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136回国会衆議院1996/01/31

予算委員会 第3号

発言数
155
登壇者
18
会派数
6
開催日
1996/01/31

会議録

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ちまして、新進党所属委員に対し、事務局をして御出席を要請いたさせましたが、御出席が得られません。  再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。  速記をとめてください。     〔速記中止〕

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 速記を起こしてください。  再度御出席を要請いたさせましたが、新進党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。  平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  昨日の山崎拓君の質疑に関連し、深谷隆司君から質疑の申し出があります。山崎拓君の持ち時間の範囲内でこれを許します。深谷隆司君。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 予算委員会という国民の生活を守るための大事な審議に、野党新進党の諸君が一人も出ないということはまことに残念であります。  一昨日の与野党の理事会において、住専問題は極めて重要であるから、お互いに徹底して原因の究明を図ろうではないか、この点に関しては与党も野党もない、共通の立場で、真相究明のために、責任を明らかにするために、しっかりやろうではないかと誓ってきのうからスタートした委員会でありますのに、自分たちの持ち時間が終わるころになって、その答弁が納得できないからという理由でボイコットするというのは、どう考えても理解のできないところだと私は思うのであります。  しかも、例えば算定基準、積算基準等について明らかにせよという問題に関しては、国政調査権を使ってでもやろうではないかと我々は言っておるのであります。そして、それらは理事会において相談することになっておりますのに、その答弁が気に食わないと退席をしてしまった。  さらに、宮沢総理の時代の発言と今日の状況とに大きな違いがある、その整合性を求めるということをおっしゃったのでありますが、あれから細川政権、羽田政権と他の政権が続いておったというその事実を考えてまいりますと、質問自体に私は整合性がないと思うのであります。私どもに言わせれば、もし自由民主党政権が続いていたら今日のような事態にはならなかったとさえ思っているくらいでありますから。そういう意味では、答えが求められないようなことを求め、それが納得できないからということでボイコットするということは、許されないことだと私は思うのであります。  恐らく新進党の諸君もこのテレビをごらんでありましょうから、ボイコットなどという古い形をもうおやめになって、議場に出て、国民の理解を得るために徹底した究明をこの委員会でやろうではありませんか。そのことを心から要望いたしたいと思うのであります。(拍手)  あわせて、私は、この国会に対する考え方がいささか私たちと異なっておるのではないかと思うのであります。この国会は、住専国会と一般に言われておりますが、あくまでも予算国会であります。国民全体の生活の問題、日本の将来の問題、あらゆる角度から議論するのがこの予算委員会の使命でございますから、そういう意味でも新進党の出席をぜひ求めたいと私は思っております。  そういう観点に立って、以下、総理及び関係閣僚の皆さんにお尋ねいたしてまいりたいと思います。  今国民が一番求めていることは、何と申しましても景気の回復であろうと私は思います。この四年にもなんなんとする間、日本の不況はまことに大きな波となって国民生活を圧迫してまいりました。成長率はゼロないし一%というのでありますから、中小企業を初めとする特に弱い立場の方々がどんなに御苦労なさったかと思いますと、私も政治家の一人として心が痛む思いがいたします。  昨年、しかし私たちは、閣僚の一人として、切れ目のない経済対策を次々と立ててまいりました。ようやく本年に入りましてから、株価は二万円の大台を堅持し、為替は百円台で円高から円安へと移って、私は長期的に見て景気回復の流れに乗った、このように理解するのでありますが、この点についての総理の御判断をまず伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 我が国の経済が長期にわたり極めて厳しい状況に置かれてきたという御指摘は、そのとおりであります。  最近、まだ輸出、中小企業、そして雇用情勢等に極めて厳しい状況を残しておりますけれども、個人消費、設備投資などの回復に加えまして、生産にもようやく明るい兆しがあらわれる、景気には緩やかながら足踏み状態を脱する動きが見られるようになりました。このところ公表されました生産や設備投資の指標などでも、こうした明るい動きというものがさらに確認をされております。ここに切れ目をつくらないように、今後引き続いて全力を挙げて景気対策に取り組んでいく、我々はそう考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 景気の状況が回復基調に乗ったということは、総理のお考えのとおりだと思います。ただ問題は、景気回復にまだら現象が見られるということでございます。業種によってまだまだ厳しい状態が続いている。とりわけ中小企業の皆さん方の御苦労は絶えないのであります。  日本の経済を根底から支えているのが中小企業であるということを考えるとき、今回の景気回復でも、いまだに中小企業がおくれをとっているということは大きな問題だと思います。中小企業を支え、一日も早く中小企業の立場が確立できるような政治情勢をつくることが大事だと思いますが、この件に関しての総理の決意を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まさに委員が御指摘のように、中小企業、特に製造、物づくりの分野を含めまして非常に厳しい状況が続いておる。これは従来の不況脱出期と大きく様相が異なっております。それだけに、依然として続いているこの厳しい状況の中で、中小企業の方々が先行きに明るい見通しをお持ちになり、持ち前の創造性あるいは機動性といったものを生かして活躍をしていただけるようにすることが何より重要だという点は、そのとおり、私もそう思います。  そのために、中小企業金融あるいは信用補完制度の充実などによる中小企業の経営基盤の安定・強化、さらに技術開発、新たに業を起こす方々に対する支援、そして商店街に目立ってまいっております空き店舗対策、こうしたものに商店街活性化対策など、中小企業の構造的な問題にも踏み込みながらこれを改革し、絶え間なく政策を講じていきます中で、引き続き、中小企業が今置かれておりますさまざまな状況に思いをいたした施策を進めてまいりたい、そのように考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 かつて私は、羽田政権の時代に、当予算委員会において中小企業問題の一つの具体的なテーマをお話を申し上げまして、そして御提案もいたしたのであります。それは、政府系中小企業向けの金融問題に関してであります。高い金利の時代に借りて、今は金利が安くなっている、借りかえの際の適切な措置が必要ではないか、ぜひそれをやっていただきたいと強く要請したのでありますが、当時の羽田政権では何らの回答も寄せられなかったのであります。  昨年、連立政権において、第二次補正予算でようやく改善が一部なされました。つまり、五%を超える金利に関しての軽減措置が決まったわけであります。これは私は、中小企業者にとっては大きな朗報であろうとは思うのでありますが、市中金利は平均すると二%台でございますから、五%以上を軽減するというのではまだ十分とは言えないのではないかと思います。今予算には入っておりませんが、いずれ補正その他でこれらの問題をぜひ検討していただきたい。  また、あわせて、中小企業者が金融機関から資金を借りようとする場合に、貸し渋りが依然として続いています。中小企業が全力を挙げて、リストラも行いながら、新たな事業を展開しようという意欲に燃えて融資を受けようとするときに、貸し渋りが市中銀行で行われているということはゆゆしき問題であろうと思いますが、これらの問題について、通産大臣のお答えを求めたいと思います。

塚原俊平自由民主党通商産業大臣

○塚原国務大臣 今御指摘のように、前の内閣で、補正予算で大体八百四十三億円を、これは大変大きな額だと思いますけれども計上いたしまして、金利の減免措置を講じました。ただいま先生の御指摘でございますが、一応十月まで、昨年の十月でございましたので、一応一年間ということで、十月までこの措置は継続をされておりますが、今後とも、本措置の効果、金利動向を注視をいたしまして、中小企業の負担軽減の観点から、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えております。  それから、貸し渋りにつきましてでございますが、ただいま総理が御答弁の中で触れておりましたけれども、信用保険法の改正をして無担保・毎保証の限度額を引き上げるとか、それから政府系中小企業の金融機関において中小企業向けの融資の充実を図って、いわゆる担保徴求、評価を緩くする、弾力化等についても指導を行ってきているところでございます。  民間の金融機関につきましては、大蔵省から中小企業に対して適切な融資が行われるように指導していただいておるわけでございますが、今後とも、これらの措置の効果を見ながら、必要に応じて大蔵省とも相談しながら、適切に対応いたしてまいりたいというふうに考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 どうか貸し渋りをなくすために、政府挙げて頑張っていただきたいと思います。  現在、史上最低と言われる低金利の時代、いわゆる弱いお立場の方々はそのために生活設計が崩されてしまう、こういう人たちをどうやったらお守りできるのだろうか。厚生大臣もお務めになった総理は、そういう弱い人たちに温かい心を持って対応する、これが極めて大事なことであり、できる方だと思っておりますので、こういうようか問題についてどうお考えになり、どのように対応なさるか、この際明らかにしていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 確かに、金利の低下の中で年金生活者等に大変な御苦労をかけている結果になっておること、これは景気回復のためとはいいながら、申しわけないという思いを一方に持っております。  そこで、高齢者の方々あるいは障害を持っておられる方々が安定した生活を送っていただけますように、社会保障制度によりまして必要な給付とかサービスを一生懸命に提供してまいりました。この水準は、経済情勢に対応いたしまして、一定の消費水準というものを確保するという観点か〔も、金利の動向より、むしろ消費支出あるいは物価の動向に着目をして対応してまいっております。  例えば、これは一つの例であります。平成八年度の年金につきましては、平成七年の消費者物価がマイナスになりました。しかし、制度の効率的運用といった観点も踏まえながら、年金を据え置きたい、そうした考え方の中で特例法案の国会提出を予定いたしておりまして、ぜひ国会の御協力をお願い申し上げたいと考えております。  いずれにいたしましても、委員御承知のように、社会的弱者と言われる方々に対しまして福祉サービスを充実していくという観点から、新ゴールドプランあるいは障害者プランなどに基づきまして、全力を挙げてこれからも取り組んでまいります。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 次に、国民の皆さんが求めておりますのは、安心、安全の国づくりだと思います。  昨年、阪神・淡路の大震災はまことに不幸な結果と相なりました。私は、亡くなられた方々やけがをなさった方々に、御冥福を祈り、心からお見舞い申し上げたいと思い、三回にわたって現地を訪ねたのでございます。そして、自治大臣として消防防災一兆円構想というのを昨年打ち立てました。幸いにも関係者の皆様の御協力をいただいて、五年間で一兆円かけて安全な国づくりと考えておりましたのが、二年半ぐらいで達成できそうでございます。しかし、達成できるかできないか、これからの対応いかんにかかわることでございまして、倉田自治大臣にこの際ぜひ承りたい。安全な国づくり、消防防災国家建設に対するあなたの意欲、決意をこの機会にお示しいただきたいと思います。

倉田寛之自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員長

○倉田国務大臣 ただいま深谷委員から御指摘のございました消防防災一兆円構想の実現に向けての決意いかんということでございますが、私もこの構想の趣旨に大いに共鳴をいたしているところでございまして、ただいまお話にありましたように、昨年の八月十四日、深谷委員が自治大臣存在中、神戸市で消防防災一兆円構想を提唱なさいましたことはよく承知をいたしております。昨年の九月の第二次補正におきまして、経済対策が打ち出された中で、この一兆円構想は前倒しで着手をすることに相なりました。平成八年度の予算におきましても、事業費ベースでは四百八十億円、単独の緊急防災基盤整備事業で三千億円程度、防災対策強化経費のソフト事業におきまして二百億円程度、こういう予算の御審議をお願いをいたしているところでございますが、大臣を引き継がせていただく際にも詳しくお話を承っておりまするので、この消防防災一兆円構想がより早く推進でき得ますように、安心で安全な町づくりをつくり上げるために対応をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 阪神・淡路の不幸な経験を踏まえて、この体験を生かして、消防防災についての万全の構えを一日も早く仕立て上げますように、大臣の一層の御努力を期待したいと思います。  オウム真理教問題に関して、日本の警察は本当に涙ぐましい努力をなされまして、かなりの成果を上げました。また、破防法を適用するという決断も加えまして、まだまだ多くの不安や問題を抱えておりますオウム真理教にしっかりと対応しようという、そういう体制をつくったのであります。  しかし、どうもこの破防法の問題につきましては、昨今まだまだ国民の間で十分な理解がなされていないような感じもいたします。のど元過ぎれば何とやらと言いますけれども、マスコミの、あるいはさまざまな形で出されている疑問の中に、基本的な人権が侵されるのではないかといったようなあらぬ言い方をされる向きもございます。私どもは、この破防法というのは、オウム真理教の不安を取り除くために、徹底して国民の安全を守るために行うべきものであると考えておりますが、そのことを国民に正しく御理解をいただくということが非常に重要でございます。  法務大臣、これからどのような形で国民の理解を求めていこうとなさるのか、あなたのお考えを聞かせてください。

長尾立子法務大臣

○長尾国務大臣 お答えを申し上げます。  今先生からお話がございましたように、破防法という法律自体が、確かに憲法が保障しております結社の自由というものを制限するという面があることは否定できないと思いますが、一面におきまして、国民の安全、幸せ、これはやはり国家として守らなければならない最高の目標であると思います。この二つの課題をどのように調和していくかということが我々に課せられていることであると思っておりますが、破防法自体はこの点につきまして大変に厳格な規定を設けているわけでございます。  例えば、今回のケースで申しますと、団体の関係者に弁明の機会を与える、それも報道関係者の出席をいたしております場で、いわば公開の場で弁明の機会を与えるというような手続を経ました上で、各界の有識者から成ります公安審査委員会の御決定によりましてこの手続が完了していくというようなことでございまして、私どもは、国民の安全を守る、幸せを守るという大きな目標の上で、適正な形で破防法の運用を扱っていきたい、このように思っているところでございます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 長尾法務大臣は、御存じでない方も多いと思いますが、実は私の高等学校の同じクラスの仲間でございました。都立江北高等学校というのですが、あなたはとてもお出来のいい子供でございました。どうぞこの破防法に関しても、本当に国民の皆さんにわかりやすく説明をする大臣としては、女性として、まことに適任だと私は思っております。  特に重要なのは、基本的人権の侵害という懸念を排除するために、破防法を適用する場合に、これとこれを禁止して、これとこれを取り締まり、これとこれを対象にするということを明確に国民の前に先にお示しする、そのことがとても大事だと思いますから、どうぞ御活躍をお願い申し上げます。  それで、治安を守るために、銃器根絶という大運動を昨年展開いたしました。しかし、それだけではなしに、そのほかにも多くの問題がございます。  例えば、不法滞在外国人によるテレホンカードの販売などもその一つであろうと私は思う。偽造カードを、今、例えば上野であるとか横浜であるとかあるいは名古屋であるとか、そういう駅頭において不法滞在の外国人が販売をしているのであります。しかも、その買う人たちを見ますと、例えば高校生なども加わっております。中学生も加わっておりまして、これが一つの犯罪の温床になっていくという危険性もございます。偽造カードというのは、不正に使用する以外に目的はないのであります。  ところが、今日の法律に欠点がございまして、持っているだけでは罪にならないのです。あるいは、テレホンカードを買っても罪にならないのです。これは全く私はおかしなことだと思う。麻薬だとか銃とかいうのは、持つことも売買ももちろん法律違反でありますから、取り締まりの対象になるのでありますが、偽造テレホンカードは、悪用する以外に道はないのですから、それを持っているということも法律では禁止して罰則を加えるべきだ。売買に関して、買った者も現場で取り押さえることができないような法律の不備では、私はこれらの動きを抑えることはできないと思う。  この機会に、どうか法務大臣、せっかく褒めたのですから、法律改正に向けてのしっかりした御答弁をお願い申し上げたいと思いますが、いかがでしょう。

長尾立子法務大臣

○長尾国務大臣 テレホンカードは有価証券ということでございますので、今おっしゃいましたように、これを偽造する、または行使するということになりますと確かに刑法上の罪に問われるということになるわけでございますが、行使の前段階であります、単に所持をしているということについて何らかの刑法上の対応ができないかということにつきましては、法務省といたしましても検討をいたしたようでございますが、全体の刑法の体系の中で、今の段階ではなかなかに難しいというような状況の報告を受けております。  しかし、今おっしゃいましたように、大量に偽造されたものを所持しているということ、そういうような、状況によりましては対応ということができるのではないかというふうに考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 ただいまの法務大臣の御答弁は不満であります。偽造テレホンカードは、不正に使用する以外に目的はないのです。ですから、これを売買したり所持するということは法律違反にすべきであります。大量に持つとか、少量なら許されるという、そういう筋合いではないのです。偽造テレホンカードは、不法に使う以外にないのですよ、記念品に持つわけじゃないんですから。  あなたも、かつての学校は上野から綾瀬のあの沿線ですから、上野へ行ってぜひごらんください。不法滞在の外国人がトラックで大量に持ってきて、通行人を呼びとめて売ったり、あるいはそれを買うために高校生までが交渉をやっているんですよ、現実に。上野警察がどれだけ努力していることか。地域の皆さん方がどれだけ頑張っていることか。そういうことを考えたら、これはただいまの御答弁では私は納得できません。  くどいようでありますが、偽造テレホンカードは、悪用する以外にはないのでありますから、これは法律を改正するために前向きで取り組んでいただきたいことを、もう一回重ねて申し上げたいと思います。せっかく同級生ですから、これ以上申しませんが、これは大臣、本当に大事なことですから、法務省の役人の方がどう言われるかわかりませんが、あなたは大臣におなりになったのだから、政治家として毅然たる態度で臨むことを強く要望いたします。  それでは、住専問題についてこれから御質問してまいりたいと思います。  冒頭申し上げましたように、この国会は予算国会でございますけれども、今、住専問題に対する国民の不信というのは大変なものであります。税金を使う、その税金が大きな効果をもたらすということがはっきりすれば、まず国民の理解は得られるでしょう。しかしその前に、なぜこのような公金を使わなければならない状態に追い込まれたかという経緯やそれぞれの責任を明らかにし、悪いやつは眠らせないという態度で国が挙げて対応しなければ、国民の皆さんの御理解を得ることは私は不可能であろうと思うのです。この問題は、与党であろうと野党であろうと何の違いもありません。私どもも、徹底究明を図ることと責任の所在を明らかにするために全力で取り組んでまいっておりますし、これからもそのつもりでおりますことをまず申し上げたいと思うのであります。  この間、テレビを見ておりましたら、住専の大物経営者と言われた方がとうとうと語っておりました。住専には何の責任もない、悪いのは大蔵省と政府だ、こう言ったんですね。つまり、土地の価格が極めて高いときに我々は商売していた、土地の値段が下がった、だから不良債権が出たんだ、下げたのは国が悪い、こういう理屈であります。  しかし、私は当時のことを思い起こすのでありますが、そういう金融機関がやみくもに土地の売買を進めて、あるいは金融機関が土地を買うために湯水のようにお金を貸し付けて、それがために土地の値段は高騰していったわけであります。国民の皆さんが、政治は何をしているんだ、早く土地の価格を下げるために全力を尽くすべきだ、あのときはテレビも新聞も含めてことごとくがそういう主張でございました。そして、総量規制その他もろもろの対策で、土地は今日のような状態になったわけであります。  そのことで土地の値段が安くなったから損失ができた、それは我々の責任ではないと言うことは、経営者としての能力をみずから否定することであります。経営者の責任も否定することであります。そして、他に責任を押しつけるという傲慢な態度は、私は許されるべきではない、こう思うのです。  第一に、私は、彼らが債権の回収に全力を挙げたとはどうにも思えない。  例えば、私の調査によれば、ある会社が、関連会社を含めて住専を中心としたところから二千億円ほど借りているわけです。ところが、その会社はテナント料金を年間百億ぐらい集めている。しかし、金利も払わなければ、そのままなんです。それに対して、なぜか取り立てもしなければ差し押さえもしていないのです。理由の中にはいろいろあるようです。暴力団関係者がいるとかいないとか、その影がちらついているということも言われておるのであります。  しかし、いやしくも国が公的な資金を出そうというのですから、それぞれの関係者はまず資金の回収のために全力を傾けるべきであります。それを怠っていて、責任回避をするようなこういう態度が許されているという現状が、国民の多くの怒りにつながっているということを我々は認識しなければならないと思うのであります。  今回、国は、住専処理機構で債権の回収のために全力を挙げるということを決定いたしております。しかし、今の形のままでは私はなかなか容易ではないと思うのです。だから、例えば国税庁と同じような捜査権とか調査権とか、そういうものをこの機構に付与するということにすれば回収についての効果は必ず上がるだろう、こう思うのですが、この点について大蔵大臣はどうお考えでしょうか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 お答えを申し上げます前に、今日このような措置で住専問題を決着させる以外に、国益また国民の皆様の利益を守る道がなくなりましたことについて、今日までの政治、行政の責任を含めて、私どもといたしましては大変国民の皆様方に申しわけなく思っているところでございます。しかし、私どもといたしましては、今日国際的にもジューセン・プロブレムというのが一つの言葉として使われるようになったほど、この住専問題という大きな問題を速やかに解決することが、今日私どもに課せられた重大な責務であると考えております。  その中で、今御指摘がございましたように、住専の各社並びにその経営に当たった方々の責任は極めて重いと考えております。特に、融資先の撰定、融資額の決定は経営陣の判断によるところであります。その責任は、今日、巨額の損失を発生させるような過剰な不動産融資を行った経営判断に対して、厳しく問われなければならないと考えております。  もしこの問題が、民事、刑事両面にわたって法的な責任を伴うものにつきましては、私どもとしては徹底してその責任を追及すべきであると考えております。そのような追及に当たりまして、今深谷さんからお話ございましたように、できるだけ強力な責任追及と債権回収の体制を整え、必要な法律の整備を行うこともまた検討すべきことだと考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 ぜひ回収のための強力な権限を付与するように、橋本内閣のもとで早急な結論をお出しいただくことを求めたいと思います。  また、担保物件を不法に占拠するために、異常に低い額で契約を結んだり、逆に高い額で契約を結んだり、暴力団絡みであの手この手で利益を得ようとする者が実際に出ております。相手がたとえ暴力集団であろうとも、こういう実態は明らかにして、そして税金を取るべきものはきちんと取っていくという体制が大事だろうと思います。私は、この際、税務調査を徹底的に行って、事態を明らかにするために、取るべきものは取るために、国税当局の介入が必要だと思いますが、大臣いかがでしょうか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 当然に負担すべき税が見逃されていたり、あるいは今度の住専問題の中で課税すべきもの、税を免除せられるべきもの、それらの問題について十分に調査し、そして税の公平、公正の立場が貫かれるように、国税当局においてもこの問題に取り組むよう指示してまいりたいと考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 私は、この際、住専の取引先リスト、実名で当委員会に提出するように委員長に求めたいと思いますが、委員長いかがでしょう。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 ある調査によりますと、住専の社長の平均の給料は年間四千万円近いそうであります。退職金は二千万円掛ける年数だそうであります。大蔵省天下りの人が十年やったら二億円の退職金をもらう、こういう者が平然としてうそぶいているという今日の姿は、それは国民の怒りは当然のことであります。  私は、住専の役員はまず結果責任としてみずからの報酬を返上するぐらいの責任があると思いますが、この点、大蔵大臣いかがでしょう。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 私も、大蔵省におられた方で、住専の重要な立場においででございました方のテレビでの発言も伺いました。自分のノウハウを提供するために住専の責任を負うたのであって、大蔵省の天下りではない、このようなことをおっしゃっていたように思います。であるとしますならば、なおさらのこと、住専の経営にかかわる責任は負うべきものと考えております。  退職金その他の問題をどうするかという問題は、これは法的に責任を負うべきものについては明確に法的な処分を求めるべきだと考えておりますが、今お話しのことは道義的責任に属する部面もあるのかと思っております。今私が、心情として申し上げることはできると思いますけれども、責任ある立場で、退職金として受け取ったものを過去にさかのぼって返還すべしというようなことをここで申し上げることはいかがかと思っておりますが、深谷さんが申されましたことは、この問題の解決に当たります者としてはしっかり心にとめ置かなければならないことだと考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 私は、役所出身者がさまざまな企業にその後移ることについて、天下りと一般的に言われておりますが、全部悪いとは思っておりません。この予算委員会の中でも、有能な人材はそれぞれの分野で十分に活躍していただくことは国家のためでございますから、そのことまで批判しようとしているわけではありません。  しかし、事住専に関して言えば、間違いなく大蔵省出身の人たちが経営者になっているのでありますが、ことごとく破綻した、ことごとく失敗した。有能な人材が国家のために生かされているとは全く思えない。そういう意味で、そういう人たちがびっくりするような給料を受け取り、退職金を受け取り、そして責任を痛感しないで、責任は国にありと言っている姿は許されないことでございまして、これからあらゆる角度から何らかの対応を追っていかなければならないと思っています。  そして、それはあわせて母体行、つまり銀行の方にも言えることではないかと私は思います。  一般に、銀行の給与は極めて高いです。全日空でハイジャック事件があったときに、金融関係の者が犯人であった。休職中にもかかわらず八十万も給料をもらっていたと、驚くべき実態が明らかになった。私は、今日のこのような状態に至った場合に、まず銀行はみずからリストラを行うベきだ。中小企業はみんなやっているのだから。給料を変えたり人間を減らしたり、どうやってそのマイナスをみずから痛みを感じながらカバーするかということに全力を挙げなければならないのに、そのような努力が見られないのであります。  私は、母体行の責任も看過することはできないと思っています。特に、住専に押しつけたといういわゆる紹介融資というのは、これは大問題だと私は思います。実態を明らかにするために、いわゆる紹介融資についてのリストを提出していただくように委員長に求めたいと思いますが、いかがでしょう。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 この件につきましても、後刻理事会で協議をさせていただきます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 次に、農林系金融機関の問題について、農水大臣のお考えを承りたいと思う。  国民の中に、今回の農林系金融機関の提出する五千三百億円は少ないとか、あるいは対応が不十分であるというような批判の声がございます。私は、母体行と比べて、要するに体力が弱いとか、いろんな理由もあろうと思うのでございますけれども、今日の状況を国民の皆さんに納得していただくためには、農林系金融機関の体質改善も含めた改革がなされなければならない、こう基本的に考えているのであります。自己資本あるいは含み損益、一体どのくらいあるのだろうか、そういうデータが全く示されていない、経営実態がわからない。だから、体力が弱いと言われても、一体本当なのかしら、こう思うのですね。  そういう農林系金融機関の不透明さ、そういうものをこの際きちっと明らかにしていく、そして改革すべきものは改革をしていく、そういう努力が示されませんと、あたかも農民だけを守るではないかという批判がそのまま定着してしまう危険があると私は思う。このことに関して、農林大臣のお考えはいかがでしょう。

大原一三自由民主党農林水産大臣

○大原国務大臣 深谷委員御指摘のとおり、農林系の今回の負担について、さらにもっと経営状況その他を明示して、その負担がどうだかを明らかにすべきであるという御意見については、全く同意見でございます。  総理からも御指摘がありましたように、今後あらゆる機会に情報の開示を進めていきたい、こう思っております。内部留保その他から見まして、一般金融機関とは比較にならない劣弱さもその際はっきり明示をさせていただきたいと思います。今回の負担が非常に厳しいものであることを深谷委員十分御存じでありますが、御指摘のとおり、国民にわかるように開示に努めてまいります。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 情報開示をするということは、農林系金融機関のみならず、今回の問題全体を通しても言えることだと私は思います。  そこで、例えば資産査定を大蔵省は行ったのでありますが、平成三年から四年にかけてのもの、平成七年八月の調査結果についての資料を提出していただきたいと思います。ただ、その場合に大事なことは、プライバシーの問題とか守秘義務の問題等もございましょう。しかし、国民にどこまで情報が開示できるか、できるものはことごとくお示しする、これが今回の政府の基本的な態度でなければならないと思いますので、あえてただいま申し上げた資料要求をいたすのでありますが、委員長いかがでしょう。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 ただいまの御発言につきましても、後刻理事会において協議をいたします。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 私は、最近大蔵省に対しても大きな不信や不満を持つようになってまいりました。残念なことなんです。  例えば今回の住専処理について、六千八百億の問題の処理について、どうやって解決しようかと我々は必死になって取り組んでおりました。これは今国会の予算に計上されている項目だからであります。一つ一つの問題を解決しながら問題の処理に当たろうと思っているときに、大蔵省は昨年のうちから早くも第二次ロスの問題を公にした。だから議論の進め方に一層混乱を招いてしまった。あたかも、この先はこれだけの損失が起こるのですよということを言うことによって既成事実をつくって、だから何とかしてくれなければ困るのですといったような、そういう他力本願の姿が見られてならないのです。  一つ一つの問題を、まず六千八百億の問題を国民の御理解をいただいて処理する。次に、回収に全力を挙げながら、なお問題が起こったときに、そのときに改めて相談をするというのが筋ではないのでしょうか。そういうやり方というのは、私には納得できないのですが、大蔵大臣いかがでしょう。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 大蔵省としては、公的負担をできるだけなくするということによって、当事者間で解決を図ることが選ぶべき道だという立場であったと思います。しかし結果的に、当事者間の話し合いも進め、また今日の金融に対するさまざまな問題が引き起こされている事態の中で、この問題の早期解決ということの重要性と緊急性にかんがみて、この措置をとらざるを得なくなったものと考えております。  当事者との協議、要請等を行います過程におきまして、確かに今御指摘のような点において御批判をいただくようなことがございましたことにつきましては、大変申しわけないことと思っておりますが、これは大変困難な問題を処理していきます過程で、いろいろなケース、実態の分析、把握というようなことで起きてきた問題だと思っておりまして、最終的には、取りまとめました結論で私どもはこの解決をお願いをしなければならないと思っているところでございます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 住専問題に直接かかわりはないことでございますけれども、例えば大蔵省から、当委員会に先週「財政の中期展望」というのを出されました。また、「中期的な財政事情に関する仮定計算例」というのも出されたのですね。それを見ますと、財政事情は厳しいというのはわかるのですけれども、例えば、赤字国債発行を二〇〇〇年度にゼロにするためには、一般歳出を毎年五%ずつ削減しなければならない、こういうことが書かれてあったり、歳出歳入のギャップを今後すべて国債で賄うと国債発行残高は十年後には五百兆円に達します、こう書いておるんですよ。  私から言わせますと、極端な状態を前に前にと押し出してきて、そして数字合わせをして、だから将来は増税が必要ですよとか、財政の削減が必要なんですよということを予告するようなことを次から次へと示しているんですよ。行政をどうやって改革しようか、どうやって経済を立て直して、これからの政治や経済のあり方をどうしようかというのは政治が決めるんですよ。大蔵省がこういう前提を置いて、あたかも大蔵省の都合のいいような方向に将来の政治を引っ張っていくようなことは、本来許されないことです。  私は、大蔵省解体論までは言いませんけれども、大蔵省のあり方を点検し、検討しなければならない重要な時期に来ていると思うんですね。そして、政治が主導で、日本の経済をどうするか、日本の国をどうするかということを国民に示していく、そういう姿を打ち立てていかなければならぬと思うんですよ。大蔵大臣、総理大臣、お考えを伺いたい。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今大変厳しい御指摘を受けました。私は、委員がそうした御意見を述べられる、無理もないという個人的な気持ちと同時に、内閣の責任者としては、今の御指摘を十分踏まえながら、今後努力していかなければならないと思います。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 役人主導でなくて、政治主導のそういう状況を、橋本総理にぜひ先頭に立ってつくっていただくことを望みます。  以上、いろいろ申し上げました。貸し手の責任、借り手の責任、法律に反するのは厳正に対応する、この基本的な姿勢のもとに、事態の解明と徹底した責任追及を今後行っていくべきでありますが、そのためには、内閣が挙げてこれに対応するという姿勢が必要であります。私は、官邸の中に住専処理対策本部を設けて、本部長に官房長官みずから立つことを要請いたしたいと思いますが、いかがでしょう。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○梶山国務大臣 住専問題については、総理、大蔵大臣、農水大臣、並々ならぬ決意を披瀝されていることは御案内のとおりであります。そして、私が主宰をする住専問題に関する関係閣僚懇談会を設置をし、メンバーには大蔵大臣、法務大臣、農水大臣、国家公安委員長と私がなっております。そして、これは昨年末に住専の不良債権回収問題についての閣僚懇談会として発足をしたものでございますが、以前に委員から同趣旨の御指摘をいただいたことも踏まえ、その役割を拡充し、回収問題のみでなく、住専問題の経緯、原因等を明らかにし、国民に説明を行うことを視野に入れて、住専問題についての幅広い議論を行うものとして一月十九日に開催をいたしました。その場において、住専に関する資料の開示、不良債権の強力な回収体制及び責任の明確化について申し合わせをいたしました。  なお、この閣僚懇談会を受けて、古川副長官のもとに各省庁の関係局長が随時集まり、懇談会の申し合わせ事項の具体化に努めてまいりたいと思います。  せっかくの深谷委員の御提言でありますから、その対策本部を設置すべきかどうかもこれから検討してまいりたいと思いますが、いずれにしても、回収あるいは責任ないしは情報開示、この実効あらしめるための体制をどうするか、真剣に検討し、頑張ってまいりたいと考えております。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 昨年、銃器対策のために関係閣僚会議というのがありました。しかし、それだけではだめだというので、対策本部を官邸に設けて、官房長官に先頭に立ってもらったというケースもあるのですね。関係閣僚会議あるいは閣僚懇談会を設置したことは前進でございますけれども、相当根深い諸問題を抱えているのが住専絡みの問題ですから、私は、やはりお力のある官房長官がみずから先頭に立ってこの問題の解決のために努力するということが極めて重要であろうと思いますので、後半のお言葉にありましたように、ぜひ早期にこの答えを出していただきたいということを心から願いたいと思います。  なお、今後政府は債権回収を積極的に行うわけでありますが、回収したものについて国庫に返すという新しい法律をつくるべきです。実は、ただいまの対策本部の設置、あるいは回収した資金について国庫に返すという法律をつくれというような問題について、私は自由民主党東京都連の会長をいたしておりますが、粕谷茂代議士を初めとする衆参の議員で決議をいたしまして、これは官房長官に既にお届けして要請していることでございます。このような法律をつくることについて、ひとつ、大蔵大臣でしょうか、お考えをお述べください。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 既に閣議了解にもございますように、回収に伴って益金を生じました場合には、これを国庫に成果として還元することにいたしておりますが、そのことを明確にいたしますために必要な法律をつくるべきではないかという今の御意見でございますが、その方向で検討してまいりたいと思います。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 私は、二年半ぶりに自由民主党総裁が総理大臣におなりになったことを大変うれしく受けとめております。橋本龍太郎総理大臣の誕生を心からお祝いしたいと思う反面、今日の厳しい情勢を考えてまいりますと、総理に課せられたる負担は極めて大きく、御苦労も並大抵のことではないと思うのでございます。しかし、今あなたが、住専の問題の処理も含めて、景気回復その他国家の将来のためのさまざまな政策を実現をしていくとするならば、自由民主党は総理大臣を出してよかったと言われるときが必ず来ると思うのであります。  大変な状況の中でございますが、あなたは一身を投げ出す覚悟で事に当たっていただきたい。あなたの名前が歴史の中に刻み込まれるように、渾身の努力をしていただきたい。私たちも、一身を国にささげる気持ちで、全力を挙げてお手伝いすることをここにお誓いをいたし、質問を閉じたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 これにて山崎君、与謝野君、深谷君の質疑は終了いたしました。  次に、伊藤茂君。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 社会民主党の伊藤茂でございます。  御案内のように、私どもは五十年の歴史であった日本社会党から、つい先般、社会民主党、そしてまた、新しい政治勢力、日本の未来を担う勢力を結集をして前進しようではないかという決意を今固め合っているところでございます。そしてまた、政権の重要な一員としての役割を果たさなければなりません。そういう気持ちを込めながら質問をさせていただきたいと思います。  まず、橋本総理に伺いたいのですが、先般、この国会の冒頭に当たりまして、「変革と創造」という決意を述べられました。私は全く賛成であります。実は私も正月、この新しい年、一九九六年をどのように考えたらいいんだろうか、我々、政治は、我が党はどうすべきなのだろうか、思いをいたしまして、そのときに思い浮かんだのが変革と創造、全く同じでございまして、今まで戦後五十年、そうしてまた昨年は村山内閣が、戦後五十年内閣と言われましたが、戦後五十年に当たっての未解決のさまざまな問題を、橋本現総理を含め御協力いただきまして、精いっぱい努力をさせていただいたわけであります。その成果は私は非常に大きいものがあったというふうに考えております。  そして、五十年から次の新しい一年というときに入りました。「変革と創造」という言葉にありますように、まさに今私どもは、長年の今までの経済、社会、いろいろな仕組みから、次の新しい時代をどう設計するのかということに迫られている。その面では大胆な変革が必要だと思います。同時に、もう一面では、今までの知恵と対応の延長ではない、さまざまの新しい時代を創造する、これにトライするということが求められているということだろうと思います。  これから質問をさせていただく例えば住専問題また沖縄問題ということについても、やはりそういう決意で当たらなければならないとき、そういう気持ちを込めながら、私どもも、与党また政府の一翼を担って最大の努力をし、力を尽くしてまいりたいと考えております。  そのお気持ちと、それから、総理にぜひ伺いたいのですが、単独政権、連立政権ということがあります。長年にわたる自民党単独政権から連立政権の時代に入りました。自民党が野党時代に橋本さんのお書きになった本、「政権奪回論」に連立政権はだめだとございました。あの当時のお気持ちだったと思います。先般の自民党の党大会で、単独政権を目指して、多数を目指してですか、とおっしゃられたようでございます。  私は、単独政権がベストで連立政権はベターというのかやむを得ずというのか、ということではない時代だろうというふうに思います。議会でどちらが多数、いろいろな構造があるでしょう。しかし、今の時代は変革及び創造ですから、志あるいは政治の将来に向けての見識を同じくする勢力が力を合わせて新時代を創造しなければならないという時代ではないだろうかというふうに思うわけであります。単独多数を目指すとか、あるいは前にお書きになった「政権奪回論」、連立政権はだめだとかございましたが、前段に申し上げましたことを含めまして、総理のお気持ちをまず冒頭に伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 確かに、今委員が御指摘になりましたように、私どもが野党になりました時代におきまして、当時の連立政権というものを頭に置きながら私は自分の意見を著書に記したことがございます。同時に私は、政党というものは、それぞれにやはり自分の理想を掲げて国民に信を問うていくわけでありまして、その限りにおいて、それぞれの主張が国民の圧倒的多くの方々に支持していただけ、その方向に進めと言っていただけることを求める集団である、基本的に私はそう思います。  その上で、今委員のお尋ねでありますから私はあえて申し上げますならば、村山政権が誕生いたしましたとき、私たちは、まず当時の日本社会党と新党さきがけの皆さんがまとめられました政策合意というものを我々にも提示をいただき、政策的に同じテーブルに着けるというその確認をいたしまして、その枠内で三党の連立政権というものをつくり上げてまいりました。  そして、今年の一月五日に村山総理が辞意を表明されるまで、私どもはその村山、当時の日本社会党委員長の内閣におきまして、全力を挙げて三党で結束をし国政を担ってまいった、そう理解をしております。  そして、その連立政権は、戦後五十年という節目に当たり、また、例えば過去から解決を迫られてまいりました水俣病のような問題、さらには阪神・淡路大震災、そして宗教法人法の改正、非常に大きな成果を上げてこられました。私は、これは連立というものが非常によく機能し、よい成果を上げたものだと考えております。そして、村山総理初め関係の方々に敬意を表します。  そして、村山総理が当時進めてこられた中から、辞意を表明された段階におきまして改めて三党が政策合意についての議論をし、合意に達し、その上で三党の共同して御推薦をいただく首班指名候補として私が選ばれた経緯、議員御承知のとおりであります。私どもは、これからもこの連立政権の持つよさを最大限生かしながら国政に当たってまいりたい、そのような決意であることを申し添えます。  そして、新たに社会民主党と歴史を変えられました御党の将来に輝かしいページがつけ加わることを心から願っております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 私は、基本的にはやはり新しい時代を創造する、これは政治全体に課せられた課題であろう。そういう意味で申しますと、昔の単独政権時代に戻る何か目標、総理も総裁としてもそうお考えではないと思います。新しい姿をつくり上げていくという時代だと思いますから、そういう意味では、連立政権、志を同じくする勢力がお互いに議論し合い、磨き合って、そして国民の皆さんの期待にこたえるものに仕上げていく、そういう政治をやるというのが基本的な論理ではないだろうか。  総理の我が党に対するお励ましの言葉がございましたが、第三極という言葉がよくマスコミで使われます。私は反対であります。極というのは、北極とか南極とか電極とか、針の先、そんな針の先をつくろうとは思っておりません。お互いに大きな次の時代を担う勢力を目指して、志を大きく持ちながらお互いに頑張っていきたいし、私どもも頑張ってまいりたいという気持ちでございます。万年野党はもう完全に卒業しましたから。  そういう気持ちを持ちながら住専問題を伺いたいのですが、私は、まず第一に申し上げたいのは、この問題を対応するに当たって、避けて通る、逃げる、凍結、削除、こういう姿勢はとるべきではないと思います。  同時に、一番肝心なことは国民の皆様の御理解ですから、国民の御理解が不十分なままに多数で成立をさせる、そんな方法もとるべきではないと思います。正面からやはりどう国民の皆さんに御理解いただいて懸命の努力をするのか。さまざまの犠牲を払っても、過去の出来事について血を流しても、国民の皆さんの御理解を得て、これを政府が責任を持って公的介入できちんと迅速に実現しますということが、今求められている最大の私どもの責務であろうというふうに考えております。したがいまして、公的資金もやむなしと何遍も公式におっしゃりながら、最近は削除、その方々がいらっしゃるのは非常に残念ですが、というようなことは大変私は遺憾な態度だというふうに思っております。  同時に、そのことを国民の皆さんにすとんとわかるように、心から御説明をするという態度が非常に大事だと私は思います。今までの総理の答弁を伺いますと、中心はやはり国際的な日本の金融の信用あるいは金融システム、血管が破裂したら困る、大変なときだという御説明は伺いました。しかし、私はそれだけではないと思います。もっと国民の生活にとって身近の、町の市民の皆さん方にとって、これ以上延ばしておく、ほうり出しておくというわけにいかないのだということをもっともっと具体的に、また、わかりやすく御説明をするということが非常に大事な政府の責任ではないだろうかというふうに思います。  私は思うんですが、確かにしばらく前まで国際金融の世界でもジャパン・プレミアム、最近はこの政策を出してから、〇・六とか七とか非常に高い水準にあったものが非常に低くなったということも伺っております。やはり金融は、日本のお金も含めて世界じゅうを回っている。しかも日本は非常に大きなウエートを占めておりますから、大きな責任があります。  同時に、日本の経済を見たら、今までの方針にもございますように、たくさんの公的な投資、一生懸命公共投資もやって景気の下支えをやってきた。ことしは、どうしてもそういう財政主導の形から、民間活力、本当の意味での経済の活性化に持っていかなくちゃならぬ。どうやってそれがバトンタッチできるか、非常に難しい、また非常にデリケートなときであるというふうに思います。  もし万一、それに失敗をしたらどうなるでしょうか。町の金融の不安も起こると思います。連鎖反応で大きな銀行にも何か不安が起きたら大変なことになると思います。我々政府は、国民の生活を守ることが第一なんです、ある意味では。市民の生活を守り、国民の生活を守り、日本の経済をきちんと守る重大な責任を持ってやっているんだということがまず前面に出るということが国民の皆様への政治の責任ではないだろうかと思いますが、いかがでしょう。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今まで御質問に答える形で申し上げてまいりました中で、あるいはそうした点への説明が不足をしていたかもしれません。  しかし、まさに議員が御指摘のように、この住専を含みまして金融機関の不良資産の処理をいつまでも延ばしておきましたなら、その金額がただ膨らむということだけではなく、金融機関に対する不安が国民の中に生まれることによって、企業活動にも、ひいてはその企業で働く方々の生活にも支障を来してくる危険があることは御指摘のとおりであります。そして、それは当然のことながら、それぞれの町で御商売をしておられる方々にも全部影響が出てくることなんです。それだけに、大変厳しい状況ではありますけれども、ここでこの問題を処理しなければならない。  その不良資産の中で、いわば象徴となっている、しかも喫緊の課題となっております住専の処理については、この機会に全力を挙げて解決をすることによって、これ以上傷口が大きくなるのではなく、不安を解消し、国民生活を安定させていく役割がある、その意気込みで私どもも取り組んでまいりたい、そのように思います。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 同じ気持ちで、もう一つ申し上げたいことがございます。  前に、八〇年代の末ごろから、アメリカでもSアンドL、信用組合の破綻という重大な問題がございました。膨大な国費を投入をいたしました。あのときの経過を改めて私どもは研究し、また、振り返っているわけであります。  そのときに私は非常に印象づけられるのは、あのときに、八九年二月ですが、当時、ブッシュ大統領が、国民に向けて訴えます、国民の皆さんに直接訴えます。そこで言っていることは、一つは、我が国の政府は、国民の皆さんの預金生活を守るために、そしてまた世界におけるアメリカの金融の信用というものを毅然として保つというためにあらゆる努力をします。同時に言っていることは、ダーティーなことは一切許しませんということを力強く繰り返し声明をいたしております。  その冒頭の部分に、例えば「金融機関から搾取された」という言葉を使っておりますが、取られた「資産を取り戻すために最大限の努力をし、そして犯罪行為を通じて損失を生じさせた者たちを被告席に立たせることを厳粛に誓う。」そのために「我々は、破綻金融機関の経営において間違いを犯した者たちを捜し出して罰するための全国的プログラムを実施することができるように、司法省の予算を五千万ドルふやすことを計画している。」云々と書いてございます。  議会のさまざまな論争がございます。一番大事なことは、やはりそういう姿勢を改めて、また、繰り返し国民の皆様に語るということが最も大事なことである。当然だと思いますが、一言お考えを。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今委員から、アメリカの例を引いてお話がございました。私どもは、この住専の問題を処理していくに当たりまして、繰り返し今日までも申し上げてまいりましたように、政治的な、行政的な責任も含めまして、住専の借り手や貸し手の責任の明確化を図る、そして、そのために全力を尽くしながら、同時に国民への御理解を得たいと心から願っております。当然、そのためには政府といたしましても、その間の経緯等を含めてきちんと国民に御説明をしていかなければなりません。  また、その責任を明確にしていきますプロセスの中で、今委員からも御指摘が、アメリカの例を引いてございました。法的な責任を生ずるものに関しまして、民事、刑事両面において厳正な対応をしていくことは当然のことであると考えております。  法務当局を含めまして、既に検察、警察ともにそれぞれの対応を準備してくれておるわけでありますが、我々は、全力を挙げて住専処理機構に強力なスタッフを集め、体制を整えながら、資産の回収にも全力を尽くし、改めてその間の問題の所在を剔抉しながら、刑事、民事を含め、厳正な処分が行われるような体制をつくることに全力を挙げてまいります。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 住専問題の前提に、もう一つのことがございます。  私は、この問題はバブルの時代、そしてポストバブルの時代――あのバブルの時代でも、サラリーマンにとって住宅は、マイホームは夢のまた夢、みんな悲鳴を上げました。大変な大きな傷を生活の中にも社会にも与えたわけであります。経済のそういう大きな変化が人の心まで曲げてしまうということもさまざま言われました。そして、ポストバブル、不況のこの数年間という経過をたどっております。  私は、このバブルの時代、ポストバブルの時代、全体をどう振り返って、次どうするのか、そういう時代的総括をすべき非常に大事な問題だと思います。個々の問題についてのさまざまなことを明らかにする、個々の問題についてのさまざまなことを究明する、申し上げますが、もちろん極めて重要です。国民の御理解の前提です。それから同時にやはり、バブル、ポストバブルの時代をどう総括をするのか、それがなければ、私は次の時代の経済、社会の設計はできないだろうというふうに思っております。  自民党の方にはちょっと恐縮でしたが、去年の暮れの段階で、私も与党税調の仕事をさせていただきました。橋本総理も御案内のように、地価税廃止、凍結、非常に激しい議論がございました。私は、しかしそれはだめだと。  なぜかというならば、バブルの時代があり、こんなことがあってはならぬといって土地基本法をつくりました。土地基本法の中心は、土地はみんなのためにある、どうそれを利用するのか、利用計画が前提だ。ドイツ型のように利用計画が地域に至るまできちんとあって、社会的合意があって、そういう時代をつくれば土地神話もバブルも発生のしようがないのですから。  では、そういう方向へ向けて、この土地基本法以来二年、三年、四年、五年と何をやってきたんですか。どこまでできましたか、きちんと総括をして、次の土地問題全体の展望はどうあるべきなのかと考えて、税制についても考えるべきなのに、非常に衝動的にその声が出ます。  私は、非常に残念に思いまして、まあしかし、最終的には、与党税調として真剣な徹夜の議論をして、ほぼ世論から御理解がいただける結論に達したというふうに思っておりますが、そういうことに見られますように非常に大事なことだというふうに考えております。  まあこれも当然、バブルの時代、ポストバブルの時代をどう振り返るのかの真剣な議論をしなくちゃならぬ、マクロの経済政策の反省もしなくちゃならぬと思います。なぜバブルが発生したんですか、なぜあのポストバブルの時代になったんですか。これは本当に大変化です、日本の経済にとっても社会にとっても。あの時代を真剣にどう振り返るのかということは、評論家が本を出すあるいは論文を書くという以上に、かかわった政治家が、みんながやはり考えて時代の総括をし努力をする、それが本当の、私は総理のおっしゃっている「創造」ということの内容ではないだろうかというふうに思うわけであります。  そういうことはまた別途議論をするといたしまして、私はそういうことに立って、具体的には、まずここで求められるのは徹底的なディスクローズ、あらゆる責任の明確化、政治の責任、行政の責任、貸し手の責任、借り手の責任ということをどう鮮明にするのか。また、先ほども議論がございましたが、その責任にふさわしい社会の態度というものをどうするんですかということをしなくちゃならぬと思いますし、また、強力な機関設定、徹底的な回収などの努力はしなければなりません。  じゃ次に一体どういう金融システムになるのか。友人の久保大蔵大臣に非常に期待をいたしておりますが、鹿児島出身、薩摩人、薩摩といえば示現流ですから、この際、次の時代に思い切ってそのシステムをつくるんだという努力を期待をしているわけでありますが、そういう努力をしなければなりません。短い時間ですが、それぞれにつきまして、その四つのことについて一つずつ御質問を申し上げたいと思います。  まず第一は、ディスクローズの問題でございます。  私どもは、従来のように、野党から強く求められ、野党から責められる、そして渋々資料を出すというようなことが長年ございましたが、そうではありません。政府と与党が率先してあらゆる情報を国民の前に提供する、その努力を懸命にやって、その誠意と努力を国民に御理解いただくということがとるべき態度であるということをお互いにずっとやってまいりました。数百ページの資料を出す、その他求めに応じたものを一生懸命出していくという姿は、今までの時代にはない努力の姿であったろうというふうにも私は思っているわけであります。率直に言いまして、しかしまだスタートだと思います。明らかにすべき全貌から考えたら、まだスタートだと思います。そうなりますと、私どもがもっと明らかにしていただきたい柱が幾つもございます。  昨年、二つの信用組合の問題につきまして、資料の提出の求めがあり、閣議了解という形で、よっこらさと重い腰を上げて通したみたいな当時の大蔵省対応の時代がございました。もうしかし、国民の皆さんにも、全体の像のうち九割は関係の金融機関が負担しなさい、一割ちょっとぐらいは、済みませんが国民の皆さんお願いします。しかし、大きなお金ですから、国民の皆さんの御負担をいただく以上、従来とは違った努力をしなければならぬということだろうと思います。  私の方からお願いを、要請をしたいと思いますが、これは社民党の要求であると同時に、与党の政策調整会議でもお願いした資料でございます。  三つございますが、一つは、借り手に関するもの。今まで七社ごと上位五十社、匿名というのがございます。私どもは、借り手に関するものについて上位百社、その実名リスト、それから大手の借り手に係る債権の状況、できれば不良債権の額の大きい順にひとつ表示してもらいたい。国民の皆さんに非常にわかりやすいことになると思います。それから、今までの資産査定関係の経過。平成七年八月の調査あるいは平成三年から四年にわたる調査の結果。それから先ほどもお話のありました紹介融資の状況。各社ごとの紹介に係る貸付額、それから各社ごとの紹介金融機関、紹介金融機関ごとの貸付額というのは最低出していただく。与党としての合意事項で明らかにしてほしいというふうに考えております。  後ほど委員長にはお取り扱いをお願いいたしますが、私はこれらのことについて、とにかくこの審議に入る前にも、我々がリードして明らかにしますという姿勢をとるべきだと、私ども政府も与党も思ってまいりました。同じやはり姿勢で、昨年の経験とは一歩違った積極性と決断というものでもってやるということが必要だと思います。昨年も閣議了解という形をとってやったんですが、積極的な姿勢で臨むということについては当然だと思いますが、どうお考えでしょう。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 昨年の六月、参議院選挙の前でございますが、政府におかれては、緊急経済関係閣僚会議を持たれました。また、与党三党では、新たな三党の合意を取りまとめられたのであります。この中で、公的資金の導入に触れて、住専問題、金融システムの問題についての公的関与について検討を進めるということを取り決めておられるのでありますが、特に、三党の新たな合意の中には、公的関与を進めるに当たっては、ディスクロージャー、責任の明確化を前提としなければならないということをお決めになっているのでございます。そのことは、今日においても、私どもは大変重要なことだと考えております。  今御指摘がございましたように、情報の開示につきましては、できるだけ情報の開示をしなくても済むようにという態度を一切排除して、本来出すべき情報については全面的に公開するという立場で臨むべきことを指示してございます。ただ、憲法に定めるいろいろな人権その他に抵触をするおそれのあるものについては、そのようなおそれをどのようにして乗り越えて、克服して開示が可能となるかということについても検討を進めているところでございまして、今御指摘のように、国会の御協力もいただきながら、情報はできるだけ全面的に開示するという方針で臨みたいと考えております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 委員長にお願いいたしますが、ただいま三点につきまして、与党として、また社会民主党として開示を要求する資料、お願いをいたしました。お取り扱いをお願いしたいと思います。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 この件につきましては、既に理事会でも協議をいたしておりますが、重ねての御提言でありますから、後刻理事会でよく協議をいたします。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 二つ目に、やはり責任を明確にするということでございます。責任の内容をまず明確にしなければなりません。と同時に、責任のとり方ということも私は考えなければならないと思います。  物理的にどうこうというわけではありませんが、そういう姿勢をやはり国民の皆様の前に明らかにする、これは業者としてのルールからいっても、社会的責任からいっても、借り手、貸し手などは関係するのであろうと思います。  あるいは、暴力団絡みと、もうマスコミよりさまざま具体例が報道されております。ダーティーなことですから、こんなものは本当にきちんと果断にやらなければならぬということであろうというふうに思うわけであります。  一つだけ銀行局長にお尋ねしますが、お役所の先輩に関することです。  さまざまの報道の中でも、住専七社にたくさんの大蔵省の皆さんが天下りをしました。大部分のところの会長、社長を占めました。そして、住専問題が何かやばくなって危なくなったら、うっと引き揚げてわずかになりましたというのは事実でございます。こういう経過について疑問を持ち、また怒らない人はいないと思います。大蔵官僚は、憲法上は国民に奉仕すべき公務員であります。そのことを忘れては困るわけであります。  そして、その当時の方々、前の銀行局長とかさまざまかかわった人などのインタビューや感想を新聞でもテレビでも時々拝見をいたします。反省の色がありません。こうしてこうしてこうだったんだと淡々と語るような姿勢で言っている人が多いわけでありまして、これではとても国民の皆さんは納得しないだろうと思います。  言うのは酷かもしれませんが、その経過について、現銀行局長はどんな気持ちを持っておりますか。気持ちを言ってください。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 住専問題にかかわる責任につきましては、再三お答えを申し上げておりますように、徹底して追及せらるべきものであり、また、法的に責任を問うべきものについては、容赦なくその責任が問われなければならないと考えております。特に、この責任のうち政治、行政にかかわるものにつきましても、私は、その判断、見通しその他についても国民に対して、今日このような措置をとらざるを得ない状況に立ち至ったことについて、その責任を明らかにし、謝罪すべきものと考えております。  また、母体行を初め、その責任や今日までの住専へのかかわりについて反省すべき立場におられる方々は、積極的にみずからの責任と反省を明らかにすべきことだと私は考えております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 今大蔵大臣がおっしゃったさまざまかかわった方々、また責任を当時お持ちになった方、いろんな方々について、私はこれは人間としても公務員としても、あるいはその社会における責任からいたしましても、今大蔵大臣がおっしゃったような姿勢をとるのが当然だというふうに思います。そういう姿勢でなければ、新しい時代の創造というんですね、創造という総理の目標でございますけれども、時代を創造していく努力に対する国民の責任は生まれてこないであろうというふうに思いますので、強く政府からも強調していただきたいというふうに思います。  今の問題にも関連をして、個々に言いたいこと、個々にも取り上げたいことは具体例がたくさんございます。しかし、あえてまずやはり全体の姿勢についてお伺いをいたしました。  もう一つ、この責任に関係をしてお伺いしたいことがございます。  さっきブッシュ大統領の言葉を引用しましたが、悪は許しません、ダーティーなことは絶対に認めません、徹底的にやりますということを厳しく公約をしている。そこからスタートをしているということになっているわけであります。また、それにふさわしいさまざまの行動をとられました。RTC、アメリカの場合の信託公社は司法、民事、刑事にわたるさまざまの権限を持っておりますから、また政府が直接それを動かしていくという内容でございますからそれができたわけでございますけれども、機構は違ってもやはり同じ役割と同じ活動はしなければならないという問題だと私は思います。  先のことは別にいたしまして、まず緊急にやはりそのためのアクションをやらなければならぬと思います。抽象的な決意と言葉、これは何ぼ述べられましても、気持ちはわかるがということで終わりだと思います。国民が求めているのは、連日報道されているさまざまのこの問題について、政府が、関係機関がどのように具体的なアクションを鮮明に行動するのかということではないでしょうか。私は非常にそれが心配です。  このままでいきますと、住専対策機構をスタートする、法律を二月段階、これから出しまして審議をして通る、その後相談をいたしまして、人員体制をつくって、それから始まるということでは、三カ月後になっちゃうんじゃないかという心配を非常にするわけであります。警察、検察さまざまの体制をとって準備をしている、三庁間会議をやり、あるいは関係の課長会議を全国でやるとかいうことも伺ってはおります。それはしかし、相談と体制づくりでありまして、行動には至っておりません。  私は、例えば最近の住総のことでのいわゆる飛ばしという問題とかあるいは暴力団絡みとか、もう実例が社会に出回ってますよ、これは。私が一つ一つその事例を言うまでもないと思います。そういうことについて、現在の法律と現在の体制と、あるいは政府のさまざまの機関が国民の皆様に社会に対する責任として直ちに行動を起こす、始める、それが大事だと思います。言葉よりも行動ですから、国民はそのアクションを求めているんですから、検察とか警察とかさまざまございますけれども、総理、どうでしょうか。そういうことをやはり政府として内閣として、国民の皆様に決意を示し、一日も早く、できる、また求められる行動を開始するということが求められる。法律ができて、準備をして、じっくり勉強して三カ月後ではだめです、これは。と思いますが、いかがでしょう。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、検察の諸君そして警察の諸君あるいは国税、それぞれの立場でそうした努力は既に払ってくれつつあるものと信じておりますが、現実に、そうした具体的なケースに対して私自身がまだ報告に接する状況になっておりません。それは大変残念でありますけれども、これは機構ができる以前の段階においても、本当に問題の剔抉に努力をしてもらいたいということは、関係閣僚を通じそれぞれに伝えているところであり、恐らく今も努力をしてくれておると思っております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 まあ総理、とにかく私が期待したのは、やれることはすぐやりますと一言言ってほしかったという気持ちでございまして、ぜひそういう努力をしていただきたいというふうに思います。  いずれにしても、もうダーティーなことやあるいは法律的犯罪や法律的な違反行為、そういうことは許しませんというのが今国民の圧倒的な声であり、それに対する行動と実行を今国民は求めているということだと思います。しっかりそめ声にこたえるように、内閣で頑張っていただきたいというふうに思うわけであります。  三つ目の問題で、預金保険機構、住専処理機構の問題ですが、なぜアメリカの場合のように、一番多いときには八千人以上集まったと聞いておりますが、短い期間に徹底的にやりますと、必要な人員と能力をそこに集中して、政府が指導し、監督し、権限を委託する、やったわけであります。一番わかりやすい姿だと思います。なぜに日本の場合には株式会社なのか。  大蔵省からさまざまお話も伺いました。まあ、仕組みとしてそれしかないのかなという気持ちもいたします。しかし、今求められていることをきちんとやる、その能力と行動力は持たなくちゃならぬ、これは当然のことであろうというふうに私は思うわけであります。  法案を、法律を出す前ですが、もう議論が、国民の皆様の前で集中的に今議論されているわけでございますから、預金保険機構それから回収のためのさまざまなシステム、図解では伺いました。私は、政府が何か委託をするとか株式会社に頼むとか、そんな形ではなくて、政府が大きな責任感と指導力と監督権を持って動かすんだという姿勢がやはりまず第一に必要だと思います。そういう機構をつくる際には、法曹界の大きな経験と社会的権威のある方がふさわしいのじゃないかと私は思いますが、国民の皆様から本当に信望のある、そういうまさに正義の味方という方をお願いをし、またそういう方々をそろえなければならぬと思います。  それから、アメリカの場合には一万人近いぐらいのスタッフをピーク時にはお願いをして活動したということでございますけれども、一体これが三百人なんですか、五百人なんですか、千人なんですかとか、よくわからぬのです、まだ。やるのに必要な体制はもう十分にあります、そのための仕組み、枠組みの発想は大体こう考えておりますということは、これだけ審議になっているのですから、国民の皆さんの前に、一般論と図解を説明するのではない御説明があってしかるべきではないだろうかというふうに思うわけですが、いかがでしょう。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 御意見のように、強力なその機能を発揮できる体制、組織を必要とすると考えております。今、そのことについて大蔵省におきましても検討を最終的に進めている段階でございます。  詳細につきましては政府委員の方から御説明を申し上げます。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 西村銀行局長。簡潔にしてください。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 御趣旨のような方向で、先般一月十九日に閣僚懇談会でも、強力な回収体制についてということで検討を進めておるところでございます。さらに具体化いたしまして、御報告できるようにしたいと存じております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 これも、私が求めているのは、決意とそれから十分な体制、人員その他含めてやりますということを言っていただきたいということなんで、大蔵大臣は全く同じ気持ちだと思いますので、ぜひそういう努力をしていただきたいというふうに思います。  なお、私の方から、この責任、ディスクロージャーに関連をしてお願いいたします。  個々の具体例について詳細に一々私は取り上げませんが、さまざまのことを具体化するために、当委員会において参考人の出席を求めて、まあ第一次分なんですが、最低これだけは来ていただいて直接聞こう、直接に説明を聞き、直接に意見を言いということが必要ではないだろうかと思うわけでございまして、私の方から、五人の方の参考人の招致をしていただくように委員長にお願いを申し上げたいと思います。  そのうちの三つは住専関係でございまして、住専の活動に初めから長くかかわっておられた日本住宅金融の初代社長であります庭山慶一郎氏、それから母体行、銀行が中心になってつくられたという中の特徴的な一つとして住宅ローンサービス社長の井上時男氏、さらにまた飛ばしとか暴力団とかということで随分大きな話題が次々に出されております住総、その社長の山本弘氏、この御三方を当委員会で参考人として出席を求めたいと思います。  と同時に、今官僚の責任のことも申し上げました。行政の責任も申し上げました。この中で、大きな問題として今までやはり言われてきたのは、取り上げてきたのは、第二次再建計画、それから大蔵省、農水省覚書という問題、これはさまざまの疑問が残っているということであろうと思います。そういう意味で申しますと、覚書の文章を読み、また説明は聞きましたが、一体どうだったのか、どうしてああなったのか、できなかったのか、なぜだったのかということを、やはり国民の皆様の前にきちんとお伺いをして明らかにするということが必要であろうと思います。  そういう意味で、前大蔵省銀行局長寺村信行さん、元農水省経済局長の真鍋氏、このお二方も参考人として御出席をいただくように、以上五名お願いを申し上げます。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 ただいまの件につきましても、後刻理事会でよく協議をいたします。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 ちょうど区切りのところでお昼前になりましたので、午前中の質問をこれで一応締めさせていただきまして、午後また質問を続けさせていただきたいと思います。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十三分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  新進党の委員が出席しておりませんので、再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。  速記をとめておいてください。     〔速記中止〕

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 速記を起こしてください。  再度御出席を要請いたさせましたが、新進党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。  質疑を続行いたします。伊藤茂君。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 午後になりましたが、新進党の諸君がいないままで質疑をする、大変残念であり、また遺憾に思います。  冒頭申し上げましたように、私どもは、重大な責任感を持ちながら、今政府が公的に、そして責任を持って迅速にこの問題を打開しなくちゃならぬという厳しい認識を前提にして議論をいたしているわけであります。まあ例えて言うならば、ダムに何センチかの穴があいた、水が漏れている、とにかくふさがなくちゃならぬ、堤防が決壊するような状態はないように全力を挙げて緊急にやらなくちゃならぬ、原因もはっきりさせます、将来のダムの姿その他もみんなが安心できるようにちゃんとします、とにかく御協力くださいという気持ちでございます。  そういう意味では、意見は違っても、お互いに十分に議論し合い、そしてまた国民の皆様に御納得のいただける結論を出していく、政府も与党も勇気と決断を持って今やらなければならないという気持ちで議論をなさっているわけでありまして、出席されていないという今日の姿を私は非常に残念に思います。  まあそういう中ではございますが、国民の皆さんも注目をされていることでございますから、二、三質問をさらにさせていただきたいと思います。  冒頭にも質問の中で申し上げましたように、新進党の御主張の中でも、きのう伺っておりますと、これは政府が介入するのじゃなくて、民事で、破産で全部始末をつければいいじゃないかという説もございました。私は、そんな状態ではないと思います。調べてみましたら、今までそういう破産宣告その他で、最大の規模でも四、五千億円か数千億円。十三兆円の不良資産がある、どうしましょうか。大きな問題でございまして、やはり公的関与をしながらきちんとするという以外に道はないというふうに私は思っているわけでございます。  それにいたしましても、国民の皆様が、ああそれならわかった、それならわかったと言っていただけるような努力を全面的にやらなければなりませんし、国民の御理解を得られるところの努力をしなくちゃならぬというふうに思います。そういう観点から、二つさらに御質問をさせていただきます。  一つは、いわゆる二次損失、二次ロスに関する問題でございます。  私ども与党も夜を徹して議論をさせていただきました。その中心のものは、何かマスコミでも世間でも、一兆二千四百億円さらに負担が必要なんだ、国民お一人当たり五千円お金をちょうだいします、お願いしたい、倍になるという話が横行いたしております、ひとり歩きをいたしております。冗談ではありませんと、私どもはそういうことのないよう最大限の努力をいたしますということをどう表現し、どう詰めるかで、私どもは与党で夜を徹した議論を実はやったわけであります。  大蔵大臣にそこは伺いたいのですが、私どもはこういう結論を出したわけでございます。国民の皆さんに負担をお願いする以上、最大限の努力をしてきちんとした機関をつくり、そしてまた回収作業を、お金を回収することを完全にやり抜くように努力をしなければならない、その努力なくして国民に御負担をお願いすることはできないという、まあ与党の合意文としては異例のことでありましたが、そういう決意の言葉も含めてやらさせていただきました。  私はこう考えております。これから十五年以内に、相当の長いスタンスでこの作業を進めるということになるわけであります。  アメリカの場合でも数年でやったわけでありますけれども、当初、二年、三年で急いでやろうということでもございましたので、その資産の売却、回収ということが、やや安値になっちゃった、ロスが出たという面があったと思います。まあしかし、アメリカの場合でも、景気回復してだんだん状況が変わってまいりましたから、九〇%は回収しましたというのがアメリカのRTCの実績でございます。  私は、これから二、三年後にだんだん二次ロスの数字が出てくるでありましょう。五年、十年、十五年、長いスタンスを持ってこれから日本の経済、景気も含めて活性化します。そういう中で、今計算をしている路線価の七割であろうとか三割マイナスであろうとかいうことでない状態をつくって、必ず国民の皆さんに御負担をかけないように最大限努力をします。その努力と決意を前提にして、プラスが出た場合には国庫に、国民に還元します。プラス・マイナス・ゼロの場合では、そういうことであります。もし万一マイナスが出た場合には、二分の一の御負担を何とかお願いしたい。  その二分の一の負担と金額が前提でしたわけではありません。その前提の、マスコミなどで横行しているそういうことがないようにどうするのかということを、その一点で夜を徹して議論をして、知恵を絞り、努力をいたしました。この気持ちは、閣議了解で御確認なさった政府も同じであろうというふうに思いますが、いかがでしょう。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今、伊藤さんから与党の合意をいただきましたことについてのお話がございました。私どももそのように受けとめているのでございます。  昨日、回収困難なといいますか、いわゆる損失に係る部分はもっと大きいのではないかというお話もございましたが、同じ方からその一方で、一万人体制をしいても回収しろ、こういう御要請もお聞きしたのでございます。一万人体制をしいても回収しろとおっしゃるそのことの背景には、回収すればもっと今の未回収になっている債権は回収できるんだという立場でお話しいただいたものと考えております。  RTCの九割回収についてのお話も今伊藤さんから話されたとおりでございまして、私どもとしては、強力な回収の体制をしき、また徹底した責任の明確化とその追及を怠らず、国民の皆さんに御負担をお願いすることについて、果たすべき政府の責務を果たすことによって、このような御負担をお願いする事態になりましたことに対して私どもの責めを果たし、またおわびも申し上げたいと考えているところでございます。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 今大蔵大臣から御答弁ございましたように、アメリカの場合でも信用組合、SアンドL、三千あるうち七百五十程度が破綻をした。不良債権は五十兆円という膨大な額に上った。先ほどブッシュ元大統領の言葉を引用させていただきましたが、やはり断固としてこれをきちんとやる、最大限の努力をいたしまして、また、捜査部も設置をするなど、プロの捜査官やプロのその問題解決をするという方々に大量に働いていただきまして、そして債権の九〇%回収。アメリカの場合の最初の三年間の、ちょっとやはり急いで安い値段になったという経過も聞いておりますが、そういうアメリカの経験も参考にしながら、私も申しましたし、大蔵大臣も申しましたような努力で私ども全力を挙げてまいりたいというふうに思います。さらなる大きな御負担を国民の皆さんに絶対にお願いしないで済むように全力を挙げるんだという決意を鮮明にしながら努力をいたしてまいりたい、私もそう考えております。  もう一つ伺います。  先ほど、親友の大蔵大臣、薩摩の人、示現流という言葉を使わせてもらいましたが、問題は、これから後安心できるシステムをどうつくるのかという設計をしなければならないと思います。  何かマスコミを通じて読みますと、大蔵省銀行局などで、金融行政の総括、そういうことを真剣に内部でも議論してまとめようではないかという作業をなさっているようでございます。国民の皆さんに明快にわかっていただけるようなそういう努力を真摯に私はやっていただきたいというふうに思います。  同時に、やはり次、どのような金融システムが妥当かどうか、さまざまの議論がございます。金融庁構想とか、それから監督権を独立した別のポジションにしろとか、いろいろなことがございます。私はまだ明確な私自身の設計図までには至っておりません。しかし、信頼のあるそういうこれからの金融システム、世界にも信頼があり、たくさんの預金者の国民の皆さんにも安心していただ ける、そういうシステムをどういう発想で考えるのかということを、やはり今国民の皆さんにも考え方を語らなければならないというふうに思います。  農協系統金融の問題も私は同じだと思います。やはりこの経過を見ますと、農協系統金融は、農村・農業のためにも大事なこれは血液の動脈でございますから、健全に機能をしていただかなければなりません。  この経過を見ますと、不動産とか何がどうとか、こういういわゆる非常に難しい、あるいはまた今日のさまざまな複雑な金融構造という中での金融マンとして、バンカーとして仕事をする。私は、農協金融の体力において、あるいはそれに対応するノウハウや知恵においてやはり無理があるのだろうと思います。やはり今の農協金融が農民の預金者の皆様の期待にこたえ、あるいは農業・農村の発展のために本来あるべき分野の仕事をきちんとやる、そういう姿で健全化されるということが望ましいと思います。  大蔵省銀行局でも、銀行行政の総括をやって真剣にやろうじゃないかということを伺います。農水省の中でも恐らくそういう議論があるのだろうと思います。今までの農林金融の系統の形をそのままというわけにはいかないと思います。もっと信頼感のある、しかも信頼にこたえてきちんとやれる、いろいろと世間にも貢献できる、そういうシステムに、今三段階を二段階とも言われましたが、そういう考え方もやはり明確にして努力をする。またずっと遅くなってから後々やりますというのではない姿が必要ではないだろうかと思いますが、考え方を大蔵大臣、農水大臣から一言ずつお伺いしたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 金融行政のこれからの改革の基本になりますことは、自己責任と市場規律の二つの原則をきちんと確立をしていくことだと考えております。そのような立場を鮮明にできるような体制と機能をどのようにしていったらいいのか。例えば早期是正とか検査・モニタリングのあり方でありますとか、この国会にも必要な法律の改正をお願いを申し上げているところでございます。また、金融行政の今後のあり方について、大蔵省の機構を含めていろいろと御意見がございますことも承知いたしております。  私どもといたしましては、今回の金融行政上の問題を住専問題を中心にしてしっかり総括をしながら、あるべき姿を追求をしてまいりたいと思っております。今直ちに金融、財政の行政機能を分離するとか、そういうようなことに結論が出せる段階ではないと考えておりますが、一方には金融、財政の行政一体論も強くございます。先進諸国家におけるこれらのあり方についても検討をいたしているところでございます。  とにかくしかし、私どもは今日のこの問題を真剣に受けとめながら、改革すべきものは徹底して早期に改革を行うという視点で考えてまいりたいと思っております。

大原一三自由民主党農林水産大臣

○大原国務大臣 お答えいたします。  今、農協系の総預金量は六十八兆円という巨額な貯蓄に上っております。今までのような金融構造そのものが護送船団方式、そのぬくもりの中で育ってきた金融システムでは、今後の自己責任体制の求められる金融構造の構築では大変大きな改革を私は要請されると思っております。ただいま委員から御指摘ありましたように、これは早急に、農協の三段階体系の改革と同時に、むしろそれを早めることによって金融構造のスリム化と効率化に私も責任を持って邁進してまいりたいと思っております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 住専問題は私の質問ではこれで終わりたいと思います。しかし、これからさらに広く、さらに掘り下げた議論をし、そしてまた、それが即国民の皆様に御理解いただけるように政府・与党一体となって努力をしてまいりたい。一番大事なことは国民の理解、国民の皆さんが、ああそれならわかったと必ず言っていただけるような姿になることを確信をしながら、全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。  沖縄問題についてお伺いをいたします。  昨日、沖縄県側から、政府との間で設けられております協議会の幹事会に提案が出されました。私は、これを見ながらいろんなことを思いました。  昨年九月以降、大きな出来事が連続をいたしました。私も四十年、予算委員長である上原さんらと一緒に沖縄にかかわらせていただいておりまして思い深いものが数々ございます。昨年秋以降の経過の中でも、去年の十月二十一日には県民大会、文字どおりの県民八万五千人の大会がございました。二つ印象深いことがございました。  一つは、普天間空港のある、あそこの高校の女性の生徒さんがこう述べました。沖縄の少女たちがおびえて暮らさなければならないのはもうごめんです、将来私たちの子供にもそんな思いはさせたくありません、もう爆音と基地は要りませんということを、高校三年の生徒さんが言っておりました。じんときました。  もう一つ、私が感銘を受けたのは大田県知事。その集会に出られまして、あの少女暴行事件などへの非難を言われるのがお話かなと思って伺っておりましたら、冒頭に、私は沖縄の県政を預かる責任者として沖縄の少女を守れなかったことを心から深くおわび申し上げますという言葉から始められました。知事の、教育者として、また知事としての思いもよくわかりました。そういう、やはり沖縄県民の心を、気持ちをまずしっかり持ってどう努力をするのかということが大前提であろう、沖縄の事件、沖縄のこと、沖縄対策というのとは違った気持ちで今やらなければならないということであろうと私は思います。  そういう気持ちをも含めながら、この沖縄の国際都市形成ビジョン、基地返還アクションプログラム、非常に感銘を受けたわけであります。五十年間、軍事基地に閉じ込められて沖縄は過ごしてきました。基地の中に沖縄ありという、本土ではどこにもない姿で五十年暮らしてきました。その沖縄から出てきた提案は、アジアと日本と沖縄と、大きく時代を展望して、こういう沖縄の将来を築きたいという気持ちがよく出ております。沖縄から、希望を語る沖縄に、また日本に、アジアにしたいということがベースとなってこの提案が出ているということだと思います。  けさ新聞を見ましたら、見出しに出ているのは、沖縄から大きな希望を込めた提案に「政府困惑」などという見出しがマスコミではついておりました。非常に私は残念に思います。  まず一つ質問し、要望をしたいこと、それは、四月十六日、クリントン大統領が訪日をされ、首脳会談が行われ、共同声明が出されるという予定になっております。それが充実した中身で、成功するように私どもぜひ期待をしたいというふうに思っております。  沖縄の問題について、昨年の十月に、日米協議もほぼ一年をめどに打開ということになっておりますが、四月十六日、クリントン大統領がお見えになるまでが最も重要な山場だと私は思っております。それが終わってから頑張ろうということでは打開はできないというふうに実は私は思っております。  そうなりますと、その間に、特に日米交渉をどれだけ真剣にやるのかということが強く求められているというふうに思います。三十日、昨日の提案を受けて、日米間でもワシントン、東京と、もうしょっちゅう担当の人も往復をしてもらって、なるべく早急にワーキングの会議もやる、それから中間的な取りまとめをするなど、正式の日米特別行動委員会もやる、そういうことを全力を挙げて緊張して推進するということが求められていると思います。  そうなりますと、あしたから二月ですから、二月段階、三月段階、例えばもうあしたから二月段階のうちに、少なくとも二月の中ごろには、何か国民の皆さんにも沖縄県民の皆さんにも御理解いただける節目もつくって、真剣に議論をする。そして、地位協定問題に関連することなど、切実な要求がございます。できることから一生懸命やりましょうということも、村山政権で村山総理も表明をされてまいりましたし、橋本総理も、先般大田県知事にお会いになりまして、真剣にやりますという気持ちを表明をされたようでございます。そういうテンポで物事をやらなければならないというふうに思いますが、特に外務大臣、どのような展望でそこをお考えになっているのか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○池田国務大臣 お答え申し上げます。  伊藤委員ただいまお話がございましたように、これまでも長い間沖縄の基地の問題について本当に真剣に取り組んでこられた委員の御努力に敬意を表する次第でございます。そしてまた、ただいまもお話がございましたように、沖縄の県民の方々が長い間負担してこられた大変な御負担といいましょうか、それに伴う苦しみあるいは悲しみというものを私どもは深く考え、そして、その御負担を少しでも軽減するように真剣に取り組んでいかなくてはならない、このように考えている次第でございます。  そして、具体的に沖縄における基地の整理統合・縮小の問題、さらには基地に伴うもろもろの問題の解決についての作業でございますが、御指摘のとおり、昨年の秋に発足いたしました特別行動委員会におきまして、一年間をめどにして基地の整理統合・縮小について具体的な成果を得る、こういうことで作業を進めておるわけでございます。  しかし、四月のクリントン大統領訪日という大きな節目がございますから、やはりそこでこの問題につきましても明確な方向性というものを出さなくちゃいけない、このように考えまして、先般私が訪米いたしまして米国の首脳と話し合いました際にも、そういったことで認識の一致を見た、認識というよりもむしろ方針の一致を見たところでございます。  そして、それに備えまして、私どもも今御指摘のようにワーキンググループその他の会合を精力的にやってまいりたい、このように考えております。そして、そのときには、日本に駐在いたします米軍の関係者あるいはアメリカの大使館の関係者はもとよりでございますが、米国の本土からもかなりハイレベルの方にも来ていただきまして作業を進めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。  さらに、ペリー国防長官御自身が大統領の訪日に先立って日本を訪れるという可能性もあるやに聞いておりますので、もしそういうことになれば、そういった機会もとらえまして、全力でこの問題に取り組んでまいりたいと思います。  なお、基地の整理統合・縮小のほかに、関連する騒音問題とか米軍車両の標識の問題、あるいは検疫の問題等々の問題もあることは委員御承知のとおりでございます。  こういった問題につきましては、既に昨年の十二月の二十二日に特別委員会のワーキンググループの会合を開きまして、そこで具体的な作業を進めていこうということにいたしまして、現実に車両の問題については、今月になりまして既に二回の会合を開き、また基地の騒音の問題につきましても、本年に入りましても会合を開きまして、具体的にどのような、いわゆる協定と言われておりますが、日米地位協定に基づきます合同委員会の合意をどういうふうなものにつくっていこうかという相談を始めているようなところでございまして、そういった問題につきましては、御指摘のようにできるものから一つ一つ早期に解決の方途を見出してまいりたい、このように考えている次第でございます。  いずれにいたしましても、御指摘のように沖縄の県民の方々の御負担、またその思いというものに深く我々も思いをいたしまして、真剣にまた精力的にこの問題に取り組んでまいる所存でございます。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 総理に二つ御所見を伺いたいと思います。  大田県知事に、私ども中山太郎さんなど与党の代表団で参りましたときに、知事からこう言われました。抽象的な決意はもう聞き飽きました、今私どもの求めているのは具体的にどう打開するかです、ぜひその気持ちをわかっていただいて対応してくださいということを大田県知事から言われました。五十年の経過を考えますと、本当にその気持ちは私は重く受けとめました。  二つお伺いしたいうちの一つなんですが、この経過が出ます。恐らく真剣な議論を日米間でもしなくちゃならぬでありましょう。と同時に、日米間の基地問題の交渉が一つあります。地位協定もありますね。もう一つは、こういう沖縄ができるためには特別のやはり都市計画、町づくり、県づくりの応援をしなくちゃならぬというふうに思います。何らかの形で特段の、政府としての五十年間ほっておいた責任感も含めた応援をしてほしい。例えばまとめた特別措置とか、特別措置法とかという形で必要ではないだろうかというふうに思いますが、これは、開発庁とかそんな個々のことよりも総理の御決意ですから、お考えはいかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 内閣総理大臣を拝命いたしまして間もなく、私は、正式に大田沖縄県知事に御上京をいただき、改めて県知事の、また同行されました副知事さん、政策調整監からの、沖縄の皆さんの感情というものを伺わせていただきました。  過去に、対馬丸事件の対応あるいは六歳未満のお子さんへの対応等、多少かかわりを持っておりましたけれども、改めて五十年という重みの中で、沖縄の苦しみ、悲しみということを知事が述べられましたとき、私は冒頭、申しわけありませんでしたという言葉から私の話を始めました。ただ、今その上で、私は、沖縄県から今日まで寄せられております要請の中で、特別委員会等におきまして一つずつ誠実に対応していくという以上に具体的に申し上げる状況にはございません。  しかし、クリントン大統領の訪日というものが大きな節目の一つ、それは私もそのとおりに考えておりますし、日米安全保障条約という日米関係の根幹をなす条約を堅持しながら、一方で県民の方々、苦しみ、悲しみにどこまでおこたえできるか、私は、誠実に一つずつできることから取り組んでいきたいと思います。  その上で、昨日「基地返還アクションプログラム(素案)」という形で沖縄県側から協議会の幹事会において御説明を承り、本日事務レベルにおきまして詳細にこれを伺うことにいたしております。このプログラムの中は、委員が既に御承知と思いますけれども、極めて膨大なものであります。そして、さらに県としても、地元でも御調整を図りたいというお話ときのう報告を受けました。  私は、沖縄県が復帰以降、第一次振計、第二次振計、三次振計と動いてまいります中で、そのときそのとき、県の御要請というものを伺いながら国においても対応してきたと考えております。  しかし同時に、今回、「一素案)」とは括弧書きでつけておられましたが、こういうプログラムを御説明をいただきました。きょう詳細な説明を承っておる段階でありますので、細かいことは申し上げることはできませんけれども、私どもとしては、日米安全保障条約というものが現実に存在し、我々はこれを堅持していくという国としての方針を持っており、それと沖縄県における施設・区域の整理統合・縮小という目的、さらにその他いただいております御要望との兼ね合いを一生懸命に一つずつ解きほぐしていきたい。そして、このプログラム自身に対して、一層細かい点を伺いながら、国としてもできる限りの対応を工夫していくべきであろうと思います。  ただ、県自身が素案と言われました段階でありまして、確たることを申し上げることは控えさせていただきたい。きょう事務的な詳細の御説明を伺っておりますもの、また国会が、本委員会が終わりました後、報告が受けられればと思っております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 総理の今の御答弁の中にも沖縄の基地問題と安保条約との関係、調和というお言葉がございました。私は、沖縄問題を打開する上で、日米安保条約、沖縄問題、裏表だろうと思います。これをどういうふうに運用していくのか。私どもも日米安保条約は今必要だと思います。それと、沖縄問題の解決をどうするのかということが大きな、最も重要な私はポイントだと思います。  私は総理にお願いしたいのは、沖縄問題、基地問題とも日米首脳会談、共同声明の内容とかかわるポイントでございますけれども、今日の日米関係、今日のアジア情勢を固定化して考えて、日米安保体制あるいは基地の必要性も固定化して考えるという視点をとらないでほしいと思います。これは自民党の友人の皆さんとも話しながら、お互い気持ちは合っていることでございますけれども、事態は大きく変わっている。今大事なことは、日本自身が、日本の政府が、我々がアジアと世界にどういうメッセージを出すのかということとかかわっていると思います。その努力が残念ながら今までのところ非常に少ないというのが政権の経過ではなかっただろうかと、反省も含めまして私はそう思っているわけであります。  アジア、北東アジアにおけるさまざまの困難性も残っている、よくわかります。ASEAN地域フォーラムやAPECに見られるように、新しい情勢がアジアでも大きく広がってきたということを皆さん共通に御理解いただいていると思います。大きな役割とポジションを持つ日本がその中でどういう方向で努力をしていくのか。これから三年、五年、あるいは沖縄が最終目標としている二〇一五年、もう大きな大きな変化が展望できる。その方向に行きたいということを持たなければ、現状の情勢認識を固定化し、現状の仕組みと基地の必要性も今は固定化する、共同声明に十万人、四万七千人という駐留軍の数を書き入れる、世界経済のナンバーワンとナンバーツーのトップリーダーが集まって世界に向けて駐留軍の数を表明することが中心だ、こんなことでは私は尊敬されないと思います。  そういう意味でいって、この政権スタートに当たりましての三党合意の中にも、沖縄における米軍基地・規模の固定化を防ぐために、アジアにおける安全保障環境の安定を追求しながら、外交努力、信頼醸成活動を一層進めるということが書いてございます。どれだけこれをやるのかということが一番肝心。そのことをクリントン大統領と橋本総理と真剣に充実した話をして、とにかく日本の将来について国民にも沖縄県にも希望を語りましょうということが一番肝心の点ではないだろうか、トップリーダーの責任すらかかっていると思いますが、ぜひ御理解いただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、施政方針の中でも、過去の重みからも未来への責任からも我々は逃れられないということを申し上げました。さまざまの意味を込めてこの言葉を選びました。日米の関係におきまして、私どもは過去の重みから離れることもできません。これは同様に沖縄県の皆さんに対しても同じことであります。  同時に我々は、現実を離れて未来のみを眺めて、例えば今クリントン大統領訪日の際の共同文書にお触れをいただきましたけれども、全く現実を離れて未来のみを語ることもできますまい。  しかし、議員の御指摘になりたかった思いというものは私は受けとめたつもりでありますし、そうした思いも持ちながらこれから努力していきたいと考えております。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 持ち時間がもう終わりですが、橋本総理の顔を見ますと、簡単に、一言だけちょっと申し上げたいこと、お願いしたいことがございます。  それは国労問題、国鉄、今のJRですね。橋本総理が運輸大臣の当時に国鉄改革をおやりになりました。私ははるか後輩の運輸大臣を先般務めさせていただきました。私がその問題で御相談に行きましたら、まあ伊藤さん、社会党出身の――当時社会党ですから、社会党出身の運輸大臣としてはこの問題を打開したいと一生懸命動き回る、気持ちはよくわかります、理解しています、難しい問題だなとおっしゃっておりまして、私の後の二見さん、亀井さんの大臣も大変努力をしていただきました。またしかし、解決いたしません。具体的には、さまざまの関係者みんなの努力が必要な問題でございます。  しかし、今日JRはもう大きな立派な会社となりました。まあ庭も周りもきれいにしたらどうかというふうに思うわけでございますけれども、先輩の運輸大臣だった総理として、また総理としてのお気持ちを最後に一言伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 これは、私よりもはるかに新しい時期に運輸大臣を御経験になり、しかも国鉄改革の当時、私どもと相対立する立場でこの問題に取り組まれた元大臣の伊藤さんでありますから、もうよく御承知のことであろうと思います。  そして私は、現在中央労働委員会や司法の場で係争中の問題についてここで見解を申し上げるのは差し控えるべきであろうと思いますし、政府としては、やはり労使双方の対応というものを見守りながら、これまでの経緯を踏まえて、我々ができることがありますなら解決の努力をしていくという以外になかろうと思います。

伊藤茂社会民主党・護憲連合

○伊藤(茂)委員 橋本さんの御健闘を祈って、質問を終わります。(拍手)

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 これにて伊藤茂君の質疑は終了いたしました。  次に、五十嵐ふみひこ君。

五十嵐ふみひこ新党さきがけ

○五十嵐(ふ)委員 さきがけの五十嵐ふみひこでございます。御苦労さまでございます。  あらかじめの質問通告とはちょっと外れるかもしれませんけれども、先輩議員の御質問をずっと聞いておりまして、論点が幾つかに整理されるな、国民の関心もそこだろうなということが幾つかございます。  一つは、やはり借り手、貸し手、母体行の責任をきっちりととってもらわなければならない。そのために日本版RTCというようなものを政府としてはお考えですが、それにどの程度の権限を付与してこれを保障していくかというのが一つの論点だろうと思います。  それから、国民の皆さんが聞きたいのは、公的資金を導入してまで早期に決着するということをしなければ、果たして本当に金融システムというのが壊れてしまうのか。その金融システムという言葉がよくまだびんときていないということがあると思うのですね。それが本当にどういうことになるのかというのが国民にとってはわからないことなんだろうと思います。  もう一つは、農協系の負担というのは本当に適正なんだろうか。ぎりぎりと言うけれども、どこがぎりぎりなんだろうかというようなことがやはり論点になっているんだろうと思います。  ただ、私は、その点は後でさせていただくとして、もっと大きな、この発生問題。これは一つの象徴ですけれども、住専問題は、その背後にバブル経済の発生とその崩壊という、大きな日本の経済史上に起きたことをどうやって教訓として学んでいくかという、そのことの方がもっと本質的な問題なんだろうと思うのです。  私は、やはりこれは日本のずっと培ってきた金融行政そのものに問題があった。日本の金融行政が、業界と官僚との癒着があって、そして、かわいいかわいい、銀行をつぶしちゃいかぬ、そのかわり天下りさせてくれよということで、土地を担保にすれば銀行がつぶれることはないから、土地を担保にしなさいという指導をずっと続けてきたり、あるいは、自己責任原則というのが盛んに言われていますけれども、大蔵省は勘違いされている。隠すことが信用システムを維持することだと思っている。そうじゃないんですね。  金融というのは、銀行法には、銀行業務というのは公共性がある、こういうふうに書いてあるわけです。いわゆる公のお金を、たくさんの人様から預かったお金を使って仕事をしていくわけですから、公共性がある。これは明らかに公のものでありますから、本来できるだけディスクローズしていく、そしてそのかわりに、もし都合が悪いことがあったらきちんと責任をとる、それが信用システムの維持になる。もしぐあいの悪いことがあったら、どうやってそれを解決していくかというのを示すことの方が金融行政の上では大事なんであって、隠すことによって金融システムが維持されるというのは全くの間違いだろうと思います。  しかし、そうした金融行政が行われていって、いわゆる護送船団方式と言われるものが行われてきたわけであります。  そして、金融行政が不透明だ。今度の場合も、一体どこでこういう仕組みが決められたのか、政治はどのぐらいかんでいるのか、農林官僚と大蔵官僚との間で事務的に折衝がされて、その結果出てきた数字が、引き算で最後この六千八百五十億の国民負担ということになるのではないか、そこに問題があるんだと思うんです。  私どもは金融行政を透明化していく、そして、特に天下り問題と絡んで、官と業の癒着が起きないようにしていく、それがバブルの教訓に学んで、国民にプレゼントとして贈るべく我々の務めるべき役割だ、そのように私は思っているわけであります。  私は、一昨年「大蔵省解体論」という本を書かさせていただきました。その中で、戦後、金融に関する権限は非常に大きな権限になってきています。そして、予算編成権、それから税務に関する権限、それから国有財産の管理に関する権限、こうした四つの大きな権限を大蔵省が一手に握っていることが果たしていいことなんだろうか。むしろ官と業を引き離して、保護し守る金融行政から、監督というか監視をし、検察の機能を持った、そのかわり自己責任原則をきっちりと確立した金融行政に変わっていかなければならないのではないか。そういう意味で、三つの選択肢を私はお示しをしたいと思います。  一つは、総理府に直属の金融庁というようなものをつくっていって、大蔵省と切り離すということ。二つ目は、ちょうど公取委や公害等調整委員会のように国家行政組織法上の第三条機関として、行政と独立してそうした機関をつくっていくというのが一つございます。もう一つは、さきがけで提案をしているわけですけれども、日本版FDICですか、公社をつくって、そこにかなり強い権限を与えていく。これは単に債権回収の機関というのとは別に、オールジャパンの恒常的な機関としてそうした機関を設けていく、そういった考え方があるかと思うんです。  こういうバブル経済の発生とその崩壊に学んだ金融行政システムの変更というものについてどのようなお考えをお持ちか、総理にお伺いをしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 御意見の中には大変幅広い問題が含まれているように今受けとめました。当面の住専の処理に関してどういう仕組みで対応していくべきなのかという視点が一点、あるいは今後の金融行政の監督のあり方という点からの御論議が一点、さらに、そうした問題とは離れて、現在大蔵省の抱えている行政を再編整備する場合のあり方、委員の御質問を私はその三つのように受けとめて拝聴しました。  そして私は、当面のこの住専の問題を処理していくためには、政府として現在預金保険機構を中心にした仕組みを既にお示しをし、これをいかに強化し、権限を付与し、この事態にきちんとした、国民の納得のいただけるような対応のできる組織にするか、まずこれが中心であろうと思います。  また、二点目及び三点目の御指摘については、大蔵省自身からもその発言が出ておりますけれども、過去の金融行政、その監督のあり方、こうしたものを改めて全部点検をし直していく、どこに問題があったかをきちんと把握しなければならない。そうしたことを既に大蔵省自身が述べておりますから、その結果として考えられるべきものであって、組織機構から先行して議論をすることは、私はそれこそ、今住専について順番が違うとしかられている私が申し上げるのはおかしいんですけれども、順番が違うような感じがするんです。むしろ、今の時点におきましては、プラザ合意以降、景気の動向に対応しながら行ってまいりました金融行政、金融の監督のあり方、こうしたものをきちんと問題をとらえ直す、その結果として考えるべきことではなかろうかと思います。

五十嵐ふみひこ新党さきがけ

○五十嵐(ふ)委員 しかし、もう既に問題点は出ていると思うのですね。いわゆる自己責任原則をきちんと確立をして、そのためにきちんとしたシステムをつくっていくということでなければならない。例えば銀行法二十七条に、取締役、監査役の解任権を大蔵省が持つというのがございます。ここまではやらなくていい。あるいは、むしろ銀行に任せ、その株主等々に任せて、ただし悪いことがあったらきちんと捕まえる、責任をとらせるという仕組みに私は変えていくべきだろうと思いますが、これは御答弁要りません。  そこで、最初に申し上げた今回の措置に関する幾つかの問題点のうち、金融システムの崩壊というのは本当に起きてしまうのだろうかということについて少し話をさせていただきたい、御質問をさせていただきたいと思うのです。  まず、財政状況が非常に日本は悪い、そういう状況も踏まえなければならないと思います。今日本が先進サミット国の中で一番財政赤字がひどくなってきている。そしてこれは、政府にとっては言いにくいかもしれないけれども、円の信用性にやがてかかってくる。今少し円安に戻ったと喜んでいますけれども、円安に振れ過ぎると、逆に不景気の中でインフレが出てくる、いわゆるスタグフレーションというのが起きかねないのではないか、私はそのような心配をしております。その点について、経済企画庁長官からちょっとお伺いをいたしたいと思います。

田中秀征新党さきがけ経済企画庁長官

○田中国務大臣 財政赤字が経済に与えるいろいろな影響についてはもう五十嵐さん御存じのとおりなんですが、さまざまな影響がある中で、例を挙げれば、財政赤字の拡大が金利を上昇させる要因となるということは御承知のとおりです。それによって民間の設備投資を抑制する、そういうおそれがございます。それから財政面では、御承知のとおり、財政の硬直化という問題があります。それからまた、親の借金を子供の世代が払う、それでよいのかという、そういう世代間の不公平という問題もございます。  いずれにしましても、家計でもそうですが、ローン、借金をするときは、今までの生活のお金の使い方を点検、整理するというのは当然で、これは不断の財政改革が国にとっても必要でございます。そのためにも、経済演説でも申し上げましたけれども、まず隗より始めよということで、行政が率先して身を削り、痛みを引き受ける、そういう決意と努力が必要だ、このように思っております。

五十嵐ふみひこ新党さきがけ

○五十嵐(ふ)委員 とにかく財政赤字は大変深刻でございます。次のリヨン・サミットでは恐らく、各国は今、アメリカもヨーロッパも、不人気な政策を承知の上で財政再建にかかっているわけですから、日本だけが垂れ流していいのかという話が出てくると思います。  私は、財政再建計画を早急に立てる必要があると思いますが、大蔵大臣、二百、簡明に御返事をいただきたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今五十嵐さんがお話しになりましたように、我が国の財政は危機的な状況に立ち至っていると考えております。そういう中で、今財政制度審議会に、財政の果たすべき役割、守備範囲、また財政再建の目標についてできるだけ早く答申をいただいた上で、国会の皆様方の御論議、そしてまた、与党三党の間でも財政再建に関する協議をいただく場をおつくりになるとお聞きいたしております。それらの御意見等も伺いながら、財政再建の目標と方策を速やかにつくっていかなければならないと考えております。

五十嵐ふみひこ新党さきがけ

○五十嵐(ふ)委員 かつて総理は、自民党の行財政調査会長、土光臨調で活躍されました。そのときよりもさらに悪い状況に今財政はございます。そして、その財政が悪くなったのは、御存じのとおり、景気が悪いから、その景気を直さなきゃいかぬということでいろいろな財政出動があったからでございます。そして今、景気は明るさが見えてきたとはいえ、まだテークオフしていない。  こうした中で低金利政策が続けられている。この低金利政策を一体いつまでお続けになるのか。低金利政策が続けば、今生保と厚生年金基金との間のやりとりが出ていますけれども、厚生年金基金、国民年金基金という二階建て、三階建ての部分が危なくなってくるわけですね。財政計算が成り立たなくなってくるわけです。それから、財投への悪影響も考えられますし、深谷先輩がおっしゃられたような、シルバー世代へのしわ寄せというのも大変ひどくなってまいります。一体いつまでこの低金利政策を続けるおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。

松下康雄日本銀行総裁

○松下参考人 現在の経済情勢につきましては、私ども総合的に判断をいたしまして、景気回復の兆しがやや見えてまいった段階にあると思っておりますけれども、それが本格的な回復の軌道に安定的に乗っていくかどうかにつきましては、なお設備投資の動向その他、民間の経済活動が今後どれだけ活発になるかということにかかることが大きい、今大事な時期であると考えております。  それらの民間の経済活動を活発化してまいりますことを金融面から支える意味で、私ども、御指摘の低金利政策を続けているわけでございますけれども、その過程の中で、御指摘がございましたように、利子収入の割合の高い方々の生活に及ぼす影響、その他いろいろの副次的な影響がありますことについては、私どももまことに心苦しいと感じておる次第でございます。  ただ、私どもといたしましては、現在ようやくここまで参りました経済が、さらに自律的な回復過程を力強く進んでいくことによりまして、やはり将来、雇用あるいは所得の面で、預金者の方々も含めましてプラスになって還元される点が多いというふうに考えておりますので、これらの点につきましてなお御理解をいただきますようにお願いをいたしたいと思っておるところでございます。

五十嵐ふみひこ新党さきがけ

○五十嵐(ふ)委員 しかし、例えば公益法人等も、その低金利が続いているために非常に壊滅的な痛手をこうむっている。そういったことも考えますと、やはり私は、適正金利まで戻す時期というのを比較的早く設定しなければならないのだろうと思っております。そのためにも、ここで足を引っ張っている不良債権問題を、全貌を明らかにし、その解決策を政府として示さなければならない。  依然として政府はまだ隠していると思うのですね、大蔵当局が。生保の問題があります。そのほかにも、農業協同組合の中にある不良債権の問題もささやかれております。全体を明らかにしてその解決策を示していく、僕は、これが国の内外に対する日本の信用、日本の金融システムの信用を維持する唯一の道だと考える次第でございます。  そこで、金融システムの機能不全というのが僕は明らかに起きていると思うのですね。M1と言われる資金が急増していて、また、一般の民間金融機関から企業の借り入れが細ってきている、そういった状況。それにかわるべき直接金融はまだ日本では育っていない。また、ジャパン・プレミアム、先ほども伊藤先生から御指摘ありましたけれども、まだ直っていない。郵貯へのシフトも依然として起きている。これはやがて財政の硬直化につながっていくわけです。そしてまた、信用金庫の債務超過も目立ってきた。十七信用金庫が債務超過になったという報道がありました。生保も今危機が叫ばれています。実際には、金融システムの機能不全というのはもう既に起きている。  これを早く直し、また、金利を適正金利へ戻していくということを早急にしていかなければいけない。そのためには、私は今回の措置というのはやむを得ないだろう。しかし、それに伴って、もっともっとディスクロージャーを早期に拡大をしてやっていかなければならないんだろうと思います。農林系についても例外ではございません。農林系についても、私は、本当にこれがぎりぎりなのだろうかと国民が思っている以上、やはりもっと明らかにする必要があると思います。  例えば出資配当金というのがございますけれども、私の地元は九十九の農業協同組合がありますけれども、そのうちほとんど、九十四がちゃんと出資配当をしているわけですね。かなり資産的には悪い状況だ。不良債権を抱えていると言われているわけです。そういうときでもそれだけの出資配当をしているわけですから、果たしてぎりぎりの負担能力なのかというのは、国民にわかるように私は御説明が必要だと思います。  そうした農業系統金融の責任問題がまたあります。責任問題はないとおっしゃるが、しかし金融機関の看板を掲げている以上は、これはちゃんとした審査能力を持たなきゃいけないわけです。そこはしっかりお考えいただかなければならないと思います。もしそうでないならば、本来の仲間内だけの協同組合の姿に戻って、商社的な機能は放棄してもらわなきゃいけない。金融機関としての機能は放棄してもらわなきゃいけない。あるいは限定的にしてもらわなければいけないと思いますが、農水大臣の御見解を承りたいと思います。

大原一三自由民主党農林水産大臣

○大原国務大臣 農林水産系の預金でございますが、御承知と思いますが、現在信連が、利益が千三百億でございます、最近年で。それから、住専からの配当といいますか、利益が千五百億でございます。そういう状況の中で二千億を信連から拠出するというわけでございますから、これは大変な負担であることはおわかりいただけると思うのです。  おっしゃいましたように、各信連についてのデータ、これは我々も今精査をしている最中でございまして、ディスクローズの問題はこれから大蔵省と、それから信組、信金との兼ね合い、協同組織との兼ね合いがございますので、これと足並みをそろえて、大蔵省とも折衝をしながら、できるだけ早い機会にディスクローズができる体制を整備していきたい、こう考えております。

五十嵐ふみひこ新党さきがけ

○五十嵐(ふ)委員 ディスクロージャーが大切だということで、私どもとしても必要な資料の要求をいたしたいと思います。また、その中に、特に金融機関の高過ぎると言われる役員の報酬や賃金水準についてもこの時点で明確にお示しをいただきたい、そのように考えます。その資料の要求のお取り扱いについては委員長に後でお願いをいたしたいと思います。  それで、私の質問時間が参りましたので、同僚議員の錦織議員と交代をいたします。(拍手)

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 この際、錦織淳君から関連質疑の申し出があります。五十嵐君の持ち時間の範囲内でこれを許します。錦織淳君。

錦織淳新党さきがけ

○錦織委員 この予算委員会、新聞用語によりますと住専国会と言われておりますが、この委員会での審議を実りあるものにするためには、私は、一番大切なことは、この住専問題の前には与野党なし、こういうことを申し上げたいと思います。そういう観点から三つほど御質問をさせていただきます。  まず第一番目は、この住専問題にかかわる政治の責任ということでございます。  確かに貸し手の責任、経営者責任、借り手の責任あるいは行政の責任というものもございます。では、政治の側に何か反省すべき点はないのか、こういった点をこの際明らかにしておく必要がある。それがまず住専問題の前に与野党なしという意味でございます。  この際与野党なしというのは、例えば現在野党の席におられる方がかつては与党であったとか、そういう次元のことを申し上げているわけではございません。つまり、行政の政策上の誤りをなぜ政治が正すことができなかったか、こういう意味でございます。当然与党の責任は重い。しかし同時に、野党の側の国会論戦における追及の仕方にあるいは偏りはなかったのか、そういったことも反省をしていかなければならないと考えます。  そして私は、今回の住専問題の背景となった今日の長引く平成不況、この原因がどうであったのか。さらには、バブルの形成と崩壊によって極めて短期間に土地が急速に乱高下をした。こういう異常事態を引き起こした、そういったことについて行政がいかなる責任を負い、そしてまた政治がいかなる責任を負うのか、こういう問題でございます。今、このときの、特にバブルの退治の過程、バブルが崩壊していく過程の政策の一つ一つについてその当否を議論する時間がございませんので、事実認識の問題について申し上げたいと思います。  私は、バブル退治の始まった平成元年、八九年以降の状態について、当時の経済の状態をどのように見ていたのかということを問題にしたいわけであります。  八九年、平成元年の十二月二十九日に三万九千円近くをつけた株価は、翌年にかけて急速に下落をいたしました。そして、その過程でさまざまな政策がとられたのは言うまでもありません。そしてさらに、公定歩合の五次にわたる引き上げ、こういうものもとられました。そうした中で湾岸危機が発生する。こういった一連の事態の中で、実際の経済、実体経済がどうなっていたかということでございます。  私ごとで恐縮でございますが、私は、ちょうどこの一九九〇年あるいは九一年にかけて、まだ政治家の地位にございませんで、経済といいますかビジネスの最前線におったわけでございます。当時の多くの経営者たちがそうした一連の政策をどう受けとめていたかと申し上げますと、確かに、バブルによって甘い汁を吸ったいわゆる不動産あるいは建設、開発業者、こういった方々が大変青息吐息の状態になったのは事実でございます。  しかし同時に、バブルとは直接関係のない普通の小売業者あるいは製造業者、とりわけ体力の弱い、自己資本比率の弱い、つまり借入依存度の高い中小企業、零細企業、こういったものには大変な不安感が出ていたわけであります。そして、このままいけば自分たちの会社は危なくなる、そういう危機意識が相当程度蔓延をしていた。私は、当時そのように認識をいたしておりました。  ところが、当時のそうした金融経済政策を遂行していく行政の側にそのような認識があったかどうかというふうに考えますと、そういった認識はほとんどなかったんではないか。さらに大きな問題は、当時の国会の論戦を調べてみますと、そういう議論はかなり遅くなってからやっと出てきているということでございます。  私も予算委員会や大蔵委員会等の議事録を調べてみました。例えば平成三年十一月二十二日の衆議院の大蔵委員会で、当時の大蔵大臣、どなたとは申し上げませんが、このように言っておられます。消費の動向を見ると、景気は割と底がたいものがある、このようなことを言っておられます。  さらに翌年の、つまり平成四年二月二十七日の同じ衆議院の大蔵委員会におきましても、当時の大蔵大臣は次のように答弁をしておられます。「現在の状況が不況という言い方が果たしていいのかというところにまた一つあれがあると思うのですけれども、」ちょっとあいまいな言い方ですが、要するに、消費はまだ堅調である、例えば日用雑貨が売れているとか、あるいは住宅なんかも良質のものが売れているとか、あるいは建築の着工申請を見ると、まだ不況というよりは減速が広がっているという認識にあるとか、あるいは景気が底がたい、こういったことをさんざん述べておられるわけでございます。  ところが、実際には、九〇年の四月から九月に至るGDPの成長率が六・九%であったものが、九〇年の十月から九一年の三月にかけては四・四%、さらには次の三カ月で四・〇%、そして九一年の十月―十二月に至ると〇・一%、こういうふうに数字の上でも急速に当時の景気が失速していたということは明らかであったと思われるわけです。しかし、そういう事実認識を持っていなかった。ここが大きな問題である。  そこで、私の結論でございます。私の判断でございますが、その最大の原因は、やはり行政の判断に最大の誤りがある。しかし、問題は、当時の政治というものが、結局はそうした行政の提供する資料、数字、データ、そういうものだけで当時の景気判断をしていたのではないか、こういう大きな疑念を持っているわけでございます。これは与党としては大変厳しい質問かもしれませんが、先ほど申し上げましたように、これは与野党なし、だれかれの責任というよりも、我々がこの住専問題を一つのてことして、過去をどう切開したらいいのか、こういう大きな観点から、あえて政策通の総理にお伺いをしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 非常に幅の広い御質問をいただきましたが、プラザ合意以降、その円高の影響から脱しますためにさまざまなアクションがとられ、それが地価の高騰を招き、ちょうど海部内閣が発足をいたしましたころには、その地価に対する御批判が極めて強くなっており、国会等におきましても、地価をいかにして抑えるかという御議論が私どもに向けられる中心であったということは、今委員の御質問を伺いながら思い返していたところであります。  そして、地価とかあるいは株価というものを後から振り返ってみますと、経済的な合理性を欠いたレベルにまで高騰していたと考えられるわけでありますし、マーケットの中で、ある時点での急激な価格低下が生ずることも、市場の原理からいえば必然であったのかもしれません。まさに、また市場はそうした動きをいたしました。  こうした極めて大規模であり、かつ急激な資産価額、特に地価の上昇下落といった事態は、第二次世界大戦後初めて私ども体験したことでありますし、その後の実体経済への影響についての見通しが不十分であったという御指摘であるならば、それはある程度甘受しなければならないと思います。  そして、この中からどういう教訓を導き出していくことができるのか。バブルというものの発生とその崩壊、その中からの教訓も十分肝に銘じながら、適切かつ機動的な経済運営という言葉はいつも使われる言葉ではありますけれども、今日一層その重みを増している適切かつ機動的な経済運営に一層努めてまいるとともに、再びバブルを発生させないような経済運営というものに心しなければならない。委員のお述べになりましたことを、私はそのように総括したいと思います。

錦織淳新党さきがけ

○錦織委員 時間がございませんので、第二の質問に移ります。  同じく、住専問題の前に与野党なしという観点からの第二の質問は、ここに今在席をしておられない野党の皆さん方にお願いをしたいのは、もし政府・与党の方針を批判するのであれば、きちんとした対案を出していただきたい、こういうことでございます。  昨日のこの委員会での質問を聞いておりますと、残念ながら、対案らしい対案は語られていない、こういうふうに判断せざるを得ません。確かに、破産手続にゆだねたらどうか、こういうような意見はございました。これが正式の新進党の皆さんの対案であるかどうかはわかりません。わかりませんが、しかし、それ以上に対案らしいものが語られていない以上、これが対案であるというふうに判断せざるを得ないわけです。  しかし、私は、これまた私事にわたって恐縮でございますが、法律の職に二十年実務家として経験をして、その経験から申し上げますと、破産手続にゆだねるなどというものは、これは確かに一部の経済学者なんかも言っておられるけれども、私はまことに無責任な提案であると思います。つまりこれは、言葉をかえて言いますと、何もしないでほっておけということに等しいわけでございます。したがって、これは対案にはならないと思います。  問題は、しかし、ではこうした破産手続にゆだねた場合に一体どうなるのかというシミュレーションがきちっと説明されていない。したがって、そういった何か厳格な法手続をとればきちんとした責任追及になるのではないか、こういうふうに誤解をしておられる国民もたくさんおられるわけです。そこで、そうした点について、仮に破産手続にゆだねた場合にはどういうことになってしまうのか、そこの点についてやはりきちんと説明をする必要があると思います。  私の想定するところによれば、もし破産手続にゆだねることになれば、確かに住専七社については法的な解体手続が進むでありましょう。しかし、その限りにおいて法的手続がとられたということは、すべての法的紛争、社会的紛争が解決したということにはならないわけであります。例えば、農協系統の諸君は母体行責任ということを主張しております。母体行責任というのは、法律用語にかえれば、例えば法人格の否認、こういう論理をもって、例えばその母体行について、すべての住専の債務について法的責任をとる、こういう主張になっていくかもしれない。あるいは、役員の個人責任が問題になるかもしれない。さまざまな法的紛争が多発し、それらは例えば全国各地でたくさんの訴訟の頻発、こういったことにもなるかもしれません。  さらには、そうしてやっていく場合には、相当の長期間を要することは私どもの経験から明らかであります。そうした中で、体力の弱いところから弱肉強食の論理で倒れていく、こういうことも考えられる。そうすると、それについて権利関係を持ってきた人あるいは預金者、こういった方々が取りつけ騒ぎを起こしたり、あるいは役員に対する責任追及を起こす、そうした第二次、第三次の法的紛争がどんどんと連鎖的に起きてくるということも考えられるわけでございます。  そうしますと、さらにその段階で財政出動をしなければならないとすると、アメリカがかつて同じように巨額の財政出動の失敗をしたように、我が国においても巨額の支出をしなければならない、そういう問題もあるかもしれない。さらには、それだけではなく、その長期にわたる、あるいは十年以上の長期にわたるかもしれない社会的な混乱、経済的な混乱がさまざまな波及効果を我が国の経済に与えるかもしれない。そういったことをきちんと政府は説明すべきであると考えますが、大蔵大臣いかがでございますか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今錦織さんがお話しになりましたようなことを、私どももそのとおり考えております。  長期化する原因となりますのは、利害関係者が非常にたくさんになりますことや、またその不良債権の総額が大変巨大な額に上ることなどもございます。長期化いたしますと、その長期化によって、経済の動向とも関係してまいりますけれども、資産の劣化傾向が拡大する場合もございます。また、金利の負担も起きてくると考えられます。そういうことを通して、日本経済に与える影響も大きいものがあると思いますが、また関係金融機関等の信用にかかわる問題等もございまして、いろいろ複雑な影響を及ぼしてくるものだと思っております。  金融システムの不安、信頼度を失うことの大きさなどを考えてまいりますと、そのような方法はとるべきでない、このように考えております。

錦織淳新党さきがけ

○錦織委員 三番目の点は、質問というより提案に近いわけでございますが、これまた与野党に共通した関心事でございますのは、今後住専の問題を処理していくに当たって、きちんとした債権の回収を図っていくということが問題でございます。  同時に、債権の回収を図っていきますと、なぜそうした不良債権が発生したのか、あるいは債権の回収を阻んでいる要因は何なのかということが当然問題になってまいります。そうすると、その中でさまざまな関係者の責任問題、場合によっては、民事上の責任にとどまらず、背任あるいは詐欺、そういったことでの刑事責任の追及、そういったことも問題になろうかと思われます。  そこで、現在政府・与党で進めておる処理機構によりますと、預金保険機構を上部団体とし、その下に住専処理機構という民間株式会社をつくる、こういうふうになっております。私の理解によれば、債権を直接に取り立てるのはこの住専処理機構という民間機関でございます。確かに、預金保険機構に検察庁や警察、さまざまな役所からの出向、そうした助力を仰ぐということは必要ではございますが、問題は、直接債権を取り立てるものがこの住専処理機構であるということをお忘れいただきたくない。  そうすると、この住専処理機構の人的な体制がどうなっていくのかということでございます。その場合に、過去の住専七社、これは解体をしていくわけでありますが、その職員、役員、経営者、そういう者をそのまま引き取るわけには私はいかないと思います。もちろん、連続性があり、過去の事情を知らないと仕事ができない、こういう観点からの引き継ぎも必要かと思います。しかし、ここは人事を一新して、そしてきちんと責任追及をする、債権回収をする、そういう使命を持った人たちが基本的にこの組織を動かしていかなければならない、このように考えております。そういった点でどういう人事体制を考えられるのか。  さらには、このためには多くの専門家が必要でございます。例えば不動産鑑定士、公認会計士、さらには、民事介入暴力などと闘った経験のある日本弁護士連合会などとの連携、そういったもので法律家を大量に投入していただくとか、そういうことを考えていただかなければいけないと思いますが、大蔵大臣いかがでございましょうか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今御意見をお述べになりましたようなことを念頭に置いて、債権の回収、そして責任の究明というようなことに、強力で最も効果の上がる体制、陣容を整えていきたいと考えております。

錦織淳新党さきがけ

○錦織委員 時間を過ぎましたので一言だけ申し上げます。  この住専問題の前には与野党なし、きちんとした充実した審議になるためには、やはり野党の皆さん方も委員会に出て、そしてきちんとこういうふうに解決するという対案をぜひ出していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 これにて五十嵐君、錦織君の質疑は終了いたしました。  次に、志位和夫君。

志位和夫日本共産党

○志位委員 私は、日本共産党を代表して、橋本総理並びに関係閣僚に質問いたします。  大変制約された時間ですので、住専問題に絞って質問をいたします。  政府が決めた処理策というのは、いわゆる一次損失の穴埋めだけで税金から六千八百五十億円、さらに、いわゆる二次損失、これを合わせますと一兆三千億円もの血税、さらにそれが膨らむのではないかということも懸念されております。  一口で一兆三千億円と申しますが、これはどんな莫大な額か。今不況で苦しむ中小企業の皆さんに対する対策費の何と七年分であります。それから、今被災地に伺いますと、被災者の方々は、九万人以上の方々が仮設住宅で苦しい思いをしていらっしゃる。この方々への個人補償に充てれば、一世帯当たり五百万円から六百万円のそういう手当てにもできるような額であります。こんな金があるならなぜ被災者に回さないのか、これは被災地の声であり、国民の声であります。  我が党の基本的立場は、この六千八百五十億円は予算案から削除すべきであるということ、そして真相解明と責任追及の上に立って、住専設立の母体銀行の責任で、基本責任で問題を処理すべきである、これが私どもの立場であります。  そういう立場から、私は三つの問題点を究明したいと思います。  第一は、これは一体だれが借金を踏み倒したのかという問題であります。この問題は、住専の大口貸出先のリストがいまだに公開されていないために、実名リストがないためにやみの中にあります。住専の不良債権を出したのはだれか、借金を踏み倒したのはだれか、これを明らかにしないままで国民に税金だけ出せと言っても、これは絶対に納得は得られない。これは明瞭であります。  私特に重大だと思うのは、住専の不良債権の中に暴力団やそれに関連した企業が踏み倒した分が含まれているのではないかという問題です。これは国際的にも問題になっておりまして、私ここにニューズウイークの最近のを持ってまいりましたが、こういうほおに傷がついたやくざの絵入りで、「東京の汚い秘密 銀行と暴力団」という題で、それこそ銀行が暴力団を使って地上げ屋などいろいろな利用をやっている。これは告発していますよ。国際的にも問題になっている。  もう一つ挙げますと、元警察庁捜査第二課長として暴力団対策に取り組んだ宮脇磊介さんという方がこう言っておられる。「住専の貸出先のリストを見ると、関西の人なら一目で暴力団関係とだれでも知っているような企業が並んでいる。控え目に見積もっても日本の不良債権の一〇%は明確にやくざと関係しており、さらに三〇%はその疑いがある。」これは専門家の指摘です。相当部分が暴力団の食い物になっている可能性があるんですね。  私総理に伺いたいんですが、総理は本会議の御答弁の中で、この住専と暴力団との関係を問われて、さまざまあるというふうなことをおっしゃいました。これはぜひはっきりこの場でお答え願いたい。国民の税金の一部を充てるとしている損失分六兆四千百億円、この中に、暴力団やそれに関連する企業が踏み倒した分がないと言えますか。どうですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私はその実態を詳細に知る立場ではありません。しかし、御質問に対しまして、さまざまなケースはあり得ると、報道されておりますことを踏まえて御答弁を申し上げてきました。そしてこれから先も、この住専に関する問題につきましては国会の御協力もいただきながら最大限の努力をしていきたい、情報開示についても申し上げてきておるところであります。

志位和夫日本共産党

○志位委員 そうすると、否定されない、そういうことですね。あり得るということですね。(橋本内閣総理大臣「わかりません」と呼ぶ)わからないじゃやはり済まないね、この問題は。  これは私たち、ここに暴力団のいわゆるフロント企業のリストと言われるものを持っています。それから、住専の大口貸出先の実名リストを持っています。これを突き合わせますと、これは明確にフロント企業が出てきますよ。それから、疑いがあるものも出てきますよ。これを公式に出してもらいませんとこれはやはりきちんとした追及になりませんから、明瞭なこれだけの疑惑があるんですから、総理、暴力団に関係する資料、細大漏らさず、いいですか、細大漏らさず国会に提出することをお約束していただきたい。どうですか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 昨日来申し上げておりますように、国会で御審議をいただきますに必要な資料は、情報は開示するという原則の上に立って、国会の皆様方と十分協議をした上、法的に支障を残さないようにして開示いたしたいと考えております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 必ずこれは開示を求めたいと思うんですよ。さっき総理はわからないとおっしゃったけれども、わからないというのは、逆に言えば否定はできないということですよね。暴力団の関与を否定できない。否定できない、つまり疑惑のあるところに、その六兆四千百億円の中に国民の税金を投入するということになれば、これは国民が暴力団の育成の資金のツケを払わされるということになるじゃありませんか。絶対これは国民は納得しませんよ。  ですから、この問題は、これはきちっと細大漏らさず資料の提出を求めたい。これが第一点であります。  第二の問題なのですが、これは政府、大蔵省の責任について伺いたいと思います。  やはりこの大きな焦点の一つは、不動産融資へのいわゆる総量規制を決めた九〇年三月の大蔵省通達で住専を対象にしなかった、同時期に農林系金融機関に出された通達で住専への報告を義務づけなかった。これが何をもたらしたか、その結果は今では明瞭であります。農林系から住専、住専から不動産という資金の流れがつくられて、住専の暴走が加速した、これはもう結果は明らかです。  それで、どうしてそれではこの住専を対象にしなかったのか、これは単なる過失だったのか、それとも特定の政策意図を持ったものだったのか、これが最大の焦点だと思うのですね。当時の大蔵大臣は橋本総理ですから、率直な御意見をいろいろとこれから伺いたいと思うのですが、三つの角度から聞かせていただきたい。  まず第一点、大蔵省はこの当時、もう住専の経営内容を熟知していたはずだということです。住専から不動産など事業向けの融資を見ますと、一九八〇年度末には四%だったのが、八五年度末には三三%、九〇年三月末には七六%になっております。つまり、総量規制を出した段階で、もうこの時点で、住専というのは、本来の個人の住宅ローン向けの会社という、そういう性格を完全に逸脱して、不動産投機の会社に変質していたわけですよね。ですから、まずこの実態を御存じだったかどうかですよ。大蔵大臣として、住専がこういう経営実態だということを知っておられたのかどうか、これをまずお伺いしたい。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 正確を期しますために、多少前後を申し上げたいと存じます。  平成元年に私どもが海部内閣の閣僚として就任をいたしました時点で、地価の高騰というものが極めて大きな問題になり、その地価を抑えるということが当時大きな課題になっておったことは委員も御承知のとおりであります。そして平成元年の十月、そして二年の一月、これは住専というとらえ方ではございません、住専を含むノンバンク全体に対しまして、大蔵省として、たしか局長の名前で要請を繰り返しております。(志位委員「知っていたか、知っていないかだけ」と呼ぶ)いや、ですから、きちんと申し上げないと誤解を生みますから申し上げさせてください。そして、その限りにおいて、住専を含むノンバンクの融資というものが不動産に集中しつつある状況を懸念したからこそ、これを抑制したいという要請をお願いをいたしました。  そして、その後土地基本法が成立をし、それを受けまして、平成二年の三月の時点におきまして土地対策の関係閣僚会議があり、その席上、総理から、ノンバンクについてやっているけれどもさらに踏み込んだ金融についての対応を御指示がありました。そして、総量規制という措置をこの時点でとりました。しかし、これはまさに金融機関に対してとった措置でありまして、ノンバンクに対して直接の当時法的権限を持たなかった大蔵省からノンバンクに対してこれを発出はいたしておりません。  そして、その総量規制というものは、総貸出高の中で不動産に対する融資を、その伸び以下に抑えろということでありますから、非常に厳しい措置として、むしろこれは法律でやるべきだというような御議論もありましたが、あえてこれは銀行局長の通達という形で緊急に対応をいたしました。そして、直接の権限のないノンバンク、繰り返しますが、その中には、住宅金融協議会という形でまとまっておった住専もその対象でありますけれども、ノンバンク、不動産、建設に対する融資の状況を報告を求めました。  同じ通達は……(志位委員「もういいです、もうわかった」と呼ぶ)いやいや、きちんとしないと、申しわけありませんけれども、誤解を生みますから。  そこで、農林系統に対しても、銀行局長と経済局長が出しました総量規制の通達は、その三業種に対しての報告をそこでは求めておりません。それは既にこの報告をとっているということであったからであります。

志位和夫日本共産党

○志位委員 今の答弁はもう全部本会議で聞いた答弁なんで、私たちはよく理解してその上に立ってやっているんですから、時間が短いですから、簡単に、聞かれたことを答えてください。  要するに、住専の経営が不動産投機に流れていたということを知っていた、これは認識されていたということをさっきおっしゃいました。知っていたから、八九年の十月のそういう自粛の要請を出したんだというふうにおっしゃいました。  しかし、八九年の自粛の要請というのは、私これを持っていますけれども、これは何の効力もないんですよ、よく読んでみると。なぜかというと、「投機的土地取引等に対する融資の自粛について、」住宅金融協議会による自主ルールが作成されており、「着実にその趣旨が浸透してきているものと認識している。」と、ちゃんとあなた方よくやっています、だから引き続き万全を期すよう、こう言っているだけなんですよ。こんなものは何の価値がありますか。  このとき既にもう、八九年十月といったら、住専が、おっしゃるように不動産投機にのめり込んでいた。そのときに、自主ルールを作成して着実に趣旨浸透していますと、逆にお墨つきを与えているだけの通達じゃありませんか、これは。何の意味もない。  それから、知っていたはずだとおっしゃった。これは非常に大事な点です。知っていたならなぜ手を打たなかったのか。それに対して、そのお答えも今されました。住専というのは免許業種じゃない、権限が及ばないと。また同じ答弁であります。  しかし、住専というのは関連会社ですよ、銀行の。七五年に関連会社としてきちんと認定されている。関連会社というのは、これはもうよく御存じだと思うけれども、関連会社にすることによって、母体行からの役員派遣を含め、経営の支配権を認めているわけですよ。そのかわり、関連会社である住専の業務内容については当局の指導に従うということになっているのですね。  私ここに、七五年に出した関連会社通達を持っていますが、ここには「当該関連会社の態様、業務の内容については、具体的なケースごとに、当局の指導に従うものとする。」つまり、大蔵省は住専に対する指導権限を持っているのですよ。  あなたは不動産投機へののめり込みを知っていた。知っていたから手を打ったというのは八九年だ。しかし、八九年の通達というのは逆のお墨つきを与えるものだ。権限がないと言うけれども、権限はあるんですよ、関連会社なんですから。そうでしょう。住専に母体行から役員がもう全部行っているわけでしょう。常勤役員の八八%は母体行からの出向じゃありませんか。こういう住専をどうして指導できないか。おかしいじゃありませんか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は住専と申し上げておりません、当時ノンバンクが問題でありましたと申し上げております。どうぞ誤解のないように。そして、そのノンバンクという中に住専も入っておりましたと申し上げております。その上で、貸金業規制法の権限で、当時私はそれ以上の力は持っておらなかった、そう理解をしておりますが、必要がありますなら事務的に補足をお許しをいただきたいと思います。

志位和夫日本共産党

○志位委員 結構です。  それで、もう一点ちょっと聞きたいんですが、もっと不可解なことがもう一つある。三つ目の問題なんですが、総量規制を出した後のあなたの対応についてなんです。  総量規制を出した後、あなたは一年半にわたって大蔵大臣に在任されているわけですね。九一年十月まで在任されているわけです。その間、総量規制を金融機関全般にかけたわけですね。住専にかけなかった。だから、住専の不動産投機が、これは暴走するのは当たり前です。これを一年間見てみますと、住専からの不動産など事業向け貸し出しは、九〇年三月末が七・七兆円、九一年三月末は九・七兆円、一年間で二兆円ふやしているのですよ。この推移については、これは住専から四半期報告というのをあなた方はとっているのだから、リアルタイムで、住専の不動産投機が暴走していたという実態をあなた方は知っていたはずだ。  それで、私、当時の大蔵大臣だった橋本さんの答弁を見てみましたら、総量規制をかけた後、もしその総量規制でノンバンクにしても住専にしてもしり抜けがあればちゃんと手を打つ、土地神話は何としてもつぶさなきゃならないとあなたは何度もおっしゃっている。そうでしょう。そのあなたが、住専が総量規制の後どんどん不動産投機にのめり込むその実態を知りながら、なぜ手を打たなかったのですか。一年半にわたってなぜ手を打たなかった。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 大変申しわけありませんが、私は、先ほど来ノンバンクと繰り返し申し上げております。そして、私自身の答弁をお調べいただきましたようでありますが、その当時、住専という問題のとらえ方で御論議はございませんでした。私は、ノンバンクの問題については何回か答弁で触れてきておったと思いますし、そのたびに権限が及ばないということを申し上げたこともございます。そして、たしか、局長の私的な諮問機関をつくって貸金業規制法の改正を考えていくプロセスの中で、しかしそれは金融制度調査会の議論を得なければいけないのではないかというような御指摘を、本院でありましたか参議院でありましたか、受けたこともございます。  そうした中で、貸金業規制法の改正にまでこぎつけてまいりましたが、その間、ノンバンクといいますよりも金融全体の状況はそれぞれいろいろな報告がございますけれども、今のように住専という問題が特定されて論議をされませんでした当時において、私のところにそうした報告は参っておりませんでした。

志位和夫日本共産党

○志位委員 住専というのは特定して議論されなかったから報告が来なかったと言うけれども、それは、あなた方が情報を握っているんですから、あなた方が問題出さなかったらわかりませんよ。それで、報告がなかったと言うけれども、四半期報告というのは、さっき言ったように、とっているわけですね、住専から。それを知らなかったと言うのは、報告がなかったと言うのも、これは私は無責任と言わざるを得ません。  それで、ノンバンクには手を打った、こう言いました。確かに九一年に貸金業法、あなたの蔵相時代ですか、これは改正している。ノンバンクの不動産向け投機というのは、これ、四〇%ですよ、大体。住専はもっとけた違いに不動産にのめり込んでいたわけでしょう。このときの状況を見ますと、銀行の不動産投機の伸び率というのは大体年間一四%ですよ。住専は五四%伸ばしているんですよ。だから、不動産投機の中でも一番突出していたのが住専なんですよ、あの時期から。大体、投機額全体の中だって一割を占めていた。これを知らなかったと言うのは、私は論として通らないと思います。  私は、この総量規制の問題、余りにこの住専外しは異常だと言わざるを得ません。住専の暴走の実態を知っていた、やろうと思えば関連会社で指導する権限もあった。そして、それがあったのに、これはやらなかった。これはなぜなのか。これはやはり、このときに住専に規制をかけてしまったら住専はつぶれただろう。つぶしてよかったんですよ、もう必要ない会社だったんだから。つぶれたらどうなったかといえば、住専に貸し込んでいた銀行の莫大な貸し付けが焦げついた。それから、大蔵省からの天下り、このときは最高の八人ですよ、会長、社長で。この人たちが責任を問われた。私は、銀行救済、天下り救済のためにこの総量規制からの住専外しを意図的にやったと言わざるを得ないのであります。  これは、あなたに何度聞いても意図的じゃないとおっしゃるかもしれないけれども、責任感じませんか、責任。この経過の中で大蔵大臣としての責任、一切ないですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は何回か、こうした状況、今になって御質問を受ければ私が全く責任がないなどとは申し上げませんということは申し上げた上で、当時の状況を御説明申し上げております。  そして、その上で私が申し上げたいのは、ノンバンクというとらえ方の中に住専はその当時含まれておりました。これは我々共通の理解であったと思います。現在そう申し上げますと、皆さんは、そんなことはない、住専はとおっしゃいますけれども、まさにその要請、元年十月の要請にいたしましても、ノンバンクとして、それぞれの、ノンバンクの協議会に対し、組織に対し、要請をいたしておるわけで、権限のない中で要請をしてきたという事実、それは問題意識を持っていたということであります。  もう一つ申し上げたいことは、私自身、その意味では今不勉強であるとおしかりを受ければこれは返す言葉がありませんけれども、その総量規制の後で、金融機関の貸し出しが落ちておるということを御報告しておる国会答弁がございます。そして、それは確かに金融機関について総量規制の効果は一定程度出ておりました。しかし確かに、それを今振り返ってみますと、農林系の金融の状況まで把握をして御答弁を申し上げておりませんでした。その辺は私が不勉強であったと思います。

志位和夫日本共産党

○志位委員 これはまた八九年の要請はやってきたということを繰り返しますが、その要請は意味がないということはさっき言ったとおりで、これは全体本当に、この住専外しは意図的な一つの政策的意図があったというのは私どもは本当に断ぜざるを得ないし、今の質疑を聞いていれば国民の多くの方々はそう思ったと私は思います。  次の問題、第三の問題に入りたいのですが、第三の問題として伺いたいのは、この住専の設立母体となったいわゆる大銀行、母体行に対する責任であります。  私は、今度の問題で、農林系金融機関の責任もあったと考えております。住専のああいう実態のもとで無批判に貸し込んだ、これはやはり農林系の責任も問われなければなりません。しかし、この母体行である銀行の責任というのは、農林系とは全く質的に異なる、非常に重い重罪だと私は言わざるを得ないんですね。  私は、三つの大罪を母体行は犯していると考えます。  一つは、バブルの時期に住専を別働隊として利用し、自分ではやれないような危ない不動産投機をやらして、たっぷり甘い汁を吸った。自分では危なくてできないような暴力団絡みの地上げ屋など、リスクの高い不動産投機、これをまさに別働隊としてやらした。これはバブルの時期の母体行の行状ですよ。  それから二つ目に、バブルが破綻すると今度は、自分が持っている不良債権を住専に押しつけて肩がわりさせる。つまり、住専を不良債権のごみ箱として利用したわけです。  私は最近、住総、これは住専の一つですが、その現職幹部がある雑誌で次のように証言しているのを印象深く読みました。  バブルが弾けた頃、不動産融資の総量規制があった。それで、各信託銀行は融資額が決められてしまった。するとどこかを外さなくてはならない。で、当然のごとく、マズい先から外すことになる。それらを全部、住総に肩代わりさせていったんですよ。それだけで、千五百億円から二千億円はあると思います。しかも、バブルが崩壊した後から、盛んに肩代わりをさせた。そのために、住総は信託銀行の〝ゴミ箱〟と言われているんです。  結局、マズい先、つまり暴力団からみとか、政治家がらみとか、表に出てはマズいものをみんな肩代わりさせた  バブルの時は信託銀行の別働隊だった住総が、弾けたらゴミ箱になっちゃって、農協のカネがどんどんゴミ捨て場にいっちゃった これ、なかなかリアルであります。こういうやり方で、最初は別働隊、次はごみ箱として住専を母体行は利用していったわけですがね。その手口として紹介融資というやり方をとったことは広く指摘されているとおりであります。私、ここにもその当時の紹介融資の実態の内部資料を持ってまいりましたが、住総の大口の不良債権、十五社で合計三百八十三億円のうち、母体である信託銀行の紹介分は七社、二百五億円、つまり五四%は母体行による紹介融資であります。  総理に伺いたいのですが、一体住専の不良債権のうち母体行による紹介融資による分はどれだけを占めるのか、これがはっきり明らかにされていない。この実態を具体的に明らかにすることなしに、母体行責任、これは出てきませんからね、はっきりとは。そう思いませんか、総理。どうですか。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 西村銀行局長。(志位委員「総理の認識を聞いているのです。総理の認識を聞いているのです」と呼ぶ)

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 母体とおっしゃいますのは、住専、現在の場合七社の問題について申し上げたいと存じますけれども、平成七年三月末時点で三兆五千八百五十九億円でございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 これは詳細な資料が必要ですね、当然。これは、大口貸出先別に、住専別に、母体行別にそれぞれの案件でどういう紹介融資がやられたのか、それがわかりませんと、グロスで額を出すだけでは出ませんから、これは国会でも資料要求しておりますが、委員会で、この紹介融資の実態はきちっと早急に出すように協議していただきたい。委員長、いいですね。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 後刻理事会で協議をさせていただきます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 私、二つの大罪ということまで言ったのですが、三つ目なんですよ、問題は。バブルが崩壊して、住専の破綻がいよいよ明らかになってきます。そのときに母体行は何をやったのかという問題です。  私、これを経過を調べてみますと、これは御承知のように、大蔵省と一体になって、九一年、九二年に第一次再建計画、九三年には第二次再建計画、本来この段階で、遅くとも住専を整理して当然だった。ところが母体行は、住専の再建には母体行は責任を負う、農林系にはこれ以上負担をかけません、こう言って農林系資金の引き揚げを抑えた。それを政府に保証させるために、九三年二月には大蔵、農水の例の覚書まで結んだわけであります。  私がここで重視したいのは、政府提出資料で第一次再建計画を見てみますと、母体行の責任として、住専に対する融資残高を維持するという約束をこの時点でやっています。第一次再建計画の時点で約束をしています。この約束は一体果たされたのかという問題なんです。  この住専七社の母体行からの借入金の推移について、これは銀行局、九一年度末と現時点について報告してくれますか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 住専七社の母体行からの借入金の残高は、九一年度末で約三兆二千億円、九四年度末で三兆五千億円でございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 これは、とんでもないでたらめな数字を言ってもらっては困るのですよ。  私、ここに銀行局金融年報、毎年あなた方が出しているものを持っていますよ。これが九二年版ですね。これを見ますと、今問題になっている九一年度末の住専八社、これは八社ですね、八社の母体からの借入金は五兆一千億円と出ていますよ。八社で五兆一千億。あなた、七社で三兆二千億と言ったでしょう、言いましたね。そうすると、差し引き一兆九千億になるのですよ。残るは何かといえば、農協系の協住ローンでしょう。協住ローンに一兆九千億もの資金を貸し込んでいたのですか、農協が。これ、協住ローンについては、同じページで、このときの貸付残高七千七百億しかないですよ。七千七百億しか出してない、そういう会社に一兆九千億もの金を貸し込むわけないじゃないですか。でたらめな数字を言ってもらっては困る。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 御指摘の点につきましては、九二年と九三年の間で母体の定義を変更しております。九二年までは、出資自体をしておるものを母体ということで計数を掲げてございました。その後、設立母体、現在議論の対象となっておりますような、皆さん方が母体という意味で言っておられるような定義の母体という範囲で数字を掲げておる、こういうことで、詳細な数字まで御説明することは十分可能でございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 母体の定義を途中で変えた、とんでもない話ですよ。これ、九二年と九三年で母体の定義を変えたと言うけれども、九二年に、いいですか、九二年に母体行分の借り入れとしたのは五兆一千億、八社で五兆一千億なのは確かです。それで、それから協住ローンの分を引いて、私、計算してみました。これ、パネルをつくってきました。これを見ていただきたいのですが、この母体の定義を変えようと変えまいと、九一年、九二年のときの母体行が住専七社に貸し込んでいた借入金の残高は、九一年は四兆五千億、九二年は四兆四千億ですよ、これは母体の定義を変える前かどうか知らないけれども。今は三兆五千億ですよ。一兆円引き揚げているんですよ。  定義が変わっていると言うけれども、いいですか、第一次再建計画のときに、その融資残高を維持すると母体行は約束したのですよ。約束したはなから定義を変えたというのは、言葉をかえれば逃げ出したということじゃないですか、母体行が。そうやって一兆円も引き揚げている、次の年には。残高を維持すると言っておきながら、一兆円次の年には引き揚げた。見てください、この数字。  それで、この赤い棒が母体行で緑の棒が農林系ですから、農林系は、もう忠実に五兆六千億円ずっと融資残高を維持しているわけですよ。まじめに維持している。銀行はさっと引き揚げている。母体の定義を変えたかどうか知らないけれども。これは背信的だと思いませんか、総理。これはもう総理に聞きたい。背信的なやり方だと――総理です、だめです、総理に聞きたい。だめ、だめ、総理に聞きたい。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 定義を変えた云々の話がございますので、事務当局から答弁をさせます。

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 西村銀行局長。簡潔にしてください。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 現在議論をされております意味における母体の七社の借入残高は、同じレベルでとりますと、九一年三月末が三兆二千七百二十二億円、九二年三月末が三兆二千八百八十五億円……(志位委員「そんなこと聞いてない。あなたに聞いたってしょうがない。背信的かどうか聞いているのです。委員長」と呼ぶ)さらに、現段階に至りまして三兆五千八百五十九億円ということでございまして、継続性のある数字としてとらえれば、おっしゃる点は十分御説明をすることが可能でございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 母体行の定義を変えたということは、最初母体行だったものが母体行から外れた、つまり逃げ出したということじゃないですか。これ、総理、一兆円の引き揚げ、大きいですよ。一兆円引き揚げた。あなた方は母体行は責任は果たしたと言われるけれども、三兆五千億の債権放棄では済まない。私は、少なくとも四兆五千億まで払ったっていいじゃないか、足らない分があったら国民の血税に頼るのではなくて銀行に払わせたらいい。これが国民の声ですよ。これはもう政策判断の問題です。どうですか。足らない分があったら、銀行に払わせたらいいじゃないか。こうやって資金を引き揚げているんですから。どうですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、このフレームをつくりますために、関係当事者の間でそれぞれの責任を含めた、慎重な上にも慎重な論議の上で決定した負担割合であると思っております。  また、九一年一二月末、九二年三月末の数字、そしてその母体行の定義を変えたということから、今のルールでいきますと金額は変動いたしますということを局長は申し上げておりました。

志位和夫日本共産党

○志位委員 銀行に対して定義を変えたというのは、さっき言ったように、最初母体行とカウントしていたものをカウントを外したということですから、その母体行の責任を免除したということですよ。定義を変えたというのがこちらの意見だったら、母体行が住専に負っている責任を放棄することを認めてやった、母体行が逃げ出すのを認めてやったというのは定義を変えたということなんだから、そんなことを言ったって、これは銀行の罪を軽くすることになりませんよ。  私、銀行に対しては、事実上の公的資金が既に莫大な額が注がれているという事実を指摘したい。この間、公定歩合は六%から〇・五%まで下がった。これ、泣いているのは、これはもう本当に預金を頼りに暮らされているお年寄りですよ。この四年間でどれだけ家計から銀行に所得が移転したか。私ども試算してみたら十六兆円ですよ。それから、共同債権買取機構、銀行の不良債権を買い取って特別の減税をしてやるという仕掛けをつくった。それで、減税額、私たち計算してみたら三兆円ですよ。合わせて二十兆円近い事実上の公的資金が既に注がれているんですよ。この上、どうして国民の血税で銀行救済してやる必要があるのか。私は、絶対これは国民は納得しない、絶対納得しない。  私、これは総理として、私たちは問題を先送りにしろと言っているんじゃないんですよ。なぜ足らない分があったら銀行に払わせないのか。母体行の三つの大罪と言いました。別働隊として使い、ごみ箱として使い、ごみ箱を農協に押しつけた。これだけの大罪を持っている銀行にどうして払わせないのか。もう一度御答弁願います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、このスキーム、関係者が真剣に論議をした上で決定されたものと考えております。ただ、先ほどから、銀行をなぜかばうのかとか罪は軽くならないというそういう言い回しをされましたけれども、何も銀行をかばって私は申し上げているのではございません。

志位和夫日本共産党

○志位委員 銀行をかばってないと言うけれども、かばわざるを得ないような関係をあなた方は銀行との間でおつくりになっている。それは政治献金の問題です。  銀行からの政治献金を、これは九四年度で見ますとこうなります。いいですか。自民党、企業献金の三七%、十五億六千三百万円は金融関連業界からのものですよ。そのうち住専の母体行からのものが七億二千万円ですよ。新進党、これは出てきていない。新進党出てきていませんが、企業献金の五四%、四億七千三百九十万円、これは金融関連業界からのものですよ。そのうち住専の母体行からのものは二億六千万円。さきがけ、ここに座っていますけれども、大蔵大臣としてこれを決めたさきがけは、企業献金の八六%、一億一千七百十三万円は金融関連業界からのものですよ。そのうち住専の母体行からのものは五千六百万円。  これでどうしてまともな対策できますか。来年はやめるというんだったらまだ話はわかる。しかし、ことしも続けようという話ではありませんか。少しは心に痛みは感じるのか、二割削減するという、しかし八割はもらいましょう、こういうことが報道されております。銀行から政治献金をもらい、その見返りに銀行を救済する、その金は庶民の金だという、こんなばかげた政治ありますか。こういう重大な問題が起こり、母体行責任ということがこれだけ問題になっているんですからね、私は少なくとも、いいですか、自民党は銀行からの企業献金は返上すべきじゃないか。少なくとも、少なくとも住専の母体行からのこれは返上すると、ここではっきり明言してください。どうですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 政党として許された範囲における政治資金をきちんと政治資金規正法に基づき届け出を行って受領していることと、それと同時に今回のこの問題における対応と同一の線上で御論議をいただくことは甚だ私は不本意であります。そして、母体行というものの責任を除外したことを申し上げていることは私はないはずであります。  当然のことながら、母体行には責任はあります。ただ、法的に言うならば、住専というものと母体行と人格が違うという部分がございます。そして、昨日もたまたま報道を見ておりますと、その点を立論として母体行の御関係の方が自分たちに責任なしという御発言をしておられました。私は大変不本意な思いでこれを見ておりましたけれども、形式論としてはそういう議論もあるのかという感じを持った次第です。

志位和夫日本共産党

○志位委員 今度の処理策と銀行からの献金は別問題だ、同一の線上じゃないと言いますけれども、出している側の大企業の代表、経団連の代表などは、財界が金を出すのはその見返りを期待するからだと言っていますよ。国民はだれも同一線上の問題ではないと思わない。まさに同一平面上で起こっている問題だと、みんなそう思いますよ。  これまで護送船団方式ということが随分批判されてきた。どんなに銀行が不始末をしてかしても、大蔵省が守ってやる、政府が守ってやる、この護送船団方式ということが批判されてきましたけれども、やはりその根っこには企業献金がある。それをこれだけ私が言っても、これはもう法律に認められているんだからこれからもやりますと平然と言って恥じないというところを聞きますと、私は、あなた方は本当、まるで銀行の護衛隊だ、そう言わざるを得ない。  私は、首相が本当に、被災地の問題との対比でも、それこそ大震災の被災者の方々には、個人補償を要求しても、自助努力ということをあなたはおっしゃいました、本会議で。私も本当に残念に聞きましたよ。これを一方で言いながら、銀行の問題になると、お金はもらい続けます、こういう処理スキームは捨てません。これでは、やはり私は、国民は絶対この事態に納得しない、このように思います。  もう時間になりましたから終わりにしますけれども、やはりこういう政治は根本から間違っている。大企業、大銀行優先のそういう政治ですね。これから本当に庶民の生活を大事にする政治に政治の流れを切りかえるために、日本共産党は全力を尽くすということを最後に表明いたしまして、私の質問を終わります。答弁結構です。(拍手)

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。  次に、海江田万里君。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 市民リーグ・民改連の海江田万里でございます。  私どもは、橋本内閣に対しては是々非々の立場で臨みます。橋本内閣が国民のためになることをやっていただければ、私どもはこれを全力で応援をしますし、橋本内閣が国民のためにならないようであれば、新進党のように議席を立って審議拒否をすることはしませんが、この国会の場で正々堂々と論陣を張らせていただきます。  さてそこで、今国会の最重要課題であります住専の問題でありますが、昨年末の閣議決定で六千八百五十億円の財政資金の投入を決めた。これは国民一人頭五千五百円ぐらいだということはよく知られているところであります。そして、この問題点につきましては昨日及びきょうのこの予算委員会の議論でいろいろ出ましたが、もう一つ重要なのは、昨日閣議了解をいたしました二次損失の問題でございます。  この二次損失の問題につきましては、当初、昨年末の与党の処理案では、二次損失が出た場合は、「住専処理機構において住専から引き継いだ資産に係る損失が生じた場合、その一部を補てんする。」どなっておりますね。それが、昨日いたしました閣議了解によりますと、万一、将来損失が生じた場合、この万一というのは実は万一じゃないのですね。ほぼ損失が生じるであろうということはもう明らかな点でありますけれども、これは、万一、将来損失が生じた場合、昨年末の政府・与党合意、閣議決定の趣旨に沿って民間及び国が折半して負担をするということですね。  これは、私は当初、「その一部を補てんする。」ということを読んで理解をしておりました。ところが、この半分の負担というのは、一部と比べると随分国民の負担が大きくなったなという理解をしたのですね。しかも、ではこの二次損失の金額でございますけれども、巷間、新聞などは一兆二千億という金額を置いておりますけれども、今の政府の見解では一兆二千億という数字は置いてないわけですね。そこのところからまず確認をいただきたいのです。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 私どもは、そのいわゆる二次損失をできるだけ少なくする、できれば発生をさせないという努力が前提として与えられていると思っております。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 もちろん、できれば発生をさせたくないというのは国民共通の願いだろうと思いますけれども、そうはいかないわけでございまして、しかもこの一兆二千億分というのは、実は昨年末のこの予算委員会で金融問題の集中審議をやりまして、私もこの議席を占めておりましたけれども、そこで武村大蔵大臣は、その当時はまだ一次損失の処理の方法が決まっておりませんから、ですから、七兆五千億になるのか、それから四分類だけで見れば六兆二千億であるか、どちらかだという言い方で、まだその六兆二千億という数字は言っておりませんでしたから、一兆二千億をも含んだ七兆五千億という数字を言っていたわけですよね。  だから、そういう意味では、去年の暮れからことしにかけて急に一兆二千億も債権の回収が楽になるなんということはあり得ない話で、むしろ状況からいけばもっと大変なことになっているわけで、少なくとも最低一兆二千億で、この一兆二千億にあとどのくらい積み上げがあるかということをやはり考えなければいけないと思うのですけれども、いかがでしょうか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 債権の分類をいたしました経過がございます。その中で、一兆二千四百億の数字が記録されてきた経過もございます。しかし、今当事者ともいろいろ協議をいたしていきます段階で、立入調査の結果等に基づいて精査をいたしました結果の損失は六兆二千七百億、それに欠損赤字が一千四百億ございますので、六兆四千百億となったわけでありまして、分類の違います不良債権と考えられる部分は、今後の回収の努力によってその額は決まってくるものだと思っております。  また、資産として住専処理機構が買い取りますものの処分は、経済の動向ともかかわってくるものだと思っておりまして、数量的には確定いたしておりませんが、回収に全力を挙げて、できるだけ高率の回収を行うことによって、国民の皆様方に御負担がかからないように全力を挙げることが私どもの任務だと考えております。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 私が言いたいのは、大蔵省の不良債権の査定は甘いということでございまして、これは別に私だけではありませんで、金融や経済の評論家あるいはアナリストの中で、まず皆さんおっしゃっているんじゃないですか。大蔵省の査定は非常に厳しいなどというような論調を私は寡聞にして見たことがありませんが、主観ではいけませんので、一番いい例がやはり東京共同銀行の例でございますね。  一昨年末、東京協和と安全信組を処理するに当たって、東京共同銀行には優良な債権だけを移しかえをやった。ところが、移しかえをされた東京共同銀行が一年もたたないうちに、優良だと言われた債権の九割が実はもう回収不能であったというような事実がありまして、しかもその事実を、これからコスモ信組を処理をしなければいけないということで、これは大変だということで、東京都に、大蔵省の査定は甘いよということを意見書にして出しているという事実があるわけですね。これは御存じですか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 今査定が甘いという御指摘もございましたが、一昨年末のいわゆる東京の二信組の経験をも踏まえまして、あれは東京都の検査の結果であったわけでございますけれども、今回の調査におきましては私どもは非常に厳格に査定をしたつもりでございます。具体的には、路線価をもちまして担保の評価をしておるということでございます。  なおもう一点、回収という問題に関しましては、昨年の八月の時点で調査をいたしました段階では、七社がばらばらで回収に当たるということを前提に調査をしておったわけでございますが、今回、この住専処理機構あるいは預金保険機構という回収体制を七社合同で整えまして、かつ政府もバックアップをいたしまして回収に当たるということでございますので、そういう意味での前提も違いがあると私どもは考えておるところでございます。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 ただ、回収の問題については、先ほどから議論も出ておりますけれども、果たして株式会社でできるんだろうかというような問題もありますし、それから、錦織さんがお話しになったのですかね。本当に具体的な債権の回収の問題、例えばまず債権を新しくできたこの処理機構に移さなきゃいけませんね。その債権を移すところも、果たしてそれでは本人の了承が要るのか要らないのかとかね。  一般的に言えば、これは本人の了承なくても、移しましたよということの通知でいいということになっているんですが、ただ、そこに暴力団などがいるような場合とか、あるいは暴力団がいる場合でも、これははっきり暴力団とわかれば警察に出てきてもらうこともあるわけですけれども、善意の第三者がいるような場合一体どうなるのかというようなことで、これは債権の回収といいますけれども、実際には大変難しい。  しかも、今のような株式会社でいいんだろうかどうなんだろうかということは、これはやはり随分議論のあったところでありますから、そこのところを、やはりどうしても株式会社は株式会社で守っていくんだよという話なのか、それともその株式会社を場合によっては変えなきゃいけないのかというような点は、もう一度確認ですけれども、いかがですか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 私どもといたしましては、現在は株式会社でやりたいと思っておりますが、目的はいかに強力に回収を行うかということでございますから、この目的を有効に合法的に果たすために、設立される機構その他については、十分本院の御意見等も踏まえながら検討していかなければならない問題だと考えております。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 いずれにしましても、この第二次損失ですね。私は一兆二千億ではおさまらないという認識を持っておりますけれども、これを国民の税金で半分負担をするということ、これは非常に重い決定であるということ、そのことの認識は持っていただきたいと思いますね。  それから、きのう久保大臣は、記者に聞かれて、この第二次処理の、十五年で最後に一括して清算をするんじゃなくて、損失穴埋めのための財政資金支出を途中で繰り上げて実施をすることもあり得るというようなお考えを発表したやに聞いておるんですが、これはいかがですか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今海江田さんがおっしゃいましたことは、私が申しましたことを正確には伝えていない、こう思います。  私が申しましたのは、最終的に損失がどれだけになるかということは、住専処理機構の任務が完結する十五年後にならないと正確な数字は決まらないだろう。しかし、その中間においても、損失と考えられてこれを処理しなければならない場合、もしくは益金として国庫に還元をする場合、そういうものは必要な中間の年度においても予算をもって処理されることになろう、こういうことを申し上げたのであります。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 橋本総理にお尋ねをします。  先ほど来の議論も聞いていたんですが、八九年になって株価が高くなった、土地もずっと高くなった。土地が特に高くなった問題については、これはいろいろな問題が出てきまして、何とか土地の上昇を抑えなければいけないという議論があったことはよくわかっておるんですけれども、やはりそこのところで、いわゆるバブル経済と言われる過剰流動性が発生をしたことに対して、どうやって後始末をするかというところで、ソフトランディングとハードランディング、この大きな考え方で二つ流れがあったと私は理解をしておるんですね。  当時の橋本大蔵大臣はソフトランディングを考えていて、そしてどうやってこれを軟着陸させるかというところで、例えば三重野日銀総裁が、十二月の十七日に日銀の総裁になって、そして直ちに十九日か二十日ぐらいに公定歩合を上げるというときに、橋本大蔵大臣は反対をされましたよね。これは覚えていらっしゃいますよね。  それで、反対をされて、結果的に少し実施時期がおくれて、それから上げ幅も少なくなったということがあるわけですから、そういう事実から考えていくと、私は、これはやはりソフトランディングをさせなければいけないということで、例えば先ほどの総量規制の問題についても、余りここでもって、不動産融資に対して、それこそ蛇口を締めてしまうと問題があるんじゃないだろうか、これを少し緩めておく必要があるんじゃないかなというふうにお考えになったのではないかなと思うのですが、これはいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 確かに、余り急激な変動を及ぼすことはいかがかという気持ちはございました。と申しますのは、その時期におきまして、既に為替が非常に不安定になっており、他の市場にも不安定な要素が出ており、トリプル安が懸念されていたというのが一つの問題点であります。と同時に、住宅建設は当時におきましても非常に大切な問題でありますし、不動産への資金というものについて、それが優良な宅地開発等のブレーキになることは困るという意識もございました。  しかし、そうした気持ちはありましたけれども、当時の土地の状況というものは、それほど生ぬるい考え方を許す状況ではなかったと思います。  そして、土地基本法が前年の暮れにつくられ、さらに土地の神話を破壊せよという強い空気の中で、新たな土地に対する税制、これは後に地価税として国民に御負担を願う一つになったわけでありますが、こうした税も議論をされる、それだけ土地神話を崩せという世の中の非常に強い御要請の中で、なかなか総貸出量に比して下回らない土地関連融資というものに対し、いわば創業と知りながら総量規制という手法を用いたということであります。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 総量規制がやはり創業であるというような認識は持っておられたわけですね。  それから、これは非常に微妙なところなんですけれども、全体からすれば、やはりこれをどうやってソフトランディングさせるかということに大蔵大臣として一番腐心をした、そういう認識を私が持って結構ですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 全体としては、やはりあの時点では、むしろ三市場の共連れで崩れております状況に突っかい棒をかいたい。大変申しわけないことでありますが、その時点の意識では、私は本当に、為替市場と証券市場、殊に、たしか四月でありましたか、あのころにG7がありました。それを踏まえて、例えば日銀に公定歩合の操作をお願いをするような事態、日銀がそういう判断をされるような事態を起こして、国際的な金利スパイラルの引き金を引くような事態にはしたくない、そんな思いもあったことを記憶しております。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 橋本さんにあともう一つだけお聞きしますけれども、当時の日銀総裁は三重野さんですけれども、やはりそれはかなりハードランディングというか、金融の引き締め、日銀ができることは主に金融の引き締めですけれども、そこをやって、何としても地価を下げなければいけない、そういうような考え方があったというふうに私は認識しておるのですが、そこが八九年の年末の公定歩合の、どのくらいの幅にするか、いつごろにするかということの橋本大蔵大臣との一つの大きな論議のぶつかりだった、そういうふうに理解してよろしいですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、当時、あらゆる施策に対して、あるいは大蔵省ばかりではなく、関係する各省庁、日銀も当然のことでありますけれども含めまして、とにかく地価を下げろ、土地神話を壊せ、これが極めて強いプレッシャーとして働いておったということは事実だと思います。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 わかりました。  ただ、このあたりは、バブル経済の生成から崩壊の過程、やはりこれはきちっと、私も今一生懸命勉強しているところでありますけれども、全体的に明らかにしなければいけないわけですから、そういう過程で、八九年末の橋本大蔵大臣と三重野総裁のやりとりというものは当然一つの大きなターニングポイントになると思うのですね。だから、どういう議論があったかということをなるべくこういう委員会の席で明らかにしていただきたいと思いまして、お尋ねをした次第であります。  それから、久保大蔵大臣、大蔵省の責任の問題なんですが、アメリカの例を見ましても、実は行政責任というのは問われてないんですよね。いわゆる刑法ですとか民法での責任というのは問われていませんね。もちろん、法律違反をした部分があれば問われることもあるんですけれども、いわゆる行政責任というのをどういうふうにとるかというのは非常に難しい問題なんですね。おやめになった人だってたくさんいるわけですから、そのおやめになった人から退職金を取るのかといえば、そういうふうに考える人もあるかもしれませんけれども、現実問題としてそれはできない話になるんですね。  最大の大蔵省の責任問題というのは、先ほども五十嵐議員からもお話が出ましたけれども、やはり今一点に集中してしまった大蔵省の権限をどうやって分散をさせるかということで、とりわけ金融に対する監督ですとか検査ですとか、そういうものをどうするかということに最終的には落ちつくと思うんですね。  昨日のこの委員会での速記録を見ますと、久保大臣はなかなか微妙な発言をされておりまして、今度のこの住専問題の処理を通じて、大蔵省の機構その他にどのような問題があるのかないのか、そういうことについて十分検討してまいりたい、今直ちに大蔵省を解体、分解するということについては私の意見を申し上げる段階にはございませんという発言をしているんですね。  ということは、これはもう私の意見はある、あるけれども言えないんだということだろうと思うんですね。だから、もしあるのならその意見を、今申し上げる段階にないと言わずに、やはりここで開陳をしていただきたいというのが私のお願いでございます。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 昨日申し上げた以上のことはございません。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 じゃ一つだけ。考えはあるんですね。どうぞ、あるかないかだけ、簡単ですよ。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 それは、今度の住専問題等を通じてどのようなことが考えられるか、そういうことも含めて、私の意見を今は申し上げる段階でないと申し上げたのであります。

海江田万里市民リーグ・民改連

○海江田委員 ありがとうございました。(拍手)

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。  委員並びに各閣僚、政府委員の皆さん、そのままの席でしばらくお待ちください。  この際、申し上げます。  次の質疑者の御出席がありません。  理事をして出席を要請いたさせておりますので、しばらくお待ちください。  速記をとめてください。     〔速記中止〕

上原康助社会民主党・護憲連合

○上原委員長 速記を起こしてください。  質疑者に対し、出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。  この際、暫時休憩いたします。     午後三時四十六分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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