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136回国会衆議院1996/03/15

国会等の移転に関する特別委員会 第4号

発言数
47
登壇者
7
会派数
4
開催日
1996/03/15

会議録

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ちまして、新進党所属委員に対し出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。  国会等の移転に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田野瀬良太郎君。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 それでは早速質問をさせていただきたいと思うのですが、先般の委員会は調査会の宇野会長を参考人としての質疑、そして本日は政府、国土庁に対する質疑ということで、まことに当を得たいい時期にこの委員会を持っていただいた、このように考えております。  そこで、政府、国土庁といたしまして、三年にわたる調査会の答申が昨年の十二月に出されたわけでございますが、それに基づいて、今後どんなふうに取り組んでいこうとしておるのか、あるいは現在取り組んでおるのか、その辺のところにつきまして、まず御質問をさせていただきたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 お答え申し上げます。  首都機能の移転問題につきましては、大きく国政全般にわたります改革の一環であること、それから東京への一極集中の是正を図ること、それから災害対応力の強化を図る、こういうような大変大きな意義を有するものと認識しているところでございます。  先生御指摘のように、昨年十二月に国会等移転調査会から報告が出されまして、これから早急に専門的かつ中立的な選定機関を設置するというようなことのための制度の整備が図られるというふうに考えているわけでありますが、国土庁といたしましても、移転調査会報告に書いてありますように、二年程度を目途に移転先候補地が選定できるように作業を進めていきたい、そして、国民の合意形成のための世論調査あるいはシンポジウムの開催など、各般にわたる対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 十二月の調査会の報告は、当初の案によりますと、今年度の三月、すなわち今月の答申でございましたが、たしか昨年の七月だったと思いますが、与党三党の合意事項として、その調査会の三月の報告を前倒しして十二月にしてもらいたい、とにかくこの国会等の移転を急ぐんだ、本格的に政府としてもあるいは連立与党としても取り組むんだ、こういうことでございまして、その意を受けて調査会もその調査を急がれまして、十二月の報告ということに相なったわけでございます。  約三カ月早めたその効果あるいはメリット等どんなところにあるのか、ひとつ国土庁の見解をお聞きしたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 国政全般の改革の一環であるというふうに先ほど申し上げましたが、これのピッチを速めると申しますか、もう二十一世紀がそこにあるというようなことから、この国政全般の改革を急いでやらなければいけない、こういうことが望まれているのがまずベースにありました。そこに昨年一月十七日の阪神・淡路大震災が発生しまして、国土の災害対応力の強化が急務であるということが認識されたというようなことがありまして、一刻も早くこの首都機能移転の実現が望まれてきた。各界からの強い御要請を踏まえまして、昨年十二月十三日に報告書が取りまどめられ、かつ十二月十五日に国会に報告が出されたところでございます。  今後のことになりますと、二年以内に移転先地を選定すること、それから世紀を画する年までに新首都の建設を開始する乙と、それからその十年後ぐらいに新しい首都におきます第一回の国会が開催されること、こういうような大きなスケジュールと申しますか、そういったようなことが提言されているわけであります。こういうことが確実に実現されるためには、今国会で次の段階への新しい制度の整備が必要ではないかと思います。  そういうことを考えますと、昨年の暮れに移転調査会としての報告が出されたことは大変時宜を得たものではないかと考えております。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 三カ月早めての報告、その意義は大変大きかったという国土庁の考え方を今お聞きしたのですが、それは、ひいては我々国会におきましても、この意義を十分勘案して我々としての作業も急がなければならない、すなわち、推進法なるものの制定も我々国会としても急がなければならないと思うのです。  そこで、国土庁の局長にお聞きしたいのですが、この調査会の報告の一番のメーンは、二年以内にその候補地を選定する、そのために中立かつ専門的な選定機関を設ける、この内容が一番大きなものではないか、私はこんなふうに認識をしておるのです。さすれば、二年以内に候補地を選定する、こういうことになりますと、この後二年の間に政府はどんな段取りあるいは日程で取り組んでいくのかということにつきまして、この際、さらに具体的にお考えをお聞きしておきたい、このように思うわけでございます。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 二年以内に移転先候補地を選定しなければならない、これは長いようで大変短い期間でございます。この短い期間に精度の高い調査あるいはいろいろな検討をしなければならないわけでありまして、まずこのために、専門的かつ中立的な選定機関、これを早急に設置していただくことが大変大事ではないかと思っております。  この専門的かつ中立的な選定機関におきましては、昨年の報告に選定要件が提案されているわけでありますが、この選定要件に照らしました多方面にわたります調査を行う必要があります。その調査、それからそれに対する評価といったようなことがあるわけでございまして、適切な候補地がどう選び出されていくか、この選定作業が大変重要な仕事になろうかと思います。  ただ、一方におきまして、それが果たして移転先と申しますか、そういう地元地方公共団体の方で受け入れていただけるものかどうか、そういう公共団体側の積極的な協力の意思を確認するという作業があろうかと思います。  それから、国民的な合意をさらに深めるべきだ、もっと国民的な合意を得るべきであるという御指摘もあるわけでございます。こういった国民的な合意を得るための努力、こういったものを積み重ねていく必要があると思います。  こういった各般にわたります対策を講じることによりまして二年後の候補地につきましての結論を得ていただく、こういう段取りになろうかと思います。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 多方面にわたる膨大な調査がこれから待ち受けておるわけでございますが、しかし、二年以内に候補地を選定するという非常に限られた短期間での作業になるわけでございまして、二年以内ということになりますと、よほど周到に日程を考えておかないとそう簡単にいかないと思うわけでございますので、さらに踏み込んで、大体どの時期までにこの作業は終えておかなきゃならぬというようなものがあれば、ひとつここで考えを示しておいていただきたい。  我々も推進法の制定を急がなければならないことは、それと伴っての作業になるかとは思うんですが、国土庁としての考え方、あるいは国会に対して要望等もあれば、いつごろまでに推進法なるものを制定してもらいたいというようなものもあれば、非常に言いにくいかもしれませんが、一歩踏み込んだ、そういう日程的なものも含めて考え方を申していただければ大変ありがたい。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 先生御指摘のように、まずその選定機関が早く設置されるということが大変大事だと思っております。大体二年という目標の期間を考えますと、夏前までに新しい選定機関がスタートしたと仮定いたしますと、つまり、かなり近い将来の段階で法律ができまして選定機関ができる、そういたしますと、それから人選を行いまして日程調整を行ってという、ちょっと事務的な時間がかかります。それが結構ばかになりませんで、例えば六月でありますとか七月でありますとか、そういうときにようやく第一回ができるかどうかということになると思います。そういうふうに考えますと、二年間のうちのもう実は半年以上がそこでなくなってしまうことになろうかと思います。  それから、いろいろな調査、これは東京で集められるだけのあらゆる調査をしなければいけないと思っておりますし、現地での属地的な調査、情報が欲しいということもあるわけであります。こういったことにもやはり一年程度は考えなければいけないのではないか。そして、それを今度は幾つかの対象につきまして総合評価していくという段階が、これまた慎重な手続が要るのではないかと思っております。それに例えば半年とか数カ月とかいう時間を要して二年間で結論を得られるかどうかというようなことになると、大変タイトな日程だと理解しております。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 そうすると、繰り返し確認いたしますと、選定機関を設けて人選まで約半年間かかる、それからいろいろな調査に約一年かかる、そしてあとの残りの半年間でいろいろなことを確認する、こういう日程になるんでしょうね。ということになると、推進法なる法律を今国会中にはもう何としても成立させたい、こういうことになるんでしょうか。それを受けて選定機関を設置し、そして人選をするというようなことになるんでしょうね。これは十二月に調査会報告が出て、七月ぐらいまでに人選まで終えてしまおうというようなことになるんでしょうか。もう一度ちょっとそれを確認しておきたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 当然私どもとしましては、国会の方でおつくりになりましたのを受けてスケジュールを決めていくということになりますので、私の方からスケジュールを一方的に申し上げるのは、本当は適当ではないと思っております。  ただ、二年間というのは大変タイトな時間であるということを考えますと、先ほど申し上げましたように、例えば夏を過ぎてしまいまして、夏休みなんかが入ったといたしますと、各委員の先生方が夏休みやなんかの関係で日程調整がつかなくなる。そうすると、第一回が例えば九月とか十月になってしまうということになりますと、これは、今度は二年間の三分の一がつぶれてしまうというような状況になるわけでございます。  私どもといたしますと、二年間の目標ということから考えますと、できるだけ早くそういう体制をおつくりいただきますと大変ありがたいと考えている次第でございます。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 よくわかりました。お互い急がなきゃならぬということが確認できた、このように思うわけでございます。  さて、先ほど御答弁の中に、多方面の調査が必要だという御答弁がございました。私も事実そのように思うわけでございます。もうできるところからどんどんと国土庁の方で調査を開始していっていただいていいんじゃないか、このように思うわけでございます。  その中の一つとして、あの調査会の報告によりますと、国会を移転するのに約二千ヘクタール、政府あるいは司法の施設を全部移転するということになると九千ヘクタール要る。しかもそれはクラスター方式でありますので、九千ヘクタール実際に利用する土地が要りますと数万ヘクタールの土地が要る、こういう内容になっておるわけでございます。ということになりますと、候補地を選定するときに、おおよそ三万ヘクタール要るんだとかあるいは五万ヘクタール要るんだというような目安がないとなかなか選定しにくいと思うんですが、その辺のところについては国土庁はどんなふうにお考えなんですか。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 移転調査会で報告をされておりますことは、全体で最終的には六十万人ぐらいの都市になるのではないかというのがまずありまして、この六十万人を新しい地域で何もないところで収容するとすれば九千ヘクタールぐらい要るだろう。九千ヘクタールをべたでやりますと、九千ヘクタールといいますと一辺が大体九・五キロ四方という感じになります。東京でまいりますと、杉並と世田谷を合わせたぐらいの面積になるわけであります。それを、今全然都市的な土地利用がされていないところでべたにやるというのも、環境に優しい新首都づくりといったような観点からいってもよくないんではないかという御指摘があります。  それから、現在、国政全般にわたる改革と一体であるというように申し上げておりまして、「車の両輪」だという表現になっておりますけれども、例えばもっと小さな政府になっていくとするのであれば、六十万人も行かなくていいことになるわけであります。そういったようなことを考えますと、段階的な整備をするのが一番いいのではないか。  段階的整備をするときも、真ん中にそのコアとなる国会都市といったようなところをつくりまして、その周辺にクラスターといいますか、二、三万人程度の都市を点在させる。それで、真ん中の国会都市といいますのは、国会都市というような表現にはなっておりますが、そこが、国会と行政と司法、あるいは町全体の業務機能と申しますかサービス機能も持っているんだろうと思います。  そういった、つまり全体の中心となる二千ヘクタールの都市がある、そしてその周辺に、先ほど申しましたように数万人単位の住宅都市等が点在する、こういう格好になろうかと思います。  実際、これから新しい選定機関ができまして、どういう調査方法をやっていくかは、まさに新しい選定機関の方で御方針をお決めになることになるのだろうと思いますが、私ども事務的に考えておりますのは、最初から、何万ヘクタール必要で、そのうちの九千ヘクタールで、二千ヘクタールとあとどれだけ点在するかということよりは、恐らく一番気になりますのは、中心の二千ヘクタールという大きな固まりがうまく出てくるかどうか。それから、あとは点在の仕方はその場所その場所によって違ってまいりますので、最終的に九千ヘクタールぐらいあるいは六十万人ぐらいの人がこの条件の中で入り込めるかなという見通しを持つというような調査になるのではないかと思っております。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 今から三万だとか五万だとか十万だとか、ちょっと限定しにくいということですね。わかりました。  ちょっと時間がないので、もう一気に、一度に質問して終わりたいと思うのですが、その選定機関ができるまで待たなくてもどんどんと調査できる項目は私はあろうかと思うのですね。選定機関ができても結局は国土庁の方でいろいろな資料をこしらえたり調査をしたりというようなことになりますので、私はどんどん事前に進めていってもらっていいのじゃないかなと思う中で、候補地が決まってからその土地に対する投機を抑えるための法的な内容を検討しておったのでは遅い。あの調査会の報告の中にあるように、事前に法的措置をどうするのかというようなことの検討を加えておく必要があるのじゃないか。  あるいは、財源をどんなふうに確保するのかというようなことも、何も選定機関ができなくてもどんどんと国土庁の方でやっていっていただいていいのじゃないか。確保のための調査、検討ですね。  あるいはまた、東京の跡地あるいはあとの施設をどういうふうに利用するのかというようなこともどんどんと具体的に検討していっていいのじゃないか等々、そんなふうに思うわけでございます。  先ほどから、国土庁としては多方面の調査をこれからやるんだということでございましたが、こんな今申し上げたようなことにつきまして、ちょっと具体的にお考えがあれば御報告いだだけたらと思うわけでございます。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 最初に申し上げなければいけませんのは、この二年間というのは大変タイトであるということでありまして、今、二年以内に候補地の選定作業をどうやってうまくやれるかというのに頭がいっぱいであるという状況をまず御理解いただきたいと思います。  それから、土地対策につきましては、今後新しい制度が検討される中で、新しい首都をはっきり決めるという段階がこれから出てくるわけであります。つまり、二年以内に候補地を決めて、それでその後に国会で慎重に御審議いただいて決定するという段階になります。その国会の、つまり新しい首都をお決めになる国会の段階で土地対策を打つのか、あるいは今先生御指摘になりましたように、もっと前の段階で打っておかなければいけないのかといったようなことが今回の新しい制度の枠組みを考える上での一つのポイントにはなろうかと思います。  それから、財源問題につきましては、正直言いまして、全体の場所が決まりませんと、実際にどれだけの費用がかかるのかというのは、実は大変判断がしにくいところでございます。  それから、全体で何兆円なら何兆円という数字が出たといたしまして、その中で、その町づくりといいますのは、当然、インフラ整備、公共施設整備の部分と、それから町をつくっていく、国会でありますとか行政官庁の庁舎でありますとか、そういう行政の方で整備しなければいけない上物、それから新しい首都に住む、公務員が最初多いと思うのですけれども、そういった人たちがその新しい首都を楽しむといいますか、だんだん郷土愛が出てくるような親しみを持ってもらえるようになるには、今度は自分でそこで家、土地をお求めになる方も出てくるかもしれない。それから民間のいろいろなサービス施設ができてくる。  つまり、全体で何兆円とありましても、それは全部税金で整備しなければいけない問題ではなくて、税金の分野、それから財投みたいな公的な融資制度を活用する部分、それから純粋に民間の金が動く部分、こういうのが出てくる。  そこまで考えますと、実際の場所が決まってまいりまして、こことここになりまして、それでそれの具体の構想が決まってきて、そこまですると大体このくらい。それで、新しい首都をつくるまでおおむね十年ということでありますけれども、それで都市が完成するわけではありません。それからまだ二十年かかるかもしれません。それだけの期間に毎年毎年どのくらいの金がかかるか、税金がどのくらいかかるかということを見通さなければいけない、そのときにそのときの財政状況等を勘案しなければいけない、こういうような段取りになるのではないかと思っております。  まず、今の段階では、ともかく円滑に移転先候補地の作業を進めて、それから国会が意思決定をなされるということを最優先に取り組みたいと思っております。  それから、跡地利用につきましては、当然、東京都あるいは特別区やなんかともいろいろなお話をしなければいけないというふうに考えておりますが、少なくとも、東京都におかれましては慎重な対応をしておられる段階でありまして、現段階ではちょっとそこまでお話がしにくい状況にあるということを御報告しておきたいと思います。

田野瀬良太郎自由民主党

○田野瀬委員 今の御答弁の中で、土地の投機を防ぐための法的措置を既に検討していく必要があるのではないかという御答弁がちょっと抜けておったように思うのですが、時間がございませんのでこれで終わりたいと思うのです。やれるものから頑張っていただいているとは思うのですが、限定された二年、急がなければなりませんので、とにかくやれるところからひとつどんどんと進めていっていただきますことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 次に、小林守君。

小林守社会民主党・護憲連合

○小林委員 社民党の小林でございます。  首都機能移転問題につきましては、昨年の十二月に国会等移転調査会から村山内閣に対しまして最終報告書が提出されました。そして年が明けまして、橋本政権の発足に当たりましては、新たな三党合意によりまして、「新たな重点政策」として首都機能移転問題が検証され、再度打ち出されたところであります。  ところで、我が党といたしましては、昨年の夏に首都機能移転問題の五原則という観点に立ちまして、第一点では一極集中の是正、第二点、災害対応力の向上、第三点、霞が関の改革、第四点、開かれた政治の確立、第五点、市民が参加する新しい時代の象徴とする、こういう首都機能移転の五原則を発表させていただいたところであります。  それは、首都機能移転が一大国家プロジェクトという重要な課題にもかかわらず、いまだにその世論は大きなものになっていない、このように言わざるを得ないわけでありますし、首都機能移転というのはまさに国民の合意形成を図りながら取り組んでいくことが重要であります。二十一世紀の新しい時代の幕あけにふさわしい議論を国民全体に促していかなければならない、そういう観点に立って発表させていただいたものであります。  首都機能移転は、現在の過密都市東京を移転すればよいというものでもございませんし、移転と同時に、地方分権や規制緩和、行財政の改革を推進することが極めて重要なのであります。官が統治する時代から生活者優先の市民が参加する時代へ、重要なこの転換点に当たっての課題であるということをまず確認しておきたいと思います。  さて、国会等移転調査会の最終報告が出されまして、移転先の選定基準や早期移転のためのプログラムなどが明らかとなりました。今後は、国民の合意形成を得るためのさまざまな取り組み、移転先候補地の選定機関による早急な検討が必要になっております。  そこで、これらを進めるに当たって課題と考えられる幾つかについてお伺いをいたしたいと思いますが、先ほど田野瀬自民党委員の方からもありましたけれども、土地対策の問題について、第一点としてお伺いしたいと思います。  報告書によりますると、新首都は数万ヘクタールという広大な圏域に展開した形で九千ヘクタールの用地に建設されるわけでありますが、現在の国土利用の状況を考えますると、国内のどこに置いても、農業地帯や林業地帯に用地を求めざるを得ないと考えられます。新首都建設によって再びバブルが起こるようなことがあってはならないと考えるわけでありますし、このような事態を生じさせないためにも、移転候補地の選定前に新たな土地対策を講じることが必要ではないか、このように思っているところでございます。  選定前の土地の価格で購入ができるような仕組み、そして当然国が優先的に取得交渉に入れる優先権、これらのものを明確に位置づける法的な措置が必要ではないか、このように考えるところでございますが、国土庁のお考えをお聞きしたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 お答え申し上げます。  土地対策につきましては、移転調査会におきましてもいろいろ議論がなされたところでございます。土地対策について十分な対策が講ぜられることなく首都機能の移転先の候補地が公表されますと、先生御指摘のような土地の投機が起こるのではないか、それによって、一部の人々への不当な利益あるいは人心の荒廃といったような社会的な問題が発生したり、あるいは御心配いただきました。地取得が困難になるというようなことが発生しまして、事業そのものの実施に支障が生じるのではないかという議論がなされたところでございます。  このような観点から、候補地選定の段階から、土地の投機的取引を及ぼす弊害を除去し、適正な地価の形成に資するよう所要の措置を講ずることが、首都機能移転を推進するに当たっての重要な課題ではないかと私どもは考えている次第でございます。

小林守社会民主党・護憲連合

○小林委員 認識は同じなんだと思います。しかし、先ほども議論がありましたように、時間的なことを考えるならば極めてタイトな状況という中にあって、なおかつ、選定機関の設置前に少なくとも土地対策についての法的な措置はしておかなければいけないというような観点が了解されているわけでありますから、そうなると、どの国会で出すんだ、どういう形で出すんだということが今まさに問われているのだろうと思うのですね。もう一度その辺をお願いします。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 先生御指摘のような点があるわけでございます。それで、今国会と申しますか、首都機能移転関係につきましては、次の段階に入る、次の段階の法的な措置が講ぜられる国会ではないかと思っております。そういう中で、今先生から御指摘のありましたような点にどう対応していくかということになるのではないかと思っております。

小林守社会民主党・護憲連合

○小林委員 それでは続きまして、この報告書にかかわりまして、移転先候補地の選定機関による検討がなされる場合に、報告書では、調査段階における「地元の理解と協力」を得ること、また地元地方団体の積極的な協力の意思の確認を行って「地元の意思の尊重」を図る、このように書かれているわけであります。  そこで、「地元の意思の尊重」、「地元の理解と協力」ということの具体的な中身はどういうことを意味しているのか。  例えば、選定機関が行う一年間余にわたる調査の補完的な調査は当該の団体でもやろうじゃないかというようなことを意味しているのか。さらには、それぞれの議会の決議とか住民の世論調査とか、そういうものも含めて地元の理解と協力のデータを得るとか、何らかのことを考えているのだろうと思いますが、「地元の理解と協力」、そして「地元の意思の尊重」というのは具体的にどういうことを指しておられるのか。例えばこういうことだというようなことをお示しいただきたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 基本的に、首都機能移転につきましてはこれは当然国が行う仕事、こういう位置づけがまずあるわけでありますが、ただ、実態的には移転先地の地元の理解と御協力がなければなかなかできないという性格がありますので、この「地元の理解と協力」あるいは「地元の意思の尊重」ということがうたわれているわけでございます。  限られた時間の中で移転の事業が円滑に推進できるかという、その点についての見通しを得たいというのが、この二年の作業の中で重要なことだろうと思います。移転先地の調査や何かもあると思うのでありますけれども、まず、そういった調査に対する御協力がいただけるかどうか、あるいは新首都の受け入れに対する積極的な意思をお持ちかどうかというような局面がこれからいろいろあろうかと思いますが、さまざまな局面の中で地元の理解と御協力が得られるかどうかということを総合的に判断していくということになろうかと思います。  今先生が具体の幾つかの例をお示しになりましたが、移転調査会の議論の中でも、妙な誘致合戦と申しますか、そういったようなことをあおることは適当でないというのがもう一つあるわけであります。あくまでこれは国がやるべき仕事で、ただ、地元の御協力がなければなかなか進まない。それをどうやって判断するのかというのは、先ほど申しましたように総合的に判断するしかない、こういうふうに考えております。

小林守社会民主党・護憲連合

○小林委員 もうちょっと突っ込んで聞きたいところもあるのですが、時間も参りましたので、まとめの要望に入りたいと思います。  首都機能移転の問題につきましては、国政の課題として、多極分散型の国土形成、地方分権や規制緩和、行財政改革の推進を進めていく、こういう前提の上に立って、国会都市、首都を移転する新しい都市づくりというのは、まず自然環境との調和を徹底して追求していただく都市づくりをお願いしたいと思います。  さらには、災害に強い、防災のモデル都市としての町づくりを構想していただきたいと思いますし、当然、二十一世紀は高度情報通信社会を形成するわけですけれども、マルチメディアを基盤とした情報公開、市民参加の国際政治都市をつくっていただきたい。このためには、当然のことながら国民的合意の形成が必要ですし、それらの観点を踏まえて、時間的にも大変厳しい状況にあるわけでありますから、国土庁を中心といたしまして強力に促進されるように要望いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 次に、玄葉光一郎君。

玄葉光一郎新党さきがけ

○玄葉委員 前回の特別委員会での質疑におきましては、私は三十分ぐらいかけて、改めて国会移転の意義と効果、さらに選定基準の問題、そして今後の進め方、中でも国民的な合意形成の方法について、また現地調査などをする選定機関の中身の問題、とりわけ選定機関の人選、また選定機関は一つに絞って候補地を答申するのかあるいは複数出すべきなのか、そんなこと等々の質疑を、また論議を宇野会長とさせていただいたところでございます。  今、予算委員会の審議が空転をしておりますけれども、私たちとしては、改めて決意を申し上げさせていただければ、これまでお二人の方から出ましたように、議員が立法していく、その中で選定機関をつくり上げていく、そういうことを今国会中にさせていただくべく努力をさせていただきたいということを、この場をおかりして改めて申し上げておきたいと思います。  今回は、時間が十分だということでありますし、絞って質問をさせていただきたい。特にどういうことかといえば、この問題を議論しているときになかなか中心的なテーマにはならない、ならないけれども、しかし同時に、国民が実は素朴な疑問として持っている、そういうテーマについて質問をさせていただきたい。それは、一つは皇居と国会等移転の関係、そしてもう一つは官邸の建てかえの問題と国会等移転の関係、この二つの問題であります。  皇居の問題、これは先ほども申し上げましたように、素朴な疑問でございます。国民は、国会等移転がなされる、そのときに一体皇居はどうなるのだろう、全然議論にはなっていないけれども、調査会ではどんな議論をしたのだろう、そう考えるのが普通の感覚かなというふうにも思いますが、調査会の中ではこの皇居の問題については議論があったのかなかったのか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 お答え申し上げます。  国会等移転調査会の根拠となります国会等の移転に関する法律では、移転調査会の所掌事務といたしまして、「調査会は、国会等の移転に関し、次に掲げる事項について調査審議し、総理大臣に報告する」、こうなっております。この場合の「国会等の移転に関し、」というのは何かというのが第一条に書いてありまして、「国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なもの」というのがその定義になっているところでございます。したがいまして、国会等移転調査会におきましては、この法律に定められた内容、国会それから行政、司法の中枢部分の移転に関する検討が行われたということでございます。  それはまた、この移転調査会報告の表紙の裏側になるわけでありますけれども、「この報告において「新首都」とは、「国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なものの移転先の新都市」という意味において用いている。」ということで、皇居については触れておりません。つまり、法律で定められた課題についての審議が行われたわけでありまして、皇居につきましてはその審議事項の対象とはなっていない。むしろ現在地に皇居が位置される、これを前提に議論がされたところでございます。

玄葉光一郎新党さきがけ

○玄葉委員 遷都という言葉は、皇居が移るあるいは陛下がお移りになられるということだという指摘もございます。我が国の歴史を見れば、一一九二年の鎌倉幕府にしろ、また一六〇三年の江戸幕府にしろ、陛下はお移りになられていないわけであります。ですから、国会等移転という言葉をあえて使われているのだろうというふうに理解をしております。また同時に、国政全般の改革ということからすれば、皇居の移転ということは必ずしも直結するものではないというふうにも考えているところであります。  ただ一方で、御存じのように、我が国の憲法は天皇の国事行為を定めております。また同時に、新しい首都がつくられたならば、陛下が新首都にたびたびお出向きになるということも間違いなくあるのでしょう。したがって、皇居の問題というよりその周辺の問題と申し上げてもいいのかもしれませんけれども、例えば新首都に御所をつくる必要がないのかどうか、そういった問題についてもこれからは並行して議論していく必要があるのではないか。  私たちとしては、やはり並行して議論していく必要があるだろうというふうに認識をしておりますけれども、調査会の事務局をお務めになられた国土庁としては、こういう議論が必要であるという認識についてどのようにお考えになっておられるか、お尋ねをしたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 国会等移転調査会の御議論は、まず首都機能移転を行うべきかどうか、行うとしてその意義は何か、そしてその移転先地の要件はどういうのがあるか、スケジュールはどういうのが一番いいか、実はこういう極めて基本的なと申しますかそういう議論になっているわけであります。  これから実際首都機能移転が行われるようになりますと、実はいろいろ多くの問題があるわけでありまして、今先生御指摘がありましたように、天皇陛下の場合には、憲法で定められました国事行為あるいはいろいろな公的行為等々をお持ちであります。そういったものはどう対応するのかという問題があります。そういう大きな問題が、実はほかにもいろいろ出てくるだろうと思います。  今、首都機能移転を決める前に全部そこの段取りを決めるというのは実は無理でございまして、まず移転するかどうか、それから移転先ほどこにするかというところをまず骨太に構えまして、そしてそれに伴って生ずる問題は、当然行政官庁の中でもそのつかさつかさでいろいろな議論をしなければいけないと思っておりますし、また当然、国会の数多くの御指摘をこれからいただけるものと思っている次第でございます。

玄葉光一郎新党さきがけ

○玄葉委員 今私が申し上げましたとおり、これからは、候補地、移転先の決定の議論とともに、ぼちぼちそういう議論もお互いにしていかなくてはいけないだろうというふうに思います。  時間があと三分ぐらいです。なかなか話題に上らないけれども、実は整理をしておかなくてはいけないもう一つの素朴な疑問があります。それは、先ほども申し上げましたとおり、官邸の建てかえの問題でございます。  これは、平成七年度の予算で四十二億円計上されているところであります。平成八年度に新官邸の基本設計を行って、実施設計を経て平成十年度に着工する。平成十二年の概成を目指しているということでございます。  改めて、こういう官邸の建てかえの問題が現実的になってきて、もう既に行われ始めて、一体政府は、政治家は、あるいは役人も含めて、国会等移転を議論しているけれども本気なのかという声が出てきているのも事実でございます。新しい官庁も建てかえられているという状況でもございますけれども、この新首都建設と官邸建てかえの問題の整合性についてはどのようにお考えになっておられるか、お尋ねをしたいと思います。

吉井一弥内閣参事官室内閣参事官

○吉井政府委員 お答えいたします。  現在の総理大臣官邸は昭和四年に建てられた建物でございまして、建築後七十年近く経過しておりまして、かなり老朽化も激しく、狭隘化が著しくなっております。特に、危機管理機能でございますとか情報通信機能の充実は緊急の課題であると認識しております。このような観点から、ただいま先生御指摘のとおり、平成八年度予算に基本設計費をお願いしているところでございます。  首都機能移転との関係でございますが、新首都の建設までには少なくとも十年程度はかかる、また、首都機能が完全に新首都に移転するまでにはさらに相当な期間が必要であると思っておりまして、首都機能が新首都と東京に分かれて立地する間も、東京にも総理大臣官邸の機能が果たせるような施設がぜひ必要ではないか。特に、先ほど申しましたような危機管理等のことを考えますと、たとえ十年、二十年であっても現在の官邸のままではやはり仕方ないというか、立派な官邸をつくる必要があるんじゃないかと思っております。  また、首都機能が完全に新首都に移転した後でございますが、東京は依然として我が国の経済、文化の中心となることでありましょうし、また、先ほどの議論にもありましたように皇居もあるということを前提にいたしますと、総理大臣等が宮中の行事を初め各種の行事に参列したり、あるいは政府が国民各界各層との意見交換、あるいは外交的な活動等を行います拠点はぜひ東京にも必要であろうと思っております。そのための施設として十分機能するようなことを念頭に置きまして、これから新官邸の基本設計には当たっていきたいと思っております。  また、仮にの議論でございますが、東京が災害等で被災した場合に、それも当然の大前提として新首都の議論がなされているわけでございますが、政府の援助活動等を最前線で指揮するような、いわば防災基地としても使えるようなことも考えなければならないと思っておりますし、それから、新首都の場所の選定等に当たりましては防災を最重点となさるとは思っておりますが、この日本の中でございますので、新首都の官邸等に何かのことがあった場合には、そのバックアップ施設として使えるようにというふうなことを考えてまいりたいと思っております。

玄葉光一郎新党さきがけ

○玄葉委員 質問時間が終了いたしましたという紙が参りましたから、もう余りいたしませんが、基本的には今の整理の仕方でいいのではないかなというふうに思います。  ぜひ、基本設計を新首都建設後も対応できるような設計にしていただきたいと思っておりますし、これから官邸の建てかえが進む、同時にこの新首都建設の論議が進み現実的になっていく、その過程の中では、一体あの官邸建てかえは何なのという、この素朴な疑問が改めて国民から提起されてくる可能性があります。ですから総理府は、ぜひこの整合性についてしっかりと、新首都建設後もこういう形で使われるのですよということをわかりやすく、国民の皆様に御理解をいただけるような説明の仕方を心がけていただいて、時々において適宜御説明をいただきたい、そのことを要望させていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 次に、中島武敏君。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 冒頭に、委員長からきょうの委員会についての発言がありました。私は、質問に先立って、本日の委員会開会について一言述べておきたいと思います。  国会は今、不正常な状態にあります。日本共産党から自民党にこの状態を打開する案を持ちかけ、日本共産党と与党三党との間に三項目の合意が成立しました。「一、採決を前提とした日程設定を白紙に戻す」「二、母体行の追加負担問題や真相解明と対策についての徹底審議をおこなう」「三、与党は今後採決の日程を強引に決めることはしないと約束する」、この三項目なんですが、日本共産党はその後、議長に対して、直ちに国会を構成する全党がテーブルにつく機会を持つように申し入れました。  その後、議長から五党の幹事長、書記長に対して出席の呼びかけがあり、新進党の出席はありませんでしたが、この席上で三項目の確認と、議長から、大幅に審議日程をとる、それから本会議で強行採決はとらない、責任を持つと発言があり、確認されました。  私は、このように国会の事態が不正常な状態が正常化へ向かって大きく局面を展開する努力が続けられているときですから、不正常をさらに拡大するようなきょうの委員会はセット、開会すべきではないと主張いたしました。しかし、委員会のセット、開会となったことは甚だ残念でありますけれども、日本共産党は自分の意見が入れられないからと審議をボイコットする党ではありませんので、以下、質問を行いたいと思います。  まず最初にお尋ねしたい問題は、東京一極集中の問題です。  この問題で、国会等移転の最大の目的は東京一極集中の排除であったことは疑いのないところだと思うのです。調査会の報告では、霞が関、永田町付近のピーク時における地下鉄の混雑率は一〇%程度緩和する、自動車交通では首都高速環状線の交通量が三%程度減少するとなっておりますけれども、これはそれぞれ何%から何%へ減少することになるのか、またその試算はどこでおやりになったのか、まずこれをお尋ねいたします。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 お答え申し上げます。  一〇%緩和されるという点につきましては、地下鉄のピーク時の混雑率を計算しているわけでありまして、一九七%から一八七%に緩和するということでございます。  それから首都高速につきましては、ちょっとパーセントがあれでありますが、要するに一万三千百台減少するということから、一日当たりの交通量が四十二万四千四百台でございますので、それが三%ダウンするということでございます。  いずれも国土庁が計算したものでございます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 先日、私はこの委員会で調査会の宇野会長に質問をいたしました。そのときに、宇野会長は一極集中問題についてこう言われたのです。「率直に申し上げて、そこまで十分な詰めは議論している時間はなかった」、こういうのが答弁でございました。  調査会としては、今答弁のあったような程度の調査、検討で東京一極集中は排除される、こういう認識になったのでしょうか。この点を伺います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 現在の首都圏、一都三県でカウントいたしますと、全体で三千二百万人ぐらいおられるわけでありまして、そこで最大で六十万人規模の都市をつくるということでありますから、それだけを見れば、おのずから限界があるというのも議論がされているところであります。  ただ、一極集中といいますのは、その頭数の問題も当然ございますけれども、何でもかんでもそろっている東京というのがまずあるわけでありまして、そういう経済機能的あるいは社会機能的、当然政治行政もそうでありますけれども、東京に全部集中している。そればかりでなくて、みんなの考え方にどうも東京に行くことはいいことだという精神的な東京一極集中というのもある。これを解決しなければ、いつまでたっても日本はよくならないのではないかというようなことから、全体の仕組みを変えていくというようなことで、繰り返し申し上げて恐縮でございますけれども、国政全般の改革とこれは車の両輪として位置づけられた施策というようなことでございます。  東京への一極集中というのは、そういう広い、いろいろな意味合いを持つものだということを御理解いただきたいと存じます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 今局長が述べられた答弁というのは、やはりそれが結果としてどうなるかということになれば、交通量とかあるいはその他のことにあらわれてくるんだと思うのですね。だから、つまり局長が言われていることが、交通量その他にあらわれるものとして見ればこの程度であるというと、私は、これで混雑が解消したとか、あるいは東京集中が改まったとかいう結果にはならないのではないかと思うのですね。  そういう点からいって、宇野会長も、詰めば時間がなくて十分できなかったと言われている。ことしの三月末までという答申を何カ月も早めてやられた。それにしても時間がなかったからといってこういう答弁が返ってくるというのは、これは一極集中の排除というのが今度の首都移転問題についての最大の旗印であったのではないだろうか、それが時間がなくて、局長からは答弁があったけれども、しかしそれではちょっと納得できるような状態ではありませんね。  それから、もう一つお尋ねしたいのですけれども、地震対策の問題なんです。  この点ももう法律にも明記していることでもありますけれども、首都機能が移転したとしても三千二百万人の東京圏の住民の圧倒的部分は取り残されることになるわけです。そして、この人々に対する震災対策というのは一体どういうふうに調査会としては議論があったのか、この点についても伺いたいのです。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 御指摘の首都機能移転後の東京の防災対策ということにつきましては、移転調査会におきましては、移転を契機に東京の防災性の向上につなげていく必要があるという位置づけをしておるところであります。  具体的には、現在の国会でありますとか、それから行政官庁のあるところ、あるいは公務員住宅等々全部合わせますと、二十三区内で二百十ヘクタールに及ぶ跡地が出るわけであります。ただ、前回にも御答弁申し上げましたけれども、例えば国会がなくなる、この建物がなくなるかどうかは大変疑問でありまして、残るものもあるわけであります。今二百十ヘクタールと申し上げましたのは、全部それがなくなった場合の最大の面積としての二百十ヘクタールというように御理解いただきたいと思います。  この二百十ヘクタールというのはどのくらいの規模かと申しますと、現在行政機関の移転を一生懸命やっているわけであります。大宮に行くとか筑波に行くとか立川に行ってもらうとか、これで二十三区で出てまいります土地が三十六ヘクタールでございます。この三十六ヘクタールに比べますと、今回のは都内で二百十ヘクタールということでありますから、六倍弱の土地が出てくることになります。今までこういう移転跡地が一番出てきたのは、実は筑波のときでございました。筑波のときも二十三区で出てまいりましたのが七十八ヘクタールでございました。これの約三倍弱の土地が出るということであります。  大口返還財産、米軍基地等の問題でありますけれども大口返還財産のとき、それから筑波移転跡地、それから行政機関移転跡地、この三つが今まで移転跡地が大量に出た例でありますけれども、この三つを合わせた面積の一・四倍の土地がこの二百十ヘクタールになる。非常に大きな面積が二十三区内のかなり便利なところに出てくるということになります。  そこで、最大二百十ヘクタールにも及ぶ移転跡地について、災害に強い都市構造の形成に資する避難地でありますとか避難路でありますとか、あるいは防災拠点の整備をする。それから、公務員住宅等につきましては、一つ一つ当たってまいりますと、周辺に木造密集地帯とかなり近接している例があるわけであります。この密集住宅市街地の防災性の向上というのは、先生前から御指摘があるところでありますけれども、大変難しいところがあります。これは種地がありませんとなかなか地域全体の改善が進まないわけでありますけれども、そういった土地としても今回の移転跡地は使える。密集住宅市街地のそばにあります跡地を使いまして、全体の不燃化を進めるというようなことができるわけであります。  それから、災害が起こりましたときに、関係職員が、これは公共団体も含めてでありますけれども、交通その他の問題がありまして、なかなか集まりにくいというような問題があります。そういった場合に、災害時に備えて、そういう関係職員の宿舎を便利なところにつくっておくというようなことも提言されているところであります。  それから、普通の方々でありますけれども、東京圏で今大変通勤時間が長くなっておりますので、これもやはり災害が起こった場合に、さっき申し上げました勤め先に出られないというのもあるのですが、勤め先に出られた方が今度は帰れないという問題が出てきます。都心に非常に大量の帰宅困難者が発生するということもあるわけであります。こういったような関係につきましても、移転跡地は使い得るのではないかというようなことが提言されております。  そして、仮に東京圏が被災した場合に、首都機能が移転されておりますと外にあるわけでありますので、それの救援部隊が外から的確に出せることになります。現在は、言ってみますと首都圏の中に埋もれてしまっているわけでありますけれども、救援部隊が外にあるということになります。先ほど総理府の方からもお答えがありましたけれども、外にあって、しかも例えば新しい総理官邸などができますとそれが救援の前線部隊になる、司令塔になる、こういうようなことが期待されているところでございます。  いささか長くなって恐縮でございますが、要は移転を契機に東京の防災性の向上につなげていきたい、こういうように考えているところであります。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 先日の私の質問に対して宇野会長は、今の問題なんですけれども、「幾つかのテストの結果のこういう一つの案だというものも、東京の中でもできていないわけではございません。」こういう答弁があったのですけれども、今局長が述べられたのはこの答弁の具体的な中身、こういうふうに受け取ってよろしいですか。  それからもう一つ、この問題に関連して、なかなか大がかりな話を局長は言われましたけれども、これを実行するためには住民合意とそれからお金が必要です。財政、金、これです。これは一体政府の方で持つのか、それとも東京都の方で持ったらよろしい、こういう考えなのか。この辺についてが二つ目。私は実は、東京の今日の過密は政府の政策に非常に責任がある、きょうは時間がありませんから何も詳論いたしませんけれども、そう思っております。思っておりますから、震災に強い東京をつくるというのだったら政府はもっとうんとお金を持たなければいかぬ、こういう見解なんですけれども、きょうはちょっと論争という時間もありませんので、それが二つ目。  それから、局長が今言ったことが調査会の中で議論されているのだとするならば、これは報告書の結果だけ見ておってもわからないんです。そういうことが本当に議論されているのかどうか。されているのだとするならば、私はやはり国土庁がどういう資料を調査会に提出して、そしてどういう議論があったというのを公開してもらわないと、なかなか結論だけ——相当厚いものなんですよ。だけれどもよくわかりません。ぜひひとつ公開してもらいたいと思います。その点についてが三点目。局長の見解を求めたいと思います。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 お答え申し上げます。  第一点の前回の宇野会長のお話と先ほど申し上げました答弁がどうリンクしておるか、はっきり覚えておりませんので、御勘弁をいただければと思います。  それから、移転跡地を活用して東京の防災機能を向上するためにいろいろな支援をするべきではないかという御指摘でございます。  これにつきましては、既に御案内のように避難路、避難地の整備につきましての対策、あるいは民間の建築物の不燃化を、言ってみますと避難路なら避難路の周辺に帯状につくっていく、あるいは避難地、公園の周辺にやはり帯状に不燃建築物を形成する都市防災不燃化促進事業等々、防災機能強化のための事業はそれぞれそろっていると承知しております。これをフルに、まあほとんどが補助制度ということになりますので、交付税の問題ではないわけでありますが、そういった制度を御活用いただくということになろうかと思います。ただ、先ほど御答弁申し上げたところでございますけれども、東京都におかれましては今慎重な姿勢をおとりになっておられますので、ちょっとそういう段階の議論まではまだできない状況にあろうということでございます。  それから第三点、調査会の内容につきまして御質問がありました。  先ほど申し上げました内容につきましてはすべて移転調査会の報告書に書いてあるところから御答弁を申し上げたところでございまして、もし必要でございましたら、そこにつきまして後ほど先生の方にコピーをお届けしたいと思います。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 なかなか、数字や何か述べている部分もあるのですよ。あるのですけれども、しかしそこまで詳論をしてきちっとやっていましたかな。どうもやっていないと私は思いますよ。それから、それは調査会の中でやられたものなのですか、その見解は。そうではないのですか。そこがどうも今答弁を聞いておってちょっとはっきりしなかったのですけれども、それをひとつお答えください。  それからもう一つ、実はこれも私の質問に対してなのですけれども、こういうことが書いてある。二十一省庁が現在ある。これをスリムにする。それで八省庁なら八省庁にする。そうすると、東京の中に首都機能を置いておいて実行するのは非常に難しい。だから宿がえしてそういうふうにしたいんだ。こういう話がありまして、これも話を聞いておって、ははあ、これは相当強力な話をしているなと私は思いました。  新進党が国家組織法の一部改正案を提出しておりまして、その中に各省庁の統廃合案が出されておりますけれども、首都機能の移転に伴って一挙にそういうふうにするという考え方は、これはやはり調査会で議論になった中身なのですか。その点も伺いたいのです。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 先ほどお答え申し上げましたが、防災関係につきましてはすべて移転調査会報告書に書いてあるところであります。触れていないところは、今までの大口返還財産とか、あのあたりはちょっと今補足させていただきましたが、それ以外の結論につきましては調査会報告書に書いてあるところでございます。  それから、移転調査会での議論は、首都機能移転につきましては、地方分権でありますとか規制緩和でありますとか、こういう国政全般にわたる改革と車の両輪だという位置づけで議論がされてきたところでございます。今先生御指摘の、省庁統合といいますか、二十一省庁、あのとき確かに宇野会長は、例えば八省庁にしたとしましてと、こういうお話があったような気がいたしますけれども、その行政組織の話は移転調査会ではなかったというふうに考えております。ただ、国政全般にわたる改革は必要だ、その中でこの首都機能移転がそれを牽引するもの、あるいはその契機となるものという位置づけがされたところでございます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 これが最後ですけれども、先ほどもちょっと議論になりましたが、首都機能移転問題を議論されている一方で、中央省庁の建てかえがどんどん進められている。この問題について、参議院における移転特でも、宇野会長は「一種の戸惑いを感じながらああいう工事を見ております。」と率直な感想を述べているのですね。それで、調査会の中でどういう議論がやられたのかということ、これについて伺いたい。  それから、物すごくたくさん今までに建てかえて、もう耐用年数からいうと相当あるというものがたくさんあるわけなのですけれども、これは移転を行った場合にどういう目的のために使うのか、この辺についても調査会ではどんなふうに検討したのか。  それから、関連してもう一つ最後に伺いたいのは、この移転跡地の問題について、民間活力の活用ということも報告書でうたっているのですよね。公共公益活用というものとあわせてもう一つうたっているのですけれども、これは一体どういう場合に民間活力の活用、つまり民間に払い下げるということだと思うのですが、そういうことを考えておるのかということについてお答えいただいて、私の質問を終わりにしたいと思うのです。

五十嵐健之国土庁大都市圏整備局長

○五十嵐(健)政府委員 官庁の建てかえについて、調査会でも、どうしてこういうときにやるのかなというような議論があったのは事実でございます。それで、結論としましては、先ほど総理府の方から御答弁がございましたけれども、移転調査会でも同じような考えになりまして、報告書がまとめられたというのが経緯でございます。  それから、その後の官庁を活用するべきだというのも議論されましたけれども、先ほど来申し上げておりますように、あらゆる問題を全部片づけるというには、移転調査会そのものがそういう性格ではない、基本的な方向づけをされ、それぞれの問題点の解決をできるだけ図っていくというようなスタンスでございましたので、例えば今つくったあるいはできたての個々の庁舎を、これはこういうふうに使ったらいいのじゃないかというようなところまでの議論はされておりません。  それから移転後についての土地利用というのは、これは土地を持ったままでありますと、地主である国の問題、それから町づくりの主体である東京都との関係があるわけでありまして、移転した後に、首都機能がなくなった段階で、国がここの町はどうこうあるべきだというのは言わぬ方がいいのではないかなというのが移転調査会でありました。  ただ、それは別に公的な、役所的なものばかりに限定する必要はないわけで、経済の首都、文化の都という東京の位置づけをするのであるから、そういう趣旨に向かっていろいろ利用いただければいいのではないか。そういった意味で、民活という言葉が出てまいりますが、全部主体が行政でなくていいではないか、もっと経済の首都、文化の都というのにふさわしいいろいろなことをお考えいただいたらどうかというので、ああいう提言がされているところでございます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 終わります。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十八分散会

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