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136回国会参議院1996/05/07

科学技術特別委員会 第6号

発言数
65
登壇者
11
会派数
6
開催日
1996/05/07

会議録

長谷川清平成会

○委員長(長谷川清君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る四月十日、上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として太田豊秋君が選任されました。     —————————————

長谷川清平成会

○委員長(長谷川清君) 去る五月一日、予算委員会から、本日の午前の半日間、平成八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  本件の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 私、まず最初に、原子力安全サミットの成果についてお尋ねをいたします。  去る四月の十九、二十日にモスクワで開催されました原子力安全サミットに関し、先日の本会議においてこれに出席された橋本総理から報告がありました。これを伺いましたときに、チェルノブイル原子力発電所事故から十周年を迎えるに当たって、G7及びロシアの首脳が一堂に会し、原子力及び核物質の安全の分野において原子力の安全を最優先することを確認し、国際協力を強化するための有意義な意見交換を行うことができたことはまことに時宜を得たものでありました。同時に、我が国の原子力安全や核物質管理に対する考え方を内外に示す上からもよい機会となったことと考えます。  そこで、今回の原子力安全サミットを科学技術庁としてどう評価し、今後その成果をどのように生かしていこうとされておられるのか、お伺いいたします。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) ただいま委員御指摘のとおり、今回の原子力安全に関するサミットは、世界規模で原子力安全に対する認識を高め、より緊密な国際協力を進めていくという上でまことに有意義な機会であったと考えております。  このサミットにおける首脳間の合意事項として、「原子力安全モスクワ・サミット宣言」等が発表されましたことは大きな意義を有するものだと考えております。特に、原子力の開発利用に当たっては安全を最優先とすべきことを確認したこと、また原子力の安全に関する条約の早期発効に向け各国の締結を要請したこと、それから、我が国が重視をいたしておりますロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄問題についてロンドン条約改正議定書を本年中に受諾する、それまでも引き続き海洋投棄はしないという確約をロシア側から得たこと等はまことに極めて重要な成果であると、このように考えておるわけでございます。  宣言と同時に発表されました「ウクライナに関する声明」において、二〇〇〇年までにチェルノブイル原子力発電所を閉鎖することを確認したことも重要なことだと考えております。  私どもといたしましては、本サミットでの成果を踏まえ、我が国における原子力の安全性の向上に努めるとともに、原子力の安全にかかわる国際協力の一層の強化を図ってまいりたい、このように考えております。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 どうもありがとうございました。  次に、アジア地域の原子力の安全利用についてお尋ねいたします。  今後、世界の人口は開発途上国を中心として爆発的に増加することが予想されており、現在の約五十七億人が二〇二五年には約八十五億人、二〇五〇年には約百億人に達すると予想されております。また世界のエネルギー消費は、開発途上国の経済発展等に伴い急激に増加するものと見込まれております。地球の温暖化を防止しながら増大する需要を賄うためのエネルギー源として、アジア地域を中心として原子力発電を積極的に導入しようという機運が高まっておりますが、これに当たっては何よりも安全確保を最優先とするという観点から、各国において技術の定着が図られるような体制を整備していく必要があります。このため、我が国としてもみずからの知見を活用してアジア諸国を積極的に支援していく必要があると考えますが、アジア諸国の原子力安全の維持向上に向けて、また安全利用について、科学技術庁として今後どのように取り組む考えか、お尋ねいたします。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) 原子力の開発利用に当たりましては 安全性及び核不拡散の確保が大前提であることは申し上げるまでもないところでございます。これらにつきましては、当該国が第一義的責任を負うことは基本ではありますが、同時に国際社会共通の課題でもあり、取り組みの強化に向けた国際協力が重要でございます。  特に、先生御指摘のとおり、原子力発電導入等の機運が高まっておりますアジア地域におきまして、歴史的にもあるいは地理的にも関係の深いアジア諸国間の地域協力が重要な課題でございます。我が国は、これまでもアジア諸国との間におきましては、例えば情報交換や人材交流の促進であるとかあるいは基礎基盤技術面での協力を実施してきたところでございます。  加えまして、原子力委員会が、平成二年から毎年、アジア地域原子力協力国際会議というものを開催いたしまして、この地域におきますハイレベル当事者間の意見交換を継続して実施してまいりました。さらに昨年十二月には、原子力委員会に原子力国際協力専門部会を設置いたしまして、近隣アジア地域等との我が国が行うべき具体的な協力のあり方について検討を進めているところでございます。  加えまして、先般のモスクワ原子力安全サミットにおきまして、橋本総理大臣から本年中を目途に東京におきましてアジア諸国の原子力安全会議の開催を提唱いたしたところでございますが、当庁といたしましても、これまでの経験を生かしましてこの会議が実り多いものとなるよう積極的に貢献をしてまいりたいと思っております。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 次に、ロシアの海洋投棄と放射性廃棄物処理施設についての協力について申し上げたいと思いますが、一九九三年の四月にロシア政府は、過去三十年以上にわたって液体放射性廃棄物の海洋投棄を我が国の近海において実施してきたことを公表し、その後もロシア太平洋艦隊が日本海において海洋投棄を実施したことから大きな国際問題に発展いたしました。今回の原子力安全サミットにおいては、本件に関し、エリツィン大統領がロンドン条約の附属書の改正を本年中にも受諾すること、さらにそれまでの間も引き続き海洋投棄を行わないことを言明したことは当然のことでありますが、これまで海洋投棄を平然と行っていた行為からしても高く評価されます。今後とも、ロシアが海洋投棄を行わなくても済むよう、我が国としても液体放射性廃棄物の処理のために積極的な協力を進めていく必要があるのではないかと考えますが、どうでしょうか。  もう一点。また、ロシアにおける液体放射性廃棄物の処理施設の建設計画と今後の見通しはどうなっているのか、お伺いいたします。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたとおり、先般モスクワで開催されました日ロ首脳会談及びその後の原子力安全サミットにおきましてロシアのエリツィン大統領から、一つは放射性廃棄物の海洋投棄を禁ずることといたしましたロンドン条約の附属書の改正を本年中にも受諾すること、またそれまでの間も海洋投棄は行わないことを表明したことは、政府としても高く評価をしているところでございます。  本来、液体放射性廃棄物の処理処分は、一義的にはその発生国でありますロシアが解決すべき問題ではございますが、ロシアの海洋投棄を防止させるため、我が国としても極東において生ずる液体放射性廃棄物を貯蔵、処理するための施設の建設に協力しているところでございます。  具体的には、年間七千立米の処理能力を有する施設につきまして、この極東におきます液体放射性廃棄物の海洋投棄を将来にわたって防止する上で十分な能力を有する施設、この施設につきまして我が国の協力を行っているところでございますけれども、本施設は本年中を目途に建設を完了する予定となっておるところでございます。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 次に、日本海における放射能調査結果についてお尋ねをいたします。  四万を海で囲まれた海洋国家である我が国にとって、これまで旧ソ連、ロシアが行ってきた放射性廃棄物の海洋投棄によってどのような影響があったのかということは大変気がかりでありました。とりわけ、日本海に面し直接の生活基盤を置く方々にとっては、日々の生活に直結するまことに切実な問題でありました。国としては、我が国国民の健康を守るためにも徹底的に科学的な調査を実施し、これら国民の不安感を一刻も早く払拭する必要があると考えます。  そこで、これまで旧ソ連、ロシアが行った日本海における放射性廃棄物の海洋投棄に対し実施した環境放射能調査の結果について、詳細をお聞かせいただきたいと思います。

宮林正恭科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。  まず、旧ソ連、ロシアが行いました日本海におきます放射性廃棄物の海洋投棄の影響につきまして、それまでの影響につきまして平成五年に日本の二百海里内におきまして、海上保安庁、気象庁、水産庁などの協力を得まして日本独自の環境放射能調査を実施いたしております。その結果は、影響は認められていないということを確認しております。  また、同年十月にロシアが放射性廃棄物の海洋投棄を行ったという情報に接しまして、直ちに同様の関係省庁によります環境放射能調査を実施いたしました。その結果、影響はそのときは見当たらなかったというところでございます。  それから、日本海への海洋投棄につきましては、その後引き続き、日韓ロの三カ国、それから国際原子力機関の専門家も加えまして共同海洋調査を実施してきていたところでございます。  それで、第一回目は平成六年でございますけれども、その結果は七年の七月に公表をいたしました。その結果、影響は認められていないという結論となっております。  また、オホーツク海、カムチャツカ沖の日本海以外の海洋投棄につきまして、第二回の共同海洋調査というのを平成七年の八月から九月にかけて実施をいたしたところでございます。船上におきます簡易測定の結果では特に異常は認められないということでございますけれども、現在、採取いたしました海水それから海底土といったようなへのの詳細を分析しているところでございまして、この結果につきましてはできるだけ早く御報告申し上げるということにしたいというふうに思っております。  今後とも、日本周辺海域の海洋環境放射能調査を実施いたしまして、継続的に我が国国民の健康への影響は監視をしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 今ほどお聞きをいたしまして、我が国国民の健康に対して影響は及んでいないということでありますので安心をいたしましたが、これに気を緩めることなく、引き続き環境放射能調査には万全を期していただきたい、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  また、現在、原子力発電所を運転中の中国、韓国や、軽水炉が供与されることになっている北朝鮮も含め、アジア地域の原子力発電所から生ずる放射性廃棄物が適切に処理、管理されることが重要であります。先ほどアジア諸国の原子力安全への取り組みを伺いましたが、これら地域における放射性廃棄物の適切な処理、管理については、一義的には当事国が責任を持って対処すべき問題ではありますが、我が国としてもこれまで蓄積された知見、経験を生かし積極的に協力していくよう改めて要望しておきたいと思います。これは答弁は要りません。  次に、「もんじゅ」についてお尋ねをいたしますが、事故調査の状況について同僚議員の松村議員から既に幾つかの質問がなされておりましたが、私からも二、三質問いたしたいと思います。  昨年十二月八日に高速増殖原型炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故が発生してから、早くも五カ月が経過いたしました。この事故により、地元はもとより、国民に不安感、不信感を与えてしまったことはまことに残念なことであります。原子力は将来にわたるエネルギーを安定して確保していくために非常に重要であり、それを進めていく上で国民の理解と協力が不可欠であります。損なわれてしまった信頼や安心を回復していくために、まず事故の徹底した原因究明を進め、万全の安全対策を講じていくことが重要であると考えております。  事故原因の究明状況については、本年に入ってから二月に一度調査状況報告が出されましたが、その時点では推定の域を出ないものも多く、引き続き調査検討を進めていくとのことでありました。その後、新聞等では、新たな事実が判明した等の報道が幾つかなされたのであります。  そこで、まず最初にお伺いいたしたいのは、「もんじゅ」事故の原因究明の状況はどうか、また最終的な報告書はいつごろ取りまとまるのか、それをお尋ねいたします。

宮林正恭科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。  これまでの電子顕微鏡等によります破面観察などの調査の結果、温度計のさや管が破損いたしましたのは、温度計さや管の細管部分に生じました高サイクル疲労ということによるものではないか、こういうふうに考えているところでございます。また、振動解析により、細管と渦とが共振するということが判明をしております。  これらの結果から、この段階で断定的に申し上げるのは避けさせていただきたいと存じますが、温度計の設計に問題があったのではないか、こういうふうに考えられるところに至っております。これにつきましては、引き続き現在調査を進めさせていただいているところでございます。これらの調査を引き続き行いますけれども、これら先ほど申し上げました結果を取りまとめまして五月の中旬ぐらいには何とかできないか、こういうふうな気持ちで現在作業を進めさせていただいております。  この報告書をそのタイミングでお出しいたしましても、まだナトリウムの漏えい燃焼試験といったようなこと、それからそれ以外にも一部原因究明の調査は必要だというふうに考えているところでございますので、これらにつきましては引き続き継続して調査をいたしまして、それらの成果を得たところで再度また御報告をするというふうな考え方で現在おります。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 今ほどいろいろ伺ったわけでありますが、特に事故調査は慎重かつ徹底的に行わなければならないことは言うまでもありません。一方で、国民の不安感、不信感を払拭する観点からは、迅速に対応することもまた必要であります。一刻も早く原因究明及びこれを踏まえた万全の安全対策が講ぜられることを強く要望しておきます。  次に、原子力政策に関する合意形成について御質問いたしますが、さて、「もんじゅ」事故に関しては、安全確保のみならず原子力政策そのものにも高い関心を呼び起こしました。特に、福島、新潟、福井の三県知事を初め地元自治体から、今後の原子力政策の進め方に関して提言がなされました。これに対して、内閣総理大臣からの指示を受け、三月十五日に科学技術庁と通産省が「原子力政策に関する国民的合意の形成を目指して」と題する取り組みを発表しました。私は、地元のこのような要請に対して誠意を持って対応し、国民の合意を形成していくために地道な努力を積み重ねていくことが何よりも重要なことと考えております。  そこで、科学技術庁あるいは原子力委員会として、原子力政策に関する国民的合意形成に向け、これまで具体的にどのように対応し、また今後どのように取り組んでいかれるのか、再度お尋ねをいたします。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) 「もんじゅ」の事故を契機といたしまして、立地地域を中心に原子力政策全般について国民的な合意形成を図るべきである、国も前面に出て一層努力しなければならぬというのが三県知事の御提言であった、このように考えております。また、三県知事のみならず、報道等で寄せられるさまざまな世論等々もそういう方向であった、このように認識をいたします。  私ども、関係省庁とも十分協議の上、原子力委員会に御指摘のとおり原子力政策円卓会議というものを設け、他方、いろいろな地域においてシンポジウム、地域フォーラム等を開催する。さらに、原子力モニターという制度がございますが、従来は地方自治体等の御推薦によって五百人の方々に各界各層の方々からお願いを申し上げておりましたが、これからは一般公募等を通じてこれをさらに五百人ふやして御意見を承ろう、こういうような取り組みを発表させていただいた次第でございます。また、そこで得られる幅広いいろんな御意見を伺いながら、原子力政策に的確に反映させることにより合意形成を図りたい、このように考えているところでございます。  具体的には、四月十三日に「もんじゅ」の地元でございます敦賀市において「原子力を語る会」という会を開催させていただきました。市民約四百人の方々と私が直接対話をさせていただいて率直な意見交換をさせていただきました。  また、原子力円卓会議は、第一回会合を四月二十五日に開催させていただきまして、中立的な第三者のモデレーターの方々の御進行のもと、原子力委員会委員に加えまして各界からいろいろな参加者を招聘して対話をさせていただきました。次回も五月十七日、五月三十一日、六月十日と予定をさせていただいておりまして、生活者の立場の方、あるいはまた関係地方自治体の皆さん、さらには原子力政策に批判的な方々も御参加をいただいて、これからも月二回程度の頻度で開催をしてまいりたい、かように考えております。  さらに、シンポジウム、地域フォーラム、原子力モニター等によりまして、まさに今と未来、あるいはまた日本のみならず、先ほどの議論、委員からもいただきましたが、アジア、世界、こういうものも踏まえ、安全と環境、エネルギーということについて、その二十一世紀に向かうあり方について本当に国民的な合意が形成されるよう私どもは全力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 私、立地地域に対するきめ細かい対応をどうされるかということをお尋ねしようと思ったのでありますが、大臣の方からそのことにつきましても今お話を承りましたので、よろしくひとつ今後とも取り組んでいただきたいと心からお願いをし、地域住民の不安を取り除き、そして大事なエネルギーの継続的発展のできるように今後とも御努力を心からお願いを申し上げたいと思います。  そこで、エネルギー問題への対応について質問させていただきますが、原子力政策に関する国民的合意を形成していく過程で、やはり基本に立ち返って、我が国さらには世界のエネルギー問題、またエネルギー問題と密接な関連を有する地球環境問題まで含めて総合的な観点からの議論をしていくことが必要であります。  一九九四年の実績では、我が国の発電電力量において各電源の占める割合は、水力が一割弱、石油、石炭、天然ガス等の火力が六割弱、原子力が約三割と聞いております。今後、長期的、総合的な観点から見た場合、エネルギー政策全体の中外水力、火力、原子力、さらには新エネルギー等の今後の見通しはどうかということについてお尋ねをいたします。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) 今後とも増加し続けます世界のエネルギー消費に対して、そのエネルギー資源の八割以上を海外からの輸入に依存しだければならない我が国の社会経済が、次の世代にまでわたって豊かなそして安定した発展を図っていくためにエネルギーの安定確保は不可欠である、こう考えております。  このためには、まず省エネルギーという努力を、のど元過ぎれば熱さ忘れるではなくて継続的に、また一時大変なこの議論があったわけでございますし、また努力もあったわけですが、同じような熱意を持って取り組んでいくということは非常に重要なことであります。また同時に、太陽光、風力等の新しいエネルギーの開発にも最大限の努力を加えていく。先般、当院予算委員会でもそういう御質疑をいただきまして、私からも通産大臣からも御答弁申し上げましたが、各国の例等々も参考にしながら、また新しい制度的な研究も検討もしながら、こういう努力もしていかなければならぬと思っております。  しかし、現実に太陽光、風力等の新エネルギーにつきましては、御案内のごとく、エネルギーの密度というものがやっぱり火力やあるいはまた原子力と比べまして相対的にはるかに低いということ、あるいはまた天候等自然条件に非常に左右されやすいということ、またコスト等でも、例えば太陽光等では現在の一般的な発電コストの十数倍ぐらいのコストになるということ等々の観点から、まだまだ解決しなければならない課題がたくさんございます。遠隔地や離島などにおける小規模の電源としての普及は十分考えられると思いますけれども、我々が本当に現実問題としてきちんと責任を持って想定していかなければならないごく近い将来ということから考えてみますと、原子力発電、火力発電、水力発電などの現実的な大規模なエネルギー源にかわる役割を直ちに期待するということは困難であろう、こう考えておりまして、そういう意味でも、地球環境問題等々にも配慮しながら、石油や原子力などさまざまなエネルギーを最適に組み合わせていくしかない、このように考えている次第でございます。  地球環境問題の観点では、石油等に比べまして原子力はいわゆるCO2の発生量が八十分の一という結果でございまして、そういう環境問題にも十二分に配慮しなければなりません。  既に、資源の乏しい我が国においては総発電量の約三割を原子力が基軸エネルギーとして担っているわけで、これを直ちに後退せしめるということは現実的な責任ある政策判断からしましてもなかなか簡単ではない、こういうことであろうと思っております。  そういう種々の観点から二〇一〇年における我が国の電力供給の目標としては、水力は約一割、火力は約五割、原子力は約四割、地熱・新エネルギーは二%弱と、このように見通しておるところでございます。  しかし、原子力政策に関する国民的な合意形成に向けた努力というものが何よりも肝要でございまして、国民一人一人にとって、我が国のみならず世界の将来のエネルギーをどのように確保していくべきか、立地地域だとか消費地域だとかそういうものではなくて、一人一人お互い自分の内側の問題として現実を踏まえ真剣に考えていかなければならないときが来ている、このように考えて、先ほど申し上げたような取り組みが重要である、今後そういう努力にまた全力を振るってまいりたい、このように考えておる次第であります。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 今ほど大臣からもお話がありましたように、二〇一〇年度を見ての電力供給目標でありますが、その構成比は、原子力が四二%、石炭が一五%、LNGが二一%、水力が一一%、地熱が一%、石油が一〇%、新エネルギーが〇・四%と、このように構成比を見ましても四二%を原子力に頼らなきゃならぬ。このようなことからいたしましても原子力の果たす重要な役割はおわかりのことと思いますし、今後の進め方については、原子力政策円卓会議等を積極的に開催されて広く国民の意見をくみ上げるなどによって、国民的合意の形成に向けて引き続き努力をしていただきたいと強く要望をいたす次第であります。  次に、科学技術基本法に基づいての質問をしてみたいと思いますが、科学技術基本計画の実施のための財政上の措置についてお尋ねをいたします。  科学技術基本法に基づき、政府では科学技術基本計画の策定作業を進めておられると伺っております。この科学技術基本計画は、科学技術振興施策を総合的、計画的に推進するために極めて重要でありますが、中でも最も大事な点は資金の確保の問題であると考えております。研究資金面で民間に大きく依存している現状においては、今後、官民一体となって研究開発の推進に努力していくことがますます重要になると考えますが、そのためにも、政府研究開発投資の抜本的拡充については関係各界からの期待も大きいものと思われます。  そこで、各界からの科学技術基本計画における政府の財政上の措置に対する意見と科学技術基本計画策定作業における取り扱いについてどのようになっているか、お伺いいたします。

落合俊雄科学技術庁科学技術政策局長

○政府委員(落合俊雄君) ただいま委員御指摘のとおり、科学技術基本計画につきまして、目下、科学技術会議を中心にいたしまして精力的に審議を行っているところでございます。  これまでに大学関係者、学術団体、経済団体、さらには労働組合関係等々から多数の意見が寄せられておりまして、それらの意見におきましては、御指摘のとおり、政府研究開発投資の抜本的拡充というものを求める御意見が多数ございます。  現在、これらの意見を踏まえまして、科学技術会議及び事務局でございます私どもにおきます検討の参考とさせていただいているところでございまして、いずれにいたしましても、政府の研究開発投資の倍増というものを早期に達成できるように努めてまいりたいと考えているところでございます。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 今、政府の研究開発投資の倍増の達成に努力すると、このようなお話でありましたので、ひとつ努めていただきますように心からお願いを申し上げたいと思います。  次に、地域における科学技術活動についてお尋ねをいたします。  近年では、地方公共団体においても地域活性化のために科学技術振興を積極的に推進する動きが盛んであります。科学技術基本法においても、科学技術の振興に関する地方公共団体の責務についてこれを明確化する規定がなされております。  そこで、今度の科学技術基本計画の策定段階において、地域における科学技術の振興についてはどのように位置づけ、どのような点について検討が進められているのか、お伺いいたします。

落合俊雄科学技術庁科学技術政策局長

○政府委員(落合俊雄君) 御指摘のとおり、地域におきます科学技術の振興は、地域の活性化の原動力となるものでございますし、住民の生活の質を向上させるという点で極めて重要なものでありますとともに、我が国全体の科学技術の高度化、多様化に資するものという認識を持っております。  このために、科学技術振興のための地域の主体的かつ個性的な取り組みというものを積極的に支援すべきものと考えておりまして、今回の科学技術基本計画の検討過程におきましても、例えば地域におきます研究開発拠点の整備、地域の産学交流と成果の移転、公設試験研究機関の機能強化というような点につきまして、基本計画の中に具体的に織り込むべく検討を進めているところでございます。

鹿熊安正自由民主党・自由国民会議

○鹿熊安正君 以上で終わります。(拍手)

石田美栄平成会

○石田美栄君 平成会の石田美栄でございます。よろしくお願いいたします。  戦後五十年を経て、今、日本はあらゆる面で大きな変革期を迎えております。二十一世紀へのさまざまな課題解決に大きな役割を果たすのが科学技術であり、科学技術振興の必要性とそのための研究開発体制の確立が求められているわけです。  このような要望にこたえて、昨年十一月に成立しました科学技術基本法に大きな期待がかかっております。そしてこの基本法は、これから科学技術基本計画によって具体的な肉づけがされ、予算措置がとられていくわけであります。  まずは、三月二十八日のこの会議におきまして科学技術振興事業団法案が審議された際に、独創的な基礎研究の強化、研究者の人材確保、そして科学技術理解増進事業としての科学館の活性化などのために平成八年度予算で科学技術振興事業団の事業費が五百七十二億円と、前の二つの法人の事業費合計よりも百七十億円増というお話でしたが、これ以外にも科学技術基本法に定められた施策の推進について、八年度の予算にどのように反映されているのか、お伺いいたしたいと思います。

落合俊雄科学技術庁科学技術政策局長

○政府委員(落合俊雄君) まず、政府全体の科学技術関係経費についてお答えを申し上げますと、平成八年度予算案におきます科学技術関係経費総額は二兆六千七百二十一億円となっております。昨年度が二兆四千九百九十五億円でございますので、昨年度の当初予算に比較いたしますと六・九%という非常に高い伸びを示しております。これは、政府全体の一般の歳出額が対前年度比で二・四%増という中では極めて高い伸びを確保できたというふうに考えております。  さらに、科学技術庁の予算でございますが、科学技術庁の予算につきましては、平成八年度の予算案におきましては六千九百二十八億円というものが計上されておりまして、前年度と比較いたしまして七・二%の高い伸びとなっております。このことは、委員ただいま御指摘ございましたように、昨年十一月に科学技術基本法が成立をいたしまして、科学技術の振興というものが我が国の政策の中での最重要課題の一つと位置づけられたことが非常に大きかったと考えているところでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 基本法の成立によって予算枠が大きく伸びたわけですが、もっと具体的に今後いろいろなことが進められていくことを期待するわけです。  次に、また同じように三月二十八日のこの会議の科学技術振興事業団の法律を審議しました際に、答弁の中でこうしたこれからの研究について、国が戦略的に研究目標を定め、これを受けまして新技術事業団が具体的に研究領域を設定し、そのもとで研究テーマを公募するという形で実施するというふうな答弁がございました。  こういう戦略的基礎研究目標は、お伺いするところによりますと、この五月十日に予算が成立すればそれが公募され実施されるのかと思っておりましたが、もう既に七年度の募集は済んだというふうに伺ったのですけれども、こうしたテーマの設定、さらには将来的なそういうテーマの設定の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

沖村憲樹科学技術庁科学技術振興局長

○政府委員(沖村憲樹君) 戦略的基礎研究推進事業でございますが、まず、御質問のございましたどういう考え方でこれを設定していったかということでございますが、基礎研究は本来ですと個々の応用目的を目指さない基礎的な研究でございますが、この戦略的基礎研究推進事業は、その時々の科学技術に対する社会の要請あるいは経済の要請といったようなことを考えまして、国として取り上げることが必要なテーマにつきまして重点的、集中的に取り上げて研究をしていこうということでございます。  この戦略目標でございますが、平成七年度におきましては二つの戦略目標を定めております。一つは、知的資産の拡大あるいは新産業の創出ということを自指しまして、独創的な研究成果を得るように「未知への挑戦」という戦略目標を掲げております。それからもう一点は、世界的に重要な問題となっております地球環境問題につきまして、その解決に資するという観点から「環境にやさしい社会の実現」ということを戦略目標に取り上げております。  この二つの戦略目標のもとに四つの研究領域を定めておりまして、「未知への挑戦」という戦略目標のもとでは、「生命現象」、「極微細領域の現象」それから「極限環境状態における現象」という三つの研究領域を取り上げております。それから、「環境にやさしい社会の実現」という点からは「環境低負荷型の社会システム」という研究領域を設定しております。  この四つの研究領域につきまして平成七年度に公募を行いました。全国の大学、国立試験研究機関、地方の研究機関等から応募がございまして、千三百五十件の応募がございました。それにつきまして、学識経験者の方にお願いをいたしまして五十四件の研究課題を採択いたしました。  実は、平成七年度補正では五十億円をいただきまして、平成八年度は百五十億円の予算をいただいているわけでございますが、平成七年度のテーマの平年度化を図りますとなかなか多くの研究テーマを選定することができませんで、基本的には平成七年度と同じような考え方で、ただ平成七年度の運用した点につきましていろいろな関係者の方々から御意見を伺いまして、改善を行いながら同じような考え方でやっていきたいというのが現在のところの方針でございます。広くいろいろな方の御意見をお伺いしまして内容的な充実を図っていきたいというふうに考えております。

石田美栄平成会

○石田美栄君 現在までの公募の状況、件数について御報告がございました。その内容についても興味があるところでございますが、またそういう資料がいただけるものかと思います。  さらに、この二十八日の答弁で、今の御答弁でもう既にその辺もおっしゃっていただけたように思いますが、その時々の科学技術に対する社会的、経済的な要請を考慮して、新技術、新産業の創出につながるような基礎的研究と、そういうお話でございますが、これは新事業団の事業内容に関してのことが主たることだと思います。  この新しくできた科学技術基本法制定の精神である基礎研究について、今すぐには役立たないかもしれないけれども、将来にいろんな道を開く、そうした基礎研究のことについて、ただいまこの基本法に基づいて基本計画が策定されている段階です。  これは、朝日新聞の「論壇」に東京理科大学の西川学長が書かれている記事なのですが、もうお読みになっているかもしれません。現在、科学技術会議でどのような基本計画にするかの論議が進められ、六月をめどにまとめられることについて「論壇」に書かれているので、もう御存じかもしれませんが、少し御紹介してみたいんです。  学長も、その科学技術会議の議論に大いに関心を寄せ、要望されているのですけれども、やはり私と同じように、「基本計画で新産業の創出や経済フロンティアの拡大を強調する結果、基礎研究の比重が相対的に軽くなると、せっかくの基本法の意義が希薄になってしまう。国が基本法で推進する必要があるのは、民間企業では採算がとれず、見通しもつかない「すぐには役立たない研究」である」というので、歴史的に幾つかの研究を引用されております。  例えば、「ファラデーは家電製品に欠かせないモーターや発電機をつくろうとして電磁気の相互作用の実験をしたわけではない」し、また、「X線を発見したレントゲンは医療診断に役立つ手段を探し求めていたわけではない。いずれも知的好奇心、学問的な興味に従った「すぐには役立たない研究」を進めた結果だ」というふうに言われ、また、「基礎科学が大きな実用的利益をもたらすわけではない。成功の背後には研究の屍(しかばね)の累積がある。それとともに経費も膨大になっている。だからこそ、国が公的な資金を投入して古援する必要がある」、そのことをこのたびの基本法に期待すると。そのことはまた、「予測もつかない基礎科学は知的感動を失いつつある新世代に、夢と情熱を与えることである」ということで、「基本計画の重点を「すぐには役立たない」基礎研究に置いてこそ、基本法制定の精神は生きる」ということを書かれております。  少し長々と御紹介させていただいたのですけれども、この科学技術会議でこういった点について今どういう議論が進んでいるのか、少しお伺いできたらと思います。  それと同時に、長官、このたびかなり長期にわたってアメリカを御訪問になり、アメリカの要人との会談も積み重ねてこられました。そうした中で、科学技術予算または基礎研究の分野のこともこの日程を拝見しますとお話になってこられたようですので、今申し上げたような、今すぐに役立つのではない、将来大きく国を、世界を左右するこうした研究体制について、アメリカでお感じになった御感想、そして日本のこうした基礎研究への将来ビジョンを伺えたらと思います。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) 今般、当院のお許しもいただきまして、日米科学技術協力協定に基づく第六回合同高級委員会出席のために米国へ出張させていただきました。これは毎年一回日本とアメリカで交互に開催をするということになっている会議でございますが、日米関係の一層の発展のためにもこの分野の協力が重要であるという認識で続けているものでございます。今般、各省の御専門、御担当の皆さんと御一緒に、米側のそれぞれのカウンターパートナーとなる省の研究局長さん等々とそれぞれのテーマにおいて会議をいたしました。  大変広範な分野にわたっておりまして、例えば地球環境の問題、自然災害の問題あるいは宇宙協力、ライフサイエンス、エネルギー、農業等々広範な分野で、朝九時から夕方の五時まで議論をさせていただいた次第でございます。一口に申しまして、ますますこの分野における協力が、日米両国のみならず世界のためにも極めて重要であるということを再度認識した次第でございます。  米側の場合は、科学技術政策に対する最新の報告書においても、科学技術は尽きることのない知的資源である、まさに国家戦略としてその積極的な振興を図るということにしておりまして、最近の自然科学部門でのノーベル賞受賞者の約六割が米国人でございます。その基礎研究にかける意気込みというものは、我が国に比べてもはるかに数段すぐれているという感じでございます。  特に、先生のお触れになった基礎研究の研究環境という面で考えましても、米国の基礎研究費は我が国に比してはるかに潤沢でございます。また、私立大学が多いこともございますけれども、大学の教官あるいは研究者と産業界等の連携もしやすいという点で、その点でも日本よりも恵まれているという感じはいたした次第でございます。  ともかく、おっしゃったとおり、新産業の創出や経済フロンティアという面からだけ実用研究ということを考えましても、現在の状況では、やはり新しい産業や新しい経済フロンティアを切り開いていくためにこそ基礎研究の充実が必要である。例えば、考えてみればナイロン技術の開発から新しい化学産業が生まれ、あるいはまたペニシリンから医薬品、抗生物質の今日に至る長寿社会をつくる基礎ができ、そしてまたトランジスタの発見から今日のマルチメディアと、こういう感じでございまして、そこのきっかけになるものは、すぐに役に立つかどうかわからないあるいは民間で採算をすぐにはとれないかもしれない、そういう基礎研究というものが大きなやはりきっかけを与えてきておるわけでございます。  そういう意味でも、まさに科学技術基本法の第五条においても触れていただいておりますけれども、この分野においてこそ国の果たす役割が重要である、こういうふうに認識をいたしている次第でございます。  そういう意味では、米側でも、いろいろな社会資本あるいはまた福祉というものについては財政的にも相当厳しい議論が行われているようですが、基礎研究というものに関しては引き続き積極的に取り組まなきゃいけないというのがやはり議会人の皆さん方の御意見でもございました。  それが私の率直な感想でございまして、本院においても御努力をいただいて決まりました科学技術基本法、これもやはり同じような精神で我々は今スタートしょうとしているのではないか、このように認識をいたしている次第でございます。基本計画の策定の過程の中でも常にそのことを念頭に置いて我々は努力をしたい、こう考えております。

石田美栄平成会

○石田美栄君 お話ししていても、つい新技術につながるような、やはり何かすぐ結果が出るようなことへの研究、それの基礎研究的な雰囲気がどうしても強いのですが、私が頭で考えていますのは、いわゆるニュートンの万有引力じゃありませんが、何年も何年もじっと自然の中に座っていてそこからというような、本当に今すぐ何かをというのでない長期の新しい発見ができるようなそういうものが日本からも出てこないかと、そういうことをイメージしているわけです。どうか、今策定中の基本計画もまずは今後五年間の基本計画となるものですし、それについて予算も生かされていくわけですので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  同時に、こうした基本計画ができ、科学技術予算の倍増という目標を掲げているわけですけれども、こうしたものを本当に生かすことのできる制度改革もあわせて必要だと思います。  それで、いろいろな制度改革は必要なのだろうと思いますけれども、産官学の交流とか連携の場とか仕組みをどうしていくのか、それにかかわる縦割り行政の弊害をどうしていくのか、また科学技術をめぐるシステム全体を抜本的に変革するスケジュールは、産学の交流、共同研究を活発化させる国家公務員法の規制の緩和などあると思いますが、どのようにしていかれるのか、お伺いしたいと思います。  例えば、国とか公立の大学の先生が産業界の研究所で研究するということは今できません。こうしたいろいろな制度改革をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

落合俊雄科学技術庁科学技術政策局長

○政府委員(落合俊雄君) ただいま委員御指摘ございましたように、資金の充実とあわせまして、研究開発に関します制度改革というものが今回の科学技術基本計画の中での非常に大きな柱であり、科学技術基本法の趣旨を実現するものであるというふうな問題意識で私ども取り組んでいるところでございます。  具体的に申し上げますと、創造的な研究開発活動の展開をするための新しい研究開発システムというものをどう構築できるか。それから産学官の各セクター間、それから地域間、国際間の連携、交流のためのシステムというものをどう構築できるか。それとあわせまして、それらに伴います厳正な評価というものをどう実施できるかというような点を念頭に置きまして、具体的にそれらを実現させるための制度改革の内容について検討いたしているところでございまして、ただいま委員御指摘の、国公立大学ないしは国立試験研究機関の研究員と民間との間の共同研究をさらに活発化する制度的な改革の必要性につきましても、できるだけ踏み込んだ計画にできればということで現在検討を進めているところでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 予定していた質問はこれで終わりました。本当に、みんなでつくりました基本法元年、これからの二十一世紀の日本の将来を左右する科学技術の振興、基本計画に大きく期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。

峰崎直樹社会民主党・護憲連合

○峰崎直樹君 社会民主党の峰崎でございます。  実は、私も大臣と同じようにアメリカを二十八日から三日まで、ちょうど同じホテルに滞在するという偶然でございましたけれどれも、そんな関係で事前に質問を出すのが非常に慌ただしくて、科学技術庁以外の方にもきょう来ていただいていると思うんですが、二十分間という大変短い時間ですので、もしかすると時間の関係で答弁をいただかないこともあるかもしれないということで、大変申しわけないというふうに思っております。時間もありませんので、私は地元北海道の関連であります幌延問題、あるいは「もんじゅ」の問題を絡めてプルトニウムの利用計画などについてまずお聞きしてみたいと思うわけでございます。  最初に、もうこの科学技術委員会で「もんじゅ」の問題についてはかなり議論されておりますが、昨年七月に、例の新型転換炉ATRを大間に建設する、これはたしか電事連で、民間ではちょっと手に負えない、経済的にも無理だということで、商業炉が建設中止というような事態になったやに聞いておるわけであります。  どうもこの十年近く、チェルノブイルからちょうど十年でございますが、それ以降原子力あるいはプルトニウムの問題をめぐって、私自身四年前からこの科学技術委員会にも参加をさせていただいているんですが、どうもこの間私ども、国際的に見てもあるいは国内で起きている出来事を見ても、この国のいわゆる原子力利用計画、平和的な利用、そういったことについてこれはやはり国民の中にも相当な不信、不満が出てきているんじゃないか。その意味でプルトニウムの利用計画も含めて、大臣、ひとつこの計画のあり方について本格的に再検討すべきじゃないかという声が根強くあると思うんですが、この点についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) いずれにしても、先ほどの質疑にもございましたけれども、資源が乏しい我が国の状況の中で将来にも責任を持ったエネルギーも確保しなきゃならぬということ、また同時に、現実三割を超える原子力発電をいたしております過程の中でも、使用済み燃料を初め放射性廃棄物というものの処理処分の問題というものが環境に対する影響負荷を極めてないようにしていかなきゃいかぬといったようなもう一つの要請、両方から使用済み燃料を再処理してプルトニウム等を有効利用するリサイクル政策というものをとっておるわけでございます。  NEA等の予測によりましても、核燃料自身が四十三年という埋蔵量でございます。そういった観点も含めまして、今このリサイクル政策というものは、例えば、先般私、アメリカの議会人ともいろいろ懇談をいたしましたが、いわゆる核不拡散という観点からこれについては慎重な米国でございますけれども、その米国でさえも、やはり一定の理解といいましょうか、ワンススルーで処分をするといっても処分地も決まっていない。また、それは資源の有効利用という観点からもやはり問題がある。そういう意味で、プルサーマル等は米国も議論をすべきだという御議論が、私のお目にかかった議員の中ではむしろ過半数を超えるような感じでございました。  それは一つの私の感想にしかすぎませんけれども、いずれにしても、この安全性を何よりも大前提にするということが我々の考え方であり、そしてまた平和利用というものを徹底させるということが我々のまず国の原則である、こう考えております。そして同時に、そういう上に立って初めて国民や地元の皆さんの御理解を得る、その上で基本政策というものが成り立つ、こういう順番であろう、こう考えておるわけでございます。  今度の「もんじゅ」の事故あるいはまた円卓会議等での御議論、こういうものをいろいろ積み重ねながら、その場で出てくる各界各層の幅広い御薫見を柔軟に基本政策には反映させなきゃいかぬ、こういう観点で取り組みを始めていく、これからもその姿勢は貫いていくという気持ちで今はおります。

峰崎直樹社会民主党・護憲連合

○峰崎直樹君 そのアメリカなんですが、もちろんアメリカのすべての人がそう思っているという意味じゃなくて、どうも日本はやはりプルトニウムというものを異常に持ち過ぎているんじゃないか、そういう新聞の論評なども私どもよく見るわけでありまして、たしかあれはあかつき丸でプルトニウムを海上輸送したときも、全世界から日本は一体これからプルトニウムをどうしようとしているんだろうかと。その際、科学技術庁としてもプルトニウムが今どのぐらいあるかということをオープンにする、公開をするということについてはもちろん努力をされていると思うんですが、現時点で、今どのぐらいのプルトニウムを日本は持っているのか、そして、将来これはどのぐらいのプルトニウムを持つことになるのか。その数字、もしわかれば教えていただきたいと思うのであります。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) 今後の日本のプルトニウム利用につきましては、先生御指摘のとおり、国内外の理解がなければ進み得ないということは我々も認識をしているところでございますし、その利用に当たりましては、計画に必要な量以上のプルトニウム、すなわち余剰なプルトニウムは持たないということ、したがいまして、今後の需給計画というものを明らかにしながら進めていくということをその基本といたしておるところでございます。  今後のプルトニウムの利用計画につきましては、さきの長期計画策定時におきましても明らかにいたしたところでございますが、まず、一九九四年から九〇年代末、すなわち二〇〇〇年までに利用いたしますプルトニウムの量は年間約〇・六トンでございます。さらに、二〇〇〇年から二〇一〇年にかけまして年間約五トン程度の利用が見込まれておるわけでございます。それに必要なプルトニウムの供給につきましては、東海の再処理工場に加えまして、先生から先ほど御指摘がございましたフランスからの返還のプルトニウムで充てていくという予定にしておるわけでございます。  今後とも、先ほど申し上げました余剰プルトニウムは持たない、あるいはその計画について明らかにし、さらに具体的に、ちょっと今数字は見当たらないわけでありますけれども、現在所有の量につきましても、原子力白書等におきまして詳しくその都度報告していくということを進めてまいりたいと思っております。

峰崎直樹社会民主党・護憲連合

○峰崎直樹君 その数字、事前に言っておりませんでしたので、また私も原子力白書等で見たいと思っているわけでありますが、ATRもある意味では商業炉を断念すると、そして「もんじゅ」の問題も今国民から大変不信を受けている。  そうすると、我々、原子力発電というのは過渡的なエネルギーとしてそれを認めた場合、使用済み燃料というものをそのままいわゆる原発の敷地内で保管をしていく、それを再処理しないということにすれば、今北海道で大問題になっている幌延の、いわゆる高レベル廃棄物をガラス固化体にしてそしてそれを地層でずっと処分しましょうと、こういう問題も実はなくなるんではないのかというふうに思うわけであります。その意味でこの問題は大変大きい問題だと思うので、私ども北海道の立場からすれば、むしろもうある意味ではこの原子力サイクルを少し考え直す時期に来ているんじゃないかということだけ、これはもう恐らく水かけ論になると思うので、時間もありませんからこれ以上触れません。  そこで、今度は幌延の問題なんですが、たしかこの問題が起きたのが一九八四年ごろじゃなかったかと思いますが、この十年間どんな進展があったのか。私の見るところ、地元の自治体あるいは北海道庁も含めて、知事は交代したけれども、これは何ら進展をしていないんじゃないかと思うんです。その意味で、どのような変化があったのかということについてまずお考えをお聞きして、太当にこの間、もう地元では熱意が冷め始めていろんじゃないかという声すら聞こえてくるんですが、この点は科学技術庁としてはどのようにとらえておられるでしょうか。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) 幌延の貯蔵工学センター構想につきましては、将来の高レベル放射性廃棄物の処分に至ります処理処分を安全かつ適初に行うための研究開発施設として大変重要なものであるということでお願いをしてきたわけでございます。  先生御指摘のとおり、十数年来、大変いろんな場面がございました。一番最初は昭和五十六年に幌延町からの立地の要請から始まったわけでありますけれども、この間、幌延町あるいは周辺の町村あるいは北海道議会におきますいろんな議論がなされたわけでございますし、今御指摘のとおり、昨年には知事さんがおかわりになったという状況もございます。そういった状況の中で、必ずしも進展はしていないというか、地元の町を初め北海道の方に大変な御議論をいただきあるいは御心配をおかけしてきているまま十年以上経過したことは事実でございます。  加えまして、新しくなられた堀知事ももちろんこの幌延の計画そのものの白紙撤回は求められておられるわけでございますけれども、他方、高レべル廃棄物処理処分の研究についての御理解もいただいておるところと我々は認識しておるところでございます。  したがいまして、今後ぜひ積極的な対話という活動を通じながら、単に幌延町だけではなくて広く北海道の方々の理解を得るよう努力を進めていくことが大事なことではないかと認識しております。

峰崎直樹社会民主党・護憲連合

○峰崎直樹君 知事が理解を示したとちょっとおっしゃっていましたから、私ももう一回、知事ではありませんから、確かめてみます。  そこで、今年度の平成八年度貯蔵工学センターの関連予算の中で、ちょっとマイナーな小さなところですから、なかなか皆さんの目に触れていないところかもしれませんが、その中で重要電源立地推進対策補助金というのがあります。昨年度は八千万、ことしも八千万です。これ、実際去年はどのぐらい使われたんですか。  それから、ことしは動燃事業団の計上分で地元との対話の充実と称して六千八百万円の、これは新規の予算ですね。これは地元との対話の充実を図るために使うんだとおっしゃっている。  合わせて一億四千万円ですか、もっともまだまだほかにもあるわけでありますが、これは何のために使われるのだろうか。もう十数年たってぐずぐずしていて、原子力をめぐる情勢も先ほど申し上げたように大きく変わっている中で、ここまでやって無理だったらもうそろそろ、十数年たってなおかつまだ新規にされるというのは、私どももちょっと理解しかねるところがあるんです。  その関連で、昨年の七月ごろだったでしょうか、岐阜県の瑞浪市に高レベル放射性廃棄物処理施設の超深地層研究所、これの建設計画が新聞に発表されておりました。これは一体どうなっているのか。幌延の皆さんは、もしかすると幌延はもうなくなって、候補地にこちらの方が大体決まっていくのかなというような声も聞いているんですが、このあたりの状況についてお聞きをすれば、恐らくもう時間がないんじゃないかと思いますので、これを最後にしたいと思います。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) まず、予算の点でございます。  御指摘のとおり、重要電源等立地推進対策補助金という形で八千万円計上させていただいておるわけでございますけれども、これは地元の公共団体が行われます広報活動に対する補助金という形で予定をさせていただいておるところでございます。幌延町が計画しておられましたいろんな広報活動に対する補助金を計上し、あるいは七年度も執行されておるところでございます。  加えまして、動燃事業団が計画しております地元との対話の充実で六千八百万円を今年度予定させていただいておるわけでございますけれども、これは従来のいわゆる一方的な広報ということではなくて、むしろ積極的に地元の方々の御意見をちょうだいし対話していくことによって、この幌延問題だけではなくて、広く廃棄物全体あるいはエネルギーの問題全体について対話を深めていくための予算をぜひ計上させていただきたいと思っておるところでございます。  いずれにしても、今後とも地元との十分な協議を踏まえながら、有意義な会議ができるように努力をしていくべきものと認識をいたしております。  さらに、先生から岐阜県の瑞浪市に計画しております超深地層研究所について御指摘がございました。  この点につきましては、この研究施設そのものは、高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発の基礎となります深い地層のいろんな科学的な研究を行うための施設として動燃事業団が計画しておるところでございます。地下数百メートルから千メートル程度に至る地層のいろんな活動をぜひ解明していきたいと思っておるところでございますが、こういった超深地層の研究施設につきましては、地層処分研究に共通の研究基盤となる施設として長期計画でも大変重要な位置づけが与えられておるところでございます。単に地層処分だけではなくて、学術的研究にも非常に役に立つということでもございます。  加えまして、こういった超深地層研究施設というものが我が国の地質の特性等を考慮いたしまして複数の設置が期待をされておるところでございます。ちなみに、岐阜県のこの地域の地質とそれから北海道の幌延で予定をさせていただいております地層というのは、堆積岩と花岡岩という、地質が大きく異なるところでもございますので、ぜひ私どもとしては複数のこういった研究施設によります活動によって、将来の地層処分が安全に行えるかどうかということの見極めをしていく上で大変重要な施設であろう、このように認識しております。  この瑞浪の研究所につきましては、昨年末、地元の県でありますとか市でありますとか、そういった方々との基本的な協定がなされたわけでございます。今後の具体的な研究施設の設置に当たりましては、もちろん地元の方々と十分な対話を図りながら、理解を深めながら進めていくべきものと認識をいたしておるところでございます。

峰崎直樹社会民主党・護憲連合

○峰崎直樹君 ちょっとやはり不十分だなと思うんです。要するに、昨年八千万用意して、これ八千万全部使い切ったかどうか、それが一つ。どうも非常に不十分です。事前に質問通告しておりませんでしたから、もし今ちょっと確かめられないといえば後で結構でございます。  それからもう一つ関連して、今から二年ぐらい前、まだ科学技術庁長官が江田五月さんのころだと思うんですが、そのころ実は、幌延は核を抜いて、核抜きでこの研究施設をつくろうというような新聞報道がなされたことがあるんですが、こういうことを検討したことがあるのかどうか。その点含めて、これを最後にして質問を終わりたいと思います。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) まず、第一点目の八千万円の重要電源等立地推進対策補助金につきましては、具体的な詳細な額につきましては七年度について今資料を持っておりませんけれども、おおよそこの八千万近い金額が使われたと認識をいたしております。

峰崎直樹社会民主党・護憲連合

○峰崎直樹君 幌延だけで。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) 幌延だけでございます。  第二点目につきましては、もちろんこの貯蔵工学センターの進め方についていろんな観点から検討は進めてきておるところでございます。もちろん江田大臣の当時におきましてもいろんな検討はなされたわけでありますけれども、最終的に具体的な成案を得るには至らなかったということを御報告申し上げたいと思います。

峰崎直樹社会民主党・護憲連合

○峰崎直樹君 ありがとうございました。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 原子力の安全確保のかなめともいうべき安全審査、安全規制のあり方について、前回に引き続き質問いたします。  私は、今回の「もんじゅ」ナトリウム漏えい火災事故は、やはり原子力行政における安全審査、安全規制のあり方というものを根本から問うていると思います。ナトリウム漏えいは、言うまでもなく空気やコンクリートと反応して大規模事故に発展し得るし、冷却系の異常として原子炉にも影響を与え、過酷事故にも発展し得る性格を持つものです。今回の事故はたまたま二次系で起こりましたが、一次系でも炉心でも蒸気発生器でも起こるのではないかとの国民の不安を高めています。  ところが、今回のナトリウム漏えいの原因となった温度検出器、温度計について、さや管も含めてですが、安全審査を行っていないということが明らかになりました。安全審査は、原子炉等規制法並びに試験炉規則に基づいて設置申請者が提出する原子炉施設の位置、構造、設備についての申請書に基づいて行われ、その後、設計・工事方法の認可という安全規制が、これまた申請者の申請書に基づいて行われることになっています。  前回の答弁で何度も繰り返されましたが、動燃が提出してきた申請書には、基本設計にも詳細設計にも温度計について記載した資料はなかったということですね。また、前回の私の質問に対する答弁によれば、具体的な個々の部品につきまして、それもその設計そのものにつきまして安全審査をするというシステムにはなっておりませんということでしたが、温度計について記載する必要がなかったということですね。

宮林正恭科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(宮林正恭君) 御説明させていただきます。  原子炉等規制法におきます安全審査ということにつきましては、これは原子炉等の設置に当たりまして原子炉施設の位置、構造及び設備について審査を行い……

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 イエス・オア・ノーで答えてほしいのですが。

宮林正恭科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(宮林正恭君) ちょっと御説明させていただきたいと思いますが、万一の故障を想定した場合にも災害を防止する、すなわち一般公衆の安全が確保されるように所要の安全設計がなされているということを確認しているわけでございます。  それで、部品等につきましては、これはむしろ安全審査というよりは、もしも対象にするとすれば設計・工事方法の認可、こういうふうな形のものの対象としてやるようなものであろうかと思います。  それで、今御指摘がございました「もんじゅ」の温度計につきましては、それは対象にしておりませんでした。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 科技庁に問い合わせたところ、この温度計は一本六十五万円、据えつけのための費用は一本につき百万円。溶接を重要視するということがこのお金のかけ方というかかかり方によくあらわれていると思います。ところが、溶接のいわば対象である温度計については、そもそも振動や熱衝撃に対する実証試験がどうだったのかも明らかにされておらず、今まさに究明中であるわけです。  こんなに重要な部品が安全審査をするシステムになっていないということで、動燃と一緒になって科技庁も原子力安全委員会もそろって責任を感じないとしたら、原子力の安全確保を担う資格がない全くの無責任体制だと言えるのではありま甘んか。

宮林正恭科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(宮林正恭君) 今ほど申し上げましたように、安全審査ということではございませんで、もしも対象にするとすれば設計・工事方法の認可、こういうふうなものの対象にするという考え方になるかと思いますけれども、この部品につきましては、それが原子炉施設による災害の防止という観点から支障が起こるかどうかというふうな考え方の整理をその当時されたということでございます。それで、これはその当時は自主保安でやっていくということでよかろうという判断をされたというふうに私どもは今現在認識しております。  それで、これにつきましては、今後の課題といたしましては、やはり設計・工事方法の対象としていくという方向で私ども現在検討しているというところでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 要するに動燃追認、動燃任せということだと思うんです。  実は、もう十六年も前に我が党の不破哲三現委員長が予算委員会において原子力の安全審査、害全管理の問題を取り上げたことがございます。その際問題にしたのは、当時のアメリカの原子力綿制委員会が、原発推進部門から離れて総スタッフ約三千人、安全審査の専従者だけでも技術者が六百三十人もいるのと比べて、日本ではパートタイマーによる審査、しかもその安全審査が基本設計だけであるというのは問題だからと抜本的な検討を求めました。十六年たっています。  今日の時点に立って、動燃の申請書の追認に終わるような、あるいは具体的な個々の部品につきまして、それもその設計そのものにつきましては安全審査をするというシステムにはなっておりませんと平然と言って事足りるような安全審査、安全規制では国民は納得しません。安全を担保する具体的な抜本的な対策と体制を要望いたします。  これは大臣の決意を伺いたいと思います。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) 先般アメリカでレセプションをいたしました折に、原子力規制委員会の委員長であるジャクソンさんもお見えになりまして、ちょっと立ち話ですがお話をいたしました。日本へお越しになったこともあるようでございますが、新聞記事で原子力に対する市民の信頼というものは本質的にもろいと語っておられたことを私は覚えておりまして、そのことも申し上げて、私もそのように考えておるということも申し上げました。  今回の「もんじゅ」の事故を教訓として、やはり安全というのは市民のものでございますから、細心の注意を払って我々やっていかなきゃいかぬという教訓を得た。そこで、私どもとして原子力安全委員会にも御検討をお願いして、「もんじゅ」等の施設の場合、安全審査のあり方についても再度御検討いただくということに、改めるべきは改めるという考え方に今お願いをしておるのでございます。  基本的な考え方は、法令上も、ともかく異常、特に放射線災害というものを起こさないという体系で法律ができ上がっておりますし、また増殖炉についても、常陽等のいろいろ十七年に近い経験も持って、その中で温度計なんかも常陽の場合はこういうタイプであったということも聞き及んでおります。しかし、今度の二次系の温度計はそれと違うタイプであったということも十分これから考えなきゃいけないことだと思っております。  いろいろなそういう異常の発生、拡大、あるいはまた周辺にそういう放射性物質の放出を防止する、そういう基本的な枠組みというものはきちんと押さえながらやってきたんだと思いますけれども、しかし、二次系でナトリウムが絶対漏れないと説明しながら漏れたということは極めて重大に受けとめなければならない、こういう考えでございます。これからそういう意味で安全委員会のいろいろな御検討の結果もいただいて、改善すベき点は改善してまいりたい、こう考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私は、科技庁が安全を担保することができるような抜本的な対策と体制を重ねて要望して、次の質問をしたいんです。  「もんじゅ」の事故を機に、それが高速増殖炉の安全確保のずさんさを露呈し、あわせて事故隠しという非民主性を伴ったところから、日本の原子力政策の基本方向そのものが問われるようになっています。私は、そのことを福井、新潟、福島の三県知事の「今後の原子力政策の進め方についての提言」の中にありありと見ることができるのですが、この提言は、原子力政策の基本的な方向について、具体的に核燃料リサイクル、プルサーマル計画やバックエンド対策など、これまでの経緯にとらわれることなく幅広い議論を行い国民の合意形成を行うこと、そして必要なら原子力長期計画を見直すことを提言しています。これをどう受けとめていますか。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) 基本的には、先ほど来の御質疑の中でも御答弁申し上げておりますけれども、我々は、円卓会議等でいただきます御議論の中で一定の方向、合意というものをしっかりと取り上げながら柔軟に政策に反映させていくと。本当に覚悟はあるかとある会見でただされたことがございますけれども、答え先にありきではなくて、本当にそういう方向が出てきた場合は柔軟にそれを取り入れていく覚悟がありますと、こう私はお答えを申し上げております。  プルサーマルについての御指摘もございましたが、ただ現実に原子力発電に三割依存しながら、発電所に使用済み燃料がどんどん蓄積されていくということについて、立地地域あるいは三県知事の御提言の中にもそれは問題であるという御指摘もあるわけでございます。そういう点も踏まえながら、プルトニウム、使用済み燃料の中にもございますし、また商業用の発電炉の中でも三分の一はプルトニウムが現実に燃えて電力が得られているということ等々をも踏まえながら、環境に対する負荷の低減ということ等も踏まえながらどうすかと。一番安全なのは、燃やしてしまうのが一番安全であるわけでございます。そんなことも踏まえながら、プルサーマル計画についてもいろんな御議論をいただくという気持ちでおります。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 この提言は、原子力技術の安全性を確保していくために、専門家の意見だけではなくて国民や住民の生活者としての意見や受けとめ方を十分踏まえるように提言しています。そうでなければ、原子力関係自治体としても住民の理解と協力を得ることができないとも言っています。自治体として協力できないとはっきり言えば言っているんです。既定路線の押しつけではない合意の形成が求められているという、この提言の深いとらまえ方をぜひしていただきたいと思うのです。  私は、生活者の意見には人命と地球環境尊重の思想的な裏づけがあると思います。プルトニウムは核兵器として利用されなくても臨界事故の危険があり、現に事故は起こっているわけです。放射能の強さで見ると、プルトニウム239はウラン235の約二万八千七百倍、ウラン238の約十八万五千倍といいます。このプルトニウムを一九九〇年代は四トン、二〇〇〇年以降十年間に三十五トンないし四十五トンも国内で需給というのが長期計画ですが、実は既に七千百トンの使用済み核燃料の海外における再処理の契約があるはずです。ですから少なくとも四十トンの返還プルトニウムがこのほかにあるわけです。既返還分、既に返還されている分を除いても四十トン近くほかにあるわけです。MOX燃料加工ということで別扱いされていますが、国内供給分とほぼ同じ分の返還プルトニウムがあるわけです。この計画自体、プルトニウムの供給計画がだぶだぶの極めてずさんなものです。既に需要の方からまず始めていて見直しは必至です。今必要なのは安全の総点検と防災対策の充実であると私は確信をして、質問を終わります。  大臣、最後に。

岡崎俊雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(岡崎俊雄君) 御指摘のとおり、プルトニウムの利用に当たりましては、安全と核不拡散の両面は適切に厳格に確保されなければならないという点につきまして、先生の御指摘のとおりだと思います。  ただし一点、海外の再処理分につきまして約三十トン程度ほかにあるんではないかという御指摘でございますけれども、これら全体を含めた合計が日本の需要計画に合っているわけでございますので、海外再処理から発生しますプルトニウムも含めた利用計画を明らかにしているということだけ一点申し上げさせていただきたいと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 長期計画、正確に見てください。私ちゃんと見てますよ。別扱いされているんですよ、海外からの返還分は。それはMOX燃料加工ということであいまいな形で別扱いされているんですよ。正確に見ていただきたいと思います。

長谷川清平成会

○委員長(長谷川清君) 既に時間を超過しておりますので。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 私からは、想定されている危険が発生した場合、災害あるいは事故が発生した場合の危機管理体制のあり方についてお尋ねしたいと思います。  およそ原子力関係の施設でそういう災害あるいは事故の発生は絶対にあり得てはならないことなわけですけれども、しょせんは人間のやることですから絶対ということはないわけでして、やはりいろいろな場合を想定して災害防止の基本的な対策を立てておく、その対策に従ってまた防災訓練を実施する、これ大変重要なことだと思います。  日本人は、案外危機管理能力がないと言われております。もう先祖二千年来、この平和な穏やかな国土に住んでおるものですから、万が一にもそんなことはあり得ないと。少なくとも自分が大臣や局長時代にはないと、こう思っておりますと、意外や意外、この前の阪神大震災のようなものが起きまして、時の内閣総理大臣もうろたえてなすすべがなかったということも皮肉られておりますが、それはともかくとして、およそ科技庁におきましてもあるいはまた動燃事業団におきましても、いろいろなことを考えて対応は進めておるんでしょうが、この前の「もんじゅ」の事故を見ましてもそれが十分とは必ずしも言いがたい。事故隠しと言われても仕方のないような動きがあったこと、あるいはまた関係諸団体に対する連絡がまちまちで全くその場限りであったような動きもありましたので、大いに反省する点もあるのではないか、こういうふうに考えておるわけです。  適切な例かどうかは知りませんけれども、この冬起きました北海道での豊浜のトンネル崩落事故につきましても同じようなことが言われておりまして、基本的に災害が発生して一体だれが本部長になるのか、これも決まっていなかったようで、何か現場の所長がとりあえず本部長になりましたら、彼はマスコミに対して自分は何の権限もないんだということをぬけぬけと平気で言っておる。それではというのでこの対策本部長を取りかえましたら、次の本部長はまた記者会見で、まあ二、三日かかって救出のスケジュールでもつくりましょうというようなことを言って、これまた非難されておる。それから四、五日ほどたってようやく現場にあらわれた北海道の知事さんはまた知事さんで、これは災害だか事故だかよくわからぬけれども、いずれにしろ自分の問題ではないというようなことを言ってまた非難を浴びると。  あれも、ああいう事故が起きたらどうしようという基本的な計画書がなかったためだろうと思います。仮に詳細なやつがあったにしても、だれもそれが身近で起きるということを考えていないものですから自分のものになっていない。それでああいうふうな醜態を演じてしまうということになるんだろうと思います。  こういう点につきましては、今回の「もんじゅ」事故なども踏まえまして、科技庁においてもそれなりの対応を考えておられると思いますが、私、一番大事なことは、いかにして地方公共団体、それから地域社会、地元民の協力を得て防災訓練を実施していくか、こういうことにあるんだろうと思います。しかし、もしこれを地元に伝えますれば、何だ原子力は絶対安全だと思っておったら万が一にしろそういう大変なことがあるのか、そのための訓練などはとんでもない、すぐにでも出ていってくれ、こういう意見になるんだろうと思います。いかにして住民のまた同意を得ていくか、大変難しい技術的な問題もあろうかと思います。  どうかその辺も踏まえまして、技術的なことは事務当局から、それから基本的なことは大臣からお願いいたしまして、質問ということにいたします。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) 先におまえしゃべれと、こういうことでございますから、基本的なことだけ。  委員おっしゃるとおり、原子力の安全に関しては、まさか起きないだろうではなくて、もしや起きるかもしれぬというような、常に謙虚な、そして絶対に安全を図るという真剣な取り組みというものが常に必要であろう、こう考えております。  そういう意味で、局長から具体的なことはお答えを申し上げることにしたいと思いますが、まさかではなくて、もしやという考え方で原子力災害があった場合のケースに備えて万全の対策を講じていくというのが何よりも肝要であろうと考えております。  従来もいろいろな取り組みはしているようでございますけれども、今、中央防災会議で、また原子力安全委員会で、阪神・淡路の地震等の経験も踏まえながら、新しい防災計画の中に原子力防災計画というものも一層充実すべく検討をしていただいておるところでございまして、そういう中で、防災訓練も含めて実効性あるものにしていく、そういう努力をしたい、こう考えております。  原子力安全委員会においても広範な立場から、決して防災訓練だけの問題ではございませんが、シビアアクシデントに関するいろいろな検討も専門部会を設けて今研究、検討をしていただいておる、このように承知をいたしております。

宮林正恭科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(宮林正恭君) それでは、少し具体的なところを御説明させていただきます。  防災訓練につきましては、地方公共団体が策定いたします地域防災計画に基づきまして行われております。これにつきましては、原子力安全委員会が防災指針というものを定めておりまして、それを踏まえて作成されるわけでございまして、地域の実情に応じまして毎年あるいは二年ごとに実施されている、こういうふうなことでございます。  住民参加の避難訓練につきましては、これまで北海道それから福島等八県で実施されているところでございます。  具体的な防災訓練の実施方法というものにつきましては、実施主体でございます地方公共団体が判断されるという形で進めてきているところでございますが、私どもといたしましては、地方公共団体がこのような避難訓練を実施するというふうに判断をされた場合は積極的に支援してきているところでございますし、これらにつきましては地方公共団体ともいろいろとお話をしているというふうな形で進めさせていただいております。  なお、先ほどちょっと「もんじゅ」に関係いたしましてお話がございました。  「もんじゅ」につきましては、いろいろと御心配をおかけするような事態が生じたことを非常に私ども申しわけなく思っているところでございますが、動燃事業団につきましては、それぞれマニュアルといったようなものを事故時につきましてつくりまして、あるいはそういうふうな体制をつくるということも規定上ございまして、それで進めてきたわけでございますが、必ずしも動燃の訓練が十分ではなかったというところがあるということは先生御指摘のとおりだと思っております。  事業者とそれから県、市あるいは私ども、こういう三者の訓練ということにつきましては、今後とも十分留意をして御趣旨に沿うような形で努力をしていきたい、こういうふうに思っております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 前回の「もんじゅ」事故の際に、私、ある新聞で見たことでして、大変象徴的な出来事であったと思うんですが、時の長官の浦野さんでしたでしょうか、事故を聞いて、直ちに登庁して状況を把握してかつできれば陣頭指揮に当たりたい、こういうことを言いましたら、事務当局からとめられたと。何か事務当局の談話として、大臣がああいうときに登庁するとかえって騒ぎ序大きくする、あれはとめたのが正解であった、こういうことを言ったということを記事で読みました。本当かうそかわかりません、多分本当なんがろうと思いますが。  やっぱりこういうことじゃ大変に問題じゃないか。腰が引けた状態で事に当たるということは、最初からもう逃げ腰でありまするからろくな対策もできない。やっぱり事の大小にかかわらず、責任者が先頭に立って旗を振るというのが事の責任の所在を明らかにする上で、かつ事故に対する明確な態度も示せる、国の姿勢も示せるというふうに考えておりますので、こんなことは絶対ないと思います、少なくとも大臣の在任中はないと思いますけれども、万が一そういうことがございましたらひとつ率先垂範陣頭指揮に当たられたいということで、最後に大臣の決意をお聞きしておきたいと思います。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川秀直君) 報道が必ずしもすべて正確であるかどうか、元新聞記者の私にも時々違うのじゃないかと思うこともあるわけでございますが、委員のおっしゃりたい趣旨は、そういうことがあった場合に、常に長官、最高責任者が陣頭に立てという御趣旨だろうと思います。  私も全くそのとおりだと、このように考えておりますし、おまえの在任中あとわずかしかないだろうから事故はないだろうとおっしゃいますが、先ほど申しましたとおり、まさかではなくてもしやという気持ちで、そうなった場合は必ず陣頭に立って頑張ります。  以上、申し上げます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 終わります。

長谷川清平成会

○委員長(長谷川清君) 以上をもちまして、平成八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川清平成会

○委員長(長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会

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