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136回国会衆議院1996/02/20

大蔵委員会 第4号

発言数
91
登壇者
14
会派数
4
開催日
1996/02/20

会議録

久間章生自由民主党

○久間委員長 これより会議を開きます。  国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  財政金融の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村正三郎君。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 本日は、大蔵委員会で質問の機会をお与えいただきまして、委員長また理事、委員の皆様に心から御礼を申し上げます。  そして、きょうは夜分でございますので、短目に質問をしてオーバーしないようにしていきたいと思いますので、端的にお答えをいただきたいと思います。私の質問の趣旨は、日本の税制、税の執行というものに国民の理解を深めて、そして納税意欲というものを損なわないようにしていきたいという目的で質問するものでございますので、どうか率直にお答えをいただきたいと思います。  まず、日本の法人税法のことについて論議を進めてまいりたいと思うのでございますが、日本の法人税法は、欧米先進国がとっている税制とちょっと違いまして、原則非課税で、限定列挙してこういうものに課税していこうというようなシステムになっております。そういう中で、宗教法人法でも問題になりましたあの三十三業種というのが出てくるということでございます。こうして公益法人とか人なき社団とかが三十三業種に入れば課税されるというような体系をとっている。しかし、米国でもドイツでもフランスでもイギリスでも、すべて原則課税で、その中でどういうものを政策的に非課税にしようかとか、どういうものには優遇措置を与えようとかいうことを考えていく税と違っております。  長いことこういう税制をやってきたのでございますが、主税局長は、もう税の専門家で育たれて主税局長を務めていらっしゃいます薄井さんですから、こうした欧米と違う体系の税を持っている日本のこの法人税についてどうお考えか、感想を短目にお答えいただきたいと思います。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 ただいま御指摘のように、日本の公益法人課税といいますのは、各省庁におかれて認可される公益法人につきましては、収益事業を取り出してそこを課税対象とするという形をとっております。これは先人の知恵といいますか、国税当局が公平に対応するにはこの手法がいいという判断をしたのかと思いますが、他の国においては違う方式もとられております。  そうなりますと、現行の制度がうまく動いているかどうかということについて、常日ごろ私ども注意をしなければいけないということでございまして、公益法人課税については、私ども機会をとらえて見直しをさせていただいております。  今御指摘の点は、その課税の仕方の部分ではなくて、基本にわたる話だと思います。  その問題についても、私ども問題意識を持っておりまして、昨年の秋の政府の税制調査会におきましては議論をしていただいております。十二月十五日にまとめられました答申では、例えばこういうくだりがございます。非課税措置を課税当局の承認制に改められないかというような意見が世の中にはある、これについて、税調の議論では、課税当局の承認制については、主務官庁が法人格を付与することにより公益法人等としての課税関係を定めている現行の法体系の基本にかかわる問題であるので、十分な議論をした方がいいと言われております。  いろいろ議論があることを承知しておるということでございます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 今主税局長は公益法人に限定してお話しされましたけれども、これは公益法人に限ったことではありません。何か国民生活、その中で経済活動があって、人格なき社団もそうですが、そういったものがあった場合に、原則課税とした方がいいんじゃないかという考え方もあるわけで、欧米の先進国は全部そういうスタイルをとっているわけですね。ところが、日本はそういうスタイルをとらないから、限定列挙した三十三業種というのが出てきて、それが公益法人なりに適用されるということになるという、そこのところを説明されたのですが、原則課税と原則非課税についてはどういう御感想をお持ちですか。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 日本の法体系、税法だけではないのですけれども、公益法人というものを民法三十四条を淵源としてつくれるようになっております。これは公益のための法人として設立されるわけですから、私どもが、それを受けとめた上で、その公益法人が民間の企業と競合する収益事業を行っていた場合には課税するという手法は、先人の知恵であったと思っております。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 原則のそもそも論にはどうも乗ってこられませんので、それはちょっと避けて先へ進みたいと思います。  今薄井局長がお答えになったことでありますけれども、人なき社団でも公益法人でも、できたときはまず非課税ということが原則で、その中で税法でもって課税ということを書いていくということなんですね。人格なき社団の場合は税法七条だし、公益法人の場合は四条ですね。それで、その下の政令で業種を指定していくという方式をとっていますね。  そうしますと、それから三十三業種というものを読んで、読めなかったものはすべて非課税になってしまうのですよ。こういう非合理があると思いますが、その点はどうお考えですか。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 私が申し上げましたのは、収益事業は課税と法律に書いてあって、その収益事業は政令で定めることになっております、この収益事業の範囲は時代とともに変わっていくべき問題だと思います、経済の実態に合った収益事業の範囲というものが必要になってくると思います、したがって、創設された当時に比べて現在は三十三まで広がっていると。  仮に現状でもって追加すべき収益事業と思われるものがあるならば、これを追加していくというのが私どもに課せられた仕事だと思っております。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 その公益法人のやる、また人格なき社団のやる事業について、三十三業種をどういうものにするか、ふやすか、それを考える判断は税制当局でやるというお答えであったと思います。  それでは、もうちょっと深めてまいりたいと思うのですが、公益法人、これは明治二十九年にできた民法によってつくられる法人であります。設立に当たって立法の必要はありませんから、我々立法府の目につかないところでどんどんつくることができます。主務官庁の判断で目的が公益と判断されますと許可をされる。すなわち、そこには税制当局の判断は何もない、立法府の判断も何も差し挟む余地がないままに公益法人が許可されます。  指定されました途端に、あらかじめ用意された法人税法の四条による軽減税率の二七%、三七・五%でない二七%の税率か、そうでなければ非課税になる。それから地価税も非課税ですね。これは地価税の本法で公益法人は非課税ということにされておりますから、税金がかからない。  そういたしますと、あらかじめ用意された税法にのっとって減税なり免税なりされますから、もう我々立法府が租税法定主義に基づいて何の論議をすることもなく、また税制当局が何の判断を下すいとまもなく、減税か免税になるというシステムになっておりますが、これは矛盾を感じませんか。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 個別のケースでいろいろあろうかとは思います。そこに問題がないとは私も思っておりませんが、法の性格といいますか成り立ち、あるいはつくり方という意味で申し上げますと、民法によりまして、公益、非収益のものについて法人格を与えることができる、これを主務官庁が認めると民法上なっておりますから、そういう公益法人が公益的な仕事をしているというのが私ども前提でございます。  ただし、その公益法人が民間の中小企業等が行っていることと同じことをされたのでは、これは民業圧迫になるということで、いわゆる収益事業、世の中、民間の方々がやっているような事業をやっている部分については課税対象にしますというのが税法の体系でございまして、そこにもし欠けたところがあるならば、時代とともにこれは見直していかなくてはいけないし見直してきておりますけれども、これは追加する必要があろうかと思いますが、最初から非課税だというのは、公益のための法人が行っている事業ですから、収益事業以外は非課税だという体系になっておるという受けとめ方です。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 そういたしますと、この軽減税率にするか、非課税にするか、地価税を取らないかということは、一にかかって、主務官庁が公益と判断するかどうかにかかってくる。ですから、主務官庁の判断を全面的に信じて、それによって税が対応するというケースになっているということだと思います。今うなずいておられるから、そのとおりだと思いますね。  そこで、時間がないのでどんどん端的に進みたいと思いますが、それでは、その信じた主務官庁によって公益法人と認められたものの実態というものを少しお話しさせていただきたいと思うのです。  そういう中で、一番大きな金額を動かしているということで、日本自動車連盟という社団がございます。これについて資料をお配りしておりますので、資料に沿ってお話ししようと思いますが、決算書がお配りしてございます。  この日本自動車連盟というのは、自動車の修理だとか路上における故障車を牽引したりという仕事をやっております。それともう二つ仕事をやっておりますのは、旅行のあっせん業、それから自動車のレースとかラリーとか、こういうものの運営を行うということを業としております。  総従業員三千五百人で、収入の大部分は会費でございます。平成六年で年間四百五十三億円の会費が入るのです。そして、従業員給与の方は大体一カ月五十二万六千円ぐらい、平均年齢三十一歳、これぐらいの給与を取って働いておられる。役員報酬も一人当たり平均千三百四十四万円取って、八名の常勤役員で運営している。ところが、この法人の理事の構成というのは、五十三名理事がいますが、その中の二十七名が自動車業界の出身の方です。自動車メーカーなり販売店なりの方です。そしてそのほかに、天下りと言われるお役所の方がいらっしゃる。そして、専務、常任理事十六名のうち十四名が自動車業界の方ですね。  そして、このJAFの会員、これは日本自動車連盟、JAFと略して言わせていただきますが、会員を集めるのはどういうときに集めるかというと、自動車を売るときに自動車のディーラーが入会を勧めて集めるのが主でございます。その集め方が、自動車を売るたびに集めますから、大変な数になって、千何百万人という数になった。ですから、年間会費収入が四百五十三億円にもなるということでございます。そして、その会員からもらったお金によって、路上で修理をしなければいけない事態が起こったりなんかしたときに、呼ぶと来て修理をするわけです。すなわち、会員から会費を取って修理、牽引をするという商売であります。この事業は、一般の民間ディーラーでもできることだし、民間の企業でも自由にできるべきものであります。  そして、結果として、平成六年度の収支決算報告書を見ますと、総収入が五百五十二億円、資産総額が七百六十六億円、流動資産が四百九十七億円、うち現金、預金だけで三百七十四億円を持っている。それを電算化引当金だとかいろいろな引当金に三百二十億ばかり引き当てまして、剰余金を七十四億持っている。そして、この決算書でお気づきいただきたいのですが、貸方に未経過会費というのがございます。未経過会費というのをちょっと調べてみたら、会員がやめたときとか死んだときに返さなければいけない場合があるかもしらぬから積んでおくという趣旨だというふうであったのですが、この会の会則には、会費を返すという規定はございません。ですから、亡くなったり退会しても会費が返されない。そうするとこの未経過会費というのは利益になるべぎものだということでございますね。これを全部足しますと、会社なら六百三十億円に上る課税対象の利益があるのですよ。すなわち、自動車メーカー、自動車ディーラーが自動車を売るとき会員を集めて会費を取って、それによって実質的に自動車会社が支配できるだけの理事の数を持ったこの公益法人が修理という商売をやってもうけて、税金を払ってないのです。これは税の適用において著しく不公平だと私は思うわけであります。  ついでに申し上げますと、公益法人は、土光臨調答申があって特殊法人を抑制したときからどんどんふえて非常な数になって、今二万六千ぐらいあるわけですけれども、公益法人が余りふえていって大変なことになるというので、政府においてこの公益法人の設立認可の基準というものを四十七年につくりました。申し合わせであります。  明治二十九年の民法が余りにも内容が雑駁なものですから、これだけではどうにもならないということだったのでしょう、基準をつくっております。その後六十年、六十一年とこの基準の強化をいたしまして、公益法人の指導監督基準というのをつくり、平成五年にこれの運用というのを政府で申し合わせ、公益法人の戒めを行っているのでございますが、私調べましたところ、公益法人のほとんど大多数と言っていいのじゃないかと思うぐらい、この政府の申し合わせに違反をしております。その結果いろいろなことが出てくるわけでございますが、この公益法人がやっていることで問題が起こっているのは、大体二つの類型に分けられる。  さっき主税局長もちょっと言われましたように、税金を取られない、地価税も取られないで、民間の企業、株式会社がやるようなことをやって非課税で利益を上げて、そして民業を圧迫していく。結果として、このロードサービスは、JAFがこういうことをやって肥大化したために、ほとんど民間の業者がやらなくなってしまったという現象が起こる。そして、こういった公益法人があると、公益法人を管理するためのお役人が必要であり、そして税金が入らないということで、国家すなわち国民に二重に負担をかけるという現象が起こっております。  もう一つの類型は、いわゆる指定法人という、国の行政機能を法律によって指定されて代行する民間の法人、私法人でありますね、これを公益法人でやる。これもどんどんふえて、今百四十ぐらいあるのですね。委託されている業務というのは百六十ぐらいあるということであります。それでまた、こういった法人が民間法人であるにもかかわらず行政の機能を代行しますから、どうしても行政改革とか規制緩和というものが行き届かない。公正取引委員会に調べられている法人も多いのでございますが、結局、民間にこうした政府の機能を代行させると、閉鎖的になったり排他的になったりして市場支配的なことが起こるということが起こっております。  そしてもう一つ、一番困るのは、単なる公益法人であるにもかかわらず、天下りのお役人をいっぱい擁して、法律による指定なく国の業務の代行を行っている法人がいっぱいあるということなんですね。こうしますと、全く国の行政の威令と申しますか考え方が行き渡らないようになる。そういう法人を調べておりましたときに、実際に主務官庁が困って、あそこの法人は言うことを聞かないよというような、公式には御答弁されないでしょうけれども、そういうものが出てきている。  こうした二つなり三つなりの形で公益法人というのは非常に問題があるんじゃないか。  きょうは大蔵委員会ですから、この大蔵委員会の、税のことについてお尋ねするわけですが、きょうはこうした政府の申し合わせに反している点についてちょっとお尋ねしたいんです。  きょうは総理府が来ていただいていると思いますが、総理府にお尋ねしますけれども、JAFという公益法人がこうして不特定多数を相手にしないで会員を相手にして商売するというのは、指導監督基準の、公益法人というのは積極的に不特定多数の者の利益を実現するものじゃなきゃいかぬというのに著しく反するんじゃないでしょうかね。  それから、指導監督基準に言う、民業を圧迫するようなことをやってはいけないということですね。すなわち、公益的目的じゃないと思われたものはこれはしようがないけれども、目的が多少公益的だと思われても、その事業のやり方、業務内容、対象、そういったものが民業と競合するようになったときはこうした公益法人は解散させなければいけないという申し合わせがございますね。  そういった二点について著しく違反をしているんじゃないかと思いますが、その元締めをやっている総理府、管理室の方、お答えいただきたいと思います。

阪本和道総理府大臣官房参事官

○阪本説明員 お答えいたします。  公益法人がどのような事業を行っているかということにつきましては、それぞれの主務官庁におきまして適切に把握して、指導監督基準に基づいて適切に指導をされることが望まれるわけでございます。  先生今御指摘の、JAFにつきまして公益事業としてふさわしいかどうかという点につきましては、私どもでは十分実態を把握していないところでございますのでお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げまして、やはり公益事業ということでございますので、不特定多数の方々の利益の実現を図るということが本来の趣旨であろうと思います。  ただ、社会経済事情によりまして、その中身につきましては変わっていくことになると思いますので、その時々の状況を的確に把握されて判断をしていただくことが必要になろうかと思いますし、それで、本来設立許可をする際には公益的と思われた事業が、その後の社会経済状況の変化によりまして営利企業と競合するようになった場合には、新たに今公益的事業を追加していただくとか、事業の態様等について変更していただく等のそういう指導を行っていただくことが必要ではないかというふうに考えております。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 今のお答え、非常にやんわり言われましたけれども、すべてこの政府の申し合わせには違反しているというふうにお答えになったととらえます。それでいいですね。——何にもおっしゃらないから、そうだと思います。  ただ、私は、やはり政府の中で申し合わせをしたらそれを各省庁が守るということをやらなければ、これは行政が国民から信頼されないわけで、そういうところはきちっと守ってやっていっていただきたいと思いますね。  それから、時間がございませんのでこっちで指摘をしてまいりますが、公益法人は子会社をつくってはいけないということを原則言われております。公益のために非課税で、国からいろいろな優遇措置を受けて自己犠牲的に不特定多数に対して公益を行うわけですから、いやしくも子会社をつくってそこでお金を稼ぐというようなことをやってはいけないということになっておりますが、この日本自動車連盟は三社の子会社をつくっております。JAFメイト、JAFサービス、JAF出版であります。  これはすべてこの公益法人の一〇〇%出資で、役員はちょっとの例外を除いてすべて社団の理事が兼任するということをやっております。そして、これが、ある者は広告をやったりある者は印刷をやったりして、がんじがらめにこの公益法人と結びついて、そこで利益を出して、JAF、自動車連盟では無報酬の理事が、ここに行って給与をもらうということをやっております。これは、非常に私は問題なことだと思うわけであります。  これは「公益法人は、営利企業を設立し、当該企業と一体と認められるような状態、当該公益法人から実質的に支配し得る程度の役員の兼務及び出資が行われることで営利を追求してはならない。」と定めた政府の申し合わせに著しく違反しております。  これは、お答えいただくとまたむにやむにやという話になりますから、私からこれを指摘をさせていただきたいと思います。  これはJAFだけにとどまるかというとそうではございませんで、こういう例がいっぱいございます。筑波サーキットという自動車のレースをやるサーキットがございますが、ここは公益法人であります。その公益法人が、公益では利益が出しにくいので、この子会社として筑波サービス株式会社という会社をつくりました。その会社の下にまた人なき社団のTAAという組織をつくりまして、この公益法人のサーキットを賃貸する仕事ですね、これを全部請け負わせたんですね。請け負って、ここで利益を出して、いろんな人が役員になって利益を得たということがございます。しかし、これは指摘を受けて、通産省管轄でございますが、通産省が必死になって直して、今この会社は解散をさせられようとしておりますし、もちろん人なき社団で利益を得た者は徹底的な税務調査を受けて、そして解散に追い込まれております。こういうところもあります。  それから、労働省が所管する団体で、健康、スポーツの指導をするような人をあっせんすることを業とする日本勤労者健康開発協会というのがございます。  これは労働省で管轄して、最初は労働省の方がいっぱい天下ってやっておられたようですが、途中で問題を起こしました。やはり株式会社をつくって、その株式会社で大変豪華な施設をつくって会員サービスをやろうとした。これは労働省がいち早く見つけてこの会社を解散させました。そして、このいろんな指導員をあっせんするような業務というのも、これは公益法人がやるべき仕事じゃないということで、これをやめさせました。その結果、この日本勤労者健康開発協会というのは、もとの十分の一ぐらいの規模に圧縮されて、今是正された道を歩もうとしております。  しかるにこのJAFは、もう一年以上問題にしておりますが、全くと言っていいぐらい改善がされていないということ、しかも、ここにおけるお金がどんどんどんどんたまっていって、恐らく、平成七年、八年の決算はどうされるかわかりませんが、また可処分所得が膨らんでまいりますよ。これを一体どうする気かと言いたくなるわけでありまして、大変な問題を含んでいるわけであります。  そしてまた、この日本自動車連盟というところは、自動車のレースをオーガナイズする仕事をやっております。この自動車のレースをオーガナイズする仕事が公益にふさわしくないかどうかといえば、皆さん直観的にふさわしくないと思ってくださる方が多いと思いますけれども、日本自動車連盟がどういうことをやっているかといいますと、ヨーロッパに中心を持つFIAという自動車のレースを組織する団体があるんです。フェデレーション・インターナショナル・オートモービルだと思いましたけれども、これはヨーロッパを中心とする組織であります。  F1レースを頂点とするレースを主催する。そこでヨーロッパ選手権とかGT選手権とかいろんなレース、また新聞をにぎわせるトヨタだとかスバルが出るラリーとかこういったものをオーガナイズするわけですが、これは興業をオーガナイズする団体であります。興業をオーガナイズする団体でありますから、規則をつくって、自分の規則にのっとった人はここに来てやりなさいよ、そのかわりF1のレースはあなたの国でやってあげますよとか、こういうことをやる団体であります。  それで、この自動車のレースというのは、メーカーの利害が非常に絡みます。だれがやろうが、エンジンと自動車の車体を使う限り、勝ったメーカーの車はよく評価されて売れるということになりますから。特にヨーロッパではそうであります。そのために、極めて排他的な所作がよく中で起こって、争いが起こり、突然今まで走れていた車が走れないような規則になるとか、有名な話は本田がF1でどんどんどんどん勝ったら本田のエンジンが回りにくいような規則をつくった、そのときにはルノーのエンジンが出てきてルノーがぱっと勝ったというようなことを歴史的に繰り返してきた。また、メーカーの利害、セールスプロモーションに関することが入ってまいりますので、必ず抜け駆けをやって規則破りをしようとする、それに対して規則を恣意的に変えたりなんかするというようなことをやっている団体であります。  だから、F1に行きたい、F1を最終的にやりたいという人がこういう団体の傘下に入ってレースをやるということは、私は一向にそれは構わないことだと思いますが、排他的なヨーロッパの組織ですから、アメリカの人たちがやるレースだとか、アメリカ人が組織するレースと同じ形式のレースを日本でやろうとしますと、そういうものに出た人は一切自分の方にはもう入れてやらないぞとか、そういったレースを主催したサーキットはもう使ってやらないぞというような所作をやりまして、過去において大変なあつれきを残してまいりました。そのために、結果的に日本の人たちというのは、F1レースだけが頂点だと思ってヨーロッパのレースしか知りません。安保条約を結んでいる日本の最大の友好国のアメリカ系のレースは、過去において読売新聞が一生懸命やった一遍ぐらいしかやられていない。そのようなことをやったものはJAFがみんな免許を剥奪するとかなんとかいって迫害した。  そして、ちょっと途中落としましたけれども、そのFIAの代貸しと申しますか支店にJAFがなっているわけなんですね。レースの規則をつくって、興行を組織化する団体の下請をJAFがやっているということなんです。ですから、JAFはアメリカ系のレースを排他的に扱いまして、日本人はヨーロッパのレースだけがレースだと思って友好国のアメリカのレースは知らないんです。  それで、ついこの間ですけれども、アメリカのクラシックカーレースの連中が日本に来て、筑波サーキットで茨城新聞の五十周年記念のレースをやろうとしたら、このアメリカ人たちはヨーロッパのFIAのライセンスを持ってないとかいろんなことを言って追い返しまして、物すごくこのアメリカのスポーツクラブが怒ったということがございます。  こういったFIAなる組織の競技規則を、日本自動車連盟は「国際スポーツ法典」と訳しまして公益法人の定款に載せているんです。定款に載せて、それ以外のことは日本ではやらせない。しかも、我々は公益法人で主務官庁があるぞ、こういうことを言うということなんですね。私は、これはもう本当にゆゆしきことというか、どうなっているんだろうなと思いたくなるわけです。  私は、そもそも公益というものは、大変古い民法でよく立法者意思もわかりませんが、三十四条は「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸」という定義でなされているんですね。よく「其他公益二関スル」ことということを言われるんですが、「其他公益」で自動車のレースの興行が読めるかといったら、私は読めないというのが常識だと思いますよ。それを読んじゃっているということですね。  きょうは法務省民事局の方に来ていただいておりますが、一体この「祭紀、宗教、慈善、学術、技芸」というものの読み方の中で、私が今申し上げたことは事実を申し上げておりますから、そういうことだったらこれが民法で読めるか読めないか、読めないなら読めないとお答えをいただきたいと思います。

山崎潮法務省大臣官房審議官

○山崎(潮)政府委員 ただいま委員御指摘の民法の条文でございますが、まさにその例示を書いているわけでございまして、「其他公益」性を有するものというものにつきましては、例えば典型的には保健衛生あるいは社会福祉、環境保全、更生保護等が該当するわけでございます。その他、この民法の条文には「技芸」という文言がございます。これも、民法ができました当時におきましては、生け花、編み物、演劇、邦楽、こういうものを指すわけでございます。スポーツにつきましても、それが「技芸」の部類に属するもの、こういうものも含まれるというふうに解釈されるわけでございます。  それから、ただいま議員御指摘の事実関係、これを前提にいたしますならば、先はどのような事業あるいは行為というものは、公益性を有するかどうかという点についてはやや疑義があるというふうに考えられます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 非常にコモンセンスに合ったというか、我々が常識的に考えることと同じことを法務省は考えてくださるということで、法の番人として私非常にほっといたしました。  そこで、公益法人ができてしまいますと、主務官庁の言うことを聞かないケースがあるということをお話しいたしましたけれども、民法では五十八条、五十九条というのがございまして、公益法人には監事を置くことができるんですね。置かなくてもいいんです、置くことができるなんですよ。それで、その監事は、部内の理事の会の運営もしくは財産の管理に不整のあった場合、この不整の「整」の字が問題なんですが、不整いです。ですから、形式的な間違いがあった場合のみその法人の総会もしくは主務官庁に報告すればいいということでございまして、主務官庁に必ず報告すべきということではないんですね。報告の義務がない。ですから、恐ろしい法人というのができてくる。  その例を申し上げますと、日本医療食協会というのがあるんです。これは厚生省所管ですけれども、医療食の検査をやっております。しかしながら、この法人は法律によって指定をされておりません。そして、厚生省の昔の局長さんが理事長をやっておられて、二十四年間やめておりません。そして、勝手にと言うとちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、健康保険法の四十三条だったかにある、病院の病人に食べさせる食品は基準を厚生大臣が定める、基準を定めなきゃいけないというところを拡大解釈して検査を始めた。それで、検査をし、そのあげく業者指定まで、認定制度までつくってしまった。  しかし、これは指定法人じゃなくて、法律的根拠は全くない。この法律的根拠が全くない法人の勝手につくった検査機関、そして認定された製造業者、そして流通機構というものが病院食を病院に納める。そうすると保険の点数が一つ上がるんですよ。国の処分が、こうした法律に基づかない機関の検査の結果によって上がるんですね。これは実は公正取引委員会から調査が入っております。  そして、ここが検査を国の名前で代行しますから大もうけしてしまった。理事長の年俸が五千万を超えます。それで理事二人がそれぞれ千五百万、千五百万取って、すべて役所のOBの方が運営をされるという現象が起こっている。しかし、これを是正することが主務官庁はできないんですね。  また、公益法人の健康関係のことで御指摘させていただきますと、健康運動を指導するものにいろんなのがありますけれども、中央労働災害防止協会、日本勤労者健康開発協会、健康・体力づくり事業財団、エアロピック・フィットネス協会、日本健康開発財団、日本健康スポーツ連盟、日本スポーツクラブ協会、日本体育協会、日本体育施設協会、スポーツ会館、日本エアロピック連盟、日本フィットネス産業協会、こういうのがあるんですが、これが入り乱れてやっておる。  そして、厚生省管轄のところでは、天下りの方が行って健康・体力づくり事業財団というのをつくっている。そしてそこでは、健康指導士と健康指導者という二つの資格を出す。資格を出すんですが、ここだけでやらずに、下請のエアロピック・フィットネス協会というところが代貸しをやる。しかし、ここには従業員が五人しかいないんですよ。それでここが大きな利益を上げております。  そして、同じような資格を、中央労働災害防止協会でヘルスケア・トレーナー、ヘルスケア・リーダーというのを出しております。  それから文部省関係で、日本体育協会が運動プログラマー一種とそれから二種というのをやっております。これらは似たものなんですが、いざスポーツジムや何かを開業しようとすると、この資格を全部持っていないとなかなかできない。全部取ると費用は百万円ぐらいかかる。これでもうけてもこれは非課税であります。どこで読むんだといったら、そのエアロピック、フィットネス、踊りを踊るものが「技芸」ということで非課税と文部省から聞きました。  そうすると、これはぜひお答えいただきたいんですが、これが非課税といたしますと、人格なき社団でこういう事業をやりますと三十三業種に読めませんから、株式会社より有利で非課税になりますね。これは大蔵省お答えいただきたいと思います。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 先ほど御説明いたしましたように、人格なき社団の場合も、先ほど御説明した公益法人と同じように、収益事業に当たらなければ、これは課税対象にはなりません。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 株式会社でやっているところは課税をされております。こういうところをやはり見直していかなければ国民の理解というのは得られないと私は思います。  もう時間がなくなってまいりましたので申し上げますが、いろんなことがございますけれども、土光臨調で民間にどんどん検査業務や何かをおろせというような時代があったんです。民活ブームのときです。そのときに閣議決定で、特殊法人とか認可法人はつくるのを抑制しようと言ったんですね。それからだっと公益法人がこういうことをやるようになった。それがお配りしたグラフでございます。五十八年から急激にふえているという状況がおわかりいただけると思いますね。  そこで私は、一つは民法を改正して、法人格を与えるものには法人格を与える基準なりをつくって外国のように準則主義で与える、それにどういった政策的な配慮をするかというのは別の部門で考える、税については税務当局、予算については予算で考える、そうしたシステムを導入するべきじゃないかと思うのですよね。  それから、そうしたことを行うと同時に、やはり税制も原則非課税でなくて原則課税にして、その中でどういうものを非課税にしていくかというシステムに改めるべきじゃないかという私は私見を持っているのです。そういたしませんと、租税特別措置は税務当局のいろいろな審査を受け、関係主務官庁と打ち合わせをした後、租税法定主義ですから、国会に諮られて決まります。ところが、この公益法人の課税については税法にあらかじめ定められておりますから、もう主務官庁がこれは公益だと言ったらいきなり非課税なり減税になる。地価税はかからない。  程ケ谷カントリー倶楽部というカントリークラブがあります。ここから決算書をとったのですけれども、妙な決算書で、きょうは時間がなくなったから指摘はやめますが、ちょっと信じられない決算書で、これは税務当局に僕は審査してもらおうと思っております。しかし、この程ケ谷カントリー倶楽部は偉い人ばかり入って、偉い人ばかり理事をやっている。不特定多数じゃないです。しかし、ここで仮に地価税を取ったらどうなるかといえば、〇・三%だったら二億以上の地価税が取れるでしょう。〇・一五でも一億の地価税は取れるでしょう。それが非課税で、民業と競合しておる。こういった大変な不合理があるということを御指摘をさせていただきたいと思うわけでございます。  最後に一言申し上げさせていただきたいのですが、こうした税の制度の中で大変苦労して働いている税務署の職員の方がいらっしゃいます。その職員の中高年層の処遇改善についてということなのでございますが、今、税務署員も総定員法の中でなかなかふやせないという中で、法人の数がふえて非常に苦労しておられる。  そういう中で、税務署の職員は、三十代後半から定年まで二十数年間上席に置かれそうな人員配置の状況になっているのですね。そういう状況でずっと行きますと、これは士気も低下するでしょうし、国税の職場の仕事というのは大変困難な仕事ですから、そうした士気を低下させるような人事と申しますか人的配置の構成にしてはいけないと思うのですね。  そういう中で、この上席という方がどんどんふえていく中で、その能力を生かせるという特官という制度がありますね。そういうところにも適宜配置をしていただいて、厳しい中でも税務署の方が意欲を持って働いていただけるようにしていただきたいと思うわけでございます。現在の税務署の上席職員は七千人ですが、ちょっと計算してもらいましたら、平成十六年に一万八千人になるそうです。こういう御配慮を税制当局でぜひお願いしたいと思いますが、何かお答えがあったら……。

内野正昭国税庁課税部長

○内野政府委員 お答えいたします。  国税庁といたしましても、先生御指摘のような問題点を踏まえつつ、今後とも関係当局に対しまして引き続き税務の重要性、困難性を訴えまして、所要の機構整備に努めますとともに、職員の処遇に十分配意をいたしまして、必要なポストの要求等に可能な限り努力をしてまいりたいと思います。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 ありがとうございました。  大臣、税の技術的なことを話したもので、大臣に御質問しなくて大変御無礼いたしました。時間が来ましたが、何か御発言がありましたら……。

久間章生自由民主党

○久間委員長 もう時間がないです。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 そうですが。それじゃ、終わります。どうもありがとうございました。

久間章生自由民主党

○久間委員長 次に、永井哲男君。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 社会民主党・護憲連合の永井哲男でございます。主に私は、住専の問題について大臣にお聞きをしたいというふうに思います。  昨年の九月、当委員会、大蔵委員会で、北米における財政金融事情等の調査をしてまいりました。そのときに、ワシントンにおいてアメリカのいろいろな要人にお会いして、特に不良債権の処理について話を伺う機会がございました。ヘルファーFDIC総裁、グラインダーFRB、連邦準備制度理事会副議長にもお会いをしました。  グラインダーさんはこのように述べております。「アメリカでも同様に、S&Lの経営者による犯罪行為がみられた。破綻金融機関問題の解決が遅れれば遅れるほど、問題が悪化するだけであると理解されれば、公的資金導入についての支持も得やすくなるのではないか。S&Lの問題の処理にも一九八九年から現在までほぼ六年を要したが、もっと早い段階で対処すべきであった。」このようにグラインダーさんは述べております。  バウシャーGAO、会計検査院の院長にもお会いしました。彼も同じように早期処理ということをアメリカの経験として言っていたところでございます。「米国では、大恐慌の時の悪夢の再来が恐れられており、国民は一般的に預金保護を、受け入れていると思う。」「国民の間に不満はあったが、最後まで反対はしなかった。」このように述べております。  また、フィクターOTS、貯蓄金融機関監督庁の長官にもお会いしましたが、「八〇年代のはじめにもつと早く対応していれば、政府支出は百億ドル程度で済んだかもしれない。」このように述べているところであります。  また、スティグリッツCEA、大統領経済諮問委員会の委員長にもお会いしましたが、日本の不良債権問題についてはSアンドLと同様な問題ではないかというふうに認識している、その中で二つの学ぶべき教訓があった、「一つは、問題が起こったときにすぐに対処すれば、コストはずっと小さいもので済んだ」「一九八二年にS&Lの問題が認識された後、一〜二年の内に対応していれば、例えば三百〜四百億ドル程度で済んだはずである」、対応が遅れたために二千億ドル以上のこのような巨額のコストになってしまった、このようにも述べております。  また、特に、金融システムというものを放置しておけば、「各種の経済活動の結びつきが強くなっているので、金融機関の経営状況が悪化すると、不動産の価格が一層下落するなどいろいろな影響がある。本来は経営状態の良い金融機関も、影響を受けて経営が不安定になったりする。」このようなことも述べております。  そして、もう一つの教訓として、「金融機関に対するきちんとした規制・監督が重要である」ということもスティグリッツさんは述べていたところであります。  こういうような貴重な示唆をいろいろいただいたわけでありますが、いずれも早期処理、早目に処理しなければ莫大なコストがかかってしまうというようなことでございました。  ところで、昨年、外国からの日本に対する、この不良債権の処理について、早く処理をしろ、こういうような要求というものが日本にあったのかどうか、どのようなそういう要求であったか、このことについてお聞きをしたいというふうに思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今、永井さんからお話がございましたように、この不良債権の処理の問題は、もはや先送りを許されない、早期の処理を必要とする問題であるということについては、ほとんどの方の共通の御認識であると考えております。  今、この先送りが許されない住専問題の処理に、早期の処理といいますよりは、もうぎりぎりのところまで先送りしてきたその問題を、もはや先送りを許されない状況の中で処理を迫られているということがございます。  もう一つは、今お話がございました、今日経済、金融のグローバル化が進んでまいります中で、日本のこの住専問題に象徴的にあらわれております不良債権処理の問題は、国際的にも注目を集めております。ジューセン・プロブレムという言葉が既に国際的に通用するようになっているということを見てもわかることでございます。  私は、就任いたしまして間もなく、パリで開かれましたG7に出席をいたしました。このG7の機会に、アメリカのルービンさん、フランスのアルチュイさんにお目にかかって個々にお話をする機会もございましたが、昨年十月のG7におきまして武村前大蔵大臣も、今日、日本の住専問題の処理の重要性を、国際的にも問題であるということから、九五年末までに対策を樹立したいということで話を進めてこられたことでございました。ある意味では、住専問題の処理は国際的な約束ともなっていたものと考えております。  そういう先送りを許されない情勢と、国際的に大変大きな影響を持つこの問題の解決は、もはや私どもは今立ちどまってちゅうちょすることを許されない政治的な課題でもございます。そのような立場に立ちまして、昨年十二月に前村山内閣において閣議決定されました住専問題処理方針を、現在の橋本内閣におきましてもこれを引き継ぎ、現内閣の方針として国会に提案を申し上げたところでございます。  この住専処理方策が閣議決定され、そしてそれが国会で論議をされる段階になります中で、昨年十月に〇・五%まで上昇いたしましたジャパン・プレミアムも、現在では限りなくゼロ%に近づいてきております。一方、株式市場におきましても二万円台を回復し、今では二万一千円台に近いところで株価が動いているという状況でございます。  この住専問題の処理は、結局、金融システムを安定させ、内外の日本の金融に対する信頼を確保しつつ、一方、このことによって生ずるおそれのある預金者の不安を取り除き、そして日本経済の回復の基調が、ようやく今足踏みの状態を脱するという状況になってまいりましたものを一層促進する上でも、今日政府が御提案を申し上げております住専問題の処理方策を御承認をいただいて、強力にこれを進めていただくことが重要である、このように考えております。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 今や日本は、世界最大の資本輸出国ということで、国際社会に占めるその地位というものが非常に大きなものがある中で、不良債権の問題というものは断固たる処置を国際社会に対して示すべき義務があるのではないか、そのように思います。  ところで、新進党さんはこの処理について、破産手続によって処理するということを主張するもののようでありますが、これについて、私は弁護士でありますが、これは到底無理なのではないか、このように思います。  規模からして、負債総額が約十三兆円ということで、日本に起こる破産の総件数を全部集めた額が約九兆円、その額がその額以上のものである、また、融資債権、そういう取り立てを要するような債権が二十四万件もあるということは、これらのものが非常に大きい、そしてまた換価にかなり時間を要するのではないか、こういうことが言えるところであります。  そのほか、暴力団との関係というものがありまして、非常にその処理に複雑な困難性というものを与えている。また、母体行と系統との争いがあるという中で、例えば、破産において必要な債権の確定の手続において異議が出て、その債権の確定の訴訟になるだろうということも予想される。換価においても、不良資産、土地というものが多い、この土地を金にかえるというのに非常に時間がかかるということも、これは容易に想像がつくところであります。また、これらは破産手続の外で母体行に対して系統等が損害賠償請求をするということも予想される。このようなことを考えれば、これは到底五年や十年で解決するものとは思われないのであります。  そして、これが解決するまで債権者のもとには具体的な配当がされない、それらの巨大な金がもし集まったとしても供託されている、こういうような状況になるわけでありますが、こういうような中で、債権者に配当がおくれるということが起きればどのような影響が考えられるか。また、系統が母体行に対して、いわば金融システムの内部で訴訟というものが、訴訟合戦というものがあるとすれば、金融システム全体に対してどのような影響があるか、このことについてお聞きをしたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 これまで、予算委員会等を中心にいたしまして多くの方から御意見がございました。破産処理をすべきだという御意見もございましたし、また、同じ党の方から、破産処理ではなく会社更生法によるべきだという御意見もございました。母体行の責任を徹底的に追及せよという御意見もございます。  それで、もしこの破産処理という方法をとり費した場合に、先生は御専門でございますから私がお答えしなくてもよいと思うのでございますが、現在、母体行、一般行、系統金融機関がそれぞれ持っております住専に対する債権を仮に損失によって放棄いたします場合に、債権額に沿って桁棄額の配分が行われたという場合に、六兆四千百億の損失でまいりました場合に、経費等を念頭に入れません場合で、母体行で一兆七千五百億、一般行で一兆九千億、系統で二兆七千五百億。もし、第三分類まで念頭に入れますと、七兆六千五百億の債権を回収できずに損失として放棄いたします場合には、母体行で二兆九百億、一般行で二兆二千七百億、系統で三兆二千九百億に及ぶと推計されております。  このような状況になりました場合に、果たして、母体行は大変軽くなりますが、他の系統金融機関等におきましては体力の限界ということで、今協議を調えております五千三百億の債権を贈与の形で放棄する、このことが一挙に、現在の損失でも二兆七千五百億に膨れ上がってくるのでありまして、その場合には、金融不安を非常に深刻に引き起こす可能性があるのではないかということも考えられるのであります。  加えて、母体行百六十八行、一般行と母体行を含めますと約三百行に及びます。これらの金融機関の間に破産処理をめぐって、住専との間、それからそれぞれの金融機関の間に訴訟等が起こってまいりますと、この破産処理によります場合には大変複雑で長い期間を要することになるのではないだろうか、これは結局私どもが目指します住専問題の早期処理とは違った方向へ行くのではないかということで、私どもは、とるべき方策ではない、このように考えております。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 この住専処理も十五年かけて長いではないかというようなことも言われるようでありますが、具体的に債権者の手元にどのようにお金が渡るかということを考えれば、そこには格段の差があるということを、これは注意しなければならないというふうに思います。  ちなみに、私どもで日弁連の民事介入暴力対策委員会の方々とお会いする機会がございました。弁護士のプロとして、住専、むしろ破産よりはこのような処理機構で処理する方がいいというふうな意見でございました。それは、警察、検察等の強力なバックを有するということ、情報を集中できるというようなこと、そういうことから考えても、この住専処理機構による処理の方が個別の住専を破産するよりもすぐれているというのが専門家の意見であったということもつけ加えておきたいというふうに思います。  破産手続による方がいわば透明性が高いということは言えると思います。しかし、透明性だけが高いということで、そういう手続によって助けるべき人たちが死んでしまえば、いわば手術は成功したけれども患者は死んでしまった、こういうようなことにもなりかねない。政治においてやるべきことは、事態をおさめつつ法の支配というものを貫徹する、このようなことが必要ではないかと思います。法的にはっきりしていれば後は野となれ山となれということでは、これは政治の論理ではないと私は感じるところであります。  そこで、いずれにしろ、責任の追及それから実態の解明ということは当然にこれからされなければならないというふうに思います。  こういう中で、かつて昭和恐慌の際に若槻内閣が枢密院に処理案を、これは台湾銀行救済勅令でありますが、これを却下された例があります。こういうことでこの場合には早急に処理できなかったわけでありますが、早急に処理できないということでこの場合にどういうような結果になったのか、そして、後を引き継いだ、野党であった田中内閣が処理案としてその事態をどのような形でおさめたのか、このことについてお聞きいたします。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 いわゆる昭和恐慌の初めの動揺は、昭和二年の三月に震災手形二法案の成立によって一応収束をいたしました。しかしながら、同二法案の審議過程で、台湾銀行の鈴木商店に対する多額の不良融資の発覚等によりまして台湾銀行の経営はますます悪化していったわけでございます。この台湾銀行の破綻による影響は広範かつ深刻であることから、政府は、日銀から台湾銀行に特別融資を行わせまして、これにより生じた損失を政府が二億円を限度として補償するということを内容とする台湾銀行救済勅令案を枢密院に諮ったわけでございますが、枢密院はこの勅令案を否決いたしまして、このため若槻内閣は総辞職に追い込まれたということでございます。この台湾銀行のための勅令案の否決を契機として台湾銀行が休業し、さらに多くの銀行が休業に追い込まれていくという事態が生じました。  この事態の収拾に当たった、若槻内閣を引き継ぎました田中義一内閣は、直ちにモラトリアムを公布、施行するとともに、一度枢密院において否決されましたこの勅令案と全く同様の内容の台湾融資法を議会に提出いたしまして、この法案の成立によって金融恐慌が収束していったという経験を持っておるところでございます。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 結局、野党であった内閣が引き継いだ後は、若槻内閣と同じ法案を提出して事態を収束したということのようであります。近い例で言えば、青島都知事が、選挙前に三百億は払わないということで、結局その後に金融システムの維持のためにその支払いを決断した。与えられた条件の中で今何をなすべきかということは限定されているのではないか、そういう感を深くするところであります。  責任の追及、実態の解明ということに関連しまして、週刊ポストにおいてこのような記事が出ておりました。住専処理法案が「国民の「賠償請求権封じ」だ」とか、また「大蔵OBの私財防衛が目的」だ、このような内容であります。  私たちは、この住専処理法案をつくるときに、その他の財産の中に損害賠償請求権が入っている、したがって調査の範囲にもそういった経営責任を追及するための損害賠償請求権が入っている、こういうことも確認したところでございます。与党の確認事項を作成した立場として、この記事はゆゆしき問題を含んでいるというふうに思いますが、これについての明快な答弁を求めます。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 公的資金を巨額に投入して公的関与を行って処理いたしますに当たりまして、強力な回収と責任の明確化、そして情報の積極的な公開というのは、内閣が申し合わせたことでございます。そして、処理機構が譲渡を受けます債権は、損害賠償請求権を含んですべてを引き継ぐものとされております。この損害賠償請求権は、今その損害賠償請求の内容が特定できなくとも、今後この回収を進めてまいります過程において民事、刑事両面にわたって追及できるものについてはその経営責任をすべて追及して損害賠償の請求を行う、このような立場で進めることにいたしております。  今度のこの公的資金の投入は、債務者の責任を回避させたり、あるいはこのような状況を招来いたしましたことに関する経営の責任等一切を免責するものではありません。それらの問題を厳しく追及することが今回のこの住専処理機構の任務だと考えております。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 この週刊ポストの記事は、債権譲渡の対抗要件としての通知という問題をあえて混同させて、損害賠償請求権封じだというような内容として、誤った内容になっているというふうに思います。  ところで、先ほども大蔵大臣はおっしゃいましたが、政治が結果責任であるというならば、今この処理案の結果がどういうことになっているのか、どういう現実なのか、これが判断の対象になると思います。いわば、この住専処理案というのがどういう効果があったかということと同じ問題とも考えられると思いますが、それについて端的なお答えをお願い申し上げます。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 御質問に対して適切なお答えになるかどうか自信はございませんけれども、今お尋ねの件は住専問題の処理が我が国経済に与える効果がどうであるかという御趣旨でございますならば、そういう意味でよろしゅうございましょうか。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 株価やジャパン・プレミアム、そういうことを言っているわけです。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、ジャパン・プレミアムについては、昨年秋ごろには、我が国金融システムの安定性に対する懸念を背景に相当大幅な拡大を見たところでございますが、このところほぼ解消したと言っていい水準に落ちついている模様でございます。日本の銀行による海外の日系企業等への円滑な資金供給がこれによって期待されるところでございます。  なお、株式市場におきましても、今般の住専処理策は好意的に受けとめられているものと考えられます。  このように、景気の先行き不透明感を払拭し、企業や消費者マインドを好転させるものであり、我が国経済の本格的な回復軌道への移行に資するものであると考えておる次第でございます。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 これまで政府は、バブルの破綻以降国費で十五兆円ものお金をかけて景気対策をやっておるわけでありますが、こういったことが景気対策にも、まあ景気の腰折れをさせない形でいい影響を与えているということを聞き、安心したところでございます。  さて、今非常に利率が低いということで、年金生活者を初めとして、非常にそのところで問題になっている、不満を持っているという状況であります。そういう中で、金利の自由化というような中で、行政指導の範囲という問題もありますが、こういった年金生活者や弱者というようなことのために、そういった預金に対する何らかの措置というものについて大蔵省はどのように検討しているでしょうか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 金利が完全に自由化され、また商品の自由化も行われまして、今や民間の金融機関がそれぞれの創意工夫によって商品を開発し金利を定めている、こういう状況でございますが、確かに御指摘のように、金利水準の低下は、これは経済政策とはいいながら、いろいろと国民の生活に影響を与えているということは御指摘のとおりでございます。  こういう状況の中ではございますが、民間金融機関の中で、それぞれの経営判断によりまして、年金生活者に配慮して、年金受取口座を有する方を対象に預金金利の上乗せ等を行う金融商品を開発しているという事例が、最近、ことしに入りまして大変ふえているということも承知いたしております。  また、こうした低金利のもとで、老齢福祉年金等の受給者等、特に経済的に恵まれない方々の立場を踏まえまして、現在年利四・一五%で福祉定期預金を実施しているところでございますが、これについては、現在の低金利状況を踏まえまして、その受け入れ期間を本年三月以降さらに一年間延長する準備をしているところでございます。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 この低金利の時代の中で、そういった福祉の充実というためにも、これは国民に望まれる行政指導として、よきその指導性をぜひ発揮していただきたいというふうに思います。  これから預金保険料というものについても、これは相当な上げというものも考えられているところであります。また、今回の処理の償却というような中で、こういったツケを、安易に預金者にそのツケを回すような銀行の経営のあり方というものに対しては厳しい目で指導をしていただきたい、そのようにお願いする次第であります。  さて、こういう住専の問題、これまでに放置されてきた、そしてそのもともとをただせば、バブルの発生というものを十分に抑制できなかった、その後の過程においてより早い処理をもって対処できなかった、こういった数々の問題、大蔵の金融行政の問題というものが言われているわけであります。それについてどう考え、そしてこれからどのようにしていくか、そのことについての大臣の御見解をお伺いいたします。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今日のような事態に立ち至りますまでの間には、それぞれの分野に責任が存在すると考えております。借り手はもちろん、住専の経営者、母体行、そして系統金融機関の経営者、また行政や政治にも責任が存在すると考えております。  そういう中で、特に検査・監督の任務を持ちます大蔵省といたしましては、今日までの経緯の中で、的確な判断をするために全力を挙げて努力をした、この経過がございましても、結果的にその責任を免れない事態に立ち至っていると考えております。  そういう中で、今大蔵行政に関してそれぞれの立場で御意見が非常に多く出されております。私どもは、ただ単に大蔵省の機構改革といったような問題ではなく、日本の行政機構のあり方全体について考えてまいります中で、大蔵省としても、この機構の運営上の問題、機構そのものの問題等についても検討を加えながら、必要な改革を進めることもまたこの住専問題にあらわれました責任を明確にすることであろうと考えているところでございます。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 この住専問題というのを契機に、やはり新しい時代に合った金融行政というものをつくっていく必要があるのではなかろうかというふうに思います。  東西の冷戦が終わり、新興諸国というものが勃興してくる。そして、金融が国際的により緊密な形に連携している。こういうような新しい時代にしっかりと合う、従来の護送船団と言われる中での業界とのなれ合いというような体質を排した、そういった新しいものが必要だと思います。我が党も、大蔵改革の検討小委員会というものを設けて検討しているところでございますが、最後に、そういう点で大臣に、何かあれば一言お願い申し上げます。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 いろいろ適切な御意見を賜りました。今後の大蔵省の問題を考えてまいります場合に、参考にさせていただきたいと思っております。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 終わります。

久間章生自由民主党

○久間委員長 次に、田中甲君。

田中甲新党さきがけ

○田中(甲)委員 さきがけの田中であります。  異例に厳しい財政状況のもと、また、住専を初めとする我が国金融システムの安定とそれに対する内外からの信頼を確保し、預金者保護に資すると、大変に厳しい状況の中で、大蔵大臣にだれもなり手がいない、できれば今は避けたい、だれもがそう思っている中、大臣に就任をされた副総理、久保大蔵大臣を、私はすばらしい政治家の姿と感謝を申し上げ、また高く評価をさせていただいておる一人であります。  昨日の予算委員会で大臣は、銀行、農林系金融機関の経営責任について、明確にしなければならないし、とるべき責任はとってもらう、住専処理を進める中でどうしなければならないかということはいろいろ検討していると述べられ、大蔵省の取締役解任命令の発動も含めてという答弁をされたと新聞紙面で私は読んだのでありますが、まず、この確認を大蔵大臣にさせていただきたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 たしか記者会見で、母体行責任が予算委員会の審議の中で取り上げられているが、どう考えているかという御質問があったように記憶いたしております。  その中で、母体行自体もみずからの責任を感ずるところあり、三兆五千億の債権全額放棄に合意されているものと思う。しかし、母体行の住専の設立、出資、人事、経営、こういったものにかかわってきたこれまでの経緯を考えるならば、これで母体行の責任が済んだということにはならないのではないか。今後、住専処理機構がこの住専問題を処理していくに当たって、母体行はその責任を重く感じてもらわなければならないということを私は申し上げました。  銀行法による取締役解任命令のことなどについては、私は触れた記憶は全くございませんで、これは新聞の方で、そういうことも考えているのかなということでお取り上げになったのかなと思っております。  私が申し上げましたのは大体今までのところでありまして、本日は予算委員会において重ねての御質問がございましたので、参考人として出席された銀行関係者の発言では責任を感じていないじゃないかということでございましたので、私も、新聞で読ませていただいた限りでは非常にそういう感を深くする、それで、母体行の責任がこれで終わったなどと考えることはとんでもないことであるということをきょう申し上げておきました。     〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕

田中甲新党さきがけ

○田中(甲)委員 持ち時間が十五分しかございませんので、どうぞよろしくお願いします。  それでは、政治家、特に歴代の大蔵大臣、あるいはしかるべき役職についていた方々に対しては、大蔵大臣は、責任ある対応とはどのようなものであるべきだとお考えになられているか、端的にお聞かせをいただければありがたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 この住専問題についてでございますか。これは、どのような責任が存在しているかということを明確化することによって、とるべき責任、責任をどうとるかというのはそこから決まってくるものだと思っております。政治家がかかわりがある場合にどういう責任をとるかというのを、具体的にどうするということで今申し上げるのは非常に難しいと思います。

田中甲新党さきがけ

○田中(甲)委員 わかりました。  少し、住専問題の、時期をさかのぼって、そんな時点に戻って質問をさせていただきたいのです。  昨年十二月の一日、与党政策調整会議で、ここで初めてガイドラインというものが出された。そのときには、当時日本社会党の書記長であられました大蔵大臣も、ここに了承するというような形で名前が載っているわけでありますが、このガイドラインの三番目に、まず国民の理解を得ることが前提でありということがうたわれています。そして、真にやむを得ないものに限られるべきであるということも重ねてうたわれております。  その後出されてまいりました今度は閣議決定の内容を見てまいりますと、この国民の理解を得ることが前提であるということが消えてしまいまして、そして、金融制度調査会から出されてくる諸施策に関しては、そのまず極めて重要であると言われていた国民の理解という言葉がもう全く消えてきてしまっておるのでありますが、この点に対して、大蔵大臣の御所見、またお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 国民の御理解を得てこの住専問題の処理を進めるということは、ガイドラインで決められていることでもあり、最も重要なことだという認識は今も変わりなく持っております。  このガイドラインは、与党のプロジェクトチームによって二十回近い協議が重ねられた結果まとめられたものでございますが、これを受けて具体的なことを進めてまいります場合に、住専問題の処理がこれ以上先延ばしできないという、時期的に非常にせっぱ詰まった状況も政治の判断の中で非常に重要であったと考えております。  しかし、今も、公的資金の導入に伴う公的関与を行う限り、そのことに関して国民の皆さんの御理解を得る努力は最後まで続けなければならないものと考えております。住専問題の処理が進みます過程においても、国民の皆様方の御理解を求める努力は最大に続けられなければならないと考えております。

田中甲新党さきがけ

○田中(甲)委員 同じ政党の簗瀬進さんが、インターネットで常に住専問題に対するいろいろなメールを受け取っております。私はきょう少しその中から選んで持ってきたのですけれども、少し聞いていただきたいと思います。  「住専処理の問題で、その不透明な、国民にツケをまわすようなやり方には私は大きな不満を持っています。恐らく多数の国民がそう感じているのではないでしょうか。」「例えば、住専がなぜ危険な融資をし、またその住専に対して、民間金融機関が大量の資金を貸し込んだのかというと、大蔵官僚OB達の陰のネットワーク、人脈が、大きな役割を果たしたと言わざるを得ません。住専にたいして大量の資金を融資した局面には、大蔵OB役員が、それに積極的に旗振りをしたような形跡が、各金融機関に見られます。」  こういうようなインターネットの国民の生の声というものがたくさん届けられていまして、「我々は、関係機関の責任を十分に明らかにすることなく、また、根本的対策も反省もないまま、住宅金融専門会社の不良債権処理に一人あたり一万円にものぼる我々の税金を投入する今回の措置に強い不満を覚え、以下の点を要求します。」「監督官庁である大蔵省及び歴代大蔵大臣の責任を問い、今回の多量の不良債権の発生は、大蔵省の過剰金融管理行政の大失策と認識し、これまでの金融行政を、大蔵省の組織自体の再編を含め抜本的に見なおす。」また、「住専がこのような不良債権を抱えるに至った経緯について知り得る限りの情報をすべて国民に開示する。同時に借り手企業群と銀行に、暴力団との関係がないかどうか徹底的に調査し結果を公表する」べきであるなど、事実に反するところもそれは私はあると思いますが、しかし国民の感情として、大蔵大臣、ぜひ参考にお聞きをいただきたいと思っております。  「日本って、少なくとも先の敗戦以来、権力者がいやしくなってしまったように感じます。役人は責任をとらず、政治家は談合して任期満了まで政権を担当するらしい。これを暗いといわずして、なにを暗いというのでしょうか?」「国会では、与野党とも政治家の責任を追及するかまえのようですが、役人の責任を与野党共同で追及して下さい。国民は自民党か新進党かの選択よりは、改革かそれともこれからも官僚に牛耳られるのかに興味を持っています。」など、少し読み上げながら汗がにじみ出てきているのですが、「いいですか、あなた方は国民のお金を預かっているのですよ。にも拘らず勝手に大金を、国民が納得しない、そして理由もないものにですよ。それに「金融不安を起こさせないため」と脅迫のようにせまって、無理矢理使おうとしている。」こういう認識なんですね、まだまだ。  「積算根拠が精細に公表され、そしてそれについて十分な議論がなされ、それで国民が「それなら仕方ない」と思うなら税金を使えば良いと思います。」が、「まじめに苦しみながらローンを払っている人はいっぱいいるのです。」「阪神大震災で家がなくなってローンだけ残った人」は、どう思うでしょうか。「もっと根本的な問題を解決しないと、対症療法では解決出来ない問題じゃないでしょうか。まず、このままでは三月十五日の確定申告はまともにはいかないでしょう。」というようなたくさんのこのインターネットでの国民の、市民の声というものが届けられています。ある面では事実です。  大蔵大臣、御報告をぜひ機会があればしたいという思いがあり、お話をさしていただきましたが、御所見をいただきたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 私にも、友人や全く面識のない方から、何で今ごろ大蔵大臣を引き受けたんだという言葉が随分寄せられております。しかし、私たちは、政治に責任を持つ者として、本当の意味での国益は何かということに向かって最大の努力をしなければいけない、今はそういう思いでございます。いろいろな誤解もあります。国民の皆さんのお怒りになっていることも、私も率直に受けとめなければならないと考えております。  ただ、一つだけ私が申したいことは、今日住専問題を処理するために、多額の国民の皆さんの税金を使うことをお願いをいたしておりますが、これは絶対に、住専を救済したり、特定の金融機関を助けたり、債務者を免除したりするものではないということであります。  それで、すべては、この住専処理機構が、これから国民の皆様方の税金を投入しながら何をなし得たかということによって御批判をいただきたい、こう思っております。

田中甲新党さきがけ

○田中(甲)委員 前大蔵大臣は、さきの参考人の答弁において、国民が負担する六千八百五十億円は政治的判断かという質問に対してでありましたが、「国民から選ばれた政治家が最高の責任を負いながらする最終の判断という意味で」政治的判断という言葉を使ったという答弁をされておりました。  今、やはりこの問題で国民の税金が、まして次世代に借金を残すような形で使われることは正しい姿ではないと思っている方がたくさんいるということを御認識いただき、同時に、この問題を今我が国の中でさらに高い政治判断で決断を下せるのは、日本には大蔵大臣そして総理とお二人しかいないと思います。ですから逆に、変えることができるのは大蔵大臣の御判断ということでありますから、どうか、このまま今のスキームで突き進んでいかれるという強い意思もお聞きいたしましたが、再度国民の声というものに耳を傾けていただきまして、過ちのなきよう正しい方向に日本を進めて、導いていただきたいと重ねてお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

金子一義自由民主党

○金子(一)委員長代理 以上で田中君の質疑を終了いたします。  次に、青木宏之君。

青木宏之新進党

○青木委員 大分時間も遅くなってまいりましたが、委員各位には、あとしばらくひとつ審議に加わっていただきたいと思います。また、大臣には、連日本当に御苦労さまに存じます。  私がいろいろお聞きをさしていただきたいことがちょっと多岐にわたっております。ただいまも住専関連の御質疑が続きましたけれども、後の方で触れさしていただきますが一初めに、先般の大臣の所信表明に関連しまして幾つかの点をお尋ねをしてまいりたいというふうに思う次第であります。  それで、非常に不可思議というか、前代未聞の事態があったわけでありますけれども、この八年度の予算編成を事務方として担当されました篠沢前事務次官が突然御退任をされた。そしてまた、村山総理、村山内閣も総辞職をされた。したがって、武村前大蔵大臣も辞職をされたということでございまして、こんな例はかってなかったのではないかと思われるわけでありますが、大事な予算案を御苦労されて、そしてまた政策意図を持って編成をなされた。にもかかわらず、病気とか突発事故とか、どうもそういうことではないということでありますので、こういう前代未聞の一種の異常事態について、私どももまた国民の皆さんも、これは極めて無責任ではないかというような批判が非常に強うございますが、武村前大蔵大臣の後を受けられました久保大臣としては、この点につきましてはどんなふうにお考えになっておられますか、まずそれをお聞かせをいただきたいと思います。     〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 どういう考えで身を処せられたのかということについて、私がかわってお答えするのは非常に難しゅうございます。

青木宏之新進党

○青木委員 どういう考えでということはそうかもしれませんが、国民の目から見れば、先ほど言いましたように、これは無責任だということに関してはいかがでしょうか。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 一般的には、私は予算を編成した内閣は、その予算を国会に提出して御審議願って成立させる、こういうことが任務であろうと考えております。  しかし、政権をどう考えるかということについては、時の総理大臣の判断によるものだと思っております。ただ、村山政権下において予算は編成されましたけれども、同じ三党の連立政権で新たに発足いたしました橋本内閣は、村山政権下において編成されました予算案をみずからの予算案として決定し、みずからの責任において国会に提出し御審議を願っているのでありますから、そのことが何か憲法上問題があるとかいうようなことではない、こう思っております。

青木宏之新進党

○青木委員 次に移りますが、先般の大臣の所信表明に順次関連してお尋ねするわけでありますけれども、まずこの予算にもかかわってきますけれども、とにかく景気回復という課題を第一に掲げられておりました。景気回復のためにはいろいろな努力がされるわけでありますけれども、その中で、いわゆる金融緩和措置、これに関しましてお尋ねをさせていただきたいと思います。  当然、先ほども話が出ておりましたけれども、景気回復の処方せんの一つということで、いわゆる低金利政策ということは十分理解できるところでありますけれども、問題は、いわば親の心を子供はしっかり受けとめていてくれるのかということであります。  すなわち、前代未聞、これまた前代未聞ですけれども、超々低金利の現状の中で、日銀の経済統計月報の一月号によりますと、いわゆるCD三カ月物の金利が九〇年の十二月の八・二九九%から、この低金利政策が続いてきておりますのでずっと一貫して下がってきまして、昨年の十一月には〇・五一九%、実に七・七八ポイントも下がったわけですが、これに対して、貸出金利の指標であります短期プライムレートは、ピークの九〇年十一月の八・二五%から昨年十一月の一・六二五%、これも下がったわけですけれども、その引き下げ幅は六・六二五ポイントということですから、そこに当然銀行の利ざやというものが非常に大なるものがある。要するに、昨年十一月時点では一・一〇六%ということですね。  したがって、これは住専議論とも関連して指摘をされるところでありますけれども、それは後ほどの問題として、私がここでお尋ねしたいというのは、あくまで景気対策だということで低金利政策がとられている、これは日銀総裁もはっきりおっしゃってみえるわけですから、そうだということにして、そうしますと、貸出市中金利がいわゆる高値安定といいますか、下げどまっているという感じが極めて強いわけですね。そうすると、せっかくの超低金利政策、景気刺激のためにというのが十分生かされていないというような気がするわけであります。このことについて、まずどういう御所見、御感想をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 青木委員御指摘のように、まさに低金利政策は我が国の景気をよりよくするための施策でございまして、預金金利が下がるということは貸出金利も下がってこなければそのような効果はあらわれてまいらないわけでございます。もとより、貸出金利を幾らにするかということは各金融機関の自主的な判断で決定されるものではございますけれども、大蔵省としても金融緩和の効果が貸出金利に浸透していくよう、その浸透状況を注視してきたところでございます。  その結果の判定というのは、今幾つかの数字を御指摘になりましたが、どのような指標をとらえるかということはなかなか難しいところでございますけれども、例えば、公定歩合がピーク時から五・五%下がったというのに対して全国銀行の新規貸出平均金利が六・一五六%下がっている、それ以上下がっているというような理解も可能かと思います。  いずれにいたしましても、金利の低下ということを景気の回復につなげていくように私どもとしても努力をしてまいりたいと考えております。

青木宏之新進党

○青木委員 これは後の住専とも絡んでまいりますし、確かに景気刺激のためというのは十分理解ができるところでありますが、一方では、やはり私は前からかなり金融機関も、人間でいってみれば暴飲暴食をして腹痛というか病気になった、だからそれを助けるためには、ある程度目をつぶってやむを得ないかなというふうに思っておったところですけれども、やはり金融機関側が政府の意図を体してきちっと実行するということでないとせっかくの効果が出ないということですので、ぜひひとつ、今後も今おっしゃったように効果が出るような、その面での効果が出るようにお進めをいただきたいと思います。  ついでと言ってはなんですけれども、関連しまして、これまた後ほどの住専とも絡んできますが、いわゆる金融機関で大手二十一行を見てみますと、要するに非常に人がふえているのですね、社員、従業員。びっくりするわけですね。住専議論でも、母体行はもう力がないぞとかさんざん出ました。ぎりぎり、ぎりぎりというのがよく出ておりましたけれども、そういうことかなと思っておりましたら、何と、ほとんどのところが人をふやしておるということですね。  一九九五年、昨年三月末で見てみますと、九一年三月末、四年前に比べてみますと四年間で千四百九十人、要するに、本来非常に力が落ちて苦しいというその四年間に千四百九十人ふえておる。しかし、もっと言えば、合併した銀行とか経営が悪化しておる銀行というところでは相当数人数が減っておりまして、そういう特殊な事情があるところでないところを合計してみますと、何と六千七百二十一人もふえておるという驚くべき結果が判明したわけでありますが、ひとつこういうことについての御所見をお聞かせいただきたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 金融機関の経営に対して大変に厳しい御批判のあることは、私どもも心して受けとめているところでございます。  ただ、最近、金融機関もいろいろな面でリストラを図っているところでございまして、例えば店舗の統廃合ということに関して言いますならば、増減を差し引きまして、平成五年度、六年度は純減になっているというようなこともございますし、それから、ただいま御指摘の人員の件でございますけれども、都銀、長信銀、信託銀行二十一行合わせまして、新規採用の抑制をこのところずっと図ってきております。例えば平成四年度には一万五千七百人の採用をいたしましたものが七年度では五千八百人と約三分の一になっておりますとか、その結果といたしまして、職員数全体で見ましても、平成六年度におきましては前年度比減少しているというような、五年度は十九万六千百名でございましたものが六年度は十九万二百人というふうにかなりの減少をしているというような状況でございまして、いろいろな面で金融機関もリストラに努めていかなければならないということは私どもも痛感しておるところでございます。

青木宏之新進党

○青木委員 今住専問題で矢面に立ってきたので、確かにいろいろ人員削減というようなことをやられ出しておる、それはそれで結構ですけれども、余り騒がれていないときにはそのように人をふやしてきた。そして、今はむしろ新卒も就職難というようなときですから、逆に言うと、人助けでこういうときにたくさん採ってもらえるとありがたいのですけれども、そういうときには減らすというようなところ、後ほどこれはかかわってきますけれども、そんな感じがいたすわけでございます。  今度は、国民金融公庫のことにつきまして少しお尋ねをさせていただきたいのであります。  私も地元が名古屋でございまして、中小零細企業がたくさんございまして、いろいろと金融相談等も受けるわけであります。そのたびにいつも感じますことなのですけれども、中央で、例えば大蔵とか政府なりがとにかく景気刺激をしなければならぬ、回復をしなければならぬ、したがって金利を低くしてとにかく借り入れをしやすくしょう、そして設備投資もやってもらおうというようなことだなと思って中央でおりますと、現場へ行きますと、なかなか中央で言っているような対応とは思われない感じが非常にするわけであります。やはり金融機関ではありますけれども政府系でありますから、これはある程度政策融資という側面が本来のものであろうと私は認識しておるわけでありますけれども、そのあたりの、今私申し上げた、中央と現場とのギャップというものが感じられるということに関しましてのお考えというか御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 国民金融公庫に関するお尋ねでございますけれども、国民金融公庫等による中小企業向けの金融対策につきましては、政府といたしましても、累次にわたる経済対策の中で、逐次、貸付規模の追加、低利の特別貸付制度の創設・拡充等、最大限努力しているところでございます。  ところが、国民金融公庫の貸付実績を見てみますと、本年度の当初は、中小企業者の低調な資金需要によりまして前年を下回る水準で推移しておりまして、私どもも状況を注目していたところでございますけれども、経済対策の効果等もございまして、七月以降は前年を上回る水準で推移してきております。本年度の累計額は、昨年十二月末現在で二兆九千百三十三億円と、ほぼ前年同期並みに回復してきているという状況でございまして、私どもも、このような政策融資につきましては今後とも充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

青木宏之新進党

○青木委員 またこの問題については、機会を改めましてもう少し突っ込んでいろいろ御議論をさせていただきたいと思っておるのですけれども、ここではあと一、二点、要するにこれは、政策融資で前向きに中小企業をバックアップしていこうという面と、もう一つは、かといって金融機関である立場からすれば健全性がやはり要求されるわけでありまして、その辺の兼ね合いからくる問題がある。そうすると、やはり大蔵省の評価、審査評価といいますか、貸し出し評価といいますか、実績評価といいますか、その辺が若干ちょっと改良していくような必要性があるのではないかなということを感じておるわけですが、この点はもう少しこの問題に絞ってまた議論の場を持たせていただきたいと思います。  あと一点だけお尋ねをしたいのですが、これはなかなか難しいかもしれませんけれども、要するに、かなり高金利のときから急激に超低金利へ変化があったわけですね。そうしますと、やはり七年物あるいは十年物で借りておりますと、もう相当な高い金利で借りておるという、利払いをしておるということになるわけです。この逆の場合はそうは言えないからなかなか難しい点はあるのですけれども、そこで、借りかえというのはもちろん現行法ではこれはできないと思うのですけれども、こういう特殊なケースの場合は借りかえ特例的なものをやはりできるような、そんな制度あるいは法整備というものをつくるべきではないのかなという思いがするわけですけれども、その点についてのお考えはいかがでございましょうか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 青木委員御指摘のように、この問題は大変に難しい問題でございます。国民金融公庫等の貸し付けば、長期的な資金計画が立てやすい長期固定金利制という、これが特徴でもありメリットでもございます。しかしながら、このような金利の低下局面ということになりますと、この問題が常に出てくるわけでございます。このような金利低下局面で低利での借りかえを認めるということになりますと、このメリットであるべき長期固定金利制をみずから否定をしてしまう、今度金利が上昇する過程になったらどういうふうに考えるのか、こういう問題が出てくることは、先ほども御指摘があったとおりでございます。また、このような低利での借りかえを認めることは、政府関係金融機関の経営の健全性に非常に大きな影響を与えるということから、借りかえの問題というのは非常に難しいわけでございます。  しかしながら、昨年九月の経済対策におきましては、景気の低迷が長期化する一方、かつてない低金利局面が継続する中で、高金利の既往債務を有する中小企業者の返済負担軽減を図るために、五%超の既往債務を有する一定の中小企業者を対象といたしまして、五%まで金利減免するという従来にない思い切った支援措置を講じたところでございます。

青木宏之新進党

○青木委員 先ほども申し上げましたように、この点についてはまた機会を改めてもう少し議論をさせていただきたいと思います。  次に移りたいと思いますが、大臣の所信表明に関連してでありますけれども、税制上の課題ということでございます。  いわゆる消費税関連ということになりますけれども、これは本年、ことしの九月末までに検討をするということもありますし、また、平成九年の四月一日からの二%アップということが一応法定をされておるということでありますが、これは、いわゆる所得、資産、消費のバランスを改善するという意味での消費税率アップということであれば、これも国民もだんだんと理解はされてきてみえると思うのでありますけれども、問題は、いわゆる税収不足だから消費税率アップというようなことでは、これはなかなか理解が得られないところであろう。やはり税収不足は税収不足でありますけれども、その前に歳出がきちっとカットされる、相当体質改善が図られるというようなことが前提になければならない。  そうしますと、後ほどの財政改革の問題にこれはかかわってくるわけでありますけれども、やはり現在の財政状況をどう改革していくか、将来に向けてどう改革していくかというようなことに関しましては、きちっとした戦略、戦術といいますか、基本方針といいますか、大方針といいますか、そういったものが備わって、そしてもう不退転でこれをきちっと果敢に実行していくんだ、こういうような政策の実施というものが大事であろうというふうに思うわけであります。  そこで、税制改革ともかかわってきますけれども、まず、この予定されております消費税率のアップということにつきまして、このままで、予定されたとおりにとりあえずは平成九年四月一日からの五%でいく、そしてなおその上どうするかということについてはことしの九月末までにもろもろ検討を加えていくということであろうと思うのでありますけれども、この場でまず一度御方針をお聞かせをいただきたい。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 お答えいたします。  平成六年の十一月に成立させていただきました税制改革関連法におきまして、御指摘のように、消費税と、それから地方消費税の創設ということで、二つの税金を合わせまして税率を引き上げること、それから所得税、住民税等について税率構造のフラット化をするということを決めていただいたわけでございます。  御指摘のように、これは所得と消費の間の課税の関係をよりよいものにしようということでやったわけでございますが、当時の経済情勢から見まして、同時に実施することは適当でないということで、消費税につきましては平成九年四月一日からということになっております。  そういう意味で、消費税と地方消費税を合わせた税率アップ分二%といいますのは、既に先行して実行しております所得税と住民税の負担軽減に見合うものであるという位置づけになっております。  ただ、このまま五%で実施するべきかどうかにつきましては、検討条項を盛り込んでございます。この検討条項では、社会保障関係の費用がもっと必要であるということが消費税率の引き上げまでの間にはっきりするならばその点を見直すべきであるという趣旨や、あるいは行財政改革、それから税金の面では租税特別措置の整理合理化等、それから財政状況、こういったものを、四項目ございますが、検討項目としてことしの九月三十日までに議論して決断しなさいという位置づけになっております。  平成七年度と八年度の予算編成の中におきましては、そういった趣旨も踏まえてそれぞれの分野、四つの分野におきましてできる限りのことを対応してきているわけでございますが、五%と法定されました消費税率、これは地方消費税を含めてですけれども、これについて新たに法改正を要するかどうか、この点につきましては、これまでの取り組みや国民各層の御議論を踏まえながら、平成八年、ことしの九月末という法律上の期限を勘案いたしまして判断していきたいと思っております。

青木宏之新進党

○青木委員 要するにこれは、今おっしゃったように、二%はそういう先行減税分であるということでありますし、あるいはなぜ先行減税をしたかということは、これは景気対策の一環として先行して減税をしたということでありますが、なおこれは、こういうことを考えたころには、消費税アップのころには景気の見通しもはっきりついて、これはよくなっているであろうというような、やはりそういう思惑が一方ではあったのではないかと思うのです。  そうしますと、政府の方は景気が底がたくなったというか、上向いてきたというようなことをおっしゃるわけですけれども、なかなかこれはその時点までに景気が本当に上向く、はっきりとした上向きの姿をあらわしてくるということもなかなか難しい状況だということになりますと、その時点で消費税アップがなされますと、今度はそれが景気刺激の足を引っ張るということになってくるわけでありますから、何が優先課題かということが、先ほど言ったようにやはり戦略、戦術といいますか、基本的な政策をきちっと位置づけて処方せんをつくっていくということでないとなかなか難しい問題があろうかと思うのです。  そこで、御承知と思いますが、この五%アップ、法定ではありますけれども、景気刺激ということをもっとより重要課題と位置づけていけば、むしろこれを先延ばしといいますか、アップしない方が効果は当然あるわけでありますので、それを凍結をしていくというような議論も出ておるわけですね。やはり何を主要課題、重要課題あるいは先行課題というふうに位置づけるかというところによってその政策というのは変わってくるべきであろうということからしますと、今申し上げました景気刺激を、回復を第一の課題だといってとらえれば、ちょっとこれ、平成九年四月の五%アップという法定ではありますけれども、なかなか難しいではないかという議論に対してのお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 お答えいたします。  先ほど御説明いたしましたように、平成六年の秋の国会におきまして、一体化といいますか、消費税率の引き上げとそれから所得税あるいは個人住民税の減税ということを全体として御議論いただきました。その際に、税制構造をこうすることがこれからの我が国の経済にとってプラスであるという判断のもとに提出させていただいたわけでございまして、法定されたこの制度を着実に実施していくことがそういう期待にこたえることになると思いますし、また法律によって国民の皆様に既に平成六年にお示ししてあるわけでございます。  そのお示し申し上げました税制の先行きの姿を前提として経済活動が行われていると私ども思っております。また、それに加えまして、経済の方もおかげさまでよい兆候も見えてきているわけでございますから、ここのところは、頑張って経済をよりよくすることに努力してきた成果として、法定された消費税率の引き上げについては私どもは実施していくのが必要であろうと思いますし、また先ほど申し上げましたように、それを五%でいいのかどうかということはむしろ宿題としていただいているわけですので、この点について、ことしの九月三十日までに議論を詰めたいと思っております。

青木宏之新進党

○青木委員 次に移ります。  次に、やはり所信の中でお触れになられてみえました、これは大変重要にして困難な課題であります財政改革の問題でございます。  昨秋、いわゆる財政危機宣言も発せられておりますし、もうこれは言わずもがなのことでありますけれども、今回の予算を認めていきますと、八年度末で二百四十一兆という公債残高見込みということでありまして、これは実感として、二百四十一兆といっても、どなたの国民の皆ざんに話しても実感としてはこれはわからないと思うのでありますけれども、とにかくべらぼうな数字だということであります。  まさしく今財政危機にあるということでございますが、そこでお尋ねをしたいのでありますけれども、そういう状況下であるにもかかわらず、やはり八年度予算編成でも二十一兆を超える公債の発行をされる、計上をされるというふうになったのはどういう理由からか、この際簡単にお示しをいただきたいと思います。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○伏屋政府委員 お答え申し上げます。  我が国の財政は、昭和五十年度以降、特例公債の発行を余儀なくされてきたわけでございますが、連年にわたります歳出削減等の努力に加えまして、いわゆるバブル経済によりまして高い税収の伸びにも恵まれ、平成二年度予算におきましては特例公債の発行を回避することができたところでございます。その後、バブル経済の崩壊とともに、税収が減少し続けるというかつてない状況となりまして、いわば歳入と歳出の実力のギャップが既に拡大しつつあったと考えられるわけでございますが、各年度の予算編成におきまして、財源対策として特例的措置を講ずることによりまして、何とか償還財源の手当てのない特例公債の発行を回避してきたところでございます。  しかしながら、まさに今先生言われましたように、八年度予算編成に当たりましては、八年度の税収が、七年度税収の落ち込みを反映いたしまして、七年度当初予算で見込みました水準をさらに二兆円以上も下回る見込みとなる一方で、特例的な措置も国債整理基金特別会計の資金が不足するなど限界に突き当たりつつあるという容易ならざる事態となりまして、償還財源の手当てのない特例公債を含めまして、先ほど先生が言われた二十一兆円という多額の公債を発行せざるを得ないものとなったところでございます。

青木宏之新進党

○青木委員 前々からでありますけれども、財政危機、大変な状況ということは私が申し上げるまでもなく、財政当局はもう重々承知のことでありまして、とにかくこれは脱却をしなければならぬ極めて極めて重要な事項であろうかと思うのであります。  例えば、今年、八年度でもやはり景気回復、何としても景気回復をというようなことのために編成されておるという色合いもやはりあると思うのでありますけれども、しかしずっとこんなことでやっておりまして、また平成九年度の編成を迎えるときに、やはり同じような、大して景気回復も芳しくないというようなことであると、また景気回復をというようなことで、そうしますとまた何とか公債発行に頼っていくのか。これなんか本当に際限ないというか歯どめがないというか、どこまでも行ってしまう、本当に危険性が現実のものとなってきておるような気がするわけですので、これは相当な決断、英断をもって財政当局は対処をしていただかないと困るというふうに思うわけであります。ぜひひとつ、現時点で一体、こんなに膨らんだ財政危機の状況を脱却していく極めて大まかな柱でもいいですけれども、どうお考えになってみえるのかということについて、この際お聞かせをいただきたいと思います。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○伏屋政府委員 お答え申し上げます。  今御指摘のとおり、我が国の財政はもはや危機的とも言える状況にございまして、二十一世紀に向けて、このような財政の現状を放置することなく財政改革に取り組むことが喫緊の課題でございます。  そのために、一つは、財政制度審議会におきましては、財政の果たすべき役割とか守備範囲の見直し、財政健全化に取り組むに当たっての目標について検討を始められたところでございます。また、国会の場等におきましても、財政の構造改革について幅広く議論をしていただいているわけでございます。  そこで、今後財政改革を進めるに当たりましてどのような具体的な目標を設定していくのかとか、どのような、どのくらいの長さの期間を視野に入れていくのかとか、目標実現に向けて具体的などういう方策を考えていくかといった点につきましては、以上申し上げましたいろいろな場における御議論を含めまして、幅広い御議論をいただきながら真剣に検討を進めまして強力に財政改革に取り組んでまいらなければならないと考えております。

青木宏之新進党

○青木委員 これはなかなか、言うはやすく行うはかたしのたぐいの問題でありまして、これ一つだけとりましても相当議論をしなければならない問題であります。  財政当局とされましては、もう今に始まったことではありませんので、当然お考えはあられるであろうというふうに国民は思うわけでありますので、また、これは行政当局だけではなくして我々政治家に課せられた大きな課題であるというふうにも思うわけでありますので、これまた財政改革という問題一点につきましても、少しく時間をかけさせていただいてまた議論の場を得たいというふうに思っておりますので、きょうのところは次の課題へ移らさせていただきます。  時間がもう大分なくなってきましたので、最後の問題といいますか、今問題になっております住専の問題につきまして順次お尋ねをするわけでありますが、いずれにしても、後ほどいわゆる住専処理法、当委員会にもかかるわけでありますので、技術的な問題とか法理論的な問題とか細かい詳細な問題については、できましたらその機会にも御議論をさせていただきたいと思っておるところでありますので、まあどちらかといえばきょうのところはやや大まかな観点からのお尋ねになろうかと思いますけれども、ひとつ的確に簡潔にお答えをいただきたいというふうに思うわけであります。  さてそこで、非常に項目があるのですけれども、時間の関係で全部をお尋ねできるかどうかわかりませんが、一応順次お尋ねをさせていただきます。  ところで、先ほどの質疑の中でも大臣お話がございましたが、あるいはいろいろな投書とかいろいろな国民の声がある。私どもの方でも、今の国民の世論は、どうも理解できない、納得できない、政府の処理策、税金投入ということについては理解も納得もできないという声が非常に強いということを思うわけであります。そしてまた大臣におかれましても、お地元では当然大臣を御支持、御支援される多くの皆さん方がおみえになるわけですけれども、そういう大臣を御支援、御支持される方々の中でもやはりそういう声は大きいのではないかと思いますので、ぜひそういう方、そして、どういうことなのかやはり知って判断をしたいとまじめに考えてみえる多くの国民の皆さん方にこたえる、こういうようなお気持ちでぜひひとつ順次お答えをいただきたいと思うのであります。  まず初めに、今の国民の世論、非常に納得できない、理解できないという、いろいろなアンケートにおきましても、私自身も実はアンケートをやったのですけれども、もう途中でやめてしまった、余りそういう声が強いものですから。私の場合はもう七割をとうに超えておりまして、まあこれではどこまで調査をやっても答えは同じだなというような状況でしたのでやめてしまったぐらいですけれども、そういう非常に強い声がある。  なお、先ほどの御議論を聞いておりましても、にもかかわらずやはりこれが正しいのだ、これしかないのだというようなことで予算委員会でもずっとおっしゃってみえておる。それはそれで一つの考え方に基づいて確信を持っておやりになってみえるということだと思うのでありますけれども、やはり民主主義ですから、国民の声が単なる過半数ではなくしてこれほどまで大きな、要するに、反対というわけではなくして、反対という声も大きいわけですけれども、よくわからないんだ、納得ができないんだという方が結構おみえになると思うのですね。  だから、そういう方にはわかるのを待っておれぬというだけで突っ走っていくということではなくして、やはり少しでも多くの国民の皆さんにわかっていだたくという努力が必要であるわけでありますから、今申し上げました諸点、国民の声、そしてやはり多くの国民の声に従った政策、政治というものがなされなければならないという民主主義の原点から、最初に大臣から、住専問題のこの国民世論、そしてそれに対する今の政府の進め方でいいのかどうかという点について、まず簡単にひとつ御感想、御所見をお伺いをさせていただきたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 議会制民主主義の要諦は国民の声、世論を大事にするということは極めて大事なことだと考えております。しかし、真実必要なことについて、国民の皆様に御理解をいただく努力の足りないために国の政策を誤るということになってもいけないと思っております。そこは、今青木さんがお話しくださいましたことは非常に重要なことということを強く念頭に置きながら、この国会の中におきます皆様方の御論議を注意深く、十分にお聞かせいただいているところでございます。

青木宏之新進党

○青木委員 先ほども出たのですけれども、昨年十二月一日の与党政策調整会議、先ほども御指摘があった同じ第三項なのですけれども、私が申し上げるのは前の方とは違うのですけれども、そこには「日銀融資、政府保証等を活用すること。」と明確にあるんですね。そこには税金投入という文字は一言もなかったはずでありますけれども、それが結果としてこういう方針になった、予算編成になったというわけでありますが、そのあたりの経緯を、先ほど言いましたように、余りよく事情のわからない方がわかるような、簡単に簡潔にひとつ御説明をいただけないものでしょうか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 青木委員御指摘のように、昨年十二月一日のいわゆるガイドラインにおきましては、この公的関与のあり方の部分につきまして、「日銀融資、政府保証等を活用すること。」という項目がございます。この時点で、当時の政策調整会議の座長は、直接的な財政資金の問題はないのかというような質問に対して、「等」というような記述もあるというお答えをされたと記憶をしておりますけれども、私どもを含めまして、この住専問題の処理、早期処理につきまして、関係者の間で、何とかできるだけ国民の御負担をかけないような方法、かける場合にもできるだけ最小限度にとどめるような方法ということを最後の最後まで追求をした、こういうことでございます。  この十二月一日の時点におきましては、ここの記述にもあらわれておりますように、財政資金の直接的な投入ということを当然の前提とした議論は行われていたわけではございません。そのような方法をも視野に置きながら、しかし、そういう方法をとらずにこの問題を解決することができるかどうかということを模索していたという段階でございます。  いずれにいたしましても、その後、十二月十九日の閣議決定に至りますまでの間、当事者の間でそれぞれの立場での最大限の負担、負担の限界というものを模索した結果、どうしても財政資金の導入という方法をとる以外この問題の早期解決を図る道がないという政府としての方針を取り決めた、こういうことでございます。

青木宏之新進党

○青木委員 さんざん予算委員会でも議論されてきたところでありますので、次に移るというか、結論的に見ますと、母体行の側も非常に今回の処理策は不満だ。系統の方も全く不満だ。それから、要するに大蔵省も、今ちょっとおっしゃいましたが、とてもではないが、私どもが聞いておる限り、公的資金導入なんということはできないというようなたしか立場だったということからすれば、恐らく不満を持ってみえるんじゃないか。  そうしますと、国民もよくわからない、不満だ、反対だということになると、関係者がみんな不満だと言うにもかかわらず、かなり私どもから言わせれば拙速的に、あるいは突発的に、あるいは無理やりに何かやったという感じが非常に強いわけでありますけれども、関係者全員が不満だ、処理策が正式に政府・与党案としてできてからでもいろいろなところで、テレビ、マスコミでどんどん発言をされてみえるということですから、どういうことなのかなと率直に言って思うわけなんですね。そのあたり、ちょっと御説明いただけませんでしょうか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 まさにこの問題の特質と申しますか難しいところは、今御指摘になったところ、この一点に尽きると申し上げても過言ではないと存じます。私ども、事務方といたしましてこの問題を取り扱ってまいりまして、本当に今御指摘の、関係者がすべて不満を持っているといいますか、割り切れなさを持っているという点が住専問題の難しい点でございます。  母体行は母体行として、その負担の額について、自分たちの基本的な考え方からすると、恐らく今回の全額放棄、三兆五千億というものについてはそれなりの御不満がおありだろうと存じます。系統金融機関の方々は、当初のこの問題に関する出発点、自分たちの負担というものはあるべきでない、ゼロであるという御出発の点からいたしますと、五千三百億円という贈与は御不満であろうかと存じます。ましてや納税者のお立場に立ってみれば、この問題解決のために租税財源をつぎ込むということについて、割り切れなさをお感じになるということはごもっともなことであろうかと存じます。  要は、この住専問題、六兆四千百億という処理を要すべき損失を、国民経済全体のために一日も早く関係者の間で処理をする努力をしていくという、いわばそれぞれのお立場の方々が最大限の我慢をし妥協をしていただくということがこの問題の本質であるという意味におきまして、この問題を議論する過程におきましても、当時の武村大蔵大臣とも何回かお話を申し上げたのでございますが、いわゆる予算折衝、ある財源を何かの支出に振り向ける、割り振り、プラスの割り振りの問題ではなくてマイナスの割り振りの問題を皆さんに御納得いただくということがいかに難しく、またこれは、政府が決めるということでなくて、当事者に御納得いただかなければ答えが出ない問題として、大変に重い課題であるということを痛感してまいったところでございます。  今日、関係各位の御理解を得べく私どもさらに努力を続けなければならないと存じますが、今御指摘のように、私どもも、もともとこの問題は大変な難問であるということを痛感しておるところでございます。

青木宏之新進党

○青木委員 ちょっと先を急ぎますけれども、要は、今、この処理方法については、これは結局、まだこれから議論しますけれども、やや水かけ論的なところもあるなと思って見ておるのですね。やはり、当然のことながら確信を持ってお出しになってみえるわけでありますし、まあ冗談半分に言えば、ああ言えば上祐のような世界にこれはなっておりまして、予算委員会でいろいろ、あるいはこれからも大蔵でやっていくことになると思うのですけれども、我々がこう思う、ああ思うと言っても、そちらからは、いや違うということでは、結局平行線で、なかなか、より前へ進めていこう、よりよきものをつくっていこうというような感じがどうもないのであれなんですけれども、まあそんなことを言っておってもこれは始まりませんから、あと少しくお尋ねするわけですが、要は、どうしてこんなことになってしまったんだということだと思うのですね。やはり、第一原因というかスタートは、これは何といってもバブルにあるわけでありますが、そのバブル発生の主たる原因というのは、まあ一言で言えるかどうか知りませんが、一言で言うと何かということについて、いかがでございましょう。

武藤敏郎大蔵省大臣官房総務審議官

○武藤政府委員 バブル発生の原因というものには非常に複雑なものがあろうかと思いますけれども、一応整理いたしますと、第一には、我が国の経済の先行きに対しまして過度の強気の期待というものが生じたこと、それから第二には、金融機関のリスク管理あるいは自己責任原則といったようなものが不十分のまま金融行動が活発になったこと、第三に、長期にわたりまして金融緩和が継続したといったようなことを背景に、大量の資金が株式、土地の市場に流れ込んだために発生したものというふうに考えております。  その後、この経済の先行きに対します強気の期待といったものが修正されまして、資金の流入が細まることによりましてバブルは崩壊した、このように理解しております。     〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕

青木宏之新進党

○青木委員 そして、正直言って私も、そのさなかでは、こんな世の中が来たのかなというような感じを持っておりました。しかし、私どもの名古屋というところは非常に地味なところでして、結局余りバブルに踊らなかったというところなんですね。今回の系統を見ていただいても、全国最下位ですね、不良債権。そんなようなことで、余り被害がなくてよかったわけですけれども。  企業をやってみえる方でも、そんな周りが大いに踊りまくっているバブルのさなかにも、堅実な経営できちっとやってみえるところもありますし、個人でもあるわけでありますが、そういうものを防げなかったのかということについて、いま一度、これは大蔵ばかりの責任ではないとは思いますけれども、大蔵としては、何とかならなかったのかなということについては、もし御感想というか、ありましたらお聞かせをいただきたいと思います。     〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕

武藤敏郎大蔵省大臣官房総務審議官

○武藤政府委員 いわゆるこのバブルの生成と崩壊といいますのは、マーケットの中で価格の上昇が、ある時点でどんどん急激に低下していくという、いわば市場の必然的な動きというふうに理解される面もあるわけでございまして、いろいろな要因があろうかと思います。そういうものに対して、それを防ぎ得なかったのかというお話でございますけれども、先ほど申し上げました金融機関の活発な金融行動といったようなものに対しまして、大蔵省といたしましても、御承知のとおり、平成二年の三月にはいわゆる総量規制というものを行いました。この効果によりまして地価がだんだん下がっていったというのは御承知のとおりでございますけれども、実はバブルによる地価の上昇というのは、その前から、昭和六十一、二年ごろから発生しております。  大蔵省といたしましては、昭和六十一年の四月と十二月に投棄的な土地取引に係ります融資の排除指導あるいは報告の要請、さらに昭和六十二年の十月には銀行等に対します特別ヒアリング、また平成元年には貸金業者への自粛要請といったようなことも行ってまいりました。そういう当時の状況を踏まえながら、累次の措置はとってきたというふうに考えております。

青木宏之新進党

○青木委員 当然御努力はいろいろされてきたことと思いますけれども、結果的には、なかなか思うようにいかず今日を迎えておるということでありますから、それはそれでやってはきたけれどもいろいろ反省すべき点はお持ちであろうというふうに思うのであります。  今、いろいろ金融機関と接触してやってきたという話でありますけれども、我々の耳にも、本当にこんなやり方があっていいのかなというような、母体行やノンバンク等の乱脈ぶりというか乱脈経営等々も相当うわさとして当時あったわけでありますし、いい意味ではなくして悪い意味の紹介融資というようなものも相当我々の耳にも当時入っておったわけであります。当然大蔵省もそういうことはもう重々耳に入っておるわけでありますから、いろいろおやりになってきたとは思うのですけれども、結果はこうであったということについては、今の総量規制にしてもそうでありますけれども、それはそれで、当時の世論、地価を抑制するというようなことからすれば妥当な政策かもしれませんけれども、それが完璧を期せられていなかった。やはり住専が抜け道になっておった、あるいは系統系がそちらへなだれ込んでいくということも放置されておったというようなところが今日を迎えておるというふうに思うわけでありますから、大いにそういう点はいろいろ反省をしていただかなければならぬというふうに思うのであります。  一つそこでありますのが、他省庁もそうでありますけれども、天下りという問題。やっぱりこれは考えなきゃいかぬ、非常に考えなければいかない。特に大蔵省は、金融機関の今回迎えておる影響の大きさということから、こういう異常といいますか非常手段がとられているというわけでありますから、その中に、現職が事を指導したり何か政策を実行しようとしておるのに現場は先輩がおるというようなことでは、具体的例を挙げてもいいですけれども、例えば、調査をしよう、あるいは実態を解明しようとしてもそれがはねのけられる、拒否されるというようなことも現にあったわけでありますから、やはりこれはこの際大いに考えていただかなければいかぬというふうに思いますが、その点について、これは大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 指導監督の任に当たる行政官庁と業界との間には、必要な距離と緊張感が絶えず確保されていなければならないと思っております。  ただ、憲法や制度としてございます人事院の取り決めなどに照らしての、公務員が民間の企業に転出いたします場合のあり方というものも、個人の転職の、職業選択の自由の問題がございますから、それらの問題については配慮しなければならないと思いますけれども、やはり、最初に申し上げましたように、行政官庁と指導監督をいたします業界との間には、適正な、毅然とした節度が必要だと考えております。

青木宏之新進党

○青木委員 ぜひ今後を見さしていただきたいと思います。  さて、残りも余り時間がなくなりましたので急ぎますが、これまた議論されてきたところでありますけれども、もう一度指摘をし、お答えをいただきたいと思うのでありますが、先ほど来の議論にもやはり大臣がおっしゃってみえましたが、とにかく今回の提案しておる処方せんが喫緊であり、これしかないんだというような確信をお示しになっておるわけでありますけれども、この住専は、今さら言うまでもなく、政府の公表されておるものからしても全不良債権問題の四分の一——我々としてはそんなものじゃない、単なる氷山の一角だと。  氷山の一角というのはこれは一割ですから十倍だというふうに思うのでありますけれども、まあいろいろ言われておりますが、だから、この今の住専処理が早く実行に移されていけばそういう不良債権問題はもう一気に片づくんだ、そして景気回復もこれはもう目に見えてあらわれてくるんだ、こういうような議論がしきりにされておるわけでありますけれども、私は本当にこの点はとてもそうは思えない。非常に不確定な、将来見通しの甘いこれは処方せんだというふうに考えております。  また、スキーム等につきましては後日委員会で機会を持たさしていただきたいと思いますけれども、そういう意味で、これは一点だけお伺いしますが、住専処理策が早くきちっとされればもういわゆる不良債権問題は片がつくんだと、もうあすは明るさがすぐ出てくるんだということなのかどうか。お答えをひとつお聞かせをいただきたいと思います。

久保亘社会民主党・護憲連合大蔵大臣

○久保国務大臣 今お話がございましたように、この問題は、この処理方針が決まって六千八百五十億の支出並びに出資があればすべて簡単にうまくいくというようなものではないと私は思っております。全体の今までの経緯を考えてまいりますと、極めて重症の段階でこの問題の処理に取り組むことになったと思っております。それだけに、これさえ決めれば、決めたことによって景気もよくなり不良債権問題も直ちに片がつくというようなものではない、非常に厳しい取り組みを求められるものだと考えております。

青木宏之新進党

○青木委員 そこで、これも議論のあったところでありますけれども、要するに心配しておりますのは、一つには、大蔵省がきちっと調査をされて債権を四分類にされて、第一、第二はこれはまあほぼ大丈夫だろうというような見通しを立ててやってみえると思うんですけれども、果たして本当にそうなのかどうか。まあ疑って悪いのですけれども、何しろ相手が住専のことでありますから、やはり粉飾がいろいろ言われておるようにあったとかあるとかということもありますし、大蔵省の調査に間違いないとは思うのでありますけれども、国民の側としては、果たして本当にそうなのかと。第一、第二も、まあ第一はいいかもしれませんが、第二の方はこれはロスになってくるんじゃないかなという、ロスというか、もう実体が健全ではないというものじゃないかなという懸念が一つある。  それからもう一つは、やはり一次、二次に分けられてやるわけでありますけれども、二次ロスの方もこれは果たして計算したとおりで済むのかなと。これも議論のあるところでありますけれども、私はやはり非常にこれが見通しが甘いというか、不安定な積算だなというような気がしてならないんですね。  それからもう一つ。それがかかわってくるんですけれども、結局この処理スキームでどんどん強力におやりになるということですから、強力にこれをやって、もし成立をしてやるとすれば大いにやっていただかなければなりませんけれども、そうしますと、これは皮肉なことにそのほかの住専以外のノンバンクに途端に影響を及ぼすわけですね。これは、大口融資先が住専とそのほかノンバンクと同じところだというところが結構あるわけでありますから、住専処理の方をしっかりしっかりやればやるほど途端にそっちのノンバンクにもろに影響が来る。ノンバンクに影響が来れば、当然母体行等に即、これ、系統系もかなりもううわざというか話も出ておるわけでありますから、すぐ影響は来る。これはまあ皮肉というか、なかなかこれは大変だな、そういう意味で、  それからもう一つあることは、果たして地価がどうなのかという問題。私は、地価というのはちょっと上がる気配はないぞという考えを持っておるんですけれども、むしろ都市部ではなおなお相当下がる気配があるというような、いろいろな資料から考えられるわけですね。そうすると、不良債権額も膨らんでしまう等々これはいろいろ要素はあるんですけれども、相当二次分が不確定要素があり、不安定要素があり、ロスの拡大要素があるという気がして、今回の処理で果たして大丈夫かなと。  そうするとその二次ロスには、政府の方では半分は税金でというようなことをお決めになっているわけですから、半分がどんどん膨らんでくるわけですので、これが、六千億が一兆にも二兆にもなってくる可能性は十分あるわけですので、そう簡単にこれはオーケーと言うわけにはなかなかいかない部分があろうという感じがするわけでありますが、その辺についてのいま一度確信といいますか、相当程度の確信を持たれて御提案を当然されていると思いますので、いま一度その辺をお聞かせいただきたいと思います。そういう心配が果たして杞憂なのかなという国民の不安に答えるという意味でお答えをいただきたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 御指摘のように、今後、この住専処理に関して、損失がどのように出るかということと地価の動向の関係は、私どもといたしましても細心の注意を払っていかなければならないところだと思っております。ただ、私どもは、今回の六兆四千百億という損失を見込みますに際しましては、昨年の八月の時点におきます最新の地価のデータを使って慎重に見積もったところでございまして、今後ともその点については注意を払ってまいりたいとは思っておりますけれども、今の段階でこの見込みを変えるということは考えておりません。  なお、いわゆる二次ロスの問題でございますが、私たちは、今回の処理策の一つの大きなねらいというものは、このまま七つの住専を放置しておくならばどんどんと不良化しロス化していくという可能性のある債権を何とか歯どめをつけて防がなければならない、今回の処理方策においては、預金保険機構と住専処理機構が一体となった強力な回収体制を構築することによってこのことを行わなければいけないというねらいがあるわけでございます。具体的には、住専処理機構は破産法、民事執行法等に基づく法的措置を含むあらゆる回収手段を迅速、的確に用いていくこととするとともに、悪質な回収困難事案につきましては、預金保険機構がみずから回収することとする等、全力を挙げることとして、追加的な損失負担が生じないよう配慮しているところでございます。  最後に、ノンバンクとの関連でございますが、御指摘のように、また先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、住専問題の処理によってすべての不良債権問題が片づくわけでは毛頭ございません。むしろ、住専問題を処理するということによりまして、今まで不良債権の処理を前へ進められなかった障害物、大きな障害物を取り除くことによって、今後ノンバンクをも含めました不良債権問題の処理の促進を図ってまいりたいということでございます。  そういう意味におきましては、このノンバンクへの影響というものは大変細心の注意を払わなければいけないことではございますが、しかしながら、他方においては、そのことこそ不良債権の処理のために必要なことだという認識で取り組んでまいりたいと考えております。

青木宏之新進党

○青木委員 最後の方で細かい問題、一点でありますが、この処理策を御決定された後も住専による新規の貸し出しがされておるんだということですが、七社で合計八十二億。何千億だ何兆だという話からすればわずかなものだという言い方ができるかもしれませんが、言ってみれば、もうあなた終わりよと言われておるところがなお貸し出しをしてみえるというのはどう考えたらいいのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 住専七社は、この処理策をお認めいただくことになりますれば、整理されることとなるわけでございます。しかしながら、現段階におきましては、七社とも生きている組織でございます。したがいまして、最小限度、もとより新たにロスを拡大するような融資の取り組みについては全くそういうことを行わないという前提ではございますけれども、適正な審査を行った上で、最小限度の対応というものはやむを得ないものと考えております。

青木宏之新進党

○青木委員 いよいよ時間がありませんが、また何遍も申し上げますけれども、またの機会にもう少し突っ込んでいろいろ議論させていただきたいと思いますが、この住専、上場しているところもあるので株価を見たら、三十円だとか二十八円だとかという株価なんですね。そんなものがいまだに生きておるのですよ。おっしゃるとおり生きておるのですよ。買おうと思えば買えるわけですよ。何かやはりおかしいですね。理屈は理屈ですが、やはり現実はおかしい。こういうことについてはまた機会を新たにします。  最後に、最初に申し上げたのでありますけれども、いろいろ歴史も長いことでありますし、確かに異常事態だということはわかるわけでありますから、何とかしなければならぬということなのでありますけれども、ただ、本当に何か今回の処理はちょっと唐突だなというか、説明不足だなというか、拙速だなというかという感じがするのですね。やはりもう少し議論があって、国民がよく、もう少し理解をされるような、消費税のときもあるいは売上税とかそういうときもそうでありましたけれども、大事なことでやらなければならぬことはよくわかるのですけれども、やはりもう少し時間をかけてやっていくということからしますと、私どもは違う考えを持っておるわけであります。  やはり最後に、どうしてもこの予算から六千八百五十億というものは削除をしていただいて、もう少し時間をかけて議論を深めて国民に納得してもらって、やるならやるというふうにしていきたいという考えを申し述べまして、質問を終わります。ありがとうございました。

久間章生自由民主党

○久間委員長 次回は、明二十一日水曜日午後五時五十分理事会、午後六時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後九時三十七分散会

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