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136回国会衆議院1996/02/14

農林水産委員会 第2号

発言数
5
登壇者
3
会派数
3
開催日
1996/02/14

会議録

松前仰社会民主党・護憲連合

○松前委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、大原農林水産大臣から、農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。大原農水大臣。

大原一三自由民主党農林水産大臣

○大原国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。  農林水産業は、国民生活に不可欠な食糧の安定的供給を初めとして、地域社会の安定と維持発展、国土や自然環境の保全など極めて重要な役割を果たしております。また、農山漁村は、農林漁業者と地域住民の生産や生活の場であるとともに、伝統に裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた生活・余暇空間を提供する国民の共有財産であります。  現在、我が国は、二十一世紀に向け大きな転換点にあり、構造的な諸問題への対応を求められておりますが、こうした役割や機能を持つ農林水産業と農山漁村の健全な発展なくしては、我が国の経済社会の調和ある発展はあり得ないと確信しております。  このため、今後の農林水産行政を推進するに当たっては、平成六年八月の農政審議会報告「新たな国際環境に対応した農政の展開方向」を政策推進の指針としつつ、また、先般公表された「農産物の需要と生産の長期見通し」を踏まえ、各般の施策を展開してまいります。  以下、平成八年度における主要な農林水産政策について申し上げます。  まず、農業の振興と農村地域の活性化についてであります。  第一は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。  効率的かつ安定的な経営体が生産の大宗を担う力強い農業構造を実現するため、育成すべき経営体への農地利用の集積、安定的営農展開のための負債対策、土地改良負担金対策等を推進するとともに、生産性の向上に直結する農業基盤の整備等を推進します。  第二は、担い手による意欲的な生産活動の支援であります。  経営感覚にすぐれた経営体の育成に資するため、融資制度の充実、経営対策の強化等の支援策を講ずるとともに、次代の農業を担う青年農業者の育成確保対策や農山漁村の女性対策の充実を図ります。  また、農業経営に必要な情報提供体制の整備や農業構造改善事業を推進するとともに、主要作目の生産・流通対策の強化を図ります。  第三は、農山漁村対策の総合的な展開であります。  農山漁村の高齢者が安心して住み、活動することができる条件整備を推進するとともに、生活環境の整備や中山間地域の活性化のための支援措置等を積極的に推進してまいります。  第四は、食品加工・流通及び消費対策であります。  食品に対する消費者の関心が高まる中で、食品の規格・表示の適正化、食品の安全性の確保対策等の施策を推進するとともに、食品産業の活性化や容器包装リサイクルの促進を図ってまいります。  第五は、新技術の開発普及の促進であります。  新技術、新分野の基礎となる研究開発を実施するとともに、バイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究の強化、革新的農業機械の開発、実用化等を促進します。  第六は、環境問題への積極的な対応と国際協力の推進等であります。  地域の合意に基づく環境保全型農業の総合的な推進、家畜排せつ物の処理利用体制の確立を図るとともに、地球環境保全対策の拡充等農林水産分野における国際協力を推進するほか、統計情報の再編整備に努めます。  なお、昨年施行された主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律、いわゆる新食糧法につきましては、「生産及び出荷の指針」及び基本計画の策定、生産調整の着実な推進、備蓄・調整保管の機動的な運用、計画流通制度による米穀の安定流通を図ってまいります。  また、新たな基本法制定の問題は、農政の根幹にかかわる極めて重要な問題であると認識しており、その検討に当たっては、腰を据えた十分な論議を積み重ね、対応したいと考えております。  次に、林業の振興についてであります。  緑と水の源泉である森林は、地球環境の保全や豊かな国民生活の実現のため重要な役割を果たしており、国民の森林・林業に対する要請も一層多様化、高度化しております。一方、このような森林・林業等を取り巻く情勢は、林業生産活動の停滞等依然として厳しい状況にあります。  このような状況に対処し、来るべき国産材時代に向けて林業、木材産業の体質を強化しその活性化を図るため、林業経営の安定化、林業労働力の確保と林業事業体の育成、木材の供給体制の整備等を一体的に推進する総合的な対策を講ずるとともに、その推進に必要な法制度を整備することとしております。  さらに、災害に強い国土基盤の形成、緑豊かな環境づくり等のため、林野公共事業を計画的に推進いたします。  また、国有林野事業につきましては、国有林野事業の改善に関する計画に即して、経営改善を着実に推進します。  次に、水産業の振興についてであります。  水産業は、水産物の国民への安定的供給、漁村地域における主要な就業機会の提供など、重要な役割を果たしております。他方、近年、国際的な漁業規制の強化等に加え、漁業経営状況の悪化など、内外ともに厳しい局面を迎えております。  また、新たな海洋秩序の基本となる国連海洋法条約につきまして、現在批准に向けて準備が進められておりますが、農林水産省といたしましても、所要の法制度の整備へ全力を注いでまいります。  このような中で、新たな海洋秩序に対応し、的確な資源管理の推進、「つくり育てる漁業」の一層の推進を図るとともに、漁業生産基盤等の整備を進めてまいります。  また、漁業経営の安定等を図るため、水産制度金融の充実強化を図るとともに、消費者ニーズに対応した水産物流通一加工体制の整備を推進いたします。  以上のような農林水産施策を展開するため、平成八年度の農林水産予算の編成に際しましては、十分に意を用いたところであります。  また、施策の展開に必要な法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  なお、この際、住専問題について一言申し上げます。  住専問題につきましては、住専の設立の経緯及び性格、経営破綻の原因及び再建計画策定の経緯等を踏まえれば、基本的には母体行が責任を持って処理すべきものと主張をしてまいりましたが、同時に、本問題は我が国の金融機関の不良債権問題の中で象徴的かつ喫緊の課題であり、我が国金融システムに対する内外からの信頼を確保し、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せるため、早期解決が強く要請されたものであります。  こうした中で、昨年策定された具体的な処理方策において、農協系統においても、我が国金融システム安定の見地から、ぎりぎりの協力をすることとなったものと認識しております。  本処理方策についての国民各位の御理解を得るためには、住専問題の原因と責任の明確化と透明性の確保が必要不可欠であり、農林水産省といたしましても、系統の経営実態を明確にする資料を開示する等、今後とも最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。  また、今般の処理方策の策定を機に農協系統の再編合理化が求められておりますが、これは、金融の自由化やウルグアイ・ラウンド農業合意、新食糧法の施行等といった農業をめぐる大きな情勢の変化の中で、農業及び農協系統の将来展望を切り開くためにも避けて通ることのできない重要な課題であり、これに本格的に取り組んでいく考えであります。  今後、農政審議会における検討を踏まえ、また農協系統とも十分連携をとって、遅くとも来年の通常国会には関連法案を提出できるよう、早急に準備を進めていく考えであります。  以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、農林水産業、農山漁村を二十一世紀に向けて持続的に発展させ、将来にわたって我が国経済社会における基幹的な産業及び地域として次世代に受け継いでいくことを期して、全力を尽くしてまいります。  委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げて、ごあいさつといたします。(拍手)

松前仰社会民主党・護憲連合

○松前委員長 次に、平成八年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。農林水産政務次官小平忠正君。

小平忠正新党さきがけ農林水産政務次官

○小平政府委員 平成八年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。  平成八年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁計上分を含めて三兆五千九百七十三億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆九千五百七十四億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆三千六百九十四億円、主要食糧関係費が二千七百五億円であります。  以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。  第一は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。  対策二年目として、平成八年度予算においては、公共事業である農業農村整備事業について六百億円、農地流動化対策を初めとする非公共事業について四百八十三億円、合計一千八十三億円を計上し、事業の着実な推進を図ります。  第二は、担い手による意欲的な生産活動の支援であります。  経営感覚にすぐれた農業の担い手を育成するとともに、そうした担い手が生産の大宗を担う農業構造を実現するため、農業金融の充実を図るほか、農業者に対する経営相談、指導体制の充実等を推進いたします。  また、新たな「農産物の需要と生産の長期見通し」に沿いつつ、主要作目の生産・流通対策の強化を図ることとしております。特に、野菜については、契約取引、産地連携の推進、原産地表示の適正化等を推進します。畜産関係については、乳業及び食肉処理施設の再編整備、広域流通に対応した生乳のブロック流通体制のモデル的構築等を推進します。麦、大豆については、生産性・品質向上のための技術の実証、基礎的な生産条件の整備による主産地形成等を推進します。  さらに、主要食糧の需給と価格の安定を図るため、自主流通米計画流通対策、自主流通米計画販売対策、自主流通備蓄・調整保管関連対策から成る米の計画流通推進総合対策を創設します。また、米の生産調整の円滑な推進を図るため、生産調整の実効性の確保、生産者・地域の自主性の尊重及び望ましい営農の実現に重点を置いて新生産調整推進対策を実施します。  第三は、農山漁村対策の総合的展開であります。  関係省庁との連携により農山漁村対策を総合的に推進することとし、農山漁村高齢者対策について、厚生省、文部省と連携し、高齢者の生きがい発揮の場、高齢者等のアメニティーに配慮した生活環境の整備を総合的に実施するとともに、建設省と連携し、中山間地域においてふるさと情報を幅広く一般に提供します。  また、都市と比較して著しく立ちおくれている農山漁村地域の生活環境の整備を図るため、集落排水施設、農道等の整備を推進するとともに、農山漁村の情報化等を進めます。  さらに、地域防災計画に基づく避難広場等の防災施設の整備等防災対策の強化を図るほか、公共性が高い大規模土地改良施設を対象として維持管理の強化を図ります。  このほか、「安全な海岸、自然と共生する海岸、利用され親しまれる海岸」をテーマに第六次海岸事業五カ年計画を策定します。  第四は、食品の消費流通対策の充実であります。  容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の適切かつ円滑な施行を図るため、容器包装廃棄物のリサイクルシステムの普及定着等を推進します。  また、食品の安全性への関心の高まり及び国際的な品質管理システムへの整合化の要請に対応し、JAS制度への食品の高度品質管理システムの導入等を図ります。  第五は、新しい産業分野の創出の支援であります。  農林水産関係の新産業分野創出の基礎となる技術開発の促進を図ることとし、革新的技術創出のための基礎調査、生物系特定産業技術研究推進機構を通じた基礎研究、民間能力の活用による新産業創出のための研究開発等を推進します。  また、地域気象予報の自由化を受け、農業分野における詳細な気象情報の高度な活用に向けた条件づくりを推進します。  第六は、林業、木材産業の活性化と緑豊かな森林・山村の整備であります。  森林施業の受委託を通じた施業規模の拡大等による林業経営の安定化、新規就業の促進等による林業労働力の確保と林業事業体の育成、また、製材工場等の再編及び施設の近代化の促進等による木材供給体制の整備と需要の拡大を一体的に推進する総合的な対策を実施します。  また、災害に強い国土基盤の形成、良質な水の安定供給や緑豊かな環境の創出等を図るため、造林、林道、治山の林野公共事業を計画的に推進します。  さらに、国有林野事業については、国有林野事業の改善に関する計画に即して経営改善を着実に推進することとし、一般会計から国有林野事業特別会計への繰り入れ措置の充実を図ります。  第七は、新たな海洋秩序に対応した水産施策の充実であります。  国連海洋法条約に対応した的確な資源管理を推進するため、我が国周辺の漁業資源調査等を実施するとともに、基幹的漁業の生産構造の再編整備を進めます。  また、栽培漁業、養殖業の振興等により「つくり育てる漁業」を一層推進します。  さらに、漁業経営の安定を図るとともに、漁価の安定にも資するため、漁業者等が実施する資源管理型漁業、流通改善等の取り組みを支援する資金を創設する等、水産制度金融対策の充実を図ります。  このほか、消費者ニーズに対応した水産物流通・加工体制の整備、沿岸域の漁業管理上重要な基幹漁港の緊急整備等を実施します。  次に、特別会計について御説明いたします。  食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰り入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。  最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額七千四百三億円を予定しております。  これをもちまして、平成八年度農林水産予算の概要の説明を終わります。  以上です。

松前仰社会民主党・護憲連合

○松前委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十五分散会

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