予算委員会 第16号
- 発言数
- 274 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1996/02/20
会議録
○上原委員長 これより会議を開きます。 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口那津男君。
○山口(那)委員 新進党の山口那津男でございます。きょうは、主として外交、防衛の問題について御質問をさせていただきたいと思います。 けさ、海洋法条約の批准に伴います排他的経済水域の設定等について閣議了解がなされたと伺っております。この閣議了解によって近隣諸国との関係が非常に問題になるだろうと思いますが、基本的にどのような方針で臨まれるのか、官房長官にお伺いしたいと思います。
○梶山国務大臣 お答えをいたします。 本日の閣議では、政府として、海洋国家日本の国益上重要な本条約の早期締結と海洋法制の整備のため所要の準備を進めること、二、海洋法制の整備として、接続水域及び排他的経済水域の設定などの措置をとること、三、韓国及び中国との漁業関係に関し、両国との協議により条約の趣旨を十分に踏まえた新たな漁業協定が早期に締結されるように鋭意努めてまいること等について了解を行ったところであります。 本日の閣議了解を踏まえて、条約の締結及び関連法案の策定、改正についての政府部内の調整を行い、できるだけ早い時期に国会にお諮りすることとともに、韓国及び中国に対しては、漁業関係について速やかに話し合いに入るべく努めてまいりたいと考えております。
○山口(那)委員 この漁業関係について、韓国、中国と速やかな交渉、そしてまた合意の達成ということをお考えだろうと思います。 閣議了解では、これを合理的な期間内に達成したい、こういう趣旨の文言もあろうかと思いますけれども、この合理的な期間内というのは、期間が定かでないわけでありますけれども、一定の期間というものをめどにされているのでしょうか。具体的にめどにされているようなことがあれば、お答えいただきたいと思います。
○池田国務大臣 ただいま官房長官からお話がございましたように、政府といたしましては、この問題はできる限り早期に決着をしたい、こういうことを目指してこれから鋭意努力をしてまいりたい、このように存じております。 しかしながら、まだ関係国との間の話し合いに入っていない段階でございますから、ただいまの段階で具体的に、どの程度の期限なのかという点についてはちょっと言及するのは差し控えさせていただいた方がよろしいのか、このように考える次第でございます。
○山口(那)委員 今の点について与党の中では、この合理的期間内を一年以内と解釈する、こういう話し合いがなされたやに聞いておりますけれども、この点について政府としてはどういう御認識をお持ちでしょうか。
○池田国務大臣 与党あるいは関係方面においていろいろな御議論あるいはいろいろな御要望があるのも我々としては承知しております。そういったことも踏まえながら、そしてまた、関係国との話し合いの問題でございますので、先ほど申しましたように、できるだけ早期の決着を目指して鋭意また精力的に取り組んでまいりたい、こう考える次第でございます。
○山口(那)委員 相手のあることですから、期間を確定するということはなかなか難しい面もあろうかと思います。しかし、この交渉に入るという前提として韓国及び中国が、領土の問題とは別にしてこれらの交渉に応じて早期の決着を図ろう、こういう方針を既に持っているのか、それとも、その点もまたこれから話し合いをしてみないとわからない、こういうことなのかどうか、その感触について御認識を伺いたいと思います。
○池田国務大臣 今委員も御指摘になりましたように、関係国、相手のあることでございますし、その関係国がどのような方針あるいは姿勢で臨もうとしているのか、この点について、話し合いに入る前の段階であれこれお答えするのは、ちょっとそれも控えたいと思うのでございます。 ただ、基本的に申しますと、関係国ともやはり新しい海洋法条約に基づきます新しい秩序を考えていく、これは条約を締結するということになれば当然の前提になっているわけでございますし、それからまた、漁業の問題等につきましても、これまでもいろいろ相談をしながらやってきたということもある。そして、新しい条約のできた体制のもとでは、やはりその辺は現実的な方途を見出していく、こういうふうな姿勢をとっていただくということは期待できるのではないのかな。また、我々としても、働きかけと申しましょうか、そういうふうな状況ができるように努力をしてまいりたい、こう思っております。
○山口(那)委員 相手国もその交渉に十分応ずることが期待できる、こういう御認識であったと伺います。 それで、かねてから韓国との間では竹島の領有問題について両国の主張の違いがあります。それから、尖閣諸島についても中国との間で見解の相違があると思います。 この点について、我が国が排他的経済水域二百海里を設定をする、そうすると、我が国の主張に基づいてこれを設定することになるわけですから、当然韓国や中国と主張がぶつかるということになるわけであります。漁業協定については前向きな交渉をする、こういうお話でありましたけれども、この排他的経済水域については、単に漁業資源だけではなくて、その他の鉱物資源あるいは周辺の海洋の環境保護等々さまざまな利害が絡む問題になるわけであります。ですから、単に漁業協定の改定、新秩序というだけでは解決し切れない問題をはらんでいる、こう思うわけであります。 この領有権の主張の違い、そしてまた予想される排他的経済水域のぶつかり合い、こういう中で近隣諸国との関係をどう調整していくか、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
○池田国務大臣 領有権の問題につきましては、我が国の立場あるいは主張というのは従来から一貫しているところでございます。そこは御承知いただいていると思います。 しかしながら、この問題につきましては韓国との間で立場の違いがある、こういうことでございますけれども、そういった立場の相違というものが両国関係全般に好ましからざる影響を与えることは極力回避していかなくてはいけない、こう思っております。 何と申しましても、両国は、価値観も共有しておりますし、安全保障その他非常に多くの面で利害の共通するところも多いわけでございます。どうしてもこの国との、この両国の間の友好関係というものは、何物にもかえがたいものとして我が国外交としても大切にしてまいらなくてはいけない、こういった基本の方針をまず持っております。 そういった上で、今回の海洋法条約締結に伴う諸関係もいろいろ話し合いを通じて調整してまいりたい。御指摘のとおり、漁業関係だけではございません。まず漁業関係につきましては先ほど御答弁申し上げたとおりでございますけれども、そのほかの問題につきましても、例えば協定をつくるかどうかということは、これはいろいろ問題により、またその事情により違ってまいると思います。しかしながら、お互いよく話し合いを通じて、仮に利害がいろいろ調整を要する場合には適切に調整していく、こういう姿勢で臨んでいく方針でございます。
○山口(那)委員 この竹島の問題をめぐっては、与党の訪韓団の日程が中止された、こういういきさつがあろうかと思います。それについては、これまでの日韓のいろいろないきさつが積み重なって、外務大臣の、竹島に韓国側が埠頭をつくる、堤防をつくる、こういうことについての見解の表明にも端を発している一面もあろうかと思います。また一方で、駐日大使との間で、領有権の問題とは切り離して冷静な話し合いをいたしましょう、こういう合意もなされたやに聞いております。 この問題の対応については、お互いに冷静で粘り強い、そういう話し合いが必要だ、こう思うわけでありますけれども、このこじれかかった両国の関係を修復する、こういう意味で、与党ではなくてこれは政府の立場として、例えば特使を派遣するとかその他の方法でもってこの両国の関係の修復、打開を図る。単に駐日大使との間の話し合いということではなくて、もっと相手国政府の高いレベルでの合意といいますか、基礎づくりというものを図る、そういう御用意はございませんか。
○池田国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたとおり、両国の友好関係を本当に大切にしたい、これを維持してまいりたい、こういった気持ちは両国に共通しているところでございますし、そういった線に沿って、いろいろ外交ルートを通じましてせっかく努力している最中でございます。そういったことで、今の段階で御指摘のような特使ということは考えておるわけではございません。しかし、あらゆる面で友好関係を維持し、さらに増進していくための努力を傾けてまいりたいと思っております。 なお、御指摘のございました与党の訪韓団の話でございますが、これは諸般の事情に基づき、もう少し適切な時期を選んだ方がいいだろうということで、韓国側とも話し合いの上、しばらく延期された、こういうことで、中止ということではない、こういうふうに承っておることをつけ加えさせていただきます。
○山口(那)委員 この海洋法条約の国内法の整備に当たりまして、もう一つ、国際海峡と言われる海峡が五つございます。この海峡の外国船舶の航行については、これまで公海を設定をしてこの通航が許されてきた、こういう経緯があります。この海洋法については、船舶ばかりではなく、その上空の航空機の飛行についても同様の扱いをするのがこれまでの国際慣行であったかと思うわけでありますけれども、この点について防衛庁としてはどのような問題の関心をお持ちでしょうか。
○臼井国務大臣 国際海峡につきましては、現在政府部内で、従来の方針のままに進むのか、あるいは十二海里に広げるのか、あるいはその他の方法があるのか検討いたしているさなかでございます。
○山口(那)委員 外務省はこの点についてはどういうお考えでしょうか。
○池田国務大臣 本日、基本方針を閣議で了解したところでございまして、これからいろいろな問題につきましては関係省庁間で話し合ってまいりたい、こう思っております。そういった際には防衛庁ともいろいろ御相談していくことになろうか、こう思っております。
○山口(那)委員 海峡の船舶あるいは航空機の通航、航行の問題について国内法の整備をするとすれば、これはどこの役所の所管においてやるのか、そしてまた、この法改正も考えておられるのかどうか、この点について確認をいたしたいと思います。
○林(暘)政府委員 お答え申し上げます。 現在の国際海峡についての取り扱いにつきましては、領海法の中で暫定的な規定をいたしておるわけでございますけれども、今般海洋法締結に当たりまして、領海部分についても接続水域と並んで法律をつくる予定でございまして、その法律のいわゆる担当大臣ということについては、本日の閣議了解で運輸大臣ということになっております。
○山口(那)委員 大蔵省の銀行局長がいらっしゃいましたので、突然ですけれどもお伺いをさせていただきたいと思います。 住専の処理に当たって、一次損失というものが昨年の八月の調査の数字に基づいて算出をされておる。これに基づいて六兆四千百億円の一次損失、これに伴い財政支出が六千八百五十億円、こういう算定がなされたと思うわけでありますけれども、しかし昨年の八月以降にもこの債権の回収のもととなる土地の価格の下落というものがあるわけでありまして、この回収不能となった債権額、いわゆる不良債権の額というのはその後拡大をしている、こういう事実があるのではないかと思います。そうしますと、この一次損失の算定根拠というものが現時点では変わっているわけでありまして、この数字が動いていくはずであります。この点の御認識をまず伺いたいと思います。
○西村政府委員 私ども、今御指摘の住専七社の損失額の評価に際しましては、昨年の八月に、地価については八月に発表されました路線価に基づきまして算定したところでございまして、もとより地価の動向というものがそのような評価に影響を及ぼすことは御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、最新のデータに即しまして適切に評価したと考えております。
○山口(那)委員 最新のデータというのは、しかし現予算が執行されるとすれば、これは平成八年度になるわけですね。しかし、昨年の八月の路線価に基づいて算定をされた、今こういうお話でありました。ですから、その後の下落をどう盛り込んでこれを処理するのかというのは今の回答では不明確だろうと思います。 この数字、例えば財政支出の数字が動いていくのかどうか、あるいは一般行あるいは母体行、系統系、これらの負担が動いていくのかどうか、この点について明確な御答弁をいただきたいと思います。
○西村政府委員 私どもといたしましては、先ほども申し上げましたとおり、現在御提案しております損失額の評価というものは、今入手し得る最新のデータに基づき適切に評価いたしました上、また現実に処理機構が発足いたしました後には、あらゆる手段を通じて債権の回収努力をいたすということを前提としておりますので、私どもとして、今御提案しております損失の評価額あるいはそれに対する分担額というようなものの考え方を変えるということは全く考えておりません。
○山口(那)委員 数字の基礎を変えるつもりはないというお話でしたが、昨年の八月の時点での路線価といいますと、これは一月一日現在、各年の一月一日現在で路線価を算定しているわけでありますから、昨年の八月ということは平成七年の一月一日現在の価格ということになるわけであります。丸一年以上たっておりまして、むしろ近々、平成八年の一月一日現在の路線価というものも公表されていくはずであります。ですから、これらに基づいて算定をし直さなければならない、これが合理的なあり方だと思います。 今、数字を変えない、こう言いますと、この地価下落に伴う損失の拡大を、その後の、今発表されているスキームの中での債権回収の努力の中で吸収する、こういうふうにも聞こえるわけでありますが、そんな理解でいいわけですか。
○西村政府委員 債権回収努力による分でカバーをするということも一つの手法としてはあろうかと思いますけれども、私どもとしては、そもそも現在の損失の評価の基礎である地価の動向というものについて、もとより地価、これは市場の動向によって変化をするものではございますけれども、現在使用し得る最新のデータに基づいて、かつその路線価という比較的安定した評価に基づいて算定しておるところでございますので、これを現段階において変える必要性ということは考えておらないと申し上げたわけでございます。
○山口(那)委員 大蔵大臣に伺いますけれども、今のお答えですと、この算定の数字は動かさない、こういうお話であります。しかし、地価下落が生じていることは確実でありまして、一説によれば、一千億円以上、一次損失が拡大するであろう、こう言われているわけであります。さらに、この予算の提出前、国会開会前に二次損失についてもある程度の数字が出されておりまして、これについても半分を財政資金投入で賄う、こういう基本方針が示されているわけでありますね。 そうすると、ますますこれは損失が拡大する、こういう傾向が顕著でありまして、財政支出もこれに伴って拡大するとすれば、これは適切な数字を公表した上で、そして国民の皆さんに理解を求める、こういう努力を政府はしなければいけないはずであります。 去年のデータに基づいて、その後の変動をはっきりさせないで、そしてそのままこれを押し切る、こういう今の銀行局長の説明でありますが、これでは到底国民は納得できない、こう思います。大蔵大臣、この点についての所見をお伺いしたいと思います。
○久保国務大臣 銀行局長がお答え申し上げましたように、昨年、この債権を分類いたします段階での数値に基づいてそれぞれの負担を決めたわけであります。その後の変動をどう見るかというのを、まだ確定的な数値というのは私はなかなか決定できない、こう思っております。 しかし、第四分類にいたしましたものと住専の欠損金を合わせた六兆四千百億をどのように当事者で負担するか、また公的資金をどの部分投入するかということを一応決めて御提案を申し上げているわけでありますから、その後、仮に変動ありとすれば、それは今後の問題になろうかと思っております。
○山口(那)委員 財政資金の投入については予算案で提案をされているわけであります。しかし、その一次損失云々というのは、その数字そのものは予算案とは直接関係のない数字であります。これが拡大することによってスキーム全体に影響があり得るということになるはずでありますから、これはぜひともこの審議期間中にその後の変動を盛り込んだ解決案というものを示していただきたい、こうお願いを申し上げます。 さて、この点について、今後何らかの対応をお示しになるおつもりはありますか、それともこのままずっといくのですか、念のため伺います。
○久保国務大臣 約十三兆という債権の総額がこれは決まっているわけです。したがいまして、その中でまず解決すべき損失について六兆四千百億を分担をした、こういうことであります。 一千億の損失の増加ということを私も一部の報道で見ておりますけれども、そのようなものを決定的に算出するという根拠についてどう見るかというようなことは今後の課題だと思っております。
○山口(那)委員 課題があるということを認められたわけでありますから、ぜひその解決案を示していただきたい、こう思います。 銀行局長、お忙しいでしょうから、どうぞお引き取りいただいて結構であります。 さて、次の問題に移ります。国際平和協力法の見直しの点についてお伺いしたいと思います。 この法律を実施して既に三年余り経過をいたしているわけであります。その間、数多くのPKOの経験、さらにはその他の国際協力というものも実施をしてまいったわけであります。 この法律の附則の三条には「政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の実施状況に照らして、この法律の実施の在り方について見直しを行うものとする。」こう書いてあるわけですね。つまり、政府の責任において、施行後三年を経過した場合に実施のあり方について見直しを行う、こう書いてあるわけであります。 この実施後三年という期限は、昨年の八月十日でありました。ですから、既に大幅に経過をいたしておるわけであります。しかし、いまだに政府からこの見直しについての何らの提案も発言もありません。 さて、そこで、この見直しをすべきか否か、これは必ずしも法律を改正するということは意味しないだろうと思いますけれども、この実施の経験に基づいて見直すとすればどのような課題が検討されるべきか、この点について、防衛庁並びに総理府はどのように認識をされておられますか。
○臼井国務大臣 この国際平和協力法の見直しにつきましては、施行後三年という期間を過ぎておりまして、見直しの時期を迎えていることでございますので、検討の時期に私どもといたしましても入っているわけでございます。 いずれにいたしましても、既に終了いたしましたカンボジア、モザンビーク、ザイール等への派遣の経験というものを踏まえた上で、国会における御論議等にも十分耳を傾けながら引き続き検討をいたしてまいる必要がある、こういうふうに考えております。 なお、これまでの活動を通じて得られた主要な教訓、反省事項といたしましては、防衛庁、自衛隊という組織を挙げての対応が不可欠であったこと、派遣先国の政府、国連等との良好な関係が不可欠であること、武器使用について隊員の心理的負担が大きかったこと、教育訓練を今後さらに充実をさせる必要があること等が挙げられております。
○山口(那)委員 今防衛庁長官が御指摘になられたことは、昨年の防衛白書にもきちんと明記されていることであります。ですから、見直すに当たって、経験から得られた課題というものは既にもう大分前から示されているわけでありまして、それについていまだに見直し案が提示されないということは遺憾だと思います。 ところで、いわゆるPKFの凍結という問題がありました。これは法律の附則の二条において規定されているわけでありますけれども、これを凍結を解除して実施するかどうか、これも見直しの課題の一つだろうと私は思うのでありますが、この点、防衛庁長官はどう御認識されていますか。
○臼井国務大臣 いわゆるPKOの本体業務としての業務につきましては、私ども政府といたしましては、当分の間凍結をするということでもって国会等の御決議もいただいているわけでございます。 今後、見直しにつきましては、国会の御論議もしっかりと拝聴しながらまた考えてまいりたい、こう考えております。
○山口(那)委員 防衛庁長官、附則の三条では、政府は見直しをする、こう書いてあるのですよ。それで見直しの対象について今お伺いしたわけであります。そして、附則の二条、別な条項で、このPKFは当面の間実施しない、こうやっていわゆる凍結をしたわけですね。ですから、これを実施するかどうか、つまり凍結を解除するかどうか、これも見直しの対象の一つ。これは凍結を解除するということが見直したというのではありませんよ。結果としてどうなるかは別にして、この凍結を解除すべきか否か、これも見直しの対象だと私は思うのであります。 この点について、大臣はどう考えられますか、もう一度お伺いします。
○臼井国務大臣 委員お示しをいただきましたことも踏まえまして、また連立与党三党の話し合いの中でも、当分凍結をすべき、こういう御決議もいただいておりますので、それらも勘案をしながら考えてまいりたい、こう考えております。
○山口(那)委員 これは実施副本部長であります官房長官、官房長官としては、この見直しの対象というものに、今申し上げましたように、これは凍結を解除するということが前提ではありませんけれども、この凍結を解除すべきか否かということも当然その見直しの検討課題の一つになり得るだろうと私は思っているわけでありますが、この点の御認識を官房長官に伺いたいと思います。
○梶山国務大臣 この見直しの問題は、発端は、いずれにいたしましても、Fの部分を凍結するということから、その後、事後対策で若干の時間を経てPKFにまで進行した方がいいかどうか、あの当時の議論の大変分かれたところでもあります。 そういうのを踏まえて見直しの期間を定めてあったわけでありますが、その後の政治情勢やあるいは国際情勢の変化、それから、現実に自衛隊等をPKOに参加をさせてみていろいろな教訓があったろうと思います。私は残念ながらその教訓の詳細をまだ聞いておりませんが、そういうもので現実に、ここはこう直すべきだ、あるいは見直しをした方がいい、あるいは内容的にはこういうところを検討した方がいい、そういうことがあれば、当然、私は、防衛庁やあるいは外務省が一義的にその具体的なものを示して、内閣全体としての取り組みを考えてまいりたい、このように考えております。
○山口(那)委員 このPKFの凍結解除については、与党は、当面PKFの凍結解除はしないということを昨年の八月に確認をしているようであります。 これは、この点について見直しをしない、こういうふうに与党としては方針を決めた、こういうふうに理解をするわけでありますけれども、そういう理解を前提にして政府は考えておられるのかどうか、この点について政府の認識を伺いたいと思います。
○臼井国務大臣 先ほどお答えを申し上げましたとおり、今までのいろいろPKOで派遣をいたしました多くの実績を持っておりますが、その経験の中でも、いまだ本体業務について凍結解除すべき環境に至っているかということは定かではございません。 そういう意味におきまして、私どもは、政府の、与党の決議事項もございます。国会の御論議でそうした面での御論議がさらに深まっていくということを期待をいたしております。
○山口(那)委員 政府として凍結を解除すべきか否か定かでないと言われても困るのですが、与党は、当面凍結解除しない、こういう決定をしているわけですよ。それに対して、政府も同様である、もちろん与党なんでありますから政府もそれを覆すということにはならないだろうと思いますけれども、これに対しては、政府としては別な考えがあるのか、それともこの与党の決定と同様に考えているのかどうか、この点を確認したいわけであります。いかがですか。
○梶山国務大臣 先ほど御答弁を申し上げた中に、いわば政治上という問題を一つ私は加えて言っているつもりでございましたけれども、いずれにしても、現実的な政治判断で、この政府を構成する与党三党の申し合わせというのは大変大きなものがあることは事実であります。 さりとてしかし、与党三党が申し合わせをしたならば、それは政府はそういうものにすべてを拘束されるのかというとそうではございませんから、検討事項の対象には当然いろいろな問題を含めてやっているはずであります。 かつてこのPKOの法案を通した際も、凍結という言葉とそれから見直しということを考えますと、いずれにしても、凍ったものは解けるはずだということもあるかもしれませんが、もっと凍る場合もございますので、そういうものを考えてみますと、私は、少なくとも今の情勢で本体業務にストレートに入れるだけの体制があるのかどうなのか、あるいは国際的な要請があるのかどうなのか、国内的にそういうものが許されるかどうか、この点のところは内々に検討することは当然でございますが、今々私たちの頭の中にはそこまで突き進むという緊急的な要因はない、このように考えております。
○山口(那)委員 今の官房長官の御答弁だと、政府は必ずしも与党の合意に拘束されるものではないけれども、政府としては緊急に凍結解除すべき、こういうお考えはない、こんなお話でした。 この点については、私は、いわば見直しというのは法律で決められていることであります。ですから、この見直しの論議は国会でなすべきなのであって、その前に、この見直しの対象となってしかるべき凍結解除について、当面凍結解除をしないといわば見直しを与党が勝手に決めている、こういう状態は好ましくないのではないかと思うのであります。でありますから、官房長官が、この与党の合意に必ずしも拘束されず、政府として独自にこれこれこういう考えだと今お述べになられたのは、それはそれで正論だろうと思うのであります。 ちなみに、大蔵大臣、これは与党の一つである社会民主党の責任者の一人として、この与党の確認事項あるいはPKO制度の全体についてお考えがあろうかと思うのでありますけれども、この与党の確認事項、そしてまたPKFの凍結解除等につきまして、あるいは見直しにつきまして、大蔵大臣としてのお考えをお伺いしたいと思います。
○久保国務大臣 与党の合意、決定というものは、政府が方針を決めてまいります場合に尊重せらるべきものと考えております。しかし、政府がその与党の合意や決定と必ずしも一致せざる方針をとらざるを得ない場合は、与党との間の協議が行われることになるものと思っております。
○山口(那)委員 この見直しの対象というのは、さっき防衛庁長官もお触れになりましたけれども、単に凍結解除、PKFの凍結解除ということだけにはもちろんとどまりません。凍結解除をするかしないかにかかわらず、現行法の枠内でも、例えば部隊として武器が使用できるかどうか、あるいはこういう言い方が適切でなければ、部隊の指揮官が武器使用についてどのような行動ができるか、この点についても私は大きな課題だろうと思うのです。 法案を成立させる時点での議論では、やはり経験則がありませんので、かなり抽象的、観念的な議論もあったと私は思います。しかし、その実施の経験に基づいて、恐らく部隊として行った立場の方々はほぼ異口同音に、この指揮官として武器使用についてのこれまでの政府の準則といいますか法律に基づいたルールというものは現場の実情に合わない、こういうことをずっと口々に訴えているのではないかと思うのですね。 この点の、この部隊指揮官の経験を踏まえての武器使用についての考え方、これをまず防衛庁長官にお伺いしたいと思うのです。
○臼井国務大臣 委員お話しのとおり、個々の判断に任されている武器使用につきましては、隊員の心理的な負担というのは大変大きかったということが反省の項目として挙げられております。したがいまして、こうした問題については、見直しの中でそのテーマの一つとして取り上げられるのは当然のことだと思っております。
○山口(那)委員 この武器使用について、指揮官は部隊の隊員に対して、撃つな、こう命ずることはできる、そして、部隊全体の意思を束ねて部隊全体が危険に陥らないようにするんだ、このような御答弁をされたのはほかならぬ外務大臣でありました。私も聞いておりました。 今の防衛庁長官のお話ですと、やはりこの武器使用については、部隊の隊員の心理的負担を解いてあげるようなそういう方向での見直しの検討があってしかるべきだ、このように私は受けとめましたけれども、政治家としてあるいは外務大臣として、この国際協力を実施する立場の方として、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
○池田国務大臣 我が国も国際平和協力法ができましてから、いろいろなPKOの経験も積んできたところでございます。そういった経験も踏まえながら、我が国がそういった面で国際的な役割を適正に果たしていくためにいかにあるべきか、そういった方途をいろいろ考えてまいらなくてはいけない、こう思います。私も内閣の一員といたしまして、そういったことも真剣に考えてまいりたいと思っております。
○山口(那)委員 私的なことで恐縮でありますけれども、自衛隊の隊友会の会長もされている池田大臣でありますから、この点も真剣にお考えいただきたい、こう思います。 それはともかく、この武器使用については憲法と抵触するおそれがあるのかどうか、こういう議論もかつてなされました。あえて私はこの議論は今いたしませんけれども、PKOで派遣される部隊、これが部隊として組織的に武器を使用するからといってこれが直ちに憲法の武力行使に当たる、こういう解釈が妥当なのかどうか、私は疑問を持ちます。 この武力の行使を禁ずる趣旨というのは、我が国が主権国家の行為として紛争あるいは戦争を起こす、こういうことを禁ずるという趣旨でありまして、この国際協力あるいは国連協力というものを妨げる趣旨では毛頭ないわけであります。 このPKOの活動は部隊が派遣されてなされる場合がありますが、ここで部隊の隊員が集団的に武器を使用する場合があるからといって、これが直ちにその当事国においての二国間の紛争に拡大していく、そして我が国が防衛力を増強してこれらに主権国として対応する、こういうことはほとんど考えられないわけですね。 あくまで国連の全体の指揮のもとに、そしてまた多国間の協力のもとに行っているわけでありますから、私は、この部隊の指揮官の武器使用のあり方というものはもう少し現場の実情に即して裁量権が与えられてもいいのではないか、こう思います。これは決して憲法の禁ずる武力の行使という概念には当たらないのではないか、もっとこの点の検討が必要である、こう思っております。これは憲法論議を挑むものではありませんけれども、ここにまあ一つの考え方のヒントがあるように思っているわけです。この点について官房長官の御認識をお伺いしたいと思います。
○梶山国務大臣 大変難しい判断でございまして、私にも右左と申すべき自分の体験もなければ知識もございません。ただ、今まで行かれた方々の苦痛というか、それぞれが自己判断だという、いわば自衛隊とか、その一つの集団をなすものは指揮官の命令に従ってやることが一番順当な集団でございますが、それが自己判断の正当防衛にのみ許されるという、そういう判断はどこでだれがなされるのかどうなのか、こういうのを考えますと、それはもうちょっと指揮官に権限あってしかるべし、こう思う常識もあります。 しかし、この問題を制定した当時、よく宮澤四原則、こう我々言っておったのですが、いわばこのPKO部隊を出す場合の四つの原則、こういう原点に返りますと、いやむしろそういうものを一切否定をしておくことが日本の平和憲法ないしはいわばPKOを行う場合の原則である、そういう思いがあったればこそ、若干の苦痛あるいは不合理をこらえてもその分野にむしろとどまっていることが大切ではなかったのか、そういう思いがいたします。 しかし、二次を経た今日でございますから、先ほどの凍結問題をひっくるめて、こういう問題がどうあるべきか、それはあくまでも、前は鉄則ではございましたが、その当時の経験のない日本の判断でございますから、改めてこれは慎重に検討をしなければならない事項だというふうに考えております。
○山口(那)委員 立法当時というのは国民の理解を得ることすら必ずしも容易ではなかった。そしてまた、日本はそのような海外での活動の経験もない。ましてや部隊を派遣するということは初めての経験でもあったわけでありますね。ですから、そのような慎重な対応というものは、これは妥当であったと私も思います。しかし、まあ三年を経て、しかもさまざまなタイプのPKOというものを経験した上で、そしてまた部隊の参加者が異口同音にそのような声を出しているわけでありますが、これには真摯に耳を傾ける必要があると私は思います。 この点について、念のため大蔵大臣のお考えも伺っておきたいと思います。
○久保国務大臣 大蔵大臣としてお答えすべきことなのかどうか大変迷っておりますが、一人の政治家として御見解をお求めでありますならば、私は、憲法の制定以来この問題こそが国論を分けて議論されてきた問題だと思っておりますし、このことは決着のついている問題ではない。私どもは、そういう立場で憲法に対するみずからの解釈を今も正しいと思っているのであります。
○山口(那)委員 いまだにこの見直しの案が政府から提案されないということは遺憾であると私は申し上げました。 PKFの凍結解除とは別に武器使用の問題は現行法のままでも横たわっている問題である、そのもとで実際に派遣も継続されている、こういう現実を踏まえて、政府としては一日も早い、この見直しに対する何らかの考え方、これは必ずしも改正案という形で出てくるだけではないだろうと私は思っているのでありますが、今後の政府の方針について、官房長官、お考えがあれば伺いたいと思います。
○梶山国務大臣 政府の方針をといって私がお答えができるわけではございませんが、問題が確かに深刻にあることは承知をいたしておりますから、外務やあるいは防衛やその他の省庁とよく協議を調えながら、私はその辺の整理はしていかなければならないことだというふうに考えております。
○山口(那)委員 ぜひ早急に結論を得ていただきたいと思います。 次に、ゴラン高原に、UNDOFというPKOに我が方の輸送部隊が派遣をされているわけであります。これは、これまでのPKOとはちょっと性質が違うだろうと私は思うんですね。例えば、カンボジアであれば施設大隊という自己完結的な、我が国だけの任務の完結した部隊を出したわけであります。モザンビークは、ポルトガルの部隊に糧食の支援等を仰いだ経過はありますけれども、輸送調整という活動を独立してなしていた、こう承知をしております。 その他の経験も同様であった、こう思うわけでありますけれども、しかし今度のゴラン高原の場合は、これはUNDOFの中の後方支援部隊、これはカナダの大隊が主として担当しているわけです。その大隊の中の輸送部門を担当するということでありますから、このカナダの大隊、後方支援部隊の一員という性格が強いわけですね。 つまり、別な言い方をすれば、自己完結性は我が輸送部隊は乏しいといいますか、あるいはカナダ部隊との相互依存が非常に高いといいますか、そういう見方ができるだろうと思うのであります。この点についてどのような御認識をお持ちでしょうか。防衛庁長官にまず伺いたいと思います。
○臼井国務大臣 今回UNDOFに参加をいたしております私どもの部隊は、私どもの部隊に期待をされている食料品等の日用品、そうしたものの輸送に現在当たっているわけでございます。委員お話しのとおり、カナダ部隊と協力をしながら行動いたしているということでございます。 これらにつきましては、私どもの五原則を含む国際平和協力法に基づいて我が国の部隊が行うことについては、国連本部及び現地UNDOFの司令部とも事前に十分調整をいたしまして了解が得られておるわけでございまして、任務を遂行するに支障はないものと考えております。
○山口(那)委員 ちょっと私の伺った趣旨と違うお答えのようでありましたけれども、今までのような独立性、自己完結性の高い部隊の出し方とは違っている、いわばカナダ部隊の一員としての相互依存度あるいは運命共同体、こういう性格が強い、そういう認識をお持ちかどうかということをお伺いしたわけですね。 それはいいですが、それであればこそ、日常の部隊の共同訓練という場面があるはずでありますけれども、この点について、与党の確認事項、昨年の八月の確認事項によりますと、「武器使用原則に抵触するおそれのある共同訓練には、参加しないこと。」こういう縛りがあるわけですね。 しかし、これについてPKOの業務実施計画、この中にこの与党確認事項がどのような形で盛り込まれているのかは定かではありません。この点についてその与党の確認事項が実施計画としても縛りがかけられているのかどうか、これをまず確認をいたしたいと思います。
○高野政府委員 御質問の点につきましては、格別実施計画においてそのもの自体として具体的に言及している部分はございません。
○山口(那)委員 そうだとしますと、このカナダ後方支援大隊の共同訓練といいますか全体の訓練、あるいは場合によっては支援をされる側である歩兵部隊、これは二個大隊ありますけれども、これらとの共同訓練がなされる場合に、すべて一緒にできるのですか。それともできない場合、範囲があるんですか。できない範囲があるとすれば、それは実施計画に書いていないというお話でしたけれども、与党の確認事項によって拘束されるんですか、それとも法律によって拘束されるのですか。この点の答弁を伺いたいと思います。
○高野政府委員 その点につきましては、国際平和協力法の第二十四条に規定されております武器使用原則、これの範囲内で行うものだ、訓練も含めまして武器使用その他、ということは大前提でございまして、その点は実施計画においても明記されておりますので、訓練参加に当たりましてはそれを前提にその範囲内で行う、そういう形で担保されているということでございます。
○山口(那)委員 そうしますと、法律でもう決まっていることなんだからわざわざ実施計画にこれを書かなくてもいいんだ、こういう御答弁ですね。私もそうだろうと思うのです。ですから、この与党の確認事項というのは、いわば法律に、現行法に書いてある当たり前のことを書いたにすぎないだろうと思っております。 しかし、先ほど言いましたように、UNDOFの他国の部隊と日本の場合は武器使用原則が異なるわけですね。しかし、運命共同体として行動をしている。ですから、共同訓練にはおのずと我が方は制約が出てくるはずのものであります。しかし、このようなずれのある出し方で運命を共同にさせる、こういうことが果たして妥当なのかどうか、私は疑問なしといたしません。 その意味でこの武器使用のあり方について再検討が必要だ、こう主張しているわけでありますけれども、このような出し方が実際に支障が生ずるようなことはないのかどうか、この点についてもいざというときの危惧を抱いているわけですね。この辺の御認識をお伺いしたいと思います。
○高野政府委員 これは今回のUNDOF関連のみではございませんで、カンボジアの場合、モザンビークの場合、この際に当たりましても、国連側等との間で、我が国の体制といいますか国際平和協力法で規定されております五原則、なかんずく武器使用原則の中身につきまして国連側に十二分に説明いたしまして、国連側といたしましてもそれで支障ないということで従来やってきておるものでございます。 今回のUNDOFにつきましても、国連側との間で念のため確認しております。これは現地側もそれを前提にUNDOF司令官以下も了承しているものでございますから、実際問題としてそういう了解のもとに行われておりますので、私どもとしては格別の支障はないというふうに考えております。 ただし、先ほど来御議論ございますように、国連側の基本的なルールと我が方との間で、まあずれといいますか違いがあるというのは御指摘のとおりでございまして、その点につきましては、先ほど来答弁にもございますように、今後とも見直し等の中でその点の問題についてもよく勉強してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山口(那)委員 我が国が他の国と違う基準で派遣をしているということは事実でありまして、それがすべてのPKO当事者、参加者の友好的な理解を得られるかどうか、これはちょっと疑問であります。その解消に努力するということは今後も期待したいと思うのですね。 それで、与党の確認事項の中に、もう一つ、「他国の武器・弾薬および武装要員の輸送を通常業務としては行わないこと。」こう書いております。我が方の輸送部隊はUNDOF全体、つまり歩兵部隊の分も含めて糧食等の調達に当たる、そしてそれを各大隊ごとに分けるのはそれぞれの輸送部門の責任、こういう仕分けで仕事をしているわけであります。とりわけ後方支援大隊については、すべての輸送が我が方の部隊に依存している、こういうことになるわけであります。 そうした場合に、通常業務で、これはPKO活動ですから、通常業務で他国の武器弾薬あるいは武装要員を運ぶということは考えにくいわけでありますが、しかし万が一のとき、つまり撤収とかいう事態が起きたときにこういうことが、必要性が生じてこないのかどうか。これは絶対ないとは言い切れないだろうと思うのですね。そうすると、この与党確認事項では通常業務としては行わないんだ、だから、そういう万が一の、緊急やむを得ない場合にはこれはその限りでないよというふうに読めるわけでありますね。 政府として、この輸送のあり方について、いわば緊急、異常な事態に当たってはこの武器弾薬及び武装要員の輸送ということも必ずしも排除されない、こういうふうに理解しているのかどうか、この点のお考えを伺いたいと思います。
○高野政府委員 今委員御指摘のとおり、私どもが引き継ぎますカナダの輸送部隊というのは、通常は武器弾薬を輸送しておりませんでした。したがいまして、私ども日本の部隊の方も、それを引き継ぐわけですから武器弾薬の輸送を行わない、これは事実認識の問題としてそういうことになっております。 他方、御下問の、それでは非常事態の場合でもそうなのかという点になりますと、これは具体的にその場合どう対処するかということは、実際、事が起きてその状況を見きわめませんと、例外はあるんだということだけで、その場合は武器弾薬を運ぶこともあり得るということは必ずしも現段階では言い切れない。むしろ現段階で言い切れますことは、非常事態の場合どうするかということは、あくまで現行法、つまり国際平和協力法の範囲内、あるいは凍結がどうなっているかというふうなこととの関連において、その場で、問題が起きたときにしかるべく法律の範囲内で対処するということが現状として言い得る限度だと思います。
○山口(那)委員 これは、事務局長、お役人の立場で非常に苦しい御答弁だと思うのですね。事が起きてから検討して考えましょうというのでは、これは話にならないと思うのです。 カナダ部隊は、我が国の部隊の輸送に依存しているわけですよ。自分で輸送部門を持たないわけですよ。歩兵部隊は自分で輸送の部門を持っています。ですから、これはこれで任せてもいいかもしれません。しかし、カナダの後方支援部隊は、すべて輸送は我が国に頼っているわけですよ。この後方支援部隊に万が一のことが起きないという保証はないわけです。ですから、そのようなことが起きた場合にどうするかということは、これは事前にきちんと決めておいて、しかもそれをカナダ部隊にも知らしめておいて、そうして信頼性を高めなければ、これは我が国のPKO制度そのものが崩壊してしまうと思うのですね。ですから、もっと責任あるお考えをお聞きしたいと思うのですね。 まあ、お役所の答弁としてはそこまでだ、こう理解をいたしまして、政治家として、官房長官、この点はどうお考えになるでしょうか。
○梶山国務大臣 もう一義的には、外務省やあるいは防衛庁や、そして国際協力本部の方々が精査をし、決定をすることでありますが、あとう限り、この部隊自身は後方支援でありますから、現実的にはほとんどないことが期待をされております、そういう危険な状況が。しかし、さりとてその万一ということを想定しないわけにはいかない。極めて確率は低くとも緊急事態がないわけではないということを考えれば、私は、原則ないということであれば、緊急事態においてはどんなものでもしかし例外規定というのは置かないわけにはいかないのですから。 ただ、そういうものが起きてしまいますと、これから、今まで我々が行ってきたいわゆる宮澤四原則、あの当時の政治的な合意であるそういうものを一歩踏み出すことにもなる。そういうことには極めて慎重でなければなりませんし、指揮官のその当時における判断で、あるいはその上部の訓令を、もちろんUNDOFの中から命令を受けるのかもしれませんが、それは四原則の中で我が国は適切に対応することが可能であるというそういうことを伺えば、我々は日本の指揮官が独自の判断があってしかるべし、しかしそのときに、いわば運命共同体とまで言っているのかどうか私はわかりませんが、いずれにしても、そういう一体性を全く欠くようなことがあっていいはずがない。 そういうものを考えますと、私は先ほど検討をしなければならないと申し上げたのは、いわば個人の正当防衛をむしろ集団として認めるかどうか、その問題で検討と言ったのですが、これは、理論的にはもう一歩踏み出す問題でありますので、私個人の判断で今申し上げるだけの資料を私は持ち合わせておりません。早急にこれも勉強させてもらいます。
○山口(那)委員 これは、国際協力のいわば政治的責任のあるお立場でありますから、官房長官、ぜひともこの点、明快な基準を立てて、それを周知する、徹底する、そういうことまで高めていただきたい、こう思うのですね。 今の官房長官のお考えに対して、一政治家として先ほどから誠意ある御答弁をいただいている大蔵大臣、お考えがございますか。
○久保国務大臣 このような問題につきましては、やはり憲法の目指します理念と、そして現実に我が国が国際国家として置かれている立場との調和をどのように図るかという大変難しい問題でございますが、しかし、国連に対してPKOに協力をする場合に、日本としてこのような条件のもとにということで、そのことが了解をされております場合にはそれでよいのではないかと私は思っております。
○山口(那)委員 まあ、いずれにしても、我が国のPKOの派遣のあり方、制度そのものが他国の基準とは異なる面があるということであります。そして、PKOの活動というのは、それぞれ国によって、場所によって個性があります。ですから、その派遣の内容に応じて妥当な運用というものを図っていかなければならないことは当然であります。その点で、このゴラン高原のPKOの場合は、今までのカンボジア、モザンビーク等とは異なった、カナダ部隊との一体性、緊密性ということがありますので、ぜひとも信頼を損なわないような基準の統一化ということを前向きに検討していただきたい、こう思います。 あわせて、ゴラン高原は今比較的安定をしているということが国際貢献の効果を上げる、こういう前提になっているだろう、こう思います。ぜひともシリアとイスラエル、また周辺中東地域の和平の一層の進展を外務大臣に御期待を申し上げたい、こう思います。 さて次に、防衛計画の大綱と中期防について若干お伺いしたいと思います。 この大綱と中期防、これは、過去大綱は二回策定をされました。昭和五十一年が最初の策定であり、今回が二度目であります。長い間、また今後長きにわたって我が国の防衛計画、防衛力整備の基本方針になっていくことは間違いないわけであります。そして、それを具体化するために中期防衛力計画というものを五年ごとに策定し、これも累次重ねてきているところであります。 この我が国の安全保障政策の柱、重要な柱とも言うべきこれらの政策について、私は、これは国の政策でありますから、行政内部で取り決めるというだけにとどまっていてはならない、こう思うわけであります。これは単に安全保障、防衛政策面だけでなく、予算をも拘束する面があるわけでありますから、私は国会の論議を通じてこの大方針の承認というものが必要だろうと思うのですね。この国会承認というものを何らかの制度化をするべきであると私は思っているわけでありますけれども、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
○臼井国務大臣 今お尋ねの防衛大綱あるいは中期防の問題につきましては、両者とも安全保障会議設置法に基づきまして、安全保障会議に諮った上で政府が責任を持って定めているものと理解をいたしているわけでございます。 いずれにいたしましても、国権の最高機関である議会においてよく十分に御論議をいただくことは大切なことだと思っております。
○山口(那)委員 行政部内で慎重な手続を経てきているという御説明だけでは、この問題の回答にならないわけであります。かといって、国会の論議に任せるというのも、行政府として余りにも指針がなさ過ぎるわけであります。私は、行政の責任として、立法府の判断を仰ぐ、自分がつくった計画であり大綱なのですから、国会の皆さんどうですか、これを認めてください、あるいは論議の上国民に幅広い理解を得させてください、こういう努力をしなければいけないだろうと思うのです。 ですから、私は、行政府の責任として、国会承認の制度を盛り込んだ例えば防衛計画法のようなものを制定すべきだと思うのですね。この点について、改めてお考えを伺いたいと思います。
○臼井国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたとおり、政府といたしましては、十分に審議をいたしまして、責任を持ってお出しをいたしております。 先般も衆議院の本会議におきまして、各党の御論議もちょうだいいたしました。そうしたこともございます。先ほどお話をいたしましたとおり、国会で御審議を深めていただきまして、またそれにのっとって判断をさせていただきたい、このように思っております。
○山口(那)委員 今回は本会議で若干の議論がありました。しかし、過去は国会の状況によりまして、中期防が策定されても国会の中で議論をする機会がなかったということもあったのですよ。ですから、国会の論議に任せるといいましても、これは国会が決めることだと言えばそれまでですが、これは制度的な保障がないのです。しかし、それではこの国の柱である政策の確定について国会の意見が反映されない。ですから、これを担保する意味で、私はこの承認の制度というものをぜひ設けるべきだと思うのですね。 むしろこれは、そこまでは要らないんだ、行政府に任せてくれ、こういうお考えを今お持ちなのですか、防衛庁長官。
○臼井国務大臣 先ほどお話を申し上げたとおりでございまして、委員の御意見は委員の御意見として承っておきます。
○山口(那)委員 結論が不明確で同じ答弁の繰り返しでありますから、ぜひともこの点は検討していただきたい、こう思います。 ところで、弾道ミサイル防衛というものがしきりに論議をされております。これは、他国が我が国に弾道ミサイルの攻撃をしかけてきた場合いかに防衛するか、そのシステムをどう考えるか、導入すべきか否か、こういう問題でありますが、これはすぐれて防衛力整備の一環の問題だろう、こう思っております。我が国がこの考え方を採用すべきかどうか、そしてまた、現実に防衛力を整備すべきか否かということについては、いまだに結論が出ておりません。十分な論議もなされていないのではないかと思っております。 このミサイル防衛機能といいますか、弾道ミサイルの防衛機能というものは現在欠けているのですか、我が国において。全くないのですか、それとも少しはあるのですか、どうなんですか。
○秋山(昌)政府委員 御質問がございました弾道ミサイル防衛システムでございますけれども、これはまさに現在それを採用する必要性があるのかどうかという判断をするための研究をしている段階でございまして、その結論が出る以前の段階で、これが欠けているものかどうかという点についてはまだ申し上げられない段階でございます。
○山口(那)委員 申し上げられないと今おっしゃいましたけれども、それではもっと具体的に伺いましょう。 今我が方は、パトリオットミサイル、これのPAC2という改良型の整備を着々と進めているところであります。このミサイルシステムが果たして弾道ミサイルに対する防衛機能を幾らかでも持っているのかどうか、それともほとんど役に立たない、こう考えているのかどうか、この点についてのお考えを、認識をお聞きしたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 ただいまPAC2についての御質問がございました。 弾道ミサイル防衛という場合の、いわゆるそのミサイルの脅威というものはいろいろあるわけでございます。現在開発しておりますPAC2でございますけれども、これは本来的には、航空機及び航空機から発射されるミサイル、そういう経空脅威といいますか、そういうものに対する防空システムでございます。それに比べまして、弾道ミサイルというものに対する防衛システムというものは、つながりがないわけではございませんけれども、新しい脅威に対する防衛システムでございます。PAC2がいわゆる弾道ミサイルに対して機能するのかどうかということにつきましては、まさにその弾道ミサイルの脅威をどう考えるのかということにかかわってまいります。 ただ、少し乱暴な言い方をいたしますと、いろいろ議論されておりますいわゆる弾道ミサイルに対して、PAC2の防衛機能は極めて限定的であるということを申し上げたいと思います。
○山口(那)委員 多少あるかもしれない、しかし限定的である、こういうお話でありました。 この機能というものが限定的であればこそ我が国は基盤的防衛力を備える、整備する、こういう基本的な考え方でありますから、この弾道ミサイル防衛機能というものが基盤的防衛力の構成要素といいますか、一環として整備すべき対象になるのだ、このようなお考えなのか、それとも基盤的防衛力の中身とは特に関係がない、こういうお考えなのか、この基盤的防衛力の考え方との関連をお聞きしたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 基盤的防衛力構想とは、我が国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、みずからが力の空白となって、我が国の周辺地域における不安定要因とならないよう、独立国としての必要最小限度の防衛力を基盤的に保有するというものでございます。 先ほど申し上げましたように、現在弾道ミサイル防衛システムにつきましては、その脅威あるいはそれに対抗し得るシステムあるいはその技術的な評価、あるいは非常に大きな問題でございますけれども費用対効果、そういったものについて研究をしている段階でございまして、その研究した結果をもって、果たしてどうするかということを判断をするという今プロセスにあるわけでございます。その研究が終わっておりません。そして、研究で出てきた資料を前提にして、どうするのかということを結論が出た上で、果たしてこれと基盤的防衛力整備との関係はどうなるのかということを判断する、こういうことになろうかと思います。
○山口(那)委員 アメリカでは既にこれの研究開発が進められているわけでありますが、紆余曲折はあります。しかし、アメリカ側も、この研究段階あるいは開発段階、あるいはこのシステムが確立していわば売買というかそういう供与の段階、いずれの段階でも、日本の参加は検討します、こういう対応で来たんだろうと思うのですね。ですから、今でも参加をしようとすればこれはあり得る話であります。 しかし、今政策判断をするに当たってはいろいろな課題があって、なお検討中というお話でありました。そうすると、今でも参加の是非が、結論が迫られ得るという状況であるにもかかわらず、あとどういう要素がクリアされればその政策判断が熟するに至るのかどうか、この点が極めて不明確なままであります。この点についてのお考えを聞きたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 弾道ミサイル防衛に関する研究につきましては、一昨年から、経験といろいろな知識、知見を有するアメリカの協力を得まして進めているところでございます。 平成七年度では二千万円の調査研究費を計上いたしまして、現在委託研究も含めて我々も研究に力を入れているわけでございますけれども、現在問題になっているといいますか非常に大きな課題といたしましては、技術的な評価、それから弾道ミサイル防衛システム、システムの評価、特に費用対効果、かかるお金とそれからその効果、こういったところが大変大きな課題になっておりまして、八年度の予算、政府予算案におきましては約四億四千万程度の研究委託費を計上させていただいております。そういったことを含めまして、八年度さらに九年度にもちょっとかかると思います、この最後の研究を締めくくりたいというふうに、今考えているところでございます。
○山口(那)委員 次に、空中給油機について伺いますが、これはこのたびの中期防衛力整備計画の中で、「主要事業内容」の中の「輸送力及び機動力」、この項目の中で「空中給油機の性能、運用構想等空中給油機能に関する検討を行い、結論を得、対処する。」こういうふうに決められております。過去の中期防の中での検討というのは、給油機の性能等について検討するという記述でとどまっていたわけであります。このたびは、結論を得て対処する、こう書いてあるわけですね。 ですから、この結論がどうなるかはわかりませんけれども、いわば否定的結論になる場合もあるでしょうし肯定的結論になる場合もあると理論的には考えられるわけですね。いずれにしても、結論が出て対処するということはどういうことを意味するのですか。
○秋山(昌)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、過去の中期防衛力整備計画では研究とか検討とか、過去といいますと現在まだ今年度が最終年度である中期防がございますけれども、現在の中期防では「検討」、それからもう一回前の中期防では「研究」ということになっていたと記憶します。今回八年度を初年度とする新しい中期防では、今御指摘のとおり検討をし、「結論を得、対処する。」とにかく検討を終えて結論を出す、結論が出たらこの中期防の期間中に責任ある対処をする、そういうところまでプロセスとして明示したということでございます。 ではどういう結論が出る可能性があるのかということにつきましては、これはもうまさに検討してみた結果の話でございまして、今ここで私から申し上げるわけにまいりませんけれども、我々防衛庁といたしましては、検討の結果導入するということになりますれば、それはそういう方向で対応したいという考えを持っております。
○山口(那)委員 今政府委員から、導入するという結論になればその方向で対処をしたい、こういうことも当然含まれる、こんなお話でした。 しかし一方で、中期防の性格として、総額を決めてその枠をはみ出さない、超えないことが原則、こういうルールになってきたわけであります。もしこの空中給油機を導入すると、これに中期防期間内に対応するということになれば、この総額の枠内でそういう対応が可能なのかどうか。過去、下方修正という経験はありました。しかし、上方修正、増額修正ということは、この中期防衛力計画のルールからなじまない話だろうと思うのですね。 したがいまして、この導入という結論を得て対処する場合には、現行中期防の枠内でどう実際に対応されるのか、この点のお考えを伺いたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 中期防の期間中に結論が出て導入することが決まりましたならば、その時点で、現在、現在といいますか、その新しい中期防の総経費の枠の中で本件について取り組んでまいりたい、かように考えております。
○山口(那)委員 総経費の枠内で対応するということは、今挙げられている費目のどこかを削ってこの空中給油機にかかわる費用を捻出する、こういうことを意味するのだろうと思うのですね。このようないわばあいまいな内容の計画というものが、果たして本当に責任ある計画と言えるのかどうか、私は疑問なしとしません。このような決着の仕方が問題だと思うわけであります。 この点について、念のため大蔵大臣、これは予算当局の責任者でもありますから、この中期防の期間内に肯定的結論を得て対処をすると、今の御答弁でありますから、そういう考え方と同じなのかどうか、予算当局の責任者としてのお考えを伺いたいと思います。
○久保国務大臣 私も与党の責任者としてこの問題についてかかわりを持っておりましたけれども、文字どおり検討の上結論を得て対処するということでございますから、その結論がどのようになるのか決まらない段階で、私の方からどうするということを申し上げることは難しいと思います。
○山口(那)委員 次に、中台関係について若干お聞きしたいと思います。 台湾では総統選挙が三月に予定されております。これは台湾の主張によれば、民主化プロセスの最終段階である、台湾という領域における民主化の努力というものをしている、こういう主張をしているわけであります。そこで、中国側としては、この台湾周辺で大軍事演習をするというような報道もなされているわけでありまして、この緊張が高まれば、アメリカの元国防次官補フリーマンという方は、戦闘も可能性はなしとしない、このような発言もしているわけですね。 我が方として、これをそのままずっと静観をしているということなのか、それともこの緊張を和らげるべく何らかの努力をすべきだと、こういうお考えなのかどうか、この点についての御所見を承りたいと思います。
○池田国務大臣 中台関係につきましては、基本的に両当事者の間で適切な対応が行われる、そういう筋合いのものだ、こういうふうに考えている次第でございます。 しかしながら、我が国といたしましても、この地域の安定が非常に大切なことでございますので、非常に関心を持って見ておりますし、安定が維持されるように我々としてもそれなりの努力はしてまいらなくてはいけない、こう考えているところでございまして、先般私がタイにおきまして中国の銭其シン外相と会談いたしました件につきましても、そのような我が国の立場、考えというものを表明したところでございます。
○山口(那)委員 この日米安保の体制の中で、極東有事の際に米国の支援をどうするかというのが我が国の課題としてあるわけでありますけれども、有事に限らず、日常の演習等も含めて、この日米安保条約、安保体制の信頼性を高めるために役務等の融通協定を今国会中に結ばれるお考えはありますか。
○臼井国務大臣 アメリカとの安全保障体制が我が国の安全の確保のために必要不可欠であるということは、委員御承知のとおりでございます。また、我が国の周辺の平和と安全を確保し、より安定をした安全保障環境の構築のためにも、引き続き重要な役割を果たしていくと考えております。 ACSAにつきましては、昭和六十三年、第十八回の日米安保事務レベル協議での話し合いを受けまして、現在協議をいたしております。自衛隊と米軍が平素から相互支援の体制を確立しておくということは、日米安全保障条約を円滑に運営をするために大変重要なことと考えているわけでございまして、この間、この一年間におきましても、私ども防衛庁長官と米国の国防長官との会談においても、その重要性について認識が一致をいたしているところでございます。 私どもといたしましても、できるだけ早く合意にこぎつけまして、結べますように、検討をさらに進めていきますように努力をいたしたいと考えております。
○山口(那)委員 最後に一点だけ伺います。 ペリー国防長官が最近、アジア太平洋地域の国防大臣の会議、まあ名称はともかく、安全保障、防衛の責任者の会議というものを開いていったらどうか、こういう提言をされております。我が国としても信頼醸成の一環としてこのような提唱には前向きに取り組んでいくべきだろう、こう考えるわけでありますけれども、この点についての評価を伺います。
○臼井国務大臣 昨年の二月に、いわゆるEASR報告の中に、アメリカのアジア太平洋地域に対するプレゼンスについての考え方というものが出ておりました。引き続きアジア太平洋地域についてはアメリカはプレゼンスを維持する、こういうふうなことが出ておりました。その中で、十万人体制というものを維持するということも記述があったわけでございます。 日本とアメリカとの日米安保条約というものが、我が国の防衛のみならずアジア太平洋地域の安全と平和のためにも大変重要だ、こういうことを感じているわけでございまして、このナイ・イニシアチブというのは大変私は価値あるもの、こういうふうに受けとめております。
○池田国務大臣 ただいま防衛庁長官からお話がございましたように、我が国の安全、またアジア太平洋地域の安定を守っていくために日米安保体制が引き続き重要な役割を担っていく、そのとおりであると思います。 それと同時に、先ほど委員の御質問にございましたように、いろいろな形でこの地域の平和、安定を守っていくための努力というものは続けてまいらなくてはいけない、こう考えているところでございまして、御承知のとおり、ASEAN地域フォーラム等々の仕組みもあるわけでございます。そういったものの中の一つの努力として、この地域の国防、防衛に責任をお持ちになる閣僚レベルの会合が持たれるということは、これはまたそれとして意味があることではないか、こう存ずる次第でございます。
○山口(那)委員 時間が参りましたので、これで終わります。
○上原委員長 これにて山口君の質疑は終了いたしました。 次に、仲村正治君。
○仲村委員 私は、沖縄の基地問題に関連する諸課題について質問をいたしたいと思います。 その前に、私の国防や安全保障政策についての見解をはっきりさせておきたいと思います。 私は、国家の安全保障政策は独立国家存立の基本であり、そのために自衛隊も日米安保体制の維持も必要である、またそのために米軍への基地提供は必須要件であることにいささかも疑問を感じたことはないし、反対をするものではありません。 しかし、この政策が国家全体の平和と国民全体の安全を確保するためのものである以上、その政策遂行に必要な負担とか、基地の存在から派生するもろもろの物的、精神的苦難の受忍の義務もまた国民全体が公平に負わなければならない問題であると思っております。 まず、この点について、私の考え方について官房長官にお聞きをいたしたいと思います。
○梶山国務大臣 仲村委員の今御主張になった、国家とは何か、防衛とは何か、そして今、日米安保条約の重要性、そういうものについての御認識、全く私と同じでございます。 そういうもので、ただ沖縄だけが基地が多い、その他受忍をすべきことが余りにも多過ぎるというものに対する配慮、こういうものはまた当然あってしかるべし、こう考えております。
○仲村委員 今私は、やはり国防のための負担、あるいは基地あるがゆえにいろいろな問題が起こってきます、それの受忍の義務も国民全体が公平に負うべきである。こういうことについて、官房長官は、そのとおりだ、こういうふうにおっしゃっているわけであります。 そこで、日米安保条約を名目に沖縄県に存在する米軍基地は、全国の在日米軍基地専用施設の約七五%であって、しかも、沖縄県が広い地域であればともかく、全国土の〇・六%しかないところに集中的に配置されていることから、県民の物理的負担あるいは精神的受忍の実態は、国民全体が公平に負っているじゃないかと言える状態には決してなっていないと私は思っております。 これは、私が言った、国家の安全を確保するための政策遂行に必要な負担と受忍の義務は国民が等しく負うべきであるという点から、余りにもかけ離れていると言わざるを得ません。この点について、どのように考えますか、また、この点を放置することは絶対に許されないと思いますけれども、この解決策を官房長官からもう一度お答えをいただきたいと思います。
○梶山国務大臣 再三、総理等からもこの問題については声明ないしは御答弁を申し上げておりますが、沖縄県において今御指摘のとおり米軍の施設が集中をしていることは、大変問題が多いというふうに考えております。 ただ、過去の経緯や、それから若干、集中のメリット、そういうものを考えれば、いわば米軍の機能維持という意味で一つのものがあると思いますし、また反面、我々は同じく負担を平等にいたさなければならない、こういう観点から、どうあるべきか。そういう意味で、米軍の施設や地域の整理統合あるいは縮小の要望は強いこともございますし、そのもとで、政府としては、これまで二十三事案及び今の三事案等の解決に全力を挙げているところであります。
○仲村委員 今、官房長官は、その歴史的経緯もあるかもしらぬけれども、やはり負担が沖縄県民だけに偏っている、これは何としても是正していかなければならない、こういうことをお述べになったところでございます。 私は、まず、沖縄の米軍基地の性格と成り立ちについての政府の基本認識をお聞きしたいのであります。 沖縄の米軍基地は、米軍が沖縄を占領し、米軍統治時代、いわゆる米軍占領時代に、しかも東西対決の冷戦構造の緊張状態の絶頂期に、米国がソ連を頂点とする対共産陣営向けの軍事戦略としてつくられたものであった。これは紛れもない、明白な歴史の事実であると考えますが、この点について、まず我が国政府の考え方をお聞きいたしたいと思います。いわゆる復帰前に占領状態の中でつくられたものであるということについて、どのように考えますか。
○梶山国務大臣 大変不幸な、悲惨な戦争、しかも戦闘地域、その後の占領、そういう中にあった大変犠牲の多かった地帯である。それからもう一つは、米ソ冷戦構造の中におけるいわばアジアのキーストーンとしての沖縄の役割、こういうものが、戦後から占領下、そして今日まで尾を引いているということを私は率直に認めております。 ただ、今までの米ソ冷戦構造の中の対ソ戦略という一環の日米安保、それからそのソ連というものが崩壊した後のいわば極東アジアの安全、特に日米安保という中で日本の将来に対するかかわりのある脅威というものをどう排除していくか、この問題に対しては極めて大きな意義があると私は思いますし、それから、その意義をどう減殺しないで沖縄の基地の縮小・統合を図れるか、この二つの問題をこれから探っていかなければなりませんし、今仲村委員御指摘の歴史的な経緯ないしは事実は、私も率直に認めているところであります。
○仲村委員 今官房長官は一応、沖縄が占領状態にあるときに今の沖縄の米軍基地というものはっくられたものである、この点についてははっきりお認めをいただきましたので、私も了といたします。 そこで、戦後の沖縄県は、昭和四十七年五月十五日の復帰まで我が国の施政権の及ばない地域であった、そして、沖縄の米軍基地は昭和四十七年五月十五日以前に既にできていたことから、日米安保条約とは全く無関係の占領状態の中でつくられたものである、しかもそれが米軍が一方的に県民の土地を取り上げてつくったものである、こういう事実についてお認めをいただけますか。
○梶山国務大臣 詳細の事実については政府委員から御答弁を願うといたしますけれども、いずれにしても、戦時中ないしは戦後占領下において、我々のいわば施政権の及ばない範囲内で起こった事実に対して、詳細に私は今日資料を持ち合わせておるわけではございませんが、その辺の交渉の過程その他については政府委員から事実を聴取をさせてもらいたいと思います。
○仲村委員 私は、政府が、復帰前に占領状態の中で沖縄の米軍基地がつくられた、いわゆる日米安保条約とは関係のない状態の中でこの沖縄の基地が存在していたということについてお認めをいただきましたので、これ以上のことはもう御答弁は要らない、こういうふうに考えております。 そこで、ことしは戦後五十一年目という年であります。米軍占領統治時代は別といたしましても、復帰後四半世紀にもなろうとする今、沖縄県だけに全体の七五%という米軍基地の過重な負担を押しつけてきた政府の責任は極めて重大であると考えます。今や沖縄県民ももう受忍の限界だ、まさにその堪忍袋の緒が切れたというところでございます。 さきに私が申し上げたように、公平な負担との関連で、今まで放置してきた政府の責任についてどのように考えておられますか。また、今後この公平な負担に是正するためにどのような方策をとろうとしているのか。この件について大田沖縄県知事は、目に見える形での整理縮小を図らなければ沖縄県民は納得しませんよ、こういうことを言っているわけでありますが、その件についてお答えをいただきたいと思います。
○梶山国務大臣 過般、橋本大臣と大田沖縄知事の会談に私も同席をいたしました。率直な知事からの御意見、そして総理は率直に、過去に対する反省そして沖縄の置かれている立場、自分なりに理解をしたけれども、こうやって話をしてみて初めて、もっと切実なものだということを理解をした、そういうものに向かって、この要望に向かって、一挙にできるかどうかは別として、全力を振るってこの今までの長い苦しみ、そして過重な負担、こういうものの是正のために努力をするということを大田知事とも話し合ったわけであります。これから具体的なことについてはそれぞれの分野で検討をし合いながら進められるかと思いますが、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○仲村委員 昨年九月の米兵による少女乱暴事件がきっかけになりまして、沖縄県民の怒りが爆発し、基地の整理縮小・統合を求める県民の運動は、いかなる説得や条件を提示しても、これはとめることのできない、もう怒り狂った怒濤のような激しい怒りを政府にぶつけているところであります。 今までどちらかといえば、政府は、言葉だけ先行して、日米安保の相手国であるアメリカに対しても余りにも弱腰外交で物が言えず、沖縄県民に対する言葉と実際の対米交渉とは大きな乖離があった、しかし、もう今後はこのようなことは沖縄県民は絶対に許さない、沖縄県民の意思を無視した日米間の取り決めには絶対に協力しない、こういう考え方は沖縄県民の気持ちであります。したがって、その基地の整理縮小を求める声がもう我慢の限界に来ていることを政府は肝に銘じて在沖米軍基地の整理縮小に真剣に取り組むべきであると考えます。 まずその手始めに、目に見える形での解決ということであれば、この三事案について、どのような形で、いつまでにそれを解決するおつもりであるのか、お答えをいただきたいと思います。
○臼井国務大臣 この三事案につきましては、昨年の十一月に日米防衛首脳会議で、その早期解決に向けて意見が一致をいたしたところでございます。 そのうち、那覇港湾施設及び読谷補助飛行場につきましては、昨年日米合同委員会において方針が合意をされまして、沖縄県あるいは関係自治体に対してその内容を説明をいたして、理解と御協力をお願いをいたしているところでございます。 移転先の自治体におかれましては、基地の強化あるいは固定化、自然破壊あるいは騒音等の問題でもって反対の御意向は示されているということはよく承知をいたしております。また県側といたしましても、県全体の開発の意向あるいは地元市町村の意向、いろいろな、総合的な面から検討してまいりたい、こういう御意向の表明がなされているわけでございます。 今回のこの二つの施設の処置につきましては、沖縄に所在をする既存の施設・区域をできるだけ整理統合・縮小しようとするものでございまして、移転先の皆様方には追加的な負担をおかけをすることになると思うわけでございますが、沖縄県全体の立場で見てみますと、開発振興に資するものである、こういうふうに考えている次第でございます。沖縄県におかれましても、県全体の高い立場で客観的、総合的な御検討をいただくように、関係自治体等にも働きかけをいただきたい、このように考えている次第でございます。一日も早く返還を実現するように努力をいたしてまいりたい、こう考えております。 また、県道一〇四号線越えの実弾射撃訓練につきましては、日米合同委員会におきまして、そのもとの作業班で、現在、複数の演習場で分散実施する方向で技術的、専門的な検討をいたしているところでございます。平成八年の半ばを目途に日米間で結論を出しまして、その後速やかに関係先との調整というものを図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○仲村委員 この三事案のうちの那覇軍港の浦添市への移転でありますが、この移転先の浦添市は反対をしております。それから、パラシュート訓練飛行場の読谷から宜野座村への移転も、宜野座村は反対をしております。これは今後、やはり政府が精力的にその地元との調整、また移転場所も、アメリカはそこを希望しておるわけでありますけれども、ここでいいのかどうかということについても政府の中で対案も検討する必要がある、そうしないとこの問題は前に進まない、こういうふうに思います。 それから、一〇四号線について、最近の報道で、米軍は全面移転を検討している、こういうふうに報じられております。これも今長官から、八年度中にはめどをつけたい、こういうことでありますので、ぜひそのような形で解決をしていただきたい、こういうふうに思っております。 一番大事なことは、今返還要求のオンテーブルされているいわゆる三事案、そして二十三事案のうちの残りの十三事案、それから軍転協から出されております十八事案、これを少なくともことしいっぱい、あるいは来年の前半までにはめどをつけてもらわなくてはならない、こういうふうに私は考えますが、これについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○臼井国務大臣 先ほど来、委員、お話を賜りましたように、沖縄県に米軍所在施設・区域というものが大変集中をしているということで、官房長官からもお話がございましたが、大変多くの御苦労を長期間にわたっておかけをいたしているということも承知をいたしておりますし、また、整理統合・縮小についての強い御要求があるということも承知をいたしているわけでございます。 いわゆる二十三事案の残りの十事案の取り扱いにつきましては、十二月二十一日の日米合同委員会において結論を得たところでございます。さらに、昨年十一月一日の日米防衛首脳会議におきまして引き続き検討をいたしております十八事案の件でも、新たに検討の対象に取り入れるということは合意をされました。そのことを踏まえまして、米軍の施設の整理統合・縮小について、三事案や十八事案などの整合性を図りながら、沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会あるいは基地問題協議会等々の場におきましてよくお話し合いをしながら、なおかつ日米安保条約の目的達成のための整合性というものを図りながら、現実的にかつ誠意を持ってこれからも対応いたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○仲村委員 沖縄県民は、米軍が上陸してきて土地を取り上げられ、その土地を使っての農業の職業も取り上げられたわけであります。したがって、今軍事基地になっている土地の収益というのは、その地主にとっては生活の重要な部分になっているわけです。したがいまして、土地は返してもらいたい、基地はない方がいい、そういう考え方を持っておるわけでありますけれども、しかし、これは返還された後に何で生活をするのか。特に返還されて後、その跡地利用事業をして実際に土地の使用収益を得るまでには平均して十四年かかっているのです。だから、その間何で生活をするのかという不安があるわけであります。 それを解消するために、また、返還の作業を円滑に進めさせるために、昨年の五月十九日に軍転特措法を制定したわけであります。しかし、そのときに、原案に盛り込まれているいろいろな補償措置を修正されたわけです。だから、それについては私たちも、これでは円滑な基地の整理縮小は進まない、だからこれだけの広大な基地を返還させてその跡地利用計画を進めるということになれば、やはり地主の協力を得なければならない、地主の不安を解消しなければならない、そういう立場から、この軍転特措法を、少なくとも地主補償の八条で言っている今の三年間というものを六年に延長すべきである、そして一千万を限度とした補償も地料相当額にすべきである、こういうふうに考えております。 その点について、防衛施設庁長官あるいは防衛庁長官からお答えをいただきたいと思います。
○諸冨政府委員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘の、沖縄県におきます駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律というのが昨年五月に制定されまして、平成七年度に返還されました提供施設に対しまして、平成八年度に初めて最初の返還給付金の予算がこの国会で今御審議中でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、この法律の適用に当たりまして、現在、運用上まだどのような問題があるのか等、これから十分詰めて執行をしていくというような段階でございますので、いましばらく運用の実態を見た上で、法制定の趣旨を踏まえながら、私どもとしては適正な執行というものを考えておりますが、今後の運用を十分見きわめながら適正な執行ということを考えておるところでございまして、先生の言われますように、当初、県からのといいますか、地元からの御要望がございましたのが、制定の過程で期間が短くされておるということは承知しておりますが、いましばらく運用の実態を十分詰めさせていただきたい、このように考えている次第でございます。
○仲村委員 やはり私が申し上げたように、国が本当に本気になって沖縄県の米軍基地を縮小していかなければならない、こういうお考えを持っているのであれば、縮小作業を円滑に進めるためには地主の協力がなければできない、そのために、やはり地主の返還に対する不安というものを解消していかなければならない。 そういうことで、原案に予告三年、返還後三年というふうに盛り込んであったものを、いつの間にかこれを削られたわけです。値切られたわけです。だから、これについてはやはり今後の基地の整理縮小に大きな障害になる、こういうふうに思っておりますので、何としてももとの六年間に延長をすべきである、こういうふうに考えております。 この沖縄の昨年暮れの基地返還闘争が起こったときに、政府の中でも、これはやはり修正せぬといかぬな、こういう意見があちこちから出ておったわけでありますが、このままではいかない、皆さんが本気で整理縮小をやるという気持ちであれば、これの補償措置を拡大していかなければならないと思っておりますが、その点についてもう一度お答えをいただきたいと思います。
○諸冨政府委員 お答えします。 ただいま申し上げたことの繰り返しで恐縮でございますが、現段階でまだ法律の執行は、平成八年度に初めて私ども執行するわけでございまして、どういう基準で実際の個々の地主さん方に給付金をお支払いするのか、そういう基準の制定がまだ現在内部で作業中でございまして、こういう点も十分踏まえて、また、地主さん方の御希望といいますか、御意見も入れながら今後運用をしていくというふうに考えておりますので、こういう運用の実態を踏まえて、また国会の方で御議論をいただいたらいかがかと、私見でございますが、思っておる次第でございます。
○仲村委員 私の質問の相手が事務方の長官でありますので、ちょっと間違っておったなと。これはやはり政治的な判断で解決をすべき問題である、こういうふうに考えておりますので、その点は十分、防衛庁長官、心得ていただきたいと思っております。 次に、四月の日米首脳会談での日米安保体制の再定義に関する共同宣言についてでありますが、今まで政府は、日米安保の維持のために沖縄に米軍基地があるのは至極当然であるという認識でしかなかった。しかし、昨年九月の米兵による少女乱暴事件に関連して、被疑者の身柄の日本側への引き渡しを要求した、それもだめだ。そしてまた、それを規定された日米地位協定の改定を政府に要請した、これもできません。こういうふうに軽くあしらわれたことに対して、県民の積年の不満と怒りが一挙に爆発し、まるで戦後五十年間の積もり積もったマグマが火を吹いた形で沖縄の基地の整理縮小‘統合の県民運動が起こり、日米両政府はようやく沖縄県民の基地から受けている重圧を悟り、本気で沖縄の米軍基地の整理縮小を考えるようになったのであります。 そこで、この四月のクリントン大統領の訪日のときに、日米安保の再定義の共同宣言に次の三点をはっきり明示すべきであると私は申し上げたい。 まず一つには、沖縄の米軍基地を大幅に整理縮小するんだということ。二つ目には、米国側が主張している在日米軍基地の四万七千人体制の継続は、在沖米軍基地の固定化を意味するものであるので、絶対に明記しないこと。三つ目に、米国の戦略構想は、しばしば報じられているとおり、東アジア戦略報告とかグローバル戦略構想などとか、よく発表されておりまして、これを日米安保条約に乗っけて日米安保の適用範囲を拡大し、沖縄の基地をそのために利用しようとする考え方が見え見えであります。今回の共同宣言の中には日米安保条約の適用範囲の拡大を絶対に明示しないこと。 この三点はいずれも今後の沖縄の米軍基地の運用にかかわっていく事柄でありますので、我が国としてこれを受け入れることとなれば沖縄県民に新たな犠牲を強いることになる。この点について官房長官から明確にお答えをいただきたいと思います。
○池田国務大臣 四月のクリントン大統領訪日の際に発表することを考えております安全保障に関します共同文書につきましては、これから米側とその調整を進めていくことになりますので、今の段階で明白にこういうことを書くあるいは書かないということを申し上げることはできないのでございますが、基本的に申しまして、この文書は、二十一世紀を見据えました日米安保体制のあり方を明確にしていくということ、そうしてまた、日米が各般の協力を推進していく、そういった幅広い観点に立ったものにしてまいりたい、こう思っております。 なお、沖縄の基地の整理縮小を明記しろという御指摘がございました。この点につきましては、先ほど来官房長官からも御答弁申し上げておりますように、今政府といたしましても、また日米間におきましても、精力的に、また誠心誠意その作業をしている次第でございまして、その作業の進展を踏まえてと申しましょうか、そういったものを反映してと申しましょうか、何らかの形でそれは盛り込んでまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。 それから、二つ目に、四万七千人の体制、プレゼンスというものを、これは基地の固定化になるから明示しないように、こういう御指摘がございました。 先ほど申しましたように、この文書を具体的にどういうふうな表現にするかはこれから協議し、調整してまいるところでございますので、ということで御理解をちょうだいしたいと存じます。 それから、三点目といたしまして、日米安保の適用範囲を拡大するようなことがあってはならない、こういうお話でございましたが、私ども、日米安全保障条約、これをしっかりと守っていく、こういうことでございます。 ましてまた、やはりこれはアメリカの戦略構想でいろいろあるではないかという御指摘がございましたけれども、米側におきましても、日米安保体制がどういうものであるか、またそれがどういう地域の安全なり安定なり平和なりを守っていくことを目的としているか、そのことは十分承知しておるわけでございます。 むしろそういった、まず我が国の安全を守っていく、またいわゆる極東地域の平和を守っていくために役割を果たしていく、そのことが広くアジア太平洋地域全域の安定を守っていく上で効果があると申しましょうか、好ましい機能を果たしていく、こういうふうに理解しておるのだ、こういうふうに申し上げればよろしいのかと存ずる次第でございます。
○仲村委員 今回の日米安保条約の再定義というものにつきましては、かなり長期にわたってそういう方針が貫かれていくという立場から、私は非常に重要なものであると思っております。 そういうことで、先ほど来申し上げておりますように、沖縄県民の基地から受けるこの被害、いわゆる受忍の限界を減らしてください、こういうふうに申し上げておりますが、この三点が今申し上げたような形でもし織り込まれないとするならば、私は、沖縄県民に新たな犠牲を強いなければならないことになる、こういうふうに思っております。 繰り返し申し上げますけれども、まず一つには、沖縄の米軍基地を大幅に縮小する、こういうことを明記すること、それから四万七千人体制というものは明記しないこと、それから安保条約の範囲は拡大しないこと、この三つは絶対の条件である、こういうように考えておりますので、ぜひそのように御努力をしていただきたいと思っております。 それから、米軍の強制使用に関連しての職務執行命令裁判についてお尋ねいたします。 一点だけお尋ねしますけれども……(発言する者あり)はい、じゃ、終わります。 今重要な裁判の問題がありますけれども、これはもう後で、いっか機会を見てやります。
○上原委員長 これにて仲村君の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後二時十六分開議
○上原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。前田武志君。
○前田委員 先週の新防衛計画大綱策定に当たっての橋本総理大臣の本会議における答弁等と関連して、まず、東アジア、特に我が国を取り巻く朝鮮半島あるいは中台、この東シナ海を取り巻く安全問題について御質疑をしたいと思います。 午前中に同僚議員からも同種の問題があったと思いますので、なるべく重複しないようにさせていただきたいと思います。 総理の御見解によりますと、新防衛大綱は、我が国の周辺地域におきまして依然として大規模な軍事力が存在し、また、朝鮮半島における緊張が継続するなど不透明、不確実な要素が残されており、安定的な安全保障環境が確立されるには至っていない、こういう認識を示されております。しかし、極東ロシアの軍事力の量的削減等の変化あるいは二国間対話の拡大等で地域の安定を図ろうとしている、こういうことであります。 一方、実は、きょうたしか閣議了解されたと思いますが、二百海里の排他的経済水域の設定、そういうことと絡んで竹島問題あるいは尖閣列島問題、こういったものも二国間では問題になってきておるわけでございます。もちろん我が国独自のこの長い歴史の中での領有権の主張等、こういった問題は、我が国当然の立場は主張していかなきゃいかぬわけでございますが、何といっても、この地域の平和に向けて日本としても大きな努力をしていく責務を負っているかと思います。 さらに、朝鮮半島問題につきましても、北朝鮮、相変わらずなかなか見えてこない。食糧難等経済的には非常に危機的な状況に陥っているのではないか、あるいはピョンヤンのロシア大使館に亡命したというような事件が報道されたり、あるいは中国側に現職軍人が相当亡命しただとか、いろいろなことも新聞報道で聞くわけでございます。そしてまた韓国と北朝鮮との関係、あるいは中国そのものが北朝鮮に対してどの程度の今影響力を駆使してこの地域の安定についてその責務を果たしておるのか。 そういったことを含めてまず韓半島に関する状況について、まずは外務大臣の御見解、認識を聞きたいのと、そしてまた、この面における軍事的な危険性といいますか、そういったことについて防衛庁長官なりから御見解を聞きたい、こういうふうに思います。
○池田国務大臣 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、東アジアの情勢につきましては、全般として安定化への流れがあるわけでございますけれども、しかしながら、そういった中で依然としてかなり大きな軍事力の存在もある、あるいは御指摘のような、いろいろな地域に不安定要因を内包しておる、こういうことでございます。 さらに、そういった中で、具体的に朝鮮半島の情勢についての認識いかんという御質問でございますけれども、御承知のとおり、一九九一年に南北の国連同時加盟、こういうことがございました。このように、この地域においても緊張緩和に資する前向きの動きがあったわけでございますが、その後の動きは必ずしもそういった流れがずっと着実に進んでいくということにはなっておりませんで、現在でも軍事境界線を挟んでの兵力対峙の状況には基本的な変化は見られていないところでございます。 また、北朝鮮の情勢でございますが、御指摘もございましたように、食糧、エネルギーを初めといたしまして、生活面あるいは経済面で大変いろいろな困難を抱えておるようでございます。また、そのことが北朝鮮のこれからの動向をどのように左右してくるのか、こういった点につきまして細心の注意を払っていく必要があるもの、こう考えておる次第でございます。 そして、韓国と北朝鮮の関係でございますけれども、御承知のとおり、一時南北対話ということも行われたわけでございますが、現段階ではそれが中断しておりまして、まだ再開のめどというものも立っていない、こういうふうに承知しております。 そういった状況を踏まえまして、我が国といたしましては、朝鮮半島の平和と安定と、そしてひいてはアジア太平洋地域全体の安定を図るために、何とか南北間の対話というものを通じて関係の進展、そして緊張の緩和というものがもたらせないか、これが一番大切なことであろう、このように認識しておるところでございます。そういった意味では、何と申しましても韓国と北朝鮮との直接の対話というものが一番大切なのでございますが、我が国といたしましても関係諸国と協力しながら、この南北対話の推進ができるような、そのような条件あるいは環境を整えていくという面でできるだけの寄与をしてまいりたい、このように考えております。 なお、中国と北朝鮮との関係いかんという点も御質問ございましたが、御承知のとおり、中国は一九九二年に韓国との間の国交関係を樹立いたしまして、そしてその後中韓の間の関係は着実に進展しておる、このように承知しております。しかしながら、同時に、北朝鮮との関係につきましても引き続き良好な関係を維持しよう、これは当事国双方がそのような姿勢で対応しておる、このように承知しておるところでございます。
○前田委員 概要を外務大臣からお伺いしたわけなのですが、特に北朝鮮問題については核疑惑、ちょうど二年前だったでしょうか、あのときには核疑惑の問題で当時の連立政権が非常に苦境に陥っていたということを私もその中におって感じていたわけでございますが、これは当然アメリカの対応との関係においてまた大きく変化もしたわけであります。もちろん、日本としては、北朝鮮に対して食糧援助等もやったわけでございますが、二国間としてどういうふうに今その信頼関係を構築しつつあるのか。 そしてまた、逆に言えば、この問題は日本と韓国との間の一番重要な信頼関係、これをいささかでも傷つけるようなことがあってはならないわけでありまして、しかし、今の御説明だけでは、要するに日本と韓国との間が最近はいろいろなことがあって、ついには与党の訪韓団も行けなかったというようなことで、せっかく築いてきた日韓関係そのものがかなり危うくなっているのではないか。 もちろん、韓国の大統領選挙等もこれありで、韓国の国内の政治状況にも大きな影響を受けているのだろうと思いますが、そういったことに関して、これだけ長い歴史の中でお互いにいろいろな問題があった中をここまで来ているわけですから、もう少し何か相互理解を深めるような、政府としても何か踏み込んだ対応がなさるべきではないか。あるいはやっておられるなら、その辺についての外務大臣の見解をさらにお聞きしたいと思います。
○池田国務大臣 御指摘のとおり、韓国と我が国は一衣帯水の国でございます。そして、長い交流の歴史を有しておるわけでございます。そういった意味から申しましても、また、価値観を共有する、あるいは安全保障面その他いろいろな面での利害をともにしている、そんなことを考えますと、日韓の友好関係というものを大切にしていくということは我が国の外交の基本である、このように考えております。 そして、御指摘のように、最近海洋法条約の締結という流れもございます。そういった関係で、かねてからの領有権をめぐる両国の立場の相違というものが浮き彫りにされまして、いささか心配される状況になっておるわけでございますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、日韓の友好関係を大切にするというこの基本を踏まえながら冷静に対応してまいりたい、このように考えておりまして、領有権問題をめぐる立場の相違というものが両国の友好関係全般に好ましくない影響を与えることは何としても避けなくてはならない、そう考えておりますし、海洋法関係の問題については、これはこれとして現実的に適切な道を話し合いを通じて見出してまいりたい、こう思っております。 韓国におかれましても、やはり両国の全体としての友好関係は、これを大切にしていこうという、こういう姿勢を堅持しておられる、このように承知しておりますので、これから外交ルートはもとよりでございますけれども、ありとあらゆる努力を、この大切な関係を将来にわたって維持し、さらに発展させていくために努力を傾注してまいりたい、このような決意でおるところでございます。
○前田委員 今、台湾海峡の問題についてもかなり緊張が高まってきておるわけでございます。もちろん、我が国としては一つの中国という基本的な考え方のもとに今までの日中の友好関係というものを築いてきたかと、このように思います。 一方で、台湾そのものにつきますと、経済的にはたしか一人頭の黒字額というようなものは世界一であるとか、それからたしか二千二百万人ぐらいでしょうか、かなり中規模の国家でございますし、しかもそれが経済発展をし、しかも相当民主化も進んできているわけであります。たしか各種レベルの議会はすべて選挙によって選ぶということも既に実現され、そして二年ぐらい前でしょうか、たしか省、県あるいは特別市、今まで直轄市であったようなところについても首長を直接選挙で選ぶというようなこともやり遂げ、いよいよこの三月二十三日に総統選挙、大統領選挙を直接国民投票によってやろう、こういう段階に達しております。 その民主化の努力ということは、やはり私は台湾におられる方々の今までの非常に大きな努力の成果だろうと思うわけでございまして、そういった意味においては我々も台湾の方々に大きなシンパシーを抱くわけでございますが、一方、こういうことが一つの中国、中国政府から見ると非常に気になるところであるんだろうと思います。そういったことで緊張が高まってきているのかなと思います。 まず、そういったことを踏まえて、政府としてこの台湾の今の現状というものをどういうふうに認識されておられるのか、見解をお聞きをいたします。
○池田国務大臣 台湾の現状をいかに認識しておるか、こういう御質問でございますけれども、経済の面につきましては、委員も御指摘のように、最近、世界全体の中でも最も活力にあふれた成長センターと言われます東アジアの中でも、台湾の経済的な躍進ぶりというものは目覚ましいものがあると存じます。委員がお挙げになりました指標のほかにも、例えば一人当たりGNPは既に一万一千ドルを超えておるということでございますし、あるいは経済成長率もここ数年見てまいりますと六、七%というふうなことでございますし、物価も安定しているというふうなことでございまして、大変いい経済的なパフォーマンスを示しておる、このように認識しております。 また政治的な面につきましても、先ほどお話がございましたように、地方選挙からあるいは国政レベルの選挙につきましても、着々と民主的な制度が確立され、また実施に移されている、こういうふうに認識しておるところでございます。
○前田委員 そういう中で、東シナ海あるいは台湾海峡等かなり緊迫の度を加えてきておるわけであります。新聞報道等を見ますと、軍事演習等が行われる、そういったことで、この地域における軍事的な状況というのがどういうふうになっているのか、防衛庁からその現状について御認識を伺いたいと思います。
○臼井国務大臣 中国は、台湾が国際社会においてその地位向上を目指す、そういう動きを非常に警戒をいたしているわけであります。中国首脳は、台湾統一に当たりましては平和的手段によって統一をする、こういうことを申しているわけでございますが、一方、武力行使というものも放棄をしていないとたびたび言明をいたしているわけでございます。また他方、近年、貿易や投資等を通じまして中台の経済関係とかあるいは人的交流というものが進んでいるのも事実でございます。 中国は、昨年の七月以降、台湾付近におきましてミサイル発射訓練等を実施するなど活発な動きを見せております。また、本年三月には、先ほど委員お話をいただきました台湾の総統選挙等が実施をされるということで、今後中国軍の動きがさらに活発化することも十分考えられるわけでございまして、私どもといたしましても、中国の動向につき今後とも十分に注目をいたしてまいる必要がある、こう考えております。
○前田委員 この台湾海峡等をめぐる緊迫というものが、もしも万一さらにエスカレートするようなことになりますと、単に中国だけの問題にとどまらず、先ほど来外務大臣お述べになったような、東アジアの情勢そのものに非常に大きな悪影響を与える。当然これは、日米安全保障条約に基づく日本、アメリカとの関係、あるいは米国のもちろん中国との直接の関係も含めまして、アジアの安全の問題、ひいては新しい安定構造を模索している今の世界の安全について、はかり知れない悪影響を与えるわけであります。 そういった意味では、これはまさしく日本そのものの問題でもあり、そういった危険なことにならないように、よほど日本政府としても腹をくくって、それこそ友情ある説得をする必要があると思うんですね。しかし、どうも余りそういったふうには見られない。これはもう本当にここまで築いてきた日中の信頼関係、多分中国にとっても日本の国、まあいろいろありましょうが、個々のいろんな問題はあるにしても、互いの信頼関係というのはここまで築いてきているわけでございますから、その辺について池田大臣、どのように認識をされておられますか。
○池田国務大臣 私どもといたしましては、今台湾海峡をめぐる問題でございますけれども、武力行使が直ちに行われるというような、そういった差し迫った状況にあるとは承知しておりません。 しかしながら、委員御心配のとおり、この地域における緊張がこれ以上高まってまいりますと、そこだけではなくて、アジア太平洋地域全体、その中には我が国も当然あるわけでございますが、そういった地域の安定平和のためにもこれはゆゆしいことでございますから、これ以上緊張が高まらないようにいろいろな努力がなされなくてはならないと思います。その努力の基本は、これは当然両当事者の姿勢であろうかと思います。 そういったことで、まずは両当事者の自制した対応、抑制された対応というものが望まれるところでございますし、また将来的には、この問題が当事者間で平和裏に解決されることを我が国としても強く希望しておる次第でございます。 しかし、委員御指摘のように、人ごとではないよ、日本の問題でもあると、私どももそのように考えております。そしてまた、先ほどお話もございましたように、これは日本だけではなくて、アジア太平洋にいろいろな利害を持つ国がひとしく関心を寄せているところでございまして、そういった意味では、私ども米国等と話し合います際にも、どのようにこの地域を見ているか、そしてまたどのような対応をすべきか、いろいろ話をしております。 そういった中で、我が国といたしましても、御指摘のように中国との間では深い友情に結ばれた関係、そういった立場からいろいろな話をすべきじゃないか、私どもそのとおりに思っておりまして、現に、先般私がタイのプーケットで中国の銭其シン外務大臣とお話しいたしましたときにも、このような日本の立場、そしてまた日本の関心ということを、また日本の希望ということを的確にお伝えしたところでございます。 ただ、見えないではないかと言われるかもしれませんけれども、やはり友情のなせるわざでございますので、余りあらわに見えない姿で、本当に情のこもった、そして効果のある説得といいましょうか、そういう話をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○前田委員 これは新聞報道で見たんですが、今月の七日に米国の上院外交委員会で台湾問題に関する公聴会が開かれて、ロード国務次官補・東アジア・太平洋担当がこの台湾海峡の緊張の高まりについて懸念を示し、そしてそれを中国に伝えたと言ったのか伝えると言ったのか、ちょっと失念いたしましたが、この辺はいかがですか。外務省、事実関係をちょっと教えていただきたいと思います。
○加藤(良)政府委員 御指摘のロード次官補の証言、これは二月の七日にアジア太平洋小委員会で行われた証言だと承知いたしております。 この中で、ウィンストン・ロード国務次官補も、今台湾海峡をめぐる情勢に一定の緊張があるということを認めて、それはこれからも綿密に、モニターという言葉を使っておりますが、注視していくことが必要であるということは申していると思いますが、証言の中で同次官補は、今差し迫った武力行使の危険があるというふうには申していない、そのような差し迫った危険はむしろ今のところはないんだという証言を行っていると承知いたしております。
○前田委員 アメリカ政府もそうやって議会でそういう証言をし、一種の懸念を表明して、心配をしておるわけでございます。私自身は、やはり中国というのは我々の文化のいわば親元でもございますし、四千年以上の歴史のある、知恵のある国ですから、こんなことで隣近所を騒がせ、ついには、あの大きな国がちょっと騒ぐだけでもう周りの国は大騒動になるといったようなことでございますから、外務大臣の友情ある見えないところの説得もいいのでございますが、これはやはり日本として、本当にそういった信頼関係をもとにそれこそ友情ある期待の表明というものをすることによって、初めて周りの国々も安心もするし、また中国自体もそういう大人の対応になるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。 最後に、外務大臣の御見解をお聞きいたします。
○池田国務大臣 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましても、この中台関係が何とか両当事者の抑制した対応により緊張が高まることのないように推移してほしい、そして、将来的には両当事者の平和裏の話し合いによる解決に結びついてはしい、こう考えておりますし、そういったことが可能になるように、我が国としてもあらゆる機会をとらえまして積極的に努力をしてまいりたいと思います。 先ほど見えないところでと申しましたのも、決して隠しておるというわけではございません。これからも、先ほど申しましたようなことで我が国としても努力し、また米国等とも連携をしながら、先ほど申しましたような条件整備に努めてまいりたいと思います。
○前田委員 次の議題に移ります。 先般、この総括質疑の中で、私は、不良債権問題というのは結局は土地の問題だ、日本の国における町づくりであったり住宅づくりであったり、そういった不良債権と裏腹になっている土地そのものが、もっともっと付加価値を高めてそれが動いていくということを通じて、初めて不良債権問題というのも基本的に、処理というよりも対応し得るんだという観点から御質疑を申し上げたわけでございます。 そのときに、橋本総理もまさしくそういった観点からお答えになっておられます。「私は、この金融機関の不良債権問題というものは、結局は土地問題と置きかえてもよいと思います。」このように答えておられるわけですね。土地が全く動かないままで下落を続けている状況というものは、やはりどこか考え直さなければならない、本来あるべき都市の再開発等が、あるいは都市近郊における居住性の向上に向けての施策というものが動かなかったとすれば、これを我々工夫してやっていく必要があるというふうにも述べておられるわけです。そういう見解を示しておられます。 そういった総理の認識を踏まえて、本予算案の中において、これはもう当然各省いろいろなところが関係してくるわけでございますが、どういうふうな施策をされているか。これはもう非常に大きな問題ですから、とても時間がございません、幾つかの例を提供しながら議論をさせていただきたいと思うわけなんです。 私自身が考えておりますのは、要するにそういった不良債権化しているような土地というものも、もちろん住専が貸し出したいろいろな——この間から参考人なんかを聞いておりますと、全く投機目的だけで土地の売買をしているというケースやら、もうむちゃくちゃなのもあります。しかし、やはりディベロッパーであったりあるいは住宅会社、建設会社、そういったところは、町づくり、住宅開発、結局は我々の環境をよくする一つの役割をしょってやっていたはずなんですが、それがストックデフレ、こういった不景気の中でどうにもならなくなって、それ自体が物すごく大きな重荷になっていっているわけですね。 ところが、どうも住専国会、この住専問題のお話を聞いておりますと、この間から審議に参加しておりますと、確かに、債権をこの処理機構に集めて一括して処理する、こういうふうにおっしゃるわけなんですが、聞けば聞くほど、その処理というものが実体経済に本当に反映していくような、土地が優良な開発に使われるように、そこを処理していくような装置になっているかというと、どうもそうは思えない。 要するに、債権を全部集めて、その複雑な裏の権利関係を法的に処理したり、いろいろ司法的なものももちろん入れてやる。しかし、それはそこまでであって、本当にその先の、土地をそういう価値をつけてオークションにかけ売り出す、そういうことが可能なような装置になっているかというと、なかなかそうは思えないのですね。まずは、その辺の装置がどういうふうになっているかということをお聞きをしたいと思います。
○西村政府委員 全く前田委員の御指摘のとおりでございまして、この不良債権問題というものは結局は土地問題に帰するという御認識、私どもも同じような気持ちで取り組む所存でございます。 不良債権の処理につきましては、まずその第一段階といたしまして、バランスシート上の処理と申しますか、金融機関の経理上の処理ということが第一歩の問題としてどうしても不可欠ではございますが、決してそれで済むわけではないということは私どもも承知をしておるつもりでございます。さらに、その経理上処理いたしましたものをどのように実体経済の中で消化をしていくかということが大変大切なことだということを私どもも承知をしております。 現在まで、例えば共同債権買取機構が保有する担保不動産に関する情報提供を拡充するとか、あるいは金融機関が保有しております不動産の任意売却に当たりまして、債務者の意向等にも留意しつつその情報開示に努めるとか、担保土地の処分に関する円滑な調整に努力をしておるところでございますが、残念ながら今までのところ必ずしも、実体経済の動きもございまして、十分な成果を上げていない、今後一層努力をいたしたいと考えておるところでございます。
○前田委員 この問題についてはもっと時間を得てやりたいところなんですが、例えば一つとりましても、要するに無税償却の装置を入れておられるわけですね。共同債権買取機構に金融機関が債権を譲った場合には、貸倒引当金を無税で積んでいて、それはそういうことになる。しかし、それはこういったところにだけ認められているわけでございますから、そういう意味では、しばしばここでも議論されていたように、大手銀行を中心に金融機関にはそういう意味では手厚い保護をしているわけなんですね。 そうやって債権を処理してしまうと、無税で償却してしまうのですから、その先の、その土地というものがどういうふうになるかということについては余り責任を持たない。むしろそこの処理をして、本当にその土地自体を始末して売却したときにそれを還付するというのであればこれは進むのですが、逆にこれは、ただ債権を集めるのに非常に手厚い、保護と言ってはなんですが、手だてを講じて、その先のことについてはむしろやらなくていいよというぐらいの感じになっているわけですよ、大蔵大臣。だから、債権塩漬け機構になるよ、こういうことを私は言っているわけなんです。共同債権買取機構なんかもそうでしょう。 これからどうするかの話なんですが、一つはこれはむしろ税制の上におきましても、薄井局長は前回も公平性の話をされましたが、公平という意味においたら、むしろこれは有税で積み立てをさせて、本当に不良債権そのものを売却して始末したときに還付するというようなことをすれば、インセンティブが出てくるということにもなるわけですね。 それから、もっと私が申し上げたいのは、冒頭申し上げた橋本総理大臣の認識そのものでございます。やはり開かれた土地、不動産の大きな開発市場というものが、国民市場というものが出てこなければならないのです。まだ、不動産市場とかいうと何かバブルの土地投機のそういったものだというような感覚でおられる方々も多いわけでありますが、そうではなしに、本当に透明な国民市場として、というのは、アメリカなんかではまさしくそういった市場になっている。ストックマーケットあるいは金融市場と同じような規模のそういう国民市場があって、これはセキュリタイゼーションであったり、REITであったり、いろいろな手法でこういったことをやっているわけですね、住宅モーゲージなんかもそうだと思いますが。そういったことを通じて、大きな市場があって、だからこそRTCですか、こういった処置も可能になったのではないかな、こう思うわけです。 さらに申し上げれば、国民貯蓄、いわゆる貯金、株あるいは保険、年金、そういったものの総額を国民貯蓄と呼べば、たしかこれが千兆円以上、千百兆円ぐらいあるんじゃないか、こういうふうに言われておりますが、その国民貯蓄というものが実体経済の中になかなか入ってこない。まさしくこれがそういう町づくり、住宅づくりにどんどん入ってくれば内需拡大にもなるし、そしてこの不良債権の処理というものもできるわけです。これを通じて、私どもの住む全国各地の町づくりも進む。そして、グレードの高い、まあ手ごろな住宅というものも確保できるわけでありますから、そういった面での施策がぜひ必要になってくるのではないか、こう思います。 結局は、国民貯蓄がアメリカの国債を買いに行ったり、円高で大損をしたり、ドーバー海峡のトンネルを掘りに行ったり、私は去年中国に行って、そういうところに日本のまさしく国民貯蓄が入っていっている実態を見てまいりました。華僑資本が日本の商社と組んでいろいろ開発をやっている。そこには、その日本の商社の後ろには、日本の銀行団、生命保険、機関投資家がシンジケートを組んで、どんどんどんどん行っているのですね。 我が自由経済の日本において、町づくり、住宅というとどうしても公共事業中心で、その千百兆円の国民貯蓄というのが入ってこない、そういう格好になっているわけなのですよ。そこに、実は地方分権をやらなきゃいかぬ、規制緩和をやらなきゃいかぬ、土地利用の規制ですね。それから、特に税制ですよ。税制については、この分野の税制というのは、バブルつぶしでまあむちゃくちゃな、土地取引をしたらこれはペナルティーというようなぐらいの税にしてしまっているのですよ。 そういうものにきちっと対応して、そういう国民経済の中にこういう町づくりというものが入ってくるように、動いてくるような施策を打たなければならないというのが我々の持論であるわけです。外野席から、どうするんだ、こう言われましたが、まさしくこういうことを政府がやるべきである、こういうふうに思うのです。ひとつ大蔵大臣、いかがですか。
○久保国務大臣 前田さんの今お話しになりましたことは、土地基本法の考え方といいますか、理念の上でもそのような方向を基本法は決めてきたと思っております。単に土地が活発に取引されるというだけでは、土地基本法の目指す理念に沿うとは思いません。むしろ、土地がどのように有効利用されるか、そのために移転が容易になるということでなければならないと思っております。 大蔵省で考えてまいります場合には、今お話がありましたように、土地にかかわる税制の問題が御主張の対象になるのだと思うのでございます。この税制改革の平成八年度に取り組みました内容について、今申し上げましたような立場からの詳しい説明は政府委員の方から申し上げることにいたしたいと思いますが、地価税、譲渡益課税、そして登録免許税、こういったようなものの改正に当たりましては、今申し上げましたような有効利用の目的に沿うという立場で検討が行われたものと考えております。
○前田委員 そこで、これは役所の方で結構でございますが、土地取引の実態、これが経年的にどういうふうな推移になっているか教えていただけますか。
○深澤政府委員 バブル崩壊以後のこの数年の土地取引についてちょっと見てみたいと思いますが、全国におきます土地取引、これは売買による所有権移転登記の件数で見たものでございます。 平成二年、二百二十一万件でございましたものが、その後、平成二年から減少はいたしましたけれども、平成五年、百七十七万件を底に、平成六年、それから七年十一月まででございますけれども、これを見てみますと、五、六、七とふえてきております。 これを圏域別に見てみますと、やはり東京圏、大阪圏、これは平成四年を底に五、六、七と増加をしてきております。 それをさらに、東京都区部、二十三区に限って見てみますと、やはり東京圏、大阪圏と同様でございまして、四年を底といたしまして、五、六、七というふうに徐々にふえてきているというのが実態でございます。
○前田委員 もともと町づくりというのは、私どもの日本の歴史においても、大抵、地域の発展する時代に大きな力をつけたその地域住民たちみずからが協力してつくり上げてきた、そういう歴史があるわけでございます。 実は、私の地元に今井町という環濠都市が残っております。これは、堺の方は跡形もなく消えているわけなんですが、近世非常に商業が栄えたところでございまして、そのときにみずからつくった都市が、まだそのまま残っているのですね。なかなか風格のあるすばらしい町なんですが、それも、その当時の商人たちがみずから町づくりを全部やったわけですね。 そして、今我々が考えなきゃいかぬのは、先ほど申し上げたように、例えば都市再開発事業にしろ都市計画事業にしろ、また、道路あるいは下水道、公園、そういった住環境の整備にしろ、基本的に公共事業で対応しなければならない余り利益の上がらないそういったところについては、大いに公共事業でしっかりやって、そしてそれが呼び水となって、民間のまさしく一千兆円を超える国民貯蓄というものがそこに投下されていくということになって、初めてすばらしい町づくりもできるわけであります。その結果として、実は土地が付加価値をつけて動くのですよ。 土地を動かしてからどうかするというよりも、そういう計画、利用があって、そこに投資をしようという、そういう民の一千兆円を投資するというものが出てきて初めて、そういうすばらしいものが動くわけでございます。それが動くようにするためにはまたこれはいろいろな装置が必要で、大蔵省であったり建設省であったり、いろいろ知恵を出してやっておられるわけですが、今のところまだそれが余りうまくいっていないということを大蔵大臣も御認識をいただきたいわけであります。 さて、そういった中の一つ、例えば民間都市開発機構というのが、これも二年ほど前にちょっと法律を変えて、我々の連立政権のころだったですが、改組して、こういった都市、都心におけるそういう不良債権化した土地を何とか買い取って、そこを町づくりに生かしていこうというようなことでこういった装置をこしらえた、まあ制度を拡充したわけでありますが、たしかこの予算案においてもこの制度のさらなる拡充というものが入っているわけでございます。 こういったものの実質的といいますか、実態を御報告いだだくとともに、こういうものを例にとって、これは建設省の方になるんでしょうか、そういう町づくりというのをどういうふうにやっていこうと考えておられるのか、その辺のことについて建設省からお聞きをいたします。
○近藤(茂)政府委員 まず先生お尋ねの民都機構の土地取得の実績でございますが、平成七年度の補正予算でかなり制度の拡充がされましたが、それについては今公共団体と連携対応をとっておりますので、従来から千平米以上のものについて五年の取得を限度で買い取るという実績につきましては、現段階で手続中の案件も含めまして十六件、約七ヘクタール、一千億強という状況でございます。 それからもう一つ、こういった民都機構が土地を取得する場合でも、有効利用するために取得するということでございますが、この点につきましては、先生の今御質問の中にございましたようにやはり基盤整備、とりわけ街路事業等の整備が進まないことにはなかなか有効利用することができないということで、あわせて街路事業ともども、あるいは区画整理事業等の基盤整備を進めるということが非常に重要だろう、そういうふうに認識しているところでございます。
○前田委員 そういったことも踏まえますと、やはりこの公共投資の重点配分といったことについての一つの尺度も出てくるのかなという感じもするのですね。そんなことも踏まえまして、これは、なかなか実績を聞いておりますと、まだそれほど大きなものが進んでいるようには思えないわけでございますが、ぜひ新年度の予算の中で、制度も拡充しているということでございますから、大いに拍車をかけてやっていただきたいと思います。 それから、土地市場に関する問題でございますが、先ほど来何度かこの辺についても触れているわけなんですが、橋本総理大臣も前回の私の質疑させていただいた中でやはり同様のことについての見解を述べております。市場というものも当然新たな様相を呈していくような場面があっていいだろう、そういうふうに指摘をされているわけでございます。 そういった意味において、既に建設省においては不動産特定共同事業というものを発足させているわけでありますが、これは必ずしも私が指摘した、アメリカにおけるような大きな不動産開発事業にまで通ずるものであるかどうかは詳しく存じませんが、たしかこの法案、我々連立内閣のときにつくったわけなんですが、意図したところはそういったことであったと思います。この不動産特定共同事業ですか、これについての実態、実績について、建設省から御説明を願います。
○小鷲政府委員 お尋ねのございました不動産特定共同事業でございますが、お話のありましたように、一昨年、新法という形で制度をおつくりいただきまして、昨年の四月から法律を施行いたしております。大手不動産会社を中心といたしまして多数の企業から名乗りを上げていただいておりまして、現在まで大臣許可、知事許可合わせまして二十一社に対しまして許可をいたしております。 ただ、ここ数年、不動産市況が大変低迷をいたしておりまして、新規の投資案件という意味からいたしますると、残念ながらまだ新しいプロジェクトはスタートいたしておらないということでございますが、いずれ、業界も我々も期待をしている制度でございますので、大いにこれが活用されることになろうかと思いますので、私どもといたしましても積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○前田委員 そこで、金融関係であれ、そしてまたこういういろいろな制度をつくってきているわけなんでございますが、やはり地元へ帰りますと一般の市民の方々が、大きなところはいろいろな苦境に陥ったら手厚い対応をしてくれる、しかし自分たちはローンに悩み、そして買いかえをしようとしても売れば膨大な損をこうむる、そういった問題が生じておるわけです。それから特に、去年の痛ましい神戸の震災、阪神・淡路の震災の、あのローンを抱えた方々の本当に気の毒な様子も、この国会においても何度か指摘はされております。なかなか有効な手が打てないわけですね。 そういう中で、例えば住宅の買いかえ。三千万で買ったマンションを、大体もう五、六年たった、ぜひ一戸建てに買いかえたい。ところが、今売ると相当の損になってしまう。そういったときに、今の税制では、当年度における譲渡損といいますか、キャピタルロスについてはたしか損益通算を認めているのではないかな、こう思うのですが、こういったものを三年なり継続して認めるということをしてやれば、今住宅需要というのは一次取得が多いものでございますから、これを認めることによって二次取得というのが相当動くだろうというふうに言われております。 それを通じてまさしくすばらしい住宅整備、そういったものも進むわけでございますし、また、いわゆる市場が活性化もするわけでありますが、こういったことについて大蔵省の方はどういうふうな認識を持っておられますか。
○薄井政府委員 お答え申し上げます。 住宅のキャピタルロスの繰り延べ制度を創設してはどうかという御指摘だと思います。 この点については、昨年の秋から冬にかけて私どもの中でも議論がありました。その議論の結論を申し上げますと、確かに、住宅対策という意味では御指摘のような効果があろうかとは思いますが、先日もこの席で申し上げましたように、税制の仕組みからしたときに、一暦年の所得について累進税率を適用するという所得税のもとでロスの繰り越しを設けるということは適切ではないという判断をしているわけでございます。 そういう議論の中で、外国にはあるではないかという御指摘もありました。私ども調べてみますと、確かにアメリカにはそのような制度があるのですが、その背景を見ますと、キャピタルゲインについてきちっとあちらでは課税している。それに対して日本とかあるいはヨーロッパ諸国は、日本の場合ですと、居住用資産は三千万円までの所得は課税しないとか、買いかえ特例があるとか、あるいは税率も三千万円を超えて三千万から九千万までは一四%で結構ですとか、非常にそこでキャピタルゲインの優遇をしているものとの裏腹で、ロスについて対応していないということでございます。 そういう意味で、住宅対策という政策面とそれから税制の仕組みということのぶつかり合いの中で例外を設けにくい分野であるということを御理解いただきたいと思います。
○前田委員 もう一つ例を申し上げると、個人の不動産所得の損益通算制度、これを本則に復帰したらどうかという議論もあるわけです。これはたしか私も議論に参加したのを覚えているのですが、ワンルームマンションでもうけてどうのこうのというような議論が随分あって、その本則をとめた経緯があります。しかし、今、まさしくもうバブルなんか崩壊して、土地の投機でもうけようだとか、そういうような時代じゃないわけでございますから、あくまでも収益還元型のそういった不動産市場であり、また個人の住宅取得であり、そういった意味合いにおいて、これを、本則を認めることによって、そういう住宅取得もまたどんどん進むというような考え方もあるわけですが、その辺についてはいかがですか。
○薄井政府委員 前田先生にも御議論していただきました、平成四年の改正だったかと思いますが、いわゆるワンルームマンションによって、要は投機的に不動産を取得して、これを不動産所得の源泉となるように活用する。一方で、それは借金して買いますから、その借金の利子でもって落としていく。そうしますと、当時言われたのは、セールスポイントというのは、借金してワンルームマンションを購入して貸しておけば、あなたの給料の税金は安くなるし、あわせて何年かたてば自分の資産になるということで、仮需要といいますか、非常に社会的な問題になったということで対応したというのは、先ほど御指摘いただいたとおりでございます。 そういう状況がなくなったではないかという御指摘なんですが、やはり私ども今見ていましても、それに類するようなものがぼつぼつ、まだほかに投資目的となるものがないからかもしれませんけれども、消えていないように見受けられますし、また、給与所得の税金が安くなるから不動産を購入するといったような形で税制が利用されるということは、まだ適切ではないんではないかなという感じでおります。
○前田委員 全く税制の議論は、もうプロの議論になると、公平、バランス、そういったことで一歩も前へ向いて出れないわけでありますね。これは当然、専門家から見たらそういうことになるんだろうと思うんですね。 しかし、今こういう事態で、住専のこの問題、二次損失だ、いろいろ言われている中で、これは大蔵大臣、本当に何か積極的な対応策を打たなければ動いていかないわけなんですから、そういった意味で、住宅対策、そして町づくり、そういう、本来ならば積極的に展開すべきその武器としての税制でもあるわけでありますから、そこは、あるいは年次を限ってもいいと思うんですね。私自身も、税制というのは余り原理を外れておかしなものにするというものはいかぬという考え方です。 しかし、単純明快にやっていく必要があるのと、そしてまた公平とか公正の原理ということでいえば、どうしても、庶民の住宅取得であったり町づくりであったり、こういった面の税制はほかの税制に比べて非常にきつい税制になっている、むしろ不公平だということを言いたいんですね。 ちょっとここに資料もあるんですけれども、いろいろ試算すると、金融資産で、例えば国債を買って十年間持っている方が、住宅なりそういったものを持ってそれに投資したのと比べてみると、これはもう完全に、いろんな税制等からいって、二倍から三倍、二・五、六倍ぐらいやはり国債を持っている方が得だ、こういうことになるわけですね。 これは土地の投機じゃないんですよ。そういう広い不動産市場というものができて、そこに国民の投資が行く、いろんな機関投資家を通じても行きますし、個人の投資も行くでしょう、そういうセキュリタイゼーションというようなこともやらなければいかぬ。そういうことで、国民の貯蓄をそこへ投入しようとすると、その辺、バランスのとれたものになっていなければ市場にならないんですよ、不動産市場に。そこにやはり私は問題があると思うんです。 そういった意味で、前回建設大臣に御激励を申し上げたわけなんですが、やはり建設大臣の責任は非常に重いと思います。ぜひ御決意のほどを。
○中尾国務大臣 これは先ほどからずっと聞いておりまして、大変に、経済政策の上からいっても、土地の利用促進、あるいはまた開発されていないところもさることながら不良資産でもう既にあるものをどのように有効利用していくか、こういう論点から始まって税制の問題に至るまで事細かに、むしろ教えられるがごとくいろいろとお話をなさいましたが、これは私も同感でございまして、そのような方向でやっていくことも、一つの金融システムというよりは経済システムの機構の中でこれを考えていくべき問題だ、このようにとらえていることはもう全く御承知のとおりでございます。
○前田委員 最後に、経済企画庁長官の、ひとつ独自の哲学を踏まえてというか、市場論をお聞きしたいところなんですが。 今までの議論のまとめとして、要するに、もう日本の国の活力というのはこの十年、十五年しかないだろうと私は思うわけですね、せいぜい二十年。これは人口のピークが十年先には来るわけで、その後は急激な人口減少を伴う超高齢社会になっていくわけでありますから、当然国民貯蓄と言われる中身ももうここ今世紀いっぱいぐらいだろう、こういうふうに予測をされているわけでありますから、今しか、この活力を引き出して、そして日本の国づくりをやって、町づくりをやって、すばらしい環境を整備して、今後一世紀、二世紀、成熟社会を実現していくという機会はないだろうと思うんですね。それがどうしても、大きなグローバルマーケットというものの観点からの経済運営がなされていない。 それは多分、五年前と今とでも相当違ってきている。一つは、もちろん社会主義経済というのはなくなったわけでありますから。中国も市場経済であります。しかも、情報化という中で、あらゆる情報が瞬時にして市場に反映するわけですよ。これはもうテレビを通じて、アフリカのこともあるいは日本のことも、またどこにでも、ニューヨークにも映るでしょうし、そういう市場というものが非常にグローバル化、情報化して、あらゆる価値というものがそとに映っていく。言ってみれば、森羅万象が市場に映っていくような時代なんですから、そこに任せるべきところを任せてやっていけば、この住専問題だって相当の処理が進むんだろうと私は思うんですね。それを自分たちで抱えて、いつまでたってもコントロールしよう、こういうところに問題がある。 PKOだってあるんです。これだって私はいっか質疑をしたいところなんですが、プライス・キーピング・オペレーションだってある。そういうことをやっているから、日本の市場というものは世界から見放されていっているんだろう、こう思うんですね。 今テレビで「秀吉」をやっておりますが、信長、秀吉と楽市楽座をやったわけですよ。オープンの市場をやって、そしてあの当時の勃興してきた新しい生産手段をそういう楽市を通じてどんどん発揮させた。ギルドでタコつぼのようになっていたのを楽座をやって、あのときのすばらしい力を、日本の持っている力というものを発揮させた。 だから天下をとったんだろうと思いますが、今まさしく楽市楽座をやらなければいかぬときに、どうもやっていることは逆の方向じゃないか、こういうふうに思うわけです。それをやるための規制緩和であり、地方分権であり、そして情報公開なんですね。これはもう不動産関係というのはあらゆる情報を開示しなければ、それこそ危なくて近寄りもできない。 そういった意味において、経済企画庁長官の御見解をお聞きして、終わります。
○田中国務大臣 私は、今回の住専の処理問題を含む不良債権の処理というのは、さまざま日本経済に好影響を与えるというふうに思うんですが、前向きに日本経済に大きく寄与する政策目標を二つほど挙げろというふうに言われれば、一つは金融システムの正常化、安定化ということであろうと思うし、もう一つは土地の有効利用の促進ということだというふうに受けとめております。 御承知のように、月例経済報告で、景気に明るい芽が出てきたという報告をさせていただいたのですが、そのときに、この明るい芽を育てて、本格的な回復軌道に乗せ、さらには中長期の安定成長軌道に乗せていくために、四つ、五つ、好ましい要因とか克服すべき課題というのを、数字は打ってありませんけれども、挙げてあります。それは、現在存在している金融の緩和基調、それから内需の拡大、あるいは前田先生が随分前から一生懸命取り組んでこられている規制緩和を初めとする、それを含む構造改革、そして不良債権問題の処理と土地の有効利用の促進、これは今回も月例経済報告で申し述べたところでございます。 土地の有効利用の促進のための土地の流動化、それによる経済の活性化というのは、やはり二十一世紀をにらんで日本の経済をしっかりした安定的な成長軌道に乗せていくためには極めて大事だというふうに思っております。これはもう前田先生と同じでございます。今回の、昨年秋の経済対策にしても、また来年度予算にしても、特にまた土地税制の改正、これらは、この方向をにらんだものというふうに受けとめております。
○前田委員 終わります。
○上原委員長 これにて前田君の質疑は終了いたしました。 次に、谷口隆義君。
○谷口委員 本日はまた住専問題を中心に質問させていただきたいというように思います。 まず初めに、本論に入る前に、今回本委員会におきまして三回目の質問になるわけでございますが、第一回質問させていただいた折に、系統五千三百億円の贈与の問題、これの積算根拠についてお聞きいたしました。その際に、農水大臣は、これは積み上げであるというようなお話をいただきまして、理事会を通じて前回それに対する資料をいただきました。 いただいた結果を私見させていただいて、前回の折に申し上げたわけでございますが、あの資料はまさに融資残高に応じて案分してあった資料でございましたので、これは農水大臣のおっしゃつておる資料じゃないですよと。もう一回、農水大臣のおっしゃった発言を撤回されるのか、また、積み上げで本来計算されておられるならば、そのような資料を提出していただきたい、このように申し上げたわけでございます。理事会の方にお聞きしますと、まだ現在出ておらないということでございますので、あれ以降また状況の変化があったのかどうか、それも含めまして農水大臣の御答弁をお願いいたしたいと思います。
○堤政府委員 お答えを申し上げます。 当予算委員会におきまして、農協系統の贈与額につきまして、何といいますか、五千三百億ありきといいますか、あるいは信連につきましては二千億ありきとか、そういうような議論が先にあって、これを各信連ごとに住専への融資残高で案分したものにすぎないのではないかというような感じからの御指摘がございましたので、これにつきましては、各信連ごとの経営への影響を見ながら、農協系統信用事業の存立の基盤を守り得るぎりぎりの水準は何であるかということを考えて算出をしたものだということで申し上げているところでございます。 そういう意味で、この前も申し上げたわけでございますけれども、二つほど私どもとしましては、系統信用事業の存立の基盤を守り得るぎりぎりの水準としては何かということで、一つには、資金贈与に伴いまして今年度に赤字に転落する信連を、経常利益ベースで過半、そして当期利益ベースで二十程度ということでございます。それから、翌年度についても対応いたしまして、翌年度につきましても赤字の信連数が今年度を上回っていくということでは構造的な問題になりかねないということの心配がございますので、これを回避するということにいたしまして、おおむね今年と同水準と見込もう、この二つの条件を設定をいたしたところでございます。 その二つの条件を満たす数字として、それじゃ幾らの負担額が適正であるかということを行います場合に、今申し上げました今年度の経常利益と当期利益、それから翌年度の利益ということを計算することになるわけでございますけれども、その際、信連ごとの贈与額と比較した上でぎりぎりの水準の条件を満たす額としてどういうものであるかというときに、信連全体の贈与限度額二千億円というものが、先ほど申し上げましたぎりぎりの各信連の今年度の当期利益、それから経常利益、それから翌年度の赤字の信連の数ということを満たすものとして二千億円ということを算出したわけでございます。 そういう意味で、私どもとしては、各信連ごとの経営状況ということをそれぞれ見まして、そういうものとして二千億円をはじいたということでございまして、何か初めから金額ありきということで、それをプロラタ的に信連ごとに住専への融資額で割り振ったとかそういう性格のものではないという意味で、大臣からもるる申し上げたところでございます。
○谷口委員 もう何回も繰り返すのですが、確かにおっしゃる前提はわかるのですよ。前提はわかるのですが、あの前回の資料を見ますと、信連の二千億を融資残高できちっと案分されているのですよ。だから、そういうことを言ってはだめなんですよ。積み上げなら積み上げできちっと出してこなきゃだめなわけで、私が申し上げているのは、あの資料は明確に融資残高で案分している、だからその前提条件、さっき、ぎりぎりの問題だというようなお話ございましたが、あの資料で見ますとそのように融資残高で案分されておる、こういうことでございますので、あの結果を見まして、前回の予算委員会におきまして、もう一度資料を出していただきたい、このように申し上げたわけでございます。 先ほど経済局長おっしゃったように、初めに二千億ありきなのか、積み上げた結果二千億なのかというのは全く違うのですね。案分するということは、これは初めに二千億ありきということなんですね。積み上げというのは、それぞれの信連の財政状況等を加味しながら積み上げた結果が二千億になる。本来、積み上げた結果が二千億になるということ自体、このようなラウンドの数字になるということ自体本当はおかしいわけでございまして、そのような状況の中で、きちっと説明する資料を出してくれ、このように申し上げたわけでございますので、もう一回今申し上げます。 どうか委員長、理事会に諮っていただきまして、今私が申し上げたことに対して、一つは農水大臣の発言を撤回していただくか、またもう一つはきちっと積み上げ計算した資料を出していただきたい、このように便宜を図っていただきたい旨をお願い申し上げます。
○堤政府委員 昨年十二月十八日の段階で、ぎりぎりであるということで五千三百億円をはじきましたときに、今申し上げましたようなことで、それぞれ信連ごとの経常利益や当期利益あるいは翌年度の利益がどうなるかということの影響をすべて見まして、先ほど申し上げましたような信連数を上回っては、全体的な六十八兆円あるいは二千五百単協ということもございますので、新たな信用不安が生じるということがあってはいけない、そういう意味でぎりぎり信連としてそれぞれの実情を見ましてどれだけ耐えられるかということで判断をしたものでございまして、これ以外に今おっしゃいましたような数字は私どもとしては持っておりません。 かつ、私どもが各信連ごとの贈与額と経常利益、当期利益の関係を見たわけでございますが、当然ながら幾らの負担であればそういうことでぎりぎりのものであるかどうかと見ましたときに、例えば千五百億とか千八百億ということを見ましたときに、各信連ごとにそれぞれ影響を見るためには、住専への貸付額でもって一応それを案分してみるという作業をしなければ各信連ごとの当期利益、経常利益がどうであるか、翌年度の利益がどうであるかということは出ないわけでございますので、そういう意味での作業は当然したわけでございます。いずれにしましても、大臣からも申し上げているとおり、それぞれの信連ごとの影響の度合いということをぎりぎり見たということであることは間違いないところでございます。
○谷口委員 もう本当に国民をばかにしないでくださいよ。積み上げたと言っているんだよ。きちっと積み上げなら積み上げのような資料があるわけですよ。 私もさっき申し上げたように、あの資料は二千億を融資残高できちっと割っているのですよ。私は全部電卓入れて調べたんですよ。もうぴちっと案分しているんですよ。案分しているから、これは案分しているんですかと聞いたら、そうじゃないとおっしゃるんですから。 だから、今おっしゃることはわかるんですよ。現実に出ている資料は、あれは完全に案分されている資料ですよと。あれを国民の前に提出した折に、これは案分しているというのはだれが見てもわかるじゃないですか。一遍電卓入れてくださいよ。あの二千億があって、これを融資残高でずっと割っていったら、ああなるじゃないですか、各信連ごとに。
○堤政府委員 おっしゃっていることは、私も先ほどから申し上げているとおり、それぞれの信連ごとの影響度合いをそれぞれの経営状況という形にしてぎりぎりを見た、そういうことでございます。 その際に、全体的な負担が、先ほど申し上げました条件に該当するものが何であるかということを見ましたときに、例えば千五百億なのか千八百億なのか、あるいは二千億なのかということを見るわけでございますが、その際には、当然ながら一応各信連ごとの経営状況を見るわけでございますので、そういう意味で、例えば千五百億と置けば、それを住専への融資残高に応じて案分をした数字と、それぞれの信連の経常利益がどうであるか、当期利益がどうであるかということを見る、そういう意味での案分ということは当然なければ各信連ごとに見れないということは申し上げているとおりでございまして、大臣の方から申し上げているとおり、それぞれの信連の影響というものをぎりぎりという形で見て対応させていただいたということでございます。
○谷口委員 今おっしゃったのはちょっと違いますよ。案分と積み上げと違うんですからね。もう何回も同じことを言わさないでくださいよ。 だから、私は今、この二千億、農水大臣、あなたに聞いているわけですよ。農水大臣が、第一回目の私が立ったこの予算委員会におきまして、あれは積み上げておると、このようにおっしゃったんですよ。ですから、その資料を見て、これが案分されているかどうかというものですかと前回このように申し上げて、ですから、きちっと積み上げた資料を出していただきたい、このように申し上げた結果、まだ出ておらないわけでございますので、これをぜひこの理事会でやっていただかないと、これは前へ進めないですよ、これは本当に。ほかにやりたいのがあるわけですから……。おかしいですよ、そんなもの。あれが積み上げたったらおかしいじゃないですか。
○大原国務大臣 議論の発端が、初めに二千億ありきとおっしゃるから、いや、そうではございませんと。いろいろの数字、例えば今経済局長が話しましたように、千五百という数字、二千五百という数字、いろいろ検証した結果、半分以上も赤字が出るのはどの水準だということを確かめるために検証したことを積算とか積み上げとか申し上げたわけで、その積算の作業の過程はいろいろあったことは事実でありまして、そのめどというのは、三十も赤字が出たら経営に影響があるから困る、それが来年度にどういう影響があるかというところまで検証をしていって出した数字がこれでございます、あらかじめ二千億があったんではございませんということを申し上げているわけです。
○谷口委員 おっしゃるのはわかるんですよ。だけれども、農水大臣見られましたですか、信連別にずっとこう書いてある資料。理事会に出していただきました資料ですけれども、あの資料は二千億を融資残高のボリュームに応じて案分しているんですよ。案分しているんですよ、あれ。 だから、私が申し上げているのは、各信連が、それぞれの状況があるでしょう、それは財政状況のいいところも悪いところもあるでしょう。そういう各信連ごとに積み上げた結果がこの二千億になるというのが、これが積み上げたということでしょう。案分じゃないか、だけど。今おっしゃったことでは、ちょっと説明になっていないんですよ。 私は、農水大臣に厳しく追及しようと思って言っているわけじゃないんです。そんなもの、だれが見てもわかりますよ、あれが案分されているというのは。
○上原委員長 発言者、もし答弁を求める場合は着席してください。
○大原国務大臣 我々が積み上げと言い、あるいは積算と申しましたのはそういう意味でございまして、それ以外にはないんです。そうして出た答えが二千という数字でございますから、皆さん方に数字をお示しするときは案分以外にはないわけであります。その辺を御理解いただかないで、何か積み上げてきてこういう数字になりましたという、そういう積み上げではありません。
○谷口委員 じゃ、案分と言えばいいじゃないですか。案分じゃないですか。 要するに、農水大臣、融資残高の合計があって、その融資残高の合計で各信連の融資残高を割っているわけですよ。その割合に応じて二千億が案分されている。これはまさに案分じゃないですか。案分なら案分とおっしゃったらいいんです。案分なんですか。
○大原国務大臣 二千億の答えは案分で出しました。案分ですよ。二千億出てきたんですからこれしか負担できない、そうすれば信連別にどういうことになるかといいますと、当然、貸している割合に応じて案分する以外に方法はございません。
○谷口委員 だから、今の御答弁は最初の農水大臣の御答弁と違うということでございまして、まさに撤回された、このように私は理解いたします、案分だと今明確におっしゃいましたので。 ですから、極めて、こういう五千三百億円の積み上げと申しますか、積算根拠と申しますか、これがあいまいであったということが、今まさにこの農水大臣の御答弁で理解できたわけでございます。 ですから、もうこの問題は一応そういうことで理解させていただきまして、次に移りたいと思います。 参考人に来ていただきまして、いろいろお話をお聞きいたしました。その折に、何点か私、気になる御発言がございましたので、その後のフォローと申しますか、ちょっとお聞きいたしたいことがございます。 まず初めに、住宅ローンサービスの井上氏が、九三年二月の第二次再建計画について、これは十年間で二五%の地価上昇が前提であったというようなお話でございました。それに対しまして前銀行局長の寺村氏は、住専各社によって再建計画の内容が異なり、必ずしも地価上昇を見込んでおらない、このようにおっしゃったわけでございまして、ちょっとギャップがある、おっしゃることに違いが見受けられたわけでございます。 先ほどお話を聞いておりますと、まさにこの不良債権の問題は土地問題であるというようなお話がございました。私もそのように思うわけでございます。 本来、非常にバブルがございまして、バブルを抑制するという意味で、金融を引き締め、また税制で抑え込んだわけでございます。そういう意味でしますと、現行の地価水準と申しますか、これはある意味で政策目的を達成したと言えるんじゃないか、このように思うわけでございますが、一方では、そのような地価の下落に伴うこのような金融機関の不良債権の問題が起こってきた。これは、ある意味では地価を下げるという段階で予想された問題でございます。 そのようなことを前提でお話をお聞きしたいんですが、先ほど申し上げました、この住宅ローンサービスの井上氏がおっしゃった、二五%の地価上昇を見込んでおったというようなお話でございました。大蔵大臣にお聞きいたしたいんですが、この地価見通しをこの再建計画の上でどのように政府の方は見込んでおられたのかというようなお話をお聞きいたしたいと思います。
○西村政府委員 第二次再建計画の内容は、これは言うまでもなく当事者同士が取り決めたものでございます。住専各社の再建計画は、基本的に住専各社が、それぞれの不良債権の状況あるいは回収の見込み等を勘案して作成したものであると私どもは理解をいたしております。 ただ、全般的に申し上げまして、平成五年の再建計画の策定以降、予想を上回る不動産市況の下落だとかあるいは金利の低下等から、当初予定をしておりましたこの計画の達成が困難になっているということは、私どももそのように考えております。
○谷口委員 ですから、本来再建計画を行う上で地価上昇を見込むというのは非常に問題のあることでございまして、そういう意味からして、今回この地価の見通しを再建計画に盛り込んでおったかどうかというのは極めて重要な問題であったのではないかというように考えておるわけでございます。 今回、この住専処理スキームの中で、住専処理機構でございますか、十五年間かかって回収しょうというようなことのようでございます。これに関連したことでございますが、この十五年をかけるというのはどういう意味がございますのでしょうか、大蔵大臣。
○西村政府委員 私ども、この住専処理機構を用いましての回収というものは、極力早期に行うということが望ましいと思っております。 また、今回の処理策では、住専にかわってより強力な回収機構といたしまして、住専処理機構及び預金保険機構が一体として回収に当たるということになっているわけでございます。そのため、人材面の手当てだとか仕組みや権限の上でもさまざまな工夫を凝らしているわけでございまして、このようなことによってできるだけ早く回収を図るということでございますが、その限度といたしまして十五年という期間をいただきたい、その中でできるだけ早くこの債権の回収を図っていくということを破産法、民事保全法、民事執行法等あらゆる法律上の回収の手段を用いて行っていきたいと考えております。
○谷口委員 なぜ十五年になったかということと、その十五年というのは、先ほども申し上げました地価の動向をこれは加味しておるのではないかというように私は思っておるんですが、これについてはどうでございますか。
○西村政府委員 私どもが十五年を見込んでおりますのは、全体としての資金の循環だとかそういう観点からでございまして、十五年間に地価が回復するとか上昇するとか、そういうことを目的としてこの十五年という期間を見込んでおるということでは決してございません。全体の資金がうまく回って、全体計画が樹立できるような期間として十五年という最長の期間を、限度をいただきたい、このように申し上げておるわけでございます。
○谷口委員 十五年というのは非常に長いんですね。普通は金利の概念と申しますか、大体そういう考え方を入れて考えるわけでございますが、十五年もたちますとかなりの金利になるわけでありまして、まず、その十五年の根拠を、今おっしゃっていただいたんですが、非常にわかりにくいと申しますか、なぜこの十五年になったかという答弁になっていないわけでございます。今おっしゃった中で一つわかったのは、この十五年というのは地価の上昇を見込んでおらないということを明確におっしゃったわけですね。 それで、その次に移りますが、橋本全銀協会長のお話の中に、これは参考人で来ていただいた折に、住専と母体行の間で親子関係をある意味で否定されたわけでございます。しかし、私は、この母体行の責任も今回のスキームの中で極めて大きいと思うんですね。責任は極めて大きい。一九九五年六月末現在で紹介融資が住専七社合計で一兆七千二百八十七億円あって、このうち九一%が焦げついておる。このような状況の中で母体行の責任も極めて大きいというように思いますが、橋本全銀協会長は、融資の最終審査は住専がやったから、そういう意味では母体行との間の親子関係というのは必ずしもあるんじゃないんだ、必ずしも親子関係があるものではないというようなお話でございました。 それに対しまして、昨日の我が党の平田議員のお話、それに対する大蔵大臣の御答弁、また、本日の大蔵大臣の記者会見と申しますか、記者発表をなさっておられますが、この母体行の経営者責任と申しますか、これは母体行同一で極めて大きな責任であると私も思っております。もう一度、大蔵大臣のその所見を述べていただきたいと思います。
○久保国務大臣 橋本銀行協会会長の御発言は、私は、ちょうど参議院の予算委員会の補正予算に関する審議と重なっておりましたので直接お聞きすることはできませんでした。しかし、その後、新聞等で読ませていただきました。 あの方がおっしゃっている意味は、商法上の子会社ということには当たらないという御認識かなと思いながら読ませていただきましたが、今度の住専の不良債権問題にかかわって、母体行が単なる住専への融資を行った貸し手ということだけの責任で済むとお考えになっているならば、とんでもないことだと私は思っております。設立から出資、そして役員等の人事、それから経営等に関しても大蔵省の調査によっても明らかになっているのでありまして、これらの問題に関する責任は母体行としてもしっかり認識をして、そして、この責任をどのように考え、どのようにとるかということについてもお考えいただく必要があると私は考えております。
○谷口委員 わかりました。 その次でございますが、九三年の第二次再建計画に当たって、農中の角道氏が、これも参考人で来ていただいた折に、融資の引き揚げも考えたが、元本保証の念書が出ておったので引き揚げをやめたと述べられておるわけでございます。これに対しまして寺村前銀行局長は、融資の引き揚げを求めれば住専が経営破綻し、都道府県の信連に損失が発生する状況であったというように反論されておるわけでございます。 もし、この寺村氏の発言が正しいとしますと、農林系金融機関は逃げ出そうとしても逃げ出せないような状況にあったというようになるわけでございますが、このような発言、このような状況について農水大臣の御見解をお願いいたしたいと思います。
○大原国務大臣 確かに、その当時は、住専の経営について系統の皆さんが非常に大きな疑問を、一次再建から二次再建で一年しかたってないわけですから、大きな疑問を持ったことは事実だと思います。 それで、引き揚げということでございますが、私も、事務局からの報告によると、再三引き揚げるということを言ったということも聞いております。破綻になるからというような言い方はその当時していなかった、このように思います。しかしながら、角道さん言われるように、これを引き揚げた場合どういう事態が起こるのかということを考えると、今我々が反省をしながら振り返ってみますと、やはり抜き差しならない状態にあったことは事実であろう、私もそう思います。
○谷口委員 そういう抜き差しならない状況と申しますか、要するに、もう逃げ出せないような状況にあったとするなら、今回の一連の処理スキームの中での系統金融機関の責任もこれはまた出てくるわけでございまして、今、最終的なこの処理スキームは御存じのとおり五千三百億の贈与ということになっておるわけでございますが、例の覚書の問題、また、既にそういう逃げ出せないような状況にあったとするなら、この系統金融機関の責任の問題もこれは問われてしかるべきではないか、このように私は思うわけでございます。 それと、これは二月の十六日の新聞で、日本損害保険協会の会長が、今回の処理スキームの中の預金保険機構に対する出資の問題でコメントをされておりまして、大蔵省から要請は現在ないが、今後あったとしてもこの出資要請については受け入れがたい、このようなお話でございます。また、この住専処理機構への低利融資につきましても元本保証であるとか金利面での配慮を求めておる、このようなお話でございます。 大蔵省として、今回のこの処理スキーム、預金保険機構の中でこの出資要請をなさるのではないかと思うわけでございますが、必ずしもこういうように同一した歩調になっておらない現状の中で、大蔵大臣の御所見をお願いいたしたいと思います。
○西村政府委員 住専問題の処理方策につきましては住専処理機構への融資につきまして、あるいは出資につきまして、当事者間で引き続きその詳細についての具体化について協議をすることとなっておりますけれども、基本的な枠組みにつきましては関係金融機関の間で了解が得られていると私どもは考えております。 今御指摘の新聞報道、私も拝見いたしましたが、実際にどのように御発言されたか、私も実際の御発言を伺ったわけではございませんが、そういう業界をも含めまして、基本的な枠組みについては御了解を得られているというふうに私どもは理解をいたしております。
○谷口委員 わかりました。 そういうことで、次に参りたいと思いますが、平成七年八月の大蔵省の第二次調査でございますね。この調査に基づいて、これは比較した結果、差額が出てまいりましたので、私は全くどういう状況なのかわからないわけでございます。それについてちょっと教えていただきたいというようなことでございます。 第一住金が、この大蔵省の調査基準日は平成七年の六月三十日でございます。それに対しまして、有価証券報告書を提出しておりまして、これが平成七年の三月三十一日が基準日でございます。この有価証券のバランスシートの残高を見ますと、MOF調査、大蔵省の調査の結果は九百五十四億六千百万円、こういうようになっております。有価証券報告書の方は八百十九億五千八百万円、差額が百三十五億三百万円出ておりまして、この三カ月でございますか、の間にはちょっと増加が多過ぎるんじゃないかということがまず第一点でございます。 それと、次は地銀生保住宅ローン、これも同じようにちょっと比較いたしました。その結果を見ますと、大蔵省の検査基準日現在で千九百六十四億三千七百万円の有価証券がバランスシートで計上されております。有価証券報告書、これは同じく平成七年三月三十一日でございます、これが一千七百二十八億八千九百万円、差額が二百三十五億四千八百万、このようになっておりまして、この三カ月間に二百三十億強の有価証券がふえておるということでございます。 この地銀生保住宅ローン、前年の有価証券報告書を見まして、それで比較しますと、これもかなり前年比較で、平成六年度から比較して平成七年度はふえております。これで見ますと六百億ぐらい年間ふえておる、このような状況になっております。 それで、平成六年の事業年度と平成七年の事業年度を比較しまして、何がふえたのかなということで見ますと、国債、公債、地方債が、この分類のところが五百億ほどふえているわけですね。この中でも利付金融債が三百五十億ふえております。 まず、この分析結果について、何かおわかりでしたら教えていただきたいと思います。 〔委員長退席、三野委員長代理着席〕
○西村政府委員 ただいま大変詳細な分析をしていただいたわけでございますが、全体といたしまして、立入調査報告書と有価証券報告書の間の融資残高全体について申し上げますと、その差があることは御指摘のとおりでございます。 これは、今これもまた御指摘がございましたが、時点の差、すなわち有価証券報告書は七年三月末現在でございますし、立入調査報告書は六月末現在でございますので、そのような時点の差があるとか、あるいは立入調査において査定の対象となっている関係会社向けの貸付金が有価証券報告書においては別科目の表示となっているというようないろいろな差がございまして、それらはそれぞれ十分説明が可能なものでございます。 なお、今御指摘の有価証券の中身だとか、そのような個々の点につきまして私直ちにその御疑問にお答えするだけの用意がございませんので、また後ほど分析いたしまして御報告をいたしたいと考えます。
○谷口委員 大体見ますと、これは平成六年から平成七年の比較で、まあ営業貸付金の減少分が大体この有価証券の方に回っておるなというように考えられます。回収したものを一時的に有価証券で運用しておるのではないか。ここで一つ考えられるのは、この資金余剰の分は返済になぜ回さないのかなというようなことでございまして、余剰分をまたこの有価証券なり、これは抵当証券なり運用しておるわけでございますが、これについてどのようにお考えでございましょうか。
○西村政府委員 御専門の見地からの大変詳しい御指摘でございますが、それぞれの住専の経営に当たりまして、なぜそのような運用方針を立てたのか、そのような運用を行ったのかということについて、私、今この場でお答えするだけの用意がございませんので、これも住専の経営者に確かめました上で御報告を申し上げるようにいたしたいと存じます。
○谷口委員 では、次に移りまして、先ほど申し上げました今回のこの処理スキームは、非常に拙速で不透明である、私はこのように従来から申し上げておるわけでございます。このスキームの変遷を私一回目のときに申し上げたのですが、本来は七兆五千億あった、これを一兆二千億を先送りにして二次損失にした、あと六兆四千億に対して、本来三兆五千億、一兆七千億、一兆一千億というところ、農林系金融機関の一兆一千億が五千三百億になって、あとは財政資金を投入する、このように変遷していった、このように聞いておるわけでございます。そういう意味では、今回の処理スキームはある意味で農林系金融機関の救済ではないか、このように言われておるわけでございます。 それで、これは先日大蔵大臣のお話の中にもあったわけでございますが、今回の処理スキームが進まないと金融システムに重要な影響を及ぼす、金融不安を起こす可能性がある、このような御発言をしておられるわけでございますが、その内容がちょっと明確でないわけでございます。ちょっと詳しく御説明をお願いいたしたいと思います。
○久保国務大臣 仮に、何人かの方からお話がございましたように、公的資金の投入による住専問題処理スキームによってこの処理を行わず、法的処理として破産処分にいたしました場合には、金融機関の体力の弱いところは債権を放棄せざるを得ない部分を持ちこたえることができるかどうかという問題がございます。そのことは、預金者に不安を与えることに波及することは容易に想像できることでございます。 ただ、この結果、仮に公的資金の投入を行わず法的処理でやれということでそのような処理をいたしました場合にどのような状況が起こるかということは、これは皆さんの場合も私の場合も予測であります。しかし、このことは実験を行ってはならないことだと私は考えております。
○谷口委員 私、今まず第一点申し上げたのは、今回のこの処理スキームが農林系金融機関の救済と考えておられるかどうか。農林系金融機関が危ないから信用不安を起こすというような論理構成でおっしゃっているのかということをまず第一点お聞きいたしたわけでございます。そのことについてもう一回御答弁をお願いいたしたいと思います。
○久保国務大臣 これは農林系金融機関と限定することなしに、やはりこのような経験したことのない大きな不良債権の処理の仕方を誤れば、そして、もう先送りできない状況でのこの問題の処理を迫られるということになりますと、その結果いかんによっては体力の弱い金融機関にいろいろ問題を起こしてくるわけでありますから、そういう意味で、それを防ぐという意味では、私は、預金者を中心にして金融機関の救済ということも、結果的にはそのように申し上げても誤りではない、こう思っております。
○谷口委員 だから、信用不安というなら預金保険機構もございますし日銀特融もあるわけですね。今まで現実にそうやってきたわけですから、銀行の倒産または信用組合の経営破綻があったわけでございますので、今回特にそういうような方法ができないというようなことはまずないのではないかと思うのです。 その辺の状況を加味していろいろ総合的に考えました折に、これは村山前総理もこの農林系金融機関の問題は触れていらっしゃいました。橋本総理も、当初は農林系金融機関の問題ではないとおっしゃっておりましたが、発言が、何回か聞いておりますとだんだんそういう趣旨のことを述べておられるようでございました。 それで、まずどうして金融不安が起こるのかということが明確にならないと、この六千八百五十億円を投入するのにまず国民の理解を得られないと思うのですね。ですから、ちょっと今私、二回御答弁に立っていただいてお話をお聞きしましたがどうもはっきりしないのですが、どういう状況の中でこの金融不安が起こってくるのであるかというようなこと、これは金額的な問題もございます。これについて、ちょっと御答弁もう一回お願いいたしたいと思うのであります。
○西村政府委員 金融的な不安が生ずる経路というのはいろいろあるわけでございますけれども、私どもは、今回の処理策が実施されず、住専に係る多額の損失分担が確定しない状況で不透明な状況が長期間継続するということになりますと、体力の弱い金融機関に対する信用不安というものを招きまして、預金者の不安というものも招きまして、破綻に至るものも生じかねないのではないか、そのような場合には預金の払い戻しができないこととなり、善意の預金者に御迷惑をおかけすることになる、そういうことはぜひ防ぐこととしたい、このように考えたわけでございます。
○谷口委員 個別金融機関の経営状況、確かに、おっしゃるように経営環境の厳しい銀行もあると思います。だけれども、それ以上に厳しいのはやはり信連、農林系金融機関の中の信連が、私は非常に厳しい状況にあるのではないか。ですから、信連に預金をしておられる、信連といいますか農協ですね、農協に預金をしていらっしゃる方がいらっしゃるわけですが、そのような観点から今回のこの信用不安ということをおっしゃっておられるのではないのですか。
○堤政府委員 私どもとしましては、総理大臣なり大蔵大臣、農水大臣から何度もお答え申し上げているわけでございますけれども、全体的な処理スキームのねらいが、我が国の金融システムの安定性ということと景気を本格的な軌道に乗せるということを主たるねらいとしているわけでございまして、農協系統自体を救済するとかその負担軽減ということのために今回のスキームができているわけではないというふうに思っているわけでございます。 それで、全体的な預金者の保護という意味では、他の金融機関と同様に、そういう意味では農村におきましても農協に預金している方もおられるわけでございますし、全体的な意味での金融機関の一員としての立場ということはあろうと思いますが、先ほど申し上げましたように、農協系統のためのというふうな理解をいたしていないところでございます。
○谷口委員 漠然とそういう御答弁をされますと非常にわかりにくいわけでございまして、まず、この結果、このようなスキームの中でこれをやらないとすると信用不安が起こるというのがどの程度、おっしゃるのは一般金融機関とおっしゃいましたから、信用不安が起こるのはどの程度の金融機関になるのかどうか。具体的に名前を挙げるというのは非常にこれは信用不安が起こりますのであれですが。これは、基本的に私は、今回の問題は農林系金融機関、なかんずく信連の状況が極めて悪い、このように認識しております。 ですから、今回のこの処理スキームの眼目はこの農林系金融機関の救済であるとするなら、そのような対応の仕方もまた出てくるわけでございますが、昨今非常にマスコミにおきましても言われておるのは、なぜ金融不安が起こるのか、どこが一体悪いのか、こういう話が国民の間で非常に言われておるわけでございまして、今御答弁何回かしていただきましたが、ちょっと漠然とした話で非常にわかりにくいのですが、要するに農林系金融機関もその中に入っておるというようなお話で、その中でも極めて重点的に農林系金融機関の問題が大きいというようなことのお話ではないかな、このように解釈いたしておるわけでございますが、そのようなことでよろしいのでしょうか。
○大原国務大臣 大蔵大臣からも御答弁がありましたように、我々としてはぎりぎりの線を出したわけでございまして、この線でいけば我々としては、来年度赤字も大分出るところがあるが、何とか持ちこたえられるという線でぎりぎりと申し上げているわけで、それを公的資金で補いなさいということを我々のサイドから申し上げたことはありません。
○谷口委員 先ほど申し上げましたように、農林系金融機関の状況が極めて危ないというような認識は、これは共通した認識だと思うのですね。これは農水大臣も認めていらっしゃることだと思いますが、この農林系金融機関が今回の住専に対して五兆五千億融資をいたしておるというようなことでございます。この住専の融資だけではなくて、資金の運用をめぐってかなり信連、農中も、特に信連でございますが困られておるというのですか、なかなか運用のテクニックが御存じないと申しますか、そのようなことを聞いておるわけでございます。 また、片一方では、株、投資信託の失敗で深い傷を負っておられる信連もある。これは宮城県信連ですか、株の失敗で八九年度決算で五十億近い赤字を出して、前会長が責任をとって辞職されておるというようなところも出てきておると聞いております。 また、この信連の状況を聞きますと、信連と申しますか農林系金融機関の状況でございますが、融資担当専門職員が極めて少ないというように聞いております。これまた宮城県の例で申し上げますと、一農協当たり融資担当職員が大体三人ぐらいだ。九十三農協中、融資担当職員、専門職員が一人しかいないのが三十一ある。一人もいないのが四農協ある。 このようなことでございまして、このようなところがやはり現実に融資を行っておるわけでございますから、当然審査能力も極めて悪いというような状況の中で今回の住専の問題も起こったという一つの問題があるのではないか、このように思うわけでございます。 そういう意味におきまして、資金運用ノウハウ等、リスク管理ができておらないというようなことではないかな。ですから、このリストラということで今考えていらっしゃるのは、農協、信連、農中というこの三段階を、信連を農中と合併して農協、農中というようにやろうというようなことでございますが、まずこの農林系金融機関、今後の具体的な対応ですね。これからどういうように持っていかれようとしておるのか、農水大臣、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○堤政府委員 住専に対します貸し付けにつきましては、他の金融機関と同じように、金融機関位置づけということでなされたものでございますので、そのこと自体金融機関的扱いという面がやはりあったという面があろうかと思いますが、一般論として申し上げて、御指摘のように、やはり信連を中心とした系統の審査能力、貸し出し能力についてはいろいろと問題が指摘されているところでございます。 そういう意味で、私どもも、やはり信用事業をやっていくという意味での、いろいろな意味での研修やあるいは審査体制の整備等、これからやはり充実強化していかなきゃならないということで、従来からもやってきたところでございますけれども、人員の確保あるいは研修による内容、資質の向上、そういうことにつきましてはこれからも努力をさせていただきたいというふうに思っております。 さらに、今回こういった形になりましたことにつきましてさまざまな御指摘をいただいているわけでございますが、そういう意味で、農協の信用事業のあり方ということにつきましてやはり思い切った抜本的な見直しをしていかなきゃならないのではないかという理解をいたしております。 私どもも既に農政審議会で、一月三十一日にお願いをいたしまして、信用事業を中心として農協の事業運営のあり方につきまして基本的な見直しをしたいということで既に着手をいたしております。八月ぐらいまでには答申をいただきまして、遅くとも来年の通常国会には関連の法案をお出ししたいということで、農協の信用事業のあり方につきまして対応したいというふうに考えているところでございます。
○谷口委員 大幅なリストラをやられるということですね。三十八万人いらっしゃるようでございます、農協の職員。例えばこの農協の職員の削減であるとか、農協の広域合併であるとか不採算部門の切り捨てであるとか、このようなことが考えられておるようでございますが、先ほど申し上げました信用事業、この信用事業を例えば農協から分離独立して地域金融機関としてまた誕生させてやるのかどうか、またもう一つは、貸出先規制を緩和して融資を拡大させるようなことをさせるのか、いろいろ方法はあると思いますが、大きな流れの中で農協金融と申しますか農林系金融機関の方向について、農水大臣ちょっと御答弁お願いいたしたいと思います。
○大原国務大臣 ただいまの御指摘は大変重大な御指摘だと私も受けとめております。 御承知のように、農家の資金需要というのは貯金に比べて非常に少ないわけでございます。御承知のように、農協では貯貸率が四割程度、信連では二割程度でございまして、あとは上部機関への預け金、こういう運用の実態であります。したがって、この六十八兆円という資金を農協ないしは農業の中に閉じ込めておいては将来の運用のあり方として大変問題があると思われます。 ですから、今御指摘がありましたように、その資金の運用方法も、既存の制度にこだわらないで、より広く、そして日本の金融システムの中へ流れていく仕組みを何とかつくっていかなきゃいかぬだろう。ただ、地域金融機関との間で統合するとかしないとかいう問題は、まだそこまで踏み込んでいるわけじゃございませんで、申し上げたような方向で検討をしていかなきゃならぬ、こういう感じを私は持っております。
○谷口委員 わかりました。 もう時間が参りましたので、もう一点だけちょっと御質問したいんですが、今回の二次損失に関しまして、預金保険機構が低利融資の元本保証をするというようなことになっておりまして、これでいきますと農林系金融機関が二兆二千六百億低利融資をする、これに対する元本保証を行う、このようになっております。それに対して、預金保険機構に対する拠出は農林系金融機関はないわけでございますね。農林系金融機関はない、それに対して、母体行と申しますか、都市銀行あたりはかなりの拠出をいたしておるわけでございまして、このような状況につきまして御見解をお願いいたしたいと思います。
○西村政府委員 御指摘のように、もともと預金保険機構は系統金融機関以外の預金受け入れ金融機関が組織をし、保険料を拠出して運営している機関でございます。そこが元本を保証するという場合に、だれを対象にやっていくのか。仮に、従来の構成員でない方の元本保証をするというようなことがあれば、その場合にはその経費をどのようにするのかというようなことについては、まず元本保証の対象をどのようにするのかという問題をも含めまして検討を要する課題だと考えております。
○三野委員長代理 これにて谷口君の質疑は終了いたしました。 次に、松岡滿壽男君。
○松岡(滿)委員 新進党の松岡滿壽男です。 先週、この席で住専問題を主体に橋本総理初め皆さん方に質疑をさせていただいたのですが、そのときに橋本内閣の支持率がどんどん下がっているじゃないかというお話を申し上げたのですが、今週また下がりまして、フジテレビの十八日放送のものですか、「支持する」が四一・六%、「支持しない」が四三・二%。とうとう「支持しない」がふえてしまいましたね。 それから後、国会での質疑もありました。また、参考人の質疑があったわけですね、二日間。その間の状況を見て、それぞれ官界の方々、民間の関係者の方々、政治家の方々のいろいろな説明、釈明を聞きまして、恐らく国民は、今日本が置かれているさまざまな分野での病の深さに、もうこれはたまらぬという思いを持たれたと思うのですね。 このフジテレビのアンケートで、「住専処理での財政資金導入の理由について政府の説明は十分なされているか」という質問に対して、「はい」と言っているのは四・二%ですよ。実に九一・六%の国民の皆さん方が「いいえ」と言っているんですね。わからないわけですよ。 それでまさに、十三日の私の質問に対して、六千八百五十億円削除をされたらどうですかと久保大蔵大臣にお伺いしましたら、武村さんの言葉をもってすれば日本経済の霧を払う、そのことのために私どもは今日これが必要なんだ、あなたのお話のように六千八百五十億円を削除するという考えはございませんというふうにお答えになっておるわけですね。しかし、この武村さんの言葉をかりますと、ますます霧が深く立ち込めてきて、これは霧を払うどころの話じゃないわけですよ、後ほどいろいろ申し上げますけれども。 そこで、私は大蔵大臣に、この参考人招致によって何が解明されて、何が解明されなかったかということについて、まずお話を伺いたい、お考えを伺いたいと思います。
○久保国務大臣 最初に、何か私が武村さんの言葉をかりてという表現をいたしましたことを、そこだけをお取り上げになりましたけれども、これは、その前後に武村さんのインタビューをめぐってのいろいろなお話があって、その延長線上でのことであったと思っております。何か自分の考えがなくて人の考えで左右されているように、そこだけを抜きますととられますので、あえて釈明をさせていただきたいと思います。 それから、参考人の方々の御発言によって何が解明され、何が解明されなかったかというのは、参考人を招致された国会の方でお考えになることがまず第一の問題だと私は思っております。しかし、限られた時間での御発言を、先ほど申しましたように、私は新聞紙上でしか見ることはできませんでしたけれども、これを見まして、非常に時間が制約されていたこともあるのでしょう、もう少し当時のかかわられた方々の意見を聞く時間があればより理解が深められたのかなと思うこともございますが、今私が何が解明され、何が解明されなかったかということを申し上げる立場にはないように思います。
○松岡(滿)委員 先週の質疑のときに、武村さんがつかみ金と言った、しかし大蔵大臣は積み上げたと言われたじゃないかという話を私がしましたら、それは武村さんが参考人で出られるかもわからぬからそれを聞いてくださいというような御答弁があったようにしかと私は覚えているわけですね。それはやはりちょっとまずい話だと私は思うのですよ。確かにこの予算をつくったのは武村さんですよ。だけれども、今矢面に立っておられるのは久保大蔵大臣ですからね。だから、私はあえてそういうことを申し上げたわけです。 まだ問題なのは、十四日の朝日に出ているのですが、「政治の責任を聞く」ということで、村山前首相は「——多数の国民は、まじめに住宅ローンを返済しています。」「そりゃあ、こんなけしからんことがあっていいのかと思いますよ。僕は国民の怒りというのはある意味では当然のことだと思う。バブルのときにやりたい放題やって、甘い汁を吸った人のしりぬぐいを税金でするということへの怒りは当然だ」こう村山さんは言っているわけですよ。これはまたひどい話だと私は思うのですよ。 それで、「大きな問題になるのは当然だし、むしろそうなることがいいんだ。私はこの問題は民間のしでかしたことだから、民間で互いに始末をつけることがいいという方針でやって欲しいと、言っておいた」そして、その後のことはごちゃごちゃと「そういう細かいことまでは把握してませんよ。」最後に、「大蔵省と農水省が交わした覚書もある。それも無視できないでしょう。それも参考に、この結論になったと思う」こうはっきり言っておられるわけですよ。 そうすると、おぼろげながら——前任者の、しかも予算を出された御本人が言っておられるわけですから。細かいことはわからぬ、それはそうかもわからぬ。だけれども、先週の質疑で私が申し上げたように、最後はあの覚書なんだと思うんですね。それはほかの新聞の社説でも明快に指摘しているんですよ。 そうなってくると、霧が少し晴れてくるわけだけれども、盛んにそちらの方から霧が出てくるものですから、我々の方は見えないという状況に置かれておるのですけれども、大蔵大臣、前の総理が、かつては社会党の委員長と書記長というコンビで来られたわけですけれども、こういうことを言っておられる。これはどういうことなんでしょうかね。久保さんに伺っても別人格だから仕方がないのだけれども、これは大変なことだと思うのですよ。
○久保国務大臣 行政の継続性というのは、責任を含めて継続されるものと思っております。前内閣において閣議決定をいたしましたもの、予算編成をいたしましたものは、現在の内閣がこれをみずからの閣議決定とし、みずから編成した予算として国会に御審議をお願いいたしておるものでございますから、前任者がどのような場所でどのような御発言になったのかということは、これは必要のないことだとは申しませんけれども、責任は今日の内閣において継承、継続されているものと考えております。 したがって、私が武村さんの御発言に対して申し上げましたことも、もしその中で言われていることが問題であるということならば、武村さんは当時参考人としてお出になるという話も伺っておりましたので、直接お聞きになった方がはっきりするのではないかと申し上げたのでありまして、何も私が申し上げたことは不思議なことではないと思っております。
○松岡(滿)委員 今私は、村山前総理のこの談話、それについての大蔵大臣のお話を伺いたいと思ったんですがね。
○久保国務大臣 先ほど申し上げましたように、今提案をいたしておりますのは、この橋本内閣の責任において提案されているものでございます。しかし、これに関しては、昨年の春以来、住専問題の処理にかかわってまいりました与党並びに村山内閣のいろいろな経過もございます。 どのような場所でどのように御発言になったのか、私は詳しく存じませんので、そのことに論評をすることはできませんけれども、しかし、私といたしましては、ここへ提案をいたしておりますことは現内閣の責任に属することと考えております。
○松岡(滿)委員 政治の継続性ということははっきりおっしゃったわけですし、ましてや村山さんとはずっと行動をともにしてこられた久保さんですから、そのお言葉はないと私は思うのですよ。 この二月十四日の朝日に、はっきり村山さんが「政治の責任を聞く」というところでインタビューに答えておられるわけですよ。だから、これはそういうことであれば、やはり村山さんにここに出てきていただかなければならないと私は思うのですね。それは、別人格だからおれは知らないよと久保さんがおっしゃるなら、村山さんがやはりここに出てきてこの問題についてしっかりと答えていただくということをしなければ国民は納得しませんよ。御答弁いただきたいと思います。
○久保国務大臣 村山前首相と行動をともにしてと言われましたが、別に私は一緒にインタビューを受けたわけではありませんので、それらの問題についてもし御確認になるということであれば、私にお尋ねになっても無理なんじゃないでしょうか。
○松岡(滿)委員 それでは、やはり村山さんにしかるべき、理事を通して、理事会でぜひ御協議をいただきたい。こういう答弁じゃどうにもなりませんよ。 それで、霧の中からおぼろげながらいろいろ見えてきた話は、 篠沢次官が、財政資金を投入せざるを得ないと、幹部らに同意を促す。西村、小村の両局長は「本当にいいのですか」と問い返した。篠沢氏は税金を投入する責任を、一人でかぶるつもりだったようだ。 武村氏が「税金投入」を知らされたのは、十四日の篠沢次官、西村銀行局長らの協議の直後だ。農協系金融機関の負担を一兆円前後と期待していた武村氏は、「五千三百億円」に難色を示した。しかし、次官らは「これはぎりぎりの数字です。」 ぎりぎりというのはここで出てきているのですな。盛んに皆さん方はぎりぎりと言われるけれども、これはお役所の人たちが言われた数字なんですな、政治家じゃなくて。 「すでに関係機関で合意してしまった」と繰り返した。武村蔵相、ひいては村山首相も、受け入れるしがなかった。退陣を胸に秘めた首相のもと、住専処理策は政権の「真空」の中にあった。十九日の処理策の発表以来、村山氏は世論の批判の強さを知り、辞意をますます固くしていった。武村氏の進言で首相の退陣表明は「一月五日」と決まった。篠沢次官が辞める日でもあった。 こういうのが、ずっといろいろなものを調査した結果、マスコミの中へ出てきている。これが霧の中の実態なのかどうなのか、私どもは本当にわからないわけなんですよね。だから、国民はそれを知りたいのですよ。 また、別の社説では、金融システムの維持のためにではなく大蔵行政の誤りの後始末予算ということになる、母体行はこの覚書を裏書きするような念書を大蔵省に出している、どんな経緯で念書を書いたのか、最終的な予算作成に当たってこの覚書がどんな役割を果たしたのかという点を明らかにしなければならない。 まさに私はその覚書そのものの問題が一つあるだろうというふうに思うのですが、この前から農林省と大蔵省のやりとりを聞いておりますと、この前の寺村銀行局長の話でも、結局、覚書を交わしたことについては、当時の大蔵大臣、すなわち林義郎先生だろうと思うのだけれども、それと宮澤総理、両方に報告をしていない。農林省はそれぞれ報告をしておった。そういう覚書がどういう意味があるのか。その覚書に基づいて結局国民は皆さん方のうたげのツケを払わされている。おぼろげながらそういうことをみんな感じでいるのですよ、霧の向こうで。 これに対して、大蔵大臣、もう少しきちっとした説明をいただきたいと私は思うのですよ。そこをきちっとしていただきたいと私は思いますね。
○久保国務大臣 新聞の記事を前提に置いての御質問に私が答えるすべはありません。
○松岡(滿)委員 そうすると、マスコミの皆さん方が一生懸命夜討ち朝駆けで取材して書いておられるものを全く無視する、全くそれを否定されるということですか。先ほどの大蔵大臣の御答弁ですけれども、村山さんの話については村山さん本人に聞いてくれというような御答弁ですか、結局は。そこをちょっと私は確認したいと思うのです。
○西村政府委員 今回の住専の処理方策に関しましては、半年以上にわたって、大臣、総理大臣の御指示を仰ぎつつ詰めてきたものでございます。そのプロセスにおきましていろいろな御指示もございましたし、私ども御意見を伺うような機会もございましたが、ただいま御指摘のマスメディアの報道というものがどれだけ実態を反映しているかということについてはいろいろな見方があろうかと存じます。 なお、先ほど覚書の件で大臣の御了解を得ていないというようなお話がございましたが、大蔵省におきましては、案件の重要性、性格に応じまして上部に諮りまして、了解を得た上で所管部局の決裁により処理しているところでございますが、本件につきましても、あらかじめ次官、大臣等の御指示を仰ぎながら当時の担当者が仕事を進めたことは、当時の林大蔵大臣の御会見だとかあるいは事務次官の記者懇談等の記録を見ましても、そのプロセスにおきまして、この住専問題について当時の上司の方々もいろいろな御意見を述べておられるというようなことからも明らかであろうかと考えておりまして、決して当時の担当者が独断でこのような仕事を取り運んだというふうには私どもは理解をいたしておりません。
○松岡(滿)委員 今のお話は、確かに寺村元銀行局長がここに来られてそういう説明をされたというふうに私は記憶しているのですが、大臣、それから総理に御報告していない、覚書については自分のあれでやりましたとはっきり言っていますよ。だから、それは議事録があるでしょうから、はっきりすることと思いますけれども。 先ほどの久保大蔵大臣の御発言ですけれども、本当に村山さんにその真意は聞いてくれということなのですね、それは。
○久保国務大臣 そのことに、村山さんがおっしゃっていることについて私に聞かれても、私が答えるのは難しいのじゃないでしょうか。だから、もしその内容を確かめるということならば、そういうことしか方法がないのかな、私はそう思っておりますよ。しかしそれは、国会として確かめる必要のあるものかどうかは、私がお答えすることではございません。
○松岡(滿)委員 官房長官がお越しいただいたようですから、総理がおられませんので、改めてお伺いしたいと思うのです。世論調査で、先週も一五%、二〇%下がったということを私は申し上げたわけですし、事実マスコミの調査は皆そういうデータですけれども、今週さらに下がりまして、「支持する」が四一・六%、「支持しない」が四三・二%、それから「住専処理での財政資金導入の理由について政府の説明は十分なされているか」という質問に対しては、実に九一・六%の方が、そうじゃないというふうに受け取っているのですね。これはいろいろな情報の入りやすい都市部においてそれですから、地方に行けばなおのことみんなわからないと思うのですよ。 それで、現実に私も先週に続いて街頭に出まして署名運動をいろいろしますけれども、みんなとにかく頑張ってくださいという形で、もう二、三万を超えた署名があの田舎でも集まるという状況ですね。これはもう消費税導入のときの状況に近い状況になっていくと思うのですよ。それをきちっと受けとめなければ、私は、政府の方は真摯に受けとめていただきたいと思うのですね。 だから、せっかく参考人として住専問題にかかわった方々をお招きしていろいろな見解を聞いたけれども、この住専問題に対する国民の疑問といいましょうか疑惑というものがますます深まってきている。やはり政官のもたれ合いの体質に対して、国民はいろいろな疑念も持ってきているのです。 それは業もあります。もともと政治改革そのものが、政官業の腐敗の現象をどうほぐしていくかということから始まっているのですよ。そういうずっと引き続いた問題がなかなか解決されずにここに来ている。そして、政治家よりは官僚の方がもうちょっときちっとやってくれておるなという思いがあったところに、中島主計局次長の問題とか官官接待の問題とかどんどん出てきているわけですよ。結局、皆さん方の政官業癒着のうたげのツケをある日突然国民が払わなければいけないということに対して、国民は怒っているのですよ。だから、そういうものに対してもっとやはり誠実にこたえるという姿勢が私はなければならないというふうに思っているのですね。 ところが、それに対して、この予算を提出した村山さんがそういう発言をしている。それで前任者の武村大蔵大臣がそういう話をする。すると、ますますみんなわからなくなってくるのですよ。それで銀行局長は、いや大蔵大臣にも私は言わなかった、私の一存でやりましたというような話をする。一体これは何なんだということが今やはり国民の素朴な疑問だというふうに思うのですね。 だから、現実に支持率がどんどん下がっていくとか、国会やったって、参考人来たってわからないという国民の疑問にどう答えるかということが非常に私は大事だと思うのですね。そういう問題について、官房長官のお考えをお伺いいたしたいというふうに思います。 〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
○梶山国務大臣 冒頭お触れになった最近のマスコミによる世論調査、その全部を私は承知をしているわけではございませんが、御指摘のような結果があることはよく承知をいたしております。このような結果は、住専問題に対して国民の厳しい目が向けられていることが反映されているというふうに私は考えております。 住専問題は、今橋本内閣が発案をし行ったものではありませんけれども、三党合意のもとに前内閣の政策を引き継いで行ったものでありますから、全責任を負うものであります。ですから、私たちの努力の足りない点は、この住専問題というものに対する説明の不足というか、そういうものが私は間違いなくあるということもよくわかります。 それから、住専問題だけを見ますと、これは確かに、財政資金を投入をすること、だれ一人喜ぶはずがございません。ですから、不満の高まりは、これは頂点に達することは当然であります。 しかし、その背後にあるもの、この不安というものが万一金融不安というものに置きかえられてつながってしまったならばどうなるのか、これを考えれば、私はあえてここで強弁をするわけではありませんけれども、金融不安になるよりは国民の不満があることの方がまだましである、そのように思うわけであります。そして、その背後にあるものは、二度の離陸に失敗をしたこの景気、この不況をどうやって克服をするか、そのためにこの金融の不安定な状態がどれほど足を引っ張っているか、こういうことも考え合わせなければならないという気がいたします。 そして、今お話を聞いている中に、過日の参考人の質問の話がございました。私も後でビデオで拝見をいたしました。それはそれぞれが自分の立場なりを説明はよくされておりますが、故意過失がなかったとしても、当時の判断の甘さであるとかあるいは経済事象のとらえ方であるとか、それぞれの結果責任をどう明らかにするかという視点が足りなかったという感じを率直に持っているわけであります。 事金融という極めて公共性の高い分野でございますので、高度な倫理観が要求をされ、また高い道徳律を持った方々が判断をし、みずからの所信に従わなければならない、それが国民に対する一番の理解を深めるもとだ、この間の参考人の質問をビデオで拝見をいたしまして、これは内閣というよりも実は私個人の率直な感じでもございます。どうかこれからも、この金融政策に携わった方々、それからこれを受けてその遂行に当たった母体行の方々、それからそれを受けてできた住専の皆さん方、それから借り手の皆さん方、それぞれの分野でそれぞれのみずからの責任を国民の前に明らかにしてもらうことを私は強く期待をいたしております。
○松岡(滿)委員 官房長官おっしゃったとおりだと思うのですね。あの参考人招致の中でのやりとりは、お互いにやはり国民から見れば責任のぬすくり合いといいましょうか責任回避、そういう姿を見て、今我が国が置かれている病の重さ、それを国民は受けとめたというふうに思うのですね。 だから、これを契機に、もっときちっと全体像、いろいろな我が国の政治改革から始まって経済改革あるいはいろいろなシステム、政と官との問題あるいは官業と民業との分担、それから財政の問題、すべて明らかにしていく、情報を開示しながら、そして同時に、責任をだれがとるかということをやはり明確にしなければいかぬと私は思うのですね。そういう姿勢を示せぬ限り、国民の怒り、そして今度はもう大変な、燃え盛ってきていますよ、どんどん燃えてきていますね、国民のその反対の動きというものが、やはりそれはとどまらないと私は思うのですね。 大蔵省の今回の一連の審議を通じて、住専の設立から破綻に至るまでの経過を見ると、やはり大蔵省の行政責任というのは非常に大きなものが私はあると思いますね。 時系列的に見てみますと、まず一番目に、母体行の子会社として住専をつくらせて、大蔵省の天下り先としてみずから積極的に関与した、設立当初ですね。それから、住専八社のうち七社の社長に大蔵省OBが就任しているわけですから、まずこれが一つありますね。 二番目が、九〇年の三月、大蔵省は総量規制の通達を出して母体行から住専融資を締めて、一方では農林系を三業種規制の外に置いて系統資金の住専融資を野放しにしていった、これで膨らんでいっているわけですね。 三番目が、九二年五月の時点で、住専大手の日本住宅金融について、母体行である三和銀行が大幅な債務超過で実態は倒産企業だと指摘して、みずからの負担で処理する案を出したにもかかわらず、大蔵省への責任追及を恐れてこれを抑え込んでいるということがありますね。既にそういう存在理由がもうなくなっている住専をなぜ存続させたのか、この行政責任は問われなければならないというふうに私は思うのです。 四番目に、九三年の二月の大蔵省と農水省の覚書問題ですよ。二月十五日の参考人質疑でも大蔵省と農水省の解釈は正反対であったわけですね。だけれども、これはやはりどう見たって大蔵省主導でつくられた覚書だ、これには間違いないだろうと思うのですね。まあ、恐らく当時大蔵省としては、十年もすればこの再建計画で地価が上がって何とかなるだろうという甘い見通しがあったのだろうというふうに思うわけですね。 五番目が、その後の、今度は第二次再建計画、金利減免による支援が柱で、地価値上がりを前提とした実現全く困難な、実現できない計画であったわけです。母体行がこの計画に反対したにもかかわらず、大蔵省は強引にこれを決定した。これがやはり住専の不良債権の傷口を限りなく広げていったことに私はなっているというふうに思うのですね。 それで結局大蔵省は、住専再建が不可能であるために大蔵省からの住専役員を引き揚げて国民にツケを回す処理案を出すことになった、こういう経過だと私は思うのですが、こういうことと我々理解して正しいですか、大蔵大臣。
○西村政府委員 ただいま松岡委員、住専問題をめぐる長い経緯について御質問があったわけでございますが、私、そのすべてについて一つ一つお答えを申し上げると大変に長い時間を要すると思いますし、今までそれぞれの点について何回かお答え申し上げたことでもございますので、私がここですべての問題点について繰り返すことは差し控えさせていただきたいと存じますが、今まで余り論点になっておらなかった、三和銀行の日住金の提案について大蔵省がそれを差しとめたというような御指摘がございましたけれども、私ども必ずしもそのようには理解をしておりません。 当時、確かに三和銀行から一つの御提案が、検討のプロセスについてあったように伺ってはおりますけれども、この案は、関係者の間で合意が成立せず、現実には実現が不可能であると考えられ、その結果として、三和銀行みずから、後になってこれはとり得ないとして撤回されたというふうに伺っております。 これは一例でございますけれども、ただいま御指摘の幾つかの点につきまして、当時の担当者の立場から申し上げますならば、いろいろとまた違った見方もあろうかと存じております。
○松岡(滿)委員 いずれにしましても、大蔵省、大蔵官僚が一人芝居をしておるような感じがするわけですね。 それで、言いかえると、要するに官僚主導の密室行政、これが事態をここまで追い込んでしまったのじゃないかという思いが実はするわけです。今回のような事態を再発させぬためにも、各省庁がやはり国民に対して情報を開示する、そして、後ほど触れたいと思いますけれども、やはり政治と官僚とのかかわり方、そして民への情報の開示の仕方、こういう日本全体のシステムをやはり再検討しなければいかぬというふうに思うのです。 こういうふうに、大蔵大臣、破綻してしまって、その資料を出せ出せと我々は迫って退場もしました。しかし、そうしなければ、その資料すらも出てこなかった。(発言する者あり)いや、そうじゃないですよ。その後ですよ、我々、八十項目出して、四十一項目出してきただけですから。だから我々は、もう少し詳細なものを出せ、こう言ったわけですから。だから、もうそれは黙ってくださいよ。(発言する者あり)いや、でたらめじゃないですよ。(発言する者あり)事実に反しておりませんよ、事実を申し上げているだけだから。 だから、そういう破綻してしまった資料じゃなくて、やはりもっと前向きの、これからどういう政策をやっていくということについての情報は、これはお役所しか持っていないのですね、実は。だから、政治家もそういうものが持てないという状況がある。そういう情報の開示について、今後の総務庁の方のお考えを伺いたいと思います。
○中西国務大臣 現在、行政改革委員会あるいは行政情報公開部会におきまして、行政情報を公開するための法律あるいは制度、これを整備するために精力的に今調整、審議をいたしておるところであります。 行政情報の公開は、公正で民主的な行政運営を実現して行政に対する国民の信頼を確保する観点から取り組むべき重要な課題であると思います。本年十二月までに提出される行政改革委員会の意見を尊重いたしまして、積極的に今後取り組んでまいりたいと思っております。 以上です。
○松岡(滿)委員 今回の住専処理の中で、やはり私は、政治家が指示、決断をしないから官僚が全部それにかわって中立的な判断だということでやったのか、まあその辺が一つはっきりしない部分がありますね。 それは我々政治家が、例えばやれ橋をかけろとか道路をつくれとか、それは本来行政の話なんですね。そればかりやってしまうという部分も、これは大いに反省しなければいかぬ部分があるわけですけれども、やはり一番情報をたくさん持っているのは官僚の皆さん方なんですね。非常に今日まで日本が充実してきたのは、やはり皆さん方の御努力があったと私は思いますよ。だけれども、時代が変わってきて、いろいろな仕組みを変えなければいかぬところに来ている。 例えば、会社なんというのは、やはりそのときそのときの外的な状況に対応して組織もどんどん変えて、そして国民のいろいろな消費に対する需要というものをリサーチして、それに合った商品を出していくということによって生き残ってきているのですよ、みんな。民間というものはそうなんです。 だけれども、この百二十年間中央集権の中で、天皇の官僚、それから国民全体の奉仕者という形に憲法では変わってきているけれども、実際の仕事というものについては、やはり皆さん方それぞれ御苦労なさりながら、ずっとつくってきた一つの仕組みがある。どうもその欠陥というものが今度住専問題の中に出てきていると私は思うのですね、いろいろな部分で。 それで、後藤田先生おられますけれども、「政と官」という後藤田先生の本にまさにそれが出ているのですね。 政治家と役人の役割分担をどうするかというと、役人は政治家のスタッフの役割を果たすことになる。政策立案に必要な材料を持っているからには、その義務があるということである。そういう場合でも、細川内閣のときの税制改革で大蔵省がやったように、政策の押しつけがあってはならない。政策を決めるのは、あくまでも政治家である。国民が政策づくりを委託したのは役人ではなく政治家なのである。それが民主主義の基本だ。それを踏み越えると、戦前のような天皇の官吏になってしまう。この点は、役人たるもの十分に心得ておかなければならない。また、政治家は、重要な問題について責任を持って決断する必要がある。その点については、役人に対する責任転嫁は絶対に許されないということを言っておられますね。 私は役人と政治家の両方を経験したので、両方の資質や性格について一つの感想を持っている、しかし、共通する点は、両方とも基本的には権力志向である、そういうことを分析しておられるわけですよ。それで、役人は法令と予算を適正に施行することを本来の役割としている。こうなると、どうしても保守的になってしまう。現状肯定だ。現状肯定なんですよ。変えていく、そういう発想というのはやはり私はないと思うのですね、余り。したがって、役人の発想は保守的になって、新しい事態に対応することが困難である。 そうなんですよ。だから、ここをどうするかということが一番私は大事なところだというふうに思うのです。 それは、前回もそれに類するお話を申し上げたわけでありますけれども、今回の住専問題の対応というのは、この本で後藤田先生が示されたとおりの対応なんですね、残念なことに。それで、大蔵省みずからの報告では、住専には不動産融資のための審査能力はゼロだ、そういうふうに指摘しているわけですけれども、そういう実態を知りながら会社を存続させたということは、これはもう大変な罪を犯したということに実はなるわけですね。だから、住専処理がすべてこういうふうに後手後手に回ってきた理由、原因は一体何なんだ。本来なら政治が判断すべき事柄を官僚が判断してきたからこうなったのか、その辺が私どもはよく見えないのですね。 これは大蔵大臣にお伺いした方がいいのか、博識なる官房長官にお伺いした方がいいのか、ひとつお答えをお願いしたいと思います。
○梶山国務大臣 副総理の命令でありますから、お答えを申し上げます。 確かに公務員道、それは国民全体の奉仕者であることは当然であります。そういうことから考えますと、私は、古ければ古いなりにいいところもあったはずだと。明治以来、官僚道というのは何かというと、過ちなきをもってとうとしとなす、過ちがあるときはみずから責任をとる、この一筋の道があったはずであります。それが今やそういうものではなくなってしまったということ。 ですから私は、やはり近代化、現代化というのも大切な問題でありますが、その根底にあるものは、やはり長い歴史の中で培われてきた、どちらかというと受け身の、いっかも申し上げましたが、恥の文化、それから現代流に言って、積極的に言えば誇り、プライドの文化、こういうものを持ち合わせがなければ人間としての価値がなくなってしまう。いわんや全体の奉仕者としても、いわんや皆さん方から代議を預かる我々も、そういう思いを互いに心の中にもう一回再確認をしなければ、いろいろな規矩準縄をつくってみても、しょせんはそれはむだであってしまう。根幹にあるものが、そういうものをお互いに確認し合ってやっていかなければならないという気がいたします。
○松岡(滿)委員 四百年前にザビエルが日本に来たときに、本国に書き送っていることがあるのですね。日本人というのは他のアジア諸国とまるで違って、庶民に至るまで非常に教育水準も高いと。今梶山長官がおっしゃった、恥を知る国民だ、名誉を重んじる、品格があると。これはどこの国の国民だろうかと、今振り返ってみると思うぐらい、四百年前そういうことから実は評価を受けておったのですね。だから、やはりそういう、責任をとる、名誉のためには腹を切るということに非常な感激をして本国に書き送っているわけですよ、ザビエルが。それから見ると、この前の参考人招致での姿を見ると、余りにも日本人というのは変質してしまった、それをやはり私どもは感じるわけですね、その責任のとり方。 これはやはりさまざまな問題があったと思うのですけれども、恐らくザビエルのころは非常に、かなりのレベルでいっておって、江戸時代はちょっと下がって、明治維新になってまたこう上がってきたという、一つのそういう——多少の緩みもありますから、それは、人間のやることですから。それはあるだろうと思うのだけれども、やはり先ほど申し上げたように、民間企業は営々と生き残るために時代に合わせて組織も変え、対応も変え、商品も変えて頑張っているわけですよ。それだけ、例えば中小企業に五千万近い人たちが働いておって、とにかく汗を流して二十兆円も税金を納めているわけですよ。それで中小企業庁は千八百五十億円しか予算はないと。そこに六千八百五十億円。それまた、倍、三倍になるかもわからぬという状況で、やはりいわゆる民業の人たちというのは非常にこれはどういう事態なんだという戸惑いを私は持っていると思うのですね。それに対するしっかりした処方せんを政治が示さなければいかぬ。そして、責任のとり方もきちっと私はしなければいかぬと思うのですね。道義的責任、政治的責任、法的責任、それぞれ責任があると思うのですね。 今回の場合も、公務員の国家賠償、こういうものが、例えば住専処理をめぐる責任について、住専を天下り先として利用した上に、住専の破綻が明らかになり、母体行も住専清算の意向を示したにもかかわらず、責任逃れから処理を先送りして損失を大幅に拡大した行為は国家賠償法の対象になるのではないかという指摘も新聞その他ではあるのですね。 こういうふうに今いろいろ日本民族が変質をしてきて、ある面では性善説に立ったいろいろな刑罰とか法律とかいうのもあったと思うのですね。だけれども、今やどうも、よその特定の国のことは申し上げませんけれども、だんだんにいろいろな形で影響を受けてきて、あしき状況が出てきている。そうすると、例えばオウムの事件なんかもありましたね、これも予測せざる問題が出てきているわけですよ。そうすると、今までの法体系あるいは刑罰、そういう対応だけでそういうものに対応できるのかどうかという疑問も実は持たざるを得ないわけです。そういうことについて、法務大臣の御見解があればしかと承りたいというふうに思います。
○長尾国務大臣 お答えを申し上げます。 今回の住専問題に関しましては、検察当局におきまして、現行の法制を十分に活用して厳正に対処するものと思っております。 今先生の御指摘は、社会経済情勢が大きく変化をしている現状を踏まえて、全体としてこういう金融機関に関係する違法、不当な行為に対する刑罰、処罰のあり方について検討してはどうかという御意見かと思っております。私どもも、この点につきましてさまざまな御意見があることは承知をいたしております。 新たな立法の必要性という問題につきましては、全体の法体系のあり方、現在起こっております住専問題の今後の実態、さまざまな観点を踏まえまして、私どもといたしましては真剣に検討いたしたい、このように考えております。
○松岡(滿)委員 いわゆるこの住専問題にかかわった大蔵省当局者の国家賠償責任、そういうことについても、やはり私は法的な責任というものが明確にならなければならないというふうに思いますし、今回また住専の役職員、これも大蔵省の天下り、母体行からの出向者で構成されているわけですけれども、その経営姿勢は、やはり植民地を収奪する支配者の姿勢と変わるところがないような感じがするわけですね。そういうふうに一般の国民の方々は受け取っていると私は思うのですよ。 その一例が、住専七社の役職員の収入、それから退職金ですよ。大蔵省の調査資料によりますと、バブルが破綻して住専の経営が悪化した時点においても、役職員は巨額の退職金を受け取っているわけです。一九九一年の総合住金の役員三人の退職金が一人平均一億一千七百万円、大蔵省OBの中嶋晴雄氏は、新聞報道によれば二億円を超える退職金を受け取ったというふうに報道されているわけですよね。第一住金も、役員二人の退職金の平均が一億一千八百万円。しかも、第一次再建計画が策定されるなど住専の存立そのものが問われた一九九一年以降も、日住金、住総などの三社は役員報酬を増額しているわけですよ。 これはもう民間から見たらたまらぬ話なんですね。去年一年間で一万五千件も倒産しているのですよ。それで、みんなそれぞれ法的処理に従ってきちっとやっている、清算している。それなのに、こんな経営が悪化しているのに、役員報酬を増額している。まあ、全く一般の常識では考えられない経営が堂々とまかり通っておった、こういうことがあるわけですね。まさに、母体行に食い荒らされた腐肉をさらに食い尽くすハイエナのような所業である、こう断ぜざるを得ないわけですね。国民はこのような大蔵省、母体行から天下った役職員に対して怒っているわけですよ。こういう、住専を食いつぶして巨額の報酬や退職金を手にして逃げていった後始末をなぜ国民の血税によってやらなければならないかということが大きな疑問なんです。 大蔵大臣、これは民間会社のことだから関係がないと、これはやはり従来の関係からして言えないと私は思うのですね。少なくとも大蔵省が送り込んだ住専職員に対する大蔵省としての責任をどのように考えておられるのか、大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○久保国務大臣 今、松岡さんは、企業の、特に経営者の持つべき責任感というものについてお話がございました。私も、民間であれ、企業の経営の任に当たる者は、その社会的責任を片時も忘れてはならないと思っております。特に大蔵の官僚から住専にいわゆる天下った経営者、こういう人たちがどのような責任を今日の事態に負っているのか。法的責任、道義的責任、これらは追及されなければならないものと考えております。そのことが、住専の問題を処理するに当たって情報の開示、債権の回収とあわせて、責任の明確化ということを現内閣において申し合わせましたことであると思っております。そのことを私どもとしてはやり遂げることが重要であります。 また、六千八百五十億の税金を投入いたしますことは、何回も申し上げましたが、債務者を免責したりするものでは一切ありません。また、経営の責任をそのことによって免責しようとするものでもありません。これらの問題については、厳しく問われなければならないと思っております。 十三兆の債務、回収する側から見ますと債権でありますが、この十三兆の債権の徹底的な回収と、今松岡さんが述べられましたその経営にかかわった者の責任について厳しく問うことによって、国民の皆さんの御理解をいただきたいと思っております。
○松岡(滿)委員 しっかりお願いしたいと思います。 きょうは一時間半の予定だったのに一時間になったものですから、ちょっと時間がなくなりまして、建設大臣、それから自治大臣、会計検査院の矢崎さん、済みません。時間がなくなりまして住専だけになってしまいまして、申しわけないと思っております。 国民が今住専処理策で納得できないのは、単なる感情論だけではないんですよね。政官財の癒着構造がここでも働いている。うさん臭く感じているわけですよ。例えば、今の低金利政策が、これは景気浮揚、これはもう一番大事なことでありますけれども、そのためだけに実施されているとはだれも信じていないんですよね、もう。形を変えた税金による金融機関の救済という見方が国民の一般的な受けとめ方になっておるわけです。 日本銀行の資金循環勘定表で見ると、家計の金利収入を伴う資産から有利子負債を差し引いた純金融資産は九四年度末で約三百二十四兆ですけれども、一年間で約五兆円の利子所得が減少しております。九五年度もほぼ同額の減少が見込まれているわけです。二年間で家計部門が受け得るべき所得十兆円が金融機関部門へ移転したことになるわけです。つまり、母体行にはこれだけの体力がつけられ、国民所得は削られていることになるわけです。 大蔵大臣は、〇・五%の戦後最低水準にある公定歩合が金融機関救済の役割を果たしている事実をどのように評価しておられるのか。国民は、二年間で十兆円の受け取るべき所得を失っている。その上、住専処理のためにさらに六千八百五十億円の財政資金投入では、踏んだりけったりではないか、こう思っておるわけですよ。これに対して大蔵大臣はどのようにお答えになりますか。
○久保国務大臣 公定歩合の決定は日銀の所管事項でありますから、私がこのことについて今ここで申し上げることはできないと思っております。 ただ、確かに超低金利の政策が今日高齢者、年金生活者等に与えている影響を私どもは決して軽く見てはならないと思っております。 しかし、この低金利政策は、また一方では、低迷を続ける景気回復の対策としてその役割を果たすべく選択された金融政策であると考えております。そのことが、低金利によって深刻な暮らしの影響を受ける方々に対してどのような政策的な救済の道を考えるかということについて十分であったかと言われれば、問題は残っていると考えております。 これらの点を念頭に置きながら、今後の課題として、できるだけ速やかに、福祉政策を中心として、いろいろな政策上の問題として私どもは検討し、その実現を図っていかなければならない問題と考えております。 また一方、金利問題は、金融の著しい国際化、グローバル化の中では極めて重要な影響を国際金融市場また通貨の相場にも与える時代になっておりますし、株式との関係等も、金利政策を考えます場合には絶えず念頭に置かなければならない問題であることもまた一方の問題であると思っております。
○松岡(滿)委員 金融機関は、低金利政策の恩恵を受けて、業務純益が急速に回復しているわけですね。九五年通期で、都市銀行は三兆二千三百二十億円、前年度比五七%増、信託銀行は六千四十五億円、前年度比三七%増、長期信用銀行は六千百億円、前年度比一二八%増、大手二十一行で四兆四千四百六十五億円、前年度比六一%増になっておりまして、過去最高を記録しておるわけです。調達コストが低下して利ざやが確保されているのですから、業務純益が好転するのは当然であります。 これほど厚遇されている母体行、金融機関が財政資金分六千八百五十億円を負担できないわけがないというふうに考えているのが、これは国民の方の見方だろうと思うんですね。大蔵大臣は、これをどういうふうにお考えですか。
○久保国務大臣 母体行には三兆五千億の債権を全額放棄させておりますが、これをもって母体行が責任をすべて果たしたということになるとは思っておりません。また、この金利をめぐる今御指摘のありましたような問題から考えましても、母体行が今後どのような責任を負ってもらえるか、このことについては、私どもとしても検討をしなければならない課題であると思っております。
○松岡(滿)委員 先ほど来の議論のように、大きな外部変化、質の変化がやはり日本の経済、政治の中にあるわけでありまして、日本の政治、行政、経済政策、そういう今までの仕組みが外的あるいは内的な変質に対して対応できる状況かどうかということをやはり我々は今この住専問題を通して問われていると思います。これについては、やはりそれは、それこそ与野党立場を乗り越えて、二十一世紀の日本のためにお互いに頑張っていかなきゃならないというふうに考えております。 時間がなくなりましたので、私は、質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○上原委員長 これにて松岡君の質疑は終了いたしました。 次に、岩佐恵美君。
○岩佐委員 私は、きょう、薬害エイズ問題について伺いたいと思います。 昨日の当予算委員会で、梶山官房長官と菅厚生大臣は、国の責任を認め、和解に応じない外資系企業、バイエル、バクスターに対し、和解に応じるよう説得すると答弁されました。この説得が和解成立のかぎを握っていると言えます。国の果たす役割は大変大きいのです。再度、この説得について確認をさせていただきたいと思います。 また、政府全体として、血友病患者にHIV感染させ被害を拡大させた加害責任に基づいて、その償いとしての立場から、恒久対策に取り組むべきです。ここがしつかり据わらないと、今後の対応が本当に被害者の期待するものになり得ないというふうに思います。基本姿勢について確認的にお伺いをしたいと思います。官房長官と厚生大臣、それぞれお願いしたいと思います。
○菅国務大臣 岩佐委員の質問のまず第一点目の外資系のメーカーについての件でありますが、私どもは被告として、国も被告の一員でありますし、また幾つかの、たしか五つだったと思いますが、薬メーカーも被告となっておりまして、それらが東京、大阪の両地裁で和解の協議に参加をしている、乗っているというふうに理解しております。ですから、現時点で、いずれかのメーカーが応じていないというような認識ではなくて、議論をしている中で、きちんとまとまるかどうか、非常に重要な段階に来ているというふうに思っております。 昨日の他の委員の方に対する答弁は、一般的に外資系の方で難しい様子があるようだけれども、そういう場合には説得などの努力をするかという御質問だったので、そういう場合にはできるだけ全力を挙げて、まあ説得というんでしょうか、何とか一緒に和解が全員でまとまるように全力を挙げたい、そういう趣旨で申し上げたつもりであります。 また、国としての責任を認めて恒久対策等に取り組むべきだという趣旨については、これも昨日も申し上げましたが、和解に伴う両地裁から出ている所見では、かなり国あるいは製薬メーカーの責任については具体的に、こうすべきだったとか、こういうことをもっとちゃんと配慮すべきだったとかありまして、そういうものにつきまして、先週の十六日ですか、いろいろ与党の皆さんあるいは総理などにも事前に若干の御報告をしながら、その所見に述べられた被告、国も含めたものですが、被告の中における国の責任を認めるという立場を表明させていただきまして、そのことに立って、さらにその和解というものに積極的に解決を求めていきたい。その中には恒久対策の問題も当然含まれた議論になっているというふうに報告を受けておりますので、その問題も含めて、何とか、総理の施政方針演説にもありましたように、和解による早期救済、早期解決に向けて全力を挙げたい、このように考えております。
○梶山国務大臣 今厚生大臣からお述べになりましたように、東京、大阪両地方裁判所で和解勧告を出され、厚生大臣の積極的な対応が皆さん方にもお目にとまっていることだと思いますが、内閣としては、この厚生大臣の見解ないしは対応方式に対して全面的な信頼を申し上げ、その早期解決に向かって努力をしたい、このように考えております。
○岩佐委員 感染してから十年がたちます。ですから、発症者が今ふえて、既に三日に一人が亡くなっております。まさに時間との闘いです。だからこそ、原告は命をかけて座り込みをせざるを得なかったわけです。エイズ感染とは、死を感染させられたようなものです。被害者にとって生きる希望が持てるような医療体制の整備が緊急に必要です。 厚生省が発症予防、治療にどう取り組んでいるのかなと思って、私は、厚生省所管の国立医療センターに行ってまいりました。ここは東京都指定のエイズ拠点病院となっています。 HIV治療の担当医が一人、ベッドは三床、外来週一回、外来は二、三人、入院患者はいるときといないときがあるとのことでした。病院長は、専門ベッドはもちろん個室です、こういうふうに当然のように言われましたけれども、今、一般患者と区別なく受け入れているというのが最近のHIV治療の流れだと思います。おくれだけが目立ったような気がしました。 東大医科研、都立駒込病院等、エイズ治療に取り組んで被害者に頼られている病院は、厚生省管轄の病院ではありません、国立病院ではありません。そのおくれについて、厚生大臣、どう認識をしておられるのでしょうか。
○菅国務大臣 今岩佐委員の方から御指摘のように、現在、できるだけ全国でエイズ患者の皆さん、エイズ感染者の皆さんが治療が受けられるようにということで、エイズの拠点病院を指定をいたしております。たしか百五十四程度に上る、ちょっと数があれですがその程度だと思いますが、その中で二十四カ所が国立の病院ないしは療養所になっておりまして、その他の国立病院・療養所においても適切な医療を提供するように積極的に今指導をしているところであります。 国立病院として、エイズ医療への取り組みとしては、拠点病院の医療体制のほかに、臨床研究の促進とかあるいはエイズ医療情報の収集と還元、医療従事者の海外研修など、体制整備を行っております。 そういう点で、今委員の言われました、国立病院が他の病院に比べて必ずしも十分な体制になっていないんではないかという問題、これは個々で比べてみるといろいろな例があるかと思いますが、少なくとも厚生省としては、これまでの面もまだまだ十分だとは思っておりませんが、これからさらに拠点病院をふやして、その中では国立病院も含めて万全の体制をとれるように努力をしよう、そう考えております。
○岩佐委員 私は、国立国際医療センターの実態で非常に大きな衝撃を受けました。血友病患者のHIV感染の患者の皆さんが本当に頼れる病院でないということを実感しました。 何でこうなっているのかなということを考えてみたんですけれども、結局、国が血友病患者のHIV感染について、みずからの責任を認めて心から謝罪をしていなかった、むしろ避けて通ろうとした、だからこういう実態になったんじゃないかというふうに私は思いました。だから、先ほど申し上げたように、本当に心から謝罪をして、そして死と直面をしておられる皆さんにきちっとした対応をしていくことが緊急に求められているということを申し上げているわけです。 エイズ治療十年の経験を持つ都立病院では、介護の人員配置が国立病院よりも厚いんです。その上、カウンセラーやあるいはソシアルワーカーが確保されています。 また、同じく十年の蓄積を持つ東大医科研、私は東大医科研も伺いました。エイズ診療に当たっているのは、感染症研究部、感染免疫内科及びエイズ診療部で、教授が二人、助教授が二人、講師が一人、そして助手四名の計九名の医師がエイズ診療を担当しておられます。医師、看護婦等の臨床研修も年間百三十六人受け入れているということでした。研究と治療を兼ね備えた施設として非常に重要な役割を果たしていると思いました。 この体制をさらに拡充、継続をしていくということが求められていると思いますし、それから厚生省とも連携をしていくことが今必要ではないかというふうに思います。今までもやってきているかもしれませんけれども、貴重な経験を厚生省とも連携して全国の病院に広げていくことが大事だと思います。また、全国で二十九大学病院が拠点病院になっているというふうに聞いていますけれども、これらの充実についても、同時に、役割が果たせるように推進をしていただきたいというふうに思います。 文部大臣のお考えを伺いたいと思います。
○奥田国務大臣 エイズ患者の診療、治療が年々非常に重要になってきておることは先生御指摘のとおりでございます。したがって、お話しのその東京大学の医科学研究所でもエイズ診療部門を特別に設けてもらいまして、教授、助教授、助手、これが一丸となって当たっておることも先生御指摘のとおりであります。 そこで、文部省といたしましても、この診療機器につきましてもさらに充実をしていかなければならぬということで、今御審議をいただいております平成八年度の予算の中にも、この診療部門だけの診療機器の充実で去年よりも一億円多い六億円を計上しまして、御審議をちょうだいしておるところでございます。お話しの、他の大学におきましても逐次これの充実を図ってまいりたいと思いますから、御協力をよろしくお願い申し上げます。
○岩佐委員 三年前に十九歳の血友病の息子さんをエイズで亡くされた石川県在住のお母さんが、カリニ肺炎が発症したにもかかわらずぜんそくの治療しか受けられなかった、ましてや発症予防の治療など全く受けられないままだった、また、偏見と差別に苦しめられたけれども、差別と偏見が一番強かったのは病院だった、そう訴えられました、私は本当にそのときに胸を打たれたのですけれども。 東大医科研の看護婦さんも、十年前、エイズ患者の方々を受け入れたときには大変異論が多かったそうです。今は「エイズ患者の看護」、こういう本を出されております。そういう十年前にちょっと抵抗されたというか、すごくいろいろと問題を提起をされた同じ看護婦さんがこのような本を書くようになったのかと、本当に変化したものだということで病院の先生方が言っておられましたけれども、まさにそういう変化があります。 今、地方によって治療対応に格差があって、助かる命が助からない、こういう現状があります。これはもう医師も患者の皆さんもそういう指摘をされています。地方にいるほど十分な治療が受けられないため高い交通費を使って上京せざるを得ない、こういう実態に追い込まれています。これは感染者、発症者にとって、体力的にも経済的にも大きな負担となっています。全国どこでも差別のない最先端医療が受けられるように拠点病院をきちんと整備をすべきだというふうに思います。 先ほども答弁がありましたけれども、どこでも差別のない最先端医療が受けられるように充実してほしいということで、その点で厚生大臣のお考えを伺いたいと思います。
○菅国務大臣 先ほども申し上げましたように、若干数字があるいは誤ったかと思いますが、現在、御承知だと思いますが、全国で四十二都府県、百五十六の医療機関を拠点病院という形で指定をしておりまして、その中で整備に努めている。そして、拠点病院を中心にして、それぞれの地域の他の医療機関においてもエイズ患者の受け入れができるように進めているわけであります。 このために、厚生省としては、一刻も早く、まだ幾つかの道府県等で拠点病院がないところもありますので、すべての都道府県において拠点病院が整備されるように重点的に働きかけていくとともに、また拠点病院の名前の公表なども、これはなかなか当事者である病院の方の事情もあるので画一的にはいきませんが、できるだけ促進をして、どこに行けば治療が受けられるかということが一般の方にもわかるようにしていきたいと考えております。 また、エイズ診療の質の向上と患者の受け入れ体制を推進するために、拠点病院の医師、看護婦を対象とした研修事業の拡充及び拠点病院への情報提供は急務と考えております。先ほど東大の医科研のお話もありましたし、大変昔から努力をされているということを私も聞いておりまして、そちらでもかなりの研修をやっていただいているようですが、それと並行して、厚生省自体もいろいろなところを使ってそういうことに努めていきたい、今そういう方向で全力を挙げて進めている段階であります。
○岩佐委員 厚生省が、法廷や国会で存在を確認できないと答弁し続けたエイズ研究班の資料の発見から間もなく一カ月がたとうとしています。薬務局資料だけでなく、保健医療局の資料もあると聞いています。 きょうの朝日新聞の夕刊にも、「一号認定の二年前」に血友病患者解剖所見で「エイズの疑い」という記事が出ていますけれども、これは、八三年七月の第二回エイズ研究班の会議で、日本にエイズ患者がいるのかどうかをめぐって論議があって、エイズ診療の専門家トーマス・スピラー博士がエイズに間違いないということを断定したにもかかわらず、厚生省はこの事実を隠し続けました。 私は、昨年の十一月、厚生委員会で質問したのですけれども、八四年末から八五年の一、二月にかけて、栗村教授が血友病患者のうち七十四人がHIV感染をしている、そういう調査結果を出しているにもかかわらず、厚生省は発表しませんでした。そして八五年三月には、米国在住の同性愛者を日本人エイズ患者第一号として大々的に発表しました。日本において血友病患者のHIV感染が早い時期に発表されていたら、こんなにも大きな被害を出さなくて済んだはずです。なぜ第一号患者を血友病のHIV感染者にしなかったのか、その疑問に改めてお答えいただきたいと思います。よくわからないのです。
○菅国務大臣 今、岩佐委員のおっしゃった点につきましては、率直に言いまして、私もいろいろな経緯を聞いておりますが、完全にまだ、なぜそんなことになったのかということを十分把握をしておりません。 若干、私のそのことに関する感じ方を申し上げると、日本の場合は、御承知のように、あの時点でエイズ研究班というものを設けて、そこで認定をいわば一元的にやっていたようにも思えて、ですから、各お医者さんがそれぞれ自分の患者さんについて、これがエイズの症状だということを言われるというのはあちこちであったんだと思うのです。それをどこかで判定をするような形をとってきた中で、そのことについて、いろいろ投薬されている薬の関係とかで、当時のこれは新聞か何かで見ましたが、エイズ患者とは積極的に断定できないなんていう表現も当時のエイズ班の責任者が言われておりましたが、そういうことで、いろいろな事例はいろいろ個別には出されていたと思うのですが、最終的に、一号患者ということの認定が、必ずしも、後になってみるともっと別の人であったのではないかということになったのではないか、これは私のやや感想も含めての見解です。
○岩佐委員 私は、それは全然納得できないのですね。七十四人については、栗村先生がはっきりとしたHIV感染だという報告をして、厚生省もそれを知っているわけですから、何で第一号患者を同性愛者にしたのか、そういう疑問に、今の大臣の感想も含めての答弁というのは本当によくわからない、納得がいかない答弁です。 厚生省が情報操作の——私は情報操作があったと思っているのですね。そういう疑問も含めて、真実を隠し続けた責任は重いわけですから、資料に基づいて、一日も早くあらゆる資料を出していただいて、そして経過と真相を明らかにしていただきたい、このことを強く申し上げておきたいと思います。 それで、時間がなくなりましたので、ちょっと先に行きますけれども、菅厚生大臣は衆議院の厚生委員会での質問で、「薬メーカーの利益というものがいろいろな形で、薬務局を中心とする厚生省と、いわゆる学会などの専門家、そしてメーカーという三つのトライアングルをつくっているのではないか」と、厚生省と製薬企業及び一部医師の癒着を一貫して取り上げてこられました。 また、朝日新聞のけさの報道のように、加熱製剤の輸入を検討した際に企業への影響も検討されているのですね。結果的には、国民の健康というよりも企業の利益が優先され、輸入されないということになりました。厚生省薬務局から製薬企業に、役員として十五人を含めて百名近くが天下っています。しかも、被告企業の一つである外資系のバイエル薬品の会長職には、薬務局長経験者の山崎圭氏が現在も在職をしておられます。 厚生省から製薬企業への天下りをやめるべきと森井前厚生大臣に私、要求しましたところ、職業選択の自由だというふうに言われました。薬害根絶のためには、このような企業と行政の癒着構造を断ち切る必要があると思います。天下りをやめるべきだというふうに思います。その点について厚生大臣の御答弁を求めたいと思います。 済みません、簡略にお願いいたします。
○菅国務大臣 天下りの問題というのは、いろいろな分野で今問題になっているわけですけれども、同時に、今のようなシステムの場合に、比較的若い時期にいわば一線を引いていく。そのときに、その能力を買われていろいろな民間企業に就職をしていくことについてどこまで制約ができるのかという問題が、率直に言ってあると思うわけです。 ですから、そういう点では、前大臣も言われたのかもしれませんが、現在の国家公務員法では、離職後二年間以内に離職前五年間に在職した国の機関と密接な関係を有する営利企業の地位につく場合は人事院の承認を得なければならないとしておりますし、また、そのつこうとする地位の職務内容が離職前五年間の職務内容と関係ある場合や、厚生省の認可等に関係がある、そういうところにいた人については、厚生省としては人事院にそういうことを申請しないような、そういう厳正な運用を行っていきたいというふうに今後とも考えております。 ただ、もうちょっと一般的に言いますと、これは公務員全体のあり方の問題で、例えば今のような定年制、一応六十歳等になっているわけですが、実際は五十代前半でやめていかれるようなシステムを前提とすると、なかなかこの改革は難しいのかなと。ですから、もっと全体の中で、ある意味では、天下りがなくても十分に、元気な間仕事ができるような体制をどうつくっていくかということもあわせてこれは改革を考えなければいけないんじゃないだろうか、こんなふうにも考えております。
○岩佐委員 具体的な被害の事例が出ているということですから、私は、期待をした答弁とはちょっと違うなというふうに思っています。 官房長官がお時間だということで、大変迫って申しわけないのですけれども、今の問題について、住専問題でも大蔵省の金融機関への天下りが大きな問題になっています。天下りをやめるべきだというふうに思います。結局、ミドリ十字の国内での開発の問題をめぐって、何で加熱製剤の承認がおくれたのかというようなことでいろいろ疑惑があるわけですね。 それに加えて、自民党がミドリ十字からここ十数年で政治献金を一億円以上、十一、二年の間ですけれども、一億円以上受け取っているのですね。問題になった八三年、ここでは、一番多いのですけれども、一千五百九十七万円受け取っているのですね。それから、八五年というのも結構問題になっている時期ですけれども、ここが一千百二十五万円。八六年が一千二百四万円。ちょっとその後減ってきて、九三年は六百四十七万円ということですけれども、こういう政治献金というのが、製薬会社が献金を出すというのは何かやはり考えがあるから出すんでしょうし、そういうものが国民のための医療をゆがめるということが、私たちは前から言っているわけですけれども、ある。 そういう意味で、こういう政治献金だとか天下りだとかというのはやめるべきだというふうに思っております。官房長官のお考えを伺いたいと思います。
○梶山国務大臣 天下りの問題については、今、菅厚生大臣が言われましたように、ひとり厚生省のみならず、いろいろ厳格な服務規程ないしはその再就職の規程がございますし、また職業選択の自由もこれまたあるわけでありますので、そういう基本的な人権と加えて、この調和をどう図るか、大変な課題でもあります。 私は、やはり再就職をしなくても済むような体制、ないしはそれだけ蓄積したノウハウを社会のために還元をするということ、それは大変いいことであって、ただ私は、その人の資質の問題で、その人がそういう社会にどういうふうなかかわりをし、結果として害毒を流すか、これが一番問われるべき問題なので、一概に天下り禁止ということには、にわかに合点がいきません。 それから、私の所属する党とある製薬会社の献金の問題、具体的に私も承知をいたしておりません。しかし、企業といえども一つの社会の存在でございますので、それなりの理由があっての献金、その責任を果たしたものと理解をいたしますが、ないにこしたことはございません。そういう体制ができるように党の方にもお話をしておきたい、こう考えております。
○岩佐委員 この薬害エイズの問題というのは、私はすごく構造的な問題があるというふうに思えて仕方がないのです。企業と行政、そして政治の癒着というものがやはりこういうものを引き起こしたんじゃないか。住専問題では国民に経済的な被害を与え、そしてこの薬害エイズでは本当に肉体的な死に至らしめるような被害を与えた、そういうふうに思えて仕方がありません。 いずれにしても、この問題、先ほど医療の問題でも議論させていただきましたけれども、もうちょっと現場をつぶさに見て、知っていただいて、拠点病院がどうあるべきなのか、そして患者が望んでいる医療というのはどうあるべきなのかということを知って、そして改善に積極的に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。 そのことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○上原委員長 これにて岩佐君の質疑は終了いたしました。 次に、石井紘基君。
○石井(紘)委員 さきがけの石井紘基でございます。 今回の国会は住専国会なんというふうに言われておりますが、予算委員会の議論の中でも、いろいろの参考人質疑等見ておりますと、どうも皆さんそれぞれが、自分の田に水を引くといいますか、自分の木ばかりかわいがって育てているな、その結果、虫を殺し、鳥も来なくなって山が失われるのじゃないかな、田園が枯れてしまうのじゃないかな、こういう感じがひしひしとするわけであります。 そこで私は、国民の負担あるいは国の財政の危機という面から、特に財投のあり方、あるいは国の一般財政のあり方、こういう面から幾つか御意見を申し上げたいというふうに思います。 我が国は、言ってみれば大変な国営コンツェルンといいますか、国の商売がなかなか盛んである。特殊法人の問題がよく言われますが、九十二あるうちの相当数の特殊法人がそれぞれ財団法人をつくっておったり、あるいは株式会社をつくっておったり。特殊法人だけじゃない。公益法人。公益法人全体では、これは二万六千もあるわけですが、この中には国が補助金を出している公益法人も相当数あるわけであります。それらの公的な機関がそれぞれ大変な数の子会社を抱え持つようになったということ、これは大変な問題であろう。 我が国は、世界最大の銀行を国が持っているし、世界最大の土木会社を国が持っておるし、世界一の不動産会社を国が持っているし、世界一の保険会社を国が運営している。そのほかにも我が国はいろいろな分野において国が中心的な事業活動を行っているというわけであります。そこにさらに子会社がずらずらとたくさんできているわけでありますから、これは、幾つぐらいできているかということは後で会計検査院あたりに聞いてみたいと思いますが、私の予想では恐らく膨大な数であります。 このことが結局、私はかつてもほかの委員会で出しましたけれども、国の、例えば公共投資をする。すると、その公共投資が、不況対策の名のもとに行われるわけですが、それがどうも余り民間に回っていかないのじゃないのか。事業もそうだし、金も回っていかない。 そのことで、特に公共工事等の場合には建設系が多いわけでありますから、そればかりじゃありませんが、そこを調べてみましたら、何と、例えば道路公団は、道路公団というのは基本的に出資をすることができない規定になっておりますので、どうするかというと、財団法人をつくる。それで、この財団法人が、一つの財団法人が四十も五十もの株式会社をつくってそこに仕事をさせている。 あるいは住都公団を見てみますと、住都公団は財団法人を一つ持って、そしてまた株式会社を二十二持って、そしてそれらの株式会社に対して大きな事業を、ある会社を見れば、何と一つの会社だけで膨大な修繕の、五千万、一億というような規模の公共工事を、その発注の六割を一つの会社でとってしまうということがありました。 このことは以前にも私は指摘いたしましたので、その後かなり改善をされました。総務庁の前の山口長官のころにこれは閣議をもって改善策を打ち出されたようでありまして、改善をされていますが、これはほんの氷山の一角でありまして、そういう状態になっているために、この不況の折に一般に仕事が回っていかない。 あるいは、地方公共団体なんかでも、体育館なんかをつくるそういう公共的な事業を、国の系列の会社に、企業に委託をする。そうすることによって補助金がとりやすいというようなことになるし、また一般でも、信用度は、これは国の系列でありますから信用は絶大ということになります。 中小企業同士、あしたも危ないという同士が取引をすることは、これはなかなかこういう御時世では大変な冒険というケースもあるわけでありまして、信用度の強い国の系列に行ってしまうということでありますから、公共投資等につきましても、この辺のシミュレーションをよくやって、そして効果がどのくらい出るのか。宮澤内閣以来、相当の景気対策の公共投資をやってきましたけれども、一向にこの波及効果がないじゃないかという話もあるわけであります。経済成長もゼロ%台じゃないかというわけであります。 一方では、こういう我が国の経済の構造、そしてもう一方では、財政の問題がここには絡んでいるわけであります。 御案内のように、財投の借入残高は四百兆円ぐらいあります。これをそれぞれ財投機関が借りてきて使うわけでありますが、これに対する返済あるいは利子補給というものがそれぞれの財投機関においては大変大きな負担になっております。したがって、負担し切れないその分を何と国の一般会計の方から補てんをするわけであります。財投全体に出されている予算というものは、これは政府保証債等も含めますと五兆四千億であります。このうちの財投機関が使った利息だけで何と一兆七千億であります。 住専の問題がいろいろ言われますが、確かに住専の問題は深刻な問題であることには間違いありません。しかし、住専は、これは一回だけの、一人当たり五千円とか一万円。大変なことでありますが、ところが、この財投の問題に関しましては、毎年毎年利息だけで一兆七千億という話であります。 それで、大体国の財政全体にそういうむだ金といいますか、役に立たないお金、しりぬぐいみたいなお金を国債のものと合わせると二十兆を超えるのじゃないでしょうか。そうすると、大体地方に行くのを国家予算の中から引きますと、六十二、三兆円ぐらい残りますか、そのうちの三分の一が……(「財投はやめてしまえということか」と呼ぶ者あり)後で申し上げます。そういうことでありますので、これは国の財政という面においても大変なピンチであります。私は、財投をやめろとは言いません。 そこで、問題は、そういうふうに一般歳出の方に大変な負担が寄ってきているという点も大きくやはり見ていかなきゃならぬことだと思います。 私は、先ほど来から住専を引き出して話しているわけですが、住専とこの問題は違うことじゃない。私は、財投というものは、もちろん中には必要なものはあるわけですが、しかし全体で見ると、財投というのはやはり国の商売のために、政策目標というよりは官の系列の商売のために役に立っている面が相当部分ある。そういう意味からいうと、やはり住専の問題とそう違った問題ではない。ですから、ここを深刻に考えなきゃいけないのだというふうに思うわけでございます。 ところで、私が今申し上げましたことを証明をしなければなりません。そこで、まず会計検査院に、国がそういうふうに予算を直接間接に出している、つまり会計検査院が調べなきゃならぬ団体というものは全体で幾つあるか、お答えをお願いします。
○中島会計検査院説明員 お答えいたします。 会計検査院法の規定によりまして私どもが検査をしている団体、これはいろいろの態様のものがございますが、国が資本の二分の一以上を出資している法人の会計といたしまして九十三、法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められた会計といたしまして一、それから国が資本金の一部を出資しているものの会計につきまして三、あるいは国が資本金を出資したものがさらに出資しているものの会計につきまして十九といったような数字で私どもの方は検査をしてまいっております。
○石井(紘)委員 ちょっと待ってくださいよ。私が質問をしたのは、会計検査院が検査をするべき、国が出資をしている、ないしその出資をしているところが先にまたさらに出資をしたという団体が幾つあるかということです。
○中島会計検査院説明員 ただいま申しましたとおり、各法人が出資しております団体につきましては、平成六年度には十九団体を検査しているところでございます。これらの各法人が出資している団体につきましては、必要に応じて検査を行うというものでございまして、それぞれの数につきましては私どもの方では現在把握しておりません。
○石井(紘)委員 会計検査院は、会計検査院が調べなきゃならない団体がどこであるか、それが幾つあるかということがわからないということですか。
○中島会計検査院説明員 これらの団体につきましては、私ども、必要に応じて検査をするということになっておりまして、その都度検査が必要かどうかに応じて判断をしていくということにしておりまして、正確な数字につきましては、私どもの方は把握していないところでございます。
○石井(紘)委員 必要に応じてその調べるところはどこなんですかということを聞いているわけですよ。
○中島会計検査院説明員 必要に応じて私どもの方でその団体を検査をするということで通告いたしまして、それに基づいて検査をしているということでございまして、私ども全体の数字については把握していないということでございます。
○石井(紘)委員 もう一つ。それじゃ必要に応じてというのはどういう意味ですか。
○中島会計検査院説明員 会計検査院法におきましては、必要的な検査対象というものと選択的な検査対象というものがございます。その中で、出資法人がさらに出資している団体につきましては、これは選択的に検査をするということになっておりまして、これらのものにつきましては、私どもが必要と判断したときに検査をするということでございます。その団体が十九ある、こういうふうに申し上げているわけでございます。
○石井(紘)委員 ちょっと、さっぱりよくわかりませんけれども、必要に応じて検査をする対象の団体が十九ということはないでしょう。もう一回言ってください。
○中島会計検査院説明員 ただいま申し上げました数字は、昨年度におきまして検査をしたものということでございます。(石井(紘)委員「私が聞いているのと全然違うこと言わないで、質問に答えてもらいたい」と呼ぶ)私どもの方としましては、いわゆる出資法人が出資した法人、孫出資法人ということでございますが、これらにつきましては、全体の数字というものはわからないのでございます。
○石井(紘)委員 会計検査院が、検査をしなきゃならない団体がどこだかわからないというのは何ですか。それじゃ、私の質問しなきゃならないことができないじゃないですか。
○中島会計検査院説明員 これらの法人につきましては、常時決まったものということではなくて、毎年数字が変わっていく、あるいは団体が入れかわっていくというようなことでございまして、全体の数字につきましては、私ども今把握していないということでございます。
○石井(紘)委員 それでは、こういうことじゃちょっと先に質問が進められないのだけれども、じゃ、特殊法人があるいは国が予算を出しているところ、それもわからないということはないでしょうね。国が直接予算を出しているところはわかるのでしょう。特殊法人とか公益法人の中の、ずらっと予算が出ると各省庁ごとに幾つだというのは、これはわかりますよね。
○中島会計検査院説明員 先生のお尋ねの数字が、法人というものがどのようなものであるかということによってちょっと違うと思いますけれども。
○石井(紘)委員 じゃ、具体的に聞きましょう。そこに立っていてください。ちょっと時間が。 それじゃ、特殊法人がつくっている、持っている株式会社、それぞれの特殊法人ごとじゃなくても、全部でももちろんいいですよ。それから、特殊法人が有している財団法人があります。これは、特殊法人が基本財産や何かを出して、そしてつくられている財団法人です。そういう財団法人がつくっている、持っている、あるいは出資している株式会社はどうですか。
○中島会計検査院説明員 そのようなものについては、私ども把握してございません。
○石井(紘)委員 会計検査院は、失礼ですけれども、それは私も、会計検査院、人手がない、足りなくて、なかなか調べるのは大変だということはよくわかりますけれども、しかし調べなきゃならないところがどこだかというのがわからないというのは、これは私はちょっと大問題だと思いますね。そのことは、今後ひとつ委員長の方でよしなにお取り計らいをいただきたい。 だって、これがわからなきゃ、国の金を、国民の皆さんがみんな税金払っているのを、その税金がどこへどういうふうに使われているかというのはわからないというわけですから。これは頼りにしているわけですよ、会計検査院を。ですから、そこのところはやはりちゃんと知っていてもらわなきゃ困るわけですから。(発言する者あり)いや、私はもう前から、きのうもそれは、きょうはこういう質問をするから数字を出してくれと言ってあるのですけれども、これが、会計検査院がわからないというのが実態だと思います、それは今の御答弁のとおり。 じゃ、ついでに、会計検査院から先ほどから天下りの問題が出ています。私は余りこれ言いたくないのですが、しかし国の特殊法人でもって、かなり規模の大きい特殊法人ですね、お金をうんと使っているところ、そういうところのトップクラス、普通の役員じゃなくて監事、つまり監事というのは、これは何をやるところですか。大体一般の会社でいうと監査役でしょう。そういうポジションについておられるというのを、これは幾ら何でも、調べなきゃならないところのその会社の監査役をやっているということになりますと、非常に話はおかしくなってくるので、その点は改善をされるおつもりありませんか。今すぐ変えろとは言いませんが。
○矢崎会計検査院長 お答え申し上げます。 御指摘のように、幹部の職員が退職後再就職している事例があるのは事実でございますが、これはいずれも相手方からの要請を受けてのものでございまして、長年の豊富な経験を生かして経理処理を厳しく監査し得る適材適所の人材として請われたものと考えております。 本院は内閣から独立した機関でございまして、会計検査という職責を果たすべく厳格公正な立場を守らなければならないのは当然でありまして、OBが就職している機関といいましても、検査に手心を加えることは決してございませんし、従来からもいろいろな業務の改善に資するような指摘を実施をしているところでございます。
○石井(紘)委員 しつこいようですけれども、監査しなきゃならないところに行って、そして給料をもらって退職金ももらってもうそこの人になるわけですが、しかし、そこで会計監査をやっているその監査役だ、こういうふうになったら、どうしてこの監査が、本当の意味で監査というものができるかな。多分こういうのが九つぐらいの機関に行っているのじゃないでしょうかね。 そういう答弁しかいただけないので、これはこれ以上追及しませんけれども、これは重大な問題だと思います。ただ監査に精通しているとか専門家だとかいうようなことは、全然これは理由にも理屈にも何もなりません。ぜひ会計検査院の国民からの信頼を保つためにも、ひとつ改善をされたいというふうに思います。 それから経済企画庁長官に、ちょっと一言で結構ですが、先ほど私が言いました公共投資というものを一体、十年前、二十年前と比べて、今のこういう経済情勢、金融財政の情勢の中で、あるいは先ほど言いましたような、官の体制が膨らんでいるといいますか、そういう中でのこの公共投資というものについて、経済企画庁としては何かシミュレーションか何かをしたことがあるか、あるいはどんなふうにお考えか、御見解があれば伺いたいと思います。
○田中国務大臣 石井さん御承知のとおり、公共投資の拡大というのは、経済活動のさまざまな段階といいますか、生産、消費、投資、いろいろな段階に波及効果をもたらしますが、まず公共事業関連業種の生産を高めます。それから、それによって増加した雇用所得が個人消費を刺激する。あるいは需要が波及しますから、その結果稼働率が上昇したりして設備投資を促す。さまざまな波及効果があるわけですが、石井さんは恐らく、長い目で見れば波及効果が少なくなっているのじゃないか、そういう御認識をお持ちだろうと思いますけれども、その点については、長い目で見ればそのとおりだというふうに思います。 これは、購買意欲が輸入品に向かうとかある…はサービス産業分野がふえていって、波及効果がなかなか届かなくなる、届きにくい、そういう分野が拡大している、いろいろな要因があると思うのですが、ただ、七〇年代以降は大きくその波及効果が低下しているということは言えない状態にあります。それで、その乗数効果の具体的な数字をもし御必要であれば、政府委員の方から今答弁させます。
○石井(紘)委員 じゃ、それは後でいただくといたしまして、ありがとうございました。 それから建設大臣、ずっと御出席いただいておりまして、先ほど来申し上げたのでほとんど尽きているわけですが、建設省の関係の特殊法人というものが、余りその仕事を子会社をつくってひとり占めしちやいますと、やはり民間への仕事の波及というのが少なくなるわけですからできるだけ、これはいろいろ御努力をいただいているようです。きょうも施設協会の皆さんにお話を伺いました。そういった民間の企業活動、市場経済活動を活発にするために、ひとつ御決意を例えればありがたいと思います。
○中尾国務大臣 恐らく、先ほど来委員が聞かんとしておることといいましょうか問いただそうとしておりますことは、言うなれば、各官庁その他の抱えている法人、その法人のまた関連会社というようなものがどのぐらいあるのかというようなことをお聞きしたいという旨なんでございましょうね。 そこで、私もその旨はよくわかりますけれども、公団が出資する会社の業務のあり方などにつきましては、これは平成七年二月の特殊法人の整理合理化に関する閣議決定というものの内容に沿って、現在鋭意その見直しを行っているという段階でございまして、今それもお認め賜っておりますから、ここで言う必要もなかろうと思いますが、鋭意努力しておるわけでございます。 例えば、具体的に言いますならば、先ほども委員御指摘でございました住宅・都市整備公団につきましては、団地の維持であるとか管理に関して、関連会社、日本総合住生活株式会社というような形で、日常生活に密着した苦情の処理を行うとか、あるいは公団業務を補完する業務の重点化をして、民間と競合するところの大規模修理工事等の段階的な撤退の見直しを推進するとともに、日本道路公団については、道路施設協会に関しては、一つは、テナント募集に当たり、専門紙への掲載等を通じた公募方法の拡大、あるいは二番目の問題としましては、新設エリアの複数テナントの試行導入、あるいは落札業者名の公表等、一層競争性、透明性の確保に努めるというような問題があるところでございまして、今後とも、私どもの建設省の関係公団あるいはまた関連法人との関係につきましては、閣議の決定の趣旨を踏まえまして所要の見直しを進め、なおかつ関連会社との契約関係の一層の競争性の向上というものについて努力を惜しみなく払っていくということに努めていく所存でございます。 以上でございます。
○石井(紘)委員 ありがとうございました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。 先ほど来、国の系列の企業がどのくらいあるかということを、私は実はあるとき前内閣に対して質問主意書でもってただしましたら、返事が参りまして、端的に一言で言えば、「当該法人の秘密事項に該当するものと思料されるため、答弁することは差し控えたい。」こういう返事が参りました。したがって、これ以前からやっておりましたが、私は自分で調べました。今その結果を申し上 げます。 特殊法人が持っているところの公益法人、これは最低で十四であります。さらにもっと細かく当たっていけば、当たっていけばというか、関係を精査すればもっとあると思います。それから特殊法人がつくっているところの子会社、これが何と七百五十二であります。それから公益法人がつくっているところの子会社、これが二百四十一であります。特殊法人と合わせますと千九十九、我が国には約千百の政府系列の企業。大中、小は余り、小もありますかね。 それから、業種についていきますと、ゼネコンみたいなもの、不動産会社のようなもの、あるいはビル管理会社のようなもの、旅行会社、印刷会社、まあありとあらゆる業種にわたってこういう政府系列の企業がもうあまねく張りめぐらされているわけであります。 これは何といいますか、こういう体制になっていますと、一方では一般の民間企業に対してもいろいろな規制その他があるわけでありますから、一言で言えば国家資本主義とでもいうような、あるいは社会主義と言ってもいいような体制になっておりますので、これが金融不安か何かが起こって、ちょっとしたことで連鎖反応が起こってきますと大変なことに一気にならぬとも限らぬなというような気がいたします。 国民一人当たりの借金は五百五十万円です。財投が四百兆、国債が二百四十兆、そしてその他の、さっき言いました五兆四千億の財投に対する利払い等々の負担を入れますと一人当たり五百五十万円という、きょう生まれた子供も五百五十万円というそういう負担であります。 そしてそれが、電車へ乗れば公団がありますから、そこで公団が借り入れた借金の利息を払う、水道をひねれば水資源公団の借金の利息を払う、電気をひねれば電源開発の借金の利息を払う。一歩歩けば借金に当たる、日々国民はこういう高利を二重三重……(発言する者あり)これはコストとは違うんです、これは建設コストとは違うんです。これは例えば電源開発は……(発言する者あり)そういうことでございますので、大蔵大臣には御答弁をいただけませんでしたが、お話を聞いていただいて、ぜひひとつ今後頑張っていただきたいということで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○上原委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十一日午前九時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十七分散会