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136回国会衆議院1996/03/27

規制緩和に関する特別委員会 第4号

発言数
63
登壇者
9
会派数
4
開催日
1996/03/27

会議録

石破茂新進党

○石破委員長 これより会議を開きます。  規制緩和に関する件について調査を進めます。  本日は、本件調査のため、参考人として行政改革委員会委員、ジャーナリスト大宅映子君、行政改革委員会規制緩和小委員会参与、旭リサーチセンター代表取締役社長鈴木良男君、行政改革委員会委員、経済評論家田中直毅君、以上三名の方々に御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位には、規制緩和に関する問題につきまして、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序についてでございますが、参考人にそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  それでは、まず大宅参考人にお願いいたします。

大宅映子行政改革委員会委員・ジャ−ナリスト

○大宅参考人 ただいま御紹介いただきました行政改革委員の大宅映子でございます。  なお、本日は、本来であれば飯田委員長が参上するところなんでございますけれども、ちょっと不都合がございまして参れません。その点御了承いただきたいと思います。  さて、行政改革委員会なんですけれども、この任務は、国民的視野に立って規制緩和を初めとする行政改革の実施状況を監視すること、これが一つ、それから、行政情報の公開にかかわる法律、制度に関する調査審議を行うこと、この二つを任務としまして、三年の任期で平成六年十二月に発足いたしました。  規制緩和の問題というのは、これから日本がどれだけ国際社会の中で活気のある社会になれるかということに関して大変重要な問題であるというふうに私は思っておりますし、我が国の国民みんなが笑顔で暮らせる社会にするために抜本的なことをやらなければいけない最重要、最優先で取り組むべき問題だと認識しています。  政府におきましては、昨年三月三十一日に規制緩和推進計画というのを閣議決定いたしました。この計画は、毎年私どもの行政改革委員会の監視結果を踏まえて改定するということになっています。ですから、これを受けまして当委員会では昨年の四月に規制緩和小委員会を発足させまして具体的な監視活動を進めてまいりました。  委員会、小委員会を通じまして規制緩和の検討に当たって私たちが大事にしましたことは、国民の視点から監視するということでございました。規制がどういうような意味を持って国民生活にどのような影響を与えるのか、どこに問題があってそれをどう正していくべきなのかということをできるだけわかりやすく国民にわかってもらおうということで具体的な提言につなげていきたいという考えで活動をしてきました。  小委員会では、このような認識のもとに委員会との意思疎通を図りながら大変精力的に毎週一回三時間、二十七回、それプラス最後のところは土日まで、夜中までというような形で検討いたしまして、この報告をもとにしまして委員会では、昨年十二月十四日に「規制緩和の推進に関する意見(第一次)」ということで内閣総理大臣に提出いたしました。  この第一次意見書は、規制緩和の推進に当たっての基本的な考え方を示した総論の部分と個別の規制緩和方策の十二分野にわたるものに分かれているのですけれども、個別の方につきましては後ほど小委員会の鈴木参与の方から説明していただくことにしまして、私の方からは総論に関しての今回の「意見」の特徴を述べさせていただきます。  四つあるのですが、第一の特徴は、委員会として聖域なく取り組むこと、これまで踏み込まれなかったところも検討の対象にいたしました。先ほどの規制緩和推進計画というのは千九十一あるわけですけれども、この実施状況だけを監視するというのではなくて、国民にとって今大事なことは何かという観点から、その計画の中には盛り込まれていなかった部分、今までずっとやってきました規制緩和の中に処置済みとされている事項、また、同計画策定過程の中で実施困難とされていた事項についても検討の対象といたしました。さらに、今回の「意見」では、政府においては従来規制としては取り扱われていなかったもの、国の行政に直接かかわる問題にとどまらない事項についても規制緩和の推進という趣旨に沿って同時にあわせてやっていかなければいけないのではないかという問題に関しては取り上げました。どうしてこういうことをしたかといいますと、規制緩和ということが国民の中で意識として何か風が起きたらいいなということでやったわけです。  二番目の特徴ですが、これは、政府に対して規制の撤廃を求めているだけではなくて、民間の方に対しても競争制限的行為の撤廃とか意識改革を訴えた点でございます。これは、行政改革委員会が民間人だけで構成されているということでこれができたのだというふうに思っております。  例えば、民間における競争制限的行為としましては、談合とかカルテルとか取引の慣行とか商慣行とかいろいろあるわけです。また、公的な参入規制があるときに、申請するときに既存の事業者の同意を必要とするというような、官の威をかりる民間の規制というのもあるわけです。こういう規制というのは民間の方がやめようと思えばすぐやめることができるわけでして、それはまさに民間側の見識が問われているということだと思います。  規制によって守られている人、既得権を持っている人というのは、自分たちの既得権益は国民の負担の上に成り立っているということを認識してもらいたいというふうに私たちは考えています。ですから、今回の「意見」では、民間側の意識改革を求めまして、みずから規制を返上するというぐらいの姿勢を持ってほしいという考えを示しました。  三番目ですけれども、国民の視点から取り組むという委員会の方針に従いまして、議論をオープンにしたということです。  まずやったことは、一つは論点公開です。  規制というのは大体意味があってできたわけですから、規制をする側の論理というのと撤廃したらこうなるという反対の論理とが両方あるわけでして、それを両方とも出して比較して、どういう理屈が成り立つのかということをわかっていただこうということです。四十七項目の論点を公開いたしまして、この公開に対しては広く国民から意見とか要望が寄せられるかなとちょっと期待したのですが、実は寄せられた意見の多くというのは大体既得権を守りたいという方のほうが多くて、ちょっとこれは残念な気がいたしました。  また、委員会と小委員会の審議内容は毎回もちろん審議概要を作成して公表しているのですけれども、それだけではなくて、昨年の九月以降は小委員会における関係団体とか関係省庁とのヒアリング、ディスカッションなんですが、それは公開にいたしました。この試みは多分国の審議会としては画期的なことではなかったかと思っております。  論点公開とか公開ディスカッションという取り組みは大体の国民の皆さんには支持されたと思っておりますので、この方向でこれからもやっていこうというふうに思っています。  四つ目の特徴なんですが、この運営は委員、参与主導の立場を貫いたということです。このことは言ってみれば当たり前なんですけれども、大体従来の審議会などにおいては事務局任せということが多いわけですけれども、今回は、通常の審議はもちろんですけれども関係団体からのヒアリングとか各省庁とのディスカッションとか、小委員会の参与みずからが担当して交渉に当たりました。先ほども申しましたけれども、委員、参与は公式の会議以外にも休日出勤なんという形もありまして、大変多くの時間をとりました。参与からは、こんなにこき使われるとは思わなかったという声が上がったぐらいでございます。  今回の「意見」は、このような我々委員と参与の主導の結果であるというふうにお考えいただきたいと思います。  最後に、ちょっとお願いなんですが、今回の「意見」は分野ごとに体系的な考えのもとに取りまとめましたので、都合のいいところだけをとるという、いわばつまみ食いみたいなことはやめていただきたいというふうに思っております。つまり、規制緩和と同時に必要な施策をしてきたところを、規制緩和を行わないでその当該施策だけを実施するなんということはあってはいけないことだと思います。  以上、規制緩和の推進に関する第一次の意見についての特徴を述べさせていただきました。  政府では、昨年十二月二十五日に閣議決定された行革大綱におきまして、今年度末、すなわち今週末なんですけれども行われる第一回の規制緩和推進計画の改定に当たりまして、私どもの行政改革委員会の意見を最大限に尊重するという方針を明らかにしています。各省庁においては、この閣議決定に従って今計画策定の大詰めの作業を行っているところですけれども、中間のヒアリング等を通じて各省庁の検討状況を見ますと、おおむね評価できるということなんですが、若干の点につきましては当委員会の意見が取り入れられていないというところがございます。いずれにせよ、最終的に規制緩和推進計画がどうなるのか、今改定作業を見守っているところでございます。  当委員会の意見の内容が規制緩和推進計画の改定に盛り込まれまして、内閣及び先生方を初めとする政治のリーダーシップによって着実に実行されることを期待申し上げております。  私の発言は以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

石破茂新進党

○石破委員長 ありがとうございました。  次に、鈴木参考人にお願いいたします。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 行政改革委員会参与の鈴木良男でございます。  規制緩和に関する特別委員会の先生方におかれましては、日ごろから規制緩和に熱心に取り組まれており、心より敬意を表する次第であります。  本日は私どもに発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。私からは、取りまとめに当たり最前線でこれを行った参与の一人として、各分野別の規制緩和策の概要を説明させていただきたいと思います。時間の関係でポイントだけを申し上げますので御了承願いたいと思います。  まず、土地・住宅の分野であります。五項目ほど取り上げました。  空間の活用につきましては、採光や日照の規制緩和と地区計画制度の積極的活用を提言いたしました。  宅地供給の促進につきましては、虫食い状態で点在する生産緑地だとか、周辺の整備不足から宅地化ができない宅地並み課税農地という現状があります。周辺整備や生産緑地との交換分合の促進、生産緑地指定の厳格な運用などを指摘いたしております。  借地・借家の問題につきましては、定期借家権制度をつくることを含めまして、供給促進策の検討を求めました。  住宅建築につきましては、素材指定の基準だと評されております現行の建築基準法を性能を定める基準に変えるということを指摘いたしました。  水道工事店の指定制度につきましては、区域外では仕事ができないだとか、あるいは地域によっては参人制限になるということが問題となっております。このため、工事店の要件を客観的で合理的なものにすること、それから給水器具の型式承認だとかあるいは検査の合理化などを求めました。  次に、情報・通信分野ですけれども、新規参入の促進と自由で公正な競争環境が何よりも必要であります。現状ではまだ規制が厳しく本当の競争状態とは言えません。一方、地域網は事実上NTTが独占しており、それに依存せざるを得ない状況にあります。そこで、規制緩和と実態としての独占体であるNTTの問題、両者を一体として解決することが必要だという考えを示しました。  規制緩和の面では、第一種電気通信事業の参入許可基準のうち需給調整条項を削除し、公益事業特権を付与する新しい仕組みをつくること、それから退出規制について、当面は現在の基準の厳格な運用、将来は届け出に移行することを求めました。そのほか、地域や国際という業務区分がないということを明確にする。それから料金認可する対象を限定する。KDD法を早く廃止する。NTT法を逐次緩和して最終的には廃止するなどを提言いたしました。  NTTのあり方につきましては、真の競争原理が働くような形態にすることが望ましいとして、分割の方法については電気通信審議会等での議論にゆだねました。  流通分野では五項目あります。  まず、大店法でございます。三回にわたる規制緩和で消費者利便は向上しております。将来的にはこれをなくしていくことを提言いたしております。  お酒の小売販売業免許につきましては、需給調整要件の廃止を含め、免許制の見直しを指摘しました。みりんも食品店で販売できるように提言しております。  酒税、お酒の税ですが、税の問題だといいますけれども、買うときの選択というものに対して影響を与えますから、合理的な課税基準をつくるよう指摘いたしました。  たばこ小売の許可と定価制は、専売制改革のときの激変緩和措置でしたけれども、廃止を含め抜本的な見直しを求めました。  医薬品の販売規制では、安全性確保は大切ですけれども、医薬品のカテゴリーの見直しを含め、検討を開始するよう指摘いたしました。  農水産物の分野ですけれども、農産物価格支持制度については、今の制度はわかりにくく実態把握は難しいということが言われます。そこで、意見書では、この制度のあり方について、国民の意向を十分に反映させた幅広い議論が行われるよう情報の提供を求めました。また、原則禁止の株式会社による農業経営につきましては、メリット、デメリットを考えて幅広い検討を行うべきだとしております。  運輸分野では四項目を取り上げました。  まず、車検制度につきましては、一層の負担軽減のため、民間車検場の検査に当たって同じ工場で点検整備を事前にするという規制の見直しを提言いたしました。  トラック事業につきましては、営業区域の拡大、最低保有台数の一律五台への段階的な引き下げ、運賃や料金の事後届け出など、もっと自由な規制に移行させることを求めました。  内航海運関係では、船腹調整事業の見直し、一部業者間での運賃協定の廃止などいろいろな措置を指摘しております。  旅客鉄道運賃の設定についても見直しを提言いたしました。  次に、金融・証券・保険分野につきましては、十二項目ほど取り上げております。  まず、株式関係につきましては、特則市場の対象を研究開発型企業に限定しないこと、それから時価発行公募増資にガイドラインがありましたけれども、それの撤廃、それから株式委託手数料の完全自由化へのスケジュールの明示、証券業の免許制から登録制への移行等を指摘しております。  また、金融機関の業態別子会社の業務分野規制を撤廃する。それから、CP、コマーシャルペーパーの発行適格基準や償還期間制限を撤廃する。リース・クレジット会社の社債、CPによる調達資金に係る規制について、法律の拡張解釈をやめることや、この関係で根拠が不透明なまま行われている規制を廃止する。居住者ユーロ円債の国内還流制限を廃止する。厚生年金基金の運用規制を撤廃する等々を提言しております。  さらに、投資顧問業者に関して最低契約額の引き下げなど、それから商品ファンドに関しては最低販売額の引き下げ、解約の自由化など、それからストックオプション制度の一般企業への拡大等々を提言しております。  エネルギー分野におきましては、電力については、卸発電の自由化を受けて透明な入札が行われるよう電力会社が買電計画、落札上限価格の算出根拠を公開すること。それから、ガソリンにつきましては、緊急時対応策は別途に講じて、供給元証明を登録の条件としないこと。セルフスタンドにつきましては、必要最小限の保安規制として遅くとも九年度中に結論を得ることなどを求めております。  雇用・労働の分野では、これまで労働の需給調整は国の役割とされ、民間には限定された職種しか認められておりません。産業構造の転換が大きな課題となっており、労働者の意識やニーズは多様化しております。また、職業も高度化するという現在の状況に対応するには民間の力を活用するシステムに転換する必要があります。  有料職業紹介事業、労働者派遣事業については、業種の大幅な拡大を前提に、民間が取り扱える業種を限定列挙する現在の方式から、民間が取り扱うことが不適切な業種を示す、いわゆるネガティブリスト方式への移行を提言いたしました。  医療・福祉分野につきましては、利用者の立場に立った改革を行うため、医療法により禁じられている企業による病院経営を聖域とせずに、利用者、国民の意見を聞き、その是非を検討すべきだといたしました。指定訪問看護事業についても、企業を参入させるよう早く検討を進めるべきだとし、医療機関の広告の規制緩和も提言しております。  競争政策につきましては、純粋持ち株会社は、今日においてこのような一律規制を行う根拠はありません。このような規制は分社化などの企業活動を制約いたします。大規模会社の株式保有総額制限も一律禁止に合理的な理由はありません。子会社設立などを制約するだけです。これらの規制は廃止すべきであって、早く検討して必要な法改正を行うべきであります。その旨提言をいたしております。  再販売価格維持制度につきましては、医薬及び化粧品については八年度末までに廃止を完了することを求め、なお著作物については引き続き検討することといたしております。  合併、営業譲渡の届け出へのすそ切り要件の導入、無用の負担を強いる外国企業などとの全部の契約の届け出の速やかな廃止も提言いたしております。  独禁法適用除外カルテルは、個別法によるものは七年度末までに原則廃止の結論を出すこと、それから独禁法適用除外法に基づくものは具体的結論を早く出すことといたしております。  なお、公正取引委員会の組織、人員の強化につきましては、規制緩和と一体で競争政策を展開するとの趣旨で進められるべきでありますが、規制緩和による全体としての行政の簡素化、人員合理化に合わせて実施すべきものであるということを述べております。  法務関係につきましては、司法は規制緩和後の世界の基本インフラとの考えから、その充実強化という問題提起をいたしました。  法曹人口についての法曹養成制度等改革協議会の多数意見を評価し、具体的増員数と増員のスケジュールの明確化を図ること、弁護士による法律事務独占を見直し、類似の職種による部分参入を認めることを検討するように要請いたしました。  外国法事務弁護士関係では、日本弁護士の雇用の容認、それから職務経験要件及び第三国法の取り扱いについて一層の規制緩和を指摘しております。  最後の基準・認証の分野につきましては、個別に要望がありましたもので十八項目四十一事項に及んで指摘をいたしておりますが、詳細な説明は省略させていただきます。  以上、行政改革委員会意見の概要を説明させていただきました。(拍手)

石破茂新進党

○石破委員長 ありがとうございました。  次に、田中参考人にお願いいたします。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 行政改革委員の田中直毅と申します。きょうは、この特別委員会に参考人として出席し、意見を述べさせていただくことを大変光栄に思っております。  私からは、規制緩和推進計画の改定において我々の委員会の意見がどのように反映しているのか、我々の委員会は監視という役割を負うていますので、その監視活動にかかわって意見を申し上げようと思います。項目として四つを選ばせていただきました。一つは金融、一つは企業活動を引き出すもの、それから三番目にネットワーク、それから四番目に円滑な労働調整というテーマでございます。  リース・クレジット会社の社債、CPによる資金調達にかかわる規制緩和でございます。  先生方の中にはどうしてこんな細かい項目を取り上げるんだと言われる方があろうかと思いますが、金融自由化の世界の歴史におきましても、このCPの発行によって事業者が新しい金融手段を持つということが、銀行組織に大変なイノベーション、改革の力を及ぼしているわけでございます。  既にアメリカにおいては十数年前から、事業会社が自由にCPの発行をすることによって、銀行自身が自由化の中で新しい業態を迫られております。そして、例えば貸し出しの審査能力とか、あるいは事業会社に対するモニタリングの能力とか、あるいは銀行が持ち得ています能力を使ってリスクを負担しつつかつそれを他よりも軽減させる、そうした能力に秀でた銀行が出てきておりまして、こうした能力を必ずしもこうした分野に絞り込みを行わなかった日本の銀行のいわゆる国際的競争力が大幅に低下しているわけでございます。  それは銀行に対して競争を迫るメカニズムを我々が持っていなかったということでございまして、このCPの発行等によって、例えばリース・クレジット会社が貸し出しというような分野において新しい力量を手にするということは、これは金融機関全般に対して大変な刺激を及ぼすことになり、金融機関が自分たちの持ち味を生かして、預金者に対してより高い金利を、そして事業者に対してはより安い金利を提供する、そういうイノベーションのもとに、このCP、コマーシャルペーパーの発行の自由化とその使途についての自由化があるわけでございます。  そうした見地に立ってみますと、我が国において、特にリース・クレジット会社の社債、CPによる調達資金の使途について、極めて厳格な基準が設けられている、いわば手足を縛る形になっていることは、結果として我が国における金融自由化の成果を少なくしているのではないか、こういう視点から選んでおります。この分野においても、我々の監視活動によってどのような成果が得られるか、一両日中でございますが、私どもとしては大変大きな期待をしておるわけでございます。  それから、企業活力を引き出すという面については、持ち株会社規制と大規模会社の株式保有総額規制というものがございます。これは、先生方御存じのように、第二次世界大戦後、戦前戦中における財閥支配を我々が深く悔いたがゆえに、純粋持ち株会社を認めない、そして大規模な会社の株式保有制限をした方がいいという趣旨で、こうした規定が独禁法に盛り込まれたわけでございます。  しかし、今日のグローバライゼーションといいますか、世界の中で供給者が仕事をして競争するという仕組みが出てまいりますと、事業支配力の過大な集中というのをただ単に一国内で議論していても、実態上は意味がないということが起きております。  例えば、四月一日からは特石法の廃止によってガソリンの輸入自由化が実施されます。これを前倒ししてガソリン価格が下がってきているわけですが、これは、ではなぜこういうことが起きるのか。物すごくガソリンが入るのかということを考えてみますと、どう専門家に聞きましても、日本で売られるであろうガソリンの販売量に占める輸入の量は五%を上回ることはまずないと思われております。皆そういう予想をしている。にもかかわらず、ガソリン価格が大幅な低下をしているということは、この事業支配力の過度の集中ということが、三%ないし五%の輸入品が入るだけでも価格が崩れるという、それだけ消費者の利便が増すという、こうしたグローバライゼーションの流れの中において見ますと、独禁法が規定しています事業支配力の過度の集中という考え方は少し吟味を要するのではないか。  そこで、私どもとしては、企業がリスクの遮断を行って新しい分野にどんどん投資をするということからいってもこの純粋持ち株会社は認められてしかるべきだし、それから大規模会社といえども子会社を次々設立して新しい分野に対する挑戦をやってもらわなければ、日本において職はふえないということでございますので、こうしたことについて大幅な規制緩和を公取にお願いしたわけでございます。公取からの回答は、この事業支配力の過度の集中というかつての規定に依然こだわり、現実においてこれがいかなる意味を持っているかについてのちゃんとした説明を、私どもも受けておりませんし、国会に対しても説明していないのではないかと思いますけれども、私どもとしては、これは問題であるというふうに思います。  それから、NTTのあり方でございます。  今、世界はネットワーク社会に大きく移行し、このネットワークの使い勝手のよさというものが産業の活力全般を引き出すのに極めて重要であり、職場をふやすことにおいて極めて重要なことはもう御存じのとおりでございます。しかるに、我が国においては、遠近料金格差は依然として国際的に見ても極めて高いものでございますし、我々はその恩恵に十分あずかっていないのではないかというふうに思っておるわけです。  そこで、規制緩和とNTTのあり方をセットとして提示いたしました。規制緩和についてはるる説明はよしますが、NTTのあり方について言いますと、これはもういろいろ議論があることは私ども承知しておりますけれども、現在のNTTの規模が、スパン・オブ・コントロール、企業経営者としての管理の範囲を既に超えた大きな世帯であって、これを何らかの形で活性化するということは重要でありますし、それから競争条件がこの分野において導入されませんと、結果として事業者や消費者はその成果を手にすることができないのではないかということで、NTTのあり方については根底的な議論をしてもらった上で、分割の方法等については専門の審議会で議論してほしいというふうにげたを預けた形でございます。NTTのあり方だけに絞って我々が検討してきたわけではございませんので、このNTTのあり方について、長時間、そして多くの方の意見を聞いてやる仕組みが別途必要であろうと思って、既にある審議会に具体的な検討をゆだねたというのが実態でございます。  しかし、いずれにしろ、ネットワーク社会の成果を我々が手にするためには、この分野における規制緩和とNTTのあり方について根底的な見直しをするということは極めて重要なことだというふうに私ども考えております。  それから労働についてでございますが、これだけ大きく社会変容が重なってきている中で、一つの事業会社に長年勤めるという幸福といいますか、そういうまれな立場の方は少なくなっておりまして、自分が三十年あるいは四十年働く上において、事業会社をかわる、あるいは職種さえも変えるということが当然のことのようになってきたときに、この分野において過度の規制を行うということは問題ではないか。したがって、私どもは、有料職業紹介事業それから労働者派遣事業にかかわる規制緩和を大幅にやってほしいという要望をしたわけでございます。  ゲーテは、「モットー」という本の中で、「急ぐことなく、されど休むことなく」と言っております。規制緩和は、もう少し前に私ども議論するとすれば急ぐことなくという程度でよかったと思いますが、今、国際社会の中で、私どもは大変な競争を迫られておりますし、国内における職場を新たにつくり出すことの重要性が多いということからいきますと、急ぐことなくではなくて、急いでやらなければいけないというふうに思っております。  ありがとうございました。(拍手)

石破茂新進党

○石破委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

石破茂新進党

○石破委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田佳彦君。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 新進党の野田佳彦でございます。  本日は、三人の参考人の先生方におかれましては、大変お忙しい中、私ども規制緩和特別委員会にお越しをいただきまして貴重な御意見を陳述をしていただきました。本当に心から感謝を申し上げたいと思います。また、平素からの行政改革委員会並びに規制緩和小委員会の活動については、高く評価をしている次第でございます。  さて、いわゆる改定が明後日に迫っておりまして、今大詰めを迎えている段階であります。十二月に行政改革委員会より「規制緩和の推進に関する意見(第一次)」というものが出されて、そして、一月に各省庁からの中間発表がございましたけれども、この中間発表があったときには、規制緩和推進に期待をする皆さんからは、大変失望の声が上がったように思います。  その後、いよいよこの三月二十九日の閣議決定までの期間に、果たして責任ある立場の政治家のリーダーシップが十分とられているのかどうか、私は、まずこれについて確認をしたいと思いますが、とりわけ橋本総理大臣、そして中西総務庁長官、この規制緩和推進に対するリーダーシップを果たしてとってきているかどうかについて、まずは大宅参考人にお尋ねをしたいというふうに思います。

大宅映子行政改革委員会委員・ジャ−ナリスト

○大宅参考人 さあ、私に率直にと言わせると、ちょっと言い過ぎてしまう部分があるんじゃないかと思うのですが、さっきもちょっと強調しました、最大限尊重するというお言葉をいただいているわけですよね。その割に、本当に最大限なのかなというのは実感としてございます。  ただ、最後にひっくり返るということがこの世界はよくあるようでございますので、最後のところに今期待しているという感じです。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 最後の段階に期待をされているという微妙な表現でございました。私自身もそういう期待を持ちたいと思うのですけれども、巷間、新聞報道等で流れている範囲においては、果たして中身の充実した改定になるのかどうかについては、大変懸念を持たれている状況であろうというふうに思います。  先般の行政改革委員会と規制緩和小委員会の合同会議でございますか、この席では、随分いろいろな御不満も出たようでありまして、もし行革委員会の意思が十分に反映をされない結果となったならば、改めて総理に対して勧告権を行使をするような、そんな強い決意であるとか、あるいは総辞職論等の強硬論も出ていたようでありますけれども、仮に、その十分な反映ができなかった、そんな改定であった場合には、大宅委員においてはどのような姿勢で臨まれるでしょうか。

大宅映子行政改革委員会委員・ジャ−ナリスト

○大宅参考人 政治家的発言でお答えしようかなというと、予測に関しましては今のところまだお返事はできませんと、こういうふうに言うんじゃないですか。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 まず、今の段階では、そういう表現で仕方がないだろうというふうに思います。胸のうちを察すると余りあるものがあるような気がしてなりません。  次に、行政改革委員会の運営のあり方について、引き続き大宅参考人にお聞きしたいと思うのです。  去る二月二十九日だったでしょうか、経済審議会、地方分権推進委員会、国会等移転調査会、そして行政改革委員会が、それぞれの会長さんであるとか、あるいは行政改革委員会では宮崎先生が出席をされたようでありますけれども、橋本総理との懇談会を持たれたとのことでありました。この席上で、各審議会の有機的な連携、行政と経済の一体的な、抜本的な改革等々の主張が橋本総理から吐露されたようであります。  これはまさに、第三次臨調への布石となるのかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、今後の行政改革委員会の審議のあり方に大きくかかわる、今後の方向性をある意味では示唆する動きだったように思いますが、こうした動きについては、大宅参考人はどのようにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。

大宅映子行政改革委員会委員・ジャ−ナリスト

○大宅参考人 この間のその四つの審議会の話のメモを見たのですけれども、あの中では第三次臨調というのではありませんと総理はおっしゃっていらっしゃるようなんですが、新聞なんかに出てくると、まだ相変わらず第三次臨調という話、行政改革委員会をもうちょっと強化するとか地位を上げるとかというような、何かそんなニュアンスが出てくるのです。ああ、おれたち弱かったのかい、こういう感じで今いるわけでございまして、ちょっとその辺は、もしそういう形が動き出すとすると、何だったのということになるかとは思いますが、新聞で出てくる論調と橋本総理がおっしゃっているのとは、どうもちょっとギャップがあるようなふうに見受けられなくもないのですけれども。  ただ、何しろ三年の任期でやることをやるということですので、何しろこちらとしてはやる気が十分なんですけれども……。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 それでは、次に、鈴木参考人にお尋ねをしたいというふうに思います。  個々のいろいろな規制緩和分野について、本当に十分間という短い時間内で御説明を賜りましたけれども、まず、その一つ一つの個々の問題に入る前に、今回、規制緩和小委員会の小委員長に宮崎勇先生が就任をされました。宮崎先生の場合は、経済企画庁長官のときに、ニュージーランドまでわざわざ視察をされて、まさにニュージーランドの大胆な行政改革であるとか規制緩和等を、つぶさに、熱心に研究をされてきたように思います。  私も、ぜひこのようなニュージーランドの大胆な規制緩和を我が国でも大いに取り入れるべきであるというふうに思います。鈴木参考人におかれましては、最近、新聞、雑誌等で、このニュージーランドの成功例というものが盛んに喧伝されていますが、これをぜひ学んで我が国に取り入れるために、一体、我が国は何をどうした視点で取り入れるべきか。ニュージーランドは、確かに人口三百五十万人で、横浜市並みのサイズとしては小さい国かもしれませんけれども、しかし、これはサイズだけではなくて、いろいろな意味で学ぶ点があるだろうと思うのです。我が国で、先ほど申し上げたような個別のさまざまな規制緩和、撤廃を推進していく際に、一体何を学んだらいいのかという点で、一点お尋ねをしたいというふうに思います。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 お尋ねの学ぶべき点という問題につきましては、これは私、先生がおっしゃったように、あらゆるところから、規制緩和あるいは行政の改革という問題について、参考にするものは学ぶのは当然の事柄であって、あにニュージーランドに限らずというふうに思っております。  もちろん、その際に、先生御指摘のように、それぞれの国というものの大きさだとか、あるいは経済の環境だとか、それから国民のメンタリティーとか、そういう問題というのはアカウントの中に入れませんと、そっくりそのまま右から左へ移して、トランスレートしただけだという事柄が必ずしも有効ではないということもあろうかと思います。  いずれにしても、日本も規制緩和というのに対しては、最近、EUだとかアメリカあたりは遅い遅いと言いますけれども、私は、やはりこの数年間における規制緩和の流れというのは、かなり強いうねりになってきておるというふうに思っておる一人でございまして、日本もやはり学んでいただけるような立場になっていくという事柄が日本のためにも必要であるというふうに思っております。  お答えにはならないかとも思いますが、そういうふうにお答えさせていただきたいと思います。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 いろいろと規制緩和の項目がありますけれども、それぞれの省庁の取り組み姿勢については、それぞれやはり濃淡があるようであります。行政改革委員会や規制緩和小委員会の中でも、特に、田中参考人の御発言と関連するのかもしれませんけれども、金融、労働、競争政策、この三分野については特に関係省庁に強い不満があるというような報道が出ておりました。  ただ、これを考えてみますと、例えば金融にかかわる大蔵省はまさに官庁の中の官庁であって、この姿勢というものは大変重要な意味を持ってきますし、また、規制緩和と雇用というものはまさに密接不可分な関係でありますので、労働省の姿勢というものも当然重要な意味を持ってきます。また、まさに競争社会を実現をし、市場原理が徹底されるためには、前提として公正さというものが求められますけれども、公正取引委員会の姿勢というものも当然求められますけれども、金融、労働、競争政策、この三つの分野に多くの不満が集中したということは大変残念に思っています。  この質問については後で田中参考人にもお聞きしたいと思いますけれども、まずは鈴木参考人、この三分野、大蔵、労働、公取、それぞれの姿勢をどのようにお感じになっていらっしゃるか、御見解をお聞きしたいと思います。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 提起した問題というのもあるかというふうに私は思います。とはいうけれども、それでは大問題を提起したのかというと、そのほかにも大問題を提起している。例えば郵政に対しての大幅な規制緩和というのは、これは今までの考え方と大変違う問題ですね。それに対して、それはきちっと受けておる。こういう問題の比較論からいきますと、先生おっしゃるように、大蔵省、労働省、それから公取さん、この三省だけではございませんけれども、その取り組み方に対して私どもは満足は決していたしておりません。  特に大蔵省さんにおいては、住専問題その他もあったのかもしれませんけれども、大分追いついてきていただいてはおりますけれども、大分言われて追いつくのだったら、最初からイエスと言うべきではないかというふうに私は思っておるわけであります。  それから、労働省につきましては、職業安定審議会というのがあるから、だからと、こういうことをおっしゃるのですけれども、そういうことをおっしゃっておられては、我々の規制緩和に対しての第三者的な立場から言っておるものは要するに一つも進まない。その職業安定審議会というのが、国でやるのが中心だという昔ながらの考え方で固まっておられるとしたら、一体これからどうやって進めるのだという感じがします。  それから、公正取引委員会に至っては、何か自分のふるさとにつくった、何といいますか記念塔が大事だから、これは持ち株会社のことを言っているのですけれども、それをあくまで墨守したい、そうこうするうちに当事者能力さえ奪われてしまうという形ですね。今、与党三党のPTですか、何か決めるまでは何も言えないというような、こんな当事者能力なしては我々としては甚だ困る、こういうふうに思っております。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 同じ質問でぜひ田中参考人にも、大蔵省、労働省、公取、この規制緩和に対する取り組み姿勢についてどのようにお感じになっているか、お尋ねしたいと思います。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 どの役所が協力的、あるいは規制緩和に対して積極的かというのは、本当は評価はしにくいというふうに私は思います。それは、この項目の選び方において、例えば農水省が食糧に対して過大な補助金を使っている、ここにおいて競争は妨げられているのではないかという論点がもともとございました。しかし、私どもの委員会は、設置されて、そして具体的に詰める段階において、私どもの役割が具体的に見えるようにするために、個々の役所との折衝の中で、我々は何も悪い点数をつけられることを恐れているわけではありませんが、委員会としての存続あるいはその成果が少しでも国民の目に明らかになるためには、いろいろ基準はあるものの、要するにここまでは説得を通じて役所から引き出すことができるという範囲をやはり選んでいったわけでございます。したがって、今、野田先生が言われるように、例えば農水省の名前がないからといって、では農水省は協力的だったのかというと、そういうことではございません。  ただし、きょう意見を述べさせていただきましたように、金融とか労働とかあるいは企業活力を引き出すための法制とかというのは、これはありとあらゆる分野にかかわるテーマでございますので、ここは私どもがしつこくこだわって、各役所に対して、我々が納得できない話を納得できるように説明してくれといって接点をつくって、そこで、まあここでお互い議論は着地できたというところで最終的に案をつくったはずですから、なぜそれができないのかというのが今の監視状況でございます。察するに、民間の業界から各官庁に対して、そんなことを踏み出してもらっては困るぞというお話があったのではないかというふうに推測をいたしておりますが、実態はまだこれから、見きわめはこれからだというふうに思っております。  したがいまして、重要性の見地から三つを申し上げたので、ほかの役所に比べてとりたててそれらの役所がバッテンだというふうには私は思ってはおりません。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 これらの、例えば持ち株会社規制の問題とかNTTのあり方、また、有料職業紹介事業、労働者派遣事業等の規制緩和でありますけれども、一つにはやはり政治的な影響というものも、残念ながら非常にあったような気がしてなりません。例えば、それぞれ連立与党内の意見調整が手間取っているというような問題もやはり尾を引いているのだろうと思いますが、こうした政治的な影響が、残念ながら今回の改定に大きく出てしまうのではないかというふうに思いますが、その辺は田中参考人、どういうふうにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 これは難しいのですが、本来委員会は、戦略的に取り上げて、最初に私どものペーパーをつくって、なぜこれが戦略的なのかというところから入るというのが一つのやり方としてあったというふうに思いますけれども、大変時間が——この委員会が設置されましたのが一昨年の十二月でございまして、政府の規制緩和計画が翌年の三月、要するに設立から三カ月ぐらいで出まして、それに対してすぐ対応しなければいけない、そういう推移をたどったものですから、戦略的に取り組むということが初年度においてはやはりできなかった。したがって、とりあえず目立つところから、気になるところから取り上げて、そこの中で接点をつくり上げていくという手法になったわけでございます。  したがいまして、もちろん我々は、これを選んだ以上、それぞれの分野について監視を続けて、それぞれの役所に対しての説明を求めることはずっと続けていきますし、この政府の規制緩和に関する推進計画が決まった後も監視活動を行いますけれども、それは我々が選んだ全分野についてもちろん続ける、このやり方を選んだ以上、このやり方をとりあえず続ける。しかし、さらに戦略的に必要なことがあるのではないかというふうに私は思っております。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 ちょっと時間がなくなってきましたので、最後の質問にさせていただきます。最後は、ちょっとこれは規制緩和から離れまして。  田中参考人は官民活動分担小委員会の委員長にこのたび就任をされて、これからまさに活動を始めようというところだと思いますけれども、官業と民業の線引きというのは本当に大変重要な視点だと思いますし、特に不透明な財政投融資の問題にぜひこれはメスを入れていただいて、入り口の部分の郵貯そして簡保、出口の部分の特殊法人等もあわせてこれはメスを入れていただければ大変ありがたいと思うのです。  その際に、ぜひ要望をしたいと思いますのは、そのほかの政府事業、例えば国立大学、国立病院、こうしたものもまさに官がやるべきなのか、果たして民営化すべきなのかという視点でぜひ検討対象にしていただければというふうに私は個人的に思っております。  国立大学の場合は、教育内容もあるいは社会的効用も、ほかの公立、私立と果たして今差があるのかどうか。あるいは国立病院の場合も、本州中央部や九州に偏在していますけれども、これは国立として存続させる意味が全部あるのかどうか。  いろいろな視点でやはり検討していきたいと思いますが、ぜひ田中参考人の御意見も最後にお聞きしたいと思います。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 我が国における官と民との領域画定は、我々が相当貧しい時代に決まったものでございまして、今のような技術進歩が生じ、そして個人の金融資産が一千兆円を上回るというような時代を想定していなかった。しかし、実際には、一度決まった官の役割は簡単には背後には引っ込まない。そこには人がついて組織があるということで、ずっと続いてまいりました。  したがいまして、官と民との役割にかかわる尺度をつくるということは、新しい時代にふさわしい尺度をつくって、先生が言われましたように全般的に見直しができる、そういう眼鏡といいますか尺度を持つというのが私どものいわば野心でございまして、一生懸命やろうと思いますので、よろしく御支援のほどお願いいたします。

野田佳彦新進党

○野田(佳)委員 では、時間ですので終わります。ありがとうございました。

石破茂新進党

○石破委員長 福島豊君。

福島豊新進党

○福島委員 新進党の福島豊でございます。  本日は、三人の先生方、大変お忙しい中この規制緩和特別委員会に御出席いただきまして、さまざまに御意見をいただきましたことを心より感謝いたします。  私が本日お聞きしたいことは、大枠のお話をお聞きしたいというふうに思っております。  この規制緩和の問題というのは、非常に範囲が広くて、そしてまた、個々の問題というのは技術的な問題というのもたくさんございます。その個々の問題を取り上げるということではなくて、規制緩和の本質といいますか、一体何を目指しているのかということにつきましてお聞きしたいと思って参りました。  先ほど、田中参考人の方から官と民の関係ということにつきまして御発言がございましたけれども、規制緩和の本質というのは、私自身は、官と民の関係を見直して、民のことは民に、市場原理に任せるのだということを貫徹するというところにあるのではないかなというふうに思っております。  この規制緩和の議論というのは、例えば一万幾つあった規制が幾つに減るという量の問題では決してなくて、日本の社会の質が変わらなければいけない、量ではなくて質的変化を遂げなければならないというところに一番大きな課題があるのではないかなというふうに思っております。  それで、この規制緩和ということに向けて政府の取り組みが始まりましてから数年たちまして、さまざまな点で規制緩和は進んでいるのだというふうにも思いますし、また意見書、報告書等読ませていただきますと、ああ、これだけたくさんの事柄に関して規制緩和が進んでいるのかなとの思いもいたします。  しかし、質的な変化が本当にどれだけ実現したのだろうか、日本の社会はどれだけ変わったのだろうかということになりますと、どうもそのところはよくわからないわけでございまして、この点につきまして、三人の参考人の先生方に順次御意見をお聞きしたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

大宅映子行政改革委員会委員・ジャ−ナリスト

○大宅参考人 規制緩和についての御意見に関しては全く同意見でございます。  ただ、今田中さんがおっしゃったように、今までお上が、官が大体責任を持ってやってあげますよという形で、こちらの側も、自分たちが選択肢があってそこで自由で自分たちが責任を持たなければいけないというよりは、お任せしておいた方が楽であるという、利害関係が一致してしまった部分というのがあったと思うのですね。  ところが、それがそのままでやっていければ実に易しい国づくりなわけですけれども、世界の中の日本という形で考えた場合それでやってはいけなくなってしまっている状況が今あるわけで、私は自由というものが価値として一番だと思っていますけれども、それよりも安定とか楽な方がいいという価値観が今のところ、まだそれが根強いような気がするのですね。例えば、「一日行政改革委員会」で地方へ行きますけれども、基本的に既得権を守りたいという方の声の方が大きい。ノイジーマイノリティーという言い方をしていますけれども。  でも、それを打ち破るのは——大多数の人が、損をこうむっているということは自覚していないわけですね。小さなところを守るための規制のおかげでどれだけ損をしているかというところが見えない部分が問題なのだと思うのです。それで規制緩和して出てきてわかるのは、例えば地ビールだとかスーパーの時間が長くなったとか、そういうふうに出てきて初めて、あら、そういう規制というのがあったわけねというふうになるわけで、先ほどおっしゃったように、規制の数が一方がどうとかという中をよく見ますと、例えば、船舶法で船の名前を変えるのが届け出だったのが要らなくなったとか、犬の登録が一年に一回だったのが一生涯一回でよくなったとか、そんなものが一項目ずつふえて、あらよかったわねという話では全然ないわけですよね。  ですから、本当に根っこの部分というのは、既得権を持っている人のおかげで損しているという大多数の国民の支援がない限り動かないのではないかというので、我々は一生懸命それを言って歩いているというか、そういうパワーが起きないかなということを今一生懸命やっているという状況にあります。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 規制緩和の本質についての先生の御指摘、大変要を得ておると、私も同感でございます。  規制というのは、これはもともとキャッチアップ時代にはそれなりの意味がある。資源を集中してやっていくという事柄は行政がやる、その行政がそれを集中してやっていく手法は規制だ、こういうことだったわけですね。  ところが、御承知のように、キャッチアップ時代というのは私は明らかにバブル景気というものを最後として終わった、我々日本は成熟国家の中に入った、こういう問題認識ではないか。そうとなったら、今までは模倣するもの、あるいはついていくもの、いわゆる外国という目標があった世界ですけれども、これはない世界に入ったわけですね。  そうなってはどうするのか、こうなりますというと、それは、個々の構成員である民自身が自分の行き先を求めて必死に探し求めるしかないと思うのです。では何があるか、こういうふうにおっしゃられるのだけれども、そんなものがわかったらだれでもやっておる話であって、要するにそういうのを探さなくてはいけない時代に今明らかに入っておる。  そうなったらどうしたらいいのかといったら、私これはあがくと言っているのですけれども、あがいて抜け出していくということしかない。そうなったら、あがく自由というのか、そういうものを国民に与えておかないといけない。国家がこれを指導するということは、私はそういう時代になっては無理だと思います。ですから、民間がそういうものをあがいて探す。  何があったというのは、どうやら情報通信はいいだろうということを言われていますけれども、今度はまた過剰参入で大変な話になってくる問題もあって、必ずしもあれなのですけれども、そういうのをあがいて探し出す時代に明らかに入っておる。こういう意味合いで、規制緩和というのはそこに本質がある。  と同時に、今、もう二つの御質問で、何が変わった、こういう御質問でございますが、これは、非規制産業というものは明らかに変わってきておるのですね、バブルの経過後。  最初はあがいて、何だろうというので、やるのはリストラぐらいかと。リストラってといったら、残業をやめてそして人間を絞る、こういう問題か、あるいは管理部門を出すか。そのうちに、そういうような段階を経て、そしてそれから事業の切り捨てという事柄をやり始めました。こんな、日本企業は事業の切り捨てというのは戦後やったことはないですね。不採算部門は撤退するというやつですね。それから外国その他との提携とかなんとかでやるというような、そういう動きになっていって、それで現在はどうやら企業業績もいわゆる落ちるのが一服して、そして新しい分野をどうしようかという事柄を探そうとしておる段階に来ておるわけです。  ですから、こういう変化というのは明らかに日本の中で今起こっておる。  それで、私が言いたいのは、非規制産業はそうやってやっておるけれども、その非規制産業の足を引っ張るのが規制産業であって、ですから、この方向に進めるためには規制産業というものが同じような状況でついてきてもらわないと困る。その現象というものは、やはりこれが規制緩和の問題だし、先駆的な非規制産業のそういう体を変えるというのを、そうでなければ生きてしいけないわけですね、規制産業が自分も生きていくためにまねていく。その過程の中で私は必然的に成果が出てくる。  ターニングポイントというのは明らかにあった、それはバブルの終わりだというふうに私は思っておりまして、九三年の八月ですか、円が一ドル百円を切ろうとしたときに九十六項目の規制緩和が出ましたけれども、私は、長く臨調以来の規制緩和の歴史を見ていますと、あそこら辺が一つのターニングポイントであった。それ以来日本の規制緩和というのは、それまでの、言葉ではやせ、行革というと規制緩和、こういう話から、附属物であったものから本質物に変わった、こういうふうに私は評価していいと思っております。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 先生が言われました規制緩和と官民の役割分担との密接な関係というのは、私も全くそのとおりだと思います。規制緩和を進めていけば当然役割分担ということになるというふうに思います。  例えば、金融破綻事例がふえておりますけれども、東京の信組で破綻したケースを見てみますと、ある時期から信組の経営者は、東京都の労働経済局の幹部を実質上おどしていた、おどしていたというのは、もし破綻する内容の悪さが表に出てしまえばこれは信用秩序不安になってしまうぞ、だから一緒になって粉飾するのに協力しろと言わんばかりのおどし方をしていたわけです。  これはどうしてこういうことになったかというと、これは一つの事例なんですけれども、個々の企業に自由がない、手かせ足かせの規制があった。そういうもとでは、監督当局がフィールドに出ていって選手と一緒に競技をしている、アンパイアはいないということになります。ぐあいが悪いということになりますと、それはもうプレーヤーが悪いと同時に官の部分もその役割を担うということになっていたわけですが、これは規制緩和が行われますと、当然ですが役割は別でございまして、アンパイアの地位に立つわけです。プレーヤーとして不適格なものは退場を命じたり、注意を促すということが素直にできるわけでございまして、規制緩和と官民の役割分担とは密接不可分だというふうに思っております。  それから、規制緩和がなぜ必要なのかということからいくと、これは日本経済のもう一つのストーリーといいますか、もう一つの物語をつくり出す必要がある。それほど現在の日本は厳しい状況にある。これを打破するためだというふうに思っております。  現在製造業で日米比較をしてみますと、常用雇用労働者の時間当たり賃金は、日本で大体二十三ドル、アメリカで十三ドルでございます。したがって、事業者はアメリカに出かけて物をつくった方が安くできる。技術にちゃんと確立したものがあれば、例えば自動車については、北米でつくったものをもはや日本に輸入するという時代になってきているのは、このコスト構造から当然でございます。  ところが、日本の中で円を使おうと思いますと、今まで諸規制があり、いろいろな保護があったおかげで、我々の円の国内における購買力が極めて弱いわけでございます。経済統計を使って試算してみまして、一人当たりの実質の消費水準を比較してみます。これは購買力平価というものを使ってやってみますと、例えば香港の方が日本よりも、当然と言っていいほどですが、あそこはもうレギュレーション、規制はございません、一人当たりの消費の実質は香港の方が高い。大体日本はアメリカの六割から七割程度でございまして、西ヨーロッパの国々も日本よりも高い国がいっぱいあるということでございます。そして、シンガポールは日本にほぼ近接してまいりますし、韓国も実質的な消費水準で日本をほぼ指呼の間にとらえた、そういうところに来ているわけです。  ということは、事業者は世界で一番高い賃金を払う、だけれども生活している方はずっと低いということですから、事業者は海外に出る、残る日本国民はいかなる意味でも生活が改善できない、職場も減るということでございます。これはもう規制撤廃に踏み出して、競争を通じてもう一つの成功物語を我が国においてつくる以外にない、そのために行政改革委員会はあるのだ、そのお手伝いをするためにあるのだというふうに理解いたしております。

福島豊新進党

○福島委員 今御説明いただきまして一つ感じましたことは、やはり官も変わらなければいけないけれども、民も大きく変わらなければいけない。それはバブルの崩壊の後にターニングポイントがあって変わりつつある。同時に大切なことは、やはり大宅先生おっしゃられましたように、国民の大きな支援の声というものをつくり上げていくということがやはり一番大切なのかなというふうにも思いました。そういう意味では、国民に対して大きくアピールするという点からも御努力をいただきたいというふうに思っております。  官と民の関係ということでございますけれども、私がきょうもう一つお聞きしたかったことは、住専問題の処理についてのことでございます。これは全然別の問題ではないかという話になるかもしれませんが、民の問題に対してどう取り組むのか。官も民も一緒くたにしてそれを処理するような今回の政府のあり方というのは、官民をきちっと分けるんだという考え方から私は大変大きな不満があるし、これが先例になってはいかぬというふうに感じておるのです。その点につきまして、田中参考人から御意見を私はお聞きしたいと思います。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 我が国においてこれまで日本の政治家の先生方は、破綻する組織とか会社とか金融機関があるということ自体は政治の責任だと思っておられたのではないかと思います。しかし、我々が原則として生活していますこの資本主義というところは、競争を通じて効率の悪いところには退場を願うということが前提でございまして、破綻する事業会社あるいは金融機関が出るということは当然でございます。  金融自由化を入れた一九八四年の五月にはユーロ円の自由化を認めておりますから、あのときから金融自由化のプログラムは我が国において進行したわけですが、金融自由化を行えば不適格な金融機関は破綻させなければならない、でないと預金者を保護するために税金を投入しなければいけないという因果関係は当時からあったわけでございます。そういう意味では破綻すべき金融機関には破綻していただくという仕組みをつくる、これは私は政治の領域において行うべきことではなかったのかというふうに思います。  それを前提にして言いますと、おっしゃるように民の側に当然責任がありまして、民の側における責任は追及されるべきである。破綻した金融機関において背任、横領の事例がある場合には、当然これは厳しく追及されるべきでございますし、そこまでいかないケースにおいても、自己資本の部分をどんどん食いつぶしていくというようなところの経営者には当然もっと早く改善命令を出す仕組みが要りますし、そういう改善命令が出たところは経営責任をとるということがあってしかるべきであったのですが、その仕組みをつくれていなかった。要するに、民の基準を問う仕組みがなかった。今後はそういう基準をつくる必要があるというふうに思っております。

福島豊新進党

○福島委員 参考人の先生方には大変貴重な御意見をお伺いできまして、ありがとうございました。持ち時間が終わりましたので、以上で御質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

石破茂新進党

○石破委員長 吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 私は、時間が余りありませんので、田中参考人に最初に伺いたいと思うのです。  規制緩和というのは、本来当然廃止するべきものもあれば、維持すべきもの、逆に強化すべきものとかありますから、それぞれにきちっと議論をすべきものであって、そういう点では緩和一色に塗りつぶすような感じというのは、私は余り感心しないと思っているのです。  ただ、その点で最初に伺っておきたいのは、行革委の構成です。実は昨年十二月十四日の行革委員長談話を見ていますと、通常であれば利害調整を行うため規制維持派の代弁者たることを期待された人にも参画していただくところであろうが、今回は猪突猛進、ひたすら規制緩和に邁進していただくことがこの国のためとあえて緩和派のみで構成したということなんです。  これは官から民への流れを巻き起こすということもあったのですが、しかし民の中には、本来中小零細業者もおれば、労働者もおれば、一般市民も、地方の住民も、さまざまな人たちが入るのですが、そこがネグレクトされてしまった。こういう点で、ある識者の方には、古い日本的なやり方そのものだとという指摘をしていらっしゃる方もおられます。  私は、利害を異にする者を排除した議論というのは、本来民主主義社会のあり方そのものに反するといいますか、民主主義社会にとっては余り感心しないやり方ではないか。そういう点では猪突猛進の話で非常に驚いたのですが、構成のあり方そのものについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思います。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 我々は、我々の代表者を通じて行動するというふうに日本国憲法にございまして、まさに代議制度をとって、我々の意思決定は我々の代表者を通じて行うことになっております。法の改廃は立法府のお仕事でございまして、私どもは第三者機関として設置されてその委員を引き受けたときには、立法府の皆様方に対していささかの支援ができるかどうか、これがポイントだというふうに思っております。  先ほども述べさせていただきましたが、我が国の経済において、規制緩和を実施することの重要性はいや増しに高まっている。したがって、私どもの委員会で仕事をするということは、規制緩和を通じて我が国の経済を、その本来持ち得る力量をいかにして引き出すことができるのか、この視点から立法府をお支えする仕事をするのが役割だというふうに思っております。立法府には、それぞれの国民の異なった主張、異なった意見を代表する先生方が選ばれているわけでございまして、最終的には立法府のお仕事でございますので、民主主義というのは立法府によって担保されている。私どもは、規制緩和という特定の項目、目的にかかわって、その支援をさせていただくためにパートタイマーとしての役回りを果たそうということでございます。  小委員会の設置に当たって、委員長談話にございましたように、委員長は猪突猛進やってほしいというふうに言われました。それは、委員の選任において先生が御指摘のような傾向はあったと思います。しかし、それは当初からの目的でございまして、そうした第三者機関を設置してやるべきではない、本来これは、例えば規制緩和に関する特別委員会に小委員会を設置してそこでやるべきだということでしたら、先生が御指摘になりましたいろいろな考え方がございますので、規制緩和は自分の職場を具体的に脅かす、けしからぬという御意見も立法府の中で出てくるのだろうというふうに思います。私どもの委員会あるいは小委員会の設置に当たってそこをしんしゃくする必要は私はないというふうに考えて、それは立法府において民主主義が担保されているからだということでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 ですから、メンバーに選ばれた方にどうお考えかだけを伺ったわけですが、もちろん立法府が最終的には決めるわけです。ただ、この種の委員会というのは、本来公正な議論がよく闘わされてそれが反映されるという点では、猪突猛進型のこういうのは余り民主主義社会としてはうまいやり方ではないというふうに私は思っているわけです。  先ほど規制緩和の問題で労働コストの問題をお話しされました。あなたは経済の専門家ですから、これは私も同様のことは非常に関心を持っているのですが、実は、一九八五年のプラザ合意の前ですと、ニューヨークの物価を一〇〇として、日本が東京で大体九三から四ぐらい、それが数年間ずっと続くわけですね。それが、プラザ合意以降円高政策に進んで、それで今は逆転してくるわけですね。ですから、ではそれは規制緩和をやっていなかったからそうなったのかといえば、それはまた全く違う事情によるものですから、規制緩和の議論とリンクしては少しうまくないのじゃないかなというふうに私は感じながら聞かせていただいていた次第です。私の意見ではなくて、きょうは質問ですから・・。  小委員会報告の方で、見ておりまして、ここに今度の哲学といいますか、思想といいますか、イデオロギーといいますか、それをよく示されていると思うのですが、二ページのところに、その規制緩和の過程で「様々な痛みや軋轢が生じることが予測されるが、その苦しみを乗り越え」てという表現、そういう表現等が散見されるわけです。問題は、こういうことを考えるときに、さまざまな痛みやあつれきや苦しみを受ける側の問題と、もう一つはその痛みやあつれきを与える側といいますか、押しつける側といいますとかなり表現はきついかもしれませんが、やはりそこのところを混同して見ると規制緩和の議論も少し混乱してくるのじゃないかなというふうに私は感じているわけです。  痛みを受けた側の例でいいますと、例えばエイズとかサリドマイドとかキノホルムとか、さまざまなもので国民の生命や健康が侵害されたという問題、ここらは規制をむしろ強化すべきところですね。一方、製薬メーカーの不始末について、本来規制があればもうちょっとちゃんとしておったものが、むしろ規制がないことによって守られてきたといいますか、事実の隠ぺいも進んでしまったりとか、そういう点では厚生省がいわば製薬メーカーの護送船団の役割を果たしていたという見方も成り立つわけです。  こういう点では、金融自由化と言われた後、いろいろな派生商品等もつくられて、そういう中から証券スキャンダルも生まれれば、一方バブルも生まれてバブルがはじけるという過程で地上げ屋によって苦しめられる庶民のような痛みを受ける側もあれば、しかし一方そこで非常にうまいこといった人がいたわけですね。しっかりもうけた人もいて、そこで今住専の処理問題なんかが出ているわけです。そういうときに、大蔵省の方は銀行とか証券の不始末を、本当は規制があればもっと早い段階でコントロールできたものが、むしろ規制がないことによって護送船団として守られてきたという面もありますし、不始末の時点でも守るという護送船団の役割も現に大蔵省等には見受けられるわけです。  ですからこういう点で、規制緩和を考えるときに、痛みを受ける側の問題と痛みを与える方の問題について、そこのところを混同しないで、きちっと仕分けをした議論というものもやはり必要ではないかと私は思うのですが、この点の田中参考人の御意見を伺いたいと思います。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 行政改革委員会設置法の中に、情報公開についての案をつくれというのがございます。私どもは、情報公開部会を設置いたしまして、ことしの十二月までに情報公開の案をつくりまして政府の方に出すことにしております。  ここでは、まさに先生が御指摘のような、行政府部内においていかなるような審議、意思決定にかかわるものも含めてどこまで情報公開ができるのかということも含めて議論しているわけでございまして、御指摘の、例えば生命とか安全にかかわる問題について各役所が議論する場合にどういう材料をどういう形で並べてどういう審議をしたのかということは、やがて例えば司法を通じて明らかになる、それでその情報は出る、そういう社会を設計するためにも今行政改革委員会は仕事をしているわけでございまして、御指摘の点は、私はそういうところから担保できるというふうに思っております。  そして、痛みを受けるというお話でございますが、確かに競争が激化いたしますと市場から退出しなければいけない企業が出ます。そこにもし勤務しているということになりますと、ディレギュレーションによって自分たちは職場を失ったという主張をされるかと思います。  私は、そのこと自体は事実認識として間違っているとは思いません。ただし、私どもがこのような競争を中に入れないような仕組みを持続していますと、先ほど申し上げましたように、事業会社はグローバルベースで考えます、しかし日本国民は日本列島の中で生活をせざるを得ません、職場は減りますということになりますから、現在ただいま特定の人の職場を守るために孫子に至る代まで日本の職場がどんどん減るということをとっていいのかということでございます。  私は、退出を迫られる企業が出てくる、したがって職業転換をせざるを得ない人が出てくるということも含めてのみ込まないと、孫子の代に我が日本列島はもっと惨めな姿になっているということでございますから、その中でそうした規制緩和といいますか、規制撤廃にかかわって経済活力を引き出すということに一生懸命熱を上げているわけでございまして、だれかに痛手を、しわを寄せるためにやっているわけではない。これはイデオロギーでも何でも、それをイデオロギーと言われればイデオロギーですが、そういう考え方で仕事をやらせていただいております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 もう少し議論したいところですが、時間が参りましたので、終わります。

石破茂新進党

○石破委員長 永井哲男君。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 社会民主党・護憲連合の永井哲男でございます。  委員の参考人の皆さんには、規制緩和と新しい日本をつくるということで、本当に精力的にお働きになっているということについて、心から敬意を表したいというふうに思います。  今までのこういった官僚の社会という中にあっては、やはり民間の人たちが先導役をする、しりたたきをするというようなことをしなければ、なかなか前へ進んでいかないという現実があるというふうに思います。そういう中で、私は最初に大宅参考人にお聞きいたしますが、特にこれについて、市場原理そして自己責任という形でお書きになっているわけですが、ここで言う自己責任というのが、民間の主に業者というところに焦点を当てているということは十分にわかるわけでありますが、とりわけ消費者という部分がどのように考えられているのかという点であります。  私は弁護士をしておりまして、訪問販売による被害者とかサラ金による被害者、そういう事件を多く扱いました。その中で感じたことは、いろいろと業者のための規制というものはある意味では多いけれども、消費者のためのそういった規制というのが驚くほど少ないということを痛切に感じておりました。そういう中で、こういった単純に消費者に例えば自己責任だというような形でその責任を押しつけるというような形があれば、やや問題なのではないかというような感をしているわけですけれども、その点、大宅参考人に御意見をお伺いしたいと思います。

大宅映子行政改革委員会委員・ジャ−ナリスト

○大宅参考人 私が初めてアメリカへ行ったのが三十年前ぐらいなんですが、そこでカルチャーショックを受けましたのが、ハワイだったのですが、車で道を間違えまして、断崖絶壁のところへ出てしまったのですね。そこに標識がありまして、ドライブ・アット・ユア・オウン・リスクと書いてありました。つまり、ここからおっこちようがおっこちまいが当局は関知しない。日本の場合は落石注意と書いてあるのですね。落石をどうやって注意を払って車を運転していてよけるのかというふうに思うわけですけれども、すべての安全をだれかが管理して全うできるというものではないと私は思っています。全き安全もない。とすると、危険回避能力というのは個人が持つしかない。だれかが事前に全部屋根をつくったり、水という水に板を張ってだれもおぼれないようにということはどう考えても無理でして、コストからいっても無理だ。自分の身は自分で守るというのは、私は人間社会の基礎的原則であるというふうに思います。  もちろん、弱い人というのは当然いるわけです。本当に弱い方に対しては何か手を差し伸べる必要はあると思いますけれども、競争がわかった上で参入して負けた人に対して、それは敗者だと思いますが、その方にまで手を差し伸べるだけの体力はもう日本国にはないだろうということを考えまして、それは基本的にずっと保護し続けるとかということが無理だと思うのです。  ちょうど子育てと同じでして、私も、子供に風邪を引かせてはいけないといって、真綿にくるんでずっとうちに置いておくのが本当に優しい親か、それとも、風邪を引いてもそれを肺炎にしないような体力をつけさせておくのが本当のやるべき親の態度かということ、それは明らかに後者だと思いますので、国なり親なり、上に立つものの役目というのは、本来自分で危険回避能力は持ち、しかも自分で自立して判断力を持つという方向に持っていくのがあるべき姿であろうと私は思っています。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 私としては、消費者というところに的を絞って聞いたつもりであります。  そこで、やはりこの市民社会のこの部分が競争秩序というか経済秩序に反映したのが、そういう形で自由競争であり規制緩和だというふうに思うわけであります。その中で、市民社会の前提とする実質的な対等当事者だということが、それには前提にあるというふうに思います。そういう中で、今情報量が例えば売り手にたくさんあり買い手にはないというような実質的な不平等というような状況、これも看過できないというふうに思います。  先日、これはレンダーズライアビリティーという銀行の貸し手責任、過剰な例えば貸し付けをした、それから変額保険などを売りつけたといったところの被害者の会のところに参加する機会もありました。また、そういう中で我々としては、そういった消費者の保護、それから投資家の保護というような観点がまだ十分に成熟をしていないというようなところで、商品ファンドについても、急に切り下げるということに危険を感じているわけであります。  そういう点で鈴木参考人にお伺いしますが、やはり立場の互換性というか、そういったような点というものもそれなりにこの規制緩和に当たっては考慮すべき観点かと思いますが、その点どうお考えでしょうか。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 大宅参考人も申されましたけれども、消費者の自己責任という問題のお問い合わせかと思います。  これは、消費者というのは、やはり能力は少ないし判断力がないし、それから情報量は足りないというふうに決めてかかってはいけない話だと私は思います。私どもの規制緩和小委員会でも消費者の代表の方がお見えになりましたが、みんながびっくりするほど、消費者というものが決して昔のような、かわいそうでだまされて保護しなくてはならない、そういう人ではないんだという事柄を私どもに対してお話しいただき、私なんか下手な質問をちょっとやったら、あなた違いますよというわけでしかられてしまったのですけれども、そういうふうに消費者というのはなっておるし、それはなるべきだという事柄をひとつ御理解いただきたいと思います。  それから、規制緩和後の社会というのは、これは基本は何かといったら、ルールははっきりしておく、それからルール違反に対しては厳しくとがめる、それは処罰する、その間ルールというものの中で企業なり消費者なり市民なりがどういう行動をしておったかというその過程というのはきちっとディスクローズしておく、この三つが三点セットで必要なんですね。あとは、それだけあって、しかしディスクローズもされておるものも読みもしなくてひっかかった人は、何ぼ消費者と言われてもその人の責任ですよ、これが基本だと思うのです。  お尋ねの商品ファンドについてもその問題でありまして、今回私どもは要するに引き下げと言って、もちろんこれは通産省あたりは一千万という強い要望があった。そして大蔵省は、これは研究会をやるというふうに言っておった。今度政党間でのお話で、五千万ないし実績のある者は二千万とかなんとかというようなお話もこれは漏れ承っておりますけれども、私はそういうものを前提としたときに、例えば商品ファンドというものが危ないと決めてかかるのだったら別です。もし絶対に危ないものだったら禁止すべきですね。それを認めておいて、消費者なりあるいは労働者なり、そういう余りお金を持っていないと言うとそれはまた語弊がありますけれども、そういう人が一千万にしたら買えるチャンスがあるのですね。その買えるチャンスがあるのにもかかわらず、なぜわざわざ五千万にして、そして要するに買えるチャンスをその人から奪うのか。もし商品ファンドが極めて危険なものであったら、商品ファンド自体を禁止すべきであって、そうでなくて許しておいて、それを五千万以上の所得がというのか財産のある人じゃないと買えないようにしておくというのは、これまた本末転倒もいいところの物の考え方じゃないかというふうに私は思いまして、理解しがたい点であります。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 私もそういう意味で、消費者というのを消費者一般というものがあるというふうにも思いません。消費者の中にも弱い消費者がいる。また、そういった中で、売り手の中にも対等な売り手もいると同時に強い売り手もいる。こういうようないろいろないわば立場の互換性といいますか、この実質的な平等というところも十分に加味されなければならないのではないかという点でございます。  次に、ちょっと再販の問題について田中参考人にお伺いいたします。  この意見書の中では、これについて、この再販維持行為は「独禁法上、原則違法である。したがって、この原則に対する例外を認めるためには、相当の特別な理由が必要である。」というふうに記載されているところであります。  ところで、この著作物の再販という中で、とりわけ活字文化といいますか、それに焦点を絞りたいというふうに私は思いますが、特に民主主義、先ほどもおっしゃいましたが、民主主義という観点から、この表現の自由といいますか、こういうものについてこれは優越的な自由があるのではないかという意見が憲法上有力であります。経済的な自由について仮に誤った決定をしたとしても、それは民主主義が正常に機能していればその中で改善、修正される。しかし、民主主義そのものが誤った決断をした場合、改善、修正されるという余地がない。そういう民主主義を最も機能させるためには、政治的な意見の自由というものをこの中核とする表現の自由、これは今は知る権利というような形で置きかえられるというふうに思いますが、そういったものがとりわけ重要であるというふうな見解が憲法上有力であるというふうに私は理解をしているところであります。  そういう中で、こういったものが特に知る権利の伝達手段の一つの規制というようなものと考えれば、それと経済上の自由というものを考えた場合に、独禁法上原則違法であるということを前提にして、その再販の方に、知る権利の伝達手段の方に相当の特別な理由が必要であるというふうに言い切るのは、いわば立証責任を勝手に転嫁している。自己が立証すべきこの必要性、このような再販の維持を続けていれば、このような形でいろいろな悪弊があるというようなことをすべきものが転嫁されているということにも似たような結果になるのではないかというふうに私は思っているわけですけれども、それらについて、またそういった憲法的なそういうことを考慮することについて、参考人はどうお考えでしょうか。

田中直毅行政改革委員会委員・経済評論家

○田中参考人 先生が言われますように、言論の自由の重みというのは根っからもうそれは重いと思っておりますし、活字について言いますと、私のいわば収入を得る手段でございますので、それが著作物であれ、あるいは新聞に対する投稿であれ、そうしたメディアが健全なものであるということをもうしんからそれは願っております。ただし、例えば書籍について言いますと、今日書籍の流通において、いわゆる言論の自由にかかわる、あるいは社会の根底にかかわる論考がどのような流通経路をたどっているかということからいうと、現状は極めてお寒い限りでございます。  例えばですが、ブッククラブというような仕組みがあります。これは欧米にあるわけですが、これですと、本屋さんが、要するに本をつくる側、出版社の側がブッククラブを経営している全国のいろいろなところと契約して、こういう条件なら割引で出すよ。ですから、ブッククラブを組織した人は、愛読者の人たちにブッククラブに入りませんか、例えば、一カ月三冊、これだったら幾ら、込みですね。要するに、込みで幾らというのを出しまして、その中からずっとリストがあって好きなものを選んで送ってくれ、こういう仕組みです。これは、いい本に接したいと思う人に対してどういう、その本の内容が何であって、定期的に、月に一冊とか三冊とかいろいろな契約の仕方がございますが、例えばそのブッククラブというのはなぜ日本で発達しないのかなということになると、込みの価格づけができないわけですね。  例えば、ブッククラブを経営する事業者がそういう形で出版社との間で契約に入れない。我々はこれだけの販売力を持っている、だから、あなたのところは一〇〇で売っているのをここには七〇で入れなさい、そのかわり、大体年間この程度のものが期待できますよ、わかった、それじゃ売ってください、いい本を売るというのは自分たちの役割ですというふうに、例えば出版社とブッククラブと読者との間をつなぐということが起きるわけですが、この再販価格制度維持を前提にしていますと、これはなかなかそういう仕組みが実際上に立ち上がってまいりません。もちろん、それだけがすべてだと私は申すわけではありませんので、今後も検討しようということでございますが、とにかくこれしかない、全国津々浦々届けるには、もう決めた価格で配る以外にないというのでいいのかどうか。要するに、それで現実にはもはや破綻し始めているわけですね。要するに、本当に見たい本はどこに行ったって手に入らないという状態が現実に起きているわけですから、私は今の仕組みが言論の自由を実質上保障する唯一の仕組みではないというふうに思っております。  ただし、これについては御指摘のように、いろいろな心配はあります。例えば、出版社なり新聞社なりの経営が、価格競争が入ることによって一挙に悪化するのではないかという心配をされていることは実際多いです。したがって、そのことについて検討を開始しましょうということでございまして、そうした懸念が、ある確率で、まあその心配は少ないな、とりあえずやってみようという合意にならなければ、これは実際スタートということになりませんので、少なくともそれは検討を開始しようではないか、現状は決してベストではないという事実認識から始まっている問題だというふうに理解いたしております。

永井哲男社会民主党・護憲連合

○永井(哲)委員 既に時間が来ましたので終わりますが、私も、ここに書いてあるように、現行の再販が何でもいいのだというふうにはこれも考えておりません。むしろ、幅広くしっかりと国民の間で議論していくということは必要なことだというふうに思っております。そういった中で、例えば本当にその集中が、言論の集中というようなことが生じるかどうか。特にそのいろいろな多様な価値があるということ自体が非常に大きな意味合いを持っているという面もぜひ考慮の中に入れていただきたいということを要望しまして、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。

石破茂新進党

○石破委員長 橘康太郎君。

橘康太郎自由民主党

○橘委員 自由民主党の橘康太郎でございます。  きょうは、先生方におかれましては大変お忙しいところ、まげて我々の要望を入れていただきまして、御高説を拝聴させていただきました。大変参考になっておりますし、また、これから逆に我々の方からいろいろお願いもしなければならぬ、このように思っておるところでございまして、これからある程度質問もさせていただきたいと思いますし、また私から逆に委員の先生にお願いしなければならない、このように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  まず最初に、鈴木先生にお尋ねしたいと思うわけでございますが、先般の本委員会におきまして、田中先生にお越しをいただきましてNTTの問題でいろいろとお話し合いをさせていただいたわけでございますが、御存じのように、今この問題につきましては大変大きな問題になっておるわけでございます。先生おっしゃいますように、NTTのあり方につきましては別のところで今一生懸命検討中でございますけれども、ただ、この辺でもう少し、ワールドワイドな見方の中で我が国の通信政策というのはどういうふうにあるべきかというところをもう少しお互いに積まないと、どうも我々としても理解しがたいという点が感ぜられますので、一、二質問させていただきます。  一つは、先生のきょうのお話の中で、NTTの地域網につきましては独占状態にある、したがってこの問題を解消しなければならぬということの中でNTTのあり方を考えなければならぬ、こういうお話でございますが、少なくとも私の今感じておるところでは、例の移動通信でありますとか、あるいは携帯電話でありますとか、あるいは現在世界じゅうで使われておりますインマルサットでありますとかインテルサットでありますとか、こういう衛星通信等を使いますと、ドア・ツー・ドアといいましょうか、エンド・ツー・エンドといいましょうか、そういう使い方の中において、もう既に新しいシステムでの通信というものが可能になっておるわけですから、これが今後二十一世紀に向けてスピードアップしてくると思うのです。  特に、移動体通信では物すごい速いスピードで、現在もうそれぞれの家庭に入り込んだ、自動車と同じように、一家に一台の電話じゃなしに一人に一台の電話時代に入っておるということをお考えいただいてもおわかりだろうと思うのですけれども、技術革新によれば、光ファイバーであるとか、現在のアナログの通信網で、電話回線をつながなかったら電話ができないという時代は、これは十年前の話であって、NTT問題が検討された十年前の話であって、今はもう、そういう科学の発達した段階においては、こういう議論は古いんじゃないか。だから、独占だと言われるけれども、それは決して独占ではないんじゃないか。  もうこれから先を見ると、本当に自由な競争、しかも国対国の、フラッグのカンパニーといいましょうか、アメリカン・テレコムだとか、あるいはドイツ・テレコムだとか、あるいはイギリス・テレコムだとか、それぞれの国の電話会社対電話会社の戦いになるのではないか、私はそのように思うのだけれども、その場合だと、あなたのおっしゃる地域網の独占ということについては、とても私は理解しがたい現状にあると思うのですが、その点いかがですか、お答えいただきたいと思います。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 地域網の独占の問題でございますけれども、なるほど携帯電話、PHS、それから将来的にはCATVの相互接続による問題あるいは衛星が期待されるというのは、これは当然です。  当然ですけれども、これは、先生おっしゃっておられるけれども、じゃ携帯電話ツー携帯電話でやっておるのはどれだけかといったら、〇・四%しかないのですね、トラフィックの中の。それは何かといったら、携帯電話の場合ですと、PHSですと、街角百三十メーターから二百、三百メーターの間に一つのレシーバーがありますけれども、そこから後は全部NTTの、要するに地域回線を使っておるのですよ。ですから、完全にNTTの地域回線というものに依存せずにやれるものが出てきたときには、これはNTTの地域回線に対する競争相手だ、こういうふうに認めましょう。ですけれども、今の携帯電話、PHSというものは、要するに、ただ発信地から中継局までの間が携帯電話でやられておるだけであって、それから後はすべてNTT、地域網はNTTしかありませんから、それを通っていくわけです。そして、遠くへ行くときにはNTTの長距離網あるいはNCCの長距離網を使っておる、こういう仕組みになっておるのですね。  ですから、そこのところは、完全な競争相手であるというのは、これは私はそうは思っておりません。NTTの説明によると、その部分というのは、携帯電話がやった部分というのは、まさに携帯電話が独自にやる部分だというふうに限っちゃって、七%とか八%。それで、今六千万の加入があるものに対して、五千五百万まで減るというのですね、黒電話が。これはあり得ない話なんですね。それは携帯電話がとっていってしまうと言うけれども、携帯電話はそこを使っていくということは、これはちょっとくどいようですけれども、御承知おきいただきたいというふうに思うわけでございます。  それから国対国、これは、ネットワークというのはすべてなんですけれども、世界を結んでおるのですね。日本だけではないのです。ですから、ここから電話をかけてアメリカに通じるのもブラジルに通じるのも、これは世界を結んでおるからです。だからというので、そのネットワークを一人の人が管理しようだなんという、そんな発想をする人はいないと思うのですね。どこかで区切るのがネットワークなんです。その区切り方をどういうふうにするのが一番競争になっていくのか、これを考えるのがネットワークの競争の問題です。  例えば、EUなんかの場合を見ますと、それは国対国とおっしゃるけれども、EUというのは一つの経済ブロックをつくっておるわけです。国ですよ、あれは。その国の中で、ドイツ・テレコムだ、フランス・テレコムだ、それからBTだというのが、これが今それぞれ民営化しつつ、BTは前から民営化していますけれども、そして競争相手となって、お互いさま相手の領域に入っていこう、まさに我々が言い、かつ電通審が言ったそれと同じ格好のものになろうとしている。アメリカはもう特にそうなっておるわけです。そういうような形になっておるわけですね。それなのに日本は、この中を……。  そこで、GDPでもっと比較していただきたいと私は思うのですね。日本のGDPというのは、世界で占めるのは一七%ぐらいですね。アメリカは二七%、EU全体で二七%です。イギリスは三%にすぎません。だから、そういうEUという国家の中で、イギリスという地域、日本でいったら北海道みたいな地域に一つの会社がある。それが、フランスという地域、どこでしょうか、東北でしょうか、東京でしょうか、そこのところにも一つの会社がある。そこを相互乗り入れをやって活性化してやっていこう、こういう恐ろしい動きが出ておるわけです。  それなのに、一七%の日本がそれに対しての閉鎖という事柄をやっておって、そして、そういうものがあるがゆえに、NTTに対する規制というのは、やはり私ども答申しましたけれども、非対称的なものにせざるを得ないわけです。だって、恐ろしい話になりますよ、独占体が民営会社となって飛び出していって、そして料金の設定は自由であるという事柄になりかねないわけです。どなたもコントロールできないものをつくっちゃいけないのです。  そういうものじゃないNTTをつくるのにはどうしたらいいかといったら、リーズナブルな範囲内で競争を受け入れるような条件にしろという事柄であって、これが私どもの答申の基本であって、私どもは、NTTを活性化させて、そして参加する者が参加できる状況をつくって、そしてそれを早くやらないと、まさに早くやらないと世界におくれる、このことを言っておるのであって、世界の競争というものがある、しかし世界をひとり占めする競争じゃない、お互いでつなぎ合う問題だということをお考えになれば、世界の競争の意味というのはおのずから明らかではないかというふうに私は思うわけでございます。

橘康太郎自由民主党

○橘委員 先生はわかったようなわからないことをおっしゃいますが、独占なら、一〇〇%NTTの通信網を使わなければならないはずですよ。じゃ四%というのはどういうことになっているかといいますと、携帯と携帯の通話になっておるわけですよ。そうでしょう。(鈴木参考人「そうです」と呼ぶ)そうでしょう。それは今少ないからそういうことなんであって、中継局が少ないからそういうことなんであって、台数がふえれば、この問題は、今四%かもしらぬけれども、ふえることは当たり前じゃないですか、先生。子供でもわかる話じゃないですか。どうなんですか、それは。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 ふえてまいります。それから……(橘委員「先ほどあなたは独占だとおっしゃったけれども、独占じゃないじゃないか、それは」と呼ぶ)いや、今は独占だと申し上げたのです……(橘委員「だから、今後はそうじゃないと私は言っているんだよ」と呼ぶ)

石破茂新進党

○石破委員長 許可を求めて発言をお願いいたします。  参考人。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 ふえていく問題であるし、それからさらに期待しますと、むしろCATVの普及というものの方に私は期待をしております。それは何かというと、今はまだCATVが二十何%ぐらいしか施設率で普及しておりません。ですけれども、これは今後ふえていく。そうしたら、CATVとCATVとを結び合うというのは、これは一つの非常にいい問題だ、こういうふうに思います。  それから、この分野における問題としては、そういう競争者というのができてきて、そしてなるべく早くNTTの独占の体質というものを解消していくというのは、これはまことに歓迎する問題であって、それが一番望まれる。そういうのがそういうもので出てきて、そしてNTTに対抗するという状況があったからといって、だからNTTを分割し、あるいは再編成しなくてもいいということには私はならない。競争者は、この世界というのは発展は無限ですから、多々ますます弁ずであって、そこのところの、ラインの性格から非常に入りにくい状態を持っていますから、たくさん入ってくるというのは望ましいことだというふうに私は思っておりますから。

橘康太郎自由民主党

○橘委員 本当に残念なことながら、国の委員の方がそういう科学的なことについて無知であるということについて、私は大変残念に思うのです。  もう一つ、さっきも言いましたように、衛星通信ということであれば、現在既に行われているわけです、インマルサットであるとかインテルサットだとか。それぞれの、NTTの線を使わなくたって、機械対機械で衛星を通じて通信ができるわけですよ。現実に、イリジウム計画というもので、DDIという民間会社のところに、奥山さんという郵政省の次官が行った会社ですけれども、これが、九八年までに日本のお金もつぎ込んで、そして、そのイリジウム計画で我が国のネットワークもつくり上げたいという計画があるじゃないですか。NTTだって、今セルラーの衛星通信網の中に入って、そしてネットワークをつくりたいという計画があるわけですよ、はっきり言いますけれども。そういうことで、NTTの地域独占網だという使い方によって、今私はNTTを分割すべきだとかなんとか言っておりませんよ、これは今そこで検討されておる問題だから。ただ、あなたのおっしゃっておる独占網という言葉については、絶対違うということを言っているわけですよ。四%もあったらどこが独占なんだよ。ゼロだったらわかるけれども、四%で独占という、そんなばかな話はどこにあるんだよ。科学者にもう一回聞いてみろ。  それともう一つは、仮にNTTが独占ということであるならば、我が国の公正取引委員会をもっとしっかりしたものにしなければならぬ。そのときこそ初めて公正取引委員会において、独占の問題にあるならば、しっかりとこれによって国民の皆様が納得するような解決をしていけばいいのではないかと私は思います。  私は、はっきり言いますけれども、飛行機であれ何であれ、今後本当に自由化を求めていくということになれば、切符の自由化あるいは料金の自由化を求めていくということになれば、アメリカでも行っておるように、最後は独占になるんですよ。独占になったら物すごい高い切符を国民に買わすようなことになる、しかも安全は物すごく不安全、そういうふうな状況を私は一番嫌うわけです。そのために公正取引委員会というのはあるんだから、むしろあなた方におかれては——私も今行政の立場において、命をかけてこの問題に取り組んでいます。この間からだって、国会において、逓信委員会において、殴り込みのけんかをするぐらいやっていますよ、この問題。それでもまだわからないのがたくさんいるわけですよ。それは、あなた方がもう少し勉強して本当のことを言っていただくならば皆さん惑わされないわけです。マスコミであるとかあなた方、もっと勉強してもらいたい、はっきり言うけれども。しかも、郵政の審議会の中には科学者というのは一人しかいない、東大の先生というのは。NTTの研究所を出た人も一人。二人ぐらいしかいないんだ、科学者というのは。本当に私は残念に思っています。  私は国土であります。我が国がこういうような段階において誤った方向へ誘導されるということについて絶対反対。したがいまして、私は、今、NTTが分割だとかなんとかという問題じゃなしに、NTTの地域独占ということについてもう少し科学的によく勉強していただきたいということをお願いして、発言を終わります。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 四%とおっしゃいましたけれども、全通信に占める割合というのは〇・四%でございますので、訂正していただきます。(橘委員「あなたが四%と言ったんだ」と呼ぶ)いや、あなたがおっしゃった。(橘委員「あなたです」と呼ぶ)

石破茂新進党

○石破委員長 御静粛に願います。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 あなたがおっしゃったのです。(発言する者あり)

石破茂新進党

○石破委員長 静粛に願います。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 国会というのは、そういう議論をする場所ですか。(発言する者あり)

石破茂新進党

○石破委員長 静粛に願います。

鈴木良男行政改革委員会規制緩和小委員会参与・株式会社旭リサ−チセンタ−代表取締役社長

○鈴木参考人 まあ私は、冷静に申し上げさせていただきます。(橘委員「よく勉強しろ」と呼ぶ)いや、まあいいです。  イリジウム計画その他についてあること、しかもそれらが直接的な関係、コネクションを持つというのはあり得ます、それは今の携帯電話だってあるんだから。しかし、それが非常に多いのかというところに対しては、なお相当な時間を要する。それを私どもは期待しておる。こういう事柄で問題を見ていくべきだ。  では、イリジウム計画、今どれだけかといったら、日本に配線するのは二十万足らずですよ。そういうものの中で、全トラフィックは六千万だとか一億と言われておる中で、そういう問題だということも考えて、近未来の問題というのとそれから将来のいつの日にかという問題を混同した議論をしますと国家は過つという事柄を私は申し上げたいというのが第一点です。  それから第二点は、公正取引委員会があるじゃないかというお話ですけれども、NTTというのは、これは本来、臨調の答申を受けて、要するに経営形態、競争関係というものをよくよくあれした上で民営化していくという、今その途上にある特殊法人です。株はどれだけ持っておるのかといったら、政府は要するに三分の二を持っておるわけです。今なら政府は決定をできるわけです。これを、これ以上の株式を出しましたら政府は決定はできない。完全な民間会社になる。完全な民間会社に分割しろなんという、そういう無礼なことは言えるわけがないわけです。そのNTTが出ていって——それが九二%ぐらいのシェアを今持っておるというのは、これは公取に言わせたら、独禁法違反の状態であるに決まっておる。それを公取は必ずしもはっきり言わないというところに今の公取の問題があるわけですけれども、そういうわかり切ったことが起こる問題に対して、今なら手が打てるのに、今手は打たない、そしてトラを野に放った上で、その後でこれを独禁法の問題だと、こういう議論をするというのは、私は、なぜそんな迂遠な方法をしなくちゃいけないのか。わかっていてやれる今にNTTを活性化して、本当に生き生きやってもらうためには何をすべきか、これが今問われておる問題だというので、その意味で私は、政治の御判断の責任は重いというふうに思っております。

石破茂新進党

○石破委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、心より厚く御礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時二十五分散会

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