予算委員会第六分科会 第2号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1996/03/01
会議録
○近岡主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算及び平成八年度政府関係機関予算中総理府所管経済企画庁について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。田中経済企画庁長官。
○田中国務大臣 平成八年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、二百七十五億九千五百万円余であります。 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。 第一に、適切かつ機動的な経済運営と的確な経済情勢判断の推進に必要な経費として、二億二千二百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、経済状況を的確に把握するため単身者世帯の消費予測調査の実施、改訂国民経済計算系列の整備などに必要な経費であります。 第二に、経済フロンティアを拡大する構造改革の推進に必要な経費として、一億三千二百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、経済フロンティアの拡大と二十一世紀への経済社会発展基盤調査、世界経済発展の改革戦略研究に必要な経費であります。 第三に、世界経済の拡大均衡に向けた積極的取り組みに必要な経費として、三億五千五百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、政府調達苦情処理、市場開放問題苦情処理、対日投資促進を中心とした市場アクセスの一層の改善に必要な経費、アジア太平洋地域協力への取り組み強化に必要な経費、国別経済協力指針の策定など経済協力の推進を図るために必要な経費、旧計画経済諸国に対する知的支援の充実を図るために必要な経費であります。 第四に、生活の豊かさを実現する総合的な政策の推進に必要な経費として、三十五億百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、内外価格差是正、縮小を図るために必要な経費、ボランティア活動促進のための環境整備に必要な経費、製造物責任制度の定着に向けた諸施策の推進を初め消費者行政の積極的展開に必要な経費であります。 また、これらの経費のほか、海外経済協力基金に対する交付金百三十九億円余を計上しております。 本基金の平成八年度の事業規模は、九千四百億円を予定しており、このための資金として、一般会計において、前述の交付金のほか出資金三千七百三十三億円が大蔵省に計上されるとともに、財政投融資計画においても、資金運用部資金等からの借入金五千五百四十億円が予定されております。 以上、平成八年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。 以上でございます。
○近岡主査 以上をもちまして経済企画庁についての説明は終わりました。L
○近岡主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)分科員 さきがけの五十嵐でございます。 二月九日に一番新しい月例経済報告が経済企画庁から出されておりますが、その中で、総論部分は、「景気には緩やかながら再び回復の動きがみられ始めている。」という表現がありまして、翌日の新聞は一斉に、政府の景気回復宣言という書き方をいたしました。そういうとらえ方、景気回復宣言なんだというとらえ方でよろしいのでしょうか。その点をお伺いをしたいと思います。
○田中国務大臣 マスコミ等で、景気回復宣言というふうに言われたところですが、その前に景気回復宣言という形で受け取られたことをたどってみますと、九三年六月に、当時の船田長官の月例経済報告が景気回復宣言として受け取られまして、マスコミでそういうふうに扱われたわけであります。 当時といろいろな面で比較するということは無理なことでありますけれども、しかしながら、全体的に明るい動きが当時と比べてわずかながら強いといいますか、そういうものを感じられましたし、さらにまた、当時が、個人消費、特に設備投資の面でいまだしという感じがあった中で、今回は、設備投資あるいは生産、いわゆる民の側の流れが当時よりわずかながら強いかと、そんな感じも比較すれば感じられますので、九三年の六月が そういうふうに受け取られたのであれば、今回またマスコミ等で景気回復宣言という形で受け取っていただくのも、これはやむを得ないことかな、そんなふうに感じております。
○五十嵐(ふ)分科員 しかし、懸念材料も大変ございます。 日銀総裁が二月二十二日に講演をなさった中で、景気は再び回復に向かいつつあるということをかなりはっきりとおっしゃっているわけです。しかしこれは、今、民の流れが少し強まったという大臣答弁がありましたけれども、それを指摘しつつも、やはり懸念材料をまた同時に日銀総裁は指摘をされております。 その一つが、やはり金融システムの不安でありまして、総裁が、今回の政府の処理は素早くてよかった、先送りしないことがよかったんだとおっしゃっているわけです。それで市場が安定してきている、こういうふうにも言っているわけですが、実際には、このところ銀行株の値下がりというのが続いておりまして、それに引きずられて、東京証券取引所自体もかなり長期間にわたってだらだらと下げている、二万円をまた割ってしまったという状況になっているわけでございます。 そこで、金融システム、やはりこれは不安が起きるということは大変なことだろうと思います。これをぜひ確立をしていって、新しい金融システムに切りかわっていかなければいけない、そういう変わり目に来ているんだろうと思います。 金融行政は、日銀、また大蔵省の専管だということで、なかなか外からは口を挟みにくいのですが、私は、しかし実はそうじゃないんだろうと思っております。今時代の変わり目ですから、経済構造全体の改革をしなければいけない。それの中で、金融システムの構造改革というのは全く避けて通れない問題だと思っておりますので、こういうような問題には、経済に関する調整官庁である経済企画庁はむしろ積極的に発言をしていかなければいけないんではないか。 日本の国家行政組織は、縦割りの事業官庁と横割りの調整官庁から成っておりまして、もっと調整官庁、例えば環境庁は、環境問題に関してはもっと積極的にそれぞれの主管官庁、事業官庁に注文をつけていく、要請をしていくということが大事だろうと私は思っております。であるならば、この変革期にある経済について、経済調整官庁である経済企画庁がもっと積極的に各省庁に注文をつけていくというのはむしろ当然のことだろうという考えを持っております。 そういう観点から、今の金融システムの再編論議あるいは大蔵省の金融行政の改革論議について、大臣はどのような御所見をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
○田中国務大臣 最初に、その前の答弁の五十嵐さんの受けとめ方ですが、民の勢いが強まっているというのは、九三年の六月当時と比べればということで、民の勢いを強めていくというのが当面の最大の課題でございますから、そういうふうに御理解いただきたいと思います。 金融システム、金融行政の改革、再編問題についての御質問をいただいたのですけれども、「大蔵省解体論」を書いている五十嵐さんの話、その趣旨の話で受けとめさせていただきますけれども、私は、国会審議をずっと今回聞いておりまして、また参加して大変強く感じたのは、やはり母体行の責任あるいは行政の責任というのが日に日に強まってきている、そういう印象を受けまして、国会の答弁、予算委員会の答弁でも、この問題を後始末の問題としてだけ片づけてはこれはもうやりきれない思いであるということを申し上げたところであります。 ある意味では、金融システム、金融行政が装いを新たにする絶好の機会である、そしてまた、最終的に理解をいただくためにもこれはやらなきゃいけないし、また、当初私は金融行政の再編という問題はおのずから視野に入ってくるということを申し上げましたけれども、今の心境としては、必ずそういうことになるだろうし、ならなきゃいけない、そんな思いでおります。 与党の方でもそのための努力を開始したようでありまして、具体的な機構改革論が今出ています。いろいろなアィデアが出ております。それはそれで傾聴に値するものだというふうに思っているのですが、私自身がこの問題についてこだわっているところが三点ほどありますので、この機会に申し上げたいと思うのです。 一つは、金融行政の独立性という問題であります。この独立性という問題を考えるときに、これが一番大事だというふうに思っているわけですが、器がかわっても中身が変わらないということではいたし方ないので、どうやってこの金融行政の実質的な独立性を実現していくかというところが問われているのだというふうに見れば、そこに焦点を当てて考えざるを得ないのですが、第一点としては、ほかの行政分野との独立性ということが一つであります。 第二には過去の金融行政からの独立性ということであります。 それから、さらには三番目として、この独立性というものを期待に添う形で新たな金融行政の中に確立していくためには、今までの金融行政が新しい金融行政を産み落とすというようなことであってはならない。今までの金融行政が母として、新しい金融行政が子として生まれるようなものであったら、これは独立性というのは確保できないというふうに思っております。 したがって、新しい金融行政をつくり上げていくという点では、今までの行政の外の力、もちろんそれは政治の力でありますけれども、政治、国会の果たす役割が大きいし中心的なものであるということを期待しているということでございます。
○五十嵐(ふ)分科員 一般論の形でお話をされました。私は意味するところがわかるのですが、非常に遠慮深くおっしゃっている。もう少しはっきりとお話をされてもいいのではないかな。 日銀も非常に遠慮があるのですね、これ。この日銀総裁のきさらぎ会での二月二十二日の講演を見ても、金融システム全体の監視を行っていく上で、あるいは個々の金融機関行動を把握する上で日本銀行は格好の位置にあるということをおっしゃっているのです。私のところへもっと権限をよこせと言いたいのを、非常にえんきょくに上品に総裁はおっしゃっている。 将来のというか、近い将来の大蔵省事務次官でいらっしゃる竹島官房長がいらっしゃるところで恐縮なのですけれども、もっと大蔵省から独立して日銀に権限をよこせというのが日銀総裁の講演の本心だろう、私はそう思いますが、これはもっとはっきり言わないといけない時期が来た。 それから、今の住専をめぐる問題についても、どうも話が前向きになっていかないのは、いわゆる政府側から金融システムの不安について物を言うと、これは国民に対するおどしになるとか、それが本当になってしまうとか、過去の実例に学んだのでしょうけれども、そういうあつものに懲りてなますを吹くようなところがあるから、タブー視されて前向きの議論が私はされないのではないかなと思っているところがあるのです。 やはり日本が抱えている不良債権総体の議論をしていかなきゃいけない。だれも三十七兆、三十八兆で日本の不良債権処理が済むと思っていないのです。八十兆あるいは百兆、百二十兆という数字が出ているわけですから、百二十兆、百四十兆という数字は重複カウントされているとしても、八十兆から百兆あるだろうというのは世界の見方になっている。日本発の世界大恐慌を心配しているわけです、本気になって。それがジャパン・プレミアムにもなっているわけですから、この総体をやはり議論をしていくというところがなければいけない。これはどこも積極的な話がないというのが問題。 それからもう一つは、将来の金融システムということを考えるのであれば、これはやはり日本の金融機関が国際競争力を失っている、失っている国際競争力をどういうふうに取り戻すかというのが一点。そうするとユニバーサルバンクという考 え方が出てくるわけですけれども、金融業界の再編ですね。大きい、でかい銀行が出てくるのはいいのですけれども、それは必要なんです、国際競争力をつける。 一方で、それだけを推し進めていくと、日本が今非常に足りない、新しい企業、新しい産業を育てていくという、この分野の公的機能というのをどうやって日本がつくり、維持していくかという問題の方が実は大変重要な問題で、これは今まで町の金融機関である信用金庫の方がそうした機能をむしろ果たしてきた。 ところが、護送船団方式をこれから外さなきゃいけないということですから、中小金融機関に対する保護が外れると、そういったところはつぶれてくるというおそれが今度はある。系列化されてユニバーサルバンクにみんな吸収されていくということになると、今度はそれにかわって直接金融がそれを完全にカバーしてくれればいいのですが、直接金融は日本ではまだそんなに育っていません。そうすると、どこで新しい企業、新しい、資産を持っていない伸びようとする企業、先端産業を育てるのかという話が出てくるわけです。 そういう観点から、新しい時代に合わせた新産業を育成するという機能、それから国際競争力をつけるという機能をどこで日本の金融システムが担保していくかという問題が出てくると思うのですが、そういう観点からの議論が、予算委員会をこれまで聞いていてもなかなか出てこないのですね。過去のだれが悪い、あれが悪いという話ばかりで、これはみんな悪いのですよ。最終的にはこれは政治家が負わなければいけないし、政治家の責任というのは結局は国民の責任にも私は帰していく問題だろうと思います。 だれが悪いという話をするよりは、これから時代おくれになった日本の金融システムをどう再構築していくかという議論を与党も野党もない世界でもっと深めて進めていかなきゃいけないときに、そういう議論をする、あるいは持ちかける人がいない、ここに問題があるのです。 経済構造改革という言葉が二月九日の月例経済報告の中にも出てくるわけです。「各種経済構造改革を推進することとする。」こう書いてあるわけですから、経済企画庁はもっと積極的に、閣僚としてほかの分野にも発言をすることができるわけですけれども、とりわけ経済担当の閣僚として私は御発言をいただきたいと思っているわけですけれども、御所見をいただきたいと思います。
○田中国務大臣 私は、金融行政の改革、再編に関する私の先ほどの発言も含めて、遠慮深いものだとは全く思っておりません。機構改革で終わらせてはいけないということを私は言いたい。ともすれば、こういう議論は必ず、器をかえただけで中身が変わらないということになりがちなので、私はそれに対する非常に強いこだわりを持っておりますので、ある意味では最も強い発言だと私は思っております。例えて言えば、金融行政というのはまないたの上のコイとなっているわけですから、そのまないたの上のコイが包丁を持つようなことはおかしいではないか、許しがたいということを私は言っているわけであります。 今五十嵐さんの方から、新しい金融システム、金融行政はこうあるべきだという具体的なお話もありました。そういうものも含めて、新しいシステム、体制を築き上げていくときに、だれが主導権をとってやるのかというところに私の当面の最大の関心があるわけです。 もちろん金融の関係者、行政でもそうですし、いろいろな関係者の専門的な意見や知恵をかりなければいけないですけれども、そういう人たちが主導権をとっての金融行政、金融システムの改革、再編ということになれば、やはり過去の行きがかりを断ち切るということはできない、生まれ変わることはできないというふうに思っております。 それが私は核心部分で、ともすればその機構改革、金融庁などという案も出ますけれども、ああいう形の機構改革は、それこそ器をかえて中身が変わらないことになりがちなんですから、私はそれに対して非常に強い心配もしておりますので、あくまでもどうやってその独立性を確保していくかという目で、こだわってこの問題に対処していきたいということで、決して遠慮深いとは思っておりません。
○五十嵐(ふ)分科員 私も、金融庁と言っているわけですけれども、これは単に機構改革論で言っているわけではないわけです。これはあくまでも必然的にそうなるであろうということを言っているのであって、日銀法も、銀行法も、私はまるっきり根底から見直さなければいけないと思っておりますし、自己責任原則を確立するために新しい金融システムをどうつくっていくかという観点から、いわゆるそういう企画分野だけを取り出して金融庁でごく小さい組織としてしよう、あとは独立性というか、金融機関の自主性を尊重して、悪いところは捕まえるという、そういう監視をし、捕まえる機構を別途強化してつくるという考え方から成っているわけで、私自身も、とにかく大蔵省をいじめればいいという話で言っているわけではないということを御承知おきをいただきたいと思います。 新しい発想に立たないと、この新しい時代、私はWTO条約の締結というのを非常に重視していまして、これによって新しい時代に世界はもう入ってしまったんだ、だからWTO時代に備えた経済構造をみんな持っていかなければだめなんだということを申し上げているわけで、その中で一つ大切なことは、やはり行政の透明性ということなんですね。それで、タブーを設けるなということを申し上げているわけであります。 その中で、やはり行政情報の公開、ディスクロージャーというのは大変大切なことだろうと思っております。特に大臣はこの問題に関心が深いとお見受けをしておりますので伺うわけですけれども、経済企画庁の場合は、審議会の公開についてはどのようにそれが進んでいるでしょうか。その状況を御説明をいただきたいと思います。
○田中国務大臣 今回の住専あるいはHIV、いろいろな問題を見るにつけ、情報公開の必要性しいうのはますます痛感しているところであります。これは行革委員会の方で検討を続けているわけですが、広い意味で審議会の公開というのは情報公開の中に入るでしょうが、私は今まで、情報公開という中に審議会の公開というものを頭の中に入れたことはありません。なぜかというと、情報公開というのはあくまでも行政内部の情報の公開であって、審議会の審議の公開はそれは当然のことであって、私は、情報公開、行政内部の話だというふうに思っておりませんから。 それはもちろんプライバシーの問題、人権の問題、あるいはさまざまな理由によってどうしても開示できないものがあるということは認めるところでありますけれども、原則としては、国民代主が意見を申し述べて、そして意見を集約する場として審議会はあるわけですから、これを過度に隠ぺいするということになると、行政の隠れみのであるとかあるいは腹話術であるとか、そういうふうに言われかねない。行政不信の一つの理由にもなっているわけで、そういう観点から、閣外にあるときも私は審議会の公開を強く叫んできた一人であります。そういう流れの中で、政府としては、閣議決定して審議会の公開に向けて一歩を前向きに踏み出したというところは、五十嵐さんも御承知のとおりであります。 私も、経済企画庁に来まして、最初はそのことは、すぐに予算委員会に入ってしまいましたのでそれほど念頭になかったのですけれども、審議会の公開がどういう形になっているかということを経済企画庁の事務の人たちに聞いた。まあ閣議決定の線に沿って着実にやっているということは認められるのですが、私から見たら不十分である、そういう感が否めない。したがって、私はもっと踏み込んで、一段の公開を審議会の内容についてするように指示をいたしまして、今経済企画庁内部で一歩進めるための検討をしているところでございます。 いずれにしても、審議会についてのある意味で のあり方に対する不信感、内容に対してもそういうものがありますけれども、これが行政不信というものを募らせているという現状を厳しく受けとめて対処していかなければならない、そんなふうに思っております。
○五十嵐(ふ)分科員 ぜひその方向を進めていただきたいと思います。 公開の方法はいろいろあると思うのですね。事後公開で、一カ月後に公開する、三カ月後に公開する、そういうやり方でも十分私は対応できると思いますので、何も一つのやり方にこだわって、公開できる、できない、あるいは概要だけを公開するとか、そういう基準でびしっとやるのではなくて、その審議会の特性に合わせた公開の仕方を、できるだけオープンにする、できるだけ早く、できるだけ大きい範囲で公開するということでやっていただきたいと私は思います。 それから、先ほど、もっと経済企画庁はいろいろな分野について横割りの面で発言をしていただかなければならないということを申し上げましたけれども、私は、一つ関心事で、NPOがございます。非営利法人なんですが、これは民法第三十四条の公益法人ですか、法人のにじみ出しという形で今新しいNPOの考え方が、法人格を与えようという話が出ていますけれども、これからの日本の社会を考えると、例えば、既存の株式会社、営利法人を頼りにした雇用市場だけでは雇用の確保というのは図れない。それから、市民の自発的なこうした活動をどんどん進めていくということでないと、経済活動もやはり限界があるだろうと私は思っています。 社会活動が起きれば、伴って経済活動が起こるのは当然であります。ですから、こういった面を伸ばしていくことによって、今まで予想されなかった分野の新しい産業が出てきたり、新しい雇用市場が出てきたりするわけだと思いますので、ぜひこのNPOの法人格付与による積極的な活動の促進というのが図られなければならないと私は考えているのです。 これについても、所管がどうやら経済企画庁になりそう、なったのでしょうか、なるわけですけれども、余り横に見て一定の基準がない。公益法人そのものがもうばらばらに各省所管になっていて、余りにもその統制というか基準というものがなさ過ぎるという状態にあるわけです。ですから、このNPOについては、それぞれに口を出すということではなくて、横に見て整合性のとれたシステムにしていかなければいけないという観点から、一つの考え方、基準のようなものが打ち出されなければならないだろうと私は思っております。 そういう観点で、経済企画庁はこの非営利法人をどのような目で見ているかということをお伺いをしたいと思います。
○田中国務大臣 いわゆるNPO法の必要性については五十嵐さんと全く同じ認識であります。ただ、この問題は、新党さきがけを初め与党三党の政策合意によりまして、議員立法でおつくりいただくということになっているわけです。したがって、私どもはそれに期待を込めて見守っているというのが今の状態でございます。 それで、いろいろな基準を示したらどうか、そういうお話がありましたけれども、政府提出ということであればそういうことをするにもちろんやぶさかではありませんけれども、議員立法の真剣な検討が続いている中でそういうものをつくって出すのはいかがなものか、私どもはそういう感じで見ております。 ただ、意見を求められたら申し上げたいと思いますし、お手伝いできるところがあれば手伝っていきたいというふうに思いますし、議員立法であるという趣旨で三党で御努力いただいている中で、私どもの管轄というふうに決められているわけでもありませんので、最初に申し上げましたように同じ認識を持っておりますので、そういう気持ちで現在見守っているというところであります。
○五十嵐(ふ)分科員 実は内々にお手伝いをいただいているわけでありますけれども、その中で出てきているのが、法人格の付与イコール税の恩典付与というような考え方になっておりまして、それだと、今の公益法人をただ範囲を広げて緩めて、のような形になってしまって、新しい市民活動を推進するという考え方からどうも外れてしまうのではないかということを私は危惧しているわけであります。 第一段階は、自主的な市民活動は全部法人格を付与する、ただしそれは税の恩典は一切ない、人格なき社団より場合によっては税の面ではより厳しくても構わないと思っている。法人格を与えることの方が大切だ。さらに、税の恩典が必要だ、欲しいというところに対しては、第二段階で、三年ほど実績を見た上で税の恩典を与える。その場合も、ただ公益法人と横並びでやるということではなくて、原則は課税にしておいて、本体の事業に密接にかかわる分野に限って非課税にするという考え方をとるべきだろう。さらに、より公共性、公益性の高い法人については今の民法法人の特増法人に移行すればいい。 私はそういう考え方を持っておりまして、いたずらに今の公益法人と横並びで税の恩典を与えるんだという考え方でいくと、逆に、どうも新しい法人を支援するということにならないだろう。性善説で一方ではやっておいて、一方では性悪説から厳しく監視するというような矛盾が起きて、うまくいかないのではないかなというふうに思っておりますので、法人格付与については、もう全面的に幅広く与える、ただし税の恩典が与えられる以上はディスクロージャーと監督権を甘んじて厳しく受ける、そういう考え方でいかなければいけないと思っているのですが、一言だけ、こうした基本的な考え方について御感想をいただきたいと思います。
○田中国務大臣 先ほど申し上げた趣旨で申しますと、貴重な意見として承っておくということしか私の立場からは申し上げられないわけですが、とにかく立派な成案が得られるように本当に期待を持って見詰めておりますし、やはり筋道としては、成案ができた段階で、意見を言えといったときに言わせていただきたい。 それで、やはりいろいろな議論の中で、内部にいろいろあろうかと思います。時代的な要請といいますか必要性の非常に高いそういう法整備ですから、ぜひ頑張って取り組んでいただきたい、そんなふうに思っております。
○五十嵐(ふ)分科員 ありがとうございました。
○近岡主査 これにて五十嵐ふみひこ君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理府所管中経済企画庁についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午前十時三十五分散会