大蔵委員会 第13号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1996/06/18
会議録
○久間委員長 これより会議を開きます。 河村たかし君外五名提出、法人税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。河村たかし君。 ————————————— 法人税法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○河村(た)議員 河村たかしてございます。提案者を代表して、法人税法等の一部を改正する法律案について、提案理由と概要を申し上げます。 私は、本日、平成八年六月十八日は、国家のあり方と税のあり方を考える上でまことに歴史的で記念すべき日になると確信いたします。 明治以来脈々と続いた、そして戦後復興を支えてきた官僚による画一的国家運営の時代を乗り越え、一人一人の人間を大切にする多様な価値観に支えられた多元的社会への移行を国会が宣言する日だからであります。 このような二十一世紀の日本の国家像を問う法律案が本委員会で御審議いただけることは、まず市民団体の皆様、そして学者、研究者の皆様、そして党派を超えまして日本の将来を考えていこうとする議員の皆様の力強く、温かい、そして燃えたぎる熱い思いのおかげであると心より感謝を申し上げます。 与党の皆様の御提案がなされていないにもかかわらず、こうして私どもの新進党案を御審議いただけることに対しましても、委員各位に深く御礼を申し上げます。 今、NPO法人法制定、NPO関連税制制定、市民の自主的社会参加を促進するボランティア関連税制の制定は待ったなしてございます。NPOは世のため人のために活動する民間の団体でございます。したがって、NPOの財政基盤の確立のためには、世のため人のための活動の対価すなわち税金がNPOに入ることが不可欠であります。 ところで、税金の入り方には二つの道があります。一つは、従来型の補助金システムであります。他方は、市民の寄附金に税制の支援をしていく方法であります。 中央集権的補助金システムから分権的な寄附金への税制上の支援システムへの転換は、税金の使途について市民の自発的な選択に基づいた多様な世のため人のための活動主体を社会に登場させることを通じて、多元的社会の誕生を実質的に資金面から担保いたします。活動実績の悪いところには市民は寄附をしなくなります。公的資金配分システムに市民の選択という競争原理を導入することにより、効率的な国家運営すなわち小さな政府と福祉社会の共存の切り札となります。NPOの制度化は、新進党の結党宣言以来の主張でもありますが、国民負担率を四五%ないし五〇%以内に抑制しようとの橋本行革ビジョンに魂を入れるためにも、NPOの制度化、そして税制上の支援措置は不可欠であります。 以上、NPO関連税制改革は、震災で活躍したような多くのボランティア団体の支援を含み、さらに本質的には、二十一世紀の日本を活力に満ちた多元的社会へ転換するため、絶対不可欠な税制改革であります。また、寄附金への税制支援はN OP財務の徹底した公開性と市民相互チェックの意識を高め、かえって租税回避を困難にするのも重要な視点であります。 さて、このたびの法人税法等の一部を改正する法律案の概要でございます。 まず、第一条、第二条において、市民公益法人の課税については、原則として人格のない社団等と同様としております。 次に、市民公益法人のうち事業報告書等の公開を行っていること等一定の要件を満たすものとして都道府県知事の認定を受けたもの(以下「認定市民公益法人」という。)の課税については、税率を除き公益法人等と同様とし、これに対する寄附金は、特定公益増進法人に対するものと同様に取り扱うこととしております。 それに従い、公益法人等のうち事業報告書等の公開を行っていること等一定の要件を満たすものとして主務官庁の認定を受けたものに対する寄附金は、特定公益増進法人に対するものと同様に取り扱うこととしております。 以上は、徹底した公開と金融機関に届け出た特定口座への入金という透明度の徹底した寄附金について、公益の増進に著しく寄与する寄附金と同じく解釈するものであります。多元的社会へのパラダイムの転換を財政面で支えるため、徹底した透明な寄附金に税制支援を認めることこそ、解釈からも実態からも、最も公益の増進に著しく寄与するものと言えると考えます。 次に、認定市民公益法人及び公益法人等の寄附金の損金算入限度額は百分の二十七としております。 次に、認定市民公益法人に対する寄附金を特定公益増進法人に対するものと同様とすることに伴い、法人が特定公益増進法人等に対する寄附金を支出した場合の損金算入限度額は、一般寄附金とこれらの寄附金を合わせて所得の百分の五としております。 次に、第三条及び第四条関係として、認定市民公益法人に対する寄附金制度の整備に伴い、個人が一万円を超える特定寄附金を支出した場合には、所得の百分の五十を限度としてその金額の所得税の寄附金控除を認めることとし、特定寄附金の合計額が十万円を超えない給与所得者については、その控除額を年末調整の対象としております。 次に、第九条及び第十条関係として、市民公益活動を促進するため、本人及び一定の親族の無償ボランティアへの参加並びに自宅への無償ホームステイの受け入れに要した費用のうち一定のものを、所得税の寄附金控除の対象としております。 次に、第五条から第八条関係として、市民公益法人制度の創設に伴い、相続税法、地価税法等について所要の整備を行っております。 以上、ゴーイングコンサーン、永続的活動組織としてのNPOの財政の安定化、多様化には税制上の支援措置は不可欠であります。 補助金から寄附金についての税制上の支援策への転換は、NPOの自主性の確保、そして与党プロジェクトチームが検討しておられる官益法人の天下り法人化抑制の特効薬にもなり得ます。 さらに、NPOの活性化は、それに伴う雇用の拡大、今までは任意団体として埋もれていた団体の収益事業への法人税課税により、税収は増加いたします。結果として国家財政は健全化への道を歩み、競争原理の枠外でふえ続ける歳出に見合う税収の確保といった増税路線ではなく、官僚の権限拡大に終わらない、真の財政再建を実現することができます。 憲法第八十四条は租税法律主義を定め、憲法第四十一条は、国会は国の唯一の立法機関であると規定しています。今、NPOセクター、そして国民各位が政治、政治家に期待しているのは、憲法の原点に立ち返った行動ではないでしょうか。かつて、議会制民主主義は歴史的には税との戦いがそのスタートでありました。内閣提出法案になれ切ってはいけません。議員がみずから税の立法をすること、すなわち大蔵委員会こそが国会の主戦場であることを確認してほしいのです。 戦後復興のための画一的財政運営の時代から、市民の寄附金への税制支援による多元的社会へ、時代は確実に歩みを開始しております。もう一度日本を元気いっぱい生きがいに満ちた国にしていくために、どうかどうか党派を超えた情熱あふれる御議論により、一刻も早く本法案を御可決賜らんことを心より心よりお願い申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
○久間委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○久間委員長 この際、御報告いたします。 本会期中、当委員会に付託されました請願は十四種三百十四件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会において慎重に検討いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、御了承願います。 なお、本会期中、参考送付されました陳情書は、消費税の税率引き上げ実施反対に関する陳情書外二十二件であります。 ————◇—————
○久間委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 国の会計に関する件 税制に関する件 関税に関する件 金融に関する件 証券取引に関する件 外国為替に関する件 国有財産に関する件 専売事業及びたばこ事業に関する件 印刷事業に関する件 造幣事業に関する件以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久間委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 次に一石井一君外九名提出 住宅地震災害保険に関する法律案 住宅地震災害再保険特別会計法案及び 河村たかし君外五名提出、法人税法等の一部を 改正する法律案以上の各案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久間委員長 起立少数。よって、各案につきまして、閉会中審査の申し出をしないことに決しました。 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久間委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時十五分散会 ————◇—————