予算委員会 第13号
- 発言数
- 426 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1996/02/15
会議録
○上原委員長 これより会議を開きます。 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上の三案を一括して議題といたします。 本日は、各案審査のため、住宅金融専門会社問題について、参考人から意見を聴取し、質疑を行うことといたします。 ただいま御出席をいただいております参考人は、元大蔵省銀行局長土田正顕君、前大蔵省銀行局長寺村信行君、元農林水産省経済局長眞鍋武紀君、農林中央金庫理事長角道謙一君、全国銀行協会連合会会長橋本徹君、住宅ローンサービス代表取締役社長井上時男君、末野興産株式会社代表取締役社長末野謙一君、以上の七名の方々であります。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。参考人各位には、住宅金融専門会社問題について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 それでは、議事の順序について御説明いたします。 まず最初に、参考人各位からお一人三分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。委員の質疑時間は限られておりますので、お答えはできるだけ簡潔、明瞭にお願いいたします。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、衆議院規則の規定により、参考人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。 それでは、参考人各位から住宅金融専門会社問題について意見を聴取いたします。 まず、土田参考人にお願いをいたします。
○土田参考人 お呼び出しをいただきました土田でございます。 私は、平成元年六月から平成四年六月まで大蔵省で銀行局長の職にありました。現在は国民金融公庫で副総裁を務めております。 きょうお呼び出しを受けましたのは、私が銀行局長を務めていた当時の出来事や私の考え方について御説明するためであろうかと存じます。これについては、御質問の主眼はいわゆる総量規制通達にあるのではないかと存じますので、冒頭に私の立場を申し述べさせていただきたいと存じます。 総量規制通達は、平成二年三月に私の名前で通達として発出したものであります。これは局長通達でありまして、大臣通達ではありません。 銀行など金融機関の土地関連融資につきましては、既に昭和六十一年当時から、投機的な土地取引につながるような融資を行うことのないよう、数次にわたって通達を発し、また指導を続けてまいりましたが、なお地価は激しく騰貴しておりまして、さらに強力な措置を発動するよう各方面の要望もありましたので、いわゆる総量規制に踏み切ったものであります。この規制は、平成三年十二月まで実施されました。 この通達では、銀行等の金融機関に対して次の二点を要請しております。第一は、不動産業向け融資の伸び率を総貸し出しの伸び率以下に抑制することであります。第二は、不動産業、建設業及びノンバンクの三業種に対する融資の実行状況を報告することであります。 その際、住専等のノンバンクに対して総量規制を適用しませんでしたのは、これらの貸金業者は預金を受け入れている金融機関ではありませんので、金融制度の上から見て当然の判断であったと思っております。 なお、このときに、農協系統金融機関のうち、農林中金と信連に向けては大蔵省銀行局長と農水省経済局長との連名の通達を出しましたが、この通達では三業種への融資の状況の報告を求めておりません。その理由は、総量規制通達の前から系統の資金の流れは行政当局が把握できる仕組みになっており、重ねて報告を求める必要がなかったものであります。なお、共済連に向けては大蔵省からは何も手当てをしておりません。 さて、住専が大蔵省直轄だという言い方を時々耳にいたしますが、当時既に、千二百以上の貸金業者は、都道府県知事の所管ではなく、大蔵省の所管、いわば直轄になっているわけでありまして、住専と大手の貸金業者との間には本質的な差異はないと考えておりました。 なお、平成三年三月末時点で、ノンバンクの全体の融資残高は九十八兆円であり、その中で住専の融資は十三兆円にすぎないものでありました。私は、ノンバンクの貸し出しが不良化した場合の金融機関への影響を懸念しておりまして、金融システムの安全を守る見地から、ノンバンクの経営に対する監視体制の強化の必要を感じまして、具体的な方策の工夫を訴え続けたものであります。 最後に、我が国が金融自由化の路線を選択して以来、この数年の間に、住専問題を初め、相次いで金融破綻問題が起きておりますことは大変残念なことでありまして、現に米国等の失敗の例を見ていながら、私としても工夫が足りなかったことを心から反省しております。 きょうとあすの二日の間に、御質問には誠意を持ってお答えし、当時何が問題であったかを御説明申し上げたいと思っております。 ありがとうございました。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、寺村参考人にお願いをいたします。
○寺村参考人 私は、平成四年の六月から二年間銀行局長を務めました寺村でございます。 第二次再建計画策定の当時の状況について御説明を申し上げたいと存じます。 平成四年の夏以降、住専の経営悪化が明らかになり、放置しておきますと、資金繰りがつかず、経営が破綻することが見込まれるようになりました。当時、バブルの崩壊により金融機関に大量の不良資産が発生し、地価の低下によりその損失額が急激に拡大している中で、損失の処理はほとんど進まず、加えまして、株価の下落により金融機関の体力は急速に低下をいたしておりました。このような中で住専の経営が破綻しますと、住専に対する最大の貸し手であります農林系金融機関のみならず、農林系に次ぐ貸し手でありました大手の金融機関にも経営破綻が拡大するおそれがありました。 平成四年八月、大蔵省は、不良資産の処理を促進し、金融システムの安定を確保するための具体的な施策を取りまとめ、金融行政の当面の運営方針として発表いたしました。 その中で、住専につきましては、母体行や農林系金融機関等の関係者に対し、問題解決のために早急に合意を図るよう、強く要請をいたしました。しかしながら、住専に関係する金融機関は極めて多数で、利害関係も錯綜しているため、協議は進展いたしませんでした。特に農林系金融機関は、母体行が全責任を負うべきだと主張し、負担を一切拒絶していたため、すべての関係当事者が直接交渉をすることができないような状況でありました。 大蔵省は、それぞれの主張を整理し、他の関係者に伝え、関係者が交渉のテーブルに着くように説得を繰り返しました。一部の大銀行からは、住専を直ちに清算すべしとの声が上がりました。しかし、当時の状況のもとでは、農林系のみならず、大手金融機関の中にも一括処理の負担に耐え切れないところがあり、このような声は混乱が生じても影響を受けない体力のある大銀行の立場からの主張であるとして、金融機関の間でも耳を傾けられませんでした。 また、銀行界の一部から、公的資金を導入して処理する案が提案されました。しかしながら、金融機関の不良債権は通常の営業活動の結果発生したものでありますから、当然のことながら自己責任において処理されるべきものであります。金融機関が自己責任によるぎりぎりの努力もしないままに安易に公的資金に依存することは許されません。まして当時は、不良債権の全体像が把握できず、金融機関が自己責任で処理する範囲すらわからない状態でありました。このような段階で公的資金の導入を求めようとしても、国民が納得するはずはありませんでした。 こうした中で大蔵省は、関係金融機関に対し、まず自己責任によるぎりぎりの努力を求めました。負担を一切拒絶しておりました農林系金融機関に対しましても、金融システムの重要な構成メンバーであることを考慮し、相応の負担を分担するよう農林省とともに説得をいたしました。説得に当たり、農林省との間で問題を整理したものが覚書でございます。 その結果、関係金融機関の間で第二次再建計画が合意されました。それまで例を見なかった大幅な金利減免を行い、当時予想された損失見込み額を十年間で処理しようというものでありました。住専の再建策についての合意が成立したことによりまして、金融機関の経営が破綻し、多数の預金者が被害をこうむる事態は回避することができたのであります。 最近に至り、地価が計画策定時の半分程度にまで低下をしたため、住専の損失がさらに拡大し、金融機関の負担のさらなる拡大と公的資金の導入が求められることになりましたが、第二次再建計画策定以来今日までの間に金融機関が不良債権全体の処理を進められましたことが、今回母体行が債権全額放棄の負担に耐えられるような状況をつくり出したのであります。 以上、当時の状況につきまして御説明をいたしました。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、眞鍋参考人にお願いをいたします。
○眞鍋参考人 私は、平成四年七月から平成六年四月まで農林水産省経済局長を務めました眞鍋でございます。 住専問題に関します覚書等の経緯につきまして、この際、一言申し上げさせていただきたいと存じます。 平成三年の十月から平成四年の八月にかけまして住専七社の第一次再建計画というものが策定されたわけでございます。この住専につきましては、農協系統は従来から、住専の設立の経緯なりその性格などを踏まえれば、基本的には住専あるいは母体行が責任を持って対応すべきものである、こういう考え方を持っていたわけでございます。そこで、この住専七社の再建計画について協議があったときに、農協系統は、母体行が責任を持って対応すべきであるというふうな考え方のもとに折衝を行ったと聞いております。 最終的には、この第一次再建計画は、住専各社から農協系統に対しまして、系統にはこれ以上迷惑をかけない、こういうふうな意思表明がなされるとともに、協力内容も、母体行は金利減免までやる、しかしながら系統は残高維持だというふうなことで決着を見たようでございます。 この第一次再建計画は、民間の当事者間の協議、合意によって策定されまして、農林水産省はこれには一切関与をいたしていないわけでございます。 第一次再建計画から一年もたたないうちに、平成四年の秋ごろでございますが、第一次再建計画の見直しというふうな形で住専及び母体行がいろいろと御相談をされたようでございますが、農協系統側に対しましては、住専七社を再建するんだという前提のもとに残高維持と金利減免の協力依頼があったわけでございます。しかしながら、これ以上迷惑をかけない、第一次再建計画の際にそういうことを言っておったわけでございますので、これはもめたわけでございます。当事者間の協議が非常に難航いたしました。 こういうことで、平成四年の十二月に至りまして、実は大蔵省から、住専七社は再建するんだ、こういう大前提のもとに、系統側にも協力をしてほしいというふうなことで、農林水産省にもこの協議の取りまとめについて助力の要請があったわけでございます。 そういうことでございますが、農林水産省としましては、住専七社に対しましては何らの権限がございません。したがいまして、その再建をどうするかというふうなことについては我々が意見を申し上げるような立場ではなかったわけでございますので、我々としましては、その再建へどの程度、どういう条件で協力をするかというふうなことにつきましては、政策上の判断というよりか、むしろ農協系統の経営上の判断、こういうふうな問題であるというふうに考えたわけでございます。 そこで、農協系統からそれまでの交渉の経緯等を聴取いたしまして、その意向を踏まえながら大蔵省と問題の取り進め方等について議論の整理を行って、覚書の形で取りまとめたものでございます。この覚書を取りまとめた後、農協関係者に対しまして、このような協力を行うか否かということはあくまでも当事者の判断の問題ですよということを述べながら、この覚書の内容につきまして説明を行ったわけでございます。 これを受けまして、系統関係者は各種の会議を行いまして、それぞれ十分な内部検討を行いまして、住専七社からそれぞれいろいろと具体的な要請があったわけでございますが、個別会社ごとに信連、それぞれの関係者が協議を行いまして、かなり時間がかかりましたが、平成五年の夏ごろまでに当事者間で合意が形成された、こういう経過でございます。 以上でございます。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、角道参考人にお願いをいたします。
○角道参考人 農林中央金庫の角道でございます。 日ごろ諸先生方には系統信用事業並びに金庫に対しまして御指導、御支援を賜っており、厚く御礼を申し上げます。また、本日は、住専問題につきまして私どもの考え方を述べる機会を設けていただきまして、重ねて厚く御礼を申し上げる次第でございます。 まず初めに、これまでの経緯について申し上げます。 農林中央金庫及び系統の住専融資は、住専業務の公共性、社会性、大蔵大臣直轄会社としての指定を受けていること、私どもの融資対象といたしましても、農協法上員外規制のない銀行と同様の金融機関貸し付けとして指定されるなど、制度的には与信上懸念のないものといたしまして、また、当時の国民の旺盛な住宅資金需要にこたえる観点に立ちまして、経済情勢の変化と行政の方針に即しまして、極力住専の経営実態の把握に努め、状況に応じた融資の対応を行ってきたところでございます。 しかしながら、平成年代に入りまして、バブルの急激な崩壊と、その後の予想外に長引いた景気の後退で急速に住専の業況が悪化いたしまして、不良債権問題の象徴として、住専問題の処理が我が国金融、経済回復の根幹を握るものとして、今日内外の注目を浴びるに至ったものでございます。 これに至るまでの間におきまして、住宅資金専門の金融機関としての住専の経営のあり方、あるいは業務の執行等につきまして、住専の経営者、母体行等を初め関係者が責任を持って適切に対応しておりますれば、今日の事態はまた異なったものになったのではないかというような反省の思いもいたしております。 住専問題の本質は住専の経営問題でございまして、住専の経営に責任のある住専経営者及びその経営に深く携わってきた母体行が、住専経営とその結果生じた事態につきましては最大限の責任と負担を持って処理すべきものというふうに考えております。 とりわけ母体行は、住専を自己の子会社として設立をいたしまして、その経営に人員を派遣をしておりますし、深く住専の経営に参画してきたものでございまして、単なる出資者とは全く異なっております。金融機関の業務は、顧客との信義誠実の原則を基盤として成立しているものでありますし、日本の金融の慣行、商慣行等から見ましても、住専に対する親会社としての母体行の責任は厳然として存するものと考えております。 私ども系統といたしましては、このような原則のもとに、系統が母体であります協同住宅ローンにつきましては、系統が全責任を持って指導、支援し、他の金融機関等には一切の迷惑をかけずに、系統の責任において対処してきております。 こうしたことから、系統といたしましては、住専の経営が悪化して策定されました第一次、第二次の住専の再建計画に際しましても、住専の経営に何ら関与していない系統の立場から、母体行に対しまして責任ある対応を求めてきたのでありまして、母体行の責任を持った対応というものを前提にいたしまして、住専、母体行の再建への協力の要請に応じてきたものであります。 今回の住専処理問題につきましては、住専、母体行、系統等、当事者間で本来解決すべきものでありますが、残念ながら合意に達することができませず、政府・与党また国会の審議まで煩わすに至りましたことにつきましては、まことに心苦しく、遺憾に思っている次第でございます。 今回の政府処理策につきましては、住専処理問題が我が国金融システムの安定と内外からの信頼を確保する観点から、早急に解決すべきものとして大所高所から決断されたものと承知いたしております。 私ども系統の立場から申し上げますと、系統の事業、経営の実態から見まして、今回の処理策は極めて厳しいものでございますが、我が国金融システムの一員といたしまして、金融問題の早期解決と金融システムの安定性確保に協力する観点から、この政府の決定を真摯に受けとめて対処してまいることといたしております。 . また、今回の住専処理に当たりまして御指摘のありました系統信用事業のリストラと内部の再編のあり方につきましても、金融自由化や我が国経済構造の改革に対応いたしまして、従来からも系統組織挙げて取り組んできたところでありますが、今後さらに積極的に、事業、組織の改革と強い経営体質の構築に全力を尽くして取り組んでいくことにいたしております。 こうした努力を不断に行いまして、系統信用事業に求められる使命を十分に果たしていくことによりまして、農家・組合員、地域の方々の期待と信頼にこたえ、私ども系統としての責任を果たしてまいりたいと考えておりますので、諸先生の御理解と御支援を切にお願いをいたします。 ありがとうございました。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、橋本参考人にお願いをいたします。
○橋本参考人 全国銀行協会連合会会長を務めております橋本でございます。 銀行界としての意見を申し述べさせていただきます前に、私どもが母体として設立をいたしました住宅金融専門会社の問題につきまして、世間をお騒がせし、国民の皆様方に大変御迷惑、御心配をおかけしておりますことにつきまして、まずもって深くおわびを申し上げたいと存じます。 住専各社が多額の不良債権を抱えて経営が立ち行かなくなりましたこと、また関係当事者の話し合いによって解決がつかず、行政当局、さらには政府、国会のお手を煩わす結果となってしまいましたことにつきまして、関係者の一員といたしまして、まことに申しわけなく存じている次第でございます。 銀行界が住専問題をどのようにとらえ、そして、その処理に当たってどのような対応をしようとしているのか、その基本的な考え方を申し述べさせていただきたいと思います。 住専自体は、皆様御存じのように、いわゆるノンバンクの一種でございまして、預金を受け入れている金融機関ではございません。しかしながら、住専各社に対して二百数十の多数の金融機関が貸し出しを行っておりますことから、住専の経営破綻は金融システム全体に重大な影響を及ぼし、その結果として、預金者の皆様に御迷惑をおかけするおそれのある深刻な問題だと認識しております。したがいまして、住専問題の処理に当たりましては、何としても預金者の皆様には御迷惑をおかけしない形で、早期に解決を図っていかなければならない、このように考えております。 具体的に申し上げますと、住専の母体会社は、貸し手としての責任に加えまして、それぞれの関係する住専に対して、会社の設立、出資、そして役員の派遣といった形で大きく関与していることも事実でございまして、その責任を十分認識しているところでございます。そのために、母体会社といたしましては、我が国の法制上許される限度まで、すなわち貸国債権の全額放棄を行うことによって責任を果たしたいと考えているわけでございます。 このことに加えまして、母体会社といたしましては、金融システムの早期安定化を図るべく、その構成員として、金融安定化拠出基金への拠出や住専処理機構への低利融資など、合理的、納得的で、かつ株主の御了承が得られるような適法な範囲内で、可能な限りの負担を行ってまいる所存でございます。民間金融機関としてこうした最大限の対応を行おうとしている点につきまして、ぜひとも御理解をいただきたいと存じます。 政府処理案の基本的な枠組みにつきましては、関係金融機関がおおむね了解をしておりまして、今国会で御承認がいただければ、この基本的な枠組みに沿って本問題の一刻も早い解決が図れるよう努力してまいりたいと存じております。 あわせて、本日は、国民の皆様の御理解がいただけますよう精いっぱい御説明をさせていただきたい、このように存じております。 以上でございます。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、井上参考人にお願いをいたします。
○井上参考人 井上でございます。私は、一九九四年十月以降約一年三カ月間、住宅ローンサービスの社長をしております。 議会の皆様におかれましては、このたびの住専処理策をめぐりまして御審議に御注力をいただき、非常に恐縮しております。皆様方の精力的な御討議にお礼を申し上げるとともに、心よりおわび申し上げる次第でございます。また、住専問題で世間をお騒がせしていることにつきましても、申しわけなく思っております。あわせておわびしたいと思います。 住宅ローンサービスは、一九七一年九月に設立されまして、ことしで四半世紀になります。現在の資本金は五十四億円、株主数七十五名、社員数約二百十名、営業店を全国に十カ店持ちまして、融資残高は住専七社中五番目の一兆三千八百七十億円でございます。住宅ローンサービスは、持ち家を取得するための資金を広く国民のすそ野まで提供することを目的に設立されましたが、住宅ローンの残高は今や融資残高の一三%の千七百四十五億円にすぎず、八七%に相当する一兆二千百二十五億円が不動産向けを中心とした事業向け貸付金でございます。 まことに遺憾ながら、融資残高の約四分の三に相当する一兆五百億円が延滞債権でありまして、このうち約五千七百億円が損失確実な債権になろうかと思っております。これに他の不良資産を加えますと、当社の損失の合計は約七千百億円になろうかと思います。 こうなりました大きな要因といたしましては、バブル期に上昇した地価を前提として拡大した不動産業者向けの融資が、一九九〇年以降の値崩れとともに不良債権になったためと考えております。他の住専各社同様、住宅ローンサービスも融資先のほとんどが不動産業者であるため、資産内容が急速に悪化いたしました。一九九二年五月、期間五年間の第一次再建計画が策定されましたが、不動産市況のさらなる低迷のため見直されまして、翌年の一九九三年に十年間の第二次再建計画が実施されたわけでございます。 私どもは、これまで第二次再建計画に沿って経営のリストラあるいは延滞債権の回収等に懸命の努力を払ってまいりました。しかしながら、予想を上回る不動産価格の急激な下落という現在並びに将来の環境を勘案いたしますと、巨額の損失計上は必至でありまして、再建計画の続行は不可能であるとの結論に達したわけでございます。まことにざんきにたえません。 以上、住宅ローンサービスの現状をごく簡単に御説明いたしましたが、何とぞ住専の現状に御理解賜りたく心よりお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、末野参考人にお願いをいたします。
○末野参考人 末野興産の末野謙一でございます。 私の事業の失敗のために、国民の皆様、住専の皆様方に大変御迷惑をおかけいたしまして、まことに済みません。 また、二次損失をなくするために早く物件の処分、それから高く物件を売りまして、一生懸命借金を減らすように努力いたします。また、借金の残ったものにつきましては、私が身を粉にして一生懸命返済するように努力いたします。済みませんでした。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○上原委員長 これより各参考人に対する質疑に入ります。 この際、質疑者に申し上げます。 議事整理のため、質疑をする参考人の氏名をその都度お告げいただきたいと存じます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
○坂上委員 私は、社会民主党の坂上富男であります。 最初に、北海道トンネル崩落事故について、この災害に遭われました方々の一刻も早い無事なる救出を心からお祈りをいたしております。 さて、本日、参考人におかれては、御苦労さまでございます。社会民主党を代表いたしまして、私から五十分、佐々木秀典委員から三十分関連質問をさせていただきますが、参考人には、次の二点について御注意の上御答弁をいただきたいと思っております。 その一つは、質問には簡潔に、結論だけお答えください。説明や弁明は要りません。必要な場合、私の方から再度お聞きをいたします。 二番目は、参考人には実体的真実発見のためにお聞きをするものでありますので、知っていることはそのとおりの事実をお話をいただきたいと思います。万々一真実のお話がないと思われる場合は、証人として出頭して証言を求める場合もあり得るのでございますので、十分ひとつこの席でお聞かせをいただきたいというふうに思っておるわけでございます。 さて、最初にお聞きをいたしますのは、末野さんにお聞きをいたしたいと思います。 ずばりお聞きをいたしますが、大阪の木津信用組合が、平成七年八月三十日、業務停止をいたしました。その前日、私の調査によりますと、三百八十六億円、関連会社十一法人、家族名三名、計十四名義の預金が平成七年八月二十九日に引き出されたと言われておりますが、事実でございますか。 一体、この金は末野興産のものであったのでございますか、それとも、関連会社あるいは御家族に分散して、名義だけを借りられたのでございますか。まず、その点についてお聞きをいたしたいと思います。関連会社は、間違っておりませんければ、キンキビル管理株式会社、天祥株式会社ほか九社と思われるのでございますが、いかがでございますか。
○末野参考人 ただいまの御質問についてお答えさせていただきます。 現在、大阪国税局が調査中のために、ちょっとその返答は御勘弁願いたいと思います。
○坂上委員 国税庁に調べられているから答えられないというわけにはいかないんです。ここではきちっとお答えいただかぬとならぬと思いますので、もう一度ひとつお考えになって、御答弁ください。
○末野参考人 お答えします。 まず、国税局の調査のいろいろの妨げになると思いますので、この場ではちょっとお答えを控えさせていただきます。
○坂上委員 じゃ、三百八十六億円、業務停止をする前日引き出されたんじゃないですのか。 それから、あなたは新聞で、知人のものだと言っておりますが、この知人はだれですか。 それから、これが業務停止をするというとき、あなたはだれからその情報を耳にされまして預金を引き出されたんですか。
○末野参考人 その子会社というんですか、関連グループという、まあ関連グループと称して、呼ばせていただきますけれども、そのお金については、末野興産と関連グループとは全然、お金の貸し借りは全然別の問題でありますから、お金をどういう、前日で引き出したとか、そういうことは一切私にはわかりません。 それと、何遍も言いますけれども、現在国税局が入っておりますので、そのお金がどこからどう流れたということは国税局の方で解明されると思いますので、今ここで言うわけにはございません。
○上原委員長 委員長から申し上げますが、末野参考人、指名があったときに挙手で答弁してください。 坂上富男君。
○坂上委員 参考人末野さん、あなたの方で今住専から借りて返されない金が、グループで二千三百億円債務残高があると言われておりますが、事実ですか。これぐらいのことは言ってください。
○末野参考人 はい、それは事実でございます。
○坂上委員 あなたは一体この金額、どれぐらいこれから返せると思っておるのですか。
○末野参考人 大変な金額でございます。(坂上委員「どれだけの金額が返せると思っていますか」と呼ぶ)ただいま私の会社の財産を全部処分いたしましても、半分ぐらいしか返せないと思います。
○坂上委員 とにかく精力的に誠実に返していかぬと、私たち国民の立場としてもどうしても承認するわけにいきませんので、全力を挙げて御努力をいただきたいと思っていますよ。 なお、真実の陳述がありません。私は、この席において、委員長に、証人として末野謙一さんを喚問されることを申請をいたしたいと思います。要請します。
○上原委員長 後日理事会で協議をさせていただきます。——後刻。
○坂上委員 それでは土田さん、第一次調査、大蔵省はやられたわけでございますが、これはもうこのときの調査の結果によって住専の再建は不可能だったのじゃないですか。私たちは、今あなた方が調査された報告書を子細に検討させてもらっておりますが、これはまあ本当にひど過ぎる、第一次のとき。これは本当に倒産すべき時点であったのじゃないですか。いかがです。一言。簡単でいいです。
○土田参考人 第一次調査、私の在任中に八社の中で五社程度手がけたと思います。その段階での私どもの判断は、非常に不良債権がふえてはおる、しかしまだ、例えば平成三年度においてその会社の決算がどうなるか、予想で聞いた程度でございますが、利益を出すものもあり、それから利益プラマイ・ゼロというものもあり、欠損であるものもある。しかし、上場会社などは過去の積み立てを取りまして配当を続けるというような状況でございますので、いわば会社の実体がなくなっているほど不良化しているとは思いませんでした。
○坂上委員 説明はいいですから結論だけ。足らぬときは私が質問します。 あなたの調査されましたのが「住宅金融専門会社七社に関する平成三年ないし平成四年の第一次立入調査結果」、七社の経営状況、それから個別貸付先の債務状況、これですが、子細に検討させてもらいました。 重要部分だけ申し上げます。一体、当時の銀行局長と私たち庶民の感覚はこれほど違うのかなと思いますよ。まず第一、日本住宅金融、実質的には所有不動産の計上がなければ赤字決算となる。楽観論であり、実際には非常に厳しい決算となることが予想される。住宅ローンサービス、ここにおられますが、総資産分類額は四千三百二十六億円、分類率二六・四%と非常に高いものになっており、早晩経営問題となることが予想される。ちゃんと書いてある。 住総、役員は認識を新たにして今日のような状況をつくり出した自己責任を自覚し、厳しい局面を打開すべく一刻も早い不良債権の回収に向け邁進すべき努力が必要と思われる。総合住金、極めて危険な状況にあり、競売等の発生時には多額の損失を発生させることが予想される。第一住金、今後の市況によっては多額の損失の発生も予想され、早期に経営の見直しが必要と思われる。地銀生保住宅ローン、五年四月以降については、再建計画の進展状況を見てから再度相談することとした。銀行などでは通常考えられない仕振りとなっている。日本ハウジング、このまま業績が続けば、再建計画を早晩見直しする必要があると思われる。こういうふうに書いてあるわけです。 これを見れば、これはもういかぬな、つぶす以外に方法はない、これは国民だれも思いますが、これでもって可能だったの。一言。
○土田参考人 ただいま御指摘のありました中で、私の代に調査したものでないものが含まれております。しかし、それを含めまして申し上げますが、このような不良化というのは、当時のノンバンクに一般的でございました。したがいまして、当時のノンバンクの関係者は一斉に再建計画なり立て直しの方策を議論しておりました。 これで、例えば住宅ローンサービスは平成三年度でなお益金を出しております。総合住金も益金を出しております。したがいまして、当時の状況で破綻が明らかであったとまでは申せないと思います。
○坂上委員 その状況を判断をしていけば、これはもう近々だ、倒産するなんということは。ましてや銀行局、大蔵省の立場ですからね、それぐらいのこと考えていただかなけりゃ、我々不安で、大蔵省に任しておけない。本当にこんな判断をされて、ノンバンクあるいは金融市場がみんなそういうふうに苦しんでいたんだから、これだけ倒すわけにいかぬなんというとんでもないことを言ってもらっちゃ、私は困りますよ。これは本当に国民怒ると思いますよ、こんなことをやっておったんだということになりますと。 さて、眞鍋さん、あなたは、この第一次調査の結果というのは、農水省は知っていたの。
○眞鍋参考人 調査は知りませんでした。
○坂上委員 これは大蔵省、何で関係のある農水省に聞かせなかったの。どうですか、土田さん。
○土田参考人 この調査と並行しまして、各社は自主的に、母体行それから有力債権者などとの間で、今後の立て直し、経営の方針を議論しておりました。その関係で、当然、この大口資金供給者であります農協系統にも相談は行っておりましたと思います。私どもは、そのような住専各社をめぐるいわば関係者の協議に期待しておったわけであります。
○坂上委員 眞鍋さん、今のような答弁です。何と聞いている、これを。あなたたち知っていると言うのだ。あなたは知らぬと言うのだ。どっちが正しいの、これ。あなたたちは第一次報告を、何かあるらしいから聞かしてくれ、聞かしてくれとどうも言っていたらしいのですが、どうですか。
○眞鍋参考人 私どもは、この住専七社の経営情報については一般の方と同じような立場でございまして、その経営状況は知り得る立場になかったわけでございますし、また情報の開示もされていなかったということでございまして、当時の経営状況につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、大蔵省からは開示を受けておりません。
○坂上委員 今度、第二次再建案、覚書、この覚書をつくるときも、この第一次の調査報告書というのは手に入ってなかったの、あるいは知らなかったの、こういう実態を。
○眞鍋参考人 お答えいたします。 第一次報告書につきましては、このたび、当委員会で開示をされまして、それで初めて知ったような状況でございます。
○坂上委員 これはもうお聞きのとおり、全く大蔵省は国民に聞かせないで、秘密にいたしまして、ノンバンクを中心とした金融の大変な状況になっていることを国民に全く聞かそうとしなかった。土田さん、このときの総理大臣と大蔵大臣、だれですか。
○土田参考人 総理大臣——ちょっとお待ちください。
○上原委員長 お答えできますか。
○土田参考人 できますと思います。——失礼しました。 総理大臣は、平成三年程度のときまでは海部俊樹先生であったと思います。その後、総理大臣は宮澤総理大臣だったと思います。大蔵大臣は、平成元年八月から平成三年十月まで橋本龍太郎先生でありまして、平成三年十月から十一月までの間海部俊樹先生であり……(発言する者あり)いや、総理が兼務しておられます。平成三年十一月から、私は平成四年六月まででございますが、その間の大蔵大臣は羽田孜先生であります。
○坂上委員 こういうのを、土田さん、私から見れば、きちっと相談をしてもらって、どう対応するかということは大変なことだったろうと思うのですが、本当に相談したの。それとも、ああいう諸君には報告しないで僕らだけで処理しちゃおう、こういうふうに思ったの。どっちです。
○土田参考人 国会で時々質問が出始めましたので、その都度大蔵大臣と、御了解を得ながら答弁の打ち合わせをしておりました。しかしながら、全般的なノンバンクを含めた個別行政は銀行局長の責任でお預かりをしておりました。
○坂上委員 あなた方の報告も問題があるわけだ、これは。 これは第一次のとき整理したら、被害はどれぐらいでおさまったかと思っていますか。私は、一年間で一兆円ずつ違ったと思っているんだ、これは。一兆円以上だという説もあるね。大変なことだと思います。 さて今度は、その次の局長さんは寺村さんかな。 覚書締結のいきさつ、簡単でいいですよ。殊にあなたは、金利減免だけで再建できるなんというふうに何で思ったのか。ぴたっと三日で答えてください。
○寺村参考人 公的資金を導入しなければ、それ以外に道はございませんでした。
○坂上委員 そうだとすれば、覚書のとき、何で覚書で終わらせたのか。
○寺村参考人 公的資金を導入せずに住専の経営破綻を回避しようといたしましたので、金利減免で時間をかけて処理する再建計画が合意されたわけでございます。
○坂上委員 そうすると、これは何ですか、またバブルの再開をねらってやったんですか。 あなた方銀行局はきちっと、これから公定歩合はどうなるだろうか、景気はどうなるだろうか、土地はどうなるだろうかということを、国民の皆様方からよく御理解をしてもらって、景気その他についていわゆる御指導いただかなきゃならぬのに、公的資金を入れてもらわなければこれはつぶれそうだったんです、しょうがないから十年間こうやって放置しました。その結果が、国民の税金六千八百五十億入れなきゃならぬという大変な事態になったんです。責任感じていますか、こんなことで。少し、ここいらを含めてお答えください。
○寺村参考人 平成四年八月に、当面の運営方針を発表いたしました。そこで書いてありますことは国民に申し上げたことでございますが、羽田大蔵大臣のもとで発表させていただきました。 金融機関に大量の不良資産が発生いたしました。それは金融機関の自己責任で処理をしなければいけません。株価が低落しておりまして、金融機関の内部留保は底をつくような状況でございました。したがいまして、長い時間がかかります、自己責任で処理をするなら。そのために長い調整期間があるので、段階的に処理をしていかざるを得ないということを運営方針でお話を申し上げました。そのような対応の一つであると考えております。
○坂上委員 まあえらい御答弁があって、本当に身がむしられるような思いです、これは。 角道さん、あなたは一体、このころあなた方は、もうこれは大変な事態だ、系統の預金は引き揚げなければならぬ、こうお思いになってそういう努力をなさったんじゃないですか。どうです。
○角道参考人 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のとおり、第一次の再建計画におきましては、系統に迷惑をかけないから再建計画に協力をしてくれと母体行、住専から協力の要請がございました。私どもについても、当時におきましても既に債権の回収を図るべきであるという意見は非常に強うございました。ただし、そういうような母体行、住専の申し出がございましたので、私どもも、ほかの銀行全体がこの再建計画に協力をするということでございましたので、ここに協力をしたわけでございます。 第二次の再建計画につきましては、今お話ございましたような第一次の立入調査の結果については私どもは全然承知はいたしておりません。ただ、私どもの方に御相談がありましたときには、再建計画という形の骨子のようなものは御相談があったかと思いますけれども、直前まで私ども第一次再建計画に協力をしてきた、その直後の第二次再建計画でありますから、より以上に私どもとしては元本回収の努力ということをすべき、またしたつもりでございます。それに対しまして、やはり住専、母体行はこの私どもの元本回収等のものにつきましては拒否をしておりました。この再建計画を中心に協力してほしいというような要請があったというように記憶しております。
○坂上委員 どうも、やはりこの覚書、系統の預金引き揚げを防止するためにこの覚書ができたという感じもするのですよ、私は。まあ、いろいろ議論があるでしょう。だけれども、私はやはりその方が正しいなという感じです。しかも、今の寺村さんのお話ですか、聞いても、もうどうにもならなかったんだと、十年たてば何とかなるだろうという無責任なやり方がこういう結果を起こしたんだなということを本日私は実感しました。これは大変なことです。もういろいろ計画をしようとするんでしょうが、私はもうこれで十分わかったと思いますよ。これはやはり行政の責任、政治の責任、刑事の責任、全部とってもらわなきゃいけないんです。 さて井上さん、あなたは住専の会社の社長で、まああんまり長くはやっておられないようでございますが、この第一次の調査のとき、もうあなたは、このときだめだったと思うのが普通じゃないですか、あなたこのとき社長でなかったらしいけれども。どうですか、調べてみて。私は報告書を見て、きょうあなたたちのを見た。それから第二次のも見たけれども、余りにもひど過ぎる。殊に、あなたの方は紹介融資が一番大きい。これは全部不良貸しになっているわけでございます。あなた、第一次調査の結果を見て、このとき倒産させておけばよかったと思いませんでしたか。どうですか。
○井上参考人 お答えいたします。 大蔵省の調査は九一年十一月でございましたですが、まだあのときの地価はかなり高うございました。したがいまして、私があのときの経営者であれば、まだ地価に多少のゆとりはあるかもしれないという判断をしたと思います。しかし、非常に厳しい状態であることは事実でございました。 以上でございます。
○坂上委員 本当に自分がつくって、自分の会社であれば、これはもうぴしっと、迷惑かけちゃならぬと思えば、余力のあるうちにやめますわね。あなた、もう少しやれば何とかなるかもしらぬなんて思ったなんてとんでもない。これが今回のこういう事態を引き起こしているんです。 あなたについては、まだ一年半ぐらいだから、余り強くは言うまいと思ったんだけれども、どうもそういう答弁じゃ納得できませんよ。 じゃ、覚書のとき、第二次再建のときの、第二次の調査のどきの覚書作成のとき、このときあなたは再建可能だと思ったの、井上さん。
○井上参考人 お答えいたします。 第二次再建計画の十年間の計画というのは、地価が、一九九二年を一〇〇といたしますと、十年間で二五%上昇するという前提で組み立てられております。九二年度の地価の水準というのは相当下がっておりましたので、その当時といたしましては、地価はそろそゑ底で、あるいは十年間で緩やかに上昇をしていくかもしれない、そういう前提ならば再建は可能かもしれないと思いました。
○坂上委員 結局、あなたたちは、十年間で地価の値上がりを待ってこの回復を図ろうとしたんだ。一年間に一兆円ずつの損失が上がっていくんだ。こんなことできますか。しかも国民の犠牲において、地価の値上がりによってこれを回復しようなんというのはとんでもない間違いです。私たちは地価の抑制をしている。そのことのために総量規制をした、三業報告をさせる。そういうことをしていながら、あなたたちは一方で、地価の値上がりが早くないか早くないか、こう思っているんだ。本当に国民はとんでもないと思っていますよ。あなたも責任を感じてもらわなければならぬ。 しかも、あなた方のやり口はひどい。ちょっと挙げたこの報告書によると、法人税の偽造証明書を利用されて、担保物件に国税庁の先順位債権のあることを見逃して、相当の金額を貸している。株式購入の資金に貸している。別件担保による融資であるが、購入予定物件の購入に資金が充てられず使途不明になっている。債務者側から提供した水増しの鑑定評価をそのまま安易に採用して金を貸している。ざあっとこう書いてある。これはもう刑事犯罪です。 こういうような刑事犯罪について、あなた方は告発しましたか、これ。一言。
○井上参考人 今、先生からお申し越しの件につきまして……(坂上委員「したか、しないかだけでいい」と呼ぶ)刑事事件の疑いを私どもが持った場合は、告発を検討したいと思います。
○坂上委員 結局、こういう文書偽造、詐欺に遭っていながら、あなたたちは告発しなかったんだ、今まで。これから検討すると言う。もうこの法案が通れば住専解体なんです。今さら寝言を言ってもらっちゃ困るんだよ。責任を感じてもらいたいのです。 さて、その次、今度は橋本さんにお聞きをいたします。 橋本さんの方は、覚書が作成されたとき、この覚書ができたことはいつ知られました。
○橋本参考人 お答えいたします。 たしか昨年の夏ごろだったと思います。
○坂上委員 橋本さんとしては、この覚書が作成されたころ、いわゆる平成五年二月三日、住専の経営について、もうこれはいかぬ、母体行の立場としても整理をすべきだ、こう思われなかったですか。大丈夫、これからもっとやればやれるんだと思ったのですか。どっちです。
○橋本参考人 お答えいたします。 覚書がつくられたころという……(坂上委員「平成五年二月」と呼ぶ)そのころにつきましては、私どもも、何とかこれは再建できるというように思っておりました。(坂上委員「その根拠」と呼ぶ)金利の減免、そういったことを前提にいたしましてですね。それから、第一そのころには、その後の地価の下落がこのように大幅で長期にわたるというように考えておりませんでしたものですから、この金利減免による再建計画によって何とか再建ができる、このように思っておりました。
○坂上委員 寺村さん、それから橋本さん、この覚書ができた翌日だ、公定歩合がくしくも二・五%に下がった。覚書ができた翌日だ。皆さん、もう公定歩合が下がるということを知っていたんじゃないの。また、知らなくとも……(発言する者あり)下げたんだよ。知るべき状況にあったんじゃないですか。ちょっと皆さん方的な立場の専門家は、これはもう間もなく公定歩合が下がるな、だから金利を減免してもいいな、こう思われたんじゃないの、この覚書は。どうですか。お二人どうぞ。
○橋本参考人 お答えいたします。 公定歩合が下がるということはもちろん存じませんでした。もちろん、公定歩合が下がるような状況であったというような、経済状況はそういう状況にあったということは認識しておりましたが、下がるということはもちろん事前には知っておりません。 以上です。
○寺村参考人 あの覚書は、当事者双方が合意できるぎりぎりの限界がどの辺にあるであろうかということを探って決めたものでございます。したがいまして、覚書を結ぶまでに、当然、大蔵省は関係者の、代表的な方々の意向をサウンドをしております。それは何も二月三日ではなくて、かなり前の段階からやっております。そうでないと、そこまで話が進みません。 大蔵省といたしましては、なるべく大幅な金利減免を求めていたわけでございます。母体行はゼロにしてほしい、一般行が二・五ぐらいというようなサウンドをぎりぎり探っておりましたので、二月三日という時点ではなくて、かなり前の段階からそういう意向打診の作業をしていて、この辺ならあるいは合意ができるのではないかと思ったのが二・五でございます。しかも、当時はかなり、二、三週間ぐらい前から新聞紙上では公定歩合引き下げの観測が出ておりまして、幅までいろいろ論議が出ていた、そんな状況でございました。
○坂上委員 どうもこの経過を見てみますと、金利減免なんていっても、これから公定歩合がまた下がる、だから減免したって大したことないじゃないか、こんなような思いが一つあるわけね。 それから、系統の皆さん方には、あなた方の元本を保証するからこのまま続けて置いてくれ、まあ十年ぐらいたてば、大体三年と見たようですが、地価は値上がりをする、しかし金利はずっと下がってくる、これもわかっていた。地価は三年ぐらいたって、四年目ぐらいから値上がりをする、五年、六年となるとバブルのような事態もまた起きるかもしらない、それまで何はともあれこのままの状態を続けることが大事だと。やはりこう思って、処理すべき住専の整理を皆さん方が、一面怖いからしないで、一面うまくいけばそんなようなことになるかもしらぬ、目をつぶって今日まで放置されたんじゃないですか。 どうですか、ひとつ寺村さん、あるいは銀行協会長さん、お答えください。
○寺村参考人 まず、地価の見通しのことについて申し上げます。 ただいま井上参考人から、二五%上昇を見込んでおられたということでございます。井上参考人の御関係の住専はそのような見込みをしておりましたが、別の住専、これは住専によっていろいろ見込み方が違いますが、当時よりもさらに地価が低下し、まだ相当期間低下した後、当時の水準に十年後に戻るというような見通しのもとで再建計画を策定したところもございます。いろいろ住専会社によってまちまちでございます。一律ではございません。そういうことでございまして、すべてが地価の上昇を見込んでいたということではございません。 それから、当時は、地価はピーク時に比べましてはぼ三分の一程度に低下をしておりました。およそその辺が底ではないか、あるいはまだ下がると、いろいろな観測が出ておりました。しかし、結果として、その当時からまた半分程度に下がったということでございますが、その段階で、あの当時地価が半分に下がるということを計画策定段階で見通すことは、これは不可能であったのではないかと思います。 それから、当時はそのような状況でございますので、第一次立入調査の結果をごらんいただきますと、損失見込み額は実は余り出ていないわけでございます。経営はかなり厳しい状況でありますが、直ちに損失が発生するというのは第一次立入調査でもまだ出ていなかった。つまり、地価がどんどん下がってまいりましたけれども、まだ損失が急激に発生するという段階にはなっていなかった。掛け目の範囲でとどまっていた。しかし、その後、地価が半分まで下がりましたので、急速に損失が出たわけでございます。 そういった状況でございますが、当時見込まれる損失をこの再建計画は十年間かけて大幅な金利減免、実は六%台の調達コストがこの大幅な金利減免により二%台まで引き下げることができたわけでございます。その低い調達コストで正常債権の運用収入を図ることによって、当時予想された損失見込み額を十年間で処理しようというのがこの計画でございました。
○橋本参考人 私どもといたしましては、もちろん、十年間という長い期間を見れば若干の地価上昇もあろうということも考えておりましたが、当時の状況で、系統金融機関四・五%、そして一般金融機関二・五%、母体行〇%という、そういう金利減免だけで再建できるというような甘い見通してはなくて、やはりこれに加えて、母体行が七行あるのでございますが、一行百億円ずつ支援融資というのをやりました。それは、融資を〇%でやりますから、そこから上がってくる運用益でもって収益支援をしていく、さらには、住宅ローンサービス自体が相当の思い切ったリストラをやっていく、こういうもろもろのものを組み合わせてやっていけば、当時の判断としては何とか再建ができるであろう、このように思っておりました。 もちろん、その後の地価の大幅な下落、長期にわたる下落、こういったものによって、このたび再建計画を断念せざるを得なくなったということでございまして、結果としては見通しが甘かったと言われてもやむを得ないというように存じております。
○坂上委員 角道さん、あなたから率直なお話がありました。 これに関係する関係者が今日まで適切に対応しておればかかる事態にならなかったであろう、母体行の役員の派遣等、母体行の住専への責任は大変重い、こうおっしゃっておりますが、どのように適切に対応しておればかかる事態にならなかったと思っておりますか。
○角道参考人 お答えを申し上げます。 その段階、適切にと申し上げましたのは、住専の設立の経過、特に昭和六十年代、バブルの崩壊以前までに住専自身が、本来個人住宅資金を目的に、住宅建設資金を目的につくられた専門金融会社でございます。それが事業会社の方に傾斜をしていった。実際に住宅資金が、住宅資金だけでなしに事業者向けに、四分の三だったかと記憶しておりますが、そういう方向に流れていったということについて、住専そのものの経営のあり方、事業のあり方について、当時からやはり関係者がよく見守っていれば今日の事態にはならなかったんじゃないかというように私は思っておるわけでございます。
○坂上委員 そろそろ私の時間も詰まってまいりました。 私は、政治責任、行政責任、刑事責任、民事責任、これがきちっと国民の皆様方の前に対応がなされ、国民の皆様方から御理解をいただかなければならぬと思っておるわけであります。だから、これに関連をするあらゆる官公庁、そして大臣、国会、すべてこれに力を入れているわけでございます。そこで、言っちゃなんですが、ここにお並びの参考人の皆様方も、言葉は古いんでございますが、反省もしていただきたいし、ざんげをしてもらわなきゃいかぬと私は思っているわけです。 そんなような意味におきまして、まず橋本さん、国民の怒りは、六千八百五十億の公的資金の導入に対して、皆様方の間でお話ができなかった結果、政府がこれをしなければ今度は国民全体に大きな影響を及ぼすということで、こういう資金の導入をしたわけです。我が社会民主党は、まさにずっと歴代内閣が目をくいて棚上げをしてきたこの問題を、村山さん当時に受けてしょって解決に当たろうとしたわけです。それで、今回、我が党の書記長でありました久保さんが大蔵大臣に就任をされて、一身に批判を受けながら、私たちは必死になってこの解明に当たっているわけでございます。 でありますから、すべき話し合いができなかった、こんなことは許されません。しかし、こうなった以上は、何らかの形でひとつ今後も協力をしてもらわねばならないのですが、まず銀行協会としては六千八百五十億、別の形でいいですから、政府の方に提供するような何らかのお考えはありませんか。(発言する者あり)まあ聞くだけ聞きなさい。
○上原委員長 お静かに願います。
○橋本参考人 お答えいたします。 先ほども申し上げたかと思いますが、私どもといたしましては、冒頭陳述で申し上げましたように、法で許される最大限まで負担をしていく。すなわち貸国債権を全額放棄する、その上で金融システム安定化のために、金融安定化基金への拠出、それから住専処理機構への低利融資、そういった形でぜひ金融システムの安定化に貢献してまいりたい。 その六千八百五十億円というのは、我々がそういった最大限の努力をした上で、なおかつ政府としてそれだけの財政資金を投入しなければ預金者に迷惑がかかる、ひいては金融システム全体に動揺が起きる、そういう判断で投入されるわけでございまして、私どもとしては、今後も最善を尽くしてこの住専問題の解決に一生懸命汗を流してまいりたい、そういうように考えております。
○坂上委員 橋本さん、まあ結局あなたは精いっぱいのことをやったんだ、あとはお国でやってくれじゃだめなんですよ。もっとこれから、今直ちに仮にできなかったとしても、もっと工夫をしてもらわなければ、工夫を。少し努力できませんか。もう一度お答えください。
○橋本参考人 もちろん工夫の努力は今後もやってまいりますが、今直ちに名案はございません。
○坂上委員 さて、井上さん、それから橋本さん、役員報酬についても大変議論のあるところなんです。こういうものについて御辞退をしていただくというぐらいのひとつ工夫、気持ちはありませんか。 橋本会長さん、橋本さんも大変御苦労はなさっているんでしょうが、やはりお立場上、きちっとある程度そういう形の中でも責任をとっていただきたい、こう思っているわけでございますが、お二人いかがです。
○橋本参考人 今回、この住専の処理も含めまして、この三月期で大幅な不良債権の処理を行い、その結果、大幅な赤字決算をする予定でございます。そういう意味から、私どもといたしましては、役員の報酬は今年度はゼロにしたい、このように考えております。
○坂上委員 これは後でひとつ皆さんとよく相談をしていただくと。 私の質問、これで大体時間が切れましたので佐々木先生と交代をいたしますが、井上さん、ひとつ最後の答弁、お願いしましょうか。
○井上参考人 私どもも、役員報酬の返上を今検討中でございます。考えております。
○橋本参考人 今、役員報酬全額返上と申し上げましたが、失礼いたしました。役員賞与を全額返上いたします。 なお、役員報酬につきましても減額を考えております。
○坂上委員 ありがとうございました。交代します。
○上原委員長 この際、佐々木秀典君から関連質疑の申し出があります。坂上君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐々木秀典君。
○佐々木(秀)委員 社会民主党の佐々木です。坂上委員の持ち時間の範囲内で参考人にお尋ねをいたしたいと思います。 坂上委員が冒頭、一番最初に末野参考人にお尋ねをいたしましたけれども、どうも末野参考人のお答えがはっきりいたしませんでしたので、私の方からも重ねて質問をさせていただきたいと思います。 坂上委員のお尋ねは、あなたのグループ、末野興産グループの会社約十社が、木津信組の破綻の直前、前日というように報じられておりますけれども、このグループ合わせて三百八十億円、これは大変なお金なんですけれども、預金をしてあったのを引き出したということに関してでありました。あなたは、国税局の調査が入っているから答えられないということをおっしゃったが、ことしの一月二十五日付の日本経済新聞には、これについてあなたがしゃべっておることが出ているわけです、既に。弁明をされておられる。 そこで、もう一度重ねてお聞きをしますけれども、まず、この事実をあなたは知っているかどうか。というのは、このグループの会社というのは、どうもこのあなたの弁明によると、あなたが代表者をしている会社はないのだそうですね。ただし、あなたの御家族が、あるいは御親族が代表者になっている会社はありますね。ですから、そのこととあわせて、こういう引き出しの事実、これがあったかどうかということをまずお答えください。 仮にお答えできないとすれば、どうして答えられぬのか。国税庁が調査に入っているからということは、これは全く理由にならないです。許されないですよ。ただ、そういうことを言えば、あなたに刑事責任がかかってくるか、何か犯罪を構成することに巻き込まれるということになるか、そういう心配があるんだったら、そのこともあわせておっしゃってください。それがないのだったら、はっきり答えてください。 まず、知っているか知らないか。あったかなかったか。
○末野参考人 まず、関連グループには、私は、社長は、どの会社にも入っておりません。 それと、今は国税局の調査中でありますけれども、今私の知っている範囲内のことを説明させていただきます。 私の会社の保証金が、約二百五十億ぐらい預かり金があります。二百五十億ぐらいの預かり金があります。それと……(佐々木(秀)委員「預かり金」と呼ぶ)はい、保証金でございます。八千室の、入居者の保証金でございます。それが約二百五十億ぐらいの預かり金があるということです。それは決算、決算によって多少の変動はあります。それと、当社の手形が約六百億ほど、手形をあるリース会社に振り出しております。それの回収資金も一部含まれているんじゃないかということです。
○佐々木(秀)委員 ではそのまま、ついでですから。 それを引き出したということを知っているのかどうかということですよ。そのまま出てきてください。僕の質問はわかるでしょう。
○末野参考人 済みません。
○佐々木(秀)委員 いいですか、だから、木津信の破綻の前の日に、そのあなたのグループ関係の十社が三百八十億の金を引き出したかどうかという、その事実をまず確かめているんです。
○末野参考人 それは後で聞きました。引き出した後に聞きました。
○佐々木(秀)委員 だれから聞きました。
○末野参考人 それはグループの社長から。
○佐々木(秀)委員 だれです。具体的に名前をおっしゃってください。
○末野参考人 それはキンキビルの田村という社長でございます。
○佐々木(秀)委員 キンキビル。田村何といいますか。
○末野参考人 田村義信といいます。
○佐々木(秀)委員 義信。まあ、後で確かめますけれどもね。どういうように聞きました。——時間がもったいないものだから。
○上原委員長 自席にお戻りになって。
○佐々木(秀)委員 行ったり来たりで時間がもったいないものですからね。 今のことを後で聞いたと言うのだけれども、これはあなたの指示で引き出させたのではないのですか。 それから、どうも今のお答えの前にわけのわからないことを言った。つまり、二百五十億円ばかりの金がある、これは入居者からの預かり金、保証金だということをおっしゃった。これは、入居者からの保証金というのはだれの名義で預かっているのですか。その関係。 あと、手形の関係で六百億というのは、これはいいです、どうもこれは趣旨不明だからいいです。今の、さっきおっしゃった二百五十億円と、木津信から引きおろした三百八十億というのはどういう関係の金なんですか。それと、これを引きおろすことについてはあなたの指示だったのかどうか。この点をお答えください。
○末野参考人 まず、二百五十億の預かり金の説明からいたします。 子会社に二百五十億を貸し金のような状態で貸しておったと思います。
○佐々木(秀)委員 どうも、末野さん、知っていてとぼけておられるのか、私の質問が理解できないということなのか、そんなことはないと思うんだけれどもね。 だから、簡単なんですよ。三百八十億円という大きな金額が、あなたのグループによって預けられていたのが引きおろされた、これを知っているかということを僕はまず聞いたのです。それについてのお答えは、後から聞いたと言っているんだけれども、あなたの指示でやったんでないのかということを私は聞いているのですよ。どうなの、そこは。
○上原委員長 末野参考人、おわかりなら正確にお答えください。
○末野参考人 はい。 それは、解約された後に私は聞きました。私の指示ではございません。
○佐々木(秀)委員 指示ではないということですけれども、これまた後で、それじゃさっきお名前の出た人からも確かめさせていただきたいと思います。 いろいろ末野さんについては、御家族を含めて、資産隠しの問題などが疑いも持たれているのですね。きょうは時間がありませんから余り深くお伺いすることはできない。これまた機会を改めてと私は思っております。 ただもう一つ、巷間取りざたされていることで、あなたと暴力団の関係ということも問題になっているのですね。いろいろと取りざたされている。御承知でしょう。これについてあなた御自身は、私自身がもちろんやくざではないし、やくざとのつき合いもないということを言っておるのだけれども、しかし、これもあなたが今までのマスコミのインタビューでも答えて認めておられるのですけれども、あなたのグループが所有しておられた多くのビル、ありますね。このビル、大体大阪の方のようですけれども、そのうちの七つのビルの中にもつないし十のいわゆる暴力団の組事務所が、貸借人としてだろうと思います、ただで入っているのじゃないということになっているのだろうと思うのだけれども、貸借人として入っているということが報じられております。これはあなたも認めておられるようですね。 これは、一つは、正規の賃貸借契約で家賃がちゃんと入っていたのかどうか。 それから、これについてはあなたは、いろいろとそういうことについて言われているので、立ち退くように法的手段を取ったということを、これもことしの一月二十五日の日本経済新聞に報じられているのです。ですから、恐らくこの直前に言ったことだろうと思うのですけれども、法的手段を取ったと言っているのです。 法的手段とはどんな手段をとったの。立ち退きの請求を出して、それで裁判でもやっているのか。やっているのだとすればその結末はどうなって、現在はどうなっているのか。この人たちは退去していなくなっているのか、まだいるのか。この辺明らかにしてください。
○末野参考人 現在、解約を全部いたしまして、裁判を続行中でございます。その七室の一室はもう退室をしております。あと六室については現在裁判中でございます。
○佐々木(秀)委員 これはもう一つ確かめでお聞きをしておきますけれども、今裁判中で、一つは出ていったということなんだけれども、そもそも、いわゆる暴力団の組関係がここを借りたいと言ってきたときに、貸し手であるあなたの方では、その相手が暴力団であること、それから暴力団の組事務所として使われること、これは知って貸したのかどうか。 仮に契約当初は知らなかったとしても、組事務所に使われるということになると、普通の居住関係とは違うということは様子によってわかりますね。報じられるところによると、そのビルの中に住んでいる入居者の中からも大分苦情があったということだからね。それは後でわかったことなのかどうか、その点どうなんですか。
○末野参考人 まず、入居状況から説明させていただきます。 当社には八千室からの貸す部屋がありまして、その中の七室が暴力団が入っているということで調査いたしました。その入れ方は、ほとんど第一営業部というところが八千室を皆面倒見てやっておりますので、私の目の届かないところで、管理不届きと言われればそれまでのことですけれども。それと、ほとんどが事務所ではなく、皆入居者として、マンションの入居者として入っておられるものですから、やくざか一般の人かなかなか見分けがつきにくかったもので、この報告も、読売新聞社の記者から七人入っているということを聞いたような事情でございます。
○佐々木(秀)委員 一般の人と区別がつかなかったというのは、これはいかにも言いわけだと私は思います。普通とは違うでしょう、まず。だから、これはまあ推測になります、あなたがはっきり言わないからだけれども。私どもとしては、わかった上で、あなたのおつき合いのある、それまでおつき合いのあるいわゆる暴力団の関係者が貸借人になる、そのことについてあなたは了解していたんだという疑いを捨て切れません。こういうことについてもおいおいまた明らかになっていくんだろうと思います。 それと、とにかく膨大なお金をよくあなたは住専から融資を受けたものですね。さっきのお話だと、現在の資産からいくと、あなたの言葉をもってしても債務総額の半分には満たないわけでしょう。だけれども、実勢価格からいくと、あるいはもっと少ないかもしれないわね。多いときには、まあまあ各住専会社から総合計で六千億からになったというんですか。大変な金額ですよ、これは。 ちなみに、私の地元、これは北海道の旭川市というんだけれども、人口三十六万、北海道では札幌の次の第二の都市なんだけれども、昨年の一般会計予算、一千四百四十億ですよ。あなたのこの住専から借りたお金、私の地元の、立派な市ですよ、その一般会計予算の何倍にも当たるんだということを考えると、生半かな金じゃないんですよ。 それを、まあいろいろなことがあったんでしょう、今まであなたがさつき、身を粉にしても借金を返していきますというようなことを言っている。それから、物件を処分してと言っている。しかし、物件といったって不動産が主だとすれば、その価格というのはずっと下落しているわけですから、とても追っつくものじゃない。あなたが身を粉にして働いて返せるような金じゃないですよ。にもかかわらず、ほかの報道されたものでのあなたのインタビュー記事を読むと、会社そのものを整理するつもりはない、これからも存続させてやっていくつもりだということを言っているのね。 今までのこの末野興産、グループがたくさんあるようですけれども、どこも手形の不渡りは出していないんですか。それから、会社を整理しないでやっていこうというのは、これからどんな方策でやっていくんですか。もう住専からの新たな融資なんて期待できないわけですよ。別な都市銀行からの融資というのは期待できるんですか。どうやってやっていくということなんですか、その辺を伺わせてください。
○末野参考人 再建計画をただいま一生懸命考えております。それで、まず売れる物件から全部処分いたしまして、借金をどんどんと減らす段取りで一生懸命頑張っております。
○佐々木(秀)委員 売れる物件を売ってというのは、それは物件売ったって追っつかないよということを言ったのと、それから、後の私の質問は、再建計画と言うのだけれども、再建というのは生き残るということですよ。生き残るためには債務の整理もしなければならないのだ。債権者の御理解や御協力ないと、任意の整理はもちろんできないし、仮に会社更生の申し立てをしたって、見込みがないとなれば破産に持っていかれるわけですよ。 自己破産をして、整理をして、ある財産を公平に処分をして、それで債権者の皆さんにお返しできるものはお返しして、もうこれでけりをつけようというようなお気持ちは持ってないのですか。この点一つ、末野さん。
○末野参考人 ただいまのところはそういう気持ちはありません。何とか再建させます。
○佐々木(秀)委員 経営者のモラルで、これでいいのか。つまり住専は、こういう経営者というか企業者に膨大な融資を、非常に不明確な基準で、しかもしっかりした担保評価もしないままにどんどん続けてきた。それがこういう今日の結果を招いているということですよ。 そこで、住専の責任問題については、先ほど来それぞれに責任があるということを坂上委員からも厳しく指摘があったわけですけれども、井上さん、これ、あなたのところも大変ずさんな私は融資をしていたと認めざるを得ないのですよね。 先ほどの、これも坂上委員から御指摘のあった平成三年ないし平成四年の第一次立入調査の結果、平成七年、昨年八月の調査の結果、これにはそれぞれの債務についてコメントがついているのですよね、調査者大蔵側のね。 一部、これも坂上さんから御指摘がありましたけれども、例えば第一次調査の中の(5)で「担保物件による融資であるが、購入予定物件の購入に資金があてられず使途不明となっている」なんというのは、これは常識としては貸し手の側としては私は考えられないことだと思うのですよね。そういうことが幾つも挙げられているでしょう。 それからまた、第二次調査ででも、各種事業の許認可、これは市街地開発だとかゴルフ場開発の事業ですね、この許認可が得られずにとんざして多額の損失が発生しているなんという、こういう許認可が得られるかどうか見通しも立っていないようなところに何で巨額の、私どもに言わせると巨額の融資を安易にしているのか。 それからまた、融資の対象物件を担保に徴していない。これは、ある物件を買おうということでそのために融資をするということでしょう。これは八番目なのだけれどもね、第二次調査の方の。それを担保にとらないでなんて、それで貸し付けるなんというのは、本当にとんでもない。 普通の都市銀行で貸し付けの審査には相当手間暇かかっているはずでしょう。ここに書かれておるようなことなどが発覚したら、これはもう担当者、大問題じゃないですか。その銀行自体が責任を持つのじゃないですか。そして住専が、素人の集団じゃないわけでしょう。立派な母体行が後ろにあって、その母体行から役員さんが派遣されて、経営の指導もあってでしょう。 なぜこういうずさんなことが平気で行われていたのですか。第一次調査の後で、これだけの指摘があったのに、第二次調査までの間にどういう改善ができたのですか。できなかったからさらに損失を膨大なものにしたのだと私は思うのだけれども、その間どんなことをやっていたのか、井上さん、その当時いたのかどうかということもあるけれども、でも、記録を見たり関係者に当たったりしたらわかるでしょう。どう考えていますか、そういうことについて。
○井上参考人 お答えいたします。 ただいま先生から御指摘のございました件につきましては、大蔵省の第一次、第二次立入調査にはっきりコメントが出ております。第二次立入調査は、新聞に出ているものでございまして、私どもはまだちょうだいしておりませんけれども、調べましたところ、やはり残念ながら事実でございます。 ただし、当時の報告を聞いてみますと、やはり担保価格が非常に高うございまして、仮に当該物件を担保にとれなくても別の高額物件を担保にとって一応申請書上フルカバーされているというような状況になっていたわけであります。住専の場合は、どちらかといえば、土地の持っている担保価値に着目をして融資をするという趣旨からしまして、取引先の業況把握あるいは資金のトレースよりも不動産担保価格の評価に重点が置かれていたことは事実でございます。そこへ、先ほども私申し上げましたように、ちょっと言いわけになりますが、土地の急激な暴落ということから担保価値が低くなってしまったということで、非常に残念に思っております。 それから、第一次大蔵省立入調査後の社内体制としてどういうことをやったのかという御質問がございましたが、いろいろやってございますが、一つは、貸し出し権限を下げております。従来、具体的に申し上げますと、二十億円以内であれば常務取締役が単独で決裁できたものが、三億円に落としまして、三億円を超えるものは常務会の合議による決裁というふうに改めたとか、あるいは九一年の、これは大蔵省の調査の前後でございますが、十月から、事業向けの貸し出しは新規停止をする、新規を停止をするという処置をとっております。 それから、当社の場合は、皆様ごらんになるとわかりますけれども、特段、五百億を超すような大口の貸出先はございませんですね。ピークでも、一番大きいところでも二百七、八十億になっているわけでございますが、これは、以前から当社で行っております運用の一つとして、一社の限度貸出額を広義の自己資本の範囲内にする、自己資本はピークは二百八十億円ぐらいでございましたけれども、そういう社内運用を行ってまいりました。そのために、実は、指摘事項に出ている会社数も小口で、多いわけございます。 以上でございます。
○佐々木(秀)委員 どうも、お話を承っても、本当に真剣に再建のために取り組んできたのかどうかということが理解できないですね。 それと、債務者の方が、さっきの末野さんじゃないけれども、本当にずさんになっている。これをわかりながら、それを、例えば担保物件について差し押さえをして競売にかけるなんてことも全くやられてないんだものね、私も調べたけれども。それで、今倒してしまえば、マスコミに知られてぐあいが悪いなんというコメントだってついているんですよ。そういうことを恐れてまた追い貸しをしているなんて、とんでもない話だと僕は思うのですね。 つまり、貸す方も借りる方も、私は金融のモラルというのがあると思うんだけれども、全くない。それが今度の住専問題の、私は大きな大きな問題だろうと思いますよ。この辺を考えなかったら、私は、こういうことが、また我が日本の金融界の中でこういう事態が起こってくるんじゃないかと本当に心配するんです。 これは、角道さん、系統の問題でもそうですね。本当に真剣になって、私ども政治家もそうですけれども、その責任をお互いに痛感しながら、国民の皆さんに納得していただけるような解決策をとっていかなければならない。だけれども、ここのところが明らかにならないとそれは国民の皆さんはなかなか納得しがたいというのは、僕は心情はよくわかるんですよね。 そこで、もう時間が余りないわけですけれども、それをさかのぼって、眞鍋さん、あなたが経済局長のときに、今角道さんからもお話があった、あるいは土田さん、寺村さんからもお話があったような状況の中で例の覚書がつくられたというわけだけれども、あなたが経済局長でこの覚書ができたころというのは私も農林水産委員で、あなたと一緒にいろいろな法案で汗をかいたこともありましたね。その後はガットの問題だった。大変だったよね。そういう中で、しかし、これだけの重要な問題というのは、実は委員である私どもには全く知らされなかったんですよね。 これは農林水産大臣とは打ち合わせばできていたんですか。当時の農林水産大臣、田名部さんでしたかね、どのようなことだったんですか。
○眞鍋参考人 この住専七社の再建問題につきましては、冒頭陳述でもお話し申し上げましたように、やはり七社の再建ということが大前提でございましたので、それに対する協力という観点から我々かかわったわけでございますので、これは政策の判断というよりか、むしろ系統金融機関の経営上の判断を優先すべき問題である、こういうことで取り組んだわけでございます。 しかしながら、そういう判断のもとに農林水産省ではよく内部で検討いたしまして、当時の次官、大臣にもよく適宜報告をし、御相談をしながら進めてまいりました。
○佐々木(秀)委員 角道参考人にお尋ねいたしますけれども、先ほどの、最初の御意見を伺っても、どちらかというと農林系統というのは、被害者とまでは言わないにしても、今度の問題についてはその母体行に最大の責任があるんだ、本来母体行で処理すべきだということで、今の覚書、その後の第二次再建策についてもいろいろと系統の中で御議論があったということです。 これについては、新聞などで拝見いたしますと、全銀協の会長の橋本会長と角道さんとがよく比較をされて、意見の食い違いというのが出ておられるようなんだけれども、政府の出しておる今度のスキーム、この処理策、これについては系統としてはこれでよしというように思っておられるんですか。あるいは、何かそれにまつわって系統としてまだなすべきことがあると考えておられるのか、その点どうなんですか。
○角道参考人 お答えを申し上げます。 今回の政府の住専の処理策に至りますまでの経緯につきましては、私どももいろいろ御意見を申し上げましたし、また不満もあったことは事実でございます。 ただ、昨年の経済状況等から見まして、やはり住専処理をやらなければ日本の経済あるいは金融が非常に内外から見まして不信を受ける、ああいう状態の中でああいう決定をされたということであれば、私たちとしても、この内容については非常に厳しいものでございますが、これは厳しく受けとめて、真摯にこれを受けとめて対処せざるを得ないというのが私どもの判断でございます。
○佐々木(秀)委員 重ねて角道参考人にもう一度お確かめしたいと思いますけれども、私ども、この予算委員会で住専問題を随分今議論をして今日に至っているんですが、その中では、あるいは国会外でも、この問題の解決は法的手段によるべきだ、例えば会社更生法あるいは破産というようなことで、全部をさらけ出してやるべきだという意見がある。 この場合には、今のスキームの中で出ている系統関係の負担よりは、恐らく試算としてもっと大幅な、二兆円というような負担が生ずるんじゃないかというようなことも言われているわけですね。もしもそういうことになった場合に、農業関係というか、これにどういうような影響があるのか、どういうことになるのか、この辺はどうなんでしょう、端的にお答えいただけますか。
○角道参考人 まず、法的整理の問題でございますが、法的整理を私どもの方から積極的にやるあれはございませんけれども、母体行の方から法的整理ということであれば、当然私たちもこれに対して応ずる、受けて、これに応訴していく。 と申します理由は、母体行がやはり、冒頭陳述でも申し上げましたけれども、やはり住専の設立者であり、役員を派遣している。また、経営内容につきまして運用の内容もよく承知しているわけでありますし、また、業務運営におきましても、先ほど申し上げましたように、本来自分の別働隊として子会社をつくった。自分の機能を補完する意味で子会社をつくった。それが住宅資金の業務をやってきたわけでありますが、それを、みずから親会社がその分野に乗り出していって住専の事業を取り上げた、あるいは侵食をしていったという意味では、明らかに親会社としての競業の避止義務、これに違反をしているというように思っております。 また同時に、立入調査等に関連いたしましては、紹介融資あるいは協調融資、こういう問題がございまして、これについても非常に大きな責任がある。 そういう意味で、私どもは、母体行の責任は単に貸国債権を放棄しているということだけでは済まない。むしろ、債権者平等の原則というのは実質的な債権者平等の原則でありまして、同一順位者、同一の債権の順位者がある場合には平等にやる。しかし、出資者であるとか経営者であるとか、そういう方が持っている債権は、そういう一般債権者に比して劣後する。 したがって、今言われておる三兆五千億というのは、あるいは私どもの感じでは劣後債権でありますから、一般債権者よりも後順位である。したがって、破産あるいは清算の場合には、これは当然に取れない、回収不能のものである。したがって、回収不能なものを前提に最大限の努力をしたということにつきましては、先ほど申し上げました業務の実態等から見て、まだまだ母体行については責任が十分ではないんではないかというように私どもは思っております。 それから、これがどのように農協あるいは日本の農業に影響を与えるかということにつきましては、現在の農業の事情等から見まして……
○上原委員長 簡潔に結論をお願いします。
○角道参考人 今後日本の農業・農村、これに非常に大きな影響、悪影響を与えるというように私どもは思っております。
○佐々木(秀)委員 それじゃ、終わります。ありがとうございました。
○上原委員長 これにて坂上君、佐々木君の質疑は終了いたしました。 次に、加藤六月君。
○加藤(六)委員 参考人の皆さん、本日はまことに御苦労さまでございます。 この予算委員会あるいは街頭においても、皆さん方にきょうこうやって貴重な時間を割いて来ていただいたのも、実は我が党は、住専七社、国民の預金のない住専七社をなぜ六千八百五十億円、国民の税金でこういうスキームをつくって救済するんだ、措置するんだ、おかしいという立場でいろいろ議論を展開いたしておるわけでございます。したがいまして、本日私がお尋ねいたしますのも、そういった観点を中心にやらせていただきたいと思います。そこはよろしく御理解おきいただきたいと思います。 きょうこの参考人の皆さんに御質問させていただく機会があるいはあるんではないかと思いまして、先般二月八日、私は当委員会におきまして、例えば大蔵省の局長通達、これとこれとこういうふうなものはだれが稟議し、だれが起案し、どこまでの決裁を回すのでございますか、こういった問題とか、ケース・バイ・ケースで一つずつ主な問題を御質問しており、また、政府から御答弁をいただいております。 その点はさておきまして、先ほど土田参考人が、いつどこで何をということで、お仕えした大臣や総理の名前をしゃべるのに骨が折れましたが、我が党に来ていただきますと、もうちゃんとこういうようなすばらしいいいのがつくってあるんです、ことしの通常国会に入る前に。 いいですか。それは、年月日から始まって、預金保険法成立、昭和四十六年、例えばそのときの公定歩合は四・七五で、総理は佐藤栄作、蔵相は福田赴夫、大蔵次官鳩山、銀行局長近藤、こういうことから全部ずっとつくって、農林大臣、農林水産次官、経済局長、日銀総裁という表がつくってあるんです。だから、そういう点はよろしくお願いします。 それからもう一つは、一枚紙のも通常国会に入る前に我が党の議員ほとんどに配ってあります。これはどういう一枚紙であるかといいますと、住専、住宅金融専門会社問題の経緯で、年月日と主な出来事、大臣発言、備考、いろいろなことが書いてある。これも一枚紙で、預金保険法の制定からやっておるのです。 そこで、まず一番に、我が党のこの両方の資料の中に、一枚紙にもちゃんと入れてあるのは、一九九一年、九二年のときに、三和の内部資料で実質的な倒産企業と言われておるというのがあるのですね。そして、このこちらの横紙でいいますと、こちらの横紙の長い分で申し上げますと、ここに、「まやかしの住専再建計画で傷を拡大、三和の内部資料、実質的に倒産企業」と明記してあるのになぜこれをやったかという、こういう資料があります。 そこで昨日、きょう皆さんにおいでいただくというのでいろいろ相談して、我が党で分担して何と何をどなたに質問するか、こういうことをしたときに、私がどうしてもこの三和レポート問題を徹底的にお二人の銀行局長にお尋ねする、こう申し上げたところが、けさ一部マスコミに、一面、二面、十一面に大きく三和レポートが出ております。 その三和レポートの原本、これです。これは、当時皆さん方がいろいろおやりになられた時分に三和銀行が、住専の母体行は、国会へ大蔵省が出していただいた分でございまして、日本住宅金融、これは母体行は三和、さくら、東洋信託、大和、三井信託、横浜、あさひ、千葉、北海道拓殖とありますが、この当時の三和レポート、土田さん、あなたのところへ出たのですか。寺村さん、あなたのところへ出たのですか。
○寺村参考人 新聞報道がございましたので、当時の状況を調べますと、土田銀行局長当時のことでございますが、もう異動直前の状況でございますが、銀行局の担当者のところに、このような案も考えられるという試案というような形の提示があったように聞いております。
○加藤(六)委員 それで、実はこれは我々がこれを資料要求し出した、国会の当予算委員会の理事会において政府資料をいろいろ要求したときに、住専各社の五十社ないし百社の実名で出してくださいといって、政府に随分、理事の皆さん、委員の皆さんが努力していただいた。そこで、このレポートは表に出ぬようになった。なかなか出されぬようになった。なぜそうなったのか。 これは、きょう参考人に来ていただいておる末野興産というのが例えばこれのトップにある。これを読むと、きょう、あるいはもうずっと何週間も続いて当予算委員会で議論したり質疑しておる問題が全部入っている。 それで、第二次住専の再建計画はこういう問題を無視して、踏みにじってつくっておるというところ、しかも、先ほど来質疑がありました、両局長のああいう覚書をしながらやったというところに一番大きな問題があるのではないか、私はこう思っておりますが、それをつくる前に、土田さん、あなたはこれについて、参考人は本当に目を通していなかったんですか。
○土田参考人 その六月の御指摘のものは、全く見たことはございません。
○加藤(六)委員 寺村参考人は、担当の課長が受け取った、こういうお話だったんですが、もう少し詳しく、何課長がいっどこで受け取ったのかはっきりしてください。
○寺村参考人 具体的な事実、いつだれということではございませんが、担当補佐のところに三和銀行の担当者が、こういう案も考えられますといって提示をされた。しかし、異動直前の状況でございましたので、そのままになったということでございます。 それで、秋になりまして、十月に三和で、しかもその案につきましては三和銀行の担当者の案でございまして、三和銀行としての提案でもなく、かつ他の母体行にそういうことで処理をしようという働きかけも全く行われてなく、かつ十月になりまして三和銀行の責任者が、あの案はとても実行できる案ではありませんというふうに当銀行局の方に申し出があった、こういう案でございます。
○加藤(六)委員 そうすると、寺村参考人、大蔵省銀行局の内部でもこの案については相当研究したわけですか。三和銀行が持ってきてぽんと置いて帰ったのではなしに、その間いろいろ経緯があって、秋になってまた三和銀行から、あの案はこうこうでございましたから到底実行できる案ではございませんと言ってきましたという御説明があると、内部で検討されたかされなかったか、どうですか。
○寺村参考人 担当者のところで、秋になりまして具体的なスキームを検討している段階で、三和銀行に、この案についてどう考えるかという質問をいたしましたところ、それは実現不可能であるという答えが返りまして、別の案が三和銀行から提示された。しかし、その案は、当時想定されております損失見込み額をとても処理できる案ではなかったので、担当者の段階で、局長まで議論が上がる前の段階で、それは無理ではないかというような議論を三和銀行と行っていたというのが実態でございます。
○加藤(六)委員 そうおっしゃるんなら、当時の三和銀行の関係者も参考人としておいでいただいて究明しなくてはならぬ問題だ。 ただ、三和銀行のぺえぺえが書いたにしては、中身を読んでいって、再建策のB案のところには、「再建に向けて経営陣の刷新を図る。」というので、新体制の予定として代表取締役会長にこれこれ、名前は言いませんよ。代表取締役社長にこれこれ、代表取締役副社長にこれこれ、それで括弧してMOF、三和、さくらと個人の名前が出る。取締役会長、社長、副社長をその銀行のこれこれから持ってこないと……。これは再建案のA案、B案のうちのB案の、いわゆる「支援期間」、「収益支援」、「資金支援」、「その他」というところに新体制であるとか、そういうものの名前までぴしっと書いてある案が、三和銀行のだれか知らぬ人がつくったものだと言われるのでは、私は心外だ。 特に、我々が今冒頭に申し上げました、よく言っておるのは、なぜ早くやらなかったかということ、税金をつぎ込むのは情けないということ等でありますが、この分析、「当社の現状と問題点」で、先ほどからいろいろ同僚議員が質問しておるときにも不動産の低下がああなるとは思わなかった、ああいう情勢になるとは思わなかった、全部書いてあるじゃありませんか、これにも、そのとき既に。 そしてこのときに、しかも上位授信先には、延滞先、芳しからざる先が集中しておるというので、十五社までの名前が全部書いてある。今回政府が持ってきた、ぎりぎり提出したものとほとんど違わないで、これが大きくなっておるだけというのが一点御説明申し上げたわけです。 それから、九一年以降延滞が急増してきておるというので、例えば九〇年三月に、事業、いろいろなところに貸しておるのが、一・三%が三四・四%に、不動産、土地に貸しておる延滞がふえてきておるとちゃんと全部数字まで挙げて書いてある。 ましてや、この日本住宅金融の延滞債権が間もなく一兆二千億円が予想されますよとまで書いてある。いいですか。そしてさらに、その中の具体的に四千五百億円が回収不能に陥っておるが、さらにふえますよと書いてあって、そして「体制上の問題点」から「今後の見通し」で、「現況」というので、「当社は既に大幅な債務超過に陥っており、実態倒産企業。」である、ちゃんと大きく書いてあって、そして「今後の見通し」で、「以上、当社単体による再建は不可能。抜本的な再建が急務。」である。 もしこういう文書が来て、大蔵省が そしてさらに再建策のA案には、先ほど最後にちょっとお話が出ましたが、「当社を私的更生会社と位置付け、存続会社と清算会社に分離して再建する。」というA案から始まり、B案は今言ったようなものでございますが、すべて、これだけでも土地が下落しますよ、不良債権がふえますよ、抜本的にやらにゃいけませんよと、るる真剣に書いてある。もし三和銀行の人がこれを持ってきて、これを大蔵当局が軽くぽんとほうり投げておったのかどうかということは、今回の住専審議に対して大変重要な問題になりますから、もう一度はっきり教えてください。
○寺村参考人 これはもともと住専の処理は関係金融機関の責任において行われることでございます。したがいまして、三和銀行がその案で関係金融機関を説得して、そしてそのような対応をされておるということであればともかく、そのような努力は全く行われずに、かつ、間もなく三和銀行自体がこの案は実現不可能であると言ってこられたものでございます。
○加藤(六)委員 もう一つ、それではお伺いしておきますが、さくら銀行は、この案、これに対して一切の動きはなかったですか、あったですか。
○寺村参考人 三和銀行が、私どもは承知しておりませんが、さくら銀行にお話をしたような形跡も私どもからはうかがわれませんという報告を受けております。
○加藤(六)委員 これは委員長以下我が党の理事にお願いしておきますが、当時の三和銀行、さくら銀行の関係者、一度ぜひ当委員会にお呼びしてそこら辺をお伺いする。事と場合によっては証人に切りかえていただいても、ぜひやらしていただくようにしないと、私たちの強く主張しておる、六千八百億を国民の税金で払う今回のスキームはだめだと、しかし、金融不信、金融システムの安定は図らなくちゃならないという原点は、既にこういうものがありながらこれをほおかぶりして第二次再建案その他をつくったということになるわけでありますから、その原点をもう一度はっきりさせるためにもお願いしておきます。答弁は要りません。
○上原委員長 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○加藤(六)委員 それで、土田参考人にお伺いしておきますが、私たちは、今回金融モラルという点を非常に心配したりなんかしていますよ。あなたが国民金融公庫におって、国民金融公庫から借りておる者、もちろんいろいろ我々はシステムをやって、無担保の人や何やかんやいろいろやってきておりますが、仮に国民金融公庫から借りておる国民、庶民、零細企業の皆さんが、経営が苦しくなったり何やかんやして利子の支払いをこらえてください、払えませんと言ってきたら、どういう手続を国民金融公庫はされるのですか。
○土田参考人 そういうお申し出があれば、まずその債務者の方と御相談をし、それで実際に支払い能力がどの程度あるか、それを見きわめた上で、例えば最悪の場合にはその返済条件を改定するとか、ないしは暫時御猶予を申し上げるとか、そのケースごとの対応をとると思います。
○加藤(六)委員 その場合に、原資にどういう影響があるかとか、その率はどうであるとかという計算はされますか、されませんか。
○土田参考人 それは国民公庫の経営の原資とか損益のことであろうかと思います。それは、国民公庫は非常に多数の法人それから個人に少額の融資を差し上げておりまして、大体経験則で延滞率が何%というようなことはございますし、それからその資金計画にも若干のクッションはございますので、その都度、もちろん本部の計数に織り込みながら、資金、損益、計画から大きく乖離しないように運用しているわけでございます。
○加藤(六)委員 土田参考人、寺村参考人の先ほど来の御答弁を承っておりますと、一つは、今回の住専問題については、貸金業とノンバンクと住専とを一緒にされたような御説明や状況背景のお話があります。 私は、この際、土田参考人に申し上げておきたい。これはもう全部に配ってある、昨年十二月二十二日の答申ですね。それで、あなたは、土田参考人はこの中で非常に重要な役割をされておる。それは、金融システム安定化委員会の委員である。それから、その次は、協同組織金融機関に関するワーキング・グループの座長もお務めになっておる。そして、今回この国会に提出する住専処理関係の四本の法案のうちの二本は、あなたが座長をやっておるところでまとめてこられておるわけですね、まとめてこられた。 ところが、その四本当るうちの二本があなたの責任にあるのでございますが、それらを大きくカバーして、今ほうはいとして起こってきておるのは大蔵省解体論。国民各界各層にほうはいとして起こっておる。それは、私はその解体論には反対ですよ。いろいろあります。解体をやるんなら、国民金融公庫、開発銀行、輸出入銀行、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、これをどうするんだという問題。あるいは、紙幣は日本銀行が刷っておる、硬貨は大蔵省がつくっておる、これをどうするんだという問題、こうあるんですが、あなたは、今回こういうことをやって、これをもとにして大変な不信感が起こっている、大蔵省解体論まで起こってきている。どうお考えになりますか。
○土田参考人 この金融システム安定化委員会の中で、私が主として担当いたしましたのは、協同組織、なかんずく信用組合の立て直しの問題でございます。それは、しかるべく法案化を政府の方で作業しておられることと思います。 大蔵省の組織機構という面については、私は、本日は政府委員でもなく、また個人的にさほど学識を申し述べる立場でもございませんので、一つ金融ということにつきまして、これは信用組合なり住専なり、こういう問題を見てきました者として一言だけ感想を申し上げます。 やはり、住専及びノンバンク、この方面で問題は出ております。信用組合でも問題は出ております。それから、これはいろいろおしかりを受けるところではございますが、農協系統金融機関とそれから大蔵の金融当局との関係というものは疎遠でございます。それから、共済連のようなものは全く関係を持っておりません。 そのようなことでございますので、そのようなものを総合的に監視、管理する組織があってもいいのではないか、そういうものがあれば、あるいはこのような事件はもっと未発のうちに解決できたのではないかと思っておることもございます。 これはまことにつけ足しで、私見として申し上げました。
○加藤(六)委員 そうではないんで、私も言葉足らずでございまして申しわけありませんが、大蔵省銀行局が主導権を持って、住専七社の第一次再建策、住専七社の第二次再建策、いろいろなことをやり、一体大蔵省銀行局長はこういう権限があるのかということからいろいろな問題になり、こんな権限をこういうところに持たしておってはおかしいんじゃないかという問題等も含めて、住専絡みの問題が広がれば広がるほど、大蔵省解体論、それはあなた方のやった措置にいろいろミスやチョンボがあったから、あるいは情勢判断の甘さがあったからこういう声が起こっておるんですよということから申し上げたかったわけであります。 あなたがおやりになったのをまだ政府は出してきていない。これから出てくるのに、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律案、これが出てくるんです。それともう一つ、金融機関の更生手続の特例等に関する法律案等も若干この金融の中であるんでありますが、これは後から橋本参考人にもいろいろお聞かせ願いたいと思うんでございますが、きょうは余り十分な時間でもないし、また多くの皆さんに御質問申し上げなくちゃならないので、詰めるのをちょっと後に残しまして、次に橋本参考人にお伺いしたいと思います。 参考人、これはあなたの感想というか感じで結構なんでございますが、銀行協会が大蔵当局、銀行当局と過去に全面衝突した経過があるかないか。あるいは、そうじゃない、大蔵省銀行当局と銀行協会というのは唇歯輔車の関係だから一遍も衝突したことはございません、御当局のおっしゃるとおりやっていけばええと思っております、それが我が国の金融関係の護送船団の護送船団たるゆえんでございます、大きな衝突はありません、と思いますかどうかという、これは感想なんですが、そこら辺をひとつお伺いしておきたいと思います。
○橋本参考人 お答えいたします。 私の短い銀行協会会長としての経験の中で申し上げますと、私ども、大蔵省との関係におきましては、銀行行政上の措置についてその御要請に基づいて傘下の銀行へいろいろな伝達を行う、その一方で、銀行業界から政府、行政当局への要望、提言などを行っております。 今回の住専の処理案につきましても、銀行界の立場からいろいろ意見を申し上げてまいりました。全面対立をしたわけではございませんが、いろいろと意見を闘わしてまいりました。
○加藤(六)委員 今いろいろ場内からも声がありますが、実は昭和五十六年、銀行法改正のときにすさまじいのがあった。すさまじい問題がありました。そのとき私は、当時の与党自民党の政調会長代理で、二晩徹夜をしてその案をまとめるのに大変苦労しました。今の政府のこちらの閣僚席へ座っておる人も、それからこの中へおる人も、当時一生懸命ある銀行の肩を持ってどっどこどっどこやったのでありますが、当時の銀行局に物の見事に銀行協会からなんからは抑え込まれてしまって、ぐうもすうも出ないようにではちょっと失礼ですが、ぐうぐらいは出るぐらいでまとまったと思うんです。 私は、これがある面でいいますと、今回の住専問題で、母体行責任と、それから国民の怒りが、なぜ六千八百億のこれを税金で賄わなくちゃならぬというのは、母体行たる銀行、これは銀行だけじゃございません、たくさん信託も証券もいろいろあるわけでありますが、特にその母体行の中核をなしておる銀行協会が一番へっぴり腰というところに大きな問題があるのではないか、こういうことがあります。 また逆に、だからこそ母体行は、大蔵省と日銀のもろもろの保護のもとに銀行協会はあるから、母体行にまだまだ負担させてもいいのじゃないかという議論も横行してくる。いろいろな理由があるのですが、まあそれは私の今度は感想ですから、そこはちょっと後回しにして、また後から詰めます。 まず、母体行が、政府が決定しましたのは三兆五千億円債権放棄になるわけでございますが、そのうち全銀協は幾らでございますか。そして、富士銀行は幾らになっておりますか。橋本参考人にお伺いします。
○橋本参考人 お答えいたします。 全銀協の債権放棄はこの三兆五千億のうち三兆四千億でございます。全銀協加盟行というのは、御存じのように、都市銀行十一行、長期信用銀行三行、信託銀行八行、地方銀行六十四行、第二地方銀行六十五行の計百五十一行でございますが、これが今回母体行として放棄する三兆五千億のうちのほとんど、三兆四千億円を負担することになっておりまして、そのうち富士銀行の負担額は四百一億円でございます。 以上でございます。
○加藤(六)委員 その次に、一兆七千億の一般行の債権放棄がありますが、全銀協は幾らで、富士銀行は幾らでしょうか。
○橋本参考人 一般行につきましては、一兆七千億のうち全銀協加盟行の負担分が一兆二千億でございます。うち、当行の負担分は八十億円でございます。 以上でございます。
○加藤(六)委員 そこで今度は、今私たちは住専七社の問題を議論しておるわけでございますが、その全銀協の住専七社各社別の放棄しておる数字は幾ら幾らになるか、お教えいただきたいと思います。
○橋本参考人 お答えいたします。 私どもは会長行として全加盟行の貸出残高を集計しているわけではございませんので、御質問の数字につきましては完全に把握しておりません。大変、まことに申しわけありませんが、その点、御理解をいただきたいと思います。 そこで、ちなみに私どもが母体行をしております住宅ローンサービスについて申し上げたいと存じますが、母体行債権放棄額は二千八百億でございます。そのうち全銀協加盟行分が総額の二千八百億、そしてそのうち当行の分が四百一億円ということでございます。 以上でございます。
○加藤(六)委員 そうすると、例えば橋本参考人は全銀協の会長であり、富士銀行の頭取でいらっしゃるのですが、あなたのところだけを例にとると、先ほどは母体行の債権放棄、全銀協三兆四千億である。そのうち富士銀行は四百一億である。そうすると、富士銀行は住宅ローンサービスの四百一億だけで債権放棄は済んでおる、全体の今回のスキームの中で、こう考えればいいわけですか。
○橋本参考人 先ほど申し上げましたように、母体行として四百一億円、そして一般行として八十億円でございます。合計四百八十一億円ということでございます。
○加藤(六)委員 たびたび済みません。そうすると、その母体行以外の八十億というのは、どこどこの住専の分になるわけでございますか。
○橋本参考人 その八十億というのは、今手元に資料がございませんので、後ほど資料を調べましてお答えをさせていただきます。
○加藤(六)委員 それでは、ちょっと趣を変えて、どう申し上げますか、橋本参考人に、富士銀行の関係ということで少しお尋ねいたしたいと思うわけでございます。 それは、私たちも去年のこの通常国会で、両信組問題に絡む問題でいろいろ議論し、日銀の局長から長期信用銀行の頭取に証人においでいただくという経過まであったのでございますが、平成四年九月十八日の国税庁長官の法人税基本通達、これがもう不良債権処置の全部の金融機関がしがみついてやっておる通達のもとになるわけでありますが、それは認定による債権償却特別勘定の認定、世に言う九−六−四通達、これで金融機関が特別償却、特償をどんどんどんどん始めてくるようになっておるのでございますが、平成四年、五年、六年の富士銀行の特別償却の金額をお教えいただきたいと思います。
○橋本参考人 お答え申し上げます。 平成四年度は、不良債権処理額が一千三百二十三億円で、うち債権償却特別勘定に繰り入れたものが千二十六億円。五年度につきましては、不良債権処理額合計が二千五百七十五億円、そのうち債権償却特別勘定に繰り入れたものが九百十五億円。六年度につきましては、不良債権処理額が総額五千二百五十四億円、そして、うち債権償却特別勘定に繰り入れたものが二千五百九十六億円。そして七年、これは中間期でございます。不良債権処理額が二千二百三十八億円、うち債権償却特別勘定に繰り入れたものが七百二十九億円でございます。 なお、七年度、年間の見込みでございます。これはまだ終わっておりませんが、見込みといたしましては、不良債権処理額、これは相当な思い切った償却をいたしますので、処理額全体は八千五百億円から九千億円ということになろうかと思います。うち、債権償却特別勘定への繰り入れを見込んでおりますのが千四百億円程度でございます。 以上でございます。
○加藤(六)委員 まあ、ここら辺がある面では大変重要なポイントになってくるわけでございまして、昨年もこの問題についてたびたび強く主張して、ここら辺がまた国民から見ると税逃れだ、法人税四九・九九%払ってもらうのが、こちらの方に逃げ込んで特償の中でこうやっておるという疑念がある。いや、そうじゃない、金融システムがしっかり安定しないといけないから、我が国の経済回復のためにはここら辺をすっきりやらなくちゃならぬのだという幅広い議論があったのでありますが、きょうはその議論はこっちへ置きます。 もう一つお伺いしますが、富士銀行は、住宅ローンサービスに対して紹介融資をした実績がありますか、ございませんか。
○橋本参考人 紹介融資はいたしました。
○加藤(六)委員 その紹介融資は不良債権になっておるんですか、どうなっておりますか。
○橋本参考人 残念ながら、相当部分が不良債権になっております。
○加藤(六)委員 母体行の責任はいろいろ言われておるんですが、この紹介融資問題も、これはある面でいうと母体行の大変な責任。そして、それが回り回って国民の税金として取られるという、そこに実は国民の怒りがあるんでございますが、念のために、これは参考人に聞くのは失礼なんでございますが、紹介融資の金額、おっしゃっていただけましょうか。
○橋本参考人 それでは、お答え申し上げます。 私どもから住宅ローンサービスへ紹介いたしましたものは百三十三件、総額三百二十一億円、これは住宅ローンサービスの事業者向け貸し付けの二・六%に相当いたします。
○加藤(六)委員 井上参考人にお聞かせいただきたいのでありますが、あなたの会社は、今私が参考人としてお聞きしました橋本参考人ほか、母体行は第一勧銀、富士、三菱、あさひ、住友、さくら、東海ですが、この母体行から紹介融資の金額は総額幾らぐらいありましたか。
○井上参考人 お答えいたします。 三千二百八十九億円でございます。これは全体の二六・一%になります。
○加藤(六)委員 それで、それはその何十何%が不良債権化いたしておりますか。
○井上参考人 お答えいたします。 損失率は四六・八%でございます。つまり、三千二百八十九億円の四六・八%がロス見込みであるということでございます。
○加藤(六)委員 そこで、井上参考人にもう一つ承りますが、政府が国会へ提出した書類を見ますと、あなたのところは、平成三年度は六千五百八十四億の利益を出しておりますね。ところが、平成四年度は一挙に転落して百四十四億の損失計上になっている。びっくりしたんですね。こんな厚い政府が出してきた資料を、各社別、何別に私のところは全部まとめておるのでなんなんですが、この理由ですね。三年度が六千五百八十四億の利益で、四年度が百四十四億の赤字になっておる最大の理由は何ですか。
○井上参考人 お答えいたします。 九一年度の決算は、億円単位で一億円の利益でございますね。一億円の利益でございます。これが九二年度に百四十五億円の赤字になったということでございますが、この中身について若干御説明申し上げます。 赤字の大宗は、貸倒引当金の繰入額を大幅に増加したことにございます。この金額が百四十二億円でございます。 経常利益ベースで御説明いたしますと、経常利益は百五十八億円のマイナスでございますが、これを利益、費用の二つに分けてみますと、まず貸付金利息が相当減っております。それから支払い利息も減っておりますが、貸付金利息と支払い利息の差であるいわゆる利息収支、これの減少、並びに先ほど申し上げましたように百四十二億円の貸倒引当金の計上、この結果、経常ベースで百五十八億円のマイナス、当期損失ベースで百四十五億円のマイナスということになったわけでございます。
○加藤(六)委員 失礼しました。一けた単位を間違えておりました。これ、貸借対照表、損益計算書、一けた単位を、平成三年度の方が間違っておりまして、失礼しました。 それにしても大逆転になっておる理由は、世上、住専の借り手の皆さん方が地価が下がったからとか、あるいはいろいろな理由をおっしゃるのでありますが、住専からの借り手の皆さんはそういうことをよく言われるのですが、住専として見た場合に、今のように六百五十八億が百四十四億、出していただいておる資料でございますからね、になる理由が今のだけの御説明では不十分だと思うのですが、これは母体行から何かあったのですか、この当時。
○井上参考人 お答えいたします。 九一年度六千五百八十万円でございますね。(加藤(六)委員「ああ、そうですが」と呼ぶ)六千五百八十万円でございます。 先ほども触れましたように、貸倒引当金の計上が利益全体をすべて引きずっているということでございます。特に母体行との関係はございません。
○加藤(六)委員 それではお伺いしますが、あなたの会社の、政府が出してこられておるいろいろなものを見た場合に、平成七年三月末で、農林系統ですね、系統が八千六百十七億円で五一%である、都市銀行が三千八百九十八億円で二三・一%である、そして信託銀行計が千五百十七億円である。同じようにいただいた資料にあるわけでございますが、まずこの八千六百十七億円の系統計の分で、農中であるとか信連であるとか共済連であるとか、あるいは何々県信連である、何々県共済連であるというような内訳、中身が発表できますか。
○井上参考人 お答えいたします。 まず系統金融機関からの借り入れ、八千六百十七億円、これの内訳は、農林中金が千二百三十五億円、共済連が千八百八十六億円、都道府県信連ですね、信連が五千四百九十五億円でございます。この合計が八千六百十七億円でございます。 ただし、県単位の信連あるいは共済連の数字は、私手元にございますが、四十七都道府県全部ございますので、この席ではひとつこの辺は御勘弁いただきたいと思います。
○加藤(六)委員 この場合、井上参考人、信連の場合、五千四百九十五億というふうに申しましたが、四十七都道府県全部の信連である、こうおっしゃいましたが、その各県の信連から金をお借りする場合には、どういうシステムでどこを通じてだれがお願いしてその金額をまとめてきておったのですか。
○井上参考人 お答え申し上げます。 当社の財務部資金課、現在資金部と言っておりますけれども、ここが資金調達の窓口でございます。ここが窓口となって、先方の融資課あるいは財務課等と折衝しております。したがいまして、当社とそれぞれの県信連、共済連あるいは農林中金との相対の交渉でございました。
○加藤(六)委員 井上参考人、実は今これが、農民と組織、これは大変な問題になりつつあるわけです。これはまあきようは余り詳しく申し上げません。どういう手続でどうやってどうなったんだということになると、きょう冒頭申し上げました、まあ員外貸し付けのいろいろな、緩めたりなにをしたりした経緯と経過は全部出していかなくちゃならぬのです。まじめな農家、農民の皆さん方にとってみて大変不安になってきておるのは、実はこれだけじゃありませんよ。ほかにもいっぱい、五兆五千億円あるんですから、トータル、内訳をやっていけばなるんですが、これは母体行の皆さんや住専の皆さんやあるいは関係、大蔵、農林当局の皆さん方も真剣に考えなくてはならない問題になってきておるのであります。 それはさておきまして、そこでもう一つ、都市銀行三千八百九十八億円の内訳、母体行別の内訳をお願いします。
○井上参考人 お答えいたします。 母体行は、収益支援融資各行百億円、各百億円でございますね、これを含み、七行五百一億円ずつ出しておりまして、合計で三千五百八億円でございます。
○加藤(六)委員 それでは、参考人たくさん来ていただいておるんですが、また少し趣を変えまして、もう一度橋本参考人にお聞かせいただきたいと思うんでございます。 これは、昨年、まあ予算編成からばたばたっとあって、さらに政府が、仮に二次損失が出た場合、二次損失が、まあ世上いろいろ言われておりますよ、一兆二千億あるとか一兆あるとか。いろいろありますが、二次損失ができた場合にやはり国民の税金から半分、約六千億円、それからそれ以外に六千億措置しようというように御決定になったんですが、全銀協の会長はいっどこでこれお話を承りましたか、相談にあずかりましたか。
○橋本参考人 正確な日時と場所は忘れましたが、たしか十二月の中旬ごろだったと思います。
○加藤(六)委員 橋本さんは、それなら、ああ結構でございますと言ってすぐそれを承諾されたんですか、されないんですか。
○橋本参考人 もちろん、いろいろと検討をいたしまして、いわゆる今言われております金融安定化基金への拠出だとか住専処理機構への低利融資だとか、そういったものについて、納得的で、合理的でかつ株主の御了承がいただけるような適法の範囲内であれば、これは協力していかなければいかぬということで、いろいろと御意見を申し上げた結果、最終的にこれでいいのではないかということで了承いたしました。
○加藤(六)委員 あなたは全銀協会長として出ていろいろおやりになっておるんですが、そうしますと、二次損失の分の、数字はまだはっきり書いてないが、六千億円ぐらいになるというと、また国民一人頭五千円ぐらい付加になるのですが、そういう問題も政府は責任を持っておやりになるのですかという念を押したり押さなかったりはしておるわけですね、少なくとも全銀協の会長として。それが一つ。 それから、ちょっと待ってください。もう一つは、あなたがそういう返事をする場合には、全銀協はどういう手続で、今おっしゃいましたが、膨大な銀行を抱えておるわけでしょう、全銀協の会長としてどういう手続を銀行協会内部でされておりますか。それをはっきりしてください。
○橋本参考人 これは、実は住専というのはそれぞれに事情が異なりますし、その関係者が、全銀協加盟百五十一行を超えて、農林系統金融機関もありますれば、証券会社、生保、損保、そういったところにもございます。したがいまして、この処理について全銀協が全体を取りまとめてお答えをするという立場にないわけでございまして、したがいまして、これを全銀協として了承したということではございませんで、私どもとしては、あくまでも私どもが母体行として関与しております住宅ローンサービスの母体行として御了承をしたということでございます。
○加藤(六)委員 そうではないんじゃないですか、裏をいくと。橋本参考人、あなたが納得すればほかの銀行は我が大蔵省がぎゅうぎゅう言わすから、心配せずに返事をせい、こういって言われたんじゃないんですか。もうちょっと本当のことを言ってみてください。
○橋本参考人 そういうことはございませんで、私どもはあくまでも富士銀行としての考え方をいろいろと申し上げ、そして……(加藤(六)委員「富士銀行の立場ですか」と呼ぶ)富士銀行としてあるいは全銀協会長行として考え方を申し上げたということで、了承をするのは、我々、全体を代表して了承する立場にないわけでございますから、それぞれが、大蔵省とそれぞれの住専の母体行の代表とがお話し合いをして、それぞれ了承されたというように伺っております。
○加藤(六)委員 国民の預金者のいない住専問題だからというお話がありますが、それでは橋本参考人にお伺いします。 先ほど土田参考人にも御質問したのですが、あなたは金融制度調査会の委員におなりになっておられます。そしてまた、金融システム安定化委員会の特別委員として御活躍されております。その中間報告もあるわけでございますが、私が先ほどから六千八百億の税金をなぜ住専にと言いましたが、今度大蔵省が提出してくる法律に、予算じゃありませんよ、法律、四本ある。四本ある中で、これは昨年通常国会で徹底的にやって、先ほども申し上げましたが、日本銀行の局長さんまで証人喚問したものの中にある一つに、預金保険法の一部を改正する法律案というのが三月八日までに国会に出てきます。 これは、金融機関の保険料を七倍に引き上げますよ、いいですか、七倍に引き上げますという案ですね。しかも、それはあなたは了承されておるわけでしょう。あるいは推進されたのですか。
○橋本参考人 お答え申し上げます。 預金保険料が七倍に引き上げられるということは当然知っております。七倍に引き上げられる……(加藤(六)委員「答申したんでしょう」と呼ぶ)そうでございます。(加藤(六)委員「知っておるんじゃない、答申したんでしょう。知っておるのと答申というのは違いますよ」と呼ぶ)はい、答申いたしました。 それで、この七倍というのはどういうことかといいますと、先生御存じのとおりなんでございますが、十二月二十二日の金融制度調査会の答申におきましては、一般の保険料を四倍程度に引き上げるとともに、今後、ペイオフコストを上回る負担に対応するものとして特別保険料を三倍程度拠出して、合わせて現行比七倍程度の保険料を支払うことが盛り込まれているわけでございます。 したがいまして、このような保険料引き上げというのは民間金融機関にとりましては大変大きな負担感を伴うものでございますけれども、やはりこれは金融システムの安定化のためにはやむを得ないものだというふうに考えまして、対応していくつもりでございます。 それからなお、先ほど先生からの御質問にお答えしていないことが一つございまして、それは、富士銀行は一般行分として八十億の債権の放棄をやるが、それはどこに対してのものなのかということでございました。これは、私ども一般行として他の住宅金融専門会社に貸し出ししておりますものが全部で百六十六億円ございまして、これは日本住宅金融に一億円、それから第一住金に五十億円、日本ハウジングローンに百十二億円、住総に三億円でございます。そして、このトータル百六十六億円のうち、八十億円を債権放棄するというものでございます。つけ加えておきます。
○加藤(六)委員 御丁寧にどうもありがとうございました。 橋本参考人、この法律で、これは大蔵省が持ってきた資料ですよ、預金保険料を七倍にした場合、するのですよ、法律が出てくるのですから。これはどういうようになるかというと、年間保険料収入が四千六百六十八億円になる。これを向こう五年間やる。二兆五千億円保険料として金融機関から預金量に従って取るのですよ、取られるのですよ。そうすると、国民の税金を六千八百億こちらでやって、片一方では約五千億円をこの保険料として取る。この保険料は金融機関のものですか。あなた方金融機関に預けておる国民に由来し、国民のものを取るようになると思うのですが、お答えをしてください。
○橋本参考人 お答え申し上げます。 預金保険料は、これは昭和四十二年から四十五年にかけて行われました金融制度調査会の審議の中で、保険料というものは受益者たる預金者の負担とすべきではないかという問題が提起されたことがございましたが、しかしそれにつきましては、預金保険制度は国民経済的な見地からの必要性に基づいて行われるものであるため、その受益者は必ずしも個々の預金者ではない、したがって、保険料の負担は金融機関の一つの社会的義務と考えるべきであるという整理がなされたと理解しております。 そして、預金保険料の負担増加につきましては、私どもは預金者に転嫁することなく、みずからの経営のリストラ等の経営努力で極力吸収してまいりたい、このように考えております。
○加藤(六)委員 橋本参考人、預金自由化時代で激しい競争のときに、預金者に負担をかけるかけないというようなここでの、きょうはそれで承っておきますが、これはある面でいうと国民から収奪する金額になるのです。これは間違いない。だからこそ預金量に従って取るのでしょうが。預金量に従って取らぬのだったら別の方法を考えてくださいよ。 私たちは昭和四十六年に、この預金保険法のときの衆参両院の大蔵委員会での質疑応答集、当時の近藤銀行局長、こんな厚くなるのです。途中の修正案も全部吟味しておるのです。そして、昨年二信組が起きてから、この保険機構から使う使わないということから何やかんやいっぱいやっておるのですから、私は、もうこれは明らかに国民から新しい収奪を始めるものである。住専の七社の六千八百億出すのじゃなしに、さらなる向こう五年間、二兆五千億、これで収奪する案である。 それは金融制度調査会と、これはある面でいうとまあ情けない話で、武村大蔵大臣が決め、閣議で決めた後、後送りで皆さん方が答申を出して追認するという格好からいろいろ始まっておりますが、もうきょうそのことを申し上げません。 きょうは借り手の方に私は質問しておりませんが、同僚の北側議員からこれから借り手の方について御質問させていただきます。 あるいは質問の経過の中で失礼な言葉や変な言葉がありましたらこれはおわび申し上げておきますが、皆さんの御熱心な答弁に感謝して、同僚に譲らせてもらいます。 ありがとうございました。
○上原委員長 この際、北側一雄君から関連質疑の申し出があります。加藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。北側一雄君。
○北側委員 北側一雄でございます。時間が限られておりますので、主に末野参考人からお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 末野さん、今この予算委員会では、今回の住専処理に六千八百五十億という血税、国民の皆様の血税を投入するのがいいのか悪いのか、こういう議論をずっとしておるわけでございます。その中で、やはり借り方の皆さんからも事実関係についてはでき得る限り情報を出していただいて、今後の質疑の参考にしていこうということでございます。ですから、いろいろおありでしょうけれども、私の質問にぜひ積極的に御答弁をお願いしたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 早速でございますが、去年の九月の二十八日、ここに登記簿謄本がございます。末野さんのところの物件でございますが、大阪市西区立売堀一丁目七十八番の宅地でございます。これを昨年の九月二十八日に株式会社ジェイ・エス・エー、御存じですね。この立売堀の物件について昨年の九月二十八日にジェイ・エス・エーという会社に所有権の移転がなされました。登記簿上そうなっております。 私の調べた限りでは、約十億円で売却というふうに聞いておるのですけれども、これは事実でしょうか。また、これはどういう経緯で売却をされたものでしょうか。端的にお答えください。
○末野参考人 その件は事実でございます。そして、それは売買でございます。
○北側委員 どういういきさつで。
○末野参考人 ハウジングローンの子会社に売却をいたしました。
○北側委員 末野さん、どういういきさつで日本ハウジングローンの子会社ですかのジェイ・エス・エーに売ることになったのか、だれから話があったのか、どういう理由で売ることになったのか、その点を聞いているのです。かいつまんで。
○末野参考人 私の方で、もう借金が返せませんのでお願いに参りました。
○北側委員 そうしたら、この売却代金の十億円ですか、約十億円、これは売却された後どうされましたか。
○末野参考人 全部返済申し上げました。
○北側委員 私が聞いていますのは、売却代金をいただいたでしょう、売却代金。ジェイ・エス・エーに売ったわけですから、ジェイ・エス・エーからお金が入りますね。そのお金をどうしたんですかと聞いているのです。
○末野参考人 だから、そこについています抵当権に全部返済申し上げました。
○北側委員 それは債権者はだれですか。
○末野参考人 その物件を買うためにお金を借りた銀行に全部売却代金は返済いたしました。
○北側委員 その銀行というのは興銀ですね。日本興業銀行ですね。
○末野参考人 ちょっと記憶がございませんので、謄本を見て。
○北側委員 もしよろしかったら謄本を見ていただきますが、この謄本の平成七年九月の二十八日にジェイ・エス・エー、これはおっしゃったように日本ハウジングローンの孫会社でございます。このジェイ・エス・エーに売却いたしました。そして、同日付である抵当権が抹消されます、ある抵当権が。その抵当権というのは、日本興業銀行が抵当権者の債権額十億円の抵当権設定登記が同日付で抹消されています。ですから、ジェイ・エス・エーから入った売却代金については、そのまま日本興業銀行に行ったんですね。間違いないでしょう。
○末野参考人 それは、日本ハウジングローンの保証で日本興業銀行からお金を借りましたものですから、ハウジングローンにお返ししました。
○北側委員 日本興業銀行でしょう。
○上原委員長 北側君に申し上げますが、挙手して質問してください。
○北側委員 末野さん、取扱店は日本ハウジングローンですが、債権者は日本興業銀行。この日本興業銀行にこの十億円を払われたということは間違いないですね。
○末野参考人 間違いありません。
○北側委員 今、間違いないというお話がございました。ジェイ・エス・エーというのは日本ハウジングローンの孫会社でございます。一方、日本興業銀行というのは日本ハウジングローンの母体行でございます。 要するに、どういうことかといいますと、日本ハウジングローンからジェイ・エス・エーにお金が行った、そのジェイ・エス・エーが末野興産の方にこの土地の売却代金として十億円払った、その十億円がさらに日本興業銀行に行った。要するに、自分の子の住専の日本ハウジングローンからお金を引っ張ってきて、自分の、母体行の日本興業銀行の焦げついている債権を減らした、こういう話なんですよね。これはもうとんでもない話でございまして、私は、やはりこういう母体行の責任というのは本当に重いというふうに言わざるを得ないと思うんですよね。 興銀の頭取の方はきょう午後に来られますから、この件についてはまた別の委員からお聞きをしたいと思います。要するに、興銀は日本ハウジングローンに不良債権を押しつけた。母体行だけが債務の弁済金額を受けて、しかも全額受けて、その分日本ハウジングローンが不良債権がふえている、こんなばかな話は私はない。その不良債権の処理に税金を使う、とんでもない、そう思いますね。 次に、別の話をお聞きしたいと思うんですけれども、末野興産グループ金融機関買い取り売却予定物件という、こういう資料がございます。ちょっと参考人、来ていただいてこれをごらんになっていただきたいと思います。委員長、資料を示してよろしいですか。
○上原委員長 はい。
○北側委員 その資料をちょっとよくごらんになっていただきたいんですけれども、それは「末野興産グループ金融機関買取状況」と表題がついていまして、平成六年十一月三十日作成と右上の方になっております。十三の物件が書いてございます。ちょうど真ん中あたりに対象物件というのが書いてありますでしょう、末野さんがよく御存じな建物ばかり。 十三の物件、真ん中に対象物件とございまして、十三名前が挙がっていますね。一番上に中洲天祥ビル一号。ございますね。全部で十三の物件について記載がしてあります。これは末野興産で作成した資料でございますか、まずその点。
○末野参考人 これは違います。
○北側委員 末野興産で作成したものでないとするならば、ないとして、この中に書かれている内容、これは事実ですか。
○末野参考人 これはちょっとわかりかねます。
○北側委員 それでは、この中の幾つかをお聞きしましょう、具体的に。 ごらんになってくださいね。五番目に日本住宅金融というのがございますね。よろしいですか。七番目にも日本住宅金融という、買い取り先名のところの欄に日本住宅金融の名前が書いていますね。よろしいですか。この二つの物件、西新橋の天祥ビル、これは東京です。港区西新橋の西新橋天祥ビル、それから七つ目の日本住宅金融は新町モータープール・ナンバー三、この二つの物件について、この記載によりますと、平成五年九月の十日とそれから平成六年三月の二十五日に、それぞれ三十六億二千五百万、それから下の方が二十九億六千六百万、これで売却をしたというふうに、日本住宅金融に売却をしたというふうになっております。これ、間違いございませんか。
○末野参考人 事実でございます。
○北側委員 これも登記簿謄本をとりました。とりましたら、それぞれ日本住宅金融株式会社に末野興産株式会社から双方とも所有権が、この買い取り状況の資料のとおり、その事実どおり移転をされております。日住金に移転をされております。 その日住金に移転をされた日付と同じ日付で、それぞれ日本住宅金融株式会社の持っている抵当権設定登記が抹消されているのですね。抹消されているのです。それぞれ弁済の日、買い取りの日ですね、日本住宅金融が買い取りの日に、日本住宅金融が設定していた抵当権設定登記がともに同じ日に抹消をされております。 これはどういうことかといったら、要するに、日本住宅金融が末野興産さんに貸した、融資した、そして、その返済がなかなかできないものだからかもしれませんけれども、この物件について日本住宅金融に売却した、その売却代金を債務の弁済に充てたということですね。これで間違いございませんか。
○末野参考人 間違いありません。
○北側委員 お示ししましたこの資料によりますと国土法価格というようなものが入っておりまして、この買い取り価格が、日本住宅金融が買い取った価格とその当時の国土法価格が、この平成五年九月十日の売却については、国土法価格が三十七億七千八百万、買い取り価格が三十六億二千五百万、ほぼ一緒なんですね。平成六年三月二十五日の日住金への売却については、国土法価格も買い取り価格も同じ二十九億六千六百万なんですね。 平成五年、六年といえば、もうバブルが崩壊しまして、国土法価格なんかでは絶対売れません。その半分ぐらいで売れたらいい方です。そのことはもう末野さん一番よく御存じだと思うのですけれども、どうしてこんな高値で売却ができたか不思議としか言いようがないわけでございまして、これはやはりこの日住金が不良債権を減らすために高値であえて買い取って、その代金を弁済を受ける、それによって債権がその分減るわけですよね。高値で売れば売るほど不良債権が減るわけで、不良債権飛ばしと私は言わざるを得ないと思うのですね。 ここの十三挙がっている物件について、ほかのところはもうやりませんけれども、大体国土法価格とほぼ同じような金額、もしくはそれに近い金額で売却をそれぞれ担保権設定者の方に、金融機関の方にしているわけでございまして、これはもうすべて不良債権飛ばしというふうに言わざるを得ないと思うのですね。末野さん、今の私の話、これで間違いございませんか。
○末野参考人 借りたお金が返せませんし、借金のかわりに、こちらの方からお願いに参りまして、その当時は国土法価格よりも一割か二割ぐらい高く物件が転売をできたと思うわけです。だから、決して当社の方は、まあ安く引き取ってもろたということで、二年後の買い戻し特約か何かをつけたような覚えがあるわけでございます。
○北側委員 いやいや、もう平成五年、六年というのはバブルが崩壊していて、国土法価格ではとてもとても売れやしないのですよ。 それはちょっとおいでおいで、これはほかにも住専の関係で、大川地所とか、先ほど申し上げたジェイ・エス・エーが同じようなことをやっているのです。大川地所もジェイ・エス・エーも日本ハウジングローンの子会社、孫会社でございまして、住専がそういう不良債権隠しを盛んにしておったという証左と言わざるを得ないと思います。今、末野さん、うなずいていらっしゃいますけれどもね。 ちょっと時間がないので次の質問に移りますが、末野興産は十月決算時期でしょう、十月末が。昨年の十月末の決算の際の末野興産からの貸付金、これは昨年の十月三十一日段階でどの程度ありました。
○末野参考人 去年の十月三十一日の決算事項で、ただいま国税局が入りまして修正申告を、間違いがありましたので修正申告をやっております。
○北側委員 もう一度質問します。 末野興産からのほかの人への貸付金、これは、大体で結構です、約で結構ですから、どの程度昨年の十月三十一日の決算のときにはありましたか。こんなのは貸借対照表を見れば書いてあるのですよ。公表されているのです。
○末野参考人 約一千三百億ぐらいありました。
○北側委員 一千三百億の貸付金が昨年の十月三十一日段階であったというお話ですね。一千三百億といえば、これは大変な貸付金でございますけれども、これは正常債権といいますか、確実に返ってくる、回収でき得る債権なんでしょうか。
○末野参考人 グループ企業の貸付金だの、グループ企業の金利を本社で立てかえをしてましたり、それから認定利息の加算とかいろいろありますので、まあ幾ら返ってくるか、ちょっとわかりかねます。
○北側委員 この貸付金の中に、今もおっしゃっていましたグループ会社、末野興産のグループ会社への貸付金が相当ございますね。どの程度金額ございますか。
○末野参考人 約八百億ぐらいあります。
○北側委員 この一千三百億、特にグループ会社への八百億、これはしっかり回収をしていただいて、住専への債務弁済に充てていただきたいというふうに思うわけでございます。 今おっしゃっているグループ会社というのは、私が思うには、末野社長もしくは末野さんの御家族もしくは末野興産株式会社の役員、社員、そうした人がほかの会社の役員になっているというところだと思うんですが、大体どれぐらいあるんですか、グループ会社というのは。
○末野参考人 七社ほどございます。
○北側委員 今、七社とおっしゃったのですか。 もう一度言いますよ。末野興産の社長さん、あなた、もしくは奥様、子供さん、御家族ですね、あなたの、そういう人が役員ですよ、代表じゃなくてもいいんですよ、役員になっている、もしくはあなたの、末野興産の会社の役員、社員の方が別の会社の役員になっている、こういう会社は幾つあるんですか。
○末野参考人 十二社ほどあります。
○北側委員 十二社でも私は少ないと思いますね。もっとあると思いますね。 末野参考人、私が調べた限りでは、三十を超えるようなグループ会社があるというふうに私は調べております。ぜひもう一遍調べていただきたい。一番あなたが御存じだと思うんです、あなたの家族とか従業員、役員がやっているわけなんですから。間違いないですか、もう一遍聞きます。
○末野参考人 それだけの数はありません。
○北側委員 それでは、その件については、私、別の機会に、きっとあるでしょうから、そのときにまた詳しくお聞きしますけれども、そのあなたのグループ会社に、最近、末野興産所有の不動産が相当転売されているんじゃないですか。平成七年また平成八年、平成八年といってもまだ一カ月余りしかたっていないんですが、この平成七年、八年で相当売却されておるでしょう。どうですか。
○末野参考人 私のグループ会社には売却は一切しておりません。
○北側委員 大正地所という会社はグループ会社ではないんですか。
○末野参考人 はい、大正地所は同列企業で、当社のグループ関連では関係ありません。
○北側委員 関係ない、グループ会社ではないとおっしゃっているんですか。 大正地所というところだけではなくて、あなたがそうおっしゃるんであれば、もう時間もないから私の方で言いますけれども、南地所とかそれから福岡ビルとか三國地所とかセンチュリーコーポとか、こういうのはあなたのグループ会社でしょうが。あなたの息のかかっている会社でしょう。違いますか。こういうところに転々と今転売しているでしょう。
○末野参考人 当社とは一切関係がございません。
○北側委員 もし、今のお話が別の調査によって違うというふうに判明したら、これはあなた、もう一度来てもらわぬといけませんよ。 再度確認します。大正地所、センチュリーコーポ、南地所、福岡ビル、三國地所、ドリーム、こういうところはみんなグループ企業じゃないんですか。
○末野参考人 末野興産とは関係がありません。
○北側委員 それでは、こう聞きましょう。 この大正地所というところに、ことしになって末野興産から売却されたことがありますか、末野興産所有の物件を売却されたことがありますか。
○末野参考人 はい、あります。
○北側委員 昨年の十二月二十六日、二十七日、これは両方の日付で、同じく大正地所に末野興産所有の物件を売却したことはございませんか。
○末野参考人 はい、あります。
○北側委員 正直におっしゃってくださいよ。この大正地所というのは参考人と全く関係ないんですか。参考人の会社と全く関係ないんですか。役員関係も何の重複もないんですか。末野興産の社員が、またあなたの極めて親しい方が役員になっている、そういうことはないんですか。
○末野参考人 それはありません。
○北側委員 この問題については、本当にやはり、もう一度国会の方に来ていただく必要が多分出てくるんじゃないのかと思います。 それで、最後に一点、寺村さんと眞鍋さん、両参考人にお聞きしたいと思いますけれども、平成五年の二月三日の覚書がございます。この覚書を作成するに当たってお二人は、その当時、それぞれの省の上司の方、例えば次官だとか官房長だとかおられますね、また、その当時の政治家、大臣、そういう方々に事前もしくは事後の了承、了解を得ていたのかどうか、お答えください。
○眞鍋参考人 お答えいたします。 先ほどお答えしたわけでございますが、当時の次官なり、これは農林水産省として判断をいたしましたわけでございますので、当時の次官、大臣等関係者に相談をいたしております。
○寺村参考人 住専の処理については御報告をいたしましたが、覚書については御報告をいたしておりません。
○北側委員 以上で終わります。
○上原委員長 これにて加藤君、北側君の質疑は終了いたしました。 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 私は、北海道落盤事故に遭われました方々の一刻も早い救出を願っているというお見舞いの言葉を述べて、質問に入りたいと思います。 また、末野参考人については、聞きたいこともありましたが、今までの陳述の態度、状況、それから事柄の性質から考えて、これはもう証人でやる以外にないと思いますので、この質問はやめて、証人の喚問を要求をいたします。
○上原委員長 先ほども申し上げましたが、後刻理事会で協議をさせていただきます。
○松本(善)委員 橋本参考人に伺います。 この参考人質疑といいますのは、国民が六千八百五十億の負担をなぜしなければならないのかということを解明する一環であります。本委員会におきましても、その中で、きょうもありましたが、母体行がもっと責任を負うべきではないかという議論が激しく、大きく起こってきております。 それで、お聞きをするのですが、あなたが頭取をしておられます富士銀行が母体行になっております住宅ローンサービスの役員は、提出された資料によりますと、社長、副社長、代表取締役、常勤役員全員が母体行出身者であります。あなたは先ほど、住専を設立した母体行として国民に迷惑をかけておわび申し上げるということを言われました。あなたもそういうふうに認めておられますが、農水大臣は、住専は母体行の子会社、別働隊、自民党委員はここの場での質問で、一業務部門だというふうにさえ言っております。富士銀行と住宅ローンサービスの関係などはその典型だというふうに思います。 元最高裁長官の藤林益三氏は、都合のよいときだけ子会社を利用し、子会社が立ち行かなくなると子会社から手を引くという行動をもしとるとすれば、会社制度悪用のそしりを免れず、ひいては銀行に対する信頼を損なう一因となろう、これは大新聞に載った論説ですからあなたも目にとまっているかもしれません。住専そのものを論じたものです。 ここが根本のものです。親会社は子会社の不始末はちゃんと解決するんだ、それが世間の常識であります。経済原則。これが破壊をされれば銀行に対する信頼は全くなくなる。これが金融秩序を破壊するんじゃないか。今角道参考人も、最大限努力をしているというあなたの発言を批判をされました。私どもは、全額これは母体行が責任を持って、そして国民に負担をかけない、これがいわゆる金融機関としてのあるべき道だ、藤林さんもそういうふうに言っています。あなたはこの問題についてどう思いますか。簡明にお答えいただきたい。
○橋本参考人 お答えいたします。 ただいまの御質問は、住宅ローンサービスは我々の金融子会社、子会社ではないかということでございますが、私どもは、住宅ローンサービスのいわゆる母体行というものは、その設立、その目的、意義について十分意見の一致を見ましたことから、当社の設立、それから、先ほど申しましたように、それに出資をし、また、当社の要請によって必要な人員を派遣し、役員を派遣した、こういう意味におきまして、私どもは当然大きな関与はしております。そういうことで、当社は母体行の関連会社であることは確かでございますが、いわゆる商法上の子会社ではございません。
○松本(善)委員 橋本総理も子会社ということについては否定をされませんでした。そういう態度がいわゆるモラルハザード、それが金融機関の金融秩序を破壊していくのですよ。 具体的に聞きましょう。 今も紹介融資の問題で質問がありましたけれども、大蔵省の答弁では、母体行の紹介融資一兆七千二百八十七億円、うち、九一%に当たる一兆五千七百三十四億円が不良債権だ。あなたは、紹介案件を持ち込んだだけで母体行が一律に責任を問われるのは賛成できないという趣旨のことを述べておられます。 政府提出資料によりますと、具体的に聞きますが、富士銀行の住宅ローンサービスに紹介をいたしました佐々木通商を債務者とする百七十六億八千六百万円、債務者リッチに対する二十一億二千七百万円、いずれも全額不良債権だ。先ほど総額についてはお答えがありましたが、全額不良債権、こういう紹介融資をした。紹介しなければ本来富士銀行が損失になるべき性質のものだ。これをなぜ責任を負わないのですか。なぜ債権放棄だけが最大限の責任なんですか。当然それは富士銀行が責任を負わなければならない、当たり前じゃないですか。何と思います。
○橋本参考人 住宅ローンサービスについて申し上げますと、住宅ローンサービスは営業拠点が少のうございまして、その点から、その営業活動を補完するために、母体行だけでなくて広く取引金融機関に案件の紹介を求めておりました。そして、そうして紹介された案件につきましては、すべて、自分で開拓した案件と同様に、住宅ローンサービスの社内規則に従いまして審査をし、そしてみずから貸し出しの可否を審査して、そして自分で可と、取り上げてよいという判断を下したもののみを実行したわけでございます。 したがいまして、貸し出し結果の責任は当然住宅ローンサービスに帰属するものでございます。紹介融資の割合に応じて我々がこれを負担するという考え方はとり得ないというように考えております。 先ほども申し上げましたように、母体行としてとり得る最大限の負担というのは、我が国法制上の考え方からいっても、債権の全額放棄というのが限度でございます。
○松本(善)委員 きのう総理大臣は、損害賠償でもやると言った。損害賠償で負けでもしなければ払わないという、そういう姿勢、これは本当に、国民は絶対許さないですよ。 自民党の政治資金団体、国民政治協会への都市銀行、長期信用銀行、信託七行など主要母体行の一九八五年かち九二年までの政治献金は百九億八千万円、富士銀行の同時期の政治献金は五億六千万円です。 一方、二次損失を母体行が負担するという案が論じられている。大蔵省からもそれが出ました。そのときにあなたは記者会見で、富士銀行として公的資金の導入案を提起をして、結局今の二分の一国民負担の案になりました。子会社であります住専について、母体行が全面的に責任を負わないで、一次、二次の損失に税金を投入するというのは政治献金の見返りじゃないか、こういう意見があります。現に、三和銀行相談役、経団連政治・企業委員会委員長の川勝堅二氏は、企業献金は政治への発言料と言っている。国民がそういうふうに見ていたら、これはもう金融機関に対する信頼など完全になくなります。それが金融秩序の破壊なんですよ。政治献金、やめるという考えはありませんか。
○橋本参考人 政治献金についてのお尋ねでございますが、昨年の一月に施行されました改正政治資金規正法の趣旨に照らしまして、私どもも、お金のかからない政治が実現されて、その上で、政治活動資金については公的助成とか個人献金が中心となって行われることが望ましいと考えております。 しかしながら、現時点におきましては、企業が定められた政治資金規正法の範囲内で相応の支援をやることはやむを得ないというように考えておる次第でございます。
○松本(善)委員 これで終わりますが、新進党、さきがけにも巨額の献金がされている。こういうことをきっぱりやめるべきだ、それでないと国民の金融機関に対する信頼は回復できない、そこが金融機関のなすべきことだ、そして公的資金部分は母体行が持つべきだ、こういうことを言って、終わります。
○上原委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。 以上で、午前の参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、御多用中のところ、まことにありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。 なお、土田参考人、寺村参考人、眞鍋参考人、角道参考人には午後も引き続きお願いいたします。 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○上原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 各案審査のため、住宅金融専門会社問題について、参考人から意見を聴取し、質疑を行うことといたします。 ただいま御出席をいただいております参考人は、元大蔵省銀行局長土田正顕君、前大蔵省銀行局長寺村信行君、元農林水産省経済局長眞鍋武紀君、農林中央金庫理事長角道謙一君、日本興業銀行頭取黒澤洋君、前日本住宅金融株式会社代表取締役社長庭山慶一郎君、株式会社桃源社代表取締役社長佐佐木吉之助君、以上の七名の方々です。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。参考人各位には、住宅金融専門会社問題について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 それでは、議事の順序について御説明いたします。 まず最初に、午前中に御意見をお述べいただいていない黒澤参考人、庭山参考人、佐佐木参考人から、お一人三分程度で御意見をお述べいただき、その後、参考人各位に委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。委員の質疑時間は限られておりますので、お答えはできるだけ簡潔、明瞭にお願いいたします。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、衆議院規則の規定により、参考人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。 それでは、参考人各位から、住宅金融専門会社問題について意見を聴取いたします。 まず、黒澤参考人にお願いをいたします。
○黒澤参考人 日本興業銀行の黒澤でございます。 まず、本来関係当事者間で解決すべき住専問題が、政治、行政にとどまらず国際的な問題にまで拡大し、国民の皆様に多大の御迷惑をおかけする事態となったことにつきまして、母体金融機関の一員として心よりおわび申し上げます。 さて、我が国金融システムの安定と信頼の回復にとって、住専問題の早期解決は喫緊の課題でございます。 御案内のように、住専問題に代表される不良債権問題は、国内景気の本格回復に対する大きな足かせになっているのみならず、欧米のマスコミなどにも報道されておりますように、国際金融システムに対し悪影響を与え、ひいては国際的な流動性危機を招く可能性さえ否定できないものでございます。 私どもといたしましては、回復の兆しが見え始めました国内景気の足取りを確かなものにするとともに、国際金融界の一員としてその使命を果たしていくためにも、本問題の早期解決に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思っております。 今回の処理案を含めました住専問題全般にかかわる当行の考え方を、その経緯を追いながら御説明させていただきたいと存じます。 まず、当行は、店舗の数が少ないため、個人向けの住宅ローンは従来から行っておりません。このような当行と住宅金融専門会社、いわゆる住専とのかかわりは、おおむね昭和四十八年の金融制度調査会に原点がございます。この報告書におきましては、住専の設立が提唱されるとともに、「長期信用銀行が住専に対する資金の供給を行い、住宅金融の円滑化に寄与することが望ましい」というふうにされております。 これを受けまして、当行は、昭和五十一年に、他の長期信用銀行である日本債券信用銀行、大和、日興、山一の証券会社三社とともに、おのおの五%ずつ、計二五%を引き受け、残りの七五%につきましては、住宅ローン業務に間接的に参入をするため、四十六社の株主の皆様の出資を得まして日本ハウジングローンを設立いたすとともに、住専各社に対する融資にも取り組んでまいりましたわけでございます。 さて、住専各社は、設立当初は順調に業容を拡大いたしました。しかし、昭和五十年代後半ごろより住宅金融公庫の規模が拡大し、民間金融機関も住宅ローンに本格的に参入するに従いまして、これらに対し競争力を欠く住専は、住宅ローン獲得のために建設・不動産業者の助けが必要となり、これら業者との結びつきを深めることとなりました。このため、バブル経済期には、これら企業の業容拡大に伴い住専の事業貸し付けも急激に拡大いたしました。 その後、土地価格の暴騰を抑えるため、平成二年三月には総量規制が導入され、バブルの崩壊が始まりました。しかし、当時におきましては、住専各社はそれまでの好調な業績を背景に独立性を強めており、特に日本ハウジングローンは、資金調達源の多様化を図り、上場も目指しておりました。しかしながら、バブルの崩壊とともに住専の財務内容は急速に悪化し、平成四年には第一次再建計画、翌年には第二次再建計画が策定されたわけでございます。 その後二年余り、当行は、日本ハウジングローンの設立母体として金利をゼロに、また他住専に対しては二・五%に軽減するなど、最大限の支援をいたしてまいりましたが、当初予測を上回る地価の下落など厳しい外部環境が続いたことから、昨年秋の段階で日本ハウジングローンの整理やむなしとの結論に至りました。 そこで、昨年九月以降、五回にわたり系統金融機関と協議を重ねてまいりましたが、整理により生ずる損失の負担などについて同意に至らず、年末には政府御当局が乗り出されるという結果になりました。 今回の処理案は、こうした民間の協議状況を踏まえ、政府並びに行政当局が金融システムの安定に向けて大所高所の見地に立って示されたものと理解いたしております。それによりますと、母体行は貸国債権全額の放棄という法的に許される最大の損失負担を行い、その上、一般行としても修正母体主義に基づく債権の一部放棄を要請されております。さらに、金融システム安定維持の視点から、住専処理のための金融安定化拠出基金への出資と住専処理機構への低利融資が求められております。 住専問題がこのような事態に至りましたことは大変遺憾でありまして、母体としての監督が行き届かなかったことを申しわけなく思っております。こうした経緯を重く受けとめ、政府処理案の御趣旨にのっとり、最善の方策を見出すべく努力してまいる所存でございます。また、これに伴って一時的な業績の悪化は避けられないところでありますが、役員賞与・報酬、行員の賞与・給与などについての見直し、人員削減などの思い切った経営効率化により、業績の早期回復と皆様の信頼回復に向けて全力を傾注してまいる所存でございます。 以上でございます。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、庭山参考人にお願いをいたします。
○庭山参考人 ただいま御指名いただきました庭山でございます。私の所見と申しますか、申し上げます。 日本住宅金融は、二十五年前、三和銀行に頼まれて私が社長を引き受け、私が知恵を絞ってつくり上げた手づくりの会社でございます。しかし、当初の約束を破り、都市銀行が当社方式をまね、みずから住宅ローンに進出し、また住宅金融公庫の事業拡大もございまして、当社の経営は難しくなりました。 当社が不動産ローンを手がけましたのは、それが住宅ローンに直結する周辺業務であり、都市環境開発と中小事業者の支援に役立つ日本経済に残された重要な課題と考えたからでございます。 当社は、私の在任中二十一年間に、二十万人に住宅ローンを提供し、多くの中小企業の年金運用に住宅ローン債権信託を、さらに五万人に抵当証券を御利用いただき、大いに社会的貢献をしたつもりでございます。最小限度の人員で合理的経営を行い、毎期配当を続け、株主に報いました。 しかし、私が退任する直前、いわゆる総量規制と不動産に対する差別課税により不動産市場が破壊され、地価が暴落いたしました。そのため、地価の八〇%を限度として融資をしていた当社の優良債権が大幅な担保不足の状態になり、延滞債権が急増いたしました。当社は長期貸し付けをしている会社であり、その期間中にはいろいろのことが起こります。最も難しい状態の現状だけを見て事を判断することは適当でないと思います。 このような事情を知らないで、特に税金投入の政府案が世上に伝えられて以来、我々が税金をもらうように誤解され、ずさん貸し付けとか乱脈融資とか放漫経営などのあらゆる侮べつ的な言葉を使って、純粋の私企業である我々を誹議している人があるのは遺憾にたえません。 このような事態は、過剰流動性政策による地価の急騰と、総量規制、不動産に対する差別課税による地価の急落の二つが原因となって起こったことであり、いずれも、当時の政権政党、内閣、大蔵省、日本銀行の誤った政策によるものであります。 日銀の引き締め政策への転換がおくれたことも重大な過失ですが、特に総量規制は、大蔵省の法律に認められた権限を越える違法なものであります。行政権は法律なくして私的取引に介入することは許されないというのが我が国憲法の基本的な考え方で、過去にも、旧憲法下でさえそのような場合には、国家総動員法、ポツダム勅令などによっておりました。今回は、しかし、単なる一片の銀行局長の通達によったのです。通達というものは、上位官庁の下位官庁への訓令にすぎず、外部に向けて出すものではありません。何の自己判断もなくそれに盲従した銀行も同罪と思います。 それに、タイミングも間違っておりました。地価が東京都心部ではピークから既に下がり始めていたころ、この通達を出したのです。回復過程にあった病人に創業を飲ませた結果、副作用のために健康な体質に戻れないでいるのが日本経済の現状であります。また、地価をいつまでに何割下げるという目標もなくして通達を出すというのも、私は無責任だと思います。 世上、総量規制で住専を外したことの可否などの論議がありますが、それは大蔵省や日本銀行の現在の誤った行政指導的金融行政を応援することになる論議で、そのこと自体が今世間で批判の的になっているのです。 地価は利回りによって決まりますので、上がり過ぎたものは必ず下がります。それが自由市場経済のよいところです。地価はできるだけ安いのがよいのですが、それは市場が決める、マーケットが決めることです。強権が恣意で介入して急騰させたり急落させたのでは、自己責任の事業活動はできません。 私が政府を非難しているのは、それが私の経営者としての責任と考えているからであります。株主から預かった財産、それが政府によって被害を受けて黙っているようでは、経営責任は果たせません。それを私の責任転嫁と言っている人があるのは、とんでもない間違いであります。 はっきり申し上げておきますが、私が社長在任中に当社で起こったことは、すべて私の責任です。私はそれを回避するものではありません。私は常に慎重に事を全精力をささげて処理してまいりました。そして、間違ったことは自己責任でいやしてまいりました。しかし、政府のなさったことによって生じた結果には、政府が責任を負っていただくのが当然と考えておりますので、御了承いただきたいと思います。 なお最後に、私が四年前に社長を退任いたしましたときは、当社はまだ十分な自己資本を保持しており、再建が可能な状態でしたが、その後、残念ながら、事態はさらに悪化の一路をたどりました。しかし、私の退任後のことにつきましては、私はコメントする立場にございませんので、御了承いただきたいと思います。 ありがとうございました。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 次に、佐佐木参考人にお願いをいたします。
○佐佐木参考人 借り手の大口とされています桃源社の佐佐木です。 住専よりの借り手の大口であるとの非難、指摘のあるところを重々承知して、以下のことをあえて述べさせていただきます。 責任所在に関する論点は、大蔵省、金融財政担当政策関係、日本銀行、各種銀行、農水系金融機関、八社住専各社及び各種借り手群の総括的共同行為であり、その責任の濃淡は各人各社、個々の考えるところにありますが、一般的に、これら議論のなされているところを、日本国じゅう挙げて、この金融非常事態にかんがみ、その善悪を客観的に判断していただきたいと思います。 あえて、千差万別ある借り手の中で、十把一からげの大別をみずから外し、意図的に我が社からの意見を申し上げれば、今日のよって来る惨状の一番大きいところの結果をもたらしましたものは、いわゆる土地融資規制の、やはり一般的に言うところの三業態への融資総量規制が平成二年三月に発せられ、半年ぐらいの時限的に考えられていたものが一年十カ月にわたり、住専のみならず、あらゆる方向からの金融機関の、既に計画されていた事業資金が全く途絶え、血液の一滴だに回ってこず、当時の金銭循環の五五%にわたりました資産流通マネー関係に大打撃を与えたことであります。 このほかに、不動産売買取引値の国定値の恣意的資産値降下政策、不動産関連税制の強化、改正時期を分別できなかった六次にわたる公定歩合の引き下げ、建築行政の未必の故意的政策等があります。 この事態に対応して、我が社は、建築中のビル群建設を即時に中止し、手持ち資金の可能な限りの資金を投入し、進行中の事業の撤退化を図り、当初二年間から二年半までは可能な限りの不動産を売り、このころはまだ資産落下率は三〇%または四〇%でありました、この間、当然最大限の自助努力を行い、借入額の縮小化を図り、並行して、担保処分、抵当権の実行、代物弁済等を通じ、約一千億円の債務減少を今日まで実施しました。当然、この五年間は各種金融機関からの融資は受けておりません。かつ、債権買取機構内に積極的に当社は債権処理をなしております。 しかるに、大不況到来後二年半以後、特に東京中心部の商業不動産の価値落下は、資産デフレーション現象をさらにまともに受け、その価値落下はこれまた史上に類を見ない勢いで進み、今日では、つい一週間前でも、国土庁発表の都心部商業地価動向に見るがごとく、その価値はなお落下中であることは国も認めております。 したがって、この最初の二年半以後は、極端に売れない状態となっていきました。すなわち、同時に、その後は不動産の買い手もありません、存在しません。 例として、目下売却交渉中の原価八十五億の土地、ビルの実勢の指し値は八億円でありまして、これは十一分の一の資産価値下落でありまして、他の一つの交渉中の物件は、十三億五千万円の原価のところ、一億一千万円の希望指し値であります。これは十二分の一であり、ともに債権金融機関は売り方を拒否しております。 そして、なお大切なことは、都心商業地の実勢不動産はあくまでピーク時の十五分の一に向かって落下中であり、この中に路線価の価値が入り得る余地がないのが実態であります。なぜなら、それ以下が実勢値であるからであります。 過去三回ありました、オイルショック等二回、円高不況等一回、こういう不況の際、現金がなくなれば、当社は資産を売れば現金化ができました。これによって資産の換金化がなされ、かつ窮地を脱出することができたのであります。 さて、住専のみに限って言っても、住専資産十三・五兆と言われる中、貸し出し部分は、事業用約十兆円でも、かかる点からいっても実態は一次損失も二次損失もなく、一〇〇%の不良債権であるのが実勢で、よい不良債権も悪い不良債権も全くありません。こういう点において我々は甘い現況認識は絶対に持っておりません。 したがって、一次損失、二次損失等は全くの大蔵省発大本営発表でありまして、この実態を見きわめないと、私は実際には日本の金融システムの実態は、住専のみならず、これに続くノンバンク、生損保の崩壊、中小銀行、組合、信金その他金融機関、外銀等が、私の会社を例にとっても会社数の上でも九倍、金額にしても約五倍であるため、推定不良資産はこのほか分で少なくとも国内では百兆円と思われ、国外で言われる不良資産で約百三十兆円、国民金融公庫等は開示されていないのでわかりづらいのですが、約二十兆円、合計百五十兆円前後とみなされております。
○上原委員長 佐佐木参考人に申し上げますが、結論をお急ぎください。時間が超過しています。
○佐佐木参考人 問題は、それでは中略します、日本経済再建のための現実的資金づくりを、住専処理機構に入った、やがてこれに入ってくるであろうノンバンク不良債権等も同様に法制論に傾いて、この処理に声を大にする人々を見るにつけ、ニューマネーをつくるための実体経済の新手法を考えることこそ最大の緊急事であると私は思います。 最後に一言、不良債権の山々は、やり方一つで最大良性債権になることをくれぐれも忘れずに、かりそめにも、この実体に宝の山があることを知ってこぞって群がり再び巨利を得る人々をつくらずに、新しいニューディール政策を官民こぞって打ち出されることを希望すること大であります。 終わります。
○上原委員長 どうもありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○上原委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 この際、質疑者に申し上げます。議事整理のため、質疑をする参考人の氏名をその都度お告げいただきたいと存じます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松永光君。
○松永委員 私、自由民主党の松永光でございます。 まず、土田参考人にお尋ねをいたします。 午前中に、平成二年三月のいわゆる総量規制という通達を銀行局長名義で出された、そのいきさつ等については話を伺いました。ところが、今ここで庭山参考人から、簡単に言えば、あれが大変な誤りという指摘もありました。 午前中に土田参考人の話にありましたように、その当時は大変な地価の上昇が続いておって、このままではまじめな人たちは一生かかっても自分の住宅が持てない、一方、土地を扱って大もうけをしようとする連中はますます大もうけをする、余りにも社会的な不公正じゃないかという声が非常に強かったわけであります。それを受けて、私も定かな記憶ではありませんけれども、その当時海部内閣であったかと思いますが、土地対策関係閣僚会議といったようなものがあったような気がしますが、そこでこの土地の余りにもひどい値上がりを何とかしてとめられぬものかということを中心にした議論がなされて、それを受けて当時の土田銀行局長が午前中申されたような形での総量規制ということをなされたと思うのであります。 その当時のいきさつをもう一回、記憶に基づいてわかりやすくひとつ説明をしていただきたい。
○土田参考人 総量規制通達の発出に至るまでの経緯をかいつまんで申し上げます。 銀行などの金融機関の土地関連融資につきましては、実は既に昭和六十一年当時から、投機的な土地取引につながるような融資を行うことがないように、数次にわたって通達を発してまいりました。通達だけでも、昭和六十一年四月、昭和六十一年十二月、さらに昭和六十二年十月、それから私の代になりましてからは平成元年十月、主なものでも四本通達を出しております。 これは、その背景にありますところの地価上昇を鎮静化させるという要請を受けたものであり、政府も全体としての取り組みを強化いたしまして、昭和六十二年十月には緊急土地対策要綱を閣議決定いたしました。さらに、昭和六十三年六月には総合土地対策要綱を閣議決定いたしました。それからその後、平成元年十二月二十二日には土地基本法が公布、施行されるということもございました。そのような中で政府各省はそれぞれ一斉にこの対策に取り組んだわけでございますけれども、何分にもその中で金融は即効性がある、効き目が早いというふうに期待をされまして、金融面でこの地価上昇を抑える、すなわち投機につながるようなそういう土地融資を抑制するということが強く求められ、私どももヒアリングを続けておったわけでございます。 しかし、それにもかかわらず地価の上昇はおさまりませんで、ただいま御質問にございましたような土地対策関係閣僚会議が随時に開かれて対策を議論しておりましたわけでございますけれども、たまたま平成二年三月二十三日、このときに土地対策関係閣僚会議が開かれ、平成二年の地価公示の内容についての報告が披露されたというふうに記憶しております。その中で特にやはり目を引きましたのは大阪圏の非常に大きな地価上昇でございまして、当時の数字で商業地で四六・三%、住宅地で五六・一%という驚くべき上昇が報告されたわけでございます。 このような状況下に、これは海部総理が非常にやはり心配をされたと思われるのでございますが、橋本大蔵大臣から承ったところでございますけれども、海部総理は橋本大蔵大臣に対して、土地関連融資がなおふえている傾向があるのではないか、ノンバンクに対する指導についてまで努力してもらっていることは承知しているが、なお一歩を進めた努力ができないかどうか検討してもらいたいという御指示がございました。これは平成二年三月二十三日でございます。 従来から私どもはいろいろと次の手として何があるかということを考えたわけでございますが、これは別途御質問があれば御説明申し上げますが、なかなか悩むところも多うございまして、決定的な措置に踏み切るという、そういう決心がつきませんでした。しかし、この際、政府挙げてのいわば重要な方針として、土地関連融資について新たな対策を考えるようにという内閣の御指示もありましたので、そこで一案を考えつきまして、三月二十七日に総量規制通達を私の名前で発出した次第でございます。
○松永委員 このような重要なといいましょうか、影響を及ぼす局長通達というようなものは、昔からの慣行でもありますが、当然のことながら、大臣に報告して了解を得る、同時にまた、与党の責任者にもしかるべきときに報告をして了解を得る、こういった措置をされたものと思うのですが、そのとおりですか。
○土田参考人 当然、橋本大蔵大臣に御説明を申し上げ、また、明確な記憶は覚えておりませんが、私自身、当時の自民党三役に御説明をして回っております。
○松永委員 そこで、午前中にも説明がありましたが、その総量規制から住専を外した、すなわちそれは住専が預金を預かる金融機関ではないから、こういうことでした。もう一つは、いわゆる三業種報告からも農協関係を外したという話でしたな。これらについて、結果はそうでございますが、どういう理由でそうなされたのか。 実はこの点で、総量規制、実は土地に対する融資の蛇口を一つは締めたけれども、別の蛇口から水がどんどん流れていくということがそのまま残った、それによって結果的には系統金融機関の方が住専に多額に資金を融資するという結果を招来したんだ、そこに問題ありというふうに指摘する向きもあるものですから、そこらの点をよく説明をしていただきたい。
○土田参考人 その問題にお答えを申し上げますために、ちょっとこの総量規制通達の中身、骨組みのことについて、補足して説明をさせていただきたいわけでございます。 冒頭に申し上げましたが、総量規制通達の内容の二点、一つは、不動産業向け融資の伸び率を総貸し出しの伸び率以下に抑制するように。ここで補足して申しますが、総貸し出しを銀行がどのくらいの伸び率に持っていくかについては銀行の自由であります。したがいまして、この不動産業向け貸し出しを一定の比率以下に強引に抑え込めというような、強いて言えば法律でなければできないような、そういうような措置を強行しているものではございません。これは、総貸し出しをどのくらいにするかは金融機関の経営判断であり、その中において突出しないように、その伸び率以下に抑えるように貸し出しをいろいろ工夫してもらいたいというお願いをしたものでございます。 ところで、その際に、第二に申し上げたいのは、不動産業は抑えるという、こういう伸び率についてのガイドラインを出したが、建設業やノンバンクについてはなぜそういうような伸び率の抑制を講じないかということが次の論点でございます。 これは、建設業は、本来、建築資金の調達という重要な本業のための資金需要があります。それからノンバンクは、これはいろいろ、例えば信販とかリースとかそれから消費者金融だとか千差万別、さまざまなことをやっておりまして、それぞれの資金需要をとめるべきいわれはございません。したがいまして、そのような建設業やノンバンクに対しての貸し出しの伸び率にガイドラインを出すのはやめて、しかし牽制効果をねらうために、三カ月ごとにその三業種に対する融資の実行状況の報告を願いたいという組み立て方をしたのでございます。 ところで、その際に、第一の論点は、住専等のノンバンクに対してこの総量規制の通達はそもそも出しておりません。これは、やはり預金を受け入れて、それで貸し出しをする、そういういわば免許制と申しますか、そういう金融機関の営業の工夫の際に留意してもらいたいということで、相手はいわば免許業種である銀行などに限ったものでございまして、貸金業者に対しましてはこのような通達は出しておりません。 それからその次に、この三業種に対する融資の実行状況を報告するということにつきまして、農協系の系統機関はどうであったかということですが、これは多少午前と重複いたしますが、農林中金と信連に向けては、大蔵省銀行局長と農水省経済局長との連名の通達を出して、不動産業向け融資の伸び率を総貸し出しの伸び率以下に抑制することはお願いをいたしました。ただしそのときに、この三業種に対する融資の実行状況を報告してもらいたいという文言は入れておりません。それは、既にそれ以前から系統の資金の流れは行政当局が把握できる仕組みができておりまして、重ねて報告を新しく求める必要がなかったものでございます。 なお、これも午前中に申し上げましたが、住専に対する大口の資金供給者として共済連というのがございます。この共済連は、いかなる意味でも大蔵省と接点がございません。したがって、大蔵省はこの共済連に対しては全く何も言っておりません。そういう状況であったわけでございます。 そのようなわけで、繰り返しますが、ノンバンク、貸金業者に対してはこの通達を出さなかったということは正当であったと思っております。また、農協系統金融機関のうち、大蔵省も権限を分かち持っているものに対しては、既にいろいろな計数は行政当局が把握できるので、改めてその報告を求めなかったものでございます。
○松永委員 先ほどもちょっと言いましたけれども、住専を外したことは、免許業者でないからという理由のようでありますけれども、そのことだけで国民が納得するかという問題なんですよ。そもそもそういう通達等を出すべき相手でない、法律の仕組みが、立て方が。そういうことなんですか。出す必要はないというふうに考えられたんですか。そこのところを説明してください。
○土田参考人 貸金業者はいろいろなことをやっておりますので、それに対して、その貸し出しの伸び率なりなんなりを論ずるということは画一的な議論では到底できないという、そういう技術的な問題がございました。しかしながら、その技術的な問題はまあ別といたしまして、そのようなノンバンクを野放しにしていいかどうかということについては、非常に大きな問題があると思っておりました。 ただし、従来のと申しますか、この総量規制通達を出しました当時の法制によりますると、こういう貸金業規制法は、いわゆる高金利取り締まりとか、それから過当な債権取り立ての禁止とかいう、そういう方面の規制法でありまして、貸金業者の経営の健全性を問題にする法律ではございませんでした。したがいまして、私どもは、そこにまで手を出すことはできなかったのでございます。 それから住専は、旧出資法と言っておりますが、やはりこれも貸金業者を取り締まる出資法によって届け出で設立されたものでありまして、これについても、健全経営を云々という、そういう目的があるというふうには考えられておりませんでした。 そこで私どもは、そのようなものに対しましては、健全経営云々というような通達を発することは断念いたしましたが、何もしなかったというわけではございませんので、ノンバンクの中のかなりのものは自主的にいわば業界団体をつくっております。その業界団体に対しまして、これは総量規制を発する以前からでございますが、いわば当局の姿勢を伝えて自主申し合わせをお願いしております。 それで、その自主申し合わせば、例えばこの住専の場合には、住宅金融協議会という緩い会議体がございます。その住宅金融協議会にお願いした事績といたしましては、手元に三つ持っておりますが、昭和六十二年十月十九日、その次に平成元年十月二十七日、その次に平成二年一月三十日、そこで自主申し合わせをしていただいておる趣旨は大体共通でございまして、例えば、この昭和六十二年のを読みますと、土地関連融資については、短期間に転売を行うなどの投機的な土地取引等にかかわる融資は、これを行わないこと、それから二番、このため、土地関連融資に当たっては、土地保有の目的、事業計画等に関し厳正な審査を行うとともに、より一層適切な管理体制を確立すること、このようなことを確認するということで、自主申し合わせをして積み重ねていただいておったわけでございます。 これも、業界の姿勢を引き締めるという意味で効果を期待したわけですが、しかし、しょせんこれは自主的な、彼らの世界の中での取り決めてございまして、役所からその自主申し合わせ違反を追及できるというような性格のものではございません。その辺につきましては、私ども、後ほど、例えば住専には調査を入れるとか、ノンバンクについては法改正をお願いするというようなことで、いろいろ努力を続けたつもりでございます。
○松永委員 次に、参考人が銀行局長在任中の九一年の秋から九二年にかけて、いわゆる第一次の立入調査をされたわけでありますが、この時期に立入調査を実施したということは、これは極めて適切な措置であったというふうに思います。思いますが、立入調査の結果についての判断ですね。 先ほど参考人は、それほどひどい状況ではなかったかのごとく判断したような話がございました。しかし一方、先ほど加藤委員が指摘をされました三和レポートというんですか、あれによりますというと、平成四年、すなわち九二年の春ごろの時点で、ここにおいでになっている庭山さんが社長をしている会社ですな、あれはほとんどもう倒産に瀕しておったかのごとく三和メモにはなっておりますね。参考人は、どういう事情からそれほどひどくなっていないというふうに判断をされたのか、その判断の根拠をひとつ言っていただきたい。
○土田参考人 住専に対しまして行政で調査を入れることができるかどうかというのは、実は相当検討を要する問題がございまして、それまで調査を入れたことはたしかないと思うのでございますが、私はいろいろな状況から、ノンバンク全体の業況が急速に悪化しつつあるという傾向を見てとり、それで、その中で比較的大型の住専というものの中身がどうなっておるかに関心を持ちまして、それがなかなか従来の伝統的な手法では内容がよくわからぬ、これはやはり直接大蔵省の職員を入れて、それで調べさせていただくしがなかろうということで、その行動を開始したわけでございます。 それはなかなか、実は、これは金融検査でございませんので検査部の組織の行動計画に組み込むわけにいきませんので、中小金融課が担当課でございますが、その職員を中心に、人が足りないときには多少よそから人を引っ張ってくるというようなことでチームを編成して、一つまた一つというふうにやっていきました。その結果はどうであったかというのは、御高承のとおりでございます。 それを、おまえは悪いと思わなかったかということですが、それは当然悪いと思っておりました。が、これによって、直ちに会社を強制的に整理せねばいかぬという状況にあるほど悪くなっているとは、その時点では考えなかったわけでございます。 その点は先ほども多少申し上げましたが、決算見込みなどを聞きましても、まだ当期は利益を出せるとか、まあ利益はとんとんだとか、ないしは、当期は赤であっても不動産売却なり内部留保の取りましによって配当を続けることができるとか、そういう程度の状況でございましたので、もちろんその後の状況に油断なく目を配る必要はございましたが、その段階で、銀行や何かが一致して考え方をまとめてこの会社をつぶすという判断にはならない、そういう状況であったろうし、また銀行も、多くはもう自主的に、これからどうやって持っていくかということについてそれぞれ協議をしておったわけでございますので、私はその協議を促す、見守るというスタンスでよろしいと思って判断をしたわけでございます。 ただ、反省いたしますが、平成四年の六月末で銀行局長を交代いたしまして、その後余り日がたたないうちに急速に経営の内容が悪くなったということもございますので、急速に悪化するというその後の推移について十分的確な見通しを持っていたかと言われると、そこはやはり認識不足の点があったかと存じます。
○松永委員 今の点なんですね。 先ほどの加藤委員の指摘されました三和レポ——ト、これも私ちょっと見ました。そしてそのことに関してきょうの朝日新聞の一面にあるわけでありますが、中身は大体合っているようですけれども、それによると、三和銀行は、日住金は九二年三月期の時点で四千八百三十二億の大幅な債務超過状態となっておる、不良債権は一兆円を超え、新たに発生するものも含めると一兆二千億に達する、こういった予想を立てて、そういうふうに判断をして、このために、このままでは日住金は再建不可能、こういうふうに判断をした。 それで、先ほど、寺村さんと土田さんとの交代時期かな、その時期に三和銀行の方から一つのレポートが大蔵省に届けられたが、そのレポートは、残念ながら異動期であったこともあって、関連するポストの課長補佐か何かが預かっておった、こういう話でしたな。そういうことでしたかな。
○寺村参考人 具体的にどのような担当者が扱っていたか、ちょっと定かではございませんが、私が当時の状況を聞いた限りのことを申し上げますと、十月になりまして、かわりました担当者がいろいろ住専の問題について検討した際に、前任者からの引き継ぎでそのような三和銀行の提案があるということで、三和銀行にその点についての見解をただしましたところ、あれはとても当行では対応できない、あるいは他の母体行も対応できないのでこの案ではできないというお話で、むしろ撤回をされた。あるいは、その案でひとつおやりになったらどうでしょうかというお話をしたところ、むしろ拒否をされた。こんなことを下から報告を受けているところでございます。
○松永委員 この三和銀行からの文書の取り扱い方なんですよね。 三和銀行は日住金の母体行、しかも中心的な母体行なわけですね。したがって、子会社たる日住金の経営状況については、親企業として非常に重大な関心を持っていたと思うのですね。その企業が詳細調査をして、これはこのままでは危ないということで、どう処理すべきかということで文書がつくられたと思われる。その文書が大蔵省に届けられておるのに、残念ながら新しい局長になられたあなたのところには、目に入っていなかったというふうに思わざるを得ないね。(発言する者あり)いや、公式、非公式にかかわらずだよ。ちょっとお待ちください。そこなんですよ。 民間で調査をして、しかも自分の子会社の経営に関する事柄だから、恐らく真剣そのもので調査もし、そして、こうすれば何とか解決できるであろうというわけで知恵を絞って、そうしてつくられた提案だと思われる。そういう文書が大した文書じゃないみたいな取り扱いを大蔵省銀行局がしておったとするならば、それは大変悪いくせじゃないかな。それはもう指摘せざるを得ないんです。まあ、官尊民卑というか、おれたちの調査が正しいんだ、親会社が真剣に調査をしたものについては大して価値を置かない、そういう姿勢があったとするならば、これは大問題なんです。
○寺村参考人 全くおっしゃるとおりでございます。今委員が御指摘のようなことでありましたら、大変な問題だと思います。 しかし、私どもは、三和銀行と同じ問題意識を持っていたわけでございます。どうやって解決策を見出すかということを真剣に悩んでいた。しかし、これは本来、関係金融機関が考え、関係金融機関が関係金融機関同士で話をして、そしてまとめる話でございまして、これはあくまでも住専の処理の問題でございますから、日住金の処理の問題でございますから、関係金融機関が考えなければいけないわけで、その関係金融機関が動きがないということで、問題点は私ども大変心配しておりまして、もし委員御指摘のように、大蔵省が三和銀行の問題意識をなしに問題を放置しているのならば、おっしゃるとおり大変な問題でございますが、私どもは、第一次調査だけではなくて、その後のヒアリングでも同じように厳しい状況にあるという認識を持っていたわけでございます。 本日冒頭に、平成四年夏以降経営内容が悪化し、放置をしておきますと経営破綻に追い込まれるという状況であった、そういう状況を踏まえて対応したと申し上げましたのは、まさに今委員が御指摘になったような問題意識を当局は持っていたということでございます。
○松永委員 そこで、もう少し三和レポートの関連で御意見を聞きたいんだけれども、三和銀行の方では、これはもう金利の減免措置程度では、とてもじゃないけれども日住金は立ち直れない、金利減免で再建を目指すという案では一、二年で日住金の体力は完全に消耗する、したがって、この際、この問題を処理するためには日住金を二つに分けて、個人向けの住宅ローンをする会社と、それから不良債権を引き取って、そして不良債権を処理する会社、二つに分けて、そして不良債権を処理する会社の方では十年がかりで債権の取り立てをしていく、最終的に出たロスについては母体行が負担をする、こういう二つの案であったようです。A案、B案あったようです。 それで、厳しい案というのかな、要するに、日住金を二つに分けてそれぞれの整理をしていくという案の方が実は今回の処理案に近いわけですね。しかし実際は、何といいましょうか、金利減免措置で立て直す、再建をするという方向でのいわゆる第二次再建策というふうになっていく。そこで、この関係者は、平成四年当時に自分たちが提案したのを大蔵省が真剣に受けとめてくれて、母体行間の話し合いその他の呼びかけなどもお手伝いをしてくれてやっておけば、今日の事態よりもはるかに楽な方法でこの日住金の処理ができたんじゃないか、こういうふうに指摘する向きがあるわけです。その点についてはどういうふうに考えますか。
○寺村参考人 もし三和銀行が銀行としてそのようにお考えになるならば、なぜ他の母体行にお話をなさらなかったのかということでございます。この問題は、あくまでも金融機関がお互いの協議で決めるべき問題でございます。大勢の母体行がございます。母体行の中で意見がなかなかまとまらない、それが現実でございます。母体行だけではなくて、それ以外の一般行それから農林系金融機関との関係も、意思統一もできない。少なくとも母体行の中で、本当にそのようにお考えになるならば、なぜお話にならなかったかという疑問を持っております。 少なくとも、母体行の中で合意がないものをどうして——もちろんその案でできればいいのですが、しかしそこまで行く前に、三和銀行自体が、その案はとても実行不可能ですとみずから言ってきたわけでございます。
○松永委員 その関係では、先ほど加藤委員の方から、三和銀行の関係の参考人に来てもらうとかなんとかという話がございましたので、そっちの方で真相解明はしていただきたい、こういうふうに思いますが、いずれにせよ、結果においては、間もなく破綻してしまう第二次再建策、こうなっていくわけですね。そういう、何といいますか、微温的な方法を大蔵省の方はとっていったという結果になりますね、流れは。
○寺村参考人 何回も申し上げますが、住専問題の処理は、大蔵省が決定するべきものではなくて、関係金融機関の合意によって決められるべきものでありまして、第二次再建計画も、大蔵省が決定したのではなく、関係金融機関が合意によって決定されたものでございます。 かつ、三和銀行の今出ました案は、基本的には第二次再建計画と極めて類似した案でございまして、決して第二次再建計画と全く違うような、今例えば一挙に整理してしまうとか、そういった案ではない。ただ、その三和銀行の提案は、三和銀行自体が母体行の中で何らの話し合いもしておられないような、私どもはまだそこまで詳細には聞きません。そういう報告は受けていないわけでございます。
○松永委員 それは、理屈を言えばそうですよ。母体行並びにその住専に対する貸し手機関が協議をして、そして再建計画なりあるいは処理案なりつくるべきものだ。理屈はそうでしょう。 しかしながら、実際は、住専の第二次再建計画にいたしましても、大蔵省の方がいろいろ仲を取り持ったりして、そして系統金融機関の方の配慮のためには農林省の局長さんとの間に覚書を交換するなどして、そして第二次再建計画がまとまるように努力をされたのでしょう。したがって、大蔵省は関係ないよというわけにはいかぬわね、努力をされたのだから。
○寺村参考人 全く委員御指摘のとおりでございます。 ただ、なぜそうしたかということでございます。住専の関係金融機関は百以上の金融機関がございます。母体行自体が複数でございます。だれもまとめようとするところがいない。それから、農林系金融機関と母体行の関係が、意思が全く対立しております。お互いに話し合いが全然行われない。行われなかったらどういうことになるかというと、先ほど冒頭申し上げましたけれども、住専が資金繰り難から経営破綻することが認められる。経営破綻をしたら系統金融機関は経営破綻しますし、のみならず、系統金融機関だけではなくて、当時の状況では大手の金融機関にまで経営破綻が拡大するおそれがあったわけでございます。 このような事態を避けるために、私どもは対応せざるを得ない。そのために、関係金融機関に対して、何とか話をまとめてくださいというお願いを何回も何回も繰り返したわけでございます。そして、お互いが共通の交渉のテーブルにのらないために、こちらの言い分を他の関係者に伝えるということを何回にもわたって繰り返してきた。ただ、そうしないと住専が経営破綻いたしまして、そして金融不安が発生する、そのような事態を何とか回避しなければいけない状況にあったということでございます。
○松永委員 第二次再建計画は、そのような苦労があった上でまとまったということはわかりました。わかりましたが、間もなくこれは壊れるような再建計画であったわけですね。そして、今日ここに至って住専を取りつぶす、そして住専の資産は処理機構に移して、処理機構が住専から金を借りておる債務者に対する強力な取り立てをする、そして公的資金も入れるという措置を今回やらざるを得なかったわけですけれども、私が言いたいのは、この第二次再建計画の当時にそういう判断には至らなかったのか。今考えてみると、その当時の判断が甘かったということにはなりはしませんか。もし、あの当時に、事態の深刻さを十分に認識して、そして金融不安がまかり間違っても起こらぬようにするための措置をきちっとやらねばならぬという決意の上に立って処理計画を立てたならば、あるいはその努力をしたならば、今よりもはるかに軽い負担で住専処理ができたんじゃないか。 大蔵省の認識が甘かった、あるいは先送りにした、こういう批判がごうごうと起こっていることはあなたも御存じでしょう。したがって、その点についての寺村さんの考え方、今になってみれば甘かったと言うならそれでも結構ですが、ひとつおっしゃっていただきたい。
○寺村参考人 事態を極めて深刻に認識をいたしておりました。それは、平成四年の八月に金融行政の当面の運営方針を公表いたしましたが、その際に、株価と地価の大幅な低下により金融機関は内部蓄積の減少と不良資産の増大をもたらされた、我が国金融機関は戦後の高度成長期以降かつて見られなかった厳しい状況に直面しているという認識を示しまして、その対応のために、いわゆるバブル経済の崩壊が金融機関に与えた影響は極めて大きく、その克服には厳しく真剣な取り組み努力が必要であり、かつ、それからでございますが、相当の調整期間が必要である、このように述べました。 そういう方針を明らかにし、その後、いろいろ具体的な対策を講ずることにしたわけでございますが、これで申し上げたいのは、大変大量の不良資産が発生したわけでございます。そして、金融機関が自己責任で処理をしようとしたら、一年や二年ではとてもではないけれども対応できないわけでございます。年々の収益で対応せざるを得ない。それに比べては、その数倍にもわたるような不良資産が発生したわけでございますから、一年や二年では処理できません、長い期間をかけて真剣な対応努力でこれを克服していかなければいけないと申し上げたわけでございます。 住専もその一つでございます。当時は、住専に限らず大量の不良資産が発生したわけでございます。そして、住専につきましては、その「運営方針」において特に住専を指定いたしまして、この問題については関係する金融機関が極めて多数でありなかなか合意はできませんけれども、この問題の処理を誤ることによりまして我が国金融システムの安定性に大きな影響を与えることになりますので、関係者のさらなる問題解決のための努力を要請したということでございます。 そこで、では何があったかということでございます。 冒頭の御説明にも申し上げましたように、あのとき一挙に整理ができたかということでございます。一挙に整理ができるというのは、関係金融機関が合意されて、関係金融機関がその損失をだれが分担するかということについての合意が成立しなければなりません。ところが、その当時、系統金融機関だけではなくて、実は大手金融機関も大変体力が傷んでおりました。急に不良資産が発生しました。そして、地価がどんどん低落しております。損失額が幾らあるかわからないような状態でございました。加えて内部留保も、株価が一万四千円になって、ピーク時には六十兆円ありました株式含み益が十兆円を下回る、そして一万二千円になればそれがゼロになる。かつ、当時の評論家などは、一万円を株が下回る、八千円とか九千円になるというのがテレビなどで報道されておりました。そんな極めて厳しい不安心理のある状況のもとでございまして、そのようなときに合意は成立しません。 あるいは、それならば法的手続により一挙に整理したらどうだということでございます。一挙に整理するとどういうことが起きますかというと、まず、最大の貸し手であります系統金融機関も経営破綻に陥ります。大手金融機関でもその当時の状況では経営破綻に陥るのではないか。そうなりますと、多数の預金者に不測の損害を与えることになる、このような事態は回避する必要がある。 じゃ、それ以外に何があったかというと、公的資金でその損失を補てんすれば、あるいは可能であったかもしれません。しかし、公的資金というのは、本来金融機関が自己責任で処理すべきものを、金融機関が自己努力もしないものを安易に公的資金に依存することはできませんし、当時はまだ不良債権の全体が幾らあるかもわからない、損失も幾らあるかもわからない、金融機関がどこまでできるかもわからない、そういう状況でございますので、少なくともそういった道はとることができない。 したがって、時間をかけて、金融機関が時間をかけて処理をしていく以外に道がなかったということでございます。
○松永委員 まあ、その当時の銀行局長である参考人の考え方、よくわかりました。 ところで、その当時、すなわち平成四年ごろであります。これは八月三十日に、当時の宮澤総理は、自由民主党の軽井沢セミナーで、この金融機関の不良債権問題について非常な憂慮をしておられまして、この金融機関の不良債権問題は、これはもちろん民間金融機関の努力で解決をしなきゃならぬことであるけれども、いろいろ知恵を出し合い、金を出し合って金融機関でやってもらわなきゃならぬことであるけれども、必要ならばそれに公的な支援をすることもやぶさかではない、そのくらいの決意を表明されて、金融機関の不良債権問題を速やかに解決をしなければ日本の経済を立て直すことはできない、そういう厳しい認識を持って講演をされておるんですね。その場合に、それは銀行を救済するものではない、国民経済の中で血液であるところの金融が動かなくなれば国全体がだめになるんだ、したがって国全体のために公的な支援をするんだ、することにやぶさかではない、こういう強い意思の表明が八月三十日、あるんですね、平成四年。参考人は銀行局長であられたわけですね。 通常、総理がこういう強い決意の表明があったならば、もちろんこの場合には住専を直接指したことじゃありませんけれども、住専問題を含む日本の金融機関の不良債権問題の処理について、総理みずからが強い危機意識を持って、そして公的な力を使ってでも速やかに解決をしなきゃならぬ、こういうことを講演をされておるわけですね。そして、その当時はほとんどの人が知らなかったこと、私など知らなかったのでありますけれども、アメリカの処理の方法等も話の中に入れられて、そうして講演をされた。こういうふうに総理の強い意思の表明があって、そして解決をしなきゃならぬのだというふうなことになった場合には、通常は担当大臣がそれを受け取って、そして省を挙げて、総理の意向を受けて、一生懸命になって問題解決、処理に当たるというのが各省のとるべき態度なんですね。 で、その当時、大蔵省、大臣は羽田さんだったかな。この宮澤講演を受けて大蔵省ではどういう対応をされたのかな。ただ二次再建計画に走っていったのかな。その当時のことを、銀行局長、ひとつ当時の記憶に基づいて説明してください。
○寺村参考人 当時の金融システムの状況につきまして宮澤総理も大変御心配になっておられました。総理官邸からいろいろな、大臣あるいはそれ以外のルートを通じて、御心配になっておられるお話が伝わってまいりました。また、私どもも、その当時の金融システムの状況につきましては、大臣あるいは秘書官を通じまして状況の御説明を総理に申し上げておりました。 平成四年八月十八日の金融行政の当面の運営方針も、この内容につきまして、宮澤総理がかなり、一言一句、いろいろな修正を、御検討をなさってでき上がったものでございます。そういったことで、総理との関係は、いろいろ具体的なお話をしてまいりました。 ただ、この公的資金の問題につきましても、やはりいろいろ当時銀行界からもそういう御提案があり、官邸にもそのようなお話がございました。そして、官邸からもそのような提案があったことについて、その話が私どもに伝わってまいりました。大蔵省は大量の不良債権の前に腰を抜かしてただ茫然自失、じんぜん日を送るのみであるという厳しい御批評が総理官邸に行っているということも伝わってまいりました。 しかし、公的資金の問題につきましては、先ほど冒頭に御説明を申し上げましたように、やはりこれは金融機関の通常の営業活動の結果生じたものでございますから、まずは自己責任で処理されるべきものでございます。金融機関がぎりぎりの自己責任の努力をして、なおかつ問題が解決できず、それが金融システムあるいは預金者に不測の損害を与えるという事態でなければ、公的資金の導入は許されないはずでございます。 当時の状況は、まず不良資産の全体像がまだわからなかった。まだ損失がどんどん発生していたという状況でございますし、金融機関はまだぎりぎりの努力はしていない。どこまでやって、ここまでできて、これからできないのはどうなんだというところもわからない。そのような状態で国民に公的資金の導入を求めても、それは国民は納得できないという状況でございますので、そういった状況につきましても、大蔵大臣にもその辺の状況認識についてお話をし、あるいはそれを通じまして官邸にもお話をしていたということでございます。
○松永委員 その当時の大蔵省とそれから官邸との行動を見ますというと、官邸にしょっちゅう銀行局長が行くというのはもちろんおかしいぐらいなんだよ。大蔵省の中で総理の発言の意を受けて、これはこうしなきゃならぬと、まあ第一次立入調査をやっている途中あるいはさらにやらなきゃならぬ時期であったかもしれませんけれども、それを徹底してやる。そして、徹底して不良債権の実態の把握をする。それに対して、母体行、一般行、その他貸し手の方の意見の調整をして、そしてぎりぎりやってみて、どうしてもこれは公的資金を入れなければ問題解決できないという最後の最後でなければ、もちろんのこと公的資金を入れるわけにはまいりませんよ。 まいりませんけれども、この平成四年の八月以降、九月、十月ごろの時点で、少なくとも、宮澤総理の持っておられた危機意識と大蔵省の持っておられた危機意識との間には温度差があるような感じがするね。官邸はしょっちゅう気にして呼びつけているわけでしょう。 大蔵省の中で、大臣以下、局長その他、これをもっと真剣にあの時点で、平成四年八月、九月の時点で取り組んでおくべきじゃなかったのかな、今になってみればそういう反省は起こりませんか。
○寺村参考人 あの時点で公的資金を入れるというお話でございましょうか。私は、無理だと思います。また、無理であるという状況認識を御説明を申し上げました。なぜならば、状況がわからないわけでございます。 そして、もう一つの議論としては、大変な危機意識を持って対応していましたからこそ、国民が納得できないような提案をして、成った場合に、市場にどういう影響を与えるであろうかということでございます。 まず、とにかく不良債権の大きさがどのぐらいあるかというのが金融機関自体がわかっていなかったわけでございます。そして、その損失額が一体幾らになるかもわかっていなかった。金融機関がどこまでそれで、自分の力で処理できるかというところもわかっていなかった。そして、実は損失額はその後どんどんどんどんふえていくわけでございます。それから、不良資産は住専だけではございません。何で住専だけの処理をしなければいけないのかということでございます。 それから三年間の経過がたちました。金融機関は今、不良債権の全体像を把握しております。どこにどれだけの損失が発生するか、もちろんこれから地価が変動すればそれによって変わると思いますが、おおよそ当時のように何もわからないという状況ではなくなっているわけでございます。
○松永委員 何もやみくもに公的資金を使えとは言いませんよ。とにかく金融システムという大きな組織の中に悪質のがんが発生していたみたいなものでしょう。それに対して早く処置すれば早く治るわけです。そのためには、もちろん、不良債権がどうなっているか、金融機関の体質がどの程度の力があるのか、それは調査しなければいけません。しかし、その調査がなされたのは平成七年の第二次調査なんでしょう。だから、平成三年、四年にやった、それから、その次は平成七年になるわけだな、これ。速やかに手を打たなければならぬという意識があるならば、その前に、平成七年の第二次調査の前に、五年でも六年でも、第二次の調査があってしかるべきじゃなかったかな。そういう感じを、今になれば私ども指摘せざるを得ないのです。
○寺村参考人 当時発生しました不良債権は、住専だけではなくて、大量の不良資産が発生いたしました。そして、その大量の不良資産を金融機関は原則、自己責任で、時間をかけて処理をしていかなければいけないわけでございます。そして、何を処理するかというのは、これは金融機関の判断でございます。行政がこの債権を優先して処理をしろと言うことは、今の法制上不可能でございます。金融機関の自己判断で処理をしていかなければいけないわけでございます。行政ができることは、できるだけ合意を成立して、着実に段階的に処理をしてほしいということを言うことしかできないわけで、その趣旨が、実は金融行政の当面の運営方針で丁寧に述べておいたところでございます。そのような対応を金融機関が行ったわけでございます。 すべての不良債権に優先して住専の処理のみを先にしろと言うことはできない。ただ、全体として不良債権、住専に限らずいろいろな不良債権を段階的に着実に処理をしてほしいと言うことをしてきたわけでございます。
○松永委員 これは押し問答をしてもしようがありませんからこの程度で終わりますけれども、とにかく、平成四年あるいは五年当時の大蔵省のこれらの問題についての認識にはやはり甘さがあったというふうに私どもは言わざるを得ない。 というのは、九三年の二月ですか、第二次再建計画がとにもかくにもまとまるのは。その第二次再建計画を発表した後の記者会見で、当時の次官の尾崎さんは、計画終了後は金利支援がなくとも経営ができる、決して暫定的な計画ではないというふうに、自信の持てる計画だというふうに発表しておられるのですね。あなたじゃないけれども、尾崎氏だけれども、次官がそういうふうな認識なんだね、これ。ということは、やはり認識には甘さがあったということは、これは否定できないだろう。
○寺村参考人 本日冒頭に御説明いたしましたように、この計画が破綻しましたのは、地価が計画策定当時の半分以下に、半分程度にまで低下したというところに原因がございます。当時は、その当時予想されたロス見込み額を、金利を大幅に低下し、六%の調達コストが二%まで下がりました。それによって十年間で、その損失見込み額を十年かけて処理をしよう、そういうことでございまして、次官の会見もそのような考え方を申し上げたわけでございます。
○松永委員 地価がその後下がったから破綻したというのでは、地価はずっと上がる一方だという前提では、土地を持たざる庶民はたまったものじゃないのですよ。そういうことなんですよ。土地の価格というものは、バブルの時代は土地を持たざる人にとってはもう化け物みたいなものだったんだ。それは許されるものじゃないのです。 私ども、農民育ちだから言うわけじゃありませんけれども、土地というものは、その土地から幾ら米がとれるか、あるいは住宅地になったならば幾ら地代が取れるのか、あるいはまた建物を建てたならば貸し家から幾ら家賃が取れるのか、そういう利用価値というか、あるいは収益還元価値というのか、それに基づく価格というものが妥当なものであって、それをはるかに超えて三倍も五倍も十倍も土地の価格がするというのは、これは世の中を狂わせてしまう、私ども、そう考えている。 その狂った状態があったから、総量規制で下げるということについては、我々は賛成なんですよ。しかし、その後また下がったからけしからぬというのは、これはちょっとおかしい。まともに汗を流して働いている人はそういう発言は了承できないんだよ。その意味で、甘かったということの批判だけは受けなければならぬのじゃないのかね。
○寺村参考人 いろいろな住専再建計画ございますけれども、地価の下落を見込んでいる計画もございました。決して上がるという前提ですべてを見込んでいるわけではございません。当時予想される損失見込み額を時間をかけて処理をするというのがあの再建計画でございます。 それでは、ではつぶすことができたか。公的資金を入れなければつぶすしかない。公的資金があのとき導入できたかという問題ではないかと思います。
○松永委員 あなたも相当理論がうまい方だと思うよ。私、かなわぬわ、ああ言えばこう言うで。少なくとも、第二次再建計画がごくわずかの間に破綻してしまったということには、事態の認識の甘さがあったのじゃないのか。 これは私はそれを指摘して、同時にまたもう一つは、平成四年の暮れ以降平成五年、こういった時期では、政治の方も金融機関の不良債権問題などは余り議論の対象にならずに、別のことにみんな走ってしまったのよ、政治改革という。そういう点があったものだから、そういう騒ぎはその騒ぎでいいから、この住専を含む金融機関の不良債権問題に政治の方ももっと真剣に取り組んで、大蔵省を叱咤激励しながら対応策を真剣に模索していったならば、もう少し不幸の度合いが軽くて済んだのじゃないかなというふうに思うので、平成四年の秋以降の日本の政治の流れというか、そういったものを私は非常に残念に思う。不幸な事態になったな、こういうふうに思う。 それで、今度は平成五年になりまして、残念ながら、金融問題、財政問題に現存する日本の政治家の中で最も精通しておると言われる宮澤さんが実はやめざるを得なくなった。その後はもうほとんど——もうあなた、おやめになったころでしょう、銀行局長は。したがって、その後の銀行局の動きがどうであったか、あなたに問うわけにはいかぬけれども、その後はどうもさらに楽観しているような対応の仕方が大蔵省でなされておったのじゃないかなという感じがしてならないのです。 例えば、平成五年の時点で、参議院の大蔵委員会で、その当時の藤井大蔵大臣は、住専の不良債権の償却は極めて早く進んでおりますというわけで、非常に楽観しておられる、そういう答弁がなされておるぐらいなんですね。 宮澤さんは、金融財政問題に精通していらっしゃるから、非常な危機意識を持っておられた。しかし、その後の内閣は残念ながら宮澤さんほどの憂いは持っていらっしゃらなかった、こういうふうに言わざるを得ないのですね。そういうその当時の政府の甘い対応、それがこの問題を非常に不幸な事態に結果的には追い込んでいったというふうに言わざるを得ないですね。 あなたの所感はありますか。
○寺村参考人 平成四年の八月、宮澤総理の御了解のもとに発表いたしました「運営方針」は、金融機関に大量の不良資産が発生し、その処理のために相当の長い期間かかる、そのためにいろいろな施策を講じていこうという方向は出されたわけでございまして、その方向に沿って対応は行われているというふうに考えております。大量の資産を一年や二年では処理できない、したがって段階的に時間をかけて、いろいろなあれで措置を講じてまいりました。 それから、早く公的資金を投入しておけば損失額が小さくなるのではないかという御指摘がその背景にあるのではないかと思いますが、ただいま申し上げましたように、仮に早い段階で処理をしたとしても、その後地価が低下をいたします。これは新たに新規な業務で発生した不良債権ではなくて、既存の債権の損失額が地価の低下によって増大した結果でございますので、早く対応したとしても、またその次に損失が発生するということがございます。
○松永委員 どうも理屈のやりとりみたいで恐縮だけれども、早く処理すれば金融システムについての信頼が確立するから、景気に非常なプラスになる。景気が上昇してくれば、地価がめちゃくちゃに下落するということは直ってくるわけであって、あるいは景気が回復すれば株価も回復するでしょうよ。そういったことで、不良債権問題だけじゃなくて、その周辺の事情が非常に好転する。そういったこと等を考えれば、早く処理すべきだったということは間違いないと思うよ。遅くなったからよかったんだという理論は成り立たぬと思う。まあこれはやりとりしてもしようがありませんが。 さようなわけで、平成四年の後半から平成五年、平成六年と、大蔵省の方では平成七年になってから第二次立入調査となってくるわけでありますが、しばらくの間は、この金融機関の不良債権問題、それぞれ専門的な方はいろいろな勉強会を開いたり、あるいはプロジェクトチームを我が党の中でもつくって、そしてこの問題の対応を検討してきたわけなんです。 そういう状況の中で、平成七年の七月の参議院選挙、このときの小沢一郎さんの態度は立派だったと私は思うよ。新進党の公約として、金融機関の不良債権が景気回復の障害になっておる、金融機関の自己責任を徹底した上で、日銀特融を初めとする公的資金を導入して、不良債権問題の早期解決に全力を挙げる、こういうことを公約として掲げられたんですよ。そしてまた、新聞にもきちっとそれを、七月十五日、「公的資金」と言っているんですよ。(発言する者あり)そんなへ理屈は言わぬ方がよろしい。立派に書いてあるんですよ、「公的資金導入などで不良債権問題の早期解決」と。これが公約なんですね。 これについて、金融財政問題に明るい人たちは、なるほど小沢という男は立派なやつだ、目先の票よりは国の将来を考えておる、日本経済全体を考えておるというわけで、高い評価が受けられたんじゃないんでしょうかな。私は、私どもと同期の中で、これほど立派なことを、目先の票のことは構わずに国家のためを考えている政治家だったかと思って、私は尊敬する気持ちにその当時はなってきたんですよ。 この国会の始まりのときにも、代表質問の中でも小沢さんは言っておりましたよ。公的資金導入をいかぬと言うんじゃない、その前に責任の所在を明確にすべし、そうした上でならば公的資金の導入、これは大いにやって、大いにやってという言葉はあったかどうか知らぬけれども、やって、そして早く解決すべきだ、こういう趣旨の実は質問演説であったと思う。私はそれを見て、ああやはり我が同期は立派だなと思った。 ところが、その後になって、どういう人たちから言われたか知らぬけれども、撤回した形になっているわけだ。そういったことでありますので、野田君あたりも今何か反対、反対と言っていますけれども、この新進党の公約にしろ、あるいはまたこの新聞にしろ、野田君あたりも賛成しなければこういったものはできるはずがないんだから。去年の七月公約したことは、半年もせぬうちに撤回するようじゃいかぬ、私はそう思う。公的資金というのは、最終的には税金のことだからね。最終的には税金に帰着する。目先の票のことを考えて半年前の公約を撤回するようじゃいかぬなというふうに私は思う。 そこで次に、農林省……(発言する者あり)
○上原委員長 御静粛に願います。
○松永委員 農林省の眞鍋さんですか、農林水産省経済局長であられた。ちょっとお尋ねしますが、例の第二次再建計画の中で覚書が交換されたわけですね。これは、どういういきさつで、その趣旨、どういうふうに解釈するのが妥当というふうに思われますか。
○眞鍋参考人 お答え申し上げます。 この覚書につきましては、冒頭陳述でお話し申し上げましたように、秋以降、農林系統金融機関には話がございまして、これは、あくまでも再建をする、住専七社を再建をする、それに対して協力をしてほしい、こういうふうなことで話があったわけでございます。 当事者間の話が難航いたしまして、十二月の中旬に至りまして、農林水産省も入ってほしいというふうなことでございまして、それまでの経緯をいろいろと整理をし、こういうことであれば両当事者間で受け入れられるかなというふうなことで、論点整理といいますか、そういうものを整理をして、これを各といいますか、系統金融機関に示しまして、十分内部討議を、組織でございますので、それぞれのいろいろな機関がございます、そういうところで御議論をいただいて、住専七社それぞれ個別に相談、各信連とかいろいろなところと相談をしていただいて最終的な合意に達した、こういう経緯でございます。
○松永委員 それでは、せっかくおいでになっておりますので、黒澤参考人にお尋ねしますが、日本興業銀行というのは、日本ハウジングローンの母体行であるわけですね。そして、日本ハウジングローンは、日本興業銀行から、最初は別として、社長さんが行っておるし、重役さんも行っておるし、そして職員も日本ハウジングローンに行っておった、こういうことでありますが、しかし、その日本ハウジングローンが、現在、不良債権が一兆八千五百三十二億かな、ロスと見込まれるのが一兆三千五百、貸付残高の五四%ぐらいがロス、損失見込み、こういう事態に立ち至っておるわけですね。 そこで、御意見を承りたいんだけれども、母体行の最高責任者として、先ほど言ったとおり、社長もずっと派遣しておる、重役さんも派遣しておる、職員も何名か行っておる、こういう状況下でこの日本ハウジングローンのこの倒産的な状態をもたらしたことについて、母体行の最高責任者としてどういうふうに考えていらっしゃるか、考え方をお尋ねしたい。
○黒澤参考人 ただいまの松永先生の御質問にお答えいたします。 私ども、一九七六年にできました日本ハウジングローンの母体行でございますが、先生おっしゃいましたように、ほかの長期信用銀行、日本債券信用銀行、それから証券会社三社、五社合わせまして、五%ずつ、合わせて二五%、その他四十六社集まりまして七五ということでっくりました会社でございます。 私どもは母体行の一つでございますが、こういった事態になりましたこと、不良債権が一番多いこと、非常に残念でございまして、遺憾に思っております。ただ、おまえ、監督が弱かったなと言われますと、まことにそのとおりなんでございますが、五%の株主でございますし、社長は行っておりましたけれども、設立後十年、十五年たちますと非常に独立の動きになってまいりますし、バブル期で右肩上がりの営業をやっておりますと、なかなかコントロールといってもうまくいかなかったことを端的に申し上げざるを得ない実情でございます。まことに遺憾でございます。それはもう先生の御指摘のとおりでございます。
○松永委員 これは日本興業銀行だけの問題じゃありませんけれども、有力銀行の職員の給与は著しく高いというんですね。いろいろな資料等を調べてみますというと、日本興業銀行などは、四十一歳で支店次長クラスで年収が千七百万ぐらい、ボーナスが六百五十万。で、同じ年代で一般的には、一流銀行以外の普通の製造会社、あるいは公務員もそうであるかもしれませんが、大体四十歳ぐらいだというと、月給が三十二万七千円で年収が五百万ぐらい、ボーナスはまあ百二十万かそこらと。そういうふうに比較しますというと、日本興業銀行の方は、年収の方で三倍近いんじゃないかな、ボーナスも四倍か五倍と。これは、こういう事態になってきますというと、やはりいかにその力があるとはいえ一流銀行も、ほかにあなた、一生懸命汗流して働いている人とそうまで差があっちゃ、それは国民の理解は得られぬのではなかろうか、こういうふうに思いますね。 これらの問題について、黒澤頭取さん、どういうふうに考えられますか。また、将来これは是正するというお気持ちがあるのかどうか、そういう点についての考え方を聞きたいと思う。
○黒澤参考人 ただいまの松永先生の御質問にお答えいたします。 銀行の給与が高いというのは先生のおっしゃるとおりでございまして、これは終戦時からの長年の積み重ねでこういうことになっておりまして、ただ、私どもはこれを是正するいろいろな努力をいたしております。 私どもの銀行について申しますと、この数年間ボーナスを減らしてまいりましたし、昨年年末のボーナスは八%カットいたしました。切り下げました。それから、この四月のベースアップはゼロにするつもりでございます。役員につきましても、報酬は、私どもの銀行ではもう今月からカットしております。この次のボーナスはいただかないつもりでございます。 その他、店を減らす、合理化をするというようなことで、先生のおっしゃったようなことで銀行が非難を浴びないような方に一生懸命やっておりますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○松永委員 一般的には、母体行にはもっと力があると。母体行がもっともっと経費の節減合理化をし、先ほど言ったような給与水準その他がべらぼうに高いなどというのも平常な状態に戻す、あるいは改善する、あるいはリストラもやる、こういったことをやっていけば母体行にはもう少し力があると。したがって、母体行が、原則といいましょうか、自分たちがつくった子会社の不祥事でありますから、まず第一に、母体行がほかの人には迷惑をかけないような形で処理し整理していくのが筋ですからね。その筋をより重く見て、単に債権の放棄、あるいはまた買い取り資金の関係での低利融資程度じゃなくして、もう少しこの問題の解決処理について母体行としてやれることがあるんじゃなかろうかというふうに一般的には言われておる。 私もなるほどなと思うぐらいなんですが、母体行の、こういう自分の子会社が不祥事態を引き起こした結果になったことに関連して、母体行の責任者としてどういうふうにこの責任をとっていくのか、重ねてお気持ちを伺っておきたいと思います。
○黒澤参考人 ただいまの松永先生のお言葉、大変厳しいお言葉でございまして、いろいろな新聞その他の論調もそういうことであることはよく承知しておりますけれども、私ども母体行といたしましては、先生おっしゃいましたように、三兆五千億という母体行の全額の放棄をいたします。それからその上に、一般行としてもまた債権放棄いたしまして、その上に、住専の処理機構に低利融資をいたします。それから、住専の特別勘定にこれまた出資をするというようなことで、ぎりぎりの負担をいたしておりまして、銀行といえども株式会社でございますので、商法上の株式会社として許される範囲のぎりぎりまでの負担をいたしておりますので、その辺のところをぜひ御理解いただければと思います。
○松永委員 まあ商法の規定に違反してまでとは言うわけにはまいりませんけれども、やはり一般の商業道徳からいえば、金融機関の子会社の不祥事については金融機関が全部責任を持って処理すると。だから、金融機関というものは、中小企業の立場からいえばもう神様みたいに安全な人たちだ、こう思っているわけ。いろんな会合に行っても、一番上座に座っておるのが金融機関の人なんですよ。 しかし、こういう事態になった以上は、むしろもう少し金融機関というものは責任が重いんだというぐらいの気持ちを持って、それで日本の経済の立て直しのためにできる限りの協力はぜひしてもらいたいなというふうに思います。これは私の希望意見でありますから、それでとどめておきます。 次に、庭山さん、もう御高齢にかかわらずおいでいただいて、御苦労さまです。また、お待たせをいたしました。 先ほど御意見は承りました。承りましたが、私は思いますのに、会社の経営者は、自分の経営する会社を破産状態に持っていくということが一番の恥だと私は思うね。これは、理由のいかんを問わずだ。 それで、あなたがもう長年社長をしておられた日住金、これは大変な状態に実はなっておるわけでして、もちろんあなたがやめる前よりも今の方が厳しくなっているんだけれども、不良債権が一兆円を超しておる、そしてその中で、取れそうなのは半分ぐらいしかない、ロスの見込みが八千億もある、こういう状態に日住金はなっておるわけですね。それを、大蔵省が悪い、土地が下がったからだと、こういう言いわけでは国民はだれも承知しませんよ。開き直りとしか見ませんよ。 これは、先ほどの言葉のみならず、よくテレビにお出になりますけれども、そのときの発言は、あなたは自分自身では言いたいことを言ったから気持ちがいいかもしれぬけれども、聞いている国民は、非常な不愉快の気持ちを持って聞いている人がほとんどだろうと思う。もっとも、土地がどんどん値上がりして、それによってがばがばがぼがぼもうけた人はあなたの意見に賛成する人もいるかもしれぬが、真っ当な人はみんな、あなたの発言を聞いて不愉快な思いをしているというふうに私は見ますね。 まあ、高齢者の方だから何を発言してもいいといえばいいかもしれませんけれども、私はそれはよくないと思う。やはり、大蔵省に長年奉職されて、そして請われて日住金の社長になられたということでございますが、まあ立派な実業人というふうに人が見るんですから。(発言する者あり)経営者としてあなたは失格という声が今上がったけれども、経済人としては、右申したような会社を破産状態に持っていったということについては大変な恥だと私は思う。 したがって、この会社を、日住金を社長として結果的には破産状態に持っていったことについての責任をどういうふうに感じておられるか、簡単に考え方をこの際承っておきたい。短く。
○庭山参考人 お答え申し上げます。 おっしゃることはごもっともでございます。それについての私の考え方は先ほど申しましたとおりでございますので、それによって御了解いただきたいと思います。
○松永委員 それから、桃源社社長佐佐木吉之助さん。 私は、人間として一番大事なことは、人様からお借りしたお金は必ず返す、人様からお金を借りる場合には、間違いなく返す意思があって、かつ返す当てがあった場合にのみお金は借りる、お借りしたものは必ず返すというのが、人間の極めて大事な道徳律だと私は思う。まして、いわんや経済人、経済に携わる者はなおさらのことだと思うのですね。 あなたは、桃源社の負債、七百二十八億かな、要するに返すことのできないような負債、もうほとんどが返済不可能みたいなことになっているんですな。九十何%がもう返せない、こういう状態になっているようでありますし、自体あなたは、この七百二十八億は返す意思があるんですか。また、返そうとする、返す努力をなさる意思があるのかどうか、そのことだけお伺いしておきたい。これで終わりにします。
○佐佐木参考人 先ほどちょっと中略しましたが、事業者というものは、金銭消費貸借に判こをついたときは個人保証も求められるんですよ。判こをつきます、その瞬間から法的にも全く無力でありまして、ただ一生懸命事業をやって、これを成功させる、こういうことが本来性でありまして、私は、その点において、一回それに、事業に、判こを押した限りにおいては必ずやり遂げるということは従来の私の信念であります。 それと、返せるか返せないかという問題は、先ほど私は言っておりますが、ここに、桃源社が四年間、五年間、どのぐらい物を売ったりお金を出してきたかというのは、きょうは集計してきました。その額は、実に七百五十億以上から八百億に達しております。この四年間だけです。それで、最初の二年半ぐらいまでは任意に土地が売れたんですよ。ところが、その後、まあいろいろ従来言っているように、全くこれが売れない、バイヤーが出てこない、そういうような状態で、法的に物件の処理をする、そういうようなことが非常に多くなっています。 その中で、前三回ぐらいの、オイルショックとかそういう中では、お金がなくなれば当然企業として危ないですから、即資産を売ったり金を調達してこれを脱却するというのは当たり前の話でありまして、何も、民民の契約の中で第三者から言われる筋合いは私はないと思います、自分の責任でやっていますから。
○松永委員 自分の責任できちっと返してもらいたいと言っているんですよ。個人保証している以上、男として、経済人として、きちっとした債務返済についての懸命の努力をすることが人間の道じゃないのかなということを申し上げたいわけです。今みたいな態度では、国民は、それはあなたはひどいというふうに見ると思うよ。 以上で私の質問を終わります。
○上原委員長 これにて松永君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川委員 草川であります。 きょうは、七名の参考人の方々に、冒頭まず私の思いをお伝えしたいと思うんです。 関係者のすべてを一堂に集めて我々がお聞きをしたいことを聞く、こういう今回のやり方は、住専の問題を政争の具やあるいはゴシップに終わらせずに、何が国民にとって納得のいく解決策なのか、これを明らかにすること、そしてまた建設的な方向で問題を処理したい、これは恐らく、我々国会議員一同の切実な思いだと思うんです。 そういうつもりで実は参加をしてきたわけでありますが、先ほどの佐佐木社長の態度は、私は非常に不愉快であります。これは不愉快ということよりも怒りを込めるわけでありますし、そういう方々と取引をした住専というのは一体何なのか。そしてまた、そういう住専をつくってまいりましたところの日本の官僚機構というのは、一体、国民の方に背を向けているのか、国民の本当に利用しやすいような住宅政策をやろうとしていたのか、基本的に、私は本当に冒頭から非常に不愉快な思いをして発言をさせていただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。 そこで、まず庭山参考人にお尋ねをしたいと思うんです。 先ほども出ましたけれども、庭山前社長は日本住宅金融株式会社をみずからつくられたわけでございますが、しばしば、先ほどもそうでございますが、日住金は大蔵省の被害者だということを言っておみえになります。しかし、あなたが在職中の平成元年、政府が先ほどこの国会に提出をいたしました日住金に対する平成七年の六月三十日の調査結果によりますと、これはまだ在籍だと思いますが、あなたが在任中の平成元年六月ごろから特定銘柄に集中をしました株式投資を行いまして、百七億円の損害を会社に与えているということが二ページに書かれています。 この株の売買については、あの東京佐川急便事件の中で背任に問われました関係者の裁判における判決文の中にも、日住金の関与ということが記載をされております。 その後も、特定銘柄に集中をいたしましてリスクの高い投資をした、そして国内の株式を中心に八百億円以上の巨額な評価損を会社に与えたと聞いておるわけでありますが、こういう経過をたどりながら、国民の税金で住専である日住金のしりぬぐいを我々にさせるのか。私は大変これは怒りに燃えて前回のこの予算委員会でも問題提起をし、総理からも同感の意の答弁をいただいたわけでございますが、改めて庭山参考人にお尋ねをしますが、あなたは一片の良心なり呵責を感じませんか。株で損をした分は経営者の責任としてみずからかぶりたい、みずからやったことは私が責任をとると先ほどここでおっしゃったわけですから、せめて株で損をした分は庭山参考人みずからが負担をされても当然ではないか、こう思うのですが、どうでしょう。
○庭山参考人 お答え申し上げます。 当社は住宅ローン、個人の住宅ローンを目的として出発した会社でございますけれども、私はこういう経営方針を持っておったのです。 当社で、俗な言葉で言いますと、もうけた自己資本ですね、当社でもうけた自己資本は、これはもう株主のために確実に保存しなきゃいけない。それで、それには預金をしておくだけでは、総合的に考えて、それだけでは、まあ何といいますか、いろいろチャンスを失う。というのはいろいろな意味がございますけれども、一部は株式を持ちました。しかしその株式は、日本における各業種別の一流の、超一流企業の、トップ企業の株だけを持つということで、そういうふうにしておきましたら、またそれは、株は下がることもありますけれども上がることがありますね。だけれども、例えば新日本製鉄とか住友金属とかいうふうなものを持っておりますと、まずそれを持っているのがいかぬということはない。私は、単にそういう意味で株を持っておったわけでございます。 ところが、おっしゃいましたことは事実でございますが、しかしそれは、おっしゃいますような意味で持っていたのではございません。やはり会社を経営いたしますには、この部分とこの部分というふうに部分がいろいろございますね。それでそこの、この部分の担当者は、やはり自己の守備範囲の、何といいますか、利回りというか、それをよくしようと、コストを下げるために一生懸命やるわけでございまして、そういうことが始めた動機で、その担当者はそういうことを始めたのだと思うのです。 それで……(発言する者あり)ちょっと全部お聞きくださいよ。それで、私はそういうことを気がつきまして、これは一体何だということを私は担当者を呼んで聞き……(発言する者あり)
○上原委員長 お静かに願います。 参考人、御答弁を簡潔にまとめてください。
○庭山参考人 これを直ちに配置がえをいたしまして、以後絶対にそういうことが起こらぬように、そして担当者の譴責もいたしまして、処置いたしました。それで、一体おまえ何ということをするんだということを言ったのです。それで、あれは……(発言する者あり)長いですか。いやいや、だけれども、それを聞いていただかなければいけませんでしょう。短く話しますが、それで、相手のその会社の株を引き取らざるを得ない状態になったわけです。私がその会社のそんな株を——そんな株というのは失礼ですけれども、私はそういう会社の株を、名前も知らなかった。
○上原委員長 短目に願います。
○庭山参考人 それで、それを引き取らざるを得ない。このとき引き取らなければ、私は詳しい取引の関係は知りませんが、相手のお客さんに迷惑をかけますから、それはもう絶対にいかぬと言って、その結果なったので、おっしゃるように投機的取引をやったのではございません。
○草川委員 では、平成四年、ちょっと前になりますけれども、午前でも出ましたけれども、日住金の母体行で三和銀行等々の母体行が日住金の再建案を出したわけですね。これは議論になったわけです、午前中。 その中の指摘事項の中に三というところがあるのですが、有価証券部門としては、運用失敗の事実を担当部長すら掌握していない例もあり、管理体制として全く機能していないと母体行が指摘をしているのですよ、母体行が。だから、今の庭山参考人の答弁は私は適当ではない、これは強く指摘だけしておきたいと思うんです。 次に行きますが、この日住金という会社の経営方針、ひいては社長であるあなたの経営者の資質すら疑いたくなるような事例を今から申し上げます。そこでもう一回答えてください。 これは、九一年から九二年にかけまして、日住金の京都の支店長が、業務拡大を図る余り大変な過ちを犯しました。返済能力のない人たちにわずかばかりのお金を与えまして、でっち上げましたところの架空の不動産取引にこの京都の支店長が加担をしたわけですよ。会社に巨額の損失を与えまして、母体行の再建計画書によりますと、九二年三月現在で、日住金京都支店は二百十七億円の焦げつきを発生させているわけです。こうきちっと書いてあるわけですね。 しかも、日住金の当時の社長であるあなたは、この京都の支店長に対して告訴していないんですよ、けしからぬと言って。損害賠償の請求もしていないんですよ。 しかもこれは、思い出してください、思い出してください、当時会社は、この支店長を表彰しているんですよ。なんで表彰したんですかね、これ。よく悪いことをやったという意味で表彰したんですか。そんなことはないと思うんですが、そういうずさんな経営をやられてきた責任を庭山さんも考えていただかなければ。私どももこれから申し上げますが、大蔵省銀行局のやり方が悪いとかいろんなことを言いますが、まず、経営者である庭山さんもきちっと国民の前で反省をしていただかないと、我々のとうとい税金というものはこのスキームの中に入れることはできませんよ。ひとつ、御反省の意味を込めて答弁をお願いします。
○庭山参考人 おっしゃいましたことは事実でございます。これは私は、もうどなたに対しても申し開きはできません。 それから、今表彰されたとおっしゃいましたが、それはその支店長が、その以前に非常に、京都以外でも成績を伸ばしたので、それでそういうことになったんだと思います。 これは、おっしゃいましたこと、それでそれを皆懲戒免職その他で処理いたしましたので、その点御報告申し上げます。
○草川委員 だから、当然のことながら、告訴をするとかという、普通の経営ならばしかるべき処置が行われるんですが、とられていないという不満があるわけです。 そこで、土田参考人にこの際お伺いをします。 戦後日本の金融を生み育てた大蔵省の歴代の銀行局長の一人として、大変あなたは自負もあり、誇りもあることだと思うんです。しかし、あなたがベストだと信じて行いました金融行政が、今、庭山さんはあなたたちの先輩なんでございますが、当初申されましたように、非常に銀行局の運営というものに対して不満を出しておみえになります。それでもなお、あなたたちは、今ここで、自分たちが今までとってきた政策判断に一切の過ちというものがなかったのかどうか、言い切れるかどうか、元局長にお伺いをしたいと思います。
○土田参考人 私が銀行局におりましたのは通算して八年ぐらいにすぎないと思いますので、戦後の行政について概論を申し上げる資格はないと思います。が、やはり私の見聞した限りにおきましても、一つの戦後の金融法制というものをつくり、それを、非常に多くの抵抗を受けながらでございますが、十年に一回ぐらいの割合で、アップ・ツー・デートにするように法制を直し、それでかたがた、いわゆる金融の自由化、国際化というものを進める、そういう大筋においては間違ってはおらなかったと思います。 ただしこれは、自分がマイペースでやれるような仕事はほとんどございませんので、いろいろ外国ないしは業界ないしは、まあ場合によっては国会筋の方々の御了解を得ながら話をまとめていかなければいけない。そこにどうしても、自分の本来理想とするところとのギャップが生ずる。それで、かつまた、私どもの判断が常に一〇〇%正しいとは決して思いませんので、情勢を見誤ったり、それから思わざるような現象が起こって、それの後追いに狂奔するというようなこともございますので、結局、奔命に疲れるというか、物すごく忙しい仕事ではありますが、その割に決して高い評価を得られていないというのは残念に思います。
○草川委員 今、高い評価を得ることができず残念だとおっしゃいますが、今こういうような国会における質疑をしなければならない原因というのは、実は土田銀行局長時代、寺村銀行局長時代に遠因があるんですよ。そこからそもそものスタートというのは出てきているんですよ。そこの反省を今私は実は土田さんからお伺いをしたがったわけであります。 そこで、第一次の立入調査というのがありました。もうこれは我々にも公開をされました。その立入調査の結果を一番最初に恐らく部下から報告を受けたのは、当時の土田さんではなかったかと思うんですが、いわゆる独力で再建できるとそのとき思われましたか。先ほど来からのお話を聞いておりますと、まあ、土地もまだまだ上がるんじゃないかとか、かなり希望的な観測があったから、仕方がないからもう少し様子を見ようというのが本音ではなかったのですか。そのときに真剣に、これは大変だと、もしあなたたちが考えれば、別の処置が私はとられたんではないかと思うんですが、どうでしょう。
○土田参考人 ノンバンク問題一般についていろいろ問題意識を持っておりましたが、それは御質問にもございませんので省略をいたします。 住専問題につきましては、住専八社大体において、やはりノンバンク一般と同じような経営動向をとっておると思いましたが、私どもが調査云々というアイデアを出します前から、例えば地銀生保住宅ローンなどは非常に早かったと思うのでございますが、その住宅ローン会社の経営悪化を心配いたしまして、地方銀行協会の場を中心に関係者がいろいろと今後の方策を検討するということを自発的に既に始めておりました。 そのようなこともございましたし、私どもの調査に取りかかる前から関係の住専では、もちろん程度の差はございましたが、そういう問題意識を持って見直しに取りかかっておるという状況でございました。私どももそれを見ながら、かつ、どうしても自分の手で内容を点検してみたいと思うような事情もございましたので、いろいろ考えまして、それまで前例はなかったわけでございますが、いわゆる調査というものをやらせていただいたわけであります。 その調査の結果を申しますと、これは非常に雑駁な印象を申しますが、やはり通常のノンバンクと同じように住専も悪くなっておる、大体この程度のものであろうかと思っていたが、やはりそうかというような感じでございました。 しかし、その内容は、繰り返すようでございますが、これでその時点において会社が成り立たなくなる、資金ショートを来す、破綻するというふうには認められるような程度には至っておりませんでしたのと、それから、既に私どもの方の調査も一つの刺激となりまして、母体行その他関係者が非常に真剣にその対策を協議し始めたわけでございます。 この住専そのものにつきましては、私どもは業務改善命令を出す権限もなく、解散命令を出す権限もありません。やはり母体行に対するいろいろな影響力の行使によって上手にこの処理を進めていくということしか当時は手法はございませんので、母体行が十分自発的に、ないしは当局の示唆を受けて個別に見直しを始めておるということであれば、当面のノンバンク全体の中では、これは一応いわば警戒信号をつけてある、当面はこれでよろしいというふうに私は考えておったわけでございます。
○草川委員 じゃ、寺村さんにちょっとついでにお伺いをいたしますが、ちょうど土田局長から寺村さんに移行する時代ですね、その後。その引き継ぎ事項の中に、この住専対策というのはどういう言い方で引き継ぎを受けられたのですか、簡単にお答え願いたいと思います。
○寺村参考人 詳細は覚えておりませんが、住専問題が大変な問題であるということで前局長から引き継ぎを受けた印象を持っております。
○草川委員 そのときに、いわゆる公的資金を導入しなければこれはだめではないかというような議論があったやに我々は聞いております。 しかし、あのときの情勢というのは、そのちょっと前にいわゆる参議院の選挙がございまして、消費税で圧倒的に自由民主党が負けたときですよ。そして、皆さん方の念頭には、もう公的資金ということを言うわけにはいかない、だから、土地もどうやらこれで下がり限界だ、もう少し様子を見ようじゃないかということが、今日の最大の悲劇を生んだ瞬間ではなかったかと思うのです。私は、そのときに、住専は大変だよという引き継ぎがあるとするならば、もう少し具体的な知恵の出し合いの機会があってしかるべきではないかと思うのです。 また、これは後ほど申し上げますけれども、きょうは寺村さんも、午前中の質疑の中で坂上先生の質問に対して、公的資金を導入しなければ、それ以外に道はございませんでしたとまではっきりと明言をしてみえるのですね、議事録を見ると。だから、やはり当時のMOFというのですか、大蔵省銀行局としては、公的資金というものの導入の時期をひそかにうかがっていたことは事実だと思うのです。そこらあたりのことを率直にお答えを願いたいと思うのです。
○寺村参考人 午前中の答弁でございますけれども、一括処理をするとしたら、一挙に整理をするとしたら公的資金を導入する以外に道はなかったと申し上げたわけでございまして、その際、一挙に処理をする道をとらなかったからということで、それはなぜかというと、公的資金を導入することが不可能であったからであって、したがって、一挙に整理することはできなかった、こういうことでございます。
○草川委員 じゃ次に、きょうは日本ハウジングローンの母体行である興銀の黒澤頭取がお見えになっておられますので、黒澤参考人にお伺いをしたいと思うのです。 先ほど参考人は、我々も反省をし、リストラを図る、こういうような御趣旨の御発言がございました。それで、興銀がどういうリストラをしておるのかなと拝聴しておりましたら、結局、ボーナスの辞退というようなことを若干言っておみえになったようであります。 民間企業のリストラというのは、興銀は御存じのとおり産業開発銀行ですから、民間企業がどれだけ血の出るような合理化努力をしておるのか興銀は知らないわけはないと思うのです。これだけ世間を騒がす、そして自分自身が母体行である、そして全国民の注目を浴びているこの住専対策に対して、私は、銀行の頭取がボーナスを返上するという程度がリストラのつもりでおってもらっては大間違いだと思うのです。その点、どうですか。
○黒澤参考人 ただいまの草川先生の御批判にお答え申し上げます。 先ほど申しましたように、私どもは賞与を返上申しましたのですが、そのとき申しましたのは、今月から既に役員の報酬はカットしております。それから、従業員もこの年末のボーナスは八%カットいたしました。それから、四月のベアはなくすということでございます。そのほかに、私どもリストラといたしましては、昨年、私ども、店が三十、支店が三十ございますのですが、三つ閉めまして二十七にいたしました。それから、向こう三年間に、私ども、大体興銀は五千人ぐらいしかおりませんのですが、三百人ぐらい減らすというようなことも含めて、さらにリストラをすべくいろいろ考えておりますので、御理解をいただければと思います。
○草川委員 大変恐縮ですが、黒澤参考人は前回、三年前、証券・金融不祥事のときにも、尾上縫氏東洋信金事件等々に絡みまして参考人として御出席になられました。私は今あのときのことを思い出しますが、あの事件があって一体何人の方々が日本の銀行の頭取をおやめになったんでしょう。責任をとって頭取をやめられたという例を、私は、全然知らないとは言いませんけれども、当時おいでになった方々でそういう責任をとったことを寡聞にして聞いたことがございません。 私は、別に他人に、よその銀行の頭取にやめなさいと言う権限も力もございませんけれども、今回のように国民の皆さんに税の負担をお願いをするという、そういう状況にあるならば、私は、日本のリーダー、いわゆるバンカーとして、頭取はそれなりの責任をとられることが当然ではないだろうかと思うんですが、そういうお考えはあるのか全くないのか、大変恐縮でございますがお伺いをしたいと思います。
○黒澤参考人 草川先生から、三年前にもここに来たなと御指摘がございましたが、申しわけございません、四年半前でございます。大変痛恨の思い出でございますが、私どもが、大阪におりました詐欺を行った人間の事件に巻き込まれたということでございまして、その当時私どもは、会長が退任いたしまして取締役相談役が相談役に引かれるということで、私どもなりのけじめをつけたつもりでございます。 今回のことにつきましては、住専問題の母体行の一つとして非常に重く受けとめておりまして、先ほど申しましたように、母体行として全額債権を放棄する、一般行としてもさらにその上に放棄する、それから住専機構あるいは基金に出資なり低利融資をするというようなことで責任を果たしてまいりたいと思っております。どうぞ御理解をお願いいたします。
○草川委員 そういう程度で国民が理解をするというほど、私は日本の国民の方々はそんなに御円満ではないと思うんです。もうみんな、皆さん方のワリコーを買ったり、あるいは銀行へ行って定期をしながらわずかばかりの、〇・五%が公定歩合ですか、昔に比べれば年金労働者などというのは本当にひどいものですよ。そういう中で、実質的には私は、日本の国は低金利政策によって銀行の不良債権を回収する補助金を日本の国民が負担をしていると同じことだと思うんですよ。 そういう立場で物を見ているわけですから、先頭に立つ方々はきちっとした責任をとってくださいよ、これは日本の国のために。私は要求よりもお願いしたいぐらいだ、国民の一人として。そうしませんと、日本の国は本当に沈没しますよ、リーダーになる方々が無責任ならば。私は、そういうことを申し上げて次に移りたいと思うんです。 母体行責任の中で最も重大なのは、前回も私この委員会で発言をしておりますが、紹介融資だと思うんです。住専問題には母体行の責任という要素があります。処理スキームでは母体行責任が不十分で、母体分の三兆五千億円の根拠というのは、母体行が貸し出しをいたしました資金を放棄する、こういうことを言っておることにすぎない。母体が紹介をした案件に対する責任が母体の負担に反映をすべきではないかということを私どもは主張しているわけです。各母体行が負担すべきものの中に紹介案件分を加味させたらどうだろうというのが、私のこれは個人的な提言で、前回も申し上げておるんですが、この際、リーダーである黒澤頭取の、参考人の御意見を賜りたいと思います。
○黒澤参考人 ただいまの草川先生の御質問にお答えいたします。 紹介責任ということにつきましては、なかなか定義が難しくございまして、午前中に橋本全銀協会長がおっしゃったこと、あるいは地銀協会長がおっしゃっていることなど、なかなか簡単でございません。 私どもの銀行について申しますと、私どもの銀行に関しては、日本ハウジングローンに対する融資の紹介は一件もございません。
○草川委員 我々も、国会でいただいた資料で、日本ハウジングローンが紹介案件が一つもないというのは十分承知をしております。 だからこそ逆に、私どもは、この提案をするスキームの中では、三兆五千を放棄をするけれども、紹介案件のウエートをかければ、紹介案件の少ないところは本来過分な負担をしておるのだから、もうそれは黙っておきなさい。しかし、ウエートをかけて、少なければ少ないところだけ余分に払っていただくならば七千億を超えるという試算があるのだから、国民の皆さんに六千八百五十億円といういわゆる税の負担はなくなるのではないか。 だから、この紹介案件をふやせということは、実は興銀にとっては腹の中ではもっとほかに持ってもらいたいということを、実は私はそういう立場からこういう発言をしているのですよ。それはあなた、ちょっと間違えてもらっては困るのですよ。おたくは、この私の提案で言うならば、紹介案件分はゼロですから助かるのですよ。紹介案件の多いところが足らないところを負担をすべきだ、こういう主張なのですよ。それはあえて答弁を求めようとしません。 そこで、紹介案件がゼロだ、こうおっしゃるので、実質的に随分興銀さんは問題がございますよ。ちょっとこれは最初に申し上げておいた方がいいと思うのですが、けさも我々の同僚の北側委員が末野興産という借り手の方に対していろいろな質問をしておるわけですが、昨年の九月の二十八日に末野興産が、大阪市西区立売堀一の七十八の宅地を日本ハウジングローンの関係会社であるジェイ・エス・エーという、これまた名前が変わったようでありますが、ジェイ・エス・エーに十億で売ったということについて質問をしたわけです。 そこで、今急なこれは質問でございますから大変申しわけございませんが、興銀さんも午前中から傍聴しておみえになると思うのでおわかりかもわかりませんが、登記簿謄本によりますと、末野興産はそれを興銀への返済に回しているのです。本来ジェイ・エス・エーにお金を貸していた日本ハウジングローンの不良債権を減らさなければいけないのに、母親である、母体行である興銀がハウジングローンに不良債権を押しつけた形になっている。興銀の抵当権が設定をされているとはいえ、黒澤参考人は、道義的な立場からいって、これはおかしいとお思いになりませんかどうか、お伺いをしたいと思います。
○黒澤参考人 ただいまの草川先生の御指摘でございますが、末野興産に私どもは八八年の一月にビル取得資金として十億円を貸し付けました。これは、当時日本ハウジングローンが既に末野興産と大きな取引がありまして、約八百億の取引がございまして、私ども、日本ハウジングローンからの依頼に基づいてビル取得資金を十億円貸し出したものでございます。 これは、このビルが、その後末野興産が売却いたしまして売却代金が入りました。私どもがこれは抵当権の第一順位、日本ハウジングローンは第二順位でございまして、したがって、こういった定めに基づきまして私どもが回収したわけでございます。どうぞ御理解をお願いいたします。
○草川委員 なかなか今の御答弁では理解ができないのですよ。 それで、いわゆる昨年の九月の二十八日といいますと、大蔵省の立入調査の後なのです。それで、そこで日本ハウジングローンという住専の破綻と清算が行われるわけでありますから、大蔵省の検査が入った、そういう調査の後でこのような差しかえが行われるというのは、逆に言うならば、私はハウジングローンにこれは入れるべきじゃないでしょうか。ハウジングに引き継ぐべきいわゆる不良債権を少しでも少なくするということを興銀さんはやられるべきではないかと思うわけであります。 そこで、じゃもう一つ私の方から、今度は興英コーポレーション株式会社についてお伺いをしたいと思うのです。 この興英コーポレーション株式会社というのは、もう頭取も御存じだと思うのですが、これは日本ハウジングローンの大口融資先として上位にランクをされております。この会社の社長は興銀の新宿支店長を務め上げられた方でございますし、ナンバーツーの常務は、やはり興銀より人材が派遣をされてきております。また、株式も興銀が三十三万六千株を取得をしておりますし、事実上の興銀の、まあ系列と言うと私はいささか反論を受けるので、あえて関係会社と見られても仕方がないと思うのです。 事実、この会社と取引している方々は、元興銀の支店長が社長だし、常務もおみえになるし、興銀の「興」という名前もついているわけですから、これはまあ興銀関係の会社であろう、信用しようじゃないか、こういう会社であると思うのですが、まず、その事実についてどのような御認識か、参考人からお伺いしたいと思います。
○黒澤参考人 ただいまの草川先生の御質問の興英コーポレーションでございますが、株式を私ども四%持っております。それから、社長に私どもの、先生がおっしゃいました新宿支店長が九〇年六月から昨年六月まで五年間社長をしておりました。そのとおりでございます。 ただ、四%の株式を持っているということと、社長を一時出しておったという会社は私どもたくさんございまして、これは関係会社と言うには当たらないと思います。 それから、「興」という名前でございますが、これは会社が勝手につけたものでございまして、私どもに事前の了解もございませんでした。
○草川委員 まあ参考人の考えというのはよくわかりましたが、興英コーポレーションは、日本ハウジングローンに昨年六月現在で二百五十六億円の不良債権を残しているのですね。二百五十六億といえば大変なお金ですが、こういうハウジングローン、これはもう母体行は興銀であることは明白なのですが、そこに興英コーポレーションが二百五十六億という不良債権を残したことについての頭取の御見解はどのようなものか、認識をお伺いしたいと思います。
○黒澤参考人 ただいまの草川先生の御指摘でございますが、先生も御存じだと思いますが、興英コーポレーションというのはもと港ファイナンスという会社でございまして、港ファイナンスというのは、港建設という会社の子会社でございます。港建設とは、先生がおっしゃいました、私どもが母体をしておりますハウジングローン、日本ハウジングローンカンパニーが七七年から取引をしておりまして、私どもは、この港建設とは十年おくれました八七年から取引をいたしました。この子会社として設立されましたもと港ファイナンス、ただいま興英コーポレーションも、ハウジングローンが八七年に取引を開始いたしまして、私どもは一年おくれて八八年から取引をいたしまして、すべて日本ハウジングローンの方が十年なり一年先に貸し出しをしておりますところに私どもは後から入ったものでございまして、押しつけたものではございません。
○草川委員 興英コーポレーションの、私は今度は不良債権隠し、いわゆる飛ばしの実例を申し上げてみたいと思うのです。 これは、平成三年二月、興英コーポレーションの単独で最大の貸し手であります城栄物産グループ、こういうグループがあるのですが、そこが不渡りを出しました。そこでこの興英コーポレーションは、これまで取引のありました城栄と関係のない会社数社に、五つか六つの数社に、城栄というグループが持っていたところの担保物件を買い取らせるわけです。これは不渡りを出しますから、関係者のところに担保物件を買い取らせます。相手は急に言われるわけですから、代金等がございませんので、その代金はどうかといいますと、買い取り代金はすべて興英コーポレーションが手当てをし、これにより興英の城栄物産グループに対する債権は回収をされることになります。 なかなかこれはわかりづらいことなんですが、倒産をした、その不良債権を隣の違う方に引き取ってもらう。隣は迷惑ですから、どうなのと言ったら、そこへ興英コーポレーションがいくわけですから、興英というもののバックを信用して、しかもそこからお金が出るわけですから、まあいいじゃないのといって債権を飛ばすわけですね。買い取らせましたところの担保物件はすべてその評価というものを水増しをしまして、大手銀行やノンバンクなどから資金の調達をするわけですね。金額にして全部で約六百億円です。件数にして百四十一件。資金の調達先になりましたところの銀行やノンバンクの数は数十に及んでおります。多分興銀がバックだと思って対応したんでしょう。これは、興英コーポレーションの資金調達先に対する詐欺的な行為だと私は言わざるを得ません。 私は、ここに「城栄物産グループ関連債権についてのお詫び」というペーパーをきょうはあえて頭取にお見せしょうと思って持ってまいりました。 それで、この「お詫び」を見ますと、どういうことが書いてあるかといいますと、元興銀の新宿支店長でございます社長の名前が書いてありまして、それで興英コーポレーションが、いわゆる新しいニューマネーを引き出しました銀行だとかノンバンクに対して、利払いやいわゆる元本の支払いができなくなったために、城栄グループの不良債権飛ばしと粉飾の事実、こういうことを調達先にわびた文書の内容になっております。 対象となりました百四十一件の中には、おたくの興銀もあるんですよ。三件あります。案件にして約九十九億の資金協力をしておりますし、第一住金といういわゆる住専も二件から三件これを持っております。引き受けております。であれば、興銀は城栄物産問題に関する事実経過を知っていたのではないか。 だから、これは私は前から、この興銀に対して、銀行局を通じて、こういう実例があるので資料を出しなさい、出しなさいと要求をしていたところでございますが、きょうは参考人として御出席になられましたので、改めて見解をお伺いしたいと思います。
○黒澤参考人 ただいまの草川先生のおっしゃいました興英コーポレーションの飛ばしまがいのことでございますが、これは、実は先生が一昨日でしたか、この委員会で問題にされたということを伺いましたものですから、取り調べました。 元来ですと、私どもの取引先のまた取引に関することですから、銀行として必ずしも承知していることではないのでございますけれども、詳細調査いたしましたところ、私どもの元新宿支店長がこの会社に請われて社長になりましたのは、九〇年六月でございます。 それで、今おっしゃった飛ばしまがいのことが行われましたのは、翌九一年三月の、この社長が行って最初の決算期でございますが、実はこの社長が行ってみましたら、なかなか会社の中が複雑怪奇でございまして、いろいろなことが行われておりまして、関係役員のそういった仕事があったようでございます。それで、私どもから行きました社長は、行ってすぐですから、なかなかこれが非常に複雑怪奇になっておりますので、よく把握できなかったのですが、九一年三月にそういうことが行われていると知って、これはよくないということで、公認会計士だったと思いますが、相談いたしまして、その飛ばし的な行為はすべて差し戻しました。 それで、先生がおっしゃいました六百億でございますが、形式的な物件の移動による、書類上の物件の移動でございますので、お金は一切動いておりません。したがって、六百億の融資というのも出ておりません。 それで、戻しまして、これを粉飾ととられかねないような操作をしました決算操作につきまして、社長としておわび申し上げるということでおわびをしたようでございます。私どもが直接やっていることではないのですが、聞きまして、甚だ遺憾でございます。 以上でございます。
○草川委員 興銀としては、自分の支店長が社長をやっている企業がこのようなおわびを関係先に出すということはやはり釈然としないものを持っておみえになるからこそ、今のような答弁になったと思うわけであります。 実は、この興英コーポレーションにつきましては、不良債権の肩がわりをめぐりまして、破産をしたある会社をめぐります破産申し立てについての東京地方裁判所の決定があるわけであります。東京地方裁判所は、この興英コーポレーション自身が粉飾決算をしたという事実をこの判決文の中で認めておりまして、また、不良債権の押しつけの事実についても社会的な非難に値すると述べているわけです。 ですから、今頭取がおっしゃったように、実は直接の対象じゃないのですよ、少し先なんだよ、その先のことまで面倒なことを取り上げられては困るというような御趣旨の答弁でございますが、私はそれではだめではないだろうかと思いますし、興英コーポレーションをめぐりましては、都内の不動産取引で日本ハウジングローンの迂回先になるなど、そのほかにもいろいろな問題点が実はあるわけです。 これは私の意見として聞いておいていただきたいと思うのですが、日本ハウジングローンの破綻の大きな要因の一つは、このような興英コーポレーションと興銀との関係などを見ておりますと、先ほど来から指摘をしておりますように、事実上の関係会社と言われても仕方がない関係がある。また、相手の方もそういうように受けとめる。要するに、興銀があえて日本ハウジングローンを中心といたします極めて不透明な資金の流れをつくり、結果的に日本ハウジングローンの不良債権の拡大につながるわけですよ、午前中の末野興産の例にもあるように。天下の日本興業銀行のやることではないと私は思うのですよ。 いずれにしても、不良債権飛ばしまがいのこと、金が動いてないからいいじゃないか、書類上だからいいじゃないか、それが実は尾上縫の問題にさかのぼるのじゃないですか。だまされたのでしょう、おたくは。だからああいう事件が起きたのですよ。その反省が日本興業銀行にはないのですよ、大変失礼ですけれども。 我々は、今こういうところでこういう声を出して、大変御立派な頭取にこういう失礼な言葉を言うことは私としても大変内心じくじたるものがありますが、私は、これはいずれにいたしましても、国民に迷惑をかける結果になっていくわけですから、興銀みずからが処置すべきものだと思うのです。その他のメーンバンクが処置をすべきものなんです。それを住専にうまいこと押しつける。こういうことで、皆さん方の言われるような、住専はごみ箱だ、もっとひどいのはたんつぼだ、こう言うのでしょう。一番悪い債権を押しつけるわけでしょう。いいところだけで逃げてしまうわけでしょう。それで国民がそれを負担をするというのは、私どもはこれはもうどうしても認めるわけにはいきません。これを強く主張をしておきたいと思うわけであります。要するに、透明性のある資金の流れを興銀はつくってくださいよ。 きょうはあえて私は申し上げませんけれども、前回、A社という名前で若干問題提起をいたしました。土地を買ったんだけれども、そのA社はこの興英コーポレーションに金を払わない。払わない何らかの理由があるだろうと、こう言われているんですよ。私は、皆さん方の方といろいろときのうもお話を聞きました。なかなか口を割っていただけなかったんでございますけれども、普通の取引ならば、先ほどもどなたかおっしゃいましたけれども、借りた金は返す、それだけの話ですよ。借りた金は返すのが当たり前なんですよ。しかし、借りたんだけれども、お金を返済しない何らかの約束があるんじゃないか、こういうわけですよ。何を弱みを握られているんですか、バンカーは。だれか弱みを握られなければいけないような要素というのはあるんですか。 だから、私どもは、今一番日本の金融界が危険だというのは、ザ・ヤクザと金融界とのいろんな関係が国際的に批判されているんですよ、ザ・ヤクザと。何ですか。それは皆さん方が個人的にやくざとっき合っているような人は一人もないと私は信じますよ。だけれども、結果として、日本の金融というのは不良債権化したものの取り立てをやくざに頼むんですよ。そうでしょう。そして知らず知らずの間に深みに入っていくんじゃないですか。そして担保価値以上の融資をするんじゃないですか。そして支店長はいつの間にか堕落をしていくんでしょう。そしてその支店長は膨大な赤字を出したものについての後始末はふたをしてしまうわけでしょう、先ほど言ったように。告訴もできぬじゃないですか。 金融界とやくざの問題だけは明確にしてくださいよ、国民のとうとい金を預かっていただいておるんだから。その点どう思われますか。
○黒澤参考人 ただいま草川先生から大変厳しい御指摘がございましたが、いろいろな論点がございましたので、一つ一つ全部お答えするようにしたいと思いますけれども、まず、先生がおっしゃったような、やくざ、暴力団と私どもは全く関係がございません。 それから、住専の問題を私どもが押しつけたというふうにおっしゃいましたが、先ほど申しましたように、興英コーポレーションあるいは港ファイナンス、港建設、すべてハウジングローンの方が先の取引先でございまして、私どもが後でございます。私どもが入ってから後は、ハウジングローンは残高がふえておりません。 それからもう一つ、興英コーポレーションにお金を貸しております住総と第一住金でございましたか、この各社は、私どもが社長を派遣してから後、残高はどんどん減らしております。したがって、私どもが住専の方にツケ回しをしたというのは、そういうことはありませんで、むしろ逆でございます。ぜひ御理解をいただきたいと思います。 それから、支店長を告訴云々のようなお話がございましたけれども、それは先ほどの別件との混同でございまして、私どもに関する限り、支店長が不正を働いて告訴というようなことは一件もございませんので、ぜひ御了解いただきたいと思います。
○草川委員 それはちょっと私は訂正しておきます。それは今のハウジングローンではなくて、日住金の京都の話でございますから、その京都の支店長の話を私は今申し上げたわけで、それが興銀だと申し上げたわけではありません。そこは明確にしておきますが、いずれにいたしましても、その日住金の京都の支店長問題についても、あれだけの不始末を犯しながらもそれが放置をされているということも、庶民の常識では理解できないところです。 あるいは、都内A社の杉並の土地の購入についても、今何か裁判やっているんでしょう、興銀としては。そういう裁判をやらなければいけないような原因というのがどこかにあるんですよ。普通の取引だったら、天下の興銀だったら、そんな裁判やるような次元は必要ないんです。私はそういうことを強く主張をしておきたい、こういうように思います。 何か御答弁があるなら言ってください。
○黒澤参考人 ただいま先生がおっしゃいました杉並のA社というのは、私どもと全く関係がございません。これは興英コーポレーションとA社と日本ハウジングローンの関係でございまして、この案件を、多分そうではないかと、A社とおっしゃいますのでわかりませんのですけれども……(発言する者あり)いや、これは杉並区とおっしゃいましたのでわかるわけなんですが、多分そうではないかと思うのですが、これは某都市銀行からの紹介ででき上がった案件でございまして、私どもとしては一切タッチしておりませんし、告訴にも私どもは絡んでおりません。どうぞ御理解をお願いしたいと思います。
○草川委員 それはおっしゃるとおり、興英コーポレーションがやっておるという話なんです。ですから、その興英コーポレーションとおたくとの関係を私どもは先ほど来から長々と申し上げておるところでございます。いずれにいたしましても、ハウジングローンの母体行は興銀さんなんですから、そういう流れの中で、常に興銀として、日本ハウジングローンの中に二百二十数億という不良債権が残れば一つ一つチェックをするのが、いわゆる頭取なり、頭取はそういう仕事じゃないと思いますが、親銀行、母体の責任ではないだろうか、こういうように思うわけであります。 少し話を前へ進めまして、黒澤参考人にお伺いをしますが、平成五年五月の二十五日、日本ハウジングローンの再建をめぐりまして母体行の会議が開かれていますが、御記憶があるか、お答え願いたいと思います。
○黒澤参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。
○草川委員 その際、日本ハウジングローンの再建計画に沿って責任を持って対応してまいる所存という大蔵省銀行局あての文書に同意をされたと思うのですが、いかがですか。
○黒澤参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。
○草川委員 この問題がずっとこの国会の中で覚書問題とちょっとダブって議論をされているところであります。このことは、農水省あたりは大変これは詳しく知っておるわけですが、どういうことか銀行局の方は非常に嫌がる態度でございます。平成五年二月以降、同意に至る過程の中で、この件に関して当然大蔵省と興銀は事前に何らかの話し合いを行われているはずでございますが、いかがですか、お伺いをしたいと思います。
○黒澤参考人 大蔵省とはこの覚書を出すに当たりまして、いろいろ話し合いがございました。既に住専各社、私の記憶ではたしか五社がこういった文書を出しているので、おまえの方も出せということになりまして、私ども出しましたわけでございますけれども、先生御承知のとおり、これはいわゆる捺印のない文書でございます。
○草川委員 これがかねて来から問題になっているのですが、ゴム印だというのですね。正式の銀行の判ではないゴム印でいいからこれに押しなさいと、強く強く銀行局が各母体行に指示をしたのではないかと思うのですが、ここからそういうような強い指示があったかどうかで黒澤参考人の質問はやめますから、最後に、どういう感じでその際、ゴム印でいいから判をつけと言われたか、最後の質問にしますから、答えていただきたいと思います。
○黒澤参考人 ただいまおっしゃった判こを、判こといいますか、日本興業銀行といっただのゴム印でございますが、これを押しましてこういうものを出すにつきましては、その前に、他の住専五社との間にいろいろ大蔵省とのお話し合いがありまして、先生よく御承知で、私が御説明するまでもございませんのですけれども、いろいろないきさつがございました。そのいきさつがございましたので、何といいますか、私どもとしても、既に五社が押したものに私どもだけ押さないというわけにもいかないというところが本当のところでございますが、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○草川委員 大変正直な答弁をしていただいて、これで私は問題点が明確になったと思うのです。 これは銀行局にお伺いをしますが、いわゆる農林省と銀行局との間で覚書がありましたね。それは秘密の覚書ですね。これはもう発表されました。我々も手にしております。 しかし、もう一通、いわゆる親銀行が保証するから心配するなという趣旨で、そういう趣旨で、いわゆる責任を持って対応してまいる所存という言葉、大変これは日本語的な言葉でございますけれども、母体行のそういうものが大蔵省銀行局の金庫の中にあるんですよ。これをひとつ私どもはぜひ出していただきたいということをこの予算委員会で主張をしてきたわけであります。 きょうは参考人でございますから、これは委員長、別に要求をしておりますから出していただきたいのですが、このいきさつがなかなか私どもはわからぬのです。これは恐らく農林省もわからぬと思うのです。農林省は見せられただけなのですよ、黙って。それで農林省は、母体行がこういう約束をしたじゃないか、こう言うのですが、片一方はゴム印を押しただけじゃないかという論争が長い間続いているのじゃないですか。 これで、どうでしょう、一番詳しいのは寺村参考人じゃないですか、お伺いしたいと思います。
○寺村参考人 再建計画が母体行の間で合意をされました際に、その合意ができたという報告と、それからそれに沿って責任を持って対応していくという趣旨の文書を母体行からいただいております。これは、できた以上そのような対応は出てくる必要があるので、確認かたがた御提出をいただいたものでございますが、これがその覚書に言う責任を持って対応するという文書に該当するのだと思います。 そして、大蔵省はそれを農水省に示しまして、母体行での合意がこのように調いましたので、ひとつ農林系金融機関についてもこの方針で合意を促していただくようにというお願いをいたしたところでございます。
○草川委員 それで、ゴム印でいいから押しなさいと言ったのは二月のいつになりますか、念のためにお伺いします。
○寺村参考人 具体的な折衝の日時は、ちょっと私は担当者に聞かないとわかりませんけれども、そういう方向で合意ができた際には、そういう文書を提出していただくようにお話をしたと思います。
○草川委員 少なくとも二月一二日の前なんですよ。二月の三日に農水省と銀行局とが覚書を結びましたね。それ以前に実は考え方というのがまとめられていた。今の興銀のお話じゃないけれども、もうとにかく五つついたから、あなたも押しなさい、こういう説得ですよ。かなり銀行局は強い説得をしたのですね、母体行に対して。それで、その母体行がゴム印だけれども協力をする所存という言葉を農水省は見せられて、いわゆる系統農協の金の元金の引き揚げをやめたのでしょう。 大変恐縮ですが、農中の角道参考人に、その間の経過は御存じだと思うので、念のために発言をしてください。
○角道参考人 お答えを申し上げます。 私どもは日住金とずっと交渉はしておりましたし、日住金からこの再建計画についてもお話をいただいておりました。ただ、立場が非常に、第一次再建計画のときには、私どもに一切迷惑をかけない、ただ、したがって元本の引き揚げだけはしないでほしいという話がございまして、その直後に、今度は第二次再建計画、もう第一次再建計画を見直すというようなお話があったのがたしか四年の秋だったかと思います。 したがって、その段階から私どもの方にも相当の負担をしてもらわなきゃいかぬかもしらぬというようなお話がございましたので、私どもとしては、第一次再建計画についてお話があった直後のことなのに既にもう計画変更という話が出てきたというような話を薄々聞いたものでありますから、私どもとしては、そういうことがあるとすればやはり元本の回収ということを考えざるを得ない。そして、それは元本の回収ができないとするならば、やはりそれなりの元本ロスを生じないように、また私どもについても、利子軽減につきましても、系統の体力というものを考えてもらわなきゃいけない。また、この期間が相当長く続くということであれば、早く優先弁済をしてもらいたい。また、ニューマネーがいいということであれば、そのニューマネーについても母体の方で対応してもらう必要がある。また、当時におきましては、金利が非常に低くなってまいりましたので、私どもとしては、将来これは変動がある場合にはその分を考えてもらいたいということを申し上げました。 そういうことを農林省にも申し上げまして、その結果、農林省の方からは、大蔵省と話をしてこういう、銀行の方からそういうものが出ているということを私どもの方の、農林省の方に要請に参りました者にお話がございました。そういうことでそういうものを承知をしたという経過でございます。
○草川委員 今、農中の方からそれなりの受けとめ方についてのお話がありましたが、かなりその当時の銀行局は母体行を強く説得した。そして、農水と局長同士の覚書をつくった。そして、銀行に、応援をしなさいよ、嫌がる銀行はたくさんいたわけですよ、母体行。早く再建したいわけですから、自分のところでも十分できるわけですから。しかし、それをやると全体的なことになるので、それを待てと言いながら、このゴム印つきの、応援をする所存というものに判をつかせて、それを農水省に見せた。見せられて元金を引き揚げる機会を失った農協も農協、系統も系統だと思いますよ。しかし、系統の立場に立ってみれば、天下の銀行局がそういうペーパーを見せるわけですし、親銀行の判があるわけですから、まあそんなことはないだろうというのが今日の破綻になったわけですよ。 そこを追及をしていきますと、私は、大蔵省銀行局という機構に問題があると思うのです。ですから、先ほどの答弁の中で農水の局長は、当時の話を上へ上げたという報告をしましたね。銀行局は上へ上げていないのですよ。局長どまりなんですよ。局長がそういう権限がありますか。大変な権限ですよ、これは。それが今日の破綻を生んだという反省を、大蔵省の土田銀行局長、寺村銀行局長、元の両銀行局長、これは真剣に反省をしてもらわなければ困る。 私は個人的にはどうのこうのありませんけれども、寺村局長、私は、今からちょうどこれは三年前になるのですか、予算委員会のこの場で、この覚書ができたという平成五年の二月の三日、わずか二日後にこの問題を取り上げて質問したことを覚えていますか。農水と銀行局との間に何らかの約束があるのじゃないかという質問を私ここでしたのです。局長、そこにおったのです、その向こうに。そのときに大臣の答弁というのは、私の質問に対して否定したのです。そして林大蔵大臣は、いろいろとただいま民間企業の方々の協力を得て調査をしているけれども、国民の負担を煩わすことはないでしょう。宮澤総理大臣はそのとき、この平成五年二月、その席上で私に対して、国民に迷惑をかけることはない、幸いにして関係者がすべていろいろなデータを私のところに寄せているからという答弁だった。 ところが、その宮澤さんのお話ときょうの寺村元銀行局長のお話を合わせると、寺村さんは総理大臣にも正しい報告をしていない、こういうことが証明されましたね。 銀行局というのは大変な力だ。大蔵大臣にも報告しない。だから、林大蔵大臣は、非常に私には親切な答弁だったんだけれども、まさかそんなに重大な事態になっているということを林さんは知らなくて答弁しているし、宮澤さんは先を読んでおみえになったか知りませんけれども、少なくともこの二月五日の、二日後の私の質問に対しては、宮澤さんは、資料は十分あります、調査も行き届いております、心配するな、こう言われた。 総理大臣に正しい情報を上げないような銀行局の言うことを信用できますか、我々は。それで我々は国民の皆さんに税の負担をお願いするのですから。皆さんは一片の通達でいいですよ、税の負担をやれ、あるいは予算はこうだと。恐らく、野党であろうと与党であろうと我々は国民の代表ですから、みんなに怒られるんですよ、みんなに。あなたたちのかわりに我々は国民に大変な厳しいおしかりを受けながら物を言うわけですよ。そういうことを十分考えていただいたら、私は両銀行局長、二人、またあすもおいで願って大変恐縮でございますが、声を大きくして指弾をして恐縮でございますが、これだけでは国民の怒りは納得しません、それだけ申し上げて、山田さんにかわりたいと思います。 以上です。
○上原委員長 この際、山田宏君から関連質疑の申し出があります。草川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山田宏君。
○山田(宏)委員 山田宏でございます。 私、残された時間、わずかでございますので、何点か絞って御質問させていただきたいと思いますが、その前に、先ほど桃源社の佐佐木社長が、自分らの契約は民と民の契約なんだから他人からいろいろ言われることはない、こういうような御発言でございました。その結果、我々がここまで苦労して、また、最終的には、与党の案だと税金まで投入をしてこの問題を解決しようという、発端をつくっているわけですから、その点については、私は、断固としてこの問題はやはりきちっと責任を感じていただかないといけない、こう思っております。 今回のスキームを見ておりますと、関係者の方々がそれぞれ、自分のところには責任がない、あちらに責任がある、いや、あちらと言えばこちらだ、こちらと言えばあちら、こう言っているうちに、最後に全く無関係な国民が税金の負担をしてこの処理を行うという結果になったように私には見えます。その中でやはり、借り手の責任、または貸した住専の責任、そしてまたそれぞれの関係者の方々の責任、そういったものをこの参考人の質疑を通じてはっきりと国民の前に示していかなければいけない、こう考えております。 この問題について、まず、桃源社の社長にお聞きする前に、今草川委員から何点か御質問がございましたので、関連して少し今後の審議のために御質問させていただきたいと思いますが、今お話がありましたこの念書でございますが、または覚書でございます。こういうものが一つの背景になって、橋本総理大臣の言葉だと、過去の経緯を踏まえて今回の処理案を決定した。いわば、そこに、言外に言っておられるのは、農林系統の元本は完全保証されるということがこの覚書に発しているのだということもお認めになったと私たちは考えておりますけれども、この覚書を交わされたときに両局長が、これは元本保証まで含むものだ、こういうふうに御認識をされていたのかどうか、まずお聞きをしておきたいと思います。
○寺村参考人 再建計画が母体行の間で議論されましたときに、一番の問題は、母体行は貸し手責任、それから農林系金融機関は元本保証ということで、全く両者の主張が対立をいたしまして、結局話が全然進展しない、話がまとまらなければ住専が破綻する、住専が破綻すれば農林系金融機関が破綻する、金融不安が起きる、この事態を何としてでも避ける必要があったというところから話が始まっているわけでございます。 そこで、大蔵省と農水省は、とにかく負担分担について何らかの合意形成に持っていきたい。しかし、元本保証、母体行責任と言うならばもう話が決着しないので、したがって金利減免で再建を図る、そういう形で費用負担をしていただくということで、ぎりぎりの両者の合意点を見つけようとしたわけでございます。そのときの問題を整理したのが覚書でございます。 したがいまして、合意された第二次再建計画というのは、あくまでも金利減免によりまして住専の再建を図ろうということでございます。元本保証というのは住専が破綻したときの話でございますので、そのことは議論していない。仮にそれを認めるとしたら、もうあの合意は成立しなくて、覚書すら存在しなかった。したがって覚書では元本保証のことは一切触れていないということでございます。
○眞鍋参考人 再建問題につきましては、けさもお話し申し上げましたが、第一次再建計画というのがございまして、そのときには、系統にはこれ以上迷惑をかけない、こういうことで、母体行の責任で金利減免をして、残高維持だけ協力してほしいというふうなことで、民間ベースで合意が成立していったわけでございます。 それで、第二次再建計画をつくりたい、第一次がうまくいかないからということで話がございまして、それは約束が違うじゃないかというふうなことで大問題になったわけでございます。そのときに私の方へ参りましたのは、きょうお話がございますように、いろいろ、再建するか破産させるかというふうなことではなくて、もう再建をするのであるということで、母体行と住専と一緒になりまして、そういう話として系統なり我々の方に来たわけでございます。 そこで我々は、我々といいますか系統側では、第一次の再建計画はうまくいかない、これはもう住専だけではとても再建できない。したがいまして、住専の経営に深く関与をして、経営の実態も熟知をしております母体行がどういう意思を持っているのか。また、母体行は十分な支援能力があるわけでございます。数も多いわけでございます。そういう十分な支援能力を持っている母体行がどういう意思なんだろうか、そこがかぎになるんじゃないかというふうに考えたようでございます。 そこで、ちゃんと母体行が住専再建に向けて責任を持って対応していくんだということをきちっと約束してくださいということを系統側が要求しておったわけでございますが、我々は、それはもっともだというふうに考えたわけでございます。 さらに、母体行の側から見ましても、住専と一緒になってぜひ再建をしたいということで頼んできておったわけでございますので、そんな、いいかげんな再建計画だ、あるいは再建だというふうなことは言っておらぬわけでございまして、これは再建できるんだというふうなことで説明をしておったわけでございますので、責任を持って再建をするんだということはごく自然なことだと私は感じたわけでございます。 そこで、系統側の受け取りについて、私から申し上げるのはおかしいと思いますが、ただ、そういうことでございますので十分再建ができるというふうなことで、その再建計画どおりにいけば元本ロスを生じないだろうというふうに、系統側としてはそういう期待を持ったということはごく自然なことでないか、こう思います。
○山田(宏)委員 参考人にちょっとお願いしたいのですが、質疑の時間が限られておりますので、質問に短く答えていただきたいと思いますが、要するに、今の眞鍋前局長、参考人のお話は、そういう期待を、絶対再建をされるんだから元本保証はされる、こういう期待を持っていたということですよね。そういうことですね。 で、寺村参考人の方は、そんなことまでは決めていないと。もちろん表上は決めていないけれども、そういう期待を抱かせたという今の政府の判断は、そういう期待を抱かせたのも今回の覚書はやむを得ない、こう思っておられますか。局長、短く。
○寺村参考人 農林系は、覚書の前あるいは覚書の後にかかわらず、常に元本保証を要求しておられました。それは一貫して変わりません。それは農林系の立場として当然でございます。今回もそのような主張をされたと思います。当時もされました。しかし、当時それをオーケーと言った場合には、合意が成立しなかったから絶対にそれはできなかったわけでございます。ですから、今回は今回の御判断だと思います。当時は決して、その後の説明がございまして、覚書の前後でも農林系統からいろいろお話ございまして、そのような要請はございましたけれども、それには答えておりません。
○山田(宏)委員 今、お二人の参考人の感覚もちょっと違う。この覚書を将来どうとらえるかは勝手だけれども、しかし、そのときは全くそういうことは想定をしていない、こういうようなお話だったと思いますが、ちょっと時間がないので、佐佐木参考人にお話を伺いたいと思います。 実は私は先ほども、借り手として、経営者としての大きな責任がいろいろな部分であるだろう。それは株主に対しても、または顧客に対しても、または社会全般に対しても、やはり経営者としての責任は当然ある。そういうことがやはり今回問われているんだと思います。その中で、よく新聞に報道されておりました旧国鉄用地、JR蒲田駅前の一連のビル建設にかかわる話で、興銀ともかかわっておりますけれども、当初は公示価格の三倍という値段で一九八七年に購入をされ、そしてその後、八九年から九二年までの間ビル建設が行われまして、大体総経費、土地代も含めて一千百億円から一千二百億円の事業、こう言われたものであります。 これに対して、興銀はその後八八年に根抵当権を設定いたしましてこのビル建設に関与をしてきたわけですけれども、しかしこのビル建設も、一九九〇年の総量規制以後かなりやはり資金繰りがきつくなってきたというような流れの中で、私は、実はここに一つの、ここの委員会でも話になりましたけれども、橋本総理大臣の大蔵大臣時代の小林前秘書、現在は橋本総理大臣の後援会の代表者を務めておられますけれども、が、いろいろな関与をしたというようなことがあったんでしょうか。端的に短くお答えください。
○佐佐木参考人 これは、短く言いますと、完全にありました。
○山田(宏)委員 これは、ここの委員会でも議論になりましたけれども、興銀からの追加融資に絡んで、当時の橋本大蔵大臣の秘書が仲介をした、こういうような話だったと思います。これは、そういう事実、興銀の方はこの問題について恐らく私は調査をされているんだろうと思いますので、その結果を御報告をいただきたいと思います。
○黒澤参考人 ただいま先生のおっしゃいましたような、橋本総理大臣の秘書の融資あっせんというようなことはございませんでした。
○山田(宏)委員 興銀はこの問題について調査をされましたか。で、小林元秘書からこういうたぐいの依頼が一九九一年の六月にありませんでしたか。
○黒澤参考人 ただいま山田先生のおっしゃいましたことでございますが、調べましたんですが、六月ごろ小林秘書から当行に電話があったのはそのとおりでございますが、このときはもう既に融資は済んでおりました。
○山田(宏)委員 その小林秘書からのコンタクトの内容を陳述をいただきたいと思います。
○黒澤参考人 これは、小林秘書から私どもの秘書役に電話がありましたんですが、佐佐木社長が何か言い分があるらしいので聞いてやってくれ、これだけでございます。
○山田(宏)委員 六月の初めに小林秘書からこの興銀の秘書役の方に電話があって、佐佐木社長が困っているのでいろいろな話を聞いてやってくれ、こういう電話があったわけです。それに対して興銀はどう対応されましたか。
○黒澤参考人 私どもは、先ほど申しましたように、この九一年六月の話でございますが、その前年の九〇年の十二月に既に融資を終わっておりました。そこで、しかしその後総量規制が出ましていろいろ世の中の情勢が悪くなりましたものですから、その後の業況はどうかという調査をしておりました。調査をしております過程で、話を聞いてくれというようなことがございましたので、私どもの支店長と審査部長が会いまして、もっとしっかり資料を出してくれないと困る、そういう話をしただけでございます。
○山田(宏)委員 この審査部長が佐佐木社長と会われたのはいつですか。
○黒澤参考人 六月の十一日でございます。
○山田(宏)委員 六月十一日に小林秘書からの電話をもとにその審査部長が会われたということでございますが、その後もう一度小林秘書から興銀の方に電話があったと思うのですけれども、それは御存じでしょうか。
○黒澤参考人 二回目の電話をいただいたのは七月の十日のことでございますが、その後興銀の方針は桃源社に対してどうなっているか教えてもらいたいということでございました。
○山田(宏)委員 興銀の頭取にこういったお話を申し上げたのは、事前にいろいろとお聞きをしたりしておりましたけれども、しっかりとしたやはり事実をもとに、この問題はこの委員会でも取り上げられましたので、きちっとしておきたい、こう思ったからであります。 佐佐木社長、その後、小林秘書から佐佐木社長の方に何かコンタクトがあったのですか。
○佐佐木参考人 私と橋本事務所の小林さんとは全くコンタクトはありません。私を蚊帳の外に置いてこの話は進んでおったのであります。(発言する者あり)いや、そういうことではありません。衆議院議員会館に行った者は佐藤行男、それから……(発言する者あり)いや、違いますよ、生きていますよ。極東貿易の市川、それから、死んだ人は確かに一人おりますよ。(発言する者あり)いや、違いますよ、それも。 それはよいとして、要すればその背景にある問題は何であるかということなんですが、いわゆる総量規制を理由に、既に決まっておった蒲田ビルの融資分を四回分割で鹿島建設に払わなければならなかったのですね、当時。一回目は出ました。それから、二回目は三井信託も出しまして、終わっていると今おっしゃいましたけれども、全く終わっていないのですよ。だから融資の継続をしてもらいたいと私が本店に行って黒澤さんに談判しようと思っていたのですが、私の部下たちがいろいろと画策しまして、小林さんのところに行きまして、興銀の先ほどの野村清洋さんかな、という方と会いました、私が人形町の支店の応接間で。 それで、いずれにしてもこれは本来私のあずかり知らぬことでありますが、後に四千万円ほどの、いわゆる会ったための紹介料というのですかね、そういう問題を要求される次第なんです。
○上原委員長 参考人に申し上げますが、短目に御答弁を。
○山田(宏)委員 ここは国会の場であり、しかもやはり今の社長の御発言というのは一国の総理にかかわる話ですから、私は大変重大な問題だと思いますし、その真偽というものは、もしそれが事実でないということになりますと、これは大変なことになります。 ですから、その辺は、今後、こういう問題について、またこの委員会の中でもいろんな議論が出てくるでしょうけれども、その議論にゆだねていきたいと思います。 時間がもう少しありますので、佐佐木社長に加えてお聞きをいたしたいと思いますけれども、今回の、暴力団のさまざまな方々、関係者の方々が入居を関係ビルにされているということですが、どういう経緯でそれがそうなり、私が聞いたところだと、桃源社に出入りをしていた不動産ブローカーに企画室長という名刺を与え、部屋も与えてやっていた人が、いろいろと不動産業者とやってそういう人たちを入居させたということですから、そういうことでもしあるならば、社長の責任というのは重大じゃないですか、この辺は。どうでしょうか。
○佐佐木参考人 ただいまの小林秘書の問題ですね、これと全く同じ人物であります。これが、いわゆる桃源社は千室ほど持っておりますが、貸す部屋を、四十五部屋分、これが不法侵入されるんですよ、三年間の間に。それで、三十八部屋ぐらいは裁判等を通じて追い出しております。あと七部屋ほど残っておりますが、これも裁判中でありますから。それで、警察やらいろいろなところに要請するのですが、いつでも。そういう意味合いにおいて、民事不介入という問題でいつもはねられちゃうんですね。だから四年もかかっております。 それの、先ほど、何か企画部長が入れたというようなことではありません、特別ありません。
○山田(宏)委員 質問時間を終わりましたので、終わりたいと思います。
○上原委員長 これにて草川君、山田君の質疑は終了いたしました。 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 あのバブルの時期に母体行と住専が一体となってしでかした数々の不始末、そのツケが国民に回るか回らないかという大変大事な問題が論議されているこの委員会であります。先ほどから聞いておりまして、一連の参考人の皆さん方の発言に対し、私、言いたいこと、聞きたいこと、本当に多々ございますが、時間がごく限られておりますので、きょうは大蔵省の責任、この問題に限って質問をさせていただきたいと思います。 冒頭の午前の発言ですが、発言の中で土田参考人は、工夫が足りなかったことを心から反省しているということを言われました。それから寺村参考人は、私が聞いていた限りでは、何か反省とかまずかったとかというような言葉はほとんど聞かれなかったというふうに思います。こういう姿勢でいいのかという問題が問われていると思うのです。 最初に土田参考人にお聞きいたしますが、一九九〇年三月の土田さんの名前で出されたあの通達、不動産への土地投機への資金の流れを厳しく抑えて土地騰貴を防ぐ、こういう措置でありました。この措置そのものは国民も支持するところであり、大きな効果を発揮をいたしましたが、しかし同時に、この措置と同時並行して、農林系金融機関から住専に、そして住専から不動産にという流れがつくられ、膨れ上がった。これは事実の問題として間違いのないところだと思いますが、土田参考人、いかがでしょうか。
○土田参考人 事実の問題として、そのような通路をつくるというか、そういう資金の流れをつくるというような意図は全くございませんでした。
○佐々木(陸)委員 資金がそちらに流れたことは事実だ、これはお認めになりますね。
○土田参考人 より詳細には農水の方でその系統資金の流れを把握しておられると思います。
○佐々木(陸)委員 全く無責任な発言だと思うのです。やはり農林がそれは直接の担当かもしれませんけれども、金融の、この資金の流れの全体を見る立場にあった銀行局長が、より詳しくは農林に聞いてくれというような発言では、本当に国民を納得させることはできないと言わざるを得ないと思います。 そして、私が指摘したいのは、結果的に農林系からのお金が住専を通じて不動産の方向に流れたというだけではなくて、やはり結果じゃなくて、銀行局長はいろいろな報告を農林系からも住専からも直接とっていて、あの通達を出す当時、既に住専が当初の個人の住宅ローンというようなことにとどまらないで、それはもう本当に小さな部門になってしまって、事業者向けの融資が七五%にもなっていた、そして農林系のお金がここにどんどん入り始めていたということも十分つかめて承知していたはずですし、さらに、あの通達を出した後も、この住専へのお金が農林系からどんどん流れていったということも十分つかめたはずだ。それに対して何らストップをかけるような措置をとっていない、これも事実じゃないでしょうか。
○土田参考人 私が工夫が足りないと申しましたのは、金融自由化を進めていきます間に、どうしてもその金融機関の格差の拡大、体力の消耗が起こる、そのうちに破綻の発生と混乱も懸念されるようになる、このような事態を外国と同じように予想しておって、我々は何をしたらいいかという点についての工夫をきちっと考えた、それが足らなかったという意味でございます。 三つだけ申します。 一つは、ノンバンク対策が後手に回りました。もう一つは、これはやはり一つの問題でございますが、信用組合について国が直接責任を負えるような体制はできておりませんでした。もう一つは、これはまあその後非常に手法としては向上しておりますけれども、金融機関の経営危機、経営破綻に対する措置、これをどうするかという点についての工夫がどうしてもおくれがちであった。これが私の反省の種であります。
○佐々木(陸)委員 工夫が足りなかったという程度では済まされないと思うのです。 住専というのはやはり、先ほどの答弁の中で参考人も申されましたように、ノンバンクの中でも特別に規模の大きいものであったということも、たしかはっきりと申しておられるはずでありますし、住専そのものは、あの歴史の中で、大蔵省のいわば肝いりでつくられて、そして日本の主な金融機関全部が母体行という形でその後ろにくっついていき、そして大蔵省のOBもそこにどんどん出ていってその役員を務めるというものであったはずであります。ですから、当時の銀行局長の、もちろん独断でやったとは思いませんけれども、当時の橋本大蔵大臣そして海部総理、そういった者にも報告をしてあったのかもしれませんけれども、いずれにしても、当時やられたことは、そういう、住専にはこの創業を飲ませないようにしてそこにはちゃんと資金が流れるように保証する。意図的にそうやったと言われても仕方がないんじゃないかということを私は強調をしたいと思うのです。 時間がありませんから次に移りますけれども、その土田参考人から銀行局長の任を受け継いだ寺村参考人ですが、受け継いだときには、既に住専は重大だということで調査も行われていた、そして重大だという引き継ぎを受けていた。そして、あの第一次調査の結果が発表されて既に論議にもなっておりますけれども、住専が本当に大変な状況になっていた。 そのことをあなたは明確に認識しながら、しかし、いろいろきょう言われましたけれども、やったことは何かといったら、結局第二次再建策という、結果から見ればすぐ破綻することが明らかになったようなその再建策をつくることに狂奔して、まあ言葉は悪いかもしれませんが実際上狂奔して、そして傷口をさらに広げて今日のような事態をつくり出す、そういう結果になった。 その点については何も反省はありませんか。
○寺村参考人 午前から申し上げておりますけれども、あのときにとり得る選択肢は、経営破綻をさせるということはやはりできない。もし一挙に処理をしようとするなら公的資金を導入する以外に道がない。しかし、公的資金の導入はあの時点では適切でないという判断をした以上は、時間をかけて処理をしていくという道しか残されていない。 どういうことかと申しますと、一挙に整理をしましたら、一挙に損失の分担をするだけの体力が銀行になかったわけでございます。ですから、少しずつその損失を処理していく以外に道がなかった。それ以外の選択肢がなかったということを午前中からるる申し上げているところでございます。
○佐々木(陸)委員 参考人は朝の冒頭の発言の中でも、その当時、この問題を一挙に解決しようとすればそれは公的資金を出さなきゃならなくなって、国民が納得するはずもなかった。今でも国民は納得しないんですよ。それは状況は全然変わっていない。そうでしょう。 そして、寺村参考人、けさの発言の最後の中で、第二次再建計画策定以来今日までの間に、今回母体行が債権全額放棄の負担に耐えられるような状況をつくり出した、こう言って、この第二次再建策を策定して、その後の時間ができたことが何か自分の功績であるかのように言っておられるのですが、これは全然違うと思うのです。 やはりこの間に母体行全体が体力ついたと言いますけれども、これは何かといったら、これは国民の負担で不良債権買取機構なんかをつくって、そこで税金を大まけにまけてやる、あるいはまた低金利で国民の所得が銀行に移転する、そういう本当に何億円も、何兆円もの、何十兆円もの負担を国民から銀行の方に回す、そういう過程で銀行が力をつけてきたということにならざるを得ないわけで、当時と今の状況の違いということになれば、そういう事態の変化がある。 それからもう一つあえて挙げれば、九三年にあの第二次再建策をつくった後に総選挙があって、国会の状況は確かに変わってきて、こういう国民への負担を押しつけるようなことが可能になるような国会に変わってきたかもしれないけれども、国民は全くそういう点に納得はしていない。国民はこんな負担に納得していない。 私たちは、これは絶対にこの六千八百五十億円撤去する、削除する以外にないということを最後に申し上げまして、委員長には、こういう質問の機会、もっと長い時間がとれるように保障していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○上原委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 御案内のとおり八分でありますから、まともに質問、お答えをいただいておったら一、二問で済んでしまいますので、私は主として農林中金理事長を中心に質問をしたいと思っておりました。 きのう、本会議が遅くなって、私が会館に帰ったら、三分前にあなたと副理事長と、もう一人部屋に来られたそうですね。名刺がありました。それで、大体わかっているがどういう質問をなさるのでしょうか。そうだと思いました。 私も本院に籍を置いて三十三年、予算委員をやること二十数年、あらかじめ質問の内容をあんなに具体的にファクスで送ったことありませんよ。いいですか。それは質問の時間が短いからです。どういうファクスをやったか。ちょっと委員長にこれを。——角道参考人は既に持っておられますね。それで、時間がなくて答えられない分は文書をもって回答してくださいと書いておるはずです。その回答は上原委員長の方にお届けをいただきたい、これをまずお願いをいたしておきます。 きょう、私が一番最後です。いろいろお伺いをしました。各党から角度を変えて質問がありました。つまり、責任がどこにあるかという問題が一つの問題点でしょう。 私は、きょう聞いておって、あの方は帰られましたか、末野さんは。午前中の人か。あの方が、国税が入っているから答弁できないんだとおっしゃっていた。まあ国会のことはよくおわかりにならないかと思いますが、強制捜査権を持った検事あるいは国税、その強制捜査権と国会の国政調査権、別なんです、これは。これが両輪相まって真相の解明に迫るわけです。真相が解明されたら初めて責任の所在が明確になる。国会がやるところは真相解明であり、責任の所在であり、ではどうすべきかということでありましょう。 だから、もしああいう答弁を拒否されるならば、言われたとおり、証人として呼ぶ以外にないですね、証言拒否です。ロッキードのとき、まさに強制捜査権と国政調査権が車の両輪となって解明が進みました。そして、偽証罪だけで二名やられております。だから、答弁もなるだけ、もう偽証に近いようなことはおっしゃらないように、簡明にやられた方がいい。 それで、私は、一つだけ三人に聞きます。こうなった原因はあるはずですよね。政策ミスがあるんでしょう。指導ミスがあるんでしょう。いろいろ言いわけは聞きましたよ、さっき。松永さんがおっしゃったとおりですよ。もう二十代言ぐらい聞いた。これ以上聞いたら三百代言になるから聞きませんよ。だからお一人お一人、政策ミスがあったかどうか、三名、イエスかノーだけお答えください。
○上原委員長 どなたに……。
○楢崎委員 三人です、元役人の方に。
○上原委員長 簡潔にお願いいたします。
○土田参考人 極めて簡潔に申し上げますと、それは政策にもミスはあったかもしれませんが、それだけのミスではないと思います。
○寺村参考人 規制緩和が進行しております、それに対応して行政も対応していかなければいけない、その辺が十分できていない分野もあったかと思います。
○眞鍋参考人 系統金融のあり方について、反省すべき点があったと思います。
○楢崎委員 委員長、まだありますか、時間。
○上原委員長 どうぞ、あと一問くらいある。
○楢崎委員 言葉は三人とも変わっておりますが、政策ミスがあったということは大体お認めになっていますよね。言いわけは聞きましたから、言いわけは。こういうふうになるとは思わなかった、こんなはずではなかった、見通しが誤った、甘かった、さっき答弁されたとおりです。 自然災害じゃないんですよ。いいですか、自然災害じゃないんだ。そこをはっきりしてください。自然災害ならやむを得ぬところはありますよ。完全なる政策誘導ミスですよ。(発言する者あり)三分もあるから、まだゆっくりできる。 それで、その責任の所在について、日銀が一番あると私は思っているんですよ。それから、大蔵省が連動している。そして、SアンドL、日銀の前の総裁のとき、三重野さんのとき、一九八八年に畳みましたね。あれも影響している。それから、株の先物買いを許しましたね。こういういろいろな情勢が重なって今日の事態に来ている。一人の責任じゃない、総合的な責任です。 それで、きょう聞いておって、今のいわゆる政府がお通ししたい案ですね、処理案、スキームと申しましょうか、私に言わせるとガラスの城ですよ。一つがちょっと崩れたらばらばらと崩れるようになっているから、きょう答弁を聞いておって、なるだけそれを崩すまい、崩すまいというそのあれが見え見えですね。 それで最後に、一点聞きます。私は、どこから始まったか、いろいろな考え方がございましょうが、一点だけ、角道さんに聞いておきますよ。 昭和五十五年十月十六日に「信用農業協同組合連合会の農業協同組合法第十条第九項第三号に規定する「その他の金融機関」に対する貸付けについて」、これは大蔵と農水省の局長の通達、この中にいろいろ書いてあります。「その資金使途は、」と書いてあります。「住宅一住宅の用に供する土地及びその土地の上に存する権利を含む。)の取得に必要な長期資金の貸付けのため」はよろしい、こうなっている。 つまり、個人住宅ローンに限るということです、これは。いいですか。そのために、あなた方の仲間であった専務理事の内藤さんが、この通達は、我々に提出された書類、通達のことです、書類には個人の住宅ローン融資の原資と書かれていた、それを信じた。 今もそう思っていらっしゃいますか、それだけ聞いておきます。もし解釈が変わったならば、いつ変わったか、農林中金はいつ変えたか、それだけお答えください。そして、やめます。
○角道参考人 先ほどお話ございました、昨日、私はお伺いをいたしておりませんで、所用で外に出ておりましたので、副理事長がごあいさつに上がったというように伺っております。 それから、質問項目が八項目をいただいておりまして、これにつきましては、私どものお答えできる部分と、私どもの知らない部分あるいは所管でない部分等ございますが、これについてはどういうあれをやればいいのか、ちょっと検討させていただきたいというように思っております。 それから、今、内藤専務のお話についてでございますが、住宅資金については、これは通達がございますが、その通達は、住専の事業範囲と全く同じものを引用しておりまして、住専が主として住宅資金の用に供するものを、事業をやるわけでありますから、それと同じようなものを、私どもとしては住宅資金で使っておるものというように理解をしてやってきております。それについては変わっておりません。
○楢崎委員 時間が来ましたからこれでやめますが、今のは全くごまかしです。それだけ言っておきます。今度集中審議があったら、内容をはっきり私は指摘しますから、楽しみにしておってください。 では、やめます。
○上原委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。 以上で本日の参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、御多用中のところ、まことにありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。 なお、土田参考人、寺村参考人、眞鍋参考人、角道参考人には、明日も引き続きお願いいたします。 次回は、明十六日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十四分散会