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136回国会参議院1996/03/15

環境特別委員会 第4号

発言数
63
登壇者
9
会派数
3
開催日
1996/03/15

会議録

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○委員長(大渕絹子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。  この際、申し上げます。  平成会及び新社会党・平和連合所属の委員の御出席が得られておりませんので、理事から出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。  速記をとめてください。    〔速記中止〕

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○委員長(大渕絹子君) 速記を起こしてください。  平成会及び新社会党・平和連合所属の委員に対し出席を要請いたしましたが、御出席を得ることができませんので、やむを得ず議事を進めます。  委員の異動について御報告いたします。  昨十四日、石川弘君、鴻池祥肇君、佐藤泰三君及び西田吉宏君が委員を辞任され、その補欠として林芳正君、亀谷博昭君、武見敬三君及び阿部正俊君が選任されました。     —————————————

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○委員長(大渕絹子君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳浩と申します。  欠席者がいる中でこうして質疑をすることは残念に思いますが、私と自由民主党の同期であります議員がたくさん応援に来ていただいておりますので、折に触れての声援をお願いいたしますが、やじ、怒号、座り込みなどの物理的抵抗は御遠慮願いたいと思います。  本日は、環境アセスメントと野生生物の保護の観点から質問させていただきます。今月の六日、読売新聞の朝刊、この記事をもとに質問をさせていただきます。  「ずさんな環境影響評価のために、イヌワシなど大型猛きん類の繁殖地が大規模開発の犠牲になる例が後を絶たない。環境庁では、調査の具体的なマニュアルを作り、調査の徹底を図る。」、これは地方部の石原健治記者の記事としてあります。  そこで、国が絶滅のおそれのある希少種にしている大型猛禽類が八種類あるということですが、この八種類を教えてください。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) お答え申し上げます。  種の保存法に基づき国内希少野生動植物の種に指定されておりますのは、オオタカ、イヌワシ、ダイトウノスリ、オガサワラノスリ、オジロワシ、オオワシ、カンムリワシ、クマタカ、この八種類でございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 そこで、記事を続けますが、九四年にダム建設計画地周辺で「イヌワシ、クマタカの巣が保護団体の調査で見つかったが、それまで二年に及ぶ環境アセスメント調査では完全に見落とされていた。当時アセス調査は終了直前で、」滋賀県の「環境影響評価審査会が、繁殖地での通年調査を改めて指示する異例の展開になった。」とあります。  ここで三点御質問いたします。  「完全に見落とされていた。」というのは本当なのでしょうかというのが一点。それから、この環境アセス調査の主体はどこでしょうかというのが二点目。それから三点目として、滋賀県の「環境影響評価審査会が、繁殖地での通年調査を改めて指示する異例の展開になった。」と、この「異例」という言葉がひっかかりますので、この間の事情を説明していただきたいと思います。  以上、三点お願いいたします。

大西孝夫環境庁企画調整局長

○政府委員(大西孝夫君) お答えを申し上げます。  一点目の、見落としていたかどうかという点につきまして、完全にというかどうかは別といたしまして、イヌワシ等の営巣地確認が行われていなかったということは事実でございます。  それで、この環境調査を行いましたのは事業者である関西電力でございますが、経緯を申し上げますと、この金居原発電所につきましては、平成六年十月に事業者から滋賀県に対して環境影響調査の準備書が提出されました。この準備書の中では、事業地周辺にはイヌワシ、クマタカの営巣地は確認されていないというふうに実は記載をされておりました。  それで、滋賀県の環境影響評価審査会から、イヌワシ等の営巣地確認のためには、冬場、冬季に谷筋から観察をしないとわからないという指摘がありまして、事業者はその審査会の意見を踏まえて改めて追加調査を行いましたところ、営巣地が確認された。そこで、営巣地が確認された以降、通常、生物調査の場合は必要とされております通年調査を改めて滋賀県が指示をした、こういう経緯がございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 そこで、その通年調査の結果、先月の末に建設に同意する知事意見を経済企画庁に提出したとあります。  それには条件がついておりまして、二点あります。「イヌワシ、クマタカの調査を着工後も続ける」、「繁殖時期は工事を中断する」とありますが、これは守られるのでしょうね。

大西孝夫環境庁企画調整局長

○政府委員(大西孝夫君) 私ども、そのように必ず事業者がやっていただけるものと期待しております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 期待しておりますという答弁なので、ぜひよろしくお願いいたします。  そこで、アセス調査の全体的な仕組みの中で、国、それから自治体、開発側がどのようにかかわっているのかということを、大枠というものをお教え願いたいと思います。お願いします。

大西孝夫環境庁企画調整局長

○政府委員(大西孝夫君) 発電所の立地に際しましては、実は通産省が省議決定を昭和五十二年の七月にしておりまして、題名が「発電所の立地に関する環境影響調査及び環境審査の強化について」と題する決定でございますが、この省議決定によりまして一定規模以上の発電所について環境影響評価が行われる、こういう仕組みになっております。  この環境影響評価の行われたものについては環境庁にも送付されてまいりまして、環境庁は、電源開発調整審議会の場で個々の電源立地の承認をするに当たって、この環境影響評価の結果を踏まえて、公害の防止、自然環境保全という観点から意見を述べさせていただいているわけでございます。  それで、御指摘の金居原発電所の場合、二つ実は仕組みがございまして、一つは通産省省議決定の対象として行われる環境影響評価、もう一つは滋賀県が環境影響評価実施要綱を定めておりまして、その対象事業であるということで行われたもの、その二通りがあるわけでございます。それで、滋賀県はその実施要綱に基づきまして県が審査を行った、こういうことでございます。  具体的にまず申しますと、事業者である関西電力の調査結果について滋賀県が県要綱に基づく審査を行いました。それで、昨年の十二月二十二日に滋賀県知事の審査意見が公表された。一方政府側の方では、経済企画庁から、ことしの一月二十九日に電源開発調整審議会において金居原発電所を電源開発基本計画に組み入れたいという提案があって、環境庁に意見を求めてまいっておりまして、環境庁としては、所要の審査を行った上で、実はきのう、昨三月十四日の第百三十二回電源開発調整審議会におきまして、イヌワシ、クマタカの保護対策等につきまして事業者を指導するよう通商産業省に求めるなどの意見を申し述べまし.た。それに対して通産省からも、環境庁の意見に沿って事業者を適切に指導するという回答があったということでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 わかりました。  県側と国側と二通りの環境アセスがあるということでございますけれども、今回のように自然保護団体がイヌワシの巣を見つけて改めて環境アセスをやり直すという異例の事件になったわけですけれども、こういう問題が起きるのはなぜかということでの指摘がまた新聞になされております。読みます。  「こうした問題を生む最大の理由は、現場を踏まない文献調査の横行にある。」、「過去行われたダム、高速道、埋め立てなど大規模開発に伴う約二百件のアセス調査で、野生生物を対象に現地調査を行ったのは四割に満たない。」ということで、二百件のうちの四割ということですから、読んだ人にとっては非常に少ない、十分な現地調査を行うべきではないかというような意見が出てくると思うんですけれども、これに対しての実態はいかがなんでしょうか。

大西孝夫環境庁企画調整局長

○政府委員(大西孝夫君) 日本の環境影響評価というものは、国の一応の統一的な制度としてある閣議決定要綱による環境影響評価のほかに、電源立地に関する先ほどの省議決定による環境影響評価、それからいろいろな自治体が独自に条例なり要綱でやっておる環境影響評価というようにいろいろありまして、それらのすべてについて現地調査が実施されているかどうかを私どもとして把握は必ずしもしておりませんが、環境庁におきまして平成六年八月までに閣議決定要綱に基づいて行われました二百四十七件の環境影響評価事例を調査いたしましたところでは、哺乳類については、哺乳類を調査対象とした事例のうち七七%は現地調査を行っております。それから、鳥類につきましては、調査対象とした事例の八六%が現地調査を行っております。昆虫類につきましては、昆虫類を対象とした事例のうちの八三%が現地調査をしておる。  そういう意味で、かなりの割合で現地調査が行われておりまして、四割という数字は必ずしも私どもの方からは出てまいりませんけれども、逆にしかし、現地調査をやっていない環境影響評価があるということも事実ということでございます。  それで、私どもの考え方としましても、環境影響評価事例のうちで、例えば既に環境影響評価が行われた事業と同じ敷地や隣接地で事業が行われるというふうに既存の資料で十分情報が得られるというような場合もありますので、すべての場合に環境影響評価をやるべきということには必ずしもならぬのかと思いますけれども、一方で、やっぱり必要な現地調査が行われていないという点が指摘されることも事実でありまして、その点も十分反省をしなきゃならぬことだと思います。  私ども、実は現在、環境影響評価総合研究会でいろいろ検討をいただいておりますが、こういう現地調査の件についても問題点の一つとして今分析、整理をしておりますので、そういう結果を踏まえて検討していきたいと思っております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 四割というのは間違いで、七〇%ないし八〇%行われているということでございますけれども、やはり開発を行うときに一〇〇%現地調査を行うことが地域の住民の皆様方に対して最低限の礼儀ではないかと思いますので、どうでしょうか、これからは一〇〇%行うようにするという御答弁はいただけるのでしょうか。

大西孝夫環境庁企画調整局長

○政府委員(大西孝夫君) 実は、まず閣議決定要綱に基づきます環境影響評価につきましては、その対象事業ごとに各主務大臣が技術指針を定めておりまして、その中で具体的な調査等の指針を定めております。また、発電所の立地については、資源エネルギー庁が発電所の立地に関する環境影響調査要綱によって実施することになっております。  ただ、生物種については、既存の文献または資料により行う、あるいは、文献あるいは資料のない場合または不備な場合は現地調査によってこれを行うといった一般的な原則を示すにとどまっておりまして、これらの指針が必ずしも十分なマニュアルとはなっていないという指摘もあるわけでございます。  そういう状況を踏まえまして、私ども環境庁としましては、今年度、平成七年度それから八年度にかけまして、自然環境に関する環境アセスメント手法の充実を少し図りたいということで、専門家の御意見を伺いながら、自然環境に係る環境影響評価手法の充実に関する調査というものを今実施させていただいております。その結果を踏まえて、今後自然環境アセスメントの充実を図ってまいりたい、そういう中で現地調査というものの位置づけをしっかりしていきたいと考えているわけでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 新聞の記事を続けたいと思いますが、野生生物に関しての現地調査というのは、これはよく考えますと大変技術的に難しいことがあると思います。これは私も認識いたします。  それで、「調査基準が不明確で、現地で、技術情報の不足で貴重な野生生物を見落とす例が多い。」とあります。「このため環境庁は九四年、専門家による保護方策検討委員会を設け、大型猛きん類調査のマニュアル作りに着手。作業は」ことしの「五月完成をめどに、ようやく仕上げ段階に入った。」とありますけれども、これは二点伺いたいと思います。  これは環境アセスメントに関する調査マニュアルづくりでしょうか、それとも一般的な保護対策での調査マニュアルでしょうか。この一点まずお願いいたします。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) 環境庁におきまして、自然保護局の局長の検討会ということで、野生生物保護対策検討会が設けられております。その中に猛禽類保護方策分科会というものをまた設置しておりまして、ここにおきましては、イヌワシ、オオタカ等の絶滅のおそれが強い猛禽類につきまして国内希少野生動植物種に指定いたしましてその保護に努めているところでございますが、昨今のいろんな状況の中で、その種の保存ということがいろいろと問題になっております。そういったことを背景といたしまして、猛禽類の保護の現状と保護方策の基本方向、あるいは種類別の生息状況と保護のための指針、そういったことを検討しているわけでございます。  この検討結果につきましては、報告書としてまとめまして、今後の野生生物保護行政に活用するとともに、各都道府県にも配付いたしまして、開発と調整等をする際の参考にもしていきたい、そのように考えているところでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 一般的な保護対策としてマニュアルづくりを検討しているということで、まだ環境アセスの中における現地調査、その中での野生生物に関する保護対策というものが検討課題だということを伺いました。そのとおりでよろしいですね。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) 先生御指摘のとおりでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 というのは、やっぱり大気とか水質と違いまして相手は生き物でございますし、ましてや猛禽類というのは飛んで歩くものでございますし、その生態も実態が解明されておらないということを承っておりますから、現地調査をするときに数値で、この数値までいけば環境基準に適応するというような大気や水質等のようなわけにはいかないというのは私はわかりますけれども、であるからこそ、立地の際に配慮すべき情報というものはできる限り集めて、そして情報開示をして、そして保護の観点からの対策を講じていかなければならないと思うんですけれども、これに関してはいかがでしょうか。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) 先生御指摘のとおりでございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 さて、ということになりますと、ここで問題として、そういう指針を策定した後のことになってくると思います。その方向で環境庁としては検討しておられるわけですから、では、その技術指針であるとかマニュアルであるとか、できる限り整えた後、ここの対応として二つ新聞にも指摘されております。開発者側の綿密な調査と県など審議機関のチェックがこれから必要になってくるという提言がされておりますけれども、これに関しての御見解をお願いいたします。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) ただいま猛禽類の保護方策のための分科会におきまして作業を進めているということを申し上げました。実は、先生御案内のとおり、この猛禽類の行動につきましてはまだまだ未解明のものもございます。そういうことで、この検討会におきます結果を踏まえまして、もう少し広く調査をさらに進めるというようなことを通じまして今後の開発との調整、そういったことに役立てていきたい、そのように考えております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 よろしくお願いいたします。  けさの朝日新聞を引用させていただきます。「政府は十四日の電源開発調整審議会で、一九九五年度の電源開発基本計画に、関西電力の金居原揚水発電所、東京電力の品川火力発電所など五地点、合計約三百四十五万キロワットを追加することを決めた。」。  まさしくきのう決定したということでありますけれども、電調審と一般に言われておりますけれども、この電調審において環境庁長官の方から非常に強い調子で意見を申し述べられたということでございますので、今改めてこの場におきましてその決意のほどをお伺いしたいと思います。

岩垂寿喜男社会民主党・護憲連合環境庁長官

○国務大臣(岩垂寿喜男君) 先生御承知のとおりに、その事業地一帯は希少な猛禽類であるイヌワシ、クマタカが生息をしている。環境庁としても、事業の公共性ということを、あるいは公益性というものを理解しないわけではないけれども、しかし環境庁という立場に立ってみると、本工事に当たっては生息環境を確保することに最大限の配慮が必要だという観点で協議に応じてまいりました。  事業者の方も、実はそれを受けて道路をトンネルにするとか、あるいは、巣があるところに対して影響を及ぼさないようなさまざまな努力を環境庁としても注文をつけまして、事業者との間で協議をしてきた経過がございます。その結果として幾つかの追加の措置を講ずるということになりました。今、新聞を朗読されましたように、いろんな手だてを講じていくわけでございますけれども、できるだけ工事の影響が及ばないような手だてをこれからも精いっぱいしていきたいと思います。  例えば、これは初めてだと思うんですけれども、約六百八十ヘクタールぐらいを借り上げるか買い上げるかしてその巣を守っていく、そういうふうなことも事業者が、関西電力でございますが、やっていただけるというふうな方向にもお話し合いが進んでおりますので、そのことを期待したいものだと思っています。  今、先生から御指摘いただきましたから申し上げるまでもないんですけれども、まだ生息などについての十分な知見が得られていないわけでございますので、その分布や生態などについての全国的な調査をしてみたいと思っています。しかし、調査している間にも危機が迫っているという事態でもありますから、ある種のガイドラインとでもいいましょうか保護指針、できるだけ早くいろんな知恵をおかりしながらつくっていきたい、そして関係者の理解をいただく、このことがまず第一だと思っています。そして、私どももそのガイドラインに沿って今後対応していく、そんなふうにしたいと思いますので、ぜひひとつ御理解と御協力を賜りたいと思っております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 大変力強い御決意をいただいたので、私たちも協力していきたいと思っております。  それで、こういう野生生物に関しての環境アセス調査の重要性を考えておりましたら、最大の希望としましては野生生物の生息を一〇〇%見落とすことがないようにということが望ましいことでありますけれども、難しいということであります。  私はイヌワシになぜこう目を奪われたかと申しますと、私の出身である石川県の県の鳥、県鳥がイヌワシでありまして、これは県のシンボルでもありますから十分な保護をしていっていただきたい、絶滅しましたトキの二の舞を絶対起こしてはいけないというふうな決意でおります。  そこで、石川県として県鳥であるイヌワシをどのように保護しておるか、この生息状況と保護対策というものを教えていただければと思います。お願いします。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) 石川県におきましては、今先生おっしゃいましたように、昭和四十年に県の鳥に指定いたしまして、県民に大変に親しまれている鳥だというところでございます。  そのイヌワシにつきましては、日本でも有数の良好な自然環境を有する白山を中心といたしました県の南西部の山地の約二十カ所に計約四十から五十羽が安定的に生息分布しているという状況と聞いております。  また、昭和四十八年には白山自然保護センターを設置いたしまして、イヌワシの専門家を配置いたしまして、県の鳥でありますイヌワシの生息状況の把握とその保護対策に努めてきております。県内の分布それから個体数、生息環境や繁殖生態などの解明にこれまで努めてきている、そのようにお伺いしております。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ここで少し宣伝するようでございますけれども、承ったところによりますと、イヌワシというのは冬場に卵を温めて春ごろにひながかえるということで、白山地域になぜこんなにたくさん生息するかと申しますと、雪が深くて余り人が入ることができないんですね。そういう自然条件が広範な範囲に広がっておって、つまりそれだけ自然が守られている地域であるということで、これは石川県として全国に誇れることではないかなと私はありがたく思っております。  それでは、全国的な生息状況とその保護対策というものを環境庁ではどのようにとっておられるか伺います。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) 全国のイヌワシの生息状況それからその保護の取り組みということのお尋ねでございますが、イヌワシの生息数は、環境庁版のレッドデータブックによりますと約三百羽、百二十つがい程度と推定しております。また、近年繁殖成功率の低下が指摘されているなど、種としての安定的な存続が危ぶまれている、そういう状況にあるというふうに私ども認識しているところでございます。  環境庁におきましては、猛禽類の保護方策に関する検討会を先ほど申しましたように設置していろいろ検討しているわけでございますが、イヌワシなどの専門家の参画を得まして、猛禽類の保護に関する指針の策定、そういったものを進めているという状況にございます。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 ということで、関係者の皆さん、もちろん環境庁のそういった努力に対して素直に私は敬意を表したいと思います。  そういう現場の皆さんの努力にこたえるために国会で何をなすべきかという、この点になってくると思います。これは大臣の今回の所信表明の中にもありましたけれども、環境アセスメントの法制化を含めた検討という点になってくると思います。  ここで、三月十日日曜日の朝日新聞の社説を引用させていただきますけれども、日本は豊かな国になりましたけれども、その豊かさというものをGDPやGNPだけで表現してよいものかどうかという表現で、こういう記述があります。環境破壊による日本の損失額は九〇年の経済企画庁の発表によると八兆四千五百億円、国内純生産の二・三%ということで、表面的には豊かになった、経済的に豊かになった国ではあるけれども、環境破壊による損失がこんなに八兆円を超える金額である、これは憂慮すべき事態であるという指摘がなされております。  こういった点を踏まえまして、長官から改めて環境アセスメントの法制化を含めた検討ということに対する決意をお伺いしたいと思います。

岩垂寿喜男社会民主党・護憲連合環境庁長官

○国務大臣(岩垂寿喜男君) 環境影響評価というのは、環境汚染を未然に防止して総合的な環境の保全を図る上で極めて重要な施策だということはもうみんなわかっているんです。これまでも政府としてもそれなりの政策を推進してまいりましたけれども、しかし、やっぱりもう少し総合的な手だてが必要ではないかという政府の方針に基づきまして、先生御存じのとおりに学識経験者による環境影響評価制度総合研究会というものをつくりました。  これは、ちょっと細かくお話ししますと、加藤一郎先生に会長になっていただいて、学者、専門家が十五人ほど加わっておりますが、幹事会というのがありまして、それには環境庁、防衛庁、国土庁、大蔵省、厚生省、農水省、運輸省、通産省、建設省、自治省と、計十省庁の課長級の方々が参加をしていただいているわけです。  だから、法律をつくっていくプロセスから各省庁がかかわっていただく。無論、いろんな議論があると思います。しかし、やっぱりそういう議論をろ過しながら、できるだけ早目に御答申をいただきたいと思いまして、夏には御答申をいただけるのではないだろうかということを期待しているところでございます。  その答申に基づいて法制化を含めてというところに、もう一遍言いますけれども、法制化を含めて対応をいたしてまいりたい、この答申に基づいて対応してまいりたい、このように思いますので、ぜひ御協力をいただきたいと思います。

馳浩自由民主党・自由国民会議

○馳浩君 最後になりますけれども、経済協力開発機構、OECD加盟の先進二十五カ国のうち、唯一我が国が環境アセスメント法を整備していないということでございます。法制化を含めてというお言葉でございますけれども、法制化の方向でというような決意と私は今受け取りましたので、私たちも全力を挙げて支援をしていきますので、ぜひ環境庁としてのお取り組みをお願いいたしたいと思います。  時間が余りましたが、私の質問はこれで終わらせていただきます。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○委員長(大渕絹子君) この際、申し上げます。  ただいまのところ、次の質疑会派である平成会所属の委員の御出席が得られておりませんので、順序を変更して質疑を続行することといたします。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 おはようございます。  私は、昨年十一月に質問をいたしまして、ちょうど陸上活動からの海洋環境の保護に関する政府間会合というのがワシントンで開かれておりまして、そのときにちょうどぶつかったのでございますが、そこで廃棄物の海洋投棄について質問をさせていただきました。  このとき私が得ていた情報では、POPsと言われる、いわゆる難分解有機汚染物質というんですか、これを略して、音楽じゃありませんがポップスと言うらしいんですけれども、このPOPsについて、日本がPOPs規制に反対の発言を続けているのではないかというふうな情報が入っておりまして、これはちょっとまずいのではないかということで質問させていただきました。  結果は、反対の表現をなさったわけではなかったというふうにお聞きしておりますけれども、きょうは私も時間が余りございませんので、その続きといってはなんですが、海洋投棄について質問させていただきたいと思います。  言うまでもなく、大臣よく御存じのとおり、海は非常に精緻な生態系の固まりと、固まりというより集合体でございまして、廃棄物の海洋投棄が海洋環境に与える影響について、これは実はほとんど解明されていないのが事実なんですね。そこへ廃棄物を投棄し続けるという行為は海洋環境保全への配慮を決定的に欠いているものではないかと、私は海はすべての命の源という視点から非常に心配をしております。  九六年から産業廃棄物の海洋投棄が世界的に原則禁止されることになりましたけれども、これで日本の投棄量はどのぐらい減るんでしょうか。

嶌田道夫環境庁水質保全局長

○政府委員(嶌田道夫君) 今、先と言われましたように、昨年政令改正いたしまして本年一月一日から適用になったところでございます。  これもいろいろ計算の仕方もあるわけでございますけれども、一応我々といたしましては、平成五年をベースにいたしますと約二割方ぐらいは数量で減るんではないだろうかと。ただ、これは数量でございますが、種類といたしましては、かなり今回の政令改正によりまして海洋投棄できなくなっております。そういう意味では、これから、いろいろ業界の自主規制などもございますので、言うなればじわじわという形でもって数量が減ってくるんではなかろうかというふうに考えております。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 じわじわと減ってくるというような姿勢ではなかなか減らせないんではないか、なぜ引き続きいつまでもこういう状態を続けているのかと。  私、ここに一つ、これは余り公にされていない表なのかもしれないんですが、これは厚生省がお調べになった表で、実はこれも出していただきたいと思っていたんですが、ちょっと行き違いがあったみたいですが、海洋投棄されている産業廃棄物の分類表、対象となる廃棄物の具体的内訳という表があるんですね。  それによりますと、いろいろ詳しいことが書いてありまして、燃え殻——石炭殻、焼却灰。それから非水溶性無機性汚泥、これは赤泥という、アルミニウムをつくる経過でボーキサイトから水酸化アルミニウムを取り出すときに酸化鉄が出てくるというので赤泥と言われるそうですが、非水溶性の無機性汚泥——赤泥、建設汚泥、浄水汚泥。有機性の汚泥——下水汚泥、しょうちゅうかす、アルコール及び食用アミノ酸などの製造に伴う発酵廃液とか、いろいろ詳しく書いた表がありまして、私はそれを見ているんですけれども、この中で、太字でゴシックで書いてあるものが適用除外されるわけですね。それは、今申し上げた非水溶性無機性汚泥だとか有機性汚泥、廃酸・廃アルカリ、動植物の残燈、家畜のふん尿、こういったものが適用除外されるわけですね、家畜のふん尿などは非常な公害を起こしていると言われているものですが。下水汚泥、この下水汚泥というのも海洋投棄処分に係る判定基準というのは設定されていない。  この適用除外されているものがなぜこういう状態でいつまでも適用除外され続けるのかということを厚生省お答えいただけますか。

嶌田道夫環境庁水質保全局長

○政府委員(嶌田道夫君) 私の方からかわりに答えさせていただきますが、先と言われましたロンドン条約の附属書の改正によりまして、今般、一月一日から産業廃棄物につきましては原則海洋投棄が禁止されたわけでございますが、このロンドン条約におきましても、例えば汚染されていない海底を構成する物質と同等あるいは海洋環境における物質循環に容易に組み込まれるものにつきましては、海洋環境への支障が少ないということで海洋投入処分が引き続き認められているわけでございます。  我が国におきましても、このような条約の考え方を踏まえまして、中央環境審議会で種々御審議いただいた上で先般政令改正したわけでございます。そういう意味で、今先生言われました例えば赤泥でありますとか建設汚泥、それから動植物残渣等につきましては、ある一定の条件はございますけれども、従来に引き続きまして海洋投入処分ができるという規定になっております。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 陸上処分が非常に難しいから海洋投棄をという議論をする前に、海は廃棄物の処分場ではないという、これが認識されなければいけないと思うんですね。  海洋及びその生態系が人間にとって未知の部分を非常に多く残していて、そして投棄した廃棄物による影響を把握し切れない。海の底に捨てちゃうと、もうどうなっているかわからない。そして、海水を通じて汚染が広がりやすい。むしろ船で走りながら捨てているという、それは一カ所に毒物が固まらないように走りながらまき散らしているというような事実もあるわけで、そして回収することがほとんど不可能である。投棄した後のモニタリングが陸上と比べて極端に難しい。  このようなことから、私はぜひ調査、まあ毎年規制評価の調査を行っていらっしゃるそうですけれども、どのような調査が行われているかきょうは詳しくお聞きする暇がありませんが、七五年から環境庁は調査を行っていらっしゃるそうですけれども、七五年からの調査資料ということで毎年私たちいただいているわけではないし、有害物質や沈殿物の廃棄物を投棄した、何はどこへ捨てろという海域がA、Bとかあるようですけれども、非常に心配なんですね。  それで、運輸省から今棒グラフのあれを出していただきましたけれども、このように日本の産業廃棄物の海洋投棄量実績というのはもうほとんど山は変わっていない。これは七四年からですけれども、ちょっとした上下はあるけれども、ほとんど変わっていないんですね、これ。  それで、先ほど二〇%減るというふうにおっしゃいましたけれども、これで二〇%減らすことができるのかどうか、大臣、御決意のほどをちょっとお伺いしたいと思います。

嶌田道夫環境庁水質保全局長

○政府委員(嶌田道夫君) 先ほども申しましたように、先ほどの二割程度というのは一つの見込みでございます。見込みで申し上げたわけでございますが、この見込みを考えるに当たりましても、今後の業界の努力というのもいろいろ勘案しているわけでございます。我々、今回の国内措置を考えるに当たりましても、業界の方からいろいろヒアリングなどをいたしました。そういうことで、業界の努力目標などもいろいろ踏まえまして先ほどそのように申し上げたわけでございます。  大分各業界におきましても、この海洋投入処分につきましては、認められているものでありましても今後は極力減らしていこうという気持ちになっておりまして、業界のそういう努力を我々としましては今後とも引き続き指導していきたいというふうに考えております。  そういうことによりまして、努力目標ではございますけれども、できるだけそういうものを達成していきたいというふうに考えております。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 努力目標ではなかなか実現しないと思うんです。  次に、一般廃棄物、これも海洋投棄されていますね、しかもそれの七〇%がし尿だということですね。これは厚生省にお聞きしましょう。年間どのぐらいのし尿が海洋投棄されていますか。

三本木徹厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(三本木徹君) 直近のデータであります平成四年度では、し尿の海洋投入量は年間二百六十八万キロリットルでございまして、これは収集されたし尿の約七・八%に相当いたします。  なお、七年度見込みを今試算しておりますけれども、これでは百九十六万キロリットル程度になるのではないかと見ております。人口で換算しますと、ほぼ約六百万人程度のし尿の量に該当するのではないかと考えております。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 これはやっぱりこのようにたくさんのし尿が海洋投棄されなければ処理できないんですか。いかがですか。

三本木徹厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(三本木徹君) 私ども厚生省の立場でいきますと、し尿の衛生処理をどう確保していくかというのを一つの柱としてございまして、できるだけ陸上処理をということで努力をしているわけでございますけれども、現実問題として、日々発生するし尿の陸上処理というものが施設の制限等々によりまして陸上ではなかなか難しいということもありまして、一部のものでございますけれども、七・八%に相当するものを海に持っていかざるを得ないというようなことが続いておりますが、年々これは減らしてきておりまして、将来的にはといいましょうか、現在第八次の五カ年計画を議論させていただいておるわけでありますが、平成十二年までにはこれをゼロに持っていきたいということで、すべて陸上処理に切りかえる、こういう方針で対応しているところでございます。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 あと四年ですね。

三本木徹厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(三本木徹君) はい。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 三百万トン近くも海洋に捨てられているものがそうなるかどうか。このし尿の海洋投棄についてはあくまでも暫定的処置と、これは禁止する方向で対処すべきものという答申が中央公害対策審議会から出されたのが七一年ですよね。二十年以上かかっている。  そういうことで、これは大臣の御決意もお聞きしたい。厚生省マターですけれども、環境庁としてきちんと物を言っていかれるかどうかお聞きしたいと思います。  その前に、ついでに厚生省に、これは予告しておりませんが、総務庁が廃棄物対策に関する行政監察結果に基づく勧告というのを出していますね、去年の六月。これで、厚生省が調査方法を指導していないために産廃の発生、処理の手法が一定でなく、各自治体がばらばらだと。調査した二十都道府県では、有害物質を含む産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物のすべてを把握しているものはなかったと。計画の策定についても、策定していたのは二十都道府県のうち十一、しかし、汚泥や建設廃材等の産廃すべてについて減量化見込みを定めているものはなかった。各省がそれぞれやっているが、厚生省がその実態を十分把握しておらず、具体的な指導を都道府県に行っていないと。こういう行政監察を総務庁からもらっているわけですけれども、これについては、突然で申しわけないですが、どういうふうにお考えになりますか。

三本木徹厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(三本木徹君) 先生御指摘の行政監察は、平成三年の廃棄物処理法の改正によります各種の規制強化の定着状況というのを調べるということが背景にあったのではないかと思っておりますが、私どもといたしましては、できるだけ法律改正後の運用におきまして支障がないようにということで、現在まで各都道府県との緊密な連絡のもとで対応してきておるところでございますけれども、細部にわたってのところというのはなかなか、改正後間もないということもありまして、十分ではなかったところはあるかと存じております。  現在、また一方で、産業廃棄物対策全般にわたってより効率的に透明的にどう進めていくかということの議論を開始させていただきたいと思っておりまして、この三月には生活環境審議会の中で産業廃棄物の専門委員会をつくりまして対応策というものを検討していくと、こういうことでやっていきたいと思っておりますが、よろしくお願いをいたしたいと思っております。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 ちょっと時間がなくなってしまいまして、通産省、申しわけありませんでした。  大臣、今のやりとりをお聞きになっていて、海洋投棄に対する御決意をひとつきっぱりと述べていただきたい。

岩垂寿喜男社会民主党・護憲連合環境庁長官

○国務大臣(岩垂寿喜男君) 地球環境の問題が指摘されていますけれども、例えば温暖化であるとかオゾン層の破壊であるとか熱帯雨林の喪失であるとかということの大きな柱の一つとして海洋汚染の問題も取り組んでいかなければならない課題だというふうに思っております。  ロンドン条約でだんだん対策が進められてきたわけですけれども、とりわけことしの一月以降、産業廃棄物の海洋投棄処分が原則禁止ということになりました。漏れ承るところによれば、この秋、ロンドン条約の改正の議論がまた行われるようでございまして、そういう点でも我が国として全面的にこれに対する対応をしていかなければならない時期が来ているなというふうな感じがいたします。  環境庁は、今先生御指摘のように、昭和五十年から調査はしてまいりました。ただ、因果関係が、必ずしも影響があるという結論ではないんですけれども、それにしてもやっぱり海洋環境というのは大変複雑でございますし、不明な点が多いわけでございますので、今後とも調査研究を一層進めながらその対策を進めてまいりたい、このように思いますので、御理解をいただきたいと思います。

竹村泰子社会民主党・護憲連合

○竹村泰子君 終わります。

有働正治日本共産党

○有働正治君 私は、質問に入る前に、我が党としては委員長職権による本日の委員会開会には反対である旨表明してきたことを一言述べておきます。  それと申しますのも、予算案そして国政の中心問題であります住専問題をめぐっての国会不正常については、正常化の努力が、微力ながら我が党は我が党独自の努力として、そしてまたここ数日来、土井衆議院議長の呼びかけのもとでも行われているわけであります。与党三党そして我が党との書記局長‘幹事長会談では、大幅な日程をとって審議する、採決日程を強引に決めないなど合意が図られました。正常化の努力と合意が行われている中で、合意のない強引な委員会開会は不正常な事態に拍車をかけるものであり、やるべきではない、こういう立場でありました。同時に、開かれれば我が党は審議拒否はしない立場であります。  以上、申し述べまして質問に入ります。  まず、環境庁長官に水俣病対策について一言だけお尋ねします。  御承知のように、四十年の長い年月の中で、昨年末、政府解決策が示されて、今もその努力が続けられているところであります。水俣病被害者・弁護団全国連絡会議が三月八日、環境庁長官に対して申し入れを行っているということを伺っています。要は、一人の患者、被害者の切り捨ても許されない、全員救済をというのが中心的な要望で、不知火海沿岸地域等の再生・振興等々が入っているわけであります。  長官に二点お尋ねしたいわけでありますが、こういう被害者の声に対して積極的に対応していただきたいというのが一点。  もう一点は、昨年十二月十五日、総理大臣談話で、政府としてはまことに申しわけない気持ちという態度を表明されています。ところが、当事者であるチッソは被害者に対して謝罪をしていないという状況にあるわけです。これは問題があると私は思うわけです。  今日、住専をめぐりまして母体行の問題あるいは血友病をめぐるHIV訴訟等の中で、企業の社会的犯罪あるいは社会的責任、それが厳しく問われ、それぞれ関係大臣は企業とも話し合いをされるなど、社会的責任を企業は当然果たすよう対応なされているわけであります。その中で、チッソが謝罪していないことに対して被害者の方々は本当にやり切れない気持ちで今なおおられるわけでありますから、そういう点で、こういう被害者の気持ちを受けとめて、大臣としてもこのやり切れない気持ちが解消されるように何らかのしかるべく御尽力が願えないだろうか、こういうことでありますけれども、いかがでしょうか。

岩垂寿喜男社会民主党・護憲連合環境庁長官

○国務大臣(岩垂寿喜男君) 水俣病の解決については、各方面の皆さんの御理解と御協力をいただいてここまでたどり着くことができました。改めてお礼を申し上げたいというふうに思います。  それで、一月二十二日から、熊本そして鹿児島、新潟の三県で水俣病総合対策医療事業の申請の受け付けが行われておりまして、解決策は実行の段階に入っているというふうに申し上げていいと思います。  それで、救済対象者の判定については、各県に対して関係者間で合意された最終解決に従って誠実に対応するようにということを指示してございます。その判断はやっぱり委員会などで行われていくわけでございますけれども、これは有働先生御存じのとおりに、三党合意という形で、今までの審査会の資料だけではなくて、民間の資料、それもあわせて総合判定をしようではないかということに道を開いたわけでございまして、これ自体がある意味で枠を広げているという感じを持つわけであります、政治解決ではございますけれども。  そういう意味で、私どもとしては、三党合意というものを前提にしながら、できるだけ多くの人が救済されるように期待をしたいという気持ちでおります。しかし、三党合意というのがあってここまで来ている経過については有働先生御理解をいただけるというふうに思いますので、ぜひ御理解をいただきたいなというふうに思っております。  それから、チッソの謝罪の問題でございますが、これは私どもが云々して、謝れ、謝るべきだというようなことを言うことではないと思いますが、私は、チッソは最終解決策に合意されているわけでございますので、これは十分に理解をしていると思うし、これから適切な対応が行われるだろうというふうに思っております。謝りなさいといって謝るというのは本当の謝りにもならぬわけでございますから、その辺はチッソの経営者の皆さんは十分承知をしているだろうと私は考えております。だから、環境庁長官として、企業に対してこうあるべきだというふうなことを押しつけがましく言うつもりはございませんが、意のあるところは酌み取っていただきたいというふうに思っているところであります。  以上でございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 次に、希少動植物の保護対策とのかかわりで、先ほど馳委員も取り上げられましたイヌワシの問題を私も取り上げたいと思うのであります。  一つは、環境庁にお尋ねしますけれども、事態が深刻だということはそのとおりで、このままではトキの二の舞になりかねないということが指摘されています。私の出身の熊本でも一つがいしかやはり確認されていないということで、文字どおりトキの二の舞という状況に我が出身県はあるわけであります。環境庁、このトキの二の舞になりかねないということの指摘等について端的にどうお考えなのか。  対策として二点。  イヌワシの保護増殖事業を平成六年度から行っておられることは承知しているわけですが、これを何年くらいの、いわばちょこちょこというような形ではないように、きちっと実のあるものにしていただきたいというのが一点。  それからもう一点は、日本自然保護協会の方々の御意見、その中での対策を馳委員も幾つかお述べになられましたけれども、本当に部分的な開発問題その他、人為的に保護がされないというものについてはもっと踏み込んで対応していただきたい。事前の開発計画の審査、立案の際、保護対策が軽視されている問題、これをきっちりやっていただく。調査が極めて低く検証が不十分であるという問題、科学的根拠、専門家の関与が少ない、そういう点で十分でない調査結果でも通してしまう等々があるわけで、こういうのにメスを入れていただきたいという強い要望があります。  また、日本イヌワシ研究会の方々の御意向をお伺いいたしますと、イヌワシ丸ごとの保護を文字どおり求める、そういうことであります。国有地であれば保護区に指定する、民有地であれば国、関係自治体等々、保護地とするくらいの対応を求めたい、こういう強い要望であります。  簡潔にお述べいただければと思います。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のとおり、イヌワシの生息数は環境庁版のレッドデータブックによりますと約三百羽、百二十つがい程度と推定されております。また、近年繁殖成功率の低下が指摘されているなど、種としての安定的な存続が危ぶまれている状況にあると認識しております。このため、環境庁におきましては、今年度より繁殖成功率が低い西日本地域におきます生息環境等の実態調査を始めました。  また、九州地区のことについてお触れになりましたが、九州のイヌワシ存続のための事業など、イヌワシの保護増殖事業に着手してきたところでございます。イヌワシの生息数が増加して安定的に存続できるようになるためには時間を要するものと私どもも考えております。ただいま御指摘がございましたが、環境庁といたしましても長期的に取り組んでまいる、そういう考えでございます。  また、野生生物保護対策検討会の中に猛禽類保護方策分科会というものを設けまして、猛禽類の保護方策の状況につきまして現在検討を進めております。そういう中で保護のための指針等をこれからまとめようとしているところでございますが、第二点のお尋ねにつきましては、この検討会等の成果を踏まえまして各種の施策を考えていきたい、そのように考えております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 トキの二の舞になりかねない、そういう事態としてとらえておられるかどうかだけ。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) トキのことにつきまして先生からお話しございましたが、そのようなことがないように私どももいろんな検討を重ね、また対策、どういうものをとればいいのかということを現在進めているところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 そこで、また具体的に要望するわけでありますが、民間の自然保護などの活動に対しまして地球環境基金が助成を行って活動を助けている状況があるわけであります。観測機器をそろえるなど、民間団体の活動では負担も大きいだけに、この基金が平成五年度創設されて以来、民間の自然保護団体は大変感謝している状況があります。  基金の「便り」、私も時々見させていただいているわけでありますが、平成七年度では百六十四件の案件、金額で六億円の助成が行われているようであります。イヌワシにつきましても、日本イヌワシ研究会に対し平成五年度から助成が行われ、五年度三百五十万、六年度三百五十万。ところが七年度は三百万円に減って、何とかもう少し要望をかなえていただけないかと関係者が望んでいるところであります。  環境庁自身としましても、こういう団体に協力を依頼するなどしながら希少動植物の保全等々に携わっている、こういう状況もあるわけであります。この「便り」の中でも、基金はまだまだ規模が小さく、民間団体に対する支援も資金的に限られたものになっているということが言われているわけで、こうした活動が今までの規模よりも少なくなるようなことがないように、そしてまた基金がもっと広く活用されるように、環境庁としての仕事ともかかわる問題だけに、改善方なり善処方なりを要望するわけでありますが、いかがでしょうか。

大西孝夫環境庁企画調整局長

○政府委員(大西孝夫君) 今御指摘のとおり、環境事業団の地球環境基金から、イヌワシ研究会に対しましても平成五年の創設以来毎年助成が行われている状況にございます。  金額的に十分かどうかという点につきましては、実はまだ地球環境基金自身の基金の大きさが昨年の十二月末でようやく五十五億に達したという状況でございまして、私ども、今後とも国からの出資に努めるのはもとよりでありますが、広く民間からも基金造成に御協力いただきまして、できるだけ多くのNGOに対して幅広く、かつその必要な額を助成できるようなところまで早く育ててまいりたいと思っておりまして、御指摘の点を十分踏まえながら今後とも基金の拡充に努めてまいりたいと思っております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 いま一つ、クマタカその他の問題もお尋ねしたいのでありますが、日本三大急流の一つであります熊本県の球磨川、その支流と言えます川辺川、この川辺川流域というのは非常に清流でありますけれども、同時に貴重な動植物の生息地であるわけであります。ごの流域では、クマタカ、ヤイロチョウ、オオタカ、ハイタカ、ハチクマ、コシジロヤマドリ、ブッポウソウ、オシドリ、トモエガモ等々が生息しているわけであります。こういう非常に貴重な、しかも絶滅危惧種あるいは危急種に指定されているような生息地域であるわけで、これに対して保護のため環境庁としても実態を一つはよく掌握し、関係機関、団体とも協力して積極的に対応していただきたいというのが一点。  最後に、長官に、こういうイヌワシがトキの二の舞という指摘、そうならないようにということ、そして対策等幾つか私もお尋ねいたしました。クマタカ等々も含めまして、保護のために長官としても積極的に対応する方向での見解を求めるわけであります。

澤村宏環境庁自然保護局長

○政府委員(澤村宏君) 今、調査のお話がございましたが、環境庁におきましては、我が国におきます自然環境の状況を把握するために自然環境保全基礎調査、いわゆる緑の国勢調査というものを実施してきているところでございます。また、種の保存法に基づきます国内の希少野生動植物に指定されました動植物種につきましては、その生息状況や生息環境に関する調査を実施してきております。  今後とも、これらの調査の実施等によりまして、自然環境の保護のためにその実態の把握には努めてまいりたい、そのように考えております。

岩垂寿喜男社会民主党・護憲連合環境庁長官

○国務大臣(岩垂寿喜男君) 昨年策定をいたしました生物多様性国家戦略によりましても、政策目標の一つとして、「我が国に生息・生育する動植物に絶滅のおそれが生じないこと。」という項目が挙げてございます。このために、絶滅のおそれのある野生動植物の保護を目的とした制度である種の保存法の適切な実施が課題と考えております。  それから、今後とも絶滅のおそれのある動植物に関する詳細な調査をできるだけ早く、そして十分に行っていくことがまず基本だというふうに思っています。そして、その上で希少野生動植物種の指定をいたしまして、生息地の保護及び増殖事業などを含めて積極的に実施してまいりたいというふうに思っております。あわせて、野生動植物の生態の把握等、生物学上の知見の収集や実施体制の整備などにも努めてまいりたいと思いますので、ぜひいろんな意味で御協力をいただきたい、こんなふうに思います。ありがとうございました。

有働正治日本共産党

○有働正治君 終わります。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○委員長(大渕絹子君) 現時点におきましても、平成会及び新社会党・平和連合所属の委員の御出席が得られませんので、本日の質疑はこの程度にとどめたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時八分散会

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