいろな債権を回収していくといったことが目に見えるような形の御説明が余りなかったような感じがするわけです。このことについては国民の理解を得るように今後ともぜひお願いしたいと思うわけでございます。 このたび住専会社から住専処理機構が債権を譲渡されましてその回収に当たります際に、債権の担保に短期賃借権あるいは地上権が設定されるとか、また事実上占有されているとか、その主体がどんどん変わっていくとかいろいろな難しい問題がある、また執行官に対するおどしの事案があるというような暴力の危険を伴うと、こういったことにつきましては五月の末から六月初めにかけまして読売新聞の記事に載っておりました。いろいろなマスコミが報道をし、また参考人等の意見陳述等の中からでもお話があったわけでございます。また、売却するのに、一斉に売り出しますと値崩れをするとか、その不動産で担保物件を買うのにやはり金融の手当てがなければ買えないのではないかといった問題もあろうかと思います。このような問題につきましては、先ほど申しましたように、平易な説明をお願いしたいと思うわけです。政府公報とかいろいろな機会を通じてお願いしたいと思うわけです。 最後に、国家公安委員長にお伺いするわけですけれども、このような暴力団が相手になっているということも言われます不良債権を回収していく中で、いろいろな力が必要であると思います。これは住専処理機構に、あるいは預金保険機構にいる職員に優秀な職員を得て、その専門的な力、専門的知識、ノウハウを知っている力、職員の力、意欲が必要でしょう。また、民事執行法を改定するなど、法律の力も必要かと思います。しかし、最後にはやはり司法的力、警察のマンパワーによります力、一般の方は暴力団というと非常に恐れるわけですが、警察の方は暴力団というと全然恐れないといった状況でございますので、やはり暴力団あるいは違法行為をするこの処理過程の中におきまして、違法行為を発見した場合には警察が前向きに強力に取り組むといったことが不可欠であると思います。 そのような意味におきまして、債権回収等の過程で明らかとなる違法行為の取り締まりにつきまして、実際に取り締まりに当たる都道府県警察に対してどのような指示、指導をしているか。また、現在どのような捜査状況であるのか。また、私は、日本の警察というのは戦前は大疑獄事件の検挙等で非常な力を示しておりましたけれども、最近ようやくこの数カ月、警察の力を示すような事案を見るわけでございますが、ぜひ日本の警察を挙げてこの国民的関心であります住専問題について前向きに取り組まれますよう、その御決意を国家公安委員長にお伺いしたいと思います。
○政府委員(野田健君) いわゆる住専に係る事犯を含む金融不良債権事犯対策は、警察にとっても喫緊の課題だと考えております。警察庁においては、警察庁次長を長とする金融・不良債権関連事犯対策室を設け、法務、検察あるいは国税当局と連携を図りまして対策をとっているところでございます。 全国の都道府県警察に対しましては、体制の整備、情報収集及び事件検挙に積極的に取り組むよう指示しておりますが、各都道府県警察におきましては、庁舎外に施設を借り受けまして、そこに帳簿解析の能力を備えた捜査員を大量に投入する、場合によっては他府県におります公認会計士等の資格を有する財務捜査官の応援派遣を受けるなどして、長期にわたる捜査を粘り強く行っているという状況にございます。 また、警視庁においては、例えば捜査第二課、捜査第四課、生活経済課合わせて約二百七十名の体制を現在とっておりますけれども、これらの捜査に当たりましては、知能暴力事犯に係る専門知識を必要とすることから、過去にこれらの課に属して、現在昇任するなどして警察署等に配置になっている者を中心に臨時に招集して特別の捜査体制を編成しているものでございます。 過去三年間で全国で検挙いたしました金融・不良債権関連事犯は百十五件で、一年平均にしますと約三十八件でありますが、本年は六月十一日までに既に四十六件検挙しているというような状況にございます。その内訳は、融資過程におけるものが七件で、うち暴力団等に係るもの二件、債権回収過程におけるもの二十四件で、うち暴力団等に係るものが二十三件、その他の金融機関の役職員により行われたもの十五件というような状況にございまして、債権回収過程における二十四件のうち六件は住専に係る事件でございます。
○国務大臣(倉田寛之君) ただいま刑事局長から具体的な内容については御答弁申し上げましたが、警察当局が今後どのような決意を持って臨んでいくかという点について私からお答えを申し上げたいと存じます。 いわゆる住専問題につきましては、政府にとりまして現下喫緊の課題であります。住専関連事件を含みます金融・不良債権関連事犯に関しましては、警察の組織の総力を挙げてその捜査を推進しているものと承知いたしております。警察といたしましては、今後とも、貸し手・借り手を問わず、住専問題の処理の過程で刑罰法令に触れる行為を認めますれば、迅速かつ厳正に対処してまいるものと認識をいたしております。 私といたしましても、政府の住専問題処理対策本部等を通じまして、政府にとって喫緊の課題であります住専問題の処理につきましては最大限の努力を傾注する所存でございます。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。よく囲碁の名人戦等を見ますと、一手打つたびに何か打った方が勝ったような印象を受けるわけですけれども、ぜひ警察が相手を打ち負かすといったまた安心感を国民に与えていただきますよう切望する次第でございます。 以上で終わります。(拍手)
○服部三男雄君 自民党の服部でございますが、農林大臣にまずお伺いをしたいと思います。 予算委員会それからこの金融特で論点、議論は深まりまして、大体尽きてきたんじゃないかなと。余り聞くこともありませんし、野党の皆さん方も大体理解をしていただいておるようでございまして、(発言する者あり)どうもそういう意味で非常に金融特、本委員会で粛々と議論が進んでおることは、本当に国民も理解を深めてきたのかなと思うわけでありますが、もうほぼ終わりということで、農林大臣について、農林関係についてまず冒頭にお聞きします。 結局、系統金融の経営というのは、金融自由化というのはここ十年間とうとうと進んできた。当然、自由化が進むわけですから競争が激しくなる、他業態との競争が非常に激しくなる、これはもう避けられない必然的な問題であります。そうなった場合に、勝っていればいいんですけれども、どうも経営が厳しくなってきている、趨勢的に。しかも、時系列的に見てもだんだんだんだん厳しくなってきている。そこへこの住専問題という大きな問題がどんと出てきた。その結果、ことしの五月二十四日に農林中金の七年度決算が発表されました。その中身はもう正視にたえないような惨たんたる状況でございまして、まず資金収支が極めて悪化していると。その一つに住専関係の資金贈与の問題もあるんですけれども、何と経常利益の赤字が四百億円という、もう背筋の寒くなるような金額でございます。そうなりますと、当期利益、純利益も当然悪化するわけですが、それがまた経常利益の四百億を上回る五百四十億円という史上最悪の決算となったわけであります。所管庁の長として、もう本当に身の細る思いを農林大臣はしておられるんではないかなと同情申し上げるわけであります。 続いて、信連の関係の決算発表が続々と出てきておりますが、今までのところ、決算の終わった信連のうちの半数以上は赤字になってきている。もうまことに厳しいという以外の言葉がないような状況でございます。しかも、今度の金融関連法案で大蔵省は護送船団方式を改めて、約五年間の経過措置を置きながら、もっと自由化を進めて自己責任でいくと。当然、その動きの中に系統金融の今後の経営というものは巻き込まれていくわけであります。 今度の予算委員会並びに当委員会の審議で出てきましたし、何度も大臣触れられておりますけれども、系統金融機関の金融に関する技量というもの、経営感覚というもの、あるいは経営体質、これは必ずしも他の、特に大手都銀に比べれば強いとは言いがたい。しかし、それは反省点ではあっても、今後それを何とか乗り越えていかなきゃいかぬ。 このような中で、農協系統金融も真摯な反省点をとって、事業・組織の改革に取り組んでいかなきゃならぬわけですが、以上の点を総合的にお考えになって、統括官庁の最高責任者として、農林大臣、この経営体質の強化という点について具体的に、しかもある程度期限を切って進めていかなきゃいかぬだろうと思うんですが、本国会はほぼ終わりに近づいておりますので、総括的な意味で大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(大原一三君) 委員の御指摘、本当にありがとうございます。御心配の筋、我々も十分認識をしているところでございます。 御承知のように、預金は集まるわけでございます。農協の方というのは、農家の方というのは、品物を扱ったりあるいはまた品物を買ったりするところへ預けておいたり、それからまた、お米の集荷もやられる、代金も入ってくる農協へ預けると、こういう仕組みはやはり今後続いていくだろうと思います。 そういった意味で、農林中金が世界の銀行ランキングの中で、先ほどの御指摘があるにかかわらず、日本ではナンバーワンになっておるわけですね、三菱銀行より系統、農林中金の方が世界の評判がよろしいと。 これは何だろうかと考えてみますと、預金集中能力なんですね。だから農林中金は安定をしておるというようなことでありますが、委員御存じのように、協同組合組織でございますから金利は払います。さらにまた、利用分量分配ということで農家への還元をそれに上乗せして還元しているわけでございまして、御指摘のように内部留保は一般系統の金融機関に比べて非常に薄いわけでございます。 これは協同組合組織の宿命でございまして、今までそういう経営をしておりましたが、今、委員が御指摘されたことは大変重大なポイントでございまして、金融の自由化の中で、もう既に金利は自由化されたわけでございますが、農林中金はやっておりますが、今後、ディスクロージャーを信連、系統ともに進めていかなければなりません。信組、信金と同等にディスクロージャーが今行われていないわけでございます。したがって、貯金をする方の自己責任原則といいましても、ディスクロージャーがされてないところへ、あんた責任持ちなさいと言ったって、これは無理な話でございます。 したがって、系統のこれからの改革の一つの柱の中でディスクロージャーを進めていかなければならない。農林中金は現在やっておりますけれども、信連並びに単協は全然ディスクロージャーをしていないわけでございますから、この八年の三月から十年の三月までに各段階の不良債権をオールディスクロージャーする計画を立てているところでございます。 それと同時に、現在の機構の重畳的組織をどのようにしていくかということでございますが、やはりスリム化というのがリストラの眼目だろうと思うんです。そうなりますと、信連を農中へ吸収していく。人員を全部吸収することはできませんから、その機構を、機能を全部農林中金へ吸収する、そこにいる信連の人たちは恐らく二極分化していくだろうと思います。そういった意味で組織のスリム化を進めていかなければならない。 同時に、単協におきましては、現在二千五百ありますが、この一年間で約二百五、六十の統合が行われまして、単協の数が減っております。これを四、五年以内に六百ぐらいのところへ引き下げていって、やはりスリム化、効率化を進めていかなければならぬと考えております。 そういった状況の中で、経営のやり方がまずいではないかと各方面から御指摘をいただいているのでありますが、まさに農協系統の金融システムは完全な護送船団でございまして、単協の貸し出し割合は四割でございます。信連の貸し出し割合は二割でございます。残りの全部は農林中金に集中されておるということでございます。 じゃ、今後その貯貸率が各段階で改善されるかというと、私は改善されないと思うんです。むしろ、農協、農業それ自体の借り入れば現在の状況では減っていく。そうなれば、七十兆円という資金をどのように効率的に運用するかというのは非常に大きな課題になります。したがって、先ほど申しましたように、農林中金への機能の集約というところに、この金融効率化の改革の一番大きなポイントがそこに置かれるだろうと私は思うんです。 現在、農林中金は外国に支店を持っておりますけれども、その支店の貸し出し自体が農林系にしかできないんですね、ないしは関連事業にしか貸し出しができない。これではやはり本格的な金融のリストラ、改革にはならぬだろうと。したがって、農林中金の行動半径を広げていただく、翼を広げていただく。そうして、国際的にも七十兆円がより有効に効率的に機能できるシステムを再構築するのが改革の主眼だと私は思っております。そういった意味で、我々の農林省にも自主的に、私の手元に官房長を中心にしてプロジェクトチームをつくりました。さらにまた、総理大臣の諮問機関であります農政審議会においては一月から精力的にこの問題に取り組んでいただいております。九月までには申し上げたようなことをひっくるめまして改革案をつくり、でき得れば通常国会に提示したいと思うのであります。 ただ技術的に、今おっしゃいましたようにプロがいない。選挙で選ばれる人でありますから、牛を養い蚕を養っている人が金融を担当するわけですから、これには非常に単協ベースでは問題があるわけでございます。したがって、そこにプロフェッショナルな金融マンを入れていく体制をどうしても今後つくっていかなきゃならない。農林中金等々におきましてもこういうスタッフを今後養成していく体制をつくっていかなきゃならぬと思っております。 さらに、監査につきましても、農林省に現在五十人ぐらいの検査官がいるわけでありますが、我々としてはできるならば、行政改革のさなかでございますが、ほかの部をつぶしても検査部をつくって人員の充実を図り、それにふさわしい人材を充実していったらどうかなと。さらに、外部監査の問題等、より護送船団の外側の知恵を注入することも考えていきたいと思っております。 大変長時間、ありがとうございました。
○服部三男雄君 農林大臣の自由化、国際化に備えた系統金融の問題点の把握は確かに的確であろうと思います。また、それに対して次の国会までに対処方法を考えるプロジェクトチームをつくったということでございます。農業は日本の国政のかなめでありますから、私どもも大いに大臣をバックアップして、そういう問題について国家として誤りなきを期していかにゃいかぬなと思っておるところでございます。 続きまして、大蔵大臣、それから銀行局長、出ずつばりで御苦労さまですが、もう少しで終わりますから的確な回答をお願い申し上げたいと思います。 今度、住専処理のスキームづくりの仕上げということだろうと思うんですね。それはそれで確かに大事なこと、出発点でありますから。結論は、これは金融というのは何でもお金ですから取り返さにゃいかぬわけです。焦げついている金を取り返す、これが一番大事な問題でありまして、どうも六千八百五十億のとば口でとまっているのを、この金融特で可決すれば、いよいよ出発点をスタートする。それで、何が大事かといったら、先ほど申しましたように回収であります。 何度も聞かれていることでありますが、ありとあらゆる徹底的な手段で回収するんだとおっしゃるんですけれども、それは今までの繰り返しで大体わかっているわけです。住専を処理して、貸している先に対して、不良化しているところに対してありとあらゆる法律的手段を講じていくということ、これはおっしゃるとおりでありまして、そのための議員立法でいろんな手続の改正までやっているわけでありますから進むだろうと思います。あるいは、暴力団対策として法務、警察が入って進んでいくというのも、どうも法務出身としては何となく用心棒扱いみたいな気がしてすきっとしないんですけれども、事実、効果はあるだろうと思います。 一番大事なことは、大臣、不良債権化してお金が回収できない、金利もそれほど上がらない、元本も回収できない、そのほとんどのもとは土地の値下がりなんですね。ひどいところになると十分の一ぐらいになっている。そうすると、今度いよいよ競売にかけるんだ、あるいは任意売買で進めていくんだ、不当占有者に対する対応方法をいろいろやったんだ、回収部分に住専処理機構の総力を挙げてどっと人員配置もしていくんだ、そのためのプロの弁護団とかそういった人たちにも応援をもらうんだと。 これは、確かにスキームはできます。土地が動かなきゃどうにもならないわけです。二十万件だと言われているんです、今度の住専の関係する担保不動産は。どっと売りにかけたと、競売にかけたと。競売のことは最高裁に後で聞きますけれども、買い手がなかったらどうにもならないわけですね、資本主義の原理ですから。国家資金で買いに行くなら別ですよ。そんなことはできないですからね。 そうすると、大蔵大臣にお聞きしたいんですが、スキームをつくるのは大蔵、農林の今回の仕事だと思いますが、いよいよ回収するとなると、今度は土地を所管している建設省、特にこの不良化した土地というのは都心部、東京、大阪、名古屋という大都市部の商業地の中心部が多いんですよね。 こういったことを考えますと、建設省の中でも特に都市局とか住宅局とか、あるいは国土庁とか、こういったところと今後もっと緊密な協議をして対策方法を講じないと、せっかく住専処理機構のいいスキームをつくって、これだけの野党の抵抗の中でつくってやっても実際機能しないんです。それじゃ困るんで、建設、国土その他所管庁、これは特に大蔵の中でも主税局が絡んでくるんですね、税制の問題が絡んできますから。こういったことについて今後連携してやっていくという強い決意を大臣にお答え願いたいんですけれども。
○国務大臣(久保亘君) 今お話しのとおりでございまして、譲り受けました債権、特に土地が競売にかけても処分できないということになりますと、この住専処理機構としては回収の任務を果たすことができないわけでございます。特に、大都市等にございますものなどを中心にしながら、政府の土地に関連いたしますそれぞれの機関、それから都市の今後のあり方についての自治体等の公的機関の協力、こういうことに関しても十分に意を用いながら進めていかなければならないものと考えております。 具体的な進め方等について、必要でございましたら、政府委員の方から御答弁申し上げます。
○服部三男雄君 いや、もう大臣のその決意を聞けば、また連立与党の方でそれぞれ知恵を出し合ってやって、それを政府として大蔵を中心としてやっていただければ結構だと思います。たしか四月の予算委員会でも総理からそういった関係閣僚会議を開くという明確な回答もいただいておりますので、特に税の問題がありますので、その点について御決意を伺っておけば十分かと思います。 次に、最高裁に尋ねますが、処分すべき不動産というのは、最終的には競売にせざるを得ない物件が多分かなり多いだろうと思うんです、二十万件中ですね。 ところが、巷間言われるには、競売手続というのは時間がかかるんだと。申し立てから落札までもう非常に時間がかけられているし、そこへの参加者も一部になっている。一般的な人が買いたいなと思っても、どこへどういうふうにしていいのかわからない。裁判所なんて一生に一遍行くか行かないところでどうも近寄りがたいとか、あるいは手続を進める上で執行官の数が少ないんじゃないかと。今言われるのでは平均四年ぐらいかかっていると、ことしあたりからは三年から二年に減ってきたと言われておるんですけれども、こういう非常に隘路がある。せっかくこうして国民の血税まで使って、しかも六カ月も国会ですったもんだしてつくったスキームの実効性というのは、結局その競売の方にかかるんじゃないかなと、二十万件の土地だと言われていますからね。 そういうようなものを考えますと、迅速な不良債権処理を図るためには、今の競売手続のどういうところに問題があって、どういうところを改善すればいいのか、またどういうふうに今まで努力して最高裁としては改善してきたのかということについて、明確な回答をもらいたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 裁判所の競売手続がなかなか早く進まない一番大きな原因は、やはり最近の不動産市況の低迷を受けまして、裁判所の手続で売りに出しました物件につきましてなかなか買い手がつかないという問題がございます。この点につきましては、裁判所としてもなかなか有効な手が打ちにくいわけでございまして、やはり裁判所の方で工夫をしていかないといけませんのは、競売の申し立てがございましてから売りに出すまでの手続、それをできるだけ迅速にやっていくということがポイントになってくるだろうと思っております。 具体的に申しますと、申し立てがございますと、執行官が物件の現況を調査いたしまして評価人が物件の評価をする、また裁判所の書記官、事務官が中心になりまして物件に関する明細書をつくりまして売却に出すわけでございますので、そういった手続をできるだけ迅速に処理していくということが必要であろうと思っております。私ども、そういう観点から、ここ数年随分競売事件の処理のための手を打ってきているつもりでございます。やはり一つ大きな対策は、こういう事務を担当いたします執行官あるいは職員を増員させていくということだろうと思います。 五年前の平成三年とことしの四月時点の対比で申しますと、例えば一番大きな執行部を持っております東京地裁の例で申し上げますと、執行官の数は二十五人であったのを三十五人にふやしております。しかも、このうち物件の現況調査を担当いたします執行官というのは、従前六名程度であったのを十七名ということですから三倍程度にまでふやしてきておるわけでございます。それから評価人につきましても、五年前十六人でありましたのをことしは三十二名ということですから倍増させてきております。さらに、書記官、事務官の陣容でございますが、これも五年前は三十九名だったのがことしの四月には九十四名ということですので倍増に近い陣容をとってきておるわけでございます。 それ以外にも、事務処理につきましては、例えばコンピューターを活用いたしまして、できるだけ迅速な処理を図るというふうな工夫もしております。それからもう一つ、委員御指摘ございました、できるだけ広い範囲の方にこの買い受け人になっていただくというふうな工夫も必要だろうと思います。従前から競売物件に関する情報を新聞とか雑誌等でできるだけ広く一般の方に伝達するという工夫をしておりますが、最近新しく始めました工夫としましては、ファクシミリを利用いたしまして直接一般の市民の方が競売情報を取り出せる、そういうふうなシステムを大都市部を中心に順次整備してきております。この競売に関する情報というのは、裁判所の窓口担当者が、実際に競売に参加したいという方から電話等で御相談がございました場合に、具体的な中身について御相談に応じるというふうな体制も講じておるところでございます。 これからも事件数の動きを十分見ながら、さらにこういった方策を進めていく必要があるだろうと考えております。
○服部三男雄君 最高裁としてできるだけ努力していることはよくわかりましたが、今度の住専処理機構で、先ほど申しましたように二十万件ぐらいの土地がどっと一遍に出てきますから、もっと増員していただかにゃいかぬと思いますので、それを強く要望しておきます。 続きまして、保岡議員にお伺いします。 よく言われることに、不動産に絡んで暴力団が介入しているんだと、妨害するんだと、そのために迅速な不良債権の回収ができなくなってきているということで、今般の民事執行法の改正によりまして、暴力団と共謀した債務者による回収行為に対する抵抗にどの程度実効性があるのかどうか、その点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(保岡興治君) この間の総括質疑のときも関根委員の御質問でお答えもしましたけれども、とにかく今最高裁から説明があったように、住専を初め大量な不良債権が山積みになってきていて、住専については処理スキームをつくって徹底的に処理に当たろうとしているわけですが、結局、処理をするためには最後の手段である競売というものがきちっと行われる、的確、迅速に実行できるということが決め手になるわけです。 ところが、今の状況では、説明があったようになかなか競売手続が進まない、あるいは売れない、売れたとしても安い。こういう非常に困難な状況の中で、おっしゃるように暴力団がそういう温床に巣くっている。 これは、バブルの発生のときから地上げなどでいろいろ暴力団が関係して、バブルの時代に不当な利益をそこで上げたということもよく言われているんですが、バブルの結果生まれた大量債権を温床にさらに妨害行為をいろいろして、そこで不当な活動をして利益なども得ている。これをきちっとしないことには、住専の処理もうまくいかない、大量の不良債権の処理もできない、こういうことで我々いろいろ議論をして、与党の住専処理対策会議でプロジェクトチームをつくりまして検討いたしました。その結果、やはり今の法には明らかに欠点があるという結論に達しました。その欠点を補うために民事執行法の改正がぜひ必要である、そういう結論に達しましたので、実は今般の改正案を議員提案させていただいた次第でございます。 どういう内容かといいますと、現行の民事執行法では、五十五条において競売のために保全処分をする道を与えているわけです。また七十七条において、今度は競売の結果競落した者に対して妨害の排除等をして引き渡しを求める、こういった保全処分の制度があるわけです。 ところが、こういった妨害排除のための保全処分が現行法では債務者、所有者に限定されておりまして、妨害の態様として頻発している、急増している暴力団等の占有屋と言われる第三者が占有をしている場合には、相手方にできない。これは解釈で、例えば占有補助者という概念を持ち込んで、債務者と何らかの関与があるとか、あるいは妨害目的があるとか、そういう要件を立証すれば占有補助者として債務者あるいは所有者とみなして、そうして相手方として妨害を排除するといういろいろ苦労もしているんです、裁判所では。 しかし、それも解釈が裁判所によっていろいろまちまちであったり、なかんずく債務者が逃げていなくなったり、あるいはおどかされて何も言わないとか、あるいは結託をして、そうして債権の回収を妨害する。その場合は、もっともらしい賃借権の主張をしてみたり、使用貸借の理由を挙げてみたり、いろんなことをしてなかなか明け渡さない。 こういった者を的確に排除するためには、やはり保全処分の対象を拡大して、従来の所有者と債務者から、第三者というんですか、占有者にも拡大する必要がある。したがって、今般の改正はその拡大をしたというのがポイントの一つであります。 それからもう一つは、よく債務者がいなくなってしまって夜逃げをしてしまう。そんな後に競売の申し立てをするのでございますが、そういうときには一々保全命令を出してから、現在は執行官保管という予防排除のできる制度があるんですが、そういうことが意味をなさない。いなくなっている者に執行命令を一時的にかけても意味がないという場合は、いきなり執行官保管がきちっとできるという道を開こうというのが第二点でございます。 それからもう一点は、これは競落人が競落した後不動産の引き渡しを求めようと、そのときに妨害が入っている。これが現在では、債務者に何らかの権利の主張をすることができる、占有権原が主張できるというもので、実は買い受け人には対抗できないような単なる登記のない賃借権とか使用貸借、そういったことを仮装したりして理由づけてというものに対して排除ができない。これも、やはり訴訟によるのではなくて、簡易な競売手続の中で迅速、簡便に引き渡し命令ができる道を開くべきだということで、そういった点に対応できる改正をいたしたのがポイントでございます。 それともう一つは、実は競売を実行するには、不動産が他の者に売られてしまっておるというような状況がよくあるわけです。そういう場合には、所有権者に対して滌除権を行使するかどうかと。滌除権というのは、所有者がある一定の金額で自分が引き受けると。自分が引き受けるから、金を払うから自分の所有権を認めろと、平たく言うとこういうような制度なんですが、その滌除をするのに実行通知をしてから一カ月余裕がある。したがって、一カ月たった後、その通知を出したことの確定日付の証明をつけて競売を初めて申し立てなきゃいかぬ。その一カ月が暴力団や占有屋さんたちがつけ込む大事な期間で、そこに一斉に妨害が入ってきてしまう。 ところが、現行法では、そういった抵当権者が実行する直前に、いろいろ手続をしている間に保全処分を、民事保全法等によって仮処分ができない。これは本当に大きな欠点であるということで、今般、競売開始前に民事執行法で保全処分ができる制度を新しくつくったと、こういうことなどが主な改正の内容になっております。 いずれにしても、非常に悪質巧妙になってきているこういう占有屋の妨害を排除していかなければ、幾ら立派な処理スキームをつくっていろいろ法の整備をしても、最終的には債権の回収とか責任の明確化、不法行為の損害賠償の請求というのは実現できない。 したがって、国民の負担その他いろんな社会問題を解決する道につながらないわけですから、こういった立法はぜひ必要だという観点に立って、ただ政府提案ではいろいろ検討に時間がかかったり、あるいは審議会の手続を経なければならないというようなことがありまして、これは行政としては当然でございましょうが、そういう時間を置いておるとこの債権処理が実行できないうまくいかない、日本の経済の将来のためにもこれがしっかりしていなきゃいけない、これが決め手であるという観点に立って、議員として、与党としてこの議員提案をさせていただいて、先ほど委員御指摘の処理の環境整備に不可欠だという観点から御提案を申し上げたところでございます。
○服部三男雄君 こうしてスキームも大体出そろい、今、保岡委員から議員立法提案の理由の説明もあり、しかもバブル紳士と言われた連中は、東京、大阪で代表的なのが警察、司直の手も入って国民も少しはすっきりしたでしょうし、こういうことでこの住専処理スキームというのは大体議論も尽きてきたな、国民も徐々に納得しつつあるんではないかなと思っておる状況でございますので、なお一層政府の方で御努力いただいて、迅速な債権回収に邁進していただくことを希望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
○保坂三蔵君 自由民主党の保坂三蔵でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 私の質問に入ります前に一言申し上げたいのでございますが、ただいま質問がございました我が党の服部委員が、さきの予算委員会におきまして、元検事という大変御経験も深いお立場から、御苦労なさって例の桃源社の佐佐木社長の偽証罪を摘発いたしました。現実に悪質で違法性のあることを、国会でも私たち国会議員を前にいたしまして偽証したわけでございます。司直の方でも国会の告発を待っているようなそういう傾向があると思うのでございます。 この間の委員会のときも、冒頭に林寛子議員が中国の原子力実験に反対して、そして今度は、国会決議、全党がまとまるというのに反対している。平成会、新進党は腹と口が違うんじゃないか、そういう話を国民が言っているんですよ。ですから、そんなことをまたテレビ朝日に茶化されますよ。 以上でございます。 質問に入ります。(「だれに物を言っているんだ、おまえは」と呼ぶ者あり)「おまえ」とは何だ。ちょっと待った。「おまえ」とは何ですか、訂正しなさい、あなた。(「あなたも、じゃそんなことは言いなさんな」と呼ぶ者あり)「おまえ」とは何だ。(発言する者多し)
○委員長(坂野重信君) 静粛に願います。 保坂三蔵君、質問してください。
○保坂三蔵君 委員長、国会にあるまじき暴言です。「おまえ」とは何だ、「おまえ」とは。 質問いたします。失礼しました。 私の本当の質問は、信用組合等に関する質問でございます。 経営破綻を来しました三つの信用組合の処理で大変追われておりました東京都が、これまでの信用組合に対する指導監督について見解を明らかにいたしました。みずからの検査、指導、監督体制の不十分性を認めた上で、今後の信用組合への指導監督の決意を明確にした文書でございました。 昭和二十四年の中小企業協同組合法として制度が整えられた時期には、中小企業者の求める経営資金調達に対しまして都市銀行等の金融機関からは極めて厳しい処遇を受けておりました。そして、その組合員の相互扶助の組織として資金供給役を担ったという信用組合が果たしてきた原点から、高度経済成長時代を経て一貫して中小零細企業者と勤労者とともに発展をして地域経済に寄与してきた歴史も回顧しております。 その後、一転して資金余剰時代に入りましたが、金融の自由化、国際化の中で金融機関をめぐる経営環境は激変しました。特に近時、都市銀行など他の業態の金融機関が信用組合の領域へ進出してまいりまして、信用組合も激しい競争関係に立たされることになってしまいました。さらに、金利自由化等の影響が加わりまして、信用組合は協同組織金融機関としての本来の性格から、有利な貸出先の維持や確保、そしてまた低利の資金調達、また複雑、高度化する金融事務への円滑、効率的な対処の点で厳しい経営環境の中に追い込まれていったわけであります。 信用組合を指導監督する東京都は、その信組を地域に密着した信用機関として時代に即した経営へと指導を徹するべきであったわけです。しかし、リスク管理を軽視した利益優先の経営傾向を横で見ながら、監視しながらも是正できなかったことを強く反省しているわけであります。具体的な問題点のケーススタディーなどを分析して、国に対して各種の要望を展開しつつ、都内にあります五十の信用組合への指導監督に当たる強い決意表明をしております。 これは、大蔵当局にもこの文書や決意は入っていると思いますが、この一地方自治体としての東京都の姿勢をどうお考えになるか、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 今お話がございました東京都の信用組合の指導監督実施要領につきましては、東京都からの報告を伺っております。これは一つは、監査体制の充実、そしてリスク管理体制の強化、それから検査の機動的実施や適正な職員の配置、業務改善命令の発動を含めた早期是正措置などに及んでおります。 これは、今お話がございましたように、信用組合の相次ぐ破綻に対する指導監督の立場にあります東京都のお立場からの反省の上に立って、今後の信用組合の健全な運営を図っていくためにとられた措置であると考えておりますが、信用組合が御指摘のように中小零細企業や勤労者のための金融に大きな役割を果たし、そしてそのことによって地域経済に貢献をいたしておりますことにかんがみて、今後の信用組合の健全な発展のためにこのような措置がとられておりますことについて、私どももそのような措置が実効を上げてまいりますことを期待いたしているところでございます。
○保坂三蔵君 パートナーとしての御指導もお願いしたいと思います。 信用組合が持っている構造的なもの、また経営環境、これはいろいろあろうと思いますが、一つにはバブルという問題もございました。念のために伺っておきますが、現在大蔵省ではバブル期及びバブル崩壊期における金融行政の誤りについて関係者が実態や経緯を明らかにするよう作業を行っているということを聞いております。具体的に当時の政策責任者かちヒアリングなどを行っているということも聞いておりますが、これは事実でありましょうか。そしてまた、その調査結果をどのような時点で御発表なさるのか、伺っておきたいど思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 昨年末以来、大蔵省内にバブル経済総点検のためのプロジェクトチームを発足させまして、バブル経済の生成、崩壊に関するさまざまな議論を踏まえつつ、金融行政を中心といたします大蔵省行政の総点検を行ったところでございます。 また、この四月には新たに金融の自由化、国際化の進展に対応したこれからの新しい金融行政のあり方について検討するためのプロジェクトチームを省内に発足させまして、広範な視点から検討、議論を進めておりますが、その検討の過程におきまして、必要に応じ適宜当時の政策担当者にお話を伺ったり事実確認等を行っているところでございます。この今の新しい金融行政のあり方について検討するためのプロジェクトチームは、現在まだその議論を鋭意行っている最中でございます。
○保坂三蔵君 また信組問題に戻りますが、東京協和、安全の二つの信用組合が経営破綻した当時をもう一回再点検してみたいと思います。 バブル経済に文字どおり踊った乱脈経営の二つの信用組合は、ちょうど一昨年の平成六年十二月に経営の破綻が表面化しました。この間、毎年東京都によりまして通常検査が実施されており、また同時に、国と東京都からの合同検査も破綻の前年から入っております。 後日明確になりましたとおり、例えば欠損見込み額などを見てみますと、二年間で協和信組は十二億から三百四億円に、安全信組も四十四億から八百十三億円と急膨張しております。そしてまた、高利回りをセールスポイントに、員外預金者や大口預金者を全国から募っておりました。当然に、信組本来の姿として足で稼ぐ小口預金者の数は激減しておりましたし、定期預金、普通預金、それから当座預金なども比率が低くなって、そして信組の主力商品でありますところの定期積み金なども他の信用組合の平均をすべて下回っていた。無稟議、稟議なしの貸し出しも多く、担保のとり方もずさん、また不動産関連への貸し付けが多く、不良債権比率は平成五年度で七七・九%と悲劇的に推移をしていった。 平成五年の国と東京都の合同調査によりまして、この経営悪化は確認されていたわけです。これは事実であったのか、また国もこの事態を知りながら、どのようなことを予測してどのような指導を具体的に東京都にしたのか、ちょっとこの点を伺いたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 二つの東京の信用組合に対します検査・監督は東京都知事が行っておられたところでございますけれども、大蔵省といたしましても、都知事の要請を受けまして、平成五年及び平成六年に両信組に対する東京都の検査に協力をいたしたところでございます。したがいまして、平成五年からこの二つの信用組合の経営状況については私どもも東京都とともに実情を把握していたと言えるかと存じます。 平成五年の二つの信用組合に対します検査の実施後、東京都は経営内容の改善指導を強化することによりましてその経営問題の解決に努めておられたところでありまして、当局といたしましても、その時点におきましては、そのような東京都の御方針によって解決を目指すという判断を尊重してきたところでございます。 しかしながら、その後、東京都の御指導の効果が必ずしも十分に上がらず、再度検査に協力いたしました平成六年の検査におきましては、二つの信用組合の資産内容がさらに悪化をいたしまして、到底自力再建が困難な状況に至りましたことが判明いたしましたことから、大蔵省といたしましても、一昨年、東京都、日本銀行とともにこの二つの信用組合の処理策の検討を行いまして、いわゆる受け皿銀行を設立し、その処理を図ったものでございます。
○保坂三蔵君 ここのところでちょっと事実関係も確認しておきますけれども、平成六年、第二回の合同検査後の十二月に東京都が結局業務停止命令を出しているんですが、ところで、この直前の九月に日本経済新聞が、東京都が経営改善を行うと、こういうスクープを一社だけ載っけたわけですね。これによりまして両信組の預金の引き出しがふえた、結果として資金繰りが厳しくなった、こういうことを言っておりますが、これは事実として御確認いただいていますか。
○政府委員(西村吉正君) 平成六年の十二月に二つの信用組合に対しまして東京都が発出いたしましたのは、業務の停止ではございませんで、資産内容の健全化を求めた業務改善命令ではございますが、当時の東京都からの報告によりますと、両信用組合に関する平成六年九月の今御指摘の新聞報道以降預金の流出が見られまして、一時期資金繰りが極めて厳しくなったと、そのような状況があったように伺っております。
○保坂三蔵君 一片の新聞記事ですね。昭和恐慌のときは国会でのミス答弁、こんなことがありましたが、今日の世相ではキャッシュカードなどの操作で瞬時に大量の預金引き出しが予測されるわけですね。金融機関が大ダメージと、金融機関相互の決済機能が麻痺したり、企業活動に被害が拡大するおそれが出てくるわけですね。こういうことが新しい時代の一つのファクターになってきている。 また、例えば大阪におきましても木津信組の問題では、東京のコスモの処理が発表されただけで、東京からのニュースだけで二日間で二万人の来店者がありまして、取りつけ騒ぎ寸前になってその後業務停止命令が大阪府から出されまして、その二日間と一日、合わせてわずか三日間で二千五百億円に上る預金の引き出しがあった、流出があったわけですね。このことによって、大阪府などを中心にやっていたスキームも結局、努力の過程中に資金ショートを起こしてしまった、こういうことがあるわけです。 そんなことがありますので、その次のことでちょっとお尋ねいたします。 危ないとか極めて劣悪なあらゆるデータがそろっていた中で、それじゃもっと早い時期に二つの信用組合に対して業務停止命令が出せなかったかという指摘があるわけですね。私もその後いろいろと調べてみたわけですが、東京都に言わせますと、法令上、業務の停止や理事の解任など強力な権限を有していることは承知している、しかしどのような状況でこれらの措置を発動すべきか、また機関委任事務の授権者である国から具体的な基準を示されているというわけではありませんから、遠い過去はともかくとして、近年では発動例もないわけです、前例が。結局、法的措置をとること自体が信用組合の破綻を招く危惧があったわけですね。 大阪なんかでも、木津信組の例を見ますと、検査は常に事後的なものであって任意検査であった。関連ノンバンク二社に対しても、資金トレースに対する法的な検査権もなく、結局多大な時間を要している、調査に。また、業務改善命令は従来、理事長をやめさせるときの伝家の宝刀みたいになっていたために、これも出してしまえば信用不安にもつながるので出せなかったと、こう述懐しているわけです、大阪府なども。 今度の新法では、経営実態を明確に評定するための客観的な基準、それからそれと連動する改善措置が必要であると、こうなっておりますが、指導監督の実効性を上げるための早期是正措置、これはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) ただいま委員がおっしゃいましたような背景がこの措置を私どもお願いをする前提にあったわけでございます。すなわち、私どもも東京都、日本銀行とともにあの二つの信用組合の処理に大変に苦慮いたしたところでございますが、大きく言いましてその原因は二つあろうかと存じます。 一つは、この二つの信用組合のような事例に対します対応策、すなわち今の制度では一千万円までの預金というものは保険で保護されることになっているわけでございますが、一千万円を超える預金に対する対応策はないわけでございます。しかしながら、現在の状況下におきまして、一千万円の預金に対しましては対応策がございませんということでとても国民の御理解を得られる状況ではないであろうと、したがって、この一千万円を超える預金に対しても何らかの対応策が必要であるということが当面の対策として一つでございます。 それからもう一つは、今委員も御指摘がございましたように、この業務停止命令あるいは業務改善命令を発するということは大変に重大な結果を招くわけでございます。そのような重大な結果を招く発動を担当官が行います場合に、その判断に大変に苦慮いたすわけでございます。したがいまして、そこは個々の行政官の判断というものも重大ではございますが、やはり透明な判断基準というものが設定をされておりまして、その基準に従って判断をしたという仕組みになっていることがこのような措置を迅速に発動できる一つの前提ではないかと、このように考えたわけでございます。 今回お願いをしております金融三法の中に含められております当面五年間に対する一千万を超える預金に対する措置、それからこの早期是正措置によりまして、今申し上げましたような二信組以来の経験というものについて国会での御配慮をお願いしているわけでございます。 そこで、その早期是正措置でございますが、従来から金融機関の業務や財産の状況に照らしまして必要と認められるときに発動いたしておりました、自由裁量とある意味では申し上げられるかもしれませんが、しかしながら、その裁量の余地があるだけに実際にはなかなか発動しがたかったその処分権につきまして、行政の透明性を確保しつつ金融機関の経営の健全性を維持するために、基本的には自己資本比率を基準とした客観的なルールに基づきまして金融機関の経営の早期是正を促していこうとするものでございます。 早期是正措置に係ります発動基準や措置内容などの具体的な内容につきましては、御指摘の実効性の観点を十分に踏まえまして、金融に関する専門家等から成ります検討の場を設けまして、十分な御議論をいただきまして透明性のある形で決定をしてまいりたいと考えているところでございます。
○保坂三蔵君 難しいですね、本当に。改善命令でさえも難しい、それを早期にやるというのはなお難しい。しかし、それがなければ業務停止命令なども出せないわけですね。これは本当に自治体としても困ると思いますよ。 それから、理事会や総代会がございます、協同組織金融機関の本来の相互監視機能ですね。これもあるんですけれども、実際に機能していたんでしょうか。 それから、経営健全化のためには、ただいまお話がありましたようにディスクロージャーの推進はもう急務ですね。そして、監査体制の強化とあわせてこれをどう考えているのか、このあたりも伺いたいと思います。 そして、ついでに伺いますが、金融制度調査会の答申では、協同組織金融機関につきまして、信用金庫、労働金庫及び信用組合について原則として平成十年三月期までに不良債権のディスクロージャーを完了すべきと、こうなっていますが、これは農漁協もあわせてそうだと思うんでございますが、この意味はどういう意味なんでしょうか、あわせて御答弁いただきたい。
○政府委員(西村吉正君) まず初めの点につきましては、協同組織の金融機関は会員または組合員の相互扶助を基本理念とする組織でございます。会員等による相互チェックを基本としているわけでございますけれども、最近の信用組合の破綻事例を見ますと、こうした会員等によります相互チェック機能、以前はそういう機能が働いておったのでございますが、最近では必ずしも十分にそのような機能が働いているとは言いがたいという御指摘もございます。 こうした状況を踏まえまして、協同組織金融機関の監査体制の充実などの観点から、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律案、今回御提案申し上げておる法律案でございますが、そこにおきまして、まず第一に信用金庫、労働金庫、信用協同組合等の監事の機能強化、第二に一定の規模以上の信用組合などに対する員外監事の登用、外部監査制の導入、第三に信用協同組合の役員などの兼職等の原則禁止など所要の措置を講ずることとしているわけでございます。 御指摘のとおり、協同組織金融機関の経営健全化のためにはディスクロージャーの推進が急務と考えておりますが、こうした監査体制の強化は開示内容の真実性を確保するという観点から必要なものと考えております。 第二点のディスクロージャーに関するお尋ねでございますが、信用金庫等の協同組織金融機関は、先ほど申しましたように、本来会員などの相互扶助を基本理念とする非営利法人でございます。広く国民から預金を託されている銀行などの株式会社組織の金融機関とは異なることから、これまでは不良債権の開示がほとんど行われてこなかった、仲間内にわかればいいではないかと、こういう考え方になっていたわけでございます。 しかしながら、不良債権のディスクロージャーは、金融機関経営の透明性を高めまして、市場規律により経営の自己規制を促す上で大きな意義を有するものと考えられます。また、預金者の自己責任原則を問うための基盤といたしましても大変に重要でございます。 こうした観点から、主要な銀行二十一行、地域銀行に続きまして、信用金庫などの協同組織金融機関につきましても、先ほど御指摘のように、原則として平成十年の三月期までに不良債権のディスクロージャーを完了すべきと、このような考え方になっているわけでございます。
○保坂三蔵君 そうなりますと、いよいよ常時の専門職員の監督業務というのは非常に重要になってくるわけですが、ちなみに東京都の場合は、五十の信用組合を担当する信用組合課には常時三十七名のスタッフがおりまして、検査機能の充実のために頑張っているわけですが、実際には機関委任事務として国が自治体に任せるなら任せるように、金融マンとしての検査機能の充実をした検査官の能力向上のために、またそのほか研修を充実するとか、あるいは人材の交流などを図ってやるとか、やっぱり大蔵省の指導というのが待たれるわけですが、このあたりの金融マンの育成はどうお考えでございましょうか。特に農水大臣からも、農林系でもそうだと言われましたけれども、自治体の場合はもっと急務ですよ。
○政府委員(西村吉正君) 全国の都道府県の中でも東京都は最も充実したこのようなスタッフを擁しておられるところでございますけれども、しかしながら都道府県職員の検査機能の充実のための研修の必要性というものは私どもも痛感しているところでございます。昭和三十四年以降、毎年定期的に信用組合監督要員講習会を開催いたしまして、検査官の能力向上に努めてきたところでございます。 しかし、最近の信用組合の破綻の事例に見られますように、監督官庁である都道府県知事がこうした事態に至るまで必ずしも十分な検査・監督を行い得なかったという御指摘が多々あることはまことに残念なことでございます。 昨年十二月に出されました金融制度調査会の答申におきましても、「最近の大規模な信用組合の破綻例を踏まえると、今後は国と知事の連携強化、国の知事に対する指揮監督権の適切な行使等が重要である。このため、国と知事との間の定例協議を設置することが適当」とされたところでございまして、大蔵省といたしましても、この考え方に沿いまして今年度から国と知事との間の定例協議を設置したところでございます。今後、この定例協議の場におきまして、検査機能の強化策を含めまして、信用組合監督の充実を都道府県とともに大蔵省といたしましても力を入れてまいりたいと考えているところでございます。
○保坂三蔵君 ひとつくれぐれもよろしくお願いいたします。 そこでもう一つ、破綻をした後の処理についてお尋ねをいたしますが、二つの信用組合の処理の際には、大蔵省の指導のもとに日銀と協議をいたしましてスキームが組まれました。東京都は三百億円の低利融資を要請されました。これはもう明らかに公的支援でありますが、当時の鈴木知事と与党は、預金者保護の立場から、あるいはまた中小企業者や勤労者を救うという立場からこれを応諾いたしました。しかし、その後、乱脈経営のしりぬぐいは絶対反対だという都民の世論が巻き起こりまして、知事並びに与党は孤立してしまいました。 そして、その後、絶対そういう公的な支援をやらないという青島さんが知事に当選してきたものですから、結局やむを得ず基金に組みかえて、支出はしておりません。結局スキームは東京都の責任分を完了していないわけですが、このスキームは、その後一年半もたっておりますけれども、どうなってしまったのでありましょうか。これが前段でございます。 もう一つあわせてお尋ねいたしますが、その後コスモも破綻をしてしまった。今度は低利融資で、もう運用では利益が出てきませんから、しょうがなくて補助金を出すことになった。二百億円ですよ。そして、やっと青島知事を説き伏せまして、公約は間違っていたとまで言わせて納得させたんです。高い見地に立った。そのとき、平成七年度の補正予算で二十億円を認めまして、そして平成八年度の今年度予算で二十億円を決めまして、合わせて四十億円、そして残りの百六十億円を債務負担行為として、合わせて十年間で補助金を出すことにしたんです。 三百億円と二百億円。東京都の財政規模はおおむね国の十分の一でございますから、これは国にすれば五千億円の公的支援を東京都が出したことになるんです。一地方自治体ですよ。住専問題で国民から五千円の負担云々と随分言われておりますけれども、地方自治を今大事にしようという時代に、一地方自治体が都民一人当たり、おぎやあと生まれた赤ちゃんから五千円を負担してもらって実際にやろうとしている。これに対して国が何とかしてやろうという声が一回でも国会で起きたでしょうか。そういうことが私たちは地方の時代と言われる中で不満であります。 しかし、現実には東京都は、二百億円の補助金ですから返ってこないんですよ、補助金ですから。しかも、債務負担行為ですからあと八年出していきます。こういうお金を東京都が出さなくてはならないという根拠は何なのでありましょうか。特に、大蔵大臣の御答弁の中にもありましたとおり、公的な支出は圧縮していくというのが大蔵省の原則になっているんだよ、今努力していますよとおっしゃいますけれども、それじゃ地方自治体はどういうふうになりますでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) まず第一点の二つの信用組合に対しまして東京都が負担する三百億円の問題でございますが、これは昨年の通常国会におきましても大変に大きな議論を呼び起こしたところでございます。 二つの信用組合につきましては、既に東京都の負担を前提として処理が進んでいるところでございまして、先ほどもお話ございましたが、青島知事は、コスモ信用組合の処理に当たっての財政支出を提案した都議会審議におきまして、二つの信用組合の都の財政支出についての公約にお触れになって、二信組処理に対する財政支出を行わないとの公約の撤回と受けとめられてもやむを得ないと発言されたところでございます。また、二つの信用組合の処理に関する財政支出につきまして、もろもろの事情を総合的に判断した上で、都議会の御意向を最大限尊重して適切に対処してまいりたいと発言されていると承っております。 大蔵省といたしましては、当初の処理方策に沿った適切な対応が都においてもなされるものと期待をしているところでございます。 第二点のコスモ信用組合の破綻に際しましての二百億円の補助金の問題でございますが、信用組合の破綻処理に当たりまして、法令上、都道府県に財政支出を行う責務があるわけではないと私どもは考えております。しかしながら、これまで都道府県は信用組合の破綻等に当たりまして資金拠出等を行ってきております。これは機関委任事務としての信用組合の指導監督の一環として、その結果の義務として行っているという性格づけではなくて、それぞれの都道府県の実情に基づいて、地域経済に与える影響や民生の安定等を御勘案の上、公益上の必要性から各都道府県の自主的な御判断により行われているものであると理解をいたしております。 東京都における財政支出、この二百億円につきましてもこうした趣旨に基づくものと承知をいたしておりますが、この問題等に関しまして、都道府県側からのいろいろな御要望、御希望というようなものも金融制度調査会において一緒になって御審議をしていただいたところでございます。 今回の法案は、このような都道府県の方々も御参加いただいた金融制度調査会の審議の中から生まれてきた方策でございまして、そのような内容を含んだ、都道府県の方々のお考えも踏まえた提案と御理解いただきたいと存じております。
○保坂三蔵君 国は日銀が東京共同銀行に百億出資して、あとは百五十の金融機関が全国から助けてくれたんですね。ですから東京都もこたえたんですが、逆に大阪府なんかの場合は、横山ノック知事は出さないよと言っちゃっているんですね。それが今まかり通っちゃっているわけですよ。それで嫌だと言うんなら、指揮監督権を返上するから信用金庫と同じように国でやってくださいと、こう言っているんですね。私もそれは理論としては一理あると思うんですね。地域の信用機関としての金融、信用金庫は国だ、信用組合は自治体だ、二つの都道府県にまたがれば国だ、ノンバンクは国だと。全部一緒に国でやったらどうですかともよっぽど言いたいんですが、しかしそうは言えない。 そこで、昨日ですか、一井委員が自治体としての責任を問え、損害賠償請求をしろとおっしゃったんですね。これは自治体の現場の苦労をよく御存じの一井先生、失礼とは思いますけれども、私はもう少し御精査願いたい。自治体は精いっぱいやっているんですよ。ですけれども、それでもこういう事件が起きてしまったということでございます。結局、東京共同銀行は日本版RTCと言われる整理回収銀行に発展的な解消をしていきますから、お世話になりますけれども、このあたりのけじめもっけてもらいたい。 それから、自治省はおいでになりませんので御答弁はいただけないんですが、ただいまお話がありました機関委任事務の問題につきましても、地方分権推進法によりまして国と地方の事務事業のすみ分けが明らかになってまいります。特に、財源論議などが集中的に審議されているわけですが、都道府県知事が監督する組合が破綻した場合、破綻処理スキームの策定あるいはそれに伴う財政支援は機関委任事務の範囲に含まれるとは結論がまだ出ていないんですね。それで監督権を返上しようという意見さえもあるという中で、自治省の負担はどうなっていくんでしょうか。 それから、監督責任イコール負担という図式は普遍的なものでしょうか。さっき御答弁の中で、地域経済の安定のために自治体の支援を期待する、自主的にやっているというような御答弁でございましたけれども、このあたりの整理をしていただきたい。 それから、信用組合の破綻処理につきましては迅速かつオープンに行うために、金融システム全体の安定に責任を負う国が自治体の意向を踏んまえて、今回の法案では国が財政資金を投入するということになっている。しかし、どういう方法でやろうとしているのか。また、ただいまの答弁にもありましたとおり、自治体の財政支援はどう明記されているのか。特に自治体の支援を期待するというような言葉では明らかに拘束力を持ちません。そこで、出さなくてもいいというごり押しが通るものなのか、一応念のために伺います。 それから、私の私見でありますけれども、そうはいいましても国と地方が責任の押しつけ合いをすることはやっぱり好ましいとは思いません。そこで、いっそのことペイオフと資金援助方式との中間的な処理などを可能とする制度、こういうものを考えたらどうだろうとか、言ってみれば処理方式の多様化を図ったらどうだろうと私は考えているところでございますけれども、このあたりの大蔵当局の御見解を承りたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 大変多岐にわたる問題点の御指摘でございましたが、まず、一昨年来の信用組合のたび重なる破綻をめぐりまして、確かに今御指摘のように都道府県のサイドから信用組合の監督、とりわけ破綻処理というものが地方公共団体にとって大変に重荷になっている、返上したいというような声があったというふうにも伺っております。 しかしながら、信用組合は何と申しましても地域に密着した金融機関でございますし、また全体の大きな流れとしては地方分権という大きな流れがある中で、金融がグローバル化しているとは申しながら、やはり従来地方において機関委任事務という形で責任を持っておった形は今後とも続ける方が望ましいんではないか。しかしながら、そのような行政を進めていく中で、国といたしましても、金融システム全体という観点からその行政の遂行に協力をしていくということが適切ではないか。このような考え方の整理に今なっているところでございます。 その上で、具体的個々の破綻処理に当たりまして、しからば都道府県がどのような財政負担を行うことになるのかという点でございますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、このような財政支出というものは必ずしも信用組合の監督ということに関する法令上の義務、責務という位置づけではないというふうには私ども考えております。 しかしながら、都道府県におきましては、先ほど申し上げましたように、地域経済に与える影響や民生の安定という観点から、自主的な御判断によって必要な場合には財政支出を行ってきていただいているというのが従来の取り扱いでございます。また、現在の金融危機が地域経済に与える影響からいたしますと、今後ともそのような努力は続けていただくことが私どもはぜひとも必要だと考えておりますし、今後ともそのように期待されているところでございます。私どもといたしましては、従来同様、各地方公共団体におかれましてこのような観点から適切に地域経済の安定のために対応をしていただけると考えております。 なお、国といたしましても、決して信用組合の問題について責任の押しつけ合いをするということではなく、お互いに協力し合いながらこの金融問題に力を合わせて対応をしてまいる、このような姿勢で臨んでまいりたいと存じております。 その場合、ペイオフと資金援助の中間的な手法というものが考えられないかという御指摘でございますが、今回の金融三法におきましても、預金保険の対応方法の多様化につきましては幾つかの御提案を申し上げているところでもございますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○保坂三蔵君 何点かまだお尋ねしたがったんですが、ただいま銀行局長からも地方の時代だと、それを大事にしていきたいという御発言がありました。しかし一方では、地方は未熟なところもございます。現に全国知事会では、地域の金融機関と言うならば信用金庫をなぜ都道府県に移さないんだ、こういう論議がかつてまじめにあったんですね。しかし、破綻したら信用組合も返上したい、こんな身勝手は今度は地方自治体には許されない、こう思うわけでありますけれども、パートナーとしての今後のよくよくの御指導をお願いしたいと思います。 最後に、信用組合の今後のあり方について一点だけお尋ねしたいと思うのでございますけれども、このように金融自由化が進む中で、銀行や信金との業務内容が実際には差がなくなってきてしまっているわけですね。地域金融機関のあり方や自治体等の役割負担についてまだまだ幅広い論議が必要だと思いますが、現実の問題といたしまして、昨年七月の調査では、破綻先債権を公開しなければならない時期に来ているという信用組合が既に七割から八割に達しているんです。こうなってくるとちょっと厄介ですよ。そこで、やっぱり合併などは避けて通れない論議になってきているんじゃないか。 ちなみに申し上げますと、信用組合の業態の存続のための合併で経営基盤を改善する、強化する、これはどうお考えになるか。また都信協、東京都の信用組合協会の合併支援基金など、あるいは全信連の協力などはもっともっと仰ぎたいところであります。それからまた業界には、思い切ってこの際信用組合を全部第二信金、信用金庫にしてしまったらどうだ、こういうお話もございますが、あながち暴論とは受け取れないのであります。 しかし現実には、ただいまお話があったように、確かに都市部では協同組織の基本的な理念が希薄になっていますが、単に他業態へ転換を促進すべしという意見だけではなく、今こそ引き続き業態を守っていきたい、こういう信用組合があるんですから、これも育てなくてはならない。例えば東京都におきましては、クリスチャンの賀川豊彦さんが設立した中ノ郷信用組合というのがあるんです、小さな信用組合ですよ。預金も小口だけれども貸し出しも小口。しかし、東京都はモデル的な信用組合として一生懸命育てているんですね。大臣、こういう地道な努力もあるわけなんです。 ですからそういう点で、信用組合は小さな問題だとどうぞお考えにならないで、上は大銀行、地銀、そして第二地銀、あらゆる金融機関の中に、もう既に大福帳で金貸しをやっていこうという時代じゃないわけでございますから、近代化を図る信用組合をどうぞ育成していただきますように、信用組合の今後のあり方についての御意見がございましたならばぜひ伺わせていただきまして、私の質問を結ばせていただきます。
○政府委員(西村吉正君) まず第一点の信用組合の合併の問題でございますが、信用組合の経営基盤強化を図る観点から、合併は有効な選択肢の一つであろうかと考えております。その円滑な実現のために大蔵省といたしましても可能な限り支援、協力を行うことといたしております。 また、その際、例えば都内の信用組合の場合、都信協に設置されております合併支援基金や信用組合業界内での相互援助制度などの支援の活用などを通じまして、業界内での最大限の努力も期待されているところでございます。 第二点、信用組合の今後のあり方という問題でございます。ただいま大変に重要な御指摘があったと私どもも理解をいたしております。 信用組合というものは、もともと組合員の相互扶助という基本理念に基づき、地域に根差した健全な業務運営を図りつつ、組合員等の利用者のニーズに応じたきめ細やかな金融サービスを提供していくことにあったわけでございますし、現にそういう信用組合もあるわけでございます。しかしながら、その後の社会経済情勢の変化に伴いまして、必ずしもそのような形でなくて、一般金融機関と同じような方針で経営を行おうとしておられるようなところもあるやに見受けられます。 この点に関しまして、昨年の十二月二十二日の金融制度調査会はこのような答申を出しております。「都市部を中心に協同組織としての基本理念が薄れ一般の金融機関としての性格を強めている信用組合については、経営判断を明確にさせ、信用金庫を含む他業態への転換につき法令の規定に基づき適切に対応していく必要がある」、これは先ほどの第二信金というような考え方でございます。「とともに、引き続き業態を維持していく信用組合に対しては、」、従来と同じような方針で臨んでいきたいという信用組合に対しましては、「業務改善命令の適時適切な発動などの行政上の是正措置等により、員外取引規制等の遵守を徹底する必要がある。」、従来型でやっていく方には従来型の制約というものは守っていただきながら、従来の方針に沿うような経営を進めていただくように指導をしていく必要があろう、このような答申をいただいているところでございます。
○保坂三蔵君 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ―――――・――――― 午後一時十六分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律案、金融機関の更生手続の特例等に関する法律案、預金保険法の一部を改正する法律案、農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案及び特定住宅金融専門会社が有する債権の時効の停止等に関する特別措置法案、以上六案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○金田勝年君 自由民主党の金田でございます。きょうは、いただきました時間を使わせていただきまして、今私どもが審議させていただいております金融関連法案がいかに重要な二つの側面を持っておって、そしてまた将来の二十一世紀の金融を考えるときにいかに重要なポイントがその中に含まれておるのか、そしてそれをこれからどういうふうに考えていけばいいのか、その辺を主に質問させていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。 御承知のように、金融関連法案で提案されております具体的な諸措置というのは二つに大きく分けられるわけであります。一つは、当面する金融機関の不良債権問題を早期に解決するための措置。もう一つは、新しい金融システム構築のための措置として数々のものが組まれておる。そういうことなのでございますので、大変重要な法案であるという位置づけで私はかねがね受けとめておった次第であります。 そういう中で、まず不良債権問題、二つのうちの第一番目でございますが、その問題を論じる際には、その背景でありますところのバブル期について改めてここで反省といいますか、見直す必要があるんではないかと、こういうふうに考えるわけであります。バブルの時期の政策の反省、それは非常に時間がかかる話なんですけれども、ここでぜひともやらせていただく必要があるんではないかと。 まず、公定歩合でございますけれども、日銀は昭和六十二年二月以来二年以上にわたりまして公定歩合を二・五%と低く据え置いたわけであります。六十二年二月に二・五%に引き下げたわけでございますが、平成元年の五月に三・二五%に引き上げるまで、二年三カ月間低く据え置いておった。その結果、六十二年の第二・四半期から平成二年の第三・四半期にかけまして、ほぼ四年もの間でございますが、マネーサプライの伸びは前年同期比で一〇%以上の伸びを続けることになった。これは、今現在の数字ですと大体三%程度でございますから、その数字の大きさというものがおわかりいただけると思いますが、名目GDPの成長率の伸びというものが当時この一〇%以上のマネーサプライの伸びに比してかなり差がございましたので、その名目GDPの成長率をかなり上回る率でこのマネーサプライの伸びがあった。 ところが、同じ時期の地価の上昇率を見ますと、東京圏を参考に調べてみますと、商業地は既に六十二年の七月には上昇率のピークを打っている。そして東京圏の住宅地は翌六十三年の一月にはもう既に上昇率のピークを打っておった。平成元年の一月にはすっかり上がり切ってしまって対前年の伸び率というのはゼロになっておった。その平成元年の一月でございますが、平成元年の五月まで公定歩合は低く据え置かれておった、こういうことでございます。その時期になりますと、もう名古屋圏、大阪圏といったバブルが全国に波及してしまっておって、既に公定歩合の引き上げがそういう状況のもとで初めて行われておった、こういう事実があるわけでございます。 マネーサプライが二けたの伸びをずっと続けるという状況はどういうものであるかというのは歴史が証明するわけでございますが、金融緩和がなぜ変更されなかったのか、そして投機資金が大量に土地に流入して地価が上昇したのにこれを見過ごしてしまったのか、これがバブルが発生した大きな要因の一つ、かなりのウエートでこれが原因となっているものと言われておるわけでございますが、この点につきましては、日銀がかなり過去この点については誤りがあったというふうなことを議会でもお述べいただいている部分でございます。 きょうは時間の関係もございまして日銀の方はお呼び申し上げませんでしたが、公定歩合操作というものは日銀の専管事項と言われておる中で、こういうふうな金融政策の問題、反省、そういうものについてはどのように考えていけばいいのか。私どもは日本経済の運営を預かっておる、国民に対して責任がある、こういうふうに思って頑張っていかなければいけない、そういう立場でありますが、そういうふうな政府の立場と日銀の専管である金融政策の決定、そういうものとがどういうふうにかかわっていくべきか、これは後ほどまた申し上げたいというふうに思うわけであります。 こうした不良債権問題を考える際の背景となるバブルを考えました場合に、当時株価は昭和六十年末から平成元年末までの四年間で、元年末にピークを打ったんですが、四年間で約三倍に上昇しておる、地価も商業地を中心にやはり三倍程度の上昇を見たわけであります。その後、株価はわずか三年半ぐらいでピークから六割以上も下落してしまった。地価に至りましては現在まだ下げどまりの兆しが見えないという状態にあるわけであります。 このように、激しい経済の変動を招いたという事実、これもまたあるわけでございまして、当時その資産価格の大幅な変動が経済にどのような影響を与えるかという点について適時的確な認識というものが不十分であったのではないか、こういうふうに思うわけでございまして、この点では政府にもバブルの責任があるのではないか、こういうふうに思うわけであります。したがいまして、この点についてどのようにお考えになっておられるか、まず大蔵省、お見えでございますか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) バブルは、我が国経済に対する強気の期待、金融機関によるリスク管理体制不十分なままの活発な活動、それから長期にわたる金融緩和などを背景に、大量の資金が株式、土地の市場に流れ込んだために発生し、その後、経済の先行きに対する期待が一掃されまして、市場への資金流入が細まり崩壊したものというふうに理解しております。 このように、バブルはいわば自己増殖した価格上昇期待によって膨張し、みずから崩壊するというものでございまして、人々の将来に対する期待に大きく左右されるものというふうにも考えられるわけでございます。 バブル期の地価や株価につきまして、ただいま委員から御指摘のありましたとおり、後から振り返ってみれば経済的な合理性を欠いたレベルまで高騰していたというふうに考えられまして、その後急激な価格低下が生ずることも必然的な市場の動きであったように思われます。 政府といたしましては、こうしたバブル経済の生成、崩壊に至る過程におきましても、その時点その時点におきましては我が国が置かれた状況を踏まえながら適切と考えられた政策を講じてきたところではございますけれども、現時点で当時の状況を顧みますと、資産価格の急激かつ大幅な変動が国民経済に及ぼす甚大な影響について的確な認識が不十分であったというふうに思われるわけでございます。これを今後の教訓としなければならないというふうに考える次第でございます。
○金田勝年君 先ほど申し上げましたように、この時期の日銀の金融政策にやはり責任があるという点を申し上げました。一方で日銀は、金融政策の遂行は日銀の専管であると、こういうふうに言っておるわけでございます。他方、経済政策全体に対する責任を負うのは国民の負託を受けた政府であると考えるわけであります。バブル経済の経験にかんがみまして、日銀の行う金融政策が国民経済にどのような大きな影響を与えるものであるか、これをはっきりと再度認識しなければいけない、これが過去の経験に対する反省と認識というものであろうというふうに思うわけでございます。 その際に、今、日銀法の改正という議論も進められておるわけでございますけれども、これは後で述べます金融・行政改革の議論にも関連してくるのでございますけれども、やはり大事な点というのがあって、これまでの金融政策は経済政策の一部であって、日銀の行う金融政策というものは政府が国民に対して責任を負う経済政策と密接不可分なんだというところも認識を持たなければいけないというふうに思うわけであります。 こういう視点からまいりますと、政府との政策調整の仕組みがきちんと整備されなければならないと思うわけでございますし、その点でまいりますと、アメリカのFRBの議長がハンフリー・ホーキンズ法というものによって議会証言を義務づけられているということも参考にしなければいけないのではないか、いろいろ考えなければいけない点はあるのではないかと思うわけであります。 政策の透明性も必要であります。よく言われますのが、政策委員会の構成、運営方法、議事録の公開といったような点も含めて政策の透明性が必要だということも指摘されておるようでございますし、金融政策が全体としての経済政策の中で整合性のとれた形で運営されるということがぜひとも必要であるということを念頭に入れていかなければいけないと思うわけであります。この点につきましては、時間をかけて議論をしていき、そして慎重に検討していく必要があるのではないかというふうに思うわけであります。大事な話でございますので触れさせていただきました。 いずれにしましても、このような急激な経済の変動というものは金融機関の不良債権の急増を招きまして、これが経済の先行きを不透明なものにしたわけでございますけれども、企業や家計の心理というものにはやはり影響はあった、ただいまの答弁にもありましたが、そういうことだと思います。その後の景気の停滞を長期化させた、また金融機関の積極的な融資拡大というものがあって不良債権の累増に結果的につながってしまったところもあると考えるわけであります。 以上のようなバブルの反省の上に立ちまして、今後の二十一世紀に向けての金融政策、金融行政にどのように取り組んでいくべきとお考えであるか、大蔵大臣の決意というようなものをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 金融の問題を考えます際に、今日急速に進展をいたしております自由化、国際化にどのように対応するかということを基本に考えなければならないと思っております。 今お話がございましたように、バブルの発生から破綻に至ります過程を振り返り、ここから教訓を得るとすれば、そういう新しい時代における金融のあり方というものに対して的確に対処し切っていない今日までの金融行政が指摘されなければならないものと思っております。 そういう観点から、今回、住専問題の処理に当たりまして、その目指すところといいますか、同時に解決していかなければならない新たな金融システムの確立ということについて法案を御審議願っているわけでございますが、その根本的な理念は自己責任原則と市場規律を基軸とする透明性の高い金融システムをつくっていくことにあろう、こう考えております。 そのために、私どもといたしましては、五年間の経過期間を置きながら、その期間内に新たな金融システムの確立を図るということのために、住専問題の処理を突破口にしながら全力を挙げていかなければならないと考えているところでございます。
○金田勝年君 そこで、金融関連法案でございます。 この法案で提案されております具体的な諸措置は、先ほども簡単に申し上げましたのでございますが、当面する金融機関の不良債権問題を早期に解決するための措置というものと、新しい金融システムの構築のための措置というものと大きく二つに分けられると考えられます。そして、この二つのものは密接に関連しているわけでございまして、将来に向けまして新しい金融システムを構築するためにも、住専問題に象徴される不良債権問題の解決が不可避である、そして住専処理を含め、時限的特例措置がとられなければならないということも理解できるのであります。 当面する不良債権問題の早期解決のための措置のうち、まず住専処理につきましては、これまでも早期に解決する必要性について、そしてまた結果として国民の負担をできる限り軽減するための議論というものも数多く行われてまいりましたし、御所見も承ってまいりましたので、もう一つの点、預金受け入れ金融機関の不良債権問題について御質問をさせていただきたいと思うわけであります。 まず、金融機関の不良債権の処理におきまして、金融機関自身の自助努力が求められるけれども、不良債権の処理の過程で金融機関の自助努力ができない場合に破綻が生じることも考えられるわけでございますけれども、この場合にできるだけ社会的混乱を生じさせずに破綻処理を行えるような制度、そういうものを整備しておるわけでございます。それが預金者保護、信用秩序の維持のためという考え方で整備されている部分というのがあるわけでございますが、今般の金融三法案におきましてこの点につきどのような措置を盛り込んでおるのか、大蔵省、説明をお願いします。
○政府委員(西村吉正君) 金融機関の破綻処理におきまして、現時点では、第一にディスクロージャーが充実の過程にございまして、預金者に自己責任を問い得る環境がいまだ十分整備されていないという点、第二に、金融機関が不良債権を抱えておりまして信用不安を醸成しやすい脆弱な金融環境にあるということ、この二点から直ちにペイオフにより預金者に破綻処理費用の分担を求めることは困難であろうかと存じます。 したがいまして、当面は預金者保護、信用秩序の維持に最大限の努力を払うべく、金融機関の破綻処理を預金者に負担を求めずに円滑に行うための時限的な枠組みを整備する、このような観点が一つございます。 このため、大蔵省といたしましては、ただいま御審議いただいております預金保険法の一部を改正する法律案におきまして、今後五年間に限りペイオフコストを超える資金援助を可能とし、他の金融機関による合併等を行いやすくすること。第二に、預金保険機構による払い戻しを行う際にも、預金の全額を払い戻せるようにすることにより預金の全額保護ができるよう制度の整備を図り、預金者保護に万全を期する、このような考え方でございます。
○金田勝年君 ただいま、今後おおむね五年間は金融機関の破綻に際して預金を全額保護していくという方針について述べられたわけでございますが、本法案におきましては、このような制度を措置するに当たりまして、その財源としましては預金保険料を七倍に引き上げることにより対応するということになっておるわけであります。 しかし、例えばでございますが、金融機関の中でも特に経営の悪化が懸念されております信用組合につきまして、例えば既に破綻しておって今後処理していかなければならない木津信用組合とか大阪信用組合の不良債権を含めますと、信用組合の不良債権の合計額というのは、先日の大蔵当局の答弁によりますと約三・五兆円に上るというふうにおっしゃっておられたと思いますが、その一方で、その償却財源である貸倒引当金や含み益、それから自己資本等の合計額は約一・四兆円にすぎないということなんですね。 こうした状況を踏まえますと、預金者保護、信用秩序の維持に万全を期しながら金融機関の破綻処理を進めていくためには、破綻処理財源である保険料を相当程度集めておく必要があると思われるわけであります。 今後五年間預金を全額保護していくためには、保険料の引き上げが果たして七倍で十分であるのかと危惧しておるわけですけれども、これに対してはどのようにお考えでしょうか、大蔵省、お願いいたします。
○政府委員(西村吉正君) 今般の預金保険料率の引き上げに当たりましては、預金保険機構の資金援助が初めて実施されました平成四年から平成七年末までに生じました破綻金融機関の損失額が二兆五千億程度であったことにかんがみまして、今後処理を要する木津信用組合等の処理も含めまして、今後五年間に同程度の破綻が生じた場合にも対処し得るようにするとの考え方に立っているわけでございます。昨年度の料率の七倍程度に引き上げることによりまして、今後五年間の預金保険料の利用可能額は二兆七千億円程度に上る見込みでございます。 今後発生し得る金融機関の破綻を現時点で予測することは甚だ難しい問題ではございますが、信用組合以外の業態においては全体として不良債権額に対し十分な償却財源があるなど、問題は信用組合に比べればかなり限定されていることなどから、預金保険機構による大規模な資金援助が必要となる可能性は、信用組合以外の分野では現時点では低いと見込まれるわけでございます。 また、信用組合につきましては、仮に現在把握されている不良債権が全額損失となり破綻処理が行われたといたしましても、他の業態において大規模な破綻が発生しない限りは、基本的には先ほど申し上げました預金料率の引き上げによりまして集められる保険料によって対処し得るのではないかと考えているところでございます。
○金田勝年君 金融法案を見ました場合のもう一点確認させていただきたい点は、まず住専処理のために六千八百五十億円の財政資金の投入という内容に加えて、住専処理機構が債権を回収していく段階で生じるかもしれないいわゆる二次ロスに対して、その二分の一について財政資金を投入する。それからもう一つ、信用組合の破綻処理に関しても、そのために預金保険機構が行う日銀等からの借り入れに対しまして政府保証を付することとしておりますが、万一保険料が不足して日銀等への返済ができない場合にはやはり財政資金が使われるということになっておるわけであります。 このような財政措置の考え方でございますが、不良債権問題を一日も早く解決することによって新しい金融システムを速やかに構築していかなければいけない、あるいはようやく回復の兆しが見えかけている我が国経済を本格的な回復軌道に乗せるためにも、ぜひともそういう考え方が必要だという判断があったからではございましょうけれども、一方におきまして、際限なく国民の税金が使われるという事態が仮に生じた場合には極めて問題だということになってしまうわけであります。また、住専以外のノンバンクあるいは信用組合以外の預金受け入れ金融機関につきましても、今後の情勢いかんによっては破綻するものも当然出てくるものと思われるわけであります。 そこでお伺いしたいわけでございますが、このような状況を踏まえますと、今後本当に財政資金の使用はこれで歯どめがかかるんだろうか、また実際には財政資金が使われることになるおそれはないのか、大蔵省の見解をお聞かせいただきたいと存じます。このスキーム以上に財政資金が使われることになるおそれはないのか、その点について、大臣、よろしくお願いします。
○政府委員(西村吉正君) まず、私どもは破綻金融機関の処理に当たりまして税金を使う、財政措置を講ずるということは原則として行わない。すなわち、原則として預金取り扱い金融機関の破綻処理に際しては金融システムの中で処理する。別の言い方をするならば、預金保険料によって対処すると、こういう考え方に立っているわけでございます。 しかしながら、信用組合に関しましては、そのような手段の範囲内だけでは場合によって不安が起こる可能性もあるということで政府保証という措置をお願いしているわけでございますが、しかしながら、先ほど申し上げましたように、預金保険料を七倍に上げまして、そのようなことが極力生じないという考え方で臨んでいるわけでございまして、このような措置をお願いはいたしておりますが、過度に際限なくそのような措置に依存をすることがないよう十分注意して運営をしてまいりたいと考えているところでございます。 また、住専に関しましては、今まで御説明をしてまいりましたような理由によりまして、ノンバンクの一種ではございますけれども、早期にその処理を図る必要があること、また金融システム全体に過度の影響を与えないことを目的といたしまして財政資金の導入をお願いしているわけでございますが、いわゆる二次ロスと言われる問題につきましても、債権回収に極力当たることによってそのようなロスが生じることがないように努めてまいる、仮にあった場合でも極力少額にとどめるように努めてまいるという考え方で臨んでいるところでございます。 したがいまして、今お願いを申し上げております二点、信用組合及び住専問題以外の分野におきましては税金の投入をお願いするということはない、金融システムの範囲内で、預金保険の範囲内で対処をしていくと、このような考え方で今回の三法案及び住専処理法案の審議をお願いしているところでございます。
○金田勝年君 今まで幾つか御質問申し上げました点は、当面する金融機関の不良債権問題を早期に解決するための措置の分野でございましたが、もう一つの分野について引き続き質問させていただきたいと思います。 今回の金融関連法案の二つ目の大きな柱というものは、金融機関の不良債権問題の発生というものが、不透明であると批判されがちだった行政指導とかこれまでの護送船団方式の行政というものと決別をする、新しい金融行政の必要性を提起したというふうに受けとめておるわけであります。新しい金融システムの構築のための措置ということで、今回は透明性の高い新たな監督手法として早期是正措置を導入することにしたわけでございます。 この早期是正措置といいますのは、金融機関の破綻が多発した反省に立ちまして、アメリカが九一年に同じような立場で導入いたしましたそういう制度でございまして、アメリカと同様に、我が国でも自己資本比率を指標としまして監督上必要な措置をとっていくというものであるわけですけれども、最近の新聞にも六月八日、六月十二日といろいろと記述が出ております。 この早期是正措置の概要についてでございますが、具体的内容といいますか、ポイントで結構でございますが、時間も余りありませんので簡単で結構でございますので、その内容と実施時期を御説明いただきたいと存じます。
○政府委員(西村吉正君) 早期是正措置の具体的な発動基準につきましては省令で規定することとしておりますけれども、現在検討を進めております。その考え方を述べれば、このようなことでございます。 すなわち、まず第一に、発動基準につきましては自己資本比率、これは現在国際統一基準と国内基準の二つの基準が銀行によって適用されておりますが、そのような自己資本比率を用いることが第一でございます。 第二に、措置等の内容につきましては、自己資本比率が充実している場合には当局の検査の簡素化を行うというようなメリットを与える一方、自己資本比率が一定の水準を下回った場合には業務改善計画の提出、増資計画の策定、総資産の増加抑制等の措置を発令することといたしております。 そのようなことを検討の基礎として考えているわけでございますが、これは現在アメリカにおいて適用されております早期是正措置の状況をも参酌して検討を進めようとしているものでございます。 いずれにいたしましても、発動基準や措置内容など省令の具体的内容につきましては、金融に関する専門家等から成る検討の場を設けまして十分な御議論をいただき、透明性のある形で決定させていただきたいと考えております。その際、国会における御議論や御指摘を十分踏まえて決定したいと考えております。なお、早期是正措置の実施時期につきましては平成十年の四月を予定いたしております。
○金田勝年君 おっしゃるように、確かに行政の透明性を高めるという趣旨で導入されるわけでございまして、客観的指標である自己資本比率を用いて行政権限の行使をルール化するということでございますが、その一方で行政当局の権限強化とか規制強化というふうにも見えるわけであります。この点は現下の規制緩和の時代にどういうふうに整理しておられるのか、簡単で結構ですがお願いいたします。
○政府委員(西村吉正君) 早期是正措置によって実施できます指示、行政の内容でございますけれども、これは現在の銀行法等の法令によりましても大蔵大臣がいわば裁量的に命ずることができると、このような権限を持っているものでございます。 今回の早期是正措置は、このような従来の措置を、透明性を与え、迅速性を与えるというような市場規律を基本とした時代にふさわしいものにむしろ変革していこうというねらいを持つものでございます。したがいまして、この早期是正措置はむしろ金融行政の透明性を高めるために必要なものであろうと考えておりますし、また行政の裁量を狭める効果をも有しているものでございますので、規制を新たに設け、行政当局の権限の強化を図るというような趣旨のものではないということを御運解いただきたいと存じます。
○金田勝年君 行政当局の指導行政の不透明性が改善されて透明性を増すという意味であれば、むしろ行政当局のこれまでの不透明な裁量の余地を逆に狭めるものであると理解すべきだというふうに私には聞こえたのございます。 続きまして、新しい金融システムにつきましては、やはり本格的な金融自由化時代にふさわしくしなければいけないわけでございますから、市場規律の発揮と自己責任原則の徹底を基本としたものでなくてはならないと大蔵大臣はよくおっしゃっておられるわけでございます。 金融機関に対して自己責任が問われるというのは言うまでもないことなんですけれども、この新しい金融システムにおきましては預金者にも自己責任が問われることになるわけであります。すなわち、万一金融機関が破綻した場合にはペイオフによって預金者に破綻処理費用を直接分担していただくことも選択肢の一つとなってくるわけであります。 しかしながら、これまで基本的に預金は常に全額保護されていたということもありますから、大部分の預金者は、預けている金融機関の破綻によって自分の預けた預金がカットされてしまうとはだれも考えていないというのが我が国の現状だと思うわけであります。したがいまして、預金者にも自己責任を求めるというのはまさに戦後の金融システムにおける一大転換であるというふうに思うわけでございまして、このような大転換に当たってはそれなりの環境整備が必要であるというふうに思うわけであります。 そのためには、もう既に言及させていただきましたが、当面の経過措置としての預金を全額保護していくための制度の整備でございます。それを図る。それもこの法案の中には盛り込まれておるわけでございます。 二つ目として、やはりこの経過措置の間に、預金者にも自己責任を求めるために、預金者がみずからの判断で金融機関を選択するために必要な情報の提供、すなわちディスクロージャーでございますけれども、そういったものの一層の充実を図っていく必要がある、また預金者にとって判断のしやすい格付の定着というものも行われなければいけない、こういうふうに考えられるわけであります。 こうした措置を預金者のためにぜひ速やかに十分に整備していただいた上で、さらに、より基本的なことではあるのでございますが、今後は金融機関に加えて預金者自身にも自己責任を求めていくことになるんだということをもっと国民にしっかりとPRしてほしい、その必要があるのではないかというふうに思うわけであります。 以上、私の考えを申し述べたんですが、いずれにしましても、バブル経済がもたらしたツケとも言うべき不良債権問題を解決しまして、そして新しい金融システムを構築していくための措置もあわせて規定しておるこの金融関連法案は非常に大事な重要な法案である、二つの意味において大事であるということを重ねて申し上げたいと思うわけであります。 この金融関連法案に関します質問の締めくくりとして、まだその後にも質問がございますのですが、簡単に、新しい金融システムの構築に向けた大蔵大臣の二十一世紀を見据えた決意をお聞きしたいと思うわけであります。
○国務大臣(久保亘君) お話のように、預金者にも自己責任原則を求めるわけでございますから、情報の開示が十分に金融機関の選択に当たって可能となるように行われなければならないと考えております。 金融システムの新たな構築ということは、同時に、今御意見ございましたように、これに対応して、預金者の立場に立つ金融行政もまた新たなものとして確立されていかなければならないと考えております。
○金田勝年君 ぜひよろしくお願いしたいと思うわけであります。 きょうは農林水産大臣も御出席でございまして、続いて農林水産大臣にも一言お聞き申し上げたいと思うわけであります。 午前中に、服部議員の質問で、農業は日本のかなめであるという非常によい言葉があったわけでございますが、私も同感であります。 そういう意味におきまして、私は、これからの時代に農協が農業の振興と地域住民の生活に役に立つよう地域振興の牽引車としての役割を十分に発揮していってほしい、十分に果たすことを期待しているということを申し上げたいわけでございます。その農協の一つの部門であります信用事業につきまして、やはり経営の健全性の確保あるいは体質の強化といったものが図られるよう私も願っておるわけでございますが、それに向けた取り組みにつきまして農林水産大臣の御決意を簡単にお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(大原一三君) 約三百万戸、組合員で九百万いらっしゃるわけでございまして、そのお金を預かっているのが系統金融であります。したがって、このような住専問題に直面しながら、我々はこれを深刻に受けとめまして系統金融機関の再構築に邁進をしなきゃならぬと思っております。 それがためには、何といいましても三重構造を二段階に切りかえることによってスリム化し、コストの軽減を図り、採算性を確立していくことが何よりも大事だと思っております。 それに、先ほど御指摘のございましたディスクロージャーについても積極的に、五年間の特別期間というだけではなくて、その前にオールディスクロージャーができる体制を固めていかなければならぬと思っております。
○金田勝年君 どうもありがとうございました。 続きまして、金融行政改革の話につきまして質問をさせていただきたいと存じます。 先ほども申し上げましたが、金融機関の不良債権問題の発生は、ともすれば不透明であると批判されがちであった行政指導、その行政指導とかあるいはこれまでの護送船団の行政方式と決別をするということで新しい金融行政の必要性を提起したということも言えるわけでございますが、今般の法改正に見られますように、やはりこれからの金融というものは市場のルールに従うことが一義的に重要である、一番重要であるというふうに思うわけであります。 この場合に、行政はこの市場ルールが十分機能するように補完的な役割に徹することとなるわけでございますが、これは、去る六月四日でございましたですか、発表されました大蔵省改革プロジェクトチームの基本方針にも出ておりました。引用させていただきますと、監督の重点をきめ細やかな事前の規制から検査・監視による事後のチェックヘの転換をすることを意味しているという表現があるわけであります。事前の規制から事後のチェックヘ、そのためには検査・監視ということが出ております。 このための具体的方策としては、先ほど説明がありましたように、今回この法案に盛り込みました早期是正措置というものがあるのではないかと思われるわけであります。この早期是正措置を導入することによりまして、より透明性を確保する、そして透明性を確保するような形で行政処分が出せるようになるわけでございます。 この早期是正措置が的確に機能するためには、自己資本比率を正確に計測する必要が出てまいります。正確な自己資本比率によってより適切な措置が講じられるようになるためには、やはり検査・監督部局の存在が必要となってくるのであります。 そういう検査・監督部局の存在、自己資本比率を正確に計測する、そして早期是正措置、透明性を確保した行政処分が出せる、こういう考え方が一つの流れとして、一連のものとして分野ができる。 ところで、一方で現在の金融の世界は、皆様御承知のとおり、デリバティブ取引といったような、あるいはトレーディングとか、デリバティブ取引が複雑化したり、日進月歩といいますか、そういうものは非常にすさまじく素早いものがあるわけでございます。それに伴いまして、今回の法案で措置されているような時価会計制度の導入というものも必要になってきているわけでございますけれども、さらに銀行と証券の垣根が低くなるといったような相互乗り入れの進展も御承知のとおりでありますし、また、国際的な金融のグローバル化といった現象も生じている。こういうふうに、今や金融をめぐる情勢というものがもう非常に変化が激しいわけでございまして、これに適切に対応していくというふうな観点からの、金融制度をどういうふうに企画し立案していくかという分野が、これがまた重要になってくるわけであります。 ですから、先ほど申し上げました分野と、ただいま申し上げました分野、こういう両方が非常に大事である、その二つの側面に対しまして行政自身としてどのように対応していくおつもりであるのか。 この二つの側面が重要になってまいりますことを十分に踏まえて行政自身が変わっていかなければいけないわけでございますし、また変わろうとしなければいけないわけであります。そして、むしろ行政が変わろうとするからこそこの法案を出したのではないか、こういうふうに私は思っておるものでございますから、この二つの側面に行政自身としてどう対応していくおつもりか、大蔵大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 今御質問がございました点が目下の大変重要な改革の課題だと考えております。 ただ、行政の機能がその目的に沿ってきちっと果たされてまいりますためには機構をどのようにしていくかという問題は、行政の効果、効率という面からしっかり検討されていかなければならないと思っております。 確かに検査・監督の部門と企画立案の部門というものが両面あるわけでありますが、これをどのように機構として組み立て、組み合わせていくかということが、これまでの行政の反省と申しますか、教訓の上に立ってこれから検討される最も重要な課題だと思っております。 最初から機構を分けるという結論を前提にして検討するのではなく、十分な効率、効果を考え検討した結果として改革の方針が明確にされるべきものと考えております。
○金田勝年君 どうもありがとうございました。 二十一世紀を見据えて日本の金融システムがどうあるべきか、そして行政組織がどうあるべきかという大変な課題であります。そういう問題でございますから、今後の金融行政組織のあり方の議論につきましては本当に重要である。したがいまして、慎重を期して十分に検討していくべき課題であるというふうに私も考えておる次第であります。 以上、どうもありがとうございました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、牛嶋正君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。 ―――――――――――――
○山下栄一君 平成会の山下でございます。 私はまず、後からまた総理もお見えでございますので、総理が来られる前の質問をさせていただきたいと思います。まず最初にノンバンクの不良債権問題につきまして質問したいと思うわけでございます。 九六年三月の各社の決算におきましてもノンバンクの処理が報告されておるわけでございますけれども、それが総額二兆円を超えるというような実態があるわけでございます。現実にそのような処理が行われて、他のノンバンク、また中小の金融機関に対してどのような影響があるか。金融不安に陥れるような、そのようなことが広がっていかないか。 さらに、今回の住専処理によりまして、住専から多額の融資を受けている、借り入れのあるノンバンクもある。また、住専と貸出先が同じノンバンクもある。そのようなノンバンクが、今回の住専処理によりまして債権回収が進んでいきますと、今申しましたように、住専から多額の融資を受けている借入額のあるノンバンク、またその相手が、例えば末野興産とかに代表されるように、住専と同じようなところにたくさん貸しているそういうノンバンクに大変大きな影響を与える。債権回収が進めば進むほど、そういう中小の金融機関、そしてまたノンバンクの経営実態が非常に厳しくなるという、債権回収が進むと金融不安になっていくという大変大きな問題が私はあるように思うわけでございます。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 まず、ノンバンク、日本全国に三万社とも言われておりますけれども、どれぐらい融資額があるのか、全融資額。それからまた、そのうちの不良債権額、不良債権の実態、これは大蔵省で掌握されておると思うわけでございますが、お示し願いたい、このように思います。
○政府委員(西村吉正君) まず、ノンバンク全体の融資残高でございますけれども、平成七年の三月末現在におきまして、ノンバンク全体で八十四兆八千二百八十三億円となっております。これは住専をも含んでいるわけでございますけれども、ノンバンクの業者数と申しますと、先ぼど委員からも御指摘がございましたが、貸付残高のある業者だけを拾い出しましても一万九千二百三十二社に上りまして、非常に数が多く、また業種といたしましても、消費者向けの貸金業者からリース会社、信販会社に至るまでさまざまな業種があるわけでございます。 したがいまして、このような多様な、また規模もさまざまな二万社に上る事業者の不良債権の状況、貸し出しの内容というものを調査するということは非常に難しいことでございまして、私どもはこのノンバンク自体の不良債権あるいは融資の内容について直接詳細に把握するということはいたしておりません。 しかしながら、預金に与える影響という観点から見ますと、銀行がノンバンクにどのような貸し付けを行い、そのうちどのようなものが不良債権になっておるのか、こういうことに関しましては、日銀の統計月報によりますと、平成七年の九月末の都銀、長信銀、信託二十一行の住専を除くノンバンク向け貸出額は約三十一兆円ございまして、このうち、当局のヒアリングによりますと、住専を除くノンバンク向けの破綻先・延滞債権及び金利減免債権額は約七兆円となってございます。
○山下栄一君 ということは、日銀が掌握されている対象についてはそこからノンバンクの不良債権の実態がわかると。ところが、それ以外のところについては大蔵省では掌握されておらない、こういうことでございますか。
○政府委員(西村吉正君) ノンバンク自体の融資の内容あるいは不良債権額というものを直接把握いたしているわけではございませんが、預金受入金融機関がノンバンクに対してどれくらいの貸し出しを行い、そのうちどれくらいの不良債権を持っているか、こういうことを先ほど申し上げたわけでございます。
○山下栄一君 それではちょっと大蔵大臣にお聞きしたいわけでございます。 ノンバンクに対しては、住専もノンバンクですけれども、住専以外のノンバンクについては財政資金を投入しないということを繰り返しおっしゃっているわけでございますが、ノンバンクヘの公的資金導入はやらないということは政府・与党等でも既に決定されていることでしたでしょうか。その決定されている時期をちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 昨年、与党の金融・証券プロジェクトチームが数カ月にわたって検討いたしました結果等を受けながら、十二月十九日、政府・与党の責任者におきまして、住専以外のノンバンクに対する公的資金の投入は行わないということを確認しております。
○山下栄一君 昨年の年末ということですね。 局長、もう一回お伺いしたいと思うんですけれども、大蔵省で掌握されているノンバンクの不良債権の実態というのは、それはノンバンクのうちのどれぐらいの数のノンバンクなんでしょうか。不良債権の実態がわかっているノンバンクの数ですね。
○政府委員(西村吉正君) ノンバンク全体の数は、先ほど申し上げました一万九千二百三十二社に上るわけでございますが、このノンバンク自体の不良債権額というのは、私ども残念ながら直接掌握はいたしておりません。 先ほど申し上げましたのは、それらのノンバンクに対して銀行、とりわけ都長銀、信託二十一行がノンバンクに貸し出しております金額及び不良債権額を申し上げたわけでございます。 その二十一行が貸し出しておりますノンバンクの数、業者数ということにつきましては、ちょっと私今承知はいたしておりません。
○山下栄一君 今は承知していないけれども調べればわかる、そういうことですか。調べればわかると。
○政府委員(西村吉正君) この計数の根拠が日銀の統計月報でございますので、日銀の統計の基礎にそのような計数があるかどうかという問題でございますが、あるいはこの統計の性格上、対象としておりますノンバンクの業者数ということはちょっとわかりかねる面があろうかと存じます。
○山下栄一君 それはちょっとおかしいんじゃないですか。三十一兆円の貸出残高があって七兆円の不良債権という数がわかるわけですから、業者数もわかると思うんですけれども。
○政府委員(西村吉正君) このノンバンクに貸し出しております業者数は、銀行は二十一行でございますが、その二十一行が幾つのノンバンクに貸しているかということは、恐らく統計上は出ていないのではないかと思います。
○山下栄一君 貸金業の規制等に関する法律でございますね、これに基づいてノンバンクの実態把握並びに大蔵省がノンバンクに対して業務の実態とかを報告させておると、そういうことはないんでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 私ども、毎年ノンバンクの実態調査というものは行っておりまして、例えばその実態調査の結果、不動産関連融資がどれくらいあるとか、あるいは融資残高の内訳、消費者向けがどれくらいあり、事業者向けがどれくらいある、そういうような実態調査はいたしております。 ただ、不良債権がどれくらいあるかということになりますと、そういう調査はその中には含んではおりません。
○山下栄一君 大臣、ノンバンクの全体像ですね、いろいろたくさん数も多いと。貸金業の規制等に関する法律に基づく報告がされているけれども不良債権の実態も掌握していないと、そういう今局長からの御答弁だったんです。 ところが、先ほど大臣に確認しましたように、住専以外のノンバンクには公的資金、財政資金は投入しないということはもう去年の年末決めてあると。だから、なぜそういうことが言えるのかなと。全体像を把握されないのに、もしかしたら大変深刻な実態があるかもわからないと。 先ほどの日銀の統計による二十一行の貸出先ノンバンクについては三十一兆円の融資残高と七兆円の不良債権があるということはおっしゃったんですけれども、だけれども業者数はわからない、そういう御報告でございます。 大臣がおっしゃるノンバンクに公的資金を導入しないという、ノンバンクというのはそれはどういう対象というか、定義でおっしゃっているんでしょうか。住専以外のノンバンクについては公的資金を導入しないということは決まっている、だけれども実態はよくわからない、わからぬけれどもともかく導入しないんだという。その前に、大臣のおっしゃっているノンバンクというのはどういう対象なのか。
○国務大臣(久保亘君) お答えになるかどうかわかりませんが、山下さんの御主張の基本にありますのは公的資金を投入すべきでないというお立場からの御質問だと思いますが、私どもも、ノンバンク等の破綻に関して公的資金を投入しないで解決することが原則だと考えております。 ただ、住専の場合には、その破綻が債権者であります金融機関、とりわけ系統金融機関等に信用不安を生ずるおそれが大きく、預金者に対してその負担が及ぶ可能性が高い。しかも、不良債権の処理のために緊急に処理しなければならない重要な問題となってきているという立場から、異例の措置として、住専問題の処理に限って公的資金の投入を行うことをやむを得ないものとして方策に取り入れたことを御説明を申し上げているのでありまして、住専に公的な財政支出を行うのなら、ほかのノンバンクにもそうすべきではないかという考え方には私どもは立っていないのでございます。
○山下栄一君 だから、私は、ノンバンクにも公的資金を導入したらどうかというようなことを前提で申し上げているのではないわけでございます、大臣も先ほどおっしゃっていただきましたですけれども。 そうじゃなくて、先ほど申しましたように、九六年三月期の都市銀行等二十一行によるノンバンク処理額、これが二兆円を超えておると。先ほど申しましたように、今回の住専処理によりまして債権回収がどんどん進んでいくと、住専から多額の融資を受けているノンバンク、そのノンバンクにはまた別に、住専からだけじゃなくてたくさんの中小金融機関、系統も含めまして借りていると。また、住専と貸出先が同じノンバンクもたくさんあると。どんどん債権回収が進んでいくと、それはノンバンクだけじゃなくて中小金融機関にも影響を与えていくと想像されるわけです。 債権回収が進めば進むほど、そういう基盤の弱い中小金融機関、信用金庫とか第二地銀とか、そういうところにも影響を与えていくと予想されるわけです。そこにはたくさんの預金者がいらっしゃる。ミニ住専と言われるような、住専と同じようなところから借り、住専と同じようなところに貸し出しているという。住専も同じノンバンクですけれども、住専までいかないけれどもまさにミニ住専と言ってもいいような、幅広いところから借り、幅広いところへ貸しているノンバンクもあるわけでございまして、そういうことでいうと、全体のノンバンクの融資残高、不良債権は掌握されているとは思うんですけれども、それが今のところ掌握されていないということです。 だから、住専は関係者も多い、住専にかかわる融資先等の預金者保護もせないかぬというようなことで、そういうことから特例措置として、特殊な問題として住専だけは公的資金を導入するんだというふうにおっしゃるわけです。 これも衆議院でも議論があったと思いますけれども、実態もよくわからないのに、ノンバンクヘは財政資金導入しないで、なぜ住専だけとにかく特例なんだと。それも、同じ十二月の住専処理スキームを考えたときに、住専は救うけれども、救うというか、住専は処理するけれどもノンバンクは公的資金導入しないんだということをおっしゃっているわけで、それは私はそういう国民の批判をかわす口実かなと思わざるを得ない、実態が把握されていないわけですからね。 だから、そういう住専と同じようにたくさんの権利関係を抱え、そして預金者保護を必要とするようなところから借りているノンバンクもたくさんある。今極めて厳しい実態にある。特に独立系ノンバンクなんというのは大手銀行から救済されないで非常に厳しい実態である。九五年以降でしたか、倒産処理されたノンバンクだけでも五兆円を超えるというふうなことになっていくと、何となく大きな金融不安というのが予想されるということでございます。 だから、ノンバンクには公的資金導入しない、住専はするけれどもということが、明確な根拠といいますか裏づけといいますか、はっきりしないままにおっしゃっているのではないかと。国民の批判を避けるため、とにかくノンバンクには公的資金導入しないんだとしか私は受けとめざるを得ない。融資総額もわからない、不良債権の実態もわからないのになぜ言えるのかということなんですね。どうですか。
○政府委員(西村吉正君) 非常に包括的な御質問でございますので、私の方もまとめて御説明を申し上げたいと存じます。 まず、実態ということでございますが、先ほど来申し上げておりますように、ノンバンクの融資残高等につきましての実態は把握をしているわけでございまして、八十四兆八千二百八十三億円に上るノンバンクの融資残高がございますと申し上げているわけでございます。しかしながら、ノンバンクそのものの不良債権というものは、現在私どもで、ノンバンクの数そのものが二万に上ると、零細ないわゆるサラ金業者まで含んでいるということから、そのような調査はいたしておりませんと申し上げたわけでございます。 しかしながら、他方、預金に与える影響ということから申しますと、銀行がどれくらいノンバンクに貸しており、そのうちどれくらい不良債権になっているのかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、二十一行の合計で三十一兆三千億に上る貸出金があり、そのうち七兆一千億円が不良債権額として計上されていますと申し上げたわけでございます。 ところで、このノンバンク問題にどう取り組むかということでございますけれども、あくまでも私どもは不良債権は早期に処理すべきである、したがいまして、ノンバンクに対して貸し付けておりますものが不良債権化したもの、そのような不良債権も早期に処理されるべきものである、こういう考え方に立っております。 したがいまして、ノンバンクの不良債権が処理されたことによる影響というのは確かに御指摘のように大きいものもあろうかと思いますが、それはあえて避けるべきではない、逃げるべきではない、正面から取り組むべきである、このような考え方に立った上で、しからばそれを早期処理する方策としてどのような戦略を立てるべきかと。 そこで、まずこの不良債権問題の突破口たる住専問題というものを戦略的に位置づけて、ここは例外的に公的資金を導入をしてでも解決を図るよう努力をさせていただきたい。そのような突破口を突破することができますならば、恐らく委員御指摘のように他のノンバンクの不良債権問題も徐々に解決されていくだろうと私どもも考えております。そういう中では、恐らく経済的な影響が大きいものもあろうかと思います。しかし、あえてそれに取り組むことが現在の我が国の経済に課せられた大きな課題であろうかと存じております。 しからば、そこに公的資金をなぜ投入しないのか、こういうことでございますが、私どもは突破口たる住専問題以外のノンバンクの処理の影響というものは、預金取扱金融機関に影響が及んだ段階で処理することが適当ではないか、そのような原則に戻るべきではないか、このように考えているわけでございます。そして、金融三法案におきましてそのような預金取扱金融機関に対する預金者保護のための対応策をまた別の法案で手当てをお願いいたしておると、このような考え方で今回の一連の法案を御提案申し上げている、こういうことでございます。
○山下栄一君 だから私は、住専に公的資金導入はしてはならない、そういう考え方に基づいてやっているわけで、住専にそういう公的資金を導入するという根拠が、とにかく大蔵のかかわりの大変強い、大蔵の国策会社と言ったら怒られるかもわかりませんけれども、極めて保護された状況の中で、またさまざまな人の問題等も含めましてかかわりが強い、そういう住専だけは救わないかぬというふうなことになっているのではないかと、非常にそういう疑念がございます。 なぜ住専以外のノンバンクに公的資金を導入しないということが言えるのか、住専にはするけれどもと、理由をお聞きしましても、権利関係が多方面にわたっている、そしてまた預金者の保護という観点からも、金融秩序の維持という観点からも公的資金が必要であるというのをこの住専への公的資金導入の理由におっしゃっているわけですから、全く同じ理由の、また同じ実態のノンバンクがほかにもある。これが今極めて危機的な状況に、住専の次はそれ以外のノンバンクだと言われるぐらいの実態があるわけでございます。だから、根拠は非常に不明確であるというふうに私は思うわけで、基準がはっきりしていないと。どうでしょうか。
○国務大臣(久保亘君) もう何回も申し上げたことだと思いますが、結局そこのところが政策判断の違いだと思っております。 私どもは、住専問題を今日財政支出をお願いしてでも早期に処理いたしますことは、国民経済にとって将来にわたって利益をもたらすものと考えております。そして、これをもし放置して先送りいたしました場合に起こってまいります状況というものをどのように判断するか、そういう立場から政策判断を行い、決定をして、その方策を皆さんに御審議をいただいているのでございまして、そこは、こういう言い方は余り適当でないかもしれませんけれども、政策判断の違いだと思っております。
○山下栄一君 先ほど申しましたように、住専の処理が進んでいくと、債権回収が進めば進むほど、広範囲に中小金融機関、ノンバンクその他に大きな影響を与えていくと予想されるわけですね。だから、私の申し上げていることにつきまして、大臣はそうじゃないと、債権回収をしっかりやればやるほど……
○国務大臣(久保亘君) おっしゃっていることがよくわからない。
○山下栄一君 だから、先ほど申しましたように、住専の貸し出し先、そして、住専への出資先といいますか、それと同じようなノンバンクはたくさんあるわけですね。同じような大手の銀行、農林系から借りているノンバンク、そして住専と借り手が同じであると、そういうノンバンクがたくさんあると思うんです。ということは、住専処理が、回収が進めば進むほどその影響がそちらに及ぼしていく、こういうことが予想されるわけですね。
○国務大臣(久保亘君) 反論を申し上げるわけじゃありませんが、住専もノンバンク、その住専からノンバンクがお金を借りている場合にそこに債権債務の関係がございますが、この債権者の方は助けてもらうんじゃなくて、住専処理によって整理されるんです、清算される、取りつぶされるんです。そのときに、住専を債権者としている債務者であります借り手の方から回収が行われないということは私はあり得ないと思っております。 これは住専処理機構が買い取りました債権の一つ一つを精査し、当然に回収せられるべきものについては回収が行われなければならないと思っておりますが、ノンバンクの場合に、その大部分は金融機関との債権債務の関係があると思いますが、この債権債務の関係について、債権者の金融機関の方にどのような預金者負担に及ぶ影響が生ずるかというようなことについて、私どもは、住専とその債権者であります系統金融機関を含む金融機関との関係における預金者負担のような状況は生じない、このように思っております。
○山下栄一君 私は、大臣の御答弁、全然納得できないんです。 次の質問に移らせていただきたいと思います。 農林系金融機関の問題でございますけれども、住専に対しまして、農林中金また各県信連、五・五兆の融資をしておるわけでございますけれども、この農林系金融機関がどういうふうな経営実態かと。住専に対してどれぐらいの金額の融資をしておったのかとか、また、農林系の金融機関の経営実態はどういう実態であるのかということの報告は大蔵省、農水省に定期的に報告される、そういうシステムになっておるんでしょうか。その点お聞きしたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) 農林系統の金融機関から住専に対しましては現在で約五・五兆円貸し込んでおります。御案内のように、農林中金なりそれから各信連なり、それから共済という形でそれぞれ貸していったわけでございますが、これにつきましては、それぞれの貸し出しの実績ということにつきましては報告を聴取いたしておりました。
○山下栄一君 局長がおっしゃったのは、各県信連等からの最高限度融資額のお話でございますか。
○政府委員(堤英隆君) 今先生おっしゃいましたように、信連から最高限度額という形のものでの報告もございましたし、それからそれぞれ実績につきましても報告をいただくということになっておりましたので、最高限度額及びその実績ということについて聴取いたしておりました。
○山下栄一君 総理、急な御報告を求めて申しわけございませんけれども、ちょっと住専問題を離れまして、きょうの昼過ぎに福岡空港において、インドネシアのガルーダ航空の飛行機が離陸直後にオーバーランした事故があったということでございますけれども、これにつきまして情報がございましたらお知らせ願いたい、このように思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員が御指摘になりましたように、本日、福岡国際空港におきまして、ガルーダ・インドネシア航空のDC10型機と聞いております、オーバーランの結果、火災炎上いたしました。 先刻、この委員会に私が入ります直前の時点では死者三名、一名が男性でありますが、他の二名は性別が不詳であります。なお、そのちょっと前には四十名と聞いておりましたところ、こちらに入ります直前には、病院へ収容されました負傷者数が五十三名まで増加をいたしておりました。この機には乗員十五名、乗客二百六十名が搭乗していたということでございまして、なお救助活動は続行中でございます。 詳報が入りました時点でまた委員会に御報告を申し上げたいと存じますが、むしろその火災炎上の状況から、消火活動、負傷者の搬出に追われておりまして、事故原因等はまだ全く明らかになっておりません。 ここに私が到着いたします時点では、福岡国際空港は空港を閉鎖いたしまして、国内線の福岡着陸予定機は九州周辺の他の空港へ、国際便で福岡空港へ到着予定のものは関西国際空港へそれぞれ方向を変更するという連絡までを受けてまいっております。 現在、警察出身秘書官を通じましてなお詳細の報告を求めておりますので、入り次第御報告をいたします。
○山下栄一君 三百名近い乗員乗客の方々、大変な大事故ということを今御報告いただきましたけれども、日本国内における大事故でございますし、また乗客の中にもたくさんの国の方がいらっしゃるのではないかと思いますし、そういう意味で全力を挙げて政府としてできる限りの手を打っていただきたい、このようにお願い申し上げておきたいと思うわけでございます。 もとへ戻りまして、局長、農林系金融機関の実態把握でございますけれども、これは各住専に各年度どれぐらいの融資がされておったのかということだけじゃなくて、各県信連の業務実態も定期的な報告を受けておった、こういうふうにお聞きしたんですけれども、定期的な報告なのか、またその業務実態というのはどういう中身で報告を受けておられたのかということをお聞きしたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) 住専へのそれぞれの実績につきましては、先ほども御説明申し上げましたとおり、それぞれの方から実績の報告を信連協会というのが取りまとめまして当方への報告がございました。 それから信連それ自体に対しましては、御案内のように、農林水産省といたしまして検査・監督の機能を持っております。したがいまして、定例検査でありますとかさまざまな検査がございますが、過去の事例で申し上げますと、大体二年に一度ぐらいの定期的な検査ということでやっておったということでございます。
○山下栄一君 借入額とか融資の実態とか不良債権の内容とか、そういうことが定期的に報告されておるということでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) 御案内のように、農水省のそれぞれの指導監督に基づきます検査につきましては、それぞれ毎年その検査の重点項目を置きながら調べてきているわけでございますが、過去の事例を見てみますというと、住専の経営につきましては平成三年ぐらいまではかなり経営がいい状況で推移をいたしておりました。 したがいまして、農水省の検査・監督におきましても、住専を特に意識した形での検査というのは、一般的な検査の中にはもちろん入っておりますけれども、特にそれだけを取り出してということはやっておりません。その後、平成三年から住専の経営がおかしくなってくるということの中で、徐々に検査の中におきましても、住専の貸付状況でありますとかそういうことを重点に置きながら検査をするということで対応してきているところでございます。
○山下栄一君 だから、各都道府県の県信連の全体、それぞれの業務の実態を掌握されておったというふうにお聞きするわけでございますけれども。 あと、立入検査と言うとおかしいですけれども、単に報告を受けるだけじゃなくて、例えば出先機関の職員かどうかわかりませんけれども、各県信連にそのような実態の検査といいますか、農水の方からそういうことで入られることはあるわけですか。
○政府委員(堤英隆君) これは、先ほども御説明申し上げましたように、農協法に基づきましてそれぞれ定期的に信連の検査を行うということになっておりまして、過去の事例を見ますというと、大体二年に一度ぐらいの検査をいたしております。 今後につきましては、こういった厳しい信連経営をめぐります状況の中で、もう少し立ち入った検査が必要ではないかということで、本年度あたりからは毎年一度各信連の検査を行いたい、そういうことで臨みたいというふうに思っております。
○山下栄一君 再度確認いたしますけれども、不良債権も含めまして、信連の業務の実態、厳しいとか良好とか、そういうことがわかるような検査、報告が定期的に行われておったと、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(堤英隆君) 基本的には、信連の経営状況はそれぞれの信連の毎年の決算状況ということで把握することになると思います。それが基本的なベースでございまして、それに加えまして、行政庁として、先ほどから申し上げておりますような大体二年に一度ぐらいの立入検査を行うということで対応しているところでございます。
○山下栄一君 だから、局長、何遍も聞いて申しわけありませんけれども、要するに不良債権も含めて、厳しい実態も常に、中身の話ですよ、借入額とか融資先とかいうこともきちっと掌握されておったということですね。借入額とか貸出先とか、またその貸出先の融資の中身とかいうことも当然報告され、そして立入検査もされるわけですから、当然掌握されておったというふうに私は理解するんですけれども、それでよろしいでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) それぞれの二年に一度の検査の中で、今おっしゃいましたような融資の状況でありますとかそういったことにつきまして、必要なものにつきましては把握をしておったということでございます。
○山下栄一君 今、各県信連の実態、これは農水の方で定期的に掌握されておったというお話でございますけれども、大蔵省はどの程度掌握されておったのでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 系統金融機関の監督につきましては、一義的には農林水産省において行ってこられたところでございますが、大蔵省といたしましても、信連等から法令等に基づく報告は受けていたところでございます。
○山下栄一君 法令等に基づく報告ということは何を指しておっしゃっているわけですか。
○政府委員(西村吉正君) 住専向け貸し付けの最高限度額の届け出等の額でございます。
○山下栄一君 ということは、細かい業務内容については農水は把握されているけれども、それは大蔵省には届いていないと、こういうことですか。
○政府委員(西村吉正君) 個々の信連の経営状況等についての報告ということではございませんで、今申し上げましたような、いわゆる五十五年通達に基づく信連の住専に対する融資に係る半期ごとの貸付最高限度額の届け出、そういうことでございます。
○山下栄一君 それは、中央の農林中金だけじゃなくて、各県信連の最高融資限度額も掌握されておったと、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(西村吉正君) 個々の信連ではなくて、全体としての限度額として報告を受けていたと聞いております。
○山下栄一君 それはちょっとおかしいですね。ということは、要するに信連協会がまとめた全体だけを報告を受けたということですか、まとまったやつだけ、全国集計だけですか。
○政府委員(西村吉正君) 直接には信連協会から全体の額を報告を受けていたと、こういうことでございます。
○山下栄一君 全体の額というのは、各県信連、それぞれの県信連の融資最高限度額については全然報告を受けていないと、こういうことですか。そんなことはないでしょう。
○政府委員(西村吉正君) 全体の額でございます。
○山下栄一君 じゃ、お聞きいたしますけれども、全体の報告を受けた意味というか、何のために報告を受けておられたわけですか。
○政府委員(西村吉正君) それは、通達の趣旨に基づきまして、信連全体として住専、これの場合は住専だけではないと思いますけれども、貸し付けの最高限度が設けられているものにつきまして、その貸付最高限度との関係をまとめて御報告を受けていたと、こういうふうに理解をいたしております。
○山下栄一君 局長の答弁、私は全然納得できないんですけれどもね。そんなもの、各農林系金融機関の信用事業の日本全国の総額だけ受けて、各都道府県の実態、これは何のための報告なんだ。法の要請に基づく報告としては全然納得できない、理由のつかない報告ですね、それは。そんなことはあり得ないと違いますか。
○政府委員(西村吉正君) 繰り返しになって恐縮でございますが、いわゆる五十五年通達に基づく信連の住専に対する融資に係る半期ごとの貸付最高限度額の届け出は、住専向けの融資が会員向け融資に支障を来さない範囲にあることを確認する目的でなされていたものでございます。そのような趣旨から、信連協会からの半期ごとの報告を受けていた、そのように承知をいたしております。
○山下栄一君 信連協会という団体といいますか、これはどういう中身の団体なのか、大臣。
○政府委員(堤英隆君) これは、全国に四十七の信連がございますけれども、社団法人として会員相互間の意思疎通を図っていく、そういうようなものとして信連協会ができているというふうに理解をいたしております。
○山下栄一君 要するに、信連協会そのものは事業を行うというよりは、事業を行わないわけですね。事務局の役割を果たしていると思うわけでございますけれども、この事務局が各信連からの最高限度融資額をまとめて、そして総額だけを大蔵省に報告したということは考えられないわけでございまして、大蔵省の今の御答弁はちょっと私は実態を率直におっしゃっていない、このように思わざるを得ないと思うわけでございます。 農水省にお聞きいたしますけれども、最高限度額以外の各県信連の業務実態報告につきましては農水だけの報告事項で、それを大蔵省に上げているということはあり得ないのですか。
○政府委員(堤英隆君) 先ほどもお話し申し上げましたように、各信連ごとの最高限度額の届け出の際に、貸し出し状況の実績ということでそれぞれ信連ごとにいただいております。それを大蔵省との関係でどういうふうにしているかというのは、ちょっと今定かではございませんけれども、それぞれに対してそういった形での報告は何らかの形ではしていたのではないかなというふうに思います。 今、局長がおっしゃいましたような、通達に基づくものがどこまでで、それ以外のものはどうであるかということはちょっとわかりませんけれども、そういう意味で、何らかの意味で各信連ごとの状況ということを私どもは把握しておったということを御説明しております。
○山下栄一君 農水から大蔵への報告といいますか、そういうことはなかったと。よくわからないというようなことはあり得ないと思うんですけれども、なかったということですか。
○政府委員(堤英隆君) 通達に基づきまして、それぞれに対しましてそれぞれ報告を提出するということになっているというふうに承知をいたしております。
○山下栄一君 大蔵省に上げないんですか。
○政府委員(西村吉正君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私どもは信連協会から半期ごとに御報告を受けておりまして、それは全国をまとめた最高限度届け出額を御報告していただいておった、こういうことでございます。
○山下栄一君 九〇年の総量規制以後、何度もこれは議論されてまいりましたけれども、農林系金融機関の住専への融資が急増していくわけでございますけれども、大蔵省としては最高融資限度額は毎年報告を受けていた。急増していることも知っていた。なおかつ住専の経営実態がいかに厳しいかということも、特に九一年、九二年、第一次再建計画のときでございますけれども、そういうことを行わざるを得ないほど不良債権も四割近くになっておった。三和銀行は日住金に対しまして、これはもう破産処理をする以外にないというふうな状況に追い込まれるほどの厳しい実態であったにもかかわらず、そのころ農林系からの融資が急増しておるという。大蔵省は御存じだったと思うわけでございますが、これについて何ら手を打たなかった、こういうことでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 系統金融機関、信連につきましては、私どもと農水省で共管をいたしているわけでございますけれども、系統金融機関の監督につきましては、一義的には農林水産省において行ってきていただいているところでございまして、私どもも必要に応じ御相談を受けていたわけでございますけれども、そのような体制にあったということは御理解いただきたいと存じます。 信連等から住専への貸し出しが増加していたということは承知をいたしておりましたが、当時、住宅需要が旺盛であり住宅向けの資金需要が多かったことや、会員向けの貸し出しに支障を来す状況にはなかったということにもかんがみまして、それぞれの審査管理に基づく経営判断によるものと理解をしていたところでございます。
○山下栄一君 農水省の方は、特に九一年、九二年のころですけれども、厳しい住専の経営実態は御存じではなかったと、このように理解してよろしいですか。
○政府委員(堤英隆君) 農水省自体は住専に対しましての指導監督ということは持っておりませんので、住専自体の経営の状況ということを知り得る立場じゃないわけでございますが、ただ、平成三年の秋ぐらいから住専の経営状況がおかしくなって、その再建をどうするかというような問題になって、私どもとしてもそういう段階から住専の経営ということにつきまして関心を払ってきたところでございますが、直接的な権限という意味では私ども持っておりませんので、その状況については把握をしていなかったということでございます。
○山下栄一君 先ほどの局長の答弁では私は基本的におかしいと思うんですけれども、全国レベルの融資実態は知っているけれども各県信連の報告は受けていないという。それを認めたといたしましても、総量規制以後の農林系の融資が急増しておる中で、各県信連の実態がどうなっておるのかということを見過ごしておったということは大変大きな責任がある、このように考えるわけでございます。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕 これに対しまして、農水大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(大原一三君) このことも何回かお答えしたことでございますが、今、経済局長からも答弁いたしましたように、総量規制の行われた平成二年といいますころは、まだ住専の経営内容というものを我々としては的確に把握していなかったというのが当時の農水省並びに系統の皆さんの認識でございました。 だんだんこれがわかりますのが三年、四年、そして五年の第二次再建計画のときでございまして、第二次再建計画に至って住専の内容がおぼろげながらわかってきた。そんな内容の経営実態については把握する状況になかったということでございまして、その辺の大蔵、農林のミスマッチはこれははっきり認めなきゃならぬと私は思っております。 そういう意味で、極めて残念な事態が起きてきたわけでございまして、バブルのときのいわば後遺症というものがこういう形で顕在化するということは、その当時はまだ認識できなかったと思うわけでございます。極めて残念な事態がその間に発生したことを正直に私は認めるべきだと思っております。
○山下栄一君 私は、大蔵省は九〇年以降、農林系金融機関の融資の実情、融資の急増と同時に、そのころ住専の経営実態が大変厳しいということを知っておりながら、農林系、農水省に対して報告しなかったというこの責任は極めて大きい、このように述べておきたいと思うわけでございます。 それで、きのうも参考人のお話がございましたけれども、覚書と誓約書との関係なんですけれども、元本保証をめぐりまして意見の相違があるわけでございます。農林系の金融機関は元本保証されたということの前提で、本来は引き揚げざるを得ない状況にもあったにもかかわらず融資を続行していったという極めて重たい問題であるわけでございます。 去年の十二月の段階で、大原農林大臣じゃないんですけれども、当時の野呂田農林大臣が、誓約書、要するに元本保証いたしますという誓約書を母体行の方から母体行の責任において大蔵省にまず出した、それに基づいて大蔵と農水が、この問題について母体行の責任でこれ以上系統に負担をかけないんだという覚書を結んだんだと、このようにおっしゃっておるわけでございます。 まず誓約書が出されて、民間からのある意味じゃ主体的なといいますか、そういうことがあって、そして官の方で協議をして覚書を結んだんだという、こういう答弁が十二月の段階であったわけでございますが、これは事実に反すると思うんですけれども、これは農林大臣どうでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) 当時の状況は、たしか平成五年二月の段階におきまして、住専の再建をめぐる状況が非常に難航をきわめるという中で、全体の経営システムの安定という観点から早期の合意形成を求める声が非常に強くなってきたという状況の中で、全体的な議論の整理をするという形で両省間の覚書が交わされたというふうに理解をいたしております。これに沿いまして、それぞれ当事者間の合意形成を促したというふうに私どもとしては理解をいたしております。 そういう過程の中で、その後に母体行会議等がありまして、銀行局に対しまして、先ほどおっしゃいましたような申し出といいますか、そういうものが行われたというふうに理解をいたしております。 野呂田農林大臣のその当時の発言、ちょっと私、今手元に持っておりませんけれども、全体的な流れは今申し上げたような形の中で流れていったんではないかというふうに理解をいたしております。
○山下栄一君 この前農林大臣の答弁は、去年の十二月十三日の衆議院予算委員会における答弁なんですね。これはだから事実に反している。誓約書がまずあって、母体行の方からまず誓約書が大蔵省に出されて、それに基づいて官官の、農水、大蔵の覚書が結ばれたという、これは明らかに間違った答弁であると思うんです。これはいまだに訂正されていないというふうに理解するんですけれども、これはおかしいですよね、この答弁は。農林大臣、どうですか。
○政府委員(堤英隆君) 先ほどお答えしたとおりではないかと思いますが、今お話ございました答弁につきまして、私、手元に持っておりませんので、どういった形でやりとりがあったのか、もう一度そこは調べさせていただきたいと思います。
○山下栄一君 局長は今ちょっと大変なことをおっしゃっているわけですけれども。この答弁は、新進党の米沢幹事長に対する十二月十三日の衆議院予算委員会でのものなんですよ。 もう一度申し上げますけれども、野呂田前農林大臣は、これは議事録に残っておりますけれども、「母体行から母体行の責任において対応するという誓約書を大蔵省に出しており、それに基づいて大蔵と農水が、この問題については母体行の責任で対応してこれ以上系統に負担をかけないという覚書を結んでいる」と、こういうふうに堂々と答弁されているわけですよ。 これはだから、これ調べてみますというふうなそんな話じゃなくて、大変な大きな問題なわけです。これは住専処理の根幹にかかわる話やからね。要するに、この大蔵、農水、特に大蔵省が母体行に圧力をかけて誓約書を出させたんじゃないんだと。まず母体行の方から主体的に元本保証をいたしますという誓約書が出てきたので、それに基づいて覚書をつくったと、このように、要するに大蔵省の責任隠しといいますか、そのために私はこのような野呂田大臣の発言があったのではないかと。これは衆議院予算委員会における、役所の方が知らないという、大臣が勝手にしゃべったというふうな、そんな問題ではないと思うんですよ。これは明確に言っていただかないと、これは大変な大きな、訂正も今までされていないどころか、いまだに局長はこれから調べてみますなんてそんなのんきなことをおっしゃっている。 これは大原大臣どうでしょうか。これは国会答弁ですからね。議事録に残っているんです。
○国務大臣(大原一三君) 私は初めて今お聞きするわけでございまして、そのとき野呂田農林大臣が何を考えてそういう言い方をされたのかはっきりわかりません。したがって、事務局がよく調べてみると言っていますので、私もよく調査をしてみたいと思います。
○山下栄一君 橋本総理、これは新進党の幹事長の質問なんですね。十二月十三日。当時は総理は通産大臣であって、内閣の最高責任者ではなかったわけでございますけれども、これは議事録に明確に残っておるわけです、答弁内容が。まず母体行から誓約書が出て、その後に大蔵、農水で覚書を結んだんだと、このように明確におっしゃっておるわけです。このことは大変な間違いであるということは,間違いというかこの答弁はおかしいということは、今農水省もおっしゃっておるわけでございますけれども。 これはだから、いまだに訂正もされずに放置されていること自身が大変な大きな、これは国会答弁ですし、大臣の答弁ですから、大臣が勝手に間違ってでたらめな答弁をしていたという、それはもう非常に根幹にかかわる話ですからね、これは。元本を保証したというのは、要するになぜあれほどたくさんの農林系金融機関が貸し込んだのかということにかかわる話なわけでございまして、ひいてはこれは住専処理の根幹にかかわる、何度も何度も議論が行われてきた内容なわけです。その大臣答弁の間違いを今まで知りませんでしたなんというようなことは、これはもう根本的におかしい問題であると、このように思うわけでございまして、これは今わからぬというのやったらすぐ調べてくださいよ。
○政府委員(堤英隆君) 昨年の当時の農林大臣の御発言ということでございますので、今御指摘の点がございましたが、農林大臣がどういう形の中で、どういう経緯の中でそういうふうにおっしゃったのか、野呂田前大臣の真意をもう一度私どもとしてはできましたら確認させていただきまして、先ほど大臣から申し上げたような形で対応させていただきたいというふうに思います。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。 ただいまの質問の件については、事務当局なり大臣も調査されるというから、平成会の割り当ての中できちんとまた答弁いただきますから、そういうことで……。
○山下栄一君 残りの質問は保留させていただきます。(拍手)
○委員長(坂野重信君) はい、結構です。
○海野義孝君 平成会の海野義孝であります。よろしくお願いいたします。 質問に入る前に、午前中の自民党の保坂議員のお話に対して一言私から申し上げたいと思います。これは売られたから買うとかそういう、私はそんなに気は強くありませんから。 二つのことを実は午前中に議員はおっしゃいました。結論的に言うと、おまえの党は、おまえとは言いませんでしたけれども、言うこととやることが違うじゃないか、二枚舌を使うじゃないかというような(「二枚舌とも言いませんよ」と呼ぶ者あり)いやいや、そういうふうに言ったでしょう。要するに、一つは今回の中国の核実験の問題、それからもう一つは先般の桃源社佐佐木社長のここでの証言偽証、これに対する告発の問題。 私は去年の夏に議員になったばかりでありますから過去のことは知りませんけれども、予算委員会におきましては私どももベストを尽くしてとにかく頑張ったということはお認めいただけると思うんです。お互いにやはりこの住専の破綻処理の問題について努力をしたということはおわかりいただけると思います。 それから、今回の中国の核実験の問題につきましては、先般の中国の実験の後、フランスの問題があったときにいわゆる院として決議をしたわけでありますけれども、そのときと今回との内容で見ると、やはり院として決議をする上では、総理、国民の先頭に立って闘っていらっしゃる総理としては、もう少しその辺のところの御意思を体現して先頭に立って行動するということを盛り込んでいただけないかというようなことではなかったかと思うわけで、決して与党がお出しになっていることに対して頭から反対とかそういうことではありません。それだけ。そのことでございますので、ひとつ御了解いただきたいと思います。 それでは、いよいよ質問に入りたいと思います。 私、きょう実は総理をお呼びしまして、大変御多忙な中で申しわけないと思いますけれども、先ほどはガルーダ航空の最新のニュースなどをお聞きしました。私どもは、昼休みのニュースでは四名の入院程度だというふうに聞いておりましたから安堵しておりましたけれども、死者も出たというようなことで、そういった面で大変新しい情報をいただいて、いつどこでこうしたことが国内において起こるかもしれないということで、やはり危機に対する対応と、あるいはその情報のスピーディーな入手、分析、対応、行動、こういったことが大事であるということを改めて痛感させられました。その点でも総理には、新しいニュースを、ホットなニュースをお聞かせいただいたことにまず感謝申し上げたい、このように思います。 次に、総理に申し上げたいのでありますけれども、大変長い長い住専国会、これも先般衆議院で採決をされまして、いよいよ言うなれば大詰めに来ているということでございます。この間、この処理をめぐって大変いろいろな論議があったわけでございますけれども、この段階におきまして総理の御所見あるいは御感想といったものについてまずはお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) お許しをいただきまして、福岡空港における航空機事故のその後の状況を御報告いたしたいと存じます。 先ほど御報告を申し上げましたように、ジャカルタ行きガルーダ・インドネシア航空DC10型機が、離陸時、一たん離陸をいたしましたものの滑走路の延長上約五百メートルの緑地に墜落をいたしました。 乗員乗客は、先ほど申し上げましたとおり、乗員十五名、乗客二百六十名であります。二時三十分の時点におきまして、乗客のうち、死者は先刻御報告を申し上げました三名でありますが、病院に搬送されました重軽傷者の数は六十一名に増加をいたしております。 機体は墜落時の衝撃で大破炎上いたしておりまして、現在鎮火に向かっているという報告を受けているところでございます。 警察、消防、また運輸省、防衛庁、それぞれに対応をいたし、それぞれに対策室あるいは対策本部を設置いたしまして、警察は福岡県警が九百人体制で、また防衛庁は福岡空港事務所長からの災害派遣要請のもとに陸上自衛隊百六十五名、航空自衛隊七十九名を派遣いたしまして、現地の消防隊、福岡市消防局の方々とともに事態処理に当たっておるという状況でございます。 大変御心配をかけておりますが、なお続報がありました時点でお知らせを申し上げたいと思います。 また、今、委員から今回の国会における住専審議というものを振り返ってどう思うかというお尋ねをいただきました。 何回かお答えを申し上げたことでありますけれども、私は、やはり昨年の夏以降、住専問題というものを、我が国の金融機関の抱える不良債権の問題処理の中で、政府・与党としては喫緊の課題、そうとらえながら、関係者の間の話し合いに、また関係者の中で処理をすることに固執し時間をかけておりました間、逆に国民に情報をお知らせするという点では非常に欠けたものがあった、この点は我々は素直に反省すべきものがある、そう考えております。 しかし、最終的に、当事者間の話し合いのみによっては決しない部分が生じ、政府・与党としては、これを六千八百五十億円の公的資金の投入といういわば非常手段によって解決し、この住専処理というものを突破口として日本の金融界の抱える不良資産問題の処理に全力をもって取り組む決意をいたしました。自来今日まで、両院におきまして非常に真摯な御論議をいただいたことに感謝を申し上げます。 残念ながら、私どもの決断とは異なる御意見も存在することは事実でありますが、その御意見も、いわば住専問題というものの存在とその重要性をお認めいただいた上で、日本の金融機関の抱える不良資産問題の氷山の一角という位置づけで論議をされておる。喫緊の課題としてそれを突破口に解決を図りたいという私どもとその差はございますけれども、いずれにいたしましても、真摯な御議論をいただいていることに対しては私は敬意を表したいと思います。
○海野義孝君 昨日、大蔵省の方には事前にちょっとお願いしてありますが、私ども、ここのところずっと国会におきまして住専の問題を論議しておりますが、具体的にはまだ、住専七社あるいは入社といいますか、これにつきましては最終的な清算、解散をしたわけではありません。 先般、私が予算委員会で西村局長からいただいた御答弁では、昨年の春以来、住専問題についてはその処理策について議論を重ねてきたんだというようなお話がありましたけれども、しからば住専の七社ないし八社そのものは、昨年春以来今日まで具体的にどういった行動をしてきているか、具体的にはどのぐらいの債権の回収件数があったのか、金額的に言うとどのぐらいであったのか、またそういった八社の中で、その中でもすぐれてこの処理に対して前向きに取り組んできている住専会社はどこであるか、そういった点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) まず、住専問題の経緯でございますが、私どもが昨年来この問題に取り組んでまいりましたことに関して申し上げますと、昨年の四月十四日に、緊急円高経済対策の中で不良債権問題に今まで以上に取り組むという姿勢を示す中で、金利減免等を行っている債権をも含めてこの問題の解決に取り組もうという政府の姿勢を表明したことがございます。住専問題ということは明示しておりませんけれども、これが住専問題に代表される金利減免債権問題というものをも対象にしていこうということを明示した恐ちく初めであったのではないかと存じます。 その後、昨年の六月から七月にかけまして住専問題ということを明示いたしまして、政府及び与党の中でこの問題を検討する場をつくりまして具体的な検討を始めたわけでございます。しかしながら、そのような段階においては今日のような住専各社の破綻処理をするということまで決まっていたわけではございませんで、当初の段階においては再建を図るという考え方の方も当然おられたわけでございますし、破綻処理という形にせざるを得ないという議論もあったわけでございます。そのような意味におきまして、現在のスキームを前提とした住専各社の取り組みが必ずしも昨年の夏から始まっていたわけではないということも御承知おきをいただきたいと存じます。 ただいまお尋ねの債権の回収にどのような姿勢で取り組んでいるかということでございますが、住専各社におきましては、回収に当たり必要に応じて担保権の実行だとか保全処分の申し立て等の法的手続をも含め積極的に行っていると聞いております。例えば住専七社の競売の申し立てで申し上げますと、平成六年度では件数で二千百四件、金額で千五百二十八億円であったものが、平成七年度におきましては二千二百二件、金額で二千四十四億円というようなものに上っているわけでございます。 まだまだ十分とは言えないと思いますし、むしろ不十分であるがゆえに、今後住専処理策を実行することによって、住専処理機構と預金保険機構が一体となって強力かつ効率的な債権回収に取り組みたいと考えているところでございます。
○海野義孝君 調査室からいただいた資料を読んでおりましたら、いわゆる住専会社ができました最初は日住金でありまして、これは一九七一年、昭和四十六年のようですけれども、その二年後から大蔵当局としましては四半期ごとに住専各社の営業状況の報告を受けていたということであります。 単位が、企業の決算というのは半年で中間決算、年度末決算というのは三月期というのが多いわけですけれども、そういった全体的ないわゆるバランスシートとかあるいは損益計算書等は別としましても、状況については三カ月、三カ月で把握をされていた、こういうふうに理解できるわけであります。 であるならば、例えば平成二年、バブルのピークであったわけでありますけれども、それから今日に至るというか崩壊の過程におきまして、地価の下落に対して、いわゆる担保物件の担保価値の下落に対して、住専会社は担保価値の保全のために平成二年ごろから具体的に何をやってきたかということを聞きたいわけです。 例えば株式市場におきましては、一九八九年の十二月末、平成元年末ですが、日経ダウが三万八千九百十五円から、私の記憶では、翌年の秋の十月には二万円まで実にこれは四五%急落をしているわけであります。その間におきまして証券会社の営業諸君は、いわゆる増し担保と言いまして、担保の価値の目減りに対する補充のために、お客様のところに行って、おまえを殺すぞと言われるような中を平身低頭して増し担保をとってくる。増し担保をとってくれば一流の証券社員だと言われたわけでありますけれども、そういった努力をしてきているわけです。それにもかかわらず証券界におきましては、いわゆる店舗の閉鎖あるいは希望退職、これも既に五十歳以下でも希望退職を募る、こういうような大変ドラスチックなリストラをやってきているということであります。 住専の場合に、そういった担保価値の減価に対して具体的な増し担保の行政指導をされたか、あるいはそれに対して住専各社は対応したか、具体的にその辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 住専におきましても、融資の際に徴求いたしました担保に関しまして、その後担保の評価額が不足するような事態となっております。今、株式の計数を挙げられましたが、住専の場合にはむしろ土地ということであろうかと存じます。最近五カ年間を累計いたしまして、東京圏の商業地では五七%に上る下落をしているというようなことでございますので、担保の評価額が不足するような事態も多々生じていようかと存じております。債務者に対しまして追加の担保を徴求するよう努めているところと承知をしているわけでございます。 しかしながら、今申し上げましたような地価の急激な下落が続く中におきまして、住専の資産に担保権を実行いたしましても回収不能と見込まれるような多額の損失が発生していることも事実でございまして、この大幅な地価の下落の中でこのような担保の確保というものにも大変に苦慮しているのが実情と考えております。
○海野義孝君 今の西村局長のお話はそれはそのままでわかるんですけれども、地価が急落したのに対応できなかったというお話でありますけれども、株式についてもピークでは三分の一まで下がったわけであります。半値、八掛け、二割引きという言葉がありますけれども、つまりピークから三分の一まで減価したわけであります。土地につきましても恐らく最高にひどいところはそのぐらい下がったかと思いますけれども、そういう面では私は事情は同じじゃないかと思います。 そういった点で、先般の参考人等のお話を聞きますと、異口同音にやはりバブルでやられたというような、まさに経営者のトップとして発言すべきでないような、まさに自力で頑張ったけれども、それ以上に要件というかほかの条件の方が厳し過ぎたと。しかし、このことは私は、例えば貿易自由化以後の日本の製造業が血みどろなリストラをやり円高に対抗しても世界に冠たる製造企業の地位を今日まで築いてきた、そういった努力等から考えてみれば、住専の場合は余りにもいいかげんなことで、それを国民に押しつけるということはこれほど腹立たしいことはないと、このように思うわけです。 その点では、大蔵行政としては、御自分で住専会社をおつくりになった直轄の会社であるわけなんですから、その点での御努力、今までいろいろな御発言は伺っておりますけれども、残念でならない、もう少し厳しくやりようがあったんではないかということを思うんですけれども、その辺の大蔵大臣の御感想、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) ただいま地価の下落状況を申し上げ、担保の確保に苦慮していることを申し上げましたが、もとより海野委員御指摘のように、それがゆえに住専の経営責任が軽減されるものでは決してないと私どもも思っております。 また、今行政の責任についての御指摘でございましたが、私どももこの住専という存在が、直轄という御指摘はございましたけれども、ノンバンクの中でも規制という点では最も緩やかな領域に属するものではありますものの、しかしながら、その発足に当たりまして公共性というものを認めてそのような位置づけを行ったという点についても、行政の当時果たした一つの役割というものもございましょうし、そのような状況が五十年代後半に大きく変化した時点におきましても、住専に対して行政的な指導の仕方もまた別にあったのではないかという御指摘を金融制度調査会の答申の中でも受けているところでございます。 私ども、そのような意味で、その時々におきましては住専に対しましても適切に指導してきたと思っておりましたものの、結果として今日のような重大な結果を呼び起こしているということにおいて責任を免れるものではないと考えております。
○海野義孝君 率直なところを吐露されたと、このように思います。 次に、細かな問題について質問を十ぐらいさせていただこうと思いますので、簡潔明瞭にひとつ御回答いただきたいと思います。 住専処理法案、現在審議中でありますけれども、さらに金融四法案、あと時効問題に関する議員立法もあるんですけれども、こういった一連の法案につきましては、この常会中に成立するとしましてもやはり今後に大変な問題を残すと、そのように私は思うわけであります。我々国会の一員として、この立法府としましても、今回のこの一連の法案に関しての議論、その結論、そういったことを通じて、やはり国民の方々に対して重い責任を長きにわたって今後背負っていくことになるんではないかというのが私の率直な考えであります。そういった中で、次の点、その理由を申し上げますので、それに対しての回答をいただきたいと、こう思います。 まず、久保大蔵大臣にお聞きしたいのでありますけれども、私も大蔵委員会とか予算委員会で久保大蔵大臣からは懇切丁寧なる御回答をいただいておりまして、おまえは久保大臣と特に何か関係があるかなどと言われましたが、そういうことは全くないと。私は経済を三十年ぐらいかじってきたということで、まさに生きた経済ということについては現象的に体で覚えてきている、それだけでありまして、理論では西村局長なんかに逆立ちしても太刀打ちできないし、先ほどの自民党の同僚議員の金田さんなんかにも全然足元にも及ばないということは承知しておりますけれども、しかしそうした中で、私が申し上げることについてお答えいただきたいんです。 大蔵大臣は、ジャパン・プレミアムとか金融システムの崩壊の問題だとかいう言葉をよく使われるわけです。これは国民にとってはまずわかりませんし、国会議員の中でもそれをきちんと理解しているというのは、そう言ってはなんですけれどもまず少ない。これはかなり専門的なものだと。 そこに榊原国金局長がいらっしゃるので、あるいはジャパン・プレミアムのことについての明快な御回答があるか思うんですが、このジャパン・プレミアムの問題が近年クローズアップされたのはいつごろであるか、そしてそのピークになったのはいつごろか。これはある点ではなくて数カ月にわたると思いますけれども。それで、その背景は何であったかということについてひとつお願いいたします。
○政府委員(榊原英資君) いわゆるジャパン・プレミアムは、昨年の夏ごろ、これはムーディーズとかSPとかいう格付機関が日本の金融機関の格付を低くしたのがきっかけになっておるわけでございますけれども、その後、兵庫銀行、木津信用組合等の経営破綻、こういうものを契機に我が国の金融システムに対する懸念が高まる中でその拡大が見られたわけでございます。 そしてその後、ジャパン・プレミアムは十月二十五日にピークに達しておりまして、そのピークのときの値は〇・五%でございます。ただ、十二月十九日に住専の処理策の閣議決定が行われた後急落いたしまして、現在は〇・〇五%程度で落ちついております。
○海野義孝君 今も御指摘になりましたけれども、確かにこのプレミアムの問題につきましては、ピークに達したのは昨年の秋口から十月下旬ぐらいにかけてということであったと思いますけれども、きっかけとなったのは信組の経営破綻、一昨年暮れのいわゆる協和それから安全両信組、それから昨年夏にかけてのコスモ信組、こういったところが破綻をしたというあたりから日本でも金融機関の不倒神話が崩壊した、あのあたりからいち早く国際的な金融市場において日本のそういった金融機関に対する判断が大変厳しくなったと、このように思うわけであります。 これに対して、では金融当局はこの問題、プレミアム問題等が出てきた昨年の、私に言わせると春以降だと思いますけれども、具体的にそれに対する対応というのは正鵠を得たものであったかどうかという点をお聞きしたいと思うんです。私は、そこはいささか問題ありというように思うんですけれども、その辺の御回答をお願いしたいと思います。
○政府委員(榊原英資君) いわゆるジャパン・プレミアムに対する対応策といたしましては、私どもは、これはドルの需給の問題でございますから、万が一にも邦銀のドルの調達に支障が生じないように非常に頻繁にヒアリングをいたしまして、万一というときに備えるという措置をもちろんとってございます。 それから、ジャパン・プレミアムの原因は、委員も御指摘のように日本の金融システム全体に対する不信感というものでございますから、こういうものを払拭すべく、住専問題を含めて最大限の努力をしているところでございます。
○海野義孝君 いささかお気にさわるかと思いますけれども、事実関係を私は申し上げたいと思うんです。 先ほどもお触れになりましたけれども、ジャパン・プレミアム、これがピークになったというのは私も大体九月から十一月にかけてのころであったと、こう思うのであります。私は、やはりこのプレミアムがピークに達した決定的な理由は、住専とかそういう問題じゃありませんで、大和銀行のニューヨーク事件、これに対する大蔵当局の対応、つまり国際ルールを逸脱した業者行政と監督権限の甘さ、こういったものに対しての国際的な厳しい日本に対する対応であった、判断を突きつけてきたと、私はそのように思いますけれども、その点、専門の国金局長いかがでございますか。
○政府委員(榊原英資君) 先ほども申し上げましたように、ジャパン・プレミアムがピークに達したのが十月二十五日、〇・五%に達したわけでございます。ただ、大和銀行に対する米国の処分があったのが十一月の二日でございますから、むしろ大和銀行事件の前にジャパン・プレミアムがピークに達していたということでございます。 ただ、委員御指摘のように、ジャパン・プレミアムの原因が日本の金融システム全体に対する懸念ということでございますから、その一環として大和銀行問題があったというのは確かだというふうに思っております。
○海野義孝君 国金局長、まさにそのとおりではありますけれども、実はプレミアムがピークに達したのは十月末じゃないかと。大和銀行の発表は確かに、私も新聞を読んでいますから、十一月の一日か二日に報道されました。 しかし、この問題が起きたのは実際は八月ですから、これはもう我々も前から小委員会等でいろいろ研究というか、アメリカへ調査に行ってきて報告も受けております。そういう意味からいうと、まさに最後におっしゃった日本の金融システムに対するやはりそういった国際的な、日本はちょっと不安定じゃないかと、そういったことに対する一つの叱正がプレミアムのアップという形で出てきたと、その点はおっしゃるとおりだと思います。 そこで次に、その大和銀行でありますけれども、これはさっきのお話のように十一月の初めに、たしかニカ月以内ぐらいで国外追放を食らったわけです。まことに日本の金融市場におきましてこれほどの不面目な事件はまずないと思います。アメリカでの営業をさせない、追放されたと、まさに屈辱的な我が国の金融に対するアメリカの仕打ちであると。これが私はやはり国際的ないわゆる金融行政というものの厳しさであると。 私は、ちょうど一九八四年の秋には、いわゆる円・ドル委員会が設置された当時は、都銀大手に証券業務の指導のために出向しておりましたけれども、そのときでも、名誉にかかわる問題ですから余りはっきりは言いませんけれども、そういったことが発表されても、しばらくはどうしたらいいかわからなかった。 私に言わせれば、既にそれ以前から、我が国の自動車とか精密とかあるいはハイテクとか、こういったいわゆる製造業の貿易の自由化ということはやってきているわけですから、通産省が大変な御苦労をされてきたということはあったわけですから、そういうことから考えれば、あの段階から日本が国際的な金融ルールにのっとって対応していれば、少なくともバブルが起きるような行政とかあるいは日銀当局の金融政策なんということはそもそもなかったはずなんです。 その前にも、アメリカでは一九八〇年代の初めから実はRTCのSアンドLの問題が出ておりまして、これは最初は向こうもうまくいかなかった。結果的には昨年暮れで、アメリカは六年間でめでたしめでたしと見事にやり遂げたわけでありますけれども、その前をたどってみれば、やはり日本が参考にするべきものはあったはずなんです。 そういった意味でも、こういった大和銀行、しかもその大和銀行がアメリカから追放されるに至ったその行政の対応の仕方、そしてまた、大和銀行の前ニューヨーク支店の支店長、これは取締役です、これがいわゆる有罪になったという問題。こういったことを考えてみたときに、アメリカと日本とのそういった問題に対する対応の仕方というのが天と地ぐらいの違いがあるんじゃないかと、私はそういうふうに思うわけです。 その点で、アメリカの金融行政に対して久保大蔵大臣はどのように御所見をお持ちか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 今御意見がございましたように、これからの金融と申しますか、これからと申しますよりは今の金融の国際化ということを考えてまいりましても、金融行政というものは厳しく対応されなければならないと思っております。 大和銀行の問題も、もちろん日本の金融全体に対する評価にかかわって大きな原因であったことは、私も先ほど国金局長が申したとおりだと考えております。 その措置が甘かったかどうかというような問題につきましては、この大和銀行問題の経過とその結果をしっかり確認することによって今後の対応としていかなければならないのでありますが、金融行政、金融システム、そういったものについては、その大和銀行の問題はもちろん、住専問題の処理に当たりまして、これらの問題を含めて国際化に対応できるようなものを確立していかなければならない、こういう立場で金融関連法案も提案しているところでございます。 なお、大和銀行の問題に関しましては、十一月の初めに判決が出ましたその時点で、銀行法二十六条に基づく厳正な処置を行ったところでありますし、今後も法的に問題がございますれば厳正に処置しなければならないと考えております。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。 私は、以上申し上げたことから、私の独断と偏見でありますけれども、結論的に言いますれば、昨年の今ごろに取りかかり、金融三法を昨年の夏ごろにこれを決めておく、成立させるべきではなかったか、これが第一点。 それから、住専処理策は金融三法より先に出てはいけない法律であって、後から出すべきものであり、我が国の金融システム再構築のルール、つまり原理原則、こういったものをまず金融三法によって成立させ、そしてそういったもとで行政を行い、そうした中で金融三法で法的な措置を講じてから住専問題について取り組んでいけばよかったと、このように私は思うわけであります。 そこで、お忙しい中をなおお待ちしていただいておりますので、もう一つだけ総理に御所見を承りたいのであります。 私は、原理原則をきちっとすれば、つまり預金者保護のために使うと、そういう公的資金を政府処理策に取り込むというような発想が出てくるということは本当はなかったんじゃないか。原理原則というものをまず金融三法をもって先にきちんと決めておけば、こういった公的資金を政府処理策に取り込む、私的処理でありますから、法的処理ではないわけでありますから、私は、単純に公的資金は法的な処理に対して使うべきものであると。法律できちんとうたわれているようなもの、今回いろいろと金融三法で出ておりますけれども、というのが私は本来のことではないかと、こう思うんです。この半年間の金融システムの再構築をめぐる行政、立法の混乱というのは、まさにそこにあったんじゃないかと私は思うわけであります。 住専処理のめどをつければそれでよいというのではなくて、国際的に注目されているのは自己責任原則と市場原理、これは総理も大蔵大臣もよく申されていますけれども、まさにそれにのっとった処理策だと、そのように国際金融機関が受けとめるということが私は大事なことではないかと、こういうふうに思うわけでありますけれども、総理大臣に御感想なり御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻来、実体験を生かしての御見解を私も関心を持って拝聴いたしておりました。それだけに議員のあるいはお気にはさわる答えになるかもしれません。 ただ、私は、やはり昨年の春過ぎ、夏ぐらいのころでありましたでしょうか、住専問題というものの解決が急がれるという認識を持ち、関係者それぞれ、そして政府も入りましてこの問題の処理の検討に当たりましたところから、先ほども申し上げましたように、その話し合いに時間をかけ過ぎ、当事者間で決着をつけるために時間をかけ過ぎた、これは私は本当に反省をいたしております。 そして、住専問題は民間の債権債務関係だ、だから本来なら関係者、当事者だけの自己責任によって解決を図るべきものだ、私は本来その御指摘はそのとおりに受けるべきものだと思います。 しかしながら、この問題が発生してから余りにも時間がかかり、そしてその議論が錯綜いたしてまいりました結果として、私は、住専問題を法的処理にゆだねた場合にはその手続に非常に時間を要するであろう、そして金融機関の損失額がはっきりしない状態がその間続く、そうした状態を惹起するであろうと考えました。そして、その間、体力の弱い金融機関は経営不安にさらされ続けるわけでありますし、それは預金者に不安を呼びかねない、そして金融機関の破綻が多発するといった事態も起きかねない、そうした懸念は払拭することができませんでした。そうなった場合、今回決断をいたしました政府案以上の財政資金の投入が必要な事態も起こり得るのではなかろうか、そのような懸念を私どもが現実に持ったことは事実でございます。そして、もしそうした事態が起きました場合に、これは景気の本格的な回復への軌道というものも無理なものになります。 こうした状況の中で、住専問題をこれ以上先送りできないという最終の選択肢の中で、私どもはあえて公的資金投入を覚悟してでもこの問題の解決に真正面から取り組み、これを突破口として我が国の金融機関の抱える不良資産の問題の処理に全力を挙げていく。そのプロセスにおきまして、議員が先ほど来御主張になっておられますような市場原理に基づく、また自己責任原則に基づく金融システムというものを再構築し、信頼を得られる市場を形成していくように全力を挙げてまいりたい、そのように考えている次第であります。
○海野義孝君 総理、どうも大変ありがとうございました。 一刻を争う大変重要な事案であるということはもう当然のことでありますが、しからば現在この住専処理法案というものが、私どもとしてはその中で、いわゆる第二次ロス、二次損失、こういったものについて国民と民間金融機関とが折半をする、こういった問題、これはもう既にたしか一月の末に閣議で決定されているわけでありますけれども、この二次ロスを国民にも負担させるといった部分については住専処理法案の中から削除すべきである、私はこのように思うわけであります。 それはそれとしまして、早晩、住専処理機構が発足をするわけでありますので、ただいま現在の住専処理機構の準備状況、私のようにこの法案に反対の者が具体的に聞くのは変なものですけれども、一刻も早く回収をしなくちゃならぬと、これはよくわかるんです。だけれども、なかなかこれは難しいという話もわかっているんですが、では具体的にその処理機構を、もう毎回のようにここで我が同僚、党派を超えて各議員からも異口同音にどうなっているということをお聞きしていますけれども、漠として、一体どこにどんな会社ができるのか、人ごとだとは言いませんが、そういうような感じがするわけですけれども、ただいま現在の住専処理機構について私の申し上げることにお答えいただきたいと思います。 いわゆる組織、権限、業務内容、人、定款、それから出資状況、発足時の財務内容、こういったことについて、現在どこまでその辺が準備されているか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) まず、住専処理機構ないしは預金保険機構の権限につきましては提案申し上げております法律案の中に記されているところでございますので、むしろ組織、体制についてもう少し具体的な御説明を申し上げることがお答えになろうかと存じます。 まず、今回の債権回収等に当たります体制でございますが、預金保険機構が全体の司令塔になるわけでございますが、その預金保険機構につきましては、住専処理機構と連携をいたしまして債権等の管理、回収全般にわたって指導及び推進を担います組織、これは特別業務部と仮称をさせていただきますが、それを設けるとともに、法務・検察、警察、国税当局等の職員のほか、法律、不動産取引等の専門家の参加を求めることにいたしております。 さらに、その預金保険機構の下部組織といたしまして具体的な実務に当たります住専処理機構の組織、陣容について申し上げますと、まず組織立てにつきましては、会社の業務運営、これは管理・回収・処分方針の策定、進捗状況の管理、責任の追及などでございますが、これを全体としてコントロールいたします本部と、個別具体的に債権回収に当たります債権回収部門を設けることにいたしております。 このうち本部につきましては、総合企画部、総務部、管理部、法務部のほか、所有不動産の管理、売却等を行います不動産部、責任追及等の拠点としての特別対策部、これは東京と大阪に設置をいたしますが、これらの組織を設置することを検討いたしております。 また、実施部門でございます債権回収部門につきましては、回収業務の個別性、専門性、喫緊性、譲り受け資産の特質、これは件数ベースでは住宅ローン債権が大半でございますが、そのような特質にかんがみまして、基本的にはそれぞれの住専に対応する形で事業部制をとりつつ、いわゆる大口・悪質・共通案件に集中的に対応するために、これらを専担いたします特別整理部をこの事業部制のほかに共通の部門として東京と大阪に設置するということを検討いたしております。 人材面につきましては、債権の管理、回収、責任追及といった専門性の強い業務を担い得る適材を各方面から幅広く確保いたしまして適所に配置することを基本といたしまして、本部要員といたしましては法務・検察、警察、国税等のOBや法律、会計、不動産鑑定、不動産取引等の専門家を考えております。また、債権回収部門要員といたしましては、金融界等から管理、回収の実務に詳しい方の参加協力をそれぞれ求める方向で関係方面と調整していく方針で臨みたいと考えているところでございます。
○海野義孝君 大変具体的な輪郭ができてきたように思いますけれども、そういった中で具体的にこれから債権を回収していくと。このスキームでは十五年というようになっておりますけれども、十五年たって私は生きているかどうかわかりませんけれども、とにかくこれは恐らく現職から子供にさらに受け継がれていくような、まかり間違えば税金の負担を背負っていくんじゃないか。 こればかりではありませんで、この間ある本を読んでおりましたら、いわゆる国と地方公共団体の隠れ借金で一人頭三百三十万円背負っていくんだという話がありまして、久保大蔵大臣、大変頭が痛いだろうと思います。我々も積極的に応援していこうと思いますが、そのためには、やはり今回の住専の処理について決まった以上は徹底的にやると。 何かアメリカのRTCには捜査部門というのがあるんだそうですね。これは具体的にどの程度権限を持ったスタッフかわかりませんが、向こうには捜査部門というのがあって、徹底的にしょっぴいたりいろいろなことをやったというんです。日本の場合は、これはどうも迂回しながらやっていくしか、この整理回収銀行にしても、今回の住専処理機構というか住専債権処理会社にしても株式会社ということで、例えば仮称公社というような形にしてもっと権限を持たせていかないと、国民のこれからの関心は、やはりどれだけ徹底的に回収できるかということが即自分たちが果てしなく税金を払っていかなくちゃならぬかということに結びついていくんじゃないかと私は思うんです。 そこで、一つ大事なことは、住専処理機構が住専各社から債権債務等についての営業譲渡を受けてしまった場合に、そこによってはいわゆる責任の遡及ということについては私は大変難しいと思うんです。 そこで、住専の経営責任を明らかにするために、現時点で住専各社が持っている損害賠償請求権のすべて、これは幾らあるかということについてつかんでおられますか。
○政府委員(西村吉正君) 既に有している損害賠償請求権ということで私ども余り整理をしたことがございませんので、そのようなものを数量的に評価できるのかどうか、ちょっと私、現在自信がございません。 いずれにしましても、住専が保有しております損害賠償請求権も、今後発生いたします損害賠償請求権も、包括的に住専処理機構が承継をいたしまして厳格に執行するということは当然のことと考えております。
○委員長(坂野重信君) ちょっと総理から発言がございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) お許しをいただきまして、福岡空港内において発生いたしました航空機事故について続報を御報告申し上げます。 三時三十分現在の報告でありますが、乗客のうち死者三名、全員男性であります。病院に搬送されました重軽傷者の数は七十三名にふえております。現在も捜索活動を継続いたしておりますが、機体の損傷が激しいこと、機体の後部がまだ火が完全に消えておりませんために捜索できておりません状況でありまして、現在炎上中の機体は鎮火に向かっているという報告を受けております。 先ほど御報告に漏れておりましたが、福岡市消防局は消防隊六十二隊を出動させてくださっておりまして、運輸省は既に航空事故調査委員会の調査官を現地に派遣しつつあります。 以上、御報告を申し上げます。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。 次に、住専処理にかかわる政府のスキーム、これがうまくいくかどうか、国民の税金負担の問題は一応切り離して考えまして、うまくいくかどうかという点でこのスキームについて心配する点が幾つかあるんですけれども、時間もなくなってきましたので、ひとつ簡潔にお答えいただきたいんです。 第一点は、いわゆる住専処理機構への低利融資、これは住専七社からの債権等の買い取りに対する資金ということになるわけでしょうけれども、この低利融資について各民間金融機関ごとの融資額、それから利率、こういったことについての協議の進行状況というのはいかがでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 所要の融資につきましては、おおむね三分の一ずつ母体、一般、系統が分担するということのもとに、それぞれ個別にどう割り振るかという点につきましては、現在まだそこまで協議は進んでおりません。原則的、基本的にそのような処理をするということについては御了解をいただいておりますが、個別の割り振りまではまだ進んでおりません。 なお、利率につきましてはTIBORを基本といたしまして考えると、そのような考え方で関係者の間で協議が進むものと理解をいたしております。
○海野義孝君 一刻も急いで、そういった現在の住専七社の正常債権等を含めたいわゆる三分類、三つの分類のものについては至急に買い取るという必要があるわけですけれども、その点からするとやはりそういった資金の手当てということは一刻も急ぐわけで、とりあえずは買掛債権だかわかりませんけれども、そういった形でとにかく買い取っておくということになるとなれば、またその後これを支払っていく例えば農業系統さんとかいろいろあるわけですので、やっぱりこれは私は急ぐ問題であろうかと思うんです。 次に、住専七社の株主総会、これの日程、それから今いろいろと問題になっておりますのは日住金の例でありますけれども、住専の持っているものをそっくり営業譲渡を受けるという場合には、総会において半分以上の出席と三分の二以上の賛成がないと、これは特別決議事項ですからオーケーにならないという問題であります。 これに対しては、現在オンブズマンであるとか、それからまた、何かきょうあたりの新聞ですと、何とか組、こういったところが単位株を取得しているとかいろいろなことが言われているんですけれども、具体的に総会で無事七社から住専処理機構が営業譲渡を受けられるということがスムーズにいくかどうかという見通してございますけれども、この点はいかがでございますか。
○政府委員(西村吉正君) 株主総会は、多くの株式会社と同様、たしか六月二十七日であったと記憶をいたしておりますけれども、その株主総会におきまして、御指摘のように、議決は過半数の出席者のうち三分の二以上の賛成を必要とするというようなこともあるわけでございまして、そういう意味では、スムーズにそのような議決がなされるかどうかという点について御懸念の向きがあることは承知をいたしております。 しかしながら、このような方針に基づく株主への理解を得るための対応策につきましては、住専関係者あるいは母体行関係者等が鋭意努力をしているところでございまして、私どもとしてはそのような方々の努力が実るものと確信をいたしているところでございます。
○海野義孝君 何とかうまくいっていただきたい、こう思います。 次に、債権各社が持っております抵当の問題でありますけれども、この抵当権のうちの住専の場合の抵当は、いわゆる第二順位とか第三順位とかいうような大変に厄介なところに位置する抵当権のものが多いということを聞いているんですけれども、その第一順位の抵当権を設定しているものというのは住専七社の場合、合計で全体のどのぐらいを占めているかということ。これと、私どうもよくわかりませんけれども、先般のいわゆる一次ロスとか二次ロスとかいう中での、第Iから第Ⅳ分類とこれとの関係。例えば、第一順位というのは第I分類の方に位置づけされるのかとか、第三とか第四順位になってくるとこれは第Ⅲとか第Ⅳぐらいの劣位の分類に入ってくるのか一度お聞きしておきたかったものですから、その辺の御回答をお願いします。
○政府委員(西村吉正君) 私どもも、今、海野委員の御指摘のように、住専の債権が第二順位、第三順位と後順位のものが多いのではないか、そのことが債権の回収の上で大変な支障になるのではないかというような懸念を持った時期がございます。 それで、私どもといたしまして、これは網羅的ではございませんが、例えば住専各社の上位融資先十位までの債権につきましてそのような状況を調査いたしたことがございます。 その結果によりますと、住専七社を合わせまして、全体で二千七百六十件ばかりの担保物件数のうち二千三百件余り、八三・六%が第一順位であるということが判明をいたしました。確かに第二順位以下のものも存在するわけでございますが、そういう意味におきましては、私どもが当初予想しておりましたものよりも第一順位の抵当権を持つ割合が高いという印象を持ったところでございます。
○海野義孝君 今の二千七百六十件中二千三百件というのは、ちょっと私がその辺のところをよく理解していないかもわかりませんが、いわゆる住専関係の案件というか回収をしようというか、その対象となっているものは、全体的には約二十万件ぐらいある、その中で十八万が個人の住宅ローンである、あとの二万件ぐらいがいわゆるディベロッパーなりあるいは不動産なり建設会社等々の、言うなれば事業者というか事業会社といったある程度のロットのところということかと思うんですけれども、今伺ったこの件数というのは、私が申し上げたのに対してはどの部分に当たるものをおっしゃっているわけですか。
○政府委員(西村吉正君) 融資先上位十社でございますので、むしろ個人住宅ローンというようなものよりも事業会社、不動産会社というようなところが多いかと理解をいたしておりますが、そのようなものを合わせましたところで、二千七百六十件担保物件があるうち第一順位の物件数は二千三百八件、八三・六%となってございます。
○海野義孝君 もうちょっとその点お聞きしたいんですが、時間もあれですので。 次に、今いろいろ法律がつくられつつあるわけですけれども、そういった中で、先般の太平洋銀行の場合は、いわゆる母体行といいますか関係銀行で新しい、わかしお銀行でしたか何かおつくりになったというんですが、あれもまた一つ別の行き方ですね。いわゆる従来的な母船中心の船団方式みたいな感じがしないわけでもないんですが、それはそれとしまして。 あの場合、昨年の三月時点では厳しい経営であるということは言われておりましたけれども、この太平洋銀行、昨年三月期時点でのディスクロージャーの際の不良債権の額とその分類別の内訳。この分類別というのは、いわゆる破綻先とか延滞債権であるとか、それから金利減免、こういう一般的に通用しているというかわかりやすい分類方式ですけれども、それでいうと、そのときにはどのぐらいであったか。それから、実際に今回破綻した時点での不良債権の額と今申し上げた分類別の金額、これを比較して教えていただきたい、こう思います。
○政府委員(西村吉正君) まず、太平洋銀行の処理につきましての考え方でございますけれども、新聞等で相変わらずの護送船団方式ではないかという御批判があるのは私どもも承知をいたしております。しかしながら、私どもはそのような理解はしておりませんで、従来、こういう事例につきましては関係の金融機関が合併をするとか、そういう形で処理をしてくることが多かったわけでございますが、今回は一たん清算をいたしまして太平洋銀行というものは消滅をさせるということにいたしております。 そうした上で、わかしお銀行という名前になりましたが、この資産等を新たに設立いたしました組織に事業譲渡をいたしまして、そこで全く新たな主体として再出発をする、こういうことにしたという意味では、一たん消滅させるという意味で従来とは違った形であろうかと考えております。 しかしながら、その設立する場合に、関係金融機関、都銀四行がそれを支援する形で設立をしたというところが恐らく護送船団方式という御批判を受けているんだろうと思いますが、金融制度調査会の答申におきましても、そういう破綻処理に際して預金保険機構、預金保険料等に依存する前、すなわちみんなに迷惑をかける前に、まず関係の深いものが最大限の努力をすべきではないか、責任の少しでもあるものに最大限の負担をさせるべきではないか、こういう考え方になっておりまして、この都銀四行については従来から太平洋銀行の経営について参画をしておられたということもあってその処理について御支援をお願いした、こういうことでございます。あくまでも、それは預金保険に過大な負担をかけないようにという考え方に基づくものでございます。 ところで、破綻先債権の額でございますけれども、平成七年三月末におきます破綻先債権は二百七十五億円、平成八年三月末の破綻先債権が二百四十億円でございますけれども、これは破綻先債権のみでございます。今回の破綻に際しまして、他の問題債権をもすべて含みまして、要処理額は約千九百億円の処理を行う等の決算発表が行われております。
○海野義孝君 時間がなくなりましたので、もう一つ二つで終わります。 金融関連法案については、先ほど金田議員から詳細にわたっての御質問があり御回答もありましたから屋上屋を重ねるのでしませんけれども、今お聞きしたのはたった一つ、いわゆる早期是正措置の問題に絡んで実は私お聞きしたわけであります。 実は、昨年も夏に木津信組とかそれから商銀が破綻したわけでありますけれども、実は両社につきましても、その数カ月前、三月の時点で発表されていた不良債権といいますか、そういったものの額に比べて、はっきり数字を覚えておりませんが、例えば六百億とか七百億ぐらいの不良債権を抱え込んでいたのが、倒産してみたら一兆円を超えていたという問題があるわけです。 私は、住専についても思うんですけれども、この数年の間に、最初は破綻先債権というのがぽっと発表された。そうしたらそのうちに今度は延滞債権というのが出てきた。その後はまたぽかんと今度はいわゆる金利減免債権が出てきたということでありまして、この金利減免債権はいわゆる公定歩合によってスライドして動くものですから、それ次第によっては金利減免債権というのがぽかっとふえたり減ったりということでして、不良債権の実態が大変掌握できないという代物だと思うんです。 それで、今回の金融三法の中のいわゆる経営健全化関連法案の中の早期是正措置というのですが、この中でうたわれている法の精神というか、自己資本比率の問題あるいは日常モニタリングをすると、まことに結構なことでありますけれども、問題は、そういった自己資本比率であるとかそういう企業の実態、銀行の実態というものが、さっき申し上げたような今回の太平洋銀行とか、それから昨年の二つの信組等の場合も著しく違うということは、その実態を知っているのは金融当局であって、国民は知らしむべからずよらしむべしということであるならば、自己資本比率とかそういったものが発表になったとしても、これを具体的に知る連中はこういった数値に明るい連中しかわからないわけです。そうすると、ある日突然にこれが、五つか六つのランクになりそうですけれども、二つ目ぐらいが一応正常な段階ということですが、それ以下になっていくと業務停止を命ずるとか、こういうことになっていった場合に、実はそういった数字というものが、これまでの行き方でいうとある段階から急速に悪くなってくるというような、裁量の点とルールの点との間にギャップが出てくるというおそれが私はあると思うんです。 そういった意味で、この金融法案については一つしか申し上げませんけれども、早期是正措置の基準、こういったものについてはこれを何か省令であれするとか、具体的な実施は再来年の四月からとか言っておりますけれども、その間においてもしかおかしくなるような信組とかいろいろな金融機関が出てきた場合には一体どうするんだという問題あたりについて、もっと国民にそういった企業の実態、金融機関の実態というものを正確にやはり知らしめていくということが私は必要ではないかと、こう思いますけれども、最後にその辺についての御所見、御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 今、ディスクロージャーの重要性について御指摘がございましたが、私どもといたしましても、当初、破綻先債権ということでディスクロージャーを始めました。その段階ではまことに不十分であるという御指摘もあり、延滞債権も含め、また昨年の夏からは金利減免債権まで開示するということで、今ようやく不良債権の全貌をお示しすることができるようになったと考えております。 ただ、御指摘のように、その中でそれでは公定歩合以下のものだけを金利減免債権と考えていいのかというような御指摘もあろうかと存じますけれども、今のところそういう基準で、横並びの比較ができるようにという考え方で臨んでいるわけでございます。 ところで、今回お願いをしております法案の中での早期是正措置の基準となる自己資本比率でございます。全く御指摘のように、自己資本比率というものの指標が適切なものでなければ、このような方法は何の意味もない、あるいは適切な措置ではないという結果になりかねないわけでございます。そういう意味におきまして、私どもは、その自己資本比率、すなわち財務諸表が経営の実態を示すようにするためにどのような努力をするのかということは、我々に課せられたあるいは金融機関に課せられたまことに重い課題であろうと考えております。 私どもといたしましては、検査等を通じまして、金融機関が経営実態をできるだけ適切に示すような財務状況を公表するように努めるとともに、また金融機関自体におきましても、みずからそのような自己監査によりまして、あるいは外部監査というような手法も含めつつ、適切な財務内容の公表をするように期待をされているもの、そういうことが今回の早期是正措置の前提となるものと考えているところでございます。
○海野義孝君 同僚議員からもう二、三分時間をいただきましたのでちょっと申し上げますが、最後に総理に御所見を賜りたいと思います。 私は長く兜町におりまして、栄枯盛衰大変激しかったわけでありますが、私がこの世界に来るまでの最後のころは大変惨たる状況でありまして、私も経営の一角を担っていた者としてまことにざんきにたえないわけでありますけれども、数年前まで言われたことは、世界の三大金融センターということでニューヨーク、それからロンドン、日本と。また、株式市場においても同様のことが言われましたし、ある時期においては、東京株式市場における出来高あるいは時価総額の比率で見ましてもアメリカを抜いたというような時代もあったわけでありますけれども、それがバブルの発生と崩壊の過程を通じて、まさに日本の金融、証券というものが大きく瓦解したというように思います。 そうした意味で、まさに昨年来、これから二十一世紀にかけて急を要しますけれども、私は、日本の金融システムの安定化というようなことで大蔵大臣が満足していたんでは大蔵大臣は必要ないと。金融システムの強化、国際的な金融市場で十分に太刀打ちできる優等生としての、そのためには日本がまさに金融システムを強化しなくちゃならぬ。 そういう意味で、さっきの太平洋銀行、関係者の方には差しさわりあると思いますけれども、何とかして取り繕っても、それこそがんにサロンパス張ったってがんはがんなんですから、そういったものを延命していくというようなやり方はとるべきじゃない。もっと厳しく、また国民の自己責任も今から徹底をし、それを国民によく知らしめて、そして早くペイオフ、そういったことによって日本が国際的な同じ土俵で戦えるようにしていただきたい。 そういう意味で、総理のこれからの御健闘を期待したいと思いますけれども、最後に一言御決意をお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員御自身の実体験の中からの貴重な御提言と受けとめて今拝聴をいたしました。 型どおりで御答弁を申し上げますならば、こうした現在の不良債権問題の処理を早期に行うことにより、さらに金融機能を十分に発揮させるためにも、市場規律に立脚した透明性の高い新たな金融システムを早期に構築する必要があり、そのために、現在御審議をいただいている金融関連諸法案を提出し御審議を願いながら、これが一日も早い成立を願うといったことを申し上げるべきなのだと思います。これも事実であります。 しかし同時に、私は先ほど議員が言われました言葉に非常に引かれましたのは、ただ単に今までの信頼を回復するといった程度でとまるものではない、市場そのものをより強化することを考えろという御指摘でありました。そうした目で日本の市場を眺めましたとき、私は一つの問題点があるように思います。 今日まで我が国のそれぞれの市場は国民の資産運用の場としては十分の機能を果たしてまいりました。しかし一方で、新たな業を起こすその資金調達の場としての機能は必ずしも明るいものであったとは申せません。アメリカにおけるNASDAQにおいて、ハイリスク・ハイリターンを承知で資金が投入される、その資金を活用して新たな業が次々と起こされる、そしてその中から世界を率いるような企業が育ってきた。果たして我が国の市場がそうした新たに業を起こそうとする方々に対して資金供給の場として適切であったかというなら、私は実は反省すべきものがあると考えてまいりました。 今後新たな金融システムを再構築してまいりますプロセスにおいては、国民の資産運用の場としての健全性を確保するとともに、新たな業を起こす場合の資金供給の場として多様な資金需要に対応し切れるような市場を構築していくことが我々の責務であろうと、そのように考えております。 院の御支持を心からお願いを申し上げる次第であります。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。 以上で終わります。(拍手)
○阿曽田清君 平成会の阿曽田清でございます。 総理を初め久保大臣、大原大臣、長時間にわたりまして大変御苦労さまでございます。あとしばらくの間おつき合いをいただきたいと思います。 私は、住専ができてから今日までの経過を踏まえて、その中で私なりに感じたことを申し上げて、それなりに反省をするところは反省をし、そして今後の取り組みについての御提案もさせていただきたいと思います。 あえてその年月を申し上げたいと思いますけれども、昭和四十六年から四十七年にかけて日住金を初めとする四社が設立をされました。そして、昭和四十八年五月に大蔵省告示第五十三号によって大蔵大臣の管轄会社として指定になりました。そして、同じ四十八年の七月、銀行局長通達で四半期ごとに融資の実態を大蔵省に報告義務づけをされました。十二月には、金融制度調査会で住専は存在意義があり、育成が望ましいという答申まで出されております。翌年の昭和四十九年、住専に住宅抵当証券の取り扱いを認めておられるし、その翌年の昭和五十年に、住専を銀行の関連会社と位置づける旨の銀行局長通達が出されております。この経緯を見ましても、大蔵省が住専を手元に置いて肝いりで育成をされてきた姿が見えるわけでございます。 そのときに、五十年から五十一年にかけて、後発であります第一住金を初め日本ハウジングローン、地銀生保住宅ローン等が設立を見ておるわけであります。この住専の歴代の経営陣が大蔵のOBであったことからいたしましても、まさに大蔵省が産ませて育てたという関係ではなかったろうかなと、そのように私は感ずるわけであります。 そして、いよいよ問題になりましたのが昭和五十五年十月十六日、大蔵省銀行局長と農水省経済局長通達、農経A一四三五号、農林系が深まりに入り出した大きな要因のこの通達であります。銀行局長と経済局長の連名で出されたこの通達で、農協法で貸し出しが制限されている組合員外貸し出しの適用外の金融機関に住専を認めたことであります。 私は、地元で農協長もいたしておりますが、我が農協では貸出額の五分の一以内、これがいわゆる員外貸し出しの枠であります。我が県信連では百分の二十、これが員外貸し出しの枠内であります。県信連におきましても、いわゆる公共団体ならば幾らでも貸していいわけでありますが、土地改良組合とかあるいは一部公共団体が投資をしておる団体等に対しては、出資金の百分の三十五以内というふうに決まっておるわけであります。いわゆる準公共団体に対しては出資金の百分の三十五というふうに決まっておるわけでありますが、この百分の三十五、我が県信連からすると約五十三億が限度なんです。それを我が県信連は四百五十億貸し出すことになったというわけでありますから、まさにその枠を撤廃した、そして金額は天井上りになって貸し出すようになってしまったという、この通達が非常に県信連がぬかるみに入り出した一つの大きな要因ではなかったかと思うわけであります。 翌年の六十一年九月、日本住宅金融が東証一部上場、BIS規制がそのときに実施されております。平成二年の二月に第一住宅金融が東証二部に上場された。そして、ここでまたいわゆる総量規制を三月二十七日に大蔵省銀行局通達で、不動産、建設、ノンバンク向け融資に報告義務を課し、不動産関連融資の伸びが融資総額の伸びを上回ってはならないという不動産業融資総量規制が出されたわけであります。ところが、農林系は農林系の金融機関として規制の対象から外された。その結果、平成二年末には前年比五四%増、三兆円にも達したわけであります。 平成三年の十月、そして平成四年の二月までの間に、地銀生保住宅ローンの再建計画が策定され、その後、平成四年の二月までに残り六社の第一次再建計画が策定されたわけであります。時を同じくいたしまして第一次立入調査が行われておりますが、この第一次の調査の結果はいかがであったわけでしょうか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 第一次調査の結果は、既に国会にも資料としてそのものを御提出申し上げているかと存じますけれども、当時、既に住専の経営については問題点が指摘され始めたころでございまして、バブルの崩壊のまだ端緒でございましたけれども、不動産融資を中心といたします住宅金融専門会社の経営については懸念が示されているところでございます。
○阿曽田清君 私がその資料をいただきまして、総合トータルとして計算してなかったものですから、ずっと七社の分を計算をいたしました。これは間違っているかもしれませんが、おたくの方で出した数字の確定分の四社の分、これで既に六百七十二億円の債務超過になっております。あと三社分が出ておりませんので、その推定をかけてみまして、私の計算でいくと二千百四十億円の債務超過になっておったわけであります。 これは、私が風聞したことでこの場で言っていいかどうかわかりませんが、調査に当たった人の中には、これは食いつぶしたと言われた向きの話も風間でありますが聞いておるわけでありまして、まさにその時点で紹介融資や個人住宅ローン等の移動があったのではないかなと、そのように思うんです。このときにちゃんと処置をしておれば、同時に行われた再建計画、魂を入れた再建計画であったならば、今日こういうことに至らなかったんじゃなかろうかと私は思うんですが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 住専といえどもあくまでも民間の会社でございまして、しかも銀行とか信用金庫と異なりまして、これは非常に厳しい規制の枠内にある会社というよりも、むしろ一般のノンバンクよりもさらに自由度の高い経営体でございますので、あくまでもまず経営者の判断ということが優先されるべきことは言うまでもございません。 第一次調査あるいは第一次再建計画の段階におきましては、当時の関係者の判断といたしましては再建を図るということで経営に取り組んでいたわけでございますので、そういう経営者の判断というものが尊重されるべきものであるということはやむを得ないものと考えております。
○阿曽田清君 この時点で、これは寺村局長の前の土田銀行局長名で立入調査をしたいわゆる報告書が出されておるのは御存じですね。これは平成四年に出されているんですが、平成三年の十一月三十日の時点での調査になっておるようでありますが、もう既にこの土田銀行局長名で住専に出されたときは、数々の指摘があり、いわば問題ありと。ある意味では勧告的な内容を持つ報告書なんですけれども、それを実行させるということはできなかったんでしょうか。大蔵大臣、どうなんでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) その報告書は、先ほど申し上げましたように、既に国会に御提出申し上げておるものと同じものでございまして、住専各社に提示をいたしました報告書そのものを国会にも御提出しているわけでございます。 住専の行政との関係について申し上げますならば、今申し上げました調査の権限というものは法律上与えられているわけでございますけれども、その結果、例えば業務改善命令を発するとか、ましてや業務停止命令を発するというような権限は、これは現在の法制上は行政に与えられておりません。銀行とか信用金庫とか、そういう組織に対しては業務改善命令、業務停止命令を発することができるわけでございますが、住専に対しましては、調査権限は与えられておりますけれども、それ以上経営に対して指示をするという権限は行政には与えられておりません。 私どもは、だからといって行政の責任というものをないと申し上げるつもりは全くございません。広い意味での金融機関、金融組織の一環として、金融行政の対象として責任を持って対応しなければいけないものであるということを前提といたしましても、今御指摘のそのような状況を見た上で何らかの措置を講ずるべきであったかどうかという点につきましては、業務の停止とか業務の改善という措置を講ずる手段というものがなかったという点も御理解を賜りたいと存じます。
○阿曽田清君 私は、あえて最初からずっと経過を申し上げましたのは、いわゆる親子関係みたいに、四半期ごとに報告もさせ、いろいろと手厚く対応を講じてこられたそういう住専というものは一般の会社とは違うでしょう。そういうかかわり合いを持ったところであったんでしょう。ここだけ会社だから別だと、こういうような形でお答えになってもちょっと困るわけなんですが、私はその時点で判断が甘かったんじゃなかろうかなと思うんですけれども、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(久保亘君) 住専の設立段階からの節々の経過や行政のかかわり方について、今御指摘の上で御質問をいただいておりますが、住専が設立されまして、そして住専が業務を広げていきます段階まで、国の住宅政策とこれはマッチするものであったと思っております。 その後、状況が変わっていくわけでありますが、そういう変わっていきます段階において、母体行のかかわり方というものは非常に問題があることを申し上げてまいりました。同様に、それらの状況の変化や、また経営そのものに対する検査の結果等について、適切な行政の指導等が行われたかどうかというようなことについては、私は結果として行政がその責任を負うべきことはあると考えております。
○阿曽田清君 そういう大蔵大臣の御答弁で、私もそれなりのやっぱり自覚といいますか、ある意味では組織の反省、これが必要だろうと思います。 次に参りますけれども、そして平成五年二月三日、今までいろいろと議論されておりました大蔵省寺村銀行局長と農水省の眞鍋経済局長の覚書が交わされたわけであります。そして、二月二十六日、日住金の第二次再建計画を初め、六月十六日まで地銀生保住宅ローンの七社の第二次再建計画がつくられました。そのときのものは、延命策として金利の減免ということにあったわけであります。 このときに、平成四年から平成五年にかけて、農業界の方も住専の厳しい事態がわかって、いわゆる融資の引き揚げという行動に入ったわけであります。我が熊本県が一番厳しく引き揚げを要求したと聞いておるわけでありますが、この覚書と、先ほど誓約書の話もありましたが、大手銀行の念書、御存じだと思います、そして各母体行からの要請文書、これを出して地元の信連の説得に当たったわけです。 私の地元の信連の方々に聞きますと、大手銀行の子会社で国が責任を持つという、それを信用しなければ何を信用しますかと。うちの会長が申し上げるには、住専がつぶれるときは日本国がつぶれるときだと、部長もまた会長もそう信じておったわけであります。 そのときは、恐らく口頭でありましたけれども、住専や母体行の支店長あたりがよくおいでになっていたようでありまして、BIS規制の問題やらあるいは総量規制の問題やら等でなかなか裏保証もできないんだといったような話等は口頭であっていたようであります。まさに信じてしまった。これは、覚書も、そして念書も要請文書も出されて、そして今までの経過からして、住専がつぶれるときは日本国がつぶれるときだと言わしめたその今日までのいろいろな、確定した証拠にはきちんとならないけれども、しかし、それを出してしまえば本当に信頼してしまう、そういう思いに駆られて引き揚げをしなかったというのが現実であります。 農林大臣、農林系をこのような形で説得したということに対してどうお考えになられますか。そして大蔵大臣、覚書、念書、要請文、そして住専や母体行が要請して回ったことなど、大蔵大臣ならばどのように受けとめられますか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(大原一三君) 委員、第一線で苦労なすって、そのときの事情を私よりもよく御存じのようでございまして、私も大臣になりましてからその辺の経緯は十分研究をし報告を聞かせていただいたわけでございます。あの覚書によりますと、金利減免以上の負担は迷惑はかけません、これ以上の負担が出た場合は母体行が責任を持って再建をいたしますと書いてあるんですから、正式の債務保証ではなくても、やはりそんな気持ちになる文書であったと、私はこう思っております。
○国務大臣(久保亘君) 政府委員の方で今の問題に関して実務的なことでちょっと御報告を申し上げた後、私がお答えいたします。
○政府委員(西村吉正君) ただいま委員の御指摘の融資の引き揚げの問題につきまして、なぜ当時の担当者がそのような覚書を結んで状況を収拾しようと図ったかということについてひとつ御理解をいただきたいと存じますけれども、もし当時、系統であれ、融資を行っている者が融資の引き揚げを行ったとしたら、恐らくその時点で住専は破綻をしていたでありましょう。そのような処理をするということも一つの方法であったかもしれません。 しかしながら、当時の関係者の理解は、ここで破綻をして、その場合には恐らく系統の融資もお返しできないような事態になったでありましょうが、そのような処理をするということが当時の状況としては適切でないというような状況の中での関係者の努力であったということも御理解をいただきたいと存じます。
○阿曽田清君 私の質問はちょっと違うんですけれども、大蔵大臣はそういうふうに……
○国務大臣(久保亘君) 第二次再建計画をめぐってのいわゆる覚書、念書、こういったような文書につきまして、この住専問題を国会で御論議いただきました当初から何回も議論があったところでございます。 私は、覚書にいたしましても念書にいたしましても、いわゆる元本の保証を明文化した、そういう効力を持つ文書ではないと、このように思っております。しかし、これらの覚書がつくられ念書が書かれた状況としては、これが系統金融機関の関係者に元本の保証を意味するものだという期待感を持たせたことはそのとおりであろうと思っております。 しかし、これらの問題をめぐって、例えば今、これは例としておっしゃったのだと思いますが、住専がつぶれるときは国が滅ぶときと、本当にそういうような前提を置いて系統の金融機関の経営者が物を考えてこられたとすれば、これは金融機関の経営者としてはいささか問題があるところであろうと、私はこのように思っております。
○阿曽田清君 私が大臣に聞いておりますのは、そういうふうに思わせる、信連側にそう思い込ませるような、その文書だけじゃないですよ、さっきも言った要請文から、支店長あたりも行っていろいろと口頭で話をされた、事情も言われた、そう思わせたということは、やっぱりそれだけの裏づけというものを信用したことじゃないかということなのでありますから、もし大蔵大臣がその受け側だったとしたらどう対処されましたかという私は質問をしたんです。 それで、もう時間がありませんから先に行きます。 このような、大蔵省は大蔵省の解釈、そして農林省は農林省の解釈、さらには住専は住専の解釈、農林系は農林系の解釈、それぞれ自分たちが解釈したことは、そのとおり真っすぐ判断してそう解釈したと思うんです。ある意味では、汚い言い方をしますと玉虫色の覚書になってしまった。このような無用な混乱を招くような覚書、聞くところによりますと各省庁間では頻繁にやっているなんという話もお聞きするわけでありますが、省庁間ならいざ知らず、外部の組織や国民にかかわる件については行っちゃならないことだと思うんです。 今後、こういう覚書は、省庁間ならいざ知らず、外部の組織、外部の団体あるいは国民にかかわり合うような覚書というのは私は交わしちゃならないことだと思いますが、総理大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本院においてもお答えを申し上げた記憶がございますけれども、証券不祥事の起きましたとき、なぜこんな事態が起きたのかという反省の一つに通達行政、覚書行政というものがございました。そしてそのとき、覚書集を持ってこさせましたところ、こんな高さになるぐらいございました。ところが、それを現実に証券業協会あるいは証券取引所の業界の自主ルールの中に移しかえをしまして、必要なものだけをむしろ法律の中に取り込もうといたしましたところ、形の上では実は許認可の件数はふえたわけでありますけれども、これぐらいありましたものが実際はこんなに減りました。 そうした経験を考えてみましても、議員から今たまたま覚書が問題になっておりますけれども、覚書だけではなく、いわゆる行政通達というものも含めまして、私は行政のあり方は変わっていかなければならないと思っております。そして今後、こうした問題を発しやすい、こうしたものはもう論外だと思いますけれども、覚書行政あるいは通達行政という行政の手法そのものが私は改められていくべきだと思います。
○阿曽田清君 総理の御答弁を聞きまして大変心強く思います。行政改革もこういうところから第一歩を確実にひとつ積み上げていただきたいと思います。 続きまして、さらに申し上げますが、平成五年の三月、大蔵省は農林中金との幹部の話し合いで、そのときも元本の保証をする旨の発言を農林中金にはされておるように私は組織の人間として承っておるわけでございます。その後、平成七年の八月、第二次立入調査の結果、七兆五千億の不良債権があったということで、十二月に住専問題の具体的処理方策が閣議決定をされたということであります。 今まで申し上げてまいりました中を整理しますと、住専を産んで育てたのが母体行、住専を産ませて育てたのが大蔵省ですよ。いわゆるお父さんが大蔵省で母親が母体行ですよ。まさに今まで経過を述べてきた中ではそうとらえるのが自然じゃないかと思うんです。しかも、大蔵省のOBの方々が、社長二十六人中十人までがOBだったんです。八〇年代まではほとんど社長をされていて、その後は一社になってしまったわけです。 大臣、私は両親としての、お父さんといいますか、それだけ大蔵省の責任は極めて大きいと思うんです。もちろん母体行もこれは責任が大きいと思いますが、先ほども大蔵大臣は行政の責任の重さも強く感じておるというふうにお話になりました。どのように今後行政責任をとっていかれるおつもりなのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(久保亘君) 母体行が母で大蔵省が父ということになるのかなと。よって、大蔵省が母体行に余り恋をしてはいけないのだと私は思っておりまして、この関係というのは非常に緊張関係になければいけないものだと考えております。 もし、そういう監督庁と業界であります金融機関の側との関係が、阿曽田さんが今おっしゃるような関係になって住専問題が進んできたといたしますならば、そのことに関しては非常に責任のあることだと思っておりますが、しかし私は必ずしもそういう側面からだけで割り切れる問題ではないと思っております。しかしそれでも、この住専問題のそもそもの始まりから今日の破綻に至りますまでの経過を見ます中で、いわゆる緊張関係にあるべき大蔵省が行政としてきちっと対応してきたか、指導してきたかという点については、顧みて反省しなければならない問題はあるということを私は申し上げたのであります。 その立場からも、住専問題に的確に対応する、早期処理をやり遂げるということが一つの責任の果たし方であり、このことを教訓にして日本の金融のあり方というものについて基本的な立場に立って改革を進める、新たな時代の金融の行政のあり方についても明確にしていくということが責任をとる上で非常に重要なことだと考えております。 その過程を通じて、もし行政機関としてとるべき責任等があれば、これらの問題については私どもはそういう新たな行政のあり方を追求していく中で明確にしなければならない問題だと考えております。
○阿曽田清君 大臣、今までこういう大きな問題になってきたということに対しての一つの責任のとり方と、そしておっしゃられる、これからそういうことを二度と起こしてはならないし、もっといい行政を行うことに対して向かってやっていく責任と、二つあると思うんです。これからの大蔵行政を進めていく上において、今の決意というものに対しては、私もぜひお願いをしたい。 だから、やっぱり過去のものについても、篠沢事務次官がおやめになられたということだけで済んだのかなという思いもありましたものですから、大蔵省の一つのこういう国民にわかりやすい責任のとり方というのがあってもしかるべきかなと、そう思いましたものですから、大蔵省にお尋ねをいたしたわけであります。 今までずっと私はこの住専の問題を見ていまして、今となってもはっきりしないといいますか、私自身まだはっきりしないんですが、貸し手責任の視点というものがまだ明確になっていないと思うんです。今まで述べたとおりに、母体行が出資をし経営参加をして、しかも優良債権の移転も行われており、紹介融資は母体行だけでも一兆七千億、一般行も含めれば二兆八千億。その中で二兆五千億が不良債権、紹介融資ですね、九〇%の不良債権が紹介融資にはある。いわば住専は母体行からある意味では支配されてきておったと言っても過言ではないと私は思います。 住専七社が独自に公正に運営できておったとするならば、私は貸し手責任というものも軽くなってきたと思いますが、この実態からするならば、母体行責任イコール貸し手責任に私は当たるのではないかと思います。レンダーズライアビリティーからいたしましても、今のこのスキーム以上に母体行の責任は私は重いものだと考えますが、まだ国民の理解が得られているとは思っていないとおっしゃられます総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般来、母体行の責任につきましては本院におきましても私自身が何回か御答弁を申し上げてまいりました。その設立のプロセスあるいは人的なかかわり、さらにその後紹介融資等の実態が明らかになる中で、その責任は当然のことながら重いと思います。 しかし、それは私は母体行だけの責任だとは思いません。系統金融機関におきましても、その設立あるいは人的なかかわりといった関係はございませんけれども、言いかえれば設立にかかわるといったような責任は全くありませんけれども、やはり貸し手として、資金の供給側として審査が甘かったといった責任は免れないものもありましょう。 いずれにいたしましても、母体行の責任が私はすべて終わったというようなものではないということだけは間違いがないと思います。
○阿曽田清君 系統が、農林系が貸し出しについてどうだったかというような問題については、私は別の問題として農林系なら農林系でこれは追及されるべきことだと思います。 ですから、総理に、いわば母体行のこういう紹介融資でもこれだけの九〇%焦げつきがある、そして個人住宅ローンもいいものは移転される、まさにこれは独自に住専会社の自主的な公正な形で行われておったんじゃないじゃないかという証拠じゃないか。だったら、母体行からの支配があっておったと見るのが筋ではなかろうかと。 ですから、そうした場合に、私は貸し手責任というのは母体行責任イコールだと思う。ですから、まだ国民から理解を得ているとは思っていないと言う総理だから、そこのところが私は完全に母体行責任イコール貸し手責任ということに、私みたいにイコールだと見れば、すべて明るくなるといいますか、すかっと霧が晴れるような感じがするわけでございますが、その点での支配があったんじゃないかということでお尋ねをいたしたわけでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 逆に私、貸し手責任イコール母体行と言われたものですから、多少問題の意識が議員と食い違ったようであります。 と申しますのは、私は母体行の貸し手責任という言葉で形容される以上の責任が実はあると思っておりました。ところが、議員が貸し手責任から言われましたので、むしろ貸し手責任ということであると、金融機関の中での設立にかかわった金融機関の責任が減殺されてしまう部分が出てしまうんではないだろうか。 資金供給者という意味では、貸し手という意味では、実は系統も同じ部分があるわけです。しかし、それ以上に、みずからの意思で設立を行い、そして役員を派遣し、経営のノウハウを提供し、そして途中から方針を変更して、優良な住宅ローンをみずからの手に握り締め、そのかわりに紹介融資として後にそれが不良債権化するような案件を預けていった。その意味で私は母体行の責任というのは本当に重いと思うんです。 貸し手責任と言いました場合には、むしろ資金供給者全部が横に並んでしまうような印象を私は持って伺っておりましたので、逆に……
○阿曽田清君 貸し手の責任の視点。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、逆にむしろ母体行というものの責任は重いんだと。貸し手の責任ということ、その視点というところに気づかずにお答えをしたことはおわびを申し上げますが、私はむしろ貸し手、いわゆる資金供給者としての立場だけで議論をするのは違うんじゃないか、もっと母体行の責任は重いんじゃないかというつもりでお答えを申し上げたつもりでありました。この点はおわびを申し上げます。 それから、今多少よろしゅうございますでしょうか。 先ほどからの四時三十分現在の状況でありますけれども、病院に搬送されました重軽傷者の数は百八名にふえております。そして、鎮火に向かってはおりますが、なお機体後部を捜索できる状況ではない炎上状態が続いております。 先ほど来、運輸大臣に現地に飛ぶように指示をいたしましたが、同時に福岡空港が閉鎖をいたしておりますため、その経路を選ぶのに非常に困っておりました。そこで、ちょうど五時過ぎに、羽田を既にそろそろ飛び立つころでありますが、熊本空港に飛んでもらい、熊本空港からヘリで福岡へ向かうような方向で現地に運輸大臣を派遣しつつあります。 以上御報告を申し上げます。
○阿曽田清君 総理、大変お忙しいのであとは結構でございます、お帰りいただいて。 それじゃ、引き続き大蔵大臣と農水大臣に御質問いたします。 もう御承知のとおりでありますが、母体行は営利会社であります。農林系は非営利団体であります。その農林系五千三百億円は金融システムの安定化のために必要ということで拠出贈与ということであります。母体行は貸国債権の放棄というだけでは、今までの審議の経過、国民世論の推移を見ましても経営責任の一環としても不十分でありまして、みずからよって立つ金融システムの維持には責任を果たしたとは言えず、一層の負担が必要であると考えますが、いかがでありましょうか。 私は、六千八百億円はおろか、第二次損失分に対して農林系が負担する必要はもうないと確信をいたしておりますが、農水大臣のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。 とともに、きのうの新聞に新たな基金による国民負担軽減の基金が出されております。同時に、橋本全銀協会長も方法の一つとして視野に入れていると昨日お答えになっておられますが、農水大臣は御相談を受けておられますか。
○国務大臣(大原一三君) 新聞紙上等でいろいろの数字が飛び交ったり、いろいろの助成方式が議論されておるわけでありますが、私の段階で具体的にそういうような問題を検討したことはまだございません。 ただ、与党ベースでいろいろの御議論があり、その議論の内容等については承知をしておりますが、五千三百億を超える負担は非常に厳しいという御意見は私もその代表者の方から聞いております。いかなる負担があるのか、まだ系統全体の決算も終わっておりませんし、今後系統自身の方では真摯に検討するというお答えもあるのでありますが、そういう意味で、我々としてもこの問題については慎重に、しかも系統の御意見を十分そんたくしながら、そういうことになれば結論に導いていかなければならぬなと、こう思っております。
○阿曽田清君 午前中に服部先生からも大変厳しい農林系の懐ぐあいのお話がありました。まさにそのとおりでございまして、冒頭申し上げましたように農林系は非営利団体です。収益が出たらみんなそれは単協なりあるいは組合員に返すべき金であります。今度の五千三百億も一農家当たりにいたしますと十五万円、いわゆる農家の方々に還元されるべきお金なんです。それが住専の処理に向かうわけでありまして、まさに農協は組合員の方々の財産なのでありますから、その財産が非常に今減ってきておる。そういう中で一月から三月まで約束してある金利が未払いになっておるということ、そういうこともちゃんと約束を果たした上でないと私は議論はできないのではなかろうか。 今、大臣は真摯に検討というような話もちょっと出ましたけれども、私は、まずは利払いの部分をちゃんと約束どおり果たした上で議論をしていくということなら道筋はわかると思うんですが、今の状態の中で大臣のお考えをもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大原一三君) 三月まで六百億という巨額な利払い金でありまして、御承知のように、系統の一年間の利益が千三百億というと、昨年の決算でありますが、六百億という大変な重荷の金額でございます。したがって、系統はこれを放棄したとかそういうことは一切ない、いろいろ御意見が住専側から来ているそうでありますが、それについてははっきり拒絶をしておりますと、こういうことでございますので、今の段階でそれを放棄するとかいうことは考えていないようであります。
○阿曽田清君 先ほど申し上げましたように、六千八百億円はおろか、二次損失に対して農林系が負担する理由はもう見つからないと私は思いますので、農水大臣としてこれはぜひとも貫いていただきたいと思います。 最後に、久保大臣に質問いたしますが、農林系は金融システムの安定のため五千三百億円贈与しているわけであります。母体行くの金融安定維持のための拠出贈与を求める決意をお聞かせいただきたいと思います。いわゆる母体行に対しまして金融システムの安定化という観点での贈与を求めるお考えはないか。あれば、その決意をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(久保亘君) 国会の審議が始まりました段階から、母体行の住専問題に関する責任は、三兆五千億の債権放棄をもってすべて果たされたということにはならないということを私は申し上げてまいりました。そして、国会で党派を超えて皆様方の厳しい母体行責任に関する御意見もございました。また、この住専問題の処理を早期にやり遂げるべきだということでは御理解をいただきましても、この処理のための財政支出についてさまざまの御批判や御意見があることも伺いました。 そういう中で、早期に処理しなければならないという立場から、政府の提案をぜひお認めいただいてこの処理に取りかからせていただく、同時に極力財政支出を軽減し、国民の皆さんの御負担を圧縮して、なくしていくためにどういう努力をするかということで、母体行に対して追加負担による新たなる寄与について今協議を続けているところでございます。昨日も、事務当局をして銀行業界の代表行の幹部たちとも接触をしていただいておりまして、私といたしましては、この国会が終わりますまでの間に大枠で合意を得られるように全力を尽くしたいと考えております。
○阿曽田清君 久保蔵相、連日で非常にお疲れで、しかも前向きに大変な御努力をいただいておりますことに心から敬意を表します。どうぞひとつ実現に向けましての最大の御努力をお願いいたしますとともに、大原農水大臣におかれましては、私も一農業者の声として、どうかひとつ死守していただきますように、五千三百億以外は出さないというところでの御奮闘をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 大変ありがとうございました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 静かに願います。 先ほどの山下君の質疑に関し、農林水産大臣より発言を求められておりますので、この際、これを許します。大原農林水産大臣。
○国務大臣(大原一三君) 野呂田前農林水産大臣に確認いたしましたところ、平成七年十二月十三日、衆議院予算委員会における新進党米沢委員に対する答弁において、母体行の責任を申し上げる過程で、母体行の大蔵省に対する誓約書の提出と、大蔵省と農林水産省で結んだ覚書の時点を前後して答弁したことについて訂正させていただきますとのことであります。これに関する農林水産省の対応について、心から遺憾の意を表し、おわびを申し上げます。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。 本件につきましては、理事会で協議いたします。 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十四分散会