外務委員会 第11号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1996/05/31
会議録
○関谷委員長 これより会議を開きます。 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣池田行彦君。
○池田国務大臣 日米物品役務相互提供協定における「部品・構成品」と武器輸出三原則における「武器」との関係について申し上げます。 一、昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府統一見解において、武器輸出三原則における「武器」とは、輸出貿易管理令別表第一の一の項(一)から(十四)の項までに掲げられるもののうち、「軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの」と定義されており、その中には、軍用航空機、軍用車両、軍用船舶等の部分品が含まれている。 二、日米物品役務相互提供協定上の「部品・構成品」については、「部品」とは、それ以上分解することのできない構成要素の単体(ボルト、ナット等)であり、「構成品」とは、独立した機能を有しているが、それのみでは装備品、船舶、航空機として使用できない部品群(計器類、表示板、バッテリー等)をいう。 三、このように、本協定上、「部品・構成品」は、それのみで装備品として使用することができないものを意味するが、この中には軍用航空機、軍用車両、軍用船舶等に使用される武器専用部品として、武器輸出三原則における「武器」に該当するものが含まれる。 四、いずれにせよ、この協定に基づく提供の対象として第二条二項に食料、水、宿泊、輸送等の十五の区分に係るものが列挙されているとおり、銃、火器等戦闘行動において直接人の殺傷その他の武力行使の手段として用いられる物品は、本協定のもとでの提供の対象には含まれない。 以上でございます。
○関谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田克也君。
○岡田委員 新進党の岡田克也です。 与えられた時間は一時間でございますので、順次質問していきたいと思います。 基本的には、先般本会議におきまして質問させていただきました問題について、さらに突っ込んで御質問をしたいと思います。 ただ、質問を始める前に一言申し上げておきたいと思いますが、私もあの本会議の速記録をもう一度読み直してみまして、聞いたことにほとんど正面から答えていただいてないというふうに言わざるを得ないと思います。本会議というのはそんなものだ、そういうふうに言ってしまえばそれまでかもしれません。しかし、やはり時間を割いて、そして本会議場というところで聞いているわけですから、そういった問題について正面からきちんとお答えいただくべきではないか、こういうふうに思うわけでございます。 個々の問題は中で触れていきたいと思いますが、やはりそれは、総理それから大臣もそうでありますし、あるいは事務当局もそうでありますけれども、質問というものをもう少し真剣に受けとめていただきたい、そのことをまず御注文申し上げておきたいと思います。 私もかつて役所におりまして経験がありましたのでわかりますが、特に本会議での質問になりますと、ついつい勝手に質問の方を解釈して、当たりさわりのない答えを書くという傾向がどうしてもあると思います。しかし、そういうことを続けていたのでは国会において議論する意味がなくなってくるわけでありますので、そこはよく外務省の方にも考えていただきたいというふうに思っております。 さて、私が聞きました幾つかの質問の中で、共同訓練など、協定の一条二項に定める場合であれば有事であってもこの協定は適用されるのかというふうに聞いたわけですが、これに対して池田大臣は、「戦闘行動が行われているという意味でのいわゆる有事における米軍の戦闘作戦行動への協 力としての物品や役務の提供というものには適用されません。」というお答えであります。 私が聞いておりますのは、別に戦闘作戦行動への協力としての物品や役務の提供について聞いているのではなくて、一般論として、有事であっても、つまり戦闘作戦行動が行われている場合であっても共同訓練であれば適用され得るのかということを聞いているわけで、そのことについてまずお答えをいただきたいと思います。
○池田国務大臣 まず、本会議における私の答弁あるいは政府側の答弁一般についてでございますけれども、国権の最高機関である国会、その本会議における政府としての対応というのは、これは誠意を持って当たるのは当然だと思っております。私どももそのつもりで、その精神を持って対応しているつもりでございますが、不十分なところがあったといたしましたら、そこのところは基本的にそういう誠意を持っておるということでどうか御了解賜りますようお願い申し上げます。なお、今後ともその点については心してまいりたいと存ずる次第でございます。 さて、今御質問の点でございますけれども、先般本会議でお答えいたしましたのは、委員御指摘のように、そのような状況のもとで戦闘行動をやっている、そういったものに対する支援というものは対象にならないということを申し上げたわけでございます。私は、それはあるいは裏からお答えしたようなことになったかと思います。 正面からとおっしゃいますので、正面からということで申し上げますと、昨日の委員会でも他の委員の御質問に対してお答えしたところがあるかと思いますけれども、有事あるいは平時という概念が必ずしもこれは確定したものではございません。これは一般国際法におきましても、あるいは国内法におきましてもですね。そういうことはございますので、この協定ではそういった切り口から規定しているわけではなくて、共同訓練、PKO等ということで、そういうふうな面からこの対象を限定しているわけでございますので、有事にどうだろうかということはなかなか言いにくいわけでございます。 そういったいわゆる有事と言われるような緊迫した状態、状況があるときにおきましても、例えば極東有事を想定しますと、極東のどこかの地域でそういうことが起きている、そうして米軍がそこでそれに対処する行動をとっている、戦闘行為をやっているという状況のもとでありましても、米軍の他の部隊は、例えば日本の国内にある、あるいは米国内にある。そして、そういったものと自衛隊が共同訓練を行うということは理論上あり得るわけでございまして、そういったものについてこの協定が適用可能であるかどうかということになれば、これはそういったケースを排除しているものではないと思います。 ただ、実際にそれを行うかどうかというのは、やはりその状況、その他いろいろな点から考えまして、自衛隊と申しましょうか、最終的には防衛庁設置法に基づく訓練の決定でございましょうから、防衛庁あるいは政府において判断する、そういうことだと思います。
○岡田委員 協定の文言上は可能であるというふうに理解をいたしました。 その上で、今大臣もいろいろ御説明になりましたが、基本的な考え方として、これは日米間の問題でありますから、そして、米軍がどこかで戦闘作戦行動をやっているというときに、全く違う場所であっても共同訓練をやるということはいろいろな誤解を招く可能性もあるわけですから、常識的にはそういう共同訓練を日本側としてはやるつもりはない、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○池田国務大臣 そこのところは、やはり具体的にどういうふうな状況かなということがあると思います。そもそも有事ということは、先ほど申しましたようにきちんとした定義があるわけではございませんから、どのような状況かということがあると思います。 昨日、私は御答弁の中でPKO活動を例に挙げましたけれども、たとえそうでなくても、例えば共同訓練でも、こういうケースはいかがでしょうか。 まず、何もないときに、我が国はもとより極東地域でも特に事がない状況の中で、例えば米国において日米共同訓練が行われておる、その訓練が継続している間に極東のどこかで何か事が起こったというときに、それではこちらの方はこの訓練を直ちに中止する、あるいは取りやめるのが適当かどうかというのはやはりケース・バイ・ケースではないかと存じます。 しかし、概して言えば、共同訓練というのはいわゆる平時において行われるのが通常であるということは言えようかという感じがいたします。
○岡田委員 有事の定義が非常に幅広い、いろいろな定義があるということはおっしゃるとおりでありますが、私が今聞きましたのは、戦闘作戦行動を米軍がしているときに、他方で共同訓練をするというのは常識的にはないのではないか。もちろん、さっきおっしゃったような例というものは論理的には考えられますが、では、もう少し狭くして、戦闘作戦行動を米軍が行っているときに、日本として新たにこの協定に基づいて共同訓練を始めることは常識的にはないということはどうでしょうか。
○池田国務大臣 常識的にはという先生のお話でございますので、やはり常識的に言いまして、一般的に言えば、概して言えばそういうことだと私は思います。ただ、しかしあくまでそれは個別の状況、そして個々の行動との関係で、その時点で考えるべき話だとは思いますけれども、一般的に言えばそういうふうなことかなと存じます。
○岡田委員 大体了解をいたしました。私もそのようなことだろうというふうに思っております。 それでは、次に弾薬の問題でございます。 私が質問いたしましたのは、総理が、弾薬提供についてアメリカ側にニーズがなかったから弾薬を入れなかったんだというふうにお答えになったわけであります。これは愛知議員に対する答えでありますけれども、この間私が聞きましたのは、じゃ、アメリカ側が弾薬を含めたいと、ニーズが出てきたときに、協定を変えて、弾薬を加えることについて日本国政府としては問題がないというふうに考えているのか、こういうふうに質問をしたわけであります。総理のお答えは、日米共同訓練において弾薬が使用されることがあるかどうかということと、米側がその提供を我が国に求めるかどうかということは、全く別の次元の問題であると思います、こういうお答えなんですが、これはお答えになってないわけでありまして、私は、もしアメリカ側が求めればという仮定の話をしているわけですから、日本側としてはどうなのかと聞いているわけであります。それに対するお答えを、総理にかわって大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○池田国務大臣 本会議における総理の御答弁は、米側のニーズという関係でのお答えであったと思います。 それで、今委員からは仮定の問題として、もし米側にニーズがあればどうかという点でございますが、あくまで仮定の上に立ってお答えをさせていただきますけれども、仮に米側のニーズがあったといたしましても、やはりそれは自衛隊及び米軍双方の支援能力であるとかあるいは相互融通性の問題であるとか、それがあるかどうかといったこと等々、いろいろなことをやはり総合的に判断した上で協定の対象、この協定といいましょうか、そういったものの対象にするか否かを日米双方でさらに検討し結論を出す、こういうことになるんだと思います。 したがいまして、お尋ねの点について今の段階で一概に申し上げるわけにいきませんけれども、専ら米軍のニーズにかかわっているのかといったら、そうではないというのは御指摘のとおりだと存じます。
○岡田委員 相互融通性その他の問題は、ある意味では技術的な問題でございますが、もし弾薬をここに加えるということが憲法上何かの問題があ るというふうに大臣はお考えでしょうか。
○池田国務大臣 これは、あくまで現在の協定の共同訓練あるいはPKO活動等ということを前提にしての話でございます。そういった枠組みの中で、仮にその対象の物品の中に、御指摘の弾薬でございますか、それを入れた場合にどうなるかということでございますが、私はそれが直ちに憲法との関係で問題になるとは考えません。しかし、それは今回のいろいろな双方の協議の中でニーズの有無、その他を勘案いたしまして、その対象とはしていない、こういうことでございます。
○岡田委員 それでは、その次ですが、この協定の適用範囲の問題でございます。 私の方で聞きましたのは、第三国における日米の共同訓練の場合にこの協定は適用になるのか、こういう質問をいたしました。大臣の方からは、「従来、日米共同訓練は日米以外の第三国で実施されたことはない」というお答えでございました。それは事実だろうと思いますが、私が聞きましたのは、仮に第三国で行うことにした場合にこの協定が適用になるのかどうかという、これも仮定に基づいた質問でございます。それに対するお答えをいただきたいと思います。
○池田国務大臣 本会議でも御答弁申し上げましたように、これまでの訓練において、日米以外の第三国において訓練が行われたことはございません。また、将来についても、これは私から御答弁申し上げるのは適当かどうかというのは別として、想定はしにくいわけでございますけれども、しかし、委員おっしゃるのは、この協定の条文上それが排除されているか否かということだと思います。そういった理論上の問題あるいは協定の条文上どうかということでございましたら、それは排除されているわけではございません。
○岡田委員 そうしますと、例えばこれも仮定の話でございますが、将来、日米韓で合同の訓練を行う、それを例えば韓国で行うというようなことがあった場合に、日米韓ではこの協定に基づいて物品・役務の融通をするということは、それは可能である、少なくとも協定上は可能である、それを実際やるかどうかは政策の問題だと思いますが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○池田国務大臣 この協定上それを禁止する規定がないのは御指摘のとおりでございますけれども、しかし、実際にそういうことがあり得るかどうかということ、その蓋然性の問題、あるいは仮にそういったことを提起されたとしてもそれを行うことが妥当かどうかということについては、当然別途の角度からの政策的な判断が入るということは十分考えられるところだと思います。
○岡田委員 そうしますと、大臣は何か妥当でないと今お考えになるようなことがあるんでしょうか。それとも、今は全くの白紙であるというふうにお考えなんでしょうか。
○池田国務大臣 まず、これまでにそういったことが行われなかったということもございます。それから、恐らく将来、今後についても当然こういうことがあるだろうということが今想像できるわけでもございません。まず、そういったことで、事実問題としてそういった可能性があるかどうか、ましてや蓋然性ということからいうと、非常に確度が低いんじゃないかと思いますので、だから、それを行うべきかどうかという判断を今一概に申し上げるわけにはまいりませんけれども、もしそういったケースが浮上してくれば、それは各方面から検討して政策的な判断はあるだろう、こういう意味で申し上げたわけでございます。今それが先見的にそういうものは妥当でないんだと申し上げておるわけではございません。
○岡田委員 恐らく二つの意味があって、一つはそういった三カ国間の訓練を第三国で行うこと自身が妥当かどうかという一つの判断がございますね。それが妥当だということに将来なったときに、その上でこの協定を適用することが妥当かどうかという二つの問題があると思うんですが、もし政策的に三カ国間で第三国で共同訓練を行うことが妥当であるということになったときに、それにプラスしてこの協定を使うべきか使わない方がいいかということについて、何か問題がありますでしょうか。
○池田国務大臣 まずこの協定は、後方支援それから物品・役務の面での協力を決めているわけでございますね。今仮定を置いての御質問のような事態をどうするかあるいは行為をどうするかということになりますと、まずその訓練自体をそのような場所ですることがどうかということが先にくるんだと思います。その後での、付随的にこの協定に従ってやることがどうかという判断になるんだと存じます。
○岡田委員 それでは次に、日米防衛協力のための指針の見直しあるいはその他の有事の際の日米協力体制についてお伺いしたいと思いますが、総理の方からは、「具体的にいつまでに結論を出そうということが現時点において決まっているわけではありません。」というお答えをいただいております。 まず、ホノルルで日米安全保障事務レベル協議が開催をされたというふうに伝えられておりますが、そこでどういうことが決まったのか、まず概略、事務当局からで結構ですから、御説明いただきたいと思います。
○折田政府委員 五月二十八日にホノルルで日米の実務当局者間、審議官レベルでございますが、通称ミニSSCと称しますけれども、そこで議論が行われたところでございます。いわゆるガイドラインの見直しの議論につきましては、参加者が個人的な立場で、非公式かつ自由な意見交換を行ったということでございまして、次のような点でおおむね意見の一致を見た、それぞれ本国に持ち帰って、それぞれの本国で検討しようということになったわけでございます。 まず第一点は、防衛協力小委員会というのがございます。これは前回のガイドラインを作成するときにつくられたものでございますけれども、従来の防衛協力小委員会、これはSDCと称しますけれども、北米局長、防衛局長、統幕事務局長、在日米軍参謀長、それから在京のアメリカ大使館の公使ということであったわけでございますが、御承知のように、昨年の秋から沖縄に関する行動委員会、いわゆるSACOのやり方が非常によかったということで、その例に倣いまして、単に在京のアメリカ大使館の公使だけではなくて、アメリカ本国の国防省、国務省のしかるべき人等を含むものに改組したらどうであろうか、そしてその上で、さらにワーキンググループを設置して検討したらどうかというような話がございました。 それから九月に、いわゆる2プラス2、外務大臣、防衛庁長官とアメリカ側の国務長官、国防長官との間のいわゆる2プラス2が開かれるということは一応想定されておるわけでございます。これは、いつ開くとか細かなことは決まっておりませんけれども、そういう方向で話をしたらどうかということになっているわけでございますが、それまでの間に作業をしたいわゆる進捗状況について、その2プラス2で、いわゆるプログレスリポートというのですが、報告したらどうであろうかということ。 それから、いわゆる指針、ガイドラインの見直しと、日本国内で、総理の御指示を踏まえまして緊急事態に対するいろいろな対応策を検討しているわけでございますが、両方は非常に関係が深いものでございますので、その関連性をよく踏まえながら、言ってみれば同時並行的に進める必要があるのではなかろうかということ。 それから、今回、指針、ガイドラインの見直しを開始することに合意されたわけでございますが、そこにおきましても、日米間の言ってみれば役割分担の大枠を変えるものではないだろうというような議論があったということでございます。
○岡田委員 今のお話で、九月の2プラス2で中間報告といいますか進捗状況の報告をするということも出てまいりましたが、こういう日米防衛協力のための指針の見直し作業はやはり全体のタイムスケジュールが当然あると思うのですね。少なくともこのぐらいで結論を出そう、こういうもの は当然あると思いますし、いつまでもずるずると引き延ばしていくというわけにもいかないと思うのです。 そういう意味で、私は、総理にいつまでに作業を終えるつもりかと聞いたわけですが、「現時点において決まっているわけではありません。」というのが総理のお答えでございました。私が聞きましたのは、やはり政治家として、あるいは日本の指導者としていつまでに終えようというおつもりかということを聞いているわけでありまして、これは自然に決まるわけではありません。やはり、総理なり外務大臣、防衛庁長官がいつまでに結論を出すんだという強い決意があって、初めて事務方もそれに合わせて作業をしていくわけでありますから。 そういう意味で改めてお聞きをしたいと思いますが、日米防衛協力のための指針の見直し作業はいつまでに終えるおつもりですか、お答えをいただきたいと思います。
○池田国務大臣 御指摘のとおり、本件は極めて重要な課題でございますので、だらだらとやっておればいいという話じゃないのは当然でございます。我々としても、可能な限り早くその結論を得たい、こう考えております。しかし、重要な課題であるということから出てきますもう一つの要請は、やはり拙速であってはいけない、やはり綿密に作業をし慎重に事を運んでいかなくてはいけない、そういった側面もあるということは御理解いただけると思うのでございます。 そういったことで、先ほど北米局長からも御答弁申し上げましたように、先般ホノルルでの会合で、まず日米間の協議としてはスタートといいましょうか、きっかけを始めたわけでございますが、今後なるべく早くそれを継続していきたいと思いますし、また、当然国内での作業があるわけでございます。 そういったものも鋭意進めてまいりまして、そして先ほど御指摘のございました、ことしの秋にもいわゆる2プラス2が開かれれば、これは開きたいと思っておりますけれども、これを開くことができればその段階において中間報告というお話でございましたが、ホノルルの会議ではたしかプログレスリポートという形だったと思います。つまり、その段階での進展の状況を踏まえて2プラス2に報告をする、こういうことに至ったわけでございます。私どもはそれを受ける立場でございますので、それを受けましたら、その段階での作業の進捗ぐあいを見て、さらに我々として注意を喚起する、あるいはこういう点をというふうに指示あるいは示唆すべきことがあるならばそういうことをしながら、作業をさらに促進していきたいと思っております。したがいまして、今の段階でいつまでということは確定的には申し上げられませんが、作業はそういうふうに精力的に進めていきまして、なるべく早い時期に結論を得たいものと考えている次第でございます。
○岡田委員 おおむねいつぐらいをめどにということはございませんでしょうか。
○池田国務大臣 恐縮ではございますが、やはり今の段階で時期を切ってということを申し上げるだけの作業の蓄積も積み上げもまだございませんし、今申し上げて今後の進展と少し違うことになってはかえって恐縮だと存じますので、ひとつそこの具体的なめどについてはお許しを願えないかと思います。 しかし、いずれにいたしましても、この政権は永久政権とは考えておりませんので、極力作業を急いでいくつもりでございます。
○岡田委員 でき得ればいつまでに作業をやるんだ、そういう総理なり外務大臣のお話があれば、国民もいかにこの問題が重要かということがよくわかるわけでありますし、あるいは事務方の方もそれを前提にして作業していくわけでありますので、ぜひそういうリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思います。 そこで、九月に進展状況について報告があるということでありましたが、実は、ガイドラインの見直しの問題は国内の法制とも密接に関係する問題でございます。そういう意味で、国会としてもこの問題は重大な関心を持って見守っていかなければいけないというふうに考えておりますが、例えばそういった中間的な、中間的というよりは進展状況の報告とかそういうことがあった際に、政府の方から国会に対し報告をする、あるいはその場で議論をするというようなことはお考えでございましょうか。
○池田国務大臣 まだこれから作業が始まるわけでございますので確定的なことは申し上げにくいわけでございますけれども、いずれにいたしましても、作業を急ぎまして、その進展状況を踏まえて我々として報告を受け、そしてまたその進展状況いかんによりましてどういう形になるか考えたいと存じますけれども、国会でいろいろまたその御議論を賜るという機会もあり得ようかと存じます。
○岡田委員 非常に重要な問題でございますし、法律にかかわる問題でございますから、適宜国会の方にも正式に御報告をいただき、その場その場で議論をする機会をぜひつくっていただきたいというふうに思っております。 それでは、いわゆる有事立法の問題でございます。 この点につきまして、総理の方は、「法制化の問題については、まさに国会における御審議、国民世論の動向等を踏まえて対応すべきものだと考えております。」そういうお答えでございました。これも私はどういう意味なのかよくわからないのですが、国会における審議を踏まえて対応すべきだというのは具体的にどういうことを考えておられるのでしょうか。もし大臣の方でお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○臼井国務大臣 委員御指摘になりました有事法制研究につきましては、いわゆる現行法制上不備な事項、問題点を整理することにありまして、近い将来国会に提出をする、立法を予定するものではございません。しかしながら、我が国の防衛を担当している私ども防衛庁といたしましては、有事法制については、当然のことながら研究にとどまらず、その結果につき法制が整備されることは望ましい、こういうふうに考えている次第でございます。 単に研究にとどまらず法制化をしていく、この問題につきましては、国民の世論の動向あるいは高まり、並びに国会における議論、御審議の経過、国会議員の多くの皆さん方の御意思、そういったものを踏まえて検討していくべきもの、このように考えております。
○岡田委員 今の御答弁は総理とほとんど同じだと思うのですが、私がお聞きしましたのは、そこで言う国会における審議を踏まえて対応すべきだという、国会における審議というのは具体的にどういうものを考えておられるわけですか。国会でどういう審議をすれば政府は法案を出すということになるのですか。
○池田国務大臣 ただいまも委員は有事法制どう考えるのだということを御議論なさっております。それからまた、当委員会でもこれまでも幾度か議論があったところでございますし、また他に安全保障委員会あるいは予算委員会等々の国会のいろいろな場におきましてこの問題についてこれまでも御審議がございました。そういったいろいろな御議論のありようというものをよく見ながら、いわゆる成熟してくるのを見てという言い方をかつて政府でしたことがあるかと存じますけれども、そのような状況を見ながら、政府としても、これまでやってまいりました研究を踏まえて具体的な法律案の形にまとめ上げるのが、これが妥当な、適当な状況あるいは環境ができ上がったな、そういうことになれば当然法案の形で御提出することもあろうかと存ずる次第でございますけれども、正直に申し上げまして、今の段階でそれならば環境がそこまで熟成してきておるかといいますと、まだ私はそこまでは至ってないのかと存ずる次第でございます。 もとより、国会の御論議の状況だけではなくて国民世論等の動向もあわせ見ていくということ は、先ほど防衛庁長官からの御答弁にもあったところでございます。
○岡田委員 かつての社会党が自衛隊も認めません、こう言っていた時期なら、この国会における審議を踏まえて対応していくというのはそれなりに意味のあることだったと思うのですが、その後社民党が自衛隊も認め与党になられて、今野党は大きく言えば新進党と共産党であります。共産党さんの御意見は私ども承知しませんが、我が党が国会における審議すらだめだ、こういうふうに言ったことはないと思うのですね。そういう状況のもとで、国会の様子を見なければいけないということの意味が私にはわからないのです。お答えいただきたいと思います。
○池田国務大臣 委員御指摘のように、今日こういったいわゆる有事法制と申しましょうか、緊急事態にどういうふうに対応していくかということについてさらに法的な整備を進めていくことが必要ではないかという議論が、一昔前に比べますと随分活発にこの国会の場においても行われるようになった、それは御指摘のとおりだと思います。しかしながら、それならばすぐに具体的にその立法化の作業を進めるまでの環境条件になっているかどうかという点につきましては、先ほども申しましたように、国会内の論議だけではなくて、国民世論の動向も考えなくてはいけない。そういう観点から申しますと、今ようやく、この有事法制のあり方だけではなくて、我が国の安全をいかに守っていくかといった問題、安全保障の問題につきまして、いわば同じ土俵という言葉がございますけれども、そこでいろいろ議論を闘わせるような状況になってきた。そういった意味で、広く安全保障問題についてさらに議論を深めていくという中で、早い時期に有事に対するさらなる法的な整備についても具体的な作業にかかれる日が来ることを私は期待しておる、こう申し上げてよろしいかと存じます。
○岡田委員 国民世論を喚起していくためにも、国民の代表が集まっている、つまり投票によって選ばれた者が集まっているこの国会で議論をしていくということが国民世論を喚起していくことにも当然なると思うのです。そのために別に法案の形で出していただく必要は必ずしもないと私は思うのです。議論のためのたたき台を政府でおまとめいただき、出していただく、そして大いに国会の中で議論をしていく、そういう中で国民世論も日本の国を守るということの重要さについて意識が深まっていく、あるいは有事立法そのものについても理解が進んでいく、こういうことだと思うのですが、どうも大臣のお話を聞いても釈然としないわけであります。 国会における審議というのは、政府内における審議というふうに言いかえた方がよろしいのかなという、あるいは与党間の審議とかそういうふうな気もいたしますが、私どもは国会において議論することについては、むしろ議論そのものは歓迎をいたしますので、中身についてはもちろん議論の結果でありますからともかくとして、議論をすることはむしろ必要なことであると思っておりますので、ぜひそういう前提で前向きに考えていただきたいというふうに思います。 もう一つの、国民世論の方はどういうふうにして喚起するために政府は働きかけをしていくおつもりなのでしょうか。
○池田国務大臣 これはやはり国会におけるいろいろな国防あるいは安全保障をめぐる問題についての御議論を賜る、そういったことがいろいろなメディアを通じて国民の目に触れる、あるいは耳に達するということも非常に大きな国民世論への働きかけと申しましょうか、国民の中でいろいろこういった問題に御関心を抱いていただき、将来に向かって世論を形成していく大きな手段であろうと思います。またそのほかにも、安全保障あるいは防衛の問題についても、私どもが政府としていろいろな媒体を使って、あるいは機会を使ってその広報に努め、国民の皆様方の御理解を深めていただくよう努力している次第でございますが、そういったことも有効かと存ずる次第でございます。 ただ、それは必ずしも有事法制ということだけではなくて、やはり全体としての安全保障あるいは我が国の安全を維持していくといったことについての御認識を深めていくという中で、その一つの側面として考えていくことかと存じます。
○岡田委員 安全保障全体について国民に対して世論を喚起していくということは当然のことでありますが、今私が申し上げているのは、有事の法制の問題についてお聞きをしているわけであります。 一昔前ですと、有事法制と言っただけで特定の思想の持ち主じゃないか、こういうふうに受け取られるときもありましたが、今は大分そういうことはなくなってきたのじゃないかな、こういうふうに思います。やはりこういった法制の整備がいかに重要であるかということは、それは安全保障一般の問題というよりもこの個別の問題、有事法制そのものの問題について政府がかなり広報活動をしていかないと国民の理解も進んでまいりません。国会でこうやって議論していても、それが報道されるのはごくまれでありますから、結局そのことはわからないわけであります。 そこで、政府として有事法制の必要性についてこれから積極的に広報活動をしていくという御用意があるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○池田国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、政府としては、当然安全保障の問題について国民の理解を深めていかなくてはならない、こう思っております。その中で、いわゆる有事と言われるような重大な事態が出てきた場合にどういうふうに対応していくか、それに対する法的な面での整備がどういうふうな状況になっているか、それで十分なのか否かという点についても、これは事実を、あるいはその状況、情勢というものも含めて国民の皆様方にお伝えし、御理解を深めていただく、これは当然なすべき努力であろうと思います。 ただ、先ほど委員おっしゃいましたけれども、一時は有事法制と言っただけで何か跳び上がるとかそういった感じがあった、それがなくなったとおっしゃいました。私も確かにそういった国民の皆様方全般のお気持ちというものは随分変化があると思います。しかしながら、この程度変わったからもういいだろうというので、すっと、さあ有事法制やりますといった場合にどうなるのかということもまた考えなくてはいけないと思います。私は決して、とまっておる、スタンドスティルでやるつもりはございませんけれども、しかし、音楽でいえばアレグロでやれとかスタッカートでやれというのはかえって事をなすためにどうなのかな、ポコ・ア・ポコ、ア・ポコ・リットとまでは申しませんが、モデラートぐらいで進めばいいのではないか、こう考えている次第でございます。
○岡田委員 我々も地元でこういった有事法制の問題を持ち出しますと、大体関心がないのですね。なくてもしゃべり続けると、次第に少しずつ反応が返ってくるようになります。こういった有事法制の話を地元でして、それで支持がふえるかといえば、そういうことはほとんど考えられません。しかし、それでも我々はやっているわけですね。そういう若い議員は各地でたくさんいると思います。ですから、政府の方もぜひ及び腰にならずに、必要なものは必要と、きちんと広報体制をしいてやっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。 そこで、防衛庁長官お見えでございますが、先ほど防衛庁長官の方から、法制整備が望ましいけれども、近い将来それをやるというものではないという趣旨の御答弁がありました。私は、やはり担当大臣として少し腰が引け過ぎているのではないかというふうに思わざるを得ないわけであります。 一方で、毎年毎年国民の税金の五兆円というお金が防衛費という名目で計上されるわけであります。これだけのお金のもちろんすべてが直接にそれに関係するものではないとしても、その多くは 国あるいは国民にとって侵略行為があったりしたときにそれを守るためにこれだけのお金を毎年毎年使っていると思うのです。その守る体制が、きちんと法制整備がされていないという現実について私はもっと真摯に受けとめるべきじゃないか、こういうふうに思いますが、もう一度防衛庁長官のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○臼井国務大臣 委員お説のとおり、我が国を有事の際にいかに守っていくかということは、我が国にとって大変重要な問題でございます。前大綱に基づいて策定されましたガイドラインにおきましても、一、二、三項について研究をいたしたわけでございまして、一、二項というものは一応の結論が出ている環境でございます。また、このたび、平成八年度からは新防衛大綱、新中期防がスタートする、また総理から、日本の危機状態における対応というものもやれ、こういう御指示も出ております。防衛大綱のスタートによりまして、ガイドラインの見直しというものも予定をされている。 こうした中で、私が申し上げました、有事法制というものはいかにあるべきか、将来に向けて、従来ガイドラインの一、二項で検討いたしましたものも検討をし直す必要もあろうかと思います。また、総理御指示の日本の危機への対処、こうした中でもいろいろな問題も出てこようかと思っております。それらのものを将来どのように、現法制下でできるものかできないものかをしっかりと見きわめをして、日本有事の際に適切に対応できる体制というものをつくっていくことが必要だと考えておりまして、それらのことは我々はしっかりやっていかなければいけない、こういうことを今感じておる次第であります。
○岡田委員 必要であることは当然ですが、それをどういうタイミングでやっていくのかという問題であります。大臣は、例えばこの一年以内に我が国にとって有事ということが一〇〇%ないということが断言できますでしょうか。断言できないのであれば、もしそういうときにどういうふうにして対処するおつもりですか。既存の法令を全部無視して自衛隊を動かすつもりですか。それとも黙って、法制の今認められる範囲内でしか自衛隊が動けない、結局うまく機能しないということを甘受すべきだというふうにお考えですか。どちらでしょうか。
○臼井国務大臣 今お説の、近い将来日本に危機状態が起きるということは私どもは想定をいたしておりませんが、先ほど来お話にございましたとおり、ガイドラインの見直し、これもいよいよこれから進めていく、日本の危機に対する対処方針についてもまさにこれからスタートする、これらのものはでき得る限り努力をいたしまして、早い時期に結論を出すように努力をしていかなければいけない。有事の際にはいかにあるべきか、現法制下でやり得べきものは極力やっていく、また緊急に対処するべきものは総理の指示のもとで、また新たなる対処方針というものも国民、国会に御理解を得る、こういうこともあろうかと思います。
○岡田委員 やはりこれは私は政治の怠慢だと思うのですね。しかも社会党が自衛隊は合憲であるというふうに認めた以上、本当は障害はないはずなんですね。社会党が自衛隊は合憲であると認めたということは、しかも自衛隊が必要であるというふうに認めたということは、やはり有事があり得るという前提に立ってそういうものを認めたはずでありますから、そうであれば有事に対処するための法制をきちんと整備しておくのはこれは国会の仕事であり、政治家の仕事である。 そのことについて、何かやるのかやらないのか、やるとは言いながら、いつまでにやるのかはっきりしないというのは、私は、それは余りにも無責任なことではないか、もしそういうことなら、もう防衛予算は来年はなくしたらいい、そういうふうにすら思いますね。だって、有事のときに使えないものを、金をかけて、国民の税金を使ってやる必要はないじゃないか、そういう極論も私は出てくると思うのです。 その点について、再度防衛庁長官に、有事法制についてどういうふうに、どういうタイミングでお考えなのか、しっかり御答弁をいただきたいと思います。
○臼井国務大臣 先ほどお話しいただきました、我が国においては年間予算約四兆八千億円、こういう貴重な国民の税金をちょうだいをして、日本を守るための防衛力の整備というものを年々いたしているわけでございます。 御承知のとおり、これらにつきましては、一朝一夕に現在の自衛隊というものをつくれるものではございません。絶えず着々と実施をしていって初めてそういうものができる、こういうふうに考えておりますので、その点はもう委員御承知の上での御意見でございますが、私どもは、引き続き日本の将来、国防をしっかりと担っていくためには、今後息を抜かないで着々と防衛力整備をしていくべきだ、このように考えている次第でございます。 また、御指摘の有事法制につきましては、繰り返しになりまして恐縮でございますが、今新しい防衛大綱もできましたし、また中期防もできた、またガイドラインの見直しもスタートしている、総理の御指示の、日本の危機に対する対処方針というものもこれから検討される。これらのものを、結論が出た中で、有機的な関連の中でもって、いかにして日本の有事に対する法制を考えていくのか、それは改めてこれらの関係の中でもって将来考え直すべきものである、こういうふうに思います。
○岡田委員 時間の都合もありますので、この問題はこの辺にさせていただきますが、ぜひ、与党の中でも、政府の中でも、真剣に御議論いただきたい、こういうふうに要望しておきます。 次に、日米安保共同宣言について、限られた時間ではございますが、御質問したいと思います。 日米安保共同宣言の中で、アジア太平洋地域の平和と安定のために重要であるというくだりについてどういう意味かという質問をしたところ、総理は、アジア太平洋地域に安心感を与え、結果としてこの地域の安定要因として作用しているという意味である、こういうふうに以前お答えになっております。重ねて私本会議で質問いたしましたが、そのときには余り意味のあるお答えは返ってまいりませんでした。 私は、安保条約の存在そのものがアジア太平洋の安定に役に立っているということの意味がよくわからないのです。存在そのものが安定に役に立っているというのは、もう少し敷伍して言うとどういうことなのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○池田国務大臣 御承知のとおり、さきの大戦の後長い間、半世紀近くにわたっていわゆる冷戦構造という時代が続きました。そういった東西両陣営の厳しい対峙の構造の中にあって、我が国は何とか安全を維持することができたわけでございますが、それはやはり日米安全保障条約というものがあり、それに基づく米軍の日本における存在、そうしてまた一たん緩急あればさらに増援もあるぞ、そういう体制というものが我が国の安全を守る上で大きな役割を果たしたと考えるわけでございます。そうして、それはまた我が国だけではなくて、極東地域の安定、平和もその目的としているわけでございますから、やはり我が国周辺地域の安全にも寄与するところがあったと思います。さらに申しますならば、この日米安保条約の対象となっていない、より広いアジア太平洋という地域の安定にとっても、それはやはり効果はあったのだと思うのでございます。 さて、それで、今日では冷戦も終えんいたしまして、かなりの年月もたっておりますけれども、やはりこのアジア太平洋の地域、どこに危険があるとか、どこが脅威であるということではございませんけれども、いろいろ不安定な要因もあり、先行き不透明でございます。 そういった中で、少なくともこの日米安保体制がしっかりしておって、日本あるいはその周辺の地域の安定あるいは平和をきちんと守っていくの だ、こういうことがあれば、これは広くやはりアジア太平洋地域の国々にとってもそれは安心感のもとになると思うわけでございます。いわばそういった作用としてということを総理は答弁されたと思いますが、安保体制、それに基づいて米軍がここに、日本に存在しているということがそういった効果を及ぼしている、こういうふうな意味合いであったと存じます。
○岡田委員 今の大臣の御答弁をざっと私なりに解釈いたしますと、アジア太平洋地域、安保条約の対象になる極東及びその周辺地域を除いて、それ以外のアジア太平洋地域においても、一たん何かあったときに、日本にいる米軍がきちんと機能する、究極の姿としては米軍が守ってくれる、そういうことがあって初めて日米安保条約というものがアジア太平洋の平和と安定に役に立っている、重要である、そういう表現になっているの七やないかと思うのですが、そこの解釈はいかがでしょうか。
○池田国務大臣 必ずしも委員御指摘のようなケースを申し上げたわけではございませんで、少なくとも日米安保条約の対象になっている日本あるいは極東地域は、うやってきちっと平和を維持していくのだ、こういうことである。そうなれば、その地域の平和が守られていれば、その地域には含まれていないけれども、それに隣接するあるいは近い地域についての安全保障環境についてもそれは当然いい影響を、好ましい影響を持つのだ、効果を持つのだと思います。そういう点が一つあります。 それから、御承知のとおり、あるいは委員の考えておられるかもしれない、推測いたしますところを踏まえて申し上げますと、極東に何か事があった場合に在日米軍がどういうふうに行動するかというのは、必ずしもいわゆる極東地域に限定されているわけじゃございません。極東地域の外の地域の情勢がいろいろ緊迫してくる、そのことが極東地域の安定に大きな、重大な影響を及ぼす場合には、それは極東地域の外に対しても行動するということはあり得る、これは従来から歴代政府も申し上げていることでございまして、あるいはそういったことも広くアジア太平洋の国々が安保体制から引き出す安心感のその源になるという面はあるかもしれません。しかし、私どもはそういった面だけを強調して申し上げているのではなくて、全体として先ほど申しましたことも含めて申し上げている次第でございます。
○岡田委員 私が申し上げているのは、極東及びその周辺の地域というより、もっと広い範囲でのアジア太平洋ということで申し上げているわけですけれども、先般のナイ・レポートを読みましても、アメリカの意識は完全に世界戦略の中に在日米軍基地というものを位置づけているというふうに読まざるを得ないくだりがたくさんございます。当然、またそういうふうに考えていると思います。湾岸戦争のときにも、日本の横須賀なり佐世保から艦船が出ていったわけであります。そういう今アメリカが日米安保条約で意識しているその認識と、日本があくまでも日本自身あるいは極東の安全ということに意識的に限定して考えていることの間に非常に大きなずれがあって、そこは外務省も恐らくわかっておられるのですけれども、国民にはきちんと説明しない。そういう状況の中で、何か釈然としないものが残っているというのが私は現実の姿ではないかと思います。 もう時間がなくなってしまいましたので、これ以上きょうはお聞きしませんが、やはり私は、事実は事実としてきちんと国民に説明をする、そこから本当の中身のある議論が始まるのではないか、こういうふうに思っておりますので、ぜひ次回にはそういった点について大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○関谷委員長 東祥三君。
○東(祥)委員 新進党の東祥三でございます。 本日は、防衛庁長官にもお越しいただきまして、ACSAを通じて日米同盟そのものについて質疑させていただきたいと思います。 旧社会党が自衛隊を合憲と認め、さらにまた日米安保体制を堅持すると公式的に表明されている以上、外務大臣のお話の中にもありましたとおり、ある意味で、極めて安全保障問題に対してイデオロギーの偏見にとらわれることなく真正面から議論する、そういう時代に突入したのだろう。きょう全然社民党の方いらっしゃいませんけれども。そういう意味で、きょう小一時間質問させていただきたいと思います。言葉が乱暴になるかもわかりませんけれども、それは私の真意ではありませんので、どうか中身を酌み取っていただきたい、このように思います。 第一問目でございますが、日米同盟は冷戦終了後ますますその真価が問われてきているのだろう。私はある意味で極めて日米関係、心配しているうちの一人でございます。このままでいいのだろうかと本当に思っております。 第二次世界大戦後、ソ連という全体主義国家の軍事的脅威の前に締結されたのが日米同盟である、そして、ソ連の崩壊後もその価値を失っていないと私は思っております。今は、日米同盟は自由主義世界第一位と第二位を占める日米両大国によってアジア太平洋地域の自由と平和と繁栄を支える巨大な支柱にまで成長している、このように私は思います。そういう意味で、私たち日本国の国民は、日米同盟が支えている自由主義、そしてまた民主主義という開放体制から最大限にその利益を享受している国である、こういうふうにも思っております。二十一世紀を前にして、この同盟の一層の強化と円滑な運営を図ることが我が国外交の基本方針であるとまず私は思っているのですが、外務大臣の御見解をまずお聞きしたいと思います。
○池田国務大臣 御指摘のとおり、冷戦が存続しておりました時期には、日米の協力関係、とりわけ日米安保体制の持つ意義というものは非常にわかりやすかった、こういうことがあると思います。しかし、冷戦が終えんした今日のような状況の中で、その持つ意味合いはどうなのかということを日米両国、そして両国民がよく理解し、そしてこれを支えていくというためには、両国政府あるいは我々政治家がお互いに努力を要するという面があると存ずる次第でございます。 そして、これも委員御指摘がございましたけれども、世界のGNP、経済の方でいえば、第一位と第二位のアメリカと我が国が協力していろいろなことに処していくということは、これからの世界の安定とその繁栄のために非常に大切なことだと存じます。とりわけ、このアジアの地域が世界の成長センターと言われますように、これからいわば地球、世界全体を支えていく大きな原動力になるところでございますから、そういった地域全体にも日米の協力関係が持つ大きな役割というものを我々は忘れてはならないと思うのでございます。 そういった広い意味での日米協力関係の中でも、日米安保体制というものがいわばその中核にあるということは、今日の冷戦終えん後の時代においても変わらないわけでございます。あるいは見方によれば、角度を変えれば、委員御指摘のように、従来以上に大きな意味合いを持ったというとらえ方もできると存じます。そういったことで、今回の日米首脳会談において発出されました日米安保共同宣言、さらにはその両国民へのメッセージ、いわゆる一般メッセージでございますね、それを踏まえて、そのような意味での日米安保体制を中核とする日米協力の重要性を内外に宣言したものでございます。
○東(祥)委員 それでは外務大臣、この半世紀の間、日本は日米同盟の能動的運営者としての責任を分かち合ってきたと言えるのでしょうか。また、自由主義と民主主義を掲げる西側陣営の雄として、あるいはまた真の国際平和を支える一員として、日米同盟の信頼される対等なパートナーとして、その責務を全うしてきたと言えるのでしょうか。日米両国の間には軍事力の差が、著しい差があるということは当然だと思います。しかし、対等の主権国家として日本は信頼される同盟の パートナーであったと言えるのかどうか、まず外相の見解をお聞きしたいと思います。
○池田国務大臣 過去半世紀というお話でございましたが、過去半世紀のその一つ一つの段階において、基本的には冷戦構造があったとしましても、世界あるいは日米を取り巻く状況に変化もございました。そして、米国、我が国のいろいろな面での力にも変化がございました。そういったいろいろな変化の中ではございますけれども、それぞれのその過程において日米の協力関係が非常に重要であるということは変わりなかったわけでございますし、そしてそういったことを認識しながら、我が国としても、そのときに可能な役割はこの日米の協力体制の中で果たしてきたものと認識しております。
○東(祥)委員 ニュアンスにおいて僕はそうではないだろうと思います。つまり、我が国は、敗残の軍国主義国家として、国際社会の底辺から再び今日の地位を獲得するまでの間、ひたすらに経済力の再建に目を向けてきたのではないのか。他方、国際社会の秩序維持に対する責任から目をそらしてきたのではないのか。私たちにとって日米同盟というのは、みずからの安全保障を米国の手にゆだね、外界の脅威からみずからを遮断し、いつしか我が国一国のみの安穏と飽食に浸るための心地よいもの、被膜とも言っていいかもわかりませんが、となっていたのではないでしょうか。私は、その心理の根底にあるのは敗戦国特有の甘えの構造である、このようにも思っております。東西冷戦の中でいずれにも加担したくないという本能的な中立主義、そしてまた、その傍らでくすぶっていた、米国の後塵を拝したくないという屈折したある意味でナショナリズムがあったのではないのか、このように思います。 もっとさらに言えば、日本側の心理の奥底にあるのは、決して対等の主権国家として国際社会運営の責任を分かち合おうとする同盟国の自覚ではなかったのではないのか。外務大臣は日米同盟の運営の責任者、具体的には防衛庁長官もその極めて重要な役割を担っているわけでございますが、我が国が恥じることのない対等の。パートナーであったと思われるのか思われないのか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○池田国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、五十年間、世界の情勢も変わりましたし、日米それぞれと申しましたが、我が国の力も随分変化してまいりました。しかし、それぞれの時代において私ども日本の国民は、やはり自分たちの国の安全を守るために、また、繁栄を図るために精いっぱいの努力してきたのだと思います。そしてまた、そのときそのときに持てる力を、これは決していわゆる軍事の面あるいは安全保障の面だけではございません、経済、政治その他の面も含めてでございますが、その持てる力を発揮いたしまして、国際社会において果たすべき責務は果たそうと努力してまいったと思います。そのことは日米関係においても同じだと私は思っております。そして、決して私は、これまで日米の関係において我が国が専ら受益者であって、何らその役割を果たさなかったと卑下しなくてはならない、そんな情けない存在だったとは考えないところでございます。
○東(祥)委員 卑下せよと僕は申し上げていません。恥じることない対等のパートナーであったのかどうなのか、これを聞いているわけです。 それで、本当に安全保障論議というのを真正面から議論していかなくちゃいけない、そういう時代に入ったということに関しては、全く僕は共通だと思っています。だから、そういう意味ではこれから我が国の姿勢、直すべきものは徹底的に直していかなくちゃいけない、そういう絶好のチャンスが来ているのだろう、そういうふうに思って、いろいろあったものを踏まえた上で、戦後五十年たった今日どうすればいいのか、それを僕は外務大臣のお口から、また防衛庁長官のお口から、社民党はいないのですからどうか自由にお話ししていただければというふうに思うわけでございます。そういう意味で、真に自由と民主主義を分かち合う対等な主権国家間の同盟として満幅の信頼の上に置き直すには、私は日本国の方が姿勢を根本的に変革していかなければならないのじゃないのか、このように思っているわけでございます。 つまり、歴史的に申し上げれば、米国はある意味で戦前の孤立主義から抜け出しました。あのウォルター・リップマンの「エクスターナルポリシーズ」という対外政策を僕は昨年読ませていただきました。国防省の第一の教科書になっております。それまでは、もう言うまでもなくアメリカというのは極めて孤立主義にずっと陥っていた。もろくもその夢を、彼らの理想主義的な夢をぶち破ったのは、隠すまでもない、日本のパールハーバー攻撃ですね。これによって、これじゃいけないんだということをアメリカにある意味で日本は気づかせたわけですね。そこから今日の対外政策が順々とつくられていく。そういうことを踏まえた上で、現在世界最強の国家として独特の理想主義を振りかざしております。そして、ソ連、共産主義という独裁主義の前に、自由と民主主義を支えるグローバルな責任をその両肩の上に背負っている国だ、このように私は認識いたしております。 しかし、翻って、日本というのはどうなのか。連合国の武力の前に帝国の崩壊を経験し、主権を剥奪され、軍国主義者の汚名をそそぐべく民主改造を至上命令とされた敗戦国であったのではないのか。つまり、軍国主義時代への厳しい悔恨があった。我が国の防衛政策を、自国が攻撃されない限りいかなる軍事的行動もとらないという極端な政策へと転換させてしまったのではないのか。この政策は、まさに東西冷戦の磁場の中で、日本とアメリカの間を引き裂くことを喜ぶ勢力によって中立主義的傾向を吹き込まれてまいりました。いかなる紛争にも巻き込まれたくないという、ある意味で利己主義的な政策へと変質してしまっているのではないのか、このように私は思います。その最たるものが、まさに日米防衛協力の貧困だったのではないのか、それがまさにACSAの欠落であったのではないのか。米国の同盟国でACSAを有していない国がこれまであるのだろうか、また、ACSAを放置してきたのは我が国だけではなかったのか。 外務大臣、いかがですか。
○池田国務大臣 私は、日本は戦後も自国の安定と繁栄を目指し努力をするだけではなくて、国際社会でもそれなりの役割を果たしてきたのだと先ほど申し上げたとおりに考えております。そして、それは決して狭い意味での安全保障面だけではなくて、もっともっと広い分野でとらえるべきだと思います。 仮に、先生御指摘のように、いわば安全保障の分野、日米同盟という言い方をされましたけれども、それに限定してみましても、どうでしょうか。私はそれぞれの時代にと先ほど申しましたけれども、確かに終戦直後、我々はあらゆる意味で裸の姿になっておりました。それで、間もなく厳しい冷戦構造が始まったときに、まず我々の国自身が安定していること、そして、きちっと自由あるいは民主主義の陣営に入っていること、そのことが大切だったわけでございますけれども、そういった時期に、我々としてはあくまで平和に徹して生きていく、それを大切にしながらみずからの国は守ろうということで自衛隊、最初はそれは保安隊あるいは警察予備隊という名称でございましたが、そういったみずからを守るその備えもしたわけでございますし、そして、また日米安保条約というものも結び、日米協力して守っていこうということをしたわけでございます。それは、決してその時代でも、我が国を守るだけではなくて、自由陣営全体の存立、そして繁栄のために大きな力があったと思います。仮に我々の持つ憲法その他で我が国の自衛隊が海外へ出ていくことはできないとしても、まず我が国自身、自由主義陣営の中の非常に大切な地域であるこの国を守るということで役割を果たしている、そして、安保条約によって米軍にいわゆる基地、区域や施設を提供し ているということ、これはやはり非常に大きな役割だったと思います。 そしてその後、御承知のとおり安保体制がずっと役割を果たしてまいりまして、今日においても、先ほども申しましたように、冷戦終えん後においてもやはりこの体制が大切だということで、現に我が国はそういったいわゆる米軍に対する基地の提供もしておりますし、在日米軍が円滑に行動できるような予算面その他のいろいろな措置もしておるというのは御高承のとおりでございます。 したがって、私どもは決して、そういった狭い意味での安全保障面でもなすべきことをなしてこなかったとは思いませんし、それからさらに広く言いますならば、自由と民主とおっしゃいますが、要するに自由主義の経済の体制、システムを守っていくために、我々はまず経済の復興をなし遂げ、そしてその後、経済力が次第に強くなっていく上において、IMFあるいは世界銀行、いわゆるブレトンウッズ体制であるとか、そういった通貨や金融の面、あるいはガット体制、今日ではWTOとなりましたけれども、そういった自由貿易の体制を支える上でも大きな役割を果たしたのではないでしょうか。そしてまた、経済協力、いわゆるODAの世界でもいろいろ役割を果たしてきたと思います。そういった意味で、狭い意味での安全保障の分野にいたしましても、そしてまたより広い意味で自由と民主主義を守っていくという面においても、経済その他の面において我々はこれまでも役割を果たしてきたと思います。 ただ、そういったものについて、将来に向かってさらに努力をすべきであるという御趣旨であるならば、私どもはさらに、今日世界の経済においても政治においても我が国が占める地位が上がってきただけに、従来にも増してみずからの存立と同時に国際社会全体の平和と繁栄のために力を尽くしていかなくてはならないというのはそのとおりだと思います。
○東(祥)委員 僕は、一般論として申しているのではなくて、外務大臣が言われること、ほとんど僕は同意見です。ただ、僕は日米同盟と、極めて具体的に申し上げているのです。日本とアメリカとのかかわり合いの中でACSAが今までつくられていないのですから、協定が結ばれていないのですから。だから、これから質問をさせていただきますが、僕はそれほど、外務大臣が言われるほどアメリカに対して胸を張って対等なパートナーでしたよと言えないのだろうというふうに思っています。 今聞きます。ACSAとは何なのか。それは、私の理解が間違っていれば北米局長に訂正していただきたいと思うのですが、平時から日米両国の部隊が、必要が生じた場合に自国の部隊の物資やサービスを融通するという仕組みです。燃料が足りないあるいはまた人を運ぶ足がない、わざわざ本部から応援を呼ぶほどでもない、そのとき暫時相手の部隊から燃料やサービスを借りるという協定です。双方の部隊とも国民の税金で賄われているのですから、無償の融通には当然ながら厳しい制約がある。したがって、物資あるいはサービスを融通するために、その決済の仕組みをあらかじめ設けておこうという至極当たり前の仕組みです。しかし、それが存在しなかったことは一体何を意味するのか。 そもそもACSAがないということは、自衛隊が対米協力を想定していないということじゃないのか。また、そういうことを考えていたとしても、それができない理由がちゃんとあったのじゃないのか。それは、自衛隊法自体の中にACSAを実施し得るような対米協力の法文がなかったことを意味するのじゃないのか。それがまた、自国が攻撃を受けない限り、米国が極東有事において出動しようと、あるいはまた平時の共同訓練の場において、あるいはまた平時の米軍単独の訓練の場において、米軍に自衛隊が全く協力できないという信じられない事態がこれまで放置されてきたことを意味するのじゃないのか。これで日米両国が同盟関係にあったと本当に言えるのですか。これが私の基本的な物の見方です。外務大臣、それから防衛庁長官、どうかお答えください。
○池田国務大臣 日米安保条約に基づく日米の協力関係、そしてさらに限定いたしますと、自衛隊と米軍との間の協力関係にはいろいろな側面があると思います。物品や役務の相互の融通だけではなくて、いろいろな側面があると思います。そういった面では、従来もいろいろ協力してきたのだ、こう思っております。共同訓練や共同行動もいろいろあったと思うのでございますね。それは、それぞれの責任において調達して保有している物品を用いて共同して行動することで、これは協力関係がちゃんといったのだ、こう思います。 それからさらに絞りまして、物品・役務の面でどうだったかと言われますと、これは、仮に今回御審議をお願いしております協定がない状態でも、協力関係が全くなかったのかと言えばそうではございません。それは、現在の法的な枠組みの中で、例えば物品管理法等の上に立って、ある程度のものはあったのだ、こう思います。しかし、米軍と自衛隊との間の、こういう装備その他のいろいろなレベルの問題もありましたでしょう。あるいはそれの共通性、そういったいわゆるインターオペラビリティーにかかわるような観点からもいろいろありましたでしょう。そういったことで、それがだんだん進展していく中で、これまでの既存の枠組みではなくて、さらに、そういった物品・役務の面での相互協力がやりやすい状況、枠組みをつくることが必要である、そういう状況になりまして、いろいろ検討を進め、今回の協定を結ぶに至ったと御理解いただきたいと存じます。 それにしても他国に比べて遅かったのじゃないのかという御指摘は、御指摘として私は受け取ります。しかし、それにつきましては、この委員会でもこれまでもいろいろ御論議がありましたけれども、米国が物品・役務等につきましての協定を持っております典型的な例はNATOの加盟諸国でございますけれども、そういった国の軍隊のありよう、それからそういった諸国と米国との関係と我が国の自衛隊のあり方、そして日米関係というものとの違いもございますから、やはり日米間の協定にふさわしい形の枠組みをまとめるために今日まで時間がかかったというふうに御理解いただければと存ずる次第でございます。
○臼井国務大臣 委員からただいま御指摘をいただきましたとおり、日米物品役務相互提供協定というものは、自衛隊と米軍が平素から相互支援の体制を確立しておくことがより重要である、こうした認識の中で、安保条約の円滑かつ効果的な運用を図る上で重要であるということから導入が計画され、双方の意見の一致を見て署名に至ったわけでございます。 一方、我が国はかねてより日米同盟関係の重要性というものを深く認識をいたしておりまして、情報交換でありますとか、政策協議でありますとか、共同演習、共同訓練、装備、技術面での交流、在日米軍の駐留を円滑にするための施策等々、いろいろな施策によりまして日米安保体制の信頼性の向上に努めてまいったところでございます。このようなことから、私ども防衛庁といたしましては、我が国が同盟国としてそれなりの責務を果たしてきているものと認識をいたしております。
○東(祥)委員 僕は乱暴に申し上げていますけれども、問題の本質をえぐり出したい、そういう意味で申し上げているのです。済みません、言葉が足りなくて。 私は、ACSAが存在しなかった、これが協定が締結される、喜ばしいことだと言っているわけです。しかし、ACSAがなかったということは一体どういうことなんだ。それは、まさにこれまでの日米同盟というのは、米軍が勝手に我が国を守って、また勝手に演習をして、勝手に極東の平和を守って、我が国は我が国自身が攻撃されない限り一切米軍に協力しないという建前の法制になっていたのじゃないのか。現実に日米安保条約でもそうです。それでいいのですかということを 僕は申し上げているのです。たとえそういうふうになっていたとしても、そこに逃げ込んでいるのじゃないですか。 したがって、僕の次の質問ですけれども、同盟の本質というのは、外務大臣、また防衛庁長官はどういうふうにとらえているのですか。済みません。きょうは質問を全部終わりたいので、手短に、本質だけ言ってくだされば十分です。
○池田国務大臣 大きな質問に短く答えろというのは、なかなか難しい御注文でございますけれども、それなりに努力いたします。 同盟の本質いかんという御質問でございますけれども、それは同盟を結ぶ当事国がそれぞれどのような国柄であるか、あるいはまたどういうことをその同盟に求めておるかによって異なってくることがある、こう考える次第でございます。 そして、具体的に、委員の御指摘によれば日米同盟とおっしゃるわけでございましょうが、日米安保の体制をどういうふうに見るかという点で申しますと、これは、我が国が我が国の国柄、御承知のように今日の日本国憲法を持っております。そして自衛隊の性格も、同じ実力を備えた集団であるとは申しましても、多数の国で見られるいわゆる軍隊とは違った性格を持っておることは御承知のとおりでございます。 そういったことを踏まえながら、しかし、日米間で安全保障面、あえて軍事面と申してもよろしゅうございますが、そういった条約を結んだ。あえて同盟と言ってもよろしゅうございます。そういった関係を持っているわけでございますので、これはこれとして意味はあると思います。一方的なものではございません。 先ほども申しましたけれども、やはりそういった条約のもとで基地を提供しているということは、それは米国にとっても非常に大きな意味を持つわけでございますし、これは単に我が国を守るだけではなくて、やはりこの条約上も、極東地域の平和と安定を守っていくという意味でそれも活用できるわけでございますので、決して一方的なものではないと存じます。 しかし、通常の形の軍隊を持っている国同士のいわゆる軍事同盟に比べれば特殊な性格を持っているということは、これはおっしゃるとおりでございます。
○臼井国務大臣 委員御質問の同盟関係、例えば日米同盟関係のように、日米安保体制という核になるものを中心として日米両国が基本的な価値あるいは理念を共通に持つ、よきパートナーとして、安全保障面ばかりではなくて、経済あるいは政治あるいはそのほかの文化とか、そういう面に及ぶまで緊密に協調関係を保って協力をしていく、そうした関係の総称である、このように思っております。
○東(祥)委員 僕が米国の交渉者であり、そして今外務大臣のお話を聞けば、日米同盟はやめた方がいいなと思うのではないだろうか、そういう感じがします。 私は、同盟の本質というのは、相手国の主権あるいはまた相手国国民の生命と財産を、自国の国民あるいは兵士の命を犠牲にしてまで守るということに尽きるのだろうと思います。これが、ある意味で原始的なようであったとしても、現在の国際社会を構成している、つまり主権国家が並立していることを建前とする現代国際社会における同盟の本質だ、このように思います。 だから、今防衛庁長官が言われたとおり、民主主義国家間の同盟関係というのは、単なる戦術レベルにおける軍事的利益の一致だけではなくて、国民相互が共通の価値と利益を分かち合えること、そしてまた、相手国への侵略が、自国民が血を流すことに納得するほどの死活的利益とみなされなければ、だれも相手国のために自国の兵士や国民を犠牲にさらすことはできないのじゃないか。それをある意味でアメリカは日本に対してやってくれようとしていると理解した方が同盟関係というのは本質が見えてくるのじゃないか。 したがって、いろいろなことをやっていますというふうに先ほど言われておりましたけれども、例えば今までに弁当が出せなかったのじゃないか。演習のためにやってくる米軍に対して弁当がちゃんと出せましたか、あるいはまた、車に乗せてやれましたか、ガス欠のトラックにガスをちゃんと提供してあげることができましたか。こういうことができなかったがゆえに、ちゃんと今ACSAというものを結ぼうとされているのじゃないのか。そういう意味においては、徐々にその意味でわかりつつあり、また、そういうことをできるような状況になりつつあるのじゃないか。 ある意味で、一度同盟関係を結べばそこに共通の利益があることを政治家が国民に日々説明しておかなければならない問題なのだろう。だから、忘れもしません、ペリー国防長官が来たときに、もっと日本の政治家は日米安保条約の内容について国民に言ってほしい、説明してほしいと。この委員会においてやっとこういう議論が展開されるようになっているわけです。だから、それを、僕の理解が浅いせいかどうかわかりませんが、外務大臣の同盟関係における本質のとらえ方というのは余りにも日本的、そしてまた手前勝手なとらえ方じゃないか、このように私は思わざるを得ません。いかがですか。
○池田国務大臣 同盟関係というもの、あるいはより広く日米協力関係というものを、共通の価値観を共有し、そしてお互いの国を守ることが自分の利益でもある、そういうふうな観点からとらえる、そして、経済、社会あるいは文化、広範な分野での協力関係を保っていく、そういう形でとらえるのは当然でございます。私は、この御審議の前の部分でそういうふうなとらえ方で御答弁申し上げたと存ずる次第でございます。その後、委員がいわばすぐれて安全保障的なあるいは軍事的な側面をクローズアップして御議論なさったと理解したものでございますから、あえて狭義の、狭い意味での御答弁を申し上げた次第でございますが、その点は私どももそのとおりに考えております。 それから、ACSAとの関係と申しましょうか、今御審議を願っております協定との関係で申しますと、先ほども御答弁いたしましたけれども、従来の法制の枠組みにおいてもいろいろな日米間の協力はあったし、その協力は物品の面についてもあった、こう考える次第でございます。しかしながら、それがこれまでの枠組みでは必ずしも円滑に進まない、そういった事情が次第に顕著になってきたという面があると思います。それは、日米双方の保有する装備、物品、その他のありようにもかかわってくるわけでございますが、そういったこともあって、いろいろ相談の上、今回のように協定という形で新たな枠組みをつくろうとしているところでございます。
○東(祥)委員 それでは、もっと具体的に聞きます。 一体、これまでACSAの存在しない日米同盟をどのように運用してきたのでしょうか。例えば、共同訓練に来る米軍への輸送手段の提供あるいは食糧の供給あるいは兵舎の一時的使用をどのようにして実施してきたのか。 また、こういう問題に関して、日米同盟の現状を米国側はどのように評価していると外務大臣はお考えになっていますか。
○池田国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、これまでの枠組みでも、物品・役務の面も含めていろいろな協力はしてまいった、このように認識しております。しかし、その協力の深まり、あるいは先ほども申し上げたようないろいろな装備その他も関連いたしまして、これまで以上に円滑に進めるためには新たな枠組みが必要だということで、今回協定の審議をお願いしておるわけでございます。 具体的にどの物品が、どの役務がということになりますと、これは私から御答弁申し上げるのは必ずしも適切でないと存じますので、必要ならば、所轄の当局から御答弁いただくことにしたいと存じます。
○東(祥)委員 私が得ている情報によれば、今までACSAがなかったことによって、例えば駐留 している米軍あるいはまた演習のためにやってくる米軍に弁当が出せない。ただし、弁当を直接出すことはできませんから、これは残飯と称して出していたのです。さらにまた、車に乗せてやれない。したがって、別の理由をつけて、そして乗せてあげている。さらにまた、ガス欠のトラックにガソリンも真正面から出してあげられない。だから、別の理由をつくって出してあげていた。もしそれができるとするなら別にACSAをつくる必要はないわけですね。いかがですか。これは具体的に言っていませんから。
○池田国務大臣 個別具体的なケースについて私から御答弁するのは必ずしも適切でないと先ほど申し上げました。 しかし、一般的に申しまして、先ほども申しましたように、これまでの枠組みにおいても物品・役務についての協力もある程度やってまいりました。そして、それは米側においてもそのように理解をされていると考えているところでございます。しかし、さらにこういった物品・役務の面での協力関係を円滑化するために今回の協定をお願いしておる、こういうことでございます。
○東(祥)委員 米側はどのように評価していたんですか。
○池田国務大臣 これも先ほどから御答弁申し上げておりますが、これまでは従来の枠組みの中で協力関係は維持されてきたわけでございますが、それをより円滑化するために新たな枠組みが必要である、そういうニーズが出てきて、日米協議の上、今回の新協定をお願いしているということでございますから、これまでも協力関係があったということ、協力が進んでおったということは米側の理解でもあるが、それをさらに円滑化する必要があるというのが米側の認識であり、そうして我々もそのように認識し、今回の合意に達し、協定をお出ししている次第でございます。
○東(祥)委員 今回のACSAには単独訓練というのは含まれておりませんね。確認しておきます。
○折田政府委員 単独訓練は含まれておりません。
○東(祥)委員 先ほどからずっと展開してきている延長線上ですけれども、米軍の単独訓練であったとしても共同訓練であったとしても、米国が我が国の安全を守り、あるいは我が国の安全と密接不可分の極東あるいはアジア太平洋の平和と安全を守るために行う訓練に違いはないのではないのか。どうして単独訓練を外す理由があるのか。あるいはまた、同盟国の駐留軍の訓練には単独訓練と共同訓練を分けて考えて、単独訓練であれば協力しないというような、何か欺隔に似たようなものが何ゆえまかり通っちゃうのか。単独訓練は米軍が勝手にやっている訓練で、我が国の防衛や極東の平和と安定に関係ないということなのかどうなのか。外務大臣、いかがですか。
○池田国務大臣 単独訓練といえども、それは日米安保条約に基づいて米国が担っております責務、義務を、あるいは役割を果たしていくために必要あるいはそれに資するものであるということは変わりございません。そしてまた、単独訓練について、今回共同訓練についてお願いしておりますようなことを規定していけない、できないという事情もございません。それはそのとおりでございます。 しかしながら、今回お願いしております協定では、いろいろ話をしてまいりまして、いろいろな日米の関係におけるかかわりの中において、このような新しい枠組みをつくる必要性が、ニーズが特に高いもの、そういうものを選んでまいりまして、日米合意のもとで今回は共同訓練、PKO、国際救援活動、この三つの分野にかかわるものについて新たな枠組みをお願いしておる、こういうことでございます。
○東(祥)委員 単独訓練であれ、また共同訓練であれ、別に分けてはいない。じゃ、単独訓練というのを入れてあげたらいいじゃないですか。いかがですか。
○池田国務大臣 先ほども御答弁しましたが、そういうものについて、こういった同様な枠組みをつくっていけないとか、あるいは何らかの理由でそれが認められないということはないと御答弁いたしました。 しかし一方で、先ほども申しましたように、これまでのいろいろな枠組み、法制、その他の枠組みの上においても協力関係があるわけでございますし、日米間でいろいろ相談いたしまして、新たな枠組みをどういったところでつくるかということで、ニーズの高いところということで今回三分野を対象とさせていただいたわけでございまして、単独訓練を入れちゃいけないという理由はございません。むしろ、なぜ外したのかということでございますけれども、私どもは新たにこの三つの分野をお願いしますと言っているわけでございまして、外したということではございません。
○東(祥)委員 米国の方からも要請されなかったのですか。
○池田国務大臣 いろいろ協議をしてまいります中で、これは単独訓練についても話題にはなりました。しかし、いろいろ相談する中で、最終的に合意いたしましたのは、この三つの分野について新しい枠組みをということで日米が合意した、こういうことでございます。
○東(祥)委員 合意するに当たって、日本の方は、単独訓練は勘弁してくれ、入れないでいいんじゃないのか、こういう意見を主張されたのですか。
○池田国務大臣 これは米側、日本側ということではございませんで、両者が協調して、ニーズというのは米側にもあれば日本側にもあるわけでございますね、そういういろいろなケースを話題に取り上げながら相談をしていく中で、日米の合意でこの三分野ということにした、こういうことでございます。
○東(祥)委員 このような当たり前の協定、ACSAが長期にわたって放置されてきた理由があるのではないのか。私は、次のように理解します。それは、我が国の安全保障論議にある意味で骨の髄までしみ込んでしまっている感情的な中立主義的思考なのではないのか。つまり、東西冷戦の中で東側陣営に利用された中立主義思考と言っても過言ではないと思います。 この中立主義的な思考というのは、いつしか憲法論にしみ込んできております。憲法の国際協調主義を見失わせ、また我が国が日米同盟の対等の運営者であるという自覚を失わせ、また国連の集団安全保障体制の一員であるという自覚を失わせてきたのではないのか。ある意味で、今やこの中立主義は孤立主義の変形にさえ変わりつつあるのではないのか。これは極端に申し上げておりますが、ある意味で精神的鎖国主義と言ってもいいかもわからない。あの湾岸戦争のときに、私たちは必死になって議論いたしました。そして、一国平和主義の名で呼ばれるような利己的な消極主義にまで堕落してしまっているのではないのか。きよう内閣法制局の方に来ていただいておりますけれども、それが憲法論の形をとっているのがある意味で集団的自衛権の不行使という議論じゃないのか、このように私は思っております。 集団的自衛権の不行使という議論は、そもそも自衛隊は我が国に武力攻撃がない限り行動を起こさない、したがって海外派兵をすることは考えられない、したがって集団的自衛権を行使することは憲法の許容する武力行使の枠を超えるのではないかという極めて素朴な議論でございました。それが、いつのころからか中立主義的な色彩を帯びてきて、いわゆる戦争巻き込まれ論と全く同じ議論に変質してしまっております。その最たるものが今政府が大変御苦労をされております武力行使一体化論なんだ、このように思っております。 この議論は、我が国の国際協調主義を全く無視して、憲法とは何ら関係のない中立主義を憲法解釈に持ち込んだ議論であると思っていますし、このような議論のゆえに、有事の際に米軍の活動に協力することが集団的自衛権の行使に抵触するのではないかという妄想にとらわれてきている。それが、ACSAが国民の目から遠ざけられ、これ まで公に議論されてこなかった大きな理由なんじゃないのか、このように私は思っておりますが、外務大臣、いかがですか。
○池田国務大臣 私どもは、決して一国何とか主義とかあるいは孤立主義をとるものではございません。やはり、この国際社会の中で各国との良好な関係を取り結び、そしてまた果たすべき役割を果たしていく、こういう姿勢で臨んでおりますし、とりわけ日米関係につきましては、世界の中でも最も大切な二国関係だと考えておりまして、あらゆる面でその協力を推進してまいる所存でございまして、その中の中核にございますこの日米安保体制についても、今日の新しい国際情勢の中でもこれが非常に大切であるという認識に立ち、それの円滑な、また効果的に機能が発揮されるように努力をしている次第でございます。今回お願いいたしておりますこの協定も、そういった観点からの努力の一つでございます。 そして、なお、この協定を結びます場合に、対象として何を取り入れられるかということにつきまして、先ほど委員が御指摘されました、我が国の憲法の解釈あるいは集団的自衛権に対する解釈から、それがあるから何を落としたと、そういうことではございません。先ほども申しましたように、新たな枠組みとしてお願いすべきものはこの三つであるということで日米間で合意したわけでございます。 なお、当然のことでございますが、我々は、現行の憲法の枠内で、そしてまた国際連合憲章の目的なども考えながら日米協力等も進めていく、ACSAもその枠内にあることは当然のことでございます。
○東(祥)委員 いや、僕は外務大臣を責めるわけではありませんけれども、いつしか外務大臣もひょっとしてこの中立主義的な思考がしみついてきてしまっているのではないのか。 一国平和主義ではない、そのように今断言されましたけれども、現実に、憲法の枠内で考えるならばいいですよ。現実には、現在の政府解釈に基づくならば、この安全保障の問題に関して、ちょっと乱暴な言い方をさせていただけるならば、国連憲章に反する、国連憲章に背く不法な武力行使があったとしても、つまり、国際の秩序が破られたとしても、あるいはその破った平和の破壊者に対して国連決議を行って何らかの制裁をしようとしても、あるいはまた日本の安全を守ってくれる米艦船にもし何らかの侵略があったとしても、あるいはまた日本の安全保障に極めて密接なかかわり合いがある周辺地域に何かが起こったとしても、とどのつまり、日本の国土それ自身が直接侵害されな…限り、あるいはまた日本の国民の生命と財産に直接被害が起こらない限り、日本は何もできないというふうになっているではないですか。それを一国平和主義というふうに言わずして何と言うことができるのですか。あの湾岸戦争のときに何ができたのですか。外務大臣、どうぞ。
○池田国務大臣 我が国は、国際連合に加盟いたしますときに、現在の憲法、この憲法のもとで国際連合に加盟したわけでございます。そして、自来、国連におきましていろいろな活動をしてきておりまして、そのことを他国から云々されているとは存じません。 そして、もし、委員が御指摘になりますことが、現在の日本国憲法、これに従うことが一国平和主義であり、そしてあるいは好ましからざるいわゆる「中立主義」であるとおっしゃるのならば、これは政府としては御答弁のしようがないわけでございまして、政府といたしましては、現にこの存在する日本国憲法の中で、その枠内でいろいろ仕事をし、また今回のような協定をお願いしていくのは当然のことでございまして、存在する憲法の枠を乗り越えてやらない限り一国平和主義である、孤立主義であると言われるのであるならば、あえて私はそのそしりを免れようとは思いません。
○東(祥)委員 私は、憲法の枠内という言葉は使っておりますが、憲法の、超えてという言葉は一切使っておりません。私が申し上げたのは、現在の政府の解釈に基づけばそのようになるのではないですかということを申し上げているわけです。 一九五二年にアチソン国務長官と吉田茂が交わした有名な文書がございます。朝鮮半島における国連軍に対して我が国として何をすることができるのか。その当時にはまだ武力行使一体化論なんというのはございませんでした。日本においてできる限りのことはさせていただきます、このような文書を送っているわけです。憲法の枠内です。 それが、一九九〇年、そして九一年の一月十五日のあの湾岸戦争が勃発したときに、日本は何もできないということになっているわけです。それは、憲法の枠内ではなくて、現行の政府解釈に問題があるのではないのかということを僕は申し上げているわけです。 ここで、内閣法制局に来ていただいていますから、聞きます。 いわゆるあの湾岸戦争でも大変議論が活発化いたしました、武力行使と一体化する活動が違憲であるという議論がどこから来たのかを明らかにしていただきたい。そのような法文が憲法のどこに書いてあるのかどうなのか。文理からは全く出てこない議論ではないかと私は思っております。先ほど外務大臣が言われました、日本国憲法というのは国際協調主義を高らかにうたっています。国際協調主義です。武力行使一体化の議論が日本国憲法の起草過程で存在したのか。いつの時点でだれがどういう理由でこのような議論を生み出してきたのか。まず、文理上からこのような法文が憲法のどこに書いてあるのかを言っていただきたい。文理から全く出てこない議論ではないのかと私は思っています。
○秋山(收)政府委員 いわゆる一体化論、一体化の理論についてのお尋ねでございますけれども、この一体化の理論と申しますのは、我が国の行動が、みずからは直接は武力の行使をしていないにしても、ほかの者が行う武力の行使への関与の密接性などから、我が国としても武力の行使をしたとの法的評価を受けることがあるという考え方でございます。例えば、現に戦闘が行われているところ、前線というようなところでございましょうか、前線に武器弾薬を輸送するというような行動、このような行動につきましては、それ自体が武力の行使でないとしても、我が国として他国と一体化して武力の行使を行っているとの評価を受けるというような例示でございますが、そのようなことについては御理解いただけるものと思います。したがいまして、この考え方は、憲法の明文をもって規定されたというようなものではございませんで、憲法九条に言う「武力の行使」という文言の解釈として述べられてきたものでございます。 このようないわゆる一体化論につきましては、憲法の起草過程においては議論されたことはないと承知しておりますけれども、例えば、昭和三十四年三月十九日参議院予算委員会における林法制局長官答弁、昭和五十七年四月二十日参議院外務委員会における角田法制局長官答弁、平成二年十月二十五日衆議院国連平和特別委員会における工藤法制局長官答弁などなどにおきまして繰り返し申し上げてきたところでございまして、それぞれ、例えば安保条約の改定時やあるいは国連平和協力法の審議のときなどにおきまして、時々の問題の中で答弁され、その積み重ねの中で確立されてきたものと理解しております。
○東(祥)委員 今内閣法制局の方から説明がありましたとおり、文理からは全く出てこない議論です。さらにまた、憲法とある意味で直接関係ない議論がまさに日本の安全保障の方向性を決定しつつあるのではないのか。私は、ここに物すごい危惧を抱いております。 時間がもうありませんので、これにかかわる問題として、いわゆる集団的自衛権の問題がかまびすしく議論されております。内閣法制局の解釈によるならば、国際法上、主権国家は集団的自衛権を有しているのは当たり前だ、しかし、憲法上、 集団的自衛権の行使は許容されていないと言っています。ここでの問題は、まず、明確にお答え願いたいのですが、憲法上、集団的自衛権というのは日本国憲法によって保有されているのですか、どうなのですか。
○池田国務大臣 個別的自衛権、集団的自衛権を含めまして、主権国家である以上、自衛権を保有しているということは、国連憲章上、国際法上明らかなことでございます。 しかし、我が国の場合には、憲法との関係におきまして集団的自衛権の行使は認められない、これがこれまでの政府の解釈である、こう考えております。
○東(祥)委員 答えていないのです、質問に。外務大臣が言われていることはだれもわかっているのです。憲法上、集団的自衛権は保有しているのですかどうなのですか、これを明確にしてくださいと言っているのです。どうぞ。
○秋山(收)政府委員 今までの御議論のように、我が国は憲法上、集団的自衛権を行使できないわけでございますので、これを持っているかどうかにつきましては、いわば観念的な議論でございまして、私ども従来、行使できないのであるから、それはあたかも持っていないのと同じであるというように説明してきているところでございます。
○東(祥)委員 説明できないのですよ。まさに、サンフランシスコ講和条約、日ソ共同宣言、日米安保条約、日本は締約国として条約をちゃんと締結しているではないですか。さらにまた、明文規定でもってちゃんと集団的自衛権を保有すると言っているではありませんか。もし違憲の疑いがあるとするならば、その国際条約を結ぶことができないではないですか。外に向かってうそを言っているということですか。
○秋山(收)政府委員 先ほど申し上げたことを、もう少し言いかえまして憲法との関係を御説明いたしますと、我が国が国際法上、集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然のことでございますが、憲法は集団的自衛権の保有それ自体に関しては言及しているものではございませんで、それで、憲法九条の規定によりましてその行使は否定されることになるという関係でございます。 したがいまして、日米安保条約などで、日本が集団的自衛権を保有することを確認していることは、憲法との関係で特段問題は生じるものではないと考えております。
○東(祥)委員 僕はだれもわからないと思いますよ。持っていない、違憲性の疑いがあるものを前提にして国際条約で調印しているのですよ。もし持っていないということであるならば、今まで結んできた国際条約は、全部違憲の疑いがあるということではないですか。そこに対して内閣法制局がちゃんと明確に言えないにもかかわらず、集団的自衛権の行使は違憲であると言うことは、これはある意味で全く論理の通用しない、そういう説明をしている。 僕はあるかないかということを聞いているわけです。あるかないかわからないと言っている。あるかないかわからないものをもとにして国際条約を締結している。これがまかり通っているのですよ。それによって安全保障政策というものが今日までずっと来てしまっている。 きょう、時間が来ましたから、残念ながらこれでやめさせていただきますが、また別の機会に徹底的に議論させていただきたいと思います。きょうはありがとうございました。
○関谷委員長 これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○関谷委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。寺前巖君。
○寺前委員 日本共産党を代表して、いわゆる日米物品役務相互提供協定に対する反対討論を行います。 反対する理由の第一は、ことし四月の日米安保共同宣言で示されたように、本協定は、日米防衛協力の指針の見直しとともに、現行日米安保条約の事実上の改悪を具体化するものだからであります。自衛隊が、日本防衛とは関係のないアメリカの軍事作戦に、いかなる形であろうと軍事支援することは、専守防衛を建前とする政府の憲法解釈からも許されることではありません。 第二に、アメリカが同盟国とACSAを締結する目的は、全地球的規模で展開する米軍の軍事作戦に必要な兵たん支援、軍事物資と役務を米軍が必要とするとき、どこからでも調達できる事実上の集団的軍事支援網を築くことにあります。日米ACSAはその一翼を担うものであり、絶対に容認できません。 第三に、共同訓練などに限定する形はとっていますが、実際には限りない有事、軍事緊張時の対米協力まで可能にしているからであります。湾岸戦争では戦争突入に必要な戦争直前の共同訓練が実施されましたが、本協定もこのような共同訓練に適用されることが論戦の中でも明らかになりました。 また、米軍は演習を含めて平時の任務に、抑止と封じ込めを含めています。こうした米軍の武力による威嚇への協力は憲法違反であります。 第四に、日米協定はアメリカのACSA法の改正で追加したPKOと国際救援活動を取り入れた最初の協定となりました。PKOや国際救援活動への適用は、世界の紛争地域に人道支援名目などで日米軍事協力を促進する道を切り開いたからであります。 第五に、本協定は、武器輸出三原則や輸出貿易管理令に違反するものまで対米軍事提供を認め、武器輸出三原則を一層空洞化したからであります。 以上で、反対討論を終わります。
○関谷委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○関谷委員長 採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○関谷委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○関谷委員長 次回は、来る六月七日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十六分散会