大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1996/02/14
会議録
○久間委員長 これより会議を開きます。 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 財政金融の基本施策について、大蔵大臣の所信を聴取いたします。久保大蔵大臣。
○久保国務大臣 今後における財政金融政策の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 まず、最近の内外経済情勢について申し上げます。 我が国経済の現状を見ますと、設備投資や住宅投資、生産などに明るい動きが見られ、景気には緩やかながら再び回復の動きが見られ始めているところであります。一方、世界経済は全体として拡大基調を維持しております。 私は、今後の財政金融政策の運営に当たり、このような最近の内外経済情勢を踏まえ、以下に申し述べる諸課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。 第一の課題は、景気回復を一日も早く確実なものとすることであります。 政府としては、これまで経済運営には万全を期してきたところでありますが、このところの景気回復の動きを確実なものとするため、引き続き適切かつ機動的な経済運営に努めてまいります。 八年度予算編成においても、我が国の現下の経済情勢を踏まえ、異例に厳しい財政事情のもとではありますが、公共投資の着実な推進を図るとともに、我が国経済の中長期的な安定成長に向けて、経済の構造改革の実現のための措置を実施することとしております。さらに、八年度税制改正において、七年度と同規模の所得税、個人住民税の特別減税を継続して実施するほか、土地税制、証券税制等についても適切な対応を図ることとしております。 金融面では、昨年九月の公定歩合の引き下げを含めた累次にわたる金融緩和措置の実施により、各種金利は依然として低い水準にあり、今後とも、その効果を見守ってまいる所存であります。 最近の為替相場の動向につきましては、一連のG7蔵相・中央銀行総裁会議における合意に基づいた各国の協調等により、円高是正が進んできております。今後とも、為替市場において関係各国と緊密に協力してまいりたいと考えております。 第二の課題は、財政改革の推進であります。 我が国財政は、昭和五十年度以降十五年間にわたり多額の特例公債の発行を余儀なくされてきましたが、平成二年度予算において、特例公債の発行を回避することができました。その後、バブル経済の崩壊とともに、税収が減少し続けるというかつてない状況となりましたが、各年度の予算編成においては、何とか償還財源の手当てのない特例公債の発行を回避してまいりました。 しかしながら、八年度予算編成に当たっては、税収が七年度当初予算で見込んだ水準をさらに二兆円以上も下回る見込みとなる一方、これまでのさまざまな工夫も限界に突き当たり、多額の特例公債を発行せざるを得ない容易ならざる事態に立ち至りました。 他方、経済情勢の変動に対しては、財政として可能な限りの対応をしてきた結果、近年公債残高は急増し、八年度末には約二百四十一兆円に達する見込みであります。単年度で見ましても、八年度予算の公債発行額は二十一兆円にも上り、公債依存度は二八%と極めて高いものとなっております。こうした事態が今後も続くようなこととなれば、高齢化の進展や国際的責任の増大など社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応することは困難となり、我が国経済社会の発展にとって重大な支障となりかねません。 今後の財政運営においては、容易ならざる財政事情を厳しく受けとめ、できるだけ速やかに健全な財政体質をつくり上げていくことが基本的課題であります。そのためには、中長期的観点から行財政が果たすべき役割や守備範囲を見直していくことが必要となりますが、その過程で国民に痛みを分かち合っていただくことをお願いせざるを得ないことも考えられます。八年度予算は、特例公債を含む多額の公債発行という財政の厳しい実情を直截にお示しする姿となりましたが、これを地ならしとして、各位の一層の御理解と御協力を仰ぎつつ、新たな財政改革への歩みを進めてまいり たいと考えております。 第三の課題は、税制上の諸課題に適切に対応することであります。 平成六年十一月に成立した税制改革関連法においては、消費税と地方消費税を合わせた税率は、既に先行して実施している所得税、個人住民税の負担軽減とおおむね見合う形で九年四月一日から五%とすることが法定されているほか、いわゆる検討条項が盛り込まれております。今後、本年九月末という法律上の期限を勘案して、この税率について新たに法改正を要するかどうか検討を進めていく必要があります。さらに、法人課税などの諸課題についても、その検討に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 第四の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。 我が国としては、世界経済のインフレなき持続的成長の強化を目指して、G7蔵相・中央銀行総裁会議等を通じた政策協調を進めてまいります。また、我が国は、WTO、APEC等の場を通じ、多角的自由貿易体制の維持強化に積極的に取り組んでおります。本年三月には議長国として第三回APEC蔵相会議を開催し、マクロ経済や資金フローの問題等につき協議を行うこととしております。 関税制度につきましては、一層の市場アクセスの改善を図る等の観点から、ウルグアイ・ラウンド関税引き下げの前倒しなどの関税率等の改正を行うこととしております。 第五の課題は、金融システムの安定性の確保と証券市場の活性化を図ることであります。 金融は、経済活動に必要な資金の供給という、経済全体にとっていわば動脈とも言える役割を担っており、健全で活力ある金融システムは、我が国経済の持続的発展のための不可欠の前提であります。こうした観点から、金融機関の不良債権問題につきましては、預金者保護、信用秩序の維持に最大限の努力を払いつつ、引き続き果断に対応し、できるだけ早期に本問題の解決が図られるよう全力を挙げて取り組んでまいります。 住宅金融専門会社をめぐる問題は、金融機関の不良債権問題における象徴的かつ喫緊の課題であります。この問題の処理に当たっては、住専からの資産等を引き継ぐために設立する住専処理機構に資金援助等を行う預金保険機構に設ける住専勘定に対して、財政資金六千八百五十億円を支出することといたしました。また、住専処理機構において引き継いだ資産に係る損失が万一生じた場合には、適切な財政措置を講ずることとしております。これらの財政措置は、住専問題の早期処理により、我が国金融システムの安定性とそれに対する内外からの信頼を確保し、預金者保護に資するとともに、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せるため不可欠であり、やむを得ないものと決断したところであります。 住専問題の処理に当たっては、透明性の確保とともに、住専の経営責任を初め種々の責任の明確化等を図り、国民各位の御理解を得るよう全力を尽くしてまいります。このため、積極的な情報開示に努めてきており、先般、国会より議院証言法に基づき提出要求のあった住専七社に対する過去二回の調査結果及び上位貸付先実名リスト等について、内閣の承認を経て提出したところであります。 また、借り手の返済責任につきましては、預金保険機構の指導のもと、住専処理機構が、過去の取引経緯、関係者の利害等にとらわれることなく、法律上認められているあらゆる回収手段を迅速かつ的確に用いることとし、特に、悪質な回収困難事案に対しては、預金保険機構が罰則で担保された財産調査権により調査するとともに、みずから回収するなど強力な体制を整備することとしております。なお、借り手、貸し手に限らず、その他の関係者についても、違法行為に対しては厳正に対処していく必要があると考えます。 さらに、過去の金融政策や金融検査・監督のあり方を総点検し、今後、金融機関における自己責任原則の徹底を図るとともに、市場規律が十分に発揮される透明性の高い、新しい金融システムを早急に構築していく必要があり、ディスクロージャーの促進、早期是正措置の導入や検査・モニタリングの充実を図るほか、破綻処理手続の整備、預金保険制度の拡充等を進めてまいります。 以上の不良債権問題の早期解決と新しい金融システムの構築については、昨年十二月の金融制度調査会答申も踏まえ、先日国会に提出いたしました特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案のほか、所要の法律案を今国会に提出することとしております。 次に、証券市場の活性化につきましては、市場が本来の機能を発揮する上で必要な環境整備を図ることが責務であるとの考えに立ち、昨年末には、証券界からのヒアリングを踏まえた規制緩和措置を公表いたしました。また、八年度税制改正において有価証券取引税の軽減措置等を講ずることとし、本年一月からは社債の適債基準の撤廃等を行いました。引き続き一層の証券市場の活性化に努めてまいる所存であります。 次に、平成八年度予算の大要について御説明いたします。 八年度予算は、徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた財源の中で資金の重点的、効率的な配分に努め、質的な充実に配意することとし、厳しい財政事情の中にあって、豊かで活力ある経済社会の構築等のために真に必要な経費の確保に努めたものとなっております。 歳出面につきましては、一般歳出の規模は四十三兆一千四百九億円、前年度当初予算に対し二・四%の増加と抑制されたものとなっております。国債費は、定率繰り入れの実施などの結果、十六兆三千七百五十二億円となっております。これらに、地方交付税交付金、緊急金融安定化資金等を加えた一般会計予算規模は七十五兆一千四十九億円となっております。 次に、歳入面について申し述べます。 税制につきましては、当面の経済状況等を踏まえ、平成八年においても所得税の特別減税を継続して実施するとともに、土地税制等について適切な対応を図る一方、公益法人等に対する課税の適正化、租税特別措置の整理合理化その他所要の措置を講ずることとしております。 公債につきましては、発行予定額を二十一兆二百九十億円としております、その内訳は、建設公債が九兆三百十億円、特例公債が、いわゆる減税特例公債を含め十一兆九千九百八十億円となっております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は四十七兆五千九百億円となっております。 財政投融資計画につきましては、対象機関の事業内容等を厳しく見直すとともに、国民生活の質の向上等各般の政策的要請に的確に対応していくとの考え方に立ち、住宅建設、地域の活性化等の分野を中心に一層の重点的、効率的な資金配分を図っております。 この結果、一般財投の規模は四十兆五千三百三十七億円、前年度に対し〇・七%の増加となっております。また、資金運用事業を加えた財政投融資計画の総額は四十九兆一千二百四十七億円、前年度に対し一・九%の増加となっております。 なお、国債の円滑な消化に資するため、その引き受けについて資金運用部資金を積極的に活用することとしております。 この機会に、平成七年度補正予算(第3号)について一言申し述べます。 七年度一般会計補正予算(第3号)につきましては、歳入面では、最近までの収入実績等を勘案して租税及び印紙収入の減収を見込む一方、特例公債の発行等を行うとともに、歳出面では、地方交付税交付金の減額等を行うこととしております。 以上によりまして、七年度一般会計第三次補正後予算の総額は、第二次補正後予算に対し、歳入歳出とも一兆四十四億円減少し、七十八兆三百四十億円となっております。 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。 なお、既に本国会に提出したものを含め、御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関 係の法律案は、平成七年度補正予算(第3号)に関連するもの一件、平成八年度予算に関連するもの五件、その他四件、合計十件であります。今後、提出法律案の内容につきましては逐次御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。(拍手) ————◇—————
○久間委員長 次に、内閣提出、平成七年度における租税収入の減少を補うための公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。久保大蔵大臣。 ————————————— 平成七年度における租税収入の減少を補うため の公債の発行の特例に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○久保国務大臣 ただいま議題となりました平成七年度における租税収入の減少を補うための公債の発行の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 今般、平成七年度補正予算(第3号)を提出し、御審議をお願いしておりますが、当該補正予算において、七年度の租税収入は、第一次補正後予算額から大幅に減少し、六年度の租税収入を下回って、五年連続の対前年度減収になると見込まれております。この租税収入の減少を補うため、七年度における公債の発行の特例に関する措置を定める必要があり、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 本法律案では、財政法第四条第一項ただし書きの規定等による公債のほか、七年度の一般会計補正予算(第3号)において見込まれる租税収入の減少を補うため、当該補正予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができること等としております。 以上が、平成七年度における租税収入の減少を補うための公債の発行の特例に関する法律案の提案の理由及びその内容であります。何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○久間委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○久間委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田清司君。
○上田(清)委員 新進党の上田清司でございます。第三次補正特例公債法について、若干の質疑をさせていただきます。 租税及び印紙収入が合計で二兆九千百二十億減額だということでございますが、この中で、特に所得税で一兆七千七百八十億。その内容について、中小企業の法人税減額が非常に大きいというようなことを実は説明で聞いたのですが、この法人税の九千二十億について、まあ大、中、小企業と、分け方もなかなか難しい部分もあるかと思いますが、とりあえず区別を、数字でわかるのであったらちょっと教えてほしいなと思います。
○薄井政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、当初予算の後に一次の補正をいたしましたが、その一次の補正後の予算額に対しまして二兆九千百二十億円の減額をお願いしているわけでございます。そのうち、源泉所得税関係が一兆一千六十億円、それから申告所得税関係が六千七百二十億円の減額となっております。御指摘の法人税につきましては、九千二十億円の減収となっております。 先ほど申し上げましたように第一次補正後で比較いたしますと、そのほとんどが、中小法人関係の収益回復が芳しくないということから落ち込むと見込んだものでございます。
○上田(清)委員 それは聞いておりますので、全額そうなんですか。中小企業なんですか。それとも大企業も入っているのですか。
○薄井政府委員 私ども、当初予算で見込みましたときの数字、そして一次補正で直しました数字、それとの比較で申し上げますと、中小法人部分がこの九千二十億円のほとんどであるということでございます。
○上田(清)委員 ほとんどという解釈ですね。特に、九割であるとか、そういうのはできないのですか。
○薄井政府委員 税収の見積もりと申しますのはあくまでも見積もりでございまして、例えば法人税の場合ですと、大企業につきましてはヒアリングをいたします。その積み上げ等によって最終的にどのぐらいになるかを私ども見積もるわけでございますが、当初、一次補正後の数字が確保できるものと私どもは見ておりますので、むしろ中小法人の部分がすべてと考えていただいて結構でございます。
○上田(清)委員 そこで、三次補正で消費税の減額が二千三百二十億ということでありますが、私の記憶するところでは、消費税が導入されて以来、金額が減額されたのは初めてではないかというふうに思いますが、これは間違いありませんか。
○薄井政府委員 消費税の動向について申し上げますと、今回の補正では二千三百二十億円の減額をお願いするわけでございます。この数字は、先ほど申し上げましたように第一次補正後に対してこれだけ減額させていただくわけでございまして、平成六年度の決算に比べますと伸びているということで、そういう意味では、税収が落ちているという意味が、当初予算あるいは一次補正後に対して落ちているということでございまして、平成六年度に消費税は五兆六千三百十五億円入っておりますが、これに対しては、少々ではございますが今回も伸びているということでございます。
○上田(清)委員 わかりました。それは確かに全体としては伸びているということですが、三次補正で減額をせざるを得なかったということに関しては、過去の補正で減額というのは初めてじゃないかというふうに承っておりますが、それはどうでしょうか。
○薄井政府委員 お答えいたします。 震災関係で落としたことはございますが、そういう大きな事故、事件以外では初めてということでございます。
○上田(清)委員 そこで、ちょっとやはり気になるのが、経済企画庁の九四年度の国民経済計算で、純受取財産所得の家計部門が前年度マイナス四兆八千億。比べて、銀行がプラスの三兆、企業がプラスの一兆九千億。これを足し算するとちょうど四兆八千億と四兆九千億で、所得移転が完全に家計から企業、金融に移っているというこの原因を、まあいろんな見方もございますが、このところの公定歩合引き下げに基づくところの低金利政策による預貯金の目減りというのが大きな原因になっているのではないか。 先ほど、中小企業の法人税の減退というんでしょうか減少というのも、実は景気対策そのものが必ずしも効果を上げてなくて、むしろ家計にしわ寄せが来るような形で、総枠で景気対策になっていない。むしろ大企業と一部の金融機関が優遇される形の中で行われているのではないかというふうに私は概略的に考えざるを得ないんですが、この点について、大蔵大臣いかがですか。私のとりあえずの感想なんですが、大臣としても感想を述べていただければと思います。
○久保国務大臣 ただいま御指摘のありましたような感じといいますか、今数字をお挙げになりましたことがすべて所得の移転ということであるかどうかは私が今ここで断言することはできませんけれども、そういう傾向があって、この低金利政策が国民生活の上に影響を及ぼしているということは御指摘のとおりだと思います。
○上田(清)委員 そこで、今回、住専のスキームで再三再四大臣は、金融システムの安定と預金者の保護だということになってきますと、必ずしも我々はそういうふうに思わないという立場で既に予算委員会で質疑をさせていただきました。このスキームについて若干、関連してくる部分がたく さんありますので、改めて質疑をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、一次損失分で、母体行に三兆五千億債権放棄、あるいは一般行で一兆七千億債権放棄等々ございますが、これは正式な意味でそれぞれの母体行、一般行に了承をいただいているんでしょうか。
○西村政府委員 関係金融機関に対する住専向け債権の放棄の要請については、最終的には各住専ごとの処理計画策定の過程で各銀行において決定されるものでございますが、現段階で、基本的な枠組みにつきましては関係金融機関の間でおおむね了解が得られているところでございます。
○上田(清)委員 それでは、各関係機関というんですが、すべて代表者の確認はとれているんでしょうか。
○西村政府委員 先ほど申し上げましたように、最終的には、各住専の処理計画策定の過程でそれぞれの機関ごとに取締役会等の決議をするということになるわけでございますが、現段階においてはそこまでには至っておりませんけれども、関係金融機関の間で基本線について了解を得られているというふうに理解をしております。
○上田(清)委員 根本の問題を承りたいんですが、各銀行経営者には一般預金者もいたりまた株主もおられるわけですが、この住専処理機構においてさまざまな整理をしていくスキームの中で、正式な意味で本当に了解もなしにこの法案策定をされて、もし一行でも、嫌だ、破産した方が早いやと破産申請をするかもしれない、そういうときにこれはどうなるんでしょうか。
○西村政府委員 先ほども申し上げましたように、関係金融機関の間で基本線について合意を得られていると私どもは理解をしておりますので、法案についても、現行のような枠組みについては御理解をいただけるものと考えております。
○上田(清)委員 それはわかっているんです。もう再三再四言っておられますので、何度も同じことを言わなくても、私も耳はいい方なので大丈夫なんですが、そうじゃなくて、仮に一社でも嫌だというような話をなされたときにどういう対処の仕方を考えておられるのか。
○西村政府委員 繰り返しで恐縮でございますけれども、私どもとしては基本線について既に理解が得られているところと考えておりますので、そのような関係者の間で反対をされるようなところはないと理解をしております。 具体的な手続といたしましては、各住専ごとに処理計画をおつくりいただきまして、その合意の整ったところから住専処理機構に債権を譲り渡していただくというような手続になっているわけでございます。
○上田(清)委員 それでは、その実施計画のスケジュールというのはどんなふうになっているんでしょうか。
○西村政府委員 できるだけ早く予算及び法律の御審議をいただきまして、そういう枠組みが整いましたところで、私どもとしては一日も早くこの処理を進めてまいりたいと考えております。関係金融機関の間で処理計画の策定という作業が進むことになろうかと存じます。
○上田(清)委員 御承知と思いますが、この六千八百五十億という公のお金を投入することに関して大変国民の批判が強いということはよくわかっておられると思います。 金額についても、我々は何となく、国債残高が二百四十兆を超える、あるいは不良債権、銀行、金融機関関係が四十兆だとか、何か一説によれば、全部含めるとアメリカあたりの指摘では百四十兆だとかという、そういう大きな数字に麻痺しつつあるのですが、実は、この金額は栃木県や群馬県の県庁全体の一般会計に匹敵し、その中で職員や教職員や、あるいはまたさまざまな事業を通じて県民の多くの人たちがそれで食べていると言っても決して過言でない。 あるいは、国の予算の中で関係省庁で類似の予算額を確認しますと、科学技術庁あたりの予算とほぼ匹敵する、大変金額が大きいというふうに思っているわけでありまして、安易に、あいまいもことしたスケジュール等々を言われて、本当にこの処理ができるのだろうかという、むしろ、このこと自体は大変問題があるということを前提にしているのですが、それ以上に、一行でも嫌だという話をしたときに果たしてこのスキームそのものが成るのかという不安で私はまず申し上げておりますので、例えばいつごろ一応予算は通過する、あるいはその通過することを前提にしながらも、各行とあるいは住専関係との打ち合わせばどんなふうな形で大蔵省挙げてなされているのか、もう少し具体的にお話ができないのでしょうか。
○西村政府委員 私どもといたしましては、国会における予算及び法律の御審議というものの状況を見守りつつ、他方におきまして、処理計画の策定に関する関係金融機関との具体的な作業を進めてまいりたいと考えております。今もその基礎的な問題について逐次話し合いを進めつつあるところでございます。
○上田(清)委員 それでは、ちょっと視点を変えてというよりも、第二次損失分の処理について、金額についてはある意味でははっきりわからない、ただ何となく一兆二、三千億になるのではないか、とにかく二分の一は間違いなく公的に負担いたしますということを明確にされたわけですが、これは、本当に金額を明らかにしないで各銀行が、あるいは関係金融機関が納得するのでしょうか、第二次処理案についても。
○西村政府委員 まず、いわゆる第二次損失と言われておるものにつきましては、新たに設立されます住専処理機構が買い取った債権等につきまして、法律上認められているあらゆる回収手段を迅速的確に用いることにより強力な債権回収を図りまして、現在以上の損失が生じないよう極力努力をしてまいるということを前提に考えておるわけでございます。このため、今回御提案申し上げております法案の中におきましても、債権回収のための強力な手段をいろいろとお願いをしておるわけでございます。 そうした回収努力を行った上でなお万一将来損失が生じた場合のことについて、いわゆる二次ロスの処理ということで御提案を申し上げておるわけでございまして、この点に関しましては、民間の関係者との間でも預金保険機構内に約一兆円の基金を新設する等の方策について大筋について合意が得られているということでございます。
○上田(清)委員 それも、母体銀行以下一般行、二次処理案のときに個別に、全部で何行あるかついでに聞いてみたいのですが、全部確認したのですか。
○西村政府委員 ただいま大筋についてと申し上げましたのは、非常に細かい計数、個々の機関の負担分についての個々の計数について完全な協議が終わっていないということでございますけれども、関係金融機関との間においては基本的な枠組みについては御了承を得ておると考えております。
○上田(清)委員 それでは、ちょっと数字の確認をさせてください。母体行と一般行、全部でそれぞれ何行でしょうか、あるいはまた銀行以外の金融機関もあると思いますが、それも含めて教えてください。
○西村政府委員 いわゆる母体行と言われておりますものは百六十八でございますけれども、そのほか、貸し手の金融機関としては全体で三百行がございます。
○上田(清)委員 それでは、この母体行百六十八行あるいは一般行の三百、それぞれ責任ある人たちに二次処理でこうですよというお話は本当にされたのですか。
○西村政府委員 ただいま申し上げました三百という数字は、母体行も含めての数字でございますけれども、私ども通常、こういうお話を進めます場合には、全員ということではなくて代表される方々とお話をすることにしております。今回のお話も、それぞれの住専を代表されるようなお立場の方々を通じて協議を進め、基本的な枠組みについて会員の方々を代表して御了承をいただいてい る、こういうことでございます。
○上田(清)委員 西村局長、大変連日御苦労をされておることはよくわかるのですが、再三再四申し上げますが、大変な金額なんですね、これが。そしてまた、その後に第二次処理でさらに仮に六千億、ひょっとしたら回収見込みの部分が意に反して全然回収できなくて、事と場合によっては二兆円だって負担しなければいけないようなことだってあり得るということを考えざるを得ないわけですよ。コスモのときも二十四億だったのがいつの間にか二千億、兵庫銀行も六百七十億とか言っていたら七千億、ずっとそうなんですよ、実際出てきたら。 そういうことを懸念するがゆえにこのお話を確認させてもらっているのですけれども、あなた方がやるこういうスキームづくりは財団法人などをつくるときと同じじゃないですか。勝手に関係のある企業関係に大体このくらいだったら担当できるんだろうといって金額を提示して出資させる、それと同じようなことをやっていないですか。 それでは、代表される方々の名前とその銀行の名前を言ってください。
○西村政府委員 御指摘のように、今回の処理方策は大変に膨大な金額にわたるものであり、また個々の金融機関にとってはその処理のいかんが存立にかかわる重要な問題でございます。したがいまして、私どもはこの問題を昨年の暮れに最終的な詰めを行いましたが、それ以前におきましても長い期間をかけまして関係者との間で意見の交換をしてきたわけでございます。決して年末に急に決まった話ではございませんで、具体的な検討のスケジュールに入りました段階といたしましても、昨年の六月以降、与党のプロジェクトチームあるいは金融制度調査会というような場において関係者の間で議論が進んでまいったわけでございます。 その最終的な段階におきましてこのような形で御提案をいたしましたわけでございますが、各住専の母体行を代表されましてこのお話の窓口に当たりましたところは、例えば日本住宅金融につきましては三和銀行であり、あるいは日本ハウジングローンについては日本興業銀行であり、住宅ローンサービスについては第一勧業銀行であり、そのような状況でございます。
○上田(清)委員 それはいずれも非常に体力のある、同じ企業といっても、母体行といっても、体力のある、ある意味では優良な銀行、金融機関でありますけれども、そうじゃないところも当然あるわけであります。特に一般行等は違う部分がありまして、そういう、本来ならば、住専に出資もしていないし貸し出しも行っていない、関係のないところも当然あると思いますが、そういう出資もしていない、それから貸し出しもしていないという一般行は、この三百の中にどのぐらいあるのですか。
○西村政府委員 今、出資も貸し出しもないという御指摘がございましたが、今挙げました三百という銀行あるいは保険会社は、貸し出しを何らかの形でしておるというところでございまして、出資あるいは貸し出しという形を通じて住宅金融専門会社とつながりを持っているところでございます。 なお、今弱いお立場というお話もございましたが、強い弱いというのはなかなか難しいわけでございますけれども、例えば規模が余り大きくないという意味で申しますならば、第二地方銀行協会加盟行というようなところとのお話し合いというものは第二地銀協の会長を通じてお話をしておる、こういうことでございます。
○上田(清)委員 それでは、出資をしていない金融機関、住専に絡む出資をしていないところだけちょっと確認させてください。数だけで結構です。
○西村政府委員 ちょっと数は今確認をいたしますが、例えば、出資はしていない、いわゆる母体ではないけれどもお金を貸しておるというところは、いわゆる系統金融機関のほか、東京銀行とか商工中金あるいは全信連というようなところがございますが、ちょっと数は確認いたしました上でお答えをさせていただきます。
○上田(清)委員 やはりそれは、ぜひいつでも出せるようにしてほしいなという感じが一つあります。 そういう出資をしていなくて貸し出しをしているところで確認作業というのはやっているのですか。先ほど言った第二次処理スキームについての了解というのですか、そういう意味での確認作業は。
○西村政府委員 先ほど数と申し上げましたのは、今確認いたしましたところ、損保会社が二十一、信用金庫等が六、商工中金、ノンバンク等四の合計三十二でございます。 こういうところにつきましても、それぞれの住専の母体行の代表を通じて御意見を伺うというようなことをしておりますし、あるいは組織によりましては、直接御意見をお伺いするというところもございます。
○上田(清)委員 例えば、この二十一の損保の中の代表的なところにお話をされたのですか。
○西村政府委員 損害保険会社につきましては、私ども、直接この全体的な構想として御相談をするということはいたしておりませんで、母体行の代表を通じてそういう方々にも御意見を伺っていると理解をしております。
○上田(清)委員 そうすると、やはり皆さん方がやっているこのスキームというのは、当事者の了解を得ないままに、勝手に金額を決めていくような作業じゃないかなというふうに思わざるを得ないですね。 生命保険会社、御承知のとおり、金融機関としては、「ザ・セイホ」と言われるぐらい、あるいは損保もあるわけですけれども、大変な金融量を誇っておりまして、そういうことから考えれば、当然それぞれの会社に、企業に、何らかの形でこうした二次スキームについても合意を得ていく過程が得られなければいけないと私は思うのですが、なぜこう母体行だけで済むんだという考え方に立つのですか。
○西村政府委員 今、生命保険会社というお尋ねでございましたが、先ほどは損保についてお答えいたしました。 生保につきましては、地銀生保住宅ローンの母体行という立場でもございますので、今回につきましては第一生命でございましたけれども、生保の代表の方を通じて皆さん方の御意見を直接お伺いするような機会がございました。 なお、すべての、三百に上る方々に一つ一つ御意見をお伺いするということが本来望ましいという点も理解できますけれども、時間的な制約もございますし、また、皆様方の間で御相談の上でこの問題に対処するというようなこともございますので、そういう点を勘案いたしまして、今回につきましては主として代表の方を通じてお話し合いをさせていただいている、こういうことでございます。(上田(清)委員「損保からは聞いたのですか」と呼ぶ)先ほど申し上げましたように、損害保険については、母体行の代表を通じて御意見をお伺いしておると理解をいたしております。
○上田(清)委員 損害保険会社もそれ相応に一つの企業体として大変大きな役割を果たしているということを考えれば、母体行を通じてというふうな形に余りならないような気がするのですけれども、それで本当に通じるのですか。一応念のために。
○西村政府委員 私どもといたしましては、関係者の御意見は現段階において十分伺っている、そのような努力をしておると考えております。
○上田(清)委員 それでは、ちょっと論点をまた変えまして、いわゆる一九九三年二月の大蔵、農水の覚書について。 このところ朝日新聞で、当事者でありましたところの武村前大蔵大臣あるいは前総理の村山さんのインタビュー等から、今までの久保大蔵大臣あるいは橋本総理の答弁とちょっと違うニュアンスの話がたくさん出てきておりますので、その辺について、意見が違っているのか、どちらが本当の ことを言っておられるのか、少しお聞きしたいなというふうに思います。 久保大蔵大臣、村山総理は、うっかりか何か正直かわかりませんが、十二月十九日の記者会見の中で、これは農協救済だというようなことをちらっと言われました。それからまた武村大蔵大臣も、いろいろな判断があるのですけれども、読み方にも若干あるのですが、「政府はどうして、はっきり「農協系の取り付け騒ぎを防ぐため」と説明しないのですか。」こういうインタビューに答えて武村前大蔵大臣は、「そういう言い方は、正直で、間違っていないと思う。」こんなことも言われたり、また、最終的には政治的判断で五千三百億の数字を出した、これももう少しやわらかく、ソフトに言えば「大所高所からの総合的な判断」だ。こっちの部分に力点を置けば、大所高所からということですから、いろいろな積み上げもあったし、それぞれあるのだという今までの久保大蔵大臣や、あるいは橋本総理の答弁とつながるものです。 しかし、この前後をずっといくと、何かそうじゃなくて、やはり覚書のスケジュールに沿って五千三百億という農協系統の贈与の金額が決まったというふうにしか思われないようなニュアンスを、村山総理の中身に関しても、「いわゆる政治判断ということですか。」こういう質問に答えて、「それが、全然ないとはいえない。そもそも公的資金導入が、政治判断だ」、こんなこともはっきり言っておられます。それから、「農協系金融機関については大蔵省と農水省が交わした覚書もある。それも無視できないでしょう。それも参考に、この結論になった」と。 こんなことで、答弁の中身が人によって違うというのは当たり前のことでありますが、余りにも開きがあるように思いますが、率直に、久保大蔵大臣として、今までの予算委員会の質問と比べてこのニュアンスの違いというのはどんなふうに受けとめられるか、ちょっと承りたいと思いますが、よろしくお願いします。
○久保国務大臣 武村前大蔵大臣や村山前首相の御発言が新聞で散見されるところでありますが、私も注意深く読ませていただきました。 結局、お二人とも言っておられる根本にあるものは、日本経済の動脈である金融システムに非常な不安が生じている場合に、これを早期に処理をする、そして今までの経緯にかかわる責任は責任としてきちんとしながら、これを速やかに解決しないと大変なことになるぞという点においては、これは上田さんもそんなに意見の相違はないのだと思うのであります。 その中で、結局、調査の結果損失となっている部分については、これを処理することを含めて全体のスキームがつくられないといけないわけであります。そういう中で関係者と協議を行ってきた。その中で、農協系統の金融機関に対しては、その経営の存立のかかるぎりぎりのところで五千三百億という数字が生まれたということは、当然にこの問題を放置した場合に起こってくることを考えればそのことを防ぐわけでありますから、農協系統金融機関の存立や預金者の保護ということが念頭にあって五千三百億という数字は生まれたものだと私は思っております。そういう意味では、武村さんや村山さんがおっしゃっていることに別にそう矛盾はないと思うのであります。 ただ、この公的支出が農協系統金融機関救済のためであるかということになりますと、特定の金融機関救済のためにやられている、公的資金が投入されているという考え方には立っていないわけでありまして、だからそういう意味で、特に住専の経営責任それから母体行の経営責任、こういうものについては厳しく問われなければならないし、住専に対する債務者は十三兆全体にわたって免責されない、こういう立場で処理機構は徹底した回収と責任の追及を行わなければならないという立場でございますから、公的資金導入は農協救済のためか、こういうお尋ねがありますと、そうではないということになるのであります。 しかし、それではこれは農協系統の金融機関を救済することにはならないのかと言われれば、その視点から問われれば、金融システムを守っていくためには当然に農協系統の金融機関は守られなければならないというのは、これは全体を見てまいります場合にそういうことになるのじゃないでしょうか。どの視点から見たかということによって多少発言のニュアンスが違ってくるのはやむを得ないと思っております。
○上田(清)委員 それでは、農協系統の金融機関をなぜ守らなければいけないのですか。今、見方からすれば守ることにもなると言われましたね。農協系統金融機関をある一面守ることにもなると言われましたけれども、なぜ守らなくてはいけないのでしょうか。もし仮に破綻しそうだということだったとすれば。
○久保国務大臣 御質問の意図が私よく理解できないのでありますが、金融機関全体を今の不良債権を処理することによって守ることは、これは預金者の保護につながっていくのであります。ましてや日本農業の今後のことともかかわってくる問題で、農協系統金融機関がこの処理の中で放置されてよいと考える人はいないのではないかと思います。
○上田(清)委員 それは当たり前の話でありまして、自明の理でありまして、農協系統の組合員はちゃんと預金者の保護はされているわけで、また各住専絡みで母体行並びに関係金融機関が仮に破綻したとしても預金保険機構等々で預金者は保護されているのでありまして、それと関係のない話をすぐすりかえでやっておられます。 私どもが言っているのは、仮に破綻しそうな農協系統の金融機関あるいは住専絡みの破綻しそうな金融機関を、なぜ公のお金で救わなければならないのかということについて再三再四お尋ねをしているわけですけれども、今大臣の答弁は、こちらの見方からすれば系統系の金融機関をある一面では救うことになりますという形で言われたのです。はっきり言われたのですよ。だから、なぜなんですかということを改めて聞いているのです。
○久保国務大臣 私が申し上げているのは、金融システムが安定することによって、そして内外の日本の金融システムに対する信頼が確保されることによって守られることになるということを申し上げているのであります。
○上田(清)委員 金融システムを守る方法は違う方法もあるのですね、アプローチの仕方は。むしろこうした形で公のお金をつぎ込むことによって、一体何をねらっていらっしゃるのだろうと私たちは深読みをせざるを得ない。現在は六千八百五十億、第二次処理案では六千億か七千億になるかもしれない。しかし、それ以上に、四十兆にも及ぶという不良債権がある。そういうところに結果的には、同じことですねということで、前にも処理をしていただいたんだ、整理をしていただいたんだから今度もお願いしますという形になりかねない。 もしそうなったら日本の金融システムは一体どうなるんだという、逆の意味での崩壊が始まる。そういう理解をしているから、強くこのスキームに関しては、いろいろな点で問題があります。むしろ日本国民全体の道徳概念すらも覆しかねないというようなすごい危惧を持っているのです。こういう点についてどうですか。
○西村政府委員 今のお尋ねは、恐らく、四十兆とも言われているような不良債権があるというのに、その一部である住専についてなぜ公的資金をつぎ込んでまで対処しなければいけないのか、こういう御趣旨であろうかと存じますが、私ども、今回の住専処理策については二つの考え方があろうかと思います。 一つは、今大臣も御説明申し上げましたように、日本の金融システム、ひいては預金者保護というものに重大なつながりを持つ問題を未然に防止するために今回の措置をとったという側面が一つあろうかと思いますし、もう一つ、ノンバンク的なものとしてはほかにもたくさんあるのに、なぜこの問題について公的資金をつぎ込まなければならないのかというような御疑問であろうかと思 いますが、その点に関しては、住専が、先ほど申し上げましたように、母体行百六十八、関係金融機関三百というような非常に錯綜した権利関係がございまして、これは関係者の意欲と努力だけでは解決ができない、何らかの公的な枠組みの中で対応しなければ解きほぐすことができないような課題である、そういう意味では、いわゆるノンバンクの問題の中でも極めて特殊な課題であるということでこの問題に取り組んだわけでございます。 ちなみに、十二月十九日の政府・与党の申し合わせの中では、住専以外のノンバンクの不良債権については公的関与を行わないということで、この問題との区別をつけておるところでございます。 それから、このような機会に恐縮ですが、さっき三十二と申し上げましたが、それは間違いのない数字でございますが、お尋ねが、出資をしているものでない融資金融機関という意味では、先ほど東銀を挙げましたが、東銀はこの三十二の中に入っておりませんので、東銀を加えて三十三というふうにお考えいただきたいと存じます。
○上田(清)委員 一歩譲って、金融システムの崩壊を防ぐためだという議論はわかりますが、預金者の保護ということに関しては全く認められない。別に預金者を保護するシステムはほかにもあるわけでありまして、なぜそこにつながって、あたかも預金者を保護するから頼みますよという論理を展開されるのか、断じてこれは理解できない話であります。 もう時間が迫ってきておりますので、そこで、最小限度、私はなぜできないかというと、個人の預金保護ではないと思うかというと、もう相当私どもは、事実上、金融機関を救済している。いいですか。去年のレベルでも金融機関の無税償却が四兆六千億、もしこれがそうでなかったらということで、約二兆二、三千億くらいのお金が税金に入っている、国庫に入っているはずなのですね。そうすると、一兆九千億の特例公債を発行しなくても済む、極端なことを言えば。 こんなことも言えるでしょうし、それから、先ほど申し上げました国民経済計算の中で出てきました、前年度に比べて個人の家計の部門が四兆八千億マイナスになっていて金融機関は三兆プラスになっている。あるいは、以前に大蔵委員会でも私質疑しましたように、この五カ年の一千万円と三百万円の定期の目減りを試算させていただきましたけれども、大変な国民経済に対する損失を現に与えている。そういう実態の中で、何をもってこれ以上国民の税金を投入しなくちゃいけないか、その理由が預金者保護であるというところにどうしても納得がいかない。 まあ局長は首をかしげておられますけれども、これが当たり前の論理なのですよ。そちらにいらっしゃるとわからなくなるのかもしれませんけれども、勝手に合意あるいは談合、そして覚書、何一つ法的な仕組みの中で処理をされずに、やたらめったらそういう行政機関の大枠の取引の中で全体の仕組みをつくっていかれるやり方が、どれほどこの問題の処理を複雑にして、そして国民の行政不信、政治不信を生んでいるかということについての反省が全然見られない。 現実に、旧社会党の政審会長である関山さんも一生懸命そういうことを言っておられたわけですよ、本当に。突然また転換されたわけですが、そういう問題を含めて私はこの問題の解決に、もう論議することも甚だ、逆に土俵の中に入ってしまうという問題がありますが、ともあれ、久保大蔵大臣は責任を、いつも明確化を図らなければいけませんということを言っておられますが、一度も明快に具体的に言われたことがないのです。だれが責任をとるのか、それぞれ私に言ってもらいたいと思いますよ。 最小限度、九一年以降に、もう土地が下がりかかってきたときに、掛け目一〇〇%以上で貸し付けを行った住専の貸付責任者や最高責任者あるいはまた紹介融資をした銀行、こういうのも完全にこれから責任を問われるというふうに私は思っておりますが、必ず問われなければいけないと思っていますけれども、どういうレベルの人たちが責任を問われるのか、そういう具体的なイメージを大蔵大臣は考えたことがありますか。 〔委員長退席、大島委員長代理着席〕
○久保国務大臣 あなたも予算委員会にもいらしたので、十分お聞きになったのではないかと思っております。 それで、明確にしてないというようなことはございません。まずは、借り手と言われる住専に対する債務者、この責任は、十三兆全体にわたって徹底的に責任と回収が追及されなければならないということを申し上げてございます。また、このような事態を引き起こしている住専の経営者ももちろんであります。設立から人事、経営に大きな影響、時には支配力を持ってきた母体行の責任も問われなければなりません。また、金融機関としての経営上の責任、貸し手責任という意味では、系統金融機関も責任がないわけではありません。 加えて、今日までこのような事態が深刻になるまで的確な対策を講ずることのできなかった行政の責任、それから政策決定に当たっての政治的責任、これらのものはすべて、これから処理機構を速やかにお認めいただいて、この処理機構が回収を進めることとあわせて徹底的な追及が行われると考えております。
○上田(清)委員 ある意味では初めてに近い形で、それぞれのレベルでの責任のあり方ということを私は初めて承ったような気がいたします。(久保国務大臣「何回も言いましたよ」と呼ぶ)
○大島委員長代理 大蔵大臣、静粛に。
○上田(清)委員 それでは、時間になりましたが、最終的に、責任のとり方について、これは当然それぞれの省庁については責任者がおるわけでありまして、行政だけじゃなくて政治家の責任もやはり問われるというふうに理解をいたしますが、これについてはいかがですか。
○久保国務大臣 今後のこの住専問題の処理に当たって、責任が明確になったものでその責任が問われるべきものについては、差別なく責任が追及されなければならないと思っております。
○上田(清)委員 それは政治家も含めてということの理解でよろしいのでしょうね。(久保国務大臣「そうです」と呼ぶ)一応正式に答弁してください。
○久保国務大臣 問われるべき責任のあるものは区別なくその責任が追及されねばならぬと申し上げているのでありますから、政治家だけが別枠というようなことはあり得ないと思います。
○上田(清)委員 それでは、少し時間が余りますが、次に譲らせていただきます。どうもありがとうございました。
○大島委員長代理 中田宏君。
○中田委員 新進党の中田宏でございます。 今回は、平成七年度の三次予算に伴って、平成七年度における租税収入の減少を補うための公債の発行の特例に関する法律案ということでありますけれども、昨年の十一月十四日に大蔵大臣が、これはおやめになった武村さんでありますけれども、「八年度の財政事情について」という記者会見、これは一般的には財政危機宣言というふうに言われておりますけれども、発令をして、いかに財政が厳しいかということをこれまで言ってこられたわけであります。
○大島委員長代理 質問者、恐縮ですが、少し高い声でお願いします。大きい声で。
○中田委員 マイクが小さいのですね。私背が高いので非常にやりにくいのですけれども、マイクを持てるとありがたいのですけれども、なるべく大きい声でやらせていただきます。 村山政権、そして今橋本政権、橋本政権はまだできたばかりですけれども、行政改革、これはやるやる、こういうふうにかけ声は勇ましいわけでありますけれども、歳出の削減というのはこれはまだ思うようにきちっと出てきていない。平成七年度もそうだったし、平成八年度の次回の予算もそうであります。 今回は赤字国債をまたこれだけ大量に出すわけ でありますけれども、今回の国債の発行、これで、簡単な質問ですが、累計の残高というのは一体幾らですか。
○田波政府委員 国債の発行残高でございますけれども、七年度の補正後で約二百二十二兆円となる見込みでございます。
○中田委員 二百二十二兆円ということですね。そうすると今度は来年度の予算、今予算委員会で審議をされているわけでありますが、平成八年度の予算、これは先ほど来出ている住専の支出、これも含んでいる問題のある予算、私もこれは後でお聞きをしますが、こちらの当初予算での国債の発行限度額、これは十二兆円ですね。そうなりますと、建設国債九兆円で合計二十一兆円。先ほどお答えいただいた二百二十二兆円と合わせると、償還されるマイナスを引いて平成八年度末には累計で二百四十一兆円になるわけであります。 これは各国、先進国の財政事情と比較をして、今大蔵省は我が国の財政というのをどういうふうに位置づけているのか。各国との比較を含めて、大蔵省の我が国財政事情の正式な御見解をひとつお伺いをしたいと思います。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 今議員御指摘のとおり、平成八年度予算におきまして約二十一兆円の国債を発行することを予定しているわけでございまして、八年度末の国債残高は約二百四十一兆円に増加する見込みであるわけでございます。 今御質問の各国との比較ということでいいますと、この結果、指標といたしましてフローとストックと両方あるわけでございますが、フローの財政指標でございます公債依存度というもので見ますと、八年度は二八・〇%でございます。これを各国見てみますと、アメリカが一〇・三、イギリスが一七・九、ドイツが一三・三、フランスが一七・八と、非常に我が国は高い水準になっております。 また、同じフローの財政指標で国債の利払い費の一般会計歳出総額に占めます割合でございます。これは一五・六%ということでございまして、これもやはりアメリカの一五・五、イギリスの六・九、ドイツの一二・三、フランスの一五・六に比べまして高い水準でございます。 さらには、ストックの方の指標でございますが、国の長期政府債務残高の対GDP比で比べましても、我が国の場合六四・六%となるわけでございます。同様の指標を先進国見ますと、アメリカが六〇・二、イギリスが四五・四、ドイツが二一・〇、フランスが二二・五ということで、お聞きいただいておわかりになりますように、フロー、ストックいずれの指標を見ましても、我が国の財政は主要先進国の中で最も悪い水準ということになっているわけでございます。 現在、諸外国では財政健全化に積極的に取り組んでいるところでございまして、我が国としても、今後一層強力に財政改革に取り組まなければならないということでございます。
○中田委員 今おっしゃっていただいたとおり、フロー、ストックともに指標は諸外国に比べて極めて悪いということであります。 そうした中で、いわゆる住専の処理策というのが出てきているわけですね。私もちょっとここを関連してお聞きをしたいわけでありますけれども、住専の今回の処理策、一次分六千八百五十億円、これはばくっとお聞きをしますが、これに充てられる歳入というのは、ではどう考えるわけですか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 八年度の予算の歳出に係ります財源につきましては、これは全体として、税収、税外収入、公債金によって賄われておるわけでございます。 今回の住専処理のための支出六千八百五十億円が、これらの財源のうちのいずれかのみによって賄われているという関係になっているわけではないので、その点を御理解いただきたいと思います。
○中田委員 ということは、今回の住専処理はある意味では赤字国債も入っての処理策ですね。一八・八%というのが平成八年度の赤字国債の依存度ですから、住専の支出においても一八・八は赤字国債からということに考えていいわけですね。 住専の今回の問題、我が党の議員がいろいろなところで指摘をしているように、非常識がさんざんいっぱいあるわけであります。一般の国民の人からいえば、これは感情論も含めて、なぜバブルのツケを税金で払わなければいけないのか、こういう非常識、そして、何よりも積算の根拠、これがどうもわからない、この非常識。それから、これから先、この住専処理策、私は一番非常識だなと思っているのは、バブルのツケなり民間企業のツケなりを税金でというところは、大蔵大臣なり皆さんがどんなに御説明をされても、それはその時期にいる我々はいいのですが、赤字国債一八・八を含む次の世代の子供たちまで含めてバブルのツケを全員負うということに対しては、極めてこれは非常識のきわみじゃないかなというふうに思うわけであります。 ここに関してはどのようにお考えなのか。もしよろしければ、大蔵大臣お願いしたいと思います。
○久保国務大臣 これらの六千八百五十億円がどの財源によるかというようなことは、歳入全体と歳出全体との関係でありますから特定することは難しいと思いますけれども、結果的には公債に依存する分が大きくなるということは御指摘のとおりだと思います。そのことが後世の負担になっていくということは大変これは厳しいことだと思います。 しかし、今、金融政策上とらねばならぬ道であれば、そのことを放置することによって起こる後世への影響というものとの比較において、私どもは選択せざるを得なかったのだと考えております。 〔大島委員長代理退席、委員長着席〕
○中田委員 別に決して放置をしろと言っているわけじゃないわけであります。いろいろほかに解決方法があるということをいろいろな機会で我が党の議員も主張をしているわけであります。 親子がいて、親と子が共同で二世帯住宅をつくった。そのローンを子供が一生懸命返していくというのはこれは話は重々わかるわけであります。それはいわば建設国債の方ですね、考え方としては。赤字国債の方はどうかといえば、これはざっと分けてみれば、決していいだ悪いだなんというのは簡単に分けられる問題じゃない、赤字国債もすべてがすべて悪いわけじゃない。阪神大震災のように緊急な事態が起こって、その際の財政の支出、復興、復旧をやらなければいけない、こういう場合に赤字国債を出していく、これはあり得る選択だと思うのですね。しかし、今回の場合は、例えて言うならば、賭博に手を出してさんざん借金を積んで、そしてそれを次の世代に残してしまう赤字国債が約二〇%今回の住専処理策の中に含まれるという話なわけであります。 今まで久保大蔵大臣、社会党でやってこられて、私はこれは本当に社会党の皆さんが今野党だったらこんな処理策許すのかなと思う。与党だから今は何だかんだと大蔵省の論理の中に入ってしまっているけれども、社会党でこれまで消費税の問題もあれだけとやかく言ってきて、今回のこの住専の処理策を本当に皆さんまともだと思って議論しているのかなという気がしてならないわけですが、大蔵大臣。
○久保国務大臣 今のようなおっしゃり方は私としては大変気に入らないことであります。 この住専問題の処理は、もう今は社会民主党でありますが、社会党の委員長が内閣首班でありますときに閣議決定され、それを今橋本内閣が引き継いで、橋本内閣の閣議の意思としているのであります。 そういう意味で、私どもは、このことが今私どもが選ぶべき最善の方法である。ただ、このような事態に至るその経緯に関して私どもは決して甘くみずからの責任を軽く考えるというようなことをしてはいけない、こう思っております。 今中田さんが、そういう道を選ばなくてもほか に方法があると言われました。私ももう十日以上にわたって予算委員会でいろいろな御意見を注意深く聞いてまいりました。しかし、その皆さんのお考え方というのは、法的処理、つまり破産処分の御意見もあれば、同じ党の方から、破産処分は問題がある、だから会社更生法によるべきだという御意見もございました。いろいろな御意見がありました。それからまた、母体行責任に徹してやるべきだという御意見もございました。 私どもは、そのような御主張を、それぞれの議員の方が申されております御主張というものも十分に頭に置きながら、しかしやはり今私どもが提案を申し上げておりますことが早期の解決、そしてこれ以上傷口を広げない、国民の負担を大きくしないためにはこの道しか今はない、こういうことで私どもは誠心誠意お話を申し上げてまいったのでありまして、決してみずからの意に反していろいろと私が申しているということではございません。
○中田委員 失礼をしまして、社会党から社会民主党に変わったのだそうでありますが、看板がいつまでたっても社会党だったものですから、まだ変わっていないのかなというふうに思っておりました。 中身は大分変わって、野党であったころの社会党と今全く、民主党がついたが結果、何だか今おっしゃっている答弁もよくわからないわけでありますが、ちょっと一つ、何度聞いてもわからないことをもう一つお聞きをしたいと思います。 予算委員会で何度も聞いている話でありますが、六千八百五十億円、この支出、積算、この根拠について明快にお答えをいただけませんか。
○西村政府委員 六千八百五十億円と申しますのは、今回の住専を一括して処理をいたします場合に、全体として住専処理機構に譲渡いたします際に処理をすべき損失額が六兆二千七百億円、それに累積損失を含めまして、合計六兆四千百億円の損失を譲渡時に処理をしなければいけない、これをいかに分担するかという問題でございます。 その場合に、いわゆる母体行に対しましては、最大限の努力を求めるということで、過去の経緯、すなわち母体行が住専の経営とどのような関連を持ってきたかとか、そういうことをも踏まえまして最大限の努力を求めることにいたしました。その最大限と申しますのは、債権を全額放棄してください、こういうことでございます。全額放棄の金額は約三兆五千億円、こういうことでございます。 次に、一般行の債権放棄額につきましても最大限の努力を求めるということにしたわけでございますが、いわゆる修正母体行方式という考え方を基礎といたしまして算定いたしました。その分担額が一兆七千億円となっているわけでございます。 さらに、系統金融機関につきましては、我が国金融システムの安定性確保に協力をしていただくという見地から、これもまた最大限の努力をお願いをすることとしたわけでございます。系統の経営状況や対応力というものを踏まえまして、ぎりぎりの協力の額というものを農水省とともに検討いたしました結果が、五千三百億円という贈与の額になったわけでございます。 以上のそれぞれの分担に加えまして、六千八百億円という政府資金の支出を合わせまして、先ほど申し上げました六兆四千億円という直ちに処理をしなければいけない金額に充てようということでございます。
○中田委員 母体行最大限、一般行最大限、農林系も、全部最大限ということでありますが、最大限といったところで、いわゆる農林系の方の金額はなぜこう決まったのか。最大限という言葉でそんな簡単に予算というものは決まっていくのか。農林系の方は何でこういうふうになっているのですか。
○西村政府委員 系統金融機関は組合員の相互扶助のために存在する組織でございますので、一般の金融機関と違いまして、蓄積が薄いとか、いろいろな体力の差もございます。そういう点で、系統金融機関として分担し得る最大限度の金額を関係者の間でぎりぎりに詰めましたその結果が、五千三百億という金額ということでございます。
○中田委員 農林系の贈与ですね、贈与という言葉もあるわけです。なぜこの金額が最大限なのかという、それは最大限と言うからにはどういう根拠になっているわけですか。もしも農林系のところにお金を預けている人たちの、貯金をしている方々の保護ということであれば、それは保険機構があるわけですよね。最大限とおっしゃったその中身、もう一度お願いします。
○西村政府委員 既に農水省を経由いたしまして資料を御提出申し上げておると存じますけれども、その要点を申し上げますならば、基本方針といたしまして、九百万人の農家組合員等から六十八兆円に上ります貯金を受けている全国二千五百単協の経営に悪影響を及ぼし、農協をめぐる新たな信用不安が起きることを回避するという基本方針のもとに、信連に関しましては、資金贈与に伴い当年度に赤字に転落する信連が、経常利益ベースで過半、半ば以上に、当期利益ベースで二十程度に上ることを予定をしております。翌年度につきましては、赤字信連数が当年度を上回ることは構造的な経営問題へつながることから、これを回避することとし、おおむね同水準と見込んでおります。 なお、農林中金につきましては、資金贈与に伴いまして、当年度に大幅赤字に転落することはやむを得ないが、翌年度については、全国団体としての最低水準の役割を確保するものであること、こういう点を勘案いたしましてぎりぎりの協力をした、こういうふうに御説明できるかと存じます。
○中田委員 各信連、赤字信連ができる。何で赤字信連ができたらだめなんですか。そのために預貯金の保険機構があるわけでしょう。
○西村政府委員 私からお答えするのが適切かどうかわかりませんが、今中田委員の御指摘は、系統金融機関、信連が倒産をするということを待ってから手当てをするということでいいではないかというような御趣旨に受け取れるわけでございますが、金融システム全体の安定ということを考えますと、やはりそのような事態を招かないように万全の措置を講ずるということが必要かと考えたわけでございます。
○中田委員 信用不安が来る、信用不安が来る、こういうふうに言っておられるわけですけれども、預金者がいない住専が仮に倒産をして、それで信用不安なんか起こらないですね。大蔵省は最初、そんなことばかり言っていたわけですが、聞いていると最近ややトーンダウンをしていると思います。 要は、預金者をきちっと守りますよということを明言すればいいわけでしょう、大蔵省が。そこでは預貯金の保険機構があって、それを機能させますと。そして百歩譲って、そこには、ディスクロージャーとあわせて、最後の最後、そこでほかの国民の皆さんに税金の支出をお願いをしてでも必ず守りますと、こう宣言すればいいわけですよね。そうすれば信用不安は来ないわけでしょう。
○西村政府委員 まず、私どもの説明が不十分かもしれませんけれども、住専は全部清算するのである、住専七社は清算するということは明確にした上で御説明を申し上げたいと存じます。 しからば、住専に資金を供給している預金受け入れ金融機関の破綻まで待って、それから手当てをしても遅くないではないかというような御意見だといたしますならば、私どもは従来、信用組合の破綻処理等に際しましてそのような考え方をとってまいったことがございます。また、昨年の十二月二十二日の金融制度調査会の答申におきましても、基本的な考え方といたしましては、御指摘のような考え方をとっておるわけでございます。 しかしながら、この住専、総額十三兆円に上ります債権債務関係というものを一挙に処理せざるを得ない、その場合の経済、金融に与える影響というものを考えますならば、いわばそのような事 後的な処理方式というものをもちましては、金融システムに多大の不安を与えるのではないか、大きな影響を与えるのではないかということは御理解いただけるものと考えております。
○中田委員 信用不安を事前に回避をするということばかりが出るわけですが、このスキームなり処理策というのは、銀行や住専張本人、それから農林系、いろいろありますけれども、一体だれが望んで大蔵省に、これはだれが望んできたのですか。
○西村政府委員 先ほども、業界からそういう要請があったのかというような御質問がございましたが、私ども、今回の問題に関しましては、銀行業界だとかあるいは系統金融機関というものから今回のような処理方式、すなわち財政資金をつぎ込んでこのような処理をするということについて、要請を受けたり陳情を受けたりということはございません。 しかしながら、まさに今委員が御指摘の点が、この住専問題の特質であるわけでございます。だれから頼まれたというわけではないわけでございますが、しかしながら、恐らく関係者はみんな、この問題をどうしても解決しなければならないと思っておられると思います。しかしながら、自分たちの意思と努力だけではこの問題を解決し切れない、そういう複雑に権利関係が入り組んだ問題である、そこがこの住専問題の特質でございます。 先ほども申しましたように、百六十八に上る母体行、あるいは三百に上る関係者というものの権利関係が複雑に絡み合っておるわけでございます。そのような問題を、関係者から要請がないからといって先延ばしする、放置するということはできないというのが、昨年のこの問題を決断をいたします際の政府・与党としての基本的なスタンスであったかと思います。 関係者それぞれの立場からいたしますと、母体行であれば、これを法的解決をするならば自分たちの負担はもっと少なくなるではないかというお気持ちはぬぐい切れないものがございましょう。あるいは、系統のお立場からすれば、本来母体行の責任であるものをなぜ系統も分担をしなければいけないのかというようなお気持ちもあることでございましょう。ましてや納税者の方々としては、本来関係者の負担で解決すべきものをなぜ納税者が分担しなければいけないのかというお気持ちもございましょう。 それぞれのお立場で、このような解決については問題意識をお持ちであることは重々承知をいたす次第でございますけれども、しかしながら、この問題を放置する、先延ばしするということが許されない状況の中で、私どもといたしましてはこのような御提案をさしていただいておるということでございます。
○中田委員 これは、全国地方銀行協会の玉置会長、千葉銀行の頭取ですが、「公的資金など全体の枠組みを決めたのは当局だ。」「ぜひ財政資金を入れてもらわなければ処理できない、と当局に言った覚えはない」。全銀協の橋本会長も同趣旨の発言をしておるわけですね。 ところが、今大蔵省、局長がお答えをいただいたわけですが、だれも望んでないけれども、いわば自発的にやったんですという話なわけですが、逆に言えば、これはもう望んでいない、税金を入れてくれるなと銀行側は言っておるわけですよ。
○西村政府委員 先ほども申し上げましたように、それぞれの方々のお立場、考え方からするならば、そのような御主張もあり得るかと存じます。 しかしながら、全体として一つの答えを見出さなければならないとすれば、それぞれが譲り合って一つの結論を得ざるを得ない、そういうことで今回の御提案を申し上げているわけでございます。
○中田委員 いや、それぞれの立場からといって、じゃそれぞれの立場を全部一つずつやっていくなら、例えば農協の場合はどうなるんですか。農林系の場合は望んでいるわけですか、税金投入を。
○西村政府委員 これも私からお答えするのが適切かどうかわかりませんが、我々が理解しておるところでは、系統の方々の御主張というのは、本来このような問題は母体行が責任を持って処理すべきものであって、系統金融機関は貸し手という立場であるけれども、その責任を分担する立場にないというのが出発点でございました。しかし、最終的には贈与というような形でこの問題に御協力をいただくことになった、こういうことでございます。
○中田委員 これは、通常六千八百五十億円というようなこういうような金額の財政支出の場合は、業界なり当該団体なりのコンセンサスがきちっとでき上がって——さっき上田議員の質問にありましたけれども、コンセンサスというのを全部とっているかさえ怪しい。そこから、コンセンサスがあって担当省庁などに要請されて、大臣折衝なんかがあって大体決まっていく。緊急性のあるものでも、諮問機関をつくってそこに募るというようなことが行われておるわけですね。大体少なくとも二、三カ月審議して、その諮問機関に答申を依頼して、そして答申が出てきてそれから法制化して予算措置。 例えば商工の場合で、産業の空洞化が懸念されて、これも緊急だ緊急だという課題ですが、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案、これができたプロセス、通産大臣から中小企業近代化審議会に対して諮問が出たのが平成五年の十月六日、それで、それに対する答申が出てきたのが平成六年の十二月の六日。一年間議論してつくる。そして、その後法案になったのは平成七年の二月の六日。これ、金額的にはたった十八億。たったというのは、六千八百五十億が頭にこびりついちゃうとたったになるわけですが、十八億四千七十二万五千円なんですね。緊急性はあったけれども、それなりのプロセスを踏んで決定をしてコンセンサスづくりがなされているわけです。 今回の場合、金融機関の責任者でさえ財政支出を全然知らなかったという人もいるわけですね。この負担に対して納得いかないという発言も各地でいっぱい出ている。どういう決定でこれがなされたのか。その経緯も、何だか何度聞いても定かじゃないわけであります。これ、どう思われますか。
○西村政府委員 直接の当事者のコンセンサスという御指摘でございますが、直接の当事者のコンセンサスだけでこの問題を処理することができるのであればそのような方法もあり得たと思います。私どもはそういうプロセスをも十分に検討いたしました。 例えば、これは政治レベルという意味では、与党の中に金融・証券プロジェクトチームという場を設けて二十数回の検討が行われているわけでございますが、その間におきましても、五回にわたりまして、関係者の間でこの合意を成立させるようにということを促しまして、非常に強く促しまして、関係者の間でこの問題を解決する、すなわち、財政措置等を要しないような方策がないかどうかということをも何回も関係者の間にお話し合いをしていただいているわけでございます。 また、この住専問題は、既に四月の十四日の緊急円高・経済対策においても、このような問題に取り組む必要があるということを政府として示唆をいたしまして、その後、国会でもたびたびこの住専問題の早期解決という御指摘を受けてきたところでございます。 したがいまして、住専問題、最終的に結論が得られましたのは十二月の十九日でございますが、そこに至ります、この問題をめぐる議論のプロセスというのは、極めて長い期間を経たものであると理解をいたしております。
○中田委員 しかしながら、先ほど上田議員の中にもありましたけれども、各銀行やそれぞれにヒアリングをした、コンセンサスづくりをしたといっても、実際、十二月になって財政支出がいきなり出て、知らなかったというところはいっぱい あるわけですよ。そうなりますと、今おっしゃっていたことは、先ほど一つの例示をしましたけれども、そういうコンセンサス、どこかの団体の長なりあるいは団体というところを窓口にして話すことによって全部にきちっとコンセンサスづくりがなされたということとはほど遠いと思うんですね。 ちょっと話が変わりますが、大蔵省がこの住専の問題に関してまさにある意味では当事者なわけですが、大蔵省から今まで住専に何人ぐらいのOBが行っているか、人数をお願いできますか。
○西村政府委員 今回処理の対象になります住専七社に対しまして、過去大蔵省の出身の役員というものは十三名に上りますが、これは常勤役員延べ二百四十三名のうちの十三名ということでございます。
○中田委員 まあ天下りが十三人いるわけですね。 先ほど来銀行局長もしばしばだしに使っている金融制度調査会ですけれども、九五年九月二十七日の同調査会の「審議経過報告」の中でこう書いてある。「母体行は、個別に程度の差はあると思われるが、主要役員の派遣等、住専の経営に関与した。」こう書いて母体行の責任をここににおわせているわけだ。 まあにおわせているというか、その後半を読めば、母体行に対する責任というものをその後きちっとだからどうするというのがあるわけですが、この部分を大蔵省の先ほどの天下りを入れますと、過去に十三人が住専各社に入っているその経緯から読み変えれば、この部分は、大蔵省は主要役員の派遣どころかトップを天下りという形で何人も送り込み、住専の経営に関与した、こういうふうに読んでいいわけですね、この答申の部分。 大蔵省の責任というのはどう認識されておられるんですか、経営の関与。
○西村政府委員 今御指摘の同じ文書をもう少し先までお読みいただきますとその問題も出ておるわけでございますけれども、第一に、今御指摘のございました住専及び関係金融機関の責任の明確化である、第二に、借り手に対する厳格な責任追及である、第三に、行政当局においてもということで過去のこの問題に関する政策の総点検について指摘があるとともに、過去の反省についても言及しておるところでございます。
○中田委員 先ほど大臣も、すべての関係者が責任を負わなければいけない、政治も含めて、というお話があったわけですけれども、行政の責任というのは非常に、本当に今までの日本社会の中ではおざなりになってきた。行政の責任ということを、政治の責任とあわせて、こういった問題が発生したときに、往々にして焼け太りをすることはあっても、何がしかのきちっとした責任というものを、どういうふうに行政の責任を考えるのか、大臣、ちょっと御所見をお伺いできますか。
○久保国務大臣 これは、私は、今銀行局長も御答弁申し上げましたように、大蔵省としても、OBが役職につくということによってかかわりを持ってきたし、また住専に対する指導、調査等も行われてまいったわけでありますから、その責任は、結果責任はもちろんのこと、明確にされなければならないと思っておりますが、どういう取りまとめになりますかは、これからこの処理機構が預金保険機構と一体となりまして強力な活動を進める中で明確になってくるものと考えております。
○中田委員 この金融制度調査会の「審議経過報告」の中で、公的関与のあり方に関しては、納税者に負担を求めることについては、極めて慎重な検討が必要であるというふうになっているわけですね。その「慎重な」というのは、先ほどの、財政支出を知らなかったというのもあるように、どうも慎重にやったとは思えないわけであります。先ほどの積算根拠の部分も、これは何度も我が党議員がいろいろな機会に聞いていますけれども、農林系の負担割合、このことに対してもきちっとした明快なる計算、これが全然出てこない。慎重とは思えないわけであります。 そして、では行政の責任といったときに、政治家の責任も含めて、それは責任を感じているというのは結構でありますが、一方で新しい何か処理策をつくって、行政の責任というのは、国民の代表者、行政が国民の公僕であってそして国のまさに機関であるとするならば、国民が最終的に税金で負うというのは、広い意味で言えばそれはそうなのかもしれません。そういう考え方で今回税金が最後に投入されるのかなというあきらめしかないのかなというような気もするわけですが、大臣の御所見をもう一度お伺いしたい。
○久保国務大臣 御質問の意味が私よく受け取れていないかもしれませんけれども、責任がこれまでの金融行政に関して明確になれば、当然に金融行政のあり方、運営上の問題、機構上の問題等についても、みずからこれらの問題について検討を加え、国民の皆さんに御説明ができるようにしなければならないと考えております。
○中田委員 それから、公的資金、公的関与に関して、この報告書の中で、「米国においては、八〇年代に貯蓄貸付組合の大量破綻が生じたことにより預金保険制度自体が破綻し、これを契機に預金保険料の大幅引上げ等金融システム内での厳しい対応が行われた一方で財政資金の導入が行われた。」というふうにありますね。アメリカでの例をよく引き合いに出して、アメリカでもっと税金を使ったじゃないかという議論が最近まかり通り始めているわけですが、これは、アメリカで税金を使ったというのは、確かに七百三十八億ドルの財政支出を行っているわけです、整理信託公社、RTCに対して。これは預金者保護ですね。今回のは、預金者保護と言っているけれども、これは保険機構に対するそれならば百歩譲って理解はできるわけですが、それを、未然に未然にと言うことによって逆にわからなくなっているというふうに思います。その点、銀行局長お願いします。
○西村政府委員 アメリカにおいては合計十九兆円ばかりの公的な資金を動員するようなことになっておると思いますけれども、決して私ども、アメリカがそうだから日本でもというつもりはございません。今回の問題につきましても、財政措置を講ずるに際しましては、「納税者に負担を求めることについては、慎重な検討が必要である。」という、金制の中間審議経過報告に述べられているような考え方に基づいて検討をしたつもりでございます。 なお、今御指摘のございました、そういう公的資金の導入というのは預金者保護のためではないかという御指摘は、まさにそのとおりでございまして、先ほどから大臣も御説明申し上げておりますように、今回の措置も預金者保護ということをも念頭に置いて講じられたわけでございます。 その預金者保護という目的を達成するためにどのような手法を用い得るかということにつきましては、それぞれのケースについての得失もございましょうし、我が国におきましても、先ほど引用されました十二月二十二日の金融制度調査会の答申におきましても、御指摘のように、原則は預金保険機構等を通ずる破綻金融機関の処理という形での公的な資金の活用ということが本筋であろうということを明確にしておるところでございます。しかしながら、それぞれのケースについて、処理方法についても得失があるのではなかろうかと考えております。
○中田委員 もう時間が来ましたので終了しますけれども、今、金利は史上最低でありますね。経企庁がこの間、九四年度国民経済計算を公表しましたけれども、四兆八千億円、純受取財産所得が減っているわけです。これは、九五年度も入れれば約十兆円の国民の受け取れるはずの所得が減っている。一世帯当たりで言えば、これは九四年だけで十一万円ですね。金融機関には約三兆ほど入っているわけであります。 ある意味では、これだけ国民全体で税負担の前にさらにいろいろな、不良債権の償却の問題も含めて、ありとあらゆることをやり始めて、それで最後にまたまた税金、しかも、これから先の歯ど めも全くないということになると、非常に、これから先ますます私たちわかりにくくなる。ぜひ、これから先もっと明快にきちっと御説明をお願いしたいというふうに思います。 質問を終わります。
○久間委員長 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 私は、日本共産党を代表して、議題になっております特例公債発行法案について質問をいたします。 最初に、今度のこの公債発行あるいはこの法案の特徴、性格といったものについて、ちょっと大蔵大臣の基本的な認識をお聞きしておきたいと思うのです。 御承知のように、九〇年の当初予算から赤字公債、特例公債依存体質の脱却ということが言われました。しかし、近年、予算案、補正予算を出すたびに特例公債の発行ということが頻繁に起こってきているわけですが、この九〇年代に入ってからの特例公債の発行の状況を見ますと、もちろんその目的や裏づけについていろいろ我々は意見がありますけれども、あの湾岸戦争の戦費の問題とか、あるいは特別減税にかかわっての特例公債の発行、これはいろいろありますけれども、一応償還の裏づけを持ったものとして出されてきた、そういう性格のものであったと思うのです。 ところが、その後、九四年、九五年の一連の補正予算等々に伴って出されてきた公債というものは、そういう裏づけは完全になくなっている。同時にしかし、震災対策とか経済対策とか、またその内容については我々はいろいろ意見があるものもありますが、そういう緊急の必要性に対応するものとして出されてきたものだったと思うのです。 ところが、今回の特例公債というのは、裏づけもなければそういう目的もない、ともかく税収にぽこつと穴があいてしまったのを補う。まあ少し悪く見れば、大蔵省が意図的にそういうことを鮮明にするような出し方をしていたということも言えないこともないと思うのですけれども、そういう、ともかく九〇年代になってからの特例公債としては特異な、今までになかった性格を持っているというふうに私は考えるのですが、大蔵大臣の認識をお聞きしたいと思います。
○伏屋政府委員 今御質問ありましたが、平成二年度当初予算におきまして昭和五十年度以降の特例公債依存から脱却しました後、先生御指摘のありました平成二年度には、湾岸地域におきます平和回復活動を支援するために湾岸臨時特別公債を発行し、また、平成六年度以降は経済状況に配慮しまして、所得税等の先行減税を行うための財源手当てとして減税特例公債を発行してきたわけでございますが、これらはその償還のための財源が確保されていたということから、いわゆるつなぎ公債として位置づけることができるものであったと考えます。 また、平成六年度第二次補正予算以降、七年度の一次補正、七年度の二次補正の三回の補正予算におきまして特例公債を発行してきたわけでございますが、これらは、阪神・淡路大震災による被害への対応とか景気対策といった、いわば臨時緊急に必要とされる財政措置に対応するために発行したものであったと考えるわけでございます。 これに対しまして、今回の補正予算における特例公債は、平成七年度におきます租税収入の減少を補うために発行せざるを得ないものでございまして、歳入と歳出との構造的なギャップを補てんするという性格のものでございます。財政体質が極めて悪化してきていることを直截に示すものであると考えております。だからこそ、こうした厳しい財政状況でございますので、今後財政構造の改善が急務であると考えているわけでございます。
○佐々木(陸)委員 要するに、私の申し上げたとおり、今度のものは、九〇年代に入って、今までのものとは少し性格を異にしているという認識でよろしいということですね。大蔵大臣、一言答えてください。
○久保国務大臣 よろしいと思います。
○佐々木(陸)委員 その歳入不足というのは税収の不足ですけれども、なぜそういう税収の不足が起こったのか、その原因について簡単に説明してください。
○薄井政府委員 お答えいたします。 毎年度当初予算策定におきましては、私どもできる限りの努力をしてまいっているわけでございますが、税収見積もりの性格上、見積もり時点には予測しがたかったその後の経済状況の変化というものがございます。 例えば、七年度について見ますと、円高の急激な進行あるいは金利低下といったことが税収に反映して今回のような結果になったというふうに見ることができるかと思います。 あわせて、近年におきましては、いわゆるバブル経済の崩壊の過程にございまして、経済情勢の見きわめが極めて困難であったことも税収見積もりを難しいものにしたと考えております。
○佐々木(陸)委員 景気の問題やバブル崩壊の過程の問題と説明がありましたが、しかし、そもそも九五年度の税収の見込み額そのものが経済の実態に照らして過大なものであったという見方は成り立たないのでしょうか。その点をお伺いしたいと思うのです。 政府が、九五年度当初の経済見通しては、国内総生産の成長率を名目で三・六、それから実質で二・八というふうに見積もっていたはずなんですが、それが現在では、名目が〇・九、そして実質が一・二というふうに、当初の見通しよりもかなり落ちてしまった。だから、当初の予算案策定に当たっての政府の経済見通しそのものが余りにも甘かったために、こういう特例公債に頼らざるを得なくなったということは言えないのでしょうか。その点についての見解を伺いたいと思います。
○武藤政府委員 平成七年度の実質成長率、ただいま委員から御指摘がありましたとおり、当初二・八%程度と見込んでおりましたところ、実績見込みでは丁二%程度と下方修正されました。これは、先ほど主税局長からもちょっとお触れになりましたけれども、阪神・淡路大震災の影響もございまして個人消費に弱い動きが見られたこと、あるいは昨年の前半の急激な円高、加えてバブル後のストック調整のおくれといったようなこともございまして設備投資が緩やかな回復にとどまったことなど、予見しがたい要因もあったというふうに考えております。 こうした厳しい経済情勢に対応いたしますために、四月には緊急円高・経済対策、六月にはその具体化補強策、九月には御承知の十四兆に及ぶ大規模な経済対策を講じたところでございます。また、現在御審議をお願いしております八年度予算案におきましても景気への配慮をしているところでございまして、今後とも、我が国の経済の景気回復が確実なものとなるような適切な財政金融政策の運営に努めてまいりたい、かように考えております。
○佐々木(陸)委員 いずれにしても、最初の見通しがかなり狂っているということは事実の問題であります。 しかも、税収の当初見込みを達成できないというのは今年度だけの話ではないわけでありまして、一般会計の税収でいいますと、九〇年度の決算で六十兆円強でしたが、これをピークに年々減り続けておりまして、九五年度は三次補正後の見込みで五十兆七千億円程度ですか、というところにまで落ち込もうとしているわけです。ですから、九一年度から五年連続で、当初見込みを達成できずに前年度実績を下回っているという結果が出ているわけです。 この税収の落ち込みが続いているのは、今日の不況の深刻な影響を示していると同時に、そのもとで政府が行ってきたゼネコン型の公共事業中心の従来型の経済対策の限界を示している。今もちろん、そういうことで努力していたと言われましたが、それでもなおかつ五年間こういうことになってきているわけで、その限界を示していると思うのです。 九六年度の予算案も、私たちの見るところでは従来型の延長にすぎませんけれども、この五年間の、とりわけことしのこの結果を本当に教訓として酌み取って、国民の購買力を真に向上させる方向に財政の内容を、方向を切りかえる必要があるのではないか、切りかえるべきではないかと考えますが、大蔵大臣の所見を伺いたいと思います。
○久保国務大臣 御指摘のように、八年度末には二百四十一兆を超える公債残高が見込まれるわけでありますし、また八年度の予算でも、十六兆を超える国債費が政策的経費を圧迫するということになってしまいます。 そういうことを考えてまいりますと、昨年秋に政府が財政危機について国民の皆様方に状況をお知らせいたしましたことに照らしましても、私どもとしては、この財政危機の状況を二十一世紀に引き継ぐということは許されないことでありますから、財政改革について、今佐々木さんが御指摘になりましたようなことを含めて、財政改革に速やかに取り組み、その目標を設定していかなければならないと考えております。
○佐々木(陸)委員 その財政改革の問題ですが、財政制度審議会の「平成八年度予算の編成に関する建議」の中でも、「財政の硬直化は極めて深刻」だ、そして、「さらに憂慮すべきことは、我が国財政が単に循環的要因から悪化しているのではなく、構造的要因によりますます悪化しているということである。」「もはや我が国財政は、根本的な取り組みを図っていかなければ取り返しがっかなくなることが憂慮されるほど危機的な状況に陥っている」というふうに言っておりますし、それからまた大蔵省の「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」という文書の中でも、「聖域を設けることなく制度の根本にまでさかのぼって洗直しを行う」ということを述べているわけです。 もちろん、こういう根本的な洗い直しをするということは当然必要なことで、やらなければならぬことだと我々も思うのですが、問題はその方向性だと思うのです。「聖域を設けることなく」というのは結構なんですが、我が党が主張してきたように、軍事費とかあるいはゼネコンをもうけさせるような大規模な公共事業、こういったものを本当に聖域にしないでやるのかどうなのか、見直すのかどうなのかということが問題であるわけです。 そして久保大蔵大臣は、財政演説の中でもそしてきょうの所信表明の中でも、これは財政演説からの引用ですが、「中長期的観点から行財政が果たすべき役割や守備範囲を見直していくことが必要となりますが、その過程で国民に痛みを分かち合っていただくことをお願いせざるを得ないことも考えられます。」というふうに言っているわけですね。 率直に考えまして、軍事費が多少削られてみても、あるいは大規模公共事業費が削られてみても、国民は余り痛みとは感じないわけですよ。蔵相が国民に痛みを分かち合ってもらうというようなことを言っているということの意味は、結局のところ、軍事費あるいは公共事業、こういったものは聖域にしたままで、国民の福祉あるいは教育とか医療、そういった面をどんどん切り込んでくる、そしてまた、消費税の一層の増税等々を押しつける。文脈からいうと、国民がそう危惧しても当然だと考えざるを得ないのですが、その改革の方向性について、端的に大蔵大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○久保国務大臣 国民生活や国民の皆様方の立場に立つ財政の運営ということは、絶えず考えていかなければならないことだと思っております。
○佐々木(陸)委員 何か抽象的でよくわからない意見ですが、国民に痛みを分かち合ってもらうということの内容は、具体的にどういうことを指しているんですか。
○伏屋政府委員 現在、アメリカ、ヨーロッパ諸外国ともこういう財政改革に取り組んでいるわけでございます。それで、経済を活性化させまして中長期的な経済成長をもたらすためには、欧米各国とも先進国、財政赤字の削減が必要である、そういう認識のもとで財政の健全化に取り組んでおるわけです。 そのときには、アメリカの例で申し上げますと医療費の削減とか、それからヨーロッパの場合社会保障制度の見直し、年金制度の見直し、いろいろな意味で取り組んでいるわけで、我が国だけがいつまでも財政健全化への努力につきまして他国におくれをとっているわけにはいかないということを御認識いただきたいと思います。
○佐々木(陸)委員 私の質問への端的な答えにはなっておりませんが、もう時間になりましたので、最後に、今回の赤字国債の発行というものは、言ってみれば、政府の政策のゆがみ、これが招いた税収減というツケを国民に転嫁するものであり、しかも将来の国民の負担にまで転嫁していくものであるという点で、我が党は断じて容認できない、反対であるということを表明して、私の質問を終わります。
○久間委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○久間委員長 本案につきまして、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先ほどの理事会で協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。 これより採決に入ります。 平成七年度における租税収入の減少を補うための公債の発行の特例に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久間委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久間委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 —————————————〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○久間委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五分散会 ————◇—————