科学技術特別委員会 第1号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1996/01/22
会議録
○志村哲良君 ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 本院規則第八十条により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。 これより委員長の選任を行います。 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
○吉川芳男君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。
○志村哲良君 ただいまの吉川君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○志村哲良君 御異議ないと認めます。 それでは、委員長に長谷川清君を指名いたします。 ――――――――――――― 〔長谷川清君委員長席に着く〕
○委員長(長谷川清君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。 ただいま皆様方の御推挙によりまして、前国会に引き続き本特別委員会の委員長に選任されました。 委員各位の御指導、御協力を賜りまして、公正、円滑な運営に努めてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(長谷川清君) ただいまから理事の選任を行います。 本特別委員会の理事の数は四名でございます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長谷川清君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に鹿熊安正君、吉川芳男君、石田美栄君及び川橋幸子君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(長谷川清君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」におけるナトリウム漏えい事故に関する件を議題とし、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。吉川芳男君。
○吉川芳男君 去る一月十六日の一日間、長谷川委員長、鹿熊理事、石田理事、川橋理事、海老原委員、松村委員、山崎委員、阿部委員、佐藤委員及び私、吉川の十名は、福井県敦賀市にある高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関する実情調査を行いました。 以下、その概要について申し上げます。 既に本委員会でも二度にわたって科学技術庁から報告を聴取しておりますので、事故内容の詳細は申し上げませんが、平成七年十二月六日より「もんじゅ」の原子炉を起動し、熱出力を約四五%に上昇させる操作中、十二月八日に二次主冷却系Cループ配管室において冷却材のナトリウムが漏えいいたしました。さらに、その後の調査の過程で、事故現場を撮影したビデオテープの改ざんや虚偽の報告により、地元住民や国民に強い不信感をもたらし、原子力政策の情報公開のあり方に問題を残したことは御承知のとおりであります。 現在、事故現場では事故原因の究明作業及び二次系の各室に飛散したナトリウム化合物などの除去・回収作業が行われておりますが、一月七日から八日にかけて、今回のナトリウム漏えい事故の直接の原因ではないかと見られている温度計近傍におけるナトリウム化合物の付着状況及び温度計設置の状況把握のためにエックス線透過試験を行いました。その結果、温度計信号の取り出し部にある保護管部にはナトリウム化合物らしきものが詰まっていること、当該温度計ウエルの配管内に差し込まれている細管部がフィルム上確認できず、さらに、ウエル細管部の中に組み込まれている直径約三ミリの熱電対が流れに沿って約四十五度方向に曲がっていることがそれぞれ認められたとのことであります。 そのため、ナトリウムは破損したウエル細管部の部分から漏れ出したのではないかと調査時点では推測されております。なぜウエル細管部が破損したのか、設計上のミスなのか、材質あるいは施工上に問題がなかったのか等については、大洗にある動燃の工学センターで解析するとのことであります。一般に液体や気体の流れの中に物体を置くと、後方にカルマン渦という乱流が起き、力が加わります。温度計ウエルの細管部が突き出ている配管内は、高温のナトリウムが四〇%出力で毎秒丁六メートルの速さで流れており、想定外の力がウエル細管部に加わったのではないかと想像されておりますが、破損の直接の原因の確定には至っておりません。また、二次系配管に取りつけられている他のすべての温度計についてもチェックを行うとのことでした。 今後の調査等の予定としては、ナトリウム漏えい部のより詳細な調査を行うため、配管に巻いてある保温材を撤去し、損傷部を取り出した後、漏えい箇所の特定並びに破損原因の解明を行う、エックス線透過試験時に確認されなかった破損したウエル細管部の滞留場所を確認し回収する、漏えいに伴う影響範囲を明らかにするため、機器、計装品、現場盤、ケーブル、ダクトなど各機器等への付着物の分布状況の調査を継続するとともに、除去・回収と清掃を行う、漏えいしたナトリウムによる機器等への影響を調査するとともに、空調系統に付着した化合物の詳細な調査を行い環境への影響を調べるほか、付着物の除去・回収と清掃を行うことにしているとのことです。 今回の視察において、私どもは、ナトリウムが漏えいした二次主冷却系Cループの現場に入りました。温度計が入っている配管部分はビニールで覆われており、配管の回りの保温材も撤去されていないため、その様子は必ずしもうかがい知ることはできませんが、十六日から保温材を取り外す作業に入っており、原因究明を急ぐとのことでした。 また、中央制御室では事故発生時のナトリウム検知器や火災報知機の作動状況について説明を聴取しました。 現場視察の後、質疑応答を行いました。 主な質疑の内容は、温度計部分の破損原因が単にナトリウムの流圧だけによるものではなく、共振現象による可能性についての調査状況及び設計上の問題の有無、「もんじゅ」の実験炉常陽とは温度計の形状が異なるが、常陽による経験が「もんじゅ」に生かされなかったのかどうか、破損した温度計以外の他の温度計をチェックすることによる温度計材質等の調査の見通し、二次系配管室をナトリウム火災の危険性のない窒素ガスで埋めていなかった理由、事故箇所を含め、二次系配管室にテレビカメラを設置し中央制御室で管理していくことの必要性、事故発生の際の運用マニュアルの多様性、複雑性がもたらす功罪、事故後の対応のまずさに対する動燃の反省と今後の対応、事故原因の究明に際しては、技術的部分のみならず動燃の管理者の意識変革、とりわけ情報開示等を植えつける必要性、事故発生時の関係方面への連絡を同時に行える体制づくり等でありました。 次に、福井県副知事及び敦賀市長より、地元の要望を聴取いたしました。 その主な内容は、国の原子力政策に協力をしてきた地元にとって、今回の事故は、「もんじゅ」の安全確保の根本にかかわる重大な事故であり、地元への通報連絡のおくれやビデオ隠しなどの事故後の対応により、原子力行政や安全確保への信頼を大きく損ねた。そのため、徹底的な原因究明と事故調査状況の迅速な情報の公開、現在の性能試験計画を白紙とし、全面的に見直すこと、関係自治体への迅速かつ的確な通報連絡体制の確立、国の安全審査のあり方についての徹底した見直し、原子力防災体制の早急な策定、地元住民の不安解消に向けた国の対処等でありますが、福井県及び敦賀市から手交された要請書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただくことを委員長にお願いいたします。 以上が調査の主な概要でありますが、今回のナトリウム漏えい事故の徹底的な原因究明は言うまでもありませんが、今回の事故において特に地元住民が不信を持ったのは、安全と言われた「もんじゅ」の信頼を損ない、正しい情報公開が迅速になされなかったことであります。国民や地域住民の信頼がなければ我が国の原子力政策は成り立ち得ません。そのためには、正しい情報の公開と安全確保に向けた努力が必要であります。 最後に、今回の調査に御協力をいただいた方々に厚く御礼を申し上げ、報告を終わります。
○委員長(長谷川清君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいまの報告の中で要請のございました要望事項につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○委員長(長谷川清君) この際、中川科学技術庁長官及び松谷科学技術政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。中川科学技術庁長官。
○国務大臣(中川秀直君) このたび橋本内閣発足に伴い科学技術庁長官を拝命いたしました中川秀直でございます。 委員長を初め委員各位には日ごろより科学技術行政の推進に当たり格別の御理解、御支援を賜り、まことにありがとうございます。 昨年、皆様の御尽力により科学技術基本法が成立するなど、科学技術の振興は我が国の最重要課題の一つとなっております。私は、二十一世紀を活力に満ちた豊かな社会とするためには、知的資産である科学技術の成果を最大限に駆使し、科学技術創造立国を目指すことが極めて重要であると考えており、科学技術政策の責任者として全力を尽くす所存でございます。 また、先月発生しました高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故及びその後に明らかになりました動燃事業団の情報公開の不手際につきましては、委員各位はもとより、地元の方々を初めとする国民の皆様に対し多大の御心配をおかけするとともに信頼を損ねる結果となり、極めて遺憾と考えております。今後、徹底した原因究明を進め、万全の安全対策を講ずるとともに、積極的かつ速やかな情報公開等により国民の皆さんの信頼を一刻も早く回復できるよう最大限の努力をしてまいります。 最後に、スペースシャトルに搭乗した若田宇宙飛行士が所期の任務を全うして無事帰還いたしましたことを御報告申し上げます。 今回の飛行の成功は、国際宇宙ステーション計画を初めとする宇宙開発利用を進めていく上で重要な意味を持つものであり、また、青少年を初めとした国民の皆様の宇宙開発利用や科学技術への理解と関心を高める上でも意義深く、喜ばしいものでございました。 今後とも科学技術の振興に鋭意努力をしてまいりますので、委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(長谷川清君) 次に、松谷科学技術政務次官。
○政府委員(松谷蒼一郎君) 科学技術政務次官を拝命いたしました松谷蒼一郎でございます。 ただいま大臣からも申し上げましたように、科学技術の振興は、二十一世紀の豊かな生活を築くために、また新しい産業を創出するために、極めて重要な政策課題であります。 また、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故や動燃事業団の情報公開に対する不手際はまことに遺憾であり、地元の方々を初めとする国民の皆様の信頼回復のため全力を挙げて大臣の補佐に努めてまいります。 委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りまして、政務次官として科学技術の振興に努めてまいりたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(長谷川清君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十九分散会 ―――――・―――――