予算委員会 第2号
- 発言数
- 321 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1995/10/16
会議録
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成七年度補正予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁松下康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 平成七年度補正予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。 質疑は総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は四百二十分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・自由国民会議百六十二分、平成会百三十分、日本社会党・護憲民主連合六十四分、日本共産党三十四分、新緑風会十五分、二院クラブ十五分とすること、質疑順位についてはお手元に配付いたしておりますとおりとすること、以上でございます。 ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 平成七年度一般会計補正予算(第2号)、平成七年度特別会計補正予算(時第2号)、平成七年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。吉田之久君。
○吉田之久君 おはようございます。 私は、平成会を代表いたしまして、ただいま議題となりました今次補正予算案並びに当面する重要な政治問題の幾つかにつきまして御質問をいたしたいと思います。 まず初めに、過日、田沢法務大臣が辞任されました。その辞任の理由は何でありますか、総理にお伺いいたします。
○国務大臣(村山富市君) 田沢前法務大臣から私のところに辞任届が届けられてまいりました。 それ以前に、新聞で、例の二億円の借用問題等々の問題に関連をして、参議院の本会議でこの質問が削除されたと、取引があったのではないかというようなことがうわさをされておる。その事実について調査してほしいということを私は要請いたしました。 そして、調査の結果も報告はございましたし、その調査結果の報告に基づいて本人から辞任届が出されたわけでありますけれども、そのときに調査の報告と照らして私がお受けいたしましたのは、そういう裏取引の事実関係は一切ありませんと。それから、二億円の借用問題につきましては、自分が担保を提供して借りたものであって、既に二千万円はお返しをして、あと残りの残額についても全部返済をいたしておりますから一切指摘をされることはありませんと。しかし、こういうことがうわさにされただけで予算委員会の審議に影響があったりなんかして補正予算の成立がおくれるというようなことがあったのでは御迷惑をおかけしますから、したがってこの際辞任をしたいと。こういうお話がございましたから、私はそれを率直に素直に受けとめて了解したという経過でございます。
○吉田之久君 ただいまの総理の御答弁によりますと、あくまでもそれは田沢さんがある宗教団体から二億円の融資をお受けになっておった、その後お返しになっておったようでございますけれども、それが閣僚資産公開の際に報告されなかったと、それがすべての原因でございますね。そのように確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(村山富市君) 新聞で報道された範囲においては、今申し上げましたように、本会議の質問が削除をされたことについて裏取引があったんではないのかそういう不明朗なことがあったんではいかぬではないかということが一つですね。それからもう一つは、この二億円の借用問題に関連をして問題がなかったのかということについていろいろ取りざたされたけれども、その二つに関する限りは一切ございません、これはどこからお調べになっていただいても結構です、指弾をされるようなことは一切ありませんという報告をいただいて、それを確認した上で、しかしこんなことがあって予算委員会等の審議に御迷惑をかけてもいけませんからこの際辞任をしたい、こういうお話ですから、私はそれを率直に、素直に受けとめて辞任届を受理したと、こういう経過です。
○吉田之久君 裏取引がなかったことははっきりしたことでございまして、私も後で申し上げたいと思うのでございますが、その前に、巷間伝えられるところによりますと、田沢さんは宗教法人法の改正については消極的であった、オウム真理教に対する破防法の適用にはむしろ積極的な姿勢を見せておられた、その辺が与党内の反目と申しますかせめぎ合いになって事がこのように運んだ底流になっているのではないかと言われておるわけでございますが、そんなことはありましたか。
○国務大臣(村山富市君) それは御本人も記者会見の席上で申し上げておりますけれども、私も内閣の一員として内閣の方針には従うし、同時に宗教法人法の改正の必要性も認めておりますというような意味の内容の話もいたしておりますから、そういうことについては一切私は関知いたしておりません。
○吉田之久君 それはそれで結構でございますが、そこで、先ほど総理もお述べになりましたが、去る十月三日、本院の本会議において行われました平成会の代表質問、石井氏の質問についてあらぬ憶測を呼んだという問題についてでございます。 このことは私どもにとりましても何か裏取引があったのではないかといううわさが流れまして、まことに不愉快千万でありますし、我が平成会と質問者の石井君の名誉にかけてもこのことははっきり申し上げておきたい。いささかの裏取引のウの字もなかった、取引の片りんもなかったということをこの機会に申し上げておかなければならないと思うのでございます。 なぜならば、当日、石井氏は壇上の判断で、時間の関係もこれあり、他のPKO、PKFの問題あるいはAPECの問題など、田沢氏の問題も含めて五項目にわたる質問をカットしたのでありまして、ただそれだけのことであります。だから、この伝えられる裏取引などはみじんもなかったことをこの機会に平成会としてもはっきりと申し上げておきたいと思うのでございますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(村山富市君) これは私が全然関知しないことでありまして、私によろしゅうございますかと聞かれても、イエスともノーとも私は回答する限りではございません。
○吉田之久君 それはそうだろうと思いますけれども、我が会派といたしましてはこの辺をはっきり申しておかなければならぬと思うのでございます。 そこで、重ねて総理にお尋ねいたしますけれども、あなたはいつの時点で田沢氏の資産公開法違反を御承知になりましたか。いつの時点で田沢さんのこの二億円の融資の問題、それが閣僚の資産公開に報告されなかったと、そういう事実をいつお知りになったのでありますか。 言うならば、あなたが田沢氏のこの問題を知って、知りながら田沢氏を法務大臣に任命されたのか、あるいは知らないで任命されたのかその辺の事実関係でございます。
○国務大臣(村山富市君) 就任をした後からの申告ですから、したがって申告漏れがあったということは後で知りました。
○吉田之久君 それで、それを知ったときに、あなたは直ちに、これは問題だということであなたみずから田沢さんに対して辞任を要求されなかったのか、あるいはむしろ罷免の措置を講じられるべきではなかったかと私は思うわけなのでございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。 申告漏れが判然とした直後に、法務大臣に私から、この内容について御説明をいただき、しかるべき処置をしてもらわなければ困りますということは申し上げました。
○吉田之久君 官房長官、それはいろいろそういう問題が新聞紙上等で報ぜられた後でございますか。
○国務大臣(野坂浩賢君) そのとおりであります。
○吉田之久君 私は総理に申し上げたいのでございますが、今度のこの法務大臣の更迭問題、それが非常にあいまいな、本人の申し出によって処理されたと。これは結果的に言えば、田沢氏の資産公開に報告されなかったという重大な問題を不問にされたことに結果としてなるような気がするわけでありまして、その辺の責任をお感じになりませんか。
○国務大臣(村山富市君) 不問にしたんではなくて、今、官房長官からも答弁がありましたように、ただして本人は訂正をして出し直した、こういうお話ですから、その限りにおいて了解したということであります。
○吉田之久君 それでは次の質問に入りますが、過ぐる参議院選挙の投票率の問題でございます。余りにも低かったように思います。 参議院ができてから今日まで、昭和二十年代から四十六年あたりまでは常にほぼ六〇%前後の投票がございました。四十九年には七三・二%、五十五年には七四・五%を超えておるわけなのでございますが、今回は何と四四・五%、これが比例代表の方でありまして、選挙区の方が四四・五二%にしか達しなかったということであります。 このような極端な投票率の低下を見たのは一体何に起因するものか、総理はどう分析なさっておりますか。
○国務大臣(村山富市君) 今回の参議院選挙で投票率が異常に低かったことについては、いろんな見方があると私は思います。何ぼ選挙をやっても政治というのは変わらぬ、同じじゃないかといったようなあきらめもあったかもしれませんし、いろんな見方があると思いますけれども、私は政権を担っておる責任者として、もう政治に対して期待が持てないという一つのやっぱり有権者の抵抗感のあらわれじゃないかと。ですから、自分の意思を表明するために私は投票しないことによって自分の意思を表明しよう、こういうものもあったんではないかというように厳しく受けとめていく必要がある、私自身はそういうふうに思います。 同時に、そうした有権者の気持ち、期待にこたえるためにも、そうした選挙の結果というものについては謙虚に受けとめて、そして厳しく反省もして、やっぱり十分信頼と期待にこたえ得るような政治をやっていかなきゃならぬという決意を新たにいたしたところでございます。
○吉田之久君 大変総理は謙虚に受けとめておられるようでございますが、要するに国民の中にあるあきらめ、期待を持てないという今日の日本の政治、その責任はあなたを初め我々国会にあるわけでありまして、そういう国民のネガティブな反応、それはもちろん忠実に受けとめなければなりません。 しかし、私の考えるところによりますと、ただいま自社さきがけの三党によって連立政権が構築されているわけでありますが、このかなり性格の違った三党がそういう政権下において国政選挙である参議院選挙に臨まれた。お互いに政権を構成しておられるわけでございますから、余り異を唱え合うことは避けたいというそういうおもんぱかりから、結果として三党の政策や公約が非常に個性のないものになったのではないか。極めて平凡な味気ないものになったと国民は受け取ったのではないだろうかと思うわけなのでございますが、あなたはどうお感じになりますか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほども申し上げましたように、今度の参議院選挙に臨む有権者の見方、考え方というのはいろいろあったと思いますけれども、この三党連立政権というのは、私はたびたび申し上げておりまするけれども、今一つの政党が単独で政権を担うだけの議席を持っている政党がないんですよ。そうしますと、いや応なしにこれはもう複数の政党で連立政権を組んで政権を樹立する以外にはないんです。この三党は政策合意に基づいて連立政権を組んでまいりました。これまで細川政権もありましたし、羽田政権もあったわけです。 そういう連立時代に入ってきた政権の経過というものを十分に踏まえ、反省すべき点は反省をして、そして有権者の気持ちにこの連立政権がこたえていくためには、やはり透明度を高めて民主的な運営をする必要があるということが一つ。 それから、お互いにこれは政策の違いもあるわけです、当然前提として。その政策の違いを譲り合って、遠慮し合って合意を求めていくというのではなくて、積極的に主張し合いながら競い合って、そして合意点を求めていくということが大事ではないかというように私は思うんです。 これはもう価値観がこれだけ多様化している時代ですから、その多様化した価値観がそれぞれの政党を通じて反映されていく、積極的な取り組みの中から激しい議論もしていく、そして合意点を求める。その合意点というのは、ある意味から申し上げますと、国民の多数の意見が集約された合意点ではないか、そういうことになるような方向で政権を運営していく必要がある、こういう考え方で私はやってまいりました。 言うならば、戦後処理の問題等については、ある意味ではこの政権でなければできなかったことではないかというふうに考えて、私はそれなりに評価していただいてもいいんではないかというふうに思っておりますけれども、同時に、当面するいろんな難局、課題についてそういう立場でこれからも真剣に取り組んでいって国民の期待にこたえ得る政権をつくっていこう、政権になろう、こういう決意で頑張っておるところでございます。
○吉田之久君 各党お互いに競い合ってかつ合意を求めよう、それは大変大事なことだと思うのでございますけれども、それで合意を求めたつもりで国民にお問いになっても、国民の側から見たら納得していないのが今度の選挙であったというふうな気がするわけでございます。 新進党の側は、結党間際でございましたけれども、真剣に額を集めて政策を練り合わせ公約を発表した。それがそれなりに評価されたのではないかと思うのでありまして、この政策、党の公約をもっともっと研ぎ澄まさなければならないということをお互いに心しなければならないと思うのでございます。 そこで、総理にお伺いいたしますけれども、いろいろ参議院選挙の結果も三党にとっては好ましい結果ではなかったと思うわけでありますが、何か三党首がお互いに傷をなめ合いながらそれでもこの政権を維持していこうというように見られてならないのでございます。今国民の声は、一刻も早く解散して信を国民に問うてほしいという思いが日に日に高まっていると思うのでございますが、総理はどうお考えになっておりますか。
○国務大臣(村山富市君) 傷をなめ合って三党の党首がやっているなんという言い方は私は少しどうかと思いますけれども、そうでなくて、お互いに持っているものを生かし合って、そして励まし合って信頼に結ばれて頑張っていこうと、こういう話は時々いたしておりますけれども、傷をなめ合ってやるようなことは全然考えておりませんから誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。 それから、あとのことは何でしたかね。
○吉田之久君 解散です。
○国務大臣(村山富市君) これは私は、当面する今の課題から申し上げますと、ことしは大震災もありましたし、それからこの三月にはサリン事件もあったり、今まで想定できなかったような事件が次から次に起きております。こういう事件を的確に解決して、そして何よりも国民に安心してもらう安全な国土づくりをするということも当面の課題ですし、それからこれだけ三年間もゼロ成長といったような経済不況の中で、何とか不透明感を払拭して明るい展望も開かなきゃいかぬ。そのために切れ目のない経済政策を推し進めて、そして国民にもう少し期待と希望の持てるような経済的な展望というものも開かなきゃならぬと。 同時に、この十一月にはAPECがあるとか、国内外に重要な課題を抱えているときでありますから、そういう課題にこたえていくことが当面この内閣に課せられた最大の課題ではないかというふうに思っておりますから、その課題に取り組んで真摯に解決していくということのために今は全力を挙げる時期であって、解散を考える時期ではないと、私はそう思っております。
○吉田之久君 いろいろ総理の思いは募っておられるようでありますけれども、国民の側から見たら、今や今日のなすところない政府に対しまして町でも村でも怨嗟の声が満ち満ちておるわけでありまして、私はこういうときにこそ国会は解散されるべきだと、そう思ってやまないのでありますが、特によくお考えをいただかなければならぬと思うのでございます。 次に、今第三極を目指す新しい党が社会党ないしその周辺を中心として形成されそうに承っておりまして、それはそれで結構でございますけれども、その場合に、現在の日本社会党の党首でいらっしゃる総理は、その新しい党の党首になろうと思って立候補をされようとするのかされようとしないのか。まだ先の問題でありましょうけれども、心づもりを聞いておかなければならぬと思うのでございますが、いかがですか。(「そんなの関係ない」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(村山富市君) いろいろ新党の結成について御心配、御配慮をいただいておることを恐縮に存じます。 これは、社会党自体がどう生まれ変わっていくかということもございますけれども、社会党だけで新党をつくるという考えではなくて、できるだけ志を同じくする方々と新しい人々を主体にしてそれに社会党も合流していくと、こういう考え方もあり得るので、いろんな道筋を今模索いたしておりますから、どういうことになっていくのかということに対する展望がまだ定かではありません。 そういう状況の中で、いろいろあらかじめ想定して物を考えていくということについては誤りだと私は思いますから、今申し上げる段階にはないというふうに言わなければならぬと思います。
○吉田之久君 まだ確かに先のことではあります。だから関係ないよという声も聞こえておりますけれども、これは大いに関係があるわけなんでございます。その新党が二年も三年も先にできることならまだしも、場合によってはもう数カ月のうちにできるかもしれない。そのときに、今社会党の党首であられるあなたがその新しい党の党首に仮にならないとするならば、その時点において、あなたは三党合意の上に成り立っております今日の政権のそれを代表する一党の党首でなくなるわけなのでありまして、一人の国会議員に戻られるわけなのでございますね。 それでも、それはそのときのことだということではちょっと国民は心配きわまりないわけでございまして、この辺はこれ以上あなたには聞きませんけれども、副総理であり自民党の新しい総裁になられました橋本さんに、よしんば仮にそういう事態が起こった場合、それでも今の村山さんを総理とする連立政権をそのまま続行されようとするのか、それはできることなのかどうなのかということをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) これはさっきから申し上げておりますけれども、どういうふうにその後、新党が構成されていくのかというようなこともまだ定かではありませんし、あくまでも仮定のことですからお答えしない方がかえって混乱をさ
○国務大臣(村山富市君) 先ほども申し上げましたように、今度の参議院選挙に臨む有権者の見方、考え方というのはいろいろあったと思いますけれども、この三党連立政権というのは、私はたびたび申し上げておりまするけれども、今一つの政党が単独で政権を担うだけの議席を持っている政党がないんですよ。そうしますと、いや応なしにこれはもう複数の政党で連立政権を組んで政権を樹立する以外にはないんです。この三党は政策合意に基づいて連立政権を組んでまいりました。これまで細川政権もありましたし、羽田政権もあったわけです。 そういう連立時代に入ってきた政権の経過というものを十分に踏まえ、反省すべき点は反省をして、そして有権者の気持ちにこの連立政権がこたえていくためには、やはり透明度を高めて民主的な運営をする必要があるということが一つ。 それから、お互いにこれは政策の違いもあるわけです、当然前提として。その政策の違いを譲り合って、遠慮し合って合意を求めていくというのではなくて、積極的に主張し合いながら競い合って、そして合意点を求めていくということが大事ではないかというように私は思うんです。 これはもう価値観がこれだけ多様化している時代ですから、その多様化した価値観がそれぞれの政党を通じて反映されていく、積極的な取り組みの中から激しい議論もしていく、そして合意点を求める。その合意点というのは、ある意味から申し上げますと、国民の多数の意見が集約された合意点ではないか、そういうことになるような方向で政権を運営していく必要がある、こういう考え方で私はやってまいりました。 言うならば、戦後処理の問題等については、ある意味ではこの政権でなければできなかったことではないかというふうに考えて、私はそれなりに評価していただいてもいいんではないかというふうに思っておりますけれども、同時に、当面するいろんな難局、課題についてそういう立場でこれからも真剣に取り組んでいって国民の期待にこたえ得る政権をつくっていこう、政権になろう、こういう決意で頑張っておるところでございます。
○吉田之久君 各党お互いに競い合ってかつ合意を求めよう、それは大変大事なことだと思うのでございますけれども、それで合意を求めたつもりで国民にお問いになっても、国民の側から見たら納得していないのが今度の選挙であったというふうな気がするわけでございます。 新進党の側は、結党間際でございましたけれども、真剣に額を集めて政策を練り合わせ公約を発表した。それがそれなりに評価されたのではないかと思うのでありまして、この政策、党の公約をもっともっと研ぎ澄まさなければならないということをお互いに心しなければならないと思うのでございます。 そこで、総理にお伺いいたしますけれども、いろいろ参議院選挙の結果も三党にとっては好ましい結果ではなかったと思うわけでありますが、何か三党首がお互いに傷をなめ合いながらそれでもこの政権を維持していこうというように見られてならないのでございます。今国民の声は、一刻も早く解散して信を国民に問うてほしいという思いが日に日に高まっていると思うのでございますが、総理はどうお考えになっておりますか。
○国務大臣(村山富市君) 傷をなめ合って三党の党首がやっているなんという言い方は私は少しどうかと思いますけれども、そうでなくて、お互いに持っているものを生かし合って、そして励まし合って信頼に結ばれて頑張っていこうと、こういう話は時々いたしておりますけれども、傷をなめ合ってやるようなことは全然考えておりませんから誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。 それから、あとのことは何でしたかね。
○吉田之久君 解散です。
○国務大臣(村山富市君) これは私は、当面する今の課題から申し上げますと、ことしは大震災もありましたし、それからこの三月にはサリン事件もあったり、今まで想定できなかったような事件が次から次に起きております。こういう事件を的確に解決して、そして何よりも国民に安心してもらう安全な国土づくりをするということも当面の課題ですし、それからこれだけ三年間もゼロ成長といったような経済不況の中で、何とか不透明感を払拭して明るい展望も開かなきゃいかぬ。そのために切れ目のない経済政策を推し進めて、そして国民にもう少し期待と希望の持てるような経済的な展望というものも開かなきゃならぬと。 同時に、この十一月にはAPECがあるとか、国内外に重要な課題を抱えているときでありますから、そういう課題にこたえていくことが当面この内閣に課せられた最大の課題ではないかというふうに思っておりますから、その課題に取り組んで真摯に解決していくということのために今は全力を挙げる時期であって、解散を考える時期ではないと、私はそう思っております。
○吉田之久君 いろいろ総理の思いは募っておられるようでありますけれども、国民の側から見たら、今や今日のなすところない政府に対しまして町でも村でも怨嗟の声が満ち満ちておるわけでありまして、私はこういうときにこそ国会は解散されるべきだと、そう思ってやまないのでありますが、特によくお考えをいただかなければならぬと思うのでございます。 次に、今第三極を目指す新しい党が社会党ないしその周辺を中心として形成されそうに承っておりまして、それはそれで結構でございますけれども、その場合に、現在の日本社会党の党首でいらっしゃる総理は、その新しい党の党首になろうと思って立候補をされようとするのかされようとしないのか。まだ先の問題でありましょうけれども、心づもりを聞いておかなければならぬと思うのでございますが、いかがですか。(「そんなの関係ない」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(村山富市君) いろいろ新党の結成について御心配、御配慮をいただいておることを恐縮に存じます。 これは、社会党自体がどう生まれ変わっていくかということもございますけれども、社会党だけで新党をつくるという考えではなくて、できるだけ志を同じくする方々と新しい人々を主体にしてそれに社会党も合流していくと、こういう考え方もあり得るので、いろんな道筋を今模索いたしておりますから、どういうことになっていくのかということに対する展望がまだ定かではありません。 そういう状況の中で、いろいろあらかじめ想定して物を考えていくということについては誤りだと私は思いますから、今申し上げる段階にはないというふうに言わなければならぬと思います。
○吉田之久君 まだ確かに先のことではあります。だから関係ないよという声も聞こえておりますけれども、これは大いに関係があるわけなんでございます。その新党が二年も三年も先にできることならまだしも、場合によってはもう数カ月のうちにできるかもしれない。そのときに、今社会党の党首であられるあなたがその新しい党の党首に仮にならないとするならば、その時点において、あなたは三党合意の上に成り立っております今日の政権のそれを代表する一党の党首でなくなるわけなのでありまして、一人の国会議員に戻られるわけなのでございますね。 それでも、それはそのときのことだということではちょっと国民は心配きわまりないわけでございまして、この辺はこれ以上あなたには聞きませんけれども、副総理であり自民党の新しい総裁になられました橋本さんに、よしんば仮にそういう事態が起こった場合、それでも今の村山さんを総理とする連立政権をそのまま続行されようとするのか、それはできることなのかどうなのかということをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) これはさっきから申し上げておりますけれども、どういうふうにその後、新党が構成されていくのかというようなこともまだ定かではありませんし、あくまでも仮定のことですからお答えしない方がかえって混乱をさになったときに、またそのようなことを部下に勧め、同じようなことをやる。それが官僚の癒着を積み上げていく、そういう一番ゆゆしい問題だと思うのでございますよ。 断じてこれしか日本にこんなケースはありませんと言い切れますか、大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) もちろん、断じてこのケースのみであるなんてことを言い切るつもりはありません。これは官僚に限らず我々政治家もそうでありますし、日本の社会全体でこれだけゴルフが広範に普及をいたしておる中で、交遊の手段としても健康の手段としても幅広くゴルフプレーが浸透していることを認識いたしますと、役所の諸君もそういう意味では多くはみずからの経費でプレーをしてくれていると思っております。あるいは、誘われた場合も一定の必要な金額は負担をしながらプレーしているものと思っております。 少なくとも今回の場合も、経費を払った人、払ってない者が一人いたというのは大変私はびっくりしておりますけれども、そういう経費を全く払わないで、たとえ親しい友人であるとはいえ、それも一回だけの経験なのか数回に及ぶことなのかそういうところもやっぱり見なければなりませんが、一方的に相手側の接待に応じ続けるという事例はどう考えても異例でありますから、常識に反するというふうに私は思っております。
○吉田之久君 一人だけ全然会費を払わなかった人がおる、一人しかいないと。ならば、その一人はだれでありますか説明いただきたい。名前を知らぬで一人おったとか二人おったとかと。
○政府委員(涌井洋治君) 一般論を申し上げまして恐縮でございますが、人事当局といたしましては、職員の私生活についての事実、これはこういう新聞記事があった場合には調査するわけでございますが、しかしその公表についてはやはり基本的に慎重に対応する必要があるのではないかと考えております。 ただ、もちろん中島氏のように行き過ぎたつき合いがあるようなケース、あるいは国家公務員法の処分を行うようなケースに当たる場合には、私生活の行動についてもこれは明らかに説明する必要があるのではないかと考えますが、今回の場合、たまたまゴルフにだけ顔を出しているという者について人事当局として調べた者を公の場で明らかにすることは適当ではないのではないかと考えております。
○吉田之久君 いかにもあいまいもこたる、温情あふるるお答えのようでございます。そんなことでは綱紀は粛正できません。まあ一回だと思うよと、一人なんだからと、今の答弁自身がこんなことは仕方ないんじゃないんですかと言わんばかりの答弁と私は受けております。 本当にこれは問題なんですよ。ならば、過去に全然なかったかどうか、別に大蔵省だけとは言いませんけれども、全省庁にわたってこの種のことがかつてなかったかということを、総理、官房長官あたりが指揮されて、そして徹底的に調べると。二度とあっては許さぬと。服務規定にも反する問題だと思いますよ。今のような答弁では、これは根絶できるどころかますます奨励しているようなことになると思いますね。慨嘆にたえません。どうお考えになりますか、官房長官。
○国務大臣(野坂浩賢君) 御答弁申し上げます。 官官接待の問題は、新聞紙上に出ました際にも、あるいはテレビでも私がはっきり申し上げましたように、関係省庁を通じて綱紀の粛正を強く訴えました。総務庁と自治省におかれましては、直ちに文書をもって自治事務次官の名前で発送をしたということの形式的なことはやっております。 したがって、具体的にこれらの問題については十分留意するように各関係省庁の皆さんにはお願いを申し上げておりますが、先生からの強い要求もありますし、十分調査をする必要もあろうと考えておりますので、今後一層、ますます綱紀の粛正に力を入れてまいりたい、こういう所存ておりますので御了承を賜りたいと思います。
○吉田之久君 これは官官接待ではございません。しかし、官官接待を初めこういう民間との利害関係あるところでもう日常茶飯事、この種のことが大なり小なり行われている今日の体質ではないかということを私どもは憂えるわけでございます。 しかも、国民は今日のこの未曾有の不況下の中で、国も官僚の皆さんも必死に不況対策に取り組んでいてくれるであろうと信じて頑張っておるわけでございますが、こういう記事を見、今の答弁を聞いたら、これはもう愕然としますね。何だ、おれたちの努力は余りにもむなしいではないか。国民の税金で、それを給与として生きていらっしゃる官僚が、公に奉仕すべき最高の責任ある人たちがみんな寄ってたかって官官あるいは関係ある民間どこの種のことを繰り返しておるのかと。これは重大な問題でありますよ。これこそが政治不信の最たるものに発展していくと思うんです。 だから、今、官房長官は今までは形式的にいろいろと示唆してきたけれども、これからはいろいろと調査を始めるべきであろうかなというようなことをおっしゃいましたが、断じて調査されなければなりません。頂門の一針でありまして、こういう事件が起こったときにこそ、何だと言って皆様方が怒らないといかぬと思うのであります。余りにも官僚を竹やかし過ぎると、それが政治不信の根源になると思うのであります。私は、個人の名誉のためにも、あえてこれ以上リストを出せとかいうことは今回は申しませんけれども、重大な反省をしてもらわなければならない。総理みずからお答えをいただきたい。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からもお話がございましたように、いやしくも全体の奉仕者として国民から疑念を持たれるような行為があってはならないということを厳に戒めて、綱紀の粛正に取り組んでいく決意であります。
○吉田之久君 次に、経済問題についてお伺いをいたします。 まず、景気の動向についてであります。 三月以降、急激な円高によりまして消費、設備投資、生産活動、ことごとく押しなべて停滞を続けております。失業率は三・二%、戦後最悪の状況でございます。経企庁の景気動向指数を見ましても、五月以降連続三カ月五〇%を割り続けています。もはや、総理、今の日本の経済は失速状況寸前だと思うんです。あるいはもう失速状況に入っているかもしれません。飛行機の場合、失速してしまえばどんなにエンジンをいっぱい吹かしても上昇はできないで、きりもみ状況になっていくわけなんでございます。今まさにそんな時期に近づいているのではないかということが心配でならないわけでございます。 全般的に景気の動向について総理はどう御認識なさっておりますか。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございましたように、この三年間ゼロ成長を続けて、先般の十月の月例経済報告を見ましても弱含みの状況にあるということは厳しく指摘をされているところであります。 そういう状況を背景にしながら、これまでも間断なく対策を打ち出して講じてきたところでありますけれども、そうした努力も反映をして、最近やや公定歩合や株に好ましい傾向があらわれつつある。こういう状況のときに、やっぱり切れ目のない対策を引き続き打ち出していく必要がある。こういうことから、先般、九月二十日に経済対策を決めまして、そしてその経済対策に基づきまして、いまだかつてない大型の十四兆二千二百億円といった規模の経済対策も決めて、今、補正予算の審議もいただいているわけであります。 その経済対策の中では、内需の拡大やら、あるいは当面直面しておる資産の下落に伴う諸問題等々に対する対策やら、あるいは証券市場の活性化、投資の自由化等々も講じながら、二十一世紀に向けて明るい展望の開けるような新しい分野の開発に向けて、とりわけベンチャービジネスやあるいは情報通信、科学技術といったようなものについても対策を講ずる。同時にまた、高齢化が急速にやってくるわけでありますから、そうした高齢化社会に対する対応というようなものについても、それぞれ今までの公共投資の配分等についても十分見直しをして、そして現状と新しい時代に対応できるようなものにウエートを置いていく。 こういう配分についても十分考慮をしながら、何とかこの末ぐらいまでには明るい展望が見られるようなそういう方途を講ずるということで、積極的に今対策を講じておるところではございますが、一日も早く予算の成立をいただいて、そして確実に実行していくということが何よりも大事ではないかというふうに考えておるところでございます。
○吉田之久君 総理が公定歩合の側面では明るい展望が見えたとおっしゃいましたけれども、ちょっとわかりませんね。公定歩合がこんなに低くなったことによって、金利で生活を支えている老人たちは非常に今困り果てていますね。その辺も御留意いただきたいと思うのでございます。 次に、月例経済報告についての景気判断の推移について経企庁長官にお伺いをいたします。 まず、ことし六月、どのようにおっしゃっているか。「我が国経済は緩やかながら回復基調をたどっている。ただし、円高の悪影響が一部にみられる。」。七月には、「これまでの緩やかな回復基調に足踏みがみられる。なお、雇用情勢は厳しい状況が続いている。」。八月には、「景気の回復基調に引き続き足踏みがみられる。なお、雇用情勢は厳しい状況が続いている。」。九月になりましたら、「我が国経済においては、景気は」と書いてありますね、景気回復の「回復」の字がもうなくなっています。「景気は足踏み状態が長引くなかで、弱含みで推移している。なお、雇用情勢は厳しい状況が続いている。」、こうなっているんですが、どう聞いてもよくわかりませんね。言葉の遊戯をなさっているような気もしますし、だんだん昔、戦争は負けて怪しくなっているのに、大本営発表で何か反撃しているようなのがありましたが、そんな似た感じがしてならないんです。 いみじくも、経企庁のOBであり現在立命館大学の白川一郎教授は、月例経済報告の表現は暗号表がなければわからないと、こんな方がそう言っているのでございますが、これはわかりませんね。今どき天気予報の方がよくわかります。経企庁長官、こういう表現でよろしいんでしょうか、外国でもこんな表現をしているんでしょうか。もう少しわかりやすく国民に的確な判断を与えなければ国民はついていけないと思いますよ。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 景気と申しますのは、経済活動全般の動きを表現する言葉でありますけれども、一つの指標でこれをあらわすということはできません。統計的には景気動向指数ですとか国民所得統計を中心にしまして、個別の指標を見ながら総合判断をするわけです。定性的には景気がいいとか悪いとか、あるいは景気が上昇しているとか下降しているとかという表現をとるわけでございます。その内容をもう少し方向性をはっきりさせたり、スピードをどれぐらいであるかということを表現するために、今御指摘のようなさまざまな表現を使っているわけでございます。 的確でないという御批判はあるかと思いますけれども、今述べられました中で、例えば景気回復基調、それから足踏み状況あるいは弱含みに推移をしているという言葉で申しますと、回復基調というのが一番強くて、足踏み状況というのが弱くて、さらに弱含みが加わっているのがさらに弱いということでございますが、同じようなことは、例えばアメリカでもイギリスでもそれぞれ経済情勢の報告書にございます。 例えば、今の景気が悪いという状況に即して言えば、ウイークだとかスローとかという一般的な表現もありますし、スラギッシュですとかモデレーションだとかいろいろございます。最近の大統領経済報告あるいはアメリカの連邦準備制度の報告によりますと、サムホワット・スロー・トレンドとか、インディケージョンズ・オブ・サム・ソフトニングだとかあるいはモデレーションとかいろいろの言葉がありまして、足踏み状況あるいは弱含みという言葉はそれなりに存在しております。ただ、先生御指摘のように、なるべくこれからは国民にわかりやすいような表現を工夫してまいりたいと思います。
○吉田之久君 今海外でも同じような表現を使っているようなお話を聞きましたが、それにしてもわかりにくいですね。だから、朝、雨になりますよと言えば傘を用意しますし、一週間後には晴れますよと言えば旅行の計画も立ちますし、それは完全に当たる当たらないは別として、国民の経済活動をやっぱり適切にリードできるに値する表現が必要だと思います。 だから、宮崎さんのような方が経企庁長官になられたわけでございますから、これを機会にもう少しわかりやすく、暗号表が要れば要るで結構ですよ、今おっしゃったようにこれはこうなんですよということを説明していただかないと、本当に国民は弱含みだと思います。 さて、産業空洞化の問題についてお伺いいたしますけれども、日経のアンケートによれば、輸出企業の経営者の半数は為替と関係なく海外からの製品・部品輸入を拡大する、また大半が百円以上の円安にならなければ海外生産を当初計画どおり進める、こう言い切っているわけでありまして、もはや空洞化には歯どめがかからないのではないかと思います。 一体、こんな状況にだれがしたと言いたいのでございますが、通産大臣、お答えいただきたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員が御指摘になりましたように、国内の高コスト構造が顕在化してきたこと、また最近多少円安の方向に是正されてはおりますが、ここまでの行き過ぎた円高の中で海外への直接投資が大きく増加しておることは、委員御指摘のとおりであります。 数字で申し上げますと、製造業の海外投資が九四年度には対前年度二四%という増加でございました。また、海外生産比率も九〇年に六・四%でありましたものが九三年には七・四%まで上昇しておりまして、恐らく九四年度は八%程度ではな、かろうかと思います。 個別製品で見ましても、カラーテレビあるいはテープレコーダーなどは海外生産比率は七割を超えております。我々とすれば、これ以上製造業が日本から逃げ出さないようにするためにはどうすればいいかと真剣に訴え続けてもまいりました。 結局、必要なことは何かといえば、競争を促進することであり、これは民間の商慣行も含みますけれども、いわゆる規制緩和を進めて仕事のしやすい環境をつくりながら高コスト構造を是正していくことであり、新たな産業・生活インフラを整備していくことであり、同時に今まで一番我が国で欠けておりました新たな事業がスタートを始める、いわゆるベンチャー企業ということばかりではなく、新事業分野の発展が可能になるような基盤整備を進めていくといったことであろうと存じます。 この九月二十日に政府は経済対策を決定し、そしてそれに基づく補正予算を現在御審議をいただいておるわけでありますが、私はこうした努力の中から少しでも将来への目を開いていきたいと考えておりますけれども、これだけで足るはずはありません。今後、やはり金融機関の不良債権の問題の処理を急いでいただかなければならないこと、さらに規制緩和を一層推進していかなければなりませんし、税制を見直していくこと等も含めまして、使える武器は何でも使っていきたい、今そのような思いでおります。
○吉田之久君 通産大臣もお述べになりましたとおり、空洞化はできるだけ防いでいかなければならない。しかし、それでも緩やかに空洞化は広がっていくと思います。それならばそれで、どのように新しい産業を創出していくか、これはやっぱり情報通信、環境、福祉など新しい分野に重点的に集中的に対策を講じるべきだと思います。今御答弁もありましたので、一層真剣に進めていただきたい。 同時に、雇用問題について労働大臣にお伺いいたします。 今日の雇用は、循環的な不況と構造的な不況、それをダブルに受けて極めて深刻でございます。新規学卒者の就職はまさに超氷河時代だと言われておりますが、若年労働者は何と六%が失業状態にある。深刻であります。しかも、既に求職をあきらめて大学院へ籍を残したりあるいは留学している若者たちもふえておると。だから、潜在的にはますます、もっと大きな失業状態にある。若者に働く職場を与えない国家、これは重大な社会問題に発展すると思うんです。それでこの国を愛しなさいと言ったって、それは無理でございますよ。 だから、労働省としては就職の面接会を開くとか、都道府県に学生向けの臨時職業安定所を設けるとかいろいろ努力はなさっておるようでございますけれども、大きな県に一つではどうにもなりませんで、やっぱり市町村レベルにまでこれをおろしていくということが必要だと思いますし、同時に新規産業や転職のために新しい技術を習得させなければなりません。産学協同で夜間大学なんかを積極的につくって、こうした人たちに新しい技術、学問を教えていくということはこれから極めて必要だと思うんです。 労働大臣、文部大臣も、この点についてどうお考えか御答弁をお願いします。
○国務大臣(青木薪次君) ただいま吉田先生から御指摘のありました雇用問題は極めて重大な問題であり、我が国の最も重要な問題として対応しなきゃならぬ問題だと決意いたしておるところであります。ある意味では、この問題は社会不安を起こす可能性さえあると私は考えているところでありまして、今日依然として三・二%、二百十六万人の失業者が存在する。 そしてまた、今御指摘ありましたように、学卒の未就業者等におきましては、これもまた大変深刻な問題であります。全体として有効求人倍率は〇・六一倍であるわけでありまして、両方ともこの雇用失業問題に対する統計をとって以来最大の数値を示していると言っても過言ではないと思うのであります。 そのために、雇用問題につきましては先ほど橋本副総理からもいろいろお話がございました。私たちは、まず第一に、現在のこの企業の中で失業者を起こさないようにしてくれと。そのために雇用調整助成金をお支払いいたしましょう、これは三分の二のお金を一年間ひとつお支払いいたしましょうということを今行っているところでございます。 それと同時に、それでもだめだということは何か。これは今御指摘のありましたように、日本の産業、企業が職場もろとも外国へ移転してしまうのであります。これはもうお話にありました為替の率には関係なく、いわゆる労働集約型産業がそのまま移転してしまいます。 ただ、一連の関心というものは、パーツ産業と言われるようなものについてはやっぱり日本でこの辺の産業は増大するんじゃないか。これを輸出いたしまして、外地で、特にアジアでこういうものを組み立てて日本へ逆輸出するというような要素さえ実は一部にはあるわけであります。紀元二〇〇〇年まではこのことによって二百万人増を前提とした対策も講じておりますが、製造業で二十万人が出ていくというようなことなどを考えれば、私はやっぱりこの問題は深刻な問題だと言わなければなりません。 残った……(「それはわかっている。どうするかという問題だ」と呼ぶ者あり)残った問題についてどうするか。今から申し上げますから聞いていてください。残った問題についてどうするか。 まず第一に、やはり新しい分野、新しい企業体質につくり変えていくことであります。例えば今回、九月二十日に、申し上げておりますように中小企業の労働力確保等に伴う雇用管理に対する法律案は現在提案いたしているわけでありますが、このことによって高度な技術を持った人を企業に一人置く、その周りに労働者を定着させる、そしてそこを変えていくというようなことと同時に、冷暖房の施設とかあるいはまた休憩室とかそういうものを完備いたしまして、これに対しても高額な給付をする、援助を差し伸べるということ。 それから、今の中小企業の活力を活用いたしまして、そうして神奈川県にあるあの能力開発の四年制の大学のようなものを大いに活用いたし、全国の三百五十の労働省関係の学校、短大とか高校等も活用いたしまして、ここで新しい技術を展開する。こういうものを総合いたしまして、学生の職業センターについては今六つありますけれども、これをこの予算が通れば四十一拡大いたしまして四十七都道府県にづくっていく、そこから市町村に影響を与えていく、市町村を指導する、こういう方向で考えております。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 就職は、意欲に燃えて社会へ羽ばたこうとする学生にとっていわば重要な第一歩でございます。私自身も実は昭和三十年代の初めに大変厳しい就職環境の中で受験した記憶を今でも鮮明に覚えております。 そういう意味で、特に最近の女子学生としては特段に厳しい状況にありますものですから大変憂慮をいたしておりますし、このために去る九月二十八日に、本年七月に続きまして、大学、短期大学等の関係九団体から成ります就職問題懇談会というのがございますが、これを開催いたしまして、私から直接学生一人一人の立場に立ったきめ細かい対応を求めると同時に、お互いにタイアップしてさらに環境の打開に努めるべく要請したところでございます。 また、先生御指摘の、アメリカの夜間大学を例に引かれましたが、我が国では国立系では、例えば大学院系では先端科学技術大学院大学の創設や、あるいは大学の学部では工科系の学部の整備拡充などに努めておりますし、また夜間の社会人教育につきましても大学院では筑波大学の経営政策科学分野の夜間大学院など、学部、大学院を通じて昼夜開校制等の仕組みを活用しながら、社会人のリフレッシュ教育の拡充に努めているところでございます。細かい数字はここにございますが、もしあれであれば後ほど先生の方に資料をお届けいたします。 さらに、公私立大学の設置、認可につきましても、十八歳人口が減少いたしておりますので収容定員増の抑制など一応原則を設けておりますが、先端科学技術分野の人材育成や夜間教育等につきましては例外として弾力的に取り扱っているところでございます。 以上です。
○吉田之久君 両大臣の答弁の熱意はよくわかりましたが、どうかしっかり頑張っていただきたいと思います。 次に、行財政問題について総理にお伺いいたしますけれども、あなたは行財政は今内閣の最大の課題だとしばしばおっしゃっております。それにしては形ばかりの特殊法人の統廃合だと私どもは思うわけでございますが、今日まで行政改革をどのように進めてこられたか、そのことによって歳出削減効果がどの程度あらわれているのかっいでに今後の具体的なスケジュールについてお述べをいただきたい。
○国務大臣(江藤隆美君) 今内閣は改革推進政権ということで、行政改革をやれということで、担当でありますから私の方からお答えさせていただきたいと思います。 特殊法人の整理につきましては、御承知のように十六法人を八つにする、五つを廃止もしくは民営化にするという方針は決まりまして、これはもう既に着々と準備を整えておるところであります。 それから、もう一つのいわゆる規制緩和につきましては、ことしの三月に千九十一項目を閣議決定いたしまして、今年じゅうにその六〇%を実行したい、そして残りも三年間以内にはこれを何とかけりをつけようと。同時に、ことしの暮れには行政改革委員会からまた御答申いただきまして、来年三月までにはもっと数をふやす、こういうことを実はやっておりまして、これを精力的に進めておることは、各党におきましてもそれぞれのプロジェクトチームやら委員会をつくっていただいて幅広く議論をしていただいておる、政府においても行政改革委員会あるいは規制緩和委員会等を精力的に開いて、そしてこれの実現に努めておる、こういう現状であります。
○吉田之久君 だんだん時間がたっていきますので、それでは消費税法の一部改正について、昨年、この消費税法はかくかくしかじかの条件を整えた場合に税率を見直すとなっておりますね、「平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずる。」と。もうあと一年ないですね。総理、大蔵大臣、大丈夫ですか。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のように、昨年国会でお認めいただきました税制改革の中では、二十五兆円で社会保障等に要する費用の財源を確保する観点等々、四点ほど挙げておりまして、そうした総合的な検討の結果、必要がある場合には来年の九月三十日までに所要の措置を講ずる、こう規定されているところでございます。既に今、総務庁長官からも御答弁がございました。 村山内閣としましては、行革、私どもの役所でいえば租税特別措置の整理、昨年かなり大幅にやらせていただきましたが、こういうものも行革の一環でありますし、それぞれの役所が抱える規制緩和の推進、また特殊法人、行政機構等の合理化、そうした課題に着々と取り組んでいるところでございます。 そういう意味では、四つの項目を今、与党も私どももそれなりに対応を続けている。ぜひそうした努力の成果を来年限られた期日までに集約をさせていただきたいというふうに思っております。
○吉田之久君 それでは、総理があるいは大蔵大臣にお聞きしますが、国債残高の問題でございます。 今年度国債残高は二百二十一兆円になると承っております。これはどこかに限界があると思うんですね。建設国債であろうが赤字国債であろうが、国債である限り幾ら膨らんでもいいというものにはならないと思うのでございます。その限界はどうなのか、諸外国はどの辺を限界としているだろうか、諸外国の例。 総理、私が心配いたしますのは、例えばこの間の阪神・淡路大震災、大変なことです。こういうときには国債を発行してでも救済出動しなければならない、復興しなければならない。その国債は延々と五十年六十年償還が続く。その間にいつ何ときまたこのような大災害が、あるいはこれ以上のがもっとしばしば起こらないという保証はない。そういうときにはやっぱり国債を発動しなきゃならない。そのためには余裕を残しておかなければ大変だと思うんですね、子供や孫の時代が。 必要ではあるけれどもどこを限度とするのか、お教えいただきたい。
○国務大臣(武村正義君) 私は、率直に言ってもう限界を超えつつあると、そんな認識を持っているところであります。 今年度末二百二十一兆円、一つ言えますのは、国際比較でありますが、地方債も含めてGDPに対して国債の現債高がどのくらいであるかを比較してみますと、日本は八八・九%になっています、GDP対比。アメリカは六三%、イギリス五三%、ドイツ六二、フランス五九。アメリカ等の主要な国を二〇%以上超えているということからも、日本の経済力、GDPの比率に対する借金の現債高はもう主要国の中ではトップに躍り出ているということであります。 もう一つはっきり言えますのは、本会議でも申し上げましたが、過去の借金の元利の償還が毎年ぐんぐんふえてきています。今年、この補正を入れますと十三兆でございますが、御承知のように定率繰り入れ停止をしておりますが、あれが三兆円強ございますから、両方足しますと十六兆余りの過去の借金の元利償還が必要なんです。それを三兆円は停止をし、全体を入れると二割からだんだん税収の三割に近づいてきている。そうすると、せっかく貴重な国民の皆さんの税金がその年の仕事に使えなくて、過去に使った借金の元利償還にどんどん優先的に消えていく、こういう不健全な状況になりつつあるということであります。
○吉田之久君 かなり深刻な状況に近づきつつあると。 それで、自治大臣にお聞きしますが、今度の十四兆二千億の公共投資その他の拡大でありますけれども、かなり地方負担が必要でございますね。地方の財政はどうでありますか。
○国務大臣(深谷隆司君) 近年、地方財政は非常に厳しい状態にございます。それは地方税が伸び悩んだり地方交付税が伸び悩んでいるためであります。したがって、これから税収をふやすためには、基本的には何といっても経済回復が第一でございます。そこで、国が今回行う経済対策におきまして、我々としましては住民の社会資本等に関連するような問題についての単独事業を追加措置させていただいているわけであります。 今回の経済政策の中で、地方の負担額はほぼ二兆七千億円と見込んでおります。これらはすべて地方債で賄う予定でございます。ただ、地方債と申しましてもこれは借金でありますから、元利償還金はひとつ国の方で後年度の地方交付税で賄っていこう、こう思っておりまして、できる限り地方に負担をかけない、景気回復は地方からという覚悟で臨んでまいりたいと思っております。
○吉田之久君 地方も中央もこれからなかなか大変な時期に入ると思うのでございますが、そういう中で、今後の政府の経済見通し、実質二・八%は可能なのかどうか。 民間のエコノミストの多くは一%前後であろうと推測しております。最高でも一・七%だという見通しを立てております。かなりの食い違いでありますが、総理あるいは企画庁長官、どう見通されますか。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 本年度の経済見通しは当初二・八%になっております。その後の経済の動きを見ますと、月例報告で申し上げておりますように足踏み状況が続き、ごく最近では弱含み状況が広がっているわけです。したがって、今後、今回の経済対策並びに切れ目のない対策を実施いたしましても、それに今回の対策の効果がすべて本年度内にあらわれるわけではございませんので、そういうことを考えますと二・八%の達成は大変厳しい状況にあると思われます。
○吉田之久君 私も大変厳しいと思います。 そこで、総理、お聞きいただきたいんですが、我々は八月中にでも国会を開いて早く補正を出しなさいと言ったわけでありますが、そうにはなりませんでした。 もしも八月に国会を開いておれば、十月県会でこれをそれぞれ地方で可決、推進に入れたと思うのでございますが、今度は十月のこの国会で成立する。そうすると県会は十二月になりますね。十二月はもう北の方では雪が降っています。公共事業ができないんですね。それが景気回復効果に非常におくれを生ずるのではないか。やっぱり急ぐべきであったと思うんですね。その辺いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 言われる御意見もわからないではないんですけれども、ことしは御案内のように四月に統一地方選挙がございまして、地方自治体は六月に本予算を組んで具体的な作業に入る、こういうこともございましたし、政府としては七五%以上の前倒しをして公共事業の発注をする、こういうこともやってまいりましたけれども、切れ目なくそうした仕事を推進していくためにはやっぱり地方自治体の段取り寺とも兼ね合わせていかなければなりませんからね。 ですから、八月にやればそれで方向は決まるかもしれないけれども仕事の消化というのは追いついていきませんから、したがってそうした前段の動向というものを踏まえた上で適切に対策を講じていく必要があるというふうなことを考えながらやってきたつもりでございます。
○吉田之久君 政府は検討内閣だと、何でも検討を続けていらっしゃる状況でございますが、問題は決断、タイミングですね。立体的にいっどういうふうに組み立てて、どういうふうに促進していくか、この辺を失ったら幾ら膨大な予算を追加したってだめだと思うんです。その辺を申し上げておきます。 次に、宗教法人法の改正についてお聞きいたしますけれども、この宗教法人法の改正はオウム真理教のような事件を防止するために役立つとお考えでございますか、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほどの答弁の中で、公共事業の前倒しは七五%と言いましたけれども、七五・六%の間違いですから訂正をしておきます。 それから、宗教法人の問題につきましては、これは宗教法人法の見直しがオウム真理教のこうした問題があったことをきっかけにして国民の関心が高まったということは、私は間違いないと思いますね。しかし、宗教法人法の改正をしたからといって、こうした事件がすべて解消するというものとは考えておりません。
○吉田之久君 総理のおっしゃるとおりだと思います。確かに、オウム真理教に触発されて、宗教法人法は一体どうなっているんだと国民の関心は高まっております。しかし、この宗教法人法をどんなに改正したって、オウム真理教のような天人ともに許さざるこういう暴挙、集団的な暴走を抑えることはできない。 じゃ、なぜそんなに今お急ぎでございますか。
○国務大臣(村山富市君) 今申し上げましたように、オウム事件をきっかけにして宗教法人というものに対する国民の関心が非常に高まってきておる。それで具体的に、この四月からですか、宗教法人法の審議会が開かれて、そしてそれなりに審議会の中で検討が加えられてきた。それで、その検討が加えられてきた結果を九月に文部大臣に報告が出された、こういう経過になっているわけであります。 今度のオウム事件等々に照らして考えてみましても、全国的な宗教活動が行われているものを東京都だけが所管官庁で携わっておる、山梨県で起こった事件に対して東京都としては手が出せない、こういうような状況を考えた場合に、やっぱり所管をするところがどこになるべきなのかというようなことも一つは問題でしょうし、それからもう一つは、透明度を高めて、そして本当に信教の自由と政教分離というものがしっかり守られていくというようにするためには、私は今言われているような必要最低限の法の見直しはする必要があるんではないかというふうに考えています。
○吉田之久君 宗教法人がだんだん大きくなって複数の府県にまたがっていく、そのとおりです。今や国境を越えて広がっていますね。ならば、所管庁を文部省に移すのもそれは意味があれば大いに結構でございますが、私は余り意味がないと思うんです。世界に移さなければなりません。ユネスコヘでも移すんですか、どうですか。
○国務大臣(村山富市君) それは、国際的に広がっているから所管庁を動かすだけでは意味がないじゃないかと、こう言われますけれども、少なくとも国内における宗教活動の実態というものをやっぱり責任を持ってある程度承知できるというようなものにする必要があるのではないかということは、私は当然ではないかというふうに思います。
○吉田之久君 宗教活動の実態を把握しよう、実態把握が仮にできたとして、その宗教活動に干渉できますか。あるいは宗教法人に対していろんな報告を求める。例えば、オウム真理教のようなものが今第七サティアンを幾らつくりました、ここでサリンの研究をしています、そんなことを報告しますか。するはずがない。 にもかかわらず、この宗教法人法をそんなに一気呵成に急がなければならない理由はどこにあるのか。何か政治的な意図が見え隠れしているように私どもは感じてならないんですが、いかがですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 先生御高承のとおり、宗教法人法は昭和二十六年制定のものでございます。それ以降、社会も大きく変化をいたしました。そしてまた、宗教の実態も規模の面におきましても、また内容におきましても極めて複雑化したところでございます。 ちなみに、経済の規模も名目GNPで約八十七倍と心得ておりますが、いろいろな角度で大きく変化しながら、認証したらそのまま認証のしっ放しということはいささか問題がある。これは何も今回に始まったことでなくて、従前からそういうことの御指摘があったと承っております。
○吉田之久君 認証を見直して、それで仮に見直した部分があったとして、それがどうなるのでございますか。宗教法人にいろいろと国民が不審に思っている面があるかもしれません。では、それをどういう手法で解明していくのか、その辺が全然わかりません。 御承知のとおり、かつて戦前あるいは明治以前の我が国におきましては、宗教に対する厳しい弾圧、迫害がありました。私は奈良県でありますが、天理教の中山みきさんも、あるいはその信者たちが大変なひどい目に遣わされたことを幼少年時代から古老に聞いてまいりました。 この間も会いましたら、本当に平和に伸び伸びと宗教活動できるのはこの五十年ですと言ってこの宗教法人法を評価されている。すべての宗教がそうだと思うんですね。ここで何をどのように改定しようとするのか。もともと信仰の自由を限りなく尊重する自由なる柱の重要な部分でありまして、いわば真綿のような法律で、それをきり同様に真綿で壁に穴をあけようとしたって、それは無理だと思うのでございますが、なぜお急ぎでございますか。
○国務大臣(島村宜伸君) ただいま御指摘がありましたように、宗教に関して戦前大変な弾圧があった、そういう不幸な事件につきましてはかなり承知をしておるつもりでございます。また、その反省に立って宗教法人法が制定されたこともよく承知をいたしております。 しかしながら、現行宗教法人法は、例えば収益事業の中止命令とかあるいは認証の取り消しとか、あるいは解散請求についての規定がございますけれども、しかしいろいろ義務づけられているように見える書類その他につきましても、一たん認証をいたしますと、その後全く閲覧権等すら持っておりません。 したがって、宗教法人がどういう活動をしておるのか、所轄庁といえども全く関知し得ないというのが現実でございますから、これが国民の指摘されるところではないかと、そう承知いたしております。
○吉田之久君 いろいろ宗教法人のそれぞれの動きを知っておかなければならないと思われる気持ちはそれなりにわかりますよ。しかし、知ったって干渉できないんです。宗教の教義がおかしいとかそんなこと絶対干渉できません。 それならば、本当に衆知を集めて、与党も野党も、本当に成熟した民主主義の社会の中で心の問題をつかさどってくれる宗教団体とよく話し合って、本当に平和な状況の中で生き生きしたそういう精神面の活動ができるような法律ができるならば大いに結構でありまして、それを大いに検討したらいいと思うんですが、何も取って逃げるように九月二十九日に報告を求めて、そしてこうだと。 あす、何か改正案を出されるんでございますか。もっと急ぐべき問題はいっぱいあると思うんですが、これだけをお急ぎになるのは我々はわからないんです。
○国務大臣(島村宜伸君) 御承知のように、先ほど申したように内容を全く関知し得ないという中に、例えば、たしか一九八九年と記憶しますがオウム真理教ができて、わずか数年の間に千億円単位の資産を持った。しかし、こういうことが全くわかっておらない。やはり、ヘリコプターを買ったとかああいう機械設備を入れたとか大量の薬品購入したとかそういうことがある程度知り得れば、このことはかなりの意味で何か対応ができたんではないか、こう思考いたします。 したがいまして、私たちは、まさにおっしゃるとおり、何か強権を発動するなんという考えは毛頭ないわけでございまして、今回の法の改正につきましても所轄のあり方、そしてまた同時に情報開示のあり方、そして活動報告のあり方について絞り込んで御検討願ったところであります。
○吉田之久君 いろいろそういう情報をあらかじめ仮に得たとしますよ。それをどういうふうに対応するのか、どう取り締まりできるのか。これはこの法律では無理ですよ。そういう団体の暴走を防ぐ法律は、現在、破防法と暴対法しかありません。暴対法はこれはなじみませんね。何か別な法律をつくろうという検討ならよろしいですよ、一切合切を含めてね。ところがそれでもない。そんなことを急いでおられること自身がどうも解せないんですね。 ちなみに今度のこの審議会、議事録はあるんですか、ないんですか。ちょっとその辺からお教えいただきたい。
○政府委員(小野元之君) お答え申し上げます。 宗教法人審議会におきましては、いわゆる速記者を入れた形での議事録というものはつくってございません。ただし、事務局員がメモを詳細にとりまして、議事要旨という形で議事録を作成しているところでございます。
○吉田之久君 大体、事務局がいろいろそのメモをとって議事録をまとめるという、そういう手法もありますけれども、これはちょっと正確さを欠く場合があります。とは申せ、その事務局がまとめた議事録は出せるんですか。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会、九月二十九日の会議におきましては、当初から議事録は公開しないという前提でこの会議は開かれていったものでございます。先般の同じ日になされました閣議決定におきまして、行政処分あるいは不服審査等を対象とする審議会については議事録公開の例外とするという措置がなされているわけでございます。この宗教法人審議会も基本的にはそういった行政処分等を行う審議会でございますので、例外の審議会の範疇に入っているわけでございます。 ただし、私どもといたしましては、この内容について、国民の方々の関心も非常に深いということもございますので、会議の終了都度、記者クラブにブリーフィングいたしまして、その内容についてオープンにしているところでございます。
○吉田之久君 ブリーフィングを新聞記者にしたからそれで報告したということになるんですか。情報開示というのはそんなものですか。今ディスクロージャーがもう全国的に政治的にも経済的にも叫ばれておるときに、ましてこの宗教団体をもっと透明性の高いものにしようと考えながら、その審議会が極めて不透明であると。全然ちんぷんかんぷんだと思うんですね。 一体、宗教界の代表が何人賛成され、何人反対されたのか、その辺をできるだけつまびらかにしていただきたい。
○政府委員(小野元之君) この報告を取りまとめるに当たりまして、会長において最終的に採決という形はとっていないわけでございます。したがいまして、何人の委員が賛成で何人が反対ということは私どもも承知をしていないところでございます。 ただ、この宗教法人審議会は十五名の委員で構成されておりますけれども、十一名が宗教関係の方々でございます。そういう宗教法人関係の委員におかれましては、先般も大臣から御答弁ございましたけれども、現行宗教法人法が非常に今の宗教団体になじんでおるというようなこともございまして、変えない方が基本的に望ましいという潜在的なお気持ちをお持ちの方もいらっしゃることも事実だと思うのでございます。 ただ、審議の中では、なお慎重にすべきだという御意見がかなりございましたけれども、最終的には会長が会務を総理するという権限を持っておられるわけでございますけれども、これ以上議事を続けても結論はそんなに変わらないということで、会長一任を取りつけられて報告をされたところでございます。
○吉田之久君 その会長が元文部事務次官でしょう。しかも、結論も出ていないのにともかく締め切ってまとめた、それであした法案を出そうと。村山総理、全然私どもは理解できないんですよね。だから、なぜそんなにお急ぎになるのかと。文部大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) ただいまも文化庁次長から少しく御説明をいたしましたけれども、まず宗教法人審議会のメンバー構成をお考えいただきたい。十五名中十一名が宗教関係の代表の方、四名が学識経験者、これが一つであります。それから、会長はこれは委員の互選によって選ばれた会長でございます。そして、宗教法人法七十四条には会長は会務を総理するということが決められております。 また、慎重でなかったようなことを申される方がおりますけれども、さっき申したように三点に絞った問題を四月以来、総会五回、特別委員会八回、ここでいろいろ御検討いただいてきたことでありますから、極めて慎重の中にも慎重に精力的に御検討いただいたと受けとめております。 また、討論が出尽くしたということで、会長が一任をいわばお願いしたときに一任をされているわけでありますから、十一対四の中で一任が得られだということも御理解いただきたいと思います。 また、会長はその報告をまとめた後、私に、いわばその報告をいただいたわけでありますが、その際、一部慎重論がおありでしたと、このこともはっきり申されておるところであります。
○吉田之久君 答弁になっていないと思います。いずれこの問題は、またこの委員会において他の同僚委員から質問がされると思います。だから、この問題はこれにて打ち切ります。 総理、沖縄の問題、これは事重大だと思います。こんな不当な、屈辱的なことが起こったと。しかも、今回だけではありませんね。起訴された分だけでも百二十二回を数えている。隠された部分がいっぱいある。沖縄県民は今やもう怒り心頭に発して、もう基地も要らない、安保も廃棄しろ、そういう高まりが出てきて当然だと思います。 そうかあらぬか、この間のフジテレビの調査によりますと、今後の日米安保体制をどう考えるか、見直すべきが何と七八%でございます。在日米軍基地は縮小すべきかと、何と七七・二%がそうだと言っています。事重大なんです。このまま放置されたら、これはもう反基地、反米闘争、反安保に走る。それで日本の安全は確保できません。 さて、総理はどうなさいますか。沖縄の知事の気持ちは、あなたも同じ気持ちでなければならないと。県民の一人が、国民の一人がこんなに凌辱されて黙っておりますか。
○国務大臣(村山富市君) 沖縄県が戦前から戦後にかけて、これは講和条約も結ばれたこの時点からも沖縄は施政下にあって、依然として日本に復帰ができないといったような状況も続いたし、また復帰後も日本にある基地の七五%が沖縄に集中してあるというようなことで、沖縄県民の皆さんにはもう本当に御苦労をおかけし、いろんな御迷惑もおかけしていると私は思います。 同時に、これまでも今お話がございましたような事故やら事件等も発生をするし、今回のような少女に対して忌まわしい事件が起こったというようなことについても、これは沖縄県民の心情からして、もうそれは筆舌に尽くしがたい、言いあらわしようのないような憤りと悲しみと不安というものをお持ちになっておるということはよく理解できるところでございますし、沖縄県知事の立場というものも私にはよくわかります。 そういう沖縄県民の心情や知事の立場というものも十分に考えた上で、できるだけその意思やら気持ちに沿えるようなそういう形でもって日米交渉、話というものを私はやっていかなきゃならぬというふうに思いまするし、同時に、最後にお話もございましたように、日米安保条約というのは日米間の信頼の上に結ばれて、しかも両国のために大変大きな役割を持っておりまするし、アジア・太平洋全体に与える影響も大きいものがあるわけでありますから、これはこれでやっぱりしっかり守っていかなきゃならぬと。 そこで、この日米安保条約をどう有効に円滑に活用していくかということと、その基地のある地域の住民との調整と調和というものをどうつくって、お互いに理解と納得がいけるような結論を目指していくかということが大事だと思いますから、私は、沖縄の今回の問題については、当面する一番大きなこの内閣に課せられた課題ではないか、直面する課題ではないかというぐらいの心組みでこれは取り組んで対応していく必要がある、こういう決意でございます。
○吉田之久君 今決意のほどは一応聞きましたけれども、ともかく沖縄の歴史は凌辱の歴史であるとさえ言われているわけなんです。あの小さい県に在日米軍の基地の七五%を蝟集させているということ自身、それがどんなに戦略的に重要な場所であったって、政治的、社会的にこれは我慢できない状況を沖縄の県民は抱くと思いますし、現に抱いております。 まして、今度の事件で沖縄県民の我慢と忍耐はその臨界点を超えた。一挙に爆発して、もうとどまるところを知らぬと思うんです。だから、総理は本当に、あなたはとんちゃんの愛称で呼ばれていらっしゃるようでありますが、クリントンと会って、とことん頑張ってもらわなければならぬと思うのでございます。 私はあと十一分を残しておりますけれども、田村委員があとの部分を質問してくれますので、私の質問の部分はこれで終わらせていただきます。 委員長、御協力ありがとうございました。
○委員長(井上裕君) 関連質疑を許します。田村秀昭君。
○田村秀昭君 新進党の田村秀昭でございます。関連質問に立たせていただきます。 今回の補正予算、経済政策は第六回目になりまして、トータル六十兆円の規模であります。何と国民一人当たり五十万を拠出したことになります。しかし、一向に不況脱出の兆しは見られません。それは市場が冷ややかな対応をとっているということで明らかであります。 なぜなんだろうか。どうせ六十兆規模でやるんなら、初めから何回かに分けて六十兆やるよと政府が明言すれば、受ける方の企業もそれなりの長期計画を立て、設備投資も新しくできる。しかし、一回こっきりで次どうなるかわからない、そのビジョンもない、そういうことではこういう対策を何回打っても、私はただ、(「細川が最初にそれをやったんだよ」と呼ぶ者あり)違います。そういう今の現状は非常に危機的な状況だと思いますので、今後、この規模が将来どうなるのか、これを打てはどういうふうになるのか、国民が安心できて、予測できるような、そういうきちっとした政府の、総理の御答弁をお願いいたします。 これは、政治生命をかけて決断をすることですから、総理にお願いします。
○国務大臣(宮崎勇君) 私から御報告申し上げたいと思います。 これまで政府が数次にわたりまして景気対策を実施してきたのは、六十兆という数字はともかくとしまして、事実でございます。それにもかかわらず今回の景気回復がはかばかしくないというのも御指摘のとおりでございますけれども、これは幾つかの理由がございます。 一番大きな理由は、今回の不景気がただ単に従来の不景気のように、物が余る、設備投資が余るということだけではなくて、バブル経済の崩壊によって資産価値が下落して、そのことによって消費者も投資家も大変慎重になったということがございますし、あるいは急速な円高で構造調整問題が登場して、それに対する不安感、不透明性があったということも景気回復を鈍らせたということだと思います。つまり、公共投資をやってまいりましたけれども、それがうまく民間事業にバトンタッチができなかったというところに問題があるかと思います。 しかし、今回の対策は、これまで四月以降すっと幾つかの対策を打ってきたわけですが、繰り返し御説明申し上げておりますように、ただ単に内需の拡大だけではなくて、それも大事でありますけれども、構造的な問題あるいは資産デフレによりまして回復に障害になっている要因も除去するという政策を含んでおります。こういうことによりまして、公定歩合の引き下げ効果等もあって、経済は着実にこれから景気回復の軌道をとり始めると考えております。
○田村秀昭君 官僚主導型のこのような予算の帳じり合わせのような補正予算を何回組まれても景気は回復しないということだけを申し上げておきたいと思います。 次に移ります。 冷戦が終結して世界は大きく変わりました。変わらないのはキューバと北朝鮮と日本であります。 農民が農業から離れる国、船乗りが海離れをする国、命をかけて国を守る人たちに対して国が名誉と誇りを与えない国、これは必ず滅びる。これは歴史の教訓であります。我が国土、国民の生命、財産を守り、国民が安心して生活できる社会を築くことは政治の基本であります。命をかけて国を守る人たちに対して、普通の民主主義の国家は十分の誇りと十分な名誉を与えております。 現在、防衛庁では防衛計画の大綱が見直されております。編成とか装備とか、そういうものばかりやっていないで、一番重要なことは自衛隊の位置づけをどうするかということです。 防衛庁長官初め自衛隊の背広の職員の方、それから自衛官の方、これは入隊すると命をかけて自分の任務を遂行しますという宣誓をされるんです。これは、ここにおられる閣僚の中でだった一人、防衛庁長官のみです。そういう価値を三党の党首、総理大臣、橋本大臣、武村大臣に、そういう命をかけて国を守るという価値をどういうふうにお考えになっているのかお尋ねします。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話もございましたように、宣誓書の内容から見ましても、自衛官はいざというときは身を挺して国を守るという崇高な任務を有しておるものだというふうに考えております。
○田村秀昭君 総理、いいですか。九月十一日の自衛隊高級幹部会同で、総理は崇高な任務であると言われましたね。あれは違うんですか。ちょっと、どうぞ。
○国務大臣(村山富市君) ですから、今私は崇高な任務を有しておると、こういうふうに申し上げたんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 改めて宣誓書を読み直してみましたが、私は日本の「平和と独立を守る」ということから始まるこの宣誓書の重みというものは、本当にどれだけ感謝をしても足りないものだと考えております。 殊に、湾岸危機が湾岸戦争となり終結をいたしました段階で、我が国の国際的な評価は決して高くありませんでした。そのとき、ペルシャ湾に赴いていただいた海上自衛隊五百十一名の掃海艇部隊の諸君の努力というものがどれほど我が国の評価を救ってくれたかわかりません。当時を思い起こして、改めて感謝をいたします。
○国務大臣(武村正義君) 一たん国が侵略されるような危機に直面をしたときに、この国と国民を守るために自衛という大変大事な職務に精励いただいている皆様に敬意と感謝を強く持ちたいと思っております。 私も、二年前でしたか、細川内閣のときに官房長官として総理の代理で防衛大学の卒業式に参りましたが、自衛官を目指す若い彼らの心意気というものを改めて肌で感じてまいりました。文字どおり宣誓書にあるように、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務めこと、この道で誇りを持ちながら頑張っていただきたいと思います。
○田村秀昭君 それでは、三党首がおっしゃいましたように、崇高な任務だというふうにおっしゃっておりますが、防衛庁は国家行政組織法で総理府の外局になっております。これは、我が国は守る価値がない国であるということを天下に公言しているのと全く同じことであります。自衛隊の位置づけを明確にして、防衛庁を省に昇格させるお気持ちはあるのかないのか、内閣総理大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話もございましたように、防衛庁は国家行政組織法上、総理府の外局として位置づけられております。これは、防衛庁設置法やら自衛隊法等において所要の規定が置かれており、自衛隊が我が国の平和と独立を守り国の安全を守るという任務を果たすために必要な体制を整備されているところであることは、もう委員御案内のとおりであります。現在のところ、防衛力の整備、自衛隊の維持、運用等を適切に実施していく上で、この点には特段の支障があるとは今考えておりません。 今、委員からお話がございましたように、防衛庁を省に昇格させるかどうかということについては、これはやっぱり国民の意識の動向やら、あるいは防衛についての国民の今申し上げましたような世論といったようなものを総合的に判断して考えなきゃならぬことだというふうに思いますけれども、今のところ考えていないことは申し上げておきたいと思います。
○田村秀昭君 それではやはり我が国というのは守る価値のない共同体であるということを天下に公表していることだと私は考えております。特に、防衛庁については冷戦中大変軍事を避けて通るという風潮がありました。これからそういうことをしていると我が国は行き詰まるのではないかというふうな気を非常に持っております。 特に、統幕議長、陸海空の各幕僚長は認証官にすべきではないかというふうに私は思っておりますが、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 統幕議長や幕僚長を認証官にすべきではないか、こういう御意見でありますけれども、これは例えば政務次官やら事務次官、あるいは警察庁の長官や海上保安庁の長官等々についてもやっぱり均衡の問題もあると私は考えておりますが、そういう均衡上の問題を考えた場合に、現在のところその均衡を崩すことについては考えない方がいいんではないか私はそのように思っております。
○田村秀昭君 北朝鮮の核疑惑について御質問いたします。 百三十一回国会、百二十二回国会の総理の所信表明演説と今回の所信表明演説について、事務当局から北朝鮮の核疑惑についての箇所だけ言ってください。
○政府委員(加藤良三君) それでは、百三十一国会から申し上げます。 北朝鮮については、核兵器開発問題に関する米朝間のやりとりをめぐる状況を注意深く見守りながら、一日も早く残された問題が解決して核兵器開発に対する国際社会の懸念が払拭されるよう、米国、韓国、中国等々関係諸国と緊密に連携し、最善の努力をしていく考えであります。次に第百三十二国会。 朝鮮半島に関しましては、昨年十月の米朝令意が緊張緩和の契機となることを願いますが、情勢は今後とも予断を許しません。まず重要なことは、北朝鮮が今次合意内容に沿い誠実に行動し、核兵器開発問題に対する国際社会の懸念を払拭することであります。我が国としては、韓国、米国等々の関係諸国と緊密に連携しつつ朝鮮半島の平和と安定のためにできる限りの貢献を行っていく所存でございます。次に第百三十四国会。 北朝鮮の核兵器開発問題については、米国、韓国とともに朝鮮半島エネルギー開発機構への積極的な協力を行ってまいります。以上でございます。
○田村秀昭君 今回初めて、北朝鮮の核疑惑はないのではないかというふうに国際社会が思うような楽観視した発言になっております。これは重大な政策認識の変更ではないかと私は思っております。この点についてお答え願います。
○国務大臣(河野洋平君) 政府委員から御答弁を申し上げました総理の施政方針演説、三回の施政方針演説についてお触れになりましたが、議員も御承知のとおり、百三十一国会、これは昨年の九月三十日でございます。この九月三十日という日にちは、いわゆる米朝合意ができるかできないかというぎりぎりの場面、あの当時を思い起こしていただきますと、米朝合意は一時は絶望視されるような状況でございました。この時点、米朝合意ができるかできないか、極めて微妙な段階であったという時点でございます。 さらに百三十四国会、すなわちことしの九月二十九日の総理の所信表明演説は、その直前にいわゆるクアラルンプールで米朝間で合意ができた。これはいわゆる韓国炉を北朝鮮が受け入れる、そして韓国をKEDOの作業の中で中心的な役割として認めるという合意に、北朝鮮がその合意に了承を与えたと、こういう状況の変化があるわけでございます。 議員お尋ねのように、この北朝鮮の核疑惑問題の重大性、国際的なグローバルな問題としての重要性については、我々は一貫して極めて重要な問題だという認識をいたしております。
○国務大臣(衛藤征士郎君) お答えを申し上げます。 北朝鮮の核兵器開発問題につきましては、防衛庁としては、この問題は我が国の安全に影響を及ぼす重大な問題であると、かように認識をしております。
○田村秀昭君 総理、お答え願います。
○国務大臣(村山富市君) 今、外務大臣からも答弁がございましたように、情勢は動いていっているわけですから、したがってその動いた情勢に対応して私は物を考えて発言をしておるつもりなんです。その底に流れているものについては一貫をして変わっておりません。これはやっぱり北朝鮮が核疑惑を解消するために米朝で合意した事項を誠実に守ってもらう。そのためにもKEDOというものがつくられているわけですから、KEDOについても我が国は全面的な協力をしながら、核疑惑が解消するように努力をしていく必要があるという考え方についても一貫して変わっていないつもりであります。
○田村秀昭君 答弁をお聞きして、北朝鮮については予断を許さない状況であるという認識であるということがわかりましたので、結構であります。 次に、武村大蔵大臣にお尋ねいたします。 世界唯一の被爆国として我々日本人が核実験の反対を身をもって唱えることは非常に重要なことだと私は思っております。しかし、大蔵大臣という要職にある方が、経済不況、金融不安の真っただ中に、個人の資格で日本を離れてタヒチの抗議集会に出られたことは私は理解できません。国内向けのパフォーマンスではないかと思われてもいたし方ないのではないかと思います。大臣の信念を述べていただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) この問題については、既に参議院の本会議でお答えをしたとおりであります。 私は、この夏、フランスが核実験再開を明らかにした直後から、政治家の一人としてこのことに強い怒りを感じながら中止を求める発言をしてまいりました。参議院選挙前にはフランス大使館へもみずから出向きました。そういう中で、核実験を万一フランスが南太平洋でやる場合は政治家の一人として何らかの行動をとりたい、タヒチにも行きたいし、できれば船に乗りたいと、こういう発言もしたことがありました。政治家の発言としてきちっとこの公的発言を守りたいという気持ちを一貫して持っておりました。 与党の中、一部には御意見もございました。にもかかわらず、総理を初め閣僚の皆さんの寛大な御理解をいただいて、いろいろ御意見はあっただろうと思いますが閣議了解をいただいて、週末を中心にしてタヒチ往復をしてまいりました。従来言ってきたことをこの週末のタヒチ行きで果たすことができて、大変乱はうれしく思っております。 大蔵大臣の職務はいささかも揺るぎがあってはなりませんし、このことによっておろそかにするようなことがあってはならないと思っております。大体一年間五十数週ありますから五十数回週末があるわけですが、主として国際会議は週末でありますし、国内でも緊急な公務はもちろんあります。それは最優先でありますが、しかし閣僚としては、週末の多くは、大体私の場合は党務の会合に出るか、選挙区へ帰らせていただくか、自宅で静養するか、そんな形でございますが、五十何回ある週末の一こまを、たまたま今回は職務に影響を与えないで核実験反対という私の信念を貫く行動で全うすることができたことを大変光栄に思っている次第であります。 今後もこの考え方は変えずに政治家の一人として頑張っていきたいと思っております。
○田村秀昭君 大蔵大臣の職務で今の不況が完全に直ることを私は期待いたします。 外務大臣に御質問をさせていただきます。 十一月に大阪でAPECが開催される。我が国は議長国である。中華民国二千百万人の意思と心を国際社会が受け入れる、そしてそういう機会を国際社会が与えるということは、民主化の流れにある世界にとって必要なことだと考えております。李登輝総統の出席を希望するんですが、いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) APECの非公式首脳会議は、シアトル、さらには昨年はインドネシアのボゴールで開かれております、今回、大阪で開かれます大阪APECにおきましても、私どもは議長国としてこうしたインドネシアあるいはアメリカ・シアトルの前例を踏襲したい、こう考えているところでございます。
○田村秀昭君 非常に残念なお答えでございますが、例えば武村大臣のように個人の資格で李登輝総統が来られた場合には受け入れるおつもりはありますか。
○国務大臣(河野洋平君) APECについてお尋ねだと存じますのでお答えを申し上げたいと思いますが、APECの会合におきましては、議長国としてその議事の円満、円滑に進むことを心がけなければなりません。過去二回の経験というものを我々は大事にいたしたいと思っておりますので、先ほどの御答弁のとおり、これまでの例に倣って行いたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 非常に残念だと私は思います。 先ほど吉田委員から沖縄の問題が提起されました。米兵による少女暴行事件、二度とあってはならないと思います。 昭和二十年の六月に、大田少将は、組織的戦闘が終了する前に、「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」という大本営への電報を打って自決されました。それ以来、沖縄は苦渋の五十年であります。我が国の安全の七五%を担当しております。各都道府県はその重荷を分担しなきゃいけないと私は思っております。我が国は、この大田少将の電文のように、特段の配慮を沖縄県にしてきたのでしょうか。お答えください。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 沖縄開発庁長官がお答えの前に、基地問題にかかわる問題ですから、防衛庁長官としてお答えを申し上げたいと思います。 委員御指摘のとおり、沖縄が本土復帰した、それは昭和四十七年五月十五日でありますが、それから今日まで沖縄の基地の返還が遅々として進まない、こういうことが大変問題になっております。 このことにつきまして調査をしますと、この二十三年間に四十四施設が返還され、四千百ヘクタールが返還されておりますが、しかしこれは微々たる数字でございまして、沖縄県知事初め県民の御希望は、さらなる大幅な予定されておる事案の早期整理統合、さらには縮小を求めておるわけであります。 この二十年間におきまして我が国政府が真摯に、真剣にこの返還問題に取り組んできたとは思いますが、県民からいたしますとまだまだのことでありまして、この努力不足というものを私どもも反省しなければならない、私はそのように考えておる一人でありまして、今後予定されております十事案等につきましても、あるいは懸案の三事案等につきましても、精いっぱいの努力をいたしまして、少しでも整理統合が進むように、そして縮小が進むように、基地の問題として私はそのようにとらえておるということを申し上げたいと思います。
○国務大臣(高木正明君) お答えをいたします。 沖縄開発庁といたしましては、沖縄が本土に復帰して以来二十三年にわたって、今日まで沖縄振興開発計画に基づいて沖縄の振興開発に努めてきたところでありますが、確かに沖縄の問題は、戦後五十年、いろんな特殊な事情によって本土との格差が広がったことは事実でありますが、幸いにして三次計画の中で幾らか本土と沖縄の格差は縮まったところでありますが、まだまだ本土との格差が広がっていることやあるいはいろんな問題がありまして、もっと検討を要する問題点が多くあることは委員御承知のとおりであります。 ただ、委員が政務次官時代に、外務省あるいは防衛施設庁、沖縄開発庁、三庁でそれぞれ事務連絡会議を開いて、沖縄の基地問題をどう進めるかということの連絡会議をつくった経過がありますが、それなどに基づいて私どもは、開発庁としては沖縄の振興開発計画を、三次の計画に基づいて着実に格差を縮める努力をしてまいっておりますが、今後ともなお一層沖縄の振興開発計画については努力をしてまいるつもりでおりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○田村秀昭君 二十一世紀に向かって沖縄の青写真が描けない、これは先ほど私が申しましたように、冷戦中軍事というものを遠ざけてきた、そういうところに原因があるんです。 なぜかというと、米軍の基地を整理統合するといっても、どういう任務をやっている部隊があるのか。例えば、自衛隊はP3Cも持っている。沖縄の米軍もP3Cという対潜捜索をする飛行機がある。同じことをやっている。これはペリー長官が言うように重複している。だから、そういうものを話し合って、軍事的に話し合うそういう部署がないんです。それを速やかにおつくりにならないと沖縄の問題は解決しないということだけを申し上げておきたいと思います。これについてはお答えをいただかなくても結構です。 実際に一つの部署で沖縄の二十一世紀の青写真をつくるところがないということだけを申し上げておきたい。それには軍事的な話し合いがなされないとだめだということだけを申し上げておきたいと思います。 最後に、総理大臣に質問をいたします。 四十年近く日米安保反対、自衛隊違憲、君が代国歌反対、四十年間言っておられた社会党の党首が総理大臣になられた。三党合意でなられた。それは国内的には結構ですよ。だけれども、諸外国から見たら、日本という国の総理大臣は四十年間も言っていたことと違うことを総理の座に着いてから言われる。そういう国をアジアの諸国は信用できますか。私は信用できないと考えております。 したがいまして、それについて、状況の変化だとかそういうお答えじゃなくて、きちっとした反省と総括の上に立った十分な説明をしていただきたいと私は思います。これは諸国民がそう言っているので、私が言っているのじゃありませんから。
○国務大臣(村山富市君) これはたびたびこの席でも答弁を申し上げましたけれども、これまで冷戦構造という国際的な状況を背景にして、軍拡を進めるか軍縮をするか、あるいは日本の自衛隊が再び武装して海外に派遣をされるといったような事態も心配されるというようなことがいろいろ議論をされた経過がございます。そういう経過の中で、私どもはあくまでも平和憲法を守って、自衛隊が武装して海外に派遣することだけはどんなことがあってもやってはならない、こういうことを前提にして非武装中立等も主張して取り組んできたところなんです。私は、社会党がそういう方針に基づいてやってきたその闘いの成果というものはそれなりにやっぱり評価してもらわなきゃならぬと思うんです。 これはなぜかと申しますと、この程度でもって今の自衛隊というものが最小限に維持されておる、ある意味では国民的なコンセンサスも得て、この程度の自衛隊ならいいんではないかという国民の支持というものも反映されておる。こういう事態を考えた場合に、やっぱりこういう歯どめをかけて限界を設けてきたというようなことについては、それなりの社会党の役割というものはあったんではないかというふうに私は自分なりに運動を振り返ってみて考えておるわけです。 そういう状況の中で、これからもう、今や冷戦構造も崩壊してイデオロギーで対立をして云々するような時代ではない、政策を競い合う時代なんだと。同じ土俵の中に入って日本の安全保障をどうするかとかいったような問題も議論できるようにすべきである。こういうことから私どもは方針を変えたんですけれども、これは突然変えたのではなくて、もうずっと以前から党内では議論をしてきているんですよ。議論をしてきているその議論の積み上げの上に決めたのであって、何も突然変えたことでもないんです。 同時に、これは私個人が個人の見解で変えたとかいうのではなくて、それは党大会でもまた議論をして満場一致で方針も確認をされておるわけでありますから、私はそれなりにそういう社会党の方針を変えたことについては評価されておるのではないか、またそういう不信を買っているというようなことは絶対にないことだと、私はそう思っております。
○田村秀昭君 これは諸外国、国民の方が聞いておりますので、私は何も申し上げません。 これにて質問を終わらせていただきます。
○委員長(井上裕君) 以上で吉田之久君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、斎藤文夫君の質疑を行います。斎藤君。
○斎藤文夫君 自由民主党の斎藤文夫でございます。 本委員会におきまして、代表して本日の経済問題並びに当面する重要問題諸案件につきまして広くお尋ねをいたしたいと存じます。簡明なる御答弁をそれぞれ関係大臣からちょうだいいたしたいと思います。 まず最初に、今回十四兆二千二百億に及ぶ大型景気対策を打ち出されまして、この中で最大の政治課題は景気の早期回復にございます。したがいまして、この十四兆二千二百億は史上最大の規模を示しておりまして、当初うわさをされておりました十兆円をはるかに超えるものでございましたし、政策的にも新分野への投資あり、真水と称する部分も予想以上に大幅に組まれており、国民の期待を裏切ることのない積極的な景気対策と評価をいたしておるところでございます。しかも、今日の財政状況を考えますと、大変な努力であったなと推察をいたしたところでございます。この上は一日も早く本予算案を成立させて景気を浮揚し、国民の期待にこたえたいと存じております。 そこで、総理、今回の経済対策の力点、特徴、そして補正を通じて景気回復への確かな手ごたえについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今回の対策につきましては、経済の現状に的確にどう対応していくかということを最重点に考えて、そして今お話もございましたように最大規模の、十四兆円を超える大型の事業規模を確保するということを前提に対策を樹立したわけであります。 その中身としては、まず第一に、やっぱり内需を拡大していくというために公共投資を十分確保するということも大事なことですし、同時に資産価値が下落しておる、こういったような問題に対して、直面する課題について的確に対応するということが第二の柱です。三つ目は、できるだけ証券市場等の活性化を図り、同時にまた新しい分野をどう開発していくかといったような問題も含めて、日本の経済そのものが抱えている構造というものに対して徹底的な改革を進めていく。そして、新しい時代に十分対応して機能が果たせるような体質に変えていく。そのためには規制緩和等も含めて思い切った改革をやる必要があるということで取り組んでおるところでございますが、こうしたことを着実に確実に実施をしていくことによって、私はことしの後半からやや明るい展望も開けてくるんではないかというふうに確信をいたしております。
○斎藤文夫君 ただいま御指摘のとおり、今回の不況は複合不況でございまして、なかなか一朝一夕にして景気回復というわけにはまいりません。特に、従来の手法で、ただ公共事業拡大だということで打ては響く効果は上がってこなくなってきております。したがいまして、切れ目なく総合的経済対策を推進していくために、財政あるいは税制、金融、土地対策、有機的にセットして総合的な対策の効果を上げていただくことが必要だと思っております。 ところが、税制改革や不良債権の処理問題は残念ながら与党三党の中でいささかニュアンスが異なり、先送りをされておられます。総合的な景気対策の観点から考えますと、どうもワサビの抜けた感じがいたすところでありまして、ぜひ一日も早く連立与党として政策合意をいただき積極的に対応していただきたいと思いますが、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のように、九月二十日の経済対策には、この秋から年末にかけて残しております税制改革と住専を中心とした不良債権問題の解決策は外しております。基本的な方針だけを書いておりまして、本当は一体に書けたらよかったとは思いますが、しかし税制という大変深みのある制度の改正でございますから、これはきちっと与党の中でも、そして政府税制調査会においても専門家を含めた議論を得て結論を出していきたい。あと一、二カ月という、そう先延ばしするわけではありません。 そういう意味で、今もう既に議論が始まっておりますが、残されたこの二つのテーマについては、年内のなるたけ一日でも早い時期に具体的な結論を見い出し得るよう努力をさせていただきます。
○斎藤文夫君 御認識のとおりでございますが、特に土地問題は戦後の日本経済の中において土地本位制度と言われるくらい根幹をなしたわけであります。それだけにバブル崩壊の影響というものは、まさに資産デフレ、そしてさらには金融不安、不良債権、いろんな影響を今日与えておるところでございます。今日なお土地価額は五年運続下落をしておりまして、歯どめがかかっておらない状況であります。そのために、一面、土地の流動化がおくれ、景気回復の大きなネックになっておるところは御承知だと存じております。 土地の流動化を図り設備投資や住宅建設を促進させる内需拡大をするためにも、その打開策はバブル時にかけた土地税制をいかに見直していくかということではないでしょうか。二重課税の色濃い地価税を凍結したり、あるいは譲渡益課税を緩和し、固定資産税の軽減など土地税制の積極的な見直しこそ、今大きなカンフル剤だと考えております。 ぜひひとつ、土地税制を見直していただくために、本年六月の新三党合意から積極的に一歩踏み出していただくことを重ねて要望するものでございます。総理、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) バブル時代に土地が異常に高騰して、土地神話というような言葉が使われたぐらいであったわけでありますけれども、バブルの崩壊とともに土地がだんだん下落していく、こういう状況にございます。しかし、下落した現在の時点でもまだ高いんじゃないかこういう見方をされる方もありますし、したがって必ずしも認識が一致していないということであると私は思うんです。 土地問題に対して、例えば地価税をどうするかといったような議論の中では、企業の負担軽減や土地流動化の観点から、あるいは地価の下落をとめるためにも凍結、軽減すべきではないか、こういう御意見があることも十分承知をいたしております。しかしその反面、地価税の負担の軽減は大きな土地資産を持つ特定の少数の企業の税負担は軽減することになるけれども、土地全体の価格を、国民的な立場から見た場合に、安定させるような価格にはやっぱり問題があるんではないか、こういう意見もあって、いろんな角度からこれは検討してみなきゃならぬ問題だというふうに思っております。 できるだけ早く結論が出るように今三党の中でも議論してもらっておりますから、その三党の議論も十分踏まえた上で政府としての方針も決めて適切に対応していく必要があるということについては十分に認識をしているつもりでございます。
○斎藤文夫君 この土地税制問題につきましては、我が自由民主党の新総裁になられた橋本龍太郎通産大臣が特に「元気を出せ日本」という中で大きく取り上げておられますので、後ほど触れさせていただきたいと思います。 もう一つ、不良債権問題と土地の流動化のために共同債権買取機構をつくられました。既に十兆円近い買い取りを行ったと聞いておるところでございますが、すぐに効果があらわれるとは存じておりません。しかし、やっぱり何らかの形で買い取った土地、それを流動化していく努力を一層していただかなければならないわけでありまして、ぜひ今後とも進めていただきたいと思います。 なお、時間の関係で、あと株式問題についても触れていきたいと思っておりますが、株式水準は現在一万八千円前後、ボックス相場でございます。日本経済の実勢、先行き不安を見込んで上昇力が残念ながら弱い実情にございます。しかしながら、いっとき下落をしたときには機関投資家、言うならば金融機関、生保、損保、年金関係事業団、すべて含み益がなくなる、あるいはマイナスになる懸念があるといって大騒ぎをいたしましたが、今日ではやや回復をし一息ついておると聞いておるところでございます。 しかし、証券市場の活性化というのは、あのバブルのときに大衆は離れてしまいました。株屋さんにはとてもついていけない、こういう風潮が今なお一般大衆投資家にはあるわけでありまして、やっぱり大衆投資家の信頼を取り戻せる証券市場にもう一度考えを向かわせなければならない。特に大蔵大臣、お考えになっておられると思うのであります。 そのためには、取引しやすい、例えば取引手数料とか有取税とかこういうようなものについても思い切った手法を取り入れて活性化をお求めになった方が早道と思っておりますが、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 株式がことしも一万四千円台でございましたか下落を見て、これは先行き指標と言われるだけに非常に深刻な影響を与えたわけでございますが、昨今は円安と並行をしながら株価も一万八千円前後のところまで反転回復をしてきたことは、率直に言って私ども担当省としてはほっとしているところであります。 やはり、基本は日本経済を明るくする、回復軌道に乗せることが最大の株価対策、証券市場対策であると思っておりますが、その中でも証券市場を取り巻くさまざまな規制の緩和にも努めてまいったところでありますし、税制の面では今御指摘のような有取税を凍結とか撤廃すべしという意見が出てきております。真剣に耳を傾けながら、与党、政府ともにこの秋に議論を詰めていきたいと思っております。 ただ、どれもこれも税制撤廃、凍結、廃止という大合唱でありますが、国家財政全体の立場から見なけりゃならない責任もございますし、そういう中で証券の株式については株式等譲渡益課税全体をどう合理化するかその中でこの有取税の帰趨も判断をしていくことができたら一番ありがたいというふうに思っている次第でございます。
○斎藤文夫君 税問題は鶏か卵がどっちが先だということにも帰結をするところでございまして、ぜひひとつ思い切って税を安くする、そして逆に思い切って景気を浮揚し税を徴収する、こういうこともあるわけでありますので、よろしく御検討お願いいたします。 さて、そこで橋本副総理にお尋ねを申し上げます。 我が自由民主党は、総裁として二年間御努力をいただいた河野洋平先生が辞任をなさいました。そして橋本新総裁が選出され、先般副総理に就任をされたところでございます。その副総理の「元気を出せ日本」の決意表明の中で、景気・信頼・安心回復、これを実現し、国民から信頼される自民党ルネサンスを掲げて、特に日本経済再建五カ年計画を打ち出されました。極めて具体的なプロセスを提唱されておられるところでございます。 恐らく時間が足りないと思いますが、第一段階では、いわゆる第一年目は本格的な景気回復、第二段階では産業構造改革、そして第三段階では二十一世紀型経済システムの完成、こういうことによって「元気を出せ日本」、我々は大いに頑張っていこうと、このように提唱されたところでございます。 現在、連立内閣であり、各党との政策調整、重要なこととは存じておりますけれども、それによって我が党の主体性が損なわれることのないように、総裁の提唱する政策の積極的実現に私どもは大きな期待をかけておるものでございます。したがいまして、日本経済再建五カ年計画の内容について御決意を御披瀝いただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 連立内閣の閣僚として現在私自身が感じております。その気持ちは、恐らく総理以下閣僚だれ一大変わらないものと存じます。 すなわち、ゼロ成長が三年続いてしまった。この九月二十日に決定をいたしました経済対策、そしてそれに基づき現在御審議をいただいております補正予算を我々は提出したわけであり、また関連法案の御審議を国会にお願い申し上げておるわけでありますが、これらが一日も早く成立をしそれを実施に移すことによって、何としても今後の一年の間で成長への道筋に我々は日本の経済を乗せていかなければなりません。 先ほど吉田委員の御質問に際し、私は今使える武器は何でも使いたいという言葉を申しました。それは製造業がこれ以上日本から逃げ出さないために何をすればという思いからであります。 その意味では、私の立場からいたしますならば、私自身が大蔵大臣として地価税を創設したその当時の責任者でありました。そして、その当時を振り返ってみたとき、私は地価税を廃止するという勇気はありません、将来また地価がはね上がるおそれというものをなしとはいたしませんだけに。しかし、せめて凍結だけでもできないだろうか。 そして、企業税制をも含め、また先ほど来御論議のありました証券税制をも含め、私は、今製造業がどうすれば日本に居ついてくれることができるのか他の競争条件を整備していくことで日本に居ついてくれるのか同時に今廃業率の方が高くなってしまった日本でどうすれば新たな業を起こしていただくことができるのか、ここに全力を傾けてまいりたいと思います。 それだけにこれからの一年間、これは本当に使える武器は何でも使いたい。同時に、もう今からスタートをいたしますけれども、今後の三年の間には、経済構造、産業構造を変えていけるための手法は、例えば独禁法の中にあります持ち株会社の制限、こうした問題につきましても私は公取にお考えをいただきたいと思いますし、あるいは商法、税法で決められております帳票の保存、これをもしペーパーレスにすることができただけでも大変大きな変化を生じるわけであります。こうしたこと一つ一つを新たな研究開発とともに進めながら、五年の間には新しい時代に向かっていけるだけの日本をつくっていきたい、そのような思いで合いっぱいであります。
○斎藤文夫君 ぜひひとつ積極的に日本のリードオフマンとして活躍を期待いたすものでございます。 さて、円がこの半年間で大変乱高下いたしました。円相場は言うなら両刃の剣でございます。 今回の円安は、製品輸入がふえている昨今、輸入コストの上昇が多少懸念をされるところでありますが、原料輸入の大企業ならば生産性の中でできる限り消化をしてもらえるのかな、あるいは内外価格差が論議をされてきておりましたから、その辺のところで流通の中でも円安は消化ができるのかなと期待をいたしております。しかし輸出産業は、円が一時より三割安くなりました。これはもう大変なメリットでございまして、日本の産業が不況の中で久しぶりに元気を取り戻す大きな要因を与えられたわけであります。ですから、私はこの円安は神風みたいに日本の景気回復に大きく貢献すると思っております。 しかし一方、黒字を減らすというのは日本の国際公約でございます。内需拡大を進めたい日本にとりましては、一層の円安でぐんぐん輸出がまた伸びるようなことになりますと、即貿易黒字が増加をするというジレンマに陥ります。 通産大臣、率直な御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本年、円が急騰し始めました三月、輸出型の中小企業の皆さんの採算分岐点を調べさせていただきましたとき、その時点における対ドルの水準は百十円でありました。そして、その変化が生じ始めました八月二十九日段階で再度調査をいたしましたとき、その水準は、採算分岐点は百八円と変化をいたしておりました。私は、日本の中小企業の努力というものには心から敬意を表します。 しかし同時に、今、委員がお話をいただきましたように、このところ円安に変化をしてきた状況でありますが、この円の急騰時代に始まりました海外への進出のペースというもの、言いかえれば空洞化の足取りというものにブレーキがかかったと言える状況では残念ながらありません。それだけに、我々は依然としてこの空洞化の危険というものに対し、いかにして製造業に国内に居ついていただけるかを考えながら、同時に今後の新しい業を立ち上がらせるための努力をしていかなければならないと考えております。 そして、確かにこの為替の流れというものは、従来のファンダメンタルズを反映していないと我々がよく申し上げてまいりました状況から変化をいたしておりますだけに、企業にとりましてもあるいは御家庭の家計の中でも、マインドの好転というものはあると存じます。そして、これは企業収益の回復などを通じて景気の先行きに好影響を及ぼすものと考えております。また、現在の時点におきましては、この円安の傾向、これが物価の上にデメリットを生ずるという状況ではございません。この点は少し私自身ほっといたしておる部分を持っております。 しかし、確かに委員が御指摘のように、これはうっかりハンドリングを間違えました場合、貿易収支の黒字幅の拡大につながりかねない要素を持っております。幸いに、このところ貿易収支は、ドルベースで本年の――八月前年同期比マイナス六・七%の三角、着実に減少する傾向にございます。これは為替レートが円安に変化をいたした状況の中でも変化はいたしておりません。 それだけに、一概に見通しを申し上げることはでぎませんけれども、我々としては今回の経済対策並びに補正予算の中に盛り込んでおります思い切った内需拡大策というものを着実に実施していくと同時に、輸入拡大等の措置を手抜きすることなくきちんと続けていき、経済構造の改革を一層進めていく中で、貿易収支黒字が一層削減され、安定していく状態に持っていく努力をしていきたい、そのように考えております。
○斎藤文夫君 大臣の御認識で私どもも何とかこの円高あるいは円安、そのメリットの中で新しい道を模索していきたいと思います。 先ほど来、産業の空洞化について御見識をお聞かせいただきましたが、実は私も今回の円安で恐らく企業の海外進出の歯どめがかかるのかなと期待をいたしておりましたところが、残念ながら日本の企業の海外進出計画は全く変更なし、このように承知をさせていただきました。 やっぱり、八十円、九十円、百円、この円安は、特に進出していくNIES諸国の三分の一あるいは四分の一という安い人件費や生産コスト等に魅力を感じておるところでございまして、そのために国内の産業が空洞化すれば中小企業、下請企業が路頭に迷う、こういう状態を私どもはつぶさに身の回りで承知をしているだけに、六〇年代以降悪戦苦闘したアメリカの経験を十分承知の通産大臣、何とかぜひ空洞化防止対策を今後とも日本の経済政策の中心に置いていただいて御努力をいただきたいと思うのでございます。 最後に、もう一回御所見をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 我々としてでき得る限りの努力をこれからも傾注してまいりたいと考えており、国会の御協力をもこの場をかりて心からお願いを申し上げる次第であります。
○斎藤文夫君 まだ時間もございますので、引き続き質問をさせていただきます。 次に、宮崎経済企画庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 本年度のGDP二・八%に対し、民間調査機関はおおよそ一%前後の経済成長と、大変大きく乖離をいたしておるところでございます。今回の補正による効果は二年にまたがるものでありますが、一体どのくらいGDPの押し上げ効果を発揮するのでございましょうか。経済動向の指針だけに、率直な御見解をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(宮崎勇君) お答え申し上げます。 最初に、本年度の経済成長見通し二・八%の実現性いかんということでございますが、これまでの景気回復の足取りが非常に鈍いということ、特に最近では弱含みに推移しているということを考え、さらに今回の経済対策、大変規模も大きくて効果が大きいと期待しておりますけれども、その効果がすべて年度内にあらわれるわけではございません。したがいまして、二・八%という当初の見通しの達成の実現性は大変厳しい状況にあると思われます。 それから、その効果でございますけれども、今回の対策が総事業費において十四兆二千億と大変大きいだけではなくて、その中の公共投資等の金額も非常に大きいわけでございます。それが一体経済にどういう押し上げ効果を与えるかということでございますけれども、先生御承知のようにこの公共投資等の中にも、直接にGDPを押し上げる効果がもちろん大部分占めるわけですが、そうでないものもございます。今回の対策の中から例えば融資にかかわる部分あるいは土地の取得にかかわる部分等を差し引いてその効果を考えますと、向こう一年間にGDPを名目で二%押し上げる効果があるというふうに考えております。向こう一年間でございますので、本年度内ということになりますとそれはかなり制約されます。
○斎藤文夫君 私の持論でございますが、いつも経企庁は年末に来年度のGDP予想を発表されます。私たちはその数字を見て、よし来年は少し景気が上がるよ、いや厳しいよ、こういう判断の指標にいたしておるところでございます。 毎年、努力目標とかあるいは財政収支テクニックというような余り実効性のない数字を積み上げてGDPを発表されて今日まで来られましたけれども、これからはやっぱり実勢に近い数値の積み上げを図って、多少他にいろんな影響が出ようとも来年の経済成長の指標はこうだという発表をすべきではなかろうか、それがやはり経済企画庁の重みを加える私は一番の道だと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 これまでの政府の経済見通しが単なる数字合わせであったとは私は思っておりません。ただ、不幸にして内外諸条件が予想をつくりましたときと大変違っているということもありまして、しばしば実績が予測と乖離したのは事実でありまして、この点は厳粛に受けとめなければいけないと思っております。 それから、これからのことでございますが、政府の経済見通しと申しますのは、技術的には民間の経済見通しと同じような手法で作成するものではありますけれども、性格自体はかなり民間とは違っております。つまり、政府の経済見通しと申しますのは、ある程度政府の政策意図をあらわして、こういうふうに経済を持っていきたいという意図が込められているわけでございます。 いずれにいたしましても、これからの経済見通しを作成する際には、先生御指摘のとおり、率直に実態に即して、そして実現可能で国民の期待にこたえられるようなもの、そういうものを作成してまいりたいと思います。
○斎藤文夫君 ぜひひとつ世界に通用するGDP、GNPをつくっていただくように要請をいたします。 さて、大分企業の収益がある意味で好転をしてきました。明るい材料も出てまいったところでございます。ついせんだってまで、なかなかこの長引く不況、厳しい環境の中で本年度の税収は一体どうなるのかな、五十三兆六千億確保できるのかなと心配をいたしておったところでございますが、やや明るさが見える感じを私は持っておるところでございます。大蔵大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(武村正義君) ぜひ今年度から明るくなってほしいと願っているわけでありますが、実際結果が掌握できておりますのは今年度八月までの実態でございまして、五十三兆台全体から見ても約四分の一ぐらい結果が判明している、こんな状況でございまして、今後の経済動向が全体を決めるわけでございますが、今のところこの予算の額が確保できるかどうかについて明確に申し上げる状況ではないという点を御了解いただきたい。我々は心からそう期待をしていると御理解いただきたいと思います。
○斎藤文夫君 景気回復に今回の補正予算は全力を注がれました。そこで、建設公債四兆四千九百十億円、特例公債二千百十億円発行されまして、その他の剰余金財源と合わせて補正予算の財源といたしましたことは、景気回復優先の上からやむを得ない措置であったと理解をいたしております。その結果、建設公債百五十六兆、特例公債六十五兆、合計二百二十一兆円の公債を持つことになったわけでございまして、国債依存率は二五・五%を占めており、国家予算の言うなら三年分、まさに多額の公債になったなと思っております。 本年度の利払いを見てみますと、十一兆七千億と言われております。この十一兆七千億というのは、大蔵省がこの夏お出しになりましたパンフレットによりますと、何と東京湾横断道路あるいは関西空港八つ分に相当します。また、いろいろ時間的に、利払い大変だという数字がございますが、一時間当たり十三億円、小学校が一・三校分建つ。総理、一秒で何と三十七万円。まさに息もできない状況でございます。 その結果、一般歳出が年々減少しまして、昭和五十年には七四・四%ありました。それが何と二十年たった今日は六〇%を割り込みまして五九・四%。大幅な低下をしたことは、これから増加をしていくであろう社会のいろいろな費用に対して機能的に流動的に対応できない。言うならば財政の硬直化を来しておる数字がいみじくもあらわれてきたのかと思っております。 この傾向は今後ともに続くと存じておりますが、高齢・少子時代、あるいはまた国際貢献も積極的にしなきゃならない、いろんなことを考えますと、絵にかいたもちになるような危惧が二十一世紀してくる思いでございます。 そこで、日本の財政は相当な危機状態でありまして、双子の赤字と言われ心配をされたあのアメリカよりもGDP対比では悪いわけでありまして、今後の財政の健全化に改めて強い決意をお示しいただきたい、このように思います。
○国務大臣(武村正義君) 先ほども吉田委員の御質問にお答えをしたところでございますが、斎藤委員御指摘のとおり大変厳しい状況にありますし、その厳しい状況が年々拡大をしてきているというふうに考えております。 しかし、今の時期、この四年続きの我が国経済を回復軌道に乗せるということが全国民の願いでもあると考えておりますし、そのためにはこの時期はひとつ目をつむるといいますか、財政状況で判断をしないで、それを超えて積極的な対応をしなければならない、これが総理以下私どもの決意でございまして、清水の舞台云々なんという表現を使いましたのもそういう気持ちであります。 しかし、大蔵大臣としては財政の責任を日々痛感いたしているところでございまして、ある種良心の呵責といいますか、我が国財政に対する一種の道徳観みたいなものを当然強く感ずるわけでございまして、刻々年々国の財政が健全でない方向に進んでいることに強い危機意識を持っております。 今の時期は目をつむりますが、まあ大胆に言えば、景気が明るくなってくればぜひ国民の皆さんにも御理解いただいて、国家の柱である国の財政の健全化という大きなテーマに全力を挙げて取り組んでいかなければならないと思っております。
○委員長(井上裕君) 斎藤君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成七年度一般会計補正予算(第2号)、平成七年度特別会計補正予算(特第2号)、平成七年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、斎藤文夫君の質疑を行います。斎藤君。
○斎藤文夫君 午前中に引き続き、質問を継続させていただきます。 先ほど円レートの問題についていろいろお話をいたしておきましたが、十月七日、ワシントンにおけるG7に出席をされました武村大蔵大臣、恐らく日本の今日的な問題が中心テーマとなりまして、一段の円安への各国の理解、協調、相次ぐ金融不祥事、さらに住専の不良債権問題、また日本の景気対策等について各国の皆さんに了解を求めようという御努力をされたと存じております。 それで、日本経済に対する理解あるいは不安というものが、解消とは言いませんけれども、相当各国首脳に理解をされたのかどうか、その辺の御報告を願います。
○国務大臣(武村正義君) 先週のG7、それからIMFの総会も連動していたわけでありますし、十カ国の蔵相会議もあったわけですが、こうした一連のワシントンの国際会議に出席をしてまいりました。 既に報道もされておりますとおり、まずG7の前に日米蔵相会談もあったわけでありますが、こうした会合では、お互い各国の経済情勢を総括しながら、何が問題か、またそれぞれの政府がどういう努力をしようとしているのか、将来の各国の経済の見通しはどうか、そんなことをまず基本にしながら議論をいたしているところでございます。加えて、昨今は為替問題に対してG7全体の共通の利害もありますし、関心も大きいわけでありまして、論議をしてまいりました。 日本の経済情勢の説明の中では、当然、質問がなくても御指摘のような不良債権をめぐる我が国金融の昨今の状況と、これからの政府の方針を説明してまいったところでございます。 為替につきましては、最も関心の大きいテーマでございますが、今回も私ども終始積極的な主張をいたしまして、四月のG7でいわゆる「秩序ある反転」が望ましいと我々は声明を発したわけでありますが、このときから昨今に至るまで、ようやく反転の動きが出て、かなり反転が進んできているという共通の認識を持つことができました。したがって、四月以来のこの反転の動向を歓迎するということで意見が一致をしました。 あわせて、現状でいいのかというときに、いや現状でいいわけではない、さらにファンダメンタルズに一致をすることが基本でございますから、この反転の昨今のトレンドの継続を歓迎すると、こういう締まった表現にすることができました。文章で発表をしたところであります。 片方、不良債権問題につきましては、私もなるたけ具体的な数字を挙げて、例の四十兆も含めてあるいは日本の銀行のこれに対する対応能力がどうであるかということも含め、さらにその枠外にあるいわゆる五・五兆円の住専、系統融資を基本にした住専問題が残っているということも説明をしてまいりました。これに対しては、年内に政府としては余り先送りをしないで解決策を生み出していきますと、こう説明をしてきたところであります。 私どもは自分たちの説明に対して各国の反応をコメントする立場ではありませんが、それでもその後各国の蔵相がそれぞれ記者会見した新聞報道を見ておりますと、ドイツのワイゲル蔵相も、特にアメリカのルービン長官は金融問題に対する私どもの努力は非常によくやっている、思慮深く建設的にやっている、こういう表現まで使ってくれまして、内外の記者会見をしてくれていたようであります。 その後、大和の問題なんかが起こっておりまして、いささか心配をしておりますが、G7はそういう意味で、今回、割合我が国にとっては主張を通しながら成功裏に終えることができたと総括をいたしております。
○斎藤文夫君 為替相場は、申し上げるまでもなく、その国の経済的なファンダメンタルズによって決められる。フローティングシステムは当然いろいろな変化があります。ただ、御案内のように、余りにも過激な変動というのはその国の経済のみならず世界全体に大きな影響を及ぼすわけでありますが、その辺で目標相場圏の設定というようなアイデアは話されませんでしたか、お尋ねいたします。
○国務大臣(武村正義君) こういう議論は今日までもございました。IMFでもございましたし、四月のG7で私からも、何がいいと言ったわけではありませんが、長期的に為替に対するシステムのあり方、今のままでいいかどうかみんなで検討を始めてはどうかという提案もしたところでございます。 そういう中に、いわゆる相場圏制度といいますか、ヨーロッパではゾーンと言っていますが、一定の望ましいレベルにプラス・マイナス幅を設けて、この幅でそれぞれの国の通貨が変動するのが望ましい、幅を超えた場合には一定の歯どめ措置を関係国が協力してとるという、そういう提案がある種、ヨーロッパでは既にそれを一歩踏み出して実施をしようとしているところでございますが、しかしこれを世界全体に今すぐ適用するというのはやはり容易でない。消極的な意見がまだ今のところは多うございまして、そのほかにも税を設けようとか、為替の取引に対して一定の税をかけようという提案もあるようでございますが、まだ国際的に幅広い合意を得るところまで行っておりません。
○斎藤文夫君 日銀総裁も御出席いただいているようでございますから、大蔵大臣とあわせてお尋ねをいたしたいと思います。 日本の金融不安、これは欧米で資金調達をする場合にジャパン・プレミアムが既に三カ月ほど前からついております。ひところ八分の一でありましたが、最近は四分の一。さらに上がる傾向にあります。加えて、調達ができない場合が既に出てまいりました。三カ月以上となるとこれまた信用枠を絞ったりいろいろと影響が出てきておりまして、ひところの日本の経済力あるいは日本の企業の力、銀行の力、そういうものから考えてみますと、その落日は目を覆うばかりと言っても過言ではございません。いかにこのように日本の金融信用を失墜したのか、大変残念に思っておるところでございます。 これは、言うまでもなく国内の一連の金融不安、加えて大和銀行ニューヨーク支店の問題、また大蔵省も報告を受けながら、国際化時代の対応がまずかったのではないか、こんなようなことも報道されておるところでございます。 加えて、最近アメリカで公表されましたムーディーズの銀行財務格付表を見てみまして、評価が違いますが、例えばスリーAとかいろいろ評価の方法がございます。今度変わったわけであります。ひところはスリーAとかつーAに日本の金融機関は押しなべてランクされました。ところが、何と今回はBランクに静岡銀行ただ一行、あとはサポートを必要とするブラジルやメキシコの銀行と同格のDとかEとか、まことに低いランクに日本の銀行の大半がランクされておるのでございます。 基準が違うとかいろいろあるかもしれませんけれども、間違いなく世界金融市場における日本の金融の下落というものは、率直に言って私はもっともっと大臣や日銀総裁は厳しく受けとめていただかなければならない。この責任の一端は何といっても大蔵省や日銀にあると申し上げざるを得ないのでございます。ぜひひとつ信用回復を一日も早く遂げていただくように努力をいただきたいところでございます。 思えばこの十年間、バブルに狂奔した金融機関、そして後ほども触れますが、住専あるいはノンバンクに過当競争から信用モラルを逸脱した融資姿勢を続けてきた。これは金融界全体が反省をするところだろうと思いますけれども、その指導監督に当たった大蔵当局も、木津あるいは兵庫の問題が火を噴いているさなかに大和銀行問題の報告があれば、いささか公表をずらしたがごとき一部に報道されたりしておりまして、まさに大蔵省にもいろいろと問題があります。 加えて、省内にもうわさをされる不祥事が続いておって、大蔵大臣、頭が痛いところだろうと思いますけれども、ぜひひとつ日本の金融界全体が生き返るように、そしてまた厳しく指導をしなければならない、こういう決意をしっかりとお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 大変的確な御指摘と激励をいただきましてありがとうございます。 おっしゃるとおりであると思いますが、海外の信用も落日で目を覆いたくなるというほどの状況ではないと思います。甘く見ているわけではありません。おっしゃるように、ムーディーズの格付の問題もございましたし、特に木津とか兵庫銀行の破綻などが影響をして若干のジャパン・プレミアム拡大の傾向が見られました。しかし、基本的にはやはり資金をめぐる需要、供給の関係が基本であると私ども思っておりますし、その後どんどん拡大しているとは聞いておりません。邦銀の各銀行の外貨資金繰りにも具体的な支障を来しているという話も聞いておりません。全くないとまでは言いませんが、どんどん拡大しているという状況ではないと思っております。 私どもとしましても、今後ともこの動きを真剣に見詰めていきたい、モニターをしていきたいと思っていますし、的確にそういう新しい状況が生まれればそれに対応をしてまいりたいと思っております。 なお、大和銀行の問題はG7後に表に出てきた事態でありますが、特に情報開示の日米間の違いを今回の事件対応の中で私ども感じました。日本的な物事の対応の仕方、我々の常識で見る扱いとアメリカとはかなり違いがあるなと。アメリカのやり方がすべていいとは言いませんが、しかしその違いをきちっとやはり認識しておかないと相互に不信が生まれるという点は、ぜひ貴重な教訓にさせていただきたいというふうに思っている次第であります。
○参考人(松下康雄君) ただいま御指摘をいただきました事項の中で、海外の点についてまず申し述べますと、海外におきまして一般的に我が国の金融制度の抱えております不良債権処理等の問題につきまして懸念が表明されておりますことは、一つには、我が国の金融機関のそういう問題の実態につきましての十分な情報が行き渡っていなかった点。 それからいま一つは、こういう問題に対しまして政府、中央銀行その他、または金融機関自体が講じております今後の処理方針につきましても明確にどうも十分伝わっていなかったのではなかろうかという感じがいたしましたために、私自身も先般来、国際決済銀行の会合でありますとか今回のG7の会合等を通じまして、これらの点については十分各国中央銀行に実情をお話をし理解を求めますとともに、日本銀行といたしましては、やはりこれらの問題を抱える我が国の金融機関におきまして国内でも国外でも流動性が問題となって、それらが非常に困難に陥るという事態を避けてまいりますことは中央銀行にとっての一つの重要な役割でございますから、これらの点につきましては平素から十分に検討いたしますとともに、海外中央銀行等に対しましてもこれらの流動性問題についてはさらに理解と協力を得るように話をいたしております。 金融機関の問題解決の基本的な手法は、何と申しましても金融機関自体の真剣な自己努力にかかっているわけでございますけれども、なお最大の努力をいたしましても金融機関に破綻の問題、おそれが生じますような場合には、中央銀行といたしましては、これらが全体の金融システムに問題を生ずる危険がありますような場合で日本銀行以外には適切な資金の供給者が見当たらないと、そういう場合におきまして、金融機関の経営者自体は十分にその責任を追及され責任を負うという前提のもとに、必要な流動性の供給には遺憾ないように今後とも期してまいるつもりでおります。
○斎藤文夫君 大蔵、日銀の救援スキームを発動されて、問題の例の二億組の受け皿となりました東京共同銀行、大変御努力をいただいておるようでありますが、大方の見方は、このままいけばやっぱり不良債権の処分が十分できず行き詰まるだろう、そこへもってきてコスモが加わったら、ますます悪条件下で一本立ちは不可能だと言われております。 さらに、先般の関西の兵庫、木津信用、これらを一体どういう受け皿で救援されようとするのか。東京共同銀行方式があるいは別の救援スキームをお考えになっているのか。これは住専の救援とあわせまして抜本的な対策を立てなければならないと思っておるところでございます。 時間がないので、少し住専問題に先に触れさせていただき、まとめて御意見を承りたいと思います。 住専は大蔵省の指定金融機関でありまして、大蔵省が直接監督するお立場にありました。しかも、それぞれの母体行と資本、人脈、業務が一貫しており、母体行とは一体性のあるものだと私は思っております。さらに、住宅ローンから出発をいたしましたけれども、母体行が住宅ローン分野に進出をした。市中銀行から調達をして、それに利ざやをプラスして住宅ローンに貸す、こんなような余裕は住専にはございません。だから、結局、住専は住宅ローン分野から全面撤退をするようになった。それは即大蔵省の日本の金融政策全体に対する指導の結果であるということを承知していただかなければなりません。 九〇年には不動産業種に対する総量規制が行われましたが、なぜか住専には規制がかからなかった。玄関は戸締まり厳重にしたけれども裏口はあきっ放し、こういうようなのが当時の大蔵省のやり方でありまして、振り返ってみれば、結局ここに一番大きな問題があったと私は指摘せざるを得ません。 また、三業種規制がかからなかった農林系では、住専への貸し出しをどんどんと拡大して今日深刻な原因をつくる結果になりました。その結果、住専を窓口とする不動産融資はあっという間に膨張してバブルにのみ込まれたというのが経過だと思っております。四十兆の不良債権、最近御調査をされておられますけれども、さらにふえていくのかなと。私の認識に対する大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたい。 また、この経過から、なぜ大蔵省は総量規制から住専をお外しになったのか。これは政策ミスでしょう。母体行も直系の出資会社として業務の責任を一体どう認識するんでしょうか。紹介融資やそのときの経営者責任というものはだれが問われるんでしょうか。あるいは農林系金融機関に対する大蔵省の姿勢は、いろいろな報道を見てみますと、問題があったと思います。優先弁済等については農林系もいささかわきが甘かったという思いがあります。加えて、大蔵省のOBが住専に天下りをしておる、こういうことも我々は指摘をしなければなりません。 以上、住専問題は日本金融政策の判断のあのバブルのときの誤りがあったと私は率直に認めてもらいたい。大蔵省の責任も大きかったということを承知していただきたいと思うのであります。 しかし、もしもこのまま放置をすれば、それこそ大変な大混乱が起きるわけでありますから、この際、政策指導の誤りを認めたら、アメリカのRTC、大変な成果を上げて処理をされたわけでありますが、整理信託公社のようなしっかりした受け皿を持って、そしてこの際、国民に御理解をいただきながら一日も早く公的資金を導入して、五年、十年、そのタームで解決して日本の金融不安を除去していく。それが日本の景気を急速に回復し、国際信用がもとに戻る一番の近道だと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) たくさんの点を御指摘いただきました。個々にお答えをできませんが、概括的に申し上げますと、大蔵省も事態がこういう結果を生んでしまって、今御指摘の総量規制の通達も五年前でございますが、あのバブルの終わりのころの行政方針であります。
○斎藤文夫君 武村さんは大臣じゃなかった。
○国務大臣(武村正義君) はい。橋本大臣が今横におられるので、その辺のところは橋本大臣にお答えいただけるともっと正確かもしれませんが、過去のずっと一連のさまざまな、これはもうプラザ合意までさかのぼりますから、いろんなことが原因になり、結果になり、バブルを生み、そして今日を生んでいるわけで、だれの責任というよりは、結果としてやはり政府も大蔵省も決して責任がないとは言えない。行政の立場として反省すべきは素直に認めて反省をしなきゃならないと私は思っております。 ただ、何か最近は大蔵省がみんな悪いというふうにも、ちょっと被害者意識で聞こえますが、住専にしろ銀行にしろ、通達はもちろん出しておりますが、一つ一つの金融機関があるいは住専の会社が経営の全責任を負っているわけで、これは民間企業でありますから、大蔵省が一々個々の融資だとか金の動きを全部チェックして許可をしているわけじゃありませんから、たとえどうあろうと一つ一つの経営体がきっちり自己責任であの状況の中で判断をされることがやはり基本であったと思います。 それに対して、全体の流れを見ている大蔵省が、特に住専の分野に総量規制をした後もまだ不動産投資の動きが続いていた、そこに何かもっと早い時期に手を打つことができなかったかという反省はむしろ率直に私はしなければならないと思っているところでございます。 そして、こうした責任もしっかり議論をしていかなければなりませんが、同時に、ずるずるこれをほっておいて、この大きな問題を先延ばしにすることはもうぜひ回避したいと思っています。 そういう意味で、今もう関係の金融機関が真剣な話し合いを始めてくれておりますので、その動きも待ちながら、また与党の方でもさまざまな解決策を検討いただいております、政府みずからもやはりそういう動向をしっかり見据えながら、最終的には政府の責任でこの住専問題に対する解決策を提示していきたい、今年中には解決案を決めさせていただきたい、そういう決意でございます。
○政府委員(西村吉正君) 事実関係について御説明をさせていただきます。 まず、行政当局と住専との関係でございますが、先般九月二十七日にいただきました金融制度調査会の中間的な経過報告の中で、「行政当局も、住専は預金取扱金融機関とは異なるものであるが、住専の急激な事業者向け融資への傾斜に十分な指導を行いえなかった。」という御指摘をいただいております。私ども、過去の経験も十分に踏まえて、今後この問題の解決に当たっていきたいと考えております。 なお、大臣からただいま御説明申し上げましたように、住専はよく大蔵省の直轄だということが言われますが、確かに都道府県に機関委任をせずに大蔵省が直接扱っているという意味では直轄ということはそのとおりでございますけれども、しかしながら住専そのものは預金を扱っていない、いわばノンバンクの一種でございます。したがいまして、住専を創設いたします場合にも、銀行のように免許を与えるとかそういう厳格な審査をしておるわけではございませんで、届け出制といういわゆるノンバンクよりももっと軽い手続によって設けられるようになっております。 したがいまして、法令上大蔵省といたしましても、大口信用供与の規制だとかあるいは業務範囲の制限の規制というものがございませんで、当局としても、銀行や信用金庫のように業務の改善命令だとか停止だとか、そういう権限を有しておるものではございません。したがって、私どもこの住専の行動について監督者の一員として責任を感じてはおるものではございますが、いわゆる普通の金融機関、預金を預かっておる金融機関との違いということについてもぜひ御理解を賜りたいと存じます。 なお、総量規制との関係において御指摘がございました。御指摘を私なりに整理いたしますと、二点御指摘があったと思いますが、まず一つ、住専が総量規制の対象機関となっていなかったじゃないかという御指摘であろうかと存じます。この点は、今住専の性格について御説明いたしましたことと関連をするのでありますが、あの平成二年の三月二十七日にいわゆる総量規制を出しましたときに、そういう規制をすること自体についてもいろいろな御批判もございました。厳し過ぎるんではないかとか、あるいは特定分野への特定業種向けの融資量の抑制をするというのはどういう権限に基づくのであるかとか、いろんな御批判もございました。 そこで、私どもは当時、免許業種である預金を受け入れている金融機関、それに限るということでいわゆる不動産業向けの総量規制をしたわけでございます。したがって、免許業種でない住専を含むノンバンクについてはそのように厳しい総量規制通達は直接の対象にはしなかったと、こういうことでございます。 もう一点御指摘の中に、農協系に対しては規制が緩やか過ぎたのではないかその点について大蔵省は見逃したのではないかという、こういう御指摘も含まれているように思ったのでございますが、当時、農協系に対しましても他の金融機関と同様の指導を農水省とともに行ったところでございますけれども、いわゆる三業種向けの貸し出し報告を求めなかったのは、既に他の報告により状況を把握していた、改めてさらに通達を出す必要がなかったからということでございまして、その辺の事情もぜひ御理解賜りたいと存じます。
○斎藤文夫君 いろいろ疑念をまとめて申し上げたところでございますが、大臣の御答弁にございましたように、年内には何とか対策を明確にしていきたいとおっしゃっておられましたので、よろしくお願いをしたいと思います。 実は、金融問題ですが、総理にこれはお尋ねをしたい。 今、日本の六十五歳以上のお年寄りは千八百万人を超えました。ほとんどが年金生活者でございます。ところが、最近のこの超低金利時代、一千万の退職金を五年前に政府系の金融機関に預けておきまして五年物のワイドで運用いたしますと、今月満期が来るわけでありますが、何と驚くなかれ三百八十四万円手取りがあります。ところが、同じ一千万円を今の利率で預けるとすれば五年間預けても八十万足らずであります。すなわち、五年前なら一千万預けてもこれだけの大きな年間約七十七万円の金利が手に入ったわけであります。今、五千万預けなければその金利がもらえない。年金生活者にとっては実は命がけでございます。 銀行は超低金利で急速に業績を回復しております。これはもうふらふらしながらも大変速く、業績回復ですから喜ぶ面はございますけれども、〇・五とかあるいは〇・二、〇・四の低利の金利で金を集めて三・四%平均の利回りで貸せば七倍、八倍の商売を金融機関は算術平均でやればやっていることになる。そういうお立場でございますから、ぜひひとつ高齢者の方々が安心できるように、思い切って、時限立法でもよし、強い制限をかけてもよし、ぜひ特利をこの際考えてもらいたい、三%、四%。 福祉定期というのがあります。これは今、年四%、三百万までいいんです。ですけれども、これには資格がある、身障者とか寡婦世帯とか。したがいまして、六十五歳以上の定年で年金で生活する人たちに対して、総理、温かい思いやりの金利を支給する決断ができますでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 御指摘の言われる意味は本当によくわかります。公定歩合を史上最低に引き下げて、そして市場金利も低目誘導にずっとやっていって何とか日本の景気を回復していく。景気を回復すればそれは循環的にまた皆さん方にずっと戻っていくわけですから、そういう政策もとりながらやられているわけですけれども、それは実際に今お話がございましたような年金生活者で、退職金を預金や貯金をして、そして利子が一年間で何ぼつくということも計算をしながら老後の生活設計をしている方にしてみれば、金利が下がればそれだけ設計が狂ってくるわけですから大変な打撃を受けると思うんです。 だけれども、これは民間業者がやっていることですから、政府がそれに対して利子を何ぼにしろとかなんとか言うことはできませんけれども、そうした全体の状況も踏まえて自主的に福祉預貯金というものもつくられて四・一五%の利子を出しているというようなこともありますから、できるだけそういう点は配慮しながら御協力をいただくというようなことに当面はせざるを得ないというふうに思いますけれども、言われる意味は本当によくわかります。年金生活者の生活を考えた場合、それはもう大変な打撃ですから、ですからよくわかりますからできるだけ御趣旨も踏まえて検討はさせていただきたいというふうに思いますけれども、大変難しい問題があるということだけは御理解をいただきたいと思います。
○斎藤文夫君 よく承知をしました。総理、考えてやってください。 それから、今国を挙げて社会経済の変革、激動する時代に対応するために、国、地方を問わず、行政改革は絶対避けて通れぬ道と常に改革の視点に立って行革を推進しております。日本社会の再構築の意味するものは、二十一世紀への繁栄をどうつくっていくのか、だからこそここであらゆる制度を見直そう、こういうことであると思っております。 総理は、景気回復とあわせて行革推進内閣と位置づけて頑張ってこられました。改めてその熱意、情熱をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 行政が常に国民の期待にこたえて効果的に効率的にやれるようにしていく、そのためには可能な限り簡素化して効率化していくという努力をしていくことは当然だと思います。同時に、今お話もございましたように、経済の成熟化とか、あるいは高齢化、少子化とか、あるいはこれだけ国際情勢も変化をしておるわけでありますし、国内外の情勢の変化に対応して機敏に行政が機能していける、こういう体質をつくっていくためにも行政改革は欠かせないというふうに私は思いまして、内閣の最重要課題であるし、景気回復とともに行革推進内閣という位置づけで全力を挙げて今取り組んでおるところであります。 とりわけ、規制緩和の問題やあるいは特殊法人の整理統合、廃止の問題、あるいはまた情報公開の問題、地方分権の問題等々、精力的に取り組むことによって国の出先機関の統合の問題や整理の問題、あるいはまた国の行政機関全体のあり方についてもそうした進捗状況と見合って不断にやっぱり行政改革というものは推し進めていかなきゃならぬものだと、それがまた二十一世紀を乗り切っていく日本の行政のあり方を決めていくことになるというふうに思いますから、内閣の重要課題として行革推進内閣に恥じない全力を挙げての取り組みをしていきたいというふうに思っております。
○斎藤文夫君 私も与党行革プロジェクトのメンバーの一員でございまして、昨年来、百七十回以上論議を重ねてまいりました。特殊法人の統廃合あるいは三年前倒しの千九十一項目にわたる規制緩和、さらには官邸や公取の機能強化、天下り人事を含めた官僚人事のあり方等々、各省庁に厳しい注文をつけて、そして政府に対しても進一言をし、閣議決定もたびたびしていただいて政府・与党一体となって行政改革の推進に努力してきたところでございまして、微力でありますが、いささか自負を持って行革と真剣に取り組んでまいったところでございます。 ともすると、村山内閣は口先だけだよ、行革は何もできていないよ、こういうお声が野党から出てくるところでございます。私は、全くけしからぬ、我々は一生懸命これをやっている。そして、どんな内閣が後を継続していこうとも行政改革は一朝一夕では絶対できない、一内閣がやる仕事ではない。それだけに、私は行革の窓口を開いていただいた村山総理に改めて敬意を表します。
○国務大臣(村山富市君) 今、大変温かい御理解ある御激励もいただいたわけでありますけれども、私は本当に与党三党の皆さんが、今お話もございましたように、この行政改革の問題について真剣に取り組んでいただいておるその姿に対しては心から敬意を表したいと思うんです。 今お話もございましたように、例えば規制緩和の問題にしても特殊法人の扱いにしても、行政改革については痛みも伴うし犠牲も伴うことがあるわけです。しかし、その痛みや犠牲は、今は痛みを感ずるかもしれないけれども、その痛みは次の時代に伸びる痛みなんだということも十分踏まえて私どもは我慢してもらわなきゃならぬというふうに思っております。そういう痛みや犠牲を乗り越えて行革というのは内閣一体となってやらなきゃならぬ課題だというふうに考えておりますから、今後の御指導と御協力も心からお願い申し上げたいと思います。
○斎藤文夫君 頑張っていただきたい。 さらに、行政改革責任者の江藤総務庁長官にお尋ねをいたします。 中央省庁の統廃合という話は、出ては消え、消えては出ております。こういう問題について長官はどうお受けとめになっておられるのか、御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(江藤隆美君) 中央省庁の統合につきましては、例えば第二臨調のときに国土庁、沖縄開発庁あるいは北海道開発庁、三庁の統合といういわゆる勧告が出ました。自来、各内閣も行政改革、すなわち小さな政府をつくろう、効率的な政府をつくろうということについては、これはいずれの内閣も熱心に取り組んでこられたことでもありますし、ただいまお話しのように与党のプロジェクトチームでも、私は百五十回と承っておりましたが、百七十回も会合を重ねられて熱心に御討議をいただき、いろいろ貴重な御意見を賜っておることをこの機会に厚くお礼を申し上げたいと存じます。 行政改革委員会もいよいよスタートを本格的にしたわけでありますから、これは中央官庁の統廃合等についても予見を持たず、決して避けて通れない問題として、民間がこれぐらい犠牲を払ってリストラをやっておるときですから、役所というのはほっておきますとだんだん手足を伸ばして縮まることはありません、仕事がなくなっても次々と仕事を考え出して膨れ上がるという体質を持っておるのが中央官庁あるいは地方行政のこれは習性でもありますから、そこいらも十分念頭に置きながらこれから取り組んでまいりたいと思います。
○斎藤文夫君 次に、話題を変えまして、在日米軍問題、とりわけ沖縄の小学生少女暴行事件に端を発しまして、沖縄県民が長年耐えに耐えておったお気持ちがここへ来て大きく爆発をしておるところでございまして、私たちも重大事と受けとめておるところでございます。 特に犯人の身柄をめぐって日米地位協定の矛盾が問題になり、日米間に大きな波紋を投げかけておるところでございます。全国地方自治体、県、市町、それぞれ反対決議あるいは意見書等をつくって地位協定の見直しなどを決めておられるところでございます。先日、基地を有する知事連絡協議会が米軍軍人の教育と綱紀粛正、日米地位協定の見直しを求める要請文を日米両国に提出したということでございます。 私どもは日米安保条約を堅持しながら、国家の安全を期待するかわりに基地を米軍に提供して、米軍の駐留経費を支援する方針には全く採るぐものではございません。しかし、だからといって米軍がすべて優先されるものではございません。日米の平等互恵の関係を思い浮かべていただいて、犯人は日本の法律で厳しく罰し、不祥事の再発を防止していただくべく強くお申し入れをいただいておるところだろうと存じます。 外務大臣、この問題についてどうお考えになっておられるか、また地位協定の改正についてどのようにお受けとめになっておられますでしょうか。来月はAPECにクリントン大統領もおいでになります。世界のこれからの流れの中で日米の関係というものを語り合うということも極めて重要だと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 九月四日に沖縄で発生をいたしました事件はまことに許しがたい事件でございまして、私どもといたしましてもアメリカに対しましてこの問題の重大さを強く申し入れをいたしたところでございます。御案内のとおり、アメリカ側もクリントン大統領を初めとしてクリストファー国務長官あるいはペリー国防長官その他関係者から、この問題についてはまことに申しわけないことであってという意味の大変丁重な謝罪の発言がございました。 私どもといたしましては、この問題については、二度と再びこうしたことが起きないように米軍において十分な教育訓練あるいはその他のルールの確立、こういったことをきちっとやってもらいたいということを申し入れた次第でございます。 それに対しましてはペリー国防長官から極めて丁寧な、この問題の重要性にかんがみ再発防止のための教育訓練の実施、あるいは二日間にわたります訓練を中止してのいわゆる心の教育と申しますか、米軍の若い人たちに対して十分な説教があったわけでございます。その他、基地内の教会においてもその種のことが行われたと聞いておりますし、さらにはアルコールの販売時間の制限、あるいは夜間の外出禁止、その他考えられるさまざまな問題について米軍としては対処をされたという報告を聞いております。 一方、この問題を引き起こしました三人の容疑者につきまして、私どもとしてはでき得る限り身柄の引き渡しを早期にしてほしいということを申し入れをいたしましたが、地位協定十七条五項同の規定によりまして起訴されれば身柄の引き渡しをする、こういうことでございました。私どもといたしましては、できる限り早急な身柄の引き渡しが重要であるということを申し入れをいたしましたが、一方で、我が方の取り調べに対しましてでき得る限りの協力をするという米側からの返事もございまして、事実、容疑者の取り調べに必要とあらば、早朝であれ深夜であれ、いついかなる場所へでも連れていって取り調べに応ずるという協力が確約をされまして、それらは着々と実行をされているところでございます。 そこで、問題は地位協定についてどう考えるか、あるいは沖縄県民の皆様方の県民感情の根底にございます基地問題をどう処理するか、この二点について私どもとしてこれから真剣に取り組まなければなりません。 私はモンデール駐日大使と話し合いをいたしまして、日米ジョイントコミッティー、合同委員会でございますが、この日米合同委員会のもとに地位協定十七条五項同に関連して、専門家が集まってこの運用の改善方について議論をする、早急に結論を出すよう双方最大の努力をしようという話し合いで合意をいたしました。目下、その専門委員会で精力的な作業が行われているところでございます。 基地の整理統合につきましては、三事案、これは本年一月、村山総理がクリントン大統領に直接話しかけられまして、クリントン大統領もそれに応じてこの三事案を早急に処理しようということになっておりますし、さらには平成二年六月に双方で議論をいたしました二十三事案につきまして、その後、双方の努力によりまして十三事案は既に処理済み、残る十事案について目下防衛施設庁を中心に懸命の努力が続けられているところでございます。 これらにつきましても私どもとして精力的に作業をいたしたい、さらに沖縄総合開発等につきましても、沖縄開発庁の意見も聞きながらこの問題にもでき得る限り取り組みたいなどなど考えているところでございます。
○斎藤文夫君 御努力を歩といたしますが、沖縄県民の感情というものを思いますと、我々なかなか本土では想像ができない思いがございます。特に今、防衛庁とのいろんなトラブルもありますし、ぜひひとつ慎重にしかも温かく配慮されて、運用があるいは地位協定の改定か、どちらにしても効果が上がるようにお願いをいたしたいと思います。 そこで、APECに触れさせていただきますが、アジア・太平洋はこれからというダイナミズムを含んでおります用地域経済の発展は目覚ましくて、近い将来世界貿易の二分の一を占める時代がやってくる、このように言われておるところでございます。大阪会議はアジア・太平洋の二十一世紀への道を決めていく重要な会議でございまして、議長国の日本としてはこれからの日本の役割を明確化し、ただ富める海とかあるいは利益を考えながらアジア諸国、太平洋諸国というようなそろばん勘定だけではなくて、大所高所、本当の平和で繁栄する豊かなアジアづくりのため太平洋づくりのためにリーダーシップを発揮していただきたい。 ただ、問題点は、紀元二〇二〇年までにすべてを自由化する、その中でも二〇一〇年の農産物の自由化の問題は、ガット・ウルグアイ・ラウンド後苦労して今、日本農業は再建のために全力を挙げているこの時期にという思いがございます。それだけに慎重に対応していただきたいと思いますが、関係大臣の御意見を伺わせていただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から御指摘がありましたように、十八の国と地域から成りますAPEC、これは我々にとりましてアジア・太平洋地域における非常に大きな会議であり、初めて議長国としてこれを迎えるわけでありまして、何としても成功に結びつけていかなければなりません。 ことしの重要課題といいますならば、昨年ボゴールにおきまして貿易・投資の自由化、円滑化及び経済・技術協力の推進という目標をボゴール宣言という形で包括的にうたいとげました。我々はこれを具体化するための行動指針を策定していかなければならないわけでありまして、これはAPECとして初めて中長期的な観点に立った総合的、具体的な行動の大きな枠組みを形成するという非常に大きな意味を持っております。議長国として我々はこの行動指針を策定すると同時に、その具体化に向けての確固たる決意を内外に示していくために前向きな当初措置を発表するなど、成功へ向けての努力をしていかなければなりません。 ただ、そこで誤解がないように申し上げておかなければならない点が一点ございます。APECにおける自由化の対象分野というものにつきましては包括的にするということで、これは我々も異を唱えているわけではなく、各メンバー間のコンセンサスもでき上がっているところであります。しかし、我が国で申しますならば例えば農業のように、各メンバーにはそれぞれの国に困難な分野の取り扱いについて問題を持っておるわけでありまして、やはりこれを考えますと、ある程度柔軟性が必要であろうと考えております。 現在、各メンバーの意見を調整しながら取りまとめに当たっているわけでありまして、原則は認めつつ、それぞれ痛みを覚える部分にどう対応していくかというところが今後の課題であろう、そのように考え、努力をしていきたいと思っております。
○国務大臣(野呂田芳成君) ただいまAPECの総括的な問題につきましては通産大臣から詳細御説明がございました。 斎藤委員から御指摘いただきましたように、農林水産分野における問題につきましてはいろいろな困難な事情がございます。私どもはこれまで、あらゆる機会を利用して諸外国にそのことを訴えてまいりました。今後ともウルグアイ・ラウンドの合意を堅持していかなければいけない、こういうことで四つのことを終始主張しております。 一つは、農林水産分野は一括して処理をすべきであるということであります。二つ目は、ウルグアイ・ラウンド農業合意実施期間中は着実にその実施を図るということであります。三つ目は、実施期間終了後はWTOの交渉に完全にゆだねるということであります。そして四つ目は、先ほど委員も御指摘いただきましたように、二〇一〇年の自由化につきましては約束できないということであります。 こういうことを私どもとしては日本の農林水産業を守るために強く主張してきたわけでありますが、これからもこれらの立場が反映されるように明確に主張していかなければいけないと考えております。 そもそもAPECは自主性とコンセンサスをベースにするという基本性格を持っているものでありますから、それに照らしますと、通産大臣からも今御説明がありましたとおり、各国が抱えるセンシティブな問題につきましては十分な配慮を払う必要がある、配慮を払いながら可能な分野から自由化を進めていくということが大事である、私はこういうふうに思います。実行可能な行動指針をまとめることが何より大阪大会を成功させるゆえんでありますし、また議長国としてのリーダーシップであろう、こういうふうに考えますので、私どもとしてはそういう方針でこれに対処している次第でございます。
○斎藤文夫君 きょうは一連の景気対策を言ってまいりましたが、特に中小企業の建設業者の受注率が年々低下をし、業者の経営基盤の健全性が大きく損なわれております。 そこで、国の公共事業費が四兆七千億計上されておりますが、地元の中小業者の受注をよりスムーズにしていただきたい。特に我が党が今何としてもしっかりとした景気対策、そして中小業者の健全育成というものに力を入れていこうというときでございますので、ぜひ国の直轄工事等にも積極的に参加していただけるような配慮をいただきたいと思っておりますし、また同時に、国、地方ともに切れ目のない公共事業の執行をしていただいて一層の効果を上げていただきたい。その意味で、森建設大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどから経済対策、また今御審議をいただいておりますこの補正予算につきまして、総理初め皆様からもいろんな御意見がございましたように、公共事業がやはり景気対策に最も即効性がある、このように私ども判断をいたしています。それは、できる限り早くそれぞれの地域の末端にまで、隅々にまでこの補正予算のお金が流れるようにしていく。特に、これが沖縄から北海道に至るまで、まさに大都市中心ではなくて、各地域に満遍なく行き渡るということが大事である、このように私どもは認識をしております。 今、斎藤委員からお話がありましたように、地元を中心とします中小企業建設業の受注機会の確保を図るということは、地場産業として建設業はまさに健全な発展によって地域経済の活性化を図るということになるわけでありますから、これは極めて重要であるというふうに私ども認識をいたしております。 御承知のように、去る七月四日閣議決定をいたしました平成七年度中小企業者に関する国等の契約の方針を受けまして、建設省といたしまして今地元を初めとして中小企業建設業者の受注機会の確保対策を取りまとめまして、地方建設局に周知の徹底を行っているところでございます。国発注の官公需全体といたしましては三九・九%を目標にいたしておりますが、例えば建設省の直轄では四七%、国の平均を上回るようなそういう目標を立てて今その周知の徹底をしておるところでございます。 具体的には、これも斎藤委員御承知だと思いますけれども、公募型指名競争入札におきましては優良な地元の建設業者の上位ランク工事への参入機会を増大するということ、これは業界では繰り上がりと言っているようでありますね。 それから二番目には、一般競争入札の参加資格を緩和して、より規模の小さい建設業者に対しても参加機会を拡大するということ、入札参加に必要な工事実績、技術者要件を緩和し、入札への参加機会をいたずらに狭めないようにすることなどの対策を今講じておるところでございます。 一方、建設省関係公団等に対しましても、中小中堅建設業者の受注機会の確保を要請して、これを受け、例えば日本道路公団では中小建設業者の受注機会を確保する観点から発注標準を改正いたしたところでもあるわけでございます。 建設省としまして現在これらの対策に精力的に取り組んでおるところでございますが、現在御審議いただいておりますこの補正予算も含めまして、直轄工事の執行に当たりましては、地元中小建設業者の受注機会の確保のために今具体的な施策の充実に努めているところでございます。一日も早く御審議をいただきまして、今準備をいたしているところでございますので、よろしく御成立を図っていただきますようにお願い申し上げる次第でございます。
○斎藤文夫君 深谷自治大臣にお尋ねをいたします。 地方自治をよく御存じの大臣でございますが、昔から三割自治、それがだんだん進んでくると二割自治と、なかなか地方固有の財源が確保できず苦しい立場にあります。しかも、法人県民税等を考えてみますと、この五年間の不況でそれぞれの地方財政というものは一段と深刻さを増している。こういうときに、一方、地方分権がこれから進んでいきます。地方分権が実行できるかできないかは、やはりそれを裏づける地方の固有財源というものを確保させることだと思います。 先ほど江藤長官のお話にもありました小さな政府、そしてまた地方を豊かにさせていく、こういう精神の中で地方自治財源というものをどうお考えになっておられるのか。 あわせまして、大臣が御提唱になっておるのを私ちょっと承知をしておりますので、この際、関心のあることですからお尋ねをいたします。 それは消防防災一兆円構想でございます。阪神・淡路の大震災の教訓をお踏まえになられた構想と存じておりますけれども、地震国日本はいつどこでどんな災害が発生するかわかりません。まして、地震予知というものがなかなか難しいと言われておる現在、不断の努力、それによって災害に強い、安心、安全の町づくりが必要でございまして、消防防災一兆円構想の早期実現に期待を寄せておるものでございますが、御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 斎藤委員も県会議員から国会議員におなりになって、私も区会、都議会と上がってまいりましただけに、地方自治体の今日の財政難というものには非常に胸を痛めております。百二十兆からの借り入れがあるような状態で、しかも地方税も伸び悩んでおりますし、地方交付税も非常に伸び悩んでいる、こういう状態の中で、やはり全体的には一刻も早く景気を回復するということが大前提であろうと思うんです。十四兆円を超える史上最大の経済対策を実施するための補正予算を今皆さんに御審議していただいているわけでありますが、あの中でも地方単独事業というのをかなり含めさせていただいております。 我々といたしましては、予算が成立しましたら、例えば公共投資の契約高を前倒しにして一日も早く執行に移っていく、そういうような体制をしっかり固めてまいりたいというふうに思っています。 また、地方税の充実ということは極めて重要なことでございますが、さきの税制改正で地方消費税も導入されることになりました。一層地方税の確立のために頑張っていきたいと思います。 また、財政調整で一番重要なのは地方交付税でございます。一体全国で地方交付税がどれだけ必要かということをきちんと把握をいたしまして、これに見合う財政を国で確立していくことのために全力を挙げてみたいと思っています。 いずれにしましても、お説のとおり地方分権を早く実現することであります。今年五月に地方分権推進法という法律ができて、推進委員会が今協議を行っておりますが、五年間で仕上げると。国と地方の仕事をきちっとえり分けして、それについての財政の処置も含めた答えと実践を五年以内に行う、その決意のもとで全力を挙げていきたい、こう思っております。 それから二番目の御指摘でございますが、実は阪神・淡路の大震災が起こった後、ここにおります衛藤現防衛庁長官と私と二人で、予算委員会の理事でありましたが、現地へ飛んでまいりました。あっという間にあのときで五千人を超える、後にはもっと多くなりましたが、死傷者が出る、こういうような状態が例えば東京で、例えば川崎で、いつ起こるかわからないわけでありますから、一刻の猶予もありませんから、私は大臣になって早速現地に向かいまして、そのときの一つの構想として、幾つかありますが、一兆円構想というのを立てたのでございます。 防災拠点づくりのための基盤整備、あるいは今回の災害でもボランティアが非常に活躍された、その人たちに対する対応、さらに重要なのは地域の協力体制、つまりコミュニティーでございますが、そういうもろもろの消防防災に備えての基盤をつくるために、五年間で一兆円構想でいこうではないかということで発表させていただいたんであります。 今度のこの経済対策の中でも単独事業一兆円用意しておりますけれども、その中で約三千億円はこれらの基盤整備に充てたいと思っておりますので、このような勢いで毎年進めていけば五年待たずとも一兆円構想は実現できる、するように頑張っていきたいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。
○斎藤文夫君 御努力を期待申し上げます。 さて、島村文部大臣、オウム真理教事件に思いをいたしまして宗教法人法問題についてお尋ねをさせていただきます。 今回のオウム真理教事件を見ておりまして、国民は、宗教法人を隠れみのにしていたのではないか、なぜあんな教団が認証を受けたんだろう。信教の自由を逆手にとって強引な布教、拉致、殺人を犯してまで金品を集める、反対する人たちや善良な国民の命を無差別に奪う数々のあのテロ行為、教義のハルマケドンを実現するためには猛毒サリン、あるいは銃砲の製造をしな言うなら狂気集団、なぜこれを見逃してきたのか。五年前、坂本弁護士一家行方不明事件で警察の初動に手落ちがなかったのかな、広域調査が不備だったんじゃないかな。それにしても、宗教法人法はどうなっているのか。多くの人から問いかけられるのは私ばかりでない、このように思っております。 そこで、文部大臣、近々御提出をされると伺っておりますが、宗教法人法の重立った改正点はいかなる点でございますか。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 今般のオウム真理教の事件、伝えられるところによると極めて許すべからざる行為であったと、こう受けとめております。 現行法は、御高承のとおり昭和二十六年制定でございまして、もう社会も大きく変化し、宗教団体の実態もまた大きく複雑化あるいはまた巨大化してきておりますので、実情に沿わない面がいろいろ出てきております。たまたま今回の事件等を契機にして国民からも強く早期改正の声が求められておるところでございまして、これに基づきましていわば与謝野前文部大臣のときに、四月でございますが、宗教法人審議会にこの御検討を願ったところでございます。 今回どういう点を改正の視点に置くのかと、こういう御指示だったと思いますが、この件につきましては、まず現行宗教法人制度の基本を維持しながら最小限の法改正を行う必要があるとされるわけでありますが、具体的には他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人等の所轄庁を文部大臣とすること、これが第一点。 第二点は、信者その他の利害関係人で正当な利益があると認められる者に備えつけ書類の閲覧を認めるということが第二点。 第三点は、宗教法人に対し、備えつけ書類のうち一定の書類の写しを所轄庁へ定期的に提出していただくことであります。 それから第四点は、宗教法人が収益事業の停止命令、事由等に該当する疑いがあると認められる場合、宗教法人審議会の意見を聞いた上で所轄庁が宗教法人に報告を求め、または質問をすることができるとした点であります。 これら所要の改正を行うことが提言されたところでありますが、文部省としてはこの報告を尊重して、信教の自由と政教分離の原則を遵守しつつ、宗教法人法の改正について検討し、改正法案がまとまり次第これを今国会に提出したいと考えているところであります。
○斎藤文夫君 今、文部大臣のお話を聞いてみますと、宗教法人審議会がたしか四月ですか開かれて論議をしてこられたということでございまして、聞くところによりますと、反対が相当数いたのに強引に押し切ったと一部の反発がございます。それは事実でございましょうか。また、慎重論や拙速論がございますけれども、この検討は四月から始まって先般九月末の答申と、こういう形になったのでございましょうか。 その辺のところが明確にならないと、どうも我が党がある目的を持ってこの宗教法人法改正に乗り出したといろいろと取りざたされておりますので、あえてお聞きをいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。 この法案はよく参議院選挙の結果云々ということを言われる方がおられますが、御高承のとおり、これは参議院選挙前、四月の段階からオウム真理教事件をきっかけとして文部大臣がその検討を審議会にお願いしたという経緯に照らしております。 先般も御説明申し上げたところでございますが、まず審議会の構成は、宗教法人の各団体の代表十一名、学識経験者四名から成る十五名の会の構成でございます。そして、会長はこの審議会の皆さんの互選によって選ばれたということが第二点。第三点は、この会務は会長が総理するとこの法第七十四条で定めているところでございます。 しかも、本年四月以降、五回にわたる総会、八回にわたる特別委員会、計十三回。特別委員会においては夏休み返上と承っておりますが、ずっと継続して検討をいただいてきたところであります。 しかも、最終段階におきましては一応問題を絞って、先ほど申したように所轄のあり方、情報開示のあり方、活動報告のあり方、この三点に絞ってきたことでもございますから、意見も十分出尽くしたと会長が判断をされて、御一任をいただいて、そしてこの報告をまとめられ、しかもその報告の際には、一部には慎重論を唱える方もおられましたときちんと申し添えられて私の方に報告をいただいたと、こういうことでございますから、決して何か強引な審議のやり方をしたという事実はございません。
○斎藤文夫君 私は特にオウム事件を見て感じたことを今率直にお尋ねをしておりますが、現行法からなるほどこれは矛盾だなと思ったのは、先ほども御説明ございましたが、オウムが東京で認証を受けた。ところが、活動拠点は山梨であり熊本であった。また、全国の大都市にそれぞれ拠点を持っておった。いろんな問題、事件を起こしたから、ああ横浜にもあったよ、東京青山にもあったよ、あっちにもあった、こういうことがわかってきたところでございまして、率直に、どうして宗教法人法で認証するときにそういうことがわからないのかな、やっぱり改正をしてもらわなきゃいけないのじゃないか、こう思うのはむしろ当然の理だと思っておるところであります。 同時に、戸籍法を考えてみなさい、一度生まれたらあと絶対、それぞれ日本人であればいいんだ、こういう荒っぽい御意見を私はテレビでお聞きをいたしました。認証された以降、干渉してはいけない、それが信教の自由だという御意見。私は、日本国民として憲法二十条の信教の自由、政教分離、これは何人といえども守っていかなければならないことである、このように自覚をいたしております。 さりながら、国民が移動すれば、戸籍は本籍に置いてある、それでいいんだでは済みません。やっぱり移動した市町村で住民登録を受けて所在は明確にしている。五年五年の国勢調査は、十年でもいいんですが、そのときにはプライバシーを外してまで自分の職業、家族、収入、いろんなことを国に登録している。 こういうことから見れば、他県にまたがったり全国で活動する場合においては、政治家だってかつて政治資金の届け出は国と地方とそれぞれ別々にやっておられたじゃありませんか。そういうことになれば、当然全国活動される宗教団体が文部省に届け出を移すことは当然じゃございませんか。もう一回お尋ねします。
○国務大臣(島村宜伸君) まさに仰せのとおりと考えます。 もともと二つ以上の都道府県にまたがる場合、これは国の機関委任事務として都道府県にゆだねているというのが現実でございますから、これを本来の形に戻す。そのことが結果において総括的に責任ある所轄ができるということにつながることは全く同感でございます。
○斎藤文夫君 そしてまた、文部省に所管がえになると国家権力の介入につながると。元来、この地方の事務は国の機関委任事務じゃございませんですか。とすれば、都道府県登録なら権力介入はない、文部省に所管をかえようとしたから権力介入だと、どうもおかしいと思います。 特に、法の平等のもとに、私は当然、これは国の所管であろうと都道府県の所管であろうと信教の自由を侵せば問題でありますけれども、所管がえでそういう差ができるはずがない、このように思っておりますが、大臣いかがでございますか。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 九月二十九日の宗教法人審議会の報告におきましても指摘されておるとおり、所轄庁が宗教法人法上期待されている責任を適切に果たすことができるよう、二つ以上の都道府県内で活動を行う宗教法人の所轄庁については文部大臣とすることが適当であると考えると述べられております。 このように、宗教法人の活動の実態の変化に対応して一定の宗教法人についての所轄庁を都道府県知事から文部大臣にすることとしても、宗教法人に対する権限の内容には全く変わりはないわけであります。国の宗教法人の宗教活動への介入等のものではないということをぜひ御理解いただきたいと思います。 なお、文部大臣所轄となる宗教法人数についてまだ数がよくわかっておりませんが、現行法制下では所轄庁を文部省に移していただくことが国民の要請にこたえる道と我々は理解いたしております。
○斎藤文夫君 ディスクロージャー時代を迎えて、クリーン、透明は国民の望むところでございます。公益法人に準ずる恩典を浴するというなら、法人の基礎的報告というのは責務の一つでございます。きちんとされるのが人を導く立場の人たちのすることではないでしょうか。 宗教法人法の七十九条、八十条、八十一条において、収益事業へのチェック、認証取り消し、解散命令の請求規定がございますが、これは全く国や都道府県の干渉がないという法律じゃないんです。ちゃんとこういうふうに国でも都道府県でも宗教法人のチェックができるという現行法でございます。そのためにも、基礎資料を報告するというのは宗教法人の私は当然の責務だと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 全く同感でございます。 ただいま先生御指摘になりましたように、収益事業の停止命令あるいは認証の取り消しあるいは解散命令請求等々、厳しい規定はありますものの、それの根拠となる事実を知るすべがございません。いろいろ必要書類の備えつけを義務づけてはおりますが、それは閲覧権も持たないというのが現行でございますから、これでは国民の理解は得られない、そう思います。
○斎藤文夫君 宗教法人は全国で十八万四千団体あると聞いております。そのうち、今回改正されたらどのくらいが文部省に所管がえになるのか。また、既存の中小宗教法人の届け出等、一部に懸念の声がございますけれども、提出書類により宗教活動を制約したり信教の自由が侵されるようなことは、大臣、絶対あるはずがないでしょう。お尋ねをいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 大変的確な御指摘をいただいているところでございますが、この宗教法人法のいろいろ検討に当たりましては、当然のことに信教の自由及び政教分離の原則というものをよく踏まえて、その基本に立ってこの検討が進められていることは何遍も我々は確認をいたしているところでございます。 そういう意味で、今回もしこれが、二つ以上の都道府県にまたがる宗教法人が国に幾つ移管されるかというのは、先ほど少しく申し上げましたように、現在はまだよくつかめません。つかめませんが、先生御存じかと思いますけれども、都道府県におきましてもわずかな人員で、例えば愛知県は九千三百八十と記憶をいたしますし、兵庫県も同じく九千台、五千以上はたしか十一の県にあります。こういう現実を考えますと、やはり所轄庁は所轄庁としての責任を持つ、国民に対して責任を持つということにおいては、今御指摘のとおり、私も全く同感でございます。
○斎藤文夫君 また、一番信教の自由に抵触すると言われている質問権でございますけれども、これは七十九条、八十条、八十一条に疑問なり何かが生じたときに質問をしよう、こういうふうに理解をしてよろしいんでしょうか。特に、この点が収支報告とあわせて政治権力介入の問題だと言われておるところでありますから、しかと承っておきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘のとおり、宗教法人法七十九条、八十条、八十一条、この三点につきましては、いろいろ問題があると常識的に判断される場合でも、現行はこれを確認する法的手段がありません。しかし、これからはこういうことに対して応分のいわば御報告が得られるということでございますし、もし極端に疑義がある場合にはこれを審議会に諮って報告を求めるなり質問権を行使するということができるわけでありますから、従前よりはかなり改善されるものと受けとめております。
○斎藤文夫君 特に、法改正に当たりましては、やはり憲法二十条の信教の自由、政教分離をしっかりとお守りをいただきたい。とりわけ憲法の権利は、やはり我々国民が憲法に対して一つの責務を負うのと同じだと私は思っておりますから、宗教法人関係の方もこの精神だけは忘れないでほしいと思います。 さて実は、破防法についてお尋ねをいたしますが、このたび宮澤大臣が御誕生されました。法の番人として人格識見まさに最適任でございまして、御活躍をお祈りいたします。 さて、昭和二十七年破防法が制定されまして、幸い一度も発動されることがなく結構だなと思っておりましたところが、今回のオウム事件はいかにも許しがたい事件であり、徹底的な壊滅を期すことが国民の強い要請と存じております。宗教法人法改正にしても、破防法の適用にしても、国民の要望、期待はアンケートであらわれておるごとく大きなものがございます。 しかし、破防法適用には慎重論がございまして、その中で、これは総理でありますが、政治的な判断をなさろうとするのか、あるいは事務方の公安調査庁がいろいろな角度から審議をしてきたその結果をもって事務的に御処理をされるのか。新聞その他から見ますと、うっかりすると総理の拒否権発動にもつながりかねないうちの代表質問でもお触れになりましたけれども、そんな気がいたしますので、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 ただ、宗教法人法による解散権で果たしてオウム事件が根絶やしできるのでございましょうか。オウムの軍事的活動、武器製造、ハルマケドン思想による国家転覆、これを思いますときに、よもや使うことなしと思った破防法に出番が出てきたのかな、こんな思いも一面しなくはございません。宮澤法務大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤弘君) 破防法をオウムについて適用することにつきましては、御承知のようにさまざまな意見がございますことは承知をいたしております。ただ、あのような凶悪無比な犯罪を二度と許してはならないということにつきましては、大方の異論のないところであろうと存じます。 破防法は、御承知のように、公共の安全を確保いたしますために、暴力主義的な破壊活動を行った団体を規制する法律でございますが、同時にこれは国民の基本的人権に大変密接な関係がございます。したがいまして、破防法適用の問題につきましては、法と証拠に基づきまして厳正かつ慎重に対応をしていくべきものと考えております。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来お話がございますように、オウム真理教の今回の事件というのは全く凶悪な事件でありまして、絶対にこれは再発をしてはならないというので捜査当局も厳しく捜査を続けておるというふうに思いますから、やがて真相は明らかにされてくると思うんですが、ただ宗教法人の解散命令が出ただけでこれがなくなるかといえば、そんなことにはならないと私は思うんです。 したがって、これは今ある法体系であらゆる面を総動員して取りかかっていく必要があると私は思うんですけれども、ただ破防法の適用については、今、法務大臣からも御答弁がございましたように基本的人権にかかわる問題でもありますし、同時に団体規制に合致するかどうかというような面について、今公安調査庁で私は厳正に調査が進められておるというふうに思うんです。 その調査が進められて、これは破防法を適用するかどうかということには四つぐらいの段階がありますから、したがって調査手続を開始するということを官報に公示するわけですね。それから、いろんな団体の意見を聞いたり何かする機会があってさらに事が進んでいくわけでありますけれども、その手続を開始するという公示をする段階までは、私はこれはやっぱり行政の立場でいろいろな意見があってしかるべきだと思います。 しかし、それから先は準司法的な扱いになる。まして公安審査委員会にかかるような段階になれば、これは公安審査委員会が結論を出して、結論を出せばその結論は効力を発するわけですから、そこらはやっぱり余り政治が介入をして政治的な判断でもって右したり左したりするべき性格のものではないと私は心得ておりますから、そういう考え方で取り組んでいきたいと思っています。
○斎藤文夫君 戦後、日本は貿易立国として日の丸商船が七つの海を駆けずり回って今日の繁栄を築きました。それが最近は、パナマやリベリアの三十倍という日本の高い諸税の影響で、年々日本の保有船舶、船員は減り続けております。五年後は何と百隻を割る勢いでございます。船員も四千人を下回ると言われております。海運立国日本今いずこでございます。 本年の海運白書では、このままだと空洞化を通り越して真空化してしまうと危機を訴えております。国際紛争、食糧危機、非常災害時に自国船舶を保有することは国民生活の安心、安全の上から不可欠のことでございます。 総理、海洋国家日本のために日本人船員、日本籍船舶の確保を図るべきだと思います。このままいくと、島国でありながら海の文化が消えかねませんけれども、いかがでございましょうか。 あわせて運輸大臣にお尋ねいたしますが、欧米諸国は最小限の自国船舶を保有しております。したがいまして、そのためにはいろいろ優遇措置を打ち出していると承知をしておりますが、日本もこの制度を考えるべき時期が来たと思っておりますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 斎藤委員御指摘のように、この非常な円高下におきまして、日本籍船というものの数が激減をいたしております。例えば、昭和六十年には千二十八隻ございましたけれども、本年、平成七年度の予測ではこれが二百三十四隻に相なる大変な激減ぶりでございます。したがいまして、日本は周囲を海で囲まれておりますし、また御指摘のように貿易立国であります。さらにはまた、いわゆる先人が培った海の技術、海技というそれを伝承していかなければなりません。 そういう観点から運輸省といたしましても、平成八年度の概算要求の中に今御指摘の新しいそういう制度を導入しよう、国際船舶制度といいますけれども、この導入を今鋭意進めているところでございます。八年度の概算要求の中にも、予算措置を含め、また税制のもろもろの措置、さらにはいわゆる政策金融制度の充実等々、我々といたしましてはこの問題に対処するために今月いっぱい取り組んでいるところでございます。 先進海運国と言われております例えばイギリス、ドイツ、ノルウェー、デンマーク、こういった国々もそのような措置をとっておりますので、おくれをとってはならないということで運輸省といたしましても一生懸命に頑張らせていただきたい、こういうふうに思っておりますので、どうぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。
○斎藤文夫君 あわせて平沼運輸大臣にもう一問お尋ねをいたします。 空の問題でありますが、成田の新東京国際空港は現在滑走路一本の片肺空港、もう一本完成の見込みはまだ立っておりません。しかし、旅客、貨物ともに年々増加をいたしまして、旅客は二千四百万人、貨物も大変限界に近いと言われております。また、四十一カ国から乗り入れの申し入れがございますけれどもとても受けられない、国際摩擦を起こしかねない状態であります。一方、羽田の東京国際空港も沖合展開をいたしまして、年間二十一万回、四千二百万人があの空港を利用しております。次の三期工事が完成しても二〇〇八年にはリミットになる。 そこで、本年八月、第七次空港五カ年計画の中間答申で、首都圏の海上を中心としたところに第三空港建設をすべきだと言われました。私ども、東京湾内、相模湾、房総や九十九星沖など名前の挙がったところでぜひ今から早急に工事に着工しなければ、五年、十年たったらとても航空需要に応じ切れなくなります。おつくりになるならば騒音公害の起きない海上へ、そして二十四時間開港のハブ空港にしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。 斎藤委員御指摘のように、近年航空需要が大変高まっておりまして、この首都圏の空港は今、成田、羽田があるわけであります。 国際線の成田に関しましては、先人の皆様方が大変苦労していただきまして、円卓会議が終了いたしましてようやく平行滑走路の建設にめどがついてまいりました。したがいまして、運輸省といたしましては、話し合いを中心としてこの早期着工にこれから一生懸命努力をさせていただきたいと思います。また、国内の羽田空港に関しましても御指摘のとおりでございまして、今沖合展開事業が鋭意進んでいるわけでありますけれども、これも二十一世紀初頭には今御指摘のとおり満杯になることであります。 そこで、今年八月に航空審議会が第七次の空港五カ年計画、その中間の取りまとめをしていただきましたけれども、やはり首都圏に第三の空港が必要である、こういう御意見をちょうだいいたしておりまして、関係機関と地方自治体と早急に調査をし、話し合いをして適切な処置をとるべきである、こういうことでございますので、運輸省といたしましてもこの方針に従いまして、やはり御指摘のように海上を中心に関係機関で調査を進めまして、さらに地方自治体とも話を詰めましてこの早期実現に最大限の努力を積み重ねていきたいと、このように思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
○斎藤文夫君 高木北海道・沖縄開発庁長官にお尋ねをいたします。 北海道は、日本の国土の五分の一以上の面積を有しまして、豊かな自然や農産物に恵まれたすばらしい地域と思っております。かつて道経済の主力だった石炭産業の衰退、閉山は北海道経済や関係市町村に一時大打撃を与えましたが、国の積極的な支援、地元の努力で活力を取り戻したことは大変喜ばしいことであります。北海道の気象環境は厳しくとも、北方領土を含めて、日本で最も大きな夢とロマンのある希望の大地だと私は思っております。 現在、第五期総合開発計画が推進をされておりますが、二十一世紀を北海道の世紀とするためにも、地元御出身の高木長官、いかにお考えになっておられるかお尋ねをいたします。
○国務大臣(高木正明君) お答えをいたします、 斎藤委員御指摘のように、豊かな自然と広大な国土に恵まれた北海道はまさに二十一世紀に向かって大きな夢とロマンを持っている地域でありますし、また二十一世紀においては我が国における食糧基地としても非常に重要な地域でありますし、さらにまた新たな産業拠点の地域としても未来に向けて大きな開発の可能性を秘めた地域であると考えております。 現在、北海道開発庁は第五期北海道総合開発計画の進行中であります。これは平成九年度で終わってしまうのでありますが、平成十年度からの次期北海道開発計画を立てるに当たっては、今その策定に取りかかったところでありますが、私は、北海道らしさをいかにして開発の中に盛り込んでいくかということについて、全道はもとより全国の方々の意見を聞きながら、日本にとって夢のある、魅力のある北海道をつくり上げたいということを考えまして、目下全力を挙げて第六期の北海道総合開発計画の策定に取りかかっているところでありますので、今後とも委員の御指導をいただきたいと思います。
○斎藤文夫君 国土庁長官にお尋ねいたします。 工業制限法の一層の緩和をお願いしたいと思います。かつて人口一極集中の排除、国土の均衡ある発展、産業の適正配置、産業公害排除などの政策目的で工業制限法が施行されました。そして成果を上げましたが、二十年たった今日、工業による人口集中時代は既に過ぎ、新産業創出の場として再生が期待されておりますけれども、残念ながら京浜工業地帯の地盤沈下に歯どめがかかっておらないのが現状でございます。二十一世紀産業を創出する活力を規制緩和の中で地域そしてまた企業に与えていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(池端清一君) 斎藤委員にお答えをいたします。 先生御高承のとおり、工業等制限法、近畿圏では工場等制限法になっておりますけれども、これは大都市中心部への人口なり産業の過度な集中を防止する、こういう目的でつくられた法律でございます。しかしながら、現状を見まするに依然として大都市中心部の人口なり産業の集積は非常に大きい、こういうふうに言わざるを得ないものでございまして、私どもとしてはなお同法の意義は極めて高いものがある、こう考えておりますから、この法律の基本的な枠組みは今後とも堅持をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。 しかしながら、御案内のように産業構造の転換、リストラの促進、こういう極めて重要な時代の要請もございます。これにはやはり的確にこたえていかなければならない、このように考えておりまして、国土庁としても絶えず見直しを行っておるところでございます。 既に本年の五月に政令等の改正を行いまして、工業専用地域等における工場の増設、あるいは中小企業の近代化設備導入のための工場の増設を一定の条件のもとで所要の措置を講じたところでございますし、阪神・淡路大震災の被災地域につきましても、その復旧・復興を促進するために、被災工場の再建に際して震災以前の従業者数が確保できるような措置も講じてまいったところでございます。 今後ともこの工場制限法、工業制限法につきましては新しい国土政策の展開の中で必要に応じて幅広く点検をしてまいりたい、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○斎藤文夫君 最後に、水俣病について一言お尋ねをいたします。 広い意味で戦後処理問題の一つかと思っておりますが、もっと早く原因究明ができなかったかなと反省するところであります。 私ども与党が検討を進めまして、今回ようやく解決案を政府にお示しいたしました。大島環境庁長官、一日も早い解決、決着に向けて御努力をいただきたいと思います。御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(大島理森君) 斎藤委員にお答え申し上げます。 御承知のように、六月二十二日に与党三党からいわばこの解決の基本案をちょうだいしました。以後、私ども調整案をつくりまして、各団体それから地元の県、そういう関係の皆様方に誠意を持ってお話し合いをしまして、そして九月二十八日の朝に環境庁としての素案を三党にお示しし、最終的に三党で解決の最終案を出させていただきました。 今、各団体の御理解をいただくべく努力しておりますが、五団体のうち四団体は御理解をいただきました。それぞれの思いがあります。できるだけ私どもすべての団体に御理解をいただくよう、そしてまさにこの三党の解決案で御理解をいただくよう、これからも全力を尽くしてできるだけ早い時期に全面的な決着を図るべく努力してまいりたいと思います。御協力をいただきたいと思います。ありがとうございます。
○斎藤文夫君 ありがとうございました。
○委員長(井上裕君) 以上で斎藤君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、山本正和君の質疑を行います。山本君。
○山本正和君 本予算案は、総理また関係大臣お話しのように景気回復予算である、何としても今の日本の国の置かれている状況を、この暗い雲を取り払うために、自民党総裁の言葉によれば元気を出せでありますが、元気を出せ日本と、こういう気持ちを込めた予算だろうと私は思っておるのでございます。 そういう意味で、今から景気問題、金融等についての質問をいたしますが、まず冒頭に、本当に戦後五十年、今なお軍事基地が県内あちらこちらにくまなく張りめぐらされている沖縄における今回の事件、これは本当に日本国民にとっても大きな関心を持っている内容でございますし、日米安保体制下においてさらにこれを友好的に発展するについても真剣に取り組まなければいけない問題だろうと、こう思います。 そういう意味で、沖縄選出の照屋議員が沖縄の実態に即しましてまず冒頭質疑をいたしまして、その後私からまた沖縄の問題を含めまして質問していきたいと思いますので、ひとつ委員長、そういうふうにお取り計らいをいただきたいと思います。
○委員長(井上裕君) 関連質疑を許します。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 ことしは沖縄戦終結五十周年の歴史的な節目の年であります。鉄の暴風雨とか、ありったけの地獄を集めたような戦争であったと形容される悲惨な沖縄戦の実相と、それに続く米軍基地の形成過程について総理の御所見をお尋ねいたします。
○国務大臣(村山富市君) ちょっと今ほかのものを見ていたものですから、失礼しました。 今、委員からお話がございましたように、戦後五十年の節目の年に当たります。この委員会でたびたび御質問も受け、お答えも申し上げましたけれども、戦前、本土では経験し得ないような厳しい戦場化した、犠牲を受けられた。同時に、講和条約が締結されて日本が独立を達成した後もアメリカの施政下にあってまだ本土復帰ができなかった。ようやく核抜き本土並みという復帰を達成したけれども、現状では沖縄に七五%からの基地が集結している、こういう状況にあるということについては、私はこれは単に沖縄だけの問題ということじゃなくて、日本国民全体がやっぱり共有する一つの理解を持たなきゃいかぬというふうに思うんです。 先般も、礎ですかね、がつくられたときに、私も沖縄に参りました。ひめゆりの塔やら献花をさせていただきましたけれども、私は戦後五十年のこの節目にもう一遍日本国民全体が沖縄の置かれている現状というものについて深い理解と認識を持つことは極めて大事なことだというふうに思いますから、そういう意味も含めて、こういう機会を通じて十分お互いに議論もし合っていきたいというふうに思っているところでございます。
○照屋寛徳君 去る九月四日に発生したアメリカ海兵隊員らによる少女暴行事件は本当に胸がつぶれるような許しがたい事件でございます。この事件について、来る十月二十一日に沖縄では身ぐるみの抗議集会が予定をされておりますが、改めて今回の事件について総理の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今申し上げましたような戦後の沖縄の置かれている現状を考えた場合に、これまでもいろんな事件があったと思いまするし、その事件についても多くの方々が泣き寝入りをしたといったような話もいろいろ承っております。とりわけ、今お話もございました少女への忌まわしい暴行事件といったようなものが起きて、その怒りと悲しみと不安を沖縄県民の皆さんがお持ちになっている心情というものは、私はよく理解ができると思うんです。 先ほど外務大臣からも御答弁がございましたけれども、クリントン大統領初めアメリカの国務長官やあるいはモンデール大使等も、機会あるごとに今回の事件に対して全く申しわけないというおわびの意思表示もいたしておりますから、そういうことも率直にお互いに踏まえた上で、そうした沖縄県民の心情に十分こたえ得るような対応をしていかなければならぬということを今つくづく決意をさせられているところでございます。
○照屋寛徳君 このたびのアメリカ兵による少女暴行事件については、安保条約に基づいて基地を提供している日本政府にも政治的、道義的責任があると私は考えておりますが、外務大臣並びに防衛庁長官の御所見を求めます。
○国務大臣(河野洋平君) 我が国の安全をいかに確保するかということを真剣に考えた我々の先輩が日米安保条約というものを日米両国の間で結んで、日本の国の安全をこれによって確保しようと、日本の安全のための中核と申しますか、一つの大きな柱として安保条約というものをつくり上げたということは、これは国会でも御了承いただいているところでございます。そして、その日米安保条約によって我が国を守るために我が国に参りました在日米軍の行動をどういうふうにルール化するかということが地位協定というものによって決められているわけでございます。したがって、日米安保条約と日米地位協定はいわば裏表の問題と言ってよろしいかと思います。 私は、国政に参加をする人間の立場からして、日本の国の安全のために日米安保条約というものをアメリカとの間に取り決めた。そして、その日米安保条約で取り決めたことが実際にしっかりと行われるために日本は基地を提供し、その基地をもとにして活動する米軍の行動なるものを規定するために地位協定というものをつくった、ここまでは日本の国の安全のためになすべき仕事であったと思うんです。 問題はそれから先のことでございますが、そのために米軍が日本に駐留をするわけでございますが、その駐留するための基地が沖縄県に集中的に置かれているというところに沖縄県民の皆さんに大変多くの御苦心、御苦労をおかけしているということを我々はしっかりと考えなければならないことであろうと思います。 今、日米安保条約を否定して、したがって地位協定も否定するという状況では日本を取り巻く状況はないと思います。したがいまして、私は沖縄県民の皆様方に、今回の事件にかんがみましても、今、総理大臣からお話がございましたように、まことに許すべからざる事件、そして沖縄県民の皆様方が感じておられる怒りあるいは悲しみ、不安、こういったものがあることを我々も十分に承知をした上で、そうしたことをいかにして取り除いていくか、あるいは沖縄県民の皆様の怒りをいかに静めていくか解消をしていくかあるいは不安をいかに取り除いていくか、そのために私どもは全力を挙げなければならないというのが現在の私の任務と心得ております。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 照屋委員にお答えいたします。 沖縄の米軍基地は米軍統治下の布令と布告によりまして強権的に接収、構築されてきたわけでありまして、そういう意味では本土における米軍基地とは違う面があるわけであります。この点を私どもは留意する必要があるということでありましょう。 また、本土並み復帰とは言われながら実際はそういうことではなかったということも、これまた大きな問題点を抱えていると思いますし、また本土の復帰に比較いたしましておくれること二十年でございます。昭和四十七年の五月十五日でありますからちょうど二十年間おくれたと、こういうことでありますから、このハンディキャップも十分私どもは考えなきゃいけない。 そこで、在日米軍の基地が国土面積のわずか〇・六%の沖縄県に七五%も集約しているというこの現実も考えなきゃいけない、こういうことであろうと思います。そして、現に本土、沖縄の沖縄返還時からこの二十三年間の米軍施設・区域の返還の実績を調べてみましても、本土におきましては五十二施設、百十八平方キロメートルが返還されました。沖縄におきましては四十四施設、約四十一平方キロメートルが返還されておるわけであります。この数字を見ましても、沖縄の基地がある意味ではいかに重要な意味を持っているかということもその裏づけであるのじゃなかろうかと思います。 また一方では政府は、沖縄の基地の重要性については安保条約に基づく安保体制の見地から、我が国の安全だけではなく、太平洋・アジア地域の安定と平和のためにも必要であるという面を非常に強調してきたわけであります。 しかし、その反面、基地の整理統合あるいは結果としての縮小についての努力不足があったということは否めない、私はこのように思っておるわけであります。そういったところを十分我々は踏まえまして、七五%の基地が沖縄にあるということ、それを今、総理が御答弁されましたように、北海道から九州を含めた全部でシェアをお互いに分担する、甘んずるという基本的な立場に立ってこの沖縄の基地の問題を考えていくべきであろう、このように考えております。
○照屋寛徳君 大田知事は米軍用地収用特借法に基づく土地調書や物件調書への代行署名を拒否いたしました。知事はこれ以上米軍基地の確保に協力できないという意思表示でございます。また、大田知事は、単なる条件闘争ではない、主務大臣としての総理の職務執行命令証書を受けて立つ旨、表明されております。 このことについて、今後の政府の具体的な対応について総理にお伺いいたします。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど外務大臣からも答弁がありましたけれども、日米安保条約の目的達成のため、我が国に駐留する米軍に施設・区域を円滑かつ安定的に提供することは我が国の条約上の義務でございます。このため、引き続き米軍の用に供する必要がある土地で、契約により使用権原が得られないものについては、やむを得ず駐留軍用地特措法を適用して使用権原を取得する手続を進めていたのでありますが、今お話もございましたように、今回は知事が代行業務は拒否する、やらないと、こういう手紙もいただいております。しかし、だからといって機関委任事務をめぐって国と知事とで訴訟でもって片づくような問題ではないと私は思います。 したがって、そうではなくて、先ほど来申し上げておりますように、沖縄県民の心情や今置かれている知事の立場というものも十分理解した上で、そういう沖縄県民の心情が反映できるような立場でアメリカとの折衝もする必要がある。これはいろんな話の中身があると思いますけれども、こういう事犯が再び起こらないようにするために、駐留している兵隊さんの綱紀というものはやっぱり厳重に粛正してもらう必要がありますし、そういう意味における再発防止に対する手だても十分講じてもらう必要がある。 同時にまた、被害を受けた場合に、その被害に対する補償といったようなものももう少しお互いが責任を持てるようなものにしていく必要があるんではないかというようなこともありましょうし、そういう話を今やっているわけですから、その専門家委員会の話についてもこれから十分この経緯を注目しながらそうした努力もしていきたいと同時に思いますし、それからもう一つは、やっぱり何といっても基地の問題があると思うんです。 ですから、基地の整理統合の問題やあるいは縮小の問題等も、これまでも努力してまいりましたけれども、今度の問題を契機にして一層そういう点の理解が深まっていくように努力をしていく必要があるんではないかというように思います。 それから、一先ほど来お話もございましたように、本土復帰もおくれて、こういう状況に置かれているだけにまだ本土との格差もあるということもございますから、沖縄開発計画についてもそうした格差を縮めながら、解消しながら、さらに沖縄の持っておる地位というものを十分活用した沖縄開発計画というものを今後一層推進していく必要があるというようなことについても、これは内閣全体として取り組むような体制というものをしっかりつくった上で、知事とも十分話し合いをして解決できるような努力を精いっぱい内閣としてやらせていただきたいし、やらなきゃならぬ、こういうつもりでございます。
○照屋寛徳君 総理、知事や沖縄県民が望んでいるのは、二十一世紀まで基地を背負わされる沖縄のつらさ、怒り、悲しみを感じてほしいということであります。総理は知事や県民を説得するのではなくして、在沖米軍基地の徹底的な整理縮小を図ることによって知事及び県民を納得させることが大事だというふうに思っております。 政府はアメリカに対して在沖米軍基地のどの基地をいつまでに返還要求するのか、具体的な政策があればお示し願いたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) お答え申し上げます。 沖縄の基地の問題につきましては、去る九月二十七日、ニューヨークにおける2プラス2の会合におきましても共同発表の第五項目に特記したところでございます。その項目におきましても、沖縄の基地の整理統合につきまして積極的に取り組むという日米間の合意を見たところでもあります。 さらにはきめ細かく、追加された三事案につきましても鋭意取り組みをすると、こういうことでありまして、例えば県道一〇四号線越えの実弾射撃訓練問題につきましても十月五日に日米合同委員会の中に作業班が設置されましたし、第一回目の会合が既に十二日にはスタートしたと、こういうことであります。 私どもも米国側とともに鋭意努力をしておる事案でもありますし、那覇港の移設の問題につきましても努力をしておりますし、また読谷の補助飛行場のハンセン基地内への移設、そして読谷飛行場の返還の問題につきましても鋭意努力をすることを確認し合って作業が進んでおると、こういうようなことでございます。 今御指摘のありましたとおり、大田知事が二十一世紀におきまして沖縄の基地だけが永久に固定化され、そして沖縄の基地が強化されるということを大変懸念されているということを、知事が機関委任事務を拒否した県議会における答弁あるいは防衛施設庁に対する返答等で私もよく承知しております。ですから、そういう問題をよく踏まえまして、沖縄の在日米軍基地の問題はもちろんでありますが、日本全体の問題としてこれをとらえていくべきだと、このように考えておるわけであります。 いずれにいたしましても、従前どおり政府としては在日米軍基地の整理統合、そして結果として縮小、そういうことに鋭意努力するということをはっきり申し上げておきたいと思います。
○照屋寛徳君 防衛庁長官にお伺いいたしますが、具体的な基地の整理縮小として、アメリカに対して普天間の飛行場の返還要求をするおつもりがありますでしょうか。また、アメリカのカールーチ元国防長官、アスピン前国防長官らが第三海兵師団の廃止の構想を発表しておりますが、アメリカに対して在沖米軍海兵隊の完全撤退を政府として求めるお考えはありませんか、お尋ねいたします。
○国務大臣(衛藤征士郎君) お答え申し上げます。 普天間の飛行場の返還の問題でありますが、これは既に十事案の中に一部返還ということが検討項目に入っておるわけでありまして、その問題につきましても引き続き私どもとしては努力をしてまいりたいと思います。もちろん、この一部返還を含む十事案につきましてもこれから米側と十分なる調整をいたしまして、できるだけ早く返還になるようにあらゆる努力をしたい、このように考えておる次第でございます。 なお、第三海兵師団の問題が出ましたが、これは日米安保体制、そして米軍のいわゆるアジア・太平洋地域におけるプレゼンス、そしてコミットメントの問題でありまして、これはむしろ米国サイドの問題ではありますが、私どもといたしましても、沖縄にある基地、そしてその基地に現存する第三海兵師団の問題でありますから大変関心は持っております。しかし、我が政府として、この問題についてこのオペレーションをどうすればいいこうすればいいということについては私の発言は差し控えたいと思います。
○照屋寛徳君 防衛庁長官は政府の意を受けて十月の二十二日か二十三日に大田知事と会談をされる御予定だと報ぜられておりますが、この知事との会談の際に沖縄の基地問題の解決へ向けてどのような基本的な姿勢、いかなる具体案を持って臨まれるのか、長官の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) この問題につきましては、先ほど総理の御答弁のように内閣を挙げての問題でございまして、官房長官、外務大臣、沖縄開発庁長官、不肖防衛庁長官、四者、各閣僚がその都度集まりまして協議をしておることでございますしかるに、私が沖縄を訪問することになりますれば政府を代表して訪問するということに相なるわけでありますから、当然問題の解決に向けたいろいろの対応をすることになります。 御指摘のとおり、大田知事から二十一日まではどなたがおいでになってもお会いしにくい、しかし防衛庁長官が二十三日以降訪沖するのであれば時間を割いていつでも調整しましょう、こういうお話でありました。そこで、私どもは二十二から二十五という三日間を御提示申し上げまして、きょうの夕刻の五時に沖縄県からその返答がございます。これは知事の日程にむしろ私どもが合わせまして、二十三、二十四か二十四か二十五か、そういう調整をしておるところであります。 当然、沖縄に参りますれば、私は一日間沖縄の基地の現状を十分視察いたしたいと考えておりますし、また大田知事の方も、防衛庁長官が訪沖するならば知事としても時間調整をして基地の現状の視察に同行する、こういうようなお話も承っております。十分に基地の実態を把握し、そしてゆったりとした十分な時間を持って知事ととことんまでこの沖縄の基地問題について、また知事のお考えの日米安保体制、あるいはアジア・太平洋地域を踏まえた我が国の平和と安定、そして当該地域の繁栄の問題、いろいろな問題について意見交換をしたいと思います。 しかし、その原点はあくまでも沖縄県の立場に立ち、そしてもう一つの原点は我が国の平和と安定ということ、安全保障ということをしっかり踏まえて、この二つの軸を踏まえて私は知事とお話をさせていただき、そして交渉のテーブルをつくってその交渉のテーブルに知事にお着きをいただいて、この問題が解決する努力をいたしたい。 幸いに、知事は高山朝光沖縄県政策調整監をこちらによこしまして、沖縄県としてはこの問題について国と対峙するものではない、国と対立するものではない、そのことを防衛庁長官に伝えるようにというメッセージも届いておりますので、この立場を十分に尊重して知事さんにお会いをいたしたい、このように考えております。 ひとつまた、照屋議員も地元の議員でありますから御協力をよろしくお願いを申し上げます。
○照屋寛徳君 最後に一点だけ、総理の御決意を賜りたいと思います。 私は、日米安保が国策の名において重要であるとするならば、沖縄県民のみに基地の犠牲を強いることは許されないと思うんです。この日米安保による基地の負担や犠牲というのは、やはり全国民がひとしく負うべきだというふうに考えておりますが、総理の御所見と、同時に沖縄の基地問題を解決するんだという御決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、戦前、戦中、戦後、沖縄の置かれておる現状というもの、沖縄県民のこうむっておる心情というもの、そういうものをしっかり踏まえて、これは単に沖縄だけの問題ではなくて、日米安保条約というのは日本の国全体の安全保障のためにあるわけですし、その大きなしわ寄せを沖縄県民の皆さんがこうむっておるということに対して私は本当に申しわけないと思います。心からこれまでの御協力に対しては感謝申し上げたいというふうに思っておりますけれども、そういう苦難を背負っておる沖縄の県民の心情というものを国民全体がやっぱり共有するということが大事だと。 その立場に立って今度の問題の取り組みを精力的にやって、そして沖縄県民の期待にもこたえ得るような、そういう打開策というものをしっかりつくっていくことが大事ではないかというふうに考えておりますから、そのために全力を挙げて、内閣一体となって取り組んでいきたいというふうに思います。
○山本正和君 今、本当に現地の気持ちをもって切々と政府に訴えたわけでございますので、しかるべく賢明なお取り組みをいただきたいと思います。 私も一言申し上げておきたいのは、2プラス2ですか、日米の安全保障協議委員会、これが今まではだれが見ても日本はやっぱりアメリカからうんと目下に見られているなという感じの2プラス2だったと思うんですね。ところが河野外務大臣におなりになって、これはまさに村山内閣になって初めて2プラス2が両方とも大臣が、防衛庁長官、外務大臣、向こうもちゃんと大臣が二人出てやるようになったということもあるわけです。これはちっとも新聞書かぬのですよね。実はそれまでは大使と司令官だけでしょう。それが2プラス2だと。 これだけ村山内閣というのはアメリカが大事にしたということですから、そのことをひとつ胸を張ってやっていただいて、日米安保もこれからは対等、イコールパートナーシップですか、橋本さんがおっしゃったんだが、その立場に立って基地の全面見直し、抜本的見直し、安保をよりよくするための見直しということで、ひとつぜひとも新しくこの内閣としてお取り組みいただきたい。これだけ最後に私の方から要望しておきます。 そこで、経済対策に入るんですが、ちょっと重複いたしますけれども、もう一遍ここで念を押しておきたいんですが、本当に今景気は悪いんですか、いいんですかどうなんですか。そこのところをちょっと経済企画庁長官に。
○国務大臣(宮崎勇君) 景気の現状についてお答えいたします。 まず、需要面でございますけれども、全体の需要の大宗を占めます個人消費あるいは設備投資は若干回復を見せておりますけれども、まだ本格的にはなっておりません。それから、住宅投資は減少を続けておりますし、輸出は最近のところ横ばい状況にあります。 こういう需要の状況を受けまして生産が不振でありまして、八月は前の月に比べて若干上昇しましたけれども、それまで四カ月連続して生産は低下しておりました。そういう背景のもとで在庫もふえるということであったわけです。 一方、そういうような需給、生産の状況を受けまして、雇用状況は依然として厳しい状況が続いております。失業率は三・二%、この統計ができましてから最高の水準を続けておりますし、求人倍率も○・六一という非常に低い状況で、特に中小企業の厳しさが大きいという点がございます。この間、物価は安定しておりますし、経常収支の黒字は縮小方向にあります。 しかし、全体として見れば、この表現は午前中わかりにくいという御批判をいただきましたけれども、景気は足踏み状況で、弱含みに推移をしているということではないかと思います。ただ、ことしに入りましてから公共投資がかなり出始めておりますし、ごく最近のところでは明るい問題として為替の秩序ある反転が進んでおりますし、株式市場にも明るさが出て収益の改善が見られるというような状況でございます。
○山本正和君 非常に慎重な御答弁といいますか、専門家なものですからそうでしょうけれども、素人から見たら、いろんなことを言うけれども、ストック調整は大体終わったんじゃないか、それから買いかえ需要が起こってきているんじゃないか、こんな話が大分あるんですよね。そして、何か知らぬけれども、日本経済を暗い方に暗い方にばかり見ているけれども、そういう明るい方面はどうなっているのと、こういう話があるんですけれども、それはどうですか。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 ストック調整という言葉はいろいろの意味で使われておりますけれども、過剰設備の状況がだんだん少なくなってきたというような点ではそのとおりでございますし、ここで景気対策の効果が出れば今までの公的需要から民間需要に転化をしていくということが十分に可能だと思います。 ただ、悲観的に申し上げているわけではありませんけれども、今回の不景気には従来なかったような、例えば資産価格が下落したことによるマイナスの問題ですとか、あるいは非常にスピードの速い円高が進行したために構造調整問題が非常に難しい問題を呈しているという難しさがあります。 今回の経済対策を初め、これから切れ目のない対策を講じていきますと、私は事態について悲観的になる必要はないと思っております。
○山本正和君 今の最後の言葉が国民の前にもっとわからなければ困ると思うんです。何か知らぬけれども悲観的な話ばかりどんどん出ていって、そしてまた構造調整が終わっていない、あるいは処方せんがない、これはどんな経済の専門家、大政治家がいても今の日本の経済は一遍によくなりませんよというふうな話だとかいろいろとあるわけですね。だけれども、また一方で、日本経済は戦後五十年間のさまざまな経験、オイルショック、いろいろなことがあります。あるけれども、今、日本経済は本物になろうとしているんだと、産みの苦しみなんだと。 大体金融制度そのものが、かつて私は、橋本大蔵大臣のときだと思いますけれども、国際会計基準というものに照らしてどうなっているのと金融の問題でやったことがありました。だけれども、その当時は我が国のやり方がいいんだと、ジャパン・アズ・ナンバーワンだと、こう言っておった時代ですよ、日本が胸を張っておった、アメリカがしゅんとなって。しかし、実はそのときに既にもうはらんでおったんですね。産みの悩みが今生まれているのが日本経済なんで、これから日本経済はよくなると私は思うんですよ。そのよくなる展望を政府がきちんと示さないものだから暗くなっていく。 不良債権の問題いろいろ言いますね。しかし、本当に債務超過になっている会社が幾つあるのと、実際問題、銀行が。これはみんな知っておるはずですよ。恐らく金融機関全体で民間の貸し出しが何か七百兆ぐらいあるんでしょう。そのうちの四十兆か百兆か知らぬけれども、どうもおかしいものがある。これは民間の貸出額ですね。もうちょっとマクロに、明るい部分から、そしてどうやったら直るかということは、もう処方せん出ているんですよ。そこのところをもうちょっと経済企画庁は明るく宣伝してほしいし、総理もこの前、参議院の本会議でやったような形で原稿を読まずにずばずばやると国民は明るくなると私は思うんです。だから、皆さん安心してください、こう本当に言わにゃいかぬですよ。 これは、国際社会の経済界みんな集まってもらって、日本経済で一遍討論会をやってもらったらどうですか、政府主催で。ヨーロッパでは専門家みんな、何で日本はこんな深刻なことを言っているのと、こういうふうになると思うんですよ。 アメリカの九一年、九二年の大銀行まではたばたつぶれたあのときはどうだったですか。その辺どういうふうにお思いですか。国民に今の経済問題を訴える訴え方について、どうお考えですか。
○国務大臣(宮崎勇君) 多少私見にわたるかもわかりませんけれども、今の経済状況が厳しいということは率直に認めなければいけないと思います。したがって今回の対策を打ったわけですが、その後も切れ目のない対策で税制の改革ですとかあるいは不良債権の処理をしていかなければいけません。 しかし、そのまま景気が回復いたしましても、日本の経済が不況以前と同じような形に戻ってはいけないわけでして、国際環境も変わっておりますし、国内のいろいろの条件も変わっておりますから、それに合わせたような経済の仕組みをつくっていかなければいけない。したがって、単に内需を拡大するというだけではなくて、経済構造の調整を進めなければいけないわけです。そして、その経済構造の調整は、行政改革なりあるいは政治の改革と一体的に進めなければいけないということで、これまた大変厳しい問題だとは思いますけれども、先生御指摘のように、これまで日本経済は第二次大戦が終わった後も石油ショックの後も非常に大きな困難を見事に乗り越えることができたわけですから、私は今回も日本経済は十分に再生し新しく発展できると信じております。
○山本正和君 本当に期待の気持ちも込めて、願望も込めて、そういう部分の内容も含めての企画庁長官の今のお答えでございますが、ただ私も非常に心配している問題があるんです。それは規制緩和ですよ。本当に規制緩和をやれたら日本の経済構造の改革ができますよね。 ところが、それをやろうとしたら歴代政府みんな困るんだ。これは自民党ばかりじゃなくて社会党も困るんですよ。自民党というのはどっちかといったらお金持ちの支持者が多いんだけれども、社会党というのは貧乏人の支持者が多い。だからどっちも困る。これはなぜかといったら、五十年間にわたってそれぞれがお互いにいろんな既得権益というか、これがあるから生きているというものがあるわけですよ。車検一つとったらわかるんですよね。それをどう調整するかということで非常に苦しむんですよ。 しかし、その苦しいのは乗り越えなきゃ仕方がないですよ、これは。乗り越えなかったらどうにもならないんですから、そこのところで、これは本当に与党も野党もなしに、今は二十一世紀に向かって日本の経済はどうなんだということでの真剣な論議をしなければもたぬだろうと私は思うんです。 その辺の認識について、これは総務庁長官、規制緩和の問題をではひとつ。
○国務大臣(江藤隆美君) 最近、広く規制緩和という言葉が聞かれるようになって、論議をいただくようになりました。国会でも、与党は百六十回も会合を重ねて検討する。また野党の皆さんからもそれぞれの御提言をいただく。政府もまた行政改革委員会あるいはまた規制緩和委員会等を通じて今精力的にやっている。ところが、わかったようでわからない。それなら規制緩和とは一体なんだと。 一番いい例が、例えば携帯電話の売り切り制であります。携帯電話はもう六百六十万台を超えました。そうすると、それによって新しい生産がふえ、新しい需要がふえ、新しい雇用がふえていく。 それから、今お話のあったように、ことし実施したのが車検制度の改正であります。前に検査を受けてもいいですよと。悪いところを指摘されて、後で整備して受けてもいいですよと。これは八〇%以上の伸び率ではないかと私は思います。 それから、これからやりますのが、今年は来月からいよいよ新食糧制度のスタートになります。それと今まで独占的であった米の集荷・販売というのが、これは大幅に緩和されることになってくる。ただ、私どもは、千九十一品目のうちのこれを何とか三年間に前倒ししてやろうと。それで、ことしでそのうちのさらに約六〇%をやろうということをしておるんですが、残りには厄介なのが実はあります。 それは、例えば大店法の見直し。随分とその出店の規制というのも緩和されて、地方都市でも、もう千平米まではいいわけですから、三千平米までは届け出制であります。大都会で六千平米ですから、かなり規制緩和をされてきた。しかし、これをなくせという意見も実はあります。 あるいはまた、新聞、書籍等の再販制度をなくせという、こういうものも実はあります。 それから、もう少しわかりやすく言うと、例えばたばこ、酒あるいは薬、こんなのも規制を外して売れるようにしたらいいじゃないかと。ところが、ここにはたばこ盆一つもないんです。たばこは吸うなと言いながらたばこをあっちこっちで売れという話もちょっとどうも腑に落ちぬ話だし、零細な商店が多いわけでありますから、やっぱりこの国全体から見たら規制緩和ということはこれは避けて通れないことであるし、経済活性化の大原動力になることは間違いありませんが、しかし私は、政治は弱い者のためにその痛みを分かち合う気持ちがなければだめだと、こう思っております。 したがいまして、これらの問題を精力的に取り組んで、せっかくの村山内閣の看板でありますから、皆さん方に必ず評価をいただくように今後努力をしてまいりたいと思っておりますので、よろしく今後も御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
○山本正和君 規制緩和の必要性は恐らく国民みんな頭の中ではわかっておって、いざやるとなると困るということだろうと思うんですが、ひとつぜひまた、先ほど私申し上げましたけれども、もうこれは国民的課題でどうしてもみんなでやらにゃいかぬということで、どうやったらいいかと一遍政府でもその辺から政治論の立場も含めて御検討いただきたいと思います。 そこで、ちょっと今度の景気対策の中で、これは私、森建設大臣が通産大臣をしておられるときに景気の回復問題で大分ここで議論したんですね。そのときに建設大臣は、建設省は公共事業による効果がこの程度あると、しかしそれに対して減税したら幾らになるかというように盛んに議論をしたときに、実はコンピューターを教育に導入する、学校にだあっとコンピューターを入れて、アメリカまでは行かぬけれども、せめてヨーロッパの子供たちがコンピューターを学校で教育で使うぐらいに使えば、これはかなりそれによっていろいろなものが出るじゃないかと。昔、日本の労働力がなぜ強かったかというのは、読み書きそろばんと、そろばんを一斉にどこの学校にも置いて勉強させたと。コンピューターはこれからの時代だと、小学校には全部コンピューターを入れようというような話をして、これは通産省と文部省と提携してもらって大蔵省が言うことを聞いてくれてやったんですがね。 そのときの効果というそういう意味でいくと、いわゆる新しい研究分野、ニュービジネスといいますか、そういう分野への開発の効果というものと公共事業の開発の効果というものといろいろ言われているんです。そこで、今度の予算ではかなりこちら側の分野を入れたと、九千億ぐらいですか開発研究分野の九千八百億ぐらいですが入っていますね。 公共事業がやっぱりかなりあると。だから公共事業の重要性はいずれにしてもあるわけです。そういう意味で、しかし、これから同じ公共事業と言っても、例えば市街地開発、再開発となればこれは土地を買う必要はないわけです。あるいは堤防をきちっとするとなれば、またこれは違ってくるわけですね。 だから、そういう意味で公共事業の見直しの問題も、それからいわゆる新規事業、新しい今のベンチャービジネスですか、こういったものの見直しの問題もみんな含めてかなり変わった角度から物を見詰める必要があるんじゃないかというふうに私は思うんです。その辺で通産省、建設省、両大臣の、景気回復効果ですね、特に今度の予算の中の目玉でこういうものを入れていますよ、こういうことを考えていますよというふうなことをひとつ御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員が御指摘になりましたような意味でありますと、私ども必ずしも十分とは言い切れません。なぜなら、現実に例えば中小企業の非常に深刻な状態等を抱えておりまして、我々としてはやはり当面こうした分野に対する対応に追われる部分がございます。 通産省として考えました中に、例えば経済構造改革につきましては、当然のことながら研究開発、情報化の推進というものに加えまして、新しい事業をいかに育てるか、少なくとも廃業率が新たに業の起こる率を上回る状態は何とかしなければならないという意気込みのもとに、新規事業の育成でありますとか、また新たなインフラ整備、あるいは輸入、対日投資の促進などにつきましても、予算措置だけではなく、今国会、関連法案の御審議もいただくことにしておりまして、これから先手広く投資をしていこうと考えております。 また、中小企業につきましては、既往の債務の返済の円滑化、あるいは負担軽減のための措置を講ずる、すなわち政府系金融機関の過去の金利の高い時代の借り入れに苦しんでおられる方々に対し、赤字企業だけではなく黒字企業も対象に取り込みながら対応策を講じていく、あるいは中小企業に対する信用保証の充実を図るため、これも関連法案を今国会で御審議をいただくことにいたしております。 また、新規創業の支援といったものに対しても手を差し伸べているわけでありまして、我々としてはできる限りまずこの壁を突き抜けていきたい。その中にも研究開発等、情報化等、将来へのいわば発展の足場を築いておきたい、そのような考え方でこの補正予算に取り組んでおります。
○国務大臣(森喜朗君) 通産大臣が先ほど御答弁の中で、今一番自分の頭にあるのはこれ以上製造業が外国に行かないことだ、どうして逃げないようにするかということをおっしゃっておられます。 これと同時に、もう一つ、今の通産大臣のお話の中にありますように、どうしたらもっと民間に新しいビジネスに対して創業意欲を持って、投資意欲を持って、わかりやすく言えば会社をどんどんつくろうという意欲を持ってくれるかということが今通産省にとって最も大事なことだと思うんです。 先ほど委員から御質問の中に触れていただきましたが、二年前、私が通産大臣をやっておりましたときも、やはり社会資本というのは今までの考え方、今の私の立場から言いにくいけれども、つまり道路や河川や下水ということだけじゃなくて、社会資本というのは新しい分野にもっと手を広げていくべきではないかというように、当時私は通産の立場で申し上げたわけでございます。これが今、先生からもお話がございましたように、総理や武村大蔵大臣の大きな英断もございまして、余り縄張り争いで議論をするということはなくなりました。お互いに理解を深めるようになったと、私はそう思っております。 したがって、研究部門に投資をするということは、やはり将来のそういうビジネスチャンスができ得るために、あるいは企業をつくろう、会社をつくろうというそういう意欲を持つために、そのために国が思い切って援助をしてさしあげる、思い切って研究してください、そのお金はどんどん国が出しましょうという考え方、これが私どもが当時言っていた新しい社会資本というふうなことで申し上げてきたことでございますが、大体ここ二、三年でそうしたことについては、国会でもあるいはそれぞれの行政の中でも、国民の中にもかなり深い理解をお互いに持てるようになったと、このように私は大変喜んでおります。 そこで、景気対策として公共事業に対する大変大きな期待を寄せてくださる、これは大事なことですから我々しっかりやらなきゃならぬと思っております。しかし、多少ちょっと私的な意見が入って恐縮なんですが、公共事業だけで日本の経済があるいは景気が全部立ち直るというふうに私はどうも思えないんです。だから、これまで四十兆も五十兆も入れてきたじゃないか、全然はかばかしくないじゃないかということを衆議院段階でも野党の皆さんからよくそういう指摘を受けましたけれども、しかし、じゃ公共事業をやらなかったらどうなっていたんだろうかというふうにむしろ逆に考えてみる必要があると思うんです。 公共事業を施すことによって健康体を維持していく、そしてできるだけ早く、先ほどから通産大臣がおっしゃっておられますようなビジネスチャンスを、どうやって起業を、将来の日本の産業構造が大きく変わって、次第次第に右肩上がりの期待感を持てるようになっていくかということが一番大事なのでありまして、それまでの間は公共事業でしっかり日本の経済の安定、健康体を維持していくということに、私はそのことに一番意を用いることだと思うんです。 大変御無礼でございますけれども、先生お持ちかもしれませんが、これは後ほど差し上げますが、公共事業というのはいかに即効性があるかということと、先ほどの御答弁でも私は申し上げたと思いますが、例えば情報サービスでやりますと、生産高でいきますと、東京と名古屋、大阪を中心にしまして大体この生産高は八〇%ぐらいになってしまうんです。したがって、地方には全然及んでいかない。ところが、これが建設になりますと、東京が二六で、近畿が一四で、東海が一〇で、北陸が五・四、北関東が九・二、九州は一〇というふうに、日本じゅう満遍なく建設が施されることによってそれだけ雇用の創出もできますし、いろんな資材の需要というものもできるということでは、この公共事業というのは幅広く日本国内全体を潤していくということになるし非常に即効性がある、こういうことかなと思っております。 委員は御専門家でありますから、わざとこういう答弁の機会を与えていただいて、建設省の立場を理解してもらえるような発言をさせていただきまして大変ありがたいことだと思っております。そういう意味で、公共事業はまさに日本の経済の健康体をきちっと維持するために積極的にやっていかなきゃならぬ、そう思って、今回の補正予算につきましても思い切った公共投資をさせていただいたということでございます。
○山本正和君 それから、どうも私は村山内閣というのは各大臣皆さん大変謙虚な方ばかりで宣伝が下手じゃないかと、こう思うんです。公共料金の問題ですね、実は羽田内閣のときに、これはもう随分大もめにもめて、総理大臣の決断でもって押さえちゃったんですよ、上げるのを。ところが、公共料金という制度の仕組みがどうなっているかということを国民は余り知らないんですよね。何か知らぬけれどもお上が勝手に上げているぐらいしか思っていない。 そういう中で、今度また妙なこと、新聞で誤解する論説委員がおって、むちゃくちゃ書くわけです、村山内閣の悪口をね。経済企画庁長官、またたたかれるわけだ。今度何ですか、プライスキャップ制ですか、こんなものも検討している。公共料金そのものについて政府はこんなに考えているんですよ、その仕組みはこうですよ、国民にこうなるんですよということをやらぬもので、どうも何か知らぬけれども一知半解な言葉で何でも値上げ反対生言えばいいと。かって社会党が何でも消費税反対と言ったということの意味じゃないんですけれどもね。だから、ひとつその込もうちょっと宣伝をやっていただきたい。 それで運輸大臣に、これは質問通告をしてなかったので申しわけないんですけれども、今度の運賃値上げですね、タクシーだとかなんとかぐじゃぐじゃね。それの苦しみをちょっとひとつ説明してくれませんか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。 公共料金に関してのお尋ねでございましたけれども、我が運輸省所管のタクシーでございますとか鉄道でございますとか航空運賃の料金というのは、先生よく御承知のように認可制をとっております。これを決定するに当たりましては、やはり適正な経営努力による原価とさらには適正な利潤、こういうことで認可制をとっているわけでありまして、これは日本の場合の公共料金の一般的な姿であります。またもう一つ、特に割引料金というのがございまして、これは届け出制をとっておりまして、これは企業の自主的な判断によって割引料金が決まっているわけであります。 ただ、よくタクシーの料金も鉄道の料金も航空運賃も高い、こういう御指摘が非常にあるわけでありますけれども、しかし実際に日本の公共料金、諸外国と比較をしてみますと、あながちすべてが高いというわけじゃございません。例えば、高いと言われている航空運賃も、普通運賃で比較をいたしますと、これはむしろ日本の方が安い。割引運賃ということになりますと、いろいろな条件設定がありますけれども、これは諸外国が安くなっております。 ただ、一般の国民の皆様方が日常的に利用するタクシー運賃は、とにかく人件費比率というのが八〇%、日本は世界で最高水準の賃金の高い国でございますから、したがってこれは諸外国に比べて高いことは事実であります。また鉄道運賃に関しましては、例えば平均的なものを幾つかとりましていろいろ比較をしてみますと、これは高いものも安いものもある。ですから、そうやって精査をしてまいりますと、先ほど申しましたように、あながち日本がすべて高いというわけにはまいりません。 そして、三月三十一日のいわゆる規制緩和の推進計画の中で、閣議決定をして公共料金もやはり幅広く検討しろと、こういうことで、我が運輸省といたしましても、やはり経営努力がそこに入る、効率を高める、そして利用者の利益が増大する、こういうことの観点の中で今鋭意やらせていただいております。この九月二十日のいわゆる経済閣僚会議で決定をいたしましたけれども、例えば航空運賃には福運賃制度という、いわゆる標準原価というのを設定しまして、その範囲の中では自由に料金を設定していいというようなことも年内にはめどをつけよう、こういうことでやっておりますので、我々といたしましてもその精神を踏まえて一生懸命に頑張ってまいりたい、こういうふうに思っております。
○山本正和君 金融問題に移らなきゃいけないんですが、ただ一言付言しておきたいのは、この前、私どもも実は上げるなといってとめに回った方なんですけれども、羽田内閣のときに上げるなといってやめたやめ方が理論的じゃなかったんですよ。しゃにむにみんなの力でずっと押さえちゃった。やっぱり公共料金あのときにもっとしっかり議論しておけばよかったなというふうなことを私も思うんです。どうしても上げなきゃいけないのはこうなんですよということを言わなきゃいけないのを、政治家は有権者の票が欲しいものだから料金値上げ反対と、こう言えば格好いいものだからやめちゃったという、これは私も含めて反省なんです。ひとつどうか、政府は必要なことはこうなんですということを自信を持ってぜひ言っていただくようにお願いしたいと思います。 それでは金融問題に入りますが、日銀総裁、大変お忙しい中恐縮でございます。 今、景気の状況いろいろ言っておりますが、かつてないぐらいの安い金利、しかも国民の個人貯蓄は一千兆を超えている、大変な状況がある、そしてまた日銀は金融を緩目に一生懸命誘導している、ところがマネーサプライがさっぱり低迷している、こういうことが言われているんですけれども、通貨の番人としての日銀総裁、どういうふうにこの問題はお考えでございましょうか。
○参考人(松下康雄君) 側質問の金利の低下がマネーサプライの増加にどういうふうに結びついていくか、この経路は資金の需要の面と供給の面とがあるわけでございます。つまり、マネーサプライが伸び悩んでいるという現状は、まず一つには通貨の需要面の方で企業その他の資金需要がいま一つ盛り上がりが足りないということでございまして、これはやはり一口で申せば日本経済は現状足踏み状態が続いているということから出ているわけでございますが、そういう事情がございます。また、供給面の方から見ますというと、これは金融機関側の資金供給に対します態度があのバブルの崩壊後にはやや慎重に向かったと申しますか節度が回復したと申しますか、そういうふうな情勢でございます。しかしながら、私どもといたしましては、ここまで金利が低下をしてまいりますと、それは必ず今申しましたような二つの経路を通じまして究極的にはマネーサプライの増加に結びついてまいるのではなかろうか。 まず、需要面の方でございますけれども、金利が低下をいたしますと企業の収益には当然好影響がございますし、また資産価格も上昇してまいるわけでございます。そういった変化が結びついてまいりますというと、これは民間の設備投資を刺激することになりまして、設備投資がここで拡大をし始めますと、それはやはり個人の所得あるいは雇用というものに結びついてまいりますから、結果は個人消費の拡大ということも期待ができるという望ましい方向が期待されるわけでございます。 それから一方、供給面の方につきましては、これはやはり当面非常に重要なことは、金融機関の持つ不良資産問題の早期処理を何とかして早くなし遂げてまいる、そういうことによりまして金融機関の自信を回復し、そしてその面での供給をふやしていくということが考えられるわけでございます。 現状申し上げますと、この需要面の方の効果は、先ほども企画庁長官お話しになりましたような、公的な資金需要がやがてそういう形で民間資金需要につながってまいるという経路で、これは多少の時間がかかることであると思いますけれども、方向はそういうことで考えられると思うわけでございます。 それから、民間金融機関の貸し出し態度につきましては、本年の春ごろからやや貸し出し態度全体に積極的な感じが出てまいりまして、前年同期に比べまして貸し出しの増加が四-六月、七-九月と継続しでこのところ、うかがえるようになってまいりました。これらも金利低下の一つの効果がややあらわれかかっているのかということでございますが、私どもとしましても、この両面の効果が速やかにあらわれることを期待しながら、現状の事態をよく観察しているところでございます。
○山本正和君 総裁から大変きちっとしたお話を承ったんですが、金融機関が自信を喪失していると。これは例の住専問題に象徴されるようなことからあるんだろうと思うんです。大蔵大臣は年内に一つのけじめをつけるというふうなお話をされておったと思うんですが、たしか商法では銀行のこの種の不良債権問題についての規定があったと私は思うんですね。 そしてこれは、初め言われておったのは五年ぐらいかかるぞというふうな話があった。そしてその見通しもなかなか出なかったんですけれども、最近になって大蔵大臣がかなり本腰を入れて早期に解決するということで決意を示されておるんですけれども、こういう金融界というか、この中におけるこの種の問題の処理は今から大体どれくらいの見通しで解決すると。 アメリカの場合は九二年ぐらいに解決したんですか、八一年か二年から始まったんですね、ちょこちょこと。やっぱり十年かかったんですよ、よく見てみると。ただし、政府が本腰を入れてからは早かったんですけれども。だから日本も、今これ何ぼ言っても金融がこんなに病んでおったら、どんなにみんな新しいベンチャービジネスを出そうとしてもできないわけですからね。 そういう意味で、大蔵大臣どうですか、この金融問題の解決は、見通しは何年後だと言えませんか。
○国務大臣(武村正義君) まず、アメリカを振り返ってみますと、大体八〇年代の初めから債権が発生し出して、八五、六年ごろから議会も含めてこの問題の議論が始まったそうであります。議会の議論でも、いろんな政治家の絡んだ事件もあって、日本とよく似た状況があって約数年、四、五年ぐらい議論が続いて、なかなか公的な関与の結論が出せなかった。やっと八九年に出して、方針を出してから乗り切るまでには五、六年かかっているというふうに私は伺っております。 ですから、アメリカは相当時間がかかってしまったので、ルービンさんは私には迅速にやりなさいよと。今のところ日本政府はアメリカよりは大変迅速にやっていると思うというふうに激励をいただいたのでありますが、いずれにしましても、まだ年内結論が見えておりませんから、褒めていただけるような状況ではありません。 ただ、四十兆というこの大きな不良債権、これも山本先生が先ほどおっしゃっていただいたように貸出額は約七百兆円ぐらいございます。その中に四十兆円の不良債権と称しているものがあります。しかし、四十兆全部が回収不能ではありません。その中でいわゆるロスとか回収不能と見ておりますのは、私どもの推計では十兆ないし十五兆と一応推計で申し上げておりますが、土地が少しずつ下がっておりますから年々少しずつこれは拡大していると。四十兆そのものはそう大きくは変わらないという見方をしております。 しかし、その十数兆か二十兆までの回収不能額を焦点ににらんでみましても、既に日本の金融界の対応能力としては、これは日銀総裁もおっしゃっていましたが、昨年の純益が一年間で約四・五兆円ございました。そして、いわゆる特別勘定等の積立額、貸倒引当金と償却のための特別勘定を足して七・三兆円ぐらい今ございます、金融界全体で。そして株式の含み益は十数兆円あります。そういう意味では、この不良債権をにらんで、金融界全体としてはこれを解決していく基盤というか力は持っているというふうに私は申し上げているわけであります。 実際に不良債権は、不良債権といえども今土地が値下がりしているから、今処分したら何分の一がになるという意味でそこにロスが出るわけです。しかし、それは売りたい売りたいといえば、その三分の一が五分の一、六分の一になりますからすぐには売らない、売りたくない、こういう状況もありまして、形の上では不良債権が残っておりますが、片方そういう特別勘定とか引当金の積み立てとかいろんな対応を必死で各金融機関がもう進めておりまして、そういう意味ではこの問題は大変迷惑をかけておりますし、大変大きな問題ではありますが、着々とこれを乗り越えていく能力を今つけつつあると私は見ております。 しかし、それでもこの四十兆の外にある系統農林関係の融資も含めた、五・五兆円を含めた住専の問題だけは別です。これは容易ではありません。この問題だけは別の問題として、母体行も関係金融機関も、そして系統の機関も含めて今しっかり話し合いが始まっているところでございまして、この一番難しい大きな問題は年内にまずは関係者の御努力を踏まえて、最終は私どもが入って解決をしていかなければならないという思いでございます。
○山本正和君 なかなか見通しを言いにくいんでしょうが、住専は年内に何とか解決の方途については見通しを立てたい、こういうことですね。 そこで、質問時間がまだ五分残っておりますのでもう少しやらせていただきます。 ちょっとこれは景気問題とは違うんですが、日本の国を愛する人たちがずっと見ておって、緑が破壊されている、山が荒れているということを盛んに言われるわけです。経済というものは確かに何よりも大事なものですけれども、しかし日本人が住んでいるこの日本列島が何とも言えない砂漠みたいになってしまったのではどうにもなりません。 そういう意味で、森林の問題を、私と年が一緒のやつが山を歩いて一生懸命やっておるのがおるものですから、それからいろいろ聞いたりいたします。何か知らぬけれども、このごろは山に対する国の予算がさっぱりだと、山を守るについて。山を守る人もどんどん減っている、財政面でも人員の面でもさっぱりなんだ、こういうことを言われるんですが、日本の国を愛する総理大臣、今の日本の山の状況ですね、森林の状況、こういうものについてどういうふうな御認識が、ちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(村山富市君) 私もかつて委員をしているときに山をずっと視察に行ったことがありますけれども、今、委員からお話がございましたように、これはもう国有林、民有林を問わず、材木の値段が下がったということもあると思いますけれども、相当手が入らずに荒れておるということは私も各地区で見てまいりまして思いました。 これはオゾン層が破壊されて地球が温暖化していくとか、それからまたそういう地球規模で環境問題が問題になっているというだけではなくて、日本の国内だけを見ても、山が荒れるということは森林や林業が持っておる公益性というものを考えた場合に私はゆるがせにできない問題だというように思います。今、緑の問題がこれだけ盛んに言われて緑をふやそうという運動も行われているときですから、こういう時期にこれはもう国会の皆さんの御協力もいただいて、政府を挙げてそういう意味におけるよみがえれ緑といったようなことをしっかり推し進めていく必要があるというふうに思っております。
○山本正和君 最後に、本国会で冒頭からいろいろエキサイトしております宗教法人の問題ですが、実は私の大変懇意な連中が、今度の宗教法人法に反対している宗教団体の中にも、それも一つじゃありません、二つぐらいの団体で仲のいい人がおるんです。いろんな話もいたします。そこでざっくばらんな話をしていくと、いや、これはそうなんだよ、あれはああなんだよというような話になるんですが、政争の場に出てくるとなかなかその議論がしにくいと思うんです。 ずっと考えておりまして、私は本当に今国民の感情からいってどうなんだろうかという議論をやっぱりしていくべきだろうと。そういう意味で、文部省がいろいろ議論されてこの問題について提起をされた、法案を出されようとしている、これは私は非常に大事なことだ、こう思っているんです。 たまたまそういう中で見ておりましたら、浄土宗の宗務総長をしておる寺内大吉さんという小説家ですが、小説家であり宗務総長、もう大和尚です、大きな寺の住職もやって小説も書いています。この方が「世界」という雑誌に今の宗教法人法はざる法であると、こう書いているんです。ずっと読んでみたんです。本当になるほどなと、こう思ったんです。確かにこれを見てこれは冷静な議論だというふうに思ったものですから、文部大臣にこれを読んでくださいよと言っておいたんですけれども、文部大臣、この寺内さんの宗教法人法はざる法であるという、これについてどういうふうなお考えでございますか。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えします。 私も実は読ませていただきました。そして、いろいろ具体的な御指摘があるわけでございますが、さすがに直木賞をおとりになる作家のセンスをお持ちになり、かつ宗務総長をお務めの方は違うなと、こんなふうに思いました。 先般来いろいろ御説明申し上げておりますように、昭和二十六年当時と現在では社会のいろんな状況は全く違うわけですし経済の規模も違う、そして宗教法人の実態も大きく違うわけでございます。私の記憶に間違いかなければこの寺内先生はかつて宗教法人審議会のメンバーでおられたこともあるはずでございます、これはまた正確ではありませんが。いずれにせよ、これを読ませていただいて、こういう方がいわば指導力を発揮してくださってそういう形が守られるならば、まさに宗教法人法が制定時にその基本に置いた性善説、これがそのまま具体化することでありますし、我々もこれほど苦しまなくて済むなと、つくづくこんな考えを持った次第でございます。
○山本正和君 実は私の母親も大変な天理教の信者で、九十二歳で十年ほど前に亡くなったんですけれども、宗教を信ずるということは人間のすばらしい営みだと私は思うんです。また実際に、先ほど言いましたが二人、私の仲よしですけれども、本当に人生をまじめに生き抜いている人なんですね。ですから、私は、宗教の世界に入ってそのまた宗教の教えを自分の大切なものとして生きていくということが本当にすばらしいことであるだけに、この問題はいわゆる政争の立場じゃなしに本当に真剣な議論でやっぱりやっていくべきだろうと、こう思います。 したがって、文部省が出している宗教法人法の改正案も私は見てみましたけれども、正直言いまして、本当に簡単明瞭といったらおかしいですけれども、これを出している。しかし、その出している時期だとか意図だとかいうことをめぐっての議論が云々となっているわけですから、出されている事柄そのものをしっかりやっぱりさらに政府はわかりやすく説明をしていただきますように要望いたします。 ちょうど時間が過ぎましたので、これで終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で山本君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、聴濤弘君の質疑を行います。聴濤君。
○聴濤弘君 日本共産党を代表して、重大化している日米安保問題について質問をいたします。 沖縄での少女暴行事件は全国で激しい怒りを呼び起こしております。小学生のいたいけな少女が三名の米兵によって暴行されるというまさにけだものしかできない残虐なことが起こった。ところが、日米地位協定によって犯人は起訴されるまで日本に引き渡されない、一体日本はこれで独立国なのか、こういう怒りが起こるのは当然であります。 総理、あなたは事件以後、極めて遺憾という言葉を繰り返されましたけれども、犯人の日本への引き渡しは要求されませんでした。なぜですか。
○国務大臣(河野洋平君) 事実関係を少し申し上げたいと思います。 日米地位協定の存在あるいは日米地位協定によって起訴前に容疑者の身柄が引き渡されないということについて議員は日本の主権にかかわる問題だと、こうしたことがあっていいのかという趣旨のお尋ねでございますけれども、この地位協定は、例えばアメリカは日本との間に日米地位協定を結ぶと同時に、韓国との間には米韓地位協定がございますし、あるいはNATOの国々との間にも地位協定がございます。御承知のとおり、オーストラリアともアメリカは地位協定を結んでいるわけでございます。つまり、先方の国と合意の上で自分の軍隊を出すという場合には、こうした日米地位協定というのは一つのその典型的なタイプでございますが、こうした協定が結ばれるということはむしろ国際的な常識でございます。 例えば、少し例は適当でないかもしれませんが、PKOで日本がカンボジアに自衛隊を派遣いたしましたときには、日本はこれと同じような権限を有するということになっておるわけでございます。 先ほども申し上げましたけれども、日米安保条約、つまり国の安全を確保するための一つの柱として日米間で取り決めました安保条約に基づいて米軍が日本に駐留をいたします、その行動のルールを定めます地位協定というものは決して主権を侵すといったぐいのものでないということはぜひおわかりをいただきたい。この日米地位協定につきましても、国会で御審議の上、国会で御了承をいただいたものであって、一方的なものではございませんし、こうしたものが不平等なものだという考え方は適切ではないというふうに思うわけでございます。 我が方がアメリカに対して容疑者の引き渡しを求めたかどうかというお尋ねでございますが、これは私から、総理の御指示もございまして、モンデール米大使に対しまして、日米地位協定にこう書いてあるけれども、できるだけ可及的速やかに容疑者の身柄を渡してほしいという話をいたしました。アメリカ側は、地位協定に書いてあるので、起訴されればできるだけ早くお渡しをしますと。そこで私の方からは、さらばこの取り調べが十分に円滑に効果的に進むように取り調べに十分な協力をしてもらいたいという要請をいたしまして、これについては米側は積極的に取り調べに協力をいたします、こういうやりとりがございました。 さらに、地位協定の定めについて、その運用の改善についてそれでは議論をしようではないかという私どもの提案に対して、アメリカも前向きにこれに応じて、現在専門家委員会で積極的に運用の改善方の議論をいたしているところでございます。
○聴濤弘君 今私が質問したこと以外に、はるかに多くのことをあなたは述べられました。NATOがそうだ、そのほかの国もそうだと。あなたがおっしゃったことは、一言で言えばみんなで渡れば怖くないという話をされているんですよ。ほかの国もみんなそうだと、そんなことを言って私たち納得するわけにいかない。 しかも、この犯人の引き渡しを要求したのは県警がやったのが一回ですよ。あなたの交渉は全然なってない。あなたのやったそのような、モンデールとその話をした、相手がこう言って起訴後にそれは引き渡すと言った、それで終わり、こんな交渉で相手が引き渡すわけはない。 私は次のことを申し上げたい。こういう事件はこれまで何回も起こっているんですよ。ところが、起こるたびにアメリカ側は日本に引き渡さない。一九七五年にも今回と同様幼い少女が暴行をされました。痛ましい事件だった。国会で我が党の沖縄選出の、今引退されておりますけれども瀬長亀次郎議員、首相御存じだと思いますが、国会で取り上げて大問題にした。どんな事件だったか説明してください。
○政府委員(折田正樹君) 委員御指摘のとおり、二十年前でございますが、昭和五十年四月十九日、沖縄県におきまして米兵による少女二名に対する暴行事件が発生いたしました。 この事件の被疑者につきましては、当初米軍当局側に拘禁されておりましたが、その後、被疑者は起訴され、身柄は日本側へ引き渡され、日本側において処罰されたと承知しております。
○聴濤弘君 この二名の少女の暴行事件というのは大変なもので、瀬長さんが調査したんですよ、その当時。それで、大きな石でいきなり頭を、十二歳と十四歳の少女です、それがいきなり頭を殴られて、頭から血が出る中、乱暴をされた。少女は必死になって逃げた。これは瀬長さんの調査です。アダンというとげのいっぱいっいた木の中を裸で必死になって逃げた。そのため少女の体にとげがいっぱい刺さり血だらけになった。そして民家にたどり着いた。本当にもうつらかったと思うんですね。どうしたのかと民家の人に尋ねられて、十二、三歳の少女でも暴行されたとは言えない、転んでけがをしたんだと初めに言ったそうですよ。本当にいじらしいじゃないですか。 このときでも犯人を日本側に引き渡さなかった。戦後五十年たっているんです、総理。この種の問題に今けじめをつけなければならないときであります。それにもかかわらず、村山内閣は、今答弁があったけれども、この事件での犯人の引き渡しの要求をしなかった。七五年のときは三木内閣でしたけれども、私、今沖縄開発庁長官に聞きたいんですが、当時のこの三木内閣のときの植木沖縄開発庁長官は閣議でどういうことを述べられたか、教えてください。
○国務大臣(高木正明君) お答えいたします。 大変古い、昭和五十年のときの話なものですから事務当局に説明をさせていただきたいと思います。
○政府委員(嘉手川勇君) お答え申し上げます。 ただいまの件は、昭和五十年四月二十五日の閣議におきまして当時の植木光教沖縄開発庁長官は、沖縄県金武村における米兵の二少女乱暴事件に関する犯人の身柄引き渡しについて次のような発言を行う旨の記録がございます。 すなわち、この事件は公務外で行われたことは明確であり、かつ少女に対する乱暴という極めて悪質な事件であるので、県民こぞって激しい抗議の感情をあらわしている。このような事件が円滑に処理されないと日米の友好関係にも重大な影響を与えるものと思われるので、この際、政府としては、地位協定の規定にかかわらず、速やかな犯人の身柄引き渡しが実現するよう強く要望されたいというものでございます。 御質問の件につきましては、閣議後の記者会見につきましては現在記録が残っておりませんので、ただいま申し上げましたような趣旨の新聞報道がなされているところでございます。
○聴濤弘君 地位協定のいかんにかかわらず強く犯人の引き渡しを要請したいと、こういうふうに閣議で言われた。この発言を受けて三木首相は、犯人の引き渡しを強く要請したいと外務大臣を初め各閣僚にこれを指示したと当時の新聞で大きく出ています。これぐらい大きく出ている。 これに比べて村山内閣がとった態度というのは明確だ。この前、九月二十七日、ニューヨークで日米安保協議会が行われて外相とそれから防衛庁長官が行かれたが、この問題、提起していないでしょう、犯人引き渡せと。それどころか逆にアメリカの軍事訓練費まで、これは日米地位協定に反するんです。アメリカの軍事訓練費を引き受ける、そういう新たな新特別協定に調印させられて帰ってきた。余りにも屈辱的だと思うんです。 村山内閣は社会党委員長を首班とする内閣です。私は三木自民党内閣よりも悪いと思いますね。オール与党、これがつくり出したものだと思います。 首相、何か言ってください。
○国務大臣(河野洋平君) 事実について私から申し上げたいと思います。 ニューヨークにおきます2プラス2の会合において、聴濤議員がおっしゃったことは事実に反しております。私と衛藤防衛庁長官、二人が出席をいたしました2プラス2におきましては、この問題は当然我々の話題といいますか、議論の対象になっております。米側からまことに真摯な陳謝の弁が述べられると同時に、ペリー国防長官から再びこうしたことが起きないために我々がなすべきことはこういうことであるということについて米側の立場、米側の考え方が述べられたことでもそれははっきりいたしております。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 聴濤委員にこの事実経過だけ正確にお伝え申し上げたいと思います。 九月二十七日のニューヨークにおける2プラス2、日米安全保障協議委員会の共同発表におきまして第五項目にわざわざそのことをうたいとげたわけであります。 ちょっと読み上げたいと思うんですが、 日米双方は、日米安全保障体制の円滑な運用を確保するにあたっての中心的要素は、一般国民の支持を得て、米国による日本国内における施設・区域の調和のとれた使用を継続することであると認めた。この文脈で、日米双方は、施設・区域の存在による地域社会への影響を最小限にとどめるため最善の努力を払う決意を新たにした。 日米双方は、沖縄の施設・区域を巡る情勢につき話し合い、三事案を可能な限り早期に解決するため精力的に協力していくことを誓約した。 日米双方は、最近起きた沖縄における深刻な事件を非難し、地位協定の下における刑事裁判手続きの運用に関する合同委員会の検討において協力して精力的に作業することを改めて確認した。米側代表は、最近のクリントン大統領とモンデール大使の発言に言及しつつ、この事件に対し深甚なる遺憾の意を改めて表明すると共に、この事件に関して日本側当局に全面的に協力し、再発防止のため最善を尽くすことを誓約した。 なお、この後記者会見で、ペリーまたクリストファー国務長官、特にペリー国防長官の方からこの事件について、沖縄のいわゆる米軍における軍人教育、さらには再発防止のためのプログラム、そして綱紀粛正、そういったことをシャリカシュビリ統合参謀本部議長、さらにはクルーラック海兵隊司令官に直接に表明したということをわざわざ記者会見で指示したわけでありますから、こういったことについては特に外務大臣の方からも強く、また防衛庁長官の方からもこれを提起して米側と折衝したということをはっきり申し上げておきます。
○聴濤弘君 共同発表文書を私は持っておりますよ、英文の。あなたが読み上げられたのを全部私は知っております。 それで、そこでは犯人の引き渡しというのは全然言われてないですよ。それから地位協定の見直し、全然言われてないですよ。それならそれでそういうものがここにはっきり書かれるべきであって、何も言われてない。こういうことを言ってごまかしちゃだめですよ。どこの新聞にあなた方があそこで犯人を要求したということが書いてあるか。そんなところはない。はっきりしている。 私は次の質問に……
○委員長(井上裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記を起こして。
○国務大臣(河野洋平君) 聴濤議員が御指摘になりました2プラス2の席上におきましても、私はそれ以前からモンデール在日米大使とやりとりをいたしました。十七条五項同の運用の改善を行うというために日米で努力をする。つまり、この運用の改善は、その運用を改善することによって容疑者の身柄を起訴前に引き渡してもらうということを目的とする運用の改善ということを提起しているわけでございます。
○委員長(井上裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記を起こして。
○国務大臣(河野洋平君) 改めてもう一度説明をさせていただきます。 今回の2プラス2はいろいろな目的を持っておりましたけれども、直前に起きました沖縄の少女暴行事件というものがこの2プラス2で大きな話題になったことは当然のことでございます。 先ほども申し上げましたが、私はニューヨークヘ参ります以前にモンデール大使とも話し合って、地位協定というものはあるけれども、この地位協定のもとで運用を改善することで、起訴前といえども身柄の引き渡しが可能になるのではないかと。したがって、運用の改善のために専門家委員会をつくろうではないか結構です、つくりましょうと、こういう前の議論があるわけです。 その議論を踏まえまして、2プラス2におきましても、私は米側に対して運用改善のための議論を進めたい、早急に結論を出してほしいということを申しました。このことは身柄引き渡しを目的としているわけでございますから、これはその身柄引き渡しを明示的に言ったとか言わないとかということが聴濤議員がごらんになった新聞に出ているかどうかということとは別に、2プラス2の中身においては今申し上げたような議論があったということだけはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○聴濤弘君 沖縄の今回の事件での犯人の引き渡しは要求されておりません、沖縄の犯人の引き渡し。運用の改善について、その一般論の中に入るという話だということは今伺いました。いいですか。先に行きます、いつまでもやっていても。 ところで、アメリカがこうやって引き渡さないのは、もう有名になりました地位協定十七条五項(c)項ですけれども、犯人の身柄引き渡しの基本は十七条五項同に定められているんです。どう書いてありますか。
○政府委員(林暘君) 十七条の五項(a)を読まさせていただきます。「日本国の当局及び合衆国の軍当局は、日本国の領域内における合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の逮捕及び前諸項の規定に従って裁判権を行使すべき当局へのそれらの者の引渡しについて、相互に援助しなければならない。」、以上が五項(a)でございます。
○聴濤弘君 今読み上げられたところ、これは日本に第一次裁判権がある者を、そういう犯罪者をアメリカが逮捕したら、それは日本に引き渡すよう援助しよう、反対の場合には反対にしよう、こういうことじゃないですか、今読み上げたのは。 ですから、これに基本が決められているんですよ。それで、この(a)項の実際の実施に当たってはいろんな障害があるし、日本で二つの裁判権が存在するということは、これは主権にかかわる重大な問題だけれども、しかしこの協定に則しても、引き渡しのためにお互いに援助しようということになっている。それなのに引き渡さないという(c)項は何で入ったんですか、起訴までは引き渡さないという。
○政府委員(林暘君) 今読み上げましたように、同項にはそういう「相互に援助しなければならない。」という規定があるわけでございますけれども、同項において、特に日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊のそういう被疑者の拘禁というものが、その身柄が合衆国の手中にあるときには、公訴が提起されるまでの間、その拘禁を合衆国が引き続き行うという(c)項を置きましたのは、(a)の特則ということで置いたわけでございます。(a)項の例外ということで(c)項が置かれているわけでございます。
○聴濤弘君 何で例外なんですか。
○政府委員(林暘君) そういう取り決めを、そういう決め方をしたわけでございまして、これは少しずつ規定の仕方が違うものがございますけれども、アメリカが各国と結んでおります地位協定その他におきましても同様に、この拘禁の継続というものが例えばNATOとの協定において同じような決め方をしてございますし、ボン協定とか米韓は若干違いますけれども、基本的にこういう決め方をしているということにのっとったものでございます。
○聴濤弘君 またNATOが決めているからこちらもそうだと、そんなの説明にならないんですよ。みんなで引き渡しましょうというのが(a)項でしょう、お互いに援助しましょうと。(c)項は起訴するまで引き渡しません。こっちは引き渡しましょう、こっちは引き渡しません、何でこんな矛盾したものが入ったのかという説明を求めているんです。
○政府委員(折田正樹君) 十七条五(c)でございますけれども、日本側が第一次の裁判権を有するものの、米側も第二次の裁判権を有する場合に、言ってみればその均衡を図るために、被疑者が米側の手中にあるときは我が方当局より公訴が提起されるまでの間、暫定的に米側が引き続き身柄の拘禁を行うという考え方でございます。 これは、対象となる事件について米側も第二次的な裁判権を有する場合でございますので、日本側が第一次裁判権を有しているとしても、仮に日本側の検察当局が不起訴処分なんかをするようなときにはそのまま米側が拘束できるということ、そういう考え方に基づきましてこの規定ができているわけでございます。
○聴濤弘君 だれかおわかりになりましたか。だれもわからぬと思うのです。せいぜい説明されていることは、パラレルに(a)はこうです、(c)はこうです、本当にパラレルに説明されているだけで、それもよくわからぬけれども、何で矛盾する規定が入ったのかというのは全然説明されてない。 時間のむだだから私から言いましょうか。 犯罪を犯した者でも米兵を保護したい、守りたい、このアメリカの要求に屈して入ったんですよ。これは当時アメリカの議会で、アメリカの青年が日本人に裁判をかけられるなどということは許せない、少なくとも身柄の拘禁は米側に広範な権限を残しておくべきだという議論がアメリカ側の議会にあった、これでもって入ったんです。そうじゃなかったら別の理由を説明してください。
○政府委員(林暘君) 先ほども答弁を申し上げましたとおり、裁判権が競合いたします前の調整について十七条というのは規定してあるわけでございますけれども、米軍の手中にある容疑者についてその拘禁を継続するという規定がございますのは、アメリカが各国と地位協定を結ぶ場合に、各国の法的制度というのはそれぞれいろいろ違います。そういう状況のもとにおいて、起訴が行われるまでの拘禁というものを、米軍の手中にもともと被疑者がある場合にはそれを継続するという規定を置いたわけでございまして、そういう法制度その他裁判に至ります前の取り調べその他についても制度が違いますものですから、そういうものを踏まえて調整を図ったというのがこの規定でございます。
○聴濤弘君 本当にわからない。 それで、あなた方が一九七三年四月に出した「日米地位協定の考え方」というマル秘の文書らしいんですが、あります。これは外務省が出したものです。その中に(c)項がなぜ入ったか、ちゃんと説明してあるんです。ただし、説明ができないと書いてある。なぜ入ったか。「もっぱら米国との政治的妥協の産物であり」と書いてある。括弧して「米議会において」と、私が今述べたようなことが書いてある。政治的な産物であり、「説得力ある説明は必ずしも容易ではない」と、ここまではっきり書いてある。少なくともあえて説明するならば、食事、寝具の、寝具というのはベッドだとかそういうものですね、の風俗の違い、習慣の違いから説明が可能かもしれないと書いてある。それから、捜査に支障がないという理由もあるかもしれない、可能かもしれないと、こんなことが書いてあるんですよ。どうですか、はっきりしているんじゃないですか。
○政府委員(林暘君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、その裁判権が競合する場合にどういう取り扱いをするかということをそれぞれの制度に基づいてそれぞれが調整した結果、十七条の五項という規定ができたわけでございまして、こういう被疑者が手中にある場合にそれを係属するというのは、先ほども申し上げましたように何も日本だけに設けられました規定ではございませんで、米軍が駐留しているその他の国々との関係においても同様の規定があるわけでございます。
○聴濤弘君 私が言ったとおりです。犯罪を犯した者であっても米兵を保護したい、守りたい、そのために入った理由だ。何ら反論もできないじゃないですか。総理、この五項(c)、こうやって入ったんです。これでどれだけ沖縄の県民が苦しめられてきたのか。沖縄だけじゃないんですよ。日米地位協定なんですが、全国どこでも米兵が犯罪を犯せばこれと同じことになるんです。事は日本国民の生命、財産、人権にかかわる根本問題であります。 このようなことで入った、こんな説明もできないようなことで入った十七条五項(c)、これはきっぱりと撤廃すべきじゃないんですか。今度は総理の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 何か先ほど来聞いていますと、何にもしなかったじゃないかという印象を与えるような発言というのは、私はやっぱり正確にきちっとお聞きいただきたいと思うんですよね。それはモンデール大使との会談の中でも、あるいは2プラス2の会談の中でも、言うべきことはきちっと言い、要求すべきことは要求しているということは、もうこれは間違いない事実ですからね。ただ、それができるかできぬかというのは、それは結果の問題ですからなにですけれども。 私が承知いたしておりますのは、そういう折衝もしておる過程の中で、アメリカの方からは、身柄は拘束される以前であっても取り調べについては時間の関係なしに協力します、こういう話になって、捜査上は別に困ることはありませんという話を聞いていますから、そういう努力が背景にあってそういう結果になったのだなと私は思っています。 今お話がございましたようなことについては、今専門家委員会で検討しておるわけですから、その検討結果を見守りながら、私は必要なものについてはこの際改善すべきことは改善をした方がいいというふうに思っていますし、改善すべきだというふうに考えておりますから、そういう専門家委員会の話し合いの経過も十分注目をしながら対応していきたいというふうに考えています。
○聴濤弘君 私が言ったことについてはお答えになっていないですよ。捜査の必要性とかという説明をされましたけれども、これはなかなか説得力がないというものの、こうやったら説明ができるかもしれないと書いてあるところのことをおっしゃっただけじゃないですか。こういう項目はきっぱりと撤廃すべきだということを私は強く主張したいと思います。 次に、公務中においても犯罪が行われる、この公務中の問題というのも大変大きな問題であります。この十年間、公務中にどれだけの犯罪が行われたのか、それを挙げてください。
○政府委員(則定衛君) お尋ねの十年間におきまして在日米軍関係者の事件として検察庁が受理しましたうち公務中の犯罪として処理されましたものは、道路交通法違反が八百八十名、自動車等によります業務上過失致死傷事件が百六十八名、その他が四名の計一千五十二件となっております。
○聴濤弘君 そのうち軍事裁判にかけられたのは何件で、懲戒処分になったのは何件ですか。
○政府委員(則定衛君) 日米地位協定の実施に伴います合意議事録等によりまして、米軍側が第一次裁判権を行使しその処分が決まったものにつきまして、そのうち日本国または日本国民に対して犯された罪について通知を行うということになっております。それによりますと、先ほどの十年間で軍事裁判を受けました者につきましてはゼロ、懲戒等処分を受けた者につきましては九十九名と承知しております。
○聴濤弘君 今のように一千数百件のうち裁判にかけたのはゼロ、あとは九十通ぐらいが懲戒処分。懲戒処分というのは裁判にはかけられない。圧倒的部分はきちっとしたことが行われない。そうやって懲戒処分だけで済まされている、実に多くの事件がこうやってあいまいにされているというのが公務中の事件のことであります。 公務中の事件で復帰以前のことでありますけれども、キャンプ・ハンセンの演習場でおばあさんが射殺された。犯人はイノシシと間違えた、こういって射殺してしまった。それでも日本の捜査権、裁判権は及ばなかった。復帰後も、今言ったように公務中と言えば事実上懲戒処分だけ、しかも極めてわずかな数しか懲戒処分にならない、これが今の現状ですよ。 一例だけ申しますけれども、一九七三年四月、ブルー・ビーチで七十二歳のおばあさんが戦車でひき殺された。骨がばらばらになってしまった。しかし、公務中ということでアメリカ側がすべて処理した。どういう裁判をしたのかこれも不明であります。 総理、こういう状況なんですよ。 日本共産党は、米軍の犯罪、基地被害を根本的に一掃するためには基地をなくす必要がある、そのために日米安保条約を破棄することが必要である、この立場に日本共産党は立っています。 しかし、同時に、緊急課題として、日米地位協定、なかんずく日本の捜査権、裁判権に至るまで主権の侵害がされている十七条の抜本的見直し、これに取り組むべきであり、総理は十一月の日米首脳会談でこれを取り上げなければならないと私は思います。首相の意見をお聞かせください。
○国務大臣(河野洋平君) 共産党の主張はかねてから日米安保条約廃棄という立場に立っておられます。しかしながら、現在、我が国の安全を守ろうと思えば、日米安保条約を廃棄してそれでは一体何で日本の安全を守るということを考えておられるのか、私には理解ができないわけでございます。 日米安保条約廃棄とおっしゃる共産党の主張と私どもの主張とはどうしても合致はいたしません。我々は、日米安保条約を堅持して、それによって日本の国の安全を守ろうと考えているわけでございます。 しかし、一方でもちろん、今幾つかの例を挙げられました米軍によってなされたもろもろの事件について、我々は全く痛ましく、悲しく、つらく、そして怒りを感ずることは当然でございます。しかし、その一方でぜひお考えをいただきたいと思いますことは、日本の国の安全のために現在でもアメリカから四万人の若い兵士が来て、日本の国を守るために懸命な努力、訓練その他を続けているということもまた理解しなければならないのではないかというふうに私は思うわけでございます。 来るべき日米首脳会談が東京で開かれることになっておりますが、その日米首脳会談におきましては、日米両国首脳がもろもろの問題について積極的かつ注意深く話し合われることになるというふうに考えておりまして、当然その首脳会談では総理が沖縄県民の心を反映される発言をなさるであろうということは私どもも考えているところでございます。
○聴濤弘君 日米安保があるから、基地があるからこういう犯罪、こういう基地被害が起こるんで、外相のようにその大もとはいいんだと言えば、いつまでたったって犯罪、基地被害はなくならない、このことは明確じゃないですか。 だから、少なくとも早くこれはなくしていきたいと言うのならまた話は別だけれども、日米安保を堅持する、しかも堅持するだけじゃなくて今度は一層強化する、こう言っている。十一月の日米首脳会談で安保の再定義をやるという。沖縄の県民が本当に怒っているのは、こうやってソ連が崩壊し安保が要らなくなったんじゃないか、そう思っているのに逆に安保を強化する。こんなことが行われ、犯罪が行われる、これに本当に怒っているんです。 今度の日米首脳会談で安保の再定義をやるというんですが、総理、どういうことをやろうとされているんですか。
○国務大臣(村山富市君) これは今お話がございましたように、もう前提が違いますからね、だからなかなか議論がかみ合わないわけですけれども。日米安全保障体制というものは、総合的に考えて日米の政治的な意味を含む、ここは大変大きいものがあると思うんですね。そして、もちろん世界全体を考えた場合に、地球的規模の戦争というものはもう起こり得ないだろうと思いますけれども、しかし地域の紛争の種というものはまだまだあるわけですから、したがって日本の安全保障のために日米安全保障条約が有効に活用されておるということはもう申し上げるまでもないし、これがまたアジア・太平洋全体の平和と安定のための一つのやっぱり機能と役割を果たしておるという面も私は否定し得ないものがあるというふうに思うんですね。 そういう前提に立って、これだけ国際情勢が変わった中で、今後の日米安保体制というものをどのように有効に活用していくことがいいのかということについては、アメリカはアメリカの立場の考え方があるでしょうし、日本には日本の立場の考え方がありますから、そういうことで率直な意見交換をしなきゃならぬというふうに思います。 とりわけ、今回起きた沖縄のこういう少女暴行事件といったような事件について、沖縄県民の皆さんの怒りやらあるいは悲しみやらあるいは不安やら、そうしたものについて率直にやっぱり話し合いをして、改善すべき点は改善をしてもらうという話をしなければならぬというふうに私は思っております。
○聴濤弘君 立場が違うと言われたけれども、安保破棄はついこの前、社会党も同じ態度だったということを言っておきたいと思いますね、首相の立場だったんです。ですから、立場が違うなどということでいいかげんな答弁してもらっちゃ困る。 私、時間がないから一つだけ質問いたしますけれども、今度の日米首脳会談で共同声明が出る。会談でいろいろな問題が議論される。 日本防衛以外の目的で自衛隊と米軍が地域的あるいは世界的規模で共同をするというようなことが、この共同声明あるいは会議でこの議題で含まれますかということだけ質問しておきます。
○国務大臣(河野洋平君) 共同声明の案文はまだできておりません。
○委員長(井上裕君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上裕君) 速記起こして。 時間でございますので。
○聴濤弘君 最後、最後。最後、一言です。
○委員長(井上裕君) 以上で聴濤君の質疑は終了いたしました。
○聴濤弘君 一言お願いします。
○委員長(井上裕君) 時間でございます。お時間でございます。
○聴濤弘君 引き続き追及することを私はここで宣言いたします。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、小島慶三君の質疑を行います。小島君。
○小島慶三君 私は、この機会をかりまして景気の先行き、見通し、この辺について少しお伺いをしたいと思います。 初めに、私はどうにもわからないことがあるんですけれども、今まで四年間何回も補正予算を組んだりということで景気対策をやってきたわけであります。しかし、五十三兆ほど四年間に使って、しかもその効果というのがほとんどなかったというのは一体どういうことなのだろうかというのが私のまず第一の疑問でございます。 これはあるいは不況の見通しといいますか、そういうものが非常に認識が甘かったのかもしれない。あるいは循環的な不況ということで非常に性質を軽く見られたのかもしれない。あるいはタイミングが間違ったのかもしれない。あるいは予算の効果はあったんだけれども、いろんなことが次々と起きてきてその効果を消してしまったのかもしれない。例えば冷害、例えば災害。それからあるいはもっと強烈だったのは円高いろいろあったのかもしれない。その辺のファクトファインディングといいますかこれをやっぱりきっちりしないとこれからの対策の場合にも非常に問題が起きるというふうに私は思っておるのでございます。 まず初めに企画庁長官に、これは大変なエキスパートでいらっしゃいますからその辺の分析をひとつお願いしたい。なぜ今まではきかなかったのかということです。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 これまで数次にわたる景気対策を行ってきたにもかかわらず景気の回復がはかばかしくない、それはなぜであるかというお尋ねだと思いますが、一つには、今回の景気の不況というものが従来の単なる循環的な要因だけではなくて構造的な問題、あるいはバブル経済の崩壊に伴います資産価格の低下によりましてこれまでと違って消費者やあるいは企業家が大変慎重になったということがございます。 これまで対策をやって公共投資効果がなかったではないかということなんですけれども、必ずしもそうではございません。例えば一九九二年度について見ますと、成長率わずか〇・三%でございますが、そのうちの公的資本形成と申しますか政府の公共投資が果たしました寄与度は一・二%になっております。同じく九三年度について見ますと、全体の成長率はマイナスの○・二%でございますが、政府の資本形成の寄与度は一・○%というふうになっておりまして大変大きいという問題がございます。 ただし、先ほど申しましたような構造的な問題その他を含めまして、こういう公的資本形成の拡大にもかかわらずそのことが民間需要にうまくつながらなかったという問題がございます。その上、御指摘のように一昨年は冷夏、長雨というようなこともございましたし、ことしに入ってからは震災というようなこともありまして、構造的な問題、循環的な問題、それに予期せざる社会的な条件というものが加わって景気の不振が今日まで至っているというふうに考えております。
○小島慶三君 いろいろ理由があったんだろうと思います。しかし、そういう経験を踏まえて今度組まれた予算、これは非常に大きいし画期的なものというふうに言われておりますが、それでは今度の予算で、これもやっぱり公共事業中心の予算だと思うんですけれども、今度の場合には大いに効果があるというのはなぜか、どうしてそういうことが言えるのかという問題が私はあると思うのであります。 景気の現状というものを見ますと、確かに消費も弱い、設備投資は若干盛り上がってきた、企業の経理は若干明るくなった。しかし生産はふえない、それから在庫はふえる。輸出、住宅、こういったものは横ばいである。こういった情勢を見ていますと、何かこれですっきりと景気がよくなる要素が一体どこにあるのかということが大変疑問になるわけであります。 もちろん、円安という大きな追い風がありますから、これである程度はいけるのかという気がしないでもありませんが、GNPの動きを見ますと、四-六はプラスニ・五であった、しかし七-九は恐らくそのぐらいがマイナスになるであろうと言われております。そうすると十-十二、この辺でよほど景気が持ち直さない限り、政府の目的としているところにはいかない。私は大体一%台というのが確保できる水準ではないかというふうに思っているんですけれども、これは恐らくいろいろ御判断があると思いますので、その辺、企画庁長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 このところの景気というのは大変足踏み状況が続いておりまして、その足踏みの状況は予想以上に深刻でございます。したがって、これから経済対策を実施するわけでございますが、政府が最初に予定しておりました経済成長率の目標、具体的には二・八%でございますが、御指摘のように大変厳しいものがあると思います。 特に、今回の対策は規模としても内容としても十分だとは思っておりますけれども、その効果が年度内にすべてあらわれるというわけではありません。その上、中期的な問題といたしまして、構造調整に対する処方せんもあるわけですが、そういうものの効果というのはかなり中期的に出てくるということでありまして、年度につきましては仰せのように政府の見通しは極めて厳しい状況にあると思われます。
○小島慶三君 私もそういうふうに思っております。 大体今度の予算と並行して本当は実施されるべき銀行の不良債権の処理、それから税制の問題、こういったものはワンセットになって処理されなければ、恐らく下期からの景気の上昇というのは期待できないんではないかというふうに私は思っております。だから、恐らくそういう点がこれから議論されていくんでありましょうが、その結果として、例えば一%なら一%というふうになった場合に、私は一%の意味というのを少し考えた方がいいというふうに思っているわけであります。 というのは、日本の中長期の成長率の可能性というのは、私は一%前後であるというふうに思っております。人口が減ります、技術の進歩率が低下します、空洞化がふえますといったようなことで大分成長率が落ち込む、そしてそういう形のままで経済を考えなきゃならぬという時期が来るのではないかというふうに思っております。今のように大きな目標を掲げて小さく実施できて、結果的には財政の赤字がふえるだけというのでは、僕はうまくないというふうに考えております。 そういう点で、ひとつ総理からその辺のかじ取りにつきましてどういうふうにお考えか。スモールガバメントというものが私どもの願いでありますが、その点とういうふうにお考えですか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど経済企画庁長官からも答弁がございましたように、三年連続してゼロ成長と。これはもう単なる循環的な不況ではなくて、やはり日本経済の持っておる構造的な問題等々の改革を進めていく必要がある。 とりわけ、今お話もございましたように、銀行の不良資産の問題とか、あるいは税制改革の問題とかいうようなものも兼ね合わせて総合的に手を打っていくということも大事なことだと思いますけれども、それは可能な限り早期にそういう解決が目指せるような今作業も進めておりますから、それとかみ合わせて、切れ目のないやっぱり景気対策というものを必要に応じてしっかり推し進めていくということが何よりも大事なことだというふうに考えて、全力を挙げて取り組む決意であります。
○小島慶三君 終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で小島君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋君。
○島袋宗康君 今回の沖縄における少女暴行事件に関しまして、衆議院、そして本日から参議院の予算委員会が始まる中で、各委員から沖縄のこの暴行事件についてそれぞれの意見がございました。 私の所属する沖縄社会大衆党はこの事件が起こってからいち早く現地の総領事館に抗議に参りました。そのときに、九月十四日でありましたけれども、もう既にアメリカ大使館と外務省とで地位協定の見直しを行う必要はないんだというふうな回答を得ましたので、これは大変なことになったということで、私はいち早く外務省それからアメリカ大使館に地位協定の見直しは絶対に必要であるということを申し上げるために抗議と要請に伺ったわけでありますけれども、その時点では外務省は地位協定の見直しさえ必要はないんだと非常に消極的な立場をとっていたわけです。 ところが、やはり県民の大きな怒りによって、非常に県民は今燃えに燃えて抗議集会をあちこちで開いて、そして二十一日に大抗議集会を開くというふうなことは復帰以来初めてのことでありますから、そういったことを踏まえて考えていくならば、当然地位協定の抜本的な改正というものは必要であるというふうに私は認識しております。さっきから聞いておりますと、単なるいわゆる運用の改善をするというだけの答弁を言われておりますけれども、このことについて非常に不満であり、また県民の立場からは絶対に許せるものではないというふうに私は思っておりますけれども、外務大臣の御見解をお願いします。
○国務大臣(河野洋平君) 今回の事件はまことに痛ましい事件でございまして、沖縄県民の皆様方の心情を考えるときに、私どもとしてもまことに問題を重く受けとめなければならないというふうに思っております。 この問題をどう処理するかということについて、できるだけ早くこの問題が、犯人がはっきりとして、そうして厳正な処分を受けるということが一つ重要なこと、それからもう一つは再発が防止される、こうしたことが再びないようにしなければならないこと、この二つがまずこの事件については最も重要なことではないかというふうに考えたわけでございます。 したがいまして、私どもは犯人と申しますか容疑者と申しますかの身柄の引き渡しというものが十七条五項同で起訴まではできないということであるならば、できるだけ早く運用の改善を行うことによってそれが実現できないだろうかということも考えたわけでございますが、現実にはそうした専門家委員会の作業がまだ終わらないうちに実は三人の被疑者が起訴をされて、身柄は既に引き渡されているということでございます。 しかしながら、我々としては専門家委員会をさらに続けて、こうした問題がきちんと将来ともに処理されるように改善をしていきたいと今は考えているところでございます。 また、再発防止のために米軍が行っておりますさまざまな事柄については、先ほど申し上げましたのでここで繰り返しませんが、アメリカ側としても大きなショックを受けて、こうしたことが二度と起きないようにできる限りの措置をとるということを言明され、現在その措置が行われていると承知をいたしております。
○島袋宗康君 改善を図っていくというふうな点では今協議中であるということで、それは理解しますけれども、しかし報道によりますと、そういう改善の形での今の地位協定見直しだけでは、これは県民は許しがたいというふうなことは認識しておいていただきたいというふうに思います。 そこで、事の重大さにかんがみて、私は、国会議員、沖縄県選出は七名おりますけれども、七名の議員の方々の署名をもらって外務大臣にお伺いいたしましたけれども、その時点でいわゆる一政治家として沖縄の基地が過重である、だからその基地の整理縮小は当然なされるべきであるというふうな意味の発言をなさっておりました。 それは、今でもそういった議論で、いわゆる具体的にどのような米軍施設はあるのかというふうなことでいろんなところで聞いてみますと、整理縮小については二十三事案と三事案というものがあると。それはもうほとんど今折衝中であるというふうな、あるいは合意に達していると言いながら現在まで余り進んでいない。そのことについて、これは防衛庁長官にお伺いしたいんですけれども、もしこの二十三事案と三事案が解決されて、沖縄の米軍基地は何%ぐらい減るんですか。そして、本土に比べてどの程度のいわゆるパーセンテージになるかその辺を御説明願いたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 島袋委員にお答えいたします。 今、委員御指摘の件でありますが、二十三事案プラス三事案等すべてが返還された場合、沖縄の基地の面積がおおむね九%から一〇%程度削減されるのではないか、このように思います。よろしいでしょうか。
○島袋宗康君 まだ少ないんじゃないの。
○国務大臣(衛藤征士郎君) それから、全国の施設・区域面積に対する割合でございますが、平成七年九月三十日現在では沖縄県には米軍施設は七五%、すべて委員御指摘のように返還されたと仮定した場合、七三%になります。 以上であります。
○島袋宗康君 このように三事案と二十三事案が全面的に撤去されても、なおかつ本土に比べて七三%ですか、こういうふうな膨大な基地を今抱えているわけですよ。だから、二十三事案と三事案解決しても沖縄の整理縮小はならないということだけははっきり申し上げておきます。 私は、ここに昨日の新聞を持ってまいりましたけれども、これは米軍基地を受け入れるという表明をハワイの州知事が沖縄県知事に申し入れております。沖縄における米軍基地が過重であれば、その軍事基地はハワイに移転してもいいというような内容の新聞でございます。これはトップ記事ですよ。同じようにもう一つの新聞にもこのように書かれております。 このように、いわゆる沖縄の基地というものがもう世界的に大変に過重であるということは御承知のとおりであります。そういった意味におきまして、いわゆる海兵隊がおりますけれども、この海兵隊はアメリカ本国ニカ所のほか、外国では沖縄だけしか配備されていないわけですね。数々の凶悪事件を引き起こし、膨大な訓練基地を必要とするのはほかならぬ海兵隊であります。政府は早急にこの問題に前向きに対応すべきだと思いますけれども、総理、この海兵隊そのものをここにはっきりと受け入れるというふうな体制がハワイにあるわけですから、海兵隊といわずに何らかの形で沖縄の基地の整理縮小というものを、本当に沖縄県知事大田さんが納得のいくような整理縮小を図ってほしい。 そのためには、総理大臣としてこの問題をどうお考えですか。これだけ質問しておきます。
○国務大臣(河野洋平君) ハワイ州知事の発言が新聞に出たということについての御質問でございますので、私からお答えを申し上げたいと思います。 沖縄で大変御迷惑なことになっておりますことではありますが、日米安保条約の条約上、米軍が日本に駐留をいたしましてその機能を果たすということに必要なだけの人員、部隊が日本に来ているわけでございまして、これは多過ぎるからハワイでお引き受けしましょう、どうぞお願いしますといったぐいの話とは違うわけでございまして、これはぜひ日米安保条約によりまして、日米双方がいかにどれだけの量の部隊、そしてその部隊が十分にその機能を発揮するために必要なもろもろのものを日本側が提供するかという……
○島袋宗康君 沖縄の基地の整理縮小はどのように、こういう立場において世界的にもう過重であるということを証明しておりますから、今後どうされるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと聞いていただきたいと思いますが、私どもが申し上げておりますことは、日米安保条約上必要な部隊、必要なものが今、日本にあるのであって、不必要に多過ぎるからどこかよそに持っていってよろしいというものがあるわけではないというふうに私は理解をいたしております。 今の新聞記事をもとにしてのお尋ねでは、これ以上その内容等についてお答えをすることができません。
○委員長(井上裕君) 以上で島袋君の質疑は終了いたしました。 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十二分散会 ―――――・―――――