予算委員会 第3号
- 発言数
- 368 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1995/10/17
会議録
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成七年度補正予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁松下康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(井上裕君) 平成七年度一般会計補正予算(第2号)、平成七年度特別会計補正予算(特第2号)、平成七年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、質疑を行います。清水達雄君。
○清水達雄君 自民党の清水達雄でございます。急な質問でありまして余りよく整理はされていないと思いますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず、土地税制の問題あるいは不良債権処理の問題につきまして、今回の経済対策では後送りといいますか、つまり土地税制についていえば年度税制改正で実現するように努力をする、こういうことになっているわけでございます。我が国の今の経済の回復のために非常に大きな課題でありますので、しっかりした改正、改革をしなければならないというふうに思っているわけでございます。 ところが、この問題につきましてはもう非常に長くいろんな議論が錯綜しているというのが現状であります。私も、平成四年の参議院選挙で出てまいりまして、それから終始一貫、いわゆる平成三年度の土地税制改革というのは土地の取引市場に対して非常に厳しい規制を課している、こういう状況では流動化は進まないし土地の有効利用も進まないというようなことで、常にこれの妥当な線への改善をすべきであるということを申し上げてまいりました。大蔵委員会に所属しておりまして、大蔵大臣とは年じゅうそういう議論をしてまいったようなわけでございます。ところが、いまだにこういった錯綜した議論というのが一向に収束するような状況になっていないというのが現状だというふうに思うわけでございます。 そういう意味におきまして、きょうは時間もたっぷりあるようでございますので、じっくりその辺について意見の交換をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。 そこで、どんなことが問題になっているかといいますと、まず土地税制をいじくる場合に、やっぱりまだ地価は下げなきゃいかぬので、そのためには土地税制などを余り緩和してはいけないんだという議論があります。 それからもう一つは、平成三年度の土地税制改革というのが、土地基本法を踏まえていわゆる土地神話をなくすための税制のあり方というふうなことを議論してまいりまして、その大枠は崩すべきではない、こういう議論もあります。 それからもう一つは、今の経済状況との関係なんですけれども、今要するに土地市場が動かないのは買い手がいないからだ、そういう状況下で税制改正なんかやってみても土地の流動化も進まないし、余り景気に対してそれほどの効果もないんじゃないかというふうな議論もあります。 それからもう一つは、いわば税制につきまして所得税制の改革というのをやりました。それから、消費税率についても三%から五%に引き上げるという路線を敷いたわけで、残りは資産課税だと、やっぱり資産課税も強化しなきゃいけないんじゃないか、こういうふうな議論があるわけですね。 そんなことがいろいろ錯綜しておって、与党三党の中でも一向に考え方の食い違いがなかなか埋まっていかないんじゃないかというような新聞報道も相当なされているというわけでございます。そういう点を中心にお話をしたいと思うんですけれども、まずその第一点としまして土地市場との関係についての議論をしたいと思うんです。 つまり、総理もいろいろ御答弁になっておりますけれども、地価はもっと下げるべきだから、ここで変な土地税制のいじくりをやると地価が下がらなくなるかもしれないということを十分考えなきゃならぬというふうなお話がございます。しかし、地価というのはいわゆる市場で決まるものでありまして、需給バランスで決まるものなんです。 今までの日本の過去の土地価格の動向というのを見てみますと、供給は、本来土地を売ろうという商売はないんですね。不動産業というのは地主から土地を買って商売をして売る仕事ですから、本来土地そのものを売ろうという商売はないんですよ。だから、供給というのはいわば硬直的なんです。ほとんど製造業のようにつくって売るということがない。 ところが、需要の方は、これはもう住宅地の都市部における需要がふえるとかあるいは工業生産の拡大だとかいろんなことがあるし、あるいは都市の再開発の問題とか、それに仮需要が絡まりまして、非常に大きなこれは金融の流れとともに需要は変動するわけです。需要がふえれば地価は上がるんです。供給がふえなくて需要がふえるから地価が上がるんです。だから、本当の地価対策というのは、需要をコントロールするか供給をふやすかどっちかしかないという状況なんですね。 そういうふうに考えていきますと、今の土地市場というのは市場において価格が自律的に安定をするというふうな状況になっていない、つまり取引が余りないわけですから。したがって、何でこういうことになっているかというと、その一因は土地税制に原因があるというように思っているわけです。というのは、土地を売るのに三九%とか三二・五%の税金を払って売ろうという人がいるかということになると、それはそんなにいませんよ。土地を売ったからって、後何にその金を使うんだということになるわけですから。 だから、やっぱり市場において流通が円滑化すみ環境をつくってやらないと、本当の地価というのは市場でうまく実現しない。国民もそれを見ておりますから、まだ下がるかもしらぬということがありますから、なかなか買おうとしないということがあるわけです。 そういう意味で、私は土地税制のあり方というのが取引についていわば過剰な規制になっているというふうに思っているわけで、もっと中立的な税制にして市場に任せようと。市場で価格がこれは当然下がっていきますから、これは後からまたいろいろ議論しますけれども、そういう状況下においてはやっぱり市場に任せるということをやらなきゃだめだというふうに思っております。そういうことにつきまして、まず国土庁長官と大蔵大臣から、今の基本的な考え方について御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(池端清一君) 清水委員ただいま御指摘のとおり、地価は、我が国の経済構造やその時々の経済状況を背景といたしまして、土地に対する需要と供給のバランスにおいて決定をされるものだと、このように考えております。
○国務大臣(武村正義君) 私も同じ意見であります。
○清水達雄君 時間の節約になるような御答弁でございまして、私の方がそういう質問をして各大臣にちゃんと答弁をしていただくというのが本当の趣旨なんですけれども、まあ最初のうちはそれでもしょうがないというふうに思います。 それはやっぱり需給関係の中で決まるんだということをお答えになったわけですが、今の市場を取り巻く環境が自由な取引ができるという状況にはないと私は言っておりますが、その点についての認識をお伺いいたします。
○国務大臣(武村正義君) 土地はもちろん我が国では売買ができるものでございますから、市場経済の原則を踏まえますと、委員がおっしゃるとおり基本的には需要と供給の関係で決まる。問題は、需要も実需が基本だろうと思うのであります。 土地の価格そのものをどう見るか。バブルの後、下落の傾向にあるわけですけれども、もうこの辺でいいとか、あるいはもっと下がるべきだとか、いろんな議論が国民の間でもあるわけでございますが、この答えは、委員自身がおっしゃったように、政治的な意図でどうこう決めるものではありませんね。ですから、まさにこれは需要供給で決まるという原則をしっかり認識をしながら私どもは土地政策を議論しなければならないと思っております。 御指摘の土地税制全体、この時期にどう見るか。政府も、この秋から暮れにかけて総合的、積極的に検討を行うというのが政府・与党の一致した考え方でございます。建設的という言葉が入っておりますように、土地をめぐる幾つかの税制については、やはり真剣に今の土地をめぐる経済状況をにらんで議論をして、経済対策として何が必要なのかしっかり間違いのない結論を見出していきたいと思っている次第でございます。
○国務大臣(池端清一君) 土地問題の専門家であります清水委員に対してこのような御答弁をするのは釈迦に説法でございますが、先生御指摘のように土地税制についていろいろな議論が今日ございます。さきに村山総理も本会議で答弁されておりましたように、土地税制については土地流動化のために緩和すべきではないかという意見がある一方、土地税制の緩和は土地流動化にはつながらない、こういうような意見、両論がございます。 甲論乙駁いろいろございますが、需要と供給の関係で決まると、こういう原点を踏まえつつ、今、大蔵大臣からも御答弁がありましたように、平成八年度の税制改正においてこの問題を本当に真剣に積極的にひとつ検討をしてまいりたい。先生も策定に大変お力があった土地基本法、この理念に従って政府部内で十分な検討を進めてまいりたい、このように考えておるところであります。
○清水達雄君 一応、大変心強い姿勢でのお答えでありますけれども、中身がどうも余りよくわからないわけですが、ここで総理にお伺いします。 参議院本会議における総理の御答弁で、土地税制につきましては、地価下落をとめるため、あるいは土地の流動化のために土地税制を緩和すべきではないかという議論がある一方、地価下落にはメリットも多いことから現行土地税制の緩和に反対する議論もあると。つまり、土地税制を緩和しないでもっと地価を下げさせるべきだという考えもある、こういうふうなお話がありましたし、きのうの斎藤文夫委員の質問に対しまして、例えば地価税の問題に絡みまして、「企業の負担軽減や土地流動化の観点から、あるいは地価の下落をとめるためにも凍結、軽減すべきではないか、こういう御意見があることも十分承知をいたしております。」「しかしその反面、土地全体の価格を国民的な立場から見た場合に、安定させるような価格には問題があるんではないか、こういう意見もあって、これはいろんな角度から検討してみなきゃならぬ」と、こうおっしゃっているわけです。 私は、地価税の議論をするときに、これを緩めると国全体の地価がどうこうなるというふうな議論というのは全くおかしい議論だと、こう思って、いろいろ後からも議論したいんですけれども、総理はこの土地税制の議論の中で地価に絡めてお話をされている、地価がどうなるかということに。この辺の、言葉だけではなくて、この問題についてどういうふうに思っているかということをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からもお話がありましたように、地価をどうするかという問題についてはあらゆる角度からいろんな意見があります。これはやっぱり地価税は凍結すべきだとかあるいは軽減すべきだとかいう意見もある反面、言われましたように今だってまだ地価は高い、だからもう少し下げるべきだと。これはそれぞれの立場から、そういう見方によって私は意見がいろいろ違うと思います。 ただ言えることは、需要と供給で決まるといいますけれども、土地というのはやっぱり公共性が大変強いものですから、バブルの当時のように土地を資産として持っていれば価値が上がってもうかる、こういうような考え方ではなくて、いかにして公共性を持った土地を有効活用していくかということをやっぱり視点にして物を考えて判断することが大事ではないか。 ですから、今度の補正予算の中でも、土地を先行取得して、そして国なり地方自治体がそういうことに先導的な役割を果たしていくと。そして、全体として土地が流動化していくことは、これは経済全体の景気の回復の度合いといったようなものとも関連してまいりますから、そういう全体の動向を見て土地というものに対する課税というものをどのように結論づけていくことが一番いいかというような判断もする必要があるというふうに思いますから、八年度の税制改革の中でこの問題についてはそういう広い視点から判断をして結論を出していこう、こういう考え方で今取り組んでおるということについては御理解をいただきたいというふうに思います。
○清水達雄君 今の総理のお話の中で、土地でもうけるということは抑制しなきゃいかぬというお話があるわけで、つまり土地保有の有利性というものをやっぱり削減していくべきだというお考えが基本にあると思うんです。 ただ、今の日本経済の状況とかこれから予想される我が国における土地の需給関係とかいうふうなことを考えますと、バブルのときみたいに土地は持っていると後で必ずもうかるよという状況ではもうなくなっているんです。このことを背景にして今の時点、今後の日本の経済社会を展望した考え方に沿ってどうしていかなきゃならぬかということを考えないと、土地の流動化は進まないし日本経済の活力も出てこないということを言いたいわけです。それをきょう、これから議論したいというふうに思っているわけです。 いずれにしましても、価格というものは需給関係で決まる。それを税制でもってどうこうしようとかいうふうな発想を持つということ自体おかしいんです。つまり、需給関係を直すということをやらなきゃいかぬのです。供給が足りないのなら供給をふやすということをやらなきゃいかぬ。需要が多過ぎるのなら需要をへこませるということをやらなきゃいけない。これは金融とかあるいは土地開発事業とかいうふうなことでやるんで、税制を重くしてやるとかということは、これは税の性格からしても非常にアブノーマルな私は考え方だと思うんです。そういうことをやっぱり十分お考えをいただいて検討していただかなきゃならぬというふうに思っておるわけでございます。 それで価格は、私は今後、日本の土地需給関係の見通しからいきますと、従来のように右肩上がりに上がるというんじゃなくて、もうだんだんと下がっていくだろうというふうに思います、これは後で申し上げますけれども。ところが、地価が下がるということは日本経済にとって非常に大きな影響を与えることでございまして、これが一遍にどんどん下がっていったら不良債権は膨大な額になるし、金融システムはとても維持できなくなるし、あるいはそれぞれの土地を持っている人の損失は物すごく大きくなっちゃって、いわゆるみんな資産デフレといいますか、そういう状況になっていっちゃう。 やっぱり物の値段というのは、これは為替レートなんかについても私はそうじゃないかなという気がするんです。例えば為替レートの変動というのを見てみますと、昭和四十六年のニクソン・ショックで、昭和四十六年度、年度平均としては三百三十六円になった。これが四十七年から五十一年まで、つまり列島改造ブームから第一次石油ショックぐらいまでの間は大体三百円で横ばいぐらいで来ているんです。それから五十二年、つまり第二次石油ショックから六十年のプラザ合意まで、この間は大体二百円から二百五十円の幅で非常に小刻みな動きをしている。それから、六十一年から平成七年まで百五十円から百円。これはだんだんと円高になってくるという傾向にある。そういう期間で見ると余り大きな揺れはないんです、年度の値で見るとこういうふうに、あるステージごとに動いていくんじゃないかと思うんです。一気にがっとなっちゃったらどうにもならなくなるということなんです。 どうしてそういうふうな市場状況が出てくるかということになると、これは取引が活発に行われて、市場において国民が、ああ地価というのは大体この辺かなというふうに安定感が得られるという、そういう状況をつくっていかないとなかなかそうなっていかない。だから私は、やっぱり土地税制その他で市場をゆがめるようなそういう規制はやってはならないということを強く申し上げたいと思うわけでございます。 それから次にもう一つ、土地税制を改正しても、つまり実需が少ない状況においては土地の流動化は進まない、景気もそんなによくならないだろうという議論もかなりあるわけです。 こういう点につきまして、国土庁長官、大蔵大臣、経済企画庁長官からこの辺についてのお考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 前段の委員のお話を伺っておりまして、私も同感できる御意見だなと感じておりました。 ただ、結論的に言うと、土地税制にゆがみがあるから、今、土地の需要なり供給、特に供給でしょうかブレーキがかかっているというふうな感じの御発言がございましたが、私は、これも昔のバブルのときの議論でございますが、あのときにかなり与党・政府において活発な論議があって、そしてやはり土地に対するまず基本的な制度をつくろうということで土地基本法が生まれました。 その土地基本法を背景にして、あそこに四つの原則が書かれておりましたが、あるべき税制を政府税制調査会でもかなり真剣に議論が行われて今の土地税制、地価税も含めて、譲渡益課税の税率も含めて設定されたと伺っております、私はそれに余り参加しておりませんが。そうすると、そこに間違いがあったのか、そのことがむしろ間違いでなければ余り変えたくないという主張も片方であるわけですが、そこももう一度、あの当時の議論を振り返りながら私たちは今の議論を真剣にするべきだと思っております。 もう一点は、需要が出てこないならば実需をどうしたら呼び起こせるか、そのためには何が必要かというところが大事だと、この点は全く同感であります。 今回、私どもも経済対策で三・五兆円の土地流動化の予算を組ませていただいているのもむしろこういう意味で、公共用地という側面から土地需要を喚起していこう、積極的に呼び起こしていこうという姿勢であります。ざっと私が調べました限りでは、一昨年の民間土地取引が三十兆円前後だと聞いておりますが、その約一割前後にこの額は当たる。かなりのこれはボリュームですから、公共用地とはいえ、そういう意味でそれなりに需要の側面から刺激を与えることができる。 それから、何となく土地税制がすべてで、土地税制が悪いから土地が動かないという議論もあるんですが、土地税制にも関係があるとは思いますが、総合的に土地がなぜ動かないか、動かすためには何が必要かについては土地利用規制とか都市計画とか建築基準法の規制等もやはり影響はあるわけでございまして、総合的に議論をしていく必要があるなと思っております。基本は同感でございます。
○清水達雄君 さっき国土庁長官、経企庁長官にも同じ質問でお答え願いたいと申し上げたんですが、ちょっと中身に私は言葉を挟みたいと思うんですけれども、確かに買いかなければなかなか流動化は進まないということがあります。それを直すためには土地税制みたいなしがらみをやっぱりできるだけ解除し、緩和していい取引環境をつくるということが、土地税制だけじゃもちろんありませんけれども、必要だと思います。そういうふうにした上で、やっぱり買い手が買ってもいいかなという、そういう気分が持てるようにしてやらないとだめなんですね、今買ったら損をするかなというふうに思っているうちは買わないわけですから。そういう環境づくりということを考えなきゃいかぬと思うんですよ。 だから、土地税制改正をやってもすぐ一挙にそういう実需なりなんなりが出てくるというふうには私は思いません。こういうもう病人になっているような人が元気に活躍するためには、やっぱりある程度のウォーミングアップとかいろんな時間が必要なんですよね、一遍に元気になるわけじゃないんですから。 そういう意味で、例えば今まで経済対策いろいろやりました。公共投資もやったし、減税もやりました。しかし、減税をやったってそんなに消費が拡大しましたか。そんなに拡大していないと思いますよ。それから、公共投資をやってもそんなに民需を活発に動かしたというふうには見ていない。ただ、やらなかった状態に比べれば、確かにやらなきゃならなかったということはわかりますけれどもね。だから、施策というのはそんなに、こういう物すごい病人みたいになっちゃったものに対しては一挙に効かないんですね。 そういう点も踏まえて経企庁長官に、その辺の経済の状況に対する経済対策の効果の出方とか、そういうふうな点も踏まえて御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 土地税制につきましては、基本的に大蔵大臣あるいは国土庁長官がお答えになったように私も考えております。 現在の景気は非常に不振な状況が続いているわけですが、この景気不振が非常に長引いている原因の一つは、資産価格の下落に伴う問題が大変深刻になっているということだというふうに理解しております。したがいまして、今回の経済対策の中にも、資産価値の下落に伴う諸問題を解決する一環として土地の有効利用ということを掲げているわけでございます。 今お話しの土地税制は、先生先刻御承知のことなんですが、土地の取得、保有、譲渡それぞれについて制度があるわけでございますが、これが一体ここで改革をすると今の経済情勢のもとで土地の流動化に本当に影響を与えるのか、あるいはどの程度与えるのかということにつきましては、国土庁長官がお答えになりましたようにいろいろの議論があるわけでございます。私どもとしては、今内需拡大ですとかあるいは構造調整ということに大変期待を寄せておりまして、そういう点から申しますと、先生御指摘の税制の改革が土地の需給関係に影響を与えるだろうということは十分考えられると思っております。 ただ、今回の経済対策については、これも大蔵大臣がお述べになったことですけれども、税制全体を取り扱う一環として取り上げなければいけないというふうに考えて、土地の先行取得の問題は掲げましたけれども、土地税制については年度末の税制調査会の議論にゆだねているところであります。 念のために経済対策のそのところを読みますと、「土地基本法の理念を踏まえつつ、平成八年度税制改正において結論を得るべく、総合的かつ積極的に検討する。」と述べております。
○清水達雄君 企画庁長官から理路整然としたお答えをいただいたわけでございます。 そこで、今の企画庁長官のお話にございましたように、この間、二十日に決めた経済対策の中で土地税制について、土地基本法を踏まえつつとか踏まえてという言葉が出てくるわけです。私は、土地基本法を踏まえてという言葉を税制改革で使われるのは物すごく嫌なんですよ。嫌というのは、私は土地基本法を国土庁にいたころ提案した責任者なんですけれども、そういう使われ方をするというのが、ある部分だけつまみ食い的に使われているという意味におきまして非常に嫌なんです。そのことを基本問題ですのでこれから議論したいと思うんです。 土地基本法というのは土地政策についての基本理念を並列的に幾つも列挙しているわけですね。一番先にあるのは土地の適切な利用ということなんですよ。土地をきちっと利用しようというのが土地基本法の最大の眼目なんです。税金をたくさん取ろうなんというのは、土地基本法の端っこの方に置いた議論なんですよ。そういう意味におきまして、具体の政策というのは、土地基本法の一部にこう書いてあるからその部分を抜き出してきてやるよということをやったら、土地基本法の全体をつかまえた正しい政策体系にならないんですよ、つまみ食い的にやると。 ということはどういうことかといいますと、例えば土地の譲渡益課税の問題があります。土地の価値というのは、社会経済の発展とか、公共施設の整備とか経済の発展とか、都市が繁栄するとか人口がふえるとか、そういうふうなことによって地価が上がっていく。これは地主が汗水垂らして稼いだものじゃない。だから、そういう一見不労所得みたいなものは極端なことを言うと税金でほとんど取ってしまったっていいじゃないかという考え方があるわけですね、外部的要件によって増した価値は社会還元させるべきだという。 ところが、そういうふうにやっちゃいますと、それなら土地はどうやって流動化するのかということになるわけです。土地はそれぞれ所有者にとっては私有財産であります。それについて膨大な税金をかけられて、それで本当に土地が流動化するのかということになるわけです。流動化しないとどういうことになるかというと、土地の適切な利用というのはできないわけですよ。遊休地のままで残っているとか、あるいは農地を本当は宅地にすべきところをそういう利用転換が行われないとかということになっちゃう。 だから、私は、いわゆる地価について外部利益で上がった分はみんな社会還元させるという考え方だけじゃだめなんで、土地の流動化施策との調和についてちゃんと配慮して施策をやるべきだということを土地基本法に書かなかったのはえらい失敗だったというふうに今非常に後悔をしているんです。そういう点について、国土庁長官から御見解を承りたいと思います。
○政府委員(深澤日出男君) お答え申し上げます。 土地基本法の理念でございます適正かつ合理的な土地利用を実現するためには、やはり土地の所有者等が適正な土地利用の転換を行うとか、あるいは適正かつ合理的な土地利用を行う者に土地の所有が移るという意味での土地の流動化ということは、これは我々は重要なものであるというふうに認識をしているわけでございます。 このような認識を踏まえまして、先般の経済対策に盛り込んだ土地の有効利用の促進等の各種の施策を積極的に推進し、土地の取引の円滑化を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○清水達雄君 答えが全く何を答弁してくれているのかわからなくて困っちゃうんですが、私が言っているのは、いわゆる外部的要件によって地価が上がったのはみんな、みんなとは言わないけれども、相当高い税負担を課してもいいよという考え方というのは、これはいわゆる一部の部分的な考え方。しかし、それでは流動化は進まない、私的財産についてはそんな高い税金取られたら。それも考えて土地税制というものを考えませんと、不労所得だから取ってもいいよという考え方じゃだめだということを言っているんです。その点についての見解を聞いているわけです。長官答えてくださいよ。
○国務大臣(池端清一君) 現行の土地税制というのは、あの異常なバブル期における地価高騰を再び許さないという、そういう長期的観点から導入されたものでございます。私は、依然としてその土地税制の意義というものはあるというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味においては我々としては土地税制を景気対策という観点からも十分配慮をしていかなければなりませんけれども、しかしなお、国土庁が昨年の十二月に実施をいたしましたアンケート調査によりましても、国民の約六割、企業の約四割が今の地価は高い、もうちょっと下げるべきであるという声が出ておるわけでございます。 そういうような状況も十分配慮しながら、今後年末に向けて、八年度税制改正において各般の土地流動化についてどうしたらいいかといういろいろな意見が今、先生御指摘のように錯綜しておるわけでありますから、その問題についてきちっと誠意を持って積極的に検討をしていきたい、こういう政府の方針でございます。
○清水達雄君 きょうの土地問題、土地税制に関する各閣僚の御意見を伺っていますと、一体何を言っているんだという感じが非常に強いんですよね、僕は。こんなことで日本の土地問題なり日本経済がうまくいくなんて全く思えない。まことに残念であるというふうに思いますよ、総理。言っていることが、聞いていることにはちゃんと答えられなくて、ほかの要素みたいな話ばかりする。 要するに、私が聞いているのは、不労所得的なものはみんな取ってもいいというふうな税制の考え方を持つのか、あるいは流動化というものとの調整を図った税制というものを考えるのか、そこのところを聞いているんですよ。大蔵大臣にお願いします。
○国務大臣(武村正義君) 普通、不労所得という場合は、何が不労所得なのか当然いろいろ難しい議論はありますが、不労所得だから全部税でいただく、そんな考えは通りません。先般の三九%という譲渡益課税の税率の決定も、当時の議論としては、所得税の最高税率を見てそれにリンクする形でこの数字を出しているわけで、土地だから高くしてやろうという形で単純に決まったわけではないわけです。それで今後の、この秋の議論も、そういう意味では先生おっしゃったとおり、両面から大いに議論をして妥当な結論を見出すべきだというふうに思っております。 なお、全体の認識としては、宮崎長官も申し上げたとおり、今の四年続きの低迷した経済状況の中で、資産デフレといいますか土地が動かないところにこの国の経済の低迷した一つの大きな要素があるというふうに私は見ております。 土地税制だけの立場で議論すると、やはり森全体を見る、この時期の今の経済の状況を見る視野を失ってしまってはいけないという思いもありまして、そういう意味では私どもは、「積極的」という言葉をあえて政府も入れているところにひとつ意味を見出していただきたいし、そういう認識で土地税制全般の建設的な議論と結論を得るよう努力をしていかなければならないと思っております。
○清水達雄君 橋本通産大臣は自民党総裁選のときの政策提言の中で、地価税の凍結、それから固定資産税の軽減、土地の譲渡益課税についての大幅な見直しというふうなことを言われたわけでございますし、きのうの地価税の答弁もちょっと伺いましたけれども、ほかの閣僚とはちょっと違ったニュアンスでお答えになっているわけですが、今までの議論をお聞きになって、土地税制について基本的にはどういう考え方で取り組むべきかということも踏まえて、先ほどの政策提言の中身をもうちょっと具体的にお話しいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、御論議を拝聴しながら、地価税創設当時の経緯を振り返っておりました。 委員はちょうど土地基本法に取り組んでおられた時期でありますが、私は当時、土地政策の中で税は極めて有効な役割を果たす手段ではあるけれどもあくまでもこれはわき役にすぎない、重要なわき役である。本来、土地政策は、土地利用計画なりあるいは都市計画なりというものが前提であるはずだと。そして、土地基本法というものがちょうど議論をされておりましたから、税に求められる役割は、例えば先祖伝来、下町でお店を開いておられる方がそのお店を将来ともに保ち続けられるような税を求められるのか、あるいは地域が再開発に向かうような税を求められるのか、その方向を決めるのはあくまでも土地政策であって、その方向のもとで税制は重要な役割を果たす、そう繰り返して申し上げてまいりました。そして、土地基本法が生まれた結果、現行の地価税を国会で御審議いただく立場になったわけであります。 今ここに一つ、手元の数字がございます。私が申し上げてきた気持ちを御理解いただきますために、その試算の内容を申し上げてみたいと思うのであります。 昭和五十八年度、これは企業の土地保有というものに係る税負担でありますが、法人税、法人の負担分の推計は八千五百八十億円でありました。その中で、固定資産税が六千八百十億円、都市計画税が千三百三十億円、特別土地保有税が四百四十億円。そして、平成五年度の数値でこれを振り返りますとき、土地保有課税の総計は二兆三千五百八十億円に膨れ上がっております。 当然ながら、地価税できました。その結果、五千七百四十億円の負担が加わりました。固定資産税は昭和五十八年から平成五年の間に一兆四千二百六十億円に増加をいたしております。また、都市計画税は二千四百五十億円、特別土地保有税は一千一百三十億円、そしてその間の法人所得等あるいは法人事業税等を取りました上で企業収益と土地保有課税の数値を見てみますと、昭和五十八年の時点では二・六%でありました企業負担というものは、平成五年度の場合には五・〇%にふえているわけであります。 私は、産業界を主管する立場であります。先般来も本院でも繰り返し御答弁を申し上げてまいりましたように、製造業がこれ以上日本を逃げ出さないようにしていくために何をすればいいのか、使える手段はすべての手段を使いたいと繰り返し申し上げてまいりました。 土地税制というものにつきましても、流動化対策という視点だけではなく、私は、今後産業構造を変えていかなければならない、経済構造を変えていかなければならない、その前段として製造業がこれ以上日本から離脱しないためのとり得る手法の一つとしてこの点を考えております。
○清水達雄君 通産大臣からかなりいろいろ具体的な明確なお話をいただいたわけですけれども、その中で最後の方で、いわゆる製造業が日本から離れないように、日本の国内産業が振興発展していくようにというお考えが述べられたわけですけれども、そういうことは確かに我々は一生懸命やらなきゃいかぬと思いますけれども、ただ土地需給という観点から見た場合に、やっぱり空洞化現象、これは空洞化はしちゃ困るけれども、そんなに今までのように日本の国内製造業が成長発展する姿というのはなかなか考えられない。あるいは人口も減っていく、少子社会になって親の家があればもうあとは余り子供は自分で家を建てる必要もないとか、いろいろそういういわゆる需要がだんだん減る状況になってきているのじゃないか。 一方、供給の方は市街化区域内農地の宅地化をやろうという仕組みができたわけですね。これからそれが効果を発揮して、だんだん市街化区域内農地も宅地化をされてくるということになってくる。そうなりますと、従来とは違った需給関係における土地市場というのが出てくるんじゃないかというふうに思うわけです。 だから、地価の問題がいろいろ議論になりますけれども、地価は私は傾向的には下がっていくだろうというふうに思いますし、いわゆるバブル現象的なものというのは、土地に関してはもう絶対恐らく発生はしないというふうに思っているんですが、この市場動向について政府はどういう見方をしておられるのか、この点につきまして、まず国土庁、それから大蔵省のお考えを伺いたいと思うんです。
○政府委員(深澤日出男君) 今後の社会経済の展望をいたしますと、今先生言われましたように、高齢化、少子化等の進展によって人口あるいは世帯構造が変化してまいります。それから、経済成長の鈍化とかあるいは投資余力の低下等によって経済・産業構造の変化も考えられるわけでございます。それから、国際化、情報化等によって企業あるいは国民活動の変化が生じてくると思います。さらに、我々のライフスタイルの変化あるいは環境問題の重視等によって国土利用の形態も変化してくるのではないかというふうに考えられるわけでございまして、こういういわゆる土地需要面での構造的な変化は考えられるわけでございます。 一方、お話のございましたように、宅地並み課税等によって市街化区域内の農地の宅地化、あるいは農業環境の変化による農地の土地利用の転換等々から見ますと、いわゆる土地供給面での構造変化が起きることが予想されるわけでございます。 これらいろんな土地需給動向、現在いろいろ従来とは違いが出ております。それから、これからも今申し上げましたようにいろんな変化が出てまいると思います。これはどういう変化をしていくのかなということで今我々真剣に勉強をしているところでございまして、もう少し勉強をしてみたい、十分検討をしてみたいというふうに考えているところでございます。
○政府委員(薄井信明君) 税金の立場から土地の動向についてどこまで申し上げてよろしいかという問題はございますが、需要面の構造変化といたしましては、御指摘のように確かに高齢化、少子化が進んでいくわけですから、人口構造あるいは世帯構造の変化に応じて住宅需要等については大きく変わっていくことが考えられます。また、経済成長が安定化していくという中で、産業あるいは経済構造はどう変わっていくか。先ほど来御指摘の、日本から外に出ていく部分、それから外から内に入ってくる部分、両方の問題が出てくるかと思います。また、供給面におきましては、これも御指摘ございましたが、市街化区域内農地の宅地化の進展というのが進んでおりますので、こういったものが土地価格にも影響してくるかと思います。 税の立場からその動向について云々ということを申し上げるのはいかがかと思いますが、土地を持っていることの有利性について税がどこまで関与すべきかということが平成二年に基本的に議論されました。また、税制ですから、ほかの所得あるいは資産保有との関係でどういう負担が適当かという面でも議論されました。この二つから現在の税制が成り立っているわけですが、あれは平成二年でしたから五年経過した今日、あれでよかったのかどうか。いろんなデータも出てくるわけですから、これを八年度の税制改正の基礎としてきちっと議論をさせていただきたいと思っております。
○清水達雄君 今の事務当局、一生懸命検討したいというお話も国土庁からもありましたし、主税局長も従来とはややちょっと感じの違う御答弁をされているように思いますので、本当に現実をよく見て、その上でちゃんとした政策をつくっていただきたいというふうに思うわけでございます。 それで、やっぱり土地問題としては供給をきちっとやるということが何にしても一番大事なんですね。そういう意味で、市街化区域農地の宅地化事業も、実際にいい町づくりをしていくということになると、これはなかなか地方公共団体が本当にその気になって努力をしてやらなきゃならぬというようなこともあるし、そう簡単な話ではないわけでございまして、建設省はどんなふうに今後いい宅地づくり、町づくりをしていこうとされるのか、その点についてお伺いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどから清水委員、政府側の御質問また答弁、いろいろと拝聴させていただきました。清水さんは御専門家でございますから、そういう意味で御専門の立場での御意見、我々十分政府としてもそれを参考にさせていただく大事なポイントをおっしゃってくださったと思っております。 先ほど国土庁の事務当局からも申し上げましたように、需要に見合った安定した宅地供給、これを推進するという量の観点という立場もございますが、良質な宅地の供給、あるいは今お話しございましたように良質な新市街地の整備という、この質の観点というものも建設省としては十分認識して対応しなければならぬ、こう考えております。 これはことしの六月、住宅宅地審議会から二十一世紀に向けた住宅・宅地政策の基本的体系という答申をいただいております。 この大きな柱は良質な宅地の供給とその良好な保全・活用、それからもう一つは安全で良好な新市街地の整備という、この大きな二つの柱が立てられているわけでございます。そういう意味で、これからは質の面では宅地の規模、公共・公益施設の整備水準、防災性、それから安全性の確保等に加えまして、さらに高齢化対策、それから環境、景観への配慮ということなども適切に講ずることが重要な問題である、テーマであるというふうに認識をいたしております。 ただ量的には、これも清水さん御存じだろうと思いますが、建設省で推計をいたしてまいりますと、これまでも一年間に約一万ヘクタール、大体これが今日までの宅地供給量の推移として平均してそういう数字が出ておるわけでありますが、これから二十年間の宅地需要の推計を見ましても全国では約二十万ヘクタールが必要だという推計が出ておりますので、やはり宅地の供給というのは従来どおりのベースでいましばらくそういう考え方で進めていかなきゃならぬのかなと。ただ、それに加うるに、くどいようでございますが、質の観点をやはり十分考えて供給をしていくべきだろうと、このように考えております。
○清水達雄君 宅地供給量の今後の見通しについてはいろいろそういう難しい面もあると思うんですけれども、やっぱり需給バランスをどうするかというかなり長期的な視点を持って対策を考えていくということがもう政策の基本ですから、ここは十分今後検討して国民にもわかるように、そういうことを示すことができるようにしていただきたいというふうに私は思うわけでございます。 そこで、基本問題の最後なんですが、今後資産課税を強化すべきではないか、こういう議論が一部にあるように承るんですけれども、大蔵省はいわゆる所得税の改革あるいは消費税の税率引き上げ等を終えた今の段階で資産課税を強化する、しなきゃならぬというふうに思っているのかどうか、これを大蔵省にお伺いします。
○政府委員(薄井信明君) お答えいたします。 税負担を考える場合には担税者の負担能力ということを考えて、どこから負担していただくか、どこに負担していただくかということを考えていくわけですが、その際のメルクマールとなるものがフロー面で言えば所得であり消費であり、またストック面であればいわゆる資産ということになるわけでございます。 この個人所得課税に関して申し上げますと、いわゆる垂直的公平といいますか、金持ちからたくさん税金をいただくという意味ではすぐれてはいるんですけれども、一方で所得捕捉が困難であるといった難点もあります。また一方、消費課税の方は、そういう意味では水平的公平、同じ経済的能力があれば同じ負担をいただくという意味ではすぐれているわけですが、別の難点もある。そういったことで、フロー面の所得と消費の関係の課税の仕方についてこれまでかなり議論をし、また改革も進めてまいったというふうに思っております。 その大きな流れとしましては、これは世界的な流れではございますけれども、なるべくフラット化していく。所得水準の上がったこの経済社会の中では活力を生かしていく、所得が上がってもほとんど税金で持っていかれてしまうということにならないようにした方がいいというのが先進諸外国の方向ですし、我が日本でもそういう形で税制改革が進んできております。 そうなりますと、これも世界的な傾向ではございますが、全体として所得、消費というフローの面ではフラットにし、そして保有面、ストック面ではしかるべき税負担を求めていくというのが方向だと思っております。ただし、この資産課税というのは単に保有だけではなくて資産所得の面もありますので、私どもはその資産所得の把握なり課税が十分であったのかないのか、こういうことを含めてこの方面の研究はしていかないといけない。今まではやや所得課税と消費課税の間に重点が置かれてきた、そういう認識でございます。
○清水達雄君 今のお答えで資産所得に着目した御議論というのは私もかなりよくわかるわけですけれども、資産の保有とかあるいは資産の移転、こういう点についてはやっぱり私はもうかなり限界に来ているんじゃないかというふうに思うんです。特に移転については厳し過ぎる。保有についても非常に厳しくなりつつあるという感じが非常にありまして、保有というのは何かといったら、固定資産税とか地価税とかという話であるし、移転というのは譲渡所得課税みたいな話だと。 ところが、金利所得に対する課税であるとかそういう点についてはかなり見直す必要があるのかなというふうな感じもするわけでございまして、そういう点についてやっぱり経済社会の実態をよくにらんだ上で、何か資産課税一本やりでこれは強化すべきだとかいうふうな議論があるのは非常に困るというふうに思っているもので申し上げているわけでございます。 そこで、経企庁長官にお伺いしたいんですが、ストック経済化が進みますと、移転に係る税制を重くするとマクロ経済の影響が大きくて経済が発展しにくくなるんではないかというふうに思うんです。つまり、例えば土地を売って工場や機械設備をつくるとか、あるいはゴルフ場の会員権を売って住宅をつくるとか、そういうふうに資産を移転させて大きな需要を生み出す、設備投資とか住宅投資とか、そういう自由度というのをかなり円滑にできるようにしてやらないと、私は経済の発展に非常に影響があるというふうに思うんですけれども、そういう点についてどんなふうにお考えか御答弁をお願いします。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 大蔵大臣あるいは大蔵省事務当局が答えた方が適切かと思いますが、お尋ねがございましたので私から申し上げます。 税の体系を考える場合には、経済の活力をいかにして維持するかということを考えなければいけませんし、同時に、今話がありましたように、税負担のあり方、その公平性、さらには財源の問題というようなものを考えまして、総合的に税というものは考えなければいけないと思います。 今、先生御指摘の経済のストック化ということでございますが、これはフローとしての所得がふえていくということよりは資産がだんだんふえていって経済の中でウエートを占めるということだと思いますが、そのことは長期的な傾向として私は大変好ましい傾向だと思っております、したがって、税制を考えるに当たっても、そういう経済構造の変化というものを大事にしていかなければいけないと思っております。 その中で、御指摘の土地税制をどう考えるか、あるいは資産に対する課税をどう考えるかということは、先ほど大蔵当局が答えましたように、消費ですとか所得とかといったようなものとバランスをとって考えなければいけませんし、これも答弁があったわけですが、その資産所得の中でも取得、保有、譲渡に係る税制というものがありまして、それを一体バランスよくどういうふうに考えるかということが重要であると思います。 いずれにしましても、基本的に経済のストック化が進んでいるということを踏まえて、景気の回復を確実にし、そのことが新しい社会の発展につながっていくような税制の新しいあり方が求められてよろしいかと思っております。
○清水達雄君 私、経企庁長官にお伺いしたかったのは、資産の移転に伴ってマクロ需要がかなり変化をするんではないかという視点についてお伺いしたかったわけで、株が動かないとか土地が動かないというのはかなり設備投資とか住宅投資に影響があるんだろうというふうな、そういう意味のことをお伺いしたかった。
○国務大臣(宮崎勇君) 失礼いたしました。 委員御承知のように、土地の移転というのはそれ自体はGNPの増加になるわけではございません。ただし、土地が流動化を始めますと経済活動全般が活発になってくるわけで、そういうことを通じて経済の活力が戻ってくる、そういうことを今回の経済対策でも期待しているわけでございます。 量的にどれぐらいというのは申し上げられませんが、はっきり測定する方法はいろいろございますけれども、今申し上げられるような確たる数字はございません。
○清水達雄君 以上でこの基本的な問題について一応一わたりずっと洗ってきたわけですけれども、ここで少し個別税制につきまして、現時点における皆様方の御感触をお伺いしたいというふうに思います。 譲渡所得課税の問題なんでございますけれども、私は今中立的な譲渡益課税というふうなものに直していくべきではないかというふうに思っているわけでございます。それは何かといえば、譲渡所得課税が発足した当時からとられた原則であります二分の一総合課税、私はこの線に戻して、それでもう変えないというふうなことをやっぱりやるべきではないかなと思うんです。そう言いますと、二分の一総合課税ということをやりますと、これは累進税率ですから土地をたくさん売ると高い税金がかかるので、少しずつしか売らなくなるよという指摘があるわけです。 したがって、例えば譲渡益が四千万円以下の場合には比例税率で二〇%ぐらいのものを置いて、基本的な考え方は二分の一総合課税であるけれども、ある部分については比例税率に置き直してしまう。それから、四千万円を超える部分については、平成三年度までは所得税は二五%であったわけですが、ここはもう最高税率が五〇だから二五に置き直してありますけれども、いわゆる二分の一総合課税をとっていたわけですね。こういう状態にやっぱり私は戻した方がいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点について大蔵大臣のお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) 土地譲渡益課税につきましては、清水委員御指摘のとおり、これまでいろいろな沿革といいますか、これまでの長い沿革を踏まえておりまして、もともと譲渡ですから累進税率がかかることのショックを和らげるために二分の一課税という考え方があるわけでございます。 ただ、累進構造をそのまま土地取引に適用してしまいますと、御指摘のように、この土地を売るとどれだけ税金がかかるかというのが非常にわかりにくくなります。精級ではありますけれどもわかりにくくなる。そこで、分離課税が適当ではないかということになってもう何十年とたってきているわけでございます。 そういった中で、平成二年秋の議論では、先ほど来御指摘のように、どうして日本の土地の絶対水準がこんなに高いのかという際の議論として、やはり土地を持っていると何を持っているよりも有利であると。余裕があったら土地を持った方がいい、あるいは借金してでも土地を持った方がいいということになっているのは、当時の議論では税制が悪いと我々指摘されたわけです。税制が悪いから土地を持ちやすくなっているんだ。土地を持っていた方が個人も法人も得だと。特に法人がたくさん土地を持たれたわけです。譲渡益課税を安くしたことによって、確かに取引はふえましたけれども、土地を法人がみんな持ってしまう。みんなというか、かなりを持ってしまう。 そういう状況になったものですから、それならば平均的な税負担よりもやや重い税負担でいいのではないかということで、しかも簡素にということで、あのときつくった税制では、一般の場合は国、地方合わせて三九%。ただし、ここで忘れられがちなんですけれども、やっぱり有効な利用は促進した方がいいということで、当時二六%であった税率を国、地方に売ったりあるいは優良宅地のために売ったときには二〇%にするということで二つに分けた。三九と二〇に分けたわけです。この二〇に分けた部分を私ども今活用していただいているんではないかなと思っているわけです。 そこで、この三九を下げるべきかどうかというのが御指摘でございます。 私どもは、その土地の有利性については、地価が下がった状況でも今後とも土地というのは持っていたら有利だということにならないようにという意味では、三二・五よりも高い税率を譲渡課税に残しておくことが意味があると思っております。 なお、個人の所得税とそれから住民税、両方足しますと最高税率は六五%でございます。通常の給与所得等であれば、あるいは事業所得等であれば六五%かかるところが土地だと三九%になっていると。まあ一律でありますからこのぐらいでいいんではないかということでございまして、そういう勤労所得との関係も考えてこの制度ができているということを申し添えさせていただきます。
○清水達雄君 今のお話は従来から話されている内容とほとんど変わらないような話でございまして、先ほど基本論ベースで申し上げたようなことを踏まえて、やっぱり十分検討していただきたい。 ただ、平成三年度の土地税制改革というのは、おっしゃるように、みんな土地を買ってもうけようということがあってああいう厳しいことをやったということは私もよく承知しております。ただ、土地の需給構造が変わってきているということを踏まえ、しかも今の日本経済がこういう状況に置かれているということを踏まえたそういう改革をやってほしいということを申し上げているわけです。 少し質問を早くやれということでありますので、あとは少し縮めてしたいと思いますけれども、もう一つはいわゆる保有税の問題でございます。 私は、基本的には地価税というのは不公平税制であって、もう固定資産税が相当なラインに来ておりますから、これは当然廃止をすべきである。政府税制調査会がこういう不公平税制を維持すべきだなんてことを言っているかというのは、私は本当になぜかよくわからないんですけれども。 そういう問題があるんですが、その前提として、固定資産税の実効税率というのは、特に非住宅地についてはもう過去最大の税率になってきているというふうに思うので、固定資産税は決して安いような状況ではなくなっている、あのバブル期の地価税をつくったときの状況とは全く変わってきているというふうに思うんですけれども、その点、自治大臣から御答弁をお願いします。
○政府委員(佐野徹治君) 固定資産税の問題でございますけれども、固定資産税につきましては平成六年度の土地の評価がえから、土地基本法を踏まえまして、地価公示価格の七割程度を目標にいたしまして土地の評価の均衡化、適正化を図ったところでございますけれども、これに伴います税負担につきましてはいろんな調整措置を講じているところでございます。 平成五年度の税制改正で住宅等につきましてのいろんな課税標準の特例のほかにも暫定的な課税標準の特例措置を講じたところでございますけれども、昨年度の、平成七年度の税制改正におきましても、固定資産税につきましてはいろんな議論がございまして、政府税制調査会、また与党の税制調査会等のいろんな御議論も踏まえまして、平成七年度におきまして平成七年度分と平成八年度分につきましての固定資産税の臨時的な特例措置を講じたところでございます。 こういうように、平成五年度、平成七年度とその都度いろんな税制上の措置を講じておりまして、私ども固定資産税の負担につきましては、いろんな措置を講じさせていただいておりますところから見ましても、適正なものではないかというように考えておるところでございます。
○清水達雄君 聞いていることに答えてください。今のような説明を求めているんじゃなくて、非住宅地の実効税率はもう過去最大になっているんではないかということを聞いているんですよ。
○政府委員(佐野徹治君) 実効税率につきましては、私ども具体的に調査した資料はございませんけれども、昭和五十年代における固定資産税の評価額は地価公示価格に対しましてかなり高い水準となっていたところでございます。例を申し上げますと、昭和五十七年度でございますれば、都道府県庁所在市の基準地の平均値は六七・四%となっております。 一方、平成六年度につきましては、これは先ほど申しましたように地価公示価格の七割を目標に評価がえを行いましたけれども、総合的な税負担の調整措置を講じたこともございまして、現時点の実効税率が必ずしも過去最大になっているとは考えにくいと考えておるところでございます。
○清水達雄君 聞かないようなことをだらだら答弁するんじゃなくて、聞いたことをぴしっと答えていただけりゃいいわけです。 それで、固定資産税の仕組みなんですけれども、いわゆる評価を地価の七〇%にして、それで税率が一・四%だということになりますと、掛け算をしますと固定資産税は地価の一%近く、〇・九八%を取るという仕組みになっているわけですよ。 これは、いわゆる七〇%に評価を上げたときには、公的評価の一元化というのは増税をやるためのものではないと、こういうことを言っていたわけです。ところが、これは非常な物すごい大増税なんですね、この固定資産税だけで地価の一%を取る仕組みになっているということは。これは自民党の中にもこの点について我々はだまされたというようなことを言っている人もかなりいるんですけれども、この点について自治大臣、どういうふうなことでこんなことになっちゃったんですか。
○政府委員(佐野徹治君) 平成六年度の評価がえの経緯につきましては先ほど申し上げたところでございます。 平成六年度の評価がえが地価公示の七割ということで評価の適正化を図ったところでございますけれども、負担面につきましては、これは税制調査会等でいろんな御議論もいただきまして、税制調査会の答申におきましても「六年度の評価替えは、基本的に評価の均衡化・適正化を図ろうとするものであることから、それに伴う納税者の税負担については、その急激な変化が生じないよう総合的かつ適切な調整措置を講ずるべきである」、こういうような答申、指摘もいただきまして、いろんな措置を講じさせていただいておるところでございます。
○清水達雄君 どうもよくわからない答弁だけれども、いずれにしましても、この保有税につきまして実効税率を、つまり地価に対する実質税負担ですね、これを一%ぐらいにすべきだというふうな議論というのが評論家とか学者の間で非常に多いんですね。ところが、この一%の保有税というのは非常に高い税金だと思います。これじゃとても企業経営はもたない。 例えば、地価税が乗っかった、いわゆる地価税課税対象の業種の要するに保有税負担を経常利益との比較で見ますと、四、五〇%に当たっているんですよ、保有税負担が。経常利益の四〇%ないし五〇%に当たっている。そういう状況ではとてもこれは企業の活力が出てくるということになりませんし、雇用の拡大にもつながらないわけでございまして、非常にやっぱり経済にとって大きな課題であると思います。 この点について、何かこの一%ラインというようなことを政府としては考えているのかどうか、これは自治省と大蔵省から簡単でいいですからお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) お答えします。 平成二年の御議論のときに確かにいろんな御議論があって、一時、一%ぐらいいいんではないかというお話がありました。そのときに地価税率をどうするかという議論につながりまして、固定資産税と両方足しての議論を今後ともしていくべきだと。まずは、地価税に関して言えば初年度〇・二、その後は〇・三にすると。ただし、少なくとも五年以内に固定資産税の状況が変わっていくだろうから、当時は固定資産税が低かったわけです、固定資産税がそのうち正常化されていくだろうからその時点で見直しをすべきであるというふうに、国会でのたしか附則をいただいていると承知しております。
○清水達雄君 次に、不良債権処理の問題でございますけれども、共同債権買取機構で八兆だか九兆だかぐらいの不良債権を買って、しかしその担保土地については二千億ちょっとぐらいしか担保土地の処分が進んでいないというふうなことになっておりますが、担保土地の処分がなぜこんなに少ないのか。この点についての御説明を、もうそこだけでいいですからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 買い取り債権に係る担保不動産の処分につきましては、現在の不動産不況のもとでは買い手側には底値感がない。その上、債務者、すなわち所有者の売却同意もなかなか得られにくいということがございます。また、担保不動産自体の立地条件、例えば虫食い状態であるとか不整地であるとか複雑な権利関係が付着しておるとか、そういう事情等も相まちましてその処分は御指摘のように必ずしも容易でなく、ある程度の時間を要するものと考えられております。
○清水達雄君 いわゆる競売の問題があるわけでございますが、これがなかなか進まない、二年ぐらいかかるというふうな話が非常にあるわけです。これは債権がふくそうしているような場合にはどうしても競売をしないと処理ができないわけでございます。どうしてこんなに競売が進まないのか、これについてどういう対策を考えておられるのか、最高裁の事務総局にお答えをいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) 競売の処理がなかなか順調にいかない原因がどこにあるかということにつきましては、今大蔵省の方から御説明があったのとほぼ同様のことになろうかと思っております。 裁判所といたしましては、現行法の中で可能な限りの手段を講じていきたい。例えば、最低売却価格の見直しというものを適正に迅速にやる、あるいは増員等によって人の手当てをするなりあるいはOA機器の活用によって迅速な処理に心がける。例えば、典型的な例でございますが、東京地方裁判所、これは非常に事件の滞積が多くなっておりますけれども、今年の八月からコンピューター処理を取り入れまして鋭意その処理に全力を尽くしているところでございます。 今後とも、人の面あるいは物的な面で最大限の努力をしていきたいと考えております。
○清水達雄君 何か鑑定人の数が少ないとか、東京地裁の関係で二十九人ぐらいしかいないとか、そんな話も聞くわけで、やっぱり本当にできる体制をつくっていかなきゃならぬと思うんです。こういうところをちゃんとやっていかないと、日本経済はなかなか回復しないと思いますよ。本当に私は真剣に取り組んでほしいというように思います。 最後に、オウム真理教に対する破防法の適用の問題と沖縄の駐留軍用地の問題について簡単に御見解を伺いたいと思います。 まず、オウム真理教に対する破防法の適用問題でございますが、総理の答弁というか、お話が二転三転しているように報道されているわけですけれども、破防法の適用問題というのは極めて重要な事柄でありますから、官邸と法務大臣、それから公安調査庁長官との間で十分な意思の疎通が図られなきゃならぬと思うんです。それが図られていないので二転三転というふうな世間の受け取られ方をしているんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点についてどういう状況になっているのか、総理大臣と法務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(宮澤弘君) 破防法の適用につきましては、関係者の間で意思疎通はなされているものと私は考えております。 この問題の基本は、昨日も申し上げましたように、法と証拠に基づいて厳正に判断をするというところにございますが、現在、公安調査庁の調査は詰めの段階にございまして、種々の実務的な問題について検討をいたしているところでございます。 法務省といたしましては、必要に応じて官邸にも連絡をいたしております。
○国務大臣(村山富市君) 今、法務大臣からお話がございましたように、十分連携をとり合いながら、そごのないようにきちっと取り組んでやっておるということについては、今答弁があったとおりであります。 ただ、何か二転三転しているというふうに誤解されておることについてはもう大変私も迷惑しているわけですけれども、これは一つも当初から言っていることとは変わっていないんですよ。 これは、破防法を適用するには四段階ぐらいの手続があるんです。その最初の手続は、この法律を適用する作業を開始しますということを官報に公示するわけです。その手続を開始しますということは、破防法の適用に入りますということを意思表示したようなものですからね。それから今度は各団体にいろいろ弁明の機会やら陳述の機会なんかを与えて、そして公安審査委員会にかけられて、この公安審査委員会でもって審査をして結論を出しますと、そこからもう効力を発するわけです。 そこで、手続を開始するかどうかという段階までは、これはやっぱり行政としての責任があるのではないか、だから十分意思疎通を図って連携をとってやってほしいと、こういうことは申し上げております。しかし、それから先は準司法的な作業になりますから余り政治が判断をして左右すべき問題ではない、こういうことに対する見解はもう終始一貫、一致して申し上げているわけです。 準司法的な問題だから余り政治が関与しない方がいいということを言いますと、そこだけとった者は、何か官主導でこのまま官僚任せかと、こうとりますし、今度は前段の、ここはやっぱり行政の責任者として意見も申し上げるし慎重な判断が必要だ、これは基本的な人権に関する問題でもありますから慎重な判断が必要だと、こういうふうに申し上げますと、消極的で慎重慎重とばっかり言っている、やる気がないんだと、こういうふうなことにとられるんです。 ですから、これは聞く方の側によってどっちをとるかというんで、あっちをとったりこっちをとったりして、そして何かいかにも混乱しているような印象を与えますけれども、これは私は終始一貫をしてそのことは申し上げているわけでありますから、そのように御理解を願いたいと思いまするし、その考え方について官邸も法務省も別に違いはないんです。 私は、法と証拠に基づいて厳正にやる必要があるし、同時に団体規制に合致するかどうかというふうなことについてもやっぱり慎重な判断が必要だということは申し上げておりますけれども、これは準司法的な問題でありますから、余り政治が関与して、そして右したり左したりすべきものではないということについては明確に申し上げておきたいと思います。
○清水達雄君 次に、沖縄駐留軍用地の問題なんでございますけれども、防衛庁長官は二十四日と二十五日に沖縄を訪問されるというふうに聞いているわけでございますが、代理署名問題につきまして沖縄県知事の拒否の姿勢というのは非常に強いように感じられるわけでございますけれども、打開に向けてどう対処をしていくつもりなのか。 つまり、どんなことをして知事さんの理解を得られるようにするのかということだと思いますが、そのことにつきましてお考え方を伺い、それによって解決のめどはつくというふうに思っておられるのか。まず防衛庁長官にお伺いします。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 清水委員にお答えいたします。 この沖縄問題の解決につきましては、先般総理が御答弁されましたとおり、内閣一体となってこの問題に取り組むというのがまず基本の姿勢でございます。私もその基本姿勢に立ちまして誠心誠意知事との会談に臨みたい、このように考えております。また、この問題の解決のためには、戦後五十年間の沖縄の苦渋、大変なハンディキャップ、そういうものがあるわけでありますから、そういったことをよく認識いたしまして事に当たりたいと思っております。 なお、二十一日に沖縄で県民集会がございますが、その県民集会の前にはどなたがおいでになっても知事として会わない、こういうような基本姿勢がありました。その後であればということでありましたが、二十三日以降であれば知事の方も会う用意があるということでございまして、昨日も申し上げましたけれども、沖縄県の高山朝光政策調整監が上京されまして知事のメッセージをお持ちになりました。 それは、二十三日以降であればということでありましたので、調整をいただきまして二十四日訪沖いたしまして、二十四、二十五と二日間にわたりまして沖縄に参ります。そして、沖縄の基地の現状を視察いたしますが、このときも二日間にわたりまして大田知事の御案内をいただくことになっております。そして、二十五日の夕刻に知事とこの問題について会談をさせていただくということでありますが、大変難しい局面にあると私はこのように認識をしておりまして、簡単なことではない、このように思っておりますが、誠心誠意全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。 なお、これにつきましては当然私といたしまして、沖縄のいわゆる問題、それから日米安保体制、安保条約の問題、それからアジア・太平洋地域における戦後五十年間のいわゆる平和とかあるいは安定とか繁栄とか、そういう問題も含めましていろいろの問題につきまして知事と意見交換をさせていただきたい、このように考えております。 なお、知事の基本的なお考えは、県議会における答弁、あるいは防衛施設庁に対する知事の意見書、そういうものがございますので、そこをよく踏んまえ、なおかつ社会党、さきがけ、自民党、連立与党三党との意見を十分調整させていただきまして政府の代表という立場で事に臨みたい、かように考えております。 今、清水委員からこの解決のために万が一のという話がありましたが、あらゆる事態も考え合わせながらとにかく最善の努力をする、解決に向けてのベストを尽くすと、これを申し上げておきたいと思います。
○清水達雄君 沖縄の基地の縮小問題とか、日米安全保障体制にかかわる非常に難しい問題だと思います。総理は、防衛庁長官の沖縄訪問で解決のめどがつくというふうにお考えになっているのかどうか。総理みずから知事さんとの意思疎通は今とっておられるのか、あるいは今後防衛庁長官の沖縄での話のぐあいによっては、みずから乗り出して知事さんと調整に取りかかるというふうな覚悟がおありなのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、防衛庁長官からも答弁がございましたように、これは内閣が抱えている当面するもう最大の課題だという受けとめ方をいたしております。きのうも政府・与党の連絡会議がありましたからそこでも意思疎通を図って、そして政府・与党一体となって取り組もうということの確認もいたしましたし、きょうまた閣議が終わった後で、三党首とそれから外務大臣外関係省庁の責任者に集まっていただきまして、そして打ち合わせをして段取りをつけて、何とか早期に解決できるようにしていこうということの申し合わせをいたしました。 具体的な内容について今申し上げる段階にはございませんけれども、しかしこれは法律的な手続をとれば片がつくという問題ではございませんから、したがってどんなことがあっても納得の上で合意ができるように最大限の努力をする必要があるというふうに思っております。冒頭申し上げましたように、これはある意味ではやっぱり内閣の命運にもかかわるような問題ですから、したがって私が対処することによって解決できるというような方途があるならば、もう惜しみなく全力を挙げて取り組んで解決を図りたいというふうに考えております。
○清水達雄君 終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で清水君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上裕君) 次に、直嶋正行君の質疑を行います。直嶋君。
○直嶋正行君 私は、本日は総理及び大蔵大臣を初め皆さん方に、金融問題あるいは財政問題を中心に御質問をさせていただきたいと思います。 まず、昨日来からの議論にもありますが、今、長期不況が続いているわけであります。その中で、これは最初に総理と大蔵大臣の御見解を求めたいと思いますが、いわゆる住専を含む金融機関の不良債権、これは先ほど議論ありました担保不動産の処理の問題も含めて大変深刻な事態に至っていると思うのであります。この問題が今の日本経済にどういう影響を及ぼしているか、どういうふうに認識をされておられるのか、お聞きをしたいと思うんです。 私はまさに今の日本経済の最大の課題だろうというふうに思っているんですけれども、まずこの点いかがでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) 委員御指摘のように、不良債権の処理問題というのが景気浮揚策の一つの大きな最大のネックになっておる、当面の緊急の課題として私どもは果断にこの問題の解決に取り組む必要があるという認識については、全く同様だと思います。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のとおり、我が国経済の先行きに対して不透明感を与えている、この問題が。したがって、この問題を解決することが景気回復、経済全体の回復のためには不可欠の前提になっているという認識をいたしております。
○直嶋正行君 それでは、今の御認識を踏まえて改めてお聞きしたいんですが、今回の経済対策、九月二十日に閣議決定されました。この経済対策は、副題、サブタイトルにも「景気回復を確実にするために」というようなサブタイトルがついていますが、今お二人がお話しされたように、今の経済の中で不良債権あるいは土地の問題というのが最大のネックだと、こうおっしゃっているんです。 ところが、今回の経済対策の中にこの問題の具体的な施策というのが全くないんです。いろいろなことがありますが、この二つに関して言いますと、ほとんど本質に、特に不良債権の問題についてはないんです。なぜこれがこの経済対策にないのかなと。これはいわば対策としては核心の部分に触れていないというふうにとれるんじゃないかと思うのでありますが、この点、大蔵大臣いかがでございますか。
○国務大臣(武村正義君) 今回の経済対策は、十四兆二千二百億の財政支出を中心にした対策を基本に置いているわけであります。もう一つの基本としてこの不良債権の問題があることは十分認識をいたしておりました。 もう発表をしてきたわけでありますが、たまたまといいますか、経済対策は二十日に発表をいたしました。金融制度調査会の最終の真剣な論議が行われておりまして、どうしても二十七日までかかって、この日が最終の総括になるという運びでございました関係で、この問題は一週間ほど切り離して、そのかわりかなり詳細な早期処理に対する方針を発表いたしたところであります。 必ずしも経済対策がすべてを詳細に網羅しなければならないのかと議論はあろうかと思いますが、そのことを経済対策の中で触れておりますし、もう一つ、先ほど来議論ございました税制改革につきましても、これは税制という論議であるだけに、与党・政府税調の真剣な秋の議論を踏まえて、年内に結論を見出すという方針もあわせてペンディングで、いわば経済対策の中では基本だけを述べて具体論は別途まとめて発表するという方針にさせていただいたところであります。
○直嶋正行君 私は、それはちょっと大蔵大臣と受けとめ方が違うんです。例えば、今二十七日に発表したとおっしゃいました。これは金融制度調査会の中間報告を受けての大蔵省のお考えを出されたわけなんですね。具体的に何もないんですよ。 例えば不良債権の問題を申し上げますと、住専の処理が今大変大きな課題になっているんですが、もうことしの三月期で既に四社が債務超過になっているんです。七社のうちの四社は債務超過なんです。いわば倒産しているんですよ。そういう事態が一方でありながら、なぜこの時期までに具体的な対策が打てないのか。これは明らかにタイミングがおかしいと思うんですよ。その点どうでしょう。
○国務大臣(武村正義君) 既にお答えを申し上げてまいりましたが、住専については、バブル崩壊の後でそれぞれの住専が再建計画をつくる運びになりました。しかし、どうもこの再建計画、十カ年でございますが、昨今の地価の下落の状況もございましてなかなか意図どおりにはいかない。 そんな中で、私どもこの時期における住専問題を改めてしっかり見詰めて、大変深刻な状況になっていることを認識しながら、金融制度調査会の議論の報告も踏まえて今回の政府の方針を固めさせていただいたわけであります。あわせて、夏から大蔵省みずからは住専に対しても調査に入っておりまして、ちょうどその調査の結果がまとまるのもこの九月でございまして、このデータを基本にしながらも最終の考え方をまとめさせていただいたということであります。
○直嶋正行君 大蔵大臣は今現状をお話しされましたが、要はこれから具体的につくっていくということですよね、住専問題にしても。具体的な対策はこれからやるということでしょう。何もまだ出されていませんよね、政府としては。 要するに私が言いたいのは、もう随分前から住専の問題というのは大騒ぎされているわけですよ。しかも、きのうも経企庁長官の御答弁にもありましたが、累次にわたって政府が公共事業を初め経済対策をやってきているんですが、その効果が民間の需要につながっていかない、それは資産デフレだと、こうおっしゃっていました。その根本問題がこの不良債権の問題なんですね。 ですから、本当に政府がここで経済を回復させるんだという意思をお持ちなら、やっぱりこの秋の経済対策とワンセットでそういう問題をお出しになるべきだと思うんですよ。どうなんでしょう。
○国務大臣(武村正義君) お答えをいたしたように、冒頭おっしゃったように金融の不安といいますか、その中には四十兆という推計の数字を既に六月に発表いたしておりますように、大銀行から信用組合に至るまでいわゆる正規の金融機関の不良資産、この問題が一つ大きなメーンのテーマとしてあるわけですね。その中に、その中にというかその横と言ってもいいんですが、これは正規の金融機関でないという意味では横なんですけれども、住専八社の問題がある、こういう認識をしておりまして、したがって四十兆の中には住専に対する一般銀行の金利減免債は入っておりますが、いわゆる農協系の五・五兆円は外しております。 そういう中で再建計画が進行中であるということもあって外しておりますが、今回いよいよこの住専問題も大変シリアスであるという認識の中で、金融制度調査会も一定のこの問題処理に対する考え方を報告として出していただいた。そのことを受けて私どもは、先ほどの調査ももちろん前提になりますけれども、秋から年末にかけてしっかりした住専問題に対する解決策を打ち出していこうということであります。 もちろん、政府が何かある日突然、案を考えてぽんと発表すれば済む問題じゃありません。これはあくまでも住専ですから、住専みずからあるいは住専にかかわった母体行あるいは貸し手金融機関、農協系の系統機関等々の関係者が基本でございますから、今この報告を受けて関係者の真剣な話し合いが始まっているという状況であります。
○直嶋正行君 今の大蔵大臣がお話しになった例えば都市銀行を中心に四十兆円の不良債権を持っておる、住専はその外ですと。しかし、実際これはつながっているわけですね、母体行がこの中にあるわけですから。住専の問題というのは母体行の問題につながっていきますし、さっきおっしゃったように農協の問題につながってくるわけです。これは決して外しゃないと思うんですよ。やっぱり日本のシステム全体の中にワンセットで考えるべき問題だと思うんです。住専問題はちょっと後でやりたいと思います。 総理に申し上げたいんですが、特に今度の経済対策の中に、先ほどちょうど議論がありましたが、土地税制について平成八年度の税制改正に向けて検討すると書いてあるんですね。検討するなんというのが何で経済対策になるんですか。私は、こういうものを経済対策に入れること自体がもうおかしいと思うんですよ。検討することがどうして経済対策になるんですか。こうしますというものがなければ経済対策にならないでしょう。これは私は取るべきだと思いますよ。どうですか。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 今回の経済対策は、今後政府が取り組むべき経済対策全般について述べているわけでございますけれども、御指摘の点については先ほど大蔵大臣がお話し申し上げましたが、例えば土地税制について取り上げなければいけないということは考え方としては恐らくそのとおりだと思っております。 と申しますのは、今回の不景気が非常に長引いている、あるいは回復が非常に緩い、遅いという原因の一つが土地を中心とする資産価格が急落をしたということに起因しているわけでして、当然のことながら土地の流動化あるいは土地の有効性を高める政策を挙げなければいけないわけです。 したがって、それは挙げたんですけれども、税制について触れていないじゃないか、ただ検討するというのはおかしいじゃないかという御指摘ですが、そういう問題があるということをこの経済対策の中で指摘しておくことは、問題の総合性という意味で適切な取り上げ方だったというふうに思います。具体的については税制調査会なりしかるべき機関が総合的な立場から検討するということで、いわば切れ目のない対策という一環として考えたわけであります。
○直嶋正行君 今の切れ目のない対策の中に入れましたということなんですが、これはむしろ問題を先送りしているんじゃないですか、今の話は。さっき、まさに清水さんの質疑でやっておられましたが、与党の中で、もうこの夏からいろいろこういう議論されてきたわけでしょう。結局まとまらないから先送りされたんでしょう。不良債権の問題もそうだと思うんですね。とにかくおかしいと思うんですよ。何でこの経済対策と称するものに検討しますというものがあるのか。 そうしたら、これからやる課題というか何かに整理して、そこへ入れてくださいよ。これ国民惑わせますよ、本当に。
○国務大臣(武村正義君) それはおとりになる姿勢によって見方が違うと思いますよ。検討する、しかも総合的に積極的に検討すると政府が宣言をしているわけですから、しかも年度内、八年度税制改革において、かなり検討の時期も限定して方針を明らかにしているわけですから、この問題については既にもう税制調査会の議論が始まっておりますし、与党のプロジェクトチームの真剣な議論も始まっているところであります口 この春からを振り返っても、入っている入っていないが問題にされておりますが、四月に例えば緊急円高・経済対策ありました。それで、六月にまたその補強策も発表しました。今回また九月には経済対策を発表しております。経済の状況をにらみながら次々と、切れ目なくという表現がございましたが、政府としては対策を発表し、また追加し、補強しやってきているわけであります。その間にも、例えば大蔵省だけで考えましても、三月には財政金融に対する考え方を発表しておりますし、八月には海外投融資の規制緩和の方針を、これは円安に大変影響がありましたが発表いたしておりますし、みなし課税の方針を発表しております。 そういう意味で、政府は一年間仕事をしておりますから、ある時期全部発表して終わりと、そこへ全部まとめて総括しなきゃならぬというわけではないんで、ここではただ大事な税制問題と不良債権の問題が、直嶋さんがお気づきのように当然気がつかれると、この問題はこういう姿勢で処理しますということを経済対策の中で鮮明にしている、そしてその鮮明にした考え方とおりに十月、十一月、十二月と事を運んでいきますということを申し上げているわけであります。
○直嶋正行君 切れ目なくという言い方もあるでしょうし、私に言わせますと、これは小出し後追い政策だと思うんですよ。この問題はこれ以上やりませんが、総理、本当にこういうところはきちっとしていただきたいと思うんです、検討中のものは検討中だと。 だから、さっきからの議論にあるように、基本的にスタンスが例えばさっき質問された自民党の方と閣僚の皆さんと全然違うんじゃないですか。閣僚の中でも、どうもちょっとニュアンスが違う。そうでしょう。土地税制の問題、さっきそうだったんじゃないでしょうかね。 きょうは申し上げないつもりでおりましたが、きょうある新聞の世論調査の結果が出ていました。総理、ごらんになったと思うんですよ。内閣支持率がこの二、三カ月の間に一〇%減、新しい政権を望む声が六〇%以上あるんです。私は、今みたいなところがやっぱりきちっきちっと処理されていかない、そういうところに原因があるんじゃないかなということだけは今申し上げておきます。 それで、不良債権の問題にちょっと戻りたいと思うのでありますが、先ごろ、これは日本の新聞に載ったものなんですが、ムーディーズというアメリカの機関が、日本の不良債権の処理は解決にはほど遠いと、こういうレポートを発表しました。 その中で理由として四つ挙げています。一つは、「政権・政党が深刻さを認識していない」、この問題の深刻さを認識していない。二つ目としては、「解決策について政策担当者のコンセンサスがない」。三つ目は、「不透明な情報開示で実態を隠す方法を好む根深い文化がある」、これはちょっと日本人としては頭にくる部分でありますが。四つ目は、「銀行経営者や官僚が責任を追及されない、責任所在が不明確な処理に世論が反発している」。 こういう四つの理由を挙げて、特に住専問題を初めとする日本の不良債権の解決はなかなか大変だろう、こういうレポートを出しているわけですが、こういう評価を受けでどのように思われますか。総理と関係閣僚の大蔵大臣、それに住専問題に絡む農水大臣、このお三方の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 御指摘のムーディズレポートは、アメリカの民間格付機関としての我が国の不良債権に対する一つのコメントである、外国から見た場合の不良債権に関する一つの見方として受けとめている次第であります。 御指摘のとおり、不良債権、なかんずくこの住専の問題は、金融システムの安定とかあるいは景気回復にとって不可欠のことであるし、また諸外国からも早期解決が求められているわけでありますから、私たちも文字どおり今真剣に取り組んでいるところであります。 しかし、先ほど大蔵大臣が言われましたとおり、これは当事者がいるわけで、当事者の合意を乗り越えて私どもが勝手に収拾策をつくるというわけにもいきません。そこで、今当事者同士で真剣に話し合われておりまして、今月に入っても十三日、十六日と会合を持ちましたし、近くまた会議を持って、今当事者が合意形成に頑張っているところであります。私どもはそういう推移を見ながら、大蔵省とも十分連絡をとって適切に対処してまいりたい、こういうふうに思っている次第であります。 いずれにしても早く解決すべきである、こういう覚悟で頑張っております。
○国務大臣(武村正義君) 外国のこうした機関の見方でありますが、それはそれとして、私どももこの厳しい見方も真剣に受けとめているところであります。 ただ、第一点の政権がこの問題の深刻さを認識していないというのは全く間違っていると私は思っております。先ほど申し上げたような考え方で、この問題こそ景気の先行き不透明感を払拭するために最大の大事な課題であると。であるだけに、幾ら難しくても年内には解決策を見出していきたいということを申し上げているとおりであります。
○国務大臣(村山富市君) これは今、農水大臣大蔵大臣から答弁があったことともう全く同じでありまして、外国から日本の今の金融の扱い等々についてどういう評価をしているかということについては、これは一つの意見として私どもも厳粛に受けとめなきゃならぬと思いますけれども、金融システムというのが日本の経済の動脈的な役割を果たしておる。冒頭に申し上げましたように、やっぱり景気回復の大きな一つのネックになっておる。したがって、これは緊急に、果断に取り組んで解決をしなきゃならぬ問題だという厳しい受けとめ方をしていることに対する認識には私は変わりはないと思うんです。 しかも、これは検討すると言っておりましても、先ほど来答弁がございますように、年内に解決する、あるいはめどをつけるということもはっきり申し上げているわけでありますから、決しておろそかにしている問題でもないし、それがまた先ほど来お話がありますように、二十日の日に出しました経済対策についても、経済対策と付随してこの不良資産問題というものを解決していくということでなければ景気全体の浮揚にならないという認識についても持っているわけでありますから、そういう厳しさの認識が足りないということの評価については私は当たらないというふうに思っております。
○直嶋正行君 私の解釈でありますが、恐らく厳しさ、深刻さを認識していないというコメントは、ちょうどこの記事の隣に、たまたまですが、「邦銀に割高金利」という、きのう出ましたが、いわゆるジャパン・プレミアムの記事が出ています。要するに、外国、あるいは国内の専門家の方もそうだと思うんですが、その人たちがもう随分前から警鐘を鳴らされてきたわけですね。だから、恐らくそういう人たちの受けとめ方と、今非常に深刻だというふうに総理も大蔵大臣もおっしゃった、しかしその日本の政権当事者の深刻だと思った時期とか、あるいはこの問題の波及の広さに対する受けとめとか、私はそういうところが違うというふうに見られているんじゃないかと思うんですね。 きのう、アメリカの議会で日本のこの問題についての公聴会がされたというふうに報道されています。ですから、ここはぜひ総理にも御認識いただきたいと思うんですが、私はやっぱりこの深刻さの度合いをきちっと受けとめるのが遅かったんじゃないかと思うんですよ。それから、さっき農水大臣は、今当事者の話し合いが続いているんだからと、こうおっしゃいますが、実はこの住専の問題というのは過去に再建計画を二回つくって二回ともつぶれているわけですね。 ですから、そういうことを踏まえて、なぜこんなことになってしまったのかということを考えたら、今当事者が相談されているから推移を見守りますというふうなことではやっぱり済まされないんじゃないかと思うんですがね。どうでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 私はそのようには思いません。私どもが当事者を飛び越えて勝手に収拾策をつくるというものではないと思うんです。もちろん、私どもと大蔵省がその収拾策について何回も打ち合わせを重ねております。しかし、今月へ入ってもう二回も三回も当事者同士で真剣に今討議をして合意形成を図っている最中でありますから、そういう事態を見守りながら、私どもとしても今考えていることとそれをすり合わせして解決をしたいと申し上げたのでありまして、今後ともそういう方針でやっていきたい、こう思っております。
○直嶋正行君 もう一点、これは大蔵大臣にちょっと確認させていただきたいんですが、今月の七日ですが、ある新聞にこういう記事が出ました、東京共同銀行が債務超過になるという。今期中にも東京共同銀行、つまり二億組の処理機関ですね、この銀行が債務超過になる、こういう報道がなされました。 私はこれがもし事実だとすれば大変なことだと思うんですが、まずこの事実関係を含めて状況を教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(西村吉正君) 東京の二信組の破綻処理に際しまして新たに設立されました東京共同銀行でございますが、二億組の資産、負債、事業の全部を譲り受けまして本年の三月二十日より営業を開始しております。新聞報道のように、当行が債務超過に陥るといった状況にはないと認識をしております。 また、去る八月二十八日に、コスモ信用組合の処理に当たりましてこの東京共同銀行を受け皿銀行として処理方策が取りまとめられたところでございますが、今後、大蔵省としてもこの処理方策の円滑な実施に日本銀行とともに協力してまいりたいと存じております。 いずれにいたしましても、大蔵省としては、共同銀行の今後の業務の運営につきましては、その資産の健全性にも配慮しつつ、適切に対応するよう指導してまいる所存でございます。
○直嶋正行君 ということは、この記事は間違いだということでよろしいわけですね。
○政府委員(西村吉正君) 私どもは、東京共同銀行が債務超過に陥っているという状況にはないと認識しております。
○直嶋正行君 ちょっと言葉にこだわるようですが、今陥っているということじゃなくて、来年の三月期には陥る可能性が大きいと、こういう記事なんですよ。そこのところをきちっと御答弁いただきたいと思うんです。
○政府委員(西村吉正君) 私どもといたしましては、東京共同銀行の今後の業務運営につきましては、その資産の健全性にも配慮しつつ、適切に対応するよう指導してまいる所存でございます。
○直嶋正行君 では、もう一度聞きますが、今後、例えば東京共同銀行がこの記事にあるような状況になって、新たに資本を増資するとかそういうことは考えられないということでよろしいですか。
○政府委員(西村吉正君) 共同銀行が健全性を維持しつつ、業務の支障が生じないよう、私ども一生懸命対応してまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 ちょっと大臣から明確に答えていただけませんか。答弁になっていない。
○国務大臣(武村正義君) 将来のことは、絶対的な返事を求めていただいていますが、そんなことはそれは断言できるわけではありません。必死であのスキームに従って東京共同銀行、二億組の債権債務関係を処理しているわけですから、基本的には今あのスキームが大きく狂ってきたという認識は持っておりませんし、したがって今局長が答弁したように、今債務超過に陥っているという認識はないとお答えしたとおりであります。 必死で努力が続いていくわけでございます。何年間か続くわけでございますから、将来、来年三月は絶対大丈夫かと言われたときに、私どもは経営の状況も正確につかんでおりませんから、適正に処理していくものと思うし、またそうなるように指導していきたいという答弁でお許しをいただきたいと思います。
○直嶋正行君 私が、なぜこれをこんなにしつこく聞くかといいますと、一つは、さっき局長の答弁の中にもありましたが、コスモもこの東京共同銀行が処理機関になると、こういうお話ですし、この間の金融制度調査会の報告、中間まとめですか等を拝見しますと、やはり将来的には破綻金融機関を処理するための何らかの機関が要るだろうと。 それで、さっきお話ししませんでしたが、翌日の新聞に「破たん信組処理 東京共同銀に一元化」という、これは観測記事かどうか知りませんが、いずれにしてもこういういろんな憶測がなされている中で今現実にそういう処理がなされているわけですから、非常に心配をしたということであります。 これがもし破綻するということになれば、当然今議論されていますような公的資金も含めて、どうやって資金を今度は補てんするかということがまた議論になってくるわけですから、これは大変な話だと思うんですよ。 それからもう一つ、こういうことにひっかかるのは、さっき住専のところで申し上げましたが、住専は過去二回再建計画をつくっている。それがもうできて、例えば第二次の再建計画というのは、一番早いのが平成五年二月にスタートしたんですね。今平成七年の十月ですから、まだわずか二年半です。遅いところはもっと後にスタートしています。再建計画ができて、それは十年計画なんですが、たった二年ぐらいでもう再建計画そのものが破綻しちゃっているわけですよ。第一次も同じような状況で破綻したわけですね。こういう問題があります。 それから、例えばこの間、兵庫銀行が破綻しました。そのときに、その直前まで兵庫銀行の不良債権ですということで公表された数字は六百億だったんですよ。破綻をして、検査をして、その破綻の処理の発表のときになると、これがたしか一兆五千億ですか、めちゃくちゃ膨れ上がるんですよ。 ですから、こういう落差の大きさというのが私たちが見ているとついていけないんです、特にこの金融機関の破綻の問題を見ていると。私らが見ていますと、例えば六百億が一兆五千億になるというのは二十五、六倍ですね。こんなことになるんだったら、もう既に、もっと前にこうなってしまうぞということがわかっていなきゃいかぬと思うんですよ。わかっているはずだと思うんです。そのことが全然出てこないんですよ。 だから私は、銀行の経営者なり、あるいは大蔵省とか東京都といった監督官庁は当然検査もされているわけですから、既にそういう兆候というのは早々とつかんでおられるはずだと思うんですよ。しかし、ぎりぎりになるまでそのことを表に出さない。一体これは何のためにやってこられたのかな、なぜこういう処理になるのかなというのが不思議でしょうがないんです。これがさっき申し上げたような、外国から見てどうも日本のやっていることは見えないなどいう、あるいは問題意識が足りないんじゃないかというようなことにもつながってくるんじゃないかというふうに思うんです。 こういうことというのはどうなんでしょうか、大蔵大臣、一体これはなぜこうなるんでしょうか。突然不良債権がどんと膨れたり、つくった計画がすぐだめになって、もう今度は住専も処理しかないということでしょう。何かあるものを隠し隠し、何とかしよう何とかしようとずるずると引っ張ってきて、突然どうにもならなくなって投げ出したという感がぬぐえないんですよ。もしそうだとすると、大変これは責任が重大だと思うんですけれども、いかがでしょうか、大蔵大臣。
○政府委員(西村吉正君) まず第一点の、東京共同銀行の問題と先日の金融制度調査会のレポートとの関係でございますが、金融制度調査会の審議経過報告におきましては、「信用組合の破綻処理については、最近の事例に見られるような信用組合を巡る厳しい状況及び全体として信用不安を醸成しやすい金融環境に鑑み、破綻処理を速やかに進め、他の金融機関への波及を防止するため、処理についての費用負担のあり方、時限的な受け皿金融機関の整備等について早急に対応する必要がある。」という御指摘がございます。 新聞報道がございましたのは、この「時限的な受け皿金融機関の整備」ということを、東京共同銀行を再編改組するというような構想であるというような解説であったように私は記憶してございます。したがって、御指摘のように東京共同銀行の運営がうまくいっていないというような意味でそういうことを言っておられるわけではなくて、むしろそういうものをもう少し前向きに積極的に活用する方向で考えてはどうかというような意味での御指摘というふうに理解をしております。次に、住専の十カ年の再建計画の問題でございますが、住専の再建計画は平成五年につくられ始めまして、その後状況の変化と申しますか、大きく申し上げますと二つのことが指摘できると思います。 一つは、当時既に金利が非常に低いと認識されておったわけでございますが、その後さらに金利が低下いたしまして、そのような超低金利というものが住専の経営に与える影響というものが一つ予測しがたかった点としてございます。もう一つは、その後の地価の動向でございまして、二年前に予測しておりましたような状況をさらに上回るような地価の下落があった、このことが住専の経営に非常に大きな影響を与えたということがございます。 このような事情を踏まえまして、今もう一度住専の今後のあり方、特に十年かけて、時間をかけてやっていくということが時宜にかなったことであるかどうかというようなことも含めまして、いろいろと関係者の間で真剣に議論がされ、抜本的な見直しを含めて再検討されているところでございます。 なお第三点、兵庫銀行の問題でございますが、金融機関のディスクロージャーにつきましては、兵庫銀行を含みます地域金融機関については、会社更生法の規定による更生手続または商法の規定による会社の整理手続その他これに類する法律上の整理手続が開始された債務者等に係る債権額、破綻先債権額というのは今申し上げましたような定義をされておるわけでございますが、そのようなものとして七年三月末現在として六百九億円の破綻先債権額を兵庫銀行としては開示したところでございます。 このような開示範囲でいいかどうかという点につきましては、今後ディスクロージャーを進めていくという基本的な方向のもとに鋭意努力をするところでございますが、この破綻先債権が、今回の兵庫銀行の処理に際しまして延滞債権とか金利減免債権というようなものに属するものをも含めまして、この処理を決めました段階で再整理をしてみますと、例えばノンバンクは当時再建を予想した取り扱いをしておったわけですけれども、そのノンバンクについても抜本的な処理をしなければいけない、そういう見地に立ってもう一度兵庫銀行の経営内容を再整理してみると、七千九百億円の損失が発生するということを前提にして処理をせざるを得ない、こういう結論に達したわけでございます。
○直嶋正行君 大蔵大臣、よろしいですか、一つ。 今、銀行局長から詳細な答弁をいただいたんですが、私が申し上げたこととはちょっとずれているんですね。何がずれているのかなということなんですが、私なんかも内心そう思っている部分があるんですが、要するにいろいろ破綻する。例えば住専が破綻する。さっきのお話にありましたように、確かにあれは一つの民間の経営体ですから、まずそこがどうするか判断してもらわなきゃ困る、こういう言い方もあるんです。 しかし、そこでどうしてもひっかかるのは、よく言われるように、住専には大蔵省のOBの方が長い間代表者として当初からいらっしゃった。できた経緯を見ると、いわゆる消費者に対する住宅ローンをやるためにという金融制度調査会の報告に基づいてつくられた会社である。こういう経緯を見ると、やっぱり行政がいろいろ事前に情報も知り問題も当然つかんでいたはずだ、こういうふうに普通は思ってしまうわけですね。それから兵庫銀行も、今お話がありましたが、やっぱりこれは申し上げるまでもなく大蔵省のOBの方がこの間までトップをされていたわけですね。 ですから、こういう問題がいろいろ世間で取りざたされる大きな背景には、確かに経営は別がよ、行政は行政の立場で、向こうは、経営体は民間の経営の立場なんだから違うよ、だから意思決定は彼らが決めることなんだよ、自主的にやってもらうことなんだよ、こういうふうに説明されるんですけれども、どうしても今申し上げたようなことがあるものですから、いや、そんなことはないはずだ、大蔵省がいろいろやっているはずだと、これは誤解か何かわかりませんが。 ですから、私はそういう面で考えると、やっぱりこういったOBの方の出向の問題なんかも含めて、これからの金融、さっきディスクロージャーの問題とかいろいろ局長からお話がありましたが、そういう問題もお考えになるべきだと、そのように思うんですけれども、この点いかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) 確かに大蔵省出身者OBとはいえ過去大蔵省に在籍した人が金融機関であれ会社であれ幹部に入っておりますと、一番極端な場合、その役所が経営しているかのごとき印象を与えかねない、そんなふうにも思うわけでありますが、御承知のように一つ一つの事情があってそういう人が就任をしているわけであります。 ただ、世間に誤解を与えることを今回のこういう大きな問題の中でどう振り返るかという一つの教訓はあると思いますが、住専の場合は大体幾つかの母体行、金融機関が集まって一つの住専を起こすということで、どうしてもやっぱり中立的な立場、大蔵省という場合は金融関係の経験を持っているということも踏まえてニュートラルな人をという意味で当初大蔵省のOBが請われたようであります。 兵庫銀行の場合は、バブルのときにかなり積極的な経営をした前の経営者、兵庫銀行をぐんぐん大きく発展させたといいますか拡大した経営者がおられて、それが経営上大変大きな問題が出てきたという中でこれを再建するために大蔵省からお願いしたいということがあったようでございます。しかし、それも努力をしながら、今日の結果が示しておりますように、なかなか成功しなかったということでありますけれども、そういうバブルで大変なエキスパンディングをして、拡張をして積極経営をしてどうしようもない状況で大蔵省のOBを招いたという経緯があって、それぞれそういう個々には事情があるわけで、OBがいるから大蔵省が監督している、直接何かかかわっているというものではない点は御理解いただきたい。 しかし、今回のようなこういう状況の中で、役所の経験者が民間に就職する場合にはさらに一層そういう意味で慎重な判断が必要だなというふうに私も感じております。 なお、住専の問題はもうよろしいですね。
○直嶋正行君 時間がありませんので一言だけ申し上げておきたいと思うんですが、さっき、例えば住専の問題で中立的な人として出ましたと、こういうふうにおっしゃっていますが、それは業界の中で見ると確かに行政の方というのは中立かもしれません、業界の中で見ると。しかし、じゃそういう人たちが本当に国民全体といいますか、住専は預金者はいませんが、預金者も含めたさまざまな利害関係者の中で見るとどうかなというのは、一つ私、率直に思います。 特に、今までの金融行政というのは、やはり何だかんだ言っても大蔵省の認可とかあるいは指示というのは仕組み上しょうがない面もあるんですけれども、非常に強い行政指導をされてきたわけですから、その点もお考えになるべきだと、このように申し上げておきたいと思います。 それから、時間がありませんのであと一点。これは金融問題ではありませんが、財政の問題として大蔵大臣と通産大臣に一言お伺いしたいのであります。 何かといいますと、実は大蔵大臣は、大蔵大臣はというより大蔵省は、これまで日本の財政が非常に厳しい中で特に特例公債、いわゆる赤字国債は出すべきじゃないということで言ってこられたわけです。事実、平成七年度予算をつくるときだったと思いますが、国債整理基金への繰り入れを平成八年まで延ばした。要するに、赤字国債を出さないためにそういう処理をされた。 ところが、この平成七年度になってから、今回の第二次補正もそうなんですが、二千億強の赤字国債を出されている。これはやっぱり判断が違ったのかどうか、変わってきたのか。きのう大蔵大臣は答弁の中で、財政の危機はかなりもう限度を超えているというような発言もございました。この点とうかということ。 それから、通産大臣にお聞きしたいのは、この九月二十三日の東洋経済をたまたま私見たんですが、この中でインタビューにお答えになって、この見出しにありますように、とにかく赤字国債を覚悟しなきゃいかぬと。 特に私、この中で見たのは、アメリカとの関係においてアメリカの財務当局が、日本が経済対策を出すときにどれだけ真水の部分を使うのか、それから赤字国債を出すのか、これに注目していると。だから、そういうことも含めてこれから赤字国債は覚悟しなきゃいかぬと、こういうふうな発言をされていますが、これはお考えが一致して今回赤字国債を出されたんでしょうかどうかということを含めてちょっとお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私の方から先にお答えをさせていただきます。 確かに、そのインタビューは九月初めであったと思いますが、私は受けました。そして、その時点におきまして、先ほど来も議論がありますように、日本の経済の現況を考えるときに、私自身本当に製造業が逃げ出さないために使える手段は何でも使いたいという考え方を持ちながら、研究開発投資等、従来の建設国債では対応できないものがあり得る、そうしたものを含めて積極的な財政出動を本当に願う、そんな思いからそういう議論を当時いたしておりましたし、その議論を私はそこで主張をいたしました。 そして、もう一つ申し上げたい点がありますのは、実は日本は建設国債と赤字国債を分けておりますけれども、分けていない国が往々にしてございます。結果として、赤字国債を出すというのが政府にとってどれほど重い意味を持つかが必ずしも各国に通じない場合があります。そうした思いがありましたこともありまして、そのようなインタビューの議論をいたしました。 結果的に、非常に厳しい財政状況の中で、財政当局として特例債を覚悟した上での今回の景気対策を取りまとめられたことに私は敬意を表しております。
○国務大臣(武村正義君) 今の橋本副総理の話にありましたように……(「通産大臣」と呼ぶ者あり)通産大臣ですね。(「もう総理でいいや」と呼ぶ者あり)副総理ですね。 財政の視点で見ますと、ここまで国債の発行が巨大になってきますと、昨日も申し上げたように、その元利償還が毎年毎年の政策経費を大きく圧迫する状況になってまいりますと、建設国債だからいい、赤字国債はだめと、もう仕分けが必要でないぐらい国債そのものが問われているというか、国債はまだまだぐんぐんふえていくのかどうか、そのことがむしろ厳しく問われている状況だと認識をいたします。 ただ、財政法では区分けをされておりまして、実は今回に限らず、ことしの地震のときもそうでございました。六年度の補正予算、そして平成七年度の第一次補正予算も特例公債を認めております。そして今回も、建設国債の発行だけに限る、公共事業だけに限ってしまうなら、特例公債は補正で回避する道はありました。しかし、研究開発も日本の二十一世紀をにらんだときには大変大事なこれは経済対策の柱だという認識がございました。そういう分野にも精いっぱい力を入れていこうとなってきますと、必ずしも建設国債で充当できない分野も入ってまいりまして、やむなく二千百十億円の特例公債をこの補正予算でまさに臨時緊急の措置として決断をさせていただいた次第であります。
○直嶋正行君 終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で直嶋君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上裕君) 次に、峰崎直樹君の質疑を行います。峰崎君。
○峰崎直樹君 総理、連日大変御苦労さまでございます。 実は、昨日の山本先輩の質問にちょっと関連をさせたいと思うんですが、私は総理の出身県の大分県というのは、二度ばかり行ったことがあるんですが、本当に住みやすいところだなと思って、海産物はおいしい、そして北海道でもそうなんですが、林業というのが、たしか日田というところには有名な杉の美林が残っておりますね。 私がそれを痛感したのは、今から四年前だったと思うんですが、台風十九号で大変な被害、いまだに風倒木の問題で苦労されている。そのときに、これはたしか民間の方でございましたけれども、その美林を育てるために何十年にもわたってもう本当に努力されている。そういう姿を見て、ああ立派な林業というのは人の力というものが本当に重要なんだなということを痛感したわけであります。 民間の林業もそうでありますが、北海道なんか国有林が大変多うございまして、きょうは昨日の話に続くわけでございますが、この林業というのは周期がもう五年や十年の単位じゃなくて、私も一度、北海道大学の林業の先生のところへ行ったら、後ろの本棚のところに大正三年に植えた木の一覧表とか、とにかく単位が五十年あるいは六十年とか、そういう半世紀以上にわたる大変な労力を要するという点で、これはもう本当に我々の経済予測を超えた大変重要な課題なんだなということを痛感したわけでございます。 そこで総理、そういう大切な、環境のためにも大変重要であり水源のためにもまた重要であるというこの林業、私は北海道の山々へ時々行くわけでございますが、大変荒れているんです。なぜこんなに荒れているんだと聞いたら、いろんな理由があるんですが、なかなか間伐をしない、あるいは下草を刈れないとか、本当に機械化のしにくいところがございまして、何としても人手というものが非常に重要である。 そういう意味で、総理、昨日の話に続くわけでありますが、今国有林に働いている林業労働者をこれ以上削減すると、もうそういう環境にとっても大変、公共財といいますか、そういう林業がだめになってしまうんじゃないか。 そういう意味で、ぜひこの点について、我々自身としても何としてもこの問題について総理の御見解をお聞きしたいと思いますと同時に、特別会計等で累積赤字がたまっているというのはよく存じておりますが、これらについても、これは本当に広い立場でこの国有林野事業特別会計のあり方についての御見解を最初にお聞き申し上げたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 山林、林業の重要性については、もうきのうも申し上げたとおりであります。その理解と認識は全く同じだと思います。 ただ、今お話もございましたように、国有林野事業というのは大変な赤字を抱えておりまして、その経営の健全化のためにいろいろ各般の議論もし、努力もしてきていることは御案内のとおりです。 平成二年十二月十八日の閣議了解で国有林野事業経営改善大綱というものを決定いたしました。また、平成三年七月に国有林野事業の改善に関する計画というものを決定いたしまして、必要な財政措置を講ずるとともに、要員規模の適正化等自主的改善努力に努めてきたことの経緯については御案内のとおりであります。平成七年当初の要員規模は約二万人であったものを平成七年度末には一万七千人にする、こういう計画もあることは十分御案内のとおりなんです。 今、委員からお話がございました国有林野を初めとする森林が、環境の保護の問題やあるいは資源の維持の問題、あるいはまた治山機能など国民生活に果たす公益的な役割というものはお互いに十分わかることだと思うんです。 今、大分県の災害の話がありましたけれども、あの災害の状況を見ておりますと、あれほど被害を大きくしたのは、山から崩れてきて材木が流れて、そして架橋なんかで全部材木が水の流れを差しとめるというので水があふれて被害を大きくした。だから、そういう意味からしますと、山林というものに対してもう少し手を加えて、そして金も入れて、しっかり保全をしておけばああいう災害の被害の大きさというものは防げたんじゃないか、こういう気がいたしますし、今、委員の言われた気持ちは十分わかると思うんです。 したがって、私は、今の山林、林業というものの現状を考え、あるいはまた本当に緑というものの重要性を考えた場合に、関係者がそれなりのやっぱり工夫と努力をして、必要な金も入れるし、あるいはまた必要な最低限の要員も確保するということの努力は必要ではないかというふうに考えておりますから、ひとつ関係者で知恵を出し合って対応していただきたいということを期待したいと思うんです。
○峰崎直樹君 きょうは主要には景気の問題について議論したいと思っているわけですが、ただちょっと私、この夏非常に驚いたことがございます。 運輸大臣、実は航空運賃の問題についてちょっとお尋ねしたいと思うんです。と申しますのは、ことしの春あたりからしきりと三五%の割引になりますよということで、一カ月前の購入なら結構だということで、ああ随分これはいい制度が入ってきたものだな、これは価格破壊というのが航空運賃の世界にも入ってきたなと、こう思っていたわけです。 ところが夏休みになると、従来あった往復割引がきかなくなっちゃった。これは一体利用者のためになっているのかどうなのか。予約は一カ月前でしょう。それから、解約をするとなったら運賃、料金を半分払わなきゃいかぬ。いわゆるキャンセル料金ですね。そして、一つの便には何度割り当てられているかということもはっきりしない。そして、今申し上げたように夏休みや繁忙期は適用しない。適用しないところか、往復割引という従来あった制度は廃止をされる。これ、どこでどういうふうに決まってきたんですか。ちょっと教えていただきたいんです。
○国務大臣(平沼赳夫君) 峰崎委員にお答えをいたします。 先生も御承知だと思うんですけれども、国内航空運賃に関しましては昨年の十二月に一部法改正をいたしました。そこで、従来は認可制でございましたけれども、航空会社のいろいろな要望もございまして、総収入を減少させないという範囲内で、そしてまた各社の営業政策の中で五割以内であれば割引運賃を届け出制で認めよう、こういうことで新しい体制ができたわけであります。 そこで、これも広く利用者の皆様方に利用される状況になっているわけですけれども、御指摘のお盆のときの例えは往復割引というような問題が若干PRが不足だったと思うんですけれども、航空会社の経営的な判断によって年間の需要を平準化しよう、こういうことがありまして、その判断によってそういう今御指摘のところは廃止になりました。しかし、全体的に見ますと、やはり幅広く制限がなくてそういう形で利用者の皆様方に割引運賃を利用していただける、こういう体制ができてきたわけであります。 一部航空会社がそういうことでもうけることになるんじゃないか、こんな御指摘もあるわけですけれども、しかしそういう中で一部収入減ということが幅広い割引運賃を設定することによってあるわけですから、そういうことで全体的にならしてみればもうけるということにもつながらないわけでありまして、やはり営利事業者の航空会社が総合的な判断で今まで以上に幅広く利用者の皆様方に割引運賃を利用していただこう、そういう考え方で実施をされたことだ、こういうふうに我々は理解しております。 ただ、利用者の皆様方にその辺の趣旨がよく徹底していなかったんじゃないか。その辺は我々としても、窓口で発券のときには必ず言うようにという指導をしておりましたけれども、まだ不徹底な面があったと思いますので、さらにそういうことを理解を深めるように周知徹底する、そういう指導もしてまいりたい、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○峰崎直樹君 運輸省はたしか観光の問題も管轄されている省庁だと思いますが、今、日本の観光の中で、私は北海道におりますから非常にそういうことには敏感なんですが、かつて北海道観光というのは随分国民の間にも要望が強かったんですけれども、最近ではもう国内よりも海外に行くということが多くなっている。その中の大きな要因には、どうも国内の航空運賃の問題、私はこれはきょうの景気の問題との絡みで、こういう中でもし国際的な競争に国内の輸送体系も巻き込まれたら果たして国内の航空会社は太刀打ちできるんだろうか。 その意味で、今おっしゃられたことを聞いていると、どうもそれは航空会社が自主的にそういう制度を決められたものでしょうということですから、いやもうそれは届け出制ですから自由に決めていいですよという範囲の中で決まったのだろう。それであるならば、航空会社は自主的に従来のものに戻したりいろんなことができるわけですね。これは別にカルテルを結んでよろしいということを言っているわけじゃないでしょうから。大変そのことを聞いて、これからいろいろと利用者の側に立って今の運賃体系というものをより合理的なものにしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。 それから、一点運輸大臣に、先日ちょっと私、ウズベキスタンというところにお邪魔する機会がございまして、最近の成田のいわゆる入っていくときのチェックのあり方なんですが、これは要望だけ申し上げておきたいんですが、入っていくときの警備が依然として大変厳重なんです。確かに、それはさまざまなテロ対策その他はあると思うのでありますが、少し過剰にわたっていないか。 と申しますのは、ちょうどタクシーで行ったときの運転手さんが、運転手さんの運転免許証を見せろというところもある、もちろん携帯はしているわけですからすぐ見せることはできるんですが、今までこんなことはなかったよとか、そういうことを言われております。そんな意味で、今成田問題もこれは解決の方向に向かっているやに聞いておりますが、ぜひともそういった点についての過剰な警備というのはできる限りなくしていただきたいということも要望として申し上げておきたいと思います。答弁はよろしゅうございます。 さて、きょうは景気の問題でございますので、まず最初にちょっと最近の景気の問題で、デフレに陥るんじゃないか、こういうことをよく指摘をされるわけであります。私も三月六日の予算委員会で、デフレ経済に陥っているんじゃないかということを質問したことがございます。 ところが、後でいろんなものを読んでいたりすると、デフレーションとは一体何なのかなと。インフレーションというのは、物価が持続的に上昇していくというのはよく説明がついてわかりやすかったんですが、デフレーションというのは、今の価格破壊と言われている、諸外国から国際的に非常に安いエマージングマーケットから入ってくるものによって価格が下がる、これもデフレなのか、何なのか。 いろいろわかりにくくなっておりますが、経済企画庁長官、日銀の総裁、きょうお見えいただいているんですが、ぜひデフレーションというのは何なのか、まず基礎的なところを少しお聞きしたい。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 インフレーションという言葉と同じように、デフレーションという言葉はいろいろの解釈がございます。私どもは、デフレは物価が下がってそれが実体経済と申しますか、所得ですとか雇用の収縮をもたらし、そのことがさらに物価の下落に続いて、そういう状況が累積的にあるいはらせん状的に続いていくという状況をデフレと定義しております。 その典型的なケースは、各国にいろいろ見られますが、日本の場合ですと戦前の大恐慌の場合にございまして、例えば一九二九年には卸売物価が二・八%下がり実質のGNPがほとんどゼロ成長であったんですが、その後、一九三〇年、三一年とそれぞれ卸売物価が一五%から一七%ぐらい下落いたしましたし、消費者物価も一二%から一四%ぐらい落ち込み、そして名目のGNPも前年に比べてそれぞれ一〇%近く低下をしたということがございまして、これは典型的なデフレだと思っております。 今日の状況は、確かに景気の回復ははかばかしくありませんけれども、個人消費も設備投資も非常に緩やかではありますけれども回復しております。物価も一部下落はしておりますけれども大体安定的な状況になっておりますし、企業収益は改善が見られるわけで、今日の状況をデフレとは私どもは定義しておりません。 ただ、御指摘のようにいろいろデフレ懸念というような状況が指摘されているわけで、そういうことにならないように今回の景気対策も考えたわけであります。
○峰崎直樹君 日銀総裁、今景気状況についての判断も加わりましたので、その点も含めて、最近の景気状況はこれはデフレというふうに言い得るのかどうなのかも含めて、ちょっと日銀の判断を教えていただきたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 経済情勢を判断いたします場合のデフレーションという言葉の定義等につきましては、ただいまの御説明で私は尽きていると思っております。 現状を日銀といたしましてどういうふうに判断しているかということでございますけれども、やはりさっきちょっとお話もございましたように、例えば企業収益の点について見ますというと、現在製造業におきましては二年連続の増益、非製造業でも五年ぶりの増益見通しとなっておりますように、企業収益につきましてはやはり物価低下に基づく収益圧迫が継続していると言うことはできませんし、デフレ状況に陥っているという判断はいたしておりません。ただ全般的に、現在のようになお需給が緩んでいる状態が改善されていない状況の中で物価低下的な圧力が根強いということも事実でございますから、私どもといたしましても、このような物価低下傾向がなお広がりまして経済全体が命のデフレ的な状況に陥っていかないように、そこは十分に注意して対応をいたしてまいる必要があると存じます。 先般、私ども公定歩合及び市場金利の引き下げ措置に踏み切ったわけでございますけれども、これらの措置はそのような判断に立ちまして、景気の足踏みの長引く懸念とか、物価の低下圧力でありますとか、マネーサプライの伸び悩みでありますとか、そういった状況を観察の上で、金融面から景気回復を促して日本経済をできるだけ早く持続的な回復軌道に乗せてまいりたいということで行った措置でございます。
○峰崎直樹君 その物価の問題なんですが、三月六日のときにもちょっとお話をして、最近の物価統計というのは本当に正確に反映しているんだろうかということを実は疑問を呈したことがございます。 経済企画庁長官にちょっとお聞きしたいんですが、総理府の消費者物価統計、これはもちろんきちんと五年に一回、生活実態調査等から調査をされてやっておられるんですが、最近、民間の企業が統計を発表するようになっています。 一番典型的なのは、西友というあのいわゆるマーケットです。チェーンストアをつくっておられますが、西友の指数でいくと消費者物価の下落率が五%を超えているという、この近くですね。そういう調査とどうもCPIの消費者物価指数の差が非常に大きいわけです。これは単なる調査の方法に基づくものなのか、いわゆる価格破壊と言われているようなものを現在のCPI統計では本当にこれはすくえるのか、ちゃんと反映できるのかできないのか、このあたりについての率直な御意見をお聞きしてみたいわけです。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 先生御指摘のように、政府の消費者物価指数と民間、例えば西友でつくっております物価指数の動きは違います。私の手元にあります数字で申しますと、平成六年三月から一年間をとりますと、政府の消費者物価指数は〇・六%上昇しておりますが、西友の指数では五・九%のマイナスになっております。 これは当然のことですが、採用品目が違いますし、あるいは基準年次が違うということが基本的にはございます。どちらかといいますと、政府の消費者物価の場合には連続性あるいは総合性と申しますか全国をカバーしているという特徴がございますのに反して、西友の場合ですとその西友の扱っている品目に限って、したがって地域的に限定されているのと、消費者がそこで選ぶ商品を対象にしておりますから、最近の消費者が価格志向的になっているということでその点を反映している。どちらの物価指数がいい悪いという判断は大変難しいわけですが、政府の消費者物価統計は一定の基準に従って連続性と全国的な総合性ということを強調しているわけです。
○峰崎直樹君 これからも、ぜひとも総務庁のCPI統計もこういう消費者の生活実態というか、それにできる限り合うように改革をしていただきたいなということを述べておきたいと思います。 さてそこで、きのうからきょうにかけて景気の見方について随分と議論も続いているわけであります。経済企画庁長官から、なぜ五十数兆円この過去四年間投入しても景気が上昇しないのかと言われたときに、実は二つの要因をおっしゃっておりました。循環的要因と構造的要因、こうおっしゃられたわけであります。 私は、その構造的要因というときには、これは資産デフレの問題だけなのかなと。むしろ私は、もう一つそこの中に、これは経済企画庁にお聞きしたいわけですが、どうも日本の経済を引っ張っていくリーディング産業がなかなか見当たらなくなってきているんじゃないのかなと。その意味で、新しい産業を引っ張っていく産業構造の転換と言われているものをある意味では今回の景気対策の中にも入れてきているというふうに理解をしているんですが、この点もう一度、もしその点に関連して何かございましたら企画庁長官に。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 今回の景気の回復が非常に鈍いということにつきましてはいろいろの理由がございますけれども、御指摘のように資産デフレ的な問題がございますが、もう一つ構造調整の問題がございます。これは最近の急速な円高がいわゆる空洞化現象を起こして、それに対する不安感があるというようなことでございますけれども、それと関連いたしまして、御指摘のように現在は構造調整ということで産業構造が変わっていく時期でございますけれども、新しい産業がなかなか育ちにくいという環境にございます。これは全般的に景気が悪いということ、あるいは国際競争が非常に厳しくなっているということもございますが、今回の景気対策ではそういう意味で、新しい企業、新しいベンチャーキャピタルが出てくるような対策をいろいろの点で考慮いたしております。
○峰崎直樹君 その産業構造の転換ということを図っていくときに当たって総需要を拡大していくというやり方は、今回の中では十四兆円といった大きな規模になっているわけですが、真水は五兆五千億と言われておりますが、そういう総需要を拡大していくということで産業構造の転換というのはなかなか図り切れないんじゃないか、もちろんそれが土台になって景気を押さえるということはあるのかもしれませんが。 そうすると私は、税制の問題で先ほどいろいろと議論になっているわけですが、その産業構造を転換するときに今ニューインダストリーと言われている人たちが一番困っているのは何かというと、日本の高コスト体質といいますか土地の値段が高い。これは先ほどの清水さんの質問、いろいろやりとりを聞いていたわけですが、今、日本で新しい産業を興そうとするときのネックになるのは何だろうかといったときに、やっぱりテナント科が高い、もっと言えば土地代が高いと言われているものがある。それだけではございません。さまざまな公共料金が高いとか、実は労賃というもののコストも非常に高くなっているということも今の中では当然だろうと思うんですが、そういう高コスト体質というものが非常に定着をしているというところに大変大きな要因があるというふうになっているわけです。 この点に対する、やはりある意味では私、公共事業をふやすよりもむしろ法人税を引き下げるといったような議論の方がより効果が高いんではないのかという議論をしたことがあるんですが、この点はマクロの経済の立場からはどのようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(宮崎勇君) 日本経済は市場経済でございますので、これを主導していくのは民間企業だと思っております。今回の対策は、内需拡大を中心にしその中で公共投資を大きく見ているわけですが、これは公共的な事業を喚起することによってやがては民間需要を喚起し、民間の企業に活力を与えるという考え方から出ているわけであります。 ただ単に需要を追加すればそれで企業に活力が戻ってくるかということではございませんで、先生御指摘のように、例えば土地の問題を解決しなければいけないというようなこともありますが、一番大きな問題は、私は自由に経済活動ができるようになっていないと申しますか、それを拘束しているいろいろの規制というものが問題ではないかというふうに思っております。それは生産の場においても流通の場においても、あるいは金融市場の場においてもいろいろ障害になっているということが考えられるわけで、そういう意味で規制緩和を中心にした経済構造の推進というのが非常に重要だと思っております。
○峰崎直樹君 税の世界の話はまた別途やらなきゃいけないと思うんですが、大蔵大臣、ちょっとお聞きしておきたい、あるいは大蔵省当局でも構いませんが。 政府税調の方でいよいよ法人税の見直しに入っているというふうに聞いております。私は、その際、法人税の税率を下げた方がいいというときには課税ベースを拡大しようじゃないかという議論になるわけですが、どうも課税ベースを調べてみると、例えば減価償却のあり方一つとってみても、アメリカやイギリス、ヨーロッパの国々と日本の減価償却のやり方はかなり違っている。そういう意味では課税ベースのあり方の比較などもしなきゃいけないと思うんですが、法人税の場合に非常に大きな規模になっている減価償却を見たときに、この減価償却がもしデフレーション、価格破壊といいますか物価が下がってきてデフレ状態になってきたときには、いわゆる名目でもって減価償却がふえるということは、この中に必然的に物価低下分だけの利益が入ってこないだろうかという感じがするんですが、この点ほどのように考えられておりますか。
○政府委員(薄井信明君) 今、二つの御質問があったかと思います。 最初に、法人税負担の話に関しましては御指摘のように現在議論を始めております。その際に、税負担、法人税の負担全体を下げるためには財源が要りますから、財源問題としてどうするかという問題がありますし、法人税収を一定にしたまま税率を下げるには課税ペースを広げていくと、こういう議論がされております。当面、課税ベースの拡大を図りながら、その中で税率を下げていくという方向を探っていくということになろうかと思います。 それからもう一点の、課税ベースを広げる場合に減価償却の問題が出てきました。これはおっしゃるように、日本は日本の方式でやっておりまして、これは伝統ある沿革を持っているわけでございますが、他国とは違うところもあります。ややそういう意味では甘い面があろうかと思います。こういう現在のような物価の状況のもとで直接的にどう考えていいのか、問題は難しいところがありますが、減価償却取得費、取得したときに幾らかかったかというものを償却していくという会計の考え方からすれば、おっしゃる点まで考えていくことはないんではないかなと思っております。
○峰崎直樹君 また、いずれ税調の場でも議論したいと思っておりますが、さて、ちょっと横に外れましたけれども、景気の問題にまた戻ってまいりたいと思うんです。 日銀総裁、先ほど公定歩合を引き下げた理由についてお話を申された中でマネーサプライの問題があったわけです。今私もいろんなものを読んだりして、他人の知恵なんでございますが、借り物の知恵なんですが、どうも先ほどもおっしゃった一九二九年から三〇年にかけて大恐慌、これが典型的なデフレーションの姿だというふうに言われているんですが、そのときと今とではもちろんさまざまなインフラが変わっているということ、制度も変わっているということはわかるんでありますが、そのときの教訓として一番大きな要因は財政よりも金融面のショックだったと、こういうふうに言われているわけです。 一九三〇年代を調べてみますと、有名な井上準之助さんという大蔵大臣が金本位制へ復帰して、そしてそのことで大変なデフレになっている。金本位制から離脱した後、そのマネーサプライを非常に自由にふやすようになって初めて物価も上がり景気も回復していると。こういう状況で、金融的な要素が非常に強いというふうに言われているわけです。 最近の統計、少し上がってきているようなんですが、マネーサプライの伸び率は二つの四半期、つまり半年おくれで大体名目GDPの伸び率になるというふうに言われているんですが、この点、そうすると景気をよくしていくためにはマネーサプライのコントロールが重要だというふうに言う識者と、それから、いやそれはもうコントロール、金融自由化になって以降はますますこれはできなくなったんだと、こういう二つの議論があると思うんですが、この点は日銀は今どのような見解をお持ちになっているんでしょうか。
○参考人(松下康雄君) 私どもの持っておりますマネーサプライに関する考え方と申しますと、日本経済の動きを観察しておりますと、日本経済の中に何か大きな変化が起こってまいりますと、それはマネーサプライの変動を伴っているということが多うございますので、マネーサプライの動向というものは経済の動向を把握してまいります上で非常にやはり重要な指標であるというふうに考えているわけでございます。 それから、さらにその場合に、マネーサプライをコントロールすることによりまして今の経済政策あるいは金融政策を動かしていくことがどうかということでございますけれども、その点につきましては、私どもの考えは、マネーサプライの増減を引き出しますのに、マネーの面での需要と供給の両面がございますから、実体面でマネーの需要が出てくる、つまり経済の実体の中からそういう需要が出てくる時期に、これに必要な流動性を供給することによりまして経済をより速やかに円滑に拡大をさせるということはできるわけでございますけれども、需要の面が伴わない段階におきまして、それではマネーサプライを増加させることによって経済の上向きの力をふやすことができるかどうかということになりますというと、ここはやはりある程度それが逆に市場におきます金利の乱高下を招くというような結果も考えられないことはございません。 そういうことでございますので、私どもといたしましては、今政策目標といたしましては、金利の動向に注目をいたしまして、現在の段階で申しますと、円滑で安定的な低い水準の市場金利が形成されるような、そういう限度での市中での資金の量の調整をいたしているわけでございますが、マネーサプライそのものの方を直接の政策目標として動かしていくというような考え方には立っていないわけでございます。
○峰崎直樹君 今お聞きしておりまして、潤沢に低金利で、本当に経済を活性化するために努力をしておられる。私もぜひともそれはお願いしたいと思うんですが、実体経済を調べてみると、最近は中小企業に対する融資というのが依然としてまだよろしくない、こういうデータがやはり我々のもとに入ってきているわけです。その意味で、金融面において中小企業に対する今後の対策というものを、これは中小企業庁、通産省の所管でございましょうか、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。 さて、景気の問題をちょっと私ども今お聞きしていて、本当におっしゃられるように、企業業績も向上してきているとかいろいろ出てきているというふうに言われるんですが、どうも生産指数であるとか在庫の伸びだとか少しやはり懸念する要素があるなと思っているんです。私はやはり一番大切なのは、また円高に持っていくと、先ほど通産大臣が指摘されるように、本当にこの円高によって幾ら企業内利潤が上がっても、それを国内の再投資に向けないで海外に設備投資をしてしまうというような状況が出てくるんじゃないか。 その意味でひとつ、これはもう要望事項になりますが、どうやらこの一、二カ月、日米、そしてドイツとの間の国際協調も大変進んでいるんでしょうか、円が百円台にまで戻っておりましたけれども、この点より一層、円が急騰しないようにぜひともお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 もう時間も余りありませんし、お昼休みに差しかかっていまして、本当に指摘したいと思ったことがたくさんあったんですが、最後に一つ、ストックオプションという制度が今度実は与党三党で景気対策の中に入ってきたわけです。 このストックオプション制度が導入をされるということは、恐らく企業家精神を持った方々あるいは経営者の方々といいますか、あるいは従業員にだってこれは持ち株制度という格好で出てくるわけで、大変大きな役割が期待をされるというふうに思うわけであります。ただし、これは税制上の問題が非常に大きな問題になってまいりますので、大蔵当局にこのストックオプションが今日の税制上どのように扱われるのか、ぜひお聞きをしておきたいというふうに思います。
○政府委員(薄井信明君) 御指摘のように、今回の対策関係でストックオプションの提案がされておりまして、現在法律改正が提案されていると聞いております。 そのストックオプションが導入された場合に、現行税制上どうなるかということをまず申し上げますと、役員あるいは従業員がストックオプションの権利を行使いたしますと、いわゆる権利行使時の価格と、これ時価になりますが、権利付与時の価格との差額、この部分は現行税制上は役員あるいは従業員の経済的利益と見ることができますので、権利行使時に課税をするということになろうかと思います。 また、この株式を売却した場合には、売却時の時価と行使時の時価との差額がキャピタルゲイン課税になるということが現行税制上の扱いでございます。
○峰崎直樹君 今、大蔵当局は現行税制上からすればそういうことになるということで、そうなると、アメリカなどに比較すると経営者、あるいはそのストックオプションの持っている機能といいますか役割というもの、つまり企業家が本当にその企業に活力を与え、生産性を与え、利益を与えるという、そういうインセンティブというものがややそがれるのかなという感じはするわけです。 ただし、逆に現行の所得税制がかなり私は公正という観点で非常に重要な役割を果たしていると思っているわけです。その意味で、いわゆる景気刺激というか効率性という観点と、それから公正性という観点、この二つが非常に二律背反をするような問題を持っているんですが、この点、もし総理、ちょっとお聞きになられて御感想があれば。 私どもはこれらについてできる限り経済の効率性と公正性を申立できるように努力をしていきたいと思っているんですが、もし何か御感想があったらお聞かせいただいて、私自身はそういう立場であるということで。局長、ございますか、あれば少し。
○政府委員(薄井信明君) 御指摘のように、せっかく制度をつくったのにそれが動かないということでは意味がないという意味では、ストックオプションを動かそうという方向からすれば、おっしゃるような御指摘になろうかと思います。 他方、税制上は現金で報酬をもらった方とストックオプションてもらった方で、現金でもらった場合に当然課税するというのが世の中の常識になっているわけですから、その違いをどう考えるのか。確かに外国には制度がありますので、この外国の制度だとか経済効果、あるいはバランス論、すべてを含めて、これも通産省から八年度改正要望として出ておりますので、これから議論をしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(村山富市君) 税というのは中立公正というものが前提ですけれども、せっかくそういう制度を導入するわけですから、二律背反性のところがありますけれども、しかしここはやっぱり工夫して、その効果が上がるような対策というものは考えていく必要があるというふうに思います。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。
○委員長(井上裕君) 以上で峰崎君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成七年度一般会計補正予算(第2号)、平成七年度特別会計補正予算(特第2号)、平成七年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。都築譲君。
○都築譲君 平成会の都築譲でございます。 きょうは、経済、雇用問題を中心に総理並びに関係大臣にお伺いしたい、こういうふうに思います。(「何でそんなつまらないこと聞くんだ」と呼ぶ者あり)冒頭、では御期待にこたえておもしろい話を幾つかお聞きしたい、このように思います。 きょうの新聞に実は内閣支持率のお話が出ておりまして、もう既にお読みになったことだろうと思います。新政権を期待するが六三%、こういう状況でございますので、私自身、皆さん方のお考えをお伺いしたい。特に村山総理、七月の参議院選挙の……(発言する者多し) ちょっと委員長、本会議場と違ってここは音響がよく響きますので、議場を少し静粛にしていただけるように御指示いただけますか。
○委員長(井上裕君) 静粛に願います。
○都築譲君 ありがとうございます。 それでは、村山総理にお伺いしたいんですが、七月の参議院選挙の後、社会党は大きく議席を減らした。こういう状況の中で与党三党のお話し合いが行われまして、河野前自民党総裁に総理を譲りたいと、こういうふうなお話が報道で出ておりました。ただ、そのときは武村大蔵大臣がさきがけ代表ということでそれには反対をされたというふうな議論がございました。 そんなときに、実は自民党総裁選挙がその後開かれて、橋本自民党新総裁ができたわけでございまして、午前の質疑の中でも大蔵大臣、実は橋本総理と、こういうふうに口走られたわけでございますから、武村大蔵大臣の障害はもうないんじゃないかな、こういうふうな感じがしますが、村山総理は第一党の総裁に総理の席を譲るということはお考えになりませんか。
○国務大臣(村山富市君) 三党連立政権というのは、それぞれの党が自主的な立場でお互いに話し合いをして合意点をまとめて決めていく、これは政策についても大事についても同じことですね。どこの党がひとりで決めたからひとりで決まっていくというものではないわけです。そういう意味で、この連立政権の持ついい意味もあるわけですから、したがって話し合いでもって決めた、こういう経過であります。
○都築譲君 今話し合いで決めたということでございますが、新しい総裁が出たわけでございますから、そういった意味でその立場はお変わりにならないのかどうか、もう一度重ねて聞きたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(村山富市君) 変わりません。
○都築譲君 それではもう一点。経済、雇用とはちょっと違う問題ですが、自衛隊合憲ということで去年大きく方針転換をされて今の連立を組まれたわけですが、私自身、結論は非常に国民の合致するところになったんじゃないかというふうに思うわけでございますけれども、その理由なり経緯と申しますか、そこら辺のところがいま一つわかりません。去年の参議院の予算委員会でもお伺いしましたし、またこの臨時国会の衆議院の予算委員会においても西岡議員が指摘をされてやっておられましたが、いま一度自衛隊を合憲としたということについてお考え、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) これはもう三月の予算委員会でも御質問がございましたし、それからまたこの臨時国会でも衆議院で御質問がございましたし、参議院でもまた質問がございました。 これはもう私は一貫してお答えを申し上げておるわけでございますが、戦後、米ソが対立するという冷戦構造の中で、日本の国がややもすれば軍拡の方向に走り、自衛隊が武装して海外に派遣をされるといったような動きがある状況の中で、平和憲法をつくっているその平和の理念というのは、憲法前文に書かれておりますように、平和と民主主義と人権の尊重という大きな憲法の柱があるわけです。その憲法前文の平和憲法全体を貫いておる理念に反する、したがってそういう政策はとるべきではない、こういう立場をとって社会党は一貫をして運動してきたわけです。 私は、そういう運動をやったことによって、これは総括的にまとめてみますと、例えば国民の間に文民統制の問題とかあるいは専守防衛の位置づけとか、あるいは徴兵制の不採用とか、あるいは自衛隊の海外派兵の禁止とか、集団的自衛権の不行使、非核三原則の遵守、核・化学・生物兵器など大量破壊兵器の不保持、武器輸出の禁止、こういったような平和憲法に貫かれておる具体的な原則というものは、やっぱりそういう社会党の運動もあって私はしっかり守られてきたと。 そして今の自衛隊は、大体この程度のものであればという国民の肯定的な世論の結果も出ているわけですから、したがって私どもは、そういう国民の世論の状況、あるいは国際情勢も対立から軍縮、協調に変わってきた、そういう国際情勢の変化も受けて自衛隊に対する方針、政策を変えたということでありますから、御理解を賜りたいと思います。
○都築譲君 そういう御議論でございまして、ただ私は今の総理の答弁から二つ実はちょっとわからないところがございます。 一つは、国民世論がそういうふうになってきた、これはもう世論に合致するところであるからそれはいいだろう、こう思います。ただ、国際情勢がこういうふうに緊張緩和されてきた、米ソの対決あるいは東西冷戦構造、こういったものが終結をしたという状況の中で、緊張感が解けてきたからいいじゃないか、こういうお考えだろうと思うんです。 では、自衛隊というのは一体何のためにあるのか。いざ、一たん外敵から侵入を受ける、あるいは国内においてもいろんな障害が起こったときに、国民の生命、身体、財産を守るというのが自衛隊の基本的な任務であるわけでございまして、一番緊張感があると想定される厳しい時期に、自衛隊は反対だ自衛隊は要らないと言っておいて、今こういう平和な状況になった中でなぜ自衛隊が合憲というふうな形になってくるのか。むしろ、今こそ自衛隊こそ違憲だと今までの主張を貫かれるのが本来の筋ではないのかな、こういうふうに思うんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) そういう厳しい時期にあるときだけに平和憲法の精神を守って、そういう危険な道に入らないということのために非武装中立という政策を掲げて闘ってきたんですよ。ですから、そういう厳しさがあればあるほど日本の国は平和憲法に立って、危ない道に入ってはいけませんよ、戦争に加担してはいけませんよということをとらえて、平和憲法を守って一貫して闘ってきたんですよ。 この緊張がなくなった。そしてもうなくなったので、これは憲法でも自衛権というものは否定されていないわけですから、したがってその自衛権に立って、お互いに今後の安全保障の問題等をどうやっていくことが一番国民のためにいいのか、世界平和のためにいいのかということを共通してお互いに議論し合えるような状況というものをつくっていくことが国民のためになる。 同時に、もう単独政権でなくて連立政権の時代になってきた、こういうすべての条件というものが変わってきているわけですかも、そういう変わった条件に対応できるような政策を推し進めていくというのは政党として当然のことであって、一遍決めた政策を変えてはならぬというようなことでは、これは私は政治にならないと思いますね。これは当然のことだと思います。
○都築譲君 今の答弁で二つ目の質問が出てくるわけでございまして、厳しいときこそこうやって社会党の主張で非武装中立を守り抜いてきた、それから環境が変われば全く政策は変えないということではない、こういうふうなお話だったと思います。 では、今こういう状況だから自衛隊は合憲だとなりましたけれども、またいずれ国際関係が緊張してきたときには自衛隊は違憲だということになるわけですね。
○国務大臣(村山富市君) これは私どもはひとりでもって物事を変えるわけじゃないんです。やっぱり大会で議論をして、そして大会でお互いの議論の上から方針を決めていくんです。そういう性格のものですよ。私どもは、もう国際情勢全体から見てそういう危険な状態が全体としてなり得るなんてことは想定していません。こういう軍縮と平和と協力の時代がこれから私は続いていくだろう、またそうさせなきゃいかぬというふうに考えております。 そういう意味では、国際連合等についてもそういう役割が十分果たせるものにしていこうといってお互いに努力しているんじゃないですか。その努力をしていくことが平和を維持していくことになるというふうに考えておるので、そういう危険な状態が生まれてくるなんていうようなことはもう想定をいたしておりませんし、私どもは今決めた方針を変えずに、一貫してこれからも守り続けていかなきゃならぬ、そういう日本と世界をつくっていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
○都築譲君 それはちょっと納得できないんですよ。想定はしない。今までだってあなた方が勝手にそう思い込んで想定しなかったから、そういう状況で自衛隊は違憲だと言い続けて、一生懸命国のために働いている自衛官の人たちの立場をおとしめてきたんじゃないですか。 だから、想定の問題と言っているけれども、いっそうなるかわからないんだから、そのときはどうするんですか。
○国務大臣(村山富市君) いや、勝手に思い込んでというのはどういう意味がわからぬけれども、これは委員会だから私があなたの方に質問することはできませんから言いませんけれども、勝手に思い込んでいるわけじゃないですよ。 米ソが対立をして、あなたは若いから経験がないかもしれぬけれども、当時のことを振り返ってみますと、確かにそういう危険性があったんですよ。ですから私どもは、あれは五五年の選挙だったですか、参議院選挙のときなんかはやっぱり平和憲法改正を阻止するために三分の一の議席を確保せにゃいかぬ、こういうことをスローガンにして選挙をやったこともありますよ。 ですから、憲法が改正されるという危険性もあったときはあるんですよ。したがって、そういうことを阻止して平和憲法を守り抜いて、平和な世界をつくらにゃいかぬ、戦争の危険な道に入っちゃいかぬ、こういう方針に基づいて運動をやってきて、ようやくそういう状況が生まれつつあるというんであって、また今度何か危ない時代になったらどうするんだと。危ない時代をつくるために頑張っているわけじゃないんです、努力しているわけじゃないんです。そんなことを私どもは想定いたしておりません。
○都築譲君 いや、それは全くおっしゃるとおりであって、だから国際平和の推進のために日本政府として一生懸命努力をしてもらいたい、こういうふうに思っております。ただ、総理が社会党の党首としてその方針転換をやったときは、先ほども御答弁の中でたくさんの議論を踏まえてやっていくんだと言いながら、実はそういったことなしにやって、後で大会に諮ったというのが事実じゃないですか。 それからまた、今の御議論の中で、これから本当にそういう状況をつくってはいけないと言うんだけれども、じゃ社会党としてあるいは社会党の党首として、もうそういうことはやらないんだということが言えるんですか。実際にこれから緊張関係が、今までこそ米ソの対立という構図の中であったかもしれません。ただ、これからますます地域紛争とかいろんな状況が出てくるかもしれません。だから、そういった状況の中で本当に緊張感が、例えば北朝鮮の核疑惑だってまだあるわけですから、そういったときに本当に自衛隊は違憲ではないというようなことをもう絶対言わないというふうに言えるのかどうか、それは党首としてどういうふうな立場で臨むのか、そこら辺のところを聞かせてください。
○国務大臣(村山富市君) 想定や仮定をして問答しても私はしょうがないと思いますけれども、例えば北朝鮮に核の疑惑があると。これは非常に核廃絶を言っているときに危険だというんで、米朝会談をうまく合意できるように我々も協力をするし、そのために努力もする。そして米朝会談が合意をして、今KEDOがつくられて、そしてこの新しい方向に進みつつあるんですよ。そういう努力をしているんですよ。それを、北朝鮮には危険があるじゃないか、いつ変わるかわからぬぞと、こういう話の想定をしながら物事を考えていくということは私はとらないんです。 あくまでもその方向で達成できるように、北朝鮮が決められたことを確実に守っていって、そして核疑惑が完全に解消されるようにお互いに努力をしているんですから、そういうことになるようにこれからもやっぱり頑張っていかなきゃならぬというふうに思っていますから、そういう危険な状態とかいうのを想定しながらやっているわけではないんですよ。私は決めた方針は変えるつもりはありません。
○都築譲君 今のお言葉で、こう決めた方針は変えるつもりはないということは、もう自衛隊は合憲であるということは変えるつもりはない、こういうことでよろしいわけですね。それだけが聞きたかったんです。 さて、それでは経済、雇用の問題に入りたいと思いますが、社会党もいろいろと本当にたくさんの政策あるいは方針を転換して、国民の納得するレベルまで来たと思います。ただ、あなた方が本当に引きずりおろした今までのたくさんのにしきの御旗と申しますか、そういったものがあるんですが、働く人たちに対するお立場でございますけれども、今大変雇用が厳しい状況になってきております。 私自身、失業率が三・二%という戦後最悪の水準、あるいは有効求人倍率が〇・六一倍という、こういう状況の中で、雇用対策はもっと機動的に積極的にやるべきだと、こういうふうに思うわけでございますけれども、労働大臣も、けさほどだったですかきのうだったですか、ちょっとうっかりしましたが、最重要課題として取り組んでいくというふうにおっしゃっておられた。それは、社会党の総理と社会党の労働大臣ということでございますけれども。 ただ、ことしの五月二十四日に新しい雇用対策、円高緊急対策、地震対策含めて発表されました。その実質の中身はたくさんな政策内容が盛り込まれておりますけれども、特定求職者雇用開発助成金ということで、いわゆる障害者とかあるいは高齢者とか母子家庭の母とか、こういった方たちの雇用を促進するための助成金制度があります。これが、一昨年の雇用支援トータルプログラムの中では助成率を、例えば中小企業については四分の玉とか、あるいは大企業については三分の一とか、こういう状況になっていた。あるいはまた、雇用調整助成金という、企業が景気が低迷したときに休業しなければならない、こういったときに、休業した場合に賃金の助成をする、あるいは能力開発を行ったときにその間の賃金の助成をするとか、こういう仕組みがありますが、この助成率も四分の三とか三分の二になっていた。 ただ、これをその五月の対策の中では、これは全然表には出てこなかった。後で気がついた話で私もびっくりしたんですけれども、今までの率を三分の二と二分の一に引き下げてしまったということであるわけで、これで本当に雇用対策をやっているのか。むしろ、引き下げてしまったために失業率が三・二%にも上がるし、有効求人倍率もなかなか改善しない。特に雇用が厳しいそういう障害者とか高齢者の方とかあるいは母子家庭の母とか、そういった人たちに対して本当に人にやさしい政治を社会党と総理としてやっておられるのかどうか、その辺のところをちょっと聞きたいと思います。
○国務大臣(青木薪次君) 都築委員の質問にお答えいたしたいと思います。 きのうも申し上げましたように、最大の課題はこの雇用失業問題であるという立場に立って、村山内閣もその重要な政策として頑張っていることは御案内のとおりであります。 今御質問になりました、今日の経済状態下におきまして、午前中も審議されたわけでありますが、従来は循環的な対応でよかった。雇用が拡大すればそれでいいんだということで、景気が持ち直せば雇用が拡大するということでありましたけれども、今日の状態は産業空洞化という問題が一番懸念されるわけであります。したがって、その問題に集中しようということで、都築委員も御案内のように、改正業種雇用安定法に基づいて今度は失業なき労働移動という問題を中心として今日政策として掲げて、そして今後の厳しい情勢に対応しようということでありますから、まず第一に今申し上げたようないわゆる産業空洞化対策が最重点として浮き上がってきたということでありますので、御理解いただきたいと思います。
○都築譲君 総理はどうですか。
○国務大臣(村山富市君) これは、産業構造を転換する中でいろんな変化が起こってきますね。その変化の中で、例えば構造変化に乗り切れない業種も私は出てくると思います。そういう乗り切れない業種の職場で働いている労働者の雇用問題というものもあるわけですから、したがって労働者が失業することなく労働移動ができて、そして新しい職場につけるようなそういう手だてを講ずるために助成金というのも考えていったというような、新しくどんどんつくったものもありますね。 今お話がありましたように、例えば身障者とかあるいは高齢者とかあるいは特定業種に対する助成金も出しておりました。この率を一定の期間だけやっておったんですけれども、それは全体の均衡上またもとに戻したということだと私は理解をいたしております。
○都築譲君 今、総理が言われたように、一定の期間ということではないと思うんですよ。というのは、一定の期間であれば当初予算でもう切るという話があったんです。八年度予算の編成のときに何十億という予算項目がそこから落とされてきたわけなんですよ。だから、最初からそんなことを考えていたんじゃない。なぜあの時期に、失業率があんなに三・二%、悪化する時期に、有効求人倍率がどんどん低くなっている時期に、学卒だって就職の機会がないということがわかっている時期にそんな切り下げをやるのか。それを教えてください。
○国務大臣(青木薪次君) 事務的な質問でありますので、政府委員が答弁いたします。
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまの御質問でございますが、この考え方といたしましては、ただいまも御答弁申し上げましたように、今後国際化等を背景といたしまして産業構造の転換が一層進む、そういう中で雇用の安定を図るためには従来のような一過的な景気循環に対応した不況期だけの対策、これでは対処できない、構造的な問題が重なっておりまして、そういう意味で構造的な対策により重点を移していく必要がある、こういうことでございます。 その観点から、さきの国会で成立いたしました改正業種雇用安定法、これが七月一日から施行するということでございますが、そういうこととあわせまして、それに対する重点を移していくというようなことで、ただいまもありましたように、特定雇用調整業種から労働者を受け入れる企業に対する賃金助成、これとのバランスを考慮いたしまして、特定求職者雇用開発助成金等につきましては、阪神・淡路大震災の被災者等、特別の場合についてを除きまして通常の助成率に戻したわけでございます。 一方、構造的な問題によりまして雇用調整を余儀なくされている業種、これに対しては特に手厚い支援を行う必要があるというようなことから、労働者ができるだけ失業を経ることなく労働移動することを支援するなどの構造的な問題への対応により重きを置いた雇用対策を実施することといたしたところでございます。 さらに、現在の厳しい雇用失業情勢を改善するためには新たな雇用を創出することが重要でございまして、このために今回の経済対策あるいは補正予算等とあわせまして今国会に中小企業労働力確保法の一部改正案を提出し御審議をお願いし、構造的な面での雇用対策の一層の充実を図りたいというふうに考えているところでございます。
○都築譲君 それで、今答弁がありましたし、総理自身も構造的な変化への対応ということで失業なき労働移動を図っていくということを言われました。 失業なき労働移動というのが今の日本的な雇用慣行の中でどういう意味合いを持っているのか、それはおわかりでございますか。と申しますのは、確かに失業せずに一般的な、例えば安定所に行くとか、あるいはリクルートとかこういう求人広告雑誌、こういうものを見ることなく自分で就職を、あるいは会社のあっせんにより就職をしていく、こういう形で失業期間がない、こういうことでございます。 ただ、その実態のところを、例えば終身雇用慣行とかあるいは年功序列型賃金というのがまだまだある中で、今失業なき労働移動ということで対象となる人たちが一体どれぐらいいるか。新しく雇用安定助成金とか能力開発助成金ができておりますから、七月から施行したばかりですからまだ実績が出ていないかもしれませんけれども、その状況も後で教えていただきたいのですが、そういった人たちが大体何歳層だというふうにお考えですか。四十とか五十とか。 これは経企庁長官にも後でお聞きしたいんですけれども、日本的な雇用慣行の中で、大体若い人たちは低賃金で長時間働いて、そしてこれが四十前後ぐらいで大体損益分岐点を経過して、そして回収期に入っていくと。だから定年までいっぱい勤めれば大体とんとんになる、こういう構造だろうと、こういうふうに一般に理解しているんですが、いよいよ回収期というところでみんな外へ吐き出されてしまうのをどんどん進めていこうと。 確かに、構造改革ですから産業構造が大きく変化する、就業構造も大きく変化する中で新しい対応をしていかなきゃいかぬということはわかりますけれども、ただ本当にどんどん吐き出すことを促進するような仕組みをどんどんつくっていっていいのか、それほどまた手厚くしていっていいのかというところは、雇用慣行自体が大きく変わっていかないそういう状況の中で、果たして勤労者にしわ寄せばかりをしょわすということになるんじゃないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) さっき助成率が変わった話を申し上げましたけれども、そのときに特定業種という言葉を使いましたけれども、これは特定求職者の間違いですから訂正しておきます。 それから、今お話がありました、私は全体の雇用の状況というものの推移を見ておりまして、できるだけ失業者を出さないというので企業が半失業者のような形でもって抱えてきているわけですね、今までは。その抱えてきた雇用者を雇用しているところに対して助成金を出すと、こういう仕組みをとってできるだけ潜在失業者が出ないように企業の協力もいただくという努力をしてきたわけです。 ところが最近は、これだけ不況が蔓延化してまいりますと、中小企業等については大企業と違ってそんなことはなかなかできないわけですから、したがってそれはもう失業者が出てくるだろうと。その出てくる失業者をできるだけ失業状態に置かないままに新しい業種に就職できるように移動ができるようなものにしていこうと。その移動する過程の中で必要なら職業訓練も行うだろうし、同時に助成金も出して、そして雇われやすいような状況をできるだけつくっていこう、こういう配慮もやっぱりしていく必要があるのではないかというので、勤労者を犠牲にしてやるというのではなくて、そういう失業を防止するための政策を講じようとしているのであって、私はそういうふうに理解をするというのが正しいのではないかというふうに思っています。それから、これは七月から施行したばかりですから、どの程度の人がそういうことの対象になるのか、どういう年齢層が対象になってくるのかというのは、今申し出を受けているときですから、もう少し時間がたってみなければなかなかつかめないというふうに思いますけれども、しかしそれはやっぱり今働いている皆さんの立場からすれば、高齢者もおるかもしれませんし、あるいは二十代、三十代の方もおるかもしれませんし、そういう方もおると思います。 ただ、雇用問題は極めて深刻でありますし、とりわけ新卒者や女性の就職というのは困難ですから、そういうものを厳しくとらえた上でこれからは雇用対策というものを十分考えていく必要があると私はそう思っています。
○都築譲君 総論としてはわかるんですが、いわゆる特定雇用調整業種と言われる今後衰退が予想される産業から新しい産業の方に、これから企業活動が活発になっていく、将来のリーディングインダストリーになるというふうな部門に適切に移動するということであればいいんです。ただ、実際には特定雇用調整業種からいつ景気循環の波にもまれるかわからないような業種、こういったところに行って、それで賃金助成の期間がある部分だけはきっちり雇用されると申しますか、あるいは能力開発の助成金とかこういったものがありますから、そういった部分だけやる。ただ、金の切れ目が縁の切れ目じゃありませんけれども、そこで雇用が終わるということになればこれは全く同じ話である。 そこで、結果として何が残るかというと、四十代の本当に働き盛りで子供を抱えて教育費もかかるあるいは住宅ローンも返さなきゃいけない、こういう人たちが外に出されて、外に出たところで終わってしまいかねない、こういう状況になる。ただ、それは今までの失業を実際にしてしまうよりはいいのかもしれません。 だから、そういった意味で、もっと本当にきめ細かなそういうフォローアップといいますかあるいは支給要件というか、そういったところもしっかり見ていく必要があるのではないかということを指摘しておきたい、こういうふうに思います。 それから、今出てきましたけれども、新しい産業の方へ行ってもらうということになればそれは非常にいいわけです。新しい産業ということで、これからの景気対策の中でも盛り込まれておりますし法案も準備されている、こういうことでございますけれども、まずその前に、今回の産業空洞化と言われるような状況、大変急激な円高が進んだりなんかしておりましたし、また高コスト体質というのが至るところでしみついている日本の経済といった状況について午前も議論がございました。 この産業空洞化を招いた原因についての認識なり今後どういう対策をとっていかれようとしているのか、これは通産大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう委員がよく御承知のように、我が国において産業空洞化を招きつつある大きな原因の一つは国内における高コスト構造が顕在化してきたこと、また最近多少是正傾向にはありますけれども、ここまでの行き過ぎた為替の水準、こうしたものが相重なりまして海外への直接投資が増大しているわけでございます。 これは数字で申し上げるなら、製造業の海外投資は九四年度には対前年度比二四%と大きく増大をいたしました。海外生産比率も九〇年に六・四%でありましたものが九三年度には七・四%にまで上昇しておりますし、九四年度は恐らく八%程度になると見込まれております。製品別に見ましても、カラーテレビあるいはテープレコーダーなどは海外生産比率が七〇%を超える状況でございます。 こういう状況の中で我々として非常に気になりますことは、企業活動にとって我が国の持っていた魅力というものがだんだん減少してきている。この状況の中で、製造業がこれ以上逃げ出さないためにどうすればよいかということを真剣に考えさせられるわけであります。 当然のことながら、その対応として、競争の促進あるいは規制緩和など、制度改革等を通じました国内の高コスト構造の是正に努めなければなりません。また、新産業、生活インフラの整備を急がなければなりません。同時に、新規事業分野の発展が可能になりますような基盤の整備などに取り組んでいかなければなりませんし、現にこれらの問題に取り組んでいるさなかであります。 また、九月二十日に決定をいたしました経済対策、その柱の一本が経済構造改革の一層の推進であることは委員が御承知のとおりでありますが、研究開発、情報化の推進に加えまして、新規事業の育成あるいは新たな産業インフラの整備、さらに輸入、対日投資の促進などにつきましても、予算措置だけではなく今国会への関連法案の提出を含めて幅広い措置をとろうとしておるわけであります。 今後、引き続いて我々が全力を挙げて解決に努めなければならないものは、金融機関の不良債権の取り組みの問題、これはもう先般来本院でもしばしば御論議になっておるところでありますが、これは我々は急がなきゃなりません。また、規制緩和を一層促進していく努力及び税制の見直しなど、引き続き解決を急がれる諸問題について最大限の努力を払っていくことによって、我が国に立地する魅力を高めるということに要はかかってこようかと思っております。
○都築譲君 今の御答弁の中で、規制緩和とか税制とか生活インフラの整備とかあるいは情報化、さまざまな課題がこれから我が国の魅力を高めていくためにはあるということでございますが、特に法人税の税率の問題がやはり大きいんではないかというふうな気がしております。 これについてたくさんの議論がございます。今の実効税率が四九・六%ぐらいになるだろうと思いますけれども、それについて果たして本当に今後どういうふうな形で対応していかれるのか、それについては大蔵大臣、ちょっとお聞かせいただけますか。
○国務大臣(武村正義君) 午前中も政府委員からお答えをいたしましたが、率直に言って、議論が始まりまして、私どもの方針は課税ベースを拡大しながら税率を下げる方向で努力をしていきたいということであります。課税ベースの中には租税特別措置も入ってきますし、何を非課税にするか、これは引当金等も含めたそういうかなり企業会計にまつわる広範な問題に触れてくるわけでございますが、専門家を含めながら真剣な議論を進めていきたいと思っております。 実効税率五〇%弱でありますが、国税だけで見ると主要先進国で日本の法人税は必ずしも高いとは言えません。地方事業税がありますから、これを足して五〇と。ですから、そういう意味では、法人課税の問題は地方税の根幹にも触れる議論になる可能性をはらんでいるというふうにも思っております。
○都築譲君 税金の問題については、また後日やりたいと思います。 もう一つの大きな課題として規制の問題がやはりあろうかと思います。これは総務庁長官にお伺いしたいと思います。 規制緩和ということで一千九十一項目を掲げた、こういうことで現在行政改革委員会でいろんな行政改革の中で取り上げてやっております。ただ、いろんなところで聞きますと、先ほど通産大臣のお話の中でございましたけれども、我が国の魅力をどう高めていくのか、こういうこと、あるいは新規産業が伸びやすいようなそういう土壌をつくっていくということでは、やはり規制の問題がたくさんあろうかと思います。 今の日本の円高をもたらしている一つの原因は、非常に生産性の高い、競争力の強い産業がどんどん強くなって円高を押し上げる、一方で物すごく生産性の低い分野がいつまでも残り続けて、あるいはいつまでも規制の中で保護をされている、そういうギャップがどんどん広がりつつある。そういう状況がやっぱりあるんだろう、こういうふうに思うわけです。 だから、規制緩和規制緩和ということで非常にお題目としてはいいと思うんです。ただ、実際には規制緩和を行っていけば、けさの総理の答弁じゃないですけれども、本当に痛みを伴うような話、実際には雇用を相当喪失、失わせていくことになりかねない、こういうふうに思うわけでございます。 ただ、今私は一千九十一項目の中で特にこれだということは申し上げませんけれども、これから規制緩和をもっとそういう面で進めていくという上で、これからの新産業分野で特に重要だとお思いになるようなところがございましたら少しお考えをお聞かせいただければと、こう思います。ちょっとこれは当初質問通告したのとずれておりますけれども、済みません、よろしくお願いします。
○国務大臣(江藤隆美君) 例えば例を挙げろということでありますが、今一つ議論になっておるのにNTTの問題があります。いわゆる中曽根内閣のときに、これは電電、国鉄、それから専売と民営化をしたわけでありまして、そしてNTTがスタートして巨大産業になってきたと。非常に努力をされて、通信分野に果たしてきた役割は私は非常に大きいと思います。それで間口を広げてきたと。関連企業、同種の通信にかかわる会社というのは百十五ぐらいできております。 それから例えば、きのうも申し上げましたが、携帯電話の売り切り制をやったと、あるいはまた今議論されておりますのは、いわゆる市内の通信を一般に開放すると、こういうふうなことがあると新しい分野が出てくる。私はこのことについては、アメリカのAT&Tのいわゆる巨大企業を七つに分割して、当初反対があったと、しかし今にしてみると競争力が生まれ、新しい需要が生まれ、新しい雇用を創出したと、こういうことも一つの参考にはなると思っています。 ただ、それをそのまま日本に持ち込んでいいのかどうかということについては、与党三党のプロジェクトチームでも御検討いただいておりますし、また行政改革委員会でも御検討いただいておりますことでありますから、これは十分それらの意見を承って慎重に対応していこうと。いずれにしても、もう情報通信というのは国民のものになった、国民生活の中に溶け込んだということを念頭に置いていくならば、これからやっぱりお互いに何らかの工夫をする必要のある分野だろうと思っております。 しかし、もう一つ申し上げますと、例えばよく日本は農業が過保護だからだめだと言われますが、日本は食糧のカロリーベースで自給率が三九%になりました。それから、穀物自給率は二二%になりました。それならば、一体価格政策でもってどれほどの保護をしておるのかというと、これは農水大臣が答えることでありましょうが、私は三千億足らずだと思っております。一億二千万の国民の命の保障をするのに三千億の食糧政策に対する補助というのは一体高いか安いかというのは、これはまた国会の皆さんが御議論をいただくべきことであろうと。 万般のそうした予見とそれから偏見を持たずにこの規制緩和問題は、これはくあいが悪いから避けよう、あれはぐあいがいいから取り組もう、そういうことじゃなくて、例外をつくらずにすべての問題に真正面から取り組んでいこう、こう考えておるところであります。
○都築譲君 ちょっと質問の仕方が悪くてあれだったんですが、新規産業育成のために規制緩和ということでNTTのお話がございました。確かにたくさんの事業が新規に電気通信産業分野に参入をして、それで新しい雇用機会もビジネスチャンスも増大をした、こういうことだろうというふうに思うわけでございます。 アメリカのATTが分割した結果がよかったかどうかということについては、これは評価が幾つか分かれるところだろうというふうに思っておりますし、これからまた国際競争、非常に情報通信分野でも大きく日本の産業を伸ばしていく、特にまたマルチメディア化とかいろんな形で、あるいはアメリカの場合は情報ハイウエー構想とか、こういったものが打ち出されている中で、日本の情報通信産業がどういうふうに発展をしていくのかということは、これはまた別途議論しなきゃいかぬ課題だろう、こういうふうに思っております。 ただ、今、江藤長官が御指摘なされた中で、新しく産業分野が、例えば実はこの行政改革委員会の資料をいただきました。それで、これはNTTとか国鉄の分が入っているのかわかりませんけれども、特殊法人の職員数の推移ということで、これを見ますと明らかに中曽根行革の時期は特殊法人の職員の数というのは非常に減少しているわけでございます。そういった意味で、行政改革という形でそういう新しい分野を公社とか公共企業体とかいったところから民間に開放することによって、この分の新規雇用機会とか産業分野といったものが創出されたのだろうと、こういうふうに理解するわけでございますが、今課題となっておりますのは、これから新しい産業分野ということで通産省の方で法案を新事業促進という形でやっておられます。 ただ、私自身、膨大な量の雇用調整が今後また本当に深刻化してくるんではないかというところを懸念するわけで、その際、新規参入ということで今一生懸命育てようとしている分野がそれに足るだけの雇用機会を確保できるのかどうか、ビジネスチャンスとしてはどれぐらいの規模の展開が見込めるのか、そこら辺のところについて何か見込みがあれば、あるいは見通しがあればお聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは産構審が昨年六月に出したと記憶をいたしておりますけれども、我が国の将来の新規成長分野として、御承知のように、情報通信でありますとか福祉・医療あるいは住宅関連といった十二の分野を期待する分野として選び、その市場規模の拡大に伴って現在の八百五十万の雇用から二〇〇〇年には約一千百万人、二〇一〇年には一千四百万人への増加というものを期待しております。これはもう委員よく御承知のとおりであります。しかし、そのためにはこれらの分野が順調に育たなければならないわけでありますし、まさにそれは御指摘のように思い切った経済構造改革を進めていかなければなりませんし、そのための規制緩和等の努力が欠くことができないものであります。 同時に、これはむしろ私は委員の御見解を承りたいと言ってはいけませんけれども、例えば現在の人材派遣業はポジリスト、やっていい業種が決められておりますけれども、仮にこれをネガリスト、やってはいけないものを例示するような形に変えて、人材派遣業というものがもっと自由に行動できる幅をつくった場合、先ほど総理との間で御論議になっておられた中年から高年齢にかけての大企業からの離職者、同時に新しい分野に進出しようとしながらその分野の人材が得られず困っている中小企業の間、こうした分野をつなぐこともできるのではなかろうか、そのような気持ちを前から持ちながら議論をいたしておりました。こうした分野にも今後目を向けていく必要があろうか、そのように感じております。
○都築譲君 人材派遣業の関係はこれまた労働省にお聞きいただきたい、こう思いますが、今おっしゃられたような状況でございます。 それで、新進党の方は、実はもう七月の参議院選挙の公約の際に、三百万人の雇用創出とかあるいは新規産業の育成ということで大きく政策を打ち出してきたわけでございまして、今回の第二次補正予算についてもまだまだ足りないと今、通産大臣が言われました。 ただ実際には、明らかな目標を設定して、それに見合った雇用機会あるいはビジネスチャンスを切り開いていく、そういう視点から今回の二次補正予算を見ますと、予算の事業別配分シェアといったのは旧態依然としたものになっている。新しい情報通信、科学技術振興関係で三千七百億円が計上されておりますけれども、二次補正全体ではわずか七%に満たない、こういう状況になっておるわけでございまして、もっと思い切った予算配分といったものを政治主導で打ち出していくべきではないか。 こういうことをお聞きをして、ちょうど時間が参りましたので、大蔵大臣の御見解、そしてまたこれから新しい産業をつくっていくということで経済計画の策定の日程もいずれ近づいてくるだろう、こういうふうに思います。そういったもろもろの面を含めて総理にもお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) さらに新年度の予算編成も含めて、今後とも情報分野、研究開発分野に力を入れてまいりたいと考えております。
○国務大臣(村山富市君) もろもろの分野というのがどういう分野を指しているのかちょっと私には理解できませんけれども、今、本年内に新経済計画を策定するために準備を進めております。これは二十一世紀に向けて中長期的な我が国経済の展望を切り開いていく、そのための方向、方針を決めるために今御審議をいただいている、こういう状況でございます。
○都築譲君 終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で都築君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上裕君) 次に、横尾和伸君の質疑を行います。横尾君。
○横尾和伸君 平成会の横尾和伸でございます。 きょう私、大変びっくりしたことが二つございます。朝、宗教法人法の法案提出について閣議決定をされたとお聞きしました。大変びっくりしました。もう一つの問題はまた後ほど申し上げますけれども、なぜびっくりしたかといいますと、適正を欠くというか審議会報告に疑念があって、本当にこれでいいんだろうかと思うわけです。そういう報告書の疑いを晴らす前に閣議決定を行うということを私、大変残念に思います。 まずそこで、疑念を晴らしていただければそれはそれで結構でございますが、答弁で話してください。
○委員長(井上裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記を起こして。 ただいまの件につきましては、理事会で議事録を見まして御協議をいたしたいと思います。
○横尾和伸君 また同じことを言っちゃうとあれですが、それでは、適正を欠く審議会報告に基づくこの閣議決定、大変残念に思います。 そこで、今回の審議会に対する疑念を明らかにしようとしているわけですけれども、そのことも含めて、なぜ今回のような強硬なといいますか、急ぐのか。急ぐ理由を改めて整理をしてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人審議会の報告は、審議会において慎重に審議を重ねた上で、一部に慎重論はあったものの大方の委員の意見がまとまったため、報告の形で取りまとめ、会長から提出されたものであります。 宗教法人審議会の会長は、法律により会務を総理するとされており、今回の報告に問題があったとは考えておりません。各種の世論調査においても八割以上の国民が法改正を求めており、このような国民の期待に迅速にこたえていくのが政府の責任であります。 こうしたことから、宗教法人審議会の報告を尊重し、国民の期待を踏まえ、今国会に改正法案を提出することとしたものであります。
○委員長(井上裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記を起こして。 ただいまの件につきましては、理事会で協議の後、皆さんに御報告いたします。
○横尾和伸君 今、文部大臣から事務的な意味での急ぐ理由をお聞きしましたけれども、もっと根本的になぜこのような、審議会そのものも半年で中身も私は正常でないと思いますけれども、そういうやり方でこんなにまで急ぐのか。そのことを総理、整理してわかりやすく、理由は何なのか、国民も理解できるようにお答えいただきたいと思うんですが、なぜ急ぐんでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 御高承のとおり、昭和二十六年この宗教法人法は制定されまして、それ以来社会も大きく変化し、また宗教団体の実態もまた大きく変化したところであります。ある意味では実態にそぐわない面も出てきておりますので、それらについて今般四月から宗教法人審議会において御検討願ってきた、こういうところであります。 内容的には、所轄のあり方、情報開示のあり方、そして活動報告のあり方、三点に絞り込まれてずっと検討してきたところでありますから、この半年間に近い審議をしたということは慎重の上にも慎重であったと受けとめております。
○横尾和伸君 総理にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 審議会の審議の経過が正常であったか正常でなかったかというような議論もいたしておりますけれども、これは先ほど来答弁がありますように、審議会というものは委員が会長互選をして会長総括のもとに運営されていくんですね。そして、審議を尽くした上、大方の意見として会長に取りまとめを一任するということになって、会長が一任をされた立場からまとめてそして文部大臣に報告をした、こういう経緯ですから私は客観的に見て決して不正常であったとは思っていません。 それから、何でそんなに急ぐのかという御質問ですけれども、別に特別に急いでいるわけじゃないんですよ。これはもう四月から審議会が開かれて、そしてずっと審議をされてきて、そして報告をいただいたと。今、文部大臣からも答弁がございましたように、それは国民の世論としてもやっぱり宗教法人を見直すべきだと、こういう世論が圧倒的に多いんですから、そういう国民の声に素直にこたえて政府が責任を果たしていくというのは当然のことだと私は思っております。
○横尾和伸君 それじゃ、今国民の世論にまじめにこたえるという趣旨のことを言われていますけれども、それはそれで私はその姿勢が悪いとは言いません。しかし、それだったら村山総理、社会党の参議院選挙で負けた国民の判断、またきょうも日経新聞、内閣支持率が大変に下がっている、三一%。一〇%も落ち込んでいる、この数カ月。それから、不支持率に至っては過去最高で四三・九%。この国民の声に従っておやめになるおつもりはありませんか。まじめにお答えください。
○国務大臣(村山富市君) 一つの政策についてやってほしいとかあるいは反対であるとか、そういう世論調査と、政権をどうするかという世論調査と同一に扱うことは、私はこれはやっぱり政治を担当している者の責任として軽々に扱うべきものではないというふうに思っております。
○横尾和伸君 支持をしないということに対してやっぱりまじめにこたえるんじゃないんですか、先ほどの言い方からすれば。
○国務大臣(村山富市君) ですから、これはたびたび私は申し上げておりますように、そういう国民の声については謙虚に受けとめて、誠実にこたえてまいりましょうと、こう言っているわけです。
○横尾和伸君 謙虚に受けとめて、おやめになることも含めてお考えになったらよろしいかと思います。 水かけ論になりそうですので、時間の問題もありますので先に行きますが、先ほど文部大臣からのお答えの中に、また総理もありましたけれども、大方の意見がまとまったからと。私は、先ほど大変不正なんじゃないかと、あるいは別な表現をしましたけれども、そういったことは実は大方の意見がまとまった、こういうことに対する大きな疑義があるわけです。 例えば、きょう新聞で宗教法人審議会の最終の報告書がまとまった、まとまったものに対して七人の委員の方が、これはこれからなんでしょうか、文部大臣に申し入れをする。手続に疑問があるからもう一回やり直してくれ、こういう趣旨だと思いますが、またこれはこれから提出されるんだと思いますけれども、既に提出されている抗議文、審議会の委員自身からこんなことは大変異例だと思うんですね。その抗議文がもう既に二通出ているわけなんですけれども、こういう異常なことですので、ぜひ、先ほど申し上げた不正ではないか、きれいでないんではないかという疑惑に対してお答えいただくためにも、この抗議文、御紹介をいただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 委員の方から抗議文というお申し出でございますが、お二人の委員から会長に文書が出ております。概要を御報告いたします。 一つの、杉谷委員の文書でございますけれども、さらに慎重に審議をするように発言した委員が十五名中七名を数えたにもかかわらず、貴職は議論が出尽くしたということで報告書案の作成について会長一任を求められました。さらに審議を継続すべきだと述べる慎重意見が多いことに配慮することについても会長一任を求められました。このことについて杉谷委員としては、会長一任にあえて異議を唱えなかったことは会長を信頼していたということだったんだけれども、それに私ども委員の考え方や主張を切り捨てられたということは遺憾のきわみであるというのが一つの意見でございます。 それから、もう一つの力久委員の意見でございますが、九月二十九日の審議会におきまして、審議を継続すべきなどの意見が少なくとも半数は占めていたと力久委員は思ったようでございますしかるに、数々の意見を切り捨てて一方的に会長一任という形で審議を打ち切ったことは残念だということで、この報告書は私どもとしては責任を負うことはできないという趣旨の二通の文書が出されております。
○横尾和伸君 今読み上げられました要約、もっと本当は具体的で明確な部分もあるんですけれども、とりあえず今紹介された文、文部大臣、先ほどきれいでないと言ったことに対して弁明したかったようですので、どうぞ弁明してください。
○国務大臣(島村宜伸君) 再三申し上げてきましたとおり、まず審議会のメンバーの構成をよくお考えいただきたいと思うんです。宗教関係の代表者十一名、学識経験者四名で構成されております。したがいまして、本年四月以降、総会五回、特別委員会八回、ずっと懸命に絞り込んだ論点を精査してきたわけでありますし、大方の意見が出尽くしたということから会長が一任を求めて、そしてその一任を受けて会長がその報告をまとめられたということであります。 もし、最初に申し上げたそのメンバーの構成は、この審議会のメンバーをお考えいただけば、強引などかファッショ的なといういわばまとめ方はできるはずがない、こういうことであえて申し添えた次第であります。
○横尾和伸君 今の答弁の中で、宗教関係者とそうでない方とを区別して、差別をして審議会の委員を扱っているように思うんですけれども、いかがですか。問題があるんじゃないんですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 私は個々の方の発言を云々したわけではございませんし、十五名の審議会がどういう方々で成り立っているかと申し上げたわけでありまして、どちらが云々という優劣その他について申し上げたわけじゃありません。
○横尾和伸君 それでは、この二通の抗議文、どのように扱ったのか、具体的に御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 二通のうち、私にあてられたものは杉谷氏のものであります。この方御自身もその文中に自分も一任をしたと書いております。したがって、一任をなさって決まったことについて抗議を受けて、後で云々と言われても私たちは対応ができないと、こういうことでございます。
○横尾和伸君 一任と同時に、もしそれを主張されるんでしたら、同じ抗議文の中に報告書の撤回を要求する、こういう意見もありますけれども、同じように尊重されますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 御承知のように、先ほど会長の権限につきましては総理からお述べになったところでございますが、これはあくまで行政のルールにのっとって会議を進めたところでございます。したがいまして、これをまたやり直すということはおかしいと、こう思います。
○横尾和伸君 審議会というのは今の国政の中で相当な位置づけを持っていると私思うんです。専門家の人たちの意見を公平に聞いて、そして公平に聞いたその意見を国政に反映させようとする、そういう考えだと思うんですけれども、その審議会が委員の意見を無視して、今申し上げたのは二人だけですけれども、そのほかの委員についても四名がこの報告書の扱いについては大変問題があるということを表明しておられます。こういう問題に対して総理はどのように受けとめられているのか、お答えをいただきたいと思います。審議会一般でも結構でございます。
○国務大臣(村山富市君) それぞれの審議会に違いがあるかもしれませんけれども、一般論とは申し上げましても、今度の宗教法人審議会のことにかんがみても、これは先ほど来言っていますように、委員の互選で会長が選ばれるわけです。選ばれた会長が会議を取り仕切るわけです。そして審議を重ねた結果、大方の意見として会長にまとめ方を一任する、こういう話になって一任された会長がまとめた、そして文部大臣に報告した、その報告に対して異議があるといって抗議文が出た、抗議文が出たからまたやり直すと、こんなことを繰り返したら審議会の権威はなくなりますよ。私はやっぱり運営のルールからしてそんな扱いはすべきではないというふうに思います。
○横尾和伸君 それでは文部省に伺いますけれども、抗議文が審議会の委員長に対して実際に発送された、送りつけられた、そしてそれを公表されたと、こういう事例は今までにあったでしょうか、これ以外の事例で。お答えいただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) お答え申し上げます。 宗教法人審議会については過去そういうことはなかったと思います。それから、私が今まで役人経験で審議会をいろいろ担当してまいりましたが、その審議会でもなかったように記憶しております。
○横尾和伸君 今言われるように、こんなことは、前代来聞なんですよ。それを一回出た、あるいは一回決めてしまったものは、決めてしまったことが適正でないという疑いを持たれているんですよ。それに答えてください。総理、どうぞ。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来申し上げておりますように、これは私は委員会の経過についても素直に聞いて素直にやっぱり理解した方がいいんではないかというふうに思いますから、それは決められた経過について異議がある者が抗議を出した。その抗議を受け付けてまたやり直すというようなことをしておったのでは運営のルールは保証されませんからね。したがって、そんなことはすべきではないと思います。
○委員長(井上裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記を起こして。 ただいまの件につきましても理事会で協議をいたしたいと思います。
○横尾和伸君 私は、疑念を持っているわけです。国民の多くもこういう新聞を見て、わかりますか、読まれましたか、こういうものを見て疑念を持っていると思うんですよ。その疑念のことを言っているんで、先ほど文相言われましたけれども、この抗議文を出された御本人は大臣が任命された委員ですのでね、その辺はそんなに一部分だけ、都合のいいところだけ取り上げて、都合の悪いところは聞き捨てるというふうに私はとらえましたけれども、それは私は間違いだと思います。 具体的にちょっとお伺いしますけれども、審議会の最終段階で審議会委員の慎重派が、いわゆる先ほど読んでいただきましたけれども、抗議文の中でも言っておりますが、慎重派あるいは反対の方は七名いたと、こういうことが明確に数字をもってあらわされているわけです。この七名という数字、随分衆議院では、衆議院の質疑では三名という数字が出たり、あるいはほかの表現が出たり、非常にそういう点でもわかりづらいんです。一体何が本当だったのか、具体的に疑念を解明するように、わかるように御説明いただきたいと思います。
○委員長(井上裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記を起こして。 ただいまの件につきましても理事会で協議をいたしたいと思います。
○横尾和伸君 疑問というふうに言いかえた方がよろしいというお隣の議員からの御忠告がありましたので、とりあえず疑問という言葉を使わせていただきたいと思います。疑問の方が私もよろしいかと思います。 それで、なぜそういうふうに思うかといいますと、今言いました七という見解と三という見解、これはどうしてこんなに数字が違うのかということなんですが、これもまた言いかえますと、昨日、参議院のこの予算委員会において小野次長とそれから島村大臣が同じ問題にお答えになっているんですけれども、小野次長は答弁の中でこう言われているんです。「ただ、審議の中ではなお慎重にすべきだという御意見がかなりございましたけれどもこと、慎重意見がかなりあったと、こういう表現をされております。一方、それに対して文部大臣は、「一部慎重論がおありでした」と、こういう言い方であります。同じ政府の中で何で、私が疑いを持っている審議会のこの部分というのは、「かなり」と言ってみたりあるいは二部慎重論」と言ってみたり、どっちが正しいのか、明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 私が昨日の吉田議員の御質問にお答えして申し上げた点でございますが、審議の中で個々の事柄ごとにいろいろ御質問があったりお答えしたりしたことはあるわけでございますけれども、私が申し上げましたのは、個々の事柄について幾つか慎重にするという意見があったということを申し上げたものでございます。大臣がおっしゃったのは恐らく、会長が最終的に取りまとめて一任するかどうかということについては、これに対して反対という委員はもうごく一部しかいらっしゃらなかったというふうに私は認識をいたしております。
○横尾和伸君 それでは、先ほど聞いた問題に対してはまだお答えいただいていないんですけれども、抗議をされた委員の方の御意見ですと慎重、反対側が七名と、こういう数字が出ておりますけれども、この食い違いについてはいかがですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 七名という数字がよく出てくるんですが、御承知のように当日採決はいたしておりません。そして、結果において七名という数字を言われても、私たちもこれを検討のしようがございません。 ただ、審議の経過は、私も就任以来いろいろな報告を受け、勉強してきたところです。それによりますと、四月以来総会五回、特別委員会八回開かれたんですが、ずっと積み重ねられた特別委員会は極めて整々粛々と前向きに議論が進んで、かなりのまとまりある運営がなされたやに我々は受けとめておりました。九月五日にその結果を報告し、二十二日に総会というので、私は個人的にここで話がまとまるのかしらと、こう受けとめていたくらいであります。したがいまして、先ほど申したとおり、七名とおっしゃいましたが、採決しておりませんからこれは根拠がありません。 しかし、あの十一対四という構成の中で、宗教関係の方もたくさんおられる中で、会長一任が成立したということは、これは重く受けとめていいのではないか、こう思います。
○横尾和伸君 一任されたということに対して私は疑いがある、大変納得ができないということを申し上げているんです。わかりやすい単語を使ったつもりですけれども、それでもわかろうとしない。まとまりのあるというのは、これどう考えるんですか。審議会の運営がこんなやり方だったら、国民は国に対してどうやって信頼を回復したらいいのか、私はその点を大変心配に思いますので、改めて大臣に聞きます。
○国務大臣(島村宜伸君) 重ねてお話し申し上げますが、取りまとめに当たって会長は採決はしておりません。したがって、何人が賛成であるか否かこれはよくわかりません。 しかし、宗教法人審議会十五人の委員中十一人が宗教法人関係委員で、現行法が今の宗教団体になじんでいるので変えないことが基本的に望ましいという潜在意識を持っている方もおられることを我々重々承知しております。 しかし審議の中で、なお慎重に審議すべきだという意見も一部にあったそうでありますが、最終一任を取りつける段階で、いわばその一任に異議を唱えた方はまさにごく一部の方であったと承知しております。
○横尾和伸君 潜在的にというのはどういう意味なのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 言い方が正確であるかどうかわかりませんが、少なくも昭和二十六年以来いわば長い間なれ親しんできた今までの法律でありますから、これを改正するということについて私はいろいろ抵抗があるというのは理解できるところであります。
○横尾和伸君 どうしてもっとまじめにとらえられないのか。この審議会の扱いそのものを間違えることによって、国の審議会全体を疑われますよ。 その点は、総理大臣、しっかり誤解を与えないようにしなきゃいけないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほどから答弁していますように、私はこの報告をそのまま素直に聞いているわけですけれども、会長が一任を取りつけられた。一任を取りつけられたというのは、委員の方が賛成して一任をされたんだと思いますね。そして、会長が取りまとめて文部大臣に報告した。その限りにおいてはこれはもう疑う余地はないんで、私は、国民の皆さんも素直に理解していただければ、なるほどなといって納得してもらえるんではないかというふうに思っています。
○横尾和伸君 国民の皆さんがそんな簡単に納得できますか。こんなに審議会の中身はぐちゃぐちゃだと、こういうことを言っているんですよ。 それから、先ほど読み上げなかった部分にも、具体的に抗議文の中には、報告書を撤回要求する、責任を負うことができませんと明確に言っているわけなんです。 こんな審議会、運営を変えてもう一度出直したらどうですか。文部大臣、どうですか。
○政府委員(小野元之君) 先ほどから御答弁申し上げておりますように、この審議会については、最終的に会長が会務を総理し議事を整理するというお立場でございます。その会長が一任を取りつけたというふうに御判断されて報告を出されたものでございますから、これをもう一度やり直すということは私どもとしてはできないというふうに考えております。
○横尾和伸君 これだけ疑いが私はあると思うんです。ですから、これは議事録をひとつ具体的に見せていただいて、どこが、何が正しかったのか。これだけ委員の方の中から、もう撤回をしたい、撤回をしてくれ、やめてくれ、こういう声が出ているわけです。こういう問題に対してですので、ひとつ議事録を取り寄せて、どこが問題なのか、どっちが正しいのか、この疑いを晴らしていただきたいと思うんですが、総理、どうですか。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会につきましては、先般の閣議決定におきましても、行政処分あるいは不服申し立て等を処理するということで、議事録の公開ではなくて特別な扱いが認められる審議会のジャンルに属しておるわけでございます。さらに今回、二十九日の審議につきましては非公開を前提に議論を進めてきたということもございます。 そういう観点から、議事録の公開は差し控えたいということで御答弁申し上げているところでございます。
○横尾和伸君 政府はわざわざこの九月二十九日に閣議決定をして、審議会の透明化を図る、こう言っておられますし、またその前にも与党の大きな看板の一つとして掲げておられるし、また今回の国会の所信表明の中でも総理は明確に述べられているわけです。それだけ胸を張って審議会審議会、また審議会の透明性、こういうことを言われるんですから、こんな疑いを持たれることは早く晴らして、審議会全体に不信を持たれないようにするべきじゃないかと思うんです。 総理、もっとまじめに答えていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(野坂浩賢君) 先生にお答えをいたしますが、私は単なる審議の日程について事務的に御報告します。 言うなれば、法案の政府決定は与党三党の皆さんの御理解を得てできるだけ可及的速やかに国会に提出するものだと、こういう意味合いで、本日の閣議においてはそのような決定をいたしました。 事務次官の了承を得てという話がございますが、昨日の午前中、十分に協議をし、その趣旨を……(「違うよ違うよ、紙が違う」と呼ぶ者あり)紙が違う……(「何聞いておったんだ」と呼ぶ者あり)いや、総理大臣にということでありましたから少し、私は総理大臣ではないので、よく聞いておりましたが、審議会の透明性の問題については連日御報告を申し上げておりますように、審議会は透明性であるものだという一般原則を決めております。 その中で、特別に公開をしないという二十その審議会については、それぞれの省庁から御報告があってそれを了として進めておるというのが現状でございます。したがって、この宗教法人審議会も非公開制をとるということについては閣議で了解をいたしております。 以上です。
○横尾和伸君 それでは、九月二十九日の審議会等の透明化に関する閣議決定、この趣旨と目的を端的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(江藤隆美君) 審議会といいましても調査会というようなものもあります。税制調査会みたいにですね。全体でいうと二百十九あります。その上に非公開というのが二十七ということになるわけでありまして、いわゆる非公開としたのはどんなのがあるかといいますと、例えば恩給審査会、臨時水俣病審査会あるいはまた税理士審査会、宗教法人審議会、社会保険審査会あるいは公共用地審議会、こういうふうに一般に公開しますと利害が相反したり、あるいはまた後でその審議会の委員の皆さんが大変な圧力、迷惑をこうむったりするものがありますから、そういうものは非公開にする。 しかしながら、努めて審議会の公平、公正、透明性を確保するために、できるだけ許される範囲内においてその審議会の経過についても、例えば記者会見等で許される範囲内の経過報告はすると、こういうふうにしておるわけであります。
○横尾和伸君 議事録の公開、非公開の問題なんですけれども、なぜ宗教法人審議会の議事録は公開しないのか、わざわざ一般論として審議会の透明化をうたっているわけですけれども、胸を張って言っているわけですけれども、なぜ公開をしないのか、具体的に理由を挙げていただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 九月二十九日の閣議決定は、行政における政策の形成過程の透明性、公正性の確保を図ることを主眼としておるわけでありますが、今回の宗教法人審議会は、行政処分あるいは不服審査等にかかわる審議会でございますので適用対象から除かれております。 しかも、非公開を前提にこの審議会が持たれておりますので、委員との信義の上においても公開はできません。
○横尾和伸君 行政処分、不服審査だから公開はできないという意味でしょうか、確認します。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会自体が行政処分等を扱うことが非常に多いということで、審議会自体がそういう特別扱いのジャンルになっておるわけでございます。 なお、今回の宗教法人制度のあり方についての審議は行政処分ではないのではないかという御意見があるかもしれませんけれども、実はこの制度改正の審議を行うという場合におきましても、検討の過程におきましては個別の宗教団体の事例に触れるというようなこともあるわけでございます。 そういったことから、非公開を前提に議論をしておるところでございまして、審議の中立公正を確保するという観点から公開しないということで取り扱っておるところでございます。
○横尾和伸君 それでしたら、初めから審議会の透明化などをうたうこと自体がおかしいんじゃないでしょうか、一般論として。 制度に関する問題、これについては公開するというのが政府のお考えだと思うんですけれども、それはいかがですか。
○政府委員(小野元之君) 制度の改正を取り扱うものでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、検討の過程においては個別の宗教法人の事例に触れるということもいろいろあるわけでございます。そういったことから非公開ということで取り扱っておるわけでございます。 しかし、宗教法人制度のあり方につきましては国民の皆様の関心も高いということもございますので、文部省といたしましては、宗教法人審議会の審議が終わった都度、記者クラブに内容を御説明するということで、審議状況等を公表いたしまして情報の提供に努めておるところでございます。
○横尾和伸君 公表ではこれだけの疑惑が生じているから、これだけの疑いが生じているから問題になっておると思うんですよ。 もっと明確にお答えいただきたいと思うんですけれども、宗教法人審議会はなぜそんなに機械的に非公開を決め込むのか、それをお答えいただきたいと思います。内容で判断するんじゃないんですか。
○政府委員(小野元之君) 繰り返しになりますけれども、この宗教法人審議会自体が行政処分や不服審査等を扱う機会が非常に多いということで、閣議決定においても公開しないでいい審議会のジャンルに属しているところでございます。 そういったことを勘案しながら、しかし国民の皆様への情報の提供ということは必要だと思いますので、会議の終了の都度、記者クラブに説明を申し上げるということで、できる限り情報の提供に努めておるところでございます。
○横尾和伸君 今ジャンルという言葉が出てきました。ジャンルに属しているから公開しないんだと。そうじゃないでしょうと言っているんですよ。私は、わざわざこの閣議決定、九月二十九日にされた閣議決定の中身というのは、ジャンルだけの問題じゃなくて、中身に踏み込んで行政処分、不服審査、これに係る分と一般の審議会、これを分けて公開できるものは公開する、こういう趣旨だと思うんですけれども、改めてその点をお伺いします。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会は、行政処分であります認証あるいは不服審査等の適用対象外の事務のほかに、これに関連いたしまして制度問題について扱い得るということになっておるわけでございますけれども、先ほどから御答弁申し上げておりますように、審議会全体として閣議決定の適用対象外ということにされているわけでございます。 この理由は、制度問題について審議を行うという場合でも、先ほども申し上げましたけれども、個々の法人の事例に触れる場合があるということもございますし、行政処分でございます認証あるいは不服審査といったことが中核的な所掌事務であるということでございますので、制度問題の検討というのはそういった中核的な所掌事務に関連する事項ということで扱われるものでございます。 こういったことで閣議決定の適用対象外というふうにされているところでございます。
○横尾和伸君 それでは、これはもう一度確認しますけれども、制度に係る内容ではなかったのかどうか、それだけお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 今回の審議の内容は制度にかかわることでございます。ただし、そうでございましても、個々の事例に触れるということがございますので。
○横尾和伸君 それでは大臣にお伺いしますけれども、個々の事例が一つでも入ってきたら審議会は非公開にする、こういう考えのようにお聞きしたんですけれども、その点、今後の宗教法人審議会の運営にもかかわりますので、どうお考えなのか具体的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほども申し上げましたとおり、この審議会は非公開を前提に持たれております。したがいまして、委員の方もそういうお考えで委員としていろいろな審議に応じていらっしゃるわけですから、後でこの審議の結果を全部公開するということは委員に対する信義にもとる行為と思います。
○横尾和伸君 今のお話ですと、先日、九月二十九日に出たこの透明化が実現するのは何十年か先ということになる、そういう意味のように聞こえましたけれども、総務庁長官、先ほど文部大臣にお伺いした同じ問題をお伺いします。
○国務大臣(江藤隆美君) 何十年もかかるものではありません。九月二十九日に閣議決定したわけでありますから、努めてこれからこの趣旨に沿って努力をしていくということであります。
○横尾和伸君 それでは、政府の方針は審議会の議事録をどういうときにどういう条件のもとに公開をしようとしているのか。これでは、私これを読んでもわからなくなりました。わかるように説明をいただきたいと思います。総務庁長官。
○政府委員(小野元之君) 審議会等の運営などに関します今回の閣議決定でございますけれども、行政における施策や政策の形成過程を透明性、公平性の確保等を図るということを主眼として設けられたものでございます。 そういった観点から、政策や施策そのものの調査、審議ではなくて、懲戒処分などの行政処分、不服審査、試験、判定、検査、そういったことを扱う審議会については適用除外ということになっているわけでございます。
○横尾和伸君 だれも文部省に聞いておりません。 総務庁に伺いたいんですが、今文部省、先ほどから何回も言っているんですけれども、制度に係る問題だけれども、一部に具体例があったら公開はしません、こういうことを言っているんですが、これは国全体の方針なんでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 原則として審議会等は公開として透明度を高めるということでありますが、除外例として二十その審議会はこれは非公開とすると。非公開でもって審議をされたことでありますから、議事録が非公開になるのも当然であろうと思っております。
○横尾和伸君 私は一般論を聞いているのであって、一部に具体例が含まれていたら今の政府の方針として審議会は非公開、審議会の議事録は非公開だということなのかどうかをお聞きしております。
○国務大臣(江藤隆美君) 一部という意味がわかりません。
○横尾和伸君 文化庁の次長が先ほどから言っている一部に宗教法人の名前が出てきたりと、こういう意味です。
○国務大臣(江藤隆美君) 機微にわたることでありますから、局長に答弁をさせます。
○政府委員(陶山晧君) 宗教法人審議会と閣議決定いたしました審議会の運営の透明性確保に関する閣議決定との関係につきましては、たびたび文部省当局から御答弁されているとおりでございます。 この閣議決定の中に一般の審議会の公開に関する部分がございますが、その中で一般の審議会は特段の事情により会議または議事録を非公開とする場合は非公開とする理由を明示する、明らかにするという趣旨の内容がございます。 この部分について一般論として御説明申し上げますが、これについては各審議会の目的とか性格等に応じて検討されるべきものでございまして、一律に具体的に特段の事情とか理由を申し上げることはなかなか困難ではございますが、例えば利害が対立して反対運動が行われているような案件について、委員に対して物理的、精神的危害が加えられるようなおそれがあり、そのため公開すると自由潤達な発言が妨げられる可能性があるという場合でありますとか、機微にわたる案件であって途中段階で公開すると公益が損なわれる可能性があるとか、あるいは個別利害に直結する事項を調査、審議するために委員会の外で委員に働きかけが行われるおそれがあって審議会の円滑な運営が困難となるというような場合が考えられるところでございます。 これはあくまでも一般論として申し上げるところでございまして、具体的には個別の案件に応じて審議会自体で御判断をいただくということになるわけでございます。
○横尾和伸君 機微にわたる部分があるから公開できないんだと、私はそういうふうに受けとめたんですが……(「そんなこと言ってないよ」と呼ぶ者あり)言ってないですか。 それでは、具体例が入ってきて、そして機微にわたるものがある、これは審議会の報告書としては公開しないと、こういう意味かどうか、国の方針として伺いたいと思います。総務庁長官、いかがですか。
○政府委員(陶山晧君) 閣議決定はあくまでも政府全体のすべての審議会に共通する共通のルールを定めたものでございます。個別の審議会において、また個別の案件につきましてはその案件の内容、性格に応じて閣議決定の趣旨、考え方に即し、それに沿って御判断をいただくということになる、そういう性格のものであるということを御理解いただきたいと存じます。
○横尾和伸君 一向に審議会が透明化するということは全くわからない、全然進歩していない、あるいはそのつもりはないというふうに私は受けとめました。 私は、そういう意味で政府審議会の透明化を図る意味からも、そう宣言しているんですから、今回宗教法人審議会の最終の報告書に対して大きな疑いを持つ委員が実際にいらっしゃるわけです。国民もこれを知っているわけですから大変不安に思うわけで、これが宗教法人審議会だけでなく審議会全般の体質なのか、こういう疑いを持たれてはいけないと思うんです。 そういう意味で、審議会の公開、審議会の議事録の公開という観点から今回の宗教法人審議会の九月二十九日の報告書は公開すべきだと思うんですが、総理、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) これは、先ほど来答弁もございましたように、本質的に原則として審議会等は公開すべきであるということはもう申し上げたとおりでありますけれども、その中で二十その審議会は非公開にするということを決めてあるわけですね。この宗教法人審議会もその非公開にするというものの中に入っているわけです。 同時に、今回のこの報告書も非公開にするということを前提にして私は審議をされたと思うんですよ。それをまた公開するということになりますとこれは信義にももとりますから、それはできないと思います。
○委員長(井上裕君) 以上で横尾君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上裕君) 次に、有働正治君の質疑を行います。有働君。
○有働正治君 私は、まず田沢前法務大臣をめぐる二億円借り入れ問題、そして質問取りやめの取引疑惑、これをめぐって質問いたします。 田沢前法務大臣の問題は辞任で済む問題ではないと私は考えるわけであります。マスコミ各紙も一斉に社説を掲げ、この問題の究明、全容解明というのは今や国民的な世論になっていると考えるわけであります。 世論が解明を求め、辞任で終わらせるなというこの意見に対して総理大臣はどう考えられるか、まずお伺いします。
○国務大臣(村山富市君) 事の発端は、この参議院の本会議で平成会を代表する議員の質問の中で田沢さんの件があった、それを質問からは削除した、それは裏取引があったのではないか、こういうことが新聞に報道されて、そしてその質疑の中身というのは二億円借り入れたという問題があったと思うんですね。 これはやっぱりいかぬというので調査をすることにいたしまして、その結果、本人が私のところにもお見えになりまして、法務大臣を辞任したいと。その辞任の理由は、裏取引はありません、それから二億円の借り入れについてはこれはもう明確に私が担保を入れて私の名前で借りたんだけれども、いろんな疑惑が持たれても困りますので返済をいたしました、領収書も拝見をいたしました、すべてはどんな点から言われても疑念を持たれることは一切ございません、こういうお話でした。 ただ本人は、こういうことがあったので、これから大事な景気対策の補正予算の審議が始まる、その予算委員会の審議等に支障を来しても御迷惑ですからこの際法務大臣をやめたい、こういうお話ですから、私は率直に素直にそのまま受けとめて辞任を受理したと、こういう経過であります。
○有働正治君 私は経過を聞いているんじゃない。何度同じことを繰り返されて、その問題を聞いているんじゃないんです。マスコミは、世論も辞任で済む問題じゃないんだと、この問題の究明を求めている。その国民世論についてあなたはどう考えるかと、総理大臣の見解を求めているんだ。答えなさいよ。
○国務大臣(村山富市君) 閣僚の一人としていろいろ問題があったんなら、それは総理の責任として私は疑惑を解明いたしますよ。だけれども、それはございませんと言って本人が法務大臣を辞任されたんですよ。辞任された後どう扱うかということについては、これは内閣の問題ではなくて、どうするかということは議会が扱う問題であると、私はそのように理解をいたします。
○有働正治君 まともな答弁とは考えません。立正佼成会が田沢氏に巨額の資金を貸与したこの理由、この点、重要閣僚のことでありますけれども、お調べになりましたかどうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをします。 新聞に出ましたその日に私は田沢法務大臣とお会いしまして、その内容について聞きました。なぜお借りになったんですか、なぜおっしゃらなかったんですかと、こう言って聞きましたら、あれは現代社会教育問題協議会が借りたものだと。しかし、それが発足して銀行に行ったけれども、できたばかりの法人なので借してもらえないと。したがって、私は立正佼成会とはじっこんにしておるために、みずからの担保を出して、世の中、国のために社会教育に貢献をしたいと思って、私が本人になって借りましたと。そういう疑惑がもしあるとするならば、その辺を完全に整理していただきたいと。このうちに新聞にいろいろと書き立てられました。したがいまして、法務大臣にこの問題についてはいかに処理されたかと言ったら、いろいろと世論の中でその貸借が問題になっておるので、結局全額お返ししましたと、こう言っております。 したがって、当時の田沢法務大臣が記者会見で国民に向かってこう言っております。一部報道により、私にかかわる問題で裏取引があったごとく報道され、国民に疑惑の念を抱かせたことはまことに残念であります。私は良心に誓ってそのことはないということを申し上げたいと思っております。まずこれが前段です。後で、私も閣僚の一員として公正誠実にその職務を果たす所存でありましたし、今日の社会の著しい進展に伴う宗教法人法の認証後の実態変化への見直しについては当然見直しをし、改正しなければならない点があると考えておりましたと。以上のようなことを中心に述べられております。 この問題については、このような中身についての問題よりも、総理が申されましたように、法務大臣という重責を、国民に疑惑を持って見られるということについては極めて残念であると。したがって、そういう点について明白にするために辞任をするということが明確になりました。それで、私は一応了承して、辞表を総理大臣が受け取られるのを横におって見ておりましたので、御了承いただきたいと思います。
○有働正治君 いろいろ述べられますけれども、私の質問に的確に答えられていない。二億円自体の問題と質問をやめさせるという取引疑惑の問題、もちろんこれは絡んでいますけれども、同時に独自の問題もあるんです。二億円問題について中身は問題ないかのように言われましたけれども、これ自体も問題の可能性があるんですよ。 そこでお伺いしますけれども、田沢氏は参議院選挙や政治活動に使ったことを認めておられます。となりますと、政治資金規正法や公選法違反の問題もあり得る、可能性としては問題があるわけであります。また、二億円融資をめぐっては、問題になっていますこととの絡みで当該宗教団体は金利五%を取ったという問題があります。そうすると宗教法人法との絡みの問題も起こり得る問題なんです。こういう問題もきっちり調べられたかどうか、任命権者としての総理大臣の見解を求めます。
○国務大臣(野坂浩賢君) 議員がよく調べておられますので、それ以上の調べはしておりませんが、私は大臣がおやめになったということを非常に重大に受けとめました。二億円については現代社会教育問題協議会を発展させるための資金であるということも言いました。私はそれがうそではないかというようなことは申し上げておりません。したがって、素直にそのことを受けとめて、そして世論のそういう動向というものを心配してやめられるのも至極立派であろうというふうに考えました。 したがって、二億円というものについては、大金であることは十分承知をしておりますけれども、それについて、二千万円をその当時お返しになって、後から一億八千幾らついておりましたけれども、それをお返しになった領収書を見せていただきまして、これは一件落着したものだというふうに判断をいたしました。 衆議院において、あなたの同志である松本氏が質問に立たれまして、今度はこれは国会の問題である、政府は一応打ち切ったけれども、国会全体の問題としてこの問題については証人として呼びたいというような御発言もあったということを付言しておきます。
○有働正治君 政府の調査というのが、調べてないとおっしゃられたところに端的にあらわれている。本人がこう言ったからそれを信用した、それだけで済ませてはこの問題はいけないというのが国民の世論なんですよ。 田沢氏が資産報告に入れなかった理由というのはいろんな問題が表に出ることを恐れたからではないかと感ずるわけでありますが、この点はどう考えられますか。
○国務大臣(野坂浩賢君) 私は、田沢法務大臣から現代社会教育問題協議会の問題あるいはその他の御説明を受けて、公益的な法人としてこれから活躍されるならば、今日登校拒否の問題とかいじめとかたくさん問題がある中で、積極的にこれに取り組んでいかれることは極めて結構なことであろうというふうにその際は判断をいたしました。 今、先生からのお話によりますと、それは違いで選挙に使ったというお話でありますが、私は素直に、その現代社会教育問題協議会にお使いになって、広く世間のために、社会のために貢献するお金だというふうに理解をしておりました。
○有働正治君 本人が党員拡大その他の政治活動に使ったということを認めておられるんです。二億円の問題、それの問題の上に、田沢氏は宗教法人法の改正の慎重論者で、平成会の幹部と質問の取り下げを取引したというこの疑惑も出てきているわけであります。言論の府として国会であるまじき重大問題であります。その上、立正佼成会と創価学会の宗教法人法改正反対の動きとかかわって、宗教団体と政治家との癒着、憲法違反の政教一致という問題も重大だと私どもは考えるわけであります。 総理にお尋ねします。厳正な調査の上、田沢法務大臣に対しては、辞任を認めるんでなくて本来罷免すべき、これが相当であったと私は考えるわけでありますが、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) それは、今、委員が言われたように、あくまでも法に触れることをしたんだ、悪いことをしたんだ、こういう前提に立って物を考えればそういうことになるかもしれませんけれども、私どもはそうではなくて、本人から聞いた範囲では裏取引はなかった、二億円の金というのはこういう性格のもので全部返済を済ませた、こう言っているものを、あんた、それはうそじゃないか、おかしいんじゃないかといって言うこともないので、私は率直に、素直に本人の言い分を聞いて受理した、こういう経過であります。
○有働正治君 まともな調査もされていないということもはっきりいたしましたし、これで国民が納得するはずはないとはっきり申し上げます。その点で、本委員会の権威にかかわる問題、責任にかかわる問題として疑惑の徹底解明が重大だと私は考えるわけであります。 私は、議会制民主主義の名において、また本院の存立にかかわる重要問題として、国民が求めている真相究明のために、田沢智治氏、石井一二氏、大久保直彦氏の証人喚問を求めます。
○委員長(井上裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記を起こして。 ただいま有働君から要請のありました証人喚問の要求につきましては、後刻理事会で協議することといたします。
○有働正治君 次の問題として、CIAの盗聴問題についてお尋ねします。 まず外務省にお聞きします。CIAの盗聴問題でニューヨーク・タイムズはどういう事実を報道しているのか、その内容についてまず御報告願いたい。
○政府委員(原口幸市君) お答え申し上げます。 十月十五日付のニューヨーク・タイムズが一面と十二面におきまして、産業スパイとしてのCIAの新たな役割が現出しているとでも訳すべきタイトルで、経済情報の収集がCIAにとっての新たな課題になってきているということを報じております。 いろいろな側面に触れているわけですが、その中で、日米の自動車交渉に関連いたしましては、ことしの春、日米自動車交渉が緊迫した局面にあったときに、米国の貿易交渉官にはどこに行くにも諜報担当のチームが同行していた。毎朝そうした諜報担当官はカンター通商代表とそのスタッフに対して、CIAの東京支部の情報収集やNSA、これは国家安全保障庁でございますけれども、NSAの電子盗聴装置によって収集され、ワシントンのCIAのアナリストによって選別された内部情報を提供していた。カンター通商代表は、日本の官僚と交渉の妥結を要望する日本の自動車メーカーの幹部との間の会談等につき説明を受けていた。また、交渉がジュネーブで最終局面を迎えたときに、インテリジェンス担当のチームがジュネーブのインターコンチネンタルホテルに設置され、日本側にどこまで圧力をかけられるかということについての評価をカンター通商代表に提供した等の記述がございます。
○有働正治君 私も原文を取り寄せてみました。今説明がありました内容、私に言わせれば日本の国家主権にかかわる重大な内容が含まれているわけであります。 こういう不法なことが許されるのかどうか、当事者でありました通産大臣のお考えをまず求めます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、そのCIAが自動車・部品協議の間、諜報活動を行ったかどうか承知をいたしておりません。そして、同種の報道がしばらく前、他の新聞にも出たこともございますが、それについてもその真偽を知るすべはございません。 昨日、そうした報道があったことを知りましたので外務省の方に調べていただきたいというお願いはいたしておりますが、いずれにいたしましても、日米自動車協議、また部品協議というものは日本政府の筋を踏まえた形で去る六月末に決着をいたしております。そしてその内容は、アメリカ側が非常に強く求めておりました数値目標など、こうしたものを排除いたしておりますし、国際ルールにのっとった日本としての立場をきちんと守ったものとして決着を見ております。
○有働正治君 CIA東京支局が盗聴などスパイ活動をしていたということは、卑劣きわまるというだけではない、日本の主権の侵害になることは明白でありますけれども、この点、総理はどう考えられるか。
○国務大臣(村山富市君) 今、通産大臣から答弁がございましたように、この事実の関係というのは今照会中でありますからはっきりわかりませんけれども、一般論として申し上げれば、やはり外国のそういう機関が日本の国内で活動するということは好ましいことではないということははっきり申し上げられると思います。
○有働正治君 CIA東京支局が盗聴などスパイ活動をしたということでありますけれども、このCIAの東京支局というのはどこに事務所があって、局員の数、日常の活動は何をしているか、報告を求めます。外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) CIAが日本に存在するかどうか、そしてCIAが組織的に活動しているかどうかについて、我々は一切承知をしておりません。
○有働正治君 法務大臣に聞きます。 盗聴行為、これは明白に日本の法違反、犯罪行為と考えられますけれども、この点はどうですか。
○国務大臣(宮澤弘君) 具体的な事案において犯罪が成立するかどうか、またどのような犯罪が成立するかにつきましては、捜査機関が捜査によって収集した証拠に基づいて判断すべき事柄でございますので、法務大臣としては答弁を差し控えたいと思います。
○有働正治君 先ほど総理は、この問題はアメリカに照会中とおっしゃっていましたけれども、報道によれば盗聴行為をしたと、そういうことであれば単なる照会で済ますべきではない。毅然とした抗議をするなり対応をすべきである。同時に、日本政府は日本政府として独自に調査を開始する、このことが求められると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 昨日の新聞で承知をいたしたわけでありますが、昨日直ちにアメリカに対して事実関係を照会いたしました。 その際に、こうした事実があるとすれば、我々としても日米関係の中でゆゆしき問題である、この問題については十分調査をしてもらいたいという旨つけ加えておきました。
○有働正治君 総理はどうですか。
○国務大臣(河野洋平君) それは総理の指示でやったことであります。
○有働正治君 私は、日本政府も独自に調査して、国会に当然報告すべきだと強く要望しておきます。 次に、会計検査院の問題等について質問いたします。 それは、会計検査院の農林水産検査第二課がことし六月にかけて行いました東北農政局胆沢猿ヶ石農業水利事業所に対する実地検査の問題であります。 まず、検査が行われたかどうか、会計検査院及び農水省、お答え願いたい。その際、責任者はだれで総勢何人だったのか、概要をお示しいただきたい。
○説明員(中島孝夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、六月五日から九日にかけまして東北農政局胆沢猿ヶ石農業水利事業所の検査を行っております。実地検査に当たった一行の責任者は第四局農林水産検査第二課所属の副長でございまして、総勢五名で検査を行っております。
○政府委員(高木勇樹君) お答え申し上げます。 今、会計検査院の方からもお答えがあったとおり、平成六年度の会計検査ということで、東北農政局胆沢猿石農業水利事業所、ここにつきまして胆沢平野・猿ヶ石用水事業、その用水路、排水路改修工事の施工状況について検査がございました。 これは六月五日から六月九日までの五日間でございまして、対応者は今申し上げました農業水利事業所の所長、次長及び関係職員、それから農政局からは担当部課長でございます。日によって対応した人数は違いますが、大体平均して五、六名前後で対応したということでございます。
○有働正治君 私どもの調査と一致いたします。 私どもが注目した重大な問題は検査外の日程、夜の接待問題であります。店御案内ということで、検査が行われた六月五日から帰京前夜の八日まで四日間、毎晩どの店で何人でという夜の接待が北上市の店で行われています。私、ここにリストを全部持っています。文字どおり、私どもの調査では毎晩農水省側からの会計検査院の接待が行われていることは明白でありますが、この事実について報告を求めます。
○政府委員(高木勇樹君) お答え申し上げます。 会計検査院との間で打ち合わせを兼ねての食事というのは、五日と八日というふうに私ども承知をいたしております。
○説明員(中島孝夫君) ただいま農林水産省の方から答弁があったとおりと思っております。
○有働正治君 会計検査院に聞きます。 会計検査院の職員、職務からいって、単なる打ち合わせというものじゃありません。明白な接待なんです。こういうのが行われること自体についてどう考えるのか、農水省側の見解もあわせ求めます。
○説明員(中島孝夫君) 御指摘の出張におきまして、受検側と夕食をともにした日があったということは事実のようでございます。まことに遺憾でございます。その費用につきましては一部負担をしているということがございますが、しかしながら不十分だったということがありまして、その点は遺憾に存じております。 日ごろ、実地検査時において相手方から接待を受けるようなことがないようと厳しく指導をしているところでございますが、今回のことにつきましては事実関係を精査の上、今後厳正に対処してまいりたいと考えております。
○政府委員(高木勇樹君) お答え申し上げます。 ただいま会計検査院の方からもお答えありましたけれども、私どもも会計検査を受けるに当たっては適正、厳正な対応ということを指導してまいっております。そういった面で本事案についてもきちんと事実関係を精査して、厳正に対処してまいりたいと考えております。
○有働正治君 農水大臣、接待をやるこのねらいと意図というのは何と考えられますか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 何のために、どういう意図でやったかは私にはわかりません。わかりませんが、今度の対応は今聞いておりますと適切さを欠いているように思います。そこで、一部負担金があったというお話がありましたが、負担を超えたものにつきましては改めて出席者それぞれに全部負担させるように指導させたい、こう思っております。 これまでも厳正、適切にやるように指導してきたところでありますけれども、改めて厳重に指導したいと思っております。
○有働正治君 朝日新聞の八月一日にも、「会計検査でも盛大な接待が」という見出しで投書も寄せられていたんです。かなり前からやられているという当事者の投書であった。私に言わせれば、行政側が会計検査院を接待するというのはそのしかるべき目的とねらいがあることは明白なんです。検査に手心を加えてほしい、そういう底意から接待攻勢をかけるというねらいがある。しかも、いろいろ聞くところによると、こういう接待漬けが朝日の投書等各方面からも、いろいろ指摘されているわけであります。ゆゆしい事態であります。 総理大臣として、接待する側の省庁の責任者として、私具体的にも指摘しましたこの問題、責任ある今後の対応を求めるわけでありますが、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 今、質問、答弁を聞かせていただきましたけれども、確かにそんなことは厳格にやっぱり慎むべきであって適正を欠いておると思いますから、今後そういうことのないように行政側の姿勢というものを正していきたいというふうに思っております。
○有働正治君 官官接待の問題で国民からの厳しい指摘、憲法に基づく国家財政のチェック機関たる会計検査院がこういうことを行っている、ゆゆしい問題であります。また、政府の対応も問題だと厳しく指摘して抜本的是正を求めるわけであります。 次に、食糧と農業問題、残された時間、若干お尋ねします。 米問題でありますが、農水大臣、あなたは八月二十七日放映の地元の秋田テレビの特別番組「野呂田農水相に期待する」という番組に御出席されておられます。その中で米の問題、WTO協定の見直し等をめぐって発言されておられますが、どういう発言をなされておられたか、まずお聞きいたします。
○国務大臣(野呂田芳成君) 大分長くしゃべっておりますから全部は申し上げませんが、自由化自由化だけ言っていると、今食糧を売っている国が売らない自由もあるわけですから、輸出する義務はないわけでありますから、そうなると本当に輸入国は困る、私はウルグアイ・ラウンドから主食だけは例外として外してもらわなきゃいかぬというふうに考えている、主食の供給は一〇〇%自給すべきだということを私の生涯の仕事にするつもりでありますと、こういうふうに言っております。
○有働正治君 肝心なことを言っておられないんです、肝心なことを。私、ここにビデオを取り寄せまして聞かせていただきました。確かに米の自由化の問題を例外とすべきだという問題は発言されておられますが、あなたはこのテレビの中で、六年後にウルグアイ・ラウンドの再交渉の機会が来る前から、同じことを主張している韓国その他の国と連携しながら、主食である米だけはウルグアイ・ラウンドの対象外にしろという主張をしなければいけないという、六年後の再交渉の機会の前から、今日からやりなさい、やらなければいけないということを明言されておられるんです。この点いかがですか。
○国務大臣(野呂田芳成君) これは私の信念でありますから、この間も日豪閣僚会議へ出たとき同じ主張をしております。今でもその信念は変わりません。
○有働正治君 そういう方向であれば、国民の皆さん、県民の皆さんに発言なされたその方向で毅然と対応すべきだということを述べておきます。 米価の問題ですけれども、米価とのかかわりで十一月から新食糧法が施行されますが、農水大臣はこの米価の下支えの問題、きっちり下支えしていくというお考えなのかどうか、この点についてお尋ねいたします。
○国務大臣(野呂田芳成君) 有働委員御承知のとおり、新しい食糧法のもとでは自主流通米が制度的にも実態的にも中心になります。そのことを踏まえまして、政府買い入れ米価については自主流通米の価格動向が反映されたものとすることを基本として、あわせてこの新しい食糧法で言っている「自主流通米の価格の動向その他の米穀の需要及び供給の動向を反映させるほか、生産条件及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として定める」、こういうことになっておりますから、この法律の趣旨を遵守しながら決めてまいりたい。 こういう基本的な考え方に立ちまして、八月に米価審議会に価格算定方式のあり方を検討する小委員会をつくってほぼまとまりかかってきておりますから、さらにこれを基軸にしまして、関係方面の意見を十分聞きながら、消費者の意見も反映させながらその内容を詰めてまいりたい、こう思っている次第です。
○有働正治君 今のお答えだけでは農家の人が安心した米づくりができない、展望が持てないという気持ちを変えるわけにはいかないわけであります。 市場の需給関係にゆだねていくということになりますと、大きないろんな問題が出てくる。その上に輸入米が義務として四十万トン、それから五年後八十万トン、大きな米作一つの県の生産量に匹敵するそういうものが入ってくるわけで、来年の持ち越し在庫が二百四十万トンにもなるんじゃないかと予測されている中で、米価の下支えがなければ米価の暴落という事態になることは必定であります。暴落はしないんだと、本当に価格保証を考えて、農家の再生産をちゃんと考えて希望の持てる方向でやるんだとはっきり明言していただきたい。また、その方向での対応を求めるわけでありますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(野呂田芳成君) ただいまも申しましたとおり法律の五十九条の趣旨を基軸に考えますけれども、御指摘のとおり、新しい食糧法の施行の結果、農民が生産意欲を失うようなことは絶対にさせたくない、こういう強い信念で臨みたいと思っております。
○有働正治君 その点、総理大臣いかがでありますか。
○国務大臣(村山富市君) 今、農水大臣から答弁をされましたように、農業が立ち行かないような状況というものはやっぱり阻止しなきゃならぬ。ですから、その米価がぐっと下がることによって、つくってもつくっても採算がとれぬというような事態を招くようなことのないようにしていきたい、しなきゃならぬというふうに思っています。
○有働正治君 農家の人の先行き不安というのは非常に大きい。私も熊本の農家の一人のせがれとして生まれて、その気持ちはよくわかるわけであります。そういう点で国民の皆さん方、そして農家の方々の希望が持てる方向できちっと対応していただきたいということを強く要望しておきます。 ここで、十月五日の本会議での韓国併合条約についての総理の答弁が重大な国際的問題となっています。質問者でありました吉岡議員の関連質問をお願いしたいと思います。
○委員長(井上裕君) 関連質疑を許します。吉岡吉典君。
○吉岡吉典君 総理、御存じだと思いますけれども、昨年十月二十七日、アメリカ上院はアメリカがハワイ王朝を転覆して併合していったことに関して謝罪決議を行いました。私はこのことは結構だと思います。総理、どういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(村山富市君) もう一遍言ってください。
○吉岡吉典君 米上院はアメリカがハワイ王朝を転覆して併合したことを謝罪する決議を行った、一年前。これは結構なことだと思いますが、総理、どう思いますか。
○国務大臣(村山富市君) それは、今ぽっと聞かれて事実関係もよくわからぬけれども、しかし過去の行為に誤りがあれば反省することは当然だと私は思います。
○吉岡吉典君 私がこのハワイの話を持ち出したのは、実はこれが日本の韓国併合と関係があるからなんです。 それは、当時、韓国の併合直前に、桂首相、小村外相、伊藤統監、彼らが韓国併合について協議した。そのときに伊藤博文が、併合に外国から苦情が出るようなおそれはないか、こう問うたら、小村外務大臣はアメリカのハワイ併合の例を挙げて異議が出るおそれはない、こう言ったということが「明治外交秘話」という昭和二年に出た本ですけれども、ちゃんとそういうやりとりが書かれているんですね。それで、アメリカのハワイ併合を国際的な非難が出る余地がないというよりどころにしながら日本は韓国併合を行った。 そして、今どうか。アメリカはそのハワイの王朝転覆を謝罪する決議を行った。ところが、日本は反対に朝鮮の植民地支配を反省しないといって、きょうの報道によると、韓国国会では日本を非難する決議を行うと、こういう状況になっているわけです。 私はこういう事態になっているということはまことに遺憾なことだと思いますが、そういうハワイヘの謝罪をも含めて、外務大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(河野洋平君) それぞれの国にそれぞれの歴史があって、その一つを例として挙げて我が国の状況に当てはめるということは必ずしも正確な例として適当かどうかという問題はあると思います。ただ、吉岡議員のお話しなさろうとするお気持ちについては全くわからないわけではありません。
○吉岡吉典君 何かわからぬ答弁ですけれども。 そこで、問題になった五日の総理の答弁に関連してでありますが、私があの本会議で行った質問というのは、戦後五十年という節目の年に当たって侵略戦争と植民地支配をきっぱり反省することが必要だという立場から、植民地支配の反省というなら、南北朝鮮初め内外の厳しい批判を受けてきた、一九六五年の日韓条約国会以来、日本政府が繰り返している韓国併合条約は対等な立場、自由な意思で結ばれた条約であるという悪名高い認識、立場をはっきり改めることが必要と考えたからであります。 この答弁は、六五年の日韓条約国会、私は赤旗記者として全部取材して直接耳にしました。それから三十年、私はこの発言を改めさせなければならないと執念を燃やしてきました。三十年前からいろいろな雑誌でそのことを書いてきました。これは植民地支配に反対した日本共産党の執念でもあります。 この発言、この答弁というのは、韓国ではこれは歴史の偽造だ、こう言われている。私は外務省の人にこの問題を三十年問いかけ続けてきた。ソウルの街頭でこの演説ができますか、そう問いかけました。できると言う人は一人もいませんでした。できないはずです。中にはたたき殺される、こう言う外務省の人もおりました。また、外務省の人の中から、これは日本と韓国、朝鮮との間にあるいずれ抜かなくちゃいかぬとげだ、そのとげを総理が植民地支配を反省するというからにはとってもらいたい、そういうつもりで私は質問しました。 ところが、この答弁を改めるということではなく、併合条約は法的に有効だという答弁があったからこういう騒ぎになったわけです。私は後、時間をかけて質問いたしますけれども、総理、歴史の事実を踏まえて、この答弁も結論的にはきっぱりと撤回して、新たな、事実に沿っただれもが納得できる答弁をしてもらいたいと思いますが、冒頭でまず見解をお伺いしておきます。
○国務大臣(村山富市君) 先日衆議院の予算委員会でも同じような質問がございました。 私はそのときに、本会議における私の答弁には舌足らずな点があって、韓国の新聞等を見ますといろんな波紋も広げていることに対しては懸念をいたしておりますということを前提にして申し上げたわけでありますけれども、私が申し上げましたのは、日韓併合条約というのはこれは条約としては存在しておったわけですから、したがって形式的には存在しておったものではないかと思いますと、存在しておったと思いますと。 しかし、政治的、道義的に判断をした実体論から申し上げますと、それはやっぱり当時の力関係の背景というものを考えた場合に、決して平等に結ばれたものではないというふうに私は思いますし、植民地支配があったという現実はこれは否定し得ない事実でありますから、その植民地支配の現実というものを直視して、そして厳しい反省をした上でおわびするところはおわびをすべきだというふうに申し上げた次第であります。
○吉岡吉典君 今の舌足らずというような性質のものではないんですが、それはさておきまして、明治政府が朝鮮を保護国にし、植民地にしていたその目的は何だったと思いますか。外務省、これは例えば明治四十二年七月六日の閣議等でもきちっと書いておりますが、どういうふうに言っているか、まず紹介していただきたい。
○政府委員(加藤良三君) 明治四十二年七月六日に閣議決定の韓国併合に関する件、その中で併合の目的について次のような記述がございます。 適当ノ時機ニ於テ韓国ノ併合ヲ断行スルコト 韓国ヲ併合シ之ヲ帝国版図ノ一部トナスハ半島ニ於ケル我実力ヲ確立スル為最確実ナル方法タリ帝国カ内外ノ形勢ニ照ラシ適当ノ時機ニ於テ断然併合ヲ実行シ半島ヲ名実共ニ我統治ノ下ニ置キ且韓国ト諸外国トノ条約関係ヲ消滅セシムルバ帝国百年ノ長計ナリトス 以上でございます。
○吉岡吉典君 お聞きになったように、韓国を帝国の版図の一部にすることが百年の長計であった、こう書いてあるわけです。こういう計画に沿って早くから明治政府は韓国への政治的、経済的、軍事的な進出の方針を決定していた。 明治三十七年五月三十一日の閣議決定にもそれが極めてはっきり書かれております。時間がないから、項目だけで結構ですから報告してください。
○政府委員(加藤良三君) ただいまの明治三十七年五月三十一日に閣議決定いたしました対韓方針に関する決定の前段部分ではなくて、対韓施設綱領決定の件の項目という理解のもとに申し上げます。 その項目は以下のとおりでございます。「一、防備ヲ全フスルコト」、「二、外政ヲ監督スルコト」、「三、財政ヲ監督スルコト」、「四、交通機関ヲ掌握スルコト」、「五、通信機関ヲ掌握スルコト」、「六、拓殖ヲ図ルコト」、以上でございます。
○吉岡吉典君 こういうふうに併合より六年前に韓国を軍事、政治、産業経済の全分野にわたって完全な日本の支配下に置こうとする方針、計画を決定していたわけです。 外務大臣、そう思いませんか、今の報告で。
○国務大臣(河野洋平君) 当時の閣議の文献その他を参照すればそのとおりだと思います。
○吉岡吉典君 もう一つ、明治三十八年四月八日にも韓国保護権確立の件というのがありますが、これはもう完全に韓国併合を進める具体的なプランです。これも紹介してください。
○政府委員(加藤良三君) 申しわけございませんが、ただいま御質問いただいた資料に該当する資料をちょっと手元に持ち合わせておりません。
○吉岡吉典君 それでは、それはそれとして、問題は「帝国百年ノ長計」に沿ってのこういう条約がどういう方法で調印されたかということが問題であります。この「帝国百年ノ長計」に基づく日本の保護条約、併合条約へと進むそのやり方は、公文書を初め関係者の一連の文書ではっきりさせられております。 その一つ、西四辻公堯という人の書いた「韓末外交秘話」、そういうものについてどんなことが書いてあるか、ちょっと報告してもらいたい。
○政府委員(加藤良三君) 私ども、その西四辻公堯著「韓末外交秘話」というものを外務省の図書館あるいは国会図書館にてその検索に努めましたけれども、私たちとして、時間的制約もありましたので、原資料を見つけることはできませんでした。私たちが見出し得たものの中に、明治三十八年、伊藤博文復命書というものはございますけれども、その内容であればお答えできると存じます。
○吉岡吉典君 それでは、それを報告してもらう前に、西四辻公堯という人は、子爵、陸軍少将、貴族院議員をやった人で、以下述べるのは余が責任を持って述べることだということで書いている、コピーを配っていますけれども。伊藤博文が韓国の閣議に乗り込んで、ぐずぐずするやつがいたら、だだをこねるやつがいたら殺してしまえとまで大声で言ったと、そういう状況下でこの条約の調印を迫ったと、そういうことが非常に具体的に書かれているわけです。 じゃ、伊藤博文の報告をお願いします。
○政府委員(加藤良三君) この復命書によりますと、日韓保護条約の交渉経緯ということについて次のとおりの経緯があったようでございます。 一九〇五年の十一月に特派大使に任ぜられた伊藤博文枢密院議長が韓国の皇帝に内謁見を求めまして、日本に外交権を委任する必要につき説明するということがありました。韓国皇帝は、こういう問題は政府に諮詢したいということを述べたとされておりますが、その際、伊藤大使から、 之ヲ御承諾アルトモ又或ハ御拒ミアルトモ御勝 手タリト雖モ若シ御拒ミ相成ランカ帝国政府ハ 已ニ決心スル所アリ其結果ハ果シテ那辺ニ達ス ヘキカ蓋シ貴国ノ地位ハ此条約ヲ締結スルヨリ 以上ノ困難ナル境遇ニ坐シ一層不利益ナル結果 ヲ覚悟セラレサルヘカラス と述べたと、こういうふうにされております。
○吉岡吉典君 外務大臣、こういうやり方というのはこれは普通の外交のあり方ですか。
○国務大臣(河野洋平君) 現場を見ているわけではありませんから、私がそれを直ちに云々というわけにはまいりません。何せ非常に古い文献でございますから、その文献の信憑性というものもまた確認しなければならないと思います。
○吉岡吉典君 これは大変な答弁ですよ。日本外務省の編さんの外交文書の中に、天皇の命令によって韓国へ派遣されたその報告書ですよ。その信憑性だとすると、天皇に伊藤博文はうそをついたんですか。そういうことを言うんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私が申し上げておりますのは、その文書自身を私が見ておりませんので、ここで確認をして申し上げることができないということを申し上げているわけでございます。
○吉岡吉典君 もう一つ言います。 この保護条約の調印者、林権助の「わが七十年を語る」というのがありますが、これは外務省、あるはずですけれども、どんなことを書いていますか。
○政府委員(加藤良三君) 恐縮でございますが、昨日御質問の予告をいただいて私たちが調べた中に、林権助述「わが七十年を語る」という資料を検索することができませんでした。お手元の配付資料にあることは承知いたしております。
○吉岡吉典君 私は、そういうのは本当に信用しがたい。これは古本屋にざらに出ていた本ですよ。 この本を読むと、調印者が、閣僚が調印前に逃げ出さないように憲兵に見張りさせた、あるいは自殺者が出ないように見張りした、判こを押すときに国璽がない、判こがないとぐあいが悪いのでこの判こを見張りさせた、そういう状況のもとで調印したと当事者が書いているんですよ。コピーを配ってあります。 総理、こういう形で結んだ保護条約、併合条約の前の保護条約は自由な意思、対等な立場で結んだ条約と言えると思いますか。
○国務大臣(村山富市君) 私は先ほどから答弁しておりますように、いろんな史実を記録したものはあると思いますが、今、委員が言われたことについてはこれは私も今初めて聞く話で全然見ておりませんから何とも言えませんけれども、しかし当時の状況から判断してみて、対等平等の立場で締結されたものではないというふうに私は考えております。 そのことの是非はともかくとして、植民地支配をしてきた現実というものはこれはもう否定し得ない事実ですから、したがってそのことは率直に認めて、そして厳しい反省もしながらおわびするところはおわびをして、そして私は、戦後これまで築いてきた日韓の関係というものに水を差すような気持ちもないし、むしろ未来に向かってお互いに協力し合える友好関係というものは大事にしていかなければならぬというふうに考えております。
○吉岡吉典君 過去のこういうとげを取らないで未来はないんですよ。今答弁を聞いていると、それは昔のことだから余りよくわからないとおっしゃるけれども、こういう日韓、日朝の間でこれだけ問題になっている点を外務大臣初め余り調べていない。だから、韓国、朝鮮で日本の歴史認識が問題になるわけですよ。やっぱり歴史をきちっと調べて責任ある対応をすべきだと、そう総理思いませんか。
○国務大臣(村山富市君) これは、私は五十年の節目に当たって八月十五日の総理談話でも明確に申し上げております。やっぱり過去の一時期に国策を誤って、そして日本の国民を塗炭の苦しみに遭わせると同時に、アジアの諸国の皆さん等々に耐えがたい苦痛と被害を与えたということについて厳しい反省をして、そして率直におわびもして、そしてこれからはひとつそういう立場に立って未来に向かって平和を築いていき、友好関係をつくっていくために努力しなきゃならぬということを申し上げておるのであります。 私は、そういう過去の歴史というものを率直にやっぱり認め合うし、共通した理解と認識をしっかりお互いに持ち合うことは極めて大事なことだというふうに思っております。したがって、歴史書について共同で研究するようなものもつくっていこう、こういう提起もしているところでございます。
○吉岡吉典君 今のような形で結んだ保護条約で韓国の実権は日本が全部奪った。この韓国の実態、併合条約直前、保護条約下の韓国の実態は独立主権国家と言えたかどうか、外務大臣。
○政府委員(加藤良三君) 若干時系列で申し上げますと、明治三十八年、すなわち一九〇五年に第二次日韓協約というのが締結されまして、この条約によりまして日本は韓国の外交に関する事項を監理することとなったことは御承知のとおりでございます。 それから、第三次日韓協約、明治四十年でございますから一九〇七年に署名されたわけでございますが、これは韓国の外政に加えて内政にも多大の影響力を行使することを内容としております。具体的な項目が幾つかございまして、例えば韓国施政の改善に関する統監の指導の権利等々が定められているわけでございます。それにあわせて若干の司法に関する覚書も交換されております。 しかし、韓国の併合条約、すなわち一切の統治権を韓国皇帝が日本皇帝に譲与する条約、これは一九一〇年に成立しているわけでございます。
○吉岡吉典君 日本が外交権も握ってしまった、韓国は日本の了解なしには条約も結べない、そういう国になった。これはもう独立主権国家とは言えません。その韓国と日本は軍隊を動員した状況のもとで併合条約を結んだわけです。 ですから、併合条約というのは、日本の保護下にあった韓国、独立主権国家と言えない韓国とその保護国である日本との間での条約がそもそも普通の条約と言えるかどうか、こういう問題がまずあるわけです。しかも、その条約を軍隊を動員した戒厳下で結んだ等々から見て、これはどこからどう見ても自由ないし対等な立場で結んだ条約であるとを言えない。 私は総理に、まず対等な立場、自由な意思で結んだ条約ではないということを明言する、そういうことをきちっとしなければならない。同時に、帝国主義侵略を正当化する法理と言われた伝統的国際法、旧国際法をよりどころにして、条約があるからということを理由に日本の朝鮮、韓国併合を正当化することはしない、こういうことをこの場できちっと言い、歴史を踏まえた本当の日本の植民地支配の反省ということの真を明らかにしていくという態度をとっていただきたい。最後に一括して総理の答弁を求めます。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど来から総理が御答弁を申し上げておりますように、当時の状況にかんがみれば、対等平等な体制でこれが行われたということはないであろうということは、十三日以来総理が御答弁を申し上げているとおりでございます。そうした状況にかんがみれば、総理の御答弁のとおり我々も考えているところでございます。
○国務大臣(村山富市君) これは同じ答弁になりますけれども、八月十五日に私が出しました総理談話というのを率直に認めてもらいたいと思うんです。先ほど来答弁を申し上げておりますように、当時の状況から考えてみて、そして対等平等の立場で結ばれた条約とは私は考えておりませんと、現実に植民地支配というものは存在しておったわけですから。したがって、そういうものについて我々は厳しい反省の上に立って、そして謝るべきものは謝って、そして未来に向かってお互いにしっかり友好協力関係を築いていく、これが当面課せられた我々の役割ではないかというふうに考えております。
○委員長(井上裕君) 以上で有働君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上裕君) 次に、小島慶三君の質疑を行います。小島君。
○小島慶三君 私は、きのうに引き続きまして、景気の問題について二、三考えていることも申し上げ、御質問もしたいというふうに思っております。時間が十分しかございませんから、二問に限定をいたします。 初めのその一つは、こういうことなんです。きのう、景気の先行きについて経済企画庁長官のお考えを承りました。大分目標に照らして厳しい状態だというお答えがありました。私も全くそのとおりだと思っております。 ただ、考えてみますと、やはり日本がいろいろ景気対策以外の経済対策としてやっていることのその裏の面というか、そういったことともこの景気というのは関係がある。持って回った言い方で、もっと端的に申しますと、例えば一つは規制緩和という問題であります。 これは、確かに規制緩和につきまして、経済構造の転換でありますとか新産業の育成でありますとか、そういう大変期待に満ちた側面があると思うんですけれども、同時に裏面は、やはり従来の枠を変えるということでございますからかなり痛みを伴うと。失業というか、あるいは離職といいますか、そういうことがこの成り行きいかんによってはかなり大幅に出てくるということが一つあると思っております。 それからもう一つ、内外価格差の是正とかいろいろそういうことも言われております。確かに消費者利益の増進だとか日本の産業競争力の再構築であるとか、いろんないい側面も期待されるわけでありますが、同時にこれは価格の下落、価格破壊という形で端的にあらわれてまいります。こういう形で価格が破壊されてまいりますと、企業は仕事のメルクマールというものがはっきりしなくなりますからなかなか設備投資がしにくい、こういう面も起こってまいります。 それから三つ目には、金利の引き下げということで公定歩合も未曾有のレベルにまで下がったわけであります。これは、確かにこれからの金融の活性化とかいろいろ考えれば、もうなくてはならぬ政策であります。しかし反面、これによって得られるマイナスも小さくはない。 例えば一%の金利引き下げということを考えてみましても、日本の個人金融資産は今一千兆であります。そうしますと一%は十兆に当たります。十兆というのは国民総支出の二%であります。したがいまして、きのうの企画庁長官のお話のように、これから先一年間で二%の経済成長が可能であるというふうにきのうお話をいただきましたが、そうするとこれだけでいわばチャラになってしまうということで、これはそういった政策も必要でありますからどんどんやっていかなきゃなりませんが、そういったことと景気の浮揚策、両方考えてみますと、やはりこれはどうしても財政というものの出番であるということで大変大きな予算が組まれた。これは私どもは敬意を表します。 しかし、ただ大きければいいというものでもないと私は思っております。したがって、この大きさというものが、例えば来年度にまた参りますと、切れ目ない仕事というふうに企画庁長官もおっしゃいましたけれども、切れ目ないということは、この財源も切れ目なく公債依存にシフトしていくということではあるまいかと。そうしますと、日本の今の仕事の財源というものに対して行き方が二つぐらいあると思うのです。 一つは、やはり何といっても徹底したリストラでニーズに対応するということがありましょう。しかし、恐らく行財政改革とかいろいろ考えてみてもこれはなかなか難しいというふうに私は思います。そうしますと、どうしても国債という問題が出てくるわけでありますが、この国債というものが今度の補正で二五・七とかなりな高い水準になってまいります。 これで来年度予算が参りました場合に、来年度予算もことしの補正で大分前倒しをしておりますから、そうしますとかなり来年もまた国債依存度というものが出てまいりましょう。恐らく消費税とかいろいろ絡みがありますから、単純にそういうふうになるとも思えませんけれども、しかしやはりいろいろ考えてみると、この国債依存というものに何か歯どめが必要なんではないかというふうに私は思っております。平成八年度あるいは平成八年度の補正、さらに平成九年度というふうになってまいりますと、この国債がさらにさらに増発されるということは、日本の財政運営を大変窮屈にいたします。 そういう点で、大蔵省、今大変にいろんな問題が集中しておりましてお気の毒でありますが、大蔵省のこれはひとつ頑張りどころではあるまいかというふうに私は思っております。今すぐ財政の健全化はできませんけれども、せっかく七年もかかってここまで来た、それを一朝にして国債依存というものがまたもとに戻ってしまうというふうなのは私は大変残念だと思います。 大蔵大臣からこの辺についてひとつ。
○国務大臣(武村正義君) 大変この国の財政の将来にとって大事な点を御指摘賜っております。 既にお答えもしてまいりましたが、ことしの第二次補正まで入れますと国債費十三兆円ということで、実は定率繰り入れをとめております。これが三兆円余りございまして、これを入れますと十六兆を超えるわけでありまして、もう三〇%になっているというのが現実であります。 来年は停止ができないと考えておりますが、そうなりますと、もう目をつむってこの元利償還に十数兆の、今年度で言えば十六兆のいわば貴重な税の、国民の皆さんのいただいた税から優先的に支出をしなければならない。その分だけ政策的な当該年度の経費が大幅に削減される。言ってみれば、過去の借金の返済に三割とられればことしは七割しか使えない、こういう窮屈な状況になってきておりますし、この率がぐんぐん上がっていくわけであります。 公債依存度とおっしゃいましたが、これは赤字国債の話でございまして、せっかく赤字国債をなくした後も建設国債はぐんぐんふえてきておりまして、そういう意味では赤字国債さえ発行しなければいいという考え方が既に甘いと私は思っております。 財政審議会の五%という一つの物差しを提示もいただいておりますが、いずれにしましても、そういう状況の中に立っていて、今はこの経済という国民の暮らしがかかわるこの厳しい状況を乗り越える、明るい展望を切り開いていくという一点に絞って、さらに国債を発行させていただきながらこうした積極的な補正対応をしているわけでございますが、ここ四年間も相次ぐ公共投資の増発でございますし、相次ぐ経済対策、補正措置を締けているわけでございますから、これが当たり前ということになっては困るなと。景気が幸いよくなれば、それこそこの問題を真剣に見詰めながり、思い切ったやはり財政改革というしんどいテーマに取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
○小島慶三君 もうぜひそういうことで、この際ひとつ大蔵省の獅子奮迅の頑張りを期待したいというふうに思います。それからもう一つ、これは何といいましても財政がこういう状態でございますから、やはり我々の期待の相当の部分を民間セクターの活性化ということに向けていかなければいけないのではないかと思います。前の方の御議論もいろいろございましたけれども、やはり政府だけでこの荷物をしょっていくわけにはいかないということで、どうしても民間、殊に企業の頑張りといいますか、そういうものを相当期待していかざるを得ない。 したがって、そのインセンティブとして、例えば先ほど来御議論のありましたような法人税の問題ですとか、あるいは地価の問題にもいろいろ税金が絡んでまいりますがそういった問題、それからもう一つ、例えば今度通産省から御提案のありましたストックオプションのようなああいうふうな問題、とにかくあの手この手全部合わせてひとつこの企業の面の活性化ということに御努力をいただきたいというふうに思います。 この点、通産大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻来何回か繰り返してまいりましたけれども、我々今使える手段は本当に何でも使いたい。むしろ企業が国を選ぶ時代になってしまって、日本に投資をし立地をする魅力をいかに持たせるかがこれからの我々の課題と考えております。どうぞよろしく御支援をお願いいたします。
○小島慶三君 以上で私の質問を終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で小島君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上裕君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋君。
○島袋宗康君 私は衛藤長官に対して質疑を申し上げましたところ、昨日の本委員会におきまして、沖縄の米軍基地の整理縮小については県民からすればまだまだのことだと、そして政府の努力不足を反省しなければならない、こういうふうな御答弁をいただきましたけれども、二十三事案プラス三事案がすべて返還されたにしても、在日米軍専用施設の沖縄県に所在する割合は現在七五%に対して七三%と二%しか減らない、こういうふうな状況が明らかになったわけであります。過密な米軍基地の状況はほとんど変わらないというふうなわけになります。 そこで、衛藤長官は来週沖縄を訪問され、大田知事と会われる予定と言われておりますけれども、過密な米軍基地の縮小について具体的に何か解決策を持っていかれるおつもりなのか、その辺を御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 沖縄の基地の整理統合、結果として縮小については政府も今まで努力をしてまいりましたが、昨日もお答えいたしましたとおり、まだまだ政府の努力は不足するものがあったと、私はそのように申し上げておるわけであります。 そこで、政府を代表いたしまして沖縄に参りますれば、私はこういう問題について知事と話さなければならないと、このように思っておりますが、いずれにいたしましても、現実といたしまして在日米軍基地の七五%あるいは七三%が沖縄県に集中する、こういう事実は残るわけでありますから、こういう厳しい現実についても知事と率直に意見を交換したい、このように思っております。 具体的に何を持っていくのかと、それは縮小に向けてのお話のことを言っているんじゃないかと思いますが、このことについて私どもといたしましては、まずは二十三事案プラス三事案の早期解決を図る、そしてそれが速やかに返還できるようにあらゆる努力をしていく。もちろん、これは米側の協力もいただかなければなりませんし、また地元の協力もいただかなければなりませんし、地元の関係の市町村の御協力もいただかなければならない。そういったことにつきましても率直に話し合いをいたしたいと思います。 そして、この話し合いが少なくとも未来に向けての新しいスタートの第一歩であってほしい、こういう気持ちで私は出向きたい、このように考えておるところであります。
○島袋宗康君 時間の都合で前に進みますけれども、沖縄駐留の米海兵隊は太平洋のいわゆる海兵隊の一翼として編成されております。その守備範囲は日本及び極東の範囲をはるかに超えて、今や遠く中東や東アフリカまで及ぶことが最近明らかになっております。安保条約が想定されている米軍の役割をはるかに私は逸脱していると言わなければならないと思います。沖縄の米軍基地の約半分は海兵隊の施設であり、米軍人による凶悪犯罪の大部分は海兵隊によるものであります。 そこで、私は、沖縄の米軍基地を大幅に縮小する最もよい方法は、その一つに海兵隊に撤退してもらう以外にないというふうに考えております。 そこで、防衛庁長官にお伺いいたしますけれども、仮に沖縄の海兵隊を撤去したとすれば、沖縄の米軍専用施設は全体の何%に縮小されることになりますか。また、この数字に対して長官はどのようにお考えですか、お尋ねします。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 在沖縄の米軍の第三海兵師団の占める基地の面積がいかほどであって、そしてそれが撤去された場合というような前提がついておりますが、実はそういったことについてはまだ一度も検討したことはございません。 また、御案内のとおり、これはまさに日米安保条約に基づく米軍の、米国政府のアジア太平洋地域におけるいわゆるプレゼンスと、さらにはコミットメント、そしてその延長線上のオペレーションの問題でありまして、日本政府として、今、島袋委員の御指摘のあった件について発言オることは現時点で差し控えたいと思います。
○島袋宗康君 総理大臣は今の件についてどういうふうなお考えでしょうか、お伺いします。
○国務大臣(村山富市君) 特定の兵種をどういうふうに配置するかということは、日米安保体制をどのように円滑に活用していくか、効果的に維持するかということで判断をすべき問題であって、それはやっぱり全体として判断をしなきゃならぬ問題だと思いますから、ここで軽々に言うべき、また言えることではないんではないかというふうに私は思います。
○島袋宗康君 私は、このアメリカの海兵隊の存在というものは、中東、東アフリカまで遠征していくというふうなことでありますから、これは本来の安保条約の問題とはずっとかけ離れているような感じがします。そういう問題を提起しておきますので、また検討していただきたいというふうに要望しておきます。 去る十二日、外務、防衛、沖縄開発、内閣官房の四閣僚による懇談会で、沖縄の振興策を含めて総合的な対策をとることが話し合われたと聞いておりますが、総合的な対策とはどのようなことを考えているか、また、この時期にこのような話し合いをされたということはその理由としてどういうものがあったのか、沖縄開発庁長官と内閣官房長官に対してお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(高木正明君) 島袋委員にお答え申し上げます。 ただいまの御質問で、四閣僚が集まって相談をしたという話でありますが、確かに官房長官、外務大臣、防衛庁長官、沖縄開発庁長官と四者で話し合いをいたしましたが、いわゆる四閣僚の話し合いというのは、沖縄県知事の代理署名拒否の問題に関連して、政府としてどのように対応したらいいかということを話し合ったものでありまして、その論点は、一つはやっぱり基地の問題でありますし、もう一つは行政協定だと思うんです。さらに、私が所管する沖縄の振興策だということでありまして、この問題についてどうするか総合的に打ち合わせをしたところでございます。
○島袋宗康君 官房長官は今記者会見のようでありますから、後ほどまたお願いします。 総理の昨日の当委員会での発言に対して、けさの朝日新聞は、沖縄県以外への基地機能の一部移転を前向きに検討する考えを表明されたと、またそういうふうに言われました、こういうふうに論評されております。重ねてそのお考えを、どういうふうにまたさらに考えておられるのか、もう一遍申せますか。
○国務大臣(村山富市君) 私がこの委員会で昨日答弁しましたのは、沖縄県の県民の皆さんが戦前から戦中戦後にかけて、それは本土に住んでおる国民が味わわなかった苦痛と苦難を受けて耐え忍んでこられておる。しかも、今度また少女が暴行を受けるようなこういう事件も起きているし、これまでもそういうやっぱり辛酸をなめてこられておる。それにもかかわらず、沖縄県民の皆さんにこれまで御協力もいただいておることについては心から感謝も申し上げたいし、そうした事態にあることについても率直におわびを申し上げたい、こういう気持ちでいっぱいですと。 この沖縄県民の心情というのは、ひとり沖縄県民だけが受ける問題ではなくて、日本国民全体がやっぱり共有すべき性格のものだということを申し上げたわけであります。そういう視点に立ってこれからの対応というものをしっかり考えていく必要がある、また誠意を持って努力しなきゃならぬというふうに申し上げたのであります。
○島袋宗康君 これはいわゆる日本本土への移転については、防衛庁長官もそういうふうな内容の答弁をなされておりましたね。国全体でこの安保条約に基づいた基地は負担すべきであるという内容の答弁がございました。総理大臣もそのように答弁されたと思います。 したがって、この朝日新聞の論調というものが、やはり沖縄県の基地を一部本土のどこかにまた移転するというふうな方向も検討すべきではないかというふうなことがきのう答弁ありましたけれども、そのことについて確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 委員御指摘のとおり、三事案の中で県道一〇四号線越え実弾射撃訓練の問題ですね、この件につきまして地位協定の中における日米合同委員会の中に特別作業班が設置されました。これが十月五日で、第一回の会合が十月十二日に開かれたわけでありまして、実質的にはこの特別作業班がワークしていると、もう作業が始まったと、こういうことであります。 それは本土、北海道から九州まで含めた本土の演習、しかも射程距離五キロメートル以上、五キロメートルですね、そういう範囲で実弾射撃ができる演習場を対象にして調査をして、そして地元の御理解と御協力が得られるならばそれを移設していこうということの作業が始まったわけでありますから、当然総理の御念頭にも、また私もそのことを念頭に置きまして一〇四の問題を、そのことを申し上げたわけであります。 なお、沖縄県におきましては、二十年のハンディキャップ、さらには現実のところ財政力指数が弱い県御当局とか市町村の問題もありますし、率直に言いまして県民所得も全国平均から見たら低いわけでありますから、そういったところを例えば補助率のかさ上げとかいろいろな面でフォローしておりますし、また三次にわたる沖縄開発振興施策の面においてもフォローアップしておりますが、それでもなおかつ総理の御念頭にあり、また私もそうですが、もっと沖縄県だけの問題ではなくして、全国の国民全体の問題としてそれを共有する立場でこれを支えたらどうかということを申し上げたわけであります。よろしくお願いいたしたいと思います。
○島袋宗康君 この県内の基地返還の歴史と進捗状況の実態が物語っているように、やはり二十三事案、三事案についてもなかなか進捗しないわけですね。そういうことに対して沖縄県知事の代理署名拒否問題が、結果的には基地のいわゆる返還の展望が開けない、こういうことに対する大きな不満と、それから県民がこの少女暴行事件によって大きな怒りを持って抗議する段階で拒否している、私はそういう認識をしております。したがいまして、基地の永久固定化を沖縄県民がさらに二十一世紀に向けて押しつけられる、強いられるということに対する思いを私は非常に危惧するものでございます。 したがって、県民の理解を得てこの基地問題を解決するには、しっかりした基地の整理縮小計画を立てて、必要ならばその施策を立法化すべきじゃないかというふうに私は思っております。総理の御見解をただしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 沖縄の問題については、先ほど議員がお話しになりましたように、官房長官を初めとする関係四閣僚が集まって随時連絡をいたしておりまして、一体どういう方法が最も今考え得るいい方法であるかということについて検討を繰り返しているところでございます。まだその内容が固まっておりません。しかし、繰り返しさまざまな角度から検討をいたしておるところでございまして、しばらく御猶予をいただきたいと思います。
○島袋宗康君 沖縄の基地問題が簡単に解決できるとは私も思っておりません。ただ、問題解決のためには、総理と沖縄県知事の会談や、それからクリントン大統領訪日前に防衛庁長官と米側の緊急な話し合いが必要ではないか、そういうことのプロセスをすることによって沖縄の基地問題は県民に理解ができるような形で何とかできるんじゃないかというふうに私は思います。その点についてお伺いします。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返して御答弁を申し上げて恐縮でございますが、確かに議員お話しのとおり、これから月末、来月にかけて、来月の二十日前後にはクリントン大統領と村山総理の首脳会談が行われますが、それまでの間にも何度か米側関係者と私ども会う場面もあろうかと思います。そうした場面を使いまして、我々の考え方も説明をし、米側の協力も求めたいと考えておりますと同時に、この日米安保体制を維持していくためには沖縄県民の皆さんの御理解、御協力がなければなりません。そのために政府として何をするか、何をなし得るかということについて真剣な検討をしたいと、こう考えているところでございます。
○島袋宗康君 村山総理はさきの所信表明演説で、日米安保体制を広範な日米協力関係の政治的基盤と位置づけてこれを堅持すると言っておられます。また、来月のクリントン米大統領の訪日に合わせて、三十五年を経過して色あせた安保条約にまるでペンキを塗り直すように再定義しようとされております。 しかし、私は主として二つの理由で日米安保条約は早々に破棄されるべきであると考えております。その理由の一つは、この条約が沖縄県民の甚大な犠牲と差別の上に成り立っているからであります。第二の理由は、この条約によって差し伸べられている米国の核の傘は、日本の国際政治上の基盤をかえって弱くしているのではないかと考えるからであります。 ちなみに、政府は、中国やフランスに対して核実験中止の申し入れをされたり、国連での実験禁止の決議に向けた努力をされておりますけれども、どうもいま一つ説得力に欠けるように思います。フランスも中国も、日本はアメリカの核の傘に守られているのではないかと、こういうふうな反応が返ってくるわけでございます。 そこで、唯一の被爆国である日本が世界に向かって核実験の禁止、核軍縮とその廃絶を説得力を持って訴えるには米国の核の傘を返上することであると私は思います。そのためには、日米安保条約を破棄して、米国を初め世界の諸国と新しい平和友好条約関係を築いていくことこそが二十一世紀に向けて日本がリーダーシップを発揮すべき外交的大きな課題であると思います。 私は、現在の世界情勢はそれを可能にすると考えますけれども、総理のお考えを示していただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 昨年、国連で我が国が独自に提案をいたしました究極的核廃絶へ向かっての決議は、国際社会の大きな支持を得ることができました。私は、国際社会が究極的な核廃絶という方向については一つの合意ができてきていると思います。しかし、現実は五つもの核保有国が存在をするわけでございます。現在五つの核保有国が存在する以上、この核の抑止力と申しますかあるいは核のバランスと申しますか、そういったものの現実を踏まえて我々は我が国の国家の安全というものも考えていかなければならないわけでございます。 核実験反対への我が国の主張もこうしたことを踏まえたものでございまして、NPTの無期限延長、そして今日の核保有国が五つあるという現実、そういうものを踏まえて我々は究極的核廃絶に向けて今核実験をやめるべきだ、こういう主張でございますから、我が国の主張は決して説得力を持たないとは私は思っておらないのでございます。 さらに、議員がお話しになりました安保条約が色あせたではないか、安保条約はもう破棄していいのではないかという趣旨の御発言と理解をいたしますが、私は議員と意見を異にいたしまして、今日でもなお我が国の安全を守るためには日米安保条約はその大きな柱の一つである、我が国周辺にはまだ不透明な地域が幾つか残っておりますし、そうしたことを考えれば、今日安保条約を破棄してよろしいということには私はにわかに賛成いたしかねるのでございます。 もし議員が安保条約を破棄して自主防衛をなさるという御意見であるとすれば、これはまた近隣諸国に対して、日本が軍事力を再び持つようになったのかということになって、また大きな摩擦が生じることは明らかだと思います。したがいまして、議員の御主張、御指摘には賛成いたしかねます。
○島袋宗康君 総理大臣、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 今、外務大臣から答弁もございましたように、日米安保条約というものが単に日米関係だけではなくてアジア全体、太平洋地域を含めて一つの平和と安定を確保する意味における軸になっておるということも、これは私は言えると思うんですね。 これは率直に申し上げまして、ASEANの諸国を回ってまいりますと、やっぱり何といいますか、日本の国は経済大国になった、再び何かあったときに軍事大国に転換するのではないかという危惧を持っている国もあるのではないかと思います。そういう見方をする国もあるけれども、それはしかし日本の国が安全保障条約を結んで軍事大国にはならぬ、こういう立場をとっている限りにおいてはまあ心配は要らぬ、こういう意味における私は役割も果たしておると。 ですから、日米安保条約が締結されているということは、アジア全体に対する日本の信頼と平和の安定のためにも一定の役割を果たしているんだなというようなことを私は痛感してきた面もあるんですけれども、そういう意味でこの日米安保条約の持つ意味というものは極めて大きいものがあるというふうに思いますし、今、外務大臣からもお話がございましたように、これはもう地球規模の戦争というのは私はないと思いますよ。 しかし、まだまだ軍拡が進められておる国もありますし、それから核実験を繰り返している国もありますし、それからまたいろんな危険をはらんでいる国もあるわけですから、この地球全体が完全に平和と安定が保障されておるということは言えない面も私はやっぱりあるんじゃないかと思います。そういう意味から申し上げますと、今のこの日米安保条約というものは、そういう意味におけるやっぱり大きな一つの柱になっておるということは言えるのではないか。ですから、これは大事にする必要があると、私はそういうふうに思います。 それから、この核実験の問題について、アメリカの核の抑止力の中に入っておるものが核実験を言うことは矛盾ではないか、こういう意見ですね。これは現実に核を保有している国がある限りにおいては、やっぱり核を持たない国が核を持っている国から一応条約を前提にして抑止力の抑えをしてもらうということは当然だと思いますけれども、しかしだからといって核実験の禁となりあるいは究極的に核を廃絶するということを叫ぶことが矛盾だというふうには私は思わないんですよ。被爆国として積極的に核実験の禁止を訴えて核の廃絶を求めていくというのは、日本の国としては当然のことではないかというふうに考えておりますから、矛盾をしているとは考えておりません。
○島袋宗康君 この米兵の暴行事件によって今県民は非常に怒りを持って、沖縄の言葉で非常に怒っているということをワジワジーと言いますが、ワジワジーしています。そのワジワジーが結果的には今、米軍の事件、事故に対して何一つ抗議行動をしなかった婦人連合会の、これは沖縄の末端まで、離島まで団体を持っておりますけれども婦人連合会、この婦人団体が決議をして、安保条約廃棄、沖縄基地撤去というふうなスローガンを掲げてこの問題に抗議して、しかもアメリカ総領事それから防衛施設庁施設局、こういったところに抗議をしているわけです。 そういうふうな問題を抱えているからこそ、私は沖縄の人間として、今のような安保体制それから日米地位協定、そういったものに絡んで、やはり今の形での日米安保条約は沖縄の県民の立場からすると到底これは容認することはできないと、そういう意味であえて質問をさせていただきました。 もう一点、沖縄の周囲には目に見えない軍事基地である訓練海域、水域ですね、それから空域、水域においては三十一カ所、空域においては十五カ所、こういうように広い範囲で訓練空域あるいは水域が設けられております。民間航空機の飛行の安全が阻害されるおそれもあると前から指摘をされております。こういうふうな水域や空域をやはり絶対に地位協定において見直す必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、これについて十分に調査して、防衛庁長官が行かれるわけですから、そういった面の調査もされて、どういったところに問題があるのかということをひとつ解明していただきたいというふうにお願いします。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 御指摘の問題につきましては、二十四、二十五の二日間にわたりまして沖縄に参りますし、また大田知事が同行くださいますので、十分知事のお話も承り、ただいま御指摘のありましたことについての実態もしっかりと把握しておきたいと思います。
○委員長(井上裕君) 以上で島袋君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十四分散会