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136回国会衆議院1996/02/21

科学技術委員会 第1号

発言数
17
登壇者
5
会派数
3
開催日
1996/02/21

会議録

井上喜一新進党

○井上委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび、科学技術委員長に就任をいたしました井上喜一でございます。  今日、我が国の科学技術の発展は目覚ましいものがございます。我が国が二十一世紀に向けて活力に満ちた豊かな社会を築くために、科学技術の積極的な振興が不可欠であることは申すまでもなく、その意味で、昨年、科学技術基本法が成立しましたことは、今後の一層の推進を図る上で、大きな前進であり、大変心強いものでございます。  また、昨年十二月に発生いたしました高速増殖原型炉「もんじゅ」における事故は、我々に大きな教訓を与え、今後同じ過ちが起きないよう、事故の原因究明等を含め、安全対策に取り組んでいくことが重要であります。その意味で、今後の科学技術振興を含め、本委員会に課せられた使命はまことに重大であると言わなければなりません。  何分微力ではございますが、練達堪能な委員各位の御協力、御指導を賜りまして、本委員会の円滑な運営を図り、その重責を果たしてまいりたいと存じます。  何とぞよろしくお願いを申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)      ――――◇―――――

井上喜一新進党

○井上委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事上田清司君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上喜一新進党

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任による欠員のほか、委員の異動に伴う欠員二名、計三名の理事が欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上喜一新進党

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事に       小野 晋也君    村上誠一郎君    及び 鮫島 宗明君を指名いたします。      ――――◇―――――

井上喜一新進党

○井上委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興の基本施策に関する事項  原子力の開発利用とその安全確保に関する事項  宇宙開発に関する事項  海洋開発に関する事項  生命科学に関する事項  新エネルギーの研究開発に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上喜一新進党

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

井上喜一新進党

○井上委員長 それでは、速記を始めてください。      ――――◇―――――  科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。  中川国務大臣から科学技術行政に関する所信を聴取いたします。中川国務大臣。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 先月、橋本内閣発足に伴い、科学技術庁長官を命ぜられました中川秀直でございます。  委員長初め、委員各位におかれましては、日ごろより科学技術行政の推進に当たり格段の御理解、御支援を賜り、まことにありがとうございます。今後ともよろしく御指導を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。  第百三十六回国会に当たり、私の所信を申し上げさせていただきます。  科学技術は、経済構造を改革し、新しい経済社会のフロンティアを生み出す源泉であります。天然資源に乏しい我が国が、二十一世紀にふさわしい、創造性あふれた経済社会をつくっていくためには、唯一の資源たる人間の頭脳、英知を最大限に活用することが不可欠であります。  科学技術の振興は、普遍の原理を求め、人類共通の夢を実現する未来への先行投資であり、研究開発活動によって得られた知的資産は、次代へと引き継がれ、新産業を創出し、文化的で豊かな社会を実現するとともに、環境問題、食糧・エネルギー問題など人類の直面する諸問題の解決に重要な役割を果たすものであります。  昨年十一月、科学技術基本法が成立、施行されました。本法は、科学技術の振興を我が国の最重要政策課題の一つと位置づけ、科学技術振興の方針と今後の我が国が進むべき方向を示したものであります。今後、本法の精神にのっとり、科学技術における世界のフロントランナーの一員として新たなる飛躍を図るべく、科学技術創造立国を目指して、科学技術の振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えます。特に、科学技術基本法に基づき策定することとされている科学技術基本計画については、科学技術振興施策を総合的、計画的に推進するために極めて重要であり、今後、科学技術会議における審議を経て、できるだけ早期に策定すべく努めてまいります。また、政府研究開発投資の倍増を早期に達成するよう努めてまいります。  昨年十二月に発生しました高速増殖原型炉「もんじゅ」でのナトリウム漏えい事故及びその後の情報公開をめぐる動力炉・核燃料開発事業団の不手際につきましては、地元の方々を初めとする国民の皆様に多大の御心配をおかけするとともに、信頼を損ねる結果となり、大変遺憾に思っております。私は、徹底した原因究明を行い、万全の安全対策を講ずるとともに、積極的かつ速やかな情報公開等を行うことにより、国民の皆様の信頼を一刻も早く回復することが重要と考えており、二月九日に原因究明と再発防止策に関するこれまでの調査結果を取りまとめ、公表したところでございますが、引き続き、幅広く御意見を伺いながら、最大限の努力を傾けてまいります。  このような認識のもと、科学技術による国際社会への積極的な貢献をも念頭に置きながら、平成八年度には、以下に申し述べますような柱を中心にして総合的に施策を展開してまいります。  第一に、知的資産の形成に資する独創的な基礎研究と科学技術振興基盤の強化であります。  新たな科学技術の知見を開拓し、知的資産の拡大を図っていくためには、研究者の持つ創造性を重視した基礎研究の抜本的な強化を図るとともに、科学技術振興基盤の整備強化を図ることが重要であります。  このため、大学、国立試験研究機関等を広く対象とし、二十一世紀を展望した重要研究分野の基礎研究を実施する戦略的基礎研究推進事業を強力に推進するとともに、科学技術振興調整費等の基礎研究推進制度を拡充してまいります。  また、独創的な基礎研究の推進においては、斬新な発想を有する若手研究者に依存するところが大きく、ポストドクター(博士課程修了者)等の優秀な若手研究者の積極的支援・活用等を図るとともに、青少年の科学技術離れ対策を総合的に進める観点から科学館の充実強化等の各種施策を進めてまいります。このほか、研究開発の高度情報化の促進、大型放射光施設SPring8の整備等を進めてまいります。  さらに、行政改革に資するとともに、科学技術振興のための基盤の整備を図る観点から、新技術事業団と日本科学技術情報センターを統合した科学技術振興事業団を創設するための法案を今国会に提出し、御審議をお願いすることとしておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  第二に、安全で豊かな生活を実現するために必要な、国民生活に密着した科学技術の推進であります。  人間が個人として、また社会の一員として、安心して暮らせる潤いのある豊かな社会を築くためには、国民生活に密着した科学技術の推進を図る必要があります。  阪神・淡路大震災から一年が経過しましたが、地震国の我が国にとって、地震防災対策は、今後とも極めて重要な課題であります。地震に強い社会をつくるため、地震防災対策特別措置法に基づき設置された地震調査研究推進本部のもとで、関係省庁と連携を図りつつ、地震観測網の整備、観測データの集中化、先端的地震研究を進めるとともに、調査研究の総合的評価及びそれらに基づく的確な広報を一元的に推進し、地震防災対策の強化を図ってまいります。さらに、地方公共団体が行う活断層の調査等に対して積極的な支援を図ってまいります。  また、健康の維持増進、生活環境の向上等を図るため、がん関連研究、ヒトゲノム解析、長寿社会に対応した科学技術の研究開発等を推進してまいります。特に、がん関連研究については、放射線医学総合研究所において、重粒子線がん治療の臨床試行を進めるほか、地域への展開を図り、治療法の確立、普及を図ってまいります。  第三に、先端科学技術分野の研究開発の推進であります。  科学技術全般の基礎となる知見を与え、また、 多くの分野の科学技術を先導していくため、物質、生命等の基本的な要素を対象とする科学技術や宇宙、海洋等のフロンティアを対象とする科学技術といった先端的な科学技術を推進してまいります。  このうち、宇宙開発は、地球環境問題の解決、質の高い豊かな生活の実現等に貢献するとともに、スペースシャトル・エンデバー号に搭乗した若田宇宙飛行士の活躍の例にも見られるように、我が国の将来を担う青少年に対して明るい未来への夢とロマンを与えるものであります。本格的な宇宙利用時代への飛躍のために、新たに策定された宇宙開発政策大綱に基づき、地球観測の推進、宇宙ステーション計画を初めとする宇宙環境利用の推進、通信、放送等の分野における人工衛星利用の高度化、輸送コストの低減等を目指したHⅡAロケットの開発、無人の宇宙往還技術試験機HOPE-Xの開発研究等に積極的に取り組んでまいります。なお、二月十二日にJIロケットにより打ち上げました極超音速飛行実験機ハイフレックスにつきましては、ほぼ所期のデータを取得できましたが、機体の回収に失敗したことは遺憾に思います。早急に原因の究明を行い、その教訓を今後の宇宙開発に生かしてまいります。  また、地球表面の約七割を占め、地球規模の環境変動に深くかかわる海洋についても、その実体の解明が重要であり、大型海洋観測研究船の整備を進めるなど海洋観測の研究開発等に積極的に取り組んでまいります。  第四に、安全確保と平和利用を大前提としたエネルギーの安定確保であります。  地球環境との調和を図りつつ、将来にわたりエネルギーを安定的に確保することは、豊かな生活を築くための基本的な条件であります。エネルギー資源の八割以上を海外からの輸入に依存し、今後ともエネルギー需要の着実な伸びが予想される我が国において、供給安定性等にすぐれたエネルギー源である原子力の研究開発利用を着実に進めるとともに、次世紀の長期的課題として取り組むべき核融合、新エネルギー等の研究開発を行うことが重要であります。  今日、既に総発電電力量の約三割を賄い、エネルギー供給に大きな役割を果たしている原子力の開発利用を進めるに当たっては、国民の皆様の理解と信頼関係が特に重要であります。そのため、積極的かつ速やかな情報の公開等に努めるとともに、核燃料リサイクル政策の重要性を踏まえ、国民の皆様の幅広い御意見を伺いながら、これらを原子力政策に的確に反映させてまいります。また、原子力による便益を享受していくに当たり、避けて通ることのできない高レベル放射性廃棄物処分対策を初めとするバックエンド対策等に積極的に取り組んでまいります。  さらに、原子力の開発利用を進めるに当たっては、安全の確保が大前提であり、厳格な安全規制を実施するとともに、安全性向上のための努力を払ってまいります。また、我が国の原子力平和利用を担保するため、保障措置及び核物質防護措置について、その充実強化を図るとともに、世界的な核不拡散体制の充実強化に積極的に貢献してまいります。  また、核不拡散の強化に対する国際的な世論の高まりの中で、いまだ一部の国により核実験が行われていることは、極めて遺憾であり、今後とも核実験の停止を粘り強く働きかけてまいります。  以上、科学技術に対する私の基本認識を示すとともに、平成八年度における科学技術庁の施策の概要を申し上げました。  橋本総理は、この内閣の使命を「変革」と「創造」とし、二十一世紀にふさわしい新しい活気と自信にあふれた社会を創造していくことを目標に掲げられました。私は、科学技術の振興こそ、経済社会の構造改革を進め、自由で創造的な経済社会の発展基盤をつくっていくものであると信じて疑いません。  科学技術に課せられた重大な使命に思いをいたしつつ、科学技術行政の責任者として全力を尽くしてまいります。  委員長を初め委員各位の御指導、御協力をよろしくお願いを申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)

井上喜一新進党

○井上委員長 この際、松谷科学技術政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。松谷科学技術政務次官。

松谷蒼一郎自由民主党・自由国民会議科学技術政務次官

○松谷政府委員 科学技術政務次官を拝命いたしました松谷蒼一郎でございます。  ただいま大臣からも申し上げましたように、科学技術は一国の将来を支える知的資産であり、二十一世紀を活力の満ちた豊かな社会とするためには、科学技術の振興は未来の先行投資と位置づけ、科学技術創造立国を目指すことが重要であります。  また、科学技術は、若田宇宙飛行士の活躍にも見られますように、若者を初めとする国民の夢をはぐくむものでもあります。  私も、政務次官として、科学技術の振興に全力を尽くす所存でありますので、委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願いを申し上げます。(拍手)

井上喜一新進党

○井上委員長 次に、平成八年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。工藤官房長。

工藤尚武科学技術庁長官官房長

○工藤政府委員 それでは、平成八年度科学技術庁関係予算の概要を御説明申し上げます。  平成八年度一般会計予算において、科学技術庁の歳出予算額五千二百九十三億二千九百万円を計上いたしており、これを前年度当初歳出予算額と比較いたしますと、三百六十六億九千五百万円、七・四%の増加となっております。また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分として、歳出予算額千五百九十七億七千百万円を計上するほか、産業投資特別会計から、三十七億円の出資を予定いたしております。  以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算額は、六千九百二十八億円となり、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、四百六十六億八千万円、七・二%の増加となっております。  また、国庫債務負担行為限度額として、一般会計千三百三億六千七百万円、電源開発促進対策特別会計四百六十二億七千三百万円を計上いたしております。  さらに、一般会計予算の予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を一兆四百二十億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額として二百五億円を計上いたしております。  次に、予算額のうち主要な項目につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に、知的資産の形成に資する独創的な基礎研究と科学技術振興基盤の強化のため、体制整備に係る措置も含め千九十億五千二百万円を計上いたしました。  まず、創造性を重視した基礎研究の推進といたしまして、大学、国立試験研究機関等から課題を公募し、実施する戦略的基礎研究推進事業に百五十億円を計上するほか、産学官の連携により重要な基礎研究等を推進するための科学技術振興調整費に二百十五億円を計上するとともに、創造科学技術推進制度等の重要な基礎研究推進制度の拡充を図ることとしております。  また、科学技術振興基盤の強化といたしまして、若手研究者(ポストドクター等)の支援・活用、科学技術離れ対策の総合的推進等の科学技術系人材の確保養成に必要な経費として、九十六億五千二百万円を計上するとともに、研究開発の高度情報化の促進に必要な経費として百二十億六千三百万円、大型放射光施設SPring8の整備等放射光利用の促進を図るため、百六十六億八千三百万円を計上いたしました。  また、科学技術情報の流通促進等のため、産業投資特別会計から三十七億円の出資を予定いたしております。  このほか、研究交流の総合的推進、国の研究施 設の整備、人当研究費の拡充、科学技術の地域展開等を進めることとしております。  第二に、安全で豊かな生活を実現するために必要な国民生活に密着した科学技術の推進を図るため、三百四十四億五千五百万円を計上いたしました。  これにより、地震調査研究推進本部を中心とした地震調査観測網の整備、地震防災科学技術の研究開発等の防災安全対策の充実を図るほか、がん関連研究、ヒト遺伝子解析等の健康の維持増進、生活・社会特別研究開発制度、食品成分データの整備等の生活環境の向上、及び人間特性に調和した科学技術の推進を図ることとしております。  第三に、科学技術による国際社会への貢献を図るため、千六百八十八億四千七百万円を計上いたしました。  まず、宇宙からの地球観測を行うための環境観測技術衛星等の研究開発の推進や大型海洋観測研究船の整備を図ること等により、地球環境問題への取り組みを強化するとともに、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム等の国際協力プロジェクトに積極的に参加することとしております。  このほか、アジア太平洋諸国、旧ソ連を初め各国との研究交流・支援、さらには、外国の研究者の受け入れ等を総合的に推進することとしております。  第四に、先端科学技術分野の研究開発の推進を図るため、三千二百十四億九千七百万円を計上いたしました。  まず、宇宙開発利用の推進といたしまして、将来の多様な宇宙開発活動の安定的展開を図るため、無人の宇宙往還技術試験機HOPE-Xの研究開発を進めるとともに、通信放送技術衛星等の各種人工衛星の研究開発、並びにコストの低減を図るためのHⅡAロケットの研究開発、さらに宇宙ステーション計画への参加等の推進のため、千七百七十九億千五百万円を計上いたしました。  次に、海洋開発の推進といたしまして、深海調査研究開発、海洋観測研究開発等を行うため、百九十九億二千九百万円を計上いたしました。  次に、先導的原子力研究開発の推進といたしまして、国際熱核融合実験炉ITER計画への参加等による核融合の研究開発、重粒子線がん治療等のビーム利用の高度化、高温工学試験研究等を進めるため、八百三十億三千四百万円を計上いたしました。  次に、超電導材料等の物質・材料系科学技術の研究開発の推進のため、百二十四億二千八百万円を計上し、また、脳・神経研究等のライフサイエンスの研究開発の推進のため、三百十五億六百万円を計上し、さらに、航空技術等の研究を推進するため、百四十四億五百万円を計上いたしております。  第五に、安全確保と平和利用を大前提としたエネルギーの安定確保のため、三千百九十四億九千百万円を計上いたしました。  まず、原子力安全規制行政の充実、安全研究の推進、放射能調査研究の充実等原子力安全対策の充実強化を図るため、五百二十八億九千三百万円を計上いたしました。  また、原子力平和利用の確保という我が国の国際的責務を果たすため、保障措置、核物質防護対策を充実強化するとともに、世界的な核不拡散体制の充実強化に積極的な貢献を果たすため、六十六億八千二百万円を計上いたしました。  また、核燃料リサイクルの着実な展開とバックエンド対策の充実強化を図るため、高レベル放射性廃棄物等の処理処分対策、使用済み燃料の再処理等についての研究開発等を行うとともに、民間における核燃料サイクル施設建設計画の円滑な事業化等を促進するため、千三百九十億七千七百万円を計上いたしました。  また、未来エネルギーの研究開発を推進することとし、核融合の研究開発の推進を図るとともに新エネルギー研究開発の新たな展開を図るため、三百五十六億九千九百万円を計上いたしました。  さらに、原子力の開発利用に対する国内外の理解の増進と情報の公開を図る観点から、原子力施設と地元が共生できるよう、立地地域住民の福祉の向上、地域振興等に必要な施策を講じるとともに、国民の信頼感、安心感を得ることができるようきめ細かくわかりやすい広報活動等を展開するため、二百六十九億五千八百万円を計上いたしました。  以上、簡単でございますが、平成八年度科学技術庁関係予算につきまして、その大略を御説明申し上げました。      ――――◇―――――

井上喜一新進党

○井上委員長 次に、原子力の開発利用とその安全確保に関する件について調査を進めます。  この際、政府から、高速増殖原型炉もんじゅのナトリウム漏えい事故に関する報告を聴取いたします。中川国務大臣。

中川秀直自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 先般の「もんじゅ」の事故につきましては、地元の方々や国民の皆様に大変な不安感、不信感を与えるという極めて遺憾な結果を引き起こし、原子力行政を預かる者として心からおわびを申し上げます。私自身、就任直後に現地を訪問し、地元自治体を初めとする皆様のお話を直接伺い、一刻も早くこれらの不安、不信を解消していくことの必要性を強く認識いたしました。  そのためには、まず何よりも徹底した原因究明を進め万全な安全対策を講ずることが重要であり、当庁の原子力安全局において鋭意調査を進めております。また、原子力安全委員会におかれましては、第三者機関として独自の立場から原因の究明及び再発防止のための調査審議が行われております。科学技術庁においては、去る二月九日にこれまでの調査検討の結果を取りまとめ、公表したところでございます。この取りまとめでは、現段階までの調査で明らかになった事実関係、それらに対する見解及び引き続き調査検討が必要な事項を整理いたしております。  昨日、このような調査検討の結果等について私より衆議院本会議に御報告いたしたところでございますが、本日は、本調査検討の結果の取りまとめに直接携わった原子力安全局長より詳細について説明させることにいたします。

井上喜一新進党

○井上委員長 次に、宮林原子力安全局長。

宮林正恭科学技術庁原子力安全局長

○宮林政府委員 それでは、御説明させていただきます。  お手元の方に資料を五種類お届けしてあると思いますが、その中で、「動力炉・核燃料開発事業団高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えい事故の調査状況について」という資料、それから、それと同題で「調査結果詳述資料集」、この二つの資料が本文でございます。それで、「概要」という版があると思いますけれども、これで御説明をさせていただきたいと思います。なお、この調査につきましては、外部の専門家も入っていただいておりますタスクフォースにおいて調査を進めてまいりました。  それでは、概要に入らせていただきます。  まず、今回の事故でございますが、二次系のナトリウムの漏えいでございましたので、放射性物質による周辺環境及び従事者への影響はございませんでした。また、炉心の冷却は維持されておりまして、災害防止上の観点からは原子炉施設の安全は確保された、こういうふうに考えております。  しかしながら、次の三点が極めて重要というふうに考えておりまして、一つは、高い信頼性を確保することとしていたにもかかわらず現実に漏えいが発生したこと。二つ目といたしまして、火災拡大に至らないように適切に対処できなかった、つまり漏えいが続いたということであります。三番目といたしまして、事故後の現場入域調査の結果などが動燃から規制当局に正しく提供されず、速やかな公表もされなかった、こういう事実がございます。また、事故に伴う対外対応を含めた体制に問題があった、こういうふうなことでございます。  それで、漏えい発生原因でございますが、これにつきましては、お届けしてございます本文の最 終ページのところに「図3」、こういう図がございます。この「図3」というふうに書かれておりますこの温度計、これは二次系ナトリウムの配管のところについている温度計でございますが、その温度計の根元の「付根段付部」、こういうふうに書いてある、真ん中ぐらいにあると思いますが、そこからさや管が折れまして、そこからナトリウムが外部に漏出していった、こういうふうに考えられております。  現在、これにつきましては、全体を切り出しまして日本原子力研究所及び金属材料技術研究所などを中心にいろいろと検査をし、その原因究明に努めているところでございます。  次に、漏えいの拡大防止の件でございますが、これにつきましては、運転操作において問題があった、こういうふうに考えております。  二ページでございますけれども、漏えいを正確に認識しまして、早期に原子炉を緊急停止すべきであった。それから、その後も現場確認なり連続監視をすべきであった。あるいは二度目の現場確認をしておりますけれども、その後直ちに緊急停止を決断しておるのでございますが、不必要な操作を行ったために時間がおくれている。あるいは緊急ドレーンと言っております、ナトリウムをその配管から抜き出す作業がおくれている、あるいは換気空調システムにつきましても、早期停止がされていない、こういう問題がございます。  これらにつきましては、運転員の判断が不適切であるということは論をまたないわけでございますが、そういうことになったバックグラウンドにありますのは、やはり異常時運転手順書と言っておりますいわゆるマニュアルの記載が不明確な部分がある、あるいは、三番の「その他の問題」のところで指摘をしております人員配備あるいは運転員の訓練といったところにつきましても問題があったのではないか、こういうふうに考えております。  なお、運転体制、教育訓練の問題につきましては、引き続き調査検討を進めていきたいと思っております。  それから、二番になりますが、火災拡大の防止のための設備といったようなもの、これは運転員が判断をしていろいろと操作をするのに素早く行動できるためのバックアップの施設でございますが、こういうものなどについても問題があったというふうに考えておりますが、これにつきましても調査検討を続けていきたい、こういうことでございます。  次のページに移らせていただきますが、動燃の事故時の対応でございますけれども、まず事故発生第一報につきましては、地方自治体などから遅かった、こういう御指摘を受けているところでございます。これは、だれが判断をして国及び地方自治体に連絡するかということにつきまして、必ずしも適切ではない部分がある、こういうふうに考えておりますので、これも再検討が必要と考えております。  それから、時間外や休日における緊急時の体制が手薄く、緊急時の連絡に時間がかかる可能性が高いと思われますので、これについては改善が必要だと考えております。  それから、動燃、国、地方自治体の間での迅速な情報の伝達のシステムにつきましては改善が必要だろう、これは、ハードの面、ソフトの面、両方あると考えております。  次に、初期現場入域調査結果の不適切な情報提供などのいわゆる情報公開の部分でございますが、これらにつきましては、まず一番最初に入りました現場情報というのは迅速かつ正確に規制当局に提供されるべきものである、これがされないということになりますと、安全規制の基本が揺るぐ問題だ、こういうふうな認識をしております。  なお、これにつきましては、既に、事故が起こりましてから約六時間後に入域をしてビデオなども撮っておるわけでございますが、これにつきましては、少なくとも東京サイド、つまり科学技術庁なり動燃本社には事実に沿っていない連絡が行われております。  それから、十時に入域調査をしたということが、これは報告もされ、かつまた公表されておりますが、これは完全な誤りでございまして、これは、これをやった当事者が錯誤によるというふうに述べているところでございます。  それから、三番目といたしまして、同日十六時に入域調査をしておるわけでありますが、これにつきましては、ビデオが提供されたものの、十数分のビデオが一分程度に編集をされ、かつそれを、オリジナルを出せという話がございまして、それが四分というものを出すということで、それがオリジナルであるというふうなことを御説明をしたという事実もありまして、非常に問題を生じたわけでございます。これにつきましては、既にこの判断をした当人が記者会見等をして謝ると同時に、その職を解かれております。  それから、最後でございますが、四番目でございますが、正式の事故報告書が十二月十八日に提出されているわけでございますけれども、これにつきましては、先ほどの十時の入域調査の結果が記載されております。これにつきましては、入域調査を十時にやったということを公表し、関係者にも連絡をしているわけでございまして、それが事実であるというふうな認識のもとに書かれたと思われるわけでございますが、これらにつきましては、さらに事実関係の把握が必要だ、こういうふうに考えております。  最後に、対外対応の問題でございますが、対外対応の体制が不十分でありましたために、事故対策に従事すべき技術者が対外対応に動員されましたり、事故対応を統括する立場にある幹部がその任務を十分に果たせないといったような状況が生じた可能性が非常に高うございます。引き続きこれにつきましては調査を進めていきたい、こういうふうに思っているところでございます。  以上でございます。  なお、あわせて、そこのところに同封してございますのは、同日付で発表させていただきました、私ども、つまり原子力安全局がとりました対応、それから、これらの全体的な状況から判断をいたしまして、私どもとして今後とっていこうというふうなことにつきまして取りまとめた資料を同封しております。  それにつきましては、本当に簡単に御説明させていただきますけれども、特に私どもが今後とっていこうというふうなことにつきましては、設計あるいは検査等といったことにつきましては、これは事故の原因究明の経過を見ながら引き続き検討するというふうな考え方でおります。  したがいまして、とりあえずの問題としまして三つのポイントを考えておりまして、一つは、今回、先ほど申し上げましたような事故の状況を必ずしも十分私どもが掌握し切れなかった、当初の段階で掌握し切れなかったというふうなことにつきまして改善が必要だということで、運転管理専門官の強化あるいはそれに伴う本庁の体制整備、あるいは関係地方自治体との連携の強化といったようなことを進めるというふうにしようとしています。  それから二番目といたしまして、対外広報でございますが、これにつきましては、私どもといたしましては、やはり積極的に地元などへ出ていって、事故の状況を規制当局として御説明をするというふうなことにしたい、こういうふうに考えております。また、これにつきましては、関係地方自治体とも十分御相談をしながら進めていきたい、こういうふうに考えております。  最後に、規定類、先ほど規定類について問題があったというふうに申し上げたわけでございますが、これにつきましては、既に動燃に対しては点検を命じてございます。その点検結果を私どもがチェックをいたしまして万全を期していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。  以上でございます。

井上喜一新進党

○井上委員長 次回は、明二十二日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十三分散会

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