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136回国会参議院1996/03/22

運輸委員会 第4号

発言数
61
登壇者
8
会派数
5
開催日
1996/03/22

会議録

寺崎昭久平成会

○委員長(寺崎昭久君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二月二十九日、椎名素夫君が委員を辞任され、その補欠として岡部三郎君が選任されました。  また、本日、鈴木政二君が委員を辞任され、その補欠として北岡秀二君が選任されました。     —————————————

寺崎昭久平成会

○委員長(寺崎昭久君) 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。亀井運輸大臣。

亀井善之自由民主党運輸大臣

○国務大臣(亀井善之君) ただいま議題となりました海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律は、犯人の逮捕や海難救助等の職務を執行中の海上保安官がその援助を求めた場合等におきまして、職務によらないで海上保安官の職務遂行に協力援助した方、あるいは海上保安官がその場にいない場合におきまして、職務によらないでみずから犯人の逮捕や海難救助等に当たった方が、そのために負傷、疾病、障害または死亡といった災害を受けたときに、国が、これらの海上保安官に協力援助した方等に対しまして、療養給付、傷病給付、障害給付等の所要の災害給付を行う制度を定めております。  一方、近年の人口の高齢化や核家族化、女性の就業率の上昇といった社会情勢の変化により、重度の障害のためひとりでは日常生活を営むことができない方につきましては、その介護を行うための負担が増大している状況にあります。このため、昨年四月、国家公務員の公務上の災害等に関する補償制度を定めた国家公務員災害補償法につきまして、その一部改正が行われ、本年四月一日より新たに介護補償の制度が創設されることとなっております。  本法律案は、このような事情を踏まえまして、海上保安官に協力援助した方等が、負傷または疾病により重度の障害を受け、そのために介護を要することとなった場合に、従来より行うこととしている傷病給付または障害給付に加え、介護を受けている間、当該介護に対する一定の給付を行うものとして、介護給付の制度を創設し、これらの方に対する給付の充実を図ろうとするものであります。  以上がこの法律案を提出する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

寺崎昭久平成会

○委員長(寺崎昭久君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

泉信也平成会

○泉信也君 ただいま議題となりました法案の改正につきましては、私は大変必要なことだと思っておるものでございます。  法案の中身に入ります前に、若干竹島の問題についてお尋ねを申し上げます。  竹島付近の海上で過去に銃撃戦と申しますか、船舶が銃撃されたことがあったと記憶をいたしておりますが、そのときの状況を御説明いただきたいと思います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) お尋ねの点につきましては、竹島周辺海域で我が方の巡視船が韓国側から銃砲撃された事例がかつて、かなり前の話でございますが三回ほどございまして、昭和二十八、九年の出来事でございます。

泉信也平成会

○泉信也君 これについては応戦をするというか、保安庁側も何らかの対応をしたのかどうかお尋ねいたします。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 当時、業務を遂行して帰港途上といったような事情にあった例でございまして、直ちにこれに向けて対応措置を講じたというようなことはございませんでした。

泉信也平成会

○泉信也君 新聞等によりますと、竹島では韓国側が埠頭の建設を始めておるとか、あるいは中断しておるとかというようなことが伝えられておりますが、こうした不法行為に対しまして、海上保安庁は竹島付近では監視活動をやっておられるのかどうかお答えください。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 現在、竹島は先生も御承知のとおり韓国側に不法占拠されておりまして、実効支配がかの方にあるという現実は残念ながら私どもも認めざるを得ないわけでございますが、そうした実態につきましては、外務省の要請も受けまして随時実態調査を行うというようなことにいたしているところでございます。

泉信也平成会

○泉信也君 この埠頭建設の事実等は保安庁では確認をしておられるんでしょうか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 私どもの現場におきましてこの目ではっきりと確認をしたということはございません。ただ、韓国側の報道あるいは発表といったような点につきまして、外務省、外交当局を通じまして我々も事実を知っていると、現場で確認をしているというわけではございません。

泉信也平成会

○泉信也君 大変外交上の難しい問題はあろうかと思いますが、次長お答えになりましたように、我が国領土でありながら実効支配を許しておるということは、私としては大変ゆゆしき問題だ、こういうふうに思っておるものであります。今後、円満に解決されたいという希望は持つのと同時に、やはり国家主権の行使という意味では我々も厳しい対応をしなければならないと思っております。  今国会でいずれ議論になるとは思いますが、国連海洋法条約等の批准に向けていろんな作業が進められると思いますが、そうした際に保安庁の役割が大変にまた重要になるという思いを持つものであります。しかし、従来から再三、巡視船艇でありますとか航空機の代替といった事柄が非常におくれておる、耐用年数を超えてしまった船艇あるいは飛行機が随分多いというふうに承知をいたしております。  不法侵入したものを追跡できないというような状況も起きておるのではないかと心配するわけでありますが、こうした整備の状況を大臣ごらんになりましてどういうふうに対処していかれるのか。これまでも補正予算等で随分手当てをしてこられたことは承知をいたしておりますが、とっても本来の機能を果たすにはまだ御努力をいただかなきゃならないのではないかと思いますが、大臣いかがでございましょうか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 大臣から御答弁申し上げる前に竹島問題について若干補足をさせていただきたいと思います。  現在の竹島の韓国側による実効支配、これを我が手に取り返すということにつきましては、政府の統一的な基本方針として平和的な話し合いで外交交渉であくまで進めていく、こういう基本方針に基づいて外務省を中心として政府全体で今努力をいたしているところでございます。そうした政府側の外交交渉等の推進に当たりまして海上保安庁の役割というものがあるとするならば、それにつきましては私ども喜んでやらせていただきたいと思っておりますが、いたずらに私どもも武力を反撃的に行使するといったようなことが果たして日韓の外交交渉を進展させる上で有益かどうか、そういう点につきましてはなお極めて慎重に対応をしていかなければならない、このように思っております。

亀井善之自由民主党運輸大臣

○国務大臣(亀井善之君) 委員御指摘の海上保安庁のいろいろの巡視船艇、航空機等々、いろいろそのような現状にあるわけでございます。  御承知のとおり、海上における犯罪の取り締まり、海難の救助、海上交通の安全確保、あるいは海洋の汚染防止等の業務があるわけでございます。また、近年は、集団密航事犯の増加あるいは薬物及びけん銃の密輸入問題の深刻化、このような問題がございまして業務が大変多様化しております。また、先ほど御指摘の、今般、海洋法条約の締結に合わせて行われる接続水域の設定等同水域での法令違反の防止、外国漁船に対する監視の取り締まり等業務が増加をするわけでもございます。  これらに対応いたしまして、巡視船艇、航空機が高速性能を有し、近代的装備を搭載してまいらなければならないわけでもございます。巡視船艇、航空機は代替時期を迎えておるものが大変多数ありますし、さらには性能が経年劣化をしておる、このような状況にありまして、したがって、近代的装備等を有する高性能の巡視船艇、航空機の代替整備を計画的に推進することはもう当然必要になってきておるわけでありまして、新たな海上保安業務に対するニーズに的確に対応していくような努力をしてまいりたい、このように考えております。

泉信也平成会

○泉信也君 大臣のお答えをいただきましてある意味では大変心強く思うわけでありますが、守備範囲が広くなるわけでございますし、大臣のお言葉にございましたように麻薬あるいはけん銃の密輸、こうした事柄に的確に対応していただきますために、ぜひとも運輸省として海上保安庁として一層の御努力をいただきたいと思います。  そこで、今回議題になりました法案につきましては、こうした今お尋ねしましたような内容とは直接は関係いたしませんけれども、保安官を含めまして危険な状態に入ることもあるわけでありますし、民間の方にお手伝いをいただかなきゃならぬことも多々発生してこようと思います。  そこでお尋ねをいたしますが、今回創設されます介護給付の対象となる方はどんな方が対象になるのか。予算との関連もございましょう、推定がなかなか難しいとは思いますが、どれぐらいの見込みがなされておるのか、いかがでしょうか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 今回の介護給付の対象となる方は、海上保安官に対する協力援助行為によりまして被災をされ、その結果として傷病給付年金あるいは障害給付年金を既に受けておられる方で、常時または随時に介護を必要とし、かつ常時または随時、現実に介護を受けている方というように政令で規定をする予定にいたしております。  ここで常時介護を要する方と申しますのは、日常生活におきまして常に他人の手助けを必要とする方でございまして、一方、随時介護を要する方と申しますのは、日常生活におきまして多少は他人の手助けを必要とする方ということでございます。  協力援助制度における今回の介護給付の対象者の見込みでございますが、現在、今日時点におきまして傷病給付年金、障害給付年金を受けている方はゼロでございます。したがって、現時点では対象者はいないという状況にあるわけでございますが、今後は介護を必要とする協力援助者があらわれることは想定されますために、これらの方に対しまして十分な対応を行うためには今回の改正によりまして所要の制度を整えておく必要があるというように考えているところでございます。したがいまして、予算措置におきましても、従来から対象といたしておりました人数分が計上されているところでございます。

泉信也平成会

○泉信也君 今のお答えですと、傷病給付の対象者あるいは障害給付の対象者が現在はゼロだということで、したがってこの介護給付の対象者がいないという意味ですか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 今日の時点におきましてはそういうことでございまして、この適用は四月一日を予定させていただいておりますが、その日以降にこのような対象者があらわれるかどうかという点につきましては、現在のところは予想の限りでないということでございます。

泉信也平成会

○泉信也君 そのことは大変喜ぶべきことかというふうにも思います。そうしたことが発生しないことが望ましいわけであります。  そこで、介護給付の実態が発生したときに給付されます。その金額の水準の考え方、これはいただきました資料ですと、常時介護の場合は基本が五万七千円余り、随時が二万八千円余というふうに書かれておりますが、この考え方、実際の介護を受ける際にこれくらいの金額でどの程度賄えるというふうに判断をしておられるのかお答えを願います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 今、御指摘の金額は、五万七千五十円と先生おっしゃいましたのは、家族介護、家族によって介護を受けている場合に支給されるいわば最低額でございます。また、最高額が十万五千八十円ということでございますが、これは介護事業者の介護を受けているという場合におきます最高額でございまして、それ以内の金額が支給されるということでございますが、実際に支払った金額が十万五千八十円の範囲内で支給される、こういうことでございます。  これらの金額、最低額にしろ最高限度額にいたしましても、平均的なパート賃金の実態、あるいは役所、官庁におきますアルバイト賃金の額などを考慮しまして決定されたものでございまして、この金額は、介護を行う家族の皆さんや介護を受けている方の負担を可能な限り考慮したものとなっていると考えております。国家公務員災害補償法あるいは警察官協力援助法等も同様制度がこの四月一日から発足をいたしますが、それらの類似制度におきましても同一の金額とされているところでございます。

泉信也平成会

○泉信也君 この金額の多寡を論じるには相当内容を詰めなきゃならないと思います。今お答えいただきました、平均的なパートの金額でありますとかアルバイトの方のという例を挙げられました。ただ、民間の方々は、本来こうした状況に陥られるはずのない方々が正義心と申しますか、緊急の事態に身を挺して救助に向かわれる方でありますので、そこは一般の公務員の方々よりもあるいはもっと手厚い保護を私はしてさしあげるべきではないか、こんなふうに思っております。いずれ、このことは後でと申しましょうか、今後の推移を見ながら御議論をさせていただく必要があると思います。  そこで、この介護給付を実施されるに当たりまして、だれがこの給付対象者と認定をするのか、きちんとした公正な認定が必要ではないかというふうに思うわけでありますが、どのような形でこの公正さを確保することになるんでしょうか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 手続の問題でございますが、海上保安官の協力要請に応じまして協力援助者が災害を受けたときには、要請をいたしました海上保安官の報告に基づきまして、所轄の海上保安部長が管区海上保安本部長へ災害発生報告書というものを提出することになっております。そして、海上保安本部長は審査を行った上で、事案によりましては本庁の海上保安庁長官の承認を得まして災害の認定を行いまして、それに基づきまして受給権者に災害給付通知書を交付するということによりまして受給する資格が生まれるという手順にいたしております。

泉信也平成会

○泉信也君 それは、警察官等の場合も同じような仕組みの中で認定がなされておると考えてよろしいでしょうか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 警察官も同様制度がございますが、その制度の詳細につきましてはちょっと私承知をいたしておりませんが、ほぼ同様の仕組みになっているのではなかろうかと想像いたします。

泉信也平成会

○泉信也君 最後にお尋ねをいたしますが、今のような認定の仕組みがいいのかどうか、最終的には海上保安本庁が一つの判断を示されるということでそごを来すことはないとは思いますが、この運用に当たりましては、先ほど来申し上げておりますように、積極的に正義のためにお力添えいただきました方々に少しでもおこたえをするという観点から、海上保安本部長初め御努力をいただきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

筆坂秀世日本共産党

○筆坂秀世君 今回の法改正によって介護給付の制度が取り入れられるというのは、私、もちろん大変結構なことだと思います。ところが、介護給付の対象が重度障害者の介護、等級で言うと第一級と第二級ということになっております。ところが、今も答弁がありましたように、傷病給付年金あるいは障害給付年金、適用がゼロだと。したがって、もしこの介護給付が制度として取り入れられても実績はゼロと。  もちろん、そういう大きな災害に遭わないということは大変結構なことだけれども、同時にもっと幅広く対象を広げていく。例えば第三級でもどういう方がいらっしゃるかというと、そしゃくまたは言語の機能を廃している者、これは相当重度の障害者も第三級には含まれているわけですね。しかし、これが対象になっていない。もちろん今後の課題になりますけれども、やはりこういうところまで広げていくということも将来的な課題として検討すべきじゃないでしょうか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 今、先生御指摘のように、障害等級あるいは傷病等級の三級の方につきましては、本当に障害の状況から判断いたしますと日常生活に大変御不自由な面がおありであるというようにお気の毒に思っているところでございますが、制度をつくるに当たりましての考え方といたしまして、これは国家公務員災害補償法等の他の類似の法令に基づく介護補償等についても全く同様でございますが、三級の障害や傷病につきましては、労働能力が喪失いたしておられるものの、身の回りのことは何とかできるあるいは何とかしていただくというようなことを我々の方として期待をさせていただくということで、介護なしで日常生活を営むことをそのような意味でいわば期待申し上げるというようなことでもって今回のこの制度の対象にはなっていない、こういうような理解をいたしているところでございます。  また、今後三級の障害等を負った方を対象とするかどうかにつきましては、今後の状況の変化等も踏まえまして、すべて同じ制度で運用しておる法令を所管しております他の関係省庁とも連携また協力いたしまして検討をしてまいりたい、このように考えております。

筆坂秀世日本共産党

○筆坂秀世君 今もお話がありましたように、何とかしてほしい、そういうことを期待しているというふうにおっしゃいましたけれども、それがやっぱり実情なわけですから、もちろん海上保安庁だけで、運輸省だけでというわけにはなかなかいかないという事情はわかりますけれども、大いに御検討していただきたいと思います。  海難救助活動というのは海上保安庁の重要な任務の一つですが、しかし同時に、海上保安庁だけでは対応できないというのもこれも現実です。そこで、ボランティア的に海難救助活動を行っている団体として水難救済会というのがあります。ところが、この人たちには全く身分の保障がないということになっています。しかし、この民間救助の比重は非常に高いというのもこれまた事実なんですね。しかも、最近は漁船等の事故からレジャーなどの事故が非常に急増するというもとで、こういうボランティア的にやっている方々の役割というのが非常に増していると思うんです。  そこで伺いたいんですけれども、いわゆる要救助船舶の救助状況、要救助船舶の乗船者の救助状況、これ海上保安庁とそして海上保安庁以外、どういう件数、比率になっているか、お答えをいただきたいと思います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 要救助海難の隻数について申しますと、海上保安庁が救助いたしましたのが約四分の一でございます。そのほかは、自力で入港される、あるいは救助のいとまなく全損あるいは行方不明になるというようなことでございますが、そのほか民間、先生御指摘の水難救済会あるいは一般航行船舶あるいは仲間の漁船の皆様方に救助をされたケースも、この当庁救助以外、自力入港、全損、行方不明以外がそういう格好になるわけでございます。  そうした当庁が直接救助しなかったものにつきましても、我々が救助の要請をしあるいは救助の実態的な指導をしというような形でもって実際の救助活動に関与をいたしておりますが、そうした関与をした比率というものがこれちょうど七四、五%に達するという実態でございます。

筆坂秀世日本共産党

○筆坂秀世君 そういうことなんです。関与されたのは七四・二%、平成六年で。  しかし、要救助船舶の救助状況を見ますと、海上保安庁の救助というのは平成六年で三百六十五件、海上保安庁以外の救助が八百二十四件ですから、倍以上ですね。乗船者の救助状況は、海上保安庁が千六百二十二人、海上保安庁以外が三千五百三十六人ですから、これもやはり倍以上。別に海上保安庁がサボっているとかなんとかいうんじゃなくて、こういう海上保安庁の倍以上の救助活動を現に民間のボランティアがやっているというのがこれが実態だということですね。つまり、水難救難所員などの民間の救助活動がなければ海難救助というのは成り立っていかないというのが、これが実情だということだと思うんです。  しかも、人身事故の救助状況を見ますと、海浜事故、今言いましたように千六百五十三人、うち五四%がスキューバダイビング、ボードセーリング、サーフィン、釣り、遊泳等々のレジャーに関連した事故です。  こういうのを見ますと、こうした民間の水難救難所員、この方々の役割はやはりますます高まっているというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 海難の救助は、海上保安庁の巡視船艇による救助も無論ありますし、今申し上げましたように、また先生もおっしゃいましたように、民間の海上保安庁以外の方々の協力によって遂行される部分もたくさんございます。これは世界的にそういうことでございまして、もともと危険がいっぱいの海上におきましてやはり相互扶助、危険を見たらだれでも助けに行くという相互扶助の精神に裏打ちされた海難救助の思想というものがかねてより海上におきましては発展をしてきております。  したがいまして、先生御指摘のとおりでございますが、民間の救助機関の働き、あるいは民間の救助機関として設立されたもの以外にも一般の航行船舶でございますとか、あるいは漁業をしておられる漁船の皆様方、こうした皆様方の力というものが非常に重要なものであると認識をいたしております。

筆坂秀世日本共産党

○筆坂秀世君 海上保安白書を見ましても、「海難の救助には、沿岸住民等による応急的な救助活動が有効な場合も多いことから、各地における民間の救助活動を充実強化していくことは大きな意義を有している。」というふうに述べられております。今おっしゃったとおりです。  ところが、この方々に対しては無報酬なんですね。みずから経費も労力もかけて奉仕をしているというのが、これが現状なんです。私どもこの問題をこれまでもこの委員会で何度か取り上げてきまして、前の亀井運輸大臣がこうおっしゃっています。そういう方々の活躍によって生命、財産が守られている実態がある以上は消防団員に準ずる工夫をして、御貢献に対してきちっとした国なり自治体としての対応できる方法があるか調査しているという旨の答弁がありました。  消防団員を見てみますと、例えば報酬を見てみますと、地方交付税算入額として、団長さんが年間七万四千円、団員の方が二万七千五百円地方交付税として見ているわけです。ところが、救難所員の場合にはこれはありません。  ですから、やはり今次長もおっしゃったように、この広い海で海上保安庁ひとりでやろうなんて、これはどだい無理な話です。ですから、こういう方々が必要なことは当然のことだし、世界でそれが常識になっているというのも当然だと思うんです。そこまで全く私も異論ございません。  問題は、こういう方々に対して消防団員に準ずるようなやはり報酬なりそういう保障をやっていく必要がある。ますます海浜レジャーが発達して盛んになって、事故の危険性もあるいは件数も大いに高まっている、こういう実情を考えた場合にここは大いに工夫すべきだというふうに思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。

亀井善之自由民主党運輸大臣

○国務大臣(亀井善之君) 今、委員御指摘の、多くの皆さん方がボランティアで人命救助のために多大なる御尽力をいただいておりますことは承知をいたしております。なお、元亀井大臣が答弁をいたしておりますことも承知をいたしております。  自治省に対しまして身分保障の法制化に関する要望等の経緯等々を説明し、水難救済会救難所員に関する条例内容等についても事務的に話し合いをさせているところでございます。

筆坂秀世日本共産党

○筆坂秀世君 中には、もちろん身分保障されると義務づけられるというのでこれは嫌な方々もいらっしゃるのはまあ当然だと思うんですね。しかし他方で、身分保障の強い要求もございます。だから私は、そういう点でも希望者に対しては消防団員に準ずる身分保障をするということが全体としての救難支援活動を充実させていく、海難事故が起こっても悲惨なものにしていかないという点で非常に大事なことだと思うんです。  水難救済会の方では、かなり前からこの問題は言われているわけですけれども、なかなか国の方でそれがしかしできない、そこで自治体に要請をして、条例を自治体でつくるという動きが今全国に広がりつつあります。条例をつくった自治体はどれぐらい今あるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 私どもが把握いたしておりますところでは、条例によりまして水難救済会の救難所員などを非常勤あるいは特別職の地方公務員といたしている市町村が四市五町ございます。最近では平成七年十月に北海道江差町で水難救助隊が設置されております。

筆坂秀世日本共産党

○筆坂秀世君 そうですね。今おっしゃったように、北海道の江差町、山形県で二市二町、香川県で一市、福岡県で一市一町、福井県で一町というふうになっています。これはやはり私は、ある意味では国の対応のおくれに対して自治体でこれは何とかしなけりゃいかぬということの反映だと思うんです。  今、大臣も自治省との間で身分保障についての法制化について検討をお願いしているというお話がありましたけれども、大体これはどれぐらいをめどにされるつもりなのか、お伺いをしたいと思います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) この水難救済会のいわゆる身分保障問題、公務員化をするという問題につきましては、私どもとしまして一つ大きな問題を克服しなければならないと思っておりますが、それは、先ほども申しましたように、海難救助というものは、海上で働きあるいはレジャーする人たちも含めましてボランティアとして実施をしてきておりますし、また、そうした仕組みによりまして海難救助が実態的に行われているということでございますのに対しまして公務員化をするということになる。また、公務員化することによるいわゆる身分保障、やはり公務員である以上は、そこにおきましては特別職であれあるいは非常勤であれ当然任務あるいは責務というようなものが発生をしてまいります。つまり、出動義務あるいはこれに準ずる取り扱いというものがそれらの方々に対して行われるということになってくるわけでございます。  また、現場の実際の傾向といたしましても、そのように公務員化された、予算的な制約もございますからある限られた人数に恐らくなるであろうと思われますが、そうした方々以外の方は、これは今度は我々だってボランティアとしても出動する必要はないんだ、みんなそうした方々にやっていただくべき話ではないかといったような心理的な傾向というものは生じやしまいか、そうすることによりまして大きな海難等が起こった場合の動員に問題を生じてきはしないか。すなわち、ボランティアとして相互扶助の精神に基づいてみんな好んで海に、仲間の船あるいは他の地方の船も含めまして海難救助に当たっていくという考え方を現在のところ一〇〇%私どもは払拭するというわけにはいかないということが一つの基本的な問題でございます。  ただ、そうした出動義務等につきまして、地元の皆様方が甘んじてその点は覚悟していこうじゃないかというふうな形でもって、議会におきまして条例をつくられるというようなケースが先ほど申しました件数でございますから、そうしたケースというものを、やはり我々の海難救助の仕組みの上におけるいわゆる公務員化ということについての一つの現実的な方策ではないかというようにも考えております。

筆坂秀世日本共産党

○筆坂秀世君 次長がおっしゃることはわからないではないんですよ。ですから私、先ほど言ったように希望する方にはそういう保障をする、希望されない方もいらっしゃる、これは別に全員をこうしなきゃいかぬということは全くございませんから、ですからこれはひとつそういう問題であると。  もう一つ、今だって確かに報酬はないんです。あるいは退職報償金もないんです。これは消防団員にはあります。しかし、例えば出動手当であるとか災害補償であるとか賞じゅつ金、こういうものは救難所員に対してもあるんです。これはいろんな寄附とか自治体からのお金とかでやっているわけです。ですから、ある意味では半ば公務員化している面もあるわけですよ。  ただ、問題はそれが国からお金が一切出ていないというところにあるわけですね。ですから、もし国の方が身分保障をして国からお金を出す、地方交付税なりで出すということになっても、それで今次長がおっしゃったようなボランティアの精神、相互扶助の精神、そこにきしみが生じるということはないと私は思うんです、現にやっている見本はたくさんあるわけですから。ですから、これは理屈の世界では次長がおっしゃることもわからないでもない、しかし実態は自分たちの努力でそれをやっているという面もあるわけですから、その点はよく踏まえて御検討をしていただきたいというふうに思います。  一言御答弁いただいて、私の質問を終わります。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) しっかりと受けとめさせていただきます。

中尾則幸参議院フォーラム

○中尾則幸君 参議院フォーラムの中尾でございます。  海難救助等に協力あるいは実際に当たった人が不幸にしてけがをなさったり疾病、障害、場合によっては死亡といった災害を受けたときに、国が災害給付を行う制度を定めております。これに加えて今回、重度の障害を受けた人が介護が必要となった場合、介護給付の制度を創設するわけでございます。本法律案の改正には賛成いたします。  今回、これに関連しまして海難、特に最近盛んになっております海洋レジャーの安全対策等について幾つか御質問をいたしたいと思います。  海洋レジャーに伴う事故について、最近特にプレジャーボート等の海難事故がふえているやに聞いております。特に最近の例ですけれども、昨年四月二日に千葉県の市川沖の東京湾で、プレジャーボートがノリ養殖用の網にひっかかりまして不幸にして五人の方が亡くなった事故は記憶に新しいところでございます。  さて、こうしたプレジャーボート等の事故の実態といいますか傾向が一体どうなっているか、またさまざまな原因が「海上保安の現況」にも挙げられておりますけれども、重立った原因というのはどういうものがあるのか、御説明願いたいと思います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 平成七年におきます救助を必要とするプレジャーボートの海難隻数は六百七隻で、これに伴って四十七名の方が死亡、行方不明となっております。  最近五年間におきますプレジャーボートの海難の推移を見ますと、平成四年に一たん減少いたしたものの、平成五年以降は若干増加の傾向にござ  います。  原因別にプレジャーボートの海難を見てみますというと、平成七年の調査でございますが、見張り不十分が百十隻、操船不適切六十隻、また気象・海象不注意四十三隻といったような運航の過誤によるものが六割以上を占めているということでございます。また、機関取り扱いの不良というものも百隻ほどございまして、火気・可燃物取り扱い不注意十隻を加えまして、いわば人為的な要因による事故というものが全体の八割近くを占めているという状況にございます。

中尾則幸参議院フォーラム

○中尾則幸君 人為的な要因による事故が多いというふうに今伺っておりました。  海洋レジャーにおける海難事故は当然夏場に多いわけでございますが、昨年九月五日付の新聞報道ではこんな記事が載っておりました。この夏、つまり昨年の夏ですが、水上オートバイ事故が多発、目立つ技術不足、海上保安庁一斉指導へというふうな記事が載っておりました。この記事からでございますが、海上保安庁が昨年九月四日にまとめた七月、八月の海難事故をちょっとざっと見てみますと、全体で二百十二隻が遭難、これが前年同期比で三十八隻ふえている、そして死者、行方不明がやっぱり十人ふえて十三人になっておる等々の指摘がなされております。  海洋レジャーの安全対策は、基本的には個人がまず楽しむわけですから個人の自己責任というものは当然のことでございますが、しかしながら、自分だけの事故じゃなくて相手に迷惑をかける場合もございまして、当然海上保安庁としてはこの海難防止に力を入れておられると思いますけれども、まず第一点、気象だとか海象の状況をどのように提供しているのか。あるいは安全対策、いわゆる海洋レジャーを楽しむ方に安全思想の啓発活動といいますか啓蒙活動をどのように行っているのか。この二点についてお伺いしたいと思います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) プレジャーボート等に対する気象等の情報提供の問題でございますが、愛好者などの一般市民の相談窓口としまして、全国の海上保安部署百二十カ所近くございますが、そこに海洋レジャー相談室を開設いたしまして指導、助言、情報提供などを行う。また、海の相談室、これを全国に十二カ所開設いたしまして、海流、潮流、潮汐等の情報を広く一般に対して提供をいたしております。また、来訪による相談を初めといたしまして、電話や文書等による問い合わせにも応じております。  また、全国各地の主要な岬の灯台等におきましては、その灯台の付近の局地的な風向、風速、波、うねり等の気象・海象の観測を行いまして、それらの情報を無線放送あるいはテレホンサービスで提供をしていく。また、海上保安庁の統制通信事務所等におきましては、気象庁からの気象・海象の警報、注意報等の情報を受け、無線放送により情報提供をいたしております。  また、船舶の安全に資する海象情報の提供につきましては、海上保安庁におきまして刊行しております潮流図とかあるいは潮汐表などの水路図誌により実施しておりますし、また、当庁の指導のもとにプレジャーボート等小型船舶に対しまして、航海用の参考情報としまして日本水路協会が各地の港の水深、漁網の設置状況等を掲載したプレジャーボート・小型船用港湾案内を発行いたしているところで、以上が気象・海象等の情報提供の仕組みでございます。

中尾則幸参議院フォーラム

○中尾則幸君 時間がないので大体で、細かくは結構ですからお答えいただきたいんです。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 簡単に申しますと、事故を防止するための指導、啓蒙活動につきましては、全国の海上保安部署等におきまして海難防止講習会を開催し、あるいは海難防止団体等が主催する講習会にも積極的に講師を派遣しておりまして、平成六年にはそれら海難防止講習会等が千回近く開催され、その参加人員は約五万人近くに上っておるところでございます。

中尾則幸参議院フォーラム

○中尾則幸君 続いて、遊漁船の事故対策についてちょっと伺いたいんですが、遊漁船の海難事故もふえておりまして、平成六年、五十八隻三百三人が海難に遭っている、うち死傷者が四十四人というふうに聞いています。  水産庁きょう来ていると思いますが、この遊漁船の事故で思い出されるのは、今から八年前、昭和六十三年の七月、神奈川県横須賀沖の例の潜水艦「なだしお」の事件でございます。これは三十人の方が亡くなっている。この衝突事故をきっかけに、翌年から遊漁船のマル適マーク制度がスタートいたしました。  全国で遊漁船というのは約四万三千隻あるというふうに聞いていますけれども、このマル適マークを交付された船が七百六十九隻しかない。これはなぜ少ないのか。安全確保のためにせっかくマル適マーク制度を導入したわけですけれども、これは一体どうなっているか、簡単に状況を御説明願えますか。

石木俊治水産庁振興部沿岸課長

○説明員(石木俊治君) 健全かつ安全な遊漁船業を推進するための今御指摘の遊漁船業の適正化に関する法律というものによって設けられましたいわゆるマル適マークでございますが、これを普及するために、これまで水産庁としましては、遊漁船業者の安全講習会、消費者の部屋等の各種の場を利用したマル適マークのPR資料の配布、それからマル適マーク登録業者のガイドブックの作成及び釣り具店などへの配布、そういったことを推進してきたところであります。しかし、こうしたことにもかかわらず、今おっしゃいましたような数字でございまして、十分にマル適マークが普及していないということでございます。  この要因というのは、なかなか難しいんですが、一つ考えられますのは、実際釣りをされる方々の関心がいまだに、出航中止基準の遵守とか万一の場合の保険等といった安全面、これも大事なんですけれども、何よりもよくたくさんとれることということに関心が向いておって、そういうことを反映しまして、遊漁船業者の方もマル適マークを取得するということが直ちにお客さんの増大につながらないということが一つの要因としてあるのではないかと思っております。  そこで、水産庁としまして、こうした釣りをする方々のいわば釣果至上主義といいますか、とにかくたくさん釣りたいということだけではなくて、釣りとして楽しむというような観点に持っていっていただきたいというようなことがございまして、平成七年度から補助事業として環境調和型遊漁推進事業というのもやっているところであります。この中で、例えばこの三月二十四日には漁業・遊漁交流シンポジウムというのを横浜で開催することにいたしております。  こういうことで、釣り人の方にもとにかくたくさんとるんではないというようなことを認識していただく、それからそれが遊漁船業者の方にも結びつくといったようなこと、それからマル適制度のPRには今後とも一層努めてまいりたいと思っております。

中尾則幸参議院フォーラム

○中尾則幸君 それは釣りをする人がたくさん釣りたいというのは当たり前ですね。PRが足りないと思うんです、よく周知されていないと。しっかりやっていただきたいと思います。  最後に大臣、一言。  こういう海洋レジャーが定着して国民の余暇利用を図っていくというのは大変大事なことだと思いますけれども、海洋の安全、海難の防止について一言大臣のお話を伺って、私の質問を終わります。

亀井善之自由民主党運輸大臣

○国務大臣(亀井善之君) いろいろ御指摘をいただきました。  特に、本年は七月二十日に海の日を制定いたしまして、海を通じてまさに海洋国家日本、いろいろな面でその高揚を図っていかなければならないわけであります。また一方、海洋レジャーにつきましても、大変多様化し活発化する、また国民の間にもそういう面での浸透が図られるわけであります。  一面、御指摘のような事故の問題が出てくるわけでありまして、この安全対策につきましては、事故防止の指導であるとか、あるいは民間における海洋レジャー活動の安全対策等を推進するために、日本海洋レジャー安全・振興協会あるいは小型船安全協会等の民間団体を積極的に活用いたしまして、事故防止の推進、救助体制の充実強化、海洋情報の収集・提供体制の強化、このようなことを万全にいたしまして、健全な発展のために総合的な対策を推進してまいりたい、このように考えております。

寺崎昭久平成会

○委員長(寺崎昭久君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、岡部三郎君が委員を辞任され、その補欠として中島眞人君が選任されました。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 新社会党・平和連合の栗原君子でございます。  私は、本法律案にかかわって、とりわけ介護給付制度の創設を提案していらっしゃるわけでございますけれども、二、三質問をさせていただきたいと存じます。  まず第一に、これは昭和二十九年九月二十六日でございますけれども、青函連絡船洞爺丸の遭難事故がございました。その中で、当時カナダ人の宣教師でありましたアルフレッド・ストーン宣教師が乗っておられまして、御自分の救命具を日本人の青年に貸してあげられたわけでございます。そして、遭難事故に遭われまして宣教師は命を亡くされた、そしてその救命具を借りた日本の青年は助かった、こういった事実がございました。これは小説の「氷点」の中でもこのことが示されておりまして、当時大変話題になった事故でもございました。  こういったときこの法律は適用されるものかどうか、そして当時法律にまだこの条項がなかったとすればどのような対応をなされたものか、お聞きをさせていただきたいと存じます。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 先生がお尋ねの事実関係、現在確認のしようがないわけでございますが、今先生がおっしゃられた状況を想像し現場の状況などを勘案いたしますと、アルフレッド・ストーン宣教師、おっしゃいましたこの方は、今回の法律が適用されることとなったものと考えられます。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 次に、介護について少しお聞きをさせていただきたいと存じます。  まず、大臣の提案説明の中にもございましたように、近年の人口の高齢化や核家族化、そして女性の就業率の上昇といった社会情勢の変化に云々とありまして、大変介護が重要視されていると  いった提案でございました。  今日この介護の問題というのは高齢者あるいはまた障害者の介護も含めまして国民的な課題である、このように思っております。要介護者と申しますのは年々増加をしておりまして、二〇二〇年には三百六十万人の要介護者がいらっしゃる状況になる、こういったことが言われているわけでございます。  さてここで、今日このゴールドプランの進捗状況について、いろいろ自治体の中でも大変進捗状況は厳しいといった報告も出ておりまして、三千二百の自治体の中で千百幾つかの自治体は大変な高齢とそして過疎の町でございまして、このゴールドプランを進捗していくのに難しい、こういった悲鳴も上げていらっしゃるような状況でございます。  そこでまた、今日、医療面でも規制緩和が進められておりまして、このことに伴って民間の介護産業が次々に進出をしているという状況でございます。そこで予想されますのは、ただいま四床部屋に八人を入れるといった、そうしたサービスの低下も一方では予想されるわけでございます。そしてまた、健保組合は既にまたパンク状態にあるという、言われているのはもう八割の健保組合がそういう声を出しているわけでございます。  さて、こういった中でこの介護に対して現金給付をするということを提案しておられますけれども、現金給付ということになりますと、今でも介護は大体女性を家庭に縛りつけるものではないか、こういったことが女性団体を中心に大きく声が上がっている中でございますけれども、女性を家庭に縛りつけることにはつながっていかないのか、ちょっとここをお聞きしたいと思います。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) 介護そのものにつきまして、福祉行政あるいは医療行政という観点からのアプローチが基本的に必要かと思いますが、今回私どもがこの委員会に御提案申し上げましておりますのは、現在、家庭におきまして女性の皆様方の負担において行われているいわば家族による介護から、介護事業者、専業者による介護についての負担をこの給付によっていわば面倒を見ることによりまして、むしろ逆に、家庭における家族の皆様方の介護の苦痛と言って言い過ぎでありますれば、そうしたその家族の皆様方の御負担をむしろ解消する方向に向かうんではないか、このように思っております。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 実は、この介護保険が大変ドイツは進んでいるということも言われるわけですけれども、ドイツの場合、申請をいたしましても三割から四割については受け入れられないということで却下されるという実態があるわけでございます。そこで、日本でもよい医療を受けたい、よい介護を受けたいと思えば、これに伴って財源的な措置も必要になってくるわけでございます。  そこで、本法律案にかかわっての選択権というものは、同じ施設であるならば少しでもよい介護を受けたい、医療も受けたい、こういうのは人間だれでも思うことでございますけれども、選択権は認めてもらえるのかどうか、このことをお聞きしたいと思います。  それともう一つは、例えば管区の本部長がこれを認定するという説明も受けたわけでございますけれども、不服が生じた場合にはこの不服の申し立ての制度というのはどこへすればいいのか、あるのかないのか、お聞きしたいと思います。  この二点、お願いします。

加藤甫海上保安庁次長

○政府委員(加藤甫君) この法律は、介護を必要とするという身体的な障害の状況があるということと、現実に介護を受けているという状況のこの二つを要件にいたしておりまして、どこで介護を受けているかという点については、介護を受けられる方の、いわばこの法律による対象者の自由の選択にゆだねられているところでございます。  また、管区本部長が認定をする、あるいは認定をしなかったという点に不服がある場合には、一般の行政不服申し立て制度によりましてその道が開かれているものと承知をいたしております。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 ありがとうございます。  金だけ取られてもなかなか望むサービスが受けられないというようなことにはならないようにお願いをする次第でございます。それからまた、今日では身体的なケアだけでなくして、もっと心のケアも必要であるということが現場からも声が上がっているわけでございますから、そこらも十分にお含みおきいただきまして、ぜひいいものにしていただきますようにお願いをして、質問を終わります。  ありがとうございました。

寺崎昭久平成会

○委員長(寺崎昭久君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

寺崎昭久平成会

○委員長(寺崎昭久君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

寺崎昭久平成会

○委員長(寺崎昭久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時六分散会

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